上田市議会 > 2019-11-02 >
12月03日-一般質問-03号

  • "アクセス向上"(/)
ツイート シェア
  1. 上田市議会 2019-11-02
    12月03日-一般質問-03号


    取得元: 上田市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-10
    令和 元年 12月 定例会(第4回)議事日程 第 1 一般質問   (1)市政について   (2)市政について   (3)8050問題への対応について   (4)市政について   (5)市政について   (6)市政について   (7)市政について   (8)市政について   (9)市政について   (10)災害対応と上下水道事業について   (11)台風19号への対応について   (12)市政について   (13)市政について   (14)行政目線から住民目線に立った市政について   (15)市政について   (16)市政について                                              本日の会議に付した事件 日程第1(1)から(8)まで                                              出席議員(29名)    1番   石  合  祐  太  君     2番   斉  藤  達  也  君    3番   金  井  清  一  君     4番   中  村  悠  基  君    5番   松  尾     卓  君     6番   成  瀬     拓  君    7番   齊  藤  加 代 美  君     8番   井  澤     毅  君    9番   林     和  明  君    10番   佐  藤  論  征  君   11番   金  子  和  夫  君    12番   原     栄  一  君   13番   宮  下  省  二  君    14番   飯  島  伴  典  君   15番   欠           員    16番   金  沢  広  美  君   17番   古  市  順  子  君    18番   小 坂 井  二  郎  君   19番   土  屋  勝  浩  君    20番   松  山  賢 太 郎  君   21番   西  沢  逸  郎  君    22番   尾  島     勝  君   23番   佐  藤  清  正  君    24番   小  林  隆  利  君   25番   池  田  総 一 郎  君    26番   南  波  清  吾  君   27番   池  上  喜 美 子  君    28番   半  田  大  介  君   29番   久 保 田  由  夫  君    30番   渡  辺  正  博  君説明のため出席した者     市    長   土   屋   陽   一   君     副  市  長   井   上   晴   樹   君     上田市政策研究  吉   澤       猛   君     センター長     政策企画部長   柳   原       渉   君     総 務 部 長   中   村   栄   孝   君     行政管理課長   小   林       修   君     財 政 部 長   山   口   武   敏   君     財 政 課 長   倉   島   弘   一   君     市民まちづくり  小 宮 山       剛   君     推 進 部 長     上田地域自治     セ ン ター長     生活環境部長   山   口   泰   芳   君     福 祉 部 長   近   藤   聖   一   君     福祉事務所長     健 康 こども   小   林   一   彦   君     未 来 部 長     商工観光部長   大   矢   義   博   君     農 林 部 長   工   藤   秀   樹   君     都市建設部長   藤   澤   純   一   君     消 防 部 長   越       浩   司   君     丸子地域自治   竹   花   国   雄   君     センター長     真田地域自治   山   﨑   完   爾   君     センター長     武石地域自治   石   井       淳   君     センター長     会 計 管理者   細   川   真 利 子   君     上下水道局長   柏   木   明   彦   君     教  育  長   峯   村   秀   則   君     教 育 次 長   中   澤   勝   仁   君事務局職員出席者     事 務 局 長   金   井   浩   一   君     事 務 局次長   中   村       史   君     議会担当係長   橋   詰   聡   史   君     主    査   鈴   木   康   平   君     主    査   徳   永   頼   信   君     主    任   福   澤   雄   史   君          午前 9時30分   開議 ○議長(小林隆利君) これより本日の会議を開きます。                       ◇ △日程第1 一般質問(1)市政について ○議長(小林隆利君) 日程第1、一般質問を行います。 まず、質問第10号、市政について、小坂井議員の質問を許します。小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) おはようございます。最初に、今回の台風19号の被害に遭われた全ての皆様にお見舞いを申し上げるとともに、災害支援や復旧に当たられている関係各位にも敬意を表します。また、武石地域の災害復旧工事で亡くなられた方と、またご遺族の方々に、心よりお悔やみを申し上げます。 それでは、質問に入ります。台風19号による橋梁被害と今後の対応についてお尋ねいたします。市では、合併以来、第一次上田市総合計画、第二次上田市総合計画を策定して、合併から10年単位で総合計画をつくり、市政を推進してきました。平成28年度からは、第二次上田市総合計画を10年後の将来都市像に「ひと笑顔あふれ輝く未来につながる健幸都市」を掲げ、将来都市像や理念に基づいて地域づくりの方向を示すまちづくりビジョンと、そのビジョンを具現化する6つの施策大綱から成る前期5年間のまちづくり計画及びその計画の具体的な事業や施策を示す実施計画がつくられております。 実施計画は、将来都市像の実現に向けて示されたまちづくり計画を社会経済環境の変化に的確に、また柔軟に対応できるように計画期間中に実施すべき施策、事業の内容や実施時期、進捗等を明らかにするとともに、健全かつ効率的な行財政運営ができるようローリングシステムにより毎年度見直しをしながら、3年間ずつの計画を担っております。これは、東日本大震災や台風、ゲリラ豪雨等に対応することも視野に入れております。 そこでお聞きいたしますが、市では今まで老朽化した橋を計画的に整備してきたと認識しております。河川に係る橋梁の状況を順次調査し、整備を進めてきた一方で、台風19号では橋梁の被害が大きく、市民の生活道路が寸断され、市民生活にも大きな支障が出ておりますが、市が今まで進めてきた修繕計画に問題はなかったのでしょうか、お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) おはようございます。初めに、橋梁修繕計画に問題がなかったかについてのご質問にお答えしたいと思います。 橋梁の修繕計画につきましては、平成23年度に上田市橋梁長寿命化修繕計画を策定し、これに基づき修繕を実施しております。この修繕計画は、上田市が管理する橋梁1,056橋のうち、橋長15メートル以上の全176橋と、15メートル未満の橋梁のうち、損傷が認められた92橋、損傷が認められない場合であっても、緊急輸送路に位置する7橋、孤立集落の発生が予想される9橋の計108橋、合計284橋を修繕の必要性が高い橋梁として選定し、予防保全型の維持管理を行うアセットマネジメント橋梁と定めて、修繕が計画的に進められるよう策定したものでございます。 修繕計画は、この国の要綱に基づき策定しておりまして、また国の道路橋定期点検要領に基づき、5年に1度の法定点検や診断を実施し、橋梁の健全性の把握に努めております。今回の橋梁災害は、主に記録的な大雨により河川が増水し、河川施設である護岸や河床が洗掘されたことによる間接的な被災が原因であると推測されますので、修繕計画自体には問題がなかったと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 橋梁が直接の原因ではなくて、護岸が壊れたということが主な原因だというふうな答弁でございました。台風19号の被害調査が職員全力で進められておることは承知しております。また、通行どめになった橋梁はもちろんのこと、被害調査で判明した崩落のおそれがある緊急に修繕を要する橋梁は、まだあるのでしょうか。お尋ねをいたします。 また、来年に備えて、被害があった橋梁の対応をするだけではなく、被害がなかった橋梁の修繕工事も並行して行うことが必要だと考えておりますが、見解はどうかをお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 緊急に修繕を要する橋梁があるかについてのご質問でございます。台風19号の被災調査の結果、市が管理する橋梁につきましては、丸子地域では依田川と内村川にかかる3橋、真田地域では神川と真田角間川にかかる3橋、武石地域では武石川と保代川にかかる3橋の合計9橋が被災いたしました。被災内容といたしましては、丸子地域の腰越地籍では、依田川にかかる木橋の馬坂橋が、上部工、下部工ともに流失したほか、河川護岸の崩落による橋台背面の土砂流出が5橋、河床洗掘に伴う橋脚基礎の露出などが3橋でございました。 これら橋梁の復旧方法につきましては、流失した馬坂橋は、現状の木橋復旧では今後も被災のおそれがあることから、鋼構造での復旧を目指しておりまして、その他の橋梁につきましては、関連する河川護岸の復旧や橋脚根固め工を実施してまいります。なお、復旧の実施に当たりましては、国の災害復旧制度を活用するほか、災害復旧事業債等を活用し、早期の復旧を目指してまいります。 また、今回被災報告のない橋梁につきましては、道路パトロール等によりまして通行支障となる被害は確認されておりませんが、修繕計画により修繕が必要な橋梁につきましては計画的に実施してまいりたいと考えております。 今後の橋梁修繕計画につきましては、平成30年度で第1回目の法定点検と診断が完了したことから、その結果を踏まえ、また必要に応じ、今回の台風被害も加味しながら、今年度中に橋梁長寿命化修繕計画の見直しを行ってまいります。来年度以降につきましては、見直し後の修繕計画に基づき、優先度の高い橋梁を中心に計画的、効率的な修繕に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 流失した木橋については、新しい工法でかけ直されるということで、地域住民も喜ばれるのではないかと思っております。 次に、ラグビーワールドカップ日本大会の検証と2020東京オリンピックパラリンピックに向けての観光戦略についてお尋ねいたします。ラグビーワールドカップ日本大会は、11月2日の決勝で南アフリカが、2007年の決勝対決に続いてイングランドを32対12で下して、ニュージーランドに並ぶ大会最多タイとなる3度目の優勝で幕を閉じました。 日本チームは、グループAを強豪アイルランド、サモア、スコットランドを撃破し、4戦全勝で1位通過したものの、準々決勝で優勝した南アフリカチームに3対26で敗れて、ベスト8に終わりましたが、日本中を沸かせてくれました。 菅平で事前キャンプを張ったイタリアチームはというと、ナミビアに47対22で勝利、カナダにも48対7で圧勝。準決勝で、日本と当たった南アフリカには3対49で負けてしまいました。ニュージーランドとイタリアの対戦が台風で中止になったため、両チームは引き分けとなり、3勝1分のニュージーランドが1位通過、2位が3勝1敗の南アフリカ、3位が2勝1分1敗のイタリアで、残念な結果に終わり、予選通過はなりませんでした。もしニュージーランドとイタリアが対戦して、イタリアが勝っていたら、日本対イタリア戦が準々決勝になっていたかもしれません。 そこでお尋ねいたしますが、事前キャンプイタリア代表チームを誘致したわけですが、イタリア代表チームの感想や市民の反応はどうだったかをお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕 ◎政策企画部長(柳原渉君) イタリア代表チームの感想、また市民の反応というご質問でございます。 イタリア代表チームのことしの事前合宿は、9月8日から14日までの7日間、昨年に引き続き行われました。今回のキャンプにつきましては、選手のコンディションを日本の環境にならすための調整が中心のスケジュールでございました。受け入れる側としても、昨年の経験を踏まえ準備を整えられたことから、期間中、大きなトラブルもなく、選手、スタッフに安心して滞在していただくことができたと考えております。 選手、スタッフの皆さんからは、とてもすばらしいトレーニング環境で、必要なものは全てそろっており、食事もおいしい。こちらのリクエストにも迅速に対応していただき、パーフェクトだったといった最高の評価をいただいたところでございます。 また、大会終了後、イタリアラグビー連盟会長から書面で、「地域の皆様のチームに対する厚いおもてなしに感謝いたします。協力体制も完璧で、何よりもチームの全員が心地よく過ごせるように、熱意を持って奔走してくださったことは、感謝してもし切れません。また、各試合での応援もすばらしいものでした。心から感謝申し上げます」といった書面での感想、改めて感謝の言葉をいただいたところでございます。こうしたお言葉をいただき、例えばチームが駅や宿泊ホテルに到着した際に温かくお迎えするなど、地域全体でおもてなしの心を持って歓迎できた結果と、大変光栄に思ったところでございます。 市民の反応についてというご質問ですが、今回は大会直前のコンディションづくりが主な目的であったことから、昨年のような学校訪問などは行いませんでしたが、例えば選手がサイクリングトレーニングを行った際には、沿道に居合わせた方からの応援に気軽に応えていただいたり、また公開練習時には写真撮影にも応じてもらったりと、その時々の交流を楽しんでいただく中で、一流の選手たちを身近に感じていただけたのではないかと思っているところであります。 また、ワールドカップに出場するチームがトレーニングキャンプを行ったことで、ラグビーやスポーツ合宿で有名な菅平高原を再認識することができた、ラグビー競技やイタリアという国を身近に感じることができ、ワールドカップの試合も楽しんで見ることができたとの感想もお聞きしておりまして、さらにはワールドカップ開幕戦のパブリックビューイングやイタリア戦の観戦ツアーにも大勢の市民の皆様にご参加いただけたなど、一定の盛り上がりが得られたのではないかと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 選手からも市民からも大変好意的に受けとめられたようで、安心いたしました。 次に、イタリア代表チームトレーニングキャンプが行われた結果、どのような効果があったのかをお尋ねします。また、友好関係を深めたイタリアとは、今後どのような連携を図っていくのかも、あわせてお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕 ◎政策企画部長(柳原渉君) 一国の代表チームのトレーニングキャンプを2年にわたり受け入れるということは、菅平高原はもとより、市にとりましても初めての経験でございました。さまざまな効果を各方面にもたらしたと考えております。 まず一つには、菅平高原の知名度の向上、ブランド力の強化であります。今回、ワールドカップ出場国で、2年にわたり日本でトレーニングキャンプを実施したのはイタリア代表のみで、昨年より各種メディアに菅平高原が取り上げられましたが、大会が近づくにつれて取材に訪れるメディアも多くなり、またイタリア国内に向けてもチームの滞在中の情報が発信され、菅平高原の名前の露出度は国内外に多数あったと認識しております。また、世界のトップチームが滞在することでブランド力も強化され、市民の皆様も地域の資源としての菅平高原を再認識していただけたのではないかと考えているところでございます。 次に、児童生徒の国際感覚の醸成と一流のスポーツを体感する機会の創出が挙げられると考えております。昨年になりますが、選手による市内の学校訪問での交流や公開練習での選手との触れ合い、またことしはサントミューゼで開催いたしましたイタリア・フェアでの選手との交流等によりまして、特に子供たちに外国人との触れ合いを通して国際感覚を養っていただくとともに、一流のプロ選手を間近にすることで、夢や希望を持ってもらえたのではないかと思っております。 また、イタリアチーム応援の機運を醸成するため、ことし市民参加型のオペラ・ガラ・コンサートを開催いたしました。約120名の市民の方が、選手、スタッフに観覧いただく中で、約半年練習を重ねたオペラを披露することができました。ご参加いただいた市民からは、歌声をチームに届けることができた感動と達成感を得ることができた。また、オペラ歌手の弥勒忠史さんを初め一流の芸術家から指導を受けられる貴重な体験ができたとの感想もいただき、代表チームのトレーニングキャンプが文化的な交流につながったと認識しているところでございます。また、イタリアラグビー連盟からも、この関係を保ち、スポーツや経済、文化の分野でも上田市とのきずなを育んでいきたいとメッセージも頂戴しているところでございます。 来年は東京オリンピックパラリンピックが開催されます。イタリアトレーニングキャンプがきっかけとなり、事前合宿について、イタリア以外の国からも問い合わせがあり、また数年後には、再びラグビーイタリア代表が日本でテストマッチを行う可能性があるともお聞きしております。いずれにいたしましても、ラグビーイタリア代表の来訪の効果を一過性のものとせず、多方面に影響が及び、将来にわたり上田市にレガシーが残るよう、連盟との信頼関係を継続しつつ、スポーツ、文化を通じてのまちづくりを進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕
    ◆18番(小坂井二郎君) さまざまなプランでおもてなしができたということで安心しました。また、2年後、3年後に向けて、新しい希望も見えるような感じがいたしまして、とても希望を持っております。 今もお話がございましたけれども、来年開催される2020東京オリンピックパラリンピックに向けての市の観光戦略をどのように考えているのかもお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 大矢商工観光部長。          〔商工観光部長 大矢 義博君登壇〕 ◎商工観光部長(大矢義博君) 東京オリンピックパラリンピックに向けた観光戦略についてのご質問でございます。 東京オリンピックパラリンピックは、インバウンドを促進する絶好の機会と捉えておりまして、平成28年からは長野県観光機構が進める事業に参加し、台湾及びタイへの海外プロモーションを実施しております。また、市独自の取り組みとして、海外のメディア関係者及び旅行事業者を招聘する事業や、訪日外国人向けフリーペーパーへの情報掲載などを積極的に進めているところでございます。このような取り組みの結果、平成30年における上田市内の外国人延べ宿泊者数は1万4,932人で、対前年比21%の増となっており、徐々に成果があらわれてきていると捉えております。 一方、軽井沢町、松本市など県内のインバウンド先進自治体と比較いたしますと、当市への入り込みは格段に少ない状況であります。このため、これらの先進自治体と連携することで広域的な回遊を促進し、当市へ呼び込むことが効果的であると考えており、本年から欧米向けの新たな取り組みを始めたところであります。 一例を申し上げますと、7月には、長野県を初め長野市、松本市、軽井沢町と連携し、カナダのバンクーバー及びウィスラーで開催した観光プロモーションに参加いたしました。各自治体の魅力をアピールする中で、当市といたしましては、浴衣や甲冑の試着、手裏剣ゲームなどの体験を提供し、大変注目を浴びたところでございます。 また、11月には、しなの鉄道沿線自治体で構成するインバウンド連絡会において、フランスワインツーリズムコンクール優秀者視察旅行を受け入れ、観光列車「ろくもん」の体験、沿線のワイナリーや酒蔵の視察等をしていただき、しなの鉄道沿線のさまざまな魅力をPRしたところでございます。 こうした取り組みに加え、東京オリンピックパラリンピックに向けた取り組みといたしましては、さいたま市を中心に北海道、東北、北陸の各新幹線沿線の25自治体が参画する東日本連携・創生フォーラムによる誘客促進を検討しております。さいたま市ではバスケットボール競技オリンピックで全試合開催される予定であり、とりわけメダル獲得を期待するアメリカから大勢の旅行者が訪れることが見込まれております。このため、東日本連携事業としてアメリカをターゲットとするプロモーション、地域の特産品をPRするイベント、加盟自治体への周遊を促進する事業などが計画されておりまして、市といたしましても、これに積極的に参加することで首都圏からの誘客促進につなげてまいります。 また、東京オリンピックパラリンピック以降も継続して外国人観光客に当市を訪れていただくための仕掛けが重要であります。引き続き近隣自治体との連携強化を図りつつ、信州上田観光協会を中心に、地域の伝統文化、自然、食、温泉などを楽しむ体験型メニューの開発、アニメや忍者などのコンテンツの充実、スカイランニングなどのスポーツツーリズムの造成など、外国人が興味を持つ観光コンテンツの充実を図り、インバウンドを促進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 非常に多彩なメニューで、来年度に向けてさまざまな情報発信をしていくことが見えてとれまして、安心いたしました。 また、最近のニュースでは、台湾でおもてなし武将隊が大賞を受賞するというようなニュースもあり、今後に期待いたします。 次の質問に移ります。種子法の廃止と種苗法についてお尋ねいたします。1952年、昭和27年5月に制定された主要農産物種子法は、平成29年に成立した主要農作物種子法を廃止する法律の施行によって、2018年、平成30年4月1日から廃止されました。また、種苗法は、日本の風土に適した種子をつくり、育て、守っていくためのものと理解しております。しかし、最近市販されている野菜の種の多くは外国産であります。 そこでお聞きしますが、現在の農産物の種子、これは種のことですが、現状をどのように把握しているのかをお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 種子法の廃止と種苗法についてのご質問でございます。 初めに、それぞれの法律につきまして、その概要についてご説明を申し上げます。まず、種子法でございますが、正式名称は主要農作物種子法で、対象としている主要農作物は、米、麦、大豆でありまして、昭和27年に制定された法律で、その背景には、戦中、戦後の食糧難と農作物の不作に対しまして、日本の主食である米を初め、麦、大豆を安定的に生産、供給する仕組みをつくり、国民の飢えを解消することにありました。 種子の改良や生産には時間と多額の費用がかかることから、農家任せにせず、法律を制定し、国が予算措置をし、各都道府県において種子の開発管理を行うための圃場の設置や審査などが行われてきましたが、既にその役割を終えたことや、国際競争力を持つために民間との連携が必要という観点から、昨年4月1日をもって廃止されております。 次に、種苗法でございますが、花を含めた農産物などの新品種の育成者に対しまして、その新品種を登録することにより育成権を占有できることを定めた法律でございます。 ご質問の多くの種子が外国産であることにつきましては、多種多様な野菜などの種子を安定的に供給するため、国内の種苗会社が優良品種の交配を重ね、開発、生産をしてきておりまして、農作物は原産地と同じ気候で育てることにより優良な種子ができることから、その圃場として原産地イコール外国での開発も盛んに行われているという背景によるものでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 日本の農業を取り巻くそれぞれの法律について、詳しくご説明をいただきました。 種子法の廃止によって、今まで各県で開発されてきた米の品種改良にはどのような影響があると考えるのかをお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 米の品種改良への影響というご質問でございます。冒頭で種子法の廃止について触れましたが、種子法廃止を受けまして、種子の開発や生産を奨励する県独自の県条例を制定する動きが全国的に広まっております。長野県におきましては、本年6月定例会におきまして主要農作物及び伝統野菜等の種子に関する条例、いわゆる種子条例を制定いたしました。また、全国的には、9つの道県で条例が施行されている状況でございます。 次に、米の品種改良につきましては、近年における長野県産米といたしまして、県農業試験場が13年の歳月をかけ、平成25年3月に品種登録をした風さやかがございます。風さやかは、そのうまみ、甘み、粘り、食感、香りのバランスのよい食味のほか、栽培面では、コシヒカリに比べ中晩生種のため、夏場の高温の影響を受けにくい上、草丈が短いため倒伏しにくく、いもち病に強いため、安定生産が期待できる、すぐれた品種で、徐々に認知度が高まってきております。今後も各県単位では気候変動にも配慮した品種改良が行われ、安定した種子の生産供給がなされるものと期待しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 今、長野県で開発をされた風さやか、これについては私ども地元でも、冷たい御飯になってもおいしいということで大変好評で、栽培する方がふえておりまして、今後に期待したいと思っております。 上田市で古くから栽培されている山口大根や、こうじいらず大豆、また特産品の上田みどり大根等への影響はどのように考えておるでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕 ◎農林部長(工藤秀樹君) 上田市で古くから栽培されてきた農産物などへの影響についてのご質問でございます。 市内で古くから栽培されている山口大根、こうじいらず大豆など、代々受け継がれてきた在来品種や上田市特産品である上田みどり大根でございますが、収穫した種子を次の作付に使う、いわゆる自家増殖につきまして、種苗法上、制限を受けないため、これまでどおり栽培ができ、影響はないものと考えております。 また、県が制定した種子条例の対象作物には、種子法で対象としていた作物のほか、そばと信州の伝統野菜や在来種も追加されました。山口大根は伝統野菜として認定されていることから、県種子条例の対象となっており、その他の在来品種につきましては、種苗法の改正動向を注視しながら、県種子条例への追加認定について、県の関係部局等とも協議を重ねていく必要があるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) ニュースでは、種子法の廃止により、自家栽培の種をとったり販売をすると100万円の罰金があるというようなニュースも流れて、心配をしておりました。今後の状況を注視してまいりたいと思っております。 次に、外国人集住都市会議とハラルについてお尋ねいたします。今月の12月26日に、上田市が開催都市となって外国人集住都市会議が開催されると、初日の土屋市長からの提案説明にございました。1990年、平成2年に出入国管理及び難民認定法が改正され、ブラジルなどの南米系日系人は三世までが就労制限がない在留資格が認められ、長期間の就労が可能になりました。当時はバブル景気による製造業での人手不足が背景にあったようで、出稼ぎの日系人が自動車産業の盛んな浜松市や群馬県などに集まったようです。彼らは、戦前からいる韓国朝鮮人と区別をするためにニューカマーと呼ばれ、このような地域の自治体が外国人住民にかかわる施策や活動状況に関する情報交換のほか、各地域で発生してきたさまざまな問題の解決に積極的に取り組んでいくことを目的として外国人集住都市会議を設立したようです。 外国人集住都市会議は、日本国内で外国人が多く住む地方自治体やその地域の国際交流協会などが参加する組織で、静岡県浜松市の呼びかけで、2001年、平成13年5月7日に設立され、政府に対する法や制度改正の要望も行ってきました。加盟自治体は、ピーク時の29都市から、最近では13都市と減っているようですが、外国人技能実習制度などにより日本に長期滞在する外国人の出身国が、昔のイランなどの中近東からブラジル、ペルーなどの南米、最近は日本企業の東南アジア進出もあってアジア諸国を中心に多様化し、主に南米日系人向けを念頭に置いた施策に取り組んできた外国人集住都市会議の活動では対応し切れなくなったことが背景にあるようです。 そこでお聞きしますが、今回の上田市での開催趣旨や、どのような目的で開催されるのかをお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) 外国人集住都市会議についてのご質問でございます。 外国人集住都市会議の設置や経緯につきましては、ただいま議員よりお話があったとおりでございますが、上田市は平成17年からこの会議に加盟しておりまして、ほかに長野県では飯田市も加盟しております。 この会議では、加盟都市が3つのブロックに分かれ、お互いに課題を出し合い、課題に対する調査や情報交換を行っております。特に法律や制度の整備にかかわる課題につきましては、年に1回首長が集い、国の担当者と議論を深め、国の各省庁へ提言を行っております。 今年度につきましては、上田市が座長都市として、全国から350人を超える関係者や関心のある市民にお集まりいただきまして、外国人集住都市会議うえだ2019を今月12月26日に上田東急REIホテルにおいて開催いたします。 ことしは、国が労働力不足の対策として外国人の受け入れに大きくかじを切った節目の年でもございます。労働力としての外国人受け入れの元年であり、就労先である企業や生活する地域社会において、日本語の会話や読み書きの能力が必要とされることから、多文化共生施策の中でも、今回はその原点となる日本語教育環境に焦点を絞り、実効性のある施策を国へ求めていくことを目的として、市長と国とが議論し合う会議といたしました。 そこで、日本に住む誰もが孤立せず、みずからの生活を築いていくことができる社会の構築をメーンテーマとして、日本語教育施策の充実を中心に行う予定でございまして、当日は基調講演として、カナダ在住のトロント大学名誉教授であります中島和子先生から、「多言語環境で育つ子どもの家庭言語の重要性」と題し、人が生まれて初めて習得する言語である母語を保持していくことの重要性についてご講演をいただきます。なお、中島先生は、先日、令和元年秋の日本人叙勲として、瑞宝中綬章の授与が公表されております。 続く、2つのセッションが中心となりますが、各市長と国の課長が向かい合って議論を展開いたします。このセッションのテーマでございますが、一つは「地域における日本語教育の現状と対策」と題して、もう一つは、「誰ひとり取り残さない日本語体制の充実」を題材に、各市長、特に上田市は教育長も交えて、現場の声や現状を国へ投げかけ、国からは、外国人施策に関係のある総務省を初め出入国在留管理庁、文部科学省、文化庁、厚生労働省、経済産業省の6省庁の8人の課長級職員にご登壇いただき、外国人における日本語教育施策充実のために取り組むべきことを話し合います。なお、コーディネーターには、愛知淑徳大学准教授であります小島祥美先生にお願いをしてございまして、小島先生は、日本で初めて地方自治体の全外国籍の子供の就学実態を明らかにした研究者でもございます。 そして、最後に、全市長により、多文化共生社会の構築に向けた自治体からの要望を盛り込んだ「うえだ宣言」を行う予定でございます。 いずれにいたしましても、外国籍の子供が高校や大学進学によりみずから未来を切り開いていけるよう、地域社会を担う一人となるために、日本語教育の充実について国に伝えてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員。          〔18番 小坂井 二郎君登壇〕 ◆18番(小坂井二郎君) 時間の関係もありますので、最後の質問は割愛し、現在上田市で生活している外国人市民の国籍別人口や世帯数、就学児童生徒数の現状についてお尋ねいたします。 また、最近、南小学校で学校給食とハラルについて講演があり、講師が、ハラル、これはイスラム教の豚肉除去食のことですが、子供が在学中に給食で苦労したとのお話があったようです。上田市では、アレルギー対応の給食の対応が始まったばかりですが、ハラル給食にはどのような対応をしているのかお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) 令和元年5月1日現在の外国籍市民の国籍別の状況について申し上げます。 まず、国籍別の人口と世帯数でございますが、多い順に、中国が990人、708世帯、ブラジルが808人、422世帯、ベトナムが485人、474世帯など、61カ国、4,154人、2,967世帯の方が市内で生活しておられます。 続きまして、国籍別の就学児童生徒数でございますが、同じく多い順から、ブラジル77人、中国41人、インドネシア24人、ペルー24人など、18カ国、219人の児童生徒が市内の小中学校に就学しております。外国籍の児童生徒数につきましては、昨年度と比較しますと14人増加しておりますが、ここ5年は200人前後で推移している状況でございます。 次に、イスラム教徒に対する児童生徒へのハラル給食の対応についてのご質問でございます。学校給食に関して宗教的に配慮を要すると思われる児童生徒は、現在市内で37人ほどと把握しておるところでございます。対象となる児童生徒の保護者に対して、給食原材料等の情報を提供して保護者等の意向をお伺いし、通常の給食から、みずから豚肉を取り除く、あるいは給食をとめて弁当を持参するなどにより対応しているところでございます。 市内の学校給食では、主にアレルギー対応といたしまして献立明細表や成分表などを保護者に配布しておるところでございますが、各学校がこの資料をもとに保護者と連絡を密にし、宗教的な理由も含めて、学校と保護者との共通理解の中で、保護者に食材や飲食について判断していただいているような状況でございます。 ハラル給食を提供するには、食材や調理器具、調理方法、調理手順など大変難しい対応が必要であることから、市教育委員会といたしましては、今後とも学校や保護者等と情報共有を図りながら慎重に対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 小坂井議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前10時13分   休憩                       ◇                                午前10時30分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇                       (2)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第11号、市政について、飯島議員の質問を許します。飯島議員。          〔14番 飯島 伴典君登壇〕 ◆14番(飯島伴典君) 議長の許可をいただきましたので、通告に従い質問してまいります。今までも大変難しい内容を難しく質問してきてばかりいたので、今回はできるだけわかりやすくしたいと思います。 私は、上田市は災害が少なく、住みよいまちであると思っておりました。しかし、現実はそうではないと突きつけられる出来事が起こりました。まず、今回実際に相談があった内容をもとに質問してまいりたいと思います。 ふだんの生活において手助けを必要とする方々は、医療、介護の専門家が生活の一部などをお手伝いしております。しかし、平時とは違い、災害時もしくは避難を必要とするような場合はどうでしょうか。そのようなサービスが必要な方や、その家族の避難場所、避難手段に対する備えは必要であると考えます。 まず、医療的ケアが必要な方などが避難することを想定した場合の避難場所のあり方についてどうか。 次に、医療的ケアが必要な方が避難した場合に、避難所での対応や介護施設等を避難場所として使用することなどができるように関係機関と協定の締結や連携をするなどの考えはあるかを伺います。 また、被災しても介護施設等で平時と変わらず暮らせることは重要であります。要介護状態の方の中には、電源を必要とする医療機器などを利用している方がおります。そのため、介護施設などにおいては安定的な電力供給が命綱となることもあります。災害時に介護施設などの医療提供施設が安定したサービスを提供できるように非常用電源を購入する、または設置するための補助などを行う考えはあるか。 以上3点伺い、最初の質問といたします。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 避難所に関して何点かご質問いただきました。 最初に、在宅で生活しており、医療的ケアが必要な方の避難所のあり方についてのご質問に答弁申し上げます。まず、医療的ケアとは、病院以外の場所で医師の指導のもとに、たんの吸引や、チューブを使って鼻やおなかの皮膚を通して直接胃に栄養を送る経管栄養などの医療行為を、家族や看護師が日常的あるいは応急的に行う行為であります。 上田市地域防災計画における要配慮者支援計画において、みずから避難することが困難であり、避難の際、特に支援を必要とする避難行動要支援者については、関係機関や地域住民、自主防災組織等の協力を得ながら、災害から守るための防災対策の一層の充実を図ることとされています。しかし、避難行動要支援者の中の医療的ケアが必要な方の避難方法、手段等に特化した具体的な対応については整備されていないのが現状でございます。共助として、要援護者登録制度、住民支え合いマップなどに登録し、地域住民、自主防災組織等の協力も得ながら避難されることが、災害発生時には円滑で安全な避難につながると考えます。 また、医療的ケアが必要な方の状況は、年齢や病状、医療的ケアの内容等、日常生活においてもさまざまであることから、自助としてご家族等が日ごろから災害に備えて準備していただくこともどうしても必要であると考えております。 次に、医療的ケアが必要な方が避難した避難所での対応についてでございます。バリアフリー対応やスペースの確保、また電源の確保などのハード面の対策と、家族以外の介護者が必要となった場合など、介護、保健、医療の専門機関による支援などソフト面の対策が必要となってまいります。可能な範囲で配慮をさせていただくこととなりますが、指定避難所は多くの避難者の受け入れ先となることからも、現実問題としては対応に限界があることも事実です。 現在、市では16の高齢者、障害者の施設と、災害時における要援護者の緊急受入れに関する協定を結び、福祉避難所として指定しております。しかしながら、これらの介護施設等に看護師の職員配置とあるものの、必ずしも24時間体制ではないため、福祉避難所において医療的ケアが必要な方への支援につきまして難しい現状があるのも事実でございます。 医療的ケアが必要な人を初めとした、特に配慮が必要な方に対する安全安心な避難所のあり方や、医療、保健、介護、福祉等の関係機関による連携体制の構築は、今回の災害を踏まえ、要配慮者の視点に立ち研究していくべき事項と認識しております。 上田市地域防災計画では、医療救護班が分掌事務として、医療、医薬品に関すること、救護、助産に関することなどが規定されております。高齢者、障害者等の支援を所管する福祉部として、まずは今回の台風19号における災害対応の検証の中で、安全安心な避難のあり方等について提言をしていきたいと考えております。 続いて、非常用電源の確保に対する補助に関するご質問でございます。介護施設等における災害対応に関連する整備につきましては、国の地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金を活用した幾つかの補助事業がございます。一例を申し上げますと、高齢者施設等には、人工呼吸器、酸素療法、喀たん吸引等の機器の必要な方が入所しており、大規模停電等により生命を脅かす事態が想定されることから、非常用自家発電設備の設置を促進するため、整備に必要な工事費や購入費等を対象とする高齢者施設等の非常用自家発電設備整備事業がございます。補助金額は、事業費の2分の1、上限として1施設当たり459万円で、補助金交付等の手続は県と事業者の間で行っていただくことになっております。 また、小規模施設等に対する認知症高齢者グループホーム等防災改修等支援事業というものもございます。こちらの中で、非常用自家発電設備整備事業分としての補助項目があり、こちらの補助金額は、対象施設の種類にもよりますが、1施設1,540万円または773万円となっております。この防災改修等支援事業につきましては、国の交付金を活用し、市が事業者に補助を行う事業でございますが、今年度、補助金の交付を希望する事業者はございませんでした。新たに施設整備を行う際にも、県の地域医療介護総合確保基金を活用した補助事業があり、新設に伴う非常用電源の整備を行うことも可能です。 今回の災害では、市内広範囲で停電が発生し、議員ご指摘のとおり、災害時の介護施設等における電源確保は不可欠なものでございます。電気自動車の例等もお話しいただいておりますけれども、現在のところ、市単独での補助の検討はしておりません。しかしながら、以上申し上げました各種補助事業につきまして、非常用電源等の設備整備が必要な事業者に対しましては、該当する補助事業を活用して補助を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 飯島議員。          〔14番 飯島 伴典君登壇〕 ◆14番(飯島伴典君) 補助事業等の情報提供もよろしくお願いいたします。また、人は必ず、生まれたら病気になって、介護状態になって死んでいくという人生を送ります。誰もが優しいまちづくりというのは、健康な方だけではないということを認識していただいて取り組んでいただきたいと要望いたします。 次に参ります。東日本大震災や熊本地震の避難所でボランティア活動をしてきました。その経験をもとに質問していきます。発災後から切れ目なく被災者に寄り添うことは重要であります。東日本大震災のとき、心理カウンセラーや精神科医におけるサポートが発災後1カ月あたりに入るようになりました。熊本地震の際は、発災1週間後ごろから保健師が避難所を巡回して寄り添っておりました。専門家がいち早くかかわることで不安感を和らげてくれることがわかり、復興に向けてもよい心理状態へとつなげていくのだと感じました。 今回の災害においても、被災した皆さんに対する取り組みは重要だと考えますが、公助として心に寄り添う対応に関して伺います。台風19号の被災、避難された皆様に行った健康相談対応などはどうか。また、今後も精神的苦痛への対応や被災者支援を長期にわたり実施していくことなどが必要と考えるが、市のお考えを伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 台風19号による被災者及び避難者の方に対する保健業務等の対応につきましては、災害時における保健師活動マニュアルに基づきまして、発災からの時期に応じまして、関係機関と連携も図りながら取り組んでまいりました。 最初に、避難所への対応について申し上げます。災害当日の10月12日から翌13日にかけては、市内13カ所の避難所へ保健師が赴き、避難者の健康状態を確認いたしまして、おおむね120人程度の方の健康相談を行い、高齢者などの要配慮者の方の環境調整や関係機関との連携調整等を行っております。 10月14日には、信州上田医療センターの災害派遣医療チームでありますDMATや上田保健福祉事務所などと情報共有、連携を図りまして、上田市医師会の医師2名にもご協力をいただき、市の保健師とともに、上田創造館を含め、5カ所の避難所を改めて巡回いたしました。この日は、保健、衛生面からの避難所の設置、運営状態を確認するとともに、避難者の方々の健康状態等の確認をしていただきました。以降、避難所での保健活動は、必要に応じまして個別に保健師が対応いたしたところでございます。 次に、被災された皆さんへの対応でありますが、各地域の保健センターが中心となりまして、災害発生の3日から2週間後までの間に罹災証明書の申請状況を確認いたしまして、住家の全壊、床上、床下浸水の被害を受けられた世帯への健康状況調査を実施いたしました。具体的には、上田地域34件、丸子地域52件、真田地域17件で、各世帯へ保健師が個別訪問を行ったものでございます。 また、浸水された家屋の片づけ作業に従事されている方等も多いことから、感染症予防としてマスクや手指消毒液をお配りするとともに、手袋の着用、手洗いの徹底、あるいは消毒液の使用方法など、保健指導や健康相談、被災に関するさまざまなご質問にもお答えしながら、生活に関する情報提供なども行ってまいりました。また、個別訪問時には、被災における不安やストレス、不眠や体調不良を訴える方々もおいでになりましたことから、こうした方々に対しましては、その後も継続して訪問を行いまして状況を確認させていただいたり、医療機関などと連携して支援を行うなどの対応を行ってきております。 被災から1カ月を経過したころから、徐々に日常生活を取り戻され、復旧が進む中ではございますが、生活のめどを立てて立ち直られていく方と、取り残され感を抱きながら立ち直りがおくれる方が見受けられまして、この回復が二極化する時期と言われているところでございます。こうした状況を早期に把握いたしまして、重症化を防止するために、被災者お一人お一人の心に寄り添った支援が必要となってまいります。 そこで、そのための対応といたしまして、改めて11月24日と30日の2日間に分けて、市内全域の前回訪問時の様子などから、改めて確認が必要と思われる方や、風害を含めた被害の方で比較的損害が大きかった約30世帯を対象にいたしまして、主に心の支援に重点を置いた健康状況調査として個別訪問を行いました。今回の訪問では、市の保健師に加えまして、上田薬剤師会からもご協力をいただき、薬剤師の方と一緒に被災後の日常生活や心身の状況などについての確認やストレスへの対応、相談窓口などについての情報提供、あるいは体調に合わせて、必要により薬に関する相談も実施したところでございます。 さらに、今回の心の支援につきましては、上田保健福祉事務所にご協力をお願いしまして、支援内容についての助言もいただいており、実施後についても、結果や今後の支援の方向性についてご指導いただくこととなっております。あわせまして、必要によりましては、認定カウンセラーによりますこころの相談等も実施してまいりたいと考えております。 過去に余り経験がない災害時の保健活動でありまして、若干反省点もございますけれども、被災された皆さんを初め、今回の災害により心に大きな負担がかかられたと思われますお子さんや高齢者の方々に対しましては特に意を払いまして、引き続き保健師等による適切な支援を継続するとともに、関係機関との連携の仕方なども振り返りを行いながら、今後の保健活動全般に生かしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 飯島議員。          〔14番 飯島 伴典君登壇〕 ◆14番(飯島伴典君) 早期から手厚い寄り添いをしていただき、ありがとうございます。また、これからもよろしくお願いしたいと申し上げておきます。 ここまでは医療、介護を必要とする方への対応や市民の皆様にどのように寄り添っていくかなど、災害前後の公助の一端について伺ってまいりました。続いて、情報のつくり方やそのための最先端技術の活用に対する考え方を伺ってまいります。 台風19号では、市内の広範囲にわたる被害でありました。風雨により河川を含め、刻一刻と状況は変化していきました。変わり行く状況に合わせた予測、避難指示などのその根拠や内容など、情報づくりの環境整備が必要だと感じました。また、伝達方法についても、効率を上げることで迅速な対応などにつながると考えます。そこで、今回のような広範囲に及ぶ災害を想定し、効率的でより確実な避難情報を発令する必要があると考えるが、市の見解を伺います。 続けて、地域自治センターや近隣自治体、県の災害対策本部、またDMAT等との連携システムや、実際に移動することなく会議を開くことができるウエブ会議システムを構築する考えはあるか、伺います。 また、被災状況の確認などに人が直接かかわることは危険を伴うと考えます。状況確認においても、安全性を高めることが重要であるとともに、さまざまなデータを蓄積していくことで、より的確な被害の予測を行うことができます。このようなことから、災害対策に対してICTやAI、IoTなどの技術を導入してみてはと提案させていただき、市の考えを伺います。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 最初に、災害時の情報の発令についてご質問いただきました。 10月12日の台風19号に際しましては、台風の接近に伴い、気象台から警戒レベル3に相当する大雨警報や洪水警報が発表され、さらに同日午後には、レベル5に相当する大雨特別警報が県内で初めて発表されました。市では、大雨による土砂災害の危険度分布や河川の水位、洪水警報の危険度分布などから、上田市避難勧告等の判断・伝達基準に沿い、土砂災害や洪水の危険性が高まった地域に対して、順次、避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示を発令して、また発令の対象地区を拡大しながら、市民の皆様に避難情報を発令してまいりました。 これらの避難情報の発令に際しましては、市からのメール配信サービスやツイッター、ホームページ掲載などで情報を発信してまいりました。しかしながら、議員ご指摘のとおり、メール、ホームページなどで災害情報や避難情報を取得できない高齢者等の、いわゆる情報弱者に対しての情報発信、情報伝達には課題があったと認識しております。 国では、住民への災害情報などの伝達を的確に行うため、伝達手段の多重化、多様化を推進していますが、現在、上田市には災害情報を一斉に伝達します同報系防災行政無線が整備されていないことから、今年度、防災情報伝達システム基本計画を策定することとしておりまして、今後のシステム構築に向けた基本的な方針を現在検討しております。 一方で、現在の災害時の情報収集については、雨量や河川の水位情報、土砂災害危険度など避難情報等の発令判断に必要となる情報が、国や県などさまざまなサイトに散らばっておりまして、それぞれにアクセスをして確認する必要がございます。情報の的確な把握方法も大きな課題となっております。このため、確実に情報を収集し、効率的で迅速な避難情報を発令するための仕組みづくりについても検討してまいりたいと考えております。 次に、災害時における連携システムやウエブ会議システムの構築についてのご質問でございますが、現在、県の防災行政無線の一部としてウエブ会議システムが構築されておりまして、県の災害対策本部と県内を10ブロックに分けた代表市町村とが、ウエブ会議による協議や情報共有が可能となっております。上田市にもこのシステムに対応した機器が配置されております。 今回の台風19号の対応に関しましては、このシステムを使って実際に協議することはございませんでしたが、遠隔地とも迅速に協議や情報共有を図ることができ、災害時におきましても非常に有効なシステムであると認識しております。このため庁内においても各地域自治センターなどの出先機関との情報共有手段として、ウエブ会議システム導入について検討しているところでございます。また、先ほど申し上げました防災情報の取得の手段として、議員ご指摘のICTやAI、IoTなど先端技術の活用についても研究してまいりたいと考えております。 なお、そのほかの関係機関とは、ウエブ会議システムなどの連携システムはございませんが、今回の台風災害におきましては、市の災害対策本部に、県の地域振興局、上田市消防団、上田警察署、上田市社会福祉協議会、DMAT信州上田医療センターなどの関係機関、さらに気象庁、自衛隊などの国の機関などから、災害対策現地情報連絡員、いわゆるリエゾンとして職員を派遣いただきまして、市の災害対策本部の会議にも出席をいただきました。関係機関が一堂に会することで情報共有や協議をスムーズに行うことができ、それぞれが連携しながら災害対応を進めることができたと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 飯島議員。          〔14番 飯島 伴典君登壇〕 ◆14番(飯島伴典君) ウエブ会議システムがあっても使わないと、ちょっと無駄かなと思ってしまうところもあります。また、顔の見える関係を構築しながら、ウエブ会議システムを防災訓練等で準備していくことも重要かと思います。 上田市に長く住んでいる方の多くは、今回のような災害の経験が少ないことから、避難行動や災害への準備の意識は、私自身も、そう高くなかったと思うところであります。災害の多い地域出身の方からのご意見を参考に伺ってまいります。 防災に対する意識に関して、災害のほとんどは発生を予測することができないことから、災害や防災対応の基本は自助、共助であります。それらが公助と連動することが重要であると考えます。災害の経験がある市民の皆様の力、いわゆる市民力をおかりして、全上田市民が一体となって災害に対する意識をより高めるべきであると考えますが、今後の防災に対する意識向上の取り組み及び防災教育について見解を伺います。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 市民みずからが一体となって災害に対する意識を高めるべきと考えるが、見解はどうかとのご質問をいただきました。 いつ発生するか予測ができない災害に対しましては、的確な災害対応を行うため、日ごろからの備えが大切でありまして、さまざまな被害を想定して対策を考えておくことが非常に重要となります。また、災害が発生したとしても被害を最小限にとどめるためには、自分の命は自分で守る自助、自分たちの地域は自分たちで守る共助、そして国や県、市などの行政や消防などの関係機関による公助のそれぞれが、その役割を果たしつつ、そして連携し合いながら対応していくことが不可欠であり、ふだんから地域防災力を高めておくことが大変重要となります。 今回の台風災害を契機といたしまして、災害に対する意識を高める取り組みも重要と考えておりまして、今後、台風災害や豪雨災害をテーマとした防災講座の開催を現在検討しております。内容につきましては、現在調整している最中でございますが、自助、共助、公助の重要性や、災害に備える意識や取り組みなどを改めて考える機会となるようなものとしてまいりたいと考えております。 また、12月発行の「広報うえだ」から、毎回防災情報コーナーを設けて、防災に係るさまざまな情報を連載していく予定でおります。このほかにも出前講座など機会を捉えて、災害への備えや地域の自主防災力の向上に向けた啓発を引き続き続けてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 飯島議員。          〔14番 飯島 伴典君登壇〕 ◆14番(飯島伴典君) ここまで、公助に対する考え、被災者等への寄り添いについて、また情報について、またさらに上田市民一体となった防災教育について伺ってきました。災害に関する最後の質問として、市長に伺います。 誰もが暮らしやすいまちづくりにおいて、地域包括ケアシステムや共生社会の構築という大きな理念があります。安心安全な暮らしと防災は密接に関係いたします。防災を含めたさまざまな連携を推進するべきと考えますが、市長の見解を伺います。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 地域包括ケアシステムは、住まいを中心に、介護だけでなく、医療、予防、生活支援、これら全てを一体的に提供することにより、地域全体で高齢者の方を支える仕組みづくりを目指すものと認識しております。 これまで上田市は災害の少ない地域と考えられていたため、現在進めております地域包括ケアシステムの構築に当たっては、災害時も機能する仕組みづくりという視点での検討は行われておらず、今回の災害対応の検証に当たっては、そうした視点の検証も必要であると考えております。 今回の災害対応を教訓としまして、防災の視点に立った地域包括ケアシステムによる見守りと支援の仕組みをつくることは、災害時も途切れない支援の実現につながるものと考えております。取り組むべき重要な課題だと考えております。今後、地域包括ケアシステムの構築を進めるに当たっては、防災の視点も取り入れ、関係機関や地元企業、大学等、さまざまな団体と連携し、災害時に必要な見守りと支援の仕組みづくりについて、各地域包括支援センターを中心に検討を進めてまいりたいと考えております。 今日のような超高齢化社会においては、地域のつながりが非常に大切であると考えております。阪神・淡路大震災においても、地域のネットワークによる安否確認や迅速な救助活動が行われ、多くの人命が救われたと聞いております。市民の皆様には、日ごろからの地域のつながりを意識を持ちながら、より一層深めていただき、地域のさまざまな団体とともに支え合いながら、災害に強い地域をつくるために市民の皆様と官民協働で取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 飯島議員。          〔14番 飯島 伴典君登壇〕 ◆14番(飯島伴典君) 市長からも官民協働でという力強いお言葉をいただきました。 それでは、時間もないので、次のテーマに移ります。先日、広域連合議会の一般質問に立たせていただく機会を得て、医療政策を練る課の創設を提案させていただきました。医療政策は、上田地域の構成市町村が相互に連携する課題があるとは理解しております。また、上田市が単独で考えられることでもないことも理解しております。しかし、保健事業や国保データをもとに上田市民のこれからの医療環境における課題を予測することは必要であります。きちんと上田市のデータをもとに、上田市の関係機関とともに上田市のことを議論する場所が必要であると思います。その上で、広域連合や地域医療構想会議において議論を整理し、全体の合意形成をする仕組みづくりが必要であると提案いたします。 そこで伺います。市の医療行政の担当部局はどこか。また、医療構想を策定していく中で、市において地域の実情を分析し、現在のニーズや人口動態などから想定される未来のニーズに即して専門的な部署で議論をすべきと考えるが、見解はどうか。また、行政と医療、福祉などにかかわる関係機関との連携の充実は必要であると考えるが、その見解を伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 医療体制等についてのご質問にご答弁申し上げます。 地域の医療環境の充実は誰もが願うところでございまして、市民の皆様の多くは、住みなれたこの地域で安心して暮らしていくことを望まれていると受けとめているところでございます。地域医療につきましては、一つの行政単位で完結するものではないこと、また患者の症状や状態、また対応する医療機関の状況により3つのステージ、これは第一次医療から第三次医療まででありまして、これらに区分され、各ステージにおいて対象とする地域の範囲や提供されるべき医療の内容等が定められていることを踏まえまして、これまでも医療環境の整備充実に向けて取り組んできたところでございます。 こうした中、基礎自治体であります上田市に求められる役割の一つといたしましては、まずは市民の皆様が安心して日常生活を送れるよう各種保健予防事業や健康づくり事業を進めるとともに、軽度のけがや病気に対する初期的な医療であります一次医療、この体制を充実させることでございます。このために、日ごろから、上田市医師会、小県医師会、上田小県歯科医師会、そして上田薬剤師会等の医療関係団体や各医療機関、医師の先生方と連携を密にさせていただく中で、かかりつけ医やかかりつけ薬局を持つことの大切さなどの啓発に努めるとともに、夜間、休日における初期救急対応等についても協力をいただいているところでございます。一方、入院や手術が必要となるなど、より高度で専門性が高い二次医療や三次医療の環境整備充実につきましては、より広域的に取り組むことが必要となってまいります。 こうした中、長野県におきましては、平成29年3月に策定した長野県地域医療構想、この中で上田市を含みます上小地域、上小医療圏につきましては、回復期、慢性期の病床については、今後とも一定の病床数を確保していく必要があることや、医師、看護師等の医療従事者の確保が大きな課題であるとされておりまして、この構想に基づいて医師確保の充実、病院機能、そして病床数の検討が進められているところでございます。 また、地域医療構想の推進体制としては、国の動向や地域の情報などの収集、提供、これは県の役割とされておりまして、一方、市町村における役割として期待されるものは、地域包括ケア体制の実現のために、県、医療機関や介護サービス事業者などと連携しつつ、在宅医療・介護連携の推進に取り組むことと、このようにされているところでございます。 誰もが、この地域で安心して暮らしていくこと、このことを実現することが地域医療構想と捉えておりますが、国全体の政策的な動向、民間を含めた医療機関、医療関係者等の状況、医療や介護に関する研究や技術の進歩、あるいは地域住民の皆様の健康状態やニーズ等を行政だけでなく、関係する団体や事業者、関係者の皆様、そして住民お一人お一人も共有いたした上で推進していくべきであろうと、このように考えております。 したがいまして、基本的には、個別の自治体における視点だけでなく、地域全体のニーズを踏まえまして、幅広い視点での議論、検討が必要と考えておりますが、議員ご指摘のとおり、住民に寄り添い、一番身近な存在であるべき市の立場においても、市に期待される役割を果たしつつ、さらに市民の健康状態の推移や新たな医療ニーズ等を的確に把握する中、議論の場へとつなげたり、関係機関との連携や協議を進めていくこと、このことは必要であると考えております。 いずれにいたしましても、地域医療、そしてその取り巻く環境はさまざまでございまして、公立、公的病院の再編統合問題などさまざまな課題がある中で、今後の状況によりましては、市としての組織体制の充実の検討をする必要があるものと思われますが、当面、地域医療を所管いたします健康こども未来部の健康推進課を中心に、より一層の事業推進が図られますよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 飯島議員。          〔14番 飯島 伴典君登壇〕 ◆14番(飯島伴典君) いろいろな事情があるとは思いますが、非常に力強いご答弁をいただけたと感じました。 最後に、昨日の佐藤清正議員の質問にもありましたが、人材育成に関してお聞きしたいと思います。2025年から2040年ごろまで、高まる医療、介護ニーズに対して、担い手不足は最も大きな課題であります。人口動態から予測される若者の減少は明らかであり、また資格試験を通過することも課題であり、短期間で充足することはできません。上田市の未来を支えてくれる次世代の育成と地域への定着は大きな課題です。都市の財産とも言える医療従事者の育成は力強く、そして手厚く推し進めるべきであると考えます。 ワンフォーオール、オールフォーワン、全ての上田市民もこれからの時代を切り抜けるには、上田市皆さん、オール上田の力が必要であります。つまり官民それぞれが当事者意識を持ち、取り組んでいく必要もあるということをあえて言わせていただきたいと思います。 地域医療の再構築を推進していくためには、医療にかかわる人材の育成が重要であり、特に、なり手不足の解消が重要になると考えますが、医師、看護師など医療従事者不足を解決するための方策はどうか。10年、20年先を見据えた医療従事者の確保策について伺い、私の質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 医師、看護師不足を解決する、そして10年、20年先を見据えた医療従事者の確保対策についてご答弁申し上げます。 厚生労働省がことし2月に発表いたしました医師偏在指標によりますと、医師の充足状況につきましては、上小医療圏は長野県内の二次医療圏中、低いほうから2番目でございました。また、さらにさまざまな係数を用いて算出した場合には、さらにこれを下回るという暫定値もございます。また、看護師等の状況につきましては、昨日の佐藤清正議員のご答弁でも現状について申し上げさせていただいたところでございます。 上小医療圏の医療体制の充実を図るためには、この地域で従事していただく医師や看護師等の医療従事者を確保することが最重要課題と、このように受けとめておりまして、取り組みを進めてきたところでもございます。医療従事者が地域内で長く働いていただくことがより重要でございまして、そのためには地域内から医療従事者を輩出することも必要でございます。しかしながら、医師、看護師等は、その資格を得るまでに一定の期間を要することから、地域の医療従事者となっていただくためには、先を見据えた中で長期的な視点での取り組みも必要となってまいります。 上田市では、平成20年度から医師確保のための市単独によります修学資金等の貸与制度を設け、将来、この地域の医師として従事をいただける学生等の皆さんを支援しております。その成果といたしまして、ここ数年間、何年かは、医学生時代に修学資金の貸与を受けた方々が医師となられ、研修医としてこの地域の医療機関で従事をしていただいている状況にもございます。 一方で、働き方改革に伴いまして、現状よりも多くの医療従事者の確保が今後必要となることが見込まれますことから、この点も踏まえた対応も今後求められるというふうに考えております。このため、新たな視点として、今後の生産年齢人口の減少が見込まれる中で、最先端技術を活用した医療提供体制の対応等も必要になってくるものと思われます。AIなど最先端技術を活用したさまざまな施策は、現在庁内でもプロジェクトチームによる研究が始まっているところでございますので、その可能性について検討してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、医療従事者の確保は、以前からその充実に向け取り組んできた施策でありますが、地域医療構想においても上小医療圏の課題として指摘されている事項でもございますことから、この課題解決に向けまして今後も引き続き取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 飯島議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前11時12分   休憩                       ◇                                午前11時30分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇                       (3)8050問題への対応について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第12号、8050問題への対応について、松山議員の質問を許します。松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) 通告に従い、順次質問してまいります。 今回は、8050問題についての現状と今後の対応及び制度充実に関する上田市の方針について伺ってまいります。ご承知のとおり高齢化社会への対応策は、これからの日本にとって最重要課題でありますが、その課題に付随する各種問題も、これからは顕在化することが予想され、早期対策が叫ばれています。その中で近年大きく注目されているのが、高齢化して介護などが必要になった80歳代の親世代とひきこもり等で生活全般を依存している50代の子供世代が世間から孤立して生活する世帯が抱える諸問題、そしてその支援に関する体制整備です。 昨年発生した札幌の親子餓死事件や、ことし6月に起きた川崎での児童殺傷事件、そしてその影響から起こった元事務次官による長男殺傷事件など、一連のショッキングな事件の根底には、現状では放置されている8050問題の影響が指摘されており、その深刻度と緊急対応の必要性を示す象徴的な事件となりました。 専門家は、8050問題は、あくまでも氷山の一角にすぎず、対応を放置すれば対象となる世代はますます広がり、問題解決の複雑化や長期化が避けられず、今後は都市部よりも地方のほうがこの問題の深刻さ増すことを指摘しています。現にこの上田市においても、昨年、ひきこもりがちな40代の男性を60代の父親が金づちで撲殺するという殺人事件が私の地元でも起こっています。 国も8050問題対応の緊急度や重要性を認識し、今後さまざまな支援体制や対策を打ち出すことを表明しています。問題解決の主体となるのは、今後は各市町村が中心であり、上田市もしっかりこの問題に向き合い、今後予定される国からの支援政策をうまく活用して、一刻も早い体制構築に向け進むことを強く希望します。 まず、上田市内の8050問題に関する現状把握に関して伺います。ことし2月に、県と共同で実施されたひきこもり等に関する調査についてです。昨日、斉藤達也議員への答弁で、市内の15歳から65歳では182名のひきこもりの方がおられることがわかりました。では、その中で40歳以上の中高年のひきこもりの方々は何名であり、市内の中高年のひきこもりに関する状況を上田市としてどのように分析しているのか、伺います。また、調査結果から、市内全体では8050問題等を抱える世帯がどのくらいあると推測できるのかも伺います。 現状、8050問題に関して一番適切な窓口は、上田市生活就労支援センター、まいさぽ上田ではないかと思いますが、相談件数や相談内容などはどうなのかも伺います。 同様に、市内医療機関や民生委員、自治会関係者、地域包括支援センターなどから寄せられる相談等の件数はどのくらいあるのかも伺います。 また、今回の調査方法は、各地区の民生委員さんへのアンケート調査方式で実施されておりましたが、私はもっと丁寧にしっかり現状把握すべきと考えます。できれば、市内65歳以上の方々がおられる世帯全てに対して、8050問題で指摘された問題等があるのか、上田市独自で調査やアンケートを実施すべきと考えますが、上田市の見解を伺い、私の第1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 8050問題に関してご質問いただき、最初に現状把握等について、何点かのご質問をいただきました。 8050問題とは、80歳代の親が50歳代の子供の生活を支える状況をあらわしており、その背景には、80歳代の親は日本経済の発展期に正社員としての勤務や自営業として成功して、その結果、年金等で生活を送っている一方で、50代の子供はバブル経済崩壊に伴う景気後退で、不安定な非正規雇用あるいはリストラなどで、将来を見通しにくい社会的な事情があると思っております。ここに家庭の問題やさまざまなストレスから、鬱病や不安障害を患うなど幾つかの要因が重なり、問題を複雑化させている実態がございます。 平成31年2月に県が中心となって実施したひきこもり等に関する調査から、簡単な結果を申し上げたいと思います。質問では40歳以上ということでお聞きをいただきましたが、大変申しわけございません。8050ということで、50歳代ということでお答えさせていただきます。上田市の50歳以上で8050問題に該当する方、いわゆるひきこもりという状況だと思いますが、約50人となっております。今回の調査で回答があったのは、あくまで民生委員・児童委員がふだんの活動の中から把握しているケースについて回答したものであるため、実際には、誰にも相談できずに、外部との接触、支援の機会を得られない、いわば潜在的な世帯も、このほかに存在していることと思われます。 続いて、まいさぽ上田への相談件数でございます。平成30年度の実績で、まいさぽ上田には、新規と継続で合わせて約5,800件の相談がございました。この相談の主な内容といたしましては、企業等への就労に関する相談、医療・保健・福祉サービスに関する相談、ひきこもりや不登校に関する相談となっております。 このまいさぽ上田への相談のうち、50歳以上の相談者は全体の4割弱となっております。実際には、相談者は複数の課題を抱えていることが多く、8050問題に限定した相談件数という集計はとっておりませんけれども、感覚的には延べ1,000件程度はあるのではないかというふうにお聞きしております。 また、関係機関や民生委員・児童委員等から寄せられる相談件数についてですが、日々の相談業務の中で、こうした団体や役職の方々から生活相談の情報をいただく事例は多いものの、こちらも情報提供元別の相談件数の統計をとってはございません。なお、平成30年度の福祉課における生活相談の延べ件数が約450件であり、こちらも感覚的というふうになりますが、1割から2割程度は関係機関等を通じてご相談になったものではないかと考えております。 次に、市独自の8050問題に関する調査やアンケート等の実施についてですが、さきの調査で把握できなかった潜在的なひきこもりの調査を実施するとなりますと、ご本人やご家族の要望も踏まえて、いかなる支援策を打ち出していくかというようなことにも調査をする必要があると考えております。しかしながら、そういった調査のためには該当世帯本人に対し、プライバシーも含めて相当に踏み込んだ内容になることが考えられます。該当世帯のご理解とご協力が何よりも不可欠となります。可能性のある世帯への対面調査による悉皆調査、あるいは相談窓口等におけるアンケート形式によるものなのかなど、手法も含めて実施に向けては慎重な検討が必要であろうと現時点では考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 ご答弁の内容としては、50歳以上ということで50人程度おられる。また、まいさぽ上田のほうでは1,000件ぐらい、同様の相談があるのではないかと予想される。また、福祉部のほうでも大体450件の2割程度、そういうようなご相談があるということで、非常に多くの部分が顕在化される状況ではないかというふうに思います。 ちなみに、私、長野県のこの調査全体をちょっと拝見しましたところ、ひきこもりに関する出現率が0.2%程度ということで、私、これはあくまでも14歳から64歳、労働生産人口での部分ですけれども、上田市でもその統計から当てはめますと200人程度はおられるのではないかなというふうに想像はしていました。そういうところからすると、これから非常に重要になってくると思います。 また、調査に関しては、確かにおっしゃるようにプライバシーの部分ございます。ただ、大阪府の豊中市は、もう4年以上かけまして、社協さんと民生児童委員さん、自治会さんで全世帯の訪問の聞き取り調査をしております。そういうことで、これから非常に大きな問題になる前に早期対応するということになれば、しっかり調査もすべき、またその調査をすることが、まずこの8050問題に対する第一歩であるというふうに思いますので、ぜひ検討のほど、しっかりしていただきたいというふうに思います。 次の質問です。8050問題に関する現状の相談窓口及び体制について伺います。8050問題は、高齢化だけでなく、実にさまざまな問題が深く関係しています。ちょうど私もこの問題に直面する世代でありますが、親の介護問題はもちろん、中高年になった子供世代のひきこもりも大変大きく関係しており、中高年のひきこもり対策の早期体制構築が重要であるというふうに思っております。8050問題に対するさまざまな調査によりますと、長期のひきこもりの方々の特徴は、ひきこもり期間が平均10.8年と長期化しており、その対象者は男性が8割近くと高い状況です。 ことし3月に内閣府が発表した調査によれば、40歳から60歳でひきこもりの件数は全国で推計約61万3,000人とされ、これは15歳から39歳の推計約54万人をはるかに上回る数字であります。しかしながら、現状のひきこもりに対する各種支援政策は、39歳までの若者向けの支援制度が中心であり、各種制度のはざまに埋もれ、中高年のひきこもりに対する的確な支援が少ないと感じています。このような状況を踏まえ、8050問題に関係する上田市の担当窓口はどこなのか。また、現状での支援政策や支援体制はどうなのか。特に中高年の方々へのひきこもりの状況に対する支援策はどうか、伺います。 次に、高齢化した親からの相談支援について、ひきこもりを抱える世代が相談しやすい体制、高齢の親世代を対象とした、今流行しておりますSNSやウエブだけでなく、情報収集弱者の方々へも確実に届く支援情報の発信は行われているのか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 8050問題に関する相談窓口と支援体制についてご質問いただきました。 最初に、担当部署、支援の制度あるいは体制について答弁申し上げます。現在は、8050問題を含め、ひきこもり問題に関しては、一部局一所属の専任事項とはせず、健康推進課のひきこもり相談、福祉課での生活相談、高齢者介護課の介護相談などの担当者が連携する形で部局横断的な相談、支援体制をしいております。特に資格職である保健師のかかわりというのは非常に重要であると考えております。 各所属の相談窓口において8050問題の端緒をつかむこともあり、また先ほどご質問ございました民生委員・児童委員や関係機関からの情報で、複数の課が合同で対応することもございます。 8050問題に関係する相談としては、金銭的な内容から精神的な疾患、親の介護、生活習慣等にかかわるものなど課題が多岐にわたっております。これらの課題を一つ一つ解決していく必要があります。生活困窮者自立支援制度の相談者は抱えている問題が複数ありますので、既存の制度を適切に組み合わせて対応している現状もございます。 国においても、ひきこもりや8050問題を生活困窮者支援制度を使った課題解決を考えております。上田市では、平成27年度から生活困窮者自立支援事業に係る庁内連携会議を開催しています。各課が担当する制度やネットワークを活用して、状況に応じた支援のあり方を多角的に検討し、より効果的な支援につなげていきたいと考えております。 なお、生活困窮者自立支援制度を中心とした支援策は、議員ご指摘のとおり39歳までの若年層を対象としたものが多いわけでございますが、上田市では中高年の方についても、まいさぽ上田や地域雇用推進課、ハローワークと連携して、就労支援を中心に相談者の状況に応じた支援を行っております。 中高年のひきこもりの方は、不規則な生活習慣、体力や社会的コミュニケーション能力の低下など、就労支援を行う前に解決しなければならない課題をお持ちの方が多いと考えております。具体的な支援方法といたしましては、まいさぽ上田で定期的なセミナーやボランティア活動への参加を呼びかけたり、ハローワーク等で職業適性診断を活用した職種や就職先のアドバイスを行ったりするとともに、その方の身体的、精神的な状態に応じた各種制度の利用の勧奨を行っております。また、福祉課とまいさぽ上田の担当者が月に1回集まり、相談者の支援内容を検討する会議等を行い、個々の状況に応じた支援のあり方を多角的に検討しているところです。 次に、高齢者に対するひきこもり支援情報の発信について申し上げます。高齢者介護課、各地域自治センターの市民サービス課及び市内10カ所にある地域包括支援センターで相談窓口を設けており、生活や身体に関する不安などのご相談をお伺いする中で、家庭内のひきこもり問題の存在が明らかになってくることもございます。相談内容に応じて各種制度の利用勧奨のご案内、市や地域包括支援センターの保健師等の専門職が個別訪問により状況把握と相談支援を行っております。特に地域包括支援センターでは、日々の相談や訪問をする中で、高齢者の方のいる世帯の生活実態を随時把握することが可能であるため、ひきこもりを初めとする世帯が抱える課題の早期発見に努め、関係者と連携して課題解決に向けた対応も行っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 平成27年から庁内連携会議で部局横断型で定期的にいろんな会議を持っていただいているということで、少しは安心しておりますが、ただやはりどこがしっかりやっていくのか。それからまた、こういう問題、先ほどもご答弁にありましたけれども、非常に長期的に伴走型の支援が必要な部分でございます。こういうところ、これからしっかり充実させていただきたいというふうに思います。 次の質問です。現状の体制に関して伺いましたが、現状では8050問題に的確に対応できる制度は少なく、さまざまな生活、福祉、医療関係制度の一部として部分的な対症方法としての支援のみであり、複雑に要因が重なり合っている8050問題に関しての根本的な問題解決には至っていないが現状ではないでしょうか。現状の各種制度の中でも、生活困窮者自立支援制度には比較的、8050問題に深く関係するひきこもり対策が盛り込まれており、厚生労働省も昨年度から全国の市町村に対して、都道府県や政令指定都市が中心に運営しているひきこもり地域支援センターのバックアップ機能の強化を要請していますが、上田市として、この要請に対して新たに検討している施策はあるのか、伺います。 次に、来年度、各種制度改正が予定され、2021年4月からは、住民のさまざまな要望や相談に各市町村が総合的に対応する、断らない相談窓口の設置が正式に予定されていますが、この制度を活用して8050問題の総合的な窓口を上田市独自で開設する考えがあるのか、見解を伺います。 同時に、ひきこもりの方々と家族などが集い、励まし合い、情報交換ができるような機会やサロン等の居場所を市町村ごとに充実することも国から要請されている状況を踏まえて、上田市としても積極的に対応することができないかも伺います。 また、8050問題の解決には、先ほどご答弁いただきましたように、中高年のひきこもり対策は必要不可欠であります。外部に完全に接触を断ってしまっている方々には、まずカウンセリングの支援が最重要でありますが、ひきこもりの方々も社会との緩やかな関係構築と生きがいの創出や、生活安定のために就労意欲をお持ちでおられる方も大変多く、また親世代の方々にしても、自分たちが支援できなくなった後に少しでも自立してもらえる環境整備を望まれておられます。私も、この独立支援は大変重要な課題と感じております。しかしながら、現状のひきこもり支援は、39歳までの若者の方の正規就労を目指した支援制度が中心であります。専門家は、ひきこもりの中高年の就労支援は、正規雇用だけではなく多様性を認め、責任も比較的少ない部分的な雇用形態が望ましいと提案しています。私もこの意見は大変賛成であり、現実的な対応策だと考えます。しかし、現状は中高年のひきこもりの方々を積極的に雇用した実績はほとんどなく、雇用側も不安定要素を心配する方々が多いことが予想されます。 そこで、行政が率先して実績をつくりながら制度構築をする必要があると考えます。中高年のひきこもりの方を対象にした就労支援の中に、正規就労だけではなく、短期契約やパート、アルバイトなどを中心に上田市が責任を持ってあっせんする事業を行うことは検討できないか、市の見解を伺います。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) これからの8050問題に対する方針や施策についてご質問をいただきました。 厚生労働省からは、今年度、都道府県が設置しているひきこもり地域支援センターに対し、市町村がひきこもり状態にある本人や家族から相談を受けた場合、ひきこもり地域支援センターが市町村への支援関係部署への助言、あるいはその内容によっては該当者への直接的な相談を行い、包括的な支援体制を確保することで、すき間のない支援を実現するよう要請が出ています。 市町村においては、ひきこもり地域支援センターのバックアップを受けながら、あるいは連携しながら、生活困窮者自立支援制度の利用を勧奨して支援を充実させることとなっておりますが、この具体的な連携体制の構築についてはどのようなことが可能なのか、現在検討しているところでございます。 また、議員ご指摘の断らない相談の事業については、ひきこもりのほか、高齢、障害、子供、生活困窮に関する複合的な福祉の課題を1カ所で受けとめ、相談内容に応じた機関連携の強化や専門職による伴走型支援を具体化するため、現在、厚生労働省で財政支援を含めて実施方法等を検討中であります。 当市において、関係各課で実施している相談業務は、以前からたらい回しとならないよう関係各課で、当然のことですが、心がけているところでございます。福祉的な課題が複雑化している中で、総合的な窓口の開設は、健康こども未来部など複数の部局がかかわる横断的な対応が求められますので、現時点では今後組織改正が行われる場合の検討課題であると考えているところでございます。 また、ひきこもりに関する課題を抱える世帯が情報共有できる場についてでございますが、これまで健康推進課においてひきこもり家族相談や個別相談といった形で実施しております。過去には、集まれる場として、ひきこもり家族会議という事業も実施しておりましたが、必ずしもそれぞれ皆さん集まる家族が全く同じ境遇、環境ではなく、かえってそれぞれ他の家族と比較することで不安や焦りを感じてしまったというような実情もあって、結果としては参加率が衰退して、現在は中止となっております。こういった経過も踏まえながら、情報共有できる機会や居場所の提供を研究していきたいと考えています。 次に、中高年のひきこもりの方を対象にした就労支援についてでございます。上田市勤労者福祉センター内には、ひきこもりの方に限定した対応ではありませんが、ハローワークと同様の求人情報が検索、閲覧できるオンラインシステムを導入した無料職業紹介所、上田市就労サポートセンターを開設しております。 この上田市就労サポートセンターでは、専任のコーディネーターを配置し、求職者の就職活動を支援しております。昨年度は、全相談者のうち50歳代以上の方が約40%を占めて、これらの皆様には正規就労のみならず、パート、アルバイトなど求職者の方の希望に応じた職業紹介を行っております。引き続き、上田市就労サポートセンターの利活用を推進してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。検討課題であるというものは十分承知しております。 断らない相談室窓口に関しては、先ほど再三答弁でもありましたように、横断的ではなく、総合的に責任を持って対応するというような窓口であります。これを国は求めており、2021年度4月からでありますが、もう現実的にもし対応するような市町村であれば、いろいろな予算措置もされております。現に神奈川県の座間市では、2015年から実際このような相談窓口、これは8050問題だけではございませんが、伴走型の窓口として、市民の皆さんから非常に評価を得て、実績も上げています。特に非常に各個別案件、難しいものがあり、長期化するという部分ですので、上田市もぜひ早目に検討していただいて、2021年とは言わず、すぐにでもこのような窓口の設置をしていただきたいと思います。 また、ひきこもりの方々への雇用に関してですが、先ほどご答弁あったように、そういうような現状の部分では、なかなか雇用される側のほうの部分がどういうふうに考えるかという論点が欠如しているというふうに思います。どうしてもそういうような方に対応できるような専門的なスタッフ、またそういうような制度がないと、やはり進んでいかない。ただでさえ、ひきこもりの皆さんは社会の皆さんとの交流、そして交渉が余りうまくない方たちでございますので、再検討を望みます。 次の質問に移ります。これから国からのさまざまな8050問題に対する各種政策が実施される予定ですが、その基本的な考え方は、市町村ごとに地域特性を把握しながら、責任を持って対応に当たることを強く要請されており、複雑かつ長期化している8050問題に対しての専門的な知識と経験を持ち合わせた人材の重要性がますます高まることが予想されています。そのための人材育成は急務であり、現状の各都道府県レベルの対応から各市町村にも専門人材の確保が求められつつあります。現在実施されているひきこもり支援従事者養成研修制度などを活用して、各種専門機関との橋渡しが適切にできる総合的な対応知識を有する人材を育成し、ひきこもり支援を強化することは検討しているのか、伺います。 次に、8050問題は、高齢化した親世代から、ふだん交流がある方への何気ない会話から発覚することが多く、特に健康に関する相談を日常受けている民生委員や地域包括支援センターの担当者、介護支援専門員などの皆さんからの情報が多いことが報告されています。しかしながら、このような皆さんは現状での業務も大変多忙であり、8050問題を抱える家族に対し十分な支援をすることは難しいことが予想できます。善意で対応されたある民生委員の方は、住宅問題に対応するために奔走され、引っ越し費用から保証人まで引き受けてしまわれるなど予想外の負担が多かった事例が報告されています。このようなことがないように、適切に関係部署に連絡、引き継げる体制確立とともに、適切な情報提供することで、発見することが難しい8050問題の早期対応へ結びつけるべきと考えます。上田市として、このような方々に適切な情報提供するとともに、8050問題の早期発見に対する協力要請をすることができないか、伺います。 同様に、ひきこもりの方々は、ほぼ全ての方が精神科へのメンタル相談や医療行為を定期的に受診しております。医療関係者との連携を強化し、事案発生やその疑いがある場合には、医療関係機関と行政との役割分担を明確にした対応制度を創設することはできないか、伺います。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 人材の育成と各種機関との連携強化についてのご質問でございます。 議員ご指摘のとおり、ひきこもりに関する相談がふえる中で、ひきこもり支援従事者養成の研修、職員の能力向上に向けて受講も必要だというふうに考えております。一方、専門的な人材の育成は、特定の分野において10年、あるいはそれ以上の期間にわたり実務を経験する必要があり、3年から5年程度で異動を繰り返す一般事務職の職員には限界があるということもまた事実でございます。所属する部署の職務に精通すべく努力することは当然でございますけれども、専門知識を有する民間の方々の力をおかりすることも重要であろうというふうに考えております。 続いて、民生委員・児童委員、地域包括支援センター担当者、介護支援専門員などとの連携についてですが、関係機関とは常時情報の相互提供あるいは連絡をとり合っているところでございます。当然のことながら、いわゆる8050問題についても情報交換を行い、協力をお願いしているところでございます。 民生委員さんが保証人になったというようなお話もございました。余り過度な負担にならないようにはお願いをしておるところでございますけれども、民生委員、また12月から新しく任期がえとなりますので、そういった点はお話をしてまいりたいというふうに思っております。 続いて、医療機関との連携及び役割分担についてご答弁申し上げます。医療機関とは、こちらも常に緊密な連携をとっているというふうに私どもでは考えております。行政が受けた相談で医療受診が必要と思われる方については、医療機関でご対応いただいたり、医療機関が受けた相談で行政支援が必要と思われる内容については、行政側で対応したりするなど、柔軟な連携はこれまでも行っているところでございます。 また、精神的な障害をお持ちの方や、その状態に近い方については、生活訓練、就労支援などの疾病回復支援や生活リズムの習得支援、就労に向けた準備支援等の障害福祉サービスも受けることが可能で、利用者の状況に合わせた個別の支援を病院が提供しているケースもございます。これからも医療機関と行政が連携して対応できる体制を継続し、よりよい支援体制の構築に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 やはりどうしても長期化する問題でございます。国のほうも、地域も含め、また先ほどご答弁あったように民間の活力も活用して、セーフティーネット、ネットワークをつくっていくということを求めています。そのためのひきこもりサポーター養成事業というのが、そのキーマンをつくる部分であります。 先ほど3年から5年程度でというようなお話がありましたけれども、今後、そのような基本的な経験また知識を有する職員さんは必要不可欠だと思います。ぜひ民間の皆さんも活用いただいて、そして協力いただいて、体制構築をしていただきたいと思います。 また、ほかのいろいろな関係機関との連携も今現状されているというご答弁でありましたが、今後ますます顕在化する8050問題に対して、より一層の注力をしていただきたいというふうに強く希望します。 それでは、最後の質問に移ります。今後ますます高齢化が進む中で、今まで顕在化しなかった、または継承はされていても抜本的な対策が見送られてきた8050問題が一挙に多発して、大きな問題になることが予想されており、親世代の高齢化や介護問題と、その子供世代の中高年のひきこもりの複合的な課題解決に関しては、案件ごとにその要因も異なり、改善には時間と労力がかかります。来年度からは政府の支援も本格化する中、上田市として、いち早くこの問題解決に対して覚悟を決めて本格的に取り組むことを強く希望します。 そこで伺います。まず、第3次上田市地域福祉計画では、8050問題の対策や中長期的な方針をどのように検討しているのか。また、8050問題は案件ごとに複雑な要因が絡んでいることが多く、多くの専門家や地域の協力のもと時間をかけて解決するしか、現状は方法がありませんが、上田市が8050問題に対して継続的に粘り強く取り組む姿勢はどうか伺い、私の質問を終了いたします。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 8050問題に関する上田市の長期的な方針についてご質問いただきました。 ご指摘のありました第3次上田市地域福祉計画は、平成30年度から令和5年度までの6年間を計画期間としております。この第3次上田市地域福祉計画においては、8050問題に特化した対策や方針は記載しておりませんが、新たな課題に対応した体制づくりとして問題を多角的に捉えて、高齢者対策、生活困窮者支援、ひきこもり支援といった視点も取り入れて計画を策定しております。 この計画の中では、それぞれの専門分野だけで解決できない問題に対応するため、関係各課の横断的な連携体制をつくり、まいさぽ上田や民生委員・児童委員等の関係機関等と連携を図りながら、生活困窮者や社会的に孤立している方が切れ目なく支援を受けることができる体制づくりを行うこととしております。 8050問題を初めとした生活困窮やひきこもりに関しては、これまでにも申し上げたとおり原因に複雑な要素が絡んでおり、解決に向けた支援については、粘り強く一つ一つの課題に対し時間をかけて取り組んでいく必要があります。これまでも関係各課や関係機関と連携や精神医療機関の協力を得ながら、相談者に寄り添った支援となるよう努めているところであり、引き続き国の財政措置等の動向や先進自治体の事例を参考に、庁内連携会議等での検討を通じて、医療、健康、自立支援の連携により相談者に寄り添った支援体制の構築や対応に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松山議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。          午後 零時10分   休憩                       ◇                                午後 1時00分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇                       (4)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第13号、市政について、西沢議員の質問を許します。西沢議員。          〔21番 西沢 逸郎君登壇〕 ◆21番(西沢逸郎君) 通告によりまして、市民の皆さんの声をもとに、1として今後の災害対策、2として気候非常事態宣言について、2点質問してまいります。 過去最強クラスの台風19号は各地に深い爪跡を残し、去年の西日本豪雨の1兆1,580億円を上回る過去最大の水害の被害額で、1.5倍以上の被害額と言われておりますが、上田市においても千曲川を初め、各河川で増水による決壊寸前までいった箇所や、越水、一部欠損、護岸の洗掘や土砂崩落などにより交通遮断、住宅地への浸水などや、214の事業所が被災するなど大規模な被害が発生し、多くの市民の皆様が被災されました。被害に遭われました皆様に、心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧、復興を願うものです。 また、災害対応された上田市防災支援協会、自治会役員の皆さん、消防団、大学生を中心としたボランティアの皆さん、そして何よりも市の職員の皆様の中には、3日3晩対応された方もいらっしゃるとお聞きいたします。深く感謝申し上げます。ありがとうございました。 さて、地球温暖化の進行する災害多発時代において、今後ますます常態化、激甚化、多発化する自然災害にどう迅速に備えるのかという視点で、4点伺います。 1として、台風19号の豪雨災害で千曲川流域の自治体の公共施設が多く被災されました。まず、最も被害の甚大であった長野市赤沼の13万人住民の下水の受け入れをしている下水道終末処理場クリーンピア千曲が被災し、もとの処理能力を取り戻すまで3年かかるとのことです。また、佐久市の中込の下水道処理施設、下水道管理センターは、千曲川支流の滑津川が300メートルにわたって堤防が決壊し浸水し、冠水により機能を停止しました。さらに、千曲市の杭瀬下の更埴文化会館の地下施設の被害、浸水による電源の喪失で、停電やトイレが使えないなどの障害が発生いたしました。これらの他市の公共施設の災害の教訓から、上田市洪水ハザードマップの浸水想定区域内にある上田市内のライフラインに関する施設、上田市下水浄化センター等、これまで浸水による電源の喪失といった事態は十分想定されていないと考えますが、浸水しても機能が維持できる対応となっているのか。また、電源関連施設の配置の見直し等、公共施設の防災対策を早急に見直し、防水性の向上を図る必要があると私は考えますが、市の見解を伺います。 次に、2として多くの市民の皆様から、今後の地球温暖化の進行に伴い、広域化、激甚化、多発化するであろう台風災害等の減災施策の一つとして、千曲川の中州に長年にわたって堆積している砂利の撤去、活用の声を耳にいたしますが、20年ほど前まで建設資材として利用していた砂利の利用を再開することも、千曲川流域災害の減災策の一つとして有効な手段と私は考えますが、市として河川管理者へ働きかける考えはないかお尋ねいたします。 3として、11月21日時点で、災害時に経験を持つ自治体職員の方々が被災された4県10市町村に応援に駆けつけ、564人が派遣され、過去の災害の経験を生かした自治体連携が定着しつつあるとの報道がなされました。上田市の庁内においても台風19号の被災前後、武石地域の災害対応において地元の自治会役員、消防団と人脈、人のつながりがあり、地域に精通し、重機の運転もできる市の職員の方が高い災害対応能力を発揮されたと聞きます。また、昨日の中村総務部長のご答弁にもありましたが、災害初動期から応援に入られた本庁からの職員派遣も迅速に対応でき、災害対応に大きな成果を上げられたと聞きます。 そこで、伺います。いつ、どんな災害が起こるかわからない災害多発時代において、上田市役所の庁内においても平時にベテランの職員の方々が持っている災害対応能力、ノウハウの伝承による職員の皆さんの育成や、重機を運転できる資格の取得等も重要と考えますが、これらの職員間の連携、育成についての市の見解を伺います。 4として、今般の台風19号の被災経験から、駐車場の少ない小学校の体育館には、避難してくる住民の皆さんが少ないことからも、まちづくりの専門家、設計のプロの方が提案する市の遊休土地を活用して、地下水を利用した井戸1本とトイレ、備蓄倉庫を有した避難場所としても利用できる多目的広場を浸水想定区域内でないところにつくり、多くの市民の皆様が被災されたことを想定して災害に備える施策も必要と考えますが、市の見解をお聞きいたします。 また、中央防災センター機能を有したアリーナを建設して、平時は各種のスポーツ大会やイベント、市長の提案説明にもありましたが、ブリリアントアリーズのホーム施設とし、また市民の皆様の健康増進、異世代交流施設とし、災害時は緊急防災拠点や駐車場を多く整備してボランティアセンターや、台風19号では県内で1,000台の車が被災したと聞きますが、車が被災した人に車の貸し出しを行う等の活用も十分考えられますが、災害多発時代の防災センター、防災拠点としての機能を有したアリーナの整備についての市の見解を伺い、私の第1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 柏木上下水道局長。          〔上下水道局長 柏木 明彦君登壇〕 ◎上下水道局長(柏木明彦君) 下水道施設の安全対策についてご質問いただきました。 今回の台風19号では、長野県内の下水道施設が甚大な被害を受けました。長野県全体では、管渠やポンプ場の被害のほか、5カ所の下水処理場が浸水により処理機能停止となりまして、市民生活に大きな影響がありました。被害の特に大きいものとしては、先ほど議員のご紹介あったように堤防決壊による長野市の千曲川流域下水道のクリーンピア千曲、佐久市の佐久市下水道管理センターがあり、現在も簡易処理による運転となっております。被害額も大きく、長野県全体の下水道施設では500億円を超え、その復旧には3年程度かかると予想されております。 上田市におきましては、公共下水道の丸子浄化センターでポンプ施設の一部が浸水したほか、農業集落排水施設の武石処理場の一部も浸水するなど、複数の処理場が被災しましたが、幸い処理機能停止には至らず、現在も通常運転が確保されております。また、管渠につきましては、河川の増水により道路が陥没し、管渠が流失したほか、橋梁の落橋による破損などの被害もあり、下水道施設全体では1億円を超える被害となりました。 ご質問の上田市の下水道施設は浸水時に機能が維持できるかについてでございますが、上田市を初め、一般的に下水処理場は、その役割から河川の沿岸部に設置され、下水道法に基づいた下水道施設の設計指針に沿って整備しております。しかし、堤防決壊等による今回のような大規模な浸水は想定していないことから、上田市の処理場においても、浸水した場合の機能確保という点では困難な状況が予想されます。今回の災害では、浸水や暴風による被害のほか、長時間の停電により下水処理場も受電停止となり大きな影響を受けました。自家発電設備を備えている下水処理場は自家発電機に切りかえ、運転を確保しましたが、その後の燃料の確保や調達など新たな課題も確認されました。 また、浸水想定区域内にある下水道処理場の機器の設置場所の見直しにつきましては、現状は浸水の影響を考慮した配置となっていないことから、特に復旧に時間を要する受電設備等につきましては、今後計画する施設の再配置計画等において、浸水被害を考慮した新たな視点も加え検討してまいります。 また、早急な防災対策の必要性についてでございますが、過去においても大規模災害があった場合には、その対策を踏まえた指針やガイドラインが国から示されております。災害の復旧と今後の施設整備については、今回の経験を踏まえ被害を最小限に抑えるとともに、復旧が迅速に行えるような施設となるよう、今後国及び県からの指針等に基づき進めてまいりたいというふうに考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 藤澤都市建設部長。          〔都市建設部長 藤澤 純一君登壇〕 ◎都市建設部長(藤澤純一君) 私からは、河川内の砂利の利用について、河川管理者へ働きかける考えについての答弁を申し上げたいと思います。 河川に堆積した土砂につきましては、高度経済成長に伴う社会資本の整備によるコンクリート骨材としての需要の高まりから、千曲川におきましても昭和30年代後半から50年代後半ごろまで、大規模な河川砂利の採取が行われておりました。その後、砂利採取に伴う河床低下が進行し、護岸の洗掘や橋梁基礎の露出といった問題が生じてきたことから、全国的に砂利採取が規制され、千曲川につきましては昭和45年に規制河川に指定されるとともに、国管理区間の全てが対象区間となり、砂利採取に関する規制が行われるようになりました。 現在、国におきましては、平成26年からこれらの規制を緩和し、生態系や良好な河川環境への影響が生じない範囲で民間事業者等による砂利採取を許可することで、河道掘削のコスト縮減と良好な砂利の有効活用が促進されているところでございます。千曲川に関しましても、信濃川水系千曲川砂利等の採取に関する規制計画の中で、砂利採取により流下能力の確保にもつながることから、幅広く河川内の砂利を利用できるよう用途規制を廃止し、流下能力不足の区間を中心に砂利採取を計画的に許可していく方針であるとされております。 また、近年は台風や局地的な豪雨による出水が全国で多発し、出水後の堆積土砂による流下能力不足が懸念されているため、国において規制緩和をさらに拡大し、砂利採取の規制計画を適宜見直しながら砂利採取を活用した掘削を促進するとしております。このほか、国で定める信濃川水系千曲川河川維持管理計画におきまして、現況の流下能力を低下させる土砂堆積が確認された場合は、国が土砂掘削を実施するとされていることから、砂利採取との整合も図りながら、適切な河川の維持管理が図れるよう要望してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 私からは、技術職員の確保と育成についてお答えいたします。 このたびの台風19号による災害の復旧に当たりましては、土木技術職などの技術職員の確保が急務となる中、各地域の被災状況を踏まえながら、本庁から真田、武石、それぞれの地域自治センターへ職員を派遣するなど、部局を超えた全庁的な応援体制をとるとともに、東京都練馬区や兵庫県豊岡市など他団体から職員の派遣の協力もいただきながら、一刻も早い復旧に向け、職員一丸となって取り組んでいるところでございます。 こうした状況の中、災害対応を迅速かつ円滑に行うためには、議員ご指摘のとおり業務に精通した職員の育成が重要であると改めて認識しているところでございます。特に技術職員の育成に当たりましては、専門的知識や技術の習得が不可欠であることから、計画的な育成が必要であると認識しておりまして、こうしたことから日常業務の中で先輩職員の指導のもと、知識や技術の習得を図る職場内研修を基本に据えながら、専門的知識や業務上必要な資格の取得に当たっては、積極的に外部機関の研修を受講するなど、技術職員としてのスキルアップに努めているところでございます。また、経験豊富な再任用職員の配置により、これまで培った災害対応に関する経験も生かしながら、後輩職員の育成に活用しているところでございます。 さらに、人事異動に当たりましては、事務職員と比べ在籍期間を比較的長期とし、知識や技術の習得が図られるよう配慮するとともに、職員個々の経験年数や知識の習得状況を踏まえた適正なジョブローテーションを行い、職員間の技術の継承が円滑に行える環境づくりに配慮を行っているところでございます。 今後も職員の計画的な育成に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますが、いつまた災害が起こるかわからない状況の中、職員の危機意識を高めるとともに、今般の経験も生かしながら、災害に対する対応力の向上に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 今後の災害に備え、市の遊休地を避難場所としても利用できる多目的広場として活用してはどうかとのご質問でございます。 遊休地となっております普通財産は、行政財産のように直接的に行政執行上の手段として使用されるものではなく、主として経済的価値の発揮を目的としており、経済的価値を保全、発揮することによって、間接的に行政目的に貢献するように管理されるべき性質を持つ財産でございます。具体的には、普通財産である土地の払い下げによって得られる代金や、土地や建物を貸すことによって得られる地代や家賃を得ることにより活用されている財産と言うことができるものでございます。 議員ご質問の遊休地を避難場所を兼ねた多目的広場として活用してはどうかとのご提案でございますけれども、普通財産を多目的広場として災害の際の避難場所に利用することは、あくまでも災害時の緊急的措置としての一時使用となるものでございまして、現在指定されている学校や公民館等を避難所とすることが第1選択肢でありまして、普通財産を避難所として活用することは、その補完的位置づけとして検討されるものであると考えられます。 遊休地を多目的広場として有効に活用することは、市有の遊休地活用といった面からは大変有効なことと考えられますが、例えば市の施策として何らかの多目的広場が整備されており、その結果として避難場所としての利用がされるというのが本来の姿かと思われ、避難所としての活用を前提とした多目的広場を整備することにつきましては、今後の研究課題とさせていただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) 私からは、中央防災機能を有したアリーナを建設し、防災施設として利用してはどうかとのご質問につきましてお答え申し上げます。 スポーツ施設の整備につきましては、昨年5月に策定いたしました上田市スポーツ施設整備計画に基づき、計画的に整備を進めていくこととしておりますが、この計画の中で上田城跡公園内の体育施設は、平成2年に策定された史跡上田城跡整備基本計画を踏まえ、他の場所に整備することとしております。整備計画では、老朽化が著しい上田城跡公園内2つの体育館の優先的な整備のほか、各地域の主要体育館である自然運動公園総合体育館、丸子総合体育館、真田体育館、武石体育館の耐震改修や大規模改修が計画されております。 議員ご指摘のとおり、施設整備を行う際には、防災施設としての視点が非常に重要でありますので、新体育館を整備する際には、市民が気軽にスポーツに親しんだり、体力向上、健康づくりに取り組める環境を整備すること、またVリーグ等の見るスポーツの利用を考慮するなど、スポーツ施設本来の機能に加えまして、防災面からの機能等を考慮した施設に整備していくことも検討してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 西沢議員。          〔21番 西沢 逸郎君登壇〕 ◆21番(西沢逸郎君) おのおのご答弁いただきました。 2020年度国の予算編成の論点として、国民の皆様から河川の堤防の再整備を求める声が高まっているとのことですが、長野県内において最も台風19号の被害が甚大であった加藤長野市長は、10月14日に堤防だけでは千曲川の治水は無理だと考え、災害と共存できるまちづくりをするために、長期的に遊水地やダムも考えていくと表明されました。また、岡山大学の河川工学の専門家前野教授は、堤防神話を見直し、豪雨のときは早目に逃げるという防災意識の徹底が重要と唱えます。 上田市は、台風19号では奇跡的にも2つの堤防が寸前のところで決壊を免れました。また、ある千曲川の流域の自治会長は千曲川の異変に気がついて、いち早く避難所を開設して避難されたと聞きます。地球温暖化の進行がとまらない現在、今後は堤防による治水はますます困難になっていくことを想定して、来年以降の自然災害に備える危機意識を、市、市議会、住民の皆様と共有することが重要であります。 最後に、スウェーデンの環境保護活動家グレタ・トゥンベリさんが、主に地球温暖化によってもたらされるリスク、危機を訴えておりますが、来年1月から始まる約190カ国のパリ協定の取り組みによって、温室効果ガスの削減に大きな成果を上げることを祈り、期待いたしまして、気候非常事態宣言についてお聞きいたします。名古屋大学の気象学の専門家坪木教授は、地球温暖化による海水温の上昇が台風の勢力を強め、発生の頻度を増大させるといいます。また、国際連合の専門機関の一つであるWMO(世界気象機関)は、10月25日、2018年の二酸化炭素の世界平均濃度が過去最高を更新し、次の世代はより深刻な気候変動の影響に直面すると警鐘を鳴らしました。 そこで、伺います。環境問題への理念や取り組みを持った議員提案条例を検討する長野県議会の環境政策推進議員連盟の調査会は、10月28日の会議において、欧米で気候変動に関する非常事態宣言を行う自治体がふえているとし、同宣言の実施を県に求める決議案を12月定例会で出すことを確認いたしました。また、上田市と姉妹都市である鎌倉市議会では、鎌倉市がSDGs未来都市として国際基準を踏まえた気候非常事態宣言を行うよう求める気候非常事態宣言に関する決議を、台風15号の影響で被災により1週間おくれた9月定例会の最終日の10月4日に決議いたしました。その決議文の①は、気候危機が迫っている実態を全力で市民の皆様に周知するというものです。 そこで、上田市は長野県、鎌倉市に先駆けて気候非常事態宣言を行い、脱炭素社会を牽引し、有効な施策を実施して、例えばごみは燃やさない、エシカル消費、かけがえのない地球を美しいまま子孫に残す、自然との共存等、世界人類全体の緊急課題である気候変動の緩和に未来の子供たち、次の世代のためにも取り組むときと考えますが、上田市の見解を伺い、私の一般質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 気候非常事態宣言についてのご質問にお答えいたします。 気候変動が一因と考えられる異常気象は世界各地で発生しており、日本国内においても平均気温の上昇、暴風、台風などによる被害、農作物や生態系への影響等が観測されています。上田市においても、台風19号がもたらした大雨により甚大な被害を受けました。個々の気象現象と地球温暖化との関係を明確にすることは容易ではありませんが、今後地球温暖化の進行に伴い、大雨や猛暑といったリスクがさらに高まることが予測されています。 このように既に顕在化しつつある気候変動に対し、緊急行動を呼びかける気候非常事態宣言が世界的に広まりを見せており、日本においては本年9月に長崎県壱岐市が初めて宣言を行いました。また、本年6月に軽井沢町で開催されたG20エネルギー・環境閣僚会合において、長野県が持続可能な社会づくりのための協働に関する長野宣言を取りまとめ、日本国内においては95の自治体等が賛同し、上田市も加わったところであります。この長野宣言は、進行するともとに戻れないという不可逆的な結果を伴う気候変動を緩和するための緊急の呼びかけでありまして、ご質問の気候非常事態宣言の趣旨に沿うものと考えております。 上田市においても、温室効果ガスの排出削減等の対策である緩和策と、被害の回避、軽減を図る適応策に総合的かつ計画的に取り組む必要があると考えております。このことから、今後においても長野県や周辺自治体とも連携しながらG20の長野宣言を推進し、地球温暖化対策及び環境エネルギー対策に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 西沢議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 1時32分   休憩                       ◇                                午後 1時50分   再開 ○副議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇                       (5)市政について ○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第14号、市政について、中村議員の質問を許します。中村議員。          〔4番 中村 悠基君登壇〕 ◆4番(中村悠基君) 通告に従い、まずは令和2年度当初予算編成と合併について質問してまいります。 平成18年3月に旧上田市、旧丸子町、旧真田町、旧武石村の1市2町1村が合併し、新しい上田市が発足いたしました。地方分権改革により、国及び都道府県から移譲される行政事務権限は多く、自治体の行政基盤強化と自治体の広域化による経費削減による地方交付税の削減を目的に、平成の大合併を国は主導いたしました。一方、地方自治体としては、普通交付税の減額を先延ばしすることや合併特例債活用による有利な起債の利用、業務の効率化による経費の削減等が挙げられると思います。 国は合併に際し、合併による経費削減は直ちに実施できるものばかりでないため、行政サービスの集約化、効率化により必要経費が低減に向かうまでの必要期間として、2005年度までに合併した市町村は合併後15年間、2006年度以降に合併した市町村は合併後10年間において、合併がなかったと仮定した場合の財源不足額をもとに普通交付税の交付額が決定される合併算定替えを適用するといたしました。この制度により、合併市町村は、理論上は実際の財源不足額以上の補填がされていたことになります。この特例措置である合併算定替えも5年間にわたり徐々に縮減され、多くの市町村では2018年度以降適用がなくなります。上田市でも令和3年度の当初予算から合併算定替えがなくなり、いわゆる一本査定になることで、先ほど申し上げましたとおり、今まで国から配分されていた普通交付税が少なくなります。 そこで、質問いたします。1つ目として、平成30年6月定例会の一般質問では、合併算定替え終了による普通交付税の縮減額は約8億円を見込んでいるとの答弁があった一方で、令和2年度当初予算編成方針では、縮減額を約10億円としているが、約2億円の差額が生じた理由は何か。 2つ目として、合併算定替えが終了する令和3年度以降は、生じた差額に対してどのような対応をとるのか。予定していた計画から2億円も多く縮減されるということで多くの不安がありますので、以上2点質問いたしますが、ぜひ我々を安心させていただければと思います。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 普通交付税の合併算定替えによる縮減額に関するご質問でございます。 合併算定替えにつきましては、いわゆる平成の大合併に当たっての制度として、議員のご質問にありましたように市町村合併後、当面は行財政運営に係る経費の急激な節減が困難であることを考慮し、旧市町村が合併しなかったと仮定した場合の個々の市町村の交付税の算定額の合算額と、新市としての交付税の算定額と比較し、大きいほうの額を普通交付税とする特例制度でございます。合併後10年間は、合併算定替えによる増加額の全額が交付されますが、11年目、上田市では平成28年度から5年間で段階的に縮減され、16年目の令和3年度からは新市としての算定額、いわゆる一本算定により交付されることとなります。 上田市における合併算定替えによる増加額は、合併当初の平成18年度の算定では18億円余となっており、この増加分が合併算定替えの縮減により減少することが市の財政運営に与える影響を踏まえまして、平成19年3月に第一次上田市行財政改革大綱を策定し、定員の適正化による人件費の削減や既存事業の見直し等による歳出削減の取り組みを進めてまいりました。 こうした中、合併算定替えによる増加額が平成22年度に25億円余に拡大し、その後もおおむね25億円程度で推移したことから、最終的にこの25億円が縮減された場合は、歳出削減等の改革努力だけではこの軽減が吸収できない状況が見込まれたことから、同様の状況でありました全国の合併市町村が連携し、国に改善を求めてきた経過がございます。 その結果、平成26年度の算定から、合併により面積が拡大する等市町村の姿が大きく変化したことを踏まえ、合併時点では想定されていなかった財政需要を交付税の一本算定に反映する見直しが、段階的に行われるようになりました。この見直しでは、5年程度で総額約6,700億円が段階的に算定に反映されることとなっており、平成30年度で見直しの内容が確定し、以降令和2年度まで調整が行われております。 昨年度の答弁では、この見直しによる上田市への影響について、直近の平成29年度の算定結果をもとに平成30年度以降の縮減額を推計し、最終的に約17億円が一本算定に加算され、見直し前の合併算定替えの増加額約25億円との差額の約8億円が最終的な縮減額になると見込んでいたところでございます。平成26年度からの5年間で見直された内容は、合併市町村の支所に要する経費を初めとして、消防、土木、教育、福祉、衛生など多岐の費目にわたっております。このため、合併市町村においては、合併時点では想定されていなかった財政需要が交付税算定に反映されることとなり、需要額が増加いたしました。 一方で、一本算定の基準財政需要額につきましては、これまでの算定より減少したことに伴い、両方の差額が拡大しまして、結果として令和元年度の普通交付税算定結果に基づく推計では、縮減額が2億円ふえ、10億円となったものでございます。 続いて、合併算定替えが終了する令和3年度以降の生じた差額への対応でございますが、予算編成におきまして縮減が始まった翌年の平成29年度から、経常経費の上限額にシーリングを掛けて一般財源の縮減を図ってきたところでございます。令和2年度予算では、全ての所属に対して3%のマイナスシーリングとしておりまして、これによる削減額が年間でおおむね1億円程度ということになりますので、これに加えて既存事業の見直しとして、終期を見越した事業の設定や各課から何か1つ以上の改善、見直しを行うこととして新年度の予算編成に当たっております。 また、これらの歳出削減に係る取り組みのほか、歳入面におきましても公共施設等の使用料、また手数料の見直し、減免の取り扱いに係る検討などを進めるとともに、有利な起債事業の選択や借り入れ先の精査等を行い、一般財源の確保に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村議員。          〔4番 中村 悠基君登壇〕
    ◆4番(中村悠基君) 続いて、合併による特例措置が終わろうとしている今、そもそも合併してよかったのか悪かったのか、しっかりと検証していくべき時期であると思います。何度か市議会の一般質問でも取り上げられてきた話題ではありますが、その後の進捗などを含め質問いたします。 合併のメリットは先ほども述べましたが、行政が行うべき業務を集約し効率化することにより、コストの削減が図れることです。集約化、効率化する猶予期間として設けられたのが、合併算定替え等の特例措置が講じられていた期間であると考えると、業務の集約化と効率化につながったのかという疑問があります。 そこで、質問いたします。1つ目として、合併算定替えがなくなる、イコール集約化、効率化が進んだと仮定すると、もうすぐ集約化、効率化が完了するはずだが、スケールメリットによる経費削減効果はどのくらいあったか。 2つ目として、本来なければならない合併による効果がまだ出ていない、生かし切れていないことはあるか。 以上、2点質問いたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 合併から16年目となる令和3年度で合併算定替えが終了することに関しまして、合併によるスケールメリットについてのご質問でございます。 平成18年3月の合併は、厳しさを増す地方財政の中において、地域内分権を推進し、多様化する市民ニーズに的確に対応し、強固な行財政基盤を構築するため、スケールメリットを生かした4市町村による合併が進められたものでございます。その結果、職員人件費で試算してみますと、例えば平成31年4月1日現在で職員数は広域連携等への派遣職員を除いて1,234人となっております。これは、合併前の平成17年4月1日と比較いたしますと、ちょうど100人のマイナスとなっております。普通会計ベースで人件費を比較いたしますと、平成30年度決算では平成17年度と比べて4億6,000万円余の減、また平成17年度からの累計では89億4,000万円余の削減が図られているものと試算することができます。このように人件費を初めとして、旧市町村で実施されていた事務事業の一元化による経常経費の削減等の効果をもたらした一方、少子高齢化に伴う社会構造の変化に対応しながらさまざまな分野の取り組みを実現してきております。 また、交付税措置率の高い合併特例債については、平成30年度末現在で360億円余を普通建設事業費等の財源として活用しております。合併特例債は、合併後の市町村が新市の建設計画に基づいて実施する公共施設の整備事業と基金の積み立てに要する経費について、対象事業費の95%の充当率で、元利償還金の70%が今年度の交付税の基準財政需要額に算入されるということから、地域振興基金の造成、これは各4地域のそれぞれの地域の振興のため、また地域間をつなぐ道路整備や小中学校の改築、文化施設等の建設に活用し、財政負担の軽減を図ってきたものでございます。 最後に、合併による効果がまだ出ていない、また生かし切れていないといったことがあるかというご質問でございますが、合併以降地域の皆さんによる主体的な地域づくりが進められ、新市の一体感の醸成、持続的な発展に向けてさまざまな事業が取り組まれてまいりました。こうした中、4市町村の合併により公共施設の数も大きくふえ、その後は施設の老朽化も顕在化してまいりました。加えて少子、超高齢社会に突入し、人口減少といった局面に差しかかってきております。このような状況のもと、上田市公共施設マネジメント基本方針、こちらに基づく施設の統廃合などにつきましては、合併による効果を今後生かしていく分野であろうと、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村議員。          〔4番 中村 悠基君登壇〕 ◆4番(中村悠基君) 続きまして、上志の風でおなじみになりましたスーパーシティに関連し、ICT教育について質問してまいります。 ICT教育、いわゆるパソコンやタブレット端末、インターネットなどの情報通信技術を活用した教育手法のことであります。一昔前では考えられなかったことですが、1人1台のスマートフォンが当たり前になり、情報通信技術についてもかなり身近なものとなりました。スマホ、タブレット、パソコンが違うものとして扱われることも多いですが、大きな違いは、大きさ、入力方法、中身の処理能力であり、根本的にはスマホの進化によって、スマホ、タブレット、パソコンでできることはおおよそ同じになってきました。まさに技術の進歩による部分であります。しかし、教育現場を見ると、導入に多額の費用がかかる部分でもありますので、まだまだICTの導入が進んでいないのが現状であると認識しております。 そこで、質問いたします。各国で行われているICT教育と比較した場合、上田市のICT教育の進捗状況はどうか。また、全国で行われているICT教育と比較した場合はどうか。 以上、質問いたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) 上田市のICT教育の進捗状況につきましてご質問いただきました。 まず初めに、諸外国との比較についてでございますが、2018年にOECDによる教員環境の国際比較の調査で、教員が中学校で生徒に課題や学級での活動にICTを活用しているかとの調査項目がございました。教員がみずからの授業において、ICT教育をしばしばまたはいつも行っていると行っていると回答した割合は、3カ国の平均は51.3%でございましたが、日本は17.9%で、参加48カ国の中で最下位から2番目でございました。ICTを活用した授業について積極的に行う日本の中学校教員の割合は、前回2013年の調査に比べてふえてはおりますが、依然として低い状態であることがわかりました。教員のICT活用のスキルについて課題があると考えております。 生徒にICTを活用させることが進まないもう一つの原因として、教育用コンピューターの整備が進んでいないことが考えられます。市教育委員会では、これまで校内LANの整備、普通教室への大型モニターや教材提示装置の導入などに努めてまいりました。これらの整備率はほぼ100%になっております。上田市は全国でもトップクラスでありまして、この点では群を抜いております。しかしながら、コンピューター本体の整備率につきましては、平成31年3月1日現在の調査で、長野県は全国平均18.6%と同率でありましたが、上田市の整備率は12.3%であることから、ICT教育の進捗状況は全国平均よりも低いものと考えられます。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村議員。          〔4番 中村 悠基君登壇〕 ◆4番(中村悠基君) 続きまして、ICT教育の1人1台のパソコン導入に関して質問してまいります。 まず初めに、パソコンを教育現場に導入することによって、どんなことが実現可能なのか。1つ目として、個人の習熟度の判定による一人一人の能力に合った教育の確保があります。これは、一人一人の得意、不得意をAIが判別し、解くべき問題を解くことにより、効率的な勉強をすることができます。AIドリルの導入やデジタル教科書の使用は、来年度の学習指導要領にも記載されるとの情報もあります。 2つ目として、デジタル教科書の導入により授業でノートをとる必要がなくなり、授業の動画を繰り返し見ることにより、自分のわからない部分を家庭でも理解できるまで聞くことができるようになります。 3つ目として、教師の負担軽減があります。先生たちの負担は、最初の導入段階では負担もかかりますが、長期的に見れば、相当な負担の軽減になります。さらに、業務の効率化をすることにより、働き方改革にもつながります。 4つ目として、例えば生徒が入院した場合や、不登校の生徒がいつでも、どこでも、みんなが学べる環境を手に入れることができます。 5つ目として、後ほど詳しく説明いたしますが、スティーム教育を行うことでクラスが活発になり、多くのコミュニケーションが生まれるなどなど、多くのことが実現可能になります。 我々は、青春の多くの時間を既存の学校システムで既に過ごしてきたせいで、それが当たり前であり、最善であり、そうでなければならないと思い込んでしまっております。学校には学年があり、教室にはクラスメートが集まり、黒板にチョークで書かれたものをノートに写す、そういった授業というものが本当に最善でしょうか。何のために学校があるのか、誰のための学校なのか、何のための授業なのか、原点回帰し考える必要があると私は思います。 既にご存じの方も多いかと思いますが、東京都の麹町中学校や長野県の中でも何校かでは、学級担任制や定期テストを廃止にしている学校もございます。我々大人が育った環境が全てではなく、より子供たちのためになる授業へと早急に変えていかなければなりません。そのためにも、まずはICT教育を導入する必要があり、導入するに当たり一番の問題になりますパソコンの導入について、2点質問いたします。 小中学校に設置している教育用パソコンの1台当たりの導入経費と、児童生徒1人当たりの導入経費は幾らか。また、教育用パソコンは1台当たり何人の児童生徒が使用しているか。 児童生徒が教育用パソコンを1人1台使える環境を整備した場合の1台当たりの導入コストは幾らか。パソコンを導入する際はどのような仕様とするか。また、搭載する機能や規格などに基準はあるか。 以上、2点質問いたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) 教育用パソコンにつきまして、幾つかのご質問をいただきました。順次、ご回答申し上げます。 小中学校の教育用パソコンにつきましては、パソコン教室に整備しておるところでございますが、全学校一斉での導入はしておりませんので、整備する年度によりまして台数や機器の種類などが違いますことから、1台当たりの導入経費につきましては年度により異なっております。参考までに、今年度パソコン教室用の機器の更新を行いましたので、その例で申し上げますと、1台当たり17万7,726円の導入経費がかかりました。また、パソコンは現在1台当たり8人の児童生徒が使用しておりますが、1人当たりに換算いたしますと2万511円となります。 次に、児童生徒が教育用パソコンを1人1台使用する考え方で整備した場合、どのメーカーかあるいはノート型パソコンかタブレット型パソコンを使用するかなどによりまして、経費は大きく違ってまいります。仮に来年度パソコン教室の整備を予定しております小学校をモデルにタブレット型パソコンで整備するとして試算いたしますと、児童1人につきまして、1台当たり9万6,347円という試算額が出ております。この試算額の内訳でございますが、機器本体は5万円余でございますが、そのほかにタブレット型パソコンを保管、充電するためのカートやセキュリティーソフトライセンス等を含んでおります。また、この金額にはワイファイ整備等にかかわる金額は含んでおりませんので、実際に学校の中で使用するには、さらにICT機器を利用する環境を整備する経費がかかります。 次に、機器の仕様に関するご質問ですが、搭載する機器や規格などにつきましては、国から最低限の基準が示されております。大きさで言えば9から14インチ、無線LANの搭載、片側カメラ機能、音声出力端子等の機能が挙げられておりますので、市教育委員会といたしましても、この基準をクリアする機器を整備してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村議員。          〔4番 中村 悠基君登壇〕 ◆4番(中村悠基君) パソコンの導入経費は、先ほど17万円ぐらいということでしたが、業者の言いなりで要らないもののついたものを購入したり、不要なハイスペックなものを導入したりとなると、やはり高額になってしまうと思います。しかし、国で示したものであれば、タブレットではなく、パソコンで約1台5万円での導入ができるという指針が示されております。また、上田市の小中学校の児童生徒数約1万2,000人全員に単年度で1台ずつ導入するとなると。先ほどの5万円というもので計算いたしますと、およそ6億円がかかり、余り現実味のない数字になってしまいます。しかし、毎年度新しいものを全生徒分購入する必要はありません。 また、11月19日のことですが、西村康稔経済再生相は閣議後会見で、学校で児童生徒が1人1台のパソコンを使える環境を整えるための予算を、取りまとめ中の経済対策に盛り込むと明らかにいたしました。このように国から出てくるお金も多いですが、そもそも国からお金がおりてこないにしろ、このまま子供への投資をしなければ、我々が年金をもらうころまで、日本が世界の中で先進国という立場を維持することはできないでしょう。そうならないための教育の充実でもありますが、先ほどから述べているようにICT教育導入に対する資金繰りが最大のネックになってくるかと思います。しっかりとした導入計画が必要になりますので、その点に絞って質問いたします。 1つ目として、国は教育のICT化に向けた環境整備5か年計画を策定し、2018年度から2022年度まで単年度で約1,805億円の地方財政措置を講じるとしているが、上田市への充当額は幾らか。 2つ目として、国は2025年までに児童生徒が教育用パソコンやタブレットを1人1台使える環境の整備を目指すとしているが、整備が完了するまでの計画はどうか。また、整備が完了するのは最短で何年後になるか。 以上、2点質問いたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 中澤教育次長。          〔教育次長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎教育次長(中澤勝仁君) まず、国からの充当額でございますが、地方交付税は地方公共団体間の財源の不均衡を調整するための制度でありまして、地方交付税の使途につきましては、地方公共団体の自主的な判断に任されております。また、基準財政需要額から基準財政収入額を差し引いた財源不足額が普通交付税として交付されておりますけれども、ICT化に向けた環境整備に必要な経費につきまして、国が示している標準的な1校当たりの財政措置額から試算いたしますと、平成30年度は基準財政需要額に1億9,600万円余が算入されている計算となります。 次に、整備計画についてですが、国が策定いたしました教育のICT化に向けた環境整備5か年計画では、2018年度から2022年度までの間、その必要経費につきまして地方財政措置を講じるとされております。この時点での国が目標としている学習者用コンピューターは、3クラスに1クラス分の整備を掲げておりまして、市教育委員会の場合、この水準での整備計画では、今年度から7年間ほどかかる計画となっております。 なお、議員ご指摘の児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境を実現するとした趣旨の国の方針は、ことし6月に新たに出されたものでございまして、市教育委員会としての現時点での整備計画は未定となってございます。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村議員。          〔4番 中村 悠基君登壇〕 ◆4番(中村悠基君) 国からは1億9,600万円のお金が、その名目ではないにしろおりているということなので、ぜひICT環境の整備にお金を充てていただきたいと思います。ことしの6月に示されたばかりということで、計画がまだできていないかと思いますけれども、これは本当に一刻を争う問題だと思いますので、早急にその計画を立てていただければと思います。今まで国が示した、先ほど申し上げましたが、環境整備5か年計画の中でも、目標は2022年までに3クラスに1クラス分のパソコン導入でしたが、国はことしになってから、先ほども申し上げました6月、2025年には全ての生徒1人に1台のパソコン導入を示唆しました。そこからもわかるように、早急な1人1台の導入が必要になり、全国の小中学校で一斉に導入を進めた場合、需要に対して供給が安定してあるのか不明瞭であります。ほかの自治体よりもスムーズにパソコンの導入ができるように、今から早急な策定と導入の準備をお願いいたします。 ここまでは実務的な部分を質問してまいりましたが、以降未来に対しての上田市のビジョンについて質問していきます。経済産業省が令和元年6月、ことしの6月に出した提言に未来の教室ビジョンというものがあります。これはエドテック、いわゆるエデュケーション(教育)とテクノロジー(科学技術)の造語でありますが、その力を使って一人一人に最適な学びを、スティームの学びで一人一人が未来をつくる当事者にをコンセプトに、ICTを活用し、従来の一律、一斉、一方向の授業形式ではなく、個別最適化された授業をつくっていくために作成されたものであります。 それでは、個別最適化された授業とスティーム教育について、聞いたことがない方も多いと思いますので、簡単に説明させていただきます。まず、スティーム教育とは、科学、技術、工学、数学の英語の頭文字を取ったもので、統合的に学習するステム教育にさらにアートを加えて提唱された教育手法であり、教科学習や総合的な学習の時間、特別活動も含めたカリキュラムマネジメントを通じ、一人一人のわくわくする感覚を呼び覚まし、文系、理系を問わず教科知識や専門知識を習得することと、探究プロジェクト学習の中で知識に横串を刺し、創造的、論理的に思考し、未知の課題やその解決策を見出すことが、循環する学びを実現することであります。その教育の有益性を図るために実証授業が行われましたので、簡単に事例を紹介します。 千代田区麹町中学校で行われた実証授業では、教室ではなくカフェテリアにおいて生徒が自由に着席し、一斉授業を行わずに、1人1台のパソコン利用環境でエドテック教材、いわゆるAIドリルを使用した個別最適化学習が進められました。この実証は、個別の希望により編成された発展クラス、成績上位の生徒向け応用問題を扱うクラスと基礎クラスの2つのクラスがあるうち、基礎クラスにおいて実施され、通常の授業で単元を修了するために要する時間の2分の1で全ての生徒が単元を修了し、テストの成績についても発展クラスとの差を縮めました。 また、パソコンを使う自学自習環境を使った結果、非常ににぎやかで活発なクラス空間が生まれた点も大きな発見であり、生徒たちが自分のペースで学び、自由な質問を許され、助け合い、学び合う姿が見られたとのことです。冒頭でも申しましたが、これらの実証結果からもわかるとおり、何が最適か早急にいま一度見直す必要があると思います。 それでは、ICT教育最後の質問となりますが、1つ目としてICT教育としてもさまざまな内容のものがあり、これからどんなICT教育を実現していくのか、その方向性を明確にすることが重要かと思います。上田市としては、ICT教育の環境整備を進めているが、今後の整備方針はどうか、どんなICT教育を実現していくか。 2つ目として、現在上田市で取り組んでいるソサエティ5.0ですが、その実現に向けた教育委員会の方針はどうか。 以上、2点質問いたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) 今後の整備方針についてご質問いただきました。 文部科学省は、新時代の学びを支える先端技術活用推進方策をことしの5月に公表しております。この中では、子供たちの多様化、例えばほかの子供たちとの学習が困難である子または自閉症、学習障害などの発達障害の子等々がいるわけですが、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正な個別最適化された学びの実現を求めています。上田市教育委員会といたしましても、ICT教育は単に機器を整備することだけが目的ではなく、個々の子供たちの学びにいかに寄り添って支援するかということにより、未来を切り開く資質、能力を育みたいと考えております。 しかしながら、全国的に見ましても、現状ではどのような場面でどのような機器を利活用することが効果的なのか、教育機関や研究機関での実証的な検証等が少ないなどの課題があります。今後国や先進都市などの事例や多くの情報を収集しまして、市教委として子供たちの学びの環境を整備していく所存でございます。 次に、ソサエティ5.0についてでございますが、定義については略させていただきますが、令和2年度から改訂される新学習指導要領では、コンピューター等を活用した学習活動の充実やプログラミング的思考の育成を行うことが明記されております。教育委員会では、来年度からのプログラミング教育に対応するため、上田市教育委員会に籍を置く県から派遣された指導主事による出前授業や教員のための研修等を各校で開催し、子供たちに合った学習内容を研究するとともに、新学習指導要領に沿って情報活用能力の素地を育成できるように取り組んでいるところでございます。 また、新学習指導要領では、主体的・対話的で深い学びの実現に向けて取り組むようにされていますが、このような流れの中にあって、これまで教育現場で大事にされてきた言葉に「不易」と「流行」という言葉がございます。学校教育には、どんなに社会が変化しようとも時代を超えて変わらない価値あるものがございます。例えばともに学び合うことの大切さ、豊かな人間を育てること等々、こうしたものを子供たちに培うことは、いつの時代に、どこの国の教育においても大切にされなければならないものでございます。人工知能がどんなに進化しようとも、それが行っているのは、与えられた目標の中の処理であります。人間は目的をみずから考え出したり、多様な他者と協働しながら目的に応じた答えを出す力がございます。教育の基軸となる不易なるものを見失ってはならないというふうに思っております。 しかし、時代が変化していくことはとめられません。学校教育においては、人と人との関係で深める学び、ICTを活用した学び、双方を効果的に組み合わせていくことが求められ、今後総合的に研究していくことが肝要であるというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村議員。          〔4番 中村 悠基君登壇〕 ◆4番(中村悠基君) 済みません。時間が余りありませんので、簡潔に質問させていただきます。 別所線についての質問でございますが、今上田市からは、一般会計から多額の支出を別所線にはしております。先日、26日の新聞には、鉄道の上下分離を要件とし、鉄橋復旧費の97.5%の支援を国が検討しているとの報道もありました。そして、今現状問題になっておるのが、この復旧に当たり上田市民としても左岸と右岸で多くの意見がある中で、赤字路線のままでは復旧に対して反対の市民もいるということでございます。 そこで、質問いたします。1問目は、きのうの池田議員への答弁で回答いただいておりましたので、割愛いたしますが、現状別所線の運営経費の削減はかなり実行されていると思うので、そうではなく、何か新しい取り組みによる付加価値をつけるべきであり、もうかる路線にして上田市の支出を縮減していくべきと思うが、それに対して市長はどのような考えであるか。 以上お聞きして、私の一般質問とさせていただきます。 ○副議長(土屋勝浩君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 別所線につきまして質問をいただきました。昨日の池田議員の質問とダブるということで省略がありましたけれども、そこに行き着くまでは多少触れなければいけないので、触れさせていただきます。 別所線につきましては、この歴史は1921年、大正10年から開業されております。まさに100年の節目のこのときであります。この地域において別所線の意味は、昨日も触れさせていただきましたように、昭和48年、そしてまた平成16年の2つの大きな危機を乗り越えてきた。それも市民の熱意によって乗り越えてきた別所線であるということであります。そして、またこの役割につきましては、通勤通学あるいは高齢者のための生活、交通の役割を持っており、教育・文化、景観、環境、住民協働の場、そして観光誘客など欠くことのできない大切な地域資源であり、財産であります。 災害直後から、市民や上田市にゆかりのある皆様から大変多くの応援をいただいておりまして、その輪が広がってきております。また、昨日も触れさせていただきましたが、自治会連合会では別所線電車存続期成同盟会との連携によりまして、12月中に署名活動を実施していただくということになってきております。まさに市民一丸で復旧に向けた大きな後押しになるというふうにも考えております。また、現在バスの運転手の関係でいきますと、運転手の不足、路線バスの事業の縮小傾向もある中で、年間130万人の輸送力を誇る別所線をバス輸送で代替することが大変困難であるということは、申し上げるまでもありません。 橋梁の復旧に向けては、復旧方法、国庫補助金の絡み、枠組みあるいはスケジュールなど、先ほど議員も触れていただきましたように、現在国土交通省とも協議あるいは検討中であります。上田市といたしましても、国、県との連携によりまして、1921年、大正10年の開業から100年となるこの節目のときに、右岸地域、左岸地域を結ぶ市民の心のかけ橋たる赤い鉄橋として復活できるよう事業者を支援してまいりたいと思います。 また、別所線の黒字化を目指してということであります。大変このことにつきましても大きなテーマであります。そのために、上田市の支出を縮減していく考えはどうだということであります。収益増加のためには、輸送人員の増加が主要な取り組みとなります。これまで事業者の経営努力はもとより、地域住民、沿線住民、行政が連携協力して利用促進に取り組んでまいりました。別所線のさまざまな期成同盟会を通しまして、多くの事業を取り組んできたのはご存じのとおりであります。今後も事業者の交通事業に当たりましては、特別交付税の措置のあり方あるいは国へのさらなる財政支援の要請、現在準備中であります。 また、現在準備しておりますふるさと寄附金の別所線支援コースの新設につきましても、新たな財源確保の取り組みを展開する中で財政負担の軽減も図ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 2時35分   休憩                       ◇                                午後 2時50分   再開 ○副議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇                       (6)市政について ○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第15号、市政について、池上議員の質問を許します。池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) 通告に従い、順次質問してまいります。 令和2年度当初予算編成について伺います。10月1日から消費税率が引き上げられたことによる家計への影響は、マスコミ各社の世論調査結果では、「変わらず」がおおよそ7割でした。今回、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要が少なかった要因として、軽減税率の導入を初め、プレミアムつき商品券や年金生活者支援給付金、キャッシュレス決済時のポイント還元などきめ細やかな対策が打たれ、実行されたことがあります。 その一方で、景気自体が強くない面もある。消費税とは関係なく、景気はもともと厳しくなっており、下支えに万全を期すための経済対策が必要であると、経済の専門家は分析しています。 そこで、先般政府が打ち出した新たな経済対策の策定方針では、まず相次ぐ台風被害からの復旧・復興、防災・減災、国土強靱化に向けた対策が掲げられました。防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策を加速度的に進めるだけではなく、今回の台風被害の課題を検証し、国民の命を守る予算をしっかり確保することが政治の責任でもあります。また、災害の影響のほか、海外経済の先行き不透明感も増していることなどから、経済対策としてものづくり補助金を初めとする中小企業の生産性向上策、事業承継の推進を重点支援し、農林水産業の成長産業化や輸出力強化への支援も加速化するということです。今後の避けることのできない人口減少の中での地方創生、女性・若者の活躍の推進、社会保障制度の改善も着実に進めなくてはいけません。 このような日本経済の現状や課題がある中で、上田市の新年度の予算編成の方針が示されました。人生100年時代を見据え、国や県と連携しながらさらなる財政健全化を目指して、歳出歳入両面における改革を進めていく予算編成となっているかなどを8点にわたって伺ってまいります。 初めに、3点伺います。1点目として、予算編成に当たっての基本的な考え方はどうか。 2点目として、SDGsの視点をどのように取り入れたか。 3点目として、予算編成に際し、平成30年度の決算をどのように反映するのか。 以上伺い、第1問といたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 令和2年度の当初予算編成についてのご質問でございます。 初めに、基本的な考え方でございます。令和2年度の予算編成につきましては、台風19号の災害に伴う対応を優先するため、10月18日に予定しておりました予算編成会議は中止といたしましたが、現在災害復旧と並行して当初予算編成を進めております。来年度におきましては、まずは災害復旧対応を最優先に全力で取り組むとともに、以下の点に留意し、当初予算編成を進めてまいります。 予算編成方針では、予算の重点化の徹底を基本方針の柱に据え、前期まちづくり計画において設定した市民協働推進、人口減少対策、健康づくりの3つの重点プロジェクトや令和2年度実施計画登載事業、また上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略、これに登載された事業を着実に推進することとしております。さらに、上田再構築プランに位置づける7つの挑戦を踏まえ重点分野7分野を設定し、持続可能な社会の構築に向け、新たな視点で事業の再構築を行い、重点的に財源配分を行ってまいります。 次に、SDGsの視点でございます。SDGsは、持続可能で多様性と包摂性、これは包むという字に摂政、関白の摂、包み取り入れるという、直訳するとそんなイメージでありますけれども、多様性と包摂性のある社会の実現のための国際社会全体の目標で、現在上田市では後期まちづくり計画の策定に当たって、SDGsの視点を取り入れることで検討が進められております。将来にわたって持続可能な地域社会を実現するためには、誰一人取り残さないことを誓うSDGsの理念は、市が目指すべき将来都市像の実現、特に地方創生の目標達成に資するものであると、こんなふうに考えております。こういった分野にSDGsの視点を取り入れ、持続可能な発展、成長に寄与する事業を推進する予算編成としてまいります。 次に、30年度決算をどのように反映するかということでございますけれども、30年度決算では経常収支比率や実質公債費比率が前年度に比べ悪化したこと、また監査委員から拡大を続ける市の事業の整理が必要といった指摘がなされていることを踏まえ、令和2年度の予算編成方針には特定財源の確保や基金の活用等による市債の新規発行の抑制といった対応策を盛り込んだほか、予算要求に当たり経常的経費の3%のマイナスシーリングを実施するなど、持続可能な財政構造の確立の取り組みをさらに進めることといたしました。 また、30年度から繰り越しした小中学校のエアコンの整備や本年度から来年度にかけて実施されます本庁舎の改築事業、また丸子地域自治センターや武石地域総合センターの改修、改築事業などにより、多額の市債発行が計画されております。これに対応して基金の活用等を図りながら財政健全化判断比率等の動きに留意しつつ、健全財政の維持に努めてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) 続けて予算の質問をいたします。 10月から消費税率が引き上げられ、その増収分は幼児教育・保育の無償化などの財源になりますが、これがどの程度市の財政に影響を与えるのか、また市庁舎の建設や地域自治センターの改修、改築も本格的になってきている中で、今後どのような見通しをされているのかが気になるところです。 そこで、2点伺います。1点目として、交付税と税収の見通しはどうか。また、起債の現状と見通しはどうか。 2点目として、歳入確保と歳出削減に向けた取り組みはどうかを伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) まず、地方交付税の見通しでございますけれども、令和2年度の総務省の概算要求では、地方財政収支の仮試算において、地方交付税については前年度比4%の増という要求となっております。ただし、これはあくまで概算要求時点の段階での数字ですので、今後国の予算編成に並行して進められる地方財政対策の動向や地方財政計画の内容に十分留意しながら予算編成作業を進めていく必要があると考えております。 次に、税収の見通しでございますけれども、まず個人市民税につきましては、景気動向として輸出や生活活動の一部に弱い動きが見られるものの、緩やかに回復していることを踏まえつつ、台風19号の災害に係る雑損控除の申告が見込まれますことから、前年度と比べて微減を想定しております。法人市民税は、長引く米中貿易摩擦の影響など日本企業の輸出が低迷する中、法人税収の伸び悩みが懸念されていること。また、平成28年度税制改正によりまして法人税割が3.7%減じられ、地方法人税に振り向けられることなどにより、法人市民税は減となる見込みでございます。固定資産税につきましては、縮小傾向にあるものの、土地が引き続き下落の見込みとなっておりまして、固定資産税全体としましては、前年度と比べ横ばいという状況を見込んでおります。 続きまして、起債の現状と今後の見通しでございます。普通会計決算に基づく30年度末の起債残高は、前年度から28億6,000万円ほど減少しまして628億9,800万円余となっており、健全化判断比率の各指標は早期健全化基準を下回っている、こんな状況でございます。 一方、公債費の負担は、平成30年度及び令和元年度、こちらでピークを迎えております。令和元年度は小中学校のエアコン整備事業、また台風19号による災害復旧事業に伴い多額の市債の発行が予定され、公債費につきましては来年度以降も高い水準で推移することが見込まれております。 次に、歳入の確保でございますけれども、国、県、公益法人などの補助制度などの活用、これにより可能な限り特定財源の確保に努めるとともに、市税等につきましては公平性の観点からも、滞納発生の未然防止など収納対策を一層進めることが必要であると考えております。また、遊休財産の処分や基金の活用を図るほか、受益者負担の原則を踏まえた料金の検討や減免制度の見直しの検討など、適正な使用料金の設定に向けて研究を進めてまいりたいと考えております。 一方、歳出の削減につきましては、重点分野への財源の優先的な配分に努めるとともに、既存事業の見直しやスクラップ・アンド・ビルドなど事業の見直し、また再構築の視点を予算編成方針に掲げ、予算編成作業を通じて事業担当課の見直し状況を確認しながら真に必要な事業の選択を行い、引き続き経費の節減に努めてまいります。また、新規の施策につきましても、選択と集中の視点に立ち、各事業の必要性、効果、後年度負担等を十分に検討することが必要と考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) 端的で明確な答弁をいただいております。 続けて質問いたします。市長が掲げる上田再構築プランでは、全ての事業を再考しブラッシュアップを図り、上田市の将来都市像の実現に向け取り組むとありますけれども、1点目としてどのような事業を見直していくのか。 2点目として、毎年発生することが想定される自然災害に対して、防災・減災、復旧・復興の財源をどのように確保するのかをお聞きいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 平成30年度決算において監査委員からの指摘もございますけれども、公共施設の管理状況の見直しが課題となっております。公共施設マネジメント基本方針に基づき公共施設のあり方を見直し、総量の縮減を目指すとともに時代の変化に対応させ、適切に維持管理を行い、必要なサービスの提供を将来にわたり継続していく必要がございます。令和2年度までには全ての公共施設の個別施設計画の策定を進め、各施設の役割や利用状況、老朽度等を踏まえた対策を検討した上で見直しを進めていく、こんな必要があると考えております。 続いて、防災・減災、復旧・復興などの財源でございます。まず、防災・減災対策に関する事業の財源でございますけれども、現在財源として活用しております緊急防災・減災事業債は、東日本大震災の復興期間と合わせ、起債の発行が令和2年度までとなっております。このことから、今後は起債の充当残に充てる一般財源の確保が、これまで以上に重要な課題となってまいります。このため、これまで積み立ててきた基金を有効に活用しながら一般財源の確保に努めるとともに、緊急防災・減災事業債の期限の延長を市長会等を通じて国に要望してまいりたいと考えております。 次に、復旧・復興対策に関する事業の財源でございますが、台風19号の災害では災害救助法の指定を受け、避難所の設置、運営や被災者生活再建支援金といった被災された方々への支援を充実させ、被災者支援に取り組んでまいりましたが、今後本格化する復旧・復興に当たりましては、国庫補助のかさ上げや災害復旧事業債を最大限活用し、財政負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。 また、激甚災害の指定に関しましては、現在長野県が地域を指定されておりますけれども、上田市の指定につきましては、今後の国の災害査定事業費等により、事業の区分ごとに判定されてまいります。このため、指定の状況に応じて適切な財源を考えてまいりたいと思っております。このほか、今回の台風19号を初めとして災害多発の状況を受け、総務省では特別交付税を増額し、今年度の補正予算案に盛り込む方針であることから、こういった動向を踏まえながら災害復旧事業を加速してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) この自然災害に対しての財源につきましては、国の動向もよく見ていただきながらよろしくお願いいたします。 それでは、少子高齢化の進展に伴って年々増加する社会保障給付費のことでございますけれども、私は予算の質問をするときには、必ずこれを市長にお聞きしようと思って何回かしているわけでございますが、今回土屋市長にお聞きするのは初めてでございますけれども、特に未来を担う子供たちへは、優先的に財源を配分すべきと考えております。ここで、市長の見解を伺います。 ○副議長(土屋勝浩君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 子ども・子育ての関係でございますけれども、「子どもは地域の宝、すくすく育つ安心子育てのまちづくり」は、公約の中の7つの挑戦にも掲げております。令和2年度の予算編成の重点7分野の一つに「子ども・子育て・教育支援、教育環境の重点整備」を掲げております。第二次総合計画のまちづくり計画にも、人口減少対策プロジェクトの主要な方向性として「安心して子どもを産み育てられる環境づくり」が示されており、未来の上田市を担う子供たちの育成のため、子育て支援や学校教育環境の充実など大変重要な施策と認識しております。 特に子育て支援につきましては、幼児教育・保育の無償化が10月にスタートし、子育て世帯の負担はある程度軽減されましたが、引き続き子育てに関する多様なニーズに応えられるきめ細かな子育て支援施策の充実が重要であると思います。ハード面では、丸子の統合保育園の整備につきましては、令和3年度の開園を目指し、引き続き計画的に事業を進めてまいります。 また、学校教育の環境につきましては、昨年度の猛暑を受けて小中学校のエアコン整備を進めてまいりまして、上田市ではこの夏から全校で稼働しております。今後も子供たちの安全と健康が守られる環境の整備に取り組んでまいります。 また、一方学校給食施設では、老朽化が著しい第二学校給食センターの早期改築に向けた取り組みを進めてまいります。 10月から消費税率の改定が行われ、今後地方消費税交付金が増額となる見込みであり、この増収分については、全額社会保障4経費に充てることとされておりますので、こういった財源も有効に活用しながら、未来を担う子供たちが上田市に生まれ育ったことに誇りを感じ、健やかに成長できるよう、また将来世代に過度の負担を先送りせず、未来の子供たちから感謝されるまちづくりに引き続き取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 以上です。 ○副議長(土屋勝浩君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいま市長から答弁いただきました。 ハード面のお話がございましたけれども、ハード面のみならず、ソフト面でも虐待防止とか不登校対策とか、そういうところにも手厚く予算を配分していただきたいということは要望したいと思います。 それでは、次の質問を行います。私ども公明党の会派では、災害の質問につきましては会派で振り分けましたので、私は子供や女性、高齢者、障害者などの災害時要配慮者の避難のあり方についてお聞きしてまいります。今回の災害、また今後発生する自然災害に対して、自力で移動が困難な高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、またその家族などのいわゆる災害時要配慮者の避難対策について適切な整備を図ることは、重要な課題だと思っております。今回の災害で市民からさまざまな声をお聞きいたしました。その一部をご紹介したいと思います。「大勢の人がいるとパニックを起こしてしまう子供がいるので、避難所には行かれない」とか、また「部屋にずっと引きこもっている息子がいるので、避難所には行かれない」、「2階に上がって避難しろと言われても、車椅子の夫を1人では介助できない」、一部ですけれども、さまざまな声をお聞きいたしました。 そこで、一括して4点にわたってお聞きしてまいります。1点目として、このように自力で避難することが困難な方に対しての避難情報はどのように伝えているか。地域によって差があると思いますが、中には自治会役員や民生児童委員だけに任せておいていいのかという声もありました。また、安全な避難所が確保され、避難所でつらい思いをすることがないように、必要な方へは個室、バリアフリー化、着がえや授乳の場所、オストメイト、男女別のトイレ等のトイレ機能の確保などの環境整備の現状と課題、今後の取り組みはどうかを伺います。 2点目として、いざというときには習っていないことはできないと言われております。特に要配慮者にとっては、命を守るために日ごろからの避難訓練を実施することは非常に重要だと思います。災害時に具体的に誰がどう動くのかを明確にすることです。地域においても、自助、共助の取り組みを進めるためにもとても重要です。そこで、現状と課題、今後の取り組みはどうかを伺います。 3点目として、避難所での防犯体制の強化や災害時の留守宅を狙った窃盗犯罪の対策も必要です。現状と課題、取り組みを伺います。 4点目として、福祉避難所についてお聞きいたします。これは前の議員の答弁もありましたので、重複するところは割愛して答弁していただきたいと思いますけれども、この上田市の避難所は主に社会福祉法人が運営する高齢者施設や障害者施設ですが、そこには入所者の方がいますので、災害時にはまずは入所者を安全に避難させなければいけません。在宅で困難を抱えている高齢者や障害者の方は、まずは一般の避難所に避難し、市の判断で必要に応じて二次的に開設される福祉避難所には、最初から行くことはできないと聞いております。福祉避難所にはさまざまな設備が整っているわけでございます。 では、高齢者や障害者などの通所の方はどうなるのか、またそれ以外の配慮を必要とされる方はどうするのか、公的な施設を要配慮者に開放することができないのかなど、この福祉避難所の役割、その周知、整備についてたくさん課題はあると思いますけれども、その課題と今後の取り組みをお聞きいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 避難に関して、まず私から幾つか答弁させていただきます。 最初に、単独で避難することが困難である方に対しての避難情報提供に関する質問でございます。現在でも自宅の電話や携帯電話あるいはファクス等による緊急速報、あるいは専用の電話番号から誰でも聞くことができる災害テレホンサービスなど、情報機器を活用した伝達手段を確保しております。しかしながら、情報機器伝達による情報入手が難しい方も多いため、こういう方に対しましては、やはり地域住民、自主防災組織等の協力による避難情報伝達は、大変有効な手段であるというふうに考えているところでございます。 市としましては、住民支え合いマップなどを活用した地域住民がお互いに助け合う互助として、支援していただくことをお願いしたいとも考えております。そのためには、マップの更新等もぜひとも必要なことでございます。松尾議員の答弁でも申し上げたところですが、住民支え合いマップについては、今回の台風19号でどのように機能したか、何らかの形で調査したいと考えております。 また、安全な避難所の確保についてですけれども、単独で避難することが困難である方の場合、避難所においても特に配慮が必要であるというふうに考えております。安全安心な避難所、大変重要なことでございます。午前中に飯島議員から、医療的ケアを要する方の避難についてもご質問がございましたが、それ以外でも特に配慮が必要な方の場合、間仕切りによるスペースの確保、個室の確保及び保健師による面談など、ハード、ソフトの両面において可能な範囲で対応することとしておりますが、発災当初はどうしても避難所立ち上げの段階で混乱していることもございますので、配慮が必要なことを申していただくと、適切な対応につながるのではないかと考えております。 今回の災害では、避難所において障害の特性等により、個室対応や避難所用テントによりスペースを確保した事例もございましたことから、今後もプライバシーやバリアフリーなど、要配慮者に視点を置いた避難所の設営が必要と認識しております。 上田市地域防災計画では、救援対策部が指定緊急避難所の開設、運営管理の総括となっております。高齢者、障害者等の支援を所管する福祉部として安全安心に避難できる避難所の設置、運営について、今後の検証の中で提言してまいりたいというふうに考えております。 続いて、福祉避難所の質問でございます。福祉避難所とは、災害時において、高齢者、障害者、乳幼児の要配慮者のうち、一般の避難所では生活が困難な方が安心安全に避難生活ができるよう、必要に応じて開設する二次的な避難所でございます。先ほどの指定避難所では、避難された方の個々の心身の状況によっては、対応に限界がある場合がございます。こういった場合の福祉避難所でございますけれども、関係の16の施設と協定を結び、市の福祉避難所として、市ホームページにおいても周知を図っているところでございます。これらの施設は、各種の配慮がなされた設備が整備されていますが、受け入れスペースの確保、人員体制が整い次第開設されるため、災害発生直後から避難できる第一次避難場所とは若干趣が異なっているということでございます。 上田市においては、今回の災害を踏まえ、改めて開設方法や運営体制などの調整が必要と考えております。特に福祉避難所に指定していた施設が、市内各所の停電や洪水の危険性があるところに立地していて、みずから避難等の対応に追われた状況もあり、課題も大変多いというふうに考えております。今後、市内において甚大な災害が発生し、指定避難所における配慮では限界があり、福祉避難所の開設が必要になった場合、現在指定している16施設で避難された方のニーズに応えられるか、安全安心が確保できるかということを改めて検証してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 私からは、要配慮者の避難訓練の現状と今後の取り組みについて答弁申し上げます。 子供や女性、高齢者、障害者など特に配慮を要する方を想定した訓練の実施についてでございますが、上田市地域防災計画では、市が行う訓練において要配慮者に対する配慮を訓練に入れるなど、実践的な訓練を行うことで訓練参加者自身の判断が求められ、発災時におけるシミュレーションとしての効果を持つような訓練となるように工夫を行うものとしております。毎年度実施しております上田市防災訓練では、過去の訓練実績として、上田市視覚障害者福祉協会のご協力をいただいて、視覚障害のある方の避難誘導訓練や避難生活において配慮が必要なことを、避難所運営者とともに考える訓練を行った経緯もございます。 また、地域で暮らす配慮を要する方が安心して生活を営むためには、災害発生時のみならず、日ごろからの近所づき合いの中で交流を持ち、信頼関係を構築していくことが大切でありまして、過去の大規模災害の教訓からも、各自治会等において組織しております自主防災組織の役割は重要性を増しているものと認識しております。 市では、自主防災組織の長を対象としたリーダー研修会において、配慮を要する方の支援について、その取り組みの重要性を強調するとともに、具体的な取り組み方法として災害時住民支え合いマップづくりやその更新、防災訓練のうち、特に避難行動に支援が必要な方にも配慮した効果的な訓練内容とすることなどをお伝えしてまいりました。また、平成29年6月の水防法や土砂災害防止法の一部改正によりまして、浸水想定区域や土砂災害警戒区域にあります学校や社会福祉施設、医療施設等においては、避難確保計画の作成や訓練の実施が義務づけられましたことから、対象施設における訓練の取り組みについても状況把握しつつ、出前講座等日ごろからの備えや各種訓練方法の相談などを受け、それぞれ施設のニーズに合わせた訓練の実施について支援を行っております。 市といたしましては、消防団など関係機関や長野県自主防災アドバイザーと連携しながら、配慮を要する方をいかに安心かつ安全に、そしてスムーズに避難誘導できるかについて、上田市防災訓練や自主防災組織が実施します訓練の中で工夫して取り組んでまいりたいと考えております。 次に、避難所の環境整備、防犯体制についてでございますけれども、国におきましては平成29年4月に、平成28年度避難所における被災者支援に関する事例等報告書を作成しております。この報告書につきましては、平成28年に発生した熊本地震における被災者アンケート調査や避難所運営に当たった被災自治体の担当職員、NPO団体、障害者団体等からのヒアリング調査を実施した結果として見えてきた実態や課題等を整理し、まとめたものでございます。 この報告書によりますと、障害のある方、女性、子供等配慮を要する方の対応についての課題に加えまして、防犯対策につきまして、災害時における治安維持のための消防団や自警団等による地域の見守り体制の強化や警察の巡回要請、性犯罪防止策、相談体制の強化などが課題として挙げられております。今回の台風災害では、市が運営主体となる指定避難所を多数開設して、多くの皆様が一時的ではございますが、避難所等へ避難したことで避難区域内の空き巣狙い等が懸念されましたことから、防犯対策として上田警察署の警察官による警戒が実施されたところでございます。 市といたしましては、今後進めます台風災害の各種検証作業の項目の一つとして、避難所運営等についても取り上げるとともに、その結果について上田市地域防災計画や各種マニュアルに反映してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) それでは、最後の質問をいたします。 フレイル予防についてお聞きいたします。私は、昨年9月議会でフレイル予防についてお聞きいたしました。これは、令和2年度の予算編成の重点7分野の健幸が実感できる上田の実現に向けた健康・福祉の増進の中にも、フレイル予防という言葉がしっかりと挙げられております。だんだんと世間でも認知が進んでいることを実感しております。 厚生労働省は、来年度から75歳以上の人を対象に、新たにフレイル健診を始めることを決めました。15項目の質問票を厚生労働省が作成し、健康寿命の延伸策に活用するということです。前回の質問では、その当時フレイルのチェック項目が25項目もあり、高齢者が簡単にチェックできないという課題がありましたが、今回はフレイルに特化し、その特性を踏まえた15項目で構成されています。市の健診や通いの場、かかりつけ医での受診の際などに活用してもらい、健診、医療、介護情報などと併用することで、地域で高齢者の健康を支える体制の整備も目指せないかと考えます。 そこで、お聞きいたします。フレイル予防についての現在の取り組み状況はどうか。また、国では来年度75歳以上を対象にフレイル健診を行うという方針ですが、上田市は健診結果の活用も含めどのように取り組むのかをお聞きし、質問といたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) フレイル予防のご質問についてご答弁させていただきます。 高齢社会が進展する中、高齢者が生き生きと自立した生活が送れるよう、介護予防や健康寿命延伸の取り組みの一つといたしまして、フレイル予防が重要な課題となっております。このフレイルでありますけれども、加齢に伴いまして体や心理面などの活力が低下した状態、これを言います。介護状態に至る前段階として位置づけられておるところでございます。この時期に適切に介入することで、生活機能の維持、向上が期待できまして、もとの活動的な状態に戻ることも可能とされているところでございます。 また、このフレイルでありますが、3つの要素が関連しながら悪化させると言われております。具体的な1つ目は、閉じこもりや孤食などの社会性の虚弱でありますソーシャルフレイル、また2つ目は鬱や認知機能の低下などの心、認知虚弱と言われるコグニティブフレイル、また3つ目は運動機能の低下あるいはオーラルフレイルであります口腔機能の低下などからなります身体的虚弱でありますフィジカルフレイルでありまして、フレイル予防に向けた取り組みにつきましては、運動機能、口腔機能、そして栄養実態、社会参加などのさまざまな面からアプローチを進める必要がございます。 このフレイル予防は、介護予防における一次予防として、要介護状態になることの予防からの視点の取り組みがございまして、これまでも福祉部の高齢者介護課を中心に積極的に取り組んできたところでございます。具体的には、主なものといたしましては、高齢者介護課で実施しております介護予防体操、この事業は各地域の高齢者福祉センター等の施設を利用して、介護予防の啓発等も含め取り組んでいるところでございます。また、2つ目といたしましては、地域リハビリテーション事業がございまして、この事業は住民主体によります介護予防事業の展開を推進するために、住民団体の皆様等にリハビリテーションの講師を派遣させていただきまして、事業を推進しているところでございます。 また、フレイル予防は生活習慣病等の延長線上にフレイル状態があることから、健康寿命延伸につながる重症化予防からの視点による取り組みもございまして、こちらは健康こども未来部の健康推進課を中心に各種教室等を進めてきているところでございます。具体的に申し上げますと、あたま・からだ元気体操でありますが、これは運動の習慣化を住民の皆さんに促す目的で進めておるところでございます。また、2つ目といたしましてはスポーツクラブへの委託や、公民館等との連携事業といたしまして、身近で地域でウオーキング事業も展開いたしているところでございます。このほか国民健康保険の特定健診受診者や生活改善が必要な方への運動実践講座あるいは生活習慣病の重症化予防のための教室、先ほど申し上げた関係の教室、またオーラルフレイルといたしまして、口腔機能の予防のための知識あるいは啓発を行うための教室なども進めているところでございまして、若い世代からの健診受診の啓発等もあわせて行っておるところでございます。 ご質問のフレイル健診についてどう取り組むかでありますが、このフレイル健診は国が高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に向けた体制整備を行う中で、新たに示されたものでございます。この背景といたしましては、これまで医療保険における疾病予防を中心とした保健事業と、介護保険における介護予防事業は、それぞれの制度の中で実施されてまいりました。 しかし、既存の枠組みの中では、市町村国保の保健事業から後期高齢者の保健事業への円滑な接続が難しいこと、またフレイル状態を把握したり、一人一人の特性に合った支援を行うことが難しいといった課題がございました。 そこで、国においてこれらを一体的に実施するための法整備を行い、その中で高齢者のフレイル状態を把握するために、新たに後期高齢者の質問票を示したところでございます。今回示されました質問票は、国民健康保険の特定健診や介護保険の基本チェックリストなどを参考に、運動や食生活の習慣あるいは物忘れの有無など、フレイル状態をチェックするための15項目を尋ねる内容に整理されております。国では、この質問票を後期高齢者の健診だけでなく、医療機関での診療や介護事業における通いの場などにおいても活用することを想定しております。 上田市では、まず後期高齢者の健診として実施いたしております長寿健診において、来年度からこの質問票を用いて実施する予定でございます。このほかの活用といたしましては、これまで健診も医療機関の受診もなく健康状態が不明な方々の状況を把握し、必要な医療や介護サービスにつなげるための取り組みなど、市長からの指示を踏まえまして、新たなフレイル予防施策の実施に向けて検討に着手しているところでございます。 いずれにいたしましても、フレイル予防につきましては、これまでも庁内関係課で取り組んでまいりましたが、こうした中、議員のご指摘もありましたとおり、令和2年度からは高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施という大きな国の流れがございます。今後は今まで以上に関係部局等との緊密な連携と役割分担が必要となってまいります。これまでの取り組みを整理、検証しつつ、医療機関や介護事業所等のご協力もいただきながら、地域の実情に即した事業が展開していけるよう検討を進めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 池上議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 3時30分   休憩                       ◇                                午後 3時45分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際申し上げます。議事の都合により、本日午後5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。                       ◇                       (7)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第16号、市政について、古市議員の質問を許します。古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) 通告いたしました2点について質問いたします。 まず、保育行政について質問します。私は、ことし6月議会で今年度の保育士配置について伺いました。その中で4月1日時点での年度途中入所希望者数、その児童に対する保育士確保の状況を伺いました。答弁は、入所が内定している児童は公立園全体で193人で、5月までに入所した40人は対応済み。その後は順次採用していくが、最終的に30名程度の保育士が必要になる見込みとのことでした。 そこで、以下の項目について、4月1日以降直近の状況を伺います。正規と非正規保育士の採用者数、退職者数、産休・育休の取得者数、代替保育士の確保数、また今後の入所予定児童数と必要な保育士数はどうか伺います。 6月議会では、上田市の1歳児の配置基準3対1ができたのか伺いました。答弁は、ゼロ、1歳児の入園申し込みの増加に伴い、保育士の必要数の確保が難しい状況に加え、支援が必要となる子供への加配対応も重視し、今年度1歳児については、やむを得ず緊急避難的に国の基準の範囲内である4対1で配置したとのことでした。 そこで、以下の項目の1歳児のクラス数について、11月1日時点と今年度の見通しを伺います。3対1の保育士配置基準が確保されているクラス数、4対1の保育士配置となっているクラス数、4対1を超える保育士配置となっているクラス数。 6月議会では、1歳児の保育士配置基準が、今後も市独自の3対1を維持していく必要があると考えている。また、今年度の4対1の対応は一日も早く解消したいと答弁されております。年度途中の保育士採用についてどのような取り組みをされたのでしょうか。努力はされているでしょうが、年度途中の入所に対応するための保育士が確保できない場合は、本来は受け入れができないわけです。現状どのように対応されているか伺います。 以上で1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、保育士確保の状況について申し上げます。 常勤保育士、正規保育士につきましては、年度途中の採用を実施いたしておらないことから、新たな採用者はなく、非常勤保育士の採用を進めているところでございます。これまでに12月1日現在で、勤務時間がフルタイムとなります臨時の保育士を8名、パートタイムの保育士を16名採用いたしております。 一方で、退職者でありますが、これまでに8人おりまして、内訳といたしましては、臨時保育士が6人、パート保育士が2人となっております。また、産前産後休暇あるいは育児休業の取得状況といたしましては、12月1日現在で常勤の保育士が23名、臨時、パートの保育士8名がそれぞれ取得中でございます。このうち4月2日以降に新たに取得した者でありますが、14人でございました。年度途中から育児休業から復帰いたした職員もおりまして、これらが12人おりましたことから、年度当初と比較いたしますと、2人ふえている状況にございます。 次に、職員が休暇等で不在となる際にかわりとして保育に入ります代替保育士につきましては、12月1日現在、登録者は40人となっており、4月当初よりも6人ふえた状況となっております。4月から10月までの実績になりますが、1人当たりの平均勤務日数は月8日程度となっております。 また、今後必要となる保育士の見込み数はどうかのご質問でございました。本年6月市議会定例会の一般質問でもお答えさせていただきましたが、年度途中からの入所が内定している公立保育園の予約児童につきましては、193人とご答弁申し上げたところでありました。これまでに156人のお子さんに予定どおり入園いただいておりまして、都合により入園をキャンセルされた方を除きますと、今後今年度末までにあと27人の方が入所予定でございます。今年度に入りまして24人の保育士の確保をいたしてきておりますが、退職や新たな育児休業等による欠員もありますことから、今後さらに15人程度の保育士が必要になるというふうに見込んでおります。 続きまして、11月1日時点の1歳児クラスの状況について申し上げます。まず、上田市の保育士の配置基準でありますが、子供3人に対して保育士1人の3対1の基準の確保がされているクラスでございますが、このクラス数は30クラス中5クラスでございます。次に、子供4人に対して保育士1人の4対1の配置となっているクラスでありますが、こちらは23クラスございます。年度当初は4対1の配置でスタートしておりますけれども、途中入所の児童の受け入れ等がございまして、こうした状況から、現在は4対1を超える配置となっているクラスが2クラス生じた状況となっております。 今年度の見通しといたしますと、引き続き鋭意保育士の確保に努めて進めておるところでございますけれども、先ほどご答弁申し上げましたとおり、さらに多くの保育士の確保が必要となりますことから、国の配置基準であります6対1以内とはなりますけれども、このまま仮にでございますが、保育士の確保が難しい、困難という状況になりました場合には、4対1を超える保育士配置となるクラスの増加というのも見込まれるのではないかというふうに受けとめておるところでございます。 最後に、今年度の1歳児クラスへの保育士の配置で、年度途中の入所に対応するための保育士が確保できない場合、どのように対応するかについてのご質問でございましたが、1歳児の保育士の配置基準につきましては、今年度の対応はあくまで一人でも多くの子供さんを受け入れるための緊急避難的な措置であるというふうに考えておりまして、これまでもハローワークなどの関係機関とも連携いたしまして、保育士の確保に努めているところでございます。 具体的には、ハローワークへの求人の申し込みや市の広報紙やホームページへの募集記事の掲載に加えまして、長野県社会福祉協議会が開催いたします福祉の職場の説明会へも参加いたしたこと、また市独自の取り組みといたしましては、保育の職場体験会の開催など、保育士確保に向けたさまざまな取り組みを続けておるところでございます。しかしながら、年度途中の入所に対するために十分に必要となる保育士が、全て充足されている状況には、残念ながら至っておらない状況にございます。 このような状況の中で、保育士の確保が難しい場合の対応といたしましては、非常に厳しい状況の中ではございますが、代替保育士を活用するほか、保育の中で園長等があいている時間等につきましては、園長自身が保育に入る対応のほか、担任を持たないフリーの保育士が配置されている大規模園では、当該職員がクラス担任を持つなどの対応を行っておるところでございます。また、保護者の皆様のご了解がいただけた上での対応となるわけでありますが、既に満2歳に達しているような月齢の高い子供さんは、2歳児クラスで保育をするなど、各園の状況に応じて保護者の皆様に留意した対応について、柔軟な対応も含めながら対応をお願いしているというところでございます。 いずれにいたしましても、子供たちへの影響や保育士への負担にも留意した対応が求められるところでございまして、できるだけ一人でも多くの保育士が確保できますよう引き続き努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁いただきました。 保育士は今年度まだ15名必要とのことです。そして、1歳児クラス、4対1を超えているクラス、今2クラスですが、これがふえるかもしれないというご答弁でありました。保育現場からは悲痛とも言える声が聞こえてまいります。1歳児11人を5人と6人に分け、2人の保育士が見ている。一人一人の心を大切にする時間的余裕はなく、まるでベルトコンベヤーに乗せられているかのようにおむつ交換、手洗い、御飯、昼寝と、機械的な保育になってしまう。1歳児13人を3人で見ている。活動に制限があり、思い切り遊ばせてあげられない。子供がどう生活したいかより、3人の保育士でできる安全に過ごせる範囲となってしまう。ゼロ歳児3名でスタートし、年度中には9名となる予定だが、保育士は1名のままで、代替、一時保育士で不足分を対応し、何とかやりくりしている。子供たちは保育士が日々かわることで不安定な心理状態で過ごしているなど、涙ながらに訴えられていると聞いております。現場の保育士は、このように心にゆとりが持てず、心身ともに疲弊していますが、子供たちのために精いっぱい努力されています。 さて、このような状況の中で、11月には来年度の入所申し込みが行われました。来年度当初の入所希望者数と年度途中の入所希望者数を3歳以上児・未満児別、公立・私立別に伺います。今年度と比較して特徴的な点、また保育士確保の見通しを伺って2問といたします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 来年度当初の入所希望者数、年度途中の入所希望者数の状況はどうか、また保育士確保についてどのような対応かというご質問でございました。 令和2年度に保育園、認定こども園等に入園を希望されるお子さんにつきましては、先月11月5日から11月8日にかけまして入園申し込みの受け付けを実施させていただきました。この一斉申し込み期間中のお申し込みいただいた方でありますが、昨年度より48人少ない全体では914人でございました。このうち年度当初からの入園を希望されている方でございますが、614人でございまして、年度途中からの入園を希望されている方は300人でございました。 また、お申し込みいただいた状況を年齢別に見ますと、ゼロ歳児と1歳児のお申し込みが昨年よりふえた状況にございまして、ゼロ歳児が23人増の283人、1歳児が11人増の226人となっておりまして、3歳未満児全体では、昨年と比較いたしまして18人多い696人のお申し込みをいただきました。 一方で、3歳以上児でありますけれども、少子化に加えまして保育園等への入所年齢、これが従来よりも下がっているという状況もございまして、3歳から入園するお子さんは減少傾向にございます。昨年度より66人少ない今回218人のお申し込みをいただいた状況となっております。 また、入園希望先の内訳でございますけれども、第1希望の入園先を私立の保育園あるいは認定こども園等とされた方が、昨年度より10人減の306人でございました。また、公立保育園、幼稚園を希望された方が、昨年度に比べまして38人減の608人となっております。これから入園調整いたしまして、それを経て入園先を決定させていただくことになりますが、入園申し込み数の状況でありますが、全体としては減少しているものの、多くの保育士配置を必要とするゼロ歳児と1歳児の入所申請がふえておりますことから、途中入所の対応を含めまして、保育士の確保が先ほど申し上げたものに加えまして、それ以上に必要となってくる状況であります。 来年度に向けました保育士確保対策といたしましては、既に常勤職員の採用試験は終了しておりますので、現在は非常勤職員の募集に鋭意力を入れているところでございます。非常勤職員の採用には、まずは一人でも多くの方にご応募いただく必要がございますことから、保育士資格を有するものの保育の現場を現在は離れている、いわゆる潜在的な保育士の方々にも、職場復帰を検討していただけるようなきっかけとなるよう保育の職場体験会を開催しております。11月に開催いたしました体験会でありますが、欠席者もご都合によりましてありましたことから、参加者は多い状況とは言えない状況でありましたけれども、こうしたつながりができた方々に引き続き積極的にお声がけを申し上げ、採用につなげていかれればと、このように考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁いただきました。 来年度の入所申し込み、全体数は48人減って914人ということですけれども、中途入所がかなりふえているということでしょうか。300人というお答えだったかと思います。当初614人ということです。あと、ゼロ、1歳児がふえているという特徴があるというご答弁でありました。また、保育士確保については鋭意努力されているということですが、なかなか厳しい状況なのかなと推察するところであります。 今後、答弁にもあったとおり、入所申し込みをした児童の入所決定、私立保育園、認定こども園とも調整していかれると思いますけれども、上田市では年度途中の入所につきましても、年度当初に入所決定を行っております。内定ということですけれども。しかし、保育士確保の見通しが立たない中でこの内定を行うことは、保育士の負担がふえ、子供たちによい影響を与えません。保育現場を苦しめることになります。ゼロ、1歳児については、とりあえず申し込みして様子を見て育休の期間を決める、そういう方もおられると聞いております。保育園の実情をよく理解していただく必要もあると考えます。 長野市では、途中入所の申し込み自体1カ月半前から、松本市では半月前からの受け付けとなっているそうです。また、お隣の東御市では、入所決定につきましては入所の3カ月前だとお聞きしております。保育士確保の見通しが立たない状況での年度途中での入所決定の仕組み、見直す必要があると考えますが、見解を伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 年度途中の入所決定の見直しについてのご質問でございました。 出産後に職場に復帰される保護者の皆様への支援といたしまして、当市におきましては育児休業明けで復職することを条件として、11月の一斉申し込みの時点で妊娠中から年度途中の入所予約が可能といたしております。現在、令和2年度を計画初年度といたします5カ年計画でございます第2次上田市子ども・子育て支援事業計画、これの策定を進めておりますが、計画策定に当たりましては、昨年度実施いたしましたニーズ調査におきましても、育児休業を取得されている保護者のほとんどが、お子さんが1歳になったときに必ず利用できる保育園等があれば、1歳になるまで育児休業を取得したいという、こういった思いをお持ちの方がございます。 一方で、ニーズ調査によりますと、4月の保育園等の入園に合わせたこのタイミングで職場復帰される方もおいでになるわけでありまして、約3割近くがこういう状況にございます。対応できる保育士の少ない中で、希望する時期に入れないといったようなご意見もいただいているところでございます。途中入所の予約ができることは、ある意味では安心して育児に専念できるため、出産後に職場復帰する保護者への支援としては有効な手段であるというふうに受けとめておるところではございますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり保育士の確保、その不足が厳しい状況、深刻な状況となる中で、不安な気持ちを抱いていらっしゃる保護者の方もいるということは、重く受けとめをいたしております。 しかしながら、年度当初から全ての予約児を見越した職員配置等は、人材確保の面あるいは財政面からしても困難な状況にございます。確実な職員配置を前提とした保育園ごとの途中入所の枠を設けるなどの新たな方法につきましても、研究してまいりたいというふうに考えております。重ねてになりますが、こうした問題が解消できるためには、やはり保育士確保が重要でございまして、引き続き努めて対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁いただきました。 預けるほうとしましては予約しておきたい、そのことはよくわかりますけれども、しかし保育現場の先ほど申し上げましたような現状も、ぜひ注視していただきたいと思います。予約する、申し込み自体は受けても、入所の決定、内定はもう少し待ってくれ。東御市のように3カ月前というようなルールを設ける。それも一つの方法ではないかと思います。ぜひとも東御市などの他市の状況をよく研究されて、改善していただきたいと思います。 それでは、次の質問をいたします。今年度につきまして、長野市、松本市、安曇野市、塩尻市、待機児童が発生したという報道がありました。本日の信濃毎日新聞におきましても、10月1日時点で松本市、待機児童62人、長野市、待機児童5人、松本市は潜在的待機児童は122人、長野市は15人という報道がされております。しかし、松本市、安曇野市、塩尻市では、1歳児につきまして職員配置、3対1、変えなかったとお聞きしているところであります。 6月議会でも申し上げましたが、上田市の1歳児に対する独自加配は、旧上田市で平成13年度より行われておりますが、保育現場の切実な声と保護者、市民、労働組合の協働の力で実現したそうです。6月議会の答弁でも、1歳児は個人差が大きく発達が著しいときであり、今後も市独自の3対1を維持していく必要があると考えているとされています。1歳児は、自分の命を他人に預けなければ生きられません。今回のような災害等緊急事態が発生したとき、1人の保育者が子供の命を守る確かな方法は、1人を背負い、2人を抱きかかえる、これが限界です。保育士の配置基準を緩和して待機児童ゼロとしても、保育士と園児の負担がふえるだけで、問題の解決にはならないのではないでしょうか。正確な実態把握が曖昧となり、事態の深刻さの認識が甘くなります。保育士の労働条件の悪化が、保育士確保を困難にしているとの指摘もあります。同時に子供たちに対するサービスの質、水準が低下いたします。 先ほどは、市長から子供は地域の宝という答弁もありました。また、市長は今議会の提案説明の中で、無償化に伴い保育需要の増大と多様化が想定されますので、市においてはできる限りの園児の受け入れと保育サービスの拡充を図ってまいりますとされています。このことを実現するためには、保育現場は深刻な事態であり、待機児童対策と保育士確保対策は市の緊急で重要な課題だと認識し、全市的に取り組む必要があります。市長は、保育現場に出向いて状況を把握していただきたいと思います。市長の見解を伺って4問といたします。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 1歳児の保育士配置に係る本年度の緊急的な対応につきましては、保育を必要として申し込みされた全ての方を受け入れる義務があることから、国からの要請も考慮して対応してきたところであります。結果として待機児童の発生は避けられたわけでありますが、1歳児は個人差が大きく、また心身の発達が著しい時期でありますことから、子供たちへの影響を最小限に抑えるようきめ細かな保育サービスの提供に努めてまいりました。 また、保育の現場は子供の命を預かるという責任の重い仕事であり、保護者対応などさまざまな面からも保育士の負担が多いことも承知しております。したがいまして、保育士の負担軽減が図れるよう、ICTの活用などについても検討を進めるよう指示したところであります。労働条件の悪化により保育士が保育の現場を離れ、潜在保育士となることは、是が非でも避けたい事態であります。そのためにも保育士が働きやすい環境を整え、魅力を発信していくことが保育士の確保につながり、よりきめ細やかな保育が実現できるものと考えております。 待機児童の問題は、子供を預けることができない保護者の問題のみならず、働き手を求める企業にも影響を及ぼすことにもなることから、一人でも多くのお子様を受け入れられるよう努める必要があります。これまでも3歳未満児の入園希望者の増加に対しましては、保育室の改修等により受け入れの拡大を図り、またことし4月に開園いたしました神川保育園や現在整備中の丸子統合保育園におきましても、3歳未満児室を充実させるなどの対応を進めているところであります。このようなハード面の整備にあわせまして、保育園が子供たちの健やかな成長を支える場となるよう、引き続き保育士の確保対策につきましても、工夫しながらスピード感を持って取り組み、地域の宝である次世代を担う子供たちがすくすく育つ安心子育てのまちづくりに向け、子育て支援施策を積極的に進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁いただきました。先ほど申し上げましたが、市長もぜひ保育園のほうに出向いていただきたいと思います。 それでは、次に職員配置と職員安全衛生管理について質問いたします。公務員という職業は、雇用、身分、仕事量や勤務時間、賃金、所得が安定しているという印象が強く、なりたい職業の上位に挙げられております。そのことが、公務員はいいなという世間からの厳しい視線にさらされ、時としてバッシングにも見舞われます。 しかし、近年公務員制度が大きく変わり、職務の質や職場環境が変化するもとで、公務員の安定神話は不安定化の荒波にのみ込まれようとしています。総人件費抑制方針のもとで、職務、職責に比して抑え込まれている賃金、行政需要を考慮しない人員配置とそれによる長時間労働、健康破壊、業務委託の推進や非常勤職員など不安定雇用の増大など、公務現場は急速に不安定化しています。その最大の要因は、行政改革の名のもとで推進された生産性の向上と言われています。本来の行政改革は、国民の権利、自由の保障のためであり、そのために無駄を省き、迅速かつ効果的に必要な行政を推進し、不必要な行政は排するという視点で検討すべきとされています。 しかし、近年の行革は、行政の質よりも減量、効率化自体が目的となって推進されています。今回の災害対応では、市の職員の皆さんのマンパワーの重要性が再認識されましたが、上田市の状況はどうでしょうか。市職員の条例定数は1,652人です。また、平成28年度、2016年度からの10年間で、2025年度には1,152人にするという定員管理計画があります。それぞれどのような基準で決めているか伺います。 実際の職員数は、それぞれ4月1日現在、平成27年度、1,186名、28年度、1,197名、29年度、1,221名、30年度、1,218名、今年度は1,234名です。この間、業務量に見合った配置として、必要に応じて増員してきたと理解しております。今後も土木、建築の技術職、保育士等行政需要の増大に伴う増員が予想されます。定員管理計画の見直しが必要ではないでしょうか、見解を伺います。 公務員の総人件費削減が進められていますが、国民の権利保障を担うセーフティーネットとしての行政需要はふえています。そのため、国も自治体も業務量に対応する必要なマンパワーを確保するため、臨時、非常勤職員を配置して辛うじて行政運営を維持しているのが実態です。2006年から2016年までに自治体正規職員は全国で約26万人減少し、274万人、非常勤職員は約21万人ふえ、64万人になったということです。正規職員が非正規職員に置きかえられている実態です。上田市の非常勤職員の直近3年間の配置状況を伺って5問といたします。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) まず、職員の定数につきましては、地方自治法第172条第3項の規定によりまして、上田市職員定数条例において、市長、議会、教育委員会などの各機関に常時勤務する一般職の職員を定数として定めております。この職員定数1,652人につきましては、合併協定書に基づき、合併時の4市町村の条例定数を基準に定めたところでございまして、職員数の上限を示しているものでございます。 平成28年3月に策定いたしました上田市定員管理計画につきましては、合併後の定員適正化における取り組みを踏まえまして、時代の趨勢に合った職員数の確保と管理を行っていくことを目的として出した計画でございまして、令和7年度における標準とする職員数を1,152人と定めているところでございます。この標準とする職員数は、平成27年4月1日時点の職員数を基準に、今後人口減少対策や高齢化社会への対応に必要な人員を算定した上で、平成27年4月1日から10年後の人口推計等を踏まえて定めたところでございます。 現在の職員数を踏まえた定員管理計画の見直しにつきましては、先端技術の活用、防災体制の強化、市民総参加のまちづくり及び新たな子育て支援事業などの事務事業の動向や、令和2年度から新たに導入します会計年度任用職員制度などを踏まえ、持続的な行政サービスの提供に向け、適宜必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。 続きまして、非常勤職員の直近3年間の部局別の配置状況でございますが、各年の4月1日現在の状況を申し上げます。まず、3年前の平成29年でございますが、市長部局837人、教育委員会事務局465人、上下水道局14人、合計1,316人、平成30年が市長部局が837人、教育委員会事務局が468人、上下水道局が15人、合計1,320人、平成31年度が市長部局が849人、教育委員会事務局が472人、上下水道局が18人、合計1,339人という状況でございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) ご答弁いただきました。 上田市では、非常勤職員が正規職員よりも多く、また年々ふえていることがわかりました。公務員は憲法15条第2項で、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないと定められております。この公正中立性こそが公務労働者の境地であり、厳しい倫理、服務規程に従いながらも、みずからの職務が国民の権利保障機能を担うという責任感で職務に当たっておられます。 しかし、臨時、非常勤職員の雇用不安は、職務に対するモチベーションの維持を困難にします。また、経験のある臨時、非常勤職員の雇いどめは、公共サービスの低下を招きます。行政の質の確保のためにも、正規職員の増員や非常勤職員の処遇改善、雇用の安定が必要です。先ほど申し上げた保育現場は、その典型とも言えます。見解を伺います。 今回の台風災害対応では、土木、建築などの技術職員の必要性が顕著となりました。技術職員の部局別、地域自治センター別の配置状況はどうか伺います。 また、技術職員を採用し、育成する取り組みはどうか伺って6問といたします。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 少子高齢化、人口減少社会を迎える中、さまざまな課題や行政サービスの多様化が推測されるところでございますが、将来を見据え安定した市民サービスを提供するためには、事務事業の見直しによる効率的な事業の推進に努める一方、市政の推進に必要な人員の確保が重要であると認識しているところでございます。 このような考えのもと、人員の配置に当たりましては、最少の経費で最大の効果が上がるよう、限られた人員の適正な配置と効果的な組織体制の構築を行うことが必要であると考えております。こうしたことから、毎年全ての箇所を対象に組織ヒアリングを行い、各課の人員体制や業務量、制度の変更や新たな課題等の把握を行い、効果的な組織体制を構築するとともに、適正な人員配置を行っているところでございます。 また、非常勤職員の処遇改善等につきましては、これまでも正規職員との均衡や近隣の自治体の状況等を総合的に勘案して、適正な処遇、雇用条件等の確保に努めてきたところでございますが、来年4月1日施行の地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律によりまして、新たに会計年度任用職員制度がスタートすることになります。 上田市におきましても、来年度から制度が適正に運用できますよう職員団体等とも協議を行いながら、改正法の趣旨を踏まえた制度の導入に向け検討を行い、さきの9月定例会におきまして関係条例案につきまして提案させていただきまして、ご議決いただいたところでございます。これによりまして、期末手当が支給可能となるなど一定の処遇改善が図られるとともに、任用面におきましても、年齢、性別、任用回数などによる制限は行わないとしたことから、公平性が確保された制度が構築できたものと認識しております。こうしたことから、当面の間は新たな制度の定着を図ることが重要であると考えておりますが、国や他の地方公共団体の取り組み状況にも注視しながら、引き続き非常勤職員の処遇改善等にも努めてまいりたいと考えております。 次に、技術職員の部局別の配置状況と技術職員の採用、育成の取り組みについてお答えいたします。まず、土木技師、建築技師などの技術職員の部局別の配置状況でございますが、平成31年4月1日現在で市長部局が98人、そのうち丸子地域自治センターに17人、真田地域自治センターに6人、武石地域自治センターにつきましては丸子地域自治センターの技術職員が設計業務等を担当しているため、配置がされていない状況でございます。また、教育委員会に5人、上下水道局に32人の技術職員を配置しておりまして、全体では135人になります。 次に、採用につきましては、近年の売り手市場や少子化の影響により厳しい状況が続いておりますが、特に技術職員の確保については、上田市に限らず、どこの自治体とも苦慮しているのが実情でございます。このような状況の中、職員の確保に当たっては、まずは多くの方に受験いただける制度となるよう毎年試験制度の見直しを行い、今年度につきましては、大卒程度の試験日を多くの団体が実施する統一試験日から2週間ほど早めて実施して、受験者数の確保を図ったところでございます。 また、採用枠につきましても、大卒程度のほか高卒程度や民間企業等経験者枠で試験を行い、幅広い年代と多様な人材が確保できるよう配慮するとともに、市内の大学、短大、高校における説明会へ参加したり、パンフレットを作成し、受験生への情報提供の一助として活用するなど、人材の確保のためさまざまな取り組みを行っているところでございます。特に人材の確保が困難な土木技術職につきましては、この秋に二次募集を行うとともに、今般の台風災害からの復旧に当たり、中長期的な対応が必要であることから、翌年度以降の採用予定者を前倒しで採用することなど、必要な人材の確保に向け再度の追加募集を現在行っているところでございます。 また、技術職員の育成に当たりましては、西沢議員の答弁でも触れましたとおり、職場内研修を一番の基本に据えながらも、専門的な知識の習得に当たっては積極的に外部機関の研修を受講するなど、技術職員としてのスキルアップに努めているところでございます。さらに、職員の配置に当たっても、職員個々の知識の習得状況を踏まえた配置に留意するとともに、人事異動の期間を比較的長期として技術職員としての専門的な知識や技術が習得できますよう、人材が育つ職場環境づくりにも配慮を行っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 古市議員。          〔17番 古市 順子君登壇〕 ◆17番(古市順子君) それでは、1問だけ、職員の安全衛生管理について質問いたします。 現在、身体や精神の不調で休職や長期の療養休暇を取得している職員は、それぞれ何名かお伺いいたします。 また、職場復帰に向けてどのような支援を行っているか伺います。あとの質問は割愛いたします。 以上で終わります。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 身体や精神に不調を来し、7日を超える長期の療養休暇を取得している職員及び90日を超えて療養する必要がございまして、地方公務員法の規定に基づいて休職になっている職員の数につきましては、令和元年11月1日現在で身体的な不調が2人、精神的な不調が5人の計7人でございます。この職場復帰に向けましては、対応が個々のケースによって異なってまいりますが、職場の所属長や総務課の担当保健師が定期的にヒアリングを行ったり悩みの相談などを受け、ケアを実施しております。相談等を行っている中で、職員本人から職場復帰の意思表示が伝えられた場合には、主治医に職場復帰が可能かどうかの判断を求め、本人、所属長を含めた調整を行って、職場復帰に当たっては、短時間勤務、軽度な定型的な業務への従事などの就業上の配慮を含めて柔軟に対応しております。 また、職場復帰後には、産業カウンセラーや担当保健師による面接などのフォローアップを実施して、職員の心身の健康の保持と再発防止に努めているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 古市議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 4時30分   休憩                       ◇                                午後 4時45分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇                       (8)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第17号、市政について、久保田議員の質問を許します。久保田議員。          〔29番 久保田 由夫君登壇〕 ◆29番(久保田由夫君) 本日最後の質問者となりました。さきに通告いたしました地域振興について、台風19号災害と対策について、順次質問いたします。 具体的な質問に入る前に、このたびの台風災害によりまして被災されました皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。また、災害復旧事業に当たられました全ての皆さんに、心より感謝いたします。 最初の質問は、三才山トンネル無料化と国道254号に関することであります。三才山トンネルは、2018年度の交通量として、ホームページによりますと年間264万4,192台で、1日当たり平均約7,200台となります。このうち大型車が786台、中型車669台、特大車も88台通過しております。国道254号は、東信地方と中信地方を結ぶ動脈であります。沿線住民にとっては生活道路でもあり、この路線を維持管理することが必要不可欠となっております。三才山トンネルは、来年9月1日から無料化されると報道されました。三才山トンネル無料化により交通量がふえることが見込まれるとともに、台風19号による影響も懸念されますので、次の5点につきまして質問いたします。 第1、鹿教湯トンネルの丸子側では大規模な崖崩れがあり、現在も災害発生時のままの状態となっており、今後の対策についての問い合わせも多く寄せられております。今後の対応策については、どのような方針で臨んでいるかを伺います。 第2、大塩地区では、内村川の増水のため道路が陥没したことから、現在は信号機による片側交互通行となっております。この道路は西内小学校の児童の通学路ともなっており、早期復旧が切望されておりますが、復旧の見通しはどうか伺います。 第3、国道254号と県道丸子荻窪線沿いでは、内村川に通じる中小河川の氾濫や土石流の流出により大きな被害が出ました。具体的には西内小学校より丸子側の平井地区の穴沢地域、茂沢地域、それに東内地区では虚空蔵地域、新屋地区などでは、土砂が道路にあふれたことにより大きな被害となりましたが、復旧対策についてはどう把握されているか。 第4、平井寺トンネルは無料化とともに駐車場とトイレは廃止になりましたが、三才山トンネル料金所上田市側に設置されております駐車場及びトイレは、今後どうなると聞いているか伺います。 また、7月に行われたサテライト市長室において、東内西内地区の安心安全環境を守る会からは、東内、西内間のどこかにドライバーの休憩施設の設置要望が出されたとのことであります。現在の三才山トンネル料金所にある駐車場とトイレが廃止になった場合、代替施設が必要と考えますが、市としてどのように考えているか伺います。 第5、台風19号災害により丸子公園方面から内村川にかかる歩道橋が落下し、その後平行している内村橋も橋脚の損壊により、現在は通行どめとなっております。内村橋は千曲バスの鹿教湯線の路線上にあり、現在は中丸子地区にかかる依田川橋まで迂回して運行されております。丸子体育館、丸子総合グラウンドを初め、近隣施設利用者や通勤通学に不可欠な内村橋の復旧の見通しについてどのようになっているか伺い、最初の質問といたします。 ○議長(小林隆利君) 竹花丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 竹花 国雄君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(竹花国雄君) 三才山トンネルの無料化と台風19号に伴う諸課題について何点かご質問いただきましたので、順次お答えいたします。 まず、鹿教湯温泉入り口の土砂崩落の対応についてのご質問でございますが、台風19号の豪雨により、湯の里天神社裏の山腹が崩壊し、斜面下方に位置する湯の里天神社が被災しました。いまだ山腹は不安定な状況であり、今後の降雨等により崩壊地が拡大し、再度土砂が流出し、下方に被害を与える危険性が高い状況になっております。このため、長野県上田域振興局林務課では、山腹の拡大崩壊を防ぐため、国の補助事業であります災害関連緊急治山事業において、のり枠工や土どめ工による復旧計画を国に申請して対応を進めていただいております。 次に、国道254号の大塩地区の道路陥没の復旧の見込みのご質問でございますが、内村川の増水により護岸が洗掘され、道路陥没が発生しました。現在、隣接地権者のご理解のもと、信号制御による片側通行の仮設の迂回路を確保していただいております。道路陥没箇所には、NTT光ケーブル並びに下水道本管が埋設されていることから、現在県はそれぞれの施設管理者と復旧方法について協議しております。また、通常の災害復旧で対応していますと時間を要することから、災害査定前に工事が発注できます応急本工事での早期復旧を目指して取り組んでいただいております。 次に、国道254号と県道荻窪丸子線では、中小河川の氾濫や土石流の流出により大きな被害がありました。その今後の対策についてのご質問でございますが、今回の土石流により国道254号へ土砂が流れたことが、通行どめの大きな要因となりました。穴沢地区、茂沢地区、虚空蔵地区、新屋地区においては、土石流により人家や国道等が被災しました。この4つの渓流は、市の普通河川で市の管理となっておりますが、上流部には不安定な土砂が依然として堆積している状況であります。上田建設事務所では、国の補助事業であります災害関連緊急砂防事業として採択されたことにより、砂防堰堤の工事を予定しております。この11月には、それぞれの地元関係者に事業説明会を開始したところでございまして、来年度末の堰堤工事を完成させるため、現在測量設計等を進めていただいております。 次に、三才山トンネル有料道路料金所に設置されております駐車場及び公衆用トイレが廃止された場合の対応についてのご質問でございます。現在管理しております長野県道路公社によりますと、無料化後には上田建設事務所が管理者となりまして、維持管理が困難なことから、トイレを廃止するとお聞きしております。国道254号は、先ほども申し上げたとおり重要な幹線道路と認識しており、三才山トンネル無料化により交通量増加が見込まれ、災害時での第一次震災対策緊急輸送路として役割を果たしております。 先ほど議員のご質問の中にもありましたが、現在進めております西内・東内地区の3バイパス沿線で構成されております東内西内地区の安心安全環境を守る会からも、平成30年11月13日に上田市長及び上田建設事務所長へ、国道254号沿線に休息施設の設置についての要望書が出されております。市といたしましても、交通事故や大雪などによる緊急的な通行どめが危惧されることから、現在上田建設事務所と協議しながら、財源等も踏まえて休息施設の設置が可能か検討してまいりたいと考えているところでございます。 次に、県道荻窪丸子線の内村橋の復旧の見通しについてのご質問でございますが、この内村橋は小学校の通学路や緊急車両及び地域交通の路線となっており、早期復旧が望まれております。所管する上田建設事務所によりますと、復旧に当たっては全橋かけかえも含めて復旧方法について現在検討中でありますが、ボーリング調査などを進め、国の災害復旧査定を経て復旧方法が決定する予定であります。復旧時期について未定でありますが、早期復旧を目指していただいており、情報が入り次第地域の皆様にお知らせしたいと考えております。なお、落橋しました歩道橋につきましては、増水等により被害拡大が懸念されるため、応急工事により撤去を進めていただいております。 いずれにしましても、今回の台風19号によりまして、国道254号沿線は甚大な被害を受けており、上田市としましても上田建設事務所と協力して、一日も早い早期復旧ができるよう考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 久保田議員。          〔29番 久保田 由夫君登壇〕 ◆29番(久保田由夫君) 答弁を踏まえて市長に再質問いたします。 今回の台風災害は、気象庁が設置しています地域気象観測システムアメダス観測所では、鹿教湯温泉において10月12日の1日の雨量は320ミリとなり、観測史上1位とのことであります。この雨量は、年間の降雨量の約3分の1にも匹敵するものであり、このことにより内村川の沿線地域で多くの災害が発生いたしました。答弁では、応急復旧事業及び本復旧事業は、主に県あるいは国において実施するということであります。今回被災されました地域の関係者にとりましては、道路や橋梁、災害箇所の早期復旧、災害のリスクを減らす減災・防災対策としての治山治水対策を望んでおります。県や国への効果的な要請活動など市長の所見を伺います。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 今回の台風19号につきましては、上田市全域に甚大な被害が発生しておりますが、特に丸子地域の鹿教湯観測所においては、議員ご指摘のとおり上田市内最大の降雨量となりました。このことにより、西内・東内地区の内村川及び国道254号沿線地域においては、甚大な被害が数多く発生しております。先ほどセンター長からも答弁ありましたが、国道254号は重要な幹線道路であり、5日間もの長い期間通行どめになったことは、医療、観光、物流に大きな影響をもたらしました。 現在、上田建設事務所で応急復旧していただいておりますが、国道254号の大塩地区の道路陥没や内村橋の橋梁災害について、早期復旧をお願いしているところであります。また、二次災害の防止のため、減災・防災対策として、県においては災害関連緊急治山事業や災害関連緊急砂防事業を早期に進めていただけるよう、引き続きお願いしたいと考えております。 今回の台風19号に関して、10月20日に長野県知事とあわせて長野県市長会長を通じまして、国へ令和元年台風第19号に伴う災害対策に関する緊急要請をしております。今後は上田市としても、近々に県に対して要請していきたいと考えております。上田市といたしましても、よりよい復興の考えのもと、一日も早い災害復旧や減災・防災対策を進めていただけるよう、市民の皆様のご協力をいただきながら国、県への要望活動を積極的に進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 久保田議員。          〔29番 久保田 由夫君登壇〕 ◆29番(久保田由夫君) 災害復旧を最優先事項として引き続き取り組まれることを期待しております。 次の質問に移ります。丸子地域自治センターの庁舎改修に関することであります。旧丸子町役場庁舎でありました現在の丸子地域自治センター庁舎は、市民への行政サービスを提供する施設、防災の拠点、さらにまちづくりの拠点施設として、丸子地域にとっては重要な公共施設であります。 そこで、次の2点を伺います。第1、既に実施設計が終わり、今議会にも関連議案が上程されておりますが、事業の概要について、今後のスケジュールを含めて伺います。 第2、今回の事業は4階建て部分の南側庁舎の耐震補強と改修事業とのことであります。今回の事業に含まれていない北側庁舎についての今後の予定について伺います。 ○議長(小林隆利君) 竹花丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 竹花 国雄君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(竹花国雄君) 丸子地域自治センターの庁舎改修の実施設計と今後のスケジュールについて答弁させていただきます。 丸子地域自治センター庁舎耐震化事業実施設計業務委託につきましては、平成31年2月から着手しまして、令和元年10月15日に完了いたしました。耐震補強計画におきましては、南棟、北棟全般にわたりまして、外壁塗装剤のアスベスト含有調査等を含め、既存コンクリート構造体や設備の綿密な調査を行いました。その結果に基づく耐震補強設計により、南棟につきましては、1階に耐震ブレース6カ所、鉄筋コンクリート造耐震壁2カ所、耐震スリット4カ所、2階については耐震ブレース7カ所、鉄筋コンクリート造耐震壁が1カ所、3階については耐震ブレース6カ所、4階についてははり補強4カ所及び共有部のエレベーター改修が必要となりました。 南棟の改修につきましては、来庁者が最も多い1階に耐震壁が設置されることから、来庁者が迷うことなく窓口のワンストップサービスが展開できるよう執務室の再配置を行い、1階の床、壁、天井の改修と照明器具のLED化を行います。加えてバリアフリー化のための正面玄関スロープの増設、また劣化した外壁のひび割れ補修と塗装を行います。工事の予定につきましては、今議会において本契約をお認めいただいた後に、来年1月から庁舎内で執務室を移動しながら工事を進めまして、令和3年3月に完成予定としております。 続きまして、北棟の今後の予定でございますが、北棟につきましては、現況調査を行った結果、2階鉄骨部分に耐火被覆材の吹きつけアスベストがあることが判明いたしました。また、北棟内の受電設備や冷暖房設備機器も経年劣化で頻繁に故障もしていることから、設備機器の更新方法や北棟の耐震補強について総合的に検討した結果、耐震補強した場合多額の費用がかかることが判明したため、今後は設備機器を南棟に分散配置し、北棟を解体することとしました。なお、北棟への渡り廊下につきましては、南棟の改修にあわせて解体撤去する予定でございます。 また、北棟に隣接しております北部倉庫、北部事務所につきましても、建物自体の劣化が著しく、防犯上、防火上危惧している状況でございまして、北棟解体後の北部エリアの一体的な整備が必要と考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 久保田議員。          〔29番 久保田 由夫君登壇〕 ◆29番(久保田由夫君) 北側庁舎につきましては、取り壊して更地にするというふうな方針だそうです。隣接の公共施設の再配備を含めまして、有効に活用されるよう望んでおります。 次に、椀子ワイナリーの開設に伴う今後の課題について伺います。上田市で初のワイナリーとなるシャトーメルシャン椀子ワイナリーは、2003年に開園したマリコヴィンヤードの中に、9月21日、360度を畑に囲まれたブドウ栽培からワインづくりまでを公開するブティックワイナリーとしてオープンいたしました。関係者が待望していた夢が実現したもので、上田市にとっても大きな可能性が広がる事業でもあります。椀子ワイナリーは、地域と共生するブティックワイナリーとして、誰でも参加できる植樹、除葉、収穫作業体験に加えて、農業と福祉の連携した事業、長野大学との連携、地元食材の利用促進など、3つのコンセプトで事業を展開しております。 椀子ワイナリーへのアクセスは、ワイナリーには駐車場も完備されておりますが、当然ながら運転手はテイスティングできないので、交通機関を利用する場合は最寄りの駅から基本的にタクシーになります。およそ1,500円から3,500円前後の負担が必要となるのが現状です。椀子ワイナリーまでの交通手段について、利用者の立場から改善できないか伺います。 次に、ワインツーリズムに関することです。ワインツーリズムは、欧米では広く知られたワイン好きの旅のスタイルです。ワイナリーをめぐってブドウ畑を見学したりテイスティングを行い、オーナーと触れ合う大人の遠足とも表現されております。近隣の自治体とも連携したワインツーリズムを進めていく必要があると思いますが、どのように考えているか、取り組みの状況を伺います。 ○議長(小林隆利君) 竹花丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 竹花 国雄君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(竹花国雄君) 椀子ワイナリーへの交通手段についてのご質問でございます。 上田市として初となる椀子ワイナリーが9月21日オープンいたしました。メルシャン株式会社によりますと、オープニングイベント3日間では約4,000人の来場者があったとのことでございます。また、翌月10月に行われました地元農産物を使った食のイベント、椀子マルシェの3日間では3,000名余の来場者があり、大盛況であったと伺っております。その後、1日の来場者は、平日では1日平均150人、土、日、祝日は500人程度の来場者があり、地元の方々を初め、県内外から大勢のお客様が訪れる人気のスポットとなっております。 椀子ワイナリーは、その性格上、ワインというアルコール飲料を提供、試飲できる場所であることから、現在ではハンドルキーパーを確保したマイカー、観光用バス、タクシーなどを利用して訪れる状況となっております。椀子ワイナリーは、市街地から離れた陣場台地という場所に位置しており、最寄りの公共交通機関の駅やバス停などから距離があることなどから、今後来訪者の利便性等を考えると、お越しいただくためには、何らかの交通手段の確保や道路環境の整備などが必要であると考えております。 道路環境の整備といたしましては、主要地方道丸子東部インター線、市道丸子北御牧線、通称千曲ビューラインからのアクセス向上のために、現在道路拡張事業を進めております。また、今後来訪者がわかりやすく安心してお越しいただけるよう、主要地点に案内標識の設置をしてまいりたいと考えております。 さらに、椀子ワイナリーへの最寄りの公共交通機関として、大屋駅から県道芦田大屋停車場線を通り立科までを結ぶ路線バス、中仙道線が運行されております。ことしの10月上旬には、バス事業者に対しまして、同路線のバスのワイナリーへの乗り入れについても可能かどうか、打診したところでございます。今後もバス事業者とは、粘り強く協議を重ねてまいりたいと考えているところでございます。 次に、ワインツーリズムについてのご質問でございます。椀子ワイナリーは、地域の産業、経済との共生をコンセプトの一つに掲げられております。ワイナリーに訪れた大勢の観光客を市内のさまざまな観光地、温泉宿泊施設、飲食店などへ回遊していただくとともに、周辺自治体と連携し、さまざまなワイナリーやワイン用ブドウ畑をめぐるようなワインツーリズムを推進していくことは、地域の活性化を図るためにも必要なことであると考えております。 今年度もしなの鉄道と連携したワインツアーの実施、一般社団法人信州上田観光協会の観光タクシープランに、椀子ワイナリーと東御市のワイナリーをめぐる旅タクプランの追加拡充、鹿教湯温泉旅館組合で企画したマリコヴィンヤード、ワイナリーオープン記念ツアーなどが実施されたところでございます。 また、近隣8市町村で構成する千曲川ワインバレー特区連絡協議会でも、ワインを活用した観光施策を進めていく必要性を認識しており、今年度からは観光担当部署も参画しながら、これからの方向性等について協議や意見交換を行っております。今後も圏域内のワインツーリズムを推進するに当たりまして、広域的な周遊、回遊策を研究し、地域に根づいた観光振興策を、構成市町村や関係機関と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 久保田議員。          〔29番 久保田 由夫君登壇〕
    ◆29番(久保田由夫君) それぞれの取り組みについて紹介がありました。引き続きよろしくお願いします。 続きまして、台風19号災害と対策についての質問に移ります。第1として、観光産業への支援策であります。11月15日に開催されました全員協議会で提出された台風19号に伴う被害状況及び災害対応についてでは、商工業に関する被害状況で、間接被害として宿泊予約キャンセル59件、6,689人との報告がありました。私も鹿教湯温泉のホテル、旅館業を営んでいる方からも直接状況を伺いました。今回の台風災害によりキャンセルが相次いだことにより大きな影響を受け、観光業にとっては秋の紅葉やマツタケ料理などのトップシーズンは1年に1回であることで、取り返しは難しいとのことでございます。国においては、ふっこう割などの観光産業への支援措置がとられました。台風災害により大きな打撃を受けました観光産業に対して、市独自施策を含めて検討できる支援策はないのか伺います。 第2として、平成22年の豪雨災害の際は、被災者の早期生活再建と経済的負担を軽減するために豪雨災害等被災者支援金制度を市独自に創設し、被災者に対して支援を行いました。今回の台風19号災害は、平成22年の豪雨災害を上回る状況であり、被災者を支援するために同様の制度を創設する考えはないか伺います。 第3として、台風19号災害では、自主防災組織やまちづくり組織が大きな役割を果たし、その重要性を認識できました。このことから、今回の災害の教訓を生かすためには、自主防災組織の防災訓練がますます重要になると考えております。まちづくり組織では、防災訓練ハンドブックを作成しているところもあり、参考としたい事業であります。このような防災訓練ハンドブックへの支援や、防災訓練そのものの実施率を上げるためにどのように考えているか伺います。 第4として、市内241の自治会に対応する自主防災組織が系統的、計画的に防災訓練を実施できるようにするためには、市の独自事業でもあります自主防災組織防災用資器材購入補助金交付要綱を充実する必要があると思いますが、この点を伺いまして質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 大矢商工観光部長。          〔商工観光部長 大矢 義博君登壇〕 ◎商工観光部長(大矢義博君) 私からは、台風19号災害における観光産業に対する支援についてご答弁申し上げます。 台風19号の影響による大変多くの宿泊キャンセルは、別所温泉や鹿教湯温泉を初め、市内のホテル、旅館にとって大きな痛手であり、観光産業全体の停滞につながりますので、早急な支援を講じていく必要があると認識しております。また、これから1年を通じて宿泊客が最も減少する冬期間を迎えますことから、積極的な誘客に取り組まなければならないと考えております。 こうした中、長野県においては、県内の観光需要を回復させるため、長野県ふっこう割が実施されることとなりました。このふっこう割は、年末年始を除く12月中旬から来年3月中旬までの間、県内を宿泊地とする旅行・宿泊商品に対して、1人1泊につき最大5,000円を補助するなど、旅行代金に応じて割引支援を行うもので、外国人旅行者も対象となります。また、あわせて県では、風評被害の払拭と観光需要の喚起に向けたプロモーション事業等を支援する地域や事業者との連携事業として、市町村観光協会、関係団体が実施するイベントや宣伝事業に対する補助事業が実施される予定でございます。 市といたしましては、まずはこれらの県の事業を積極的に活用することで、観光需要の回復に取り組んでまいりたいと考えております。まず、ふっこう割につきましては、信州上田観光協会を中心に首都圏の旅行代理店に対して、市内への宿泊を伴う旅行商品の造成を働きかけるキャンペーンを行ってまいります。また、ふっこう割の活用方法等を観光協会のホームページに掲載し、情報発信をしっかりすることで、市内により多くの観光客を呼び込むよう取り組んでまいります。 次に、地域や事業者との連携事業といたしましては、別所温泉及び鹿教湯温泉への誘客につなげる冬季の新たな催しを計画したところであり、今定例会の補正予算に関連経費を計上させていただきました。この催しは、今月末から鹿教湯温泉で開催される氷灯ろう夢祈願と連携し、来年2月に別所温泉において歴史と文化を生かすライトアップを行うもので、長野灯明まつりとの広域連携イベントとしても位置づけ、台風被害からの復興をテーマとして、別所、鹿教湯、両温泉地への誘客につなげるものでございます。このほか市独自の取り組みといたしまして、現在温泉地の観光協会等にも要望を募っているところでもございますけれども、今後信州上田観光協会を中心に、さいたま市のまるまるひがしにほん東日本連携センターを初め、東急電鉄田園都市線たまプラーザ駅、銀座NAGANO等、首都圏における誘客キャンペーンを強化してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 私からは、台風19号被災者への支援について答弁させていただきます。 今回のような大規模災害に対する市独自の支援制度としましては、平成22年7月及び8月に発生した豪雨または突風による災害により、住宅に著しい被害を受けた被災者に対し豪雨災害等被災者支援金制度を創設し、通常の災害見舞金に上乗せして特例的に支援金を支給した経過がございます。この支援金制度の支給実績ですが、床上浸水45件、床下浸水16件、突風被害6件、計67件の被害に対し、最大200万円、最少2万3,000円、合計で2,339万7,000円となっております。台風19号災害における住宅の被害件数が平成22年豪雨災害等と比較して大幅に上回っていることや、平成22年豪雨等では適用されなかった災害救助法や国及び県の被災者生活再建支援制度が適用されていることからも、今回の災害がこれまでに類を見ない災害であると認識しており、被災者の生活再建に向けた支援が急務であると考えております。 台風19号の被災者に対しては、住宅被害のうち全壊世帯には最大300万円、大規模半壊世帯には最大250万円が国の被災者生活再建支援制度に基づき支給され、半壊世帯には県の被災者生活再建支援制度により50万円が支給されることとなっております。一方、半壊に至らない準半壊、一部損壊の世帯に対しましては、現行制度では市から災害見舞金が最大5万円支給されることになっておりますが、床上浸水世帯に対する県の災害見舞金5万円を加えましても、最大10万円しか支給されません。 このため、同じ床上浸水でも、被害程度によって支給される金額に大きな格差が生じますことから、この格差を埋める制度が必要であると考えており、引き続き被災状況の詳細な把握に努めながら、被災者の早期生活再建と負担軽減に向け、今回の災害に対する市独自の支援制度の創設について検討しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 中村総務部長。          〔総務部長 中村 栄孝君登壇〕 ◎総務部長(中村栄孝君) 私からは、最初に防災訓練ハンドブックへの支援や防災訓練の実施率の向上についてお答えいたします。 近年、全国各地で地震や豪雨などによる災害が頻発する中、地域住民による助け合いや自治会単位を超えた協力、連携による取り組みが報道されることも多く、また今回の台風災害の経験を受け、改めて地域住民が主体となって、日ごろから防災・減災に向けた活動に取り組むことの必要性を実感しているところでございます。上田市では、これまで出前講座や各種研修会、自主防災組織の長を対象としたリーダー研修会など機会を捉えて、過去の災害事例を引き合いに出しながら自助、共助の重要性を伝えるとともに、特に共助を担う自主防災組織の長に対しましては、組織としての活動の参考としていただくよう自主防災組織活動マニュアルを作成し、配布しているところでございます。 議員ご紹介の防災訓練ハンドブックにつきましては、平成31年3月に川西まちづくり委員会と川西地区自治会連合会共同で作成された川西地域防災訓練ハンドブックでございます。このハンドブックを拝見いたしますと、防災訓練の目的や必要性、地域の実情に合わせた訓練メニューが、写真やイラストを交えて紹介されておりまして、防災訓練を切り口に、自治会単位を超えて地域住民が一体となって、防災・減災に主体的に取り組む事例の一つと言えます。市でも、このような地域住民が主体的に取り組む防災訓練ハンドブックの作成に当たりましては、長野県自主防災アドバイザーや消防団など関係機関とも連携しながら、積極的に支援してまいりたいと考えております。 また、市内の自主防災組織の訓練実施率につきましては、おおむね60%を超える程度となっており、過去の推移を見ましても、ほぼ同様となっております。市へ提出されます訓練の実施報告書からは、防災訓練を実施する自主防災組織はほぼ同じでございまして、訓練の内容も固定化しているように見受けられます。 市といたしましては、過去に発生した数多くの災害の教訓を踏まえて、地域の実情に合った防災訓練を地域住民みずから主体的に考え、取り組むことが大切であると認識しておりまして、さまざまな事情で訓練が実施できない自主防災組織が例えば防災訓練ハンドブックの活用を通じて、比較的容易な手法でも訓練ができれば、実施率の向上につながるものと考えております。引き続き実施率の向上につながるよう、訓練方法の工夫や先進事例の紹介等自主防災組織が求める各種情報に関して、研修会などを通じて随時提供してまいりたいと考えております。 次に、自主防災組織防災用資器材購入補助金交付要綱を充実する必要があると思うがどうかとのご質問にお答えします。平常時の被害防止や災害発生の初期対応において、自主防災組織の役割は非常に重要であり、その活動に必要な各種防災用資器材の保有状況によっては、時に地域住民の人命を左右することも考えられます。 そこで、市では自主防災組織における防災用資器材の整備、充実を図るため、自主防災組織防災用資器材購入補助事業を設け、防災用資器材の購入に要する経費に対して補助率2分の1以内、上限5万円で補助金を交付しております。この補助対象項目につきましては、投光器、トランシーバー、ブルーシートなど合計57品目を定めております。各自主防災組織においては、組織編成や地域の実情、訓練の結果の検証等を踏まえ、補助事業を活用いただいているものと思われますが、補助率や上限額の制約から、発電機など比較的高価な資器材の購入については、手控える傾向にあるとも考えております。 過去には、東日本大震災を受けまして、自主防災組織の活動強化を目的に、平成24年度から平成28年度までの5年間、補助率を2分の1以内から3分の2以内に引き上げるとともに、上限を5万円から20万円とした経過もございます。その際は、自主防災組織の長を対象としたリーダー研修会を通じて補助事業の活用を促すとともに、上田市防災訓練において備蓄資器材の使用体験の場を設け、資器材の購入を検討する際の参考としていただきました。今回の台風災害を受けて、自主防災組織が主体となって第一次避難場所の開設といった応急対策活動がなされており、組織内での活動に必要な資器材の過不足も検証されているものと思われます。 市といたしましては、今後の台風災害の検証作業の中で、自主防災組織における資器材の保有状況や各種活動での活用状況の把握を行いながら、現在の防災用資器材の購入補助事業の見直しを検討してまいりたいと考えております。あわせまして、購入した防災用資器材を有効に活用できるよう、各自主防災組織における系統的かつ計画的な防災訓練の実施について、消防団や長野県自主防災アドバイザーといった関係機関と連携しながら支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 久保田議員の質問が終わりました。 お諮りします。日程はいまだ未了ですが、本日はこの程度にとどめ延会したいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小林隆利君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決しました。 次回はあす4日午前9時30分から会議を開きます。 本日はこれにて延会します。          午後 5時28分   延会...