長野市議会 > 2021-03-04 >
03月04日-03号

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  1. 長野市議会 2021-03-04
    03月04日-03号


    取得元: 長野市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-19
    令和 3年  3月 定例会令和3年3月4日(木曜日) 出席議員(39名)   第1番   小林史子議員   第2番   小泉一真議員   第3番   倉野立人議員   第4番   堀内伸悟議員   第5番   西脇かおる議員   第6番   箱山正一議員   第7番   グレート無茶議員   第8番   加藤英夫議員   第9番   青木敏明議員  第10番   桜井 篤議員  第11番   和田一成議員  第12番   黒沢清一議員  第13番   滝沢真一議員  第14番   竹内 茂議員  第15番   東方みゆき議員  第16番   鎌倉希旭議員  第17番   鈴木洋一議員  第18番   勝山秀夫議員  第19番   松井英雄議員  第20番   金沢敦志議員  第21番   手塚秀樹議員  第22番   北澤哲也議員  第23番   市川和彦議員  第24番   若林 祥議員  第25番   松田光平議員  第26番   野々村博美議員  第27番   阿部孝二議員  第28番   佐藤久美子議員  第29番   松木茂盛議員  第30番   塩入 学議員  第31番   布目裕喜雄議員  第32番   小林秀子議員  第33番   近藤満里議員  第34番   西沢利一議員  第35番   小泉栄正議員  第36番   宮崎治夫議員  第37番   寺沢さゆり議員  第38番   小林義直議員  第39番   三井経光議員 欠席議員(なし) 説明のため会議に出席した理事者  市長         加藤久雄  副市長        樋口 博  教育長        近藤 守  上下水道事業管理者  上平敏久  監査委員       西島 勉  総務部長       倉島 明  企画政策部長     酒井 崇  財政部長       清水啓太  地域・市民生活部長  日台和子  保健福祉部長     中澤和彦  こども未来部長    広田貴代美  環境部長       宮尾正彦  商工観光部長     丸山陽一  文化スポーツ振興部長 小林祐二  農林部長       西澤雅樹  建設部長       小林正明  都市整備部長     岩片弘充  会計局長       倉島康嘉  保健所長       小林良清  危機管理防災監    鎌田富夫  上下水道局長     望月勇次  消防局長       佐伯英則  教育次長       樋口圭一  教育次長       永井克昌 職務のため会議に出席した議会事務局職員  事務局長       柄澤顕司  総務議事調査課長   湯本智晴  事務局主幹兼総務議事調査課長補佐             中村元昭  事務局主幹兼総務議事調査課長補佐             塚田勝彦  総務議事調査課長補佐 石坂陽子  係長         村山哲也  係長         内山健二  係長         竹 直樹  主事         馬場悠生子  係長         徳武慎治  係長         一之瀬 貴  主事         菅野航平  主事         前島諒人  係長         坂口夏江        議事日程 1 一般質問(代表) 1 一般質問(個人)   午前10時 開議 ○議長(小泉栄正) おはようございます。 ただ今のところ、出席議員数は39名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 昨日に引き続き、市行政事務一般に関する質問を継続いたします。 発言の通告がありますので、順次質問を許します。 公明党長野市議員団代表、18番勝山秀夫議員     (18番 勝山秀夫議員 登壇) ◆18番(勝山秀夫議員) 18番、勝山秀夫でございます。公明党長野市議員団を代表して質問させていただきます。代表質問4会派目となります。昨日の質問と多少重なる部分もあると思いますが、御了承ください。 長野市は昨年から、令和元年東日本台風災害新型コロナウイルス感染症というダブルパンチを受けました。4月は全国で初めて緊急事態宣言が発令され、ほとんどのイベントは中止や延期、不要不急の外出や会食などは自粛を求められ、人との交流や経済活動が縮小するなど、市民生活にも大きな影響を与えました。特に、観光業や飲食業、それに関わる業種も大打撃を受けました。コロナウイルス感染症対策の決定打がない中で、感染予防と経済対策を両立させることは非常に難しく、不安と閉塞感の中、非常に我慢を強いられたように思います。 このような誰も経験をしたことのない大変な困難の中、東日本台風の復旧・復興、コロナウイルス対策に全力で取り組んでいただいた加藤市長をはじめ市の職員の皆様、医療従事者をはじめエッセンシャルワーカーの皆様にこの場をお借りして改めて感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。 先月、2月17日より、日本で初めてワクチン接種が医療従事者よりスタートしました。来年度4月からは65歳以上の高齢者の接種が始まり、その後、基礎疾患のある方、一般の方とワクチン接種が進む予定であります。ワクチン接種が進むことにより、一日も早いコロナウイルスの終息に期待が高まるところであります。 また、今年の10月で東日本台風災害から2年を迎えます。来年度は、災害公営住宅の整備、長沼保育園・児童センターの整備など、今まで以上に加速度を増して東日本台風災害からの復興も大きく進む節目の年度になると期待をします。 多くの市民の皆さんも、コロナ禍の不安、閉塞感から今年こそ脱出して、当たり前の日常を取り戻し、希望のあふれる年にしたいと期待をしているのではないかと思います。来年度--令和3年度が、コロナウイルスを克服し、経済・人の流れが回復し、東日本台風災害の復興が順調に進み、希望あふれる年度になるよう大きく期待をして、質問をさせていただきたいと思います。 初めに、加藤市長の2期目の総括について伺います。 加藤市長は、3月定例会冒頭の施政方針において、2期目において本格的な人口減少、少子高齢社会を迎える中、歴史や文化、豊かな自然に恵まれた本市の魅力を更に磨くとともに、安全で安心して暮らし続けることができる都市機能を確保し、選ばれる都市を目指して市政運営に取り組んでまいりましたとの発言がありました。 残りの任期が約8か月となりました。2期目の市政運営で、長野市の魅力である歴史や文化、豊かな自然をどのように輝かせることができたのか、市長の目指す選ばれる都市はどこまで実現できたのか、また残されている課題をどのように捉えているかお聞かせください。 次に、令和3年度予算編成について伺います。 来年度は、基幹収入である市税が前年度比29億1,000万円減少すると予測されているとともに、毎年増加し続けている社会保障関係費が前年度比8億円増加するとのことで、来年度予算は今まで以上に事業の選択と集中、スクラップ・アンド・ビルドをし、大変厳しい予算編成をされたと思います。 そのような状況ではありますが、来年度予算は喫緊の課題であり、新型コロナウイルス感染症対策東日本台風災害の復旧・復興、激甚化・頻発化する自然災害への備えに対応するとともに、長期戦略2040の実現に向け、新産業の創出や起業を目指す若者への支援、AIやICTを活用した行政のデジタル化の推進、ポストコロナを見据えて、善光寺御開帳2022関連事業など、まちのにぎわい創出などに重点配分されています。 公明党でも予算編成に向けて要望させていただいたデジタル化に特化した部署、デジタル行政推進室の創設、保育業務へのICTの活用、持続可能な社会を構築するためゼロカーボンシティの推進など、随所に盛り込んでいただき、大変評価するところであります。 令和3年度予算は、希望ある未来につなげる安全・安心予算とテーマを掲げられていますが、新型コロナウイルス対策東日本台風災害からの復興、ポストコロナ社会を見据えてどのような思いで作成されたのかお聞かせください。 また、本市の財政状況は、健全化判断比率の健全性が保たれている状況ではありますが、東日本台風災害からの復旧・復興、新型コロナウイルスの感染拡大による個人消費の落ち込みや、企業収益の悪化により大変厳しい状況であります。今後少子化、高齢化が深刻化することもあり、歳出の見直しと財源の確保は更に必要になります。今回の予算編成において、従来の事業の見直しはどのように行って歳出の削減を図ったのか、また財源の確保についてはどのような工夫を行ったのか、また将来行っていくべきか伺います。 次に、新型コロナウイルスワクチン接種について伺います。 昨年末から新型コロナウイルス感染症の第3波により全国で感染が拡大しましたが、現在長野市内においては感染が落ち着きつつある状況であります。しかし、依然として多くの市民の皆様が感染拡大の不安を抱えています。 そのような中、新型コロナウイルスの終息に向けて大変大きな期待を持たれているのがワクチン接種であります。2月14日、アメリカのファイザー社製のワクチンが厚生労働省より承認され、現在全国で医療従事者の皆様方より順次接種がスタートされております。国では、走りながら考えるプロジェクトということで、現在情報は五月雨的に流れてきます。また、市に届いた情報も途中変更されるような状況であります。本市においてもワクチン接種推進チームが新設され、円滑なワクチン接種の準備に当たられています。準備期間が短い中、御尽力いただいておりますことに感謝申し上げます。 いずれにいたしましても、16歳以上の全市民が対象となるワクチン接種は一大プロジェクトであります。市民の皆様が安心して接種ができるようお願い申し上げます。 さて、ワクチン接種について幾つか質問いたします。 一つ目として、本市のワクチン接種の対象者数を伺います。また、優先接種対象者となる高齢者、基礎疾患を有する方、高齢者施設に従事されている方、60歳から64歳の方の人数、優先接種以外の一般の方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。また、接種率の目標はあるのでしょうか。感染拡大の防止に向けた集団免疫の効果と接種率の関係についてのお考えを伺います。 二つ目として、接種体制の構築についてであります。一部報道では、医療機関と連携を取りながらかかりつけ医での個別接種とともに集団での接種が検討されているとのことでありますが、現在どの程度の医療機関で個別接種が行われる予定なのか。また、集団接種会場は何か所予定しているのでしょうか。さらに、集団接種については平日から土、日、祝日、時間帯ともにいつ接種ができる予定なのでしょうか、お聞かせください。 三つ目として、自宅療養されている方や接種会場まで移動が困難な方が接種を希望した場合の接種体制をどのように考えているのか伺います。 四つ目として、ワクチン接種の事前予約についてはどのように行うのでしょうか。特に、集団接種の予約については、健康相談等、多数問合せが来るのではないかと予想されます。コールセンターの体制についてもお聞かせください。また、積極的に市民の皆様に接種をしていただくためには、電話のみの対応だけでなく、SNSやウェブを活用し、24時間予約を受け付ける体制を整えるべきと考えます。併せて、東日本台風災害でも活用されたAIチャットボットを活用したワクチンに対する疑問・質問にお答えできるシステムを活用することも有効と考えますが、御所見を伺います。 五つ目として、市民の皆様が安心して接種いただくためには、ワクチンの効果、安全性、有効性について、また副反応について正しく理解していただくための周知が重要であります。あわせて、今後の接種スケジュール等についても周知する必要があると考えます。また、走りながらの事業でありますので、当初の計画から変更されることも予想されます。そのような場合、どのように広報されるのでしょうか、お聞かせください。 六つ目として、ワクチン接種は医師や看護師の皆様の協力がなければ円滑に進めることができません。事前準備や当日の事務作業が注目を集めていますが、接種後の事務処理等の管理も膨大な作業が必要です。献身的に御協力いただく医師、看護師等の現場の皆様の負担が少しでも軽減されることが望まれます。本市はどのように医師、看護師等の皆様をバックアップするのか伺います。 集団接種についても、医師会の皆様には多大なる御協力をいただかなければならないと考えます。関係者の皆様が連携を取りながら、市民の皆様が安心して接種できる体制を望みます。御所見をお伺いします。 次に、コロナ禍での経済対策について伺います。 これまで長野市においても、国の臨時交付金を使い様々な社会経済活動への支援を行ってきたところです。緊急事態宣言下での協力金、飲食店、小売店への家賃支援をはじめ、推し店プラチナチケット、テークアウト・デリバリーなど支援する新型コロナウイルス対策事業者等支援補助金オールながの活性化事業、旅行会社送客事業等支援金ビッグプレミアム商品券など、全ては申し上げませんが、様々な支援をしていただきました。しかし、いまだ地域を回っていますと、飲食店など大変厳しい状況をお聞きします。今までの支援策の成果と、現在の長野市の経済状況の認識をお聞かせください。 令和3年度当初予算では、第2弾の推し店プラチナチケット事業が前回より規模を拡大して行われる予定です。感染状況を見極めながらとしているものの、飲食店、小売店、宿泊業などの期待の声は大きいと感じ、いち早く実施すべきと考えます。具体的な実施時期や内容についてお聞かせください。 国においても事業再構築指針に沿った業態転換や事業・業種転換等を行う事業者に対し、事業再構築補助金など新規メニューが創設されました。その中でも介護分野就職支援金貸付事業においては、他業種から転職した人を対象に20万円の支援金を貸し付けるというもので、2年間働き続ければ返済が免除されます。それに加えて、その間の生活支援において、職業訓練受講給付金が月10万円給付されます。ほかにも、国、県、長野市でも様々な企業と雇用を守る支援メニューが多くあります。これら支援は、職を失った方や厳しい状況の企業を救うべく、活用していただくことが目的です。コロナ禍においての雇用の確保が大変厳しい状況が報道されております。長野市においてはどうでしょうか。解雇や雇い止め等の現状をお聞かせください。 また、活用していただくという目的を考えると、広くお伝えする必要があります。長野市ホームページの新型コロナ特設ページを見ると、必要な情報を見付けづらい感があります。一方、長野県ホームページの新型コロナの特設ページにおいては、個人の支援、事業支援など、大きなアイコンなどにより分かりやすく閲覧できます。今後はワクチン接種に関する情報の発信も必要となりますので、必要な情報を分かりやすく見つけられるように整理の仕方や見せ方の工夫が必要と考えますが、御所見をお聞かせください。 東日本台風災害の教訓を生かした災害対策、コロナ禍の災害対策について伺います。 東日本台風災害により、長沼地区、豊野地区は甚大な被害を受けました。現在、復旧・復興に全力で取り組んでいただいておりますが、同様の自然災害はいつ発生してもおかしくありません。東日本台風災害の教訓を基に、更なる防災・減災対策を推進し、安全・安心なまちづくりに努めなくてはなりません。 また、今は新型コロナウイルス対策をしながら避難所の開設・運営をしなくてはならず、避難所の収容人数の見直し、感染対策、分散避難の推奨など、新たな課題も発生しています。 そのような状況の中、何点かお伺いします。まず、マイ・タイムラインについて伺います。 東日本台風災害のような水害は、事前に発生が予測することができ、住民一人一人が事前にハザードマップを確認し、台風等の接近による河川の水位の上昇を確認しながら、自分に合った避難行動計画に沿って避難することが命を守る重要な行動になります。 公明党としても、住民一人一人の避難行動計画、いわゆるマイ・タイムラインの策定を提案させていただきました。昨年8月の広報ながのに、わが家の避難行動確認シートを作成しようというコーナーを掲載、市のホームページにもマイ・タイムラインのコーナーをつくっていただき、チェックシート、避難行動判定フロー、マイ・タイムラインシート、シールがダウンロードでき、これらを活用するとマイ・タイムラインが作成できるようになっています。これらの取組にまずは感謝申し上げます。 しかし、ツールがそろっても、実際に活用し、計画を立て、行動を起こしていただかないと意味がありません。マイ・タイムラインの作成を推進するため、マイ・タイムラインの作成方法をユーチューブなどの動画サイトにアップして周知を図ってはいかがでしょうか。動画サイトを構築すれば、専門の講師がいなくても地域や学校、また個人でマイ・タイムラインを作成しやすくなり、マイ・タイムラインの推進につながると考えます。御所見を伺います。 コロナ禍での避難の大きな課題は、避難所における万全な感染症対策もさりながら、避難所収容人数の減少に伴う分散避難にあると思います。長野市もコロナ禍では通常より多くの避難所を開設するとしていますが、それでも限界があり、安全な場所での車内待機、安全が確認された上層階に逃げる垂直避難、安全な地域にいる親戚や知人宅への避難などの分散避難を推奨していますが、ここで伺います。 ハザードマップを見ても、その場所は遠隔に避難すべきか、それとも垂直避難をすべきか判断が難しいと考えます。市民が判断しやすい情報を提供すべきだと考えますが、御所見を伺います。 次に、安全な場所での車内待機についてですが、一時的な避難場所として市有地や民有地などの高台を利用した車内宿泊用の避難駐車場を複数確保するべきではないでしょうか、御所見を伺います。 次に、避難所の3密を避けるためには、市民に避難所の混雑状況をどう伝えるかが課題であります。避難所の位置、開設状況、混雑状況をインターネットで確認できる情報配信は大変有効と考えます。 長野市は、来年度AIを活用して大雨による洪水の予測、被害想定を行うと伺っております。この防災・減災対策、AI活用事業と併せて、円滑な避難所の誘導ができるよう検討してみてはいかがでしょうか。御所見を伺います。 次に、被災者への住宅支援について伺います。 今年の10月で東日本台風発生から2年を迎えます。既に新しい住宅で生活を始めた被災者もいますが、11月末に仮設住宅の入居期間の期限を迎えることから、来年度は多くの被災者が新しい住居での生活がスタートすると予想されます。長野市は、豊野の美濃和田団地の南側へ災害公営住宅の建設、栗田従前居住者住宅の一部を東日本台風被災者に提供する予定とお聞きしていますが、住宅支援の状況を伺います。 また、昨年12月定例会の一般質問で応急仮設住宅として利用しているトレーラーハウスを希望する被災者に払い下げる等の住宅支援を提案させていただきましたが、その後の検討状況を伺います。 次に、長野市のDXの推進について伺います。 デジタル庁設置をはじめとして、国はデジタル社会の実現に向けて大きく動き出しています。デジタル化は、今までの作業が電子化されるだけではなく、仕事の在り方を根本から見直す作業が必要です。この業務にAIを活用することはできないのか、デジタル化で効率を上げられないか、住民サービスの向上につながらないかなど、費用対効果を見極めながら今まで行ってきた仕事を一つ一つ確認する作業、業務の棚卸しのような作業を行いながら長野市のDXを推進していただきたいと思います。 総務省の、地方公共団体における行政情報化の推進状況調査を基に民間企業が行ったランキング調査によると、長野市は76位と上位にあり、これまでの堅実な取組が感じられます。しかし、業務・システムの効率化を目指すとなると、今まで以上に十分な体制で臨んでいかねばなりません。新年度は、デジタル行政推進室が設置されますが、必要に応じて速やかな拡充など、対応が必要と思います。デジタル化への対応について、御所見をお聞かせください。 自治体におけるDX推進に向けて、六つの重点取組事項が示されていますが、このうちマイナンバーカードの普及促進については、2年後にはほとんどの住民が保有していることを目指しており、画期的なスピード感を持って進められる予定です。特に高齢世帯などがデジタル化に取り残されることがないよう、どのような支援体制で臨まれるのかお聞かせください。 デジタル化を具体的に進めていくには、プレーヤーが必要となります。既存企業だけではなく、新規創業者を含め、多様な担い手が必要になると思われます。長野市においても起業が次々に起こることを目指して、スタートアップ企業成長支援事業など、積極的な予算を組んでいただいております。スタートアップ企業成長支援事業では、日本の未来が体験できるまち、メガベンチャーが集まるまち、起業家精神を育むまち、若者がどんどん集まるクリエイティブシティを目指すなど、頼もしい言葉が並びますが、この事業から生まれる企業もデジタル化推進において重要な役割を担うことが期待できるのではないでしょうか。この事業の具体的な目標値などをどのように考えているのか、今後の展開についてお聞かせください。 デジタル化が進む中、様々な分野で行政サービスの在り方も変化することが考えられます。新年度は、スマート農業推進事業が予算化されています。栽培技術の可視化などの実証実験や、自動操舵システムの導入補助など、先端技術の活用に向けて大いに期待するところです。今後の事業の展開をお聞かせください。 また、後継者不足、若者の離農など、農業人口の減少が深刻化する中で、働き手を求める農家と農業を始めたい人をつなぐ農作業専門のマッチングアプリも登場しています。積極的に活用できるよう支援をすることで情報が生かされると思いますが、御所見をお聞かせください。 観光MaaSの戸隠式年大祭での実証運用を目指し、準備が進められています。観光客の皆様に快適に楽しんでいただけるものと期待するところですが、MaaSは地域社会の課題に対応できる可能性があることから、日常生活の移動手段の改善に向けて一層の検討が必要と考えます。先月も路線廃止協議の申入れがありましたが、公共交通の確保は直面する課題です。 前橋市では、観光型MaaSのメニューに市民を対象にした生活型MaaSのメニューを追加し、実証実験を行っています。交通系のICカードとマイナンバーカードをひも付ければ、市民限定の割引も受けられます。公共交通を維持していくためには、民間事業者と連携しながら積極的な提案を行うなど、強力な支援が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのかお聞かせください。 次に、都市のブランディングについて伺います。 全国の地方都市がしのぎを削る中、選ばれる都市となるためには、長野の魅力をしっかり発信していくブランディングが欠かせないと思います。過日行われた長野市未来政策コンペティションでも意欲的な意見が聞かれ、長野市ならではの魅力を強調する発表が多く見られたのが印象的でした。選ばれる都市になるためには、長野市のどんな魅力をどう伝えるか、コンセプトをしっかり持つことが大切であると改めて感じました。これまで移住・定住に取り組んでいる中で、選ばれる理由としてどのような点が大きいと感じているのか、御所見をお聞かせください。 ブランディングに関しては、新年度はNAGANO未来デザインアワードSNSコミュニケーションが予定されており、今年度行われた未来政策と合わせ、今後のブランディングの土台づくりの取組といえます。こうした動きをベースにして、今後ブランディングはどのように進める予定でしょうか。 コロナ禍で地方創生の動きが高まる中、全国に向けて長野の魅力を発信していくためにはスピード感も求められます。長期戦略ではブランドデザイン室の設置も目標達成の条件の1つに挙げられていますが、今後の進め方について、時間的な点も含め、具体的にお聞かせください。 次に、放課後子ども総合プラン事業の見直しについて伺います。 公明党長野市議員団では、安心して仕事と子育ての両立ができる環境整備に向けて、利用者のニーズに応えられる適切な開館時間の実現を要望してまいりました。開館時間については、長野市が定めたガイドラインに基づき、各校区に設置された運営委員会で地域の実情や利用者へのアンケート調査結果等を踏まえて判断していただくことになっています。しかし、地域の実情を考えるとアンケート調査結果に応え切れない状態が続き、問題の解決に至らない状況が数年来継続しておりました。 そんな中、第二期子ども・子育て支援事業計画では、「ニーズに対応した制度になるよう努める」から、「実施時間の延長に努める」への一歩踏み込んだ方針が定められ、延長時間の実施に向けて着手いただいた熱意に感謝申し上げます。 今後、課題解決に向けて運営体制を含めた見直しも必要と思われますが、長野市としてどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。 今年度補正予算に、放課後子ども総合プランICT化推進事業が盛り込まれています。将来的な児童1人1台のタブレット端末でのオンライン学習を見据えたWi-Fi環境を整備するとともに、利用児童の入退出管理やウェブ会議など、業務のICT化を図るもので、子供たちにとって望ましい学びの環境が整えられるものと期待しています。 昨年12月定例会でセンター、プラザのWi-Fi環境整備を求めた際、全ての児童・生徒が家庭でパソコンを利用できる環境にないとの課題もあり、タブレットの持ち帰りは想定されていないようでしたが、児童館・児童センターへの整備によって活用の可能性は大きく広がったものと考えられます。今後は、教育委員会・こども未来部が連携しながらタブレットを活用した学びの在り方を検討していただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。 次に、ゼロカーボンを目指した取組についてお聞きします。 12月定例会でも長野県気候非常事態宣言に賛同した本市の取組、2050年ゼロカーボンに向けた決意などをお聞きしたところです。そのような中、来年度から本市においてもゼロカーボン推進事業に取り組むとのことであります。来年度予算を見てみますと、バイオマス産業都市の認定に向けた取組の展開とありますが、これまでも平成22年バイオマスタウン構想を策定し、取組を行い、バイオマス産業都市の認定についても平成28年度の認定を目指し行ってきたところと理解しております。しかしながら、認定への実現には至らず、来年度より新たなゼロカーボン推進事業の中でバイオマス産業都市認定に取り組むとされております。これまでの認定に向けた取組と、新年度の取組の違いをお聞かせください。 ゼロカーボンを進める上で、使用する電力等を極力抑える取組が必要と考えます。地域においては、地域振興基金を使い防犯灯のLED化を進めたところですが、公共施設についてはどうでしょうか。公共施設マネジメントとの関係もありますが、公共施設のLED化の取組について、計画があればお聞かせください。 その上で、スポーツ施設のLED化も進めるべきと考えます。近年のスポーツはエンターテインメント性があり、LED化することによって試合前後の演出に有効と考え、来客者の増員にもつながると考えます。まずは、ホワイトリング、UスタジアムのLED化から進めるべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 2050ゼロカーボンに向けて、行政、企業、市民が強い意識を持ちながらできることを地道に積み上げながら進めていくべきと考えます。個人でできるCO2排出削減への啓発も重要です。12月定例会では、公明党よりスマートフォンを使ったSDGs意識啓発を提案しましたが、それらも含め、国連広報センターで掲載している、ソファーに寝たままできること、家にいてもできること、家の外でできること、職場でできることなどSDGsへの取組でできることを市民に啓発すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 第2次環境基本計画後期計画の基本目標6では、市民、事業者、行政の連携強化と人づくりの推進が掲げられております。これまでの取組と、人づくりというところでどのような成果があったのかお聞かせください。 断らない相談体制について伺います。 ひきこもりの問題や8050問題について、本格的な支援が望まれています。全国的に少子高齢化や人口減少が進む中、80代の親がひきこもりの50代の中高年の子供を養う8050問題や、現役世代が親の介護と子育てを同時に担うダブルケア、介護や貧困など、個人や家族が抱える生きづらさやリスクが複雑化・多様化しています。課題の解決には介護や福祉、就労支援など多岐にわたる施策が必要となり、複数の部署や専門機関をたらい回しにされたり、断られてしまうケースも少なくありません。 こうした複合的な課題に社会全体で対応するため、様々なニーズや生活上の課題を受け止める包括的支援体制の整備が急務であると考えます。昨年6月に成立した改正社会福祉法では、断らない相談支援を含む、重層的支援体制整備事業が創設されました。来年度4月から本格的にスタートするこの制度は、複合的な課題に対して、従来の制度の縦割りを超え、分野横断的な支援体制を整えることで様々な困難を抱えている本人と家族を包括的に支える仕組みであり、福祉の大転換を図ることが期待されております。正にこれこそが、誰一人置き去りにしない社会の実現として、私たち公明党が長年推進してきた断らない相談支援であり、社会を実現する基盤となる事業だと確信しています。複雑化した課題解決に向けて大変重要な転換点となっていると考えます。既存の相談支援の基盤を生かしつつ、属性や世代を問わない相談の受け止めや多機関の協働をコーディネートできる機能、さらにアウトリーチも積極的に実施する、長野市版の包括的な相談支援体制を構築する必要があると考えますが、御所見をお伺いします。 都市内分権について伺います。 平成18年発足の都市内分権は、全ての地域で組織化されて10年を迎え、関係者の御努力で今では地域にはなくてはならない存在となっております。 しかし、さきのアンケート結果からも明らかなように、役員の担い手不足、必須事務や選択事務などによる負担感の増加、またそれらに伴う資金不足など、大きな三つの課題に直面しています。 市では、これらの課題解決のため、関係各課で課題解決に向けて鋭意に検討が進められていると承知しております。デジタル化が叫ばれている時代、大いなる改革を御期待申し上げます。 発足当時とは異なり、生涯現役と言われるように、退職年齢の引上げにより高齢になっても働く方々が増え、地域で活躍していただける方が減少傾向にあり、地域のありようも大分変わってきたように見受けられます。また、中山間地域と人口密集地域など、地域による格差も拡大しており、地域に寄り添う市の支援も必要です。 市では10年、20年先の地域をどのように描いているのかお伺いいたします。 さきの台風災害では、避難した住民の安否確認に奮闘する区長さん方に頭の下がる思いでしたが、各種災害や新型コロナ等の感染症など、困難な状況下での住民自治協議会や区長さんたちの役割の明確化や市への情報提供、また市の支援の在り方、そして地域の支え合いの在り方など、ある程度マニュアル化は必要で、課題は大きいと感じております。区長さん方へタブレットをお貸ししている住民自治協議会があると聞き及んでおります。デジタル化の時代、市としてもこのような取組を支援し、タブレットで市に提供する様々な書式を簡単に操作できるなど、仕事の軽減につながると考えます。このことに対してのお考えをお伺いいたします。 また、発足当時はコミュニティビジネスの広がりを想定し、地域でお金が回る仕組みづくりが期待されていたと記憶しています。時代は変わってもその必要性はますます高まっているように思われ、国においては組合員それぞれが出資して働く労働者協同組合法が設立しました。地域における新たな住民活動のツールになるはずです。現状と認識をお伺いいたします。 入札制度について伺います。 建設業をめぐる労働状況は大変厳しく、コロナ禍では一層厳しい状況と聞き及んでいます。一例を挙げれば、十分な収益が見通せない中で働き方改革が遅れ、週休2日制には程遠く、人材不足が続き、恒常的に人材確保が難しい状況となっているとのことです。土砂災害や一昨年の台風災害、除雪など、あらゆる災害では建設土木業の皆様に大変御支援をいただいており、建設業界が衰退すると本市の危機管理上にも大きな課題になると認識しております。建設業界の皆様方からは毎年市への要望をいただき、市にも真摯に取り組んでいただいていることは十分承知していますが、根幹の問題として県と市の格差があると感じています。入札制度については、県と比較し改善を要望されている点についてどのような改善策を講じるのか、特に工期の平準化発注で県が導入している柔軟な工期の設定を通じて、受注者が建設資材の調達や建設労働者も確保しやすくなるフレックス工期制度の導入などへの御見解を伺います。 東京事務所の移転について伺います。 現在、コロナ禍を機に、東京一極集中から地方へと関心が高まる中、具体的に移住や企業移転を促す追い風となる取組を広げる必要があると考えます。さらに、デジタル技術の進展に伴い、移住・定住や企業誘致へのアプローチも変化しているのではないでしょうか。また、観光振興や関係団体との連携についても同様で、変化への対応が求められると考えます。 そのような中、長野市東京事務所が長野県東京事務所内に移転することで、県との連携が強化され、今まで以上に移住・定住対策、企業誘致や観光振興が推進されることに期待が高まります。今後、県とどのように戦略的に連携を図っていくのか、今までとは何が違うのか、そしてどのような効果が期待できるのかお聞かせください。     (18番 勝山秀夫議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 私から2期目の市政運営の総括についてお答えいたします。 本市は、歴史と文化、豊かな自然に恵まれていることが大きな魅力であります。私は、その魅力を更に磨き、都市機能を確保することで本市が選ばれる都市になることを目指して、2期目においても全力で取り組んでまいりました。 その取組を幾つか申し上げますと、歴史と文化あふれる松代地区におきましては、文武学校のリニューアルや旧横田家住宅の保全整備を行い、松代藩の威風を保ちながらも観光地としての新たな魅力を加えてまいりました。また、豊かな自然を生かすため、飯綱高原交流拠点施設の整備に着手するなど、飯綱高原のグリーンシーズン化を進めるとともに、戸隠キャンプ場と戸隠スキー場においては新たな地元密着型の企業を指定管理者といたしまして運営をお願いしたことにより、利用者サービスの向上と利用者の増加につながりました。 次期善光寺御開帳に向けましてセントラルスクゥエアの再整備を行ったほか、国道18号長野東バイパスや県道高田若槻線の早期開通を国・県に働きかけ、北部幹線におきましても先月末に開通するなど、都市機能の向上も図ってまいりました。 また、この春に開催されます戸隠神社式年大祭及び来年の善光寺御開帳に向けまして、新型コロナウイルス感染症の全国的な感染状況を見極めながら、関係団体等と連携した積極的なプロモーションを行うこととしております。 これらの取組によりまして、歴史や文化に恵まれた本市の強みを生かして、選ばれる都市を目指してきたところであり、都市としての魅力は順調に増しているものと考えております。 一方、令和元年東日本台風災害からの復興を着実に進めることや、新型コロナウイルス感染症対策においてはワクチン接種の円滑な実施など、取り組むべき課題は多くあります。これらの課題に引き続き全力で取り組むとともに、本市の強みを生かせる施策を進めることにより、本市の魅力の更なる向上を図ってまいりたいと思います。 次に、人口減少等が進む中で10年、20年先の地域をどのように描いているかについてお答えいたします。 長野市版都市内分権は、自助・共助・公助の補完性の原理に基づきまして、市と住民自治協議会とが協働で住民の福祉の増進に取り組んでまいりました。平成の合併により市域が広がり、地域の特性を生かしたまちづくりが求められる中におきまして、住民の皆様による主体的な取組が各地区で活発に行われてきましたことは、本市の活力であり、誇りであると思っております。 住民自治協議会の設立から10年が経過する中で、人口減少、担い手不足が進みました。世帯単位でやりくりをしておりました自助も、地域の共助も、状況変化による新たな課題が生じてきたものと思います。協働のパートナーであります住民自治協議会の負担軽減と活動支援について検討を進めております。 一方で、昨今の地方回帰や、デジタル化の流れによりまして、地方が注目され、移住への意識も高まっております。今後10年、20年先の地域づくりにおきましては、これらの新たな人々を迎え入れ、地域における様々なNPOやまちづくりグループ、さらには関係人口創出による相乗効果の中、住民自治協議会と共に協働の輪が広がる持続可能なまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 近藤教育長     (教育長 近藤 守 登壇) ◎教育長(近藤守) 私からは、放課後子ども総合プラン事業の見直しの御質問のうち、タブレットを活用した学びの在り方につきましてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、通信ネットワーク環境が整備されていくことにより、子供たちにとってICT端末を活用して授業での自分の学びを振り返ったり、自分の理解度に応じて学習に取り組んだりする等の学びを進めることができます。これは、第三期しなのきプランで願う自学自習の資質能力の育成につながるものと考えます。 今回、こども未来部による放課後子ども総合プランICT化推進事業において、児童館・児童センターで通信ネットワーク環境が整備されることにより、長期休業中などに子供たちが自分の狙いに沿った学習を進めることができるようになるのではないかとも考えております。 一方で、令和2年5月の調査では、約25%の家庭が通信環境が整っていない現状であったり、全ての子供が児童館・児童センターに登録していなかったりすることから、タブレットの持ち帰りによる学習については、これらの状況を踏まえ慎重に進めていかなければならないと思われます。 同時に、今後の持ち帰りを検討していく中で、タブレットの取扱いや、情報モラル等、情報リテラシーに係る学習を一人一人の子供がしっかりと身に付ける必要があるため、情報を自分で適切に理解、分析、判断し、危険等を回避することができる力を育成してまいります。 議員御指摘の児童館・児童センターでの端末の利用で、将来的には場所にとらわれず学びを進められるようにと願っておりますので、こども未来部と十分に情報交換を行って今後進めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 倉島総務部長     (総務部長 倉島 明 登壇) ◎総務部長(倉島明) 本市のDXの推進についてのうち、初めにデジタル化への対応についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、デジタル化を進めるに当たっては、導入可能なデジタル技術に合わせて業務内容やフロー等を見直す意識の改革が必要と考えております。従来、業務に合わせるようにシステムを構築していたため、カスタマイズによる改修経費や複雑化によるミスの発生などの懸念があります。そのため、これからはシステムに合わせて業務を見直していく意識が必要となります。 具体例で申し上げれば、RPAの活用により、ふるさと納税の受付業務で作業時間の大幅な削減効果を生んだことを契機に、新年度は介護保険業務において申請から訪問調査、介護認定までの業務をフィールド・イノベーションを実施してICTを活用した業務フローに一気に変え、介護認定までに要する日数を短縮する取組を進める予定でございます。 こうした取組をデジタル行政推進室が指令塔となり、各課の業務へ横展開して業務の効率化を図るほか、押印廃止後のオンライン申請等により市民サービスの向上を図るなど、庁内DXを加速してまいりたいと考えております。あわせて、職員がDXについて共通認識を持つよう研修を実施してまいりたいと考えております。 議員からは、必要に応じてデジタル行政推進室の拡充をとの御提案をいただきました。まず、新年度からは、室長のほか、社会人採用によるデジタル技術にたけた職員を含めまして、6名ほどの体制で進めてまいります。今後、デジタル化の推進状況に合わせてまた拡充等を考えていきたいと思っております。 次に、誰もが取り残されることがないデジタルディバイド対策についてお答えいたします。 今後、オンライン手続等の拡大に伴い、苦慮する方々への対応を検討していく必要があると考えております。国では、DXと併せてデジタルディバイド対策を講じていくこととしており、高齢者等への相談会等の開催、地方公共団体が地域住民に対して行うアウトリーチ型のきめ細かな支援に対する財政措置等をメニュー化するなど、デジタル活用支援を展開していく計画でございます。オンライン手続の環境を有しているのか、あるいは有していないのかによって支援方法は異なるかと思いますが、国のメニューの活用や身近な場所への端末の設置、あるいは書面による手続を残すことなど、様々な方策を検討してまいりたいと考えます。 ○議長(小泉栄正) 鎌田危機管理防災監     (危機管理防災監 鎌田富夫 登壇) ◎危機管理防災監(鎌田富夫) 初めに、動画サイトを活用したマイ・タイムライン作成方法の周知についてお答えいたします。 マイ・タイムラインにつきましては、ハザードマップを確認し、危険性を知ることで事前に自分に合った避難を計画することができる大変有効なツールであることから、本年度、広報ながの8月号に、わが家の避難行動確認シートを掲載し、自主防災会などを対象とした研修会などにより普及を図ってまいりました。また、地区でマイ・タイムラインの研修を実施できるよう、ホームページや出前講座などにより作成方法をお伝えしてまいりました。 動画サイトを活用することにつきましては、ふだんから動画サイトを見ている方などにとっては取り掛かりやすいことから、マイ・タイムラインの普及につながるものと考えております。 なお、本市のホームページにおきましても、マイ・タイムラインの作成などにつきましては国土交通省関東地方整備局のホームページへリンクし、動画による確認ができるようにしておりますが、より一層推進に向けて、様々な普及方法を検討してまいります。 次に、遠隔地へ避難すべきか、垂直避難すべきか判断しやすい情報を提供することについてお答えいたします。 コロナ禍における避難の在り方につきましては、避難所へ行くことだけが避難ではないとして、国においても分散避難を推奨しておりますが、自宅などから避難する場合に、避難所以外の避難先を見付けるのが大変難しいことも承知しております。そのため、2階へ避難することで命を守ることができる方には垂直避難を選択肢として考えてもらえるよう説明してまいりました。 具体的には、洪水ハザードマップで想定される浸水の深さが3メートル未満であれば、2階へ垂直避難することを検討していただきたいと考えております。 しかしながら、想定されている浸水の深さが3メートル未満であっても、集合住宅の1階や平家建てのお宅にお住まいなど、垂直避難ができない方もいらっしゃいますので、一律に3メートル未満であれば垂直避難という御判断にならないよう、これからも出前講座などの様々な機会で丁寧に説明してまいります。 次に、市が所有する土地や民有地の高台を利用した車内宿泊用の避難駐車場の複数確保についてお答えします。 コロナ禍における避難として分散避難を推奨しておりますが、そのうちの一つとして安全な場所で車の中に待機するという方法がございます。現在、本市では県のホームページにおいて城山公園、長野運動公園、茶臼山動物園、茶臼山自然植物園の駐車場を車で避難できる場所として公表しておりますが、これらは本市の判断で駐車場を開くことができ、併せて指定避難所の駐車場が車中待機の車で埋まらないよう考慮して選定したものでございます。 民有地の利用でございますが、これまで検討する中で、夜間の災害など、すぐに駐車場を無料開放することが困難であること、市が公表することで多数の車が押し寄せる状態になることへの懸念など、様々な課題が分かっております。引き続きこれらの課題がクリアできる駐車場の検討を進めてまいりたいと思います。 次に、来年度の防災・減災AI活用事業と併せた円滑な避難所への誘導についてお答えいたします。 コロナ禍における避難所においては感染リスクの低減を図ることが重要であり、避難者が感染リスクが高い混雑している避難所を避けるという判断ができるよう、開設した避難所の混雑状況を公表する必要がございます。このことは、全国的な課題として内閣府からも通知が出ており、本市においてはホームページへの掲載などにより公表することとしておりますが、引き続き実現可能な様々な手段を検討してまいります。 なお、令和3年度に予定している防災・減災対策のAI活用事業と併せた避難所の誘導につきましては、研究が必要な分野であることから、実証実験や総合防災訓練、また4月から運用が始まる防災アプリの利用状況等を見ながら検証を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 酒井企画政策部長     (企画政策部長 酒井 崇 登壇) ◎企画政策部長(酒井崇) 初めに、新型コロナウイルスに関する長野市ホームページでの情報発信についてお答えします。 新型コロナウイルスに関する市のホームページは、当初早急に市民に感染状況等をお知らせすることを最優先に、情報量が増えることを想定せず、カテゴリー整理などを行わずにスタートしたものです。対応の長期化により、今日では多岐にわたる情報を適時適切に市民の皆様にお伝えしなければならない状況となっています。 議員御指摘のとおり、今後ワクチン接種に向けた情報など、更に情報量が多くなっていく中で、市民の皆様が必要とする情報を速やかに、分かりやすく見付けられるような工夫が求められております。 市のホームページに掲載する情報量が非常に多く、多岐にわたっているため分かりにくい、見付けづらいといった御意見を真摯に受け止め、アイコンなどを活用し、市民の皆様が求める情報に速やかにたどり着ける工夫、改善に早急に取り組んでまいります。 次に、都市のブランディングのうち、まず移住・定住に関し選ばれる理由についてお答えします。 本市は、これまでも長野市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、移住・定住に係る施策に取り組んでいるところでございます。その中で、次期総合戦略と位置づける第五次長野市総合計画後期基本計画の策定に向け、若い世代の意見集約を目的に、長野県立大学の学生が本市へ政策提案する長野市未来政策アイデアコンペティションを実施したところです。提案の中では、本市の魅力として、善光寺をはじめとする歴史文化遺産の存在、自然と都市のバランスのよさ、首都圏との交通アクセスのよさなどが挙げられました。 本市が選ばれる理由としましては、これまでも歴史や文化、豊かな自然に恵まれていること、穏やかな気候、利便性の高い都市機能などが本市の魅力であると捉えており、学生の意見とも一致していることから、都市ブランディングを進める上でこの魅力を意識してまいりたいと考えます。 次に、都市ブランディングの進め方については、長期戦略2040に基づき、戦略マネージャーを中心に庁内ワーキンググループにおいて検討を進めております。 本市の都市としての魅力、価値を育成、強化していくことをブランディングの基本と考え、1月から2月にかけて3回シリーズで、ながのブランディングワークショップを開催いたしました。ワークショップでは、市内でデザインや映像を学ぶ長野美術専門学校や、岡学園トータルデザインアカデミーの生徒、市内の広告代理店の若手社員、市職員が混成チームを組み、本市の魅力や伝えたい価値を表現する30秒の動画を制作いたしました。完成した動画は、近日中に市の公式ユーチューブチャンネルに掲載し、多くの皆さんと市の提供価値を考える素材の一つとして活用する予定です。 令和3年度については、本年度の取組を更に発展、加速させ、夏頃にNAGANO未来デザインアワードを開催するなど、都市ブランディング関連事業につなげてまいります。また、ブランディング担当部署の設置を含め、庁内の推進体制についても引き続き検討し、長期的な視点から市の魅力を磨き上げ、移住・定住や企業誘致などでも存在感を示すクリエイティブシティを目指しております。 次に、東京事務所の移転についてお答えいたします。 東京事務所の在り方について、市はこれまでも検討してきたところでございますが、この度、市東京事務所を県東京事務所内に移転、同居することを機に、県との連携を強化してまいります。 連携の例としては、省庁や関係団体との活動において県と中核市それぞれの情報ルートや人的ネットワークを活用、共用することで、情報収集の充実、補完や効率化を図ることが可能となります。また、県の信州ITバレー構想や本市の善光寺門前イノベーションタウン構想において、IT企業誘致やスタートアップ支援など、首都圏での情報発信で連携したり、県の楽園信州や信州リゾートテレワークなど、移住・定住促進や観光においてもPR活動やイベントを共同で実施するなど、事業の連携や効果的な展開が可能になると考えております。 今までとの違いでございますが、市の東京事務所の機能につきましては、これまでと基本的に同様となりますが、職員は4名から所長と事務職員の2名体制とし、スリム化を図ります。また、今般のコロナ禍を契機に、企業誘致や移住促進においては、担当課が必要に応じてウェブや出張で対応しながら、東京事務所が情報提供等を含めて現地で支援する体制にしてまいります。 今後期待する効果でございますが、これまで県と市が別々に行っていた各種事業において連携を図ることで、より効率的かつ効果的に実施できるほか、本市及び本県に関心を寄せる首都圏の方にとっても利便性が向上するものと見込んでおります。引き続き、首都圏における市の拠点として積極的に活動しつつ、県東京事務所と業務協力を含めた関係構築を図り、互いに相乗効果が得られるよう取り組んでまいります。 ○議長(小泉栄正) 清水財政部長     (財政部長 清水啓太 登壇) ◎財政部長(清水啓太) 新年度予算案についてお答えします。 新年度予算案の編成に当たりましては、喫緊の課題でございます新型コロナ対策、台風災害からの復興を第一に考え、併せましてポストコロナ社会や人口減少社会を見据えた対策や、地域経済の活性化とまちのにぎわいの創出を積極的に推進していきたいとの思いから、今回の予算テーマを、希望ある未来につなげる安全・安心予算とし、関連事業に予算を重点配分してきたところでございます。 事業の見直しと歳出抑制につきましては、まず予算編成に先立ちまして、行政評価を実施するなどしまして個別の事業や補助金の見直し等の方向性を決定いたしました。その上で予算編成過程におきましては、市税が今回大幅に減収していくという財政状況を踏まえまして、例年以上に厳しいシーリングを設定し、また総合計画推進本部会議における新規・拡大事業の厳選を行うなど、選択と集中を徹底することで歳出抑制をしたことによりまして、今まで以上にめり張りある予算を編成できたものと考えてございます。 次に、財源の確保についてお答えします。 今回の予算編成に当たりましては、新型コロナ対策では国の補正予算を迅速に活用いたしましたことと併せまして、災害復興では国への積極的な働きかけを行うことなどによりまして、その財源を最大限に確保したところでございます。 今後も引き続き、国や県の予算でありますとか、新しい制度につきまして、その動向を広く、早く情報収集を行うとともに、未利用地等の売却や貸付け、さらには有料広告、ネーミングライツ、こういったあらゆる手段を講じて財源確保を図ってまいりたいと考えてございます。 また、今後の人口減少社会では、地域経済の活性化策と併せましてスタートアップ企業の成長支援でありますとか、そういった新産業の創出、既存産業の成長を支援することによりまして、市民所得の向上と税収の確保を図っていくことが必要となります。 なお、これらの財源の確保に併せまして歳出そのものの抑制をしていくことも必要となりますので、そのためには広域圏単位でのマネジメント、公共施設の新規整備抑制、既存施設の長寿命化や統廃合、行政DX、スマートシティへの取組、こういった行政、さらには都市機能全体のスリム化、効率化を進めていくことが大変重要であると考えてございます。 次に、入札契約制度における公共工事の施工時期の平準化についてお答えします。 施工時期の平準化は、いわゆる新・担い手3法が働き方改革の推進に向けた一つの柱としているものでございまして、年間を通じ工事量が安定することから、公共工事に従事する方々の処遇改善のほか、人材や資材等の効率的な活用による事業者の経営健全化、品質の向上にもつながることが期待されているところでございます。 平準化の促進に向けました具体的な取組といたしましては、年度開始前の事業着手を可能とします債務負担行為、いわゆるゼロ市債になります。こちらの積極的な活用、さらにはやむを得ない事由により年度内に支出が終わらない工事等について、適正な工期を確保するため早い段階での繰越明許を行うこと、さらには、今、議員から御提案ありましたフレックス工期制度がございます。 フレックス工期制度につきましては、計画的な発注による施工時期の平準化や、受注した側において効率的に施工できる時期が選択できるということもございまして、ゆとりある工事の施工が可能となるものでございます。 フレックス工期制度を含めました施工時期の平準化の取組は、建設業担い手の中長期的な育成確保を含めた地域経済の健全な発展や働き方改革につながるものでございまして、昨年12月定例会で可決いただきました長野市公契約等基本条例におきましても、その目的や理念として掲げているところでございます。こうしたことから、今後県を含めまして他の自治体の事例を参考にしながら、この施工時期の平準化につきましてはしっかりと検討していきたいと考えてございます。 ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) 私から都市内分権についてお答えいたします。 初めに、デジタル化による住民自治協議会の仕事の軽減についてお答えいたします。 住民自治協議会のデジタル化への取組は、以前から会計ソフトの導入やLINEを活用した事例がございますが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年度区長等へタブレット端末を貸与し、資料を共有するとした地区がございます。これは、感染防止のほかに会議時間短縮といった効率化にもつながっているとお聞きしております。 一方で、タブレット端末の導入に当たっては、役員等の理解と利用経験のない人への操作指導や通信費などの課題がございますので、各住民自治協議会の負担軽減と併せて、状況に応じたデジタル化について研究してまいりたいと考えております。 次に、労働者協同組合法についてお答えいたします。 昨年12月の臨時国会において成立した労働者協同組合法は、組合員が出資し、出資した組合員の意見を反映し、組合員自らが組合の事業に従事するもので、組合員と組合の労働契約が基本原理の制度でございます。住民活動に置き換えると、住民自らが出資し、事業を企画・立案し、実践するという都市内分権にも通じるものと考えております。事例としては、広島市で主に60歳以上の方々が協同労働の仕組みを活用して、地域課題解決のための事業として、日常困りごと支援、障害児等の居場所づくり、被災地の住民の心の復興などを実施し、広島市がその事業に対し支援を行っていると聞いております。 本制度は、既存のNPOからの組織変更や少人数での立ち上げが可能であり、人口減少、担い手不足が課題である住民活動においても住民自治協議会とともに活動の主体となり得るものと考えておりますことから、本制度の活用について調査・研究を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) 私からは包括的な相談支援体制の構築についてお答えいたします。 社会福祉法の改正によりまして、市町村は重層的支援体制整備事業の取組を通じ、地域生活課題の解決に資する包括的な支援体制を整備するよう努めることとされ、事業の実施に当たりましては事業計画の策定のほか、分野・制度を超えて包括的な支援を行う関係者等で構成される支援会議を組織することができるとされております。 本市では、これまで高齢者、障害者、子供及び生活困窮者等に関する包括的な相談支援機関として、地域包括支援センター、障害者相談支援センター、こども相談室及びまいさぽ長野市等を設置するなど、分野・制度ごとに支援体制を整備してまいりました。また、今年度からは、複合化・複雑化した相談について、関係する諸機関の連携による支援をコーディネートする相談支援包括化推進員を市社会福祉協議会に設置して、本年2月末までに580件の困難事件に対応してきております。 議員御指摘のとおり、8050問題やダブルケア、ひきこもり問題など、複数の分野・制度にまたがる複合的な課題、問題が顕在化してきていることから、重層的支援体制整備事業の構築について、今後検討を進めていく必要があると考えております。 本市では、庁内関係課による包括的相談支援体制検討会議を設置しておりまして、先般、国の動画配信等による重層的支援体制整備事業に関する勉強会を開催し、支援体制構築の基本的な考え方や他都市の包括的な支援体制の整備例について情報共有を図ったところでございます。勉強会では、既存の支援関係機関がこれまで信頼関係を築き上げてきた地域とのつながりなど、地域資源の強みを生かすことができる体制のほか、庁外の支援関係機関とも議論を積み重ねることを通じて市全体として目指すべき体制等についてコンセンサスを図りながら体制の構築を進めていくプロセスそのものが重要であるということを共有いたしました。 今後、本市の実情に即した包括的な支援体制の構築に向け、保健福祉部、こども未来部が中心となり、庁外の支援関係機関と共に検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇)
    ◎保健所長(小林良清) 新型コロナウイルスワクチン接種についてお答えいたします。 まず、本市の接種対象者ですけれども、16歳以上の方32万8,300人、うち優先接種となります医療従事者が1万5,000人、高齢者が11万1,500人、高齢者以外で基礎疾患を有する方が2万3,500人、高齢者施設等に従事されている方が5,600人と推計をしておりまして、これらに当てはまらない一般の方が約15万人、そのうち60歳から64歳の方が2万2,600人となっております。 接種率の目標についてですが、国において目標値が設定されておらず、本市においても具体的な数値としては設定してございません。 集団免疫の効果と接種率の関係についてですが、今回のワクチンは発症予防の効果がかなり高いとされておりますが、感染防止の効果につきましては今後の調査研究を待つ必要がありまして、それによって集団免疫の効果と接種率の関係が明らかにされるものと期待しております。 次に、接種体制についてですが、個別接種を行う医療機関数につきましては、現時点で140か所を想定しており、集団接種につきましては2か所の会場で土、日の午後など週2日程度の接種を予定しておりますが、これにつきましては個別接種医療機関が140に達しない場合も想定をいたしまして、最大6か所の会場が確保できるよう、公共施設等の調整を進めているところであります。 なお、ワクチンの供給量と時期が具体的に明らかにされていないことから、現時点で集団接種の時期までお示しすることはできませんが、国・県の情報に注視し、速やかに接種できるよう準備しているところであります。 次に、御自宅で療養されている方、また接種会場まで訪れることが難しい方に対する接種体制についてですが、先ほど申し上げましたとおり、本市ではかかりつけ医や身近な医療機関における個別接種を140か所ということで想定しており、準備しておりますので、まずはお近くの医療機関、あるいは訪問診療の際に接種を受けていただくことが可能ではないかと考えてございます。 次に、接種の予約についてですが、個別接種の場合には接種希望をされる方がそれぞれの医療機関に直接予約をしていただくこととしております。集団接種の場合には、市が設置いたしましたコールセンターでの予約を予定しているところであります。 コールセンターの体制ですけれども、月曜日から土曜日まで、朝8時半から夕方6時まで、最大10名程度のオペレーターによって対応してございます。 議員御提案のSNSやウェブを活用した24時間の予約体制ということで、非常に有用であるとは考えておりますが、まずは高齢者の場合には医療機関が直接やり取りを行って、健康状態や基礎疾患の有無等を丁寧に確認をする必要がありますので、まずは直接の予約ということを基本にしながら、一般の方の接種が進む中では、やはり利便性等を十分に考えまして、そうした導入も検討してまいりたいと考えております。 また、AIチャットボットについてですが、システム事業者の御協力や経費などの課題もありますので、そうした点も含めて今後研究してまいりたいと考えております。 次に、ワクチンの効果、安全性、有効性、さらには副反応に関する周知についてですが、新聞の折り込みチラシやホームページ等を活用するほか、広報ながのなどを通じて様々な周知を行う予定をしておりますので、そういった媒体の活用を考えてございます。 接種スケジュールにつきましても同様の方法を考えておりますが、仮にスケジュールが変更された場合には、ホームページや、また報道機関の皆さんへの積極的な情報提供を通じて、できるだけ小まめに迅速な情報提供をしてまいりたいと考えております。 次に、医師、看護師等をはじめ、医療機関への具体的なバックアップについてでありますが、ファイザー社製のワクチンにつきましては特殊な冷凍庫での保管、小分け作業、移送といった業務が必要となります。また、接種する医療機関におきましては、人員の確保、接種場所の整備、それから現在国で検討されております接種記録システムへの入力、こういった従来にはない御負担が発生することが考えられますので、こうした業務に対する支援策等を検討してまいりたいと考えております。 集団接種につきましては、医師、看護師の派遣などについては、現在医師会と具体的な調整等を行っておりまして、こうした取組を通じて市民の皆さんに安心して接種を受けていただけるよう体制を整備してまいりたいと思っております。 ○議長(小泉栄正) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) 放課後子ども総合プラン事業の見直しについてお答えします。 放課後子ども総合プランにつきましては、かねてから時間延長の御要望をいただいているところであり、本市といたしましてもこれまで受託事業者への説明等を実施してきたところでございます。この中で、支援員などの就業時間や給与処遇のほか、児童の生活面への影響などを懸念する声をお聞きしております。 放課後子ども総合プランは、児童クラブ活動や放課後児童健全育成事業を引き継ぎ、新たな制度として開始しておりますが、地域主体での運営形態も同様に引き継いだ形となっております。このため、対象年齢の拡大、放課後子どもプラザの増設、希望児童の受入れ、さらに時間延長の拡大といった事業の拡充に当たり、地域に多大な協力をいただいてきたところでございます。しかしながら、人口減少社会の中で働き手の確保が困難な状況は、放課後子ども総合プランにおきましてもその例外ではなく、地域の中だけで対応をお願いすることが難しくなっております。また、児童を取り巻く環境の変化に加え、教職員の働き方にも変革が進む中で、放課後子ども総合プランが担う役割にも高度なものが求められてくるものと考えております。 本市といたしましては、児童の健全な育成と放課後の居場所を確実に確保していくためには、事業運営の全般的な見直しが必要と考えておりますので、開館時間の延長を図ることも含めて検討を進めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 宮尾環境部長     (環境部長 宮尾正彦 登壇) ◎環境部長(宮尾正彦) ゼロカーボンを目指した取組のうち、初めにバイオマス産業都市の認定について、これまでの取組と新年度の取組の違いについてお答えいたします。 本市では、地球温暖化対策、地域産業・雇用の創出、中山間地域の活性化などを目的に、市内に豊富に存在するバイオマス資源の有効活用を図るため、国から優先的な支援が期待できるバイオマス産業都市の認定を目指してまいりました。 平成27年度に構想案をまとめた経過がございましたが、事業化プロジェクトとして期待されていた主たる民間の事業が残念ながら計画段階で中止となってしまったことから、認定は困難と判断し、議員御指摘のとおり、平成28年度の応募を断念したものでございます。 しかしながら、その後も長野市バイオマスタウン構想推進協議会を通じて事業者間のマッチングなどの活動を続けてまいりました。そうした活動がようやく実を結びつつあり、現在製材おが粉のペレット化と端材の熱利用や、バーク--木の皮やキノコの廃培地の固形燃料化による石炭コークス代替としての熱利用、剪定枝などの木質チップを原料とする木質バイオマス発電、食品加工残渣などを原料とするメタン発酵ガス発電など、民間事業者主体の複数の事業化プロジェクトが具現化に向けて検討されております。 バイオマス産業都市の認定については、応募を見送った前回と異なり、現時点で複数の事業化プロジェクトが生まれ、いずれも具現化に向けて動き出している状況から、非常に期待できる段階にあると考えております。現在、認定に必要なバイオマス産業都市構想を策定中でありますが、この機を逃すことなく、令和3年度中のバイオマス産業都市の認定に向けて取り組んでまいります。 次に、公共施設のLED化の取組、計画についてお答えいたします。 照明のLED化については、議員御指摘のとおり、蛍光灯と比較して使用電力量を約40%削減するほか、4倍から7倍の長寿命化が図られるなど、地球温暖化対策に有効な取組であります。 長野市役所環境保全率先実行計画、第五次長野市役所温暖化防止実行計画におきましても、高効率蛍光灯、LED照明など、省エネルギー型設備や機器の利用を進めることを位置づけ、照明の改修に当たっては原則としてLED化を図ってまいりました。平成30年度の調査では、市有施設の照明約22万台のうち約6%の約1万3,000台がLED化されておりますが、残りの照明を全てLED化すると約1,700トンの二酸化炭素排出量の削減につながるため、今後の長寿命化の改修などに合わせて早期のLED化を図ってまいります。 次に、SDGsへの取組における市民への啓発についてお答えいたします。 国際連合広報センターの持続可能な社会のために、ナマケモノにもできるアクション・ガイドにおいては、レベル1からレベル4までCO2排出削減などの環境問題をはじめ、私たちが生活の中で取り入れられるSDGsに向けての行動について分かりやすく書かれております。 本市の啓発の取組といたしましては、2017年4月に行いました長野市COOL CHOICE宣言を推進するため、環境に優しい取組チェックリスト、C3リスト120を作成し、ホームページなどで家庭や職場などにおいてCO2削減につながる取組などを紹介しております。 社会全体でSDGsへの理解を深め、一人一人が具体的な行動を起こせるよう、効果的な啓発について関係課と連携を図りながら進めてまいります。 次に、市民、事業者、行政の連携強化と人づくりの推進におけるこれまでの取組と成果についてお答えいたします。 市民、事業者、行政の連携強化としては、平成13年6月に設立されましたながの環境パートナーシップ会議では、現在11のプロジェクトチームが地域や学校、事業者と共に環境保全活動に取り組んでおります。平成27年度3,766人であった活動参加者数は、令和元年度4,588人と着実に増えてきております。また、信州大学工学部の学生がプロジェクトチームの活動に参加し、単位を修得する地域環境演習の科目には3チームが受入れに協力し、令和元年度では4名の学生が活動に参加しております。さらに、平成28年度にプロジェクトサポーター制度を創設し、事業者から人、資金、場所などの支援をいただき、継続的な環境保全活動の展開を図っており、現在市内の五つの事業者が参画しております。 人づくりの推進としては、環境教育と環境学習の推進を図り、親子で参加できる事業として、川遊びや自然エネルギーなどに関する学習会、また昨年10月にはテーマを、海のプラスチックごみを増やさないために私たちにできることを考えようと設定した環境こどもサミットを行い、環境保全活動への関心を持ち、自発的に行動できる人材育成を図ってきております。 また、海洋プラスチックごみの削減に向けての新たな取組として、昨年11月には信州新町小学校4年生と上越市立谷浜小学校3・4年生との交流学習が開始され、谷浜海水浴場のごみを一緒に拾うなどの活動が行われました。 今後も、市内の全小・中学生に年6回配付しております環境学習チラシ、えこねくしょんを活用していただくなど、学童期からの環境教育の支援を行ってまいります。 ○議長(小泉栄正) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) コロナ禍での経済対策のうち、まずは支援策の成果と市内経済状況の認識についてお答えいたします。 長野県と共同で実施いたしました休業協力金の支給を皮切りに、国に先駆けまして市独自の家賃支援を行い、売上げが減少した事業者が事業を継続できるよう、いち早く支援を行うことができたものと考えております。 また、融資制度におきましては、低利で利子補給つきの新型コロナウイルス感染症対策資金を創設いたしまして、中小企業者等の資金繰りを支えてきたところでございます。 さらに、感染症予防対策やテークアウト、デリバリー等に要する経費に対しまして、新型コロナウイルス対策事業者等支援事業補助金を開始いたしまして、店舗・事業所が新しい生活様式に対応することを促すとともに、新たに発生する経費負担を軽減することにつながったものと考えております。 また、消費喚起策の第1弾として実施いたしました、推し店プラチナチケット事業につきましては、店舗や市民の皆様から大変好評をいただき、引き続き年末年始に合わせて、ながのビッグプレミアム商品券の使用を開始したことで切れ目のない経済対策が行われたものと考えております。 また、ながのエールフェスタでは、応援をテーマにしたイベントを9月から実施いたしまして、来場者や出店者等からは、外出するよい機会となった、来年度以降も継続的に開催してほしいなどといった声をいただいております。 本市といたしましてはこれまで様々な支援策を講じてまいりましたが、市内の経済状況につきましては、長野経済研究所が県内企業に対して行ったアンケート調査によりますと、半数以上の企業が当面の資金確保につきましては実施済みと回答している一方で、約4割の企業がコロナ前の水準に売上げが回復するのは2022年以降と回答しております。依然として市内経済も厳しい状況にあると認識しております。 本市といたしましては、来年の善光寺御開帳に向けまして、いかに早く市内経済を回復させるかが重要と考えており、今後も感染症拡大の状況を踏まえ、引き続き、切れ目のない効果的な経済対策を行ってまいります。 次に、第2弾となります、推し店プラチナチケット事業の内容についてお答えいたします。 既に推し店という名称で認知をいただいていることを踏まえまして、額面5,000円で購入店舗でのみ利用できるチケットを店舗自らが消費者の方に3,000円で販売をする本年度と同様の内容を予定しております。取扱販売店の対象業種につきましては前回と同様に考えておりまして、特に厳しい状況にある飲食店に対しましては、販売希望冊数の引上げを予定しております。 実施時期につきましては、GoToEatの終了時期や、長野県でも実施を予定しております、信州の安心なお店キャンペーン事業のチケット利用期間等を踏まえまして、切れ目なく消費喚起の支援につながるよう、また感染状況も見極めながら効果的なタイミングで実施してまいりたいというふうに考えております。 次に、コロナ禍における解雇や雇い止めの状況につきましてお答えいたします。 長野労働局の発表によりますと、県内の新型コロナウイルス感染症の影響により解雇や雇い止めを受けた人の数は、令和3年2月25日時点の見込みを含めまして、累計で145事業所1,905人、北信地域におきましては29事業所355人という状況にございます。また、長野市を管轄するハローワーク長野・篠ノ井・須坂管内の人員整理の状況は、令和2年2月から令和3年1月までの間の合計で15件647人という状況でございます。 なお、雇用調整助成金などの活用によりまして、比較的大幅な人員整理が抑えられていると見られておりますけれども、解雇や雇い止めをされる方が増えている状況にございます。また、コロナ禍において失業保険を受給しながら求職活動をしばらくの間自粛されている方もおりまして、今後求職者が増加することも考えられます。 本市におきましても、引き続き今後の動向を注視しつつ、長野市の職業相談室におきまして求職者に寄り添った相談を行うとともに、ハローワークをはじめ県や関係団体と随時情報交換を行い、連携・協力しながら引き続き支援をしてまいります。 最後に、スタートアップ企業成長支援事業につきましてお答えいたします。 今年度から取り組んでおりますスタートアップ企業成長支援事業につきましては、起業につながる地域等の課題と起業家が出会う場所の開設、起業や新規事業創出に向けたイノベーション創出プログラムの実施、そして起業家の成長を加速させる支援などを展開しております。 本事業は、地方創生推進交付金の採択を受けておりまして、二つのKPIを設定しております。一つ目は、本事業を通じて生まれる新規起業者数といたしまして、今年度は1件、令和3年度は4件、令和4年度は8件と設定しております。 二つ目は、イノベーション創出プログラムから生まれる新規事業数でございまして、今年度は1件、令和3年度は2件、令和4年度は3件と設定しております。 それぞれの目標値のうち、今年度分は現時点ではなんとかクリアしたいと考えているところでございますが、次年度以降の目標値は最低限達成すべきものとして設定しておりますので、市内外の大学や企業など、多様な支援機関と連携しながら、これらの目標値を上回る成果が出るよう今後取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ○議長(小泉栄正) 小林文化スポーツ振興部長     (文化スポーツ振興部長 小林祐二 登壇) ◎文化スポーツ振興部長(小林祐二) 私から、ゼロカーボンを目指した取組のうち、スポーツ施設のLED化についてお答え申し上げます。 本市のスポーツ施設のLED化の状況でございますが、サンマリーンながのと社会体育館など、10か所にLED照明が整備されております。 なお、LED化されていない社会体育館や長野運動公園の施設、南長野運動公園の一部施設などでは、昨年12月末で製造や輸出入が禁止となった水銀ランプを使用しております。また、ホワイトリング、長野Uスタジアム、長野オリンピックスタジアムなどでは、製造などの規制はされていないメタルハライドランプを使用している状況でございます。 御質問いただきましたホワイトリングや長野UスタジアムのLED化につきましては、両施設とも地域密着型プロスポーツチームの試合なども開催されており、LED化することでこれまでできなった点灯、消灯を繰り返すといった演出も可能になるとともに、消費電力の削減、CO2削減の効果も期待できます。 一方、大規模施設のLED化は、工事の時期や経費など課題もあることから、計画的に進める必要もございます。 本市のスポーツ施設のLED化に当たっては、施設の長寿命化対策と併せ、まず水銀ランプを使用している施設を優先するとともに、スポーツ施設全体の更新計画を策定し、進めてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) DX推進のうち、まずスマート農業推進事業についてお答えいたします。 日々進歩しているスマート農業は、農業が抱える課題の解決に向け期待され、今後全国的に導入が進んでまいります。 本市といたしましても、令和3年度予算にスマート農業推進事業の経費を計上し、ハードとソフトの両面からスマート農業を推進してまいります。 ハード面では、スマート農業用機械の導入や、ドローンの操縦技術の認定取得に係る経費の一部を補助するとともに、本市農業に適したスマート農業用機械等を開発する取組に対し支援をしてまいります。 また、ソフト面では、ICTを活用し、熟練農業者の栽培技術を可視化する、桃の栽培支援システムの実証実験に取り組み、新たな担い手の確保や産地の栽培技術の底上げ、ひいては高品質な桃産地としてのブランド化につなげていきたいと考えています。本市長期戦略2040が目指す農産物の高付加価値化に向けて、積極的に、また着実に進めてまいります。 次に、農作業専門マッチングアプリについてお答えします。 このアプリは、県内ではJAみなみ信州で導入実績がありまして、人手を必要とする農業者が数時間から1日単位での求人をすることが可能で、仕事を求める方も簡単に求人情報の検索と応募ができるツールとして活用されています。 市内におけるアプリなどを活用した取組としては、JA長野県農業労働力支援センターが農作業の求人サイトを開設しているほか、JAながのでは本年4月以降、農作業専門のマッチングアプリの導入を予定しているとお聞きしています。また、去る2月には長野県が、Jobサポ!農業のホームページを開設し、農業の求人情報の掲載を始めたところであります。 議員御指摘のとおり、こうした新たな取組は、農業において課題となっています労働力の確保、多様な担い手の確保につながりますので、市といたしましても農業委員への情報提供や、毎年実施しています認定農業者との面談などを通じて紹介するなど、積極的な活用が図られていくよう努めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 被災者の住宅支援についてお答えします。 災害公営住宅美濃和田団地への入居希望者数は、建設戸数73戸に対し110世帯から仮申込みをいただいたところでございます。また、栗田従前居住者用住宅は、長野駅周辺第二土地区画整理事業の進捗により、区画整理事業関連での新たな入居見込みがないことから、令和3年度には20戸を低所得者向け公的住宅として活用する計画です。 次に、住宅支援の状況ですが、災害公営住宅入所希望者につきましては、世帯の状況等がそれぞれ異なることから、住宅再建の意向等、個別に聞き取り調査や個別相談を継続して行っております。この調査や相談の中で、栗田従前居住者用住宅への入居を決められた6世帯や、一時入居している公営住宅、借り上げ型応急仮設住宅への継続入居を決められた世帯、民間賃貸住宅への入居を決められた世帯、自宅再建の意思を固められた世帯など、住宅再建の方法を変更した方もおられる状況です。 次に、トレーラーハウスを払い下げる等の住宅支援についてお答えします。 市では、トレーラーハウスを15戸設置し、被災者に提供しておりますが、議員御提案のトレーラーハウス払下げにつきましては、敷地条件、費用などについて調査を行っております。敷地条件では、運送経路等被災地の現地確認をするなど、設置可能な敷地について調査を行っております。費用面では、新品を設置する場合と比較して400万円ほど低い費用で設置が可能であること、撤去費用が掛からない事例もあると事業者からお聞きしております。また、基礎を設置し、建築確認申請や不動産登記の手続を行うことにより、生活再建支援金についても支給対象となる事例があることを確認しております。 現在、事業者が融資の条件や返済額も含めた案内チラシを作成しているところですが、3月上旬には被災者の皆様にお配りしながら住宅再建の手法の一つとして検討していただきたいと考えております。 今後も、被災者の皆様と個別に対応を重ねる中で現状をしっかり把握し、中古トレーラーハウスの活用を含めた自力再建や、市営住宅を御案内するなど、それぞれの状況に応じた住宅再建となるよう、きめ細やかな支援をしてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 岩片都市整備部長     (都市整備部長 岩片弘充 登壇) ◎都市整備部長(岩片弘充) 公共交通維持のためのMaaS導入と民間事業者への積極的な提案や支援についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、前橋市では中心市街地の一部区間において、路線バスやコミュニティバスが1日又は1週間乗り放題となるデジタルフリーパスを販売し、登録時に交通系ICカードとマイナンバーカードを連携することで市民に限定した割引制度が受けられる実証実験を行っております。 本市においては、人口減少やコロナ禍の影響により、バス、タクシー、鉄道の利用者は減少しており、交通事業者が経営のスリム化を図る中で、市といたしましては地方創生臨時交付金を活用した支援を実施するとともに、市民生活に不可欠な移動手段である公共交通を維持するため、廃止路線代替バスの運行や鉄道事業者の安全対策への支援を継続的に行っております。 前橋市をはじめ、全国で、国の日本版MaaS推進・支援事業を活用した、AIによるデマンド交通や、公共交通をパッケージ化した定額料金設定など、各種の実証実験が行われております。今後、このような実証実験の結果を注視しながら、市内の中山間地域やバス路線空白地域を運行している乗り合いタクシーと、接続する主要なバス路線との連携強化を図るなど、地域の公共交通ネットワークを維持していく上で有効な手段を、交通事業者と協議しながら検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 勝山秀夫議員 ◆18番(勝山秀夫議員) 被災者の住宅支援で、トレーラーハウスの払下げ、現実的にできそうなことに関しては大変ありがたいと思います。 答弁の中で、新品より400万円安くなるのは分かったんですけれども、できれば具体的に、おおよそ、答えられる範囲で大体被災者はどのぐらいお金を用意すればトレーラーハウスに住むことができるか、分かる範囲で教えていただきたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 今後、先ほどお話ししたように、被災者の皆様にお配りする資料の中では、中古トレーラーハウスの価格が600万円弱という額、あと設置費用が250万円ほど掛かる予定となっております。それに対して、1人当たり単身世帯の支援金が150万円ほど出る予定となっておりますので、それを相殺した額が1戸当たりの建設価格ということになりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 勝山秀夫議員 ◆18番(勝山秀夫議員) ありがとうございます。 またチラシの方、できたらまたしっかりと分かりやすく書いていただきたいと思います。お願いします。 加藤市長2期目の総括について、答弁いただきまして、松代、また飯綱、戸隠のそういった観光の魅力、本当に頑張っていただいたと思います。また、都市整備も、私の近所の北部幹線もこの間開通しましたし、すぐにしっかり行動して成果を出していただき感謝申し上げます。 今残されている課題は本当に大きな課題で、東日本台風に絡むことと新型コロナの対策、本当に大きな課題でありますが、残された任期しっかりこれの対応をしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 東京事務所の関係で、情報収集、またイベントの共同開催等、大変これ大いに相乗効果を期待したいところであります。また、県との連携強化するだけではなく、また公明党も、今後とも更に遠慮なく使っていただいて、各省庁との連携、情報収集など、更なる強化に努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 マイ・タイムラインについてでありますが、先ほど答弁いただいたように、浸水想定3メートル未満のところでも様々な状況があって分かりづらいというのがあります。やっぱり、ユーチューブを使ってそういった細かい情報をしっかり発信をしていただく。また、その土地に合った情報、私も様々見ましたけれども、そういった身近な情報があると市民の方もとっつきやすく見やすいと思いますので、その辺の発信をしっかりとお願いをしまして質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(小泉栄正) 以上で勝山秀夫議員の質問を終わります。 午後1時まで休憩いたします。   午前11時49分 休憩   午後1時 再開 ○副議長(西沢利一) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 20番金沢敦志議員     (20番 金沢敦志議員 登壇) ◆20番(金沢敦志議員) 20番、金沢敦志、質問いたします。 2月上旬に令和2年度まちづくりアンケートの報告書が公表されました。この調査は、時事の課題に加え、行政施策の優先度に関することが調査され、毎年その順位が55位まで記載されています。市民の関心事が客観的に数字で示されておりますので、私自身の課題認識に間違いがないかをチェックするため、参考にさせていただいております。 今回の質問は、まちづくりアンケートで優先度が高いものについて幾つか質問させていただきます。 一つ目の質問ですが、まちづくりアンケートでも9位に挙げられました高齢者の社会参加と生きがいづくりの促進に関してお伺いします。 私が説明するまでもなく、2025年問題のように、高齢化問題はじわじわと深刻さを増しております。2025年には国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になることが予想されております。 1月には厚生労働省が2021年度の公的年金の受給額を2020年度比で0.1%引き下げると発表しました。さらに、昨年からのコロナ感染の拡大で、実質賃金がかなり低下しているので、次回の見直しでは大きく受給額が減額され、高齢者の経済状況は更に厳しくなる懸念があります。そのため、国は本年4月から改正高年齢者雇用安定法を施行し、65歳までの雇用確保を義務化、70歳までの就業確保を努力義務としております。 長野市でも昨年に、長野市シルバー人材センターも構成員となっている長野市生涯現役促進協議会が設立され、厚生労働省の委託を受けて、生涯現役促進地域連携事業を開始しております。 事業内容としては、もんぜんぷら座の長野市職業相談室の中に、ながのシニアおしごとサポートセンターを開設し、シニアの就職相談、シニア向けのセミナーや雇用者へのセミナー開催等であります。 私もサポートセンターを訪問し、状況をお聞きしたり、先日、2月10日に開催されましたシニア人材活用セミナーに参加させていただいたりしました。 ここでお伺いいたします。生涯現役促進地域連携事業が昨年より開始されましたが、事業に対する手応え、反応はいかがでしょうか。 長野市、商工会議所、シルバー人材センター、社会福祉協議会等により長野市生涯現役促進協議会が昨年発足しました。本協議会は国が予算を出す生涯現役促進地域連携事業の受皿となる組織です。 ただ、連携事業は最大3年であります。本事業の性質を考慮しますと、3年で終わらせるような事業でなく、中長期にわたって根気よく続ける必要があると思われます。一部事業はシルバー人材センターと重複している部分もあると思われますので、将来的にそこで事業継続するようなことも考えられます。 中長期的に見て、本事業の継続性についてお伺いいたします。     (20番 金沢敦志議員 質問席へ移動) ○副議長(西沢利一) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) 初めに、生涯現役促進地域連携事業につきましては、令和2年1月に本市のほか商工団体、長野シルバー人材センターなどで構成する長野市生涯現役推進協議会を設立いたしまして、同年5月に厚生労働省の生涯現役促進地域連携事業を受託し、事業を開始したところでございます。 人生100年時代を迎えようとする中、高齢者が生涯現役で様々な場面で生き生きと活躍できる環境を整えることは重要であると認識しておりまして、高齢者に対する就労支援を中心に事業を展開しているところでございます。 同協議会が昨年7月、もんぜんぷら座内に開設いたしました、ながのシニアおしごとサポートセンターでは、2月末までに延べ318人の相談を受けるほか、延べ50の事業所訪問を行い、就労を希望する高齢者の就労の場の確保に努めているところでございます。 また、高齢者の社会参加を支援するため、就労に限らず、健康づくりや金融・資産などのライフプランに関するセミナーと相談会といたしまして、ライフプランセミナー&ワンストップ困りごと相談会を、また、労働力不足の解消に向けまして、高齢者を雇用したい事業者と就労を希望する高齢者を結びつける就職相談会といたしまして、ながのシニアのおしごとご縁結びを、今年度はそれぞれ2回ずつ開催しております。 事業に対する手応え、反応につきましては、8月と12月に開催いたしましたライフプランセミナー&ワンストップ困りごと相談会には、合わせて48人の方が参加されまして、9割を超える参加者の皆さんから、役に立ったという評価をいただきました。 また、10月と1月に開催いたしました、ながのシニアのおしごとご縁結びには合わせて82人の方が参加され、8割を超える参加者から、役に立ったとの評価をいただくとともに、6割の方からは就きたい仕事、又は興味の持てる仕事が見つかったという感想をいただいております。 さらに、2月には市内企業向けに、シニア人材活用セミナーを開催しましたところ、30人の方が参加されまして、7割を超える参加者から、満足との評価をいただくとともに、シニア人材を更に活用する必要性・有用性について理解が深まったという感想をいただいております。 これらの事業を通じまして、2月末現在で、延べ100人の就労を希望する高齢者のうち45人の就業につなげることができ、本年度目標としておりました就業者数24人を大きく上回るものとなっております。 次に、本事業の継続性につきましては、実績や今後のニーズなどを踏まえて判断することになりますけれども、高齢化社会にあって、本事業の果たす役割はますます重要なものになると認識しております。できるだけ継続してまいりたいと考えております。 議員御指摘のとおり、高齢者の就業機会の確保など、シルバー人材センターの事業と重複する部分もございます。国におきましては、事業開始から4年目以降も協議会が国の事業を受託できるようになりましたので、各年度の事業内容と併せて、中長期にわたって本事業を継続していく方法も検討してまいります。 ○副議長(西沢利一) 金沢敦志議員 ◆20番(金沢敦志議員) ありがとうございます。 関連しまして、高齢者の就業支援をしている長野シルバー人材センターで理事長にインタビューしたところ、シルバー層に活躍していただくため、テレビでの宣伝や説明会を開催する等の努力をされておられます。ただ、会員、特に少ない女性会員の拡大、就業先の開拓等、幾つか課題があるとお聞きしました。 市は課題に対してどのように認識されているのか、また、支援の必要性について同じくお伺いいたします。 ○副議長(西沢利一) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) 長野シルバー人材センターにつきましては、会員数、特に女性会員の確保、就業機会の確保、安全就業の推進など多くの課題があることは認識しております。 それと同時に、同センターにおきましては、会員確保のために地区別の移動入会説明会、それから女性向けの入会説明会の実施や、女性に適した職種・就業先の確保、サービス業をはじめとした人手不足の業種、ホワイトカラー層向けの職種の就職先の開拓など課題解決のために様々な取組を行っていることも承知しております。 全国的な例を見ますと、鹿児島市シルバー人材センターにおきましては、60代女性をターゲットといたしましたイベントの実施、又は各種講座を開催することを通じて女性会員を大きく増加させた例や、人手不足が深刻な業種・職種の分野で派遣に力を入れ、契約金額を大きく伸ばしているといった例もございます。 サービス業などの人手不足解消、育児や介護など現役世代を支える分野につきましては、高齢者が働くことを通じて現役世代の活躍を推進することにもつながることから、長野シルバー人材センターに対しましては引き続き財政的な支援を行うとともに、高齢者の生きがいづくりなどの活動の場、働く機会の提供に向けまして、協力、連携をしてまいります。 ○副議長(西沢利一) 金沢敦志議員 ◆20番(金沢敦志議員) シルバー層の活躍のため、是非御支援願いたいと思います。 次の質問をさせていただきます。 2月に公表されましたまちづくりアンケートの結果で、市民の要望として、防災・減災対策の推進も全体で3番目と優先順位が高く挙げられています。一昨年の台風第19号、昨年7月の大雨と集中豪雨等による災害を思えば、優先順位が高いのは当然かと思われます。 災害といえば、昨年7月ですが、突然の集中豪雨により北八幡川--柳原1号幹線排水路で溢水があり、災害が発生しました。 私も9月定例会では古牧地区、朝陽地区からの諸意見を基に質問、要望いたしましたが、その際には現状報告と幾つかの前向きな対策が示されました。 さらに、その後の10月には、住民自治協議会と共に市長に防災事業推進の陳情・要望を行っております。 この1月に私の居住地区であります古牧地区で住民自治協議会、各区長、役員で意見交換会の機会がありましたが、その中で、「現在は渇水期であるが、今年もすぐに出水期が来るので心配である。その後の防災対策、計画の進捗はいかがか。長期的な防災事業は重要だが、短期的、応急的な対策が現在ないのか」との意見、質問が再びございました。 北八幡川断面を拡張する改修事業、北八幡雨水調整池の拡張事業も中長期的な対応であります。比較的短期間での対応として一部護岸、堤防のかさ上げが考えられておりましたが、それも河川に架かる橋梁が狭窄部となっており、そこから溢水する可能性が高いことから、以前より慎重な意見も一部ございます。 以上を踏まえ、お伺いいたします。 7月の溢水以来、未定だった北八幡川の改修事業、計画が再び議論されるようになり、その際には予算上の課題も浮上したが、現段階での国や県との交渉等で進展がありましたでしょうか。 2点目、北八幡雨水調整池の容量拡大事業の現段階での計画見通しはどうでしょうか。 あわせて、北八幡雨水調整池の容量拡大事業の履行が前提として、古牧小学校校庭地下への雨水調整池の設置について、現在の位置づけはどうでしょうか。 4点目、本河川の溢水の抜本的な対策は河川の断面積を拡張する本来の改修工事ですが、時間が掛かることから、狭窄部となっている橋脚が低く、出水時に通水を阻害している橋梁の改修、若しくは拡張も改修工事で行われるとするなら、先に橋梁部の拡張工事を進めることは可能でしょうか。 5点目、水位データのインターネットのライブ配信について現在研究されていると思いますが、現在での見通しについてお伺いします。 ○副議長(西沢利一) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 初めに、北八幡川の改修事業・計画の現段階での県や国との交渉等の進展についてですが、北八幡川の未整備区間のうち、昨年の7月21日の豪雨で護岸が被災した北尾張部地区の分水工から上流の地蔵橋までの未整備区間150メートルにつきましては、市において農地防災国庫補助事業により令和3年度から水路断面の拡張工事に着手し、令和5年度の完成を目指してまいります。 地蔵橋から上流の北八幡雨水調整池までの2,450メートル区間における今後の方針については、昨年の9月、11月と今年の2月の3回にわたり県の関係部署と協議を重ねてまいりましたが、県からは、北八幡川周辺の宅地化が進み、農地がほとんどなくなっていることから、農林水産省所管事業の実施に必要な農地面積の要件を満たさず、県営事業の実施は難しい状況とのことであります。 そのような状況において、県が農林水産省と協議を行った結果、地蔵橋上流の北八幡川は国土交通省所管事業で改修し、用水路と雨水排水路の兼用工作物とすることについては問題がないことが示されました。 現在、北八幡川は下水道事業の雨水渠計画における放流先河川でありますが、今後、都市防災の観点から新たに雨水渠計画に位置づけられるよう検討してまいりたいと考えております。 また、農林事業としては、施設管理者の長野平土地改良区と協議の上、雨水渠事業による整備に着手するまでに期間を要することから、浸水被害が軽減できるよう、維持管理面を主眼とした河川整備や護岸のかさ上げなどの暫定整備を進めてまいります。 なお、具体的な暫定整備の内容については、令和3年度中に検討する予定でございます。 次に、北八幡雨水調整池の容量拡大事業の現段階での計画見通しについてお答えします。 北八幡雨水調整池の容量の拡張に当たっては、現在までの検討において、平成24年7月に記録した時間雨量63ミリの既往最大降雨に対し、住宅の床下浸水の防止を目標とするために必要な新規容量を算定し、その容量を確保するため、これまでに調整池の掘り下げ等による検討や古牧小学校校庭の地下調整池を組み合わせた検討も行ってまいりました。 現段階におきましては、北八幡雨水調整池底面について、約80センチメートルの掘り下げと、地下水の排除を併せて行い、約8,000トンの貯留容量の増加が見込める結果となりました。 また、調整池内における追加の対策についても新たに検討に入っております。更なる容量の上乗せも可能と判断しており、今後その対策の基本設計を行い、目標とする容量を確保してまいりたいと考えております。 まずは来年度に北八幡雨水調整池の約8,000トンの拡張の実施設計を行い、令和4年度から調整池の掘り下げによる拡張工事に着手し、追加の容量の検討を具体化することによって、段階的に調整池容量を拡大し、治水安全度の向上を図ってまいります。 次に、古牧小学校校庭地下への雨水調整池設置の現在の位置づけについてですが、北八幡雨水調整池の拡張の検討に併せ、古牧小学校の校庭地下への雨水調整池の必要性についても検討を行ってまいりました。 北八幡雨水調整池において追加の対策の検討を行う中、調整池内の対策のみで目標としている貯留容量の確保が可能と考えております。現時点では古牧小学校の校庭地下の調整池整備について必要性は薄いと思われますが、今後、北八幡川の下水道事業としての位置づけの中で研究してまいります。 なお、古牧小学校校庭への表面貯留については、児童の安全面などを学校やPTAと十分に協議を行い、流出抑制を図るための短期的な対策として、新年度に北八幡川から校庭へ導く水路の設計と工事を実施してまいります。 次に、出水時に通水を阻害している橋梁部の拡張工事を先に進めることは可能かについてですが、北八幡川の地蔵橋から上流の北八幡雨水調整池までの未整備区間については、今後、雨水渠計画に位置づけるため、水路断面の改修を含めた検討を行います。 また、それと並行して、農林事業により16か所の橋梁部分を含めた水路断面や流下能力の現況調査を行います。 その調査では、水害の原因を洗い出し、水害解消と上下流バランスに配慮した整備手法と、施工順序等の水理解析について検討を行う業務委託を、この2月末に専門知識を有したコンサルタントに発注し、令和3年度中に整備方針を固める予定として進めてまいります。 その中で、議員御質問の狭窄部となっている橋梁については、未整備区間内における上下流バランスを考慮する中で、先行して整備することの可能性についても検討してまいります。 最後に、水位データのインターネットライブ配信について、現在の見通しでございますが、河川課では、豪雨に備え、遠隔により水位を調整する水門操作を行っており、その操作や監視に必要な情報として河川水路の必要な箇所に水位計を設置し、専用のパソコンと河川課内のデータ表示板においてリアルタイムで確認することができます。 なお、北八幡川流域では、北八幡雨水調整池に1か所、その下流の北八幡川に3か所の水位計が設置されております。 また、国・県管理の一級河川の水位データについては、長野市防災情報ポータルサイトにより配信されております。 こうした状況の中、ライブ配信する水位情報については、現在庁内関係部局とそれぞれのシステム構築会社も含めた中で、伝送方法や導入コスト等について協議を行っているところでございます。 議員御質問の水位データをインターネットで配信することについては、市民自ら情報を入手することで防災や避難行動につなげる重要なものと考えておりますので、今後早期の実現に向けて具体化してまいります。 北八幡川流域の治水対策については、地域住民の水害からの不安を少しでも解消するため、今後も各種のハード事業とソフト対策を組み合わせ、浸水被害の軽減を図ってまいります。 ○副議長(西沢利一) 金沢敦志議員 ◆20番(金沢敦志議員) 住民は夏が来るといつも心配しております。事業の進捗よろしくお願い申し上げます。 なお、北八幡川の全改修工事は、今回前倒しで行われる破損した護岸部分から地蔵橋までの区間の費用で推定するに、80億円から100億円が掛かると思われます。事業の名目によりますが、財源の六、七割は国や県からでありますので、国や県の同意がなければ事業は進みません。市長や市の理事者が国や県にお願いされております。国や県も他の大規模災害の復興事業や新型コロナウイルス感染症対策で多額の予算が必要と思いますが、是非本件も重要な課題として認識され、予算を計上していただくよう、市には御尽力よろしくお願い申し上げます。 次の質問に入ります。 出生率の比較的高い地方都市から出生率の低い首都圏への人口流出、東京一極集中はいまだ解決されず問題となっています。少子化に輪をかけて地方都市の過疎化、人口減少を招いており、長野市も同様であります。 昨年の5月ですが、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が公表しました移住等の増加に向けた広報戦略の立案・実施のための調査事業報告書によりますと、東京圏在住者の20歳から59歳までの約半数が地方圏での暮らしに関心があり、そのうち地方圏出身者に限れば6割強と、東京圏出身者よりも高い関心を持っています。 そのように高い関心を持つ方が東京圏に多いにもかかわらず、地方圏から転出超過となっているのは、地方圏への移住に対し不安を抱えていることがあると思われます。 同報告書では、地方圏へ移住することへの不安や懸念点についてもアンケートしておりますが、その順位の1位は働き口が見つからないことでありました。 今回の新型コロナウイルス感染症の影響ですが、首都圏から地方への移住、企業移転等、人口移動で思わぬ効果を生じております。総務省の住民基本台帳人口移動報告によりますと、2020年7月の東京圏では、2013年7月以降初めて転出超過となりました。特に、東京都からの転出超過は7月から6か月連続となっています。 移住の動きは個人ばかりでなく大手企業、例えば人材派遣大手のパソナグループが本社機能の一部を、地方である淡路島へ移転する等も報道されております。 長野市も地方回帰、転入増の対策として、UJIターンの長野版でNターンの推進、空き家バンク、おしごとながので就職支援、ながのシティプロモーションで長野市の魅力発信、その他、長野市移住・転職セミナー等々、様々な施策を行っており、令和2年度の補正予算、令和3年度の予算でも支援事業を計上しており、非常に前向きであると思います。 ここでお伺いします。コロナ禍は市への移住勧誘で好機と思われますが、県外、首都圏から長野市への転入、移住、問合せや相談、さらに、数字上での転入の状況はいかがでしょうか。 2点目、ここ10年で人口の転入が転出を上回ったのは唯一平成27年です。平成27年には日本無線が長野市に移転し、数百名が移住してこられましたのが理由であります。 企業の本市への移転は長野市の人口・経済にとって非常に大きい影響があります。市も令和2年度には社員の移住を伴う県外企業の移転に対して支援するなど、企業移転の誘致をされておりますが、企業側の反応、課題と、それを踏まえた今後の市の取組について御所見を伺います。 ○副議長(西沢利一) 酒井企画政策部長     (企画政策部長 酒井 崇 登壇) ◎企画政策部長(酒井崇) 初めに、県外から長野市への転入状況及び移住・定住相談デスクへの問合せ、相談状況についてお答えします。 県外から長野市への転入状況ですが、令和2年は5,851人で、うち首都圏からは3,169人、首都圏以外の道府県からは2,682人であり、ちなみに、令和元年は5,987人で、うち首都圏から2,975人、首都圏以外の道府県から3,012人でありました。傾向としては、首都圏からの転入が増えております。 移住・定住相談デスクへの問合せや相談状況ですが、本年度は2月末日現在で、窓口等による移住相談件数は73件、昨年5月に開始したウェブでの相談件数42件を含めますと総数115件で、ちなみに昨年度の総数は91件ですので、相談件数は増えております。 このうち、首都圏からの相談件数の割合は、昨年度約5割であったものが、本年度、2月末現在でございますが、約7割へと増加しております。 また、これら行政支援による移住者数は、本年2月末現在で43世帯59人、昨年度の総数は27世帯48人となっており、こちらも増えております。このうち首都圏からの移住者数の割合は昨年と同程度の約7割となっています。 次に、今年度実施しております長野市企業移転・移住支援金につきましては、新型コロナウイルスを契機としたリモートワークの促進や、事務所の形態の変化、地方暮らしへの関心の高まりの状況を好機と捉え、本社・支社機能を市内に移転し、社員を移住させる企業に対し支援金を交付することにより、移転・移住の促進を図るものですが、これまで3社の交付が決定しております。 本制度の運用における企業側の反応ですが、従業員の生活環境の継続の必要性やこれまでの取引などの関係から、即座に移転に踏み切ることが難しいという声もいただいている一方で、既に複数の自治体への進出を検討していた、市内企業との取引があるのを理由に、本制度が追い風となり、本市に拠点を置いた企業がございました。 また、小規模企業にとっては、比較的要件を満たしやすいことや、経営方針の決定にも時間を要しないことから事前の相談が多くあり、制度自体に高い評価を得ておりますが、本市への進出後に事業が持続可能であるか判断が難しいという課題がございます。 今後の企業誘致について、新年度は民間事業者によるサテライトオフィス等の開設支援を行い、本市とこれまでの事業所との2拠点での事業展開が容易にできる環境を整えてまいります。 これにより、まずは1か月で数回の滞在から徐々に滞在回数を増やし、行く行くは完全移転を行っていただくことにつなげることができるのではないかと考えるものです。 併せて、これまで商工部門が行っているオフィス家賃等の補助や雇用創出助成といった、事業継続に係る分野の支援についても継続しながら企業誘致に取り組んでまいります。 なお、移転等をされる企業等が本市に定着していただくには、雇用の確保のみならず、移住者としての生活面でのサポートなどのアフターフォローが重要と考えており、移転企業の増加や定着に向け、今年度実施した長野市企業移転・移住支援金を運用する中で得られた企業側のニーズ等を参考に、更なる支援策の必要性についても研究するなどして、全庁を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(西沢利一) 金沢敦志議員 ◆20番(金沢敦志議員) 人口移動、これは大変難しい問題ですけれども、企業移転等で御尽力願いたいと思います。 次の質問にまいります。 令和元年台風第19号災害の防災事業は依然として継続中で、防災事業では国が堤防強化や狭窄部の掘削等を行っています。ハード面での事業計画の進捗は目に見えますが、避難計画のようなソフト面での事業進捗は把握し難いものであります。 所属いたします災害対策等調査研究特別委員会で、昨年の11月に管内視察において、高齢者施設である富竹の里から災害対応についてお聞きしました。 富竹の里ですが、ハザードマップにおいて水害リスクのある地域内で運営されていますが、ここまで厳しい災害になるとは想定されていなかったと思います。 それでも災害以前から防災・避難計画を立て、近隣事業所であるいつわ苑と避難等で災害協定を締結、さらに、訓練をされておりましたので、実際の災害時にはいつわ苑に迅速に避難ができ、人的な被害はありませんでした。 長野市北部で被災したこの富竹の里やいつわ苑、その他3施設が昨年の3月に対応状況の事例集をまとめられております。その中には避難計画、避難先の確保・協定、避難訓練等、参考になる様々な事例が記載されております。 それによりますと、高齢者や障害者等、要配慮者の速やかな避難は非常に困難でありますので、事前の対策・準備が大変重要であるとされています。 富竹の里やいつわ苑といった比較的大きく人材もいらっしゃる組織なら計画・訓練等も可能でしょうが、規模の小さい施設の場合、少々不安であります。 ここで伺います。本年3月、要配慮者利用施設の避難確保計画の策定・提出が義務づけられておりますが、現在の段階での計画の提出や各施設の訓練の状況はいかがでしょうか。 2点目、ある施設が避難するには支援する人材、避難先である施設等が必要で、他の施設との避難支援協定のようなものが必要です。長野県災害福祉広域支援ネットワークのような組織が支援していますが、さらに、各地域で協力し合うための具体的な話合いや仲介の場、細かな支援等が必要と思われます。市の考えをお伺いいたします。 ○副議長(西沢利一) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) 初めに、要配慮者利用施設の避難確保計画の提出状況についてお答えいたします。 本市では今年度末を期限といたしまして、対象となる全施設に避難確保計画の作成、提出をお願いしてございますが、令和3年1月末時点での計画の提出状況についてお答えいたしますが、高齢者関連施設では、397施設のうち提出済みが225施設、提出率は56.7%、障害児・障害者関連施設では、239施設のうち提出済みが143施設で、提出率は59.8%、その他、施設全体では、計806施設のうち提出済みが514施設で、提出率は63.8%となっております。 未提出の施設管理者には、本年1月に再度通知し、計画の提出を促しているところでございます。 次に、各施設の避難訓練の状況についてなんですが、避難訓練の報告につきましては、義務ではないんですが、実施状況を確認するため、本年度から施設管理者に対して報告を求めることとしたものでございます。 現時点での報告はまだ少ない状況ですが、提出されました報告書を拝見いたしますと、避難訓練には当初の想定よりも多くの時間を要したとか、生活必需品や貴重品、食料、薬など持ち出すものが非常に多いことが分かったなどといったような意見がございます。 次に、各地域で協力し合うための具体的な話合いや仲介の場、きめ細やかな支援等の必要性についてお答えいたします。 避難確保計画は施設の立地状況や規模、職員数などを考慮し、避難場所の設定、避難手段、避難に係る所要時間等を想定した上で作成していただいておりますが、より実効性の高い計画とするためには、議員御指摘のとおり、支援する人材や避難先施設の確保、他の施設との避難支援協定の締結のほか、避難訓練等を実施した検証、計画の見直しが肝要であると認識しております。 本市では、近年の自然災害の発生状況等を踏まえまして、令和3年度からの第九次長野市高齢者福祉計画及び第2次長野市障害者基本計画等に、施設での避難訓練の実施や、地域や施設間における応援協定締結など、災害等への対策を新たに盛り込み、その取組を促進していくこととしております。 また、高齢者や障害者施設等におきまして、万一災害等が発生した場合であっても、必要なサービスが継続的に提供できる体制を維持する必要がございまして、事業継続の観点からも、他の施設との連携や避難支援協定の締結等は重要な取組になると考えております。 国においても、社会福祉施設等におきます事業継続計画--いわゆるBCPと呼んでいますが、このBCPの策定を推進しておりまして、サービスの提供を行う施設等において、今般の制度改正によりまして、このBCPの策定が義務づけられるということになります。 そのため、本市では新年度に研修会の開催を予定しておりますけれども、そういった研修会の機会を通じまして、避難先施設確保の際の施設間の連携や協力についても改めて働きかけを行ってまいりたいと思っております。 今後、これら計画の作成、避難訓練の実施、計画の見直しといった一連の流れを継続することにより、より実効性の高い計画となりますように施設管理者へ求めてまいりますが、本市といたしましても、長野県災害福祉広域支援ネットワークの災害派遣福祉チームの活用はもとより、県や関係機関等と協力、連携する中で、必要な助言や調整を行い、施設間での応援支援体制の整備促進に鋭意努めてまいります。 ○副議長(西沢利一) 金沢敦志議員 ◆20番(金沢敦志議員) 福祉施設、日常業務が大変でございます。こういった支援、是非行政の方からもよろしくお願い申し上げます。 次の質問をいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、経済的に苦しむ学生たちが増えていることから、2月9日に連合北海道や大学生協事業連合北海道地区に加えて、北海道、札幌市等の後援による、ほっかいどう若者応援プロジェクト、これは北海道で学ぶ若者が安心して学び、生活できるよう支援するために設立されたプロジェクトですが、北海道大学で困窮する学生1,000人に食料品の支援を行い、さらに、学校生活、一般生活、アルバイト雇用関係などの困り事に対し、相談先情報をまとめた冊子等を配布したと報道されました。 困窮した学生は全国に多数おられると思われます。支援は北海道だけでなく、1月には茨城県水戸市、昨年の12月には熊本県熊本市で学生に同様の支援がされております。 先日、昨年5月にも新友会の有志が協力して催されました市内の飲食店を支援するお弁当販売、テイクアウトde屋台村が再度開催されました。私もお手伝いに請われて参加してまいりました。 そのスタッフの中に、県立大生等の学生がボランティアでお手伝いに来ておりました。その学生の中の一人は、市内の飲食店でアルバイトをしていたが、店が閉店してしまい首になったとのことです。その大変な学生である彼らが、市内の飲食店が困っているので助けてあげようとボランティアに参加されているわけであります。そんな心あって活動的な学生には、是非将来も長野市内で活躍していただきたいと思います。 一方、長野市においては、昨年緊急事態宣言の発出に伴い、県域をまたいだ移動が制限され、外出や帰省を自粛し、アルバイトも困難な状況が長期間続いた中で、親元を離れ頑張っている学生に、それまでの間の自粛協力への感謝とこれからの生活への応援する気持ちを込めて、長野市の特産物等の詰め合わせを届ける、長野市学生応援パックを企画、実施しましたが、大変好評であったようです。 ここで質問いたします。県外から来て市内で学ぶ学生が卒業後もここで就職して住みたい、また市外に出て学んでいる学生が長野市に戻ってきたいと思っていただけるよう、長野市学生応援パックの再度の実施や、彼らの心に寄り添った支援策が再度できませんでしょうか。お伺いいたします。 ○副議長(西沢利一) 酒井企画政策部長     (企画政策部長 酒井 崇 登壇) ◎企画政策部長(酒井崇) 学生応援パック給付事業は、新型コロナウイルス感染症の影響が生活に及んでいる中、県外の大学等に在学している本市出身の学生及び本市の大学等に在学している県外出身の学生の生活上の不安を和らげるとともに、これからの生活への応援の気持ちを届けるほか、ふるさとながのの意識の醸成を図ることを目的として、昨年10月に申請を受け付け、11月に当該学生に対して本市の特産品を発送したところでございます。 市内の特産品であるため、その事業者への経済効果と、学生には事業者の認知も深まったと考えております。 また、希望する就職地域や、市が積極的に発信した方がよいと思う情報などのアンケートを申請に合わせて実施し、学生との継続的なつながりを築くことや、本市のUJIターン関連イベント等の参考とすることも目的といたしました。 このため、経済的困窮者への支援という視点から、学生応援パック給付事業を再度実施する予定はございませんが、今回のアンケート結果から、学生が希望する割合の高い地域の職とのマッチングにつながる情報や、本市で実現できるライフスタイル等の情報を中心に、希望する学生に対してメールにて適時配信するとともに、引き続きUターン促進キャンペーンをはじめとするUJIターン関連事業に取り組んでまいります。 また、本年4月から県外で学ぶ市内出身の新入学生や本市で学ぶ県外出身の新入学生などに向けたアプローチにより、これらの学生とのつながりをつくり、それを継続できるような仕組みの構築も併せて検討してまいります。 ○副議長(西沢利一) 金沢敦志議員 ◆20番(金沢敦志議員) 県立大の寮ができたため、若い人が町を歩き活動してくれたおかげで町が元気になったと、大変よい評判を聞きました。その若い彼らがこういった支援によって長野市が好きになって、卒業後もここで生活をしていきたいと思っていただければ幸いでございます。 以上をもちまして金沢の質問とさせていただきます。 ○副議長(西沢利一) 16番鎌倉希旭議員     (16番 鎌倉希旭議員 登壇) ◆16番(鎌倉希旭議員) 16番、改革ながの市民ネット、鎌倉希旭です。 本日のマスクは、コロナ禍で無職になったのをきっかけに長野市に移住し、お店を始めた方が作ったお店のノベルティーのマスクでございます。ここには守り神の鹿が入っております。長野市で頑張ってくださっている皆様の応援団として質問します。希望あふれる御答弁をよろしくお願いします。 まず、新年度予算案について伺います。 令和3年度当初予算案では、税収が大きく減少する厳しい環境の中で、一昨年の台風災害からの復興の加速と、新型コロナ対策の強化に予算が大きく配分され、さらにはポストコロナ社会を見据えたデジタル化の推進、長期戦略2040に基づく経済成長をもたらす産業の育成や、地域経済の活性化とにぎわいを創出する分野についてもしっかりと予算づけがされています。 本予算案は市民生活の安全・安心の担保、また将来に向けての展望も含んでおり、全体として一定の評価をしております。 今回の予算案には、かねてから私自身が質問させていただき、会派からも要望していた博物館のリニューアルや、川中島古戦場再整備、茶臼山動物園などの教育・文化芸術分野に予算づけがなされ、教育・文化芸術分野への投資を惜しまず、今盛り込んでいただいたことを高く評価しております。 また、城山公園のふれあいの森ゾーンの再整備として、(仮称)ながのこども館に係る予算も盛り込まれており、子育て世代にも配慮していただいたものと感じております。 一方で、少年科学センターについては、展示物等の更新に膨大な費用が掛かるなどの理由から、公共施設個別施設計画案の中では、機能の方向性としては廃止の方向であると伺っており、この点については大変疑問に感じています。 この観点から、新年度予算案について2点質問します。 まず1点、この予算を別の視点で見てみますと、民生費は社会保障関係費の伸びによる増、商工観光費は積極的な経済活性化策による増となっており、そのほかは、災害復旧が進み、関連事業費が減少したことで全般的に減少したと見受けられますが、その中で、未来の長野市を背負う子供たちへの投資である教育費も、前年度比16億円の大幅な減少となっております。大きく減少した要因や背景について伺います。 また、少年科学センターは、科学に触れることによって科学に対する潜在的興味を喚起するとともに、遊びを通し科学する芽を養い、学習との相乗効果が図れる教育的見地からも価値の高い長野市の大切な財産の一つであり、リニューアル整備とはいえ、科学センターとして本当に廃止してしまってよいのでしょうか。 教育費が大幅に減少している中で、人口減少が深刻化している厳しい未来の長野市を背負ってもらう子供たちの育成のために、少年科学センターへ少しでも予算を回して展示を残していくことはできなかったのか、少年科学センターの廃止については慎重に検討すべきだったのではないか、廃止する積極的理由はあるのか。 以上2点について、財政部長と教育委員会の御所見を伺います。     (16番 鎌倉希旭議員 質問席へ移動) ○副議長(西沢利一) 清水財政部長     (財政部長 清水啓太 登壇) ◎財政部長(清水啓太) 教育費の減少の要因につきましてお答えします。 要因としまして大きく3点ございまして、まずは、大型施設関連といたしまして中条総合市民センター建設や朝陽小学校の体育館の改築が終了したほか、ホワイトリングなどのスポーツ施設の整備費が減少したことによりまして、これらだけでおおむね14億円程度が減少したことが挙げられます。 2点目としましては、新年度当初予算案に計上予定でありました事業のうち、国の補正予算の財源を有効に活用できるものにつきましては、本年度の本市補正予算へ事業の前倒しを行ってございます。 具体的には、GIGAスクール構想推進事業におきまして、8月補正予算に計上しました教育ネットワークの強靭化と、1月補正予算に計上しましたタブレット端末の調達を合わせまして5億円の前倒しを行ったほか、小・中学校トイレ洋式化改修事業3億円を3月補正へ前倒しを行ってございます。 このほか、個別施設計画に基づきます学校施設の本格的な老朽化対策工事が令和4年度以降となることから、来年度の事業費が大きく増加しなかったということも大きな要因の一つでございます。 こうしたことから、結果としまして教育費全体では前年度比16億円減の119億円となったところでございます。 なお、少年科学センターへ予算配分をという御提案でございますが、こちらにつきましては、現在進めております城山公園の再整備事業全体の中で、今後必要となります事業には関係部局の要求に基づきまして予算づけをしてまいりたいと考えてございます。 ○副議長(西沢利一) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 少年科学センターについてお答えいたします。 少年科学センターは、城山公園再整備の中で、施設の展示物など科学の部分を残しながら、城山動物園と一体的に親子で利用いただける(仮称)ながのこども館に整備することを計画しております。 少年科学センターは昭和60年の開館以来、子供たちの科学に対する関心を高め、科学の知識の啓発及び向上を図る施設として運営をしてまいりました。これまでの間、展示物については状況を見ながら改修や新規導入を行ってきたほか、寄贈を受けるなどして更新をしてまいりました。 しかしながら、近年の科学の進歩は目覚ましく、展示物の更新が追い付かなくなってきていることや、ICTの急速な発展と普及に伴い、身近で最新の科学情報が入手できること、さらには今後科学の進歩がより一層加速化していくことなどを踏まえると、将来にわたり科学だけをテーマにした施設として維持していくことは財政的にも負担が大きく、難しいものと考えます。 また、少年科学センターは、施設の開設当時は主に小・中学生を対象としておりましたが、近年、城山動物園の利用とともに、入館する幼児が年々増加し、特に施設内のボールプールなどの遊具の人気が高くなっております。 このようなことから、今後10年、20年の将来を見据えて、利用者のニーズに合わせ、城山公園再整備の中で生かせる展示物は残しながら、動物園と一体的に利用できるよりよい施設へと変えていくことが望ましいものと考えております。 ○副議長(西沢利一) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 少年科学センターの廃止ということについては、本当はいま一度再考いただきたいところなんですけれども、仮に科学センターとして廃止するにしても、せめて新しい施設の一角にまだ使える展示や実験などのコンテンツは是非残してもらいたいという利用者の声もかなりあります。それを強く要望したいと思うんですけれども、その点についてもう一度念押しで、市長に御答弁をお願いします。 ○副議長(西沢利一) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) (仮称)ながのこども館の改修につきましては、将来を見据えた城山公園一帯の整備を進める中で、新たな視点でより一層市民の皆様に喜んでいただける施設への再整備をいたします。 議員御指摘のとおり、子供の科学に対する潜在的な興味を喚起することや、遊びを通して科学の芽を養うことは大切であります。 今回の再整備に伴いまして、少年科学センターという名称の施設ではなくなりますけれども、新たな施設では、遊具の充実を図りながら、利用可能な展示物は残すとともに、サイエンスショーや工作教室、また高専の生徒が全国高専ロボットコンテストに参加した際のロボットの展示などを含めまして、子供たちが科学に触れる機会を引き続き提供できるよう、整備に向けた計画をしてまいりたいと思います。 ○副議長(西沢利一) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 気付いたら科学の展示がなくなっているということがないように、よろしくお願いします。 次に、本市の今後の財政運営について伺います。 令和3年度の市税の大幅な減収のほか、財政調整基金等基金残高が減少するなど、今後に備え蓄えていくことも厳しい財政状況となっています。 人口減少、少子高齢化で減収となる要素が年々大きくなっていく中、現状の新型コロナウイルス対策では多くの経済対策が強化され、今までになかった給付も実行されました。 定額給付金の追加や休業補償等も望む声が多い中で、私は一方で、将来の大増税や国債残高の増大等、将来に負担が返ってくるのではないかと不安視しています。 現に、国のコロナ対策として国費76兆円、財政投融資など合わせた総事業費300兆円をつぎ込み、今年度の新規国債発行額は112.6兆円と過去最高に達しています。 1月18日の首相施政方針演説の最後に、コロナ増税を視野に入れた発言を行っています。国の予算の活用は、一方でこうした課題とも表裏一体の関係であると思っております。 新年度予算案でも好評だった推し店プラチナチケットの第2弾等、ポストコロナを見据えた経済対策が充実されていますが、今回国の財源の活用はどのような状況になるのでしょうか。将来の負担をなるたけ残さない財源確保とのバランスをいかにとっていくのか、見解を伺います。 ○副議長(西沢利一) 清水財政部長     (財政部長 清水啓太 登壇) ◎財政部長(清水啓太) 国の新型コロナ対策としましては、今年度これまでに3度の補正予算が編成されまして、国費76兆円と大規模な財政出動が行われています。 これによりまして、議員のお話にもありましたが、今年度の新規国債の発行額は112兆円余りとなりまして、年度末の国債残高が1,292兆円と、こちらも過去最高に達してございます。これを単純計算いたしますと、国民1人当たり約1,000万円の借金という形になってございます。 本市におきましても、この国の大規模な財源を活用いたしまして、今回新型コロナ対策としましては、令和2年度では488億円、令和3年度では70億円の予算を確保したところでございます。 こうした国費が地域経済や市民の暮らしを支える役割を果たす一方、議員の御指摘のとおり、将来の増税など、国民の負担とのバランスを本来は考えていかなければならないものであると認識してございます。 この新型コロナ危機で発生しました国の債務処理につきましては、将来の財政健全化に向けた大きな課題となりますが、過去の事例を申し上げますと、東日本大震災のときには、復興財源10兆円の確保としまして、住民税の1,000円上乗せを10年間、所得税の2.1%上乗せを25年間、法人税の10%上乗せを2年間とする復興増税を実施したことがございます。 また、昨日イギリス政府が財政再建のために2年後の増税を発表したというニュースが流れておりました。 このようなことも考えますと、今後はコロナ復興財源として国民への何らかの負担が新たに求められることも十分に想定され、また大変懸念されるところでございますけれども、こうした考え方につきましては、今後国が責任を持って政策的に判断いただくべきものと考えてございまして、本市といたしましては、今は国や県と一丸となって、この国難でございます新型コロナへの対策に集中して取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○副議長(西沢利一) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 引き続きの御尽力、よろしくお願いいたします。 次に、児童虐待防止の取組について伺います。 昨今、児童虐待による死亡事件が増えています。これまで児童虐待については様々な切り口から質問させていただきましたが、今回、親の離婚による単独親権、単独養育を原因とする虐待に焦点を当てて伺いたいと思います。 日本では、民法第819条第1項において、離婚後は一方を親権者と定める単独親権が取られており、離婚後は一方の親が子に対する権利を持つことになります。 平成23年の民法第766条の改正により、協議離婚の際の協議事項として面会交流及び養育費の分担が明示され、それに伴い離婚届についても養育費や面会交流の取決めがあるかチェック欄が設けられました。しかし、この協議事項は必ずしもきちんと取決めがされておらず、後からトラブルになる原因となっております。 全国で約140万とされるひとり親世帯の半数が貧困状態にあり、離婚後の養育費不払がその要因の一つとなっています。 経済的に追い詰められた結果、子供に手を上げてしまい、他方で親権のない親が子供に会えず、状況も知らないので、助けたくても助けられなかった、きちんと取決めをしていたら防げた事案がたくさんあります。 つい先日、上川陽子法務大臣は、離婚した親の都合で子の健全な成長を妨げられないよう、家族法制の見直しを法制審議会に諮問しました。養育費不払の解消策をはじめ、親と子の面会交流、親権制度、財産分与の在り方といった離婚後の課題を網羅的に議論することとなりました。 各自治体でも共同養育へのサポート体制が検討されています。中でも兵庫県明石市では、市長が弁護士の実務経験からこの点を問題視し、離婚届の配布の際に、子供の養育に関する合意書、養育計画の参考書式とその作成を促す手引を一緒に配布し、情報提供と普及啓発を行っています。この取組は法務省の養育費不払い解消に関する検討会議でも取り上げられています。 実際に、養育費の不払や面会交流の不履行に陥った場合の法的手段は、精神的にも経済的にも非常に負担が掛かることになり、これを未然に防ぐことによって、離婚してもお子さんにとって不利益とならないよう、子供の権利を守ることにもつながると考えます。 そこで、本市においても本件法制審議会への諮問、各自治体の動きを踏まえた上で、離婚に当たり最大限子の利益を重視するため、養育計画の策定、パンフレットによる情報提供等、自治体として支援していただきたいと考えますが、御所見を伺います。 ○副議長(西沢利一) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) 民法の規定のとおり、父母が協議離婚に至る場合には、子供の利益を最優先に考慮するため、父又は母と子との面会や交流、養育費の分担など、子供を育てていくために必要な事項を父母の間で必ず取り決めていただきたいと考えております。 本市の取組といたしましては、離婚届の窓口である市民窓口課や各支所におきまして、養育費や面会交流等に関する合意書を父母の間で取り交わすことを促すため、法務省作成の子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&Aのパンフレットを配布しております。 また、子育て支援課では、母子、父子の相談などで、離婚や養育費に関する相談があった場合に、市独自に作成した子どもの養育に関する合意書作成の手引きをお渡しし、養育費等に関して父母の間で合意書を作成するよう促しております。 国では、昨年から養育費の確保に向けた公的支援について議論を重ね、2月上旬に、ひとり親家庭の支援を担当する部署と戸籍を担当する部署が更なる連携強化を推進するよう各自治体に通知をしました。 通知では、法務省作成のパンフレットを両部署で活用することや、戸籍担当部署からひとり親家庭の支援担当部署への相談支援等への誘導について具体的な方策が示されておりますことから、本市といたしましても、それらを踏まえ、離婚する父母に養育費の確保などの重要性を伝えていくことや、必要な相談支援につなげる方法を更に工夫し、対応してまいりたいと考えております。 ○副議長(西沢利一) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) こうした支援は行政が直接行う場合と第三者機関を介して行う場合もあります。厚生労働省の母子家庭等就業・自立支援事業のメニュー事業の一つである面会交流支援事業として、平成30年度では9か所の自治体で相談件数にして1,074件、支援実施ケースで69件実現しています。 子供の虐待を防ぐために、お父さんやお母さんが一人で育児を抱えてしまわないこと、離婚後も継続的に誰かに頼れる環境づくりが非常に重要と考えます。 離婚理由は家庭により千差万別で、DV案件等慎重な対応が必要な課題はあろうかと思います。本市として面会交流支援に向けた制度づくりをするお考えがあるか、見解を伺います。 また、養育費の不払対策として、明石市では、自治体が養育費の支払を確保するため立替え制度を設けたり、民事執行等法的手段への支援が検討されていますが、本市でも面会交流支援事業と養育費支払確保のための具体的支援の検討があるか、見解を伺います。 ○副議長(西沢利一) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) 初めに、面会交流支援に向けた制度づくりについてお答えします。 離婚により父母が離れて暮らすことになっても別居親と子供が継続的に交流を保つことは、子供の健やかな育ちを確保する上で有意義なことと認識しております。 また、離婚した父母が協力し合い、子供にとって最も望ましい形で面会交流が行われることで、子供はどちらの親からも愛されているといった安心感を得ることができると言われております。さらに、別居親が養育費を支払う意欲にもつながると言われております。 その一方で、面会中に子供が別居親に連れ去られてしまうなどの子供が思わぬトラブルに巻き込まれてしまうケースもあることから、子供の安全を第一に考えた配慮が必要であると考えているところです。 面会交流支援事業につきましては、夫婦間で面会交流の取決めや合意があり、子供と別居親との面会交流の希望がある場合に、自治体が面会交流当日の子供の引取りや別居親への引渡し、交流の場での付添いなどの支援を行うといったものでございます。 この面会交流支援につきましては、時に子供の利益に反する場合もあり、子供の安全管理や心情に十分配慮した支援を行う必要があります。 他の自治体では、支援に当たり、家庭裁判所の調査官経験者などの専門職の配置を検討している事例があることから、本市におきましては、面会交流援助等を適切に行える支援員の配置や専門的な支援体制が確保できるかについて、他市の実施状況等を研究してまいりたいと考えております。 次に、養育費支払確保のための具体的支援の検討についてお答えします。 本市においても、ひとり親家庭の中には養育費を受け取れず、苦しい生活を強いられているとのお話をお聞きするケースもあり、深刻な問題であると認識しております。 現在市では、児童扶養手当の現況届に合わせ、ひとり親家庭を対象とした法律相談や生活就労相談会の開催、母子父子寡婦福祉資金貸付金の返済に際して、相談者に寄り添った支援を行っているところでございます。 このような取組の中で、養育費の不払を主訴とした相談は年間10件ほどあり、市民相談などの法律相談を御案内するなど対応しているところでございます。 国が養育費不払対策のための法整備に取り組み始める等、養育費の不払は社会問題化し、重要な課題と考えておりますことから、先進地の取組状況も参考とさせていただきながら、本市での支援方法について調査研究をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(西沢利一) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 今回なぜこんな話を聞いたかというと、当事者でなくても、実は結構困っている家庭があるということが最近本当に顕在化してきたんです。 私も法律事務所で勤務していた関係で、そういった事案を扱うことが多かったものですから、当事者でなくてもこの問題について関心を持っていただくという意味で今回質問させていただきましたので、これからまた是非研究していただきたいなというふうに思います。 三つ目の質問としまして、待機児童解消を目的とする児童手当法の改正について伺います。 政府は2月2日、中学生以下の子供を対象とした児童手当で、高所得者向けの特例給付のうち、年収1,200万円以上の世帯は廃止するという方針が盛り込まれた児童手当法等の改正案を閣議決定しました。 待機児童解消のために14万人分の保育施設の確保に必要な財源確保との説明がありますが、果たしてこの施策でどの程度待機児童解消につながるのか、疑問を感じざるを得ないところです。 年収はどうあれ、子育て世帯は何かと費用がかさむにもかかわらず、所得控除等の税制優遇は受けられるわけではないというのは、ただ負担が増えるのみで、これでは少子化が進んでしまうのではないかと考えます。 実際に本市にとってどの程度が対象世帯になるかは分かりませんが、対象とならない子育て世帯からも多くの批判が出ています。 そこで、本件児童手当法改正に対する基本的な本市の見解と、本件特例給付廃止により生み出されたお金で保育施設の増設や保育士の待遇改善等、この財源を活用することを想定した取組を検討されているか伺います。 ○副議長(西沢利一) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) 初めに、児童手当法改正に対する基本的な本市の見解についてお答えします。 児童手当制度につきましては、家庭等の生活の安定に寄与すること、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的に創設された国の制度であり、現在、当法案が国におきまして審議中でありますことから、本市といたしましては国の動向を注視しながら、今後国からの通知を待って適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。 次に、児童手当法の一部改正により見直される特例給付分を財源とした本市の取組についてお答えします。 国は昨年12月、待機児童の解消に向け、令和3年度から令和6年度末までに約14万人分の保育の受皿を整備するとして、地域の特性に応じた支援や魅力向上を通じた保育士の確保、地域のあらゆる子育て資源の活用を柱とした新子育て安心プランを公表しました。 国は、この新子育て安心プランの運営費について、企業からの拠出金に加え、児童手当の特例給付分の見直しにより生ずる財源等を充当し、安定的な財源を確保するとしておりますので、先ほど同様、国会における児童手当法の一部改正の審議を注視しつつ、本市の状況に応じて活用できるものがあれば、その活用を検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(西沢利一) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 以前から保育士の待遇改善ということで幾つか質問をされていたかと思うんですが、今回、その審議を見守っていただくというところはもちろんなんですが、この待遇改善に関して、この財源を活用する考えは現時点であるかどうか伺います。 ○副議長(西沢利一) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) 国のこの新子育て安心プランにつきましては、詳細の内容がまだ来ておりませんので、待遇改善にどれだけ活用できるかというようなことも含めて、国からの通知を待って検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(西沢利一) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 是非財源として有効に活用できるところはしっかりとしていただくようによろしくお願いします。 最後に、消防団について2点質問させていただきます。 まず、担い手不足解消のための組織体制に関する質問です。 今回、消防団員報酬の増額が予算案にも盛り込まれていますが、先日、とある市内分団の班長の方から役員体制についての問題提起をいただきました。 分団ごとに役員の定数が決められていて、その分団では部長が5名、班長が5名です。各班から部長を輩出し、部長は出身の班を担当しています。班によっては団員の数に差があり、場合によっては部長の数を減らし、団員の少ない班で実働団員をもっと増やしたい、分団の実情に応じて柔軟に対応できないかという御相談でした。 長野市消防団の組織及び消防団員の階級等に関する規則において、部長、班長の総数については規定があり、分団ごとの対応については、平成24年の方面隊長会議で各分団の意向調査等を経て決定されているとのことでした。 会議は継続されているとのことですが、各分団の実情は刻々と変化し、柔軟に対応できる組織体制は当面の担い手不足の解消にも寄与するものと考えます。 そこで、かかる規定の変更等、検討の余地はないか、見解を伺います。 ○副議長(西沢利一) 佐伯消防局長     (消防局長 佐伯英則 登壇) ◎消防局長(佐伯英則) 本市消防団の組織等に関しましては、議員御指摘のとおり、長野市消防団の組織及び消防団員の階級等に関する規則で組織全体の各階級の定員が定められておりまして、部長及び班長におきましては、上司の命を受け、所属団員を指揮監督すると規定されてございます。 また、各分団における分団長以下の定員に関しましては、長野市消防団の組織及び定員等に関する規程で定められており、これらの規則、規程に関しましては、平成24年の方面隊制導入時に改正がなされまして、現在に至っている状況でございます。 しかしながら、現在定員総数が減少している中、全ての分団で部長及び班長階級の定員確保がなされていない状況でございます。つきましては、現在消防団本部で、定員条例等の改正から10年が経過しようとする中、実員数及び消防団活動への参加にも変化が見られることから、今後の各地域における分団の統合や、役員を含めた団員数、また消防団活動の在り方などを踏まえた検討を消防団長から各分団長へ依頼がなされている状況でございます。 今後は各分団での検討結果が集約されまして、消防団本部において定員、組織体制など総合的な機構改革の詳細検討がなされまして、規程等の改正が行われる予定となってございます。 いずれにいたしましても、消防団は地域コミュニティーの核であり、また地域防災力の要でございますもので、各種災害での活躍ですとか平常時における火災予防広報など、大変有意義な活動を実施いただいてございます。改めて敬意を表するとともに、よりよい体制となるよう積極的に支援と協力をしてまいりたいと思います。 ○副議長(西沢利一) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 本当に消防団の方、私も団員で参加をしているんですが、結構時間を取られることが、多分役員の方だと多いかなというふうに思います。 やはり長野市の中では地域の実情も、分団の中でも中央だったり郊外の分団とでは全然違う、分団ごとでも大分差があるなというふうに感じています。 その中で、やはり組織の機構の部分というか、役員の縛りというものに関して、もうちょっと柔軟に考えたい、現場に任せてもらえないかという、そういうお声で今回質問しているんですけれども、やはり団員の確保に向けても、負担軽減についてもう少し踏み込んだ対処方法というのが必要かなというふうに思っております。 その中で、組織編成に関してもう少し踏み込んだ議論というか、現場や方面隊長会議の中でそんなような議論があるかどうかとか、その辺もちょっと詳しく教えていただきたいなと思います。 ○副議長(西沢利一) 佐伯消防局長     (消防局長 佐伯英則 登壇) ◎消防局長(佐伯英則) 消防団員の実情に関しましては、今条例定数3,430人に対しまして現在約3,270名ほどというような形で、定員を150名ほど割っているような状況でございます。 また、この地域実情的には、今把握している中では、やはり中山間地で消防団員の成り手の方が少ないですとかというようなことで、地域バランスが非常に悪いというような形。ただ、災害対応に関しまして、そのバランスの解消をしなければいけないという中では、今方面隊制、要はブロック制で広範囲での対応、また応援体制等やられていくような状況でございます。 いずれにいたしましても、やはり各分団長、地域に密着した方々が関係者の方々と御協議をいただいて、本当に地域の消防団としてよりよい体制になるような形で御協議を是非お願いしたいなと思ってございます。 ○副議長(西沢利一) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) やはり消防団に関しては、結構長野市内においては、特に消防局がまず消火活動に当たり、その後に消防団がおまけでついてくるような感じになっているというようなことも、そんな声も聞こえてきます。なので、是非実動部隊としてしっかりと役割を果たせるような、そういった環境づくりができたらなというふうに思っております。 次に、ポンプ操法大会の是非について、全国的にも話題になっております。 規律訓練等、火事場では役に立たない、強制参加で負担であるという批判が多い一方で、大災害や火災発生の際に落ち着いて行動できるようになったこと、操法訓練のおかげで道具の使用方法を覚えることができたという肯定的な意見も見られます。 とっさの判断の際、日頃行った訓練が思わぬ役に立ち、さらに、目標を持つことによるめり張りのある活動のためにも、ポンプ操法大会の開催の意義は大きいと思っています。しかしながら、その準備のために割く時間が多いことが、確かに消防団員の負担であることは否めないとも考えます。 そこで、ポンプ操法大会について、今後も感染症対策やほかの要因により開催自体が難しくなる可能性もあります。そこで、本市において現状行っている負担軽減策、そして、今後のポンプ操法大会の在り方について考えるときが来ていると思いますが、更なる検討があるかについて伺います。 ○副議長(西沢利一) 佐伯消防局長     (消防局長 佐伯英則 登壇) ◎消防局長(佐伯英則) 本市消防団のポンプ操法大会につきましては、消防団の現場活動における技術の向上と士気の高揚を目的に毎年開催されて、今年で第62回を数える歴史と伝統ある大会となってございます。 大会への出場に関しましては、輪番制で各分団5年に1回の周期による出場となりまして、例年13分団から16分団が出場しまして、成績上位の分団は長野協会大会、長野県大会へと進まれます。そのため、県大会に出場する分団は7月末頃までの早朝や夜間での訓練が、消防団員のサラリーマン化や高齢化が進む近年では負担が多くなっているものと思われます。 また、平成30年度に実施いたしましたアンケート調査では、ポンプ操法の負担が大きいという意見が約7割に達してございます。 こうしたことから、消防団本部で協議を重ねまして、現状ではいろいろな方策、対応の中から、2年前に訓練回数を週3回に減らし、さらに、訓練時間を2時間と統一することによりまして負担軽減につなげているところでございます。 一方、火災現場においては迅速かつ的確な活動を行うため、基礎的な反復訓練が何より重要であり、ポンプ操法訓練の意義は大きいものと思われます。 また、昨年、県消防協会が大会の実施についてのアンケートをしたところ、負担が大きいという意見がある一方、大会の必要性や重要性を訴える意見が約8割ございました。 いずれにいたしましても、今後のポンプ操法大会の在り方と負担軽減につきましては様々な意見があることから、消防団本部による定員や組織体制などの検討に併せまして、出場分団の編成ですとか出場回数の見直しなど、多角的な検討について協力をしてまいりたいと思ってございます。 ○副議長(西沢利一) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 操法大会の練習というのは、今年実は私も所属の2分団がちょうど操法の年でして、練習がこれから始まるなというようなときだったんですけれども、やはりコロナ禍でちょっと断念せざるを得ないというような話もありました。 ですので、いろいろな日常生活の時間を割いて練習をするということで、かなり負担感はあるかなとは思いますが、とっさのときの冷静な行動というのは本当に火事場にとっては大切なことだなというふうに私は他方で思っておりますので、是非負担のない範囲で操法大会を続けていっていただくことに関しては、私大変応援しているところではございます。 消防団の存在意義というところで、本当に市民の皆様に愛される、そういった頼りにされるような組織となるように是非協力をお願い申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。 ○副議長(西沢利一) 午後2時50分まで休憩いたします。   午後2時26分 休憩   午後2時50分 再開 ○議長(小泉栄正) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 12番黒沢清一議員     (12番 黒沢清一議員 登壇) ◆12番(黒沢清一議員) 12番、日本共産党長野市会議員団、黒沢清一です。市民の皆さん、父母の皆さん、子供たちの願いを実現する立場で質問をいたします。 最初に、緑化事業ながの花と緑大賞の見直しについて伺います。 今年度から、ながの花と緑大賞、入賞作品への賞金が廃止され、賞状・記念品は贈呈されています。長野市緑を豊かにする計画の中で、市民の自主的な緑化活動を支援・促進し、身近な緑化活動から幅広い活動へと広がることで、緑と親しむ文化や人を育みますとしています。自主的な緑化活動が地域の人たちの潤いに貢献しています。 そこで、伺います。 都市緑化基金に頼るのではなく、長野市緑を豊かにする計画に沿って根本的に見直し、市民の自主的な緑化活動の支援を進めるべきではないでしょうか、伺います。     (12番 黒沢清一議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 岩片都市整備部長     (都市整備部長 岩片弘充 登壇) ◎都市整備部長(岩片弘充) 本市の緑化事業につきましては、緑の羽根募金の交付金や長野市都市緑化基金を財源に、緑化に関するイベントの実施や入学記念樹の配布、優れた緑化を行い、緑を豊かにする計画の実施に貢献している活動の顕彰などを行ってまいりました。 しかしながら、事業の主な原資としておりました都市緑化基金の減少に伴い、限りある財源でより効果が上がるよう、事業の縮小、見直しを実施してまいりました。 このうち、平成18年度より実施してまいりました、ながの花と緑大賞は、表彰対象者への賞金総額を段階的に減らし、今年度からは賞金を廃止しております。 賞金の廃止について、選考をお願いしている長野市緑を豊かにする委員会へ御意見をお聞きしたところ、賞金がなくなるのはやむを得ないが、市民に自主的に行っている緑化活動への功績をたたえることは重要、緑化活動を一般の方々に知っていただくためにも続けることが大切などの御意見をいただきました。 このことから、賞金の有無にかかわらず、ながの花と緑大賞は、市民の皆様の緑化活動に対するモチベーションの向上に寄与するものと判断しております。 市民の自主的な緑化活動の支援につきましては、現在、緑化木配布や緑化活動団体への活動場所の提供、緑化活動を推進する人材の育成や園芸技術相談など、これまでの活動が緑育を発展させてきたものと捉えております。緑を育てることや人材の育成には時間が必要でありますので、地道な活動を継続する中で、皆様の御意見をお聞きし改善を図りながら、長野市緑を豊かにする計画で目標としている、心かよう美しいみどりのまち、ながのの実現に向け、今後も取り組んでまいります。 ○議長(小泉栄正) 黒沢清一議員 ◆12番(黒沢清一議員) 緑を豊かにする委員会の中でも様々な意見があったことも確かだと思いますので、是非根本的な見直し、引き続きお願いしたいと思います。 次に、全国学力テストの参加について伺います。 日本の教育の一番の問題は、異常な競争主義、序列主義ではないでしょうか。競争と序列の教育が、一番子供を傷つけています。分かる喜びを伝えるのが教育ではないでしょうか。できるというのは、他の人との関係で比較して、できるできないになります。できるできないになるから、できる子もできない子もつらくなってきます。ところが、分かるというのは、例えば算数の理解についても様々な数理、法則、物事の仕組みを発見していくわけですから、子供たちにとっても喜びです。分かる喜びを教えるのが教育ではないでしょうか。 国連の子ども権利委員会から過去3回連続で、過度な競争教育が子供たちを傷つけ、否定的な影響を与えていると厳しく指摘されました。異常な競争を持ち込む全国学力テストは、そもそも中止すべきですが、参加すべきではないと考えます。 また、NRTテストについても同様に中止すべきです。見解を求めます。 ○議長(小泉栄正) 永井教育次長     (教育次長 永井克昌 登壇)
    ◎教育次長(永井克昌) 全国学力・学習状況調査は、全国的な児童・生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることや、学校における児童・生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることを目的として実施されております。 本市では、この趣旨を踏まえ、全国学力・学習状況調査を一つの指標として児童・生徒の学力の実態を把握するとともに、教科の調査結果と質問紙調査の幾つかの項目をしなのきプランの評価指標とし、プランの評価、改善に活用しております。 また、標準学力検査--NRTは、児童・生徒の学習内容の定着状況や課題を把握し、学力の保障、教員の指導改善や教育課程の改善に生かす目的で実施しております。検査結果の分析から児童・生徒のつまづきの原因や理解が不十分な内容を捉え、教員は補充、補完の指導に当たるとともに、自らの授業を見返し、指導改善に生かしているものです。 今年度は、新型コロナウイルス感染防止に伴う臨時休業により全国学力・学習状況調査が中止となりましたが、本市では、標準学力検査--NRTを実施いたしました。臨時休業による学習の定着度への影響を客観的に評価するとともに、児童・生徒の学力保障に向け、有効に活用することができたと考えております。 学力向上には、教員が不断の努力を積み重ねることが重要なことは申し上げるまでもありません。予測不能と言われる現代、教員が児童・生徒や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育内容等を組み立て、時に客観的な指標を取り入れ評価し、改善を図っていく中で、児童・生徒の学力が向上していくものと考えます。 このように、本市では、全国学力・学習状況調査や標準学力検査--NRTは、教員の指導力向上を目指すために取り組むものであり、児童・生徒に異常な競争を持ち込むものとは考えておりません。本市で掲げる第二次長野市教育振興基本計画において、教員研修を一丁目一番地に位置づけており、両調査や検査の実施は、教員の指導力向上に向けた研修の一環であると考えております。 教員の指導力向上、そして一人一人の児童・生徒の力を伸ばす授業の充実に向け、次年度も全国学力・学習状況調査及び標準学力検査--NRTへ参加、実施する予定でございます。 ○議長(小泉栄正) 黒沢清一議員 ◆12番(黒沢清一議員) いろんな項目を言われましたけれども、しかし、全国学力テストは、特に先生方も子供も親も、どうしてもできないところへ目が向いていってしまいます。できるところに、できたところに本来は目を向けるべきだと考えますが、改めて中止は求めていきたいと思います。 次に、養護教諭の加配、相談室の設置について伺います。 児童・生徒の中には、保健室なら登校し、過ごすことができるという子も少なくありません。しかし、養護教諭は、今も新型コロナウイルス感染症拡大が広がる中で、対応や悩みを聞いてほしくて来室する子供の対応、けが・病気の対応など、非常に多忙です。もし養護教諭の複数配置があれば、対応も余裕を持ってできるはずです。 そこで、伺います。 市内小・中学校の養護教諭配置状況について伺います。 そして、今後の養護教諭複数配置の計画について伺います。 また、不登校児童に対応する校内の相談室の設置状況について伺います。 ○議長(小泉栄正) 永井教育次長     (教育次長 永井克昌 登壇) ◎教育次長(永井克昌) 初めに、養護教諭の配置状況についてでございます。現在、本市の養護教諭を含む教職員は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づき、長野県教育委員会が定める基準にのっとって配置されております。 養護教諭については、長野県の基準で原則各学校に1人配置されることになっており、加えて、児童数851人以上、生徒数801人以上の小・中学校及び基準以下でも必要度が高いと長野県教育委員会に判断された小・中学校には、2人の配置がされることもあるとなっております。 養護教諭は、健康面だけでなく生徒指導面の仕事等、多岐にわたり大きな役割を担うようになってきており、加えて、昨今の新型コロナウイルス感染症対策にも対応し、御苦労いただいております。 市教育委員会といたしましても、養護教諭の複数配置について長野県教育委員会へこれまでも要望をしてきており、本年度、長野県から小学校7校、中学校5校が必要度の高い学校と判断され、養護教諭を複数配置いただいております。 次に、不登校児童・生徒に対応する校内の相談室の設置状況についてお答えします。 相談室等、年間を通じて不登校児童に対応する居場所を、小学校では54校中36校、中学校では全25校で設置しております。 職員の配置につきましては、不登校等児童・生徒の状況に応じて長野県教育委員会から特別に加配をいただき、本年度は不登校等の支援に関わるものとして、不適応支援加配は中学校9校、不登校等児童・生徒支援加配は小・中合わせて12校、さらに、子供と親の相談員は小学校5校に配置されております。 市教育委員会といたしましても、不登校の未然防止、早期対応、学校全体で児童・生徒を支える体制づくり、心のケアなどを学校とともに引き続き取り組んでまいります。 ○議長(小泉栄正) 黒沢清一議員 ◆12番(黒沢清一議員) 長野市からも複数配置について要望されているということで、引き続き是非お願いしたいと思います。大分相談室も開室されているんですけれども、引き続きこれも是非お願いしたいと思います。 次に、GIGAスクール構想について伺います。 GIGAスクール構想は、児童・生徒一人一人の理解や能力、適正に合わせた個別最適な学びと、児童・生徒同士が教え合い、学び合う協働的な学びの実現を目指し、学習支援ソフトを導入するとしています。これまでの教科等の情報機器を活用しようという情報教育ではありません。教育そのものをICT化し、教育の中身を根本から変えてしまうことにもつながっていきます。 この教育のICT化の特徴の一つが、徹底した学びの個別化です。本当の個別最適な学びには、教師の指導が不可欠です。AIは算数の学習で繰り上りでつまづいているなどは解明しても、個別の子供の思考の生活的文脈や心の内面の動きに及ぶことの理解はできません。 大手民間業者による教材づくりが加速しています。ICT化に掛けられる莫大な予算が企業を潤すためだけではなく、子供たちの豊かな成長に資するものであってほしいと思います。民間業者が作成した教材を効率よく活用することが教師の使命であるとの発想が拡大しないか、心配されます。 教師の自主性や専門性の保障、児童・生徒同士の学び合いが必要ではないでしょうか、教育長の見解を伺います。 さらに、次の点について伺います。 タブレットを全校で使用する場合、Wi-Fi環境は何クラスまで使用可能ですか。 教員へのタブレットは国から配布されないということですが、どう対応を考えていますか。 市立高校へのタブレットの配布は公費負担の計画ですか。 また、今回ICT支援員を5人増やし12人で授業等のサポートに当たるということですが、各学校の指導体制は十分であると考えているか、伺います。 ○議長(小泉栄正) 近藤教育長     (教育長 近藤 守 登壇) ◎教育長(近藤守) 私からは、さらに、の前までお答えいたします。 急激に変化する社会の中で、学校教育の在り方そのものを大きく見直していく時期に来ていることを、私はこの場をお借りして何度も繰り返しお伝えしてまいりました。 GIGAスクール構想による教育のICT化につきましては、これからの学校が多様な子供たち一人一人にとって豊かな学びの場であり続けるために必要な変革をもたらすものとして受け止めております。 例えば、従来からの子供の内面や育ちを見つめる教員の感性と、ICTの一人一人に寄せた情報を集める効果を組み合わせることで、個々の学びの状況をつぶさに捉え、今まで以上に一人一人に寄り添った指導や関わりを充実させることが期待できます。 また、対面による子供たち同士の学び合いに併せてICTを効果的に活用することにより、子供たち同士が互いの思いや考えをより深く理解し合いながら、共に成長し合うことができる学びを保障していけるものになるのではないかとも思っております。 議員も御存じのとおり、教育のICT化には、これまで教員が子供の学びを豊かにするために実現したいと思いながらも、時間的あるいは空間的な制約からなかなか実現できなかった子供一人一人に寄り添った教育を可能とするものであり、これからの学校が、子供と子供、子供と教員が今まで以上に心を通わせ、温かくつながり合いながら、共に学び育つ場であり続ける環境整備であると思います。 しかしながら、議員が御心配されるように、教員がその導入による変革を受け身の姿勢で受け止め、負の側面のみを捉えるならば、およそこれらの効果は得られるものではございません。そこで、市の教育センターでは、ICTの活用に向けた研修を進めてきておるところです。 改めて申し上げるまでもないことですが、ICTの導入効果は、教員の自主性や専門性に左右されるものでございます。世界的な教育学者であるジョン・デューイは、昨日の教え方で今日教えることは、子供の明日を奪うと述べております。教員がそうした意識の下、日夜研さんを積み、自主性や専門性を存分に発揮することでICTによる効果を最大限生かして、教育の可能性を豊かに広げられるよう、引き続き各学校に働きかけてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 永井教育次長     (教育次長 永井克昌 登壇) ◎教育次長(永井克昌) 私から4点お答えします。 まず、タブレットを全校で使用する場合の使用可能クラス数ですが、本市で導入する学習支援ソフトのドリル機能では、全学級で同時に使用が可能であると想定しております。 しかしながら、大容量の動画教材等を使用する際、複数学級が同時に使用した場合には、タブレットがフリーズしてしまうことも想定されます。そのような状況では、グループごとに視聴することや校内で使用時間を調整すること等、一定の制約をしたり、教室の大型テレビに映して全員で視聴したりするなどの工夫が必要となるのではないかと考えておりますが、今後実践を通して検証してまいります。 次に、教室で教職員が使用するタブレット端末につきましては、児童・生徒が使用するタブレット端末と同機種ではありませんが、平成27年度から2in1型タブレット端末の配備を開始し、これまでに配備を完了しております。 市立長野高校のタブレットにつきましては、既に6月の専決補正予算で認めていただき、その後、手続に従って公費で購入いたしました。令和3年度から生徒が使用できるように準備を進めているところでございます。 最後に、各校の支援体制についてでございます。ICT支援員の増員につきましては、1人1台端末の配備によるICT教育の加速を受けて、令和3年4月に5人増員し、合計12人体制で学校を支援していくことができるよう、予算案をお願いしているところでございます。 今後、ICT支援員の増員に加えて、新たに理科教育センター指導主事の授業支援やIT企業、大学生等、地域人材の活用など、学校への人的支援を拡充してまいります。 これらの支援体制が十分かという質問ですが、ICTを活用するに当たっては、全ての教職員がICT活用に向けて研修をし、実践をしながら、ICT機器やソフトに徐々に慣れていくことが求められるものであります。何をどのぐらい支援することが適当かとなると、市教育委員会としても試行錯誤しながら対応している途上であり、引き続き学校の状況を把握しながら、教職員の実践を支えてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 黒沢清一議員 ◆12番(黒沢清一議員) 今御答弁あったんですけれども、是非ICT化に伴う導入に当たり、個々に寄り添った、そしてまた、教員には専門性を、これを尊重、保障していくという立場で進めていただきたいということと、Wi-Fi環境についても、多分検証がこれから必要だと思います。是非現場をよく見ていただいて、お願いしたいと思います。 次に、千曲川流域治水対策について伺います。 最初に、遊水地について伺います。国や県の計画の信濃川水系緊急治水対策プロジェクトの遊水地の計画について伺います。 堤防やダムだけに頼らない総合的な治水対策の一つの遊水地は、2027年度までに整備するとしています。昨年、国土交通省千曲川河川事務所から塩崎の区長会に遊水地の説明会がありましたが、具体的な候補地、補償、遊水地の構造などの具体的な説明はありませんでした。千曲川の堤内地で耕作している方や近所の住民からは、農業が続けられるのか、あるいは遊水地に対する不安や疑問の声も上がります。 住民や耕作者、区長会への今後の遊水地の説明会の計画について伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 遊水地についてお答えいたします。 篠ノ井篠崎地区に計画されている千曲川の遊水地は、信濃川水系緊急治水対策プロジェクトに位置づけられており、千曲川の水位低下のための取組として計画されております。 遊水地に関する説明会ですが、昨年は6月と8月の2回、篠ノ井塩崎地区の区長会に対し実施されております。 説明会では、遊水地の役割や機能の説明と、遊水地予定地の計画・設計に当たって現地の基礎調査について、地区に対する周知方法の説明が行われました。 また、市河川課に事務局を置く篠ノ井地区千曲川堤防改修促進期成同盟会では、千曲川河川事務所の担当職員が同行する中、昨年12月に管外視察を行い、遊水地の先進事例である信濃川支流の五十嵐川遊水地について、管理する新潟県職員から説明を受けております。参加した地元区長からは、遊水地に対する理解を深めることができ、大変有意義な視察であったとの感想が述べられております。 なお、この3月10日に塩崎地区区長会に対し説明会を実施する予定であり、その場で地権者や住民への説明会日程と今後の進め方等について調整する予定であります。 市としましては、早期に地権者・住民に対する説明会を実施できるよう、国に対し積極的に協力してまいります。 ○議長(小泉栄正) 黒沢清一議員 ◆12番(黒沢清一議員) 丁寧な説明を求めていきたいと思います。 次に、千曲川・篠ノ井塩崎の堤防復旧、千曲川しゅんせつについて伺います。 千曲川の篠ノ井塩崎、軻良根古神社脇の堤防の復旧が現在進められています。川側については、コンクリートで覆う工事が進められています。昨年7月の大雨のときに、軻良根古神社の堤防の住宅側の一部ののり面が、堤防上の雨が流れて削られてしまいました。 私は、これまで要求し、質問でも取り上げてきましたが、今後、被覆型にするために堤防の住宅側もコンクリートで覆うべきだと考えますが、見解を伺います。 また、この塩崎の堤防に千曲川が垂直に当たり、支流の聖川との合流地点が特に土砂の堆積が高くなっています。この土砂のしゅんせつ、樹木の伐採の計画について伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 堤防の住宅側のコンクリート被覆についてですが、越水により堤防ののり面が欠損した篠ノ井塩崎地区の堤防復旧については、民地側堤防のり尻をコンクリートブロックで強化する方法により、昨年6月に完了しております。 また、出水期後の11月からは、同箇所の川表側堤防のり面についてもコンクリートブロックによる改良工事が、5月末完了を目標に引き続き実施されております。 議員御質問の堤防を被覆型とすることについては、千曲川河川事務所長より市長に対し、延長690メートル区間についてコンクリートによる3面被覆型の堤防強化の実施を予定しているとの報告がされております。 次に、聖川との合流付近の千曲川のしゅんせつ、樹木伐採についてですが、千曲川河川事務所では、現在実施している川表側のコンクリートブロックによる改良工事と並行し、水の流れに支障となっている箇所の河道掘削を行っており、支障となる樹木伐採についても、順次実施すると聞いております。 ○議長(小泉栄正) 黒沢清一議員 ◆12番(黒沢清一議員) 被覆型については、これまでも様々な方が要望、要求をして、そういった計画であるということ、本当によかったと思います。引き続き改良復旧を求めていきたいと思います。 次に、岡田川、聖川のしゅんせつの計画について伺います。 令和元年東日本台風で、篠ノ井では千曲川の越水だけでなく、岡田川、聖川の内水災害によって多くの住宅が床上浸水、床下浸水の被害が出ました。岡田川、聖川のしゅんせつ、樹木の伐採の計画について伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 岡田川、聖川を管理する県長野建設事務所に問合せしたところ、堆積の著しい箇所から実施するとのことで、緊急浚渫事業債により、令和3年度に、岡田川は260メートル、聖川は150メートルの区間を実施予定とのことでありました。 しゅんせつの実施により流下断面が大きくなることから、河川の水位低下が図られ、治水安全度の向上が期待できるものと考えております。 市としましても、本事業債の期限である令和6年度までに、しっかりとしゅんせつと樹木伐採が実施されるよう、岡田川改修期成同盟会及び聖川改修期成同盟会と連携し、県に対し引き続き要望してまいります。 ○議長(小泉栄正) 黒沢清一議員 ◆12番(黒沢清一議員) 岡田川も聖川も、特に住宅のあるところをまず優先して行っていくよう求めたいと思います。 次に、公民館、交流センターの分館譲渡廃止問題について伺います。 篠ノ井公民館の6分館合計の年間利用者は、令和元年度5万66人、塩崎分館は7,114人、分館は地域に密着した施設として多くの人に親しまれています。このような施設を、市の財政事情だけで切り捨てていいのでしょうか。 パブリックコメントでも、塩崎分館は、私たちが文化・芸術に触れ、心豊かに過ごし、交流する上で大事な拠点です。塩崎分館は、築10年も経過しておらず、なぜ譲渡、廃止なのか疑問など、多くの声が寄せられています。 まだ新しい塩崎分館について、文化・芸能活動や住民自治協議会の活動等の場として施設の存続を望む意見がある中で、市は公共施設個別施設計画の策定を進めてきました。塩崎分館が仮に廃止となる場合、これまでの活動をどの場所で行うことを想定していますか、見解を伺います。 分館の見直しについて、譲渡・廃止の結論を前提に進めるのではなく、地域住民や利用者への説明を今後も丁寧にし、意見を聴きながら存続すべきではないでしょうか、見解を伺います。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 長野市公共施設個別施設計画で篠ノ井地区にある分館については、信里分館を除く5施設の今後の方針を、補修を行いながら地区への譲渡又は廃止を進めるとされております。 今後、個別施設計画を進めるに当たっては、人口減少や少子高齢化が進行する中で、公共施設マネジメントの基本理念である、将来世代に負担を先送りすることなく、よりよい資産を次世代に引き継いでいくことを共通の理解としながら、地区や利用者の皆様などと話合いを行ってまいりたいと考えております。 御質問の塩崎分館につきましては、例えば施設譲渡により地域で管理運営し、引き続き利用いただくことも考えられます。あるいは代わりに地域公民館や交流センター本館、その他の市有施設などを利用いただくことも想定されますが、いずれにいたしましても、住民の皆様からの提案も頂きながら話合いをさせていただきたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 黒沢清一議員 ◆12番(黒沢清一議員) 今の答弁で、もし仮に塩崎分館の代わりにということで市有施設と言われましたけれども、例えば市有施設というのはどういう想定をしているか、ちょっとお答えなかったと思うんですけれども、お願いします。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 施設の関係につきましては、これから公共施設マネジメントを進めていくに当たって住民の皆さんとも一緒に考えていくことというふうにも思いますけれども、やはりこれからの方向性としては、施設もこれまでのように用途を限定して使っていくような施設の使い方から、より多様な使い方をしていくという時代に入っていくと思いますので、そのようなことも含めて市としても検討しますし、住民の皆様のいろいろ知恵ですとかアイデアも頂きながら、そこはやはり一緒に考えていきたいというように思っております。よろしくお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 黒沢清一議員 ◆12番(黒沢清一議員) 市有施設というお答えなかったんですけれども、塩崎地域の皆さんがいろいろやりたいと思って篠ノ井交流センターに申し込むんですけれども、実際には大変利用率が高くて、申込みできない。で、当然ですけれども、塩崎分館を利用している、非常に有効な使い方なんですよね。 ですから、パブリックコメントの多くの皆さんの存続を求める声に耳を傾けていただいて、分館存続をひとつの大きな柱として、選択肢として、ぜひこれからも住民の皆さんと一緒に考えて、存続を私たちも引き続き求めていきたいと思います。 以上で質問を終わります。 ○議長(小泉栄正) 19番松井英雄議員     (19番 松井英雄議員 登壇) ◆19番(松井英雄議員) 19番、公明党長野市議員団、松井英雄です。 12月定例会で加藤市長に、生声で動画の呼び掛けなどを要望したところ、早速第2弾を掲載していただきまして、大変ありがとうございます。継続が大切だと思いますので、様々な場面で呼び掛けなどをしていただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、通告に従って質問させていただきます。 南長野運動公園のスポーツ環境整備について伺います。 一昨年の令和元年東日本台風災害では、千曲川リバーフロントスポーツガーデンも再び浸水し、今後は堤内地への設置も検討するとの答弁もありました。 長野市においては、令和10年開催の第82回国民体育大会では、バスケットボール、成年女子サッカーが開催予定となっております。併せて、これまでも長野Uスタジアムでは、なでしこジャパンとイタリア代表の試合が行われたこともありますが、女子サッカーの合宿や国際試合を招致すべきと考えます。その際には、十分な練習会場を確保していくことも必要と思われます。 また、地元篠ノ井地区からも、南長野運動公園を中心にスポーツによる地域の活性化を図るべきとの声も頂いております。 そこで、改めて国際試合など練習会場機能を有したサッカーグラウンドの整備を検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。     (19番 松井英雄議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 小林文化スポーツ振興部長     (文化スポーツ振興部長 小林祐二 登壇) ◎文化スポーツ振興部長(小林祐二) 長野Uスタジアムは、日本サッカー協会から高い評価を頂いており、平成27年5月にイタリア戦、平成29年10月のスイス戦と、これまで2度サッカー女子A代表--なでしこジャパンの試合が行われました。特にワールドカップ直前に行われましたイタリア戦では、チケットが完売するとともに、テレビ中継によるシティプロモーションの効果を含め、大きな経済効果を本市にもたらしたものと考えております。 しかしながら、通常の国際試合の招致では、立候補に当たりメインの試合会場のほか、練習グラウンドの条件として芝生はもちろんのこと、夜間照明や非公開練習への対応、また、更衣室やトイレ、シャワー設備等についても練習会場の附帯施設として求められることが多く、本市のグラウンドでは対応できる機能を有していないことから、これまで国際試合等への立候補を見送ったり、選定から漏れたケースがございました。 長野県で令和10年度開催予定の第82回国民体育大会では、本市での成年女子サッカー競技が予定されております。 御提案いただきましたサッカーグラウンドを含め、スポーツ施設の整備については、今後市民ニーズ等を見極めた上で、公共施設マネジメントとの整合性を図りながら、国民体育大会の施設整備計画の中で検討してまいりたいと考えております。 また、計画策定に当たりましては、現状の競技環境の課題分析に加え、将来の本市の財政負担、また本市に与える経済効果等を考慮した上で策定を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 松井英雄議員 ◆19番(松井英雄議員) 令和10年の国民体育大会の中で検討していただけるということでございました。 私もなでしこジャパンとイタリア代表の試合は見に行かせていただいて、澤穂希選手が来るということで楽しみに見にいって、髪の毛を束ねているんですけれども全ての人が束ねていて、誰が澤さんか分からなかったという思い出もあるわけですけれども。 パルセイロレディースは、これでWEリーグということでトップレベルの選手たちが大勢この長野Uスタジアムに来るということで、観客の方も大勢いらっしゃることも予想されますし、また、それを見る少女たち、あるいは少年たちのサッカーに対する思いというのも大変多く感じるところでありますので、是非ともそのようなグラウンドを造っていただくように要望させていただきます。 次に、交流センター事業について伺います。 平成31年4月よりモデル地区を設定して、これまでの公民館から交流センターへの移行が行われました。これまで直営の交流センターが2施設、指定管理が2施設となっております。検討においては、交流センターに移行することによりメリットもあればデメリットも出され、これまでモデル事業で検証されてきたと思います。 住民自治協議会設立から10年が過ぎ、都市内分権の在り方も検討される中、交流センター事業では、利用する住民にとっては、交流センターが社会教育法の制約が外れ、地域づくりに役立つ部分がある反面、運営する住民自治協議会にとっては事務負担もあるのではないでしょうか。これまでの検証結果をお聞かせください。 来年度は、中条地区が交流センターへと移行するとのことですが、今後も交流センター移行を希望する地域と十分協議をしながら方向性を見出していくと思いますが、公民館事業と交流センター事業をどちらかに一本化するのか、市としての方向性について御所見をお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 初めに、交流センターのこれまでの検証についてお答えいたします。 交流センターは、住民の学び方や地域づくり活動が多様化する中、地域住民や市議会から、地域コミュニティ活動の拠点として現在の公民館の利用基準を緩和し、誰もが利用しやすい施設にしてほしいとの要望があり、長野市社会教育委員会議の答申も踏まえ、平成31年4月から、市立公民館の4施設をモデル的に交流センターに移行したものでございます。 移行した交流センターのモデル実施期間を3年とし運営を行う中、昨年度は令和元年東日本台風災害に見舞われ、4施設のうち3施設に影響が及ぶとともに、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う施設の休館等、2年続けて施設利用に制限が生じました。十分な検証を行うことが困難な状況の中、現時点で把握した主な効果は、高校生の研究発表会としての利用や少人数での楽器練習など新しい利用が生み出されたことや、住民自治協議会と共催によるイベントで地元農産物を販売するなど、にぎわいの創出につながる利用もございました。また、午前、午後、夜間の区分から1時間ごとの利用区分としたことで、空き時間の有効活用が図られております。 昨年11月に開催された長野市社会教育委員会議では、これらの検証から一定の効果が認められる、交流センター化を進めてはどうか、などの御意見を委員から頂きました。 交流センター移行後、令和元年東日本台風災害新型コロナウイルス感染拡大防止策により利用者数が減った中ではありますが、これまでのところ生涯学習としての利用に影響は見られず、利用に当たっての大きな課題はございません。 引き続き、事務負担などの管理運営上の課題も含め検証してまいりたいと考えております。 次に、公民館、交流センターの一本化の方向性についてお答えいたします。 交流センターの特徴は、住民自治協議会による地域活性化事業での利活用など、公民館の学びの場を地域づくりや住民福祉に関する活動も行える、住民本位の柔軟な利用を可能とする施設に制限を緩和したことであります。現在、交流センターはモデル実施の期間中であり、今後の検証を踏まえて方向性を決定することとしております。 引き続き、効果や課題等の把握に努め、利活用の状況や地域の意向、更には将来に向けた公共施設の在り方など様々な角度から検証を行い、方向性を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 松井英雄議員 ◆19番(松井英雄議員) 台風災害、またコロナ禍という状況下で、なかなか検証も難しい部分もあるかと思いますけれども、地域の声をお聴きしながら、また、交流センターになると地域・市民生活部のほうも関わってくるのかなというふうに思っていますので、両方が連携を取りながら御検討をよろしくお願いします。 続きまして、子育て世代包括支援センターについてお聞きします。 公明党の提案により、平成28年よりながの版ネウボラ事業を導入していただき、市内の子育て世代包括支援センターも6か所へと拡充していただいているところです。 設置前では、妊産婦や乳幼児などの支援機関や制度は多いものの、ばらばらに対応しがちで必要な支援が届いていない状況もあるのではないかとのことで、窓口を一元化したことにより、必要な情報や相談、他機関との連携など、設置前と比べスムーズに支援などに結びついているのではないかと思います。 設置前と設置後の相談件数、産後ケアなど他機関との連携をお聞かせください。 コロナ禍において、昨年の出生数は過去最少との報道もありました。経済支援を含め、若い世代が安心して結婚・出産・子育てができる社会環境を構築することが不可欠であると思います。 そのような中、ながのわくわく子育てLINEは、アンケート結果を見ても満足度が高く、効果的な事業と伺います。 一方で、コロナ禍において地域とのつながりが薄れる中、孤立感を感じている方もおられるのではないでしょうか。 子育て世代包括支援センターでは、電話による相談を行っていただいておりますが、人によっては対面のほうが安心をする方や表情を見ながらの相談もあり、万が一緊急事態宣言など、今後も想定しオンラインの対面相談を始めるべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 子育て世代包括支援センターの相談件数についてですが、同センターに配置をいたしました母子保健コーディネーターが対応した相談件数で見ますと、2か所で開始をした平成28年度は1,517件、4か所に拡充いたしました平成30年度は3,409件、さらに6か所に拡充しました令和元年度は5,662件と年々増加をしております。 一方、同センター設置前から行っております妊産婦・乳幼児健康相談、こちらの件数を見ますと、平成27年度は7,115件、令和元年度は6,257件など、あまり大きく減少していないことから、先ほどの母子保健コーディネーターの相談件数が、おおむね子育て世代包括支援センターの設置に伴う純粋な増というふうに捉えてございます。 次に、産後ケアなど他機関との連携についてですが、母子保健コーディネーターが中心となりまして母子健康手帳の交付時等の初期から妊婦さんに詳細な聞き取りを行いまして、医療機関の助産師さんやケースワーカーなどとも連携をいたしまして、継続的な支援を行っております。 また、産科医療機関から御連絡を受けることもありまして、その場合にも妊産婦の相談や訪問を実施し、産後ケア事業や様々な福祉サービス、こういったものを紹介するなどして関係機関と連携して、必要な支援に当たっているところであります。 次に、子育て相談におけるオンラインの導入についてですが、相談業務の実施に当たりましては、相談される方、またお子さんの様子を直接確認をすることできめ細かく対応できるというふうに考えてございまして、感染防止対策を十分に講じた上で対面相談を行っているところですが、オンラインの導入につきましても、その効果、それからニーズ、更には必要な機器やシステムなど、こういった観点から研究をしてまいりたいと思ってございます。 ○議長(小泉栄正) 松井英雄議員 ◆19番(松井英雄議員) オンラインの相談ですけれども、お子様の表情を見たり云々というお話がございましたが、電話による相談も行っているということで、電話の相談ではお子様の表情を見れないのではないかなというふうに思っております。 是非とも相談するお母さんの表情などもうかがえるということもありますし、これは万が一緊急事態宣言というふうなことも想定しなければいけないわけですので、そのようなことも御検討をいただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。 続きまして、ふるさと納税制度などを活用した児童養護施設を巣立つ若者などへの支援について伺います。 児童養護施設は、保護者がいない、虐待を受けたなど、様々な事情のある子供たちについて、保護者に代わり社会的に擁護し、自立のための援助などを行う施設です。入所している子供たちは、原則18歳になると自立して退所することになります。 国においても、児童養護施設の子供たちへの給付型奨学金の一時金の上乗せなど支援はありますが、進学するにせよ、就職するにせよ、児童養護施設等を巣立つ若者への支援は十分とは言えない現状があります。 そのような中、多くの自治体でふるさと納税のメニューの中に、児童養護施設を巣立つ子供たちへの支援をメニューとして取り組んでいます。 長野市においても、ふるさとながの応援寄附の活用先として、「応援してください、長野の子育て」のメニューがあります。こうした寄附制度などを活用し、児童養護施設を巣立つ若者たちへの支援を行うべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) 児童養護施設は市内に3施設あり、施設の設置認可や児童の入所決定は、児童福祉法の規定に基づき長野県が行うことになっていることから、入所している児童が施設を退所する際の自立支援は、県が施設と連携しながら行っております。現在、長野県が行っている自立支援につきましては、退所後就職する児童への就職支度費や普通自動車運転免許取得費、また、大学等へ進学する児童への自立生活支度費、給付型の奨学金の支給のほか、家賃や生活費などへの貸付事業などとなっております。 また、退所後に就職する児童のうち自立支援が必要な児童につきましては、児童自立援助ホームへ入所し、専門の職員による生活相談等の支援も行われているところです。 議員御提案の児童養護施設は、本市のみならず県内の他市町村にも設置されており、本市の児童が他市の施設に入所している場合もありますことから、支給対象とする児童養護施設を本市に設置されている施設のみでよいかなど、整理しなければならない課題があると考えております。 この度の御提案につきましては、本市のみならず広域的な視点での検討も必要と思われますことから、まずは同様の支援を実施している他市の事例を研究してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 松井英雄議員 ◆19番(松井英雄議員) 部長言われるとおり、対象のお子様をどう絞っていくかというところは非常に難しいなというふうに私も思います。 しかしながら、厚生労働省の調べによりますと、児童養護施設に入所する6割の方が虐待を受けているお子様だというふうなこともお聞きしております。そのお子様たちが巣立ったときに、そういうお子様でなければ親を頼るとかそういうことがあるんですけれども、なかなか頼るところがない。そんなことから、長野市が応援しているという応援メッセージにもなるのかなというふうに思いますので、十分な御検討をよろしくお願いします。 続きまして、ゾーン30についてお聞きします。 長野市内においても、これまで生活道路における歩行者等の安全な通行を確保することを目的として、警察と地元住民と長野市が協働でゾーンの指定を行ってきました。以前までの課題として、ゾーン30の指定をしても効果があまりないエリアも全国的にはあることから、生活道路対策エリアと行政が調査をし、必要とあればエリア指定をしていくと認識しております。 長野市においては、権堂地域1か所がこのような指定により生活道路対策エリアとのことです。この指定の条件などはどのような内容か、指定までのプロセスをお聞かせください。 また、篠ノ井地区にて現在進められている起点から600メートル区間の川中島幹線事業ですが、この区間が完成することにより、その先の今井団地までの抜け道として現在より抜け道として使う方が多くなると思われる、地元の篠ノ井高田区、南条区、川中島南原区より、ゾーン30の指定を要望しております。この区間は子供たちの通学路でもあり篠ノ井高校もあることから、ゾーン30の指定を地元要望に沿って進めるべきと考えます。現在の進捗をお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) ゾーン30につきましては、地域の生活道路における歩行者や自転車の安全な通行を目的として、長野県公安委員会が区域を定めて速度規制を実施しているもので、警察、地元住民、道路管理者が連携して安全対策を行っております。 市内では昨年度までに28か所がゾーン30の区域に指定されており、これまでにゾーン入り口のカラー舗装による路面表示や止まれ文字の設置、また、標識等による注意喚起を行ってまいりました。 しかし、ゾーン内を通行する車のスピードや通過交通量を抑制するためには、ハード的な対策を併せて行うことが有効であるとの国の調査結果を踏まえ、令和元年11月、警察庁交通局交通規制課の通達では、今後新たにゾーン30の指定を行う場合は、道路管理者が生活道路対策エリアの区域設定を併せて行うよう検討することが示されました。 この生活道路対策エリアの内容ですが、国土交通省が所管する取組であり、エリアに指定することでETC2.0によるビックデータを活用した交通解析によりエリア内に潜む危険箇所の特定など、国から技術的な支援を受けることができます。また、エリア内で実施する交通安全対策に対しても、交付金事業による財政的な支援が受けられます。 本市では、権堂地区が平成28年に生活道路対策エリアの指定を受けており、エリア内の市道では、歩道設置等の安全対策を実施しております。 指定へのプロセスにつきましては、初めに地域の皆様からの要望や交通事故の発生状況等を勘案する中で道路管理者が指定する区域選定を行い、その後、警察の意見をお聴きしながら最終的なエリアを決定し、国の出先機関である長野国道事務所へ登録申請を行い、許可されると生活道路対策エリアに指定されます。指定に際しては、行政と地域の皆様が協働して安全対策を検討するための組織づくりを行ってまいります。 本市としましては、この生活道路対策エリアの取組を活用して、地域と共に道路の安全対策を行っていきたいと考えております。 次に、篠ノ井高田区、南条区、川中島南原区のゾーン30の進捗状況についてお答えします。 各地区のエリアはおおむね確定しており、現在は長野国道事務所と指定に向けた協議を進めているところでございます。生活道路対策エリアの指定がされた後に、長野県公安委員会によるゾーン30の指定に向けて警察との調整が必要であり、指定までには今しばらく時間が必要です。この3地区につきましては、地域の皆様からも指定に向けた御要望を頂いており、市としましてもその必要性を認識していることから、早期に指定ができますよう精力的に関係機関との調整を進めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 松井英雄議員 ◆19番(松井英雄議員) ありがとうございました。思ったよりも地元、篠ノ井高田区、南条区、また川中島南原区、進んでいるのかなというふうに思っております。引き続き、まあ国道事務所のまず許可を待ってという部分もあるんですが、本来ならば本年度から工事ができたのかなというふうなところだったんですけれども、通達により安全道路対策エリアとしなさいというふうになってしまったので、ちょっと遅れた感がありますが、是非とも前に進めていただきたいと思います。 来週の3月11日は、東日本大震災から10年の節目ということで、私が議員になるきっかけとなった震災でございます。いま一度初心に戻って、市民の安全・安心のために引き続き頑張っていきたいことをお誓い申し上げまして、私の質問を終わります。 ○議長(小泉栄正) 1番小林史子議員     (1番 小林史子議員 登壇) ◆1番(小林史子議員) 1番小林史子です。 まず、公民館分館の譲渡、廃止についてお聞きします。 国が様々な財政措置を通じて自治体の公共施設再編、統廃合を推し進めようとする中で、自治体と住民が公共施設と地域の問題にどう向き合い適切に対処していくかは、地方自治の根幹に関わる重大な問題です。 全ての公共施設を今のまま維持することはできません。私たちは、人口や財政の縮小という実態を受け止めた上で、将来に向かって賢い縮小をしていかなければなりません。公共施設の再編は、それを通して、どんな長野市を、どんな暮らしを目指すのかと、常にセットで考えていかなければ、住民生活、地域生活がしぼんでいくばかりになりかねません。しかし、取組方によっては、地域全体にとって本当に必要なことは何か、住民ができることと行政の役割は何かを、市民と行政が共に考え、住民自治を協働してつくり上げていくことにもつながるのではないかと思います。 昨年11月から12月に行われた長野市公共施設個別施設計画案に対するパブリックコメントに提出された意見94件のうち78件が、公民館や分館に関するものでした。中でも分館の地区への譲渡又は廃止の方針に対して多くの意見が寄せられています。 昨年6月から7月に行われた長野市公共施設個別施設計画素案への質問、意見募集でも、意見総数230件中、88件が公民館、分館に関するもので、突出して多い結果になっていました。そこには、公民館分館が地域のコミュニティーの中心になっていること、地域の活性化に欠かせない施設であり、これをなくすことは住民自治力を弱めてしまうこと、文化芸術に触れ、心豊かに過ごし交流する上で大切な拠点であること、地域の歴史、文化の継承の場であること、身近なところにあることで誰もが通いやすく、子供から高齢者まで幅広い世代の活動に欠かせないこと、災害の際にも住民にとって重要な施設であること、などの声が寄せられていました。 これらの意見からはっきりと読み取れるのは、公民館や分館は地域コミュニティーの重心となっている施設であり、住民にとって欠くことのできない大切な施設だということです。 財政の逼迫により行政の人員や公共サービスの削減が進み、様々な地域課題に住民自らが主体的に取り組み解決していくことが求められています。そのための活動の場として公民館は大きな役割を果たすもので、これは分館についても同じことです。公共施設マネジメントに当たっては、このような公共施設の意義を再認識する必要があります。 そこで、伺います。 分館を地区への譲渡、廃止する方針を決めるに当たり、現在利用している人たちは分館がなくなった場合どうするのか、利用している人たちに話を聞いていますか。聞いているのであれば、教えてください。 また、公共施設個別施設計画案に対するパブリックコメントで出された意見への市の考え方として、公民館分館の機能を廃止し、建物の解体、譲渡又は貸付けを行う方針、ただし、分館ごとに老朽度や使われ方、利用率、所在する地区の人口など、置かれた状況が異なるため、計画の推進に当たっては地域の社会教育が衰退することのないよう、地区や利用者、関係機関等々と十分に協議を重ねていく、とあります。具体的にはどのように協議をしていく予定か、お聞かせください。     (1番 小林史子議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 本市の公民館、交流センターは、被災した長沼交流センターを含め、本館が29館、分館が28館あり、分館が多い地区は、篠ノ井地区6館、松代地区7館、若穂、川中島、更北地区にそれぞれ3館がございます。これらの分館は、本館とは異なり職員を置かず、住民やサークルなどの団体への貸館が主なものとなっております。 また、市の施設ではありませんが、地域住民が建設し管理運営している地域公民館があり、これらを含めた本市の集会施設は、同規模の他の自治体に比べて多い状況となっております。 今後の人口減少や少子高齢化などの社会の変化に対応し、将来世代の大きな負担とならないようにするためには、議員御指摘のとおり、全ての市の公共施設を現状のままで維持することはできません。 このようなことから、本館は維持し、貸館が中心である分館は、地域公民館のように地域で運営していただくことやほかの集会施設などの利用に代えていただくことができないかとしたのが、今回の個別施設計画でございます。 御質問の利用者からお聞きしているのかにつきましては、これまで利用者に限っての説明会は行っておりませんが、出前講座を実施した川中島地区と塩崎地区では、分館に代わる活動の場所の確保や施設を譲渡する場合の条件、計画の今後の進め方などについて御意見、御要望等を頂きました。 次に、具体的にどう協議するのかにつきましては、分館ごとに老朽化や利用の状況などが異なっておりますので、まずは計画の進め方とともに、地元へ譲渡する場合の条件などを施設ごとに検討し、整理する必要がございます。そして、これらを基に地域や利用者の皆様と意見交換を重ねる中で、よりよい方向性を共に見いだしてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 1番小林史子議員 ◆1番(小林史子議員) 公共施設等総合管理計画や個別施設計画は、住民の暮らし、地域の在り方に直結する計画です。しかし、これらの計画について、まだまだ住民に十分周知されておらず、住民が計画の目的や内容を理解できるようにすることが急務です。 公民館分館のことなど身近な施設についてパブリックコメントに出された意見からは、住民が自分たちの地域のことを自分たちで考えたいと思っていることがうかがえます。 市には、住民が市と協働し考え、住民自らが決定をしていかれるような体制を構築することが求められていると思いますが、お考えをお聞かせください。 ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 今までの公共施設を増やす時代から減らさざるを得ない時代になっていること、また、愛着を持って利用されていた施設を統廃合していくことに御理解いただくことが、容易でないことは十分承知しております。今の時代に当たりまして、総量を縮減する必要性や個別の施設の課題について、市民の皆様と市行政が共通の認識を持って話し合い、共に考えて、解決策を導いていくことが求められていると思います。 公民館、交流センター、分館に限らず、これから計画を進めていく段階では、行政からは活動を続ける方法を提案するほか、具体的な譲渡、貸付け条件や手続を丁寧に説明するなどの取組が必要でございます。その一方で、地元や施設利用者等の皆様からも前向きなアイデアを頂けるような場を設けることも必要だと思っております。 その話合いを始めるに当たりまして、まず、市が行政としての方針を示したものが、今回策定した個別施設計画であります。長野市が我々の子供、孫、ひ孫の時代にあって元気で活力のあるまちであり続けるためには、今を生きる我々が痛みを伴う取組を前向きに引き受けていくことが必要であるというふうに思います。 繰り返し説明を申し上げまして市民の皆様の御理解をいただきながら、共に方向性を見いだしながら計画を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします ○議長(小泉栄正) 小林史子議員 ◆1番(小林史子議員) 長野市が目指す住民自治を維持、発展させていくためには、地域で人が集い、活動するための場所が必要です。既存の施設や空き家を活用して、住民の活動の場を増やそうという自治体もあります。 公民館分館については、老朽化したから、その機能をなくすのではなく、その機能をどうやったらなくさないでよりよくできるのかを、住民と共に考えていただきたいと思います。 次に、DVと虐待を防ぐ取組についてお聞きします。 内閣府の統計によると、2020年度の全国におけるDV--配偶者等からの暴力に関する相談件数は、11月までの8か月間で過去最多の13万2,000件に達し、前年度1年間の件数を1万3,000件上回っています。 昨年9月に内閣府の男女共同参画局に設置されたコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会の中で、女性クリニックWe!TOYAMA代表の種部恭子氏がDV被害者の現状について報告しています。その一部を紹介します。 患者さんでDVの方は、簡単に逃げなさいと言っても逃げられないほど心の充電が足りていない状態であり、その中にいるしかない。コロナの中で仕事もないとなれば、生きるためにそこにとどまるしかないという選択をしている。 在宅になり加害者がずっと家にいることで、息継ぎの時間がなくなった。DV被害者は、1回殴られると、次に殴られるまでの間だけ息継ぎの時間になるという特性がある。激しい暴力があると、それからしばらくの間は静かだろうと。ところが、またちくちくといろいろなものがたまっていって、最後にまた大きな暴力が来る。そういうサイクルを繰り返しているわけだが、これが常時いるとなると、そのサイクルが短くなる。それで息継ぎができない。 経済的な暴力。コロナの特別定額給付金のとき、家を出た人については、世帯主でなく本人に10万円が入ったわけだが、家で耐えている人で、私には10万円が来ないのでしょうかという相談が非常に多かった。家庭の中にいるDV被害者がいかに多かったかということがあぶり出されたと思う。 心理的な暴力というのは、暴言を吐くだけでなく、家事育児とか様々なことに対して舌打ちをするような、そういう心理的な暴力というのが非常に多く、いらいらしているせいもあるのか毎日ずっと繰り返されているという状況の中にあって、明らかに症状が悪くなっている。 電話ではなかなか相談することができない状況ということだが、内閣府設置のDV相談プラスでも相談件数が増えている。もともと暴力と認識しても、なかなか相談につながらないというのが問題だったが、それを超えて相談したくなるほどエスカレートしていると捉えていただきたい。 一方、その中で暮らしている子供たちにも大きな変化があった。面前DVを含む虐待はエスカレートしているし、居心地が悪いので家出をする。家出をしたときに出ていく先だったネットカフェあるいは学校の保健室、そんなところがなくなってしまったので、SNSで泊めてくれと頼むと泊めてくれる人がいる。そういうところで被害に遭ってくる人が非常に増えた、と臨床の現場で起きていることを報告されています。 平成30年3月の内閣府男女共同参画局、男女間における暴力に関する調査によると、女性の約3人に1人は被害を受けた経験があり、約7人に1人は何度も被害を受けたことがあると答えています。 長野市でも男女共同参画に関する市民意識と実態調査が実施され、DVに関する項目が含まれています。調査の結果から、長野市におけるDVの現状と課題についてどう分析されていますか、伺います。 ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) DVは重大な人権侵害であり、男女共同参画社会を形成していく上で重要な課題です。そのため、本市では、毎年実施している男女共同参画に関する市民意識と実態調査の中でDVに関する調査項目を設けています。 国が実施している男女間における暴力に関する調査は、国内の男女間における暴力の実態把握が目的であることから、本市の調査と質問項目が異なり単純に比較することはできませんが、本市の今年度の調査結果によりますと、DVを受けたことがあるという回答は、女性が46.7%、男性が25.8%、全体で37.7%となっています。 具体的な内容としては、大声で怒鳴られた、誰のおかげで生活できるんだとか出ていけと言われた、といった回答が多くありました。 また、DVの考え方については、全体の6割が、どんな場合でも重大な人権侵害に当たると思うと回答している一方で、人権侵害に当たる場合もそうでない場合もあると思う、また、人権侵害に当たるとは思わないとの回答が合わせて約15%となっており、この意識の違いが大きな課題であると認識しております。 こうしたことから、男女共同参画センターでは、市民一人一人がDVを正しく認識し、身近にある重大な人権侵害であるとの理解を深めるため、啓発パンフレットの配布や企画講座等を通じ、意識啓発に取り組んでおります。 また、国連で定めている女性に対する暴力撤廃国際日に合わせて、女性への暴力の根絶などを啓発するためのコンサートを開催し、市民理解の促進に努めております。 さらに、女性のための相談を実施し、相談者の心理的援助や問題解決のための情報提供を行っていますが、認知度が低いといった課題もあることから、周知方法等を工夫してまいりたいと考えております。 今後も、配偶者やパートナーに対するあらゆる暴力を許さない社会づくり推進のため、関係部局とも連携を取りながら、広報、意識啓発に取り組んでまいります。 ○議長(小泉栄正) 小林史子議員 ◆1番(小林史子議員) DVは、子供の心と体にも深刻な影響を及ぼします。子供の見ている前で暴力を振るう面前DVは、子供への心理的虐待になります。また、DVが起きている家庭では、子供に対する暴力が同時に行われている場合があります。DV被害を受けている人は、加害者に対する恐怖心などから子供に対する暴力を制止することができなくなる場合があります。 面前DVの被害を受けた子供の心のケアについて、現状と課題を伺います。 ○議長(小泉栄正) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) 初めに、子供の面前で行われる配偶者への暴力--DVにより、児童に著しい心理的な外傷を与える心理的虐待の現状についてお答えします。 本市では、児童福祉法に基づく長野市要保護児童対策協議会におきまして対象世帯への支援を目的に、担当職員や関係者による実務担当者会議などを定期的に開催し支援方法等を検討しております。令和元年度にこの会議で心理的虐待を起因として取り扱った世帯数は109世帯で、全体の取扱い世帯数の約25%を占めております。また、この109世帯のうち面前DVによると思われる世帯数は45世帯で、全世帯数の約41%でございました。 心理的虐待を受けたとされる子供の心のケアにつきましては、子供が所属する保育所、学校などの職員やスクールカウンセラー等をはじめ、子供の居住地域を担当する保健師、子育て支援課の担当ケースワーカー、心理担当支援員が、先ほどの実務担当者会議などにより情報を共有しながら、対象世帯への訪問や子供、保護者への面談、カウンセリングにより継続的な支援を行っているところです。 課題といたしましては、実務担当者会議で心理的虐待を起因として取り扱った世帯数が、平成28年度97世帯に対し令和元年度は109世帯と約12%の増加となっていることや、児童虐待全体の取扱い世帯数につきましても、平成28年度357世帯に対し令和元年度が444世帯と約24%増加するなど、児童虐待の増加に歯止めが掛からないことが大きな課題と認識しております。 また、虐待を受けた子供は、心や体に計り知れない深い傷が残り、人間形成にも重大な影響が生じる可能性もあります。DVが行なわれている家庭に育った児童は、おびえや不安、鬱状態などの心身の症状が現れたり、自身の感情表現や問題解決の手段として暴力を用いてしまうこともあるため、未然防止を図ることや、関係者が連携、協力して、できるだけ早期に発見し対応していくことが必要ですが、児童虐待は家庭の中で行われているため外部から見えづらく、早期に発見しづらい面があることも課題と考えております。 ○議長(小泉栄正) 小林史子議員 ◆1番(小林史子議員) コロナ禍の影響もあり、DVを巡る問題は深刻さを増しています。 第四次長野市男女共同参画基本計画は、2021年度までが計画期間です。次期計画では、DVを未然に防止する対策、被害者が早期に相談につなげることができ、相談の場で二次被害を生まないための対策、被害者の自立に向けた生活支援の充実と伴走型支援、被害者と子供の心のケア、庁内関係部署や関係機関との連携の拡充、更に加害者を治療やカウンセリングにつなげる対策などを考える必要があると思いますが、お考えを伺います。 ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) 現在の第四次長野市男女共同参画基本計画では、配偶者等へのあらゆる暴力の根絶と相談機能の充実を施策として位置づけ、配偶者等への暴力行為を許さない意識づくりや啓発、被害を受けた女性やその子供への支援の充実、暴力を受けている人に対する相談機能の充実など、関係各課において具体的な取組を進めております。 現在の計画の期間が令和3年度末をもって満了となることから、次期計画の策定に向け、現在、これまでの取組効果の検証、現状の洗い出し、課題の把握等に努めているところでございます。 昨年12月に閣議決定された国の第5次男女共同参画基本計画では、国内外において女性に対する暴力根絶への問題意識の高まりに伴い、性別に起因する暴力の多様な被害者に対する必要な支援の充実を図ること等が国としての責務であり、地方公共団体をはじめ広く関係団体と連携することとしております。 本市におきましても、国の基本計画を踏まえ、議員御提案のDVに関する具体的な取組も含めて庁内関係各課や関係機関との調整を図り、より実効性のある計画となるよう策定してまいります。 ○議長(小泉栄正) 小林史子議員 ◆1番(小林史子議員) DVは特別な人だけに起こる問題ではありません。私たちの身近なところで起きている、誰もが当事者になり得る問題です。夫婦げんかという言葉で片付けられてしまいがちですが、実態は全く違います。支配する、されるという関係の中で、人権侵害がエスカレートしていくので、被害者は自分の力で逃れることができません。 子供を虐待から守るためにも、DV被害者と子供を守る具体的な施策を盛り込んだ計画をつくり、実施を急いでください。強く要望いたします。 ○議長(小泉栄正) 6番箱山正一議員     (6番 箱山正一議員 登壇) ◆6番(箱山正一議員) 6番、新友会、箱山正一です。 私からの質問は、2019年の9月、初挑戦となった自身の選挙で掲げた政策に本市の現状を重ね合わせながら、市民の皆様の代理として質問させていただきます。 最初の質問は、権堂地区の再開発とまちづくりについてです。 権堂、通称A-1地区のイトーヨーカドー跡地の建物は、長野電鉄が5階を2階へ減築し、3階の屋上には駐車場を用意し、新たな商業施設として来年のオープンに向けて準備が進められています。今年に入り、1階には綿半の食料品を中心とした新業態が入るとの報道があり、地域住民の皆さんはほっと胸をなで下ろしています。ですが、まだ2階と地下が空いており、いろんな店舗の情報が飛び交っておりますが、まだ正式には決まってないようです。 また、別の動きとして、権堂まちづくり協議会では、ほかのエリアでも権堂町らしい、これからの時代に合わせた再開発について定期的な会議の場を設けて、地権者の皆さんが毎週のように前向きな話合いを進めておられます。前向きなというのは、本市のこの中心市街地に多くの住民が集う商業施設や文化施設、子供たちを遊ばせながら買物ができるような室内空間がないので、何とか権堂でその役割を担いたいという思いが根底にあります。 一方、場所をがらっと北へ変えまして、本市が運営しています城山公園エリアの一番奥に位置します、通称ふれあいの森ゾーンにある城山動物園は年間約20万人の来場があります。それと、少年科学センターは年間約10万人、そして市民プールは年間約1万5,000人の来場がありますが、この三つの施設のうち、少年科学センターを(仮称)ながのこども館とし、室内の遊び場として再整備、市民プールは閉鎖しまして有料駐車場にと、令和4年度の善光寺御開帳に合わせる形で計画が進められています。 ちなみに、前回の御開帳は平成27年でしたが、本市公園緑地課が発表しているデータを見ますと、これらの3施設は御開帳時の来場客数は微増で、いつもの年とそんなに変わらないという状況でした。要するに、日常的に地域住民に愛されているエリアだということが言えます。 動物園を町なかに持ってくるのは難しいことなのですが、少年科学センターや子供たちの室内の遊び場を同じ動物園内で再整備ではなく、これからは中心市街地へ持ってくるというのがコンパクトシティの考え方ではないでしょうか。長野電鉄も室内の遊び場を権堂に持っていきたいということで、テレビ局のインタビュー等で社長が発信されておりました。 また、市民プールの跡地を暫定的に御開帳のために駐車場にすれば、ますます観光客は善光寺の北側から車を止めて、歩いて回向柱を目指すことになりまして、中央通りで計画しているにぎわいのイベントなどに気が付かず、商店街などで地域住民と交流する場面もなく、結果、滞在時間を延ばすことは難しくなると考えられます。 城山公園の再整備と、この権堂地区の再開発を同時に捉えることで、それぞれが抱える課題を効率的に解決できる気がしています。 そこで、お尋ねいたします。 本市が公共施設、(仮称)ながのこども館をイトーヨーカドー跡地の建物へ持ってきてテナントとして入るなどすれば、権堂地区に子供たちのにぎわいの声と経済活性化の相乗効果が生まれます。権堂アーケードもまだまだ生かせるはずです。本市の所見を伺います。 併せて、長野市として権堂まちづくり協議会にオブザーブしていただき、これからの権堂地区の方向性や可能性を、公共交通を担う長野電鉄とも一緒になって考えていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 二つ目の質問は、里親制度の取組についてです。 昨年の12月10日に、長野県里親支援専門相談員北信地区連絡会が主催する里親カフェというイベントに参加し、里親制度の説明と現役の里親さんの体験談を聞く機会がありました。誘っていただいたのは、児童福祉施設善光寺大本願乳児院の職員からなのですが、平成28年度、子供が権利の主体という児童福祉法の改正から、長野県で策定した社会的養育推進計画の内容、里親委託率の目標、その目標実現のための里親委託等推進委員会の活用などのお話を聞くとともに、長野市子育て支援課内に長野市里親会の事務局があることも知りました。ふだんの生活ではあまり耳にすることのない言葉や、私自身がこの里親制度について正しく理解していないことが多いと感じました。 また、里親カフェを企画している相談員の方からは、現役の里親さんから行政の窓口に手続に行っても、職員に説明するのに苦労したという話を何度も聞いているそうです。 行政の窓口や地域住民の皆さんに制度を正しく理解していただき、そこから里親支援につなぐことが必要だと考えていた矢先に、広報啓発のパンフレットを持って伺った小川村の方からは民生委員の会議で、長野市保健所健康課からは保健師を中心とした研修会で、この里親制度について詳しく説明をしてほしいと依頼を受けたそうです。 どちらも地域密着の支援を行う重要な方々です。それぞれの場所で説明の場を設けていただいたことで、里親制度の入り口を御理解いただけたようで、今後も同じような活動を継続し、多くの地域の方々に今まで以上に制度の存在と正しい理解を広めていく必要があるということを教えていただきました。 そこで、お尋ねいたします。 里親制度について、長野市として今年度はどのような取組をされたのか、また、課題を踏まえ、来年度はどのような取組を計画されているのか、お聞かせください。 併せて、本市の担当職員をはじめ民生委員や児童委員の方々へ里親制度の理解を深めるために研修会等の開催が必要だと考えますが、御所見をお聞かせください。 三つ目の質問は、成人式の延期についてです。 今年度の成人式は、全国的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、首都圏で緊急事態宣言の声がささやかれる中、大岡、信更、鬼無里、中条、戸隠、七二会、芋井の7地区は無事に開催することができ、安茂里地区につきましては、ライブ配信での開催となったようです。この8地区は成人式を開催することができましたが、既に延期を公表している5地区を除き、19地区の開催は延期となりました。 市内では、医療機関や市民の皆さんの御理解と御協力により、第3波と呼ばれる感染拡大が落ち着き、新型コロナウイルスの感染者も現在ではほとんど出ない日が、本市では続いております。さらに、ワクチン接種の予定も発表されるなど、課題はありますが、いよいよ今までこらえてきた長く苦しいトンネルを抜けそうな兆しも見えてきました。 成人式は、将来の長野市を支える若人の一生に一度の節目となる晴れ姿の日であり、本人はもちろん、同い年の仲間たちや、そしてその御家族にとっても感慨深い人生のセレモニーであります。何とか年内に振り袖を着て、人生初めてのスーツに袖を通し、感染対策をしっかりして開催できないか、願うところであります。 そこで、お尋ねいたします。 この一生に一度の成人式の意義や意味をどう考え、今後どのような在り方が望ましいとお考えか、教育長の御所見をお聞かせください。 併せて、この1月に開催予定で延期となった、この19地区の成人式について、今後の開催の見通しや検討の状況についてお伺いいたします。 四つ目、最後の質問は、善光寺御開帳のPRについてです。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期となった善光寺御開帳ですが、いよいよ1年後となってきました。いまだ終息が見通せない状況ではありますが、今後も感染状況を気にしながら、適切な感染防止対策の実施により、多くの観光客が安心して御来訪いただけるように準備していく必要があると考えます。 前回7年前と同様の、日本一の門前町大縁日というキャッチフレーズで、令和4年4月2日から5月29日までの58日間の開催予定となっております。 しかし、現在決まっている事業概要、にぎわいイベント、ロゴのデザインに至るまで、現段階で私がお聞きしたところ、前回の御開帳と大きく変わらない感じがしましたが、長野市は令和元年東日本台風災害からの復旧・復興、冬季長野オリンピック開催時の表彰台となっていたセントラルスクゥエアの整備や城山公園の再整備、長野県立美術館の誕生、善光寺門前イノベーションタウンプロジェクトなどなど、大きな苦難を乗り越えたり、再整備したり、新しく生まれたりと、この7年間で門前周辺は多くの変化と経験をしています。 善光寺御開帳は、今の本市が総力を挙げて全国の観光客の皆さんに、衣・食・住・遊・文化の日本一の門前町であることをPRする、さながら見本市となり、おもてなしをする絶好の機会となります。 コンセプトににぎわいづくりと市民参加とありましたが、見ていただく、ただただ消費する観光ではなく、観光客の皆さんにも一緒になって参加していただき、五感に残るような交流体験をすることが重要であると考えています。それが、必ずや将来の移住につながると信じています。 また、今回は諏訪大社の御柱祭と日程が重なります。諏訪大社と善光寺門前かいわいは歴史的に見てもつながりの深い関係性があると、宮司から聞いたことがあります。この歴史をひもとくツアーや宿泊プラン、本市から連携するとはなかなか言いにくいかもしれませんが、これは絶好のチャンスであると考えています。お互いの観光地を周遊するような相乗効果があれば、諏訪市と長野市で一緒にこの期間を盛り上げていくことができるのではないでしょうか。7年ぶりの御開帳です。前回踏襲ではない企画力で、市民も観光客もわくわくするような58日間に私自身も全力で協力します。 そこで、お尋ねいたします。 7年前とは社会情勢や本市の門前周辺の環境が変化している中で、本市の未来につながる視点から、日本一の門前町としてこれまでにない取組やイベントの企画、交流体験の計画などございましたらお聞かせください。 併せて、昨日の宮崎議員の代表質問と重なってしまいますが、諏訪大社の御柱祭と同時に開催されることで相乗効果が期待されるところであります。偶然に重なったこのチャンスをどのように生かしていこうと考えているか、お聞かせください。     (6番 箱山正一議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 近藤教育長     (教育長 近藤 守 登壇) ◎教育長(近藤守) 私から、成人式の意義、意味、在り方についてお答えいたします。 成人式は、戦後の昭和21年、混乱と虚脱感で明日への希望が見いだせない中、埼玉県蕨町の青年団が中心となり、次代を担う若者たちを勇気づけ、励まそうと開催した成年式が始まりとされております。 この成年式が全国的に広がり、昭和23年、国民の祝日に関する法律第2条に成人の日が祝日として制定され、おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげますと、その意義が規定されております。 成人式は、自分が生まれ育ち、愛着あるふるさと長野の今、また、未来の姿について考え、大人としてのこれからの生き方に思いを致すよい機会であり、これは私としては長野市教育の基本理念である、明日を拓く深く豊かな人間性の実現に通ずるものと考えております。 次に、成人式の在り方についてお答えいたします。 成人式は、各地区で開催時期や内容等を検討して、合併後の今日まで地域の特色を生かしながら継続、継承されてきております。大人になったことを自覚する式であることから、自ら意義を考え、どのような形で行うか、行政の一方的な開催ではなく、企画段階から地域や行政とも協働しながら運営を行うことで、一層強く自覚が持てるようになるのではないかと考えております。 ○議長(小泉栄正) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) 私からは、里親制度の取組についてお答えします。 まず、里親制度について、長野市としての今年度の取組と課題を踏まえた来年度の取組についてお答えします。 里親制度につきましては、様々な事情により家庭での養育が困難となった子供を、家庭的な環境の下で大人との愛着関係を持ちながら養育する制度でございます。 当制度につきましては、平成23年に厚生労働省が取りまとめた社会的養護の課題と将来像で、当時9割が乳児院や児童養護施設で行われていた社会的養護を、今後十数年を掛けて里親等にも3割程度担っていただくものと示されました。 その流れで児童福祉法が改正される中、昨年長野県が策定した長野県社会的養育推進計画の中で、代替養育が必要な子供については、子供の意向や最善の利益を考慮した上で、施設での専門的なケアが必要な児童を除き、より家庭に近い環境である里親による養育を優先しますとし、里親委託の推進に取り組むこととされました。 昭和23年に設けられた里親制度は、養子縁組を希望される方とのイメージを持たれがちではありますが、社会的養育が必要な子供について可能な限り家庭的な環境で生活できるよう、里親等への委託を推進するとの国や県からの社会的要請を受ける中、本市といたしましても里親制度の周知に取り組んでいるところでございます。 御質問の令和2年度の取組といたしましては、昨年9月に開催しました、ながの子ども・子育てフェスティバルにおきまして、広報ブースを設置しPR活動を行いました。また、里親月間の10月には、広報ながのに里親制度の内容や里親募集等の案内を掲載したほか、本庁舎、支所、公民館においてポスターの掲示、リーフレットを配架いたしました。さらに、同月間にトイーゴビジョンで里親制度のお知らせを放映したほか、11月の児童虐待防止推進月間に合わせ、市役所第一・第二庁舎を結ぶ渡り廊下でのパネル展示やリーフレットを配架するなどし、里親制度を周知・啓発いたしました。 里親制度の認知度がいまだ低いとの課題認識の下、来年度につきましても各種媒体を活用しながら制度の一層の周知・啓発を図るとともに、長野市里親会の事業にも積極的に取り組むほか、北信地域の里親支援専門相談員で構成する北信地区連絡会主催の里親制度説明会等の開催に当たっても積極的に協力してまいりたいと考えております。 次に、里親制度の理解を深めるための研修会等の開催の必要性についてお答えします。 市では、市政出前講座の中に児童虐待の防止についてを講座内容とするメニューを設けており、その中で里親制度の概略につきましてお話をさせていただく機会はございます。 しかしながら、現在、里親制度の理解を目的とした研修会等は実施しておりませんので、議員御提案のとおり、多くの方々に里親制度を理解していただくよう、北信地区連絡会にも協力いただきながら、研修会や会議の機会を通じて里親制度の周知・啓発活動に一層努めてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) 私から、善光寺御開帳と諏訪大社御柱祭との同時開催に係る対応についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、諏訪御柱祭と開催時期が重なります来年の御開帳は、前回以上に全国から多くの観光客が見込まれ、市内経済への波及効果や町なかのにぎわい創出が期待できる絶好のチャンスというふうに考えております。そのため、近隣市町村を含む長野地域と諏訪地域、それぞれの強み、特徴を生かし、お互いに観光客の周遊を促していけるよう、相乗効果を狙った具体的な方策について今後検討してまいります。 また、新型コロナウイルス感染症の全国的な感染状況を見極めながら、長野県をはじめ関係自治体や交通事業者、観光協会などと広域的に連携した積極的なプロモーションも行ってまいりたいというふうに考えております。 ○議長(小泉栄正) 小林文化スポーツ振興部長     (文化スポーツ振興部長 小林祐二 登壇) ◎文化スポーツ振興部長(小林祐二) 私から、善光寺御開帳期間のPRについてのうち、日本一の門前町大縁日のイベント企画などの取組状況についてお答え申し上げます。 本市では、善光寺御開帳開催に伴う様々な課題に対応するため、善光寺御開帳連絡調整会議を立ち上げ、イベント開催などを担うにぎわい担当、トイレや案内サイン等を担う環境整備担当、観光プロモーションなどを担う誘客推進担当、市内交通関係を担う渋滞対策担当の四つの担当を設けるとともに、新型コロナウイルス対策本部を新たに設け、関係する部署がそれぞれ連携しながら準備を進めております。 このうちイベント開催などによるにぎわい創出につきましては、経済、観光、まちづくり、文化芸術の関係団体や地元住民自治協議会、県、市からなる日本一の門前町大縁日実行委員会を組織して準備を進めており、先月2月に開催概要である基本計画を策定したところでございます。 この計画では、前回の善光寺御開帳の雰囲気を広く呼び起こし機運を醸成するため、基本デザインは前回と同じにすること、来訪された皆様を温かくお迎えするため、市民参加による文化芸術プログラムを中心としたイベントを開催すること、新たに整備されましたセントラルスクゥエアを中心とした善光寺門前に加え、新たに生まれ変わる県立美術館と連携した企画や、美術館と一体的に整備された城山公園でのイベントなどの準備も進めております。 具体的な実施内容につきましては、現在広く一般からも募集したアイデア等を参考にしながら、本年8月を目途に実施計画として取りまとめてまいります。 特に実施に当たりましては、市内各地の住民自治協議会や周辺市町村、集客プロモーションパートナー都市などにも広く参加を呼び掛け、特産品の出店や地域に伝わる伝統芸能の披露などにより、全国から来訪される観光客の皆様に対しそれぞれの地域の魅力を発信するなど、市民総出でお迎えし、令和元年東日本台風災害からの復興と新型コロナウイルスにより落ち込んだまちのにぎわいの回復の一助となるよう、にぎわい創出に取り組んでまいりたいと考えております。 また、来年度、実行委員会では、新型コロナウイルスの感染状況を注視しながら、4月3日の善光寺での喜多郎演奏会や5月5日の諏訪御柱の曳行体験をはじめとするプレイベントを節目節目で開催するとともに、他のイベントとも連携し、令和4年の御開帳開催に向けた機運の醸成に努めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 岩片都市整備部長     (都市整備部長 岩片弘充 登壇) ◎都市整備部長(岩片弘充) 権堂地区の再開発とまちづくりについてお答えいたします。 (仮称)ながのこども館をイトーヨーカドー跡地へ誘致してはどうかとの御提案につきましては、(仮称)ながのこども館と共に整備を検討している城山公園のふれあいの森ゾーンについて平成31年1月に行ったサウンディング型市場調査での御意見を参考に、現在の状況や将来性並びに経済性などを検討した上で、老朽化が進むプールを駐車場に、少年科学センターは既存建物を利用して(仮称)ながのこども館にリニューアルすると計画したものでございます。 少年科学センターの利用者につきましては、動物園の来園者と重なることからも相乗効果が期待できると考えており、また、動物園における休憩施設の充実、授乳室やおむつ交換の施設がないなどの問題解決に向けても、少年科学センターを活用することが効果的と考えておりますので、よろしくお願いいたします。 なお、旧イトーヨーカドーの長電権堂ビルにつきましては、所有者の長野電鉄株式会社から、来年2月のリニューアルオープンに向けて各階の活用を調整していると伺っております。 次に、権堂まちづくり協議会との連携について御説明させていただきます。 本年1月25日に権堂まちづくり協議会役員会が開催され、理事である長野電鉄株式会社も御出席される中、長野市もオブザーバーとして出席いたしました。 地区を六つに分けたブロックごとに進めている勉強会の進捗状況やこれからの権堂地区の方向性と可能性について、情報共有と意見交換が行われました。今後は定期的に会議を開催するとの意見も出されましたが、営業日や営業時間が様々な事業者の皆さんが、日程を調整し検討する機会を頻繁に設けることはなかなか難しいとのことでした。このことから、近隣の方々が少人数で集まり気軽にまちづくりを考えるように、市が主体的にブロックごとのヒアリングを始めています。 今後、権堂地区再生計画の見直しを行う中で、まちづくり協議会の皆様と連携しながら、これからの権堂のにぎわいや活性化につながるような方策について検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 延期となった19地区の成人式について、開催の見通しや検討状況についてお答えいたします。 本市の成人式は、各地区が実行委員会などを組織して開催日程や式典の内容を決定しているものでございます。 1月の開催を延期した19地区のうち長野市芸術館で開催を予定していた11地区合同成人式のほか、大豆島、朝陽、若穂地区は8月、松代地区は来年1月の開催を予定しております。 また、吉田、長沼、篠ノ井、更北地区につきましては、地区によってはアンケート調査を実施したり、新成人をメンバーに入れた実行委員会を組織し直したりするなど、新成人の意向も確認しながら、各地区が開催時期の検討を進めているとお聞きしているところでございます。 新成人の準備にも関係いたしますので、開催日程が決まり次第、早めに周知を行っていただくよう、各地区の主催者にお願いしているところでございます。 なお、今年度延期した地区におきましても、来年度の新成人の成人式は、従来の開催時期に戻したいとの意向を主催者側からお聞きしているところでございます。 ○議長(小泉栄正) 箱山正一議員 ◆6番(箱山正一議員) 丁寧な御答弁ありがとうございました。 城山動物園に関してなんですが、子供たちの遊び場を再整備しても、それが町なかになければ、地域の商店街の経済活動のプラスにはなかなかなっていかないと思います。これからは、古くなったら壊しておしまい、その場に造って再整備ではなくて、どうせお金を掛けるということであれば、長期的に地域住民に利益が還元される持続可能な行政に変わっていく必要があると私は思います。 加藤市長に要望して、私の質問を終わりにいたします。ありがとうございました。 ○議長(小泉栄正) 本日の会議はこの程度にとどめ、明5日は午前10時から本会議を開き、市行政事務一般に関する質問を行います。 本日は、これにて散会いたします。   午後4時47分 散会...