長野市議会 > 2020-09-10 >
09月10日-03号

  • "都市内分権"(/)
ツイート シェア
  1. 長野市議会 2020-09-10
    09月10日-03号


    取得元: 長野市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-19
    令和 2年  9月 定例会令和2年9月10日(木曜日) 出席議員(39名)   第1番   小林史子議員   第2番   小泉一真議員   第3番   倉野立人議員   第4番   堀内伸悟議員   第5番   西脇かおる議員   第6番   箱山正一議員   第7番   グレート無茶議員   第8番   加藤英夫議員   第9番   青木敏明議員  第10番   桜井 篤議員  第11番   和田一成議員  第12番   黒沢清一議員  第13番   滝沢真一議員  第14番   竹内 茂議員  第15番   東方みゆき議員  第16番   鎌倉希旭議員  第17番   鈴木洋一議員  第18番   勝山秀夫議員  第19番   松井英雄議員  第20番   金沢敦志議員  第21番   手塚秀樹議員  第22番   北澤哲也議員  第23番   市川和彦議員  第24番   若林 祥議員  第25番   松田光平議員  第26番   野々村博美議員  第27番   阿部孝二議員  第28番   佐藤久美子議員  第29番   松木茂盛議員  第30番   塩入 学議員  第31番   布目裕喜雄議員  第32番   小林秀子議員  第33番   近藤満里議員  第34番   西沢利一議員  第35番   小泉栄正議員  第36番   宮崎治夫議員  第37番   寺沢さゆり議員  第38番   小林義直議員  第39番   三井経光議員 欠席議員(なし) 説明のため会議に出席した理事者  市長         加藤久雄  副市長        樋口 博  教育長        近藤 守  上下水道事業管理者  上平敏久  監査委員       西島 勉  総務部長       倉島 明  企画政策部長     酒井 崇  財政部長       清水啓太  地域・市民生活部長  日台和子  保健福祉部長     中澤和彦  こども未来部長    広田貴代美  環境部長       宮尾正彦  商工観光部長     丸山陽一  文化スポーツ振興部長 小林祐二  農林部長       西澤雅樹  建設部長       小林正明  保健所長       小林良清  危機管理防災監    鎌田富夫  教育次長       樋口圭一  教育次長       永井克昌 職務のため会議に出席した議会事務局職員  事務局長       柄澤顕司  総務議事調査課長   湯本智晴  事務局主幹兼総務議事調査課長補佐             中村元昭  総務議事調査課長補佐 石坂陽子  係長         村山哲也  係長         内山健二  係長         竹 直樹  主事         馬場悠生子  係長         徳武慎治  係長         一之瀬 貴  主事         菅野航平  主事         前島諒人  係長         坂口夏江        議事日程 1 一般質問(個人)   午前10時 開議 ○議長(小泉栄正) おはようございます。 ただ今のところ、出席議員数は39名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 初めに、岩片都市整備部長から本日の会議を欠席したい旨の申出がありましたので、御承知をお願いいたします。 昨日に引き続き、市行政事務一般に関する質問を継続いたします。 発言の通告がありますので、順次質問を許します。 6番箱山正一議員     (6番 箱山正一議員 登壇) ◆6番(箱山正一議員) 6番、新友会、箱山正一でございます。 私からの質問は、ちょうど1年前の9月、初挑戦となった選挙で掲げた自分自身の政策に本市の現状を重ね合わせながら、市民の皆様の代理として5つを一括質問させていただきます。 1つ目の質問は、新型コロナウイルス感染症の影響で変化や挑戦が求められる今後の市政の在り方についてです。 少子高齢化や人口減少、産業構造の変化などが急激に進む中で、どのように人々の暮らしや地域の持続可能性を保っていくのかの問いに、人工知能--AIを活用した大変興味深い研究結果があります。 これは2017年に京都大学と株式会社日立製作所がプレスリリースしたものですが、AIによるシミュレーションが導き出した2052年までの2万通りの未来シナリオを分類すると、都市集中シナリオと、それから地方分散シナリオの大きく2つに分けることができ、都市集中シナリオだと地方は衰退し、出生率は更に低下、格差の拡大が進行し、個人の健康寿命や幸福感は低下していくというものです。 一方、地方分散シナリオは、地方への人口分散が起こり、出生率が持ち直して格差が縮小し、個人の健康寿命や幸福感も増大するというもので、持続可能性という視点からも、地方分散シナリオでこれからの地域社会をデザインしていく必要があるというものでした。 この分岐点の戸口に立っているのが、コロナ禍における、正に今であると私は考えています。地方の税収、地域内でのエネルギーや食料の自給率、地方での雇用、地域経済の循環など全てを高めて実行していくことが、何十年後ではありません、今、正に必要なのです。 現在、長野市では、長期的な行政運営の展望として第五次長野市総合計画の進行中であり、昨年の東日本台風災害からの災害復興計画も5年間をめどに策定され、直近では地域経済成長のための長期戦略2040も、今から20年後をイメージして、民間のプロフェッショナル人材--戦略マネジャーをチームにも加えながら、大変立派な戦略が示されました。 現在は新型コロナウイルスの終息に向けて、国や県を挙げて様々な支援があり、医療従事者の皆さんの日々の御尽力もあり、今を何とかしのいでいる市民生活と、本市に存在するこれらの長期的な多くの計画は果たして整合性が取れているのでしょうか。現状を踏まえて、新たに挑戦、加筆や削除、調整すべきことはないでしょうか、お伺いいたします。 また、内閣府の地方創生推進事務局が示す人工知能などの最先端技術を活用したスーパーシティ構想の対象地域について、長野県では既に茅野市が公募に向け手を挙げておりますが、コロナウイルスの感染拡大もあり、国の募集選定のスケジュールが延期されました。 長期戦略2040の方向性と併せて、本市は手を挙げる意思はあるのか。6月市議会定例会でも他の議員の方から質問がありましたが、あえていま一度お伺いいたします。 また、災害復興計画に関連することですが、令和2年2月に松本市に防災物資ターミナルがしゅん工されました。平成28年の熊本地震をきっかけに、過去に発生した大規模災害の教訓を踏まえ、災害時に国からのプッシュ型支援や全国から調達する大量の災害支援物資の受入れ、仕分けから避難所までの搬送を効率的に行い、物資を停留させない体制を構築するため、災害時の物資集積拠点としての機能を有しています。 長野市でも長沼地区に防災拠点の計画がありますが、物資ターミナルとしては未計画のようです。昨年の東日本台風災害時は、市役所の隣にあるふれあい福祉センター5階の会議室などを使い、支援物資の在庫置場としました。そこから各災害ボランティアセンターへと、ニーズに応じて大変な苦労をされ、配達されていました。 松本市の事例のように、新しい建物を新たに建築するとなると費用も時間もかかりますが、今ある本市の公共施設の駐車場や広い敷地などを活用し、防災物資のターミナル、プラスアルファとしての機能を持たせたトラックや重機の乗り入れが可能な備蓄倉庫の拠点が本市にも必要ではないでしょうか。御所見を伺います。 2つ目の質問は、中心市街地の活性化についてです。 42年間の長きにわたり権堂町と商店街ににぎわいをもたらしてくれたイトーヨーカドーが、地域の皆様に惜しまれて、ついに閉店しました。その後の建物を長野電鉄株式会社が5階建てを2階建てに減築し、1階に食品スーパー、2階と地下にはテナント誘致に動かれています。まだどんなお店や企業が入るかは分かりませんが、完成までは1年以上はかかるようです。 それまでの間、権堂町、権堂商店街協同組合長野電鉄株式会社、第三地区住民自治協議会の皆さんを中心に実行委員会をつくり、地域のお買物の利便性確保とにぎわいの創出に奮闘されています。本市も地域の要望に応えていただき、プロジェクトを組み、ワンストップで様々な課題に対応すべく迅速に動いてくださり、大変助かっているとのことです。ただ、今の状況がいつまで続くのか。今後の外部環境の変化によっては、まだまだ支援が足りないと感じています。 長野電鉄株式会社のテナント誘致の動きや地区の皆さんのイトーヨーカドー前の広場での動きをきっかけに、権堂地区の他のエリアにおける本市としての再開発についての展望や方向性を伺います。 また、延期された2年後の善光寺御開帳に向け、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ地域経済の活性化、市民を元気づけるために計画されたオールながの活性化事業ながのエールフェスタ2020における数々のイベントは、瞬間的にはにぎわいが創出されるとは思いますが、それらの正に打ち上げ花火のようなイベントは、予定されている来年3月までの開催後、地域経済や中心市街地の商店にどのように還元されるのか。一過性で終わらないようなイベントの効果をどう考えているか伺います。 次に、2年後の須坂市への大型ショッピングモール進出がいよいよ現実的になってきました。須坂長野東インターチェンジ前のおよそ52ヘクタールの土地、これは権堂イトーヨーカドー8個分の広さのようですが、そこが様々な商業施設に生まれ変わり、本市からも多くのお客様がお買物やレジャーに行くでしょう。 長野商店会連合会の会員数は、長野冬季オリンピック後の1998年には、およそ3,500会員を誇っていた時代がありました。昨年は何と70パーセント減の1,100会員まで減少してきました。2年後は、中心市街地の商店の存続が厳しくなることが容易に予想できます。この危機的状況に対する本市としての対策をお聞かせください。 次に、直近である年度内の地域経済の活性化について伺います。 新型コロナウイルス感染症対策の支援事業として、推し店プラチナチケットが大好評で展開中ですが、年末から年度末の消費喚起に向けて、48億円のビッグプレミアム商品券が第2弾として準備されています。国の地方創生臨時交付金を使い切っての大胆かつ過去最大級の事業になります。 しかし、ここまでは使えや使えの消費喚起、これでは終息しない、ともすると長期化する可能性のある新型コロナウイルス感染症対策として、お金が幾らあっても足りませんし、今後は一般財源からの支援策も考えていかねばなりません。 春以降の第3波に備えた店舗や事業所に向けた長野市独自の支援として、例えば動画配信や映像制作を伴うPRの制作費を支援するというのはどうでしょうか。 店舗であればお店や商品の紹介、生産者であれば、ものづくりに関するこだわりなどを動画によってPRする。そうすることで、映像を駆使して誘客や来店につなげる。例えばネット配信して通信販売につなげる。映像を使った様々なコンテンツは事業者自身が知恵を出して、その新しい挑戦に本市としても支援していくという意味での、知恵をサポートしていくということで、いろんな形で今後の広がりが見えてくると思います。実現可能かつ有効な支援策だと考えますが、いかがでしょうか。御所見を伺います。 3つ目の質問は、公共施設の在り方についてです。 先日、鬼無里中学校旧特別教室棟活用プロジェクト鬼土間へ視察に行きました。 中学校の校舎は、平成26年11月の神城断層地震を受けて使用中止、中学校は現在の鬼無里小学校へと移転・併設されておりますが、被害がなかった旧特別教室棟と広大なグランドを地域の皆さんで構成された鬼土間プロジェクトで、ソトとナカをつなぐ交流スペースとしての活用を模索されていました。公民館でもない、観光スペースでもない、交流人口と関係人口を結び付ける、ネーミングどおりのポテンシャルのある建物でした。 所管は教育委員会なのですが、これを今後も継続的に地区の皆さんの知恵とアイデアで活用できるよう、本市としても公共施設のマネジメントのしゃくしで簡単に閉鎖したり壊したりせず、建物の入口やトイレの改修など必要な整備をしながら、今後も維持できるようにすべきと考えます。 飯綱町にあるいいづなコネクトWEST・EAST、これは旧三水第二小学校や旧牟礼西小学校の事例にもありますように、鬼土間プロジェクトの皆さんの主体的な運営に、鬼無里でものづくりをしたい民間企業なども加われば、鬼無里地区の新たな魅力につながると確信しています。 地域住民のやる気に、本市としてどのような支援ができるかお聞きします。 4つ目の質問は、野外彫刻の集約についてです。 来年4月に完成予定の信濃美術館は県の事業ですが、先日、地元の区長さんたちと建築中の工事現場を見学いたしました。見学時、大変驚いたことがあります。工事現場から出てきた8トンもの巨石が3個転がっておりまして、これを処分するのではなく、彫刻家の手で磨き、開館までに入口付近に設置し、通学の子供たちや美術館を訪れる皆さんに磨いたり触ってもらおうというプロジェクトが動いているそうです。 専門家に聞くところによると、その巨石の1個は何と200万年前のものらしく、歴史的にも大変貴重な巨石を活用した展示のお話を聞くことができました。 一方で、長野市は昭和48年以降、市内各所に野外彫刻を設置し、さながら市全体を彫刻ミュージアムのようにし、文化の薫りある都市空間づくり事業を進めてきました。最近では、ツイッターなどを活用してこれらの彫刻を紹介したり、発信もされていますが、長野市全域が野外彫刻ミュージアムであることを実感できるようになるまでにはまだまだ時間が掛かり、絶対数が足りないように感じます。 そこで、現在整備中の城山公園を含め、公園の再整備エリアにこれらの貴重な野外彫刻を意図的に集約、点在させて、城山公園一帯をつなぐ観光の新たな拠点とすることで、信濃美術館の巨石とともに、中心市街地から善光寺の観光客の流れにも好影響を与えることが期待できるのではないでしょうか。 この全国的にもけうなすばらしい事業をいま一度デザインし直して、その可能性を広げていってはいかがでしょうか、お伺いいたします。 最後、5つ目の質問は、市内の学校の休校対応についてです。 先日、信濃毎日新聞の多思彩々というコーナーを読み、早稲田大学大学院政治学研究科教授の片山善博氏による気になる記事がありました。休校対応に見る教育委員会の見識というタイトルだったんですが、この春、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国のほとんどの学校が休校になりました。子供たちも保護者も先生の方々も、さぞかし大変な思いで苦痛だったと思いますが、学校が再開した今でも実は問題は終わっておりません。 学習の遅れを取り戻すために夏休みが短くなり、いろんな行事やイベントが中止になり、延期になり、さらには休み中に学校に来て学習をしたり、子供たちはもちろん、関係者の気苦労はまだまだ続くと考えます。 一斉休校のきっかけは、2月27日の安倍首相による突然の要請だったのですが、冷静に考えると、首相に休校を決める権限も要請する権限もなく、休校にするかどうかは、公立学校であれば学校を管理運営する教育委員会にその権限があるという記事でした。 本市の教育委員会では、首相の要請を聞いた後、どのような議論の場と手続で休校にしたのでしょうか。この後も再び感染拡大があるやもしれない状況の中で、再び休校することがあれば、子供たちの教育を受ける権利を奪うことや、学校や家庭や地域社会に大きな影響を与えることを認識した上で、今後の判断基準や対応方法をお聞きします。 以上5点を一括質問とさせていただきます。     (6番 箱山正一議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 樋口副市長     (副市長 樋口 博 登壇) ◎副市長(樋口博) 私からは、権堂地区の再開発についてお答え申し上げます。 平成29年に変更した権堂地区再生計画に基づきまして、権堂まちづくり協議会では、計画区域内を6つに分けたエリアごとに、権利者の方々によります、まちづくりの検討が行われてきたところでございます。 さらに、イトーヨーカドー長野店の撤退を踏まえまして、本年1月に開催されました権堂まちづくり協議会役員会では、区域全体のまちづくりの方向性について考え直すことを決定し、協議会として検討に着手されるとお聞きしているところでございます。 現在、エリアの中では、勉強会から再開発を目指す協議会へ体制を整備するなど活動を展開しているところでございますけれども、議員御指摘のとおり、長電権堂ビルの新たなテナントが決まらない段階で、他のエリアもまちづくりの方向について決めかねている状況でございます。加えて、コロナ禍への当面の対応に優先して取り組まざるを得ない実情があることから、多くは具体的な検討が進んでいない状況であるというふうに承知しております。 今後の検討に当たりましては、個々のエリアにおける整備の方向性と権堂地区全体としてのまちづくりの方向性が整合していることが必要でありまして、この全体のまちづくりの方向性、これからどういうまちをつくっていくかということの議論を十分にする中で、市も参画し、十分に調整を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 また、この検討結果におきまして、市街地再開発事業など、必要となる具体的な活性化の手法でありますとか方策については、今後も庁内の各分野が連携して支援してまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 近藤教育長     (教育長 近藤 守 登壇) ◎教育長(近藤守) 私からは、市立学校の休校対応についてお答えいたします。 安倍首相による、全国の学校を3月2日から一斉臨時休業とするようにとの要請がございました。本市では、翌3月3日から市立小・中学校及び市立長野高校を臨時休業といたしました。 本市教育委員会では、日本国内での新型コロナウイルス感染症が拡大する中、他の都道府県の教育現場での感染の情報や諸外国での感染症対策の様子を基に、かねてから教育委員の皆様と、学校で感染者が発生した場合や市内で感染が拡大した場合等の対応について相談を重ね、新型コロナウイルスは未知のウイルスであることから、感染が拡大している諸外国や国内の状況も踏まえると、児童・生徒の命と健康を守ることを最優先とし、早めに学校を休業することが望ましいとの認識で一致しておりました。 2月27日夕方の首相による要請は突然で、任意のものでありましたが、事前の認識に基づき、また、多くの保護者の皆様から感染を心配する声をいただいていたことも踏まえ、教育委員の皆様お一人お一人に電話で確認をし、御了解を得た上で休業の判断をした次第でございます。 併せて、首相の要請の翌日の28日の朝には校長会の役員を臨時招集し、学校現場の声を聞きながら協議したところ、臨時休業中の学習や生活について、児童・生徒に指導するために、また、何よりも学級の子供たちと先生方が、短時間であっても1年間の振り返りができるようにするため、3月2日月曜日を臨時休業に入る前の準備をする登校日として、首相の要請より1日遅らせ、翌3日火曜日から臨時休業を行うことに決定いたしました。 このことは市長にも報告し、28日の午前中に各校へ通知をいたしました。その折、急な決定による学校現場の混乱を避け、臨時休業中の児童・生徒の安全な生活を守るために、臨時休業に向けた対応について、29日土曜日及び3月1日日曜日に臨時の校長会を開催して説明し、また協議をいたしました。 以上が首相要請を受けての臨時休業までの本市教育委員会における経緯でございますが、その当初から比べると、現在は感染防止に関して必要な対策も徐々に明らかになり、新しい生活様式やウィズコロナといった言葉にも代表されるように、ウイルスとの向き合い方についての認識も大きく変容してまいりました。 文部科学省からも、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルにおいて、可能な限り教育活動を継続し、子供の健やかな学びを保障していくことが必要であるとの考え方が示されてきております。このマニュアルには、そうした考え方に基づく学校の臨時休業等についての判断基準や対応方法が示されております。学校で感染者が発生した際には、長野市保健所の調査を踏まえ、速やかに当該校の臨時休業について判断をいたします。 また、県や市から社会経済活動を一律に自粛するよう要請が出る等、市内の感染状況が大きく悪化した際には、教育委員の皆様と判断をしてまいります。 ○議長(小泉栄正) 鎌田危機管理防災監     (危機管理防災監 鎌田富夫 登壇) ◎危機管理防災監(鎌田富夫) 防災物資ターミナル、プラスアルファとしての機能を持たせた備蓄倉庫の拠点整備についてお答えいたします。 本市では、長野市災害時備蓄品等整備計画を定め、備蓄品の拠点となる防災拠点倉庫を8か所、防災備蓄倉庫を38か所設置している他、中山間地の災害対策として、中山間地の支所等17か所、孤立対策として、地域と連携し、地域公民館など47か所に災害時備品等の分散備蓄を進めているところです。 また、保存期限が短いものや衛生的な保管が必要なものなど、防災備蓄倉庫等における長期の保管がふさわしくない物品については、流通備蓄により調達することとしており、流通事業者との災害連携協定の締結を進めております。 本年8月26日には、湿気などにより長期保管が困難な段ボールベッドなど、災害時に必要な段ボール製品を迅速に調達できるよう、市内の段ボール製品製造事業者と災害時連携協定を締結したところです。 昨年の台風災害時には、市有施設を支援物資のターミナルとして活用し、全国からの支援物資の受入れや仕分け、避難所までの搬送を長野県の協定に基づき、長野県トラック協会に支援をいただきながら実施しました。 昨年の経験を生かし、発災当初の早い段階から運送事業者の施設を使用し、受入れ、搬送業務等を行うことができるよう、本年9月中に運送事業者と災害連携協定を締結することとしております。 引き続き分散備蓄や災害連携協定を進め、防災体制の強化に努めてまいりますが、全国的に激甚化・頻発化する災害に対し、本市としてどのような取組が必要なのか、防災物資ターミナルの設置を含め研究してまいります。 ○議長(小泉栄正) 酒井企画政策部長     (企画政策部長 酒井 崇 登壇) ◎企画政策部長(酒井崇) 私からは、初めに、新型コロナウイルス感染症の終息に向けて、今をしのいでいる市民生活と市の計画との整合性についてお答えいたします。 まず、第五次長野市総合計画につきましては、令和4年度を開始年度とする後期基本計画の策定作業について、本年10月から本格的に開始いたします。 後期基本計画の策定方針では、昨年の台風災害や新型コロナウイルス感染症からの市民生活や社会経済の再生についても重要なポイントとして念頭に置いており、今後の策定作業の中でしっかりと検討して計画に反映してまいります。 長野市災害復興計画につきましては、新型コロナウイルスの緊急事態宣言の期間などに住民の会議が開けないなどの支障はありましたが、現在のところ、計画はおおむね順調に進んでいると認識をしております。 また、長期戦略2040につきましては、策定段階において新型コロナウイルス感染症が拡大したため、可能な限りその時点での現状を把握し、ウィズコロナ、アフターコロナ時代を見据えた検討を行った上で、プロジェクトの方向性などに反映させたところでございます。 新型コロナウイルス感染症への対応は現在進行形でありますので、今後、市の長期計画に加筆修正する必要が生じた場合には、総合計画との整合を図りながら柔軟に対応をしてまいります。 次に、スーパーシティ構想への参画についてお答えします。 スーパーシティ構想は、行政機関や民間が保有する様々なデータを分野横断的に収集・活用するデータ連携基盤を軸に、大胆な規制緩和により、AIやビッグデータを活用して、国が提唱するSociety5.0の新たな社会の実現につなげようとするもので、国においては、当初は9月に区域指定に係る公募を開始し、年内には区域指定を行う予定とされておりましたが、12月公募開始、春頃の区域指定に延期する予定とのことであります。 本市では、AIやビッグデータなどICTの活用は今後の成長戦略に必要不可欠な分野であると考えており、現在、戦略マネジャーを中心にまとめた長期戦略2040における新産業・IT・工業分野のワーキンググループにおいて、まずは善光寺門前イノベーションタウン構想等の実現に向け、ICTの活用について検討しているところでございます。 スーパーシティ構想につきましては、現段階で本市の方針は決まっておりませんが、規制緩和により見込まれる効果や関係者を含めた市内の事業動向などを踏まえ、長期戦略2040の個別プロジェクトに基づく事業化に当たり、調査・研究してまいります。 ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) 私から、鬼無里中学校の旧特別教室棟の活用についてお答えいたします。 鬼無里中学校の旧特別教室棟の活用に関しましては、平成27年度から鬼無里学校づくり委員会の中学校跡施設利用検討部会での検討を初めとする公共施設の再配置・利活用について考えるワークショップなど、住民の皆さんを中心に大変有意義な検討を重ねた上、試行活用に至ったものでございます。 地区では、地域の活力を生み出す新たな拠点として、旧特別教室棟を鬼無里のソトとナカを結び、未来につながるよりどころとして活用していきたいとの思いから、鬼土間と名付け、試行的に利活用に取り組む鬼土間プロジェクトを本年度、住民自治協議会が中心となり、支所も参加する中で立ち上げられました。現在、プロジェクトでは、1事業者がサテライトオフィスとしての入居を始めており、他にも交流スペースやテレワークが行えるワークスペースを開設し、ワーケーションの実施などの取組も検討しているとお聞きしております。 試行的な利活用として、施設所管の教育委員会へ鬼無里支所が公有財産の使用承認を受け、実施に至りましたが、建物入り口やトイレの改修などの施設整備については、鬼土間プロジェクトの取組状況や成果などを踏まえまして、これからの施設の位置づけ等も含めて検討してまいりたいと考えております。 鬼土間プロジェクトは、住民が自らの地区の未来について考え、実践する場となっており、たくさんの可能性があると考えます。市としましては、プロジェクトの取組が地域の活性化、関係人口の増加、そして移住・定住にもつながるよう、庁内関係部署と連携し、支所を中心に積極的に支援してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) 中心市街地の活性化のうち、まず、オールながの活性化事業として、ながのエールフェスタ2020についてお答えをいたします。 この事業につきましては、コロナ禍における市内経済の活性化や、市民の皆さんを元気づけ、令和4年度の善光寺御開帳に向けまして、切れ目なく中心市街地のにぎわいを創出する目的で、セントラルスクゥエアを中心に各種イベントを順次開催していくというものでございます。 今週末の12日、13日に開催いたしますアウトドアフェスティバルにつきましては、このコロナ禍においても大変人気の高い本市のアウトドアの観光の楽しみ方を実際に会場で体験していただくことで、戸隠キャンプ場等の利用促進、それに伴うアウトドア関連消費の促進を目的としております。 また、来月10月3日、4日に開催予定のフードフェスティバルにつきましては、商店街を通じて市内の飲食店を対象に出店を募集いたしまして、イベント後もそれぞれのお店を利用いただけるよう、クーポン券等を活用した企画を検討しております。 さらに、11月7日、8日に開催予定の新そばと食の市におきましても、市内そば店を対象にいたしまして同様の企画の検討しており、イベント後の消費行動につながるよう工夫をしてまいります。 また、10月から3月までの長期間実施いたしますまち歩きデジタルスタンプラリーにつきましては、市内の店舗や観光地、期間中のイベントを巡っていただきまして、スタンプを収集していただくものでございますけれども、イベントの開催と併せて、この特典付きのスタンプ収集を楽しみながら、市内のお店等への周遊、消費を促すものとなっております。 このように、ながのエールフェスタ2020の各イベントにつきましては、商店街団体などと連携・協力しながら、一過性に終わらせることなく、市内経済の活性化につながるような企画としてまいりますとともに、感染予防対策に万全を期すことで、コロナ禍における安全・安心なイベントの開催の事例といたしまして、本イベントの開催を契機に、中止、延期となっている地域のイベント、お祭りなどの開催につながるよう期待したいというふうに考えております。 次に、須坂市への大型ショッピングモールの進出と本市の対策についてお答えをいたします。 須坂長野東インターチェンジ北側の開発計画につきましては、ホテルや物流関連施設、大型商業施設等を誘致いたしまして、2年後の2022年度の開業を目指し、本年秋頃に工事着工予定であるということは承知しております。 このような大型商業施設の郊外の台頭に加えまして、インターネットショッピングの拡大や人口減少、少子高齢化等の社会的要素、経営者の高齢化や後継者不足など、個店や商店街を取り巻く環境は近年ますます厳しさを増しております。 そこで、長野市では、かねてより中心市街地の活性化による商業の発展を目指しまして、魅力ある商店街の形成や商店街団体の活動強化、地域の個性を生かしたまちづくりを推進するために、各種施策を展開してまいりました。 具体的には、商店街施設等の維持管理や商店街の魅力アップへの取組支援、商店街の販促活動等により集客力を高める商店街エリアマーケティング事業など、商店街団体を中心に各種の支援を実施しております。 また、個人向けにつきましても、創業を支援するまちなかパワーアップ空き店舗等活用事業や実践起業塾の開催、中心市街地の空き店舗を利用したチャレンジショップなど様々な事業を展開しております。また、本年度より新たに事業承継促進補助金を創設いたしまして、商店等の後継者不足への対策も積極的に進めていくこととしております。 今後、商店街の活性化のためには、商店街の魅力の向上や商店街の公共的役割の強化、個店の魅力向上などが大切であるというふうに考えております。商店街を最適な業種構成で維持いたしまして、安全、安心、快適な環境とすることはもちろんのこと、商店街を買物の場としてだけではなく地域コミュニティの場として利用するなど、幅広い機能を今後備えていく必要があるというふうに思います。 こうした将来のあるべき商店街の姿に向けまして、地域、商店街と長野市が一体となり、外部からの知見も取り入れながら、更なる取組を進めてまいります。 最後に、事業所に向けた市の独自の支援といたしまして、動画配信や映像制作を伴うPRの制作費の支援についてお答えをいたします。 現状では、動画配信や映像制作に対する直接的な支援制度はございませんけれども、インターネットを活用して販路を開拓する場合につきましては、新型コロナウイルス対策事業者等支援事業補助金のテークアウト・デリバリー推進事業といたしまして、団体の皆様が新たにテークアウトやデリバリーを始める際のウエブ構築費につきまして、12月まで補助率10分の10、上限100万円の補助制度を実施しているところでございます。 また、現在、デジタルプロモーション事業といたしまして、若者に訴求する観光コンテンツの掘り起こしと、人気ユーチューバー等を活用いたしました動画制作について、現在内容を検討しているところでありますが、その中で、特徴的なこだわりのあるお店や商品、ものづくりに関する紹介等も可能な限り取り入れ、発信してまいりたいというふうに考えております。 コロナ禍におきまして、各店舗、事業所の販路拡大、魅力発信など、SNS等を活用した映像によるPRにつきましては、継続性のある有効な手段の一つでありまして、また、様々な可能性を秘めているというふうに考えております。 今後も事業者の皆様のニーズを踏まえ、シティプロモーションの担当部局とも連携を図りながら、PR動画の制作や配信を後押しできるような支援策を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 小林文化スポーツ振興部長     (文化スポーツ振興部長 小林祐二 登壇) ◎文化スポーツ振興部長(小林祐二) 私から、野外彫刻の集約についてお答えいたします。 本市の野外彫刻は昭和48年度に、街角に彫刻を、潤いあるまちづくりを目的として事業が開始されました。 当初は全国の彫刻展出品作品の中から屋外に設置可能な優秀な作品を選定・購入し、作家の意見を取り入れて設置場所を決定する方式としておりましたが、平成9年度からは、あらかじめ設置場所を選定し、選考委員会においてその空間にふさわしい作家を選定していただき、選考された作家が設置環境に調和する作品を制作する方式に変更しながら、平成26年度までの42年間に149点が市内各所に設置されております。 事業を進める中で、設置後40年以上経過した作品もあり、メンテナンスにも力を入れ、後世に受け継いでいく必要があるなどの意見をいただき、これを踏まえまして、平成26年度に事業の見直しを図り、平成27年度以降は新しい作品の設置を一旦休止しております。 御質問の城山公園への野外彫刻の集約でございますが、城山公園には16点が展示されており、一つのエリアとしては最も多くの作品が設置されております。そのうち4点につきましては、信濃美術館の建替工事に伴い、現在整備中の噴水広場内において再配置されることとなっており、再配置に当たりましては、長年本市の野外彫刻賞選考委員として御尽力をいただきました県信濃美術館の松本館長様の御意見もお伺いしながら、調整を進めてまいりたいと考えております。 残りの12点につきましても、城山公園全体の再整備計画に併せて検討してまいります。 また、市内全域に設置してある作品の集約化につきましては、作品の選定や設置に当たっては、作家の意見を取り入れて設置場所を決定していること、設置場所に調和した作品を制作していただいていることなどから、設置場所を含めて一つの芸術作品であると考えております。このため、設置場所に何らかの支障が生じた場合を除き、集約化につきましては現時点では考えておりませんが、野外彫刻巡りの実施やSNSを活用した情報発信などに努めるとともに、庁内外の関係部局との連携を図りながら、市民にとどまらず観光客の皆様にも、本市各所にあります野外彫刻の魅力を知っていただけるよう、野外彫刻のまち長野を広く周知してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 箱山正一議員 ◆6番(箱山正一議員) ありがとうございました。 どの質問も、私が選挙に掲げた長野市が誇る宝を掘り起し、新たに創り育てる政策と連動したものになっておりますが、今回は特に、須坂市へのショッピングモール進出に関しては、商工観光部だけではなくて、中心市街地からの税収、それから土地の下落など、雇用の創出、いろんな問題が出てくると予想されますので、本市を挙げた対策を加藤市長にも要望しまして、私の質問を終わりにします。 ○議長(小泉栄正) 28番佐藤久美子議員     (28番 佐藤久美子議員 登壇)
    ◆28番(佐藤久美子議員) 28番、日本共産党長野市会議員団、佐藤久美子です。 昨年の台風被害から、もう少しで1年になります。おかげさまで、私は避難住宅を出て、豊野の自宅に戻って生活をしていますが、周りの様子は公費解体も進み、一変しました。台風の季節を迎え、不安を抱える市民が多い中、安心して住む地域づくりのために質問いたします。 千曲川、浅川治水に関して。 市営住宅沖団地は、今までも浅川内水氾濫の被害に遭ってきた土地で、今度で4度目の被災になります。盛土を行い、公共施設の建設を進めると、近隣の一般住宅の被害を増す影響が懸念されるため、反発を受けることにもなりかねません。そこで、地下貯留施設を造ることを提案しますが、所見を伺います。 沖団地の宅地部分と道路用地を入れると1万平方メートル、そこに5メートルの深さの地下貯留を造れば5万トンの貯留ができます。技術的な問題、財源などの問題があると思いますが、県の浅川内水対策の遊水地の一つとして位置づけ、県との連携ができないか、所見を伺います。 東和田運動公園の地下貯留施設について、当初6,000トンを23億円で2万2,000トン増設し、2万8,000トンとして10年になりますが、この間の防災施設としての評価はどうか伺います。     (28番 佐藤久美子議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 沖団地跡地については、公民館等の複合施設の整備方針が確定した時点で、公共施設の築造に合わせ、所管課等に雨水流出抑制施設の整備を依頼してまいりたいと考えております。 また、県では、地域住民や学識経験者などの御意見をお聞きし、必要な措置があれば検討するとしていることから、議員御提案を遊水地の一つとして県に伝えていく中で、浅川総合内水対策に位置づけが可能なものか、県の動向を注視してまいります。 ○議長(小泉栄正) 佐藤久美子議員 ◆28番(佐藤久美子議員) 運動公園の方は。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 申し訳ありません。 東和田運動公園の地下貯留施設の効果についてお答えします。 当該貯留施設は、市東北部の浸水被害を軽減するため、段階的な整備を経て、平成23年3月に完成いたしました。貯留施設近くの六ヶ郷用水などにおいて水位が上昇した際に一時的にためることで、朝陽・古里地区など下流域への雨水流出抑制を行っております。 特に、近年の短時間集中豪雨に対しては、浸水被害を軽減させる効果が大きく、平成24年7月、平成29年8月、そして令和2年7月21日の豪雨時において雨水を貯留していたことから、下流域に対して、当該調整池は防災施設として相当の効果はあったと認識しております。 ○議長(小泉栄正) 佐藤久美子議員 ◆28番(佐藤久美子議員) 水は低いところにたまります。遊水地のための民有地の確保は、なかなか容易ではありません。公有地の活用として、是非とも県に要望をお伝えいただき、実現をお願いしたいと思います。 次に、浅川総合内水対策計画では、今後5年間にポンプ増設、堤防かさ上げ、二線堤がありますが、地元合意を優先するよう求めます。 今後10年間の流域対策として、雨水調整池を取り入れた排水計画、流域施設の整備、学校校庭や公共施設における雨水貯留施設の追加整備、ため池を活用した雨水貯留施設の整備、幹線排水路からの排出先変更の検討を挙げています。 そこで、伺います。 浅川流域内に設置されている市の防災調整池は8か所で5万3,280立方メートル、開発行為での調整池及び学校校庭貯留施設及び公共施設地下貯留施設がありますが、市は各調整池の設置目標値をどのように定め、具体化しようとしているのか。 ため池を活用した雨水貯留で20万トンの貯留調整可能量を示していますが、いつどこで誰が調整するのか。 大雨時に長沼2号幹線排水路から駒沢川への排水を行うことによって、幹線排水路と浅川合流点での浸水被害を軽減するよう検討を行うとあるがスケジュールはどうか。 長野県が長野市内の浅川流域に設置した遊水地はどれだけあるか。 被災排水機場、雨水ポンプ場7か所の復旧費用と財源はどうか。排水機場の所管が違うことで災害時の対応に問題は無いか。浅川の第一、第二、そして長沼排水機場は農地防災で農林部森林農地整備課、浅川第三は長野県、雨水排水ポンプ場は建設部河川課、地元の支所と東部土木事務所と自主防災会と本庁災害対策本部の情報伝達はスムーズだったのでしょうか。国、県との連携はどうか。市として窓口一本化など改善が必要ではないか、所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 最初に、雨水調整池等の設置目標値についてお答えいたします。 浅川総合内水対策計画については、浅川地域の内水シミュレーションを実施した結果、浅川橋下流右岸において床上浸水が発生することから、右岸側の堤防かさ上げを県では令和6年度までに実施することとしました。 県では、左岸堤防のかさ上げの要望を受けた中で、浅川総合内水対策計画の実施過程において随時検証を行い、地域住民や学識経験者などの意見を踏まえ、必要に応じて計画を修正、対策を追加して、効果的かつ効率的な浸水被害の軽減に努めていくこととしております。 次に、貯留施設設置の目標値をどのように定め、具体化しようとしているかについてですが、開発行為による貯留施設については長野市開発指導要綱に基づき、また、雨水きょ計画に位置づけられた防災調整池は下水道法の基準により、容量の目標値を定めております。 また、前回策定した浅川総合内水対策計画の中の学校校庭及び公共施設の地下貯留施設は、目標を定めず、市が実施する効果促進事業として認可された経緯があり、既存施設の有効活用や事業地内での可能な量の整備を行い、具体化されたものです。 次に、浅川流域に設置した遊水地はどれだけあるかについてですが、長野県が市内浅川流域に設置した遊水地はございません。 ○議長(小泉栄正) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 私からは、ため池の活用などの御質問についてお答えします。 初めに、ため池を活用した洪水調節につきましては、被災した排水機場の能力不足を補完する目的で行っています。現在は、浅川流域内のため池で約46万5,000トンを事前に放流しており、これは被災した浅川第一排水機場の現在の能力不足分、毎秒13トンに換算すると、約10時間分の排水能力に当たるものでございます。 御質問のため池の調整者につきましては、現在現地において、ため池管理者を中心に、市職員も加わり、常時の低水管理を実施し、今後の大雨に備えている状況であります。 なお、ため池活用による洪水軽減効果や効率的な運用方法について、現在、信州大学の専門家に依頼し、検証しているところでございます。 次に、浅川合流地点での浸水被害の軽減についてお答えします。 現在、長野県では、駒沢川の河床を下げて流水断面を広げる計画を進めています。長沼2号幹線排水路は駒沢川と交差することから、大雨時に駒沢川へ排水できるように、現在、長野県や市の関係課で設計協議を進めており、協議が調えば、長野県では今年度中に工事に着手したいというふうにお聞きしております。工事が完了しますと、長沼2号幹線排水路の下流域での浸水被害が軽減するなどの効果も期待できますことから、早期の完了を要望してまいります。 次に、被災した排水機場、雨水ポンプ場7か所の復旧費用と財源についてお答えします。 7か所の復旧費用の合計ですが、約59億9,000万円で、財源については、建設部所管の雨水ポンプ場は、国庫補助率が事業費の66.7パーセント、残りが市債と一般財源となります。また、農林部所管の排水機場は、国庫補助率が99.8パーセントとなっています。 最後に、災害時の対応に問題は無いのかについてお答えします。 浅川流域の排水機場については、出水期前に地元の操作員、関係区長、県、市関係課が一堂に会し、連絡調整会議を開催しております。操作運転等の業務は、現地機関の維持課東部土木事務所が中心となり、河川課や森林農地整備課、操作員と連携を行っており、災害時の対応に問題は無いものと考えております。 ただし、浅川排水機場につきましては、長野県と長野平土地改良区がそれぞれ所管し、また、千曲川堤防にある浅川樋門は国の所管となっており、国や県とのより一層の連携が必要でありますことから、今後とも関係機関との円滑な連絡調整に努めてまいります。 また、市の窓口の一本化につきましては、本庁の建設部や農林部、現地機関である東部土木事務所や支所とでは、それぞれに役割が異なることなどから、各部門が連携して取り組む事項であると考えており、当面は現在の体制による連絡調整機能を強化してまいります。 ○議長(小泉栄正) 佐藤久美子議員 ◆28番(佐藤久美子議員) 7トンのポンプが増設になると、ますます情報伝達が複雑になります。そして、東部土木事務所は維持課の所管であって、河川課ではありません。こうした様々な所管課の違いが情報の錯綜につながってまいります。 私は、是非この機会に、県の一級河川の浅川の排水機場そのものについては、一括管理を県にお願いしてはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 現状、議員御指摘のような課題について十分に踏まえ、検証して、また県と関係部門、市内部でも、的確な適切な運営ができるように検証に努めてまいりたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 佐藤久美子議員 ◆28番(佐藤久美子議員) 情報は1分1秒を争うことがあります。是非、昨年の検証を踏まえて改善をお願いしたいと思います。 次に、復興公営住宅について伺います。 美濃和田団地への復興公営住宅建設に当たっての進捗状況と、昨年の被災原因となった三念沢改修と油沢川の整備について伺います。また、近隣への説明会で出た意見や対応について伺います。 長沼地域に復興公営住宅を建設すべきと考えます。畑の耕作を続け、地域のコミュニティ継続を図るためにも住宅が必要です。できるなら残りたい、住み続けたいとの要望に応え、建設を前提にニーズ調査をすべきだが、所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 初めに、美濃和田団地への復興住宅建設に当たっての進捗状況と、近隣の説明会で出た意見や対応についてお答えいたします。 市では、被災した美濃和田団地37戸の解体工事を発注し、解体作業を進めている状況でございます。解体工事に係る説明会では、道路の安全確保や粉じんの飛散などを心配する御意見を頂いたことから、通学路の安全対策や散水などの対応を行っております。 なお、美濃和田団地はプロポーザルにより優先交渉権者が決まった段階であり、浸水被害の軽減対策などの御意見につきましては、今後可能な限り実施設計に反映させてまいりたいと考えております。 次に、三念沢改修と油沢川の整備についてお答えいたします。 三念沢につきましては、浅川合流点付近から上流の油沢川との合流点付近までの改修を今年度から令和6年度までに実施する計画となっており、改修後は断面及び堤防天端幅を広げるなど、治水安全度の向上が図られます。 油沢川につきましては、千曲川の破堤により浅川及び三念沢に流れ込んだ外水の影響で氾濫が発生しましたが、上流から雨水等による越水等は見られないため、改修を行う予定はございません。 次に、長沼地区に復興住宅を建設すべきとの御質問についてお答えします。 災害公営住宅の整備に当たりましては、アンケート等により、入居が確実な世帯数の把握を進めております。しかしながら、アンケートに回答が無い方なども非常に多いことから、現在のところ、入居希望世帯数が確定できない状況となっております。 また、長沼地区に災害公営住宅をといった声があることは承知しておりますが、洪水ハザードマップにおける氾濫流による木造家屋倒壊区域に該当する区域もあり、また、市街化調整区域における建築制限や建設用地の確保などの課題があることから、現時点では建設を前提としたニーズ調査を実施することが非常に難しい状況でございます。 今後、入居希望世帯数の精査を進め、安心してお住まいいただける住まいの確保に全力で取り組んでまいります。 ○議長(小泉栄正) 佐藤久美子議員 ◆28番(佐藤久美子議員) 市長に伺います。 長沼の、地元の復興企画委員会からも建設要望の声が上がっています。長沼にも造ると決断をしてください。それは地元住民にとっては希望です。所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 長沼地区におきましては、コミュニティの維持や農業を継続したいことなどから、長年住み慣れた地域で生活をしたいと希望されている方がいらっしゃることや、長沼地区に災害公営住宅を建設してほしいとの要望があることは把握しております。また、住宅再建の見込みが立っていない被災者が多くいらっしゃることから、市では個々の事情に寄り添った個別相談や問題解決の手助けなどを行う必要があると考えております。 市といたしましては、今後、被災者の住宅再建の方向付けを促すとともに、まずは自力で住宅再建が困難な被災者の把握に努めてまいりたいと思っております。 ○議長(小泉栄正) 佐藤久美子議員 ◆28番(佐藤久美子議員) 市長は何度も、被災者の心に寄り添ってと言ってくださっています。私は、この公営住宅の建設は長沼地区にとっては大変希望になる、それが地元の復興企画委員会からの要望です。 是非、ここは個別相談を含め、そして、ここに造るという決断を是非、今年度中に行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 先ほどもお話ししましたように、地域の皆様の要望に沿いながら、やはりまた、まだまだ本当に迷っている方、様々な方がいらっしゃるわけでございます。まず被災者の状況をじっくりと把握しながら、この判断をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○議長(小泉栄正) 佐藤久美子議員 ◆28番(佐藤久美子議員) まだ今後のことが確定していない方もいらっしゃいます。しかし、是非ともこれは判断を早めに行い、長沼にも造るよう、よろしくお願いいたします。 台風災害対応の検証報告について伺います。 昨年の台風災害の検証を行い、改善策を示して150ページにまとめ、公開したことは評価されます。明らかになった課題を改善し、次に生かしてください。 情報伝達の課題など5項目について伺います。 支流を含めた河川ライブカメラ等の増設を国、県へ要望する。県など河川管理者との訓練を通して河川の情報伝達をよくするとありますが、結果はどうか。 排水機場の操作員への情報伝達に遅れがあった。携帯電話による情報伝達を行うとあるが、配備されたのか。 千曲川支流の樋門の開閉状況が国、県、市で情報共有できていないとあるが、何が問題だったのか。情報伝達先を明確にするため、窓口一本化を記述しているが、改善されたのか。情報共有の仕組みはどう改善されたのか。 39ページ、情報量が非常に多く、直感的に危険度を感じる情報が明確でなかったとあります。検証では、気象情報には、河川水位情報についてはデジタル化やライブ映像化など技術の進捗に伴い、速達性・正確性が高まっているとあります。情報の収集と分析を改めて検証し、訓練する必要があるとしていますが、具体的な対応策はどうか。 また、改善すべきことは即刻行うべきだが、7月の検証報告後、改善された事項は何か伺います。 ○議長(小泉栄正) 鎌田危機管理防災監     (危機管理防災監 鎌田富夫 登壇) ◎危機管理防災監(鎌田富夫) 初めに、河川ライブカメラ等の増設及び河川管理者との訓練についてお答えいたします。 河川ライブカメラ等の増設につきましては、令和元年以降、22か所に設置されています。今後も引き続き、国、県へライブカメラの設置を要望してまいります。 河川管理者との訓練については、5月から6月にかけ、国、県の情報伝達訓練において情報伝達の確認を行いました。6月1日に行った千曲川河川事務所の洪水演習では、本部班としての訓練も併せて実施をしまして、初動対応を確認したところでございます。 次に、排水機場の操作員への携帯電話の配備についてお答えします。 排水機場の操作員との情報伝達手段につきましては、排水機場に設置されている電話やファクスにより行っております。新たに携帯電話を配備することは考えておりませんが、操作員が持つ携帯電話も二次的な連絡手段として活用するよう対応を進めてまいります。 次に、千曲川支流の樋門の状況の情報共有の改善についてお答えいたします。 昨年の台風災害で被害が発生した松代地区と篠ノ井地区の国が操作員を配置する樋門について、本市災害対策本部へは樋門の状況が知らされておりませんでした。そのため、今年度、千曲川河川事務所及び庁内関係課と協議をし、直接災害対策本部である危機管理防災課で情報を受けることとしましたので、今後は情報を庁内関係課と共有し、迅速な対応をしてまいります。 次に、本部における情報収集と分析の検証と、訓練に対する具体策についてお答えいたします。 昨年の台風災害時においては、台風が接近するとともに、対策本部では降雨の状況、河川の水位状況などを確認、関係機関との連絡などの業務が増加し、職員が不足することがあります。このことから、想定される災害の規模に応じて本部職員を増やすとともに、災害の初動対応に必要な部局の担当職員や関係機関の担当者にも本部に詰めてもらうように改善いたしました。 この対応は7月の豪雨災害でも行っており、ここで出た課題についても引き続き改善を重ねてまいります。 次に、7月の検証報告後に改善された事項についてお答えいたします。 検証報告書では、主な取組事項として8項目を記載しており、7月の豪雨災害の際には、災害対策本部、避難情報の発令・伝達、住民の避難、避難場所、避難所の開設、避難所運営について、検証報告書に基づく対応を行いまして改善したところでございます。 また、主な取組事項の住民の避難で記載している、被害に遭うかもしれないへの意識の変化を促すため、わが家の避難行動確認シートを作成しまして、広報ながの8月号でお配りするとともに、各地区の自主防災会を通じて市民の皆様へ作成を促しているところでございます。 その他にも、各専門チームでの検討やマニュアルの修正、仮設トイレや避難所運営に必要な物品の備蓄など改善を進めるとともに、各地区の役員や市民の皆様の御意見をお聞きし、必要な防災対策を進めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 佐藤久美子議員 ◆28番(佐藤久美子議員) 情報伝達について、かなり詳しく検証する必要があるというふうに感じました。例えば、電話やファクスだけでなく、実際には機場から操作員が退避しなきゃいけない状況が出てくるわけですから、そうしたことも含めて、携帯電話を含め、情報伝達については再考をお願いしたいと思います。 それと、やはり一番市民が願っているのは、取りに行く情報、そして、非常に厳しい避難に関する情報、これ両方が非常に重要だと思いますので、その点についても今後、是非進めていただきたいと思います。 学校の子供たちの状況について。 クール化プロジェクトの進捗状況はどうか。普通教室、特別教室ごとに、小・中学校ごとの設置状況と完了予定を伺います。 コロナウイルス感染防止対策の物品・予算の確保、消毒、トイレ清掃の人員配置は十分でしょうか。今まで経験したことのない学校状況に、子供たちは楽しさを感じているか心配です。不登校や登校渋りは増えていないか伺います。 現場の声を受け止め、どう対応しているかも含め、所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 私からは、御質問の前段部分についてお答えいたします。 小・中学校クール化プロジェクトの進捗状況は、本年9月1日現在の設置率で、普通教室は小学校が93.7パーセント、中学校が95.2パーセント、特別教室は小学校が38.9パーセント、中学校が29.5パーセントとなってございます。 命にも関わる酷暑への災害対応というプロジェクトの当初の目的は、おおむね達成したものと考えておりますが、発電機をリースしている学校では、受変電設備の改修を進める必要もございますので、国の補助金等を最大限活用しながら、計画的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、コロナウイルス感染防止対策に必要な物品、予算の確保につきましては、国の補助金と臨時交付金を活用した各学校での石けんや清掃用手袋などの購入と併せ、事務局からはアルコール消毒液などを配布しており、現状では充足しているものと考えております。 次に、消毒やトイレ清掃については、最新の学校衛生管理マニュアルでは、通常の清掃活動の中に消毒の効果を取り入れ、トイレも含め、児童・生徒が行っても差し支えないとされ、現在は消毒の効果を取り入れた通常の清掃活動が行えるようになってきております。 また、スクール・サポート・スタッフの追加配置等により、教員の負担は軽減されてきているものと考えております。 ○議長(小泉栄正) 永井教育次長     (教育次長 永井克昌 登壇) ◎教育次長(永井克昌) 私からは、子供たちの状況についてお答えいたします。 今年度の不登校児童・生徒は、昨年度とは単純に比較はできませんが、7月末時点で71人減少しております。一方、休業の影響か、元気がないと感じられる子供も見られるなど、ストレスを抱えている児童・生徒がいるとの状況も報告いただくところでございます。 市教育委員会では、臨時休業に入った当初から、学習保障と同時に、何よりも子供たちの心のケアを第一に考え、子供たちとのつながりを深めるよう助言してまいりました。 また、学校再開後も、子供たちのストレスを緩和すべく、心のリフレッシュ校外活動事業や水泳学習スタートプログラムを企画いたしました。これらの企画は大変好評で、子供たちの喜びの声が次々と届けられております。 また、運動会や音楽会などの実施に向け、児童会や生徒会が話合いを進め、子供たちから職員会へ具体策を提案したという報告も寄せられております。 活動の制約がある中で、先生や子供たちは、行事や活動を単に中止するのではなく、新たな形として実施できるよう工夫しております。市教育委員会といたしましては、このような好事例を各校に紹介するとともに、新しい生活様式に基づく学校運営の在り方を学校と共に考えてまいります。 ○議長(小泉栄正) 佐藤久美子議員 ◆28番(佐藤久美子議員) クール化プロジェクトの完了予定はいつになるか伺います。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) クール化プロジェクトでございますけれども、先ほどのとおり、当初の目的はおおむね達成をしていると考えてございます。 今後につきましては、近年の気候変動、災害が多発するような状況も踏まえまして、中長期的な視点も持って検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 佐藤久美子議員 ◆28番(佐藤久美子議員) 中長期ではなくて短期でお願いします。一刻も早く完了してください。よろしくお願いします。 終わります。 ○議長(小泉栄正) 2番小泉一真議員     (2番 小泉一真議員 登壇) ◆2番(小泉一真議員) 2番の小泉一真でございます。 まず、北八幡川治水について伺います。 平成29年9月定例会で、私、小泉の質問に対しまして、農林部長から答弁を頂いております。 平成24年7月20日の豪雨で北八幡川が氾濫したことに関しまして、11月25日、東和田の堤防かさ上げの地元要望に対して、バイパス暗きょ完成後に実施したいと回答した。その後、堤防のかさ上げが実現しない平成29年8月11日の豪雨で再び北八幡川が氾濫、堤防のかさ上げについては住民への説明責任を十分に果たせていなかった。地元への十分な説明を行いながら対策を進めていくとのことでありました。 このような経緯の後、昨年度は東和田地籍の堤防かさ上げに2,700万円の予算が計上されたところですが、当該箇所での着工を見送り、他箇所に流用していたことが今年3月、私の質疑で明らかになっているところでございます。その後、本年7月21日の大雨により、北八幡川流域、古牧地区等において床下浸水等の被害が再度発生してしまいました。残念です。 この他箇所への流用については、市から古牧地区住民に対し、事前に十分な説明を行っていたのでしょうか。下流域住民の同意を前提とした事業ではありますが、一度議会や住民に対し明言した治水事業を、地元への説明なしに他箇所に流用することは適切なのか、まず伺います。     (2番 小泉一真議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 北八幡川の東和田地区における堤防かさ上げ工事に関連する予算につきましては、工事の実施に向けて同意が必要となる下流部の地域の皆様と協議を進めてまいりましたが、東日本台風災害への対応などによる協議の中断などもあり、協議が調わず、予算執行が困難となりました。そのため、予算科目の目的の範囲内で、地元要望に沿いながら、北八幡川ののり面整備、土のうの設置、量水標の設置など、予算の有効な執行を行ったもので、適切な判断であったと認識しております。 なお、現在、流域の皆様と、今後の進め方や7月21日豪雨の災害復旧について御意見をお聴きするなど、協議を進めているところでございます。御理解をお願いしたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 適切な予算執行であったとは私も認めますが、しかし、十分な地元との説明をしていくという答弁、過去にあったわけですよね。 では、聞きますが、その予算の流用について、地元との説明はやったんですか。 ○議長(小泉栄正) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 御質問にあった箇所付けのありました東和田地区の左岸堤防かさ上げについては、今、市長答弁のとおり、台風等の関係で協議中断ということで、昨年の10月9日以降、協議を中断してございます。 その後、地元の協議、下流域の協議ができないということで工事を見送ったわけですけれども、それに関し、実際問題として、地元の方に十分な説明ができていませんでした。 今後、その辺については、今現在協議を行っていますが、今後も丁寧な説明に努めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 地元の理解、協力なくては事業は進みませんので、是非よろしくお願いします。 北八幡川治水について、今後の展望を示していただきたいと思います。抜本的な対策が必要とされている一方で、7月21日の被害を受けて、緊急的に事業に取り組む考えはありませんか。 先日、北八幡雨水調整池直下の土のうの傷みが激しいと指摘したところですが、これについてはどう対策するのでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 北八幡川の治水対策につきましては、農地のたん水防除を目的に平成4年度から着手した県営事業の中で、柳原1号幹線排水路として位置づけられ、現計画では令和6年度以降に工事着手する計画となっております。しかしながら、未改修区間2,600メートルのうち、起点から地蔵橋までの150メートル区間を除く北八幡雨水調整池までの残り2,450メートルの流域につきましては、宅地化等が進む一方で農地が激減し、これまでの農地防災事業だけで進めることは難しいという課題が生じております。 よって、今後は、都市防災を含めた北八幡川流域の総合的な治水対策を推進していくことが必要でありますので、県及び市の関係部局と早急に対応を検討してまいります。 いずれにいたしましても、流域住民の皆様の御期待に応えられるよう、スピード感を持って進めてまいります。 また、7月21日の被害を受けての緊急的な取組でございますが、被災した箇所から地蔵橋までの未改修部分150メートルについては、農地防災事業の計画を前倒しして、災害復旧と併せ、本年度から改修に着手し、令和5年度の完成を目指してまいります。 また、今ほど御指摘の雨水調整池から下流、高田若槻線までの240メートルの間につきましては、7月21日の豪雨で土のうの上部が洗われております。先般、8月27日に行われました古牧地区の土木事業要望現地調査において、地元の皆様からも御要望をいただいていることから、現在、新しい土のうで積み直しを発注しておりまして、地元の区長と協議、調整しながら、9月14日頃から現地作業に着手する予定でおります。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) もう台風も来ていますので、急いでお願いいたしたいと思います。 昨日の答弁にもありましたが、地蔵橋区間の改修に着手するということでございます。必要な事業と思いますけれども、地蔵橋は直ったけれども東和田の堤防かさ上げはできないということがあっては困ります。地元の朝陽地区との設計協議等においては、東和田の堤防かさ上げについても併せて説明し、地蔵橋と東和田の治水はセットで進捗させるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 東和田のかさ上げにつきましては、計画を前倒しして行う予定の地蔵橋の改修と併せまして、下流の皆様と協議を行いながら、コンセンサスの下で、可能な限り早期の整備が進められますよう努めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 河川の整備というのは、下流側から進める原則はあるんですが、下流の合意を得ながら、上流の整備も進めなければならないというのが実際であります。 地元の古牧地区住民自治協議会では、流域全体で一定の整備水準を定め、流域各部でリスクをカバーし合う協議体制を構築する必要性を訴えています。県管理の浅川治水は、浅川流域協議会運営の例があるように、県も巻き込みながら、流域全体で治水事業の合意形成を図る協議体を設置することとしてはいかがでしょうか、伺います。 ○議長(小泉栄正) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 北八幡川の治水事業においては、下流域の朝陽地区、上流域の古牧地区、それぞれ豪雨時には被害が出ている中で、各地区の実情を踏まえた流域全体での合意形成が不可欠であります。議員御提案のような住民に市や県も入った協議体などの組織は大変有効かと思っております。 つきましては、それぞれの地域の皆様のお考えをお聞きしながら、設置の必要性について検討をしてまいります。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) しっかりお願いしたいと思います。見ていても、間に入った長野市が非常に大変だなと思っているので、こういった協議体を是非つくって、有効に進めていただきたいとお願いしておきます。 さて、北八幡雨水調整池についての今後の展望を伺いたいと思います。 今年3月定例会の小泉への答弁では、今年度、容量の規模等を含めた基本設計に取り組むということであったと思いますが、成果はいつ示されるのでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 近年、集中豪雨の増加や都市化の進展等に伴い、短時間に大量の雨水が流出する外水及び内水の氾濫被害リスクが増大しております。こうしたことから、通常の雨水きょ事業における計画降雨により整備された地区であり、被害実績のある古牧地区等の排水区を対象として、浸水被害の最小化を図るため、国の補助メニューである下水道浸水被害軽減総合事業の実施計画書の作成を進めております。 具体的には、既往最大時間雨量63ミリメートルを記録した平成24年7月の降雨に対し、住宅の床下浸水の防止を目標としており、その対象降雨により不足している北八幡雨水調整池の容量を算定し、北側ブロック積みのり面の直壁化による拡張とその施工方法等について検討を行っており、来年度は実施設計の着手を目指しております。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 基本設計はいつやるんですか。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 今年度に実施計画書の作成を進めております。その中で基本設計を進めているところでございます。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 基本設計について、地元へはいつ示していただけるんでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 地元の説明につきましても、基本設計ができた段階で、できるだけ早く説明に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) できるだけ早くということで、明日にもお願いできるんだということだと思いますが、よろしくお願いいたします。 北八幡川流下の支障となっている橋は地蔵橋だけではございませんで、東和田、西和田、五分一地籍にもあります。これらについてはどのように対応していくのか。また、北八幡川本川だけでなく、そこに注ぐ周辺水路の内水対策も必要ではないでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 私からは、ただ今の御質問のうち、橋りょうの関係についてお答えします。 北八幡川の未改修区間においては、最下流の地蔵橋から北八幡雨水調整池までの間に17の橋りょうがございます。その中には、議員御指摘のとおり、地蔵橋の他にも、豪雨による出水時に通水の阻害となっていっ水被害をもたらしている橋りょうが幾つかございます。 今後、関係者と総合的な治水対策を検討する中で調査を実施しまして、橋りょう部の通水断面と流下能力等の検証を行って、改修について検討してまいりたいと考えています。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 内水対策についてお答えします。 今回の大雨においても、北八幡川の増水の影響で、堤防より低い支川の水が流れ込めず、支川の内水が氾濫する浸水被害が発生しております。このような浸水被害を軽減する抜本的な対策としては、北八幡川本川の改修が必要であると考えております。今後、北八幡雨水調整池の容量拡張を目指し、年次計画で渇水期に工事を実施した後、段階的に貯留量が増量できるよう工法の検討を行ってまいります。 現時点の内水対策としましては、地域の皆様と協議の上、内水被害のある場所を特定し、事前に地元業者と協議の上、内水被害を軽減させるため、緊急時における仮設ポンプ排水作業の体制を検討してまいります。 また、信濃川水系緊急治水対策プロジェクトの流域における対策の取組として掲げております各御家庭に設置する雨水貯留タンクについては、当該地区において効果が高いと考えており、市の助成制度の更なるPRによって普及促進に努めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 今のお取組、しかと承りましたので、是非お願いします。 市が管理する水位計は耐用年数を過ぎていることから、定期的な更新の必要性を訴えてまいりましたが、現在の進捗状況を確認させてください。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 水位計につきましては、健全な状態が確保されていないと正確な水位情報が得られず、洪水時に水門の開閉を庁舎内から遠隔で行う操作に支障を来すおそれがあります。 昨年度、北八幡雨水調整池に設置しております水位計が故障したことにより、復旧まで長時間を要することが余儀なくされました。同水位計については、その後、昨年度中に更新工事を行っております。 議員御質問の水位計の更新につきましては、設置から経過年数が長いもの又は重要な箇所を優先的に選定する方針で計画的に行ってまいります。 また、水位計の点検については、毎年保守点検業務を行い、異常等が見られた場合は、その都度補修作業を実施しております。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 今年度5か所をやるというふうに聞いたと思うんですけれども、それはどうなんでしょうか。順調なんですか。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 今年度の予定ですけれども、運動公園雨水調整池の4基の水位計を更新する予定で進めておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 現在、水位計の遠隔監視システムを更新中であるわけですが、北八幡川を含めて、水位情報をリアルタイムでインターネット上に公表する仕様とするべきではないでしょうか、伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 市では豪雨時に備え、水門の遠隔操作に役立てることを目的に、水路又は調整池に水位計を設置しておりますが、市民への水位情報の公表はされておりません。 しかし、議員御提案の水位情報の公表につきましては、年々洪水が頻発化・激甚化する中、市民が自ら情報を入手し、地域の防災、避難などに活用できることから、公表は必要であると考えております。 現在、国・県管理の河川の水位情報などを発信している長野市防災情報ポータルサイトがありますが、今後、庁内関係部局と協議しながら、市の水位情報をインターネットで配信できないか研究することに併せ、市民への周知が必要と考えられる水路等の選定を行ってまいります。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 7月豪雨の際は、時間降水量52.5ミリメートルで床下浸水等の被害が発生しました。整備計画では5年で36.5ミリメートル、10年で40.9ミリメートルとの想定となっていますが、これをはるかに上回っています。 古牧小学校校庭や、更に上流部の貯留施設の設置については、昨日も議員から言及がありましたが、今必要な施設ではありませんか。見解を伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 古牧小学校の校庭への整備を早期に進めるべきではないかという御質問にお答えいたします。 古牧小学校校庭における雨水貯留施設の整備については、北八幡雨水調整池の拡張の設計において、既往最大降雨に対応した貯留容量が不足した場合、それを補うため、設置を計画しております。不足することが分かった時点で、早急に教育委員会等と協議しながら、雨水貯留施設の設置について検討を進めてまいりますので、御理解をお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員
    ◆2番(小泉一真議員) 気候も変わってきておりますので、将来的な課題としては、降水量の想定自体を見直すべきではないでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 将来的には降水量の見直しを行うべきではないかということですけれども、まず、雨水きょ事業ですが、こちらは議員御質問のとおり、5年に一度の雨ということで36.5ミリメートルで計画しておりまして、現在、優先順位の高いところから事業を進めておりまして、現在の整備率は33.7パーセントということで、一般的に聞くと、なかなか進んでいないというふうな印象を持たれると思います。 計画の見直し、もしこれを時間雨量を上げるという形になりますと、既に整備した雨水きょと整合が取れなくなります。そうすると、下流から整備したものよりも、そこから上流の方が大きくなってしまうということも発生してしまいます。 議員御提案のとおりやっていくということになると、また下流から全てやっていかなきゃならなくなるということもありますので、そこについては現実的ではないというふうに考えております。ですから、今回の北八幡雨水調整池で進めているような整備方法、計画規模を上回る洪水については、新たな貯留施設等の増大とかをやることによって対応を検討していきたいというふうに考えております。 また、北八幡川が現在、10年確率ということで、同じく下流から整備している状況の中で、そこをまたいきなり今度は上げてしまうということになりますと、そこから、完成箇所から上流の方がまた大きくなってしまうという、そういう不整合が発生することから、県でもそうしたことはなかなか難しいというお話を聞いておりますので、御理解をお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 今やれと言っていないので、将来的な課題として認識していただきたいということです。 さて、台風第19号災害についてですが、千曲川破堤の際、国からその情報が長野市に即時的に伝達されていなかったとのことでありました。避難住民としては、破堤を確認したとの情報は重要で、速やかに伝達されるべきものです。 その後、情報の速やかな伝達について、国との調整は進んでいるのでしょうか。市が当時破堤を知った時点と手段についても説明してください。 ○議長(小泉栄正) 鎌田危機管理防災監     (危機管理防災監 鎌田富夫 登壇) ◎危機管理防災監(鎌田富夫) 国との調整についてお答えいたします。 千曲川河川事務所では、令和元年東日本台風災害を踏まえ、千曲川・犀川大規模氾濫に関する減災対策協議会に情報提供部会を設置し、これまでに3回開催され、災害により明らかになった課題等について、沿川の関係自治体などで共有し、改善点や、より効率的な情報提供について検討しているところでございます。 今後の災害において、避難者を初め市民の皆様に有効な情報を迅速に提供できるよう、国との連携を図り、取り組んでまいります。 次に、破堤を知った時点と手段についてお答えします。 昨年10月13日午前2時15分に穂保の監視カメラの映像が途切れ、河川の状況が確認できなくなりました。また、堤防に近づくことは、夜間であり危険を伴うことから困難でした。 このことから、現地消防局、千曲川河川事務所の情報や住民からの電話によって状況の把握に努めていたところでございますが、最終的に破堤については、午前6時過ぎのテレビで確認いたしました。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 国との調整、進んでいないということなんですか。 ○議長(小泉栄正) 鎌田危機管理防災監     (危機管理防災監 鎌田富夫 登壇) ◎危機管理防災監(鎌田富夫) 国との調整については、先ほど申し上げました情報提供部会、こういったところで協議して、今後の改善点について進めているところでございます。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 情報提供部会の議題にはなっているんですね。 ○議長(小泉栄正) 鎌田危機管理防災監     (危機管理防災監 鎌田富夫 登壇) ◎危機管理防災監(鎌田富夫) その情報提供部会での議題にはなっております。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 新型コロナウイルス感染症についてですが、6月定例会で新型コロナウイルス感染症について、個々の感染ケースの公表内容を検討した記録は整備しているのか、後世において検証できるよう記録整備に努めるべきではないかとただしました。 基準に照らし、事例ごとの決裁文書において記録され、保管されているとの答弁でございましたが、7月21日、検討を判断した経緯を公文書に残していないとの信濃毎日新聞の報道ぶりと異なっています。説明をお願いします。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 感染者情報の公表に当たりましては、長野市保健所感染症発生情報公表基準及び厚生労働省の一類感染症が国内で発生した場合における情報の公表に係る基本方針、この2つに基づきまして資料を作成し、決裁行為を行った上で公表してございます。 公表の内容は、これらの基準等に基づき、全ての感染者に共通しており、取材の際、個々の感染者において公表の項目や範囲などを検討するものではないと記者の方にお伝えしましたが、実際の記事では、個々の感染者情報をどう発表するか検討・判断した経緯が公文書に残っていないとされました。 本市の状況が十分に伝わらなかったのは残念ですが、私どもとしては適正に事務処理と文書の保管を行っているものと考えております。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 例えば、権堂の飲食店の事例、あれは住所を出しました。屋号も出しました。一方で、施術所は出していないですよね。その違いが分かるような、なぜそういう違いが出たのか分かるような記録になっているんですね。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 不特定多数の濃厚接触者が発生しているおそれがある場合には、例外的に店舗名を公表するということで、今回1回そのような店舗がございました。 そうした経緯についても、その決裁文書の方に記録をして、そうした状況を明らかにしてございます。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 納得しました。納得しましたが、これについて、市長が検証しなくていいんだということをおっしゃっておられましたが、今もそういうお考えなんでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 定例記者会見での市のこれまでの対応について、事後検証をする機会を設けるかとの記者からの質問に対する私の発言の趣旨は、事後というよりは、その都度検証しながら、変化する状況に対応していくことが重要であるということを強調したものであり、全く検証を行わないと申し上げたものではございません。 今後につきましても、これまでと同様に、その都度検証して適切に対応してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) それにしても、新型コロナウイルス感染症というのは歴史的な事象でありまして、今何を残すべきか議論し、決定する仕組みが必要ではないかと思います。 県のように公文書管理条例の必要性が高まっていると思いますが、見解をお聞きします。 ○議長(小泉栄正) 倉島総務部長     (総務部長 倉島 明 登壇) ◎総務部長(倉島明) 本市の公文書館の歴史文書の選定につきましては、先行した自治体の公文書館の選定方法を参考に、歴史文書の考え方の基準を作成して選定してございます。 しかし、この基準は内部の運用基準となっておりまして、庁内の共通認識となっておりません。職員が歴史文書の基準を知り得ておく必要があると考えておりますので、この歴史文書の考え方を改めて整理をさせていただきまして、周知してまいりたいと考えてございます。 なお、現在、本市の公文書につきましては、行政情報取扱規程で取扱いを定めているところでございます。そのため、公文書管理条例につきましては、長野県の条例が令和4年4月から本施行ということでございますので、県の動向を注視するとともに、他の自治体の条例の内容、あるいは運用方法について調査研究してまいりたいと考えてございます。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 今日では、感染症とその他の災害に同時に見舞われる複合災害についても備えなければいけないということでございまして、公衆衛生上、例えば火葬場なんですが、御遺体を速やかにだびに付す体制を維持しなきゃいけないと思います。 災害があったとき、また感染症のまん延が懸念される状況下において、周辺自治体との火葬場の維持についての連携はいかがでしょうか。 ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) 火葬場の運用につきましては、長野市内では現在、火葬場の稼動能力が市内で1日最大26件でございます。 例えば、緊急時の災害で死亡者が多くなった場合ですけれども、1日の最大で33件稼働することができますので、死亡者の増加にも対応できるものと考えております。 なお、新型コロナウイルス感染者の患者の火葬については、火葬の時間外において行うことを想定しております。また、広域の火葬場の連携につきましては、県が策定した長野県広域火葬計画に基づき、大規模災害や新型コロナウイルス感染症にも対応していきます。 また、須坂市にある、須高行政事務組合からは、そういった施設の故障等や、あと災害時にも対応できるように、北信の斎場が協力し合う協定締結の打診をいただいております。長野市にとっても有益な協定ですので、現在、前向きに検討させていただいている段階でございます。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) しっかり進めてください。 さて、世界初の産後の自殺対策プログラム、長野モデルについてですが、国立成育医療研究センターは市保健所と協働し、産後の自殺対策プログラムを世界で初めて開発、長野モデルと名付けたところでございます。 産後の母親の自殺予防効果が証明されたとのことですので、積極的に周知・広報するべきではないでしょうか。また、長野市の子育て支援策として、産前産後のケアを一層充実強化することを提案させていただきます。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 長野モデルにつきましては、生後3か月までの全ての家庭を訪問する乳児家庭全戸訪問事業の中で、母親のメンタル面を確認し、産婦人科や精神科の先生方も交え、支援する取組を行っておりまして、今回、その取組の有効性が実証され、全国放送のテレビ等で報道されたところであります。 この事業は子ども・子育て支援事業計画、あるいは自殺対策行動計画、こういったところの掲載などを通じて、市民や関係の皆様に周知をしておりますが、御提案のナガラボを含めまして、市の内外への紹介についても検討してまいりたいと考えております。 次に、産前産後のケアにつきましては、ながの版ネウボラとして、母子保健コーディネーターが関係機関と連携して様々な対応をしてございます。また、出産後間もない母親に対する健康診査、あるいは宿泊型の産後ケア事業、こちらにつきましては、昨年の12月から通所型も追加をして実施しているところであります。 この他、養育支援訪問事業等にも取り組んでおりまして、今後とも子育て支援に関わる部局を初め、関係機関がより一層連携を強化いたしまして、個々の実情に合わせた支援を実施してまいります。 ○議長(小泉栄正) 小泉一真議員 ◆2番(小泉一真議員) 世界初であり、国が長野モデルと名前をつけてくれた事業でございますので、シティプロモーションとしても有効だと思います。積極的な周知を是非お願いします。 ○議長(小泉栄正) 19番松井英雄議員     (19番 松井英雄議員 登壇) ◆19番(松井英雄議員) 19番、公明党長野市議員団、松井英雄でございます。 マスクの着用も2時間を過ぎ、少し呼吸が乱れているかもしれませんけれども、一括質問で駆け抜けたいと思います。 公共施設個別施設計画素案についてお聞きいたします。 現在、公共施設個別施設計画素案が示されており、市民の皆様初め地区の代表の方との意見交換などもこれまで終わり、今後は意見も参考にしながら計画案を示し、パブリックコメント、公表となってまいります。 この素案の中で、特に南部地域から多くの声があった公民館分館の地元譲渡あるいは廃止となっている計画素案に対する意見についてお聞きいたします。 公共施設白書で示された将来負担については、私も驚き、将来世代に負担を先送りすることなく、良い資産を次世代に引き継いでいくとの公共施設マネジメントの基本理念は理解できます。 今回の素案での公民館分館については、地元との意見交換もなく、唐突に示された感があります。私の住む篠ノ井地区を例にとってみると、人口約4万1,000人で、本館である交流センターと6つの分館があり、令和元年度の利用者数は、交流センターで4万4,090人、6か所の分館では3万6,527人が利用しています。 分館の地元譲渡が受け入れられず、廃止となれば、交流センターで受け入れるのか、また、特に高齢者の皆様は、交流センターでは遠く、これまでの活動はやめてしまう可能性もあります。 そこで、お聞きいたします。 将来世代に先送りをしないとのことから、地元譲渡の場合、市の負担は減りますが、地元の負担は大きく、将来世代も負担をすることになります。地元譲渡の条件をどのように考えているのか、お聞かせください。 また、これまで長野市は、都市内分権として住民自治協議会の事例を市外、県外の自治体に紹介していますが、これは多くの公民館があり、活動が活発に行われてきた経緯があり、地域コミュニティが醸成されていたのではないかと考えます。 そのようなことから、公民館分館を廃止した場合、これまでの交流センター本館が大きな幹となり、そこに分館、地域公民館が枝葉のように伸びて地域活動をしてきた感がありますが、分館廃止も考えている理由をお聞かせください。 次に、南部図書館についてお聞きいたします。 個別施設計画素案に対する地域での意見交換に対する市の回答の中で、現在の南部図書館の耐震性について、まず耐震診断が必要であるため、実施について検討するとありました。南部図書館の耐震診断のスケジュールが決まっているようでしたらお聞かせください。 併せて、これまで耐震診断がなく、ここで耐震診断を実施する理由についてお聞かせください。 また、耐震性があった場合となかった場合の今後の対策についてお聞かせください。 新型コロナウイルス感染症についてお聞きいたします。 国においては、今後の季節性インフルエンザの流行期も見据え、新型コロナウイルス感染症によって重症化するリスクが高い高齢者や基礎疾患のある方への感染防止を徹底するとともに、医療資源を重症者に重点化していくとの方針が示されました。 このことから、季節性インフルエンザワクチンの優先接種者対象を、基礎疾患を有する方、小学校2年生以下や医療従事者などと示されました。市として、優先対象者にどのようにアプローチをかけていくのか、お聞かせください。 また、優先対象となっていない小学校2年生以上から高校生は、厚生労働省の資料によりますと、相対的に重症者が多数発生するおそれがあり、死亡者や重症者を減らすために接種が望ましいとされております。このようなことから、市として対象を広めるとともに、かねてから御提案している季節性インフルエンザワクチンの子供たちへの補助をすべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 季節性インフルエンザの検査件数を踏まえ、季節性インフルエンザに加え、新型コロナウイルスの検査についても、地域の医療機関で簡易・迅速に行えるよう、抗原簡易キットによる検査を大幅に拡充するとともに、PCR検査や抗原定量検査の機器の整備を促進し、必要な検査体制を確保するとしています。 長野市においても、今後の検査体制を1日80件から188件とするためのPCR検査機器の予算も今議会に計上されております。市の説明によるとPCR検査となっておりますが、国が示す抗原簡易キットで併用すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 また、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザは初期症状が似ていることから、万が一インフルエンザが流行すれば、PCR検査の需要を増やし、医療機関での密集を生み出すおそれがあるとともに、医療体制もひっ迫するおそれがあります。そのようなことから、国において、季節性インフルエンザ流行期を踏まえた検査需要に対応できるよう、国が都道府県に対し指針を示し、地域における外来診療の医療提供体制と検体採取体制を踏まえて、早期に新たな検査体制整備計画を策定するように要請するとされております。 都道府県に計画とされておりますが、保健所を持つ中核市、長野市の検査体制整備計画策定についてお聞かせください。     (19番 松井英雄議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 最初に、インフルエンザワクチン接種についてお答えいたします。 まず、優先接種対象者へのアプローチについてですが、優先順位が最も高いとされております65歳以上及び60歳以上の呼吸器機能等に障害のある方につきましては、10月からの実施に向け、広報10月号の配布に併せて、全戸回覧による周知を行うとともに、医療機関に掲示するポスターの配布や医療機関によるかかりつけ患者さんへの声掛けなどを通じて、できるだけ早期に接種していただくよう勧奨を行う予定です。 さらに、広報11月号と併せて全戸配布を予定しております新型コロナウイルス感染症対策のリーフレットにおいて、小学生以下などの年齢層に加え、その他の年齢層の方々に対しましても、インフルエンザの予防接種について広く呼び掛けを行ってまいります。 次に、接種費用の補助についてですが、65歳以上の高齢者等の場合、インフルエンザ流行阻止の効果は示されておりませんが、重症化防止の効果があることから、法律に基づく定期接種として、その費用を一部補助し、自己負担1,200円で接種をしていただいております。しかしながら、それ以外の方につきましては、現在、任意接種の位置づけのままとなっておりますので、現時点においては費用の補助までは困難と考えております。 次に、新型コロナウイルス感染症に係る検査体制についてですが、まず、抗原簡易キットの活用については、現在、かかりつけ医等で直接検査を行う体制整備を進めているところですが、その中には、PCR検査だけではなくて抗原定量検査、抗原簡易キットも可能としてございます。 なお、個々の検査方法には長所、短所がありますので、それぞれの医療機関の御判断で検査方法を選択していただくことになっております。 次に、検査体制整備計画についてですが、この計画は国の通知に記載されてございますけれども、現時点において、都道府県と中核市の役割分担などを示す具体的な指針は今後の提示となってございます。 私ども市としては、これまでもPCR検査センターや民間検査センターの活用などについて、長野県と連携して取り組んできておりますので、今後、国の指針の策定を受けまして、県となお一層連携しながら、この検査整備計画の策定に取り組み、検査体制の更なる充実を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 公共施設個別施設計画素案の御質問のうち、初めに、公民館分館についてお答えいたします。 本市では、市町村合併や人口増加等に対応する中で、公民館本館及び交流センターを29施設設置し、その他、篠ノ井や松代など一部の地区においては本館の他に分館を置き、生涯学習活動等に御利用いただいております。また、市の施設ではございませんけれども、地区には地域公民館や公会堂等の集会施設があり、地元住民の皆さんが管理運営を行っております。 現在策定中の長野市公共施設個別施設計画素案では、公民館及び交流センター分館の多くが、機能の方向性について廃止、建物の対策等は解体等となってございます。 平成25年に策定した長野市公共施設白書では、人口及び面積規模が類似している他都市と比較して、本市の公民館、交流センターの数が多い状況であり、類似する6都市の平均35施設に対し、本市は現在57施設となってございます。また、分館は貸館として、主に地域住民の皆様の集会施設として利用いただいておりますけれども、集会室の機能を持つ施設につきましても、類似する都市の平均が377か所に対して、本市は664か所となってございます。 このことから、施設の老朽化が進む中、今後の人口減少や少子高齢化社会に対応するためには、市有施設の総量縮減が不可欠であり、本館を維持管理する一方で、分館は順次廃止する計画としているものでございます。 公民館、交流センターの分館につきましては、JAとの合築や複合的な施設もあり、利用者の範囲や老朽度など施設ごとに異なってございます。御質問の地元譲渡等の場合の条件でございますけれども、まずは施設の構造や耐震性の有無、建築年数などに応じて、譲渡なのか、貸付けなのか、有償か無償かについて、市の土地や備品の扱いなども踏まえ、施設ごとに異なる条件の整理を行ってまいりたいと考えてございます。 次に、南部図書館についてお答えいたします。 南部図書館は、昭和54年3月に建設した鉄筋コンクリート造りの旧耐震基準による建物で、41年が経過した施設となってございます。 南部図書館の近年の利用状況でございますけれども、貸出利用者の人数は、平成29年度が8万9,694人、平成30年度は9万2,610人、令和元年度は8万4,671人となってございます。 耐震診断については、6月に実施した個別施設計画の意見交換会の中で、地域の皆さんから耐震性に不安があり、早急の対応を望まれる御意見を頂きました。 南部図書館については、まずは施設の安全性を確認し、安心して御利用いただくため、年度内に耐震診断が終了できるよう準備を進めているところでございます。 耐震診断の結果を踏まえた今後の対策につきましては、引き続き検討してまいりたいと考えてございます。 ○議長(小泉栄正) 松井英雄議員 ◆19番(松井英雄議員) 公民館分館については、先日の答弁でも、今回、約7割から8割と多くの意見があったということが答弁であったところであります。このように多くの市民の方が、この分館の地元譲渡、あるいは廃止というところを大変気にされている部分がありますので、丁寧に説明など協議を重ねながら、より良い方向にしていっていただきたい、このように思っております。 また、数が多いということが強みであるのかなというふうに思っています。確かに公共施設の維持というところでは、お金も掛かる、そのようなことも分かるんですけれども、先ほど言いましたように、やはり都市内分権、長野市が進んできたというのは、このように公民館活動が活発であって、その場所があったからかなというふうに思っております。 良い資産を次世代に受け継いでいくというところも、公共施設白書のところにあるわけでございますので、是非ともこちらも検討していただきながら、地元と協議をしていただきたい。 また、南部図書館については、耐震診断をするということも知らなかったもので、ちょっと今日はお聞きしました。これまで長年にわたって検討してきているわけですが、このようになったということで、地元と協議しながら、こちらも進めていただきたいと思います。 ○議長(小泉栄正) 午後1時15分まで休憩いたします。   午後零時15分 休憩   午後1時15分 再開 ○副議長(宮崎治夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 8番加藤英夫議員     (8番 加藤英夫議員 登壇) ◆8番(加藤英夫議員) 8番、新友会、加藤英夫です。 新型コロナウイルス感染症の猛威が衰える中で、もう一つ、私たちの生活を脅かす大きな心配事が異常気象ではないでしょうか。 今年は暖冬から始まり、長雨、そして酷暑、干ばつと厳しい環境が続いています。世界を見渡しても、バッタの大発生を初め、病害虫の多発も今後の食料安全保障の大きな問題となるでしょう。そのために、生きる根源である農業を守り育てていくことが生活の安心につながるものと信じております。 そこで、まず、有害鳥獣被害対策についてお尋ねいたします。 最初に、緩衝帯整備についてであります。 今年は有害鳥獣の出没が多いと聞いております。被害の多い地域では、防護柵の設置が着々と進められています。防護柵につきましては、有害獣を遮断するために、とても有効なものと承知しております。ただし、現状では、設置済区域の被害軽減効果は顕著に現れていますが、未整備箇所に被害が集中しているのも事実ではあります。 一例といたしまして、国庫補助事業で整備中の保科地区の事例ですが、現時点でも未整備地域の食害がひどいものです。特に今年は、猿が三、四日に一度、熊は連日のように出没しております。このために、今年限りで離農を決めた農家も複数あると聞いております。 農作物被害にとどまらず、出没地域では身の危険を感じているのも事実であります。防護柵の早期完成が期待されていますが、全線完成までに、まだ数年は掛かるとのことです。 地主の承諾や緩衝帯整備、作業ができる人員の確保等々課題は山積していますが、可能な限り短期間で終了させることも重要かと思います。緩衝帯整備は業者数が少ないと聞いていますので、入札ではなく、簡略化した方法で業者に依頼できないものでしょうか。 緩衝帯整備予算の減少も、この事業の足かせになっているのではないでしょうか。市単独事業費も含め、御配慮いただければと思います。また、来年度の整備に関しても、是非予定どおりの距離が確保できるように御尽力いただければと思います。     (8番 加藤英夫議員 質問席へ移動) ○副議長(宮崎治夫) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 初めに、緩衝帯整備事業に係る入札方法の簡略化についてでございますが、地方公共団体の契約の締結につきましては、地方自治法などの法令において一般競争入札が原則とされ、一定の条件の下で、指名競争入札、随意契約などの方法によることとされています。 御質問のような緩衝帯整備事業も含め、事業数が少ない事業においても、入札などの競争原理を確保した所定の手続が必要となってまいります。 なお、若穂保科地区の緩衝帯整備事業につきましては、地区住民から同意をいただいた範囲から順次事業を実施しており、委託金額が少額であることから、見積合わせによる随意契約により事業者を決定し、迅速な整備に努めているところでありますので、御理解をお願いします。 次に、緩衝帯整備事業の予算につきましては、令和2年度予算は東日本台風被害の影響もあり、令和元年度より減少しましたが、平成25年から集中的に整備を開始した若穂地区緩衝帯整備を早期に完了するため、一般財源を増額し、平成28年度からは、それまでより100万円増額の900万円、さらに、令和元年度からは、前年度より150万円増額の1,050万円を計上して緩衝帯整備事業に取り組んでいるところでございます。 最後に、来年度の緩衝帯整備の事業距離の確保につきましては、既に若穂地区の関係する区長や地区有害鳥獣対策協議会等と協議を始めており、今後、現地立会いをお願いする中で、改めて整備範囲を確認し、進めてまいります。 いずれにいたしましても、地元の要望に沿えるよう、事業予算の確保に鋭意努めてまいります。 ○副議長(宮崎治夫) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) ありがとうございます。 続きまして、今後の対策についてお聞きしていきたいと思います。 まず、猿害対策についてであります。 平成17年から大町市で導入しているモンキードッグ事業ですけれども、本市においても真剣に導入を考えてみるべき事例ではないでしょうか。 本来ですと、猿を発見した際、即時に猟友会へ通報し、少しでも早く駆除するのが一番効果的ではないかと思いますが、猟友会員数の不足、また人家が近くにあるなどで発砲ができない、又は駆除できる頭数制限などがあり、ままならないのが現状かと思います。 今後、整備済みの防護柵においても、僅かな隙をついて侵入してくることは容易に想像ができます。恐らく、被害は軽減できても戦いは終わらないと思います。 そこで、大町市で効果を上げているモンキードッグ事業、是非本市でも導入を御検討いただければと思います。 それ以外でもドローンの活用や、発信機を付け群れの居場所を逐次把握すること、また、それ以外の方策も研究の必要があると思います。是非多くの有識者等の御意見も聞きながら、更なる取組を進めていただきたいと思います。 一方、今後の防護柵の維持管理ですが、多くの方が懸念されているところで、10年後、20年後にどのように維持していくかを考える必要があると思います。 そこで、新たにスタートした里山ファン活動支援事業は、正に望んでいた事業でもあります。 ただ、それぞれの希望者のマッチングができるかどうかが焦点になると思います。受益者が人材を発掘する最善の方法を考える必要がありますが、市も全面的にサポートいただければと思いますが、お考えをお聞かせください。 ○副議長(宮崎治夫) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 初めに、本市における猿による農業被害の現状でありますが、直近の5年間では、平成27年度が約360万円、昨年度は約430万円と微増の傾向にございます。地区別では、若穂地区を含めて、鬼無里、松代、七二会地区などで多くの被害が発生しております。 そうしたことから、市では県から許可を取得して、個体数調整や、地区の協力も得て追い払いなどの対策を実施することにより、猿被害の軽減に努めているところであります。 御質問にありました大町市のモンキードッグ事業でございますが、農家等に飼育されている犬をドッグスクールで5か月間訓練し、その能力を活用することで、農地等に出没する猿を追い払い、出没を抑制するものであります。 このモンキードッグ事業の導入後、猿の群れの出没回数や頻度が減少するなどの一定の効果はあったものの、追い払った群れが対策を取っていない隣接地域に移動することや、農家等の飼い犬を利用するため、犬の選定が難しいこと、また、犬の世代交代がスムーズに行われないことなど、事業を継続する上での課題もあると伺っています。 本市といたしましては、これら課題等についても十分に見極めた上で、猿対策の一つの手法として検討してまいります。 また、その他の対策として、若穂地区においては、平成30年度に地元区長や猟友会の皆様と、ドローンや電動ガンによる追い払いについて検討いたしましたが、ドローンについては、飛行範囲が目視できる範囲に限定されることや長時間の飛行時間が困難なこと、電動ガンは警察との協議が調わなかったことなどから見送った経過がございます。 しかしながら、近年では、AI、ICT技術等も進んでおりますので、改めて先進地域の事例も確認しながら、地域に適した猿対策の調査研究を進めてまいります。 次に、今後の防護柵の維持管理に長野市里山ファン活動支援事業を活用することについてですが、里山保全、鳥獣対策は、中山間地域の大きな課題でありますので、防護柵の維持管理のために必要な草刈り等の周辺整備を、中山間地域以外の地区と共同で課題解決に当たることは、誠に有益な取組であり、里山ファン活動支援事業の趣旨に沿ったものであります。 議員御指摘のとおり、本事業の実施に当たっては、防護柵の維持管理などの中山間地域の課題やニーズを中山間地以外の地区に広く周知し、住民自治協議会等への情報提供など、市としてもマッチングにつながるよう、しっかりとサポートを行ってまいります。 ○副議長(宮崎治夫) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) 最近では、既存の有害獣以外でも、アライグマ等の被害も出始めたと、そんな話も聞いておりますので、是非、先手先手で対応していただきたいと思っております。 続きまして、農業体験誘致に進みたいと思います。 教育旅行における農業体験の誘致についてお尋ねいたします。 今年度は、新型コロナウイルスの影響で厳しい現状でありますが、本市では、関西また関東方面の中高生の農家民泊が盛んに行われております。受入家庭に生徒が宿泊し、家庭の畑で農業体験他、田舎体験などで地域住民との交流を図るという内容です。受入家庭にとりましては収入源の一つとなっています。ただ、大規模校となると、受入農家数の確保ができないのも事実です。 農業体験の受入れは、民泊以外でも、市外に宿泊した中高生団体が市内農家の畑で農作業体験を行い、その後、また他地域で宿泊する。そのように、市内での宿泊を伴わない団体もあり、その場合は周辺地域の大型宿泊施設に泊まるので、規模が大きくても受け入れることが可能です。受け入れた農家にとっては、規模が大きい分、大きな収入になることと思います。 受入ほ場の近くに大型バスを止めたり、生徒が使用できるトイレがあるなど、幾つかのハードルがありますが、団体を受け入れることにより関係人口が増加し、直送等の需要増にもつながる可能性を秘めています。 果樹、水稲、そ菜、畜産など、本市には幅広く、貴重な体験を提供できる素材がそろっております。それぞれの可能な体験内容、受入可能時期を把握し、情報を集約して、旅行代理店及び対象となり得る学校に情報を配布すれば、きっと興味を持っていただけるものと思います。 農業経営の中で、観光収入をもう1本の柱として加え、収益を上げるために誘致を加速させて、全国的な農業体験のオーソリティーとなるべく、動きを始めてみてはいかがでしょうか。 今後、都市圏の人たちが田舎の生活に注目をする。それに伴い、都市圏の子供たちが、食育を含め、農業という職業の大切さを教育する動きになるのではないでしょうか。是非前向きな御検討をいただければと思いますが、御所見をお伺いいたします。 ○副議長(宮崎治夫) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 教育旅行や農業体験の受入れは、農村の素朴な魅力を体感することにより、都市と農村の住民が交流する貴重な機会になっています。 市内では、中山間地域の8地区が教育旅行の受入団体を組織し、昨年度は、県外の延べ43中学校から3,038人の生徒を、また、高校も2校338人を受け入れており、市では、小・中学校の教育旅行の受入れや農業体験交流に要する経費に対して補助金を交付し、その活動を支援しております。 また、8地区の受入団体と市で構成する長野市子ども夢学校協議会では、長野市農業公社が事務局となってPR用のパンフレットを作成し、旅行代理店等に誘致活動を行っている他、構成団体が一堂に会して情報共有や意見交換を行っています。 本年度も当初は、昨年と同規模の受入れを計画しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により教育旅行が中止となる影響を受け、残念ながら受入れに至っておりません。 また、近年では、高齢化の進展による受入農家の減少とともに、それぞれの団体で旅行代理店との窓口になる担当者も不足してきています。さらに、これまでも受入団体同士が協力し、生徒数の多い学校については複数地区に分散して受け入れてきましたが、受入農家の減少により個々の農家の負担が増加していることから、受入要望に十分に応えられていない状況が生じてきています。 現在、このような課題の解決に向け、長野市子ども夢学校協議会において、体験内容、受入可能時期などの情報集約、旅行代理店や学校への情報提供体制の構築、また体験料金の統一について、検討を進めているところであります。 議員御指摘のとおり、教育旅行の受入れにより、訪問した生徒たちが農作業や農家の生活などを体験することは、今後の本市の交流人口の増加につながるだけでなく、農業・農村や食育への関心の醸成も期待でき、また、受入農家の収入の確保にもつながりますので、長野市農業公社と協力しながら、各地区の活動が継続し、更に発展していけるように支援をしてまいります。 ○副議長(宮崎治夫) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) ありがとうございます。 先日の農業新聞に、新潟県では既に、かなり積極的に取り入れていくという、そんな記事が載っておりましたので、是非本市もしっかりと進めていただければと思います。 続きまして、道路計画についてお尋ねいたします。 まず最初に、千曲川東側の道路事情についてです。 本市では、長野東バイパスを初め、渋滞解消のための改良工事が進みつつあります。千曲川東側を注目してみましても、多くの道路関連の工事が進捗又は始まる予定であります。 そこで、現時点での状況及び今後の見通しをお聞きいたします。 初めに、年を追うごとに渋滞に拍車が掛かる国道403号についてであります。 須坂市に開業予定の大型商業施設の大きな影響を受けることになるこの道路ではありますが、各所で拡幅工事が進んでおります。 そこで、松代、若穂、それぞれの現状と見通しをお聞かせください。 また、通勤時間帯の渋滞が特に激しく、その渋滞距離、通過時間が年々長くなっている関崎橋東詰の現状と見通しもお聞かせいただければと思います。 国道403号に関連しまして、もう1点確認いたします。 前記のとおり、須坂市の大型商業施設開業に伴いまして、現状の国道403号の車両流入量、特に大型車両の更なる増加が予測されます。店舗の開業が近づくにつれて、地域住民の不安が日々大きくなりつつあります。 そのため、拡幅工事と並行して抜本的な対策が必要であります。改めて、休止中の綿内バイパスの計画も含め、新たに国道403号を補完するバイパスについて、本市と須坂市及び県も含め、話合いの場の設置をお願いできればと思いますが、御所見をお聞きいたします。 次に、若穂スマートインターチェンジについてであります。 国が事業化する方針を固めました。周辺地域からの強い要望のある中、長年にわたり誘致を続けてきた事業ですが、住民だけでなく近隣の工業団地の企業からも、最近では高速道路に乗るまでに多くの時間が掛かってしまうと、早期開通に対しての強い要望があるのも事実です。 確認の意味で、(仮称)若穂スマートインターチェンジの供用開始予定、そこまでのロードマップをお聞かせください。 最後に、落合橋であります。 去る6月24日に、市長が会長を務められる落合橋架替建設期成同盟会が開かれました。その中で県は、架け替えに向けて取り組むことを明言いたしました。 開通から半世紀が経過し、老朽化も激しい現状で、日々の渋滞により多くの時間を費やした地域住民の悲願でもあり、ようやくという思いと同時に、喜びもひとしおであります。ただし、供用開始がいつになるのかが、ここからの更なる課題になるかと思います。一日でも早い完成を願うところですが、開通までの見通しと工程表をお聞かせください。 ○副議長(宮崎治夫) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 私からは、千曲川東側の道路事情4点のうち、最初に国道403号についてお答えいたします。 松代地区においては、柴地区の約500メートル区間で、両側に幅2.5メートルの歩道を新設するとともに、車道を8メートルに拡幅する道路改良事業を実施しており、岩野地区では約900メートル区間で、両側に幅2.5メートルから4メートルの歩道を新設、車道を8メートルに拡幅する道路改良事業を実施しております。 県に確認したところ、今年度については、柴地区では用地補償、本工事約100メートル、岩野地区では用地補償、本工事約80メートルをそれぞれ実施予定とのことであります。また、若穂地区では、綿内地区の約200メートル区間で両側に幅2.5メートルの歩道を新設するとともに、車道を7.5メートルに拡幅する道路改良事業を実施しており、今年度、用地補償、本工事約180メートルを実施予定とのことでございます。 次に、若穂川田地区での関崎橋東詰交差点については、朝夕の通勤時間帯の慢性的な渋滞解消対策として、約500メートル区間で、歩道設置と交差点部の関崎橋方面へ右折レーンを延長する道路改良事業を実施しており、今年度は引き続き、補償調査、用地買収を実施する予定とお聞きしております。 市といたしましては、用地買収が完了した箇所から早期に工事着手し、工事が完了した箇所から供用開始していただくなど、事業の促進が図られるよう県へ要望してまいります。 次に、綿内バイパスについてお答えします。 綿内バイパスは、国道403号の渋滞対策として、県により計画を進めていましたが、地元への事業説明を実施する中で、綿内地区の意向として、現道の403号の道路改良事業により安全対策を優先することに方向転換した経緯がございます。 これを踏まえ、市としましても、国道403号の道路改良事業促進を綿内地区と共に県へ要望してまいりました。県に確認したところ、現在の国道403号、現道の道路改良事業を進めており、議員御質問の綿内バイパスについての具体的な計画はないとのことでございます。 また、須坂市が策定した周辺道路整備計画や交通推計を確認した中では、現道の国道403号には交通量への大きな影響はないとされております。 以上のことから、市といたしましても、まずは現道の国道403号の道路改良事業の促進について、市長が会長を務める期成同盟会と連携して県へ要望してまいります。 御要望の須坂市及び県を含めた話合いの場につきましては、県とも相談しながら、その必要性について検討してまいります。 次に、(仮称)若穂スマートインターチェンジについてお答えいたします。 (仮称)若穂スマートインターチェンジは、上信越自動車道の長野インターチェンジと須坂長野東インターチェンジの間に設置を検討しているもので、平成29年7月には、国が必要性を認めた箇所について調査を行う準備段階調査箇所に選定されており、これまでに、国、県、市、NEXCOなどの関係機関で構成された準備会を6回開催しており、インター形状等の検討を行ってまいりました。 こうした検討を重ねてきた結果、一昨日の8日に、次のステップに進むための地区協議会を開催いたしまして、その中で、具体的な整備効果やインター形状、計画交通量等をまとめた実施計画書について承認いただきました。 今後は、9月中旬をめどに、実施計画書と、高速道路に新たに市道を連結するための連結許可申請を国に提出する予定であり、本年10月の新規事業化を目指しております。新規事業化になりますと、来年度にはスマートインターチェンジの構造やアクセス道路などの詳細設計をNEXCOが行い、その後、必要となる事業用地について、土地の取得を行っていく予定であり、土地の取得が完了した箇所から埋蔵文化財の調査に着手してまいります。 事業用地の取得に関しては、地域の皆様の御理解と御協力が必要となることから、丁寧な説明を心掛けて進めてまいります。 スマートインターチェンジの供用開始の時期につきましては、現時点ではお示しすることはできませんが、一日も早く供用開始となり、観光や物流の面で大きな経済効果が発現できますように、今後も国、県、NEXCOと緊密に連携し、本市の更なる発展に向け、全力で取り組んでまいります。 最後に、落合橋の架け替えについてお答えします。 落合橋につきましては、昭和41年に架設されてから50年以上が経過する中、老朽化に起因する破損が顕著になりつつあります。また、令和3年3月末に国道18号長野東バイパスの車道部が先行開通される予定であり、落合橋周辺の道路が整備されると、更なる交通量の増加が懸念されるところであります。 本年6月24日に開催された落合橋架替建設期成同盟会において、地域住民の悲願であった架け替えについて、県で調査・検討を進めていくとの説明がありました。県に確認したところ、橋りょうの架け替えについては、河川管理者との調整や堤防道路の取扱いについて技術的な検討が必要であり、現在は、河川への影響を含めた各種調査を実施し、関係機関との打合せを進めており、準備が整った段階で、検討結果について地元へ説明する予定とのことでございます。 また、既存の橋りょうについては、橋りょう長寿命化修繕計画に基づき、今年度も既設舗装版の舗装や床版の補修工事等を実施していくとのことでございます。 以上のことから、現時点では架け替えの見通しについてお示しすることはできませんが、市としましては、(仮称)若穂スマートインターチェンジのアクセス道路のルート上に位置する落合橋の架け替えについては、スマートインターチェンジ整備と連動して計画が進むものと大いに期待しており、ルート提示を含めた早期事業化について、地域の皆様と共に県へ強力に要望してまいります。 ○副議長(宮崎治夫) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) ありがとうございます。一日も早い供用開始を願っております。 続きまして、(仮称)若穂スマートインターチェンジに関連しまして、道の駅についてお聞きします。 全国的に、インター隣接型の道の駅の設置が進んでいます。本スマートインターチェンジにおきましても、前向きな検討をお願いできればと思います。 地元が期待しているところに、農産品の需要拡大、観光産業の振興、雇用の創出等々がありますが、一番期待するところで、災害時の避難施設、また、防災拠点の充実が挙げられます。 ハザードマップを確認しますと、若穂地域は地区のほとんどが浸水想定区域か土砂災害警戒区域となり、安心して避難ができる場所がないに等しい状況です。 そこで、国土交通省が道の駅の防災機能を強化する第3ステージの関連施策で、道の駅を大規模災害時などの広域的な復旧・復興活動の拠点とする防災道の駅認定制度を創設するなど、道の駅が地域防災拠点として注目されつつあります。スマートインターチェンジ隣接の防災拠点としての道の駅が、市民の安全・安心のために必要な施設だと考えます。御所見をお聞かせください。 ○副議長(宮崎治夫) 鎌田危機管理防災監     (危機管理防災監 鎌田富夫 登壇) ◎危機管理防災監(鎌田富夫) 道の駅につきましては、安全で快適に道路を利用していただくための道路交通環境の提供や地域のにぎわいの場として、全国に1,180か所、県内に52か所、市内では3か所が登録されております。 道の駅は、制度設立から26年ほどが経過しており、本年からは第3ステージに入り、6年間で様々な事業が計画されております。 また、国土交通省では、これまでも道の駅の防災機能の強化に取り組んでおりまして、市内3か所の道の駅につきましても、道の駅の防災利用に関する基本協定を本年3月4日に、国土交通省関東地方整備局長野国道事務所長、長野県長野建設事務所長及び長野市長の3者の間で締結いたしました。 この協定において、道の駅には大規模災害時の道路状況の提供、住民が避難する際の施設や救援物資の提供、道路啓開時の活動拠点や資機材等の運搬の中継場所の提供などが求められております。 なお、大規模災害が発生した場合には、道の駅は道路利用者の緊急的な避難や国土交通省などの災害応急対応を行う拠点として利用されると同時に、この協定にあるように、近隣にお住まいの方の避難場所としても利用できるものと考えております。 現時点において、道の駅につきましては、全国的に見ると、老朽化への対応を含めた施設管理の継続性や売上げの低迷など、採算性等に課題があることから、今後の設置については慎重に判断している状況でございますが、検討が進み、方向性が決定した際には、国土交通省長野国道事務所とも連携して、道の駅の地域の防災拠点としての利用について研究してまいりたいと思います。 ○副議長(宮崎治夫) 加藤英夫議員 ◆8番(加藤英夫議員) ありがとうございます。 信州中野インターを降りたところに農協が経営している直売所がございます。わざわざ長野市に観光に来て、東京方面へ帰るのに、中野経由で帰られる方も多くいると実は聞いております。 道の駅設置に関しましては、防災拠点というのももちろん大切かと思います。市民の安全のためにお願いしたいところでもありますけれども、観光の拠点というところで見ますと、本当に大切な施設になるかと思いますので、前向きな御検討をお願いできればと思います。 以上で終わりにします。ありがとうございました。 ○副議長(宮崎治夫) 16番鎌倉希旭議員     (16番 鎌倉希旭議員 登壇) ◆16番(鎌倉希旭議員) 16番、改革ながの市民ネット、鎌倉希旭です。 コロナ禍の難局を乗り越えるため、思いを共有して臨んでいきたいと思っております。 本日バッジをつけておりますが、これは、今日質問で取り上げますパルシェという取組についてのバッジでございます。取組については後で御紹介をいたします。前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。 まず、農業振興について。 新型コロナの影響を受けた農家に対する支援について伺います。 今回の新型コロナウイルスの影響は、農業についても例外ではなく、出荷予定の野菜が出荷できず、廃棄を余儀なくされています。 飲食店の食材を提供するのは、農業、漁業等第一次産業に従事する皆さんであり、飲食店や小売店の経営状況は必ず生産者に波及することになります。店舗への新型コロナウイルスに対する支援として、本市においても、事業継続緊急支援金でテナント賃料相当額の補助、県でも、販売促進費、車両費等のグループ補助金により支援がなされています。 ところが、農業に関しては、市の情報は持続化給付金の紹介が中心で、ほかの支援メニューについては農林水産省のホームページの紹介にとどめています。 他方で、県内の他の自治体では、国の予算を活用した多様な支援メニューについて紹介しています。例えば、農協等が窓口になり、感染拡大防止対策を行いつつ、販路回復・開拓や事業継続・転換のための機械・設備の導入や、人手不足解消の取組を総合的に支援する経営継続補助金、高収益作物の生産者に対し種苗等の資材購入、機械レンタルの支援を行う高収益作物次期作支援交付金、農業労働力確保緊急支援事業等があります。この情報を知ったのは、農業女子仲間のLINEの情報交換からでした。 やはり、こうした支援を待っていても、行政からの発信はありませんでした。本市が主導の事業でなくとも、本市で農業に従事する農家さんの要望に応じた情報提供が必要ではないかと考えます。 そこで、本市における新型コロナに起因する農業経営相談の状況と、さきに紹介した国の支援メニューの利用促進のため、いかなる取組をしていらっしゃるか伺います。また、本市独自の農業支援策の検討はされているかについて伺います。     (16番 鎌倉希旭議員 質問席へ移動) ○副議長(宮崎治夫) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 初めに、新型コロナウイルスに起因する農業経営の相談状況につきましては、新型コロナウイルス感染症の発生・拡大時期が本年2月以降と農閑期であったことから、本市生産者の大半は影響はあまり受けておらず、相談事例としては、主にイベントや冠婚葬祭の自粛の影響を受けた花き生産者から農業協同組合に数件あったとの報告を受けており、また、本市へは、国の制度への問合せが数件あったという状況でございました。 次に、新型コロナウイルス対策に関する国の支援メニューの利用促進の取組でございますが、主に省力化機械の導入を支援する経営継続補助金につきましては、市単の農業機械化補助金の順番をお待ちいただいている農業者に対し個別に御案内し、3件の申請に結び付けております。 また、野菜、花き等の次期作に前向きに取り組む生産者を支援する高収益作物次期作支援交付金につきましては、市ホームページに掲載して周知し、本年2月から4月までの間に影響を受けた生産者からの申請を取りまとめ、先月末に国に7件の申請書を提出したところであります。 その他、認定農業者が地域で集まる機会や若手農業者の会合において、持続化給付金を含めて、農業者向けの支援メニューを説明しておりますが、議員の御指摘も踏まえ、農業者が理解しやすい情報発信に努め、営農継続に向けて支援してまいります。 次に、本市独自の農業支援策についてお答えします。 本市の農業生産額の約半分を占める果樹、特にリンゴやブドウは、秋に向けて出荷の最盛期を迎えますが、新型コロナウイルスに伴う新たな生活様式の浸透に伴って、消費行動やし好が変化したり、経済活動の停滞により需要が減少する可能性がございます。そこで、消費需要喚起のために国の臨時交付金を活用し、ノーベンバーフェスタと銘打ちまして、地域収穫祭支援事業の実施を予定しています。 各地域で、収穫祭や直売所は貴重な販路でありますので、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じた上で実施していただけるよう支援するとともに、各所の収穫祭、直売所をスタンプラリー形式でつなぎ、お祭り月間を演出することで、農業者の経済的な影響の軽減を図るものであります。 今後も、JAを初めとする関係者と緊密に連携を取りながら、需要喚起に向けた取組と販売促進活動を実施し、農業者が安心して営農できるよう努めてまいります。 ○副議長(宮崎治夫) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) あまり問合せがなかったということではありますが、少数の農業者の支援であっても取りこぼさないように、よく聴いていただくようにお願いいたします。 次に、農業振興の2点目の質問として、ワイン用ブドウの産地形成事業について伺います。 長野市においても、ワイン用ブドウの生産が伸びています。市内篠ノ井では、個人で酒類醸造免許を取得し、自分で作ったワインをレストラン併設のワイナリーで提供する取組を開始されている方がいます。そして、信更や浅川でも生産拡大が進み、企業体が関わって自家醸造の夢を持って取り組んでいます。 以前、一般質問で、構造改革特別区域法に基づく酒類醸造免許の認定について検討すべきであると主張してまいりました。令和元年までの認定で、長野県内では21の特区が認定を受けていますが、長野市は一つもありません。 当時の答弁では、特区による酒類の醸造について、農産物の生産振興、6次産業化、ひいては地域の活性化に寄与することから、希望される地域があれば、地域の皆様及び関係者とよく相談し、真摯に取り組むと答弁されています。産地形成をするには、原料の市内受入先の確保、すなわち市内で醸造できる環境がなければ、このまま外部に出ていくばかりで、地場産の酒類は長野市ではできないことになります。 そこで、醸造特区の認定の検討状況について伺います。 高山村はワイン用ブドウの産地形成で成功しています。村でもワイン用ブドウの栽培を支援し、ワインブドウの研究会と本市の建設会社が設立した農業生産法人と村の3者で栽培協力協定を結び、村内の荒廃農地を整備した8.5ヘクタールのほ場で、栽培方法の研究や新規参入者に対する研修を行えるようにしました。 醸造に必要な原料の確保は見えないところで広域連携が推進され、成功しています。長野地域スクラムビジョンでは、高山村もメンバーに入っています。本市だけではなく、先行した知見をいただきながら、例えばスクラムビジョンで千曲川ワインバレー構想等事業に組み込み、ワイナリーの建設も含め、共同して取り組んでいく可能性について所見を伺います。 ○副議長(宮崎治夫) 西澤農林部長     (農林部長 西澤雅樹 登壇) ◎農林部長(西澤雅樹) 初めに、本市におけるワイン用ブドウの生産状況につきましては、平成27年度にワイン用ブドウの苗や棚の購入などに要する経費を助成するワイン用ぶどう産地形成事業を創設し、当初は信更地区をモデル地区として2年間、さらに、平成29年度からは全ての中山間地域に拡大して、ワイン用ブドウの生産者を支援してまいりました。 この結果、事業開始前には5ヘクタールであった中山間地域のワイン用ブドウの栽培面積は12ヘクタールまで拡大し、モデル地区とした信更地区の有志で設立した株式会社キラリ信更は、自ら栽培したブドウを使って、昨年初めてワインを委託醸造し、一般販売までこぎ着けるなどの成果が出始めています。 議員お尋ねの構造特区認定に向けた検討状況ですが、現在、ワイナリー建設に向けて、長野県の信州6次産業化推進協議会と本市とで具体的に相談している案件が1件ございますが、通常の酒類製造免許の取得を前提としているため、最低製造数量基準を引き下げるための特区の検討に至っていない状況にあります。 将来的には、ワイナリー建設を志向する新規就農の若手生産者は他にもおりますが、現在、まずはブドウの品質を高めるとともに、安定的な生産ができるよう栽培に取り組んでいるところですので、市といたしましては、昨年3月に発足させました長野市ワインぶどう研究会での研修会を通じて栽培技術の向上を支援してまいります。 そのような中で、特区の活用が必要なワイナリーの建設計画が具現化していく段階になった暁には、特区の認定申請を行ってまいりたいと考えています。 次に、長野地域スクラムビジョンで千曲川ワインバレー構想に取り組んでいく可能性についてお答えします。 千曲川ワインバレーは、平成25年に県が策定した信州ワインバレー構想において、県内に4つ設定したバレーの1つでございます。 信州ワインバレー構想では、NAGANO WINEのブランド化を目指して、ブドウ栽培の推進やワイン醸造の支援などを行うワイン産地の形成、また、NAGANO WINEの認知度向上や消費拡大などを行うプロモーション、さらに、長野県原産地呼称管理制度の普及を図る価値の向上を3本柱としています。 このうち長野地域スクラムビジョンでは、プロモーションに共同して取り組むことで連携の効果が発揮されると期待できますので、スクラムビジョンの圏域全体の経済成長のための合同プロモーション事業、地域農産物販路拡大事業、農業イベント関連事業において、本市を含め、連携自治体のワインをPRしていきたいと考えています。 また、御紹介の高山村の取組事例につきましては、よく調査・研究させていただきまして、今後の事業を進める上での参考としてまいります。 ○副議長(宮崎治夫) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 千曲川ワインバレー構想の事業というのは、ワイン産地の形成ということでさっき答弁いただきましたけれども、産地形成ということはワイン用ブドウを育てるということで、なぜワイン用ブドウなのかといえば、やっぱり長野市で作った自分のブドウをワインにしたいという気持ちでまず作っていると思うんですね。全然醸造の場所がないという現状の下で、ワイン産地の形成なんてできるんでしょうか。 あと、これ、モデル地区というのが、地域の生き残りをかけてやっぱり挑んでいるという、そういう側面があると思うんですね。 そこで、市長に伺いますけれども、信更のワインを試飲されたそうですが、お味はいかがだったでしょうか。 あと、醸造の夢というところで、市長がやるぞと言ってくれたらできるかもしれないので、是非、ちょっとその意気込みをお聞かせください。 ○副議長(宮崎治夫) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 信更のブドウは、本当に信更の皆さんが心を込めて作っていただきまして、自分で醸造できないので、中野市の業者にやっていただいたと。非常においしいワインができたというふうに思いますが、やはり最終的には、自分でワイナリーを持たないと、なかなか採算に合わないということもございますし、やはり今おっしゃったように、自分で作ったブドウでワインを作るということが一番大切だと思います。やっぱり、まずは皆さんの心意気が大事だというふうに思います。それに沿って、私どもも支援していきたいと思います。 ○副議長(宮崎治夫) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 醸造のハードルが低くなればなるほど、やはり醸造に挑むという心構えもできるという側面があると思いますので、緩和ということからまず考えてみて、もっとハードルを下げていくような、そんな取組になったらいいかなというふうに思います。 次の質問に移ります。 次に、アフターコロナ時代を見据えた、これからの新しいPR手法について伺います。 現在、新型コロナ禍で、長野市への観光誘客や特産品の販促活動、イベントやスポーツ観戦等、本来できた誘客活動ができない状況にあります。 本市をホームタウンとするAC長野パルセイロは、パルシェという取組を本年7月に開始しました。これは、パルセイロのマルシェという略称で、長野市開発公社とAC長野パルセイロで、地域のパートナーの皆さんと共に歩み、長野の魅力を全国に発信していきたいという思いから、ホームタウン周辺の農家と連携し、長野県産農作物の産直販売を開始しました。 ながのを贈ろうというキャッチフレーズの下、千曲川リバーフロントのスタッフが自前でドローンを飛ばしてPR動画を作成したりと奔走されています。この取組は、非接触で長野市のPRができます。応援するチームの事業として、農産物をサポーターが購入し、その人がまたお友達に贈ることで広がりを見せ、試合以外で機運を高め、きずなを深めています。 こうした地道な活動が多くの人を巻き込み、ひいては、パルセイロのチームの成長にもつながるものと考えます。別の事業を行うことで収益を上げ、応援してもらうという意味で、スキームとしてはふるさと納税と近いものがあり、大変参考になる事例だと思います。 そこで、こういった事例を参考に、新しい生活様式下においても本市に興味を持ってもらうための魅力発信を行うことは、関係人口の増加にもプラスになると考えます。本市の特徴的な取組について見解を伺います。 ○副議長(宮崎治夫) 酒井企画政策部長     (企画政策部長 酒井 崇 登壇) ◎企画政策部長(酒井崇) 本市の魅力発信の特徴的な取組として、まず、ふるさと納税を活用した関係人口の拡大を図る取組がございます。 そば打ちなどの体験や市内への宿泊と周遊観光など、実際に本市を訪れていただく内容を市の返礼品として御用意しており、現在は、アフターコロナに向けて、新たな体験企画の追加など検討を進めているところであります。 商工観光部では、新たな魅力発信の手法として、若者をターゲットに、SNS等を活用して本市の魅力を動画で発信するデジタルプロモーション事業に取り組んでおり、現在、若者に訴求する観光コンテンツの掘り起こしと、人気ユーチューバー等を活用した動画制作について内容を検討しているところであります。 また、長期戦略2040のブランディング分野のプロジェクトとして、戦略マネジャーを中心に都市ブランディングやシティプロモーションの充実の検討を進めております。 都市ブランディングは、市の魅力や価値を明確化し、市民とのコミュニケーションによりそれらを育て強化することで、都市としての存在感を高め、観光誘客を初め、地元への若者定着、移住・定住の促進などにつなげていこうとするものでございます。 特にコロナ禍におけるシティプロモーションでは、インターネットやSNSを活用して、市の発信内容をいかに効果的に伝えられるかが重要であり、現在、ワーキンググループにおいて動画や写真など既存コンテンツを再編し、発信内容を統一的にコントロールできる仕組みなどについて検討しているところでございます。 新しい生活様式の中においても本市が選ばれる都市になるため、創意工夫による様々な取組を進め、魅力の向上・発信に努めてまいります。 ○副議長(宮崎治夫) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 先ほど紹介したパルシェという取組についてなんですけれども、こういったプロモーションの方法というのは、民間がやっていることだというふうに、もちろん、それで行政がどうのという話じゃないかもしれないですけれども、こうした手法というものは、是非行政の方でも、お金を出してでも協力して連動してやっていただくことによって、官民協働といいますか、かなりそういうことで成果を上げられるような可能性があると思うんですね。 是非、こういうパルシェのような取組に対する支援、民間の支援についても御検討をお願いしたいんですが、もう一度見解伺います。 ○副議長(宮崎治夫) 酒井企画政策部長     (企画政策部長 酒井 崇 登壇) ◎企画政策部長(酒井崇) 確かに民間がやる事業について、自発的にやっていただくことに対して、市としても協力していくことは非常に大事だと思っておりますし、今回のパルシェの取組というのは非常に重要なものだと思っておりますので、今後、連携を研究してまいりたいと思います。 ○副議長(宮崎治夫) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 是非前向きな連携を期待しております。 次に、観光分野の質問に移ります。 新型コロナウイルス感染拡大により、来年予定されていた善光寺御開帳までも令和4年に延期になりました。松代荘のリニューアルオープンは、令和3年の善光寺御開帳に合わせて予定していました。この想定外の状況で、当初の収支計画は当然下回ることが明らかであります。 そこで、新型コロナの影響による状況の変化を加味した上で、事業計画等の修正は必要ではないのか、見解を伺います。 そして、予定どおりのオープンとしまして、経済効果を期待する善光寺御開帳本番までの期間、どのように収益を確保していくのか、対策について伺います。 ○副議長(宮崎治夫) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) 新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、観光産業が大変大きな打撃を受けておりますけれども、松代荘におきましても、施設の休館・休止、それから観光客の激減などに伴いまして、事業収支に大きな影響を受けています。そのため、議員御指摘のとおり、リニューアル後の宿泊者数や日帰り入浴客数、宴会利用者数など、当初の目標値や収入見込みなどの下方修正はやむを得ないものと考えております。 なお、修正幅等につきましては、コロナ感染症の終息がいまだ不透明な状況にあり、大変難しいところではございますが、本年度の収支状況を基に、国のGoToトラベルキャンペーンの動向などを注視しながら、今後検討してまいります。 現在、松代荘は、新しい生活様式に対応した新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の徹底を図りまして営業しておりますが、施設の休業要請のあった4月からは、日替弁当のテークアウト、デリバリー事業を新たに開始し、8月末現在で1万5,000食余りを提供するなど、収益の確保に努めてきたところでございます。 また、国のGoToトラベルキャンペーンを利用し、8月末現在で約230名ほど、加えて、長野県の県民支えあい事業の宿泊割引クーポンを利用しまして、150名ほどのお客様に宿泊をいただくなど、国、県の支援事業を活用しての誘客にも積極的に取り組んでいるところでございます。 松代荘のリニューアル後の誘客戦略といたしましては、滞在環境の向上と和モダンを基調とする魅力的な安らぎの空間を提供すること、また、職員の接遇研修によりまして、今まで以上に質の高いおもてなしを提供するとともに、料理プランの見直しによりまして、利用者の増加につなげてまいります。 加えて、ホームページのリニューアルによるPRやインターネットからの宿泊予約を促すとともに、比較的利用客の少ない平日の稼働率の向上や、長野県民や近県の利用者を対象とした旅行商品の開発、ツアーの造成にも取り組んでおります。 新型コロナウイルスの影響がいつまで続き、観光客数の回復がいつ頃になるのか、先行きは不透明ではございますけれども、指定管理者である長野市開発公社と共に知恵を絞り、工夫をしながら、善光寺御開帳が1年先送りとなりました令和3年度につきましても収益の確保に努めてまいります。 ○副議長(宮崎治夫) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) こうしたコロナ禍においても、日替弁当等の取組でかなり、他のことで収益を上げていらっしゃるということで大変感謝申し上げます。引き続きよろしくお願いします。 善光寺御開帳に合わせ、私はかねてから、戸隠、善光寺、川中島、松代の南北をつなぐ一体型観光ルートの形成について提案してまいりました。さきの部長答弁において、ながの観光コンベンションビューローや戸隠、松代の各観光協会と連携し、善光寺御開帳、戸隠神社式年大祭を核とした市内観光ルートの構築を検討していただいたり、長野市博物館が善光寺、戸隠、松代にちなむ企画展を、真田宝物館では松代藩主に焦点を当てた企画展を御開帳期間中に計画していただきました。さらに、バス事業者と連携し、善光寺、戸隠、川中島古戦場や松代を周遊する定期観光バスのコースや、路線バスを活用したフリー切符の商品化を検討されています。大変期待していたところであり、善光寺御開帳が延期になっても、この取組については続けていただきたいですし、可能であると考えています。 しかし、核とする行事について、戸隠神社式年大祭についても挙げていただいていましたが、戸隠神社式年大祭については、予定どおり令和3年の開催が予定されています。本来では一緒にという思いもありながら、コロナのせいで決断の異なる行事も出てきています。 こうしたコロナ禍においても頑張っている行事について、引き続き地元と連携したPR等、取り残されることがないよう支援をお願いしたいと強く願うところであります。予定どおりの市内行事への具体的支援の状況について伺います。 また、善光寺御開帳延期により、令和4年度は諏訪の御柱祭など大きなイベントが同時期に重なり、県内観光客の分散することがほぼ確実でありますが、何か対策を検討されているかについても伺います。 ○副議長(宮崎治夫) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) 善光寺御開帳に合わせました戸隠、善光寺、川中島、松代の南北をつなぐ観光ルートの一体型PRにつきましては、御開帳は令和4年に延期となりましたけれども、来年予定どおり開催されます戸隠神社式年大祭時におきましても、各地を周遊する定期観光バスの運行などを検討しておりまして、各観光協会と連携し、各地の観光コンテンツをつなげ、周遊を促進することで、市内滞在時間の延長を図ってまいりたいというふうに考えております。 このコロナ禍におきまして、各種行事の大多数が中止又は延期となっていることは、残念ながら、地域のにぎわいや伝統・文化の継承にも少なからず影響を及ぼすものと考えております。そのような中で、戸隠神社式年大祭につきましては、予定どおり来年度開催されるわけでございますが、本来同時に開催される善光寺御開帳が延期となったことによりまして、誘客面での相乗効果が期待できないため、従来以上に戸隠神社式年大祭の積極的な誘客プロモーションが必要であると考えておりまして、市民を含めより多くの方々にその魅力を知っていただくため、長野駅前でのPRイベントの実施や、戸隠神社式年大祭時に宿泊いただく旅行商品の造成を旅行会社に提案してまいりたいというふうに考えております。 また、戸隠神社式年大祭以外につきましても、地域の中には、予定していた行事に代えまして、新たに別の企画を検討している地域もございます。今後とも、そういった地域と連携いたしまして、このコロナ禍における感染防止対策を徹底した新たな行事スタイルを模索しながら、地域の活気を取り戻せるよう、PRを含め支援をしてまいります。 また、善光寺御開帳が令和4年度に延期されたことによりまして、諏訪大社最大行事でございます御柱祭と、くしくも時期が重なるということになりますが、前向きに捉えますと、本市を含め、県内への誘客を集中的に行える大きなチャンスではないかというふうに考えております。 前回のそれぞれの入込客数につきましては、善光寺御開帳が約707万人、諏訪の御柱祭は約157万人でございますので、双方の入込客の行き来が実現すれば、お互いに多くの入込客数が期待できるのではないかというふうに考えております。 そのため、諏訪地域等のイベント開催地との連携によりまして、本市を含め各地域を周遊していただけるような魅力ある旅行商品の造成や周遊コース等を構築するなど、令和4年度の御開帳の開催に向けまして、積極的な誘客活動に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
    ○副議長(宮崎治夫) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 善光寺御開帳が延期になって、結局、御柱祭があるからということで、お客さんが取られてしまうというような不安から、この戸隠の決断に至ったというような経緯もあるようですので、是非、部長から力強い答弁いただきましたので、しっかりと取り組んでいただくよう、よろしくお願いします。 最後に、中心市街地における中高層ビル建築に関する問題について伺います。 本市中心市街地ではマンション建設が進んでいます。第一庁舎から見ても、大きなマンションがたくさんできていますが、住民が増える一方で、中高層建築物の建設による地域への影響が懸念されています。 長野市役所も、昭和62年の第二庁舎の建設、さらに平成27年の第一庁舎の建設により、テレビの電波障害が発生したと聞いています。現在、市営住宅や公共施設等、中高層建築の市有施設がありますが、市有施設建設に起因するテレビの電波障害が発生した場合、市の従来からの対応はどうされていたのか伺います。 また、民間事業者が建築した建物に起因する電波障害の場合の事業者への本市の対処について、現状行っている対応について伺います。 長野市中高層建築物の建築に係る紛争の防止及び調整に関する条例は、紛争の事前防止策について規定されていますが、住民説明会が義務づけられているわけではないことや処分性のない指導のみにとどまっていること、事業者によっても対応の差が出ることにより、紛争が深刻化されるおそれがあります。今後起き得る問題について、本条例や規則の中で、もう少し踏み込んだ対抗手段が必要ではないかと思います。地域住民の不安解消に向け、追加的な指針を設ける予定があるか、見解を伺います。 ○副議長(宮崎治夫) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 最初に、市有施設の電波障害の対応についてお答えします。 まず、中高層の市有施設を整備する際は、事前に調査を行い、テレビの電波障害の発生するおそれのある場合には、テレビ共聴施設の設置やケーブルテレビの加入等により対応しております。 なお、現在は、地上テレビ放送のデジタル化に伴い、受信障害が解消されたことから、不要となったテレビ共聴施設を撤去した事例もございます。 次に、民間事業者への本市の対処として、現状行っている対応についてお答えします。 民間事業者に対しては、長野市中高層建築物の建築に係る紛争の防止及び調整に関する条例に基づき、近隣住民などに対する建築計画の事前説明事項の一つとして、テレビ放送の受信障害対策の説明を求めております。事業者は、障害が発生する場合、事業者が対処すると説明しており、条例制定以降、電波障害に係る紛争について、近隣住民などから市への相談等は受けておりません。 次に、中高層建築物の建築に係る紛争の防止及び調整に関する条例に係る、まず3つの御指摘にお答えします。 この条例は、中高層建築物の建築に関し、建築計画の事前公開及び紛争の調整について必要な事項を定めることにより、紛争の防止並びに良好な近隣関係の形成及び保持に資することを目的として、平成21年に施行したものでございます。 1つ目の御指摘の住民説明会が義務づけられているわけではないことにつきましては、説明方法を説明会に限定せず、近隣住民など全員に説明すべきとの観点から、戸別訪問や回覧など、状況に応じた適切な方法を事業者が選択できることとしております。 なお、近隣住民などから説明会の開催を求められた場合は、事業者は応じなければならないことも条例に定めております。 2つ目の御指摘、処分性のない指導のみにとどまっていることにつきましては、本条例は飽くまで中高層建築物の建築計画の事前公開及び紛争の調整について必要な事項を定めたものであり、事業者及び近隣住民などの間で話し合われた事項について、行政が積極的に介入することは適当でないと考えております。 3つ目の御指摘の事業者によって対応の差が出ることにより紛争が深刻化することにつきましては、事業者と近隣住民などの間で紛争の自主的な解決に至らなかった場合として、市長があっせんを行うことを条例で定めております。市長は、紛争が公正に解決されるよう努めるものとしている他、法的な問題を調整するために、市が委嘱した弁護士による助言ができることについても定められており、事業者による対応の差があった場合でも、紛争が深刻化しないよう対処しているところでございます。 最後の議員御質問の、もう少し踏み込んだ追加的な指針を設ける予定があるかにつきましては、建築基準法などの建築に係る法令に適合した建築計画に対しては、条例等に指針を設け、見直しなどを求めていくことは困難であることから、本条例に指針を設ける予定はございませんので、御理解をお願いいたします。 ○副議長(宮崎治夫) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 次の質問をしてから、ちょっと再質問させていただきます。 旧イトーヨーカドーの減築工事が始まっています。事業者は対策を講じ、住民説明会を開くなど、こまめな対応をしていると聞いていますが、工事の騒音の影響が地域に出てきています。今回、通常の解体から新設ではなく、減築工事のため、通常よりも日数を要する工事となります。工事の長期化により、今は仕方ないと我慢している住民に精神的苦痛が増大するものと考えます。 工事における騒音対策について、住民から苦情や不安の声が上がった場合の市の対応について伺います。 今後の減築後の長電権堂ビルには、生鮮食品を取り扱うテナントが入居する可能性があり、屋上には立体駐車場が建設されます。現在、長野大通りにはバス乗り場、タクシーの待機場所があり、仮に商業施設が入り、立体駐車場を利用する場合に、現在、バス、タクシーが待機している1車線に車が並ぶことになるでしょう。そこで渋滞を引き起こすことが予想されています。 動線は、現状では長野大通り側から入ることしかできません。そこで、長野大通りで予測される渋滞対策の検討状況について伺います。 ○副議長(宮崎治夫) 宮尾環境部長     (環境部長 宮尾正彦 登壇) ◎環境部長(宮尾正彦) 工事における騒音対策についてお答えいたします。 解体工事など建設機械の使用を伴う作業については、騒音規制法及び長野市公害防止条例で、特に騒音の発生が著しい特定建設作業を定め、当該工事の作業の期間と時間、使用する建設機械や騒音防止の方法などについて届出を義務づけております。 特定建設作業実施届の受付時には、規制基準として定められております騒音の大きさや作業の禁止日や禁止時間に違反していないか、騒音防止策が取られているかなどについて確認しているところです。 御質問の旧イトーヨーカドーの減築工事につきましては、既に届出書を受け付けており、内容について確認をしております。 工事期間中、騒音について地域の住民の皆様から苦情などがあった場合につきましては、環境部において騒音測定を実施するとともに、原因などを確認し、必要に応じて、届出者に対し、騒音抑制に向けての指導や法令に基づく対応を行ってまいります。 ○副議長(宮崎治夫) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 私からは、旧イトーヨーカドーの減築後の渋滞対策についてお答えします。 当該施設は、本市の中心市街地活性化に向けて重要な役割を担う施設ですが、現時点において、減築後の駐車場の配置など詳細な計画が示されておらず、道路管理者として具体的な対策を検討できない状況でございます。 今後、事業者側から配置計画が提示され、新しい商業施設の利用形態が明らかになり、周辺の交通環境に影響が出ることが予想される場合には、関連法令等に基づき、交通管理者とも連携して、必要な意見を事業者側に申し上げていきたいと考えております。 ○副議長(宮崎治夫) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) もう既に、動線があそこからしかないというのは明らかな状態で、計画は確かにまだ進んではいないですけれども、容易に予想されるような事態ですよね。 騒音に関しても、もう苦情が地域の方からも出ています。容易に起き得ることが想像できる都市型の問題に対する想像力をもっと働かせていただきたいというふうに思います。 その点に関して、もう少し踏み込んで、もう一度ちょっと伺いたいんですけれども、建設部長、お願いします。 ○副議長(宮崎治夫) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) もっと将来性を鑑みて考えろという御指摘ですけれども、現時点では、答弁したとおり、事業者側から配置計画が示されていない状況でございます。そうした中では、議員御指摘の、長野大通りから入ってくるということが明白になっていることの中で、もうちょっと先んじて考えるべきだということですけれども、我々としてはやはり、利用形態が明らかにならなければ、周辺の交通環境に影響するということも分かりませんので、その辺はこれから状況を注視してまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。 ○副議長(宮崎治夫) 鎌倉希旭議員 ◆16番(鎌倉希旭議員) 地域の皆さんにより良いまちづくりとなるように御配慮をお願いして、質問を終わりにいたします。 ○副議長(宮崎治夫) 1番小林史子議員     (1番 小林史子議員 登壇) ◆1番(小林史子議員) 1番小林史子です。 まず、障害のある人への災害時支援についてお聞きします。 昨年の令和元年東日本台風災害で被災された方から、障害のある家族がいるため、避難所の利用は無理だと思った、福祉避難所の存在を知らなかった、というお話を伺いました。市のホームページには、福祉避難所は一般の避難所への避難者の状況により開設する二次的な避難所であり、最初から福祉避難所を利用することはできません、とあります。しかし、一般の避難所をまず利用しなければならないとなると、障害特性のため避難所の利用が難しい方は、福祉避難所につながることができません。 実効性のある生きた防災体制を整備するためには、当事者に参画してもらうことが欠かせません。障害のある方や御家族、障害のある方が日頃利用している事業所と行政が情報を共有して、災害への備えを考えておくことはとても重要です。いざ災害が起きたときには、障害のある方や御家族が、周囲への遠慮から援助を求めることをためらい、困っている状況が周りに見えにくくなってしまうことが多いからです。 福祉避難所に関することだけでなく、災害が起きたときに困ること、心配なこと、必要な支援などについて、昨年の東日本台風による災害の後に、障害のある方や御家族、福祉事業所へのヒアリングやアンケート調査など行われたのでしょうか、伺います。 また、今年7月に出された令和元年東日本台風災害対応検証報告書の福祉避難所の項には、福祉関係団体や民間福祉施設との協定を締結するなどの検討を進めるとありますが、進捗状況を教えてください。 もう一つ、障害のある子供の中には、知らない場所に行くことが難しい子たちがいます。そんな子供たちのために、ふだん通っている特別支援学校を一時避難場所として開放してもらえたら助かるという保護者の声があります。市として、県と協議をしていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。     (1番 小林史子議員 質問席へ移動) ○副議長(宮崎治夫) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) ただ今、3点御質問を頂きました。 初めに、災害後にヒアリングやアンケート調査などが行われたかということについてお答えします。 障害者や障害福祉サービス事業所、相談支援事業所などの代表者から構成されます市民参画組織の長野市障害ふくしネットや長野市視覚障害者福祉協会及び長野市聴覚障害者協会などの障害者団体の皆様と、昨年から今年にかけまして、ヒアリング、意見交換を行う中で、この度の災害時の対応に係る様々な御意見、御要望を頂いております。 例えば、避難所へ長くいることも難しく、一定期間、車の中で過ごした、人が大勢いる場所に行けないため、避難所に行くことができなくて困った、などの御意見が出されました。 また、聴覚障害のある避難者の方が、避難所の開設当初は手話通訳のできるスタッフが見当たらず、十分な情報を得ることができなくて困ったことや、バリアフリーに配慮した指定避難所の整備など、環境改善などに関する要望も頂いております。 現在、保健福祉部が中心となりまして、出されました意見を踏まえて、検証報告書の改善策の方向に沿って、障害の特性に応じた災害時の支援の在り方について、関係部局と連携して、今検討を進めているところでございます。 次に、民間福祉施設との協定締結に係る進捗状況についてお答え申し上げます。 現在、本市におきましては、58施設を福祉避難所に指定しておりますが、そのうち11施設は民間福祉施設となっております。令和元年東日本台風災害時には、福祉避難所として、北部保健センターで46日間、民間福祉施設で12日間、延べ58日間開設いたしました。 この度の災害によりまして、本市では初めて福祉避難所を開設・運営いたしましたが、要配慮者の生活の場としての環境を整えるだけではなく、要配慮者の特性に応じた専門スタッフや生活用具の確保が重要であることを再認識いたしました。このことから、障害特性を理解している専門スタッフや、生活の場としての環境が整っている民間福祉施設、また、旅館、ホテルなどを活用することも有効であると考えております。 今後、本市といたしましては、被害が広範囲に及ぶ大地震なども想定し、民間福祉施設との協定締結の拡大について検討しているところでございます。 なお、議員から御提案のありました、特別支援学校を一時的な避難所とすることにつきましては、現在、既に長野盲学校と長野ろう学校の2か所を福祉避難所として指定しておりますが、今後、その他の特別支援学校も開放していただけるかどうか、関係機関と協議をしてまいります。 ○副議長(宮崎治夫) 小林史子議員 ◆1番(小林史子議員) あと一つ申し上げておきたいのは、今までお話ししてきたことは福祉政策課だけの問題ではないということです。災害時には、全ての職員が被災した方を支えることになります。職員全体できちんと共有していただきたいと思いますが、市長にお考えを伺います。 ○副議長(宮崎治夫) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 昨年の未曽有の災害を経験いたしまして、避難の呼び掛け、避難所の開設、救助活動、災害廃棄物の処理、被災した方への支援、復旧・復興へ、正に全職員が一丸となって取り組まなければならないことを痛感いたしました。 障害のある方への災害時の支援につきましても、全職員が同じ意識を持ち、関係部局中心に協力して取り組んでまいりました。 障害のある方など避難行動要支援者や避難所における要配慮者への支援につきましては、検証報告書に基づき、マニュアルや手順の見直しを私から指示してありますので、今後も情報等を全職員で共有し、災害時の支援に取り組んでまいりたいと思います。 ○副議長(宮崎治夫) 小林史子議員 ◆1番(小林史子議員) ありがとうございます。是非そのようにお願いいたします。 次に、休校による学習定着度への影響についてお聞きします。 8月20日、県教育委員会から、7月末時点での県内の公立小・中学校の学習進度が発表されました。臨時休校がなく、従来どおりに登校できていた場合を100パーセントとして、5月末時点で、小・中ともに県平均約32パーセント、6月末では60パーセント台前半、7月末時点では約82パーセントに改善しており、順調に授業が進めば、年内には学習進度の遅れを取り戻せる見通しということです。 長野市においても、7月末時点で、小学校は平均82.8パーセント、中学校は平均80パーセントの学習進度という結果が出ています。 私がこの数値を見て率直に感じるのは、学習進度が速いなということです。学校現場では、夏休みの短縮、学校行事の中止、1日当たりの授業時間を増やす、自学自習を進めるなど様々な工夫で、何とか不足しているこま数や遅れている学習進度を取り戻す努力がなされています。それにより学習進度は取り戻せるとして、一方で、相当な負担が子供たちや先生方、そして家庭に掛かっていることが想像できます。 学校においては、新型コロナウイルス感染症による休校の以前にも、授業についていかれず困っている子供たちがいました。いつものペースでも分からない子がいるのに、進め方が速くなったら分からない子がもっと増え、今までも分からなかった子は更に困ることになっているのではないでしょうか。 6月議会で教育長は、自学自習を学校での授業と家庭での学習等に効果的に組み合わせるとおっしゃいました。先生方は、提出物や授業の中で、この子は分かっていないなと感じることがあると思います。でも、いつもより授業を速く進めなければならない状況や忙しさの中で、子供たちのサインをキャッチしても、どうすることもできなかったり、あるいは、キャッチすること自体が難しくなっているということもあると思います。 自学自習といっても、家で1人で学習をこなせる子ばかりではありません。宿題や課題が増えたことでストレスを感じている子も多くいます。家庭の協力を、と言われても、貧困家庭が増える中、学校でやるべきことを家に持ち込まれても、できない家庭が多いのは想像に難くありません。また、保護者が家で頑張ろうとして親子関係が悪くなってしまい、子供にとって家が安心できる場でなくなってしまうことも起きています。 これらについて、どのようにお考えか、お聞かせください。 また、6月議会で教育長は、本年度の学習時間の確保、保障はできる、ともおっしゃっていました。しかし、教育課程でやるべきことが身に付かないまま過ぎていってしまう子が、今まで以上にたくさん出てしまうと思います。 学習内容の定着については、どのようにお考えか、お聞かせください。そして、これらについて、手厚く長期的な対応を早急に始める必要があると思いますが、併せてお考えをお聞かせください。 ○副議長(宮崎治夫) 近藤教育長     (教育長 近藤 守 登壇) ◎教育長(近藤守) 多くの保護者の方が不安に感じていらっしゃる、いわゆる学習の進度につきましては、私も承知しております。 今般の新型コロナウイルス感染症の対応については、臨時休業中も学校再開後も、子供の心のケア、学びの保障、そして感染拡大防止の3つを柱として、具体的な取組を進めるよう各校に指示してまいりました。 各校ではこれまで、感染症から子供たちの命と健康を守りながら、臨時休業による影響を回復するための様々な取組を行ってきております。議員がおっしゃるように、学習の進度が改善されてきていることはその一つの表れであり、子供たちの頑張りや先生方の努力に敬意を表するとともに、保護者の皆様のお力添えがあってのことと、心より感謝しているところでございます。 しかしながら、授業時数を確保することや学習進度を計画どおりに戻すことが目的化され、強調されることによって、議員が御指摘されたように、子供たちや保護者の皆様、先生方にそのしわ寄せが及んでしまうおそれがあることは、私自身も当初から心配しておりました。 先ほど述べましたとおり、子供の心のケアを常に心に留め置き、授業を進めることにより、子供たちと教職員とが触れ合う機会を設け、十分につながりをつくることを大切にするよう指示してきているところであります。 元来、学びというものは、子供たち一人一人の願いや問いを出発点とし、その実現や解決に向かう意欲を原動力に展開されていく中で、おのずと生じてくるように、指導の計画を立てるものであります。コロナ禍においても、そうした学びを子供たちに保障するために、一人一人の子供が自分の力で学ぶことを見つけ、自分の力で学びを進めることができる自学自習の力を育むことが肝要と考えるところでございます。 この力は、教師が子供たちに一方的に課題を与え、やみくもに取り組ませることによって育つというものではございません。一人一人の学びに向かう意欲や理解度等の違いに応じた指導や、学びの進捗やつまずきに寄り添った支援をすることによって育まれていくものでございます。 したがって、学校での授業と家庭での学習を効果的に組み合わせるということは、家庭学習を保護者に任そう、託そうとするものではなく、一人一人の子供たちが、家庭学習において、学校での学びの延長として、自らの力で学びを進められるように指導し、また、個々の子供の家庭での学びの状況や環境が異なることを前提に、授業の中で個別に必要な支援を行うという営みを繰り返す中で、子供たちの自学自習の力を育もうとするものでございます。 市教育委員会といたしましては、こうした取組をより確かなものとし、子供たちや保護者の皆様、先生方に過度な負担や不利益が生じないよう、自学自習の力を育んでいく各校の実践事例を紹介し、子供たち一人一人の進度の違いに応じた学びの時間を日課に位置づけるよう助言や支援をしてまいりました。 現在、多くの学校から、自学自習の力を育むための取組の具体や、自ら学びを進める子供たちの様子についての報告が届いてきております。 議員が御心配されるように、学習時間の確保はできたとしても、学習内容の定着については個人差が生じることもございます。 そこで、国の事業を活用して、現時点で延べ295名--これからも増える予定でございますが--の学習指導員や学習指導補助員を任用し、各校の朝のドリルの時間や午後に設定した自学自習の時間等に、個別のサポートによる子供たち一人一人の学習の定着状況に応じたきめ細やかな支援ができるよう努めておるところでございます。 また、市教育委員会では、これまでも子供たち一人一人の学習の定着度を的確に把握し、補充・補完的な指導に生かすために、標準学力検査--NRTでございますが--を実施してまいりました。 先ほども申しましたが、ポストコロナを迎えるに当たっては、ますます個々の定着度を把握することが必要となりますので、今後も引き続きこの検査を実施し、定着度に応じた指導に努めてまいります。 加えて、現在、GIGAスクール構想における1人1台のICT端末の有効活用ができるよう、一人一人の定着度に応じて取り組むことができるAIドリル等の学習ソフトの導入を計画しており、今後は、これらを活用した授業力を向上するための教職員の研修を速やかに行っていく予定でございます。 いずれにいたしましても、子供たちの心のケアを念頭に、その上で、今回の臨時休業等による子供たちの学びの様子や学習の定着度を適切に把握し、一人一人に寄り添った指導や支援を一層充実できるよう、学校の先生方と共に引き続き努めてまいる所存でございます。 ○副議長(宮崎治夫) 小林史子議員 ◆1番(小林史子議員) これからも様々な影響が続くと思われる中、現場に寄り添った支援をお願いいたします。 次に、子育て短期支援事業についてお尋ねします。 今回の補正予算に、市内の民間事業者が新たにショートステイ事業を実施するに当たっての準備経費に対する補助金400万円が計上されています。受入先が増えるということで、本当によかったと思います。 子育て短期支援事業のショートステイについては、現在5つの施設が児童の受入れをしています。昨年度は125泊の要望があり、受入れは75泊、受入率は60パーセント、今年度は7月22日までで84泊要望があり、61泊受入れ、受入率は約73パーセントとのことです。利用申込みの理由とその割合を教えてください。 ○副議長(宮崎治夫) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) 令和元年度のショートステイ事業の利用申込みの理由及びその割合につきましては、育児による疲労によるものが約38パーセント、保護者の疾病又は負傷によるものが24パーセント、保護者の入院・手術によるものが約18パーセント、その他が14パーセントなどでありました。 また、今年度につきましては、8月末時点で、育児による疲労によるものが約91パーセント、保護者の疾病又は負傷によるものが約7パーセント、その他が2パーセントといった状況でございます。 ○副議長(宮崎治夫) 小林史子議員 ◆1番(小林史子議員) 昨年で40パーセント、今年度で27パーセントほどの方が、申し込んだけれども受け入れてもらえなかったということですが、その方たちはどうなったのでしょうか。 育児による疲労の方は、支援が必要でSOSが出されているので、どこかにつなぐ必要がある状態だと思います。ショートステイを利用したい方の中には、育児が家族だけではやり切れない状況にある家庭や、近くに助けてくれる人がいない方がいると思います。そういった方をショートステイで受け入れ、丁寧に対応できるのが一番ですが、受入れできなかった場合、話を聞いて対応することが大切で、必ずどこかにつなげられるようにする必要があります。 このようなケースに対して、長野市ではどのように対応をしているのでしょうか、お答えください。 ○副議長(宮崎治夫) 広田こども未来部長     (こども未来部長 広田貴代美 登壇) ◎こども未来部長(広田貴代美) ショートステイ事業につきましては、児童養護施設や乳児院に児童の受入れを委託しております。 しかしながら、児童養護施設等では、措置入所や児童相談所の一時保護による児童の受入れ増加により、ショートステイ事業のための空きが少なく、保護者からの利用希望に添え切れていない状況であることが、本事業の課題となっているところです。 市では、ショートステイ事業の利用希望があった場合には、まず受入希望日を聞き取り、施設へ受入れの可否について確認を行います。希望日の受入れが難しい場合には、次に希望する日などを聞き取り、施設に改めて受入れの可否について確認するなど、利用に向けた調整を行っております。 できる限り希望に添えるよう努めておりますが、兄弟の人数により受入れができない場合や、施設の所在地が利用希望者宅から遠く、送迎が難しい場合など、様々な理由で調整できない場合もございます。そのため、希望日の受入れがかなわない場合には、費用が掛かることを説明した上で、夜間の預かりをしている民間施設を御案内しております。 お尋ねのショートステイの利用につながらなかった方は、日を改めて申込みを行い利用されたり、家族の協力を得たりするなどの形で対応されていらっしゃいますが、育児による疲労が理由の方に対しては、少しでも身体的・精神的な負担の軽減を図るため、相談員が悩み事の話を伺ったり、困ったら無理をせず、子育て支援課まで連絡を頂くようお伝えするなど、利用希望者への支援を行っております。 ○副議長(宮崎治夫) 小林史子議員 ◆1番(小林史子議員) 夜間での預かりをしているベビーホテル等の民間施設は利用料金が高く、市による補助などもないため、利用を諦める人がいると思います。必ずどこかにつなぐことができるよう対応をお願いします。 以上で私の質問を終わります。 ○副議長(宮崎治夫) 午後3時10分まで休憩いたします。   午後2時56分 休憩   午後3時10分 再開 ○議長(小泉栄正) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 5番西脇かおる議員     (5番 西脇かおる議員 登壇) ◆5番(西脇かおる議員) 5番、新友会、西脇かおるでございます。 新型コロナウイルス感染症対策に御尽力いただいております医療従事者の皆様、市長を初め職員の皆様に敬意を表し、心より感謝を申し上げます。 私が初めにお聞きしますのは、PCR検査についてです。 医師会の御協力の下、県内では初めて、県との共同で長野市内2か所にPCR検査センターが設置され、かかりつけ医の判断により検査可能となり、現在1日80検体採取可能とのこと。国の基準の変更により、以前は陽性者の濃厚接触者であっても、発熱等、症状のある場合のみ検査が受けられるという状況から、現在は、濃厚接触者であれば検査を受けることができると伺っております。 また、帰国者・接触者外来以外の医療機関で、唾液を含めたPCR検査や抗原検査の実施も検討いただいているとのこと。感染を疑う要素があれば、すぐ検査可能となるよう御対応いただいており、市民の代表として、大変有り難く心より感謝を申し上げます。 現在、このように、段階的に検査を受ける条件が緩和されていると認識をしております。PCR検査の特性や性質も心得ておりますが、その上でお聞きいたします。 今後、長野市内の病院、例えば市が設立した市民病院などで、希望者への実費によるPCR検査の受入れについて、市のお考えをお聞きいたします。 本市の6月の専決補正予算では、希望する妊婦へのPCR検査費用を全額公費負担分として予算化いただいたところです。もちろん妊婦の不安解消も大事なことですが、例えば、海外出張のための陰性証明が必要な場合の他、企業活動の安全な再開のため、その他、不安を抱く市民も同様に検査を必要とし、安心したい方はいらっしゃるのではないでしょうか。 検査を受けたくても受けられないというお声も聞いております。確かに、無症状感染者が次々に判明すれば医療崩壊の懸念があります。また、PCR検査のデメリットである偽陰性者が無自覚に感染を広げるなどのリスクもあります。しかし、これからしばらくは新型コロナウイルスと共存していかねばならず、妊婦へのPCR検査と同様に、事前によくそのリスクを説明した上で実施すればよいのではと思います。 ただ今申し上げたデメリット以上に、症状がない人を深刻な状態になる前にピックアップでき、かつクラスター化や地域への拡大を防ぐ効果、メリットも大きいと私は考えます。いつでも誰でも何度でもできる検査、ニューヨークや世田谷区モデルのようなことまでは申し上げませんが、有料のPCR検査は、既に東京や大阪では当たり前に実施されております。さらに、県内では松本市立病院が先月から始めており、1回3万円で受検できるとのことです。 検査拡充について、今回の議案として提出されている補正予算で、PCR検査体制拡充事業において、検査数を現在80件から188件検査可能を目標とされているとのことですが、医師により検査が必要と判断がなされた方及び濃厚接触者の検査が最優先であることは言うまでもありませんし、需要と供給のバランスを保つことも大変な労力になると思われますが、検査数に余剰分がある場合は、実費で希望者が検査可能となる将来の見込みはあるのか、お尋ねいたします。     (5番 西脇かおる議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 改めて申し上げて恐縮でありますけれども、新型コロナウイルス感染症の場合、感染して発症する方であっても、検査で陽性となる方が7割程度にとどまってしまうとされておりまして、症状や具体的な感染機会がない方の場合には、検査の時期や検出できる割合などがまだ明らかになっておりません。 また、検体を採取した後の感染までは確認できませんので、検査を受けて、陰性という結果を得ても、今本当に感染していないとまでは言い切れないことになります。 一方、感染者が少ない集団、この集団に対して検査を実施した場合には、検査で陽性という結果になったとしても、実際には感染していないという方が一定程度発生するということが指摘されています。 実際、国が制度化している妊婦の不安解消のためのPCR検査の事業に関する国の資料において、1,000人に1人が感染している集団に対して、現在の精度のPCR検査を実施した場合、検査の結果が陽性になった人のうち6割が、実際には感染していないことになると示されておりまして、検査を希望する妊婦には、こうした検査の限界を十分に説明して、検査の希望を確認するようにとされております。 こうしたことから、症状もなく、また感染リスクもない方を対象とするPCR検査につきましては慎重に対応する必要があると考えておりまして、希望者がその費用を全額負担するとはいっても、現状では、本市がそうした検査の機会を提供することまでは考えてございません。 なお、個々の医療機関がそれぞれのお考えの下、医療サービスの一つとしてPCR検査を実施することはあり得ると思いますが、その場合にも、症状や感染リスクのある方への検査を優先していただくことが必要と考えております。 ○議長(小泉栄正) 西脇かおる議員 ◆5番(西脇かおる議員) 御答弁ありがとうございました。 日々、新型コロナウイルス感染症に関する状況は刻々と変化しております。今後も柔軟に御対応いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 次の質問にいきます。 次に、コロナ禍での医療機関における加療や療養環境にある患者当事者、家族や親族の関わり方としての医療支援についてです。 コロナ禍において、長野市の入院可能な総合病院は、感染防止策として面会禁止となっております。一般病棟に入院されている方は、御自分のスマートフォン等で御家族と連絡を取ることも可能だと思います。病状が重篤な場合は、入院患者自ら連絡を取ることは不可能であり、家族の顔を見ることも声を聞くこともできず、家族との関わりを全て遮断されてしまいます。家族は病院から連絡がない限り、症状を知ることもできず、不安が募るばかりで、家族の精神的ストレスも大変に大きなものです。 このような状況において、手術を受けたことを契機として発症する術後せん妄という症状が出現することがあり、誰にでも起こる可能性がある一過性の精神症状です。その際、家族の面会は病状の回復に大変有意義で、大きな役割となるそうです。コロナ禍でなければ、家族が面会することで、せん妄状態から速やかに回復する可能性、また、免疫力、回復力、治癒力が上がると言われています。 また、末期がん患者が入院されている緩和病棟でも面会制限があり、最期のときを愛する家族、友人に会えず旅立たれた方もいらっしゃいます。 このような状況を、コロナだから仕方がないと済ませてしまって、果たしてよいのでしょうか。まだまだ終息の先行きが見えないコロナ禍においてのリモート面会実現のためのタブレット端末支給、補助や助成といった支援を行政が担うことはできないのでしょうか。タブレット端末等の支援、併せて、患者と御家族のメンタルヘルスやグリーフケアに対する長野市の支援策はどのようにお考えか、御意見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 患者の療養における御家族の支援の重要性について御指摘を頂きました。 それに関して、リモート面会に関する支援でございますけれども、医療機関における現時点の面会の状況について、市内の病院にお聞きをしたところ、御指摘のとおり、原則面会禁止としているところが多いわけですけれども、患者の容体、また御家族の御要望等に基づいて、例外的に面会を許可し、その際、時間の制限、また透明なカーテン越しの面会、そして、御指摘のようなタブレット端末を活用したリモート面会も既に行っているとのことであります。 本市では、6月の専決補正予算において創設をいたしました医療機関感染予防物資等購入支援事業におきまして、こうしたタブレット端末も補助対象としておりますので、導入を計画しております医療機関に対して支援をしてまいりたいと考えております。 次に、患者と御家族に対する支援についてお答えいたします。 患者御自身のメンタルヘルスにつきましては、直接診療に当たられている医療機関において、必要に応じて精神科等と連携しながら対応していただいております。 また、御家族に対しましては、保健所で実施をしておりますこころの相談専用電話や、精神科医による精神保健福祉相談においてお話を伺い、支援しているところであります。 そして、残念ながら大切な御家族を失いました御遺族の方のグリーフケアにつきましては、市の窓口で死亡届の手続をされる際に、こちらからチラシをお渡しをしておりますけれども、そちらにこころの相談専用電話等の御案内もしているところであります。 もし相談が寄せられた場合には、大切な御家族を失った思いに寄り添いつつ、心のケアを行い、御遺族の立ち直りを支援するとともに、専門の医療機関を御紹介するなど対応してございます。 新型コロナウイルス感染症におきましても、こうした取組を通じて、患者、御家族、御遺族の方に対して寄り添った支援をしてまいります。 ○議長(小泉栄正) 西脇かおる議員 ◆5番(西脇かおる議員) 御丁寧な御答弁ありがとうございました。病気になってしまったけれども、長野市に住んでいてよかった、長野市民でよかったなと思っていただきたいです。幸せ実感都市ながので、幸せを実感するということは、そういうことではないのかなと私は思います。今後も、市民の皆さんが幸せを実感し、安心して長野市で暮らせるよう、引き続きよろしくお願いいたします。 次に、(仮称)長野市公契約等基本条例案について質問をさせていただきます。 働き方改革の推進が求められる中、公契約に携わる方々の労働環境向上を促進していくことが、本条例案の一つの大きなポイントになっていると理解しております。特に建設業界においては、若手入職者の減少や技術者の確保など労働力不足が懸念されており、労働環境が整備されることにより、こうした課題の解消につながることを切に願うものであります。 さて、その労働環境を条例で担保していくためには、市独自の賃金下限額を設けるか否かということが課題の一つでありますが、先日傍聴させていただいた公契約条例検討委員会の議論を聞いても、また、昨日の本会議での答弁を聞いても、本市独自の賃金下限額を定めるということは大変難しいことなのだと痛感いたしました。 そういう意味で、賃金額に限って労働環境を捉えるのではなく、労働環境全般の向上を図る方針としたのは一つの大きな判断であったと理解できます。ただ、そうはいっても、賃金というものは、働く方にとっても経営者にとっても非常に大事な問題であると思います。 そこで、昨日の本会議での賃金に関する議論の中で、公共工事設計労務単価について触れられておりましたが、この公共工事設計労務単価とはどのようなものであって、それが労働者に支払われる実際の賃金とどのような関係があるのか、お尋ねいたします。 また、条例検討委員会において検討したにせよ、最終的には市として独自の賃金下限額を条例に定めないと決断したポイントについて、財政部長の考えをお聞きいたします。 ○議長(小泉栄正) 清水財政部長     (財政部長 清水啓太 登壇) ◎財政部長(清水啓太) まず、公共工事設計労務単価と賃金の関係についてお答えいたします。 公共工事設計労務単価につきましては、こちらは国土交通省と農林水産省が労働者の賃金の調査結果を基に設定するものでございまして、公共工事の発注に際し、工事費の積算に使用するものでございます。 この調査は両省、つまり国でございますけれども、発注した1,000万円以上の工事を無作為に一定数抽出しまして、関わる全ての労働者の賃金を対象とするものでございます。内容としましては、基本給、家族手当や通勤手当などの各種手当、ボーナスなどの臨時給与、食事の支給などの実物給与、こういったものを含むものとなっております。 このように設定されました公共工事設計労務単価は、飽くまでも工事費の積算に用いるための一つの単価でございまして、事業者が実際に労働者に支払う賃金額を直接的に縛るものではございません。 次に、本条例に市独自の賃金下限額を定めないと判断したポイントについてお答えいたします。 市独自の賃金下限額を規定することにつきましては、条例検討委員会における御議論などをお聞きしながら、市として検討していく中で、事業者を初め関係者皆様の御理解をいただかなければならない多くの課題があると改めて認識したところでございます。こういった状況の中で、市独自の賃金下限額を定めることは難しいと判断したところでございます。 なお、労働者に支払われる賃金の最低額につきましては法律で決められてございますが、それ以上に賃金の水準をどこに決めるかということにつきましては、やはり経営的な判断や労働環境など個別に勘案した上で、それぞれの労使間で調整される方がよろしいのではないかと私は考えます。 こういったことから、今回、市独自の賃金下限額を条例に定めないと判断したところでございます。 ○議長(小泉栄正) 西脇かおる議員 ◆5番(西脇かおる議員) ありがとうございました。 賃金という労使間の非常にセンシティブな問題に、市行政がどこまで関わるべきかということを改めて考えさせられました。 次に、本条例案骨子では、適正な労働環境の確保の観点から、幾つかの仕組みを設けることが予定されております。 まず、一定額以上の契約の受注者に対して、労働環境報告書の提出を求めるということでありました。また、報告書の項目としては、労働時間などの労働環境全般を想定しているということでありましたが、報告書の作成で事業者の事務負担が増えるのではないかと懸念されます。 そこで、報告書の項目やその記載方法、また提出の方法など、具体的にどのようなものを想定しているのか伺います。 次に、労働環境報告書の提出など、幾つかの新しい制度も含め、条例の内容を事業者や働く方々に広く浸透させることが重要と考えます。公契約条例検討委員会では、ポスターやチラシを作成すると説明されていましたが、具体的にはどのような周知方法をお考えでしょうか。 以上2点について、御答弁をお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 清水財政部長     (財政部長 清水啓太 登壇) ◎財政部長(清水啓太) まず、労働環境報告書につきましてお答えいたします。 労働環境報告書は、この条例の新しい取組として、事業者の皆様に作成をお願いしていくものでございます。 こちらは労働環境に対する事業者の意識の向上を目的の一つとしてございまして、本来であれば、全ての公契約の受注者の皆様と下請業者の皆様に報告書の提出はお願いしていくことが望ましいと私も考えますが、事業者の事務負担等を考慮しまして、予定価格で今回は1億円以上の公共工事と、あと1,000万円以上の業務委託契約を対象とする予定でございます。 御質問の報告いただく項目といたしましては、労働者の労働時間の記録状況や健康管理のための定期健康診断の実施状況、あるいは下請契約に際しまして、社会保険料等、必要な法定福利費の把握状況など20項目程度を想定してございまして、選択式なども取り入れるなど、専門家に作成を依頼しなくてもよいような簡便な様式を現在検討してございます。 なお、賃金に関しましては、労働環境の中でも重要な要素の一つでございますので、その契約に携わる労働者の中で最も低い賃金額等を記載していただくことを想定してございます。 こうして、その状況を市として把握しつつ、報告書を作成する事業者の皆様にも賃金水準を客観的に認識していただきたいと考えてございます。 また、報告書の提出方法につきましては、事務負担の軽減・分散を図るために、元請業者と一次、二次、三次などの下請業者がそれぞれ御自身の事業所の状況について報告書を作成いただいた上で、元請業者を通じて市の方に提出いただきたいと考えているところでございます。 次に、本条例の周知方法についてお答えいたします。 労働環境報告書の提出や労働者からの申出など、新しい制度がより効果的に機能するためには、議員の御指摘のとおり、その内容、手続を事業者や労働者の皆様にしっかりと御理解いただくことが重要なポイントとなります。そのため、本条例が成立した場合には、施行後半年ほどの周知期間を設けまして、その間、あらゆる機会を捉えまして、条例の内容を周知してまいりたいと考えてございます。 具体的な方法としましては、市のホームページや広報紙への掲載、ポスターの掲示やパンフレットの配布の他、新聞への折り込み広告など、1人でも多くの市民の目に触れるよう、様々な媒体の活用を検討してまいります。併せまして、本市の入札参加資格を有する3,300社余りの事業者には直接周知していくほか、市内事業者を中心とした事業者説明会や関係団体等が開催します会議等に出向いて御説明させていただくなどを行ってまいりたいと考えてございます。 いずれにいたしましても、本条例が成立した場合には、様々な媒体による周知と丁寧な説明によりまして、公契約に関わる方々を初め市民の皆様に、本条例の趣旨や取組内容などを十分に御理解いただきますよう鋭意努力してまいります。 ○議長(小泉栄正) 西脇かおる議員 ◆5番(西脇かおる議員) ありがとうございました。 ただ今御答弁いただきましたように、関係者の最小限の労力で、労働環境や二次、三次の下請業者の方々の労働意欲の向上が図れますよう、更に細部をよく御検討いただき、より良い条例案としていただきますよう要望いたします。 最後の質問は、(仮称)長野市太陽光発電設備の設置と地域環境との調和に関する条例についてです。 再生可能エネルギーの一翼を担う太陽光発電施設の設置については、地球温暖化対策の有効な取組であります。再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始された平成24年7月以降、設置件数が増加しているとのこと。 これまで市では、平成27年9月に、太陽光発電の円滑かつ適正な導入が図られることを目的に、長野市太陽光発電施設の設置に関するガイドラインを定め、対応がなされてきました。しかしながら、ガイドラインの規定外である50キロワット未満の案件について説明等がなされないことや、また、ガイドラインで規定する設置が適当ではないエリア、設置に慎重な検討が必要なエリアへの設置が増えてきていることから、(仮称)長野市太陽光発電設備の設置と地域環境との調和に関する条例の制定を目指すとお聞きしております。 この条例は、50キロワット以上から20キロワット以上へと届出対象の拡大、説明会については、事業用地境界から50メートル以内の住民等を対象、その他、説明事項の明確化、隣接住民との協議など、地域住民と設置者のきめ細かなコミュニケーションを促進する内容であり、再生可能エネルギーの更なる活用に資する太陽光発電設備は、事業者・住民双方の十分な理解の上に、条例の名称にあるように、地域環境との調和を図ることが重要であると考えており、その実効性を担保するための条例案を高く評価したいと思います。 私自身も地域から相談を受けておりますが、その中で一番感じていることは、近隣住民が知らないうちに50キロワット未満の施設計画が進み、実行段階になった頃に、事業者側から形骸的に説明会を開催し、設置計画を進める点にあると考えます。 本条例の制定により、こういった課題が解消されるのか、御所見を伺います。 続けて、地滑り防止区域等へ太陽光発電設備を設置する際には、新たに事前協議制度が設けられるとお聞きしました。市民の生命・財産を守る上で配慮すべき地域への設置には慎重な対応が必要と考え、本規定についても評価するとともに、この実効性を高めることが重要と考えます。どのような形で、その実効性を保ち運用していく予定なのか、御所見を伺います。 最後に、太陽光発電設備のほとんどは固定価格買取制度による売電を目的としており、同制度により売電期間の20年間は運用がなされるものと思われますが、その後の撤去等について不安視する市民の方も多くいらっしゃいます。 また、20年という期間は長く、説明会で説明を受けても、近隣又は隣接住民等、住民が語り継ぐことは難しいと考えます。市として、太陽光発電設備の撤去について、どのように事業者に担保させていくのか。 以上3点、環境部長の御所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 宮尾環境部長     (環境部長 宮尾正彦 登壇) ◎環境部長(宮尾正彦) 議員には日頃から、太陽光発電設備の設置に関し、地域住民の皆様からの相談に応じていただいておりますことに、改めて感謝を申し上げます。 最初に、ガイドラインの規定の対象規模に満たない50キロワット未満の太陽光発電設備について、近隣住民が知らないうちに計画が進むことについて、本条例の制定により課題が解消されるのかについてお答えいたします。 本条例案では、届出対象とする太陽光発電設備の事業規模を定格出力20キロワット以上に拡大し、説明会を受ける対象者の範囲についても、従前、隣接住民としていたものを、事業区域の境界から50メートル以内の住民等に拡大する内容としております。 また、太陽光発電設備の工事着手の60日前までに説明会を開催するとともに、説明事項についても明確化を図り、さらに、隣接住民等から意見書が提出された場合には、当該住民との協議を事業者に課す内容としております。その上で、工事着手の30日前までに事業者が説明会の開催結果や住民との協議結果を添えて市に届出し、その内容を確認する仕組みとしております。 それらの手続を事業者に確実に実行していただくために、本条例案には勧告や公表の規定の他、国や県への報告の規定を設け、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、いわゆるFIT法に基づく事業認定とリンクさせることで、条例に違反する場合をFIT法の固定価格買取制度の認定取消しにつなげる仕組みとしております。 これらの手続をきめ細かく条例に規定することにより、隣接住民等にとっては、より早期の段階から事業計画に関して必要かつ十分な説明を受け、事業者と対話する機会が確保されることとなります。 事業者にとりましても、地域とのコミュニケーションを図り、信頼関係を構築し、安定した事業運営がなされることとなり、より地域環境と調和の図られた事業計画につながっていくものと考えております。 次に、新たに設ける事前協議制度について、どのような形でその実効性を保ち、運用していく予定なのかについてお答えいたします。 本条例案で新たに定める事前協議制度については、特に配慮が必要と認められる砂防指定地、地滑り防止区域などにおける太陽光発電設備の設置と、事業区域の面積が3,000平方メートルを超える比較的大規模な太陽光発電設備の設置を対象とし、当該事業者に、工事着手の90日前までに市に事前協議書の提出を求めるものです。 市では事前協議書を関係機関に送付し、意見照会するとともに、状況に応じて現地確認や事業者への追加ヒアリングなどを行い、意見を取りまとめ、市の意見書を当該事業者へ送付いたします。 この事前協議制度は、事業者が説明会の前に市の意見書を通じて、環境に配慮すべき事項を確認するとともに、必要に応じ事業計画を見直す時間を確保することで、隣接住民等に配慮した事業計画としていただくことを目的としております。 また、市からの意見書への対応については、説明会での説明事項として規定しておりますので、説明会において更なる事業計画のブラッシュアップが図られるものと考えております。 事前協議制度の対象となる太陽光発電事業は、事業者に新たな負担をお掛けすることになりますが、議員御指摘のとおり、市民の生命・財産に影響を及ぼす可能性のある地域での設置については慎重な確認が必要でありますので、御理解を求めてまいります。 最後に、市として太陽光発電設備の撤去について、どのように事業者に担保させていくのかについてお答えいたします。 20年間に及ぶ発電事業の終了後、太陽光発電設備が放置、不法投棄されるのではないかといったことを懸念する声が私どもにも届いております。 経済産業省資源エネルギー庁では、固定価格買取制度において、2018年4月から10キロワット以上の太陽光発電設備の認定基準について、発電事業を廃止する際の発電設備の取扱いに関する計画が適切であることとし、同年7月から定期報告において、積立計画と積立ての進捗状況の報告をさせております。しかしながら、積立ての水準や時期は事業者の判断に委ねられていることから、実際に2019年1月末時点では、約8割の事業者が十分な積立てを行っていない状況とのことです。 このような背景の下、資源エネルギー庁の太陽光発電設備の廃棄等費用の確保に関するワーキンググループにおいて検討が進められており、10キロワット以上の太陽光発電設備の廃棄等費用については、原則として、外部機関により積立金を売電収入から源泉徴収して積み立てることとし、2022年7月までにはこの制度を施行することが必要であるとして、昨年12月に中間整理として公表されております。 本条例案では、説明会における説明事項として、発電事業終了時の太陽光発電設備の撤去に係る資金計画を明示することで、事業者には廃棄費用積立てに関する資金計画について、地域に責任を持って説明をしていただき、発電事業終了時まで安定した事業運営をしていただけるように、財務面での取組を求めてまいります。 太陽光発電事業が行われる期間は20年と長期にわたりますが、市といたしましては、将来、地域住民の皆様から撤去・廃棄の問題について問合せがあった場合には、速やかに届出内容を確認するとともに、事業者に対し適切な指導を行ってまいります。 ○議長(小泉栄正) 西脇かおる議員 ◆5番(西脇かおる議員) 御答弁ありがとうございました。 太陽光発電等の自然エネルギーは、本来、環境にも人にも優しいものであるはずです。現状においては、事業者と住民の間に信頼関係があると、あまり言えない状況を私は見てきました。現状は、不安や不信感をお持ちで生活している市民の方が少なくないと感じております。 条例名にもありますが、調和を重んじた条例となりますように最後に要望させていただきます。 最後に、一つ要望させていただきます。 新型コロナウイルス感染症関連事業において、50事業以上、470億円を超える予算計上をしていただき、昨日の本会議でも執行状況をお伺いいたしました。全てにおいて、何事も検証がとても大切なことだと思いますので、引き続きしっかり検証していただき、全般的に今後の施策に生かし、市民の皆さんのより良い生活の力となるように要望し、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(小泉栄正) 32番小林秀子議員     (32番 小林秀子議員 登壇) ◆32番(小林秀子議員) 32番、公明党長野市議員団、小林秀子でございます。 早速質問に移らせていただきます。 小・中学校の在り方について伺います。 市では、特に中山間地の児童数の減少が顕在化していることを受け、平成27年度から小・小連携、小・中連携などを模索するため、連携推進ディレクターを配置、また、翌年には、少子化に対応した子供にとって望ましい教育環境の在り方について審議会に諮問し、平成30年6月に答申が示されました。 また、一方で、市内全ての小・中学校の保護者に対して説明会を開催するなど、きめ細やかな意見の集約に努めようとされております。 ただ、進行具合に差はあるものの、議論が進んでいる学校もあり、教育委員会から具体的な案を示してほしいとの声が出ている地区もあるとのことです。特に中山間地の小規模校は、複式学級による授業も一部で始まり、どうなるのかと不安をお持ちの保護者もいるとのことです。 未来像はいつ頃示されるのか。これまでの経緯を踏まえ、お考えをお伺いいたします。     (32番 小林秀子議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 永井教育次長     (教育次長 永井克昌 登壇) ◎教育次長(永井克昌) 活力ある学校づくり検討委員会から示された答申につきましては、これまで住民自治協議会や地域住民を初め、保護者へ説明し、対話を進めてまいりました。 現在、保護者の中で方向性がまとめられた信更・大岡両地区においては、方向性を住民自治協議会へ報告し、取りまとめに向けての議論が行われているところでございます。 答申の説明会の経緯ですが、まず、どの地区においても、児童・生徒数の推移や答申に沿って各校で取り組んでいる学年担任制や一部教科担任制など、柔軟な校内体制について説明しております。複式編制による授業についても、柔軟な校内体制の一環として、段階的に実施していくことを説明会の中で御説明し、理解を求めてまいりました。 その後、信更・大岡の両地区のように将来像がイメージできるようになってきますと、他地区の学校へ行くとしたら◯◯地区の学校がよい、その場合、通学手段はどうなるのかといった御質問への回答に加えて、スケジュール案等も含めた今後の当該校のシミュレーションをしてほしいといった御要望も頂くようになりました。 シミュレーション作成に当たっては、それまで保護者の皆様から頂いた御意見も踏まえ、答申に照らした学校の将来像のたたき台として複数案お示ししてまいりました。このたたき台を基に、両地区においては保護者の皆様で話合いが深まり、方向性がまとめられ、住民自治協議会への報告に至ったものでございます。 未来像はいつ頃示されるのかとの御質問ですが、この2地区のように、保護者の皆様との対話を重ね、答申に照らす中で、保護者の考えや地区の実情に合わせて将来の学校の在り方をまとめておりますので、他の地区について、一律にいつ頃と申し上げることはできませんが、両地区のようなプロセスを経た上で、それぞれの地区の子供にとって望ましい教育環境像が描かれていくもの考えております。 教育委員会といたしましては、保護者の皆様が、子供にとって望ましい未来像を導き出せるよう、引き続き丁寧に対話を進めてまいります。 ○議長(小泉栄正) 小林秀子議員 ◆32番(小林秀子議員) 様々な学校の教育環境の差によって、子供たちがどんなふうに思いながら勉強しているのかという、子供たち側の思いも大変重要だと思っております。子供たちが不安に思うことがないような対応をよろしくお願いいたします。 将来の人口推計による児童数は、長野市全体でかなり減少する予定でありますが、地域によっては小・中学校ともに15年後の2035年には半減するなど、市内全体での通学区の再編成についても、現実味を見据えた議論が必要な時期と感じております。教育長のお考えを伺います。 ○議長(小泉栄正) 近藤教育長     (教育長 近藤 守 登壇) ◎教育長(近藤守) 答申について、例年4月に行われるPTA総会などの場をおかりして、保護者の皆様への説明を行う予定でありましたが、新型コロナウイルス感染症対策のためPTA総会などが中止されたことに伴い、予定していた27学校区で中止又は延期となってしまいました。特に大規模校では、このコロナ禍において、多くの保護者が集まる機会を失った影響は非常に大きいわけでございます。 御質問のとおり、少子化は中山間地域だけの課題ではございません。自分の地区、自分の学校にとってはまだまだ先のことと捉えている地区の皆様、保護者の皆様には、まず、少子化はどの地区、どの学校においても避けては通れない課題であることを受け止めていただきたいと思っております。 また、通学区については、これまで学校を新設する度に何度も見直されてきたことにより、地区によっては行政区との関係が複雑になり、育成会活動や地域との連携に支障を来しているといった課題もございます。答申では、この点について、地域との連携を進める点からも、通学区と行政区の関係が将来的に少しでも分かりやすくなればとも考えます、と示されております。 これまでも申し上げてきたとおり、答申は単なる統廃合論や規模適正化等の配置計画の類いではなく、少子化を見据え、子供たちの発達段階に応じ、個を尊重し、多様性ある集団で学び合える豊かな教育環境とはどうあるべきかをまとめたものでございます。議員御指摘のとおり、この答申の趣旨を踏まえ、少子化が進展していく本市の学校の在り方を、地域を問わず全市的な視野で考えていかねばならないと考えております。 したがいまして、皆様には個々の地域にとらわれず、長野市全体の課題であることを共有していただき、みんなが集まって笑顔があふれる学校の未来像を描いていただけるよう、まずはそれぞれの地域や学校の児童・生徒数の推計などもお示ししつつ、丁寧にかつ根気よく、対話を進めてまいります。よろしくお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 小林秀子議員 ◆32番(小林秀子議員) 月日というのはあっという間に過ぎてしまいますので、今、教育長がおっしゃったように、全市的な議論をなるべく早く始めることが大事だと思っております。未来の子供たちのために最適な教育環境をしっかりつくっていくための議論をよろしくお願いいたします。 次に、SDGsの推進についてお伺いいたします。 SDGsは、誰一人取り残さない社会を目指し、2015年9月の国連サミットで採択された国際社会共有の持続可能な開発目標です。2030年までに達成すべき17のゴールと、それを細分化した169のターゲットによって構成されています。地球で暮らす全ての人が安心して幸せに暮らせるような環境をつくっていくことが、今、世界の普遍的なテーマとして掲げられています。 現在、日本では、SDGsアクションプラン2020に沿って取組が進められていますが、国連での達成度ランキングによると、北欧の国々が上位を占める一方、日本は、女性の活躍に象徴されるジェンダー平等や気候変動、海や陸の豊かさという環境関連に課題を抱え、先進諸国の中でも低い位置に甘んじています。 本市では、今年4月からSDGs担当の部長などが任命され、SDGsを意識した取組が始まると大いなる期待をしております。 7月からレジ袋が有料化され、身近なプラスチック製品を見直す動きが、企業や民間の市民の間にも徐々に広がっているように感じられます。 本市では、市内全小・中学校3万人余りに、新しい生活様式実現のため、1人1枚のマスクケースを配布する計画とのこと。従来なら安価なプラスチックケースで済むところですが、SDGsを意識すると、どのような取組が求められるのか、お伺いをいたします。 ○議長(小泉栄正) 小林保健所長     (保健所長 小林良清 登壇) ◎保健所長(小林良清) 保健所では、新型コロナウイルス等の感染防止のため、新しい生活様式に取り組んでいただくよう、児童・生徒に感染防止のための注意点などを表示したマスクケースの配布を計画しております。その際、SDGsにも配慮しつつ、所期の目的が達成されますよう、素材や機能等について検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 小林秀子議員 ◆32番(小林秀子議員) せっかく市内小・中学生3万人にお配りするわけでございますので、SDGsの理念、そして環境教育にもなるような、是非そんな素材で作っていただきたいことを要望しておきたいと思います。 自治体は、国の掲げるグローバルな問題と、そこに暮らす地域住民たちの抱えるローカルな問題の両方に関わる存在で、橋渡しとしての責任を持ち、積極的な取組を行うことが求められております。全庁的にSDGsの考えを浸透させるため、職員への研修の状況についてお伺いいたします。 また、政策立案に当たり、女性職員の視点も重要と考えます。女性職員の政策立案への参画を進めるために、どのように取り組まれているのかお伺いいたします。 また、庁内の物品について見直しを図る自治体も見受けられますが、本市ではどのように取り組まれるかお伺いいたします。 ○議長(小泉栄正) 倉島総務部長     (総務部長 倉島 明 登壇) ◎総務部長(倉島明) 初めに、職員へのSDGs研修の状況についてお答えいたします。 今年度からの本格的なSDGsの取組に先立ちまして、理解を深めることを目的に、昨年度はSDGsの基本的な知識を学ぶ研修会を2回開催いたしました。この他、SDGsと地域経済循環と題した管理職セミナーやSDGsと温暖化と題した夜間講座を開催し、合計233人が受講しております。今後も、階層別の研修にSDGsに関連する課目を組み入れるなど、職員のSDGsの理解の更なる浸透に努めてまいりたいと考えてございます。 次に、女性職員の政策立案への参画を進めるための取組についてお答えいたします。 本市の正規職員の採用について、近年の男女比は、一般事務職におきまして、平成30年度には女性の割合が51.5パーセントとなるなど、今後も採用者の約半数を女性が占めるものと予想してございます。 将来の本市の行政運営を考えたとき、女性職員の活躍は重要なポイントでございます。そのため、人事管理、研修、労務管理上の環境整備を積極的に進める必要があると考えております。 現在の取組といたしましては、人事異動では、政策立案に女性の視点や感性を生かせるよう、企画・政策部門の管理職ポストに女性職員を積極的に登用するとともに、若いうちから企画・政策や事業業務を担当できるポジションに配置することを重視してございます。 また、ライフステージにおきましては、出産や育児のために相当の期間、仕事から離れること、育児休業復帰後も、生活の中で子育てが大きな比重を占める職員も多いことから、昇任意欲の後退につながることのないよう支援することが大切と考えてございます。そのため、キャリアデザイン研修、現在試行中でありますテレワークの本格実施などを取り入れながら、女性の視点・感性を生かし、女性が活躍できる環境づくりに積極的に努めてまいりたいと考えてございます。 ○議長(小泉栄正) 宮尾環境部長     (環境部長 宮尾正彦 登壇) ◎環境部長(宮尾正彦) 平成13年4月の、いわゆるグリーン購入法の施行を受けて、市では市役所環境保全率先実行計画において、環境配慮物品の調達及びグリーン購入の促進について明記し、同年5月に物品選定のための判断基準を作成し、以降、市役所として率先して、環境に配慮した物品を購入するよう庁内全体で取り組んでいるところでございます。 令和元年度版の国における環境物品等の調達の推進に関する基本方針では、例えば文具類について、共通の判断の基準として、再生プラスチック40パーセント以上又は植物を原料とするプラスチックの使用について追記されるなど、脱プラスチックに向けた改定がなされております。市では、この基本方針を受け、現在、判断基準の見直しを進めており、今後、率先実行計画の改定に合わせて職員への周知を図ってまいります。 また、本年6月30日には庁内職員に対して、市が関わるイベントなどでの使い捨てプラスチックの使用の見直しを行うように依頼いたしました。 物品については、どのような使い方をするのか十分に検討した上で、プラスチックの代替品がある場合は代替品を選択することにより、環境負荷の少ない、持続的発展が可能な社会を目指してまいります。 ○議長(小泉栄正) 小林秀子議員 ◆32番(小林秀子議員) 女性職員の政策分野への登用でございますけれども、どこの場所にいても政策決定に女性の意見を聞いていただけるような、そんな管理職の皆さんの育成をよろしくお願いしたいと思います。 平成30年6月には、地方自治体によるSDGsの達成に向けて、優れた取組を提案した29都市をSDGs未来都市として選定をしております。そのメリットや本市の応募に向けた動き、庁内の推進体制や連携体制について、取組をお伺いいたします。 ○議長(小泉栄正) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) SDGsの達成に向けて先進的な取組を行う自治体を国が選定するSDGs未来都市につきましては、現在、全国で93の自治体が選定されているところであります。 本市にとりましても、SDGs未来都市を目指すことは、本市の将来ビジョンやSDGsの取組方針を市民や企業、団体などの関係者と共有し、長野らしいモデル的なSDGsの取組を進めていく上でも大変意義あることだと考えております。 本年度末に予定されております来年度のSDGs未来都市の選定に向けた申請も視野に入れながら、引き続き研究を進めてまいりたいと思います。 庁内の推進体制、連携体制につきましては、4月からSDGsを市政に反映していくための見直しを行いました。まず、私を本部長とし、副市長、教育長、上下水道事業管理者及び部局長を構成員とする長野市総合計画推進本部会議の中に新たにSDGs推進会議を設け、庁内の連絡・調整、協議の体制を整えました。また、企画政策部長を中心に、SDGsの社会、環境、経済の3つの側面に関わりの深い5名の部長をSDGsの推進担当に任命し、推進担当部長を中心に、全庁を挙げてSDGsに取り組む体制を強化いたしたところでございます。 現在、それぞれの推進担当部長が進める本年度の推進重点テーマを全庁で共有し、部局横断での連携による相乗効果の向上などに取り組んでいるところでございます。 環境部では、海洋ごみによる海洋汚染を防止し、海の豊かさを守るため、プラスチックごみの削減を重点テーマにいたしました小・中学校環境教育プログラムなどに取り組んでおります。 農林部におきましては、持続可能な農業を促進するために、農林業人材の確保・支援を重点テーマに新規就農者への支援を行う他、農業を通して、障害者等の働きがいのある雇用を促進する農福連携の推進を取り組むところであります。 地域・市民生活部におきましては、地域の防災力を強化し、住み続けられるまちづくりを目指すため、女性防災リーダーの育成など地域ぐるみの防災力向上に取り組んでおり、商工観光部では、持続可能な産業を目指した支援に取り組んでおります。 また長野県とは、企画政策部を中心に、SDGs関係イベントでの連携や情報交換などで協力して取り組んでおります。 今後、SDGsに先駆的に取り組んでいる民間企業や団体との連携につきましては、関連事業を実施する際の協力など、情報交換や意見交換などのできる仕組みを検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 小林秀子議員 ◆32番(小林秀子議員) 民間企業も大変頑張っておりますので、そういった民間企業を応援する仕組みを是非よろしくお願いいたします。 また、石油由来のプラスチックの海洋汚染、また激しくなっていく温暖化、これは人間のみならず地球上の動植物の存在に関わる大きな問題でございます。どうか、隗より始めよという言葉がありますけれども、自分たちの足下からしっかりと始めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、熱中症対策についてお伺いいたします。 東京都では、熱中症で8月一月に200人ほどの死者が出たとの大きな報道がございました。ほとんど高齢者で、エアコンを使っていなかったと報道されております。盆地の長野市も例外ではなく、エアコンはぜいたく品ではなく、命をつなぐ必需品となっております。 コロナ禍で仕事を失った方々など、生活保護に至らない貧困世帯にエアコン支援は大変重要と考えます。生活弱者の熱中症対策の現状をお伺いいたします。 ○議長(小泉栄正) 中澤保健福祉部長     (保健福祉部長 中澤和彦 登壇) ◎保健福祉部長(中澤和彦) 本市の熱中症予防対策は、幅広く市民全般に広報などで周知・啓発を図っております。また、保健師やケースワーカーによる訪問活動の際に、また民生児童委員にお願いいたしまして、熱中症のリスクの高い虚弱高齢者、あるいは障害者世帯など要配慮者の皆様に啓発用のチラシなどを活用し、直接注意喚起を図っております。 熱中症予防のためには、水分補給や日頃からの健康管理に加え、近年は猛暑のため、エアコンなどの冷房機器の適切な利用が必要となる機会も多くあるかと思います。 エアコンの設置に対する支援につきましては、例えば、対象世帯を議員御提案の生活困窮世帯にするのか、また、熱中症のリスクの高い高齢者や障害者世帯を含めた方がいいのか、補助率とか実施期間等も含め、支給対象とする設定条件によりまして、その量に見合う財源の確保も一体的に検討していく必要があると考えております。 そこで、まずは熱中症のリスクが高く、より重症化しやすい虚弱高齢者や障害者世帯の皆様を対象に、地域包括支援センターなどを通じて、エアコン等の冷房機器の利用実態について把握に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(小泉栄正) 小林秀子議員 ◆32番(小林秀子議員) 学校現場の熱中症対策につきましてもお伺いいたします。 ○議長(小泉栄正) 樋口教育次長     (教育次長 樋口圭一 登壇) ◎教育次長(樋口圭一) 学校ですけれども、特に体育館の場合、冷房設備が設置をされてございません。体育館につきましては、大型扇風機を設置することとしまして、各校に設置状況を調査した上で、未設置の学校には新たに購入するなど、全ての学校に大型扇風機を整備し、昨年度までに小学校107台、中学校130台が設置されてございます。 また、今年度は、国の補助金と臨時交付金を活用した追加配当予算により購入している学校もございまして、現時点で、更に29台が追加設置されてございます。 学校における熱中症の発生は、体育や部活動時が多いことから、大型扇風機の使用と併せ、環境省熱中症予防情報サイトの情報や体育館等に設置している熱中症計に基づき、児童・生徒に注意喚起したり、実施の可否を判断しているところでございます。 今後も大型扇風機を活用しながら、児童・生徒の状態を観察し、小まめな水分補給や休憩を取るなど、適切に熱中症防止を図ってまいります。 ○議長(小泉栄正) 小林秀子議員 ◆32番(小林秀子議員) 大型扇風機、大変重要でございますのでよろしくお願いいたします。 また、様々御答弁を頂きました。ありがとうございました。 ○議長(小泉栄正) 議員各位にお諮りいたします。本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小泉栄正) 異議なしと認めます。 よって、本日の会議時間は延長することに決しました。 24番若林祥議員     (24番 若林 祥議員 登壇) ◆24番(若林祥議員) 24番、新友会、若林祥です。 新たな過疎対策法の制定についてお伺いします。 過疎対策については、昭和45年に過疎地域対策緊急措置法が議員立法により10年間の時限立法として制定以来、4次にわたる特別措置法の制定により総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など、一定の効果を上げてきましたが、全国的には、長野を含め、依然として多くの集落が消滅の危機にひんし、また、管理の放置による森林の荒廃や度重なる豪雨・地震等の発生による林地崩壊、河川の氾濫など、極めて深刻な状況となっています。 現行の過疎地域自立促進特別措置法は、令和3年3月末をもって失効することとなり、過疎地域が果たしている多面的・公益的機能を今後も維持していくためには、引き続き、過疎地域に対して総合的かつ積極的な支援を充実・強化し、住民の暮らしを支えていく政策を確立・推進することが重要であり、長野市議会もそれに基づき、令和元年6月に、新たな過疎対策法の制定に関する意見書を国に提出しましたが、新法の制定について、現状での国の動きと、それに対する市としての所見・対応を伺います。 また、本市は、現行法第33条に規定する一部過疎で、平成に合併した旧5町村のみを過疎地域とみなす区域として、国庫補助率のかさ上げや過疎対策事業債の発行など、過疎地域のハード・ソフト両面で財政的支援を受けることにより、財政基盤強化につながっています。 新法制定後は、本市の財政力指数等から、対象区域から外れることが想定され、そうなると、引き続き今までの対象地区の均衡ある発展を進めるためには課題が多いと思われますが、今後の対応を含め、市はどのように捉えているか、所見を伺います。     (24番 若林 祥議員 質問席へ移動) ○議長(小泉栄正) 日台地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 日台和子 登壇) ◎地域・市民生活部長(日台和子) 私から、新たな過疎対策法の制定について、2点の御質問にお答えいたします。 昭和45年にいわゆる過疎法が制定以来、4次にわたり特別措置法が制定されて、過疎債や補助金の特例など財政的な優遇措置により、総合的な過疎対策が実施されてまいりました。 本市は平成の合併により、合併前から過疎地域に指定されていた旧1町4村--信州新町、大岡、中条、鬼無里、戸隠のみを過疎地域とみなす、いわゆる一部過疎地域でございます。過疎地域では、道路整備、交通・通信体系の整備、医療・教育の確保など一定の成果があった一方で、人口減少と少子高齢化が急速に進行し、歯止めが利いておりません。加えて、担い手不足を初め、有害鳥獣被害、森林・荒廃農地対策、土砂災害など様々な課題への対策と、事業実施に係る財政支援は引き続き必要不可欠なものであると認識しております。 現行の過疎法は今年度末をもって失効することになりますが、御質問の新法制定の国の動きとしましては、総務省に有識者で構成される過疎問題懇談会が設置され、新たな過疎対策の理念、目標の他、対象地域の在り方などを国に提言しております。 提言内容のうち、過疎地域の指定要件については、現行法では、本市のように旧市町村のみを過疎地域とみなす一部過疎という判定方法が用いられましたが、今回の提言では、一部過疎についても人口要件、財政力要件を設けることが適当とし、現在の市町村の財政力に注意しつつ、旧市町村単位での取組を支援する仕組みも検討する必要があるとしています。 また、国の動きを踏まえて、本市も加盟する全国過疎地域自立促進連盟が本年7月に、新たな過疎対策法の制定等に関する要望を、また、全国市長会過疎関係都市連絡協議会が過疎対策の推進に関する提言をそれぞれまとめ、新たな過疎法においても、一部過疎など現行過疎地域を継続して指定対象とすることを国に対して提言及び要望を行っております。 今後も、その実現に向け、それぞれの団体において、関係方面に要請活動を進めていく予定となっております。 本市は、昨年の台風災害、本年のコロナ禍の大変厳しい財政状況にあることから、国の動向を見ながら、現行過疎地域を継続して対象地域とするよう、要望活動等を粘り強く働き掛ける所存でございます。 続きまして、新法制定後に、本市の財政力指数等から、過疎地域の対象から外れることが想定されることについて、どのように対応していくのかについてお答えします。 新法においても、過疎地域の単位は市町村としており、合併による特例が用いられない場合は、現在の長野市の人口や財政状況が指定の条件となります。これまでの過疎法は、財政力要件の指標を財政力指数としており、現行法では、この財政力指数を0.5以下としております。 平成30年度の全国の市町村の財政力指数の平均が0.51であることを鑑みますと、新法において指定対象は、財政力が相対的に弱い市町村に限定され、財政力指数0.74の長野市は過疎の対象自治体から外れる可能性が高く、危惧しております。 これまでの過疎法においても、財政力等により指定から外れた市町村に対しては、財政に対する急激で多大な影響を段階的なものに緩和するため経過措置が講じられてきたことから、新法においても同様な措置が講じられるものと見込まれます。 しかし、過疎の対象地域から外れることは、過疎債の活用など、過疎地域の生活基盤事業等の財源確保が困難になることから、ハード・ソフト両面において、過疎地域への事業の停滞を回避するため、庁内関係各課とも調整を図り、将来を見据えた対応を進めていきたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 若林祥議員 ◆24番(若林祥議員) 等しく権利を有する者が居住地によって取り残されることがあってはなりません。費用対効果を考慮すると、難しい点も認めざるを得ませんが、新法制定後も当面は経過措置での対応となると思いますが、都市部と過疎部での財源の調整になるかと思いますが、引き続き均衡ある発展に努めていただきたいと思います。財源確保もよろしくお願いいたします。 次に、先ほど同様な質問がございましたが、気候変動対策としての太陽光発電についてお伺いします。 市が策定した長野市災害復興計画では、大規模災害の原因として地球温暖化の影響が指摘され、それに基づき、今後の地球温暖化の進行による大雨の発生数の増加や災害の激甚化に対する温暖化対策の施策の推進を目指しており、令和2年7月豪雨を初め、頻発する極端気象の発生により、地球温暖化対策の重要性を改めて認識させられているところです。 2018年に国が策定した第5次エネルギー基本計画では、2030年に実現を目指す再生可能エネルギーの比率を22パーセントから24パーセントとすることを定め、2018年度の再生可能エネルギーの比率は17パーセントと、固定価格買取制度を背景に、一見順調に推移しているものと思われますが、国が低炭素化のもう一つの柱とする原子力発電について、目標の20パーセントから22パーセントに対し、2018年度は6パーセントにとどまる中では、再生可能エネルギーの更なる推進を図っていく必要があると感じています。 従来から大規模な電源開発に取り組まれていた水力発電を除いて、再生可能エネルギーの内訳を見ますと、太陽光発電が最多となっていますが、これは、他のエネルギーに比較し、立地を選ばないなどの設置の容易性に起因しているものと推察され、今後も太陽光発電は地球温暖化対策の主軸となる施策と考えています。 また、一方では、市では野立ての太陽光発電について、届出対象範囲の拡大などを盛り込んだ条例化に向けたパブリックコメントの準備を進めています。実際にトラブルに直面する市民の方々のことを思いますと、一定の規制が必要であると考えるところではありますが、市民が設置する太陽光発電システム等への補助金交付が今年度から廃止されていることと併せ、今回の条例化の動きは、太陽光発電に対し、市から後ろ向きなメッセージが発信されているように感じている市民も多いのではないかと危惧しています。 そこで、なぜこのタイミングで太陽光発電設備の設置に係る条例化を目指すことになったのか。また、市として、気候変動対策としての太陽光発電の推進と規制の在り方について、どのような考えの下、今後取り組んでいくのか、環境部長に所見を伺います。
    ○議長(小泉栄正) 宮尾環境部長     (環境部長 宮尾正彦 登壇) ◎環境部長(宮尾正彦) 最初に、なぜ太陽光発電設備の設置に係る条例化を目指すこととなったのかについてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、太陽光発電設備の設置は地球温暖化対策の有効な取組であり、市では、土地に架台などで自立設置する、いわゆる野立ての太陽光発電設備について、円滑な導入を図るため、平成27年9月に、長野市太陽光発電施設の設置に関するガイドラインを策定いたしました。 しかしながら、昨年度、ガイドラインの対象規模に満たない50キロワット未満の施設について、届出、事前説明がなされないことなどに関して、市内の複数箇所で住民の皆様から疑問の声を頂いたことから、より地域と調和した形で円滑に太陽光発電設備の設置が推進されるためには、どのような施策が適切なのか、2月17日の環境審議会などで御意見をお聞きした上で、7月15日に環境審議会に対し、長野市太陽光発電施設の設置に関するガイドラインの在り方について諮問いたしました。 具体的な審議は、地球温暖化対策専門部会で行われ、事業者と住民がきめ細かにコミュニケーションを図る機会を設けることや、実効性を担保するために勧告などの措置が必要との趣旨で、8月4日の専門部会で、条例化が望ましいと全会一致で御決定いただいたことを受けて、(仮称)長野市太陽光発電設備の設置と地域環境との調和に関する条例案骨子について、パブリックコメントを行うこととしたものであります。 今後、パブリックコメントを通じて、市民の皆様の御意見を反映し、環境審議会での審議、答申を経て、12月議会への提出を目指してまいります。 次に、市として気候変動対策としての太陽光発電の推進と規制の在り方について、どのような考えの下、今後取り組んでいくのかについてお答えいたします。 長野市地球温暖化対策地域推進計画については、令和4年4月の改定に向けて準備を進めておりますが、長野県が昨年12月6日に行った2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロを表明した2050ゼロカーボンへの決意を含めた気候非常事態宣言に対して、長野市として賛同しておりますので、それを踏まえた内容としてまいります。 再生可能エネルギーの有効活用の柱である太陽光発電に対する市の補助制度につきましては、制度の開始から20年余が経過し、設置費用も3分の1以下に低廉化したこと、住宅の新築、増改築の際には多くの市民の皆様が太陽光発電の設置を検討するようになった状況も踏まえ、昨年度をもって廃止いたしました。 これまでの約20年間に1万621件、出力4万9,986キロワット、約1万3,000軒分の住宅の年間電気使用量相当の太陽光発電設備が市内に整備されたところでございます。しかしながら、市内の住宅屋根への太陽光発電の設置率は7パーセントにとどまり、4月1日の長野県気候危機突破プロジェクトのうち、地域と調和した再エネ普及拡大プロジェクトの基本方針では、住宅用太陽光発電の徹底的な普及を図るため、信州の全ての屋根にソーラーを、と掲げ、電力の自家消費型へのライフスタイルの転換を促すこととしております。 現在、長野市地球温暖化防止活動推進センターにおいて、県のソーラーポテンシャルマップを活用し、建物所有者に対して、初期費用の負担がなく、設置後の売電利用形態に応じたリース方式や屋根貸し方式などのプランを紹介するなど普及啓発活動を進めておりますが、地域推進計画の改定に併せて、公共施設への展開や災害時に電源活用が図れる蓄電池と合わせた普及など、更なる太陽光発電導入促進策を検討してまいります。 今回の条例案については、地球温暖化対策専門部会での議論の中で、議員の御指摘のように、条例化によって太陽光発電を否定するような情報発信とならないようにといった、地球温暖化対策が鈍化することを懸念する意見も多数頂きました。 本条例案は、地域住民の皆様との十分な対話の下で、太陽光発電設備が適正に設置されることを目指しており、太陽光発電の推進と規制がバランスのとれた形となることで地球温暖化対策に資するものと考えております。 気候変動対策という全世界共通の課題解決に向けて、地域環境との調和の図られた太陽光発電設備の設置が進むように取り組んでまいりますので、御理解、御協力をお願いいたします。 ○議長(小泉栄正) 若林祥議員 ◆24番(若林祥議員) 補助金の廃止というのは、ちょっと残念なんですがね。 最もクリーンな水力発電でも、イニシャルコストは莫大な額となり、何よりも一時的な自然環境の破壊を伴う問題がありますから、設置の容易性から太陽光発電となるのでしょうが、反射光、インバーター等の騒音被害などの問題が出る他、法的には問題がないため、農地転用許可を出した農業委員の皆様が地元と板挟みになるというような問題も出ています。 クリーンなエネルギーですから、パブリックコメントの結果を踏まえまして、十分な対応をお願いしたいと思います。 次の質問に入ります。 先日行われた内閣府発表による本年度4月から6月期国内総生産値は、物価変動を除く実質で前期比マイナス7.9パーセント減、年率換算28.1パーセント減という、2008年のリーマンショックをはるかに超えた戦後最悪のマイナス成長となり、新型コロナウイルス感染症による経済活動縮小の波は基幹産業である自動車産業にまで広がり、中小企業を中心とした企業とう汰へと波及しつつあります。 実際のところ、新型コロナウイルス感染症関係のニュースは収まることなく連日報道されており、自動車産業のみならず、観光・飲食産業への経済的な影響は計り知れず、長野市内においても空き店舗が増えるとともに、製造業においては製造品の生産調整を行う企業が出てきている状況があります。 そして、一番の問題点は収束期が見えないことであり、そのため、行政の行う支援策については対応に苦慮するところと察します。 今、感染防止のため、テレワークや外食を控える等、新しい日常、新しい生活様式として、様々新型コロナウイルス感染症対策を行ってきているところですが、これが定着したポストコロナを考えたとき、働き方やライフスタイルなどに様々変化をもたらし、今までのような対応では十分支援できないのではないかと危惧するところです。 過去の経済危機における企業や行政の対応を考えたときに、例えばリーマンショックのときには、社内ベンチャーの立ち上げや業態変換など、企業内で様々取組を行った結果、業態を変えることに成功したり、このとき立ち上げた部門や製品などが稼ぎ頭になったりしているという企業があります。 また、比較的大きな企業においては、このような厳しい時期にあっても、資金手当を含め対応ができたようですが、中小零細では、なかなか同様の対応はできなかったと記憶しています。 県や他市における経済分野での新型コロナウイルス感染症に対する対策は、新たな事業展開や業態転換など、リーマンショック時の補助などを踏まえ、様々行われています。 本市においても、特に飲食・サービス業を中心に、幅広い産業で売上げが大幅に落ちるなど危機的状況が発生している状況において、推し店チケットやプレミアム商品券など消費を中心とした支援を行っているんですが、幅広く産業全体を支援することには至らないと感じます。 新聞報道では、今回の経済危機が元に戻るために5年は掛かると言われています。新しい日常や新しい生活様式が定着することにより、より業態転換や新規事業の立ち上げなどに対する補助や相談、東京から地方への移転を積極的に考えている企業の移転に対する補助など豊富な補助メニューを、単発ではなく恒久的に行うことが必要ではないかと思いますが、所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 丸山商工観光部長     (商工観光部長 丸山陽一 登壇) ◎商工観光部長(丸山陽一) 新型コロナウイルス感染症拡大は、個人消費の停滞による経済の悪化にとどまらず、働き方、人と人との関わり、生活や価値観、更には世界秩序やグローバル経済の仕組みも変えてしまいつつあります。 その一例として、特定の国からのサプライチェーンが寸断したことが挙げられます。そのため、リスク回避として、特定の国に過度に依存しない調達先の多様化や、生産の国内回帰の動きが現れておりまして、国におきましても緊急経済対策として支援を打ち出しております。 今後、国内に新たな生産拠点が整備される可能性が高まっておりまして、本市におきましても情報収集に努めるとともに、大規模な産業用地の確保に向け、現在、候補地の選定と開発手法の検討を進め、できるだけ早期の産業団地開発の実現に向け、取り組んでいるところでございます。 一方、国内の動きに目を向けますと、新型コロナウイルス感染拡大を契機に、働き方の面では、テレワークやリモートワークが急速に拡大いたしまして、デジタル技術の実装が急激に進んだことにより、従来のオフィス形態にとらわれず、自宅や地方都市を含んだ多様な場所での勤務が展開されておりまして、大都市圏ではオフィスの縮小や閉鎖の動きが出ております。 さらに、こうした動きと連動する形で、都市部から地方への移住に関心が高まっているものと推察しております。 このような働き方の変化は、首都圏からの交通の便が良く、郊外には豊かな自然を有し、生活がしやすい本市にとりまして大きなチャンスと捉え、テレワークの一環であるリモートワーク、ワーケーションを企業等に活用いただきまして、ひいてはサテライトオフィスの開設や本市への移転につながるよう、必要な環境整備や支援策を検討してまいりたいと考えております。 また、現在、本市は長期的な視点に立ちまして、首都圏等を拠点に活躍している優秀な人材を積極的に本市に呼び込みながら、スタートアップ企業やITベンチャー企業の誘致を行うとともに、地域課題解決をきっかけとする起業・創業の推進に取り組むスタートアップ成長支援事業に着手したところでございます。 今後は、本事業に加えまして、ポストコロナ時代に向けて各企業が取り組むデジタル化や業態変換、新規事業の立ち上げなど、企業ニーズにマッチした新たな支援策につきましても検討してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(小泉栄正) 若林祥議員 ◆24番(若林祥議員) 新型コロナウイルス感染症の状況が長引けば長引くほど、新しいスタイルが定着して、変化した生活様式が常態化してしまうと思うんですよね。そういったテレワークの普及等により、オフィス需要の低下が首都圏では続いている状況でございます。 また、人材派遣大手のパソナが地方に本社を移転しますが、同様の動きがこれからまた出てくるのではないかと思います。ですから、推し店プラチナチケットなど一時的なカンフル剤に頼るだけでなく、長期的な展望の施策を是非お願いしたいと思います。本当に今がチャンスではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。 次の質問に入ります。 私は、地元の有望な選手が高校進学時から県外や市外に流出しているという話を聞き、危機感を持つ者の1人であります。 昨年6月の定例会では、文化スポーツ振興部長から、本市におけるウインタースポーツの強化という点で、市スポーツ協会や競技団体、関係機関が十分連携し、スポーツクラブを設立し、競技力向上に取り組むことが市外流出を止め、又は呼び込むことが期待できると答弁を頂きました。 選手育成の観点としては理解しますが、県内唯一の市立長野高校を有している本県のリーディングシティーとして、これからのウインタースポーツの持続的な発展のため、高校進学時の県外・市外流出を止めるにはどのような教育的な観点での環境整備が必要か、所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 永井教育次長     (教育次長 永井克昌 登壇) ◎教育次長(永井克昌) 初めに、市立長野高校のウインタースポーツの状況について御説明申し上げます。 市立長野高校では、冬季オリンピック・パラリンピックレガシーを継承する目的で、開校以来、スピードスケートを重要な競技種目として位置づけ、この12年間、インターハイや国体において常に好成績を収めてまいりました。 現在、10名の部員が学校とエムウェーブで練習しておりますが、市立長野高校のスピードスケート部に憧れて県内各地から入学してきた生徒たちです。 また、全国中学校体育大会スキー・アルペン競技において好成績を収め、市立長野高校に入学した生徒は、スキーを継続する意思を持って高等学校体育連盟スキー種目に登録しています。この生徒は、地域のスポーツクラブに入り、高校入学後もこのクラブのコーチの指導を受けています。学校としては、スキーとの両立ができるよう、学習保障などのサポートに努めているところでございます。 今日、ウインタースポーツを含め各競技種目は、年々多様化してきているところでございます。今後、ウインタースポーツに慣れ親しみ、各競技を継続する子供たちを増やすためには、これまでの学校単位とする部活動だけでは、生徒の多様なニーズに十分応えられない状況となってきております。 現在、市立長野高校も含め県内の高校では、教職員が指導する部活動に参加する生徒がいる一方で、地域のスポーツ団体に所属する指導者の指導を受けて活動を続けるケースが増えてきております。更なる高みを目指す子供たちのためには、今後、優れた指導者から定期的、継続的な指導を受けることができる環境や、競技を行う上で良好な練習会場や充実した指導スタッフ等の環境が整えられていくことが望ましいと考えます。 教育現場においては、スポーツと学習の両立ができるように、試合や遠征に伴う学習の遅れに対して学習サポートをしたり、進級や卒業に関する単位認定について、より柔軟に保障したりして、子供の特技や個性を生かした活動を認め、個別最適化された学びの場を提供することが大切だと考えるところです。 折しも9月1日、文部科学省より、公立中学校・高等学校の休日の部活動を、保護者や元教員らでつくる指導グループ等地域団体、総合型スポーツクラブや芸術文化団体等に業務委託をする等の改革方針案が示されました。今後の動向を注視するとともに、引き続き、スポーツ文化の推進に、教育委員会としても寄与してまいります。 ○議長(小泉栄正) 若林祥議員 ◆24番(若林祥議員) 昨年、俊英高校へ進学した女子有望選手も、当初は県外へ出るということだったんですが、幸いにも市内に踏みとどまっていただきました。冬季オリンピックを開催した都市として、県内他市の有望・有力選手も受け入れるぐらいの気構えが必要だと思いますもので、またスケートだけじゃなくて、スキーの方も力を入れていただいて、他の市はあまり力がないものですから、やっぱり対応していただければと思います。よろしくお願いします。 次の質問に入ります。 大阪府北部地震から2年が過ぎました。この地震で倒壊したブロック塀により、通学中の9歳の女児の尊い命が奪われたことは、皆様の記憶に新しいと思います。 事故直後、本市においては、学校敷地のブロック塀については安全対策が講じられ、また、学校周辺の通学路沿いのブロック塀については、市の技術職員により緊急点検が実施されるとともに、危険ブロック塀等除却補助金を拡充するなど、その所有者に対し改善を促す緊急対策が講じられてきました。 市の説明によれば、補助金を活用したブロック塀の除却件数は、緊急対策以前の10倍を超えた、とのことではありますが、いまだ安全性が疑問視されるブロック塀も散見されます。幼くして命を奪われた女児のことを思えば、自宅の危険ブロック塀はすぐにも除却しなければと誰しもが思うはずですが、なぜいまだに数多くの危険が残っているのでしょうか。 危険ブロック塀対策は、大阪の地震に始まったことではありません。昭和53年に発生した宮城県沖地震では、実に十余名の方がブロック塀の倒壊でお亡くなりになっています。以来四十数年、対策の必要性は喚起され続けていましたが、残念なことに同じ惨事が繰り返されてしまいました。 危険ブロック塀対策は、一朝一夕に解決できる問題ではありません。また、危険ブロック塀対策は、一義的には所有者本人の問題ではありますが、一たび災害が発生すれば、倒壊で人命が奪われる危険のみならず、避難路の閉塞、緊急車両の不通等、地域の安全を脅かす事態となりかねません。 そこで、危険ブロック塀対策の現状と課題、現状を踏まえた今後の取組について所見を伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 大阪府北部地震発災から昨年度末までの2年間、危険ブロック塀の緊急対策の一環として、小学校周辺の一斉点検で2,326件、所有者の依頼による点検で642件、合計2,968件のブロック塀の点検を実施いたしました。点検の結果、1,224件が危険と判定され、このうちの254件、延長にして約4キロメートルの危険ブロック塀が、市の補助金を活用して除却されました。 市街地の小学校周辺300メートルを対象とした一斉点検では、810件の危険ブロック塀が確認されており、これらの所有者に対しては改善指導を行うとともに、継続的なフォローアップを行い、その結果、191件の除却や改善が行われました。 小学校周辺の未改善の危険ブロック塀は、高さが低いなど危険性が比較的低いと判断されるものを除いて、いまだ約500件あり、これらの改善が喫緊の課題となっております。 これらの危険ブロック塀の所有者に対しては、点検時の改善指導や啓発チラシのポスティング、その後のダイレクトメールの発送など、重ねて啓発と改善をお願いしているところですが、除却費用の負担が厳しいとした家計の事情、あるいは、自分のところは大丈夫といった誤った自己判断などで、改善がなかなか進んでいないのが実情です。 市といたしましては、小学校周辺の未改善危険ブロック塀の所有者に対しては、引き続きの啓発を行い、粘り強く改善を呼び掛けるとともに、広く市民に対しても、引き続き、広報やホームページ、出前講座等を通じ、ブロック塀の安全化の必要性を啓発し、市の支援の周知と自主点検の実施を呼び掛けてまいります。 他都市では、行政による取組だけではなく、地域の防災部会が地元の防災士や建築士等の専門家と連携し、危険ブロック塀対策や防災まちづくりに取り組んでいる例もあります。また、ブロック塀は現状が健全であっても、風雨にさらされるなど、時間の経過とともに劣化していくことから、継続的な点検も必要です。 本市においても、他都市の取組例を参考に、行政としてどのような支援が有効なのかを検討し、危険ブロック塀対策の更なる促進に取り組むとともに、継続した対策を進めることで、災害に強い安全・安心のまちづくりに取り組んでまいります。 ○議長(小泉栄正) 若林祥議員 ◆24番(若林祥議員) まだ500か所も残っているというのは大きいんですよね。所有者に危険性を啓発しても、なかなか動いてもらえないという実情は理解しますが、危険ブロック塀対策は地域の安全に関わる大きな課題だと思います。地域と行政が連携し、共に取り組み、所有者に働き掛けることが地域の防災力向上につながると思いますので、引き続き粘り強い対応をお願いします。 次の質問に入ります。 6月定例会において、災害公営住宅整備について質問させていただきました。その結果、被災者の皆様への住宅再建に関わるアンケートに基づき、豊野地区美濃和田団地内に63世帯分の災害公営住宅の整備を行いたいとの回答を頂きましたが、本日はこの件につきまして、改めて質問をさせていただきます。 東日本台風による被災から、来月で1年を迎えることになります。令和3年11月には多くの仮設住宅が入居期限を迎えることになりますが、住宅再建が完了した、又は再建のめどがついた被災者もいらっしゃる一方、いまだに住まいの確保が困難な方も一定数見込まれるところです。 市では、自力で住宅を確保できない被災者のため、市営住宅美濃和田団地敷地内に災害公営住宅の整備を進めておりますが、プロポーザル実施の進捗状況と計画概要について伺います。また、8月に行った仮申込みの状況についても併せて伺います。 ○議長(小泉栄正) 小林建設部長     (建設部長 小林正明 登壇) ◎建設部長(小林正明) 初めに、プロポーザル実施の進捗状況と計画概要についてお答えいたします。 令和元年東日本台風の住宅被害により、仮住まいをされている被災者が大勢いらっしゃいますが、来年10月、11月には、多くの仮設住宅が入居期限を迎えることになります。 市では、限られた期日の中で最も優れた提案を求めるため、発注方式を公募型プロポーザル方式の買取型として、市営住宅美濃和田団地内に災害公営住宅の整備を進めております。 プロポーザルの実施状況につきましては、市内に本店のある建設業者、設計者及び宅建業者で構成された4グループから応募があり、それぞれ特徴ある技術提案を頂き、9月1日に開催された災害公営住宅整備事業者選定委員会において、守谷・松代・アーキプラン特定建設工事共同企業体を優先交渉権者として選定したところでございます。 提案された計画の概要でございますが、建物は鉄筋コンクリート造とし、中央にエレベーター1基を配置した4階建てプランとしております。63戸の住宅を整備することとしており、間取りにつきましては、被災者の家族構成に合わせて1DK、2DK、3DK等を御用意いたします。 また、令和元年東日本台風と同程度の災害があった場合に床上浸水とならないように、盛土や建物計画も工夫がされている他、屋上に近隣住民も含めた一時避難場所を設けるなどの災害対策が盛り込まれております。 なお、高齢者等の要配慮者への対応といたしましては、近隣住民も含めて、日常生活の中でも自然に交流できるよう、住民同士の見守りに配慮した平面計画や交流スペースの設置などが計画されております。 この他に、耐久性のある構造で長寿命化を図ること、市営住宅と同等以上の品質を確保しながらコスト縮減を行ったことなどが評価された提案となっております。 次に、仮申込みの状況についてお答えいたします。 本年3月から4月にかけて行った住宅再建に向けたアンケート調査や面談等による聞き取り調査の中で、災害公営住宅に入居を希望している世帯、アンケートの回答では住宅再建方法が確認できない世帯及びアンケートに未回答であった世帯の合わせて626世帯を対象に、仮申込みについて御案内を郵送いたしました。 また、併せて、報道機関へのプレスリリース、ホームページへの掲載やLINEアプリにより被災者支援情報を発信するなど、被災者の皆様に災害公営住宅の仮申込みについて周知いたしましたところ、豊野地区では76世帯、長沼地区では32世帯、これ以外の地区では2世帯、合わせて110世帯から仮申込みを頂いたところでございます。 なお、プロポーザル開始時点では、美濃和田団地の整備戸数を63戸としておりましたが、入居希望者数が上回っていることから整備戸数を増やす方向で、事業者と設計協議を進めたいと考えております。 また、本議会において、関係する補正予算を提出させていただいておりますが、議決を頂きましたら、事業者と基本協定を締結した後、実施設計業務を行い、来年の3月に建設工事に着手し、10月にしゅん工及び入居を開始できるよう整備を進めてまいります。 災害により、大きく環境を変えざるを得ない被災者の皆様が安心して生活いただけるよう、災害公営住宅の整備を進めていきたいと考えております。 ○議長(小泉栄正) 若林祥議員 ◆24番(若林祥議員) 優先交渉権者が決まったということで、これから実施設計に入っていくかと思うんですが、110世帯の仮申込みがあったということは、非常に要望が強いということですよね。 いずれにしましても、これ、普通の工事とは違いますもので、早く実施設計をやっていただいて、工期に関係なく、できるだけ早くしゅん工するように事業の方を督励していただきたいと思います。 それと、他にももし、こういった災害公営住宅が設置できる箇所があれば、やはりこれだけ要望が強いわけですから、他に転用できるかと思いますし、他のあれも考えていただければと思います。 それから、これは質問じゃないんですけれども、最後になりますけれども、先月8月3日に、かねてより市有施設に財源確保のため、ネーミングライツを導入するためのパートナーを募集しておりましたが、ようやく長野市で第1号が決定しました。 芹田小学校前の横断歩道橋ということでございますが、私も議員となって間もない平成24年6月定例会での個人質問で、名古屋市の歩道橋命名表示を事例に挙げまして、導入をお願いしたところですが、なかなか今まで応募者が現れなくて実現できなかったんですが、ようやく第1号が決まったということで、これをきっかけに他の施設も問合せがあるということでございます。金額はさ少でございますが、ちりも積もれば山となりますということですので、引き続き財源確保に努めていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(小泉栄正) 本日の会議はこの程度にとどめ、明11日は午前10時から本会議を開き、市行政事務一般に関する質問及び各議案の質疑を行います。 本日は、これにて散会いたします。   午後4時59分 散会...