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06月15日-一般質問、議案質疑、議案付託-04号

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  1. 上田市議会 2016-05-08
    06月15日-一般質問、議案質疑、議案付託-04号


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    最終取得日: 2021-07-10
    平成28年  6月 定例会(第2回)議事日程 第 1 一般質問   (1)地方消滅論と地方創生政策について   (2)市政について   (3)「真田丸」放送終了後の地域振興策と上田市のPR方法について   (4)市政について   (5)市政について   (6)市政について   (7)次世代をになう子どもたちをはぐくむ学校給食について 第 2 議案第69号から第71号 第 3 議案第72号 第 4 議案第73号及び第74号 第 5 議案第75号から第82号 第 6 報告第1号 第 7 報告第2号 第 8 報告第3号から第8号                                              本日の会議に付した事件 日程第1から第8まで                                              出席議員(30名)    1番   林     和  明  君     2番   佐  藤  論  征  君    3番   山  田  英  喜  君     4番   成  瀬     拓  君    5番   松  尾     卓  君     6番   小 坂 井  二  郎  君    7番   金  子  和  夫  君     8番   土  屋  勝  浩  君    9番   松  山  賢 太 郎  君    10番   井  沢  信  章  君   11番   松  井  幸  夫  君    12番   宮  下  省  二  君   13番   原     栄  一  君    14番   池  田  総 一 郎  君   15番   古  市  順  子  君    16番   金  沢  広  美  君   17番   三  井  和  哉  君    18番   下  村     栄  君   19番   西  沢  逸  郎  君    20番   安  藤  友  博  君   21番   尾  島     勝  君    22番   土  屋  陽  一  君   23番   佐  藤  清  正  君    24番   小  林  隆  利  君   25番   南  波  清  吾  君    26番   久 保 田  由  夫  君   27番   渡  辺  正  博  君    28番   半  田  大  介  君   29番   池  上  喜 美 子  君    30番   深  井  武  文  君                                              説明のため出席した者     市    長   母   袋   創   一   君     副  市  長   井   上   晴   樹   君     秘 書 課 長   室   賀   久   佳   君     政策企画部長   西   入   直   喜   君     総 務 部 長   宮   川       直   君     総 務 課 長   柳   原       渉   君     財 政 部 長   小 野 塚       究   君     財 政 課 長   山   口   武   敏   君     市民参加協働   片   岡   文   夫   君     部    長     上田地域自治     セ ン ター長     生活環境部長   山   口   泰   芳   君     福 祉 部 長   櫻   田   幸   士   君     福祉事務所長     健 康 こども   神   代   芳   樹   君     未 来 部 長     商工観光部長   倉   島   義   彦   君     農 林 部 長   保   科   隆   夫   君     都市建設部長   峰   村   孝   典   君     消 防 部 長   長 谷 川   好   明   君     丸子地域自治   谷   仲   英   彦   君     セ ン ター長     真田地域自治   岩   倉   範   明   君     セ ン ター長     武石地域自治   木   藤   忠   彦   君     セ ン ター長     会 計 管理者   樋   口   孝   子   君     上下水道局長   宮   澤   正   彦   君     教  育  長   小   林   一   雄   君     教 育 次 長   中   村   栄   孝   君                                              事務局職員出席者     事 務 局 長   鳴   澤   宏   紀   君     事 務 局次長   金   井   浩   一   君     議会担当係長   星   野   陽   一   君     主    査   市   川   章   弘   君     主    査   山   崎   哲   規   君     主    査   徳   永   頼   信   君          午前 9時30分   開議 ○議長(土屋陽一君) これより本日の会議を開きます。                       ◇ △日程第1 一般質問(1)地方消滅論と地方創生政策について ○議長(土屋陽一君) 日程第1、一般質問を行います。 まず、質問第17号、地方消滅論と地方創生政策について、久保田議員の質問を許します。久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) おはようございます。さきに通告しました地方消滅論及び地方創生政策について、順次質問してまいります。 最初は、地方消滅論に関連して質問いたします。日本創成会議が2014年5月8日公表した、いわゆる増田レポートによる地方消滅論は、その後の国と地方自治体の政策に大きな影響を与えました。内容は、2040年に全国の半数の自治体が消滅する可能性があるとして、マスコミ等で消滅可能都市、消滅自治体、そして地方消滅とエスカレートしました。自治体消滅論は、若年女性人口の比率が半分になることをもって、自治体消滅や自治体再編に飛躍しており、余りにも短絡的であり、政治的な背景があると私は考えます。 地方消滅論の最大の問題点は、なぜここまで急速に人口減少や少子化が進み、全国的に地方経済が地方だけでなく東京など大都市においても衰退したかという原因分析がなされていないことであります。原因分析なしに、地方都市において本来求められている地方再生のための適切な処方箋はないと考えます。 国勢調査の速報値によると、平成27年10月1日現在、長野県全体の人口は209万人余、5年前から5万2,690人、2.4%減少となりました。市町村別では77市町村のうち、3市町村で増加、74市町村で減少となり、上田市も減少しました。長野県内で3つの自治体で人口がふえておりますが、上田市との違いをどう分析しているのか。また、市の総合戦略を具体化するためにどう生かしていくのか伺い、最初の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 西入政策企画部長。          〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕 ◎政策企画部長(西入直喜君) おはようございます。久保田議員のご質問にご答弁いたします。 国勢調査の速報値によりまして、県内の自治体3つで人口がふえておりますが、上田市との違いはどうか。また、総合戦略にその分析の結果をどう生かしていくかということでございます。 平成27年国勢調査の結果、速報によりますと、上田市の人口は15万6,909人と、平成22年の前回調査と比較して2,688人の減、率にして1.7%の減少となっております。県内で前回の国勢調査から人口が増加した自治体は、南箕輪村の527人、率で3.6%の増、御代田町が459人、3.1%の増、松本市が346人で0.1%の増の3つの自治体でございます。 この国勢調査の結果速報では、人口区分等のデータが公表されておりませんので、公表されております平成27年の毎月人口異動調査からこの3つの自治体の特徴を見てみますと、県内他の自治体に比べて、人口に占める65歳以上の老年人口の比率が低く、逆にゼロ歳から14歳までの年少人口の比率が高いという共通点が見られます。 自然動態を見ますと、南箕輪村は、出生数が死亡者数を上回っておるということでございます。御代田町は、人口は減少しておりますが、出生数と死亡者数の差が小さく、自然減のスピードが抑制されているものと考えております。また、社会動態では、南箕輪村、御代田町、ともに転入が転出を上回る社会増となっております。 松本市につきましては、平成27年の人口異動調査を見ますと、自然動態で減少し、社会動態もわずかに転出が上回り、社会減となっているということでございますが、居住人口を捉えます国勢調査では、前回調査と比較して人口増となっている状況でございます。 これに対しまして上田市でございますが、65歳以上の老年人口が29.9%でありまして、県内19市中11番目に高齢化が進んでいる状況にございます。また、年少人口の比率は13.1%と、これは県の平均とほぼ同じでございます。自然動態では、死亡者数が出生数を627人超過しておりますが、一方、社会動態では322人の転入超過となっております。この社会増は、平成23年から27年まで5年連続の社会増ということでございます。人口が増加した3自治体と上田市との大きな違いは、自然動態の差ということでございます。この差は高齢化率の程度によるものであると考えております。 また、今回、人口が増加した3つの自治体にヒアリングいたしました。その各自治体担当者が人口増につながったと認識している点は次のとおりでございます。 まず、南箕輪村は、土地、家賃が周辺に比べて安いこと。また、他の自治体に先駆けて、子供の医療費や保育料の助成を実施し、子育てに優しい村として内外に認知されており、子育て世代が暮らしやすい。周辺市町村に働く場がある。また、信州大学農学部があって、学生が村内に暮らしているということが挙げられたということでございます。 御代田町でございますが、こちらも、土地、家賃が周辺に比べて安く、ベッドタウンとなっておるということ。また、町内に規模の大きい会社もあり、周辺からも人が集まっていることがあるということでございました。 松本市でありますが、健康寿命延伸都市政策パッケージにより、人がふえている。また、大学や企業が集積しており、県内外からの人口流入が多いということ。また、観光による交流人口もふえているという分析のことでございました。 このように、いずれの市町村もその地理的条件や地域の特性に応じた環境を中長期的に整備することで人口増加の結果に結びついていると思われます。 当市におきましては、4つの大学等を有する学園都市、製造業を基幹産業とするものづくり都市、文化と芸術の創造都市、医療・福祉の充実した健幸都市といった特性、また強みを生かしたまちづくりを進めていくことが、今後の人口増につながるものと考えております。 昨年度、上田市では、目指すべき将来の方向性と人口の将来展望を上田市版人口ビジョンとして取りまとめ、10年後の平成37年時点での目標人口を14万人以上と定めました。今後、この人口ビジョンの目標達成に向け、さきに述べました上田市の特性、強みを生かしまして出生数の増加や若年層の定住促進を図るべく、総合戦略に掲げます、仕事の創出と雇用の確保、子育て支援、交流拡大による移住定住促進といった政策について重点的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 次に、地方創生政策について質問いたします。 現在進められている地方創生政策は、我が国の形や将来にとって重要な戦略課題として位置づけられております。まち・ひと・しごと創生総合戦略は、増田レポートが公表されて半年後の地方消滅論が広く浸透した2014年12月27日、閣議決定されたもので、一斉地方選挙前の絶妙なタイミングで打ち出されました。人口統計から見て、人口減少社会が進むことは間違いございません。大きなインパクトを与えた地方消滅論並びにその上で展開されているのが地方創生政策であり、各自治体が知恵を絞って作成し、実行しているところであります。これで上田市は元気になり再生されるのか。また、少子化問題は解決できるのか。市長の見解を伺い、2回目の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 久保田議員の質問に答弁いたします。 地方創生政策と少子化問題ということでございました。上田市におきましても、まず政府の地方創生政策に基づきまして、平成27年10月に上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略、あわせて上田市版人口ビジョンを策定したことはご案内のとおりでございます。 私は国の地方創生政策に対して評価したことは、1つに、やる気のある自治体を国は応援するということ。2つに、地方自治体の独自の戦略で事業推進が図られるということ。このことは、これまでとは違う国のやる気、あるいは大臣の覚悟の話を聞くにつけ、感じました。座して、しようがないと、この人口減少状況をするのか。とにかくさまざまな施策を講じて、流れにさお差し反転させるのか。これはトップとしても問われるものと思っております。 その中で、戦略の中においては、地域の特性、課題を踏まえて、仕事・雇用対策、結婚子育て支援策、観光・定住・移住促進策、そして医療・福祉等の充実、この4つを推進することとして、戦略に基づき、地方創生の基本的な考え方であるまち・ひと・しごとの創生と好循環の確立、そして人口減少、地域経済縮小の克服、これに取り組んでいるところでございます。 国が展開いたします地方創生の制度設計、あるいは個々の政策については、これはさまざまなご意見はありましょうが、地域の資源を改めて見直して活用し、そして地域に新たな価値、加えて経済循環をつくるという基本的な考え方そのものについては、私も全く同感と考えております。国の政策方針をきっかけに、国の施策を有効に活用しながら、地方があくまでも主体となって地域に合った地方創生を実現することが重要だと考えます。 一方、地方創生の実現ということに関しましては、国と地方が一体となって推進してこそ効果が得られまして、将来にわたり持続可能な社会の実現ができ上がる、そんな可能性を秘めたものと思っております。財源においては、特に少なくともこの5年間は安定的税財源の確保が不可欠でございまして、国に対し、引き続き強く求めていくべきと、このように考えております。 次に、少子化問題についてでございますが、これは国を挙げて対策に取り組んでいるさなかではございますが、国の責任による一層踏み込んだ出生数増加策が必要と考えております。しかし、上田市としましては、これまで「子育てするなら上田市で」を掲げまして、福祉医療制度の拡充とか多子世帯の保育料減免、子育て相談、子育て環境の充実を図るとともに、希望する子供の数を持てるよう、市として先駆的な施策も講じ、でき得る限りの支援を行ってまいりました。それら施策の推進効果もあったと思いますが、上田市の合計特殊出生率は、平成15年度の1.40から、最新公表数値である平成26年度におきましては1.57まで上昇傾向を示しているところでもございます。 この少子化問題というのは、一朝一夕で解決できるものでは到底ございません。それでも、長期的な視点に立って、持続的に社会が活力を保つために、地域に合った創意工夫を重ねることで市民の子育てに係る将来負担に対する不安の解消を図り、地域の若者が安心して子供を産み育てられる、そのような元気な上田市を築いてまいりたい、このように考えております。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 今、市長から答弁がございました。 全国市長会では、人口増加した自治体の要因として、雇用と良好な子育て、教育環境が影響していること。さらに、親族、友人等から子育てのサポートが受けられること。そして、地域コミュニティーが充実していることなどを挙げております。上田市もこの方向を一層強めていけばいいのではないかというふうに思っているところでございます。 次に、持続可能な地域循環型経済について質問いたします。持続可能な地域循環型経済の展望と課題として、多国籍企業の国際競争拠点から住民本位の地域経済再生への転換が必要だと私は考えております。大都市は、経済効率優先でつくられた、いわば人工都市であるのに対し、地方は食料、エネルギーの供給地域、社会保障の受け皿、観光資源が豊富であります。日本全体では人口は減りますけれども、地方ではできるだけ人口を維持することが、日本が今抱えている今日的な課題を解決し、明るい展望を切り開くというふうに考えます。したがって、食料、エネルギー、観光、社会保障の分野で、地方都市である上田市が積極的な役割を果たすことが上田市でかなりの雇用が確保できる方向だと考えます。 そこで、疲弊している地域を再生するには地域資源を生かした持続可能な地域循環型経済を目指すべきであると思いますけれども、見解を伺います。 ○議長(土屋陽一君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 地域循環型経済を目指すということでご質問がございましたが、ご指摘のとおり、この地域の強みをどう生かしていくかというのは大変重要な視点だと思います。持続可能な地域の再生とか活性化を目指す上において重要なことは、やはり地域資源を生かした製品、あるいはサービスの創出、また地域課題の解決など潜在ニーズを掘り起こした需要創造型のビジネス、こういったものの創出などによって、地域の付加価値、また生産性の増大を図りながら、地域の経済循環を起こすことであろうと考えております。 そんなことからも、この上田市版の総合戦略の中には、第一に仕事をまずつくるということで最重要課題と位置づけております。具体的には、基幹産業である製造業の技術力や産学官連携支援施設、ARECを中核とする産業支援機関との連携を生かした次世代に向けた産業育成の取り組み、また地域で栽培する多種多様な農産物のブランド化とか6次産業化、こういったものによって農業の稼ぐ力を強くすることが、これに当たってくるものとも考えております。 また、地域資源を生かしたという視点で捉えれば、豊富な賦存量を有するバイオマスとか温泉を活用するバイナリー発電あるいは太陽光発電等、再生可能エネルギーと農林業を融合したものなど、新たな循環型地域社会の構築が期待されるし、望まれるところでもあろうと思っております。 あわせて、上田城、真田ブランドやスポーツ合宿の聖地菅平がありますし、温泉といった上田市の強みもあります。地域資源や地域ブランドを生かした知名度の向上による交流、そういったものの拡大によっても人の循環から経済循環につながっていくと考えております。 そういうような視点から申しますと、一つに地域内資源の活用、そういったもののほかに、地域外との関係、連携も強化していくこと、これが大切であろうと思います。多様な個性を持つさまざまな地域、外との関係で、人、物、金、あるいは情報、この交流を活性化させまして、そして対流、交流を促進し、イノベーションを図っていくということであります。 上田市といたしましても、このように地域内、また地域外の資源を有効かつ効果的に生かしながら、持続的発展が図られるよう、たくましく上田新時代を創造してまいりたい、このように考えております。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 次に、具体的なことをお聞きいたします。 長野大学の2つのシステムについて質問いたします。持続可能な地域循環型経済を構築していくためには、人、物、金の循環をどうつくっていくかが課題となります。長野大学の公立大学法人化をめぐって、長野大学が考えている地域貢献の方策が示されました。長野大学では、卒業生の県内及び市内での定着率はかなり高く、ここ数年は県内での就職者率は70%台となっております。今後の大学改革をして県外からの学生がふえても、引き続き7割程度を目指すとしています。持続可能な地域循環型経済を具体的に進めるための方策として、長野大学が現在検討している地域人材循環システム地域課題解決システムの取り組みが効果的だと考えます。この2つのシステムについて、学園都市づくりを明記した第二次上田市総合計画を進める上でどのように評価しているか、伺います。 次に、市長からの答弁もございましたけれども、電力に関係することでございます。ことし4月から電力自由化が始まり、自治体が電力会社をつくる動きが広がっております。朝日新聞のウエブ記事によりますと、4月の電力小売全面自由化を前に自治体が電力会社をつくる動きが広がっているとして、全国で13社の設立が決まり、検討する自治体も増加中としています。神奈川県の藤沢市や群馬県中之条町、福岡県みやま市など、自治体による電力会社に参入する動きは多数紹介されております。 上田市には上田市の地域特性に合ったやり方があり、太陽光パネル相乗りくん事業に見られるように市民団体の動きもございます。これまでの市の実績及び上田市が将来電力会社を設立するなど、今後の方向性はどうか、伺います。 次に、温泉地の再生について質問いたします。人口減少社会の中で、全国の温泉地では、生き残りをかけて再生や活性化策を模索しておりますが、古くから人々に愛されている温泉地を有する上田市としての具体策、とりわけ市長の提案説明でありました鹿教湯温泉において健康増進事業と新たな温泉地の構築に関する事業に関して、事業内容及び今後の展開をどのように考えるか伺い、4回目の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 西入政策企画部長。          〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕 ◎政策企画部長(西入直喜君) 最初に、私のほうからは長野大学が今検討しております地域人材循環システム地域課題解決システム、この考えについて申し上げます。 上田市は学生のまちとして、同規模の地方都市では他に類を見ない豊富な大学等の教育資源を有しておりまして、昨年度策定した第二次上田市総合計画では、この強みを生かし、学園都市づくりを掲げておるところでもございます。大学は学生、教員だけのものではなく、地域社会においても大切な資源であります。大学の専門知識や学生の若い力を産業振興などの地域課題の解決や地域経済の活性化に生かしてまいりたいと考えております。 こうした中で、長野大学では、公立大学法人化を契機に地域の企業や団体が求める人材を育成し、地域へ送り出す地域人材の循環システムを構築すること、さらにこの地域のさまざまな領域で発生する課題を、地域住民や地域企業、組織と協働しながら考え、答えを出していく地域課題の解決システムを推進したいとしております。 上田市といたしましても、地方創生を進める上でこの大学の取り組みは、大学進学時の若者の流出と、その若者が大学卒業後、地元に帰ってこないという現状を改善し、上田市が目指す地域の人材を育て、地域に定着させ、家族をつくるといった人材の好循環の流れの創出につながると考えております。 地域人材の循環システムにおきましては、大学が行う地域課題を題材とした高校への訪問講義など、高大の連携に加えまして、第2期上田市教育支援プランの中にも掲げておりますが、小学校、中学校、高校、大学の連携の推進にもつながるということを認識しております。これにより上田市が目指す次代を担う人材の一貫した育成に資するものと考えております。 長野大学が取り組むこの2つのシステムが機能することは、第二次上田市総合計画が掲げるキャンパスと地域をともに元気にし、知の拠点を生かすまちづくり、これを推進する上で大きな力になると考えております。 ○議長(土屋陽一君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕
    ◎生活環境部長(山口泰芳君) 自治体が電力会社をつくる動きについて、上田市の考え方でございますが、電力の小売全面自由化により、全国の自治体の中には太陽光発電などの再生可能エネルギーによる電力の小売事業に参入する事例も見受けられるようになってまいりました。 電力会社設立の先進事例といたしましては、議員のご発言がありましたが、群馬県中之条町が、町と共同出資者が出資し、一般財団法人中之条電力を設立し、太陽光発電によるエネルギーの地産地消を目指し、町内には3基のメガソーラーを稼働させています。 上田市では、豊富な賦存量を有する太陽光発電、太陽熱利用、中小水力発電、バイオマス利用に着目して、地球温暖化防止の観点から再生可能エネルギーの普及を目指した新エネルギービジョンを策定して、これらのエネルギーごとに具体的な導入目標を掲げて、普及への取り組みを進めてまいりました。 特に太陽光発電は、市民の皆様に発電設備などの設置費に対して補助金を交付するとともに、事業者へは設備設置用地として、市の遊休地や学校、保育園などの屋根を貸し出すなど、目標達成に向けた事業を展開しております。 上田市で補助金交付を開始してから、平成27年度までの4,418件の発電出力の累計は約20メガワットでありまして、市の遊休地や屋根を貸し出して設置した11件の設備の出力累計は約3メガワットとなり、合わせて約23メガワットの発電出力となっております。このように市民、事業者の皆様と一体となって再生可能エネルギーの普及に努めているところでございます。 このような中で、自治体が電力会社を設立して行う電力の小売事業は、地域経済の活性化につながる取り組みであると認識しておりますが、電力会社の経営が固定価格買取制度に左右されることや、森林区域での設置や景観上の問題など、電源開発をめぐる課題があることも事実でございます。このように地域資源を活用した電力の小売事業への参入につきましては、幾つかの課題もありますが、人口減少の抑制や雇用と地場産業の創設、また自治体の財政負担の軽減などの解決につながる取り組みと考えております。このため、事業を展開している自治体の先進事例や経営状況等も参考とさせていただき、参入の形態や効果、将来的な事業の継続性などについて研究してまいりたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 谷仲丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 谷仲 英彦君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(谷仲英彦君) 私からは、温泉地の活性化、とりわけ鹿教湯温泉における健康増進事業と新たな温泉地の構築についてご答弁申し上げます。 まず、事業でございますが、5月16日に環境省、日本理学療法士協会及び上田市の3者において締結いたしました温泉を活かした健康づくりに関する協定書によりまして、鹿教湯温泉内にある鹿教湯病院や鹿教湯地域の皆様にご協力をいただく中におきまして、関係機関が連携、協働しながら、介護予防や認知症予防を目的としたモデル事業を実施していくことになります。この事業は、検査日の前日と当日の2日間、鹿教湯温泉に宿泊していただき、豊かな自然や癒やしの温泉を楽しみながら、健康体操やポールウオークなどの健康事業に参加していただき、健康増進に向けた取り組みを行うというものでございます。 また、鹿教湯病院において、脳の認知機能や老化に関する検査、ものわすれドックでございますが、これを行い、その検査結果に基づき、参加者ごとに具体的な予防運動や食事の内容、生活習慣などに関して、それぞれ専門のスタッフから実践的な指導を受けることができるようになっているのが、この事業の特色でもございます。 現在は、事業の実施に向けまして準備を進めているところでございますが、今年度は、病院の受け入れ態勢などを考慮した結果、実施回数は7回とし、1回につき3名、延べで21名の募集が予定されているところでございます。 なお、この事業に関して市は、円滑にこの事業が実施できるように、地元の皆様や関係機関との連携調整、報道機関などを通じて事業の積極的な周知、啓発を行っていく役割を担っていくことになります。 また、5月22日には、今回の3者による協定をステップとして、「温泉地の現在(いま)、そして未来へ」をテーマとした全国温泉地サミットが環境省の主催のもとに開催されました。このサミットにおいては、温泉地の整備に関する財政支援を初め、温泉療養の仕組みや健康づくりのプログラム構築に対する支援など、6項目から成る「温泉地を活かした地域活性化・地方創生の推進に係る要望書」を、母袋市長を初め全国の温泉地の自治体の代表者34人が署名し、環境大臣に提出したところでもございます。 今後の展開につきましては、今回の協定によるモデル事業によりまして、産官学の連携、医療機関との連携をさらに深めるとともに、理学療法士や管理栄養士などの皆様とも協働しながら健康増進事業に取り組んでまいりたいと考えております。 さらに、鹿教湯温泉におきましては、今議会で補正予算をお願いしておりますが、総務省から補助を受け、実施を計画しております温泉地への移住・定住促進事業など、国との連携や支援による各種の事業が展開されていくことになります。 いずれにいたしましても、これらの新たな機会を温泉地の活性化への大きなチャンスと捉えまして、宿泊等に係る受け入れ態勢を整え、利用者増加による温泉地の活性化を図るとともに、健康をキーワードとした新たな温泉地の姿を構築し、丸子温泉郷全体の振興、発展につなげてまいりたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 次に、国土を守り、食料を生産する農業に関しての質問であります。 最初は、多様な担い手の確保についてです。市議会議員有志でつくっている農業政策議員連盟が、4月に農業に関するシンポジウムを開きました。3人の若者農業後継者が発言され、上田市農業に明るい未来があると感じたのは私だけではないと思います。しかし、データによれば、上田市農業従事者の平均年齢は69.5歳であり、ここ5年間ぐらいの取り組みが今後の上田市農業を左右するといっても過言ではありません。農業従事者の高齢化が進んでおり、今後、担い手が大量に不足することが見込まれます。地域農業の再生策の一つとして、若者はもちろん、多様な担い手を育成する方策を上田市としてどう考えているか、伺います。 次に、残留農薬検査についてであります。懇談で訪問した際、農産直売加工施設あさつゆでは、消費者の要望に応えて、新たな取り組みとして残留農薬の検査を始めたことがわかりました。地産地消の推進、農産物の販路の一つとして成長している直売所に対して、上田市が農産物の地産地消、安全安心を今後大きな柱として取り組んでいく必要がございます。そのためには、安全安心を担保するため、市として残留農薬検査に助成することや安心安全を認定する仕組みが構築できないか、伺います。 次に、条件が不利な農地対策についてであります。国が進めている農業政策は農地の集約化による大規模化が中心となっており、長野県のような中山間地域を抱えるところには合わないと私は考えています。農家の本音を聞くと、耕作地の条件のよいところは担い手が比較的いるが、条件不利の耕地は担い手側の熱心さと義務感で耕作しているように受け取っております。農家の献身的な努力により営農され、荒廃地化を免れているような条件が不利な耕作地に対して、市として支援できないのでしょうか。 次に、農家の要望についてであります。さきの農業に関するシンポジウムで、3人の若者が行政への要望を聞かれたとき、このような場ではなかなか言えないとの話でございました。そこで、行政への要望を直接聞き取るためにどのような取り組みをしているか。市が直接農業従事者からさまざまなニーズを酌み取る努力が必要と考えますが、どうか。 以上、4点伺い、5回目の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 農林業の稼ぐ力の創出の具体化について、幾つかご質問いただきました。 まず、多様な担い手を育成する手段について申し上げます。農業従事者の減少と高齢化が進む中で、新規就農を阻む主な原因は、農地の確保、資金の確保、営農技術の確保にあります。市では、これらの要因を払拭するため、国制度に市単独事業を加えた各種施策を展開しております。 まず、農地の確保についてでございますが、市では、農業改良普及センターやJA等と連携し、就農相談とともに農地の紹介、あっせん等、また資金の確保につきましては、国の青年就農給付金制度の活用と、これに該当しない方向けには、有利な条件で資金の確保が可能となる認定新規就農者となれるような支援を、さらに営農技術の確保につきましては、県やJAとの連携により、里親の紹介を初め研修に関する情報提供を行うなど、これらの総合的支援に努めておるところでございます。 また、高齢農家や小規模農家の生産意欲を維持するため地産地消を推進するとともに、農産物の加工や販路の拡大につなげるための農商工連携の強化及び6次産業化に係る総合的な支援に取り組んでおります。 さらに、地方への憧れから、Iターン、Jターンによる移住、定住希望者も増加しており、まち・ひと・しごと創生の観点からも、これをさらに増加させるべく、関係団体との連携によりさまざまな機会、チャンネルを捉えまして、上田市農業の魅力を伝え、農家の子弟の就農はもとより、多様な新規就農の開拓に努めてまいります。 次に、残留農薬の検査等についての取り組みでございます。消費者が農産物に求める大きな要素の一つに安全安心がございます。議員ご紹介のとおり、地域内循環、経済循環としての地産地消を支える農産物直売所では、みずからが行う安全安心のために残留農薬の検査を調査機関に依頼する取り組みも始まっております。そこで、市が事務局を担い、地産地消に関する多くの団体により組織されております上田地産地消推進会議において、安全安心を確保するためのさらなる仕組みづくりを研究するとともに、この構築に当たって必要となる経費の支援についても検討してまいります。 次に、条件が不利な耕作地に対する支援でございます。農業の体質強化を進め、遊休荒廃地の増加を防ぐためには、農地の集約化は欠かせないものでございます。一方、中山間地の農業、農村のコミュニティーを支え、さらに原風景とも言われる農村景観の保全を担っている小規模農家には、再生産の意欲を持ち続けていただくことが何よりも大切でございます。 そこで、市では、日本型直接支払制度であります中山間地域等直接支払い及び多面的機能支払い、この各制度を重要施策と位置づけ、この推進に取り組んでおります。 また、農地を再生、活用する取り組みへの支援として、国の耕作放棄地再生利用緊急対策に加えまして、例えば農地の連担化の度合いなどによりこの制度の要件から漏れる案件につきましては、市の単独事業でございます上田市遊休荒廃地活性化対策事業をあわせて推進しております。平成27年度に起こる国の事業では、5地区で約3ヘクタールの再生、ここではエゴマなどが作付されております。また、市単独の制度におきましては、9地区で約3.5ヘクタールの再生作業が行われ、ブドウなどが作付されておりますことから、引き続きの支援に努めてまいります。 最後に、市農政に対する要望の集約についてでございます。市は、農業振興に携わる農業関係機関が一体となり、農業、農村の振興を図ることを目的に組織されました上田市農業支援センターの事務局を務めております。そこで、この支援センターの各種会合を初め、各地域に出向き活性化委員会や活性化組合の会議に出席しております。これらの中で農業従事者のニーズ等さまざまなご意見、ご要望をいただく中で、農業施策に反映してまいっております。 また、議員からご紹介ございましたが、先ごろ行われたシンポジウムを一つの契機として捉えまして、既に市担当者、若手農業者による積極的な情報交換も既に始まっております。さらに大切な担い手である農業女子の育成、確保を図ることも重要でありますことから、今後ともあらゆる機会を捉えまして、農業従事者の皆様のご意見、ご要望等を酌み取ってまいります。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 質問通告してありますので、限られた時間で質問します。 地方分権の道州制についての質問であります。新たに長野県においても庁内ワーキンググループが設置されて、研究が進められております。また、全国町村会では、懸念される4つの点を挙げて懸念を示しておりますけれども、上田市としても共通する懸念材料があると思われます。市長の見解を伺って、質問を終わります。 ○議長(土屋陽一君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 道州制についてのご質問でございますけれども、いっときの国の勢いというのは少し薄れているのかなとは思いますが、今後どうなるかわからないということの中では、研究もしておかなければいけない課題だと受けとめておりますが、一言で言うと、私自身はまだ白紙状態というのが現実でございます。なぜかというと、道州制そのものの組み立てというのが、どういうプロセスで、またどんな実像が描かれてくるのかが全くはっきりしていないと言っても過言ではない、このように思っております。 地方側とすれば、基本的に道州制云々の前にやってもらわなければいけないということは多々あると思っています。例えば国の役、地方の役割分担の明確化と改革です。そして、税、財政制度の抜本的な見直しだと思います。それは、地方側としては、持続的な地域をつくるためには地方の行財政基盤を充実しなければいけないということと、それから全国市長会でも国に対してお願いしていることは、交付税の配分の法定率、これをとにかく引き上げるべきだということでございます。このようなものをしっかりと、道州制議論の前に私どもとしては実現させてほしいということでお願いをしていく必要があるのだろうな、このように思っております。 いずれにしろ、もしそういう話になってきますと大きな変革ということになります。ですから、多くの議論を集約するにはかなりの時間がかかると思います。そういう議論を重ねた中で結果どうなるかということだと、私自身は今の時点では思っているところでございます。 以上です。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前10時16分   休憩                       ◇                                午前10時30分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(2)市政について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第18号、市政について、山田議員の質問を許します。山田議員。          〔3番 山田 英喜君登壇〕 ◆3番(山田英喜君) 通告に従い、初めに観光統計数値の発表について質問してまいります。 大河ドラマ館入場者数が12日日曜日の時点で36万人、また、ことし1月から5月の市立博物館入場者が10万8,782人、対前年比で4倍以上、真田氏歴史館においては、対前年比で5.3倍にもなっているということです。これらの発表は、入場料をいただく施設ということもあり、入場者数の誤差はほぼないものと思われるため、例年と比べ、どれだけ多くの観光客が上田に来ているのかを見る上で大変重要な数値にもなります。 これまで上田市としても、市の一般財源や地方創生関連の交付金などを使い、大河ドラマ館や駐車場などさまざまな整備をしてまいりました。市民も大河ドラマに関心があると同時に、上田市にとってどれだけ効果があったのかという点も大きな関心事となってきていると思います。経済効果や放送による効果についてはさまざまな見方があるかと思いますが、今回、上田城跡公園における観光統計数値の発表の視点から質問してまいります。 先日マスコミでも、上田城千本桜まつりの来場者が、真田十勇士ガーデンプレイスと合わせ約40万人と、昨年より大幅増との発表がありました。初めに、昨年の31万人に比べ、ことしの40万人との発表、昨年と比較した増加の状況を上田市としてどのように考えているか、お伺いします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 上田城千本桜まつりの入場者数、それから増加の状況というご質問をいただきました。 上田城千本桜まつりの入場者につきましては、平成16年から始まりましたこの祭り、全国から多くの観光客が来場する上田市を代表するイベントに成長してまいりまして、第13回となることしは、大河ドラマの好影響もありまして、例年にも増して多くのお客様に来ていただきました。 ことしの千本桜まつり期間中を含む4月2日から24日までの間、観光バスの乗務員の方から聞き取りを行いましたところ、北は北海道から南は沖縄まで、全国からお越しいただいたということがわかりました。千本桜まつりの来場者数でございますが、一番古い記録のある平成17年に14万人でございました。年々イベント規模の拡大や認知度の高まりによりまして、全国から真田ファンを初めとする多くの観光客の皆様にお越しいただくようになりました。 本年の上田城千本桜まつりですが、開催期間を4月6日から17日までの12日間としまして、来場者数は40万人。これは昨年度に比較して9万人の増、率では1.3倍という結果でございました。これまでの経過では、過去最高は平成25年と26年の48万人ということでありますが、当時の開催期間は17日間ということでありまして、1日当たりの来場者数は約2万8,000人。ことしは、同じ比較をいたしますと、1日当たり約3万3,000人となります。千本桜まつりの来場者数は、桜の開花の状況や、期間中の天候ばかりではなく、例えば国の観光施策、千円高速、こういったこと、あるいは催し物の内容、多々いろんな状況がございまして、毎年変動しているというのが実情でございます。特に昨年は雨天の日が多かったということもございまして、来場者数が大きく落ち込んだところでございます。ことしは好天に恵まれ、大河ドラマの放送、特に4月3日の日には第一次上田合戦が取り上げられまして、桜もこの時期に合わせたように開花となりましたことから、前年度に比べまして大幅に増加したものと捉えているということでございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 山田議員。          〔3番 山田 英喜君登壇〕 ◆3番(山田英喜君) 次に、年間の上田城跡公園の入場者数の発表を見ると、平成21年以降、年間約140万人の入場者数があり、平成27年に至っては215万1,200人との速報値の発表がありました。一方、長野県発表の平成25年観光地利用者統計調査結果を確認すると、松本城の入場者数は、有料、無料期間合わせ年約85万人、懐古園が約58万人、高遠公園が約37万人です。上田城は入場料が無料ということ、また上田城跡公園は歴史も深く、知れば知るほど魅力的な城跡公園ではありますが、天守閣がなく、松本城などと比べても、何倍も入っているとは考えにくいのではないかと私は思っております。入場料を取っていないため、正確な数字を捉えることは困難だと理解しておりますが、もし計算方法をより正確なものに見直すことが可能であれば、やっていただきたいと感じております。より正確な数字を把握していくことは、上田市の観光に対する実力を見る上でも大変重要となります。現状の算出方法は、前年数値に博物館などの増減率を勘案したものと聞いておりますが、ことしは市立博物館や櫓門展示室、真田氏歴史館などは4倍にも5倍にもなっているという状況の中、この方式で算出すると、来年の発表は実数との乖離がより大きく生じるのではないかと懸念しております。 そこで、観光客数などの算出方法をより正確なものにするべきではないかと考えますが、見解をお伺いします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 観光客数の算出方法に関するご質問をいただきました。 上田城跡公園の観光客数につきましては、毎年、長野県が観光地利用者統計として公表しております。平成27年分につきましては、ただいま議員ご指摘のとおり、まだ公表されておりませんけれども、速報値ということで約215万人、対前年比では1.37倍ということでございます。 上田城跡公園は、都市公園として24時間、一般に無料で開放している公園でございまして、観光目的以外の来場者も多いと思っております。そして、入り口も公園の東西南北、それぞれに複数あります。有料施設には入場せずに、堀の周辺だけの散策を楽しまれるというお客さんも多いというふうに認識しているところでございます。正確な実数を把握することは困難であろうというふうに考えております。この点、入場者数をカウントできない同様の観光地も実際には多いものというふうに思っております。 したがいまして、現在は観光客の多くが訪れると思われます公園内施設の博物館や櫓門、また観光会館売店の来店者等の状況等を前年と比較するなどして、また高速道路の利用者数、鉄道の利用者数等、総合的に勘案して算出しているということでございます。統計に関しましては施策実施の基本でございますので、算出方法につきましては、どのような方法がよいのか、さらに検討してまいりたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 山田議員。          〔3番 山田 英喜君登壇〕 ◆3番(山田英喜君) 答弁の中でもありましたように、平成27年の上田城入場者数が速報値で215万人とのことです。この数字は、昨年まで城郭入場者数で全国最多であった2008年熊本城の221万9,500人と、わずか7万人の差となります。上田城は今の時点でも多過ぎる発表ではないかと個人的には感じておりますが、ことしの入場者数を従来の方法で単純に算出されてしまえば、松本城や姫路城の何倍もの数字で発表されることにもなりかねず、全国から見ても明らかに違和感を持たれてしまう数字となってしまいます。100%に近い人数を把握することはできなくても、そんな面も考慮した上で計算方法を改め、算出されるべきと感じております。 次に、先日、日銀松本支店からは、大河ドラマ「真田丸」の経済効果が県全体で約200億円との発表がありました。ただ、その経済効果を実現していくためには、宿泊客などの確実な獲得が重要であるということが記載されており、同時に日帰りの観光客が多い状況や、宿泊ツアーだとしても草津温泉など県外温泉地に宿泊するコースも少なくないといったことが書かれておりました。この課題は、上田市にとっても重要な視点であると感じております。「真田丸」放送後も観光客が急激に減少しないような施策をとっていかなくてはならないことは、多くの市民の皆様が懸念している中で、今後は経済効果としてわかりやすい形で公表できるよう、成果として何人来たかの来場者数ではなく、幾らお金を使っていただいたかという宿泊者数や消費額などを重視していくべきと考えるがどうか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 観光統計の公表方法についてご質問をいただきました。 現在、県が公表しております観光客利用者統計の中身でございますが、観光地名ごとに観光客の利用者数、そのほか利用者の県内と県外、日帰りと宿泊、観光消費額、これらの数字がそれぞれ示されております。これは毎年公表されておるところでございます。また、入場者数のみとなりますけれども、ゴールデンウイークの期間、それから7月から8月の夏季シーズンの結果も毎年公表されております。特にことしは、「真田丸」放送という特別な年でございまして、先ほどお話がございましたように日本銀行が6月6日に、波及効果として200億円あるというような発表をされているところでございます。 これまでにも上田城千本桜まつりに関して、まつり実行委員会が平成25年度に経済波及効果の調査を実施した経過がございます。その結果を簡単に申し上げますと、来場者のサンプリングによるアンケート調査をもとにして、観光消費額や日帰り、宿泊の割合などから算出した結果、経済波及効果は全体で約24億円と推計されました。また、来場者による観光消費額の総額としましては、日帰り客で約13億3,000万円、1人当たりでは2,873円、市内宿泊客では3億5,000万円、1人当たりは2万1,912円となりまして、合計で16億8,000万円というふうに推計されたところでございます。なお、この種の調査をイベントごと、あるいは毎月実施することは容易ではありませんので、期間をあけながら定期的に実施することも今後検討する必要があると考えております。 繰り返しになりますが、統計は各種施策の基本となりますので、公表に関しましては、県が公表しておりますやり方が基本とはなりますが、できるだけわかりやすい形で行ってまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 山田議員。          〔3番 山田 英喜君登壇〕 ◆3番(山田英喜君) 海外では、来た人数で観光の成果を重視するケースは珍しく、主に宿泊者数や消費額により発表されているということも伺っております。今後は正確な人数での発表はもちろん、できる限り経済効果としてわかるような形を重視していただくことを期待しております。 次に、昨年9月の一般質問でも取り上げさせていただきました。地域経済分析システム、RESASについてお伺いいたします。初めに、昨年12月に新しく追加されたデータであります地域経済循環図についてです。地域経済循環図とは、その名のとおり地域のお金の循環を概略で示すもので、自治体ごとに確認することができます。この循環図で上田市を見ると、市内付加価値額、いわゆるGDPを第1次産業、第2次産業、第3次産業ごとに表示される生産、住民や企業に支払われる雇用者所得などを示した分配、民間消費額や民間投資額、またその他として政府支出などが含まれた支出、この生産、分配、支出の3つを見比べ、上田市内で生み出された所得がどの程度市内に還流しているかを把握する地域経済循環率も確認することができます。 この循環率については、高ければ高いほど、地域で稼いだお金が地域の住民や企業などの所得、地域住民の消費、地域企業の投資に回っていることを示し、また細かく見ていくと、どの分野において改善の余地があるのかも分析することが可能ということです。上田市の場合、この循環率が95.2%となっておりますが、この状況をどのように捉え、分析しているのか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 地域経済分析システムの活用についてご質問をいただきました。 地域経済分析システム、RESASと申しますけれども、これは地方自治体の政策を情報面から支援するために、産業構造や人口動態、人の流れなどのビッグデータを集約して可視化するシステムでございまして、現在、産業マップ、地域経済循環マップ、農林水産業マップ、観光マップ、人口マップ、消費マップ、自治体比較マップの7つで構成されております。 例えば産業マップにつきましては、産業単位及び企業単位での取引関係をあらわすもので、みずからの自治体がどのような産業で成り立っているのか。どの産業が域外からキャッシュを稼いでいるのか。また、どの産業が付加価値額を多く生んでいるのか。さらに、どの産業が地域の雇用を支えているのか等がわかりまして、限られた財源の中で、どの産業を伸ばしていくべきかなどの分析が可能になります。 昨年12月に追加されました地域経済循環図、いわゆるマップでございますが、これは地域内企業の経済活動を通じて生産された付加価値が、どの程度、労働者や企業の所得として市内に分配されたかを把握し、最終的にこの分配がどの程度、消費や投資として市内外に支出されたかを分析できるものでございます。 上田市の状況でございますが、2010年ベースで住民の消費等を示す民間消費額につきましては、市内における買い物等の消費の総額が3,697億円で、このうち市民が消費した金額は3,327億円でございまして、差額の370億円は市外の方が上田市で消費した金額となりますことから、上田市は消費を外から吸引する中核都市としての力があると考えられます。 一方、企業の設備投資などを示します民間投資額等においては、市内の企業が市外へ投資した金額が222億円でございまして、これは当地域においては、完成品を販売するメーカーが少ない反面、さまざまなメーカーの製品の部品加工を下請する企業が多く、設備等を市外から調達するケースが多いため、企業の投資が市外へ流失している分があることが一つの理由として考えられます。 そのため、今後のあるべき方向といたしましては、市の基幹産業であります製造業においてイノベーションを推進することが求められ、市といたしましても中小企業の皆さんが下請企業からの脱却を図り、特定分野の製品や技術等を強化し、他地域との企業との差別化によって競争力を高めていけるような取り組みを推進していく必要があると考えております。 ○議長(土屋陽一君) 山田議員。          〔3番 山田 英喜君登壇〕 ◆3番(山田英喜君) この地域経済循環図は、操作方法を把握していれば、RESASのページを開いて15秒もあれば表示することができ、循環図に限らず、多くのビッグデータを活用するか、しないかで、自治体ごとに大きな差が生じるのではないかと感じております。RESASを積極的に活用している自治体の例では、外国人観光客誘客の改善点を把握するために訪日外国人の行動の分析から、月ごとの滞在人数や移動の相関関係を確認し、他自治体との連携施策の方向性を検討している地域や、中にはRESASで分析し、そのデータを活用した上で特定の産業に重点を置いた企業誘致策を実施し、100名以上の新規雇用の創出を実現した地域もあります。 そこで、上田市において総合戦略策定以降、RESASがどのように活用されているのか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) RESASの活用状況についてご質問いただきました。 上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定において、就業機会の創出、ものづくり産業の付加価値額や取引額、創業比率、農産物の販売金額等の重要業績評価指標、いわゆるKPIでございますが、これの設定にRESASを活用しているところであります。 また、上田市内の企業がどの地域の企業と取引を行っているか等を示します企業別花火図による企業間取引等の分析を行った上で、企業訪問の際の販路拡大支援のアドバイスや市内に埋もれている潜在成長力の高い企業の発掘等の情報収集に活用を図っているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 山田議員。          〔3番 山田 英喜君登壇〕 ◆3番(山田英喜君) 最近、私は、できる限り多くの企業をお伺いし、状況を聞かせていただき、可能であれば工場の中なども見学させていただいております。そんな中、強く感じていることは、上田市にはすばらしい技術を持った企業がたくさんある中で、十分な受注がなく、機械がとまっている状況も少なくないということです。もちろんそれぞれの企業努力が重要ではありますが、企業としてできる部分とは別に、自治体としてできる部分はしっかりと研究をしていかなくてはなりません。既にRESASを使い実績を出している自治体もある中で、上田市でもさらに活用していくべきと考えるが、どうか。 また、政府から専門家を招き、市職員、商工関係者、金融機関などと合同で研修会などを開催する考えはないか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 今後のRESASの活用方法ということでございます。 今年度、第二次上田市総合計画及び上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づくアクションプランとして、上田市商工業振興プランを策定してまいりますが、基礎データの分析に十分活用してまいりたいと考えております。また、今後推進してまいります東信州エリアにおける次世代成長産業創出に向けた取り組みにおいても、広域的な産業分析に有効に活用してまいりたいと考えております。 次に、RESASの研修会を各団体と合同で行う考えはないかというご質問でございます。RESASの活用を進めるためには、分析方法を理解し、分析能力を持つ人材が必要となります。限られた職員だけでなく、より多くの職員がRESASを扱い、業務に有効活用できるよう専門家を招いた合同研修会等の開催についても検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 山田議員。          〔3番 山田 英喜君登壇〕 ◆3番(山田英喜君) RESASに対して前向きな答弁をいただきましたので、今後もしっかりと活用されていくよう注目させていただきます。 次に、今月5日に開催された全国植樹祭について質問してまいります。上小会場が上田市自然運動公園において行われ、私も会場にお招きいただき、植樹をさせていただきました。参加者の方々とも交流ができ、楽しい時間を過ごさせていただくことができました。ことしの全国植樹祭においても、多くの方が関心を持ち、自然に対する考え、重要性を見詰め直すきっかけになったことと思います。 全国植樹祭の上田会場として開催した成果について、どのように把握、認識しておられるか。また、式典の開催や駐車場、県との連携など滞りなく進んだか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 全国植樹祭についてのご質問をいただきました。 まず、全国植樹祭の上田会場としての成果について申し上げます。去る6月5日、長野県では52年ぶりとなります第67回全国植樹祭が、「ひとゆめみどり信濃から未来へつなぐ森づくり」のテーマのもと開催されました。 式典会場は長野市のエムウェーブでございましたが、長野県全域をステージとした県民主体、県民参加による広域開催型の大会とし、多くの方に参加していただけますよう、上田市、長野市、松本市には県内外からの招待者記念植樹会場が設けられております。また、この3会場を含む県内10地区に県民植樹会場が設けられたところでございます。 招待者記念植樹会場として上田会場が選定された理由でございますが、自然運動公園は市民が憩う場所として親しまれているほか、近くに別所温泉があり、多くの県外からの招待者が宿泊可能であること、また、式典会場の長野市エムウェーブまでの所要時間が短時間であることなどでございました。 次に、上田会場の整備方針等の概要について申し上げます。上田会場は松くい虫被害が蔓延した現状から、健全な里山に育成し親しめる森を造成するという整備方針のもと、立ち枯れの目立つアカマツを取り除き、よりよい森林にするため、新しく広葉樹を植林しつつ、既にあるコナラやクヌギ等を生かしながら、広葉樹の森林へ転換するモデル的な森林づくりを進めることとしたものでございます。 整備に伴いまして伐採したアカマツは可能な限り有効利用することといたしまして、チップ材として会場に敷き詰めたり、ベンチや案内看板等にも活用したところです。また、戦国時代には弓矢からの攻撃を防いだ盾、これも被害木を有効利用したものでございますが、真田氏の紋所であります六文銭を描き、あちらこちらに配置いたしました。さらに、参加者受付の隣には、真田方の軍議の場よろしく赤備えの甲冑と床机が置かれ、式典を行いましたステージと同様、六文銭が染め抜かれた陣幕で覆われました。NHK大河ドラマ「真田丸」にちなみ、会場全体を山城風にしつらえ、また植樹エリアを案内するチラシにおきましても、真田氏が活躍した戦国時代に思いをめぐらせるような工夫がなされておりまして、ご来場いただいた皆様方には、上田会場を担当した上小地方事務所を初めとした管内市町村ほかの実行委員会のアイデアに大いに感激していらっしゃいました。 上田会場は、県内外からの招待者による記念植樹にあわせて、ただいま申し上げましたように県民植樹が行われましたことから、1,400名を超える皆様にお越しいただきました。 その内訳と概要を申し上げます。まず、早朝に県外招待者による記念植樹が行われました。青森県、福島県などの11の県から参加いただいた約140名の皆様が別所温泉に前泊され、長野市の式典会場に向かう前に植樹をしていただきました。この皆様方には市特産の記念品に加えまして、大河ドラマ館のご案内や、担当課による手づくりのパンフレットでおもてなしをいたしました。この後、県民植樹と、これに合わせたさまざまなアトラクションが行われました。 上田市からは、市議会からも多くの関係議員の皆様方にご参加いただきますとともに、林業関係者、自治会連合会、地元関係者等、約80名の招待者が、また上小地方事務所による管内の招待者は約290名、さらに一般参加、みどりの少年団ほかの480名を加えますと、合計850名の皆様方にご参加いただいたところでございます。 最後に、長野市エムウェーブの式典に参加された上小、佐久、諏訪地区の県内の招待者約450名が式典終了後に上田会場にご来場いただき、植樹をいただいたところです。この際に、議長、市長、副市長には六文銭の陣羽織姿でお出迎えをいただきまして、大きな拍手が沸き起こったところです。 県民植樹の折には、エムウェーブの式典会場と中継をつなげた際に地元幼稚園の園児による植樹の様子が配信され、大会のテーマでございます「未来へつなぐ森づくり」を強く感じ取っていただけたものと思います。 植樹いただきました種類と数でございますが、コナラ、クヌギ、オオヤマザクラなど約4,500本でございました。この中には、苗木のスクールステイとして、ドングリから育てた苗木500本余りも含まれておりまして、育ててくださった子供たちの思いもあわせて植樹いただけたものと感じております。 上田会場となりました自然運動公園の市有林は、松くい虫被害が蔓延した現状から健全な里山に育成するという、こういう方針のもとに整備され、広葉樹が植樹されましたことから、上田市における健全な森づくりの新たな一歩となったことが最大の成果であると認識しております。 次に、式典の開催や駐車場対応、県との連携等について申し上げます。上田会場の選定は、約2年前に行われました。上小地方事務所の林務課を中心に、上小地区の各市町村、信州上小森林組合などの関係団体で構成する実行委員会が立ち上げの準備を進めてまいりました。この後に自然運動公園を研究フィールドとします長野大学の研究グループが実行委員会に加わられ、また地元下之郷自治会の皆様方にも各種アトラクションの企画、運営に携わっていただいたところです。 また、当日は大勢の参加者が出入りされましたことから、地元住民の皆様の生活、安全に支障を来たさぬよう、事前に複数回のご協議をいただきまして、案内看板や回覧板等でも周知に努めてまいりましたことから、幸い大きな混乱もなく、無事植樹祭を終えることができました。関係者の皆様方には、改めて御礼を申し上げる次第でございます。 また、最後に駐車場につきましても、普通車と大型バスの駐車場を別々にするなど余裕を持ったスペースを確保しましたことから、特段の問題はなかったことと承知しております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 山田議員。          〔3番 山田 英喜君登壇〕 ◆3番(山田英喜君) 次に、上田市における今後の森づくりの考えについてお伺いします。 今、現存する中で世界最古の国である日本では、神話にも植樹の場面が登場し、その精神が今も植樹祭のような形で継承されています。グーグルアースで世界地図を見ると、世界四大文明であるメソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明の発祥の地域はどこも黄色くなっており、砂漠化していることが見てとれます。かつて文明があって人口のあったところが、ほぼ砂漠化してしまっている状況の中、日本がこれだけ自然が豊かなのは、自然と共存し、大切にする精神が継承されていることも大きな要因だと思います。 今回、全国植樹祭が長野県で開催され、当日自宅の神科から上田会場に向かう際も、多くの方々が花壇を整備する姿や草刈りをする姿などが見受けられました。会場のみならず、全国各地、特に長野県民にとっては意識の高まった一日となりました。 そこで、上田市における今後の森づくりの取り組みについてお伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 全国植樹祭を契機とした今後の森づくりの考え方についてご答弁申し上げます。 現在、上田市に限らず、戦後植林された森林の多くは、針葉樹では50年から60年生、広葉樹では60年生以上の森林となっており、木材利用に適した時期を迎えております。このような背景から、今回の全国植樹祭の理念の一つに、植えて、育て、利用する森林、林業のサイクルを取り戻そうというものがございます。この理念からも、森林を守るための木材利用の推進は極めて重要な課題でございます。森林、林業のサイクルのために今後さらなる木材の利用拡大を図るとともに、エネルギーの観点からも木質バイオマスとしての利用の推進も図っていくことが必要でございます。 森林は、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化防止など、私たちの生活に欠くことのできないさまざまな恩恵をもたらしております。この森林の持つ多面的な機能が十分に発揮されますよう、また本植樹祭をさらなる契機として自然を守り、自然と共生していくためにも、市民の皆様方のご協力のもと、今後とも健全な森林づくりに努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 山田議員。          〔3番 山田 英喜君登壇〕 ◆3番(山田英喜君) 次に、地価と固定資産税について、時間もありませんので、一括して質問してまいります。 平成26年度の決算では、市税213億9,365万円余のうち、固定資産税全体が97億2,309万円余、45.4%。そのうち土地部分が31億1,565万円余と市税収入の14.5%を占め、上田市にとっても貴重な財源となっております。 初めに、3年に1度行われる評価がえについて、27年度評価がえにおいて、評価額や固定資産税はどの程度下がったのか。 次に、土地の面積は変わっていない中で、地価は下がっているのに固定資産税が前年と変わらない場合は、上田市でもあることかと思います。以前にもそのような状況があると市民の方から聞いておりますので、今回は認識を深めるためにも質問させていただきます。地価は下がっているにもかかわらず、固定資産税が前年と変わらない理由はどのようなものがあるか。また、地価が下がっても固定資産税の下がらない土地は市内にどの程度の割合があるか、お伺いします。 最後に、その状況を市民が確認する方法をお伺いして、私の質問を終わります。 ○議長(土屋陽一君) 小野塚財政部長。          〔財政部長 小野塚 究君登壇〕 ◎財政部長(小野塚究君) 地価と固定資産税について、まず評価がえによりどの程度下がったかというご質問でございますけれども、平成27年度の評価がえと前回の評価がえでございました平成24年度とを比較いたしますと、評価額ベースでマイナス9.62%、税額ベースではマイナス9.95%と、いずれも下がったという状況でございます。 なお、平成27年度と時点修正を行いました28年度、今年度でございますけれども、これを比べますと、評価額ベースでマイナス1.27%、税額ベースでマイナス1.17%となっておりまして、下落幅は鈍化傾向にあるというふうに見ております。 それから、地価が下がったにもかかわらず固定資産税額が下がらないといった理由でございますけれども、平成6年の評価がえから評価の均衡化、適正化を図るために、宅地の評価額を地価公示価格等の7割をめどに行うということになりました。このために宅地の評価額の上昇率にばらつきを生じることになりまして、平成9年度の評価がえから、税の負担が急激にふえないように緩やかに税額を是正する、緩やかに上昇させるということでございますけれども、負担調整措置というものが講ぜられることになりました。したがいまして、地価が下落しているにもかかわらず税額が下がらない宅地というものは、本来の課税標準額に比べまして、今なお、その課税標準額が低いために負担調整措置により是正過程にある土地というものでございます。 このような理由によりまして、現時点において固定資産税が下がらない宅地等、据え置いたり、上昇している宅地ということでございますけれども、これは市内で筆数のベースで3.1%、面積ベースでは2.2%程度あるという状況でございます。課税の公平の観点からやむを得ないということでございますが、ご理解をいただきたいというふうに思います。なお、市内のほとんどの宅地につきましては、本来の課税標準額に到達しているために、地価が下落した場合には固定資産税額も下がるといった状況でございます。 次に、市民が確認する方法でございますけれども、地方税法では、市町村長は、当該年度の土地に係る所在、地番、地目、地積、価格を記載しました土地価格等の縦覧帳簿、これを作成しなければならないとされております。また、同法におきましても、納税者がこの土地価格等の縦覧帳簿により、ご自分がお持ちの土地の評価が適正かどうかを他の土地の評価額と比較できる縦覧制度が規定されてございます。このほかにも、お持ちの土地につきましては、通年でその価格や課税標準額等を固定資産台帳で閲覧できます閲覧制度というのもございます。 市民の皆様には、「広報うえだ」や上田市ホームページでお知らせしてきておるところでございますが、今年度の縦覧期間でありました4月1日から5月2日までの約1カ月間で、縦覧12件、閲覧559件と、多くの皆様にこの制度をご利用いただく中で評価状況を確認していただいておるということでございます。 また、上田市の地価等についての情報でございますけれども、国土交通省では地価公示価格を公表しておりますし、長野県では地価調査価格というのも公表しております。いずれもそれぞれのホームページで公開されるということでございますので、そちらでも確認いただけますし、また一般財団法人資産評価システム研究センターでございますが、こちらでは相続税路線価あるいは固定資産税路線価等の公的土地評価情報をインターネットを通じて全国地価マップとして公開しておりますので、どなたでもごらんいただけるという状況でございます。 今後とも引き続き、公平、適正な課税に努めるとともに、納税者の皆様には固定資産税に関して丁寧な説明をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 山田議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前11時11分   休憩                       ◇                                午前11時25分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(3)「真田丸」放送終了後の地域振興策と上田市のPR方法について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第19号、「真田丸」放送終了後の地域振興策と上田市のPR方法について、松山議員の質問を許します。松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) 通告に従い、質問してまいります。 今回の質問は「真田丸」放送終了後の地域振興策と上田市のPR方法に関して伺ってまいります。 現在放送されているNHK大河ドラマ「真田丸」は、視聴率も好調に推移し、全40話中23話が終了し、後半戦へ突入しています。上田市としても、「真田丸」効果でお越しになる観光客へのおもてなしに関する準備や体制整備など、大方完了したところであり、これから準備万端整い、さらに大勢の観光客をお迎えして、大いに上田を満喫していただき、財布のひもを緩めて、地域振興に寄与していただくことを期待しているところでございます。 しかし、そんな今だからこそ、大河ドラマ放送終了後に、大きく伸びた地域経済波及効果が反動で減少することが予想される来年度以降の新たな地域振興策、「真田丸」放送実現に向け上田市民一丸となって取り組んだような目標設定が必要な時期ではないでしょうか。 私は、昨年12月議会でも同様の質問をし、特に日本遺産認定に関する上田市の取り組みに関して伺いました。大変前向きな方針を答弁いただき、上田市長もその後さまざまな公的な場面で日本遺産へのチャレンジを明言されておられます。 ご承知のように4月25日、新たに第2回目の日本遺産認定19件が発表され、合計37件が認定されています。その中には、長野県で初めて、南木曽町が中心となり木曽郡6町村と塩尻市が連携した「木曽路はすべて山の中~山を守り山に生きる~」が認定されています。このように身近な地区からも認定される市町村が出始めています。 第2回の申請状況は、全国42都府県の219市町村から計67件の申請がされ、再挑戦も含めて、新たな申請もふえている状態です。全国で、あと残り約63カ所程度、申請期間は4年弱という形になります。上田市としても一刻も早く準備が整い、日本遺産認定へ正式に申請できることを願いつつ、まず日本遺産認定において、その土台となる上田市歴史文化基本構想の策定が平成30年度内を目指すということですが、早期策定することはできないかを伺います。 また、現段階で上田市として日本遺産認定の申請はいつごろ実現する予定なのかを伺い、私の第1問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 日本遺産の認定に向けた取り組みにつきましてご質問をいただきました。 この日本遺産とは、地域の歴史、文化、風土等を背景として、一定のテーマ、いわゆるストーリーのもと文化財をその環境も含めて総合的に捉え、まちづくりや地域の活性化などに生かしていくことを目的に、昨年度から文化庁が認定を始めたもので、議員ご指摘のとおり現在37件が認定されております。 その日本遺産への認定申請のためには、上田市の場合、歴史文化基本構想というものを策定しておくことが大切な要件となっております。この歴史文化基本構想におきましては、有形、無形の指定文化財や、あるいは未指定の文化遺産を含めまして、その周辺環境もあわせて、総合的に保存、活用するための方針等を定めることによりまして、文化財保護に関するマスタープランとしての役割を果たすことが期待されております。 そこで、上田市といたしましては、この歴史文化基本構想策定のため、既にこの6月から市内文化財の悉皆調査に着手しておりますが、あらゆる文化遺産を対象に市内全域を調査することから始まりまして、保護、活用の方針や計画を策定するまでには相応の期間を要するものと考えられます。このことから、上田市歴史文化基本構想の策定は平成30年度末の完了を予定しております。したがいまして、日本遺産への認定申請につきましては、平成31年度を予定しております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 さまざまな要因、また6月から市内各所において悉皆調査が始まるということで、作業量及び時間的な問題から、現状では平成30年度が精いっぱいであるというご答弁だったと思います。そういう形になりますと、日本遺産の申請は31年度という形になるということでした。 私は、日本遺産に認定されることは最終目的ではないと思っています。これを最大限利用して上田市の地域振興にいかに結びつけるか、そのためにはやはり時間が必要です。一刻早い申請を強く望みます。 次の質問です。日本遺産を申請する際に、歴史や風土、文化など考えられる題材から、上田市としてどのようなテーマを検討し、地域特性を際立たせながら、日本遺産認定が求めるストーリー性のある一連の物語を織りなすかが重要となります。また、その物語をつくり出す過程が、地域住民の皆様に地元の再確認と地元愛をもたらす大切な機会になると考えております。それほど重要な申請テーマは、いつごろ、どのような方法で、どんなものを決定するのか、現状の方針を伺います。 また、日本遺産の認定も2回目となり、ある程度、はっきりした方向性と認定傾向があらわれています。2回目の傾向として、市町村単位単独申請よりも、広域かつ複数の市町村で連合した申請が多くなっているようですが、申請テーマとして、上田市単独で応募する地域型なのか、テーマに関連する広域自治体で関連したテーマを選択するシリアル型なのか、伺います。 増加傾向であるシリアル型での申請を目指すのであれば、複数の市町村とさまざまな調整が必要であり、さらに時間が必要になりますが、時間的余裕は十分考慮されているのかも伺います。 また、確認ですが、多くの認定された市町村自治体の分析、研究の実施はもちろん、日本遺産認定を受けた自治体が中心になって全国で開催されている日本遺産サミット、ことしは第2回が7月1日に岐阜で開催されるということですが、このようなイベント等へ積極的に参加して情報収集などは実施されているのか、伺います。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) まず、日本遺産に申請するテーマ、ストーリーにつきましては、上田市歴史文化基本構想の策定作業と並行して検討を進めていく予定でございます。その際に、上田市歴史文化基本構想の調査結果を市民の皆さんと共有化するとともに、専門家による客観的かつ学術的な評価を得ながら、地域の文化財等の価値や魅力への市民の皆様のご理解を深めてまいりたいと考えております。 次に、シリアル型と地域型、どちらの方式を目指しているのかというご質問がございましたが、このシリアル型につきましては複数の市町村が一つのテーマで申請するもの、地域型は単独の市町村内でストーリーが完結するテーマのものとなっておりますが、このシリアル型につきましては、議員ご指摘のとおり他の市町村との調整が必要でございます。地域型につきましては、歴史文化基本構想の策定が必須の条件となってございます。先ほどもお話がございましたとおり、現在37件認定されておりますうち、地域型が12件、シリアル型が25件と、シリアル型のほうが多くなってございます。 上田市といたしましては、上田市歴史文化基本構想策定の中で見出されたテーマ、ストーリーを確認して、地域型でまず申請することを基本にしながら、テーマによってはシリアル型を含めて検討してまいりたいと考えております。いずれの場合につきましても、平成30年度までにはテーマの絞り込みをしてまいりたいと考えております。 次に、情報収集あるいは認定に関する分析研究についてでございますが、この日本遺産に関する事例発表あるいは情報交換の場として、議員ご指摘のとおり昨年度から日本遺産フォーラムというものが開催されておりまして、今年度は7月に岐阜市で開催されます。上田市は、昨年の第1回目より担当職員を派遣して、積極的な情報収集等に努めております。今後とも文化庁あるいは長野県教育委員会とも随時連絡をとりながら、情報収集と認定のための研究を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 上田市の歴史文化基本構想をしっかり構築しながらテーマも絞っていくという形、大変重要な仕事が2つ重なって大変だと思います。また、方針としては地域型を中心に考えるという形で、ある程度、明確な方針が出されたのではないかなと思います。また、危惧していたような調査等もしっかりされているということで、一安心したところでございます。 次の質問に移ります。日本遺産認定は、さまざまな国からの支援が得られるとともに、急増する外国人観光客に対する効果的なPR活動が期待されております。しかし、そのためにはしっかりした受け入れ態勢及び準備が必要不可欠であります。せっかく申請されても、予想外に成績が上がらない自治体も実際にあるようです。その主な要因は、申請内容にもよりますが、受け入れ態勢の不備。例えば外国語表記での案内板の不備やガイド情報、スマートフォン用のアプリの多言語化のおくれ、また観光情報の発信方法の多様化不足などが指摘されているようです。並行して、国内の観光客に対しても、認定を受けた自治体は大手旅行代理店との連携による観光誘致イベントや旅行商品の開発、販売などを実施されておられます。 日本遺産認定は、認定されてからがスタートであり、本当の勝負です。いかに地元の魅力を国内外に広く発信して観光客を呼び込む努力と、しっかり受け入れ態勢を整備するかにかかっています。これらは日本遺産認定を目指すためだけではなく、観光都市として常に改善整備、充実されるべき課題でもあります。 上田市として、日本遺産認定後を見据えた観光施策は十分に検討されているのか、伺います。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 日本遺産に認定された後の観光振興やインバウンド、また情報発信などの対策、対応などについてのご質問をいただきました。 日本遺産は、地域に点在する遺産を面として活用し、発信することで地域活性化を図ろうとするものでございまして、具体的な活用策として、観光は大きな手段になり得ると考えております。実際に日本遺産の認定地を旅行先としてツアーを企画している大手旅行エージェントもございまして、魅力的な観光商品の企画対象として注目されているものと理解しております。 上田市では、これまでも上田城や信州の鎌倉といった神社仏閣など、市内にありますさまざまな文化財を観光素材として情報発信をしておりまして、旅行エージェントによる旅行コースの商品化もされてきております。 日本遺産の認定の方向性、手法につきましては、教育次長から答弁申し上げたとおりでございますが、どのようなテーマになるにしましても、地域内に存在する文化財を、行政ばかりでなく、所有者や地域住民のほか、さまざまな市民活動団体が守り育てていくことが、魅力的な観光地をつくり上げていくことにつながっていくものと考えております。 また、外国人の目に魅力的な観光地と映るためには、上田市内あるいは連携した地域も含めて日本特有の文化や伝統、景観などが活用されることが必要であると考えております。インバウンドの視点でも、日本遺産の認定に向けた過程の中で、有効な素材の掘り起こしや既存素材のブラッシュアップなどを図る必要がありますので、認定に向けて具体的な方向性が定まった段階で、並行して観光の視点でも情報発信あるいは受け入れ準備等を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 認定されてから。もっともだと思います。ただ、ここにも実は「真田丸」の効果があります。他地区であれば、一からまたつくり直さなくてはいけない状態でありますが、上田市の場合はこの「真田丸」に関して、大きくこのような受け入れ態勢が前進している状態です。ここのところの改善点も含めつつ、さらに検討していただくことを期待します。 次の質問に移ります。ワールドカップのキャンプ地誘致に関して伺います。上田市では、2019年ラグビーワールドカップ日本大会の参加国のキャンプ地誘致を他地区に先駆けて開始し、日本開催時の公式ラグビーキャンプ地誘致の先進地として全国的にも有名であり、菅平にアスレチック施設を建設予定など、着々と準備を進めております。 そんな中、5月24日に公認キャンプ地選定方法が発表されました。内容的には、一つの自治体が複数チームを受け入れることも可能であり、さまざまなステップを経て、最終的に17年秋以降に30から40カ所の公認キャンプ地を決定する予定だそうです。その公認キャンプ地候補地の募集は8月11日から開始され、募集要項には、応募窓口は各市町村が対応することになっています。誘致活動は菅平観光協会が中心となり、上田市にラグビーワールドカップ2019キャンプ地を誘致する会が設立され、活動されておられますが、上田市として、その準備の状況はどうか、伺います。 また、応募後も組織委員会との細かな条件確認や規定確認、参加チームとの綿密な環境整備など、実際の準備やワールドカップキャンプ地誘致を推進する専門担当部署や人材などが必要不可欠だと考えます。上田市としての見解を伺います。 そして、キャンプ地誘致は、事前キャンプ地に関しては自由に事前交渉を進めてよいことになっていますが、上田市は事前キャンプ地として出場決定国などへのPR活動はどうしているのかも伺います。 ご承知のとおり、参加出場国はわずか20チームであり、イングランド大会でのベスト12位までは既に出場が決定しています。まず、これらのチームに対して早急に交渉を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、現在具体的に交渉してチームを絞り込んでPR活動などを進めているのかも伺います。 ○議長(土屋陽一君) 西入政策企画部長。          〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕 ◎政策企画部長(西入直喜君) ラグビーワールドカップキャンプ地誘致の状況と対応ということでご質問いただきました。 まず、現在の準備状況等についてお答えいたします。議員からもご紹介ありましたとおり、この5月24日にキャンプ地選定までのスケジュール等を含むガイドラインが公表されております。これによりまして、公認チームキャンプ地の応募期間は8月1日から受け付けが開始になるということでございます。これも議員からもご案内ありましたとおり、これまで上田市は積極的にこの誘致に向けて取り組んでまいりまして、上田市にラグビーワールドカップ2019キャンプ地を誘致する会、これが市長が会長となりまして積極的にPR活動を行ってまいりました。現在は、宿泊施設等がこのガイドラインに沿うかどうか、具体的な話につきまして、菅平高原観光協会と確認を進めている状況でございます。 また、この7月6日に開催予定の申請に関する説明会が開かれます。ここには市としても出席しながら、申請に向け、書類等の整備、準備を整えてまいりたいと考えております。 また、担当する部署ということでございますが、このキャンプ地誘致につきましては、現在シティプロモーション推進室が所管してございます。今後、選定プロセスが進むにつれまして業務量が多くなることが見込まれます。このことから、人員体制の整備につきましては必要に応じて検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、事前キャンプ地として、出場決定国などへのPR活動、またチームを絞り込んでの活動の考え方ということでございます。ご案内のとおりチームキャンプ地には、大会期間中にチームが滞在する公認のチームキャンプ地と、大会期間前に滞在する事前のチームキャンプ地がございます。事前のチームキャンプ地については、出場国が大会日程等を考慮しながら、必要に応じて実施を決める傾向があるとお聞きしております。 公認、事前を問いませんが、キャンプ地としてPRすることにつきましては、例えば昨年でございますが、イングランドから菅平高原にお越しいただきましたセント・ポールズ校ラグビー部関係者の皆様に菅平高原をPRするためのプレゼンテーション等もさせていただいたところでございます。 また、ことしに入りましては7月の下旬に、同じくイングランドからマルボロカレッジ校が菅平高原にお越しいただくという予定になっております。この機会を捉え、菅平高原のすばらしさを重ねてPRさせていただくことを予定しております。 いずれにいたしましても、事前キャンプ地誘致を視野に入れつつ積極的にPRを行いまして、キャンプ地誘致の実現に向け鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 どちらにしても、これは上田市がラグビー合宿のメッカであり、ワールドカップのキャンプ地誘致も早くから表明しております。全国でも非常に注目度が高い部分でございますので、この選考にはぜひとも選ばれなければならない重要課題だと思います。 ご承知のとおり、これは選ばれても、実際使用されないということも考えられます。先ほどイングランドというお話がありましたけれども、イングランドも非常に多くの地区からオファーのような形を受けていると思います。1カ所で、公認キャンプに関してですけれども、大体9.8日ぐらい滞在していただいて、公認キャンプを平均する1チームで大体3カ所ぐらい回る。また、2チーム以上が同じ公認キャンプ地を使ったという形が18カ所あります。ここに先ほど事前キャンプの誘致を加えると、相当数、上田で滞在していただくことが可能になります。日本政策投資銀行は、このワールドカップの経済効果が総額で2,330億円という試算もされております。ぜひしっかり活動していただきたいと思います。 次の質問です。このラグビーワールドカップのキャンプ地誘致もまたそうですが、その後控える東京五輪・パラリンピックに向けた対応について、幾つか伺います。 私が調べたところ、現在はキャンプ地誘致に対する情報発信は特にされていないようでした。確かにリオオリンピックが終了してから、各国も東京五輪・パラリンピックに向けての本格的な準備を進めるとは思いますが、上田市としてもそろそろしっかりした情報発信をすべきだと考えます。オリンピック・パラリンピックキャンプ地誘致に関する上田市としての情報発信はどのような検討しているのか、伺います。 また、事前の情報発信が特にされていないということであれば、事前キャンプ地に関する情報を発信しているさまざまな公的な情報発信媒体を積極的に利用すべきと考えますが、いかがでしょうか。公的な情報発信媒体の活用で現在利用されているものの中で気になるものがあります。昨年10月30日に全国知事会が中心となって開設された東京五輪・パラリンピックのキャンプ地誘致データベース、「Sports CampJapan」の上田市の掲載内容についてです。 上田市の掲載内容は、上田市自然運動公園での競泳、バレーボール、バドミントン、バスケットボール、上田市上田城跡公園でのバレーボール、バドミントン、バスケットボール、上田市菅平高原スポーツランドでの陸上競技、サッカー、ラグビーとなっています。このデータベースは、主に東京五輪・パラリンピックの事前キャンプ誘致を目指したものであります。確かに掲載に関しては、現在の設備状況に関する部門は問われておらず、オリンピック終了後は国内外のスポーツ合宿の誘致も念頭にあるようですが、真剣に東京五輪・パラリンピックの事前キャンプ地の誘致を考えるのであれば、上田市としてこの掲載内容を再検討すべきではないかなと考えます。 以上、3点について見解を伺います。 ○議長(土屋陽一君) 西入政策企画部長。          〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕 ◎政策企画部長(西入直喜君) 東京五輪・パラリンピックに向けての対応ということで、そのキャンプ地誘致に関しての情報発信、それから公的なデータベースへの登録についてのご質問をいただきました。 まず、東京オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、ラグビーワールドカップの翌年に行われるということでございまして、菅平高原を世界にPRする絶好の機会と捉えております。このため、東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致につきましても、ラグビーワールドカップとあわせて取り組んでいくことが有効であると考えております。 こうしたことから、上田市にラグビーワールドカップ2019キャンプ地を誘致する会におきましても、規約を改正し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会における事前キャンプ地誘致に関する取り組みも行っているところでございます。また、現在は、姉妹都市、友好交流都市のつながりの中で、キャンプ地誘致の可能性のある国の大使館に向けてPRを始めているところでもございます。 次に、東京五輪・パラリンピックに向けて、全国知事会が作成いたしましたデータベース、いわゆる「Sports Camp Japan」というものがございます。これの活用、また掲載内容についてでございます。「Sports Camp Japan」、これは全国各地のスポーツ施設の概要をデータベースとして取りそろえたものでございますが、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを初めとする大規模なスポーツイベントを控え、スポーツ合宿の機運が高まっていることから、平成27年10月、全国知事会において作成されたということでございまして、全国の市町村から情報を収集、公開したものであります。 収集いたしましたデータは、オリンピック・パラリンピックのキャンプ等のハイレベルの基準をクリアする施設にとどまらず、スポーツ合宿の誘致を推進している市町村の幅広い施設を対象としたものでございまして、それを効果的にPRできる環境の整備ということを目的としております。 こうした状況を踏まえまして、上田市といたしましては、2019年開催のラグビーワールドカップはもちろん、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック、さらにその後においてもスポーツ合宿の誘致を目指していることもありまして、全国に情報を発信できるよい機会と捉えまして、菅平高原スポーツランド、上田城跡公園体育館、自然運動公園総合体育館及び50メートルプールにつきまして、情報提供をしたところでございます。 オリンピックやパラリンピックといった国際大会では、施設規模や照明、空調設備など、さまざまな施設要件を満たす必要があることは承知しております。承知しておりますが、登録に当たりましては、将来を見据え、国内大会等における合宿誘致活動の契機と捉え、スポーツ施設を選定し、情報提供したという状況でございます。 今後につきましては、スポーツ合宿の誘致に結びつくよう、各施設のPRポイントを再度精査した上で、必要に応じ「Sports Camp Japan」の掲載内容を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 まず、ワールドカップと並行して東京五輪・パラリンピックも誘致をしていくということがしっかり表明されて、よかったなと思います。 情報発信に関しては、このままの状況で進んでいくと。特に、「Sports Camp Japan」に関しても、この内容だというようなことでございました。そうなってくると、今回ちょっと質問には挙げておりませんけれども、先ほどもご答弁いただいたような形で、しっかり掲載の場所に関する施設の整備ということはやっていかないと、これはやはり上田市として大きな問題になるのではないかなというふうに思います。 次の質問に移ってまいります。事前キャンプ地誘致とも関連する内容ですが、政府は2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、スポーツ立国グローバル化の推進、地域活性化、観光振興等に資する観点から、参加国、地域との人的、経済的、文化的な総合交流を図る地方公共団体をホストタウンとして全国各地に広げるための募集が開始され、ことし1月、第1次登録、44自治体が発表されております。この中には、長野県から駒ヶ根市がベネズエラ、ネパール、佐久市がエストニアとの交流が発表されています。ホストタウンの2次登録の発表も今週中にされるということで、今後、さらに注目度が上がることが予想されます。 ご承知のようにホストタウン構想に登録されると、各種財政措置が支援されます。大会関係者との交流費用の半分を特別交付税措置、事前合宿に活用する既存スポーツ施設の改修に要する費用を地域活性化地方起債、充当率90%、元利償還金に対する普通交付税措置率30%を今年度予算において実施されるとのことです。何よりも各省庁を初め東京オリンピック・パラリンピック組織委員会から重点的な支援をいただけるということで、事前キャンプを目指す誘致活動において大きな推進力と後ろ盾となるのではないでしょうか。 このような手厚い各種支援策は、とりあえず今年度のみの決定であるということでございます。来年度以降は登録申請は継続予定ですが、昨今の状況から推測いたしますと、さまざまな支援内容は徐々に縮小される可能性が高いように感じます。今年度の最終募集は第3次登録受付、10月末日です。有利な条件が表明されているうちに実行すべきではないかと考えます。 五輪参加国との交流を進めるため国が財政支援する自治体ホストタウンに関して、上田市として取り組む考えはあるかを伺い、私の一般質問を終了します。 ○議長(土屋陽一君) 西入政策企画部長。          〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕 ◎政策企画部長(西入直喜君) 五輪参加国との交流を進めるため、国が財政支援する自治体ホストタウンについての取り組みについてのご質問でございます。 このホストタウン構想につきましては、東京オリンピック・パラリンピックに参加する海外選手や関係者と地域の住民の交流を促進することを目的に計画されておるものでございます。市におきましても、ラグビーワールドカップやオリンピックのキャンプ地誘致にも取り組むことから、ホストタウン構想を活用した国際交流の推進、地域活性化や観光振興を目指したいと考えております。 現在、このホストタウンとしての登録を得るため、交流計画を含む申請書を国へ提出しているところでございます。今後につきましても、対象となる国を絞り込みながら交渉を進め、相手国との合意が得られるよう努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。          午後 零時01分   休憩                       ◇                                午後 1時00分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(4)市政について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第20号、市政について、松井議員の質問を許します。松井議員。          〔11番 松井 幸夫君登壇〕 ◆11番(松井幸夫君) 通告に従いまして、順次質問してまいります。 最初に、地域内分権についてお尋ねいたします。新市発足以降、合併に対する住民の不安を払拭する体制づくりや住民の意識の高揚や市民協働の体制づくり、地域のまとまりを大切にしながら上田市全体の発展を目指す重要な施策として推進しています。地域住民が一体となって、地域の個性や特性を生かした地域内分権につきまして、最終行程の第4ステージを迎え、分権型自治、住民自治組織設立に向けた取り組みがなされています。 市は準備組織となる地域経営会議を設立するため地域担当職員を配置し、地域協議会や自治会、各種団体等と意見交換を重ねております。地域経営会議の設立に至った地域であっても、委員の方によって、住民自治組織の役割や必要性に対する認識には、まだまだばらつきがあると思われます。地域内分権確立には、地域住民の皆さんが住民自治に対して、しっかりとした理解のもと連携や協力をし合って、みずからの手で立ち上げていく住民自治組織でなければならないと考えるところであります。 そこで、これまでに地域経営会議が設立された川西、丸子、神科・豊殿、3モデル地区で発足した住民自治組織の現在までの活動状況はどうかお伺いし、最初の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) それでは、地域内分権につきまして、現在設立されております3地区の住民自治組織の活動状況のご質問でございますが、川西地域の川西まちづくり委員会と丸子地域の丸子まちづくり会議につきましては、ことしの3月に、また神科地域の神科まちづくり委員会につきましては、先月5月に設立されたところでございます。いずれも住民自治組織設立協議のモデル地区としまして、平成27年3月にそれぞれの地域経営会議を設立し、約1年をかけまして住民自治組織の設立に向けて協議を重ねていただきました。 設立初年度の住民自治組織の活動内容につきましては、地域経営会議の中で話し合われてきました課題解決のための具体的な行動計画とも言える地域まちづくり計画の素案や策定方針をさらに精査し、正式に策定していただくなど、今後の活動への基盤固めをしていただくことが中心になると考えております。 設立されました3地区の住民自治組織では、設立後の経過期間もまだ短く、また進捗状況に差異はございますが、いずれの住民自治組織につきましても、住民の周知のための自治組織だよりなどの広報誌発行の検討や、新任役員への研修会の実施、事務局体制の整備など組織定着化のための事業を推進するとともに、地域課題に関する住民アンケート実施の検討などを行いまして、今後、地域まちづくり計画の策定等を行っていく予定でございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 松井議員。          〔11番 松井 幸夫君登壇〕 ◆11番(松井幸夫君) ご答弁いただきました。 3地区の住民自治組織は設立後の期間が短いため活動実績が少ないようでありますが、今後、地域住民の皆さんへの周知が必要と考えます。 次に、市が当初考えていた住民自治組織の設立範囲では地域協議会の設置区域が基準とされていたと思うが、組織設立が地域協議会単位と異なっている地域もあります。そこで、設立された住民自治組織のそれぞれの区域や組織形態の考え方、特徴はどうか。また、市は何を目指し、どのような支援を行う考えか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) ご質問いただきました地域経営会議単位のお話、また何を目指してどのような支援を行うかというご質問でございます。 住民自治組織の設立に向けました検討準備段階であります地域経営会議につきましては、市の統一した方針といたしまして地域協議会の範囲に設立していただくこととしております。一方、地域経営会議の協議を経て設立されます最終形の住民自治組織の範囲につきましては、自治会や各種団体、住民の皆様が連携して、まちづくりに主体的かつ持続的に取り組む必要があることから、市内一律に定めるのではなく、歴史や風土など地域の実情に照らしまして、住民の皆様が最も連携、協力しやすい範囲を決定いただきたいと考えております。 現在設立されております3地域の住民自治組織につきましては、地域経営会議の中で地域みずからがまちづくりに取り組み、地域課題を解決していくために、どのような枠組みの住民自治組織を設立することが、より有効で持続性のある組織となるかなど協議いただきました。 その結果、設立されました3地域の組織形態の考え方、特徴を申し上げますと、まず川西地域につきましては、地域協議会の範囲に地区自治会連合会が1つでございまして、以前から地域一体となったまとまりもあったことから、川西地域として1つの住民自治組織を設立するに至りました。 また、丸子地域におきましては、合併前の行政区域として5つの地区自治会連合会から成る地域でございまして、活動の基盤となるまとまりとしましては、地域全体のほか、小中学校の通学区域、地区自治連ごとなど幾つかの候補が考えられましたが、地域全体としての活動を想定する中で、地域協議会の設置区域と同じ範囲である丸子地域全体を1つとした住民自治組織が設立されたところでございます。また、地域全体としてのこの活動とともに、住民の近くでお互いに顔の見えるまちづくりを進める必要性も認識され、住民自治組織の中に5つの地区自治連ごとの地区会議の設置を進めることとなってございます。 次に、神科・豊殿地域におきましては、神科地区、豊殿地区、それぞれの地区自治会連合会の範囲におきまして、自治会や各種団体によって構成されました地域の振興会組織が既に地域ぐるみのまちづくりを進めてきておりまして、それらの活動経過や地域性を踏まえまして、住民自治組織は神科地区と豊殿地区の地区自治連を単位として、別々に設立することが決定されたところでございます。 これまで設立されました住民自治組織は、このように地域の特性に応じたそれぞれの形態を採用するに至っております。市といたしましては、住民自治組織の設立範囲につきましては地域での判断に委ねているところでございますが、設立範囲の違いにかかわらず、地域の個性や特性を生かした主体的な地域づくりが展開されますよう、人的、財政的な支援制度を整えてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 松井議員。          〔11番 松井 幸夫君登壇〕 ◆11番(松井幸夫君) ご答弁いただきました。 設立された3モデル地区の住民自治組織のあり方は、地域住民の皆さんの判断で、特徴のある異なった形態での設立となりました。このような形こそが、地域の個性や特性を生かした住民自治組織のあり方ではないかと思うところであります。 次に、他の地域に先駆けて設立された3地区の住民自治組織のあり方や役割は他の地域からのモデル地区となるため、今後の活動は大変重要かと考えます。そこで、住民自治組織として機能が最大限に発揮されることが大切と考えるが、形だけが先行している地域もあると聞くがどうか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) お答えいたします。 住民自治組織としての機能が最大限に発揮される形ということでございますが、既にこの住民自治組織が設立されました3地域も含めまして、これまでの各地域におきます住民の皆様の活動や活動団体の状況もそれぞれ特徴を有しているところでございます。こうした中で設立されました住民自治組織の活動につきましては、まず可能な範囲で行っていただき、活動実績を積み重ねていただく中で地域の中に浸透し、さらに多くの方の理解、参画を得ることによりまして活動内容も充実するものと考えております。 地域経営会議の段階におきまして、住民自治組織の活動方針や組織構成を検討していただいた中では、地域で現在抱えている課題に加えまして、一層の少子高齢化や担い手不足が見込まれます地域の20年後、また30年後の姿を見据えて検討していただいております。今後の活動の中で、より実情に即した対応がなされていくことで、さらに実効性、持続性を持った組織に成熟していくものと考えております。 住民自治組織におきましては、まずはそれぞれの地域が抱える課題の解決、魅力ある地域づくりに向けての取り組み方針を協議し、具体性のある活動計画を地域まちづくり計画として策定を進め、その計画に沿って無理のない内容で各種事業を実施していただきたいと考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 松井議員。          〔11番 松井 幸夫君登壇〕 ◆11番(松井幸夫君) ご答弁いただきました。 住民自治組織においては、地域課題解決のために、より充実した活動が行われることが大切と考えます。 次に、地域協議会と住民自治組織の役割がはっきり理解できないとの声があります。そこで、住民自治組織が設立された地域では、地域協議会と住民自治組織が両方活動しているが、今後、組織の統合はあり得るのかどうか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) 地域協議会と住民自治組織の統合はあるのかというご質問でございます。 まず、市の附属機関でございます地域協議会の役割でございますが、大きく3点にまとめることができます。1つとしまして、市の諮問や意見の求めに応じた案件の審議。2つとしまして、総合計画におきます地域の特性と発展の方向性の実現や地域課題解決に向けた自主的な調査、研究。3つとしまして、わがまち魅力アップ応援事業の審査でございます。 一方、住民自治組織は、住民主体の組織として地域の課題解決のための事業を行っていただく実働的な組織の役割を担っていただくことになります。したがいまして、このように組織の位置づけ自体に大きな違いがありますので、統合といった形をとることはございませんが、地域協議会が担っている地域課題の解決や地域づくりに関しましては、住民自治組織の中心的な役割でもありますので、地域協議会の役割も限定的なものになっていくことは見込まれると考えるところでございます。 このため、市としましても、今後の地域協議会の方向性は重要な課題と認識してございます。現在、第6期の地域協議会の期間、これは平成28年度から29年度の2カ年でございます。この期間を目途に、そのあり方について検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(土屋陽一君) 松井議員。          〔11番 松井 幸夫君登壇〕 ◆11番(松井幸夫君) ご答弁いただきました。 附属機関の地域協議会と住民自治組織の統合はないとのことですが、今後、住民自治組織の担う役割が重要と考えます。地域協議会のあり方も検討するとのことですので、地域住民に理解できる形が必要と考えるところであります。 次に、住民自治組織の設立年度は、第4ステージの中で平成32年度と定められていますが、現段階では地域によって設立年度が異なっています。設立された住民自治組織には地域担当職員や交付金等で支援されることから、市内全域での地域内分権の足並みをそろえることが大切と考えるがどうか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) 地域内分権の足並みをそろえることが大切というご質問でございます。 住民自治組織の設立に当たりましては、地域経営会議での協議など住民が主体となりました検討が何より重要でございます。地域ごとの進捗に応じて推進を図る中にあって、地域によって設立の時期に現在差異が生じております。しかしながら、市といたしましては、人的、財政的な支援制度の確立や、地域協議会のあり方など、全市的に統一を図るべき事項への影響も考えられるため、市内全域で地域内分権推進の足並みをそろえる必要があると認識しております。 計画では、地域内分権確立に向けた第4ステージの最終目標を平成32年度としておりますが、モデル地区の状況など各地域での取り組みを共有しながら、一日も早く各地域の足並みがそろい、市内全域において地域内分権が制度として確立できますよう努めてまいります。 以上でございます。
    ○議長(土屋陽一君) 松井議員。          〔11番 松井 幸夫君登壇〕 ◆11番(松井幸夫君) ご答弁いただきました。 次の質問に移ります。広域連携による産業振興についてお尋ねしてまいります。 少子高齢化や人口減少による人材不足や雇用機会の減少、それに伴う地域経済の減速が危惧される中、地域の技術や特性を生かした産業や経済の活性化が求められています。上田市において、現在も産学官連携支援施設、ARECとの連携による産業振興は行っておりますが、新たなる広域連携による産業振興については、市長の提案説明にもありました(仮称)東信州イノベーションセンターの概要と(仮称)東信州次世代産業振興協議会の役割は何か、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) (仮称)東信州イノベーションセンターの概要と(仮称)東信州次世代産業振興協議会の役割は何かについてご質問をいただきました。 上田市の地方創生に向け、地域産業の活性化と暮らしの基盤である仕事づくりは最重要課題でありまして、地域の経済、雇用を牽引する基幹産業である製造業において新たなイノベーションを生み出し、競争力を高めていくことが重要であります。当市の製造業におきましては、その多くは市内の事業者間の取引にとどまらず、市町村の枠を超え、主に千曲川工業ベルト地帯を中心とする広域的なサプライチェーンに支えられて活動しております。これらの広域的なものづくり技術力の集積と信州大学繊維学部の研究シーズ、そしてこれらの産学官連携を担うARECのこれまでの実績を最大限に発揮し、スケールメリットを生かして、より大きなイノベーションを生み出そうというのがこのたびの東信州次世代産業振興の取り組みであります。 この取り組みの推進母体となります(仮称)東信州イノベーションセンターにつきましては、ARECの現在の産学官連携の機能を土台として、より一層のコーディネート機能を高めた体制とし、これまでの会員企業向けの活動に加え、この取り組みでは地域内の全企業を対象としていく予定であります。 イノベーションセンターの役割といたしましては、民間企業、大学、関係機関等との連携によって、次世代成長産業創出に向けた共同研究、事業推進のコーディネート及び人材育成、技術開発、販路拡大、技術者の誘致等、エリア内企業へのさまざまな支援を担います。この産学官連携によるイノベーションセンターの取り組みを広域的な自治体連携でバックアップする体制として、(仮称)東信州次世代産業振興協議会を設立いたします 協議会の役割といたしましては、関係市町村の担当者による戦略推進会議を設置いたしまして、推進母体であるイノベーションセンターとの連携による事業計画策定や運営財源の検討や協議などを行い、来月の5日には、東信州10市町村の上田市、佐久市、千曲市、小諸市、東御市、坂城町、御代田町、立科町、長和町、青木村によりまして連携協定の調印を行い、取り組みをスタートしてまいります。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 松井議員。          〔11番 松井 幸夫君登壇〕 ◆11番(松井幸夫君) ご答弁いただきました。 今後は協議会とイノベーションセンターとの連携による10市町村との取り組みがスタートされ、地域の特徴を生かした地域経済の活性化につながるものと考えます。 次に、広域的な取り組みによる産学官連携を核とし、地域の特性を生かした次世代産業の創出とは何を目指していくのか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 次世代産業創出事業とは何を目指しているのかをお尋ねいただきました。 東信州エリアの製造業におきましては、加工組み立て型やソフトウエア産業などの多様な産業集積に加え、自動車、電機で培った高度な技術力の基盤があります。また、人口規模で40万人、製造品出荷額は、平成26年長野県工業統計調査によりますと約1兆3,000億円のスケールとなりまして、全国でも有数の工業集積地として注目度も高まります。さらには、日本で唯一繊維学部を有しています信州大学の軽量化素材等の研究シーズ、そして産学官連携のトップランナーとして全国から注目されておりますARECがあることなどの強みがございます。 これらの地域内の強みを最大限に生かしまして、将来的に成長が見込まれる次世代自立支援機器産業、例えば介護分野や農業分野に役立つパワーアシストスーツや入浴、リハビリ等を手助けする生活支援機器等の完成品をエリア内で生み出していただきたいというのが最大の目標でございます。こうした目標を旗印と掲げ、イノベーションセンターを核として、大学、参加企業、商工会議所、金融機関等の産業支援機関の連携による共同研究、開発、製品化を目指してまいります。 また、共同ホームページ作成による情報発信、RESASによる広域産業分析、エリア内企業向けの各種人材育成プログラムの推進、技術開発や販路拡大の支援など、広域連携によるスケールメリットを生かした取り組みを推進してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、地域のものづくり産業の振興に向けた、他に例を見ない広域連携でございます。市といたしましても、連携する市町村との共同体制のもと、関係自治体の牽引役として当エリアの持続的発展に向け努めてまいります。 ○議長(土屋陽一君) 松井議員。          〔11番 松井 幸夫君登壇〕 ◆11番(松井幸夫君) ご答弁いただきました。 ことし3月に産業水道委員会でARECへ視察に行ってまいりました。そのときの資料によりますと、千曲川工業ベルト地帯の人口は約41万人、これは平成28年1月時点のことだそうです。製造品出荷額は約1兆2,231億円となっています。この製品出荷額も平成25年のものですから、ただいまの答弁の金額とは異なっていると思います。 そこで、全国他市と比較しますと、東大阪市の人口約50万人、製造品出荷額1兆2,898億円と同等の規模となることがわかります。今後は地域の集積する技術や地域特性のさらなる健在化に向けての産業振興に期待をいたすところでございます。 次に、さまざまな業種、年齢の人々が集まり、仕事をしたり、ノウハウやアイデアを共有し協働するコワーキングスペースの事業で、若者や子育て中の女性の雇用創出につながるクラウドワーキングについて、少しお話をさせていただきます。クラウドワーキングとは、企業が業務の一部を外部委託するもので、それをフリーのワーカーが在宅で業務を請負することで、時間と場所にとらわれずに働ける新しい働き方として注目を集めています。 そこで、クラウドワーキングに対する市の支援はどのようなことを考えているのか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) クラウドワーキングへの市の支援についてお尋ねをいただきました。 コワーキングスペースは、独立して働く者同士が集まり、共有するオフィスのことで、利用者が情報交換や交流し合う中で、新しいアイデアから新たな事業が創出されるなどの相乗効果が生まれるコミュニティースペースであります。 市内には、県内で最初に設置されたコワーキングスペース「HanaLab.」がございまして、市といたしましては、若者等のネットワークの広がりやクラウドワーキングによる起業創出を期待し、設置当初からさまざまな支援をしてまいりました。現在、市内常田、海野町、御所に活動の幅が広がっております。 海野町の「HanaLab.Unno」では、主に女性の社会進出の支援を担っておりまして、子育て中の女性の労働力の掘り起こしから、IT技術等のスキルアップ研修とともに、企業からの仕事の発注とクラウドワーキングの仕組みを取り入れた女性への仕事の提供を行っております。また、施設には、キッチンスペースや託児スペースも併設され、女性同士のコミュニティーが生まれる中で、子育ての不安や孤独が軽減されるなどの相乗効果もあらわれております。 御所にある「HanaLab.CAMP」では、地域のものづくりの技術や若者の発想、IT等の融合によるベンチャーの創造と誘致を目指しておりまして、サテライトオフィス的に利用できる貸しオフィスを備えております。現在は首都圏から移住してまいりましたプログラマーとシステムエンジニアが入居しておりまして、今後の展開が期待されるところであります。 市といたしましては、地域の労働力の担い手として女性の活躍や若者層の起業、創業の促進につながることから、上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略に位置づけ、今年度は国の交付金を活用しながら運営に対する支援を行ってまいります。 今後につきましても、コワーキングスペースを拠点として、女性や若者のネットワークと新たな仕事、まちの活力が生まれ、さらに新たなネットワークに発展していく好循環の取り組みをバックアップしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 松井議員。          〔11番 松井 幸夫君登壇〕 ◆11番(松井幸夫君) ご答弁いただきました。 次の質問に移ります。地域コミュニティー拠点施設と安全安心な地域づくりについてお伺いいたします。 市内の中山間地の過疎地域等においては、人口減少や高齢化が進む集落地域等において、集落での生活や生産活動、さらには従来から行われてきた地域のコミュニティー活動の継続が困難になりつつある中、地域住民の皆さんが安全で安心して暮らせる地域づくりが必要と考えます。今後、維持、存続が危ぶまれる過疎地域における小さな拠点づくりにつながる施設整備が必要と考えるが、どうか。 また、武石地域自治センターは、昭和36年に建築され、築55年を経過した大変古い建物であります。センターの業務を初め、健康づくりや地域内分権の推進、地域住民の防災の拠点施設としても大変重要な施設と考えております。 そこで、今後、武石地域自治センターの庁舎整備についての市の考えはどうかお伺いし、私の最後の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 木藤武石地域自治センター長。          〔武石地域自治センター長 木藤 忠彦君登壇〕 ◎武石地域自治センター長(木藤忠彦君) 集落地域における小さな拠点施設整備の必要性と武石地域自治センター庁舎整備についてのご質問でございます。 小さな拠点づくりは、国が推進する地域再生のための新たな取り組みでございます。少子高齢化に伴う人口の減少が進行する中、特に中山間地域等において小さな拠点づくりに取り組むことは、地域住民が将来にわたり安心して暮らし続ける地域づくりにつながってくるものと考えられます。このために、地域住民みずからによる主体的な将来プランの策定とともに、地域課題の解決に向けた組織形成や、活動、交流拠点施設の集約と強化、並びに周辺施設を結ぶ交通ネットワーク形成が必要でございます。 そうしたことから、上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましても、具体的な施策展開としまして、公共施設の集約を図り、地域コミュニティーを活性化する小さな拠点づくりを武石地域等において推進すると掲げられているところでございます。 さて、武石地域においての小さな拠点の核となる庁舎の整備についてでございます。武石地域自治センター庁舎は昭和36年に建設されたものでございます。築55年を経過いたしまして老朽化が著しく、平成21年度に実施した耐震診断では構造耐震判定の基準を下回っております。こうしたことから、現庁舎につきましては建てかえることとして、上田市の実施計画では項目計上となっております。 武石地域自治センターの庁舎の建てかえに当たりましては、地域における災害、復興時の拠点機能を有すること、総合支所機能を有すること、そして自治会や各種団体が集い、住民自治の活力ある地域づくりを推進するための活動拠点としての機能をあわせ持つことが必要と考えます。 また、地域自治センター周辺に点在しております武石公民館、健康センター、老人福祉センターは、いずれも旧耐震基準で建築されておりまして、築35年から40年以上経過しております。これらの施設につきましても、上田市公共施設マネジメント基本方針にのっとりまして、施設の統合、集約により、ワンストップサービスを実現し、市民の利便性向上が図られる複合施設として整備するよう関係各課との協議を進めております。 財源につきましては、合併特例債や公共施設最適化事業債等、市全体の計画の中でバランスを考慮しながらさまざまに研究し、有効に活用できるよう検討しております。 武石地域自治センター庁舎と周辺公共施設の総合的な集約により、行政と住民や企業等が連携し、魅力ある地域づくりへと発展し得るための拠点となるよう、地域協議会や自治会、公民館の利用者団体ほか、地域の皆様方のご意見も賜りながら整備計画を進めたいと考えております。 以上です。 ○議長(土屋陽一君) 松井議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 1時36分   休憩                       ◇                                午後 1時50分   再開 ○副議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(5)市政について ○副議長(小林隆利君) 次に、質問第21号、市政について、宮下議員の質問を許します。宮下議員。          〔12番 宮下 省二君登壇〕 ◆12番(宮下省二君) 通告により質問してまいります。 我が国は瑞穂の国と言われ、天皇陛下みずから田植えを行い、収穫をされてきました。今月7日、城下小学校では、5年生児童約80人が田植えを行いました。私も初めて参加しましたが、主食であるお米を田植えから脱穀、そして食するまでの体験学習は大変意義あるものと感じました。ことしの秋は大豊作で、市内小学校児童の笑顔と歓声がこだますることを願っております。 最初に、災害時に備えるために行う小中学校及び保育園等の避難訓練等についてお尋ねいたします。避難訓練は、火災や災害が発生した場合、どのように行動をとれば安全に避難できるかを考える大切な機会でございます。したがって、火災を想定しての訓練は、建築基準法の定めにより、小中学校内に設置されている防火シャッターや防火扉を使用して、火災時と同様な状態の中で行うことが望ましいと考えます。 そこで、伺います。昨年、第四中学校では、防火シャッターなどを使用し、火災を想定しての避難訓練を実施したとのことですが、児童生徒の安全を考えた市内小中学校の実施状況はどうか、お尋ねいたします。 また、どのような課題があったのか。児童生徒の生命にかかわる大切なことでありますので、今後、地域の関係者の参加も含め、訓練をどのように考え、実施していくのかお尋ねし、1問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 市内小中学校での火災を想定した避難訓練における防火シャッターや防火扉を使用しての避難訓練の実施状況につきましては、昨年度、平成27年度は小学校では 神川小学校、川西小学校、南小学校、長小学校、傍陽小学校の5校、中学校では、第四中学校の1校での実施となっております。 火災時におきましては、防火シャッターや防火扉は、延焼を防いだり、煙の拡散を防ぐために重要な意味を持つことから、日ごろ扉周辺に物を置かないことは徹底しておりますが、防火扉が閉まった際の冷静な避難行動をとるといった現場での指導が大切であると考えております。 また、防火シャッターや防火扉を使用しての訓練では、他県でシャッターのワイヤ切れ事故も発生しておりますことから、操作方法について全ての教職員が熟知した上で使用することが課題であると考えております。各学校におけます消防設備の点検は、年2回、夏休みや春休みの期間を利用して行われております。その際、防火シャッターや防火扉の点検がございますので、この機会に全教職員の操作方法の研修計画について検討してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、防火シャッターや防火扉の有効性は、児童生徒や教職員の生命を守り、また施設の被害を小さく抑えることが期待されることから、緊急時に児童生徒が安全に迅速に避難できることを訓練を通して身につけさせていきたいと考えております。 また、災害時には学校が広域避難場所となり、教職員は児童生徒を避難させるだけでなく、地域住民が学校に避難してくる場合があることから、地域住民との連携が必要となる場合が想定されます。議員ご指摘のとおり、既に第四中学校のように、そのようなことを想定して地域の関係者との合同訓練を行っている学校もございます。今後は、その取り組みを参考として、地域と学校との連携した訓練を図っていく必要があると考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 宮下議員。          〔12番 宮下 省二君登壇〕 ◆12番(宮下省二君) ご答弁いただきました。 2年前にも同様の質問を行いましたが、改善が図られております。今後の対応に期待いたします。 次に、本年5月、ため池ハザードマップが、ため池が設置されている地域の家庭等に配布されました。大地震によりため池が決壊した場合の流出範囲や水位等が表示され、大変有意義な資料であり、今後、このため池ハザードマップを活用していくべきと考えます。東日本大震災の際、学校で最も被害が大きかった宮城県石巻市大川小学校では、津波襲来の歴史がないとの判断から、裏山に5分で避難が可能だったにもかかわらず、大津波への危機意識が全く欠けていたため大惨事となり、天災ではなくて人災だとの被害者の悲痛な声が当時の新聞に掲載されておりました。 そこで、伺います。市では、大震災を教訓として、ため池の補強工事を予定しておりますが、その実施状況はどうか。また、ため池ハザードマップの作成はどうか、お尋ねいたします。 次に、地震発生の際、小中学校の児童生徒や保育園の避難先は、従来から校庭や園庭となっているが、須川池が決壊した場合、池の水が城下小学校や城下保育園に押し寄せてくる時間が、マップには10分後と示されています。石巻の大川小学校では、地震発生から津波襲来まで51分。今後、大地震によりため池の決壊が想定されるわけでありますが、小中学校及び保育園等の避難訓練や保育園の散歩などの際の避難先を十分検討する必要があると思うが、どうか。 また、専門家などの意見を聞いて、今後避難マニュアルなどを見直す考えはないか、お尋ねし、2問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 私からは、ため池の補強工事の予定及びため池ハザードマップの作成状況についてご答弁を申し上げます。 東日本大震災による被害の教訓を受け、防災、減災対策の推進を図ることが求められ、平成25年度からため池の耐震調査を実施しております。耐震調査は、堤体の高さや貯水量が一定規模以上であることや、下流における人家や公共施設の有無などを考慮して選定した上田地域43カ所、丸子地域9カ所、合計52カ所のため池につきまして、国が示す耐震基準では、震度5強程度の地震時にも健全性を損なわず、限定された損傷にとどめることを耐震性能の目標とし、堤体の安全度を検証することとしております。 この調査結果をもとに対策が必要とされたため池につきましては、耐震基準を満たすための補強工事を行うこととし、あわせてソフト対策としてため池ハザードマップの作成を進めておるところでございます。 補強工事につきましては、平成27、28年度に9カ所のため池について国の補助事業として採択を受け、年次計画で事業を進めることといたしております。 ため池ハザードマップにつきましては、想定する条件として、ため池が満水時の際に貯水されている全ての水が瞬時に流れ出す状況を想定しており、浸水被害が想定される区域や到達時間、浸水の深さ、公共施設、避難場所等を表示するなど、避難活動に有効な情報を掲載しております。 上田市におきまして耐震調査を実施する52カ所の全てのため池についてハザードマップの作成を予定しており、このほど作成いたしましたハザードマップは、耐震調査を実施した結果、対策が必要と判明したため池のうち、11カ所分でございます。具体的に申し上げますと、城下地区の須川池、泉田地区の桝池、古池、宝池、塩田地区の来光寺池、下之郷新池、北ノ入池、手洗池、川西地区の西洞池、大沢池、樋の詰池でございます。配布範囲は、各ため池の所在地である自治会及び周辺の関係自治会を対象としておりまして、今後も引き続き年次計画で作成を進めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) ため池ハザードマップを参考にした市内小中学校、保育園、幼稚園の避難訓練等、また専門家など意見を聞いて、今後の方針を決める考えはないかというご質問について、私から一括してお答え申し上げます。 市内小中学校におけます避難訓練には、火災を想定した避難訓練、地震を想定した避難訓練、不審者を想定した防犯訓練、あるいは予告をしないで行う避難訓練など、年4回程度実施しております。また、公立保育園、幼稚園におきましては、毎月1回避難訓練を実施しており、災害発生時に園児の安全確保を図れるよう努めてきております。 中でも、地震を想定した訓練につきましては、まず一次避難行動として机の下に潜る等の行動をとらせ、二次避難行動については校庭へ移動し、さらに火災等が発生し、校庭も危険な場合は避難先を変えるなど、その状況に応じて避難するといった訓練を行っている学校もございます。 今回のため池ハザードマップの浸水想定箇所の範囲内に保育園や避難場所となっている学校施設もございますことから、東日本大震災での水の恐ろしさを教訓とし、地震イコール校庭避難というようなこれまでの慣習にとらわれることなく、あらゆる場面を想定し、情報収集も含めた避難訓練に取り組む必要があると考えております。 今後につきましては、例えば消防などの防災の専門的な立場から助言をいただきまして、状況に応じた避難場所や避難経路について検討を行うとともに、学校や保育園等のマニュアルや防災計画についての見直しを行い、避難の際の指揮命令系統を確立する中で訓練を実施し、防災対応能力の向上を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 宮下議員。          〔12番 宮下 省二君登壇〕 ◆12番(宮下省二君) ご答弁いただきました。 備えあれば憂いなしと言われます。災害において想定外という言葉はありませんので、必要な対策を地元の関係者と協議を重ね、まとめていただきたいと思います。 1点、再質問をいたします。須川池は、下流の住宅密集地域まで高低差で約250メートル、距離約2キロメートルと近いため、決壊した場合は10分で城下小学校、20分で第四中学校へ流出してくるとされています。したがって、結果を知らせる緊急センサー等を設置して、児童生徒並びに住民にいち早く避難を知らせる工夫が必要と考えるがどうか、お尋ねいたします。 次に、メガソーラー等設置に対する規制の強化についてお尋ねいたします。太陽光発電は、国が進める再生可能エネルギー発電施策の一つであり、積極的に推進していただきたいと思うわけでございますが、民間によるメガソーラーの設置の中には、ソーラー等の設置に不向きな北向きの斜面や県指定の土砂災害警戒区域など、誰が考えても適地でないと思われる山林においても野放しに計画がされ、市民からは災害を心配する声が日増しに高まっております。 市内では、丸子地区の生田地籍、長瀬地籍、城下地区の諏訪形及び御所地籍の3地域において、メガソーラー設置反対期成同盟会が立ち上がり、市や県に対し、規制強化を求める活動等が行われています。 そこで、伺います。県では大規模な開発を実施した場合の環境への影響を定める長野県環境影響評価条例及び1ヘクタールを超える林地開発行為を定める長野県林地開発事務取扱要領の改正が昨年から合計で3回行われたと聞くが、メガソーラーの規制に関する手続の変更はどのような内容か、お尋ねいたします。 次に、県林地開発事務取扱要領で定める林地開発許可申請に関する手続において、許可事務を行う県に対し、市では地域住民の安全な生活を確保するため、地元自治会等の切実な状況を伝えることが制度上可能となったと理解してよいか、お尋ねいたします。 次に、山梨県では、昨年11月、太陽光発電施設の適正導入ガイドラインを策定し、立地を避けるべきエリアなどを定め、適切な立地に努めていると聞くが、市として市民の安全な住環境の確保のため、県に対し、山梨県同様のガイドラインの策定を要望する考えはどうかお尋ねし、3問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 保科農林部長。          〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕 ◎農林部長(保科隆夫君) 須川池における緊急センサー等の設置について、再質問いただきました。ご答弁申し上げます。 須川池につきましては、耐震調査の結果、対策が必要と判明いたしましたことから、平成27年度に国の採択を受け、今年度までの2カ年で耐震化の事業を進めておるところでございます。今年度は、堤体の下流側に押さえ盛り土工法による補強工事を行うことにより事業完了となる予定でございます。 ご質問の緊急通報システム等の設置につきましては、個々のため池の立地条件や地域特性なども考慮した上で、国内の他地域の運用状況を調査するなど、総合的に研究してまいります。また、日常の点検活動や情報の連絡体制を再確認するなど、管理体制の整備にも努めてまいります。 続きまして、開発行為における長野県環境影響評価条例及び林地開発許可申請に関する手続に関し、ご答弁申し上げます。 まず、環境影響評価制度の概要についてご説明申し上げます。環境影響評価制度、環境アセスメントとも申しますが、これは大規模な開発事業を実施しようとする事業者が、住民や関係自治体などに意見を聞きながら、事業が環境に及ぼす影響について、調査、予測、評価し、より環境に配慮した事業とするための制度でございます。 長野県環境影響評価条例は、ことしの1月に改正されております。その内容は、太陽光発電施設やリニア中央新幹線など、従来は想定し得なかった事業の大規模開発への対応を図るために改正したもので、森林区域で開発する場合、敷地面積が20ヘクタール以上の事業が環境影響評価の対象となったものでございます。 次に、林地開発許可申請に関する手続についてでございますが、森林におきまして一定規模を超える開発行為を行う場合は、森林法により都道府県知事の許可が必要となります。 長野県では、昨年、林地開発事務取扱要領を一部改正しておりますが、林地開発許可制度の骨格そのものについては変更ございませんので、まずその概要を述べさせていただきます。 林地開発許可制度は、昭和40年代後半の高度経済成長時代、特にゴルフ場やレジャー施設等の無秩序な開発が乱立し、地域社会に大きな問題を招いたことから、昭和49年に制定されたものでございます。対象となる森林は保安林以外の民有林で、許可の対象となる開発行為は、土砂または樹根、木の根でございますが、この採掘、開墾その他の土地の形質、形でございますが、これを変更する行為でありまして、土地の面積が1ヘクタールを超えるものが開発行為に該当することとなります。 この林地開発許可制度は、以下の4点について審査されます。1つには、土砂の流出または崩壊その他の災害を発生させるおそれはないか。2つには、水害を発生させるおそれはないか。3つには、水の確保に著しい支障を及ぼすおそれはないか。4つには、環境を著しく悪化させるおそれはないか。これらの4つでございまして、いずれも森林の持つ多面的な機能が失われないことが審査の基準となっており、この要件を満たしていれば林地開発は許可されることとなります。林地開発許可申請の流れは、地方事務所と開発行為者との事前相談から始まりまして、事前協議として各種の調整が行われ、これが整い、他法令の基準を満たすことが確実と見込まれる段階で林地開発許可申請書が地方事務所長に提出されます。 林地開発許可申請書が受理されますと、地方事務所長から市町村長に林地開発行為に関する意見書が求められ、開発行為が及ぼす影響6項目につきまして、市町村長の意見を申し上げることとなります。この6項目でございますが、1つには公的な土地利用計画及び策定に及ぼす影響、2つには土砂の流出または崩壊その他の災害に及ぼす影響、3つには水害の発生に及ぼす影響、4つには水の確保に及ぼす影響、5つには環境に及ぼす影響、そして6つ目には森林の保全に及ぼす影響でございます。 このほか、河川管理者との協議、現地調査等の後、審査を経た上で、さきに申し上げました土砂の流出または崩壊その他の災害を発生させるおそれはないかなどの4つの許可基準を満たしている場合は許可されるものでございます。 次に、手続の変更についてでございますが、昨年9月に長野県林地開発事務取扱要領の一部が13年ぶりに改正され、この後、11月、またことしの4月と、議員ご指摘のとおり、続けて改正されておりますが、この主立ったものについて申し上げます。 9月の改正につきましては、技術基準に関するもので、太陽光発電施設の場合の降雨確率は、改正前は一律に30年に1度の降雨としていたものを、改正後は10ヘクタール以上の開発行為については降雨確率を50年に1度の降雨に引き上げたものでございます。 11月の改正では、追加されたものがほとんどでございます。主なものといたしましては、地域住民への事業説明に関する部分が新たに強化されております。具体的な流れを申し上げますと、事前協議書が県に提出された後、市町村は地域住民への説明の範囲と説明方法について意見を出すことができます。地域住民は、説明会を受けて、開発行為者に意見、要望を出し、開発行為者は県に文書で説明結果、意見、要望等への対応方針を報告し、県はこれに対し、誠実に対応しているか、確認、指導するという流れとなっております。 このほかに開発区域に残すことが義務づけられている森林、残地森林でございますが、この維持管理に関する協定書の調印者に新たに地元自治会長が加えられております。また、森林法に基づき県が設置しております森林審議会の審査条件とする大規模開発行為の対象面積を50ヘクタール以上から10ヘクタール以上に強化しております。 続きまして、林地開発における地元意見について申し上げます。近年、森林における太陽光発電施設が各地に計画されておりますが、災害発生や景観保全を心配する地域住民の声が多くあることから、県では林地開発事務取扱要領を一部改正したものでございます。 先ほども触れさせていただきましたが、改正後の林地開発許可制度では、開発行為者は地域住民等への説明会を実施することが義務づけられ、住民は必要に応じ、開発行為者への意見、要望等を提出できるとされております。また、県は、開発行為者に対し、指導、協議することとされており、市町村は地域住民の意向を十分調査するとされております。市といたしましても、地元のご意見を尊重し、地域住民の皆様の安全を確保するための意見が十分に伝わるよう対応してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 峰村都市建設部長。          〔都市建設部長 峰村 孝典君登壇〕 ◎都市建設部長(峰村孝典君) 太陽光発電のガイドラインに関したご質問でございます。 山梨県では、地上に設置されます事業用の太陽光発電施設が地形的な要因などから山間部や農地への設置事例が年々増加しておりまして、それに伴い、防災や景観、環境などの面でさまざまな問題が生じていることから、昨年11月、出力10キロワット以上の事業用太陽光発電施設を設置する事業者を対象とした太陽光発電施設の適正導入ガイドラインを策定し、公表しております。このガイドラインには、事業用地の選定の際に立地を避けるべきエリア、また慎重な検討が必要なエリアを示し、計画段階から設置後の維持管理、撤去、廃棄に至るまでの手順や守るべき事項を明示することにより、事業者の自主的な取り組みを促す内容となっております。 また、茨城県におきましても、今年度ガイドラインを策定する予定となっております。 上田市におきましては、再生可能エネルギーの利用促進を図ることとの整合性や、周辺環境に配慮し、秩序ある開発を促す意味において、太陽光発電設備を設置するための技術基準を含めた設置のためのルールや手順を盛り込んだ太陽光発電設備の設置に関する指導要綱、これを昨年10月に施行いたしました。 この指導要綱では、開発区域の面積が1,000平方メートル以上、かつ発電出力50キロワット以上が届け出の対象となります。届け出の状況でございますが、昨年の施行以来、3件の届け出がございます。今後、事前協議中のものを含め、二十数件の届け出が予想されますので、引き続き適正な指導に努めてまいります。 長野県内におきます10キロワット以上の事業用太陽光発電設備の本年2月末現在の状況でございますが、資源エネルギー庁のホームページによりますと、平成24年7月の固定価格買い取り制度スタート以降、新たに認定された施設のうち、県下全域で未稼働の施設が約1万3,000件、発電容量にしまして約113万キロワットございます。同様に、上田市におきましても、未稼働の施設が約1,280件、発電容量にして約6万キロワットございます。 このように太陽光発電設備につきましては、今後も相当数の建設が計画されており、その特性ゆえに生じる問題に対処するため、計画段階から適正なエリアで適切な施工、また設置後の維持管理、さらには固定価格買い取り制度終了後に予想されます撤去、廃棄までの一定の基準が必要であると考えております。 上田市といたしましても、県下全域を対象としました一定の基準を事業者に指導するためのガイドラインの策定につきまして、長野県に対し、機会を捉え要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 宮下議員。          〔12番 宮下 省二君登壇〕 ◆12番(宮下省二君) ご答弁いただきました。 市民にとって安全で安心して生活ができる環境づくりに、なお一層努めていただきたいと思います。 次に、特殊詐欺撲滅対策についてお尋ねいたします。高齢者の皆さんが安心して暮らせる老後のために、また孫の教育費のためなど、長年大切に預金された貴重な財産を一瞬のうちに奪い取る特殊詐欺は、絶対に許すことのできない犯罪であります。全国の特殊詐欺被害額は、3年連続で400億円を超える状況となっております。 市では、昨年12月、特殊詐欺非常事態宣言を行いましたが、その後の被害件数、被害額はどうか。また、その内容はどうか、お尋ねいたします。 次に、銀行や郵便局、信金、JAなどの金融機関等で未然に防止された件数と推定額はどのくらいか。また、特殊詐欺被害件数がなくならない理由を市はどのように捉えているのか。 次に、今後、特殊詐欺被害を防止するため、公民館活動や社会福祉活動なども含め、市として関係機関全体で市民運動を展開して理解を深め、特殊詐欺撲滅に努める考えはどうかお尋ねし、4問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 平成27年12月24日の特殊詐欺非常事態宣言発令後、ことしに入っての上田市内の特殊詐欺の発生状況につきましては、警察統計の5月末現在の暫定値によりますと、被害認知件数12件、被害総額約1,270万円となっておりまして、被害認知件数ではマイナス5件、被害総額では約マイナス3,500万円と、それぞれ前年同期比で減少となっております。しかしながら、依然として毎日のように特殊詐欺の前兆電話がかかってきている現状からしますと、予断を許さない状況に変わりはないものと認識しております。 被害内容を手口的に見ますと、オレオレ詐欺5件、架空請求詐欺5件、融資保証金詐欺1件、還付金詐欺1件で、オレオレ詐欺が依然として被害全体の約半数を占めております。年齢別では、被害者は50代から80代に集中しておりまして、男女別では、男性が2人、女性が10人という状況であります。 次に、被害を未然に防止した内容でございますが、警察によりますと、5月末現在で上田市内在住者の阻止件数は26件、阻止金額は3,766万円でありまして、件数、金額とも実被害を2倍以上上回っている状況であります。 阻止した人、阻止者の内訳は、金融機関9件、家族6件、コンビニ4件、その他7件となっておりまして、被害をなくすためには、こうした水際での阻止も非常に重要と言えます。 特殊詐欺はなかなかなくならないわけでありますが、その理由については、犯人側と被害者側のそれぞれの事情があるように捉えております。まず、犯人側ですが、特殊詐欺の手口が次々と新たなものが出現していることや、犯人側のだましの技術が巧妙化してきていることであります。例えば最近では、市職員などに成り済ます還付金詐欺という手口が見受けられます。犯人は、「医療費の払い戻しがあります。通知を送ってありますが、本日が締め切りです」などと言って、電話を受けた側に、いまだ手続をしていないという落ち度があるように思わせ、きょうまでなら間に合うと言って気持ちを焦らせ、口座の残高額、携帯電話番号を聞き出した上に、指定したコンビニなどのATMに行かせ、携帯電話で犯人の指示どおりにATMのボタンを操作させて、犯人の口座に送金させます。犯人には被害者の心理状況を操る巧妙さがあります。 一方、被害者側としましては、自分はだまされたりしないと思っている状況があります。実際に被害に遭った多くの方は、特殊詐欺については毎日のように報道されているので、知っていたが、自分はだまされないと思っていたと言って悔しがっておられます。常に人ごとではない、自分もだまされるかもしれないと危機感を持ち、家族間で合い言葉を決めたり、電話の内容に不自然さを感じたら、話の途中でも電話を切るなどの対策が必要であります。在宅中でも留守番電話設定にしておくことがよいと言われておりまして、必要な相手なら改めて電話をかけることなどの対応することも効果的であると考えております。 次に、被害防止を図るため市民運動の展開についての考えでありますけれども、特殊詐欺の被害の防止を図るには、被害者に関係する機関が連携し、あらゆる機会を捉えて広報啓発をする必要があると考えております。これまでも自治会長、民生委員・児童委員協議会や地域包括支援センターなど、高齢者に携わる皆さんのご協力をいただきながら啓発活動をしてまいりました。また、上田市職員においても、特殊詐欺撲滅サポーターを選出し、高齢者に接する機会があれば、お声がけをしたり、各種通知文に被害防止に関する一文を盛り込むなど、全庁体制で取り組みをしてまいりました。 ことしの2月18日には、民生委員・児童委員協議会、地域包括支援センター、金融機関、上田市防犯指導委員会、警察、県、市等の行政機関など、約60の関係機関、団体の皆さんで構成する上田市特殊詐欺等被害防止連絡協議会を発足させていただいたところであります。この協議会は、最も被害に遭いやすい高齢者に携わる機関、団体の皆様に広く参加していただいておりますので、今後におきましても同協議会のご協力を得ながら、市民の自発的な取り組みが進むような運動を展開してまいりたいと考えております。 特殊詐欺をなくすには、特殊詐欺被害を自分のこととして捉え、自分もだまされるかもしれないという危機感を持っていただくことが重要でありますので、このことを全ての市民の皆さんに周知できるように努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 宮下議員。          〔12番 宮下 省二君登壇〕 ◆12番(宮下省二君) ご答弁いただきました。 次に、市役所内の慣例事務の改善についてお尋ねいたします。市の職務内容は、10年前の4市町村合併前と比較すると、広範囲に拡大し、内容も複雑化し、課題も山積しております。このような中で、従来から慣例化した事務を市から本来行うべき団体に対し事務移管などの改善も図られてきております。 そこで、伺います。職員の勤務時間中に庁舎内に入る販売業者等の対応については、市庁舎管理規定に沿って行われていると思いますが、個人が職務上以外で購読している政党機関紙や業界紙等の勧誘、集金などの取り扱いは現在どのように行われているのか、お尋ねいたします。 また、姉妹都市や県内他市の状況と今後の取り組みについてお尋ねし、私の質問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 小野塚財政部長。          〔財政部長 小野塚 究君登壇〕 ◎財政部長(小野塚究君) 市役所の関連事務の改善についてという中で、政党機関紙あるいは業界紙の配布に関する質問をいただきました。 上田市の庁舎管理規則でございますけれども、物品の販売、宣伝、勧誘または寄附募集その他これらに類する行為、これをしようとする者は、事前に使用許可申請書を提出し、市長の許可を得ることになっております。また、市長からは許可について必要な条件を付すことができると、このようなことになっております。 当該申請に係る許可の状況でございますが、不特定多数の職員を対象とする食料品等の販売につきましては、庁舎内での場所及び時間を限定して許可をしており、平成27年度は6者に対して延べ32回の許可をしているという状況でございます。 ご質問の職務以外の政党機関紙等の購読といった職員個人の契約に基づく行為につきましては、許可申請等、資料が残っている範囲で確認する中では、書面による手続はされていないという状況でございます。 県内の他市の状況でございますけれども、県内他市におきましても対応はさまざまでございます。県外の事例では、庁舎内での購読、勧誘行為が物品等の販売に該当し、庁舎管理者の許可を得ずに行われた場合には、市の庁舎管理規定に抵触する可能性があるとされた例もございます。また、姉妹都市である鎌倉市におきましては、庁舎管理規定に、勧誘行為に限らず執務室での物品の販売を禁止する新たな基準を追加して、これらの行為を制限したというふうに聞いております。 庁舎内での個人の契約に伴う行為につきましては、個々の内容に基づき判断する必要がございますけれども、公務の適正な執行を図り、庁舎内の秩序の維持と保全を目的としました上田市庁舎管理規則に従いまして対応してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 宮下議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 2時33分   休憩                       ◇                                午後 2時50分   再開 ○副議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(6)市政について ○副議長(小林隆利君) 次に、質問第22号、市政について、井沢議員の質問を許します。井沢議員。          〔10番 井沢 信章君登壇〕 ◆10番(井沢信章君) 通告に従い、質問いたします。 上田市が昨年策定いたしました上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略をいかに効率的に実践するか。ことしはその初年度です。私は、総合戦略の最大の課題は、若者を上田に定着させ、あるいは上田にいかに呼び込むことができるかだと考えます。 私がこれから質問いたしますのは、その若者を定着させ呼び込むための新たな戦略の提起であり、また上田が持っている他の市町村にはない優位性をいかに生かした人口ビジョンを組み立てるかだと考えています。そして、その柱は、より多くの雇用を拡大するための新たな価値観による会社、工場等の誘致です。売りは、自然災害のない上田、文化の薫るまち上田です。特に誘致を進める中で大切なことは、本社部門、管理部門、さらには研究部門の誘致です。4つの大学がある上田の優位性を卒業生の上田への定着とつなげる大切な課題だと思います。 そこで、お尋ねいたします。地方創生に取り組むまちづくりの総合戦略にかかわる新たな雇用の創出について、今春市内の大学を卒業した学生で市内の企業に就職した学生は何名であり、それは全体の何割になるでしょうか。 若者が上田市内に定住する、あるいは上田市を離れている若者を呼び戻す新たな雇用の創出を市はどう考えておられるでしょうか。 市内4大学の卒業生を上田に定住させるために、現状の雇用数では絶対数が不足をしています。新たな企業、工場を誘致するなどの方策を持っておられるでしょうか。 上田市は、自然災害など極めて少ないまちです。このことを売りとした本社機能の移転を含めた企業、工場の誘致に再挑戦をしたらいかがでしょうか。 以上、第1問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 今春市内4大学を卒業した学生で市内の企業に就職した学生は何名、そして全体の何割になるかといったご質問でございます。市内にあります4つの大学等におきまして、本年4月に就職した学生のうち、市内に就職した学生の状況でございますが、信州大学繊維学部は、就職した学生84人のうち、市内への就職者は5人でございます。長野大学は171人の就職者のうち、市内就職者は21人、上田女子短期大学は、173人の就職者のうち、市内就職者は30人、長野県工科短期大学校は、68人の就職者のうち、市内就職者は15人ということでございまして、合計で就職者496人のうち、市内に就職した方は71人で、全体の14.3%という状況でございます。 次に、若者を呼び戻すための雇用の創出を市としてどう考えているかとのご質問でございます。先ほど答弁いたしました割合から見ましても、市内4大学等の卒業生の市内への就職率が低いこと、また上田市版人口ビジョンにおける年齢階級別人口移動の推移からも、男女ともに若者層の転出超過の傾向が見られます。このため、学生を初めとする若者の定住を促進すること、一旦首都圏等へ出た学生を呼び戻すUIJターンを進めることは、人口減少対策におきまして大変重要な施策と捉えております。 昨年度策定しました上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略においては、就業機会の拡大と多様性の創出を基本目標として、ものづくり産業のイノベーションと多様な産業の集積と成長を促進するとともに、企業と就業希望者をつなぐ人材育成や雇用マッチングを促進して、意欲ある若者等が活躍できる環境を整えることを目指しております。 人材育成、雇用マッチングに向けた取り組みといたしましては、まず、いずれは大人になって社会に羽ばたく小中学生や高校生の皆さんの郷土愛を育む教育であったり、魅力ある地元の企業を知ってもらう取り組みが重要であると考えております。このため、地元企業の協力をいただいて、小中学生を対象とする夏休み親子会社見学会や、中学生、高校生の皆さんのインターンシップの機会を提供するなど、地元企業への関心を高める取り組みを進めております。また、当地域の基幹産業でありますものづくり産業への興味を抱いてもらうために、千曲高校、長野県工科短期大学校等の協力によりまして、小中学生を対象とするものづくり教室などを開催しております。 大学生等に対しましては、就職支援フォーラムの開催を通じてUターンのきっかけづくりを演出しながら、上田地域の市町村と共同で就職面接会を開催し、円滑な雇用マッチングを進めておりまして、これらの小学生から大学生までを対象とする切れ目のない取り組みにつきましては、引き続き産業界との連携を図って、一層の工夫をしながら推進してまいります。 次に、若者や女性の雇用の確保という視点からいたしますと、上田市版人口ビジョン策定の際に行った大学、専門学校生へのアンケート調査の自由意見欄に、住みやすい上田市にこのまま住みたいが、市内に就職したい職場がないので、やむを得ず出ていくという意見が散見されました。このため、上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略を踏まえて、若者層が働きたいと思うような雇用の場を創出していく必要があると考えておりまして、本社機能や研究機関のほか、コールセンターやデータセンター等の通信関連企業、ソフトウエア関連企業、サービス業などターゲットを絞った企業誘致を推進してまいります。また、若者や女性の多様な働き方の促進策としまして、意欲ある起業家への支援や、市内にいながら首都圏の仕事を行えるサテライトオフィスやクラウドワーキングの促進を図ってまいります。 次に、市内の大学の卒業生を上田市に定住させるために、新たに企業、工場等を誘致するなどの方策を持っているのかというご質問でございます。企業誘致につきましては、直接的に働く場が創出され、さらには従業員の転入による人口増加が図られたり、取引先の社員が訪れることで交流人口の拡大や市内企業への受発注機会がふえるなど、さまざまな効果が見込まれる重要な施策でございます。そのため、これまで積極的に誘致を推進してまいりまして、市が造成した工業団地は完売しており、現在はさまざまなインセンティブの制度を設けながら、民間の空き工場等への誘致に重点を置いております。 こうした中、当市にも全国の企業立地情報につきまして、一般財団法人日本立地センターや首都圏等の県の誘致専門員等から、製造業の工場や物流施設を中心に情報が定期的に寄せられております。このような場合、進出企業が希望する広大な敷地面積や居抜き物件などの条件に市内の空き工場がマッチせず、チャンスを生かし切れないことが多いため、工場等の誘致につきましては今後戦略を改めて検証する必要もあると考えております。 本社機能の移転を含めた企業、工場の誘致に再挑戦してはどうかというご質問でございます。議員ご指摘のとおり、自然災害が少ないことは、リスク分散の視点から企業誘致の大きなインセンティブになるものと考えております。また、本社機能を含め大規模な用地を要しない事務所、オフィス系、あるいは個人起業家の誘致まで視野に入れますと、上田市の首都圏等からの交通の利便性のよさ、豊かな自然環境、晴天率の高さや買い物等の生活の利便性のよさ、子育て環境の充実、歴史ある都市、さらにはサントミューゼによる文化薫る都市としての側面も大きな強みになるものと考えております。 いずれにいたしましても、企業誘致情報を多く持つ産業界あるいは金融機関とのネットワークを密にいたしまして、企業誘致を促進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 井沢議員。          〔10番 井沢 信章君登壇〕 ◆10番(井沢信章君) それぞれ答弁いただきました。 ただ、今、答弁を聞いていますと、かなり概要的なものであって、具体的にこうしていくというものが非常に欠けているような気がいたします。特に誘致対策については、もっと突っ込んでいかないと、なかなか上田に招き入れることは私は難しいのだろうと思っています。 一番、私、新たに考えるべきことは、東日本大震災や今回の熊本地震を見て、かなりの大きな工場、小さな工場も含めて、会社も含めて、操業停止に追い込まれています。ああいう自然災害がない上田というものを改めて売りの中心として誘致する、そういう取り組みが今非常に必要ではないか。あるいは、その売りによって、上田に新たな企業、会社を呼び込むことができるのではないかと思っています。上田に新たな企業を呼び込むためにどうしていくか、もう少し具体的に説明をしていただきたいと思います。 過去400年の歴史を見てみても、上田の場合、大きな地震とか自然災害があったという記録はありません。いわゆるそういう面ではどこよりも安全な地帯です。ですから、工場、会社を誘致する場合、これは売り手として、やっぱり有利な材料だと思っています。そのことを中心にした新たな会社、工場の誘致対策、そういうプログラムを上田市が改めて組み込んだらいかがか、そう思うのですが、いかがでしょうか。 ○副議長(小林隆利君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 企業誘致対策について、もう少し具体的な説明をとのご質問をいただきました。 上田市の地方創生におきまして、進学等で上田を離れた若者のUターンや、市内に4つの大学等がある強みを生かす若者の定住を促進するためには、若者が働きたいと思う多種多様な企業の集積が必要であると考えております。そのため、上田市の基幹産業であります製造業等の工場誘致に加えまして、人事、経理、管理部門など若い女性の雇用につながる本社機能の誘致や、国立大学で唯一の繊維学部を有する信州大学、さらにはインキュベーション施設のあるARECなどの強みを生かした研究機関の誘致が効果的であると考えております。また、冷涼な気候で自然災害が少ない場所への立地希望が多いデータセンター等の情報通信関連企業や首都圏等からの利便性を生かした流通、物流企業など、上田市の特徴や強みを生かす企業誘致に重点的に取り組んでまいります。 さらに、地方都市に少ないIT関連などのベンチャー企業の誘致は、地域の若者の雇用や独立、起業につながることが期待されますことから、市内のコワーキング施設の取り組みを応援し、若者がチャレンジしやすい環境づくりにも引き続き力を入れてまいります。 こうした企業誘致を促進していくためには、地域産業や強みの分析、そして何よりも情報収集と人脈づくりが不可欠であります。このため、企業誘致の足がかりとなる情報を数多く持つ金融機関や県の東京事務所との情報交換を密にすること。また、地域の若手起業家が持つネットワークを最大限に活用し、連携いたしまして、チャンスがあれば職員みずからも積極的に首都圏等の企業に出向き、誘致活動をすることが重要と考えており、こうした際に、議員ご提言の上田市のさまざまな強みを売り込んでいきたいと考えております。 また、最近の大規模な工場等進出の際の傾向でございますが、速やかな操業開始を望むため、居抜き物件や空き工場に対する需要が多いことに加えて、広大な用地を要望する物件、あるいはインターチェンジから近い物件を望む、こういった候補地に対するさまざまな条件が求められまして、市で把握している空き工場等がマッチングせず誘致実現に至らないことが多々ございます。このため、今年度策定します上田市商工業振興プランにおきまして、用地確保のあり方、情報の収集や発信のあり方、そのためのさまざまなネットワークづくりなど、企業誘致の戦略について総合的に見直しを行って、多くの企業を誘致できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 井沢議員。          〔10番 井沢 信章君登壇〕 ◆10番(井沢信章君) それぞれ答弁いただきました。 地方創生の総合戦略を実践していく中で、私は他の市町村にはない上田の優位性が1つあると思っています。それは、上田に4つの大学がある。そして、毎年700名を超える卒業生がこの大学から巣立っていく。その上田に集まった若者を上田にどう吸収するのか。それは、地方創生の戦略の一番大きなものにしていかなければいけないと思いますし、上田が持っている優位性をどう生かしていくのか。若者が上田に定着し、そして結婚し、子供をつくり、そしてこの上田に住みついていくという、そういう道筋を具体的にどうつけた取り組みをしていくかということは極めて大事な課題だと思っています。 そこで、4大学の卒業生が、今、私の調査では700名を超えています。先ほどの答弁の中では、全体の卒業生で上田に就職している学生が14%だという答弁がありました。この14%というのは、これだけの学生がいるのに14%しか定着がないというのは、私は極めて少ないと思っています。この14%をいかに引き上げていくのか。先ほど答弁をいただきました。それは、これからこのパーセントを引き上げる大切な道筋だと、そう私は思っています。それをより具体的にするために、上田の売りを、私は今までのような上田の売りでない、新たな上田の売りをもう一度考えるべきだ、そう思っています。 例えば、一つ例なのですが、信州大学の繊維学部、先ほどの答弁の中では、博士課程とか修士課程とか、そういうものが入っていません。繊維学部だけで400名を超える、博士課程とか、繊維学部を入れると400名を超える卒業生がいます。しかし、全体で繊維学部で上田に定着した方は8名しかいません。この大きな数字の違いをどう克服していくのか。先ほどからも申し上げていますように、いわゆる本社機能、研究部門、管理部門を上田にどう誘致していくのか。その売りは、上田は安心で安全なまちですよ、過去400年の間に大きな災害はありません、だから上田にいらっしゃい、そういう売りを改めて積極的に提供していくということが私は大事ではないか、そう思っています。 安心安全のまち、自然環境に恵まれて、そして文化の薫るまち、これを上田の売りとしていったら、私は近い将来、もっともっと上田に定着する若者たちが出てくる、そう確信をしております。改めて市の考え方をお聞きしたいと思います。 ○副議長(小林隆利君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 4大学の卒業生等に一人でも多く上田に残っていただきたい、これは私どもも全く同感でございます。繰り返しになりますけれども、若者や女性が働きたいと思う雇用の場をつくり出していくことは、大変重要な課題だというふうに考えております。事務系職場を含む本社機能やコールセンターなど多くの雇用が見込まれる企業誘致、多様な働き方の支援として、市内にいながら首都圏の仕事が可能となるサテライトオフィスやクラウドワーキングの促進、若者への起業、創業支援などの取り組みを通じて多種多様の企業の集積を図ってまいりたいと考えております。この際、安心安全の上田市、この強みはしっかりと伝えながら誘致を図っていきたいというふうに考えております。 また、市としての新たな工場用地造成につきましては、本年度策定します商工業振興プランにおいて、これまで行ってまいりました企業誘致の戦略を検証する中で総合的に検証してまいりたいという考えでございます。いずれにいたしましても、企業誘致は大変重要な施策と位置づけておりますので、ネットワークとフットワークにより上田市の魅力を伝えながら、さまざまな企業を誘致できるよう努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 井沢議員。          〔10番 井沢 信章君登壇〕 ◆10番(井沢信章君) この項の最後にいたしますけれども、今答弁をいただきました。 先ほどからの答弁を聞いていますと、企業誘致等をしていく中で、上田にある空き工場等を紹介して、そこに来てもらうというようなことが今の誘致のいわゆる主体になっているような気がいたします。今、ご承知のように上田は、工場等誘致するための造成地というのは全くなくなりました。大きな会社あるいは管理部門、いわゆる研究部門、そうしたものを誘致していくには、私は新たな造成が必要だと思っています。今の答弁の中にもそういうことは検討していくのだという話がありましたけれども、新たな造成というのは非常に大事な課題だと思いますが、改めてその辺のところについてはどう考えていらっしゃるか、お聞かせください。 ○副議長(小林隆利君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 新たな工場用地をつくっていったらどうかという再々再質問でございます。 工場団地、これは大規模なものから小規模なものまで、本当にいろんなものがあるというふうに思っております。これまでは比較的大規模なものをつくりながら、それを順次、買ってもらってきたと、こういう流れだと思いますが、その際、やはり考えなければいけないのは、一つは購入、それから造成に対する財政負担、それから、いつ売れるのかというリスク、これも考えないといけないということです。今、県内には本当にたくさんの工場用地がまだ売れなくて、非常に財政負担にあえいでいる市町村もございます。そういったリスクも考えなければいけない。それから、先ほどから申し上げていますけれども、若者、それから女性の方が望む企業に来ていただきたいというのがやっぱり狙いの一つでございます。そういったときには、どういった場所に、どのくらいの規模のというようなこともあわせて考えなければいけないということでございます。今のところ、すぐに新たな工場団地ということは考えておりませんけれども、先ほどから申し上げておりますように、商工業振興プランの検討の中であわせて考えていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(小林隆利君) 井沢議員。          〔10番 井沢 信章君登壇〕 ◆10番(井沢信章君) これ以上は申しませんし、市の取り組みについての積極的な気持ちというのは、それなりに理解いたしました。これからの市の取り組みに期待をするということで、この項の質問は終わります。 次に、障害者差別解消法への対応についてお尋ねいたします。4月からこの法律が施行されましたが、市はこれに関し、どのような取り組みを始めているでしょうか。 さらに、保育園、幼稚園での身体的、知的障害児の入園に対してはどのような状況になっているでしょうか、お答えいただきたいと思います。 ○副議長(小林隆利君) 櫻田福祉部長。          〔福祉部長 櫻田 幸士君登壇〕 ◎福祉部長(櫻田幸士君) 障害者差別解消法についてご質問いただきました。 議員からもございましたが、本年4月1日から障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が施行されております。 まずは、法律の概要をご説明して、市としての取り組み、また上小圏域における取り組みを答弁させていただきます。この法律は、障害を理由とする差別の解消を推進することにより、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すことを目的としております。障害のある方が感じる生活のしづらさは、その人の身体あるいは知的な機能の障害に原因があるのではなく、こうした機能障害のことを余り考えないでつくられてきた社会の仕組み、社会的障壁と言いますが、利用しにくい施設や設備、制度、慣習、文化、そして偏見などによるものであるという考え方が、法の背景にございます。 また、2014年の障害者権利条約の締結に向け、さまざまな国内法の整備がされてまいりました。この障害者差別解消法もその一つでございまして、障害者基本法第4条の基本原則であります差別の禁止、これをより具体化したもので、差別を解消するための措置として、障害を理由とする不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の提供、この2つが求められております。 不当な差別的取り扱いの具体例といたしましては、特に必要ではないにもかかわらず、障害があることを理由として付添人の同行を求める。盲導犬を連れている方が入店を断られる。窓口において障害のあることを理由に対応の順番を後回しにすることなどが挙げられます。 また、合理的配慮の具体例としましては、段差のある場合に車椅子利用者のキャスターの上げおろし等の補助をする。あるいはスロープを設ける。筆談や読み上げ、手話などのコミュニケーション手段を用いる。障害の特性に応じた説明ができるよう、あらかじめ説明資料等の準備をしておくことなどが挙げられます。この合理的配慮は、不特定多数の障害者を対象として行われることを基本としておりますが、社会的障壁の除去を求める障害のある方への個別的支援でございまして、一人一人の状況に応じた対応が求められております。 ただし、個別の事案ごとに総合的、客観的に判断し、過重な負担と申しまして、例えば事業の目的や内容を損なうものや実現可能性の低いもの、費用や負担が過大なものにつきましては、理由を説明して、対応が困難なことの理解を得るよう努めなければならないとされております。 次に、法律に基づき差別を解消するための措置として、ご質問の具体的な市の取り組みについて申し上げます。行政機関が講ずべき具体的な対応ですが、国は基本的方針を策定し、これに基づき、国等の職員対応要領や事業者のための対応指針を策定しなければなりません。 一方、地方公共団体等の職員対応要領の策定につきましては努力義務となっておりますが、上田市では、市としての職員対応要領を平成28年3月に策定いたしました。策定に当たりましては、当事者団体の皆さんや支援機関、専門的な知識のある方を委員とする上田市障害者施策審議会で検討を重ねていただくとともに、市職員の障害に対する理解の把握を行うためアンケート調査なども実施し、この職員対応要領に反映させてまいりました。また、昨年度に引き続き、障害に対する理解を深め、障害特性に応じた適切な対応ができるよう初任者研修、あるいは管理職を対象とした職員研修なども実施してきております。 次に、市民の皆様への周知といたしましては、6月1日の「広報うえだ」の配布にあわせ、内閣府によるリーフレットと上小圏域障害者自立支援協議会で作成いたしましたリーフレットを全戸配布させていただいたところでありまして、今後は病院や金融機関などにもご協力いただき、このリーフレットを待合室や窓口に置かせていただき、これを手にとりごらんいただくとともに、あわせまして市内の小中学校の授業や公民館活動等でも使用いただくよう周知してまいります。また、出前講座なども利用していただき、地域での普及啓発にも努めてまいります。 本年10月28日には、サントミューゼを会場として、内閣府が主催する「障害を理由とする差別の解消に向けた地域フォーラム」の開催が予定されております。全国の開催都市15あるうちの1カ所が当市での開催でございますので、関係機関、団体のみならず、市民の皆さんへ広く参加を呼びかけまして、障害者差別解消に向けての取り組みの促進と機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。 次に、差別を解消するための支援措置として、相談体制の整備も必要なことでございます。まずは、市の窓口となる障がい者支援課と各地域自治センター市民サービス課で相談を受け付け、案件によりましては、国や県など案件に応じた適切な相談窓口につなげるとともに、市として解決すべき案件につきましては、事実確認のための訪問調査や助言、指導、勧告といった行政的指導も行うこととしております。 また、上小圏域のネットワークの構築を図るため、障害者差別解消支援地域協議会を圏域内に設置いたしました。これは既存の障害者自立支援協議会に差別解消に向けた機能をあわせ持たせたものでございまして、市町村では解決困難な事案や圏域全体で共有し合うべき事案につきまして、圏域の市町村、県、障害者総合支援センターの職員から成る実務者会議で協議、情報交換し、さらに上小圏域の関係機関から成る代表者会議としての障害者差別解消支援地域協議会へも報告してまいります。これは情報の提供だけでなく、意見の表明や協力要請などもできる体制の整備を図ったものでもございます。 いずれにいたしましても、障害者差別解消法や障害者虐待防止法など障害のある方の権利擁護の体制は、法の施行に伴いまして順次整備されてまいりましたが、障害者の皆様の権利侵害となる差別や虐待を起こさない、起こさせないことが最も重要なことであると認識しております。市民の皆様の関心と理解を深めるため、今後も引き続き相談業務や普及、啓発活動等に力を注いでまいります。 私からは以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 神代健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎健康こども未来部長(神代芳樹君) 私からは、保育園及び幼稚園での身体的、また知的障害児等の入園の状況について答弁させていただきます。 保育園などにおきます障害のあるお子さんの受け入れにつきましては、市といたしましても重要な課題であると認識しておりまして、保護者の意向にできるだけ沿いながら、これまでも受け入れを行ってまいりました。 上田市では、入園前の段階から乳幼児健診等の機会を捉えまして、地区担当の保健師が中心となり、障害のあるお子さんや、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の相談に乗って、関係課と連絡をとりながら、早期からの支援につなげております。 入園のご希望をいただいたお子さんにつきましては、身体障害、知的障害、また発達障害等の発達が気になるお子さんに関しましても、保護者がお子さんの様子が心配な場合には、発達支援担当保育士や保育課の指導主事等がお子さんの様子を見させていただき、集団生活が可能かどうか、保護者とも面談して理解をいただく中で、お子さんの育ちにとってよりよい方策をともに考えて、可能な範囲で入園をしていただいております。 保育現場での障害のあるお子さんや発達が気になるお子さんへの支援に関しましては、保育士に対して具体的な支援の方法に関する知識や技術習得のための研修を実施するなど、適切な支援が行えるよう努めております。また、専門機関と連携して、各保育園を巡回し、保護者の相談をお受けしたり、保育士に対しても支援の方法について助言をいただいております。 保育士の配置につきましても、障害のあるお子さんや発達が気になるお子さんを受け入れているクラスの状況に応じ、通常のクラス担任のほかに、障害のあるお子さんの支援を主に担当する障害加配保育士を配置いたしまして、適正な保育が行えるよう努めております。 いずれにいたしましても、障害者差別解消法の施行に伴いまして、改めて職員に対しては法の趣旨を含め、障害のある方への理解を深めるための研修をさらに実施いたしまして、引き続きお子さんの健やかな育ちを支え、安全安心な保育に努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 井沢議員。          〔10番 井沢 信章君登壇〕 ◆10番(井沢信章君) それぞれ答弁いただきました。 ようやく私は国が前へ出たな、そんな感じがいたします。ですから、この法律をいかにそれぞれの行政が、あるいはそれぞれの地域の皆さん方がいかにこれを受けとめて、いわゆる障害を持つ方の人権をいかに守っていくか。それがこれからの非常に大事な課題だと、そう思っています。 私は、つい最近、20歳代のダウン症を持つお子さんのご両親といろいろ話をいたしました。いろいろ地域の皆さんや市や国にお世話になっています、このご両親はそういう言い方をしていました。ただ、心配なのは、私たち親が生きているうちは何とか頑張ります。ただ、私たちがいなくなったときに、この子はどうなるのか、それが一番心配なことです。そういう話をしてくれました。 私は、この法律ができたことを改めてきっかけにして、国民全体、市民全体が障害を持つ方々にどう向き合うのか。特に障害を持つ方々の目線と同じ目線で、改めて考えてみる。そのことが私は非常に大事な課題だと思っています。先ほど櫻田部長のほうからもいろいろな市の施策や思いを述べていただきましたので、当面、そうしたことを実践しながら、障害を持つ方の人権をいかに守り、障害を持つ方の悲しみや苦しみをいかに全体が共有していくかということについて取り組んでいくことが、非常に今大事な課題だな、そう思っています。 最後に、一言、櫻田部長に、この法律ができたことに対して、上田市として、あるいは担当の責任ある部長として、さらにどんな思いを持っているかお聞きして、私の質問を終わります。 ○副議長(小林隆利君) 櫻田福祉部長。          〔福祉部長 櫻田 幸士君登壇〕 ◎福祉部長(櫻田幸士君) 上田市には障害のある方々、身体障害、知的障害、精神障害、手帳をお持ちの方、約9,600人おられます。16人から17人に1人という、大変多い数でございます。今、議員さんからもご質問ございましたが、私ども、まずは障害に対しての正しい理解、これが必要であると思いますし、障害のある方への適正な対応をしていかなければならないというふうに考えております。これから市の職員に限らず、地域や市民の皆様にもこうした理解、対応について丁寧に説明させていただきながら、しっかり法の精神の沿った対応をしてまいるように心がけてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上であります。 ○副議長(小林隆利君) 井沢議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 3時34分   休憩                       ◇                                午後 3時50分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、申し上げます。議事の都合により、本日午後5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。                       ◇ △(7)次世代をになう子どもたちをはぐくむ学校給食について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第23号、次世代をになう子どもたちをはぐくむ学校給食について、渡辺議員の質問を許します。渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 通告に従い、前回と同様のテーマで質問してまいります。 学校給食をめぐっては、大小さまざまな議論があります。根強い愛情弁当論、学校給食のセンター化、民間委託化、調理員のパート化や学校給食廃止論などを叫ぶ行財政改革論、国や自治体、教育委員会、学校の議論など、実にさまざまであります。しかし、これらに共通するのが子供不在ということであります。子供にとって学校給食とは何かという中心問題について、正面から論じようとする姿勢に欠けているということであります。子供の幸せを大事と考えるのであれば、この点こそ議論するべきだと考えます。 学校給食は教育である。学校における食育の推進というのは、制度として学校給食法に書かれています。保健室や体育館と同じように、給食室が学校の中に普通にあっていいものだと思うが、なぜ給食室は必要ないと考えるのか、単純な疑問がございます。 教育委員会が掲げた、なぜセンター化するのか、6つの理由をお聞きしました。筆頭には公共施設の統廃合、2つ目にはアレルギー対応、3つ目には施設が古い、4つ目には児童の減少、5つ目は自校はコストがかかる、6つ目は自校にするには時間がかかる。これが3月14日、東塩田振興会への説明会で言われた内容であります。 今議会で市長提案説明で、昨年5月に上田市総合教育会議を設置し、市長部局と教育委員会が一層の連携を図ることにより、将来を担う子供たちのよりよい教育環境の充実に取り組んでおりますと、教育分野で触れていました。私がこの間、直接参加、かかわった東塩田振興会の説明会、上田市学校給食の未来を考えるシンポジウム、さらには保護者、市民から直接聞いた意見も紹介しながら、今回示された学校給食のあり方の方針の大義がどこにあるのか、質問してまいりました。 まず、平成23年の答申についてであります。答申は教育としての学校給食の中身を充実させていくための条件整備を求め、子供を主人公とする学校給食を前進させようという思いが込められています。それは、さまざまな項目をばらばらなものとして提言したのではなくて、まず上田市の学校給食の理念を次世代を担う子供たちを育む学校給食と定め、第1に食育の推進、第2に学校給食を食に関する指導の教材となり得る安全で安心できるおいしい学校給食を提供するという2つを提言した上で、その2つを実際実現できる運営のあり方として、単独調理場方式とすることが望ましいと結論づけています。改めて教育長にその所見を伺い、最初の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 平成23年6月の学校給食運営審議会からの答申に関する認識についてのご質問でございます。 答申では、学校給食は次世代を担う子供たちを育むためのものであるとの理念のもと、学校給食を教材とした食育の推進を初め、さまざまな観点から答申をいただきました。1点目として、食育推進の観点から学校給食を生きた教材として、さらに活用すること、地場産物を活用して食育を行うこと、食物アレルギー対応等の個別指導を充実させることが答申されました。2点目として、安全安心でおいしい給食を提供する観点から、衛生管理の徹底と、さらなる給食内容の工夫、充実が求められました。3点目として、学校給食の運営のあり方の観点としては、今申し上げました食育推進と安全で安心できる給食提供を実現するために、適切な調理場方式の選択と運営体制の充実について答申をいただきました。 調理場方式につきましては、配送リスクの軽減、食育の推進、地場産物の使用の推進、食物アレルギーへの対応の推進を理由に単独調理場方式が望ましいとしておりますが、留意事項といたしまして、市の限られた予算の中で単独調理場方式を採用していくには、運営をいかに効率的にすることができるかが焦点であり、経費面で過大な行政負担が必要となる場合には安全面や食育面に十分配慮した別の方法を検討することも考えられると答申されました。 また、運営体制につきましては、安全面や食育面において十分な効果が発揮できるよう運営体制の充実を図ることと、効率的な運営を図る観点から、業務の一部を民間委託することなども視野に入れて検討する余地があることなどを答申いただきました。 以上のように、学校給食運営審議会からは、次世代を担う子供たちを育む学校給食の実現に向けて、多様な観点から答申をいただいたものと、こんなふうに認識しているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 答弁いただきました。 今の答申に対する所見、どう考えても、今回の1万食を超える大規模センターの方針になるわけがない。改めて確信をしたところでございます。10回もの協議を重ねた審議会でも、一度も検討されていない部分であります。審議会をお願いした教育委員会が、まさか読み違えることは考えられないし、現に自校方式を考えていた時期があることは聞いていましたが、出されたのは今回のこの方針であります。 なぜという疑問は、当然市民の中から出てきます。公共施設の整備、再編を総務省からハッパをかけられているからなのか。ほかにも自校方式に難色を示す抵抗勢力があるのか、伺います。 4市町村が合併し、一体感の醸成、負担は低く、サービスは高くを言ってきました。10年です。現在、自校給食を実施している中学校では、真田、菅平、小学校では、菅平、川辺、本原、東塩田、傍陽、長、武石のこの9校は、答申を尊重して、まずは残すというのが道理ではありませんか。話は、まずそこからスタートでしょう。矛盾はないはずであります。いきなりなぜ川辺と東塩田のみがセンターへ吸収なのか、伺います。 答申は単独調理場方式が望ましいとしながらも、先ほど答弁がありましたが、学校によっては著しく非効率的になる場合は、親子方式、共同調理も考えるとしています。平成23年度の答申から、あらゆる角度から検討を重ねてきたということでありますが、この答申に照らして、一つ一つの学校、1校1校、しっかり検討したのか、伺います。また、現体制の維持については検討されたのかも、伺います。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 教育委員会では、学校給食運営審議会の答申を受けまして、答申の3つの項目、1つとして学校給食における食育の推進、2つとして安全で安心できるおいしい学校給食の提供、3つとして学校給食の運営のあり方についてを柱とし、答申の理念でございます次世代を担う子供たちを育む学校給食を念頭に検討を重ねてまいりました。 検討におきましては、アレルギー対応のできるだけ早い実現、児童生徒数の減少を想定した効率的な運営などを踏まえ判断する必要があると考えました。まず、アレルギー対応のできるだけ早い実現を考えた場合、自校方式にした場合は、全校に給食室を整備するには相当な年数がかかり、アレルギー対応が大幅におくれるという課題がございます。また、現在の給食センターを別々に整備すると仮定した場合、第一学校給食センターと第二学校給食センターを同時にアレルギー対応ができる施設に更新することは困難であり、2つ目のセンターが整備されるまで、全施設におけるアレルギー対応の実現はできないということになります。 調理場方式につきましては、答申は単独調理場方式とすることが望ましいとした上で、行政負担や効率性への配慮にも触れております。自校方式にした場合は、センター方式に比べ運営費がかかることに加え、全校に給食室を整備するには相当な年数がかかり、その間も老朽化した給食センターを並行稼働させる必要があるという課題がございます。 児童生徒数の推移については、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、上田市の5歳から14歳までの人口は、平成27年度を100とした場合、20年後には63.9%まで減少するとされております。各校それぞれに調理場をつくった場合、児童生徒数の減少により、多くは小規模となり、効率的な運営が難しくなると考えております。 加えまして、本年3月には、上田市公共施設マネジメント基本方針が策定されましたところでありまして、学校給食施設を含む公共施設の整備につきましては、行政改革の視点も加味していく必要があると考えております。 以上申し上げましたとおり、アレルギー対応のできるだけ早い実現、安心安全な学校給食の提供、効率的な運営などの視点に加えまして、今後の公共施設のあり方を踏まえまして、将来を見通した中で新しい給食センターを建設するという方針に至ったものでございます。 次に、真田、武石は自校給食のままで、川辺、東塩田小学校のみがセンター給食になるという方針を示したのはなぜかというご質問でございます。真田地域には、長小、傍陽小、本原小、菅平小中学校、真田中学校の5つの単独調理場が、武石地域には武石小学校の単独調理場がございますが、今回の方針におきましては現在の施設を当面利用するとしております。 なぜ、川辺小学校、東塩田小学校のみがセンター方式に移行するのかというご質問でございますが、川辺小学校の調理場は昭和45年、東塩田小学校の調理場は昭和37年の建築で老朽化が進んでおりますことから、安全で安心な学校給食を維持するためには施設の更新が必要と考えたものでございます。 まず、川辺小学校につきましては、時期を同じくして、上田地域の小学校14校に給食を提供いたします第二学校給食センターも老朽化するため、施設の更新を必要としている状況がございます。このため、新しい給食センターと川辺小学校の調理場をそれぞれ建設するのではなく、川辺小学校の受け入れを想定した新しい給食センターを建設するという結論に至ったものでございます。 次に、東塩田小学校につきましては、地理的に近い丸子学校給食センターにおきまして、児童生徒数の減少によって調理設備に余力がございまして、東塩田小学校の受け入れが可能であることから、既存施設の有効活用という観点も踏まえて、丸子学校給食センターへ統合するという方針に至ったものでございます。 一方、真田地域、武石地域の各学校の調理場は比較的新しいこと、また建築から年数が経過している施設については、ドライシステム化にあわせて改修されておりますことから、当面は利用可能であると判断したものでございます。 次に、答申では、単独調理場方式が望ましいとしながらも、親子方式、共同調理も考えられるとしている。1校1校しっかり検討したのか。また、現体制の維持については検討したのかというご質問でございます。答申では単独調理場方式にすることが望ましいとしながら、学校によっては、校地内に学校給食施設を整備することが困難な状況や、児童生徒数が減少する傾向にあるため、施設を整備、運営していくことが著しく非効率になる場合、または行政の負担が重くなるような場合には、近隣の学校の施設から給食を配送する、いわゆる親子方式や、複数校の給食を共同で調理する共同調理場、センター方式も考えられるとしております。 この方針決定に至るまでの検討についてですが、老朽化した第二学校給食センターの更新におきまして、第二学校給食センターが給食を提供する小学校14校を順次自校方式に移行する場合、または近隣の学校から給食を配送する親子方式により施設整備を行う場合を考えますと、全ての調理場の整備が完了するまで、老朽化が進む第二学校給食センターの並行稼働も必要でございまして、安全で安心な学校給食を維持することを考えた場合、現実的には困難と判断したところでございます。 また、食物アレルギーへの対応につきましては、現在、市内の調理場のうち、中学校7校へ給食を提供します第一学校給食センターと小学校14校に給食を提供いたします第二学校給食センターにおきまして、代替食や除去食の提供などの個別対応ができていない状況にございます。 先ほど申し上げましたとおり、センター方式から自校方式などに移行する場合には相当な年数が必要となります。全ての調理場の整備が完了するまでは、市内の全ての調理場における食物アレルギー対応が実現できないということになります。 次に、現体制の維持、つまり川辺小学校、東塩田小学校は単独調理場方式で施設を更新することについて検討したのかというご質問でございます。 まず、川辺小学校につきましては、先ほど答弁申し上げましたとおり、時期を同じくして第二学校給食センターが更新時期を迎えるということから、個別に整備するのではなく、センター方式に移行するという判断に至ったものでございます。 次に、東塩田小学校についてですが、地理的に近い丸子学校給食センターにおきまして、児童生徒数の減少により余力があり、東塩田小学校の受け入れが可能であると判断して、丸子学校給食センターへ統合するという方針に至ったものでございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 大変丁寧なご答弁いただきました。 川辺小学校、昭和45年ですから、今ちょっと計算したら47歳です。東塩田小学校が昭和37年ですから、54歳。古くなったからというのはわかりますけれども、どうしてここまでほっておいたのだということでしょう。別に施設が悪いわけでもないし、働いている人たちが悪いわけでもないし、結局、改築が求められていたけれども、してこなかった。これは行政の責任だというふうにも思います。 答申について聞いたわけでありますけれども、思ったような答弁ではありませんが、もう一個、答申にかかわるところで質問させていただきます。費用の問題です。設営費、いわゆる設置と運営の費用については、食育から運営に至るまで、センター方式と自校方式について、整備後40年間にかかる経費を審議会では教育委員会の示した資料をもとに比較検討して、ほとんど違いがないことを確認した上で、旧上田市内16の小学校は自校方式が望ましい、このように答申したと理解していますが、違うのでしょうか。お答えください。 加えて、人件費のみを抜き取っての比較はなぜなのかもお伺いします。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 学校給食運営審議会におきまして、上田市において最も老朽化が著しい上田地域16小学校に学校給食を提供している施設を改築することをモデルケースとして、施設設備整備費及び整備後40年間にかかる運営費を算出して、比較検討いただきました。この際の検討資料におきまして、運営費の試算が示されておりますが、施設整備費、人件費、光熱水費等の3つの項目で構成されております。この3つの項目のうち、施設整備費と光熱水費等の合計を見ますと、センター方式と自校方式の差は年間120万円程度でございまして、大きな差はございません。つまり、施設運営費を左右する要因は人件費ということになります。 実際に、平成26年度の調理場の運営費を見ますと、上田地域の2つの給食センター、川辺小学校給食調理場、東塩田小学校給食調理場におきましては、運営費の約7割から8割を人件費が占めております。このようなことから、人件費を用いて運営費の比較を行ったものでございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 前回も同様の質問いたしましたので、審議会についてはこのぐらいにしておきます。 次、方針について伺ってまいります。まず、先ほども触れましたが、1万食を超える大規模センターの建設でありますけれども、とても私には賛成できるものではないということをまず最初に申し上げておきます。 前回も指摘しましたが、まずリスクが大きいこと。そして、給食の質の維持はできるのか。アレルギー対応食が必要な児童に確実に届くのか。地産地消はできるのか。食育はどう進めるのか。センターの設営費、本当に安いのか。場所はどこにするのか。配送距離はどうかなど、不安と疑問だらけであります。実は、きょうの朝、個人の卸売の方から電話がございました。今、2つのセンターに食材を納めているのだが、私たちどうなるのでしょうかという声でございました。 さて、今回の方針で大きな問題は、1万食を超える大規模センターを建設する、こういうことであります。限りなく自校方式に近い現在の上田市の給食の質は、4,000から6,000食程度の中規模センターだからこそ実現可能であって、上田市独自の職員の勤務体制の工夫、いわゆる宿直制度などによって支えられています。大規模センター方式ではこうした努力が果たして可能かどうか、伺います。 また、設備面でも、人的体制面でも、コスト面でも、きちんと実現できるのか、伺います。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 続きまして、大規模センター化でも可能かどうか、あるいは設備面、人的体制面、コスト面において実現できるのかというご質問をいただきました。現在よりも大きな規模の給食センターにおきまして、現在の第一、第二学校給食センターでの取り組みを実現できるのかというご質問でございます。 現在、第一学校給食センターが1コース、第二学校給食センターが2コースで調理を行っております。新しい統合学校給食センターにおきましても、小学校2コース、中学校1コースの計3コースを想定しておりまして、現在と同じであるということでございます。このような調理ラインを整備し、必要な設備、人員体制を整備しますことで、これまで上田市が続けてまいりました天然素材からのだしづくり、手づくりによる調理などについて、引き続き取り組むことができるよう努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 今、食の質の問題とあわせて、設備面と人的体制面でも、さらにコスト面でも実現できるのかという質問をしたつもりですが、ご答弁いただいたのでしょうか。したということでいいのですか。 それでは、次の質問でありますけれども、上田市の学校給食の未来を考えるシンポジウムが開かれました。ここでは、報道もございましたが、食物アレルギーについての発言が多く、その対応について注目をされたところでございます。 そこで伺いますが、アレルギー対応施設の対象となる食数の試算と今後の動向についてはどう考えているのか、伺います。 また、細心の注意が必要な食物アレルギーでも、今答弁がありましたが、対応するとしていますが、アレルギー対応の規模は、小さければ小さいほど安全であることは言うまでもありません。また、ことし2月22日付信毎の報道にもあったように、松本市では対象児童生徒の増加と原因食品も多様化してアレルギー対応の岐路、このようにありました。1万食もの大規模センターで、これは誰々ちゃんの、これは誰々ちゃんのといった、現在自校給食で対応しているような子供一人一人に応じた対応食を出すことが可能なのか。ゼロか100かの除去食は、対応食とは言えません。除去した食材の栄養を別の食材を使って調理する、これがアレルギー対応食であります。現在、2つのセンターでもやっていない対応食が、大規模センターでできるとは私は思いませんが、どうか、伺います。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) アレルギー対応が必要な児童生徒は、医師の診断により学校生活管理指導表を提出することになっております。上田市の平成27年度の児童生徒数1万2,872人のうち、アレルギー対応が必要として学校生活管理指導表を提出した児童生徒数は265人でございまして、全体の約2.1%になります。このうち、新しい給食センターの対象となります現在の第一、第二学校給食センター、川辺小学校の児童生徒数は183人でございます。今後の動向ですが、全国的には食物アレルギーを有する児童生徒の割合は増加傾向にございまして、これを踏まえると上田市においても今後ふえる可能性がございます。 一方、議員からご指摘ございました2月22日付の信濃毎日新聞の記事で紹介されました松本市におけるアレルギー対応についても研究する必要があると考えております。これは、本来、食物アレルギー対応が必要ない児童生徒もアレルギー対応の対象となっているケースがあるということを踏まえまして、本当にアレルギー対応が必要であるかどうかを検査して、食物アレルギーの解除に向けた取り組みを行うというものでございます。 一般的には、乳幼児期に食物アレルギーを発症した子供の約90%は、6歳までに除去食の解除ができるとされております。このように発達に伴いアレルギー対応の必要性がなくなっているにもかかわらず、食物アレルギーの解除に向け判断する仕組みが十分に普及していないため、アレルギーの原因となる食材を除去し続けているケースがあることが背景にございます。 これらは、結果として、不必要な食事制限になるだけでなく、アレルギー対応にかかわる職員にも過剰な負担をかけていることになるというもので、松本市では、松本市医師会と連携して、安全が確認できれば、対象食品を食べられるようにする解除を可能な限り行うよう取り組みを始めたということでございます。 先ほども申し上げましたとおり、全国的な傾向としては、アレルギー対応が必要な児童生徒数は増加傾向にございますが、安全なアレルギー対応のためにアレルギー対応が必要な児童生徒を正確に把握することにも努めてまいりたいと考えております。 次に、アレルギー対応について、規模が小さいほど、きめ細やかな対応が可能であると考えるが、大規模センターでできると思えないが、どうかというご質問でございます。食物アレルギーへの対応は、命にかかわる重要な問題でございます。このため、調理過程における正確な対応はもちろん、対象の児童生徒に確実にアレルギー対応食が届き、安全に食事に至るなど、学校においても食物アレルギーの児童生徒を受け持つ担任のみでなく、校長等の管理職を初めとした関係者が当事者意識と共通認識を強く持って組織的に対応することが必要とされております。 新しい給食センターでは、アレルギー対応食専用の調理室を整備し、アレルギー対応を担当する栄養士と調理員を配置し、その他の給食と明確に区分した取り組みを想定しております。 食物アレルギーに対する具体的な対応方法につきましては、既に対応を実施している丸子学校給食センターや先進市における取り組みを参考に検討している段階でございますが、安全な給食の提供を第一に考え、上田市における取り組み方法について、さらに検討を重ねてまいります。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) かなりアレルギーについては繊細な部分でありまして、今の段階では、答弁を聞いていても確実にという話にはなかなかならないというふうに思いますけれども、次に説明責任について伺います。 昨年12月、今回のこの方針が決定されたときからきょうまで、市民に対してどのような説明を行ってきたのか。また、方針への理解はされたと考えているのか、伺います。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 今後の学校給食運営方針の市民に対する説明についてでございますが、昨年の12月から本年4月にかけまして、川辺小学校、東塩田小学校地域の自治会役員の皆様、東塩田振興会の皆様、各校の保護者の皆様を対象とした説明会を開催させていただきました。 説明会におきましては、一部に今回の方針に理解を示す声もございましたが、老朽化した調理場の更新は必要であるが、川辺小学校と東塩田小学校の自校給食については存続してほしいという声が多くございました。これらは、調理員の姿が見える自校給食が食育に効果的であるという意見や、特色ある学校給食の存続への思い、地域に愛され存続してきた自校給食への思いが込められたご意見であると認識しております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕
    ◆27番(渡辺正博君) 説明会は川辺小学校区と東塩田小学校区だけのようでありますけれども、今回のこの方針は上田市全体の方針であるはずであります。それで、説明責任を果たしたと言えるのか、それについても再度伺います。 5月1日付の「広報うえだ」へ、この方針が決定したとの掲載がされました。この掲載につきましては、十分説明責任を果たしたとしての判断なのか、伺いたい。 見た人の感想をより分けると、決まってしまったのかという落胆、アレルギー対応してくれるというが、どうかという不安、お金がないのだという断念であります。市民をこんな思いにさせていいのかと、こんなふうに思います。 さらに、記載には、ざっくり3点抜け落ちている、私はこのように見ました。1つは、つくろうとしているセンターが1万食を超えること。2つ目は、学校数が22校が一緒になること。3つ目は、建設場所がどこなのかということであります。一方的で、市民目線の欠落した内容だと思うがどうか、伺います。 ○議長(土屋陽一君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) この説明会につきまして、川辺と東塩田地域のみ開催したが、どうかというご質問、5月1日付の広報についてのご質問でございます。 今回の方針の全市への説明についてでございますが、まず、今回の方針によりまして、自校方式からセンター方式へ移行となります川辺小学校、東塩田小学校を中心に説明をさせていただきたいと考えまして、これらの小学校区域の自治会役員の皆様、保護者の皆様に対する個別の説明会を開催させていただきました。あわせて、「広報うえだ」5月1日号や上田市のホームページによりまして、今後の学校給食運営方針についてお知らせをさせていただいたところでございます。 「広報うえだ」5月1日号では、まず、学校給食運営審議会答申の主な内容をお示しした上で、食育の推進、食物アレルギーへの対応、学校給食施設の整備、学校給食の運営方法の4つの項目について、QアンドA方式により内容をお知らせさせていただきました。 引き続き、市民の皆様には、何をお知らせすべきか、今後具体的に検討を進める中で、わかりやすく情報をお伝えするためにはどうすればよいかを工夫して、引き続き情報発信に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 当事者や市民の間で、知らされていなかったという声は当然聞いているかと思います。東塩田振興会で出された意見でありますけれども、昨年の12月11日にいきなりプレスリリース。その後、説明会。地元からの改築を求める要望は知っているはずなのに、行政のしていることは全く逆さまではないか、こういう指摘もありました。あわせて、また、地元の声は十分わかっているのに、反対があっても進めるのか、こういう意見も出たところでございます。しかし、多くの意見があったものの、何を言っても、この方針は決定ですと。返ってくる返事は、ご理解をお願いいたします、こういうことでありました。限られた地域、限られた人たち、市民の知らないうちに事が決まり、知らないうちに進めるやり方は、住民自治、分権自治形成を目指して市民協働によるまちづくりの理念と仕組みのルールづくりをうたった上田市自治基本条例からも逸脱したものだと考えるが、これは市長に伺います。 あわせて、今回の方針は、前段でも触れた、市長部局と教育委員会による上田市総合教育会議で決定したということなのかも市長に伺います。 ○議長(土屋陽一君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 学校給食センターの関係の質問でございますが、先ほど来お話が出ているとおり、答申を踏まえて行政として慎重に多くの検討を重ね、また議会からも早期の結論をという声もある中で、教育委員会として今後の学校給食運営方針を出した、このように理解をまずいたします。 当然、住民自治とか地域内分権という視点においての市民協働、これはなすべき話だと思いますが、これからの上田市のまちづくりを進めること、そういう中での重要な視点でもございましょう。だからこそ、今後、当然に教育委員会としてもこれから運営方針に沿った検討を進める中で、引き続き市民の皆様にわかりやすい形での情報発信を行い、真に児童生徒の食育に資する給食運営に向けて検討していくものと、このように考えております。 総合教育会議の話が出ました。この学校給食の運営方針につきましては、昨年8月、第2回総合教育会議において、総合教育会議で協議、調整をしていく政策課題として、教育委員会から提案がございました。そういう中で、市長部局と教育委員会とが総合教育会議という、まさにオープンの場で議論し、方向性を共有していくべき課題として協議を始めたところでございます。 第3回総合教育会議におきましては、教育委員会から、今後の学校給食の運営方針(案)が示されました。教育委員の皆さんと私が、会議においてその内容について活発に意見交換を行う中で、一人一人がみずからの考え方を述べ、その後、慎重審議の結果、全員一致で方向性を出したということでございます。 ○議長(土屋陽一君) 渡辺議員。          〔27番 渡辺 正博君登壇〕 ◆27番(渡辺正博君) 今後について、1点伺います。 先ほど5月1日号の広報の話をさせていただきました。たまたま給食の運営方針が載っていた次のページが、上田市自治基本条例の見直しについてであります。ここには、「私たちの声をもっとまちづくりに生かすには?」「どうしたら私たちがもっと豊かに暮らせるか?」、こんな疑問を解決するための条例が自治基本条例ですというふうに書いてありました。こういうことであります。このままでは、ただ単に市の方針に賛成か反対かの議論になってしまう、そんな気がします。そうではなくて、私が冒頭申し上げました。給食とは何か、どういう意義があるのか、これからの上田市の給食をどうしていくのか、自校給食をどうするのか、センター給食をどうするのか、今からでも当事者である市民や保護者を巻き込んだ議論の場を設けて、徹底して議論して合意形成を図っていくことが求められる、このように考えますが、最後に市長の所見を伺って、私の質問を終わります。 ○議長(土屋陽一君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 運営方針の決定内容ということにおいては、現状置かれている自校、センター、そういった中でのさまざまな立場があり、そしていろいろなお考えがあることは理解いたします。方針の基本的な枠組みそのものは、行政が本当に長い年月をかけて多様な観点から総合的に判断したものと私は受けとめておりまして、それを尊重していきたいと思っております。 なお、教育委員会においては、今年度に内部検討組織も立ち上げて、よりよい給食の提供を目指して、方針というものを具現化するための検討をさまざま始める、こんな報告を受けております。市民の皆様のご理解がより得られるように、必要に応じて今後も引き続き丁寧な説明を行っていくべきであろう、このように考えております。 ○議長(土屋陽一君) 渡辺議員の質問が終わりました。 以上で一般質問が全て終了いたしました。                       ◇                       日程第2 議案第69号~第71号 ○議長(土屋陽一君) 次に、日程第2、議案第69号から第71号まで3件一括議題とし、本案3件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第3 議案第72号 ○議長(土屋陽一君) 次に、日程第3、議案第72号を議題とし、本案の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第4 議案第73号及び第74号 ○議長(土屋陽一君) 次に、日程第4、議案第73号及び第74号、2件一括議題とし、本案2件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第5 議案第75号~第82号 ○議長(土屋陽一君) 次に、日程第5、議案第75号から第82号まで8件一括議題とし、本案8件の質疑に入ります。 佐藤議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 議案第75号、公立大学法人長野大学定款の制定についての議案中、第5章、第29条の資本金の規定に関しまして、議案第76号の負担付き寄附の受納及び議案第77号の財産の出資について、質疑をさせていただきます。 資本金につきましては、地方独立行政法人法第6条により、その業務を確実に実施するために必要な資本金と規定されているところでございますが、この3つの議案は公立大学法人長野大学の資本金が学校法人長野学園からの寄附を市が受納し、それを出資することにより構成される土地資産と建物資産であることを示しております。 平成27年6月15日の全員協議会において政策企画部から示された資料によりますと、長野大学の財産は、基本資産である土地、建物、備品等による23億8,800万円と、金融資産として現金預金及び積立金等で53億9,600万円の合計77億8,400万円で、負債となっております6億9,400万円を差し引いた70億9,000万円が長野大学の正味財産であるとの説明を受けました。 私が今回お伺いしたいのは、6月15日の全員協議会説明資料の7ページ、公立大学法人設立についての市のかかわりについての説明で、財産の寄附受け入れ及び出資に関する記述の中で、括弧書きではありますが、大学で保有している全財産を一旦市に寄附し、寄附した財産をそのまま大学に出資と記載され、全財産を対象としています。先ほど申し上げましたとおり、公立大学法人の資本金は、土地資産と建物資産だけで、金融資産が入っていない点であります。長野大学の公立大学法人化につきましては、大学の保有している財産については、しっかりとした説明責任が求められていると私は感じております。現時点での財産価値について、より透明性を持って市民の皆様にご理解をいただくことが極めて大事なことだと私は思っております。 議案第76号の寄附の受納に関する寄附総額20億1,546万3,000円と、議案第77号における財産の出資総額20億6,810万2,000円につきましては、定款第29条の規定に基づき、出資の日現在における時価を基準として、上田市が評価した額の合計額ということで、現時点での評価額がわかるようになっております。金融資産につきましても、例えば受納、出資があったとすれば、その際に現金預金や積立金については金融機関の発行する残高証明書を確認するとか、有価証券等については現在価格の鑑定するなど、市民に現時点での価値を正確にお示しする機会でもあったと思うところでございます。 今回、金融資産が除外された理由をご説明いただきたいと思います。 ○議長(土屋陽一君) 西入政策企画部長。          〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕 ◎政策企画部長(西入直喜君) 今回の議案につきまして、資本金として出資をする財産から金融資産を除いた理由ということでご質問いただきました。 今回の財産の出資というものでございますが、基本的に資本金として出資をするというものでございます。資本金と申しますのは、財産的基礎として経営においてその額を維持する必要があるという筋合いのものでございます。そういうことから、今回は土地、家屋をその対象としたということでございます。 金融資産の中身でございますが、大きく分けまして、設備関係の積立金、それから減価償却の引当金が約40億円というふうに聞いております。それと、退職給与引当金、これが4億数千万円ということでございまして、ほとんどが使途が決まっている資産ということでございます。ということで、今回お願いする資本金の出資というものには当てはまらない。また、それを当てはめることが、また大学の経営にとっては不利益になるというふうにも思っているところでございます。また、大学側の施設整備につきましては、今後も大学の責任において賄っていただくということで、今回の提案の中でも、一定程度、一定の金額を計画的に積み立てて今後の施設整備に充てるということもお聞きしておりますので、そういった形で、この金融資産についても活用していただくというふうに考えておるところでございます。 ということで、資本の出資に当てはまる財産ということで、土地、家屋について今回お願いをしたという内容でございます。ご理解をお願いしたいと思います。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) ほかにございませんか。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(土屋陽一君) 本案8件に対する質疑を終結いたします。                       ◇ △日程第6 報告第1号 ○議長(土屋陽一君) 次に、日程第6、報告第1号を議題とし、本案の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第7 報告第2号 ○議長(土屋陽一君) 次に、日程第7、報告第2号を議題とし、本案の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕                       ◇ △日程第8 報告第3号~第8号 ○議長(土屋陽一君) 次に、日程第8、報告第3号から第8号まで6件一括議題とし、本案6件の質疑に入ります。          〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(土屋陽一君) 以上で本日の日程は終了いたしました。 各議案は、お手元に配付した議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 お諮りします。明16日から26日までの11日間は、委員会審査等のため休会したいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(土屋陽一君) ご異議なしと認めます。よって、明16日から26日までの11日間は休会することに決しました。 次回は6月27日午後1時30分から会議を開きます。 本日はこれにて散会いたします。          午後 4時41分   散会...