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09月06日-03号

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  1. 伊那市議会 2018-09-06
    09月06日-03号


    取得元: 伊那市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-08
    平成30年  9月 定例会              平成30年9月            伊那市議会定例会会議録               (5-2)1.開会  平成30年9月6日(木曜日)午前9時30分---------------------------------------2.出席議員の氏名(21名)          1番     池上直彦          2番     小林眞由美          3番     田畑正敏          4番     馬場 毅          5番     原 一馬          6番     松澤 嘉          7番     三澤俊明          8番     宮原英幸          9番     白鳥敏明         10番     二瓶裕史         11番     野口輝雄         12番     唐澤千明         13番     唐澤 稔         14番     宮島良夫         15番     飯島 進         16番     飯島光豊         17番     黒河内 浩         18番     柴 満喜夫         19番     前田久子         20番     柳川広美         21番     飯島尚幸---------------------------------------  欠席議員の氏名                 なし---------------------------------------3.説明のため出席した者の職氏名       市長          白鳥 孝       副市長         林 俊宏       教育長         笠原千俊       総務部長        城取 誠       企画部長        飯島 智       市民生活部長      伊藤博徳       保健福祉部長      廣瀬宗保       農林部長        富山裕一       農林部参事       平山和徳       商工観光部長      竹村和弘       建設部長        伊藤 徹       建設部参事       山中 巌       水道部長        守屋敏彦       教育次長        馬場文教       会計管理者       有賀明広       高遠町総合支所長    山崎大行       長谷総合支所長     有賀賢治       総務部参事       山口俊樹---------------------------------------4.職務のため出席した事務局職員       事務局長        春日 武       次長          松澤美保       議事調査係長      大木島和道       主査          宮島真美       主査          久保田政志---------------------------------------5.議事日程   日程第1 会議録署名議員の指名について   日程第2 一般行政に対する質問について--------------------------------------- △開議 午前9時30分 ○議長(黒河内浩君) おはようございます。台風21号に続いて、今朝方北海道で大きな地震がありました。詳細な内容はまだはっきりしてきませんけれど、被災された皆様には、まずは伊那市議会としても御見舞いを申し上げたいと思います。 それではこれより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お配りしてあります議事日程表によって議事を進めてまいります。---------------------------------------会議録署名議員の指名について --------------------------------------- ○議長(黒河内浩君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。本日の会議録署名議員は9番、白鳥敏明議員、10番、二瓶裕史議員を指名いたします。--------------------------------------- △一般行政に対する質問について --------------------------------------- ○議長(黒河内浩君) 日程第2、昨日に引き続き一般行政に対する質問を継続いたします。 飯島進議員の質問に入ります。 なお飯島進議員は一括方式での一般質問となりますので、質問時間に制限はありませんが、発言回数は5回までとなります。 15番、飯島進議員。     (15番 飯島進君登壇) ◆15番(飯島進君) 皆さんおはようございます。2日目のトップを務めます15番、飯島進です。朝一番でありますので、爽やかにそして元気に始めたいと思います。 なお、今回は戸草ダム早期建設をとテーマを一つに絞りましたので、一括質問の方式で行いますのでよろしくお願いします。 想定をはるかに上回る雨量で、200人を超える犠牲者と西日本の広範囲にわたり災害のつめ跡を残し、多くの人が被災した7月の西日本豪雨災害、そして今回の台風21号も日本列島に多くの被害をもたらしました。また、本日未明には、北海道で震度6強の地震が発生しました。被害の全容はわかりませんが、犠牲となられた皆様の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災された多くの皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。被災地の一日も早い復興を心より願っております。 世界各地からさまざまな異常気象、異常現象が連日のように報道されています。この地球規模の異常気象は間違いなく地球温暖化が原因であろうと思われます。アメリカや中国などの大国は、経済活動を優先するのではなく、率先してこの地球温暖化対策に早急に取り組むべきで、このまま放置しておけば地球が破滅してしまうのではないかと危惧しています。 異常気象が当たり前となっている昨今、西日本豪雨のような雨がこの伊那の地にいつ降ってきてもおかしくはありません。その心構えと万全な準備をしておくことはとても大事なことと思います。 今回の西日本豪雨災害の報道の中で、とても気になる報道がありました。それは、想定外の雨量で、ダムへの流入量がふえ、ダムの決壊を避けるために流入量と同量の放流を行い、それが直接的な原因かわかりませんが、下流域で氾濫が起き、犠牲者が出たことであります。ダムの放流は適切だったのかとか、なぜ人を守るダムが命を奪ったかといった、ダムに関する報道がされていました。 読売新聞には、「今回の西日本豪雨で愛媛県肱川の野村ダムなど6府県の8ダムの水量が、当時満杯に近づき、流入量と同規模の量を緊急的に放流する、異常洪水時防災操作が行われたことが、国土交通省への取材でわかった。一部の下流域では浸水被害も起き、ダムの許容量を超える深刻な豪雨であったことが改めて裏づけられた。異常洪水時防災操作が行われた野村ダムの下流域の愛媛県西予市では、氾濫による浸水被害で5人が死亡。」と報道しています。 また、産経新聞には、「愛媛県西予市の肱川が氾濫し、逃げおくれたとみられる人達が犠牲になった。上流のダムが豪雨で満杯となり、放流量を急増させたことが原因の一つとみられるが、住民には十分に放流情報が届かなかった。ダムの管理者は大雨などでダムの水位が上昇し、貯水能力を超えそうな場合には、放流量をふやして調整する。それによって下流河川の流れに大きな変化が生じるときには、上昇する水位の見込みなどを関係自治体や住民らに周知しなければならない。ただ、どの程度の推移変化があるときに周知するのかとか、周知のタイミングに統一基準はなく、各ダムの管理者が決めている。今回、西予市の野村ダムでは、7日未明に貯水能力の8割以上に達したため、午前6時20分にダムへの流入量と同量を放流する緊急放流を開始、放流量はそれまでの数倍に急増し、数十分後に肱川が氾濫した。」とあります。 また、倉敷市真備町の高梁川の氾濫も、ダムからの放流が後押しになったと言われています。高梁市の防災責任者は、ダム側に「これ以上流すと氾濫するからもう放流しないでくれ、頼むからやめてくれ。」などと放流をやめるように要請、ダム側からは「放流しなければダムが決壊する。そうなればもっと甚大な被害が出るから無理です。」、そんな会話があったと報道されていました。住民の中にはダムの放流を知らずに、巻き込まれた方もいたと報道されていました。ダムを管理する国土交通省四国地方整備局の担当者の記者会見では、「下流域での被害は予想されていたが、想定外の雨量で放流はやむを得なかった。住民への周知については、適切だった。」と説明していました。 今回の被害を教訓にすべく、伊那市について見てみますと、伊那市には美和ダムと高遠ダムの二つの大きなダムがあります。そこで、二つのダムについて調べてみました。 美和ダムには洪水調整、かんがい、水力発電を目的とする国土交通省直轄多目的ダム特定多目的ダム)であります。高遠ダムは、かんがいと水力発電を目的とする長野県企業局管轄の多目的ダムであります。ただし、高遠ダムは洪水調整機能がないため、補助多目的ダムには該当していません。この高遠ダムに洪水調整機能がないことが気になり、ダム管理事務所を訪ね、話を伺ってきました。そして、美和ダム下流にある山室川の水量にもよりますが、高遠ダムは基本的に美和ダムの放流量を下流に放流するということの再確認ができました。 そこで市長にお尋ねいたします。美和ダム、高遠ダム、この二つのダムの上流域は流域面積が特に広く、今回の西日本豪雨に匹敵する雨量が降れば、大きな災害を引き起こす危険があります。天から降る雨量は調整できませんが、ダムの放流による洪水調整は人間の工夫で何とかなる問題だと私は思っています。 過日、伊那市自主防災組織連絡会設立総会が開かれたとお聞きします。市の防災担当、危機管理課と美和ダムを管理する中部地方整備局、高遠ダムを管理する県企業局との相互連携はとれているのか、また、放流に関する住民周知の方法については、どのようになっているのか、その実態についてお尋ねいたします。 次の質問ですが、美和ダム、高遠ダムの歴史を調べていくと、三峰川そして天竜川のたび重なる水害に対する治水対策と、伊那地域の干ばつによる深刻な水不足に対処するための農業用水確保、そして水力発電といった利水対策などの多目的ダムを目指した歴史が見えてきます。美和ダムは、国直轄事業第1次三峰川総合開発事業として、昭和27年から動き出し、工事は昭和28年8月に着手しています。昭和32年12月25日に試験潅水を開始し、昭和34年12月1日に完成し、来年60年目を迎えます。なお、昭和32年に特定多目的ダム法が施行され、美和ダムは国土交通省直轄ダムとしては最初の特定多目的ダムになっています。 一方、高遠ダムは美和ダムと同時期に長野県が建設を計画したものであります。美和ダムと同時進行で建設が進められた高遠ダムは、昭和33年に美和ダムより一足早く完成し、ことしが還暦、60年目を迎えています。美和ダムには、余り知られていませんが、しかし、忘れてはならない逸話があります。 その一つが、ダム建設に伴う移転補償の問題で、長谷地域が大混乱したという話であります。美和ダムの建設により、水没地域となる長谷村の102世帯、104戸は、ダム建設に対し猛烈な反対運動を繰り広げたそうです。美和ダムの場合は、水没する地域の移転問題のみならず、家屋が水没しない残存世帯に対する補償問題、残存生活者保障が存在していました。それは、ダムの左岸が急傾斜であるのに対し、右岸は河岸段丘となっており、耕作が営まれていた場所で、そこには水田67.7ヘクタールと畑34.5ヘクタールがあり、それらが水没することになる。特に水田については、長谷村全村にある水田150ヘクタールのうち約半分を占める面積が水没することから、元来、水田耕作面積の少ない長谷村においては、農業に深刻な影響を及ぼすものであったそうです。また、家屋こそ水没から免れたものの、水田が水没し生活が成り立たなくなるとする農家も反対運動に加わり、補償交渉は3年間にわたる長期なものとなりました。そして、補償交渉は昭和31年に妥結。水没地区の住民は泣く泣く移住先を探し、その多くは伊那市東春近に移住したそうであります。 完成した美和ダムは、伊那市の三峰川左右両岸の河岸段丘、扇状地にある竜東地区のほぼ全域の農地2,512ヘクタールに対し、毎秒9.83立方メートルの慣行水利権分の用水補給を行っています。この用水補給によって、昭和33年の干ばつで、長野県内で8,500ヘクタールが水不足による被害を受けましたが、美和ダムの補給区域である竜東地区一体は、被害を免れたという実績があります。 また、洪水調整としては、昭和36年の三六災害や、昭和57年、58年の災害、最近では平成18年の梅雨前線豪雨の際にもその機能を十分に発揮し、下流域の災害を最小限にとどめる働きをしてきました。 新伊那市は、今さら言うまでもなく三峰川の縁で結ばれており、川の流れのように旧長谷村、旧高遠町、旧伊那市が合併し誕生した新たな市であります。そこで市長にお尋ねいたします。美和ダム、高遠ダムの建設は、「信濃の国」にうたわれている伊那平にミネラル豊富な水を供給し、そのおかげで田畑は潤い、豊かな農村風景をつくり出しました。そして、ダムの洪水調整機能は、たび重なる豪雨による災害を最小限に抑えてきた歴史があります。ダムの建設には先祖伝来の土地や家屋を泣く泣く手放し、追われるように移転を余儀なくされ、湖底に沈んだ集落があります。そんなダムの歴史を考えたとき、ダム下流域の住民は、上流域の住民に感謝をし、上流域の住民は下流域の住民を思いやる、この思いやりと感謝の相互理解がダムを考えるときに必要と思いますが、市長のお考えについてお尋ねいたします。 3点目の質問です。市長は常々、三峰川は土砂の生産量が日本トップレベルだと言っています。事実、三峰川はその流域の大半が山岳地帯で、糸魚川静岡構造線沿いにあって激しい土砂崩落地帯でもあります。加えて年間降水量は1,800ミリから2,200ミリという多雨地帯であります。大雨の際には、多量の土砂を含む濁流が三峰川のみならず合流先の天竜川に達し、歴史的な水害をもたらしてきました。 たび重なる洪水は、崩落の激しい三峰川上流部の土砂を美和ダムに流入させ、深刻な堆砂をもたらしました。美和ダム建設後の大きな問題は、この多量の土砂流入による堆砂問題であります。土砂がたまれば、ダムの貯水量が十分確保できず、治水としてのダム機能が低下します。このため、ダムを掘削し貯水量を確保するための美和ダム再開発事業が、昭和56年に発表されました。一昔前、美和ダムにたまった土砂搬出のための、おびただしい数のダンプカーが三峰川堤防を行き来していた姿を思い出します。 一方、天竜川水系におけるたび重なる豪雨災害を受け、さらなる治水対策が求められ、三峰川上流部に新たに高さ140メートルの巨大な特定多目的ダム建設事業、つまり戸草ダム建設が昭和59年より事業着手し動き出しました。この二つの事業は、平成元年に統合され、第2次三峰川総合開発事業としてスタートしています。 そこでまず、第2次三峰川総合開発事業の一つ、堆砂対策について見ていきたいと思います。ダムに流入する土砂と、ダムにたまった土砂の搬出作業は、いたちごっこで際限のない状態でありました。そのため、平成元年からはダム機能強化を目的に、美和ダム再開発事業が実施され、恒久堆砂対策として排砂バイパストンネル及び分派堰が建設されました。恒久堆砂対策といっても、流入する土砂が減るわけではありません。そこで市長にお尋ねいたします。 美和ダムの上流域では、砂防堰堤の建設工事が行われています。砂防堰堤は、美和ダム上流域に住む住民の安心・安全のための洪水対策として、また、美和ダムの堆砂対策としても重要と考えます。砂防堰堤の建設は引き続き必要な事業で、さらなる充実を期待したいところであります。市長のお考えについてお尋ねいたします。 4点目の質問になります。戸草ダムの問題であります。三峰川には昭和34年に美和ダムが、その前年に高遠ダムが完成しました。しかし、ダム完成後も天竜川水系では水害が続発し、先ほども述べましたが三六災害や、昭和57年、58年と連年で大水害が発生しました。このため、建設省、現在の国土交通省中部地方整備局は、天竜川の治水計画を再検討し、ダムによる洪水調整を図ることとして、昭和62年に戸草ダム建設が計画され、昭和63年に事業着手しています。今から30年前の話であります。 その後、美和ダム再開発とセットで、第2次三峰川総合開発事業として計画は充実していきました。計画された戸草ダムの総貯水量は美和ダムの倍近くになり、完成すれば天竜川水系では屈指の大きなダムとなるものであります。地権者への説明、用地買収、ダム建設で水没する平瀬地区4戸の移転も完了し、いよいよ本格工事と思われたやさきの平成13年、当時の田中康夫前知事が脱ダム宣言をし、計画されていた戸草ダムの工業用水、発電の利水事業から県が撤退することを発表しました。そして、平成20年6月、国交省中部地方整備局戸草ダム計画を、天竜川水系河川整備計画から外す方針を示しました。 これに対して地元、三峰川流域である伊那市では、突然の中止発表に戸惑いや反発の声が上がり、三峰川上流域の治水を万全にしてほしいとして、ダム事業中止の撤回を求めてきた経緯があります。 美和ダムより下流に住む人は、美和ダムより上流に住む人がダム完成後も大雨が降るたびに水害に脅かされている事実を知らないと思います。今回の西日本豪雨と同じように、美和ダムが流入量と同量の放流を行えば、高遠ダムは洪水調整機能がありませんから、美和ダムと同量の放流を行います。釜口水門からの洪水調整も効かなくなれば、天竜川、三峰川の合流する伊那市がどうなるのか、想像しただけでもおそろしくなります。 そこで以下、2点についてお尋ねいたします。 まず第1点目は、美和ダムの上流域に住む住民の安心安全のためにも、また下流域の住民の安心安全のためにも、事業が途中で中断している治水を目的とした戸草ダム建設は絶対に必要と考えますが、市長のお考えについてお尋ねいたします。 そして2点目ですが、平成21年7月に策定された天竜川水系河川整備計画では、「戸草ダムについては今後の社会経済情勢等の変化に合わせ、建設実施時期を検討する。」となっています。この文言について、基本的には中止で、ただ中止という結論を先送りしているだけだと解釈する方もいます。そこで市長にお尋ねいたします。戸草ダムは、事業着手からちょうど30年が経過しました。この間、その時代背景や時の知事の脱ダム宣言などで、地元は振り回され今日を迎えています。本来であれば、この戸草ダムは平成25年、つまり5年前に完成していたはずのダムであります。昨年9月議会の竹中議員の一般質問に対し、市長は「三峰川総合開発事業促進期成同盟会の事務局を、上伊那広域連合から市に移管する。」と明らかにしました。その上で、事務局体制を改めて整えることで、三峰川上流域戸草ダム建設計画に対して、早期に建設が図られるように国・県への要望活動など、取り組みを強化していくとしています。 また、答弁の中で市長は、「戸草ダムは進行中。当初は多目的ダムとして計画されたが、現在も治水の単目的として存在している。」と繰り返し強調しています。あれから一年が経ちました。市長のお考えに変わりはないのか、確認の意味でお尋ねいたします。 続けてお尋ねいたします。戸草ダムの建設計画が時代の変化とともに迷走してきたように、地元住民も時代の変化に翻弄されてきました。「戸草ダムをつくるの」「利水から撤退するの」「事業を見直すの」と、時代の変化とともに揺れ動いてきた戸草ダム建設計画ですが、それ以降に日本中を震撼させる出来事が起きました。2011年3月11日に発生した東日本大震災であります。東日本大震災は津波などで東北を中心に未曽有の被害を出し、東京電力福島第一原子力発電所放射能漏れ事故はいまだに収拾がついていません。 そこで市長にお尋ねいたします。東日本大震災以降、脱原発、再生可能な自然エネルギーへの関心は高まり、再び今、水力発電が見直されてきています。小水力発電所もできてきています。事実、県企業局では一旦、発電事業から撤退しそうな時期もありましたが、時代の変化とともにここに来て高遠さくら発電所建設など、再び水力発電の見直しを始めています。 8月20日付の長野日報1面に、「箕輪ダム、水力発電建設に着手」との記事がありました。東日本大震災は、天竜川水系河川整備計画の中にうたわれている「今後の社会経済情勢等の変化に合わせ、建設実施時期を検討する」という中の社会情勢の変化に十分該当すると思います。戸草ダム建設計画は、今の時代が求めている事業だと思います。この時代背景に基づき、治水としてのダム建設はもちろんのこと、県が一旦撤退を発表した水力発電を含めた多目的ダムを復活させ、戸草ダム建設を一層推し進めるべきと思いますが、市長のお考えについてお尋ねいたします。 以上、6点について一括して質問いたしました。とりあえず、この場での質問は以上であります。なお、答弁の内容によっては再質問を行いたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 一括方式ということで、お答えをさせていただきます。 まず問1、最初の御質問でありますが、伊那市の防災担当者とダム関係団体との相互連携、それから住民への周知方法についての御質問がありました。現状のルールについて、これにつきましては担当のほうからお話をさせてもらいますが、考え方としましては、ダムの上流域と下流域との相互理解、このとこについては美和ダムの建設に当たりましては、当時の村を二分する反対運動が起こって、補償ほか大変難航したという話は、私もよく承知をしております。とはいえ、美和ダムができたことによって、下流域の方は恩恵を受けたわけであります。今でも受けております。洪水に合わない、また安心をして農業ができる、おいしいお米ができる、そうしたことで私も何人かの下流の方からも話を昔から聞いているのですが、美和ダムに対して足を向けては寝てはいけないというようなことも言われてきたということも聞いております。そのぐらい美和ダム、あるいは上流域の方に対しての感謝の気持ちがあるということだと思います。特に先祖伝来の土地、あるいは家を下流域の農地のかんがい、あるいは防災のために提供したという、また住みなれた土地を離れたくなかったのに離れざるを得なかった方々、伊那市だけではなくて松本とか愛知県とか、いろいろなところに分散をしていっているはずです。下流域の住民の皆様に美和ダムの歴史、あるいは効果、必要性、こうしたことを改めて知ってもらうことは、私はとても必要なことだというふうに思います。 三峰川総合開発事業促進期成同盟会につきましては、下流の市町村長にも会員として入っていただいております。で、効果あるいは必要性については一定の理解はしていただいているとは思いますけれども、三峰川の氾濫が天竜川の暴れ天竜に直結しているという実態から見たときに、飯田下伊那地区の過去の大きな氾濫というものを知っている方がだんだん減ってきているという中でも、改めてこのダムの効用、あるいは美和ダム、高遠ダムの存在ということの理解を知ってもらう、理解をしていただくということは必要であろうかというふうに思います。 それと、砂防堰堤の御質問がありました。先ほど申しましたように、天竜川の最大支流が三峰川であるということと、三峰川の土砂生産というのは全国のトップレベルということで、年間20万立米を生産しているというふうに言われております。その背景には、先ほど話がありましたように、中央構造線だとかあるいは戸台構造線、仏像構造線等を縦貫をしてくる非常に脆弱な地質を流れてくる三峰川の特性でありまして、やっぱり崩落しやすい地域を流れ下って土砂生産につながっているということであります。したがいまして、三峰川上流域の治水対策というのは、伊那市民を初め飯田・下伊那地域の下流域の住民の皆様の安心安全の確保、担保する上においても重要な課題であるという認識であります。 特に美和ダムの目的、多目的から単目的というような時期でありますけれども、私ども盛んに要望活動をさせてもらいました。というのは、ダムがまだできていない段階で、三峰川の治水を担保するためには、どうしても砂防堰堤の建設、あるいは湛水といいますか満杯になっている堰堤の土砂を除くとかですね、そうした事業を進めてほしいということで、再三国の方に要望活動を行って、今現在約20カ所の砂防堰堤とか治山工事ほかが国の事業で行われております。で、直轄事業、直轄砂防が実施をされているということ、これは引き続いて砂防堰堤を初めとした砂防対策の推進を要望していく、ダムができるまではこの要望活動をしていかないと安心できないということになるわけであります。 また一方では、国土交通省だけではなくて、森林管理所、林野庁のほうにも話を持っていっております。中部森林管理局、南信森林管理所、こちらのほうには治山・森林整備も大変重要な課題であります。砂防堰堤とかだけではなくて、やはり森もきちんとした健全な森をつくっていかなければいけないということで、森林整備についても要望をしておりますし、今後も引き続いて要望していく予定であります。 それから、問4でありますが、問4の戸草ダムの建設についてということであります。この美和ダム上流域においては、昭和34年の美和ダムの建設以降、昭和36年の三六災、これが大変大きな災害として記録されております。そのほかにも昭和57年、58年、平成18年の災害ということで、何年かに一遍は大変大きな災害がこの地域を襲ってきているということでありまして、この最近でも平成30年の西日本豪雨、それから29年の九州北部豪雨、この中でも流木に起因する災害が多発をしております。これは何かといいますと、成長し切った森林が手が入っていないと、成長をし切って伐期に入っている森林が活用されないまま存在しているところに、予想以上の水分が含まれたときに深層崩壊を含めて土砂崩落が始まる、それが河川を流れ下ってくるときに、そこにあった森林、木、樹木を巻き込んで、その樹木がその土石流の最先端を走りますので、それによって被害が倍増するどころか、倍加するということで、これが最近の研究でも流木、流れ木が及ぼす影響というのは極めて危険だということでありまして、森林とやはり河川管理というのをセットにしていかなければいけないということを言われております。 私も記憶しているのは昭和57年、58年の2年続けて起きた災害でありますが、このときにも流れ木がありました。三峰川上流域から巨大な樹木を巻き込んで流れ下ってきて、これが実は美和ダムでとまりました。美和ダムが全てをとめて下流に流さなかったということを、実態を見ております。このときには、美和ダムが全て湖面がなくなってしまって、流木だけで埋まって、極端な言い方をしますと、木を渡っていくと対岸まで行けたというぐらいの状況でありました。その処理にも大変な時間がかかったわけでありますが、もし、もし美和ダムがなければ、あの流木が下流域に行って、調整機能のない高遠ダムを超えていったときに、どんなに大きな災害になったかということは、想像にかたくないというふうに思っております。 そうした意味においても、最近ではスリット堰堤をつくることによって、流木、流れ木をとめるという技術もだんだんにできてはおりますが、ダムがとめるということは、過去の例を見ても明らかですので、こうしたことについても必要であるし、戸草ダムについても全体の管理の中でどうしても必要な施設だという思いであります。で、特に美和ダムから上流域を考えるときには、そうした施設がほとんどありませんので、戸草ダムによって調整するということ、そして戸草ダムというのは三峰川だけではなくて、天竜川水系全体として治水上必要だというふうに私は見ております。特に異常降水があったときに、調整ができるのはダムしかありませんので、その調整ができるダムというのは美和ダムだけです。おっしゃるように高遠ダムは調整がなかなかききません。で、一方で、できるとすれば釜口水門、上流域の水量調整ができる、したがいまして県の管理の釜口水門と国の管理の美和ダム、この二つが連携をして調整をしていく、それによって下流域の洪水調整ができているわけですが、これとてこの二つだけでは、実際には難しいと思います。今までの降水量であれば、何とか対応できたかもしれませんが、これからの異常な考えの及ばないような降水があったときには、この二つでは無理だというふうに私も思っております。 先ほど、話のありました異常洪水時防災操作という話がありましたが、これも私個人的な見解では、あれが精いっぱいだったと思います。入ってくる量と放流する量が一定しかできなくて、どっちかが例えばとめてしまえば、今度あふれ出します。あふれ出すと、これダムの上からだけではなく、横から流れ出しますので、今度は崩落、崩壊、決壊が始まってきます。と同時に、電気系統が全て水をかぶりますので、操作ができなくなるということも言われておりますので、この異常洪水時防災操作というのは、私はやむを得なかったかなというふうに見ております。万が一、決壊すると、美和ダムとかに置きかえてみると、大変な災害になってくる、直結するわけであります。考えあぐねて本当に最終的な判断としてこの操作を行ったと思っておりますし、これはやむを得なかったというのが私の見方であります。 で、その戸草ダムの建設、計画に対する考えというところ、問5でありますが、三峰川総合開発の事業促進期成同盟会、これはしばらくの間、上伊那広域連合に事務局を置いておりました。で、どうしても伊那市が音頭をとらないと進めることができない期成同盟会が上伊那広域連合に事務局があったものですから、これは伊那市に戻せと、戻したほうがいいということの判断の中で戻して、で、この8月31日には第3回になりますか、平成30年度の期成同盟会を開催をいたしました。下流の首長さん方も出席をしていただいて進めてきたのですが、まだ予算がないものですから、なかなか具体的な行動に入って行けないということで、またこの予算については今後、議会のほうにお諮りをしたいという考えであります。 で、昨年、戸草ダムが進行中だという私の考えを述べさせてもらいました。で、これについては全く私の考えは変わっておりません。で、近年の集中豪雨の状況を見ても、「経済社会情勢の変化の中で」という文言に関して言うと、もう全くこの状況に当てはまっているというのが現状だという認識であります。で、戸草ダムにつきまして、受益地域の自治体の皆さん、必要性とか重要性を認識を改めてしていただくということと、それから住民の治水意識の醸成を図る中で、国とか県に要望活動をさらに強めて行っていきたいという考えであります。 ちょうどこの9月27、28日に、地域に開かれたダム全国連絡協議会の交流会、いわゆる全国大会が行われます。この場所が、三峰川流域の美和ダムであります。で、伊那市が担当をしてこのダムの効用、効果、その機能というものを改めて知っていただくための機会にしようということで、今回につきましては諏訪地域の皆さん、首長さんにも、また上伊那だけではなくて下伊那の天竜川に関係する市町村長にも今話をして、出席を、参加を呼びかけております。やはり、河川というのは一つの場所でその存在を語るのではなくて、流域全体で一緒になって管理をしていくということがなければいけないと思います。特に先ほど冒頭で申し上げたように、美和ダムができたことによって、本当に悲しい歴史をつくったということも事実であります。離散をしたり、離れたり、まあ離散をしたり本当に土地がなくなったりという皆さんがいたということ、そのおかげで昭和34年から今日に至るまで安心をして暮らすことができたということは、この伊那地域だけではなくて、駒ヶ根それからさらには下流域、飯田、下伊那のほうまで及ぶわけですので、こうしたことを改めて考える機会にしたいというふうに思います。 それから、問6の水力発電を含めた多目的ダムの復活であります。確かに過去において脱ダム宣言なる言葉が動きました。で、このことについて今からどうこうということは言わないまでも、水力発電の効果というのは私は非常に高く買っております。 例えばこの上伊那で最も古い発電所、これは小黒の発電所であります。小黒の上流にある小黒水力発電所、これはもう100年以上たっております。これは伊那の地に、伊那電気鉄道、今の飯田線を引くための電力をつくるために、小黒の発電所が稼働した。つまり、飯田線の歴史と同じですけれど、約100年、もう100年以上変わらずに動いているというのが、この小黒の発電所であって、同時にできたのは戸台の発電所でもあります。で、この発電所を見るときに、水力発電というのはメンテナンスさえしていれば、100年単位で使える非常にクリーンなものであるという私は認識でありまして、伊那市内でも春富土地改良区で最近つくった発電所、それから長谷にも小規模でありますけれども、12キロワットの発電所ができました。一貫水路を使っての発電所なのですが、さらには最近では高遠ダムに高遠さくら発電所を県の企業局がつくって、また箕輪ダムにも発電機能をつけるということで、県としても水力発電には力を入れているということであります。 今回も北海道の地震によってストップしてしまった電力、これは当然原発であれば全てとまっているはずですし、火力発電所は今動いていない、水力発電所を動かしましょうと言っても、全国の水力発電所の発電力が本当に1点数%とか2%ぐらいしかないので、これをさらにこう上げていくためには、小規模でも幾つも、こう各地域にこうしたクリーンな再生可能エネルギーの発電施設をつくるべきだというふうに思っております。 長野県がかつて田中前知事のときに撤退をしたと、発電事業からの撤退をしたということ、これは私は失敗だったと思っております。この発電については、阿部知事は改めて水力発電所については力を入れましょうということで取り組んでおりますので、これは長野県の地形から見ても非常にいい考えだというふうに思います。平地ではなくて落差のある、また水量の豊富な長野県ならではの発電が水力発電だということでありますので、これは私はぜひやっていくべきだという考えでありますが、ただ戸草については一旦手を引いてしまいました。長野県が発電と利水、これから手を引いてしまったということがありまして、当時多目的だった戸草ダムが今、治水だけの単目的のダムとして残っていると、しかしながら、この時代の変化というのは、もう明らかにエネルギーの循環の時代に向かっておりますので、こちらは県のほうにも、ぜひこの戸草が復活の折には、発電も一緒になって考えてもらいたいと、もしくは県ができなくても民間企業がありますので、そうしたところと一緒になって、戸草ダムが復活したときの発電量というのは確かに小さいです。上流域で取水をして、途中で三峰川電力で三峰川第2発電所とか第4、第5発電所でつくっておりますので、それを美和ダムの上流で戻しているだけですので、その間は水量がないんです。で、そのない中で発電というと、恐らく300から400ぐらいしかできないと思いますが、それでも大きな発電です。高遠のさくら発電所、高遠ダムが197ぐらいですので、それから比べれば大きな発電ができますので、これはぜひ復活すべき、で、あわせて水力発電だけではなくて利水、つまり工業用水とかあるいは飲料水とか使えるような水にも使うべきだというふうに思っております。といいますのは、今全国的にかつてない豪雨があるとよく言われますけれど、一方では表に出てないのですけれど、かつてないほど水がないという、雨が降らないということも事実であります。そうしたときに、渇水期にこうしたダムで調整をしながら農業を営んだり、あるいは工業も賄ったり、飲料水もそこで確保したりということを考えますと、水力発電を復活させるだけではなくて、利水もあわせて復活するべきだというのが私の考えであります。 で、天竜川水系の基本整備方針の策定、これが平成20年でありまして、もう10年が経過をしております。で、近年では、もう10年前では考えられなかった豪雨、きのうもどなたかの一般質問の中でありましたが、30年の西日本、ことしですけれども、昨年の九州北部、その前の広島があったり、鬼怒川の決壊があったり、北海道でも大変な被害があったのも平成26年ぐらいだったと思います。そうしたことが毎年のように襲ってきているというのは、10年前以上の気象状況になっているというふうに私思いますので、こうした10年前を一つのベースにして物事を図るのではなくて、本当に今の状況から持っていかないと、大変な過ちを犯すのではないかというふうに思うわけであります。整備計画自体も見直しが必要だという考えであります。 河川整備計画の見直しにおきましては、「長期的な治水対策に必要な洪水調節施設として、今後の社会、経済情勢の変化に合わせて、戸草ダムの建設実施時期を検討する」という文言があります。先ほど、触れましたけれども、この社会、経済情勢の変化、これをどういうふうに判断するかということなんですが、社会については今、お話をしたように気象の変化というのは明らかに私たちが考えてきたその常識の範囲を超えております。それから経済というのも変化というふうな見方からすると、今日本の経済というのはこの時期に入っていると、そういうのを考えますと実施時期はもうもう来ているという判断であります。そうした変化に合わせて、発電それから農業、利水、飲料水、そうしたものに直結をし、またダムツーリズムというような言葉も最近ありますけれども、地域振興等にも含めて開かれたダム、ダムを訪れる人もたくさんふえております。また湖面を利用した遊びもありますので、そうしたところを総合的に見て、市民または市民だけではなくて、流域の皆さんの安心安全の確保のための治水対策として、さらに建設に向けた戸草ダムを要望してまいりたいというふうに考えるわけであります。 とりあえず、私のほうからは問6までのお話をさせていただいて、問1のシステムについては担当の部長のほうからお話をさせていただきます。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) それでは問1の相互連携と放流時の市民の皆様への周知の方法についてを御説明をさせていただきます。 まず平時でございますけれども、これはトップ同士になりますけれど、市長と天竜川ダム統合管理事務所長と直接電話で連絡をとれるようなホットラインをまず構築してございます。事務レベルでは、飯田、伊那、諏訪系域を大規模氾濫減災協議会、それから天竜川上流水防連絡会等を通して、国交省のほうとは常に連携をとっておりますし、高遠ダムを管理しております企業局の南信発電管理事務所とは、この前の自主防災の連絡会のときにも来ていただいて説明をしていただけるなど、相互に連携がとれるような形に体制をとってございます。 また、放流時でございますけれども、高遠ダム、美和ダムそれぞれからファクスで、放流量についての連絡が入るようになっております。それらを受けまして、一番下流にあります高遠ダムの放流量につきまして、防災行政無線、地域安心安全メール、それからいーなケーブルテレビジョンへの割り込み放送、それから伊那市有線放送IHKの放送を通して、市民の皆様に周知をしているところでございます。また、直接美和ダム、高遠ダムにおきましてはサイレン、それから電光掲示板に表示して、放流について周知をしているという状況になっております。以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆15番(飯島進君) それぞれに丁寧な答弁をいただきました。一括質問のいいところは、時間制限がないことでありますけれど、欠点は答弁も一気に来るので整理が間に合わないという、そういう欠点がありますけれども、まず最初にダムの放流について、その美和ダム、高遠ダムとの連携がとれているのか、また放流する場合の住民への周知の方法はといった質問をさせていただきましたけれど、これについてはダムの関係者とホットラインでつながっているんだということで、情報交流は交換はいつでもできていると、そういう体制ができているということと、それから放流に関しては、高遠ダムの放流について、高遠ダムの場合には洪水調整ではないで、水位調整というような言い方をするみたいでありますけれど、こういうことで周知ができているということでありますので、ダム下流域に住む住民の生命や財産を守るというダムがですね、その機能を十分に果たせるように引き続き美和ダム、高遠ダムと連携を密にして、最大限の安全が図られるように今後も進めていただきたいと思います。 それから、2番目以降の質問でありますけれども、ダムの歴史を考えたときには、ダムの下流域の住民は上流域の住民に感謝をし、で、上流域の住民は下流域の皆さんの住民のことを思いやる、この思いやりと感謝の相互理解が必要だという思いがあってという質問、それ以降の質問でありますけれど、これにつきましてまあそれぞれに答弁をいただきましたけれども、市長の答弁の中でですね、まず一つは先週8月30日に、三峰川総合開発事業促進期成同盟会の総会が開かれたという話がありました。この期成同盟会には、天竜川流域の上下伊那の17市町村で構成しているというふうに聞いているわけでありますけれども、この17市町村も含め、また今は9月27、28日ですか、美和ダムで地域に開かれたダムの全国連絡協議会の交流会が開かれるということで、これは全国28市町村がこれ加盟しているようでありますけれど、この会議には諏訪地域の首長も参加してほしいということで声かけをしているというような話もありました。こういう総合開発事業の促進期成同盟会の17市町村、もしくはこの諏訪の圏域の首長さんたち等々とも連携をしてですね、当然これから戸草ダム建設ということになりますと、地元伊那市が積極的に活動していくことはもちろんでありますけれども、このダムの恩恵を受ける天竜川流域のこういった構成団体、もしくは諏訪圏域の首長さんたち、こういう人たちと連携をとってですね、国・県を動かし、国を動かす必要があると思いますが、この点について市長のお考えをもう一度お聞きしたいと思います。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 諏訪の皆さんに関して言いますと、天竜川の下流域の話というのは、案外自分たちの日ごろの考えの中には存在しにくいものでありまして、というのは、やはり諏訪は諏訪盆地の中でいろいろなことを考えると、で、諏訪湖から流れ出るのは、釜口水門から下流なので、その釜口水門までの諏訪湖の話が皆さんの共有するものというな、どうも捉えがちなのですが、最近ではそうではないという話も、私どももさせてもらっておりますし、で、私も長くて3期やっておりますので、首長さん方もよく知っております。で、一緒にやらないと全体だめになりますよと、つまり諏訪湖に流入する河川に大量の雨が降ったとき、これは釜口水門を開ければいいというふうに言いますけど、簡単なものじゃないんですね。あけられた下流の皆さんにしてみるとたまらないと、あけるなそれこそあけろというようなそのやりとり、平成18年にもありました。 で、過去の話をしますと、諏訪湖の場合にはだんだんに上がっていくから逃げれると、皆さんは、水浸しになっても命は大丈夫だと、でも下流の皆さんはいきなり出されると、それこそ死んでしまう人が続出してしまう、そんな話もありまして、そうしたことを考えると、やはり物事というのは水系で考えるというの私の基本的な考えです。つまり、天竜川というの釜口水門から始まって、遠州灘まで213キロありますけれど、実はそこから上流八ヶ岳まで全部天竜川という見方をしないと、国の判断で釜口水門から下流が国の管轄で天竜川だというそんな考えではなくて、流域全体で物事を見ていくべきだというふうに思っておりまして、で、諏訪地域の首長さん方にもぜひ一緒に考えてほしいと。で、先ほど申しましたように、万が一のときには操作を三峰川の支流、支流である三峰川でも操作を行い、天竜川の出口といいます一番上流の釜口水門でも調整をして、両方で連絡をとり合いながら、でき得る最大のこう取り組みをしましょうよということを、そのためには、やはり今回の地域に開かれたダムについても諏訪地域の皆さんにも参加してほしいというのが、私の思いであります。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆15番(飯島進君) 本当に戸草ダム、市長も再三言っています戸草ダムは必要であり、今の時代が求めているものだというふうに市長の認識もありましたけれども、この話を進めていくときには、本当に県を動かし、国を動かさなきゃいけない、そのときには本当に伊那市だけではなくて、天竜川、今八ヶ岳までその天竜川だという話もありました。そう考えれば、本当に広域の中で連携をとりながら、機運を盛り上げていっていただければいいなとそんなふうに思います。 天竜川水系の河川整備計画の中でその今後戸草ダムについては、社会経済情勢の変化を見て建設時期を考えるんだという話があったんですけれども、先ほど市長の話の中にもありました、今朝の北海道の地震でありますけれども、295万戸が今停電しているということで、これは地震のために火力発電所が緊急停止したためだというふうに報道されておりました。それで急遽、4つの水力発電所を再稼働して、電力を起こし、そして火力発電所に供給して復旧を図るという、こういう報道をされていました。この原子力発電所の弱点、これは福島第一原発でも見えております。それ以外にも化石燃料に頼るこの火力発電の弱点、こういったものも露呈してきているわけであります。今回のその緊急的に水力発電所を再稼働するというような、こういうことも社会経済変化の一つとして捉えることはできるのではないかと思いますし、また、先ほど市長の答弁の中にも、深層崩壊という言葉が出てきました。この深層崩壊というのは、これ国交省が言い出した言葉だと思うのですけれども、この深層崩壊、三峰川の上流部、非常に標高差2,000メートルのところを60キロ流れてくるこの三峰川、非常に急流で非常にそういう崩壊が多いわけですけれども、その深層崩壊の一つの姿というのが、船形沢の崩落ではないかなというふうに思っているわけですけれども、こういう深層崩壊、こういうことも社会経済変化の一つではないかと思います。 この先ほど市長も言いました10年前に出されたこの三峰川水系の河川整備計画、これ以降10年しかたっていなのですけれど、この10年の間にすごいいろいろな変化が起きてる、で、いろいろな見方ができているので、こういう社会経済情勢の変化、3.11の話もしました。今回の北海道の地震のことも含めてですね、非常に動いておりますので、まさにグッドタイミングではないかなと思いますので、そんなことをぜひ推し進めていただき、ぜひ戸草ダムの建設、実現に向けて動いてほしいと思いますけれど、最後にですね、水源地の問題について、関連質問をして終わりたいと思います。 戸草ダム問題とは直接関係しないかもしれませんけれども、伊那市の水源地は大丈夫かといった質問を最後にしたいと思います。これは、北海道の水源地が巧みな手口で何者かに買い占められているという記事を、過去に読んだことがあるからであります。私は、行政視察等で北海道の市町村を尋ねた際に、水源地買い占めのことについて質問してきた経緯があります。すると、余り相手は話したがらないふうではありますけれど、現実に買い占めはあるということを認めています。その上で、巧みな手口の裏に中国資本が動いているらしいという話もしてくれました。水源地の何者かによる支配は、その下流域までをも支配する危険があり、現にあってはならないことだと思います。 そこで市長にお尋ねいたします。伊那市の水源地は、正体不明な個人や法人などに買い占められているような事実はないと信じますが、その実態についてお尋ねいたします。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) このお答えする前に、先ほど原発とか火力の話がありました。原発についてはもう危険が伴っているということは皆さん御承知のとおりでありますし、また火力についてはCO2を出すということはもう原則であります。で、その結果、地球温暖化がどんどんどんどん進んでいて、さまざまな私たちが過去に経験がしたことがないような自然現象が起きちゃっているということであります。で、そのこの火力についても日本だけではなくて、中国はもう火力一辺倒で、あれだけの人口を賄うための火力発電所というのは、私たちが想像する以上のCO2の排出量であります。アメリカももちろんそうなんですけれども、そうしたときに私たちがこの伊那という場所でできることというのは、やはり再生可能エネルギー、これを循環をしながら大事に使っていくということだと思います。特に、先ほど来話が出ている小水力、これはもう100年単位でクリーンなエネルギー使えます。それから、再生可能エネルギーとして木質バイオマス、まきとかペレットとか、こうしたものでボイラーを回したり、あるいはストーブに使ったりということで、灯油だとか石油じゃないものを使っていく、さらには電気、電気についてもなるべく必要最小限の電気で生活をするようなスタイルに変えていく、そうしたことでこの伊那というところは、エネルギーの非常に循環型エネルギーで生活をする場所なんだと、しかも、農業・林業が盛んで、食べるものも自分たちで生産ができて、それでまた工業も製造業も盛んな地域だというような、そうした形が私は理想だと思っております。で、その理想に近づけるために、今こそこのエネルギーの循環ということを力を入れてやっていくべきだというのが、私の思いでありますし、「伊那から減らそうCO2」という言葉も私たちは使っております。10年以内には、一般家庭の電力の25%以上はこの再生可能エネルギーに置きかえようという取り組みもしておりますので、そうしたことの中では火力だとか原発に頼らない、そうした地域づくりが極めて重要だというふうに思っております。 それから、御質問の中でありました水源域の話であります。実は、上伊那でも過去にございました。私が市長になって間もなくだったと思うのですけれど、高遠の奥で顔は見えないんだけれども、その裏に外国資本がついて、もう動いているという話がありまして、まあそれについては急遽上伊那8市町村長、それから長野県の広域用水企業団とか、上伊那地方事務所、あと上伊那森林組合ですね、そうしたところに働き呼びかけて、上伊那の水資源を保全するための連絡会というのを立ち上げました。今でもこれは存在をしておりまして、平成23年にできたこの連絡会でありますが、その翌年、平成24年にはこの上伊那地域として、上伊那地域の水源を保全するための共同声明というものを出しまして、貴重な水源、水資源、水源林、水源地、こうしたものを守っていく姿勢を強く打ち出した経過があります。で、こうした動きの中で、平成25年には長野県が今度は「長野県豊かな水資源の保全に関する条例」というものを制定しまして、これはもう指定された水源地の土地取引については、事前の届け出が義務づけるということであります。で、また伊那市では、環境保全条例の改正を行いまして、地下水の採水ですね、地下水の採水にかかわる市長許可について、これは表流水とか伏流水、それから湧水、それを加えるということと、水の採水にかかわる全ての案件について、環境保全審議会に諮るということとしました。といいますのも、地下水をくみ上げるということだけで条例を決めてしまうと、水源域というのは大体表流水をとっておりますので、その表流水は対象にならないんですね、あるいは伏流水も対象にならないということで、表流水とか伏流水、それから湧水、これも全て案件の中に組み込んで審議会に諮らなければいけないというふうに変えさせてもらいました。 上伊那管内に関して言いますと、以前県内企業が行ったといいましても、この裏には別な外国資本がありますけれども、この森林買収に外国資本がさらに関係した事例というのは、その後はありません。過去に1件、承知をしておりますが、その後はないという認識であります。これからも私ども、そうした水も大変重要な資源であります。それから、水を涵養する森林も大変重要な資源でありますので、そうしたところがいつの間にかどこかの資本に買われてしまって、乱開発をされるとか、あるいは水そのものが持っていかれるということがないように、アンテナを高くしながら注意をしていきたいというふうに考えます。
    ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆15番(飯島進君) 以上で質問を終わります。 ○議長(黒河内浩君) 以上をもちまして、飯島進議員の質問が終了いたしました。 引き続き、飯島尚幸議員の質問に入ります。 21番、飯島尚幸議員。     (21番 飯島尚幸君登壇) ◆21番(飯島尚幸君) 21番、飯島尚幸でございます。あらかじめお伝えをいたしてございます大綱二つのテーマにつきまして、市長にお伺いをいたします。 まず、農業施策の充実についてのお尋ねでございます。 中でも1点、農家・農業法人への収入保険の推進等についてのお尋ねであります。農家の経営安定対策、新たなセーフティネット、安全網として農林水産省は、来年2019年、平成31年1月から収入保険制度を導入し、スタートさせることを決定をいたしました。 目下、農家の収入保険加入申請につきまして、長野県農業共済組合、当地では南信地域センター及び上伊那支所が窓口となって強力に推進、事前受け付けに取り組んでおります。 収入保険制度は次のような事柄が対象になります。自然災害や病虫害などによる農産物の収入減少、農産物でも既存のセーフティネットがない野菜や果樹、キノコ、花卉、はちみちなどもオーケーとなっております。また、豊作に伴う大きな価格下落のとき、あるいは倉庫が浸水をして農作物が売り物にならなくなってしまったとき、あるいは当事者がけがや病気で収穫ができなくなってしまった、あるいは取引先が倒産をしてしまった、さらには盗難や運搬中の事故にあってしまった、またそして輸出時の為替変動による減収などなどのケースを想定をしております。いわゆる、農家みずからの経営努力だけでは回避できないケースなどさまざまなリスクに対応できるものになっております。 制度の仕組みにつきまして、加入できるのは原則5年間継続をして青色申告を行っている農業者、個人と法人でありますが、実績が1年であったとしても認めるとしております。補償内容は、農業者ごとの過去5年間の平均収入を基準収入として、その8割代を確保できる仕組みを設定をしております。財源は、国と農家が拠出する保険金と積立金を充てるというものであります。収入保険への加入は、農業者が任意に選択ができます。補填金の財源は、保険方式いわゆる保険料掛け捨てと積み立て方式、繰り越し可能なものなどを併用して、保険料の50%と積立金の75%は国庫補助で賄うとしております。 また、米や畑作物を対象とした収入源を補う収入減少影響緩和対策、いわゆる通称ナラシ対策等、既存の類似制度は維持をされ、農業者はどちらかを選択して加入することになります。制度の設計、条件など詳細は省きましたけれど、本制度の目指すところは、これまでの農業共済に限界があったところをフォローし、強い農業経営を後押しをする、そして食生活の変化に伴う生産品目の多角化にも対応して、農家を守り支える協力な制度であると、私には理解ができます。 先ほども申し上げましたけれど、加入申請等伊那市の農家、農業法人の窓口は南信地域センターであります。先ごろ推進状況や農家個々の反応などを伺ってまいりました。通告時の数字とは少し異なっておりますけれど、青色申告をしている方は537人で、加入希望や説明希望者は目下、法人を含めまして166人とのことで、今後さらに説明や加入促進に取り組むと、とても地味な活動ではありますけれども、職員の皆さん大変意欲的に話をしておられました。 白鳥市長は長野県農業共済組合、NOSAI長野の副組合長理事の立場にもついていらっしゃいます。この新しい農家の収入保険の推進につきまして、市長の見解をお伺いをいたします。 まず、この収入保険制度につきまして、市長の御認識、評価についてお聞かせをいただきたいと存じます。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 収入保険制度につきましては、現行の農業共済に比べて品目の枠にとらわれず、自然災害、価格の低下などを含めた減収、収入の減少を補填する仕組みであります。農業経営に起こり得る多くのマイナス要因というものをカバーできるということで、大変有益な制度という認識であります。また、国庫補助によって、加入者が支払う保険料のかけ金率、これは1%程度でありまして、農家ごとの平均収入の8割以上の収入が確保されるわけでありますので、大いに活用をしてほしい制度だということで、先日も農済の総会がございまして、このことが大変大きなテーマとして出されました。職員も一生懸命、これを皆さんに知ってもらうという活動をしておりますけれど、そうはいっても農業共済それから収入減少影響緩和対策、ナラシでありますが、また野菜価格の安定制度などダブって加入をすることができないわけでありますので、農家の方々は見きわめを慎重に行って判断をしていくということが必要かと思います。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 私も農業現場で、中年の専業農家の方にお伺いいたしますと、「収入保険制度の名前は知っているけれど、つい中身よりもかけ金ばかりに目がいってしまって、メリットがわかりにくい。」などの声を聞かせていただきました。この制度への加入促進は、南信地域センター、JA上伊那の各部会組織、地域の農業振興センターがタイアップをしながら、説明会や普及に目下取り組んでおります。伊那市が直接加入推進に赴くわけにはまいりませんけれども、制度への周知や、理解を深める広報などによる促進、力強い支援、尽力を期待したいのですが、この件についていかがでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) この収入保険制度は、農業共済組合が所管をするわけでありますが、これまでも伊那市農業振興センターにおいて農業振興センターだよりでの広報、地区農業振興センターの担い手、農業者との意見交換会のほか、機会を捉えて周知を図ってきております。今後も、伊那市農業振興センターの各種会議での説明、また各農家の皆様には、農業振興センターだよりや、またホームページより周知を図ってまいりたいという考えであります。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 加入条件として、いわゆる青色申告をしている農家とあります。公のお金を投入する以上、農家の正確な収入、どのぐらいあるのか、年収の把握は当然なことであります。今後の伊那市の税収の視点から、あるいは農家の健全経営促進、育成などの視点から、青色申告へのアプローチといいますか啓蒙といいますか、そうした考えはいかがでございましょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 青色申告は税制上のメリットがあって、またしっかりと記帳をするということは農業経営上も望ましいことでありますので、各農家の事情にもよりますけれども、伊那市としては奨励をする立場であります。 また、収入保険の加入要件であり、平成29年2月3日、農業振興センターだよりにて周知、推進をしております。今後も必要によって周知、推進をしていくという考えでございます。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 奨励をする立場という、力強い御発言いただきました。 続きまして、新規就農者に向けて伊那市は積極的に取り組んでおります。市長も、もうかる農業の基盤づくりは大変重要である、常々言われております。志を立て、伊那市で農業に生きようと決意をし、実践に入っている方々への支援策としても、この制度は有効といいますか望ましいセーフティネットであると確信をするものであります。 また、この制度に入りますと、これらが担保となって金融機関からの融資に考慮をされると伺っております。こうしたことを背景に、新規就農者実態をこの際明らかにしていただきたいと存じます。過去5年ほどで結構でございます。できることならば農業形態、あるいは取り組んでいるところの生産品目などはどんなものなのか、地域はどこかなど、わかる範囲で結構でございます。具体的な状況を教えていただきたいと思います。 先ごろも鯉渕学園の生徒さんが、伊那市にお越しいただきました。恒例の農業体験実習に来ていただいたという、うれしいニュースも伺っております。よろしくお願いします。 ○議長(黒河内浩君) 富山農林部長。 ◎農林部長(富山裕一君) お尋ねでございますけれど、平成25年度から平成29年度までの5年間の新規就農者は、118人であります。これは1町歩以上経営面積がある方をカウントしております。118人の内訳は、農業形態別では法人が3、個人が115となります。生産品目別では水稲が17、野菜が29、果樹10、花卉7、水稲と野菜が24、水稲とソバが7、その他が24となっております。また、Uターンが20、Iターンが21人おります。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 農業者の実態から、経営の向上、安定、販売力の強化などを求める声を聞きます。当事者のやる気、情熱、真剣さなどが全てであると思うのですけれども、これまで新規就農に当たりまして、伊那市は行政支援を配慮をしてきた中で、今後の新規就農者拡大への方策はどうあるべきか、現状から思うところをお話をいただきたいと存じます。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 今の担当部長から話がありましたように、過去5年間で118名ということで、毎年20名以上の新規就農者がいるということで、これは以前、伊那市が立てた目標、年間20名の新規就農者をつくっていこうということであります。これは伊那市だけではなくて、農業振興センターとかJAとか連携をしてやってきた結果、こうした新規就農者を確保できているということであります。 また、親の農業を子供が継承できる、そうしたことが一番すんなりと農業に入っていくということで、もうかる農業を目指しながら、そしてUターン、Iターンも含めた新たに農業を始める者もいますので、そうした皆さんの支援とか、担い手として育てていくということが基本的な考えであります。 具体策としましては、国の農業次世代人材投資資金経営の開始型というものの交付とか、JAのインターン制度への補助、農業体験研修の実施、伊那市JA、県農業改良普及センターによる就農相談、また新規就農支援公式サイトとか、パンフレットの作成、長野県伊那市で農家になろうというそうしたPR、都市部での新規就農相談、そして私が毎年信州大学農学部に出かけていって、信大の生徒と意見交換をしたり、また上農高校にも毎年訪れて、生徒の皆さんに伊那市の農業の実態と、ぜひ将来的には農業を自分の生活にしてほしいというような話をしたりということで、さまざまな施策を展開をしております。今後もあらゆる施策に展開をしながら、伊那市、長野県農業改良普及センター、JA上伊那中心としまして、伊那市農業振興センターが一体となった取り組みをさらに進めていきたいという考えでございます。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 新規就農希望者個々の実情、ニーズにどうぞきめ細かく、今話ございましたけれども、対応していただけるなり、より一層そのことを望むわけであります。 次です。空き農家住宅、これに伴う農地の現状についてのお尋ねでございます。空き農家住宅といってもさまざまな状態があります。地域地元の人もその家の後継者や関係者がわからないような状態、後継者や関係者が地元を離れてほとんど帰省もなく管理がなされていない状態、また農地につきましても集落内の人や農業法人組織が面倒をみているケースはまだまだ大変よいほうですけれど、荒廃農地化が進んでいる状態など、市内各地で見られます。市内全域のいわゆる普通の空き家調査は進んでいると思うのですけれど、昨日の宮原議員のお尋ねに、基礎調査はした旨の御答弁がございました。空き家農家住宅とその農家の農地管理など、現状の掌握や改善策などを明らかにしていただきたいと存じます。昨日、二瓶議員も、農地利用で熱く議論を展開したところですが、農地についての空き地、現状について、限定してのお尋ねでございます。いかがでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 空き家の区分については、農家住宅も一般住宅も同じという見方であります。農地につきましては、年1回農地基本台帳を配布をして、所有農地また経営農地などの確認をお願いをしております。 伊那市以外にお住いの経営者へも、年に1回郵送で農地基本台帳を送って確認をお願いをしていると、まあ荒廃農地の対策としましては、農地パトロールを地元の役員の方と協力して年1回以上実施をして、農地の状況を把握するということであります。この農地パトロールによって荒廃農地や遊休農地を判断をした農地、これは地主に対して農地利用意向調査とか、改善計画の作成依頼というものによって、意向を確認をして解消に向けた指導を行っております。 また、農地の有効利用のため、地区農業振興センターとか、地元の農業委員、推進員による農地の貸借や売買のあっせんというものも行って、遊休荒廃地化しないように農地の利用の最適化ということも進めております。パトロールの際などに空き家となった農家住宅についても、注視をしてまいりたいという考えであります。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 空き農家住宅、大変残念ですけれどふえているところでございますので、積極的に施策としてお取り組みを願いたいと思うところでございます。 次です。専門的農業経営、農業現場は年々に機械化をし情報化、先進技術化など進歩、発展、成長化していると考えられますが、一方で専業農家ではない中小規模や兼業農家も数多くいるのが実態、現状であります。さらにまた、農業者の高齢化、後継者不足は加速化を続けております。そうした農家への将来展望はどうか、課題は大変山積をしております。 昨日も宮原議員から中山間地農業の実態について、真剣な議論がなされました。農業という生業として、しかも伊那市ならではの農業の確立という勝つ農業、勝てる農業、もうけて張り合いのある農業こそが、次の次代の要請として求められると思うのであります。 改めて、伊那市農業の今後の充実施策、中長期にわたる望ましい農業のあり方について、市長の御所見をお伺いをいたします。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 今後も、伊那市農業の担い手としまして、認定農業者を中心とする専業農家、また集落営農法人を中心とする農業法人、兼業農家、この三つを柱として支援、育成、確保していくという姿勢であります。 認定農業者集落営農法人などは、人・農地プランによって各地区の農業の担い手として明確にされておりますが、農地の受け手として地域農業を守る役割を果たすためにも、もうかる農業を展開していかなければならないというふうに思います。でまた、兼業農家は担い手の力を借りながら、より効率的に営農を継続をし、また集落営農法人に参画をしながら、地域農業を支える力となることが期待をされております。兼業農家の方々、定年退職まで会社勤めをしながら、休みの日に農業をするという、そうしたスタイルでありますが、退職と同時に今度は専業農家になるということで、この地域としてはまあ理想の形かなというふうにも言えるかと思います。 さらに、もうかる農業を展開するためでありますが、これ私ども行政とJA、それから農業振興センター等いろいろな皆さんと一緒になってブランド化とか、あるいは六次産業化ということを進めております。特に毎年各地区のマーケット、あるいは市場に行ってトップセールスを行っておりまして、そうしたことも、次第に効果が出てきているというふうに見ております。 ともかく収入が上がらなければ、業として農業が成り立ちませんので、そうしたことを進める一方、スマート農業、新しい技術を使って省力化をしていくスマート農業、それから農地の集約・集積化、機械・施設の効率化、共同で使うことによって出費を抑えながら効率よく使っていくということで、経費を下げるということも一つの取り組みの形であろうかと思います。 集落、地域ぐるみで一致協力して取り組むということで、よりよい成果を上げるということ、で、特にこれからこの時代、地方創生の中で一番大事な農業、林業、一次産業でありますので、こうしたことが展開できる地域、これが伊那でありますから、こうしたことをしっかりと実践しつつ、そしてまた新しいマーケットを開拓しつつ、農業というのは真に産業として成り立っていく、そうした時代が訪れておりますので、私どもとしてはしっかりとそうしたサポートをしていくという考えであります。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 市長、今お話にございました伊那市と、そしてJAと振興センター、三者一体になって、私、外から見てましてもいい結束というか結びつきができているなと思います。なお一層情報化を共有する中で、とりわけて伊那市が国策等をダイナミックに誘導できるような、そういう情報交換をしっかりしながら、さらに力強い農業育成のために頑張っていただきたい、このように思います。 大きく二つ目のお尋ねでございます。市財政の充実についてのお伺いをいたします。 今議会は決算議会とも言われ、市の財政状況の詳細が明らかにされつつあります。市長は今議会、開会の冒頭挨拶で財政状況についてしっかりと語られました。「年々着実に改善しているので、さらに事業の選択と集中を進め、健全な財政運営に努める」旨の決意を述べられております。 その背景として、実質公債費比率が昨年比で0.1ポイント低下をし9.8%になったこと、また将来負担比率は「数値なし」が2年連続となったことなどを例証をいたしました。また、未収金解消対策も大きく進んだこと、これらの原動力は紛れもなく全職員の懸命な、そして伊那市を愛すればこその働きであるとたたえられました。すばらしいことであります。また、「返す金額よりも大きく借りるな」との経営信念も、全職員に響き渡っている証左だなとも感じられました。 また、今議会の補正予算に出てまいりましたが、財政調整基金の積み立てに3億円が計上をされました。将来を見据えた確かな判断であろうと、大きく共感をする思いで、私は受けとめております。 こうした好ましい財政状況だからこそ、これからの財政運営がより一層よい方向へ、そして安心、好調な市運営がトップリーダーである市長に求められるものであります。むしろ、これからのほうが地方交付税がだんだんと減ってくること、あるいはふるさと納税も2年前のような画期的な増加は望めないことなど、歳入面で大きな明るい展望が不透明な中、一方でごみの中間処理施設への支払いや、環状南線を初め市長が種をまき、芽を出し始めたハード・ソフト面など両路線への支出が、現実的なものになってまいります。このことは、市長選挙を勝利したばかりでありますので、公約や構想などから十分承知をしておられると思います。 財政についての質問は、専門用語が出たり、数字が躍ったりしがちでありますけれども、私は市民の多くの皆さんが、今とこれからの伊那市の台所事情はどうなっていくのかねといった、日常の感性や話し言葉に答える心づもりでわかりやすいお尋ねをいたしますので、市長もできるだけ具体的な、目に見えるような表現に気を使っていただきながら、御答弁を御期待申し上げます。 3点に絞ったお尋ねであります。まず第一に、合併特例債という有利な借金の使い道につきまして、32年度までが最後の年と伺っておりますけれど、今後どのような事業を予定され、どのぐらいの額を充当されようとするのか、明らかにしていただきたいと存じます。諸般の事情も考慮いたしまして、お話しできる範囲で結構でございます。構想をお示しをいただきたいと存じます。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 確かにおっしゃるとおり、私たち普通に使っている言葉というのは、市民の皆さんにわかりにくい言葉でもありますので、できるだけわかりやすい表現でいきたいと思います。 まず、合併特例債でありますが、これは合併をしたところしかいただけない有利な起債というか、借金なんですが、この合併特例債、平成32年まで使えるということで今までやってまいりましたが、また5年間延長されました。で、伊那市は、196億5,000万円、これを合併特例債ということで借り入れて使うことができると、この合併特例債何で有利かといいますと、合併をした市町村しかいただけないのですが、事業費の95%、これに充てることができる。で、しかもその70%は地方交付税で、伊那市へ戻ってくるという非常に有利なものであります。 伊那市の市費、伊那市のお金だけでやろうとすると大変な金額がかかるものが、ざっくり言えば70%は国から全部補填されますよという、そうした合併特例債という有利な制度がありまして、その上限が196億5,000万円、約200億円近くになります。ですから今まで平成18年の合併から計画的に、しかも必要なものだけに絞って、この合併特例債を充ててまいりました。その結果ですね、今現在196億5,000万円のうち157億7,000万、これが平成29年度末の数字でありますが、80.3%を使ってきていると。で、平成30年度は約21億円を予定をしておりまして、これを加えると平成30年度末、今年度末の累計は178億7,000万円、残りは17億8,000万円という、そうした引き算となります。 昨年度策定をいたしました伊那市総合計画実施計画におきましては、平成31年、32年度でありますが、幹線道路網の整備に約11億円、これは環状南線とか農道とかに対する県の負担金ですね。あるいは、子育て、教育施設などの整備、これに6億円を充てるということで、この教育施設というのは、例えば給食施設とかそうしたところであります。 で、この実施計画というのは現在立っているものでありますが、状況によっては変更をかけるということもありますので、これが確実にこれだけということではないのはちょっと御承知おき願えればと思います。 平成の大合併という中で、国は合併を進めました。小さな組織がたくさんあるよりは、自治体を一緒になって、その課題解決に邁進をしていってほしいという中であったわけでありますが、私ども伊那市、高遠、長谷、この3市町村が合併をして、ことによって約200億円近い国からの補助があったというふうに考えていただければいいと思います。そうしたことがありましたので、この有利な地方債、起債がいずれ限りある財源として間もなく終わるということ、さらに私たちはありがたかったというか、これからもありがたいのですけれども、過疎債というものがあります。過疎地域だけに来る起債でありますが、これは長谷・高遠に使うことができると、ソフト・ハード両面使うことができますので、これも大変有利な起債として、伊那市の財政の健全化には非常にありがたかったという考えであります。今後も特定財源、これをしっかりと確保して、健全財政を維持をしていきたいという考えであります。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 市長、確認の意味でお話させていただきますが、196億5,000万円この総額、これは満額伊那市としては今後2年間で、その達するだけの事業をやりたいと、こういうお考えでよろしいございますか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 今現在はその予定でおりますが、さらに有利な財源があれば組みかえ、巻きかえてやっていくということで、常に生き物でありますので、伊那市の財政にとってプラスかどうかということを常に判断しながらやっていきたいという考えであります。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 次のお尋ねになります。今年度予算の現時点における執行状況についてお伺いをいたします。30年度予算は市長選挙を考慮をいたしまして、3月議会では骨格予算の編成でありました。時は流れ、6月議会で肉づけ予算として議会議決を受け、本格的事業執行へとスタートをいたしました。 早2カ月が経過いたしました。一般市民の目線で感ずることですけれども、各事業の進展がよくわからないとの声が聞かれます。とりわけて、各地域の区長さんにとって、4月に要望をして、立ち会った道路や水路、耕地など市単独事業がいつごろどうなるのかといった心配や、期待が入りまじった複雑な心境の区長さんの声が、数多く寄せられております。区長さんにしてみますと、一般論ですけれども、自分が区長のときにどこをそして何を、どこまで改善や形に仕上げたか、どれだけ仕事をしたかといった働きぶりを気にする方が大変多いわけであります。だんだん来年度の区長選出という大仕事の時期にもかかわってまいります。こうした市民レベルで目に見える部分のほか、市の大型事業やソフト事業の予算執行状況を、この際明らかにしていただきたいと思います。 わかりやすく教えていただくために、市長挨拶の際によく使う手法ですけれども、部ごとの事業取り組みを紹介していただきたく、そんなスタイルでお願いをしたいと存じます。そして、教育委員会の事業も含めまして、この件も市長のほうからお願いをしたいと思います。いかがでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 部署別にということで、わかりやすくということでございますので、まず今年度の予算の執行状況であります。8月末時点で40.3%であります。昨年よりも若干いい数字でありますが、順調に進んでいるという状況であります。このうち6月の肉づけ予算、選挙がありましたので骨格であって、その後肉づけで追加したわけでありますが、地元からの要望の強い道路とか水路の維持補修にかかわる予算執行については、例えば道路の場合は36%、水路の場合についてはことしの耕作終了後の執行となりますので、現在は17%ということであります。 そのほか、部局ごとちょっとお話をしますと、まず総務部関係でありますが、4月7日にオープンをした防災コミュニティセンター、これ荒井区にできたのですけれども、これがオープンをして使用が始まっていると。 また、企画部でありますが、これ新産業技術ということでよく新聞に出ておりますが、ドローン物流事業についての受託、プロポーザルという手挙げ方式で説明を受けて、それで決めていくという方針の中で行っております。また自動運転も長谷道の駅を拠点として、国土交通省との連携で実証実験に取り組んでいるということであります。この新産業技術、特にドローンとか自動運転等については、ほとんどが国のお金でありまして、市の持ち出しは5%ということで、少額であります。 それから、市民生活部でありますが、これは一番大事業として新ごみ中間処理施設、名称は「上伊那クリーンセンター」となりましたが、これの取り組み、おおむね8割程度の進捗でありますが、この11月にはもう始動しようと、火を入れて状況を確認しながら、だんだんに試運転をしていきましょうという予定でおります。 保健福祉部でありますが、これ高遠保育園、来年の4月の開園に向けて、本体の建設工事を実施中であります。これ執行率は9割、90%であります。特に地元の木を使いましょうということで、これをテーマにして明るくて子供たちの真にためになる保育園づくりということで、取り組みをしております。 農林部でありますが、これは6月補正でお願いをしてお認めいただきました農業機械導入事業において、補助申請に対応しております。予定額1,700万のうち、8月末時点で約1,100万円の交付を決定をしております。 商工観光部では、高遠のしんわの丘ローズガーデン、ここの部所についてバラ基金というものを活用して、現在設計を行い、秋のバラ祭り、このバラ祭りが終わった後に、約1,500平米の拡張工事に着手をする予定であります。再来年の全国のバラサミットに向けた準備がいよいよ始まってきているということであります。建設部でありますが、これは伊那市役所前の環状南線、市役所から天竜川渡ってとまっているこの道を、さらに延伸をして原田井1号線、消防署のあるところの道ですね、これにくっつけるということで用地買収、補償を進めております。予定の工事2カ所については、9月に公告をして発注をいよいよするという段階になっております。 水道部でありますが、上水道事業と下水道事業、これも予定をした工区、工事をする区間の約9割において発注が終わっております。 教育委員会関係ですが、小中学校へのICT機器の導入、これは導入予定の6校、全部で107セットを導入予定であります。夏休み期間中に半数の設置が終了をし、残りの半数については10月上旬までに設置ができるということで、これのまた活用についても専門の人を配置をしながら、早期に事業で使えるような形に進めていくという考えであります。 今後も事業効果というものを最大限に発揮をすべく、予算の早期執行に努めるということ、また実施状況についてもわかりやすく市民の皆さんにも周知をしていきたいというふうに考えております。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 市長最後に早期執行に努めると、決意をいただきました。そのようにお願いしとうございますが、ちょっと私の調査では、先ほど全体では40.3%、昨年に比べて順調だという話でございましたが、道路が36、水路が17%、いわゆる市民の見える部分でなかなか、なかなかいろいろな事情があろうかと思いますが、進んでいない部分が懸念するわけでございます。何であれスピード化をもって取り組んでいただきたい、強く願うところでございます。 そして市長のただいまの予算執行に関する答弁に関連をいたしまして、再質問をさせていただきます。これは通告にございませんので、市長の思うところで結構でございます、お聞かせをいただきたいと思います。 伊那市の事業の早期執行を望む市民のほかに、事業に当たった、いわゆる取り組んだ市内業者もまた市民であります。事業が完成、終了をいたしますと、一般的な感覚で申しますと、契約金といいますか事業費の支払い、いわゆる精算、現金の振り込みを待つという立場の市民の皆さんがおられます。中には、支払い日を当てにして、次の仕事に反映させようとする綱渡り経営に取り組む零細業者もおられます。事業の担当課の書類、事務処理を経て、支払いの会計課まで的確な事務処理による迅速な支払い、スピーディな支払いが強く求められるところであります。市長にはそうした業務に対する職員への心がけ、指導・特例など日常の基本姿勢について、感じているところをお話をいただきたいと存じます。 また、ちょうどの機会でございますので、一般の市民の皆様にもわかりやすいように、市の税金がこんな形で、システムで支払われているんだよといった形態をわかりやすく明らかにしていただきたいと存じます。この部分は専門の担当部署からの御答弁や御説明で結構でございますけれども、まずは市長の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 3月に次年度予算を認めていただいて、それからいろいろな設計に入っていくわけですが、中にはおくれていくものもあります。私たちは、私も副市長も、また担当部長もそうしたことがないように、常に目を光らせておりますが、なかなかこう発注がおくれてしまったということで、後半に集中してしまうということが過去随分ありました。で、そうしたことをなくそうということで、今やっておりますので、その点については改善は進んでいるかと思いますが、もし気になるところがあったら、またお話をいただければと思います。 また、支払いなんですけれども、実際当たってるのは会計管理者でありますので、会計管理者のほうからわかりやすい言葉で説明させてもらいますけれども、仕組みについて、本当に資金繰りが大変で支払いがあったら次のところというのは当然あると思います。で、そうしたことがないように、終わったら速やかに支払いするということは当然でありますが、万が一そうしたことのおくれ等があれば、業者のほうから直接言ってもらうとかですね、いう形にしないと、企業の経営そのものに響いてきますので、これもしあればゆゆしき問題だと思います。そうしたことがないように、取り組みをしているつもりでありますが、万が一のときにはまたお話をいただければと思います。 ○議長(黒河内浩君) 有賀会計管理者。 ◎会計管理者(有賀明広君) ただいまお尋ねの支払いに関するところにつきまして、御解答をさせていただきます。 事業が完了いたしましたのちは、これは迅速な支払いを行うことが大変重要であるというふうに会計管理者として感じているところでございまして、今現在、私どものほうに支払い命令というような形でまいったものにつきましては、5日ごとの定時の支払いに加えまして、緊急度の高い事案につきましては、即日支払いというようなものにつきましても対応をさせていただいているところでございます。 私どものこの会計のほうに入ってまいりますまでの期間につきましては、事業が終わった後の竣工検査ですとか完了検査、これについて迅速な取り扱いが行えるようにということで、所管課については日々これは周知徹底をいたしているところでございます。 また、この事務処理、出納事務処理に当たりましては、地方自治法ですとかまた伊那市の財務規則、これらにきちんとのっとった事務処理が行わなくてはいけないというようなことで、所管課には日々これが励行されますよう、指導それからまた助言をいたしているところでございます。 今後におきましても、このような事務処理につきまして、少しでも早く、短く処理が実施できますように心がけてまいりたい、また全庁を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えています。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 丁寧な市長、会計管理者、お答えをいただきました。 最後のお尋ねになります。改めて大変恐縮ですけれど、市長、現状から今後に向けて、さらなる健全財政の維持、発展に立ち向かう、市長の信念と決意をお聞かせいただきたいと存じます。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 伊那市の財政、非常に健全な状態になっているという話をさせてもらったのですが、過去に至ってみると非常に財政が厳しい時期もありました。平成18年、ちょうど合併したころですね、合併したころ実質公債費比率というのは20.8%でありました。今は9.8%、この実質公債費比率というのは、3年平均の数字になるのですが、18%を超えたところに、自治体には例えば借金をする場合にも県知事の許可がいると、非常にこう縛りがあります。そのぐらい18を超えると、その自治体の会計、財政は大変厳しいぞという評価となるわけでありまして、そうした20を超える時期もありましたけれども、年々減少をして、今は10を割って9.8%と、また将来負担比率というのも平成18年、19年あたりは200%でありました。つまり、将来の負担が極めて高いということだったのですが、これも今現在は昨年からマイナスに転じて、平成28年マイナス4.7、ことしはまたさらにマイナス22.5という、将来には財政的な心配全くないという数字で、これも県下でも数市、ゼロという数字がありますけれど、多くは何某かの数字があります。 そうしたことは、先ほど議員おっしゃっていただいたのですが、実は私ども18年、あるいは16年あたりからこのことについては本当にどうやって解消しようかということを本当に考えてまいりました。で、借りるお金と返すお金、これは絶対に超えてはいかんと、ということを原則としてやってまいりまして、その結果、現在の数字になったのですが、この至るときには、伊那市の滞納、その税金を納めない、たまってしまっている状態も16億8,000万ほどありました。今は4億まで減ってまいりました。で、ここのところをきちんと手をかけて、いただくべきものはいただいて、ということを徹底的にやってきたことと、あと企業誘致をして、企業が来ることによって人もふえていく、それから法人税も入ってくる、その2本立てをしてともかく頑張ろうと。それから国のお金、国のいろいろな制度を使いながら、市費、市の単独のお金を使わないでいろいろな補助金を上手に使いましょうということ、このことを特に徹底をしてまいりました。これもできたのも、職員全員の努力だと思っております。本当に職員の皆さんには、給料面でも苦労をかけたり、また職員の駐車場にも駐車料金をいただいてきております。そうしたことで、本当に負担をかけつつ、ようやく改善をして安定をした非常にいい状態になりましたので、本当に私は職員には感謝をしているとこであります。 こうした健全な状態を今後も維持をしていかなければいけないし、さらに健全な状態にしていくということで、特に将来負担比率がマイナスに潜ったというのは基金、つまり貯金ですね、貯金が毎年ふえていって、一番低いときには44億円だったのが、今現在196億まできてます。そうした貯金がふえているということも、財政の健全化に寄与しているということであります。 一方ですね、このふるさと納税の部分についても、大きなポイントだったと思います。このふるさと納税もいよいよ総務省、手をかけるぞと、言うとおりやっていない自治体ばかりじゃないかということで、いよいよもう交付税とめちゃうぞというようなところまでなってきておりまして、これはこれとしていいんですけれども、私どもはもう過去にふるさと納税でしっかりといただきましたので、これを上手に使っていく。ただ今後ですね、全ての自治体に対して国からいただく交付税、地方交付税というものが減少します。今までの合併特例債とか、過疎債とかいうものがあって、上手に使ってきたのですけれども、今度はその交付税そのものがガクンと下がってまいりますので、今までと同じような考えではまずいということで、担当のほうは特にそこら辺をどのように対応していくかということで今、作戦を練っておりますが、今までと同様に人口減少があったり、あるいは国からの交付税が減ってくる時代になっても、今まで取り組んできたスタイルを変えなければ、伊那市の財政状況というのは悪くはなっていかない、むしろいい方向にいくというふうに考えております。 ただ歳出、出費ですね、これはこれから環状南線、学校の給食施設の整備、それから特に小学校、中学校あるいは保育園、こうしたとこへのエアコンを設置をしていくということを大変大きな財政負担になるわけであります。また、福祉まちづくりセンターの建てかえも予定をしておりますし、道路もだんだんにこう傷んでくる、また水路も維持・補修も必要だと、下水道もだんだん老朽化するよということの中で、優先順位とそれから投資の対象を明確にして、効果を発現できるようなところに投資をしていかなければいけないという考えであります。 伊那市を取り巻く環境、これは伊那市だけではないんですけれども、財政運営これは楽観視はしてはいけないというふうに思っております。常に気を引き締めて、それから財政状況が悪かった十数年前の過去、これを忘れてはいけないということの中で、健全な財政運営に努めていきたいという覚悟であります。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆21番(飯島尚幸君) 市長ただいま自己への戒めの言葉も出ました。全て伊那市市民の健全にして健康な豊かな伊那市づくりのために、さらなる御尽力をいただきますよう、力を入れていただきますよう御期待を申し上げまして、質問を終わります。 ○議長(黒河内浩君) 以上をもちまして、飯島尚幸議員の質問が終了いたしました。 暫時休憩といたします。 再開は11時35分といたします。 △休憩 午前11時22分 △再開 午前11時33分 ○議長(黒河内浩君) それでは休憩前に引き続き、会議を再開いたします。 前田久子議員の質問に入ります。 19番、前田久子議員。     (19番 前田久子君登壇) ◆19番(前田久子君) 19番、前田久子でございます。あらかじめ通告をいたしました2項目について質問をしてまいります。午前中はすごい白熱をいたしまして、時間が大分押しておりますけれども、どうかよろしくお願いいたします。 初めに、認知症対策についてでございます。先ごろ、市民と議会との意見交換会を行いました。私は分科会で「健康長寿・認知症対策を考える」を担当させていただき、主に地域において日ごろ感じている課題を出し、それに対して地域でできること、行政につなげることについて、市民の皆様から貴重な御意見をたくさん頂戴いたしました。 また、私どものネットワークで、4月から6月にかけて、100万人訪問・調査運動を行いました。テーマの一つに介護があり、「将来の不安は」との問いで一番多かったのが、「経済的な負担」で約50%、次が「自分が認知症になったとき」で43%、これは私が担当した天竜川から東方面での数ですが、認知症に対する不安はかなり大きいことがわかりました。 政府の統計では、あと7年後の2025年には675万人、さらに認知症の発症に影響を与える糖尿病者の率を加えると、730万人に上るとされています。その中で、どんな症状が出るのか、どこに相談にいけばよいのか、認めない親をどうやって病院へ連れていけばよいのかと悩みを抱える人は少なくありません。 伊那市では重度の介護状態になっても、住みなれた地域で最後まで自分らしい暮らしができるようにと、地域包括ケアシステム構築に向けて、精力的に事業を進めております。その重点項目の中に、認知症施策の推進があります。認知症になっても理解し合える伊那市がテーマになっています。そこで、認知症施策の推進について市長にお尋ねをいたします。 初めに、認知症は早期発見、対応が重要と言われますが、放置しがちで、気がついたときには本人も家族も大変な状態にということになります。その対応策として、認知症高齢者を支える家族を支援することを目的に、初期集中支援チームが設置されたと思います。その進捗状況をお聞かせください。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 伊那市では平成28年度から伊那神経科病院へ委託をしまして、認知症初期集中支援チームを立ち上げて、市の認知症地域支援推進員と協力しながら、認知症の高齢者、またその家族の初期の支援、これを包括的・集中的に行っております。内容等については、担当からお話をさせてもらいますが、今後も伊那市民、それから関係機関に対して周知を行いながら、認知症初期集中支援チームの活動を支援をしていきたいと、充実を図っていきたいという考えでございます。 ○議長(黒河内浩君) 廣瀬保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(廣瀬宗保君) それでは支援チームの実績でございますが、平成28年度は11件、平成29年度は7件ということで、早期に適切な医療・介護につながるような取り組みを進めてきております。 それから、チーム学習会のほうも開催しておりまして、平成29年度は34人の方に参加をいただいたところでございます。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) この事業は、認知症予備軍と言われる方々を、改善に導いていくという大事な事業でありますけれども、非常に今実績を報告していただきましたけれど、不安が大きい割にはこれを利用している数が少ない、まあ始まったばかりということもあるかもしれませんけれども、全国的にも認知度が12.1%という結果が出ているという、そういうことであります。 今、市長周知を図りながらというふうに言われましたけれども、ちょっと進みぐあいが少ないかなというふうにも思うところでございます。伊那市は今後どういうふうに周知を徹底していくのか、またこの集中支援チーム、6カ月の間で進めて支援をしていくということでありますけれど、この認知を抱えた本人と家族が6カ月の支援でめどが立つのかということも、ちょっと疑問に思うわけでありますけれども、これを継続していくという方向はもてないのか、その点お聞きします。 ○議長(黒河内浩君) 廣瀬保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(廣瀬宗保君) この支援チームについて、少し周知不足だということでありますので、少し解説をさせていただきますが、議員おっしゃいますように対象は40歳以上の方で、基本的には在宅で生活をされている皆さんということでございますが、特に医療サービスでありますとか介護サービスを受けていない人、またはかつて受けていたのですけれど、今は中断してしまったというような方を主に対象としているとこでございます。 ということで、通常は市の包括支援センターも中心になってやっているわけですけれども、直接そういった方にかかわっているケアマネジャーさんたちにも協力をいただいて、そういった情報を集めているところでございます。 このケアマネにつきましては、毎年、連絡会議ということで開催しておりますので、そういったおりにも、こういったチームの取り組み等を紹介させていただいておりますし、その他、ホームページ等の一般的な広報でもお知らせをしているところでありますが、おっしゃるように、なかなか周知できていないということでございますので、今後、周知に努めていきたいというふうに思います。 それから、6カ月というお尋ねでございますが、ネーミングのとおり、初期集中支援ということで、これは、先ほど申し上げましたような対象者を、場合によっては、医療的な治療につなげていくというような橋渡しをしていくという役割がございます。そういったきっかけをつくっていくのが、この初期集中支援ということでございますので、そういった意味での6カ月ということで、6カ月たったら、その支援を全て切ってしまうということではなくて、そうしたきちっとしたサービスにつなげていくということが目的ということでございます。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) よく理解できます。それで、ぜひ継続的に、きめ細かくということでお願いをしたいと思います。 2点目でございますが、その介護予防の一環として、伊那市では、「認知症おしゃべりカフェオレンジ」というのを6カ所に今開設をされております。最近また、夜、昼間出られない人たちを対象に、ナイトカフェというのも、この市役所の近所で開設をされたというお話も聞いておりますが、参加を呼びかけても、集まりがもう一つという声がありますが、その現状と課題をお聞かせください。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 利用状況については、担当のほうからお答えをさせてもらいますが、議員おっしゃるとおり、参加者が固定化しているとか、参加者が少ないカフェがあったりと、また、日中に参加できない方のためにナイトカフェも実施をしておりますけれども、参加者が少ないということで、今後の工夫が大事だというふうに認識をしております。 今後も、開催場所、それから土曜日、日曜日などの開催についても検討するなど、また、広く周知をすることも含めて、より参加しやすい方向で、さらに実施をしてまいりたいという考えでございます。 ○議長(黒河内浩君) 廣瀬保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(廣瀬宗保君) 認知症おしゃべりカフェというネーミングでございますけれども、実際に認知症だけではなくて、一般的な介護の悩み等をお持ちの方でも参加をいただけるということで、幅広く呼びかけております。 平成27年度に、市内4カ所から始まりまして、現在は7カ所ということで、少し箇所数をふやして開催をしているところでございます。 平成29年度の実績は、開催回数延べ73回開催をしておりまして、延べの参加人数は331人という状況でございます。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) このおしゃべりカフェの開設した目的というのは、気楽に話をする、そういう場があるということで、話すことで心が軽くなったり、元気になれたりすれば、そういうような思いで、健康寿命の一環として、こういうカフェという気楽に集える場所というものを設けたことだと思います。そこに携わる方は、大変御苦労をされているというお話もお聞きするわけでありますけれども、その携わる方々のお立場とか資格というのはどういう方たちでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 廣瀬保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(廣瀬宗保君) 包括支援センターの職員はもちろんでございますけれども、キャラバンメイトの方々、それからケアマネジャー、それから実際にこういった認知症の方の介護を経験されたそういった方たちにも参加をいただいておりまして、特別、法的な何かの資格がなければ、ここに参加できないというものではございません。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) わかりました。次に、伊那市は、見守り体制の充実ということで、市内27カ所の「イーナ介護なんでも相談所」というのを設けておりまして、そこと連携した見守りネットワークの構築に力を入れておりますが、この相談事業の詳細と進展状況をお聞かせください。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) ここも同じく、状況については、担当のほうからお話をさせていただきます。 徘徊の心配のある認知症高齢者を把握をして、イーナ介護なんでも相談所とか、また、地域の関係機関と連携をとって、徘徊時に発見できる見守りネットワークの構築に向けて、現在検討中であります。関係機関と連携調整を行って、早期に稼働できるようにしてまいりたいと。 また、認知症見守りネットワークの充実のために、地域住民の皆様の理解と支え合い、これは大変重要でございますので、認知症サポーターの要請、地域ケア会議、こうしたものを積み重ねていって、引き続いて、地域で見守り、支え合う体制づくりに努めてまいりたいという考えでございます。 ○議長(黒河内浩君) 廣瀬保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(廣瀬宗保君) イーナ介護なんでも相談所でございますが、これは、平成28年度から、身近な地域で相談できる場所ということで、なかなか地域包括支援センターだけでは、やはり場所も決まっておりますので、介護保険事業所等に御協力をいただいて、できるだけ相談の場所をふやそうという目的で設置したものでございます。33カ所ということで設置をいたしました。平成29年度の相談の実績でございますが、年間25件でございます。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) これから本格的になってくるのかなということを感じます。私どものアンケート結果でも、いざというときの相談先に悩んでいるということがよくわかりました。本当に身近な介護施設で、こういう黄色い旗を掲げて、イーナ介護なんでも相談所という、そういう窓口を広げているわけでございますけれども、なかなかそういったことがあるというのが、やはり認知度が低いかなということも思っております。せっかくのなんでも相談所が、いざというときの相談所として十分に知られていないということも感じますし、そういったことがあっては残念でありますので、これからまた、そういった点も考慮の中に入れて、充実した見守り体制ができればというふうに希望をいたします。 この3点につきましては、行政側として、今されている事業について、質問させていただきましたが、これからは、そこに協力をしていく地域の皆様、非常に大事になってまいりますので、その地域の方々の活躍について、質問をしてまいります。 認知症サポーターキャラバンメイトについてでございます。 思いやりの心で地域を包もうと、身近にいる認知症の人や家族を見守り、支える認知症サポーターが、全国で1,036万人、また、サポーターを養成するキャラバンメイトが14万9,000人を超えたとのことです。高齢化の進展に伴い、認知症が身近な病気となる中で、さらなる活躍が期待されます。 2005年に厚労省が創設したボランティア制度で、養成講座を90分受ければ資格を得られ、基本的な知識と接し方、例えば、後ろから声をかけない、まず見守る、穏やかに話すなどを学び、サポーターには、オレンジリングが渡されます。これは、「認知症の人や家族を温かく応援しますよ」との意思を示す目印です。現在、認知症の人が約500万人と見られ、数の上では、認知症一人に対し、二人のサポーターがいることになります。警察庁では、警察官と職員4万6,000人に養成講座の受講を義務化したとのことです。 そこで、市長にお尋ねいたします。伊那市の職員も含め、現状と成果について、お聞かせください。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 細かな数字は、担当のほうからお答えをさせてもらいますが、伊那市では、認知症サポーター養成講座、これを開催をして、認知症について正しく理解をしながら、地域で支援を行っていくサポーターの養成というものを進めております。 このサポーター養成講座については、今後も継続して開催をし、関係する機関等にも広報していきたいと。また、市職員向けのサポーター養成講座についても、今年度、実施をする予定でございます。 ○議長(黒河内浩君) 廣瀬保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(廣瀬宗保君) 平成29年度のサポーター養成講座の実績でございますが、開催の回数19回ということで、サポーター養成人数は530人となってございます。 それから、これまでにサポーター養成講座を受講した方は、累計で6,052人となっております。平成28年度には、職員向けに認知症サポーター養成講座を開催し、職員145人が受講をしておりますし、平成29年度には、伊那地区の保健委員51人、それから、民生児童委員152人に受講をしていただいたところでございます。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) 伊那市でも、しっかりと養成講座に力を入れてくださっておりますので、6,000人以上の方がサポーターになっておられるという、本当に力強いなっていうふうに思っているところであります。積極的に進めていただいた結果だと思います。 先日の意見交換会に参加された方々の中にも、サポーターの資格者が何人もおられました。キャラバンメイトの方もおられました。でも、リングはいただいたが、役割がはっきりしていない、活躍の機会がないという意見も出ております。認知症と一口で言っても、それぞれの症状や置かれている状況、ニーズが異なります。加えて、地域性もあるため、学校区や区、町内ごとにきめ細かい支援が必要となってきます。行政だけでは限りがあります。ここで、力を発揮してもらえるのが、サポーターお一人お一人です。何かしなければならないという義務はありませんが、地域のリーダーとして、まちづくりの担い手が育つことに大きな期待が込められています。 そこで、お尋ねいたします。サポーターの方々へ養成講座以後の連携はあるのでしょうか。リングを渡したままでは、意識もやる気も薄らぐばかりで、大変残念です。意欲あるの方には、さらなる技能向上の道をつくり、見守り、買い物支援、認知症カフェなど、地域の支援者として活躍できる場を積極的にふやすことが、認知症施策の厚みをもたらすことになると思いますが、見解をお聞かせください。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) この認知症サポーターでありますが、認知症について正しく理解をし、認知症の方、また、その家族を温かく見守る応援者の役割を担ってもらっております。この認知症サポーター養成講座の受講後に、サポーターの皆様に直接支援をお願いをするような取り組み、あるいは連携については、現在、特に行ってはおりません。認知症キャラバンメイト、これは、認知症カフェの運営を行うなど、認知症高齢者の支援を行う、こうした活動は行っております。 今後、認知症サポーター養成講座以後、意欲のあるサポーターと連携を図っていくために、積極的な活動への参加をうながすということで、今後、先進地の事例等の研究も行っていきたいということ、また、地域の支え合い等の活動に参加したいサポーターに対しましては、伊那市社会福祉協議会で開催をしております生活支援サポーター養成講座、こうしたところへも参加をしていただくよう周知を行いたいと考えます。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) 前向きにいてくださるということで、安心をしました。 市報の一番最後の福祉のページのところに、やはり、生活支援サポーターとか、地域助け合いリーダーの募集とか、そういったものも出ております。今月は、一番最後のページでありましたけれども、でも見て、自発的にそこへ参加していくという方は、なかなか少ないかなと思いますし、リングをいただいているから、研修を受けているから、何かしなきゃだけれども、どうしていいか具体的にわからないという方がたくさんおられるということは、ちょっと残念かなというふうにも思いますので、ぜひとも、これから社会全体で支える環境づくりをもう一歩進めるときと思いますので、皆様の実のある活動をできるようにしていただきたいなというふうに思います。 この通告をしてからでありますけれども、新聞記事に、来年度から厚労省でサポーターによる活動を強化するオレンジリンク事業というのが始まるというふうに出ておりました。市といたしましても、しっかりとそれを取り入れて、強力に推進をお願いしたいと思っております。 また、先進地では、子供向けのサポーター養成講座とか、小売業、金融機関、公共交通機関、理容・美容業、配達・配送業などに対しても、認知症サポーター養成講座を受けるように進めていると、すそ野を広げていると、そういうような情報も入っておりますので、見守りの件では、そういう企業に対しての呼びかけもされていると思いますので、ぜひこちらにもお声がけをしていただければというふうに思っております。 それでは、次に、介護ボランティア、ポイント制度の導入についてでございます。 これから高齢者を地域で支えるからには、ボランティアのあり方も工夫が必要だと思います。ボランティアをしたいがきっかけがない、勝手に手を出せないなどの声をよく聞きます。今回の意見交換会でも言われました。 私の行ったアンケートの中でも、困ったときのお互いさまの地域づくりを望むとありましたし、現役を退いた方々で、何か地域の役に立ちたいとお思いの方がたくさんおられます。今の高齢者は身体機能が若く、社会の活力を維持するには、元気な高齢者に支える側に回っていただく必要があります。また、現在、生活支援で運転のボランティアをされている方から、ボランティアとはいえ、燃料代ぐらい払ってもらえないかなという声がありました。それもあちこちから聞いているよということもお聞きしました。 そこで、お尋ねいたします。高齢者の社会参加を促す政策として、介護支援ボランティア制度をつくり、一回のボランティアごとにポイントを付与し、自分が介護サービスを受ける際に使うとか、1年分で買い物などに活用できる方法をとか、全国的にもポイント制度が導入されておりますが、張り合いを持って参加できるよう、そろそろ伊那市でも検討に入るべきと思いますが、市長の見解をお聞かせください。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 高齢化が進む中で、住みなれた地域で暮らし続けることができるという、こうしたことを目的として、地域包括ケアシステムの構築に向けて体制づくりを取り組んでいるわけであります。住民主体で行っておりますいきいきサロンとか、あったかご近所ネット、地域自主グループ筋力アップ教室、こうしたものに対しましては、市、あるいは社協が運営費の補助を行っております。 健康づくりの取り組みに対しましては、伊那市健康応援ポイント事業を実施をしておりますが、高齢者の介護支援ボランティアに対するポイント制度についてはありません。 今後、元気な高齢者が支援の必要な高齢者を支援する仕組み、こうした仕組みづくりを進めていくということは重要であるという考えでございます。介護ボランティアポイント制度も、有効な手段の一つだろうというふうに思います。地域での支え合いの体制づくりを進めていく中で、先行実施をしているような市町村の事例もございますので、研究をしながら、検討してまいりたいというふうに考えます。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) 今、どの分野でも、どこに行っても、ポイントポイントという声をかけられます。お財布の中はポイントカードでいっぱいという、そういう状況であります。1ポイント1円と思っても、これをためていくという張り合いにもなりますし、それが人の役に立って、また、自分のプラスにもなるということは、すばらしい形ではないかと思います。 私ども社会委員会で、10月に視察にまりますが、その視察先も、3カ所、ポイント制度を導入しているという、そういったこともわかりました。また、私も、過去を振り返りまして、もう片手で数えるぐらいポイントの導入をというふうに繰り返してきましたけれども、研究をするということも何回かお聞きしてまいりました。そろそろ形にしていただきたいというふうに思っております。何か課題がありましたら、しっかりと乗り越えていただいて、ぜひとも運動のポイントをすごく伊那市でも効果を上げているというお話も聞いておりますので、ぜひこれも介護ボランティアのほうに差し向けていただいて、形にしていただきたいということを強く要望いたします。 次に、男性の社会参加についてでございます。 伊那市は、公民館活動が非常に活発で、特に、介護予防教室は、毎月110カ所以上で行われ成果を上げています。でも、そこでいつも言われることが、男性の参加がないということです。現役時代に地域活動をする機会がなく、地域とのつながりが希薄なため、出にくい、面倒等の理由から、出不精になっていると思われます。 そこで、お尋ねいたします。意見交換会では、市民大学の参加者は多いことから、出不精ということだけではない、何か各地区で必要とされることを考える。男性の出番の工夫をするべきとか、数字的目標を掲げて、生きがい、喜び、楽しみのある行事をとか、積極的に公民館活動への呼びかけをしていくべきとの御意見がありました。 また、中央区では、旧庄屋の家で古文書が見つかり研究サークルを発足して、男性参加の場をつくっているとかの話もありました。市として、男性参加の事業を推進していることがありますでしょうか。また、各地区へ指導体制は組めないかお聞きいたします。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。
    ◎市長(白鳥孝君) この介護予防事業につきましては、従来、女性のほうが参加が多いということ、また、男性の参加が少ないというふうに言われてきておりますが、健康志向の高まりによりまして、筋力アップ教室、また、一部の教室においては男性が増加傾向にあるということも、最近の状況であります。介護予防事業とか、公民館活動等に男性が参加するということによりまして、地域のつながり、また生きがいを持てるようになるということはわかっておりますので、今後も、男性が参加しやすい工夫というのをさらに検討しながら、ふやしてまいりたいというふうに思います。 各地区への指導体制につきましては、地域で活躍しておりますいきいきサポーターの活用、また公民館、地域社協等との連携によって対応していきたいという考えでございます。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) 各公民館では、囲碁クラブとか、マージャンクラブとかあるわけでありますけれども、プラス、人のためになることをっていうことを思うわけであります。そういったことも、行政から呼びかける、働きかけるということがあってこそ、それじゃあと、腰が上がってくるということで意味があるわけでありますので、ぜひ強力に何か形を考えて、行政のほうから呼びかけをしていただきたいなというふうに思います。これは、奥様方からの強い要望でもあることをお伝えをしておきたいと思います。 この男性の社会参加の課題の中で、今、高齢者ひとり暮らしのひきこもり、孤立が大きな問題になっています。他者との接触がほとんどなく、人と会話する頻度が2週間に1回以下という方が15%もあるという調査もあります。 また、80・50という言葉があります。80歳の親が50歳の子供の面倒を見るという意味で、深刻な社会問題です。健康への悪影響や困窮などを引き起こす要因になり、放置すると、地域の活力低下につながると、さきの国会で社会的孤立を明示した「改正生活困窮者自立支援法」が成立、対策を進める方向性が打ち出されました。高齢者が地域とのつながりをもって、元気に暮らしてもらうことが目標です。社会的つながりが多い高齢者は、孤立しがちな人に比べて、認知症のリスクが46%も低下すると言われ、地域で交流する機会を提供して、国民健康保険の支出を減らしたという事例もあります。 そこで、お尋ねいたします。孤立や困窮の問題は政治的に浮上しにくく、地域の中で十分に理解されにくいのですが、放置できない事柄です。伊那市においても、孤立、困窮、80・50はよそごとと言えない状況にあると思います。このことについて、市長はどうお考えか、対策があれば、お聞かせください。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) この80・50問題、これはひきこもりの子を持つ家庭が、親子ともに高齢化していくという中で、親の介護が必要な状況になっていても、親が50歳代の子供の面倒を見たりということで、ひいては、一家が経済的に困窮をしてしまうという、そうした状況に陥るわけであります。最近の地域包括支援センターに寄せられております相談の中には、こうしたケースもふえているということで、今、関係部署と情報を交換しながら対応をしているわけであります。 親の年金で50代の子が暮らしているケースというものについては、子供のひきこもり、あるいは精神疾患が疑われたり、原因となるようなケースがありまして、就労支援とか、適切な医療等が必要になる場合もあります。就労、あるいは適切な医療につながるような支援も必要になってくるわけであります。 平成29年度に、地域包括支援センターで受けた虐待に関する相談45件、そのうち、親の年金で子が、あるいは孫が生活をしているというケースが12件ということで、そうした中でも、虐待につながっていくという判断の例もございました。 80・50問題という新しい言葉でありますけれども、こうした社会を表現するそうした課題、問題、こうした複合的な課題に関しましては、複数の関係部署間の連携が必要となってまいりますので、これからも連携をしっかり図りながら、支援の体制を考えていきたいと。また、複合的な福祉課題を持ったケース、また、制度のはざまの問題に対応するようなケースもありますので、総合相談支援体制ということの構築も検討していかなければいけないかなという考えでございます。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) 市長も真剣にそのことで考えてくださっているということで、心強く思います。 子供のひきこもりという支援策というのは、もう幾つもあるわけでありますけれども、大人のひきこもり対策は、これからという感があるわけであります。国のほうも動き出しておりますので、あらゆる情報を集めながら、市の施策も打ち立てていただきたいと思います。親の年金に頼らず、自立をするためにはどうするか、真剣に考えるときと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、2項目に移ります。 終活支援事業導入についてでございます。最近、生前に身じまいの準備をする終活、エンディングノートという言葉をよく耳にします。人様の最終章に触れることはタブーと思われがちですが、今、人生の締めくくりを自治体が手助けする終活支援事業が広がっております。ひとり暮らしの高齢者がふえ、最後を誰にも託せない人がふえているからです。 大和市では、「葬儀生前契約支援事業」を行っています。主に身寄りがなく、困窮している人を対象で、契約の上限額は生活保護の葬祭扶助基準と同じ20万6,000円、市の連絡先と葬祭事業者などを記録した登録カードを作成しています。また、身寄りがあり一定以上の収入がある人にも配慮をして、事業者や司法書士会、行政書士会の情報提供をしています。 また、千葉市では、葬祭事業者と協定を結び、地域包括支援センターが窓口になり、病院、施設入所の際の身元保証、遺言信託、生前整理などの契約をしています。 また、横須賀市では、5年前から納骨先を決めておく「エンディングプラン・サポート事業」をしております。公費で火葬をした後に、引き取り手がない事例が急増してきたことがきっかけです。本年からは、希望者全員を対象に終活情報を生前登録する事業に転化いたしました。遺言状の保管場所、埋葬予定の墓の所在地、延命措置について決めたリビングウイルやエンディングノートの保管先、葬儀提供の有無等、11項目、本人に不測の事態があった場合、市が関係先への開示を行うものです。 また、先日、私の質問通告記事を見て電話をしてくださる方、また、ある市民の方からは、終活の資料がたくさん送られてきました。それは終末期の治療方針について、患者や家族が医師らと話し合うアドバンス・ケア・プランニング(ACP)というそうですが、これが医療現場で広がっているという情報でした。アドバンス、前もってという意味があるそうでございます。終末期医療で患者の意思がわからず、本人が望まないかもしれない苦しい延命治療をするべきかどうか、家族や医療現場で判断に悩むケースが多いため、本人の望みをかなえるためのものです。 国立市では、人工呼吸器の使用や人工栄養の接種など、11の医療行為の有無を記すハンドブックを配布しているとのことです。 そこで、市長にお尋ねいたします。この事業は、先進地の事例から見て、市民に大きな安心を与えています。伊那市民の間でも、生前整理をしなきゃとか、エンディングノートをつけなきゃとか、講演会で話題になったりで、相当意識が高まっています。しかし、準備したものが遺族にうまく伝わらず、本人の意思と違える結果になるということを防いだり、ひとり暮らしの方々の安心を担保する確かな方法として、伊那市が仲介者となる終活支援事業導入について、市長の見解をお聞かせください。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) この終末期の迎え方につきましては、個人によって、さまざまなとらえ方があって難しい面もあるわけでありますが、伊那市では、地域包括支援センターの社会福祉士が出前講座など行って、その中で、エンディングノートの書き方、また指導、遺言書の相談なども行っております。本人の判断能力がなくなった場合、意思決定を行う親族がいない高齢者などについて、医療機関から相談がございまして、地域包括支援センターで親族を探して連絡をしたケースなど、高齢者の相談支援の中で必要な対応を行ってきているのが実情であります。 終末期をどのように迎えるか、これは大変重要な問題であります。課題でもあります。高齢者クラブや脳いきいき教室などにおいて、終活を取り上げるということもしながら、市民の皆様への周知も進めていかなければいけないというふうに思います。 伊那市社会福祉協議会で開催をしておりますエンディングノート書き方講座、こうしたところに多くの方が参加をしてもらえるように、引き続いて、広報を行っていくと。また、伊那市が仲介者となる終活支援事業、先ほど幾つかの事例がございましたけれども、今後、先進地の事例ということも、研究をしていかなければならない時代に入ってきたなという感じがいたします。 ○議長(黒河内浩君) 前田議員。 ◆19番(前田久子君) 伊那市の中でも、そういった指導が始まっているという、そういうことで、意識が高まっているのかなということも思いますけれども、きちんと事業として打ち立ておくということが大事かなというふうに思っております。市民の安心を担保するという意味でも、非常に個々の事情があるわけでありますけれども、最後には、市でそういった形で何とかおしまいにしてもらえるという安心感が大事ではないかと、ひとり暮らしの方がふえてきている中では、特に大事になってきます。また、こうしたことをきちんとしておかないと、しっかり関係者の方も、二重、三重の手間暇もかかりますし、御苦労もふえてくるわけでありますので、医師会との連携も必要でしょうし、葬祭業者にも力を借りて対策を進めていくときではないかと思っております。 高齢者の誰しもが、最終章を安心して締めくくることができるような支援策を講じていただくことを強く望みまして、私の質問を終わります。 ○議長(黒河内浩君) 以上をもちまして、前田久子議員の質問が終了いたしました。 暫時休憩といたします。 再開は午後1時半といたします。 △休憩 午後0時16分 △再開 午後1時25分 ○議長(黒河内浩君) それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。 柳川広美議員の質問に入ります。 20番、柳川広美議員。     (20番 柳川広美君登壇) ◆20番(柳川広美君) 20番、柳川広美です。あらかじめ通告してあります2点について、質問をさせていただきます。 まず1点目でありますが、学校などの熱中症対策についてです。 この問題は、7月20日、愛知県豊田市で校外活動に小学校1年生の児童が参加し、その後、熱射病で亡くなるという事故がありました。そんなことを受けて、全国的にも学校にエアコンの設置の機運が高まっております。 そうした中、ことし7月の伊那市の平均気温は26.1度で、過去最高を記録しました。観測史上最も暑い7月だったとのことで、35度を超える猛暑日も7月で12日間ありました。また、7月、8月の最高気温は37.2度を記録しています。7月の熱中症による救急搬送は、上伊那管内で75件と例年を大きく上回っています。県内に、ことし熱中症や熱中症の疑いで亡くなられ方は、飯山市の70歳代の男性、飯田市の80歳代の女性、坂城町の80歳代の女性、中川村の70歳代女性含む4人と報道がされております。 こうした中、伊那東小学校の北校舎の2階が暑いというお話を保護者からお聞きし、8月24日、私は、温度計、湿度計を持って学校を訪問しました。北校舎の2階が暑いということで案内をしていただきましたが、職員の方は、「2階へ上る階段の途中から空気が変わり暑い」というふうにお話していました。当日は、少し雨も時々降るようなお天気でしたが、外気温で36.5度、湿度42%でした。当日の測定では、北校舎1階で室温32度、湿度62%、北校舎2階の廊下で32度、湿度65%、北校舎2階の教室で32度、湿度60%、北校舎2階の図書室も同様でした。同じく、北校舎2階の多目的室は31度、湿度60%、また、中校舎の2階は給食調理場の2階なんですが、31度、湿度72%、南校舎1階は30度、湿度65%という状況でした。 現場の教員の方は、「北校舎は1階で35度になる日もあった、扇風機2個ではだめで、自宅から扇風機を持ってきてしのいでいる」とのこと。北校舎の2階は、教室の廊下側の窓がハメゴロシといいまして、風が通り抜けない仕組みになっており、これが暑い原因と思われます。窓に取りつけるウインドエアコンがありますが、壊れていて、現在修理不能とのことでした。ウインドエアコンと北校舎2階の天井から抜く大型の換気扇が何機があるんですが、これを同時に使うと電気が飛ぶそうであります。ここも、最高35度になったとのことです。 図書室は、司書の方は35度になる日もあった、水銀灯があるので、さらに暑い。グラウンドの砂が飛んでくるので窓もあけられないとのお話でした。多目的室も、音楽の教員の方は、35度を超える日もあった、水銀灯で暑く、窓のひさしがないのも、日差しが直接差し込み暑いとのことでした。 また、給食調理室もエアコンがない中で、室温35度を超える中で火を使い、窓もあけられない状況とのこと、栄養士の方は、「部屋の温度が高いと食材の温度が下がらず、食中毒が心配」とのお話でした。 事務職員の方は、「今年度は、扇風機のない教室に備品購入でたくさんの扇風機を買ったので、冬が心配。本当は、壊れているサッシとかドアなどを直したいが、予算が少ししか残っていない」とのことでした。 保健室の養護教諭は、「一番暑い時期には、理科室での授業の後に大勢の子供が保健室へ駈け込んで来た。頭痛、嘔吐など熱中症を疑うケースは保護者へ連絡して、迎えに来ていただいた。1日20人を超える場合もあった」とのことでした。この理科室は、北校舎2階にあります。 文部科学省は、小中学校、高校、大学、認定こども園について、教室等の環境にかかわる学校環境衛生基準の望ましい温度の基準を今年度から30度から28度に引き下げました。室温17度以上28度以下という内容です。また、温度、相対的湿度及び気流の検査方法についても、最低限必要な測定器の制度を示すように見直しも行っています。 そこで、学校等における熱中症予防対策について、以下5点を市長並びに教育委員会に質問をします。 まず1点目でありますが、学校の教室での温度、湿度測定を8月中に実施をお願いします。また、ことしの7月、8月に教室や屋外など、学校の中で熱中症と思われる状況になった児童生徒はどれぐらいいたのでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 皆様から大変御心配をいただいているところでございます。小中学校21校につきまして、現在、普通教室におきまして、温度の測定、これは階ごとに、2階の場合は1階、2階でというふうに御理解いただきたいと思いますが、階ごとに温度の測定を行っているところでございます。 議員御質問の具体的な症状等については、後ほど次長から申し上げますが、それぞれの学校、子供たちに対しましては、水分の補給、また風通しのよい服装をするようにといったようなことで、健康管理に努めてまいったところでございます。 今後につきましても、児童生徒の不調を見逃さないよう、健康観察を欠かさないようにすること、またこれまでも、状況によりまして、対応してきたところでございますが、熱中症の発生のおそれが高い、そうした状況では、学校行事等の中止、または延期等につきましても、柔軟に対応していくところということで考えております。 ○議長(黒河内浩君) 馬場教育次長。 ◎教育次長(馬場文教君) それでは、熱中症の症状の関係の件、お答えをいたします。 市内の21校につきまして、改めて状況を調査をいたしましたところでございますが、一件、他の子供にぶつかった後、救急車で搬送されたお子さんにつきまして、後に、医師から熱中症の症状があるという所見をいただいた件が1件ございました。 また、熱中症の診断はされていないわけですが、熱中症の疑いがあるというケースでは、早退をしたケースが61名、保健室で休養後、授業に復帰したケースが132名、水分補給をして回復したケースが8名であります。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 柳川議員。 ◆20番(柳川広美君) 屋外活動ではなくて、授業中にぐあいが悪くなるという状況では、本当にエアコン必要ではないかというふうに思います。 そうした中で、2点目の質問ですが、全ての教室にエアコンを設置するのはいつになるのでしょうか。現在、国や県の支援策がはっきりしない中では、なかなか見通せない状況とは思いますが、来年の夏までには間に合わせていただきたいと考えます。その見通しについて、質問をします。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 近年の異常な猛暑によりまして、学校へのエアコン導入、これは熱中症対策としても急務だという考えでおります。ただ、ことしにつきましては、保育園を最優先をして、エアコンの設置を進めております。設置に当たりましては、より効果的に設置ができるよう研究を重ね、他市の状況、また、エアコンの供給等もございますし、電気工事のこともございますので、効果的なものとなるようにしてまいりたいという考えであります。 ○議長(黒河内浩君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 小中学校につきまして、総教室数は約800室にのぼります。電気を入れるための高圧受電設備、それらの改修等を入れますと、全ての小中学校へ来年度の夏までに設置するというのは大変に厳しい状況であるというのが実際のところでございます。 先ほど申しましたように、現在、温度の調査を実施しているところでございます。それらをもとに、必要度の高さ、それらについても整理するということにしてまいりたいというふうに考えております。 また、ほかの市につきましても、効率的なエアコンの設置について検討を進めているところでございまして、情報を共有して、できるだけ早く整備できるように検討を進めたい、そのように考えているところでございます。 なお、大変暑い状況が続くということで、エアコンを入れるということはなかなか難しいわけでございますが、学校に聞き取り調査をこの夏行いまして、特に必要と思われます教室に18校、61台でございますけども、大型の扇風機を配置をしたところでございます。夏休み明けに使用できるようにということで、8月24日までに配置をしたところでございます。 以上でございます。 ○議長(黒河内浩君) 柳川議員。 ◆20番(柳川広美君) 来年の夏までは、なかなか受電設備も含めると厳しいということですが、この間、愛知県の大村知事は、今年度67校の空調交付金を国に申請したが、認定はゼロだったということで、採択されたのは、愛知県で特別支援学校1校のみだったといいます。 この学校施設環境改善交付金は、伊那市でも、校舎の部材の耐震化、トイレの様式化などに使っていて、国がその費用の3分の1を補助するものですが、全体の予算がありますので、この空調設備へ回る分が今年度の予算では少ないというふうに思われます。その後、7月20日に自民党の学校耐震化・施設整備等促進議員連盟が安倍首相を官邸に訪ね、熱中症で愛知県の男子小学生が亡くなったことを受け、全国の学校でエアコンの設置を急ぐよう要望した際、安倍首相は、子供たちの命と安全を守るのは私の責務だと応じて、補正予算も視野に再生措置を検討する考えを示したと報道されています。 今後、どの程度、国の補助予算がつくのかは不透明ですが、市長は、阿部県知事と19市の市長会の代表で国へ要望したとも聞いていますが、国や県からその後の動きはあるのでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 先日行ったという話は聞いておりますけど、まだ、その様子についての話は来ておりません。 ○議長(黒河内浩君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 市長が今申されたとおりでございます。 ○議長(黒河内浩君) 柳川議員。 ◆20番(柳川広美君) ぜひ国は補正予算を組んでいただき、また、県も自治体の財政状況から見ても、市町村単独で設置をするということは、なかなか困難であると思いますので、国や県に対しても、引き続き要請をしていっていただきたいというふうに思います。 3番目の質問ですが、先ほど答弁もありましたが、やはり暑い教室から順次整備をしていただきたいというふうに思います。先ほど、室温ははかっているということですが、非常に湿度によって暑さを感じる度合いというのは変わってきます。伊那東小学校で言えば、北校舎の2階の教室、図書室、理科室、多目的室、また、中校舎の2階などは非常に湿度が高く、余計に暑く感じるのではないかというふうに思います。エアコンの設置が間に合わないのであれば、除湿器なども含めて、対応ができるのではないかと思いますが、その点も含めて質問します。 ○議長(黒河内浩君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) やはり、学校の環境、それから学校の中でも、その学校内の場所場所によっても、その条件というのは全く違う、そのように認識をしているところでございます。 先ほども申し上げさせていただきましたけれども、現在、続けている測定、それからもう一つ大切なのが、学校からの聞き取りということもあると思います。各校の事情を大事に、それらを反映させながら、設置の優先度について検討してまいりたいというふうに考えています。 なお、使用時間が特別教室は比較的、限定的です。そう考えますと、普通教室のほうが常時使われているというようなこともございますので、そうしたところを優先をさせていくというふうに検討していくところかというふうに考えております。 ○議長(黒河内浩君) 柳川議員。 ◆20番(柳川広美君) 2階の伊那東小学校6年生の教室の測定結果ですが、6年生松組では、7月23日、午後3時に室温35.1度、湿度39%を記録しています。また、6年桧組では、7月19日午後2時に35度、湿度37%でした。また、夏休み後も、8月23日、午後2時に33度、湿度37%というふうになっています。ぜひ早期の対応をお願いしたいというふうに思います。 4点目の質問に入ります。給食調理場にエアコンの設置をです。 どこの学校の給食調理場にエアコンが入っていないのでしょうか。労働環境を守り、職員が働きやすい職場環境をつくることも必要です。今年度は、休憩室にエアコンを入れる、水分などをいつでも補給をできるようにする、また、ぐあいが悪くなれば、きちんと休んでもらうなど、エアコンを入れるまでの対応も必要ではないかと思いますが、その点について質問をします。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 給食調理場につきましては、伊那市学校給食施設整備計画というものがありまして、これに基づいて、整備を進めている中であります。エアコンについても設置をしてきておりまして、今後も、この計画に基づいて、給食施設については設置をしていくということであります。 ○議長(黒河内浩君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 調理場で働いておられる職員の皆さんのその環境を整えるということにつきましては、これ重要なことであるというふうに認識しております。給食を提供してくださる方々が心身ともに健康であるということによって、児童生徒においしい、また、安全な安心できる給食を提供していただける、そんなふうにも思うところでございます。 職員の間で、お互いに健康に気づかい合いながら、小まめな水分補給、また適切な休養等がとれるように、そうした環境づくりを考えてまいりたいと思っております。 ○議長(黒河内浩君) 馬場教育次長。 ◎教育次長(馬場文教君) 給食施設にエアコンの設置状況についての問いにお答えいたします。 給食調理場は全部で16施設ございまして、調理場内にエアコンが設置されていますのは5カ所、事務室が5カ所、休憩室は7カ所設置されているという状況でございます。 ○議長(黒河内浩君) 柳川議員。 ◆20番(柳川広美君) じゃあ、エアコンが全くないところもあるんですか。 ○議長(黒河内浩君) 馬場教育次長。 ◎教育次長(馬場文教君) 8施設には全くないという状況でございます。 ○議長(黒河内浩君) 柳川議員。 ◆20番(柳川広美君) 特に、食材の温度が上がってしまうというと非常に危険であります。全ての食材を冷やして保存をできるわけでありませんので、調理後、置いておくところは冷やせる面積が限られていますので、そういった面でも、やはりエアコンがなければ、食中毒は防げないのではないかというふうに思います。職員のきちんと休めるような、昼休みはエアコンの効いた部屋で最低限休めるそのぐらいのことは、ぜひ早急に対応していただきたいというふうに思います。 5点目の質問に入ります。高齢者のみ世帯や障害者世帯にエアコン設置の補助であります。 東京都荒川区では、自宅にエアコンのない世帯で65歳以上の高齢者のみ世帯を対象に、上限5万円まで補助する制度を実施しています。ほかに、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳の保持者、もしくは、要介護4以上の認定の方がいる世帯を対象としています。エアコンのみならず、扇風機や冷風扇、サーキュレーター、除湿器なども対象としています。 市内でも、認知症や要介護状態にあって、自分で部屋の環境を整えるのが困難な世帯があります。暑い日でも窓を閉め切っている、暑さを感じないなど、熱中症で死亡するおそれもあります。伊那市も、このような高齢者のみ世帯や障害者世帯へのエアコンなどの設置に助成制度をつくってはどうでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 伊那市では、現在、高齢者、また障害者を対象にしたエアコンの設置補助制度というものはございません。その熱中症の対策としましては、ホームページとか安心安全メールなどによっての注意喚起、また保健師、民生委員の訪問時に、そうしたことに対しての呼びかけ、また、状況確認をとるということで行っております。 エアコンの設置には、御承知のように相当の費用の負担が発生をいたします。初期導入だけではなくて、電気代などのランニングコストもかかるわけでありますので、そうしたことが導入が進まない一つの背景にあるのかなということも考えられます。 伊那市が、補助制度、補助を行う場合には、対象として想定される低所得の高齢者世帯、また障害者世帯の数というものが対象となると思いますけども、こうした数が非常に多くございまして、多額の予算が必要となるということで、国によります補助制度がない中では、市単独で補助制度を導入するということは難しいという状況であります。 ○議長(黒河内浩君) 柳川議員。 ◆20番(柳川広美君) 特に高齢者の場合、体温調節機能の低下、また、暑さを感じにくくなって、窓を開ける等の対応ができない。また、腎臓機能の低下で、のどの渇きを感じにくく、脱水になりやすい。特に、糖尿病や高血圧などの基礎疾患を持つ人には、熱中症になるリスクが高いということであります。特に、認知症等で暑くても窓を開けない家とか、あとは、部屋が片づけられなくて、廊下で寝起きをしていて、熱中症で救急搬送されたような例も聞きます。そうした自力で環境を整えられない世帯に関しては、こういった施策が必要ではないかというふうに思います。保健師さんや民生委員さんとの見守りの中で、特に困難な世帯について、今後、こういった全額をとは言いませんので、助成制度も検討していっていただきたいというふうに思います。 大きく2点目の質問に入ります。特定の保育園を希望する3歳未満児の待機児童対策についてであります。 伊那市では、特定の保育園の入園を希望する3歳未満児の待機児童は、7月現在で50名にもなります。特に、上の原保育園は11名、竜東保育園8名、西箕輪保育園6名、西春近北保育園4名、高遠保育園3名となっています。 竜東地域では、伊那北保育園1名、敬愛こども園1名、周辺の美篶西部2名と、どこも入れません。西箕輪地区、西春近、東春近、富県、美篶も同様であります。 移住・定住の際も、保育園に子供が入れるのかどうかは大きな関心事となっています。都会では「保活」をしないと保育園になかなか入れないからであります。特に、自営業では入るのはとても困難と聞いています。そうした方々が、保育園のことも考えて移住してくるケースもあるようです。 そこで、以下2点を市長に質問をします。 まず1点目でありますが、3歳未満児の待機児童の多い上の原保育園や竜東保育園、西箕輪、西春近北、こうした保育園には、あいている部屋はあるのでしょうか。ほとんどの方が求職中といいますが、現在の国の法律では、求職中でもハローワークへ登録し、通っているなどの状況があれば、保育園に入ることはできます。保育園に入れない理由はなんでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) まず、空き部屋についてでありますが、この空き部屋というものはございません。伊那市では、入園希望者に対して受け入れ可能枠が上回っているわけでありまして、いわゆる、待機児童というものはいませんが、特定の保育園のみ希望している、この保育園でなければ困る、嫌だという、そうしたことでいきますと、そうした希望にかなわない、そうした未満児というのは、現在おっしゃるとおり50名おります。 希望どおりの受け入れを行うということとなりますと、保育士の確保が必要となってまいります。今、保育士が不足をしている中で、その数を確保するということが至難のわざ、また、随時募集をかけて採用した場合、緊急性のある児童から、その都度受け入れを行っているということですが、年度途中で全ての希望に対応するだけの保育士をその都度確保するということは、実際問題として難しいわけであります。 ○議長(黒河内浩君) 柳川議員。 ◆20番(柳川広美君) 伊那市の保育園条例入園基準の第4条では、求職活動また起業の準備を継続に行っている場合、また、職業能力開発促進法における公共職業能力開発施設において、職業訓練を受けている者などの場合、保育園を申し込むことは可能であります。 特定の保育園を希望しているから入れないということですが、竜東地域、他の地域でも、本当に遠くまで行かないと入れる状況ではないということは、小さい3歳未満のお子さんを持っている保護者にとっては、なかなか困難なことであります。農村部であきの保育園があると言われても、それを毎日送迎する保護者の負担というのは非常に大きいものがあります。 そうした中で、2番目の質問に入りますが、保育士不足により、受け入れられないということですが、こうした特定の保育園を希望する児童の人数というのは、毎年同じような状況が続いているのではないでしょうか。途中からの希望にこたえられる体制は、4月に整えるべきではないかというふうに思います。4月から6月、7月までは3歳児クラスの支援に入り、7月、8月からは3歳未満児の保育に入るという採用を4月から行い、年度途中からの入所希望者に対応できるような準備を行うべきではないでしょうか。 また、昨年度、一昨年度の同時期(7月)の3歳未満児の特定の保育園を希望する待機児童数は何名あったのでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 希望の保育園に入れない理由、またそのタイミング等については、担当のほうからお話をさせていただきます。 前年度に入園希望者がなくて、新年度になってから入園を希望される人の数、これはなかなか把握ができません。したがいまして、見込みで職員を採用するということになりますけども、これは、現実問題として困難であります。 ハローワーク、あるいは長野県社会福祉協議会への登録のほか、保健専門校への呼びかけ、ホームページ、あるいは、市報、有線放送などで広く保育士の確保を呼びかけながら取り組んでいるわけでありますが、今後もこの方向で保育士確保に努めてまいりたいと。 また、受け入れ枠の拡大を図るために、小規模保育園とか、また、企業主導型保育園の開園について、希望する企業等があれば、もちろん協力はしてまいるつもりであります。 ○議長(黒河内浩君) 廣瀬保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(廣瀬宗保君) 入園の受け付けの関係でありますけれども、職員体制を整えるために、前年の11月に締め切りをさせていただきまして、その御希望をもとに、職員の体制を組んでまいります。伊那市においては、国の基準をもとに、市独自で職員の配置を行っているという状況でございます。 期限内に申し込まれたお子様につきましては、当然、4月以降の入園も含めてでありますけれども、その御希望に沿えるように、4月当初から全て確保をしているという状況でございます。 なお、同時期、一昨年、昨年の7月ということでございますが、昨年度は58人、それから一昨年度は60人でございます。 ○議長(黒河内浩君) 柳川議員。 ◆20番(柳川広美君) 新年度の途中からの申し込みは、見込みができないといいますが、昨年度、一昨年度を見ますと、50人を超える人が申し込んでいて、今年度も50人に既になっているということは、毎年それだけ需要があるということではないかというふうに思います。そういった意味では、見込めるのではないでしょうか。 小規模保育園、企業内保育園、希望のところがあれば支援したいということですが、なかなか民間で保育園をやるということは困難なことであります。特に、保育園については、給食の調理というのは、非常になかなか難しい課題ではあるというふうに思います。伊那市でも1件、企業内保育園がことしスタートしたようでありますが、そういった様子も見みながら、3歳未満児の保育の受け入れ枠そのものを拡大していかなければ、本当に働きたくても、保護者が働けないという状況が続いていくのではないかというふうに思います。 伊那市の女性の就労状況ですが、やはり、М字型といいまして、子供を出産、育児をする年齢に関しては、就業率が下がるという状況が続いています。そういった状況、本当に働きたい人に働ける状況を確保していくことも、伊那市の将来にとって必要なことではないかというふうに思います。 以上で、私の質問を終わります。 ○議長(黒河内浩君) 以上をもちまして、柳川広美議員の質問が終了いたしました。 引き続き、飯島光豊議員の質問に入ります。 16番、飯島光豊議員。     (16番 飯島光豊君登壇) ◆16番(飯島光豊君) 16番、飯島光豊でございます。私は、先に通告してあります西日本豪雨災害における倉敷市真備地区の水害の教訓を伊那市でも生かすためにと題して、市長に質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。 まず最初に、一昨日の台風21号の災害、また、先ごろの平成30年西日本豪雨災害を初めとした災害でお亡くなりになられた方々に御冥福を申し上げますとともに、被害に遭われました皆様方にお見舞いを申し上げます。 また、さらに今朝は、北海道で震度6強の強い地震が起きまして、大規模な被害が予想されていることでもありますけれども、お亡くなりになられた皆さんの御冥福とお見舞いを申し上げたいと思うところでございます。 さて、災害は忘れたころにやってくるとの格言がありますけれども、昨今は、忘れないうちに想定外と言われるような大災害が毎年のようにやってきて、大きな被害をもたらします。とりわけ、平成30年7月の西日本豪雨災害は、これまでの災害の常識が通らないような線状降水帯などによる同時多発大規模災害となりました。ふだんから的確な防災体制を整えておくことは、伊那市の責務であります。大災害にはいろいろありますけれども、きょうは、毎年のように起きる数年に1度の記録的な豪雨災害に特定をして、以下市長に伺ってまいります。 それでは、1番目の質問です。先ごろの西日本の広範囲を襲った豪雨災害は、人的被害が死者行方不明者230人、負傷者407人、建物被害4万8,338棟と最悪となりました。一方で、大きな被害を受けながら、早期に適切な判断をして生き延びた人たちも少なくありません。これら生存者の証言から、従来の災害対応システムの弱点が浮き彫りになっています。報道によれば、西日本豪雨で、岡山県の高梁川の支流の小田川などが相次いで決壊した倉敷市真備地区では、約4,600戸が浸水、51人が死亡するという信じられないような被害となりました。岡山県によりますと、死亡した人の御遺体の約8割は屋内の1階部分や平屋建ての建物内で発見され、高齢者が多く、逃げおくれて溺れ死んだものと見られます。2階へ移動するなどの垂直避難が困難だった可能性があります。また、独居の人が多くて、夜間に自力で動くことの難しさや情報不足が決定的に避難のおくれにつながったようであります。 今、多くの課題についての検証が始まろうとしていますが、真備地区の被災状況と自治体の対応に関し、伊那市でも、この教訓を生かし、想定外の豪雨災害に備えて、今後、検討されるべき課題にはどのようなものがあると考えているか、まず市長に伺います。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) この今回の西日本豪雨災害、真備地区、また倉敷、この地区と全く同じ状況のものを伊那市に当てはめることは難しいかと思うんですが、とはいいながら、教訓となることは随分とあります。 特に被害の大きかった倉敷市真備地区につきましては、24時間当たりの降雨量が200ミリでありました。高梁川の支流8カ所で堤防が決壊をするということ、また、地理的にも小田川が合流する地点となるところから浸水被害の影響が大きかったというふうに見えます。 倉敷市では、降雨や河川の状況、また現地からの情報収集等によって、地域住民への避難勧告の発令を行うなど最大限の対応をとったものと思います。災害から人命を守る一番の方法、これは早期の避難であります。危険が迫っていることをいち早く察知をし、安全な場所へ逃げる、これが最も重要であるということでありますが、特に、要配慮者、また高齢者の避難、こうした場合については、家族や近所の皆さんの力が必要であります。助け合い、支え合いの共助、こうしたことが必要になりますので、日ごろのおつき合いといいますか、日ごろの関係が非常に重要であるというふうにも思います。 伊那市としましても、早目の避難勧告等によって、避難行動を周知をするなど、自主防災組織等との連携をしながら、市民の皆様が安全に避難をしていただけるような啓発を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 大変、示唆に富んだお考えを示していただきましたけれども、本当にそのとおりかと思うところであります。 それでは、2番目の質問に入りたいと思います。ここの質問は、パネルを使って少し詳しくお聞きしてまいります。 さて、真備地区の災害は、最大水深4.8メートル、広い範囲で3メートルから4メートルとなったようであります。その水深域は、市の防災ハザードマップとほぼ重なったといいます。これは、知っている人にはおなじみの伊那市のハザードマップと言われる伊那市防災マップであります。見たことがない人がいては困りますので、拡大コピーをパネルにして示しているところでありますが、この伊那市防災マップの浸水域としましては、ここにありますけれども、天竜川やその支流の沿川で色がこい青色のところは2メートルから5メートルの浸水が予想される浸水域で、水色のところは、1メートルから2メートルの浸水域、緑色のところが0.5から1メートルの浸水域、うすい黄色のところが、最大0.5メートルの浸水が予想される地帯です。 このそれぞれの浸水域にあります家屋は、最低でも床下浸水、最大ならば床上浸水、場所によっては、真備地区のように水没の発生するおそれがあるところで、間違いなく、そこにお住いの方は、避難をしなければなりません。 そこで伺いますが、こうした浸水域が発生する前提というのは、天竜川の上流域の48時間の、例えば総雨量を一体何ミリと想定しているのか、まず最初に伺います。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 伊那市の防災マップ、きのうも出ましたけれども、平成27年度に作成をされております。 天竜川につきましても、平成14年に国土交通省で浸水の状況をシミュレーションしたもので、県の管理河川については、平成21年に長野県で主要な5河川について、シミュレーションをしたものであります。いずれも、100年に一度発生する可能性のある降雨によって、堤防が破堤した場合を想定をしております。 また、平成28年に、国土交通省が公表した浸水想定、これは1,000年に一度の可能性を考慮をしております。今年度、市の防災マップを改訂する予定でありますので、改めて市民の皆さんにも周知をしたいという考えであります。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 現在の防災マップにつきましては、天竜川の地点で2日間で260ミリの雨が降ったということを想定にシミュレーションをされているものです。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) それでは、この浸水域の家屋数は、それぞれどのぐらいの戸数があって、何人ぐらいの人がお住まいになっているか、おわかりでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 家屋、平成27年につくったものですので、現在の家屋等、細かい部分は、現在では把握しておりませんけれども、浸水域と各地区の世帯の状況等で、最終的には戸数ですとか、人数とかを判断をさせていただくことになっております。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 戸数の判断は、これからされるものと思いますけども、また、総務委員会等でお示しいただければありがたいと思いますが、一番最初の質問の続きに戻らせていただきますけども、こうした伊那市の防災マップもある一方で、天竜川上流河川事務所のホームページを開きますと、天竜川水系の洪水浸水想定区域の計画規模の浸水域というものが出てまいります。 これは、天竜川上流河川事務所の天竜川水系の洪水浸水想定区域図の計画規模のパネルであります。これと同じように、もう一つ、天竜川水系の洪水浸水想定区域図の想定最大規模の浸水域が、これでございますけど、出ています。この二つの図で、こい紫色のところは10メートルから20メートルの浸水域、そして、ダイダイ色のところが5メートルから10メートルの浸水域、肌色のところが3メートルから5メートルの浸水域、黄土色のところが1から3メートルの浸水域、こい黄色のところが0.5メートルから1メートルの浸水域、黄色いところが0.3メートルから1メートル、それから、うすい黄色のところが0.3メートル未満の浸水域との凡例が出ております。 これらの地域には、洪水の際には水がつくか、あるいは水没するおそれがあると示していると思います。伊那市の防災マップの浸水域は、先ほど示しましたけども、一見しますと、どちらかというと、この計画規模の浸水域をもとに、こちらのほうの計画の浸水域を示しておりますけど、一見すれば、これをもとにつくられているのではないかというふうに思われます。 そこで、これら2種類の天竜川上流河川事務所の公表している計画規模の浸水域と、それから想定最大規模の浸水域は、それぞれいかなる総雨量で、どのような想定のときに生ずる浸水域なのか、伺います。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 現在、伊那市の防災マップにつきましては、先ほど市長もお答えをさせていただきましたけど、平成14年に、国交省のほうでシミュレーションをした浸水想定に基づいて、今作成をさせていただいております。 今、議員がお示しになったのは、計画規模、それから想定最大規模につきましては、平成28年に国交省のほうでシミュレーションをしたものになります。 それぞれの降雨の状況ですけれども、計画規模というのは、天竜峡地点で2日間で260ミリの降雨があった場合、それから、想定最大規模につきましては、同じく、天竜峡地点で2日間で605ミリの降雨があった場合を想定してシミュレーションをしたものになっております。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 確かに、この説明文のところにそのように書いてあるので、間違いないと思います。実際には、この想定最大規模の浸水域は605ミリというときに起きる浸水域だということであります。 そして、またいずれも、この支流の決壊による氾濫、それからシミュレーションの前提となる降雨を超える規模の降雨による氾濫、それから内水による氾濫等は考慮していないというものでありますけど、それは間違いないでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) その想定氾濫区域につきましては、天竜川が破堤した場合を想定しているものでございまして、内水氾濫等は考慮されておりません。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 先日の台風21号による風水害もそうでしたけれども、最近の災害というのは、過去の被害を上回る観測史上最大規模の災害が各地で頻発をしています。平成30年7月の豪雨でも、多くの地点で48時間の総雨量は観測史上最大値を更新しました。これに対して、伊那市で過去に大きな水害被害を出した平成18年の豪雨災害のときの総雨量は、記録を見ますと、529ミリでした。また、昭和57年の台風10号災害のときの総雨量は、三峰川流域を中心に580ミリと記録されています。それから、昭和58年の台風10号の総雨量は、1日に200ミリから350ミリと記録されています。市長は、昨日の答弁でも、先ほども申しましたけれども、今年度中に、伊那市防災マップを改めて見直すと述べましたが、どのように見直すのか、そして、想定最大規模のこの浸水域を参考に見直す考えはないのか伺います。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 現在、天竜川上流河川事務所、それから、県の河川課等とも協議をしておりまして、どのような形でハザードマップを改定するのか、今現在、検討中でございますので、現在も確定しておりませんので、御理解いただきたいと思います。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 真備地区で降ったような集中豪雨が、もし仮に伊那市で降ったとしたら、この想定最大規模に相当する浸水域で水害が起きる可能性はないのか、伺いたいと思います。 そして、また、伊那市防災マップを今年度中に見直すときに、もし天竜川の支流河川の浸水域、これはこの最大規模の想定には入っておりませんけども、それは、当然、見直しの中に入れるものと考えますが、そのときの想定される状況をちょっとお話しください。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 先ほど市長もお答えしましたけれども、現在、天竜川本川以外の河川の浸水想定につきましては、平成21年に、県でシミュレーション想定をしたものでございます。そのときと、あくまでも県は、平成21年以降、その浸水想定の見直しを行っておりませんので、天竜川上流河川事務所の浸水想定と県のシミュレーションとずれが生じてきますので、その辺につきましても、県、それから天竜川上流河川事務所等と調整しながら、どのような形で作成をするか、ちょっと現在検討しているところですので、よろしくお願いいたします。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 検討の中で、とりわけ、今回の真備地区の水害が参考になると思いますけれども、3番目の質問です。 真備地区の水害の主な原因とされているのが、バックウオーター現象と言われています。つまり、高梁川の水位が増水で高くなったために、小田川へ回り込み、小田川の流れが阻害されて、堤防が決壊したというわけです。 伊那市におきましても、天竜川の支流となる河川としては、三峰川、大沢川及び竹松川、小黒川、小沢川、棚沢川、大清水川、犬田切川、藤沢川、猪の沢川、戸沢川などがありますけれども、伊那市防災マップを今年度見直す場合、真備地区のように、支流河川と天竜川でバックウオーター現象が起きることについても想定するか伺います。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 支流についてですけれども、先ほど申し上げましたけれども、県の浸水想定のシミュレーションができておりませんし、天竜川本川についてのみの浸水想定で作成をする予定でございます。その中で、平成21年に県のシミュレーションをした支流の浸水想定をどのように入れていくかということについて検討中ですので、バックウオーターについては、現在入れることはできないというふうに考えております。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 私は、この伊那市でバックウオーターに似たようなことが起きるんではないかという危惧を持っているわけですけども、それはなぜかといいますと、今から80年前の昭和13年7月5日に起きた天竜川と三峰川、小黒川の支流合流点で、真備地区と同じようなバックウオーターではないかと見られる堤防の決壊が発生していたことを市長は御存じでしょうか。被害は、60町歩の耕地の流出と4戸の住宅の流出、3戸の浸水という大水害でした。 伊那市には、どうしたわけか、この記録が見当たらないようですが、この大水害の記録は、西春近の小出土地改良区が昭和63年に編さん発行した「小出土地改良とその周辺13災害から五十年」という記録誌にありますから、記録がないようでしたら、取り寄せて参考にしていただき、保存をしておいていただきたいと思います。 これが、その記録誌なんですけども、この記録を読みますと、このときの水害は、西春近のこの堤防の決壊だけにとどまらず、伊那市全域から上下伊那郡下にも及び、伊那地域としても、中央橋の流出、殿島橋の沈下、東春近田原の人家3戸の取り壊し、水田の流出、東春近中殿島ののりの決壊、表木、恩徳寺の線路に山崩れ、伊那電一時不通、伊那里村の交通途絶などと同時に、諏訪湖の釜口水門の放流による被害の影響というような当時の新聞の記事が報道されていたと記録されています。 伊那市でも、過去に真備地区のようなバックウオーター現象によると思われる水害が起きておりますので、ぜひともこれを参考に、伊那市防災マップを見直す考えはないか伺います。
    ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 今、昭和13年の話が出たんですけれども、私は、このことは存じておりません。当時、昭和13年ですから、橋も今と違って木の橋だったと思います。また、堤防も今のような頑強なものではない堤防、蛇篭が積まれた程度のものだったかもしれませんし、その当時と今は随分変わってきております。 昭和36年の三六災害、このとき600ミリ以上の雨が降って、大災害があったんですが、その後、国、県がさまざまな治水対策をして、安全対策をとったことによって、随分災害が減ってきております。そうしたことを考えますと、バックウオーターについて、今後あるかどうか、何カ所かあるかなと思うところの地形は頭に浮かんだんですけれども、県のほうで、まだそこら辺の細かいところを示しておりませんので、今後、県と話をし、また国土交通省とも連携をとる中で、必要であれば、また三者で話をしながら、反映をさせてくる必要もあろうかと思います。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 真備町の経験から言われましてもですね、想定外のようなことが平気で起きてくる今は御時世なんですね。例えば、ここに想定最大規模の天竜川の洪水浸水区域がありますけども、例えば、この一番下のこれ東春近と西春近の位置になるんですけども、このところで、一番つくところは10メートルから20メートルというふうに想定されています。そうじゃないところにしても、1メートルから2メートルになるということは当たり前な状況になっているわけでありまして、これについて、天竜川の洪水の想定区域に示されている以上は、これが起きないとは絶対言えないのではないかというふうに思うわけです。 確かに、堤防は当時と比べればよくなったかもしれませんが、あるいは、橋も丈夫になったかもしれませんが、だからといって、雨の量というのは当時と変わらないわけですから、もし仮に、堤防がよかったとしても、愛媛県だとか、あるいは倉敷市で起きたように、堤防を越してしまうという越水ということも起き得るんですね。ですから、そういう意味から言ったら、決して油断はできないと思いまして、こう示しているところですけども、事実こういうものがあるということについては、絶対に起きないということを言われるわけでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) そういうことを言っているわけではなくて、今現在、県のほうの管理をしている5河川について、まだ何も示されていないという中においては、軽々にバックウオーターがないということを言っているわけではなくて、今後、県も国も含めた中で議論を重ね、そうした中で反映をさせていくべきじゃないかなということであります。 ちなみに、記憶の中で言いますと、平成18年のときに、天竜川の堤防を越水する寸前の場所がありました。これは棚沢川との合流点付近だったんですけれども、あそこは、バックウオーターとして発生し得る地形かなというふうに思っております。ただ、これも棚沢川上流と、それから、天竜川本川の水量のバランスによって動きは変わりますので、簡単な評価はできませんけれども、そうしたところもちょっと考える中では思い浮かぶところでありますし、過去にも、そうした心配なところがありましたので、今後の重要な課題としたいと思います。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 私たち、今本当にこの間の西日本の災害もそうですし、また、今起きている北海道の地震も、まさかあそこで大きな地震が起きると思わなかったところで平気で起きているということが、私ども、今は想定外は想定外ではないと、想定だというふうに思わなければいけないので、そうした場合には、洪水のこの想定最大規模も起き得ることもあるということを心に刻んでいかなければならないと思います。 次に、4番目の質問に入りたいと思います。天竜川の増水で水位が高くなりますと、内水からの排水ができなくなったり、逆流をして、内水氾濫現象が発生いたします。昭和36年のいわゆる三六災害のときには、東春近の渡場では、樋管から排水する内水がせきとめられたり、あるいは天竜川の水が逆流したりして、多くの住宅に浸水するという内水氾濫現象による被害が出ました。樋管排水溝は、この市役所の駐車場西側の堤防にもありますから、見ていただきたいと思いますけれども、伊那市防災マップの見直しのときには、内水氾濫の浸水域を考慮する考えはないか、お聞きいたします。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 現在、国等でシミュレーションしてあるものは、あくまでも堤防の決壊した場合の浸水想定区域になります。内水氾濫については、シミュレーションがございませんので、載せることができないということです。よろしくお願いします。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 国の基準がどうこうという話がされますが、しかし、私たちは、ここに天竜川上流河川事務所が示した想定最大規模の浸水域というのは、目の前にしているわけですから、国の基準で内水はだめ、支流はだめというようなことでしていいのかと、私たちは、伊那市の防災マップを手元に置いて見ているわけですが、それで、実際にはうちのところには水は来ないんじゃないかというふうに、逆に過信してしまうことが避難をおくらせたりして、大変危険だというふうに思うところでありますので、その基準にこだわらず、伊那市は伊那市独自で危ないなら危ないということを早目に知らせる伊那市防災マップの見直しをしていただきたいと思います。 5番目の質問ですけれども、この問題は、先ほど飯島進議員が質問をして、答弁がありましたので、重複しますので、やめますけれども、ただ1点だけ、もし今、釜口水門のあたりで豪雨が起きて、最大毎秒600トンを流したり、あるいは、また美和ダムや高遠ダムについても、豪雨災害のときの異常洪水時防災操作が避けられないとするならば、異常放流の場合、市民が水害で命を失わないように、市民一人残らず避難させるための危機管理と、そのときに想定される浸水域が、この伊那市防災マップの見直しで行われるのかどうか、伺いたいと思います。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 今の仮定の御質問ですけど、本当に異常洪水防災操作、この地域では過去にないわけでありますが、それと釜口水門の最大600トンの放水、これも過去にないわけであります。これが同時に起きたときに、どうするかという質問でありますが、こうしたシミュレーションは、なかなかやったことがないので、正直わかりませんが、ただ、ちょうど長谷の皆さんがいらっしゃるんですけども、ちょうどきょうの飯島進議員のときに来てもらえれば、よくわかったと思うんですが、ダムの効用という点でいきますと、釜口水門がいっぱいになるぞというときには、恐らく早目に国と連携をして、諏訪湖の水を流します。一方では、天竜川の一番最大支流の三峰川のほうが、特に大洪水になっている場合には、三峰川のゲートを早目にあけて空にする状態にして、釜口水門のほうでは、少しためておくというような調整をしながら、全体としてバランスをとるということを国と県でやっていますので、そうしたことが、今お答えし得る私の回答だというふうに御理解いただければと思います。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 現在、今市長のほうもお答えさせていただきました。私どものほうは、少なくとも市民の皆さんに早く逃げていただくということを広報して、市民の皆さんの生命を守るということが使命でございます。 釜口水門、美和ダム、高遠ダムの放流量が異常洪水時防災操作にかかわるような放流が行われるような場合には、多分、下流の河川についても水位がかなり上昇する、または、住居等に浸水するおそれもありますから、そのようなことがあれば、早目に避難勧告等を出して、市民の皆様に早く逃げていただくということをお知らせするということになると思います。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 確かにそのとおりなんですが、実際には、多分この天竜川上流河川事務所の想定最大規模というのは、多分、諏訪湖で600トンを放流し、美和ダムで異常洪水時の操作が行われたときあたりを最大限として考えていると思います。そうした場合には、こういうことが起き得ないというふうに決め込んでしまったら非常に危険なんですよね。だから、私どもは、最大限の想定で、想定外と言わずに、最大限の想定で市民に、ここは危険なんです。いざというときには逃げてくださいという場所ですよと、何もなければよきとし、もし何かあったら逃げてくださいという考え方で、示すのが伊那市の防災マップだと思うわけですが、いかがでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 先ほど、市長もお答えさせていただきました釜口水門で、今の計画、最大の放流量430トン毎秒ですけれども、それから、美和ダムにつきましては、毎秒500トンの放流が計画されている最大の放流量です。これを超えるような放流はあり得ないわけではございませんので、私どものほうで作成させていただく防災マップにつきましても、市民の皆様に早目の避難を呼びかけるための一つのツールでございますので、そのようなことを十分反映できるような形で改定をしていきたいというふうに思います。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) ぜひ、そういうことを心に置いて、見直しをお願いしたいと思います。 6番目の質問です。今回の真備地区の豪雨に関する問題について、高齢者に情報が入らなかったと、あるいは、避難が自己責任となっていたということが言われております。2016年からは、避難情報の警報が、避難準備高齢者等避難開始情報と避難勧告、それから避難指示(緊急)に名前が変わりました。これを高齢者に正確に把握させて、個人に対応させるのは、かなりの困難性があると思うのですが、伊那市でも、こうした災害が起きたとき、人的な被害をこうむらせないようにするには、とりわけ垂直避難ができないような高齢者、災害弱者を誰が誰をどのようにどこに避難させるかということが必要になると思うんですけども、いかがでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) そのとおりだというふうに思います。現在、各地域におきましても、自主防災組織の充実を図っていただくように、今年度、連絡会のほうのを組織をさせていただきました。それから、災害時の支え合いマップ等も、10年以上前から取り組みを進めさせていただき、現在、社会福祉協議会を通して、各地域でつくっていただいているところもございますので、そういったようなところを充実をしていただく中で、先ほど市長も申し上げましたけれども、お隣同士の支え合い、いわゆる共助というところで対応していくことが必要だというふうに考えております。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 本当にそういうとおりだと思うんですよ。いざ、今度はそれを実際にどうする、どうしたらいいのかという話に移っていきたいんですけども、伊那市には、指定緊急避難所が各公民館等あるんですけども、それがだめな場合には、21カ所の指定避難所、そして6カ所の救護避難所という形になっていくわけでありますけども、高齢者や災害弱者の命を守るには、何といっても、まずは避難なんです。誰が誰をどのようにしてどこに避難させるかというのは、具体的な個人名で、災害時支え合いマップを作成して、実際に機能するようにしなければならないと思います。 例えば、今回災害のあった愛媛県の大洲市では、肱川の氾濫で、80件の家が浸水しましたけれども、人的被害は出なかったといいます。被害の予想エリアを示した独自の防災マップをつくって、高齢者には、持病や血液型を書き込んで、首からさげる避難カードも配っていましたが、伊那市も配ったらいかがでしょうか。市は、どのようにしたら、この災害支え合いマップを作成し、実際に機能させるのか伺います。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 現在、社会福祉協議会等を中心に、災害時の住民支え合いマップを作成をしていただいているところでございます。ただ、作成をしていただいても、見直しが進んでいなかったり、まだ作成も出ていないところもあるというふうに聞いておりますので、設立していただきました、自主防災組織の連絡会のほうで、先進事例等も参考にする中で、各地域でできるような、有効に機能できるような支え合いマップのほうを作成し、また、適時に更新をしていっていただくようにお願いをしてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) そこが非常に大変重要なところなんですが、7番目の質問になるんですけども、真備地区では、地域で長く暮らした経験が災いしてか、大雨など何があっても安全だと信じ切っていたとして、避難のおくれを語る市民が多かったと言われます。とにかく、何をおいても避難することです。そのためには、ふだんから地域の消防団や自主防災会や御近所が避難情報の伝達方法などを話し合うなどして、早目に、少しでも安全な場所にみんなで助け合って、空振りを覚悟で逃げるというコミュニティ避難が必要だと思います。伊那市は、平時から災害時の避難について、市民への意識づけについて、どのような手助けをしてきたのか、またするのか伺います。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) まず、今までも各自主防災組織の皆様に集まっていただいて研修会等も実施しておりますので、そうした中でお願いもしてございますし、また、年40回程度開催をしてございます防災のお出かけ講座等を通じまして、早期の避難を呼びかけながら避難をしていただくような、コミュニティの避難を行うような形でお願いをしてきてございます。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 西日本の豪雨で、避難指示が出た際に、あれだけの被害があっても、実際に避難した人はわずかに4%だったというふうに驚きの数字があります。東日本大震災の後に、国は、高齢者や障害のある人の避難をさせる際に、支援を必要とする人の名簿を自治体がつくって、居場所を把握するように法律で義務づけているわけであります。 先ほど話もありましたけども、先日の西箕輪での防災訓練でも、伊那市社会福祉協議会が災害時支え合いマップの作成を呼びかけていました。その際、マップを作成する地区などに、伊那市社協から作成費や更新費として、上限1万円の助成を出すと言っていました。真備地区の教訓を生かせば、とのかく避難をさせて、人の命だけは救うという仕組みを市内の各集落組織全てにつくるための補助金は、社協だけではなく、本来は、伊那市が出すべきではないかと思いますが、伺います。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 御質問の災害時支え合いマップの作成についての助成ですけども、当初は伊那市のほうで助成をさせていただきました。その後、福祉的な意味もあるということから、現在では、社会福祉協議会で助成をさせていただいている流れになっております。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 予算のことですので、社会福祉協議会には、本当に非常に厳しい中での必死の思いの助成金だと思います。財政的にはしっかりとした裏づけを持っている伊那市こそ、この財政を考えるべきだというふうに思いますけども、市長はどのようなお考えでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 市民のためにお金を使うということは当然のことであります。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) そういうお考えがあるならば、いわゆる災害時支え合いマップに対してお金、いわゆる補助金を出すというふうにぜひとも検討をしていただきたいと思います。 8番目の質問ですけれども、これは、先日、松澤議員が質問をいたしましたので、重複いたしますので、省略をさせていただきます。 9番目の質問です。天竜川上流河川事務所のホームページで示されている、これでもそうなんですけども、天竜川水系の天竜川洪水浸水想定区域図の中に、家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)というものが公表されています。これによれば、伊那市のこの市役所、ここになるわけですね。ちょうどここになるわけですけども、ここは水がつくところです。いわゆる氾濫流で水没する地域になるわけですけども、ここで家屋倒壊が起きるというのは尋常ではないという想定なんですけども、このような場合には、新しくできた伊那市の防災コミュニティセンターへ市の機能を移転するということになるんでしょうけれども、現時点で、どこまで移転のための危機管理体制は整ったのか伺います。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) ことしの5月に、伊那市の職員が防災コミュニティセンターを使った実践的な防災訓練を行いました。そうした中で、NTTの電話回線、それから市のネットワーク、IT関係のネットワーク等も一応確保をしているところでございます。 電源につきましても、昼間は太陽光発電を使って、ある程度確保できますし、本当の災害時には、大型の発電機をレンタルをするというような形で、今考えております。 それから、トイレにつきましては、トイレの専用水を確保できるような形になっておりますし、LPガスのバルクがございますので、バルクを使った調理室、それからガスの発電機等もございますので、電源等もある程度確保できるかというふうに考えてございます。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) 私も、何度か防災コミュニティセンター行っているんですけども、実際にあそこで業務が行われるようになるには、大変だろうなという心配をするところであります。実際に、市の機能が全部あそこに、ここが水没した場合には行かざるを得ませんけれども、そういう意味では、シミュレーションだけではなくて、実際の訓練が行える必要があろうかと思いますけども、いかがでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 市の機能を全部移転するということは不可能だというふうに思っておりますので、災害対策本部機能を移転できるような形で今は考えているところです。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) そこでの訓練はどのようにされますか。 ○議長(黒河内浩君) 山口危機管理監。 ◎危機管理監(山口俊樹君) 今年度行った訓練は、主にネットワークと通信手段の確保等が主な訓練になっておりますので、今後、どのような訓練をするか、また検討しながら、訓練を積んで、災害時に困ることがないような形で進めていきたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(黒河内浩君) 飯島議員。 ◆16番(飯島光豊君) ぜひとも、あした、明後日、災害が起きてもおかしくないというのが、今の御時世ですので、ぜひとも先の話じゃなくて、早急にお願いしたいと思います。 先ほど、私の質問の中で、西春近の小出島区の災害のパネルもつくってきましたので、ちょっと見ていただきます。 これは、天竜川と三峰川が合流して小黒川が入っているというところですが、この私が色づけをした、ダイダイ色のところが堤防が切れたところです。その堤防が切れたことによって、ずっと上島、下島、唐木まで全部水につかって、大変な災害が起きたところであります。実際に、この記録が、今、伊那市には残っていないと、そんなばかな話がないだろうと、大変な大災害であります。伊那市での80年前の水害であります。100年に一度ということならば、また、これが起きてもおかしくないというのが事実であります。ここが切れるとは申しませんが、実際には切れるような状態も生まれるんだということも御理解していただいて、御参考いただきたいと思います。 以上でもって、私の質問を終わりにしたいと思います。 ○議長(黒河内浩君) 以上をもちまして、飯島光豊議員の質問が終了いたしました。 暫時休憩といたします。 再開は午後3時5分といたします。 △休憩 午後2時48分 △再開 午後3時02分 ○議長(黒河内浩君) それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。 唐澤稔議員の質問に入ります。 13番、唐澤稔議員。     (13番 唐澤稔君登壇) ◆13番(唐澤稔君) 13番、唐澤稔です。さきに通告いたしました熱中症対策についてと、学校の夏季休暇について、2点質問をいたします。 初めに、熱中症対策については、先ほど柳川議員さんと、きのうは、馬場議員さんのほうとタブるところがあります。重複するところを質問しませんというわけにはいきませんので、質問させていただきます。 ことしの夏は、とんでもない猛暑となり、皆さん、暑さ対策に懸命であったと思います。気象庁の予報では、9月になってもまだまだこの猛暑が続くと言われています。この暑さは、ただ暑いというだけでなく、命の危険にも及びかねないほどのものであります。 以前から、熱中症対策には、「水分」と「塩分」の補給が必要であると言われてはいましたが、それだけはなく、例えば、「冷水に足をひたす」、「冷たいシャワーを浴びる」等、体を冷やすことが必要であると言われます。エアコンの使用は、この冷やすことの効率的で手軽な方法であると言えます。 しかし、こうした対策にもかかわらず、総務省消防庁の発表によりますと、この猛暑によって、熱中症と見られる救急搬送者は、今までに全国で8万人以上、7月だけで5万4,220人、そのうち、死者は133人とされています。マスコミや各自治体などから、盛んに熱中症への対策の必要が言われ続けているにもかかわらず、こうした現状となっております。当伊那市でも、県内最高気温を記録する日があるなど、猛暑の影響はかなりなものと思います。 そこで、ことしの熱中症による救急搬送者の伊那市の状況は、どのようになっていますでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(黒河内浩君) 廣瀬保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(廣瀬宗保君) 今年度ということでありますので、4月以降ということで、8月26日まででございますが、47人の方が熱中症により救急搬送をされております。月別では、7月が最も多く25人でございまして、年齢区分別では、18歳未満が15人、18歳から65歳までの成人が14人、65歳以上の高齢者が18人でございました。 場所別では、屋内が24人で、屋外が23人、ほぼ半数という状況でございます。また、症状別では、重症の方が5名、それから中症、軽症患者が42名ということでございます。 ○議長(黒河内浩君) 唐澤議員。 ◆13番(唐澤稔君) 屋内は、やはり24人ですか、結構多いですね。 さて、記録的な猛暑は、救急搬送の現状をお聞きするだけでも、かなりの被害となっていることがわかります。政府は、この猛暑を「ただの暑い夏」でなく、「災害」として捉えようとする向きもあります。 ところで、この熱中症による救急搬送は、野外で活動したり躍動したりする若い方々ばかりが多いわけでありません。消防庁の統計では、救急搬送された方々のうち、約半数である48%が65歳以上の高齢者であるとのことです。一日の多くを室内で過ごすことの多い高齢者の方々も、熱中症の危険にさらされていることは報道等でもよく言われることでありますが、現実には、対策が十分とられていないのではないかと考えます。それは、「窓をあけておけば大丈夫」、「これまでもこのままでやってきた」などや、また、エアコンが設置されているのに「エアコンの風は嫌」、「電気代がもったいない」など、せっかくの設備が生かされていないことや、そもそもエアコンの設置されていないということもあると思います。 伊那市での出来事ではありませんが、「老老介護」の高齢者世帯で、お二人とも熱中症で亡くなるという悲しいニュースもありました。また、生活保護を受ける高齢者が困窮のため電気代を払えず、電気をとめられ、エアコンを使えないまま熱中症で亡くなるとの悲惨なニュースもありました。 この猛暑がことし限りのものであれば、それほど心配することもないかと思うところもありますが、2020年東京オリンピックでの熱中症対策が課題となっていることを考えると、温暖化等の影響により猛暑が今後も続くことが予想されます。その中で、熱中症による救急搬送の約半数が高齢者であるという現状は顕著とも言える伊那市の高齢化率を考えると、今後、特に高齢者の熱中症対策を考えていかなければならないと思います。 また、高齢者の熱中症の多いことの原因としても、マスコミでの報道のほかに、自治体等の広報でもお知らせをしているものの、まだ十分に高齢者の方々に受け入れられない可能性もあります。高齢者等への熱中症対策につきまして、広報等も含めて、今後の伊那市としての対応について、お聞きいたします。 さらに、エアコンの設置についてですが、高額な設置にかかわる費用がかかることですので、エアコン設置の必要があっても、経済的に設置ができない高齢者に対して、先ほどの質問もありましたので、例えば補助等の可能性があるかも、合わせてお聞きいたします。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 伊那市では、ホームページ、安心安全メール、そして有線放送、防災無線などで熱中症に対する注意喚起の広報を行っております。また、民生児童委員によります高齢者世帯への訪問の際にも、熱中症予防のリーフレットの配布とか、また、そうした注意喚起、これを協力をいただいているわけであります。ほかにも、特定健診の結果説明会、窓口対応、高齢者等への注意喚起の声かけをしていると。地域包括支援センターの職員が高齢者のお宅を訪問する際にも、こうした確認も行っております。 エアコンの設置につきましては、相当の費用負担が発生をすると。また、初期投資だけではなくて、ランニングコストも電気代ほか、かかるわけでありますので、高齢者世帯において、導入が進まない実態があるものと考えられます。 伊那市では、現在、高齢者を対象としたエアコンの設置補助というものは実施をしておりません。今後も、必要に応じてホームページ、安心安全メール、有線放送、防災無線、そうした媒体を使いながら、熱中症に対する注意喚起を行っていく考えであります。 伊那市がエアコン設置費の補助を行ったらという話がありますが、対象として想定をされる低所得の高齢者世帯の数、これが年々ふえております。また、多額の費用が当然伴いますので、国による補助制度がない現状では、市単独で制度を導入するということは難しいという考えであります。 ○議長(黒河内浩君) 唐澤議員。 ◆13番(唐澤稔君) 確かに、いろいろ設備は金が大変かかると思います。私は、今まで以前は、エアコンついていたんですが、なかなか電気料のせいじゃなくてもつけなかったという、下が冷房ききますんで、2階はそれなりの暑さで耐えていかないと、体力的にも頑張っていかなきゃいけないかなと思いまして。でも、ことしだけは、やっぱりエアコンをつけなきゃ、ちょっと設定温度も2階は暑いんで、38度ぐらいに設定します。それでも違います。なかなか暑いところに住んでいるなと思っております。 次に、保育園や小中学校、エアコンの設置について、お聞きします。 これも、先ほど柳川議員のほうからもありましたので、回答のほうは省いて結構でございます。熱中症による救急搬送の半数が高齢者を占めているとしても、幼い子供たちにも大きな危険があることは言うまでもないことです。8月3日の議会全員協議会において、熱中症の緊急対策として、保育園の中で、未満児室と、特に対応が必要とされる保育室9室に今年度予算枠でエアコンを設置するとの説明がありました。一日も早い対応が必要であるところでありますが、その進捗状況について、お聞かせいただきたいと思います。ダブればいいですよ。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) いいと言われればしゃべりたくなる性格でありまして。エアコンの設置をするとしました予定した7園9部屋については、予定どおり8月10日までに設置をして稼働をかけております。 伊那市内の保育園19園のうち、エアコン設置が必要となる部屋、まだ94部屋、小鳩園4部屋、子育て支援センターも必要でありますので、3部屋ありまして、今回の9月補正にお願いをしております。お認めいただければ、来年の7月までに設置を行って、子供たちの快適な生活空間をつくりたいというふうに考えております。 ○議長(黒河内浩君) 唐澤議員。 ◆13番(唐澤稔君) ぜひそのように進めていただきたいと思います。 続きまして、小中学校へのエアコン設置について、これもダブっておりますが、お聞きいたします。 政府は、菅官房長官の会見で、子供たちを守るために、公立小中学校へのエアコンの設置が必要であるとコメントをする中で、来年の夏までに設置ができるよう、補助金の補正を組んでいくとの話があり、現在は都道府県によって、大きな格差のある公立小中学校のエアコン設置率を格差なく全ての教室に、2019年夏までに入れるべく、秋の臨時国会に提出するとの方針のようです。この交付金は、「学校施設改善交付金」であり、エアコン以外の耐震化対策も含まれるため、必ずしもエアコンが全教室に設置されることができるだろうかどうかはわかりませんが、できればそうなっていただきたいと思うところです。しかし、エアコンを設置するには、莫大な費用とその後の電気代等、かなりの支出の必要もあります。補助金が出るからといっても、伊那市として、どういった対応ができるかについて、現在のところで結構ですので、わかっている範囲でお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(黒河内浩君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 大変御心配をいただいているところでございます。学校へのエアコンの導入についてでございますが、これは熱中症対策といたしましても、早急に進めねばならないところというふうに考えているところでございます。 市内21校、小中学校でございますが、総教室数が約800室ということもございまして、また、電気をたくさん入れるということから、高圧の受電施設、受電設備を整えるということなども含めまして、全ての学校に、一斉にエアコンを設置するということにつきましては、大変困難な状況にあるというのが実際のところでございます。 現在、エアコンの設置に向けまして、例えば電気、ガス、あるいはリース等、そうした選択肢やエアコンの容量、ランニングコスト等、その導入に向けての検討を行っているところでございます。国の補正予算等によります交付金の活用も踏まえまして、最もよい形で、エアコンについて、その設置をすることについて、検討を進めてまいりたい、そのように考えているところでございます。 ○議長(黒河内浩君) 唐澤議員。 ◆13番(唐澤稔君) 済みません。ダブった御意見をいただきまして、ありがとうございます。ぜひよい方向になるように願っております。 次に、猛暑にかかわる問題と関連して、学校の夏休み期間について、お聞きいたします。 長野県教育委員会の資料によりますと、全国での夏休みの日数は、栃木県で44日、岐阜、岡山等では45日、東京新宿区や仙台等では35日など、多くで31日を超え、小学校の全国平均で91%が31日以上とのことです。もちろん、北海道や東北の一部では、そこまで長く休まないところもあります。一方、長野県では、31日以上の夏休みがある公立小中学校は19校と5%にとどまっています。公立の高校では、31日以上の夏休みの全国平均は85%であるのに対して、長野県では、31日以上は9校、11%となっております。 先日、県教育委員会の原山教育委員長は、「県内は涼しいという前提認識が崩れており、夏季休暇のあり方を見直す時期にきている」と話されています。先日のテレビ番組で、ある芸能人の方が久しぶりに信州に来て、「信州は涼しいというイメージでいたが、とにかく暑い」と話していることからも、県外に住む人から、そういった感想があることは、教育長のお話のとおり、「既に見直す時期」があるような気がいたします。市町村立の小中学校の休業日については、学校教育法、施行令において、各市市町村の教育委員会が定めるところとされています。 そこで、この学校の夏季休暇のあり方について、どのようなお考えがあるかを教育委員会にお尋ねいたします。 ○議長(黒河内浩君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 学校の夏季休暇のあり方についてのお尋ねでございます。議員御指摘のとおり、休業する日、休業日の設定につきましては、校長が作成をいたしました年間計画をもとに、教育委員会で定めているところでございます。 平成30年度、市内の小中学校につきましては、21校中10校が、7月下旬から8月20日から22日まで、27日間の夏季休暇としております。これも、お言葉の中にあったんですが、8月23日に県の原山教育長が、長野県は冷涼な気候という前提は崩れたと、そのようにして発言をされたわけですが、その中で、夏休みを延長する方向で検討する場を設けたいという表明がございました。県教育委員会の動向を注視しつつということになりますけれど、伊那市としての夏季休暇のあり方について、今後、検討してまいりたいと、そのように考えるところでございます。 ○議長(黒河内浩君) 唐澤議員。 ◆13番(唐澤稔君) 時代の流れとともに、やはり、今自然との話のことでありますし、昔は休みが多いと家庭は困っていたような気がいたします。また、時代の流れもいろいろありますんで、ぜひよい方向で考えていただければいいかなと思います。 以上で、私の一般質問を終わります。 ○議長(黒河内浩君) 以上をもちまして、唐澤稔議員の質問が終了いたしました。 引き続き、野口輝雄議員の質問に入ります。 11番、野口輝雄議員。     (11番 野口輝雄君登壇) ◆11番(野口輝雄君) きょうは、朝から大変暑い、そして長い一般質問が続いておりますが、御安心ください。私で最後であります。最後に出てきました11番、野口輝雄でございます。私は、先に通告いたしました大きく分けて三つの質問について、行いたいと思いますが、そのうちの二つの質問については、既に私より以前に質問している議員の方々がいらっしゃいました。お聞きしましたら、中身がよく似ているんですけども、観点と質問が違いますので、予定どおりさせていただきます。 まず初めに、1番として、大阪北部地震の反省を生かした小中学校の安全管理の再確認についてということについてです。 転ばぬ先のつえということはよく言ったものです。ことが起きる前に対処するということが必要であるという先人の言葉のこの短い言葉に集約されています。何が起きるかわからない現代、この言葉は、私たちの生活の中でも、社会の中でもこれからを安全に生き抜くためにぴったりの言葉ではないでしょうか。 さて、6月18日に発生した大阪府北部地震では、ブロック塀の倒壊により、小学生のとうとい命が犠牲になってしまいました。それを受けて、日本全国でブロック塀の安全点検が行われました。長野県でも、そして伊那市でも同様に行われ、これまでに多くの危険なブロック塀を確認しております。伊那市では4カ所、また、県教育委員会の調べでは少なくとも、危険な塀が県内721校にあるとの報告がなされています。そんなにもたくさんの危険なブロック塀があったのに、なぜ事故が起きる前に、自分のところにあるブロック塀が危険であると気づいた市町村がなかったんでしょうか。とうとい犠牲が出てしまった上での安全点検では手おくれなのです。 また、8月17日には、イタリアで起きた高架橋の崩落事故、43人という大変な数の犠牲者が出ました。外国のことですので、十分な情報が入ってきませんが、以前から崩落の危険があったとの指摘もされていたとの報道がありました。危険性があったにもかかわらず、それを放置し、利用していたことは、当然、管理責任を問われることとなります。何らかのつえを出していたら、この事故は起きなかったと考えても不自然ではありません。外国に「転ばぬ先のつえ」という言葉があるかはわかりませんが、このつえが事故を防ぐために大変重要であります。 また今朝、北海道で大きな地震がありました。伊那市にも多くの活断層が通っておりますので、これまでの地震に対する常識が通用しない地震が起きてもおかしくない状態にあると思います。 このことを最初に申し上げて、本題に入ります。 先ほど申し上げました県教育委員会が調査したら、「県内の721校に危険なブロック塀がある」ことがわかったということを重く捉え、「学校には、危険なブロック塀のほかにも倒壊、落下等で危険なものがあるのではないか」と考えました。 そこで、学校の校舎内、そして敷地内における安全管理の再確認の重要性について、提案をしたいと思います。 まず最初は、学校の敷地内での倒壊、落下等による危険性についてです。 伊那市では、本9月議会で、市内2カ所にまだ残っている危険なブロック塀の撤去費用などを盛り込んだ補正予算が計上されました。市民プール北側のブロック塀と山寺駐車場のブロック塀です。 春富中のブロック塀は早急に撤去され、もう1カ所は補強済みとのことでした。危険なブロック塀を撤去するための予算を9月議会に計上したことは、二度と不幸な事故を起こさないために大変重要なことです。しかし、地震が起きたときに倒壊する恐れのあるものは、ブロック塀だけはないように思います。特に、児童生徒の安全を考えた場合、学校の校舎内や敷地内では、まだまだ多くの倒壊、落下等で危険なものがあるのではないでしょうか。 まず、敷地内では、石碑、銅像、門柱、立木に加えて、トーテムポールなどの大きな卒業記念作品、あるいは運動器具や農機具が保管してある小屋などが考えられます。石碑や銅像、門柱などはかなり古いものが学校には多く残っています。倒れるおそれはないでしょうか。卒業記念のトーテムポールや竪穴住居などは、早目に傷んでしまいます。また、学校には、農機具を格納する小屋も多くありますが、ほとんど古いものが多いように思います。倒壊のおそれはないでしょうか。 校舎の周りや校庭の周りにある大きな立木も、枯れて倒れたり、枯れた枝が落ちてくる可能性があります。特に、木肌が美しくて、よく学校に植えられているシラカバの木は、早く大きくなる割りには虫が入りやすく、内部は空洞になっているものが多く見られます。少しの力でもぐらぐらするものがあるのではないでしょうか。 学校によっては、隣接して学校林がある小学校や中学校があります。伊那西小学校や西箕輪小学校、そして西箕輪中学校などです。白鳥市長は、大阪北部地震の後、早い時期にこの学校林の枯損木の危険木の存在に気づき、指示を出したと聞いています。今9月議会において、補正予算で学校林の危険木処理委託料が計上されているのは、このためかと思います。 これら石碑、銅像、門柱、立木等、敷地内の危険性を早急に再確認し、必要なら伐採、撤去等の処置をする必要があるのではないでしょうか。まずは、学校の校舎内、校舎以外の敷地内の危険性の再確認と必要な処置について、今後どのように対応するのか、学校林の危険木処理も含めて、市長並びに教育委員会にお聞きいたします。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 議員おっしゃるとおりだと思います。学校施設を含めまして、公共施設が常に安全な状態を維持ができるように、適切な管理を努めていかなければいけないと改めて感じるわけであります。 ここにございますように、石碑とか銅像、門柱、立木、こうしたもののほかにも、御指摘のあったシラカバとか、トーテムポールなど、確かに思い浮かぶものがたくさん各学校にはあります。そうしたものの安全基準等、基づいてつくられたものだと思いますけれども、劣化をしていたり、また、周囲が改変されていたりということもありますので、早急に見直しをしなければいけないと思います。 特に、今御指摘のありました立木でありますが、私も森林関係の組合の長もしておる中で、やはり適宜といいますか、伐期という言葉があります。木が成長をしていって、切るタイミング、それを逃すと、後は中が腐って、だんだん枯れていくという、そうした傾向なんですけど、切るのに一番適した時期、これを過ぎてしまうと、後は危険木になる可能性がありますので、そうしたことを考えるときに、学校林の中に、この危険木が随分あるというふうに見ておりまして、こうしたことを今調査をして、どの木が危険なのかといったところまで見ておりますので、今回の9月補正でお願いをしておりますので、ぜひ、その予算を認めていただいて、早急に対応していきたいと。 あわせて、今御指摘のありました屋内においても、落下をして危険なものというのは当然あります。大型テレビなんかは、その一つになるかと思うんですが、そうしたことも学校を一斉に点検をするというようなことも必要ではなかろうかと思いますので、担当のほうと、これからまた打ち合わせをしながら、できるところはすぐに、また、お金がかかるところも、早急に予算措置をしながら進めてまいりたいというふうに考えます。 ○議長(黒河内浩君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 学校関係でございますが、学校教育課では、6月18日に地震がございましたが、その翌日、学校施設内におけるブロック塀の設置の有無等についてということで、各校に調査をいたしました。その際、やはり学校側からブロック塀だけではなくて、石垣とか、あるいは石碑、門柱、遊具等についても挙げられてきたところでございます。議員御指摘いただきましたとおり、やはり学校敷地内には、なお、倒壊、あるいは、今市長も言われましたように、落下につきましても、そのおそれがある危険な構造物等があることが考えられることから、これ再度調査を行ってまいりたい。 また、学校林におきましても、昨日の朝確認されましたように、倒木もございまして、そうしたこともありまして、施設等も含めて、適切な管理、また点検に努めるよう、今後も徹底してまいりたいと、そのように考えているところでございます。 ○議長(黒河内浩君) 野口議員。 ◆11番(野口輝雄君) 私の提案について、前向きに検討していただけるということで、大変ありがたいことですが、今市長の答弁並びに教育長の答弁については、2番目に、私、学校の敷地内じゃなくて教室、校舎内の建物転倒、展示物落下による危険性についてということを質問しようと思っていたんですが、今、一緒に答えいただきましたので、大阪北部地震のような大きな規模の地震が来たときでも、安全だと言えるような、そういう大地震対応ための臨時の安全点検を、ぜひ学校の教室、廊下、そして、今言った学校の外の敷地内全てについてやっていただけるということですので、2番目の質問については省略させていただきます。 3番目に、人命にかかわる対応はスピード感を持ってという質問に入りたいと思います。 大阪北部地震の際のブロック塀の危険から、早い時期に市内の点検をし、少なくとも4カ所の危険箇所を見つけたことは、スピード感のある対応と言えます。そして、その全ての危険箇所の撤去については、9月定例会での予算計上となり、その後撤去する形となってしまいました。幸いにも、まだ撤去されていないブロック塀にかかわる危険箇所には、事故が起きないような対策がなされていますが、6月に危険性に気づいたのに撤去は9月となってしまいます。 市長がいち早く気づいた学校林の危険木についても、早い時期に危険木の赤いテープがつけられていたのに、撤去は予算成立後の9月中旬になってしまいます。該当の学校には、学校林の危険木に近づかないように指示が出ていたかと思いますが、近づこうと思えば近づけるような状態で、長い間危険木は撤去されないままの状態でした。残っている2カ所の危険なブロック塀についても、事故がきょうまでになかったからよかったと言えます。 私は、ことしの3月の中旬に、地元西箕輪のマレットゴルフ場の愛好家から、「西箕輪のマレットゴルフ場内に枯損木があり危険であるので、撤去できないか」と相談を受けました。すぐに現場を見回ったところ、立ち枯れている木や大きな枝が枯れていて落ちそうな木がありました。強風などですぐにでも倒れそうな木や、強風ですぐにでもおれそうな枝が多くありました。私は、このときに、もし地震が来てもこの枯損木は倒れるだろうという危険性を感じました。 そこで、私は、3月27日の日付で、文書において、「緊急陳情」といたしまして、マレットゴルフ場の枯損木の撤去を教育委員会にお願いをいたしました。教育委員会では、すぐに対応していただき、現地視察や、ほかの部署とも相談していただいたようでした。その後、枯損木も確認をしていただいたようですので、早い時期に撤去していただけると一安心しておりましたが、7月になってもまだ撤去されない状態だったので、再度、教育委員会に出向き、今度は口頭でお願いをいたしました。 しかし、この質問を通告した8月28日も確認に行ってまいりましたが、赤いテープが巻いたままとなっていました。危険なので近づかないようになどの警告は掲示されていませんでした。もちろん、マレットゴルフ場も使用中止にはされていませんでした。このマレットゴルフ場は、西箕輪小学校の学校林の一部とのことでしたので、今回の補正予算が成立すれば、この木々も、他の学校林の危険木と一緒に処理をしていただけるものと思っていました。 ところが、昨日、9月5日の早朝6時に、私は台風21号の強風による倒木が心配だったので、マレットゴルフ場に行ってみました。マレットゴルフ場には、そのコースの上に多くの枝が落ち、使えるような状態ではありませんでした。そして、赤いテープのついた1本の赤松の立ち枯れた木が根元から破損していて、隣の木に寄りかかっておりました。もし隣の木がなかったら、倒れている状態でした。夜の台風で倒れたため、人身事故にはならなかったのが幸いでした。近くには、太い枯れた枝も何本も落ちていました。あの枝がプレイ中の人に落ちてくることもあるかと考えると、大変危険な状態のマレットゴルフ場だったことを改めて認識をいたしました。このほかにも、このマレットゴルフ場には、まだたくさんの枯損木があります。西箕輪中や伊那西小学校の学校林についても同様かと思います。早期の撤去が必要です。 私は、ことし3月にその危険性を指摘させていただいたのに、処理が9月になってしまったということを何とかならなかったのかなと悔やんでいます。そして、この枯損木の危険性を知らせていただいた地元西箕輪のマレットゴルフの愛好家の方に本当に申しわけない気持ちでいっぱいです。それによる事故がこれまでになかったのでよかったのですが、人命にかかわる対応は、もっとスピード感を持ってできないものでしょうか。これは予算の問題だと思います。確かに予算がなければ執行できないことは十分わかっておりますが、予算がつくまで、命にかかわる危険なものを放置しておいていいのかということです。 ブロック塀の場合には、事故が起きないような対策をして、予算づけを待った経緯がありますが、この危険木には、そのような安全対策は見られませんでした。例え事故が起きない対策をしても、常時見張りをしているわけではありませんので、事故が起きてしまうこともあるかもしれません。それは危険なブロック塀でも、危険木でも同じであります。人命にかかわる対応には、専決処分や、ほかの予算から流用するなど、あるいは年度当初に早期の対応が必要な場合に使える特別な予算をとっておくなどの特別な措置で、スピード感を持って対応できないものでしょうか。市長の見解をお聞きいたします。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。 ◎市長(白鳥孝君) 一言で言えば、3月の段階でこうした指摘を受けながら、何度も言われていながら対応できなかったというのは、こちらの落ち度であるというふうに言わざるを得ないと思います。 3月27日に、緊急陳情として、教育委員会にそうした陳情書が出されていたということ、後々私も知ったわけでありますが、こうしたことが、市長部局のほうには回ってきていないということも、一つのルールの欠陥があったかなというふうに思います。 野口議員はもともと教員でございますので、学校の中の危険という、そうした目線で恐らく見られたと思います。そうした中での提案でございましたけれども、受け取る側で、この危険の意識とか、あるいは緊急の意識、こうしたものが欠落していたというふうに反省をしております。 予算の問題という御指摘もいただきましたが、本来そういうものではございませんので、これ専決処分でも予備費でも何でも対応できるはずです。そうしたことをちゃんと認識をして、対応できるような、そうした教育を改めてしていかなければいけないと反省をしております。 今回、今年度の予算の中では、一般会計で3,000万円の予算を計上しておって、この中でも、突発的な自然災害とか、あるいは修繕、命にかかわるような緊急の安全対策等に使うということになっておりますので、本来は、こうした中で対応すべきであったと思います。 また、ちょっと若干、回答とは異なるかもしれませんが、屋内の危険なものについて、先にお話をしてしまったので飛ばしたという話だったんですが、私も聞きながら思ったのは、例えばピアノとか、ああいう重量物、これは地震のときは跳びはねます。私も経験があるんですが、重量物は、あちらこちらに動き回るというそうしたものでありまして、そうした重量物についても、ストッパーがきちんとしているのか、あるいはグラウンドにあるようなローラーも動き出しますので、こうしたものもちゃんとした安全管理がされているのか、落下物、あるいは理科室についても、薬品があるのかわかりませんが、そうしたものが安全な管理がされているのか、これは教育委員会とよく話をしながら、リストをつくって、早急に改めて、そうした点検をしなければいけないというふうに感じたところでありますので、そうした指示も早急に出すようにいたします。 今後、こうした指示があっても、ほごにするようなことがないような対応をとってまいりますので、このことについては、早急に行いたいという考えであります。 ○議長(黒河内浩君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 御指摘をいただきました西箕輪マレットゴルフ場内の危険物の処理につきまして、対応が遅くなりました。御心配をおかけしていることにおわびを申し上げます。まことに申しわけありませんでした。 対応等について、次長より申し上げます。 ○議長(黒河内浩君) 馬場教育次長。 ◎教育次長(馬場文教君) 私からも、対応を遅くなったことに大変申しわけありませんでした。おわび申し上げます。 今後の対応でありますが、先ほど市長からもありましたとおり、市長の指示もありまして、マレットゴルフ場内の危険木等々含めて、西箕輪小中学校の学校林について、担当も立ち会いながら、専門家に判断をしていただいておりまして、それを今議会の補正予算に提出をさせていただいているところであります。お認めいただき次第、大至急、対応をしたいと思っております。 また、台風21号の通過で、昨日の朝、確認をいたしました西箕輪マレットゴルフ場の倒木につきましては、本日、午前中から処理をしておりまして、対応を行っておるところでございます。いずれにいたしましても、今後、何事においても、常にスピード感を持って対応するように努めてまいりたいと思います。お願いいたします。 ○議長(黒河内浩君) 野口議員。 ◆11番(野口輝雄君) 予算的には執行できるというお話を聞いて安心いたしました。何しろ一番よかったのは、とにかく人身事故がなかったということで、私も、ここに陳情した結果、よかったなと思っております。そして、私、実は、きょうの朝も見てまいりましたが、まだそのままになっておりましたので、ここで言おうと思いましたら、今次長から言われていましたので、ぜひお願いしたいと思います。 市長がいつも言われるスピード感、いろんなところで必要かと思いますが、ぜひ命にかかわることについては、とにかく超スピード感でお願いしたいと思い、次の質問に移りたいと思います。 小中学校のこれからの熱中症対策ということについてですが、この熱中症についても、何人かの方が発表しておりますが、ちょっと観点が違いますので、続けて発表させていただきます。 ことしの初夏からの暑さは異常でありました。特に梅雨が早目に明けて、異常な暑さが長い間続きました。私も実は、全国で一番暑いと言われている群馬県伊勢崎市のすぐ近くの桐生市の出身ですので、暑さにはなれているつもりでいましたが、まいりました。 小中学校では、夏休みに入る前までの児童生徒の熱中症対策が大変だったと思います。この暑さを、気象庁等では、「人命に危険のある暑さ」だとか、「災害規模の暑さ」と表記して警戒を続けてきました。学校での子供たちの生活にも大きく影響しているため、全国的に保育園、小中学校へのエアコンの導入を図る市町村が多く出てまいりました。伊那市でも、早い時期にエアコンの導入が決まり、本9月定例会でも熱中症対策費用として、保育園、子育て支援センター、学童クラブ等にエアコンの設置費用が約1億3,400万円計上されております。保育園、子育て支援センター、学童クラブは、来年度で全ての設置を完了するとのことでした。 また、小中学校に対しては、これも先ほど発表があったんですけども、「年次的に、小中学校の教室にもエアコン設置を行う」として、設置時期については、学校の現場の声を聞きながら、できるだけ早く対応したいと、8月3日に行いました議員全員協議会の席上で発表がありました。早い対応は大変すばらしいことと思います。 阿部長野県知事も、学校や幼稚園にエアコン設置を進めるための国に財政支援を求める緊急要望も行いました。今年度から来年度にかけて、保育園、子育て支援センター、学童クラブ、そして、小中学校へのエアコンの導入も急速に進むことと期待をしております。いずれにしろ、来年度以降、順次エアコンが導入されるということなので、児童生徒の皆さんは、今年度よりも快適に学校生活を送ることとなります。しかしながら、先ほどの発表にもあったように、すぐには全校に導入できない、この後、エアコンがない期間が多くなりそうであります。また、もし学校等にエアコンの導入が進んだとしても、それだけでは熱中症対策にはならないのではないかと思います。「学校に来たらエアコンの効いている教室で一日過ごしなさい」というわけにはいかないのです。ほかの方法も考える必要があるのではないでしょうか。体育館での授業や集会、校庭での体育の授業、休み時間の遊び等、教室から離れることも多い学校生活です。これらの場所を使うことも考慮して、熱中症対策を行わなくてはなりません。 8月24日付の信濃毎日新聞朝刊に、県教育委員会の原山教育長の記事が出ておりました。「県内小中高校の夏休み延期を検討する場を設ける」という記事でした。先ほど発表ありましたが、夏休みを長くすれば、暑い時期に登校しないで、熱中症対策になるという考え方と思いますが、果たして「夏休みの延長」はできるのでしょうか。少なくても、冬休みと春休みをそのままにしてでの延長は無理だと思います。それは、文部省で示した教育課程、つまり、子供たちが勉強する内容です。それを全てきちんとクリアするために、各学校の授業日数が決まっています。その授業日数が決まっている中で夏休みを多くすると、授業日数が減ってしまうことになります。 また、今、各学校では2020年度から始まる新しい教育課程に合わせるために、文部省で示された教育課程を全てクリアするための年間授業日数を決めるべく、教育課程編成の研究がされていることと思います。既に先行してやっているところもあると思いますが、特に、2020年度から始まる新しい教育課程では、英語科を初め、プログラミング教育などの新しい科目がふえ、現状の授業日数、伊那市ではほぼ210日前後が授業日数かと思いますが、これでは不足することも想定され、年間授業日数が現行よりもふえる可能性もあり、したがって、休みが少なくるということも考えられます。 安易に夏休みを延長することはできないと私は思っています。夏休みを延ばすためには、冬休み、もしくは春休みを少なくするしかないのではないでしょうか。学校の冬休みは民間企業の正月休みよりも四、五日間多くとってあります。多少少なくしても問題はないようですが、春休みはそうもいかない部分があります。 現在、各小中学校では、卒業を3月の中旬ごろに行っていますが、春休みを少なくするために、卒業を3月の下旬にした場合、高校入試の合格発表は卒業の前になってしまいます。合格発表があってから卒業を迎えるということになってしまいます。もし落ちていた子があったら、どういう気持ちになるでしょうか。 また、卒業後に作成する指導要録などの公的な書類の作成期間が大変短くなってしまい、すぐに新年度の準備をしなくてはならなくなります。短い期間に多くの仕事をこなすことになり、教員の負担がふえます。また、転勤をする教師にとっては、とてつもなく忙しい、短い春休みになってしまいます。教員の負担軽減を考えてきた教育委員会に逆行することということになります。これらを検討する場を設けるということですから、管理職の先生方のみの検討会ではなく、現場の先生方を交えた検討会にしていただきたいと思います。 学校の意見を広く聞きたいという教育長の意見がございましたので、夏休みを延ばすということだけではなくて、熱中症を防ぐための身近な方法も、ぜひその場で検討していただければありがたいなと思います。 そこで、私なりに夏休みを延ばす以外で、熱中症対策はないかというふうに考えてみました。まずは、夏休みの期間を前倒しにするということです。本当に暑いのは7月から8月中旬にかけてだと思いますが、さすがに伊那市では、お盆を過ぎると気温が下がってきます。そこで、夏休みを早目に始めるということ、これがまず一つ、二つ目は、プール学習を2学期までに延ばさないで、早目に終わりにして、夏休み前までで十分な授業の時間を確保して、プール学習を終わりにするというのはどうでしょうか。さらに、暑い中をプールまで通わなくてはならない夏休み中のプールの開放について、これは子供たちだけではなくて、指導する教員も、そして、監視する多くの保護者の皆様も熱中症になる危険性があります。私としては、大変残念ですけれども、様子を見て、実施しないという選択肢もあるかと考えられます。既に実施していないところも出ております。夏休みのプール開放しないということは、これは、逆に考えると教員の負担軽減にもつながることになります。 三つ目は、夏休み明けの早い時期に運動会を実施しないということも考えられます。これは、残暑の中での運動会の練習を避けるという目的です。昨今では、運動会を春に実施する小学校がふえてきているようです。残暑による熱中症対策には効果的かと思います。さらに、午後の暑くなる時間帯での体育館の授業や行事等の利用は、時間割りの変更によって、極力避けることも必要かと思います。 また、児童生徒の水分補給や塩分の補給も、今水筒などを持たせてきて、それで飲むようにしていると思いますが、やはり教室で頻繁にできるような体制も必要かもしれません。夏休みを延ばすだけではなくて、ほかにも身近なところで熱中症対策の幾つかはできるのではないでしょうか。 私なりに幾つかの方法を申し上げましたが、やはり、教育現場の先生方一番子供のことをわかっております。先ほどの教育長のお話で、学校の意見を聞いてということがありましたので、先生方からもきっと、熱中症対策のよい案が出るかと思いますので、期待しております。ぜひ、教育委員会でも現場の先生方のアイデアを積極的に集めていただき、もし予算が必要な案が出たら、予算措置がスムーズに行えるような配慮をお願いしたいと思います。伊那市内の学校に通学する児童生徒の一人でも熱中症にならないように、管理をお願いしたいと思います。 今後の熱中症対策について、繰り返す形の質問になってしまいますが、教育委員会にお聞きいたします。 ○議長(黒河内浩君) 笠原教育長。 ◎教育長(笠原千俊君) 御提案をいただいております夏休みの開始、また終了日につきましては、これは校長が作成する年間計画をもとに、教育委員会で決定をしているところでございますけれど、計画を調整していく中で、やはり早目に夏休みに入っていくというようなことについては可能であると、そんなふうに思うところでございます。ただ、ことしのように、7月上旬から30度を超える、それが8月下旬まで続いてくる、こういう年もあれば、記憶の中に、梅雨明けが8月にずれ込むというような年もあるわけで、やはり、夏休みの時期の前倒しというようなことが、どのような形で可能であるのかというようなところは、慎重に検討を要するところでもあるか、そのように思うところでございます。 議員御指摘のように、学校の年間の指導計画を作成する、また、教育課程を編成する、それらにかかる丁寧な、丁寧なと申しますのは、そこにみんなで知恵を出し合いと、そういうような意味合いを込めたいと思いますが、そうした丁寧な検討をしていくということを大切に考えてまいりたい、そのように思うところでございます。 ○議長(黒河内浩君) 野口議員。 ◆11番(野口輝雄君) 確かに、毎年1年間の季節の変化が一定ならば、非常に対応は簡単なんですけど、暑いときが早く始まったり、梅雨が遅くなったりということがあると思いますので、臨機応変に考えるしかないなと思いますが、夏休みを延ばすということ以外の方法もあるということをお話し申し上げました。ぜひとも現場の先生方、そして管理職の先生方を通して、すばらしいアイデアで、この熱中症対策を続けていただきたいと思います。 最後の質問は簡単にしたいと思います。 3番目ですが、議会内のICT化の拡大についてということで、1番だけしかありません。さらなる一歩という題名であります。 議会でのICTの一環として、議員にタブレットが配られてから早3年目となりました。この間、多くの研修会や実習を行い、議場で、そして委員会室で、また各家庭に帰ってからも有効にタブレットを使うことができるようになったと思っています。使い始めたときに、既にタブレットを持って使っていた議員はわずか2名のみでしたが、ほかのほとんどの議員は全く経験がありませんでした。 そんな中、みんなが一斉に使い始め、学び始め、お互いに学び合いながら利用してまいりました。もちろん、議会事務局の皆様の並々ならぬ助力もあり、我々は大いに助かりました。現在、通知をペーパーレス化したり、会議への資料提供や会議中のペーパーレス化も進み、さらなるペーパーレス化を進めるとともに、新たな活用についての研究が必要な段階となってまいりました。 今期、私が議会のICT推進委員会の委員長に任ぜられ、微力ながら議会事務局の大きなバックアップをもとに、一歩踏み出そうとしております。改めて、ICT推進委員会からの正式な答申もあるかと思いますが、きょうは、私個人からとしての提案をしたいと思います。 それは、市長部局職員、前にいらっしゃる皆さんへ、タブレットの配布をそろそろ検討してもいいのではないでしょうということであります。いかがでしょうか。議員も3年目に入りました。一緒にタブレットを使いながら、さらなる議会運営を考えていこうではありませんか。議場内のこちら側の議員だけがタブレットをとんとんとんと操作して、そちらの市長部局の皆様は紙をペラペラペラとめくって、何か変じゃないでしょうか。あくまでも、そろそろでございます。そろそろとソフトに申し上げておりますが、市長、いかがでしょうか。 ○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。
    ◎市長(白鳥孝君) 私も個人的にはタブレットを使ったり、また職員も多くは使っております。そうした中で、タブレットの有効、有用性も十分承知をしております。いずれは、そうした方向にいこうということで始めているわけでありますが、一方で、こうしたペーパーを使いながらメモを非常にとることが多いもんですから、タブレットは、なかなかメモ機能がまだまだ未開発といいますか、未成熟でありますので、それが一つの課題であるかなと思っております。とはいえ、通知とか例規、そうしたものは、庁内のネットワークでペーパーレス化が済んでおりまして、例規ほかについては、ペーパーで配られてきません。そうした点においては、非常に効果が出ているなというふうに思うわけであります。 また、タブレットについては、インターネットを利用した通信端末としての効果が非常に強いもんですから、携帯電話、また画面の大きいタブレット等、活用しながら、両方、二つ、三つ持ちながら仕事をしているという人もいらっしゃいます。 市長部局職員へのタブレットの配布、これについては、今後の議案書とか、予算書のペーパーレス化の推進、それから災害時の通信手段の一つとしての活用も十分考えられますので、だんだんに研究をしていきたいと思います。 ○議長(黒河内浩君) 野口議員。 ◆11番(野口輝雄君) 市長からだんだんにというお言葉をいただきました。我々も、今さらにペーパーレス化以上の研究をしていかなきゃならないということで、私も委員長として、かなり頑張らなきゃいけないなと思っていますが、ぜひとも一緒に市長部局の皆さんとタブレットを使いながら、議会での話し合いをしたと思っております。 済みません。長くなってしまいました。これで私の質問を終わりにします。 ○議長(黒河内浩君) 以上をもちまして、野口輝雄議員の質問が終了いたしました。 本日はこれにて延会としたいと思いますが、これに御異議ございませんか。     (「異議なし」と言う者あり) ○議長(黒河内浩君) 御異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会といたします。 △延会 午後4時00分 地方自治法第123条第2項の規定により署名をする。       伊那市議会議長       伊那市議会議員       伊那市議会議員...