長野市議会 2019-06-06
06月06日-03号
令和 1年 6月
定例会令和元年6月6日(木曜日) 出席議員(35名) 第1番 近藤満里議員 第2番
小林秀子議員 第3番 田中清隆議員 第4番 松井英雄議員 第5番 勝山秀夫議員 第6番 西村裕子議員 第7番 小泉一真議員 第8番 つげ圭二議員 第9番 手塚秀樹議員 第10番 北澤哲也議員 第11番
山本晴信議員 第13番 黒沢清一議員 第14番 滝沢真一議員 第15番 竹内 茂議員 第16番 鈴木洋一議員 第17番 鎌倉希旭議員 第19番 市川和彦議員 第20番 若林 祥議員 第21番 松田光平議員 第22番 西沢利一議員 第23番 小泉栄正議員 第24番 宮崎治夫議員 第25番
寺沢さゆり議員 第26番
野々村博美議員 第27番 阿部孝二議員 第28番
佐藤久美子議員 第29番 松木茂盛議員 第30番 塩入 学議員 第31番 布目裕喜雄議員 第34番 中野清史議員 第35番
小林治晴議員 第36番 高野正晴議員 第37番
小林義直議員 第38番 岡田荘史議員 第39番 三井経光議員 欠席議員(なし) 欠員(4名) 第12番 第18番 第32番 第33番 説明のため会議に出席した理事者 市長 加藤久雄 副市長 樋口 博 教育長 近藤 守
上下水道事業管理者 高見澤裕史 監査委員 鈴木栄一 総務部長 倉石義人
企画政策部長 酒井 崇 財政部長 清水啓太 地域・
市民生活部長 増田武美
保健福祉部長 樋口圭一
こども未来部長 北原千恵子 環境部長 宮尾正彦 商工観光部長 高橋 要
文化スポーツ振興部長 倉島 明 農林部長 倉島康嘉 建設部長 小林正明
都市整備部長 羽片光成 会計局長 伊熊勝彦 保健所長 小林良清
危機管理防災監 鎌田富夫 上下水道局長 西澤雅樹 消防局長 島田 斉 教育次長 竹内裕治 教育次長 永井克昌 職務のため会議に出席した
議会事務局職員 事務局長 柄澤顕司
総務議事調査課長 湯本智晴
総務議事調査課長補佐 小林弘和
総務議事調査課長補佐 中村元昭
総務議事調査課長補佐 石坂陽子 係長 内山健二 係長 竹 直樹 係長 中澤達彦 主事 馬場悠生子 係長 徳武慎治 係長 小宮山 潤 主査 笹原健史 主事 菅野航平 係長
坂口夏江議事日程 1 一般質問(個人) 午前10時 開議
○議長(小林治晴) おはようございます。 ただ今のところ出席議員数は35名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 昨日に引き続き、
市行政事務一般に関する質問を継続いたします。 発言の通告がありますので、順次質問を許します。 11番
山本晴信議員 (11番
山本晴信議員 登壇)
◆11番(
山本晴信議員) 11番、新友会、山本晴信です。中山間地域に軸足を置きつつ質問をさせていただきます。 地震、異常気象等大災害を体験した平成から復活、成長につながる令和に期待が集まります。本市では人口減少が予断を許さない状況であり、これに連動して財政上の課題も懸念されます。一方、道路、河川等の
社会基盤整備は順調であるとは言い難い現状があり、これによる地域間格差は拡大しつつあります。 縮み行く社会の中にあって、今後、長野市はどのように進むのか、課題解決に当たっては、市民の皆さんと意識共有を図りつつ、積極的、着実かつ大胆な行政運営が求められます。このような状況を踏まえ、2040問題の諸課題について伺います。 2040問題では、
人口減少社会において満足度の高い人生と人間を尊重する社会をどう構築するかという趣旨を踏まえて、
総務省自治体戦略2040構想研究会第二次報告書で様々な課題を提示しております。 子育て、教育を初めとする6分野にわたって検討された内容は、私たちに警鐘を鳴らすことにとどまらず、迅速かつ計画的で着実な対応を求めております。 一方、長野市の現状を見ると、高齢化率は年々上昇し、医療、
介護等社会保障費は上昇の一途をたどっております。さらに、市街地では着実にスポンジ化が進む一方、公共施設は老朽化対策に併せ削減計画の着実な推進が求められております。財政の硬直化傾向を踏まえつつ、今後、2040問題にどのように対処するのか、真価が問われます。 人口問題について伺います。 本市では、人口増を目指し組織を充実させるとともに、様々な支援策を推進しております。しかしながら、施策の果実が得られているとは言い難く、人口減少に歯止めが掛からない状況であります。 新規大学の開設、移住・定住の促進等施策が推進されているにもかかわらず、人口減少に歯止めが掛からない要因は何なのかお伺いいたします。併せて、要因の分析に基づく具体的対策について伺います。 さらに、人口増対策及び地域経済の好循環を期待し、民間事業者による企業誘致の動きが示されたとき、本市はどのような対応を図るのか伺います。 (11番
山本晴信議員 質問席へ移動)
○議長(小林治晴)
酒井企画政策部長 (
企画政策部長 酒井 崇 登壇)
◎
企画政策部長(酒井崇) 初めに、人口減少に歯止めが掛からない要因としては、東京圏の雇用状況が好調であることから、東京圏の大学などに進学後、そのままUターンせずに就職するケースが多く、中でも女性のUターン率が低いことが大きな要因であると考えております。 地方の人口減少の状況につきましては、国のまち・ひと・し
ごと創生総合戦略策定に係る有識者会議において詳細な分析がなされておりまして、多くの都市から特に10代後半、20代の若者が東京圏への転入超過の大半を占めておりまして、大学などへの進学や就職がきっかけとなっていると結論付けております。また、近年の傾向として、男性よりも女性の転入超過が多いということも示されております。 本市においても同様の傾向にあることから、大学進学などで転出した若者をいかに呼び戻すかが課題であると考えております。 次に、課題解決のための具体的な対応策につきましては、若者のUターン就職の増加を図るよう、長野地域の商工団体、行政などが一体となって取り組むことを目的として、
長野地域若者就職促進協議会を本年4月に設立し、
オール長野地域で事業を推進する体制を構築したところであります。 また、新たに東京圏在住の長野市出身者を対象とした
Uターン促進キャンペーンなども予定しており、これらの対策を通じて、引き続き、社会増減の移動均衡の達成に向けて取り組んでまいります。 最後に、企業から立地の動きが示されたときの市の対応につきましては、用地取得や工場などの設置、オフィスの賃借などに対する助成金、また、立地に伴う雇用の創出に対する助成金などの制度を活用しながら、企業の立地を支援してまいります。 また、企業が地方進出を検討する際に雇用が実際に見込まれるかどうかを重要視する傾向がございます。これに対してハローワークとの情報交換や地元の
求人情報ツールを紹介するなど、助成制度以外の面でも支援を行ってまいります。 なお、工場などの大規模な施設を必要とする企業の進出に関しては、市の産業団地に空きが無いため、現状では新規立地は難しい状況であることから、民民の土地取引が前提となります。 また、新たな産業団地の開発については、その開発手法も含めて現在、調査研究を行っているところであり、民間による開発も視野に入れながら、今後の社会経済動向も十分見極めて判断してまいりたいと考えております。
○議長(小林治晴)
山本晴信議員
◆11番(
山本晴信議員) 高齢化並びに人口減少というのは避けられない現実でございますので、明確な方向設定と果敢な行政運営に期待をしたいと思います。 次に、子育て・教育問題について伺います。 本市ではこども未来部を設置し、子育てに関する様々な課題に対処しています。そこで、現状における成果と課題をどのように分析しているのか、また、今後の対策について伺います。 一方、保育園、幼稚園等では保育士の確保対策が課題となっており、市役所壁面にも保育士募集の貼り紙が見てとれる状況でございます。そこで、本市の保育環境はどのような状況か、また、課題の解決に向けた対策について伺います。 一方、小・中学校では児童数の減少に伴い、小規模対策や廃校の増加対策が現実味を帯びてきていますが、長野市活力ある
学校づくり検討委員会の審議のまとめでは、中山間地域を中心に存続要望、一方で、2クラス以上とするための統合という相反する意見が提示されております。 そのような中、私学を希望する者は少ないとは言えず、公立・市立と私立の違いに子供は、また親は何を求めているのか気になるところでございます。学校の在り方を検討している一方で、このような現実があることをどのように受け止めているのか、所見を伺います。
○議長(小林治晴)
北原こども未来部長 (
こども未来部長 北原千恵子 登壇)
◎
こども未来部長(北原千恵子) 子育てに関する成果といたしましては、
市民アンケートによりますと、子供を産み、育てやすい地域であるとの質問では、そう思うといった肯定的な回答が過半数で、否定的な回答を上回っております。一方、子育てしている家庭を温かく見守り、必要なときには手助けをしているとの質問では、肯定的な回答は約4割にとどまっております。 このことから、比較的子育てはしやすいまちではあるものの、市民の関心を一層高め、更に子育てやすいまちを目指して総合的に取り組む必要があると考えております。 また、保護者を対象とした
アンケート調査では、近年、母親の就労率の高まりと
フルタイム化が進んでおり、家事や育児に関する父親の協力を求める声や企業の支援制度などを望む声が寄せられております。 これらの課題に対応するため、来年度スタートの第2期長野市子ども・
子育て支援事業計画に必要な施策を盛り込んでまいりたいと考えております。 次に、本市の保育環境の状況と課題の解決に向けた対策についてお答えします。 本市の保育環境は、3歳未満児の入所希望の急増により保育士の増員が追い付かず、保育士不足となっております。課題解決に向けては、保育士養成校への訪問や募集チラシの全戸回覧、公立・私立の保育所が連携してその取組や仕事の魅力を動画でPRするとともに、復帰研修会などを行っております。 また、公立保育所においては、保育士の事務負担軽減の検討を行うとともに、正規保育士の採用試験と内定時期を早めるなど、保育士の確保に努めてまいります。
○議長(小林治晴) 近藤教育長 (教育長 近藤 守 登壇)
◎教育長(近藤守) 昨年6月に示された長野市活力ある
学校づくり検討委員会からの審議のまとめの内容について、現在、未就学児及び小・中学生の保護者を含めた住民説明会、保護者との対話を進めているところでございます。 説明会を開催したのは、いずれも小規模校の学区でありますが、この説明会に出席された方からは、少人数だと子供一人一人に目が行き届きやすいという意見がある一方で、思春期の中学生では人間関係のトラブルが学力に影響する。人数が少ないと選択肢が少なく、逃れる道が無い。子供のことを考えた場合、そろそろ別の道をとることも考えなければといった少人数による不安への御意見もあり、率直な意見交換が行われているところでございます。 私立の学校を選択する理由は、御家庭によりそれぞれであろうかとは思いますが、説明会の参加者から出された様々な意見から、お子様の将来を見据え、学力と人間関係の両面から多様な経験をさせたいという保護者の願いが根底にあるのではないかと推察されています。
○議長(小林治晴)
山本晴信議員
◆11番(
山本晴信議員) 昨日来、質問されておりますけれども、保育士の試験の繰上げ実施、早期実施ということでもって採用が多くなる、希望者が多くなることを期待しております。また、時代の変化に適応した着実な学力を付けさせるための教育に期待をしてまいりたいというふうに考えております。 医療・介護について伺います。 人口減少が課題となる一方で、高齢化社会は着実に進行しております。東京圏では、県境を越えて介護施設等を利用する者が増え、他県への依存度が高まっております。しかしながら、地方における受皿は整備されているのか、甚だ疑問に感じるところです。本市の
高齢者受入れに関する検討状況について伺います。 一方、本市では、老朽化した市営住宅への対策が急がれております。年金生活を送るお年寄りにとって、市営住宅は最後のとりでです。今後、老朽化した市営住宅の建て替え等、高齢者への住宅の提供について、どのように対処するか伺います。 特に、ひとり暮らしの高齢者が増加傾向にある中で、市営住宅と介護施設の中間的施設の整備は考えているのか伺います。また、このとき、市営住宅で安心に、そして便利に暮らしていただくため、医療施設、交流施設及び生活を送る上で最低限の買い物等のできる施設を併設する考えはないかお伺いいたします。
○議長(小林治晴)
樋口保健福祉部長 (
保健福祉部長 樋口圭一 登壇)
◎
保健福祉部長(樋口圭一) 介護施設等の受入れ状況についてお答えします。 市内全ての介護施設の入所状況は把握しておりませんが、
特別養護老人ホームでは現在、23施設、定員約1,600人のうち、県外からの入所者は数名程度でございます。市内にお住まいの入所待機者は毎年一定程度おりますので、入所に当たっては、御本人や家族等の状況を勘案し、入所の必要性が高いと判断された方が優先的に入所している状況でございます。 また、介護施設の整備については、高齢者人口や必要なサービスの見込量などを推計し、3年ごとの計画に基づいて進めております。現時点では、東京圏他、他県の入所希望者を見込んだ施設整備、施設の運用は行っていない状況でございます。
○議長(小林治晴)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) まず、老朽化した市営住宅の建て替えによる高齢者への住宅提供についてですが、市営住宅の募集におきましても、昨年度は60歳以上の方からの応募が全体の4割を超えている他、単身高齢者が全体の25パーセントを占めております。今後、市営住宅を建て替える際には、全ての住戸について
バリアフリー化を図る他、単身高齢者に適した1DKの住戸を整備してまいりたいと考えております。 次に、市営住宅と介護施設の中間的施設の整備についてお答えします。 現在、市内には様々な
生活支援サービスを受け、居住可能な
サービス付き高齢者向け住宅が27施設、また、中山間地域では、ひとり暮らしの高齢者等が低額な料金で生活できる
高齢者生活福祉センターと
高齢者共同生活支援施設が合わせて5施設あります。 今後、市では国等のこうした住宅施策の動向を注視する中で、議員御提案の施設整備につきましても研究を進めるとともに、福祉と住宅施策が足並みをそろえ、安心して暮らせる住環境の整備を図ってまいります。 最後に、市営住宅への医療施設等の併設についてですが、長野市
公営住宅等ストック総合活用計画における団地の統廃合の計画に当たり、店舗等の利便性を考慮した評価も行っており、将来にわたり存続する団地の近隣には、利便施設等が確保されるものと考えております。 今後、大規模な市営住宅の建て替えの際には福祉施設等の併設を検討する他、店舗の併設につきましても研究し、入居者の利便性の向上を目指してまいります。
○議長(小林治晴)
山本晴信議員
◆11番(
山本晴信議員) 研究という言葉でしたが、議会用語に終わらないようによろしくお願いいたします。 インフラ・公共交通についてお伺いします。 公共施設は、建設の時代から管理の時代に移っています。
各種公共施設は老朽化対策が急がれ、併せて
公共施設削減計画に基づき、当面20パーセントの削減目標が設定されております。今後、公共施設の安全性をどのように担保していくのか、早急な対策が求められます。 一方、道路、河川等は安全上の対策が十分であるとは言い難く、引き続き長期計画に基づく着実な整備が求められます。
社会基盤整備は、市民の安全・安心の確保に不可欠であり、早急な対策及び着実な事業導入が求められます。 そこで、現時点における整備計画の内容と
事業完了予定年度、さらに、これに要する想定事業費及び財政計画について伺います。 高齢化社会が進展すればするほど、自家用車に依存する傾向が強くなり、事故の発生も懸念されるところとなります。安全・安心な交通を確保するための具体的施策とは何なのか。また、38万都市に適応した
公共交通政策について、どのような見解をお持ちなのか伺います。 人口減少と同時に進行する
高校生等通学利用者の減少は、
バス事業者等の経営環境の更なる悪化を来すと考えるが、今後の対策について伺います。
○議長(小林治晴)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 道路、河川等のインフラの安全・安心の確保に当たっては、加速するインフラの老朽化や激甚化する気象災害などの構造的課題を抱えており、これらへの対応を計画的に実施しております。 道路施設の老朽化対策では、橋りょう、トンネル、舗装などの主要施設について定期点検を行っており、点検結果を踏まえ、
長寿命化修繕計画を策定し、計画的に修繕を進めております。 橋りょうを例に挙げますと、管理している1,738橋のうち、早期に修繕が必要なものは130橋で、令和5年度までの5年間で修繕することを目標としており、事業費は約20億円と試算しております。 財政計画については、国の防災・安全交付金を財源として見込んでおり、国に対しても老朽化対策に必要な予算確保を要望してまいります。 今後も国が定めた定期点検を実施するとともに、点検結果に基づき
長寿命化修繕計画の見直しを行い計画的な修繕を実施することで、道路利用者の安全・安心の確保を図ってまいります。
○議長(小林治晴)
羽片都市整備部長 (
都市整備部長 羽片光成 登壇)
◎
都市整備部長(羽片光成) 私から、公共交通についてお答え申し上げます。 安全・安心な公共交通を確保するための具体的な施策としては、民間事業者と協働してノンステップバスの導入、鉄道駅におけるエレベーター、スロープ等の
バリアフリー化等による環境を整備し、利用促進につなげたいと考えております。 全市域にわたる
公共交通政策についての見解といたしましては、まずは
地域公共交通網を持続的に確保すること、その上で利便性を高めること、利用者を増やすことが重要と考えております。 そのため、路線バスと鉄道を運行している民間事業者に対する運行支援とともに、運行が成り立たない中山間地域等においては、業務委託により市バスや乗合タクシーを市が運行しております。 今年度は、路線バスの位置が確認できるバスロケーションシステムの導入や自家用車から公共交通へ乗換え等を促すエコ通勤の推進により公共交通の利便性を向上させ、利用者の増加につなげていきたいと考えております。 少子化や人口減少による利用者減少への対策といたしましては、バスの乗り方教室を開催し、バスに親しむ機会を創出するとともに、おでかけパスポートの発行等の施策を通じ、利用者がバスを使い続けられる環境を整えてまいります。
○議長(小林治晴)
山本晴信議員
◆11番(
山本晴信議員) 井手英策著の幸福の増税論という本がございます。その中で、公共事業の役割を労働者に労働の機会を与えたこと、それからまた生活保護により救済される人の数を抑制したということで評価をしております。地域間、所得間の再分配も可能にするということにより、バランスのとれた利益配分が実現したとも書いております。公共事業の適切な導入により、地域の活性化の一助となることを期待いたします。 次に、空間管理・防災について伺います。
本市中心市街地ではスポンジ化が進んでいますが、駐車場としての利活用が多く、対策が急がれます。今後は機能集積を図りつつ、新たな土地利活用の検討が必要であると考えるが、所見を伺います。 一方、本市では
立地適正化計画を策定し、
コンパクトシティ化を推進するとしております。新聞記事によれば、コンパクトなまち実現遠くとの見出しを掲げ、住宅や商業施設の集約が進んでいないと報じておりました。 そこで、
コンパクトシティ計画の進捗状況及び今後の方針について伺います。 併せて空き家対策が急がれます。使わないのに手放さない、解体を行わない理由は、物置で使用、解体費用等が主なものでした。空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されていますが、解体及び利活用が進まない現実をどのように捉え、どのように対処するのか課題は増すばかりです。 そこで、本市の
空き家バンク登録状況はどのようになっているのか。また、登録に当たっての注意事項は何か。さらに、危険空き家の状況について伺います。 一方、地球温暖化に起因する異常豪雨が全国各地で発生し、人命や財産に甚大な被害を生じさせております。高齢化が確実に進んでいく本市において、今できる災害対策とは何なのか。また、それぞれどのように市民の皆さんに周知していくのか、一歩進んだ対策の内容について伺います。また、本市の大規模地震対策に関する検討状況についても併せて伺います。
○議長(小林治晴)
羽片都市整備部長 (
都市整備部長 羽片光成 登壇)
◎
都市整備部長(羽片光成) まず、中心市街地における土地利活用策の検討についてお答えいたします。 人口減少、高齢化が進展する中、無秩序に空き家、空き地が増え、都市のスポンジ化も進行しており、機能集積を図り、土地利活用の検討が喫緊の課題だと考えているところでございます。 中心市街地においては、魅力ある中心市街地の活性化を図るべく、善光寺周辺では美術館を含む城山公園の将来構想を作成するとともに、新田町交差点周辺では、
市街地総合再生基本計画を作成いたします。こうした中で、具体的な土地の利活用策も検討していきたいと考えております。 次に、
コンパクトシティ計画の進捗状況や今後の方針についてお答えいたします。 長野市では、
立地適正化計画を策定し、その中で
都市機能誘導区域の範囲や誘導施設の種類等を定めております。 その実施例として、教育施設を誘導施設と位置づけたことで
清泉女学院大学看護学部が対象となり、国の補助金を有利に活用でき、整備が促進され、ひいては都市機能の集約にもつながったと考えております。 このように、今後も国からの支援を活用しながら、
コンパクトシティの推進に取り組んでまいります。
○議長(小林治晴)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 空き家対策についてお答えいたします。 まず、空き家バンクの登録状況につきましては、平成27年度の事業開始から本年5月までの登録件数は137件で、そのうち売却等の契約に至ったものが83件あります。 現在、ホームページで情報提供している空き家数は34件となっております。登録に当たって、最も注意していただきたい点は、相続登記がされていない場合、売却などの活用ができなくなってしまうことでございます。 次に、危険空き家の状況ですが、昨年度、劣化度の高い空き家を調査したところ、平地部ではいわゆる危険空き家と呼ばれる特定空家等が35件確認されました。これらに対しては、個別の状況に応じた助言や指導を進めているところでございます。また、本年度は中山間地域や劣化度が中程度の空き家の調査を予定しており、認知される危険空き家件数は増加が見込まれる状況でございます。 今後も利活用が可能な空き家については、空き家バンクへの登録を促すとともに、危険空き家については、指導強化や相談体制を充実するなど、粘り強く対策に取り組んでまいります。
○議長(小林治晴) 鎌田
危機管理防災監 (
危機管理防災監 鎌田富夫 登壇)
◎
危機管理防災監(鎌田富夫) 私から、高齢化が進む中での防災対策についてお答えいたします。 高齢者の皆様には、より早い段階から避難行動をとっていただくことが重要であります。避難情報については、直感的に分かりやすい表現とするため、平成29年1月に避難準備情報が避難準備・高齢者等避難開始に改められ、また、本年6月からは、災害の警戒レベルを5段階で伝えるようになりました。これらの重要性を周知するとともに、適時的確な避難情報を発信してまいります。 また、高齢者の防災対策を進める上で、地域の協力、支援が必要不可欠なことから、要支援者一人一人の個別避難計画である、わたしの避難計画の作成を進めている他、地域防災力を高めるため、災害想像ゲーム--DIG、避難所運営ゲーム--HUGなどを取り入れた訓練の開催を支援してまいります。 次に、大規模地震対策についてお答えします。 高齢者の地震対策として、迅速な安否確認対策や福祉避難所の環境整備を進めるとともに、木造住宅の無料耐震診断、耐震改修工事への補助などを実施し、住宅の耐震化の促進に取り組んでおります。 災害の被害を軽減していくためには、市民の皆様にも自分の身は自分で守る、地域のことは地域で守る、自助、共助の高い防災意識を持っていただくことも大切でございます。それらの重要性についても周知してまいります。 全国各地で土砂災害、洪水や地震が頻発し、災害リスクが高まる中、庁内が連携して総合的な高齢者の防災対策を推進してまいります。
○議長(小林治晴)
山本晴信議員
◆11番(
山本晴信議員) 中程度の空き家に対する調査を開始するということでした。確実な、そしてまた迅速な対応を期待するところでございます。 次に、労働力について伺います。 高齢化及び人口減少が進む中、様々な場面で労働力不足が課題となっております。AIやIoT関連産業への就職を希望する者が増える一方で、建設業、保育事業等、様々な分野での労働力不足が社会的課題となっている現状を踏まえつつ、本市の労働力確保対策について伺います。 2040構想研究会報告書では、高齢者、女性及び若者の労働参加が進まないと、労働力不足が顕著になるとしております。本市の考えと対策について伺います。
○議長(小林治晴) 高橋商工観光部長 (商工観光部長 高橋 要 登壇)
◎商工観光部長(高橋要) 少子高齢化による生産年齢人口の減少に伴い、本市においても労働力不足が大きな課題となっており、その対応が不可欠であると認識しております。 本市における対応について申し上げますと、まず高齢者につきましては、職業相談室の相談員がハローワークと連携しながら、高齢者の求職に関する相談にきめ細やかに対応している他、シルバー人材センターでは多様化する就業ニーズに対応するため、新たな分野で求人企業の開拓に努めているところでございます。 また、本年7月には保健福祉部と連携し、ながのシニアのおしごとご縁結びを初開催いたします。からだ測定会や就労セミナー、就職相談会などを通して働きたい高齢者を応援してまいります。 女性につきましては、再就職を考えたり、仕事と家庭を両立して働き続けたい女性を応援するイベント、ママたちのお仕事フェスタを9月に開催いたします。働きたい女性の掘り起こしと支援に取り組んでまいります。 若者につきましては、本年4月に
長野地域若者就職促進協議会を設立し、オール長野で若者のUJIターン就職を促進するとともに、いわゆる就職氷河期を含む悩みを抱える若者につきましても、行政、福祉、教育機関等が連携しながら、ながの若者サポートステーションなどで継続的な相談、就業支援に取り組んでいるところでございます。 今後も各世代が元気に活躍できるよう支援に努めてまいります。
○議長(小林治晴)
山本晴信議員
◆11番(
山本晴信議員) 3K、嫌われる傾向にあるようでございます。十分、そこら辺も勘案しながら、そしてまた未来に希望の持てる対応を前向きに御対応いただきますよう、よろしくお願いいたします。 産業・テクノロジーについて伺います。 本市の重要な産業は観光と農業ですが、観光での本市滞在時間は多いとは言えず、これに対応した観光依存型の商業経営が続いております。 インバウンド等外国人観光客の動向には注目すべきものはありますが、一過性の様相が強く、継続性という点では課題があると考えています。本市観光振興について、どのような施策を検討しているのか伺います。 中山間地域には多くの農地が展開いたしておりますが、地形的条件もあり、遊休荒廃農地が増加し、過疎化、高齢化により急激に生産能力は低下し、農業生産額の著しい低下が想定されます。一方、時代に適合した、また地域条件に適合した農業経営への転換は進んでいない現実もございます。 そこで、新たな農業を基軸とした産業の創造により地域経済の活性化に資する必要があると考えますが、所見を伺います。 公設民営等、現時点で考える地場産業の育成向上のための施策はあるのか。また、あるとすれば、いかなるものなのか伺います。
○議長(小林治晴) 高橋商工観光部長 (商工観光部長 高橋 要 登壇)
◎商工観光部長(高橋要) 私から、観光施策についてお答えいたします。 長野市観光振興計画の中で重点地区と定めた善光寺かいわい、戸隠、松代の3地区では、地域の観光素材を生かした体験メニューの開発や周遊ルートの提案などにより、滞在時間の延長と観光消費額の増加に取り組んでいるところでございます。今後は、こうした取組を他の地域へも広げてまいりたいというふうに考えております。 加えて、松代では松代荘のリニューアル、飯綱高原では、グリーンシーズンの誘客強化に向けて施策を展開してまいります。 また、長野駅のハブ機能を活用し、本市を拠点とした広域周遊観光を推進するため、北陸新幹線沿線都市や北信地域の市町村等との連携を進めておりますが、今後はインバウンドに人気の松本、高山、白川、金沢を結ぶ3つ星街道との連携強化にも取り組んでまいりたいと考えております。 さらに、インバウンドの推進は観光振興の上で不可欠な要素であることから、引き続き、WiFi環境や多言語表示などの受入れ環境整備、SNSを活用した効果的な情報発信に努めるとともに、今年度は飛躍的なスキー人口の増加が見込まれる中国市場をターゲットにプロモーションを展開してまいります。 本市の観光入込数は、善光寺御開帳の開催年を除き1,000万人前後でしたが、前回の御開帳の後、平成28年と平成29年度は1,100万人を確保しております。また、インバウンドの宿泊者数も平成27年度が約5万4,000人泊であったものが平成29年度には約8万6,000人泊と増加、さらにながの観光コンベンションビューローの調査では、平成30年度の市街地の主要ホテルの年間稼働率は、平均で80パーセントを超えるなど、いずれもおおむね堅調に推移してございます。 今後とも観光施策に積極的に取り組み、2020東京オリンピック・パラリンピック、そして善光寺御開帳に向けて弾みを付けてまいりたいというふうに考えております。
○議長(小林治晴) 倉島農林部長 (農林部長 倉島康嘉 登壇)
◎農林部長(倉島康嘉) 農業を基軸とした産業の創造による地域経済の活性化についてお答えいたします。 本市の総農家数、農業就業人口及び経営耕地面積は減少している一方、耕作放棄地の割合は増加しており、地形的に生産条件の不利な中山間地域は、その傾向が顕著であると思われます。 中山間地域において、農業者が加工、販売にも主体的に関わり、高付加価値を創出する6次産業化を進めることが地域経済の活性化につながると考えております。 市内には、地域の農産物を使用したおやきやみそ漬け、アップルパイなどの製造販売や食堂を運営している事例がありますので、このような取組を支援してまいります。 次に、地場産業の育成、向上のための施策ですが、中山間地域は市域の7割を占め、土壌や気象も異なることから、地域に適した農産物の産地形成と6次産業化、地産地消の推進が地場産業の育成、向上につながると考えおります。 古くから西山地域は大豆の、戸隠地区はソバの産地であり、最近では各地でワイン用ブドウやエゴマの生産に取り組む農家が増加しております。市では大豆やソバの生産を奨励するとともに、ワイン用ブドウの生産拡大とエゴマの普及についても支援をしているところでございます。 ワイン用ブドウの栽培者の中には、ワイナリーの建設を視野に入れている方もおられますので、6次産業化に結び付くよう、支援をしてまいりたいと考えております。 公設民営の施設といたしましては、現在、6次産業化を図る農産物加工施設や道の駅などに、地元農家による農産物販売コーナーがありますので、更なる活用を期待しているところでございます。
○議長(小林治晴)
山本晴信議員
◆11番(
山本晴信議員) 滞在時間については、広域連合で調査をしております。そのときは、宿泊時間が少ないということが主なる要因だということでございます。ホテルの稼働率80パーセントということですが、更にまた増やせるようにお願いいたします。 次に、広域連携の在り方について伺います。 本市では広域連携都市圏構想の下、周辺市町村と連携した行政を展開するとしております。2040構想研究会報告書によれば、今後は行政のフルセット主義から脱却し、圏域単位での行政をスタンダードにしていく必要があるとしております。 今後、地域経済を強化するためには互いの強みを生かし、弱みを補う必要がありますが、一方では各自治体が地域の特性を生かしつつ発展していく必要もあり、相反する思惑が交錯することも考えられます。 そこで、今後、本市は広域連携に何を求めていくのか。また、目指すところは何かについて伺います。
○議長(小林治晴) 加藤市長 (市長 加藤久雄 登壇)
◎市長(加藤久雄) 長野市では平成28年4月から、長野地域スクラムビジョンに基づきまして、経済、インフラ、住民サービスの3つの分野におきまして、圏域全体の活性化に向けた取組を進めております。計画スタートから4年目となります本年度は、計53事業において連携して取り組んでおります。 今後、人口減少が深刻化し、高齢者人口がピークを迎えます2040年頃には特に若年労働力が不足することが予測され、今から人口縮減時代に合わせた地域経営転換の研究、準備を進めていく必要があります。 自治体、企業、地域の担い手が減少する中で、持続可能な活力ある社会経済、住民サービスを維持するため、その手段として各自治体の独自性を担保しつつ、共有した政策で連携を行う連携中枢都市圏構想は、今後、ますます重要な視点となると考えられます。 さらに、広域観光など個々の魅力をつなぎ、エリア全体で国内外に発信していくことが必要であることから、昨年から開始いたしました長野圏域と飯山市、中野市等の北信圏域との連携の方策を協議する長野・北信地域市町村副市町村長会議なども活用いたしまして、北信一帯で展開できるよう取り組んでまいります。 引き続き、近隣市町村としっかりとスクラムを組み、互いに頼もしい存在として課題を子や孫に先送りせず、先手を打っていく所存であります。圏域を超えた連携による相乗効果を高め、地域全体のより一層の活性化と発展につなげてまいりたいと思います。
○議長(小林治晴)
山本晴信議員
◆11番(
山本晴信議員) 地域を大きくふかんした対応を期待いたします。 次に、総合評価落札方式について伺います。 本市では、総合評価落札方式に関する試行要領を定め、これに準拠して発注業務が行われております。 建設業者の皆さんは、災害発生時の迅速な対応はもとより、除雪作業、消防活動への参加等、地域貢献を積極的に推進しており、地域の安全・安心に多大な貢献を行っていることは御案内のとおりでございます。 行政として、これらの社会貢献に応え、併せて地域経済の発展に資するという崇高な理念をどのように受け止めていくのか、行政の考え方が問われると考えます。 このような状況ではありますが、総合評価落札方式の配点について、特に地域要件の評価についてどのような基準に基づいて加点されているのか、疑問に感じるところでございます。 そこで、この総合評価落札方式における本市の項目採用基準及び決定経過とはいかなるものなのかお伺いいたします。併せて、本市での実施状況を踏まえつつ、今後、総合評価落札方式における地域要件等の評価について本市の独自性を持った評価となるよう、更に検討・改善する余地は無いものか伺います。
○議長(小林治晴) 清水財政部長 (財政部長 清水啓太 登壇)
◎財政部長(清水啓太) 総合評価落札方式についてお答えします。 評価項目の基準につきましては、本市の執行要領において基本的な共通事項を定めておりまして、その中で企業の技術力を評価します工事成績や工事実績の他、ただ今、議員からの御質問にもありました災害活動実績でありますとか、消防団の協力事業所の認定等の地域貢献等に関する項目なども設けているところでございます。 その上で個別案件ごとに法令に基づきまして、今、県が設置しております総合評価技術委員会において個別に審査を行いまして、例えば地域要件を評価項目として設定する場合には競争性の確保などの観点から審査を行いまして、その審査結果に基づきまして、最終的に評価項目等を決定しているところでございます。 次に、今後の対応、検討方針についてお答えいたします。 近年、一部の工種におきまして同額くじ抽せんが多発していることから、くじ抽せんへの対策が急務となってございます。価格以外の評価点を加味した総合評価落札方式は、くじ抽せんとなる可能性が極めて低いことから、同方式の適用件数の拡大を今後、図ってまいりたいと考えてございます。 その際には、効率的に制度を運用するために、現状の県による代行審査ではなくて、本市独自に評価基準等を審査する組織の設置が必要となりまして、議員御指摘の地域要件等の評価項目の設定についても、市独自の基準を設けることも可能になると考えてございます。 いずれにいたしましても、総合評価落札方式の今後の本格実施に向けまして、その適用の考えと併せまして評価項目等の基準についても、総合的に検討してまいります。
○議長(小林治晴)
山本晴信議員
◆11番(
山本晴信議員) ありがとうございました。 着実な検討を御期待申し上げます。 次に、高等学校等通学費補助について伺います。 かつて過疎地域指定以外の地域からの通学費補助について質問をさせていただきました。今後、検討をという答弁であったというふうに承知しているわけでございますけれども、その後の検討状況についてお伺いいたします。
○議長(小林治晴) 増田地域・
市民生活部長 (地域・
市民生活部長 増田武美 登壇)
◎地域・
市民生活部長(増田武美) 本制度は過度に大きい通学費負担の是正を目的に、過疎地域に居住する生徒を対象とした補助制度で、創設から3年目を迎えております。過疎地域以外の中山間地域への拡大等につきましては、議会を初めとしまして、中山間地域の住民自治協議会からも御意見等を頂いておりましたので、昨年度から庁内関係部局と横断的に連携、協議をしております。 現在、エリアを拡大した場合の財政確保や具体的な影響等について検討をしているところでございます。
○議長(小林治晴)
山本晴信議員
◆11番(
山本晴信議員) 検討が早期実施に結び付くようにお願いいたします。 2040問題は、私たちにとって避けて通れない課題です。本市を健全に成長させていくために課題意識を共有しつつ、実現可能な施策の展開を期待いたします。 終わります。
○議長(小林治晴) 2番
小林秀子議員 (2番
小林秀子議員 登壇)
◆2番(
小林秀子議員) 2番、公明党長野市議員団、小林秀子でございます。 人口減少の中、2040年頃までは高齢者人口の増加が見込まれ、特に高齢者の単身世帯が増加する中、ひとり暮らし高齢者をどう支えるのか、これからの大きな課題と考えます。 そこで、住まいの確保について何点か伺います。 1点目は、市営住宅の危機管理についてです。 市営の障害者住宅で大型連休初日の朝にトイレが壊れ、使えなくなったとの一報が管理を委託している住宅供給公社に入りました。公社では現場を確認、トイレの改修が必要との認識はあったものの、結局改修されず、連休中は近くの店舗等のトイレを使いながらの生活を2週間以上続けることとなり、トイレが改修されたのは連休明けから1週間後の13日でした。トイレが無い状態で車椅子の居住者がどんなに不便で大変な生活を強いられたか、体調を崩してしまいそうになったと伺いました。 トイレの無い家は家とは言えず、まず、ポータブルトイレを持っていくなど、迅速な対応が必要な事例の一つと考えます。管理を委託していることで住民との距離が離れてしまっていないか、危惧いたします。 市は住宅供給公社に管理を委託していますが、その対応マニュアルがしっかりとあるのか。今回は身体障害者の住宅であったことから、福祉部局との連携など課題と今後の対応策について伺います。 (2番
小林秀子議員 質問席へ移動)
○議長(小林治晴)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 初めに、5月の大型連休中に起こりました本事象によりまして、入居者の方には長期間にわたり御心労と御不便をお掛けしましたことに対し、心よりおわび申し上げます。 対応マニュアルについてですが、市では指定管理者である長野県住宅供給公社との間で、休日等に入居者などから入電される修繕等の依頼に対応するための緊急連絡体制を整え、火災や人身事故はもとより、指定管理者が特に重要と判断した場合には、市へ通報することとしております。 本事象につきましては、トイレの詰まりを確認した大型連休初日の時点で、入居者が近くにある店舗等のトイレを使わざるを得ない状況の下、起こり得る事故の発生や心身の不調に対し指定管理者の配慮が足らず、これを容認し、市への通報がないまま連休明けに報告がされたものです。 市では、指定管理者が速やかに市へ通報の上、修繕の判断を仰ぐべきであり、障害者への対応や危機管理に係る意識が希薄であったと受け止めております。 今後、市では職員の意識醸成や指定管理者に対する指導等の徹底を図るとともに、現在、様々な緊急事象を想定した対応マニュアル等の見直しを早急に進めております。 また、福祉部局との連携につきましては、これまでも個々の事象ごとに対応してまいりましたが、特に障害者や高齢者世帯に対しては、こうした事象を未然に防止するため、入居者に係る保健福祉部からの情報提供を受けるなど、日常生活に著しく支障となる住戸の不具合箇所の把握に努めてまいります。 市では、市営住宅の適切な維持、保全が所有者としての市の責務であることを改めて認識し、指定管理者との危機管理体制の強化、充実を図ることで、入居者の皆様が日々安全で安心して暮らせる住まいの提供に努めてまいります。
○議長(小林治晴)
小林秀子議員
◆2番(
小林秀子議員) 対応マニュアル等見直しをしていただいている、また、福祉部局との連携もしっかりやっていただけるようにするというお話でございました。これを教訓にいたしまして、またお盆休みやお正月等、大きな連休もございます。そういう中、困る人が出ないような対応を是非これからもよろしくお願いいたします。 2点目は、民法改正による市営住宅の入居要件についてお伺いいたします。 一昨年の民法改正によりまして、連帯保証人への個人根保証契約の限度額設定と、住宅退去の際、経年劣化は修繕費に含めないとの考え方が示されました。本市でも、それに伴う入居の要件など検討されているとお伺いいたしております。 一方、国土交通省は住宅セーフティーネットの機能を十分果たすためにも、従来、事業主である自治体に示してきた公営住宅管理標準条例案という条例ひな形を見直し、連帯保証人を必要としないこととする通知を昨年3月30日に発出しております。 長野市としても、この通達の趣旨に沿って市営住宅の連帯保証人を廃止する旨、条例改正すべきと考えますが、退去の際の修繕費と併せて御見解をお伺いいたします。
○議長(小林治晴)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 初めに、市営住宅の連帯保証人の廃止と条例改正についてですが、民法が改正され、令和2年4月1日からは、連帯保証人を不要とするか、又は連帯保証人を必要とする場合には限度額を設定しないと、その契約は無効となります。 現在、市では入居者と同程度以上の収入を有する者で、市長が適当と認める連帯保証人との連署による誓約書を提出していただいております。しかしながら、連帯保証人を廃止した場合、家賃債務の回収が困難になることや緊急時の連絡先の確保などが課題となることから、連帯保証人の確保は必要であると考えております。こうしたことから市では、引き続き連帯保証人の確保をお願いすることとしております。 なお、個人根保証契約における限度額を設けることで連帯保証人の債務保証の負担が軽減されることから、今後、他市の状況を踏まえながら、限度額の設定については検討してまいります。 続きまして、退去の際の修繕費についてでございますが、現在、市では市営住宅の入居者が退去の際に畳の表替え、障子紙の張り替え、ふすま紙の張り替えの原状回復をお願いしております。 国では、市営住宅の家賃は低廉であり、所得によって決定されること並びに異なる特約とすることは否定されるものではないとの見解を示しておりますことから、今後も市では誓約書や市営住宅のしおりに当該事項を具体的に明示し、入居者に十分御理解をいただく中で、現行のまま運用してまいりたいと考えております。 なお、これら民法改正による入居要件につきましては、住宅供給に関する事項の調査や審議を行う住宅対策審議会からの御意見を踏まえながら、今後、関係規則の改正等を進めてまいります。
○議長(小林治晴)
小林秀子議員
◆2番(
小林秀子議員) 今の御回答では、連帯保証人は今後も必要だというお話でございました。もちろん何か不都合があったときに、その方の御親族などに連絡するためにも連帯保証人が必要だという考え方も分かりますけれども、国では住宅セーフティーネット、住宅が本当にしっかりと供給される、生きる上での住宅、住まいというのは大変重要だという観点から、国で作っているURなどでも連帯保証人は必要ないというふうに改正されております。 市といたしましても、連帯保証人を付けられなくて市営住宅に申し込めないという方も多いわけでございますので、ここにつきましては、国の国土交通省からの通達に鑑みて、是非これは連帯保証人を必要なしというふうに改正していただきたいと思いますけれども、市長、その辺はいかがでしょうか。
○議長(小林治晴) 加藤市長 (市長 加藤久雄 登壇)
◎市長(加藤久雄) 普通、連帯保証人というのはどの場合でもあるわけでございまして、ただ、今回、国のこういう改正の中で、市といたしましては今、部長が申し上げましたように、連帯保証人を廃止した場合の緊急時の連絡先の確保などという課題があるということでございますので、課題等も今後、検討いたしまして可能であるかどうか検討してまいりたいと思います。
○議長(小林治晴)
小林秀子議員
◆2番(
小林秀子議員) 是非よろしくお願いいたします。 3点目は、新たな住宅セーフティーネット制度の現状と民間住宅の活用について伺います。 高齢者、低額所得者、障害者、子育て世帯等の住宅確保に配慮が必要な方の増加が見込まれております。経済的に困窮している方々の現状を市はどのように把握しているのか、まず伺います。 一方、民間の空き家、空き室は増加していることから、これらを活用した新たな住宅セーフティーネット制度がスタートしております。本市でも進められているとお聞きしていますが、現状を伺います。
○議長(小林治晴)
樋口保健福祉部長 (
保健福祉部長 樋口圭一 登壇)
◎
保健福祉部長(樋口圭一) 経済的に困窮している方の現状把握についてお答えします。 本市における生活保護受給世帯は、保護停止中の世帯を除き、本年3月末現在で2,627世帯、保護人員は3,339人となっております。前年同期と比較して80世帯、100人増加しており、保護世帯全体の約半数を高齢者世帯が占め、障害者、傷病者世帯が3割強、ここに母子世帯を加えますと、全体の9割弱となります。 生活保護世帯以外には経済的に困窮している方の正確な人数を把握することはできませんが、様々な理由から最低限度の生活を維持できなくなり、生活困窮に陥った方からの相談を受けている、まいさぽ長野市での相談の延べ件数は、平成29年度が7,085件、平成30年度が7,712件となり、開設年度である平成27年度の5,586件と比べ、約4割の増加となっております。
○議長(小林治晴)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 新たな住宅セーフティーネット制度についてお答えします。 本市においては、単身高齢者が急増する中、市営住宅の募集におきましても、昨年度は60歳以上の単身者からの応募が105件で、全体の25パーセントを占めております。 単身高齢者の応募に当たりましては、これまで申し込める住宅の募集が少ないといった声がございました。また、高齢者の住宅に関する相談事例からは、高齢独居になった場合、年金収入が半減することから、住宅費の負担が増大するケースが増えているなどの状況を確認しております。 こうした中、市では高齢者の住宅対策として、3DKの住戸に単身者も応募できるよう入居基準の見直しなどを行ったところでございます。これにより、単身者が応募可能な住戸の応募倍率は、入居基準を見直す前には8倍を超えていたものが、平成30年度には3.08倍と大幅に低下し、単身高齢者の市営住宅への入居を促進する上で、大きな改善効果があったものと考えております。 最近の市営住宅の申込み状況につきましては、高齢者以外にもひとり親世帯などからの応募も増加傾向にあることから、議員御指摘のとおり、入居方法の更なる工夫が必要と考えております。 市では、入居優先枠を設け高齢者等の申込みに応じており、この枠を広げることも考えられますことから、今後、入居希望者の応募バランスを考慮しながら、入居方法の改善につきまして検討してまいります。
○議長(小林治晴)
小林秀子議員
◆2番(
小林秀子議員) 住宅セーフティーネット制度、長野市でも緒に就いたやに聞いておりますけれども、そこの御答弁をお願いいたします。
○議長(小林治晴)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 今、質問いただきました新たな住宅セーフティーネットの状況ですけれども、平成29年10月に賃貸住宅の大家さんが高齢者や低額所得者など、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の登録制度が創設されました。 本市における登録状況につきましては、現在のところ市内において登録物件は無く、県内においても、諏訪市で1件1戸が登録されたのみであります。 登録件数が低調となっている要因についてでございますが、県が行いました住宅確保要配慮者供給調査の結果では、この制度を知らないと回答した賃貸住宅の大家さんが約7割いることが判明しております。この制度の周知不足があるものと考えられます。 本制度は、公営住宅を補完するものであり、住宅確保要配慮者の居住の安定が図られる他、空き家の活用につながるものとされております。 今後、市では関係する不動産団体はもとより、賃貸住宅の大家さんに向け、広く情報発信に努めてまいりたいと考えております。
○議長(小林治晴)
小林秀子議員
◆2番(
小林秀子議員) 住宅セーフティーネット制度、これができましたときに、私も大変期待をいたしました。市営住宅は抽せんがございますので、抽せんに漏れた方というのは、当然市営住宅に入ることができません。15万8,000円が市営住宅の収入の上限なんですけれども、15万8,000円以下でお暮らしの方というのは、高齢者の中でおひとり暮らしだと相当多くいらっしゃいます。 そういう方がなかなか市営住宅に入れないという現実を新たな住宅セーフティーネット制度の中で、何とか救っていただきたいというのが大きな願いでございました。まだまだ進んでいないという現状があるようですけれども、至急立ち上げていただいてお願いしたいと思います。 不動産関係者の中でも、連帯保証人がいなくても何とか住まわせてあげようということで、そういった方を入居させていただいている大家の方もいらっしゃいます。 ですけれども、そういったところには、何かあったときに困難等がありますので、こういうところに入っていますと、国からの様々な改修補助でありますとか、また家賃を少しでも、国と地方公共団体で補助する、そういう制度もございますので、しっかりとこの制度をつくっていただくことが大変重要だと思っております。 いい例といたしまして、私が見ましたのは、秋田県の横手市、ここは人口9万人のところでございますけれども、1町5村が合併をしてできたところであります。これを3つのブロックに分けて、高齢者の住まい安心センターというものをつくりまして、しっかりと皆様に手当てをしているところがございます。 長野市といたしましても、先進事例にしっかりと学びながら高齢者、また低所得者の皆様が安心して暮らせるような手だてを是非よろしくお願いしたいと思います。 先ほど部長答弁で、障害者、高齢者、また子育て世代に今、配慮をしていただいておりますけれども、その配慮の枠を広げていただくという御答弁も頂戴をいたしました。これも有り難いことだと思っておりますので、是非引き続きよろしくお願いしたいと思います。 最後になりますけれども、公営住宅並みの家賃の住宅に住むことができれば、生活保護を受けないでも済むという多くの人の相談がございます。本市も公共施設マネジメントの観点からも、市営住宅の増設が難しい中、市営住宅並みの家賃で住めるような家賃の補助制度の創設を是非市長にしていただきたいと思いますけれども、御見解をお伺いいたします。
○議長(小林治晴) 加藤市長 (市長 加藤久雄 登壇)
◎市長(加藤久雄) 少子高齢化社会におきまして、低額所得世帯、高齢者世帯などが増加傾向にある中で、これまで市におきましては、生活困窮者の住宅確保につきましては、着実かつ計画的な市営住宅の供給を図ってまいりました。 本市における市営住宅の供給必要戸数につきましては、昨年2月策定の長野市第三次住宅マスタープランにおきまして、現在の市営住宅管理戸数3,516戸を令和8年度末までに3,050戸に減らす方針を示したところでございます。 なお、市営住宅の供給必要戸数の将来推計につきましては、市内における低額所得者や高齢者の世帯数などを考慮して算出しております。 こうしたことから、基本的には市営住宅の戸数だけで生活困窮者の需要に対応できるものと考えておりますけれども、今、小林議員がおっしゃったように、大幅に高齢者のひとり世帯、低額所得世帯が増えているという状況を考えまして、今後、改めて統計等を再度考慮いたしまして、対応をしてまいりたいというふうに思っております。 どちらにいたしましても、議員御提案の補助制度の創設につきましては、非常にいい意見でございますので、研究を進め良質な賃貸住宅への安定確保を図ってまいりたいと思います。
○議長(小林治晴)
小林秀子議員
◆2番(
小林秀子議員) 住まいの安心あってこその幸せ実感都市でございますので、よろしくお願いいたします。
○議長(小林治晴) 16番鈴木洋一議員 (16番 鈴木洋一議員 登壇)
◆16番(鈴木洋一議員) 16番、改革ながの市民ネット、鈴木洋一でございます。 特色を活かした商工業の振興について伺います。 本市の産業振興策は、第五次長野市総合計画の産業・経済分野に掲げている特色を活かした商工業の振興を実現するために、商工業の強化と環境整備の促進、地域の特性が光る商工業の推進及び新たな活力につながる産業の創出の3つを柱として展開されているものと理解しております。 そこで、今年度、商工費予算額69億9,800万円の95パーセントを占める商工業振興費を見てみますと、中小企業振興資金融資62億5,000万円と商工近代化促進費の中の工場等立地助成事業2億2,500万円の2つの予算で93パーセントを占めていることが分かります。したがって、現状の振興策の内容を端的に表現すれば、融資と助成と言っても過言ではないと思います。 これらの事業は、歴史と実績のある重要な施策であることは十分理解しておりますが、総合計画に掲げた目標を達成するには、地域の実情を踏まえた新しい発想が求められているのではないかと考えます。 例えば、現行の融資と助成に事業環境を整えるための市としての投資や整備の視点を加えた、都市計画マスタープランにある地域別街づくり構想と連動した新たな産業振興策といったことであります。 投資や整備は、行政としてリスクが伴うため、地域の実情を調査し、マーケティングや収支計画など緻密な検討が必要となりますが、このことは後段で取り上げるといたしまして、まず本市、商工費予算の大半を占める中小企業振興資金融資の現状について伺います。 中小企業振興資金融資制度は14資金から成っておりますが、平成29年度融資実績38億6,000万円のうち、経営安定特別資金12億3,700万円と創業支援資金8億1,100万円で融資額の53パーセントを占めております。 そこで、この2つの融資について、個別案件ごとにはいろいろあると思いますが、全体として融資を受けた事業者が本市の中で、今日まで隆々と事業を展開できているのか、言い換えれば、制度融資が目的としている、融資を契機に信用力を確立し、民間金融機関と通常の取引が円滑に図られているという成果につながっているのかについて伺います。 (16番 鈴木洋一議員 質問席へ移動)
○議長(小林治晴) 高橋商工観光部長 (商工観光部長 高橋 要 登壇)
◎商工観光部長(高橋要) 長野市中小企業振興資金融資制度--いわゆる制度資金は、市が金融機関に対して資金を預託し、金融機関を通じて中小企業者に長期、固定、低利の融資を行う制度であり、金融機関も定められた協調倍率の範囲で融資を引き受けるとともに、本市が長野県信用保証協会に対して事業主が支払う保証料の一部を補助することで、預託した資金は全て年度末に市に返還されます。 御質問の制度資金を利用している事業者の事業継続につきましては、個々の案件ごとに把握はできてございませんが、市内の事業所の負債総額1,000万円以上の倒産件数は、ここ数年、8件から17件程度で推移していることから、制度資金利用者も含めて、おおむね経営の継続が図られているものと考えております。 また、平成30年度の融資の総件数は573件で、このうち借換えを目的とした融資件数は66件でございまして、全体に占める借換え案件の件数及びその割合は年々減少しております。 このことから、制度資金に依存している状況ではないと考えられ、制度資金の利用による事業継続、中小企業者の信用力向上に一定の成果は出ているものというふうに考えております。
○議長(小林治晴) 鈴木洋一議員
◆16番(鈴木洋一議員) よく分かりました。直近の融資実績推移を見てみますと、平成27年度で824件、54億1,600万円、平成28年度が767件、49億円、平成29年度678件の38億6,000万円と、件数、融資金額の両方とも減少傾向にあり、平成29年度当初予算65億5,000万円に対して融資実績が38億6,000万円と、融資の実行率は58パーセントにとどまっております。 こういう低金利時代にあっては、本市の制度融資そのものへのニーズが減少していると受け止めるべきではないでしょうか。仮にそうであるならば、中小企業振興資金融資予算を減額し、他の産業振興策や新しい事業環境整備のための投資施策に有効活用すべきではないかと考えますが、所見を伺います。
○議長(小林治晴) 高橋商工観光部長 (商工観光部長 高橋 要 登壇)
◎商工観光部長(高橋要) 初めに、制度資金の予算の減額についてお答えいたします。 制度資金は中小企業の資金繰り、経営の安定化に貢献するだけでなく、事業活動支援を通して市民の雇用、生活にも貢献している事業でございます。 そのため、取引や決済が困難となるような大きな災害や金融危機が来たとしても、すぐに対応できるよう、例年多少余裕を持った融資枠を予算として定めているところでございます。引き続き、一定枠は確保してまいりたいというふうに考えております。 次に、減額した予算、企業誘致のための事業環境を整備する投資などに活用してはどうかとの御提案でございますが、環境整備の観点から申し上げますと、現在、市の産業団地は空きがなく、企業の立地希望に迅速に対応することが難しい状況となっていることから、昨年度より新たな産業団地開発の可能性について、企業ニーズを含めて調査をしているところでございます。企業誘致に向けては、こうした事業環境の整備は不可欠であると考えております。 その一方で、大規模な開発等においては財政リスクを伴う面もありますので、開発の手法や財源を含めて検討してまいります。
○議長(小林治晴) 鈴木洋一議員
◆16番(鈴木洋一議員) 今、少し御答弁の中にもありましたが、企業、事業所の誘致について伺いたいと思います。 本市の産業振興策の中核となっている制度融資事業に続くのは、工場用地取得事業助成金、事業所等設置事業助成金などから成る工場等立地対策補助金と事業会計で管理されている産業団地立地促進事業の9億円の11.4億円であり、これは企業、事業所の誘致に位置付けられるものであると思います。 さらに、本年3月定例会における商工観光部長の議案概要説明には、市の東京事務所や長野県など、関係機関と連携を密にして企業誘致を展開すると明記されていることからも、企業、事業所誘致は産業振興の2つ目の柱として展開されているものと理解できます。 それでは、これらについて2点、伺います。 1点目は、平成28年3月定例会質問で取り上げさせていただきました、岡山大学中村良平先生による地域経済構造分析による産業政策の立案で、先生は、地域がその地域にある比較優位な資源を見出して、それを有効に活用した財やサービスを生み出し、域外に移出することで、地域内に資金を呼び込み、その獲得したマネーを域内で循環させることがポイントであると力説されておりますが、私は更にここに事業環境を整えるための投資や整備を加え、地域がその地域にある比較優位な資源を見出すために行政として投資による事業環境を整備することで、更なる財やサービスを生み出し、域外に移出することで地域内に資金を呼び込み、その獲得したマネーも域内で循環させるとさせていただきたいと思います。 つまり、総合計画にある特色を活かした商工業の振興を目指すのであれば、地域経済構造分析を行い、本市にとって最も有効でコストパフォーマンスの高い産業振興政策を作り上げるとともに、投資による事業環境整備をすることで、企業、事業所の誘致につなげるべきと考えます。 2点目は、本市の訴求力強化であります。 本市における中長期的なグランドデザインを具体的に描き出し、あらゆる手段を講じ、あらゆる機会を通して社会にアピールするべきではないでしょうか。例えば、中山間地域は森林資源を活かした産業を、農業が盛んな地域では農業生産を活かした6次産業による産業振興など、地域ごとの将来像とそこへ参加してもらう人たちや企業に対する支援策を示すことが企業、事業者の誘致につながっていくのではないかと考えます。 以上、2点について所見を伺います。
○議長(小林治晴) 高橋商工観光部長 (商工観光部長 高橋 要 登壇)
◎商工観光部長(高橋要) 初めに、地域経済構造分析の実施と企業誘致への活用についてお答えいたします。 限られた予算の中で効果的な産業振興施策を行うため、本市の経済構造等から産業の強みや稼ぐ力等を分析し、これを参考に企業誘致を進めることは有効な手段というふうに考えております。 御指摘の地域経済構造分析の他、今は様々な手法があると思いますが、本市においては、現行の長野市商工業振興・雇用促進計画の策定に当たり、経済センサス、工業統計調査、地域産業連関表等を活用し、産業構造や課題の分析を行ってまいりました。 本市の製造業を製造品出荷額で見ますと、食料品、電子部品・デバイス、情報通信機器などの業種が一定の厚みを持っております。また、粗付加価値額構成比の特化係数--これは全国比ですが、この数値が高いほど地域でその産業が生み出す価値が特徴的と言えるものでございますが、これを見ますと、電子部品・デバイス、印刷、情報通信機器、食料品などの数値が高く、これが本市の特徴的な産業と言えます。 本市においては、このように一業種に特化した産業構造ではなく、様々な業種が集積しているのが特徴であり、また強みでもあるというふうに思っております。 このため、企業城下町的な恩恵は受けにくいものの、不況においても比較的安定して地域経済を支えている要因であるというふうにも考えております。 また、AI、IoT等の技術革新により、今後、ますます成長が期待されるICT産業につきましても一定の集積があり、本市の特徴的な産業の一つでございます。地域企業のIT化や生産性の向上、新産業の創出など、需要の裾野が広いことから、更なる誘致、集積を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。 今後もこうした特徴や強みを生かしつつ、交通利便性、災害リスクの少なさ、自然環境の良さといった本市の利便性や助成制度をPRし、企業誘致、事業所の誘致へとつなげてまいります。 また、投資という面では、先ほど申し上げましたとおり、産業団地の開発など、事業環境の整備を中心に検討してまいります。 次に、地域ごとの将来像と支援策を示した企業誘致についてお答えいたします。 地域において、その特性に沿った産業を育てていくことは、地域活性化の観点からも重要でございます。特に、本市は市域の多くを中山間地域が占めており、その主要産業である農業については、6次産業化によって高付加価値化や雇用の創出が期待されております。 現在、エリア別のまちづくりについては、都市計画マスタープランに方向性が示されておりますが、地域ごとの産業の将来像につきましては、やはり地元の生産者や事業者等が主体となって取り組むことで、より現実的、実効性のあるものになるのではないかというふうに考えております。 各地域の状況を見ましても、戸隠のソバ、鬼無里のエゴマ、各地のおやきなどは、地域の取組により特産品が製造加工の地場産業に結び付いており、他にも七二会のソルガムや若穂、中条におけるジビエの活用など、新たな事例も育ちつつあります。また、本市では、既に10の法人や団体が6次産業化総合事業計画の認定事業者として国の認定を受け、農産物などの加工、直売等の事業を展開しております。 今後も地域の特性に合った様々な事業が生まれ、成長し、6次産業化や企業とのタイアップ等へと進んでいくことが期待されます。市といたしましては、中山間地域におけるやまざとビジネス支援補助金や農産物加工施設等支援補助金を初め、工場等立地助成金等、それぞれのケースに応じた各種支援メニューや地域の特性を発信、PRすることで地域の力を引き出し、ひいては企業誘致へもつなげられるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○議長(小林治晴) 鈴木洋一議員
◆16番(鈴木洋一議員) 融資と助成、企業、事業所の誘致を2本柱に加え、地域資源を活かすための事業環境を整えるための投資や整備が必要だと申し上げてきました。そこで、以前も取り上げており恐縮でございますが、事例を挙げ、改めて伺います。 真島地域にある旧市民体育館跡地は、市内で開催される大きなイベントの際の臨時駐車場等として利用されておりますが、これまで議会やまちづくり会議などで跡地を活用することによって地域活性化や地域振興につなげてほしいといった要望が出されておりました。 また、繰り返しになりますが、都市計画マスタープランは、農業的な土地利用が主な地区では農地保全を図るとともに、体験型農業や6次産業化等の農業振興に必要な施設の立地が可能な土地については、その利用を検討する、としていることを踏まえて、具体的に跡地の再生を検討すべきと思いますが、このことによる経済効果は当該地区にとどまるのではなく、本市全体に波及するものと考えます。 また、市民体育館跡地に隣接して集荷と分荷の機能を有する市場団地や果樹園地などの豊富な地域資源があり、これらを一体として捉えることができれば、大きな夢のある産業振興、地域振興につながるのではないかと思います。さらには、こうした可能性は本市の各地域に眠っているのではないかと考えますが、改めて所見を伺います。
○議長(小林治晴) 高橋商工観光部長 (商工観光部長 高橋 要 登壇)
◎商工観光部長(高橋要) 初めに、真島地域にある旧市民体育館跡地につきましては、長野市都市計画マスタープランに基づく区域区分においては、市街化を抑制する市街化調整区域内にあり、原則として開発が規制されております。 現在は、主にホワイトリングで開催されるイベント等の駐車場として活用されており、年間を通じてスポーツの全国大会等で県外からのお客様をお迎えし、宿泊や飲食、交通などを含め、広く本市の経済波及効果につながるなど、現在、施設にとって不可欠なスペースというふうになっております。 今年度からは、バスケットB2リーグの信州ブレイブウォリアーズのホームアリーナとして、年間20試合前後が予定されている他、B1昇格を見据え、アウエーチームからの集客も見込まれ、新たな地域資源として地元と共に盛り上げていただければというふうに考えております。 また、隣接するJAの施設などと連携することで、地場産品のPRなどへの活用も可能ではないかというふうに考えておるところでございます。 次に、周辺の市場団地や果樹園等を一体的に捉えて産業振興、地域振興に活用してはどうか、及び地域資源を一体として捉えれば、こうした可能性が各地域に眠っているのでは、との御提案についてお答えいたします。 本市は、リンゴ、桃、ブドウの3品目で1,500ヘクタールの栽培面積を有する果樹の産地であり、果樹園も各地に存在することから、近隣の地域資源と一体的に活用することで、地域振興につながっていく可能性もあるのではないかというふうに考えております。 そのための一つの手法として、地域未来投資促進法の活用というものが考えられます。これは民間企業が主体となり、地域の特性を生かした産業で、地域経済をけん引しようとするもので、国や県、市の方針や計画に基づき事業者が作成する地域経済牽引事業計画の認定を受けると、事業者は税制や金融による支援、土地利用調整における配慮が受けられるというものでございます。 今後は、この制度の活用も含め、事業主体や規模、内容など、民間事業者からの具体的な提案や経営企画があり、実現性があると判断される場合には、都市計画の区域区分や農業振興地域などの土地利用等の調整等、個別案件ごとに対応してまいりたいというふうに考えております。
○議長(小林治晴) 鈴木洋一議員
◆16番(鈴木洋一議員) いろいろな規制等、簡単なことではないと思いますけれども、前例踏襲ということではなくて、新しい思い切った発想で取り組んでいっていただくことを要望させていただきたいと思います。 次に、公共交通と渋滞解消について伺います。 本定例会初日の市長議案説明において、先月13日に丹波島橋周辺における渋滞緩和に向けた、自家用車から公共交通機関等への転換を図るエコ通勤のPR活動を行った、との説明がありました。チラシとアンケートはがき等の配布により、車通勤者への啓発と意識改革の効果を期待したいところであります。 市長からは、議案説明においてパーク・アンド・ライドの利用と時差出勤の導入を企業に働き掛ける、との説明がありましたが、しかしながら、本年3月定例会において、今年秋に予定されているパーク・アンド・ライドの試験的実施について取り上げさせていただいた際に、重要なことは公共交通に移行する場合の市民ニーズを把握し、それを試験的実施に反映させることが必要だ、というふうに申し上げさせていただきました。是非検討していただきたいと思います。 ニーズ把握のポイントとしては、どこに臨時駐車場があったら公共交通機関に切替えやすいか、我慢できるバスなどの待ち時間、新しい運行ルートの要望等ではないかと思いますが、これらの観点を新たに利用者となってほしい企業等の従業員から聴取するとともに、長野市南部の住民自治協議会でも御協力をいただきながらアンケート等を実施し、それらの結果を試験的実施に反映させた上で取り組むべきではないでしょうか。公共交通利用の促進と積年の課題である渋滞解消に本気になって取り組んでいただきたいというふうに考えますが、御所見を伺います。
○議長(小林治晴)
羽片都市整備部長 (
都市整備部長 羽片光成 登壇)
◎
都市整備部長(羽片光成) ながのスマート通勤応援事業は、自家用車から公共交通や自転車への転換を図るエコ通勤を推進するとともに、時差出勤などのピークシフト対応を併せて進めることで、市民がストレスなく通勤できるよう支援する事業であります。 11月に実施予定のながのスマート通勤応援月間では、丹波島橋周辺の渋滞緩和につなげるため、パーク・アンド・ライド臨時駐車場を設置し、電車、バスへの乗り換えを促します。 なお、臨時駐車場の具体的な設置場所等については、現在、検討を進めているところでございます。 今後、長野駅周辺の企業を中心に訪問し、事業への協力を依頼してまいりますが、訪問の際には議員御指摘のとおり、公共交通に乗り換えるためのニーズ把握について、従業員への意見聴取をお願いしてまいります。 エコ通勤に関する取組につきましては、なかなかすぐには効果が見込めないものの、継続して取り組んでいく必要があると考えているところでございます。 そのような中で、市民ニーズを把握するためのアンケートについては、篠ノ井、松代、若穂、川中島、更北地区の住民自治協議会で設立された長野市南部地区渋滞対策協議会等とも相談させていただきながら、お送りしたいと考えてございます。
○議長(小林治晴) 鈴木洋一議員
◆16番(鈴木洋一議員) 本当によろしくお願いしたいと思いますが、渋滞の緩和と解消は、積年の課題となっておりまして、今回の試験的実施をより具体的にいろんな意見を反映させた中で行うことが、その次の段階の渋滞解消に向けた取組につながると思っておりますので、是非ともその辺を踏まえてお願いしたいというふうに思います。 次に、中山間地域における住民自治協議会への地域いきいき運営交付金について伺います。 平成27年の国勢調査から、平成22年と平成27年における人口と世帯数を比較してみますと、人口については、平地部で99パーセントとほぼ維持できているものの、中山間地域では88.2パーセントに減少し、また世帯数では平地部で103.4パーセントと増加しているのに対しまして、中山間地域では93.7パーセントへ減少しております。 さらに、昨年12月1日時点における地区別、年齢別人口に基づき、65歳以上の割合が45パーセントを超える8中山間地域について、人口に占める75歳以上の人の割合を計算してみますと、本市平均値の15.5パーセントを大きく上回る31.5パーセントとなっており、中山間地域の人口減少と高齢化の厳しい現実が見てとれます。 そんな中、中山間地域にお住まいの方から住民自治活動を続けるための課題について、切実なお話を伺いました。本市の平地部、中山間地域を問わず、各地域においては、これまで伝統的に行ってきた様々な事業を継承する中で、地域内での交流を図るとともに、時には助け合いながら、美しいふるさとを守るための美化活動等に取り組んでいるところでございます。 この方の地区では、主に自主防災活動、河川清掃、健康サロン、福祉大会、環境保全への取組などなどの事業を行っているということでございますが、これらの一部には地域のための事業もあるものの、大半は公的なものであると思います。 しかしながら、この方の中山間地域は住民の大半が高齢者となっており、これまでの奉仕の精神だけでは立ち行かないため、今の事業の一部を外部に委託するか、あるいは縮小するかといった差し迫った事態に直面しているとのことでした。 一方、各地区で様々な事業を行う際の財源は、長野市から交付される地域いきいき運営交付金ですが、その交付額について少ないとか、人件費だけは満額補填されているといった不満の声が聞こえてきます。 なぜ、こうした声が出てくるのかについて考えてみますと、世帯数が算定の基準となっていることにあるのではないでしょうか。世帯数は公平な観点から妥当な基準であると思いますが、他方、住民自治活動に伴って発生する費用の中には、世帯数と関連しないものがあると思われることから、特に交付金額が少ない中山間地域においては、算定基準と活動実態の間のギャップが拡大し、つい感情的な議論となるのではないかと考えます。 そのため、各地域で行われている住民自治活動について一度調査をし、コストを積算することにより、ギャップの存在が明らかになるのであれば、交付金の算定方法へしっかりと反映すべきではないでしょうか、所見を伺います。
○議長(小林治晴) 増田地域・
市民生活部長 (地域・
市民生活部長 増田武美 登壇)
◎地域・
市民生活部長(増田武美) 地域いきいき運営交付金は、住民自治協議会が行う事務や自主的かつ自立的な福祉の増進のための取組を支援することを目的に交付しておりまして、市で依頼し、一律に実施していただく必須事務は、当初22事務から、現在19事務に段階的に見直しを行ってまいりました。 しかしながら、議員御指摘のとおり、算定基準と活動費用とのギャップの有無に関しましては、中山間地域を含めた市内全地区において常に現状を把握していることが必要であるというふうに考えます。 住民自治協議会は、本格的なスタートから10年が経過しておりまして、活動の現状にはどのような地域差があるのか、今年度中に調査をする予定でございます。
○議長(小林治晴) 鈴木洋一議員
◆16番(鈴木洋一議員) 調査をされるということでございますが、地域いきいき運営交付金の算定に加えて、例えば活動費補正額というのもあると思うんですね。 この活動費補正額についても、基本額と世帯調整額に分けて考えてみると、世帯調整額も世帯数によって大きく変化が生じてきていて、例えば、人口の多いところだと、世帯調整額が占める割合が全体の3分の2ぐらいだと。世帯数が少ないところだと全体の6分の1というような形で、全体として世帯数がものすごく交付金に影響しているというふうに思っておりますので、是非とも、改めてその辺の調査をしっかりと行っていただきながら、反映させていただくことをお願いしたいと思います。
○議長(小林治晴) 午後1時まで休憩いたします。 午前11時44分 休憩 午後1時 再開
○副議長(寺沢さゆり) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 10番北澤哲也議員 (10番 北澤哲也議員 登壇)
◆10番(北澤哲也議員) 10番、新友会、北澤哲也です。 市民目線に立った前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。 まず初めに、外国語指導助手、ALT採用について伺います。 小学校の外国語活動と外国語科完全実施が令和2年度からと伺っていますが、その際には小学校3、4年生が年間35時間、約週1時間、小学校5、6年生は年間70時間となり、週2時間入ってくるということと理解しております。 平成30年度、令和元年度の2年間は移行期間となっており、期間中は各校によってばらつきがあるようですが、小学校3、4年生は年間15時間から35時間の間、小学校5、6年生については、年間50時間から完全実施時間の70時間の間で各校の判断に委ねられておりますが、ALTの配置においては始まっている状況です。 市教育委員会のお考えでは、約4回に1回、25パーセント程度、ALTを配置することとしています。この新学習指導要領の移行期間を経て完全実施に向けて、今年度からは小学校3、4年生には約60パーセント、年間10時間のところもあれば、年間35時間のところもありますが、その時数に応じて約60パーセントのALTの配置を計画しており、当然それに伴ってALTは大幅な増員が必要になってくると推察いたしますし、令和2年度の完全実施になったときには更に時数が増えますので、ALTもその60パーセント、25パーセントを維持するとなると、当然人数も増やしていかなければならないという状況になっております。 まず、1点目として、本市としてALT拡大に当たり、どういった計画であるのかお伺いいたします。 3月に北九州市にあります認可外保育施設に勤務するカナダ人の男性講師が、この施設に通う当時2歳の男児に暴力行為を及んでいたことが分かり、市は施設に対して、特別立入調査を実施し口頭指導を行ったそうです。このカナダ人講師は、ネーティブ英語講師として2001年に来日、私立高校や私立中学校のALTとしても長年勤務経験があったそうです。 そこで、2点目として、本市において、ALT採用においての判断基準はどのようになっているのかお伺いいたします。 小学校の外国語活動において、ALTに求めるネーティブとは一体どういうものになるのでしょうか。指導教材の準備・作成の補助、担任又は担当教員が行う英語の授業の補助、言葉の使用法、発音など、児童・生徒との会話や交流、母国の言語や文化についての情報提供など様々な役割があると感じておりますが、長きにわたり海外での生活をしていた日本人、逆輸入のALTなども一つではないでしょうか。ネーティブな発音や言葉の使い方は説明できますし、児童や担任らとのコミュニケーションにも支障はありませんし、日本の教育についても知識があります。 3点目として、一定期間以上の留学、海外生活をしている日本人ALTの登用についての御所見をお伺いいたします。
○副議長(寺沢さゆり) 永井教育次長 (教育次長 永井克昌 登壇)
◎教育次長(永井克昌) ALTの活用につきまして、平成26年、文部科学省は、今後の英語教育の改善、充実方策について、グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言の中で、全ての小学校でALTを確保し、指導体制の充実を図ることを求めています。このことを受け、本市では小学校3、4年生において、英語でやりとりする楽しさを感じ、興味・関心を高めることを大切に考えてALTを重点配置することとし、授業でALTを活用する時数の割合を62パーセントとして運用しております。 また、小学校5、6年生におきましては、教科化を見据えて学級担任の指導力を生かしながら効果的な場面でALTを活用し、生きた英語に触れる機会を確保することを狙いとし、平成28年度までに実施していた約25パーセントの割合を維持しております。 なお、この数字は平成28年度の授業でALTを活用した時数の割合、全国平均62.4パーセントを参考にしたものでございますが、本年4月に出された最新の調査結果においては、全国平均が71.4パーセントと更に10パーセント近く上昇しております。これまで一般的には英語の試験において、聞く、話す、読む、書くの4技能のうち、主に話すを除いた3技能の力を測定しておりましたが、新学習指導要領においては、話す力を高めることが強く求められることになり、報道されているように、大学の英語試験も大きく変革されようとしております。本県の公立高校の入試制度についても同様で、3年後の見直しに向け英語で話す試験の導入について、既に検討されている、と本年4月に報道されたところでございます。 このように、英語を使ってのコミュニケーション能力が一層求められていく中、小学校、中学校の段階から実際に人と人とが向かい合い、英語でやりとりをする経験が重要視され、全国的に授業でALTを活用する割合が増えてきているものと認識しております。 議員から御質問のありました計画についてでございますが、このような現状も鑑み、現在、本市の英語教育の在り方について、小・中学校9年間を見通し、各発達段階において育みたい力や目標を整理し、その手段の一つとしてALTの効果的な活用を位置づけ、国の動向や様々な取組事例を参考にしながら検討を進めているところでございます。 次に、ALT採用においての判定基準についてお答えします。 ALTの採用に当たり選考手順といたしましては、提出された履歴書を確認し、学歴、資格、これまでの指導経験等について書類審査をいたします。次に面接試験を行いますが、小学校で指導する場合には教員と日本語で授業の打合せをする必要がございますので、まず、日本語で意思疎通ができるかどうかを確かめます。面接の内容としては、英語教育に係る質疑応答、面接官との模擬授業等がございます。子供に伝わる分かりやすい指示の出し方、子供のやる気を引き出す受け答えの様子、活動のアイデアなどの項目について3段階で評価し、総合的に評価をした上で採用者を決定いたします。 なお、応募者の状況でございますが、昨年度は3名のALTの採用枠に対し、14名の応募がございました。 議員が心配される採用したALTの資質向上については、児童を対象にした学校評価の質問項目に、ALTとの授業における達成感を位置づけ、子供がALTの指導をどのように受け止めたかを客観的に把握するとともに、校長にはALTの勤務態度や指導の様子などについての報告を依頼し、その結果を受けてALTに対して指導、監督を行っております。 次に、日本人ALTの登用についてお答えします。 小学校のALTは、議員御指摘のとおり、教材作成、授業補助などを通して教員をサポートする役割に加えて、子供たちが英語で話す力を高める大切な役割を担っております。実際にALTとの授業では、学んだ英語を使って実際の生活に即したやりとりができたときの喜びが、子供たちの更なる英語学習への意欲につながっている、と学校現場から感想が寄せられております。 したがいまして、子供の英語力を高め、英語学習への意欲を引き出す資質、能力があれば、アメリカ人やイギリス人などの英語を母語とする人に限定するものではなく、国籍を問わず採用可能であると考えております。 なお、現在、既に英会話教室での豊富な指導経験のある方、海外に一定期間滞在経験のある方といった日本人のALTも採用しており、今後とも書類選考や面接試験を通して、質の高いALTの配置に努めてまいります。
○副議長(寺沢さゆり) 北澤哲也議員
◆10番(北澤哲也議員) 参考までに再質問させていただきます。 先ほど14名のALTの応募があったということでございます。その際、3名が採用されたんですけれども、その他の方々はどんな方で、更には基準をクリアしているのかどうか、お答え願いますでしょうか。
○副議長(寺沢さゆり) 永井教育次長 (教育次長 永井克昌 登壇)
◎教育次長(永井克昌) 今手元に一人一人の資料等を持っていないので細かいお話はできないんですけれども、書類選考の段階で、例えばビザをとっての行き来で時間が掛かるとか、連絡がとりにくいとか、そういったことで条件を満たしていない方もいらっしゃいますし、後は全国から募集がありますので、実際に現在お住まいの場所からこちらが求める学校への勤務が難しいといったような理由で、ちょっとこれは難しいというふうに判断されたケースもございますし、本当に甲乙つけ難いというか、どちらにしようかなと迷ったような先生方もいらっしゃいますので、そこは幅がある中で3名を選んだという状況になっております。
○副議長(寺沢さゆり) 北澤哲也議員
◆10番(北澤哲也議員) 是非慎重な審査をしていただきたいなと思っている次第でございます。 では、次の質問に移ります。 高齢化や核家族化などの進展に伴い、ひとり暮らしの高齢者が増加することにより、日々の家庭ごみを集積所へ運ぶことができなくなった世帯が増加しているなどの課題を抱える一部の自治体では、ごみ出し支援を行っているとの情報が新聞などで取り上げられています。 国の調査によりますと、日本の65歳以上の人口は戦後の昭和25年には総人口の5パーセント未満でしたが、高度経済成長期の昭和45年には7パーセントを、バブル経済崩壊後の平成6年には14パーセントを超え、現在は26.7パーセントに達しています。今後、総人口が減少することにより高齢化率は上昇を続け、令和42年には39.9パーセントに達し、国民の約2.5人に1人が65歳以上となる超高齢化社会になると推計されています。 また、国ではごみを集積所に出すこともできない高齢者宅へ出向いて回収するごみ出し支援制度がある自治体は23パーセントにとどまっているという状況について、従来の廃棄物処理体制から高齢者化社会に対応した廃棄物処理体制へと転換していく必要があるとの認識に立ち、高齢者宅のごみ出し支援について今年度中に自治体向けに先進地の事例をモデルとした制度設計のためのガイドラインを作成することとしています。 栃木県下野市は、事業を委託するシルバー人材センターの会員が高齢者宅の玄関先で声を掛けた上でごみを引き取ったり、市職員がごみの回収に出向く福島市では、高齢者に必ず声を掛け、異常があれば離れて暮らす親族などに連絡する。定期的に高齢者を訪れることで安全・安心なまちづくりにもつながります。このような国や他自治体の動向を踏まえますと、本市においても高齢化社会に適応した廃棄物処理体制について検討する必要があるのではないかと考えます。 そこで、高齢者世帯等に対するごみ出し支援について、本市の現状と今後の本市における制度の在り方について担当部局の所見をお伺いいたします。
○副議長(寺沢さゆり) 宮尾環境部長 (環境部長 宮尾正彦 登壇)
◎環境部長(宮尾正彦) 本市における高齢者世帯に対するごみ出し支援の現状につきましては、長野市社会福祉協議会がごみ出しを含む家事全般を支援する地域たすけあい事業を実施している他、一部地域では住民有志によるボランティアグループが支援を必要とする高齢者世帯に対し、ごみ出しの他、雪かき、買物、庭の草取りなどの生活支援を行っており、地域内で自主的に助け合う仕組みが成り立っている事例が幾つかございます。 議員の質問にもありますとおり、平成27年の国立研究開発法人国立環境研究所、資源循環廃棄物研究センターの調査報告によりますと、今後急速に進展する高齢化、核家族化などにより、ごみ出しが困難な住民が増えると回答した自治体が87パーセントに上っており、特に政令指定都市や中核市といった都市部を有する都市で高齢者のごみ出しを課題として認識している割合が高い結果となっております。こうした状況の背景には、地域のつながりの希薄化があるとの指摘もございます。今後、更なる高齢化の進展により、ごみ出しができなくなる、不適切なごみ出しをするなどの課題も想定されるところでございます。 本市としましては、国のガイドラインの策定を見据え、まずは地域の実情を庁内関係部局と調整を図りながら把握するとともに、全国の先進自治体の事例を参考にしながら高齢化社会に対応したごみ出し支援の在り方について検討してまいりたいと考えております。
○副議長(寺沢さゆり) 北澤哲也議員
◆10番(北澤哲也議員) ボランティアも本当にすばらしいんですけれども、是非公的な支援について前向きな御検討をお願いしたいと思います。 次に行きます。 本市では、平成28年10月からコンビニ交付サービスがスタートいたしました。このサービスはマイナンバーカードがあれば全国のコンビニ店舗で住民票、戸籍証明、所得証明などを取得できるもので、土日、祝日にも利用できる大変便利なサービスであり、現在、私もこの方法で取得しております。 また、本市ではコンビニ交付やマイナンバーカードの普及を図るという名目から、コンビニ店舗で証明書を取得した場合、市役所本庁や支所の窓口よりも交付手数料を50円割引としております。取得の際、本庁や支所に行く手間が省け、簡単な操作で取得できるとのことで、利用している方からは大変好評です。しかし、この手数料の割引は開始から3年間という期限付きであり、本年9月30日をもって期間が終了となります。コンビニ交付は市役所の窓口に来なくても証明書を取得することができ、市民にとって便利なサービスである他、交付枚数が増えれば将来的には窓口事務の効率化にもつながるものと考えております。 また、マイナンバーカードの交付率も約11パーセントにとどまっており、今後も普及促進を進めていく必要があると考えます。 そこで、コンビニ交付手数料の割引については、本年9月で終了するのでなく、期限の撤廃、それが難しければ、ある程度の時期まで継続すべきではないでしょうか。更に継続することによって、この便利さを市民に伝えていく必要があると考えますが、担当部局の所見を伺います。
○副議長(寺沢さゆり) 増田地域・
市民生活部長 (地域・
市民生活部長 増田武美 登壇)
◎地域・
市民生活部長(増田武美) 本市では、市民の利便性向上と窓口業務の効率化を図るため、平成28年10月からコンビニ交付サービスを開始いたしました。コンビニ交付は、議員おっしゃるとおりで、マイナンバーカードがあれば必要な証明書を休日であっても全国どこでも取得できます。窓口交付に比べて待ち時間も短く、大変便利なサービスであり、本市においても利便性をPRするなどして利用促進を図ってまいりました。交付枚数も平成29年度は5,740枚、平成30年度は1万8枚と順調に増加をしております。 また、コンビニ店舗での証明書の交付手数料につきましては、本庁や支所窓口より50円割引としておりますが、サービス開始から3年間の時限措置としておりまして、本年9月末で期限を迎えます。交付手数料の割引につきましては、コンビニ交付への利用者の誘導や、議員御指摘のとおり、将来的な窓口事務の効率化等の効果も見込めるところでございますけれども、一方で、割引による収入減という課題も生じてまいります。このため、交付手数料の割引につきましては、こうした要素を踏まえながら継続の可否を決定したいと考えております。 なお、コンビニ交付の促進に当たりましては、マイナンバーカードの普及が不可欠でありますので、今後も地域や企業などの御協力をいただきながら出張申請を初めとする普及活動に取り組んでまいります。
○副議長(寺沢さゆり) 北澤哲也議員
◆10番(北澤哲也議員) まずは継続に向けての検討を進めていただくということになりますが、是非前向きにやっていただきたいと思っております。 では、次に行きます。 昨今、痛ましい事故のニュースが連日のように取り上げられています。滋賀県大津市において、県道交差点付近で園児13人と保育士2人が搬送され、園児2人が死亡、2人が意識不明の重体となった事故が起きたことは記憶にも新しいところです。園児らは散歩中で、事故当時は現場となった交差点で普通に信号待ちをしており、直進してきた軽乗用車と右折しようとした乗用車が、接触のはずみで軽乗用車が園児らのいる歩道に突っ込んだとのことでした。これを機に全国各地で地域特有のローカルルールなどが特集され、松本走りたるものもあると聞き及びましたが、松本市では広報紙などを使い、こうした交通マナーの改善を図っています。 まずお聞きしたいのは、大津市での事故を受け、本市において園児の散歩ルートにおける危険箇所の再検証や再認識などを行ったのか伺います。 また、事故が起きてからの対処療法ではなく、あらかじめ備え、対策を図るYOBOUの観点から、悲惨な事故を未然に防ぐための交通安全対策として、ドライバーや歩行者への意識啓発をどのように進めていくのか。さらには歩行者の安全確保のための道路環境整備について、どのように進めていくのか担当部局の所見を伺います。 先日、5月11日、我々長野市議会において、市民と議会の意見交換会を実施し、特別委員会ごとにテーマ別に分かれての意見交換を行いました。その中で、自転車通学をしている大学生に御参加いただき、長野市はサイクリングロードが少ないため危険だ、との御意見を頂きました。 国では、平成29年に自転車活用推進法が施行され、平成30年に自転車活用推進計画が閣議決定という経過の中、本市においても長野市自転車活用推進計画の策定に向けた動きとなりました。 そこでお伺いするのは、現在、本市に設置されておりますサイクルロードや自転車通行専用帯の普及状況と今後のエリア拡大の計画など、担当部局の所見をお伺いいたします。
○副議長(寺沢さゆり)
北原こども未来部長 (
こども未来部長 北原千恵子 登壇)
◎
こども未来部長(北原千恵子) まず、私から、本市において園児の散歩ルートにおける危険箇所等の再検討についてお答えいたします。 本市の保育所、認定こども園では、先月8日の大津市の交通被害事故を受け、翌日の9日に散歩コースの再点検をし、危険箇所の再確認を行いました。 また、散歩を含む園外活動を行うに当たり、引率する保育士が行うべきことや注意すべきことなどを定めた市の保育士マニュアルの再確認をし、施設によっては実施体制や散歩コースの見直しを行いました。 なお、長野県交通安全運動推進本部長から通知があり、県内全ての保育所、幼稚園等が作成した散歩マップを基に、この6月末までに警察署員と散歩コースの安全確認を行い、7月から必要に応じて道路管理者を加えて実地点検を実施するということになっております。 本市では園児が散歩を行うに当たり、日頃から散歩コースの危険箇所の確認を行うとともに、散歩から帰った際には、保育士が園外保育実施記録簿に記入して次回の活動に生かしております。引き続き職員が危険箇所を情報共有するなどして園児の安全確保につなげてまいります。
○副議長(寺沢さゆり) 増田地域・
市民生活部長 (地域・
市民生活部長 増田武美 登壇)
◎地域・
市民生活部長(増田武美) 私からは、意識啓発の進め方についてお答えいたします。 悲惨な交通事故を無くすため、何よりも市民一人一人が交通ルールを守り、正しい交通マナーの実践を習慣とすることが肝要と考えております。 本市は警察など関係機関や交通安全協会を初めとした関係団体との連携を密にした上で、季節ごとの交通安全運動における街頭での指導や交通安全教育講師の派遣による交通安全教室、交通安全ポスター・標語のコンクールの開催、さらには実際の事故をスタントマンに再現してもらうスケアードストレート方式による自転車の交通安全教室など、子供を含めた市民の交通安全意識の高揚及び交通マナーの向上を図ってまいりました。今後も積極的な啓発活動を展開し、交通安全施策を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(寺沢さゆり)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 私からは、道路の環境整備についてお答えします。 通常の道路事業により、交差点の新設や改良を伴う工事においての交通量や交差点形状などに鑑み、一定規模以上の交差点については、警察との交差点協議を実施しております。この協議の中で、車線を区分する白線や歩行者に配慮した安全施設等の配置が協議され、安全で使いやすい交差点となるよう事業を実施しているところでございます。 なお、大津市の園児の交通事故を受け、長野県交通安全推進本部が7月より実施を予定している実地点検において、安全確保重点箇所が抽出され安全対策が強化されることとなりました。対策強化の実施内容といたしましては、道路防護柵など安全施設等の整備や警戒標識、注意標識看板等の設置など、道路管理者が実施すべき対策についても検討される予定です。 また、国からは別途、幼児等の安全を図る対策の必要性等の検討、実施について、今後関係省庁との調整結果を踏まえて通知するとの連絡がありましたので、それに基づく交差点の安全対策についても検討してまいります。 市といたしましては、これらの結果を踏まえるとともに、第五次長野市総合計画で掲げる、安全で安心して暮らせるまちながのの実現を目指し、緊急性の高い箇所から交通安全施設の整備を進め、幼児・園児のみならず、全ての歩行者に係る危険が排除されるよう今後も努めてまいります。 次に、サイクルロードについてお答えいたします。 本市における国道、県道を含めました平成31年4月1日現在の自転車通行空間の普及状況についてですが、縁石や防護柵などにより区画された自転車道は、長野大通り線など3.4キロメートルが整備されております。また、路面にカラー舗装を行い、自転車の通行帯を指定している自転車専用通行帯は、SBC通りなどの2.4キロメートルについて整備が完了しています。この他に、千曲川新道のような自転車・歩行者専用道路についても2.1キロメートルについて整備が完了しており、加えて、千曲川堤防上の管理道路を利用したサイクリングロードの延長12.4キロメートルにわたり整備されております。 本市では、今年度中に計画案を策定する自転車活用推進計画において、本市の交通体系における自転車の位置づけ、役割を明確化するとともに、環境負荷の軽減や健康増進、観光振興など地域の実情に応じた施策を策定することとしております。自転車道等の整備エリアの拡大については、この計画の趣旨に沿った自転車通行空間のネットワーク計画を策定し、国道、県道も含めた具体的な整備路線を示す中、市民の皆様の御意見をお聴きしながら、安全性に配慮した連続性のある通行空間の整備を積極的に推進してまいります。
○副議長(寺沢さゆり) 北澤哲也議員
◆10番(北澤哲也議員) 再質問いたします。 次に、長野市でも稲葉地区で地下道のところで事故が起きましたけれども、この箇所に関しましては危険箇所として認識していたのか。さらには、この事故が起きた後、何かしらの対策を練ったのかお伺いいたします。
○副議長(寺沢さゆり)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 母袋の交差点付近で地下道に軽自動車が入った事故につきまして、建設部に国から相談がございました。管理しているところが国道というふうに聞いている中で、国からは、管理区分を引き継いだ資料が国のほうに残っていないという話がございます。そうした中で、市へ相談があったわけなんですけれども、具体的な対策につきましては、国で進めていただいているというふうに考えております。
○副議長(寺沢さゆり) 北澤哲也議員
◆10番(北澤哲也議員) もちろん管轄なんですけれども、国任せではなくて、市独自のいろいろな計画なり考えをしていかなければいけないのかなと思っておりますし、先ほど
こども未来部長も御答弁ありましたけれども、子供たちも歩く場所でありますので、是非そういったことも踏まえて注意喚起していただきたいと思っている次第でございます。 では、次の質問に移らせていただきます。 野生鳥獣による農作物の被害防止に向けた取組として、4月からの猟友会会員を市非常勤職員として任命し、個体数調整や環境整備など各種対策を開始いたしました。今年4月にしゅん工、運営を開始した中条地区にあります長野市ジビエ加工センターは、国産ジビエ認証などを取得し、年間約1,000頭の鹿やイノシシを解体処理し、国内初となる商品管理システムの下、事業所向けに安定的な供給体制でジビエ販売ができるよう計画として準備を進めており、期待が高まっていります。 また、今年度から長野市は鳥獣被害対策実施隊制度に移行し、県の野生鳥獣総合管理対策事業を活用して、幼獣のイノシシの捕獲補助についても対応できるようになったと伺っております。 そこで提案させていただきます。福岡県大牟田市にあります大牟田市動物園では、有害駆除した鹿やイノシシの肉を動物園内で飼育するライオンや虎に与える取組--ヤクシカZOOプロジェクトを九州大学と始動し進めておるようです。これは全国的に注目されている環境エンリッチメントの一環で、飼育動物の活動性と行動の多様性を高め、野生動物と同様の行動を引き出し、望ましくない異常な行動を減らし、環境の肯定的な利用を増やすことを目指して行われており、この目的のために給餌方法や飼育室の構造など様々に工夫されているそうです。 大牟田市動物園での、と体給餌とは、有害駆除した鹿やイノシシの中でも商品価値の低い個体を使い、血抜き後に感染症のリスクの高い頭部と内蔵を除去し、5日以上の冷凍処理を行うことでダニなどの寄生虫を死滅除去させ、冷凍状態のまま動物園で受け取り、冷蔵庫などで緩慢解凍をしてそのまま与えるというものです。まだまだ課題があるこの事業ですが、動物園の餌代という費用の問題とジビエ加工センターの正式稼動前に残さ問題と併せて研究、検証をしてほしいと思っておりますが、まずは供給の面から処理等を含め、提供は可能なのか。また、消費の面から動物園の受入れは可能なのか。さらに、動物園での環境エンリッチメントについて担当部局の所感をお伺いいたします。
○副議長(寺沢さゆり) 倉島農林部長 (農林部長 倉島康嘉 登壇)
◎農林部長(倉島康嘉) 長野市ジビエ加工センターから出される残さについては、現在、ペットフードに活用したいという4事業者からコンタクトがあります。今後、連絡のありました事業者にジビエ加工センターから出される残さについて御確認をいただき、7月頃からの本格稼動に向けて契約等ができるように準備を進めているところでございます。施設が稼動したばかりで供給量が明確でない状況でありますので、事業者との契約に際しては、その辺も注意しながら進める必要があると考えております。 残さにつきましては、無駄なく山の恵みとして有効活用したいと考えておりますが、当面の間は事業者への販売促進に重点を置いて進めていきたいので御理解をお願いいたします。
○副議長(寺沢さゆり)
羽片都市整備部長 (
都市整備部長 羽片光成 登壇)
◎
都市整備部長(羽片光成) 私からは、動物園での受入れの可能性と環境エンリッチメントについてお答え申し上げます。 現在、茶臼山動物園における虎やライオンなどの肉食動物の餌については、家畜として衛生管理され、食肉衛生検査を通過した肉を与えており、流通ルートも確立され、安定的に供給されているところでございます。 そのような中で、大牟田市動物園での取組はいまだ実験的な段階であり、評価、検討もこれからであるということから、現時点では本市の動物園で餌として、と体を受け入れるということは難しいと考えております。 次に、環境エンリッチメントにつきましては、野生動物と同様の行動を引き出すことを目的に、餌の供給だけにとどまらず、自然に近い飼育環境を整えるような取組も含まれております。 茶臼山動物園では、園内の豊かな自然を活用し、生息地の環境を再現して、動物本来の行動を引き出す生息環境展示の手法を取り入れております。レッサーパンダの森では、樹上で生活する動物本来の習性や生態を発揮できるように、樹木を用いた飼育展示施設を整備し、動物が暮らしやすい環境をつくりました。また、現在も樹林を活用したオランウータンの森を来年度の完成を目指して整備しており、今後も環境エンリッチメントの一環として生息環境展示を実践してまいります。
○副議長(寺沢さゆり) 北澤哲也議員
◆10番(北澤哲也議員) まずは、動物たちに長生きしてもらうことが大事ですので、今回の提案は残念ですけれども、環境エンリッチメントに関しては、是非とも動物園で主となって考えてほしいと思っている次第でございます。よろしくお願いします。 最後に、御提案も兼ねての質問とさせていただきます。 移住するなら長野県、定年を過ぎたら住んでみたい県長野、こうした移住してみたい県ランキングでは必ず上位に来る長野県ですが、夢と現実は違うのか、はたまた、それ以上に出ていってしまう方が多いのか、本市の人口減少はなかなか止まることはありません。市長も人口増推進課を立ち上げ、本市の魅力発信などにも精力的に行っていただいておるようですが、ネーミングの人口増は少し現実離れではないかという声も聞こえております。 そんな中でも、Uターン、Iターン、Jターンをお考えの方もいるわけで、そんな夢をお持ちの方をもっと囲い込んでPRする推進室を作ったらいいと考えております。 その際に、駄じゃれみたいで恐縮なのですが、Iターン、Jターン、Uターンの頭文字をとって、このIJU推進課たる専門室を作ったらどうかと考えるのですが、市長の御所見を伺います。
○副議長(寺沢さゆり) 加藤市長 (市長 加藤久雄 登壇)
◎市長(加藤久雄) 現在、本市へのUJIターンによる移住推進につきましては、長野市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定と共に、従来、移住相談を担当する窓口が明確となっていなかったことから、平成27年度に人口減少対策課を設置いたしました。その後、人口増推進課に名称を改め、担当組織として推進しているところであります。 現在、高齢者人口が年少人口を大きく上回り、当面の間、死亡の増加による自然減がいや応なく進んでいる状況であります。しかしながら、いずれ高齢者人口がピークを越え減少に転じた際に、出生数が今より減少することは望ましくないのではないか。また、現在においても、出産を望む方たちへの希望がかなうことで、出生数が今よりも増加に転じられるよう地域社会をつくっていくことが必要ではないかとの強い思いから、人口減少の克服から一歩踏み込んで、出生率の上昇、さらには人口増という思いを込めて、名称を人口増推進課としたところでございます。 その一方で、転入転出による社会増減につきましては、地域の暮らしやすさや魅力によって増加を図れる可能性が高いことから、転入転出者数の均衡を図るよう転出者の抑制、UJIターンによる転入者の増加が喫緊の課題となることは御指摘のとおりであると考えております。 現在、移住を希望される方の相談窓口などといたしまして、人口増推進課内に移住・定住相談デスクを設け、専用の電話回線も確保しており、東京圏を初め市外の方からの相談件数も増え定着しつつありますが、大変ユニークな御提案ですので、今後の取組の参考とさせていただきたいと思います。
○副議長(寺沢さゆり) 北澤哲也議員
◆10番(北澤哲也議員) 新年度には新しい部局名が誕生することを願って、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(寺沢さゆり) 13番黒沢清一議員 (13番 黒沢清一議員 登壇)
◆13番(黒沢清一議員) 13番、日本共産党長野市会議員団、黒沢清一です。 市民の皆さん、子供たち、父母の皆さんの願いを実現する立場で質問をいたします。 最初に、無料低額診療事業について伺います。 無料低額診療事業は、社会福祉法に基づき社会困難な方が経済的な理由によって必要な医療を受ける機会が制限されないよう、無料又は低額で医療を行う制度ですが、まずは命を救う、受療権を保障する上で大変重要な事業ですが、様々な事例の中で既に生活が崩壊しているのに、ひたすら我慢せざるを得ないような状況の方、派遣やパート労働で病気をしたら何の保障もなく、ひとたまりもなく生活が崩れていく人、正規職員でも病気を機に退職に追いやられていく人がいます。 厚生労働省は、対象を低所得者、要保護者、ホームレス、DV被害者、人身取引被害者など、生計困難者と説明しています。 一つの事例です。60代男性が無職で収入は年金の7万円のみ、国保で3割の負担、この方は心不全、糖尿病、糖尿病性網膜症を患っていました。無料低額診療事業の期間中に身体障害者手帳を取得し、福祉医療も取得するようになりました。現在、無料低額診療事業は、診療事業であるとして、保険薬局は対象に入れていません。現在は医薬分業率が7割を超えています。 1つ目の質問ですが、無料低額診療事業の利用者数について伺います。 2つ目は、公的な病院の長野市民病院も無料低額診療事業を実施すべきではないでしょうか。 3つ目は、一般的に知られていない無料低額診療事業について、市民に周知をどのように図ってきたか、市のホームページ掲載は評価できますが、市の関係部署への周知、広報、民生委員への周知を一層進めていただきたいと思いますが、見解を伺います。 4つ目は、保険薬局も無料低額診療事業の対象となるように国に要望すること。 5つ目は、保険薬局が無料低額診療事業の対象となるまでの間、長野市において薬代の助成制度を設けること。 ある薬局で、2018年度の無料低額者の薬代は13人で、40回分、19万4,140円でした。費用がかかるので薬がもらえないというのであれば、医師の診断自体が無意味になってしまいます。全国では無料低額診療事業の利用患者に7つの自治体で独自の補助をしています。中核市では旭川市、青森市、那覇市です。早急な対応をお願いします。これらの点について見解を伺います。
○副議長(寺沢さゆり)
樋口保健福祉部長 (
保健福祉部長 樋口圭一 登壇)
◎
保健福祉部長(樋口圭一) 診療施設の判断で生計困難者について経済的な理由から無料又は低額な料金で診療を行う無料低額診療事業につきましては、現在で本市において長野中央病院と、この4月に豊野病院から名称変更した賛育会クリニックの二つの施設で行われております。毎年度10月に厚生労働省が行う調査によりますと、当該2施設合計の利用者数は、平成29年度は18人、平成28年度は48人でございました。 次に、長野市民病院での無料低額診療事業の実施についてお答えいたします。 診療施設において、この事業を実施するためには、生活保護受給者及び無料又は診療費の10パーセント以上の減免を受けた受診者の延べ数が総受診者数の10パーセント以上であることや、医療ソーシャルワーカーの設置などの基準をあらかじめ満たしている必要がございます。長野市民病院は地域の中核病院として、医療を通して市民、地域社会に貢献するため、高度専門医療や救急医療を提供するとともに、地域医療支援病院としての地域の医療機関等との機能分担と連携を図っており、受診者のうち生活困難者の割合が10パーセント以上であることなどの基準を満たし、当該事業を実施することは市民病院への受診を希望される他の患者さんや地域の医療機関との連携への影響が大きいことから難しいものと考えてございます。 なお、長野市民病院の、患者さん相談窓口では、医療ソーシャルワーカーなどが治療に伴う経済的な心配など受診者の相談に応じてございます。 次に、無料低額診療事業の市民への周知についてお答えいたします。 市ホームページに当該事業の概要や実施している診療施設の所在等を掲載するとともに、まいさぽ長野市などにおいて、必要な方に対して当該事業の御案内を行っております。また、日頃、生活に係る相談業務等を行っている他の部局の関係課に対し、生活に困窮して医療費を支払うことが困難な状況にある相談者等がいた場合には、事業を実施する診療施設を案内するよう依頼しております。併せて、民生委員児童委員協議会地区会長会を通じ、民生委員、児童委員に対しましても、同様に依頼し周知を行っているところでございます。今後も継続して無料低額診療事業の周知に努めてまいります。 次に、保険薬局も無料低額診療事業の対象となるように国に要望することについてお答えいたします。 現在、当該事業を実施する診療施設につきましても、院外調剤の提供に関しては事業の対象外でございます。このため、処方により調剤を提供する保険薬局も対象となるように国に要望することにつきましては、もとより国による医薬分業制度の推進により、院外処方が増加している経緯もあり、国において対処すべき課題であることから、平成24年度の全国中核市市長会において、社会福祉法の趣旨にのっとり、無料低額診療事業に基づく調剤費について、国による助成制度を創設するよう提言を行ったところでございます。 厚生労働省においては、平成30年度厚生労働省社会福祉推進事業の重点テーマに位置付け、無料低額診療事業等における生計困難者に対する支援の在り方に関する調査研究事業を行い、本年3月に報告書を取りまとめております。その中でも調剤の提供に関する調査が行われている状況でございます。このような国の動きもございますことから、本市といたしましては国へ要望を行うことは現在考えてございません。 最後に、保険薬局が対象となるまでの期間、本市において薬代の助成制度を設けることについてお答えいたします。 当該事業の対象外であります院外調剤に対する助成を行っております中核市は、御質問にありました旭川市、青森市、那覇市の他、高知市で実施してございます。現在4市ということです。 御提案の市単独での薬代の助成制度については、現在のところ考えてございませんが、助成を実施している、これら4市の他、実施していない他の中核市も含め、状況把握に努めるとともに、今後の国の動向を注視してまいりたいと考えております。
○副議長(寺沢さゆり) 黒沢清一議員
◆13番(黒沢清一議員) 注視するというお答えも多かったんですが、最後のものについて、以前私が質問したのよりは答弁が変わってきて、検討するというんですか、少しは前に進んだのかなと思いますので、是非これは前向きに検討していただきたいというふうに思います。 続きまして、教職員の長時間勤務解消について伺います。 学校がブラック職場になっていると言われています。今、教職員の長時間労働が社会問題になっています。この是正は、労働条件の改善として緊急であり、子供の教育条件としても極めて大切な国民的な課題です。今の教職員の深刻な長時間勤務の解消のためには、根本的に仕事を減らす、予算を増やす、人を増やすことをしない限り解決はできません。これを前提にして、そこで次の点について伺います。 1つ目、市内の小・中学校教職員の長時間勤務の実態について伺います。 2つ目、昼食休憩はどのくらいとれているのか。 3つ目、長野市の学校における働き方改革推進のための基本方針に基づいた具体的な取組について伺います。 各団体の代表者等が集まった懇談会は、今後定期的に開かれていくのか。学校徴収金等会計業務の改善がうたわれていますけれども、これは公会計化推進を目指しているのか。 最後に、留守番電話の運用の実態と課題は何か。 以上について伺います。
○副議長(寺沢さゆり) 永井教育次長 (教育次長 永井克昌 登壇)
◎教育次長(永井克昌) まず、市内の教職員の長時間勤務の実態についてお答えいたします。 長野市の学校における働き方改革推進のための基本方針では、当面の目標として、週当たり勤務時間が60時間を超える教職員がゼロになることを目指しております。この時間は過労死ラインとなる1か月当たり80時間の時間外勤務を超えないことを目的に設定したものであります。 平成30年度時間外勤務等の実態調査では、この80時間を超える教職員は、小学校では6パーセントで約100名、中学校では18パーセントで約170名が該当となっております。今年度の勤務実態につきましては現在調査中でございますので、今後、調査結果を基に時間外勤務が80時間を超える教職員を把握し、該当学校の管理職と共に業務の適正化を図ってまいります。 次に、昼食休憩についてお答えします。 各校では、昼食時間や昼食後の時間に45分の休憩時間を設けておりますが、実際は給食指導や生徒指導などを行っていることが多く、教職員が休憩時間をとることができていない状況がございます。特に、小学校の低学年では、給食の準備や片付けなどに、教職員の支援が必要となり、教室から離れることができないという実情もございます。 裾花小学校では、地域の方、学校ボランティアの活動として、1、2年生の給食の準備と片付けの時間に入り、教職員のサポートをしてくださっています。この取組は休憩時間の確保のためにも大変有効であると伺っております。 市教育委員会といたしましては、市コミュニティスクール推進セミナー等でこのような事例を紹介し、地域の方々に学校の業務を支援していただけるよう働き掛けてまいりたいと考えております。 長野市の学校における働き方改革推進のための基本方針に基づいた具体的な取組についてお答えします。 各団体の代表者等にお集まりいただく、長野市の学校における働き方改革推進に向けた懇談会につきましては、今年度も引き続き開催する予定でございます。 学校徴収金等会計業務の改善につきましては、平成31年1月25日の中央教育審議会の答申で、学校給食費については公会計化及び地方公共団体による徴収を基本とすべきとされております。今後、文部科学省により、学校給食費の徴収・管理業務に関するガイドラインが策定されるとのことでございますので、国の動向を注視するとともに、他の自治体の状況などを参考にしながら検討を進めてまいります。 最後に、留守番電話の運用の実態と課題についてお答えします。 留守番電話の対応時間や緊急時の対応などの運用方法につきましては、実施している市町村の状況や、市内小・中学校の放課後に寄せられる電話の件数等を参考にして設計いたしました。既に留守番電話対応を行っている大町市や試行期間を設けてから本格実施した武蔵野市では、現在まで大きな混乱はなく対応ができていると聞いております。 本市におきましても、留守番電話を6月下旬以降、順次設置し、試行期間を設け、課題等への対策を講じ、本格実施に向けて取り組んでまいります。いずれにいたしましても、留守番電話設置を初めとした教職員の働き方改革を進めるためには、保護者や地域の皆様に御理解をいただくことが何よりも大切であると考えてとおります。 市教育委員会といたしましては、基本方針にあります質の高い授業の実現に向けて教職員一人一人が心身ともに健康を保ち、ゆとりをもって子供と向き合う時間を確保するための取組であるということを家庭に通知するとともに、ホームページや広報ながのにも掲載してまいります。
○副議長(寺沢さゆり) 黒沢清一議員
◆13番(黒沢清一議員) 今も答弁の中で1か月当たり80時間を超える教職員は、小学校が大体全体の6パーセント、中学校で18パーセント、これは決して少なくない数字だというふうに思います。前も市長の答弁があったのですけれども、市役所の中でも100時間以上は早急にこれはやるべきだという回答があったんですけれども、これも当然早急に取り組まなくてはいけないことだというふうに思います。 そこで、今答弁の中で昼食休憩がとれていないということなんですけれども、この昼食休憩がとれていない部分については、先ほどの調査の回答の長時間勤務、時間外勤務に入っているのかどうか、入っていますか。
○副議長(寺沢さゆり) 永井教育次長 (教育次長 永井克昌 登壇)
◎教育次長(永井克昌) 入っていないと思います。
○副議長(寺沢さゆり) 黒沢清一議員
◆13番(黒沢清一議員) 入っていないということ、明らかにこれはサービス残業で、当然これは休めていないわけですから、カウントすべき時間だというふうに思います。先ほど父母の皆さんのボランティアというお話があったんですけれども、そうではなくて、今後、休めていない時間については、実質的にやっぱり休める方策を是非検討していただきたいと思います。 改めて学校の業務改善、削減のためには国と自治体、学校現場双方から推進することが重要だと考えます。 学校の業務整理も重要だと考えますが、2019年1月25日の中央教育審議会の答申では、学校としての伝統だからとして続いていても、児童・生徒の学びや健全な発達の観点からは必ずしも適切と言えない業務又は本来は家庭や地域が担うべき業務、例えば夏休み期間の高温時のプール指導や、試合やコンクールに向けた勝利至上主義の下で、早朝等所定の勤務時間外に行う練習の指導、内発的な研究意欲がないにもかかわらず、形式的に続けられる研究指定校としての業務、地域や保護者の期待に過度に応えることを重視した運動会等の過剰な準備、本来家庭が担うべき休日の地域行事の参加の取りまとめや引率等、これらについて大胆に見直し、削減してこそ限られた時間を授業準備に充てることができ、一つ一つの授業の質が高められ、子供たちが次代を切り拓く力を育むことにつながると考えられると、このように中央教育審議会も述べています。 文部科学省も、このような答申で指摘されていますが、学校現場で大きな壁になっているのが、教職員で議論することができないということです。2018年2月9日付け文部科学省通知である業務整理通知、そして、今の中央教育審議会答申を学校現場で具体的に生かせるよう市教育委員会が積極的に指導性を発揮すべきと考えますが、見解を伺います。
○副議長(寺沢さゆり) 永井教育次長 (教育次長 永井克昌 登壇)
◎教育次長(永井克昌) この度、文部科学省通知及び中央教育審議会答申などを踏まえて、長野市の学校における働き方改革推進のための基本方針を策定いたしました。基本方針として、長野市教育の基本理念を踏まえ、教職員が子供と向き合う時間の確保を図った上で、市立小・中学校において、質の高い授業を実現するために、学校と教職員が担うべき業務を明確にし、分業化、協業化、効率化を進め、長時間勤務という働き方を改善しますと明記いたしました。この基本方針を先月、校長会及び教頭会で説明し、職員会議等で扱い、全教職員に説明するよう依頼したところでございます。 市教育委員会といたしましても、業務整理を進めることは重要であると考えておりますので、基本方針の取組の一つとして掲げた業務の分業化に関わり、本年度は部活動指導員を7名、特別支援教育支援員を154名配置し、それぞれ昨年度より増員し、学校の諸課題に、相談、対応、指導をするさっと学援隊やいじめ問題等調査員も配置し、業務の分業を進め、学校が教育活動に専念できる支援体制を構築してきております。 また、先ほども申し上げました、長野市コミュニティスクール推進セミナーにおいて、業務の整理につながる給食時間のサポートや登下校の見守りなど、学校支援ボランティアの活動の推進について、地域の皆様に御理解、御協力いただけるよう協議を進めているところでございます。 さらに、今年度は学校へ業務改善に関わる指導主事の派遣も行い、基本方針の理解促進を図るとともに、勤務時間を意識した働き方等に関する研修を実施するなど、啓発してまいりたいと考えております。
○副議長(寺沢さゆり) 黒沢清一議員
◆13番(黒沢清一議員) 是非進めていただきたいと思うんですが、学校現場では、いいことをやろうと、そういう意識が働いて、足し算で仕事が増えていくと。しかし、なかなか引き算ができないということがありますので、是非それは進めていただきたいということと、それから特別支援教育支援員も増やしていただいて、まだまだ足りないという声があります。是非引き続きお願いしたいと。 今のさっと学援隊という取組が出されたんですけれども、最初何なのかなと思ったんですけれども、お聞きすると、元校長先生など、あるいは退職された先生方もいるそうです。支援、援助も大事だと思うんですけれども、是非一緒に考えて、一緒に子供たちの教育に当たっていただきたいと思うんですが、そういう立場で進めていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
○副議長(寺沢さゆり) 永井教育次長 (教育次長 永井克昌 登壇)
◎教育次長(永井克昌) さっと学援隊につきましては、今の黒沢議員がお話しいただいたとおり、学校現場に入って一緒に、共に考えるということが基本スタンスで、実際に学校に行って相談に乗ったり、場合によっては保護者との間に入って調整をしたりということで、本当に活躍をいただいているところでございます。
○副議長(寺沢さゆり) 黒沢清一議員
◆13番(黒沢清一議員) さっと学援隊がプレッシャーにならないように、是非一緒に進めていただけるようによろしくお願いします。 次に、自衛官募集のための自治体の名簿提供について伺います。 安倍首相は自民党大会で、自衛隊の新規募集に対して、都道府県--これは市区町村の事実誤認であると思うんですけれども、6割以上が協力を拒否している悲しい現実があると、この現実を変えようでありませんか。憲法にしっかり自衛隊を明記して、違憲論争に終止符を打とうではありませんかなどと述べました。しかし、法令--自衛隊法施行令第120条では、防衛大臣が自治体に対して、自衛官募集に関し、紙媒体などで適齢者名簿などの資料の提出を求めることができる--要請ができるとあるだけで、これに自治体が応じる義務は規定されていません。だから、自治体がそれぞれの判断で対応しています。自治体がこれに応じないからと言って、けしからんとする、非難することは許されない態度です。 2月17日の信濃毎日新聞で、長野市にある自衛隊長野地方協力本部によると、長野県内77市町村のうち、2018年度に紙媒体で情報提供したのは44町村と報道されています。閲覧にとどめている自治体は、法律でできるのは閲覧、名簿提出の具体的な手続を定めた法律は見つからなかった。個人情報なので抽出リストを提出することは差し控えているなどが理由です。 東御市では、自衛隊長野地方協力本部からの要請があり、市内の18歳、高校2年生のリストを作成し、紙媒体で提供を準備していました。しかし、3月定例会でこの問題について質問がされました。防衛庁は法令に基づいて名簿の提供を求めることはできるが、それは飽くまで閲覧にとどまるのではないか。また、地方自治体は提供を根拠付けるものはなく、自治体は国の言うとおりに追随するのか自治体の在り方が問われているとの議論があり、そして、検討の結果、本年度の紙媒体での提供はしないことが決定しました。 日本共産党長野市会議員団は、これまでも自衛隊への名簿の提供は中止すべきと要求してきました。法令に沿って閲覧にとどめるべきではないでしょうか。しかし、市では名簿の提供に当たっては、長野市個人情報保護条例第9条第2項第4号の国又は他の地方公共団体に記録情報を提供する場合における、相当な理由に該当するものと判断し、提供していると回答しています。 そこで伺います。相当な理由とは何か、具体的な理由を伺います。また、自衛隊からの名簿提供は、どの日時に要請が来て、提供の判断は誰がいつしているのか、提供は紙媒体か、電子媒体か伺います。提供している名簿の年齢構成についても伺います。
○副議長(寺沢さゆり) 加藤市長 (市長 加藤久雄 登壇)
◎市長(加藤久雄) 自衛官募集に関しまして、名簿を提供している相当な理由とは何かについてお答えいたします。 長野市個人情報保護条例では、原則、本市が所管する個人情報の提供を認めておりませんが、同条例第9条第2項では、国などが所管事務の遂行に必要な範囲内で使用し、かつ相当な理由があるときは、個人情報を提供することができると規定されております。 自衛官募集に関し、本市が提供する個人情報につきましては、自衛隊において自衛官募集事務の遂行に必要な範囲内でのみ使用されております。また、名簿提供は自衛隊法に基づき行っていること、災害派遣など様々な場面で市民生活に貢献する自衛隊員の確保は重要な課題であると認識していることなどから、自衛隊への個人情報の提供につきましては、相当な理由があると判断しております。 以上のことから、自衛隊への名簿提供につきましては、長野市個人情報保護条例第9条第2項に規定する基準を満たすものと考えております。
○副議長(寺沢さゆり) 増田地域・市民生活部長 (地域・
市民生活部長 増田武美 登壇)
◎地域・
市民生活部長(増田武美) 私からは、名簿提供の内容についてお答えをいたします。 まず、本年度につきましては、4月10日付けで、自衛隊長野地方協力本部から個人情報提供申請がありました。当該申請につきましては、地域・
市民生活部長の決裁により対象者名簿を作成し、情報提供をすることを承認しております。 また、名簿につきましては、4月19日から26日までの8日間を提供期間とし、その後、返却いただいております。なお、名簿は紙媒体で提供しております。 対象者の年齢構成でございますが、本年4月1日現在で17歳から18歳及び21歳から22歳の男子及び女子でございます。 なお、個人情報として何を提供しているか、あるいは個人情報を提供する理由などにつきましては、市のホームページで公開しております。
○副議長(寺沢さゆり) 黒沢清一議員
◆13番(黒沢清一議員) 最初に、市長の方から相当な理由について説明がありました。 まず、前提として、個人情報の保護は当然だというふうに思います。これは今の様々な私たちの人権を守る上でも非常に重要だと、これは当然だというふうに思います。 その上において、住民の権利擁護のために自治体が条例に基づいて個人情報を守るのは当然だというふうに思います。 相当の理由の中に、災害派遣という、あるいは災害のために活動している、そのために非常に重要だというお答えがあったんですけれども、しかし、警察も消防も非常に重要な行政機関ですが、実際は新規採用のために名簿の提供をしていません。 それから、確かに自衛隊法施行令第120条、ここにはいろいろ定められていますけれども、しかし、これは飽くまで施行令であって、個人情報を集めるものであっていいのかという、こういう拡大解釈は成り立たないというふうに一つは思います。 それから、自衛隊からの個人情報の提供要請についてですけれども、かつて日本共産党の春名議員、2003年の衆議院の個人情報特別委員会でただした際に、当時の総務省の畠中自治行政局長が、住民基本台帳法によると、自衛隊への提供の規定はないと明確に答えています。 それから、さらに、当時の石破茂防衛庁長官が、私どもは自治体に依頼はしていると。しかし、応えられないということである場合は致し方がないと、こういう答弁があります。 相当の理由の中に、相当の理由以上のものがあるのではないか。自治体の条例に対してどうなのか、もう一度お答えをお願いしたいと思います。
○副議長(寺沢さゆり) 増田地域・
市民生活部長 (地域・
市民生活部長 増田武美 登壇)
◎地域・
市民生活部長(増田武美) 相当な理由については、先ほど市長も申し上げたとおり、名簿は自衛隊法に基づいて行っていること、それから災害派遣など様々な場面で市民生活に貢献する自衛隊員の確保は重要な課題であると認識していることなどから、自衛隊への個人情報の提供については、相当な理由があるというふうに判断をしております。
○副議長(寺沢さゆり) 黒沢清一議員
◆13番(黒沢清一議員) 乱暴な提供はやめていただきたいと思うんですが、以上で質問を終わります。
○副議長(寺沢さゆり) 6番西村裕子議員 (6番 西村裕子議員 登壇)
◆6番(西村裕子議員) 6番、西村裕子です。 虐待と親への支援について伺います。 初めに、再発防止プログラムについて伺います。
児童虐待防止法の改正案が5月28日、衆議院本会議において全会一致で可決しました。改正案には、虐待した保護者への再発防止に向けた支援プログラムの実施を児童相談所の努力義務とすることが盛り込まれました。現在、長野市では、虐待してしまう親が希望すれば再発防止に向けた支援プログラムを受けることはできますか。
○副議長(寺沢さゆり)
北原こども未来部長 (
こども未来部長 北原千恵子 登壇)
◎
こども未来部長(北原千恵子) 現在、国会の参議院において児童虐待防止対策の強化を図る児童福祉法の一部を改正する法律案が審議されております。 議員御質問の児童虐待の再発防止プログラムにつきましては、今回の改正法案において、児童相談所長等は児童虐待を行った保護者について、児童虐待の再発を防止するため、医学的又は心理学的知見に基づく指導を行うよう努める、と盛り込まれています。 申し上げるまでもなく、児童虐待を繰り返さないということは、児童虐待を防止し、子供の命を守る観点から大変重要なことであると認識しております。 本市では、従来から児童虐待の現場においては、長野県が作成した長野県市町村児童虐待対応マニュアルに基づき、個々の保護者の実情に応じた対応をしております。このマニュアルは、市町村における児童虐待の対応全般について分かりやすく定められており、この中では虐待を行った保護者からの相談に対しては、非難や批判をせずに保護者からの訴えを傾聴すること、と示されております。このため、実際に虐待を行っている保護者に対しては、まずは、その保護者に最も身近に接することのできる、例えば保健センターの保健師、あるいは保育園の保育士などが保護者に寄り添いながら、保護者の抱える悩みを、あるいは問題などをしっかりとお聞きいたします。さらに、その悩みなどを保護者と一緒になって考えながら、解決への方法や見通しについて具体的に助言することを時間を掛けながら繰り返すことによって、最終的にはその保護者が再び虐待を起こさずに子育てができるようになることを目指すものでございます。 また、親への支援として、本年度から新たにペアレント・トレーニングへの親子関係スキルアップ事業を実施いたします。この事業はおおむね3歳から10歳までの子供を養育する保護者を対象に、子育てで感じる悩みや難しさを解消し、子供の行動の理解や子供との接し方などを学びながら、子育てに前向きに取り組めるようになることを期待するものでございます。 この事業を周知し始めてから、保護者からは早々に、このような事業を待っていました、との声を頂いており、この事業の必要性を感じたところでございます。今後も引き続き、従来から行っている対応や新たに始める取組を通じて、虐待を行ったり、養育に負担感などを感じている保護者に寄り添いながら、児童虐待を防いでまいりたいと考えております。
○副議長(寺沢さゆり) 西村裕子議員
◆6番(西村裕子議員) 現在、児童相談所や市町村などで実施されている親の回復プログラムの一つであるMYTREEペアレンツ・プログラムの開発、実践者である森田ゆりさんの著書によると、虐待をしてしまう親への支援は、子育てスキルを教える養育支援ではなく、その人の全体性回復への支援です。 子供への虐待とは、これまで人として尊重されなかった痛みと悲しみを怒りの形で子供に爆発させている行動であり、プログラムの中で、まず親である前に一人の人間として尊重される体験を得ることを回復の礎として、修了生の多くが虐待行動をやめることに成功しているそうです。 プログラム参加者の声が紹介されています。誰も自分の立場を理解してくれる人なんかいないと思い、一番いとおしいはずの子供にストレスの矛先を向け、必要以上にたたいたり、蹴ったりしていました。今の社会、人に弱みを見せるのは負け的な風潮です。この場があったおかげで堂々と弱みを見せられて何だかとてもほっとしました。怒りはいけない気持ちと思っていましたが、怒りは大事な気持ちで、とても複雑な気持ちで、一つ一つを誰かに話せたとき、怒りの爆発は無くなったように思います。長いトンネルの中にいたのが、少し出口の光が見えてきたような気持ちです。それぞれの方がここから回復の道を歩み始めています。 平成30年3月に公表された長野県子どもと子育て家庭の生活実態調査によると、回答者のうち、14パーセントが子供に行き過ぎたしつけや体罰を与えたことがある。12.9パーセントが我が子を虐待しているのではないかと思い悩んだことがある、と答えています。 こども未来部が行った第2期子ども・
子育て支援事業計画策定のためのニーズ調査の中の子育てに関する質問でも、子供を叱り過ぎている気がすると答えた家庭の保護者は平均36パーセント、子供に手を上げたり育児をやめたくなるときがあると答えた保護者は約9パーセントでした。子供への虐待行動から抜け出すことができずに苦しんでいる人が回復プログラムなど必要な支援を受けられるよう児童相談所などと連携して取組を進めることを要望します。 次に、児童家庭支援センターについて伺います。 児童家庭支援センターとは、平成9年の児童福祉法改正によって新たに制度化された相談機関であり、児童虐待の発生予防や親子関係の再構築の支援、心のダメージの回復を目指した専門的ケアを実施する役割が期待されています。 長野市における児童家庭支援センターの状況はどうなっていますか。
○副議長(寺沢さゆり)
北原こども未来部長 (
こども未来部長 北原千恵子 登壇)
◎
こども未来部長(北原千恵子) 児童家庭支援センターは、議員御案内のとおり、平成9年の児童福祉法の改正により新たに制度化された児童福祉施設でございまして、現在、長野市内には社会福祉法人湖会が設置、運営する松代児童相談センターの1か所がございます。その機能と役割につきましては、地域の児童の福祉に関する様々な問題について、専門的な知識や技術を活用して、家庭その他からの相談の対応や児童相談所からの委託による特定の児童に対する指導などを行うものであり、本市においても長野市要保護児童対策協議会の構成団体として、個別の児童の支援に対し日頃から連携を図っているところでございます。 松代児童相談センターにおける平成30年度の延べ相談件数は925件であり、前年度の920件と比較して、ほぼ横ばいですが、児童相談所からの委託による指導件数は、平成30年度が703件であり、前年度の328件に比べ約2倍に増加している状況にございますので、松代児童相談センターが児童虐待の対応に重要な役割を担っていただいていることがうかがえます。 また、松代児童相談センターは、松代地区内の施設として、地区内の保育園のイベントへの参加による子供への関わりを持つなど、地域での役割が非常に大きいと考えています。今後も本市の子供の命を守るためにも、松代児童相談センターと長野市要保護児童対策協議会などを通じて連携を図ってまいります。
○副議長(寺沢さゆり) 西村裕子議員
◆6番(西村裕子議員) ありがとうございました。 児童家庭支援センターは、児童虐待に関して高い専門性、経験の蓄積を持ち、日常的に地域コミュニティに入り、柔軟性に富んだ活動をしてくださっています。児童相談所に行くのは抵抗があるけれども、虐待行動の悩みを誰かに聞いてほしいという親の貴重な相談の場になっています。虐待の通報件数は年々増加していますが、親子分離となるケースはまれで、約9割はそのまま在宅での見守りとなります。そのような家庭に寄り添い、見守りを継続するためには児童家庭支援センターの役割はとても重要になります。人材、財源共に課題は多いかと思いますが、県と連携して児童家庭支援センターの拡充を進めることを要望します。 放課後子ども総合プランの役割について伺います。 放課後に子供たちと一緒に過ごしている児童館、児童センター、子どもプラザの支援員さんたちは、子供たちの生活や心身の変化に気付くことができます。また、保護者が迎えに来ますので、保護者と顔を合わせる機会も多くあります。放課後子ども総合プランと児童家庭支援センターが連携することで保護者の悩みに寄り添い、必要があれば専門的ケアにつなぐことが可能になります。是非連携を進めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○副議長(寺沢さゆり)
北原こども未来部長 (
こども未来部長 北原千恵子 登壇)
◎
こども未来部長(北原千恵子) 現在、松ヶ丘子どもプラザでは、児童家庭支援センターから週1回程度相談員の方を派遣していただき、直接子供たちとの触れ合いの中で、気付いたことや子供たちへの支援の仕方などアドバイスをいただき、現場の職員からは頼りにされているとお聞きしております。 また、お迎えの機会を捉え、保護者とお話をしていただき、悩みなどの相談にも乗っていただいております。 放課後子ども総合プランでは、日々子供たちと向き合うことにより、子供たちの様子や体調の変化などにいち早く気付くことができ、また、お迎えの際には保護者と話をする機会もございます。今年度からスタートしました国の新しい放課後子ども総合プランでは、家庭との密接な連携の中で、児童の状況等には家庭が関係する場合があることから、対話等を通じて保護者の抱える悩みや不安を把握した上で、保護者に対する支援につなげることが追加されております。 そこで、議員の御提案も参考に児童家庭支援センターとの連携も含め、今年度からモデル的に数か所、保護者に対する相談窓口の開設を検討してまいります。開設後は、このモデル事業の効果や課題等を検証し、他の施設への拡大についても研究してまいりたいと考えております。
○副議長(寺沢さゆり) 西村裕子議員
◆6番(西村裕子議員) 既に連携を進めていただいているとのこと、こども政策課と関係の皆様の御尽力に感謝と敬意を表したいと思います。 子どもプラザは学校内にあるので、学校の先生方とプラザが連携して子供の気持ちに寄り添った対応を続けたことで、心配だった子供が落ち着いて生活できるようになった事例もあるようです。学校との連携も進めていくことを要望します。 その他として、中核市市長会では、児童相談所を設置する中核市を増やす政府方針に対し、慎重な検討を求めていますが、長野市が児童相談所を設置することについて、市長の考えを伺います。
○副議長(寺沢さゆり) 加藤市長 (市長 加藤久雄 登壇)
◎市長(加藤久雄) 中核市における児童相談所の設置につきましては、中核市市長会において、地域の特性が異なる中核市各市の現状や意見をしっかりと聴いた上で、設置の後押しとなる十分な財政措置や人材育成の支援の充実を求める緊急要請を、本年1月23日に厚生労働省に行いました。その結果、児童福祉法の改正法案には児童相談所の設置義務化は盛り込まれませんでした。 私といたしましても、中核市ごとにそれぞれ状況が異なることから、そのような事情を酌み取っていただいたことに理解を示すものでございます。 本市におきましては、長野県中央児童相談所が市内に設置されており、担当の児童福祉司と常に緊密な連携の下、情報の共有が図られていることや、長野市要保護児童対策協議会の関係機関と、子供の安全確保を最優先に考え、適切に対応しておりますので、現在、児童相談所設置の具体的な検討は進めておりません。 このような中、5月29日の中核市市長会総会において、全ての中核市の賛同を得て、児童虐待防止検討プロジェクトが設置されました。このプロジェクトでは、児童相談所の設置義務化を含め、児童虐待に関わる各市の現状や課題を明らかにするとともに、中核市としての役割や、国、県に要望すべきことなどを整理するとしていることから、本市におきましても、今後、このプロジェクトに積極的に参加し、児童虐待への対応等について検討してまいりたいと考えております。
○副議長(寺沢さゆり) 西村裕子議員
◆6番(西村裕子議員) ありがとうございました。 平成31年1月23日付けで、先ほど市長からもありましたが、中核市市長会から出された緊急要請には、地域の特性が異なる各市の現状や意見を十分に聴いていただき、中核市との間での丁寧な議論を積み重ねた上で、義務化ありきではなく、設置の後押しとなる十分な財政措置や専門的人材の育成、確保に係る支援の充実によるものとするよう強く要請する、とありました。私も全く同じ意見です。子供たちを虐待から守るために長野市が何をするべきなのか、県や国との役割分担と連携をどうするのか、丁寧な議論を積み重ねて着実に実行していただくことを要望します。 長野市には保健所も市民病院もあります。今あるこれらの知見や専門性をもっと生かして、子供も大人も元気に回復して生き生きと暮らしていける仕組みを作っていってほしいと思います。 以上です。ありがとうございました。
○副議長(寺沢さゆり) 午後2時50分まで休憩いたします。 午後2時36分 休憩 午後2時50分 再開
○議長(小林治晴) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 17番鎌倉希旭議員 (17番 鎌倉希旭議員 登壇)
◆17番(鎌倉希旭議員) 17番、改革ながの市民ネット、鎌倉希旭です。 まず、子育て支援の質問に当たりまして、前提となる質問をします。 長野市においては、親子の親の抱えている背景や、子供の年齢に応じた子育て支援の事業がたくさん展開されています。その一方で、平成30年の本市の出生者数は2,713人、出生率は7.1パーミルで、前年の2,891人、出生率7.6パーミルと比較して減少しており、本市の人口減少に拍車をかけている状況にあります。 これは、長野市だけでなく、全国的にも多くの自治体が同様の状況であると思います。課題解決のために対策をするのであれば、根本的な原因を究明した上で実効性のある事業展開をする必要があります。本市の出生率の低下と少子化の根本的な原因はどこにあるとお考えでしょうか。市長の見解を伺います。 また、先日、会派で大阪府箕面市を視察しました。そこでは、市長が子育てしやすさ日本一を公約に掲げ、孤立感なく子育てを楽しむため、各種施策を展開しておりました。 箕面市で特徴的なのは、本市におけるこども未来部の事業が教育委員会の中に組み込まれており、年齢を問わず子供への切れ目のない支援が展開されていました。何をもって日本一なのかというと難しいのかもしれません。日本一というと、目標がやっぱりはっきりしていると思いました。 先ほど、
こども未来部長の答弁でも、子育て支援に総合的に取り組むという話がありました。市長は、よく議会の中で子育て支援先進都市を目指すと答弁されていらっしゃいますが、どこよりも先進で何を目標にしているのですか、見解を伺います。 (17番 鎌倉希旭議員 質問席へ移動)
○議長(小林治晴) 加藤市長 (市長 加藤久雄 登壇)
◎市長(加藤久雄) 少子化の原因と背景には、未婚化、晩婚化の進展、核家族化や都市化による家庭の養育力の低下、育児の孤立感・負担感の大きさ、家庭生活との両立が困難な職場の在り方、結婚や家族に関する意識の変化、若者の社会的自立を難しくしている社会経済状況といった様々な問題が指摘されております。 私は、結婚から妊娠、出産、育児まで切れ目のない細やかな支援体制を整え、安心して子育てができる環境の更なる充実に取り組んでまいりました。 具体的には、結婚支援では結婚セミナーの開催、夢先案内人制度、また、妊娠期から子育て期にわたるながの版ネウボラ、子育て世代には子育てコンシェルジュや保育コーディネーターの配置など独自の事業を進めてまいりました。 人口減少に歯止めを掛け、子供を増やしていくために、それぞれの子育て支援施策について一層の充実を図るとともに、子供のための最善の利益を基本に、社会全体で子育て支援ができるよう、総合的かつ効果的な視点から取り組むことが重要であると考えております。 そのため、仕事をしながら安心して子育てができるよう支援するとともに、子育て家庭の不安や悩みを解消できるよう、子育て世代などが交流できる場づくりや地域で子育て、子育ちが担える体制づくりを行い、子供を持ちたいという人が希望どおり産み育てられる対策を着実に進めてまいりたいと考えております。そうした積み重ねの結果として、他市との比較ということではなく、子育て幸せ都市として認知していただけるよう取り組んでまいりたいと思います。
○議長(小林治晴) 鎌倉希旭議員
◆17番(鎌倉希旭議員) 総合的かつ効果的にというお答えでいらっしゃったと思うんですけれども、個々の印象的に、どれに力を入れるかというところがやっぱり見えにくいと思います。これは長野市ならではという目玉というか、自信を持っている、そんな重点施策は、何か1つでもいいから挙げていただけますか。
○議長(小林治晴)
北原こども未来部長 (
こども未来部長 北原千恵子 登壇)
◎
こども未来部長(北原千恵子) 今、目玉1つと言われたのですけれども、いっぱい思い浮かび過ぎて、本当に妊娠、出産、育児、子育ては長いものであり、それから、地域で皆さんに見守っていただく、そういったことも含めて総合的というふうに捉えているところでございますが、申し訳ございません、1つと言われたときにやはり言葉が出てきませんでした。
○議長(小林治晴) 鎌倉希旭議員
◆17番(鎌倉希旭議員) 率直なお答えをありがとうございます。できれば、せめてここは長野県一という子育て支援都市を目指していただきたいというふうに思います。 少子化の原因については、様々な要因があるかと思います。私が思うに、子育てに不安を抱える、困り事を抱える人が増えているからこそ、産むことをちゅうちょしてしまうということも少子化の要因であると思います。 次に、その点に関しまして、産前ケアについて伺います。 最近、産後鬱など、産後トラブル対策として産後ケア事業が各地で始まっています。以前、産後ケアの質問をした際、本市でも平成17年度から宿泊型を実施され、平成28年には利用者負担を5割から3割と負担軽減が図られ、利用人数と日数は、平成28年度は99人、318日に大きく伸び、成果が上がってきているとの御答弁を頂きました。出産後の体の不調や子育ての不安に対する施策展開がなされてきていることはいい流れであると思います。 しかし一方で、産後鬱の深刻化、児童虐待の死亡事件は、最近全国的にかなり増加しているという印象を受けます。これはなぜなのか、次のステップとして考える必要があります。 近年の女性の体は大きく変化しています。今回初めて資料を用意いたしましたので御覧いただきたいと思うんですけれども、いわゆる骨盤が、安産型の丸形が減り、縦長の細長型が増えてきています。骨盤の支持力がなくなり、自分の臓器を支え切れなくなっています。 さらに、グラフを御覧いただきたいと思います。この図は、背筋力割る体重で、算出される背筋力指数で、体を支える力を指します。2が介護ライン、1.5が育児ライン、1が自分の体を支えられる最低限の数値です。一番右下ですか、1995年の高校3年生の背筋力が低下しており、この人たちがちょうど子育て世代になっているわけで、どうなっているかというと想像が付くと思いますけれども、その方々は自分の体すら支えられていないという状況であります。 加えて、女性の腹筋は、赤ちゃんが入れるように、図7という図があるのですけれども、この図のようにパカッと割れるようになっています。前の方から赤ちゃんを支え、下のほうから赤ちゃんを支え、そして背筋で、3つで赤ちゃんを支えているのですけれども、その筋力低下により腹直筋離開が起こっているのです。赤ちゃんは不安定な姿勢のままおなかの中で過ごし、ねじれた姿勢で産まれてきて、産後の発達にも影響することが分かってきました。これは助産師によると、おなかを触って確認すれば分かることなのだそうです。 最近では、エコーで赤ちゃんの様子を見ることが増えました。病気ではないので、産婦人科では異常がなければ指摘はされません。妊娠中、腰が痛い、首が痛いというお母さんの僅かな不調は見過ごされがちですが、さらしで足りない筋力を補うなど、産前から適切なケアをしていくことで出産までに姿勢を整え、産後の不調を軽減することができます。 また、子供も適切な姿勢で寝かせたり、抱っこしたり、赤ちゃんにとって心地よい姿勢を保つことで、ぐずりが軽減され、発達も一つ一つ段階を踏み、ゆっくりと筋肉が作られ、言葉が出るようになったり、首が座って、はいはいをしたり、姿勢がつくられ、子育てがしやすくなります。それは赤ちゃんがゆっくり寝てくれるから、お母さんが精神的に追い込まれなくなるということで、ひいては産後鬱、虐待など、産後の苦労に起因するマイナートラブルを防止できる可能性があるということになります。産後鬱は女性だけの話だとお思いでしょうが、実はイクメンが進められる社会情勢の中で、優しくて真面目な男性が、社会的に追い詰められ、家庭的にも追い詰められて、女性同様に症状が出てしまうこともあるそうです。 話を聞いて悩みを解決するスタイルのメンタルケアは増えてきているものの、この産前のフィジカルケアについて、いまだ広くは知られていません。 本市でも、ながの版ネウボラ事業により、妊娠から出産へ切れ目のない母子包括支援体制の充実を目指しています。 質問に当たり、助産師に話を伺い、市内のマタニティケア、ベビーケアの取組を調査してきました。本市は、戸隠保健センターで月1度のすこやか学級という事業の1テーマで、産後に体が崩れやすくなる妊婦さんに知ってほしい情報として、保健師さんや助産師さんが意識を持って受講され、積極的に情報発信をされています。長野市で予算が付いていたらさすがと思ったのですけれども、この事業は上水内医師会の中で予算が付き、開催されることになったそうです。 また、民間レベルで行われたマタニティケア、ベビーケア講習会には、一般参加ができるもので私も行ってきましたが、赤ちゃんがいる御夫婦はもちろん、更にはお孫さんがいるおばあちゃんや産婦人科医の方まで50人ぐらい来ていました。妊娠、出産の経験がない私にも参考になりましたし、非常にニーズがあると感じました。どうしてこういう問題が起きているのだろう、今までの勉強は何だったのかと疑問に感じる専門家の方、お子さんと向き合う方が目覚め、勉強し直そうという動きにもなってきています。せっかく関心が高まっているのであるから、その流れを大切にしたいと私は思いました。 そこで、ながの版ネウボラ事業において、保健師の他、助産師との連携の実情について伺います。 また、より効果的な妊娠・出産包括支援として、産前保健指導に産後ケア同様、力を入れる考えがあるか、御所見を伺います。
○議長(小林治晴) 小林保健所長 (保健所長 小林良清 登壇)
◎保健所長(小林良清) 産前ケアの重要性について御議論いただき、ありがとうございます。 国では、保健師等の専門職が子育て世代の支援をワンストップで行う拠点として子育て世代包括支援センターの整備を進めておりまして、本市でも平成28年4月から妊娠、出産を包括的に支援するながの版ネウボラ事業を開始いたしまして、今年度までに母子保健コーディネーターとなる保健師を保健センターに6名配置をしているところであります。 加えまして、妊娠届の受付数が最も多いこの本庁舎2階におきまして、健康課の総合窓口をネウボラ相談窓口と位置づけまして、妊娠届出の時点から妊婦さんの面談や訪問を行って不安や悩みをお聞きし、また、産前の保健指導や情報提供を行うとともに、必要に応じて地区の担当保健師が継続支援をする他、助産師さんや医療機関などと連携して専門的な産前指導を行っているところであります。 また、妊婦さんの健康診断を行っていただいております医療機関から、逆に支援が必要なハイリスクの妊婦さんに関する情報提供をいただいておりまして、この場合にも地区の担当保健師が妊婦さんと面談するなど支援をしているところであります。 さらには、初めて出産する妊婦さんと、その御家族を対象としたマタニティセミナーを開催しておりまして、助産師さんの他、保健師、管理栄養士が母体の管理やもく浴などの育児指導、妊娠中の食事、家族の育児支援などについて指導をしているところでありまして、昨年度は24コース開催いたしまして、妊婦さんが310名、御家族279名の御参加をいただいているところであります。 本市といたしましては、こうしたながの版ネウボラ事業や妊婦訪問などを通じまして、助産師さんとも十分連携を図りながら、妊婦さんが不安や悩みを持っていたとしても安心して出産できますように、今後も産前の保健指導に力を入れてまいりたいと考えております。
○議長(小林治晴) 鎌倉希旭議員
◆17番(鎌倉希旭議員) メンタルケアという意味で面談というところにかなり力を入れていらっしゃるかなという印象を受けました。 おなかを触るであったり、触診であったり、そういうところから、もっとフィジカルケアという部分で私は今回質問させていただきましたので、是非これからの産前ケアの取組の中で少し検討いただきたいなというふうに思っております。 近年、少子化の影響や医師不足により、市内で産婦人科の分娩の受入れをやめてしまう総合病院や開業医があります。飯山市においても、医師不足対策の遅れにより大病院の産婦人科での分娩の受入れが無くなりました。 そもそも適切なケアが必要であるのはもちろんですが、本来出産では異常が見つかったりしなければ病気ではありません。現代は昭和40年代から施設分べんが進む中、昔の在宅出産や里帰り出産において、助産師は妊婦が相談しやすい存在で、その役割は大きいものでした。 医師不足問題については、他の科にもあることですから今回質問は控えますが、少なくとも産婦人科に関しては、やみくもに産科の維持や増設を求めるより、医師、助産師、保健師それぞれの本来的な役割を強化し、連携体制をとり、それぞれ現場で関わる専門職の負担軽減にもつながり、現実的ではないかと思います。 ある産婦人科の女性医師の方も、通常では医師が同席しないところ、ケースワーカーや保健師と分べん後のことについて一緒にお話をされ、一緒に御家族の個人的問題にも対応したことを聞きました。連携の必要性は、医師側からも少しずつ声が上がってきています。 そこで、3点伺います。 1つは、本年4月に、市内では2大学の看護大学が新設されました。助産師資格は大学卒業のタイミングで取得するとのことですが、両看護学科を活用し、助産師、保健師の人材育成に力を入れる考えがあるかについて。 さらにもう1点、2年に1度調査している助産師従事者数が、平成28年時点で151人と平成22年の114人と比較して増加しています。助産師としての資格を持ちながら、もう仕事をしていない潜在的な人材がいると思いますが、いつか到来する人材不足の対策として、その潜在的人材の掘り起こしと活用を行う考えがあるかについて。 最後に、今回勉強させていただいたのが須坂市の助産院ですが、近隣市町村は、長野市がリーダーシップをとることは連携中枢都市圏の中でも期待されているとのことです。長野地域スクラムビジョンにおいて、母子包括支援の広域連携の可能性について、専門家の意識啓発のために専門家に向けたセミナーの開催等共通の取組として行う考えがあるかについて。以上3点について所見を伺います。
○議長(小林治晴)
樋口保健福祉部長 (
保健福祉部長 樋口圭一 登壇)
◎
保健福祉部長(樋口圭一) 産科現場における人材発掘と育成についてお答えいたします。 初めに、市内の産科医療機関の状況としましては、平成29年の市内の産科医療機関における分べん取扱件数は3,926件で、長野市の出生数2,891人を上回っており、現状においては本市の産科医療機関は充足していると考えております。 続いて、妊娠から出産、産後までのケアを通じて、母子の健康を守るため重要な役割を担う保健師と助産師について、平成28年度末における市内の従事者数を申し上げますと、保健師は260人で、10万人当たりでは69.1人と国の40.4人を上回っております。助産師は151人で、10万人当たりでは40.1人と国の28.2人を上回っており、保健師、助産師、それぞれ必要な人員数は、現在のところ確保できていると考えております。 こうした状況から、看護学部を新設した長野保健医療大学や清泉女学院大学等への働き掛けや、看護学生へのPR活動、また、資格はあるが未就業の人材の掘り起こしなどについては、現在のところ行ってはおりません。 しかしながら、人材の育成や発掘については、不足が生じてからでは遅いため、市内の産科医療機関の状況や出生数の動向を引き続き注視し、状況に応じた早目の対応を心掛けていきたいと考えております。 また、併せて保健師や助産師の資質向上が図れるよう、長野保健医療大学や清泉女学院大学等との連携の可能性を、今後研究してまいりたいと考えております。 次に、母子包括支援の広域連携についてお答えいたします。 長野地域スクラムビジョンにおいて、現在実施している事業としましては、圏域内の保健師、助産師等が最新の専門知識・技術を習得し、資質の向上を図ることを目的とした研修会を開催しております。昨年度は産婦健診が開始されたことから、北里大学看護学部准教授を講師に、産婦健診からの母子支援と題して研修会を開催いたしました。 また、平成18年度より、長野保健福祉事務所、長野赤十字病院、本市が中心となりまして、圏域内の市町村、産科医療機関、助産所が一堂に会して母子保健地域支援検討会を年1回開催しております。 本検討会は、市町村と産科医療機関、助産所がそれぞれの役割や取組等をお互いに理解するとともに、支援が必要な母子に対しての妊娠期からの継続した支援体制について検討する場となってございます。検討会で母子保健の課題を共有することにより、医療機関や市町村間の連携も図られ、特に支援が必要な母子の情報を居住地と里帰り先、両方の市町村が共有することで、妊娠期からの切れ目のない支援につなげております。 今後も、圏域内市町村と共に職員の資質の向上を図り、妊産婦が安心して出産、子育てができるように連携を図ってまいります。
○議長(小林治晴) 鎌倉希旭議員
◆17番(鎌倉希旭議員) 現在では、産科、保健師、助産師共に出生数に応じて充足しているという現状ではあるのですけれども、やっぱり部長がおっしゃるとおり足りなくなってからでは遅いということですので、高い能力のある有資格者を北信地区で囲い込みを今からしていくべきだと思います。今回取り上げた助産師、保健師はもちろん、お子さんと向き合う保育士不足にもきっと人材育成の中で役立つと思いますので、是非検討をお願いします。 今回は、まだ顕在化していない問題について掘り下げて質問をさせていただきました。本当に子育てにやさしいまちを目指すために、安心して子供を産み育てる環境の整備は喫緊の課題であると思います。 最近、行政ではPDCAサイクルと盛んに言われますが、Plan Do Check ActionというよりもPlan Do Do Doneで終わっているような印象を受けます。やはり検証していくことが大事だと思います。根本的な原因に対して、なぜなのかをよく考えていただき、より実効性のある施策に対しお金が使われることをお願いして、質問を終わります。
○議長(小林治晴) 1番近藤満里議員 (1番 近藤満里議員 登壇)
◆1番(近藤満里議員) 1番、公明党長野市議員団、近藤満里でございます。 初めに、がん対策の取組について伺います。 病気の死亡原因の1位はがん、このがんを部位別に見ますと、肺がん、胃がんと続いています。がんによる死亡数のトップを続けてしまっている肺がんですが、最近の医療技術の進歩は、肺がんの死亡率を減少させ得るものにしています。 日本対がん協会によりますと、医療技術の進歩によって早期発見、治療ができれば、肺がんの8割が治る時代とのことです。実際、肺がんの5年生存率をステージ別に見てみますと、病期第Ⅰ期では81.8パーセントとなっており、第Ⅱ期では48.4パーセント、第Ⅲ期では21.2パーセントとなっています。ですから、肺がんの死亡率を減らしていくためには早期発見がかなめであり、だからこそ受診率向上に力を入れるべきと考えます。 肺がんの検診受診率の現状と御所見についてお聞かせください。 (1番 近藤満里議員 質問席へ移動)
○議長(小林治晴) 小林保健所長 (保健所長 小林良清 登壇)
◎保健所長(小林良清) 肺がん検診の状況につきまして、本市では40歳以上の市民の方を対象に、会社などで受診機会がある方を除きまして、昨年度の数字で申し上げますと、対象者数11万1,205人に対しまして、受診していただいた方の受診率が10.3パーセントとなってございます。 昨年度実施いたしましたまちづくりアンケートにおきまして、がん検診を受診しない理由をお聴きしたところ、症状がないので受けなくても大丈夫だと思った、こういった方が42.4パーセントと最も多くなっておりまして、がん検診に関する誤解が受診率の低さにつながっているのではないかと考えております。 なお、先ほど申し上げました数字ですけれども、最近は人間ドックを受診される方が増えておりまして、市の検診としてはこの人間ドックの受診については受診率に計上しておりませんので、そういった意味からもこの受診率の減少ということになっているのではないかと考えております。 本市では、肺がん胸部エックス線検診につきまして、受診料を無料にしたり、事前の申込みを不要にして、検診車が各地域の保健センター、地域公民館等、合計で市内550か所をきめ細かく巡回するなどしております。また、夜間、日曜日の検診を行ったり、コンビニエンスストアやファミリーレストランに御協力をいただいて、その駐車場で検診を行ったりということで工夫をし、受診者の利便性の向上を図っているところであります。 今後も、市民の皆さんが受診しやすい環境づくりに努め、がん検診の普及啓発などと併せて受診率の向上につなげてまいりたいと考えております。
○議長(小林治晴) 近藤満里議員
◆1番(近藤満里議員) この肺がん検診を無料で実施していただいていること、きめ細かく検診をしていただいていることなど、御努力には本当に敬意を表するところですが、しかし、まだ受診率はもう少し改善の余地があるのではないかと思います。 受診率向上の取組について、次に3点伺います。 1点目は、個別の受診勧奨です。 第3期がん対策推進基本計画には、受診率向上のために取り組むべき施策として、個別の受診勧奨、再勧奨が新たに盛り込まれました。現状の受診率から考えますと、個別の受診勧奨も有効な施策の一つと考えます。精密検査を受けていない人に対する受診勧奨は現在実施していただいておりますが、早期発見のためには対象者全員に対する受診勧奨へと拡大することができないのか。個別勧奨の効果をどのように分析されているか、御所見をお聞かせください。 2点目は、特定健診とがん検診の同時受診の推奨です。 長野市では、胸部エックス線検査を無料で実施していただいております。胃、大腸、乳がんについては特定健診実施医療機関で行われておりますが、肺がん検診は検診車による集団検診と保健センターでの実施のみで、医療機関では行われておりません。特定健診を医療機関で受診する際に肺がん検診も併せて実施できれば、検診受診率の向上が期待できるのではないかと考えます。全ての医療機関で実施できるわけではありませんが、それでも受診率向上には期待できると考えます。御所見をお聞かせください。 3点目は、受診の意思確認の方法です。 例えば、申込みの際、検査を希望しない場合にのみ意思表示をする方法はオプトアウト方式と呼ばれているそうです。厚生労働省が発行している受診率向上施策ハンドブックには有効な手法の一つとして紹介されています。 八王子市では、特定健診の受診券に大腸がんの検査キットを同封したところ、それまで特定健診受診者のうち38パーセントだった大腸がん検診受診者が66パーセントに増加しました。検査キット送付は費用が掛かりますから、費用対効果の点で検討は必要だと思いますが、大腸がん検診を希望するか否かではなく、受診しない場合に意思表示をするオプトアウト方式にするだけでも効果が期待できるのではないかと思います。 さらに、肺がん検診についても特定健診と同時受診ができれば、オプトアウト方式の意思確認もすることで受診率向上につながると考えます。長野市でも取り組むべきと考えますが、御所見をお聞かせください。
○議長(小林治晴) 小林保健所長 (保健所長 小林良清 登壇)
◎保健所長(小林良清) がん検診の受診率の向上につきまして3点御質問いただきました。 最初に、対象者全員に対しまして個別の受診勧奨を行う点ですけれども、本市では、がん検診を含む、成人対象の健康の健診と検査の検診、これをまとめた詳細な内容や日程等をお伝えするための冊子を作っておりまして、こちらを広報ながの5月号と併せて各世帯に毎年配布をしているところであります。また、40歳以上の国民健康保険加入者5万5,000人にお送りする特定健診の受診券にも、がん検診の御案内を掲載し、周知を図っているところであります。 厚生労働省の研究において、議員御指摘の個別勧奨が受診率の向上に一定の効果をもたらすとされていることは承知してございますけれども、個人ごとに受診可能ながん検診を具体的に表記して受診勧奨を行うとなると、対象者が本市には約11万人いらっしゃいますので、その方々に通知する必要があります。その意味で費用対効果の検討も十分に必要なところでありまして、現在の周知方法の在り方を含めまして効果的、効率的な方法について更に研究してまいりたいと考えております。 続きまして、特定健診を実施している医療機関における肺がん検診の同時実施についてですけれども、現在、特定健診を実施している医療機関、個別検診をお願いしているところが151ございます。このうち大腸がん検診については全医療機関で、乳がん検診につきましては28の医療機関、子宮頸がん検診につきましては9の医療機関で実施をしてございます。ただし、全ての医療機関が特定健診とがん検診を必ず同時で行っているわけではございません。それぞれ日にちも違う場合もございます。しかしながら、同一の医療機関でがん検診と特定健診を受けられるという利便性は市民の方にもあると考えております。 しかしながら、肺がん胸部エックス線検診の同時実施というお話ですけれども、実は厚生労働省の肺がん検診の指針では、2人以上の医師が読影をしなければいけない、過去の写真と比較をして判断をしなければいけないといった詳細な基準が定められております。また、肺がん検診の場合には胸部エックス線写真を撮りますので、65歳以上の場合に結核検診と併せて実施するという事情もございます。そういう意味では、他のがん検診と異なりまして、肺がん検診特有の問題がございます。このため、本市では現在、こうした条件をクリアし、検診のノウハウと実績を有する検診機関に業務を委託いたしまして、集団検診の形で実施しているところであります。 したがいまして、個々の医療機関での実施につきましては、こうした現状を踏まえながら、検診機関、医療機関、医師会などの関係者からも御意見を頂戴しながら検討する必要があると考えてございます。 最後に、受診の意思確認におけるオプトアウト方式になりますけれども、現状では本市のがん検診につきましては、一部の検診を除きまして申込み不要で対応しておりますので、事前の意思確認は行ってございません。議員御指摘の事例とは、そういう意味ではシステムの違いがございますけれども、しかしながら、先ほど来申し上げました個別の受診勧奨、それから特定健診との同時実施、こういったことを含め、今後更にがん検診受診率を向上していく上で、オプトアウト方式につきましても参考とさせていただければと思います。
○議長(小林治晴) 近藤満里議員
◆1番(近藤満里議員) 先頃送られてきました特定健診の申込みの中には、大腸がん検診を受けますか、はい、いいえで答えるような欄があったと思います。あれがある意味意思確認になっているのかなという気がするのですが、また御検討をいただきたいと思います。 それから、読影についてですけれども、佐世保市など読影を外部委託しているところもあるようでございます。非常に読み取りが難しいので、正確な診断のために必要ならば外部委託という方法もあるので、是非御検討いただきたいと思います。 続きまして、若者議会について伺います。 平成28年12月、公明党の代表質問で若者議会を提案させていただきました。 2040年問題に象徴されるように、21世紀はこれまで経験したことのなかった深刻な課題を抱える時代とされています。この時代の中心となる若い世代に主体的に未来を描いていただきたいものです。 愛知県新城市などでも行われていますが、未来を担う若者にスポットを当て、その意見を積極的に市政に反映させ、若者が活躍しやすい長野市、市政に関わりやすい長野市をつくる必要があると考えます。こうした政策には、若い世代に市政に関心を持ってもらえること、何より若者世代の声を大切にする長野市であることで、長野市への愛着を深めることなどの効果が期待できます。 3年後には、市内の大学生は1,600人増加します。就職情報の提供だけでなく、積極的に市政に関わっていただくことは、選ばれるまち長野をつくっていく上で大きな原動力であり、カムバックtoながのを実現させるのに有効な施策と考えます。 以前の御答弁では、みどりの移動市長室など、懇談の機会を増やすなど内容を拡充し、どのような形で若者が主体的に参加する会議ができるのかなど検討したいという内容でございましたが、改めて伺います。懇談の内容の拡充など、どのように行われてきたのか。若者が主体的に参加する会議の検討内容はいかがか、お聞かせください。
○議長(小林治晴) 加藤市長 (市長 加藤久雄 登壇)
◎市長(加藤久雄) 人口減少、超高齢社会を迎える中、将来の長野市を背負う若者から、行政に対する御意見や本市の将来像などをお聴きし、それを市政に反映していくことは大変重要であると私も考えております。 平成29年度のみどりの移動市長室は、教員を目指す者として学校や地域との関わりなどをテーマに信州大学教育学部の学生と意見交換を行った他、長野市若者未来創造スペース整備事業補助金を活用して運営されているフリースペースを利用する若者と、若者が帰ってきたくなる長野市をテーマに意見交換を行いました。 昨年度は、開学したばかりの長野県立大学でエシカルマップの作成に取り組む学生とエシカル消費を取り入れたまちづくり、持続可能な暮らしについて考えるをテーマに意見交換を行っております。膝を交えての意見交換で、若者たちの飾らない率直な考えや将来チャレンジしてみたいことなどをお聴きすることができ、大変貴重な機会となりました。 さらに昨年度は、ながの未来トークで長野県立大学や清泉女学院大学、長野工業高等専門学校の学生からも御意見、御提案を頂く機会がございました。 今後も、みどりの移動市長室に限らず、様々な機会を捉えて広く若者の意見をお聴きしてまいりたいと考えております。 また、令和4年度から始まります長野市総合計画後期基本計画には、地域の将来の担い手となる若者の意見や視点を反映させたいと考えております。現在、市と包括連携協定を結ぶ大学に対しまして、来年度から本格化する策定作業での協働での在り方について相談を開始したところであります。 その他、市内の高等学校や専門学校などの若者にも主体的に参加いただき、計画に反映する方策を検討し、計画作りなどを通して若者に学びと成長の機会を提供し、若者が夢を描ける市政を実現してまいりたいと考えております。
○議長(小林治晴) 近藤満里議員
◆1番(近藤満里議員) 過日行いました市民と議会の意見交換会でも、やはり若い世代の方の発言のフレッシュさは大変印象に残りましたし、他の参加者の皆さんからも歓迎されておりました。意見交換をする度に手応えはお感じになっていると思うんですが、それをしっかりと、若い方自身が、自分たちの意見が形になっていくんだということを実感できるようなシステムづくりを是非お願いしたいと思います。 次に、長野電鉄市役所前駅について伺います。 多くの市民の皆さんが訪れる市役所、芸術館の最寄り駅、長野電鉄市役所前駅。残念ながら、この地下通路にはエレベーターなどは設置されておりません。市役所、芸術館を利用される方から改善を望む声が聞かれます。 構造上の問題でエレベーター、エスカレーターの設置に関しては課題もあると伺っておりますが、長野市の顔と言っても過言ではない場所だけに、利便性の向上はやはり図るべきと考えます。改善に向けての課題、今後の展望など、御所見をお聞かせください。
○議長(小林治晴)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 長野電鉄市役所前駅につきましては、長野駅方面に向かうホームから改札までの間には上りのエスカレーターが設置されておりますが、改札から地上部に通じる横断地下道は
バリアフリー化されておらず、高齢者や障害者の方々にとって使いやすい施設とは言えない状況です。 横断地下道の
バリアフリー化を図る場合、エレベーターの設置が最善と思われますが、設置には新たなスペースの確保が必要になります。市道長野大通り線の市役所側の歩道部に設置した場合、歩道を拡幅する必要が生じますが、沿線には高層ビルもあり、土地利用の状況から見て用地の確保は非常に難しいものと考えております。 また、横断地下道のすぐ横の歩道内には、電線や水道管が占用している幅2メートル、高さ2メートル程度の共同溝もあり、その移設も必要であることから、占用者との調整や移設など、多くの時間と費用が必要になります。 次に、エスカレーターの設置についてですが、その設置にはエスカレーターの踏み段の下に1メートル程度のスペースの確保が必要になります。現状の横断地下道の構造上、階段だけでなく、全ての構造物を取り壊して新たに造り直さなければ、そのスペースの確保ができないことから、この場合も歩道内の共同溝の移設や地下鉄本体への影響も懸念されるなど、実現に向けては大きな課題があります。 多くの市民の皆様が訪れる市役所、芸術館の最寄りの駅から直結している横断地下道の
バリアフリー化は大変重要なことと認識しておりますが、現状では困難な状況であると考えております。他都市の事例なども参考にしながら、
バリアフリー化の方策について引き続き研究してまいりますので、御理解をお願いいたします。
○議長(小林治晴) 近藤満里議員
◆1番(近藤満里議員) 暗たんたる気持ちでお話を伺いましたけれども、やはり歩行に不便を感じる方にとりましては、長い階段というのは非常に大きな障害になりますし、行動を妨げる大きな要因にもなるかと思います。諦めないで御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。 その他といたしまして、3月定例会で質問をさせていただいた中山間地域の高校生の通学費について、検討の進捗状況なのですけれども、午前中、部局横断的に拡大したときの影響について検討しているという大変すっきりした御答弁がございましたが、もう少し補足などがございましたらお聞かせいただければと思います。
○議長(小林治晴) 増田地域・
市民生活部長 (地域・
市民生活部長 増田武美 登壇)
◎地域・
市民生活部長(増田武美) 申し訳ございません。補足するような細かいことが申し上げられなくて大変申し訳ないのですが、先ほど申し上げたとおり、エリアを拡大するという形で考えた場合にどうなるかということで現在検討している段階でございます。
○議長(小林治晴) 近藤満里議員
◆1番(近藤満里議員) そもそも過疎地域の定義の見直しから考えなければいけないのかもしれないと思いますけれども、やはりこのまま放置してはいけない状況ではあると思います。しっかり御検討いただいて、また、時間的にもスピード感をもって対応していただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。
○議長(小林治晴) 20番若林祥議員 (20番 若林 祥議員 登壇)
◆20番(若林祥議員) 20番、新友会、若林祥です。 初めに、長野市におけるウインタースポーツの強化推進について伺います。 長野県で民間リンゴ栽培が始められて140年を祝う記念式典が、栽培の始まった真島町真島まちづくり委員会の主催により4月に開催されました。 その中で、オリンピックのスキー・ノルディック複合競技、団体金メダリスト荻原健司さんが、演題、人を育てるをテーマに記念講演され、長野市におけるウインタースポーツ推進強化拠点の設置について提案がありました。 興味がありましたので、改めて詳しく話を聞いたところ、世界基準の質の高い環境を生かし、市内の小学生から大学生まで一貫指導することで、優秀選手が市外に流出することなく、ウインタースポーツの発展を目指したい、とのことでした。 一貫指導の体制としては、市内の小学校、中学校、高校、大学に拠点校を設置し、行政、競技団体、医学関係者などによる推進強化チームを作り、そのチームには荻原氏他オリンピアンが拠点校の顧問に就任し、競技団体からの部活動指導員の派遣、医学的サポートを通じた専門的指導など、集中的に強化を図っていこうとする計画です。 私は、少子化の進行と共に冬季競技を目指そうとする子供たちが減少している中、周辺自治体の冬季競技の練習施設が利用されない状況があり、加えて、中学校、高校で好成績を上げた子供たちが、市外の高校、大学に練習拠点を求めて流出してしまっているということも耳にしており、残念なことと思っています。 しかし、上述のようなスキームが出来れば、県内外の保護者や子供たちにも魅力となり、首都圏からの呼び込みも可能となるなど、本市が冬季スポーツ選手の流入してくるまちになる可能性があると思われます。 現在、スポーツ庁から、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインが示されており、先生の働き方改革を踏まえますと、小・中学校を拠点とした部活動の場に競技力強化を求めていくことは難しく、また、高校、大学での受皿について市に求めることも難しいことと受け止めてはいます。 しかしながら、かねてより長野冬季オリンピックの開催都市としてのレガシーを生かしたまちづくりは本市の大きな命題でもあり、その点からもウインタースポーツの更なる振興を図ることは大事な視点でありますので、長野市がハブとなり、周辺自治体の練習会場を含めたスポーツに取り組む環境を生かしつつ、子供たちが世界を目指す選手として、県外、市外を出ずして一貫して育成する方策はないものか、所管部局の所見を伺います。 (20番 若林 祥議員 質問席へ移動)
○議長(小林治晴) 倉島
文化スポーツ振興部長 (
文化スポーツ振興部長 倉島 明 登壇)
◎
文化スポーツ振興部長(倉島明) 冬季オリンピック・パラリンピック開催都市として、ウインタースポーツの発展と日本代表選手の輩出を目指すことは、オリンピックレガシーを継承し、オリンピックムーブメントを推進している本市の施策と軌を一にするものと考えております。 御提案のうち、学校のウインタースポーツ拠点校につきましては、議員御指摘のとおり、スポーツ庁が示す運動部活動の在り方に関するガイドラインや教職員の働き方改革が進む中で難しい状況にございます。実際には、競技力の向上を目指す子供たちは、自らの意思で部活動以外のスポーツクラブに属して練習に励んでいるところであり、今後、そうしたクラブ等の活動の広がりが期待されるところでございます。 本市におけるウインタースポーツの強化という点で一つのモデルといたしましては、エムウェーブスケートクラブが挙げられます。このクラブは、市スケート協会がスピードスケートの競技力向上のため設立したクラブであって、市スポーツ協会の支援の下に活動してございます。小中高の一貫した指導により、高校生世代では日本を代表する選手が輩出されるなど、顕著な成果が出始めております。 このエムウェーブスケートクラブと同様に、御提案がございましたオリンピアン等で構成されるウインタースポーツ強化指導チームを、市スポーツ協会や競技団体、関係機関と十分に連携を図っていただく中で、小中高一貫した指導を受けられるスポーツクラブとして設立していただければと思っております。そして、児童・生徒が自らの意思で参加し、競技力向上に取り組める環境を整備していただきたいと考えております。そのことが、ひいては子供たちが市外へ出ていくことを止め、又は呼び込むということが期待できると考えております。 市といたしましては、市スポーツ協会、競技団体、関係機関との調整などの役割を果たすことができますので、その折には、また御協力をさせていただきたいと考えております。 また、県では、御提案の趣旨と同様に、小学校高学年から高校生までを対象に、人材発掘から世界に挑戦する競技者へ育成することを目的としたSWANプロジェクトを実施しておりますので、こちらとの連携についても御検討いただければと思っております。
○議長(小林治晴) 若林祥議員
◆20番(若林祥議員) 考え方はとてもいいと思うんですよ。でも、スパイラルでは選手がなかなか育ちませんでした。エムウェーブはそういったことで選手が育ちつつあります。ですから、私とすれば、是非コーディネート役に市がしっかり対応してもらって、戸隠地区辺りにスモールヒルのジャンプ台とかを設置してもらって、是非選手の育成を検討してみてもらいたいと思います。 次に、IT人材の確保について伺います。 人口減少・少子高齢化が進む我が国においては、技能実習生を含めた外国人労働者の導入の他、現在、ITやRPA--ロボティック・プロセス・オートメーションなどにより、従来の業務を効率化し、人手不足に対応しようという動きが活発になりつつあります。さらに、IoTやAIといった新しいテクノロジーが加わり、コンピューターによる生産性の向上や従来業務の置き換えといった流れは加速度的に進むと思われます。これに伴い、これらのテクノロジーやソフト開発に関わる需要は確実に増えていくことになるため、業務に携わるIT関係の人材は大きく不足するのではないかと懸念されています。 先日の報道によると、本年4月に経済産業省が発表したIT人材需給に関する調査では、今後のIT関連市場の成長率を年平均2.7パーセント程度の中位シナリオで見た場合でも、IT人材の需要と供給のギャップ、すなわちIT人材の不足については、2020年には30万人の不足、2030年度には45万人の不足が想定されるとの試算が公表されました。 このような中、確かな技術を持ったIT人材の確保は、ICT企業の誘致や集積を目指す本市においても重要ではないかと思います。ICT産業の振興に向けた人材確保について市としてどのように考えているか、所管部局の所見を伺います。
○議長(小林治晴) 高橋商工観光部長 (商工観光部長 高橋 要 登壇)
◎商工観光部長(高橋要) 議員御指摘のとおり、現在、企業や自治体ではIT技術の活用による業務効率化や人手不足解消の動きは活発になっており、IT人材の確保は今後、ますます重要になってくるものと認識しております。 取り分け各方面において活用が期待されるビッグデータや、モノとインターネットをつなぐIoT、人工知能のAI、バーチャルリアリティーなどの先端分野では、人材不足から今後、企業間、地域間での獲得競争が予想されるところでございます。 本市には、57社が参加する長野市ICT産業協議会があり、ICTに関連する一定の企業集積があることが本市の特徴の一つと言えます。 また、ICT産業は他産業との連携により様々な産業の成長が期待される分野であり、今後の地域経済のけん引役として大いに期待されることから、今年度、高度な知識や経験を持つIT人材の確保を対象とする補助制度を創設してまいりたいと考えております。 また、ICTの進展により、海外からIT技術者を採用する動きが出てきております。宮崎県宮崎市では、バングラデシュの工業系大学で学んだ技術者が、現地での日本語研修やビジネス研修を経て宮崎大学に語学留学し、日本語を学びながら地元IT企業でインターンシップを行い、その後、企業が採用するというスキームを構築しております。 一方、本市においても、先日、IT関連産業の振興を目指す一般社団法人長野ITコラボレーションプラットフォームが設立され、多様なIT事業者のマッチングや海外IT人材を活用した事業に取り組むことが発表されたところでございます。 市といたしましては、ICT産業の更なる成長を支援するため、人材確保のための補助金制度の創設と共に、これらの動きとも連携しながら、宮崎モデルを参考とした外国人の高度人材の受入れスキームの構築を検討してまいります。よろしくお願いします。
○議長(小林治晴) 若林祥議員
◆20番(若林祥議員) 補助制度の創設というのはとてもいいことだと思います。ただ、本当にこの業界というのはもう加速度的に動きが激しくなっていますので、スピーディーな対応をお願いしたいと思います。 次に、千曲川北信5市町かわまちづくり計画について伺います。 その昔、千曲川では、牛に引かれた川船を利用し、新潟方面との地域間交流が大変盛んであったと聞き及んでおり、往時がしのばれるところです。 この度、本市を含む千曲川流域北信5市町では、千曲川の自然資源を生かした地域連携による広域観光と地域活性化を目指すとして、各市町の水辺拠点を整備し、まちとまちを川でつなぐことにより広域観光の推進を行う千曲川北信5市町かわまちづくり計画を策定し、今年3月8日に国土交通省のかわまちづくり支援制度の認定登録を受け、4月25日、登録伝達式が行われました。 これに先立ち、余談ではありますが、長野市商工会商業部会では、正副会長を中心に流域市町村の行政並びに商工団体と連携し、整備した千曲川船着き場から観光客誘導による観光振興を前提に、平成25年12月並びに平成26年5月の2回にわたり、長野市更埴橋から飯山市大関橋の間をラフティングにより流下調査を行いました。御縁があり、足立飯山市長、市村小布施町長とその結果を踏まえて夢を語り合ったことが今回の登録につながったのではと、伝達式の報道を受け、夢の実現に期待を寄せています。 さて、計画では、各市町の拠点を設け、今後整備メニューごとに予算を確定後、令和2年以降に5か年計画で整備を行うとし、長野市は千曲川リバーフロントスポーツガーデン周辺に拠点を設置すると聞き及んでいますが、本市最上流部の観光拠点である川中島古戦場を含む松代地区との連携も図るべきではないでしょうか。松代大橋から下流の流域風景もすばらしく、千曲川、犀川合流点としている現在の起点の変更を求めるところであります。今後の事業の展開を含めて伺います。
○議長(小林治晴) 加藤市長 (市長 加藤久雄 登壇)
◎市長(加藤久雄) 本年3月に国の認定登録を受けました千曲川北信5市町かわまちづくり計画につきましては、平成29年に飯山市から提案を受けまして、国土交通省、長野県、長野市、須坂市、中野市、飯山市、小布施町などで構成する千曲川河川空間利活用検討協議会を11月に設立し、7回の会議で検討を重ね、計画を作成してまいりました。 この計画は、遊歩道やカヌーポートなどのハード整備と、民間事業者との連携によるウオーキング、サイクリング及びカヌーのイベント開催などソフト施策を進めることで、広域観光による地域活性化を目的といたしまして、体力増進や健康長寿にもつながるものと考えております。 実施範囲につきましては、長野市都市計画マスタープランにおける柳原、朝陽、大豆島地区の千曲川沿川地域の整備方針に基づきまして、千曲川沿いの緑地、レクリエーション空間の充実と自然環境の保全の拠点と位置づけられている千曲川・犀川合流点を起点といたしまして、終点は飯山市の湯滝橋までの約45キロメートルの区間としております。 今後の事業展開につきましては、本市が計画しておりますハード整備といたしまして、屋島地区の遊歩道などの整備を、国の支援をいただきながら令和2年度より事業に着手いたします。そしてまた、ソフト施策についても民間事業者と連携しながら着実に進めてまいります。 今回のかわまちづくり計画を変更し、区域を広げるには、現状計画との整合を図り、親水性を高める水辺利用施設の整備と、それを拠点とした水辺アクティビティなどのソフト施策による広域連携が必要と考えております。また、5市町の水辺拠点は、それぞれ既存の施設を利用して整備するものであり、本市におきましては、千曲川リバーフロントスポーツガーデン周辺の現状施設を有効利用いたしまして、カヌーポートなどを整備する計画であります。 こうしたことから、議員御提案の更北地区、松代地区への拡大につきましては、堤外地にある現状施設を活用する中で拠点となる施設の設置が可能かどうか、また、観光振興につながるかなど、関係機関と研究してまいりたいと考えております。
○議長(小林治晴) 若林祥議員
◆20番(若林祥議員) この事業は、カヌーを対象にしているのですよね。商工会は観光バスと川船を連携するということを考えていたのですが、ちょっと方向は違うのですが、発展してそういうふうにいくように是非前向きな対応をお願いしたいと思います。 次に、吹き付けアスベスト実態調査の結果と今後の対策について伺います。 昨年9月市議会定例会において、アスベスト対策について伺いました。アスベストを使用した多くの建築物が更新期を迎える中、それに対応して大規模建築物を対象としたアスベスト飛散対策事業は進展していますが、それ以外に遅れている中小規模建築物に対する対策推進が目的でした。 御承知のとおり、アスベストが人体に与える影響は看過できず、飛散を防止し、市民や建設労働者の健康被害を防止するためにも措置の徹底が必要であります。 また、いつ起こるか分からない災害で被災する建築物からのアスベスト飛散防止や、災害廃棄物へのアスベスト混入防止の観点からも、実態把握は必要不可欠と思われるからです。 市では、中小規模建築物に関しては実態が把握されておらず、所有者等が吹き付けアスベストの使用の有無を確認していないものが残っていると推測されるとし、吹き付けアスベストが使用されている可能性のある建築物を対象とした一斉調査を実施する、との答弁を頂きましたが、その調査結果と結果を踏まえた今後の対策について伺います。
○議長(小林治晴)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 昨年度、吹き付け建材メーカー業界の吹き付けアスベスト使用自主規制が行われるようになった平成元年以前に建築された、延べ面積300平方メートル以上の中小規模の建築物2,164件を対象とし、郵送により、吹き付けアスベストの使用の有無や管理状況等について一斉調査を行いました。回答件数は1,154件、回答率は約53パーセントでした。 調査の結果でございますが、吹き付け建材の使用について確認を行っていない建築物は70件、回答件数の約6パーセントです。吹き付け建材があることを確認したもののアスベストの分析調査を実施していない建築物は126件で、回答件数の約11パーセントありました。 これらの建築物は、まずは吹き付けアスベストの使用の有無の確認が必要なことから、所有者に対して調査会社団体等を紹介するとともに、市のアスベスト含有調査補助金を活用した分析調査の実施について個別に働き掛けを開始しております。 次に、吹き付けアスベストの使用が確認された建築物は31件、回答件数の約2.7パーセントありましたが、このうち30件が除去や封じ込め工事等、飛散防止対策が行われておりました。残りの1件については、一般の人の出入りがない機械室に使用されていたものであり、直ちに飛散のおそれがある状況ではありませんが、その対策について指導を行っております。 本調査の結果として、吹き付けアスベストが使用されている建築物及び吹き付けアスベストの有無の確認が必要な建築物が特定でき、その所有者や管理者並びに連絡先を把握することができました。 また、本調査により把握できた情報は、対象建築物の約半数ではありますが、調査未回答の建築物の情報も含めて台帳として整備いたしました。 議員御指摘のとおり、吹き付けアスベストが使用されている建築物の実態を把握し、台帳化して管理することは、その飛散防止措置の徹底や、災害発生時において迅速な飛散防止措置等を行う上で必要であると考えております。 今後は、吹き付けアスベストの有無の確認が必要な建築物の分析調査等を促進するとともに、調査未回答者に対する調査を継続し、精度の高い台帳整備に努め、台帳を活用し、定期的な管理状況の把握や、建築物の増改築や解体時等における飛散防止措置の徹底を指導することで、アスベスト対策を推進してまいります。
○議長(小林治晴) 若林祥議員
◆20番(若林祥議員) 以前にも申し上げましたが、私もアスベストをたくさん吸い込んでいるのですよ。ですから、ちょっと心配しているところなのですが。未回答のところを含めまして、引き続き対応をしっかりとお願いしたいと思います。 次に、空き家対策について伺います。 平成30年1月に策定した空家等対策計画に基づき、長野市も昨年度から本格的に空き家対策に取り組んでおり、昨年の12月市議会定例会では、周辺住民からの空き家の相談状況と昨年度創設した老朽危険空き家解体事業補助の状況及び効果を質問し、この補助制度により、居住改善が図れるなど一定の効果があった、との答弁を頂きました。 本年4月末に公表された総務省実施の平成30年住宅・土地統計調査の速報では、全国の空き家数は846万戸と平成25年に比べ26万戸の3.2パーセント増であり、空き家率も13.6パーセントと過去最高を記録し、空き家の増加がいまだに続いている状況であることから、地域住民の更なる生活環境の悪化も予想されるところであります。 長野市が本格的に空き家対策を開始し1年が経過しているが、空き家の調査状況を踏まえ、特に地域住民に影響が大きい老朽危険空き家への対策を進めていく上での課題は何か、また、どのような対応を考えているのかを伺います。
○議長(小林治晴)
小林建設部長 (建設部長 小林正明 登壇)
◎建設部長(小林正明) 全国的に空き家の増加に歯止めが掛からない中、老朽危険空き家の増加も懸念されているところであります。 昨年度の調査において、特定空家等の判断基準に該当するとされた平地部の52件について調査を確定したところ、3分の2の35件が地域住民に影響が大きい特定空家等と判断する一方、居住や使用が確認されている空き家でないものも6件あり、これらは将来的に特定空家等になるものと推測しております。 また、昨年度、劣化度の高い空き家を中心に実施した所有者に関する調査では、相当数の物件が相続登記されておらず、この中には相続人が兄弟間に移り、数十名に達するものもありました。 対策を進めていく上で、まず1つ目の課題としては、特定空家等への指導とは別に、将来的に特定空家等になり得る使用中の老朽危険家屋があり、現状では、これらに対し適切な対策を講ずる手段がないことであります。 2つ目として、相続人が多数の空き家等に対する有効な指導、助言方法が見出せないことであります。この相続人が多数の空き家等の場合、当事者意識が薄く、主体的に改善措置を行う相続人が現れません。また、本市が独自に調査した個人情報は内部利用に限られ、相続人に対しても他の相続人の情報を公表できないことや、さらに、除却や売却を進める場合、相続人全員の合意が必要となるなど様々な問題を抱えております。 市では、専門家団体と連携し、相談会や空き家バンクなどにより、適正管理や利活用の促進に向けた取組を進めておりますが、空き家でない使用中の家屋に対しても、老朽危険空き家にならないよう適正管理や空き家化の予防などの啓発に努めてまいります。 また、相続人が多数となる空き家等に対しては、学識経験者や専門家で構成された空家等対策協議会において、相続放棄の教示や相続人情報の提供同意等の文書を指導通知に同封するなど、有効な指導・助言方法を検討してまいります。 今後も、こうした粘り強い対策を進めることで、安全で安心して暮らせる生活環境の保全に努めてまいります。
○議長(小林治晴) 若林祥議員
◆20番(若林祥議員) 空き家は加速度的に増えていますので、対応が遅れれば遅れるほど問題が大きくなってくると思いますので、更なる対応をしっかりとお願いしたいと思います。 次に、上下水道事業について質問いたします。 現在、国においては防災・減災、国土強靱化を政策に掲げ、財源の重点配分を行いながら、住民生活に不可欠な社会インフラの安全確保を緊急対策として進めています。 そうした中で、水道事業においては人口減少や節水機器の普及などにより、給水量、給水収益が減少していく一方で、高度成長期に整備された施設の老朽化への対応が急務となるなど、全国的にも大きな課題に直面しています。 昨年改正された水道法においても、こうした課題に対応するためには水道基盤の強化を図り、長期的な視点に立った水道施設の計画的な更新など、適切な資産管理の推進が求められています。 本市の水道事業においても、給水普及率は平成29年度末で給水率が99.84パーセントに達し、これまでの水道の拡張整備を前提とした時代から、既存の水道の基盤を確固たるものとしていくことが求められる時代であり、長野市水道施設整備計画や長野市水道事業経営戦略が策定され、将来の人口減少も見据えながら計画的な施設の更新整備を進められているものと期待するところであります。 そこで、本市における配水池や水道管路について、現在の耐震化及び老朽化の状況と、その対策について伺います。 また、施設の老朽化対策については、相当な財源も必要となると思いますが、国費の活用も含め、どう確保していくか伺います。 一方、下水道管につきましても、長野市下水道事業経営戦略を策定し、中長期的な経営に見通しを立て、計画的な改築、更新に取り組もうとしているところでありますが、水道管やガス管などの他のライフラインより深く埋められているため、老朽管の布設替えや改修工事が容易にできない状況と思われます。このため、他都市では下水道管が破損した原因で道路が陥没する事故や、地震により下水道が使用できない状況などが発生し、本市でも一度このようなことが起これば、市民生活に大きな影響を与えるものと考えられます。 そこで、本市における下水道の老朽管の解消について、どのように考え、実施していくのか伺います。
○議長(小林治晴) 西澤上下水道局長 (上下水道局長 西澤雅樹 登壇)
◎上下水道局長(西澤雅樹) 初めに、水道施設の耐震化及び老朽化の状況と、その対策についてお答えします。 平成30年度末の施設の耐震化率でございますが、配水池は34.7パーセント、管路は13.9パーセントであり、管路総延長約2,458キロメートルのうち約340キロメートルが耐震対策済みの状況となってございます。 また、法定耐用年数の40年を超過した老朽管は約466キロメートルで、全体の19パーセントと、5分の1を占めております。 こうした状況を踏まえ、施設の更新や耐震化につきましては、長野市水道施設整備計画に基づき、将来の水需要の減少を見据えた施設の統廃合やダウンサイジングを図りながら、適正な規模で効率的に進めているところでございます。 配水池につきましては、基幹配水池の耐震化を優先的に進め、管路につきましては、年間約22億円の規模で老朽管を解消するとともに耐震化も進め、今後20年間は幹線管路を優先的に整備してまいります。 次に、これら更新事業の財源につきましては、国の生活基盤施設耐震化等交付金を活用しておりますが、補助対象が基幹施設に限られるなど採択の要件が厳しく、また、補助率も4分の1又は3分の1と低いため、採択要件の緩和と補助率の拡充について、継続して国に要望しているところでございます。 今後も、更新事業を確実に推進していくため、国庫補助金や交付税措置のある起債を有効に活用するとともに、将来の施設更新に備えるため、水道料金に算入しております資産維持費を建設改良積立金に積み立てるなど、適切な財源の確保に努めてまいります。 次に、下水道の老朽管解消についてお答えします。 現在、下水道管きょにつきましては総延長で約2,373キロメートルであり、うち標準耐用年数の50年を超過する老朽管きょは85.1キロメートルと全体の3.6パーセントでございます。主には事業開始当初に布設された陶磁器製の陶管とコンクリート製のヒューム管で占められており、これまでは破損箇所を部分的な補修により対処してまいりました。 しかしながら、今後は年々老朽管きょが増えていくことから、建設費や維持費などトータルコストを抑制するため、既存の管きょを有効に活用し、長寿命化を図りながら改築・更新を進める長野市下水道ストックマネジメント計画を策定し、平成30年度からは、計画的に毎年6.5億円、約4.2キロメートルの事業規模で老朽管きょの更新を進めているところであります。 なお、更新工事に当たりましては、水道管やガス管などの支障移転や長期の交通規制などを伴い、工事費もかさむ道路掘削による布設替えではなく、マンホールから既存の老朽管内部に新しい管を形成させ、より施工時間が短く、建設コストが低い管更生工法により実施し、老朽管きょの更新を効率的に進めてまいります。 いずれにいたしましても、水道、下水道共に中長期的な視点に立ち、持続可能な事業経営に努めてまいります。
○議長(小林治晴) 若林祥議員
◆20番(若林祥議員) 再質問をしたいと思います。 膨大な下水道管きょの老朽化対策には財源の確保が重要であります。聞くところでは、国の財政制度等審議会においては、汚水施設の更新は受益者負担が原則と提言されるなど、国庫補助の削減も大いに懸念されるところであります。そこで、国費の確保についても積極的に国に働き掛ける必要があると思いますが、見解を伺います。
○議長(小林治晴) 西澤上下水道局長 (上下水道局長 西澤雅樹 登壇)
◎上下水道局長(西澤雅樹) 議員御指摘のように、国の財政制度等審議会においては、下水道財政の原則とされる雨水公費、汚水私費の考え方の下、汚水施設の更新は原則使用料で賄うべきとの議論もあり、今後、国費の減額が懸念されております。 現在、下水道の更新は、国の社会資本整備総合交付金や地方公営企業繰出基準に基づく一般会計繰入金を充てながら事業を進めておりますが、下水道施設は水道施設に比べ、はるかに資産規模が大きく、多大な費用を要する老朽化施設の更新や耐震化対策を今後全て下水道使用料で賄うことは、利用者の大幅な負担増にもつながり、非常に困難であると考えています。 こうしたことから、国の財政支援の継続について、現在、市長会を通じ、また、県内の下水道関係市町村が一体となって、関係省庁や国会議員に直接、要望活動を行うなど強く働き掛けているところであります。 今後も、事業の継続に不可欠な財源の確保に鋭意努めてまいります。
○議長(小林治晴) 若林祥議員
◆20番(若林祥議員) 下水道管については、もう本当にお金が大変掛かるのですよね。ですから、これからもしっかりと財源確保に努めてもらいたいと思います。 最後に、1件要望をして終わりたいと思います。 建設企業委員会で、先日、高岡砺波スマートインターを視察しまして、周辺の道路もきっちり対応した中でもって、交通量が分散されて非常に渋滞緩和に役立ったと。ですから、若穂スマートインター設置についても同様に早く推進して、丹波島橋の渋滞解消をお願いしたいと思います。
○議長(小林治晴) 本日の会議はこの程度にとどめ、明7日は午前10時から本会議を開き、
市行政事務一般に関する質問及び各議案の質疑を行います。 本日は、これにて散会いたします。 午後4時17分 散会...