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  1. 熊本市議会 2010-03-10
    平成22年第 1回定例会−03月10日-05号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成22年第 1回定例会−03月10日-05号平成22年第 1回定例会   平成22年3月10日(水曜) ┌──────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第5号                          │ │ 平成22年3月10日(水曜)午前10時開議                │ │ 第  1 質問                              │ └──────────────────────────────────────┘                              午前10時01分 開議 ○坂田誠二 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○坂田誠二 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。益田牧子議員。          〔47番 益田牧子議員 登壇 拍手〕 ◆益田牧子 議員  おはようございます。日本共産党益田牧子です。久しぶりの質問となりますので、時間をみっちり使って行います。どうぞよろしくお願いいたします。  私は、先日、大澤豊監督の「いのちの山河」という映画を見ました。岩手県沢内村の深澤晟雄村長と役場職員、村民が力を合わせて宿命とあきらめていた豪雪・多病多死・貧困の3悪に村民総ぐるみで闘い、見事に克服した実話をもとにした映画でした。深澤村長は、人間は皆平等で人間の命に格差があってはならないと生命行政を貫き、1961年、全国の自治体で初めて60歳以上の村民と乳児の医療を無料にし、翌年全国最悪の乳幼児死亡率だった村が、全国で初めての乳幼児死亡率ゼロの偉業を達成いたします。村民との対話を重ね、自信と誇りの明るい笑顔の村へと蘇った沢内村の取り組みに感動いたしました。幸山市長にもぜひ見ていただきたかった映画でした。  大澤豊監督は、制作の思いを次のように語っておられます。「少子高齢化が叫ばれている現在、産科や小児科、救急医療などが医師不足や財政赤字などによる地域医療の崩壊として急速に進行している。加えて後期高齢者医療制度への怒りと不満、さらには労働法制の規制緩和がもたらした非正規労働者の拡大と派遣切りなどの失業問題が、さらなる貧困と格差社会の広がりを生み出している。こうした社会的弱者や国民の現状の中で、まさに時を得た作品として迎え入れていただけるものと自負している。」と。沢内村が掲げました「健やかに生まれ、健やかに育ち、健やかに老いることを目標に、だれでもどんな貧乏人でも、いつでも24時間365日、生涯にわたって学術の進歩に即応する最新・最高の包括医療サービスと文化的な健康生活の保障を享受する」この理念は、今日の熊本市政にとっても大きな目標だと思います。  深澤村長の言葉が胸に響きます。「人命の格差は絶対に許せない。生命健康に関する限り、国家ないし自治体は格差なく平等に、全住民に対し責任を持つべきである。」、「政治の中心が生命の尊厳・尊重にあることを再認識し、生命尊重のためにこそ、経済開発も社会開発も必要なんだという政治原則を再確認すべきであります。」。私は熊本市政へのメッセージとして受けとめました。沢内村の実践に学び、私の保健婦・政治家としての原点でもあります生命尊重の立場から、熊本市における平和行政、国保問題、福祉、政令市、まちづくり等について通告を一部変更して質問を行います。  初めに、核兵器廃絶の課題についてお尋ねいたします。  広島・長崎市長から昨年の暮れ、幸山市長に対して平和市長会議への加盟のお願いが届き、平和都市宣言をし、東アジアの国々との友好を広げようとしている熊本市も、本年3月1日に加盟されたと聞きました。この会議は、広島市長が第2回国連軍縮特別総会で「世界の都市が国境を超えて連帯し、ともに核兵器廃絶の道を切り開こう。」と呼びかけて始まり、世界135カ国・地域の3,680都市が加盟しています。日本国内では612自治体、県下では10市10町村に広がっています。加盟後の活動として、2020年までの核兵器廃絶の道筋を示すヒロシマ・ナガサキ議定書に賛同する自治体首長による署名活動への参加や4年に1回の総会への参加、自治体の平和に向けた活動のさらなる推進と近隣自治体や姉妹都市への平和市長会議への加盟支援、海外への平和関連会議への参加と核兵器廃絶に向けた国際世論の喚起と協力などが呼びかけられています。
     折しも、本年5月の核不拡散条約NPT検討会議に向けて、核保有国を初めすべての国の政府が速やかに核兵器禁止・廃絶条約の交渉を開始し、締結するよう呼びかける署名活動が世界の国々で進められ、5月に開かれるNPT再検討会議に提出されます。県下の自治体でもこのアピール署名への取り組みが広がっており、人吉市長、八代市長、天草市長、宇土市長、合志市長、宇城市長、水俣市長など核兵器廃絶署名をみずから行い、職員の皆さんにも勧め、自治体として署名に取り組んでおられます。12月の議会では上野美恵子議員が幸山市長に対して署名の賛同をお願いしたところ、検討中とのことでした。熊本市におきましても平和市長会議加盟を機に、ぜひとも幸山市長にも署名に御賛同いただき、職員、市民への呼びかけを行っていただけないでしょうか。幸山市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  核兵器廃絶につきましてのお尋ねにお答えさせていただきます。  本市におきましては、これまで平成7年に平和都市宣言を行っておりまして、その後、ヒロシマ原爆展の開催や平和教育の推進などたゆまぬ取り組みを展開してきたところであります。昨今の情勢を見ますと、昨年4月のオバマ大統領のプラハでの核のない世界に関する演説、また昨年10月には世界で唯一の被爆都市広島・長崎が平和の祭典として2020年のオリンピック招致を表明されますなど、国内外ともに核廃絶への機運が盛り上がってきている状況にあると認識いたしております。  加えまして、平成19年7月に全国市長会におきまして、平和市長会議取り組みを支持する決議もなされているところであります。このような中で、先ほども御紹介がございましたが、昨年12月28日付で広島・長崎両市長連名によります2020年広島・長崎オリンピックへの賛同と平和市長会議への加盟のお願いが届いたところであります。  私といたしましては、日ごろから核兵器廃絶や世界平和を強く願っているところでもありまして、このたび平和市長会議へ加盟する機が熟したと判断し、去る3月1日に平和市長会議に正式に加盟させていただいたところであります。  議員お尋ねの署名の取り組みに賛同するかどうかということにつきましては、今後とも国内外の情勢に注視しながら、引き続き検討させていただきたいと考えております。しかしながら、今後とも核兵器の廃絶に向けまして、国際社会の一員として積極的に取り組んでまいりたいと考えております。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  正式の加盟は私も歓迎いたしますけれども、幸山市長の答弁、もっと勇気を持って先頭になって署名活動にも取り組んでいただきたいと思います。昨日は外務省の日米核密約問題で有識者委員会の報告書が発表されました。核持ち込みの討論記録を認めながら日米核密約を否定しています。歴史の偽造は許されず、鳩山政権は核密約をきっぱり認め、非核三原則の厳格な実施、非核の日本に進む実効ある措置をとることが求められています。熊本市としても、被爆者の皆さんの自分たちを最後の被爆者にしてほしい、核兵器廃絶の願いを受けとめて、友好都市を初め世界の国々とも連帯し、平和行政を進めていただきたいと思います。  それでは、国保問題に関連してお尋ねいたします。  熊本市は、政令指定都市ビジョン骨子の中で、特性として熊本城や地下水などの資源とともに、政令指定都市に比べ医師数及び救急隊専任数の充実も見られることから、安心・安全で暮らしやすい都市と述べています。「政令指定都市になった場合に、どのような都市の姿を期待しますか」、このような住民アンケート結果の第1位は、子育てや保健・福祉・医療などが充実した安心して暮らせる都市が55%で第1位でした。私はこうした市民の皆さんの願いを受けとめ、福祉医療の充実を阻んでいる熊本市の国保問題について重視いたしております。  初めに、幸山市長に現在の国民健康保険の現状認識についてお尋ねいたします。  私たちは、これまでも相談活動の中で出会った具体的な事例を示し、無保険状態の解消を訴え続けてまいりました。私が経験しただけでも保険証がないため病院にかかることができずに肺がんの手遅れで亡くなった方がお2人、46歳の自営業の方は2年間保険証がもらえず、高血圧の治療ができずに脳卒中を起こして救急車で運ばれましたが、5日後にお亡くなりになりました。59歳の男性も大腸がんが進行して、腸が破れて救急車で運ばれ緊急手術を行いました。資格証明書が発行され、糖尿病のインシュリン治療を自費では続けることができず、合併症が進み失明状態となった方もいらっしゃいます。また息苦しくなって病院に来られましたときには、糖尿病の合併症の腎不全が進んで肺に水がたまっている状態で、すぐに人工透析になりました。  このようなことは全国保険医団体連合会の調査でも明らかです。国保資格証明書を交付された被保険者の受診率調査結果をまとめておられます。全国45都道府県の国保連合会の調査をした結果、資格証による受診率は一般被保険者の平均53分の1であり、必要な療養が著しく抑制されていることが判明しています。他の県の調査では100分の1と深刻な結果も示されております。お金の切れ目がまさに命の切れ目になっています。  さきに紹介いたしました沢内村におきましては、医者にかかるのは死亡診断書を書いてもらう時だけ、こんな時代がありました。医学が進歩、発展した現代において、医者にかかるのが救急車で重症化したときや亡くなる寸前。お金のあるなしで命の格差があっていいのでしょうか。幸山市長はこうした現実をどのようにお考えでしょうか、胸が痛みませんか。私どもが知り得た無保険状態の方の重症化による救急車での入院、緊急手術などは氷山の一角ではないかと思います。市民病院おける無保険による受診者数医療費相談を受けた方の実態や救急車による搬送者の緊急手術や入院などの事例はなかったのか、医療の現場から市民病院長に御報告いただきたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、私から国保問題の現状認識につきまして、お答えさせていただきます。  まず、改めまして国民健康保険制度でございますけれども、国民皆保険制度の根幹をなし、加入者の相互扶助の精神によりまして成り立っている制度でございます。本市の国保状況におきましては、御案内のとおり、平成20年度決算におきまして約80億円の累積赤字を抱え、大変厳しい状況にございます。このようなことから収納率の向上、医療費の適正化、一般会計からの繰り入れの増加など、その健全化に向けて取り組みを強化しているところでもございます。そのような中で資格証明書短期保険証につきましては、国民健康保険法などによりまして、保険料未納の状況等に応じ発行させていただいているところでございます。  先ほど議員から、命に格差があってはならないというお話があったところでございますが、先ほど申し上げましたような対象者の方々が必要な医療を受けられないことがないように、納付相談等を通じまして状況の把握に努め、きめ細やかな対応を行っていかなければならないと考えております。          〔馬場憲一郎病院事業管理者 登壇〕 ◎馬場憲一郎 病院事業管理者  私からは、市民病院におきます無保険者の受診者数並びに入院患者のうち医療費の相談を行った無保険者の数についてお答え申し上げます。  市民病院におきます無保険の受診者数は3カ年平均で年約150件程度であります。一方、入院患者のうち地域連携室医療費相談を受けられた事例は50件前後であり、そのうち無保険者の方は3割程度となっております。  重症化します事例の中には経済的理由のほか、仕事あるいは育児等によって忙しくて受診おくれになったような方もいらっしゃいます。できるだけ早く受診していただきたいと思っております。私たち医師の立場としましては、目の前に患者さんがおられれば診療するということが基本であります。保険証のあるなしにかかわらず、必要な検査や治療を行ってまいります。  なお、市民病院の患者さんでいろいろお困りの方がおられる場合は、地域連携室のソーシャルワーカーが生活保護などを含めまして福祉制度の利用を初めとして、いろいろな相談に積極的に応じているところであります。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  市民病院では150件の無保険受診者がおられ、医療費の相談に乗っていただいているとのことです。中にはどうして早く受診しなかったのですかと医療人として残念に思われたケースもあったのではないかと思います。幸山市長は私の質問答えておられません。そもそも国民健康保険は相互扶助ではありません。間違っております。必要な医療を受けられるようにきめ細やかな対応を行っていれば、私が先ほど述べたようなケースはないはずです。地球よりも重いと言われる命を守るのが政治の一番の仕事だと幸山市長には肝に銘じていただきたいと思います。無保険の受診状況を医師会にもお願いし、全市的な調査を要望いたします。  次に、資格証明書発行中止短期保険証の未更新による無保険状態の解消について幸山市長にお尋ねいたします。  全国保険医協会は、全国の状況を踏まえまして滞納対策と国保加入者の療養を確保することは別個の問題として扱い、国民健康保険証を返還させて資格証明書を交付する措置は直ちにやめるべきですと提案しております。私も受診抑制につながる資格証明書は百害あって一利なし、中止するべきだと思います。  幸山市長は、昨年12月の上野美恵子議員の質問に答えて、短期証については来訪の機会をふやすことにより、本人の事情、生活実態を踏まえた相談を行い、納付を促進するための制度であり、未更新の世帯については、文書や電話、訪問などさまざまな手段による働きかけを行い、早期の交付に努めている。本年度は新型インフルエンザの流行を踏まえて、例年より早く11月初旬に未更新の8,635世帯に短期証を交付したと答弁されました。この短期証は、わずか2カ月有効の保険証です。もう1月には期限が切れております。  厚労省は昨年12月16日、短期保険証の交付に際しての留意点についての通達を出しています。そこでは「短期保険証の交付の趣旨は、市町村と滞納世帯との接触の機会を設けることにあるから、世帯主が市町村の窓口に来ないことにより一定期間これを窓口で留保することはやむを得ないが、留保期間が長期間に及ぶことは望ましくない。短期保険証を世帯主が取りに来ない場合は、電話相談や家庭訪問などによる接触を試み、速やかに手元に届けること。」と述べておられます。この一定期間とは1カ月と解されています。つまり1カ月以上の無保険状態は許されないということです。滞納者に対する短期保険証資格証明書の発行割合が制裁率として示されておりますが、熊本市は何と全国の中核市ではワースト3位、短期証はワースト1位です。命に対して冷たい自治体ということになりはしませんか。  先日の後期高齢者医療広域連合議会で幸山市長は、75歳以上の高齢者に対しては、無保険状態をつくらないために郵送したことを明らかにされました。早期の交付に努めると答弁していただいております。通達でいう早期とは1カ月以内のことです。  無保険を生み出す原因となっているのが2001年、平成13年、厚労省から出向した局長のもとで、通常の保険証の発行基準を収納率50%以上から70%以上へと厳しくしたことです。収納率の向上を目的に2万件を超える短期保険証が発行され、9年間経過しましたが、収納率は九州の中核市では最低、改善されてはおりません。  そこで幸山市長にお尋ねいたします。1カ月以上も短期保険証が届けられていない世帯は現在どのくらいあるのでしょうか。国保加入者も生身の人間です。1カ月以上留め置かれている世帯には郵送すべきではありませんか。3カ月、6カ月の短期保険証の機械的な発行基準の見直しとあわせてお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  資格証明書発行中止についてと短期保険証の未更新による無保険状態の解消についてお尋ねがございましたので、それぞれお答えさせていただきたいと存じます。  まずは資格証明書発行中止についてでございますが、この資格証明書の発行は、本市といたしましては独自の基準を設けさせていただきまして、できるだけ柔軟な運用を行っているというものでございます。また短期保険証につきましては、来訪の機会をふやすことによりまして、本人の事情、生活実態を踏まえた相談を行い、納付を推進する制度でございます。  お尋ねの未更新の世帯でございますけれども、2月末現在におきまして4,898世帯でございます。この対象世帯に対しましては、生活実態の把握に努めますために文書や電話、または職員等の訪問などさまざまな手段によりまして働きかけを行い、早期交付に努めているところでございます。  短期保険証発行基準でございますが、今後見直しも必要ではないかと考えているところであります。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  資格証については独自の基準で柔軟に対応しているとおっしゃいますけれども、直接会って本当に悪質かどうか確認することが必要ですよ。また早期に交付をするとおっしゃいますが、3カ月も約5,000世帯分の保険証が市役所に留め置かれ、渡されていない。保険証は命の絆です。先日広島市に国保やごみ問題の視察でお伺いいたしました。秋葉市長の決断で2008年度から資格証明書の発行はゼロ件となっております。悪質の方はいらっしゃらないのです。短期保険証も窓口での短期保険証の1カ月以上の留め置きはしないとの厚労省の通達どおりのことが実行されておりました。  国民健康保険法施行規則の第6条では、保険者は世帯主に対して被保険者証または被保険者資格証明書のいずれかを交付しなければならないと自治体の保険証交付の義務を定めております。保険証を窓口に留め置きながら市民には保険料を支払う義務があるのです。無保険状態に置かれて、市への義務を果たすというのは余りにもひどいことではないでしょうか。保険証の発行は自治体の義務です。国民皆保険のかなめ中のかなめではないでしょうか。なぜ早急に、3カ月以上も留め置かれております約5,000世帯に保険証を郵送し、無保険状態をなくしますと明言していただけないのでしょうか。再度幸山市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  無保険状態の解消につきましての再度のお尋ねでございますけれども、先ほども答弁いたしたところでありますが、資格証明書の交付あるいは短期保険証の交付に際しましては、法令や国の通知に基づきまして実施させていただいているところでございます。例えば平成21年12月16日付で厚生労働省保険局国民健康保険課長の方から、短期被保険証の交付に際しての留意点について文書がございます。その中で短期被保険証の交付に係る一般的な留意点という中におきまして、一定期間窓口で留保することはやむを得ないが、留保が長期間に及ぶことは望ましくないといった記述が確かにございます。先ほど1カ月というお話がございましたけれども、私どもといたしましては、長期間に及ぶことがないようにそうした対応というものは心がけなければならないと考えております。更新時における短期保険証の留保が長期に及ばないように、電話や訪問によりきめ細かな対応に心がけまして、できるだけ速やかに手元に届けるように努めてまいる所存であります。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  今、幸山市長に厚労省の通達をお示しいただきました。長期に窓口に留め置くのは望ましくないということは、長期はこれまでは1年であったり2年であったりしたわけですよ。わざわざこういう通達が出されたという意味をどう感じていらっしゃるんでしょうか。先ほどのように本当に助かる命が助からないということがある。その背景には無保険状態があるというのはお医者さんの団体でも指摘しているし、厚労省も認めているからこういう通達を出したんではないですか。もう一度お尋ねいたします。今おっしゃるようなことは、熊本市においては命を金で買いなさいというのと同じなんですよ。国民健康保険は憲法第25条に基づく社会保障の制度です。直ちに3月いっぱいに保険証を届けることをお約束いただけないでしょうか。再度お尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  先ほども申し上げたとおりでございますけれども、これまで以上にきめ細かな対応に心がけまして、できるだけ速やかにお手元に届けるように努力してまいりたいと考えております。  なお、資格証明書の被交付者が医療を受ける必要が生じ、かつ医療機関に対する医療費の一時払いが困難である旨の申し出がありました場合は、国の被保険者資格証明書の交付に際しての留意点についてに基づきまして、緊急的な対応として医療機関等とも連携し、短期保険証を交付するといたしております。また短期保険証の未更新者が緊急に医療を受ける必要が生じましたときには、本人の申し出または医療機関等からの連絡によりまして速やかに短期保険証を交付するといたしております。  いずれにいたしましても、今後医療機関等との連携も密にさせていただきまして、適正かつ迅速な対応に心がけていきたいと考えておりますし、無保険状態の解消に向けましても努力を重ねてまいりたいと考えております。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  速やかに届けることをぜひとも実施していただきたいと思います。冒頭に述べましたように、医療機関が充実していることは熊本市の魅力の一つです。医療環境に恵まれておりましても、保険証がなくては受診することができません。国の通達の背景には多くの命を失った犠牲者の願いが込められております。お金の切れ目を命の切れ目にしてはならない。無保険の一刻も早い解消を強く求めます。  続きまして、熊本市の高い保険料の引き下げについてお尋ねいたします。  国保加入者の所得状況で一番多いのは、所得のないもので約3割を占めます。生活保護基準に等しい150万円以下が実に7割にのぼります。加入者も自営業者は約1割に過ぎず、昨今の失業などの影響もありまして給与所得者が約3割、65歳以上が約3割と低所得者及び高齢者が多い構造的な問題を抱えております。このようなことから、国民健康保険法は第1条で、社会保障及び国民保健の向上に寄与するとうたっています。国保制度は保険料負担に耐えられない層の存在を前提にしており、保険料は低所得者でも払える程度の額であること、払えない世帯には軽減措置が所得の実態に即して適用される必要があります。  熊本市の国保加入者の所得と収納率を年次的にグラフにいたしました。このパネルをごらんください。所得は減少しています。一方、保険料は引き上げられています。これが所得、こちらが保険料です。幸山市長になられましてから、ここから保険料が上がっています。所得は減少している。保険料が引き上げられる。結果はどうなるでしょうか。払えない人がふえます。滞納世帯は約2割を占めています。  もう一つ表を準備いたしました。これは富合町と合併する城南町、植木町の所得200万円、夫婦子供4人家族の保険料です。この赤い部分が熊本市の保険料です。こちらから富合町、植木町、城南町、ここの部分です。熊本市の保険料は随分高いです。富合町では4万5,440円安く、植木町では2万8,400円安い。城南町では2万9,400円安くなっています。合併の大原則は、負担は本来ならば熊本市が低い方に行かなければならないわけです。負担は低い方へ、サービスは高い方へと言われていました。しかし、実態は違います。保険料は熊本市の高い保険料に向けて、毎年毎年5年間こちらに向けて値上げが繰り返されるわけです。本来ならば、負担は低い方へと熊本市の高い保険料の引き下げが筋ではないでしょうか。幸山市長は所得200万円の4人世帯で1回4万3,240円となる熊本市の国民健康保険料の負担をどのようにお感じでしょうか。もはや負担の限界に来ているとは思われませんか。幸山市長の率直な御感想をお聞かせください。  幸山市長は、国保財政健全化に向けてこれまでの計画を見直し、赤字解消に取り組むと答弁してこられました。確かに新年度の予算では約10億円の一般会計の繰り入れがふやされております。10年間では169億円の予定です。これで80億円を突破した累積赤字は解消できるのでしょうか。10カ年計画では、2011年度は国民健康保険料は一人当たり約9,900円、総額約10億円の引き上げが予定されております。実施されるのでしょうか。先ほどのこの熊本市の保険料がさらにこのように上積みされるということです。80億円を超える累積赤字の大半は、前市長の時代約3億7,000万円から約61億3,000万円へと16倍に膨れ上がった結果です。土地買収などの無駄遣いを進める一方で、国保会計の赤字解消のための一般会計繰入額が8,000万円から多くて3億円、年平均1億7,000万円と極端に少なかったためです。累積赤字は幸山市長のもとでも20億円ふえております。80億円、中核市でも断トツ、ワースト1位となっております。  広島市では累積赤字をつくらないために毎年赤字分は一般会計からの繰り入れをし、1年間で約80億円を繰り入れておられます。このような赤字補てんをしていたならば、80億円を超す累積赤字をつくらないで済みました。熊本市におきましても、1987年、昭和62年当時、田尻元市長の時代でした。市長は「安易な道で皆様方に御迷惑をかけるようなことは一切いたさないつもりです。」、このように議会で答弁され、累積赤字を解消するために5カ年で85億円の一般会計の繰り入れを実施されました。市民が悲鳴を上げているときにやるべきは国に対して国保会計への国庫負担率の増額を求めると同時に、市としては一般会計の繰り入れをさらに抜本的にふやし、累積赤字の解消と保険料の引き下げを行うべきではないでしょうか。  また、保険料や医療費の減免制度についても、今日の所得減少など社会経済状況にあわせた拡充が必要です。幸山市長の答弁をお願いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  国民健康保険に関する数点のお尋ねに対しまして、合わせてお答えさせていただきたいと存じます。  本市の一人当たりの保険料でございますけれども、先ほど詳しく御紹介もあったところでありますが、類似都市の中におきましては高位にあると認識いたしております。このために、保険料の減免対象の拡充を図りますとともに、手続の簡略化を図りますことで保険料の負担感の軽減を図りたいと考えております。  また、国の措置でありますが、平成22年4月1日から非自発的失業者に対する保険料の軽減措置といたしまして、失業からおおむね2年間は給与所得を7割減額して保険料を算定することになっております。これらの保険料の減免や医療機関の窓口での医療費の減免制度につきまして、多くの皆様方が活用できますように、周知を進めてまいりたいと考えております。  累積赤字の解消と保険料の引き下げについてでございますけれども、国保財政につきましては先ほども申し上げましたように、平成20年度末時点におきまして、約80億円という多額の累積赤字を抱えている現状にございまして、本年度以降も大変厳しい財政状況、国保財政の状況が続くものと見込まれております。このため、今後の動向を見据えました対策として、国民健康保険会計健全化計画の一部見直しを行ったところであります。具体的な内容としましては、保険料改定につきましては従来の計画どおりとし、保険料収納率の向上や医療費適正化に努力するということでございます。  さらに厳しい国保会計の状況を踏まえて、赤字解消のための一般会計繰入金につきましては、平成22年度から平成26年度の5年間におきまして、総額72億円と大幅に増額いたしまして、平成17年度から平成26年度までの10カ年におきましては169億円としたところであります。  また、保険料の引き下げについてでございますが、国保制度は医療給付費のおよそ半分を加入者の保険料で賄うという仕組みでございまして、現下の国保の財政状況を考えましたときに、一律の保険料の引き下げについては困難であると考えております。  いずれにいたしましても、国保制度につきましては、構造的に大変厳しい状況もございますので、国庫負担割合の引き上げなどにつきまして、これまでも全国市長会等を通じて要望を行ってきたところでありますが、今後も機会をとらえ働きかけを行ってまいりたいと考えております。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  減免制度につきましては、先ほど御紹介がありましたような国の制度の周知徹底、保険料減免制度の拡充とともに、丁寧な納付相談を引き続きお願いいたします。  先日、日本共産党の小池晃参議院議員が予算委員会におきまして、こうした地方の国民健康保険の問題を取り上げました。自治体の国保会計への国庫負担率を引き上げ、保険料の引き下げを求めたところです。鳩山首相は国保料の感想を聞かれて、「これは率直に申し上げて相当高いなという実感はございます。」と答えておられます。また、低所得者の保険料軽減を検討すると答弁がありました。先ほど幸山市長は高位にあるとはおっしゃいますけれども、負担感が問題です。国に対する国庫負担の引き上げを要望することは極めて大切だと思います。同時に、幸山市長には負担の限界を超えている熊本市の国民健康保険料の実態を御認識いただきまして、10カ年計画の中に込められて入っております2011年度の保険料の引き上げ、また3年後の値上げ、こうしたことは中止していただきまして、「市民負担の軽減に向け頑張ります」このように明言していただきたかったと思います。  次に、予防行政についてお尋ねいたします。  熊本市は健康都市宣言を行い、5カ所の保健センターの充実、基本健診、がん検診の無料化など、全国でも進んだ予防行政を進めてまいりました。ところが健康の自己責任、受益者負担論や財政健全化を理由に、近年、予防行政が大きく後退しております。幸山市政になってからも、特定健診の有料化、国保加入者の人間ドック助成の廃止、新年度からは健康増進にも寄与してきたあんま・鍼灸助成回数までが半減されようとしています。国保財政を健全化するためには予防行政を進め、早期発見をし、病気を早めに治療することが何より大切ではないでしょうか。  医療費適正化を目的に行われておりますCKD(慢性腎臓病)悪化防止啓発事業に関連してお尋ねいたします。  私は人工透析を受けておられる方から、体験を記したお手紙をいただきました。企業戦士として悪戦苦闘する中で、糖尿病と高血圧が悪化して腎不全となった。胸に水がたまり息苦しく、救急車で運ばれ人工透析を受けるようになった経過が詳しく書かれておりました。最後に「病気になりたくてなるものではありません。特に日本の厳しい環境状況からストレスも多くなり、体調不良により発病していくことも多くなるような気がします。発病しないように健康管理がまず第1ですが、悲しくも発病した場合には、社会保障の内容を患者や家族にいち早く情報を知らせ、何も知らないで絶望して人生を終える人がないように心からお願いします。」と述べておられます。体験者の貴重な声を踏まえてお尋ねいたします。  第1に、早期発見の大事な機会となる特定健診の無料化・充実についてお尋ねいたします。中核市20市中11市では、特定健診無料化を実施しています。九州の中核市で有料化しているのは熊本市だけです。城南町、植木町で既に実施している尿潜血を入れるなど健診項目の充実や無料化を実現し、早期発見・早期治療を進めるべきではないでしょうか。  第2は、体験者が述べておられますように、好きで病気になり人工透析になる人はおられません。自殺まで考えたという方も多いのです。CKD予防対策には体験者の貴重な意見を聞くことが大切だと思いますが、対策にどのように反映させられるのでしょうか。私の経験からも糖尿病インシュリン治療に対する公費負担の制度があれば、治療中断も少なくなり人工透析に至るケースも少なくなるのではないかと思います。今後の対策にぜひ反映していただきたいと思います。  第3は、女性の健康づくり、子宮がん・乳がん検診について健康福祉局長にお尋ねいたします。  さきに登壇されましたお2人の男性議員さんが、女性がん検診の推進、とりわけ子宮頸がん予防ワクチン接種助成を質問していただいたのに感激いたしました。きっと熊本市の対策は進むのではないかと思います。お話にもありましたように、熊本市の乳がん、子宮がんの標準化死亡比は全国より高くなっています。早期発見すれば医療費も安くつき、健康を取り戻すことができます。国並みの5年刻みの検診無料化でなく、熊本市独自にすべての対象者に受診票を送り無料検診を行っていただけないでしょうか。また2年ごとの検診のため、年度により奇数・偶数年齢と受診年齢が決められています。受診の機会を逃した場合は翌年度に検診を受けることができるよう改善できないでしょうか。  また、子宮頸がんワクチン接種助成は、先進30カ国では公費による接種が始まり、先日も御紹介がありましたように、日本でも魚沼市、志木市、明石市、杉並区などで小学生6年生から中学3年生を対象に公費助成が始まっています。私からも熊本市の実現を心から要望いたします。  次に、おくれております受動喫煙防止対策についてお尋ねいたします。  県下の公立小・中・高校の敷地内禁煙を実施している学校は18.4%と全国ワースト1位です。県下でも宇土市や天草市、水俣市、阿蘇市、多良木町では小・中学校・幼稚園での敷地内禁煙が取り組まれております。WHOは受動喫煙に安全なレベルはなく、分煙では受動喫煙を防止できないと法律による完全禁煙を勧告しています。  子供は大人の言うことは聞かないが、大人のまねはすると言われています。未成年の喫煙をゼロにするためにも、大人がまずその手本を示すことが先決ではないでしょうか。その意味でも学校施設などでは早急に敷地内禁煙とし、大人が喫煙する姿を子供に見せないことが大切ではないでしょうか。  熊本市においても、学校施設、保育園、動植物園を初めとする公共施設においては、施設内だけではなく敷地内禁煙の徹底が求められます。教育長及び関係局長に敷地内禁煙の実施についてお尋ねいたします。          〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕 ◎甲斐節夫 健康福祉局長  私からは、予防行政について4点の御質問にお答えいたします。  まず、特定健診の自己負担についてでございますが、国は一般世帯の方は健診単価の3割の約2,200円、非課税者は1割の約800円としておりますが、本市におきましては一般世帯の方は1,000円の低額にとどめ、特に所得の低い世帯の方に配慮いたしまして、非課税世帯は無料といたしております。また、健診項目につきましては、平成22年度から尿潜血を追加するなど、その充実を図ることといたしております。  次に、CKD(慢性腎臓病)予防対策についてでありますが、本市は人工透析を受けておられる方の割合が全国平均の1.4倍と多いため、人工透析を始められる方の数を減らすことなどを目的として、その原因の1つとなるCKD(慢性腎臓病)の総合的な予防対策に今年度から取り組んでおります。この対策へ体験者の意見を反映させたらどうかとの御提案でございますが、この事業のキックオフ会議として、昨年7月に開催いたしました熊本市CKD対策推進会議には患者団体にも参加いただいております。そのほかさまざまな機会に早期発見の重要性などの御意見をいただいております。今後とも体験者の貴重な御意見も踏まえ、CKD(慢性腎臓病)の予防対策に取り組んでまいります。  次に、女性の健康づくりについてでございますが、本年度から国の経済危機対策を活用いたしまして、特定年齢の女性を対象として乳がん検診・子宮がん検診を無料で実施いたしております。このがん検診事業を実施するに当たりましては、できるだけ多くの方に受診いただくためにクーポン券を配布いたしております。  なお、この事業は受診への動機付けとなることを目的として実施されており、対象を全年齢に広げることは想定されておりませんので、本市といたしましても同様に対応してまいりたいと存じます。  なお、従来から市が実施している乳がん検診、子宮がん検診の対象者は、国の指針に基づき2年に1回の受診とし、偶数年齢者としており、今後も同様の手法で対応してまいります。しかしながら、受診の機会を逃した方に対しましては、翌年に受診ができますよう今後検討してまいります。今後とも受診率向上に向けまして、市民の皆様への受診勧奨と受診しやすい体制づくりを進めてまいります。  最後に、本市施設における受動喫煙防止対策についてでございますが、平成15年7月に庁内受動喫煙防止対策会議を設置、同年12月には熊本市施設における受動喫煙防止対策指針を策定し、空間分煙を柱とした対策に取り組んでまいりました。このような中、厚生労働省から本年2月25日付で、「多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべき。少なくとも官公庁や医療施設においては全面禁煙とすることが望ましい。」との内容の通知が出されたところであります。健康増進の観点から受動喫煙防止対策は重要と認識しておりまして、現在の庁内受動喫煙防止対策会議を拡充し、その具体的な対応についての検討を行いたいと考えております。          〔小牧幸治教育長 登壇〕 ◎小牧幸治 教育長  私からは、教育施設におきます敷地内禁煙の実施についてのお尋ねにお答えいたします。          〔議長退席、副議長着席〕  学校における受動喫煙防止対策につきましては、平成16年3月に熊本市立学校におけるたばこ対策指針を策定いたしまして、同年9月から全校で建物内禁煙を実施いたしております。その中でも敷地内禁煙を実施している学校につきましては、現在、小学校10校、中学校3校ございます。  今年2月25日付、厚生労働省からの受動喫煙防止対策についての通知を受けまして、今後、さらに喫煙している教職員に対しまして、禁煙セミナーの実施などの禁煙サポートを行いますとともに、学校、保護者及び地域の方々等と連携いたしまして、学校におけます受動喫煙防止対策の具体的な対応につきまして検討してまいりたいと考えております。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  神奈川県では健康増進法第25条を具体化した受動喫煙防止条例が本年4月からスタートいたします。先日、市民病院の橋本先生が代表されております禁煙推進フォーラムの学習会で、神奈川県議会議員の方の講演を聞きました。吸わない人には吸わせない立場から、禁煙施設として学校、病院、劇場、映画館、観覧場、集会場、運動施設、公衆浴場、物品販売店、金融機関、公共交通機関、図書館、官公庁施設が挙げられております。健康都市宣言をしている熊本市においても特定健診、女性がん検診無料化実現や受動喫煙防止条例を制定して、健康増進と予防行政推進に向けて取り組まれることを心から切望いたします。  続きまして、男女共同参画社会の実現、女性の人権問題について、幸山市長及び市民生活局長にお尋ねいたします。  第1は、女性相談員の待遇改善についてです。この3月末、DV被害を受けるなど一番困難な女性たちが相談に訪れる福祉総合相談所や総合女性センターのベテラン女性相談員が、5年間の雇い止めの対象にされております。相談業務は、「生きているのは、ここに来ることができたからです。」と多くの方が言っておられますように、人の命にも直結している専門性と経験に裏付けられた豊かな人間性・力量が求められる仕事です。この分野では第一人者の女性ライフスタイル研究者の村本邦子さんは、こうした5年間での雇い止めについて、「1年契約の最大5年間というが、5年と言えば先輩に助けてもらいながら経験を積んで、ようやくこれから一人前に歩み始めるところである。5年以上の人がいなくなったら一体だれが困難な事例に対処し、後輩を育てていくのだろう。大変な中、体を張って被害女性たちを助けてきた相談員たちを思うと腹立たしく悔しい。今後も助けを必要とする女性たちのことを思うと、これからどうなっていくのだろう。相談員たちの仕事の困難さとそこでどんなすばらしい仕事を積み上げてきたかを知る者として、その専門性を訴えていかなければならない。」と述べておられます。  熊本市では相談件数も2,000件を突破するなど他市に比べて圧倒的に多く、内容も複雑で困難なケースが殺到しています。女性相談員は売春防止法成立から50年の歴史で裏打ちされた相談業務の中で培われ、DV防止法の中でも位置づけられました。脈々と先輩から受け継がれてきた婦人相談員のキャリアを生かし、女性たちや子供たちをサポートし、幾人もの自立を助ける援助、こうしたすばらしい仕事をしておられます。「社会の弱者への配慮こそ健全な子供を生み、健康な社会をつくると思います。市役所の助けはもちろん、多くの方たちに助けてもらいながら不可能と思える事柄も解決してきました。これも長年仕事を続けてきたからです。」、この経験者の言葉は胸を打ちます。設置要綱では、「市長は、特に必要があると認めるときには、相談員を再任することができる。」とあります。九州の県都でも長崎市、鹿児島市では年数制限はありません。仙台市においては家庭児童相談室が各区にあり、3ないし4名の家庭相談員が配置されております。人事課の非常勤職員任用等要綱による機械的な5年間での雇い止めを中止し、区役所ごとの複数の相談員配置に向け、今から増員、体制強化をしていくべきではないでしょうか。
     私どもは、幸山市長の女性秘書とのたび重なる宿泊を伴う視察随行問題に関して、全国の実態を調査し、「隗より初めよ」と秘書の随行視察の改善を求めてまいりました。市長の視察改善は図られたのでしょうか。2点、幸山市長にお尋ねいたします。  男女共同参画推進条例の担当者である原市民生活局長にもお尋ねいたします。  本年3月末で総合女性センターにおいても、2名の原則5年間の雇い止めが行われようとしています。熊本市男女共同参画基本計画では、DV相談体制の強化と被害者の自立支援がうたわれております。経験を積んだ職員をやめさせることは相談体制の強化に逆行するのではありませんか。ことしは第20回男女共同参画都市会議が熊本市で開催され、全国に向け男女共同参画を進めるアピールが発信されます。原局長は歴代2代目の女性局長として3月末で38年間の任務を全うして退職されます。女性職員として頑張ってこられました思いも込めて、このような女性相談員の待遇改善、雇用継続についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、お答えをさせていただきます。  まず、福祉総合相談室の女性相談員でございますが、本来、売春防止法に基づき設置されたものでありますが、その後、平成13年に制定されました配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV法への対応も必要となりましたことから、DVにかかわる相談や必要な指導もあわせて行っているところであります。  その体制につきましては、平成19年度までは相談員2名による週3日の隔日勤務でありましたものから、妊娠に関する悩み、相談への対応など社会的要請もありまして、現在は3名による週5日の全日勤務として充実を図ってきたところであります。  また、雇用の機会につきましては、原則5年の期限を設けておりますけれども、その年度の状況に応じて対応してきたところでもあります。新年度につきましては、新たな人材を活用するという観点からも公募を行ったところであります。業務に関しまして相談者への対応が引き続き的確に行われますよう相談員はもとより、相談室全体で十分な対応を図ってまいります。これまでの相談員の皆様方の御尽力に対しまして心から感謝をしつつ、今後政令指定都市への移行を見据えまして、女性の悩みなどに関する相談、指導機能の充実を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、出張につきましてのお尋ねでございますが、会議や国などへの陳情、要望などに加えまして、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業や政令市移行を控えます中、厳しい都市間競争を勝ち抜いてまいりますために、観光面や経済面におきましても九州はもとより関西以西、関東、そして東アジアなど本市の魅力を情報発信することが必要でございまして、企業誘致や熊本市の農産物をPRするなど積極的にトップセールスを進めているところであります。  出張の際の随行職員につきましては、訪問先や担当課との調整や詳細な打ち合わせ、また交通機関の時刻や乗り換えなどの日程管理、さらには当日の緊急的な連絡や相当量の手持ち資料を携行するなど業務は多岐にわたりますため、業務をより円滑に遂行するには秘書課職員の随行が効率的であると考えております。しかしながら、出張に際しましては、可能な限りさまざまな要件を1回の出張に集約いたしますなど、時間的な効率を高めますとともに、移動の際にはできるだけ公共交通機関を利用いたしますなど、今後とも可能な限り経費節減を図ってまいる所存であります。          〔原幸代子市民生活局長 登壇〕 ◎原幸代子 市民生活局長  私からは、総合女性センター相談員についてのお尋ねにお答えいたします。  総合女性センターでは、主に夫婦や家族の相談あるいは心と体の相談などを受ける一般相談と、弁護士や臨床心理士などによります専門相談を行っております。一般相談につきましては、女性の非常勤相談員5名による常時2名体制で対応しておりますし、また深刻なDV被害相談といった専門的な対応が必要なものにつきましては、専門相談につなげるなど適正な対応に努めているところでございます。  相談員は相談者の悩みに耳を傾け、その思いを受けとめた親身なアドバイスに努めるなどの職責を担っております。そこで雇用期間を見通した計画的な人材育成を基本といたしまして、毎月の具体的事例研修や専門的な研修会への参加など資質の向上に努めますとともに、経験の浅い相談員を経験を重ねた相談員がサポートすることで、相談機能の充実に努めております。  さらに、相談員を経験されました方々は、民生児童委員などの地域活動やNPO活動などさまざまな分野へと活動の場を広げておられます。女性が相談員として勤務する中で多くの経験を積み、知識を身につけた人材として、さらに地域などで活動する場を広げていくことも大変重要なことでございまして、そのようなことから数多くの人材の育成を図るという観点から、原則最長5年という期限を設けて対応しているところでございます。このことは男女共同参画の視点が地域社会の中で生かされることにもつながるととらえております。  今後とも総合女性センターにおける相談機能の充実を図りますことはもとより、女性の人材育成と活用を積極的に進めてまいりたいと存じます。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  幸山市長のトップセールスは結構なことだと私も思います。けれども、昨年3月議会で取り上げましたように、新潟市におきましては、市長、副市長の外出時における秘書課職員の随行を原則禁止ということにされております。もっと改善が必要ではないでしょうか。  女性相談員の問題について、幸山市長は新たな人材を活用するとおっしゃいました。頑張ってこられた当事者に対しまして、本当に私は失礼な発言だと思います。DV被害などで困っている女性をサポートする女性相談員をまるで物扱い、原則5年間の雇い止めは、私は本当に冷たい対応ではないかと思います。原局長が数多くの人材を育成するとおっしゃいましたけれども、本当に情けない答弁です。専門性を発揮して、そういう方が本来ならば職員として採用されるように頑張りたいというのが筋ではないでしょうか。女性たちのエンパワーメントをサポートする女性相談員の人権をもっと尊重しなければならないと思います。  女性相談員だけでなく、女性の職場、専門性が求められるところに、学校、図書司書、学童保育指導員など、こうした皆さんも5年間の雇い止めとなっております。待遇改善、雇用の安定を図るべきだと思います。同じ非常勤特別職の合併特例区協議会委員には月に1、2回の会議に18万7,500円、女性相談員の報酬は月11万から14万円、交通費は150円です。本当にひどいとは思われませんか。幸山市長の女性に冷たい対応に私は怒りでいっぱいです。再考を求め、福祉の問題で具体的に質問を行います。  熊本市のアンケート調査結果でも、出生率低下の原因として、経済的負担が大きいことや家庭と仕事の両立が困難なことが主な理由として挙げられております。そこで子供の医療費助成について幸山市長にお尋ねいたします。  日本医師会は昨年10月14日、新政権に対する提言の中で、患者一部負担割合は外来、入院ともに高いが、まずは早期発見・早期治療が必要であり、外来の引き下げを優先する。特に子育ての心配をなくし、少子化対策を支援するため義務教育終了までの外来医療費の無料化を提案されております。  最近、子育て中のお母さんたちから、「益城町の方がよい、引っ越したい。」こんな話を聞くようになりました。益城町では昨年12月議会に、子供の医療費無料化を中学3年生まで拡充する条例が提案され、可決、この4月から実施されます。昨年12月議会での上野議員の質問に幸山市長は、「さらなる充実を求める声が強いことをはだで感じており、できるだけ早く結論を出さなければならない。」とおっしゃいました。新年度予算を期待しておりました。やっと小学3年生まで入院代の医療費助成が実現し、一歩前進ですが、3歳以上の一部負担はそのまま残され、外来医療費助成は現行のまま就学前に据え置かれております。城南町、植木町は就学前までは完全無料化で一部負担はありません。県下においても就学前の医療費助成で自己負担があるのは荒尾市と熊本市だけ。菊池郡市においては小学6年生までの医療費無料化が実施されています。熊本市の水準は近隣ではまだまだ最低の状況です。  県下の自治体でも甲佐町、益城町のように約4分の1の自治体が中学3年生までの医療費無料化や一部助成に踏み出しておられます。熊本市においても中学3年生までの子供の医療費無料化に踏み出すときではないでしょうか。  第2に、保育問題に関してお尋ねいたします。「3つのゼロ」として私どもが提案している第3子保育料の無料化、保留・待機児童の解消、関連して保育料の減免制度の拡充、育児休業中の機械的な退園指導の改善について関係局長にお尋ねいたします。  第3に、母と子の絆を強める母乳育児の推進について幸山市長にお尋ねいたします。  市長は10万人を超す存続の声にも耳を貸さず、昨年12月の閉院式に参加し、熊本産院の約60年の歴史を閉じられました。私は、閉院式での熊本大学医学部の片淵教授が、「現在、お産難民やこうのとりのゆりかごなどの実態を見たとき、産院の原点を決して忘れてはならない。」との言葉が胸に響きました。幸山市長は「廃止ではない一体化。」、「産院の職員を保健福祉センターに配置し、全市的に広げる。」と繰り返しおっしゃってこられました。産院が大切にしてきた命は、スタッフが10年余りの努力の末に実現した母と子の絆を強める母乳育児でした。その取り組みが評価され、2002年ユニセフ・WHOの赤ちゃんにやさしい病院に認定されたのは御存じのとおりです。母乳育児は楽しい育児を進め、産後うつや児童虐待の防止、少子化対策にも大きな成果を上げています。ユニセフの事務局長も現代の科学は、母乳育児が赤ちゃんに人生の最善のスタートをすることを証明している。子供が人生の最善のスタートを切り、もって生まれた可能性を最大限に発揮する機会を保証するために、ユニセフは母乳育児に熱心である。」と述べておられます。  全市的に広げるために私は、山口県光市が行っているような「おっぱい都市宣言」を行い、母乳育児を推進するべきだと考えております。保健福祉センターや医療機関での産前産後の育児学級、赤ちゃん訪問などを通して、ユニセフ・WHOの母乳育児を成功させるための10カ条、すべての妊婦に母乳育児のよい点とその方法を知らせること、すべての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えることや産後の母子同室・頻回授乳などを徹底すれば、子育て支援にも大きな力を発揮することは間違いありません。幸山市長に、母乳育児推進を実効あるものにする「おっぱい都市宣言」についてお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、私から2点お答えさせていただきます。  まず、中学校3年生までの医療費無料化についてでございますが、子供の医療費助成でございますが、子育て家庭への経済的負担の軽減策といたしまして、また子供の健全な成長のために重要な施策であると認識いたしております。  本市におきましては、これまでも乳幼児医療費助成制度の拡充に取り組んできておりまして、平成16年度には対象年齢が医科3歳まで、歯科4歳まででありましたものを、入院につきまして医科・歯科とも就学前までに拡大いたしております。平成19年度には就学前までの入院・通院へと拡充してきております。  さらに、来年度におきましては、10月診療分からでありますけれども、小学校3年までの入院につきまして助成の対象とさせていただきたいと考えております。  中学校3年生までの拡大をとの御提案でございますが、まずは今回の拡大につきまして、市民の皆様や医療機関に対し十分に周知を行いますとともに、電算システムの改修など円滑な運用に取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、母乳育児の推進につきましてお答えさせていただきます。  母乳育児の推進につきましては、かねてより力を入れているところでございまして、保健福祉センターにおきまして両親学級や親子健康手帳の交付時に母乳育児の啓発、さらに保健師・助産師による母子訪問や育児相談の中で母乳に関する支援を実施してきたところであります。管内の民間産科医療機関及び助産師と赤ちゃんとお母さんの安心づくり地域連絡会を開催しておりまして、母乳育児の取り組みも含めました情報交換も実施しているところであります。  産院の一体化に伴いまして、これまでの取り組みを全市的に広げますために、市民病院におきましては産婦人科内に助産師外来を設置いたしております。24時間電話相談の充実、市民病院で出産されました乳児の家庭訪問などを通じまして、母乳育児の推進に取り組んでいるところであります。  なお、保健福祉センターにおきましては、産院の看護職員の配置によりまして、産院での臨床経験を生かして家庭訪問、電話相談、子育てサークル支援などの機会を活用いたしまして、母乳育児を推進してまいりたいと考えております。          〔木村正博子ども未来局長 登壇〕 ◎木村正博 子ども未来局長  私からは、保育問題について4点のお尋ねにお答えいたします。  まず1点目の第3子以降の保育料の無料化については、従来は3人同時に保育所に入所している場合のみを対象としておりましたが、平成19年度は兄姉が幼稚園や認定子ども園に在園している場合を、さらに平成20年度からは兄姉が児童デイサービス等の障がい児通所施設を利用している場合を、それぞれ保育料軽減の対象とするなど順次拡大してまいりましたが、これを無料化とする場合、約1億3,000万円の予算が必要となります。  なお、現在の保育料基準表につきまして、所得税額等により8階層に区分しておりますが、階層によりましては所得税額の幅が広いため、階層を細分化し負担の軽減を図ること。さらに合併による格差解消の必要性があることなども踏まえまして、総合的に検討すべき課題と考えております。  2つ目の保育料の減免につきましては、失業、罹災、大幅な収入の減少等をその対象としておりまして、納付相談による分納にも応じているところでございます。今後とも制度の周知を初め適正な運用に努めてまいります。  3点目の待機児童の解消につきましては、平成21年度事業によって本年4月には230名の定員増が実現し、さらに平成22年度の保育所整備計画の前倒し実施によって385名の定員増を見込んでいるところでございまして、これらによって相当数の待機児童の解消ができると考えております。  4点目の育児休業中の保育につきましては、平成21年度からそれまでの年長児に加えまして、年中児まで継続入所を拡大したところであります。今後の保育所整備による定員増と待機・保留児童の状況を見きわめて、対象年齢の拡大を検討したいと考えております。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  大事な産院を廃止しただけでなく、子供の医療費は県下最低クラス、第3子保育料の無料化も県下で実施していないのは熊本市だけ、これでは市民の子育て支援充実の願いにこたえ、日本一暮らしやすいまちを目指すとは言えません。国において子ども手当がスタートしますが、私どもは国の制度として、子供の医療費無料化や認可保育園をふやすことなど総合的な対策を求めております。熊本市においても中学卒業までの医療費無料化、保育所増設、待機児童や保留児童の解消、育児休業中の継続した保育など一日も早い実現を強く要望いたします。  学校現場からは、学校と家庭を結んでくれるスクールソーシャルワーカーの配置拡充が切望されております。充実をお願いいたします。  次に、障がい者・高齢者の福祉問題についてお尋ねいたします。  重度障がい者医療の現物給付の改善は、お体の不自由な方々にとって切実な要望です。私どものところにも重度障がいのお母さんの高額医療費の返還手続のために、娘さんが福岡から毎月毎月実家に帰ってきておられ、何とかならないかと要望が届けられております。宮崎県内のすべての自治体では、既に現物給付が実施しています。中核市41市では25市が現物給付を実施しておられます。熊本市はなぜ上限額2万1,000円以上の場合実施できないのでしょうか、問題はどこにあるのでしょうか。また70歳以上の前期高齢者の場合は、すべてが償還払いとなっています。いずれも障がいをお持ちの市民の立場で考えるならば、現物給付への改善が必要ではありませんか。  次に、要介護認定者へのおむつ給付の拡充についてお尋ねいたします。  九州の中核市で紙おむつ支給対象が要介護1から5までが大分市、宮崎市、鹿児島市の3市、要介護3から5が長崎市、要介護4ないし5は熊本市と久留米市だけです。植木町では要介護1から5だったのが、合併を前に要介護3から5となっております。熊本市並みとなれば、さらにサービス低下となります。熊本市の支給対象者は、高齢者では156人、障がい者126人に過ぎません。ごみ有料化を審議した環境水道委員会では無料配布の対象を要介護3から5、障がい者、身障1・2級、療育A、精神1級の紙おむつ利用者に広げたところ1,036人の申請者がありました。鹿児島市では65歳以上のおむつ使用者で住民税非課税世帯の在宅者3,214人に現物支給、入院のおむつ使用者1,576人には現金助成されるなど実態に合わせた支給となっております。熊本市においても要介護1から5までとし、障がい者についても利用実態にあわせ、改善するべきではないでしょうか、お尋ねいたします。          〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕 ◎甲斐節夫 健康福祉局長  2点の御質問にお答えいたします。  まず、重度心身障がい者医療費助成についてでございますが、現物支給と償還払いを併用いたしております。70歳未満で一医療機関への支払いが月額2万1,000円以上の方と70歳以上の方につきましては、高額療養費の合算対象となります。このような場合、現物支給を行いますと、本人が医療費を負担していないにもかかわらず各保険者からの高額療養費等の給付がなされる可能性もありますため償還払いとなります。  現物給付と高額療養費という二重の給付が行われた場合は、本人に返還を求める必要があること、また高額療養費の給付が行われていない場合には、各保険者へ請求を行うことが必要となります。これらを確実に行うためには、世帯の限度額の把握や本人分の高額療養費の額の確定が難しいなどの課題がございます。すべてを現物給付とすることは現在のところ困難でございますが、課題について先行都市の状況を踏まえ、引き続き研究してまいります。  次に、要介護認定者へのおむつ給付についてでございますが、本市では寝たきり高齢者の福祉衛生の向上と介護者の負担軽減を図るため、高齢者介護用品支給事業を実施しております。この事業は、要介護度4、5の高齢者を在宅で介護している市民税非課税世帯に対しまして月額6,250円を上限に、紙おむつや尿取りパットなどを現物支給しているものであります。支給対象者は本年12月現在で156人となっており、年々増加しております。  要介護4、5の方は日常生活の大部分で全面的な介護が必要となり、介護者はおむつ等を購入する時間もままならない状況でありますことから、直接家庭へ配送サービスを行うなど、この事業は経済面のみならず全体的な負担軽減を図るものでありまして、今後とも介護度の重い方を対象として支援してまいりたいと考えております。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  重度障がい者医療の現物給付は困難とのお答えがありました。紹介いたしましたように、既に実施している自治体も多く、解決すべき課題ははっきりとしています。やる気があるかどうかが問われております。困難な問題は解決するために存在するのではないでしょうか。早急なる実現に向けて御尽力をいただきたいと思います。鹿児島市5,000人です。熊本市100名少し、こんなに差があってよいのでしょうか。鹿児島市に御両親が住んでおられる方から、「鹿児島市では独居老人への給食サービスが1食300円、おむつが必要な人へは宅配サービスをしている。政令市になろうとしている熊本市がどうしてできないのでしょうか。」こんな声が寄せられております。日本一安心して暮らせる都市になるためには、きめ細やかな福祉施策の充実が求められているのではないかと思います。  ホームレス、生活保護行政については保健福祉委員会に譲りたいと思います。  ケースワーカー増員、これは緊急の課題です。新年度に向けた配置を強く要望いたします。  時間も押しておりますので、合併・政令市移行問題について質問を続けます。  市民の暮らしと密接な関係にある区割りについて幸山市長にお尋ねいたします。  区割り等審議会では人口10万人から15万人、植木区役所設置などを区割りの基準としたため、住民説明会では反対意見が続出いたしました。幸山市長の地元の北部総合支所の住民説明会では関心も高く、いすが足りないほど盛況で、時間延長で活発な論議が交わされたと聞いております。なぜ反対の方向に行かなければならないのか、最初から区役所を植木町にしているのは問題と、植木町役場を区役所とすることに反対の意見が続出したと聞いております。  実際、川上校区、西里校区、北部東校区自治協議会の連名で昨年12月11日、反対陳情が出されております。龍田市民センターの説明会では、武蔵コミセンの合併前の説明会では、「植木町に行くことはないでしょうね。」と質問したとき、「そんなことありません。」と答弁があったのに、5区案では植木町役場が区役所となっている。なぜうその説明をしたのか。清水市民センターの説明会でも、「合併前の説明会では区役所位置とか区割りは行政区画等審議会で決めるのだから植木町役場には決まっていない。」と説明を受けた。法定協議会で決まっているというのはだましているのと同じではないか。市役所は無責任だ。こんな怒りの声が上がったと聞いております。市役所が市民に対してうそをついていいのでしょうか。  そこで質問の第1は、幸山市長は熊本市・植木町合併協議会会長として、昨年4月20日、「区役所の位置は本協議会として植木町役場庁舎とする。」と提案されました。これがそもそもの間違いです。合併協議会の検討は、施設が立派であり敷地が広いことが評価されたに過ぎません。区役所の位置は行政区画の範囲とペアで、行政区画等審議会で市民の意見を聞きながら決めるのが本筋です。合併を有利に進める条件として、植木町役場を区役所にすると決めたことが審議会の本来のあり方をゆがめたとは思われませんか。  第2に、住民参加での論議がないまま、歴史、文化などまちづくりの観点を無視し、10万人から15万人の人口割りをしたことがこのような矛盾を起こしているのではありませんか。もう一度、そもそもの基準から見直しを審議会にお願いするべきではないかと思います。市民の大方の意見は、身近な市民センターや総合支所の機能拡充です。住民説明会では、「どうせ5区に決まっている。どうせ言っても同じ。」こんな意見かあちこちで出されています。住民説明会がガス抜きと言われないためにも、3区、4区の区割り案についても審議会での検討を求めるべきではありませんか。  第3に、区割りが中心市街地活性化に与える影響についてお考えをお聞かせください。現在でも中心部の通行量は減少しており、販売額も減少、空き店舗が目立っております。区役所の数をふやせば市役所本庁で働く職員が大幅に減少、さらに来庁者も少なくなります。合同庁舎の移転とあわせると約2,000人もの職員が中心部から減少する。こうなりますと飲食を初めとする消費や購買活動の減少は必然、中心商店街への影響は極めて大きいのではないでしょうか。また、副都心として位置づけ、再開発事業や区画整理事業が進められている熊本駅のある春日地区は拠点性を高めなければならないのに、西部市民センターが区の拠点となり、そちらに行かなければなりません。副都心との整合性に欠けるのではありませんか。  以上、幸山市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  合併・政令市移行問題につきまして3点お尋ねがございましたので、順次お答えさせていただきます。  まず、1点目の区役所の件でございますけれども、植木町との合併協議会におきましては、植木町からの強い要望もございまして、区役所の位置について協議項目の一つとなっておりましたが、このことは行政区画等審議会で審議されることを前提として協議を行ったものでございます。その結果といたしまして、区役所の位置を植木町役場庁舎とすることが合併協議会の中におきまして承認いただきましたので、その協議結果につきまして、第1回行政区画等審議会に報告させていただいたものでございます。  続きまして、区割り基準の見直しに関してでございますけれども、人口10万人から15万人の基準につきましては、既存政令市の1区当たりの平均人口が約15万人でありますことや行政効率と住民の利便性の双方を考慮して、行政区画等審議会において決定されたものと認識いたしております。  区割り案につきましては、住民説明会における意見等を踏まえ、行政区画等審議会におきまして委員の提案があれば5区案、6区案以外についても検討を行うと伺っているところであります。  3点目の区割りが中心市街地に与える影響についてでございますが、区役所の設置に伴いまして、本庁舎に勤務する職員やあるいは来訪者が減ることによります中心商店街での消費活動への影響ということでございますが、影響が全くないとは言えませんけれども、中心商店街利用者数の全体から見れば、その影響は少ないものと考えております。  区役所の位置は、既存施設の活用、用地確保の可能性、区内位置などを総合的に勘案して検討しているものでございます。熊本駅周辺地域につきましては、出会いと触れ合いの副都心といたしまして位置づけ、産業、観光、教育、文化などの情報発信と交流を行う場の形成を目指しているものでございまして、区役所の位置との関連性は特にないものと認識いたしております。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  幸山市長は、植木町役場を審議会に申し送ったとおっしゃいましたけれども、そのこと自体が審議会に対する越権行為そのものです。そこが問題なのです。市民サービスの向上は区役所の数では決まりません。おくれた重度障がい者医療の現物給付への改善、中学校までの医療費無料化など具体的な施策で決められるのではないかと思います。市民の意見を聞かないまま強引に区割りを進めれば、市政への信頼が損なわれ、今後のまちづくりにも大きな禍根を残します。審議会とも協力して3区、4区案も示し、市民に正確な情報を提供し、少なくとも小学校単位での住民説明会を開催して、拙速でなく住民の意見をよく聞き、区割り、区役所の位置は決められますように要望いたします。  次に、雇用・地域経済、まちづくりにつきましてお尋ねいたします。あと20分持ち時間があります。  熊本市の商業統計調査では、2002年と2007年のこの5年間で、商店数の減少が1,169店、マイナス12.7%、従業者数の減少は9,006人、マイナス12.7%、売上額の減少は2,758億円、マイナス10.8%となっております。この3年間に消費の低迷が進み、さらに減少しているのではないかと思われます。確かに熊本城の入場者は昨年200万人を突破、日本一を記録しましたが、その経済波及効果があらわれてはおりません。熊本駅前東A地区の再開発事業も発注は県外ゼネコン中心、市内建設業者の仕事確保にはつながっておりません。全国の経験からも、景気対策としてこれまで常識とされていた企業誘致や大型公共事業依存が通用しなくなったと言われております。地域の中で内需を拡大し、地域内での経済循環をつくり出すことが大切となっております。少ない資金で大きな経済波及効果をもたらすことが先進地の経験で証明されているのが住宅改修助成制度の実施です。  幸山市長にお尋ねいたします。この制度は全国19都道府県の83自治体で実施されております。山形県の庄内町では持ち家住宅建築祝い金事業として、地元業者に増改築を発注すると上限50万円の祝い金をもらえる制度としてスタートし、倉庫や店舗も対象としており、建築ブームが起きているそうです。秋田県でも新潟県、島根県に続いて3月から住宅リフォーム緊急支援事業が実施されます。住宅リフォーム工事費の10%を施工主に上限20万円を基準に補助するもので、工事費は50万円以上で県内に本店を置く建設業者に工事を依頼した場合が対象となっております。予算規模は12億6,000万円、対象は7,000戸、事業期間は来年3月までです。宮崎県延岡市でも新年度からの実施が予定されていると聞いております。  熊本市は、雇用確保のために3億円の企業誘致予算を計上しております。地元建設業者・職人の仕事起こしとなり、地域経済の活性化策となる新築リフォーム助成事業についても、同じような規模で熊本市も行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。国も1,000億円の予算を組み、住宅版エコポイント制度をスタートさせました。熊本市はこれまで個人の財産の形成になるとの理由から実施に後ろ向きでした。しかし、国も予算を組み多くの自治体で景気対策として確実な成果を上げ、住民からも喜ばれる事業となっております。新たな視点で実施に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  2つ目は、千葉県野田市で制定された公契約条例を熊本市でもつくる問題です。建築労働者や賃金、労働条件の最低水準を引き上げ、清掃など委託業者で働く官製ワーキングプアをなくすためにも公契約条例の制定が待たれております。受託企業はみずから結んで契約を守る立場で労働条件を確保し、自治体は発注者として現場労働者の状態をチェックできるようになります。住民にとっても公共事業や公共サービスの質を高め、市民の安心・安全に直結いたします。  全国市長会は2005年6月、政府に対して公共事業における建設労働者の適正な労働条件を確保するため、関係法令の整備を図ることや日本の実情に見合った公契約法を検討することを要望しておられます。地域の取り組みが国の制度化に向け大きな力を発揮するのではないかと思います。  以上2点、幸山市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  まず、1点目の住宅リフォーム助成制度についてでございますけれども、このことにつきましては、先ほど御紹介もございましたが、全国の多くの自治体が高齢者や障がい者のためのバリアフリー化、また耐震改修のための補助など政策目的に沿った助成を実施しておりまして、一般向けの助成につきましては、調査の結果、41の中核市におきましては3都市において実施されておりますけれども、政令指定都市におきましては実施されていない。住宅改修制度の実施につきましては、そのような状況でございます。  本市におきましては、高齢者・障がい者住宅改造費助成制度、介護保険住宅改修制度、戸建て木造住宅耐震改修制度という住宅リフォーム制度を設けまして、平成21年度は2月末現在におきまして合計約1億7,500万円の助成を実施しているところであります。現行制度は地元建設関連事業者の下支えにかなりの効果を上げているものでございまして、さらなる利用促進に努めてまいりたいと考えております。  また、そのほか前年度に引き続きまして、今年度も緊急経済対策といたしまして、市営住宅の修繕、道路舗装の打ち換えなどを実施することといたしておりまして、そのことも地域経済の活性化につながるものと考えております。  続きまして、公契約条例の制定につきましてお答えさせていただきます。  労働者の労働条件などにつきましては、基本的には労働基準法その他の労働関係法体系の中で対処されるべきものであると考えております。しかしながら、本市が契約いたします業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保いたしますことは、大変重要なことであると認識いたしております。本市におきましては、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律や建設業法などの関係法令に基づきまして、下請業者の保護と工事現場の適正な施工を確保いたしますため、施工体系図にすべての下請契約の請負代金を記入させますなど、不当な下請契約にならないよう施工体制の適正化を図ってきたところであります。  さらに、過度の低価格での競争を抑制するための取り組みといたしまして、工事請負契約におきましては、適正な価格での競争が行えますよう最低制限価格制度を運用いたしますとともに、建設関係のコンサルタント業務に関しましては、平成21年9月から低入札価格調査制度を運用いたしておりまして、さらに本年4月からは最低制限価格制度への移行も検討しているところであります。  今後も労働者の賃金や労働条件が適正に確保されるような取り組みを進めますとともに、公契約条例につきましては、労働基準法を初めとする労働関係法令やその他の諸法令との関係並びに野田市における公契約条例制定後の状況などを踏まえながら、本市といたしましても研究してまいりたいと考えております。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  全国83自治体で実施されているのに、中核市では3都市、政令市では実施していないことが理由にはなりません。政令市におきましても、札幌市では昨年11月住宅リフォーム促進条例が全会一致で可決されております。福岡市におきましても、議員提案として住宅リフォーム助成条例案が今議会に提案されるなど、政令市におきましても動きが始まっております。  建設不況と言われる状況が続き、中小零細建設業者の廃業、失業が相次ぎ、多くの職人さんが現に生活に困っておられます。幸山市長は建設業者と会って陳情を受けられたと聞いておりますが、このような切実な答えは耳に届かなかったのでしょうか。民間の需要を促進するのが住宅リフォーム助成です。介護保険や障がい者住宅助成でも頑張っていると、1億7,500万円とおっしゃいますけれども、鹿児島市は約倍近い助成の実績があります。景気対策にいたしましても国の経済対策予算がほとんど、市の独自は約1割と少ないのが実態です。私ども市議団も実際にこの事業を行っている都城市に足を運び、実感を持ってこの制度のすばらしさがわかりました。困っている地元中小零細の建設業者のためには何でもやろう、こうした姿勢が行政には求められていると思います。住宅リフォーム助成は考えていない、こう突き放すのではなく、先進地の調査をしてください。公契約条例も研究を進め、早急に実現していただきたいと思います。関係の委員会でどうぞ御審議をお願いいたします。  最後に、公共事業に関連いたしましてお尋ねいたします。  その1つが新町団地の問題です。高齢者の方が多く居住され、少ない年金でも家賃が安く、何とか生活できる。便利で住み慣れたところに住み続けたい。この希望にこたえ、廃止の方向でなく、リフォームにより住みやすい団地へと環境保全を進め、まちなか居住モデルケースとして推進をしていただけないでしょうか。  2つは、養護老人ホームの改修の促進です。先日、30年余りたった明生園を上野議員と一緒に視察しました。入居者の玄関の柱はシロアリに食われぼこぼこです。6畳間に2人の生活ではプライバシーが保てません。個室化の計画は私が議員になった20年以上前から検討課題となっていましたが、幸い個室化やバリアフリーなどの施設整備計画が新年度からやっとスタートいたします。平均年齢は女性83.4歳、男性79.7歳と高齢化が進み、要介護者がふえる中で、エレベーターの設置はぜひとも必要ではないでしょうか。雁回養護老人ホームも老朽化しており、事情は明生園と同じです。個室化・改修計画を進めるべきではないでしょうか。今後の改修計画をお示しください。
     3つは、産業文化会館の再生問題です。市庁舎の翌年に建設され、まだまだ使える施設を壊すために、早々産業文化会館は移転補償までして入居者を追い出し、消費者センターはさらに古い別館に移っております。税金の無駄遣い、資源の無駄遣いであり、もったいない話です。そこで現況について都市建設局長にお尋ねいたします。  第1に、再開発ビルの目玉中の目玉は、さきに質問がありましたけれども、島田社長の長年の夢であった「熊本市に博多座のようなものを作りたい」と聞いておりました。公共性の理由の一つであった劇場計画はどうして消えたのでしょうか。  第2は、昨日の答弁を聞いても、箱物先にありきの安易な計画ではなかったかとの思いを強くいたしました。また、雑居ビルがお城周辺にふさわしいのかと疑問に思いました。昨年は平成21年度中の都市計画決定を目指していると答弁がありました。いまだ事業フレームも固まっていないのではないでしょうか。新年度は2億円の設計予算が組まれていますが、取り沙汰されておりますNHKや病院、ホテルなど参入予定者を初め、事業計画の熟度はどこまで高まっているのでしょうか。  第3は、全国でもハウステンボスやオランダ村など箱物は行き詰まっています。再開発事業も土地価格が低迷する中でビルの床を埋めるために多くのところで苦戦を強いられております。花畑開発も同じ状況ではないかと思います。産業文化会館については原点に返り、市民参加での利活用の論議を進め、熊本市としては存続に向けた論議を進めるべきではないかと思います。  以上、都市建設局長にお尋ねいたします。          〔高田晋都市建設局長 登壇〕 ◎高田晋 都市建設局長  私からは、新町団地のリフォームと花畑地区の再開発に関するお尋ねについてお答え申し上げます。  まず、新町団地のリフォームについてでございますが、本市の住宅政策の基本方針としましては、熊本市第2次住宅マスタープランで、建設中心からストック重視・管理重視の政策への転換を図ることとし、老朽化した団地の統廃合や用途廃止、規模縮小等による建て替え等で総管理コストの削減を目指すことといたしております。  議員から新町団地をまちなか居住のモデルケースにとの御提案でございますが、本団地は築40年以上が経過し、老朽化が進んでおりますものの、敷地の条件から建て替えや増築が困難な状況でございます。一方、入居されておられます方の中には、このまま住み続けたいという声もございますことから、今後こういった意見も参考にしつつ、総合的に新町団地の今後の方向性について検討を行いたいと考えております。  次に、花畑地区の再開発に関する3点の御質問にお答えいたします。  まず、花畑地区再開発事業の現状についてでございますが、本市の中心市街地は大型店の郊外進出やモータリゼーションの進展等により、50年で歩行者通行量が約30%減少、商品販売額も約25%減少するなど、その賑わいに陰りが出てきております。  特に、2核3モールの一角をなす桜町・花畑地区は、他の地区と比べ落ち込みが著しく、今回計画されている花畑地区再開発事業は、隣接する桜町地区の再開発事業とともに、この地区の再生に大きく貢献するものと期待しております。  先日、熊本市花畑地区開発協議会から発表されました施設構成イメージでは、花畑公園南側の街区につきましては、低層部分に商業施設を、その上に業務や宿泊施設を配置されるなど賑わい空間の創出が期待できるものとなっております。また花畑公園北側の街区でも市のホールと放送施設が配置されており、この地区一帯の文化交流機能の充実が見込まれるため、今後とも積極的に支援してまいりたいと考えております。  次に、2点目の花畑再開発事業計画の熟度についてでございます。このことにつきましては、NHKが花畑地区への移転の可能性について検討を進められているほか、ホテル、医療福祉施設などからも引き合いが出てきており、事業フレームの熟度としてはかなり高まってきたことから今回の公表に至ったと考えております。今後、協議会といたしましては、事業採算性などの諸条件を詰めていかれ、さらに熟度を高めていかれるものと期待しているところでございます。  最後に、3点目の産業文化会館の存続についてでございますが、産業文化会館につきましては、昨年3月をもって廃止条例が施行されたところでございます。これまで産業文化会館が有しておりました商業業務機能及びホール機能につきましては、今回の再開発事業の中で新しく生まれかわる計画であり、ことホール機能に関しましては、文化振興や中心市街地活性化などその果してきた役割にかんがみ、市民の皆様や議会の御意見も賜りながら機能や施設規模などを確定し、実現を図ってまいりたいと考えておるところでございます。          〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕 ◎甲斐節夫 健康福祉局長  私からは、養護老人ホームの改修につきましてお答えいたします。  現在、市立の養護老人ホームは、明飽苑、明生園、雁回敬老園の3施設でございますが、このうち昭和54年に建設された明生園と昭和58年に建設された雁回敬老園につきましては、建物や設備などの老朽化はもとより、入居者の居住環境を改善するためのバリアフリーや個室化への対応が必要となっております。  そこで、まず明生園の大規模改修に着手することとし、新年度予算に設計等に係る必要経費を計上いたしております。その中でバリアフリー対策としてエレベーターの設置も計画しております。また、雁回敬老園におきましても、本年度で空調設備の全面的な改修を行い、引き続き新年度予算に屋根の防水改修経費を計上するなど、入居者に快適に過ごしていただけるよう努めているところであります。  雁回敬老園のバリアフリーや個室化等への対応につきましては、今後明生園の進捗状況等を勘案し、検討してまいりたいと考えております。          〔47番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  花畑地区の再開発計画につきましては、やはり計画の段階で事業採算性も詰めずに、産業文化会館という市民の財産の廃止を決めたことは間違いありません。再開発ビル計画が持ち上がる前の平成19年からリニューアルのための改修計画が既に立てられておりました。民間の当初の開発目的でありました演劇文化の拠点という公共性はなくなっており、交通の利便性のよい産業文化会館を壊し、民間事業者に明け渡す必然性はありません。行政の役割は民間事業者に対して、お城周辺の景観重要地区にふさわしい開発となるように指導、誘導することにあります。  産業文化会館はまだまだ使えます。例えば青少年の居場所、交流のスペースとして地下から3階までを活用、4階には消費者センターをカムバック、5、6階は会議室、700席のホールをリニューアルすれば、再び演劇・文化の拠点ができます。新たな箱物でなく、環境にやさしいまちづくりを目指している熊本市にふさわしい改修に向けた論議を進めることが今求められていると思います。  環境先進都市につきましては、熊本市でも水俣市のようにゼロ・ウエストまちづくり宣言を行っていただきたいことであるとか、今計画が進められておりますガス化溶融炉中心ではなくて、もっと市民参加でのごみ減量とかいろいろ準備をしておりましたけれども、当該環境水道委員会に所属しておりますので、そちらで論議したいと思います。  私は、質問を通しまして日本一暮らしやすい熊本市のためには、コンクリート優先ではなく、福祉や医療、人の命優先の市政をつくるべきだと痛感したところです。自治体の仕事は大きな規模ではありましても、沢内村のように生命尊重を貫き、福祉の増進に寄与することにあります。市民の皆さんの視点や弱者の立場から市政の転換を求めまして、私の質問を終わります。  長時間の清聴ありがとうございます。(拍手)       ───────────────────────────────── ○田中誠一 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時再開いたします。                              午後 0時15分 休憩                           ──────────────                              午後 2時00分 再開 ○坂田誠二 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○坂田誠二 議長  質問を続行いたします。原亨議員。          〔10番 原亨議員 登壇 拍手〕 ◆原亨 議員  自由民主党熊本市議団、原亨でございます。  平成22年第1回定例会における質問の機会をお与えいただきました議員各位にまずもって御礼を申し上げます。  本日、日本列島は嵐でありました。東日本は冬の嵐、西日本は春の嵐、熊本市議会はいかがでございましょうか。何もないことを望みながら質問を続けていきたいと思っております。  我が郷土熊本市は、豊かな地下水や自然に恵まれ、また熊本城を初めとした優れた歴史遺産や豊かな伝統文化を受け継ぎ、本年3月には73万人の人口を擁する九州中央の拠点都市となります。  このような中、本市は将来を決定づける最も重要な時期を迎えております。政令指定都市の実現、九州新幹線鹿児島ルート全線開業に向けたまちづくりのあり方、観光行政や福祉、教育、環境などの各分野における的確で特色ある施策の展開が求められており、新たな視点で対応しなければなりません。そのような現状を踏まえて時間の制約もあり、その一部を質問させていただきたいと思います。  熊本市民の代弁者として誠心誠意努めてまいります。執行部の明確にして当たらず触らずの御答弁にならないように、よろしくお願い申し上げます。いかんせん、本会議6番目の質問であります。質問内容が重複するところ、また質問通告と若干相違するところもあるかと思いますが、皆様にはお許しを賜りたいと思います。  それでは、質問に入らせていただきます。  熊本市の財政について、まず初めに、新政権の事業仕分けに伴う本市への影響についてお尋ねいたします。  鳩山政権では、公共事業に関してコンクリートから人へという方針のもと、多くの事業が縮小あるいは中止され、かわって子ども手当の支給や農家戸別所得補償などソフト面へ予算配分の重点が置かれることとなりました。また地方自治体に対する補助金、交付税制の見直しなども今後具体的な方向性が示されてくると考えます。  このような中、昨年、来年度の予算編成に関して公開により事業仕分けが実施され、多くの国民の関心を集めました。政治主導の名のもと、約450事業について激しい議論が交わされ、事業によっては廃止や予算計上見送りなどの方針が示されました。  しかし、1月に政府の行政刷新会議が発表した事業仕分けを見ますと、廃止、予算計上見送りと判定された事業の中には、公共事業などで途中まで整備が進んでいるものは完了するまで事業継続し、また混乱を避けるために段階的に事業を廃止するものもあるようであります。  さらに、第二弾として今後独立行政法人や特別会計などの事業についても事業仕分けを実施する方針ということであり、現在スタートしております。  いずれにしましても、このたびの事業仕分けにより、地方自治体に混乱と支障を来す恐れがないのか、十分検証する必要があると思います。  道路整備を初めとして多くの事業が継続的に進められていることから、仮に財政面に支障がある場合は、早急に財政措置を講じなければなりません。そこで事業仕分けを踏まえた平成22年度の国の予算編成により、本市がどのような影響をどの程度受けるのか、企画財政局長に答弁を求めます。  続けて、熊本市の財政について、法人市民税等還付状況下の今後の財政運営の見通しについてお尋ねいたします。  我が国経済は大きな打撃を受けました。内閣府が発表した月例経済報告では、依然として厳しい状況にある。物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にあると分析がなされております。その後、中国を初めとする海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に景気の持ち直しが見られ、2月に発表されました昨年10月から12月までの第4四半期における国内総生産は年率換算で実質4.6%増となっております。財務大臣からも、景気が再び悪化する二番底の懸念は薄らいだが、まだ油断はできないとの認識が示されております。  しかしながら、共同通信社が本年1月に全国の地域企業を対象に行った経営状況に関するアンケート調査によりますと、約9割の企業が景気低迷に苦しんでいる実態が明らかになり、今後も雇用の縮小や人件費カットなどの経費削減が加速するものと考えられます。有効求人倍率及び完全失業率を見ても、2年連続の悪化となっております。また法人2税である法人事業税、法人住民税も多額の還付を迫られ、これは予想を超える企業の悪化によるものであり、これを地方債で補てんしなければならない状況にあります。また国民健康保険料などの収納額も落ち込んでいる状況であります。  このような中、九州新幹線全線開業に伴う熊本駅周辺整備や中心市街地の再開発、また植木町、城南町との合併に伴う合併関連システムの構築などの取り組み、加えて政令指定都市移行を見据えた区役所の新設や既存施設の改修、権限移譲に対応する新たな施設整備など、取り組まなければならない課題が山積みの地方自治であります。  このような中、平成20年度の普通会計の市債残高を見ますと、行財政改革への幸山市長の御努力もあり減少傾向にあるものの、なお約2,770億円もの市債を抱えているのも現実であります。また、その額がさらにふえることが懸念されております。  また、政令指定都市になれば交付金等の歳入もふえてきますが、それまでは本市の単独予算で対応しなければなりません。政令指定都市移行までの財政運営は特に慎重な対応が求められますが、その結果次第では移行後の施策が大きく影響されるものと考えております。そこで、政令指定都市移行を見据えて、今後どのような財政運営をされようとしておられるのか、幸山市長に答弁を求めます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  質問の順番と前後いたしますけれども、私から先に今後の財政運営につきまして、お答えさせていただきたいと存じます。  御案内のとおり、直近の国の経済見通しにおきまして、厳しい景気の基調判断というものが7カ月連続で据え置かれております中、依然として低い水準にございます雇用情勢や企業の経営環境につきまして、その急激な改善や上昇を望むことは厳しい状況であると考えております。  一方におきまして、このように税収の回復に大きな期待が寄せられない中ではございますが、九州新幹線全線開業に伴います都市基盤整備などを初めといたしました第6次総合計画のわくわくプロジェクトへの集中的配分や依然として厳しい経済対策、雇用促進への対応とともに、政令指定都市移行を見据えた施設整備や電算システムの構築等に多額の財政需要が見込まれるところでございます。  平成22年度当初予算案におきましては、その財源対策として経常経費の縮減や補助金の見直し、アウトソーシングの推進など、行財政改革の取り組みを一層進めますとともに、プライマリーバランスを確保できる水準での市債の活用とあわせ、14年ぶりとなります財政調整基金の一部取り崩しによる収支補てんを図ることとしたところでございます。  これによりまして、新年度予算は厳しい財政環境下におきましても、政策課題への対応を図るための積極的な編成としたところであります。今後とも新幹線開業や政令指定都市移行という本市の将来を左右する歴史的な転換期を見据えまして、限られた財源を最大限に活用し、徹底した事業の選択と集中により新たなまちづくりに向けた戦略的な事業構築に努めてまいりたいと考えております。          〔續幸弘企画財政局長 登壇〕 ◎續幸弘 企画財政局長  私からは、新政権の事業仕分けに伴う本市への影響についてお答えいたします。  ことし1月に開催されました第5回行政刷新会議において報告された事業仕分けの評価結果等の平成22年度予算案への反映状況に基づきまして、幾つか本市への影響を申し上げます。  まず、抜本的見直しを行うとされました地方交付税についてでございますが、平成22年度地方財政計画におきまして、地域活性化・雇用等臨時特例費の創設による別枠の加算等により、前年度に比べ約1兆733億円の6.8%増と増額が確保されました。これに伴いまして、本市の平成22年度当初予算案におきましては、前年度に比べ実質的に約41億円の増、11.8%増の約390億円を計上いたしております。ただ、制度等の見直しを引き続き検討するとされておりますので、引き続き国の動向を注視していくことが必要と考えております。  次に、廃止とされました高年齢者職業相談室についてでございますが、平成21年12月16日付で、熊本労働局長から今年度限りで廃止し、今後の高年齢者雇用対策業務を公共職業安定所に集約する旨の通知がなされております。  本市では、ハローワークからの相談員派遣を受けてサンライフ熊本で実施しておりましたが、これに伴い今年度限りで廃止となりました。ただ、廃止による影響を最小限にしますため、平成22年1月14日付で熊本労働局長に対し、ハローワークにおける高年齢者職業相談体制の整備等について申し入れを行ったところであります。  さらに、国の公共事業関係費が前年度比で18.3%の大幅な削減となります一方で、国土交通省所管の地方公共団体向けの個別補助金につきましては原則廃止しました上で、地方公共団体にとって自由度の高い総合交付金として社会資本整備総合交付金が創設されております。本市の平成22年度当初予算案におきましては、この総合交付金の交付率が現行の事業で適用される国費率を基本とされておりますことから、従来のまちづくり交付金などを社会資本整備交付金に名称の変更を行い、交付金額につきましては、従来の国費率で積算しております。  今後、国の平成22年度予算成立後に、事業仕分け結果の具体的な影響について、さらに詳細が明らかになると思われますが、その内容によっては国に対して地方の立場から積極的に意見も申し上げてまいりたいと考えております。          〔10番 原亨議員 登壇〕 ◆原亨 議員  事業仕分けによる影響は現時点では財政運営に影響がないとのことでありますが、平成22年度予算成立後には詳細が明らかになっていくものと推察されます。国に対して地方の立場から積極的に発言することは、しごく当たり前のことであります。そのことと同時に、教育的なことなど今までの事業等の廃止が予測されており、そのような場合、国がやめたから本市もやめる、そうはいかないところが多々出てくるかと思われます。心して御準備方、怠らないようにお願い申し上るところでございます。  市長御答弁に、徹底した事業の選択と集中によってとお言葉がありました。心の通った選択と集中によって新たなまちづくりに向けた戦略的事業構築に御努力を賜りたいと思います。  次に移ります。  観光立市くまもとの創造について、観光局の新設、この件に関しては、私は前回の平成20年第3回定例会で、観光振興と熊本文化に関する質問をさせていただきました。本市の観光行政に対する進歩のない毎回、毎回、同じことの繰り返しのような答弁に怒りを感じ、観光局の創設を提案して幸山市長に再答弁を求めたところであります。その際、今後の体制のあり方について考えてまいりたいとの答弁をいただいたところでありますが、いまだ観光局は実現しておりません。  そのような中、私が心配していたとおり、熊本城の入場者数は昨年日本一となった年間204万人から177万人へとあっと言う間に大幅な減少となっております。観光行政は、あすに向かって走る総合イベント業であると私は思っております。せっかくの本丸御殿落成の効果をさらなる飛躍につなげられない本市の観光行政に、相変わらずの物足りなさを感じているところでございます。  熊本城に続いて本丸御殿の復元に着手した名古屋城は、今、名古屋おもてなし武将隊という若者グループを活用したパフォーマンスショーが大人気で、歴女と呼ばれる女性観光客で大賑わいだそうであります。この歴女たちは20回も30回もリピーターとして名古屋城を訪れているということです。  幸山市長は歴女ブームを十分御承知のようで、その代表とも言える女優杏さんと対談されたとのことであります。歴女たちの心をつかむ熊本城観光について何かよい策が浮かばれたでしょうか。せっかくの対談だったわけですから、それを十二分に熊本城観光の活性化につなげていただきたいと思います。  これからの観光行政のスローガンは、吉田拓郎の歌のタイトルではありませんが、「明日に向かって走れ」であります。政令指定都市実現の道筋をつけられた幸山市長の3期目に、3期目があるとするならばの話でありますが、求められるものは熊本の余りある魅力を内外に発信し、内外から人々を呼び込み、豊かで活気ある揺るぎない熊本市をつくり上げることであります。  冒頭、執行部に対して同じことの繰り返しの答弁という苦言を申し上げましたので、私も同じようには申しません。明日に向かって走る観光行政、すなわち、次から次に新たな付加価値を発信する観光戦略について述べさせていただきたいと思います。  まずは、夏目漱石のことであります。皆さんは、姜尚中教授の「悩む力」という本を読まれたことがありますでしょうか。これは「あなたは百年前の漱石と同じ壁にぶつかっている。人は悩み抜いて強くなる。」という本であります。この本は姜教授が文豪夏目漱石と社会学者マックス・ウェーバーを手がかりに、だれにでも備わっている悩む力にこそ生きる意味への意思が宿っているということを述べられております。  御承知のとおり、姜教授の人気も相まって大ベストセラーとなりました。このことによって、新たな世代や韓国や中国の人々、そして姜教授をヨン様ならぬ姜さまと呼び慕う女性ファンなどが夏目漱石に高い関心を示しております。  姜教授は、夏目漱石の孫を配偶者に持つ半藤一利、この方は代表作の中に「日本のいちばん長い日 運命の8月15日」という本があります。氏との対談で「漱石をアジアの共有財産にしたい。」との思いを述べられておりますが、私はこのようなことが本市の観光戦略に生かせると考えております。例えば姜教授が案内人となった「熊本漱石の旅」といった旅番組や観光ガイドブック、ポスターなどを制作してPRすれば、これまでとは違った層の観光客が夏目漱石をしのんで広く内外から熊本市を訪れてくれるのではないかと考えます。松山市にとられてなるものかであります。  また、熊本地名研究会やくまもとフィルムコミッションの方々から伺った話でありますが、何年か前にハリウッドの大スター、トム・クルーズと渡辺謙の競演で話題となった「ラストサムライ」は、あのジェーンズ邸や西南戦争、神風連の乱などがモデルとなっているとのことであり、水前寺公園が映画のワンシーンとして出てくるとのことであります。事実、ジェーンズ邸には「アメリカのサムライ、トム・クルーズが演じた男」という雑誌の記事が展示してあり、館長の話では訪れた多くの人々が驚きの声を上げ、熊本のPR下手を嘆くとのことでありました。また地名研究会の方は、ジェームズ邸があった第一高校の正門通りを「ラストサムライ通り」としてPRすべきともおっしゃっておられました。ジェーンズ邸を桜の馬場に移転して、もっと観光資源として活用すべきとの声も多々あるようであります。  私は、このようなことも熊本城観光や新町・古町の新たな魅力につながると考えており、「ラストサムライ」の監督や脚本家などの講演会などを企画してみるのもおもしろい取り組みではないかと考えているところであります。また幸山市長が対談された杏さんは、渡辺謙さんの娘さんでありますから、そのような方面からもよい手がかりがあるかもしれません。  さらに、議会で同僚の紫垣議員から提案があったワンピース公園構想について私なりに考えてみましたが、これを江津湖という本市最大のロケーションに位置する動植物園で考えれば、モンキーアイランドの設置などで再び集客が伸びている本市動植物園の魅力が格段にアップして、日本じゅう、いや、世界じゅうの子供たちが喜んで訪れてくれる動植物園になるかと考えております。  このようなことを私が申し上げるのは、同じ夏目漱石、ジェーンズ邸、動植物園であっても、世の中の新たな動きや多様な価値観、生み出された作品などによって、我々が持っているものにまた新たな付加価値をつけて売り出すことができるということであります。そして、このような発想は、ブランド戦略や東アジア戦略など新しい取り組みは企画の担当、文化財関係は教育委員会の担当、文化国際交流は市民生活局の担当、新町・古町は都市建設局の担当、そして祭りと観光PRは経済振興局の担当というような縦割りの組織ではなかなか生まれてこないし、局長が違えば実行・実現するのも難しいのではないでしょうか。  ことし限りで勇退される谷口局長、齊藤総括、原局長、そして小牧教育長、皆さん大変優秀かつバイタリティーにあふれたすばらしい局長さんであり、連携を密にして多くの功績を残してこられたと思っておりますが、観光振興に関連するこれらの部署が一つの局として陣頭指揮をとられる局長がおられたならば、本市の観光行政はもっともっと強力に推進されたはずではないでしょうか。  ちなみに、思い当たる幾つかの都市の状況を調べてみましたが、毎年12月に行われる神戸ルミナリエで500万人以上の観光客を集める神戸市では、産業振興局とは別に国際文化観光局が設置され、一人の局長の指揮下のもとに市民文化に関する事業と観光に関する事業、そして国際化の推進に関する事業が一体的に推進されております。  また、部制をとっている長崎市においても、商工部と文化観光部は別組織であり、神戸市と同じように観光国際交流・文化に関する事項が一体的に推進されております。  さらに、熊本県においても、今年度当初に商工観光労働部に観光経済交流局が設置され、観光・国際交流とブランド戦略を一体的に進められているところであり、私を初めこの議場で幾度も論議されている観光局の設置は、もはや検討の段階ではなく、直ちに実行すべきことのようであります。  先般訪れた飛騨高山市では、観光課の職員は日本じゅうを飛び回って観光セールスを行っており、席を温めるひまもないとのことでありました。  私は、本市においても一日も早く観光局を設置し、意欲あふれる局長指揮のもと、多くの職員が日本全国、そして世界各地を飛び回って熊本を売り歩き、内外から多くの観光客が訪れ、気持ちよくお金を落としてもらえる熊本市をつくり上げることが、今の熊本市に求められる最大の都市戦略だと考えております。  九州新幹線が全線開業するとともに、東アジア諸国の経済成長で観光の市場が大きく拡大しようとしている中、いつまでも熊本市が手をこまねいていたら、熊本県のみならず、九州全体の浮沈にもかかわってくる問題ではないでしょうか。私のいう観光局とは、県はもとより、九州各都市、そして東アジア各都市とも連携を深め、交流を促進していくエンジンともなる部署であり、神戸市の国際文化観光局よりも幅広く、観光を中心とした都市戦略を展開する局をイメージしております。  思い返せば、本市の財政状況などを理由に、政令指定都市の道が閉ざされた数年前の体験から、幸山市長は必死の思いで行財政改革に取り組んでこられました。その血のにじむような努力の積み重ねが、昨年の富合町、そしてこのたびの植木町、城南町との合併につながり、政令指定都市の実現につながったことはよく理解しており、心から敬意を表するものであります。  しかしながら、政令指定都市になるこれからはもっと攻めの姿勢が必要であります。この議場にいる多くの議員の皆様も同じ気持ちではないかと思います。このような思いが幸山市長に伝わって観光局が設置されるのであれば、今議会に条例案が上程されているはずでありますが、そのような議案が見当たらないということは、まだそのような考えには至っておられないと受けとめざるを得ません。私は、これは今度の市長選の大きな争点の一つであると確信いたしております。  そこでお尋ねいたします。来年の新幹線開業、そして政令指定都市を迎える中、熊本市観光局を新設するお考えはないのか、幸山市長に答弁を求めます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  観光局の設置につきましてお尋ねがありましたので、お答えさせていただきます。  観光コンベンションの振興というものは、大変裾野の広い総合的な分野でもございまして、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業、政令指定都市への移行など本市のさらなる飛躍の時期におきまして、全庁挙げて取り組んでいかなければならないテーマだと思っております。
     現在策定中の観光振興計画の中におきましては、熊本シティブランド戦略プラン、くまもと水ブランド創造プラン、東アジア戦略、国際化指針、文化芸術振興指針の視点を取り入れまして、市民、地域団体・NPO、観光関連事業者との協働、さらには熊本国際観光コンベンション協会との連携など、全市的な観光コンベンションの振興を目指しているところでもあります。  現在、新幹線開業に向けましては、私を本部長とする熊本市新幹線開業プロジェクト推進本部を立ち上げ、移動円滑化と観光消費拡大のアクションプログラムをつくりまして、国内外からの観光客誘致、観光客の受け入れ態勢づくりに全庁的に取り組んでいるところであります。  さらに、平成22年度におきましては、経済振興局に新幹線開業に係りますイベントや総合調整に関する事業を担当する組織を新たに設置したいと考えているところでもあります。この組織には新幹線開業プロジェクトを軸としまして、全庁的な観光振興の取り組みを促進する役割も担わせる予定でございまして、部局間の連携が十分図れる組織としたいと考えております。また一昨日の答弁でもお答えいたしましたが、都市ブランド戦略と東アジア戦略の全庁的な企画調整を担当する新たな組織につきましても設置する予定でございます。  確かに今議会におきまして観光局の条例の提案をしているわけではございません。そういう意味では先般の議員の意見が生かされていないのではないかという御意見でございますが、しかしながら、これまで議会でも観光都市の宣言をしていただきましたし、さらには築城400年や本丸御殿の完成等も含めまして、その機運の高まりとともに、私どももでき得る限り取り組ませていただいているところでもございます。  そういう中におきまして、先ほど議員からは夏目漱石やジェーンズ邸、そして動植物園を例に挙げられまして、付加価値を高め、さらにもっと売り出していく必要があるのではないかという中で、新たな局の設置の提案を再度いただいたところでもございます。私自身も感じているところでありますけれども、観光というテーマ、先ほど議員もお話がありましたように、大変裾野が広いということをつくづくと感じております。環境にしましても、あるいは医療面や福祉にいたしましても、そのことは観光や誘客につながるということを考えましたときには、本市の組織の中におきまして、観光にかかわらないような組織はないといっても過言ではないのではないかと思っております。そういう意味では先ほど申し上げましたような体制を整えながら、そして、みずからが先頭に立って全庁的に取り組むことが必要ではないかと考えておりまして、観光都市くまもとの実現に向けまして、今後も全力で取り組んでまいる所存でございます。          〔10番 原亨議員 登壇〕 ◆原亨 議員  ただいま幸山市長の御答弁をいただきました。全く質問の趣旨がおわかりになってないのか、知っていながら知らないそぶり、そんな市長の答弁であろうかと思っております。幾つか挙げます。もうかってない会社、つぶれかけておる自治体、大体市長、副市長が本部長という名の組織をつくっているわけであります。これは熊本市でいいますと優秀な職員がたくさんおるわけでありまして、優秀な部局があるわけであります。こういう部分はやはりそこの部長なり何なりがやっていくという部分であります。それからプロジェクトという部分、当然熊本市に新幹線開業という課題があるわけですから、プロジェクト推進本部が立ち上がるのは当たり前であります。こんなのはないということ自体がおかしいわけであります。  研究課題を処理する推進本部とは目的を持った一過性のものであるわけですから、観光局新設とは全く別問題で、本来であれば観光局があって、その中にプロジェクトが立ち上がっていくという形でないといけないと思うわけであります。  それから、けさの新聞、かの対アジア戦略という中でありました。あんな小出しをしていくほど経費の無駄遣いはないのであります。そして効果が望めない。ですから抜本的な部分をやはりやっていくということが大事であると思っております。そして今の説明の中で部局間の連携が十分図れる組織との御披露がありました。図れてないからこんな状況になっているわけでありますから、図れるはずがないわけでありますから、やはり図れる新しい構築をしないといけないということで、これはほかの話をすると時間が長くなりますのでやめますけれども、今現在、いろいろなセクションがこれにかかわっている。これを縦軸のままでやろうというのはできないと思います。市長がやめられて、それも専任の本部長になってもできないのではないか。そうすればできるかもしれませんけれども、そうなりますとやはり熊本の政令指定都市になってからの問題もありますので、やはり市長のままかとも思っているわけであります。  そのようなことを考えますと、市長、熊本城の入場者数もそうでありました。まさに3日天下であったわけですから、抜本的にどうするんだということ、観光行政はあすに向かって走る総合イベント業であるわけですから、今後熊本を売り込むためには職員が席を温めることなく全国を飛び回り、熊本を販売する、熊本をセールス、行商人部隊、つまり観光局がその第一歩だと思います。観光局をつくるのか、つくらないのかを質したわけでありますので、市長に再答弁を求めます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  再度のお尋ねをいただいたところでありますけれども、確かに先ほど私はプロジェクト推進本部のことを紹介いたしまして、全庁的に取り組んでいくんだというお話をさせていただきました。ただ、それだけでは足らないのではないか、そこに核となる組織が必要ではないかという御提案もいただいたところであります。ですから、現時点におきましては、先ほども申し上げましたように、提案しているわけではございません。ただ、そういう中でも刻一刻と新幹線の開業等も迫っている状況ではございます。ですから今後もこのプロジェクトというものを、推進本部というものを機動的に動かしながら、そういう過程の中で、ただいま御提案のありましたような組織の設置につきましても検討させていただきたいと考えております。          〔10番 原亨議員 登壇〕 ◆原亨 議員  私の方が引っ込みがつかんようになってきております。今、市長の御答弁をいただきました。確かに目の前に向かってきているものもあります。一気にそれに向かって観光局を新設するのは時間的な問題、いろいろな部分があります。やはりつくるということになれば、熊本市の命運がかかっていることでもありますので、議会側もそれなりの対応をしながら一緒につくっていくという方向になると思いますけれども、最後に検討していくということでありますので、これも前回質問の中で、議場における議員の質問と答弁ということで市長にお尋ねいたしました。その重要性というのも御答弁いただいているわけでありますので、じっくり検証していきたいと思っております。これは熊本のためであります。市長も熊本のために市長をやられているわけでありますので、ともに同じ課題ということで今後頑張っていければと思っております。納得するのには少し薄いわけでありますが、まだ質問がたくさんあります。午前中長かった分だけ、私が少し短めにと思っておりますので、次の質問に移ります。  都市農業の推進について、合併後の日本一の農業への取り組みについてお尋ねします。  熊本市の農業は、都市近郊という優位性を生かし、地域性豊かな特色ある農業が営まれております。さらに植木町、城南町との合併が実現すれば、総農業産出額は444億円と本市と19の政令指定都市合わせた20の市で第3位となります。  一方で、我が国が抱える農業問題と同様に、本市農業においても後継者の減少や高齢化などによる担い手不足、また国内外農産物との競争による価格の不安定さなどの問題を抱えているのも事実でございます。  近年において、外国からの農産物の輸入拡大に加え、国内における品種改良や生産施設整備などにより、年間を通じて農産物が市場に出回るなど、生産競争はますます激しくなっており、多くの農家ではこれまでより農業所得が減少しております。  現政権では、本年度予算に農家戸別所得補償のための予算を計上しておりますが、自治体でも独自の振興策を講じるべきだと考えております。熊本市では平成21年3月に農水産業も計画を策定し、農水産業の持続的な発展と農水産業地域の活性化を目的に、これまでいろいろな取り組みを進めてきておられます。  しかしながら、政令指定都市移行後は、都市近郊という熊本市の農業優位性を生かし市内各地域の特性を生かした農業振興に取り組んでいただき、全国に誇れる日本一の都市型農業を目指してもらいたいと思います。  そこで、政令指定都市後の都市型農業日本一を目指すに当たり、今後どのような対策を講じていかれるのか、経済振興局長に答弁を求めます。          〔谷口博通経済振興局長 登壇〕 ◎谷口博通 経済振興局長  合併後の日本一都市農業政策についてのお尋ねにお答え申し上げます。  本市の農業は、議員の御紹介の産出額以外にも、合併によりまして農家数は約1.4倍、農地面積も約1.6倍に増加することとなります。また本市には産出額で全国一のナスを初めミカンやメロンなど多種多様な品目を有しておりますが、さらに合併によりまして、全国一の植木町のスイカを初めとしたより豊富な農産物がそろいまして、全国展開をするための好材料を持つことができますことから、合併後の農業というものを今後しっかりと位置づけ、施策を展開することが重要であります。  そこで、第6次総合計画の個別計画として策定いたしました熊本市農水産業計画におきまして、「消費者と生産者が支える農水産業」、「持続可能な強い農水産業」、「元気な地域づくり」を基本方針に掲げておりまして、今後さらに担い手の育成や生産基盤の整備を初め、安全・安心で良質な農産物の生産振興を推進いたしまして、農業経営のより一層の体質強化を図るための体制を整備するとともに、都市農業という利点を生かした地産地消の推進、ブランド化や食品加工や販売、観光との連携強化による販路開拓を進めていきたいと考えております。  いずれにいたしましても、合併の利点を生かした各施策を着実に展開し、食の恵みを満喫できる都市としての魅力を国内外に向けてさらに発信し、良質な農産物を生かした地域産業の創出、活性化に向けた取り組みによりまして、政令指定都市に向けて議員御指摘のような日本一の農業都市を目指していきたいと考えております。          〔10番 原亨議員 登壇〕 ◆原亨 議員  今、御答弁の中にも市長、観光との連携強化ということで経済局長も言われている。いかに大事かということでありますので、よろしくお願いいたします。  合併が実現しますと、全国屈指の農業都市になることは周知の事実でありますが、現在の農業を取り巻く状況は想像以上に厳しいものがあります。地産地消の推進はもとより、消費者に支持される農水産等の持続的発展に取り組むことを基本目標とし、生産者と消費者が心の通える食料の供給、農水産業の持続的発展、農水産業地域の活性化、このようなことを基本として、後継者が喜んで就農できるような事業を展開されますように強く要望しておきます。  次の質問に移ります。教育の未来について、教育の原点と視点、教育の未来を見据えて幾つかのお尋ねをいたします。  私自身、教育市民委員会に属しておりますから、教育のことをこの場でことさら取り上げる予定はありませんでしたが、今回の教育予算や施策を見て、実に残念な思い、そして大いなる不安を持ちましたので、あえて質問することにいたしました。  そこで、私はこの議場において、本市にとって教育がいかに重要であるかということを確認し、市政の責任者という立場にある市長に、教育についての考え方について質したいと思うわけであります。  まず、私は教育をどう考えるかと問われるならば、教育は国を支える社会基盤であり、最も重要な行政課題であると確信いたしております。そして教育は、いつの時代においても、いずれの国においても変わることのない主要政策であることを、特に政治にかかわる者は認識しておかなければならないと思っております。  歴史に学ぶことの大切さを知る賢明な皆さんならば既に御承知のことでありますが、江戸時代、窮乏する藩財政を立て直し、改革を成功させたのは、藩校をつくって人材育成に取り組んだ諸藩でありました。  肥後の鳳凰と言われた細川重賢が創設した時習館、さらに米沢藩では上杉鷹山が再興した興譲館、福井藩には松平春嶽が創設し、横井小楠もかかわりをもった明道館など、名君と言われた藩主は競って人材の育成に取り組んだのであります。そのほか私塾や寺子屋も無数につくられ、身分の差を分かたず学問が奨励されたわけであります。  江戸時代の賢明な藩主たちは、人材なくして藩は疲弊し滅びる道をたどることをよくわかっていたわけであります。また我が国が西洋列強の植民地とならなかったのも、藩校などで学んだ多くの人材がいたからであります。さらに明治5年には、いち早く太政官が学制を発布し全国に学校をつくりましたが、まさに先見の明と言えます。このように日本は世界的に最も教育に熱心な国であったわけであります。  今、都市間競争あるいは国家間競争の時代と言われておりますが、人材の育成なくして競争に勝てるわけがありません。申し上げたいことは、教育がきちんとなされておれば国は栄え、教育がなおざりにされれば無法地帯となり、民衆を飢えさせることにもなります。戦後においても我が国が飛躍的な経済発展をなし遂げて豊かになったのは、極めて質の高い教育が行われていた結果であり、多くの人材が豊かな経済社会を構築し、社会を支えてきたからであります。  ここで、私が言わんとする質が高い教育とは、必ずしも学校の成績が優秀であるというだけの狭い意味ではありません。社会全体に徳育と言われる節度やルールを守り、善悪を判断する機能が働く社会状況がまだあったということであります。  しかし、近年の教育は知識偏重に走る一方で、従来から培われてきた大切な伝統や文化など守るべきものが軽んじられ、軽薄な風潮や法を守る精神の欠落が顕著となっているように感じます。教育の影の部分が表にあらわれてきたようにも思われるわけであります。  それが昨今の残忍な事件の続発にも見てとれるのであります。金をもうける知識はあるが、法を守る意識はない者、あるいは高齢者をだまして年金をかすめ取る詐欺行為の横行、生産地を偽って消費者を欺いた食品加工会社や一流料亭の経営者、国民の模範であるべき官僚たちが居酒屋タクシーという陳腐な商売を生み出したことも、まだまだ記憶に新しいものであります。このような社会の信頼を裏切る行為が繰り返されて後を絶たないのも教育が変調を来したからではないのかと危惧しております。  我が国では古くから潔さを旨とし、卑劣なまねをするな、うそをつくな、弱い者をいじめるなという美意識があり、それが行動規範であったと思いますが、これはもう過去のものになったのでありましょうか。今、私どもはもう一度教育の重要性を認識し、教育に真剣に向かわなければならない時を迎えているのではないでしょうか。このようなことを前提に、本市の教育について話を進めたいと思います。  まず、冒頭に申しましたように、市長が本気で教育を考えているのか疑問を持ったのは今回の予算であります。もともと教育はソフトが中心でありますから、最近のように毎年10%のマイナスシーリングをかけますと、当然ながら教育予算は削減対象事業が多くなります。投資的経費はシーリング対象外ということですから、建設事業の多いところに予算は集中いたします。問題はここです、市長。  教育にかける予算は投資的経費とは思いませんか。よかですか、百年の大計と言われる教育は、人間に投資しなさいと言っているものであります。教育への投資は社会基盤整備そのものであります。この考え方は今や常識ではないでしょうか。建物の耐用年数は60年でありますが、人材育成は永遠に継続しなければならないものであり、人材への投資に耐用年数はありません。  私は、市長の演説、講演を拝聴し、広報紙なども拝見する機会がありますが、合併、政令市、地下水、わくわく都市、新幹線開業、熊本城入場者などなどのフレーズがアレンジされ雄弁に語られます。それは時節柄、当然かもしれません。しかし、教育という言葉を聞く機会は余りにも少ないのではないかと思っております。  また、都市間競争という言葉をよくお使いになります。都市間競争は、観光や経済の発展だけではありません。江戸時代がそうであったように、人材育成の面で競争をしてほしいものであります。このようなことを踏まえながら、本市の教育問題を考えたいと思います。  まず、幸山市長は30人学級を選挙公約に挙げて1期目の当選を果たされ、今では小学校4年生まで、中学校は1年生に導入されました。市長の肝入りで導入した以上は、今後のさらなる効果を望むとき、マイナス効果を検証することも重要なことだと思います。新しく創設された学級により、余裕教室がなくなりプレハブ校舎が最も多い都市となっているのも事実であります。そして、一方では子供たちがプレハブ校舎に入るのをむしろ喜んでいるという皮肉な結果でもあります。なぜならばプレハブにはエアコンが入っているからであります。では、いっそのことすべてをプレハブ校舎にしてはいかがかと提案したくもなるわけであります。プレハブが多くなりますと運動場も狭くなり、決して良好な環境とは言えません。  臨時採用職員も30人学級関係では80人強となっているようですが、教員の確保の難しさも想像できますし、臨採率の多さは他都市を抜きん出ていることも事実であります。また経験のない方も教壇に立っておられる現状も発生しております。物事にはプラス面、マイナス面があるものですが、マイナス面も公表して、さらに最善の方法を考えるのが当たり前であります。都合のいいデータばかり並べても進展は望めません。  教育問題について市長にいかがですかと尋ねますと、恐らく、恐らくですから、そうでないかもしれません。「教育は教育委員会の所管ですから、私は関与できない。」という答弁が返ってくるのが予想できそうでもありますが、しかし、実質的には予算も人事も市長に権限が集中しており、教育委員会の権限が小さいことはだれもが承知している事実であります。  県に目を向けますと、蒲島知事の場合は、「自分は教育が最も重要だと思っている。しかし教育との距離が遠いので、自分が最も信頼する方に教育長をお願いし、自分と教育の距離を近いものにした。」と言っておられます。これは蒲島知事が行政委員会に配慮しながら教育への思いを語ったものですが、幸山市長の場合の距離感はいかがでございましょうか。これは教育長個人との距離が近いという表面的な話であるわけでないのであります。市長が本当に教育は重要だと考えておられるならば、どのように重要で、どのように対処していきたいのか、御自身の思いを御自身の言葉でお答えいただきたいと思うわけであります。  次に、提案を交えて質問いたします。  市長は、教育委員会の委員さんと直接教育問題について論議したことはございますか。地方教育行政の組織及び運営に関する法律がありますが、その第29条に、市長は教育にかかわる予算を作成する場合においては、教育委員会の意見を聞かなければならないとの規定があります。この規定は教育委員から意見を聞き予算に反映するもので、市長が教育長から事業内容を聞き、予算を策定するというものではないと私は解釈いたしております。今回の予算を見て我々議員が首を傾げるのですから、教育委員もさぞ失望していることだろうと推測しております。  市長は校区自治協議会との懇談会はよく行っておられますが、教育委員会は本市の教育行政に責任を負っている機関であり、これとの協議も重要なことだと考えております。もしこれまでそういう場がなかったのであれば、少なくとも年に2回、特に予算編成前などに意見を聞く機会を設けてはいかがでしょうか。市長の方針を追認するような補助機関ではないわけでありますから、しっかりと意見を聞いて対応すべきであろうかと思います。できれば公開の場で行えれば、市民に市長の考えが伝わるでしょう。できれば他の委員会からも意見を聞く機会を持てば、もっと市政運営の幅が広がるものと確信しております。  以上、2点について、くどいようでありますが、市長御自身の思いを御自身のお言葉でお答えいただきたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、教育に対しまして2点、教育の重要性とその対応についてのお尋ねと、もう1点は教育委員会との意見を聴取する機会を設けてはどうかというお尋ね、以上2点につきましてお答えをさせていただきたいと存じます。  先ほど議員から、教育というものは国を支える社会基盤であり、最も重要な行政課題であると確信するというお話がございました。さらにはいつの時代においても、いずれの国においても教育は普遍的な主要政策であるというお話がございました。私自身も全く同じような思いを持っているところでございます。  本市におきましては、市民協働で築く自主自立のまちづくりというものを進めているわけでございますけれども、まちづくりの原点というものはやはり人であり、そして人づくり、人材育成というものがそのまままちづくりにもつながってくるということを考えましたときに、やはり人材育成、人づくりというものは基本であると。  そして、先ほど投資的経費というお話もあったわけでございますけれども、人材育成に向けた投資というものは、どういう時代であれ、やはり大きな変化を及ぼすようなことがあってはならないと、私自身もその思いを持っているところであります。  そういう中におきまして、先ほどお話のありました徳・体・知、バランスのとれた人材育成、この取り組みというものは、学校現場が中心となって取り組んでいくことになろうかと思いますが、その取り組みというものは学校現場だけではなく、保護者も含め地域全体としての取り組みにしていかなければならない。そのような思いも強く持っているところであります。そういう意味におきましては、本市においてはさまざま地域におきまして積極的な活動をされておられる方々がたくさんいらっしゃいます。そういう方々と校区自治協トークという場でも意見交換をさせていただく機会を設けているわけでありますけれども、そうした地域の皆様方の力というものを、子供たちをはぐくむ力に振り向けることによりまして、熊本の未来を担っていく、あるいは熊本だけではなく日本や世界の未来を担っていく、そんな人材育成に取り組んでまいりたい、そのような思いを強く持っているところでございます。  それから、もう1点の教育委員会の意見を聴取してはどうか、特に予算編成前に意見聴取の機会を設けてはどうかというお話でございました。確かにそういう機会は必要だと感じております。現在、小牧教育長の場合は、極力学校現場に足を運ぶということを基本とされておられます。すべての学校に足を何度も運ばれているということを聞いておりますが、私自身も可能な限りそういうことを実行していかなければならないと感じておりまして、中学生との夢トークでありますとか、学校現場に対しましても私も可能な限り足を運び、子供たちの意見であれ、あるいは現場の先生方の意見であれ、大事にしたいと強く思っているところであります。  それはもちろん、教育委員の皆様方とも同じでありまして、これまでも事務局を通しました教育委員会との意見交換でありますとか、あるいは公式の場ではございませんけれども、教育委員の方々とは教育に関する話し合う機会というものは設けてきたところでございますけれども、先ほどお話のあったような公式あるいは公の場でないのは確かでございます。ですから、先ほど御提案のありましたような教育委員と直接話し合う場の設定というものは大変有効な場ではないかという思いも持っておりますので、今後そうした取り組みというものも検討してまいりたいと考えております。          〔10番 原亨議員 登壇〕 ◆原亨 議員  市長に御答弁をいただきました。  教育は本市の最重要課題の1つだと思います。そのことを十分に再認識を賜りたいと思います。今、熊本市の新しい都市像を掲げ、それに向かって進むのであれば、5年後、10年後、50年後を想定した取り組みをしていただきたいと思うわけであります。市長は刈り取ること、収穫はお上手でありますが、地味な種まきは苦手のようであります。種まきをしてこそ未来に収穫があるわけであります。収穫のみを得ようとすればいつか危機が訪れます。未来に願いを込め、愛を込めて地味な、されど最も重要な種まき作業をしていただきたいと切に思うところでございます。  市長が就任当時大事にされていた真の語らいが不足しているのではと思うわけであります。自分を御披露するところでの語らいはたくさん場面があります。しかし、対等な議論の場は少なくなってきたのではないでしょうか。独断専行で時代が動くことはありません。関係者との語らいを大事にし、熊本発展のために、そして将来振り返ったとき名君であったと呼ばれるお仕事を完遂していただきたいと思うわけです。  次に移ります。  次に、教育長にお尋ねいたします。  今回の当初予算はえらく遠慮がちであると感じるところがありました。合併予算も含めた中での減額ですから、納得しがたいというのが感想であります。学校運営にも影響が出てくるのではないか心配しておりました。  さて、教育を語るとき、多くの人が義務教育という狭い範囲で考えがちですが、義務教育は主要な部分であります。しかし、そればかりに目が行ってしまっては、教育の継続性を見失いかねません。  まず、公立、幼稚園、保育園における幼児教育という視点が欠けているように思えます。高校教育は県の役割だと割り切っているような気がしてなりません。特に熊本は大学進学率の低さでは全国で後ろから6番目という現状があります。平成16年は後ろから2番目であったということです。現在は6番目という現状であります。  高校生は熊本市の生徒たちが半分はいるわけでありますから、決して県教育委員会の問題として放っておくわけにはいきません。幼稚園、保育園、高等学校は、それぞれに問題をたくさん抱えております。義務教育しか見えていないのでは教育の継続性が保障できないのではないでしょうか。  幼児期の教育については、私立と公立も含めて研究会を持つなどの対応も必要であると思います。さらに高校教育に関しては、単に進学という問題ではなく、卒業後の進路がどうなっていくかという大事な問題であります。県教育委員会と一緒に早急に対応策を考えることが必要だと思います。公立、私立あるいは県立、市立など設置者がそれぞれ違いますが、縄張りを取り払って総合的に協議しなければ熊本は埋没しかねません。このことについて対応策やお考えがあればお聞かせください。  さらに、視点を変えて見ますと、広い意味では学校は教育の一部しか担えないのであります。学校以外での教育、つまり家庭や地域社会なども教育を担う重要な役割を持っており、さらにボランティア活動や地域の団体活動も教育の一端を担っていることを忘れてはなりません。  それでは、行政は何を担うのでしょうか。申すまでもなく、学校教育や市民の学習活動を支援するために予算を確保し、環境整備をするのが行政の役割であります。そのような視点をしっかり持っていただくことを期待いたします。  さて、ここで私は、子供たちに大きな影響力を持っている教師のあり方、そして行政の支援について絞って論じてみたいと思います。  まず、今の教師が置かれている状況は、指導要領の改訂に伴い、授業時数の増加などでますます多忙さに拍車がかかり、また雑務的な仕事を抱え込み、実に多忙な日を送っていると言われます。したがって、教科内容を教えることに追われ、子供たちに人としての生き方や希望や夢を説いてあげる余裕がないのが現状ではないでしょうか。当然、自分自身を高める勉強時間も持てないのが実情かもしれません。  教師にとっては、子供に知識だけではなく、感動、夢、希望、感謝、奉仕の精神などを教えること、いわゆる導くことが重要な役割であります。忙しい中にも教師の使命として、一日のうちの一こまでもいいので、感動や夢を与える話をしてやってほしいと思うわけであります。子供の教育は速成栽培ではできません。急いで教えても豊かな実りは期待できません。それぞれの成長に合わせ、必要に応じて手を差し伸べることが大切であります。  子供たちの確かな学力については、教師の確かな指導力が必要であります。そのために教師の負担を軽減し、教師自身がみずからを高め、自信と情熱を持って事に当たれるような教師の支援を教育行政はしていただきたいと思うわけであります。市長部局を含めて、しないよりした方がいいという程度の研修がよくありますが、そのような研修は効果がないことは研修担当が一番わかっている事実であります。  さて、教育委員会として教師力向上を目指し、教師の心にどう火をつけますか。  小牧教育長は、平成19年に教育長就任後、すぐに学校現場に足を向けられました。現場の状況を丁寧に視察されるとともに、これまでも、今現在も幾たびも教育現場に足を運ばれていることも理解しております。以前、「踊る大捜査線」という映画で主演の織田裕二が有名な言葉を言いました。話題にもなった言葉であります。「事件は会議室で起きているのではない、現場で起きているんだ。」という名せりふで、流行語ともなったわけであります。小牧教育長は、まさにそれを教育現場で実践されており、その行動に敬意を表します。  その教育長に、教育委員会の長の形式的な立場としての御意見ではなく、教職員にとって戦場とも言える現場を踏まえて、現場100回の原則を実践された教育長だからこそ、本市教育の飛躍的発展を心から願い、これからの熊本市の教育界のためにも御意見を伺いたいと思います。小牧教育長に御答弁を求めます。          〔小牧幸治教育長 登壇〕 ◎小牧幸治 教育長  教育の未来について、2点のお尋ねに私からお答え申し上げます。  1点目の教育の継続性についてでございますが、学校教育という言葉から小中学校の義務教育を連想する人が多いかとは思いますが、学校教育とは幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学等における教育を指すことは御案内のとおりでございます。  幼児期から高校生までの期間は、子供たちが一生の中で心身ともに最も成長し、人格を形成する大切な時期でございますので、継続性を意識した取り組みが必要であると思っております。そこで本市では、同一校区内の幼稚園、保育園、小学校、中学校が、それぞれの教育活動や子供たちの実情につきまして理解を深める場としまして、平成11年度より学期に1回、幼・小・中連携の日を設定しておりまして、学校・園間の連携を推進しているところでございます。  高等学校におきましては、設置されております学科やコースの特色が違いますものの、就職支援の情報交換会の開催や就職フェアなどの就職指導、また生活指導にかかわる生徒指導、さらには各教科におきます教育研究会など、公立・私立が一緒に行っているところでございます。  今後、熊本市のすべての子供たちを同じ視点で育成していきますとともに、特に中学校、高等学校間の情報交換を密にしながら、さらには県教育委員会や教育機関との連携を深めてまいりたいと考えているところでございます。  2点目の本市教育の発展のためについてでございますが、議員お述べのように、私は教育行政にかかわる者といたしまして、学校現場の実情を理解することが原点であると考えておりまして、市内129校すべての学校・園を訪問させていただいたところでございます。その中で感じましたのは、子供たちにとりまして最大の教育環境というものは教師であり、子供たちが急激に変化をする社会を生き抜く力の育成のかぎを握るのは、子供たちと直接かかわる教師の強い情熱、教育の専門性、そして豊かな人間性であるということでございます。  常々、私は、教育は人と人との営みの中で行われるものであり、そこにはまずは子供と先生、そして子供と子供、家庭と学校、地域と学校など相互の信頼関係がなければ教育の効果は上がらないものだと申し上げております。幼稚園や学校で子供や先生の笑顔があふれ、その笑顔を通じて家庭や地域が笑顔となり、さらには社会全体が明日に希望が持てることが教育ではないかと思っております。  そのような信頼関係のもとに、本市の教育目標であります徳・知・体の調和のとれました次代を担う子供を、学校、園、そして家庭、地域、教育委員会が一体となって育てていかなければならないと思っております。          〔10番 原亨議員 登壇〕 ◆原亨 議員  ありがとうございました。  幼児教育は教育の出発点であり、この時期にしっかりと育てなければ将来に禍根を残すわけであります。高校生の進路についても、義務教育との継続性を確保できるように、そして進学率が全国で下から6番目という事態を改善できるように、県教育委員会との間で十分な論議を起こしていただきたいと思います。  教師力の向上には、与える研修からの脱皮も必要だと思います。不祥事ばかりが取り上げられている中で、下がってしまったモチベーションを上げ、先生たちが明るい将来を語り、未来に向かって走り出せば、必ずや子供たちもよい影響が出てくると確信いたしております。  私も、現在小牧教育長と常任委員会で御一緒させていただいております。就任されたその日から現場に向かわれ、教育は現場にありを実践されました。教師が子供に何を教え、子供は何を学ぶのか、子供の声に何を感じ、教師は何を与えきれるのか、先生たちの葛藤、子供たちの叫び、すべて現場に存在していることを教育長は御存じでありました。残念なことにこの3月末をもって御勇退されるとのこと、次にどなたがなられるかわかりませんけれども、その思いを十分に継続、引き継ぎをお願いしたいと思うところであります。  その長年培われた卓越したお力は、今後市政の発展のため、子供たちの未来のために、新しい立場の中、引き続き御支援賜りますようにお願い申し上げます。長い間、御苦労さまでございました。  次に行きます。  男女共同参画推進条例の推進に向けた取り組みについてお尋ねいたします。  男女共同参画については、国が平成11年に男女共同参画社会基本法を制定し、平成12年に男女共同参画基本計画を策定いたしました。その後、平成14年に熊本県において熊本県男女共同参画推進条例が施行され、熊本市においても平成14年3月に熊本市男女共同参画プランが作成されました。そして、それから7年後の平成21年4月1日に、難産の末に熊本市男女共同参画推進条例が施行されました。この間、たくさんの論議がなされ、男女共同参画社会の構築のためにたくさんの議員の先生方も御努力をいただきました。  現在、条例に基づいて熊本市男女共同参画基本計画の策定が進められております。大きな時代の転換期を迎えている熊本市においては、社会のいろいろな分野において、男女が一人の人間としてお互いに人権を尊重し合い、ともに支え合い、ともに個々の能力や可能性を発揮することができる豊かで活力ある熊本づくりを目指す必要があります。そのためにも具体的な施策を着実に推進していくことが重要だと考えます。
     そこでお尋ねいたします。男女共同参画推進条例に基づき、現在進められている基本計画の作成状況を含め、条例制定後の男女共同参画に向けた取り組みについて、原市民生活局長にお尋ねいたします。          〔原幸代子市民生活局長 登壇〕 ◎原幸代子 市民生活局長  男女共同参画推進条例制定後の取り組みについてお答え申し上げます。  男女共同参画社会の実現を目指した長い道のりの中で、この男女共同参画推進条例の制定は、これまでの取り組みの集大成であり、未来志向の新たな一歩としてさらに大きく踏み出したと思っております。その条例制定後はまず、あらゆる機会・手段を活用し、市民や事業者に周知を図りますとともに、条例の概要をわかりやすくまとめましたパンフレットを作成するなど広報啓発に努めてきたところでございます。  また、平成21年度早々には第6次総合計画の分野別計画でもございます男女共同参画基本計画の策定に着手いたしました。この計画では、従来の知識取得や意識啓発中心から転換を図りまして、具体的な課題解決を図るために、より多くの市民、事業者が男女共同参画を身近な課題として理解できるよう意を用いたところでございます。  その結果、パブリックコメントでもわかりやすい内容であり、期待が持てる、今後の着実な取り組みを期待するなど59件の意見が寄せられており、これらを踏まえ、早急に計画を策定することといたしております。  また、条例の趣旨を踏まえ、総合女性センターはこの4月から「男女共同参画センターはあもにい」と名称を変更いたしますとともに、6月には開館20周年記念事業の開催を予定しております。さらに11月には第20回男女共同参画全国都市会議の開催を予定いたしており、今後、さまざまな機会をとらえて本市の男女共同参画の取り組みを広く発信してまいりたいと考えております。  これからの新しい熊本づくりには、男女がともにいきいきと個性と能力を発揮でき、家庭や地域との触れ合い、あるいは文化や心のゆとりといった精神的な豊かさを重視することが大切であると思っております。そのためにもこの基本計画に掲げた施策の着実な推進を時代の要請ととらえ、多くの市民の皆様、そして事業者の方々と連携・協働しながら取り組んでまいります。          〔10番 原亨議員 登壇〕 ◆原亨 議員  熊本市男女共同参画基本計画における具体的な施策を着実に推進していくことが、社会のいろいろな分野において、男女ともに個々の能力を発揮でき、その結果として活力ある熊本の実現に寄与していくものと確信しております。今後一層の御努力を願うものであります。  原市民生活局長は、本市における女性局長としてお二人目でありました。地方分権社会に対応した自主自立のまちづくりに御努力されるとともに、男女共同参画推進条例制定にも御尽力されました。3月末御退職とのことであります。常任委員会で御一緒いたしております原・原コンビも解消となり、一抹の寂しさを感じておりますが、長年培われた知識、経験を熊本市政発展のために、今後も引き続き御協力いただきますことをお願い申し上げます。大変御苦労さまでございました。  次の質問に移ります。  食肉センター廃止問題について、食肉センターの廃止問題に関しては、平成20年3月議会での廃止方針の後、廃止に向けた進捗状況について質問がなされてきたところであります。また、この食肉センター問題に関しては関係者も多く、市も調整等に苦労されていることは十分理解しております。  廃止問題のここ数年の経緯等についていま一度振り返りますと、平成15年度の基礎調査により、現地改造、現地新築、移転新築、廃止の4事業パターンの整理を行った後、関係者説明を行っております。その中で関係者から現地改造・新築について再度の要望が行われたものの、平成17年には困難という結論に至っております。  しかしながら、食肉センターの廃止に向けては、と畜機能代替の確保が必要との認識から、平成18年度からは熊本畜産流通センターとの機能統合について協議を開始されましたが、平成19年度には馬処理と作業従事者の受け入れは困難ということで、畜産流通センターとの統合についても断念されております。  その後、施設の老朽化等を理由として、平成20年3月議会で二、三年を目安とした廃止方針が出され、その直後に利用業者を中心とした民設民営によると畜場の計画要望書が提出され、これまで協議が進められてきたと聞いております。  そのような中、今年度に入り、熊本畜産流通センターより、自社で輸出認定型施設への大規模改修を行うことにより、牛のと畜受け入れ機能が拡大する等、過去からの状況に変化が生じたため、改めて機能統合の提案が行われたところであります。  そして、この統合案については、今後の県内の畜産振興や食肉の流通等に大きな影響を及ぼすものであるため、それぞれ関係者が十分に理解、納得する必要があることから、かつて畜産流通センターとの協議が不調となった経緯はあるものの、県や畜産流通センター及び利用業者等の関係者を含め再度慎重に協議を行っているとのことであります。しかし、この間、廃止後のと畜をどうするのか、関係者への支援をどうするのかといった質問に対しては、具体的な方針等の説明には至っておりません。廃止の目安としている平成23年3月末まで残すところあと1年という時期となったこともあり、食肉センター関係者にあっては不安を感じておられるのではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。これまでの協議を経て、食肉センター廃止後のと畜機能の代替確保については、どのような方針で臨まれるのでしょうか。仮に熊本畜産流通センターへの機能統合を進めていく方針ということであれば、利用業者の方々や作業従事者の方々の合意なしに進めることはできないし、あってはいけないことであると思うわけであります。また費用負担についても、協議の結果とはいえ、もともと熊本市の統合提案を断られた経緯からも慎重に検討すべきだと確信しております。  さらに、作業従事者の方々の受け入れの可能性についても最重要課題だと思います。少なくともこれらの課題がクリアできないのであれば、機能統合は困難だと思いますが、いかがでしょうか。  最後に、スケジュールの問題ですが、課題がクリアできたとして、食肉センター廃止の目安としている平成23年3月末までの達成は可能なのでしょうか。  以上、合わせて経済振興局長に答弁を求めます。          〔谷口博通経済振興局長 登壇〕 ◎谷口博通 経済振興局長  食肉センターの廃止問題につきまして、3点のお尋ねにお答え申し上げます。  まず、1点目の廃止後のと畜機能の代替確保の方向性についてですが、熊本市食肉センターは、熊本畜産流通センターとともに、熊本県の食肉処理施設整備計画におきまして、基幹食肉センターとして位置づけられており、市食肉センターは主に県内消費需要に、畜産流通センターは主に県外需要に対する供給施設としての役割を担っているところであります。  食肉センター廃止後のと畜機能の代替の方向性の検討に当たっては、県や関係機関等との協議の中で、今後は県産肉のブランド化、販売力の強化等を図りますとともに、と畜場の統合・集約化によります効率的で高度な衛生管理のもとで、安全で高品質な県産肉の提供を行うことが消費者の信頼を得、ひいては畜産農家や関係業界の将来にわたる安定・発展に資するものと共通の認識が示されております。  このためには、県としても畜産流通センターへの機能統合が必要と考えておられ、畜産流通センターとの統合条件に対する関係者の理解が得られ、機能統合が決定すれば県の食肉処理施設整備計画の中で新たな県の畜産物流通の拠点としての位置づけを行うと聞いているところであります。  このようなことから、本市といたしましては、県や関係者等との協議のもと、廃止後のと畜機能の代替確保が可能となる畜産流通センターへの機能統合が最も効率的かつ効果的であると考え、これから機能統合に向けた調整を進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の株式会社熊本畜産流通センターへの機能統合に伴う諸条件の整理についてですが、機能統合の方針について、利用業者の方々や作業従事者の方々の意見をお聞きしながら、説明、協議を継続してまいりたいと考えております。  また、機能統合に伴います市の費用負担につきましては、と畜機能がない馬処理施設の新設を初め、必要となる施設整備について国補助の活用等も視野に入れ、県や畜産流通センター等との協議を進めてまいりたいと考えております。  さらに、作業従事者の方々の雇用につきましては、畜産流通センターから受け入れを検討するという意向も得ておりまして、今後一人でも多くの方々の受け入れができるよう協議してまいりたいと考えております。  次に、3点目の廃止に向けたスケジュールにつきましては、平成23年3月末を目途として努力してまいりたいと考えておりますが、と畜機能代替の確保ができるまでの期間は、現施設を継続することが必要と考えております。          〔10番 原亨議員 登壇〕 ◆原亨 議員  廃止の目安としている平成23年3月まであと1年という時期になっております。この問題については関係者が十分に御理解をいただくことが重要であり、行政機関、関係者や利用業者、作業従事者の方々などその立場で、今後の対応について慎重にして、丁寧な協議を切に望むものであります。  これですべての質問をやってきたわけでありますけれども、執行部の御答弁の常用語「検討してまいります。努めてまいります。考えてまいります。図ってまいります。」が乱舞したわけでありますが、平成20年9月第3回定例議会において、市議会本会議での答弁についての責任とその後の対応について幸山市長に御答弁を求めた際、市長は「本会議の答弁において表明いたしました方針につきましては、その実現に向け最大の努力を行わなければならない。これまで以上に本会議等における答弁の明確化、説明責任の徹底に努め、答弁内容につきましては、それぞれ真摯に対応していく所存でございます。」と御答弁されております。しかし、現実的にはその言葉は稼働してないようにも思えるところもあるわけであります。これは議会制民主主義の根幹を揺るがしかねない問題であります。今後、答弁とその後の対応については、確実な実行をお願いするものであります。  最後に、教育問題についての項目で出てまいりました上杉鷹山の言葉を市長にお送りしたいと思います。また我々政治にかかわる者も理解すべき言葉であります。  「母の赤子に対する心をもって民にのぞめ。この真心、誠のあるところ愛を生じ、愛は知を生じる。」であります。  本日の質問の機会をお与えいただきました議員の皆様、そして傍聴いただきました皆様に厚く御礼申し上げ、本日の質問、終わりといたします。  ありがとうございました。(拍手)       ───────────────────────────────── ○坂田誠二 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次回は、明11日(木曜日)定刻に開きます。       ───────────────────────────────── ○坂田誠二 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                              午後 3時40分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成22年3月10日 出席議員 48名       1番   坂 田 誠 二        2番   田 中 誠 一       3番   くつき 信 哉        4番   紫 垣 正 仁       5番   田 中 敦 朗        6番   重 村 和 征       7番   那 須   円        8番   上 田 芳 裕       9番   前 田 憲 秀       10番   原     亨      11番   澤 田 昌 作       12番   倉 重   徹      13番   満 永 寿 博       14番   大 石 浩 文      15番   高 島 和 男       16番   田 尻 善 裕      17番   上 野 美恵子       18番   東   美千子      19番   有 馬 純 夫       20番   三 島 良 之      21番   齊 藤   聰       22番   津 田 征士郎      23番   白河部 貞 志       24番   藤 山 英 美      25番   村 上   博       26番   東   すみよ      27番   日和田 よしこ       28番   藤 岡 照 代      29番   下 川   寛       30番   田 尻 清 輝      31番   北 口 和 皇       32番   中 松 健 児      33番   佐々木 俊 和       34番   田 尻 将 博      35番   田 辺 正 信       36番   家 入 安 弘      37番   鈴 木   弘       38番   竹 原 孝 昭      39番   古 川 泰 三       40番   牛 嶋   弘      41番   税 所 史 熙       43番   落 水 清 弘      44番   江 藤 正 行       46番   嶋 田 幾 雄      47番   益 田 牧 子       48番   上 村 恵 一      49番   西   泰 史       50番   磯 道 文 徳 欠席議員  1名      45番   主 海 偉佐雄 説明のため出席した者   市長       幸 山 政 史    副市長      西 島 喜 義   副市長      寺 崎 秀 俊    総務局長     寺 本 敬 司   企画財政局長   續   幸 弘    市民生活局長   原   幸代子   健康福祉局長   甲 斐 節 夫    子ども未来局長  木 村 正 博   環境保全局長   奥 山 康 雄    経済振興局長   谷 口 博 通   都市建設局長   高 田   晋    消防局長     橋 本   孝   交通事業管理者  松 永 浩 一    上下水道事業管理者加 耒 英 雄   教育委員会委員長 大 迫 靖 雄    教育長      小 牧 幸 治   代表監査委員   濱 田 清 水    農業委員会会長  森   日出輝   財務部長     石 櫃 紳一郎    病院事業管理者  馬 場 憲一郎 職務のため出席した事務局職員   事務局長     中 島 博 幸    事務局次長    山 田 利 博   議事課長     木 村 建 仁    議事課長補佐   大 村   淳...