平成19年 9月 定例会(第3回)議事日程 第 1 一般質問 (1)新生上田市の一体感醸成について (2)市政について (3)市政について (4)
青少年健全育成と教育行政について (5)市政について (6)市政について (7)行財政改革について (8)市政について (9)市政について (10)市政について (11)
ごみ焼却施設建設について (12)市政について (13)
後期高齢者医療制度と福祉対策について (14)市政について (15)市政について 本日の会議に付した事件 日程第1(1)から(8)まで 出席議員(34名) 1番 小 林 隆 利 君 2番 土 屋 孝 雄 君 3番 竹 花 静 江 君 4番 小 林 三 喜 雄 君 5番 井 沢 信 章 君 6番 三 井 和 哉 君 7番 古 市 順 子 君 8番 池 上 喜 美 子 君 9番 安 藤 友 博 君 10番 内 堀 勝 年 君 11番 大 井 一 郎 君 12番 清 水 俊 治 君 13番 西 沢 逸 郎 君 14番 尾 島 勝 君 15番 下 村 栄 君 16番 田 中 武 君 17番 深 井 武 文 君 18番 渡 辺 正 博 君 19番 滝 沢 清 茂 君 20番 堀 善 三 郎 君 21番 下 村 聖 君 22番 大 井 戸 荘 平 君 23番 外 山 愷 君 24番 南 波 清 吾 君 25番 成 田 守 夫 君 26番 児 玉 将 男 君 27番 足 立 誠 君 28番 丸 山 正 明 君 29番 土 屋 陽 一 君 30番 武 藤 弘 君 31番 藤 原 信 一 君 32番 久 保 田 由 夫 君 33番 金 井 忠 一 君 34番 南 雲 典 子 君 説明のため出席した者 市 長 母 袋 創 一 君 副 市 長 石 黒 豊 君 収 入 役 堀 内 憲 明 君 政策企画局長 宮 下 省 二 君 上田地域自治 センター長 合併記念事業 事務局長 総 務 部 長 小 出 俊 君 総 務 部 参 事 笠 原 茂 正 君 行政管理課長 岩 倉 範 明 君 財 政 部 長 土 屋 朝 義 君 財 政 課 長 武 井 繁 樹 君 市民生活部長 山 本 謙 二 君 健康福祉部長 大 井 正 行 君 福祉事務所長 こ ど も 未 来 井 上 晴 樹 君 部 長 商工観光部長 中 沢 照 夫 君 農 林 部 長 大 沢 和 正 君 都市建設部長 峰 村 万 寿 夫 君 消 防 部 長 手 塚 一 彦 君 丸子地域自治 小 林 健 一 君 センター長 真田地域自治 小 市 邦 夫 君 センター長 武石地域自治 宮 下 政 登 君 センター長 上下水道事業 小 山 田 秀 士 君 管 理 者 教 育 長 森 大 和 君 教 育 次 長 小 菅 清 君
事務局職員出席者 事 務 局 長 市 村 良 夫 君 事 務 局 次 長 片 岡 文 夫 君 議 事 係 長 清 水 充 久 君 調 査 係 長 主 査 中 村 史 君 主 査 星 野 陽 一 君 午前 8時45分 開議
○議長(土屋陽一君) これより本日の会議を開きます。 ◇
△日程第1 一般質問(1)新生上田市の一体感醸成について
○議長(土屋陽一君) 日程第1、一般質問を行います。 まず、新生上田市の一体感醸成について、児玉議員の質問を許します。児玉議員。 〔26番 児玉 将男君登壇〕
◆26番(児玉将男君) おはようございます。お許しをいただきましたので、一般質問を行います。 新生上田市一体感の醸成について、そのパートツーとして、今回は農業の諸問題について伺ってまいります。 直撃するかと思われた台風9号でありましたけれども、若干ずれたおかげで大した被害もなく過ぎ去りましてほっとしたところでありますが、ことしは大変な天候異常と申しますか、天候不順な年でありまして、昨日の滝沢議員の質問にもありましたけれども、地球温暖化の現象の一部かと思われますけれども、ことしの2月、3月の気温の逆転現象、そして極端な降雨不足による干ばつ、さらに4月の下旬から5月の上旬にかけましての大変な寒さ、標高600メートルを超える地帯におきましては、一例として出荷期を迎えたアスパラガス、大変な寒さの中で凍りついておったわけであります。春先の干ばつとあわせて大変な減収になりまして、通常の3割、4割減ということでありました。さらに、7月からの高温、つい最近まで猛暑、酷暑とでも申しましょうか、大変な暑さでありました。一見豊作に見える稲作ですけれども、標高の低いところでは高温障害による品質の低下、胴割米等でありますけれども、大変懸念されておるところであります。 新生上田市、高原を除いた集落の標高は400メートル台から800メートル、900メートル台まで、その差約400から500メーターあるわけであります。大変な対応が迫られるというふうに思っております。上田の皆様お待ちかねの秋の味覚、香りでありますけれども、極端な夕立不足、ここ数年、夕立らしい夕立は余りありません。ことしはどうかと非常に懸念されるところでもあります。 農村、農業に対する国の施策が変わりました。1つは、認定農業者を中心としての担い手育成、農地の集約を柱として集落営農組織や農業法人への方向づけの施策であります。上田市全体で認定農業者は、個人、法人合わせて約20件余、集落営農組織は5団体、この5団体はいずれも旧上田市内と伺っております。国の施策ですので、将来へ向けてさまざまな支援体制となっております。 もう一つの施策、農地・水・
環境保全向上対策事業は、自治体やPTA等も含めた共同作業、共同活動、自然保全活動への支援、営農活動への支援となっております。この事業も10カ所あり、旧上田市9カ所、旧丸子町地域1カ所であります。 この2つの国の施策内容につきましては、小林隆利議員ほか同僚議員が数回にわたりまして内容確認やら進捗状態やら、一般質問で確認してきたところであります。私も常任委員会におきまして質問したところでありますが、いずれの事業も農村、農業の振興策、活性化策に対して国の方向づけ、支援を示したものであります。 この2つの事業の実施地域は、その多くは水田地帯であります。丸子、真田、武石の各地域は水田面積も少なく、また転作につきましても花や野菜、大豆、ソバといった多種の作柄となっておるわけであります。加えて畑作との複合経営であり、作柄も果樹も含め多様化となっておりますので、集落営農や農地・水・環境保全事業への取り組みが大変に難しい地域であります。これらの国の農業施策に対応できず、取り組みのできなかった地域に対して市の振興策、活性化策はどうなっているのか、地域間格差の生じないためにもどんな取り組みをされるおつもりか伺って第1問といたします。
○議長(土屋陽一君) 農林部長。 〔農林部長 大沢 和正君登壇〕
◎農林部長(大沢和正君) おはようございます。児玉議員から農業を取り巻く諸問題につきまして何点かご質問いただきました。 まず初めに、国の施策転換に対応できず、集落営農組織や農地・水・
環境保全向上対策に取り組まなかった地域、また取り組みのできなかった地域に対しての市の振興策についてのご質問でございます。戦後、農政の大転換と言われます
品目横断的経営安定対策や農地・水・
環境保全向上対策の
経営所得安定対策が今年度から始まったわけでございます。この背景について申し上げます。 我が国は、食料、農業、農村の各分野において大きな課題を抱えておるのはご承知のとおりでございます。食料分野では自給率の低下であります。先進国中最低水準の我が国は平成27年までに自給率をカロリーベースで45%まで引き上げる目標でありますが、農林水産省が公表した昨年度の食料自給率は40%を切りまして39%となり、13年ぶりに割り込む結果となっております。 農業分野ではこれまでさまざまな対策を講じてきたにもかかわらず、高齢化、後継者不足、農産物価格の低迷などの要因によりまして、結果として米、麦、大豆など土地利用型の農業分野における規模拡大が進まず、多くの農家の経営体質が強化、改善されない状況にございます。 農村では全国的に農業就業者の45%が70歳代という状況にあり、集落全体が高齢化し、農地や山林の管理が行き届かず、遊休農地の増加、山林の荒廃、有害鳥獣の増加などの問題を招くなど、農村の疲弊が進んでおります。 一方、国際的には、ご存じのように、
WTO農業交渉等の中で、これまで全農家を対象とした作物ごとに価格を補てんする我が国の価格政策が国際ルールではイエローカードとされたことから、輸入農産物と農家が市場から得られる所得の格差を過去の生産実績等に応じ補てんする所得政策へ転換したわけであります。 現在
WTO農業交渉やオーストラリアとの2国間のEPA交渉などが行われておりますが、今後もグローバル化の波は避けて通れないと認識しております。 このように農業に対して国民から信頼され、国際競争力にも対抗できる攻めの農政を展開するには、農業の構造改革の推進、国際ルールの強化への対応、農村活力の底上げ等が必要不可欠でありますことから、これまでの政策から
土地利用型作物である米、麦、大豆を中心に
経営所得安定対策という新たな農業政策に大きく転換し、本年度から本格的にスタートしたわけでございます。 また、国では過去に実施された施策を検証し、将来的に他産業並みの所得の確保が期待される農家等へ国費を重点化するために、政策の支援対象を一定の要件を満たした認定農業者や集落営農組織に限定したわけであります。 なお、地域に応じた品目については、例えば果樹、野菜、畜産等は経営安定対策とは別に、従来からの個別の施策が継続されることとなっております。 市では国の施策に対応するために、昨年度からJA、また県など関係機関と連携を図り、認定農業者への誘導や集落営農組織の設立等を進めてまいりました。 また、農村環境の保全を切り口とした地域づくりとして始まりました農地・水・
環境保全向上対策事業でありますが、来年度も事業採択が可能になったことから、取り組みを検討されておる地域につきましては、組織化に向けて引き続き説明会等を開催してまいりたいと考えております。 一方、市内4地域において集落営農組織や法人組織がない地域や集落営農等の話が進まない地域など、国の施策から外れた農家の方々がいるのも事実でございます。 このような地域におきましても、農家の高齢化が進む中で、将来の地域農業、地域づくりをどのように行っていくのか、個々の農家だけでなく、非農家の方も集まって話し合いの場を持っていただくことが必要であると考えております。 このような機会を生かしまして集落営農等への参画を促してまいりたいと考えております。 また、国からの交付金が得られず、所得が昨年度よりも低くなっている農家に対しては、所得が引き続き維持できるようなフォローアップも必要であると考えております。 この一つとして、市ではJAや県等と連携して地産地消や都市間交流を推進して、小規模農家でも元気や意欲の出る農家に努めているところでございます。 具体的に申し上げますと、まず1点目といたしまして、地域の特色を生かした
営農活性化組合等の活動に対する助成であります。各地域の状況でございますが、上田地域におきましてはオーナー事業や収穫祭などの生産者と消費者の交流を図る各種イベントの開催や
遊休農地解消事業を実施しておるところでございます。丸子地域におきましては、
遊休農地解消事業としてソバの栽培、
ワイン用ブドウの栽培がありますし、真田地域におきましては
ブルーベリー観光農園の整備等、武石地域におきましては、特産品を目指すクルミ、栗の植栽がございます。 2点目といたしまして、農家の販売ルートを拡充するための地産地消施設、上田地域の食彩館、丸子地域の「あさつゆ」の建設や販売ルートに対する支援でございます。 3点目といたしまして、各地域の農産物直売所の販売強化に資する支援でございます。 4点目として、やーこん焼酎や山口大根、
タマネギドレッシング、みそなど、地域で開発されました各種特産品のPRがございます。 5点目といたしまして、棚田やリンゴ等の
農産物オーナー制度、観光農園を活用した体験型農業の推進、農山村留学の受け入れなどを通した上田のファンづくりなどが挙げられます。 これらの施策を複合的に組み合わせることによりまして、農家の生産意欲を向上させ、第2のステップとしまして、関係機関と連携し、標高差や晴天率など、地の利を生かした
上田ブランド農産物の生産を促進してまいりたいと考えております。 さらに、体力のついてきた農家の皆様には、農地の利用集積を促進させ、認定農業者や法人化への誘導、集落営農組織の立ち上げにつなげ、4地域の連携を図りながら農業の振興に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 児玉議員。 〔26番 児玉 将男君登壇〕
◆26番(児玉将男君) それぞれ答弁をいただきました。特に地域全体の特色を生かした営農活性化の活動に対する助成等、細かな具体的な形が示されました。前向きな答弁とお聞きしたわけであります。さらに細かな実施計画やら、あるいは方法につきましては委員会等についてまた細かくお聞きしたいというふうに思っております。 再質問をいたしますが、武石地域には農作業の
受委託組合法人エコーズフェスがあります。国の担い手施策、集落営農については若干異なるわけでありますけれども、水田の田植え、消毒、収穫作業、あるいは大豆、ソバ等の播種、消毒、収穫の作業を受託し、地域の皆さん、特にお年寄りや
サラリーマン農家に大変重宝がられて喜ばれておるわけでありまして、地域農業の支えとなっているわけであります。 先日は、市の支援も受けまして、
無人ヘリコプターも最新鋭の機種が導入されました。農作業の防除作業だけでなく、松くい虫の防除にも対応できるすぐれ物であります。武石地域だけでなく上田市地域、また依田窪地域にも出動し、幅広い活動が期待されているところであります。丸子や真田、上田地域にも農作業の受委託作業をなりわいとしている人たちがいると聞いておるわけでありますが、武石の
エコーズフェスのように組織化し、ともに情報交換等、連携をとり合うことのできるような組織を立ち上げる考えはないか伺います。 もう一点、地産地消のお話がございました。農産物直売所の充実等として、市内各地域の特性ある農産物を全地域で販売できるような仕組み、システムはできないか。真田のおいしくなったと言われておりますお米や果物、また武石の牛肉や野菜、山菜等、また上田においてはかねてからおいしいと評判のお米や果物等、これらを全地域の直売所において販売できないか、そういうシステムにできないか伺って再質問といたします。 続いて、第2問に移りますが、土地改良事業の負担金について伺います。近年の農業を取り巻く環境は、先刻の第1問にも共通しておりますけれども、農業従事者の高齢化や後継者不足、米価の下落、ことしの早場米価格、コシヒカリでありますけれども、1万2,000円でも落札できないでいるという状況、輸入拡大による農産物の価格低迷、天候不順による生育不良、また獣による被害等々、農業所得が大きく減少をしているわけであります。従来の生産構造のままでは農業の継続は難しい状況となっております。農業経営者や農業生産組織が効率的かつ安定的に農業経営を行うことが求められておるわけですが、集落営農等が厳しい地域にありましては、農業経営はますます厳しくなるものと懸念されております。 そこで、土地改良事業の負担金につきましては、合併協定項目で平成20年度より新たな基準を制定し、統一するとありますが、いまだに負担割合が市民に示されておりません。各自治会におきまして、来年度、20年度予算において事業要望を取りまとめたいのであるが、受益者負担が決定しないために取りまとめができないという声があります。また、地域住民からは負担割合が決定していないことに相当不安を抱いておるわけであります。近年の農業事情を勘案し、農家の生産意欲が増すような負担率にて早急に決定すべきと思われますが、市の考えを伺って第2問といたします。
○議長(土屋陽一君) 農林部長。 〔農林部長 大沢 和正君登壇〕
◎農林部長(大沢和正君) 再度質問いただきました。武石地域の
エコーズフェスのように組織化し、
情報交換等連携をとり合うことのできるような指導はできないかのご質問でございました。
エコーズフェス武石は貴重な農業の担い手でありまして、また地域づくりの担い手であると認識しております。市では当該団体に対しまして、今年度ラジコンヘリコプターの導入に当たりまして農家の労働力の省力化、コスト低減を図り、地域農業の持続的な発展が期待されることから、導入経費について補助したところでございます。お話がございましたように、入魂式には市長も出席させていただきまして、
エコーズフェスの皆様の農業への熱い思いを感じたところでございました。 丸子地域や武石地域では、JAの
農作業受託者部会に所属する個人の農家が水稲の植えつけから収穫、ソバの播種作業などを受託しておりますが、諸事情からこれらの農家が集まって法人化するまでには至っておりません。 上田地域には
エコーズフェス武石と同様な法人組織が14団体、集落営農組織は5団体ありまして、集落営農組織は法人化に向けて取り組みが行われておるところでございます。 農業を取り巻く環境は、お話がございましたように大変厳しい状況ではございますが、地域ぐるみの営農体制の確立は必要であると認識しております。それには同じ志を持った仲間づくり、組織づくりが必要であると感じておりますので、武石地域の取り組みも参考にさせていただきたいと考えております。 次に、地産地消の推進として農産物直売所の充実に向け、市内各地域の特性ある農産物を全地域で販売できるような取り組みができないかのご質問でございました。地産地消の推進の手段として農産物直売所の果たす役割は今後大変重要になってまいると考えております。 直売所の振興策については、うえだ農産物地産地消推進会議を中心に推進しているところでございます。この組織は、市、農業委員会、JA、県、生産者代表、
消費者団体代表等から構成されまして、
農産物直売所部会など4部会に分かれまして上田地域を中心に地産地消の課題を拾い出し、課題解決に向けた方策の研究、検討、実践をしておるところでございます。この組織については、新市を網羅し、機動的な取り組みが推進できるよう、事業の再構築も含めて検討しておるところでございます。 ご提案のありました4地域の直売所間の販売網づくりにつきましては、直売所の品ぞろえを充実するだけでなく、安全安心な農産物という消費者ニーズにもこたえるものであることから、農産物の販売を高め、農家の所得向上が期待できますので、地域の皆さんの協力を得ながら進めてまいりたいと考えております。 次に、土地改良事業の負担金についてのご質問でございました。平成20年度に統一が予定されているが、早期に方針を示すことができないのかどうかの質問でございます。合併前の旧市町村では、それぞれの基準によりまして負担割合を設定してきましたが、合併協議におきまして、合併後2年以内を目途に統一した基準を設け、平成20年度から適用していくこととなっております。 現在、平成20年度当初からの実施を目指しまして検討を進めておるところでございますが、現行の4地域の負担率にはかなりの差がございます。現
土地改良事業分担金徴収条例では、事業種別、地域性、用排水別、国、県の補助事業などにより負担率は異なっております。例えばかん排事業では、上田地域では20から40%、丸子地域では5から20%、真田地域では5から30%、武石地域では10から25%となっておりまして、また圃場整備事業では上田地域では20から40%、丸子地域では10から30%、真田地域では20%、武石地域では20%などとなっております。また、旧市町村のそれぞれの政策によりましてその負担率を軽減しているところでもありまして、負担率については複雑多岐にわたっておる状況でございます。 このような状況の中で現在調整作業を行っておりますが、農業用施設の持つ公共性や多面的機能、地域の状況、県内18市の状況、単独事業と補助事業の相違、
事業内容等多方面から検討を重ねておりまして、調整には時間を要しております。平成20年度施行を目指して早期に統一した基準を決定してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 児玉議員。 〔26番 児玉 将男君登壇〕
◆26番(児玉将男君) 2問の再質問を行います。 近年台風や集中豪雨、地震等による自然災害も多く発生しているわけでありますけれども、これら災害復旧工事においても負担はあるのか。さらに、頭首工工事にも負担があると聞いておるわけですけれども、用水は農業用水だけでなく生活用水でもあり、消防の防災上でも用水は重要であります。したがって、公共的施設との認識が強く、地域住民の理解も得ることは難しいと思われます。災害復旧工事とあわせて受益者負担は減免できないか伺います。 続いて、第3問に入ります。獣害対策について伺います。ソバの花が花盛りであります。真っ白な花が秋風に揺れておりますが、10月の中下旬には収穫期を迎えるわけでありますが、運が悪くシカにねらわれますと一夜にして実が食べられてしまいまして、茎だけになってしまうわけであります。また、シカの好むのは大豆であります。新芽の出たところ、三つ葉のころにきれいに食べられてしまう畑が数多くありまして、シカの出るところには大豆はつくれない状況であります。 武石地域では、水田地帯の沖や鳥屋地区にも出現をいたしまして、稲を踏み荒らして食害を起こしております。したがって、武石は全地域にわたって出現しているということであります。近年野生鳥獣類が増加し、行動範囲が広がりまして、農作物に甚大な被害を及ぼしており、農家の生産意欲の減退を招き、農地の荒廃化へとつながっております。美しいとされる武石の自然におきましても、この美しさの破壊へとなっておるわけであります。 上田市においては、鳥獣被害防止施策設置補助要綱が制定されまして、各自治センターごとに予算化されておりますが、補助率が3割、上限7万円と規模が小さいものであります。 真田地域では、バッテリーや簡単なソーラーシステムを利用して電気さくが有効であるとのことで、旧真田町時代から行っているとのことであり、また丸子地域では西内地域で獣害防護さく設置事業を県の補助等を受けて大々的に行っておるわけですけれども、事業規模、事業費、その効果がどうか、真田の状況とあわせてお聞きいたします。 いずれにいたしましても、上田市で行っているせいぜい畑を個々に囲む程度の事業では、何の抜本的な解決策にもならないわけであります。丸子の獣害防護さく、そして真田の電気さく、それを検証しまして、各地域に適した方法で国、県の施策、補助等も考慮し、全市にわたって対策を検討すべきと考えます。市の見解を伺います。 猟友会会員の育成について伺います。有害鳥獣駆除対策については、猟友会会員の絶大な協力のもとで駆除を行っておりますが、有害鳥獣はふえる一方であります。一方、猟友会会員は高齢化が進んでおり、会員の育成が急務であります。そこで、新規に狩猟免許を取得する場合、わな免許も含めて補助制度はできないか伺います。 次に、捕獲頭数による奨励金制度について伺います。有害鳥獣駆除対策補助金として各猟友会に交付されておるわけですけれども、上田の場合、旧市町村の交付基準で旧上田市と武石村は定額補助、旧丸子町、真田町は捕獲頭数割で、いまだ調整されておりません。猟友会会員の士気を高め、駆除を積極的に行っていくためにも捕獲頭数による奨励金制度を全市に拡大し、さらに奨励金の充実をすべきと考えます。見解を伺います。 次に、捕獲した有害鳥獣のうち、シカとイノシシの解体処理、販売施設の設置について伺います。先ほど大鹿村の施設を視察してまいりました。建設業の方が企業を起こしまして、シカ、イノシシの解体工事、解体加工、販売事業を4年ほど前から行っておるものであります。企業を起こした理由として、顧客からの要望、公的機関からの要望、既存の業者が存在しないこと、そして雇用が維持できること、また今後の市場性が見込めること等により事業参入したと伺いました。シカ肉は脂肪分が少なく、ヘルシーな食品として特に女性に人気があるとのことでありますが、市として費用効果を考え、民間活力を導入して有害駆除促進の面からも解体販売施設の検討はできないか伺い、第3問といたします。
○議長(土屋陽一君) 農林部長。 〔農林部長 大沢 和正君登壇〕
◎農林部長(大沢和正君) 土地改良事業の負担金につきまして再度ご質問いただきました。災害復旧にも受益者の負担はあるのか、負担金の減免はできないのかの質問でございました。ご指摘のとおり、農業を取り巻く近年の状況を考え、施設整備の費用を負担することの厳しさ、農業用排水路、農道などに公共性があることは市といたしましても十分認識しておるところでございます。しかし、これらの農業用施設は農業利用を目的としてつくられた施設でございまして、おのおのに管理団体がありますし、農地についても個人的所有でありまして、受益者が限定されておることから、受益者負担の原則に基づきまして負担をいただきながら工事を実施することが基本と考えております。 同様に、災害復旧につきましても、受益者の特定される施設や農地の工事で、農地ですので受益者の負担をお願いしたいと考えておりまして、県分担金条例でも災害復旧の負担率は上田地域で5から30%、丸子地域で3から5%、真田地域で30%、武石地域におきましては今まで負担なしで行っていたというのが現状でございます。災害復旧については、今までも軽減しておりますので、軽減については同様に検討してまいりたいと考えております。 頭首工も農業用施設でありますので、公共性があっても用水路や農道などと同様の負担率としてまいりたいと考えております。 次に、獣害対策についてご質問いただきました。防護さく等の設置事業について、丸子、真田地域において現状と各地域に適した方法と全市にわたって対策を検討すべきと考えるが、市の見解についてのご質問でございました。 近年野生鳥獣による農林業被害は増加傾向にありまして、中山間地域を中心に深刻化しております。上田市ではイノシシ、ニホンジカ、ハクビシン等による被害が増加しておりまして、平成18年度で約4,300万円の農林業被害を把握しておるところでございます。 有害鳥獣対策としましては、捕獲対策や緩衝帯設置などの環境整備とともに、防護さく設置も有効な手段として進められてきております。 丸子地域については、ニホンジカやイノシシの被害が多いことから、ワイヤーメッシュと金網をセットにした防護さくの設置を中心に進めているところでございます。これは県の補助をいただきながら、市が防護さくの資材を地元に支給し、受益者が共同で設置するものでありまして、平成16年度から平成18年度までに約6,200メーターの防護さくを設置してまいりました。現在のところ被害も少なく、農家の皆様から好評のことから、今年度も引き続き約3,700メートルの防護さくを設置する計画でありまして、地元との調整を進めているところでございます。設置事業費につきましては、資材費で1メーター当たり700円から800円となっております。 真田地域においては、現在のところニホンジカによる被害は比較的少なく、イノシシによる農業被害が多いため、市の補助制度を活用しながら電気さくを中心に設置し、侵入を防いでおります。平成18年度においては127件の設置があり、約220万円の補助を行ってきたところであります。また、赤井地区のように住民が共同で広域的に電気さくを設置し、イノシシの侵入を防いでいる地域もございます。 防衛手段として設置する防護さくや電気さくは個人ごとに設置することも必要ですが、広域的に取り組んだほうがより効果的であると考えております。今後も地域が主体となった広域的な防護さく対策には積極的な支援を進めるとともに、鳥獣類の被害状況に応じた対策を指導してまいりたいと考えております。 次に、新規に狩猟免許を取得する場合、市として補助金を出せないかのご質問でございました。市内には猟友会が約300名おられますが、そのうち198名の方々が有害鳥獣駆除に従事していただいております。地域別の状況でございますが、上田地域では97名が従事しておられまして、その平均年齢は63歳でございます。同じく丸子地域では46名、平均年齢が63歳、真田地域では27名、平均年齢が60歳、武石地域では28名、平均年齢が62歳となっております。いずれの地域におきましても平均年齢は60歳以上でございまして、高齢化や猟友会員の減少が年々進んでおりまして、今後の捕獲活動の推進についても危惧しておるところでございます。 狩猟免許取得制度につきましては、旧丸子町で制定されたわな猟免許を対象とした補助率十分の6、限度額7,500円の補助制度がありましたが、合併協議の中で新市で統一する方針となったため、助成内容について現在検討しておるところでございます。 補助対象とする免許の種類でございますが、狩猟免許の種類には網猟免許、霞網です。わな猟免許、銃猟免許、これは鉄砲でありますけれども、の免許がございます。銃を所持するには制限や規制が厳しく、管理も難しい面もありますが、わな猟免許につきましては危険が少なく、有害鳥獣対策としても十分に対応できますことから、わな猟免許に対しまして補助対象として検討しておるところでございます。 次に、駆除を積極的に行っていくためにも、捕獲頭数による奨励金制度を全市に拡大し、報償金の充実をしたらどうかのご質問でございました。鳥獣の捕獲につきましては、猟友会のご理解とご協力をいただきながら実施している中で、各地域それぞれ地域の実情に合った制度で捕獲活動が行われております。 従事者の方々はそれぞれの仕事を持った中で活動されておりまして、緊急時の出動を初め捕獲に伴うおり、わなの見回りや捕獲後の鳥獣の処分、また銃器等を使用するために危険を伴いながら捕獲活動を行っていただいておりますが、被害を減少させるためにも必要不可欠な団体であると考えております。 丸子、真田地域においては捕獲報償金が支払われておりまして、イノシシ、ニホンジカなどの大型鳥獣の捕獲に対しては、丸子地域では1頭当たり1万円、真田地域では1頭当たり2万円の報償金が支払われております。これに対し上田、武石地域では1頭当たりの報償金制度は設けられておらず、捕獲協力費やおりの管理費として毎年一定額をお払いしているものでございます。いずれにしましても、従事者の方々にはボランティア的にご協力をいただいている点が多い点もございます。非常に金額については満足いく金額ではないと考えております。 合併協議の中では報償金等について統一する方針となっておりますことから、4センター間の調整を図るために、本年3月、有害鳥獣駆除対策連絡協議会を設立し、検討を進めておるところでございますが、捕獲実施団体である猟友会には長年にわたりまして各地域の実情に応じた駆除体制で協力をいただいておる経過がございます。このため、猟友会への支援体制につきましては、猟友会の皆様のご意見を十分尊重しながら調整し、整備してまいりたいと考えております。 次に、民間活力を使ったシカ、イノシシ肉の解体、販売を検討できないかのご質問でございました。特に大鹿村の例を挙げていただきました。捕獲した鳥獣の有効策としまして、食肉として活用する研究や取り組みが進められておりまして、議員発言のように、県内では南信の大鹿村でニホンジカとイノシシ肉の解体、加工販売が行われております。 この大鹿村の施設の状況でございますが、先ほどお話がございましたが、重複しますが、建物は村の遊休施設を借用しまして、さまざまな補助金や経営者の自己資金等により整備された施設でございまして、ニホンジカを主とした肉の加工販売を行っております。加工された肉は村内外の旅館、居酒屋、レストランなどに販売されておりますが、肉の供給が不安定であったり、歩どまりも悪い上に傷みやすい欠点があるようでございます。 この施設では年間約1,000頭の解体加工を行っておりまして、1,000頭以下ではなかなか経営が難しいということでございます。上小地区でもニホンジカの年間捕獲頭数は約400頭でございまして、上小地区と比較しても大鹿村での鳥獣の生息数が多いことも経営が成り立つ一因となっておるようでございます。また、経営者は建設業を兼ねた猟友会会員でございまして、鳥獣を捕獲する側の猟友会の立場もよく理解していることも一因かと思っております。 野生鳥獣をジビエとして定着させるためには、食品衛生法の規制がございまして、さらに食肉加工の統一的な衛生管理基準や具体的な処理手順が定められていないなどのさまざまな課題がございます。 こうした中で、県では販売に向けての研究や取り組みを進めておりまして、今年度は衛生ガイドライン、衛生マニュアルの公表、ニホンジカ大量捕獲の実証試験、食肉以外の活用方策の検討、特にペットフード等を考えておるようでございますが、検討するということでございます。 今後県の示すガイドラインを参考にしながら、野生鳥獣の肉類の有効活用が可能であるかどうか、また供給元、需要先、流通ルートなどの多角的な面から研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 児玉議員。 〔26番 児玉 将男君登壇〕
◆26番(児玉将男君) 再質問を行います。 7月の信濃毎日新聞の記事で、美ヶ原高原で牛の放牧地にシカが群れている記事が写真とともに掲載されました。大変な反響でありました。シカも暑さを逃れて涼しい高原に移動したものと思われるわけであります。牛の牧草を食べ、マツムシソウ等の高原の草花も食い荒らしているとのことでありますが、中にはクマザサの中にあるレンゲツツジが頭を出している。クマザサの葉を食べ尽くしたことによってレンゲツツジが顔を出したということであります。ご承知のように、レンゲツツジは毒性がありますので、牛もシカも食べないということであります。そうしたいいこともあるわけですけれども、8月21日、会派研修におきまして松本市を訪れた折、職員の方が何とか駆除をしないと大変なことになるという話をされておったわけであります。松本で駆除が始まりますと、当然シカは武石側、上田市側、あるいは長和町側へ逃げてくるのは当然であります。有害鳥獣駆除につきましては、国、県挙げての広域的な対応が必要不可欠となってきている現実でありますので、上田としてどうお考えか伺いまして、私の質問を終わりといたします。
○議長(土屋陽一君) 農林部長。 〔農林部長 大沢 和正君登壇〕
◎農林部長(大沢和正君) 再質問いただきました。有害鳥獣対策における広域的な取り組みに対する考え方でございました。特に美ヶ原でのシカの関係でございました。有害鳥獣防止対策としましては、捕獲だけに頼った工事は不可能でございまして、防護さくや集落周辺の環境整備などと組み合わせた対策が重要であります。また、各地域で地域住民と行政が主体的に取り組むことが必要であると考えております。 武石地域から松本市にかけての美ヶ原高原山ろくには、先ほどお話がございましたように、ニホンジカによる農林業被害が深刻化しているようでございます。種類によっては生息範囲を拡大し、生息数の増加が懸念される鳥獣もございます。県内各市でも広域的な連携を必要とする声が上がっておりまして、先ごろ行われました長野県市長会総会でも議題として取り上げられまして、県へ働きかけがされたところでございます。 県は、被害が深刻化していることを受けまして、県庁内での部局を横断する野生鳥獣被害対策本部を設置しまして取り組みを強化する方針を明らかにいたしたところでございます。今後も県を中心とした関係機関と連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 児玉議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午前 9時35分 休憩 ◇ 午前 9時50分 再開
○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(2)市政について
○議長(土屋陽一君) 次に、市政について、安藤議員の質問を許します。安藤議員。 〔9番 安藤 友博君登壇〕
◆9番(安藤友博君) 通告に従いまして質問をしてまいります。 長月を迎え、8月の猛暑を思い浮かべながら秋の風が心地よく感じられる季節となりました。国の内閣も改造され、地に足のついた政治を期待するとともに、国と地方の役割分担を明確にし、国民の安心した生活が実現することを強く望んでおります。 さて、国では昨年初めての試みとして、広く全国の自治体に世界遺産の登録を公募しました。そして、昨年は二十数カ所の世界遺産の登録について応募があり、20カ所が継続審査中として本年を迎えました。昨年に引き続き本年も3月、国からの公募があったわけでございます。 昨年、長野県ではいち早く北信で長野市の善光寺、中信で松本市の松本城、南信では木曽谷の馬籠宿など応募され、現在国の継続審査中の物件と位置づけられております。昨年は、上田市はもちろん、東信地区では応募がされておりません。 国も観光立国を目指し、来年度は観光庁も新設されるとの計画も聞きます。世界では850もの世界遺産が登録され、日本では先日話題になりました島根県大田市の石見銀山が新規登録されたことにより、14の文化、自然に分かれ、世界遺産に登録されております。 近年世界遺産が話題となり、テレビや雑誌、著書など多くの情報が目につくところでございます。上田市にも本年2月、世界遺産登録について準備委員会が立ち上がり、約半年の間活動を進めてまいりました。その間、信州上田・青木世界遺産登録をめざす市民の会の設立に向けた説明会の開催、登録候補地の視察会の実施、去る6月21日には上田市長並びに青木村村長、地方事務所長初め来賓多数臨席の中、市民の会の設立総会が盛大に挙行されました。去る8月26日には世界遺産登録を考える市民の会シンポジウムが開催され、今日に至っております。現在370名の会員の方々と70の諸団体の皆さんから熱意のこもったご協賛を、またご支援をいただきながら、後押しされながら、岡村徹会長を初め、上田市並びに青木村のさまざまな分野の方々が役員に就任され、特に天台宗座主であられ、別所温泉出身の半田孝淳探題大僧正にも名誉顧問としてお力添えをいただいております。 そこで伺いますが、市民の会より塩田平を中心に中世の仏教文化が集積され、その集積率は京都、奈良に匹敵し、世界に誇れる国宝安楽寺三重塔並びに青木にある国宝大法寺の三重塔を初めとする国の重要文化財である8つの建造物と、そこにまつわる国の重要文化財である6つの彫刻類を世界遺産登録を目指す市民の会として、本年7月23日、上田市、青木の両首長並びに教育委員会に応募申請を要請する要望書を添えて要請いたしました。そこで9月7日、既に本年度の長野県の応募期限が締め切られたわけであります。上田・青木として応募がされませんでした。自然豊かな、そして歴史ある上田地域の文化遺産を国から広く公募されたこのチャンスに多くの市民が世界遺産登録を望むこの要望に対し、どのような調査、研究に努力されたのか、その経過と、そして要望にこたえられないその考え方を伺い、第1問といたします。
○議長(土屋陽一君) 教育長。 〔教育長 森 大和君登壇〕
◎教育長(森大和君) 世界遺産登録に関するご質問をいただきました。市教委の考え方についてお答えをいたします。 本年度も文化庁から世界遺産登録については公募という形で全国的な募集があったわけでございます。当上田市におきましては、信州上田・青木世界遺産登録をめざす市民の会の皆様方から国宝安楽寺三重塔、それから国宝大法寺三重塔等、中世仏教文化財群をぜひ世界遺産にというご要望をいただいたわけでございます。地域の文化財を誇りに思う気持ちを大切にしながら次世代に引き継いでいこうとする市民の会の皆様の活動に対しまして、衷心より敬意を表するところでございます。 要望のございました上田市の中世仏教文化財群が、市教委としましても世界遺産登録への可能性を求めて県と何度も協議を行いました。その後、県とともに文化庁へ事前調整に行ってまいりましたが、その中で提案内容について幾つかの指導、助言を受けたところでございます。 1つ目としては、世界の文化交流などに与えた物証など、文化財の顕著な普遍的価値、つまり際立って目につき、すべてに共通している値打ちのあるものを持つ可能性が高い文化遺産であることの説明が不十分であること。 2つ目としては、様式、形式による比較年代推定だけでなく、科学的根拠による時代特定などが必要であり、全容を明らかにする学術的裏づけが不十分であること。 3つ目として、類似地域は各地にあり、差別化が難しく、本質的に世界へアピールするものでなくてはならない。また、資産保全のためのコア、つまり核心地域の範囲を示しているが、緩衝地帯の設定も未確定であり、空間設定が不十分であること。さらに、世界に通ずる資産か、その検証が不十分であることなどの課題が指摘されたわけでございます。 さらに、文化庁によれば、従来に比べ、つまり昨年のことでありますけれども、従来に比べ世界遺産登録をめぐる状況は極めて厳しくなっており、本県のすばらしさ、文化的価値はよく理解できるが、端的に言えば厳しい状況にあるとのことでありました。 これらの経過を踏まえ、県、青木村と協議をする中で、県も文化庁と同様に世界遺産登録の公募については日本を代表する、これを見れば日本がわかるという世界遺産の基準に照らし合わせても規模や質的にも疑問があるなど大変厳しいものがあるという見解でございまして、上田市教育委員会といたしましても世界遺産として県と共同提案することは難しいと判断をいたしたわけでございます。 塩田平などの文化財の集積は大変すばらしいものでありますので、一歩一歩地域の魅力としてつくり上げていくといった地についた活動が重要であります。そのため、信州上田・青木世界遺産をめざす市民の会の皆様方もお考えのように、一過性の活動ではなく、地域住民の思いを次の世代に引き継ぐ息の長い活動を通じてすばらしい文化遺産であることを地域住民が学び、課題を明らかにしていくことも大事であります。 これまでこれらの貴重な文化財が当地に残されてきたことは上田市民の誇りであります。これも文化財保護のためにご尽力いただいた皆様のおかげと心から感謝申し上げます。 今後市といたしましても、塩田平、青木村の文化遺産の価値を皆様とともに検証し、地域の文化財を誇りに思う気持ちを大切にして、地域に根づいた文化財保護と活用を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただき、ご協力賜りますようにお願いいたします。
○議長(土屋陽一君) 安藤議員。 〔9番 安藤 友博君登壇〕
◆9番(安藤友博君) 答弁をいただきました。本年度既に締め切りがされ、上田市、青木村として世界遺産登録の申請について、その取り扱いの結果が出てしまったわけであります。しかも、国宝並びに国の指定する重要文化財として誇り高き信州上田、青木に集積する遺産の取り扱いについて、よかった、悪かったというような議論は重ねたくはありませんが、しかしながら、この地は信州の学海なりとうたわれ、親しまれ、700年以上長きにわたり先人より受け継がれた本物の遺産群であります。歴史的、教育的にもこの地域の観光の大きな名所であり、他の遺産登録物件と比較してもまさるとも劣らない遺産群であります。国でも観光立国に力を入れている中で、母袋上田市長は早くから観光をリーディング産業と位置づけ、予算もつけてまいりました。また、宮原青木村村長もこの件に対して大変前向きに検討をしていただいてきたわけでございます。 そこで母袋市長に伺いますが、市長としてこの世界遺産についての要望に対しての考え方、青木村村長と両自治体の代表としてどのような話し合いをされたのか、今回の経過に至った経過を伺いたいと思います。 また、群馬県富岡市の製糸場跡も見学してまいりました。富岡市では世界遺産登録の暫定リスト入りを果たしていますが、観光戦略のトップとして位置づけ、誇りを持って内外ともにPRしながら、まちづくりとして全市的に取り組んでおります。上田市は早くから観光立市を目指し、積極的に取り組んでいる中で、このような文化遺産を市長としてまちづくりにどのように生かしていくのか伺い、第2問といたします。
○議長(土屋陽一君) 市長。 〔市長 母袋 創一君登壇〕
◎市長(母袋創一君) 安藤議員のご質問に答弁いたします。 世界遺産登録への市長の考えはどうかということ、また青木村に対してどう接するのかと、こういうお話でもございましたが、ただいま教育長より詳しく説明をさせていただいたところでございますけれども、本件、当初お話をお聞きした段階におきまして大変夢のあるお話ではなかろうかと、そしてその実現の可能性があればチャレンジしたいと思ったのは私ばかりでなく、市民の会のメンバー、皆様も同様だったと思います。安藤議員には中心的なお立場でご活躍されておられることも承知し、敬意を表するところでございます。 世界遺産に登録するには非常に厳しい状況にあると、つぶさな報告を先般教育委員会より受けました。市民の会の皆様の文化財というものを世界遺産にとの上田市の文化財を誇りに思っていただける、そのことに対しまして大変感謝も私の立場から申し上げるところでございます。 教育委員会におきましては、これまで精力的に短期間の中で青木村や県と協議を進め、さらに国に出向き、文化庁とも事前調整をしていく中で世界遺産に登録提案することは難しいという判断を行い、私といたしましてもこれまでの経過を踏まえながら、またこの実現はかなり難しいと判断をいたしたところでございます。そして、今後においてはその旨青木村にもお伝えさせていただき、事務レベルではしっかりと連携はとられているわけではございますが、村長とも改めてお話を申し上げたいと思っております。 教育長からも答弁いたした同様なことでございますが、いずれにいたしましてもこの塩田平、青木村の文化遺産の価値を皆様とともに検証しながら、地域の文化財を誇りに思う気持ちというものを大切にしながら地域に根づいた文化財保護と活用の充実を図っていければと、このように考えておりますし、また住民の皆様においてもこの地域のこういった文化財について知識として、あるいは触れたということにおいては、まだまだなされていない面もあろうかと思います。そういう皆様にもよく知っていただくということも大切なことであろう、このような認識を持っております。 続いて、上田市においてはこの観光立市、目指していく中で、この文化遺産あるいは文化財等まちづくりにどのように生かしていくのかというご質問でございました。市民の会の皆様が世界遺産にとお考えいただいたこの文化財につきましては、具体的には安楽寺八角三重塔と青木村の大法寺三重塔の2つの国宝が含まれております。古代から中世を経て近世まで、日本における地方文化の中心として栄えてきたこの上田、青木地域には多くの歴史的遺産が集積されておりまして、長野県内に5カ所ある国宝建造物のうち2つがこの地域に位置しているほか、さらに前山寺三重塔、信濃国分寺三重塔、中禅寺薬師堂といった重要文化財など国指定の文化財も多く残されております。その歴史的な価値はまことにすばらしいものであると、このように認識をまずいたします。 上田市は観光をリーディング産業として位置づけまして、他の産業の起爆剤となるべくさまざまな施策を展開してまいりました。今後課題は、点在するこれらの文化財を面的にとらえながら観光戦略においてどのように位置づけるのか、そして最大限に生かすとともに、上田市だけではなく青木村との連携も考えながら、さらには国宝である善光寺とか松本城が位置する長野市、松本市との連携もありましょう。地域の豊富な観光資源とも効果的に結びつけながら、これらの文化財についても大いにアピールしてまいりたい、そして、より戦略的にはダイナミックな手法を用いながら観光まちづくりを進めていきたい、このように考えているところでございます。
○議長(土屋陽一君) 安藤議員。 〔9番 安藤 友博君登壇〕
◆9番(安藤友博君) 市長から答弁をいただきました。私も市民の会の一員でありますし、今回このような経過に至ったことは大変残念で残念でなりませんが、答弁については理解せざるを得ないところでもあります。私としても、いかに今後文化財や地域の宝、そして受け継がれてきた遺産を世に出し、親しまれ、大切に保存し、後世に引き継いでいくのかを考え、取り組んでいきたいと思っております。 そこで伺いますが、前段申し上げましたように、国でも世界遺産登録に対し、地方から登録を目指す国民や地方自治体の盛り上がりや気概を期待するとともに、知り得ぬ地方に存在する遺産の掘り起こしの観点から、広く全国の自治体に公募したわけでございます。上田市も歴史文化都市として同様の手法を用いて、上田市全域の地域の宝を各ジャンルに分け、上田遺産登録と銘打って公募し、上田市の指定文化財とは別に、そこに住む住民が住民によって応募し、上田市が遺産登録として認証し、称賛することで地域の誇れる宝の掘り起こしができ、そして広く表示することで市民のよりどころとなり、親しまれ、また観光戦略的にも活用でき、全上田市の宝を地域挙げて守っていく市民意識の向上につながり、市民が市民による地域づくりに大変有効と考えます。どのように取り扱っていくのか否かをお伺いいたします。 また、文化庁は文化財保護行政を見直し、文化財の保護を地方主体でとして、多様な文化財とその周辺環境を一体で保護する仕組みの導入を決めたとあります。どのような内容か伺います。また、観光戦略的にも掘り起こした地域の宝を活用した新規事業を積極的に企画し、取り組むことが必要と考えますが、商工観光部としてどのように考えるか伺います。 次に、公民館事業について伺います。上田市には9つの公民館がそれぞれ地域の特徴を生かしながら地域のきずなや高齢者から子供たちまで社会体験から生涯学習に至るまで創意工夫しながら積極的に活動をしています。 そこで伺いますが、旧上田市では、より身近に地域との連携や特色ある公民館活動を行うことを目的に、小学校区1つの公民館13館構想がありましたが、合併して1年半、大きくなった新しい上田市の公民館のあるべき姿を総合計画にも明確な方向性は描かれておりませんが、どのように考えているのか伺います。また、本年7月の新潟中越沖地震の発生や、昨年1人の市民が行方不明となり、いまだ発見されていない。7月19日の豪雨災害から1年が過ぎましたが、そんな経験から塩田公民館では小中学生を対象に災害時の避難生活を知る夏休みサバイバル体験を行った。また、同じく武石川での清流体験などを行ったが、行った経過と参加状況、またその効果を踏まえ、今後の継続事業としての考え方はどうか伺い、第3問といたします。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 文化財保護の活用について2点ご質問いただきましたので、お答えをさせていただきます。 まず、上田市でも上田市遺産登録として市内の地域の宝を公募し、保護している考えはどうかということでございますが、上田市には幾つもの文化財がございますが、まだまだ地域に眠っている文化財はたくさんあろうかと思います。これからも大切な文化遺産が失われることがないよう、市民の皆様に文化財の大切さを理解していただくことが必要であると思っております。 上田市遺産登録という新しい提案をいただきましたが、上田市としては基本的には上田市文化財保護条例に基づいて指定文化財を保護、保存しています。上田市遺産登録につきましては、地域の伝統的な行事や文化、文化財との融合を図る中で提案の趣旨を研究させていただきたいと思っております。 次に、文化庁は文化財の指定、保護について地方自治体が主体となって行う方針を決めたとのことだが、どうかという内容でございます。文化庁では、地域の文化財を周辺環境も含めて総合的に保存、活用し、地域の魅力を増進させていくためには、各地域にあるさまざまな文化財を指定の有無や類型の違いにかかわらず適切に把握し、それらを地域の歴史や風土を踏まえて一定の方針のもと、長期的な視野で、計画的に保存、活用していくことが大切であると言っています。 そのため、幾つかの地域においてモデルケースとして基本構想の策定を行い、その方向性や課題を明らかにし、その成果を踏まえつつ、地方公共団体が基本構想を策定できる根拠となる規定を法律に設けることを早急に検討したいと言っております。 国から自治体で基本構想を策定するよう方針が示された場合、上田市においても策定したいと考えております。その場合は文化財そのものの魅力を高めるとともに、自分たちの地域の歴史や文化を伝えるものとして、また魅力的な形でわかりやすくその価値を伝えていくことが重要であると考えております。人々が生活の中で文化財を守り、その根底にある知とわざを継承することによって日々の暮らしがより豊かになるよう、掘り起こした文化財を地域の宝として各分野で協力し合い、新しい観光方策も踏まえながら保存と活用を図ってまいりたいと思います。 続けて、公民館活動についてのご質問でございますが、塩田公民館の事業につきまして経過、参加状況、効果などについてご質問をいただきましたので、お答えをさせていただきます。 まず、塩田公民館の夏休みサバイバル体験は、この8月4日土曜日及び5日の日曜日にかけまして、市内小中学生を対象に1泊2日で行った夏休み子供体験活動です。この事業は、昨年の平成18年7月豪雨からちょうど1年がたち、その際の被害の教訓を忘れないために、また子供たちに自分で考え、行動できる大人になってもらう機会を提供するために、災害発生を想定した避難所体験でございました。避難所という場所を設定したのは、たとえ子供であっても自分のことは自分でし、さらに周りの人のことも考えないといけない体験を通じまして、自分で考え、行動できるような人になってほしいと考えたからでございます。 内容としましては、公民館に泊まりながら地震体験車体験や放水訓練、さらにライフラインがストップしたことを想定しまして水のろ過装置とランプづくり、そしておにぎりやすいとん汁づくりなどを行いました。参加者は、市内小中学生10人とその保護者2人でございました。 成果としましては、まず、地域の消防団の皆さんたちとの協力連携。次に、市内小中学校の子供たちの交流の機会になったこと。そして、最も大きな成果は、災害時に大切なことをこのサバイバル体験の中から子供たちがみずから気づいてくれたことと思います。 また、「清流体験、武石川で遊ぼう」は、同様に7月29日日曜日に武石川の巣栗渓谷に参りまして、市民団体の信州上田千曲川少年団の皆さんと協働で行った事業で、子供20人とその保護者11人が参加し、清流での水生生物の観察や川遊び体験を通し、自然のすばらしさや大切さを実感してくれました。今後とも市民団体等と連携しながら、地域の特性や資源を活用し、子供の体験活動に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 商工観光部長。 〔商工観光部長 中沢 照夫君登壇〕
◎商工観光部長(中沢照夫君) 安藤議員から文化財の保護と活用について、観光振興の視点から、市内における地域の宝や資源は観光戦略的に大変重要であり、掘り起こし、その活用について積極的に取り組むべきではないかというご質問をいただきました。 上田市におきましては、菅平高原、美ヶ原高原を初めとする雄大な自然環境、また信州の鎌倉と言われる塩田平の歴史的建造物、別所温泉や丸子温泉郷などの温泉、戦国ロマンあふれる上田城など、大変豊かで多彩な観光資源がございます。こうした観光資源の多くは、先人が築き、守ってきた遺産であり、これを後世に伝えていくことが大切であると考えます。そして、同時に新たな観光資源を発掘、創造し、さらなる付加価値を高めていくことが今後の観光振興にとって大変重要であり、大きな課題であると考えております。 議員ご指摘の地域の宝を市民の手によって掘り起こしていくことにつきましては、観光振興においても大変重要な観点であると認識しております。上田市の遺産として登録することにつきましては、現在上田市教育委員会で文化財に指定している建造物、記念物、無形文化財の部類の中で史跡、名勝なども対象となることから、市民への適切な周知を行いながら、既存の制度での対応も含めまして教育委員会と連携を図る中で研究をさせていただきたいと考えます。 観光面における資源の有効活用につきましては、現在策定中の観光ビジョンの中で自然、名勝、天然記念物も含めた観光資源の掘り起こしを進めており、ビジョン策定後におきましても随時補完を行ってまいりたいと考えております。 また、上田市におきましては、近年、花をキーワードとした観光地づくりが進められておりまして、四季折々の「花ごよみマップ」の作成も進めているほか、塩尻地区や狐塚地区など蛍の保護育成といった文化財以外の観光資源が生まれつつある状況もございます。 市といたしましては、こうした新たな観光資源につきましては、情報を早期に、そして的確に把握するとともに、住民の皆様の意向を十分に酌み入れながら、既存の豊富な観光資源とも効果的に結びつけ、全国に広くPRしていくなど、観光振興に有効に活用すべく積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 教育長。 〔教育長 森 大和君登壇〕
◎教育長(森大和君) 公民館活動につきまして、安藤議員のご質問に対し答弁が前後し恐縮でございますけれども、私からは新市における公民館のあるべき姿について、その考え方をお答えいたします。 新生上田市の発足に当たり、合併協議で公民館が地域の学ぶ場や地域づくりを進める拠点としての機能を果たせるよう、旧上田市の6館の独立並列館方式を3町村にも拡大することとし、あわせて旧館の独立並列館として現在に至っております。 各公民館におきましては、これまで行ってきた地域課題に即した事業は引き続き行い、上田市全体で取り組むべき課題につきましては、各公民館が連携しながら事業を進めております。 地域にとって公民館は、それぞれの地域の歴史や文化の上に成り立ち、地域住民の学習の場、活動の場として親しまれてきました。また、住民の日常生活に最も身近な施設として地域社会を形成する役割を果たしてきております。 このようなことから、それぞれの地域での成り立ちが異なり、地域の住民にとっての公民館像や公民館に対する思いも異なるものとなっております。現在の9館独立並列館体制における事業や組織につきましては、従来の形で公民館の運営を行っておりますが、上田市の公民館としての統一性も考え、公民館におけるそれぞれの個性、歴史や文化、住民の思い、これらを生かし、尊重しながら、全体の公民館像も描いていかなければならないと思っております。 本年度は新生上田市として、上田市生涯学習基本構想を策定いたします。先日第1回の生涯学習基本構想策定委員会でも、委員の皆様から生涯学習の拠点となる公民館のあり方の重要性についてのご意見が出されました。今後基本構想の審議を進める中で主要な論点の一つになるものと思われます。したがいまして、この議論の方向を確認しながら、各公民館や公民館運営審議会、社会教育委員の皆様などにもご論議いただき、上田市の公民館のあるべき姿について整理をし、まとめてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 安藤議員。 〔9番 安藤 友博君登壇〕
◆9番(安藤友博君) それぞれ答弁をいただきました。商工観光部長には地域の宝、これは教育委員会の文化振興課とまた違った角度で、もうちょっとラフな形で地域に宝というのはいっぱいあるわけなのです。そういうものを観光戦略の1つの目玉として大いに取り組んでいくという気概を持って力を込めてお願いしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 公民館活動は、合併した旧市町村それぞれ公民館の歴史や位置づけなど相違があると聞きます。だからこそ現在公民館運営審議会などで検討していることだと思っておりますが、私は公民館の構想を整備し、その構想での適正な職員の配置、統一した基本的な考え方の中で特色ある地域の素材を生かした公民館活動を行うことが必要である、こういうふうに考えております。 施行時期も踏まえ、早期に公民館のあるべき姿を構築することを望んでおります。また、塩田公民館のサバイバル体験や清流体験は、参加人数はなかなか少なかったようなのですけれども、現代の子供たちの育成事業に大変有効な事業であると私は考えます。そこで、現在資源の大切さや環境保全、食文化など、エコ・キッズ体験事業や伝統芸能など芸術文化をテーマにした文化体験事業、そして不自由さの体験や社会奉仕、サバイバル体験などの子供たちを対象にした事業、現在どのようなものがあるのか伺います。 そして、今後このような事業を自治会や市民団体など地域とも連携し、積極的に取り入れることが全市的に必要であると考えますが、どうか伺います。 次に、公共交通網の充実について伺います。新幹線上田駅に隣接するJT跡地に市民会館の移転初め市民の憩いと文化に親しむゾーンの整備を計画される中、上田市は合併したそのスケールメリットを生かし、活力があり、市民のためにバランスのとれたまちづくりを行うことが必要であります。市内外の交流を円滑に進める観点から、総合計画でも描かれておりますが、上田市全域より市民が市内の主要機関を容易に利用できることが必要です。そのためには安全な利便性の高い道路整備を行うことが急務であります。そして、隣接となった長野市や松本市とは観光を中心とした交流や地域連携も頻繁に行うことができる状況になりました。 そこで伺いますが、真田方面からの144号線の整備状況については、昨日清水議員の質問に対しての答弁がありましたので、武石、丸子方面からの152号線、また主要地方道上田丸子線並びに別所丸子線、また両線に関連する鈴子バイパスの整備計画、そして主要地方道長野上田線の赤坂上から三好町など、主要幹線道路の渋滞緩和や安全性を求める整備がなかなか進まない。長野県知事もかわり、県の考え方も改善されたやに感じますので、県との協議を強化し、整備計画を予定目標値を入れて計画的にできないか伺います。 また、同じ上田市の市民が料金を支払いして通行しなければならない平井寺トンネルの無料化については、平成26年に基本的には無料化を検討しているとのことであります。市民のために早期無料化を図るため、県と交渉し、上田市が合併特例債を活用することで早期に無料化したらどうかと3月の議会において外山代表の質問に対し、検討するとのことでありました。どのような状況になったのか伺い、第4問といたします。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 公民館活動につきまして、子供たちを対象としました幾つかの具体的事業ということでご質問いただきました。また、その取り組みに対する考えということでご質問いただきましたので、お答えさせていただきます。 先ほどご紹介いたしました塩田公民館の事業のほか、ほかの公民館でも子供たちを対象として地域の特色を生かした事業を実施していますので、ご紹介させていただきます。資源の大切さや環境保全の意識を高める事業としましては、中央公民館が上田の町の温暖化を探る講座を開催しているほか、親子自然観察会などを各公民館が実施しております。伝統芸能の活動につきましては、地元に伝わる神楽や獅子舞などの伝承を地域の分館活動として取り組むことが多くなっております。また、上田文化会館で開催される上田文芸祭や丸子文化会館で開催される丸子地域芸能祭などでは、子供たちの日本舞踊等の発表が行われております。 さらに、上田市には上田市文化少年団が組織されまして、さまざまな文化活動が行われているところです。 社会奉仕活動に係る事業といたしましては、西部公民館で中学生によるパソコン指導補助ボランティア事業が実施され、中学生が公民館のパソコン講座の講師補助をしております。また、城南公民館などでは車いす体験事業が実施されております。 子供たちの自立能力を高める事業といたしましては、川西公民館、真田公民館などが通学合宿を実施し、小学生が公民館が宿泊しながら、日ごろはできない体験活動をしております。先ほどの塩田公民館のサバイバル体験事業もその一例でございます。また、他の公民館においては、宿泊を伴わない各種体験型事業を実施しておりまして、その中では料理実習、エコクッキングなどを通しまして、食文化や食育についても学んでいるところです。 その他、こういった事業、地域の数多くの分館でも取り組んでおりまして、地域の子供たちの結びつきを強めるとともに、自立心を養うことに成果が出ていると考えております。 公民館といたしましては、今後も実体験が少なくなりつつある子供たちの生活を課題としてとらえまして、学校ではできない地域の特色を生かした公民館ならではの体験型事業を積極的に実施することにより、子供たちの生きる力をはぐくんでまいりたいと思います。また、実施に当たっては、地域、分館、市民団体、学校等との連携を深めながら行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 都市建設部長。 〔都市建設部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎都市建設部長(峰村万寿夫君) 公共交通網の充実について幾つかご質問をいただきました。 まず最初に、主要幹線道路の状況を含めまして主要幹線道路の渋滞緩和や歩道整備等がなかなか進まない中で県との協議を強化し、年次計画を明確にして整備できないかというご質問でございます。 初めに、ご質問の主要幹線道路の現状についてご説明申し上げます。国道152号バイパスにつきましては、事業主体の県におきまして、東御市の国道18号上田バイパスの起点から塩川地区の主要地方道東部インター線間につきましては、大屋駅付近の交通渋滞を回避するため緊急に取り組む必要がある区間との判断から、平成11年より説明会を進めた経過がございますが、地元の合意が得られず、現在のところまだ路線定着には至っておりません。しかしながら、今年度に入りまして関係地域の皆様から事業推進の要望も出てきておりますことから、これを契機に県を中心に東御市とも連携し、地元協議に入ってまいりたいというふうに考えております。 次に、主要地方道上田丸子線につきましては、東塩田地域において歩道設置の要望がありますので、現在地元自治会において用地確保の調整を進めていただいております。合意が得られた段階で県に改めて事業化を要望する予定でございます。 次に、主要地方道別所丸子線につきましては、県道鹿教湯別所上田線の別所温泉交差点から塩田新町地籍までは整備済みとなっておりまして、今年度県は前山地籍において橋梁拡幅の計画を進めております。今後未整備区間においても用地の了解が得られれば順次整備を進めていくとのことでございます。また、石神地籍から丸子地域境の二ツ木峠までの通称鈴子バイパスの計画につきましては、早期事業化を望む声が地元からも多く寄せられておりますので、引き続き県に強く要望してまいります。 次に、主要地方道長野上田線、通称三好町の通りでございますが、ここにつきましては三好町一丁目交差点から赤坂交差点までの延長約1,200メートルのうち、第1期分として三好町一丁目交差点から別所線三好町駅入り口の交差点までの延長640メートル、幅員につきましては16メートルについて事業採択のめどがつきましたので、関係自治会に対しまして、この7月から8月にかけまして事業主体である県とともに事業の説明を行ったところでございます。 事業期間は平成20年度から26年度までの7カ年の予定をしておりまして、今後直接関係する地権者へは年内を目途に説明会を実施する予定でありまして、来年度からの事業着手ができますよう県と協力して進めてまいりたいというふうに考えております。以上、主要幹線道路の現状についてご説明申し上げました。 整備計画に具体的な予定、目標値を入れて計画的に整備を進められないかというご質問でございますが、整備に向け事業化を図るためには、国や県の道路事業に対する予算づけ、財源の確保が必要不可欠でございます。 現在国は財政状況が極めて厳しいことから歳出削減を徹底しており、公共事業関係費の平成19年度当初予算は6.9兆円と平成10年度の半分以下の水準まで低下しておりますが、さらに一般財源化を前提としました道路特定財源の見直しを図り、平成20年度において所要の法改正を行うこととしておるような状況もございます。 また、長野県の公共事業費についてでございますが、前県政の影響もございまして、平成18年度最終予算額が798億円と平成10年度当時と比べまして約30%まで低下しておるというような現状もございます。 道路整備を計画的に推進していくことは重要な課題であると認識しておりますが、国土交通省では膨大な量の道路整備に関する要望がそれぞれの地方から出されているとのことでございまして、国や県の厳しい財政状況を考慮いたしますと、道路整備について現実的な数または具体的な年次計画を明確にすることは現段階では困難ではないかというふうに考えます。 道路整備の推進を図るためには、現在策定中の長野県中期総合計画への位置づけが重要でありますので、さきの「ボイス81上小地域会議」におきまして、市長のほうから直接県知事に主要幹線道路の早期整備について計画に位置づけていただくよう強く要望を行ったところでございます。今後も地域の皆様との連携をさらに強化しまして、各道路整備期成同盟会とともに目標を持った中での早期整備ができますよう、国、県への要望活動を進めてまいりたいと考えておりますので、議員の皆様方におかれましてもご支援を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。 次に、県では平成26年度に平井寺トンネルの無料化を考えているとのことであるが、合併特例債を活用して早期に無料化する考えはどうかというご質問でございました。平井寺トンネルにつきましては、1日当たり約4,000台近くの利用がございまして、上田地域と依田窪地域を結ぶ重要な路線であるとともに、通勤等でも多く利用される生活道路でもございます。これまでも、合併に伴い早期無料化を求める意見を市民の皆様から幅広くいただいております。 平井寺トンネルの有料道路につきましては、長野県道路公社が建設したものでございまして、現在も同公社で管理をしております。トンネル建設に当たりまして、同公社が借り入れた借入金のうち、償還が終わっていない残高、借金でございますが、平成18年度末、この3月でございますが、その時点で14億2,100万円余りございます。同公社が当初に設定しました平井寺トンネルの償還期間は平成30年度までということでありますが、平成16年9月に長野県が出資する外郭団体を対象に策定した改革実施プランにおきまして、平成26年度末をもって道路公社を廃止し、公社が管理する有料道路6路線7区間につきまして、当初計画より早期に無料開放するとされた経過がございます。 したがいまして、この改革実施プランによれば、平井寺トンネルについては平成26年度末には無料化となる見込みでございましたが、ことしに入りまして県では長野県行政機構審議会の中に外郭団体見直し検証専門部会を設置しまして、平成16年にまとめられた外郭団体の見直し方針の再検討を行っておりますが、この中には県道路公社も含まれておるわけでございます。今後予定されております県行政機構審議会への最終報告の内容によっては、平成26年度末の平井寺トンネル無料開放の方針が変更になる可能性も含んでおりまして、今後の動向を注視してまいりたいというふうに考えております。 早期無料化を実現するためには合併特例債を活用して早期無料化をしたらどうかとのご質問でございますが、平井寺トンネルの現在の未償還金を上田市が負担することについて合併特例債での対応が可能かにつきまして、昨年度におきまして県また国とも協議をいたしました。その結果、道路施設自体が主要地方道上田丸子線という県道でありまして、市の施設ではないため、合併特例債の導入は困難であるとの回答をいただきました。したがいまして、現在の未償還金を上田市が負担して早期に無料化するには合併特例債での対応は難しく、財政的に非常に厳しい状況でございます。 平井寺トンネルの早期無料化は、新市の一体感の醸成はもちろん、依田窪地域や松本地域との広域的な連携強化を図る上で大変重要、有効であると考えておりますので、県による無料化の時期が早まらないということになれば他の方策を考える必要がございます。 方策としまして、通勤通学者等、日常的にこのトンネルを利用する市民の方に対しまして、例えば割引券またはパス券、回数券などのソフト的対策の導入も必要ではないかというふうに考えております。今後議員各位を初め、広く市民の皆様からご意見をお聞きしまして、具体的な方法について研究してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 安藤議員。 〔9番 安藤 友博君登壇〕
◆9番(安藤友博君) なかなか進まないようで、本当に困ったことだなというふうに感じております。先日、松本の市議会の皆さん方とご協議をさせていただく機会がございました。松本としても、この三才山トンネル、平井寺トンネルの無料化というのは非常に望んでいますし、私ども上田市としても市民のためや、あるいは産業の活性化の観点からも非常に重要なことだと、こういうふうに思っております。両松本市長、上田市長は連携して長野県に対して早期無料化に対する要望協議を強く期待をするところであります。特に両市長とも県に幅広い人脈をお持ちですので、その経験や人脈を生かしての協議を願うところでございます。 時間がなくなってきましたので、はしょりながらちょっと話をします。最後になりましたけれども、公共交通システムの整備について伺います。全市が上田市の中心市街地や各地の商店街、そして病院や主要公共施設利用に容易に活用できるよう運行バスの別所線との接続や公共交通活性化プラン策定検討会でも協議しているようであります。現在運行しているオレンジバスや豊殿地区の循環バス並びに武石のデマンド交通など相互に接続を図り、上田市一円を公共交通システムとして整備することで利便性を図り、利用促進にも効果があると考えます。 そこで、画期的な提案をしますけれども、さらに整備された公共交通網の利用促進の観点から、岡山市や八王子市では要所にパーク・アンド・バスライドなど駐車場を確保し、市民にも好評で、利用促進に効果があると聞きます。上田市でも公共交通システムを整備することで、同時に交差、接続するエリアや要所にパーク・アンド・ライド駐車場などを整備することで、利便性があり、地域のよりどころとなり得る場所となると考えます。このような循環交通システムを構築することが、大きくなった上田市の市民の足として必要と思いますが、どうか伺い、私の質問を終わります。
○議長(土屋陽一君) 都市建設部長。 〔都市建設部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎都市建設部長(峰村万寿夫君) 公共交通システムの整備について、バスと別所線との接続及び各種バス路線相互の接続改善による上田市一円の公共交通システム整備についてのご質問でございます。 公共交通の基幹軸となる鉄道とその主要駅においてバス路線とうまく接続することは、公共交通を活性化し、利用促進につなげる1つの方策としまして重要ととらえております。 バスと鉄道との結節点での接続改善として、現在も別所線電車と信州の鎌倉シャトルバスのダイヤ接続等に取り組んでおるところでございますが、バスと鉄道及びバス路線相互の乗り継ぎが一層スムーズになるよう、公共交通活性化プランの中でも事業者の皆様のご協力をいただきながら検討してまいりたいというふうに考えております。 また、マイカーから公共交通への乗り継ぎをスムーズに行うことが可能なパーク・アンド・ライド駐車場の整備は、公共交通の利用促進を進める手法として大きな効果があるのではないかというふうに考えております。 議員ご指摘のように、岡山市で実施されておりますパーク・アンド・ライドにつきましては、周辺のショッピングセンターと協力しまして、バス利用者にショッピングセンターの駐車場を無料で提供するかわりに駐車場の提供者が指定する商品券を利用者が一定額購入するという条件で利用するもので、利用台数も確実に増加しているとのことでございます。また、八王子市ではパーク・アンド・バスライドの駐車場を設け、有料で貸し出ししているなど、各地でマイカーとバスとの結節を図る公共交通の利用促進を進める事例が見られます。 これらの取り組みは、車社会を見直し、マイカーから公共交通機関利用への転換を図ることで渋滞緩和や沿道の環境向上につながる有効な施策であると考えられます。また、ご指摘のとおり、パーク・アンド・ライド駐車場にバス利用者と沿線地域との交流のよりどころとなるような場が設置できれば地域の振興にもつながるものと思います。ただ、先ほどの市とは人口規模や道路の形態、渋滞状況あるいは郊外の施設等の状況において相違がありまして、そのまま上田市に当てはめることはできない面もあるのではないかというふうに思うところでございます。ですが、今後市内における可能性につきまして広く研究してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上です。
○議長(土屋陽一君) 安藤議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩とします。 午前10時50分 休憩 ◇ 午前11時05分 再開
○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(3)市政について
○議長(土屋陽一君) 次に、市政について、田中議員の質問を許します。田中議員。 〔16番 田中 武君登壇〕
◆16番(田中武君) さきに通告いたしました順序に従い、質問をいたします。 最初に、企業誘致についてであります。市長は今、地域づくりの中で観光をリーディング産業として位置づけ、上田城址や塩田平を中心とした従来からの観光施設に大阪城との城郭提携などや春の千本桜まつりを初め、夏の各種イベントから大収穫祭、そして菅平から美ヶ原、さらには温泉地等と連携が広がり、条件は大分整ってまいりました。 次々と企画や事業を行ってこの地域の知名度も徐々に上がり、先ごろの民間シンクタンクが首都圏の住民を対象に実施した旅行先としての地域の魅力度に関するアンケートにおいて、上田市を中心とする上田エリアが全国第7位にランクされたことは、上田市民を初め近隣の皆さんだれもがうれしく思っていることと思います。私も新聞発表を見て感動し、繰り返し読み返したところでした。大変喜ばしく、また誇らしく思っております。これを機にさらなるステップアップをしてほしく思います。 さて、前回の提案説明に続き、今回もこれら観光事業につきましては多く述べられておりますが、産業振興については間接的な前回のジャパン・ベンチャーアワード2007における受賞や今回の知的クラスター創成事業、10月のシルクサミット等の件に少し触れたのみであり、上田市の展望に欠かすことのできない1つ、とりわけ企業誘致に対する発言に欠けたことが残念でなりません。県内においては比較的条件の整ったこの地にさらなる企業誘致を図っていくことは、地域間競争に勝ち残るための大きな要素かと考えます。 3月議会、同僚議員への答弁の中でも、この一、二年ほどで造成地4区画、13.6ヘクタール、金額にして25億円余の分譲実績があった旨の報告がありました。ひところの景気低迷からは脱却したものの、伸びの鈍化が見られる中で関係者の努力が数字であらわされたものと大変うれしく思うところであります。 そこでお伺いしますが、現在およそ2,000坪以上の造成地で今後企業誘致に供することができる土地はどこにどのくらいあるのか、またそれぞれの分譲開始時期、さらには現時点での折衝状況のほか、5年ほど前の平成13年度と平成17年度における旧4市町村ごとの製造品出荷額並びに従業員数の比較をお尋ねし、第1問とします。
○議長(土屋陽一君) 商工観光部長。 〔商工観光部長 中沢 照夫君登壇〕
◎商工観光部長(中沢照夫君) 田中議員から企業誘致につきまして2点ご質問いただきました。順次ご答弁申し上げます。 まず、2,000坪以上の企業誘致用の工業団地、市内に何カ所あり、総面積はどのくらいか、また売買についての折衝状況はどうかというご質問をいただきました。新生上田市スタート以降、積極的な企業誘致活動を展開してまいりました結果、この1年余りで神の倉工業団地、豊殿産業団地におきまして2件、約12ヘクタールの企業誘致を実現することができました。現在企業誘致を進めている2,000坪以上の工業団地につきましては、丸子地域の神の倉工業団地第2号区画1カ所でございまして、約1万9,800坪、6万5,500平方メートルでございます。この区画の早期分譲を図るべく、庁内に企業誘致プロジェクトチームを設置いたしました。現在のところ特定企業との具体的折衝にはまだ至ってございませんが、収入役をリーダーとして企業訪問、企業情報の収集、分譲方法等の検討を行い、チーム一丸となって積極的な誘致活動を進めております状況にございます。 続きまして、平成13年度から17年度までの旧4市町村別の製造品出荷額と従業員数の年度別の比較についてご質問をいただきました。まず、製造品出荷額でございますが、長野県の工業統計調査の集計結果によりますと、合併前の4市町村の合計で平成13年の6,270億円に対しまして平成17年は5,755億円で515億円、8.2%の減少となっております。 旧市町村別に見ますと、対平成13年比で旧丸子町が14.1%、旧真田町が13.5%とそれぞれ増加となっているのに対しまして、旧上田市が16.8%、旧武石村が7.8%とそれぞれ減少となっております。特に旧上田市における減少が顕著となっておりますが、これは日本たばこ産業株式会社上田工場の閉鎖によるものでございまして、これを除きますとこの5年間ほぼ横ばいの状況となっております。 次に、従業員数でございますが、これは工業系の事業所における従業員数ということになります。同じく長野県工業統計調査によりますと、合併前の4市町村の合計で平成13年の2万678人に対して平成17年は2万17人でございまして、661人、3.2%の減少となっております。この調査における従業員数の対象は常勤及び非常勤社員の数となってございまして、最近増加傾向にあります派遣、請負、契約社員の数がカウントされておりません。製品のライフサイクルの短期化といった環境の変化、企業活動のグローバル化による国際的な経済競争の激化によりまして、企業は生産性の向上とコスト削減を追求する必要に迫られていることがこうした背景にあるものととらえております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 田中議員。 〔16番 田中 武君登壇〕
◆16番(田中武君) ただいまの答弁によりますと、市が現在保有している分譲団地はたった1カ所、神の倉の約2万坪のみとのことでありまして、合併していなかったらゼロということでしょうか。先ごろのペースからしますと、また一、二年で売却される数字であります。また、そうなってほしいところでもあります。このままにしておりますと、この取り組み次第では手詰まりになり、これでは先が見込めません。製造品出荷額につきましても、丸子や真田につきましては、およそ14%前後の増加ということでございまして、およそ250億円ぐらいかと推測いたします。逆に旧上田は16.8%の減少ということになりまして、およそ750億円もの減少かと思われます。 ただいまの答弁の中でも、単にたばこ産業を除くと横ばいの状況としていることも私は気がかりであります。路線価も下降している現在、今後の展開で価格を初め多様なニーズに沿うためにも新たな開発を進めるべきであります。近ごろは、言うまでもなく、行政もまた民間と同じくスピード感ある対応が必要であります。今まさに速きこと風のごとく、侵略すること火のごとくでありましょう。したがいまして、造成を行い、そのリスクを背景に企業誘致に邁進する状況づくりも必要かと考えます。 第1次上田市総合計画の中にも工業振興の整備や企業誘致の推進が掲げられておりますが、現状は全く守りの姿勢にしか私には映りません。立ちはだかる難問もあろうかと思いますが、この時期、攻めの積極姿勢も必要であります。 本年6月、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律、略称企業立地促進法がスタートしました。これは地域による主体的かつ計画的な企業立地促進等の強化を図ることを目的とされています。また、国は工業団地建設による地域経済活性化の役割が大きいことから、自主的かつ計画的に取り組む自治体を支援する地域産業活性化法の成立、施行も計画しているようです。これらに対する考え方とあわせ、上田市は企業誘致活動の中で企業が進出する要因をどのように分析しているかお尋ねします。
○議長(土屋陽一君) 商工観光部長。 〔商工観光部長 中沢 照夫君登壇〕
◎商工観光部長(中沢照夫君) 本年6月に施行されました企業立地促進法に対する市の考え方、また企業が市内に進出するための要因についてどのように分析しているかというご質問をいただきました。まず、地域経済の自律的発展の基盤の強化を図ることを目的といたしまして、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律、略称企業立地促進法が本年6月11日に施行され、経済産業省ほか関係5省庁によりまして基本方針が示されました。 同法の大きな特徴は地域の主体性を重視しているという点にありまして、国はその活動を支援するというスタンスに立っています。 法手続の流れといたしましては、都道府県を含めた市町村で地域産業活性化協議会を設立するところから始まりまして、この協議会で策定する基本計画が主務大臣の同意を得ることによって誘致活動費や人材育成事業、施設整備事業等に対して一定の支援措置を受けることができる仕組みとなっております。 既に主務大臣の同意を得た基本計画の地域の中では都道府県レベルの広域エリアを地域設定しているものが多く、県内においては駒ヶ根市、伊那市を中心とする上伊那地域において基本計画策定の動きがあります。 市といたしましては、長期的な展望を持って民間の遊休地等の活用を含め、新たな工業団地の造成も視野に入れた積極的な企業誘致を進める必要性があると考えておりまして、この法律に基づく本制度の活用に当たりましても積極的に取り組んでいきたいと思っております。そのためにも県内有数の工業集積を誇る上田市を中核とした千曲川流域をエリアに位置づけ、関係自治体、関係団体と広域連携を図る中で、この地域の強みを生かした計画策定を進めることが上田市の産業振興を図る上でも有効であるととらえております。このことから基本計画策定においてイニシアチブをとる県に対しまして、上田市として積極的な働きかけをしてまいりたいと考えております。 また、企業が市内に進出するための要因、企業が立地を決断するための要因につきましては、その地域が他地域に対する優位性を持っていることだととらえております。 上田市においては、豊かな自然と新幹線、高速道による首都圏への利便性に加え、産学官連携の先進地としてARECを中心とする連携基盤が整備されていること、さらに最先端の技術を兼ね備えた企業の集積を目指している知的クラスター創成事業の拠点地域であることを企業誘致における優位性ととらえております。こうしたことから産学官連携の一層の強化を図るとともに、地域の強みとしての優位性をアピールし、積極的な企業誘致を展開してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 田中議員。 〔16番 田中 武君登壇〕
◆16番(田中武君) 若干意に合わない答弁もございましたが、比較的条件が整ったこの上田市を中心とした千曲川エリアでの取り組みが今後の課題の一つであろうかと大いに期待しております。 さて、経済産業省の調査を見ますと、最近の動向は投資意欲を背景に平成14年度を底にして国内の工業立地件数は増加傾向となっておりまして、立地面積では14年度と比べ約3倍に及んでいることが工場立地動向調査速報で発表されております。 先ごろお隣の松本市を訪ねました。新工業団地建設の基本構想策定事業費として19年度に予算計上し、可及的速やかな段階で分譲を開始したいとしていますし、8月下旬の信毎には「岡谷市で工場用地が不足」とした記事、また四、五日前には東御市が上田市の企業に6ヘクタールの売買契約を9月に行うとの報道もありました。 上田市総合計画策定に伴うアンケートの中でも、住みやすさや日常的買い物の便利さ、騒音等公害の少なさ等については好結果を示した一方、就業機会、場所の豊富さの項目については、残念ながら満足度が低いという結果が出ております。最近操業を開始した丸子地域の某社の正社員の募集では、採用予定者の何と約10倍もの応募があったと聞きます。 これらを踏まえ、将来を見据え、例えば庁内に(仮称)企業立地係を設けるなど、積極的な企業誘致策を講じ、追随する長野、松本をさらに引き離し、県下一の製造品出荷額を目指し、挑戦する意欲の有無、さらには企業誘致に対する市長のトップセールスとしての心強い考えをお聞きしてこの質問を終わります。
○議長(土屋陽一君) 市長。 〔市長 母袋 創一君登壇〕
◎市長(母袋創一君) 田中議員のご質問に答弁いたします。 企業誘致に関するご質問でございました。まず、上田市といたしましては、上田市に根づく産業の育成、これは大切かつ市政にあっても大変大きなテーマ、このように受けとめております。ご案内のとおり、上田市には商業、工業、農業、そして観光、4本柱が位置づけられまして根づいております。産業振興という大きな目的の中でさまざまな取り組みを行ってきているところでもございます。 その中で、私はまず上田というブランドの力をもっと高める必要もあるだろう。先ほどアンケート調査の結果についてのお話がございました。やはり上田というブランド力を高めることがいろんな意味で波及効果がある。そのブランド力の向上によって上田が注目を浴びながら、また好感も持たれ、上田に行ってみたい、あるいは住んでみたいという機運が高まって、多くの人材とか企業が集まることによってそれぞれの産業に相乗効果をもたらしていくだろう。4つの産業の柱がそれぞれ高く、しっかりすることが産業振興のねらいでもございます。そのために、まず観光をリーディング産業にと位置づけながら、さまざまな事業を戦略的に仕掛けてまいりました。 例えば観光と農業のコラボレーションによる物産事業などは、まさに物産の魅力が上田の魅力を向上させ、観光客の増加にもつながっていくだろう、また観光地としての魅力の向上が農産物の売り上げに効果をもたらしていくだろうというような産業間の連携によるブランド戦略を試みているところでございまして、一定の成果は上がってきているものと受けとめております。 これら観光振興での仕掛けというものが広く工業振興とか、さらには企業誘致についても効果的に機能していただければという思いがございます。そういう中で各種イベントに私みずから加わることを1つのトップセールスととらえて、これまで積極的にかかわってまいりました。あわせ大切なのは既存の地元企業が工場拡張の際にはぜひ引き続き上田市あるいは地元にとどまっていただきたいという働きかけも大切だと思っております。企業誘致に当たりましても、私みずから企業や催しに赴きまして誘致活動を行ってきております。そういう際にはこの地域の環境のすばらしさ、あるいは優位性を多く示しながらPRをいたしているところでございますが、それらの活動においてもその手ごたえも感じております。 期近な例といたしましては、これは将来への可能性ということで申し上げさせていただきますが、東京の上場企業と地元企業との新会社設立という動きも先般報道されました。これらは一般的な工場系とは違った異業種的なものでございます。したがって、今後においても機会をとらえて積極的な対応をしてまいる所存でもございます。 企業訪問等を通じてさまざま得られるものがございます。昨年度の企業誘致におきましても、コミュニケーションあるいは情報をさまざま得る中でそういったものが発端となり、土地売却というような状況にもなったところでございます。引き続き今後も続けてまいりたいと思っております。先ほども部長からも答弁いたしたおり、収入役をキャップとする企業誘致プロジェクトチーム、これも組織し、活動を始めました。情報収集に努めながら、今後においても積極的に企業に赴いて精力的に実施してまいりたいと考えております。あわせてこの工業立地法に対してどのように将来を見据えて上田市として対処していくのか、これもご指摘いただきましたとおり、大きな課題だと受けとめております。担当部とも慎重に検討いたしながら手を打つべきものは打ってまいりたいと、このように思っているところでございます。
○議長(土屋陽一君) 田中議員。 〔16番 田中 武君登壇〕
◆16番(田中武君) 次に、図書館の件であります。旧丸子町では金子図書館の老朽化、狭隘化に伴いまして平成12年から、旧真田町はその二、三年後に図書館建設の要望が高まり、それぞれ研究と検討を重ね、ほぼ機を同じくして建設機運が盛り上がる中、全国的に市町村合併の機運も高まりまして、それぞれ複雑な経過をたどるなど、市の将来を決する重大事として事業を一時中断し、合併一色となりました。 丸子、真田ともに移転や建設論議が始まってから既に8年もしくは数年の経過がある中で、それぞれの住民の皆さんから一体いつになったらできるのかといった不満の声が上がっていることはご承知のとおりであります。 特に丸子においては場所の選定から始まり、プロポーザル方式による青写真もできるなど、建設に向けての準備も進み、新市に引き継いでゴーサインを待つ状態でもありました。また、そのときを待ち望んでいる状況であります。真田地区でも素案はできているようでありまして、同時スタートで建設に向けた取り組みが新市の責務かと思います。現在市内においてエコール加盟は真田の図書室を含め5カ所かと思いますが、それぞれの建設年度、駐車スペース、蔵書状況、貸し出し数と類似都市における蔵書と貸し出し数、貸し出し比率を比較をお尋ねします。 続きまして、ここで次の地震対策についてもあわせて質問いたします。お隣新潟県におきましては、3年前の中越地震による被害も生々しい中、7月16日、上中越沖を震源とする震度6強、東北から関東、東海の広い範囲で震度3以上を観測する大きな地震に見舞われ、死者11人、重軽傷者約2,000人や3万9,000を超える家屋被害とともに、道路等の被害に遭われた皆さんに心よりお見舞いを申し上げるところでもあります。 県内における被害もおよそ5億円とも聞きます。地震大国とはいえ、相次ぐ地震に心痛めるところでもあります。今回はたまたま祝日の海の日でありまして、私も自宅で家族とともにおりましたところ、突如丸子有線の警報音が鳴り響きました。今までにも試験放送でこの音を耳にしておりましたので、家族にその旨の放送があったのか尋ねている時間がありました。その直後に大きな揺れを感じた次第であります。揺れたときには小学生の孫は既に机の下に潜っておりまして、学校での訓練が生かされていたかと納得したところでもあります。私自身そんな会話の時間もありましたので、具体的には何もしませんでしたが、それなりの認識、心構えは持つことができました。 今回の震源地は隣県でのことでありまして、比較的近いことから17秒前の警報でありましたが、東京都立川市では52秒前に受信しているそうです。かなりの成果が認められるこの地震防災情報システムを市内各地の有線放送施設でも何らかの方法で活用し、情報を共有すべきであります。関係機関の提案を受け、モデル的に導入したとも聞きますが、この装置に対する経費的なものやシステムの概要、市内への拡大運用の可否はどうなのか。また、気象庁ではこの秋、緊急地震速報を報道機関を通じて提供を開始するとも聞きますが、どのようなものでしょうか。 なお、今回の上田市における被害や被災地に対する支援はどの程度であったのかもお尋ねして、最初の質問とします。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 図書館建設につきまして、現在の上田市の各図書館の建設年度、駐車スペース、蔵書数、貸し出し数及び貸し出し率、また類似都市における蔵書数と貸し出し数などについてご質問いただきましたので、お答えさせていただきます。 上田市のエコール加盟図書施設は、上田地域に材木町の上田図書館と上田駅前の上田情報ライブラリー、丸子地域に丸子中央小学校北側の丸子金子図書館の3館と上田地域、千曲川左岸地区の上田創造館の3階に上田図書館創造館分室、また真田地域の真田地域自治センターの真田公民館の公民館図書室の2室があります。合計で3館2室が設置されているところでございます。 上田図書館は昭和45年度の建設で、現在石井鶴三美術館となっております大手町の旧図書館から移転したもので、駐車スペースは中央公民館、上田文化会館、長野県上田点字図書館と共用の総合駐車場に120台であります。 上田情報ライブラリーは平成15年度の建設で、上田駅お城口再開発事業で誕生した上田駅前ビル「パレオ」の4階に設置されまして、専用の駐車スペースはございませんが、市営お城口第二駐車場を1時間無料で利用ができます。 丸子金子図書館は昭和40年度の建設で、信濃絹糸紡績株式会社、現シナノケンシ株式会社でございますが、金子行徳翁の遺志としまして旧丸子町に図書館建設資金の寄附がありまして、この寄附により建設したもので、駐車スペースは大変少なく、約8台であります。 上田図書館創造館分室は、平成11年に旧上田市の千曲川左岸地区の市民への図書館サービスの向上のため、上田創造館図書室を改修しまして整備、設置したもので、駐車スペースは創造館全体で150台であります。 真田公民館図書室は平成60年度の建設で、平成11年の「エコール」接続に合わせ専任司書を配置しまして、児童図書室を増設するなどしまして公共図書館と変わらぬサービスを提供し、真田地域では真田町図書館として親しまれております。駐車スペースは真田保健センター、真田町商工会、また真田運動公園など共用ですが、約100台であります。 次に、蔵書数及び貸し出し数の状況ですが、平成18年度の実績で、上田図書館は創造館分室を含めまして蔵書数30万7,000冊、貸し出し数42万9,000冊、上田情報ライブラリーは蔵書数が3万4,000冊、貸し出し数8万5,000冊、丸子金子図書館は蔵書数8万3,000冊、貸し出し数6万9,000冊、真田公民館図書室は蔵書数2万冊、貸し出し数1万7,000冊でありまして、3館2室の合計で蔵書数44万4,000冊、貸し出し数が60万冊となっております。 貸し出し率につきましては、貸し出し数を人口で割った人口1人当たりの貸し出し数となりますが、3館2室の合計で3.71冊となっております。 類似都市との比較でございますが、人口15万以上20万未満の42市の平均、17年度でございますが、平均蔵書数は44万6,000冊、平均貸し出し数は92万3,000冊、平均貸し出し率は5.39冊となっております。上田市との比較では、上田市は蔵書数は一定程度あるものの貸し出し利用は少ない状況かと思われます。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 丸子地域自治センター長。 〔丸子地域自治センター長 小林 健一君登壇〕
◎丸子地域自治センター長(小林健一君) 地震対策についてご質問をいただきました。私からは、現在丸子地域で運用しております地震防災情報システムの関係の経費及び概要についてお答えいたします。 地震の発生を事前にお知らせするという地震防災情報システムとは、地震発生によって強い揺れが予想される場合に有線放送などで地震が到達する前にお知らせをし、放送を聞いた人が身の安全を確保するなどの行動につなげることにより、被害の軽減を図ろうとするものであります。 平成16年度に気象庁及び防災科学技術研究所などの関係機関にご協力いただき、長野県ブロードバンド活用モデル事業補助金を受け、総事業費およそ1,100万円で導入したものでございます。導入経費の主な内容は、地震の解析ソフト及び機器などのシステム構築、有線放送などの既存放送設備の改修であります。また、システムや放送設備の保守点検など、年間約74万円の維持管理経費を支出しております。 このシステムの仕組みといたしましては、直近の地震計で感知した初期微動、この揺れを気象庁のシステムが解析しまして震源地の特定及び地震の規模などを推計、推定し、この情報を送信いたします。この情報を受信しました丸子地域自治センターに設置されているコンピュータで解析し、丸子地域での予想震度2.5以上になる場合、スピーカーから自動的に放送が流れるというシステムであります。 7月16日に発生いたしました新潟県中越沖地震では、初期微動が到達する17秒前、大きな揺れが来る29秒前に放送を開始いたしました。ただ、このシステムは震源が近く、震度が大きい地震ほど放送から地震の到達するまでの時間が短いという欠点もございます。 7月16日の地震防災情報の放送について、住民を対象に聞き取り調査を実施いたしました。昨年から月曜日に試験放送を繰り返し実施し、住民にPRしてまいりましたので、このシステムの認知度は高まりましたが、逆に当日が月曜日であったために定例の試験放送だと思った人、あるいは放送から地震到達まで少し時間があったこと、また少し前に誤報による放送もあったことなどから半信半疑であったという人が多かったという結果もありますけれども、とっさに危険回避の行動をとろうと思った人のうち、実際に安全確保の行動をとった人の割合は8割になっている事実もございます。しかし、地震の情報を受けた場合何をすればよいかわからない、あるいは放送を聞いても安全確保の行動をとれなかったといった人も多かったことから、今後はせっかくの地震予知情報でありますので、有効活用に向け具体的な対応方法、対処について啓発していくための検討を進めております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 総務部長。 〔総務部長 小出 俊君登壇〕
◎総務部長(小出俊君) まず、地震防災情報システムを市内の全有線に拡大する考えというご質問をいただきました。ただいまセンター長からご答弁申し上げたとおり、地震による揺れを事前に知ることができるということで身構えるなどの防災行動をとることができます。そういったことから被害を軽減することが可能でありますので、かなり有効なシステムであると考えております。 その一方で本システムにつきまして、近くで発生した地震あるいは直下型の地震の場合には速報が間に合わないということも言われておりまして、震度予測の精度が十分ではないというような技術的な問題点も指摘されているところであります。そういう中で来月から気象庁による緊急地震速報の運用が開始されまして、テレビやラジオで速報が放送されることとなりますので、速報の有効性や精度等について見きわめてまいりたいと考えております。 この丸子で入れておりますシステムですが、無線のほかケーブルテレビ、あるいは有線放送などでも技術的にはいずれも地震情報の提供が可能であるということですので、関係機関と研究を行いながら総合的に判断してまいりたいと考えております。 次に、気象庁が10月1日から運用を開始する緊急地震速報でありますが、仕組みは丸子地域の地震防災情報システムと同様でございます。気象庁の速報は、最大震度5弱と推定した地震の際に、震度4以上の強い揺れとなる地域を事前にテレビやラジオなどを通してお知らせするというものであります。ただいまのところ、NHKのみがテレビ、ラジオのすべてのチャンネルで速報を伝えることを決定しておりますが、民放各局では速報についての十分な周知がまだされていないということや、また速報の放送により逆にパニックとか交通事故等の二次的被害が起きる可能性が高いということなどを理由としまして、今のところ実施時期は未定となっております。 緊急地震速報が出されてから強い揺れが到達するまでには数秒から数十秒程度の時間しかありませんので、市民の皆様には周囲の状況に応じて慌てて行動せずに、まずは身の安全を確保するという基本的な心得をご理解いただきまして、無用な混乱や事故の発生には十分ご注意いただきたいと考えております。 続きまして、7月16日に発生した新潟県中越沖地震によりまして、上田市では震度4の強い揺れを観測し、その地震により建物2軒の被害が報告されております。内容でありますが、川西地区において住宅の棟がわら崩落が1件、駅前ビルパレオのステンレス製パネルの破損1件であります。なお、幸いなことに負傷者等の人的被害はありませんでした。 被災地への支援につきましては、人的支援としましては、県市長会からの要請に基づき、飯山市へ被災住民の支援のため、職員16人を派遣いたしました。このほか社団法人日本水道協会新潟県支部からの要請に基づきまして、柏崎市の水道管漏水調査のため、水道局職員8人を派遣いたしました。支援募金でありますが、発生の翌日から募金箱を市役所本庁舎、南庁舎、各地域自治センターの合計8カ所に設置し、現在も募金の受け付けを行っております。また、これとは別ですが、上田市職員互助会におきましても独自の募金を行いまして、約134万円を災害対策本部のほうへ送金しております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 田中議員。 〔16番 田中 武君登壇〕
◆16番(田中武君) 図書館の件、ただいまの答弁によりますと、類似都市と比べまして、蔵書は多いが貸し出し数がかなり少ない結果が出ております。我々の地域だけが活字離れが進んでいることは決してないと思います。これは、とりもなおさず身近なところに気軽に行かれ、ゆったりと閲覧することができないことにほかなりません。駐車スペースもしかりであります。この地域に住み、そして学び、働く皆さん方がそれぞれに考え、理念を求め、学習することがその地域の将来を形づくっていく。その拠点施設がいつまでも滞留してはなりません。 近ごろ複数の塩田方面の方から丸子に早く建設をとの待望論をお聞きしました。交通の便、また環境面からも期待されております。丸子も真田もそれなりに基金を準備しておりました。1つの自治体になった今、その地域のみが受益するものではなく、新生上田市の人づくりに、また人々の交流にと大きく貢献することは必至であります。特別立派なものをつくる必要はございませんが、基本構想の一端とそれぞれの規模や建設年度はどのような方向にあるのか、また具体的な計画はいつごろ公表するのかお尋ねします。 地震対策の件でありますが、県が発表した地震対策基礎調査結果によって糸魚川から静岡構造線等における地震が当地域に甚大な被害をもたらすおそれがあることが示されてもおります。答弁の中で、今週予定されているテレビ、ラジオ等の情報発信については、報道機関すべてでもなさそうですし、また一部の人が一時的に見聞きしているのみのことを思うと、有線放送は24時間自動的に随時発信されますので、この報道範囲はけた違いに大幅なものがあります。 今回のこの件で丸子地域自治センターには多くの問い合わせが入っているようです。このことで上田のイメージもアップしたかと思います。有線放送は現在、塩田、真田、川西、丸子、JAなど、およそ1万四、五千戸の加入があろうかと思いますが、差し当たり何らかの方法でその活用策を講じるよう重ねて要望しておきます。 ことし4月に策定した県の耐震改修促進計画では、2015年の耐震化率90%と4万300戸を改修目標と定め、住宅の耐震化を促進するため、県では市町村と協力し、近い将来発生が予測される東海地震などの大規模地震に備え、既存木造住宅の耐震診断と耐震改修に対し支援を行っているようですが、上田市としての戸建て住宅の耐震診断と耐震補強工事費の助成制度の実施状況はどうか。また、通りに面した廃屋を含めた古い建物、ブロック塀など、倒壊する危険性のある建造物等に対し調査をして啓発すべきと思いますが、どうでしょうか。 地震防災システムあるいは緊急地震速報等、技術的な進歩によりまして便益を享受できる時代になってまいりました。東京女子大の広瀬教授、災害心理学者は、「10秒以上あれば被害の大きな軽減になる。完璧な運用はないのだから情報の使い方を浸透すべき」と指摘しています。万一のときには短時間に行動しなくてはなりません。今回の体験からも情報を生かし、状況に応じた素早い対応や避難場所を周知するためのもしものときの防災のしおりを、認識を深めるため、保存版としてこのタイミングに配布すべきと思うが、その考えはないかお聞きして質問を終わります。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 図書館建設に向けまして具体的取り組みについてご質問をいただきました。 まず、図書館建設につきましては、議員ご指摘のように、旧丸子町、旧真田町、旧武石村にそれぞれ図書館や図書室の建設計画がありまして、これらは合併により新市に引き継がれました。また、新市には複数の図書館や公民館の図書室があることから、改めて新市全体の中で図書館のあり方や役割分担など、図書館施設の配置も含めまして検討する必要がありまして、またさらには新しい時代の図書館運営も検討する必要があることから、昨年11月に図書館基本構想の策定を社会教育委員の皆さんに諮問いたしました。 社会教育委員の皆さんは、図書館協議会委員の皆さんのご意見もお聞きしながら熱心にご論議いただき、6回の会議を経まして本年5月に中間報告書が提出されました。その後3回の会議を開催しまして今月教育委員会に答申される予定となっております。 5月にいただいた図書館基本構想の中間報告書の内容では、図書館施設整備計画としまして、上田市の図書館施設全体で蔵書冊数70万冊、開架率60%で開架冊数42万冊を計画の目標値としまして、上田地域、丸子・武石地域、真田地域及び上田駅前に地域図書館を、上田地域の千曲川左岸地区及び丸子・武石地域の武石地区に図書館分室を配置し、4館2室の整備が適当としまして、蔵書冊数、開架冊数及び閉架冊数で各館の規模を示しております。 今後の具体的な取り組みにつきましては、今月の図書館基本構想の答申を受けながら建設規模、建設年度等具体的な内容について検討し、新市の図書館整備計画をまとめながら、平成20年度の実施計画策定や予算編成の中でより具体化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 都市建設部長。 〔都市建設部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎都市建設部長(峰村万寿夫君) 地震対策についてのご質問の中で戸建て住宅の耐震診断と耐震補強工事費の助成制度の実施状況はどうかというご質問でございます。 市では、地震による住宅の倒壊などの被害から市民の生命と財産を保護するため、県の「すまいの安全「とうかい」防止対策事業」に基づきまして、一定条件を満たしている戸建ての既存木造住宅について、平成18年度から無料の耐震診断と耐震補強工事費の助成制度を実施しております。 耐震診断の内容でございますが、まず耐震診断士によりまして、建物の外観調査や聞き取り調査等による簡易耐震診断を行います。 次に、この診断の結果、やや危険または危険と診断された住宅で耐震補強を希望される方には、工学的な方法により耐震性能を評価するとともに、耐震補強の方法と概算工事費を提案する精密耐震診断を行います。 この精密耐震診断の結果、やや危険または危険と診断された住宅で耐震性を向上させるための耐震補強工事を行う住宅の所有者には補助対象経費となる耐震補強工事費の2分の1以内で60万円を限度で補助いたします。 現在までの実施状況でございますが、耐震診断におきましては、平成18年度に簡易耐震診断を100戸実施しております。今年度につきましては、8月末で簡易耐震診断については86件、また昨年度簡易耐震診断を行った上で今年度精密耐震診断を申し込まれた件数は22件ございまして、今後順次耐震診断を行ってまいります。 耐震補強工事につきましては、平成18年度は簡易耐震診断を実施したのみでありますため、現時点ではまだ実績はございません。今年度につきましては、今後実施する精密耐震診断の結果を受け、耐震補強工事が必要と判断された住宅の所有者との調整を図りながら順次実施してまいりたいというふうに考えております。 なお、本事業は、今年度より事業名が住宅建築物耐震改修促進事業に変更となりましたが、今後もより多くの市民の皆様にこの制度を利用いただくよう広く周知を図りまして事業の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、通りに面した廃屋を含めました古い建物、ブロック塀など、明らかに倒壊する危険性のある建造物に対しまして調査を行う考えはどうかというお尋ねでございます。廃屋は住む人がいなくなり、維持管理も行き届かないことから、建物の老朽化に伴い劣化が早く進むことが多く、そのため地震時においても倒壊する危険性が高くなると思われます。 ことしの7月に発生した新潟県中越沖地震や今までに発生した地震等においての被害では、比較的古い木造建物やブロック塀等に多くの被害が発生し、人的被害だけでなく、倒壊した家屋等が道路を遮断するなど、避難路の障害につながった状況などが報告されておるところでございます。 これらのことから、災害に強い安心して住めるまちづくりを進めるに当たりまして、通行人等に危険を及ぼしたり、地震などで道路を閉塞するおそれのある道路沿いの保安上危険と思われる廃屋を含めた古い建物、ブロック塀などについて実態を把握する必要があると考えております。 今後市民の皆様からの情報提供などもいただきながら、道路沿いで倒壊のおそれのある建造物等につきまして順次調査を行ってまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 総務部長。 〔総務部長 小出 俊君登壇〕
◎総務部長(小出俊君) 保存版の防災のしおりはどうかというご質問をいただきました。現在のところ防災のしおりの作成あるいは配布等の計画はありませんが、今後十分検討させていただきたいと思っております。なお、これまでも随時お知らせしておりますが、今後もさらに定期的な防災情報の掲載あるいはホームページ等によりまして広く市民への周知を図ってまいりたいと考えております。また、広域避難場所についても改めて周知してまいります。 それから、住民参加の防災訓練の実施や自主防災組織あるいは女性消防隊に対する講習会、また出前講座等、さまざまな機会を通して住民の皆さんに啓蒙活動を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 田中議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。 午後 零時04分 休憩 ◇ 午後 1時00分 再開
○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(4)
青少年健全育成と教育行政について
○議長(土屋陽一君) 次に、
青少年健全育成と教育行政について、三井議員の質問を許します。三井議員。 〔6番 三井 和哉君登壇〕
◆6番(三井和哉君) 初めに、青少年育成条例と地域の力についての質問をいたします。 このところ、県内の自治体で青少年育成条例を制定する動きが広がっています。長野市、佐久市、東御市では既に制定、施行されており、塩尻市では本年度中の制定を目指すとしています。いずれの条例も中心となるのはいわゆる有害図書自販機の規制ですが、育成条例については幾つかの問題点が指摘されています。 1つは、表現の自由にかかわることです。卑わいと感じる程度、有害と判断する基準は人それぞれで、行政が一方的に有害と決めつけ、取り締まることは、運用次第で表現の自由を侵すおそれがあるという問題。 1つは、実効性への疑問です。インターネットや携帯電話で幾らでも情報が手に入る時代に、自販機がなくなれば青少年は健全に育つのかという疑問。 1つは、地域の力が弱まるのではないかという懸念です。条例をつくることで行政に任せ切りになったり、警察に取り締まらせることで地域で子供たちを育てるという大人の意識が薄くなるのではないかという懸念もあります。また、拡大解釈、規制強化につながっていくのではないかという心配もあります。 そこで、まず1点、いわゆる有害図書類の自動販売機規制を含む育成条例についての見解及び上田市として条例を制定する考えがあるかを市長にお聞きいたします。 次に、上田市の英語教育とAET、英語指導助手についての質問をいたします。去る3月23日付の読売新聞に、大阪府内6市の教育委員会が民間派遣業者と請負契約を交わしているAET(英語指導助手)の雇用状況をめぐり、大阪労働局から労働者派遣法に違反した偽装請負のおそれがあるとして文書や口頭で指導されたという記事が載っていました。 請負契約は、派遣された人間は派遣会社の指揮命令に従って動くことになっており、派遣先の会社、団体等は直接指揮することができません。指導された教育委員会は業者と請負契約を結んでいましたので、学校側は直接AETに指揮命令ができない立場でしたが、授業の進め方などを打ち合わせることも偽装請負に当たる指揮命令と判断されかねないとして指導されたわけです。上田市も指導された6市教委と同じように民間の派遣会社と請負契約をしたAETを現在2名中学校に配置していますが、私はこの方法に疑問を持っていますので、幾つか質問いたします。 1として、大阪労働局が府下の6教委に偽装請負の疑いがあると指導したことを承知しているか。上田市教育委員会としての見解はどうか。 2として、上田市教育委員会が請負契約をしている業者からはAETを送り出す際にどのような研修を行っていると報告を受けているか。また、派遣されているAETが実際にどのような研修を受けて赴任してきたか調査してみたか。 3として、日本で英語を教えるにはTESOL、英語以外を母国語とする人に英語を教える指導免許を持っていることがベストと考えます。7月に私が教育委員会に出向き、業者から派遣されているAETはTESOLを持っているかと質問した際、2名のうち1名は取得していると業者から報告を受けているという回答だったが、本人に確認してほしいと要望して調査していただいたところ、現在通信制で受講中で、実はまだ取得していないとのことでした。この業者からの報告と現実とのそごはなぜ生じたのか。 次に、奨学金制度について質問いたします。過日、子供さんを海外の大学に入れたいのだが、奨学金を受けられないかという相談があり、真田地域教育事務所へ行き、話をお聞きしました。旧真田町では、篤志家の名を冠した基金を中心に1億4,600万円を原資として奨学金制度を運営しておりますが、残念ながら海外留学は想定していないとのことでしたが、同様の相談はこれまでにもあったということでした。現在上田市には、対象も方法も運営主体も受けられる金額もまちまちな奨学金制度が混在しています。さらに、奨学金制度自体がない地域もあります。合併協定書では、合併後3年を目途に制度のあり方を検討するとありますが、奨学金はそれぞれの篤志家の思いで成り立っており、この篤志家の方々の思いを酌みながら、さらに地域住民の理解を得ながら全市で統一的な制度をつくるということはなかなか大変なことではないかと考えます。 そこでお尋ねいたします。1として、合併前の調整方針では「篤志家の思いが活き続ける事業運営」とあるが、どのような運営方法が想定できるか。 2として、現在運営している各奨学金制度は海外留学は対象にしていないと思われますが、上田市域にも、国内におさまり切れない才能があるやも知れず、家庭の事情でその才能が埋もれてしまったとしたら、上田市にとっても損失ではないでしょうか。例えば上田市の奨学金を受けてMITやハーバード大学へ進み、やがてノーベル賞を受賞するという人があらわれる可能性もあるわけで、実現すれば篤志家の方も喜ばれるでしょうし、上田にとっても大きな誇りとなります。また、夢の持てる話だと思います。 そこで、これからの奨学金制度を考えていく際に海外留学も対象にしてもよいのではないかと考えるが、どうか。 以上、青少年育成条例に関する質問1点、上田市の英語教育とAETに関する質問3点、奨学金制度に関する質問2点をして、私の第1問といたします。
○議長(土屋陽一君) 市長。 〔市長 母袋 創一君登壇〕
◎市長(母袋創一君) 三井議員のご質問に答弁いたします。
青少年健全育成条例に対する見解、また市として制定する考えのお問い合わせでございました。 まず、条例制定につきまして、全国あるいは各市等においてそれぞれ青少年育成上の問題があるということの中で、事情があり、さまざまな状況の中で必要性を感じ、そういう条例を制定している。このことはしっかり受けとめながら、私といたしましては尊重すべきことであろうと考えております。
青少年健全育成条例は、青少年の健全な育成を図るため、これを阻害するおそれのある行為から次代を担う青少年を保護する目的で制定されるものでございまして、有害図書等自動販売機も青少年の健全な育成を阻害するおそれのある要因の一つとして規制すべきものとされております。 この有害図書等自動販売機は、残念ながら上田市にも少なからず設置されております。有害図書等自動販売機を子供たちが日常的に目にすることは決して好ましいこととは思えません。法規制という手段を使うかどうかの問題は別といたしまして、有害図書等自動販売機のないまちづくりに取り組んでいかなければいけないのであろうと、このように考えます。 上田市の未来を担う青少年が心身ともに健やかに成長することは市民すべての願い、共通した願いだと思います。そして、そのための環境をつくり、守ることは地域の大人たちの責任でもございます。このような問題は、まず地域の皆さんが地域の問題、課題としてとらえ、地道な地域活動、住民運動として展開し、解決していくことがまず第一であろうと思います。 これまで、上田市におきましても、地域の皆さんが一体となって運動して住民パワーとして有害図書等自動販売機を撤去させたり、地域の健全環境を取り戻している事例というものが幾つもございます。 市内の最近の設置状況を見ますと、昨年の5月には64台の有害図書等自動販売機が設置されておりましたが、本年4月には37台となり、大幅に減少いたしております。地域の皆さんのご努力と地権者の皆様のご協力、ご理解により撤去が進んだものであると考えております。 これらのことから、私といたしましては現時点での
青少年健全育成条例は考えておりませんが、将来における青少年の社会環境を見通すことはまことに困難であるということも言えます。それぞれの時点で最も適切な判断をしていかなければならない。そのためにも青少年を取り巻く各種状況を注視しながら、住民の皆さんの運動への必要な支援をしていく必要があると考えております。 また、この問題は個々の市町村で対応していく問題ではなくて、広域的に考えるべき問題の一面もあると思います。長野県は
青少年健全育成条例を持たない県でありますが、必要であれば県条例として議論をしていくべきではないかとも考えております。 上田市が暴走族防止条例の制定の際、市町村ごとの設置ということより県レベルでぜひとも考えてほしいということを要請いたしましたが、そのような考えはないということで市で制定をいたしました。以降今日に至るまで、本条例の趣旨あるいは住民の力が功を奏して平静を取り戻したという実例もございます。 なお、現在の青少年の社会環境は、インターネットや携帯電話など情報機器の発達によりまして有害情報が容易に入手できる環境になっていることから、何よりも子供たちの判断力を高めながら、惑わされずに対応できる能力をみんなではぐくんでいくこと、これが必要ではないかと考えておるところでございます。 以上です。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 上田市の英語教育とAETについて何点かご質問をいただきましたので、お答えさせていただきます。 まず、上田市も請負契約を締結しているが、この業者が偽装請負の疑いがあると大阪労働局が府下の6教育委員会に伝えたとのことですが、承知しているかとのご質問でございます。現在上田市の小中学校には、国の外国人青年招致事業、JETプログラムと言われておりますが、こちらの招致者5名、業者委託2名、市の直接雇用1名の計8名のAETがおります。上田市でも業者委託という形態を使いAETを確保している状況の中で、大阪府内の6市の教育委員会が大阪労働局からこの雇用形態による外国語指導助手の雇用状況に関しまして文書や口頭で指導されていたとの新聞報道がことし3月にあったことは承知しております。 上田市教育委員会では、この件に関する報道内容の確認やその後の動向等について情報収集を行うとともに、委託業者に対しまして説明を求めたところです。また、いわゆる労働者派遣法に抵触することがないように業者に指導するとともに学校でも配慮いただくようお願いしてきたところです。今後も長野労働局とも相談しながら、労働者派遣法に抵触することのないよう、契約に基づいて適切に運用してまいります。 次に、業者の研修内容、また配置されているAETがどのような研修を受けてきたか確認しているかとのご質問でございます。AETの研修につきましては、業者選定の際、どのような研修を行うか確認をしております。そして、その他の提案事項の内容とともに、研修につきましてもその内容で提供いただくことを前提としまして契約を行っているところです。 この業者が行う研修は、基本的には採用時と業務開始後の2つの研修に分けられます。採用時には英語教授法、児童生徒への対応、レッスンプランニング、教材・教具の準備、日本の生活・文化・習慣、日本の学校教育制度等について1日6時間の研修が5日間にわたって行われております。 業務開始後は、学期ごとに1回1日のフォロートレーニングが実施されます。授業で使用される文字や絵がかかれたフラッシュカードという教材の使用方法や日本人教師との連携方法の実践練習等が行われております。 現在業者が配置しているAET2名に確認したところ、2名とも採用時にこれらの研修を受けており、プロの外国人トレーナーによる講義、ビデオによる研修、模擬授業など、おおむね業者の示した内容を受講したとのことでございます。 ただし、一定期間日本での生活を経験しているAETは、採用時研修では日本の文化・生活、異文化対応といった研修項目は免除される場合があるとのことで、2名のうち1名は実際には4日間だったとのことでございます。 業務開始後の研修としましては、5月19日に軽井沢町において長野県内のAETが集まって、授業の進め方、工夫していることなどについて意見を交換し、また情報交換を行い、アドバイスを受けたそうでございます。なお、フラッシュカードにつきましては、採用時の研修で扱われたので、5月の研修では行われなかったそうでございます。 また、これらのほかに業者の専属トレーナーが実際にAETの授業を参観して評価を行い、本人に対して口頭及び文書にてアドバイスがなされており、上田の2名のAETも既に実施済みでございます。 なお、市教育委員会は配置校の担当教師により定期的にAETの評価を行うとともに、日ごろから随時学校と連絡をとり合いまして、授業や生徒との関係について情報交換を行っているところです。 次に、TESOL(英語教授法資格)を持ったAETは何人いるか、また報告に違いのあったのはなぜかとのご質問でございますが、委託による配置のAET2名のうち1名は現在TESOLと呼ばれる英語教授法の資格の一種でありますTEFLという資格を取得する通信講座を受講しておりまして、もう一名は英語教授法の資格は持っておりませんが、イギリスの小学校及び中学校の教員免許を所持しております。JETなどその他の6名のAETにつきましては、英語教授法の資格を保有しておりません。 なお、業者においては、AETの採用をする際に英語教授法の資格の所持を採用の必須要件としておらず、資格の有無を正確に把握していなかったので、今回改めまして本人に問い合わせたところ、来日前に2週間のコースを受講し、TESOLを持っているとの回答を得たので、その旨市へ報告してまいりました。しかしながら、その後、市の教育委員会から直接当該AETに確認しましたところ、現在も通信制で受講中であることが判明しました。今後このようなことがないように、業者に強く申し入れをしたところでございます。 続きまして、奨学金制度についてご質問いただきました。まず、合併時の調整方針において「篤志家の思いが活き続ける事業運営」とあるが、どのような運営方法が想定できるかとのご質問でございますが、高校生以上大学までの就学資金を支援する上田市の奨学金の制度につきましては、県や、以前は日本育英会という名前でありましたが、現在、日本学生支援機構による公的な制度がある中で、これとは別に合併前の各地域においてそれぞれ篤志家からのご寄附をいただき、この皆様のご意思に基づき、それぞれ制度が立ち上げられ、運営されてきた経過がございます。 このような中で、議員からもございましたとおり、事業の運営主体も行政が直接行うものであったり、育英会といった公的な任意組織によるものであったり、また対象者についても高校生のみ、あるいは専門学校生や大学生までと必ずしも一様でない形で各地域ごとに暫定施行されております。 今後の調整に向けての基本的な考え方ですが、奨学金の制度については、まずその事業の性質上、地域を限らず、公平、平等な活用機会の提供が必要であるものとまず考えております。 したがって、合併前の経過から、現在独自の制度がない武石地域も含めまして、運営主体を1つにした上で基本的には上田市全住民を対象とした新たな制度を設けることが望ましいものと考えております。現在それぞれの篤志家の思いは、例えば寄附者の個人名を冠した基金や基本財産などの形で管理をされております。一本化した運営を考える際にも、これらの原資については単純な一本化ということではなく、財産管理上にもそれぞれの篤志家の思いを区分管理し、奨学金の給付者に伝わるよう継承していく必要があると考えております。このような考え方を基本に上田市独自のあり方を検討しまして、合併前の地域に偏らない新たな地域の枠組みの中での運用について、まず篤志家の理解を求めていくことが必要ではないかと考えております。 次に、奨学金制度を考える上で海外留学も対象にしてよいと考えるかとのことでございます。海外留学に対する奨学金につきましては、暫定施行されている各地域の制度においても現在対象としておらず、今の段階ではそこまでは検討しておりません。 市町村レベルで独自に運営する奨学金制度の大きな趣旨は、地域を支える人づくりにあると考えておりますが、この観点から海外留学の成果に目を転じた場合、一般的にどちらかというと個人に還元されるのではないかという側面が強く、このことからも市町村レベルでの取り組みは難しいものと考えております。 海外留学に対する奨学制度につきましては、日本学生支援機構が運営します全国的な制度がありまして、皆さんからのご相談に対しましては必要な情報の提供に努めてまいりますので、ご理解をいただきたいと思います。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 三井議員。 〔6番 三井 和哉君登壇〕
◆6番(三井和哉君) ただいまの市長のご答弁で地域で解決することが基本だと。それと、育成条例については現時点では考えていないというご答弁をいただきました。また、県として考えていくことも必要ではないかと、このような答弁であったかと思いますが、続けて青少年条例と地域の力についての再質問をいたします。 ご承知のように、長野県は全国で唯一育成条例を定めていない県です。村井県知事が県会一般質問で、ボイス81で信濃毎日新聞のインタビュー等で育成条例について述べられていることは、「表現の自由は命がけで守らなければならない。行政、公権力がコントロールするなんて本来とんでもない話だと思う。青少年を無菌状態に置くことがいいのか疑問を持っている。大切なことは、何がいいか悪いかをしっかり教えることだ」等々です。私も全く同感です。子供たちを育てるには条例などで規制するより、地域や家庭で育てるという意識が大切ですし、またそうあるべきだと考えます。 そこでお尋ねいたします。旧真田町には
青少年健全育成指導委員会という組織があり、定期的に町内の商店を巡回して子供たちの様子を聞いたり、悪いところばかり見るのではなく、子供たちのよいところを取り上げて住民に知らせようという編集方針のもと、年3回、自分たちで取材から紙面構成まで行って新聞を発行したりと、健全育成のために活発な活動を展開していました。しかし、合併に伴って消滅したままになっており、独自な育成活動を行う組織がない状態が続いています。そこで、各地域で独自な育成活動を行える同様な組織をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか。これを第2問といたします。
○議長(土屋陽一君) 教育長。 〔教育長 森 大和君登壇〕
◎教育長(森大和君)
青少年健全育成のために各地域で独自の活動を行う組織をつくるべきではないかというご質問がございましたので、お答えいたします。
青少年健全育成に関する組織は、合併前の旧4市町村それぞれで特色を持ちながら組織されておりました。これらの組織につきましては、合併協議の中で旧上田市の例により調整していくことになっております。 上田地域には、少年非行の未然防止を目的に、地元地域や市街地の街頭補導活動や環境浄化活動などを実施している少年補導委員会、青少年育成諸活動を地域ぐるみの運動として発展させるために青少年関係団体間の連絡調整や自治会懇談会、地区市民会議等を実施している青少年育成推進指導員、また子供たちを地域の大人が協力して育成することを目的に自治会単位に自主的に結成された組織の子ども会育成会があります。それぞれ青少年育成のための活動をしていただいております。 この上田地域の組織体制を基本に現在調整しているところでございますが、各地域に子ども会育成連絡連絡協議会があり、そのほかにも丸子地域には青少年育成連絡協議会、青少年指導者協議会、真田地域には
青少年健全育成推進委員会、武石地域には
青少年健全育成連絡協議会、青少年育成推進委員会と各地域で組織の名称は違っても活動内容が近い組織もありますので、今まで各地域にあった青少年育成組織を生かしながら新たな組織づくりを進めていきたいというふうに考えております。 いずれにしましても、上田市の未来を担う青少年が心身ともに健やかに成長するために、家庭、学校、地域社会が連携を図りながら、地域の皆様のお力をおかりして、地域の子供は地域で育てる活動のできる組織にしていきたいというふうに考えております。
○議長(土屋陽一君) 三井議員。 〔6番 三井 和哉君登壇〕
◆6番(三井和哉君) ここからは上田市の英語教育とAET(英語指導助手)についての再質問をしていきます。 業者と請負契約で人材を派遣してもらい、学校でAETとして使うことについて、先ほどのご答弁で労働者派遣法に抵触しないよう適切に運用していくとのことですが、この点について1点お聞きいたします。 例えば次のような場合はどうでしょうか。AETが急におなかが痛くなって午後の授業を休んでお医者に行きたいというような場合です。請負契約の場合、労務管理は業者側にあるわけですから、AETはまず業者に午後休みたい旨を連絡し、業者は教育委員会に申し出、教育委員会は学校に支障がないか尋ね、学校を休んでもよい旨教育委員会に伝え、教育委員会は業者に連絡し、業者はAETに許可を与えと、これだけの手続をやって初めてAETはお医者に行けるということになるのではないかと思いますが、これは現実的でなく、実際にはAETが先生に「おなかが痛いからお医者に行ってきてもいいですか」とお願いし、「いいですよ」と校長先生が許可し、手続は後で踏むということになるのではないでしょうか。 例えば次のような場合はどうでしょうか。教師がAETの授業の進め方を見ていて、「ここはこうしたほうがいいですよ」とか、生徒が理解しやすいようにこうしなさいとアドバイスする場合、これは往々にしてあるのではないかという気がいたしますが、アドバイスが指揮命令と受け取られれば偽装請負ということになります。偽装請負にならないためには、先ほど述べたのと同じような手順に従ってAETに改善点を伝えるということになるのではないかと思いますが、これも現実的ではないように思います。 そこでお尋ねいたします。上田市教育委員会は偽装請負と疑われるようなことは一切していないと言い切れますでしょうか。 もう一点お尋ねいたします。先ほどの答弁とこの質問に先立ち、私が教育委員会でお聞きした中では、派遣業者からは採用時研修として英語の教授法、児童生徒への対応、レッスンプランニング、教材・教具の準備、日本の生活・文化・習慣、日本の学校教育制度、状況、事情、地域社会との協調、メンタルフィジカルコントロール等を1日6時間、5日間受けさせているという報告を受け、その内容で提供をされることを前提として契約を行っているとのことでした。ところが、教育委員会が直接AETに聞き取りをしたところ、5日間でなく4日だったという人もおり、地域事情の説明、これは業者の研修内容に照らし合わせると、日本の生活・文化・習慣や地域社会との調和に当たると思いますが、もなかったということです。 学期ごとに1回行うフロートレーニングについては、業者の説明ではフラッシュカードの使用方法、フラッシュカードを実際に使った活用法、実践練習、日本人教師との連携方法の実践練習等とされていますが、実際には、先ほどのご答弁にもあったかと思いますが、フラッシュカードの使用方法も活用法も練習もしていないということですし、AETが集まって意見、情報交換を行ったということは、講師がいて日本人教師との連携方法を実践練習したということではないようです。さらに、TESOLを取得していないのに持っていると報告したりと、この業者が信頼に足る業者か、請負ということは上田市の英語教育のある部分を任せるということですから、任せられるのかという疑問、不安が出てきます。 そこでお尋ねいたします。TESOLの資格の有無の詐称について、先ほどのご答弁で今後このようなことがないよう業者に強く申し入れたとのことですが、報告内容と実際にやっていることがかなり違うのですから、教育委員会としては強く抗議すべきですし、何らかのペナルティーも考えるべきだと思いますが、そのような考えがありますでしょうか。 以上2点をお聞きして3回目の質問といたします。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) AETの雇用の関係につきまして、契約内容について何点かご質問いただきました。 まず、AETが休むとき、また教師にこうしなさいよと命令されているとき、これは請負契約に違反するのではないかということでございますが、やはり現実的にはこういったことはその場の中でやはり授業の内容が、TTといいまして複数の教師が協力して授業を行っております。その中で、こういったケースの場合、必然的にあらわれる場合は仕方がないというふうに考えておりますので、雇用契約に違反するというような考え方につきましてはないものと考えております。内容につきましては、雇用契約について雇用請負契約に違反しないように努めてまいります。 次に、研修内容につきましては、業者から報告をさせてその中で雇用契約をしているところでございますが、なかなかやはり……。業者からの報告を一応基本としております。その中で今回のようなケースがあった場合については、それぞれ抗議をしながら正確な雇用形態になるように努めてまいりたいと思います。 いずれにしましても、AETの雇用の人材確保につきましては、都会周辺と違いまして交通等生活面での大変不便もあり、雇用については苦労の面もございます。その中でAETの本来の目的であります生徒の皆さんへの英語への関心、興味を含めてコミュニケーション能力を育成するとともに、英語を通して異文化に触れることで生きた英語を学んでもらうこと、また国際理解教育の推進を図るということで設置をしております。こういったことが達成できるよう人材確保についてはいろんなケースで雇用を検討しているところでありますので、こういった法令違反にはならないよう学校の先生方とも連携をとりながら人材確保に努めてまいりたいと思いますので、ご理解をいただきたいと思います。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 三井議員。 〔6番 三井 和哉君登壇〕
◆6番(三井和哉君) 今のご答弁で現実的には仕方がないが、ないものと考えているというような苦しいご答弁があったような気がします。これについては触れません。いずれにしても、教育現場で労務管理や指導ができない、請負契約という方法は実際には職業安定法や労働者派遣法に抵触する偽装請負となるおそれが常について回りますし、工場でラインを請負業者に任せるのとは違い、AETと教師、AETと生徒という人と人との関係のみで成り立っている教育現場にはふさわしくないと考えます。 そこで、請負契約でなく、よい人材を見定めて直接雇用に切りかえていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。直接雇用だと学校や教師が授業方法に関して悪い部分を直したりアドバイスができますので、教師と信頼関係が結べ、また契約に際して教育委員会に事実と違った報告書を提出するような請負業者を排除でき、結果、生徒にもよい英語教育ができるはずです。いかがでしょうか。これを第4問といたします。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 英語教育とAETに関連しまして、AETの採用に関しまして市で直接雇用すべきではないかとのご質問でございます。 現在上田市には、先ほど申し上げましたようにJETプログラムでの招致者、業者委託によるもの、市の直接雇用によるものの3形態によるAETがいることは先ほど申し上げたとおりでございます。 JETプログラムによるAETは、すべて初めての来日となる英語圏諸国の青年でございますが、国の事業で実施されていることもありまして、これまで比較的安定した人材が確保できました。しかし、交代時期は1年に1度しかなく、途中帰国があると、時期によっては学校の授業に影響が出る期間が長くなる欠点がございます。また、基本的には日常生活まで市の担当者が面倒を見ることとなり、その負担も少なくありません。業者委託では、人物は委託側の請求でいつでも交代ができるというメリットがある一方で、優秀なAETは業者間で引き抜きがあるとも聞いております。直接雇用の場合でも、以前有能であると判断して市で直接雇用したAETでも、休みがちで学校の評判が悪かった事例があり、言葉だけでなく、文化や生活習慣の違いから来る認識のずれなどもあり、短時間での面接等での判断は非常に難しいのが実情でございます。 今後もAETとしてふさわしい有能な人材が得られるようでしたら直接雇用することもあるでしょうが、現在では、先ほど申し上げましたとおり、学校への影響、また子供たちへの影響を最小限に抑えてAETとしての人材を安定的に確保するという観点から、JET、業者委託、直接雇用の3つの方法を組み合わせて人材確保を、現在そういったシステムをとっているところでございます。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 三井議員。 〔6番 三井 和哉君登壇〕
◆6番(三井和哉君) 平成17年2月17日付で各都道府県・指定都市教育委員会外国語教育担当課長あてに文科省の山脇良雄国際教育課長名で「すぐれたALTについては正規教員としての採用を図るなど、外国語の指導体制の充実に努めるようお願いします。なお、このことについては、域内の市町村にも周知方願います」という通知が出されています。ただいまのご答弁で、直接雇用する場合、短期間の面接でよいAETか判断するのは難しいということでしたが、例えば一定期間派遣されていると雇用義務が生じる派遣契約を逆手にとって、よい人物か見定めた後、直接雇用するということも可能だと考えますが、こういう方法はいかがでしょうか、お聞きいたします。 そう遠くないうちに小学校でも英語の授業が本格的に始まるでしょうから、上田市の英語教育をどのようにしていくのか、AETの質、活用方法も含めて真剣に考える時期だと私は考えています。 最後にもう一点お願いいたします。ただいまのご答弁でも言葉や文化や生活習慣の違いから来る認識のずれなどがあるということでしたが、それが原因で無用の誤解を招いたりトラブルが起こってだめなAETだという烙印を押された人もいるのではないでしょうか。言葉も生活習慣も文化も違う上田市で不安を抱えながら生活しているAETのために日常生活をサポートし、またトラブルなどの相談に乗る専門の世話人のような人間が必要と考えますが、いかがでしょうか。 以上2点をお聞きして、私の質問を終わりにいたします。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) ご質問いただきました。 1つ目は、請負契約をしている中で市として人物がよければ直接雇用をする方法もあるのではないか、そういったことの検討でございますが、提案の方法につきましても、雇用契約等がございますが、その中で方法が可能であるということも考えられますので、やはりその中で人物等を見ながら雇用をしていくことも考えられると思っております。 次に、AETの日常生活をサポートするものが必要と考えるがどうかということですが、JETプログラムによるAETの場合、来日直後から一定の期間は日常生活全般のサポートが必要であります。現在は市のAET担当者がこれらを業務として行っております。しかし、時間の経過に従って日本の生活になれてきますし、同じAETの仲間同士の人間関係ができてくるとお互い助け合うようになりますので、日常生活のサポートが必要な場面も徐々に減っていきます。 直接雇用でも事情は同じで、日本の滞在期間の長い人材を雇用すればほとんど支援がありません。業者委託の場合はAETを雇用する業者がすべて対応することになっており、市側に負担はない状況でございます。今年度は今のところおかげさまでトラブルもなく、授業もスムーズな運営ができております。今後も学校での勤務に支障が出ることのないよう、担当者が可能な限りAETをサポートしてまいりたいと思います。 ご理解をいただきまして、以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 三井議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩とします。 午後 1時47分 休憩 ◇ 午後 2時05分 再開
○副議長(藤原信一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(5)市政について
○副議長(藤原信一君) 次に、市政について、池上議員の質問を許します。池上議員。 〔8番 池上 喜美子君登壇〕
◆8番(池上喜美子君) 通告に従い質問してまいります。 個人情報保護について伺います。個人情報に対する意識が高まる中、住民票など行政が持つ情報に関しても的確な対応が求められています。個人情報の保護、そして住民基本台帳に対する信頼性の向上を図るため、昨年住民基本台帳法の一部が改正され、閲覧制度が見直されました。そこで、まず改正の内容や上田市における閲覧の状況の現状、問題点を伺います。 また、昨年の改正では住民票の写しなどの交付制度及び転入、転出等の届け出制度については、従前のままで特段の見直しは行われませんでした。しかし、プライバシーに関する国民の意識の高まりに伴って、だれでも住民票の写しや戸籍の謄抄本を請求できる現状は好ましくないとの考え方が一般的です。窓口業務を行う市町村によって請求時の本人確認が行われてはいますが、法律が公開を原則としている限り、現場で請求者から強要されると行政側は腰が引けた対応とならざるを得ない状況にあり、そうした実態を悪用して他人に成り済まして住民票をとる成り済ましが横行し、本人が知らないうちに婚姻や養子縁組が成立しているなどの虚偽の届けによる事件が頻発したり、金融機関からお金をだまし取るなどを目的とする犯罪の温床となりかねない状況になっています。 そこで、現行の制度を見直し、個人情報保護に十分留意した制度として再構築するということで、ことしの5月と6月にそれぞれ住民基本台帳法の一部と戸籍法の一部を改正する法律が公布されました。そこで、その内容はどんなものか、上田市としての今後の取り組みはどうかを伺います。 次に、個人情報保護の2点目として、視覚障害者の方への個人情報保護についての取り組みを伺います。まず、現状として、視覚障害者の方々へ市からの通知はどのようにされていますでしょうか。 愛媛県今治市の事例を紹介します。視覚障害者の方からの要望を受け、プライバシーの保護のため、同市は十数年前から保険年金課や水道部、市民税課など6つの課で出す封書に市役所名と担当課、担当課の電話番号を点字化したシールを張り、視覚障害者の方に市役所からの通知であることを知らせていました。そして、この7月からは各課が個別に行っていたものを取りまとめ、新たに資産税課など3つの課からの通知をサービスに加えるなど拡充をしているということです。この今治市の視覚障害者の方は、「他人に見られたくないものや知られたくないものもある。点字でどこの課からの通知かがわかればだれに読んでもらおうか判断できるので安心」と喜んでいるそうです。 そこで、私も上田市の視覚障害者の方にお聞きしました。「もし市役所からの封書に点字シールが張ってあればどこの課からの通知かがすぐにわかり、大事なものや忙しいものは早くだれかに読んでもらおうとも思えるので、とてもありがたい」とその方は語っていました。 そこで伺います。年金や納税などのプライバシーの保護のために、市役所からの通知に点字サービスを導入する考えはあるかどうか伺います。 また、点字サービスといっても、すべての視覚障害者の方が点字を習得しているわけではありません。まずは広報や議会報の点字サービスのように希望する方から取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 次に、個人情報保護の3点目として、教育現場のコンプライアンス(法令遵守)の中での個人情報保護について伺います。全国で教育現場における個人情報漏えい事件が多発しています。6月には小諸市の中学校の情報漏えい事件が新聞報道されました。システム管理の不備で生徒が知るパスワードで教員用資料が閲覧できる状態となっていて、テストの成績など生徒がデータを持ち出したという事件です。成績や健康状況、また家庭状況などの個人情報が漏えいすることにより、子供たちや各家庭の心のケアがどれほど大変であるか、また不安を抱きながら日々生活することがどれほどつらいものであるか、心が痛みます。 そこで伺いますが、上田市における個人情報の漏えい事件の現状はどうでしょうか。パソコンだけではなく、すべての個人情報についての現状を伺います。 また、学校現場においては個人のパソコンを利用している先生が多いと漏えいの危険性も高くなると思います。そこで、行政から先生方へのパソコン貸与の現状はどうでしょうか。そのかかる経費と内容についても伺います。また、個人情報の取り扱いについては、マニュアル化されて徹底されているのでしょうか。その現状についても伺い、第1問といたします。
○副議長(藤原信一君) 市民生活部長。 〔市民生活部長 山本 謙二君登壇〕
◎市民生活部長(山本謙二君) 個人情報の保護につきまして、さまざまな視点からご質問をいただきました。順次お答えを申し上げてまいります。 まず最初に、住民基本台帳法の一部改正により閲覧が一部制限されるようになったが、上田市における現状と問題点はどうかという点でございます。ご指摘の法の一部改正の内容でございますが、住民基本台帳の閲覧については、ご質問のとおり、平成18年11月の法改正によりまして何人でも閲覧を請求できるとされておりましたが、法の改正により閲覧できる場合を公益目的などに限定し、個人情報の保護を図ったものでございます。 この法改正の背景には、平成17年2月のご指摘の個人情報保護法の施行やダイレクトメールなど営業目的のための大量閲覧、原則公開の制度を悪用した犯罪などを受け、閲覧できる主体と目的を限定したということでございます。 そこで、閲覧できる具体的な場合でございますが、4つありまして、1つには国または地方公共団体の機関が法令の定める事務の遂行のため閲覧する場合、2つ目には統計調査、世論調査、学術研究等の調査研究のうち公益性の高いもの、3つ目といたしまして、公共的団体が行う地域住民の福祉の向上に寄与する活動のうち公益性の高いもの、4つ目として訴訟の提起、その他特別な事情による居住関係の確認で営利目的でないものに限定されております。 この閲覧の状況でございますが、住民基本台帳法の一部改正が行われる前の平成16年度の閲覧件数が72件、17年度が49件でありました。平成18年度11月に改正法が施行されましたが、施行前の18年度10月までが23件、施行後の11月から本年度8月末まで10カ月間の閲覧件数が19件と大きく減少いたしました。改正後はダイレクトメールなどを目的とするものが禁止となり、統計、世論調査、学術研究などを目的としたものが中心となっておりまして、特に問題は生じておりません。 また、閲覧の手続等につきましては、上田市住民基本台帳の閲覧等に関する事務取扱要綱を定めまして、個人情報保護が適正に実施されるよう注意を払っております。 続いてのご質問で、本年度についても個人情報保護の観点から戸籍法、住民基本台帳法の一部改正があったが、その内容はどうかというお尋ねでございます。個人情報保護の関係では、本年5月及び6月に戸籍法、住民基本台帳法がそれぞれ改正され、戸籍謄本抄本等及び住民票の写し等の交付制度も見直しとなりました。成り済ましやその他不正な手段による交付請求を未然に防止するために、ご案内のとおり、従来何人でも交付請求できるという規定を見直しまして、交付を請求できる場合は3つに限定されました。その1つが自己または自己と同一世帯に属する者による請求、2つ目に国、地方公共団体の機関による請求、3つ目に正当な理由がある第三者請求の場合に限定されております。 また、交付請求の際には、請求を行っている方が本人であることを明らかにしなければならないため、本人確認を行うために身分を証明できるものを提示していただき、より厳格な本人確認が必要となっております。さらに、罰則が新設、強化されまして、偽りや不正な手段による交付請求者に対し罰金が科されることになります。 改正された法の施行は、現在まだその施行日を規定する政令が制定されていないため明確ではございませんが、おおむね来年、平成20年の6月からの実施予定というふうに思われます。これら法改正の趣旨をご理解いただきまして、市民の皆様方のご協力もあわせてお願いしたいと考えております。 私からは以上でございます。
○副議長(藤原信一君) 健康福祉部長。 〔健康福祉部長 大井 正行君登壇〕
◎健康福祉部長(大井正行君) 視覚障害者の個人情報に対する取り組みについてということで、市からの通知の現状についてまず申し上げます。 市から市民の皆様にお送り申し上げている文書、通知は、国民健康保険や市税、上下水道料金などの通知または検診に関する通知など、広い分野にわたり多くの文書をお送りしていると、こういう状況でございます。 点字での文書の取り扱いでございますが、これまで障害者タクシー利用助成事業の説明の点訳、事業に該当する視覚障害を持つ方にお送りしてまいったところであります。また、点訳ボランティアグループのご協力をいただきまして、市の広報、議会だより、社協うえだを点訳して提供していると、こういう状況でございます。こうした事例を除いては、現在市の文書に点字は使われておらないと、こういう現状でございます。視覚障害を持つ皆様は、これらの文書をご家族や近所の方、あるいはホームヘルパー等に読んでもらい内容を理解するということで大変ご苦労をされておられるというふうに感じています。 ご質問の市からの通知に点字サービスを導入することはできないかと、こういう点でございますが、市のどの課から発送された文書なのか、封筒の表に張った点字シールで知ることができれば内容についての予測もでき、利便性が向上し、また個人情報の保護にも効果があるというふうにも考えております。市で発送する文書について、まずどのような文書があるのか調査をしたいというふうに考えております。また、視覚障害者団体の皆様のご意見やご要望を十分お聞きし、点字図書館の機能も生かしながら、まずは健康福祉部の文書等できるところから進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(藤原信一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 教育現場のコンプライアンスにおける個人情報保護について何点かご質問いただきましたので、お答えさせていただきます。 まず、教育現場における個人情報の管理体制、また個人情報の漏えい事件など多発しているが、上田市の状況についてであります。学校における個人情報を含む文書につきましては、上田市立小中学校文書規程に基づき、保存場所及び保存年限を定め、校長の承認を得て適正な場所に保管をされております。また、PTA名簿など特定者に配付する文書につきましては、必要項目だけの情報の記載とするなど、取り扱いに細心の注意を払っております。上田市教育委員会としましても、学校に対して随時適正な情報管理に努めてほしい旨の通知をし、注意を促しているところでございます。 公用パソコンからの情報漏えいにつきましては、全国的にパソコン本体や記録媒体の紛失、盗難による情報漏えいやファイル交換ソフトの使用によるインターネット上への情報の流出などの事案が発生しております。 上田市では平成18年度、マルチメディア情報センターにサーバーを設置し、教育用ネットワークの一元化を開始いたしました。現在マルチメディア情報センターのサーバーによる公用パソコンの集中管理、ウイルス対策、フィルタリング設定等を行い、個人情報の漏えいが起こり得ない環境整備に努めており、現在のところではそういった漏えい事例はございません。 次に、教職員へのパソコンの貸与状況についてでありますが、国が示したIT新改革戦略では、2010年度までにすべての小中学校の教員に1人1台の公用パソコンを配備し、学校のIT化を進めるとされています。上田市の教職員用公用パソコンの整備状況は、現在普及率約70%といった状況になっておりますが、本年10月には全教職員に公用パソコンが1人1台貸与できるよう準備を進めております。全国的にも早い時期に教職員パソコンの1人1台化を進め、事務の効率化、わかる授業の実現ができるよう努めてまいりたいと考えております。 次に、ネットワーク全体に係る経費とその内訳についてでありますが、学校間ネットワークに係る経費につきましては、ネットワーク全体の保守管理に係る経費、教職員用公用パソコン約900台及びプリンターのリースに係る経費等、すべて合わせて1年間に約3,000万円を見込んでおります。 次に、個人情報の取り扱いについてはマニュアル化されているのかについてであります。個人情報の取り扱いについては、上田市小中学校等情報セキュリティーポリシー及びその運用基準である上田市小中学校情報セキュリティーマニュアルを策定し、それを遵守していただくことによりまして情報資産の保護に努めているところです。具体的には、学校で管理する重要な情報は学校内の公用パソコン内には保存せず、マルチメディア情報センターが管理しているサーバー内に保存することとし、情報管理の徹底を図っております。また、マルチメディア情報センターに設置してあるサーバーにおいてネットワークの監視を行うことで個人情報の漏えい事故が起こらないように努めております。 以上でございます。
○副議長(藤原信一君) 池上議員。 〔8番 池上 喜美子君登壇〕
◆8番(池上喜美子君) ただいまはそれぞれ答弁をいただきました。住民票や戸籍の謄抄本につきましては、本人や家族以外の第三者による交付請求を大幅に制限し、原則非公開に転換するということは住民にとっては大変安心、安全につながることだと思います。市民に協力していただけますよう、今後広く周知に努めていただきたいことを要望いたします。 また、視覚障害者の方への点字サービスにつきましては、非常に前向きな答弁をいただきました。関係者の皆様のご要望をお聞きして積極的に取り組んでいただきたいと思います。 また、今後情報のバリアフリー化を推進し、また視覚障害者の方への情報格差を解消するために文書読み上げ装置の導入なども検討していただきたいことも要望しておきます。 それでは、教育現場での個人情報の保護について再質問いたします。ただいまの答弁に貸与の進捗状況ですとか、また教職員用公用パソコン、この10月には1人1台貸与できるという大変前向きな答弁だったのですけれども、その料金など合わせて1年間で約3,000万円というふうにお聞きいたしました。大変な金額をかけているわけですので、この費用対効果もしっかりと検証していただき、子供たちのためにも絶対無事故で運用していただきたいと願うところですが、もし漏えい事件が発生した際にはどのように対応されるのか、子供たちの心のケアも含めてその対応を伺います。 また、運用の徹底やセキュリティーの研修など、今後の取り組みについても伺います。 次に、個人情報保護への過剰反応について伺ってまいります。先ほどまで個人情報は大切なもので保護するための取り組みについて伺ってまいりました。その一方で個人情報保護を理由に必要な情報までも提供されなくなったり、各種名簿が作成されなくなったりするなど、過剰とも言える反応が起こっています。例えば大規模災害や事故等の緊急時や捜査関係事項の照会への回答のような場合には個人情報保護法で本人の同意を得なくても情報提供することができるとされているにもかかわらず、その提供を拒んだりする事例があると聞いています。個人情報保護制度を正しく理解し、個人情報を保護するとともに個人情報を上手に利用することが大切だと思います。 そこで伺います。個人情報保護の過剰反応が指摘される中で例外規定があると聞きますが、その内容はどういうものですか。市としてはそれをどのようにとらえているでしょうか。そして、この過剰反応の是正についてはどう取り組んでいるかを伺います。 さて、政府は昨年の3月に要援護者支援のために災害時要援護者の避難支援ガイドラインというのを作成しました。4月には能登半島地震、7月には中越沖地震があり、どの程度このガイドラインが有用性を果たしたのかというと、ほとんどその普及が進んでいないのが実情ということです。しかし、石川県輪島市の門前町は従来から要支援者マップを作成しており、安否確認や避難行動が円滑にできたことが報道されました。このようなところもあるわけです。 個人情報保護の関係でこのようなマップ、災害だけに限らず、上田市においては各自治会が取り組んでいる福祉マップの作成等が余り進んでいない状況があるとも聞いています。そのことについてはさきの6月議会で西沢議員が質問いたしましたし、昨日は防災の観点から滝沢議員が質問いたしました。今年度中に自治会や民生委員さんなどにご協力をいただいて台帳を整備するとの答弁がありましたので、その取り組み状況を見守りながら、私は次の機会に進捗状況などを質問させていただきます。 次に、個人情報保護の過剰反応の影響についてもう一点伺います。新生児の全戸訪問への取り組みには支障を来してはいないかということです。まず、新生児訪問の現状とどのような手順の中で訪問事業が進められているのか、また個人情報保護の関係で新生児訪問に支障が出ていないかを伺い、2問目といたします。
○副議長(藤原信一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 教育現場での個人情報保護について再度ご質問をいただきました。 まず、個人情報の漏えい事件が発生した場合の対応についてでありますが、漏えい事件が発生した場合の対応につきましては、上田市小中学校等情報セキュリティーポリシーにおいて情報統括責任者、総合管理責任者、ネットワーク管理責任者、学校情報管理責任者等が個々の役割を明確化し、情報漏えいが発生したときは相互の連携をとりまして被害の拡大の防止に努めるとともに、漏えいした情報についても回収対策及び補償問題への対応を検討、実施することがマニュアル化されております。そのマニュアルに沿いまして、情報漏えい事故に円滑に対応してまいりたいと思います。 また、仮に情報漏えい事故が起きてしまった場合には、学校関係者が連携を図り、被害者の人権に配慮しながら心のケアにも全力で取り組むとともに、事後の防止策についても原因の究明を行った上で今後の対応策を十分検討していきたいと考えております。 次に、運用の徹底やセキュリティーの研修など今後の取り組みについてでありますが、10月以降、教職員に対し公用パソコンが1人1台化されることから、事務の効率化などが図れる反面、情報セキュリティーの管理体制の強化が重要になると認識しております。今後はさらなるIT技術の進歩にもよる危険性も視野に入れながら、引き続きネットワーク環境の強化に努めるとともに、今まで以上に上田市小中学校等情報セキュリティーポリシーの運用を徹底していくことで個人情報の漏えい事故が起こらないように努めていきたいと考えております。 また、全教職員を対象とした情報管理に関します研修会を昨年から実施しており、今年度も8月に実施いたしました。今後も毎年このような研修会を開催し、情報セキュリティー、モラルの重要性を訴えていきたいと思います。 以上でございます。
○副議長(藤原信一君) 総務部長。 〔総務部長 小出 俊君登壇〕
◎総務部長(小出俊君) 個人情報の過剰反応が指摘されている中で例外規定があると聞くが、内容はどうか、また市としてどのようにとらえているかとのご質問をいただきました。 ただいまも議員からもありましたとおり、平成17年4月の個人情報保護法の全面施行を機に個人情報保護に対する国民の関心が高まる一方、必要とされる個人情報の提供が行われなかったり各種名簿の作成が中止されるなど、いわゆる過剰反応と言われる状況も一部で指摘されております。この問題の原因としましては、1つには、個人情報保護法に対する誤解あるいは理解不足、2つ目には、一部業者においては個人情報保護法制度を盾に個人情報の提供を拒んでいることなどが指摘されております。 個人情報保護法の目的は、さまざまな社会活動における個人情報の利用価値に配慮しつつ、個人の権利、利益を保護することにあることから、この法律の趣旨にのっとり、個人情報の有効活用とプライバシー保護との調和を図りながら適正な取り扱いが確保される必要があると考えております。 ご質問にありました例外規定ですが、個人情報保護法は、民間事業者が個人情報を第三者に提供する場合、原則として本人の同意を得るべき旨を定めておりますが、一定の場合には例外として本人の同意なしに個人情報を第三者に提供することを認めております。 具体的には法の規定で4点ほどございますが、法令に基づく場合、2つ目には人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合、3つ目に公衆衛生の向上または児童の健全な育成の推進のため、特に必要がある場合、4点目として、国の機関や地方公共団体等の法令に基づく事務に協力する必要がある場合ということであります。いずれも本人の同意を得ることが困難であるなどの事情がある場合に、事前に本人の同意がなくても個人情報の第三者への提供が可能であることが規定されております。 しかしながら、現実には同意を要しない状況かどうかの判断は難しいわけでありまして、したがって法律違反となるリスクを負うよりも個人情報の提供を行わないという対応につながり、この例外規定が有効に機能していないとの指摘がされております。 こういう中で内閣府の審議会等でも外部提供のできるケースを事例に即して明確化するなど、国において個人情報保護制度のさらなる広報、啓発の充実を図るべきであるという点が指摘されております。 市としましても、国から今後示される情報を積極的に市民の皆様に周知し、個人情報保護制度の啓発を図る中で過剰反応の問題にも対応してまいりたいと考えております。 なお、市が保有する個人情報については、法律とは別に上田市個人情報保護条例を制定しまして、市の機関が保有する個人情報について、収集内容、収集方法、目的外利用、外部提供などに制限を設け、安全性、正確性などを確保するよう義務づけております。この条例においても、ただいま申し上げました法における例外規定に準じまして例外規定を定め、該当する場合は個人情報の目的外使用、外部提供が可能である旨を規定しております。 なお、実際の運用におきましては、個人情報の外部提供は事前の本人同意が原則であるという法の趣旨を踏まえて、あらかじめ外部提供が予定される情報の収集に際しては、申請書、届け出書等に関係部局への情報提供に同意するという旨の署名を得た上で、公務上必要な場合に関係機関への情報提供を行っております。 いずれにしましても、市はすべての市民の皆様の大変多くの個人情報を取り扱っておりますので、今後ともプライバシーの保護には十分留意する一方で、公益上必要な場合においては例外規定の適正な運用を図りながら対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(藤原信一君) 健康福祉部長。 〔健康福祉部長 大井 正行君登壇〕
◎健康福祉部長(大井正行君) 個人情報保護の関連の中で新生児の全戸訪問への取り組み、訪問の現状、また個人情報保護の関係で訪問に支障が出ていないかと、こういうご質問でございます。 まず、訪問の現状でございますが、現在新生児訪問として4カ月児健診までに出生児の全数訪問を目標として母子の健康状態の把握と育児不安の軽減、また出生児の育児環境を考慮した相談、指導を行うことを目的として、保健師、助産師による訪問事業を実施している状況でございます。 訪問までの情報の把握でございますが、妊娠、出産という重要で、また繊細な事柄をめぐる個人情報の扱いとなるため、個人情報保護法の施行前から個人情報の保護に留意をし、ご本人の同意を得ながら事業を進めているところでございます。 訪問までの進め方といたしましては、母子手帳等を交付する際、上田市の母子保健事業や相談窓口等のご案内をしているところであります。 新生児訪問につきましては、訪問の趣旨や訪問の内容等事業内容を紹介するパンフレットを作成し、ご理解いただけるよう努めているところでもございます。 実際には出産後ご家族の方が出生届提出に市民課の窓口等に来られましたときに、新生児訪問のための趣旨をご理解いただいた上で連絡先をお尋ねしているという状況でございます。後日保健センターの保健師、助産師等が連絡させていただいて訪問のご希望を確認しながら日程の打ち合わせを行うこととしており、あわせて当面の育児に関する心配事の相談も行っているという状況でございます。 新生児訪問の平成18年度実績でございますが、訪問件数が1,454件、訪問率が約8割という状況でございます。 個人情報保護の関係で訪問に支障が出ていないかというご質問でございますが、今のところそうした影響は特に感じておらないという状況でございます。今後さらに個人情報保護に留意しながら全数訪問を目指して事業を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(藤原信一君) 池上議員。 〔8番 池上 喜美子君登壇〕
◆8番(池上喜美子君) ただいまはそれぞれ答弁をいただきました。新生児の全戸訪問につきましては、個人情報の過剰反応による支障はないということで安心いたしました。引き続き積極的な取り組みをよろしくお願いいたします。 では、次の質問に移ります。女性相談について伺ってまいります。上田市が日ごろよりさまざまな悩みを抱える女性のための相談業務に積極的に取り組んでくださっていることに、私は心から感謝しております。私も市民相談などで大変お世話になっております。ありがとうございます。こども未来部もでき、その相談窓口も広がっていると思います。 そこで、DV(ドメスティック・バイオレンス)、児童虐待、母子家庭相談、また女性相談の現状を伺います。相談内容、件数、相談体制としての時間帯、相談方法、相談員の人数等はどうでしょうか。また、児童虐待ということでは、その相談件数等大変増加していると思われます。 ちょうど1年前の9月議会で、私はこんにちは赤ちゃん事業の取り組みがこの虐待の未然防止につながるので、ぜひ積極的に取り組んでほしいと質問いたしました。そのときの答弁は「現在実施している新生児訪問事業に取り入れて、さらに事業の充実を図ってまいりたいと考えている」というものでした。先ほども新生児の全戸訪問について伺いましたが、1年たってこのこんにちは赤ちゃん事業、虐待の未然防止にもつながるということで、ここと連動させてどのようにこの1年間取り組んできたのかもあわせて伺い、3問目といたします。
○副議長(藤原信一君) 市民生活部長。 〔市民生活部長 山本 謙二君登壇〕
◎市民生活部長(山本謙二君) 女性相談についてご質問をいただきました。 まず、私のほうから女性相談の現状につきまして、相談内容、件数、時間帯、相談方法、相談員の人数等の状況についてお答えいたします。 上田市内におきます女性相談につきましては、「市民プラザ・ゆう」で行っているほか、お話にもありましたこども未来部ほか生活環境課、法務局、社会福祉協議会等でも市民の皆さんのさまざまな相談に応じております。また、相談員につきましては、専門の相談員によるもののほか、弁護士、人権擁護委員、司法書士によるものなど、相談の内容に応じて専門的かつ多岐にわたって相談にきめ細かく応じております。 そこで、「市民プラザ・ゆう」では、女性のための相談窓口として専任の女性相談員1人を配置し、毎週火曜日の午前11時から午後6時まで、木曜日の午前10時から午後5時、第2、第4土曜日の午前10時から午後5時までそれぞれ相談に応じております。また、相談員の勤務のない曜日や時間帯には、「市民プラザ・ゆう」の職員が面接もしくは電話による相談も受けております。 さらに、法律に関する相談は、女性弁護士による無料法律相談を月に1回、主に第4木曜日に予約制により実施しております。相談の件数でございますが、平成18年度は198件の相談がありました。そのうち来館された相談が149件、電話による相談は49件でありました。主な相談内容は、家庭に関する相談が149件、仕事に関する相談が6件、健康に関する相談2件、その他の相談が41件でありました。 相談におきましては、相談者のお話をじっくりとお聞きし、ともに考え、必要に応じまして家庭の問題等では家庭裁判所の紹介、仕事の関係についてはハローワークや長野労働局雇用均等室、健康については市の保健師への紹介を行うなど、相談者への情報提供や助言を行い、問題の解決の糸口を探しております。また、庁内の相談窓口、担当者会議等を開催して各相談窓口の連携を図っております。今後も関係部署や関係機関と緊密に連携、協力しながら相談者の悩みの解決に向けて新しい一歩を踏み出すためのお手伝いをしてまいります。 私からは以上です。
○副議長(藤原信一君) こども未来部長。 〔こども未来部長 井上 晴樹君登壇〕
◎こども未来部長(井上晴樹君) 続きまして、DV、それから虐待、母子家庭の相談について現状をご答弁申し上げます。 昨年度担当課へのDV及び母子家庭の相談の現状を申し上げますと、DVが13件、母子家庭の相談は延べ917件でございました。この母子相談の内訳でございますけれども、生活一般が441件、児童に関して191件、経済的支援285件となっております。そのほか一般的な女性相談につきましても、相談件数が221件ございまして、その内訳でございますけれども、本人の問題144件、家庭の問題63件、その他4件というふうになっております。 これらの相談窓口でございますけれども、19年度から新設の私ども子育て・子育ち支援課で担当しております。本年度は女性相談員を1名増員いたしまして、2名体制で月曜日から金曜日の午前9時から午後4時まで相談に応じております。女性相談員につきましては、社会的経験を積み、相談業務に知識を有し、母子家庭の自立に必要な情報提供及び支援を目的とした母子自立支援員も兼ねております。 続いて、児童虐待につきましては、平成17年4月に児童福祉法が改正されまして、市町村が児童虐待の通報先に加わりました。そしてまた、相談を受けることが義務づけられました。この結果、上田市でも相談件数が増加しております。平成18年度の相談件数でございますが、86件でございまして、内訳は暴力など身体的虐待34件、それから食事をつくらないなど育児放棄33件、言葉や心理的虐待20件などとなっております。通報は親族からが多く、次いで児童が通っている保育園あるいは学校からが主でございます。 児童虐待の相談につきましては、県の児童相談所で24時間相談、通報に応じておりますが、個別ケースにつきましては、庁内の関係課及び関係機関が集まりまして、児童相談所とも連携を図りながら、児童の適切な保護のため、情報交換や支援内容を協議し、対応しております。 なお、市では児童福祉法に基づきまして、この8月1日に上田市要保護児童対策地域協議会を設置いたしました。これによりまして関係機関と連携をさらに強化していきたいと考えております。協議会の調整機関として子育て・子育ち支援課が虐待の相談、通報を集約し、今後も児童の適切な保護を図ってまいりたいと考えております。 次に、こんにちは赤ちゃん訪問の取り組みについてのご質問でございますが、この事業は国の次世代育成支援対策交付金の対象事業として今年度から創設された事業でございまして、上田市でも「こんにちは赤ちゃん訪問」の名称でこの10月以降新生児訪問指導に取り入れて順次対応していくため、現在関係課で調整を進めております。 具体的な内容でございますけれども、現在既に実施しております、先ほど健康福祉部長の答弁にもございました新生児訪問指導の機会を利用いたしまして、訪問した保健師または助産師が母子の健康状態の把握と母親の育児不安の軽減、出生児の家庭の育児環境を知ることのほか、母子の心身の状態や生活面などで総合的な子育て環境の把握に努めると、こういうふうにしております。そして、支援が必要な家庭に対しましては、必要に応じて関係機関との連携や情報交換を行うとともに、さまざまな家庭の状況に応じた支援を行い、乳児のいる家庭と地域社会をつなぐなど、孤立化を防ぎ、乳児の健全な育成環境の確保を図ってまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。
○副議長(藤原信一君) 池上議員。 〔8番 池上 喜美子君登壇〕
◆8番(池上喜美子君) ただいまは相談の現状について詳しく伺いました。非常に多くの件数、またさまざまな相談があることに実際驚いております。 そこで再質問をいたします。窓口がたくさんあることはとてもうれしいことですが、まずどこに相談したらいいか悩んでいる女性が気軽に相談ができるように、きめ細かく取り組んでいただいているこのような相談窓口の一覧を記載したカード、このカードはチャイルドラインのカードのように幾つかの電話番号と相談日の日時、場所などを非常に簡潔に記したものがよいと思われます。そのようなカードを作成して市役所とか自治センター、また公共の施設の女性トイレなどに配置をして市民への周知を図っていったら、もっとより市民にサービスができるのではないか、悩んでいる女性のためになるのではないかと思います。そのカードの作成の取り組みについてどうかを伺います。 そして、最後にこども未来部長に伺います。先ほどの答弁で児童虐待の相談について、8月1日に上田市要保護児童対策地域協議会を設置し、関係機関との連携を強化して、その調整機関としては子育て・子育ち支援課が当たるということで、大変これは心強く思います。この協議会が円滑に動いて、そして親と子の支援の大きなかなめになることを期待するところです。 そこで伺いますが、新生児訪問は健康推進課などで行い、そこと連動させて10月以降は「こんにちは赤ちゃん訪問」の名称で子育て・子育ち支援課が総合的な子育て環境の支援をしていくということですが、この課とか部が分かれているということで危惧するのは、縦割り行政の弊害にならないようにしていただきたいということです。関係機関との情報交換や連携をしっかりとっていただきたいと思うのですが、そのことについての見解をお聞きいたしまして、私の質問を終わります。
○副議長(藤原信一君) 市民生活部長。 〔市民生活部長 山本 謙二君登壇〕
◎市民生活部長(山本謙二君) 議員から女性相談窓口一覧カードを作成して公共施設あるいは女性トイレ等に配置して市民への周知を図ったらどうかと、こういったご提言、ご質問をいただきました。ご提言にありましたように、悩みを持つ女性が苦しい胸のうちを話すことができる女性相談窓口の一覧を作成し、困ったときやだれかに相談したいときに一人で悩むことなく、速やかに相談先がわかるような、こんな利便を図る必要があると考えます。したがいまして、多くの女性の皆さんが見やすく、手軽に携帯できるご指摘の女性相談窓口一覧カードを作成いたしまして公共施設等に配置し、市民への周知を図ってまいりたいと考えますので、よろしくお願いいたします。 以上です。
○副議長(藤原信一君) こども未来部長。 〔こども未来部長 井上 晴樹君登壇〕
◎こども未来部長(井上晴樹君) こんにちは赤ちゃん事業を例にとりまして情報交換を密にして他課との連携をとっていくことへの考え方といいますか、見解とのご質問でありました。この「こんにちは赤ちゃん訪問」は、既に先ほど申し上げましたとおり現在の健康福祉部健康推進課等で実施している保健師、助産師の新生児訪問の機会を利用して行うものでございます。当然健康推進課や地域自治センターの担当者との情報の共有や連携の強化は欠かせないものと認識しております。また、何らかの支援が必要となるケースにつきましては、医療機関あるいは保健所を初め、保健福祉、子育て支援担当者など、ケースにかかわる関係者で情報を共有しながら訪問後の具体的な支援の実施に向けて対応していくことが大変重要でございます。それぞれの機関が果たす役割を認識した上で必要に応じて地域の資源を活用し、援助していくため、子育て・子育ち支援課を調整機関として連絡調整や情報を集約してまいりたいというふうに考えております。 子育て支援は一義的にはこのこども未来部の所管ではございますけれども、総合行政としての施策の推進が必須であると考えておりますし、今後とも他部局あるいは行政委員会との連携をさらに密にしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。
○副議長(藤原信一君) 池上議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 2時58分 休憩 ◇ 午後 3時15分 再開
○副議長(藤原信一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(6)市政について
○副議長(藤原信一君) 次に、市政について、大井戸議員の質問を許します。大井戸議員。 〔22番 大井戸 荘平君登壇〕
◆22番(大井戸荘平君) 市政について質問してまいります。 今議会には、輝く上田市の礎を築くために大変重要な平成27年度を目標年度とする「日本の真ん中 人が真ん中 生活快適都市」をキャッチフレーズとした基本構想、また平成23年度を目標とした目標値を盛り込んだ前期基本計画並びに国土利用計画法の指導計画等の議案が提出されまして、大変重要な議会かと思われます。これをもって成立しますと新生上田市の真の発足と言えるものと思いますし、すばらしい発展が図られるものと考えます。 本来ですと、私は前9月議会では都市マスタープランとか用途地域等とか土地利用計画、緑の基本計画、総合交通体系などをお聞きしたところでございますけれども、今回につきましては各種調査が解析中ということでちょっとまだ間に合わないようでございますので、時期を見て質問することといたしまして、今回は身近なことについてお聞きしてまいります。 まず、地域に密着して住民からの切なる要望でありますし市単独道水路の改善事業についてお聞きします。今年度の要望件数は全市域でどのくらいありますか、予算規模については例年と、前年とでもよろしいですけれども、比較してどんな状況か。最近市内で、私もあっちこっち歩かせていただいていますけれども、工事箇所が大変少ないということでございまして、寂しさを感じているわけでございます。当初予算の執行状況についてはどのようでございましょうか。 また、各自治センターからの要望につきまして、前年は要望額を確保したと聞いたわけでございますけれども、今年度についてはどうでしょうか。年度内に要望件数に対して、相当数あろうかと思いますけれども、どのくらい消化できるかお聞きします。 次に、7月30日に発生しました県道長野上田線の落石事故は奇跡と思われるような事故でありまして、重篤事故にならなかったものですからほっとしたところでございます。私も落ちたときの自動車を見させていただきましたけれども、本当に半分に切断したような形でございまして、本当に奇跡が起こったかと思うように感じたわけでございます。被災者の方にはあの状態でいきますと、半分のところにいなかったものですから重篤事故ということではなかったのでございますけれども、精神的には大変なショックを受けたものとお見受けしました。心からお見舞い申し上げるところでございます。 当県道は、皆さんもご存じのように落石防止の工事がなされておりますが、小規模な落石は頻繁に起きております。また、生活道路としてはもちろんでございますけれども、国道18号の迂回路としても使用されていまして、道路規模に比して交通量は大変多うございます。 今回の台風9号等によりまして交通どめになりました。当箇所の交通どめの条件でございますけれども、連続雨量が60ミリ、時間雨量で20ミリ、落石の危険あり、河川の水位上昇時というときになりますとすぐ交通どめになるわけでございまして、ちょいちょいあるわけでございますが、危険度につきましては、オーバーハングの下を通るということでございまして、県下でも一、二を争うような道路だと思います。 また、交通どめになりますと、私のそばの上田篠ノ井バイパス、築地バイパスは瞬く間に大渋滞となりまして大変な事態に至るわけでございますが、台風によりまして全面交通どめがきのう片側交通に変わりましたので緩和されつつありますけれども、動きがとれないような状況になっております。そのようなことから地域の安全、安心のためにも上田篠ノ井バイパスの早期供用を願っております。最近工事がどういうわけか行われておりません。 そこでお伺いいたしますが、本線工事の状況と今後の予定についてお聞きいたします。 また、半過トンネルは本年2月には掘削事業に入るというふうにお聞きしておったわけでございますけれども、いまだ手つかずの状態でありまして、大変皆さんからどうしてかという問い詰めがございますが、おくれている理由についてお聞かせいただきたい、こういうことでございます。 続きまして、そばにできます道の駅の整備についてお尋ねいたします。平成10年ごろだったと思いますけれども、全国で珍しいと言われます道と川の駅が一体となりましたものが登録になりました。川の駅につきましては、皆さんご案内のように国土交通省直轄でございまして、完成し、1回台風で流れましたけれども、またきれいに整備されております。 ところが、道の駅は長野県の公共事業の削減のあおりを受けまして、六、七年休止状態になってしまいました。その間に地道に市の熱心な働きかけとか動き等で最近動き出したようでございますけれども、どんな状況かお聞きします。 また、その当時でございますが、国土交通省と上田市とで道の駅の施設の分担ということでございまして、その当時は相当大きな構想でございましたけれども、現在の内容についてどういう分担がありますか、お聞かせください。また、私の記憶でいきますと篠ノ井バイパスの関連で半過公民館も組み込まれることになっていましたけれども、どうなっているでしょうか。道の駅の建設スケジュールについてもお聞かせいただきたい。 次に、きのう、きょうと市内の主要道路のことについて2人の議員の皆さんからご質問がございまして、私のほうはだんだん少なくなってきましたけれども、主要道路整備の進捗状況についてお伺いしてまいります。 まず1つは、赤坂上の交差点の渋滞緩和のために神畑原峠線の施工中でございますけれども、その状況について。倉升地籍につきましては概成断面でついて、そのまま二、三年たっていますけれども、その辺についての状況。 それから、2番目は川辺町地籍から神畑地籍、六ケ村堰沿いでございますけれども、川辺町国分線の状況についてお聞かせください。 3番目でございますが、常田新橋がかかりましたが、その架橋効果を上げるために都市計画道路中常田小牧線、イオンですか、そこの下の道路でございますけれども、この道路について最近家屋の移転が進んでいるようでございまして、重機等が入って家屋の取り壊し等が見られるわけでございますけれども、この辺のところの状況についてでございます。 それから、この道路が完成しますと、その先でございますが、141号になります。それから信濃大宮社、上田東高校の前、小林脳外科間の都市計画道路中常田新町線、これをやりませんと、18号から東側でございますが、交差点改良で広がっておりますけれども、この道路に自動車が集中してきますので、この辺のところの進捗状況はどうかということでございます。 5つ目でございますけれども、国道143号線の川辺町地籍にツルヤというスーパーがございますけれども、その交差点部分の歩道のかけかえ工事が一部残っておりまして、現在でもがたがた、がたがたと音がしまして、周辺住民の皆さんに大変ご迷惑をかけているわけでございますが、どうしても歩道橋を広げないと完成断面にならないものですから、車道の中に歩道橋の柱が立ってしまうということでございまして、それが大変難航していたわけでございますけれども、最近少しその辺のところの状況が動き出したようでございます。これらにつきましてちょっとお聞かせいただきたいと。 それから、これの事業につきましては、交通渋滞解消並びに通学路の確保、安全、安心に欠くことのできないことでございます。それからきのう、きょうのものとあわせまして早く対応していただきたいと、このように思うわけでございますけれども、これをもちまして第1問といたします。
○副議長(藤原信一君) 都市建設部長。 〔都市建設部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎都市建設部長(峰村万寿夫君) 生活道水路の整備につきまして幾つかご質問いただきました。順次お答えしてまいります。 まず最初に、地元要望の採択状況、発注状況はどうかというご質問でございます。市民生活に密着する道水路等の整備につきましては、今年度も地元自治会から数多くの要望をいただいておりまして、要望件数は上田市全体で1,400件余りあります。市も土木単独枠予算としまして当初予算で6億円を計上しております。また、今年度の要望箇所につきましては、地元自治会と協議を行った上で順次工事を実施しておりますが、8月末において4自治センターの合計で約3億円の予算執行をしておるところでございます。また、本9月議会におきまして3億3,000万円の補正予算の計上をお願いしており、当初予算の6億円と合わせまして昨年並みの予算を確保することによりまして、地元から要望いただいた件数の半数以上、半分強につきまして今年度内に実施できるよう努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 次に、上田坂城バイパスの進捗状況についてのご質問でございますが、本線工事の現状と予定についてでございます。上田坂城バイパスにつきましては、本年3月に岩鼻トンネルが開通しまして上半過地区の主要地方道長野上田線とつながるところまで暫定供用となりました。現在進めている本線工事としましては、下半過地区では半過トンネルの掘削に向けての準備工事が施工中であり、また坂城町に向かってのバイパス本線の盛り土工事がこの秋に着工の予定でございます。あわせて今後岩鼻大橋から岩鼻トンネル間のバイパスの歩道設置工事や関連します上半過地区の前沢川改修工事、また下半過地区の山沢川改修工事に着手する予定でございます。 また、半過トンネル工事の掘削作業がおくれているのはどういうことだという理由でございますが、国土交通省では半過去トンネル工事につきまして、昨年9月の請負契約締結後工事着手に向けましてさまざまな協議、準備を進めてまいっております。トンネルは下半過から上半過に向け掘削する計画でございますが、下半過のトンネル坑口付近の地質が当初に想定した条件と違って軟弱な地質のため補強工事が必要となり、当初工程よりおくれております。現在下半過のトンネル坑口周囲での補強工事と上半過のトンネル坑口付近の補強工事を実施しておりまして、トンネルの掘削につきましては当初本年2月ごろからの予定でございましたが、その後の工程の検討の結果、来年の2月ごろから掘削予定と聞いております。 次に、道の駅整備の進捗状況についてでございます。整備の現状でございますが、「上田 道と川の駅」は平成10年4月に国土交通省に登録されましたが、今年度に入りまして国土交通省による道の駅建設計画が具体化してまいりました。市では現在、この国土交通省の整備内容に合わせ、地域振興施設の建設計画を作成中でございます。 また、地域振興地域内の交流センター、いわゆる半過公民館でございますが、この建設計画についてどうかということでございますが、国土交通省が建設する施設としまして駐車場、トイレ、情報・休憩スペース及び防災備蓄倉庫が計画されておりまして、上田市で整備します地域振興施設では交流センターや物産館などを基本に考えております。このうち上田市が整備する交流センターは、上田市の観光情報の提供や地元の公民館としての利用も考慮するとともに、防災拠点の機能をあわせ持つ施設として検討しておりますが、詳細につきましては今後地元の自治会を含め、関係者の皆さんと協議を進める予定でございます。 建設スケジュールについてでございますが、建設時期につきましては、国土交通省で今年度から造成工事に着手しまして、来年度には駐車場及び情報・休憩施設とトイレ等の建物施設を建設し、完成予定は平成20年度とのことでありますので、市としましても国土交通省の進捗に合わせまして、同時期に地域振興施設のうち交流センターの整備をしてまいりたいというふうに考えております。 次に、主要道路整備の進捗状況ということで何点かご質問をいただきました。順次お答えしてきますが、まず市道神畑原峠線につきましては、議員ご指摘のとおり赤坂上交差点に集中する交通の分散化を図るために新設する道路でございまして、上小30交通圏の幹線道路にも位置づけられております。市では平成9年度から事業着手しており、計画延長は約1,800メートル、幅員は歩道つきの10メートルでありまして、昨年度までに事業費ベースで全体の約7割が完了しております。また、工事が完了した一部の区間では、地域の生活道路として利用していただくため、暫定的に供用を開始しております。本年度は御所地籍において用地買収及び工事を予定しておりまして、平成21年度の完成を目指し、今後も整備を進めてまいります。 また、関連します市道川辺町国分線でございますが、千曲川左岸の六ケ村堰沿いの幹線道路でありますが、交通の分散化を図るため、神畑原峠線とあわせて計画している路線でございます。整備区間としましては、既に改良済みの上田原地籍を起点にしまして神畑地籍までの延長約900メートルで、計画幅員は歩道つきの11メートルであります。昨年度までに用地買収を中心に事業費ベースで約7割が完了しております。本年度も用地買収を進めるとともに、本格的な工事にも着手しまして、川畑原峠線と同じ平成21年度の完了を目指しておりまして、この2路線の供用によりまして一体的な事業効果を図ってまいりたいというふうに考えております。 次に、常田新橋から国道141号、鷹匠町の通りでございますが、そこにつながる都市計画道路中常田小牧線につきましてでございますが、秋和踏入線との交差点からイオン西側の国道141号との交差点までの延長308メートル、幅員16メートルを平成14年度より事業化しまして、現在まちづくり交付金事業によりまして進めておるところでございます。昨年度用地買収が完了しまして、今年度から本格的に工事に着手したところでございます。 工事予定といたしましては、今年度は国道141号からイオンの西側入り口までの延長約110メートル間を完成させまして、残りの下段というか、南側になりますが、残りの区間につきましては、今年度は盛り土工事まで行いまして、来年度残った工事、主には舗装工事を行いまして、来年度、平成20年度末には全線供用開始という予定をしております。 また、都市計画道路中常田新町線でございますが、先ほどの中常田小牧線の先線となり、国道141号の交差点から上田東高校前を通りまして国道18号までの延長約800メートルの区間につきまして、県が事業主体で計画をしております。このうち第1期分としまして国道18号から上田東高校前を通り西友の交差点までの延長630メートルについて、幅員16メートルで今年度から県単の街路事業として事業化となりました。これに伴いまして、関係自治会に対しまして、事業主体である県とともに7月に事業の説明を行ったところでございます。事業期間は平成19年度から25年度までの7カ年を予定しており、今年度は実施設計、また用地測量等を行うこととなっております。 なお、今後この路線につきましては、事業の促進が図られますよう、国庫補助事業としての採択を県に働きかけてまいりたいというふうに考えております。 次に、国道143号の川辺町のツルヤ付近において上田建設事務所が実施しております交通安全の交差点改良工事についてでございますが、交差点前後の拡幅工事が昨年度までに完了しております。議員ご指摘のとおり、現在交差点部にございます既設の横断歩道、歩道橋を西側の同路線内にかけかえる計画でありまして、用地について現在交渉を行っておるところでございまして、権利者の皆さんのご了解が得られれば今後さらに詳細な設計を行うとのことでございます。 なお、新しい歩道橋が設置された段階で現在ある歩道橋を撤去しまして交差点部の拡幅工事を行うこととなりますので、事業完了は平成20年度以降となる見込みであります。今後、市としましても、周辺の交通渋滞解消、また歩行者の安全確保のため、早期に事業が完了するよう上田建設事務所と調整を図っていく考えでおります。 以上、ご質問いただきました主要な道路網整備の進捗状況につきまして申し上げました。よろしくお願いいたします。以上です。
○副議長(藤原信一君) 大井戸議員。 〔22番 大井戸 荘平君登壇〕
◆22番(大井戸荘平君) ご答弁いただきました。上田市の市道事業につきましては、秋和上堀線の歩道拡幅工事というようなことも施工されておりますし、国につきましては、ご案内のように国道バイパスについて力を入れていただいているということでございますが、県の事業が六、七年間ストップしていましたので、特に上小地域、嫌われたのかもしれませんが、なかなか事業ができなかったということでございますが、先ほど来お聞きしていますと少しずつ手がつき出したかなと、こう思うわけでございますけれども、先ほどお話がございましたが、県単事業とか交通安全事業というのは長年かかりまして、事業費が少ないものですから、国庫補助事業の採択ということで県に力を入れていただくように一層のご努力をお願いしたいということでございます。これは安藤議員からもお話がございましたが、私のほうからもお願いするわけでございます。 次に、地域協議会についてお聞きしてまいります。分権型自治実現の体制としまして、市内9地域に地域協議会を組織してちょうど1年がたったわけでございますが、この間の活動状況と地域住民の協議会に対する理解度等についてどのようにお感じになっておりますか、またどのように評価されておりますか、お聞きします。 次に、各協議会の問題点についてでありますが、条例によりますと協議会の委員の任期は2年3期までというふうになっておりますが、協議会によっては総合計画の地域のことにつきまして7つずつ皆さんお出しになったわけでございますけれども、1年もたたないうちに団体推薦関係の委員さんが、お聞きするところによると所属団体の任期満了のため途中交代したということでございまして、1年間もたなかった。そのような状況はどうなっておりましょうか。委員を引き受けた以上は地域課題等取りまとめや地域の発展のために尽力すべき責任があると私は思います。任期満了まで務めるべきと思うが、市の考え方についてお聞きします。 次に、平成18年度において総合計画に対する地域まちづくり方針を地域協議会としては本当に短期間熱心に取り組んでいただきまして7項目ずつの答申がなされたところでございまして、大変ご苦労いただきました。19年度に入りましてどんな協議会、どんな活動をしているのか、その状況についてお聞きします。また、今後協議会に対しまして諮問等の予定があるかもあわせてお聞きします。 次に、地域協議会間の温度差についてでありますが、私も幾つかの協議会を傍聴させていただきました。ところが、旧市内の6協議会と旧町村の協議会では、進め方や委員の皆さんの考え方等に温度差を感じてまいりました。市はこれにつきましてどんな感じがしておるのかお聞きしたいということでございます。 地域協議会の一番大切な役割というのは、地域の住民の皆さんの意見を酌み上げまして地域課題に対処することが重要であると私は認識しておりますが、地域住民や地区自治会連合会、また各種団体等の対話が少ないのではないかと思います。地区自治連の役員さんの皆さんのほうからも接触がないというようなことで、地域のことを皆さんに聞かせたいがというようなことでございまして、そういう場を大いにつくっていくべきと思いますけれども、それについての考えをお聞きしまして2問目といたします。
○副議長(藤原信一君) 政策企画局長。 〔政策企画局長 宮下 省二君登壇〕
◎政策企画局長(宮下省二君) 地域協議会について何点かご質問いただきました。 まず、地域協議会の活動状況はどうかとのご質問でございます。全国におきましても地域協議会は平成の大合併以降数多くの自治体で設置されておりますが、合併までの経過等が違うため、地域協議会の活動状況もさまざまであることから、協議会のご意見も参考に現在進めている状況でございます。 昨年10月、市内9カ所に設置いたしました地域協議会の活動状況でございますが、11月に第1次上田市総合計画の一部となります地域まちづくり方針の諮問を各協議会に行い、協議をしていただきました。 地域別のまちづくり方針は今回初めて総合計画に位置づけるものでございますが、各地域協議会とも熱心に議論がなされ、今後の地域のあるべき姿や地域の資源を活用したまちづくりについて、それぞれ7項目の内容について答申をいただいたところでございます。 また、武石地域協議会からは、「地域センターだより」の発行など、地域独自の検討課題に関する意見書が2件提出されております。 このほか合併協定書の合意事項の変更、上田市地域振興事業基金の活用などについてご審議をいただいておりますが、すべての協議会において平成18年度は6回の会議を開催しております。 また、協議会活動の参考としていただくため、「これからの住民自治と協働によるまちづくり」をテーマに、9地域協議会委員180人合同による研修会を3月に開催しております。 本年1月には、それぞれの地域協議会の正副会長によって構成されます地域協議会連絡会議が設立されました。地域協議会間の連絡、連携、調整を目的に活動しておりまして、市議会の分権型地方自治研究委員会との懇談をする中で、地域協議会の活動や地域課題について意見交換を行ったところでございます。いずれにいたしましても、地域協議会の設立から1年が経過しようとしておりますが、地域協議会の役割として成果が上がったものと受けとめているところでございます。 次に、地域協議会に対する住民の理解度はどうかとのご質問でございます。各協議会の開催につきましては、市のホームページ、行政資料コーナー、有線放送、報道機関等を通じて周知しているところでございます。また、会議結果につきましては、市のホームページの地域協議会専用ページを通じて公開しております。 地域協議会は地域の意見が集約される場でございますので、地域住民に対する地域協議会のPRは大変重要であると認識しております。今後地域協議会の活動状況を広報や公民館だよりを通じお知らせするとともに、自治会などへ地域協議会に関する情報を提供させていただき、地域住民の皆さんへの周知を図ってまいりたいと考えております。 次に、各協議会の問題点についてご質問でございます。協議会委員の任期は2年であるが、団体推薦の委員が途中交代したと聞いているが、その状況はどうかとのお尋ねでございます。委員の任期につきましては、条例に規定しております1期2年となっておりまして、再任につきましては3期6年を超えないと規定しております。選出団体によりましては単年度ごとに委員が変更となるケースが予想されるため、任期満了までの委員継続についてご配慮いただくよう組織内での調整をお願いしたところでございます。現状では1つの地域協議会を除いて委員の変更が行われておりまして、全委員の1割強の23人となっております。 次に、委員は任期満了まで務めていただく必要があるが、市の考えはということでご質問いただきました。今後それぞれの協議会におきましては、先ほど申し上げました地域まちづくり方針の実現に向けて継続的な課題の協議などが予想されております。したがいまして、委員の皆様にはできるだけ長くお務めいただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 また、委員の構成や任期などにつきましては、各地域協議会でもご協議いただき、地域の特色を生かした運営方法などについても検討してまいりたいと考えております。 次に、今年度の各地域協議会の活動状況でございますが、答申いただきました総合計画の地域まちづくり方針の実現に向けまして具体的な施策や地域として何ができるのかなどについて自主的に協議を行っていただいております。事業を進めるため、市の担当課との意見交換や分科会の設置、地域を再認識するための地域内の視察など、おのおの独自の考えによりまして自主的に展開され、自発的な提言に向けた活動をいただいておりますので、今後の活動に大いに期待しているところでもございます。 次に、今後市から諮問などは予定されているのかとのご質問でございます。諮問事項としてはお諮りする予定は現在のところございませんが、今後都市計画マスタープランの策定を進める中で地域別構想を位置づける予定でございますので、各地域協議会のご意見をお聞きして策定してまいりたいと考えております。 次に、地域協議会間の温度差についてのご質問でございます。地域協議会は4市町村の合併協議により、次の3つの視点で設置されたものでございます。 1点目は合併に対する住民不安を解消する体制づくり、2点目は住民の自治意識の高揚と住民と行政との協働、3点目が分権型自治への体制づくりでございます。この中で合併に対する住民の不安解消という点につきましては、丸子、真田、武石地域の皆さんと旧上田市の皆さんとの思い入れに一部相違があると考えられ、その相違が温度差としてあらわれているものと考えております。今後そのような温度差を解消していくためにも、地域協議会における議論を活発に行ってまいりたいと考えております。 次に、地域協議会は地域住民の意見の酌み上げが重要であり、地域住民との接点をどうつくっていくのかとのご質問でございます。議員ご指摘のとおり、地域協議会が地域住民の意見をどのように酌み取っていくのかが今後の課題の一つであると認識しております。地域の住民自治組織であります地区自治会連合会を初め、各種団体との対話の機会を徹底するなど、今まで以上に地域住民、団体との接点をふやしていかなければならないと考えております。 今後全国の地域協議会の活動状況につきましても参考にしながら、地域の多様な意見が出され、議論される仕組みづくりをより一層進め、9つの地域協議会の機能が十分に発揮されますよう検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(藤原信一君) 大井戸議員。 〔22番 大井戸 荘平君登壇〕
◆22番(大井戸荘平君) 地域協議会につきましては、新市が早期に一体となりまして合併効果が発揮できて、住んでよかったと思えるまちになるために大変必要な組織であると思います。いろいろ申し上げましたけれども、組織としてはまだ1年の経験しかございません。課題もたくさんあろうかと思いますが、委員の皆様の一層のご奮闘とご活躍ということで期待しておるわけでございますが、よろしくお願いしたいと思います。私からもお願いするわけでございます。 次に、入札制度について伺ってまいります。前段でも申し上げましたけれども、市内の工事箇所が余り見当たらないということでございまして、私の居住しているところでございましてもつち音が響いてこない。私はその関係がずっと職務上続いておりましたので寂しさを感じておるわけでございまして、確かに経済の低迷とか財政事情、いろいろなことがあろうかと思いますけれども、19年度も半ばを過ぎようとしております。このような時期にどうしてかというふうに私はいつも思っておったわけでございますけれども、思っていても仕方がないものですから少し考えてみました。 このところ毎日のように新聞等で報道されておりますが、各地で談合情報によるその対応とかということが多分影響しているだろうということでございまして、談合情報が寄せられますと、私の経験でも大変な時間ロスが生じるわけでございまして、それが影響を一部しているのではないかと、こういうふうに思いましてお聞きしているわけでございますけれども、また最近では建設業界でもしにせと言われるような会社が自己破産に追い込まれたということでございまして、行政に対しましても大変貢献されておりましたので、残念なことであります。 そこで、建設業界の主立った皆さんたちとちょっとお話し合いをさせていただきました。どんな状況かとお聞きしてみましたところ、民間も厳しいのですが、公共からの発注がおくれているということで受注ができない、大変だということでございまして、協会自体がつぶれてしまうのではないかというような大きなお話がございましたが、そこまではいかないと思いますけれども、協会自体は災害時とか除雪とか、大変いろいろな面でお世話になっているわけでございまして、頑張っていただかなければいけないわけでございますが、そこでお聞きしていきますけれども、現在の工事の入札状況についてお聞きします。また、新聞報道によりますとあっちこっちでいろいろなことが考えられているようでございますけれども、他市は他市として、新聞報道によって談合情報なり低価格入札が発生したという場合には市としてはどのような対応をおとりになっているのかお尋ねいたします。 3問目といたします。
○副議長(藤原信一君) 総務部長。 〔総務部長 小出 俊君登壇〕
◎総務部長(小出俊君) 入札状況についてお尋ねいただきました。公共工事の入札については、建設業者の経営の安定を図ることもありまして、工事担当課において早期発注に努めているところでありますが、今年度の状況では130万円以上の建設工事の入札件数は7月末で、これは例年並みでありますが、140件ほどでありました。そのうち7件が不調、12件が低入札価格調査基準額を下回る案件という結果でありました。 また、8月の入札件数は36件で、これもやはり例年並みの件数となっていますが、ただいま議員からもありましたが、上田市におきましても、一部新聞報道にもありましたように、談合情報が寄せられたことから発注を見合わせていたということもありまして、例年と比較しますと8月の発注量は減少していると思われます。 8月24日執行の入札について談合情報が寄せられたわけでありますが、この入札の際ですが、入札前に入札状況などによっては後日調査の上、入札の無効もあり得るという条件を付しまして参加業者の皆さんの了解を得た上で18件の工事の入札を執行したところであります。その後、建設工事指名業者選定委員会におきまして談合情報についての対応を協議し、応札業者全67社について聞き取り調査を行うことと決定しまして、直ちに聞き取り調査を行ってまいりました。その結果、すべての応札業者が談合を否定しまして、また適正な積算がなされていたことから談合の事実は認められず、適正な入札であったという結論に達しました。 このような事情から、談合についての有無の確認がとれるまではこれらの工事の契約を締結することができませんでした。市としてはこれまでも入札の透明性や競争性の確保等に努めてまいりましたが、今般談合情報が寄せられたことで、市民の皆さんを初め関係各位の皆様に大変ご迷惑、ご心配をおかけいたしました。今後も入札契約の一層の透明性、あるいは競争性の確保、また不正行為の防止に努めるとともに早期発注に努め、市民の皆さんの期待にこたえてまいりたいと考えております。
○副議長(藤原信一君) 大井戸議員。 〔22番 大井戸 荘平君登壇〕
◆22番(大井戸荘平君) ご答弁いただきましたような事態がまた今後続くとなりますと、市の発注する事業の執行に支障を来す危険があります。せっかくの事業計画を立てたわけでございまして、なるべく早くに事業を執行していきたいというわけでございますけれども、私自身は地元業者の育成とか、それから先ほど申し上げましたように業界としての市の災害とか除雪とか、もろもろのご協力いただいておるわけでございますから、本来は指名競争入札がというふうに思っていたわけでございますけれども、こう頻繁に続きますと、先ほど申し上げましたように執行に支障を来すという危険がございますのでやむを得ないのでございますけれども、今後市の入札制度の改善について考える時期ではないかと思いますが、市の対応についてやその方向についてお聞きしまして、私の質問を終わります。
○副議長(藤原信一君) 総務部長。 〔総務部長 小出 俊君登壇〕
◎総務部長(小出俊君) 今後どのように考えているのかという点でございますが、ただいま議員からもありましたように、談合情報等が寄せられますと大変事務的にも、また市民の皆さんにもいろんな面で迷惑がかかるということでございます。 本年3月でありますが、総務省、国土交通省両省が談合等の不正行為の排除、入札の一層の適正化を促進するためということで取りまとめました「地方公共団体における入札、契約適正化方策」の中で1年以内に取り組み方針を定めて一般競争入札導入に必要な条件整備を行い実施することという指針が示されました。 この指針に基づきまして、当市におきましても今年度内の試行を目標としまして建設工事指名業者選定委員会で検討してきたところでありますが、この9月以降から一般競争入札の試行を実施することといたしました。今回試行する一般競争入札は、原則として1,000万円以上の工事を対象として、加えて地元業者の育成、保護の観点から、地域要件等の入札参加資格要件を設け、この要件を満たすものはすべて入札に参加することができるというもので、業者の皆さんの受注意欲が反映された入札となると思っております。また、入札書の提出方法は郵送方式を取り入れまして、業者の皆さん同士の接点をなくすことで、より一層の公正な競争の確保と不正行為の排除が図られるのではないかと考えております。 以上でございます。
○副議長(藤原信一君) 大井戸議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。 午後 4時02分 休憩 ◇ 午後 4時20分 再開
○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、申し上げます。議事の都合により、本日5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。 ◇
△(7)行財政改革について
○議長(土屋陽一君) 次に、行財政改革について、尾島議員の質問を許します。尾島議員。 〔14番 尾島 勝君登壇〕
◆14番(尾島勝君) 通告に従いまして、第1次上田市行財政改革大綱について質問をいたします。 旧上田市では、平成14年11月に最後の行政改革大綱を作成し、15年から17年の年次計画を立てて約130項目の具体的な推進事項を挙げて取り組んできたわけであります。市の方向性を知る意味で、私はこの大綱を重要視してまいりました。私が今まで何度か保育園の民営化について質問をしたのも、この大綱で上田市は、保育園の民営化について多様な保育ニーズを持つ保護者への選択肢の拡大や民間事業者の効率的な保育運営による経費の削減を目的として、内部の検討会議において民営化の方法、実施園の選定方法等、基本的事項について検討し、民営化に向けての条件整備を行おうとしているからであります。 しかし、PDCAマネジメントサイクルを活用したのは初年度のみであり、結果を求められる最終年度の検証は全くしていないのであります。平成の大合併があり、上田市においては業務量のかさんだ時期でもありますが、先送りやむなしの行政改革、つまり絵にかいたもちで終わってしまったものもあるのであります。それだけに今回の平成19年3月に策定されました第1次上田市行財政改革大綱には強い関心を持っております。 今回の大綱は非常によくできていると、まず評価をいたします。「基本方針」、「取り組み方針」、「重点取り組み事項及び集中改革プラン」と3章から成り、第1章の「基本方針」では聖域や例外を設けず、先送りしない改革、前例主義の排除、スピード、目標管理制度を活用した上で市民満足度の向上を目指すとしています。第2章の「取り組み方針」では、市長をトップとした行財政改革推進本部の設置、意欲ある若手職員による役所変えよう委員会、毎年市長に意見や提言をする行政改革を推進する審議会、そして毎年進捗状況を情報公開していくというものであります。 私は、行財政改革の決め手は4つあると考えています。1つには市長の強いリーダーシップ、2つ目には職員一人一人が行財政改革に取り組もうとする自覚、3つ目にはPDCAマネジメントサイクルによる検証とその情報公開、4つ目にはスピード、こう考えているのであります。 そこで市長に質問するわけでありますが、大変評価しております第1次上田市行財政改革大綱が絵にかいたもちで終わらないためには、何といっても市長の強いリーダーシップが必要であります。市長として先送りしない改革をどう推進していかれるかをまずお聞きいたします。 次に、大綱の第3章の集中改革プランはどのような経緯の中で決定されたのかをお聞きします。 また、今までは年次計画を立てても年度の終わる2月、3月に1度会議を開いて検討していると済ませていたものもありますが、合併後は総務部に行政改革推進室が誕生したわけであり、今までと同様の推進なら、この行政改革推進室を組織化した意味もないわけであります。19年度も半年経過の中で本年度の取り組みを今後どう進めていかれるのかお聞きします。 次に、旧上田市の取り組み事項が約130項目、合併した後の今回の集中改革プランは取り組み事項が約90項目に絞られております。上田市では改革目標を選択し、集中的かつ計画的に進めるとしています。しかし、この90項目のうち1項目のみが平成19年度の計画のみで、平成20年度、21年度の計画が策定されておりません。その1項目が保育園の民営化であります。計画がないのにどうやって市が言う集中的かつ計画的に進めるというのでしょうか。 そこで質問するわけでありますが、なぜ保育園の民営化のみ平成20年度、21年度の計画を策定していないのかお聞きいたします。 あわせて旧上田市の平成11年度の大綱及び平成14年度の大綱では保育園の民営化を推進する立場でありましたし、私の一般質問にも毎回そう答えております。今回の大綱を見させていただいて、今まで計画され、計画倒れに終わった実施園の選定、住民説明会、事業者の選定、民営化の実施の計画の文字は一体どこへ行ってしまったのでしょうか。反対も予想されるのが原因なのか、庁内会議のみを繰り返している状況であります。上田市は方向転換されたのかどうかお聞きいたします。 次に、上田市民間活力導入指針もこの7月に策定されました。これも非常によくできております。目的では、行政と民間の役割分担を見直して、民間活力の導入を積極的に推進することにより、効率的、効果的でスリムな行政を実現するとし、また財政基盤の強化も同時に図るとしています。民間にできることは民間にゆだねるという基本的な考え方を推進していただきたいと思います。このような考えがあるのになぜ今回の大綱の中で給食のあり方を検討していないのか疑問でありますので、その理由についてお聞きいたします。 行政改革の中で最も手ごわいとされている保育園と学校給食のこの2つを検討しないというのでは、身内に優しい、そして痛みを伴わない改革と批判されても仕方がないでしょう。明確な答弁をお願いいたしまして、私の1問といたします。
○議長(土屋陽一君) 市長。 〔市長 母袋 創一君登壇〕
◎市長(母袋創一君) 尾島議員のご質問に答弁いたします。 第1次上田市行財政改革大綱、先送りしないようにどのように推進していくかという決意のほども含めて質問をいただきました。急激な少子高齢化の進行、人口減少時代の到来、また地方分権の進展や三位一体改革等による厳しい財政状況のもとにあって、合併前の4市町村においてもそれぞれ行財政改革には取り組んできたところでございます。旧上田市におきまして、例えば福祉事業センターの統廃合、上田市地域振興事業団の見直し、報恩寮の民間移譲、道水路管理業務や西部・神川・城下の在宅介護支援センター事業などの民間委託の推進、さらに14年度と17年度を比較して正規職員39人の削減など、改革を着実に行ってきたと思っております。 昨年は、市民の皆様のご理解とご協力によりまして、最大の行財政改革であるとも言われる合併が実現いたしました。この結果、議会議員関係で1億6,600万円、特別職関係で1億5,400万円の人件費等の削減を初めといたしまして、制度統一により総額7億2,000万円余の削減を図ることができました。しかしながら、現在の社会経済状況のもとでは、新市においてもさらなる行財政改革は避けて通れない重要な課題であると判断いたしまして、合併時に行財政改革推進室を新たに設置し、取り組みの方向性と意思を示したところでございます。 新市の持つ限られた経営資源を最大限に活用して政策や施策を実現するための新たな行政経営の仕組みづくりを行うための指針といたしまして、この第1次上田市行財政改革大綱を策定いたしました。大綱では、議員もご指揮されましたが、行財政改革のスピード、また実効性を担保するために集中改革プラン、これを定めて平成21年度までの3年間の具体的な取り組み内容、そして数値目標などを盛り込んだ工程表として公表いたしたところでございます。 行財政改革を推進するためには、先ほどもご指摘いただきましたリーダーシップという点からして、私を本部長とする行財政改革推進本部を設置するとともに、各部長をリーダーとする部局別行財政改革推進チームを設置いたしまして、2つの視点から、1つはトップダウンによる改革、2つ目には各部局が主体的、自主的に改革に取り組むボトムアップによる改革、これら双方向の視点で改革を推進してまいりたいという体制をとっております。 また、市民から成る行財政改革推進委員会におきましては、単に行財政改革の進行状況の報告を受けるだけではなく、常設の附属機関としての機能を十分発揮できるよう、毎年度行財政改革に関するテーマを定めて審議をしていただいております。今年度は民間活力導入指針と施設経営見直しについて審議していただくなど、まさに気合いの入った体制で進められていると思っております。 いずれにいたしましても並大抵の覚悟で実現はでき得ない行財政改革であります。これは市政の最重要課題の一つとしてとらえております。「健康元気都市「新生上田」の創造と挑戦」によるまちづくりの推進、また市民満足度の向上に向けて真正面から不退転の決意でこの行財政改革に取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。
○議長(土屋陽一君) 総務部長。 〔総務部長 小出 俊君登壇〕
◎総務部長(小出俊君) 集中改革プランを決定するまでの経緯ということでご質問いただきました。現在の社会経済情勢における地方公共団体の置かれている状況においては、行財政改革を迅速に、かつ着実に実行していくことが求められておりまして、大綱の中に集中改革プランとして3年間の短期間で集中的に取り組む具体的な内容、数値目標などを示した工程表を盛り込み、公表いたしました。 大綱及び集中改革プランについては、行財政改革推進委員会に諮問しまして、委員会でどのような内容にするかを活発にご議論いただき、決定した上で昨年の12月に答申をいただきました。委員会では、集中改革プランの策定に当たって保育園や学校給食への民間活力の導入についても議論されたわけでありますが、まずは民間活力導入指針を定めた上で具体的な施設や事業に民間活力を導入していくのかどうかを決定していくこととし、この指針に基づき、本年度中に具体的な施策や事業を定めることといたしました。 市では、この答申を最大限尊重した上で各部局で主体的、自主的な取り組みを加えるなどの見直し、検証、検討を行いまして、最終的には地域経営会議あるいは部長会議等で十分議論を重ねて策定し、公表したところでございます。 次に、今年度の今後の取り組みはということでございますが、今年度から大綱及び集中改革プランに基づき行財政改革に取り組んでいるところでありますが、去る7月には大きな柱としまして民間活力導入指針、人材育成計画、そして定員適正化計画を策定し、公表いたしました。この中の民間活力導入指針についても行財政改革推進委員会の答申を踏まえて策定いたしましたが、この指針では民間活力の導入の目的、基本的考え方、手順、留意点などを示した上で、民間にできることは民間にゆだねることを基本として行政と民間の役割分担を見直すとしております。 ただいま、現在はこの指針に基づき、部局ごとの行財政改革チームが主体に責任を持って行政と民間の役割分担を見直す事業仕分けを実施しており、行財政改革推進本部を中心に検討、評価を行った上でどの事業に民間活力を導入するか、また導入手法とスケジュールを具体的に示した工程表を作成し、公表する予定であります。 また、補助金の整理合理化につきましては、その第1段階として団体補助金について見直し作業を進めているところであります。本来団体への補助金は、団体の活動目的を達成するために行う事業が市の施策と合致する場合などに交付するものであります。このため、単に団体を運営するための補助金となっていないか、また補助金の目的が既に達成されているのか、社会経済情勢に合わなくなっていないかなどについて部局ごとに見直し作業を進めておりまして、今後行財政改革推進本部で検討した上で、団体が実施する事業に対する補助金への転換を行うか、また転換できない場合は縮小、廃止を行ってまいります。 集中改革プランの進捗状況については、毎年9月末と3月末に把握して行財政改革推進本部に報告し、評価、改善を行い、行財政改革推進委員会にもお諮りして意見をお聞きした上で公表し、集中改革プランが確実に推進できるように進めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。
○議長(土屋陽一君) こども未来部長。 〔こども未来部長 井上 晴樹君登壇〕
◎こども未来部長(井上晴樹君) 行財政改革大綱の集中改革プランの取り組み事項の中で、特に保育園の民営化について年次計画が明示されていないではないかと、また民営化についての方向転換をしたのかというご質問をいただきました。議員におかれましては、ご質問の中で合併前の上田市の保育園の民営化の取り組みに関し、大変厳しいご指摘をいただきました。ご指摘の内容は、担当部として厳しく受けとめさせていただきます。 まず、ご質問の年次計画が明示されていないという点でございますけれども、今総務部長がご答弁を申し上げましたとおり、集中改革プラン策定に当たりまして、委員会でも活発なご議論をいただく中で、合併後新市全体の保育園について、そのあり方を検討するべきものというふうに認識をしております。 合併後の公立保育園、幼稚園は総数で43園となりましたが、それぞれ保育園、各地域の公立保育園などにつきましては、旧市町村の歴史の中で設置されてきた経過がございまして、保育園の運営一つとりましても、それぞれに地域性があり、地域や保護者の皆様の保育園に寄せられる期待や思いもさまざまでございます。 このような状況の中、行財政改革を推進するために設置された上田市行財政改革推進委員会においても、公立保育園の民営化については19年度に保育園のあり方を検討する委員会を設置して、そこでの議論を踏まえて検討するようと答申をいただいたものと受けとめてございます。 市といたしましても、責任ある計画とするため、(仮称)上田市保育園運営計画策定委員会を早急に設置いたし、今後の就学前児童数の動向や公立保育園及び私立保育園が担うべき保育需要を見きわめつつ、保育園の統廃合や民営化を含めた適正配置など、新市における保育施策の全体計画を策定し、それに基づいた実施計画を定めてまいりたいと考えております。 今後とも第1次上田市行財政改革大綱や上田市民間活力導入指針の趣旨を踏まえ、策定委員会では十分な論議をしてまいりたいと考えておりまして、健やかな園児の成長、また安全な保育環境の確保、これを前提に効率的な保育行政の推進に努めてまいりたいと思います。この中で保育園の民営化等これまでの方向は従前と変わりませんので、今後ともよろしくお願いいたします。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 私からは、行財政改革につきまして学校給食のあり方の検討が盛られていないとのご質問をいただきましたので、お答えをさせていただきます。 学校給食は、昭和29年の学校給食法制定当初は児童生徒の栄養改善に重きを置いたものでしたが、社会情勢の変化の中で、現在では食育基本法の成立とも相まって、食に対する正しい理解や重要な食習慣を学ぶ教材としての重要性も高まってきております。 また、合併前は各地域の学校規模や特性に従い、さまざまな運営がなされてきたところですが、例えば米飯給食の頻度やアレルギー等への個別対応など、必ずしも一様でない状況の中で、学校給食の運営については合併時は現行のとおりとし、合併後、地域性も考慮しながらあり方を研究していく旨の協議もなされております。 行財政改革大綱の中では、取り組みの主眼となるテーマや方向性が基本的に示されたところですが、さらに具体的な事業につきましては、まず民間活力導入の基本指針を定め、この指針に基づき、対象となる具体的事業等を決定するものとされております。そのため、今回行財政改革大綱においては対象となるべき個別事業をすべて網羅したものと思っておりませんので、学校給食につきましては取り巻く現在の状況を踏まえながら、民間活力の導入指針に基づき検討すべき案件として考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 尾島議員。 〔14番 尾島 勝君登壇〕
◆14番(尾島勝君) ただいまそれぞれ答弁をいただいたわけでございますけれども、市長からは気合いの入った真っ正面からというようなお言葉をいただきまして、非常にこれからが楽しみだと思っております。 また、保育園についての答弁、今幼稚園や保育園、置かれている状況を見ますと、定員を大きく割り込んでいる幼稚園、保育園があるわけでございますし、そういった幼稚園、保育園が数年後には本当に存続できるか、そういう心配もあるわけであります。今後の出生率、この低いまま推移が続くとすれば、やはりあり方を早急に真剣にこの時点で考えていく必要があると私は考えます。 また、学校給食については、私は今まで何度か議会で質問をしてまいりました。上田市においては会計処理は、これは私会計でいく方針が決定されました。また、滞納についてはほとんどがないと。それから、児童生徒、教職員の1食の給食費の徴収額は材料費のみで240円から300円程度であるということでございます。そこで、今回は今まで質問した以外の学校給食に関する質問を掘り下げてしてまいりたいと思います。 まず、上田市のように学校給食を行政の職員だけで行っている自治体はどのくらいあるのか、その全国割合についてお聞きします。 次に、上田市の学校給食にかかわる平成18年度の総事業費を、私会計である材料費も含めお聞きします。 次に、学校給食に従事されている正規職員とそれ以外の職員、つまりは臨時、委託、派遣等を含む職員の数をお聞きします。 次に、総事業費に占める人件費と正規職員の平均年収についてお聞きいたします。 次に、平成18年度の決算関連書類から年間303万食程度つくっておりますが、1食当たりの費用についてお聞きいたしまして2問といたします。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 学校給食に関しまして何点かご質問いただきましたので、お答え申し上げます。 まず、学校給食について行政の直接雇用の職員、公務員ですが、給食をつくっている割合はどれくらいなのかについてであります。文部科学省が実施しております学校給食実施状況調査によると、国の全国の公立の小中学校に係る学校給食現場の外部委託の状況が、調理、運搬、物資購入、管理、食器洗浄、ボイラー管理の5つに業務区分した上で集計され、公表されております。この統計につきましては、学校給食の提供を受けている学校数を分母として調査、集計されておりますが、議員お尋ねの点の中で、このうち特に調理業務についてと思われますので、お答えをさせていただきます。 現在公表されております直近の平成17年度の資料によりますと、調理業務については全国で19.8%に当たる公立学校が外部委託方式により調理された給食の提供を受けております。したがって、残る80.2%の学校が行政直営の体制により調理され、その給食の提供を受けている結果となっております。 次に、平成18年度の学校給食の運営に係る事業費についてでありますが、人件費や、例えば土地購入費など施設整備に係る臨時的、投資的経費も含めた事業費に私会計として保護者の皆さんから徴収される給食費をもって充てられる食材の購入に係る経費も加えまして、単純に学校給食の運営全体に係る歳出決算ベースの事業費をとらえた場合、総体で17億2,500万円余になります。このうち保護者の皆さんからの給食費をもって賄われるべき食材費は、約半分弱の8億円余りとなっております。 次に、上田市の学校給食に従事しております正規職員の人数及び臨時その他の職員の数についてでありますが、学校給食の運営に従事する職員数ですが、10校の自校給食、3つのセンター給食を合わせた人員配置で申し上げます。県費で負担されております栄養士を除きまして計141人が従事しておりまして、うち正規職員は70人、嘱託職員が4人、臨時職員は62人のほか、業務委託の形で5人相当が外部より配置されております。なお、ただいまの人数を含めまして、議員お尋ねの各種の数値はすべて平成18年度ベースでお答えをいたしますので、ご了承をお願いいたします。 次に、総事業費に占める人件費と正規職員の平均年収についてでありますが、人件費が占める割合等について申し上げますが、全体事業費17億2,500万円余に対しまして、臨時、嘱託等も含めた人件費相当分は6億1,000万円余であります。その割合は35.3%となります。 次に、正規職員の平均年収ですが、1人当たりの平均年収は約626万円余となっております。 次に、平成18年度における1食当たりの費用についてでありますが、全体の事業費ベースを調理食数で単純に割った場合でございますが、1食当たり約568円となっております。ただし、さきにも申し上げましたとおり、施設設備の整備に係る臨時的、投資的経費も含んだ単純平均でございますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 尾島議員。 〔14番 尾島 勝君登壇〕
◆14番(尾島勝君) 今の学校給食を行政だけでやっている割合はどのくらいかという質問に対しまして、調理師を入れた民間活力導入のやつが19.8%と。これは民間活力が入った割合、どんな形でもいいから入っている割合をもう一度再質問として出させていただきます。だから民間の活力が導入されている割合について、どんな形でも、配ぜんでもいいし、運ぶほう、配送でもいいですし調理でもいいですし、何でも入っている数字を出していただきたいと思います。 では質問を続けます。夏休みや冬休み、長期期間、子供たちが長期休みとなりますと、従事している職員の方、この期間はどうなっているのか、まずお聞きします。また、有給休暇、これもどのようなとり方をしているか。例えば本庁の職員と比較した場合どうなっているか、これを3問目の質問といたします。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) ただいまの中で外部委託という他の業務についてのご質問でございます。先ほどは調理業務ということで全国で19.8%が外部委託方式で調理された給食の提供でございますが、あと運搬業務によりますと37.2%、物資購入、管理、この部分では10.2%、食器洗浄という部分でございますが、これが20%、ボイラー管理という部分では16.6%でございます。 続きまして、学校の長期休業に伴い調理等を要しない時期の職員の業務についてでありますが、日常的な業務の中には組み込めない揚げ物機等の大型機器の分解洗浄やすべての食器類の漂白洗浄など、一定期間の使用に応じ必要となる清掃、また調整業務を徹底的に重点的に行っております。これは次に備える重要な準備期間ともなっております。このほか、この期間をとらえて食品衛生等の業務に関連した研修会なども行われております。 次に、本庁職員と学校給食に従事する職員の有給休暇の取得状況についてでございますが、本庁機能ということで本庁南庁舎にちょっと限っておりますが、本庁機能を有する職場の平均はということで、約6日でございまして、これに対しまして給食センター、自校給食を含めた調理場従事職員の平均は13日前後でございます。日常の給食業務につきましては、相互の連携作業でもございますので、事務系の職場に比べまして時間単位での有給休暇がとりづらい業務形態もありまして、ほかより多目になる傾向はあるかと思います。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 尾島議員。 〔14番 尾島 勝君登壇〕
◆14番(尾島勝君) 質問を続けます。上田市役所に勤務されている職員の皆様の昼食を拝見しますと、家庭からつくっていただいた手づくりの弁当を食べる方、地下の食堂を利用される方、役所内の食堂を利用される方、それから弁当屋さんが配達されている、多分300円から350円程度の弁当を食べる方に大別されると思います。 先日あるお弁当屋さんの社長さんと面談がかない、聞いたところによりますと、集団給食に占める材料費の割合は40%ほど。ちなみに、外食産業の材料費は30から35%ほど。しかし、お米なんかはやはり消費者が大変厳しい目で見ますので、地元のお米を利用しておると。それから、衛生面については最重要課題として本当に気を使って作業に取り組んでいるということでありました。 また、1年ほど前、食品を扱う問屋さんが学校給食に材料を卸したいがどうすればいいのかという問い合わせがありまして、直接センターのほうへ行ってもらった経緯があるのですが、そこで質問するわけでございます。材料購入に当たり、どのような契約方法をとっているのかお聞きいたします。また、新規参入したい納入業者への情報公開はどのようにされているのかをお聞きしまして、4問目といたします。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 学校給食に要する食材購入に際してどのような契約方法がとられているかとのご質問をいただきました。 まず、食材の購入に係る契約方法についてですが、私会計の運営でございますので、各契約そのものは各給食センター及び自校給食校のそれぞれの単位で事務が発生して処理をされております。発注規模の大小や地域要件等により必ずしも一様ではございませんが、まず基本的には食材の種類に応じ1年ないし2年間の期限で取引の相手方となる業者を指定し、その資格を定める事務がございます。地産地消の観点も無論考慮されております。 学校給食はその後、おおむね1カ月単位で献立が計画されますので、この期間に必要な食材をまとめまして納入期日とそれぞれの数量等を示した中で指定業者からの見積もりを徴しまして、その都度業者を決定し、契約に至るのが基本的な流れでございます。 この中で、例えば主食に当たるご飯のお米でございますが、こういったものについては安定供給を目的に、長野県学校給食会での入札等を通じた県レベルの供給体制によるものもありまして、入札事務に直接市が関与しないケースもございます。 また、自校給食校の場合は発注数が比較的小口であることや、場合によっては地理的な要件も重なりまして、その都度鮮度が求められるような食材につきましては、複数業者の指定が困難な実情も一部にはございます。 次に、学校給食食材の提供を希望する業者に対して、その情報が公開されているのかについてでございますが、給食センターの例でございますが、事業年度に先立ちまして、2月ごろ業者指定のための申請期間を設けておりますが、その後の問い合わせ等についてはその都度説明をさせている現状でございます。今後につきましては、より間口の広い情報の提供に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 尾島議員。 〔14番 尾島 勝君登壇〕
◆14番(尾島勝君) ただいま材料の購入、これに関しまして契約方法については1年から2年の間の指名をして業者を決めているということでございますけれども、確認でございます。これは先ほどの一般質問にもございました。工事の関係がこれから大変厳しくなってきて、入札制度の関係が先ほど質問としても上がったわけでございますが、長年同じ業者でやっているようなことはないかどうか、1点だけ確認しておきます。 質問を続けます。8月21日、新政会では岐阜県各務原市で行財政改革について視察をしてまいりました。各務原市では、行財政改革の決め手は市長のリーダーシップとスピードとしておりました。保育園については、平成18年度から19年度を第1期とし、民営化導入期、平成20年度から21年度を第2期として保育所再編成期と位置づけ、公立保育園の民営化は18年度1園、19年度1園、20年度2園、21年度2園と着実に行革を推進しておりました。計画されたのは平成14年というわけでありますから、旧上田市の最後の大綱の時期であります。余りにも上田市との進捗状況に格差が生じているのであります。このほかにも17年度末には公立保育園の3園も廃止しているのであります。行革が進み、幼稚園や保育園で正規職員が減少し、臨時職員が増加する中にあっても、各務原市ではこの3園による削減効果を1億2,704万円と公開しているのであります。 学校給食においても、まず自校式から調理業務民間委託を実施し、その後、ただいま建設中の給食センター完成時からセンターの民間委託を実施することが決定されております。上田市でも丸子地域に給食センターが建設されるようでありますが、今までの検証もなく、ただ老朽化施設を新築するだけでは、そこには進歩もなければ時代の先取りどころか、時代についてもいっていないわけであります。各務原市における学校給食センター業務の民間委託について少し触れさせていただいてから質問に入ります。 食材は市の職員により厳しくチェックした材料を使用し、手づくりによる給食を行うので、給食の質が落ちることはない。また、委託するのは調理業務、配送業務、配ぜん業務とそれに伴う業務、つまり配缶や食器の洗浄、消毒、保管、施設の清掃だけであります。そして、市は今までどおり栄養士を配置し、献立を作成しますし、センター職員が確かな業者から今までどおり材料を購入します。 また、お弁当屋さんの社長さんの話では、行政から民間委託した場合、その試算内容についても聞いております。例えば学校給食センターの主要な箇所、つまり栄養士、そして調理師については主立った人、それから事務方を今までどおり市の職員を配置しまして、そのほかの業務について民間委託した場合、事業費の何と約35%が削減されるとのことであります。 また、本会議に提出されております平成18年度の決算に対する監査委員からの審査意見書のまとめとして、上田市の行政サービスを従来どおりのまま各種事業を継続するためには、支出に見合う収入の確保か、収入に見合う支出の削減を真剣に検討する時期を迎えているとし、それには従来にない抜本的な改革を進め、各種制度や事業を根本的に見直し、問題点を先送りしないことであるとしています。今すぐできるということは後者の収入に見合う支出の削減ではないでしょうか。第1次総合計画、そしてこの中でも3ページにわたって行政改革の必要性をうたっておりますし、今回の市長提案説明においても、やはり大綱にのっとって効率的な行政経営が必要だと市長も述べております。 そこで最後の質問になりますが、学校給食の業務に関し民間活力を導入する考えがあるかどうかをお聞きしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) 食材の納入業者について、長くやっている業者がいるかどうかということでございますが、この業者の指定につきましては、毎年度その資格をしっかり定めて指定してございますが、やはり食材等も限られるような中で新規参入が余りない、同じ業者が継続してやっているような現状であります。この資格につきましては、今後も適正に審査を行ってまいりたいと考えております。また、先ほどの情報公開ということの中で、どういう方法がいいか検討もしてまいりたいと考えております。 次に、学校給食の業務に関しまして民間活力を導入して取り組む考えはあるのかのご質問をいただきました。この学校給食業務への民間活力導入につきましては、既に全国的な先ほどの先例も多々ございますし、また議員からも事例の紹介がございました。 いずれにしましても、行財政改革大綱に従いまして示された民間活力導入指針を踏まえながら、基本的には民間との一定の役割分担を検討すべき業務ととらえておりますので、学校給食における行政の役割また責任を十分踏まえながら、より効率的な運営の視点からこの民間活力導入指針に基づきまして検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 尾島議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩とします。 午後 5時08分 休憩 ◇ 午後 5時25分 再開
○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◇
△(8)市政について
○議長(土屋陽一君) 次に、市政について、堀議員の質問を許します。堀議員。 〔20番 堀 善三郎君登壇〕
◆20番(堀善三郎君) 本日最後の8人目ということで質問させていただきます。 初めに、電子自治体の推進について伺います。本年3月に総務省が作成した新電子自治体推進指針では、2010年度までに利便、効率、活力を実感できる電子自治体を実現することを目標に電子自治体の推進に取り組むとされております。オンライン手続と自治体ホームページに関する住民の利用状況、利用満足度、ニーズなどについて、総務省は本年2月に詳細な住民アンケート調査を行いました。さらに、先進自治体や関係機関などへのヒアリング調査も行い、オンライン手続の利用促進とホームページの改善を図るための報告書をまとめ、5月に公表いたしました。その報告書を見ても、自治体によるサービスの向上や利便性の向上が求められております。公共施設の予約や各種イベントの申し込みなど、住民に身近な行政サービスのオンライン化のニーズは今後ますます高まってきます。ある報道機関による電子自治体の進捗度調査では、全国第1位が市川市、ここは3年連続第1位であります。長野県では茅野市が昨年は65位、本年19位に入っております。 そこで伺います。地方公共団体における情報システムの効率的、効果的な構築や見直し、ITコストの削減をどのように図っていくかは重要な課題であります。本市の取り組みについてお伺いいたします。 次に、議案第103号で、県市町村共同電子申請届け出システム稼働に伴い、市の申請届け出その他の手続等の電子申請が可能となる上田市行政手続等における情報通信の技術に関する条例が提案されております。具体的にはどのような申請届け出その他手続ができるのか伺います。 行政のオンライン化では、図書貸し出し予約、文化、スポーツ施設の利用予約、研修、講演、各種イベントの申し込み、各種申請、届け出等が考えられますが、今後どのようにオンライン化を進めていくのか伺います。 次に、ホームページ改善についてでありますが、1、市民の使いやすさ、2、子育て支援、防災、防犯に対する取り組みなど、住民が知りたいコンテンツの充実、3、携帯電話のサイトを充実する、4、バナー広告の掲載についての取り組みを伺います。 次に、田園空間整備事業について伺います。田園空間整備事業上田青木地区は、当初平成19年度にすべての事業が完成予定ということでありましたが、事業の進捗状況はどうか伺います。田園空間整備構想、古城の里地区は、平成12年から13年にかけて中止となりました。計画された中には水路整備や農道整備、農業景観、農業遺産、住環境整備などがあり、貴重な文化遺産もその中ではありました。住民の生活の上で改修や整備が必要な箇所が多くあったわけであります。計画中止後約7年が経過しておりますが、放置されている部分があります。今後どのように進めていくのか伺います。 二区堰の改修について伺います。田園空間整備構想では、集落水辺環境整備ということで親水水路の計画でありました。現在は放置されたままであります。地元より蛍水路として整備ができないかとの要望があります。農山漁村活性化プロジェクト支援交付金その他の交付金を使い、水路整備ができないか伺います。 次に、安心、安全の住環境整備について伺います。通学路の整備についてまずお聞きします。通学路の安全を確保するために、歩道、横断歩道の整備などの要望が寄せられております。通学路の整備にどのように対応しているのかお聞きします。 まず、国道144号の伊勢山・長島間の歩行者擁護のために車道側に安全さくの設置についてであります。この路線は歩道が狭く、通行車両が非常に多い区間であります。神科新屋から下郷橋間、いわゆる乙女坂を含めてでありますが、ここは五中開校以来の懸案であります。 次に、一中通学路の久保林橋・黒坪間、また県道でありますが、林之郷・笹井間の境橋、これらの歩道設置について伺っておきます。 市道黒坪長島線の歩道設置や横断歩道の設置について、これらは長い間要望が出されておりますが、どのように進められているのか伺います。 次に、老朽化した橋梁のかけかえ等についてお聞きします。先日何カ所かの市道にかかる橋を見てまいりました。下郷橋については昭和34年4月の竣工で48年を経過しております。コンクリートは亀裂が入り、補強した鉄骨製のさくもさびが出て、下部はぼろぼろでありました。老朽化が目立ちます。このような実態がある中で老朽化した橋の点検、かけかえ、修繕に対する取り組みについて、どのように計画され、進めているのか伺います。 次に、道路の安全点検について伺います。8月30日午前11時ごろ、市内小泉の県道で直径約1メートルの落石が走行中の乗用車に衝突し、運転していた千曲市内に住む女性と後部座席に乗っていた息子さんが頭や胸に軽いけがを負ったという県道の落石事故が発生いたしました。事故に遭われた方に心からお見舞いを申し上げます。 当時上田地域には29日夕刻から30日午前中にかけて2回の大雨洪水注意報が出され、雨が相当強く降っておりました。地盤が緩んでいた可能性もあるとの報道であります。 そこで伺います。市道の平時のパトロール体制や大雨や大風、大雪、雪解け時など、地盤の緩む時期のパトロール体制はどのように行われているのか。合併して広範囲になった市道の点検や補修、安全対策はどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、移動制約者対策について伺います。市内にはオレンジバス、地域循環バス、タクシー、デマンド交通、路線バス、廃止路線代替バス、上田電鉄別所線など、一部補助金交付している公共交通があります。一方、豊殿地域巡回バスは補助金を交付しておりません。補助金交付の基準は何か伺います。地域住民からは他地域で手厚い一方、市民の自発で始まったこのような取り組みに対して市から補助金が出ないのは公平性に欠けるのではないか、このようなご意見をいただいております。この点について市の見解をお聞かせください。 近年自動車運転免許を自発的に返納する高齢者が増加しております。また、買い物や通院などで交通の便が悪く、その解消を願う多くの市民がおられます。今議会でも何名かの方がこれらについて質問されておりますが、いわゆる移動制約者対策はどうなっているのか。公共交通活性化プラン検討委員会が開催されておりますが、どのような計画を考えているのか伺い、第1問といたします。
○議長(土屋陽一君) 総務部長。 〔総務部長 小出 俊君登壇〕
◎総務部長(小出俊君) 市におきます電子自治体の取り組みについてご質問いただきました。お答えさせていただきます。 上田市では、行財政改革大綱にも掲げております情報通信技術を活用した市民満足度の向上と事務事業の効率化、省力化、迅速化を図るため、システム構築においては標準的なシステムの仕様に沿って業務プロセスの見直し等を行いまして、簡素で効率的な運用となるよう取り組んでおります。 また、電子申請届け出システムにおいては、長野県及び県内市町村で組織いたします長野県電子自治体協議会において共同で構築、運用を図っております。また、経費削減も図っております。 次に、10月からオンライン化を予定している手続でありますが、ただいま申し上げました長野県電子自治体協議会基本計画に基づいて上田市でも導入してまいりたいと考えております。この計画では、第1段階としまして厳正な本人確認が不要な手続、いわゆる簡易な手続から導入してまいりたいということであります。具体的には、今回導入したいというものは介護保険負担限度額確認申請、それから軽自動車納税証明書予約申請、家屋取り壊し・一部取り壊しの届け出、犬の死亡届、また登録変更届、地域映像上映会申し込み及びインターネット安全教室申し込みの7手続であります。 なお、今後は利用が多く見込める手続を中心に順次拡充を図りながら市民サービスの向上と事務事業の効率化に努めてまいります。また、今議会に導入するに当たりまして条例の制定をご提案させていただきました。よろしくお願いいたします。 文化スポーツ施設の利用予約についてでありますが、長野県電子自治体協議会の中で共同利用について協議をし、導入を進めていきたいと考えております。 また、研修や講演などの申し込みにつきましても、順次オンライン化を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 次に、ホームページの改善に対する取り組みについてでありますが、市民の皆様の使いやすさについては、ホームページ利用のメリットや内容を「広報うえだ」などの媒体でPRするとともに、イベント情報などの迅速な発信と高齢者や障害者の皆さんなどにも配慮した機能が必要であると考えております。具体的には、目的のページに速やかにたどり着けるアクセスのしやすさなどが特に必要であると考えております。 現在のホームページは、子育てに関する催しや健診予定などの情報を提供する子どもカレンダーを毎月掲載しているほか、休日救急医などの情報も掲載しており、防犯、防災については火災情報の発信、また位置を示した不審者情報の発信を迅速に行っているところであります。また、毎月のアクセス数が2万件を超える信州上田観光情報、あるいは体育施設ガイドなどの情報も掲載し、市民生活に役立つ情報の発信に努めているところであります。 今後は、現在行っております利用者によるホームページ評価システムをもとに市民の声を反映しながら、また各部局から選出した職員で構成する広報委員会議で検討し、情報内容の整理や必要な情報の検索機能強化などを考慮したリニューアルを進めるとともに、さらなる充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、携帯電話サイトの充実化、またバナー広告の掲載に対する取り組みについてご質問をいただきました。携帯電話サイトは平成18年3月に導入したところでありますが、現在は28種類の情報が携帯電話に対応しております。導入当初は2,300件程度のアクセス数でありましたが、この8月には6,000件を超えており、火災情報あるいは不審者情報のアクセス数が上位を占めております。全国的な傾向を見ましても、特に20歳代の携帯電話によるホームページ閲覧が急増しておりますので、今後も携帯対応情報の充実と対応情報の拡充をさらに図ってまいりたいと考えております。 バナー広告の掲載ですが、これは自主財源確保あるいはさらに地元企業のPRの観点から有効な手段であると認識しております。現在仕様等の検討を行っておりますが、年度内の導入に向けてただいま準備を進めておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 教育次長。 〔教育次長 小菅 清君登壇〕
◎教育次長(小菅清君) ただいまのご質問の各種申請手続のオンライン化の取り組みのうち、インターネットによります図書の貸し出し予約についてお答えをさせていただきます。 図書の貸し出し予約につきましては、今回の電子申請、電子システムとは別に、東御市ほか2町1村とともに上田地域広域連合が運営します上田地域図書館情報ネットワークシステム、エコールでございますが、こちらに参加しておりまして、住民の皆さんは上田地域内の図書館の本を自由に利用することができ、自分が利用する図書館にない本は予約することによりましてエコール内の他の館から取り寄せることもできます。予約方法につきましては、図書館の窓口で予約申込書を提出し、本が用意できたところで受け取りに来館していただいているところでございます。 このほか、県内ではインターネットによる予約サービスを実施しております市もありまして、この予約状況を見ますと、予約件数及び予約件数に占めるネット予約の比率が増加する傾向にあると聞いております。このことから、インターネット予約サービスを実施することによりまして利用者の利便性が向上することも考えられますが、現行エコールシステムの改修経費、また個人情報の保護など、適正な予約サービスの実施、また構成市町村との協議等、幾つか課題がありますので、今後研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 農林部長。 〔農林部長 大沢 和正君登壇〕
◎農林部長(大沢和正君) 県営の田園空間整備事業についてのご質問でございます。 まず初めに、県営田園空間整備事業上田青木地区の進捗状況のご質問でございました。田園空間整備事業の目的でございますが、農村地域全体を博物館ととらえまして、農業農村の持つ豊かな自然と美しい景観、伝統的な農業施設、伝統文化等を保全、復元し、地域の活性化を図るとともに、都市住民などに安らぎの空間を提供しまして都市との交流を図ろうとする事業でございます。 現在実施しております県営田園空間整備事業上田青木地区については、上田地域の塩田地区、川西地区と青木村を事業区域といたしまして、平成11年度に事業採択を受けまして進めておるところでございます。 進捗状況でございますが、事業費ベースでは平成18年度末、52%となっております。その内容につきましては、集落道整備は2路線のうち1路線がおおむね完成いたしておりまして、1路線を現在施工中、ため池整備は7カ所中3カ所が完成し、1カ所は一部完成しております。ほかの3カ所は地元と検討中でございまして、風穴などの景観保全整備は1カ所発注済みで1カ所は検討中でございます。遊歩道整備では、4路線のうち3路線が施工中で1路線は検討中でございます。 総合案内所として検討されてきましたコア施設は、設計を終えまして、現在関係者の皆さんとその利活用計画を策定しているところでございますが、建設につきましては平成20年度を予定しておるところでございます。全体事業の完了見込みにつきましては、上小地方事務所と連携、調整中でございますが、平成20年度を予定しておるところでございます。 次に、古城の里地区は計画中止後7年経過するが、計画された箇所の未整備箇所は今後どのように整備していくかのご質問でございました。古城の里地区の事業計画は、上田地域の神科地区、豊殿地区と真田地域を事業範囲といたしまして、土地改良事業に限らず各担当課から要望があったものの中から事業の趣旨に合ったものを取り集めまして構想を検討してまいりましたが、平成13年度には上田青木地区を県知事が視察し、より多くの住民の意見を聞き、事業を見直すよう指摘がございまして、田園空間整備事業全体の見直しがされたところでございます。その結果、古城の里地区につきましては事業化が困難となり、断念したところでございます。 各担当課から要望があった各事業の実施状況につきましては、農業用排水路施設4路線中2路線が完了、農道は5路線中1路線が完了、集落道は2路線中2路線で実施中で、圃場整備2地区につきましては未実施となっております。また、公園、水辺環境、遊歩道につきましては、14カ所中3カ所が完了となっておりまして、それぞれ担当課においてできる範囲で実施してきたところでございます。 各事業を田園空間整備構想の中に計画してきましたが、今後は地域の皆様と協議させていただきながら、その事業の目的や必要性、緊急性などを検証し、検討してまいりたいと考えております。 次に、二区堰の改修について、蛍水路など農山漁村活性化プロジェクト支援交付金等で整備できないかのご質問でございました。農山漁村活性化プロジェクト支援交付金は平成19年度に新規に創設されました事業で、人口の減少、高齢化の進展等により農山漁村の活力が低下しているため、農山漁村の活性化を図ることを目的としております。 この交付金事業を実施するには地域の皆様と協働で事業区域、達成目標、事業内容、事業期間等を定めた活性化計画を作成する必要がございます。しかし、二区堰周辺は既に住宅が建ち並びまして農村としての機能が失われ、農村の活性化計画は困難であると考えております。二区堰の改修につきましては、有用な補助事業を検討しながら、水路の整備形態などを水利組合や自治会等の関係団体の皆様と今後協議を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 都市建設部長。 〔都市建設部長 峰村 万寿夫君登壇〕
◎都市建設部長(峰村万寿夫君) 安心、安全の住環境整備についてのご質問をいただきました。 まず、歩道や横断歩道など通学路整備に対する要望に対してどのように対応しているかというお尋ねでございます。歩道や横断歩道の整備を行うことは、安心、安全な地域づくりを進める上で大変重要であると認識しております。とりわけ通学路整備に対する地域の皆様のご要望は大変強く、多くの箇所、路線の整備要望をいただいております。市といたしましても、現状を調査する中で緊急性、また危険性を考慮しまして対応しているところでございます。 ご質問いただきました国道144号の伊勢山から長島間につきましては、歩道の整備が十分でなく、また交通量も増加している中、小中学生、高校生等の歩行者や自転車利用者を巻き込む事故が何件か発生しまして、道路整備が強く望まれている区間でもあります。このことから、さきの清水議員のご質問でもお答えしたとおり、県では本年度から国道144号上野バイパス2期工区の整備計画を進めているところでございます。 ご質問の国道144号への安全さくの設置につきましては、上野バイパスが開通するまでには時間を要することなどから、まず現道を安全に通行することが重要と考えますので、車道と歩道の境に安全さくの設置等を含めまして具体的な対策を実施するよう県に要望してまいりたいというふうに考えております。 次に、歩道の設置につきまして幾つかご質問をいただきました。まず、下郷橋についてでございますが、これにつきましては、前後の市道を含め歩道がないことから、全面的な歩道整備計画を作成する必要がありますので、今後橋も含めまして研究してまいりたいというふうに考えております。 また、久保林橋と黒坪間の歩道設置につきましては、橋と黒坪側の一部には歩道が設置されておりますが、その先の西側、上沖側でございますが、この部分につきましては、急な地形から歩道を設置することは当面困難と考えておりますので、ご理解をお願いするところでございます。 次に、主要地方道小諸上田線の境橋につきましては、現在県では改修計画はないとのことでございますが、歩行者への安全対策については十分配慮されるよう要望してまいりたいというふうに考えております。 また、市道黒坪・長島間の歩道及び横断歩道の設置についてでございますが、主要地方道小諸上田線の岩門交差点から市道のサンライン古里交差点間につきましては、平成15年に歩道設置が終了しまして、今年度からはサンライン古里交差点から北側の国道144号、住吉北交差点までの歩道設置工事を進めておりまして、平成25年の完成を目指しております。 また、この路線の横断歩道についてでございますが、歩道設置工事の進捗を見ながら公安委員会と協議をして決めてまいりたいというふうに考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。 次に、市内の老朽化した橋の点検やかけかえ、修繕に対する取り組みはどうかというご質問でございます。市で管理する橋につきましては、市道、農道、林道を合わせまして1,190橋ございます。現在これら橋の点検については、通常の道路パトロールにおいて目視による点検を中心に行っており、腐食など特に危険性のある箇所につきましては適時補修等を行っております。 近年寿命時期を迎える橋の老朽化が課題となっておりますが、市としましては、本年度より腐食や亀裂の状況等の詳細な点検調査を実施することとしておりまして、橋梁台帳をもとに橋の建設当時からの履歴とあわせ、データベース化を図ることにしております。今後は、調査したデータをもとにどのような対策を行うのが最適であるかを評価しまして、改築や修繕計画を進めてまいりたいというふうに考えております。 次に、小泉の県道における落石事故を受けて、市道の平常時のパトロール体制や大雨や台風または大雪等、異常気象時のパトロール体制はどのように行われているのか、また合併して広範囲になった市道の点検や補修、安全対策はいかに取り組んでいるのかというご質問でございます。平常時のパトロール体制は、上田地域においては都市建設部全体で地域全体を6つの地区に分けまして、毎日1地区ずつ交代でパトロールを行うほか、月に数回は市内の主要幹線道路を中心としたパトロールを行っております。パトロールは、主に道路の穴の有無、側溝のふたのふぐあいや道路落下物の発見等を目的に実施しておりまして、異常箇所を発見した場合、軽微なものについてはその場で補修を行うなど、早期の対応に努めているところでございます。 また、広報やホームページを通じまして広く市民の皆様からの通報を呼びかけるほか、各自治会に対しましても異常箇所の情報提供を依頼しまして、危険箇所の早期発見に努めております。 台風や大雨、大雪等、異常気象時に際しましては、山間部、河川付近の市道に重点を置いた緊急パトロールを実施しまして、道路の損傷、落石、倒木の有無、あるいは道路の圧雪、凍結状態等の把握に努めて、必要に応じて融雪剤の散布等の対応を行っております。 先日の県道長野上田線における落石事故を受けまして、翌日、上田市全域において緊急パトロールを実施したところでございます。 このほかにも土砂災害危険箇所の点検パトロールや街路灯の不点灯箇所の把握等を目的とした夜間パトロールを実施するほか、夏祭り前には自転車または徒歩によりまして歩道等の点検パトロールを実施するなど、良好な道路環境の維持に努めているところでございます。 合併により広範囲になった市道の点検、補修等の安全対策への取り組みでありますが、各地域自治センター内の市道につきましては、各センターにおいて定期的な道路パトロールを行い、異常箇所が発見された場合は各センターで迅速に対処する体制をとっております。 なお、昨年度における平常時の道路パトロールの実績は、パトロール距離におきまして1万3,837キロメートル、またパトロール時において補修した箇所数は1,342カ所、1袋30キログラムの道路補修剤を792袋使用した実績がございます。 道路の安全対策は市民生活にとって重要かつ必要不可欠でありまして、道路利用者が安全、安心に通行できるよう、今後も市民の皆さんのご協力をいただきながら適切な維持管理に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 次に、移動制約者対策についてのご質問をいただきました。各種バス等の公共交通に対する市の補助金交付の基準は何かというご質問でございます。市としての公共交通に対する補助金交付の考え方としまして、バスの運行に係る補助につきましては、1つとして、既存バス路線及び県の廃止路線代替バス運行費補助に該当していた路線に対しまして、その運行を継続するための運行経費の補てんとしての補助が1つ。また、2つ目としまして、新規に補助を行う場合には、武石地域のデマンド交通のようにスクラップ・アンド・ビルドを行いまして、既存路線の一部を廃止、縮小したかわりに新たな運行を開始した路線に対しまして支援を行っているところでございます。 鉄道への補助としましては、上田電鉄別所線に対しては安全で継続的な運行を実現させるために安全対策のための設備投資を中心とした支援を、しなの鉄道に対しては駅施設のバリアフリー化を主とした補助を、それぞれ国及び県と協調を図りながら行っているところでございます。 豊殿地域では、地域が運行主体となりまして、移動制約者の移動手段を確保し、地域全体で支えることを目的として、豊殿地区循環バスの本運行が地域内の交通として本年の1月に開始されたわけでございます。この地域内自主運行バスにつきましては、同地域内において豊殿線及び袮津線の2つの補助バス路線が運行されているわけでございまして、このような状況の中、現在の市の基準においては補助対象には現在のところ該当しておりませんことをご理解いただきたいと思います。 また、豊殿地区循環バスのような地域内交通に対する市の支援についての考え方でございますが、豊殿地区循環バスについては、地域の皆様がバス運営委員会を組織しまして、地域が主体となって運行している地域内循環バスとして注目されており、今後の地域内交通のあり方の1つのモデルとなる取り組みであると認識しています。このため、新市全体の公平性が担保される中で、このような地域内自主運行バスも公共交通の一部として一定の位置づけができないかを現在検討しております。また、検討を進めております公共交通活性化プランにおいても、新たな運行システムの導入検討として、この取り組みを他地区、他の地域へ拡大していく可能性につきましても検討を行っておるところでございます。 次に、公共交通活性化プランの検討の中で移動制約者対策はどのように考えているのかというお尋ねでございますが、公共交通利用者の多くは運転免許を持たない児童生徒や高齢者等の移動制約者でありまして、特に今後高齢化が進展する中で高齢者に配慮した公共交通整備は必要不可欠な状況でございます。このため、公共交通活性化プランの策定の中におきまして、乗りおりがしやすいよう地面と床面の段差を少なくした低床バス等バリアフリー車両の導入、あるいは高齢者にも使いやすいように配慮した走行経路や運行ダイヤの改善、またわかりやすいバス路線図あるいは案内板の設置、また交通施設のバリアフリー化等にも視点を置いた検討を進めておりますので、よろしくご理解いただきたいと思います。 以上でございます。
○議長(土屋陽一君) 堀議員。 〔20番 堀 善三郎君登壇〕
◆20番(堀善三郎君) それぞれお答えをいただきました。行政サービスのオンライン化は犬の死亡届ほか6件ということであります。電子自治体の進捗度調査で全国本年度19位の茅野市のホームページを見ますと、実にさまざまな行政サービスがオンライン化されております。上田市18年度主要施策の成果等報告書を見ますと、電子申請書交付数96人ということであります。また、個人認証システムの推進を図るとともに、行政サービスのオンライン化の中で出前講座の受け付けなど、進められる部分はあると思われます。犬の死亡届ほか6件以外に本年度電子申請を検討しているものはどれだけあるのか伺います。 また、ホームページの改善では、文字を大きく、高齢者にも使いやすい配慮ができないか、このことも伺っておきます。 二区堰については、周辺が住宅地に変わって農村地域の範囲という形ではないと、そんなお話も今されておりますが、農業後継者も少なくなる一方で、住宅地より雨水の流入もあり、降雨時の水量はふえるばかりであります。工事に際しての負担金を考えたときに地権者に重い負担になるわけでありまして、地権者に負担のない水路改修を要望しておきます。 次に、通学路の整備について、各学校では通学時の危険箇所を明示したマップを作成しております。その中で整備要望が数多くあると思いますが、社会資本の整備には莫大な資金が必要でもあります。計画的に通学路の整備を要望して、私の質問を終わります。
○議長(土屋陽一君) 総務部長。 〔総務部長 小出 俊君登壇〕
◎総務部長(小出俊君) 再度ご質問いただきましたので、お答えさせていただきます。 まず、本年度の電子申請を検討しているのはどのようなものかというご質問をいただきました。現時点で具体的にどのような事務、あるいはどのくらいのということは確定しておりませんので申し上げられないわけですが、共同で運用している長野県電子自治体協議会では、先ほども申し上げましたとおり、第1段階として厳正な本人確認を必要としない口座の申し込み等の簡易な手続を中心にオンライン化を進めていくこととしております。簡易な手続としましては、口座の申し込みのほかに情報公開請求あるいは各種健診、健康診断の申し込みなどが考えられますが、上田市でも協議会の方針に沿って事務を担当する各課と調整を図りながら順次導入をしてまいります。 次に、ホームページの改善で文字を大きく、高齢者の皆さんにも使いやすい配慮ができないのかというご質問でありますが、文字の拡大あるいは音声による読み上げのシステムなどが自治体でも利用され始めたところでございます。今後それらも含めて、また高齢者の皆さん方のご意見もお聞きしながら有効な方法を導入してまいりたいと考えております。
○議長(土屋陽一君) 堀議員の質問が終了しました。 お諮りします。日程はいまだ未了ですが、本日はこの程度にとどめ、延会したいと思います。これにご異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土屋陽一君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決しました。 次回は明12日午前9時30分から会議を開きます。 本日はこれにて延会します。 午後 6時04分 延会...