さて、最初に、雨に関連して市街地における雨水対策と地下水の浸透についてお伺いをいたします。
水の循環は、空から降った雨が地表で流れ、雨水排水溝、下水道を経て川へと流れ、一方では直接地面から草木の葉を通して蒸発散され、また一部地下へ浸透して地下水となります。近年の都市化に伴い、コンクリートのビル、歩道、側溝、また道路、駐車場の
アスファルト舗装、そして下水道の整備など人工構造物の占める地表面積は八五%に及ぶと言われ、土の占める表面積は減少しつつあります。昔は、都心部では雨が降れば半分は地下に浸透していたものが、今後は二割程度しか期待できないとされております。
その結果、集中降雨による大量の出水被害が発生し、河川下流での急激な水かさの増加となり、また市街地では下水道や雨水排水口の能力を超えるとマンホールなどから水があふれ出すといった内水型洪水も発生いたします。その対策として、一時的に川に流れ出す大量の雨水を調整池なりトンネルのような巨大下水管をつくり流量の調整をするわけですが、先日のような長雨、集中豪雨では、仙台市都心部においてどのぐらいの降水量まで一時貯水できるのかお伺いをいたします。
仙台市では、昨年完成した
巨大下水管広瀬川雨水第二幹線があり、西公園から
東北大学医学部附属病院前を経て通町二丁目に至る約二キロメートルの延長で、直径は六・五メートルもあり、貯水量は四万一千トン、ピーク時の一時間当たりの雨量が五十二ミリで天井までいっぱいになるそうであります。また、仙台市での昭和五十三年からの大雨状況を見てみると、一時間当たりの雨量が、平成六年九月二十二日の大雨での四十三ミリが最大であります。先ほどの六十一ミリや九十ミリの降雨ではどのような事態が予測され、どのような対応が必要なのかお伺いをいたします。
雨水を地下に多く浸透させることにより地下水がふえ、さらに水質が改善される。河川のはんらんや浸水の防止に役立つ。きれいな水は緑に命を与え、水辺の環境が向上される。非常用の水源としてわき水や地下水を利用できるなどの効果があります。また、まちづくりの中で雨水の利用対策もいろいろ考えておるようです。
一つには、新しいビルや公共施設を建設する際にも、雨水の貯留槽を設け、飲料水以外のトイレ、洗車、庭園の散水、冷暖房に二次処理水として使用する。また、歩道、駐車場、側溝などにも浸水性のある舗装をするなどが考えられております。
また、工場では工場用水に雨水をフルに活用している例があります。自動車製造の民間企業で、現在年間約五十五万トンの地下水をくみ上げ生産工程で使用しているが、五十トンタンクと
雨水浄化装置を新設し、二〇〇〇年を目標にして、今後は年間三十万トンを雨水で賄い、地下水くみ上げ量を五トンに減らす。工場外への排水量もほぼゼロにするなどして、ろ過した雨水を当面工場内の空調用水、飲料水以外のすべての工場用水、二次用水として使用し、水の循環利用や節水もさらに徹底して、グリーンファクトリー、緑の工場づくりに挑戦をいたしております。
一方、市民レベルでは、一般家庭において雨どいから雨水を集める天水おけの設置、これも庭の散水、車の洗車などに使用できます。また、
雨水浸透ますを設け、雨水を地下浸透させ、保水力を高めるなどがあります。
そこで、現在仙台市での雨水利用及び地下浸透の各施策の状況とこれからの計画についてお伺いをいたします。
また、他政令都市においても先駆けて雨水貯留槽と浸透ます工事に補助制度をスタートさせておりますが、環境負荷の少ない循環型の都市を標榜する我が市においても、この雨水利用と水を地下浸透させることを奨励する制度の整備も考えられますが、いかがでしょうか。
晴天が続き、雨の少ないときには地表からの蒸発散が減少し、都市部の高温化、乾燥化、いわゆる
ヒートアイランド現象を加速させます。
ヒートアイランド現象への対策としては、人工的な熱の排出の抑制はもちろん、緑化の推進、川、沼、池、減少する
農業用ため池等の保存、維持管理により水の蒸発散量を多くする。また、雨水の地下浸透を図るため、透水性舗装の技術改良を進め、積極的に導入することなどが考えられますが、都市の高温化、乾燥化について、今後の対策と考え方についてお聞かせを願います。
次に、都市部における自転車の利用促進策についてお伺いをいたします。
このほど、東京都の世論調査において、都心部への渋滞緩和を行うTDM、
交通需要管理の実施について、七割の賛成意向が示されたと報道されております。TDMは、渋滞緩和に向け生活様式や社会、交通の仕組みを工夫し、
自動車交通量を調整しようとするものであります。いわゆる郊外から都心へ向かう途中で電車などに乗りかえやすくして、都心部への車流入を抑えようとするものでありますが、TDMへの我が市の取り組みについて、まずお伺いをいたします。
その中で、都心部の交通手段として自転車がクローズアップされてきております。総務庁は、交通事故や二酸化炭素の排出抑制など環境対策の一環として、自転車の利用を促す総合施策を定めることとし、九八年度初めに関係省庁や有識者で構成する自転車の安全で適正な利用の促進に関する研究会を設置し、
自転車専用レーンの整備や駐輪対策などの検討を開始しております。
警察庁の集計によると、九七年の交通事故による死者は九千六百四十人。このうち自動車乗車中の事故は四千二百五十一人なのに対し、自転車乗車中は千六十五人。自動車よりも自転車の方が安全であることは間違いないことから、近距離の交通手段として自動車から自転車への乗りかえを政策的に誘導すれば、交通事故の減少につながるほか、渋滞の解消やCO2削減に効果が上がると判断をしております。
具体的な
乗りかえ促進策としては、主要道路に
自転車専用レーンを途切れなく設置し、駅周辺に駐輪場をふやすなどの対策を進めることによって、自転車走行をより安全にすることに重点を置くことであります。自転車は道路交通法で車道を走ることが定められておりますが、実際には路上駐車などで車道走行にはかなりの危険が伴います。
総務庁が昨年十月、デンマーク、オランダ、ドイツなどの
自転車利用率の高い欧州諸国に調査団を派遣したところ、専用レーンや駐輪場の増設による安全走行の確保が自転車利用の促進に大きな効果を持つことがわかったと言われております。
自転車専用レーンの設置をめぐっては、
カラー舗装化が安全性の向上に効果を発揮することなど技術面での研究を進めるため、
自転車利用促進研究会とは別に土木関係者を含めた研究会を発足させる考えであります。
自転車は、松山市など地形が平たんな地域で利用率が高いように、地域特性に左右される面があるため、地域特性に応じた数種類の具体的な政策指針を作成する考えであります。
都心部の車道にカラー舗装した
自転車専用レーンを設けることについての御所見をお聞かせ願います。
また、一方、建設省では道路を新設、改築する際の構造基準を定めた道路構造令について、車社会の実態に合わなくなったとして、本年度内に抜本改正する方針を固めました。交通渋滞を緩和するため基準を変更して車線数をふやすほか、車優先から歩行者や自転車と共存できる道路づくりを進めるのがねらいだそうであります。
自転車は体力や精神面での健康づくりに役立つほか、地球温暖化によるガス削減の観点からも利用促進は大変有効と、各関係機関でさまざまな施策の取り組みがなされております。
ある市では、二酸化炭素や経費の削減などを目的に、公用車にかえて
リサイクル自転車を公用自転車として導入することになりました。五月下旬に開催された第七回
環境自治体会議のとき、各会場への移動手段として
リサイクル自転車約三百五十台を用意し、参加者に利用を呼びかけて好評だったのがきっかけで、市街地の道路幅が狭く、自転車の方が小回りがきくなどの理由から
公用自転車導入を思いついたそうであります。
また、放置自転車の処分に頭を悩ませるある市では、所有権の切れた自転車をリサイクルして、観光客に無料で貸すサービスを始め、好評だとのことです。放置自転車のうち比較的新しい五十台を選び、泥よけを赤く塗装し直し、市営の
駅中央駐車場に保管し、利用したい観光客はJR駅内の観光案内所で申し込むシステムだそうです。
JR北海道、三重県三岐鉄道、山梨県富士急行、JR四国が自転車を持ち込んで乗れる列車を走らせています。ラッシュを除く時間帯に、観光あるいは
ショッピング向けに的を絞ってPRをいたしております。マイカーの排気ガスを減らし、
地球温暖化防止策として省エネにつながり、サイクリングの新たな楽しみを加え、鉄道の利用増にもつながるものと期待をされているそうであります。
欧米の鉄道でも例が多く、運輸省でも大都市以外の地域を対象に日本でも
自転車持ち込みを普及させたい考えであります。
さまざまな町中における
自転車利用策を御紹介いたしましたが、利用促進について御見解をお伺いいたします。
次に、市域内の
情報ネットワーク構築についてお伺いをいたします。
本年三月策定された仙台市
情報化基本計画によれば、情報化においては、
情報通信技術の飛躍的な進展、
インターネットを初めとする
情報通信ネットワークの急激な拡大などを背景に、
情報通信ネットワークは社会の基本的なインフラの一つとして認識されつつあります。これからの変化の時代を乗り越え、快適な市民生活を実現し、地域の課題解決や活力形成につながる新たな知識の創造や地域産業の活性化を図るためにも、情報化に積極的に対応していくことがますます重要になると考えますとあり、日々、我々の家庭や職場に情報通信が浸透しつつあります。
日本国内の
インターネット利用者数は、今年初めに一千万人を超え、年末には一千三百万人が予測をされ、国民の十人に一人が利用している計算になります。
引きかえ、仙台市域においては他政令都市に比べても、情報機器、
情報通信サービスの普及率や
情報関連産業の集積は低い状況にあります。具体的にワープロ、パソコンの設置状況、
CATV受信契約者数、携帯・
移動電話加入数、
情報サービス事業所数、
情報サービス業の年間売上高、いずれを見ても下位にあり、立ちおくれているのが現状であります。
情報化の可能性は、快適な社会生活の実現、
社会参加機会の拡大、
バリアフリー化、企業活動の活性化、
行政サービスの高度化、効率化などがあり、だれでも、いつでも、どこでも利用できる情報通信を整備し、
情報自在都市仙台を急いで構築しなければなりません。
仙台市の情報化の現状とこれからの施策に取り組む意気込みをお聞かせください。また、将来の見通しについてもお伺いをいたします。
今年五月、東北地建、東北六県、仙台市で立ち上げた
東北地域情報ネットワークプラン検討委員会の役割と計画、目標についてお知らせください。
また、今定例会の
一般会計補正予算に事業費六千万円を計上されている
教育情報衛星通信ネットワーク事業についても、役割と効果についてお伺いをいたします。
まさに
高度情報化社会は、市役所と区役所、病院、下水道、水道、学校、文化施設を初めとする公共機関の間を、またビジネスも産業も、すべてが新時代へのライフスタイルへと変貌を遂げています。電話回線の三百倍以上の超高速の通信速度と現在の
電話ケーブルより千倍もの通信量を持つ光ファイバーを使って、
情報通信インフラが整備されつつあります。
平成八年十二月、下水道法が一部改正され、雨水や汚水だけとされていた下水道の使用制限が解除され、下水管の中に光ケーブルが導入、敷設ができるようになり、国や自治体、第
一種通信業者、有線テレビなどの利用が可能になりました。建設省によると、同様な下水道利用は世界でも例がないと言われております。従来の方式に比べ、敷設費や維持管理費が格安で風雨や災害に強く、どこでも取り出せますし、また新しく
敷設ロボットが開発され工事期間が短縮されるなど、多くのメリットがあります。
そこで、この下水道を利用する光ケーブルでの
情報ネットワークづくりを研究、検討されているのかお伺いをいたします。
仙台市は市域内の
情報ネットワーク構築について、これからどのような考えをお持ちかお伺いをいたします。
また、市役所内のコンピューターをネットする
庁内LANの構築についてお伺いいたします。
現在、新しいオフィス等のビル建築については、大部分は
インテリジェントビルとして情報通信に対応できる
システム導入がされております。昭和四十年に建設された現在の市役所庁舎にLANを構築する場合は、床をかさ上げしてその中に配線を通したり、あるいは天井、壁の中を通したり、諸設備のスペースが必要になるなど多額の改修費用が伴うことになります。
むしろ、将来の情報化に対応できる新庁舎の建てかえ等も視野に入れながらの検討も必要になると思われますが、
庁内LANの構築の諸課題について、どのような御見解をお持ちかお伺いをいたします。
地域の問題に移ります。
泉ケ岳・芳の平
りんご園跡地の利用策についてお伺いをいたします。
本市のシンボルである泉ケ岳は市街地から近いところにあり、春夏秋冬、一年じゅうを通して市民の方に親しまれ愛されており、大いなる自然の恵みを与えてくれております。
昭和五十九年十二月、当時泉市が泉ケ岳・芳の平
果樹生産組合から約百六十八ヘクタールを取得いたしました。当初から市民の憩いの場とすることで各部局で種々検討され、調査計画も幾度か出されたようですが、現状はどうなっているのか、新たな計画は練られておられるのかお伺いをいたします。
現代は
アウトドアブームと言われておりますが、仙台市にはキャンプ場の数は少なく、青少年の自然に親しむ機会が少ないと思われます。本格的な
大型キャンプ場や若者志向の
オートキャンプ場の設備、あるいは
ハングライダーの基地化、
野外運動施設、
自然観察センター、山を学べる森林館などいろいろ考えられますが、ミズバショウの群生地もあることから自然に親しみ、自然を生かしながらの利用がふさわしいと思われますが、御所見をお伺いいたします。
最後に、泉中央駅付近の混雑緩和について、三点お伺いいたします。
一つ目は、イズミティ21前の
都市計画道路七北田実沢線の南進に伴う左折路線の設置であります。
仙台市が昨年十一月中旬に行った
泉中央地区交通量実態調査においても、午前七時から八時までのピーク時、一時間の車両通行量は六百三十台と全くのパンク状態であります。
パークタウンから直接泉中央に入る道路はこの一本だけで、片側一車線で二、三キロの距離で、朝のラッシュ時で三、四十分はかかるようであります。
イズミティ21の向かい側は泉区役所であり、区役所側にもう一車線拡幅し、区役所の北西角と南西角の交差点に左折レーンを確保し、車両の通過を早めることが必要であると考えます。御所見をお伺いいたします。
二点目は、同時に泉中央駅に対応する
マイカー用乗降スペースを増設すべきと考えております。泉中央駅の乗降者数は年々増加を続けており、仙台駅に次いで第二番目の多い駅となっております。今年の四月の白百合学園の開園、また来年平成十一年四月には
仙台商業高等学校が開校します。仙台市では、今年度から利用者増に合わせ駅構内の改修工事にかかります。ラッシュ時の列車混雑率は最高で一七五%だと言われておりますが、平成十年、ことしはそれをも上回ることになるようです。
これまでの七台の出改札機を倍の十四台へと、出入り口を一カ所から二カ所へと増す改修工事であります。新しい出入り口は区役所方向であり、これに合わせ、
マイカー用乗降スペースを先ほどの左折レーンと一緒にイズミティ21と泉区役所の間に増設すべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。
三つ目は、このほど
都市計画道路荒巻大和町線の大沢地区が用地買収に入り、いよいよ開通に向け着工されると伺っておりますが、この路線も先ほどの
都市計画道路七北田実沢線に交わり、宮城大学、宮城県図書館、白百合学園、
パークタウン工業流通団地を結ぶバス路線として大いに活用されることと期待をしております。反面、泉中央駅付近の交通混雑になお拍車をかけるものと心配をしているところであります。
ところで、
都市計画道路荒巻大和町線の
泉総合運動場交差点から加茂の北環状線までの早期開通が必要かと考えます。発生交通量の増加と市長の言われるアクセス三十分構想に照らしてみても、大沢地区の五百メートル開通と同時に開通ができるよう、今年度の補正予算で調査費を計上するなど、早期着工に向け積極的な取り組みが求められますが、御所見をお伺いいたします。
以上で一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
7: ◯市長(藤井黎)小野議員の御質問にお答えを申し上げます。
交通問題についての御質問のうち、TDMの取り組みについての御質問にまずお答えを申し上げます。
本市の基本計画におきまして、多様な都市活動を支える
総合交通体系の形成、これを図るための具体的な施策の一つといたしまして、適切な
交通需要管理の推進ということを位置づけているところでございます。この問題につきまして、本市におきましては、これまで時差通勤、通学、これを初めとしてパーク・アンド・ライド、それからバス・アンド・ライド等々、さまざまな交通施策に取り組んでまいってきたところでございましたが、深刻化する交通問題にやはり多角的な対応をすることが今日迫られておりますので、新たな施策をも加味しながら、現在総合的にTDM施策の検討をいたしているところでございます。
そのうち短期的に実施すべき施策につきましては、今年度中に取りまとめをいたしまして、逐次その実施に移してまいりたい、こう考えております。このTDMの施策を推進していくためには、市民の皆さんの協働という問題が不可欠でございますので、その理解、協力を得ながら進めてまいりたいと考えております。
次は、市域内の
情報ネットワーク構築についての御質問のうち、仙台市の情報化の現状と将来の見通し、これからの取り組みについてでございます。
まず、情報化の現状でございますが、本市におきましては、これまで平成四年に策定をいたしました
情報化基本計画とその具体的な
取り組み施策でございます
情報化推進計画に基づきまして各種分野において事業を計画的に実施をいたし、市民の利便性の向上や地域産業の活性化等を図ってまいったところでございます。
例えば、平成九年度の郵政省の通信白書の中におきまして、地域の情報化に対する取り組みは、本市が全国で八番目に位置づけられるなど、一定の進捗を示しているものと考えております。
次に、将来の見通しと取り組みについてでございますが、地球環境問題の顕在化、また右肩上がりの経済成長の終えんなど、旧来の枠組みを超える大きな課題を抱える一方、高齢化や
ボーダーレス化が進展をし、
工業中心型社会が限界を迎え、人間の知的営みの所産でございます情報、知識の自由な創造、流通、共有化が実現されるような、いわゆる情報社会が本格化していくというふうに考えられますので、情報化の推進というのは避けて通ることのできない課題である、このように認識をいたしております。
本市におきましても、近年の
情報通信技術の進展や本市を取り巻く諸情勢を踏まえて、ことしの三月に新しい
情報化基本計画を策定いたしたところでございますので、この計画に基づいて今後とも計画的に施策の推進に取り組んでまいる所存でございます。
関連いたしまして、市域内の
情報ネットワークの構築についてでございます。
仙台市
情報化基本計画にもございますように、すべての市民、企業が自由自在にコミュニケーションを楽しめるまち、いわゆる
情報自在都市を実現するためには、さまざまな
情報ネットワークが継ぎ目なく有機的に結び合って、市民が自由に
情報ネットワークを利用できる環境の整備が不可欠であると、こう考えております。
これらの
ネットワークの構築に当たりましては、民間事業者に主体的に取り組んでいただくことが基本となりますけれども、行政情報、防災情報等の公的な利用にかかわる
ネットワークの構築につきましては、行政として主体的に取り組むべきものと考えております。また、先端的な高速大容量の
ネットワークの構築とそれを利用した医療、福祉等の公的な情報通信の利活用につきましても、行政として積極的に進めていく必要がございます。
このような官民それぞれの役割分担のもとで、市域全体の
情報ネットワークを構築することによりまして、
情報自在都市実現に向けて、今後とも精力的に努力してまいる所存でございます。
最後は、
庁内LANの構築についてでございます。
平成九年度に市役所本庁舎及び北庁舎に
庁内LANを試験的に構築いたし、全庁への本格的な導入に向けまして、本年度その検証作業を進めているところでございます。この
庁内LANの利用によりまして、今後職員間での情報共有を進め、事務の効率化を図ってまいりたいと考えております。
しかしながら、全庁的なシステムの構築に当たりまして、それに伴う職員研修の方策、既存の
業務システム等との共用化等々、
庁内LANの整備に伴って対処すべきさまざまな課題がございますので、このことと並行いたしまして適切な方針を定めてこれに対処してまいりたいと、このように考えるところでございます。
そのほかの御質問に関しましては、関係の局長から御答弁をいたさせたいと思います。
以上でございます。
8: ◯環境局長(千葉邦彦)環境局に関します三点の御質問にお答えを申し上げます。
まず初めに、雨水の利用や地下浸透についてでございますが、近年、都市化の進展によりまして自然本来の水環境が阻害され、御指摘のように、内水型洪水の問題や都市環境の悪化の問題など、さまざまな影響が懸念されております。
このため、杜の都環境プランの中では、新たな時代への環境課題として水循環の健全性の確保を掲げておりまして、これまでも仙台スタジアムや青葉体育館での雨水利用施設の建設など、各局において取り組んできたところでございます。
さらに、これらの取り組みにつきましては、具体的な推進を図る上での指針となります水環境保全計画を今年度末を目途に策定を進めているところでございます。
次に、雨水利用の奨励についてでございますが、梅田川の流域の市民を対象といたしまして、平成七年度より天水おけのモニター事業や天水おけ手づくり講座を開催いたしてきておりますが、さらに御指摘の点も踏まえまして、雨水利用の奨励について今後とも意を用いてまいりたいと存じております。
最後に、
ヒートアイランド現象対策についてでございますが、快適な都市環境や市民の健康確保の観点からも大変大事なことと考えております。この現象は都市構造そのものの問題でもありますので、杜の都環境プランにも掲げておりますように、環境への負荷の少ない循環型都市の構築に向け、省資源対策やエネルギー等の有効活用、市街地における緑化の推進ほか、御指摘のような健全な水循環の確保に向けた技術的な検討を加えながら諸施策を推進してまいりたい、このように考えております。
9: ◯都市整備局長(谷澤晋)都市整備局関係の御質問にお答えを申し上げます。
まず、都心部への
自転車専用レーンの設置でございますが、現在でも都心内で自転車利用者は大変多うございます。これまで利用者のための駐車場や自転車の通れる歩道を整備してまいりましたが、御提案の都心部への
自転車専用レーンの設置につきましては、今後総合的な交通施策の見地から、その導入の可能性も含め研究をしてまいりたいと考えております。
次に、自転車の利用促進でございますが、自転車の利用特性として、だれもが乗れ、小回りもきく等気軽に利用できることから、通勤、通学、買い物等短距離移動に極めて利便性が高く、さらに渋滞対策や環境対策の面を考慮いたしますと、自転車の利用促進を図ることは有効方策、このように考えますことから、今後総務庁における自転車の安全で適正な利用の促進に関する研究会での検討内容や、他の自治体の事例等を参考に、TDM施策の一環として検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、泉中央駅付近の交通混雑緩和についてのお尋ねでございますけれども、イズミティ21前の左折路線の設置と泉中央駅にマイカー乗降スペースを増設することについてでございます。
現在、泉中央駅の改修計画に合わせた交通対策を検討しておりまして、その中で議員御指摘の泉区役所西側における左折レーンの確保やマイカー乗降スペースの増設についても検討を進めております。
一方、現状の対策といたしまして、駅周辺地区の混雑を緩和するために、イズミティ21前交差点における信号の現示の調整や駅を利用するマイカー乗降スペースを増設するため、車線の運用策や乗降場の位置の変更について、県警交通規制課や泉警察署など関係機関と具体的に協議を進めてきておりまして、できることから実施をしてまいりたい、このように考えております。
以上でございます。
10: ◯建設局長(渡邉康夫)建設局の三点のお尋ねにお答え申し上げます。
初めに、東北地域
情報通信ネットワークプラン検討協議会につきましては、平成九年七月に建設省から建設省
情報通信ネットワークビジョンが示されたことを受けまして発足いたしております。
当協議会は、東北地方建設局における道路や河川、下水道の公共施設の管理のあり方や電気通信事業者のニーズを踏まえ、今後の
情報通信インフラの整備方策を取りまとめることを目的といたしております。
本年五月、協議会で発表いたしました東北地域
情報通信ネットワークプランは、二十一世紀当初を目標とする中間取りまとめを構想といたしまして打ち出したものであり、その内容は、道路等の公共施設の高度管理用光ファイバー
ネットワークと民間事業者の光ファイバー敷設が可能となる収容空間
ネットワークについて各施設管理者ごとの整備方針と整備延長とを取りまとめたものであります。仙台市の整備延長は、共同溝及び電線類地中化事業による十一キロメートルを目標といたしております。
次に、泉ケ岳・芳の平
りんご園跡地の利用についてのお尋ねでございますが、泉ケ岳一帯は、登山、スキー、キャンプなどのスポーツ、レクリエーションの場として、市民に大変親しまれている場所でございます。
この地区は、山とのふれあい構想に基づき、貴重な自然生態の保全を前提としながら、広く市民が自然と触れ合い、学びながら健康的な余暇活動のできる拠点として整備を図る考えであります。この構想を実現するための基本計画を作成する準備といたしまして、これまで自然環境や社会条件、土地利用現況など諸条件を調査し、また平成九年度には本地域利用者に対しまして、利用実態、ニーズ等に関するアンケート並びに主要施設のヒアリング調査等を実施いたしてまいりました。
今年度からはこれらの基本調査を踏まえ、現施設との調整を図りながら基本計画を作成してまいります。
最後に、
都市計画道路荒巻大和町線の
泉総合運動場交差点から北環状線までの整備についての御質問でございますが、都市計画道路整備につきましては、現在の厳しい財政状況の中で、さらに効率的かつ重点的な執行が求められてきております。また、今後検討が進められていくアクセス三十分構想の施策の中では、公共交通を主体として交通体系の確立に向けた道路整備に対する優先的な取り組みも必要となると考えております。
御質問の区間の整備は、議員御指摘のように、泉中央地区の交通環境の改善に資するさまざまな施策の一つでございますが、アクセス三十分構想の取り組みの中に合わせて、今後の道路整備計画見直しの中で整備時期を検討してまいります。
以上でございます。
11: ◯下水道局長(後藤健三)下水道局にかかわる三点についてお答えいたします。
一時貯留の考え方につきましては、下水道からの放流量が河川の計画流量を超える場合はピークカットし、一時貯留を行うこととしております。雨水計画においては、降雨確率年十年で、ピーク時一時間当たり五十二ミリと設定した施設計画として整備を進めております。
現在、都心部で昭和六十一年の八・五の豪雨のときに浸水した排水溝を中心に、広瀬川第二雨水幹線が供用し、梅田川第一雨水幹線及び長町第一雨水幹線が事業中でありますので、御理解賜りたいと思います。
次に、御指摘の被災地域での長時間にわたる豪雨などが本市に発生した場合の予測と対応についてでございますが、雨水排水計画においては、都市計画中央審議会の答申を踏まえ、降雨確率年十年に対応した施設計画としております。
現在、この計画に基づき施設整備を進めているところでありますが、整備された区域でも、計画降雨量を超える豪雨に対しては下水道施設能力を超えるものとなります。
なお、仙台市地域防災計画において降雨に応じた対策をとることとなっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、下水道を利用した通信
情報ネットワークづくりの検討についてでございますが、下水道を利用した光ケーブルでの
情報ネットワークづくりにつきましては、仙台市
情報化基本計画において、下水道管渠の活用も含めた
情報通信ネットワーク整備の促進を図ることとしております。
今後は、既設管渠の状況や他事業者を含めた情報量を把握するなど、関係機関と調整を図りながら調査、研究を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
12: ◯教育長(小松弥生)教育情報衛星通信
ネットワークについてのお尋ねでございますが、この
ネットワークに入ることによりまして、全国一斉に行われるいじめ問題、O157対策、それから新学習指導要領の伝達講習など、緊急かつ必要性の高い研修、諸会議等に多くの教職員が直接参加できるようになり、また仙台市の教育の全国に向けての発信ができるようになる。さらには、先進地域との情報交換なども容易になると考えております。
このことによりまして、教職員研修の充実を図り、創意に満ちた教育活動を促すなど、今後の仙台市の教育に大きな効果が得られるものと考えているところでございます。
以上でございます。
13: ◯議長(菅原敏秋)次に、田中芳久君に発言を許します。
〔七番 田中芳久登壇〕(拍手)
14: ◯七番(田中芳久)最初に、発言の機会をいただいたことに感謝します。
私は民主フォーラムの田中芳久です。
最初は、私の質問では定番になっていますコンピューター教育についてです。
パーソナルコンピューターが単体で動いていたスタンドアロンの時代から、通信というメディアを手に入れた
ネットワークの時代へと進化していることは藤井市長も御承知のとおりです。
速さと大きさを競い合っていたマスの時代から、より人間的なサイズになったパーソナルコンピューターによるマルチの時代、
ネットワークを手に入れたインターの時代という進化に伴って、コンピューターの世界が大きく変わってきています。そのスピードは、文部省が考えているよりも少し速いようです。市長はどのようにお感じでしょうか。また、教育長の所見もお聞かせください。
さて、この時代、すなわちインターの時代の基本とも言うべき
インターネット接続に関して、仙台市立の小中学校の現状をお知らせください。また、来年度中にはぜひとも一〇〇%の接続率を目指していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
このような話になりますと、他都市との比較という話がよく出てまいりますが、二流国となったこの日本国内他都市との比較、それも結構でしょうが、これ以上世界におくれることのないように期待します。藤井市長の決意を伺います。
次に、まちづくりの基本的な考え方と実施方法について質問します。
まちには歴史があり、その歴史に根差した人間の
ネットワークがあります。人々の生活の中から生まれた民族の文化は、複雑な紋様を描きながら時を積み重ねてきました。
今、現に存在するまちは、人々がまちづくりを続けてきた一つの結果であると私は思うのですが、藤井市長はいかがお考えでしょうか、お聞かせください。
行政のやり方は、一たび計画が実施されてしまうと、反対する市民が存在するにもかかわらず継続されているようです。そんな中で、河口堰やダムが時のアセスメントによって見直されているのは大変結構なことだと思います。しかし、時のアセスメントだけでは十分とは言えません。幾つか提案をしたいと思いますので、それぞれについてお答えください。
まず、一つ目は、現在行われているアセスメントの問題です。
環境保護が叫ばれる中、どうしても自然環境に偏ったものが多く、経済や民生、福祉など、本来多岐にわたりアセスメントを行い、総合的に判断すべきと私は考えますが、いかがでしょうか。
二つ目は、計画の柔軟性の問題です。
時代の変化の激しさは、バブル崩壊を例に挙げるまでもないでしょう。経済も地価も右肩上がりという考え方は既に過去のものです。状況に応じて計画を変更することは至極当然のことのように思われますが、いかがでしょうか。市長はどのようにお考えでしょうか、お答えください。
三つ目は、バリューエンジニアリングの導入です。
計画の見直しと言っても、行政内部ではいろいろと難しいこともあるかと思います。この際、第三者に計画の見直しをゆだねてみてはいかがでしょうか。バリューエンジニアリングという手法です。これは東京都の中学校で行われたものが話題になりました。入札の見積もりが妥当なのか、また計画自体にむだはないかなどを専門家に再チェックさせたものです。
この手法をより広範囲に適用し、実施計画の整合性、妥当性などをチェックすべきと考えますが、いかがでしょうか。藤井市長の見解を伺います。
四つ目は、市民とのパートナーシップについてです。
まちづくりの計画は、そこに住む市民の意思が最優先されるべきと考えます。計画立案以前から市民の声に耳を傾けておく必要があると思います。また、同時に市民のまちづくりに対する意識の啓発も必要と思います。過去においてどのような活動があったのか、お知らせください。
さて、私は現在、榴岡を中心に東口から宮城野周辺を生活域にしています。市長も御存じのとおり、泉中央、長町と並び変貌著しい地域です。
この地域に生活していて実体験として感じるのは、まちが変わっていくに従ってコミュニティーが崩壊していく、破壊されていくということです。別に、ノスタルジーに浸って言っているわけではありません。確かに、コミュニティーというものは一定しているものではなく変化し続けるものです。しかし、変化のスピードが人間を上回ればコミュニティーは崩壊します。それを防ぐためにさまざまな工夫が必要になります。
今まで実施されてきた区画整理、再開発において地域コミュニティーの存続にどのように対処されてきたのか伺います。
また、今後はどう対処されるのか、あわせて伺います。
地域限定の話で恐縮ですが、榴岡公園に隣接して元の県立図書館があります。何になるのかと期待しておりましたら、公文書館になるそうです。一体どんな理由があってあの一等地に公文書館なるものをつくらなければならないのでしょうか。
先ほども述べましたように、あの地域は区画整理のただ中にあり、住民構成が激変しています。その住民の中から児童館を求める声も出てきております。まさしく区画整理によって都市化した地域の必然と言えるでしょう。ちなみに、あの建物に隣接する小さな公園は仙台市のものです。榴岡公園の整備によって飛び地のように残ったそうです。
藤井市長、浅野知事に教えてあげてください。仙台市民は、すなわち宮城県民であるということ、それに宮城県民である仙台市民は、あの場所に別に公文書館を欲しがってはいないということ、加えて、公文書館は、利用者の便宜を考えるならば
インターネット上につくる方がはるかに効果的であるということを、小声で結構ですのでそっと耳打ちしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
さて、最後の質問は環境ホルモンについてです。
ここからは提案が中心になりますので、質問が少なくなることを御了承ください。
内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンについては、既にかなりのページ数が割かれておりますので詳しくは述べません。今回、私が提案するのは、環境ホルモンの今後の課題、それに対する仙台市のかかわり方です。
今まで特に注目されたのは、雌化する自然についてでした。精子数の減少や生殖器異常、これら生殖系の問題はわかりやすく、しかもセンセーショナルであったためにニュースになりやすかったということが言えます。
しかし、環境ホルモンは生殖系だけでなく、免疫系、内分泌系、脳・神経系にも重大な影響を与えているはずです。この「はずです」というあいまいな表現こそが今後の課題です。実は、環境ホルモンとして知られているものは七十種類ほど今報告されております。人間に影響を与え得る化学物質はブラックリストに載っているものだけでも千種類を超えております。私は最近知ったことなのですが、藤井市長は御存じでしたでしょうか。
「奪われし未来」、ストールン・フューチャー、怖いタイトルです。しかし、これはSF映画ではありません。一九九六年三月に出版された環境ホルモンに関する会議の報告です。序文を書いたのはゴア副大統領です。さすがに二十一世紀の大統領候補と言われるだけはあります。
さて、怖がってばかりはいられません。ヒステリックに環境ホルモンを悪者にするのは簡単ですが、それでは何の解決にもなりません。どの化学物質が安全でどれが危険なのか、事実を正確に把握することが必要です。環境ホルモンについて研究を早急に進めること、その成果を集約し公表すること、成果に応じた法律を整備すること、仙台市では条例となりますが、以上が必要だと私は考えます。藤井市長の見解を伺います。
さて、この研究の主体となるのはだれがよいでしょうか。
厚生省が研究を始めました。しかし、厚生省が当てにならないことは十分知られています。都合の悪いことはなかったことにするというのが厚生省のやり方のようですから。浅野知事を非難するものではありませんので、念のために申し添えます。
企業も乗り気にはならないでしょう。もうかる当てがないからです。結果によってはマイナスにもなり得ます。大学では相手が大き過ぎます。
さて、そこで仙台市はどうでしょうか。
まず、仙台市は環境都市であります。藤井市長は、政令市初のISO14001番の取得を目指しています。環境に対して深い関心を持ち、実際に対処されようとしています。
そして、仙台市は学都でもあります。幸いなことに、仙台にはアジアの大学ベストスリーにランクされる東北大学を初めとする数多くの大学があります。特に、理系の研究分野において東北大学はトップクラスと評価されております。
しかも、仙台市は全国でもベストテンに入るほどの情報先進都市であり、今後も加速する勢いです。
世界にはもっと適した町があるかもしれませんが、少なくとも日本国内においては仙台市が最もふさわしいと考えるのは私のひいき目でしょうか。私は、仙台市こそがこの二十一世紀の戦いの先頭に立つべきと思いますが、いかがでしょうか。
そこで、内分泌攪乱物質研究機構の設立と国際環境ホルモン会議の開催を提案します。いかがでしょうか。
さて、新たに研究所をつくる必要はありません。各大学に研究を依頼すればよいのです。民間の研究所も利用できるでしょう。世界の研究者に研究の場を提供することもできます。仙台市に滞在し研究するために必要な費用を支援すればよいのです。彼らに対する支援への見返りは、滞在する間に講演を行ってもらえるならば十分でしょう。世界の最先端の研究者は、仙台にたくさんの足跡を残してくれるはずです。
あとは年に一度、国際環境ホルモン会議を主催するだけです。もちろん、発表されたデータは
インターネットを通じて世界に公表されます。研究成果の蓄積は仙台市が管理すればより効果的です。いかがでしょうか。
この国際環境ホルモン会議で報告された成果をもとに条例を制定します。条例に盛り込まれる数値は、毎年仙台で開かれる国際環境ホルモン会議で報告されたものとするということになります。世界じゅうの環境ホルモンに関する法律は、この仙台市条例を基本につくられることになるでしょう。仙台市は、日本という枠組みを超えて世界の標準になります。仙台市がグローバルスタンダードになるわけです。この名誉は仙台市民すべてに対する名誉となるでしょう。市長の所見を求めます。
夢のような話と思われるかもしれません。しかし、不幸中の幸いと言っては怒られそうですが、化学物質が妊娠中の胎児の、特に脳・神経系に与える影響についての研究はほとんど行われておりません。いや、それどころか、環境ホルモンについては今話題になっていることしかわかっていないのです。人類の未来に重大な影響を与えるであろう研究であるにもかかわらずです。
市立大学は、残念ながら計画の見直しの中で断念しました。しかし、大学という形がなくとも、学問に対する姿勢こそが必要なのではないでしょうか。
大切なのはISO取得を目指した藤井市長の志の高さであり、それ以外の何物でもないのです。
藤井市長、仙台市が人類のために、奪われた未来を取り返すために旗を掲げることは無意味でしょうか。市長の現在の志の高さと内分泌攪乱物質研究機構及び国際環境ホルモン会議という、私の提案への感想をお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
15: ◯市長(藤井黎)田中議員の御質問にお答えを申し上げます。
最初は、コンピューター教育の御質問のうち、情報化の進展の部分についてでございます。
情報化につきましては、その技術の進歩や、また
ネットワークの広がりのテンポが我々の予想をはるかに超えたものがございまして、情報化が産業活動あるいは経済活動、また市民生活の各般にわたりまして、まことに大きな影響を与えつつあるというふうに考えております。
とりわけ、御指摘のように、コンピューター単体の利用から
ネットワークの活用、そして最近におきましては
ネットワーク同士の、いわゆる
ネットワークの
ネットワークと言われる
ネットワークの集合体を通じまして、個人や地域が世界と直接的に結びつくことができるような時代になっていることが最大の特徴と言えるのではなかろうかと存じます。
こうした大きな潮流に迅速に対応できるような環境の形成にいち早く対応する必要があると考えております。
次は、まちづくりの考え方についての一連の御質問でございます。
まず、まちづくりの結果としてのまちについての所見でございますが、御指摘のとおり、過去の人々の営みの集積、その所産としての現在のまちが存在するという考え方につきましては、私も同感でございます。
仙台の現在も、杜の都の風土だとか、あるいは学都としての資産等、仙台の独特のこうした個性あるいは資産というものは、先人の方々が営々として築き続けてこられたとうとい活動の所産であるというふうに認識をいたしておるところでございます。
先人の方々から引き継いだこの資産を、今に生きる私ども市民、企業、行政が一体となって、新しい価値をこれにつけ加えながら発展させ、次の世代に引き継ぐことが今日我々に与えられた使命であると考えておるところでございます。
次は、アセスメントの関係でございます。
都市づくりにとりまして、自然環境のアセスメントだけではなくて、経済や民生、福祉などに関するアセスメントの重要性、これらについてでございますけれども、御指摘のとおり、政策の立案に当たりましては、さまざまな分野にわたる観点からの効果だとか、あるいは影響につきまして、事前に予測と評価を行いまして、それに基づいて最も有効な手法をその中から選択をいたすことが重要であろうかと思います。時のアセスメントと同様に、そうした各分野における関連性のアセスメントということも大事な手法であろうかと存じます。
私どもといたしましても、こうした努力をいたしておるわけでございますが、実際の適用に当たりましては、やはり定量的ないしは客観的な評価制度をつくるということはかなり難しい面もございますけれども、今後とも、政策立案に当たりましては、事前に効果や影響などにつきまして多面的な検討が行われるように配慮をいたしながら進めてまいる所存でございます。
次は、計画の柔軟性についてでございます。
変動が極めて著しい今日、都市を取り巻く環境は大変厳しく、また将来についても、その予測が非常に困難であるということから、不透明な要因が少なくない状況にございます。
こうした状況下におきましては、計画立案に際して、現在と未来の双方向からの視点をあわせ持つとともに、立案された計画自体に柔軟性の余地を当然持たせなければなるまいと考えておるところでございます。
市民生活の質の向上だとか効率的な都市経営などを基本に据えまして、環境変化の的確な把握を行いながら、時代の変化に即応した柔軟な施策展開を行うよう、十分に配慮してまいりたいと考えます。
次は、市民とのパートナーシップについての御質問でございます。
計画立案におきます市民意思の反映という問題は最も基本的なものでございまして、従来からも市民とのパートナーシップや共通理解を基礎としたまちづくりに努めてまいってきたところでございます。
最近の例からすれば、新しい基本構想、基本計画の策定に際しましては、全市民アンケート、地域単位の懇談会、また基本計画中間報告を公表しながら市民の意見を伺うなどいたしまして、市民参画型の計画づくりに取り組んでまいったところでございます。
新しい基本計画におきましても、市民と行政の協働による都市づくりを前提といたしておりまして、今後とも、適切な情報公開や幅広い市民意見の反映などを行いながら、市民と行政の連携をより重視した市政の運営を進めてまいる所存でございます。
また、最近におきますNPO活動に見られますように、まちづくりに対する市民の参画意欲というのが高まりつつある状況にございます。都市のもう一つの財産でもございます、より高い市民意識の形成に向けた啓発につきまして、より一層意を用いてまいる所存でございます。
最後は、環境ホルモンについてでございます。
内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモン問題につきましては、人や生物への影響が、おっしゃるように、科学的に不明な点が随分と多く残されておりまして、世界的にも研究解明がいまだ緒についたばかり、そういう段階にあるというふうに考えております。
昨年五月の先進八カ国環境大臣会合におきまして、科学的な知見の国際的な評価や優先順位をつけた研究協力の推進などが確認をされておりまして、現在、OECDでは、世界の専門家による作業グループを設けまして、この内分泌攪乱化学物質に関する統一的な評価技術指針づくりを目指しているというふうに伺っております。
これらの動向をもう少し見きわめることが必要でございますけれども、やはり具体的にお話のありました環境問題、あるいは世界に向けた情報発信等につきましての戦略的な取り組みの意義につきましては、私もまことに同感でございますので、仙台版グローバルスタンダードの構築という貴重な御提言の趣旨も十分に踏まえまして、適切な時期に本市としての積極的、そして的確な対応を講ずるよう心がけ、そして志の高さを示してまいりたい、このように考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
そのほかの御質問に関しましては、関係の局長から御答弁いたさせます。
以上でございます。
16: ◯総務局長(中尾忠昭)バリューエンジニアリングの導入についてでございますが、本市におきましては、土木、建築工事の際などに、その機能、品質を低下させることなく工事費を縮減したり、あるいはまた同等のコストで機能等を向上させるための手法といたしまして、また公共工事コスト縮減の観点から、設計バリューエンジニアリングと入札・契約時バリューエンジニアリングの導入の検討を現在進めてございます。
それで、御質問のありました実施計画段階でのバリューエンジニアリングのような手法が、行政における事業の効果的、効率的な執行を進める上で有効な手法の一つとして具体的にとり得るかどうか、今後、研究してまいりたいと考えてございます。
17: ◯企画局長(田中健)私からは、旧県立図書館の跡地利用につきまして、お答えを申し上げます。
この跡地につきましては、宮城県におきまして県の公文書館として利用する、そのような予定がある旨、伺っております。
一般的に県有地でございます跡地利用の内容につきましては、土地の所有者でございます宮城県が、仙台市民も含め、広く県民の意向を反映させた上で決定すべきものと考えておりますが、この件につきましても、そのような対応が図られるものというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
18: ◯都市整備局長(谷澤晋)区画整理並びに再開発における地域コミュニティーの存続についてのお尋ねでございますけれども、市街地再開発事業等は、計画的にまちづくりを進める上で有効な手法でございます。これらの実施に当たりましては、この事業と並行して地域のコミュニティーづくりを行う必要があるというふうに考えております。
こうした基本的な認識に立って事業を推進する際には、地域の方々の参加を得ながら、まちづくり協議会やまちづくり等に関する勉強会、こういったことを開催いたしまして、地域の個性、地域らしさを生かしたまちづくりに努めてきたところでございます。
確かに、高齢化、少子化などを背景にいたしました世帯構成の変化や生活様式の多様化などにより、地域コミュニティーのあり方につきましては難しい課題を有しておりますが、今後とも地域コミュニティーの存続発展、さらに新たなコミュニティーの創造などを十分視野に入れながら、これらの事業を進めてまいりたいというふうに考えております。
19: ◯教育長(小松弥生)コンピューター教育についてでございますが、市長が述べられたと同様、コンピューター
ネットワークの果たす役割には非常に大きいものがあるというふうに認識いたしております。