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平成10年第3回定例会(第4日目) 名簿 1998-09-11
平成10年第3回定例会(第4日目) 本文 1998-09-11

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  1. 仙台市議会 1998-09-11
    平成10年第3回定例会(第4日目) 本文 1998-09-11


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時一分開議 2: ◯議長(菅原敏秋)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第四号に記載のとおりであります。             ━━━━━━━━━━━━━━     日程第一 会議録署名議員の指名 3: ◯議長(菅原敏秋)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条の規定により、吉田昌一君及び 斎藤建雄君を指名いたします。             ━━━━━━━━━━━━━━     諸般の報告 4: ◯議長(菅原敏秋)この際、報告いたします。  会議規則第二条の規定により、植田耕資君から本日の会議に欠席の届け出がありました。             ━━━━━━━━━━━━━━     日程第二 一般質問 5: ◯議長(菅原敏秋)日程第二 一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  まず、小野隆君に発言を許します。     〔十五番 小野隆登壇〕(拍手) 6: ◯十五番(小野隆)平成十年第三回定例会に当たり、ただいま議長のお許しをいただきましたので、一般質問をいたします。  先月八月下旬の関東北部、東北南部を襲った前線の停滞による大雨は、死者、行方不明者合わせて二十名以上を出すなど、大きな被害をもたらしました。八月二十七日、猛烈な雨は、一時間の最大雨量、白河で六十一ミリ、福島県長沼で五十・五ミリ、死者が出た福島県西郷村に隣接する栃木県那須町では九十ミリを観測され、昭和五十四年の観測開始以来最大の一時間雨量記録となりました。九月九日時点での宮城県内の被害は、被害総額六十一億九千万円に達し、住宅の床上・床下浸水は、六市二十六町で四百七十五戸、農業関連では水田や畑の冠水、浸水は五千五百二十三ヘクタール、被害額は十五億九千万円に達しました。  幸いにも、仙台市内の被害はほかに比べ軽微で済みましたが、今後台風シーズンに入り、集中豪雨が大変心配される折からも、万全の対策を講じられますよう、まず御要望を申し上げます。
     さて、最初に、雨に関連して市街地における雨水対策と地下水の浸透についてお伺いをいたします。  水の循環は、空から降った雨が地表で流れ、雨水排水溝、下水道を経て川へと流れ、一方では直接地面から草木の葉を通して蒸発散され、また一部地下へ浸透して地下水となります。近年の都市化に伴い、コンクリートのビル、歩道、側溝、また道路、駐車場のアスファルト舗装、そして下水道の整備など人工構造物の占める地表面積は八五%に及ぶと言われ、土の占める表面積は減少しつつあります。昔は、都心部では雨が降れば半分は地下に浸透していたものが、今後は二割程度しか期待できないとされております。  その結果、集中降雨による大量の出水被害が発生し、河川下流での急激な水かさの増加となり、また市街地では下水道や雨水排水口の能力を超えるとマンホールなどから水があふれ出すといった内水型洪水も発生いたします。その対策として、一時的に川に流れ出す大量の雨水を調整池なりトンネルのような巨大下水管をつくり流量の調整をするわけですが、先日のような長雨、集中豪雨では、仙台市都心部においてどのぐらいの降水量まで一時貯水できるのかお伺いをいたします。  仙台市では、昨年完成した巨大下水管広瀬川雨水第二幹線があり、西公園から東北大学医学部附属病院前を経て通町二丁目に至る約二キロメートルの延長で、直径は六・五メートルもあり、貯水量は四万一千トン、ピーク時の一時間当たりの雨量が五十二ミリで天井までいっぱいになるそうであります。また、仙台市での昭和五十三年からの大雨状況を見てみると、一時間当たりの雨量が、平成六年九月二十二日の大雨での四十三ミリが最大であります。先ほどの六十一ミリや九十ミリの降雨ではどのような事態が予測され、どのような対応が必要なのかお伺いをいたします。  雨水を地下に多く浸透させることにより地下水がふえ、さらに水質が改善される。河川のはんらんや浸水の防止に役立つ。きれいな水は緑に命を与え、水辺の環境が向上される。非常用の水源としてわき水や地下水を利用できるなどの効果があります。また、まちづくりの中で雨水の利用対策もいろいろ考えておるようです。  一つには、新しいビルや公共施設を建設する際にも、雨水の貯留槽を設け、飲料水以外のトイレ、洗車、庭園の散水、冷暖房に二次処理水として使用する。また、歩道、駐車場、側溝などにも浸水性のある舗装をするなどが考えられております。  また、工場では工場用水に雨水をフルに活用している例があります。自動車製造の民間企業で、現在年間約五十五万トンの地下水をくみ上げ生産工程で使用しているが、五十トンタンクと雨水浄化装置を新設し、二〇〇〇年を目標にして、今後は年間三十万トンを雨水で賄い、地下水くみ上げ量を五トンに減らす。工場外への排水量もほぼゼロにするなどして、ろ過した雨水を当面工場内の空調用水、飲料水以外のすべての工場用水、二次用水として使用し、水の循環利用や節水もさらに徹底して、グリーンファクトリー、緑の工場づくりに挑戦をいたしております。  一方、市民レベルでは、一般家庭において雨どいから雨水を集める天水おけの設置、これも庭の散水、車の洗車などに使用できます。また、雨水浸透ますを設け、雨水を地下浸透させ、保水力を高めるなどがあります。  そこで、現在仙台市での雨水利用及び地下浸透の各施策の状況とこれからの計画についてお伺いをいたします。  また、他政令都市においても先駆けて雨水貯留槽と浸透ます工事に補助制度をスタートさせておりますが、環境負荷の少ない循環型の都市を標榜する我が市においても、この雨水利用と水を地下浸透させることを奨励する制度の整備も考えられますが、いかがでしょうか。  晴天が続き、雨の少ないときには地表からの蒸発散が減少し、都市部の高温化、乾燥化、いわゆるヒートアイランド現象を加速させます。ヒートアイランド現象への対策としては、人工的な熱の排出の抑制はもちろん、緑化の推進、川、沼、池、減少する農業用ため池等の保存、維持管理により水の蒸発散量を多くする。また、雨水の地下浸透を図るため、透水性舗装の技術改良を進め、積極的に導入することなどが考えられますが、都市の高温化、乾燥化について、今後の対策と考え方についてお聞かせを願います。  次に、都市部における自転車の利用促進策についてお伺いをいたします。  このほど、東京都の世論調査において、都心部への渋滞緩和を行うTDM、交通需要管理の実施について、七割の賛成意向が示されたと報道されております。TDMは、渋滞緩和に向け生活様式や社会、交通の仕組みを工夫し、自動車交通量を調整しようとするものであります。いわゆる郊外から都心へ向かう途中で電車などに乗りかえやすくして、都心部への車流入を抑えようとするものでありますが、TDMへの我が市の取り組みについて、まずお伺いをいたします。  その中で、都心部の交通手段として自転車がクローズアップされてきております。総務庁は、交通事故二酸化炭素の排出抑制など環境対策の一環として、自転車の利用を促す総合施策を定めることとし、九八年度初めに関係省庁や有識者で構成する自転車の安全で適正な利用の促進に関する研究会を設置し、自転車専用レーンの整備や駐輪対策などの検討を開始しております。  警察庁の集計によると、九七年の交通事故による死者は九千六百四十人。このうち自動車乗車中の事故は四千二百五十一人なのに対し、自転車乗車中は千六十五人。自動車よりも自転車の方が安全であることは間違いないことから、近距離の交通手段として自動車から自転車への乗りかえを政策的に誘導すれば、交通事故の減少につながるほか、渋滞の解消やCO2削減に効果が上がると判断をしております。  具体的な乗りかえ促進策としては、主要道路に自転車専用レーンを途切れなく設置し、駅周辺に駐輪場をふやすなどの対策を進めることによって、自転車走行をより安全にすることに重点を置くことであります。自転車は道路交通法で車道を走ることが定められておりますが、実際には路上駐車などで車道走行にはかなりの危険が伴います。  総務庁が昨年十月、デンマーク、オランダ、ドイツなどの自転車利用率の高い欧州諸国に調査団を派遣したところ、専用レーンや駐輪場の増設による安全走行の確保が自転車利用の促進に大きな効果を持つことがわかったと言われております。自転車専用レーンの設置をめぐっては、カラー舗装化が安全性の向上に効果を発揮することなど技術面での研究を進めるため、自転車利用促進研究会とは別に土木関係者を含めた研究会を発足させる考えであります。  自転車は、松山市など地形が平たんな地域で利用率が高いように、地域特性に左右される面があるため、地域特性に応じた数種類の具体的な政策指針を作成する考えであります。  都心部の車道にカラー舗装した自転車専用レーンを設けることについての御所見をお聞かせ願います。  また、一方、建設省では道路を新設、改築する際の構造基準を定めた道路構造令について、車社会の実態に合わなくなったとして、本年度内に抜本改正する方針を固めました。交通渋滞を緩和するため基準を変更して車線数をふやすほか、車優先から歩行者や自転車と共存できる道路づくりを進めるのがねらいだそうであります。  自転車は体力や精神面での健康づくりに役立つほか、地球温暖化によるガス削減の観点からも利用促進は大変有効と、各関係機関でさまざまな施策の取り組みがなされております。  ある市では、二酸化炭素や経費の削減などを目的に、公用車にかえてリサイクル自転車公用自転車として導入することになりました。五月下旬に開催された第七回環境自治体会議のとき、各会場への移動手段としてリサイクル自転車約三百五十台を用意し、参加者に利用を呼びかけて好評だったのがきっかけで、市街地の道路幅が狭く、自転車の方が小回りがきくなどの理由から公用自転車導入を思いついたそうであります。  また、放置自転車の処分に頭を悩ませるある市では、所有権の切れた自転車をリサイクルして、観光客に無料で貸すサービスを始め、好評だとのことです。放置自転車のうち比較的新しい五十台を選び、泥よけを赤く塗装し直し、市営の駅中央駐車場に保管し、利用したい観光客はJR駅内の観光案内所で申し込むシステムだそうです。  JR北海道、三重県三岐鉄道、山梨県富士急行、JR四国が自転車を持ち込んで乗れる列車を走らせています。ラッシュを除く時間帯に、観光あるいはショッピング向けに的を絞ってPRをいたしております。マイカーの排気ガスを減らし、地球温暖化防止策として省エネにつながり、サイクリングの新たな楽しみを加え、鉄道の利用増にもつながるものと期待をされているそうであります。  欧米の鉄道でも例が多く、運輸省でも大都市以外の地域を対象に日本でも自転車持ち込みを普及させたい考えであります。  さまざまな町中における自転車利用策を御紹介いたしましたが、利用促進について御見解をお伺いいたします。  次に、市域内の情報ネットワーク構築についてお伺いをいたします。  本年三月策定された仙台市情報化基本計画によれば、情報化においては、情報通信技術の飛躍的な進展、インターネットを初めとする情報通信ネットワークの急激な拡大などを背景に、情報通信ネットワークは社会の基本的なインフラの一つとして認識されつつあります。これからの変化の時代を乗り越え、快適な市民生活を実現し、地域の課題解決や活力形成につながる新たな知識の創造や地域産業の活性化を図るためにも、情報化に積極的に対応していくことがますます重要になると考えますとあり、日々、我々の家庭や職場に情報通信が浸透しつつあります。  日本国内のインターネット利用者数は、今年初めに一千万人を超え、年末には一千三百万人が予測をされ、国民の十人に一人が利用している計算になります。  引きかえ、仙台市域においては他政令都市に比べても、情報機器、情報通信サービスの普及率や情報関連産業の集積は低い状況にあります。具体的にワープロ、パソコンの設置状況、CATV受信契約者数、携帯・移動電話加入数情報サービス事業所数情報サービス業年間売上高、いずれを見ても下位にあり、立ちおくれているのが現状であります。  情報化の可能性は、快適な社会生活の実現、社会参加機会の拡大、バリアフリー化、企業活動の活性化、行政サービスの高度化、効率化などがあり、だれでも、いつでも、どこでも利用できる情報通信を整備し、情報自在都市仙台を急いで構築しなければなりません。  仙台市の情報化の現状とこれからの施策に取り組む意気込みをお聞かせください。また、将来の見通しについてもお伺いをいたします。  今年五月、東北地建、東北六県、仙台市で立ち上げた東北地域情報ネットワークプラン検討委員会の役割と計画、目標についてお知らせください。  また、今定例会の一般会計補正予算に事業費六千万円を計上されている教育情報衛星通信ネットワーク事業についても、役割と効果についてお伺いをいたします。  まさに高度情報化社会は、市役所と区役所、病院、下水道、水道、学校、文化施設を初めとする公共機関の間を、またビジネスも産業も、すべてが新時代へのライフスタイルへと変貌を遂げています。電話回線の三百倍以上の超高速の通信速度と現在の電話ケーブルより千倍もの通信量を持つ光ファイバーを使って、情報通信インフラが整備されつつあります。  平成八年十二月、下水道法が一部改正され、雨水や汚水だけとされていた下水道の使用制限が解除され、下水管の中に光ケーブルが導入、敷設ができるようになり、国や自治体、第一種通信業者有線テレビなどの利用が可能になりました。建設省によると、同様な下水道利用は世界でも例がないと言われております。従来の方式に比べ、敷設費や維持管理費が格安で風雨や災害に強く、どこでも取り出せますし、また新しく敷設ロボットが開発され工事期間が短縮されるなど、多くのメリットがあります。  そこで、この下水道を利用する光ケーブルでの情報ネットワークづくりを研究、検討されているのかお伺いをいたします。  仙台市は市域内の情報ネットワーク構築について、これからどのような考えをお持ちかお伺いをいたします。  また、市役所内のコンピューターをネットする庁内LANの構築についてお伺いいたします。  現在、新しいオフィス等のビル建築については、大部分はインテリジェントビルとして情報通信に対応できるシステム導入がされております。昭和四十年に建設された現在の市役所庁舎にLANを構築する場合は、床をかさ上げしてその中に配線を通したり、あるいは天井、壁の中を通したり、諸設備のスペースが必要になるなど多額の改修費用が伴うことになります。  むしろ、将来の情報化に対応できる新庁舎の建てかえ等も視野に入れながらの検討も必要になると思われますが、庁内LANの構築の諸課題について、どのような御見解をお持ちかお伺いをいたします。  地域の問題に移ります。  泉ケ岳・芳の平りんご園跡地の利用策についてお伺いをいたします。  本市のシンボルである泉ケ岳は市街地から近いところにあり、春夏秋冬、一年じゅうを通して市民の方に親しまれ愛されており、大いなる自然の恵みを与えてくれております。  昭和五十九年十二月、当時泉市が泉ケ岳・芳の平果樹生産組合から約百六十八ヘクタールを取得いたしました。当初から市民の憩いの場とすることで各部局で種々検討され、調査計画も幾度か出されたようですが、現状はどうなっているのか、新たな計画は練られておられるのかお伺いをいたします。  現代はアウトドアブームと言われておりますが、仙台市にはキャンプ場の数は少なく、青少年の自然に親しむ機会が少ないと思われます。本格的な大型キャンプ場や若者志向のオートキャンプ場の設備、あるいはハングライダーの基地化、野外運動施設自然観察センター、山を学べる森林館などいろいろ考えられますが、ミズバショウの群生地もあることから自然に親しみ、自然を生かしながらの利用がふさわしいと思われますが、御所見をお伺いいたします。  最後に、泉中央駅付近の混雑緩和について、三点お伺いいたします。  一つ目は、イズミティ21前の都市計画道路七北田実沢線の南進に伴う左折路線の設置であります。  仙台市が昨年十一月中旬に行った泉中央地区交通量実態調査においても、午前七時から八時までのピーク時、一時間の車両通行量は六百三十台と全くのパンク状態であります。パークタウンから直接泉中央に入る道路はこの一本だけで、片側一車線で二、三キロの距離で、朝のラッシュ時で三、四十分はかかるようであります。  イズミティ21の向かい側は泉区役所であり、区役所側にもう一車線拡幅し、区役所の北西角と南西角の交差点に左折レーンを確保し、車両の通過を早めることが必要であると考えます。御所見をお伺いいたします。  二点目は、同時に泉中央駅に対応するマイカー用乗降スペースを増設すべきと考えております。泉中央駅の乗降者数は年々増加を続けており、仙台駅に次いで第二番目の多い駅となっております。今年の四月の白百合学園の開園、また来年平成十一年四月には仙台商業高等学校が開校します。仙台市では、今年度から利用者増に合わせ駅構内の改修工事にかかります。ラッシュ時の列車混雑率は最高で一七五%だと言われておりますが、平成十年、ことしはそれをも上回ることになるようです。  これまでの七台の出改札機を倍の十四台へと、出入り口を一カ所から二カ所へと増す改修工事であります。新しい出入り口は区役所方向であり、これに合わせ、マイカー用乗降スペースを先ほどの左折レーンと一緒にイズミティ21と泉区役所の間に増設すべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。  三つ目は、このほど都市計画道路荒巻大和町線の大沢地区が用地買収に入り、いよいよ開通に向け着工されると伺っておりますが、この路線も先ほどの都市計画道路七北田実沢線に交わり、宮城大学、宮城県図書館、白百合学園パークタウン工業流通団地を結ぶバス路線として大いに活用されることと期待をしております。反面、泉中央駅付近の交通混雑になお拍車をかけるものと心配をしているところであります。  ところで、都市計画道路荒巻大和町線の泉総合運動場交差点から加茂の北環状線までの早期開通が必要かと考えます。発生交通量の増加と市長の言われるアクセス三十分構想に照らしてみても、大沢地区の五百メートル開通と同時に開通ができるよう、今年度の補正予算で調査費を計上するなど、早期着工に向け積極的な取り組みが求められますが、御所見をお伺いいたします。  以上で一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 7: ◯市長(藤井黎)小野議員の御質問にお答えを申し上げます。  交通問題についての御質問のうち、TDMの取り組みについての御質問にまずお答えを申し上げます。  本市の基本計画におきまして、多様な都市活動を支える総合交通体系の形成、これを図るための具体的な施策の一つといたしまして、適切な交通需要管理の推進ということを位置づけているところでございます。この問題につきまして、本市におきましては、これまで時差通勤、通学、これを初めとしてパーク・アンド・ライド、それからバス・アンド・ライド等々、さまざまな交通施策に取り組んでまいってきたところでございましたが、深刻化する交通問題にやはり多角的な対応をすることが今日迫られておりますので、新たな施策をも加味しながら、現在総合的にTDM施策の検討をいたしているところでございます。  そのうち短期的に実施すべき施策につきましては、今年度中に取りまとめをいたしまして、逐次その実施に移してまいりたい、こう考えております。このTDMの施策を推進していくためには、市民の皆さんの協働という問題が不可欠でございますので、その理解、協力を得ながら進めてまいりたいと考えております。  次は、市域内の情報ネットワーク構築についての御質問のうち、仙台市の情報化の現状と将来の見通し、これからの取り組みについてでございます。  まず、情報化の現状でございますが、本市におきましては、これまで平成四年に策定をいたしました情報化基本計画とその具体的な取り組み施策でございます情報化推進計画に基づきまして各種分野において事業を計画的に実施をいたし、市民の利便性の向上や地域産業の活性化等を図ってまいったところでございます。  例えば、平成九年度の郵政省の通信白書の中におきまして、地域の情報化に対する取り組みは、本市が全国で八番目に位置づけられるなど、一定の進捗を示しているものと考えております。  次に、将来の見通しと取り組みについてでございますが、地球環境問題の顕在化、また右肩上がりの経済成長の終えんなど、旧来の枠組みを超える大きな課題を抱える一方、高齢化やボーダーレス化が進展をし、工業中心型社会が限界を迎え、人間の知的営みの所産でございます情報、知識の自由な創造、流通、共有化が実現されるような、いわゆる情報社会が本格化していくというふうに考えられますので、情報化の推進というのは避けて通ることのできない課題である、このように認識をいたしております。  本市におきましても、近年の情報通信技術の進展や本市を取り巻く諸情勢を踏まえて、ことしの三月に新しい情報化基本計画を策定いたしたところでございますので、この計画に基づいて今後とも計画的に施策の推進に取り組んでまいる所存でございます。  関連いたしまして、市域内の情報ネットワークの構築についてでございます。  仙台市情報化基本計画にもございますように、すべての市民、企業が自由自在にコミュニケーションを楽しめるまち、いわゆる情報自在都市を実現するためには、さまざまな情報ネットワークが継ぎ目なく有機的に結び合って、市民が自由に情報ネットワークを利用できる環境の整備が不可欠であると、こう考えております。  これらのネットワークの構築に当たりましては、民間事業者に主体的に取り組んでいただくことが基本となりますけれども、行政情報、防災情報等の公的な利用にかかわるネットワークの構築につきましては、行政として主体的に取り組むべきものと考えております。また、先端的な高速大容量のネットワークの構築とそれを利用した医療、福祉等の公的な情報通信の利活用につきましても、行政として積極的に進めていく必要がございます。  このような官民それぞれの役割分担のもとで、市域全体の情報ネットワークを構築することによりまして、情報自在都市実現に向けて、今後とも精力的に努力してまいる所存でございます。  最後は、庁内LANの構築についてでございます。  平成九年度に市役所本庁舎及び北庁舎に庁内LANを試験的に構築いたし、全庁への本格的な導入に向けまして、本年度その検証作業を進めているところでございます。この庁内LANの利用によりまして、今後職員間での情報共有を進め、事務の効率化を図ってまいりたいと考えております。  しかしながら、全庁的なシステムの構築に当たりまして、それに伴う職員研修の方策、既存の業務システム等との共用化等々、庁内LANの整備に伴って対処すべきさまざまな課題がございますので、このことと並行いたしまして適切な方針を定めてこれに対処してまいりたいと、このように考えるところでございます。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長から御答弁をいたさせたいと思います。  以上でございます。 8: ◯環境局長(千葉邦彦)環境局に関します三点の御質問にお答えを申し上げます。  まず初めに、雨水の利用や地下浸透についてでございますが、近年、都市化の進展によりまして自然本来の水環境が阻害され、御指摘のように、内水型洪水の問題や都市環境の悪化の問題など、さまざまな影響が懸念されております。  このため、杜の都環境プランの中では、新たな時代への環境課題として水循環の健全性の確保を掲げておりまして、これまでも仙台スタジアムや青葉体育館での雨水利用施設の建設など、各局において取り組んできたところでございます。  さらに、これらの取り組みにつきましては、具体的な推進を図る上での指針となります水環境保全計画を今年度末を目途に策定を進めているところでございます。  次に、雨水利用の奨励についてでございますが、梅田川の流域の市民を対象といたしまして、平成七年度より天水おけのモニター事業や天水おけ手づくり講座を開催いたしてきておりますが、さらに御指摘の点も踏まえまして、雨水利用の奨励について今後とも意を用いてまいりたいと存じております。  最後に、ヒートアイランド現象対策についてでございますが、快適な都市環境や市民の健康確保の観点からも大変大事なことと考えております。この現象は都市構造そのものの問題でもありますので、杜の都環境プランにも掲げておりますように、環境への負荷の少ない循環型都市の構築に向け、省資源対策やエネルギー等の有効活用、市街地における緑化の推進ほか、御指摘のような健全な水循環の確保に向けた技術的な検討を加えながら諸施策を推進してまいりたい、このように考えております。 9: ◯都市整備局長(谷澤晋)都市整備局関係の御質問にお答えを申し上げます。  まず、都心部への自転車専用レーンの設置でございますが、現在でも都心内で自転車利用者は大変多うございます。これまで利用者のための駐車場や自転車の通れる歩道を整備してまいりましたが、御提案の都心部への自転車専用レーンの設置につきましては、今後総合的な交通施策の見地から、その導入の可能性も含め研究をしてまいりたいと考えております。  次に、自転車の利用促進でございますが、自転車の利用特性として、だれもが乗れ、小回りもきく等気軽に利用できることから、通勤、通学、買い物等短距離移動に極めて利便性が高く、さらに渋滞対策や環境対策の面を考慮いたしますと、自転車の利用促進を図ることは有効方策、このように考えますことから、今後総務庁における自転車の安全で適正な利用の促進に関する研究会での検討内容や、他の自治体の事例等を参考に、TDM施策の一環として検討してまいりたいというふうに考えております。  次に、泉中央駅付近の交通混雑緩和についてのお尋ねでございますけれども、イズミティ21前の左折路線の設置と泉中央駅にマイカー乗降スペースを増設することについてでございます。  現在、泉中央駅の改修計画に合わせた交通対策を検討しておりまして、その中で議員御指摘の泉区役所西側における左折レーンの確保やマイカー乗降スペースの増設についても検討を進めております。  一方、現状の対策といたしまして、駅周辺地区の混雑を緩和するために、イズミティ21前交差点における信号の現示の調整や駅を利用するマイカー乗降スペースを増設するため、車線の運用策や乗降場の位置の変更について、県警交通規制課や泉警察署など関係機関と具体的に協議を進めてきておりまして、できることから実施をしてまいりたい、このように考えております。  以上でございます。 10: ◯建設局長(渡邉康夫)建設局の三点のお尋ねにお答え申し上げます。  初めに、東北地域情報通信ネットワークプラン検討協議会につきましては、平成九年七月に建設省から建設省情報通信ネットワークビジョンが示されたことを受けまして発足いたしております。  当協議会は、東北地方建設局における道路や河川、下水道の公共施設の管理のあり方や電気通信事業者のニーズを踏まえ、今後の情報通信インフラの整備方策を取りまとめることを目的といたしております。  本年五月、協議会で発表いたしました東北地域情報通信ネットワークプランは、二十一世紀当初を目標とする中間取りまとめを構想といたしまして打ち出したものであり、その内容は、道路等の公共施設の高度管理用光ファイバーネットワーク民間事業者の光ファイバー敷設が可能となる収容空間ネットワークについて各施設管理者ごとの整備方針と整備延長とを取りまとめたものであります。仙台市の整備延長は、共同溝及び電線類地中化事業による十一キロメートルを目標といたしております。  次に、泉ケ岳・芳の平りんご園跡地の利用についてのお尋ねでございますが、泉ケ岳一帯は、登山、スキー、キャンプなどのスポーツ、レクリエーションの場として、市民に大変親しまれている場所でございます。  この地区は、山とのふれあい構想に基づき、貴重な自然生態の保全を前提としながら、広く市民が自然と触れ合い、学びながら健康的な余暇活動のできる拠点として整備を図る考えであります。この構想を実現するための基本計画を作成する準備といたしまして、これまで自然環境や社会条件、土地利用現況など諸条件を調査し、また平成九年度には本地域利用者に対しまして、利用実態、ニーズ等に関するアンケート並びに主要施設のヒアリング調査等を実施いたしてまいりました。  今年度からはこれらの基本調査を踏まえ、現施設との調整を図りながら基本計画を作成してまいります。  最後に、都市計画道路荒巻大和町線の泉総合運動場交差点から北環状線までの整備についての御質問でございますが、都市計画道路整備につきましては、現在の厳しい財政状況の中で、さらに効率的かつ重点的な執行が求められてきております。また、今後検討が進められていくアクセス三十分構想の施策の中では、公共交通を主体として交通体系の確立に向けた道路整備に対する優先的な取り組みも必要となると考えております。  御質問の区間の整備は、議員御指摘のように、泉中央地区の交通環境の改善に資するさまざまな施策の一つでございますが、アクセス三十分構想の取り組みの中に合わせて、今後の道路整備計画見直しの中で整備時期を検討してまいります。  以上でございます。 11: ◯下水道局長(後藤健三)下水道局にかかわる三点についてお答えいたします。  一時貯留の考え方につきましては、下水道からの放流量が河川の計画流量を超える場合はピークカットし、一時貯留を行うこととしております。雨水計画においては、降雨確率年十年で、ピーク時一時間当たり五十二ミリと設定した施設計画として整備を進めております。  現在、都心部で昭和六十一年の八・五の豪雨のときに浸水した排水溝を中心に、広瀬川第二雨水幹線が供用し、梅田川第一雨水幹線及び長町第一雨水幹線が事業中でありますので、御理解賜りたいと思います。
     次に、御指摘の被災地域での長時間にわたる豪雨などが本市に発生した場合の予測と対応についてでございますが、雨水排水計画においては、都市計画中央審議会の答申を踏まえ、降雨確率年十年に対応した施設計画としております。  現在、この計画に基づき施設整備を進めているところでありますが、整備された区域でも、計画降雨量を超える豪雨に対しては下水道施設能力を超えるものとなります。  なお、仙台市地域防災計画において降雨に応じた対策をとることとなっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、下水道を利用した通信情報ネットワークづくりの検討についてでございますが、下水道を利用した光ケーブルでの情報ネットワークづくりにつきましては、仙台市情報化基本計画において、下水道管渠の活用も含めた情報通信ネットワーク整備の促進を図ることとしております。  今後は、既設管渠の状況や他事業者を含めた情報量を把握するなど、関係機関と調整を図りながら調査、研究を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 12: ◯教育長(小松弥生)教育情報衛星通信ネットワークについてのお尋ねでございますが、このネットワークに入ることによりまして、全国一斉に行われるいじめ問題、O157対策、それから新学習指導要領の伝達講習など、緊急かつ必要性の高い研修、諸会議等に多くの教職員が直接参加できるようになり、また仙台市の教育の全国に向けての発信ができるようになる。さらには、先進地域との情報交換なども容易になると考えております。  このことによりまして、教職員研修の充実を図り、創意に満ちた教育活動を促すなど、今後の仙台市の教育に大きな効果が得られるものと考えているところでございます。  以上でございます。 13: ◯議長(菅原敏秋)次に、田中芳久君に発言を許します。     〔七番 田中芳久登壇〕(拍手) 14: ◯七番(田中芳久)最初に、発言の機会をいただいたことに感謝します。  私は民主フォーラムの田中芳久です。  最初は、私の質問では定番になっていますコンピューター教育についてです。  パーソナルコンピューターが単体で動いていたスタンドアロンの時代から、通信というメディアを手に入れたネットワークの時代へと進化していることは藤井市長も御承知のとおりです。  速さと大きさを競い合っていたマスの時代から、より人間的なサイズになったパーソナルコンピューターによるマルチの時代、ネットワークを手に入れたインターの時代という進化に伴って、コンピューターの世界が大きく変わってきています。そのスピードは、文部省が考えているよりも少し速いようです。市長はどのようにお感じでしょうか。また、教育長の所見もお聞かせください。  さて、この時代、すなわちインターの時代の基本とも言うべきインターネット接続に関して、仙台市立の小中学校の現状をお知らせください。また、来年度中にはぜひとも一〇〇%の接続率を目指していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  このような話になりますと、他都市との比較という話がよく出てまいりますが、二流国となったこの日本国内他都市との比較、それも結構でしょうが、これ以上世界におくれることのないように期待します。藤井市長の決意を伺います。  次に、まちづくりの基本的な考え方と実施方法について質問します。  まちには歴史があり、その歴史に根差した人間のネットワークがあります。人々の生活の中から生まれた民族の文化は、複雑な紋様を描きながら時を積み重ねてきました。  今、現に存在するまちは、人々がまちづくりを続けてきた一つの結果であると私は思うのですが、藤井市長はいかがお考えでしょうか、お聞かせください。  行政のやり方は、一たび計画が実施されてしまうと、反対する市民が存在するにもかかわらず継続されているようです。そんな中で、河口堰やダムが時のアセスメントによって見直されているのは大変結構なことだと思います。しかし、時のアセスメントだけでは十分とは言えません。幾つか提案をしたいと思いますので、それぞれについてお答えください。  まず、一つ目は、現在行われているアセスメントの問題です。  環境保護が叫ばれる中、どうしても自然環境に偏ったものが多く、経済や民生、福祉など、本来多岐にわたりアセスメントを行い、総合的に判断すべきと私は考えますが、いかがでしょうか。  二つ目は、計画の柔軟性の問題です。  時代の変化の激しさは、バブル崩壊を例に挙げるまでもないでしょう。経済も地価も右肩上がりという考え方は既に過去のものです。状況に応じて計画を変更することは至極当然のことのように思われますが、いかがでしょうか。市長はどのようにお考えでしょうか、お答えください。  三つ目は、バリューエンジニアリングの導入です。  計画の見直しと言っても、行政内部ではいろいろと難しいこともあるかと思います。この際、第三者に計画の見直しをゆだねてみてはいかがでしょうか。バリューエンジニアリングという手法です。これは東京都の中学校で行われたものが話題になりました。入札の見積もりが妥当なのか、また計画自体にむだはないかなどを専門家に再チェックさせたものです。  この手法をより広範囲に適用し、実施計画の整合性、妥当性などをチェックすべきと考えますが、いかがでしょうか。藤井市長の見解を伺います。  四つ目は、市民とのパートナーシップについてです。  まちづくりの計画は、そこに住む市民の意思が最優先されるべきと考えます。計画立案以前から市民の声に耳を傾けておく必要があると思います。また、同時に市民のまちづくりに対する意識の啓発も必要と思います。過去においてどのような活動があったのか、お知らせください。  さて、私は現在、榴岡を中心に東口から宮城野周辺を生活域にしています。市長も御存じのとおり、泉中央、長町と並び変貌著しい地域です。  この地域に生活していて実体験として感じるのは、まちが変わっていくに従ってコミュニティーが崩壊していく、破壊されていくということです。別に、ノスタルジーに浸って言っているわけではありません。確かに、コミュニティーというものは一定しているものではなく変化し続けるものです。しかし、変化のスピードが人間を上回ればコミュニティーは崩壊します。それを防ぐためにさまざまな工夫が必要になります。  今まで実施されてきた区画整理、再開発において地域コミュニティーの存続にどのように対処されてきたのか伺います。  また、今後はどう対処されるのか、あわせて伺います。  地域限定の話で恐縮ですが、榴岡公園に隣接して元の県立図書館があります。何になるのかと期待しておりましたら、公文書館になるそうです。一体どんな理由があってあの一等地に公文書館なるものをつくらなければならないのでしょうか。  先ほども述べましたように、あの地域は区画整理のただ中にあり、住民構成が激変しています。その住民の中から児童館を求める声も出てきております。まさしく区画整理によって都市化した地域の必然と言えるでしょう。ちなみに、あの建物に隣接する小さな公園は仙台市のものです。榴岡公園の整備によって飛び地のように残ったそうです。  藤井市長、浅野知事に教えてあげてください。仙台市民は、すなわち宮城県民であるということ、それに宮城県民である仙台市民は、あの場所に別に公文書館を欲しがってはいないということ、加えて、公文書館は、利用者の便宜を考えるならばインターネット上につくる方がはるかに効果的であるということを、小声で結構ですのでそっと耳打ちしていただきたいのですが、いかがでしょうか。  さて、最後の質問は環境ホルモンについてです。  ここからは提案が中心になりますので、質問が少なくなることを御了承ください。  内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンについては、既にかなりのページ数が割かれておりますので詳しくは述べません。今回、私が提案するのは、環境ホルモンの今後の課題、それに対する仙台市のかかわり方です。  今まで特に注目されたのは、雌化する自然についてでした。精子数の減少や生殖器異常、これら生殖系の問題はわかりやすく、しかもセンセーショナルであったためにニュースになりやすかったということが言えます。  しかし、環境ホルモンは生殖系だけでなく、免疫系、内分泌系、脳・神経系にも重大な影響を与えているはずです。この「はずです」というあいまいな表現こそが今後の課題です。実は、環境ホルモンとして知られているものは七十種類ほど今報告されております。人間に影響を与え得る化学物質はブラックリストに載っているものだけでも千種類を超えております。私は最近知ったことなのですが、藤井市長は御存じでしたでしょうか。  「奪われし未来」、ストールン・フューチャー、怖いタイトルです。しかし、これはSF映画ではありません。一九九六年三月に出版された環境ホルモンに関する会議の報告です。序文を書いたのはゴア副大統領です。さすがに二十一世紀の大統領候補と言われるだけはあります。  さて、怖がってばかりはいられません。ヒステリックに環境ホルモンを悪者にするのは簡単ですが、それでは何の解決にもなりません。どの化学物質が安全でどれが危険なのか、事実を正確に把握することが必要です。環境ホルモンについて研究を早急に進めること、その成果を集約し公表すること、成果に応じた法律を整備すること、仙台市では条例となりますが、以上が必要だと私は考えます。藤井市長の見解を伺います。  さて、この研究の主体となるのはだれがよいでしょうか。  厚生省が研究を始めました。しかし、厚生省が当てにならないことは十分知られています。都合の悪いことはなかったことにするというのが厚生省のやり方のようですから。浅野知事を非難するものではありませんので、念のために申し添えます。  企業も乗り気にはならないでしょう。もうかる当てがないからです。結果によってはマイナスにもなり得ます。大学では相手が大き過ぎます。  さて、そこで仙台市はどうでしょうか。  まず、仙台市は環境都市であります。藤井市長は、政令市初のISO14001番の取得を目指しています。環境に対して深い関心を持ち、実際に対処されようとしています。  そして、仙台市は学都でもあります。幸いなことに、仙台にはアジアの大学ベストスリーにランクされる東北大学を初めとする数多くの大学があります。特に、理系の研究分野において東北大学はトップクラスと評価されております。  しかも、仙台市は全国でもベストテンに入るほどの情報先進都市であり、今後も加速する勢いです。  世界にはもっと適した町があるかもしれませんが、少なくとも日本国内においては仙台市が最もふさわしいと考えるのは私のひいき目でしょうか。私は、仙台市こそがこの二十一世紀の戦いの先頭に立つべきと思いますが、いかがでしょうか。  そこで、内分泌攪乱物質研究機構の設立と国際環境ホルモン会議の開催を提案します。いかがでしょうか。  さて、新たに研究所をつくる必要はありません。各大学に研究を依頼すればよいのです。民間の研究所も利用できるでしょう。世界の研究者に研究の場を提供することもできます。仙台市に滞在し研究するために必要な費用を支援すればよいのです。彼らに対する支援への見返りは、滞在する間に講演を行ってもらえるならば十分でしょう。世界の最先端の研究者は、仙台にたくさんの足跡を残してくれるはずです。  あとは年に一度、国際環境ホルモン会議を主催するだけです。もちろん、発表されたデータはインターネットを通じて世界に公表されます。研究成果の蓄積は仙台市が管理すればより効果的です。いかがでしょうか。  この国際環境ホルモン会議で報告された成果をもとに条例を制定します。条例に盛り込まれる数値は、毎年仙台で開かれる国際環境ホルモン会議で報告されたものとするということになります。世界じゅうの環境ホルモンに関する法律は、この仙台市条例を基本につくられることになるでしょう。仙台市は、日本という枠組みを超えて世界の標準になります。仙台市がグローバルスタンダードになるわけです。この名誉は仙台市民すべてに対する名誉となるでしょう。市長の所見を求めます。  夢のような話と思われるかもしれません。しかし、不幸中の幸いと言っては怒られそうですが、化学物質が妊娠中の胎児の、特に脳・神経系に与える影響についての研究はほとんど行われておりません。いや、それどころか、環境ホルモンについては今話題になっていることしかわかっていないのです。人類の未来に重大な影響を与えるであろう研究であるにもかかわらずです。  市立大学は、残念ながら計画の見直しの中で断念しました。しかし、大学という形がなくとも、学問に対する姿勢こそが必要なのではないでしょうか。  大切なのはISO取得を目指した藤井市長の志の高さであり、それ以外の何物でもないのです。  藤井市長、仙台市が人類のために、奪われた未来を取り返すために旗を掲げることは無意味でしょうか。市長の現在の志の高さと内分泌攪乱物質研究機構及び国際環境ホルモン会議という、私の提案への感想をお聞かせください。  以上で私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 15: ◯市長(藤井黎)田中議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初は、コンピューター教育の御質問のうち、情報化の進展の部分についてでございます。  情報化につきましては、その技術の進歩や、またネットワークの広がりのテンポが我々の予想をはるかに超えたものがございまして、情報化が産業活動あるいは経済活動、また市民生活の各般にわたりまして、まことに大きな影響を与えつつあるというふうに考えております。  とりわけ、御指摘のように、コンピューター単体の利用からネットワークの活用、そして最近におきましてはネットワーク同士の、いわゆるネットワークネットワークと言われるネットワークの集合体を通じまして、個人や地域が世界と直接的に結びつくことができるような時代になっていることが最大の特徴と言えるのではなかろうかと存じます。  こうした大きな潮流に迅速に対応できるような環境の形成にいち早く対応する必要があると考えております。  次は、まちづくりの考え方についての一連の御質問でございます。  まず、まちづくりの結果としてのまちについての所見でございますが、御指摘のとおり、過去の人々の営みの集積、その所産としての現在のまちが存在するという考え方につきましては、私も同感でございます。  仙台の現在も、杜の都の風土だとか、あるいは学都としての資産等、仙台の独特のこうした個性あるいは資産というものは、先人の方々が営々として築き続けてこられたとうとい活動の所産であるというふうに認識をいたしておるところでございます。  先人の方々から引き継いだこの資産を、今に生きる私ども市民、企業、行政が一体となって、新しい価値をこれにつけ加えながら発展させ、次の世代に引き継ぐことが今日我々に与えられた使命であると考えておるところでございます。  次は、アセスメントの関係でございます。  都市づくりにとりまして、自然環境のアセスメントだけではなくて、経済や民生、福祉などに関するアセスメントの重要性、これらについてでございますけれども、御指摘のとおり、政策の立案に当たりましては、さまざまな分野にわたる観点からの効果だとか、あるいは影響につきまして、事前に予測と評価を行いまして、それに基づいて最も有効な手法をその中から選択をいたすことが重要であろうかと思います。時のアセスメントと同様に、そうした各分野における関連性のアセスメントということも大事な手法であろうかと存じます。  私どもといたしましても、こうした努力をいたしておるわけでございますが、実際の適用に当たりましては、やはり定量的ないしは客観的な評価制度をつくるということはかなり難しい面もございますけれども、今後とも、政策立案に当たりましては、事前に効果や影響などにつきまして多面的な検討が行われるように配慮をいたしながら進めてまいる所存でございます。  次は、計画の柔軟性についてでございます。  変動が極めて著しい今日、都市を取り巻く環境は大変厳しく、また将来についても、その予測が非常に困難であるということから、不透明な要因が少なくない状況にございます。  こうした状況下におきましては、計画立案に際して、現在と未来の双方向からの視点をあわせ持つとともに、立案された計画自体に柔軟性の余地を当然持たせなければなるまいと考えておるところでございます。  市民生活の質の向上だとか効率的な都市経営などを基本に据えまして、環境変化の的確な把握を行いながら、時代の変化に即応した柔軟な施策展開を行うよう、十分に配慮してまいりたいと考えます。  次は、市民とのパートナーシップについての御質問でございます。  計画立案におきます市民意思の反映という問題は最も基本的なものでございまして、従来からも市民とのパートナーシップや共通理解を基礎としたまちづくりに努めてまいってきたところでございます。  最近の例からすれば、新しい基本構想、基本計画の策定に際しましては、全市民アンケート、地域単位の懇談会、また基本計画中間報告を公表しながら市民の意見を伺うなどいたしまして、市民参画型の計画づくりに取り組んでまいったところでございます。  新しい基本計画におきましても、市民と行政の協働による都市づくりを前提といたしておりまして、今後とも、適切な情報公開や幅広い市民意見の反映などを行いながら、市民と行政の連携をより重視した市政の運営を進めてまいる所存でございます。  また、最近におきますNPO活動に見られますように、まちづくりに対する市民の参画意欲というのが高まりつつある状況にございます。都市のもう一つの財産でもございます、より高い市民意識の形成に向けた啓発につきまして、より一層意を用いてまいる所存でございます。  最後は、環境ホルモンについてでございます。  内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモン問題につきましては、人や生物への影響が、おっしゃるように、科学的に不明な点が随分と多く残されておりまして、世界的にも研究解明がいまだ緒についたばかり、そういう段階にあるというふうに考えております。  昨年五月の先進八カ国環境大臣会合におきまして、科学的な知見の国際的な評価や優先順位をつけた研究協力の推進などが確認をされておりまして、現在、OECDでは、世界の専門家による作業グループを設けまして、この内分泌攪乱化学物質に関する統一的な評価技術指針づくりを目指しているというふうに伺っております。  これらの動向をもう少し見きわめることが必要でございますけれども、やはり具体的にお話のありました環境問題、あるいは世界に向けた情報発信等につきましての戦略的な取り組みの意義につきましては、私もまことに同感でございますので、仙台版グローバルスタンダードの構築という貴重な御提言の趣旨も十分に踏まえまして、適切な時期に本市としての積極的、そして的確な対応を講ずるよう心がけ、そして志の高さを示してまいりたい、このように考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長から御答弁いたさせます。  以上でございます。 16: ◯総務局長(中尾忠昭)バリューエンジニアリングの導入についてでございますが、本市におきましては、土木、建築工事の際などに、その機能、品質を低下させることなく工事費を縮減したり、あるいはまた同等のコストで機能等を向上させるための手法といたしまして、また公共工事コスト縮減の観点から、設計バリューエンジニアリングと入札・契約時バリューエンジニアリングの導入の検討を現在進めてございます。  それで、御質問のありました実施計画段階でのバリューエンジニアリングのような手法が、行政における事業の効果的、効率的な執行を進める上で有効な手法の一つとして具体的にとり得るかどうか、今後、研究してまいりたいと考えてございます。 17: ◯企画局長(田中健)私からは、旧県立図書館の跡地利用につきまして、お答えを申し上げます。  この跡地につきましては、宮城県におきまして県の公文書館として利用する、そのような予定がある旨、伺っております。  一般的に県有地でございます跡地利用の内容につきましては、土地の所有者でございます宮城県が、仙台市民も含め、広く県民の意向を反映させた上で決定すべきものと考えておりますが、この件につきましても、そのような対応が図られるものというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 18: ◯都市整備局長(谷澤晋)区画整理並びに再開発における地域コミュニティーの存続についてのお尋ねでございますけれども、市街地再開発事業等は、計画的にまちづくりを進める上で有効な手法でございます。これらの実施に当たりましては、この事業と並行して地域のコミュニティーづくりを行う必要があるというふうに考えております。  こうした基本的な認識に立って事業を推進する際には、地域の方々の参加を得ながら、まちづくり協議会やまちづくり等に関する勉強会、こういったことを開催いたしまして、地域の個性、地域らしさを生かしたまちづくりに努めてきたところでございます。  確かに、高齢化、少子化などを背景にいたしました世帯構成の変化や生活様式の多様化などにより、地域コミュニティーのあり方につきましては難しい課題を有しておりますが、今後とも地域コミュニティーの存続発展、さらに新たなコミュニティーの創造などを十分視野に入れながら、これらの事業を進めてまいりたいというふうに考えております。 19: ◯教育長(小松弥生)コンピューター教育についてでございますが、市長が述べられたと同様、コンピューターネットワークの果たす役割には非常に大きいものがあるというふうに認識いたしております。
     教育委員会といたしましては、インターネットの活用を通して子供たちがコミュニケーション能力や情報活用能力を十分身につけ、情報ネットワーク時代をたくましく生き抜いていけるように、今後とも学校における情報教育を積極的に進めてまいりたいと考えております。  小中学校におけるインターネット接続に関するお尋ねでございますが、本年度末までに小学校九十二校、中学校三十五校を接続する予定でございます。  残りの学校につきましても、コンピューターの導入や更新にあわせましてインターネットへの接続を行っていく予定でございまして、学校教育の中でインターネットが有効に活用されるよう努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 20: ◯議長(菅原敏秋)この際、暫時休憩いたします。     午後二時二十分休憩             ━━━━━━━━━━━━━━     午後二時五十二分開議 21: ◯議長(菅原敏秋)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、八島幸三君に発言を許します。     〔二十五番 八島幸三登壇〕(拍手) 22: ◯二十五番(八島幸三)議長よりお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  最初に、経済情勢についてお伺いいたします。  国では、連日、長銀の処理をめぐって熱い論戦が繰り広げられています。政府は、野党との協議がまとまらないことから現行法での処理に踏み込み、公的資本投入を先行する方針を固めようとしているようでありますが、市長はどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いします。  国民は、長銀の元頭取の九億円を超える退職金には怒り心頭であり、公的資金を導入する前に、まず徹底した経営者責任と情報公開を明らかにすることを強く求めています。  政府は、八日、九月の月例経済報告を行い、低迷状態が長引き極めて厳しいと、八月より一層厳しいものとなっています。仙台市内や宮城県内は徳陽シティ銀行が経営破綻したため特に厳しい情勢で、毎日のように企業倒産のニュースが流れていますが、徳陽シティ銀行が破綻した昨年の十一月以降、企業倒産件数及び負債額はどのような状況になっているのでしょうか、お伺いします。  九月四日の日本経済新聞では、徳陽の貸出債権の受け皿となる金融機関の引受額が最大で二千百億円にとどまり、徳陽の現在の融資残高約四千三百億円のうち半数以上の債権が整理回収銀行に移管されることが確定的になったと報じられています。このことが事実だとすれば、今後債権が引き継がれなかった企業の経営に大きく影響するだろうと思われますが、いかがお考えでしょうか。  また、こうした現状だと第II分類とされた債権も相当数、整理回収銀行に移管されると思いますが、当局はどのようにお考えでしょうか、お伺いします。  確かに、金融機関もみずからの組織を守らなければならず、これらを受け入れれば受け入れるほどリスクは多くなるし、貸倒引当金を積まなければならず、結果として自己資本比率が下がってしまうことなど理解はします。しかし、銀行によっては、県の信用保証協会が貸し付けを認めたものでも貸してくれないということもあったと聞いております。もし事実だとすればゆゆしき問題と言わざるを得ません。できるだけ金融機関にも協力してもらうように協力要請をすべきと思いますが、いかがでしょうか。  徳陽破綻後の貸付状況について、仙台市の貸付枠は十分なのかどうか、新たな対策を考えているのかどうか、あわせて当局の御所見をお伺いします。  最後に、県内における金融機関のあり方についてお伺いします。  今回破綻した徳陽は、中小企業を中心として取引をしてきたことを考えれば、貸出債権の受け皿となる金融機関が七十七銀行でなく仙台銀行が中心であったことはよかったと思っています。一つだけの地方銀行が大きくなるのではなく、それなりに体力のある複数の銀行が存在する方が、市民、県民にとって選択肢が広がるなど望ましいものと思います。そういう点では、仙台銀行のみならず、信金などの体力増強のため、仙台市は直接的にも間接的にも積極的に支援をしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか、市長の御所見をお伺いします。  次に、福祉工場についてお伺いします。  先日、民生衛生常任委員会で北九州市と西宮市の福祉工場を視察してきました。北九州市の福祉工場リサイクル工房は、知的障害者福祉工場として市内二カ所のごみ焼却工場内に設置され、瓶、缶、ペットボトルの選別を業務としています。設置主体は北九州市で管理運営は社会福祉法人が行い、二カ所合わせて五十名の知的障害者の就労の場となっています。  西宮市の阪神友愛食品株式会社は、重度障害者多数雇用事業所に知的障害者能力開発センターを併設した、コープこうべ、兵庫県、周辺七市一町による第三セクターの会社です。事業は主に生協で販売する農産素材の包装加工とレトルト総菜食品の製造で、約二十名の重度障害者を雇用しています。必ずしもすべての人がスムーズに工場勤めになじんだわけではなかったということでしたが、生き生きと仕事をしている姿を見て、社会生活を営むのに必要な施設であることを実感してきました。  しかし、残念ながら仙台市や宮城県にはこうした施設はなく、障害者やその家族の方はもちろんのこと、多くの方々から早急な設置を求められているところであります。本市としては、現状をどのように認識され、今後どのようにしようとしているのか、御所見をお伺いします。  私は、福祉工場の事業として、できるだけ完成品をつくる仕事を選ぶ方が、仕事に対する喜びが感じられるなど、より望ましいと考えています。今回の視察を経験し、一層その思いを確信いたしました。  そこで提案いたしますが、花栽培工場はいかがでしょうか。確かに商品としてたえられる製品をつくるためにはさまざまな障害が考えられます。例えば、場所はごみ焼却工場近くの土地を借り、ビニールハウスの温度管理は工場の排熱を利用し、専門家による指導体制が整えば必ずや成功するものと思います。また、生ごみの肥料化の事業も実施し、花栽培に使用するだけではなく、農協などと契約して販路を確保すれば、より多くの人を採用することができ、工場の経営もうまくいくと思いますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いします。  仙台公共職業安定所における障害者の職業紹介状況によれば、ここ二、三年、就職件数は余り変わっていないにもかかわらず、九年度の求職者数は前年比約二割増となっており、求職者数の増加に比べて就職者数は伸びていないこと、解雇者は九年度で三名であったものが今年度は八月末現在で六名と既に倍増していること、法定雇用率未達成企業の割合がふえており、法定雇用数に不足する障害者数は九年度で七百十四名とますます増加していることなどとなっており、ふだんですら障害者の雇用状況は芳しくなく、長引く不況で一層悪化していることからも福祉工場の早急な調査、研究、実現を求めるものでありますが、御所見をお伺いします。  あわせて、全体的な障害者の雇用対策についてどのように考えているのか、仙台市の取り組みも含めてお伺いいたします。  次に、難病患者及び遷延性意識障害者への保健・医療・福祉支援体制についてお伺いします。  国は、難病対策として昭和四十七年十月の難病対策要綱に基づき、医療費の助成などを実施し、仙台市は独自の事業として見舞金制度を実施してきました。また、遷延性意識障害者については、仙台市、宮城県は全国に先駆けて医療費補助などの支援を実施してきたことは、関係方面から高く評価されているところです。  しかし、医療費抑制策の診療報酬制度の改定などにより、入院が制限され、生活環境がますます悪化してきております。このため、医療や福祉の支援体制の整備が急務となっていますが、市長の認識と今後の取り組みについてお伺いします。  国においては、昨年、国会審議や患者団体から筋萎縮性側索硬化症などの人工呼吸器装着患者のような重症難病患者にかかわる十分な医療の確保、患者及びその家族の生活の質の向上など、保健・医療・福祉にかかわる施策の拡充が求められていることから、疾病の原因究明や治療法の開発などにかかわる調査研究の重点的推進及び治療研究の効率的実施とあわせ、患者及びその家族を対象とした保健・医療・福祉施策を一層強化することにより、総合的な難病対策の推進を図るとしています。  その内容は、既に実施している在宅支援などに加え、入院施設を確保するため都道府県ごとに拠点病院や協力病院などのネットワーク化を図るということです。宮城県においても、宮城県ALS等神経難病総合対策検討委員会が設置され、検討に入ったようですが、どのような検討がなされ、いつごろまでに結論を出そうとしているのかお伺いします。  医療と同時に大切な施策は、在宅を支えるショートステイやデイサービスが受け入れられる施設の設置であり、療護施設を設置することだと思いますが、いかがでしょうか。  その際、私は難病患者に加え、遷延性意識障害者を対象とした施設とすべきと考えますが、市長の御所見をお伺いします。入院するところがない、入れる施設がないということで、厳しい居宅生活が強いられている方はたくさんいます。早急な取り組みを求めるものであります。  次に、ダイオキシン対策についてお伺いします。  私は、本年第一回定例会でダイオキシンと内分泌攪乱物質、通称環境ホルモン対策について質問し、斉藤重光議員が予算等審査特別委員会でダイオキシンの測定体制について質問し、市長は測定施設の設置を検討する旨の答弁をしております。  それから半年の間、全国各地で驚くようなダイオキシン汚染の実態が次々と明らかになり、環境ホルモンによる影響事例が多く報告されるなど、物すごい勢いで情勢が変わってきており、国民の汚染に対する不安はますます高まってきています。ダイオキシンや環境ホルモンの汚染による影響に対応していくためには、測定施設の設置が求められることは言うまでもありません。仙台市も設置の方向で基礎調査を行っているということですが、どのような調査を行っているのでしょうか、お伺いします。  環境庁も、大気、水、土だけではありますが、分析方法の基準を示したということですから、どのような施設にすればよいかおおよそ見当つくと思います。ダイオキシン類発生源対策にかかわる法的規制は、本年十二月から年一回以上の排ガス測定が義務づけられます。  環境局によれば、対象となる施設は市関係施設が九カ所、産業廃棄物処理施設等が二十三カ所、計三十二カ所ということであります。ダイオキシンは、食物連鎖により食べ物から人体に吸収される量が圧倒的に多いことがわかっていますから、食品や生物の測定が加わってくることは間違いありませんし、さらに母乳や体液、水や土の測定も加わってまいります。  そうしますと、一年間の検体数は百件を超え、場合によっては二百件を超えることも十分考えられます。一台の分析機で測定できる件数は、精度を高めるのにダブルチェックを行うため、一年間に百件程度と聞いております。分析機は磁場などの関係で一台一部屋でなければならない、振動に弱いため測定しながら増設工事は難しいと聞いております。私は、分析機を後で増設するにしても、少なくとも施設は二台ないし三台の分析機の設置が可能なものにすべきと考えますが、当局はどのように考えているのでしょうか、お伺いします。  先ほど申し上げたとおり、情勢は急激に変わってきています。設置することを決定してから具体的な調査研究に入り、基本設計、実施設計、そして建設、測定が開始できるまで短くても二年ぐらいはかかるものと思います。その間、必要性があっても測定ができなかったり、おくれてしまうのでは市民生活に影響が出てきますから、できるだけ早急な設置を求めるものでありますが、当局の御所見をお伺いします。  また、環境ホルモンの測定体制についてどのように考えているのか、あわせてお伺いします。  次に、学校施設についてお伺いします。  先日、八木山小学校のプレハブ校舎を利用した子供や教師が目がちかちかするなどの身体の変調を訴えたという話を聞きました。このプレハブ校舎は完成したばかりで、夏休み期間中に初めて使用し、このような症状が出たということですから、建材か接着剤に含まれるホルムアルデヒドやトルエンなどの化学物質によるものと考えられますが、何が原因だったと考えているのか、過去にこのようなことはなかったのか、あわせてお伺いします。  最近、化学物質過敏症の報告がふえてきています。化学物質過敏症は、アレルギーよりごく少量の物質にも過敏に反応して長期間にわたって繰り返し化学物質を吸い込んだり、飲んだりすることによって、その人の許容範囲を超えると、自律神経障害や精神障害、目の障害、消化器障害など、実に多様な症状が出ると言われており、かつ診断が極めて難しいことから、報告例よりははるかに多くの患者が潜在しているものと思われます。  このような疾患がふえてきたことは、合板や壁紙、家具などの建材に多くの化学物質が使われてきたことに高断熱、高気密、冷暖房による室内空気の換気不足が加わってきたことが大きな原因と言われています。こうしたことを防ぐためには、これだけ多くの化学物質が使用されている現状では居宅のみならず、福祉施設や学校、会社など建物に使用する建材をできるだけ化学物質が含まれていないものにするか少ないものにすることと、換気を十分に行うことだと思います。  建材などには化学物質成分に関する基準があり、ホルムアルデヒド放出量の違いを少ないもの、中ぐらいのもの、多いものの三段階に区分しているとのことであり、放出量が少ないものと多いものでは合板で二十倍、繊維板とパーティクルボードでは十倍の違いがあるということです。市の施設及び市が多額の補助金を出している福祉施設の建設に当たっては、どのような建材を使用しているのでしょうか、お伺いします。  こうした施設の建設に当たっては、できるだけホルムアルデヒドの放出量が少ない建材や化学処理をしていない自然木を使用するようにすべきと考えますが、御所見をお伺いします。  この際、八木山小学校の改築に当たっては、早速採用したらいかがでしょうか。また、仮設校舎は改築が終了するまでしばらく使用することになります。換気には十分気をつけるとは思いますが、暖房している冬場は心配です。子供たちの健康状態などには最善の配慮をお願いしておきます。  関連して、学校の保健衛生についてお伺いします。  私は、昨年、学校給食の除去食についてとカーペット敷きの汚染について質問しました。その後どのような取り組みをしているのでしょうか。  厚生省は、食物アレルギー対策検討委員会がまとめた平成九年度食物アレルギーに関する調査結果を報告しました。この調査は、食物アレルギーに対して国民の関心が高まっていることから、症状が重篤になる可能性が高く因果関係が明確な即時型全身反応を呈する食物アレルギーの実態把握のため行ったということです。  その結果、食物アレルギーの既往歴がある人は、三歳児が八・六%、小学一年生が七・四%、五年生が六・二%、中学二年生が六・三%とかなり多くの子供が苦しんでいることが明らかになりました。また、小中学生が食物除去中に困ったことでは「いつまで続くのかが不安」と同時に「給食が食べられない」と「弁当や除去食で嫌な思いをした」が多く、集団生活の中で一人だけ変わったことをしていることに悩んでいることが、推測しているとおり多いことがはっきりしました。  一方、発育に不安を抱えていることは事実であり、専門家に相談しながら適切に食物除去をしなければなりませんが、学校や保育所でできるだけ協力していく必要があります。仙台市もいろいろ努力していることは評価しますが、さらに取り組みの強化を求めるものでありますが、御所見をお伺いし、質問を終了いたします。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 23: ◯市長(藤井黎)八島議員の御質問にお答えをいたします。  経済情勢に関連して、まず長銀の処理問題についてでございます。  同行への公的資金の投入につきましては、国際的に業務を展開している大手銀行の破綻が日本経済のみならず世界経済に大きな影響を及ぼすことが危惧されている一方におきまして、公的資金の投入をめぐりましては、御承知のとおり、さまざまな議論が行われている現状でございます。国民の理解が得られるような結論が望まれるところでございますけれども、いずれにいたしましても、金融機関の経営破綻が相次ぎ、経済状況が一段と厳しさを増しておりますことから、一刻も早い金融システムの安定化が必要であると考えるものでございます。  次は、県内における金融機関のあり方についてでございます。  地域経済の安定的な発展のためにも、複数の地元金融機関が力をつけていくことが望ましい、このように考えております。現在、地元の金融機関には公金の取り扱い、市債の発行、基金の運用等につきまして、多くの役割を担っていただいておりますが、今後とも必要に応じ可能な支援策を講じてまいりたいと考えております。  最後は、難病患者等への支援体制の整備に対する認識と取り組みについてでございます。  重症の難病患者や遷延性意識障害者の医療の確保や、また患者及び家族の生活の質の向上など、総合的な支援の体制整備が急がれているところでございます。  本市といたしましては、現在、遷延性意識障害者なども含めました難病特定疾患等生活療養実態調査を行っているところでございます。その結果を踏まえ、また宮城県の動向等も見ながら、今後の取り組みについて積極的に検討をしてまいりたい、こう考えておるところでございます。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長の方から御答弁させたいと思います。  以上でございます。 24: ◯健康福祉局長(佐藤直敏)健康福祉局関連の市長答弁以外の御質問にお答えいたします。  初めに、福祉工場に関する御質問についてでございます。  まず、その現状認識についてでございますが、現在、本市には身体障害者の福祉工場が一カ所という状況になってございます。  福祉工場につきましては、一般企業に就労することが困難な障害者の就労の場を確保する上での重要な施設でありますので、今後、障害者保健福祉計画に基づき、知的障害者の就労の場として整備の促進に努めてまいりたいと存じます。  次に、福祉工場に関する提案についてでございますが、福祉工場は福祉施設であると同時に就労の場でもあり、利用者への賃金の支払いなど、企業としての採算性が求められるわけでございます。こうした視点も考慮の上、今後、御提案の花栽培につきまして十分参考とさせていただきながら検討してまいりたいと考えております。  次に、福祉工場の実現についてでございますが、本年十月に設置を予定しております障害者就労支援推進検討委員会におきまして、障害者雇用支援センターに関連する職場拡大事業の一環として御検討をいただく予定でございますので、その結果を踏まえながら具体化に向けて検討してまいりたいと存じます。  次に、障害者の雇用対策についてでございますが、障害者の社会的、経済的、精神的自立を推進するための重要な課題と認識しているところでございます。  今後、障害者雇用支援センターを設置し、障害者、その家族、それから雇用主に対する総合的な相談、援助を行い、能力開発や職場定着などを支援いたしますとともに、関係機関と協力して職場開拓や職域の拡大に努力してまいりたいと考えております。  次に、難病患者等への支援の御質問についてでございます。  まず、宮城県ALS等神経難病総合対策検討委員会についてでございますが、この委員会では、国で示しております重症難病患者入院施設確保事業として、重症難病患者のための拠点・協力病院の確保と都道府県ごとのネットワーク化についての検討や、難病患者地域支援ネットワーク事業として、在宅療養支援の強化を図るための検討を行っており、年度内に結論が出る予定と伺っておるところでございます。  次に、難病患者に加え、遷延性意識障害者を対象といたしました施設についてでございますが、昨年四月から、他都市に先駆けて医療機関におけるショートステイ事業を開始いたしておるところでございます。今後、宮城県で設置しております検討委員会での対応を見ながら、本市の支援のあり方や役割などを検討してまいりたいと存じます。  次に、ダイオキシン対策に関する御質問についてでございますが、まずダイオキシンや環境ホルモンの測定施設につきましては、この種の施設は極めて注意を要する化学物質を取り扱うため、周辺環境と分析従事者の安全を確保するための専用の検査施設を新たに設置する必要がございます。  しかし、現状では設計基準もなく、全体像の概念が明らかになっておりませんので、どのような施設であれば安全なのか、また規模はどのぐらいが適切なのかなどにつきまして、文献調査や他都市の状況を調査し、設置に向けて検討を進めておるところでございます。  次に、ダイオキシン分析機を設置する施設についてでございますが、将来の需要量も十分考慮しながら、施設規模等の検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、分析機の早期設置についてでございますが、御指摘の点も踏まえ、検討を進めてまいりたいと思います。  また、環境ホルモンの測定体制についてでございますが、新たな施設の整備や、分析従事者の養成も必要になることから、今後とも国の動向や社会情勢の推移を十分に念頭に置きながら、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に、市の施設等に使用している建材の御質問のうち、民間社会福祉施設の状況でございますが、これは、その設置者の裁量といたしておりますので、本市といたしましてはその使用建材の中身につきましては把握いたしておりませんが、今後、施設の良好な環境を確保するためにも、ホルムアルデヒド等の化学物質の放出が少ないものを使用すること、それから換気面での注意といった点について働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 25: ◯経済局長(加藤豊)経済局関連の三点についてお答えいたします。  徳陽シティ銀行の経営破綻以後の企業倒産件数と負債額についてでございますが、民間の信用調査機関の調査結果をもとに、仙台市内の負債総額一千万円以上の倒産について見てみますと、昨年十一月から本年八月までの総件数は百四十二件、負債総額の合計は約一千二百九十億円で、前年同期比では総件数で約一・六倍、負債総額の合計で約六倍となっております。  月別の状況を見ますと、件数は十件から二十件程度で推移しておりますが、負債総額は月によってかなりばらつきがございまして、大型倒産があった昨年十二月と本年五月は、それぞれ約三百三十六億円、六百五億円と突出しております。この両月を除けば、本年七月までの二十数億円から七十数億円の規模で推移してきたところですが、八月は負債総額が約七億円と大幅な減少となっております。  おおむねの傾向といたしましては、倒産件数について多少増加の兆しが見られますし、景気回復の見込みもなお不透明であることから、今後とも企業倒産の動向には十分注意を払っていく必要があると認識をしております。  次に、徳陽シティ銀行の債権引き継ぎに関しての御質問でございますが、報道されておりますように相当の債権額が整理回収銀行に移管されることとなれば、御指摘のように、当該企業にとりましては、新規貸し付けの停止など資金繰りに当たって深刻な事態となることが予想されます。したがいまして、特に第II分類債権については円滑な譲渡が行われるよう、これまでも信用保証つきの本市の制度融資を充実し、その対応に努めてまいったところであります。  なお、企業の中には、譲渡先金融機関とは別に、自社で徳陽シティ銀行にかわる金融機関を見つけた企業も多くあると聞いておりますが、いずれにいたしましても、今後、国を初めとして、宮城県や金融機関など地域の関係機関が協力して、それぞれの立場でこれまで以上の努力をしていくことが求められると考えているところであります。  こうしたことから、本市といたしましても、金融機関に対しまして、本市融資制度の積極的な利用などにより、債権の引き受けをより一層取り組まれるよう、今後とも要請をしてまいりたいと考えております。  次に、融資枠につきましては、本年五月の臨時会において五十億円余の拡大を図っており、宮城県や政府系金融機関の融資制度の充実もあり、現状では今後の資金需要に対応できるものと考えておりますが、今後とも状況の変化には十分注視して、適切な対応を図ってまいる所存でございます。  また、新たな金融対策につきましては、当面は、去る八月二十八日に閣議決定された中小企業等貸し渋り対策大綱に基づく具体の対策が実効あるものとして機能するよう期待をしているところでございますが、本市といたしましても、中小企業の利便の向上の観点から取扱金融機関の拡大について検討してまいる所存でございます。  以上でございます。 26: ◯都市整備局長(谷澤晋)市の施設等に使用する建材につきまして御答弁申し上げます。  これらの建材につきまして、主に床は塩化ビニールやカーペット類など接着剤を使用した張り物類、壁はビニールクロスなど接着剤を使用した張り物類や石こうボード類、天井の方は石こうボード類などの建材を使用しております。  これらの建材の使用に当たりましては、ホルムアルデヒドなどの化学物質の放出が少ないものを使用するように配慮をしておるところでございます。自然木を使用した場合、かび、反りや、あるいは割れなどが生じるおそれがございますので、施設管理面での問題や建材の性能等を十分調査研究し、御指摘のような化学物質の放出が少ない建材や自然木など、室内環境に優しい建材の使用に今後とも努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
    27: ◯教育長(小松弥生)学校施設等についての御質問にお答え申し上げます。  八木山小学校のプレハブ校舎使用による体の変調についてのお尋ねですが、症状から見まして、建材や接着剤に含まれるホルムアルデヒド等による可能性も考えられましたので、学校において窓の開放、換気扇の利用等による換気の徹底を図ったことによりまして、現在はこのような症状は出なくなっております。  また、過去における同種の事例につきましては、把握いたしておりません。  次に、八木山小学校改築に当たっての安全な建材の使用についてでございますが、先ほど都市整備局長がお答え申しましたように、化学物質放出量の少ない建材の使用に努めているところでございますが、子供たちの健康に関する大変重要な問題でございますので、御指摘の点を踏まえまして、なお一層学習環境に配慮した校舎整備に努めてまいりたいと考えております。  なお、当面の対応といたしましては、八木山小学校を含めたプレハブ校舎でのホルムアルデヒド濃度測定を今月中に実施する予定にしております。  また、プレハブ校舎の使用に当たりまして、今後とも子供たちの健康管理について学校側との連絡を密にとるなどしまして、子供たちの健康状態の把握に努め、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。  次に、食物アレルギーについてのこれまでの取り組みに対する御質問でございますが、実態調査を行いました結果、何らかの食物アレルギーを要する児童生徒は、平成十年度の数字で申し上げますと、小学校で六百四十四名、全児童数の一・一%、中学校では二百二十六名、〇・七%であることが判明しております。このうち、実際に給食が食べられないという子供たちにつきましては、原因食品を除去した給食や代替食の提供、あるいは牛乳の飲用停止を行っております。また、これらで対応ができない場合には、弁当持参をお願いしているところでございます。  食物アレルギーは、その原因となる食品の種類も多く、症状も多様で個人差が大きいものですから、学校給食のように一度に大量に調理を行うところでは、きめ細やかな対応が非常に難しい面がございます。  しかしながら、児童生徒の健康に関する問題でございますので、議員御指摘のとおり、保護者、学校や保育所と緊密な連携を図りますとともに、違うものを食べていても認め合うよう指導面にも留意しながら、引き続き適切な対応をしてまいりたいと考えております。  次に、カーペット敷きについてのお尋ねでございますが、日常使用いたしますオープン教室等のカーペットについて、殺菌処理による清掃を従来は二、三年に一度のペースで行っておりましたが、昨年度から年一回のペースに頻度を引き上げております。そして夏休み期間、あるいは春休み期間に清掃を行いまして、衛生対策を強化しているところでございます。  今後とも、学校環境衛生の向上に一層努めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 28: ◯議長(菅原敏秋)次に、洞口邦子君に発言を許します。     〔二十六番 洞口邦子登壇〕(拍手) 29: ◯二十六番(洞口邦子)初めに、新たな日米防衛協力のための指針、いわゆる新ガイドライン法案と市の対応について伺います。  この四月、内外からの強い批判と懸念の声が上がる中、政府は、周辺事態措置法案など、新ガイドライン関連三法案を閣議決定し、今国会での早期成立を目指すことを明らかにしています。アメリカの戦争支援に民間や地方自治体を動員することを予定しているこの法案が、日本国憲法の平和主義にも、地方自治法の精神にも反するものであることは明らかです。北朝鮮の弾道ミサイル発射問題を格好の口実として、日米安保体制の強化をさらに促進しようとする危険な動きがありますが、地方自治体として、この法案の成立を阻止するよう国に働きかける取り組みが求められています。  この法案の第九条「国以外の者による協力等」には、第一項で「地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる」、第二項で「国以外の者に対し、必要な協力を依頼することができる」と、それぞれ規定してあります。自治体の協力の内容としては、空港や港湾の利用にとどまらず、物資の補給、武器を含む輸送と修理、整備、さらに医療、通信などなど、さまざまな分野で自治体に軍事協力が求められる可能性があり、こういう事態が法制化されようとしています。この問題についてどのような認識をお持ちなのか、まず伺います。  この法案には地方自治体の協力内容が明確にされていませんが、米軍への協力が実際にどんな内容となるのかを考える上での素材として、一九五〇年の朝鮮戦争の際の日本の戦争協力の実態が多くの示唆的な内容を含んでいます。  第一に港湾関係についてですが、単に港湾を使用する、岸壁を使うということにとどまらない内容であることがはっきりしています。米軍艦船への給水やごみ処理などの役務はもちろん、港湾、造船の労働者など、港湾、運輸関係機関に従事する労働者が丸ごと米軍への協力を余儀なくされる、まさに総動員体制となることになります。  第二に自治体病院の動員についてですが、日本は負傷米兵を治療し、戦力化して再び戦地に送り込むことに協力することになります。その受け入れは外科を中心としながらも、さまざまな分野の病院、医師、看護婦を用意し、確保しなければなりません。国立病院、市立病院が対象とされると考えて間違いありません。  第三に民間企業の動員の仲介についてですが、有事になって新たに民間空港や港湾を基地にした場合、あるいは米軍が大規模に使用することになった場合には、どうしてもその地域の民間業者の実情を詳しく把握しているはずの自治体が仲介することにならざるを得ず、経済局や建設局などの部署が動かされることになる可能性があります。  第四に施設などの便宜の提供についてですが、公の施設は米軍の使用が優先されて、住民が使用できないようなしわ寄せを受けることが考えられます。  地方自治体には、住民の安全、健康及び福祉を保持する責務があります。周辺事態措置法案が、いかにこの責務と相入れないものであるかは明らかであり、市としてこの法案を阻止する立場で国に強く働きかけるべきと思いますが、いかがでしょうか。  市内にある苦竹と霞目の自衛隊基地は、既に米軍との共用基地となり、米軍との共同演習も繰り返し行われています。市は全国基地協議会に加入していますが、その目的は国からの基地の交付金に関する調査、研究にとどまっています。仙台市の窓口や体制の問題をとってみても、米軍基地のある自治体という認識が非常に薄いのではないでしょうか。  長年、自治省の幹部を歴任し、自治大学校長であった鹿児島重治氏の著書「地方自治体法」には、自治体に対する国の監督権は原則的に排除されていると明快な論理が展開されています。国の要請が住民の平和的生存権と生活権を脅かすものであれば、自治体は自主的な判断で拒否できるということです。また、自治体や民間の同意がなければ、安保条約の存在を前提としても、また周辺事態であっても、米軍が空港や港湾を使用することはできません。基地や港湾を抱える自治体として、万が一この法案が具体化されることがあっても、住民の利益が損なわれることに対しては、国にきっぱりと拒否の態度を示すよう求めるものですが、いかがでしょうか。  次に、介護保険に関して伺います。  二〇〇〇年四月からの介護保険実施まであと一年半余となり、自治体としても可能な努力が求められています。我が党は、繰り返しこの問題を取り上げ、住民の願う介護保険制度をつくり上げるよう求めてきましたが、現時点で特に市が取り組む必要があると思われる重要な問題に絞って伺います。  介護保険法では、介護保険事業計画の策定が自治体に義務づけられていますが、市民は、介護保険がどんな中身でどうなるのか知らないがゆえに不安や心配を募らせています。事業計画の策定に当たっては、市民の不安を取り除く意味でも、市民への情報提供が欠かせません。そして介護保険の中身と福祉施策をよりよいものにすること、少なくとも現行水準を落とさないという姿勢に立つことが大切ではないでしょうか。市の基盤整備の到達点や市民の要求をきめ細かく、かつ実態を正確に把握して、それを市民に公表すべきと思いますが、いかがでしょうか。  この計画づくりを住民参加で進めようと、計画策定委員会を市民から公募したり、住民懇談会を地域ごとに開催するなどの努力をしている自治体も生まれていますが、仙台市は既に策定委員会を設置したとのことです。この委員会は二十名の構成となっていますが、委員の選定に当たっては、一般公募で広く市民の中から選ぶべきではなかったでしょうか。市は、十月ごろまでニーズ調査を行い、策定委員会の審議が本格化するのはその後になりますから、市民の関心が高い介護の計画を練り上げていくためには、今からでもあと数人の委員を公募で補充すべきではないでしょうか。また今後の進め方として、策定委員会内部だけでの検討に終わらせることのないよう求めるものです。  要介護の実態は、区によっても、また地域によっても多種多様であり、素案策定の段階から市民の意見が吸い上げられるような仕組みをつくっていくことが大切です。そのためには、区ごとに分科会、小委員会などのプロジェクトチームを募り、市民の意見がきめ細かく反映できる体制をとって素案をつくるべきではないでしょうか。そして節目節目で素案を市民に公表し、市民の要望を取り入れて、充実したものにしていくべきと思いますが、いかがでしょうか。  政府は、介護サービスの提供は民間事業者に任せ、自治体は調整役に徹せよという指導を強めています。営利企業の介護サービスへの無制限な参入は、競争原理によるサービスの低下や労働条件の切り下げ、一方で利用者負担の増大をもたらしかねないなどの問題点が懸念されます。公的責任で必要なサービスの提供を行うことはもちろんですが、民間事業者については厳格な資格要件、情報公開の義務づけなどが必要です。非営利組織との連携で、地域に質の高い介護サービスの網の目をつくることも必要になっています。民間事業者や団体の調整役である市には、人権を守る立場に立った指導性を発揮する力量が求められていると思いますが、いかがでしょうか。  介護保険実施までに行政がやるべき仕事は、高齢者の実態調査から事業計画の策定、保険料支払いのためのシステム開発など多種多様です。これだけの大事業を行おうという最初の重要な時期に、介護保険準備室の職員が十一名で万全の体制と言えるのでしょうか。市民の期待にこたえる充実した介護保険制度を実施できるように、この部署にかかわる職員の増員等の措置をとるよう求めるものですが、いかがでしょうか。  新制度の導入に当たっては、国や県の指示待ちという受け身の姿勢ではなく、老後を安心して過ごせるまちづくりを住民とともにつくり上げていく努力こそが求められています。安心できる公的介護保障を地域に実現するために、国に必要な改善を要求していくことが重要と思いますが、いかがでしょうか。  あわせて、市の高齢者保健福祉計画は、介護保険実施の時期である二〇〇〇年までの目標となっていますが、新たな計画策定の際は、介護保険給付では足りない各施策を盛り込み、拡充させることが必要と思いますが、いかがでしょうか。  次に、子供と教育をめぐる問題について伺います。  子供の深刻な事件が続いていますが、なぜ子供たちが自分や他人を傷つける行為にまで及ぶのか、今の子供たちが抱えている問題の深刻さを直視しなければなりません。子供の健全な成長抜きに社会の存続と発展はあり得ません。子供たちの健やかな発達が阻害されるような今の社会の状況は深刻な問題であり、日本の社会的危機というべき事態です。  その中でも学校は、本来、社会の病理に抵抗して子供を守る防波堤になるという特別の位置を持っています。ところが、その学校が子供にストレスや抑圧感を与えるものになっている現実があり、学校のあり方そのものが問われています。学校を学ぶ喜びと友情をはぐくむ、子供にとって楽しいところに、人間的自立を確かなものにする場に変えていくにはどうするか、広く議論が求められています。こうした問題をどのようにお考えか伺います。  今の学校教育をゆがめている大きな問題の一つは受験競争であり、受験中心の詰め込み教育です。国連子どもの権利委員会が五月下旬、日本政府に勧告を行いました。そこでは、日本の教育制度が極めて競争的で、子供の体、精神の健康に否定的な影響を及ぼしている。激しいストレス、不登校を防止し、かつそれと戦うための適切な措置をとるべきと述べているほどです。学校を異常な競争から解き放つには何が必要かを真剣に考えるべきではないでしょうか。  政令市における高校の受験倍率を見ると、推薦合格者数を除く実質倍率は、仙台市が最も高いレベルにランクされており、最低地区でも一・五四倍と、三人に一人は希望の高校へ入れない状況です。仙台圏では、現在でも高校が足りず高校増設運動が起こっていて、今年度も普通高校四校で臨時学級増をしなければなりませんでしたが、高校の受験競争倍率が全国有数に高くなっている事態を市としてどのようにとらえているのか伺います。  こうした中、県教育委員会は、公立高校普通科の学区を現行の十四学区から事実上一区に拡大することを打ち出し、二〇〇〇年三月からの実施を予定しています。高校入学者選択審議会の中間答申についての公聴会では、性急な進め方に対する批判も含めて答申の問題点が浮き彫りになりました。特に仙台地区では、中学生が高校入学を強く願いながら、望まない高校への進学が多く、学区の拡大は一層の競争激化と荒れの拡大を招いていきます。  今でも全県一区になっている職業科を中心に片道三時間以上もかかる遠距離通学と中退の事例が数多くあり、今見られるゆがみをさらに押し広げることになりかねません。不登校の増加の要因である競争を無理強いする受験体制が、学区を拡大すればますます仙台地区で深刻になり、学校嫌いを小中学校からふやしてしまいます。  県が進めようとしている高校の学区制について、子供の健やかな成長と学ぶ権利を保障するために市として反対の意見を述べるべきと思いますが、いかがでしょうか。  今、仙台一極集中で全国的にも例のない受験倍率のもとであえぐ仙台圏の子供たちの苦しみを解消することこそ急務です。受験競争を緩和させるための独自の取り組みがどうしても必要です。政令市仙台に市立普通高校が仙台高校一校しかないのは大きな問題ではないでしょうか。希望するすべての子供の高校入学を保障するため、市として高校増設に足を踏み出すべきと思いますが、いかがでしょうか。  受験のための詰め込み教育ではなく、一人一人の発達に即して、わかりたいという願いを実現する自然と社会の仕組みを考えさせる本当の意味の知育、社会を構成する人間にふさわしい市民道徳を身につけさせる徳育、基礎的な体力の増強とスポーツ精神を体得させる体育、これらを学校教育の中心に据え、これらをすべての子供のものにすることが今求められています。  そのためにも、一刻も早い三十人学級の実現が望まれています。昨年暮れには、三十人学級の早期実現を求める二千万人以上もの請願署名が国会に山積みにされ、これが国民的な要求であることを鮮やかに示しました。三十人学級の実現が今急がれている課題と思いますが、いかがお考えでしょうか。  子供の数が減っている今、わずかな予算で三十人学級の実現は可能です。日本共産党が昨年の国会で示したように、これを六年計画で実施するとしても、最初の三年間は予算をふやす必要はなく、四年目以降も年間四百から六百億円程度です。教育は日本の未来にかかわる問題であり、教育条件の整備は政治の責任です。今こそ三十人学級にするための具体的課題に真剣に取り組むべきであり、市としても国に働きかけていくべきと思いますが、いかがでしょうか。  宮城県教職員組合の試算によると、宮城県では、来年度の新入学児を今年度と同じとして試算した場合でも、県の予算増は八億円程度と見込んでいます。県の予算規模から見ても不可能な問題ではなく、市として三十人学級の実現を県に強く要求すべきであり、また市独自でも教員の加配を行うなど、一人一人の子供に目の行き届く教育の実現に大きく足を踏み出すよう求めるものですが、いかがでしょうか。  最後に、住民本位のまちづくりについて伺います。  私は、宮城野区に生まれ育ち生活している議員として、区民の利便性の確保と安心して住み続けられるまちづくりを一層促進させる立場から二点について伺います。  一つは、宮城野区のまちづくりの大きな障害になっている苦竹自衛隊基地の問題です。基地の存在の有無についての意見の違いはありますが、交通の要所に基地があるために住民が多大な不便を来しており、基地の移転、撤去は多くの市民の願いです。かつて県議会でも、この基地を視察して、移転が望ましいという意見が多数上がったと聞いていますが、宮城野区のまちづくりを進めていく上で、この基地が占めている位置について、市としてどのような認識をお持ちなのか伺います。  私は、数年前、この問題について防衛庁交渉を行い、移転先があれば検討してもいい旨の回答を得ており、区内の団体とともに毎年、国に移転を働きかけるよう市に対して要望書を提出していますが、市として基地の移転について国と話し合いを持ったことがあるのかどうか伺います。  とはいっても、陸上自衛隊の中で重要な役割を担っていると思われる基地の移転が進展するには、かなりの時間がかかることが予想されます。そこで、とりあえず交通渋滞対策として、都市計画道路として既に決定している基地内の道路の事業計画に着手し、早急に具体化を図るべきと思いますが、いかがでしょうか。  もう一つは、人口密集地における公有地の確保の問題です。市街地にマンションが次々と建築され、各地でさまざまな問題が起こっていますが、一方、そうした地域では子供の遊び場の確保や防災対策等が急務の課題となっています。  特に、幸町・大梶地域は、もともと工業地域であったために、高層ビルが乱立し、人口が急増しているにもかかわらず、公園等のスペースがなく、防災、防犯上好ましくない事件が後を絶ちません。現在は工場の郊外への移転が進んでおり、用途地域の見直しを図るなどの措置を講じる必要があるのではないでしょうか。  それ以前の段階でも、公園の空白地域という位置づけを明確にして、早急に公園、広場の整備を図り、住民が安心して安全に暮らせるまちづくりを進めるべきと思いますが、いかがでしょうか。  以上で私の質問を終わります。(拍手) 30: ◯市長(藤井黎)洞口議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初の御質問は、日米防衛協力のための指針についてでございます。  日米防衛協力のための指針、いわゆる新ガイドラインの中の、特に地方公共団体に対する協力要請の件につきましては、その内容いかんによっては市民生活や地域経済活動などに少なからぬ影響を及ぼす可能性があるとの考え方から、本年四月以降、自衛隊等が所在する自治体で組織をされております全国基地協議会を通じまして、国に対し、適切な情報提供と、そして関係市町村の意向尊重につきまして緊急要望を行い、さらにその後におきましても質問状を提出するなどの活動を展開いたしまして、その結果この協力要請というのは強制力を伴うものではないということを確認いたしております。  こうした問題につきましては、本来、国の防衛にかかわる問題でございますので、国政の場におきまして、地方公共団体の意向を踏まえた慎重な議論を重ねていただきたい、こう考えているところでございます。  また、仮に協力要請があるような場合には、市民生活や地域経済活動への影響を考慮し、その時点におきまして適切に判断をいたしたい、こう考えるものでございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁をいたさせます。  以上でございます。 31: ◯企画局長(田中健)私からは宮城野区のまちづくりと苦竹自衛隊基地についての御質問にお答えを申し上げます。  基地がある場所がまちづくりに大きくかかわりますことは確かであろうと存じますが、基地移転の問題は、基本的には国政の場において議論されるべき防衛、外交に関する問題であり、したがいまして、基地の移転を本市として要請したことはございません。  しかし、国公有地につきましても、市民生活の一層の向上を図る観点から、その利用形態については適切な関心を払うべきものと考えており、長期的な視点に立って、国の動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 32: ◯健康福祉局長(佐藤直敏)介護保険に係ります数点の御質問にお答えいたします。  まず、市民への情報の提供についてでございますが、介護保険事業計画を策定するに当たりまして、介護サービスに対する市民の方々のニーズやその実態の把握が必要でありまして、現在、高齢者実態調査を実施いたしておるところでございます。  高齢者実態調査は、これから介護保険事業計画を策定するとともに、高齢者保健福祉計画を見直すための基礎資料となるものでございますが、この調査結果や基盤整備の状況につきましては、市民の皆様に公表を考えてまいりたいと思っておるところでございます。  次に、計画の策定方法についてでございますが、介護保険事業計画の策定に当たりましては幅広い分野の方々から御意見をいただくことが必要であると考えておるところでございます。  本市といたしましては、学識経験者、保健・医療や福祉の関係者、被保険者代表などの方々に御参加をいただき、介護保険事業計画策定委員会を設置いたしたところでございます。今後は、この委員会におきまして、事業計画に盛り込む事項に対する御意見をいただきますとともに、より広く市民の方々の声をお聞きする場も考えてまいります。  次に、市の指導性についてでございますが、サービス事業者の指定は都道府県が、またサービスの内容等に関しての苦情等の処理につきましては国民健康保険団体連合会が行うこととなってございますが、本市といたしましても保険者という立場から、サービスを利用している方々の御意見、御希望を伺い、民間事業者等に対する研修などを市独自に実施いたしますとともに、県や国保連合会との連携を図りながら、被保険者に安定的で質の高い適正なサービスが提供されますよう努力してまいりたいと考えております。  次に、介護保険準備作業に従事する職員体制についてでございますが、介護保険事業計画策定の準備のための高齢者実態調査、要介護認定等の準備及び実施、電算処理システムの開発等準備作業の具体化に合わせ、本年四月に健康福祉局保険高齢部内に介護保険準備室を設置いたしまして、現在準備作業を行っているところでございます。新しい保険制度の創設でございますので、今後ともさまざまな準備事務に対応して体制の充実に努めまして、制度の円滑な実施を図ってまいりたいと考えております。  次に、国への要望についてでございますが、本市といたしましては、長期的に安定した運営ができ、信頼される制度となるよう、これまでも全国市長会や十三大都市民生主管局長会議等を通じまして要望を行ってまいったところでございます。  今後も、機会をとらえ、必要な事項につきまして国へ要望してまいりたいと存じます。  最後に、新たな高齢者保健福祉計画の策定についてでございますが、平成十二年度以降の事業に係る計画につきましては、介護保険事業計画と整合性を図りながら、なおかつ、高齢者施策全般にわたる総合的な計画としての位置づけから、社会参加や生きがい、健康づくりなど給付の対象とならない事業も含めまして策定いたすべく、現在準備作業を進めておるところでございます。  以上でございます。 33: ◯都市整備局長(谷澤晋)人口密集地における公有地確保の問題に関しての幸町・大梶地区の用途地域変更に関する御質問にお答えをいたします。  当地区につきましては、大規模工場の郊外移転に伴いまして住居系へのかなりの土地利用転換が図られておりますが、現在もまだ操業している工場がございますので、現時点で直ちに用途地域の変更を行うことは困難でございます。  しかしながら、この地区の住みやすいまちづくりにつきまして、既にこの地域の方々等から強い御要望をいただいておりまして、一つの手法として地区計画等の導入により実質的に居住環境の保全を図れるよう、現在検討を進めているところでございます。  以上でございます。 34: ◯建設局長(渡邉康夫)建設局の二点についてお答え申し上げます。  基地内を南北に計画されている都市計画道路東仙台南小泉線の事業化についての御質問でございますが、当地区周辺における渋滞対策等を含む交通環境の改善に向けた取り組みなどから、既存道路のストックを活用したネットワーク形成の観点から都心方向、環状方向おのおのに対しまして、主要幹線である元寺小路福室線と川内南小泉線の優先的整備を推進いたしたいと考えております。  したがいまして、厳しい財政状況の中で効率的道路整備が求められていることから、基地内の東仙台南小泉線につきましては、長期的な対応といたしてまいりたいと考えております。  次に、幸町・大梶地区の公園整備につきましては、当地区が工業地域であるため街区公園の設置はいたしておりません。しかしながら、現状では実質的な土地利用が住居系に転換しつつあることから、将来的に地区の推移を見ながら検討をしなければならない地区と認識をいたしております。  以上でございます。 35: ◯教育長(小松弥生)教育問題についての御質問にお答え申し上げます。  まず、学校のあり方についてのお尋ねでございますが、学校においては一人一人の子供の思いを大切にし、学ぶ楽しさを味わわせる授業づくりや望ましい人間関係づくりに努める必要があると考えております。  そのため、例えば、総合的な学習の導入や体験学習の重視、あるいはチームティーチングによる指導など、教育内容、指導方法の工夫、改善に取り組んでいるところでございます。  また、子供のストレスや抑圧感を取り除くには、学校だけでなく、子供を取り巻く社会全体に目を向けることが必要でございます。したがいまして、学校、家庭、地域社会がそれぞれの教育機能を発揮しつつ、緊密な連携を図っていくことが大切であるというふうに考えております。  高校の受験倍率についてのお尋ねでございますが、仙台市内特定の学校においては、依然厳しい状況にございます。したがいまして、県教育委員会におきましても、これまで中学校卒業者数の推移を見守りながら、公立高校の増設や臨時学級増を行ってきております。また、中学校におきましては、生徒が自己の能力、適性や興味、関心を踏まえ、将来の生き方を考え、主体的に進路選択ができるような進路指導に取り組んでおります。  平成十一年度におきましても、仙台市を含む仙台地区において、県立高校で六学級、仙台市立高校では仙台高校で一学級、合計七学級の臨時学級増を行うことといたしております。  現在、県教育委員会で進めております公立高校の学区の見直しについてでございますが、これは特色ある高等学校づくりによる高校の個性化、多様化や入学者選抜の改善とあわせ行われるべきものと考えております。仙台市教育委員会といたしましては、中学校に学ぶ生徒一人一人がその個性をより一層伸ばすことができ、それぞれの進路希望を達成できるよう努めてまいりたいと考えております。  市立高校の増設についてのお尋ねでございますが、仙台市といたしましては、今後の少子化傾向と公立高校と私立高校のバランスなどを考慮いたしまして、現在のところ増設する考えはございません。  三十人学級の実現についてのお尋ねでございますが、教育改革の大きな流れと学校教育をめぐる諸問題の多様化の中で、子供一人一人を大切にした教育を展開するためには、学校や子供の実態に応じた弾力的な学級編制が望ましいと認識しております。  また、中央教育審議会の審議の中で、学級編制及び教職員定数について触れられていると聞いておりまして、これを受けて、今後国の方で制度改正が行われるものと思われます。したがいまして、国や県の動向を見きわめながら対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 36: ◯二十六番(洞口邦子)市長に伺いたいんですが、全国基地協議会で要望をされたということですが、どういう内容の要望だったのかをまず少しお示しいただきたいのと、もし本当にこの法案が具体化されれば、地方自治体にとっても大変な問題になるということを私は申し上げたんですけれども、地方自治とこれらの法案というのはとても相入れないというか、本当に地方自治とは何かということを真剣に考えれば、とても受け入れられる法律ではないと思うんです。ですから、本当に全国の自治体がこの法案を受け入れられないという態度を明らかにしていくことでこの法案にストップをかけられるし、あるいは住民にとって具体化されてから適切に判断するということではもう遅いと私は思うんですが、そこはいかがでしょうか。  それから、高校受験の問題でいろいろお答えありましたけれども、ちょっと納得はできないんですけれども、本当に高校進学で受験がある国はもう日本ぐらいだというふうに聞いています。子供たちにとって思春期とちょうど重なって、人間として成長していくことが阻害されている問題の大きな一つとして高校受験があると思いますし、そういうこととも絡んで、中学生の事件がこの間集中していると考えるものですけれども、学校を異常な競争から解き放つためには何が必要かということを、今いいお答えは期待しませんけれども、ぜひこれからの問題として考えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
    37: ◯市長(藤井黎)全国基地協議会というのは、御承知かと思いますけれども、全国の中で市町村二百六十一の団体によって組織されているものでございまして、本市もその一員でございます。これの四月二十日におきます緊急要望でございますけれども、これは、法案が国会に提出される以前に閣議決定をされるというような情報のもとに緊急要望をいたしたわけでございまして、その緊急要望の問題意識は、まさに洞口議員とその問題意識を等しくするところでございます。  そこの中において、住民の生活や、また地域の経済活動等に少なからぬ影響を及ぼす可能性があるのではないか、こういうことでございまして、そういう問題意識のもとに適切な情報の提供に努め、そして基地所在市町村の意向を十分に尊重してほしい、こういう内容で緊急要望をいたしたものでございます。  その後、法案の提出がありまして、審議にかかるということでございましたので、五月八日の段階におきまして、さらに質問状を持っていきまして、その際に先ほど述べたような協力において強制力はないということを確認をいたしたということでございます。  それ以上のことにつきましては、また今後さらに注視をしていく必要があろうかと思いますけれども、本来この問題につきましては、このことだけではなくて、さらにそのほかのガイドライン全体の問題として国政の場において議論されるべき問題であろう、こういうことでございます。  私どもとしましては、これから後、もしもそういうことがあるとすればそれなりの対応をいたしていきたい、このように考えるものでございます。  以上でございます。 38: ◯教育長(小松弥生)高校受験につきましては、その激しさが日本社会の中で大きな問題になっていて、子供たちの生活にも影を落としていることは、つとに指摘されておりますことですし、私どももそういうふうに認識しております。  高校受験がこういうふうな状況になっている原因の大きな一つといたしましては、偏差値とか学力という一つの物差しだけで人間をはかって決めてしまう、そういうことによるものと思っております。  高校生ぐらいになりますと、子供たちも自分の個性がどういったものであるか、だんだん考えられるような年齢になってきておりますので、各高等学校においてそれぞれの個性を生かせるような、いろいろな教育過程、コースなどを用意する必要があると思っております。  そういったいろいろな特色ある高校を選べる、あるいはまだ自分の進路は決められないので、いろいろな選択肢が一つの学校の中にある、そういう総合学科のような学校を選びたいという子供には総合学科のような高校を用意する必要があると考えております。  そのようないろいろな特色を持つ高等学校を子供たち一人一人が選べるような環境を整えるとともに、選べるような支援を中学校の進路指導できちんとしていく、そういうふうなことを私どもは考えております。  以上でございます。             ━━━━━━━━━━━━━━ 39: ◯議長(菅原敏秋)お諮りいたします。本日の会議は、この程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 40: ◯議長(菅原敏秋)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、来る九月十四日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後四時九分延会...