長野市議会 > 2017-09-13 >
09月13日-02号

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  1. 長野市議会 2017-09-13
    09月13日-02号


    取得元: 長野市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-19
    平成29年  9月 定例会平成29年9月13日(水曜日) 出席議員(36名)   第1番   近藤満里議員   第2番   小林秀子議員   第3番   田中清隆議員   第4番   松井英雄議員   第5番   勝山秀夫議員   第6番   西村裕子議員   第7番   小泉一真議員   第8番   つげ圭二議員   第9番   手塚秀樹議員  第10番   北澤哲也議員  第11番   山本晴信議員  第12番   佐藤久美子議員  第13番   黒沢清一議員  第14番   滝沢真一議員  第15番   生出 光議員  第16番   布目裕喜雄議員  第17番   望月義寿議員  第18番   鈴木洋一議員  第19番   市川和彦議員  第21番   若林 祥議員  第22番   西沢利一議員  第23番   小泉栄正議員  第24番   宮崎治夫議員  第25番   寺沢さゆり議員  第26番   野々村博美議員  第28番   阿部孝二議員  第29番   松木茂盛議員  第30番   塩入 学議員  第32番   池田 清議員  第33番   野本 靖議員  第34番   中野清史議員  第35番   小林治晴議員  第36番   高野正晴議員  第37番   小林義直議員  第38番   岡田荘史議員  第39番   三井経光議員 欠席議員(なし) 欠員(3名)  第20番  第27番  第31番 説明のため会議に出席した理事者  市長         加藤久雄  副市長        樋口 博  教育長        近藤 守  上下水道事業管理者  高見澤裕史  監査委員       鈴木栄一  総務部長       久保田高文  企画政策部長     増田武美  財政部長       平野智也  地域・市民生活部長  竹内好春  保健福祉部長     竹内裕治  こども未来部長    上杉和也  環境部長       井上隆文  商工観光部長     高橋 要  文化スポーツ振興部長 倉石義人  農林部長       西島 勉  建設部長       島田純一  都市整備部長     上平敏久  会計局長       横地克己  保健所長       小林文宗  危機管理防災監    杉田 浩  上下水道局長     戸谷富雄  消防局長       込山忠憲  教育次長       松本孝生  教育次長       熊谷久仁彦 職務のため会議に出席した議会事務局職員  事務局長       松本至朗  総務議事調査課長   宮尾正彦  総務議事調査課長補佐 久保田浩樹  総務議事調査課長補佐 北島克彦  総務議事調査課長補佐 石坂陽子  係長         中野庄治  主査         松井知也  主査         五明順也  主査         中澤達彦  係長         中澤由樹  主査         笹原健史  主査         唐澤卓也  主査         宮坂真也議事日程 1 一般質問(個人)   午前10時 開議 ○議長(小林義直) おはようございます。 ただ今のところ、出席議員数は35名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 初めに、樋口副市長から発言の申出がありますので、許可いたします。 樋口副市長     (副市長 樋口 博 登壇) ◎副市長(樋口博) おはようございます。 さきの議案説明におきまして、議案第75号平成29年度長野一般会計補正予算の説明につきまして、関係する団体の名称に誤りがございましたので、訂正させていただきます。 農林業関係のうち、適正化事業に係る団体名称を長野県土地改良事業団体連合会とすべきところを長野県土地改良事業団連合会と申し上げました。おわびして訂正させていただきます。よろしくお願いいたします。 ○議長(小林義直) 次に、日程に従い、行政事務一般に関する質問に入ります。 発言の通告がありますので、順次質問を許します。 22番西沢利一議員     (22番 西沢利一議員 登壇) ◆22番(西沢利一議員) おはようございます。 22番、新友会、西沢利一でございます。 今年は梅雨以降天候が不順となりまして、全国各地で豪雨による被害が発生しております。本市におきましても、豪雨による災害により被害が発生いたしました。被害に遭われました皆様方には心からお見舞いを申し上げたいと思います。実りの秋を迎え、これ以上災害もなく、秋の収穫を迎えられればと願わずにはおられません。 さて、加藤市長におかれましては、平成25年11月、市民の大きな期待と信頼を受け市長に就任されて以来、今回の市議会定例会が任期最後の定例会となり、市長にとりましては、一つの大きな節目を迎え、感無量のことと御推察を申し上げます。 加藤市長は、就任以来、市民の安全と生活を守る、人と地域を育てる、人・思い・信頼をつなぎ次の世代へつなげるをスローガンに、いつも清潔さと誠実をもって市民一人一人の幸せを願い、住み良い長野を目指して日夜東奔西走され、御活躍いただいておることに対し、心から感謝と敬意を表するものでございます。 市長在任中の4年間は、本市にとりまして極めて重要な時期でありましたけれども、常に市民の先頭に立ち、良きリーダーとして公約の実現に努力され、さらに、山積する難問を一つ一つ解決し、明日の長野の方向付けをされた御努力に対し、心から感謝を申し上げるとともに、市長の政治的姿勢並びに政治的手腕、力量等は、市民が高く評価するところであります。 以上の見地から、我が新友会は6月の総会において、次期市長選には引き続き市政を現加藤市長にお任せし、の重要課題に取り組んでいただくことが、長野にとって最善の方策と考え、満場一致で推薦を決め、6月定例会において、新友会の幹事長から強く出馬要請を申し上げた次第でございます。 6月市議会定例会において市長は、我が新友会を初め、各界各層並びに各種団体等市民の幅広い推薦を受け、出馬を決意されたことに心から感謝を申し上げるとともに、圧倒的な勝利を願うところでございます。 そこで、市長の4年間を振り返り、公約された諸事業等の進捗を含め所感をお伺いいたしますとともに、今後の政治姿勢と市政への抱負についてもお聞かせいただきたいと思います。 あとは質問席で質問いたします。     (22番 西沢利一議員 質問席へ移動) ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) これまでの4年間を振り返った所感と私の政治姿勢についてお答えいたします。 私は、これまで4年間にわたり、活き生きながの、元気な長野を目指して、市民の皆様の幸せのため、日々まい進してまいりました。間もなく4年の任期を迎えることでございますが、これまで大過なく市政を運営してこられましたのも、議員の皆様初め、多くの市民の皆様の御理解とお力添えのおかげであると深く感謝を申し上げる次第でございます。 私はこれまでの4年間、人口減少、少子超高齢化による右肩下がりという厳しい時代背景の中で、今の市民、そして将来の市民が幸せになるために、公約である、守る、育てる、つなぐの3本柱を市政運営の中心に掲げ、直面する諸課題に対し適切に対応できる組織改編を行うなど、受け身より攻めへの姿勢で真正面から取り組んでまいりました。 公約に掲げた主な取組を振り返りますと、1つ目の柱、守るでは、まず、災害の危険箇所の総点検による災害の未然防止と、土木事務所の設置による災害発生時の現地機能の強化などに取り組み、市民の命と財産を守るための体制を整備いたしました。 地域包括ケアシステムの構築につきましては、向こう三軒両隣、お互いさまの精神を基本に、住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、医療と介護の連携や地域コミュニティの再構築を進めております。 また、私の市長就任時に既に進んでいた大規模プロジェクトについて、財政状況が厳しさを増す中で見直しを行い、施設の利便性の向上やコスト削減などを図ったところであります。 2つ目の柱、育てるでは、まず、市役所は市民のためにあるという職員の意識改革を進めるため、市民はお客さまプロジェクトに取り組むとともに、現場第一主義を徹底するため、優秀で元気な支所長や地域きらめき隊員の配置による支所機能の強化、産業振興事務所の設置による業務の迅速化などを図りました。 また、私が市長になって、まず取り掛からなくてはならないと考えましたのが、地域の宝である子供をしっかり育てるということであります。そのため、それまで2つの部にまたがっておりました事業を一元化して一層の充実を図るため、こども未来部を設置し、こども相談室による相談体制の整備や、発達支援あんしんネットワークの構築、放課後子ども総合プランの実施、ながのわくわく子育てメールの配信など、子育て支援先進都市を目指して取り組んでまいりました。 教育につきましては、長野から教育県長野の再興を目指すという強い思いから、家庭の教育力向上を促進するとともに、子供たちの知・徳・体をバランス良く伸ばすため、しなのきプラン29による事業を推進し、教育環境の充実を図ってまいりました。 併せて、誰もが平等に学べる環境を整備するため、ひとり親家庭や生活困窮世帯の子供に対する学習支援にも取り組み、さらに、福祉就労支援コーナー--ジョブ縁ながのやまいさぽ長野などにより、生活困窮世帯に対する支援の充実を図りました。 また、文化芸術とスポーツ関連業務について、文化スポーツ振興部を設置し、教育部門の枠を超えて観光部門や福祉部門と一体的な取組を進めました。 善光寺御開帳と北陸新幹線の延伸対策、中山間地域の活性化につきましては喫緊の課題であったことから、市長直轄プロジェクトにより精力的に進め、善光寺御開帳の際は過去最大の参拝客で大いににぎわいを見せ、市民の皆様のおもてなしの心の醸成が図られたと考えております。 中山間地域の活性化につきましては、地域おこし協力隊の導入を初め、いのしか対策課の設置による野生鳥獣対策、中山間地域へのUターン促進、過疎地域の高校生の通学費援助など、地域の皆様の声をお聴きしながら幅広く取り組んでまいりました。 3つ目の柱、つなぐでは、県都長野として地域のリーダー役となり、周辺8市町村と共に長野地域連携中枢都市圏を形成し、人がにぎわい、子供の笑顔があふれ、活気に満ちた圏域を目指して様々な連携事業を実施してまいりました。 また、県内高校生の8割超が県外へ進学し、そのうち約6割が長野へ帰ってこないという現状の中で、企業の魅力を発信し、若者と職とのマッチングを進めるため、就職情報サイトおしごとながのの開設や、東京圏の学生や移住希望者を対象とした長野地域UJIターン就職促進事業に取り組んでまいりました。 併せて、人口増推進課を設置し、移住・定住専門相談員の配置、移住セミナー・無料相談会の開催、空き家バンクの充実など、定住人口の増加を目指してまいりました。 また、未婚化、晩婚化が進む中で、結婚により若者の夢を明日へとつなげるためマリッジサポート課を設置し、夢先案内人制度の創設や結婚応援サイトご縁ながの・ココカラの開設などに取り組んでまいりました。 私が市長に就任してから取り組んできた事業を一つ一つ挙げると切りがありませんが、公約である私の政策に掲げた項目につきましては、それぞれ進捗状況に差はあるものの、着実に前に進んでいると考えております。 今後の政治姿勢と市政への抱負につきましては、引き続き活力ある元気なまちを目指し、市民の皆様と共に取り組んでまいりたいと考えております。そのためには、安定的な雇用の確保、医療・介護の充実、そして安心して子育てができる環境整備が重要であり、加えて社会的援助を必要とする方への支援、女性や高齢者の活躍の場の拡大、持続可能な公共交通の整備などにも力を入れていく必要があると考えております。 さらに、そこに住む人たちが健康で生き生きと生活を送れることが何よりも大切であり、今後も、サキベジなど健全な食生活の実践、運動やスポーツの習慣化、健康に関する普及啓発など、市民の健康維持・増進に関する取組を精力的に進めてまいりたいと考えております。 これらの施策を優先課題と位置づけ、1期4年間の経験と実績を生かしつつ、新たな施策に積極的に取り組み、活き生きながの、元気な長野を創造し、将来を担う子供たちへ確かな未来をつなげることが私の責務であると考えております。 引き続き、議員の皆様を初め、市民の皆様の御協力をいただきますようお願い申し上げまして、私の答弁といたします。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 今、いろいろ触れていただきました。更なる御活躍を御期待申し上げるところでございます。 減災対策と危機管理について質問いたします。 今年6月の梅雨期から夏の時期、そして、つい最近まで、予想できない集中豪雨が全国各地で発生しております。それも、どこで起こっても不思議でないこの現象、この機会に改めて市民の命と財産を守る立場から何点か質問を行います。 本は、全国的には雨の少ない地域として位置づけられています。雨の多い高知などでは3,000ミリメートル近くになるのに対し、本市ではその3分の1程度にすぎません。これは、全国の最小値です。ということは、全国で土砂災害の最も少ない地域と推測されますが、実際はどうでしょう。 2006年から2013年までの8年間に全国で発生した土砂災害発生件数を各県別に見ると、長野県は350件程度で多いほうから8番目、一方、多雨地域である高知県は150件未満と、全国で23番目ということからも分かるように、雨の少ない地域にも土砂災害の危険が多いことになります。地質や地形、雨の量や降り方によって、崩壊や土石流の発生のしやすさは異なります。言い方を変えますと、雨の少ない地域には、従来以上の雨が降ると崩れる危険性のある斜面が数多く存在しているということになります。 今年6月から8月にかけての豪雨では、全国各地で災害が発生し、多くの被害が発生しています。本市においても、8回にわたって集中豪雨により避難勧告が発令され、また、公共施設や農地等に甚大な被害が発生いたしました。今回の災害の特徴は、局地的な豪雨に見舞われたことにあります。いつどこで発生してもおかしくないこの気象状況を正確に理解し、防災対応に生かす必要があります。特に本市では合併して市域が拡大し、情報の収集や伝達に不安があることも事実だと思います。 猛烈な雨は、積乱雲が帯のように連なる線状降水帯によるものとされ、この現象は梅雨の時期などに起こりやすいと言われています。2014年の広島の土石流災害や2015年の関東・東北の豪雨災害も、この線状降水帯が原因とされています。今回の九州の豪雨は、山間部での土砂災害の怖さを改めて示し、私たちにとってもよそごとでは済ますことはできません。何よりも大切なことは、住民の命を守ることにあります。 災害対策は、住民自身が自らを救う自助を原則に、住民等が相互に助け合う共助が講じられ、それらを補完するものと位置づけられているのが公助とされておりますけれども、実際に被害が甚大であればあるほど、公助が中心となっています。言い換えれば、災害対策の一義的な責任の大半は市町村にあることになります。避難の勧告や指示を出す判断は市長に委ねられております。これを機に、もう一度、防災対策、危機管理について再確認する必要があると思います。市長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 近年、土砂災害や河川の氾濫により、全国各地で大規模な災害が発生しており、本市におきましても、6月末から8月にかけて度々豪雨が発生したことから、土砂災害や浸水害の危険性が高まった地域に避難勧告を発令し、市民の皆様に命を守る行動を呼び掛けてまいりました。 避難勧告は、長野県と長野地方気象台が共同で土砂災害警戒情報を発表した場合、災害の危険性が高まった際に、国の避難勧告等に関するガイドラインに沿って発令しており、今後も市民の皆様の命を守ることを最優先に避難勧告などを発令してまいります。 が主体となって進める災害対策につきましては、防災機能の向上を図るため、今年度、防災行政無線のデジタル化に着手し、情報伝達機能の向上や双方向通信による孤立集落の解消などを目指します。また、災害時に備えた緊急資機材の整備や食料品などの日常品の備蓄、防災拠点倉庫の充実など、引き続き計画的に行ってまいります。 この他、指定緊急避難場所や指定避難所を、地震や水害など災害の種別ごとに指定する他、1,000年に一度の水害を想定したハザードマップの作成、配布など、順次実施してまいります。 一方、災害時には被災者の救出などにおいて地域住民の力が大きな役割を果たしており、本市の防災においても、自主防災組織による活動を初めとした地域における自主的な防災活動は無くてはならないものであります。が万全の体制を整えるとともに、自主防災組織が機能することによって、本市の防災機能は最大限に発揮されるものと考えておりますので、引き続き、の防災体制の確立とともに、自主防災組織などの支援につきましても積極的に進めてまいります。 今後も、長野地域防災計画に基づき、地域住民の皆様の協力の下、自助、共助、公助の役割分担により、災害による地域の死者ゼロを目指してまいります。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) ただ今、基本的なことをお聞きいたしました。これから、それぞれ細部について質問をさせていただきます。 まず、避難勧告指示についてであります。 異常気象としてよく言われることは、地球温暖化ということですけれども、これは単に気温が上がることだけではなく、大気中の水蒸気量が増えて、大雨の回数が増えるという側面があるそうです。猛烈な雨に比例して雷も増え、落雷による事故も増えることになります。気候の変化により、激しい雷雨が当たり前になる可能性があります。私たちは珍しい現象に引かれる一方で、当たり前のことには無関心になりやすいもの、しかし、これが怖いことになります。日常化、イコール、危険が減ることではありません。これまで以上に危険を避ける感覚と情報をフル稼働しなければなりません。このことを市民の皆さんと改めて考え、情報を共有する必要があります。 市長は定例会見で、7月上中旬の大雨でが相次いで避難勧告を発令したことに関連して、住民がどのように避難などの対応をとるべきか、としても、もう少し啓発活動をやっていく必要がある、との考えを示されております。この点について、具体的にはどのような行動をとる予定なのでしょうか。 また、全戸に配布済みの災害ハザードマップを使って、平常時から災害リスクの把握や避難体制の徹底を図る必要がある、区や住民自治協議会に支所が関わる形で地域で対応したい、との御発言でしたが、具体的にはどう取り組まれるのか市長のお考えをお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 市民への避難などに関する啓発活動についてお答えいたします。 では、災害時に市民の対応が適切に行われるよう、広報ながのやホームページ、市政出前講座、FMぜんこうじなど、あらゆる広報の機会を通じて防災意識の啓発を図る他、防災マップ、土砂災害ハザードマップなどを対象地域に配布することにより、防災と命を守るための情報を市民の皆様にお知らせしております。 特に、市政出前講座につきましては、防災への関心の高まりとともに、ここ数年開催回数が増加しておりますので、この機会を捉え、地域における具体的な危険箇所や、避難勧告の際にとるべき行動、避難の方法などを分かりやすく説明してまいります。 また、本年度からは、災害協定を締結しておりますNTTタウンページと協働で、防災タウンページの地震編として防災に関する情報と共に、お住まいの地域の地震の危険性を地図にして表した冊子を全戸へ配布いたしました。今後は、土砂災害編、水害編を作成してまいります。 次に、平常時からの災害リスクの把握や避難体制の徹底についてお答えいたします。 災害発生時においては、まず、自分の身は自分で守る、地域の安全は地域で守るということが大切であり、長野県神城断層地震においては、倒壊家屋の下敷きになった多くの人々が地域の住民の協力により救出されております。 また、被災者への対応は、を初めとする防災機関だけでは限界があります。このため、住民自治協議会や自主防災組織など、地域が主体となって行う土砂災害対応訓練などにおいては、図上訓練と並行して、今年度から地元消防団員と支所職員が無線機を使った通信訓練を行い、孤立集落を想定した情報伝達手段の確認を行う他、地域の要介護者を想定した避難誘導を実施いたしました。 しかし、これらの訓練のみでは、避難生活への実感がないといった意見もありますので、今年度は、平常時において避難所で昼夜を過ごす疑似避難生活を体験し、非常持ち出し品の必要性や避難生活における課題を、支所を窓口に地域全体で考える機会を設けるなど、も積極的に防災訓練に加わりながら、災害発生時の課題解決に向けた支援をしてまいります。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 地域の住民の皆さんに情報が伝わるような形での訓練等を、是非期待をしたいなというふうに思っています。 次は、避難所等についての質問を行います。 本市の現状は、長野地域防災計画によりますと、市内全域で約9万棟の建物が浸水範囲に分布しているとされています。また、1階が完全につかる2メートル以上の浸水範囲に約3万棟の建物があるということになっています。豪雨による崖崩れ、地滑り、土石流などの土砂災害の危険な場所として、砂防や地滑りなどの、法によって指定されている箇所が4,500か所余り、土石流や地滑り等の危険箇所は2,100か所余りとなっています。山間地や傾斜地にも民家が多い本市では、身近に土砂災害の危険が潜んでいると言えます。 こうした地理的条件から大切なものは避難所です。本市では、切迫した災害の危険から逃れるための指定緊急避難所と、避難生活を送るための指定避難所の見直しを行ってきており、今年度の運用開始を行う予定と聞いておりますが、現在の状況はどうなっているのかお伺いいたします。 災害ハザードマップによりますと、避難所の中には、土砂災害警戒区域の中に入っているものも見受けられることから早期の対応が望まれますし、市民に対しても適切な周知が望まれますが、見解をお伺いいたします。 福祉避難所についてお伺いいたします。 福祉避難所は、災害時において、高齢者や障害をお持ちの方、乳幼児などの要配慮者のうち、一般の避難所では生活が困難な者が安心・安全に避難生活ができるよう、必要に応じて開設する二次的な避難所とされ、現在57施設、約5,000人を受入可能ということです。ハザードマップによりますと、一般避難所と同様、土砂災害警戒区域等の中に入っている福祉避難所があります。今後の方針をお伺いいたします。 次に、土砂災害警戒区域内にある公共施設についてお伺いいたします。 特に学校や各種公共施設については、常に多くの市民が滞在しているわけですが、現在の実態についてお聞きいたします。また、こうした公共施設を今後どう解消させる計画か、具体的な考え方をお聞きいたします。 ○議長(小林義直) 杉田危機管理防災監     (危機管理防災監 杉田 浩 登壇) ◎危機管理防災監(杉田浩) 災害対策基本法の改正に伴う指定緊急避難場所等の見直しは、切迫した災害の危険性から逃れるための避難場所と、避難生活を送るための避難所が明確に区分されたものであります。 これに基づき本市では、市内全32地区の住民自治協議会などに指定緊急避難場所等の指定について説明会を実施いたしました。説明会では、新たに指定希望があった施設もありましたので、災害の種別を確認した上、311施設について施設管理者への同意を求め、このうち303施設について既に同意が得られました。 なお、避難場所や避難所は、その場所や構造により適応する災害の種別が異なりますので、災害に応じた避難先が分かるよう、避難場所誘導標識を順次設置してまいります。 次に、土砂災害警戒区域内の公共施設についてお答えいたします。 現在把握している主な公共施設の状況は、市立学校79校、82施設のうち、警戒区域内にあるものが11施設、特別警戒区域内が6施設、市立公民館、分室等の66館のうち、警戒区域内にあるものが7施設、特別警戒区域内が2施設、市立の保育園等39園のうち、警戒区域内にあるものが8施設、特別警戒区域内にあるものが3施設となっております。これらの区域内の公共施設につきましては、直ちに区域外の安全な場所へ移転することは困難な場合もありますので、施設管理者を初め、施設利用者が適時、的確な避難行動がとれるよう、避難訓練の実施などを様々な機会を捉え情報発信を行い、防災意識の向上を図ってまいります。 ○議長(小林義直) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇)
    ◎保健福祉部長(竹内裕治) 私から、福祉避難所についてお答えいたします。 現在、福祉避難所として指定している57施設のうち、土砂災害警戒区域の中に入っている施設は8施設ございます。 御質問のとおり、福祉避難所は、災害時に一般の避難所へ避難したものの、避難所での生活が困難な避難行動要支援者を二次的に受け入れる避難所として開設するものです。そのため、福祉避難所の開設に当たっては、災害の規模や発生場所等を考慮するとともに、安全が確認された施設を福祉避難所として開設することとしております。 仮に災害が発生し、近隣では福祉避難所が確保できない場合は、他の区域に福祉避難所を開設いたします。 さらに、大規模災害において、市内で福祉避難所が確保できない場合は、県などへ市外の高齢者福祉施設や障害者福祉施設等への特別受入れを要請するとともに、ホテル等の宿泊施設の借り上げを検討いたします。 また、昨年度から民間の施設を福祉避難所に指定しており、今後も必要な受入可能人数を確保するため、引き続き福祉避難所の指定を進めてまいります。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) いずれにいたしましても、私ども地域の中でこれだけ多くの公共施設が危険地域の中に含まれているということが、今、明らかにされました。今回の九州の災害等のことも考えますと、いつ災害が起こるか分かりません。これらは、是非今後の計画の中でどう解消していくのか、具体的な検討が私は必要になってくるというふうに思っています。機会があるごとに、またこの話はさせていただきたいなというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。 次は、防災情報についてです。 避難勧告の発令は、防災行政無線の放送で行われるところですが、聞き取れない、聞きづらいといった意見をよく耳にします。その理由をどう考えておられ、今後どう対応するのかお伺いいたします。 国では、災害時の避難情報などを各家庭に迅速に届けようと、防災行政無線の戸別受信機の普及に乗り出すことが報道されました。屋外のスピーカーは、強風や大雨などの天候や地理的条件、また、最近の住宅の気密化等により音声が家の中では聞き取りにくく、屋内に戸別受信機があれば、自宅で過ごす時間の長い高齢者を初め、住民に情報が届きやすくなると考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、今までの聞きづらい放送を聞きやすくする検討は行われているのでしょうか。先日のミサイル事件、Jアラートも理解ができず、また、流れなかった地区もあるようです。高齢者のお宅からは、今、何という放送をしたのか、という問合せもあります。放送機器も随分と進歩していると思われます。危機管理の性格上、聞き取れないことや流れないことがあってはなりません。見解をお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 杉田危機管理防災監     (危機管理防災監 杉田 浩 登壇) ◎危機管理防災監(杉田浩) 屋内に設置する戸別受信機につきましては、電波の受信環境によっては屋外アンテナの設置が必要であるなどの課題もございますので、緊急速報メールやテレビ、ラジオなど複数の手段を用いて、市民の皆様に情報を届けております。 また、屋外スピーカーや戸別受信機の放送が聞きづらいなどの御意見を頂いた場合は、戸別に電波の受信状況の確認や音量調整を行ってまいります。 なお、同報無線の内容につきましては、一部の地域の放送を除きフリーダイヤルで確認することができます。 国では、戸別受信機の量産化や低廉化に向けた検討をしておりますので、その動向を注視しながら防災行政無線のデジタル化整備事業で確実に情報が届くように、多様な伝達手段で課題解消の調査、研究を進めてまいります。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 済みません、Jアラートの部分の答弁、全くありませんでした。 ○議長(小林義直) 杉田危機管理防災監     (危機管理防災監 杉田 浩 登壇) ◎危機管理防災監(杉田浩) 今回の北朝鮮のミサイル発射につきまして、Jアラートが発動し、防災行政無線で市内に一斉に伝達されたわけですが、市内の中条地区では機器の不具合により伝達することができませでした。これは、すぐに修理を行いまして、9月5日には修理を完了し、現在は伝達できる状況になっております。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 先ほど緊急速報メールという話がありましたけれども、Jアラートに関しては、携帯電話が鳴らない部分も大分あったというふうに、私自身のも鳴りませんでした。ですから、他があるからいいじゃないかというような考え方ではまずいと思うんです。の防災無線は防災無線らしく皆さんに伝わらなければ、私は意味がないんじゃないかなというふうに思っていますので、この点についても、また是非今後の課題にしていきたいなというふうに思っています。 次は、緊急速報メールの細分化についてお伺いいたします。 本市の災害時の避難指示や避難勧告などを携帯電話に送る緊急速報メールの配信範囲が、来年度から細分化されるとの報道がされました。の範囲が広い本にとって、大変歓迎することではないでしょうか。 今年の避難勧告の発令にしても、全市域に情報が配信されるため、正確な情報として果たして市民の皆さんと情報が共有できたのか、いささか疑問の残ることもあったようです。来年度から始まる細分化についてお伺いいたします。 次に、民間の気象予報サービスの利用についてお伺いいたします。 突然発生するゲリラ豪雨や川の急な増水など、気象による身近な被害を防ぐため、民間の気象予報サービスの利用が増えているとのことです。特に夏場は短時間で天気が変わりやすいことから、家族での利用も目立っているようです。気象会社も利便性を高めようと、良質できめ細かい情報の収集や提供に取り組んでおられます。株式会社ウェザーニューズや日本気象株式会社がその代表のようですが、こうした情報も取り入れて市民へ提供するということはどうでしょうか。一考を願えればと考えますが、御見解をお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 杉田危機管理防災監     (危機管理防災監 杉田 浩 登壇) ◎危機管理防災監(杉田浩) 初めに、緊急速報メールの細分化につきましては、総務省消防庁から細分化の要望調査があり、本市においては、市町村合併に伴う市域拡大などから細分化する必要があると考え、要望をいたしました。 その後、細分化実施団体決定の通知がありましたので、地形的要因などを踏まえた分割を検討しております。 次に、民間気象予報サービスの利用につきましては、平成28年度から株式会社ウェザーニューズと防災気象情報提携業務に関する契約を締結しております。さらに、市民向けといたしましては、長野防災情報ポータルサイト内に32地区ごとのピンポイント天気などが確認できるページを設けておりますので、市政出前講座などを通じて周知してまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 今お話がありましたように、こういうすばらしい情報は皆さんが共有できるように、是非お願いしたいなというふうに思っています。 また、細分化についても、はっきりいたしましたら、是非皆さんに情報を共有していただけるように発信していただければというふうに思っていますが、よろしくお願いいたします。 森林整備の重要性について質問いたします。 今回の九州北部の豪雨は、植林された杉やヒノキが土砂もろとも下流域を襲い、川をせき止め、被害が拡大したと言われています。このことも本にとって重要です。中山間地域を多く抱える本にとって、少しでも被害を防ぐ方途を考える必要があります。また、切捨て間伐によって放置された間伐材が被害拡大の一因となったとの指摘もあります。本市の現状と今後の考え方についてお伺いいたします。 次に、森林税についてお伺いいたします。 本年度末で2期目の課税期間が終わる森林づくり県民税について、継続を巡って賛否両論の声があるようです。 一方で、政府は、市町村の森林整備費を賄うため、森林環境税の新設を検討されているとのことです。この考え方は、所有者が分からない森林の増加や林業の担い手不足が問題になる中、地域の実情に最も詳しい市町村が、私有林の間伐を代行する財源を確保するために検討が始まったもので、国が森林面積などに応じて市町村に配分する仕組みが想定されています。 九州北部のような災害は、今後、いつどこで起こるかもしれません。そのためには、森林の整備は重要な課題です。このことから、森林にまつわる税としての重要性を鑑みながら、本としてはその財源等をどう考えるべきなんでしょうか、見解をお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 西島農林部長     (農林部長 西島 勉 登壇) ◎農林部長(西島勉) 今回の九州北部の豪雨では、山肌全体が滑り落ちるという想定を超えた災害が発生しましたが、仮に本市でこのような豪雨があった場合、土砂とともに立木や間伐によって放置された木材が川をせき止めるなどの被害が、同様に発生するおそれがあると考えております。 本市の森林は、急しゅんな地形が多いなどの地理的条件の制約があることから、毎年の間伐実施面積約400ヘクタールのうち、搬出間伐は4分の1程度にとどまっております。土砂流出防止などの公益的機能向上という観点の他、間伐材を利活用する観点からも、間伐材を搬出することが重要でありますので、間伐及び搬出間伐を更に進めてまいります。 次に、森林整備に関係する税についてお答えいたします。 国においては、現在、森林環境税の導入を検討しており、平成30年度税制改正において結論を得るとされております。 また、長野県で平成20年度に導入された森林税を財源として、本市では松くい虫対策事業、鳥獣被害対策のための緩衝帯整備事業、県産材を活用してテーブル、ベンチなどの木製品を作製する事業などを実施しております。また、森林組合などの事業体も、この県民税を財源として、国の補助事業から外れた里山の間伐事業などを実施しております。 2つの税はすみ分けが明確になされていないなどの課題もありますが、国の森林環境税は大都市部の負担によって本の森林整備を進めることができる利点があること、森林づくり県民税は市町村の状況に応じた柔軟な取組ができる利点があるなど、いずれの税も森林整備や林業活性化のための重要な財源であるというふうに考えております。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 次、ため池の問題についてお伺いいたします。 今回の九州北部豪雨では、農業用ため池の決壊が相次いだことも報道されています。福岡県朝倉では、国の調査で老朽化などの問題点がないとされたため池のうちの11か所が決壊しています。 農林水産省のデータでは、ため池は全国に約20万か所、受益面積2ヘクタール以上の規模は約6万か所、そのうちの7割が江戸時代以前の築造で老朽化が進んでおり、また、その多くは地元の水利組合や農家が管理しており、農家の減少や高齢化で管理体制の弱体化が課題ということであります。 そこで、本市の実態はどうなっているのでしょうか。現状と今後の課題についてお伺いいたします。 次に、農林水産省が2013年から2015年にかけて受益面積50アール以上のため池9万6,074か所を点検した結果、下流に住宅などがあり、決壊した場合に影響を及ぼすおそれのある防災重点ため池は1万1,318か所あったと報告されています。このうち、十分な安全性が確認できなかった3,391か所を優先して、自治体が詳細な調査を行うこととされております。この調査とその結果について、また、十分な安全性が確認できなかった箇所についても、現状についてお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 西島農林部長     (農林部長 西島 勉 登壇) ◎農林部長(西島勉) まず、ため池の現状ですが、市内には現在187か所の農業用ため池がありまして、受益面積約1,900ヘクタールの農地に用水を供給しております。近年の都市化の進展や利用者の減少などによりまして、ため池の数は減少傾向にあります。ため池の維持管理は、土地改良区や水利組合、地元区などが行っていますが、施設の老朽化が進んでいるため、では、国、県の補助事業を導入するとともに、単独の土地改良事業などにより施設の改修を支援しております。 次に、防災重点ため池ですが、これは堤体15メートル以上又は貯水量10万立方メートル以上で、下流に住宅などがある大規模なため池というふうに位置づけられておりまして、市内には猫又池、田子池、大座法師池、小鳥が池、小山田池、浅川大池の6か所がございます。県が実施したため池耐震調査の結果、このうち戸隠地区の小鳥が池、信更地区の小山田池の2か所については、耐震補強が必要と判定された状況であります。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 今言われましたその件ですが、今後の改修計画や減災対策についてどうなっているんでしょうか、お伺いいたします。 ○議長(小林義直) 西島農林部長     (農林部長 西島 勉 登壇) ◎農林部長(西島勉) 今後の改修計画ですが、ただ今申し上げました防災重点ため池のうち耐震補強が必要と判定された小鳥が池、小山田池につきましては、既に堤体補強工事を実施いたしました。また、浅川大池につきましては、県営事業が採択され、現在、改修工事を進めているところでございます。 次に、減災対策につきましては、今年度から防災重点ため池のハザードマップの作成に順次取り組んでおりまして、地域住民の皆さんとワークショップを開催して、ため池の存在や危険性の周知、決壊時の避難場所や避難経路などを確認していただくことで、減災につなげてまいりたいと考えています。 また、ため池を管理する農家の皆様には、引き続き草刈りや日常点検を実施いただくよう指導することで、危険箇所を早期に発見し、必要な改修工事を行うことで、災害を未然に防止してまいりたいと考えています。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 1時間に80ミリメートル以上の猛烈な雨が降った回数が、昨年までの10年間では1980年代と比べて5割近く増えていることが気象庁の統計でも分かります。8月11日、戸隠・鬼無里地区を中心に襲った豪雨も、これに匹敵するものです。先日、新友会も現地を調査させていただきました。災害の爪跡が各所に残り、家に入った土砂の後片付けを家人で行っている光景を目の当たりにして、一日も早い復旧と災害に強いまちづくりを願わずにはおられません。 まず、6月から8月の大雨による災害の実態について、県、、所管別での集計、次に、早期復旧には財政措置が必要になりますが、国の査定等の状況と今後の復旧工事予定等についてお伺いいたします。 また、本年からスタートいたしました土木事務所、産業振興事務所の対応等についてはどうだったのか、併せてお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 島田建設部長     (建設部長 島田純一 登壇) ◎建設部長(島田純一) 6月から8月にかけて、10回にわたる豪雨により甚大な被害を受けたところでございます。 が管理する施設の被災状況は、公共土木施設では、道路が484か所、河川が92か所で、被害額は10億7,480万円となっております。農林施設では、農地が339か所、農道が59か所、水路が91か所、林道が188か所で、被害額は4億3,440万円となっております。上下水道施設では、上水道は7か所で管路が破損して403戸が断水となりましたが、現在は全て解消しております。下水道は、豊野地区の城山排水処理施設が被害を受け、被害額は3,400万円となっております。これら被害額の合計は約15億4,320万円となります。 特に、8月11日の豪雨では、公共土木施設で291か所、農林施設318か所、上水道施設7か所と、数多くの災害が発生しており、大半が戸隠・鬼無里地区に集中しておりました。 県関係は調査中とのことですが、現段階で道路5か所、河川25か所、砂防施設1か所、合計では31か所が被災し、被害額では16億9,800万円となっております。 県、とも、現在は応急復旧がほぼ完了し、本復旧の準備をしている段階です。 次に、査定日程と復旧時期ですか、道路・河川災害の査定は1回目が8月30日から行われ、2回目が9月12日から今実施中でございます。3回目は10月中旬から予定されており、農林施設の査定も10月中旬頃に実施予定でございます。 復旧時期については、公共土木施設では、1回目の査定分は10月の発注を予定しており、他の箇所についても査定終了後、速やかに発注手続を行ってまいります。 農林施設についても、12月頃から順次工事に着工する予定でございます。水道施設については、今後4か所で本復旧を行う道路災害復旧工事に合わせて復旧工事を実施する予定で、下水道施設についても、設計が完了次第、復旧工事を実施する予定でございます。 各施設ごとに本復旧工事の時期は異なりますが、引き続き早期復旧に努めてまいります。 次に、土木事務所、産業振興事務所の対応状況ですが、気象台発表の気象情報により職員が事務所に待機し、所管する施設の災害対応と情報収集に努めてまいりました。 8月11日の豪雨では、北部土木事務所が施設の災害対応に当たりましたが、箇所が膨大なことから、現場確認に時間を要する状況であったため、本庁と連携をとり、建設部と都市整備部から5日間で16名の職員を派遣し、情報収集と応急復旧の手配を行ってまいりました。現在も、本復旧に向けての応援体制を継続しております。 なお、水道の復旧に当たり、上下水道局と土木事務所が円滑に連携する中で迅速に対処し、断水が解消したところです。 また、北部産業振興事務所では、鬼無里の湯で土砂がコテージに迫ったため、避難所となっている本館に避難させた他、地元の皆様の受入れも行い、万全を期するために急きょ、事務所職員が鬼無里の湯へ出向いて、避難勧告が解除となった翌朝まで現地で対応したところでございます。 今回の災害対応に当たっては、それぞれの土木事務所、産業振興事務所及び本庁の関係課が相互に連携し、迅速な対応が円滑に図られたものと考えております。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 現地の調査をさせていただきながら、あと僅かで刈取りになる田んぼの悲惨な状況は、周辺の河川からの越水や決壊による影響を受けている状況が確認できました。農地等の災害復旧には、1割の受益者分担金が発生しております。高齢化が進む地域にとって、受益者分担金は大きな痛手となります。また、優良農地を守ることも自治体として検討する必要があります。 そこで、今回のような予想もできない災害の農地復旧、特に河川等の影響を受けた農地災害については、受益者分担金を特例で免除し、優良農地を継続して守っていただくことが大切と考えますが、見解をお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 西島農林部長     (農林部長 西島 勉 登壇) ◎農林部長(西島勉) 農地復旧における受益者分担金につきましては、長野土地改良事業分担金徴収条例第3条に基づきまして、毎年度市長が定めるということになっております。平成23年度以降は10パーセントとしております。農地は個人の財産ではありますが、国土保全などの多面的機能を持ち重要な役割を果たしていることから、土地改良事業として長野が復旧工事を行い、受益者に工事費の10パーセントを負担していただいているものでございます。 今回の集中豪雨では、一級河川等の氾濫により、河川沿いの水田への土砂流入が多発したことから、農作物への被害も甚大でありました。また、土砂流入箇所につきましては、流木や石を多く含んでいることから、営農継続の支障となり、川沿いの優良農地が耕作放棄地になってしまうことが懸念されるところです。 このため、流入土砂の撤去に係る農地復旧工事の受益者分担金につきましては、長野土地改良事業分担金徴収条例第5条で、特に必要があると認めるときは減免することができると規定されておりますので、過去の大規模災害時の対応等を考慮し、減免について検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 検討という話はありましたけれども、今どのくらいの予測をされているのかということは御答弁いただけますでしょうか。 ○議長(小林義直) 西島農林部長     (農林部長 西島 勉 登壇) ◎農林部長(西島勉) 減免の検討状況ですが、現地等の確認につきましては既に実施しております。過去においての状況を考慮しながら、前向きに検討しております。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 前向きにというお話でございましたので、私も前向きに捉えさせていただきます。 最後、ちょっと時間がありますけれども、ふるさと納税について1点だけ確認させていただきます。 本が6月から寄附募集メニュー9事業を設定して、寄附者が選んだ事業に合わせのPR品を送ることで、のふるさと納税もスタートいたしました。8月末で寄附件数は134件、金額で280万3,000円という状況でございます。この状況が私はとても多いとは思えませんが、もしそうお感じでしたら、どこに原因があるのかお伺いいたします。 もう1点は、現在内閣で新しい総務大臣は、ふるさと納税を地方の創意工夫を促す考えを示したということで、是非やれというふうに言っています。この点についてもお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 増田企画政策部長     (企画政策部長 増田武美 登壇) ◎企画政策部長(増田武美) ふるさとながの応援寄附制度につきましては、本来の趣旨を踏まえ、応援いただきたい取組や事業を提示して、一緒に、ふるさとながのの幸せづくりをお手伝いいただくということを前面に打ち出しております。 併せて、本市の魅力をPRするため寄附者の来訪を促したり、つながりを深めるための品物や農産品等の特産品をお送りし、知名度の向上や消費拡大につなげていくということで、6月からポータルサイトによって広く募集を行いました。8月末までの実績は134件、280万3,000円で、昨年の同時期に比べますと約11倍となっており、温かい御寄附を頂きましたことについては感謝を申し上げているところでございます。 また、寄附者の方からは、長野のリンゴはすばらしい、是非観光に行きたい、あるいは長野のやり方こそ、ふるさと納税の精神だと思う、勇気を持って宣伝してほしい、などの応援メッセージを頂いており、寄附者とのつながりを実感しているところでございます。 しかしながら、議員御指摘のとおり、寄附実績といたしますと、約1億円を目標としておりますけれども、非常に厳しい状況というふうに考えております。寄附額を伸ばすのであれば、一つの手段として寄附額に対しての返礼割合を高くするということが効果的であると考えますけれども、それは本意ではございません。取組や事業の特色を打ち出していくこと、また、この度PR品を公募することといたしましたけれども、地域振興につながる品目へ応援をいただくことが必要と考えておりますので、逐次、手を加えながら対応してまいりたいと考えております。 次に、野田総務大臣は会見で、それぞれの首長さんたちは見識を持って、ふるさと納税の本来の役割、地域にどういう効果をもたらせるのか、そのために何をすればいいのか、地域の皆さんと知恵を出し合って、いい形で競ってもらえればいいなと願っている、と発言されております。本といたしましては、これまでの方針どおり、総務省からの通知を踏まえて、返礼品の人気競争ではなく、市町村の取組を応援してもらうことが重要と考えております。 御質問の地場産品の取り入れにつきましては、この度PR品を公募する中で、各支所や地域きらめき隊員等に、各地域で生産される品を使った特産品など、地域の魅力を発信し、地域振興につながるPR品について公募の働き掛けを依頼しているところでございます。地域活性化の一助となる品目につきましては、応援をいただいて育てていただきたいという面がありますので、これを取り込んでまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 西沢利一議員 ◆22番(西沢利一議員) 終わります。ありがとうございました。 ○議長(小林義直) 12番佐藤久美子議員     (12番 佐藤久美子議員 登壇) ◆12番(佐藤久美子議員) 12番、日本共産党長野会議員団、佐藤久美子です。 市民が主人公の市政を実現する立場から質問を行います。 まず、加藤市長の政治姿勢について伺います。 核兵器禁止条約採択と日本政府の対応についてであります。 7月7日、国連において、人類史上初めて、核兵器を違法化する核兵器禁止条約が122か国の賛同で採択されました。核兵器が非人道的なものから違法なものへとなり、製造、使用だけでなく、核兵器を使った脅し、核抑止力論も違法化されました。参加国が増えると、核兵器を積んだ艦船や航空機は寄港も着陸もできなくなり、核保有国、特にアメリカが恐怖しているのはこのことです。国際政治の主役が一部の大国から多数の国々と市民社会に交代し、核兵器にしがみつく逆流は追い詰められています。 日本は世界で唯一の被爆国です。被爆者の苦しみと長年の運動が、世界、国連を動かし、採択へと実を結びました。ところが、日本政府は、この会議に参加もしませんでした。北朝鮮に対し、日本がこの条約を採択して、核兵器禁止を迫ることが重要だと考えますが、国連の条約採択への見解と日本政府への対応について、市長の見解を伺います。     (12番 佐藤久美子議員 質問席へ移動) ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 核兵器禁止条約が国連で7月7日に採択されておりますが、外務大臣はこの条約についての見解として、核兵器の無い世界を目指す我が国の考え方とはアプローチを異にしており、核兵器保有国と非核兵器保有国との対立の深刻な状況を一層悪化させてはならないと述べております。 また、日本政府の対応といたしましては、核兵器の無い世界の実現に向け、これまでも国連総会に対し、核兵器廃絶決議案を提出いたしました。多くの支持を得て採択いただくなど、取り組まれております。政府においては、核兵器保有国と非核兵器保有国との協力の下に、現実的・実践的な取組を重ねるとしていることから、私は、今後も政府において適切に対応していくものと考えております。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) この会議に参加しなかった日本政府の態度を合理化するもので、私は、これは決して国民の願いにかなうものであるとは思いません。また、長野市民も、大変今の答弁は残念にお聞きしていると思います。 北朝鮮のミサイル発射と安倍政権の評価について伺います。 北朝鮮が8月29日早朝、弾道ミサイルを発射し、日本上空を通過し、襟裳岬東方約1,180キロメートルの太平洋上に落下、また、9月3日には6度目の核実験を強行、全国瞬時警報システム--Jアラートの作動により、市内でも、ひとり暮らしの人から、どこに逃げたらいいのかと問合せがあり、子供がおびえていたとも聞きました。 日本共産党の志位委員長は、直ちに北朝鮮の暴挙に抗議の談話を発表し、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が高まっていると指摘し、米朝が直接対話に踏み出すことを強く要求しています。安倍首相は対話を否定し、北朝鮮問題を軍拡と改憲に党略的に利用しようとすることは、地域と世界の平和に逆行するものです。おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は、絶対に避けなければなりません。 そこで、伺います。 アメリカと北朝鮮の直接対話の実現に向けた努力や、緊張を低下させる努力こそ、日本政府がとるべき姿勢と考えますが、市長の見解を伺います。 Jアラートに対する苦情や市民からの問合せはあったのか、長野での課題はなかったか伺います。 安倍政権に対し、長野県の世論調査は厳しい結果を出しています。8月21日、県世論調査協会が調査結果を発表しました。安倍内閣の支持率は33.9パーセントにとどまり、前回2月の調査から23.4ポイントの大幅下落、2012年12月の第2次安倍内閣発足以降で最低でした。不支持率は23.4ポイント上昇し、66.1パーセントです。調査期間は7月27日から8月9日で、内閣改造も含まれています。アベノミクスを評価しないは6割に上ったそうです。また、マスコミの内閣支持率の調査でも、不支持理由のトップが、首相が信頼できない、読売新聞、共同通信、時事通信、NHKは人柄が信頼できないというものでした。 加藤市長は、この間一貫して安倍内閣をおおむね評価すると言明されてきましたが、民意と大きく懸け離れています。所感を伺います。 ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 8月29日早朝、北朝鮮から弾道ミサイルが発射されました。全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートが作動いたしました。驚きと共に、恐怖と怒りを感じたわけでございます。 北朝鮮の弾道ミサイル発射は、国際社会の平和と安定を著しく損なうものであり、核兵器廃絶と恒久平和の実現を求める国際社会の流れに逆行し、私たち国民、市民の生活の安全と安心を脅かす行為として、断じて許すこと、認めることができないとの思いであります。 政府においても、北朝鮮に対し、度重なる挑発行為に対しまして断じて容認できない旨、直ちに厳重抗議を行い、最も強い表現で非難したところであります。また、米国初め、関係国首脳との電話会談や国連安全保障理事会の協議が進んでいる状況にあります。 今後も、日米の緊密な連携のみならず、国際社会との連携の下、関係国において、北朝鮮に対し適切に対応されることを望んでおります。 次に、Jアラートに関する苦情や問合せにつきましては、どこに避難したらいいのかといった避難に関するものが16件、屋外スピーカーからの放送が聞き取りにくかったといった防災行政無線などに関するものが9件、緊急速報メールに関するものが4件ございました。 今後の課題といたしましては、通信機器の故障により中条地区で緊急放送が配信されなかったことから、機器や通信状態の確認などを徹底するとともに、ミサイル情報が発せられた際にとるべき行動などについて広報活動の充実が必要と考えております。 安倍政権への評価についてお答えいたします。 これまでも申し上げてきましたように、政権又は政治に対する評価は、個々の政策や事象などによる判断ではなく、飽くまでも総合的に判断するべきものと考えております。このような点から申し上げますと、現政権の政治につきましてはおおむね評価するといたしました、これまでの考えに変わりはございません。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) 安倍政権に対する評価でありますが、長野のリーダーとして、市民の民意がどこにあるか、これには常に敏感であってほしいと思います。そして、そうした市民の思いを酌み取ることが、各施策を進める上でも、市長の責務として当然ではないかと思いますが、市民の民意、ここと大きく懸け離れている点についてはどのようにお感じでしょうか。 ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 核兵器に対する非常な脅威、また、今度の北朝鮮の弾道ミサイル発射に対する国民の恐怖と怒り、驚き、これは私とて同様ですし、また、安倍政権に対する政治姿勢につきましては、おおむね評価すると先ほどお話ししましたけれども、私も、市民も国民もおおむね評価しているのではないかというふうに期待しております。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) 市民はおおむね評価はしておりませんので、そのことだけは指摘しておきます。 次に、松代大本営地下壕の戦争遺跡指定について伺います。 7月5日に、NPO法人松代大本営平和祈念館の6人と懇談されたことが報道されました。側は副市長、文化財保護を担当する教育委員会、地下壕を管理する商工観光部の幹部が参加されています。 長野の史跡指定を先行してはとの質問に、国が実施した詳細調査の報告書を待つという従来の姿勢を強調されたそうですが、長野の主体性はどうなのか疑問に感じます。副市長は、国際的な大局観に立った判断が必要な案件、国の考え方を尊重したいと補ったと報道されています。 国が1995年に戦争遺跡の保全に積極的に動いて以降、国の対応待ちになっています。保存運動で全国的に先駆けていた松代が、これでは保存の危機にさらされます。何としても、史跡化を長野として進めるべきではないか、所見を伺います。 ○議長(小林義直) 樋口副市長     (副市長 樋口 博 登壇) ◎副市長(樋口博) 松代大本営地下壕につきましては、国が平成15年に詳細調査を実施して以降、史跡指定の動きに進展が見られない状態となっております。 7月に行われました地下壕の入り口広場整備等に関する懇談の際に、先ほどお話がございましたNPO法人の皆様から、国の史跡指定を待たずにの史跡にすることは考えられないかという御質問を頂き、としてお答えした内容の一部が報道されたものでございます。 これまでの説明の繰り返しとなりますけれども、といたしましては、多くの皆様に、まずは安全にありのままの姿を見ていただくことが肝要であると考えておりまして、そのための措置として、今年度も壕内の安全対策工事と利便性向上のための入り口広場の整備を実施する予定でおります。地下壕の建設につきましては、第二次世界大戦の末期において国策として行われた事業でありますことから、史跡としての評価と位置づけは国が責任を持って行うべきであり、国が実施した詳細調査の報告を待つというのが基本的な姿勢でございます。 の史跡指定の手続に関しましては、教育委員会が文化財保護審議会に諮って決定することとなりますが、教育委員会におきましても、これまでどおりの方針に変更がないことを確認しております。 今後も、引き続き保全に十分に配慮しながら、公開に当たっての環境整備に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) 過去に向き合い、学ぶことが未来を築き上げていく力です。主体性を持って、是非これは進めていただきたいと要望しておきます。 次に、6月から8月と続いた豪雨災害について伺います。 被災状況とその検証についてです。 6月から8月にかけて豪雨災害が発生し、今議会に補正予算案が上程され、災害復旧費が14億6,900万円と、過去5年間の平均2億7,000万円の5倍になっています。被害に遭われた皆さんに、改めてお見舞い申し上げます。 また、消防団を初め地元の区長や役員の皆さん、消防局を初め関係職員の皆さんの御尽力に敬意と感謝を申し上げます。 まず、主な被害の状況と復旧への取組、検証等について説明を願います。 ○議長(小林義直) 島田建設部長     (建設部長 島田純一 登壇) ◎建設部長(島田純一) 初めに、被害状況ですが、今年市内では6月29日から8月17日の間に、梅雨前線や台風3号などの影響で集中豪雨が頻発し、各地で被害が発生いたしました。特に、8月11日に大きな被害を受けた鬼無里では、1時間に81.5ミリメートルと、近年にない雨量を記録いたしました。 主な被害状況として、建設部関係では、道路施設が484か所、河川施設が92か所の合計576か所で発生し、道路が舗装ごと崩落したり、河川の堤が壊れるなどの被害がございました。 農林部関係では、農地、農林道等を合わせた件数が677か所と、多くの被害がございました。 水道施設につきましては、鬼無里、戸隠地区などの計7か所で管路が破損する被害を受け、断水は403戸に及びましたが、全て解消しております。また、下水道施設につきましては、豊野町の城山排水処理施設で被害を受けました。 被害額は、建設部が10億7,480万円、農林部が4億3,440万円、上下水道局では3,400万円で、合計で15億4,320万円となっております。 次に、復旧への取組につきましては、建設部関係では、応急復旧は完了しておりますが、規模の大きい国庫災害復旧事業は、査定完了後に早急に対応してまいります。 また、農林部関係の国庫災についても、査定完了後、12月頃から順次着手する予定でございます。 水道施設につきましては、今後4か所で道路災害の復旧工事などに合わせて本復旧を実施する予定であり、下水道施設につきましても設計が完了次第復旧工事を実施する予定でございます。 各施設ごとに本復旧工事の時期は異なる状況にありますが、引き続き早期復旧に努めてまいります。 次に、今回の災害時の対応としては、職員が警戒情報などメールを受信した後、直ちに自動参集し、情報収集やパトロールを行うなどの体制をとりましたので、迅速かつ的確な災害応急活動がおおむね実施されたものと考えております。 今後は、短時間強雨の発生回数が年々増加傾向にあることを踏まえまして、職員一人一人が気象情報への意識を更に高めることで、早期に災害発生を予想し、より迅速かつ的確に活動できる体制を確立していくことが重要であると考えております。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) 8月16日に、武田参議院議員、そして共産党の県議団、私たち市議団、鬼無里、戸隠を中心に現場調査をさせていただきました。人的被害がなかったことは幸いと感じます。 ただ、1か所、今後の対策が必要と思うところがあります。それは、県道戸隠篠ノ井線のうち、折橋から綾織橋間の災害現場であります。実はこの場所は、2009年8月6日に発生した豪雨災害で大きな被害が出た場所です。暗くなってからここを通り掛かった軽自動車が、道路が半分陥没しているのが分からず進み、異常を感じてとっさの判断で車を降り逃げました。後日、車が引っかかっている現場を私も確認しています。同じことが今回も起こりました。近所の人の助けで、危うく難を逃れたということです。2回とも通勤途中の女性でした。 戸隠には、雨量観測所が県との分を合わせて5か所ありますが、楠川の上流にもう1か所設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。 そして、地元の人たちは、災害前に復旧するだけでなく、抜本的に河床を下げてほしいと要望されています。8年前とほぼ同じことが今回も起きており、切実です。国、県に強く要望し、安全性を確保してほしいと考えますが、所見を伺います。 ○議長(小林義直) 島田建設部長     (建設部長 島田純一 登壇) ◎建設部長(島田純一) 初めに、雨量計の設置についてですが、災害時の初動確保や体制の判断をするに当たっては、気象庁が発表する降水分布の予測や土砂災害の危険度予測などに基づいており、災害発生時の状況の検証などには雨量計設置地点の降雨量の実測値が重要なデータとなっております。 議員提案の楠川上流への雨量計設置につきましては、災害発生時の状況把握に大変役立つものでございますので、対策工事の状況及び降雨時の道路規制の在り方など運用の課題を整理した上で、今後、道路管理者である県と協議してまいりたいと考えております。 次に、楠川の河床掘り下げの国、県への要望についてでございます。 今年の大雨により、県が管理する河川施設の被害状況は、市内だけで25か所の国庫河川災害が発生しております。これは、楠川を含む中山間地を流れる河川は、極めて急勾配であり、急しゅんな地形、ぜい弱な地質の流域に加え、今年は時間雨量が70ミリメートルを超えるような集中豪雨が度重なり発生したことが要因であると考えております。 御指摘の楠川については、河川管理者であります県へ、平成30年度の県建設事業要望の中で、今回の被災箇所の原因や対策について、河床掘り下げも含めて調査、検討していただくよう強くお願いする予定です。 今後も県とで協力しながら、国に対して予算確保などの要望活動を行い、安全・安心な地域づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) ありがとうございます。是非、犠牲が出ないうちに対策をお願いいたします。 災害時の土木事務所と支所の役割、職員の体制について伺います。 土木事務所の設置が大きな役割を果たしたと考えます。災害という特別緊張が強いられる現場で、職員の御苦労も大変かと察します。 この間の警報発令の回数と解除までの待機時間はどのくらいなのか、また、支所の職員や避難所担当職員の配置、水道給水などは円滑にいったのか。8月11日の災害発生から補助事業申請までに書類を整えるため、お盆という条件もあり、土木技師の仕事が集中したかと思いますが、他所からの支援は適切であったのか、職員体制での課題は何か伺います。 ○議長(小林義直) 杉田危機管理防災監     (危機管理防災監 杉田 浩 登壇) ◎危機管理防災監(杉田浩) 支所の職員の配置につきましては、気象台が長野に大雨警報(土砂災害)などを発表した場合や、市内雨量観測局の測定値が基準を超えた際に、長野地域防災計画に基づき、警戒準備の体制として支所長又は支所職員が配備につき、情報収集しながら警報等が解除されるまで待機しております。 大雨の警報等につきましては、1つの降雨に対し複合的に発せられる場合もありますので、今年度においては、大雨の浸水や土砂災害に関するものが20回、洪水に関するものが23回、雨量計基準超過に関するものが106回発表されました。職員がこれらの警報等の発表により待機する状態は、その種類や場所によって対象となる支所は異なりますが、今年度の初動時における延べ人数は515人、警報等の発令の解除までの待機時間は260時間となっております。 また、避難勧告等が発せられた場合は、それぞれの避難所に複数名の職員を派遣し、避難者の受入体制をとるとともに、避難勧告等の解除に伴う閉鎖までの間、職員を配置しております。 避難所開設に当たりましては、開設時間が夜間であったり、道路への落石に伴い、う回路を使うなどにより、開設までに時間を要したものも一部にはありましたが、避難者の安全を確保するという点ではおおむね適切に開設されたと理解しております。 ○議長(小林義直) 戸谷上下水道局長     (上下水道局長 戸谷富雄 登壇) ◎上下水道局長(戸谷富雄) 私から、水道給水につきましてお答え申し上げます。 集中豪雨によりまして、戸隠、鬼無里、信州新町地区の7か所で管路が破損し、断水が403世帯発生したところでございます。そのうち、鬼無里地区では396世帯に及んだところでございます。このため、上下水道局では、11日夜、鬼無里支所内に現地対策部を立ち上げ、応急復旧、給水活動を実施いたしました。 応急復旧に当たりましては、北部土木事務所とのり面崩落等の道路の被災情報の共有を図るとともに、応急復旧箇所に向かう道路の土砂撤去や緊急道路掘削を決定し、迅速かつ的確な実施に努めました。 また、応急給水に当たりましては、鬼無里支所と調整し給水所設置地点の選定を行うとともに、音声告知端末を利用し、給水所の開設や節水につきまして広報活動を実施いたしました。 これら水道復旧に係る一連の決定行為や応急活動は、支所及び北部土木事務所との連携により円滑に行われ、13日の早朝6時には断水を解消することができました。 その他、戸隠、信州新町地区の被害につきましても、鬼無里地区と同様に、支所、土木事務所との連携により迅速に対処ができたものと考えております。 ○議長(小林義直) 島田建設部長     (建設部長 島田純一 登壇) ◎建設部長(島田純一) 私から、災害発生時の職員の支援体制についてお答えいたします。 8月11日の豪雨による戸隠、鬼無里地区の災害は、被害箇所、規模とも多大で、北部土木事務所と戸隠支所土木職員だけでは対応が困難なため、戸隠、鬼無里支所の職員が総出で対応に当たっております。 加えて、本庁では、被災状況の情報収集と応急復旧の手配のために、建設部と都市整備部の土木技師を8月12日から22日までの間に延べ16名を派遣しております。 土木事務所、支所及び本庁の相互の連携により、迅速な初期対応が円滑に図られたと考えております。 また、本復旧に向けての査定申請業務等のため応援体制を継続しており、9月4日から11月2日までの42日間の予定で、建設部の土木技師2名を派遣中でございます。 次に、職員体制の課題ですが、被害に対して迅速に対応するためには、被災地の地理や地形を熟知している必要があります。建設部だけでは土地カンのある職員は限られていたため、都市整備部の職員も応援に加わったところでございます。 今後は、土地カンのある職員が災害対応に当たるためには、部局を超えた一層の連携が重要であり、その体制の整備を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) 大変ありがとうございました。ただ、土地カンがある職員、是非研修も含めてですが、今後とも対応をお願いしたいと思います。 今後の対策と課題について伺います。 こうした局地への豪雨、線状降水帯は、全国どこでも起こり得ると気象研究所の研究者は強調しています。一つ一つの災害を検証し、教訓を酌み取ることが重要かと考えます。様々な災害を想定し、市民の防災意識をどう高め、どう具体化していくか所見を伺います。 また、今後の対策で、遊水地の設置が必要ではないかと考えます。 例えば、豊野では、浅川、千曲川の被害はなかったものの、田子川から長沼幹線排水2号路のいっ水もあり、住宅浸水が発生しております。また、上部で悪水払いをして被害を軽減したが、その先で被害が発生しています。遊水地の計画的設置を進めるべきではないか、所見を伺います。 避難場所について、今回戸隠キャンプ場の観光客をアゼィリア飯綱に受け入れましたが、スムーズな誘導ができたのでしょうか。観光客の避難場所や避難所の容量、避難する距離と経路は適切か、安全性は大丈夫かなど検証が必要と考えますが、所見を伺います。 ○議長(小林義直) 杉田危機管理防災監     (危機管理防災監 杉田 浩 登壇) ◎危機管理防災監(杉田浩) 市民の防災意識をどのように高めていくかについてお答えいたします。 では、広報ながのやホームページ、市政出前講座、FMぜんこうじなど、あらゆる機会を通して防災意識啓発を図る他、防災マップ、土砂災害ハザードマップなどを対象地域に配布し、防災と命を守るための情報を市民の皆様にお伝えしてまいります。 特に、市政出前講座については、市民の関心の高まりとともに、ここ数年の開催回数が増加しておりますので、その地域で起こり得る災害を想定し、地域における具体的な危険箇所や避難勧告の際にとるべき行動などを分かりやすく説明してまいります。 さらに、今年度からは、災害協定を締結しておりますNTTタウンページと協働で、防災タウンページの地震編を作成し、防災に関する情報とともに、お住まいの地域の地震の危険性を地図に表した冊子を全戸へ配布いたしました。今後は、土砂災害編、水害編を作成し配布することにより、今住んでいる地域の情報をお伝えしてまいります。 災害発生時においては、まず自分の身は自分で守る、地域の安全は地域で守るということが大切であります。住民自治協議会や自主防災組織が主体となって行う防災訓練などに支所を初めとした行政関係機関が加わり、災害発生時の課題解決に向けた支援をしてまいります。 ○議長(小林義直) 島田建設部長     (建設部長 島田純一 登壇) ◎建設部長(島田純一) 私から、遊水地の計画的設置についてお答えいたします。 本市では、降雨による災害に対するハード対策として、浸水被害実績や整備効果などを考慮した上で、優先順位の高い地域を中心に、公共下水道雨水渠計画に基づく雨水きょ整備を進めております。 現在、雨水きょ事業の効果促進を図るため、排水路ごとのルート見直しや、雨水を一時的に貯留し下流への負担を軽減する遊水地、いわゆる雨水調整池は、上下流のバランスや経済性、地域の合意形成などをその都度検討し、施設整備を進めるものでございます。このようなことから、豊野南郷地区などの浸水被害が発生した地域についても、発生状況や原因を調査した上で、雨水調整池などの整備の必要性も含めて検討し、地域の安全確保に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 高橋商工観光部長     (商工観光部長 高橋 要 登壇) ◎商工観光部長(高橋要) 私から、戸隠キャンプ場に関わる部分についてお答えいたします。 先月11日の豪雨の際、戸隠キャンプ場では大雨警報が出される前から激しい降雨があり、落雷のおそれがあると判断したため、キャンプ場の危機管理マニュアルに従って、利用者全員に建物内や車内への避難誘導と、川沿いにテントを設営していたお客様の高台への移動を行いました。当日は、1,500人ほどの利用者がおりましたが、混乱なくスムーズに避難ができ、雷、雨による被害はございませんでした。その後の避難勧告発令時は雷も収まり、雨量も落ち着いた状況ではありましたが、自主的な判断により、8世帯36名がアゼィリア飯綱に避難されました。今回のケースでは混乱もなく避難できたものと考えております。 議員御指摘の避難所の容量や経路につきましては、災害の状況によっては避難所の容量不足であるとか、豪雨により道路が寸断されているような事態等も想定されますことから、今回のケースを検証し、様々な事態に適切に対応できるよう、危機管理防災課や施設管理者などと十分に連携を図りながら万全な体制を整えてまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) 必要な検証を行いながら今後に備えていただきたいと申し上げておきます。 次に、公共施設の在り方と市民合意形成について伺います。 7月23日に市民と議会の意見交換会を開きました。公共施設の在り方について、意見は以下のとおり出されました。 施設総量の削減と質の向上には賛成だが、福祉施設の運営に関しては指定管理が多く、サービスの質の低下を感じる。また、法人間のサービスの格差を是正してほしい。公民館での会合では、オリンピック施設をもっと減らせと意見が出ている。湯~ぱれあの利用料金が上がったら利用者が減った、そうしたことも考えて検討してほしい。特に高齢者が多い中山間地には、集まれる場所として公共施設は必要。公共施設の利用について移動に関する時間的制約がある。歩いて行ける施設なのか。公共交通の利便性や充実についても検討すべきとの意見でありました。 そこで、伺います。 オリンピック施設は全体面積の1割を占めていますが、築後20年を経過して、市民の中に関連施設の更新、改修、廃止など、今後の方向に関心が高いが、これをどこで審議し、見通しを持っていくのか伺います。 次に、ワークショップの在り方で、芋井から始まり、篠ノ井、松代、七二会、浅川、大岡、信州新町を今年度から、そして、3年間で32地区を網羅する予定です。住民参加を徹底して住民合意を形成すべきと思いますが、所見を伺います。 次に、市立公民館の有料化について、参加者から、親子交流ボランティアを行っているが、子育て支援と言いながら有料化は問題。活動できなくなってしまうことはおかしいとの意見でした。成人学校もそうでしたが、公平さ、受益者負担との口実で負担を上げ、市民が利用しづらくなっています。湯~ぱれあも値上げから4か月ですが、1割から1割半の利用者減です。若者も年寄りも家に籠もるようでは、もっと人口が減ります。公共施設の利用率を上げていく努力が必要ではありませんか、所見を伺います。 ○議長(小林義直) 久保田総務部長     (総務部長 久保田高文 登壇) ◎総務部長(久保田高文) 初めに、オリンピック施設についてお答えいたします。 公共施設等総合管理計画においては、スパイラルを除くオリンピック施設の方向性について、長寿命化を講じつつ、多目的利用や市民スポーツ利用の促進を図り、中長期的に施設の在り方を検討することとしております。 本市の大きな財産でもあるオリンピック施設につきましては、スポーツ振興だけでなく、経済波及効果なども考慮し、できるだけ長く有効活用してまいりたいと考えております。 公共施設等総合管理計画においては、建物の目標使用年数を80年とし、築40年をめどに施設の状況に応じて改修することとしております。したがいまして、オリンピック施設につきましても、おおむね20年後、いわゆる築40年になった段階で、どの程度長寿命化改修を行うか判断することとなります。その間においても、社会情勢の変化や施設の利用状況等によっては施設の在り方について検討する必要が生ずる可能性がありますが、当面は中長期保全計画を策定して適切な維持管理に努め、必要に応じて市議会や公共施設適正化検討委員会に施設の状況等をお伝えしながら御意見をお聴きしてまいります。 次に、市民合意形成に向けた取組についてお答えします。 現在開催しております地区別のワークショップでは、参加メンバーを公募するとともに、飛び込み参加も歓迎することとし、各地区の状況や施設の課題に応じたテーマを設定するなど、多くの皆様に参加いただけるよう柔軟に取り組んでいるところであります。 ワークショップは、公共施設マネジメントについて、共通理解の下で自由に意見を出し合い、地域の公共施設について市民と行政が一緒に考える取組でございますが、飽くまでも市民合意の形成の一つの手法であり、結論を出す場ではございません。芋井地区では、昨年度のワークショップの提案を引き継いだ地元の検討委員会が検討会議を重ねる中で、芋井地区版のパブリックコメントを実施していただき、地区内における合意形成の徹底が図られたと認識しております。 公共施設マネジメントは、多くの皆様の声をお聴きする必要があり、一足飛びで結論が出るものではないと考えておりますので、今後も市民の皆様と情報共有を図りながら推進してまいります。 最後に、公共施設の利用率を上げる努力が必要ではないかとの御意見についてお答えします。 本市においては、行政サービスの利用者の負担に関する基準及び見直し方針を策定し、有料化や値上げに当たっては、利用者の増加に向けたサービスの見直しに取り組むとともに、徹底した経費の削減など、利用者負担増加の抑制を図りながら利用料を設定していくこととしております。 今後も施設の利用促進に取り組みながら、本基準等に基づき受益者負担の適正化を図ってまいります。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) オリンピック施設の問題については、大変大きな予算が伴う問題であります。非常に多くの市民も関心を寄せております。長寿命化を含めて、かなりきめ細かに情報、見通し、そして審議の方向を示していくことが必要かと思いますが、その点について、もう一度御答弁をいただきたいと思います。 それから、有料化についてもですが、実際には利用率をどう上げていくということについては、もっときめ細かく利用者の意見を吸い上げていく必要があるかと思います。受益者負担だけを追求すると、結局利用されないことが増えていくかと思いますが、その点についても御所見をいただきたいと思います。 ○議長(小林義直) 久保田総務部長     (総務部長 久保田高文 登壇) ◎総務部長(久保田高文) 御質問の2点についてお答えします。 オリンピック施設の長寿命化につきましては、ただ今、議員が御指摘いただきましたように多大な予算執行が伴うと予想されております。 したがいまして、先ほど申し上げましたように、20年後、いわゆる築40年になった段階で、どの程度の長寿命化に係る改修費が必要になるか、そういった部分について、きめ細かな今後のライフサイクルコストを初め、今後の利用率あるいは経済波及効果につながるかどうか、そういったことも検証しながら、その段階で議会の皆様方に予算関係や今後の見通し等をお示ししながら、御相談していく必要があろうかと思います。 また、が設置しております公共施設適正化検討委員会におきましても、この点について検証していただきながら、今後の見通しについて考えていく、そういった方向性で取り組んでまいりたいと思っております。 続きまして、公共施設の利用料の問題でございますけれども、確かに湯~ぱれあについても、現状の利用率、これは当初の目標よりかなり利用率があったということの中で、湯~ぱれあだけではなくて、これは温泉入浴施設でございますので、民間が設置している入浴施設との料金のバランス、そういったものも全て考慮しながら、利用率だけではなく、公平的ないわゆる受益者負担の現況はどうあるべきかということを議論しまして、一部値上げしたということでございます。 したがいまして、議員御指摘のように、1割あるいは1割半ぐらいの利用率の減少はございますけれども、逆に、経費の部分で申し上げますと、入浴の料金収入はかなり増えているという状況もございます。したがいまして、利用料の問題だけではなくて、受益者負担と施設の収入という部分も、やはり観光施設の一つでございますので、そういったものも考慮しながら今後もやっていく必要があるかなと、そのように考えております。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) 誰のための、何のための施設かということを常に置いて議論をお願いしたいと思います。 次に、市立公民館のコミュニティセンター化と指定管理者制度への移行について伺います。 昨年の6月市議会で新友会、また、さきの6月定例会で新友会、公明党市議団から、市立公民館のコミュニティセンター化について取り上げられ、教育委員会から方向性を定めていきたいとの答弁がされました。 公民館が利用しにくい、不便だという声があるのは事実ですが、その解決のため、分析と対策を徹底的に議論したのでしょうか。利用度を高める改善は当然ですが、物品販売や民間へ会議室として貸し出す、つまり収益性を含めコミュニティセンター化するというのは問題の本質をすり替えた、公的サービスの産業化ではありませんか。県都長野の品格が問われる問題です。 公民館は、敗戦の翌年、1946年、文部省が設置を呼び掛け、全国に広がり、当時の社会教育課長だった寺中作雄さんの寺中構想から出発したと承知しています。日本が戦前の反省に立って民主主義の国をつくっていくために、住民が集まって話し合い、学べる場所を全国津々浦々に造る必要があるとの考えです。全国では多いときで3万5,000館、今は1万4,000館、そのうち長野県は1,236館、断トツトップの設置数となっています。 社会教育法が制定されてから68年、既に40回の改正がありましたが、社会教育の自由に関わる根幹的な条文は改正されていません。この間、町村振興の底力を生み出す場所、文部次官通牒として、住民の主体的な学びを通して地域に自治をつくる拠点施設として地域づくりに貢献してきたのではありませんか。地域の特性を踏まえ、利用者の立場から利用しやすく改善を図りながら、社会教育の一環として公民館事業を継続すべきだと思いますが、所見を伺います。 ○議長(小林義直) 近藤教育長     (教育長 近藤 守 登壇) ◎教育長(近藤守) 公民館は、戦後間もなく、国民が自主的にものを考え、平和的、協力的に行動する習性を養うことが新しい日本にとって緊要であるとし、国の施策に基づいた専用の社会教育施設として設置されました。 本市におきましても、昭和21年、当時の旧朝陽村になりますが、最初に設置されて以降、時代に即した学習課題に取り組むなど、事業の充実に努めてまいりました。 昭和24年の社会教育法の施行後、公民館は戦後復興の推進機関として、そして国民の学びの場として、また、高度経済成長時代には、深まる人々の学習意欲を満たす学習の場として、大きな役割を果たしてまいりました。 本市におきましては、平成18年から都市内分権の進展を図り、32地区全てに住民自治協議会を設置していただきました。これにより、地域や市民の皆様の活動が活発化し、市立公民館の施設利用につきましてお問合せを頂くことが増えてきております。そのため、市立公民館を対象に利用をお断りした事例を調査したところ、具体的な事例として、子供たちの学習や部活動--吹奏楽や卓球、スポーツなどの場、また、地域活動に必要な物販の場や会議室を持たない地元事業者の会議の場としての利用の制約等が挙げられました。市立公民館の施設運営につきましては、社会の変化や市民のニーズを踏まえ、地域住民の施設利用を緩和することで地域の活性化に努め、より多種多様な活動の場として地域の実情に合った柔軟さが必要と考えております。 これらのニーズに応えるため、コミュニティセンターに移行することで、一定の条件の下、利用が可能となりますので、住民にとって大きなメリットになるとともに、施設利用の緩和により地域の活性化にもつながるものと考えます。ただし、社会教育、生涯学習の推進を図ることが第一義であることを踏まえておく必要があると考えております。 本年7月の住民自治連絡協議会理事会において、市立公民館のコミュニティセンター化に係るメリット、デメリットについて御説明し、地区住民自治協議会からの意見聴取を実施し、さらに、公民館長会での協議、検討、長野社会教育委員会議への諮問など、地域や関係機関との協議を行っております。 各地区の住民自治協議会から御意見や御質問を頂く中で、市立公民館の利用につきましては、地域ごとに事情が異なることから、今後は御意見を頂いた住民自治協議会へ個別に出向き意見交換を行うとともに、公共施設適正化検討委員会で検討いただくなど、様々な形での検討を行ってまいります。 コミュニティセンター化の検討につきましては、議員の御指摘のように、緩和することで地域の特性を踏まえ、利用者の立場から利用しやすく改善し、社会教育の一環として公民館事業を継続させるために取り組んでおりますので、是非よろしくお願いいたします。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) ありがとうございます。利用しやすい拠点施設、学習の拠点施設として、改善を図らなければならないところは当然あると思います。そこは、私はこの運用の中でそれは検討すべき課題だと考えますので、是非そこのところはお願いしたいと思います。 次に、市立公民館に指定管理者制度が導入されて4年目に当たります。長沼から始まり、芋井、篠ノ井、信更、若槻、更北、本年度から吉田、川中島、安茂里と、9館で住民自治協議会への指定管理者移行が行われています。職員の配置された市立公民館から指定管理に移っての人件費と事務経費、事業費等を比較した額はどうなのか、理由についても説明願います。 社会教育主事がいる市立公民館は何館ありますか。社会教育主事の資格がありながら一般事務をする職員は何人おられるでしょうか。専門性を持った人材を育成し、活躍できる場を確保することは行政でしかできないことです。支援を必要とする子供への学習支援も、地域課題の解決にも、学校を終えて地域に貢献したいと戻ってくる青年を育てるためにも、公民館の果たす役割はますます重要だと考えます。飯田や阿智村、県内で取り組まれている事業も参考に、更に公民館の充実を望むところでありますが、所見を伺います。 ○議長(小林義直) 松本教育次長     (教育次長 松本孝生 登壇) ◎教育次長(松本孝生) まず、市立公民館の指定管理者制度導入に伴う比較につきましては、指定管理者による運営を行っている市立公民館9館の直営時の人件費合計は、年間1億1,884万8,335円、指定管理者制度導入後は7,914万3,492円で、これは職員の引き揚げに伴うものでございます。 一方、事業費、事務経費等の合計は、直営時は6,785万19円、指定管理者制度導入後は9,238万3,930円となります。これは、運営主体の変更に伴うパソコン、複合機のリース料、館外学習用の民間バスの借上料、インターネット回線使用料等の増によるものでございます。 次に、社会教育主事のいる市立公民館は3館でございますが、家庭・地域学びの課に在籍する2名の社会教育主事が、各市立公民館へ指導、助言、研修等を行っております。この他、公民館長会や主事会、社会教育主事会等、各種会議や職員研修を開催する他、県の公民館関連の会議、研修会等への参加を通して、職員の資質向上、情報の共有を図っております。 また、社会教育主事の資格のある職員は、平成28年度時点で26名で、このうち教育委員会以外に勤務する職員は17名でございます。なお、今年度は、信州大学において社会教育主事講習が開催されたため、本市から4名を受講させ、資格取得者の拡充を図っております。 次に、公民館の充実についてでございますが、公民館活動が活発に行われている飯田や阿智村におきましては、地域づくりの基盤である人づくりに公民館が大きな役割を果たしており、住民の自治能力の向上や地域の活性化に向けた取組が行われております。 本市では、都市内分権の推進に合わせ、市立公民館への指定管理者制度の導入を進めており、相手方は住民自治協議会に限定しております。これは、市立公民館と住民自治協議会の活動の目指すところが同じであることから、住民の主体的学びと地域自治、地域振興につなげようとしているためでございます。 本市におきましても、飯田や阿智村と目指す目標、方向は同じであると考えており、引き続き先進地の事例を研究しつつ、公民館事業を充実させてまいる予定でございます。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員
    ◆12番(佐藤久美子議員) 今、御説明がありましたように、指定管理者制度が導入されて、9館で平均しますと年間168万5,659円の減になっています。私は、結局は、これはただ人件費のところが減っておりますが、実際に事業費等は伸びている状況であります。そういう中で、本当にこれで市民の求める公民館になっていくのかどうか。例えば、行政からどんどん公民館が遠くなっていないか。は、地域がやっているからということで、公民館の活動とが遠くなっていないか、そのことを懸念するところであります。その点についてはいかがでしょうか。 それから、社会教育主事は、主事補を入れると30人おられます。この方々が、もっとまちづくり、長野で抱えている様々な公共施設のこと、防災のこと、様々な課題があります。こうした人たちの知恵と力、こういうことが発揮されている、そういう状況になっていますでしょうか。そのことについてお聞きしたいと思います。 それから、実は、平成26年の県の社会教育委員会議の議事録が公開されています。長野県内では、初めて指定管理者制度が導入されたのは長沼です。この長沼を会場にして行われていますが、長沼の館長さんは人事権、予算、事業の裁量の自由さを強調されています。しかし、それは、指定管理者制度を導入しなければできないことではない。人事はちょっと違いますけれども、しかし、むしろ職員を育てること、地域課題に取り組み、市民の学習を保障し、自治を育む役割は、ますます私は重要になっていると考えますが、この点についてはいかがでしょうか。 ○議長(小林義直) 松本教育次長     (教育次長 松本孝生 登壇) ◎教育次長(松本孝生) まず1点目のとの距離がだんだん遠くなってきているんじゃないかという御指摘でございます。 例として挙げられました飯田等の事例でございますけれども、こちらにつきましては私も調べてみましたが、住民が主体的に公民館活動、そしてまた、自治行政に取り組んでいただいているということで、これは全国的に非常に特筆といいますか、注目されております。そういった面でいきますと、住民が主体的に公民館活動、自治活動に参画していただくということが、一番求められるところではないかと思っておりまして、の職員を配置しているからといって、例えば、これは一概には言えませんけれども、頼られてしまう、頼るということですね。そういったこともあるのではないかと考えております。その分、引き揚げた分については教育委員会の家庭・地域学びの課でフォローするように、体制をしっかりとるようにしているところでございます。 それから、社会教育主事、これが教育委員会の他の部局に17名いるということでございます。これは議員も御指摘のように、社会教育主事の知識といいますか、これは行政全般に通用するものだと思っておりますので、また、当然人事異動もございますので帰ってくることもございます。それから、先ほど申し上げましたように、今年度、信州大学で講習会がございました。ここへ4人派遣しております。それから、新規採用職員でも資格を持っている職員もございます。こういったことで、新しい資格者もできるだけ増やすようにしているところでございます。 それから、3つ目の市立長沼公民館の例でございます。 館長コメントとして、自由裁量というのが増えたという感想を述べられております。指定管理者制度を進める一つの理由として、の職員だと人事異動で継続性が途絶える場合がございます。そういった場合、住民自治協議会の職員による雇用であれば、継続性がもっと担保される、こういったことも長所としては挙げられるのではないかと思っております。 いずれにしても、議員がおっしゃるように、住民本位の公民館運営ができるように努めてまいりたいと思っております。 ○議長(小林義直) 佐藤久美子議員 ◆12番(佐藤久美子議員) 長野には大変優秀な職員がたくさんおられます。その方々が遺憾なく力を発揮されているのかどうか、そのことも私は是非注目していただきたいと思います。 まちづくり、住民の学習の場の保障、こうしたことが、ますます長野の誇り、これを築いていくことになります。そして、先ほどおっしゃったように、確かに3年で職員が代わるということでは、本当にその地域で社会教育が根づくかどうか、ここは私も疑問に思っております。ただし、飯田も次世代の育成支援事業に取り組んでおりますが、本当に地域に誇りを持って若い人たちが育っていく、そうしたことにこそ、私はもっと長野の公民館として力を発揮していただきたい。このことを強く訴えまして、以上をもちまして私の質問を終わります。 ○議長(小林義直) 午後1時10分まで休憩いたします。   午後零時11分 休憩   午後1時10分 再開 ○副議長(野本靖) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 32番池田清議員     (32番 池田 清議員 登壇) ◆32番(池田清議員) 32番、改革ながの市民ネットの池田清でございます。 通告に基づき質問します。市長並びに理事者の前向きで明快な答弁を求めます。 最初に、市長の政治方針、政治姿勢についてお伺いいたします。 3点について質問します。 まず、市長選についてお伺いいたします。 市長は、本年6月市議会一般質問初日の質問に対し、次期市長選への出馬については、議員、市民の皆様の御協力と御理解をいただきながら引き続き長野の発展のため、市民の幸せのために全身全霊を注ぐ決意である。今後、これまでの市政運営の中心に掲げてきた私の政策について、多くの皆様の声に耳を傾けながら新たな政策をまとめてまいりたいと答弁されました。 そして、本9月市議会初日の議案説明において、主な取組と断りつつ、4つの事業の概要を振り返っています。そして、今後もこれまでの実績と経験を生かしながら、日々、活力ある元気なまち長野を目指して新たな施策を積極的に展開し、市民の皆様の幸せのために全力で取り組んでまいる所存と述べられました。 そこで、改めて1期4年間の総括についてお伺いいたします。 また、4年間の実績を何点と採点しますか、率直にお答えください。 出馬表明から既に3か月が経過しようとしています。答弁で繰り返されている新たな施策についてお伺いいたします。 市長選の告示まで約1か月半となった今、新たな施策を議会に、そして市民に示すべきと考えますが、見解を伺います。 次に、改革ながの市民ネットの公開質問状についてお伺いいたします。 改革ながの市民ネットは、市長選出馬表明を行った加藤現市長と新人の土屋龍一郎氏に7月25日、公開質問状を持参し、8月10日までに回答を頂き、現在、会派のホームページに公開しています。加藤市長にはお忙しい中、15項目にわたる質問に丁寧に回答いただきましたことに敬意を表します。 2つに絞って改めてお聞きします。 まず、最優先する政策課題は何ですかという質問についてです。 そつなく丁寧にお答えいただきました。要旨をまとめますと、描く都市の姿を、市民が幸せを実感できるまちとしています。そこに、さらに、そのために、加えて、再び、さらにと接続詞が続きます。健康をテーマとしたまちづくりの推進を基礎部分として、社会的弱者への支援、女性や高齢者の活躍できる場の拡大、安定的雇用の確保、医療、介護の充実、安心して子育てができること、訪れた人に住みたいと思っていただけるまちづくりと5つの層から構成しています。正に政策課題のてんこ盛り状態です。何が最優先なのか、残念ながら焦点が絞れません。改めてお尋ねします。最優先する政策課題は何ですか、見解をお伺いします。 次に、格差と貧困にどのように臨みますかという問いについて伺います。 回答では、現状の貧困に対する経済的支援より格差と貧困を次世代に連鎖させない教育が重要としています。そして、そのためにはひとり親家庭や貧困世帯の子供に対する就学や学習支援について、更に充実を図るとしていますが、その具体策についてお伺いいたします。 また、レセプト500円を含む医療費窓口無料化について、市長の見解をお伺いします。 次に、20年後の長野のあるべき姿についてお伺いいたします。 前の最優先する政策課題の質問で、市長は、私の描く都市の姿とは、市民が幸せを実感できるまちと答えられています。市長選後の4年でなく、より長期的視野に立って、20年後の長野像をどのようにお考えになっておられるのかお伺いいたします。 少子高齢化の更なる進展、取り分け生産年齢人口の減少は社会の活力を減退させます。医療費の増大、政治、社会情勢の激変など、不確定要素が余りにも多いと思いますが、初めて選挙権を行使する18歳の若者が38歳に、成人式を迎えた若者が働き盛りの40歳となる20年後の長野のあるべき姿を、市長選を通じて若者に、そして全市民に語っていただきたいと思います。 明るい20年後がなかなか描けないのが現状であることは事実です。 先日、政治評論家の講演を聴く機会がありました。印象に残った言葉があります。悲観的に準備して、楽観的に対処するです。想定外を言い訳として、楽観的に準備し、悲観的に対処する事例を私たちは何度も見てきました。20年後の長野のあるべき姿について、市長の見解をお伺いいたします。     (32番 池田 清議員 質問席へ移動) ○副議長(野本靖) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 初めに、1期4年間の総括についてお答えいたします。 私は、これまで4年にわたり、議員の皆様を初め、市民の皆様の御協力をいただき、滞りなく市政を運営することができましたこと、改めて感謝を申し上げます。 近く任期満了の日を迎えるに当たり、この4年間を総括いたしますと、市政を取り巻く環境が厳しさを増す中、「活き生き“ながの”元気な長野」、「市民と共に笑顔あふれる県都・長野」の創造に向けて公約に掲げた、守る、育てる、つなぐの3本柱を市政運営の中心に据えて誠心誠意取り組んでまいりました。私が就任した4年前には、既に少子高齢化の進行や長引く景気の低迷により、日本経済は右肩下がりの時代を迎えておりました。 このような時代背景の中で、元気なまちを目指して、市民はお客様という職員の意識改革を進めるとともに、直面する様々な課題に対し、その都度、の組織を改編しながら目標を明確にして専門的かつ効率的な対処をしてまいりました。 まず、子供に関する施策を一元化して、更に充実させるため、こども未来部を新設し、結婚から出産、育児、子育てまで切れ目のない子育て支援を行ってまいりました。 また、教育委員会が所管していた文化・芸術、体育関連業務について、文化スポーツ振興部を新設し、教育部門の枠を超えて福祉や観光などと連携した取組を進めてまいりました。 さらに、官民が連携した結婚支援のためのマリッジサポート課、有害鳥獣対策やジビエによる有効活用を一体的に進めるいのしか対策課、移住・定住の促進など人口減少対策を進める人口増推進課、施設の再編・再配置など公共施設の見直しを行う、公共施設マネジメント推進課、スポーツを軸としたまちづくりなどを進めるスポーツコミッション推進室、空き家対策を総合的に進める空き家対策室など、課題に対し即応できる部署を設置するとともに、地域での災害対策や維持管理業務を進めるための5つの土木事務所、業務の迅速化を図るための2つの産業振興事務所の設置、加えて、支所長や地域きらめき隊として優秀な人材を支所へ配置するなど、最適な組織体制を整え、課題解決に向けて様々な事業に取り組んでまいりました。 また、私の市長就任前から喫緊の課題であった北陸新幹線金沢延伸、善光寺御開帳対策と中山間地域活性化対策につきましては、市長直轄プロジェクトとして位置づけて進めてまいりました。おかげさまで善光寺御開帳につきましては、日本一の門前町大縁日などの効果もありまして、過去最多の707万人の参拝客の皆様にお越しいただき大盛況でありました。この成功は、市民の皆様のおもてなしの心の醸成や継続的なまちのにぎわいに確実につながっていると実感しております。 中山間地域活性化対策につきましては、このままでは中山間地域に人がいなくなってしまうという強い危機感から、地域おこし協力隊や、やまざとビジネス支援補助事業を初め、農業振興や野生鳥獣対策、中山間地域へのUターン促進など、地域の皆様の声をお聴きしながら事業を展開してまいりました。今後も効果的な事業を見極めながら、中山間地域の活性化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 また、全国的にも課題となっている人口減少対策につきましては、人口減少に挑む市長声明を発表し、定住人口の増加、交流人口の増加、特色ある地域づくりを目指して精力的に取り組んでまいりました。 具体的には移住・定住を促進するための移住・定住専門相談員の配置や移住セミナー、無料相談会の開催などに取り組むとともに、移住の要件として重要となる職を確保していただくため、就職情報サイトおしごとながのの開設、東京圏の学生や移住希望者を対象とした長野地域UJIターン就職促進事業の実施、建設業をモデルとした引っ越しに伴う費用の助成など、人口の社会動態のプラスを目指して、本市の移住・定住につながる取組を進めてまいりました。 人口減少は、活力ある地域の大きな妨げになるものであり、引き続き人口減少に対する危機感を持って、市民の皆様を初め、市議会の皆様、経済界、周辺市町村とも連携して対処していかなければならないと考えております。 その他にも、この4年間では様々な課題がありましたが、それら全てに真正面から立ち向かい、課題解決に向けて真摯に取り組んできた結果、公約である私の政策に掲げた項目につきましては道半ばの課題もございますが、その多くが大きく前進していると考えております。 これら私の実績への採点につきましては様々な評価があると思いますが、多くの課題については既に対処しており、道半ばの課題についても実現に向けて基礎づくりができた、または、前向きな検討を始めている状況で、一定の評価はいただけるものと考えております。 また、新たな施策につきましては、これまで政策の中心に掲げてきた私の政策の継承を基本としながら、現在、それぞれの地域に足を運び、多くの皆様の声に耳を傾ける中で、政策をまとめているところであります。 新たな政策が固まりましたら、しかるべき形で議員の皆様を初め、市民の皆様へお示ししたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、公開質問状についてお答えいたします。 まず、最優先する政策課題につきましては、私が描く理想の都市像として、市民が幸せを実感できるまち、住んでみたいと思っていただけるまちを掲げましたが、これは、すなわち、多くの人に満足していただける魅力的な長野をつくるということであります。魅力的なまちには必然的に人が集まり、都会へ進学した学生がふるさとのまちへ帰り住み、住んでいる人の満足度が高まり、ひいては活気あふれる元気なまちが実現できると考えております。 そのための要素として、安定的な雇用の確保、医療、介護の充実、安心して子育てができる環境整備が最も大切であり、加えて、社会的援助を必要とする方への支援、女性や高齢者の活躍の場の拡大、持続可能な公共交通の整備なども要素の一つとして挙げられます。 しかしながら、魅力的なまちづくりをつくり上げても、人生100年時代を迎える中で、そこに住む人々が元気で生き生きと暮らせなければ空虚なまちになってしまいます。 そこで、私は最優先する課題として、市民の健康保持・増進に力を入れ、市民の皆様の健康寿命の延伸を目指してまいりたいと考えております。 具体的には、市民一人一人の健康に対する意識の向上を図るとともに、子供の頃からの健全な食生活や運動、スポーツ習慣の定着に向けた取組を進めます。さらにサキベジの推進、ラジオ体操などスポーツの奨励、企業への健康経営の浸透、健康に寄与する食文化の発信など、健康をテーマとした様々な事業に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、ひとり親家庭など経済的理由によって就学が困難な子供たちに対する支援につきましては、現在、新入学児童生徒学用品費や修学旅行費の他、通常の学用品費、学校給食費、医療費などについて、就学援助費として支給しております。このうち、新入学児童生徒学用品費等につきましては、本年度において支給単価をほぼ倍額に引き上げるとともに、支給時期について、これまで入学後の8月支給としておりましたが、援助を必要とする時期に必要な援助を受けられるよう新中学校1年生については、早ければ平成30年4月の入学予定者から入学前に支給できるよう準備を進めているところであります。 なお、新小学校1年生の入学前の支給につきましては、対象者の把握方法などの課題がありますが、できるだけ早く実施してまいりたいと考えております。 ひとり親家庭の子供に対する生活・学習支援につきましては、昨年度の応募状況を踏まえ、本年度は定員を拡大し、希望者全員に受講していただいております。今後も、ひとり親家庭の子供たちが生活・学習習慣を身に付けていく良い機会となるよう、利用者の声をお聴きしながら検証を進める中で、より効果のある仕組みを整えてまいります。 生活困窮世帯を対象とした学習支援につきましては、今後も参加者が増えるよう、高校進学を控えた中学校2年生と3年生を重点に働き掛けを続けてまいります。 また、厚生労働省が高校を中退した方や中学卒業後、進学していない方などを含めた高校生世代への支援を強化することを考えていることから、本市においても、国の動向に注意を払いながら支援が必要な方へ対応を検討してまいります。 医療費の窓口無料化につきましては、平成30年8月を目標に、長野県全体で足並みをそろえ、中学生までの子供について現物給付方式を導入する方針としております。これにより、県内の医療機関などでは、原則、受給者負担金500円で医療サービスを受けることができるようになります。貧困対策として、窓口負担である受給者負担金の500円を廃止すべきという意見があることも承知しておりますけれども、長野県の検討会において、安定的な制度運営ができるよう、1レセプト当たり500円の受給者負担金を維持するとの方針が示されており、継続的に福祉医療制度を運営していくことも重要な貧困対策の一つであると考えております。 20年後の長野のあるべき姿についてお答えいたします。 人口減少社会の更なる進行や厳しい社会・経済情勢が続いていくことが予想されている中にあって、本市の20年後のあるべき姿を考えたとき、思い起こしましたのは、一昨年の第五次長野総合計画策定に当たりまして、様々な世代の方々に直接お会いをいたしまして、の将来像について意見を交わした意見交換会があります。 取り分け、将来を担う小・中学生、高校生や大学生などとの意見交換においては、10年後、20年後も、この自然と調和したまちであってほしい、地域の高校生としてボランティアをやっていきたい、人が多くてみんなが仲よくしているにぎやかなまちになっていてほしいなど、将来のまちの姿について様々な御提案を聞くことができ、心強く感じ、若者が未来に明るい希望を抱くことができるまちづくりに向けて意を強くしたことを覚えております。 こうした意見交換会を通じて、つくり上げたまちの将来像が、幸せ実感都市ながの、オールながので未来を創造しようであります。この将来像は、時代のすう勢にかかわらず、各世代に通じて望まれる普遍的な本のあるべき姿であると考えており、これからも市民一人一人が幸せを実感できるまちの実現を目指していくことが私の責任であると考えております。 ○副議長(野本靖) 池田清議員 ◆32番(池田清議員) 答弁いただきました。 点数化をするということに対しては、具体的な点数ではなくて、一定の評価というふうにお答えをいただきました。予算のときもそのような話がありましたけれども、その後点数を付けていただきましたが、やはり一定の評価というのは、合格点を付けているという意味合いであるというふうに思いますが、改めて、その点数化、いわゆる見える化ですね、これをお聞きしたいのと。 それから、しかるべきときに新しい政策を皆さんにお伝えしたいということであります。そのしかるべきとはいつなのか、是非ともそれをお聞きしたいと。 就学援助と貧困に対してなんですけれども、いろいろな大きく前進した分については、これは評価をしたいというふうに思います。 とにかく市民は市長選に対する関心が今決して高いとは言えません。これは将来の20年後先の長野像を見据えた、そうした論争というものを待ち望んでいる中で、なかなかそれが見えてこないという部分もあると思います。評価について、そして、しかるべきときについて、この2点について、市長にお尋ねいたします。 ○副議長(野本靖) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 私の実績に対する評価につきましては、先ほど申し上げましたように、議会の皆様や市民の皆様からいただいたものでございます。一定の評価はいただけるものというふうに思っておりますけれども、飽くまで皆様に御判断いただくものというふうに思っています。 それから、先ほどの政策についてのしかるべきときと言いますのは、10月に入らない前というふうに考えております。 ○副議長(野本靖) 池田清議員 ◆32番(池田清議員) 残念ながら、はっきりしたお答えを頂くことはできませんでした。いずれにしても、先ほども言いましたが、これからの長野市政を託す市長選、そのときにそれぞれがしっかり将来の長野像を示していただく、そこに論争が必要であると、それを多くの皆さんが期待をしているということをお含みいただきながら健康に留意されて奮闘していただきたいということです。 それでは、次に、長野芸術館についてお伺いします。 まず、日常に音楽を、芸術を、について伺います。 7月8日から17日まで、2年目となるアートメントNAGANO2017が開催されました。現代音楽の楽しみ方を久石譲芸術監督が解説したMusic Future in Naganoや映画監督、高畑さんとのトークセッションは、200から300席の会場ではありますが、入場率は90パーセントを超えています。 一方で、メインホールのナガノ・チェンバー・オーケストラの定期演奏会の入場率は、ベートーベンの交響曲第5番、運命の71.3パーセント、第6番、田園は52.8パーセントと空席が目立ち残念な結果となりました。ベートーベンが前衛であったかどうかについては、音楽研究者によって見解が分かれるところです。久石芸術監督は、ベートーベンはロックだと言い切っておられます。ベートーベンをどのように解釈して現代音楽と組み合わせて長野芸術館で演奏するのか、そのコンセプトが市民に伝わっていないのではないでしょうか。2年、3年では浸透しない、5年、10年は掛かるでは済まないと考えます。長野文化芸術振興財団の事業計画では、自主事業の企画について、久石譲芸術監督を擁する文化施設であることから、芸術監督の意向の具現化を図るとともに、公演来場者アンケート等を通じてニーズの把握を行いながら、ホール特性を生かして、魅力あふれたプログラムを創造、提供していきますと明記しています。芸術監督の意向の具現化を尊重しつつも、ニーズの把握の必要性についても言及しています。会場に来ていただくための、能動的な、より積極的な発信が不可欠と考えます。それなくして、日常に音楽を、芸術を、を具現化した文化力あふれるまち長野の実現は困難と考えますが、見解を伺います。 次に、運営についてお伺いいたします。 事務局の体制は、当初の館長を事務局長体制から、昨年度から総支配人、事務局長体制へ、そして、今年度から副支配人が置かれています。設立間もない財団であることから、やむを得ない面もありますが、事務局体制の頻繁な変更の理由についてお伺いいたします。 すばらしいキャリアと幅広い人脈をお持ちの総支配人をお迎えできたことは長野文化芸術振興財団にとって大変良かったと思います。 しかし、新聞報道によって初めて知ったという経過は、特別委員会を設置し、ハード、ソフト両面から調査・研究してきた議会に配慮が欠けていたと言わざるを得ません。そうした観点からも昨年から開催されている年1回ではありますが、長野文化芸術振興財団と長野市議会スポーツ・文化振興議員連盟との懇談会は意義あるものと考えます。 様々な課題を抱え、開館から1年4か月、として長野文化芸術振興財団の運営を支える人的支援は必要不可欠です。昨年度2名であった派遣職員が、今年は事務局長の1名のみです。経過と現状、今後の見通しについてお伺いいたします。 ○副議長(野本靖) 倉石文化スポーツ振興部長     (文化スポーツ振興部長 倉石義人 登壇) ◎文化スポーツ振興部長(倉石義人) 初めに、日常に音楽を、芸術を、についてお答えいたします。 久石芸術監督は、昨年6月のインタビューにおいて、ホール自体に顔はなく、明確に応援する対象が必要とした上で、ナガノ・チェンバー・オーケストラをこのホールの顔にしたい、それが長野にオーケストラをつくる意義と答えており、大変意欲的に取り組んでいただいております。 また、ベートーベンの交響曲は、クラシックの中の金字塔としながら、僕の振るベートーベンに関して言うと、ロックと捉えてもらっていいぐらいに激しくなると思うとも語っています。 また、長野文化芸術振興財団の松原総支配人は、ロックンロールが登場し、従来のジャズの歴史を一変させたように、ベートーベンの作品は、それまでのクラシック音楽を革命的に変えた。取り分け、そのリズム感が特徴的と述べております。 こうした考えのもと、ベートーベンはロックだというような刺激的なキャッチコピーになったものと理解しております。 これはまた、今までクラシック音楽とは縁遠かった市民に対してのメッセージでもあり、アートメントNAGANO、そして長野芸術館に関心を持ってもらうための工夫をしていただいていると思っております。 このような久石芸術監督の音楽に対するコンセプトは、長野文化芸術振興財団が発行する広報紙や記者会見など様々な媒体を通じて発信しているところでございますが、長野文化芸術振興財団では県外向けに、より地域やターゲットを絞り、ながの観光コンベンションビューローや、旅行代理店と連携したツアー商品化などの面を強化してまいりたいとも聞いております。今後も久石芸術監督の目指す音楽について、より一層伝わりやすい情報の発信を長野文化芸術振興財団に対し要請してまいります。 なお、アートメントNAGANO2017期間中に行われるナガノ・チェンバー・オーケストラの定期演奏会の入場率は、昨年度と比べますと、若干ではございますが、上昇しており、徐々にではありますが、市民の皆様の間にも浸透しつつあると感じているところでございます。 自主事業につきましては、今後も利用者アンケートの結果、入場率などの実績、他ホールでの状況や評価なども参考に、市民ニーズの更なる把握を長野文化芸術振興財団に対して求めてまいります。 次に、運営についてお答えいたします。 長野文化芸術振興財団では、当初は館長制でスタートいたしましたが、昨年4月からは支配人制に移行し、現在まで特に変更はしておりません。支配人制への移行は、長野芸術館の開館後を見据え、劇場運営や音楽業界に精通する方を支配人としてお迎えし、組織の充実を図るべく、現総支配人である松原氏を財団理事会並びに評議員会において選任したものでございます。 としての長野文化芸術振興財団への人的支援についてでございますが、昨年度の上半期は開館準備や公演が多数あるなど多忙を極めていたことから、からは2名の職員を派遣しておりましたが、10月から1名としたものでございます。長野文化芸術振興財団としては、限られた人件費の中で、専門的な知識、経験を有する職員を採用するなど、長野文化芸術振興財団として職員体制の充実を図っておりますので、派遣職員につきましては、長野文化芸術振興財団からの要請があれば検討してまいりたいと考えております。 今後も引き続き長野文化芸術振興財団に対しましては、運営面における諸課題に適切に対応するため、収支を踏まえた上で、必要に応じて職員体制の充実を図り、市民や利用者の期待に応えていくよう要請してまいります。 ○副議長(野本靖) 池田清議員 ◆32番(池田清議員) 久石譲芸術監督、なかなかお目にかかる機会もありませんので、就任するときの記者会見を遠くから眺めておりましたが、その後は長野芸術館で指揮をする姿をお見受けするだけであります。 そんな中、この財団の理事長は樋口副市長であります。理事会において様々な検討をし、そして評議員会で、これを実行し運営しているわけですが、取り分け樋口副市長は、この4月以降、副市長がお一人になり、様々な重要な職責をお務めになっておられます。 私は、久石芸術監督の雲の上のような存在が、やはり市民にとってもっと身近な存在、そして、先ほど言ったコンセプトを直接自分の言葉でしゃべっていただく、それがより市民にとって音楽が芸術が身近になる、そんないい機会かなというふうに思っています。 OMFと比較するような、そんな単純な理論になりませんけれども、片や小澤征爾さんが様々な映像など見ましても、そばパーティーであるとか、ウェルカムパーティー、さよならパーティー。そうしたときに、あるいは中学生の音楽の指揮をしたり、多くのこれからの後進の指導をしておるお姿もお見受けする中でも、より近くに感じる、そんな気がいたします。 この忙しい中で、理事長は久石さんとどれほどお話をされ、今回のアートメントNAGANOについても、いろいろなお話をされたのか分かりませんが、そうしたことができるのは、理事長がやはり久石さんに対して市民の要望、長野芸術館の要望などをお伝えしていただきながら、より近い存在として市民のほうに、雲の上からおりてきたという表現は余りよくありませんが、近い存在として市民と交わっていただける、そんな機会も必要だというふうに思いますが、理事長の考えをお聞きします。 ○副議長(野本靖) 樋口副市長     (副市長 樋口 博 登壇) ◎副市長(樋口博) 飽くまでも副市長の立場で答え申し上げますので、よろしくお願いしたいと思います。 今、久石監督が市民にとって雲の上のような存在ではないかというようなお話ございましたけれども、決してそんな方ではないというふうに理解しております。 基本的にはシャイなところあるんだろうなというふうに思いますけれども、特段取っ付きづらいとか何とかということではないんだろうなというふうに、私は日頃お付き合いをしている中で感じております。 今回のアートメントNAGANO2017が終わりまして、直後に久石さんともお話をしましたし、つい先日も松原総支配人を交えまして、今回の事業の総括、そしてまた、来年に向けてどんなような事業展開をするのかということにつきましてもお話をしてきたということでございまして、久石さん自身も、先ほどの部長の答弁にございましたように、去年よりも少しずつ観客の数は増えております。そのことは事実なんだろうというふうに思いますけれども、ただ、もう少し観客が入ってほしいということも話がございまして、それにつきましての今後作戦も含めてやっていきたいというふうには思っている次第でございます。 ただ、長野芸術館の運営管理実施計画にもありますように、文化芸術を地域に根づかせて、花開き、実りを得るためには一朝一夕には実現できるものでないと、長い年月を掛けて各自たゆまぬ努力を積み重ねていく必要があるというようなことが記載されておりますけれども、私も、それはそのとおりだと思っています。 今後、そういう意味におきましては、久石さん、今議員からも御評価いただきましたけれども、松原総支配人を中心にしまして事業を実施していきたいと思っております。 殊に、松原総支配人につきましては、公演に長野の音楽文化を取り入れよう、それから長野出身の音楽家の作品の演奏でありますとか、市民グループと子供たちの参加、あるいは特別支援学級や障害のある子供たちとの交流というようなことを本当に積極的に進めていただいておりまして、そういう事業の連続の中でもってまた花開くということを私としても期待しておりますし、そのような形で進めてもらいたいと思っております。 この機会でありますので、逆にお願いしたいことは、議員皆さんにおかれましても、周りの皆さんをお誘い合わせいただきまして、長野芸術館にお越しいただいて、長野芸術館を大きく育てていただくことについても、御協力いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(野本靖) 池田清議員 ◆32番(池田清議員) ありがとうございました。 久石さんにジブリをやってくれというような、そうしたわい小化した議論はしたくありませんけれども、先ほどもアウトリーチ大変評価できるというふうに思いますが、例えば、長野市内の吹奏楽の集まった皆さんの指揮を久石さんがやってくれる、そんな機会であるとか、よりそうしたアウトリーチのところに久石さんが出向くような、東京のほうのお仕事が正にお忙しいわけですけれども、飽くまでも長野芸術館の芸術監督でありますから、そうしたものをこれからもつくっていただきたいと思っております。 それでは、次の質問を行います。 国民健康保険の長野県の一元化についてお伺いいたします。 来年、平成30年4月から国民健康保険は長野県に移管されます。このことについて大きく変わるわけですが、市民への周知が十分とは言えないと思います。都道府県化によって、何が、どのように変わるのか、また、逆に変わらないものは何か、制度変更の内容について、改めてお尋ねしますとともに、市民への周知が重要と考えますが、見解をお伺いいたします。 次に、保険料についてお伺いします。 県から8月末に示すとしていた標準的な保険料率、納付金の試算がまだ示されていないとお聞きします。 埼玉県においては、公表された納付金を基に、保険料を試算しますと、今年度に比べて2倍近い市町村が出てくるということも発表しております。全国市長会で決定した、国民健康保険制度等に関する提言にあるように、国による財政支援を更に強めるとともに、財政も厳しい状況ですが、法定外の一般会計からの繰入金の増額を行い、保険料の引上げは行うべきではないと考えます。本年度、本市国民健康保険の保険料は平均で13.5パーセントの大幅な引上げとなりました。2年連続の引上げは行うべきではないと考えますが、見解をお伺いします。 ○副議長(野本靖) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 初めに、国民健康保険の都道府県化により、何がどう変わるのかでございますが、平成30年4月から安定的な財政運営等を図るために、都道府県と市町村が共同で国保事業を運営することになりました。 主な変更点としては2点あり、県が財政運営の責任主体となることと、国から自治体に対して、毎年総額約3,400億円の追加的な財政支援が行われることであります。 特に、県との関係につきましては、市町村ごとに保険給付に必要な額を算定した上で、国保事業費納付金の額や標準保険料率が示されるため、市町村はそれらを参考に毎年保険料率を検討することになります。 また、変更のない点といたしましては、市町村は引き続き資格管理、保険給付、保険料率の決定、賦課徴収、保健事業などを行いますので、市民の皆様の各種手続等の窓口であることに変わりはありません。 なお、国保制度改革についての市民への周知につきましては、7月から国民健康保険課の窓口にリーフレットを設置した他、広報ながの9月号に関連記事を掲載したところであります。今後は、分かりやすい内容でホームページにも掲載するなどPRに努めてまいります。 次に、保険料につきましては、本市では一般会計から基準外の繰入れを行うことで保険料率を抑え、被保険者の保険料の負担軽減を図っております。しかし、国及び県から制度改革を機に、保険料の負担緩和等を図るための決算補填を目的とした一般会計からの法定外繰入れについては、計画的、段階的に解消、削減することが求められております。 このため、本市でも赤字解消計画を策定し、保険料率の見直しを検討していく必要が生じております。しかしながら、平成30年度の国保事業費納付金の額及び標準保険料率が11月以降に示されることなど、現段階で国、県のレベルで検討中の事項があること、さらには、制度改革に伴う本の国保運営状況も見極める必要があること、今年度8年ぶりとなる保険料率の改定を行った経緯などの状況を踏まえ、今後の保険料率の在り方につきましては、今後策定する赤字解消計画の中で慎重に検討してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、新制度のスタートまで残り半年となりましたので、スムーズに移行できるよう万全な準備を進めてまいります。 ○副議長(野本靖) 池田清議員 ◆32番(池田清議員) 3,400億円の金が国から来るということを言っていますが、ロードマップどおりになかなか動いていないことも考えますと、その金額について、これからどうなっていくかなかなか不確定要素があると思います。市民の不安が広がらないように保険料の値上げについては十分慎重にやっていただきたいというふうに思います。 それでは、次に、小田切園の後利用についてお伺いします。 平成24年6月末をもって閉鎖された障害者支援施設小田切園は、いまだに後利用のないまま5年が経過しました。この間、電気、水道が止まり、合併処理浄化槽も停止し、復旧は容易なことでないと思います。長野社会事業協会職員により今年も草刈りが行われており、それほどの荒廃感はありませんが、県道沿いの大きな建物が放置されている姿は、小田切園の衰退の象徴とも感じられ、寂しい限りです。レッドゾーンから外れている管理棟だけでも後利用できないのでしょうか。 所管課にあっては、地区住民自治協議会などとも協議して、後利用に最大限の努力を傾注し、知恵を絞っていただきたいと考えますが、見解をお伺いします。 そうした中、4月から発達障害などの不安を抱えた人を支援する長野翔和学園が就労支援事業を小田切地区において開始しました。このワークセンター長野翔和は、小田切青少年錬成センターを拠点に5名の利用者があり、ファームチームを構成して、小田切地区の地域おこし協力隊員が取り組んでいる北欧原産のハーブであるエルダーフラワーやエルダーベリーの栽培を行い6次産業化を目指しています。 小田切地区住民自治協議会とも協力して、富士の塔の登山道の整備を行うなど、地域との交流も図っています。障害のある人への理解は、小田切に生まれ育った人の優しさと共に、27年間にわたって地域と共に歩んできた小田切園を慈しんできた無形の大きな財産であると確信します。ワークセンター長野翔和は、長野翔和学園の大学部卒業生を初めとする就労移行支援事業所として、今後加工施設や利用者の居住施設も必要となると考えます。 そこで、小田切園の後利用として、長野翔和学園の活動の場として活用したらと考えますが、御見解をお尋ねします。 ○副議長(野本靖) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 旧小田切園は、知的障害者入所授産施設でしたが、県の土砂災害特別警戒区域に指定されたことから、障害者制度の改革に伴う新体系への施設に移行することができず、平成24年に閉鎖となったものです。 この旧小田切園の土地、建物の用途につきましては、長野未利用地等有効活用検討委員会では保留物件のままとなっておりましたが、平成29年3月市議会でもお答えいたしましたように、として後利用が困難であることから、今後は検討の対象から外すこととしております。 ただ今、議員からお伺いいたしました小田切地区地域おこし協力隊や長野翔和学園の取組は、小田切地区の活性化が期待できるとともに、障害者の就労移行支援にもつながるものと考えます。学園の運営法人や住民自治協議会に強い意向があれば、それを尊重して建物の所有者である長野社会事業協会を初め、関係団体などと調整していくことになります。 ただし、建物の安全性についての対応、閉鎖後そのままとなっている電気、水道などの復旧等、施設整備面での課題が多く残されておりますので、慎重に対応していく必要があると考えております。 ○副議長(野本靖) 池田清議員 ◆32番(池田清議員) 様々な課題がありますけれども、前向きに取り組んでいただきたいと思います。 その他として、善光寺宿坊における外国人観光客の受入れについて伺います。 先月、親族の三回忌に当たり、高野山の宿坊、蓮華定院に宿泊し、奥の院に参拝してきました。2015年は空海が高野山に金剛峯寺を開いて1,200年の節目の年でした。また、昨年は大河ドラマ真田丸の放映もあり、真田家と縁の深い蓮華定院は大勢の善男善女でにぎわっていました。 取り分け、外国人観光客が多いことに驚きました。当日も60人を超える宿泊客の半数が外国人とのことでした。高野山宿坊協会によると、52ある宿坊に泊まった外国人は、2013年に約1万9,000人でしたが、2016年には約5万6,000人と、約3倍に増加しました。宿泊者の6割以上が外国人という宿坊もあるとのことでした。各部屋に置かれた英語の案内書は、宿坊のマナーや浴衣の着付け方、風呂の入り方、高野山の歴史などを細かく説明していました。 また、夕方のお勤めでは、数息観と呼ばれるめい想も体験できます。私も体験してきましたが、朝6時から約1時間のお勤めは宿坊に泊まった人しか体験できないので、大変すばらしい経験でありました。 こうした体験は、特に外国人には魅力があるようです。英語による法話も好評です。他の宿坊で実施されていますが、弘法大師がめい想を続けていると信じられている奥の院の御廟に向かうナイトツアーは、僧侶が英語で説明しながら外国人観光客を引率して、片道約2キロメートルの道を歩きます。多い日には数十人が参加し、大変好評です。 善光寺には大勧進、大本願合わせて40の宿坊があります。外国人宿泊者の現状と宿泊者を増やすための課題について、どのように認識されているのか伺います。 年間の観光客1,200万人を目指す本として、インバウンドの増加は重要課題と言えます。善光寺とも協力して早急に取り組むべき課題と考えますが、見解をお伺いいたします。 ○副議長(野本靖) 高橋商工観光部長     (商工観光部長 高橋 要 登壇) ◎商工観光部長(高橋要) 本市の外国人宿泊者数は、平成27年で5万9,000人を超え、5年間で約2倍に増加しております。 一方、善光寺宿坊における平成28年でございますが、宿泊者数は180名ほどにとどまっているといった状況でございます。 この要因は、4月に発表されたインターネット通販大手の旅行サイト調査で、評価の高い全国の宿坊ランキングの第1位に善光寺の宿坊が選ばれるなど、観光客の注目を集めている宿坊が存在する一方で、個人経営のため受入態勢が整っていない宿坊も多く、外国人旅行者の受入れに至っていないといった現状があるものというふうに考えております。 具体的には、プライベートが確保される客室の個室化を初め、WiFi環境の整備や外国人旅行者とのコミュニケーションがとれない等の課題があるものと認識しております。 宿坊は、日本の歴史に根差した独自文化であり、お朝事や、お数珠頂戴などの体験メニューとあいまって、外国人旅行者のニーズはますます高まるものと想定されます。 各宿坊には、それぞれの経営方針や事情があると思いますが、今年度開催を予定しておりますインバウンド受入れ研修会などの機会を通じて、WiFi整備に対する国の支援メニューを紹介するなど、環境整備に向けたお声掛けをしてまいりたいというふうに考えてございます。 また、の取組といたしましては、ながの観光コンベンションビューローが作成した4か国語に対応した、指さしコミュニケーションBookの活用を初め、外国語版パンフレットへの宿坊の紹介記事の掲載や海外エージェントへの紹介などによるPR活動を展開するとともに、長野ガイド協会では、東京オリンピック・パラリンピック、そして次回の善光寺御開帳に向けて外国語対応のボランティアガイド育成のためのプロジェクトを立ち上げる予定でございます。 議員御指摘のとおり、インバウンド対応が重要課題でございます。宿坊ならではの魅力を発信し、本市に多くの外国人観光客を迎えられるよう取り組んでまいります。 ○副議長(野本靖) 池田清議員 ◆32番(池田清議員) 180人とは、2桁、3桁違うんではないか耳を疑いました。経営方針ということではなくて、私も一緒にお風呂にドイツ人と入りましたし、ふすま1枚隣は外国人ですけれども、その坊の経営方針ではなくて、前向きな取組についてよろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。 ○副議長(野本靖) 1番近藤満里議員     (1番 近藤満里議員 登壇) ◆1番(近藤満里議員) 1番、公明党長野議員団、近藤満里でございます。 初めに、子ども読書活動推進計画について伺います。 子供の読書活動の推進において、図書資料のデータベース化が進められ、蔵書の更なる活用が期待できます。市立図書館、学校図書館にある全ての蔵書がデータとして管理できるということは、長野全体を一つの図書館として捉えることができると思います。 学校図書館相互で必要な蔵書の活用もできる環境が整備されましたが、現在の活用状況と課題をお聞かせください。 さらに、市立図書館と学校図書館を結ぶことによって活用の幅も広がると考えますが、御所見をお聞かせください。     (1番 近藤満里議員 質問席へ移動) ○副議長(野本靖) 熊谷教育次長     (教育次長 熊谷久仁彦 登壇) ◎教育次長(熊谷久仁彦) 学校図書館相互での蔵書活用についてお答えいたします。 本市の学校図書館では、統一した蔵書管理システムを運用しているため、他校の蔵書を検索することができます。今年度から、この蔵書管理システムと市内の施設を巡回する連絡便を活用することで、学校間で貸出しができるようになり、他校の蔵書を利用することができることとなりました。このシステムを利用し、他校の本を借りた学校は、4月、5月実績では9校でありましたが、他校との間で本を貸し借りしたいと希望する声があることから、今後、利用が更に進んでいくものと思います。 一方、課題といたしましては、連絡便のため、一度に運ぶ冊数、また、大きさ等に制限があることが挙げられます。 次に、市立図書館と学校図書館を結ぶことによる活用の幅の広がりについて、お答えいたします。 現在、市立図書館と学校図書館の蔵書管理システムは別のものでありますが、学校からでもインターネットを通じて市立図書館の蔵書を検索できるようになっております。市立図書館の豊かな蔵書、取り分け充実している郷土資料を閲覧することは、しなのきプランの、地域を知り、地域に根差した学習の充実のためにも大変意義深いものと考えております。 今後は、市立図書館の蔵書の利用が進み、更に活用の幅が広がるよう市立図書館の蔵書検索方法や団体貸出しについて、広く学校に周知していきたいと思っております。 ○副議長(野本靖) 近藤満里議員 ◆1番(近藤満里議員) 一つの検索システムではなく、あえて分けている、その理由をもう少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(野本靖) 熊谷教育次長     (教育次長 熊谷久仁彦 登壇) ◎教育次長(熊谷久仁彦) ただ今、先ほど申し上げましたインターネットによって市立図書館をホームページから蔵書の検索があり、また、その予約、そして貸出し等の申込みができるようになっています。しかしながら、まだそこまで、一つのシステムとしての整備がこれからというところでございます。 ○副議長(野本靖) 近藤満里議員 ◆1番(近藤満里議員) 一つのシステムの整備はこれからということは、その予定があるということですか。 ○副議長(野本靖) 熊谷教育次長     (教育次長 熊谷久仁彦 登壇) ◎教育次長(熊谷久仁彦) ただ今、市立図書館の蔵書、学校からの予約、そして貸出し等のシステムはできるということになっておりますので、一つにすることの、もし簡便なる必要性とか、もし今、市立図書館のインターネットから借りる、そのシステムによって、いろいろな課題だとか、支障をこれからまた検証いたしまして、もし必要になれば、そのような方法について研究してまいりたいと思っております。 ○副議長(野本靖) 近藤満里議員 ◆1番(近藤満里議員) 第二次長野子ども読書活動推進計画の3つの基本的視点のうち、基本的視点2の重点事業に、市立図書館と学校図書館の連携、協力が挙げられています。昨年行われた中間点検の結果においても、この取組が十分でない状況が確認されています。平成30年度からの第三次子ども読書活動推進計画では、この点をどのように改善していくべきか御所見をお聞かせください。 ○副議長(野本靖) 松本教育次長     (教育次長 松本孝生 登壇) ◎教育次長(松本孝生) 第二次長野子ども読書活動推進計画では、子供の読書への意欲を向上させ、また、主体的に読書に親しむ習慣を身に付ける環境づくりを進めることを目指す中で、学校図書館との連携も重要と考え、基本的視点2における重点事項に定めたものでございます。 御指摘のとおり、取組が十分でなかったものとして、学校図書館に関する相談体制の整備が挙げられます。これは学校図書館からレファレンスサービス等の相談があった場合に、その都度、調べものの支援や児童図書の紹介、推薦、本の修理方法の紹介などの支援を行ってはおりましたが、体制として整備されていなかったことにより、未実施の評価となったものでございます。 そこで、今年度、市立図書館において、司書資格を持った職員や管理職職員を学校図書館からの相談を受ける窓口担当者として配置いたしました。現在、第三次計画を策定委員会において検討いただいているところでございますが、今後は学校司書と市立図書館職員の情報交換の機会を設けて、研修会の支援を行うなど、連携、協力に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(野本靖) 近藤満里議員 ◆1番(近藤満里議員) 今年度から学校図書館機能の一層の充実を図るために、学校司書を教育委員会の非常勤職員として任用、配置することになりました。勤務時間など検討課題はありますが、学校図書館の機能の充実を大いに期待するものです。 雇用形態の変化によって、他の小学校との研修も一層の充実が図られます。長野全体の視点に立った研修体制が可能になったことも大きな前進です。読書、学習、情報センターとしての役割を果たしていくために様々な取組が考えられますが、現状維持だけでなく新たな活動にも安心して取り組んでいくためには、多様な活動をサポートする体制の整備も今後は必要と考えます。 先日視察した市川では、教育委員会の中に学校図書館支援センターを設置し、学校図書館への様々な支援を通して学校図書館機能の充実、強化を図っていました。教育委員会にサポート人員を配置し、学校図書館への情報・資料の提供、各種研修会の企画立案や実施など、今後は体制の充実も必要と考えます。 先ほど、窓口担当者の配置というのもございましたけれども、御所見を改めてお聞かせください。 ○副議長(野本靖) 熊谷教育次長     (教育次長 熊谷久仁彦 登壇) ◎教育次長(熊谷久仁彦) 本年度から学校司書が教育委員会の任用となったことによりまして、新たに地域ごとに学校を7ブロックの支会に分け、その支会ごとに学校司書が集まり、話し合う場を設けました。この場を通して学校司書の意見を集約したり、教育委員会と意見交換をしたりすることで、課題解決に向けての話合いができるようになりました。その中で、学校司書同士が日常業務で困っていることなどを相互にサポートしているとの声も寄せられており、横のつながりが築かれ、サポートし合う機運が高まってきております。 また、教育センターの学校図書館に関する講座には、職員となった学校司書が勤務時間の中で参加できるようになり、今年度は2回の講座を受けられるようになりました。 学校司書をサポートする体制といたしましては、本年度から、先ほどありましたように、市立図書館に担当窓口を設けまして、学校司書の質問等に対応する仕組みづくりを行っているところであります。今後も引き続き、それぞれの支援をつなげながら学校図書館をサポートしてまいりたいと思っています。 なお、学校図書館の機能をより効果的に発揮するためには、学校に本来配置されております司書教諭を中心として、学校内で学校司書と連携、協力する体制づくりが必要となってきます。そのためにも司書教諭の専任化による定数配置を、今後も県を通じて国に対して求め続けてまいりたいと思っております。 ○副議長(野本靖) 近藤満里議員 ◆1番(近藤満里議員) 過日、厚生労働省医薬・生活衛生局長の講義を伺いました。そのテーマの一つに、2025年に向けた保健医療政策の中に、薬から食の支援への転換が挙げられていました。中央社会医療保険協議会のデータによると、75歳以上の場合、5種類以上の薬が投薬されている人は全体の7割程度ということが示されています。多剤投与と言われていますが、先頃御逝去された日野原重明氏も高齢者にたくさんの薬は必要かと題して、薬の相互作用で食欲不振や震えなどの症状が起こる場合があること、こうした薬の問題は多職種が集まって解決することが必要だ、と指摘されています。 東近江では、複数の医療機関を受診して多種類の薬剤を処方されている患者に対し、全ての服薬情報を一覧で通知する取組をしています。処方薬の種類や服用履歴などは、薬局や病院で配布されるお薬手帳で管理できますが、複数の病院を受診している場合、病院ごとに別々の手帳が作成されると一元管理できず、同じ成分のお薬が重複したり、有害な組合せの薬が処方されたりする問題があります。 東近江では、送付された一覧表を基に、かかりつけ医や薬剤師と相談して処方薬を見直すことを促しています。 このように、診療データは様々な活用ができると思いますが、頻回受診など長野においては診療データをどのような形で活用しているのか、効果が似ている薬を複数の医療機関で処方されている重複投与などの対応はいかがか、その現状をお聞かせください。 ○副議長(野本靖) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 初めに、診療データの活用につきましては、平成26年4月に国の指針の改正がありまして、保険者は診療データを活用して医療費分析を行い、健康課題を明確にして、より効果的な保健事業を実施することが示されました。これを受けまして、本市では医療費適正化対策として、高額新薬の費用の推移の他、高額医療費の分析やジェネリックに置き換えた場合の医療費効果額の算定を行っており、また、受診者の健康保持のための保健事業として、糖尿病重症化予防プログラムの対象者の抽出や特定健診後の未治療者対策等に活用しております。 頻回受診の対応につきましては、平成28年度は対象者31名に対し、保健師が電話及び訪問により身体状況や医療機関の利用状況を聞き取り、保健指導を行いました。 その結果、保健指導実施前後の診療データの比較ができた17名のうち、12名の受診日数が半減し、レセプト点数が改善しております。 次に、重複投薬者に対しての取組につきましては、本市では具体的な取組は進んでおりませんが、投薬情報の一元化を図るためには、お薬手帳の効果的な活用が重要であると考えられます。 今後、先進事例を参考にしながら、一元化に向けて医師会や薬剤師会などの関係機関とも相談をしてまいりたいと考えております。 また、受診者に対しましては、お薬手帳の利用が更に進むよう、広報ながのやホームページなどにより、PRを行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(野本靖) 近藤満里議員 ◆1番(近藤満里議員) お薬手帳を上手に使うなど、一元化への取組を是非よろしくお願いいたします。 重要なことは健康寿命延伸のために何が必要かを考えていくことです。加齢と共に、食欲の不振、食生活の自立困難などによって食生活機能の低下が始まります。そして、この低下が日常生活活動や認知機能低下につながっていきます。実際、介護度が重くなるほど低栄養になることが指摘されています。薬だけに頼らず健康を維持するためには、食を改めて考えていくことが今後の取組として重要であると考えます。 そのためには、栄養士さんの力も必要になってくるわけですが、長野における栄養指導の現状と課題をお聞かせください。 ○副議長(野本靖) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 保健所健康課では、乳幼児健診や離乳食講習会などでの栄養指導や市民全般対象の健康・食生活相談を実施しております。ここ数年は生活習慣病の発症・重症化予防を目指し、特定健診の血液検査結果に基づく栄養相談に重点的に取り組んでおります。 課題としては、若い頃からの食生活の改善が必要なことです。食事は個別性が高く、一人一人に合った量が異なるため、個々への効果的なアプローチ方法を検討しております。 高齢者の栄養に関しては、食事で筋肉の源となるタンパク質をとることと、様々な食品をバランス良くとることが重要と捉えております。このため介護保険課では、一般介護予防事業として、管理栄養士等による介護予防あれこれ講座、訪問相談、フレイル予防のための栄養歯科相談会を実施し、高齢者に必要な食事についてアドバイスしております。 また、地域包括支援センターが開催する地域ケア会議にも参加し、多職種による意見交換の場でも専門職の立場から高齢者への支援方法の助言を行っております。課題としては、訪問相談及び相談会の実績がまだ少ないことが挙げられ、今後、周知方法や実施方法について工夫してまいりたいと考えております。 健康寿命の延伸において、栄養士が担う責務はとても重要で期待も大きいことから、市民一人一人の状況に応じた栄養相談を引き続き実施してまいります。 ○副議長(野本靖) 近藤満里議員 ◆1番(近藤満里議員) 三重県津では、各地区に巡回栄養相談窓口を設置、そこに来られない方には自宅を訪問するなど、栄養士によるきめ細かい栄養パトロールを実施しています。で行う栄養について出前講座を年間360回ほど、そうした中でも気になる方を抽出され、個別の支援につなげています。このモデル事業は、今年度までで、費用対効果が確認できるまでには一定の年数が必要と思われます。 しかし、栄養パトロールを地域包括ケアシステムの入り口のアウトリーチとして活用することは有効であると感じます。予防の視点から、バランスの良い食事や水分摂取、適度な運動をすることによって、健康寿命延伸につなげていけると思います。 来春、開学予定の長野県立大学の健康発達学部には食健康学科があります。長野で学んだ学生さんが、長野で健康寿命延伸のために活躍いただけるのではないかと思います。栄養指導や啓発ができる体制を更に充実させ、栄養を健康であるためのコミュニケーションツールとして、より積極的に活用していくことが有効と考えますが、御所見をお聞かせください。 ○副議長(野本靖) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 食生活は、人々が健康で幸福な生活を送るために欠かすことのできない営みであり、健康寿命の更なる延伸のために栄養指導の役割は重要と認識しております。 三重県津の取組と同様に、本市においても、地域や職場等で出前講座を実施しており、平成28年度は63回、延べ1,399人に健康的な食習慣の実践について普及啓発を行いました。 また、保健センター等での健康食生活相談や栄養相談により健診後の結果の見方や食生活等の改善について個別相談をしております。 さらに、このような相談の場に参加できないサポートが必要な対象者には、直接自宅等を訪問し、栄養指導を実施しております。 この活動に加え、本市では糖尿病予備群の割合が全国より高いことから、管理栄養士、保健師による、なっぴい訪問保健指導を平成27年度から開始しております。これは国保特定健診の結果、糖尿病の指標の一つであるヘモグロビンA1Cの値が6.5パーセント以上の未治療者やハイリスク者を対象に、栄養指導や保健指導をするもので、平成28年度は取組を強化し、糖尿病の重症化のおそれのある999名に対し訪問指導をいたしました。訪問により、数値の改善が見られた方もいましたが、保健指導の効果はすぐに現れないことから、今後もこの取組を継続してまいります。 現在、長野保健所では、県内外の大学の栄養士学科から研修生を受け入れており、栄養指導を担う人材育成に寄与しております。 さらに、来春、開学予定の長野県立大学、食健康学科からも既に研修の依頼を受けており、同大学で学んだ食を通じた健康のプロフェッショナルが、本市において将来活躍いただくことを大いに期待しております。 健康長寿社会の実現に向け、引き続き、市民一人一人が健康的な生活習慣の実践に取り組めるよう、今後も食を通じた健康づくりを推進してまいります。 ○副議長(野本靖) 近藤満里議員 ◆1番(近藤満里議員) 訪問相談体制の充実、これが図れるように体制の整備を要望したいと思います。 次に、長野放課後子ども総合プランについて伺います。 有料化に向けてモデル地区での遊ぶ機会の確保など、今月から早速お取組をいただいています。1回目の城東小学校では4名の児童が参加しました。学校の規模や環境などによって状況は大きく違いますが、子供たちにとって、より良い状況となり得るのか、注意深く今しばらく見守っていきたいと思います。 さて、6月市議会でも申し上げましたが、小学校に上がったとたんに直面する、いわゆる小1の壁を取り除くためには、有料化と共に、来入児と全児童を対象に、児童センターの開館時間に対しての正確なニーズ調査は是非実施していただきたいと思います。御所見をお聞かせください。 ○副議長(野本靖) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇) ◎こども未来部長(上杉和也) 長野放課後子ども総合プランでは、放課後等に児童の健全な育成を図るとともに、仕事と子育ての両立を支援するため、平成24年度から登校日の午後6時以降や夏休みなど休業日の通常開館時間の前後に最大1時間の範囲で延長開館をしているところでございます。小学校区ごとに設置されました運営委員会において、プランを利用する保護者の御要望や日頃の利用状況を踏まえて延長時間の方針を立てておりますが、今年度は、登校日の夕方の場合では、7施設で1時間の延長、78施設で30分の延長をしています。本年1月、長野社会福祉審議会から頂いた放課後子ども総合プランの利用者負担の答申において、ガイドラインの作成を附帯意見として頂いたことから、現在、この策定の中でも延長利用について検討しているところでございます。 また、開館時間に関する保護者のニーズを把握するため、プランの利用者に対して延長開館時間に関するアンケートを実施することも検討を予定しておりまして、延長時間については運営委員会において、このアンケート結果に基づいて方針を立てていただきたいとも考えております。 御提案の来入児を含めた全児童の保護者を対象とする開館時間に関してのニーズ調査につきましては、来入児のいる全保育園、幼稚園、認定子ども園、また、全小学校で行うには対象児童が約2万人おります。このため、調査方法や時期、集計業務など課題が多くありますことから、今後、研究をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(野本靖) 近藤満里議員 ◆1番(近藤満里議員) 今後研究とございましたけれども、少なくとも来入児は入学説明会、これ複数行われますので、ここを利用すれば確認、かなりの部分できるのではないかなと思います。来入児と、少なくとも低学年、小学校1、2年生は正確なニーズ調査をお願いしたいと思います。 では、要望をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 以上で終わります。 ○副議長(野本靖) 8番つげ圭二議員     (8番 つげ圭二議員 登壇) ◆8番(つげ圭二議員) 8番、新友会、つげ圭二です。 通告に従い、質問いたします。 本年、長野が3本の柱として掲げる大きなテーマは、暮らし続けられる環境づくり、交流人口増加に向けたにぎわいあるまちづくり、定住人口の増加に向けた活力あるまちづくりです。 今日は、その大きなテーマに沿って質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 最初は、暮らし続けられる環境づくりについてです。 まず、生活者自身が少子高齢化に向かっています。取り巻く環境そのものも、また自然環境、社会環境両面で変化しています。 8月11日、鬼無里、戸隠地区を襲った豪雨は、道路、河川、農地などに大きな被害をもたらしました。集中的で局所的な豪雨発生は自然環境の大きな変化です。9月市議会では、その復旧事業に一般会計予算の補正が議案提出されております。また、長野農業委員会からは、農家負担撤廃を願う要望も出されました。 大小を問わず自然災害に被災する度に体力を消耗し、徐々に農業をやめて、この集落を離れていった現実があるのではと、災害の爪跡に感想を持ちました。いま一度、中山間地を守る、暮らし続けられる環境をつくる上で優先するものは何でしょうか。その施策、取組をお聞かせください。 続いて、長野空家等対策計画について伺います。 野村総合研究所は、2033年には全国の総住宅数に対する空き家率は30パーセント以上、3軒に1軒が空き家になると試算します。長野の空き家率は中山間地で特に高く、今後更に人口減少が進んで、世帯数が減少に転じると、更なる加速が予測されます。その空家等対策計画に移住・定住の促進、また、まちづくり活動の活性化と、どちらかといえば、附帯的要素が含まれておりますが、様々な環境変化を考慮すると、もっと直接的な解体処理、処分に重きを置いたスピード重視の計画が必要と考えますが、いかがでしょうか。 3番目の質問です。 公務員定年延長の検討に入るとの報道がありました。雇用延長の形がまだまだ未定ですが、雇用の保障とともに、キャリアを重ねたベテラン職員、高齢の職員の経験と能力をいかに活用するか、これから大きな課題になってきます。 例えば、長野の32の住民自治協議会の事務局長級職員として任用、出向してはと考えます。長年行政で培われた経験が地域の現場で生かされ、一方、住民自治協議会の現場のあちこちで叫ばれる人材不足の解消が進むと、一挙両得ではないでしょうか。これは私が有効と考える一例にすぎませんけれども、暮らし続けられる環境づくりは、共通して以前とは異なる今の状態、これからの姿を認識した上で、今までの仕組みや考え方にとらわれない大胆さ、新しい切り口が何より重要のように考えます。お考えをお聞かせください。 以上、3点、部局を横断する大きなテーマです。加藤市長の答弁をお願いします。     (8番 つげ圭二議員 質問席へ移動) ○副議長(野本靖) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 中山間地域の環境づくりについてお答えいたします。 本市の中山間地域の特徴といたしまして、地形的に、その大半を森林などに囲まれた傾斜地にあり、そのため山間部の谷合いに集落や不整形の耕作地が点在する上、生活に欠かせない道路も急しゅんな地形を縫うように通るなど、日常生活を送る上で平たん部と比べ不利な条件下にあります。加えて、地質的にぜい弱なところが多く、土砂災害が発生しやすい地域でもあります。 このような状況下において、急速な過疎化と少子高齢化が進む中山間地域の振興を図るため、本市では平成29年度から平成33年度までの5年間を計画期間とした第二次長野やまざと振興計画を策定いたしました。策定に当たりましては、計画の実効性を高めるため、中山間地域住民からの生の声をお聴きする事前アンケートを行い、施策に反映させたところであります。 本計画では、住民が日々安心して生活を送れるよう、暮らし続けられる生活環境の維持を重点施策の一つに置き、道路を初め生活基盤の整備・維持、地域公共交通の維持・確保、通院を含めた必要な医療サービスを受けられる体制の整備を図る保健・医療・福祉の確保と充実、子供を産み育てやすい地域を目指す子育て・教育環境の整備と支援、防災・減災対策の推進を具体的な施策として掲げております。 優先すべき施策は地域により異なりますので、今後とも引き続き各支所を中心に、住民自治協議会などとも協議を行い、適切で具体的な事業実施により、中山間地域での暮らしを支援してまいりたいと考えております。 次に、長野空家等対策計画の作成に当たり実施いたしました空き家の実態調査では、現状のまま、又は小規模な修繕により利用可能な空き家が全体の約9割となっております。また、10年以上使用されていないものは約4割で、空き家の長期化が進んでいる状況でもあります。 さらに、今後の活用に関する調査では、自分や家族などでこのまま使用していきたい方が約40パーセント、売買や賃貸など利活用したい方が約30パーセントの他、解体したい方は約16パーセントでございました。 議員御提案の解体処理、処分に重きを置いたスピード重視の計画につきましては、空き家対策を推進する上での原動力として必要であると考えており、特に、保安面や環境面において、周辺住民への影響が大きい危険空き家への対策を優先かつ迅速に取り組むべきとして、法に基づく行政指導等の強化はもとより、除却ヘの支援策を計画に盛り込んでまいります。 また、本計画作成に当たり、空家等対策計画作成協議会からは、利活用の促進策や適正管理への取組の他、空き家にしないための抑制策も必要という御意見を頂いております。 といたしましては、これら御意見や実態調査の結果を踏まえ、本計画の骨子として、空き家になる前から除却し、更地にするまでのあらゆる状態に応じた方針を盛り込むことで、より実効性のある計画の作成を目指してまいります。 では、今後、本日頂いた貴重な御意見も踏まえ、空き家対策を総合的かつ計画的に推進することで、安全で、安心して暮らせる生活環境の保全を図ってまいります。 次に、地域での職員の経験、能力の活用についてお答えいたします。 国では、少子高齢化により生産年齢人口の減少が見込まれる中、労働人口の確保や民間企業の雇用への波及効果を目的といたしまして、公務員の定年年齢を60歳から段階的に65歳に引き上げる検討に入り、早ければ来年秋の臨時国会に関連法案を提出する方針との新聞報道があったところであります。 私としましても、定年退職者やベテラン職員が培った経験や能力を市政や地域に生かしていくことが重要であると考えております。 また、それぞれの地域では、役員や住民自治協議会の事務局を担う人材が不足している、又は人材の確保が難しいといった声を地域の方々から市民会議などで直接お聴きしております。 職員も地域に住む一住民として、日頃から地域活動において積極的に活躍してもらうことは私の望みでもあり、これまでも様々な機会を捉え、職員の意識改革を図ってきたところであります。 このような中、現在5地区の住民自治協議会では、職員の退職者が、その経験や知識などを踏まえていただき、地域の皆様の判断で事務局長に選ばれているところであります。住民自治協議会の事務局長級職員への正規職員の任用、出向との御提案につきましては、確かに職員の経験を地域に生かす一つの方法でもあります。 しかしながら、これまで地域の自主的な取組として進めてきた都市内分権の趣旨、地域の実情に合わせた地域住民による主体的な課題解決といった観点や、地域との協働の一層の推進を図るため、支所長に優秀な人材を配置するなどの取組を進めてきたこともあります。住民自治協議会の事務局長に職員を出向させる場合、住民自治協議会と支所の双方に職員を配置することになり、対等の立場での協働という趣旨からすれば、慎重に検討する必要があります。 また、地域課題の解決、又は職員の定年延長への対応には前例にとらわれない発想が必要であるとの点は私も同感でありますので、御提案いただいた例も参考にさせていただきながら、引き続き様々な角度から検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(野本靖) つげ圭二議員 ◆8番(つげ圭二議員) 環境が大きく変化している中、前例踏襲ではない新しい市政運営の在り方をまた探っていただきますようよろしくお願いいたします。 次に、交流人口の増大について伺います。 海外からの旅行客数は依然好調です。ただ、その宿泊先は東京、大阪の都市部と北海道、京都で55パーセント以上が現実です。愛知県は中部国際空港に統合型リゾートも視野に入れた中部最大の国際展示場を整備し、大阪府では関西国際空港と伊丹空港を結ぶ新しい路線の検討が進められています。都市部が進める施策と地方都市のそれでは随分とスケールの違いを感じるものです。 特に、長野には空港もなく港もありません。遠方からの旅行者には結構遠くて不便なところ、その認識に立って、長野独自の戦略展開について質問いたします。 長野と同じように、空港も港もない岐阜県は、隣接する県やとの連携によって、能登半島を龍の頭に見立てて昇龍道と名付けて、愛知、石川両県から入ってくる観光客に高山や白川郷を巡行させるルートを確立しています。他県の強みを活用して、長野に二次的、三次的に立ち寄ってもらう柔軟性、極端な言い方をすれば、他力本願的な集客ルートの開発と、その発想が必要で、長野にやや不足しているところと考えますが、いかがでしょうか。 次に、長野の市有施設に目を向けます。平成28年度の来客数、年間20万人の茶臼山動物園は、ドリーム40と称して、オランウータンを初め、展示の魅力向上によって来客数40万人と倍増を目標に掲げます。 私は、長野の観光の目玉として、重点投資しても良いと考えます。別段かわいい動物たちに心情的に申すのではなく、隣接する新潟県、富山県に茶臼山動物園以上の動物園の存在がなく、断然優位と考えるからです。先ほどの二次的に立ち寄るところとしても最適です。 私たちは、上越の海は長野の海として海水浴へ出向きました。ならば、新潟、富山の動物園は茶臼山と言われることを当面の目的として、いかに動物園力を高めるか、いかに県外の幼稚園、小・中学校や団体に告知、宣伝するか、楽しい企画、演出を進めるか、オール長野で進めてはと考えますが、いかがでしょうか。 3つ目です。 長野のグルメ開発についての質問です。 旅行雑誌るるぶの由来は、見る、食べる、遊ぶです。食べることは観光の大きな要素です。先ほど来の話、グルメこそがちょっと立ち寄るところとして長野を選択してもらうに最も効果のある分野の一つです。何々を食べに長野に出掛ける、長野名物といえば何々だと、このように全国に周知される長野グルメの開発が必要です。 実際、今までの長野は、その開発に挑戦してきました。ただ、結果にはつながっていない、とても難しい課題です。とはいえ、これからも開発を継続していかねばと考えます。外国人観光客の増大、ジビエの活用、必要性は共通の認識ですが、具体策は見えてきません。まずは検討チームづくりからだと考えますけれども、御所見をお聞かせください。 最後は、ハード面のお話、インバウンド対策として進める長野駅周辺の公衆無線LANの整備について伺います。 その背景には、総務省と観光庁の観光立国日本に向けた整備促進があるのだと思います。しかし、LTE回線が整っている日本で、外国人旅行者にしてみれば、無線LANはあれば便利、無くても困らないのではないでしょうか。無線LANの整備が外国人旅行客誘致の必要十分条件になっているかが論点と存じます。 以上、4点、関連部局からの御所見をお願いいたします。 ○副議長(野本靖) 高橋商工観光部長     (商工観光部長 高橋 要 登壇) ◎商工観光部長(高橋要) 私から3点についてお答えいたします。 まず、1点目の観光施策の連携の在り方についてでございます。 議員御指摘のとおり、外国人観光客の誘客のためには、広域的かつ魅力的な観光ルートの開発が大変重要であると認識しております。 そこで、では金沢との連携による海外旅行エージェントの招へい事業を実施しているところであります。今年度はフランスのエージェントを招へいし、関西空港から金沢へ入り、その後、北陸新幹線で本を訪れ、羽田空港から帰国するといった周遊ルートを提案しております。善光寺、戸隠、松代に対するエージェントからの評価も高く、本市の認知度向上と魅力の発信につながったものと考えております。 また、北陸新幹線停車駅11都市の連携事業といたしまして、JRが訪日外国人観光客向けに販売しております、これも関西空港、成田空港、羽田空港から北信エリアまで自由に利用できるフリーパス--北陸アーチパスを活用した沿線各都市への誘客事業にも取り組んでいるところでございまして、今後、海外旅行展でのPRなど誘客活動を展開してまいります。 主な取組を申し上げましたが、今後とも2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据え、広域連携による魅力的な周遊ルートの構築、スケールメリットを生かした効果的なプロモーションを展開し、インバウンドの推進に努めてまいります。 次に、2点目の長野のグルメ開発についてお答えいたします。 御指摘のとおり、長野の食に関しては、誘客につながる魅力的な食が少ないと言われております。これまでも食品加工の分野においては、信州大学と連携し、ながのブランド郷土食運営協議会などを組織し、人材の育成や新たな食品の開発に取り組んでまいりました。 さらに、平成25年に発足した信州大学と長野を初めとした自治体や生産者、食品メーカー、農業団体等で構成する食・農産業の先端学際研究会、いわゆるフェイドでは、食品加工技術の多面的な研究開発を進めており、新機能商品の開発を目指しているところでございます。 また、現在、試験栽培を行っておりますソルガムは、ポリフェノールなどが豊富であり、新たな食材として可能性を秘めているものと考えております。 近年、消費者の食に対するニーズも多様化し、食のトレンド予測もなかなか難しい時代とはなっておりますが、新たな食の誕生を期待しながら、今後も信州大学との取組を継続してまいりたいと考えてございます。 一方、ジビエに関しましては、現在、整備を進めております長野ジビエ肉処理加工施設は平成30年度に建設、平成31年度の稼働を目指しております。新たな施設では、良質なジビエ肉の供給を目指す一方、市内レストランや観光宿泊施設にアンケートを実施し、取引につなげるとともに、ジビエを扱う店舗を拡大して、それぞれが個性あるジビエ料理を提供できるよう努めてまいります。 また、施設を受け入れていただきます中条地区とも連携し、道の駅中条などで中山間地域の特産品とジビエを組み合わせた新たなメニューが提供できるよう支援してまいります。 次に、3点目の公衆無線LANの整備についてお答えいたします。 平成28年度に観光庁が実施いたしました訪日外国人旅行者へのアンケートによりますと、旅行中に困ったことの設問に対しまして、施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれないが32.9パーセントで第1位、無料公衆無線LAN環境への不満が28.7パーセントで第2位、観光案内表示等の多言語表示の少なさへの不満が23.6パーセントで第3位という結果でありました。また、通信手段の利用実態調査では、無料公衆無線LANの利用が53.8パーセントで、最も高い割合となってございます。 こうした状況等を踏まえまして、本市では無料公衆無線LANと多言語対応の案内看板の整備を中心に、外国人観光客の受入環境の整備を進めているところでございます。今年度は松代旧駅舎付近と戸隠奥社入り口への無料WiFi施設を設置するとともに、松代町内、戸隠古道への多言語案内看板の整備、充実に取り組んでおります。 今後も優先度を見極めながら、外国人観光客のニーズに沿った受入環境の整備を計画的に進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(野本靖) 上平都市整備部長     (都市整備部長 上平敏久 登壇) ◎都市整備部長(上平敏久) 私から動物園力をいかに高めるかについてお答えいたします。 まず、茶臼山動物園は、飼養動物数82種、764点を有する県下有数の動物園であるとともに、本市の重要な観光資源の一つであります。開園から34年余りが経過した施設は老朽化し、動物の展示方法も旧来方式が大部分であり、順次施設を更新する必要がある状況です。 平成21年にレッサーパンダの獣舎を森の中で生活する動物本来の生態を再現する新しい展示方法で再整備したところ、開園当初15万人の来園者数が23万人に増加しました。この成功例を参考に、引き続き獣舎の再整備を段階的に進め、ドリーム40の目標の達成を目指し、動物園力を高めていきたいと考えております。 次に、県外の幼稚園、小・中学校や団体への告知宣伝についてですが、現在、上越では長野市民に親しみ深い上越市立水族博物館のリニューアル工事を行っており、来年の春にオープンをする予定であります。この機会を告知宣伝の良いチャンスと捉え、上越とタイアップし、上越市内の幼稚園、小・中学校、水族博物館などで茶臼山動物園のPRを、また、長野市内でも同様に水族博物館のPRを相互でし合うことで、来園者の増加を図ってまいりたいと考えております。 次に、楽しい企画、演出ですが、現在行っているサマーナイト・ズーや春、秋の動物園まつりなどの他、子供たちが動物と触れ合うなど茶臼山動物園ならではの新しい催物を指定管理者とともに企画し、誘客に努めてまいります。 いずれにしましても、観光、教育、交通など、関係部局や関係団体と連携し、北陸方面を含め、多くの観光客に来ていただけるよう上越市立水族博物館がオープンする来春を一つの目標に定め、オール長野で取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(野本靖) つげ圭二議員 ◆8番(つげ圭二議員) 長野の観光力というものについて、取組を変えるもの、潜在力を持つものの力を付けていくもの、ベースから構築すべきもの、その3つについて今日は質問させていただきました。 3つ目のテーマ、定住人口の増加について幾つか質問します。 地方出身者が出身市町村を離れる最大のきっかけは大学進学のとき、出身地に戻る多くは、就職先の選定から卒業時です。いかに地元からの流出を抑え、一時的に地元を離れても、卒業時に戻ってくる施策が重要であることが分かります。 加えて、長野では他県、他から集まっている多くの学生たちに、長野にそのままとどまってもらうアプローチもとても重要です。長野の魅力を伝えることで地元に愛着を持ってもらうこと、また、豊富な情報を発信することで出身地の知識を高めてもらうこと、そのことが進路を決定するとき、地元定着やUターンに効果があることはデータとしても明らかです。 最初に、就職を目前に控えた大学生のみならず、中学生、高校生に向けて、どのような取組をされているかお聞かせください。 併せて、自立した18歳の育成を目指す長野ですが、長野市立長野高等学校の教育現場では、何を伝えることに力点を置かれているのかも教えてください。 2番目の質問です。 視察で訪れた岡山は、まちの活性化と学生の地元定着を目標に、大学生が地域や企業と協働して取り組む活動を支援しています。地元大学に集う学生をそのまま地元にとどめる施策の一例ですが、企業単独のインターンシップよりも地域の幅広い人々や企業以外の団体と触れ合うことができるのが特徴です。長野ではどのような取組がありますか、お聞かせください。 最後の質問です。 都市部の大学に進学した若者を就職の際に呼び戻すUターンの促進に最も効果が期待できるのは、やはりその対象者に向けた直接的な支援だと考えます。転居費用などの支援はUターンの直接的なきっかけになると思います。メーンは大学卒業時に就職などで長野に戻る方が対象ですが、早期離職率が高止まりしている中では、再チャレンジする人に向けた支援の在り方の検討も必要かと存じます。 また、長野は県内一番の都市です。地元に戻ることが長野に移り住むことを意味するJターン希望者が近隣市町村だけでなく、全県に多く存在することも忘れてはなりません。その受皿としての役割も大変重要ではないでしょうか。財政面を初め、対象者の範囲、条件設定など課題はたくさんあります。ただ、人口減少対策の地域間競争が激しさを増している中で、積極的なUJターン促進策の一つとして、今日は質問いたします。御所見をお聞かせください。 ○副議長(野本靖) 高橋商工観光部長     (商工観光部長 高橋 要 登壇) ◎商工観光部長(高橋要) 何点か御質問いただきましたので、順番にお答えいたします。 まず、学生たちへの長野の魅力発信に係るの取組についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、中学生や高校生など早い段階から地元企業と本市の魅力を伝えることは職業観を醸成し、将来自分に合った職業選択と地元就職につながるものと考えてございます。 このため、本市では本年度の新たな取組として、先月、市内に在学している中学生から大学生までを対象とした未来ワークinながのを開催いたしました。当日は46名の皆さんと保護者の方にも御参加いただきました。イベントは2部構成として、まずは職業興味テストにより、自分が興味のある職業領域を認識すること、次に、グループに分かれ、参加企業の方々と一緒に企業キャッチコピーを作り、発表するという課題に取り組みました。参加された生徒、学生さんからは、地元企業に対して興味を深めることができた、未来の自分の仕事について考える機会となったなどの感想をいただいており、地元企業を知り、地元への愛着を深めるために、大変有効なイベントであったと考えております。 今後も関係機関や市内企業と連携し、内容的にも工夫を加えながら、より効果的な事業となるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、学生の地元定着策に係るの取組についてお答えいたします。 本市では、昨年度より若者未来創造スペース事業を行っております。この事業は、民間事業者が行う若者のまちづくり活動、創業支援、移住・就業・定住につながる活動や活動拠点の整備を支援するもので、地方創生推進交付金を活用し補助金を交付してございます。この補助メニューを活用し、現在、市内2か所に活動拠点が整備されており、各施設では若者と企業や地域との交流を初め、地域の支援を考えるワークショップ、就職活動支援セミナーなどが開催されている他、高校生や大学生による地域課題の解決を目的としたサークル活動の運営なども行われております。 その他、平成27年度からは清泉女学院大学と連携し、社会人女性との座談会を開催しております。昨年度は社会人の女性5名を講師に招き、長野で働き、暮らすことの魅力をテーマに開催したところ、清泉女学院大学の他、信州大学及び長野県短期大学の女子学生を含めた30名の参加がございました。アンケートでは、また参加したい、とてもためになったという意見を頂くなど、満足度の高い座談会となったというふうに感じております。今後もこのような事業を積極的に支援し、若者が地元への愛着を高め、定着につながるよう取り組んでまいります。 次に、UJターン促進に係る直接的な支援についてお答えいたします。 現在、長野地域UJIターン就職促進事業の一つとして、長野地域の企業見学バスツアーを実施しておりますが、参加する学生の負担を軽減するため、東京からの旅費など直接的な支援を行っているところでございます。 また、8月からは、東京圏で建設業に従事する方が市内の建設事業所に就職した場合に、引っ越しの費用の一部を助成する制度を開始いたしました。この助成制度は、3年間という時限的なモデル事業でございますが、今後、制度の効果を検証する中で、他業種や再チャレンジする社会人のUターン就職などへの拡大も検討してまいりたいと考えております。 地方における若い人材の確保に向けた直接的な助成制度などは、自治体間競争の様相を呈してございますが、本市でも引き続き効果的な助成メニューを検討してまいりたいと考えてございます。 ○副議長(野本靖) 近藤教育長     (教育長 近藤 守 登壇) ◎教育長(近藤守) 私から、市立長野高校の取組についてお答えいたします。 本市ではグローバルな視野を持ちながら、ローカルにたくましく生きる力を身につけた自立した18歳を目指しており、市立長野高校でも、高い知性と豊かな心、健やかな身体をもち、国際的な視野に立って地域の発展に貢献する人材を育成する、を教育目標と定めております。 この目標の実現に向け、1年次は総合学科の特色である産業社会と人間の授業、2年次は課題探究プログラムの授業を行い、自己の生き方や将来に就きたい職業について深く考えさせるとともに、社会に貢献するために自分に何ができるかを考えるよう指導しております。 具体的には、1年次に長野市内の製造業やホテル、商店等でのインターンシップや長野ボランティアセンターで実施するサマーチャレンジ、県内の大学見学等への参加を通して、地域の企業や大学を知り、地域に貢献する意識を身に付けながら、将来の生き方や進路を考える機会としております。 また、2年次には権堂を活性化するにはどうしたらいいか、飯綱の自然環境の中で人間と動物が共存する方法、地域の病院における看護師の安定供給といった地域の課題を見出し、地域貢献に関するテーマを自ら設定して、探究学習に取り組む生徒の姿も見られました。 このように、市立長野高校では生徒一人一人が社会に目を向け、社会に対して自分が何ができるかを考えながら、主体的に行動できる力を育成する教育を実践しております。 将来、市立長野高校で学んだ生徒が地域社会の一員としての役割を果たすとともに、それぞれの個性、持ち味を最大限に発揮しながら、自立した18歳として社会に羽ばたくことを期待しております。 ○副議長(野本靖) つげ圭二議員 ◆8番(つげ圭二議員) 最後に、教育現場のお話をいただくことができました。多分に将来世代に対する先行投資の依頼を多く含むものと思います。 日本全体の人口が減少している中、交流人口、まして定住人口の拡大というのは、そもそもが挑戦課題です。大胆な挑戦を恐れずに、今まで以上に失敗を恐れずに試行錯誤を続ける。もっともっと活発な長野になりますことを期待いたしまして、私の質問を終わります。 ○副議長(野本靖) 午後3時25分まで休憩いたします。   午後3時07分 休憩   午後3時25分 再開 ○議長(小林義直) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 26番野々村博美議員     (26番 野々村博美議員 登壇) ◆26番(野々村博美議員) 26番、日本共産党長野会議員団、野々村博美でございます。 最初に、保育について伺います。 待機児童対策として国が強力に進めている企業主導型保育施設が、長野市内でも開所になりました。この保育施設の最大の特徴は、自治体の認可は必要なく、条件を満たせば申請が受理されることで、認可外保育所ですが、国から運営費、整備費の助成金が出ることです。保育士資格が半分で良いとされています。 過日、さいたまの認可保育園でプールの死亡事故が発生しましたが、平成28年の教育・保育施設内での事故報告集計によれば、全国で862件の事故があり、そのうち83パーセントが骨折、死亡事故は13件、うち7件がゼロ歳児ということです。特に認可外保育施設での死亡事故が多い状況となっています。 平成27年、長野は、幼児期の教育・保育の量の見込みを定め、量の確保を図る必要があることを子ども・子育て支援事業計画に定めました。その中で、待機児童はゼロが続いているものの、年度途中の入所が難しく、年度初めの入所のタイミングに合わせて育児休業から職場に復帰した人が3割以上いる状況をつかみ、年度途中でも円滑に利用できるよう、提供体制を確保していく必要があるとしました。 本来、教育・保育は人格形成の中で最も大切な時期を担う福祉制度で、公的な関与が強く求められます。認可の教育・保育施設を整備する必要があります。特に、最も切実な3号認定で不足が明らかになっていた地域でどのような対策が講じられたのか伺います。 今、必要なことは、公的保育の充実です。認可外を増やすような保育施策、子育て支援策をとることは避けるべきと考えます。見解を伺います。 また、企業主導型保育所の長野の動向と、認可外保育施設の現況を伺います。     (26番 野々村博美議員 質問席へ移動) ○議長(小林義直) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇) ◎こども未来部長(上杉和也) 初めに、長野子ども・子育て支援事業計画において、3号認定子供の保育事業に対し、利用定員が不足していた地域での確保方策についてお答えします。 本事業計画では、保育需要と利用定員の需給バランスを設定する単位として12の区域を定めており、12の提供区域のうち、古里、浅川、若槻及び長沼地区を1つのエリアとした提供区域では、平成28年4月1日現在では、満3歳未満で保育を必要とする3号認定子供の保育需要に対し、利用定員が52人不足をしておりました。 そこで、3歳未満児の保育の受皿として、既存の2つの認可保育所の利用定員を拡大するとともに、地域型保育事業を3件認可することで、計57人の利用定員を確保しております。 次に、認可外保育施設を増やすような施策は避けるべきとの御意見についてお答えします。 本市では、保育需要に対しましては、利用定員が不足した場合に、認可保育所等の利用定員の拡大や地域型保育事業を含む保育所の設置認可などにより対応することとしております。政策的に認可外保育施設を増やすことは考えておりません。 次に、企業主導型保育施設の本の動向及び認可外保育施設の現況についてお答えします。 企業主導型保育施設は、本年8月に保育事業者から認可外保育施設としての届出が1件あり、9月中にも1件届出をされる見込みとなっております。また、本年9月1日現在、認可外保育施設として本に届出のある施設は28施設あります。そのうち、事業所内の保育施設は13施設となっております。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 認可外保育施設を政策的に誘導するという考えはないということを答えていただきました。ほっとしているところです。 しかし、実際には企業主導型保育施設が相次いで進出をしてくるという、やはりその背景には需要があると見込まれているために進出してくるわけであって、しっかりと市民要求に沿って認可保育園の整備を求めたいと思います。 また、無認可の保育園、13施設あるということで、事業所内を含めて28施設。やはり、そこにはまだまだ不足している現状があるという背景があるためだということも考えられますので、是非十分に認可施設で対応していただくようにお願いをしたいと思います。 また、地域型保育事業で不足分を補っているということなんですが、小規模保育事業、多分A型を採用されているかと思うんですけれども、全員が保育士の資格を持つ者であり、長野としては、給食についてもケータリングは認めていないという方向だと思います。その辺も十分に自前の調理で、またしっかりとした保育の資格のある方を確保していただくように、改めてお願いをしておきたいと思います。 次に、保育士の処遇改善について伺います。 保育士の処遇改善については、再三にわたって求めてきました。本年度から、公立保育所の嘱託職員の賃金が6,000円アップ、17万1,000円となりました。また、本議会の補正予算では、国の改善策を受けて、私立を中心に処遇改善策が提示されました。これを見る限り、長野の公立保育所の処遇改善策は不十分と考えます。せめて民間並みの賃金アップを求めるものですが、いかがでしょうか。 また、県内他の自治体では、経験年数の加算、クラス担任の加算などを設けています。長野も一律ではなく、職員の皆さんの意欲を応援するためにも早急な改善を求めたいと思います。御見解と見通しを求めます。 また、全国的にも保育士不足は深刻で、今後無認可や企業主導型保育のように、無資格者が保育に当たる施設が増えてくることが懸念されます。また、非正規ではなく正規雇用を積極的に行うことが保育士の増員に確実につながり、子供たちの安全と保育の質の確保が保障されます。また、長野県立大学も開学いたしますが、保育士の養成のために積極的な学生支援を求めます。見解を伺います。 ○議長(小林義直) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇)
    ◎こども未来部長(上杉和也) 保育士の処遇改善策についてお答えします。 公立保育所の嘱託保育士の賃金につきましては、平成27年度に16万5,000円、平成29年度に17万1,000円に引き上げて処遇改善を図ってきているところでございます。国においては、平成25年度から順次民間保育士等の処遇改善を進めてきており、今年度からは月額給与のベースアップに加え、研修による技能の習得によりキャリアアップを図り、処遇改善できる仕組みを構築しているところでございます。公立保育所の嘱託保育士と民間の保育士の間では、雇用形態や給与体系が異なることから、一律に比較することはなかなかできませんが、保育士の確保のためには更なる処遇改善を図っていく必要があると考えております。今後、賃金のベースアップや職務内容、キャリア等を踏まえた嘱託保育士の処遇改善についても検討してまいります。 次に、保育士養成のための学生支援についてお答えします。 長野県内の保育士養成校へ入学する学生は、長野県社会福祉事業団が実施している保育士修学資金貸付事業を利用することができます。これは、無利子で月額5万円以内の学費相当額や、20万円以内の入学、就職準備金を貸し付けるもので、卒業後1年以内に長野県内の保育所等で5年間従事した場合に、貸付金が全額免除となります。この制度についても周知を図ってまいります。 また、本市の公立保育所では、毎年150人程度の保育実習生を受け入れており、保育現場での実習を通して乳幼児への理解を深め、教育・保育の技術を高めるとともに、保育士の仕事にやりがいや魅力を感じられるような取組を行っております。 今後、長野私立保育協会とも連携して、市内の保育所等で働きたいと感じてもらえるよう、公立・私立の中堅保育士が共に市内の保育士養成校に出向いて、講義やゼミを通して、近年の教育・保育を取り巻く実情や、保育士として働くことの喜びや心構えなどについても伝えていく取組も開始をしたいと考えております。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 是非、積極的に早急にお願いをしたいと思います。 次に、小・中学校、児童センターへのクーラー設置についてお伺いいたします。 今年7月の猛暑には、熱中症に対する警戒が至るところで呼び掛けられました。しかし、子供たちが日中の多くの時間を過ごす学校も、児童館、児童センターも、暑さ対策は保健室へのクーラー設置など、最低限となっています。特に夏休み中の児童館、子どもプラザはうだるような暑さの中で、子供たちも指導員も一日を過ごさなければなりません。全ての教室と、放課後子ども総合プランに対応する全ての施設にクーラーの設置が急務の課題と考えます。実施するための予算はどの程度になるかも含め、教育委員会及びこども未来部の見解を伺います。 ○議長(小林義直) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇) ◎こども未来部長(上杉和也) 放課後子ども総合プランの施設のクーラー設置についてお答えします。 放課後子ども総合プランは、暑さが厳しい夏休みにも開設し、長い時間を施設で過ごしていることから、エアコン設置の御要望を多く頂いております。このため、プラン施設には計画的にエアコンの設置を進めているところであり、まずは低学年の利用が多い児童館、児童センターについては平成24年度から平成27年度の4年間で計画的に設置を進めた結果、現在、各児童館、児童センターに最低でも1台のエアコンの設置が完了しております。 また、小学校内にある子どもプラザについては、教育委員会と連携して、校舎改修などの機会に子どもプラザとして使用する教室にエアコンの設置を進めており、49か所中、設置済みが14か所、本年度中に設置の予定が4か所となっております。今後、未設置の31か所についても、引き続き教育委員会と連携しながらエアコン設置を進めてまいります。 予算額でございますが、電源工事の有無など、また教室の広さなど幅がありますが、1か所当たりの工事費として、おおむね数百万円が必要になるという見込みでございます。 ○議長(小林義直) 松本教育次長     (教育次長 松本孝生 登壇) ◎教育次長(松本孝生) 小・中学校の全教室へエアコンを整備する場合の費用でございますが、現段階で、他の自治体導入例などから、本市においては少なくとも総額で40億円は超えるものと見込んでおります。御指摘のとおり、近年は猛暑日が続くことも多く、教室内の暑さ対策も検討すべき大きな課題であると認識しております。このことから、現在、教育委員会では、他の自治体の状況や機器製造メーカーへの聞き取りも含め、調査、研究を進めているところでございます。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 児童センターの指導員の方のお話をお聞きしました。ここは100人以上が登録していて、夏休みは五、六十人が利用していたということです。クーラー設置は畳の部屋に1か所、クーラーの直下のみ少し涼しい程度だと。遊戯室、図書室は扇風機、熱中症対策の温度計・湿度計のアラームが、この夏、二、三回鳴ったけれども、子供を避難させる場所がなかったと。畳の部屋は満杯状態、具合が悪い児童がいても寝かせておく場所がない。折り畳みのベッドはあるが、広げるスペースがない。親が迎えに来るまで事務室の床に寝かせるような状況であったと言っています。お母さんや指導員さんたちの間では、来年有料になったら改善してもらえるんでしょうねと、専らこの夏は話題になったとのことでした。せめてお金が掛かっても、早急にクーラーの設置を求めたいと思います。 学校施設については、他の自治体の状況を見てというお話でしたけれども、しかし、実際長野の市立長野中学校は全ての教室にクーラーが設置されています。これは、お母さんたち、親からすれば非常に不公平感があるわけです。私ども、今は市長選挙に向けてアンケートをとっております。何百通と返ってきていますが、その中にたくさん、市立長野中学校は全ての教室にクーラーが入っているということが書かれておりました。この不公平感は何としても無くしていただかなければいけないと思います。再度御答弁をお願いいたします。 ○議長(小林義直) 松本教育次長     (教育次長 松本孝生 登壇) ◎教育次長(松本孝生) 先ほど申し上げましたとおり、コストが掛かるということが、まず第一の状況でございます、イニシャルコストとかランニングコストも含めてですけれども。それから、今おっしゃいましたように、市立長野中学校は付いていると。 これから整備していくに当たって、公平性を保ちながら、市内小・中学校は79校ございます。この辺をどういうふうにやっていったら良いか。この辺を課題として捉えております。 それから、県内の状況、それから中核の状況を調べたところ、長野は決して遅れている状況ではなくて、大体似たような状況かなというふうには感じております。 ただ、こういう中ではございますけれども、課題としては認識をしておりますので、引き続き調査、検討は進めてまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) どんなにお金が掛かったとしても、これはやらざるを得ないと思います。今の地球温暖化の下では、子供たちに豊かな学力を保障する、また公平・公正な行政をやっていくためにも、是非子供たちの教育環境を良くしていくために、これは力を尽くしていただきたいと思います。 次に、子供たちへの支援対策の強化について伺います。 学習支援の充実について。厚生労働省は生活困窮者自立支援法の一環として取り組んでいる学習支援事業、その対象者に高校中退者、中卒の子供たちにも広げるとし、自治体への補助金を増額するための予算要求をしたと報道されました。長野の現況と、対象者の拡大に対する対応について伺います。 また、ひとり親家庭子ども生活・学習支援事業については、昨年度より拡大していただき、大変好評と伺っております。この事業についても対象を広げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。見解を伺います。 ○議長(小林義直) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 私から、生活保護世帯を含む生活困窮世帯を対象とした学習支援につきましてお答えいたします。 本市では、現在の対象者を小学生から高校生までの児童・生徒としておりまして、今年度は昨年度の24人を上回る28人が既に申込みをしております。このうち、高校生は昨年中学3年生であった3人が継続を希望していることから、支援を行っているところです。現在、高校生に当たる年齢で生活保護を受給している人は79人ですが、このうち、高校に在籍しているのは73人となっています。高校に在籍していない6人は、障害がある人、ひきこもりのため他人との接触が難しい人などとなっております。 厚生労働省が平成30年度予算概算要求に当たって、議員御指摘のとおり、高校を中退した人、中学卒業後進学していない人などを含めた高校生世代への支援を強化することを考えていることから、本市においても国の動向に注意を払いながら、支援が必要な人への対応を検討してまいります。 ○議長(小林義直) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇) ◎こども未来部長(上杉和也) 私からは、ひとり親家庭の高校中退者や中卒者に対する学習支援についてお答えいたします。 本市で実施している学習支援事業は、国の子どもの生活・学習支援事業を活用しており、この国の事業は、ひとり親家庭の子供に対し、放課後児童クラブ等の終了後に、基本的な生活習慣の習得支援、学習支援などを行うことを目的としていることから、小・中学生が利用する仕組みとして捉えています。 高校中退者や中卒者の方につきましては、学び直しの支援をすることで、より良い条件での就職や転職に向けた可能性を広げ、安定した雇用につなげていく支援が必要とも考えます。 このため、本市では昨年度から学び直しの支援として、高等学校を卒業していないひとり親家庭の親を対象とした高等学校卒業程度認定試験合格支援給付金事業を実施しているところですが、今年1月からは二十歳未満の子供にも対象を拡大しております。この事業は、高等学校卒業程度認定試験の合格を目指すため、民間事業者などが実施する対策講座を受講する場合、その受講費の一部を支給するものですが、まだ利用がされていないことから、まずは、ひとり親家庭の高校中退者や中卒者の方に利用していただくため、制度の周知を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 生活困窮者、高校生79人、多くの子供たちがいることが分かりました。この子供たちの未来を保障していくために、拡大はやはり非常に大事な課題だと思っております。小・中学生、高校生、そこまで支援できれば、相当に貧困の連鎖を断ち切るための大きな力になっていくんじゃないかなと改めて痛感をしたところですので、是非積極的な取組をお願いいたします。 高校までは何とか進学しても、その後、やはり専門学校、大学へ行くというのには、その格差というのが大きな有意差が出てまいりまして、大学、専門学校へ行く子供たちが少なくなってしまっているというのが現状です。また、過日お話をお聞きしたシングルマザーのお宅では、忙しい生活の中で、学習支援の案内をからもらったんだけれども、封を切るのが遅くなって申込期限が切れてしまったということでした。余裕を持って御案内をいただきたいと思うんですけれども、現状はどのようになっているのかお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇) ◎こども未来部長(上杉和也) 今年度の学習支援の募集は、当初、6月29日からホームページへの掲載と、対象家庭への申込書類の送付により、土、日を2回含む7月10日までの12日間で行いました。定員に余裕があったことから、最終的には8月7日まで募集期間の延長を行いました。ホームページでお知らせするとともに、7月21日には改めて申込みをされていない方全員に追加募集のお知らせをお送りしているところでございます。今後も募集期間につきましては、できるだけ余裕を持って設定してまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) よろしくお願いいたします。 次に、以前にも御紹介をいたしましたけれども、昨年、福祉環境委員会で明石を視察いたしました。明石は大変子育て支援が充実しておりますけれども、その一つが、現在年3回だけの支給になっている児童扶養手当の毎月支給です。是非長野でも実施していただきたいと思いますけれども、御見解を伺います。 この視察には上杉部長も御同行いただき、児童扶養手当申請時の相談事業など、長野でも今年度から実施していただいております。その成果と今後の課題などお伺いいたします。 ○議長(小林義直) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇) ◎こども未来部長(上杉和也) 初めに、児童扶養手当の支給についてお答えいたします。 児童扶養手当は、児童扶養手当法において、毎年4月、8月、12月の3期にそれぞれの前月までの分を支払うとされていることから、御質問のありました明石では毎月支給をするために、支給月以外の月は貸付によりまして児童扶養手当の1か月分に相当する額をお支払しているということでございます。受給される方への貸付は、明石の社会福祉協議会が無利子で行っており、年3回の児童扶養手当の支給の際にそれぞれ返済をしていただくという仕組みだそうです。また、今年度はモデル事業として実施をされているということで、希望者等全員ではなく、19名の方を対象に、家計簿の作成等に御協力をいただきながら実施しているとのことであります。この方法を全部の対象者、あるいは希望者に拡大するためには、返済時の手続等、更に検討を要する点もあると伺っておりますことから、今後も引き続き情報収集をしながら研究に努めてまいります。 また、国は支給回数を現在の年3回から6回に増やすことを検討し、2019年度にも開始したいとの考えであるという報道がありました。このことから、今後、国の動向についても注視してまいります。 次に、児童扶養手当申請時の相談事業についてお答えいたします。 児童扶養手当の現況届は、毎年8月に対面で受付をしておりますが、今年度8月13日の日曜開庁日にも現況届の受付ができるようにしましたところ、80名の利用がございました。 また、併せて、子育て、生活、就労などに関する様々なひとり親家庭の悩みに対し、弁護士や行政書士、ハローワークなど各専門家が相談に応じるひとり親家庭のワンストップ相談会を開催いたしました。相談会は、養育費や面会交流など弁護士への相談が13名、相続に関する行政書士への相談が3名、ハローワークへの相談が3名など、延べ24名の方に御利用いただき、中にはお一人で複数の専門家に相談されたケースもありました。今回の取組により、平日に休みを取りにくい、ひとり親家庭の保護者の方の利便性を図ることができたものと考えております。 課題といたしましては、相談内容が弁護士に集中したことから、他の専門機関への相談の利用を更に図るため、広報の際に各相談機関への具体的な相談内容を示すなどして、更なる利用を呼び掛けてまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 大変良い取組だったと思います。是非積極的に、これをもっと多くの皆さんも利用できるように、また工夫をしていっていただきたいと思います。 次に、明石の視察で、私どもが非常に参考になった一つに、任期付き職員として弁護士を雇用しているということでした。現在、長野でも要保護児童対策協議会が頻繁に開かれている。また、教育委員会ではスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーなど専門職による教育と福祉、医療の連携体制が強化され、いじめや虐待、貧困など、困難な子供たちへの支援策が強化されてきました。また、いじめ困難事例についての第三者機関の設置もされる状況が生まれています。日常的に司法との連携が切実となっているのではないでしょうか。顧問弁護士はいますが、日常業務の中で関わっていただかなければならない、こういう事態も増えています。任期付き職員として弁護士有資格者の雇用を求めたいと思います。市長の見解を求めます。 ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 本市におきましても、子育てに関する様々な相談の中には、司法と関係するケースがございますけれども、日常的に法律的な判断を必要とするといったことはなく、法テラスに協力を得るなどによって対応できているところでございます。このため、現時点では子育てに関する分野において弁護士資格を有する職員の採用は予定していないところでございます。 一方、本市でも昨今、土地の権利関係や課税など、様々な業務で司法的な知識、判断を求められる場合が増えていることも事実であります。こうした中、本議会におきましても、訴訟事件、調停事件などの増加による弁護士経費について、予算の増額をお願いしているところでございます。また、条例の改正をお願いしております教育委員会の長野いじめ問題調査・解決チームにつきましても現在2名の弁護士に委員となっていただいており、行政と弁護士との関わりも強くなってきているところでございます。さらに、地方分権の進展に伴い、地域の実情に合った独自の条例制定などの必要性が高まる中で、法的な知識を備えた職員の育成も重要となっております。弁護士資格を有する職員の採用については、情報収集を行うとともに、先行する自治体の任用事例も踏まえながら研究してまいりたいと思います。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 時間がないので、前向きな検討をお願いいたします。 次に、ひとり親家庭のアンケート調査の実施について伺います。 長野県では、一昨年、子供の貧困対策強化のために、ひとり親家庭実態調査を行い、1万人近くの回答を得、多くの子供たちの切実な生の声が把握されました。それを受けて、松本でも昨年実施され、1,000件以上から回答が寄せられています。子供の進路や食事について、世帯の収入によって有意な差が認められる結果となっており、家庭の経済状況が子供の養育環境に大きな影響を与える様子が浮かび上がったということです。長野でもリアルな実態を把握し、その上で貧困の連鎖を断ち切り、一人一人の子供たちに寄り添った施策が打ち出されるよう求めたいと思います。見解を伺います。 ○議長(小林義直) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇) ◎こども未来部長(上杉和也) 議員御指摘の長野県ひとり親家庭実態調査は、県内の児童扶養手当受給資格者を対象に行われたもので、本市ではこの調査結果について、県からのデータ提供により、本市分について集計をし、分析を行ったところでございます。 今年度、県では市町村との協働により、子供の貧困対策や子育てと仕事の両立支援を図ることを目的に、子どもと子育て家庭の生活実態調査を実施しており、8月に調査票が発送され、現在、委託事業者において集計中とのことであります。 この調査は、住民基本台帳から無作為抽出した小学校1年生と5年生、中学校2年生、高校2年生に当たる16、17歳の子供がいる県内1万2,000世帯を対象にしており、本市では約2,400世帯が対象となっております。調査では、子供には将来の夢や生活状況の他、食事や悩み事など、保護者には就労状況や子供との関係、公的支援状況、収入状況など様々な項目をお聞きしており、保護者の婚姻の状況等についても含まれていることから、ひとり親家庭の実態についても、この調査で把握できるものと考えております。 今後、調査結果がまとまった後、県から本市分のデータの提供を受けることとなっていることから、まずはこの調査結果を参考に、一人一人の子供たちに寄り添った支援等を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 長野県がやることで長野がやらなくてもいいということではないと思います。やはり、長野として独自の取組、独自の聞き取り、そういうものが求められているのではないでしょうか。先日お話ししたシングルマザーの方は、県の実態調査の声を聞いて、我が家のことを言っていると思った。中学生を2人育てながら夜勤の仕事もこなしている。子供は定時制高校へ進学を決めた。毎日子供たちに食べさせること、お金の工面で心配が尽きない。夜勤明け、朝職場で5分の時間をもらって、朝御飯を食べたかどうか、子供たちに電話をする、子供たちの声を聞いて本当にほっとする。そういう声を寄せていただきました。 やはりこういう生の声を聴くことによって、一人一人の子供たちに懇切丁寧な支援策を立てることができるんじゃないかと思うんです。是非基本の自治体として、県がやるから良いという姿勢ではなく、是非長野として取り組んでいただきたいと思います。強く要望をしておきます。 次に、格差社会への対応について伺います。 2011年1月、仙台高等裁判所秋田支部で国民健康保険の一部負担金減免が認められなかったのは違法と控訴審判決が言い渡され、側が上告を断念したために判決が確定をいたしました。この制度は、国保加入者の3割の医療費一部負担を、著しく収入が減った場合や自然災害、その他特別な事情があると認められたものについて減免するとした制度です。多くの場合は、そんなに困っているなら生活保護を受給すべきとされ、利用できないのが実態です。長野は要綱が作られており、平成28年度2人の方が利用をしています。厚生労働省は、昨年度、この制度の一部改正についてという通知を出しています。また、市町村の判断による対象範囲を国として制限しないとも、全国生活と健康を守る会の交渉で答えています。長野としても、もっと多くの生活困窮者が利用できるよう見直すべきと考えますが、見解を伺います。 ○議長(小林義直) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 被保険者が医療機関の窓口で支払う一部負担金は、関係法及び本の要綱により、減免及び徴収猶予を行っており、平成28年度は2世帯が対象となりました。このうち1世帯につきましては、病気により事業ができなくなったため、生活が著しく困難となった場合に該当し、もう1世帯は東日本大震災により被災された方へ減免を行ったものでございます。 国保を取り巻く環境は非常に厳しい中、本市では低所得者世帯に対しては保険料そのものの軽減を行い、平成28年度は加入世帯の半数に当たる約2万6,000世帯に対し、総額で約8億4,000万円の軽減措置を行い、市民生活への配慮を行ってまいりました。 医療費の一部負担金の減免につきましては、恒常的低所得者の範囲をどのように設定するかにもよりますが、仮に保険料の所得割が賦課されていない世帯を対象とした場合は、加入世帯の約4割、約2万世帯が該当することになります。このため、現在の厳しい財政状況の中、一部負担金の減免範囲を見直すことは困難であると考えております。 なお、生活状況の変化に伴い、一部負担金や保険料の納付が困難となった場合は、担当課へ御相談いただく中で丁寧に対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 次に移ります。 滋賀県野洲は、くらし支えあい条例を制定し、税金を滞納した人たちに対しては、取立てより支援と宣言をしています。例えば、滞納者への督促状に、困っていませんかというチラシを同封し、相談に来るように促しています。生活困窮者と認定されれば税金を減免するとしています。是非とも長野も敷居を低くして、相談に来やすい対策をとるように求めたいと思います。答弁をお願いいたします。 ○議長(小林義直) 平野財政部長     (財政部長 平野智也 登壇) ◎財政部長(平野智也) 本市におきましても、生活保護や生活保護に準ずる方と認められる場合、又は所得が皆無になるなど生活が著しく困難となった方などが減免の対象となる場合がございますので、関係部局との情報共有や連携を含め、収入や資産の状況などに応じ、個別に相談をお受けしております。 また、税などの納付が困難になった方に対しましては、広報ながの及びのホームページにおきまして、早目の納付相談についての記事を掲載しております。さらに、税の督促状を送付後、滞納が続いている方に対して送付する最初の催告書には、分割納付などの納税相談について御案内を記載しております。また、滞納している方に対しましては、滞納となった背景に、収入の減少、多額の負債、業績の悪化などの悩みがある場合がございますので、収納課ではその悩みにいち早く気付き、まずはその悩みを解決するための関係機関へ適切につなぐという役割を果たすことができるよう、職員研修を実施しております。今後とも画一的な対応とならないよう留意するとともに、他の納税者との公平性を欠くことのないよう、適切な納税相談と徴収に努めてまいります。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) 困っていませんか、その一言がとても大切だと思います。よろしくお願いいたします。 生活保護の過払いについて、長野の職員のミスによる過払いについては、それは請求しないとすべきだと思いますが、改めて見解を伺います。 ○議長(小林義直) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 生活保護法第63条では、被保護者が、急迫の場合等において資力があるにもかかわらず、保護を受けたときは、保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して、すみやかに、その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない、とされています。 新聞等の報道では、明石の場合がございまして、明石は、職員が保護費の支給に当たり複数の業務を怠るなど、いわゆる業務け怠が原因により過大支給した生活保護費は、側の過失のため返還を求めない方針という報道がありました。ただ、本件を明石に確認したところ、現在、この事案については兵庫県を通じて厚生労働省と協議中で、確定はしていないとのことでございます。 また、長野県によりますと、県内他の事例において厚生労働省に確認したところ、職員による手違いがあった場合でも、生活保護法第63条が適用されるものの、福祉事務所からの一方的な返還のお願いとならないよう、生活保護受給者の方に丁寧な説明をし、対応するよう指導があったとのことです。 本市福祉事務所といたしましては、今後の動向を注視しながら、これまでどおり、生活保護法第63条の法令を遵守するとともに、生活保護受給者の方と会話を重ねながら生活の実情を捉え、一方的に返還を求めることなく、丁寧な説明をした上で返還を求めてまいりますので、御理解をお願いいたします。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) もんぜんぷら座についてですが、NTTコールセンターとの契約は来年3月末となっていますけれども、結論先にありきの検討ではなく、慎重に対応することを求めたいと思いますが、今後の見通しについて伺います。 ○議長(小林義直) 上平都市整備部長     (都市整備部長 上平敏久 登壇) ◎都市整備部長(上平敏久) もんぜんぷら座は、平成15年のオープン以来、多くの市民の皆様に御利用をいただいており、今後の在り方については、利用者や各テナント、周辺地区の皆様など関係する幅広い市民の皆様の御意見を頂く中で慎重に検討すべきものであると考えております。 そこで、様々な御意見を頂くための外部組織として、中心市街地活性化基本計画評価専門委員会に、もんぜんぷら座検討部会を設置し、10月より検討に着手してまいりたいと考えております。 構成につきましては、テナントを初め市民、地元、商業などの関係団体等に、公募と学識経験者を加えた体制で進めてまいります。 次に、コールセンターを運営しているNTT東日本サービスとの今後の契約見通しについて申し上げます。 この契約では、双方から6か月前までに更新しない旨の申出がないときは2年間更新するという規定となっており、いまだありませんけれども、今月末までに申出がない場合は、来年4月から平成32年3月末までの2年間、契約更新の見込みとなるものです。なお、先ほど申し上げた、もんぜんぷら座検討部会にはNTT東日本サービスにもテナントとして参加をしていただく予定であり、部会での検討とともに、引き続き来年3月末の契約更新を見据え、契約内容について両者で協議をしてまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 野々村博美議員 ◆26番(野々村博美議員) この施設は多くの団体が利用し、更に料金も安いために、市民も使う、多くの若い学生さんたちも利用しているということもあり、本当に慎重に、急ぐことなく、結論を先に決めてしまうのではなく、じっくりと検討していただきたいと思います。 以上申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(小林義直) 6番西村裕子議員     (6番 西村裕子議員 登壇) ◆6番(西村裕子議員) 6番、西村裕子です。 放課後子ども総合プランについて伺います。 来年度からの利用者負担についての説明が各校区で行われています。そこで、保護者の方たちからはどのような意見が出されているか伺います。     (6番 西村裕子議員 質問席へ移動) ○議長(小林義直) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇) ◎こども未来部長(上杉和也) 放課後子ども総合プランの利用者負担の導入については、各小学校、保育園、幼稚園、認定こども園を通じて保護者の皆様に資料を配付するとともに、保護者の皆様が集まる小学校の授業参観日などの機会に、職員が各小学校に出向いて説明会を実施している他、広報ながのの特集記事やホームページへの掲載により周知しているところでございます。 6月から始めました保護者説明会は、全54小学校区において延べ72回を開催する予定ですが、9月9日の時点で41校区において55回の説明を終えました。説明会では、職員による説明の後、質疑応答の時間を設け、これまでに136件の御質問、御意見を頂いております。 その内容につきましては、支払方法や減免など利用料に関するものが74件、登録方法に関するものが31件、開設時間に関するものが8件、おやつ代に関するものが4件などとなっており、具体的には、夏休みのみ利用する場合の負担額や登録方法に関するもの、急な用事に伴う利用は可能か、また、おやつ代は利用料に含まれるのかといったものや、利用料の使い道に関する御質問がございました。 説明会は10月4日まで開催する予定ですが、今後も多くの保護者の皆様に御出席をいただきたいと考えているところでございます。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) ありがとうございました。 6月に、松本あがた児童センターへ視察に行ってきました。日中は乳幼児と保護者が集う場所になっています。放課後児童健全育成事業では、急な家庭の事情に対応するため、登録児童でなくても利用できる一時預かり制度もありました。登録していない子供ももちろん遊びに来ます。オープンキッチンのある2階は、中高生の放課後の居場所としても機能していました。18歳までの全ての子供の支援を目的にした児童館の目的にのっとっています。子供も子育て中の大人も、悩みをいつでも相談できる体制がありました。 現在の長野放課後子ども総合プランは、大人の関わりが必要な子供を支える受皿になっています。ある支援員さんは、プランを利用する子供から、お金が掛かるようになったら登録をやめるよと言われたそうです。配慮を必要とする子供ほど、利用者負担の導入により利用をやめてしまう傾向を心配する支援員さんがおられます。利用者になれない子供たちの声をどう拾い、その子供たちの居場所をどう考えているか伺います。 ○議長(小林義直) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇) ◎こども未来部長(上杉和也) 放課後子ども総合プラン事業の利用者負担の導入に際し、経済的な事情によってプラン事業が利用できなくなることがないように配慮するため、生活保護世帯、市町村民税非課税世帯に加えて、児童扶養手当の受給世帯や就学援助の受給世帯を新たに対象とするなど、幅広く減免を適用することといたしました。また、一つの世帯で兄弟が同時にプラン事業を利用する場合には、利用料の負担が大きくならないよう、2人目の減免割合を拡大するとともに、3人目以降は全額減免といたしました。こうしたいろんな減免につきましても、今後も引き続き説明会において丁寧な説明に努めてまいります。 さらに、心身の発達面などで特に配慮を必要とする児童については、職員を加配することなどにより安心してプラン事業の利用ができるように努めてきているところでございます。このように、減免の大幅な拡大や職員の加配などにより、利用しやすい仕組みを整えておりますので、引き続きプラン事業を利用していただきたいと考えておりますが、配慮を必要とする子供がプラン事業を利用しなくなるのではとの御懸念につきましては、プランの職員に限ることなく、学校や地域など、その子供と関わる様々な人からの情報をもとに、必要によりこども未来部としても適切な支援につながるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 先日、成長可能性都市ランキングが発表されました。長野はライフスタイル別の、移住者に優しく適度に自然がある環境で仕事ができる都市の8位に入っていました。 市長にお聞きしたいんですが、松本は総合ランク8位、ライフスタイル別ランキングではほとんど全てに上位でランクインしています。移住者に優しくて、適度に自然があって、環境も良く、子育てしながら働けて、リタイア世代が余生を楽しみながら仕事をするなら松本だなということが定着しつつあるようです。子育てや介護が安心してできるまちだからこそ、それぞれの順位の持つ力も花開く。市長、どうお感じですか。 ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 松本の状況も存じております。松本は松本、松本は非常に特徴もあるわけでありまして、長野の特徴もある。それぞれの特徴を生かしながら、今後も切磋琢磨しながら長野の移住に対してしっかりとやってまいりたいと思います。また、移住に対しましては、子育て世代、また老後世代、いろいろあるわけでございます。特にまた移住に対しましては、職とのマッチング、これが非常に大きな要素にもなっています。子育てもそうでございますけれども、職とのマッチングも踏まえて、移住しやすい長野を目指してまいりたいと思います。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 今後、有料化が始まると、様々な課題が出てくることが予想されます。有料化の影響を最も受けてしまう子供たちの状況に対応するための予算等財源の確保が必要だと考えます。御見解を伺います。 ○議長(小林義直) 上杉こども未来部長     (こども未来部長 上杉和也 登壇) ◎こども未来部長(上杉和也) 放課後子ども総合プラン事業の利用者負担につきましては、導入による影響が最小限となるよう、月額を2,000円に設定するとともに、きめ細かい減免制度を設計したところでございます。一方、プラン事業では、延長開館を御利用する保護者に、平成24年度から延長利用料をお願いしておりますが、利用者の方全員に御負担をお願いするということは今回初めてということになります。このため、様々な課題が今後出てくることが予想されるという御指摘をいただきましたが、課題が出てきた場合につきましては、それぞれ個々に適切に対応していきたいと考えております。 なお、子供たちの個々の状況によっては、課題の対応に当たりプラン事業だけでなく、各種の相談事業や専門的支援、関係機関との連携が必要となるケースも考えられます。ケースに応じて適切な支援ができるよう、子ども・子育て支援を総合的にバランス良く進めていく中で、必要な予算及び財源の確保にも努めてまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 介護予防・日常生活支援総合事業について伺います。 新しい総合事業は、地域の体制づくりが進まない現状が全国的にあるようです。長野では、住民自治協議会単位で住民やボランティア、福祉関係者などが協議体を作って、地域の課題を挙げながら支え合い活動計画を作る方針が出されています。これについて、各地区からどのような意見が出されているか伺います。 ○議長(小林義直) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) では、6月から全地区住民自治協議会で説明会を行い、介護予防や生活支援の活動づくりを進める検討会の設置をお願いしております。また、今後の取組内容を検討会が中心となって、支え合い活動計画としてまとめていただくこともお願いしております。各地区からは、計画はどの程度にまとめるべきか、位置づけをどのように考えたらよいか、次期地域福祉活動計画策定中の場合も、別に支え合い活動計画を作る必要があるのかなどといった御意見を頂いております。 支え合い活動計画は、住民主体の介護予防の通いの場や、高齢者の生活支援の活動づくりをどのように進めていくのかをまとめるもので、地区ごとの地域福祉活動計画にある通いの場づくりや、生活支援の分野の詳細版として作成していただくことをお願いしております。 支え合い活動計画の標準的な形式は、からお示しする予定であることも説明しております。また、次期地域福祉活動計画を策定中の地区においては、別に計画を作るのではなく、支え合い活動計画に相当する内容を策定中の計画に含めていただく方向でも良いということも説明しているところでございます。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 国が想定する大勢の元気な高齢者が主体になって、より高齢の人を地域で支える仕組みですが、経済的にも時間的にも余裕があって、多くの時間を社会貢献に割ける高齢者の方はそれほど多くないと思います。この仕組みをそのまま地域に下ろしてもうまくいきません。丁寧に地区の住民の皆さんの声を聴いて、地域で介護予防や生活支援ができるよう、の責任で人材や資源を投入する必要があります。このための予算等財源確保が必要であると考えますが、御見解を伺います。 ○議長(小林義直) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 各地区に設置を進めている協議体、本市では検討会と言っておりますが、その運営に当たっては、生活支援コーディネーターの役割を担う地域福祉ワーカーの人件費への補助を拡大しております。消耗品購入や会場借料などの必要な経費は、地域福祉ワーカーの活動費の補助金を活用していただくことができます。また、現在、住民主体サービスの活動を支援する介護予防生活援助サービス事業補助金、介護予防通いの場事業補助金及び自主的な介護予防の活動を支援する介護予防クラブ支援事業補助金を交付しております。支え合い活動計画に取り上げられた活動づくりを実際に進めるに当たっては、引き続きこれらの補助金を交付していくこととしております。 なお、介護予防の通いの場づくりに対する補助金の交付条件が厳しいとの御意見がありますことから、見直しを検討しているところであります。少子高齢化社会が進展する中、地域での支え合い活動の必要性が更に高まっていくことから、地域での活動に対する予算は確保してまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 元気で働く高齢者が自立した生活が困難になったときのために介護保険があるのですから、地域にお任せして、は引いて見ているようでは駄目ですよね。やるかやらないかということではなくて、必要なことですのできちっとリーダーシップをとっていただきたい。この事業は高齢者の方たちだけではなくて、若い世代の人にも必要なことだと思います。部長、どうお考えですか。 ○議長(小林義直) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 議員おっしゃるように、若い世代の方々の支援も必要だというふうに思っております。ただ、そういった若い世代も含めた事業者等に頼るだけではなくて、地域での助け合い活動を創出支援することが重要だと考えております。地域の人同士での助け合いを進める考え方、これは助け合い活動そのものが、また介護予防にもつながるということでもございますので、若い人も含めた形で地域での支え合い活動を進めてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 財政について伺います。 平成28年度決算は経常収支比率が3.2パーセント上昇し、財政のゆとりが減りました。これは、さきに質問した子供と高齢者福祉の住民負担増と関係しているのでしょうか、御見解を伺います。 ○議長(小林義直) 平野財政部長     (財政部長 平野智也 登壇) ◎財政部長(平野智也) 経常収支比率は、財政構造の弾力性を表す指標であり、この比率が高いほど財政が硬直化し、新たな財政需要に柔軟に対応できる余地が低いことを示すものでございます。本市の平成28年度の経常収支比率は89.8パーセントと高く、前年度と比較しましても3.2ポイント上昇しております。その要因といたしましては、児童福祉などの扶助費の増加もその一つではございますが、地方交付税や地方譲与税などの一般財源が減少したことが大きな要因ではないかと考えております。 経常収支比率の悪化には、歳入歳出両面で様々な要因が作用いたしますので、どの事業に因果関係があるとは一概に申し上げられませんが、歳入増が見込めない中で、特に補助率等の低い事業や市費単独事業など一般財源での負担が大きい事業を実施すればするほど、総じて悪化するものと理解しております。よって、が実施いたします各種事業については、スクラップ・アンド・ビルド、選択と集中、または行政サービスの利用者の負担に関する基準等の考えを十分に踏まえ、市民や議会の皆様の御理解をいただきつつ、必要性、緊急性の高い事業を優先し、適当な負担により実施していくことが必要であり、ひいては柔軟で適切な財政運営に資するものと考えております。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 成長型社会から成熟型へと移行してきていますから、経常的な経費が高くなるのは自然なことなのかなと思います。よく説明では、経常収支比率は70パーセントから80パーセントが望ましいという考えがありますが、その考えに固執するのは、行政の目標としてはふさわしいとは言えないと思うんですが、御見解をお聞かせください。 ○議長(小林義直) 平野財政部長     (財政部長 平野智也 登壇) ◎財政部長(平野智也) 一般には、議員御指摘のとおり、経常収支比率は70パーセントから80パーセントが、いわゆる健全なラインだと言われております。確かにそれを目指してやるということは一つの考えでございますが、それは先ほど申し上げたかもしれませんが、行政が多様な行政ニーズに対応していくためには、きわめて柔軟な体制で準備をしていくということが必要でございます。いろんな行政ニーズに対しまして、手元の使える金が10パーセントや5パーセントしかないと、どんなに必要でもなかなかできないということがありますので、できるだけ経常収支比率は低いほうがいいものと考えております。ただ、歳出の中におきましては、どうしても一般財源の負担があってもやらなければいけない事業というのは確かにございますので、それをやるかやらないかということが、その経常収支比率が高いからといってやめるということにはならないのかなと思いますので、そこは全体的なバランスの中でしっかり検討しながら、事業を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 資料1枚目、上のグラフは、経常収支比率の基になる経常経費充当一般財源の性質別歳出を、加藤市政から鷲澤市政2期目まで遡った推移です。決算カードと財政課から頂いた決算資料を基に作成しました。少子高齢化による扶助費の増加が度々指摘されますが、物件費や繰出金の推移も、近年の財政のゆとりに影響を与えています。 資料下段のグラフ、決算額推移では、平成26年度に投資的経費の大きな山があります。これは、市役所第一庁舎などの大規模プロジェクトの建設事業の山です。この財源として起債した公債費が平成29年度以降増大します。加えて、新たな施設の管理コストが経常的経費に上乗せされます。これらが福祉施策後退の要因にならないでしょうか。御見解を伺います。 ○議長(小林義直) 平野財政部長     (財政部長 平野智也 登壇) ◎財政部長(平野智也) 大規模事業に係る債の償還費や、老朽化が進むオリンピック施設を初めとする公共施設等の維持・修繕費、少子超高齢化の進展に伴う社会保障関係経費など、経常的経費は今後も増加の一途をたどるものと見込まれます。 経常的経費の増加は、福祉施策はもとより、本が取り組むべき各種施策の実施に必要となる一般財源の不足を招きかねないことから、これまでも歳入確保、歳出削減に向けた様々な取組により、市民生活に欠かせない行政サービスの提供が後退することがないよう努めてまいりました。 平成29年度の当初予算におきましても、子育て支援の充実や介護保険、後期高齢者医療に着実に取り組むとともに、子供の医療費負担の軽減や、放課後子ども総合プランの充実など、独自の取組にも重点的に予算を配分したところでございます。少子超高齢化、人口減少等の社会情勢を背景に、今後歳入減、歳出増傾向といった大変厳しい財政状況、財政運営となることが予想されますが、福祉施策を初め市民生活に欠かせない行政サービスの提供が後退することがないよう努めてまいる所存でございます。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 加藤市長は、就任直後、前例踏襲からの脱却とよくおっしゃっていました。財政の数値を見る限りでは、ハード事業を行う投資的経費を生み出すことを中心にした財政運営であり、鷲澤市政と変わらない印象です。 もう1枚の資料、収支状況の推移を見ますと、平成26年から3年連続で実質単年度収支が赤字になりました。加藤市政の財政のやりくりについてどのように検証されていますか。また今後、歳入の減少が進む中でどのように収支のバランスをとっていくのか、市長のお考えを聞かせてください。 ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 初めに、実質単年度収支とは、単年度収支に黒字要因である財政調整基金への積立金などを加え、赤字要因である基金の取崩し額を差し引いたものであり、実質的な債務の増加、また貯蓄等債権の増加を捉える指標として、プラスが高じてもマイナスが高じても適切でないものと理解しております。 平成26年度以降、実質単年度収支が赤字となっておりますのは、1つには過去から受け継ぎ未来に継承していく必要のある各種施策、2つ目には、人口減少対策を初めとした各種の政策、3つ目には、近年増加の一途をたどっている社会保障関連事業について、限られた財源の中で優先度の高い事業を厳選しつつ、予算化して効率的に実施し、さらに災害等年度途中におきまして新たに生じた財政需要に対してやりくりしつつも、なお不足する必要最低限の額について、財政調整基金から繰入れを行った結果と捉えております。 今後は、第五次長野総合計画の各種施策を着実に推進して、本市の活力と魅力を更に創出し、人口減少の流れに歯止めを掛けること等により、歳入の減少も抑え、また公共施設マネジメントの推進による施設の総量削減や長寿命化、選択と集中、時限化など、財政規律の徹底等による歳出削減を図り、収支バランスのとれた持続可能なまちづくりを推進してまいります。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 市長はやりくり上手だったのでしょうか。20代、30代の視点が必要だなといつも思うんですが、なかなか市長からは、そういった20代、30代の住民の方の視点というものがこの4年間なかったのかなと思います。中山間地域の状況にも、高齢化とか人手不足というものが、のこれからの将来像というものを映していると思うんです。中山間地域で子育てをしている家庭の声をきちっと聴いていく、それを行財政運営に生かしていくということがとても必要だと思いますが、いかがお考えですか。 ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 私も市長になりましてから様々な地域、また様々なところで若い人とも懇談をさせていただいております。そういう中におきまして、私の今日までの政策等を含めて、その趣旨に沿ってやってまいりましたので、決して若い人に対してはということではありませんので、当然市民として、特に将来を担う若い人に対しては、しっかりと持続可能な社会を続けてまいるよう努力してまいりたいと思います。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員
    ◆6番(西村裕子議員) 類似団体と比較して、長野は財政的に豊かな自治体だと思います。地域福祉などソフトニーズが高まっても、依然としてハード中心の財政運営が続いています。福祉施策の削減を中心にした財政運営を進めてきたように見えますが、御見解を伺います。 ○議長(小林義直) 平野財政部長     (財政部長 平野智也 登壇) ◎財政部長(平野智也) 平成の2度の合併を経て、今日の長野は地域性に富んだ広大な面積を行政エリアに抱え、少子超高齢化・人口減少時代の中、行政に対する市民ニーズは多岐に及んでおります。さきに策定いたしました第五次長野総合計画におきましても、以前の各次総合計画におきましても、市民の皆様の多様な思いにできるだけ耳を傾け、適切に施策に反映させるべく体系立てて整理し、市政運営の指針とさせていただいております。 そのような中で、施策によっては施設の補修、老朽化対策や効果的な行政サービスを提供するための拠点整備など、様々な要請から時宜に応じたハード事業も実施してまいりました。しかし、これによってソフトニーズをおろそかにするというものではなく、それぞれの課題やニーズに応じ、有効、または必要な手段であれば、ハード、ソフトのいかんにかかわらず実施してまいりました。 平成29年度の当初予算におきましても第四学校給食センターなどのハード事業がおおむね終了したことにより、投資的経費が大幅に縮減した中にありまして、子育てや社会保障関係のための予算は全体の約3割を占めるなど、重点的に配分させていただきました。決算の推移を見ましても、生活保護費などの扶助費と医療や介護などの特別会計への繰出金を合わせた社会保障関係経費の平成27年度決算につきましては、全体歳出額の4分の1を占める404億円となっておりまして、10年前の平成17年度と比較して約3.8倍、20年前の平成7年度の約1.8倍と、福祉施策にはかなりのウエイトをかけておりますので、御理解を賜りたいと思っております。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 記憶に新しいところですと、遺児等激励金の廃止や訪問理容美容サービス券の支給枚数の削減など様々に福祉のサービスが削られているという印象があります。財政規律を保ちながら独自施策を展開するために、財政計画を示す必要があるのではないでしょうか。御見解を伺います。 ○議長(小林義直) 平野財政部長     (財政部長 平野智也 登壇) ◎財政部長(平野智也) 財政規律を保ち、健全財政を維持していくために、中長期的な視点で財政の見通しを立てることは大変重要であるとの考えから、本市では毎年当初予算の編成に合わせまして、向こう10年間の財政推計を作成、お示しし、本が取り組むべき施策の実現を図る上で、財政運営の参考とさせていただいております。 この財政推計は、今後の人口異動の他、景気の動向、抜本的な税制改正、地方財政対策、社会保障改革など、推計に当たって不確定要素も多いことから、策定時点において方向性の定まっていない施策につきましては、当該経費を算入しておりませんので、飽くまで一定の仮定の基に作成した資料と位置づけさせていただいております。 このようなことから、現時点におきましては、財政推計を参考としつつも、中長期的な市政の在るべき姿をまとめました第五次長野総合計画を市政運営の基本に据え、年度ごとに刻々と変わる諸情勢や行政ニーズに対しまして、毎年度の当初予算編成や補正予算におきまして、適時適切に反映させることとしております。しかしながら、今後の本の財政状況は厳しい局面を迎えることが予測されておりますので、議会、市民の皆様に分かりやすい資料の作成や説明を行い、御理解を賜っていけるよう努めてまいります。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 今日ほど状況が変わる時代はないからなかなか先が見通せないんだよとよく見聞きしますが、これまでも私たちはいろんな激動の中を暮らしてきて、財政は動いていたんじゃないかなと思うんです。財政計画は自治体の総合的な行政運営を行うための財源的な裏付けを保障するもので、税制の変化とか、予想外の事態が起きたときにこそ柔軟な事業執行のために必要になると思うんですが、いかがお考えですか。 今後は、総合計画の中に将来の財政を見通すための収支計画の数字をきちっと示すこと、そして財政の目標を示すことは必要だと思います。そして、厳しい財政の中ですので、基本的に、もう計画にないものは予算化しないぐらいの計画を作っていかなければいけないと思うんですが、いかがお考えですか。 ○議長(小林義直) 平野財政部長     (財政部長 平野智也 登壇) ◎財政部長(平野智也) 財政的には誠に有り難い御支援のお言葉と承っておりますけれども、なかなか財政計画については議員御指摘のように、制度改正に伴いまして大きく歳入歳出が左右されるというのが、市町村財政の中では非常に大きな課題となっております。その中で、確かに総合計画と歩調を合わせた財政計画を作るというのは一つの観点かもしれませんが、それにとらわれ過ぎてしまうと、ここは私見の領域も入りますけれども、思うような、また在るべき幸せな総合計画のビジョンというのが、財政の仕方によって創意工夫に向けた施策が生み出せないという懸念もありますので、やはり企画部門の考え方と財政というのは一に連動していくとなかなか難しいと考えております。 基本的には将来の視点、夢である総合計画に対しまして、毎年刻々と変わる財源をどのように充てていくか、それを実現するためにどのような財政努力をしていくかというのが私どもの課題と思っておりますので、どうか御理解をいただければと思っております。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 厳しい財政状況でも市民サービスを低下させない、本当の行政改革としてやれることはまだあるはずです。環境、教育、福祉型財政への転換を求めます。市長のお考えをお聞かせください。 ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 本格的な少子超高齢化・人口減少社会の到来を迎えまして、税など一般財源の伸び悩みや社会保障関係経費の増大など、今後、更に財政状況は厳しさを増すことが予測されます。 このような中、限られた経営資源で最大の効果を生むことができるよう、議員や市民の皆様の御理解と御協力を賜りながら、職員一丸となって不断の行政改革に取り組んでまいります。 今後の行財政運営につきましては、さきに策定いたしました第五次長野総合計画において、環境、教育、福祉といった分野の施策の充実も盛り込まれた上で、魅力ある地域づくり、にぎわいあるまちづくり、活力あるまちづくりを計画推進重点テーマとしたところであり、幸せ実感都市ながのの実現のため、分野横断的に取り組んでまいります。 この策定過程においては、市民の代表で構成されました長野総合計画審議会に諮問し、答申を頂いた上で市議会にて御審議を賜っており、市議会議員の皆様初め多くの市民の皆様と意見交換やアンケート調査を行いながら、本市に求められる政策などを検討したものでございますので、まずは本計画の推進を基本といたしまして、今後の予算編成方針を策定してまいりたいと思います。 ○議長(小林義直) 西村裕子議員 ◆6番(西村裕子議員) 毎年繰越金が多額になっている団体の補助金など、本当に公益上必要かなと思うようなことについて見直して、福祉分野を見直す前にやることはたくさんあると思います。 来年度予算では、放課後子ども総合プランや介護予防・日常生活支援総合事業を初めとした、地域福祉がきちんと機能できるだけの財源の確保が必要だと考えます。御見解を伺います。 ○議長(小林義直) 平野財政部長     (財政部長 平野智也 登壇) ◎財政部長(平野智也) 来年度の予算要求につきましては、現在各部局におきまして具体的な内容の検討を行っている段階でございますが、今後お示しいたします予算編成方針に基づき、事業の必要性、緊急性などを踏まえた検討、調整の上、本日議員からもたくさんの御指摘をいただきましたので、そういったことも踏まえながら、必要な事業量に応じた財源の確保ができるように努めてまいります。 ○議長(小林義直) 議員各位にお諮りいたします。本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(小林義直) 異議なしと認めます。 よって、本日の会議時間は延長することに決しました。 35番小林治晴議員     (35番 小林治晴議員 登壇) ◆35番(小林治晴議員) 35番、新友会、小林治晴でございます。一括質問で行います。 今年の夏は、7月後半の長雨、8月中旬以降の日照不足など、天候不順が続き、農家の皆さんにとって作物の管理に大変苦労されたとお聞きしております。また、レジャーを初めとする観光にも大きな影響が出ています。実りの秋を迎え、稲刈りが始まり、敬老会、運動会、秋祭りなどの行事が続く中、台風18号がこの17日、18日に県内に影響すると予報されています。今後の天候が順調に推移することを願っております。 質問に入ります。 災害に強いまちづくりについて。8月11日の夕方からの集中豪雨は、鬼無里で時間雨量81.5ミリメートル、戸隠で時間雨量80ミリメートル近くを観測、19時15分、長野地域及び鬼無里・戸隠地域に土砂災害警戒情報を発表、職員に第一配備発令、災害対策本部設置。20時10分、戸隠・鬼無里地区全世帯に避難勧告発令。避難された人数は、芋井地区を含め35世帯、86名、市内の北西部を中心に道路、河川、林道、農道、農地、農業施設、農作物、山林での地滑りなど大きな被害が発生しました。水道管の破損で断水するなど、水道施設にも被害が発生しました。 支所職員、災害対策本部を初め本庁関係者、消防団、消防署、上下水道局、被害が発生した地区の区長さんや役員さん、近所の皆さんなど迅速な対応をしていただきましたことに感謝を申し上げます。また、災害現場での応急対応、復旧にお盆休みを返上し、作業していただいた建設関係事業者の皆さんにも感謝を申し上げます。一日も早い復旧・復興を願っているところです。 今回の災害の復旧状況と、通行どめになっている市道、一部片側通行になっている橋や県道の復旧見通しについてお伺いいたします。 7月5日から6日にかけての九州北部豪雨では、36人の死者、行方不明者5人、多数の家屋が全半壊するなど、甚大な被害が発生しました。防災対策、減災対策の重要性を改めて感じているところです。市内でも7月11日、13日、14日に大雨警報が出され、災害対策本部が設置されるなど、集中豪雨による被害が今後も心配されます。 裾花川支流の戸隠の楠川は、昔から被害が発生する暴れ川で、近年では平成7年7月、平成21年8月にも流域に大きな被害をもたらし、住民生活や経済活動に大きな影響が出ました。市内の中山間地域では急しゅんな地形が多く、大雨が降ると災害を受けやすく、また地滑り地帯もたくさんあります。災害復旧工事等には迅速な対応をしていただいておりますが、本来であれば同じような場所で災害が発生しないよう、災害に強いまちづくりが求められております。住んでいる地域で安全・安心に生活ができるよう、災害予防のために砂防や河川改修事業を計画的に進めていただきたいと思っています。国及び県への働き掛けについてお聞かせください。 防災、減災への取組と方針についてお伺いします。 また、国、県、で実施している危険箇所の災害防止のための治山事業の取組状況と、事業費の推移についてお伺いいたします。 今回の災害で、消防団の皆さんの避難の呼び掛け、避難誘導、土のうの設置などの活動に対し、区長さんや住民の方から感謝の言葉が寄せられました。一方、消防団員の出動が少なかった区では、床下浸水をしている住宅への土のう運びの要望が同時刻に何件もあったので、区の役員を動員し、何とかその場をしのいだが、土のう運びの件に気を取られて避難勧告が出されていたことを忘れ、避難所開設の段取りが遅れてしまったと、緊急時の対応に苦労された区長さんからのお話もありました。避難所開設には、避難所近くの方に鍵の保管をお願いするなどの工夫が必要と感じました。 8月11日は金曜日でしたが、山の日で祝日、3連休の初日と重なったため、不在の団員も多かったのではとの声もある中、消防団幹部の方から消防団にも限界があるとの言葉、近隣の皆さんや地域の皆さんの協力がなければ、安全・安心は守れないと話されたことが印象に残っています。災害に強いまちづくりには、ハード面だけでなく、避難訓練などソフト面での取組にも力を入れなければと考えています。市内各地で行われている避難訓練や水防訓練などの状況について伺います。 また、夜間に災害が発生した今回、幾つかの課題が残ったと感じています。中山間地域を中心に、夜間の避難訓練を集落ごとに実施するよう呼び掛けてはどうか、御所見をお伺いいたします。 健康増進、健康寿命延伸について。 厚生労働省は、国民健康保険の運営主体が来年4月に市町村から都道府県へ移るのに併せ、医療費抑制の成果などに応じて、来年度、都道府県と市町村に500億円ずつ配分し、財政支援をする方針を決め、7月5日付けで通知したと報じられました。加入者1人当たりの医療費が低かったり、メタボリック症候群の該当者を減らしたりした自治体に報奨金を配ることで、医療費抑制と住民の健康づくりを促す狙い。市町村への500億円は、予防、健康づくり事業、保険料収納率などを評価し、医療費抑制の成果や取組に応じ配分するとしました。自治体への財政支援に対し、ではどのような対応をされるか、お伺いいたします。 は、今年の4月にスタートした第三次長野健康増進・食育推進計画に基づき、健康寿命の更なる延伸を目指し、健全な食生活の実践や運動、スポーツ習慣の定着等に取り組むとしています。7月27日、厚生労働省は2016年の日本人の平均寿命は、女性87.14歳、男性80.98歳となり、いずれも過去最高を更新したと公表。男女ともに香港に次ぐ世界第2位、また健康な日常生活が送れるかを示す健康寿命は、2013年データで女性74.21歳、男性71.19歳となったと発表。立命館大学の早川教授のコメントでは、平均寿命の延びにより健康寿命との差が開き、寝たきりなどになる人が増えるおそれがある。寝たきり防止には、特に下半身の筋力を付けることが有効。介護を必要とする人のうち、症状の軽い人の多くは転倒による骨折や関節疾患などが原因となっている。筋力を付けることである程度予防ができ、寝たきりを防ぐ仕組みが必要と結んでいます。平均寿命と健康寿命の差は、男性約10年、女性約13年あり、今は健康であっても、高齢になると10年から13年間、不健康のまま過ごす可能性があります。健康上の問題がない状態で日常生活をもっと長く送れるような取組が最も重要なことの一つと考えます。介護予防や健康づくりを進め、健康寿命を延ばすための取組や課題についてお伺いいたします。 7月29日に、自分に合った運動で健康寿命を延ばそうというテーマで、信州大学医学部の能勢博教授の講演を聴く機会がありました。人間の体力は20歳代をピークに、10歳加齢するごとに5パーセントから10パーセントずつ低下する。そして、体力が20歳代の30パーセント以下にまで低下すると要介護状態になる。この体力低下に比例して、高血圧、高血糖、肥満などの生活習慣病が発症する。加齢による体力低下と医療費上昇は非常によく互いに関係している。 そこで、先生のグループは10年間で6,400名の中高年者を対象に、インターバル速歩による体力向上が生活習慣病に与える効果を検証した。その結果、5か月のトレーニングによって体力が10パーセントから20パーセント増加、高血圧を初めとする生活習慣病の症状が20パーセント改善、鬱傾向のある人、慢性関節痛のある方の50パーセントが改善、暑さ寒さにも強くなり、医療費が20パーセント削減された。体力の維持向上こそが生活習慣病の予防、治療に重要であることが明らかになった。健康増進に効果があるといわれるウォーキングですが、1日に7,000歩、8,000歩をただ歩くだけでは、筋力、持久力の向上が余り見込めないことが分かった。そこで、開発されたインターバル速歩は、自分の持っている力の70パーセント位、ややきついと感じる早歩きとゆっくり歩きを3分間ずつ、1日5回、30分、週4日を目標に繰り返す。誰でも手軽に自分に合ったペースでできるので、長く続けることができ効果が上がる。加齢による体力低下は記憶力が下がり、認知症になりやすいので、体力向上は認知症予防にもなると話されました。 8月末に、能勢先生のグループがインターバル速歩の効果が分かるスマートフォン向けアプリを開発すると発表、体力増加と生活習慣病改善に効果があるとされ、若い世代を取り込み、更なる普及にはずみをつけるとしています。多くの自治体や企業がインターバル速歩を取り入れ、健康増進や健康寿命延伸を図っています。本市でも調査、検討をして、取り入れたらどうか提案します。御所見をお伺いいたします。 中山間地域での地域・集落の維持について。 平成の大合併以前から、中山間地域の自治体では、過疎化の進行を食い止めるべく、地域振興、地域の活性化を図ってきました。しかし、若者の多くは働く場所が少ないなどの理由で、生まれ育った土地から都市部へ流れ、人口が減少、高齢化は止まらず、基幹産業である農業の衰退、農地の荒廃や山林の荒廃が進む中、都会からの転入者もありますが、合併後も同じような状況が続いています。 中山間地域の人口減少、高齢化の進展は、集落戸数が減少する中、集落が置かれている条件の違いによって集落維持が図られている地域と、集落維持が困難な地域が現れています。集落の維持が図られている地域でも、集落運営を支えているのは70歳代の皆さんであり、今までのように住民生活を続けることと集落を維持することの困難が予想されます。農業に生きがいを感じている元気な高齢者もいますが、将来の生活に明るい展望を描くことができないと旧市内へ移住しようと考えている若者や子育て世代が見受けられます。全体の発展を図る中で、若い世代が中山間地域に定住し続ける生活環境をいかにつくり出すかが重要なことと思われます。市内の中山間地域が抱えている課題は、そこに住んでいる皆さんの取組で解決できる課題ではなく、行政の積極的な関与が求められています。 集落維持には、ある一定の人口が保たれることと、現在そこに住んでいる住民が幸せを感じられるようなことも大事なことと思っています。地域間格差や集落間格差が生じないよう、暮らしの状況や若者、高齢者の生活実態を把握し、地域活動が停滞しているような地域、集落に対しては積極的なてこ入れを行うことが必要と考えます。御所見をお伺いいたします。     (35番 小林治晴議員 質問席へ移動) ○議長(小林義直) 加藤市長     (市長 加藤久雄 登壇) ◎市長(加藤久雄) 初めに、8月の集中豪雨の復旧状況と復旧見通しについてお答えいたします。 去る8月11日の集中豪雨では、幸い人命に関わる被害はありませんでしたけれども、県道、市道の通行止め、水道の管路破損、農地の被災など、戸隠・鬼無里地区を中心に多くの被害が発生いたしました。被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。 最初に、水道施設につきましては、戸隠地区で4か所、鬼無里地区で2か所、信州新町地区で1か所、計7か所で導水、送水、配水管が破損する被害を受けました。断水は403戸に及びましたが、仮設配管や修繕などを行い、13日には全て解消いたしました。施設の本復旧につきましては、3か所で工事を完了しており、鬼無里の土倉など4か所につきましては、道路の災害復旧工事などに併せて復旧する予定でございます。 次に、農業施設関係では、農地への被災が239件、農道26か所、用水路で53か所の災害が発生し、応急復旧として土砂撤去や仮設水路の設置などを行い、収穫を迎える水田の農業用水は確保いたしました。農地の復旧につきましては、地権者との復旧協議を完了した箇所から順次復旧してまいります。 次に、河川施設関係では、護岸崩落、土砂埋塞など、戸隠で23か所、鬼無里で24か所、その他の地域で8か所、合計55か所において災害が発生し、崩落土砂の撤去作業など応急対策は完了しております。 道路施設関係では、市道の路肩決壊、土砂崩落などの被害が戸隠で76か所、鬼無里で94か所、その他の地域で66か所、合計236か所で発生いたしました。現在は応急復旧がほぼ完了しましたが、被災規模が大きい箇所や落石などの危険がある11か所については通行どめとしております。 最後に、これらの片側通行を含めた通行規制を行っている箇所の復旧見通しにつきましては、緊急度の高い路線から復旧工事の発注準備を進めており、橋りょうや河川施設の復旧を含めた国庫災害復旧事業の対象箇所については、10月中旬に予定されている国の災害査定などの事務手続が整い次第、県など関係機関と連携して工事発注を行ってまいります。また、県道については現在通行どめの箇所はなく、県も復旧に向けた作業を急いでおります。 いずれにいたしましても、8月11日以前の豪雨、台風災害を含め、市民生活に大きな影響を与えましたので、引き続き早期復旧に努めてまいります。 次に、砂防や河川改修事業の国、県への働き掛けについてお答えいたします。 近年は、局地的な集中豪雨による災害も激甚化し、尊い人命や財産が失われております。市民が安全で安心して暮らせる災害に強い長野をつくるためには、豪雨や豪雪、地震などによる自然災害に対しハードとソフトの両面から防災・減災対策を推進することが重要であると考えております。現在、県が管理する河川施設の被災状況については、昭和50年代に対して直近の10年間では、箇所数で10分の1、被害額で5分の1と減少しており、県はこれまでの河川改修で整備効果の発現が見られるとしておりましたが、今年の6月末から8月までの大雨によりまして、長野だけで25か所の国庫河川災害が発生しております。これは、中山間地を流れる河川が極めて急勾配であり、急しゅんな地形でぜい弱な地質の流域に加え、今年は時間雨量70ミリメートルを超えるようなこれまでにない短時間の集中豪雨が度重なり、発生したことなどが原因であると考えております。 このような状況の中、国への働き掛けにつきましては、県内の市町村で組織する長野県河川協会や長野県治水砂防協会を通じて、河川事業や砂防事業などの一層の推進と予算確保に向け、毎年国や関係する国会議員に対して要望活動を行っているところでございます。また、今月5日には、長野県議会の危機管理建設委員会に対しまして、今年度多発している災害の早期復旧に関するお願いと、戸隠の楠川を初めとする県管理の一級河川の整備や砂防事業などの促進についても陳情したところであります。 いずれにいたしましても、今回のような過去から繰り返し災害が発生している箇所につきましては、今後、その原因や対策について調査、検討をしていただくよう、県に働き掛けてまいりたいと考えております。今後も引き続き、市民の生命、財産を守るため、防災・減災対策に取り組み、災害に強いまちづくりに努めてまいります。 ○議長(小林義直) 竹内地域・市民生活部長     (地域・市民生活部長 竹内好春 登壇) ◎地域・市民生活部長(竹内好春) 私からは、地域活動が停滞している地域、集落への対応についてお答えいたします。 中山間地域では、都市部への人口流出に歯止めが掛からず、地域活動の担い手不足などにより、集落存続自体が危ぶまれる状況が深刻な問題であることは十分認識しております。 そのため、本市では過疎化が著しい地域における共助機能の維持を図るため、中山間地域を対象として、平成22年度から、やまざと支援交付金制度を設けております。その内容は、日常生活を営む上で支障となっている中山間地域特有の課題を解決するための公益的事業に要する経費に対して上限100万円を、また、この事業の実施に当たり、中心的な役割を担う地域活性化推進員の雇用に要する経費に対して上限120万円を、予算額180万円の中で住民自治協議会の皆さんに活用いただいているものでございます。 本制度の趣旨は、地域の実情や抱える課題は地域ごとに様々でありますことから、行政による一律の施策を行うのではなく、地域が主体となって地域の実態を把握するとともに、その課題解決に向けてどのように具体的に取り組むのかを地域が決定し、実施をしていただくものでございます。 平成25年度には、この地域活性化推進員が中心となって実態を把握するために、集落単位に集落点検調査を実施し、取りまとめをした経過もございます。生活実態の把握や地域活動の停滞している集落等への支援につきましては、地域活性化推進員を中心に、住民自治協議会、支所が一体となり、改めて実態調査を通じた現状把握を行い、まずは、やまざと支援交付金を活用した集落支援策を検討いただきたいと考えております。現在、中山間地域の全ての住民自治協議会におきまして、本制度を活用した生活道路の草刈り、あるいは支障木の伐採、除雪や野ネズミ駆除などの取組は行われておりますが、今後、具体的な取組を各地域で決定いただく際、地域の課題解決や議員御指摘の共助機能の維持を最優先に改めて検討し、見直しを図っていただくことが必要ではないかと考えております。 なお、今後、各地域におきまして行われる活動内容を総合的に検証する中で、費用や効果等の面から、が直接行うことが望ましいと考えられる活動等につきましては、必要に応じて担当部局による事業化も含めて検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(小林義直) 竹内保健福祉部長     (保健福祉部長 竹内裕治 登壇) ◎保健福祉部長(竹内裕治) 私からは、健康増進、健康寿命延伸についてお答えいたします。 最初に、自治体への財政支援に対するの対応についてでございますが、平成30年4月から、新たな国民健康保険制度のスタートに併せ、医療費の適正化等、保険者として努力を行う自治体に対する国の支援が拡充されることになり、全国規模で県分、市町村分として各500億円が配分されることとなりました。 この保険者努力支援制度は、具体的な取組を客観的な指標で評価し支援金が配分されるもので、前倒し分として平成28年度から150億円の国の予算が充てられております。平成28年度の評価項目は、特定健診、特定保健指導の実施率などの11項目となっており、本市では特別調整交付金約3,300万円が交付されたところであります。 今年度は、糖尿病重症化予防対策を強化するため、各医師会の御協力をいただき、主にヘモグロビンA1c6.5パーセント以上の糖尿病未治療者約950人全員に対して受診勧奨の保健指導を始めており、保健指導の内容をかかりつけ医と共有し、治療継続の支援を行っております。 また、治療中のハイリスク者約430人に対しては、日常生活に即した保健指導と医療の連携により、糖尿病による腎不全、人工透析への移行防止を進めております。平成30年度は、レセプト情報を活用して、半年以上治療の情報がない治療中断者、推計2,000人に対する受診勧奨を行い、治療中断が引き起こす糖尿病の重症化の予防にも努めてまいります。これらの取組を通し、糖尿病による新規の透析患者を毎年5人予防した場合には、5年後の医療費抑制効果額として約4億円が見込まれるところであります。 今後も保険者としての努力が実効を上げ、評価の加点につながるよう取組を強化し、被保険者の健康寿命の延伸と、更には医療費の削減や国民健康保険財政の健全化に向け、努力を重ねてまいります。 次に、健康寿命を延ばすための取組や課題についてお答えいたします。 本市では、健康寿命の更なる延伸を目指し、各ライフステージの特徴や課題に応じた介護予防や健康増進の取組を推進しております。介護予防を推進する取組では、介護予防あれこれ講座、介護予防教室などの普及啓発事業の他、介護予防クラブ支援事業により、自主的な活動グループの育成支援を行っています。個人で行う運動などの取組に併せて、仲間との活動や生きがい、役割を持っての社会参加が介護予防に効果があることが、近年示されています。このため、住民同士でストレッチや筋力トレーニングを行う自主グループの活動が定期的、継続的に行われるよう、理学療法士や作業療法士などの専門職が地域公民館などに出向き、介護予防クラブの立上げ支援を行っております。 8月末現在、101グループが活動をしております。グループの育成に当たっては、活動する場所の確保、地理的な条件で週1回程度集まることが難しい地域での活動づくりが課題となっております。 健康増進の取組では、保育所、幼稚園、学校、職場等に対する運動に関わる出前講座等により、子供の成長に合った体の動かし方や、筋力、骨量アップの方法などを指導しております。栄養、食生活の面では、生活習慣病の発症、重症化を予防するための個別栄養相談、訪問栄養指導を実施しております。しかしながら、健康に関する生活習慣の改善に関心があるものの、なかなか実践できない人も多いことから、実践に向けた動機付けが課題となっております。今後も引き続き介護予防や健康増進に取り組んでまいります。 次に、インターバル速歩を調査、検討して取り入れたらどうかとの御質問についてお答えします。 ウオーキングは、誰でも、どこでも、いつでも取り組むことができる運動、スポーツで、健康に対しても効果がございます。9月17日に本市主催で開催する、糖尿病の発症・重症化予防シンポジウムでも、ウオーキング体験会を開催することにいたしました。 インターバル速歩は、信州大学の能勢教授が研究開発された、速歩で負荷を掛け、ゆっくり歩きを取り入れながら長続きさせるという歩行、運動方法です。専用の小型器械を腰に付けることで、データ蓄積ができ、そのデータを専用のソフトで解析の上、指導資格を持つトレーナーが使用者に指導を行うシステムになっているようです。 このシステムの運用に当たっては、専門の解析システムや専門のトレーナーの配置が必要になるなど費用が掛かる他、更なる応用研究も現在進行中とお聞きしております。新たに開発するスマートフォン向けアプリにつきましても、手軽に取り組めるきっかけになるとは思いますが、まだまだ研究開発途上のようでございます。 本市といたしましては、こうした動きを注視しつつ、誰もが取り組みやすい健康づくりの一つの手法として、議員御提案のとおり、調査、検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 西島農林部長     (農林部長 西島 勉 登壇) ◎農林部長(西島勉) 治山事業についてお答えいたします。 8月11日の豪雨災害におきまして、戸隠・鬼無里地区の山林5か所で山腹崩壊が発生いたしました。治山事業は、国、県が主体で事業を行うことから、県に対して被害拡大防止の要望をしたところでございます。 現在、市内で継続している主な事業として、国では平柴地区において旭山復旧治山工事を実施しております。県では、平成27年4月に鬼無里地区で発生した山腹崩壊箇所の復旧工事及び林道大川線の落石箇所において、落石防止のための調査などを実施しております。また、今年度、豊野地区の2か所で土砂流出を防ぐ工事を実施する予定となっております。 本市におきましては、土木事業要望に係る現地調査等によりまして危険箇所を把握し、事業主体である県に対して治山事業実施を要望するとともに、被害拡大防止の保全対策等を行っております。 次に、長野県の治山事業に係る長野分の事業費の推移ですが、平成27年度は長野県神城断層地震による影響で31か所、7億882万円、平成28年度は18か所、3億969万円、平成29年度の計画は21か所、2億3,770万円となっております。 ○議長(小林義直) 島田建設部長     (建設部長 島田純一 登壇) ◎建設部長(島田純一) 私から、防災・減災に対するの取組と方針についてお答えいたします。 長野地域防災計画では、災害に強いまちづくりを推進するため、災害に強い交通やライフライン施設の整備、河川の改修などを進め、都市基盤の充実・強化を図る、防災のための都市づくり、防災のための人づくり、及び防災のための仕組みづくりの3つの事項を防災の基本方針としております。また、重点項目の一つとして、中山間地域の防災対策の充実を定めております。このような方針に基づき、都市基盤の充実・強化の取組として、では国、県管理以外の河川や地滑り防止区域や砂防指定地以外の小規模な対策工事などについて、地域の御要望を受けながら、優先順位や整備効果などを踏まえ、それぞれの工事を実施しております。しかし、楠川などの一級河川や大規模な砂防事業などの計画的な整備については、河川法、砂防法及び地すべり等防止法などに基づき、国や県が対策事業を実施しており、では事業の整備促進の要望、地元調整や必要な法指定手続の協力などの対応を行っております。 一方、中山間地域の主要な市道においては、毎年、道路防災点検を実施し、放置すると災害に至る可能性が高い箇所について、これまでも防災対策事業を行ってまいりましたが、今年度の調査で要対策と判定された78か所について、整備計画を策定し、緊急性、重要性がより高い箇所から事業化を図り、今年度から5か年程度で対策工事を完了させる予定としております。 以上のような取組は減災にもつながるものであり、今後も国、県と協力しながら、安全・安心な地域づくりに積極的に取り組み、防災・減災対策に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 込山消防局長     (消防局長 込山忠憲 登壇) ◎消防局長(込山忠憲) 私から、市内各地で行われている避難訓練と水防訓練の状況についてお答えいたします。 最初に、避難訓練の実施状況についてお答えします。 市内各地区には、自分たちのまちは自分たちで守るという地域連帯の意識に基づき、平成29年4月1日現在、市内全地区において543の自主防災組織が結成されております。このうち、平成28年度には全体の87パーセントに当たる474の組織で訓練を実施いただき、この中で土砂災害や水害、地震災害等を想定した避難訓練の実施件数は367件でした。 次に、水防訓練の実施状況についてお答えします。 本市では、毎年出水期を迎える6月初旬に、千曲川河川事務所や長野建設業協会、各地区自主防災組織等との連携の確認、また、消防団等の水防技術の向上を図るため、長野水防訓練を実施しており、今年は6月3日、若穂綿内地籍において、消防団や関係機関、地元若穂地区の各自主防災組織を含め約460名の参加をいただき実施したところでございます。また、過去に水害に見舞われ、甚大な被害を受けたことのある地区では、自主防災組織連絡協議会等を中心に、毎年各地域の実情に応じた水防活動を含む防災訓練が実施されています。さらに、集中豪雨等により、集落内の河川の氾濫による被害が想定される区域の自主防災組織においても、土のう作製や簡易的な水防工法の訓練を取り入れ、地域実情に応じた訓練を実施いただいているところでございます。 次に、夜間の避難訓練実施の呼び掛け等についてお答えします。 近年の異常な気象がもたらす集中豪雨等により、土砂災害や浸水被害の危険性は年々増加する傾向であり、今年度においても7月と8月に8回の土砂災害警戒情報等による避難勧告が発令され、そのうち午後8時以降における勧告は4回発令されております。消防局では、毎年、年度当初に、各地区の自主防災組織の会長と防災指導員を対象にした研修会を開催し、夜間を含む様々な想定に基づく訓練を行うことの重要性を説き、昨年度においては33組織で夜間、または夜間を想定した避難訓練を実施いただきました。 また、地区の訓練指導では、まず土砂災害ハザードマップ等を基に、自分の住んでいる場所の土砂災害等の危険性を把握すること、避難場所の位置、さらに避難場所までの経路を十分に把握することを指導しておりますが、災害は昼夜の別を問わず発生し、夜間における豪雨の中での避難や避難誘導は困難を極めるものがあり、特に中山間地域における夜間の避難場所への移動には時間が掛かり、移動手段も考慮しなければならず、危険が伴うケースもあります。 このような事情を踏まえ、夜間想定等を含む多様な想定の避難訓練をふだんから実践し、地域の皆様が自ら問題点等を洗い出し、避難行動につなげていくことが何より重要であることから、今後とも自宅内の安全な場所への避難や、地区の一時避難場所への避難等、様々な避難行動をイメージし、訓練することができるよう、研修会及び出前講座等の機会を通じ、各自主防災組織に呼び掛けてまいりたいと考えております。 ○議長(小林義直) 小林治晴議員 ◆35番(小林治晴議員) それぞれありがとうございました。 インターバル速歩でございますが、専用の機器を付けてやるというとなかなか大変だと思います。自分で計算をしながら、5分の間でできるようなことも私も始めましたので、皆さんもやってみたらどうかと提案します。 以上で終わります。 ○議長(小林義直) 本日の会議はこの程度にとどめ、明14日は午前10時から本会議を開き、行政事務一般に関する質問を行います。 本日はこれにて散会いたします。   午後5時36分 散会...