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  1. 仙台市議会 1999-01-21
    民生衛生委員会 本文 1999-01-21


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:                 ※会議の概要 2: ◯委員長  ただいまから、民生衛生委員会を開会いたします。  本日は、菅原敏秋委員が公務のため委員会を欠席しております。また、八島幸三委員佐藤洋輔委員から欠席の届け出がありましたので、御報告いたします。  本日の日程は、お手元に配付のプリントのとおりであります。  なお、委員会終了後、引き続き協議会を開催し、委員会審査事項以外の所管事項について、当局からの報告及び質問等を願いますので、よろしくお願いいたします。  審査に入ります前に、来月の常任委員会について、おことわりを申し上げます。  第1回定例会の招集日は、例年どおりですと2月中旬以降と予想されますが、閉会中常任委員会通常開催日である21日以前に、来月は曜日の関係で19日になりますが、その日以前に第1回定例会が招集される場合には、私といたしまては、2月の閉会中常任委員会を日程を繰り上げてまで開催するということは考えておりませんので、御理解をお願いいたします。  ここで、副委員長と交代いたします。             〔委員長退席、副委員長着席〕 3: ◯副委員長  委員長と交代いたします。              《閉会中継続審査について》 4: ◯副委員長  それでは、これより審査に入ります。「地域福祉について」であります。  本件について、当局から報告願います。 5: ◯健康福祉局長  御報告申し上げます。  近年、核家族化や都市化などの環境の急激な変化の中で、子供の置かれております状況は変化いたしておりまして、子供に対します虐待への関心も急激に高まっておるところでございます。そこで、本日は児童虐待についての本市の状況につきまして、児童相談所長より御報告申し上げさせていただきます。  なお、児童虐待につきましては、現在、心の健康づくりの観点から、今後の取り組みの方向性を仙台市精神保健福祉審議会におきまして御審議いただいているところでございまして、年度内には御提言をいただくこととなっておりますことを申し添えさせていただきます。  以上でございます。 6: ◯児童相談所長  仙台市の児童虐待の状況について、資料1に従いまして、御報告申し上げます。  局長からも申し上げましたように、社会経済状況の急激な変化や、その中でも都市化、核家族化、女性の就労といった変化に伴いまして、少子化や子育ての困難な状況が生じていることから、子供に対する虐待への関心が急激に高まりつつあります。本市におきましても、相談件数が年々増加しておりまして、取り組むべき課題となっております。児童虐待につきましては、それ自体に的確に対応することが必要なだけではなく、早期発見や予防、再発防止のためにも、子育て支援の観点から、子育て中の不安や危機に対するさまざまな援助を行うことが必要であると考えられます。このような状況の中で、児童相談所におきましては児童虐待相談事例を分析いたしまして、本市の現状とこれからの課題について整理を行いましたので、御説明申し上げます。
     1といたしまして、児童虐待の基本的なとらえ方について御説明いたします。  まず、児童虐待とは、親または親にかわる養育者によって反復して行われる、子供を身体的、心理的に傷つけたり、適切な養育や保護を怠る行為であるというふうに定義されております。児童虐待は、子供の心身の成長や発達に重大な影響を与えると言われており、対応へのおくれが生命への危険を含む深刻な事態を引き起こしかねません。そのため、専門機関が実際に介入していく際には、慎重な判断と同時に子供を守るということを最優先に考え、迅速かつ積極的な対応をしていく必要があると思われます。  また、児童虐待は、複雑な家族関係や経済的な問題などを抱える家族ばかりではなく、表面は何も問題がないように見えるどのような家族にも起こり得ると言われております。さらに、虐待をしている親自身が悩み、援助を求めている場合も多く見られまして、児童虐待という行為に対しては毅然とした態度をとりながらも、親自身も援助を求めている対象としてかかわっていく必要があると思われます。  2ページに、子供虐待のタイプということで、厚生省の監修によります子供虐待防止の手引からの引用を載せております。  1)の身体的虐待ですが、これは、殴る、ける、首を絞める、たばこの火を押しつけるといった、子供に対する身体的な暴力を指しております。  2)の性的虐待は、子供に対して性的な行為を行うことでして、父親から女児に対するものが多くなっております。  3)の心理的虐待は、「おまえなんか生まなければよかった」などといった、言葉によるおどかしですとか、子供からの話しかけを無視するといった拒否的な態度を示すことで、子供の心を傷つける行為を指します。  4)のネグレクトと言われますものは、養育の放棄、保護の怠慢というふうにも呼ばれておりますが、健康状態を損なうほどの不適切な養育ですとか、子供の危険について重大な不注意を行う、家に監禁するですとか、学校に登校させない、病気になっても医者に連れていかない、食事を与えない、不潔なままにするなどの行為を指します。親がパチンコをしている間、乳幼児を自動車の中に放置して、結果として熱中症で子供が死亡したり、誘拐されたりする事件がございますが、これもネグレクトの結果というふうに言えると考えられております。  このような4種類の虐待がございますが、これらが重複して行われることが多くなっております。  (2)といたしまして、児童相談所の機能ですが、児童相談所は、児童虐待に関する相談、援助の中核となる機関というふうに言われております。その根拠とされているものは、1)から8)までかいてございますような法に基づいて、親子関係に介入し、調整を行う機能を持っているということに基づいております。  この中でも、1)の児童虐待発見の通告を受けるというところがございますが、児童福祉法の第25条には、虐待を受けている要保護児童を発見した国民は、すべて通告する義務があるというふうな、通告義務として述べられてあります。そのほかに、3)にありますように、児童虐待の疑いが高い場合に、住居等への立入調査を行う29条の機能。それから4)にあります、緊急に子供を保護する必要がある場合には、親の同意を得られなくても、児童相談所長の判断で一時保護を行うことができるという機能を持っております。また、7)の保護者が同意しない場合にも、家庭裁判所の承認を受けまして、子供を児童福祉施設に入所させるという機能もございます。  これらの機能が、児童虐待への介入のときに大変大きな力を発揮するというふうに言われております。  3ページの発見から援助までの流れでございますが、児童虐待が発見されますと、直接児童相談所に相談、通告をいただくこともありますし、区の保健福祉センター、また警察、学校、病院、保育所、民生委員の方などを介して、児童相談所に通告が寄せられます。その後、児童相談所は、述べましたような各関係機関と情報交換を行いまして、その緊急度の判定を行います。それで、子供の安全の確保が必要なほど緊急性が高いと判断した場合には、怪我をしていた場合には入院、それから一時保護などといった手段を用いまして、子供を保護いたします。その後、虐待者との長期分離──親との長期分離が必要な場合には、施設の入所を決めます。それほど緊急性が高くない場合には、在宅の形で親と子の両方にかかわりを持っていくというふうなことになります。  次の4ページ目に移ります。  二番目に、このような児童虐待に対する国の取り組みでございますが、平成9年6月に児童福祉法が改正されましたが、この中で、児童相談所につきましては、多様化、複雑化している相談内容や急増している児童虐待などの困難な事例に適切に対処し、また入所措置などの客観性の確保を図るため、児童福祉審議会に法律や医学などの専門家からなる措置審査部会等バックアップ体制を設け、機能強化を図っております。あわせて、同じ時期に、児童虐待等に関する児童福祉法の適切な運用についてと題した通知を出しておりまして、児童福祉法の適切な運用による児童虐待等の問題に対する積極的な取り組みを求めております。特に、これまでやや運用のあいまいだった部分を明確化いたしまして、児童虐待に対して、子供の利益という観点から、毅然とした対応をとることとしております。  続きまして、本市における現状でございますが、本市においても先ほど述べましたように、相談件数は年々増加の傾向にあります。また、平成9年11月に実施いたしました「こころの健康づくり」の市民アンケートでは、虐待に関することについて、民生委員児童委員、区の保健福祉センター職員等関係機関の職員に調査を行っておりますが、日ごろの活動やいろいろな事業の中で、児童虐待に関する相談を受けているということや児童虐待の存在が身近な問題として把握されてきているということがわかっております。また、児童虐待については、児童相談所が中心となって対応しておりますが、区の保健福祉センター精神保健福祉総合センター、児童館、保育所などの子育て相談においても、児童相談所に相談通告するまでに至らない子育ての不安や悩みとして、相談を受けているものも多く見られました。区保健福祉センターの中には、このような母親を対象に、グループで家族関係や子育ての不安を話し合う事業を実施するところも出てきております。  次に、表の御説明に移りますが、児童虐待相談件数を全国と比較いたしますと、平成2年度から9年度までの推移は、以下のようになっております。この間に、当初1,000件余りであったものが、5,000件以上に全国的にふえておりますが、仙台市におきましても、2件にすぎなかったものが、9年度には72件にふえてございます。  5ページ目に移ります。  相談件数児童虐待の分類でございますが、先ほど御説明申し上げました四つの虐待の種類に分けますと、これは主な虐待ということで分けてございますが、身体的虐待が数としては一番多くなっております。続いて、保護の怠慢──ネグレクトと呼ばれるものが多くなっておりまして、平成7年度から9年度にかけては、この部分の増加が明らかに見られます。  次に、相談処理状況でございますが、相談内容の緊急性に応じて、助言指導、児童福祉司指導、一時保護、施設入所などの対応をとっております。平成9年度中に、一時保護をした児童は25名でした。  1)の助言指導ですが、これは実際上は電話相談になっております。緊急性が比較的低いと判断されたものについては、こういう形での指導をしております。また、関係機関からの電話相談に関しましては、児童相談所へのつなぎ方の説明や緊急対応の流れなどの説明をいたしております。  2)の児童福祉司指導。これは在宅指導を指しておりますが、緊急性はそれほど高くありませんが、継続的なかかわりが必要と思われるケースにつきましては、児童相談所への通所、あるいは職員の家庭訪問という形で在宅指導を続けております。  3)ですが、生命の危険がある、一時的に子供の安全確保が必要など、緊急性が高いと判断される場合には、児童相談所に併設された一時保護所に、主に子供を保護しております。また、子供を養育者と長期に分離した上で家族関係を再調整する必要があるものについては、施設入所という方法をとっております。  6ページに移ります。  児童虐待相談受け付け経路でございますが、表のようになっておりまして、平成9年度におきましては家族や親戚からの相談が一番多くなっております。その次に多いのが、福祉事務所児童委員の方からの相談、通告でございます。関係機関からの相談、通告は、福祉事務所、保健所などが多いんですが、家族、学校、民生委員児童委員などからの相談を一度受けまして、その後児童相談所に連絡をしてくる場合が多くなっております。医療機関の場合は、定期検診、救急での発見。警察については、家出をした子供の保護などを介して連絡がある場合が多くなっております。         〔屋代光一委員「議事進行」と呼び、発言を求む〕 7: ◯屋代光一委員  ちょっとトイレに行きたいんだけれども、私が立つと過半数を割ってしまって、委員会が成り立たないんだけれども、トイレに行っていいですか。 8: ◯副委員長  それでは、暫時休憩をとりたいと思いますが、よろしいですか。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 9: ◯副委員長  それでは、委員が戻り次第再開いたします。  暫時休憩をします。               休憩 午後1時21分               再開 午後1時25分 10: ◯副委員長  再開いたします。  児童相談所長、申しわけございませんが、引き続き御報告をお願いいたします。 11: ◯児童相談所長  続けさせていただきます。  個人からの相談は、学校や福祉事務所に相談をしました際に、児童相談所を紹介されて相談してくる場合が多くなっております。  五番目に主な虐待者でございますが、実母による虐待が68%というふうに多く、次いで実父というふうになっております。  7ページ目に移らせていただきます。  児童虐待の背景でございますが、児童虐待の背景には、親自身の問題、子供の特徴等の個人的な要因だけではなく、一人一人の子供との親子関係でありますとか、家庭状況、社会状況の変化など、さまざまな要因があると言われております。児童相談所における事例を見ますと、多くの事例に次のような背景がうかがえます。また、複数の背景が重なりあっている場合がほとんどです。  1)として、子育てで孤立している場合が挙げられます。  核家族化や父親の子育てへの不参加、地域の人間関係の希薄化などによりまして、養育責任のすべてを母親が担っている場合、子供が期待に沿わないときなど、否定的な感情を抱きやすくなります。これが虐待につながることが多くなっています。これは父子家庭などにおいても、支援を得られない場合は同様と考えられます。  2)ですが、ストレスの多い家庭状況が挙げられます。  経済的困難や家族の病気、夫婦関係が不安定な場合など、親にゆとりがなくなって、そのストレスが子供に向けられる場合が多くなっております。また、母親が父親から暴力を受けていて、子供が放任されているケースも見られます。  三番目に、親自身が問題を抱えている場合がございます。  親自身が小さいときに虐待を受けて育ってきた場合、若年で親になり未成熟なため親になりきれていない場合、精神的な不安定、アルコール等の依存症がある場合などが多く見られております。  最後に、子供の特徴による場合がございます。  未熟児や病弱で長く入院した、発達におくれがある、落ち着きがない、泣いてばかりいるなど、子供に手がかかったり、育てにくい場合に、親が精神的、肉体的に追い詰められ、虐待が生じやすくなります。さらに、夫や親戚からの援助が得られない、一番に述べましたような、孤立している場合などに、危険性がさらに高まるというふうに考えられます。  本市の現状はこのようなものでございますが、8ページ目の児童虐待への取り組みにおける課題でございます。  児童相談所におきましては、このような件数の増加に迅速に対応するため、平成10年度から児童虐待の緊急対応に当たる専門の援助活動チームを設けました。それとともに、児童福祉法の改正にあわせまして、仙台市社会福祉審議会児童福祉専門分科会の中に5名の委員から構成する措置審査部会を設置いたしまして、事例検討を重ねてきております。しかし、相談件数の増加傾向を考えますと、児童虐待に関することのすべてに単独で対応していくには限界があります。それで、関係機関の間で児童虐待に対する共通理解を深め、緊急性の度合いや各機関の機能に応じた役割分担を行いまして、関係機関との連携によって問題を解決していく必要があろうと考えております。  また、児童の施設入所後の親に対する継続的なケアや家庭復帰後の地域における支援体制の整備などの長期的な対応は、今後の課題というふうに考えております。  五番目に、今後の取り組みについてでございますが、一番目に児童虐待に関する意識の啓発が必要だと考えております。児童虐待を予防し、また早期発見につなげるため、パンフレット等の作成、講演会等の開催を行いまして、市民の中に児童虐待に対する関心と理解を高めてまいりたいと考えております。  二番目に、総合的な援助活動の実施でございますが、児童虐待の背景や状況を総合的に把握し、子供と親の双方に適切な援助を行うために、庁内の関係部署との事例検討連絡会議の開催を行いまして、それぞれの専門性を生かした横断的かつ実質的に共に援助活動が行えるような、そういう展開をいたしたいと考えております。また、警察や家庭裁判所弁護士会医療機関、教育機関、児童福祉諸団体等、児童虐待に関係する各団体、市民グループとの連携を密にするための、連絡会議等の開催もいたしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 12: ◯副委員長  ただいまの報告を含めて、本件について質問等はありませんか。 13: ◯青野登喜子委員  今御報告をいただいて、仙台市内における児童虐待の現状がよくわかりました。  そこで、最後のところの今後の取り組みについてというところで、もう少し具体化されているものがあればお知らせいただきたいと思ってお聞きしたいんです。  実は、去年の夏ごろでしたか、県の中央児童相談所の方に別な用向きで伺ったときにもこの話が出まして、それで、今大変ネットワークづくりがおくれていて、即応体制がまだ十分ではないということで、県の児童相談所に子供さんを一時保護しても、2カ月近く置かれても、結局即応体制がうまくなっていないために、またもとのもくあみにというか、もとの親のもとに帰って行かざるを得ない状況があるということなどのお話がありました。ですから、そこから一歩でも取り組みの方向が、今の話ですとネットワークづくり等の必要性は認識されてきているということで、方向はそういうことなのかと思いましたけれども、もう少し具体的なところでの取り組みなどがどんなことになっているのかということが一つと、それともう一つは、各区ごとに置かれている保健福祉センターの職員の配置といいますか、専門職も含めたそうした職員、要するに人手のいるところの仕事ですので、そこのあたりが、従来の仕事に加えてこうした事例がふえてきているということですと、やはりかなり人的な措置などもあらためて必要になっているのではないかと思うんですけれど、ここのあたりの体制はどういうふうに強化されてきているのか、あわせてお伺いしておきたいと思います。 14: ◯児童相談所長  ネットワークをつくっていく始まりといたしまして、既に今年度からいろいろな関係機関との間に連絡会議を持つ試みを始めております。これは児童相談所が主催したものではありませんけれども、先日の12日には障害保健福祉課が、心の健康づくりという観点からの児童虐待に関する関係課長会議を開催いたしました。これには、5区、2総合支所の関係課も含まれておりました。  それから、児童相談所の方では、各区の保健福祉センター担当係長会議を今年度中に持つ予定でおります。そのほかに、施設入所の28条の申し立てをいたしましたケースについての事例検討を、家庭裁判所との間に既に持っております。それから、今年度中に予定している会議といたしましては、仙台弁護士会の中の子供の人権委員会の弁護士さんとの間に、児童相談所の見学も兼ねまして、連絡会議を持つ予定を立てております。  このような一つ一つの会議の積み重ねをもとにいたしまして、来年度はこれを継続いたしますとともに、もっと幅広い市民グループも含めた形の大きな連絡会議を開催できたらというふうに考えております。 15: ◯健康福祉局長  御質問のもう一点の、保健福祉センターの担当の体制の部分でございますが、現在、各保健福祉センターにおきましては現有体制の中で御努力いただいておるという状況でございまして、これにつきましては、今後児童相談所その他関係のネットワークの中で、その効率的な対応も含めまして、いろいろ努力してまいりたいと思っておるところでございます。そういった中で、必要な人員につきましては、その確保に今後とも努めてまいりたいと思っておるところでございます。 16: ◯青野登喜子委員  もう一つだけ、ちょっと角度を変えた質問なんですけれども、児童相談所大変かなめとなる機関だということは十分わかりました。それで、実はこの児童相談所の機能というのは、児童虐待だけにとどまらず、子供にかかわるあらゆるところにかかわっていくところだと思っているんです。そういう意味では、児童相談所設置基準というものは、今どういう基準になっているのか、そこのところをおわかりでしたら御説明いただきたいと思うんですが。 17: ◯児童相談所長  児童福祉法に基づきまして、都道府県、あるいは政令指定都市に設置が義務づけられておりますが、その設置基準といたしましては、おおむね人口50万人に1カ所というふうになっております。 18: ◯青野登喜子委員  といいますと、仙台市が政令市になってから、県の方から移管されて新しく児童相談所がつくられて、今、現に運営されているわけですが、その人口の基準でいきますと、間もなく春には100万都市になるんだということを市長さん初め誇らしく言っていらっしゃるわけなんですが、そうなりますと、児童相談所の施設も1カ所では基準から見ると不足ということになるんではないかと思います。最少限でも2カ所必要になってくる施設だろうと思いますが、児童虐待取り組みもまだまだ社会的な背景から見ておろそかにできない、数ももっとふえるかもしれない、そういう状況ですので、この辺で2カ所目の児童相談所を建設すると、設置していくという方向が検討されていく必要があるのではないかと思うので、ちょっと角度が違うんですが、そのあたりはどんなふうにお考えになっていらっしゃるのか、また考えていかなければいけないものだと思うんですが、いかがなものでしょうか。 19: ◯健康福祉局長  ただいま設置基準につきましてはおおむね50万人に1カ所ということでございまして、私どもとしては、必ずしもこれが100万人になれば2カ所という理解はいたしてはおらないところでございまして、今後1カ所で対応が困難になるのかどうか、そういう現実の状況というのを大事にしながらいろいろ進めていきたいなと思っておるところでございます。 20: ◯青野登喜子委員  今の時点では、まだそこまではということの御回答のようですが、少なくとも国の基準というものが出ておりますので、いずれ2カ所目が必要であるというのは、方向としては出ているのではないかと思うんですが、その辺のところはどんなふうに受けとめていらっしゃるものなんでしょうか。 21: ◯健康福祉局長  確かに厚生省では、そういういろいろの部分につきましてこういった基準というものを設けておるところでありまして、実際、地方自治体におきましてはそういうものを参考にして進めておるというのは事実でございます。ただ、現在の私どもの置かれております社会情勢、あるいは行財政の状況、いろいろトータルで見てまいりまして、そういった中で仙台市として今後どう展望すべきなのか、この辺考えていく必要があるのかなと思っておりまして、現時点でなかなか今後のこの対応については、まだ考え方としては持ち合わせていないところでございます。 22: ◯青野登喜子委員  いきなり2カ所目の話をしましたので戸惑ったかもしれないんですが、今現状での児童相談所相談件数は、9年度に72件と急にふえてきたということです。それで、対応していらっしゃる児童相談所としては、現状も今後も含めて、現在の体制でまだ十分対応できる状況にあるのかどうかです。それとも、どこかの時点ではかなり体制を厚くしなければならないことになるのかどうか、その辺の状況などはどんなものになっているんでしょうか。 23: ◯児童相談所長  仙台市は、地域から申しましてもそれほど広くございませんし交通の便もよくなっておりますので、1カ所の児童相談所で相談が受け切れないという実態はまだ生じていないというふうに考えております。また、逆に二つに分かれますと、住民の居住区域によりましてはその居住区域を越えた別の相談所への相談ができなくなりますので、仙台市内が分割されたような形になります。その辺は、今後慎重に見きわめていかなければならないのではないかと考えております。 24: ◯岩崎武宏委員  今るる報告をいただいたんですけれども、一つは、児童相談所における相談受理件数が平成6年のあたりから飛躍的に増加を見ているわけです。今年度は、まだ年度途中で数カ月を残しているという段階ですけれども、平成10年度はどんな見通しになるんでしょうか。現時点での見通しがあるのならば、ちょっと教えていただきたいと思います。 25: ◯児童相談所長  平成10年度12月末現在の数でございますけれども、児童虐待相談件数は、総件数が87件と既にもう9年度を追い越しております。ちょっと詳しく御説明申し上げますと、身体的な虐待が41件。保護の怠慢が31件。性的な虐待が4件。心理的な虐待が11件というような内容になっております。 26: ◯岩崎武宏委員  平成9年の72件が、今年度は12月末で既に87件ということですから、これはもちろんふえてほしくない数字ですけれども、でもかなりのところまで現実にいってしまうのではないかというようなことを心配するわけであります。児童相談所以外の機関にも、児童のいじめや虐待等の問題について、いろいろ相談を受けているというようなことがこの報告の中にかかれてありますけれども、そうしますと、児童に関する虐待等については、全体ではどのくらいの相談件数になっているのかという、そのあたりのところは数字的に当局は押さえていらっしゃるんでしょうか。ちょっと関連してお伺いいたします。 27: ◯児童相談所長  平成9年度の児童虐待に関する相談について、児童相談所以外の部署の調査をいたしておりますけれども、その結果、総数は合計285件となっております。それで、相談を受けている場所は、精神保健福祉総合センターを初めといたしまして、教育センター、市立病院の医療福祉相談室、各区の保健福祉課となっております。 28: ◯岩崎武宏委員  平成9年度の確定した数字でいえば、児童相談所が72件と。またほかにもいろいろなところで相談を受けられているということで、全体では285件ということですから、多分、全体でいえば、平成10年度は本当に大きな数字になっているのではないかというふうに思います。もちろん、これは表にあらわれた相談で、実際に悩んで、あるいは通報とかあって、そして発覚をして相談に至った件数ということでしょうから、氷山の下というか、その数というんでしょうか、その件数まで含めましたら、児童に対する虐待とかいじめとかそういうものは、相当根が深くてかなりの広がりというか、数字的にもまたあるのではないかというふうに思うわけです。  それで、今の報告の中に、虐待に関する疑いが非常に強いというか、高いときには、住居等への立入調査をすることができるというふうにありましたけれども、現実問題として、なかなか……、例えば親子の間柄とかということの中で起こっていることといいますと、まあプライバシーのこともあるでしょうし、あるいは先般何かちょっと一部報道の中でも出ておりましたが、調査に入った後の親との信頼関係といいますか、そういうことに対する配慮から、立入調査というようなことがどの程度実施されているのかいないのか。非常に難しい問題をはらんでいると思うんですが、このあたりについては現実どんな状況でしょうか。 29: ◯児童相談所長  仙台市の児童相談所では、開設以来、この立入調査を行ったということはございません。まあ幸いと申しますか、立入調査を行わないで何とか対応ができているというふうに考えております。  なお、全国的には、調査した数字はまだ発表になっておりませんけれども、東京都でありますとか大阪市といった大都市の児童相談所では、行ったこともあるというふうに聞いております。 30: ◯岩崎武宏委員  今の所長の話ですと、児童相談所開設以来1件もないというお話で、なくて済むものであればそれはそれにこしたことはないと思うんですが、実際その立入調査なしでそういう状況というか、これを把握するというか、ではどんな方法で把握なさるわけでしょうか。その実態の把握が迅速かつ正確に把握できなければ、児童相談所の方にしましても適切な指導とか対応ができないんじゃないかと思うんですが、まあ幸いにしてとおっしゃったそのあたりのところなんですが、どんなふうにしてそういう家庭の中で、あるいは起こっている疑いが強いとかいう、そういう実態の把握をですね、なさっているのか、ちょっと教えてください。 31: ◯児童相談所長  その辺が先ほど御説明をしましたネットワークの問題と重なると思うんですけれども、虐待を受けている子供さんでも、学校ですとか、保育所、幼稚園には日中出ている場合が大変多いということが言えまして、そういった場で子供さんの様子を確認していただいたり、そういう機関同士の連携によってかかわりの入口をつくっていただいたりするというふうなことがございます。また警察の協力のもとで、警察の方から家庭訪問をしていただきまして、状況把握をしていただくということもございました。そういったことで、今のところ立入調査には至らないで済んでいるというふうに思っております。 32: ◯岩崎武宏委員  今の所長の重ねてのお答えですと、要するに立入調査をするまでもなく、そのあたりの実態把握はそういうネットワークを活用してできているという御答弁ですよね。わかりました。  それから、今の御説明、報告の中で、平成9年度に一時保護をしました児童が25名だけれども、うち継続が2名というふうに数字が出ておりますね。そうしますと、これは単純に引いてよろしいんでしょうか。あとの大半の児童は、どのような形でそういう問題の関係に至っているのか、そこのあたりの説明をちょっとフォローしていただけないでしょうか。 33: ◯児童相談所長  平成9年度中に一時保護した児童が25名になってございますが、年度を越えて一時保護を継続していた児童が2名という意味でございます。それで、平成9年度のうちに施設入所措置をとりました児童が、この中で18名ございます。そのほかに、一時保護をした後家庭復帰をして在宅指導に移った子供さんが、この29名のうちに含まれております。よろしいでしょうか。 34: ◯岩崎武宏委員  要するに、25名を一時保護をしたわけですよね、虐待から守るため、あるいは虐待が現に行われているとかいうことで。それで、そのうちの18名は施設に入所措置をとったと。そうすると、あとの7名が在宅に帰ったということですか。そういうことなんでしょうか。 35: ◯児童相談所長  実は、この表の18名と申しますのは、平成9年度に受理をした子供さんに関して18名の入所なんでございますが、その前に受理をして継続的にかかわっておりました子供さんを含めますと、施設入所を行いました児童の数は22名になっております。それで、一時保護をした児童は25名なんですが、乳児の場合には、児童相談所の一時保護所では取り扱いができませんので乳児院の方にお願いすることになっておりまして、一時保護所を経ないで直接乳児院の方に入所した乳児は9名ございましたので、22名の中からその9名を除いた13名の児童が一時保護を経ての施設入所ということになります。ちょっとわかりにくい説明になっております、申しわけございません。 36: ◯副委員長  所長、ちょっといいですか。その25名について、どういう処置をしたかという部分をちょっと御説明願えませんか。そうするともう少しわかりやすくなると思うんですが。つまり、この上に出ている25名と、下のこの一覧表に出ている数字とは、直接の因果関係はないわけですよね。 37: ◯児童相談所長  はい、そうです。 38: ◯副委員長  ですから、この25名の方が、実際にはどういうふうに処置されたのかを説明していただけませんか。 39: ◯児童相談所長  大変申しわけございませんでした。  この一時保護25名の処遇でございますが、施設入所が17名、在宅指導に移りました子供さんが4名、そのほか再保護いたしました子供さん1名、就職が1名、他の児童相談所に紹介しました児童が1名、中断が1名という結果になっております。 40: ◯岩崎武宏委員  ちょっと細かいことを聞いて失礼しました。  それから、この児童の虐待が行われる背景ということでの御説明がありましたけれども、その中に子供の特徴による場合ということがありまして、まあいくつか挙げられておりますが、その中に、その児童に発達のおくれがあるというようなことで、その保護者といいますか、特にお母さんなのかどうかちょっとわかりませんが、どう対応していいかわからないということでいらいらもするし、結局そういうことで思わず手が上がってしまうとか、子供に向けられるというようなこと。現実に私もそういうあれに接したことがあるんですが、こういう親の悩みというのは深刻なものがあるんだろうと思うんです。そういうときに、そういう発達のおくれ等をできるだけ早期に発見をし、そして早期に適切な療育指導等を行っていくということが、児童に対する虐待等を防止する上で極めて私は大切ではないかというふうに思います。そういう点でいいますと、本市もいろいろそういう面で取り組みは現実に行われておりますけれども、総合的な児童のための療育ケアということを実施できるような、そういう本市の機関というものをできる限り早期に私は開設をしていく必要があると。それを療育センターと呼ぶのかどうかは別としまして、そういうものが児童相談所等と緊密な連携をとりながら指導に当たっていくということが重要ではないかというふうに思うんですけれども、これらあたりへの本市の取り組みですが、どんな取り組みをお考えになっておられるのか、少し具体に御説明いただきたいと思うんです。 41: ◯障害保健福祉課長  御案内のとおり、現在の仙台市の療育システムというものは、児童相談所の、特に発達相談係という係のスタッフを中心に展開されておるわけでございます。それで、基本的には、乳幼児検診等、保健福祉センターでの相談、診察業務の中でいろんな悩みが訴えられるわけでございますが、その中で、一定の継続的な指導が必要であるとか、あるいは障害の疑いがあるとかという場合には、現在児童相談所に回されまして、児童相談所の方で一定の診断を行いながら、例えば母親のその障害受容というものを中心にした親子教室等も開催しながらケアをしていくと。その後母子通園施設であるとか、なかよし学園等の通園施設、あるいは保育所への入所等、処遇の場を得ながら学齢につないでいくという経過を持っているわけでございます。そういう中で、児童相談所が一定の、今の児童の虐待であるとか、多様な児童の問題に対応しなければならないという中で、発達障害に対する対応が、ある程度母親等のニーズにこたえ切れなくなっている部分があるわけでございます。特に、相談の間隔というんでしょうか、相談の頻度というんでしょうか、継続性が少し薄れているとか、あるいは医療を中心にしたニーズが高いわけでございますが、その辺の医療の専門性というものが、他都市に比べると若干弱いというようなこともございまして、特に母親の方からは、総合的な相談、特に医療を中心にした──高メディカルスタッフを中心にした早期の診断、それから早期のケア、特に療育を中心にしたケアというものが求められているわけでございます。このような機能につきましては、今児童相談所がやっているわけでございますが、将来的には専門的な、療育的なことを中心にした──障害者の療育を中心にした、センターを中心にした機関のネットワークというものを構想していく必要があるというふうに考えているところでございまして、早期に対応していきたいというふうに考えているところでございまして、実は本年度、リハビリテーションシステムの研究会というものを発足させまして、東北大学の菅井先生を中心にいたしまして研究会を設立しているわけでございますが、11月から議論をしていただいているところでございます。その中で、リハビリテーションシステムとあわせまして障害幼児を中心にした療育システムの研究というものも行っているわけでございます。今、熱心な議論をいただいているところでございますけれども、その成果を得まして、その先生方の御意見を反映させたような形でシステムの構築をしていきたいと考えているところでございます。 42: ◯岩崎武宏委員  今、課長の方から、いろいろお答えがありましたけれど、この総合的な療育指導に当たるそういう中核的センターの必要性というのは、どんなに強調してもし過ぎることがないというふうに思っておりまして、今の御答弁で、そういう御認識は十分に持ち、一日も早い開設に向けて当局として取り組まれているということでありますから、ぜひ御期待をしたいと思います。  それから、また虐待の問題なんですけれども、特に児童の虐待等、子供の人権といいますか、権利が非常に危殆に瀕し、あるいは侵害をされるということになった場合に、もちろんそれは侵害に至る前に適切にそれを予防していかなければならないわけですが、不幸にしてそれが危殆に瀕し、また侵害されたというときに、速やかなそういう権利の救済というか、そういうことが絶対的に必要だというふうに思います。そういう点で、この点もこの報告を見ますといろいろ関係機関が相協力をして対処しているということでありますが、ちょうど昨年の12月に兵庫県の川西市が、この点についての調査権、勧告権等を持つ第三者機関としての権利救済のオンブズパーソン制度を創設したと、そういう条例をつくってスタートさせたというような報道を目にいたしましたけれど、本市として、このあたりに対する取り組みを、この点特に虐待をされたというような場合には非常にそれは子供にとって大変なことでありますので、できるだけそれは速やかに、迅速に、そして子供の人権、権利がしっかり守られ、健やかに発達していけるような環境のもとに置いていかなければならないわけでありますから、そういう点で、この種の制度は、これもまた本市にとって不可欠ではないかと思うんですが、そういうオンブズパーソン制度に対する本市のお考えはいかがなものかお伺いいたします。 43: ◯児童保健福祉課長  今のお話でございますけれども、子供の権利条約を批准して以来、各都市でいろんな動きがございまして、川西市もございますし、あと川崎市も権利条例の制定等に向けて動きがございます。本市といたしましては、その状況をまず調査しながら今後検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 44: ◯岩崎武宏委員  他都市の状況を調査した上でということですが、私の質問は、本市として、他都市の調査も当然そうなんですが、そういう機関の設置といいますか、そういうものの必要性ということについて、本市の子供行政というか、子供施策に当たる関係の皆さん方は、どういう基本的な御認識を持っていらっしゃるのかということをお尋ねしたいわけなんですけれども、重ねてで恐縮ですが、局長いかがですか。 45: ◯健康福祉局長  今後の、子供の権利というか、人権と申しますか、そういった部分の擁護という部分につきましてでございますけれども、私どもの方といたしましては、御案内のように、基本計画それから仙台市の「すこやか子育てプラン」という中で、児童の健やかな育成という視点からこういった虐待等の部分についてはなくすような形で子育ての環境を整えていきたいと。そういうことでいろいろなプランを立てておるわけでございまして、当面まずこういった形で進めながら、この部分の成果を上げていきたいなというふうに現在考えているところでございます。  なお、他の都市の先進の例につきましては、先ほど課長からも御答弁申し上げましたけれども、今後いろいろ調査、検討させていただきながら、研究してまいりたいと思っているところでございます。
    46: ◯副委員長  本件について、ほかに質問等はありませんか。              〔「なし」と呼ぶ者あり〕 47: ◯副委員長  なければ、これをもって委員会を閉会いたします。...