熊本市議会 > 2020-06-12 >
令和 2年第 2回定例会−06月12日-03号
令和 2年第 2回議会運営委員会−06月12日-01号
令和 2年第 2回議会運営委員会−06月12日-01号
令和 2年第 2回定例会−06月12日-03号

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  1. 熊本市議会 2020-06-12
    令和 2年第 2回定例会−06月12日-03号


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    最終取得日: 2022-11-22
    令和 2年第 2回定例会−06月12日-03号令和 2年第 2回定例会   令和2年6月12日(金曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 令和2年6月12日(金曜)午前10時開議                │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時01分 開議 ○紫垣正仁 議長  ただいまより本日の会議を開きます。  この際、申し上げます。  本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う出席議員の抑制を行っております。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。伊藤和仁議員。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇 拍手〕 ◆伊藤和仁 議員  皆さん、おはようございます。公明党熊本市議団の伊藤和仁です。  今回で、2回目の一般質問に立たせていただきます。  まず、このたびの新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方に心よりお悔やみ申し上げますとともに、本市においては入院者数はゼロとなりましたが、その他の地域で現在治療中の皆様にお見舞いを申し上げます。また、昼夜を分かたずウイルスと闘いながら、地域医療を懸命に支えてくださっている医療従事者の皆様に心から感謝申し上げます。  このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大は、これまでの災害の被害とは異なり、目に見えないウイルスとの闘いであり、世界中で感染が拡大したため、その影響は日本全国に及び、その生活と経済を直撃し、一人一人の悲鳴にも似た声をお聞きします。
     公明党では、いち早く新型コロナウイルス感染症の影響を調査するため、公明党青年局が中心となり、新型コロナウイルス緊急インターネットアンケートを実施いたしました。回答者の7割は50歳未満で、また過半数が本市在住で、9割は県内在住となっております。  アンケート期間は、3月30日から4月19日までの3週間、内容は、生活、仕事、学校休校という項目で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を聞き、次に、行政の支援策に関する情報を得るために利用したメディア媒体について尋ね、最後は、自由記述により具体的要望を聞いていくという内容でした。このアンケート結果では、学校の休校や経済活動、外出等の自粛により、30代から40代の子育て世代に最も影響が出ているということが裏づけられました。さらに、正社員より非正規社員、フリーランスなどの非正規雇用の方々への影響が大きいことも分かりました。  全国的に新規感染者数は減少傾向にあるものの、新型コロナウイルスとの闘いは長期戦を覚悟しなければなりません。経済・社会活動が再開されつつありますが、決して気を緩めず、第2波、第3波への備えに万全を期す必要があります。  本日、最初の質問は、これらのアンケートの結果を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の拡大への対応というテーマでさせていただきます。また、熊本地震から4年がたちますが、5月末現在で、プレハブ仮設は5世帯、みなし仮設は249世帯の方が入居されています。今回のコロナ禍で、熊本地震からの復興がストップしないよう、仮設住宅にお住まいの方が新たなスタートが切れるよう、最後の最後まで見守ってまいりたいと思います。  それでは、質問へと移ってまいります。  初めに、小児救急医療体制についてお聞きいたします。  小児救急医療体制は、休日夜間急患センター熊本地域医療センター内に設置し、診療時間は、毎日夜間は午後6時から翌日午前8時まで、休日昼間は午前8時から午後6時まで受け付けています。  また、熊本赤十字病院では、平日午後6時から午前0時まで、土日祝日の午前9時から午前0時の時間帯は、小児科医が診察する体制が取られています。また、休日昼間に1日当たり12医療機関が当番となり、そのうち1医療機関が小児科専門医となっております。  さらに、熊本県が子ども医療電話相談、いわゆる#8000番で、子供の急病について電話相談を実施しています。  しかし、このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大によって、地域医療センターで感染者が発生し、地域医療センターが一時使用できず、それに伴い小児救急の受入れも停止されました。幸いなことに、その期間中に目立った混乱はなかったと聞いています。ただ、私も子供を夜間に地域医療センターに連れていった経験を持つ者として、不安を感じずにはいられませんでした。  今回、インフルエンザが流行しなかったことと新型コロナウイルス感染症に感染するのではないかという不安が病院に行くという行動を抑制し、小児救急医療体制の混乱、崩壊を生じさせなかったということですが、北九州市では、学校でクラスター感染が発生しており、本市においても第2波の発生が考えられ、安心して子育てができる環境を整えていくためにも、小児救急医療体制を崩壊させないよう対策を練っておく必要があります。  そこで、健康福祉局長に2点についてお尋ねいたします。  1点目、今回、熊本での小児の感染は見られませんでしたが、小児の感染が出た場合の体制はどのようになっているのでしょうか。第2波が発生したときのために、小児の感染者が発生した場合のことを考え、さらに細かく検討しておく必要があると思いますが、いかがでしょうか。  2点目、また、万が一の事態が起こった場合、バックアップ体制を取っておくことが必要と思いますが、いかがでしょうか。御見解をお示しください。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  新型コロナウイルス感染拡大に関します2つのお尋ねにお答えいたします。  まず、小児感染者発生時の体制についてでございますが、小児の感染者が確認された場合は、熊本市内の感染症指定医療機関に入院していただくこととなり、その際には、病状や年齢、家族の状況などを踏まえ、個々の状況に応じた対応を行ってまいります。  2点目のバックアップ体制についてでございますが、先般、地域医療センターにおける休日夜間急患センターが受入れを休止した際は、小児救急医療に影響を来すことがないように、県や医師会、小児救急医療拠点病院であります熊本赤十字病院などと連携協力しながら対応を行ったところでございます。  第2波による感染拡大やクラスターの発生などにより、例えば複数の救急医療機関が同時に休止するなどの非常事態を想定した場合、限られた医療資源の中で、適切な小児救急医療体制を維持することが必要なため、県、医師会、医療機関などと連携協力しながら、体制強化について協議を進めてまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  北九州市では、第2波と見られる状況も発生し、学校においてクラスター感染が発生しています。本市も、いつどこで第2波が発生するか分からない中、学校も再開し、小児の感染が今後発生することが考えられますが、現在、症状や年齢、家族の状況等の個々の状況に応じた対応を検討していると聞いております。万が一を想定しておくことで、小児医療体制が万全となり、それが市民の安全へとつながります。第2波の可能性がある中で、万全の体制を取っていくための協議をお願いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症拡大下における人権侵害についてお尋ねいたします。  このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大によって、人権侵害があったとの情報は、報道されたとおり、新型コロナウイルスの感染者が利用していた熊本市東区の温浴施設に対する誹謗中傷であり、従業員にも及びました。温浴施設は、熊本市保健所の立会いの下、3月27日に館内全ての消毒を済ませ、これまでにPCR検査を受けた従業員や利用客は全員が陰性であるにもかかわらず、施設名を公表した3月26日以降、苦情が殺到したとありました。  また、従業員の家族が勤務先から出勤停止を求められた、保育園から子供の受入れを拒否されたといった差別を受けているとの報道がなされました。しかし、私が把握した新型コロナウイルス感染症に関連する人権侵害の情報は、伝聞による情報で、実際に発生していたかどうかは分かりませんでした。ただし、東区の温浴施設の事例からも分かるように、少なからず人権侵害の事例が発生していると予想されます。  感染者に関する報道を通じて、SNSやインターネット上で、個人や家族、勤務先等を追跡・特定され、嫌がらせを受ける事例や感染や回復された方、その濃厚接触者に対して、学校や職場が理解を示さず、速やかな復帰ができない事例が報道されています。災害発生時には、デマや憶測がインターネットを通じて拡散されていくように、このたびのコロナ禍も例外ではありません。  そこで、文化市民局長に2点についてお尋ねいたします。  1点目、このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大で、人権侵害の相談事例がそのほかにあったのか、なかったのかを含め、本市として、人権侵害の情報を把握されているのでしょうか。  2点目、積極的な情報の収集を行い、人権侵害を防止していくため、ネットパトロールを強化していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。見解をお示しください。  引き続き質問いたします。  新型コロナウイルス関連の情報の広報についてお尋ねいたします。  アンケートの中には、新型コロナウイルス関連の情報はどのメディアから得たかとの質問も行いました。テレビが最も多く、今どきらしくSNSやニュースアプリが続きます。ここで最も驚くべきことは、行政機関のホームページから情報を得ているとの回答が最も少なかったことです。  本市のホームページには、新型コロナウイルスの情報、支援の情報などがアップされています。しかし、行政のホームページが分かりやすいと答えた人は3割であり、分かりにくいと回答した人は同じく3割でした。さらに、行政のホームページを見たことがないと回答した人は何と4割に上り、ホームページが分かりやすいと回答した人より多い結果となっています。  アンケートを取った期間は4月上旬から中旬にかけてであり、学校休校、外出自粛の影響も大きくなっていた時期であり、様々な影響が出始め、行政の決定や支援策は非常に関心が高いと思います。さらに、今回のアンケートは、ネットアンケート形式で取っているので、その対象は、スマホで様々なサイトやホームページを見ることを日常としている世代です。それにもかかわらず、4割が行政のホームページを見たことがないということは非常に衝撃的でした。ましてや新型コロナウイルス感染症の拡大のさなか、大変に緊迫している時期に、4割の人が見ていないとすると、平時では、ホームページの情報は本当に見る人が少ないと思われます。よって、情報を周知していく方法を見直す必要があります。  そこで、政策局長に2点についてお尋ねいたします。  1点目、これまで、情報を周知していくために取られていた方法を教えてください。  2点目、また、本市の情報を周知するためには、フェイスブックやツイッター、LINE等のフォロワー数を今後、目標を持って増加させていくことが必要と思いますが、いかがでしょうか。見解をお示しください。          〔井上学文化市民局長 登壇〕 ◎井上学 文化市民局長  私からは、新型コロナウイルス感染症による人権侵害について、2点お答えいたします。  まず、1点目の人権侵害の情報の把握についてでございますが、本市が受けた相談は、患者や医療従事者の家族に対する心ない言動など10件となっており、そのほかにも、国・県等からの情報提供を含め、現在47件の相談を把握しております。  2点目の人権侵害防止のためのネットパトロールの強化につきましては、昨年度策定した第2次熊本市人権教育啓発基本計画の中で、早期発見や被害者救済につなげるために、関係機関との連携の必要性などをうたっており、まさに今年度から取り組んでいるところであります。  今後も、ネットパトロール等による情報収集を強化してまいります。  今回の新型コロナウイルスに関連した人権侵害や風評被害のみならず、あらゆる差別や偏見は決してあってはならないことと強く認識しており、第7次総合計画にも掲げる人権侵害のない人権尊重社会の実現に向けまして、これまで以上に人権教育啓発に取り組んでまいります。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  私からは、新型コロナウイルス関連情報の広報について、2点のお尋ねにつきましてお答え申し上げます。  まず、これまでの情報周知の方法につきましては、本市では、より多くの市民の皆様に必要な情報をお伝えできるよう市政だよりやホームページをはじめ、新聞、テレビ、ラジオなどのメディアやLINEやツイッターなどのSNSなど、あらゆる広報媒体を活用してまいりました。  ホームページが分かりにくいとの御指摘につきましては、4月下旬に新型コロナウイルス感染症の特設サイトを新たに設け、より分かりやすく情報発信しますとともに、新規感染者発生等に伴い開催する市長記者会見の動画についても、速やかに公開しているところでございます。  次に、SNSの登録者の目標と増加策につきましては、本市のSNSのフォロワー数について、現時点では目標数を設定しておりませんが、LINEとツイッターのフォロワー数は、対前年度比で共に倍増しております。特にLINEは、指定都市20市中、フォロワー数で3番目、人口比で2番目となっており、情報配信やごみ分別検索機能、チャットボットによる情報検索機能など多彩なメニューにより、多くの市民に利用されていると考えております。  今後も、より多くの市民の皆様に情報をお伝えすることができますよう、引き続き多様な広報媒体を活用して、タイムリーな情報発信に努めますとともに、若い世代に親しまれているSNSのフォロワー数の増加につきましても、積極的に取り組んでまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  現在のネット社会では、人権侵害や風評被害はネットを介することが多くなってきているので、ネットパトロールの情報収集の強化は非常に重要です。今後、経験やノウハウを積み重ねて、その精度を上げていき、人権侵害のない社会構築へ取り組んでいってください。  また、答弁で、市民へ情報を周知するために、ホームページ等で周知徹底を行ってまいりますとよくおっしゃいますが、アンケートでは4割がホームページを見たことがないという結果でした。よって、情報を周知徹底するためには、ホームページのほか、SNS等も補完ツールとして利用していく必要がありますが、LINEとツイッターのフォロワー数は、政令指定都市中、フォロワー数で3位、人口比で2位と上位に位置しています。SNS等も、市民目線に立ち、便利で有用な情報であれば、さらにフォロワー数が伸びると考えます。  SNS等のフォロワー数を増加させていくことが、地道で地味な努力かもしれませんが、周知につながると考えます。周知できたことが分かる指標はなかなかないでしょうから、それが分かるような合理的な考え方や目標を持って、ぜひ取り組んでいってください。SNSのフォロワー数も、増やすからには政令指定都市中1位を目指していきましょう。  続きまして、地方創生臨時交付金についてお尋ねいたします。  地方創生臨時交付金は、新型コロナウイルス感染症拡大を防止するとともに、感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活を支援し、地方創生を図るため、緊急経済対策の全ての事項についての対応として、地方公共団体が地域の実情に応じて、きめ細やかに必要な事業を実施するための支援金です。  特に、地域経済の落ち込みは深刻です。本市の産業の重要な柱の一つである観光業の落ち込みは、地域経済の衰退に直結していき、危機的状況と言えます。観光業の落ち込みと外出自粛による中心市街地への影響、さらにはウイルス等の感染拡大をさせないために、新しい生活様式が示され、飲食店をはじめ様々な店舗で、その対応がなされております。  飲食店では、ソーシャルディスタンスを確保するため、これまでと同じような客席の配置はできず、ひどい場合は客席の半分ほどしか使用できず、売上げが大幅に減少することが考えられます。地域経済が衰退してくると、それが市税の減少へとつながってまいります。よって、地域経済を立て直すには、一番困っているところに、さらに迅速に、そして効果的に行わなければなりません。  また一方で、6月1日より学校が再開し、子供の学力の低下や心の問題など様々な影響が現れ、経済だけではなく、教育の分野においても対策は必要であると考えます。  そこで、大西市長にお尋ねいたします。  国の第2次補正予算において追加の地方創生臨時交付金は、本市の状況を見て、主にどのような分野、政策に使うように考えられているか、お答えください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  新型コロナウイルス感染症対策につきましては、必要な対策を迅速かつ的確に実施することが肝要でありまして、国の第1次補正予算で計上されました地方創生臨時交付金を活用し、緊急家賃支援事業PCR検査体制の充実を速やかに行ってきたところでございます。  国の第2次補正予算に計上されております増額分の交付金につきましても、感染拡大の予防に向けた新しい生活様式への対応をはじめ、大幅な落ち込みが懸念されます地域経済の活性化、あるいは学校の一斉休業の影響を受けた児童・生徒への支援など、幅広い分野における事業の財源として有効に活用してまいりたいと考えております。  なお、これら交付金を活用した本市独自の事業につきましては、現在国会で審議されております国の補正予算に、こうした事業と併せて補正予算案の追加提案を検討しているところでございまして、提案時期等につきましては、改めて議会に御相談させていただきたいと考えております。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  先日拡充を発表された熊本市緊急家賃支援金について、一定の評価をいたします。今後、国でも家賃支援が検討されており、それと連携する形で、売上げ減少率の条件をもっと細やかに設定するなど、困っている人に行き渡る拡充を要望いたします。  そのほか、中小事業者に対する新しい生活様式に対応するための経費補助、子育て世代の負担軽減へ、保育所や小中学校など給食費の当面無償化や独り親世帯への臨時特別給付金のさらなる増額も要望いたします。国の第2次補正予算成立による地方創生臨時交付金の追加分も含めて、市独自として御検討ください。  続けます。  このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大は、学校に通う子供たちへ大きな影響を与えました。学校が長期間休校となり、自宅学習を余儀なくされ、タブレット等によるオンライン授業、運動会等の学校行事は延期など、多大な影響が出ています。  先日の第1回臨時会でもオンライン授業の内容が議論されましたが、今後、学力低下を心配しなければなりません。学校も6月1日から再開されましたが、1週間は慣らし期間で、6月8日から通常の体制になっています。これからどのようにして学力の低下を防いでいくのか。特に、中学校3年生にとっては受験を控え、大変に不安を抱いていると思いますが、どのような対応を取られるのか大変に気にかかるところです。  そこで、教育長にお尋ねいたします。  学校が再開となり、今後どのように授業を進めていかれるのか。特に4、5月分の授業分や夏休み等の計画も含め、お答えください。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  今後の授業の計画についてお答えいたします。  まず、休校中のお話ですが、学習プリントの配布やタブレットを活用したオンライン授業、各テレビ局の協力によるテレビ授業など、児童・生徒の学力保障に休校中取り組んでまいりました。  学校が再開した現在、各学校において休校中の児童・生徒の学習状況を確認しており、一人一人の状況に応じた対応を行っていく必要があると考えております。再開後の授業を進めるに当たっては、学習の内容や時期など1年間の計画を見直し、ICTを活用しながら、児童・生徒の学び合いを大切にした授業に取り組んでまいります。  また、夏休み等の計画については、休校中の学習状況を踏まえ、学力の保障と健康管理の観点から、行事の精選等も行いながら総合的に検討し、6月15日の臨時教育委員会会議で決定いたします。その上で、大学や関係団体との連携を図りながら、放課後や夏休みに地域人材や大学生、退職教員を活用した個別の学習支援を拡充してまいります。  議員御指摘の中学3年生については、夏休み期間に臨時登校日を設けることができるように検討しているところです。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  今週から通常の授業に戻られたと思いますが、引き続き一人一人の状況をしっかりと確認していただきながら、進めていっていただきたいと思います。  また、子供たちの心のケアでは、心の問診票を実施して、子供たちの心の状態を調査しながら、学校生活を取り戻されると聞いています。一人一人に焦点を当て、学習の状況だけではなく、心のケアにまで対応していただき、このたびのコロナ禍の影響が子供たちへ悪影響を及ぼさないようお願いいたします。  その中でも、中学校3年生には、地方創生臨時交付金なども活用しながら、学力低下防止のための施策をお願いいたします。  続きまして、給食室の熱中症・感染症対策についてお尋ねいたします。  先ほどの答弁で、夏休みについては、来週の教育委員会会議で決定されるとのことです。  仮に、これまで夏休み期間中であった7月下旬、8月の期間に学校給食の提供となれば、給食調理員の熱中症の危険や脱水症状が心配されます。給食室は高温多湿の環境であり、暑い中での調理はとても厳しいと考えます。  熱中症対策として、昨年度、調理員の方の体を冷却するための保冷剤入りベストを全調理員に配布されました。また、調理中の高温多湿の給食室の環境から一時的に退避し、涼むことができるよう、給食室の作業準備室に当たる前室にエアコンの設置も進めてきておられます。しかしながら、この給食室の前室へのエアコン設置は、いまだ全校整備に至っていないと伺っております。  学校給食における調理現場では、日頃より衛生管理に努めておられると思いますが、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の状況に鑑み、リスク軽減について、熱中症対策を含めた一層の取組が必要と考えます。  以上、新型コロナウイルス感染症拡大に関連し、給食室の熱中症・感染症対策についていかがお考えでしょうか。教育長にお尋ねいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  給食室の暑さ対策については、これまでも冷却ベストの配布、給食室の前室へのエアコンの整備のほか、業務中や休憩時間中に水分や塩分を補給する時間を必ず設けることなどを周知しております。  また、感染症対策として、調理現場では、文部科学省が定める学校教育衛生管理基準にのっとり、日頃から手洗いの徹底や清潔なマスクの着用等、衛生管理に努めるとともに、調理員の健康管理を十分に行うよう徹底しております。  このたびの新型コロナウイルス感染症への対応として、給食室についても早急にさらなる熱中症対策及び感染症対策が必要と認識しております。そのため、未整備の給食室の前室へのエアコンの整備、給食室内の手洗い設備の改修やトイレの洋式化について検討してまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  学校給食における新型コロナウイルス感染症からの安全性の確保は、絶対の命題です。また、そこで働く調理員の環境改善も重要です。これから夏に向けて、万全の対策を何とぞよろしくお願いいたします。  続きまして、小中学校におけるタブレットの活用についてお尋ねいたします。  大西市長は、国の指針に先駆けて、2018年9月に一部の小学校でICTをいち早く導入されました。2019年4月からは、全ての小学校でタブレット端末の運用を始め、中学校では導入に向けた研修を行い、2020年4月から運用を始めるようになっていました。また、今年度中には市立の全小学校・中学校にタブレットが配備される予算も組んでいただきました。コロナ禍の中で行われたオンライン授業は、タブレットが完備した後であれば、新たな展開が生まれたと思い、非常に残念でしたが、今年度中の配備について大変に期待しております。
     しかし一方で、タブレットの活用に関して気になる調査結果があります。それはPISAと呼ばれるOECDが進めている国際的な学習到達度に関する調査です。  PISAの調査では、15歳児を対象に、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について、3年ごとに本調査を実施しています。その調査項目の中にICT活用調査もあり、その結果は、我が国の学校の授業でのICTの活用状況は低かった一方、学校外でネット上でのチャットやゲームを利用する頻度はOECD平均よりも高く、増加しています。また、子供たちは、学校外では宿題や授業の関連資料を探すためにICTを活用するかという問いには、OECD国中、最下位でした。つまり、タブレットを持っていたとしても、ゲーム等に利用し、学習などでの補助ツールとして利用がなされていないという結果が出ています。  その一方で、先日、タブレットが先行導入された北部中学校のオンライン授業を視察してまいりました。そこで展開されていたオンライン授業は、私のイメージしていたオンライン授業そのものであり、それは大変に驚きました。授業を行う先生、生徒の様子をモニターで観察する先生と複数人の先生が役割分担して、その授業に携わっておられました。また、オンライン授業の準備を先生が徹夜で用意されていることを聞き、大変に頭が下がりました。  さらに驚いたことがあります。それは、オンライン授業は、先生からの授業だけではなく、生徒会からの発信で、新入生に向け、生徒会の説明がなされていました。そのコマは生徒側からの提案で設けられたもので、自主的にタブレットを用い、作成されたものでした。  また、授業でもタブレットを利用することはもちろんのこと、学校周辺での道路の危険性や今後の校区の未来について、タブレットから統計資料を調べたり、現地において証拠となる写真を撮り、問題の解決を図っていくといった議員顔負けの取組を行っています。その結果、成績の向上も大いに見られます。これは決して上からの押さえつけではなく、生徒の自主性・主体性がもたらした結果であり、今後のタブレット利用は、北部中学校のように展開できることが理想です。  そこで、2点についてお尋ねいたします。  1点目、本市が目指すべきGIGAスクール構想とはどのようなものでしょうか。首長としての思いや覚悟をお聞かせください。  2点目、また、タブレットを完備した後、タブレットを活用していくための具体的な構想及び取組をお聞かせください。  1点目を大西市長に、2点目を教育長にお尋ねいたします。  引き続き質問いたします。  コロナウイルス感染症の拡大によって、やむなく実施されたオンライン授業ですが、予想しなかった効果が出てきていると聞いています。それは、今回のオンライン授業では、不登校であった生徒も参加しているとのこと、また、特別支援学級の子供たちも、より生き生きとした表情で参加できているとのこと、これらは本市だけに限ったことではなく、オンライン授業を実施したところから同様のことが起きていると聞いています。当然、これから研究が必要となってくると思いますが、オンライン授業は教育の新たな方策として期待が高まります。  そこで、教育長にお尋ねいたします。  オンライン授業の、教育の方策として、新たな可能性についてお答えください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  文部科学省が推進するGIGAスクール構想は、義務教育を受ける児童・生徒のために、1人1台の学習用端末と高速ネットワーク環境等を整備する構想であり、その目的は、子供たち一人一人が主体的に学ぶ教育の実現にあります。  本市は、震災後、本市の発展に向けた未来の礎づくりとしての教育ICT環境が非常に重要と考え、災害等で学校が休校になっても授業が継続できるようLTEタブレット端末の導入を加速させました。さらに、令和2年第1回臨時会におきまして、国の補正予算を活用し、令和3年2月までに、全ての児童・生徒へ1人1台のLTEタブレット端末を配備するための予算を計上させていただいたところでございます。  次代を担う子供たちの学びを一層発展させるため、今後とも教育ICTを活用し、子供が自ら調べ探求する学習を推進し、学びたいことが思う存分学べる学校づくり、これを目指していきたいと考えております。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  私から、2点お答えいたします。  まず、タブレット活用のための具体的な構想及び取組についてですが、タブレットが全ての児童・生徒に1人1台完備されることで、子供たちの学びも大きく変化すると考えます。タブレット等のICT機器を活用し、全ての子供たちがよりよい社会を創造する主体となるよう自ら課題を見つけ、他者と協働しながら解決していく力や実行していく力を育成することを目指してまいります。  具体的には、教員主体の授業から子供が主体的・対話的に学んでいく授業に転換してまいります。また、登校しなくても授業に参加したり、自分のペースで学習できる個別最適化された学びを実現してまいります。  今後は、徹夜で準備しなくても、日常の中で自然にタブレットを使った方が効果的な活動と子供同士で協働した方が効果的な活動を組み合わせ、学びを深めていくことができると考えております。  次に、オンライン授業の可能性についてお答えいたします。  オンラインを活用することで、一律の学びから多様な学びへと学校が進化する様々な可能性が見えてきたと考えます。例えば、議員御案内のとおり、不登校など何らかの理由で授業を受けられない子供たちが、オンライン授業には参加できたという事例があります。また、オンライン授業に参加できたことをきっかけに、学校再開後もそうした子供たちが登校できております。抽出校によるアンケート調査によりますと、臨時登校日の出席率は、小中学校平均して約98%と、ふだんよりも高い出席率となっております。これは、場所を選ばず自分のペースでオンライン授業に参加できたことで、結果的に子供の自信につながったものと考えております。  また、特別支援学級の子供たちは、1人1台のタブレット端末を使って、個々の状況に応じた学習に取り組むことができ、教員とのやり取りが密にできたことでスムーズな登校に結びつくなど、実際にその有効性が認められたものと考えております。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  タブレットを来年の2月までに完備するとのことですが、PISAの調査にもあるように、タブレット等を学習に活かせていない実態が浮き彫りになっています。しかし、タブレットが先行導入された北部中学校において、理想的なタブレットの使用がなされており、タブレット使用の良いお手本であると思います。その他の学校でも、これからどのようにタブレットを活用していくかということと、先行導入された学校とそうでない学校の間の格差をいかに解消していくかが課題であると考えます。そのためには、先生のスキルアップも大事と考えますが、生徒同士の交流による触発が大事と考えます。  現在は、1か所に集まることは難しいと思いますので、先行導入した学校がオンラインによってタブレットの活用事例などを発表し、さらに相互の交流を図るなど、生徒同士の触発の場を検討されてはいかがでしょうか。自分たちと同年代の生徒がタブレットを自在に操るのを見て、さらに刺激を受け、自身も挑戦してみようと考えるのではないでしょうか。今後のタブレット配備後の画期的な活用、展開方法を御検討ください。  また、コロナ禍で悪い影響ばかりが取り沙汰されている中で、オンライン授業の新たな可能性は数少ない良い影響の一つです。不登校の子供たちや特別支援学級の子供たちへのオンライン授業は、今後もしっかりと研究していただき、より良い教育環境を構築するために御尽力ください。  次の質問に移ります。  昨日、田島議員から新型コロナウイルス感染症の対応を踏まえた避難所の運営の質問がありましたが、私からは、観点を変えて質問させていただきます。  新型コロナウイルス感染症の拡大で非常に心配になってくるのは、これから梅雨、台風の時期を迎え、大雨によって避難が発生した場合の避難所における新型コロナウイルス感染症の拡大、さらにはクラスター感染の心配です。  市政だより6月号で、災害時の避難行動が掲載され、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を踏まえた上での避難行動が提示されています。また、避難行動判定フローでは、フローチャートで避難行動が示されています。特に、昨年の鹿児島や佐賀での大雨災害時に、「全市避難」という言葉が大変な混乱を招きました。  そこで、昨年9月の私の一般質問でも確認させていただきましたが、市政だよりの避難行動判定フローでは、全市避難が発令されたとしても、ハザードマップを確認した上で、避難が必要かどうかを判断し、また、自宅の2階以上へ避難する垂直避難も示され、避難所へ行くことだけが避難ではないことが示されています。さらに、昨年改定された避難勧告等に関するガイドラインで、5段階の警戒レベルについても言及されていて、大変に分かりやすいと思います。  今後は、これらの内容を市民がいかに理解し、防災行動へ向かうよう周知させていくことが大事となります。ただ、現在は、新型コロナウイルス感染が心配される中で、感染のリスクを恐れるあまり、避難しなければならない人が避難しないことも考えられます。そのため、感染症拡大時下での避難行動をいま一度整理しておく必要があります。  また、災害は洪水や土砂災害ではありません。我々は、今から4年前に熊本地震を経験し、あの避難所の環境をよく分かっています。熊本地震の際の避難所は、密集・密閉・密接のまさに3密の状態がそろっている環境です。そのような環境では、コロナウイルスなどの感染拡大が懸念され、避難所に避難したはよいが、感染の危険も発生してきます。今は大地震が起こらないようにと祈るばかりですが、それでも大地震が起こったときのために、避難所の運営を考えておく必要があります。  そこで、政策局長へ5点についてお尋ねいたします。  1点目、新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難行動は、どのような点に注意して行うべきでしょうか。  2点目、市政だより6月号では、災害時の避難行動が示されましたが、一定の防災知識がないと正しい判断が下せないと思います。今後、市民へ災害時の避難行動をどのように周知・理解させていくのでしょうか。  3点目、また、ソーシャルディスタンスを確保しながら、避難所の面積を考えた場合、現在想定している指定避難所での対応は危惧されます。そこで、事前に避難人数などの情報を調査すべきと思いますが、いかがでしょうか。  4点目、特に地震の際の避難所は、地域の避難所運営委員会の皆様が避難所の運営を担当いたしますが、その方々への対応マニュアルの作成・周知はどのようになされていくのでしょうか。  5点目、避難所の準備・運営の体制が今後整ったことを本市で確認しておく必要があると思いますが、いかがでしょうか。御見解をお示しください。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  新型コロナウイルス感染症拡大下の避難行動等に関する5点のお尋ねについて、一括してお答え申し上げます。  まず、新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難行動につきまして、密集した空間になりやすい避難所は、コロナウイルス感染症などの感染リスクが高まることから、市民の皆様には風水害や地震などが発生した場合の避難行動や備えについて、平時から考えておいていただく必要がございます。  具体的には、必ずしも避難所への避難を前提とするのではなく、例えば頑丈な建物の2階以上に垂直避難することや安全な親戚や知人宅などへ避難すること、避難する際は、非常持ち出し品にマスクや体温計、消毒液などの感染症予防用品も加えておくことなどが重要でございます。  これらの情報を詳しく周知するため、市政だより6月号に特集を掲載したところであり、今後も、自らの命は自らが守る避難行動について、市民の皆様に考えていただけますよう、市のホームページはもとより、SNSや防災番組、チラシの作成、さらには各区が実施する防災講座など様々な方法により、その周知に努めてまいります。  次に、避難人数などの事前調査、避難所の対応マニュアルの周知、避難所の準備・運営体制の確認につきましては、避難人数などを前提に事前に把握しておきますことは、避難所運営などを円滑に行うために非常に有効な方法でございます。しかしながら、災害の種類や規模によって、その災害危険箇所や避難人数が異なるなど一様ではないことから、その対応等につきまして、校区防災連絡会や避難所運営委員会と今後協議を行ってまいります。  避難所の準備状況等の確認につきましては、現在、避難所における新型コロナウイルス感染症対応の手引きを作成いたしまして、職員による実地訓練等を通じて検証を行っているところでございまして、これらの結果を踏まえまして、地域と連携・共有しながら、確認を行ってまいりたいと考えております。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  災害時の避難行動もさることながら、コロナウイルス感染症拡大下での避難行動は、避難しなければならない人が必ず避難するように周知し、理解させなければなりません。様々な手段を講じ、周知をお願いいたします。  また、避難人数の事前調査は、コロナウイルス感染症拡大下では、避難してきた人数に応じて順次避難所を開所していくとき、避難所同士が近くになければ、最初の避難所が定員オーバーしてしまうと、あふれた人は次の避難所へ移動しなければならなくなります。そのようなことが起こらないようにするために、避難人数の調査が必要と考えます。確かに、災害の種類や規模によって、その災害の危険箇所や避難人数は一様ではないので、避難人数の把握は困難です。よって、総体的に危険度が高いと考えられる地域を選定して、調査を実施していくことは有効であると考えます。  災害時避難行動を取らなければならない人が、避難しないことで命を失っているのが事実です。避難しないのは仕方がないと諦めるのではなく、1人の命を救う、犠牲者を1人も出さないとの思いで、対策を考えることが必要です。避難人数の事前調査は、避難行動の周知・理解の促進も兼ねて、校区防災連絡協議会と連携・協議し、ぜひ検討をお願いいたします。  引き続き防災関連でお尋ねいたします。  本市は、熊本地震の経験を踏まえ、災害時の被害や気象情報を地図情報と連動させて一元管理できる新防災情報システムの運用を始めました。1つの地図上に必要な情報を表示でき、被害の全体像が把握しやすくなり、素早い災害対応が可能になります。  具体的には、職員がスマートフォンやタブレット端末で撮影した災害現場の画像や文字情報を送信すると、地図上にアイコンが現れ、市民から寄せられた被害情報も職員が入力すれば地図に反映されます。土砂災害、家屋被害、けが人などの被害情報のほか、避難所の開設状況、水位計、雨量計も警戒度に応じて色分けして表示され、さらに、気象庁が発表する雨雲の動きも同時に確認できます。災害対応に当たる職員がシステムの運用を行い、被災者の個人情報を含むため、外部からの閲覧はできません。  1つの地図上で被害情報、気象情報等が表示される、瞬時に全体像を把握することが可能となっているので、災害時には素早い災害対応ができると期待いたします。ただ、気になるところは、被害情報の入力です。被害情報の入力は、職員が災害現場の画像を撮影し、文字情報を入力するため、災害現場が限定的であれば対応も可能であると思われます。しかし、例えば熊本地震のときのような大規模災害の場合、被害も広範囲に及び、一刻も早い被害状況の把握のため、よりたくさんのマンパワーが必要になります。よって、大規模災害が起こった場合でも素早く被害状況の把握が可能かどうか、心配いたします。  話は変わりますが、このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大時下、マスクや消毒液など感染症対策に必要な物資は需要が急激に伸び、供給が追いつかず、手に入らない時期がありました。マスクを購入するために、朝早くから並ぶといった光景が見られました。熊本地震のときも同様に、生活必需品が品切れになり、購入できず、次第に物資が入ってくるようになっても、その情報がSNSといったネット上にアップされていたり、自宅から遠いため、自動車がないと購入できないといった状況が発生していました。そこで苦しまれていたのが、高齢者や障がい者、妊娠中の方や乳児を抱える方々でした。  このたびのコロナ禍の緊急事態宣言が出されたとき、石川県や富山県では、県民にマスク購入券を配布し、誰もがマスクを手に入れることができると大変に喜ばれたと聞いています。本市でも、生活必需品が高齢者等へ配慮できるような仕組みを民間会社と協力して構築できないかと考えます。  そこで、政策局長に2点についてお尋ねいたします。  1点目、例えば熊本地震のときのような大規模災害の場合は、職員だけで被害情報の入力は可能でしょうか。また、情報収集はどのように行っていくのか、お答えください。  2点目、本市では、生活必需品を高齢者等へ配慮できる仕組みを民間会社と協力して構築することはできないでしょうか。見解をお示しください。  引き続き防災教育についてお尋ねいたします。  熊本地震を経験し、それをきっかけに、本市も地域防災計画を見直してまいりました。校区防災連絡会を設置し、市指定避難所運営委員会が設置され、発災時、避難所の運営に当たっていく体制です。避難所が円滑に運営されていくには、地域が主体となり、定期的な訓練や情報交換が必要となり、さらに、新型コロナウイルス感染症拡大時下では、ウイルスを拡大させない避難所の運営が求められます。地域として、いかに防災の意識を高め、防災に取り組んでいくかが重要です。  そこで、地域の防災意識を高めていくために、地域の大人だけではなく、本市の未来を担い行く子供たちへの防災意識の啓発も有効と考えられます。  本市での防災教育は、地震や火災などの避難訓練に加えて、教科等で防災に関連する授業を行っており、平成30年4月から、全小中学校に熊本市防災教育用副読本つなぐを配備し、熊本地震の経験を生かして、系統性を持たせた防災教育を実践してきました。その副読本を見てみると、理科や社会、保健体育などの各教科において、防災知識と関連する項目がまとまっており、各授業の中で防災知識が学べるようになっているので、とても効率的です。  一方で、気になることもあります。それは副読本の編集アドバイザーに防災士がいないことです。例えば、防災士の教科書では、大規模災害が発生すると公的機関も被災するおそれがあるので、自助・共助・公助の比率は7対2対1くらいに考えるべきであるとあります。また、昨年改定された避難勧告等に関するガイドラインでは、住民は自らの命は自らが守るとの意識を持ち、自らの判断で避難行動を取るとの方針が示されています。災害に対しては自らが備え、準備することが大前提となっています。  このように、防災意識をさらに高めていけるように、編集のアドバイザーに防災士を入れて、その意見を取り入れて作成していくと、より実践的な防災教育へつながると考えます。  そこで、教育長にお尋ねいたします。  今後、防災教育用副読本つなぐの編集に当たる際には、アドバイザーとして防災士を入れて作成していくのはいかがでしょうか。見解をお示しください。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  私からは、大規模災害時の情報収集と高齢者等に配慮した物資供給の仕組みの2点のお尋ねについてお答え申し上げます。  まず、災害時における被災状況の把握につきましては、熊本地震の際、市民や職員から寄せられた膨大な量の情報に対し、災害対応に当たる職員が現場に出向いて調査・確認を行い、その結果を職場に戻ってから防災情報システムに入力するといった方法でありましたため、被害の全容把握に時間を要したところでございます。  このことを踏まえまして、今年4月に運用開始した新防災情報システムにおきましては、現場で被害状況等を調査・確認した職員がスマートフォンやタブレットを使い、その場で情報を直接システムに入力することで迅速な対応が図れるよう機能を強化したところでございます。また、災害対応に当たる職員以外の職員も、このシステムの専用アプリを登録することによって、認知した被害情報等を入力できるようになりましたことから、今後、その活用を広げてまいりたいと考えております。  さらに、今年度は、SNSを活用した情報収集や校区防災連絡会が持つ情報について的確に把握できるよう検討を進めているところであり、今後も、災害時などにおける多様な情報収集体制を強化していくこととしております。  次に、高齢者等に配慮した物資供給の仕組みについてでございますが、本市におきましては、熊本地震の経験を踏まえ、これまで民間企業などと災害時における物資の供給に関する協定を36件締結しておりまして、避難所等においての必要な物資が安定的に確保できますよう取組を進めているところでございます。  議員御紹介の石川県、富山県におけるマスク購入券配布による物資のあっせん方法は、今回の新型コロナウイルス拡大により全国的に物資が不足するといった状況にあっても、物資を必要とする方に着実に行き渡らせることができるといった観点から、参考にすべき取組であると考えております。  今後、これらの取組を含め、災害時や緊急時におきまして、高齢者や障がい者など配慮が必要な市民の方に対し、いかにして物資の安定的な提供を図ることができるか、本市の災害協定制度の活用などについて研究してまいります。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  私からは、防災教育用副読本の作成についてお答えいたします。  本市の防災教育については、熊本地震や近年の災害の教訓を生かして、児童・生徒一人一人が災害について正しく理解し、自ら考え安全を確保する行動ができる力や地域との連携も意識した社会貢献のできる子供の育成に努めております。  具体的には、災害時に重要な自助・共助・公助の視点を適切に取り入れ、地域の特性に応じた防災訓練の実施や消防局と連携した体験型防災学習等、実践的な取組を進めております。また、議員御案内のとおり防災教育副読本を活用しながら、教科横断的な視点で防災教育年間指導計画を作成し、授業の実践を行っております。  今後も、国や県等の関係機関や市の関係部署と連携を図るとともに、防災教育副読本の見直しに当たっては、防災士等の専門的な意見を幅広く取り入れ作成してまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  新防災情報システムを万全に利用できるよう活用の研究をお願いいたします。  熊本地震の場合に対応できるかどうかが最低の条件と考えます。また、災害時のSNS上にアップされた画像や動画、テキスト情報をAIが識別し、情報を提供してくれるAI緊急情報サービスの利用の研究もこれからだと聞いています。偽の情報が出回ることもありますが、アップされる情報のスピードはどこよりも速いと考えます。これらの情報の活用も含めて、これから研究をお願いいたします。  また、非常時、緊急時に生活必需品等の物資が足りなくなることは分かっていますが、今回のコロナ禍で困っている状況に付け込んでマスクを転売する業者が存在し、そのような行動をする人が許せません。小売店での販売の体制等も含めて、高齢者等の災害時に配慮が必要な市民に対し、優しい仕組みづくりを今後協議いただきたいと思います。  防災副読本の見直しの際には、防災士をはじめ、様々な専門家の意見を幅広く取り入れながら作成をお願いいたします。  熊本地震をきっかけに、防災の考え方は大きく変わりました。2019熊本市わが家の防災マニュアルの冒頭には、市民が自らの身の安全は自らが守るという自覚を持ち、防災意識の高揚が図れるよう防災知識の普及促進を図り、人命の安全確保に貢献する協力体制を確立し、地域の担い手の育成などに取り組んでいくことが必要であるとあります。未来の地域の担い手は、まさしく今いる子供たちであります。その子供たちを育成していくための防災教育と考えます。さらに良い副読本の作成を要望いたします。  続きまして、電話リレーサービスの開始に向け、手話言語条例についてお尋ねいたします。  電話リレーサービスとは、聴覚障がい者と聴者を電話リレーサービスセンターにいるオペレーターが手話や文字と音声を通訳することにより、電話で即時双方向につなぐサービスです。今の日本では、公的な電話リレーサービスはありませんが、日本財団が制度化を目的とした日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクトという形で、利用期間、時間、使用者数に制限をつけた試行サービスを提供しています。  それが今月5日に聴覚障害者等電話利用円滑化法が成立し、いよいよ公的なサービスとして、令和3年度から24時間365日体制、さらには緊急時通報双方向化を開始する予定となっています。その法律では、電話リレーサービスの実施において、地方公共団体の責務が定められており、国の施策に準じて、聴覚障がい者等による電話の利用の円滑化のために必要な措置を講ずるよう努めなければならないとあります。  本市においても、令和2年4月1日に熊本市手話言語条例を施行いたしました。それは、全ての市民が障がいの有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合う共生社会を実現するため、手話が言語であるとの認識に基づき、手話に関する施策の総合的かつ計画的な推進に必要な基本的事項を定め、市の責務、市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話に関する施策について定めています。電話リレーサービスの今後の維持は、この手話言語条例の精神を具体化したものであり、第7条に書かれている施策の推進の諸項目を実施していけるかどうかが非常に重要となってまいります。  手話言語条例が施行される一方で、気がかりなことがあります。このたびの特別定額給付金の申請では、視覚障がい者の方から、いつもは文字を読んでコミュニケーションが取れるような補助者にサポートをお願いしていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大時下で、人と人との接触ができない中では、補助者にサポートをお願いすることが厳しいとの訴えがありました。  よって、公明党は、音声コードを付して対応することなどを国に要望いたしました。これに対して、総務省は、国で作成するチラシに給付金の概要や申請方法などの情報を読み上げる音声コードを印刷することや、点字新聞を活用して広報を実施するなどを検討すると答弁し、また、地方自治体で申請書を郵送する際にも配慮してもらえるよう働きかけていくと述べています。  このたびの本市からの特別定額給付金の申請書等には、その音声コードは付されてありませんでした。この定額給付金の対象は全国民であり、その中には視覚障がい者の方がいます。本市でも、熊本市障がい者生活プランにおいては音声コードが付されています。福祉の分野では音声コードが使われていますが、それが所管が変わると、そのことが忘れ去られてしまうのでしょうか。  障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が2013年6月に成立し、2016年4月1日に施行されました。それに基づき、本市においても職員が適切に対応していくため、熊本市市長事務部局における障がいを理由とする差別の解消の推進に関する対応要領が定められました。障害者差別解消法は、障がいの原因を障がいのない人を前提につくられた社会のつくり方や仕組みにあるとして、行政や民間事業者に対して、障がいを理由とした不当な差別的な取扱いを禁止し、障がい者から社会的障壁の除去の意思表明があった際に、過重な負担にならないときは、必要かつ合理的配慮に努めなければならないとするものです。
     法律や対応要領は、定められたからといって、その法律の目的が実現されるわけではなく、我々の意識の中にその精神が刻み込まれなければ、絵に描いた餅です。そのためにも研修や啓発が非常に重要になってまいります。  そこで、2点についてお尋ねいたします。  1点目、電話リレーサービスの制度を支えていく本市の手話通訳者の状況と手話通訳者の確保・養成についてのプランをお聞かせください。  2点目、対応要領にも定められています第7条の障がいを理由とする差別の解消を図るための研修及び啓発は、どのようにして行われてきたのでしょうか。また、今後の計画を教えてください。  1点目は健康福祉局長に、2点目は総務局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  私からは、手話通訳者の状況と確保・養成に関するプランにつきましてお答えさせていただきます。  手話通訳に従事する方は、厚生労働大臣が認定する手話通訳士、都道府県が認定する手話通訳者、市町村が養成する手話奉仕員に分かれております。  現在、来庁者の意思疎通支援や案内などを実施するために、本庁舎及び5区役所に手話通訳士や手話通訳者を6名配置しており、また、手話通訳に係る業務として、一般財団法人熊本県ろう者福祉協会に委託いたしまして、手話通訳者等派遣事業を実施しております。手話通訳業務従事可能な登録者は、手話通訳士が29名、手話通訳者が34名、手話奉仕員148名、合計211名となっております。  次に、手話通訳者の養成につきましては協会に委託しており、手話奉仕員養成事業を毎年実施するなど計画的に行っております。また、主に手話奉仕員養成課程を履修した方を対象といたしまして、県と合同で手話通訳者養成講座を開講するなど、手話奉仕員や手話通訳者を順次養成し、その確保に努めているところでございます。  今後、誰にも手話がもっと身近に感じられる環境をつくっていくために、熊本市手話言語条例に基づき、議員御案内の電話リレーサービスを含め、手話に対する理解促進、普及啓発、手話通訳士等の人材確保及び養成などに取り組んでまいります。          〔深水政彦総務局長 登壇〕 ◎深水政彦 総務局長  私からは、職員に対する研修及び啓発についてお答えいたします。  本市の障がいを理由とする差別の解消の推進に関する対応要領では、障がい者に対する不当な差別的取扱いや合理的配慮に関する考え方等を明らかにするとともに、管理監督者の責任や研修及び啓発の実施等の事項について定め、その運用を図っております。  職員に対しましては、これまで、新規採用職員をはじめ、新たに主査や管理職となった職員を中心に研修を実施いたしますとともに、全職員向けの障がい者サポーター研修会や講演会、ワークショップの開催等を通じ、職員の理解を深めてきたところでございます。しかしながら、御指摘のような障がいのある方に対する配慮が十分でない事例もありますことから、全ての職員がその職務に当たり対応要領を踏まえた適切な対応を行うことができますよう、研修内容の一層の充実に努めてまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  電話リレーサービスは、聴覚障がい者が自身で電話をかけるための重要なインフラであり、地域生活における自立を可能にします。電話リレーサービスの周知、広報、認知度向上、手話通訳士の養成と安定的な確保等の課題がありますが、それらの課題解決に向けて、本市が手話言語条例を定めた意味は非常に大きいと考えます。  電話リレーサービスのオペレーターは手話通訳士等が当たることと想定されていますが、手話も言語と同じで、英語教育に例えると、手話通訳士の技能は大学生レベルということで、その育成には長い時間がかかります。  今後も、手話言語条例に基づき、本市としての義務を着実に実行していくことを要望いたします。また、音声コードを付すこと自体はそれほど手間を要することではありません。全市民に周知していく場合には、通常では対応できない人がいることをぜひ念頭に置いて、障がい福祉に携わる職員だけではなく、全職員がそのような意識で対応ができるよう研修等を行ってください。何とぞよろしくお願いいたします。  続きまして、新型コロナウイルスを想定した新しい生活様式が熊本市に与える影響やその対応について、特にテレワークについてお尋ねいたします。  今後、3密の場所、感染拡大が加速する場、いわゆるクラスター連鎖の場を徹底して避け、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いから成る基本的な感染対策などを実践し、日常生活の各場面における生活様式も3密を避ける様式を取ることが求められ、本市でもその対応が取られています。テレワークの推進もそれらのうちの一つです。  大西市長も令和2年5月20日、第16回新型コロナウイルス感染症対策本部会議後の市長記者会見において、テレワークを一定程度推進していくことは、新しい生活様式を定着させるという意味でも非常に重要なことだと思っています。それから、もう一つ、働き方改革の中で新しい働き方を模索するという上でも、これは私だけではなく、全職員が継続して取り組む必要があると思っていますと言及されました。そして、課題はあるとしながらも、テレワークは進めていくと答えられました。  さらに、テレワークが庁舎の建て替えにも影響を及ぼすのではないかとの記者の質問に、働き方が変われば、当然、庁舎なりそのスペースなりについても大きな影響を与えるものになります。半分近くの職員が在宅勤務を含めたリモートワークが可能ということになれば、果たして全職員分の机と椅子をこの庁舎等に用意する必要があるのかとおっしゃられ、庁舎の構造にも言及していることからも、大西市長が考えられているテレワーク像は、かなり進んだものをイメージしていると考えます。  また、テレワークの現状は、これまでテレワークに実数で2,800名の職員が取り組まれました。大西市長も現在のテレワークには様々な課題があると述べられているように、実際にテレワークに取り組んできて、様々な問題や仕事の生産性が向上するか等の効果の検証が必要であると思います。  そこで、2点お尋ねいたします。  1点目、大西市長が考えているテレワーク像についてお答えください。  2点目、また、テレワークを行ってきての課題や効果、テレワークを推進していく中で障壁となることはどのようなことでしょうか。  1点目を大西市長に、2点目を総務局長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  私は、テレワークを推進することによって、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が可能となり、時間の有効活用や会議の質の向上、ひいては快適な職場環境の整備にもつながるなど、組織全体の生産性を向上させることができると、大変前向きに考えているところでございます。また、テレワークは、感染症の拡大防止や災害対応等、突発的状況等に行政体制を構築する一つの有効な手段でありまして、働き方にイノベーションを起こす契機となり得ると捉えております。  そのようなことから、今般の新型コロナウイルス感染症拡大防止対策と併せまして、より多くの職員の積極的な取組を促すため、私自ら率先して在宅勤務を実践したところでございます。  なお、今朝も、東京事務所の職員、これ在宅でございましたけれども、私は市長室から、そしてその職員は東京の在宅で、いろいろ打合せをさせていただいておりますが、このように様々な形で今、実践させていただいているところです。  今後は、この取組を一過性のものとせず、効果や課題の検証を踏まえ、引き続き環境整備に取り組み、テレワークを積極的に本市行政に取り入れてまいりたいと考えております。          〔深水政彦総務局長 登壇〕 ◎深水政彦 総務局長  私からは、テレワークの課題や効果等についてお答え申し上げます。  本市では、本年2月20日から、職員の育児・介護と仕事との両立を支援し、ワーク・ライフ・バランスの向上に資するため、在宅勤務を導入しております。また、4月8日からは、新型コロナウイルス感染症拡大防止策の一環として、各所属における密閉・密集・密接の3つの密を避けるため、制度の弾力的運用を図り、これまでに約2,800人の職員が在宅勤務に従事したところでございます。  5月に全職員を対象に実施いたしましたアンケート調査の結果では、在宅勤務で実感できた効果として、通勤時間の削減による時間の有効活用や計画的・集中的に業務に取り組めたことによる能率の向上等の意見が上げられました。その一方で、課題といたしましては、職場と同じように作業ができるICT環境の整備のほか、柔軟かつ多様な働き方ができる勤務体制の充実や職員の意識改革の必要性等が挙げられたところでございます。  これらの課題のうち、ICT環境の整備につきましては既に解決に向け動き出したところでありまして、勤務体制の充実等の課題につきましても、速やかに対応を図りながら、在宅勤務のさらなる推進に努めてまいりたいと考えております。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  大西市長のテレワークを積極的に推進していく考えを伺いました。  近年、日本が直面している少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、働くスタイルの多様化などの課題や変化に企業は対応していく必要があり、そのためには、労働生産性の向上や従業員満足度の向上を実現する環境づくりが求められています。その手段としてテレワークが挙げられています。  民間の会社の調査でも、コロナ禍が収束しても、引き続きテレワーク中心に働きたいと考える人が4割に達するとのことです。全職員を対象としたアンケートでも、通勤時間の削減による時間の有効活用や業務の能率的向上の意見があったとありましたが、テレワークによる生産性の向上は職員が実感しているとのことで、働き方改革の有効手段となっていくと考えられます。一方で、テレワークを実践していく上で様々な課題が見えてきたと思いますが、イノベーションを起こす新しい働き方を構築してもらいたいと考えます。  ただ、今後、民間においてもテレワークは進んでくると考えます。これまで徐々に進んできていたテレワークの導入は、このコロナ禍で急速に普及していくことで、地域経済へのインパクトが非常に大きくなっていくと考えられます。マイナスのインパクトもあるのではないかと考えます。よって、今後の地域経済の動向を注視してまいります。  続きまして、マイナポータルに関してお尋ねいたします。  マイナポータルは、平成29年1月より運用が開始された日本政府が国民に提供するオンラインサービスです。子育てや社会保障などの手続において添付書類が削減され、お知らせサービスを通じて情報が展開されるなど、国民の利便性向上を目的に導入されています。公的な個人情報を取り扱うマイナポータルは、マイナンバーと密接に関係しており、民間企業やIT社会における重要な基盤として、今後のさらなる活用が見込まれています。  今後の予定は、令和2年10月以降の年末調整から、生命保険料控除、地震保険料控除及び住宅借入金等特別控除に係る控除証明書等について、勤務先へ電子データにより提供できるように手当てされたことなどを受けて、年末調整手続の電子化に向けた施策が実施されます。さらには、令和3年3月から、マイナンバーカードが健康保険証として利用できます。この連携により、顔写真入りの健康保険証として、本人確認の精度が高まります。  また、オンラインで保険資格の変更が確認できるため、転職や退職で健康保険の手続が発生した場合でも、継続して医療機関での診察が可能となり、利便性が高まります。そして、確定申告を行う際、医療費控除の申告をマイナポータル上において金額の情報の整理と申請ができるように予定されています。このように個人にとっても企業にとっても非常に有用と思われるサービスとなっています。  先ほども述べたように、今年の10月から、給与計算における年末調整においてスタートしますので、そのサービスは眼前に迫っています。この年末調整という事務作業は、企業が雇用者に代わって年末調整事務を行わなければなりませんが、これまで雇用者が保険料控除の申告書を企業へ提出する場合、自らが保険会社から送られてくる保険料控除の証明書を基に申告書に記載しなければならず、企業は証明書と記載内容を確認しなければなりませんでした。  ところが今年の10月からは、保険会社から控除証明書がマイナポータルへ電子情報として送られ、それをそのまま企業が利用することができるようになります。それによって、これまでの申告書と証明書をチェックするという膨大な作業はなくなり、なおかつ正確なデータをすぐに利用することができ、大幅な事務作業量を減らせるというメリットがあります。ゆえに、今後、本市職員がマイナポータルを利用して、年末調整で提出される控除証明書等を紙媒体ではなく電子情報として受け取られるように対応していっていただきたいと思います。  また、市民においては、マイナンバーカードを取得した恩恵は、マイナポータルを利用するときに最大化すると考えます。マイナポイント事業と同時に、マイナポータルを利用することによって得られるメリットがマイナンバーカードの取得率の向上につながると考えます。  しかし一方で、それらのツールを利用できない方々もいらっしゃいます。いわゆるデジタルデバイドと呼ばれ、ICTを利用できる人はそこから様々な利益を享受することができ、利用できない人はそれらの利益を享受することができず、そこから生まれる様々な格差のことです。今後も、ICT機器を利用できないでいると、さらなる機会損失につながり、ますます格差は広がっていきます。  したがって、全市民がICTの恩恵を享受できる社会を実現することが非常に重要になってくると考えます。ICTを利用できないでいると、逆に損をしてしまうとの考えの下、強力にICTの利用を促進していくことが必要ではないでしょうか。新たなインフラの整備とICTの利用は、車の両輪として同時に進行していく必要があると考えます。SDGsの掲げる誰も置き去りにしない社会とは、ICTを利用できないことで不利益を被る人をなくすことも含まれているのではないでしょうか。  そこで、総務局長に2点についてお尋ねいたします。  1点目、市職員自身と市民のマイナポータルの積極的な利用について、どのように推進されていくか、お答えください。  2点目、デジタルデバイドをなくすための専門の部署を設置するべきだと思いますが、いかがでしょうか。          〔深水政彦総務局長 登壇〕 ◎深水政彦 総務局長  マイナポータルに関する2点のお尋ねに順次お答え申し上げます。  まず、1点目の職員と市民のマイナポータルの利用促進についてでございますが、マイナポータルは、個人の情報端末から電子申請や行政情報の閲覧などができるツールでありまして、新型コロナウイルス感染症の拡大防止、さらには新しい生活様式の実践に向けましても、その活用拡大を図っていかなければならないものと認識いたしております。  議員御案内の市職員の年末調整に係るマイナポータルの活用につきましては、職員給与システムと連携することによりまして、ペーパーレス化やチェック事務の簡素化などが見込まれますことから、保険会社等のデータ連携の対応状況やシステム改修の費用対効果なども含めて、検討を進めることといたしております。  また、市民の方々に対しましては、マイナポータルの有用性・利便性の周知・広報に努めますとともに、全ての市民がいつでも、どこでも、様々な手続が電子上で行えるよう国のマイナポータル推進施策を十分に活用し、サービスの拡充に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目のデジタルデバイドをなくすための専門部署の設置についてでございますが、全ての市民がデジタル技術の恩恵を享受できる社会の推進に当たりましては、情報格差、いわゆるデジタルデバイドの解消に努め、誰もが分かりやすく、簡便かつ手軽にデジタル技術を利用できるようにすることが肝要であると考えております。そのため、全庁を挙げて新しい生活様式の実践を見据えながら、誰もが不安なく快適に暮らせるまちづくりを進める中で、専門部署の設置につきましても必要に応じて検討してまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  企業にとって年末調整を含む給与計算業務は、本来、経済的価値を生み出さないものなので、省力化し、経費がかからないよう、これまでも電子化が推進されてきました。本市にとっても事務作業の軽減は働き方改革にも通じていき、積極的に推進していくべきと考えます。  また、マイナポータルは、マイナンバーカードの取得でアクセスできるようになるので、市職員がマイナポータルを利用していくことは、それほど難しくないと考えます。システム改修などが必要と思われますので、費用対効果を調査し、ぜひ御検討ください。  また、デジタルデバイドは、熊本地震のときやこのたびのコロナ禍において、その解消の必要性を感じました。熊本地震の際は、スマホを持っているか、いないかで、得られる情報が違ったと思いますし、コロナ禍の中で、通販で必要なものを購入できたり、ゴールデンウイークでは、オンライン帰省という新たな試みが生まれました。それらにはスマホやタブレット等のICT機器が必要で、それらの機器を利用できなければかないません。  今後、新しい生活様式では、行政手続のオンライン化等が例として挙げられ、ますます今後、このデジタルデバイドが拡大していくことが予想されます。デジタルデバイドの解消へは全庁を挙げて取り組まれるとのこと、また、必要に応じて専門部署も検討されるとのことでありますので、全市民がデジタル機器の恩恵が受けられるような対策を講じていき、SDGsが掲げる誰も置き去りにしない社会の実現をお願いいたします。  続きまして、子宮頸がん予防ワクチン接種についてお尋ねいたします。  子宮頸がんは、性交渉で感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因で、子宮の入り口部分にできるがんであり、年間約1万人がかかり、約3,000人が亡くなっています。子育て中のお母さんが幼い子供を残して亡くなるケースも多いことから、マザーキラーとも呼ばれる怖い病気です。  HPVワクチンは、日本でも2009年12月に承認され、2010年11月より国の基金事業の対象ワクチンとなって接種が進み、2013年4月より、12歳から16歳までの女性を対象として国の定期接種となり、公費による助成を受けられるようになりました。しかし、接種後に多様な症状が生じたとする報告により、国は、2013年6月に自治体による積極的勧奨を差し控えました。すると、一時は約70%あった接種率が1%未満に減少してしまいました。現在もその状況は変わっていません。  しかし、積極的勧奨の差し控え以降、厚労省の副反応検討部会にて、HPVワクチン接種後の様々な症状は機能性身体症状であり、また、接種歴のない者でも同様の症状のある者が一定数存在しました。その後、対象者及びその保護者に対して、正しい情報と接種機会が確保されないまま、6年という月日が流れています。  WHOは、SDGsに子宮頸がんの死亡率を2030年までに30%減らすことを目標に掲げ、子宮頸がん排除への戦略として、HPVワクチン接種率90%を目標としていますが、日本では、子宮頸がん患者数、死亡者数とも近年漸増傾向にあり、このままワクチン接種が進まないと世界の流れからも取り残されてしまいます。また、2019年11月、日本産婦人科学会は、科学的見地に立って、HPVワクチン接種は必要と考え、ワクチン接種の積極的勧奨の再開を国に対して強く求める声明を4回にわたり発表しています。  厚労省では、HPVワクチンは公費で接種でき、ワクチンの有効性・安全性、接種を希望した場合の必要情報を接種対象者及びその保護者に届けるため、HPVワクチンのリーフレットの改変を行う予定であることが報告されています。何も知らないまま、定期接種の対象期間を過ぎてしまったとならないために、個別通知による確実な情報提供を行っていく必要があるのではないでしょうか。千葉県いすみ市では、接種期限が迫る高校1年生へ通知を出し、情報提供を図っています。  そこで、お尋ねいたします。  本市では、HPVワクチンの受診勧奨を行っていないにもかかわらず、平成29年には109件、平成30年には267件の接種があり、伸びている結果は、産婦人科の先生方が推奨されているためと聞きました。この産婦人科の先生方のように、正しい情報提供を行い、正しい判断ができるような周知を検討されてはいかがでしょうか。  また、予防接種の性質上、接種を完了するには最低6か月かかりますので、高校1年生にとっては第1回目を今年の9月までに行わなければ、助成対象期間中に間に合わないという緊急性があります。高校1年生には個別にお知らせを送るなどできないでしょうか。健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  子宮頸がん予防接種につきましては、ワクチン接種との因果関係を否定できない持続的な痛みを訴える重篤な副反応が報告されましたことから、平成25年6月14日、厚生労働省は、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないと勧告を行っており、これに伴い、本市におきましても個別勧奨は見合わせているところでございます。  現在、国におきましてワクチン接種を検討・希望される方々などへ、ホームページやリーフレットなどにより、ワクチンの有効性や副反応など、予防接種に関する正しい情報の提供を行っており、本市におきましてもホームページを通じて、これらの情報を提供しているところでございます。  議員御提案の個人への通知など積極的な勧奨の再開の是非につきましては、現在、国において様々な見地からの検討が進められているところでございまして、本市としてもその動向を注視してまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  ありがとうございました。  積極的勧奨とは、行政が対象者やその保護者に対して、はがき等を各家庭に送ることや様々な媒体を通じて積極的に接種を呼びかけるなどの取組のことです。接種対象者がワクチンの存在を知り、自らの意思で接種する選択ができるという通知も積極的勧奨に含められています。ゆえに、積極的に勧奨していない単なる通知も、積極的勧奨と位置づけられています。  接種対象者へ正しい情報を知らせることは、行政の義務と考えます。多くの国民は、HPVワクチンが定期接種のワクチンの一つであり、また、どのようなワクチンかという情報を知る機会がありません。そして、対象者は、接種できる機会を知らずに過ごし、HPV感染のリスクにさらされたままになっています。そうすると、本市の不作為を問われる可能性も否定できないと考えられます。積極的勧奨という意味に当たらない接種対象者へ正しい情報を知らせる通知を行うことを要望いたします。  続きまして、選挙事務の改善についてお尋ねいたします。  3月22日、投開票された熊本県知事選挙において、中央区の開票作業で、投票した人数と票の総数が合わない事態が発生いたしました。  公職選挙法では、「日本国憲法の精神に則り、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を期することを目的とする」とあります。選挙事務において過失が起きることは、上記精神に反する行為であると言わざるを得ず、本市では、過去の選挙においても投票記録の記載や開票作業の過失等により、選挙結果の確定が大幅に遅れる事態が発生しております。  公明党熊本市議団は、その都度、申入れを行ってきましたが、改善がなされることなく、このたびのような過失が生じたことを重く受け止め、選挙事務に対して、3月30日に改善するように申入れを行いました。第三者による熊本市選挙事務における持ち帰り票事案等に係る調査検討委員会が設置され、原因調査が行われました。投票開票事務従事者320人へのアンケートにおいて、今回の選挙事務に従事した動機を聞いたところ、「自ら進んで」との回答は69名の25%にとどまっており、残りは「職場の当番、割当て」「市選管から依頼されて」との消極的動機となっています。  組織として大人数で作業に当たるとき、重要なのは、一人一人の自覚から生まれる意思と、その結果として生まれる集団で共通の目的に向かっていく団結です。選挙事務に携わる一人一人が選挙は民主主義の根幹であるとの意識に立ち、投じられた1票の重みを心に刻み、民主主義を支えるとの思いで臨んでいく中に、選挙事務の遂行がなされていくと考えます。ゆえに、職員の選挙事務に臨む意識改革こそが重要です。  昨日も福永議員から選挙管理委員会委員長への質問もございましたが、私からは大西市長にお尋ねいたします。  行政長として、今後、民意を反映した貴重な1票との職員の意識改革を行うために、どのように取り組まれていこうとお考えでしょうか。お答えください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今回の県知事選挙において、投票者総数と開票所での投票総数に109票の不一致が発生いたしました。この事態を受け、私から選挙管理委員会に対し、第三者で構成する委員会を設置し、原因等について調査・検証するよう要請いたしました。その結果、第三者委員会による調査が行われ、109票の行方が不明となった原因は、紛失などの過失による事故か盗難、選挙妨害行為などの犯罪かということになるとされたものの、それ以上は明らかにすることができないとされました。熊本市選挙管理委員会におきましては、これまでも度々様々なミスが発生しており、今回の事態を招いたことは極めて遺憾であると考えております。  私自身、政治家として、1票の重みを感じながら日々行政運営を行っている者として、そして熊本市政をおあずかりする代表者として、有権者の意思を無にするような実態に陥ったことを大変申し訳なく思っております。選挙は民主主義の根幹であり、選挙事務はどんなに小さなミスも許されるものではありません。こうしたミスが繰り返されていることで、選挙の正当性を揺るがし、ひいては、本市の行政能力に対する信頼を失墜させるものと大変重く受け止めております。  熊本市の全ての職員は、選挙事務は自らに課された重要な任務であるということを自覚するよう、市長として、徹底して指導してまいりたいと考えております。選挙管理委員会に対しては、第三者委員会の答申を踏まえ、今後執行される選挙の前には必ず選挙事務に関する意識向上研修を開催するなど、全ての職員に選挙事務の重要性を改めて認識させるとともに、責任感と危機意識を持って、正確かつ適正な選挙の管理執行体制の構築を図るよう強く要請してまいります。          〔8番 伊藤和仁議員 登壇〕 ◆伊藤和仁 議員  大西市長、ありがとうございました。  大西市長は、このたびの事態を大変重く受け止めていただいているようです。ただ、選挙は民主主義の根幹をなすものであって、万が一職員による選挙妨害であったならば、ゆゆしき事態です。答申書の内容を真摯に受け止めていただき、市長のリーダーシップの下、再発防止に向け、今後の選挙事務に当たっていただくよう強く要望いたします。
     以上をもちまして一般質問で準備した質問は終わりました。  真摯に御答弁いただいた大西市長をはじめ執行部の皆様、そして先輩・同僚議員の皆様に大変感謝いたします。また、平日の午前という大変お忙しい中、傍聴においでいただいた皆様、そしてインターネット中継で見ていただいた市民の皆様、心より感謝申し上げます。  決してコロナウイルスの第2波を出さないという努力をしていくとともに、現在コロナ禍で苦しんでいる人のお力になれるよう、これからも頑張ってまいります。  本当にありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時50分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○紫垣正仁 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  一般質問を続行いたします。平江透議員。          〔9番 平江透議員 登壇 拍手〕 ◆平江透 議員  皆様、こんにちは。私、初めてここの場所に立たせていただきます、熊本自由民主党市議団の平江透でございます。  昨年4月の熊本市議会議員選挙に初めて立候補して、初当選させていただきました。3月の第1回定例会で質問の機会をいただいておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により一般質問が中止となりました。しかし、今定例会において、本日質問の機会を与えていただきました先輩議員並びに同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。  また、新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになられた方お一人お一人の御冥福を衷心よりお祈りいたしますとともに、感染された全ての皆様にお見舞い申し上げます。  また、感染リスクと背中合わせの過酷な環境の下で、強い使命感を持って全力を尽くしていただいている医師、看護師の皆様、そして保健所や臨床検査技師の皆様、全ての医療従事者の方々に心より敬意を表して、質問に入らせていただきます。  新型コロナウイルス感染症への対応について。  新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が、5月25日に全面解除されました。振り返ってみますと、政府は、4月7日に東京や福岡など7つの都府県へ緊急事態宣言を発令し、16日には対象を全国に拡大いたしました。宣言の解除に当たっては、国の専門家会議において感染者数や医療体制などを分析しながら、総合的に評価されることになっており、5月14日には熊本県など39県が最初に解除され、21日には近畿圏3府県が解除されたものの、東京都周辺や北海道の5つの都道県の解除が待たされていたものでございました。  この間の外出自粛要請や休業要請よって、経済や社会活動は甚大なダメージを受けてきましたが、一時は爆発的な感染拡大が懸念された首都圏で宣言が解除されたことは、経済活動の再開に弾みがつくと考えますし、何よりも、世の中を覆っていた閉塞感が解消されるきっかけになったのではないかと思われます。  一方、緊急事態が解除された後でも、私たちの身の回りにウイルスが存在していることも事実であり、このウイルスとの闘いは長い道のりになることが専門家の間でも予想されております。  そこで、市長にお尋ねいたします。  今回、緊急事態宣言が全国で解除されたことは、ウイルス対策のターニングポイント(分岐点)であろうと考えております。このことについて市長の所感をお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の期間中は、本市におきましても外出自粛の要請や小中学校等の休校など、早い段階から先手先手の対策を講じるとともに、熊本市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の委員の御意見も参考に、様々な対策を行ってまいりました。また、新型コロナ相談センターでの電話相談や約2,600件を超える積極的なPCR検査の実施、さらに民間検査機関等の活用による検査体制の拡充や県と連携した医療提供体制の確保など、市民の皆様が安心できる体制を構築してきたところでございます。  5月9日以降、本市では新たな感染者は確認されておらず、患者発生を一定程度に抑え込むことができたのも、市民や事業者の皆様の大きな御協力のたまものであると考えております。  緊急事態宣言の解除後、経済活動や市民の社会活動が日常に戻りつつありますものの、第2波の発生の懸念もありますことから、本市といたしましては、県と連携を図り、検査体制の強化や医療体制の拡充により、次なる感染の波が来ても対応できるよう万全の対策を取っているところでございます。こうした対策に取り組むことで、市民の皆様に安心感を持っていただくと同時に、市民の皆様には、引き続き3つの密を避け、日常的な感染予防に努めていただき、安心安全な日常生活を送っていただけるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。          〔9番 平江透議員 登壇〕 ◆平江透 議員  政府の指針によりますと、社会活動や経済の再開につきましては、7月31日までを移行期間として、地域の感染状況を確認しつつ、段階的にレベルを引き上げていくことが示されております。しかし、感染リスクが残ったままでは、消費者の需要回復は限定的との見解が多く、当面は経済再開というアクセルと感染防止に伴うブレーキを上手に使い分けながら、地域経済の維持につなげることが重要になると思われます。  また、ウイルスへの警戒や感染予防を怠った途端、一気に感染が広がっていくことが懸念されます。市民や事業者の皆様方が社会活動や経済活動を犠牲にされてこられたこれまでの努力が水泡に帰することがないよう、今後とも、気を緩めることなく警戒を続けていただくようお願い申し上げます。  次に、接触確認アプリの有効活用についてお尋ねいたします。  今後、私たちは、新しい生活様式による感染防止の徹底と同時に、社会経済活動を回復させていくことが求められておりますが、この両立は極めて難しいチャレンジであり、次なる流行のおそれは常にございます。ある医療の専門家は、ワクチンや治療薬がなく、ほとんどの人がウイルスへの免疫を持っていない状況では、人と人との接触制限が緩めば、すぐに感染拡大に転じる可能性があると分析されており、今後、第2波が来る可能性が高いと警戒されております。  このようなことからも、国においては、クラスター(感染者集団)対策を一層強化するため、接触確認アプリが今月中旬をめどに導入されることになっております。このアプリは、個人情報を全く取得しない安心して使えるアプリのことでございまして、スマートフォンの通信機能により、陽性が判明した人と一定時間近くにいた濃厚接触の可能性が高い方々へ自動的に通知することで、早期の対策につなげるものでございます。  オックスフォード大学が発表したシミュレーションによりますと、このアプリが全人口の6割近くに普及し、濃厚接触者の早期隔離につなげることができれば、ロックダウン、いわゆる都市封鎖を避けることが可能となるなど、大きな効果が期待できるとのことでございます。  そこで、健康福祉局長へお尋ねいたします。  感染の広がりを抑え込んでいるこの時期に、第2波への備えを怠ることなく、できる限り手を尽くすべきと考えますが、接触確認アプリの有効活用について、その御見解と具体的な方策をお示しください。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  議員御案内の接触確認アプリは、スマートフォンの通信機能を利用し、人と人との接触を検知・記録するもので、新型コロナウイルス感染症の陽性者であることが判明した場合に、陽性者本人の同意の下で、その陽性者と一定期間内に接触が確認された方に対し、通知を行うものでございます。  このアプリを活用することにより、濃厚接触者を早期に発見できるとともに、濃厚接触者本人も、健康管理や感染拡大防止のために必要な行動を取ることができ、相談などのサポートが受けやすくなるという利点がございます。次なる感染の波の発生に備えました感染拡大の防止策として、このアプリの普及が大変重要になると考えており、今後、国からの情報に基づき、アプリの詳細が分かり次第、市民の皆様への周知などを行ってまいりたいと考えております。          〔9番 平江透議員 登壇〕 ◆平江透 議員  接触確認アプリの普及と同時に、医師が必要と判断した場合には、直ちに検査を実施できる検査体制の強化が必要になってまいります。全国では、既に100か所を超えるPCRセンターが設置されており、国はさらに増設するようでございます。  本市におきましても、2個目のPCRセンター設置や症状に応じた医療提供体制の整備など、感染第2波を見据え、万全を期するようお願い申し上げます。  引き続き地域経済への支援についてお尋ねいたします。  まず、新型コロナウイルスが日本経済へもたらした影響でございますが、報道によりますと、経済的損失は、現時点で、国内総生産に換算して34兆4,000億円、関連の経営破綻は、宿泊業や飲食業などで200件を超え、解雇や雇い止めは2万人を上回っております。また、外出自粛や休業要請により、4月から6月までの国内総生産は、前年と比べて20%程度落ち込み、戦後最悪のマイナス成長に陥ることが見込まれております。  このような中、政府は、経済危機を克服する追加対策として、過去最大となる約31兆9,000億円の第2次補正予算案を5月27日に閣議決定し、本国会での本日の予算成立を目指しております。今回の補正予算では、売上が急減している企業や個人事業主へ家賃の3分の2を半年間補助する制度や、自治体への地方創生臨時交付金を2兆円増額することなどが示されており、事業者や自治体の切実な声を反映した形になっていると思われます。  一方、多くの事業者の方々がこの瞬間にも経営上ぎりぎりの困難に直面しておられますことも事実でありますし、家賃等の固定費は死活問題でございますので、いつから国の家賃補助が執行できるのかが課題と思われます。また、緊急事態宣言を解除し、経済活動を再開しても、V字型の景気回復は考えにくく、ウイルスとの闘いとともに、経済的打撃も長期化が避けられないとの見方がある中で、地域経済を支える事業者は、引き続き綱渡りの経営を強いられることになります。  そこで、経済観光局長へ2点お尋ねいたします。  自治体の新型コロナウイルス感染症対策は、地域の事情に沿ったスピード感・柔軟性・創意工夫の3点が重要でございます。国の第2次補正予算案を踏まえ、収入が急減している事業者や個人事業主への支援について、本市独自の取組も必要と考えますが、その御見解をお示しください。  また、疲弊している地域経済については、今後、具体的な影響額等を把握した上で、施策に反映すべきと考えますが、その必要性等について御答弁願います。  そして、財政局長には、新型コロナウイルス感染対策に係る財源確保の観点からお尋ねいたします。  先般の臨時会において、我が会派の田尻議員が事業見直しに係る件数と総額について質疑された際に、第2回定例会までに整理する趣旨の御答弁でございました。よって、ここで改めてお示しを願います。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  私からは、地域経済への支援に関する2点のお尋ねにお答えいたします。  まず、国の第2次補正を踏まえた本市独自の取組についてでございます。  本市では、新型コロナウイルス感染症への対策といたしまして、総合相談窓口の設置や、制度融資に係る3年間の利子補給による資金繰りなどの支援をいち早く実施してきたところでございます。その後、各経済団体等との意見交換を重ね、御要望をお聞きしながら緊急家賃支援金の創設、プレミアム付商品券・宿泊クーポンの販売、オンライン合同就職説明会の開催など、これまで、5回にわたり独自の緊急対策を行ってまいりました。  また、家賃支援につきましては、先日発表させていただいたとおりでございまして、対象事業者を拡充したところでございます。市長が提案理由で申し上げたとおり、現在、地域経済の再建に向けた本市独自の支援策が必要であると考え、その対策を取りまとめているところでございまして、国の第2次補正案とも整合を図ってまいります。  次に、具体的な影響額等の把握と施策への反映についてでございます。  地域経済への影響額につきましては、再流行のリスクがある中、その影響の期間や範囲も見極めた上で試算する必要があるため、現在策定を進めております、仮称でございますが、熊本市経済再建・市民生活安心プランにおける現状分析の中で、様々な検討を行っているところでございます。新型コロナウイルス感染症の拡大により、地域経済や市民生活に大きな影響を及ぼす中、必要な支援を迅速かつ効果的に行うためには、現状の的確な把握・分析に基づいた施策の展開が重要と考えており、議会の御意見もいただきながら、できるだけ早く取りまとめを行うこととしております。          〔田中陽礼財政局長 登壇〕 ◎田中陽礼 財政局長  令和2年度当初予算に係る事業見直しの件数と総額についてお答え申し上げます。  事業見直しにつきましては、限られた財源と人員を集中的に感染症対策に投入する必要がありますことから、対象事業の洗い出しや見直しに向けた検討作業に全庁挙げて取り組んできたところでございます。その結果、225事業、約56億5,000万円、うち一般財源は約24億7,000万円程度と試算しているところでございまして、その内容につきましては今定例会の各常任委員会でお示しし、御意見を賜りたいと考えているところでございます。          〔9番 平江透議員 登壇〕 ◆平江透 議員  先日、市独自の家賃補助制度につきましては、スーパーや美容室など幅広い業種を追加されることが公表されましたが、今後とも、経済団体等からの御意見や御要望を聴取しながら、地域の事情に沿った経済支援をお願いいたします。  また、策定中の(仮称)熊本市経済再建・市民生活安心プランに関しましては、様々な統計データや事業所ヒアリングの結果等が含まれているとのことでございますので、議会とも情報共有を図りながら、根拠に基づく政策を進めていただきたいと思います。  続きまして、新市基本計画の進捗についてお尋ねいたします。  南区富合町は、県の中央、本市の南に位置し、町の大半は熊本平野の一角をなす田園地帯であり、小川や水路の多い低湿地でありますが、南東部は雁回山など山林地帯となっております。町のほぼ中央を南北に国道3号線、JR鹿児島本線が通っており、本市が政令指定都市になってから南区役所ができ、JR新幹線車両基地、JR富合駅もあり、現在、県の中でも、本市の中でも人口が増えている地域でございます。熊日新聞の合併を対象とした調査によりますと、2005年から2015年までの10年間で、富合町は人口の増加率が23%という記事が令和元年11月13日に掲載されました。  合併の経緯を見ますと、旧富合町と熊本市との合併協議が進められ、平成19年1月から数回にわたって法定協議が執り行われた結果、平成20年10月6日に合併いたしました。その後、城南町と植木町が共に平成22年3月27日に合併いたしました。その翌年、平成23年10月18日には、熊本市を新たな政令指定都市として指定する地方自治法第252条の19第1項の指定都市の指定に関する政令の一部を改正する政令が閣議決定され、この政令の公布により熊本市は、平成24年4月1日に全国で20番目、九州で3番目の政令指定都市となりました。  合併に際しましては、その3町と熊本市とでおのおの新市基本計画が策定され、合併事業が実施されております。その基本計画の進捗状況については、2年前の平成30年第1回定例会で、自民党市議団の寺本議員が質問されたときの議事録を拝見いたしました。  その際、当時の市民局長の答弁によると、富合地域の事業費ベースによる進捗率は、平成29年度予算までで約80%、関連事業を含めると約91%、また、城南地域の事業費ベースによる進捗率は平成30年度当初予算までで約94%、関連事業を含めると約106%、植木地域の事業費ベースによる進捗率は約94%、関連事業を含めると約117%となっている。個別の事業では、富合地域の土地区画整理事業や小中学校の改築事業、植木地域の道路整備事業などで遅れが見られるが、計画に対して遅れている事業についても、おのおのの状況を見極めながら着実に進められるよう取り組んでまいりますとの答弁でございました。  そこで、その答弁から2年が経過しましたので、改めて新市基本計画の進捗状況についてお尋ねいたします。特に、遅れが見られる富合地域につきましては、詳細にわたっての答弁を文化市民局長にお尋ねいたします。  もう1点は、政令指定都市になりまして8年となりますが、本市が政令指定都市になりましたことにより、市民にとりまして何がよかったのか、市民にとりましてメリットは何なのか、市長にお尋ねいたします。          〔井上学文化市民局長 登壇〕 ◎井上学 文化市民局長  私からは、合併3町の新市基本計画の進捗状況についてお答えします。  まず、富合地域の進捗状況でございますが、当初計画額に対して、令和2年度予算を含めた事業費ベースでの進捗率が約99%、関連事業も含めますと約117%となっており、事業数で見ますと49の計画事業のうち、今年度末までに35事業が完了し、14事業が未完了となる予定でございます。  同じく、城南地域での事業費ベースによる進捗率は約113%、関連事業も含めますと約136%となっており、事業数で見ますと70の計画事業のうち、59事業が完了し、11事業が未完了となる予定でございます。  同じく、植木地域での事業費ベースによる進捗率は約101%、関連事業も含めますと約127%となっており、事業数で見ますと58の計画事業のうち、30事業が完了、23事業が未完了となる予定でございます。  詳細についてのお尋ねがありました富合地域でございますが、14の未完了事業のうち、令和2年度は富合宇土南北線改良などの道路事業、富合小・中学校校舎等改築のための設計、さらには下水道整備事業などを実施することとしております。  今後とも、他の地域も含め、新市基本計画を着実に推進してまいります。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  政令指定都市移行に伴うメリットといたしましては、教育、福祉、土木等様々な分野で権限や財源が拡充されることで、まちづくりを迅速に進められること、あるいは区役所を設置することで、市民により身近な場所でサービス提供が図られること、さらには、都市のブランド力が向上し、地場産業の振興や企業誘致など拠点性が高まることが挙げられます。  具体的な事例としましては、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の発行や市域内の国道や県道の維持補修等が迅速に対応できるようになりました。また、区役所におきましては、各種証明書の発行や子育て支援など日常生活に密着した多くのサービスをワンストップで提供しておりますとともに、各まちづくりセンターを中心に、地域特性を生かしたまちづくりにも取り組んでおります。  地域経済の活性化の観点では、企業立地件数について、これまで年間8件が最高でありましたのに対しまして、政令指定都市移行後は2倍の16件を記録しております。加えて、アジア・太平洋水サミットといった国際的な会議の誘致にも成功するなど、都市としての情報発信やブランド力も着実に向上しているところでございます。  さらに、全国の政令指定都市とのネットワークによりまして、熊本地震の際には、被災者支援のノウハウやマンパワーなど強力な支援を受けることができ、迅速な復旧・復興にもつながりました。また、指定都市を災害救助法の新たな救助主体とする法改正の要望とその実現によりまして、災害時には、指定都市が主体となって迅速な対応ができるようになりましたが、同時に、これまで以上に重い責任を果たしていかなければならないと決意を新たにしたところでございます。  私としましては、以上のような政令指定都市のメリットを最大限に活用し、引き続き市民の声を施策や事業に反映させるとともに、市域のみならず、熊本都市圏全体を見据えた市政運営に努めることで、上質な生活都市の実現を目指してまいりたいと考えております。          〔9番 平江透議員 登壇〕 ◆平江透 議員  新市基本計画は、ある意味、合併時の約束事であり、今、文化市民局長から、新市基本計画の進捗について予算・事業ベースによる答弁があり、今後とも着実に推進するということでした。  一方、富合地域では、令和2年度、つまり令和3年3月31日までには49の計画のうち35の事業を完了させ、14の事業が未完了となるということでございました。これは約71%の進捗率であり、同時期に合併した城南町が約84%であることから、富合地域の新市基本計画は遅れが顕著となっております。  令和2年第1回定例会での大西市長の提案理由の説明の中で、新市基本計画の着実な推進については、令和2年度についても総額約60億円の事業費を計上しており、計画も着実に推進してまいりますという説明がありましたので、その実行を期待しております。  もう1点、大西市長から答弁いただきました政令指定都市に住む市民にとってのメリットにつきましては、平成20年以前、合併前に行われました合併についての地域説明会で、私は、一市民として、一参加者として質問いたしましたところ、執行部の中に答弁できる人がいなかったのです。今まで明快な答えを得ていませんでした。今、市長から答弁をいただき、少しすっきりしたところでございます。  今後、5つの区役所の権限や機能を充実、向上させて、市民の皆様が政令指定都市になってよかったと実感できるように取り組んでいただきたいと存じます。上質な生活都市熊本の実現に鋭意努力していただきたいと存じます。  続きまして、小中一貫教育についてお尋ねいたします。  皆様御承知のとおり、小中一貫教育とは、一般の小学校で行われている教育であります初等教育、一般の中学校で行われている教育、前期中等教育、この両課程を調整して、9年間を通じた教育課程を編制して、一貫性を持たせた体系的な学校制度のことですが、本市におきましては、昨年度から西区の芳野小学校・芳野中学校と南区の富合小学校・富合中学校で導入されております。  この南区の富合小学校・富合中学校は、私の地元であり母校でもありますので、少し紹介させていただきます。  学校は、小学校1校、中学校1校があり、子供たちは9年間を通じ、同じメンバーで共に学び、生活し、卒業していく状況にあります。平成元年度から英語指導助手(ALT)が導入され、平成4年度には学校週5日制のモデル校となり、土曜日には、詩吟教室、郷土料理教室や生け花教室など、地域の方々の協力の下、生涯学習にも取り組んでまいりました。  平成14年度には、先生方により高い指導力を身につけてもらうとともに、学校経営等へのアドバイスもできるよう、小中学校の教育課程、学習指導等に関する専門的な知識と経験を有する学校教育審議員を旧富合町が独自に配置して、毎日、小中学校の各クラスを巡回し、授業の様子等について的確な指導・助言を行い、先生方の指導力向上を図ってまいりました。しかしながら、小学校1校、中学校1校にもかかわらず、指導体制や指導方法の違いなどにより、いま一つ十分な連携が取れていなかったのが実情でありました。  これらの課題に対応するため、小中一貫教育を導入することで、小中学校間での指導の重複を省き、教科指導の効率を高めることにより、小学校教育課程から中学校教育課程へのスムーズな移行や系統性・計画性のある教育の充実を図るとともに、国際化、情報化等の社会の変化や子供の個性へ対応した新たな教科を創造することによって、特色ある学校教育の実現を目指すことができると考えました。  そこで、平成16年度から、富合小・中学校は内閣府の教育改革特区として、小学校と中学校の9年間を接続して、児童・生徒の精神的・身体的な発達段階の特性を考慮して、小学校1年生から4年生までを学習面・生活面での基盤形成期として前期教育、個性の芽生えに対する対応期として、小学校5年生から中学校1年生までを中期教育、個性の一層の伸長を図る発展期として、中学2年生、3年生を後期教育と3段階に分けました。  児童・生徒の個々の持つ能力や適性を十分引き出していけるという指導が行われ、国語、算数・数学の基礎教科については、前期段階では、基礎・基本の確実な定着を図り、中期段階では、教科担任制を取り入れ、専門性を活かした授業の充実を図るとともに、習熟度別のコースを設け、子供たちの理解の程度に応じた指導を行い、児童・生徒の資質や能力の向上を図り、後期段階では、自ら課題を設定し、調査や実験等を基に論理的な文章が書ける力を培います。  次に、国際人としての資質を高めるために国際科を創設し、小学校低学年から英語教育を取り入れ、小学校高学年から系統的に指導し、さらにインターネットやホームステイ等による交流活動を取り入れながら、自己の考えや主張等を他者に伝えることのできる実践的コミュニケーション能力を培う。また、小学校高学年以降では、国際理解の基盤となる日本や郷土の伝統文化を学び、日本人としての誇りを培う。
     さらに、人間形成の上から生き方創造科を創設し、小学校低学年では、自分づくりの旅という視点の下、身近な生活体験を通して、自分の行動等を見詰めさせ、人間としてよりよく生きていくための豊かな心や基本的モラルの醸成を図り、小学校高学年では、心つなぎの旅という視点の下、他者との関わりを通して、豊かな人間性や社会性を培うためのコミュニケーション能力の育成を図り、中学校2年生、3年生では、生き方探しの旅という視点の下、未来に向けて、人生や社会を切り開いていく実践力の育成を図りました。  以上述べましたような教育改革特区としての小中一貫教育が県内で初めて導入され、15年間行われた後、昨年度から新たな小中一貫教育がスタートしております。その内容については、富合小・中学校は、小中一貫型小中学校として、組織上、独立した小学校及び中学校が義務教育学校に準じる形で、一貫した教育を施す形態として、教育が行われております。  令和元年第3回定例会におきまして、我が会派の高本議員が小中一貫教育のメリット・デメリットについて質問され、遠藤教育長から、メリットは、1、中1ギャップの緩和、2、小規模校の弊害解消、3、学力向上、4、教職員の意識改革という4つのメリットを、またデメリットは、国の実態調査によると、小中学校の教員間での打合せ時間や児童・生徒が交流する際の移動手段の確保、教員の負担感や多忙感が課題とされているという答弁がございました。  新たな小中一貫教育の導入から、今年度に入りまして1年が経過しますので、教育長へ2点お尋ねいたします。  まず、1点目は、教育委員会の資料であります小中一貫教育の推進についてにも記載がありますが、老朽化が進む小中学校の校舎建て替えを予定しており、建て替えに際しては、小学校から1キロメートル南に位置し、敷地の広い中学校との合築について、昨年4月に校区自治協議会の会議の席で説明がありました。しかし、その3か月後の7月には、合築はしないという説明に大きく変わりました。僅か3か月の間に何ゆえそうなったのか、疑問視する住民の方が多くおられます。  つきましては、小学校・中学校の合築計画から、それぞれの現在地での建て替えに方向転換された理由、経緯についてお尋ねいたします。  2点目は、本市における小中一貫教育の導入から1年がたちますが、現時点における成果はいかがなものでしょうか。当初に掲げたメリットは生かされているのか、お尋ねいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  小中一貫教育について、2点お答えいたします。  1点目は、富合小・中学校の合築計画の見直しについてです。  御紹介がありましたように、富合小学校と富合中学校は、本市との合併前の平成16年度から内閣府の構造改革特別区域の認定を受け、教育特区として、熊本県内初の小中一貫教育に取り組んでこられました。また、新市基本計画において、それぞれの学校の校舎の建て替えが取り決められており、教育委員会としては、建て替えに向け、様々なプランを検討してきたところです。  そのような中、小中一貫教育を推進する上で、学校施設が一体である方が望ましいことから、当時の児童・生徒数の将来推計や建築に伴う諸条件などを考慮し、昨年4月に、地域の各種団体の皆様等に合築の構想をお伝えしたところです。しかし、その後、新たな開発行為や土地区画整理事業の状況などにより、将来の児童・生徒数が当初の想定である1,000人規模を大きく上回る最大1,500人規模となることが判明いたしました。その結果、学校の適正な規模をはるかに超え、デメリットの方が多くなると判断されたことから、計画を見直すこととしたところです。  今後は、新市基本計画に基づき、それぞれの学校で順次適切な校舎の建て替えを進めてまいります。  2点目に、小中一貫教育の成果についてですが、小中一貫校では、小中学校の教員が相互に乗り入れて授業を実施するほか、合同行事や中学生が小学生に勉強を教える学習会の開催、教員の合同研修の実施など、児童・生徒と教職員との交流が日常的に行われております。  議員お尋ねの小中一貫校の成果についてですが、昨年12月に富合小中一貫校を対象に実施したアンケート調査によりますと、教職員からは中1ギャップが軽減できる、小中一貫のよさを感じる、音楽や美術など専門的な授業ができ、児童に良い影響が出ているとの意見をいただいております。また、教職員の意識改革については、小中一貫校になり、小中学校の教職員間で互いの良さを取り入れる意識が高まったとの肯定的な意見が8割を超えており、成果があったものと考えております。  今後も、富合、芳野などにおける小中一貫教育による系統的・継続的な学習により、教育効果がさらに高まるものと考えております。          〔9番 平江透議員 登壇〕 ◆平江透 議員  教育長から、小中学校の合築計画は、新たな開発行為や土地区画整理事業の状況により、当初想定していた児童・生徒の数を大きく上回る見込みとなったことから、合築を見直し、それぞれの学校で順次適切な校舎の建て替えを進めてまいるという答弁がございました。  確かに、富合小学校・中学校は、児童・生徒の数が増えている学校であり、教室が足りずに、プレハブの仮設校舎で学んでいる子供が今も130人おります。この状況を踏まえ、計画的に立派な校舎に建て替えていただき、小中一貫教育の最先端校として、先生方の働き方や児童・生徒の学力向上について、教育効果の高まることを期待しておきます。  加えますならば、中学生が小学校に来て、一緒に学ぶ教育も必要であると考えます。富合小学校の関係者から、一緒に学ぶと同時に、給食を共にするランチルームがあればとの要望を耳にしております。また、小学校・中学校間の距離が1キロメートルありますので、子供たちが交流する上で、安全に行き来できる歩道専用道路、これが夢であると述べておられます。夢ではなく、これらのことにも配慮の上、今後、校舎及び学校施設を設けていただきますことを要望しておきます。  続きまして、総合型地域スポーツクラブについて質問します。  総合型地域スポーツクラブとは、日本における生涯スポーツ社会の実現を掲げて、平成7年から文部科学省が実施するスポーツ振興施策の一つで、幅広い世代の人たちがそれぞれの興味関心や競技レベルに合わせて、様々なスポーツに触れる機会を提供する地域密着型スポーツクラブを言います。  文部科学省の調査によりますと、全国約1,400の市町村において総合型地域スポーツクラブが既に創設・創設準備中であるようです。その数は、創設準備中も合わせて3,500を超えるクラブが創設されており、全国津々浦々に総合型地域スポーツクラブが存在しております。  そこで、本市の総合型地域スポーツクラブの在り方等について伺います。  1点目は、本市におけるクラブ数、活動や創立に向けた支援状況等についてお尋ねいたします。  2点目は、今までの地域スポーツとの違い及び総合型地域スポーツクラブにはどのようなメリットがあるのか、経済観光局長にお尋ねいたします。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  本市におけるクラブ数、活動や設立に向けた支援状況及びメリットについてお答えいたします。  本市の総合型地域スポーツクラブは、6月1日現在22クラブで、さらに1つのクラブが設立に向けた準備を進めているところでございます。  次に、クラブへの支援につきましては、学校夜間開放施設の優先確保や小中学生を対象とした活動を行う場合の施設及び照明設備使用料の免除、また、設立準備中のクラブに対しましては、職員がアドバイザーとして組織づくりや活動プログラムの作成など、立ち上げに向けたサポートを行っております。  総合型地域スポーツクラブは、身近な地域で、子供から高齢者まで、様々なスポーツを愛好する初心者からトップレベルまでの人々がそれぞれの志向・レベルに合わせて参加できるという特徴もございます。これまでの地域スポーツでは、特定の種目を一部の世代だけで行うものが多く見られましたが、総合型地域スポーツクラブは、誰もが気軽に様々なスポーツに親しめるところが大きな違いとなっており、地域住民のスポーツ参加の機会が増えるとともに、住民間の交流が活発化することがメリットであると考えております。          〔9番 平江透議員 登壇〕 ◆平江透 議員  本市に存在する総合型地域スポーツクラブは22クラブで、1クラブが設立に向けて準備を進めているところであり、活動や設立に向けた支援状況及びメリットについては、学校夜間開放施設の優先確保や小中学生を対象とした活動を行う場合の施設や照明設備使用料の免除、また、設立準備中のクラブに対しては、職員が立ち上げに向けたサポートを行っている。また、これまでの地域スポーツは、特定の種目を一部の世代だけで行うものがほとんどでありましたが、総合型地域スポーツクラブは、誰もが気軽に様々なスポーツに親しめるところが大きな違いで、地域住民のスポーツ参加機会が増えるとともに、地域住民間の交流が活発化することがメリットであるという答弁でございました。  私の地元の中学校校区におきましては、かつては、スポーツに対する関心や意欲も高く、夜間のサークル活動や各種大会など盛んでございました。特に、ソフトボール、バレーボール、テニス、バドミントンやミニバレーなどは参加者が多く、いろいろな冠大会も行われておりました。近年は、一部の人たちでは継続しておりますが、そのほとんどが消滅して、日常的なスポーツ交流の場や機会が少なくなっております。  そこで、私の地元の校区でも、地域の人たち全てを会員の対象として、誰もがそれぞれの体力・年齢、趣味・嗜好、興味・関心に合わせてコースを選び、いつでも、どこでも、いつまでも、和の心というテーマを掲げ、豊かなスポーツライフの実現に取り組む。活動に当たっては安心安全かつ楽しく・和やかに取り組み、互いを認め合い、感謝と協力を大切にして、地域の絆を深めるという2つの理念をつくり、総合型地域スポーツクラブを立ち上げております。私も、その設立準備委員の一人でございます。  立ち上げに当たりましては、幅広い広報活動や啓発活動、校区体育協会での平成27年から設立までの検討と準備、そして平成30年7月に富合総合型クラブ設立準備委員会を立ち上げ、毎月会議を重ねてきました。その会議には、県スポーツ協会、富合まちづくりセンター、本市スポーツ振興課からも毎回御出席してもらい、助言をいただきました。そのような経緯を踏み、昨年11月19日にNPO法人富合総合型クラブの設立総会を開催して、今年4月からスタートする予定でございましたが、コロナの影響で、4日前の6月8日から、やっと本格的にスタートできております。  文部科学省のスポーツ振興基本計画では、生涯スポーツ社会の実現と、その目標としてスポーツ実施率50%、すなわち、成人の週1回以上のスポーツの実施率が2人に1人以上になることを目指すということが掲げられております。総合型地域スポーツクラブは、市民誰もがいつでも参加でき、健康づくりと交流づくりを高める極めて公共性・公益性が高い団体の活動でございます。  本市では、学校体育施設の夜間開放がなされ、優遇措置である年間日程確保もできてありがたいのですが、施設の使用料金の高さがクラブ普及の負担にもなっているようでございます。  そこでお尋ねいたします。  1点目は、活動が実施されているクラブの事例から、今後、活動の充実に向けての課題について伺います。  2点目は、現行の学校体育施設使用料金が、いつ、どのような経緯、根拠で設定されているのか。また、小中学生の体力低下が危惧され、市民の健康寿命や健康づくりが叫ばれている昨今、総合型地域スポーツクラブや校区体育協会など、公共性・公益性が高い活動団体へのさらなる減免措置を含めた支援策について検討できないのでしょうか。  以上2点について、経済観光局長にお尋ねいたします。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  活動充実に向けた課題並びに施設使用料設定根拠及びさらなる減免措置を含めた支援策についてお答えいたします。  本市の22のクラブとは毎年1月に育成フォーラムを開催し、代表者や会員の皆様との意見交換や指導者に対する研修を行っているところでございます。その中で、全クラブに共通した課題として、会員数の伸び悩み、それに伴う会費収入の安定確保の難しさ、また指導者を含めたクラブスタッフの人員確保と育成のための定期的な研修の難しさが挙げられております。  学校施設の夜間開放時の使用料につきましては、平成9年に全庁的な使用料の見直しを行った際、他都市や類似施設とのバランスから現在の料金設定としたものでございます。また、昨年度、全庁的に行った受益者負担の適正化の観点からの見直しにおいても、現在の料金が適正と判断し、据え置いているところでございます。  次に、クラブへの支援策についてでございます。  総合型地域スポーツクラブは、子供から高齢者まで、地域の住民の誰もがそれぞれに豊かなスポーツライフや交流の場をつくり出すために必要不可欠なものであると考えております。しかしながら、新型コロナウイルスの影響でスポーツ施設が閉鎖されたことにより、クラブ活動が休止状態となり、会員の脱会や入会金、会費の返還等が生じ、運営に苦慮しているとの事例もお聞きしているところでございます。  また、今後、新しい生活様式に沿ったスポーツ活動を行うに際しては、感染防止器具等の新たな投資や指導員への新たな指導法の研修が必要になるなど、これまでにない負担が生じることになります。そのため、まずは、各クラブの皆様方から現状の課題や今後の活動方針について改めて御意見を伺い、その上で、施設使用料の減免の考え方の整理や感染予防を行いながらの新しい指導方法の普及、研修の手法、手順の策定、また市政広報番組等を通じたPR活動の強化による入会促進への支援といった取組を早急に行ってまいりたいと考えております。          〔9番 平江透議員 登壇〕 ◆平江透 議員  活動充実に向けた課題としては、自主財源の確保と指導者を含めたクラブスタッフの人員確保と育成のための定期的な研修の難しさが主な課題ということでございました。  施設使用料設定根拠及びさらなる減免措置を含めた支援策については、学校施設夜間開放における使用料は、他都市や類似施設とのバランス、また受益者負担の適正化を図る観点により料金を設定しており、現在の料金が適正と判断して据え置いている。しかし、コロナウイルスの影響でクラブの運営に苦慮している事例もあり、感染防止器具等の新たな投資や指導員への新たな指導法の研修が必要となるなど、これまでになかった負担が生じることになる。まずは、各クラブの皆様から御意見を伺い、その上で、施設使用料の減免の考え方の整理や感染予防を行いながら、新しい指導方法の普及、研修の手法、手順の策定を早急に行ってまいりたいという答弁でございました。  さらなる減免措置等については、コロナウイルスの影響も踏まえた上で、住民の方々がスポーツに親しみ、健康を維持して、お互いの交流が深まることを目標に、施設が利用しやすくなるように減免措置を含めた支援策を検討してくださることを期待して、次の質問に移ります。  農業用排水機場の改築更新及び維持管理についてお尋ねいたします。  本市の海岸や河川に近い低平地部は、潮位の影響や豪雨によって湛水被害を受けやすく、また地下水位も高く、施設園芸や露地野菜の栽培に支障を来していたことから、昭和40年代より、県営農業農村整備事業等により、本市内40か所に排水機場が設置されております。特に、本市内の西南部の農地は干拓地であり、有明海の干満による潮位の影響を受けることから、排水機場の設置箇所が集中しており、西区・南区内で本市内の総設置数の93%、37機が設置されております。  なお、農業用排水機場は、農地の冠水被害を防止するとともに、農地の後背地にある都市部の浸水被害軽減にも大きく効果を発揮しております。  現在、本市内40か所の農業用排水機場のうち、60%の24か所が設置後20年以上を経過しており、老朽化が進行しております。本市では、常時良好な状態を保持するため、通常点検や軽微な修繕・補修を行っておられますが、設置年数の古い陸上ポンプ設備に関連する交換部品についてはメーカー在庫も乏しく、機械全体のオーバーホールも実施困難な状況にあることから、計画的な改築更新が必要と考えられます。その中で、私の地元である富合校区に設置されている上杉排水機場は、浜戸川北部県営湛水防除事業により、昭和49年に造成された施設で、本市が所管する農業用排水機場であります。  当該地区は、1級河川の緑川と浜戸川に囲まれ、周辺河川水位より低い水田地帯で、降雨時の湛水被害を解消するため、県営浜戸川北部地区湛水防除事業を実施しております。当該排水機場が抱える受益地は、基盤整備事業も完了しており、メロン、キュウリ、花きなどの施設園芸も導入されるなど、農業が盛んな地区でありますが、周辺河川の水位より低いため、大雨時は自然排水ができず、排水機場による強制排水を行い、湛水被害を防止しております。よって、農業振興及び農地保全のための排水機場は欠かせない存在になっております。このような中、施設造成から45年が経過し、施設全体の経年劣化の進行が著しく、これまでにも各種機器の異常や故障が頻発していると伺っており、施設全体の改修が必要な状況であると思われます。  以上のことから、農水局長にお尋ねいたします。  まず、私の地元に設置されている上杉排水機場について、受益地に対する排水規模・能力はどのくらいのものなのか、施設造成から45年が経過していますが、排水機の能力は保たれているのか、改築更新の必要はないのか、お尋ねいたします。  2点目は、本市に設置してある排水機場全体の今後の改築更新計画についてお尋ねいたします。  3点目は、2点目と関連がありますが、排水機場全体の維持管理状況についてお尋ねいたします。          〔西嶋英樹農水局長 登壇〕 ◎西嶋英樹 農水局長  農業用排水機場に関する3つのお尋ねに順次お答え申し上げます。  まず、上杉排水機場の機能と更新でございますけれども、上杉排水機場は、緑川と浜戸川に挟まれた富合町の上杉・大町地区や城南町の赤見地区など365ヘクタールが受益でございまして、排水能力は3台のポンプで毎秒約22トンと、本市の農業用排水機場の中でも排水能力が大きい施設でございます。  本機場は、ポンプメーカーによる2年に1回程度の点検整備のほか、平成14年にはポンプ施設のオーバーホール、平成28年には除塵機の修繕等を行っておりまして、排水能力は保持されております。しかし、設置から45年経過しておりますことから、施設の全面更新が必要と考えておりまして、来年度、国事業の新規採択を目指して、準備を進めております。  続きまして、2点目の排水機場の改築更新計画でございます。  本市の農業用排水機場40か所につきましては、排水機場改修計画を作成いたしまして、設備の適切な維持管理に努めております。特に、設置後30年以上経過いたしております施設の改築を優先的に進めていくこととしておりまして、中でも、設置後40年以上経過しております上杉をはじめ3機場の改築を最優先と考えておりまして、県営農業農村整備事業を活用して、改築更新を進めてまいります。  最後に、3点目の排水機場の維持管理でございますが、現在、本市の機械・電気の技術職員6名を農地整備課に配置しておりまして、年4回の定期的な点検を行うとともに、故障原因の調査や部品の取替え等のメンテナンスを行っております。さらに、電気保安点検や消防点検等の法定点検のほか、ポンプメーカーによる2年に1回程度の点検整備を行っておりまして、点検結果を基に、機器の修繕やオーバーホールなどの大規模改修を計画的に行っております。          〔9番 平江透議員 登壇〕 ◆平江透 議員  本市に設置してある排水機場の修理・管理については、法定点検のほか、必要な改修、メンテナンスを計画的に行っていることが理解できました。40か所の排水機場のうち、24か所が設置後20年以上を経過していることは存じておりましたが、30年以上を経過した施設が15か所もあるという答弁でございました。45年以上を経過した上杉排水機場を最優先に、元三、美登里と計画的に改築更新を進めていただき、受益地に支障を来すことがないようお願いして、次の質問に移ります。  金峰山少年自然の家についてお尋ねいたします。  この施設は、自然環境の中で、集団生活を通じて子供たちの健全な育成を図るため、昭和50年10月に開所して以来、小学5年生の集団宿泊教室をはじめ市内の少年団体や野外活動団体など、これまでに約135万人もの方々を受け入れてきました。  一方、平成30年度の耐震診断調査において、建物自体の耐震性能は確認されたものの、鉄筋コンクリート造りの建物と屋根を接合するアンカーボルトの切断や変形、ベースモルタルの破損などの不具合が判明し、建て替えに近い大規模な改修が必要と見込まれました。このことから、利用者の安全を最優先に、学校行事等の受入れを令和元年4月から中止されており、市内の小学生は、県内に立地する青少年施設を代替に集団宿泊活動を実施されております。  施設の利用を中止するという状況を地元住民の多くの方々が大変危惧されており、令和元年5月には、芳野校区自治体連合会と地元自治会との連名において、大西市長と遠藤教育長へ、再開へ向けた陳情書を提出されております。また、地元関係者や学識者などによって構成される熊本市の自然体験活動等のあり方に関する懇話会では、市内での宿泊体験は大変重要で郷土愛につながるとの御意見や、生涯学習施設として対象を市民全体に広げて展開していくべきではないかとの御意見、地域の交流人口を増加させるメリットが多いなどの御意見が寄せられております。  さらに、市内の全小学校を対象に実施した施設の必要性に関するアンケート調査におきましても、必要との回答が69.6%であり、どちらかというと必要との回答22.8%を合わせますと、92.4%の学校が施設の再建を望まれております。  そこで、金峰山少年自然の家の再建に当たりましては、私からの提案を交えて、教育長へ3点お尋ねいたします。  1点目、施設機能のさらなる充実でありますが、本市の将来を担う小学生の集団宿泊活動はもとより、企業研修の受入れも可能とするなど、子供から大人までの利用を見据えた施設にすべきと考えますが、いかがでしょうか。  2点目、山麓のミカン畑と海に囲まれた風光明媚な地域の魅力を発信するため、有明海に面したノリひびと夕日、また雲仙普賢岳など広大な景色を一望できる施設とし、眺望に優れた施設にすべきと考えますが、御見解をお示しください。  3点目、新型コロナウイルス対策に向けた財源を確保するため、各事業の精査が行われておりますが、再建に向けた今後のスケジュールの御答弁をお願いいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  金峰山少年自然の家について、3点お答えいたします。  まず、施設機能のさらなる充実についてです。  これまで、金峰山少年自然の家では、小学5年生の集団宿泊活動を中心に、子ども会をはじめとする社会教育団体の受入れや親子の野外体験活動等に取り組んでまいりました。再建に関しては、地元の代表者や学識経験者等による懇話会等からも様々な御意見をいただいており、子供の自然体験活動にとどまらず、幅広い年齢層の方々が体験交流できる施設を目指すこととしております。  次に、眺望に優れた施設についてですが、現在の場所は、自然環境が豊かで、40年以上にわたり多くの市民に親しまれてきた場所でもあり、金峰山登山やウォークラリーコースなど野外活動に適した条件を備えております。別の場所での再建の場合、土地の購入に係る経費やインフラの整備費等がかさむことが想定されることから、現地での建て替えを基本としつつ、地元の意見も伺いながら検討してまいります。  最後に、再建に向けた今後のスケジュールについてですが、今年度は、基本計画の策定と解体設計を行う予定となっております。再建までの具体的なスケジュールは、この基本計画の中で定めることとしており、新型コロナウイルス感染症によって今後の進捗に影響が出ないように取り組んでまいります。          〔9番 平江透議員 登壇〕 ◆平江透 議員  今、施設機能のさらなる充実、眺望に優れた施設の2点につきまして御提案させていただきましたが、これらは私の下へ寄せられた地域の声をお伝えしたものでございます。  本市の将来を担う子供たちがおおらかに伸び伸びと野外学習ができる環境は、大人になってもすばらしい思い出となって心に残っていくものと思われます。山麓のミカン畑と有明海に面したノリひびと夕日、雲仙普賢岳など広大な景色を一望できる立地は、県内でも限られております。このような条件を活かした施設は、本市の財産として寄与いたしますので、今後とも、地元の御意見を伺いながら、再建に向けた検討を進めていただきたいと思います。  最後に、新たな武道館の建設についてお尋ねいたします。  熊本武道館は、本市はもとより、県内の武道普及の振興と技術の向上を図ることを目的に、熊本市・熊本県共同の管理運営施設として設置され、昭和46年の開館から48年を迎え、現在に至っております。  所在地は、熊本市中央区の水前寺運動公園内にございます。熊本武道館の土地所有者は熊本市、建物所有者は熊本県となっております。また、管理運営については、昭和46年9月に熊本市と熊本県により武道館設置等に関する覚書を締結してあります。  建設費は、熊本市が2分の1、県が2分の1、管理運営費は当初熊本市が2分の1、県が2分の1でしたが、昭和47年12月に熊本市が3分の1、県が3分の2へ変更されました。総工費は1億7,240万円、敷地面積は3,760平米、単位を変えますと1,139坪、3反やせでございます。建物面積は1,709平米、延べ床面積は3,153平米、構造は4階建ての鉄筋コンクリート造りとなっております。  建屋は、1階に剣道場、3階に柔道場があり、2階と4階に観覧席があります。剣道場、柔道場が各3面、公式には2面しか取れません。第1・第2小道場、会議室、宿泊室などが設置されております。駐車場は72台となっております。管理形態は、指定管理者制度となっております。  施設の利用状況については、平成28年の熊本地震により一時利用者数が減少しておりましたものの、復旧工事が終了し、現在は回復しており、新型コロナウイルス感染拡大までの利用率は、剣道場、柔道場共に90%を超えていると聞いております。また、剣道、柔道以外の武道利用や会議室、研修室も安定的に利用されているとのことです。  大会の利用については、熊本市内の柔道少年大会、実業団の県大会及び柔道選手権大会の県予選などに利用されております。私も、熊本武道館が建設された翌年の昭和47年から柔道を始め、白帯から黒帯を目指していた頃、また初段から二段に昇段を目指していた当時から、現在は、少年柔道の指導者として子供を引率したり、熊本市柔道協会の理事として大会の準備や、大会の審判として長年にわたり武道館へ足を運んでいますが、もう古くて昭和の時代そのものの建物でございます。3階の柔道場では雨漏りも見受けられます。  加えて、大会当日は駐車場72台のうち、約半数は役員、審判員、監督のため確保され、出場する選手や家族及び応援者は駐車できずに、苦慮されているのが毎回の状況です。  少年柔道大会を例に述べますと、熊本市大会は、駐車場に苦慮しながらでも開催できますが、県域の大会や九州大会の開催は不可能でございます。3月に開催されます山下泰裕記念熊本県少年柔道大会、4月に開催されます熊本県小学生学年別柔道大会、12月に開催されます県下少年柔道錬成大会(別名学童オリンピック)などは、参加選手が700名から900名にもなり、熊本武道館では到底開催することができません。  よって、山鹿市総合体育館や八代市総合体育館を利用しているのが現状でございます。九州大会以上の大規模大会においてはなおさらで、マルちゃん杯九州少年柔道大会などは、熊本県内での開催すらできない状況でございます。  それでは、現在の熊本武道館の建て替えができるかという件につきましては、立地している水前寺運動公園は、都市公園法及び熊本市都市公園条例で建築可能な施設の面積などが規定されております。また、同運動公園内は都市計画法における第二種中高層住居専用地域に指定されており、用途の制限等があるため、建て替えや大規模な改修において考慮すべき事項があるとのことです。
     それで、私は、現在の熊本武道館とは別に、新しい武道館の建設が必要ではないかと考えます。  まず、剣道、柔道の九州大会が開催できる公式各4面以上の試合場と多くの応援者を収容できる観客席や駐車場を有する建屋と敷地、2点目は、アクセスや渋滞緩和対策となる公共交通機関の利便性の高い場所への立地、以上を踏まえ、市民・県民から求められる交流拠点施設として整備を進めていく必要があると考えます。  武道館の今後の在り方について、本市としてもしっかり検討を進めていただきたいということをお伝えするとともに、本市の考えと現在の取組の状況を市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  熊本武道館の今後の在り方につきましては、平成27年1月に開催されました熊本県熊本市政策連携会議におきまして、知事との間で藤崎台県営野球場と併せ、事務レベルでの課題整理を行うことを合意いたしまして、平成27年8月に熊本県・熊本市のスポーツ施設のあり方検討会議を設置し、事務レベルでの検討を続けております。  これまで、8回にわたり老朽化への対応や県民・市民から求められております施設の機能及び新施設建設などについて、現状と課題の整理を行い、協議を重ねてきております。現在、事務レベルで調整がなされておりまして、今後は、熊本県知事、熊本市長、また県議会、市議会のそれぞれの議長で構成されます熊本県・熊本市調整会議におきまして議論を深めてまいりたいと考えております。          〔9番 平江透議員 登壇〕 ◆平江透 議員  新たな武道館の必要性については質問の中で述べさせていただきましたが、九州大会以上の大規模大会を実施するには、現在の熊本武道館では不可能なため、福岡、鹿児島、宮崎へ大会が流れていっております。  私がイメージしております新たな武道館は、宮崎県武道館(別名ひなた武道館)、これもその一つでございます。広い駐車場を有し、読売巨人軍がキャンプをする野球場も隣接しております。駐車場は共有にして、武道の大会、野球の大会が行われるときなど、日程が重ならない限り、駐車場をフルに使用するというものです。  今年1月14日、自由民主党熊本市議団から大西市長へ、令和2年度政策及び予算に関する要望大綱を手渡しいたしました。その中で、武道場、野球場や相撲場をはじめとした公営スポーツ施設の整備として、次のような記載があります。議会に武道・スポーツ議員連盟もできたが、公営の武道場、野球場、相撲場を建設し、活用することで、市民の健全な心身の向上を図り、武道・スポーツ文化の中心地としての地位を復活させ、本市の活性化につなげることと記載があります。我が会派の満永寿博議員が武道・スポーツ議員連盟の会長に就かれ、私はその事務局長を仰せつかりました。  また、一昨年から南区川尻町は、まちおこしとして、川尻出身の柔道家、木村政彦氏の生誕100年のイベントを実施しておられます。木村の前に木村なし、木村の後に木村なしと言われた柔道家です。その柔道の鬼であり神様が眠るまち、川尻です。その川尻にあるJR川尻駅の西側に、武道場、野球場や相撲場を建設してはいかがかと考えます。  高校野球などは試合が終わったチームや応援団はすぐに退場しないと、次のチームや応援団は入場できません。また、野球場の外も人でごった返しとなります。そこで、自転車や自動車が駐車できる十分なスペースはもちろんですが、公共交通機関を利用して、人の回転をよくすることや渋滞を緩和することも重要でございます。川尻町は、JR川尻駅があります。ぜひとも、本市と県と連携を図りながら議論を深めていただきますことを最後に市長に要望いたします。  以上で準備しました質問全て終了いたしました。  大西市長、遠藤教育長及び各担当局長には真摯な御答弁をいただき、ありがとうございました。  また、冒頭申し上げましたけれども、本日このような機会を与えていただきました先輩議員、同僚議員に心より感謝を申し上げます。  最後に、御多用の中、また足元の悪い中、そして新型コロナウイルス感染が終息していない中にもかかわらず傍聴に来ていただきました傍聴席の皆様方、そしてインターネットを通して御覧いただきました皆様方へ深く感謝を申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。  誠にありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  6月13日、14日の両日は、休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○紫垣正仁 議長  御異議なしと認めます。  よって、6月13日、14日の両日は休会することに決定いたしました。  次会は6月15日(月曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時32分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和2年6月12日 出席議員 47名       1番   紫 垣 正 仁        2番   上 田 芳 裕       3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉       5番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   平 江   透       10番   荒 川 慎太郎      11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   原 口 亮 志      29番   田 中 敦 朗       31番   寺 本 義 勝      32番   原     亨       33番   大 石 浩 文      34番   村 上   博       35番   那 須   円      36番   園 川 良 二       37番   澤 田 昌 作      38番   田 尻 善 裕       39番   満 永 寿 博      40番   田 中 誠 一       41番   津 田 征士郎      43番   藤 山 英 美       44番   落 水 清 弘      45番   倉 重   徹       46番   三 島 良 之      47番   坂 田 誠 二       48番   白河部 貞 志      49番   上 野 美恵子 欠席議員  1名      30番   小佐井 賀瑞宜 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光   副市長      中 村   賢    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     深 水 政 彦    財政局長     田 中 陽 礼   文化市民局長   井 上   学    健康福祉局長   石 櫃 仁 美   経済観光局長   田 上 聖 子    農水局長     西 嶋 英 樹   教育長      遠 藤 洋 路 職務のため出席した事務局職員   事務局長     富 永 健 之    事務局次長    和 田   仁   議事課長     池 福 史 弘    調査課長     下錦田 英 夫...