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平成19年第 3回定例会−09月12日-06号
平成19年第 3回定例会−09月12日-06号

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  1. 熊本市議会 2007-09-12
    平成19年第 3回定例会−09月12日-06号


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    最終取得日: 2022-11-22
    平成19年第 3回定例会−09月12日-06号平成19年第 3回定例会   平成19年9月12日(水曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第6号                         │ │ 平成19年9月12日(水曜)午前10時開議               │ │ 第  1 質問                             │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時01分 開議 ○牛嶋弘 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ─────────────────────────── ○牛嶋弘 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。藤山英美議員。          〔23番 藤山英美議員 登壇 拍手〕 ◆藤山英美 議員  おはようございます。くまもと未来藤山英美でございます。  先輩、そして同僚議員各位の温かい御理解のもと、今定例会におきまして議員4期目の最初の登壇の機会をいただきました。まずもって厚く御礼申し上げます。  ところで、我がくまもと未来はその会派の設立趣意書において「市民感覚に即し、市民党的立場に立つ」とうたっております。その意味におきましても今定例会からインターネットを通して市民の方々に同時放映されることとなりました本会議の状況を、市民の方々にとってこれまで以上にわかりやすいようにお伝えする工夫が大切であると考えております。したがいまして、私といたしましては、質問通告に掲げております安全安心まちづくり、日本一住みやすいまちづくり市政改革の3つの柱ごとにまず私の考えを総論的に述べ、それに引き続いて各論的に具体的事案を一問一答方式を基本として簡潔にお尋ねしてまいります。幸山市長初め関係局長におかれましては、質問に的確に沿いつつ市民にわかりやすい言葉、表現をもって御答弁をお願いいたします。  では、まず安全安心まちづくりについてでございます。  本市においてこの安全または安心という言葉が公式に使われたのは、私が知る範囲では第5次総合計画の中であり、それは「安全で快適な都市基盤の整備」という言葉でございました。その後、平成17年4月に策定された熊本市安全安心まちづくり基本方針、推進計画の中でも用いられ、その延長線上で平成18年10月には、犯罪を防止し、安全で安心なまち熊本市をつくる条例が施行されたところでございます。  このように見てまいりますと、安全安心という言葉が、当初の都市基盤の整備というハード面的なものから、現在では防犯対策を指すように変わってきており、そのあたりはただいま紹介しました熊本市安全安心まちづくり基本方針、推進計画の中の安全の範囲とはという定義の中で、市民が治安の悪化を身近に感じる状況としては、ひったくりや強制わいせつ、車上ねらい、空き巣などの街頭犯罪や通学路等における児童・生徒等をねらった誘拐などの犯罪の多発がその要因と考えるため、このような犯罪の防止を安全の範囲とすると定義づけられていることからも明白でございます。もちろん、犯罪を防止する条例の中での定義であり、そのことからして間違いではありませんが、このように安全という言葉が本市において防犯という方向に傾いた結果、これ以外の安全への取り組みがおろそかにならないかと懸念するものでございます。
     以上申し上げましたとおり、市民の安全安心の確保のため、そして安全安心まちづくりのため、防犯対策にとどまることなく本市として幅広く取り組んでいくべきではないか。例えば、道路や橋梁の安全対策がそうではないでしょうか。平成9年第2回定例会の一般質問において、私自身の体験として秋津から市役所まで自転車に乗って自分の目と足で検証した歩道上の違法看板や歩道の段差、あるいは危険な自転車等について改善を要望したのですが、いまだ改善が見られません。また、先日、地元桜木地区の視力障害を持たれた方と話をする機会がありました。その方から、歩道がでこぼこで傾斜して歩きにくかったり、点字ブロックが途中で途切れたり、さらには点字ブロックの先に電柱があって衝突したことなど外出に大変な苦労をなさっている様子を伺い、本市の道路行政に細やかな安全対策が欠如していると考えました。  そこでお尋ねいたしますが、歩道の安全確保のために本市として日常的にどのような管理体制で、どのような管理をしておられるのか、基準づくりを含めて都市建設局長の明快でわかりやすい御答弁をお願いいたします。          〔松本富士男都市建設局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市建設局長  歩道の安全確保についてお答えいたします。  市民の皆様が安全で快適に通行できる道路の整備は、本市のまちづくりを進める上で重要な課題の一つであると考えております。  議員お尋ねの歩道の管理につきましては、道路管理者として、歩道を含め道路を常時良好な状態に保ち、通行の安全を確保するための道路パトロールを実施しており、通行の障害となる電柱等につきましては、電線管理者との協議によりできる限り歩行者に支障のない場所への移設の指導を行うなど、歩行者が安心して通行できる歩道の適切な管理に努めているところでございます。しかしながら、本市における歩道の総延長は約225キロメートルであり、議員御指摘のとおり、歩行者の安全な通行の妨げになっている改善すべき歩道があるのも事実でございます。  このようなことから、これまでにも自転車走行空間整備事業電線共同溝整備事業等により歩行者にとって安全で利用しやすい歩道整備に努めてまいりましたが、さらに市全域の歩道状況を詳細に把握する必要があり、平成18年にその基礎資料としての歩道現況調査を実施したところであります。今後は、この歩道実態調査を地域に即した歩道整備に生かすため部内に作業部会を立ち上げ、整備の基本的考え方を明確にする予定でございます。今後とも、障害者や高齢者などの交通弱者の視点に立った、歩行者が安心して安全通行できる歩道の整備に努めてまいる所存でございます。  なお、御指摘のありました桜木地区の歩道につきましては、現地調査に基づき対応したいと考えております。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  歩道は地域の方々のいろいろな意見があるかと思いますが、安全安心で住みよいまちづくりをお願いしたいと思います。また、桜木地域につきましては、現地調査に基づき対応するとのことでございます。完成した歩道で地域の皆様の笑顔が浮かんでくる思いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、安全安心にかかわる事件として、各位、鮮明に覚えておられると思いますが、去る8月1日、アメリカのミネアポリス高速道路での橋の崩落でございますが、突然の崩落、多くの死傷者が出るという考えられない大惨事が発生しました。報道では、この橋は建築後40年を経過しており検査でも異常はなかったとのことですが、現実に崩落したことを考えると、本市においても1950年代から高度経済成長期にかけて多くの橋が建設されていることから、決して同じことが起きないとは断言できません。  そこでお尋ねしますが、本市における現在の橋の維持管理の状況とともに、安心して通行できる橋の確保のためにどのような対策が考えられるか、都市建設局長の答弁をお願いいたします。          〔松本富士男都市建設局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市建設局長  橋梁の維持管理状況についてお答えいたします。  橋は市民の日常生活や産業経済活動の基盤として利用されており、常に良好な状態に維持管理していくことは道路管理者に課せられた責務であり、最も重要なことであると認識しているところでございます。  現在、本市で管理しております橋は1,833橋あり、このうち15メートル以上の橋は178橋、15メートル未満の橋は1,655橋であります。  これまでの落橋防止などの対応といたしましては、15メートル以上の橋につきましては、平成7年に白川、坪井川、井芹川、高速道路、JRにかかる橋のうち、交通量の多い重要な40橋について調査し、平成15年度までに36橋につきましては落橋防止対策等を実施済みでございます。残り4橋につきましても、関係機関と協議の上、計画的に整備してまいりたいと考えております。また、橋長15メートル未満の橋につきましては平成10年度に調査し、危険性が高いと思われる16橋について整備計画を立て、逐次かけかえを行ってきており、今年度までにすべて終了する予定でございます。  なお、塗装による維持補修が必要な橋につきましては、橋の塗装指針に基づき塗りかえを行っているところでございます。  また、今後の対応につきましては、御案内のとおり、本市の橋の多くは高度経済成長期に建設され、今後20年間で約半数が完成後50年を迎えることになります。これは全国的な傾向でもあり、今後、その維持管理費の増大が予想されますことから、これまでの対症療法的な修繕、かけかえから、予防的な修繕及び延命化を図った上での計画的なかけかえへと方向転換を図り、費用の縮減、平準化を図る必要があると考えております。国においてもこのような全国的な状況を踏まえ、平成19年度より、自治体が策定した橋の長寿命化修繕計画に基づく予防的な修繕及びかけかえにつきましては補助を行うとの通知がなされたところでございます。本市におきましては、平成18年度に策定した橋梁点検マニュアルに基づき現在橋梁点検の作業中であり、平成21年度までにすべての橋の点検を完了し、国の補助を受けて長寿命化修繕計画を策定し、適切な措置を講じることにしているところでございます。その後は、5年ごとに定期的な点検を行いながら必要に応じ計画を見直し、橋の適正管理に努めていきたいと考えております。  まずは、橋の安全を確保するためには日常的なパトロールと定期的な点検が重要であるとの認識のもと、今後ともより一層の橋の安全性、信頼性の確保に努めてまいる所存でございます。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  国土交通省の補助が適用されるように、また安心して橋が渡れるように安全を確保するため万全を期していただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。  続いて、次の質問に移ります。  安全安心という問題を考えるとき、特に地震に対する安全対策は市民にとって身近で実現可能であることが効果的であり、また同時に、市民とのかかわりが深い公共施設安全対策にも気を配らなければなりません。その意味におきましても、今回は市民の方々にとって身近な安全対策公共施設安全対策を中心としてお尋ねいたします。  まず、地震時の家の中と外の安全対策についてでございます。  過去の地震災害の具体的な被害の状況を見てみますと、平成7年の阪神淡路大震災において死者・行方不明者は6,000人を超え、負傷者は4万3,000人にも上りました。その中には、建物に特別な被害がなかったにもかかわらず、部屋の中の家具が転倒したこと等により多くの死傷者が出ています。これは、部屋の中に大型の家具や電化製品を置くようになった近年の住宅事情によるものと思われますが、大きな災害をもたらす大地震時の家庭内で被害を軽減するためにも、少ない費用で大きな効果を発揮するたんす等の大型家具の転倒防止器具が有効であると考えますが、これらの普及のために市独自の助成制度を設けられてはどうでしょうか。  また、ただいまの家の中の安全対策とあわせて、家の外の安全対策についてでございますが、つい先日の地元紙に、来年度から地震対策として地方自治体が倒壊の危険性があるブロック塀の撤去に対して助成制度を設けた場合は、国がその費用の一部を補助するとの記事が載っておりました。これまでの震災後の対策とは異なり、地震による被害の発生を事前に防止する方向に踏み出したものと大いに評価するものでございますが、この国の制度の詳細と、これに本市としてどのようにこたえていくのか。  以上、2点について都市建設局長のお考えをお聞かせください。          〔松本富士男都市建設局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市建設局長  地震時の家の中と外の安全対策についてお答えいたします。  まず、1点目の地震時の家の中の安全対策についてでございますが、日本建築学会阪神淡路大震災住宅内部被害調査結果報告書によりますと、震度7の地域では建物に特別な被害がないにもかかわらず全体の約6割の部屋で家具が転倒し、屋内でけがをした人の約5割が家具等の転倒や落下が原因であったことが報告され、家具の転倒防止策は人的被害の軽減に有効であると考えられております。このことから、議員御提案の大型家具の転倒防止器具の普及につきましては、現在、策定を進めております熊本市建築物耐震改修促進計画における民間建築物の耐震化に向けた施策の中で検討してまいります。  次に、2点目の家の外の安全対策についてお答えいたします。  ただいま議員御案内のとおり、国土交通省では新潟県中越沖地震などの大地震を教訓に、震災時に倒壊して死傷者を出す凶器となるブロック塀の撤去や崩壊しやすい盛り土の住宅造成地の補強工事を促進することを決め、来年度から新たな地震対策としてブロック塀の撤去費などに対する補助制度を設けるという報道が先日なされたところでございます。この制度は、地震に強い都市づくりとして既存の都市防災推進事業が制度拡充されるもので、制度の要件といたしましては、5カ年の総合的な市街地防災計画を市町村が策定し、整備の期間や整備区域を定め、国土交通省の認可によって支援を受けることとされております。現在、概算要求の段階であり、平成20年度の制度創設と予算化に向け検討されていると伺っているところであり、今後、詳細な内容の把握に努めてまいります。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  国は今まで地震の予知に重点を置いて地震対策を進めてまいりましたが、地震の危険地帯に入っていなかった新潟県が二度も大地震に見舞われたことなどから、予知から減災に重きを置くようになると聞いております。「備えあって憂いなし」と言います。対策をよろしくお願いいたします。  次に、安全安心問題の最後として、花畑別館の建てかえについて、耐震性能を危惧しながらのお尋ねをいたします。  この建物は昭和11年に建設された本市の公共施設の中で最も古いものであり、これまでも建てかえを初めとしたさまざまな検討が繰り返されてきた一方で、幾度となく改修工事が行われてきましたが、もはやそれも限界に来たと考えております。花畑別館には公用施設のほかにも各種団体が入居されており、市民の来所も多いことを考えると、安全確保のためにも早急な建てかえが必要であると考えております。厳しい本市財政状況の中、難しい面があることは十分理解しておりますが、PFI手法を活用するなど方策はあるはずです。今まさに九州新幹線の全線開通を目前にして、官民一体となって中心市街地の活性化に取り組まれているところですが、花畑別館はまさにその中心に位置し、熊本城の長塀や坪井川の流れが見おろせる絶好の地にあるなど、その活用の可能性は大きいものがあると思います。  以上申し上げましたとおり、花畑別館の安全性への危惧とともに、これからの本市発展のためのポテンシャルを考え合わせ、花畑別館の建てかえについて提案いたしましたが、このことについて幸山市長はどのように考えられるのかお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  安全安心まちづくりの中で、花畑別館の建てかえにつきまして私の方からお答えをさせていただきます。  ただいま議員が述べられましたとおり、市役所花畑別館は、本市の公共施設の中で最も古い施設でございまして、また耐震性の観点からも検討を要する建築物でございますことから、本市としても厳しい財政状況の中ではございますが、早急な対応が必要であると認識をいたしております。  そこで、現在、企画課を中心といたしまして、花畑別館の建てかえにつきまして関係部局と連携をしながら調査、研究を始めたところでございますが、その際には次のような観点からの検討が必要であろうかと考えております。まず1点目でございますが、花畑別館以外にも例えば中央公民館など老朽化が進み、また耐震に関する対応が必要な公共施設が市中心部及びその周辺に幾つかあるわけでありますが、それらとの統合の可能性について。2点目でございますが、現在、民間ビルに入居をしております教育委員会などの取り扱いについて。3点目が政令指定都市への移行を見据えた区役所などの将来の公共施設設置のあり方について。そして4点目が花畑別館の立地性を考慮しました中心市街地の活性化に貢献する機能の検討について。そして5点目でございますが、御提案もありましたが、PFIを初め民間活力を活用した効率的な整備手法の検討、以上のように幅広い観点からの検討が不可欠でございますので、今後できるだけ早く市としての考え方あるいは方向性を明らかにできますように検討を急がせたいと考えております。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  今、別館の職員はびくびくしながら勤務をしております。職員が安心して働けるよう、また来庁者の安全を守るためにも、中心市街地活性化の点からも魅力ある開発ではないかと思っております。民間からも注目を集めると思っております。早期の着手をお願いしておきます。  次に、日本一住みやすいまちづくりについてでございます。  何をもって住みやすさをはかる物差しとするのかについてはさまざまな意見があると思いますが、私はすべての市民にとって日常生活の中で欠かすことのできない水道水の質と量がその最たるものであると考えており、この信念のもと、これを支える地下水の質と量の確保と保全をライフワークとしてさまざまに取り組んでまいりました。その取り組みの一つとして昨年の定例会で水道水の消毒についてお尋ねしておりますが、この問題は危急の課題であると考え、改めて新しい視点を持ってお尋ねしてまいります。  まず、硝酸性窒素への対応についてですが、硝酸性窒素はその濃度が高い水を飲んでも一般的には成人への影響は少ないとされております。しかしながら、乳幼児の場合は血液中の酸素の運搬機能障害によりチアノーゼ症状を呈するメトヘモグロビン血症といった健康障害を引き起こす場合があるとの報告があります。このような有害な硝酸性窒素の汚染原因は、主に生活排水や家畜の排泄物の不適切な処理、窒素肥料の溶脱であると言われておりますが、熊本市内でも濃度の上昇傾向が続いており、今手を打たないと手おくれになると専門家が警鐘を鳴らしているとの新聞報道がございました。  そこで、水道事業管理者にお尋ねいたします。  現在の水道水中の硝酸性窒素の濃度の状況はどのようになっているのか。また、これをどのようにとらえ、今後どのような対応をとられるのか。本市が誇る地下水と、これを生かした本市水道が日本一住みやすい熊本市をつくっているという認識に立たれ、詳しくお答えください。          〔東軍三水道事業管理者 登壇〕 ◎東軍三 水道事業管理者  硝酸性窒素への対応について、藤山議員にお答えをいたします。  硝酸性窒素についてでございますが、現在の本市の水道水の硝酸性窒素濃度は、水道法で定められております水質基準値の半分以下でございまして、現時点では緊急な対策が必要なレベルには至っていないと判断をいたしております。水道局といたしましては、先般策定をされました第1次熊本市硝酸性窒素削減計画に基づきまして関係部局との連携を図りますとともに、水質の監視及び水質情報の共有化に今後とも取り組んでまいりたいと考えております。  また、水道局独自の対応といたしまして、比較的濃度の高い託麻水源地方面で、万が一、汚染が進行した場合を想定いたしまして、ほかの水源からの補給により託麻水源地の全取水量、日量7,000トンを確保できるよう、平成20年度の運用開始を目標に、現在、高遊原配水池の増設並びに補給のための配管工事を行っているところでございます。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  命の水でございます。よろしくお願いいたします。  次に、クリプトスポリジウムへの対応についてですが、この聞きなれないクリプトスポリジウムとは、人や動物の腸内に寄生して下痢症状を引き起こす病原性腸管内寄生原虫で、1996年に埼玉県越生町でこれに汚染された水道水を飲んだ多くの住民が発症するという集団感染事故が起こりました。このクリプトスポリジウムは、水道水の消毒に通常用いられる塩素剤では死滅しないため、近年これへの対応が問題となっているそうです。幸い、本市の水道水源は地下水であるため河川水などと違い汚染される可能性は低いとは考えられますが、たとえ地下水であっても周囲の状況のいかんによっては汚染の可能性があるのではないでしょうか。  そこで水道事業管理者にお尋ねいたしますが、本市水道局ではこの問題に対しどのように認識し、どのように対応しておられるか、わかりやすく説明していただきたいと存じます。          〔東軍三水道事業管理者 登壇〕 ◎東軍三 水道事業管理者  クリプトスポリジウムへの対応についてお答えをいたします。          〔議長退席、副議長着席〕  クリプトスポリジウム対策についてでございますが、水道局では浅井戸のある水源地におきまして毎年1回の検査を行っておりますが、現在までクリプトスポリジウムは検出されておりません。このクリプトスポリジウム対策につきましては、従来の膜ろ過による処理よりも低コストで済みます紫外線殺菌処理による方法がこれまで国などの研究でなされてまいりました。その結果、平成17年にその有効性が確認され、紫外線導入のためのガイドラインが示されたところでございます。そこで、本市では、坪井川沿いにあります水源地の浅井戸の汚染が懸念されますことから、予防措置といたしまして平成18年度に亀井水源地の浅井戸に紫外線殺菌装置の導入をいたしております。今後、平成20年度までにその他の一本木水源地及び八景水谷水源地に同装置を設置してまいりたいと考えております。  水道局では、これからもお客様へ安心安全で良質な水道水を安定的に供給していくため、職員一丸となって努めてまいる所存でございます。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  市民は水道水が安全であることが頼りであります。水道局の安心安全で良質な水道水供給をよろしくお願いいたします。  次に、市政改革についてでございます。  私は、市議会議員としての12年間、私なりに、あるいは会派の同士ともどもさまざまな角度から市政改革に取り組んでまいりました。その結果、一般ごみ収集を週3回から2回に変更するとともに資源ごみの毎週収集のルール化、本市交通災害共済事業の民間委託など、市民サービスを後退させることなく経費を削減することができ、執行部の取り組みに感謝しているものでございます。  ところで、昨年第3回の定例会での一般質問において私は、市政改革は手段であり目的ではないとの考えのもとに数点について質問しましたが、そのときの答弁の多くが、改革の目的を明確にとらえないままに経費の節減の方法に終始しておられました。このようなことでは改革に携わる職員のモチベーションが上がらず、改革の痛みだけを実感することとなるのではないかと懸念し、今回は考えられる目的を先に示すことで、そのための手段としての市政改革が全職員を巻き込んでさらに進展するように期待し、お尋ねをいたします。  まず、市電の150円均一運賃の導入についてでございます。  この件についてはこれまで何度となく本会議の中で質問あるいは提案してまいりましたが、本年6月の定例会におきましてこのための条例が可決され、近々実施されると聞いております。それなりの前進を評価いたします。しかしながら、私が描く均一料金制導入の最終目的は市電の採算性の確保であり、その中間目標は市電の利便性の向上と定時性の確保です。その意味においても、均一料金制が導入されれば運転手の運賃処理が簡単になり、前乗り後ろおりが可能になり車内混雑が軽減でき乗車降車に時間がかからなくなり、ひいては定時運行が可能となり、最終的には信頼できる交通手段という評価を得て乗客増につながると考えております。  このように、今回の150円均一料金制の導入を将来の乗客増につなげていくために、さらに検討を進められる決意を交通事業管理者にお聞かせいただきたいと思います。          〔石田賢一交通事業管理者 登壇〕 ◎石田賢一 交通事業管理者  市電の均一運賃につきましては、本年第2回定例会で条例改正を御承認いただきまして、現在、国への認可申請を提出しているところでございます。10月には実施できるようお願いしているところでございます。交通局といたしましては、何よりも安全、快適で円滑な運行を図ることで市電の利便性を向上させていきたいと考えております。今回の150円均一運賃への移行に伴い、プリペイドカードにつきましては乗車時のカード挿入は不要となり降車時のみの挿入となります。また、現金でお支払いの方につきましても整理券が不要となることから乗降のスピードアップが図られると考えております。  議員御提案の市電の乗車方法の変更でございますが、前乗り後ろおりにすることでお客様の乗りおりがスムーズになる電停がある反面、逆に混雑になる電停もございますし、並行するバスと乗車方法が違ってくることで混乱を生じることも考えられます。今後、JR新水前寺駅と市電との結節や4年後の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業などを見据えたとき、市電の乗客数に大きな変化が出てくることも考えられますことから、ICカードの導入も含め、御提案の乗車方法などのソフト面につきましても検討しなければならないと考えております。  いずれにしましても均一運賃制への移行は、将来的に乗客増による運賃収入の確保を目的としておりまして、そのためにも定時性の確保など市電の利便性向上策について職員一丸となりさまざまな角度から検討を重ね、所要の措置を講じていかなければならないと考えております。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  何よりも安全、快適で円滑な運行を図るとのことでございますが、私はきょう電車で議会に参りました。きょうの電車は超低床電車でございまして乗降はスムーズで、23分で通町まで着きました。しかし、前に発車しました電車は水道町で追いつきました。前の電車は水道町まで25分以上かかっているということでございます。やはり乗降に時間がかかっていると証明したわけでございます。ラッシュ時はもっと時間がかかると思います。健軍から通町筋まで22分と掲げてあります。もっと努力すべきではないかと思っております。  答弁の中に、混雑になる電停があるとありましたが、どこでどのようなものか教えてください。          〔石田賢一交通事業管理者 登壇〕 ◎石田賢一 交通事業管理者  混雑になる電停はどこかという御質問でございます。  電停は道路の中央にありまして、それに至る横断歩道は一方向にしかございません。進行方向によりましてはスムーズにいく電停、行きにはスムーズにいく電停は帰りには逆に反対方向になってしまいまして混雑する電停ということになってくるわけでございます。そういうことで、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  今の答弁は私の質問に対する答弁になっておりません。私はどこの電停が問題あるのか聞いたわけでございます。もう一度お答え願います。          〔石田賢一交通事業管理者 登壇〕 ◎石田賢一 交通事業管理者  どこの電停かというわけではなく、全般的に電停は一方向にしか道路から中央の電停に移る横断歩道がございません。ですから、行きにスムーズになる電停は今度は逆に帰りには横断歩道の位置が反対方向になります。ですから、全般的に混雑が生じてくるということでございます。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  私はこの提案を何回もいたしました。その前にすべて検証しているつもりでございます。ほとんどラッシュ時の対応をすればあとは問題がないわけでございまして、私は問題があるのは水前寺駅通ではないかと思います。あそこだけが私もちょっと心配になりましたが、しかし、健軍方面から来ると後ろの方には歩道橋があるわけです。歩道橋はほとんど使われておりません。だから、それを考えればそこもクリアするわけでございまして、ほとんどの電停が問題はないと思っております。中心部になればおりる方は多いけれども乗る方は少ない、そういうことでほとんどがクリアできると私は確信を持って提案したつもりでございます。そして、そういう提案をしたということで市民の方と話をします。すると、「前乗り前払いは都会では当たり前だもんな」ということをほとんどの方は言われます。今までのようなことをやっていれば都会にはなれないわけでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  公営企業は法で守られている、民間のノウハウを導入しない、聞こうとしない、こういうことではこの赤字体質は解消できないと思います。私もこの提案をしましたが、管理者は130円均一を実施しました。これには職員はすべて赤字になると言っておりましたけれども実施されて、1カ月で500万円以上の赤字を出されました。職員はみんなわかっていたんです。そして150円の3カ月の試行、これはとんとんだともう事前にわかっていたわけですけれども、やはりこれも実施されました。試行というのは問題点があるからやるわけでございまして、何も問題点がなければ意味がないわけでございます。そして、秋津浄化センターに電車基地をということで提案をしましたけれどもこれも没になっております。これをやれば補助もあるし延伸もできた、便利にもなる、大江車庫も売却できると、そういうことで交通局にはいい話だと思ったんですけれども、平成18年度の4億8,000万円の黒字もこれは売却をしたから出てきたものだと思っております。このままではほかの交通事業との競争はできないと思います。早く公営企業の原点に立って経営改善を図っていただきたいと思います。  次に、行政財産の目的外使用許可に関してお尋ねいたします。  この行政財産の目的外使用許可という財産処理方法は、そもそも行政財産であることから、行政が使用しない間は例外的に一時的な使用を認めようとするものであり、その使用料については国やほかの地方公共団体が公用や公共用に使用する場合とともに公益的な使用の場合には減免することができます。つまり、行政財産であっても本来の行政目的に支障がない限りにおいて有効に活用していくというところに目的があります。この制度を実際の例に当てはめてみますと、例えば私の地元にある横井小楠記念館では、地元の横井小楠顕彰会が来館者に喜んでもらうために小楠ゆかりの記念品をたった0.66平方メートルの売り場においてほぼ原価で販売しておられるのにもかかわらず、売場分の土地使用料は減免なしの年間6,770円となっています。その一方で、戸島のパークゴルフ場は平成14年から使用が開始され、昨年から減免適用を受けて年額95万6,030円となっていますが、それまでは土地使用料は無料となっておりました。  今、本市にあっては全庁を挙げて一つ一つのむだを省くための改革を進めておられますが、ただいまお示しした具体的な事例のように市の判断、運用がわかりにくいものがあると改革の全体が批判されかねません。お示しした行政財産の運用という難しいルールについて、一連の熊本市としての判断を市民にもわかりやすく説明いただきたいと存じます。また、あわせてパークゴルフ場そのものの管理運営についてどのように考えておられるのか、企画財政局長の懇切な説明をお聞かせください。          〔西島喜義企画財政局長 登壇〕 ◎西島喜義 企画財政局長  行政財産の目的外使用許可についてお答えいたします。  行政財産目的外使用許可に伴います使用料につきましては、行政財産使用条例において定められた額を使用料といたしておりますが、公益上その他特に必要と認める場合は減額または免除することができるとされております。  議員が述べられました横井小楠記念館につきましては、顕彰活動の一環として使用許可を行っておりますが、来館者に対する来館の記念や土産物としての物品を販売する行為であるため使用料を徴収することとしております。同様の事例といたしましては、小泉八雲熊本旧居における記念品の販売がございます。
     パークゴルフ場につきましては、スポーツの振興並びに高齢者等の福祉の増進に寄与していることから使用許可を行っており、減免につきましては、生涯スポーツの振興という観点から公益性に合理的理由があるものと認め、一部を減額しております。  今後も、使用料の減額または免除につきましては、事業の公益性、使用者の性格などを踏まえ、事例ごとに適切な判断を行い、行政財産の適正運用に努めてまいります。  また、お触れになりました減免を行っている団体に対しましては、事業の管理や収支の状況などを的確に把握し、担当部局と連携しながら適正な管理運営と財政運営について必要な指導を行ってまいります。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ただいまの企画財政局長の答弁をお聞きし、私の質問の趣旨を全く理解されていないと感じました。また、冒頭で市民にわかりやすい言葉と表現で答弁してほしいと要望していたのにもかかわらず、あいかわずのお役所言葉と難解な説明で失望いたしました。パークゴルフ協会がNPO法人だから公共性があり、横井小楠顕彰会は売店営業だから公益性はないとの説明だったかと思いますが、私あるいは地元の横井小楠顕彰会の方々にとっては全く逆ではないかと感じられたと思います。このような答弁では、私だけでなく地元の顕彰会の方々も納得いかないと思います。今後も機会あるごとに新たな資料をもとにお尋ねしてまいります。そのときは誠意を持ってお答えください。  次に、同じく財産問題として本庁舎の有効活用についてお尋ねいたします。  さて、本市においては組織の統廃合が局の再編を含めてダイナミックに行われてきました。しかしながら、これらの組織のスリム化の進展にもかかわらず本庁舎の配置は基本的には旧態のままで、執務スペースや会議スペースも決して十分とは言えない状況にあるのではないでしょうか。このような観点から本庁舎各階の状況を改めて見ますと、特に3階フロアの中央に長い壁で囲まれた一角があり、これが3階の主要な面積を占めていることに疑問を感じます。これは、昭和61年度から本格稼働を始めた本市総合行政情報システム関連のコンピューターや出力した用紙の後処理機が設置された部屋であり、ほかにも近年構築された熊本市情報ネットワークシステム、いわゆるCネット等の設置スペースともなっております。  ところで、昨今の情報機器の高性能化、小型化、軽量化の進展は驚くほどのスピードであることを考えると、現在、本庁舎1階の市民課に設置してある住民基本台帳のバックアップシステムやサーバー方式を新たに採用することによって、現在の3階のコンピューター機器を庁舎内の別の場所に分散したり、あるいはほかの建物に移して通信回線で接続するなど、時代の変化を活用することによって本庁舎内に広大なスペースを生み出すことができるのではないでしょうか。このことによってもたらされる財政上の効果は莫大なものになると考えておりますが、この3階フロアの再構築について、施設及び電算担当の企画財政局長にお尋ねいたします。          〔西島喜義企画財政局長 登壇〕 ◎西島喜義 企画財政局長  3階フロアの再構築についてお答えいたします。  市民サービスや事務効率の向上を図るための事務スペース、それからコンピューター等の機器スペースの適正な配置は、庁舎管理上の課題の一つと考えております。3階フロアには子育て支援課、保育課、危機管理防災室、情報政策室などがあり、コンピューター関連機器の設置スペースはフロア面積の約4分の1を占めております。議員御指摘のとおり、コンピューターの高性能化、小型化、省電力化は進展しておりますものの、広いスペースを必要といたします無停電電源装置、大量出力用高速プリンタ、空調関連機器等の周辺機器の小型化はさほど進んでおらず、現状では3階フロアのコンピューター等の機器スペースを大幅に縮小することは困難な状況にあります。そのような中で、設置スペースの縮小策の一つとしての機器の分散化につきましては、セキュリティー面、運用管理面への配慮のもと、一部可能な機器の本庁舎内での分散設置を行っております。  なお、情報システム全体を本庁舎以外へ移転することにより本庁舎に物理的スペースを確保することは可能となりますが、セキュリティーの確保や経費などの課題があり、さまざまな面から検討することが必要であると考えております。  今後、本庁や出先等の庁舎配置を全体的に見直す中で、御指摘の本庁舎3階フロアの配置の問題についても検討してまいりたいと考えております。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  先ほど質問いたしました花畑別館の建てかえ時など、検討すれば可能性が出てくるのではないでしょうか。一つの方法だと思います。よろしくお願いいたします。  次に、市営住宅問題についてお尋ねします。  この問題については、現場の意見も踏まえつつ、これまでたびたびお尋ねしてまいりましたが、いまだ抜本的な解決には至っておりませんので、再度お尋ねいたします。  さて、ことし1月4日付の地元紙の記事によりますと、県営住宅の多くが高度経済成長期に建設され、耐用年数が迫っているにもかかわらず、財政難のため補修工事で延命を図っているとのことでございました。また、同月11日の同じ地元紙の記事によりますと、県内14市の状況もほぼ同じような状況にあるとのことでございました。このように、時代は確実に公営住宅の新規建設から建てかえに変わりつつあり、さらには維持補修によって建てかえの時期をおくらせるなど、厳しい財政難の中で戦後間もない時期につくられた公営住宅政策の大きな転換期を迎えているのは間違いありません。また、一方、本市の場合はさらに深刻な問題を抱えておりまして、市内の空き家数が3万6,000戸と年々増加の傾向にある中にあって、そのうちの2万5,000戸が民間賃貸住宅の空き家であることから、市営住宅が民間を大きく圧迫している側面があります。このような現状をもとに私はこれまでたびたび市営住宅問題にさまざまな角度から改善を要望してまいりました結果、新規の市営住宅の建設にストップをかけることができました。しかしながら、これにとどまることなく、公営住宅の役割は既に終わったととらえさらに踏み込んだ改革が必要であると考えており、今回は新たな視点からの問題提起をしたいと思います。  さて、市営住宅には毎年40億円もの市費が投入されてきております。そして、見えない借金返済が平成15年度25億円、平成16年度26億円、平成17年度27億円、平成18年度29億円、現在でも470億円もの借金を抱えております。まさに本市財政を悪化させてきた元凶と言うことができますが、現実に借金をして建て続けてきた市営住宅を抱える以上、これを本市が有する有効な資産と見て、民間への売却などその活用を図っていくことが必要ではないでしょうか。また、一方、どうしても建てかえが必要な市営住宅についてはPFI手法を用いるなど、民間活力を利用して財政投資を抑えることも検討することが必要です。このように、本市の市営住宅問題を解決するためには抜本的な見直しが必要であり、そのためには幸山市長の大きな決断が必要ととらえておりますが、このことについて幸山市長のお考えをお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  市営住宅問題につきまして、市営住宅における資産の有効活用、民間活力の活用、あるいは市営住宅施策の見直し等に関するお尋ねにつきましてお答えをさせていただきます。  市営住宅の新規建設につきましては、現在、事業を進めております画図重富団地を最後といたしまして建設の中止を決定したところであります。これに伴いまして未利用の住宅用地が出てまいりますが、これにつきましては、未利用地の利活用を図るために全庁的に検討を進めているところであります。また、市営住宅の建てかえに当たりましては、本市の財政事情等を踏まえましてさらなるコストの低減など、効率的な事業の展開が求められているところであります。このような中、市営住宅の整備手法といたしましては、民間事業者が持ちます資金、技術、ノウハウ等を活用したPFI等の事業手法が注目をされているところでありまして、先ほども御紹介ございましたが、全国的には公営住宅整備にPFIを導入している事例等も紹介をされております。本市におきましても、民間資金の活用等が効果的と考えられます大規模な団地につきましては、市営住宅の立地条件等を考慮し、熊本市PFI活用指針に照らしながら、今後検討を行ってまいりたいと考えております。  市営住宅の問題の解決には抜本的な見直しが必要であると御指摘をいただいたところでございますが、昨年度策定をいたしました第2次住宅マスタープランにおける本市の市営住宅政策の基本方針といたしまして、建設中心からストック重視・管理重視の政策への転換を図ったところであります。その中で、管理戸数につきましては、人口減少社会を見据えました上で適正化を図る必要がございますことから、今後、建てかえが必要となってまいります市営住宅につきましては、統廃合や用途廃止、規模縮小により総管理戸数の削減に取り組んでいきたいと考えております。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  市営住宅入居者は約3万人でございます。1万2,000世帯ぐらいでございます。それにあの莫大な金を投入しているわけでございまして、市長の答弁にも決意は伺えますが、もう一段、二段踏み込んだ対応が必要であると思っております。市及び市近郊のマンション建設は平成9年度から平成18年度まで少ないときで596戸、多いときは1,154戸が建っております。需要より供給が多い状態でございます。契約率も平成14年度で48.5%、平成13年度で85.7%ということで、かなり残っている状況でございます。例えば空き家3万6,000戸に補助金を出して市外から受け入れれば政令市の人口要因70万人はクリアします。市長の御英断を思うばかりでございます。  次に、国保の人間ドックの廃止についてお尋ねいたします。  このことについては私はこれまで数回にわたってお尋ねしてまいりましたが、そのときの担当局長は、国の制度との整合性も必要であり、今後検討するとの答弁に終始され解決が先送りされている感がぬぐえませんでした。各位御案内のとおり、医療制度改革によって基本健診がなくなり、医療保険者による特定健診、特定保健指導にかわりますが、今まさにそのための提供体制や財源問題など基本的な事項について慎重に検討すべき大事な時期に来ていると考えております。しかしながら、国保財政が大変に厳しい中にあって、これらの特定健診・特定保健指導への新たな取り組みはさらなる財政負担を生み、結果、国保財政のさらなる厳しさを来すことになると思います。心配をしております。  その意味におきましても類似した事業である国保の人間ドックは廃止し、特定健診、特定保健指導に統合すべきではないかと考えるものでございますが、いかがでしょうか。また、あわせて難解な保険料と患者負担ルールについても健康福祉局長のわかりやすい説明をお願いいたします。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  国民健康保険に関しまして、人間ドック、保険料及び患者負担についてのお尋ねにお答えをいたします。  まず、人間ドックについてでございますが、現在、40歳以上の市民を対象に老人保健法によります一般施策として基本健診を実施しております。一方、国保では30歳以上の加入者を対象に日帰りの人間ドック助成事業を実施しております。  今回の医療制度改革によって、来年度から基本健診は各医療保険者が実施する特定健診にかわることとなり、国保でも健診業務を行うこととなります。現在、本市の国保における特定健診及び特定保健指導に関しましては、来年4月の事業開始に向け、関係機関と協議を進めながら種々検討しているところでございます。  国保人間ドックは、がん検診部分を除き特定健診と検査項目の類似点が多く、国保財政の健全化の観点から、来年度以降の取り扱いにつきましては、今後さらに検討してまいりたいと考えております。  次に、保険料についてでございますが、現在、保険料は、医療給付等にかかる基礎賦課額、いわゆる医療分と、満40歳以上65歳未満の方に賦課いたします介護納付金賦課額、いわゆる介護分の2区分の合計額となっておりますが、来年度からは、後期高齢者医療制度の創設に伴い、医療分に含まれておりました老人医療拠出分が後期高齢者支援分として別立てとなりますことから、医療分、後期高齢者支援分、それに介護分の3区分の合計額となります。したがいまして、来年度からは、これら3区分ごとに保険料率を設定することとなります。また、現在、国の示しております案では、保険料の賦課限度額は、医療分47万円、後期高齢者支援分12万円、介護分9万円の合計額68万円で、今年度に比べ3万円増額となりますが、本市の場合、加入世帯の約4%の所得の高い世帯が対象となる見込みでございます。  最後に、患者負担についてでございますが、現在、医療機関に支払う患者負担は一般的に3割でございます。また、70歳以上の場合は1割負担でございますが、現役並み所得の方は3割負担をお願いしております。来年4月からは、70歳以上75歳未満の方の負担割合が1割から2割に引き上げられることとなっております。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  なかなか複雑でわかりにくいかと思いますけれども、一つ一つ説明をお願いしたいと思っております。市民の方はなかなか御理解いただけないところがあるかと思います。また、赤字なのに1つの事業で2つの健診はおかしいと思っております。一つにまとめて実施していただきたいと思います。  今回の医療制度改革は本当にわかりにくいんですが、保険料が医療分、後期高齢者支援分、介護分の合計額ということになっております。我々議員も国保加入者は年間3万円ふえるということでございます。  次に、ごみ問題についてでございます。  ごみ問題における改革は、たとえ経費の節減ができたとしても市民の方々に対するサービスの低下を来した場合には、これが実感としてとらえやすい部分であることから、さらに慎重な取り組みが必要であると考えており、これを肝に銘じつつ、今回はごみ収集方法の変更について提案をさせていただきます。  私はごみの減量、リサイクルの推進という観点からも戸別収集という方法は非常に有効な手段であると考えております。実際に本市で昨年行われたモデル地区における調査では、ごみの量が1割から3割も減ったとのことですが、この背景には自分の敷地内にごみを出すことから、ごみの排出責任が明確になるため分別が進み、結果としてごみの減量とリサイクルが進んだのではないかと考えております。  したがいまして、この調査結果をもとに、市内の特定地域を対象とした戸別収集を1年間程度試行できないでしょうか。収集時間がふえ経費がかさむこととは思いますが、資源ごみの回収量がふえることによって売却益がふえ十分採算がとれるはずです。将来のごみ問題を見据えた資源ごみを含めた戸別収集の導入の可能性について、環境保全局長の御見解をお尋ねいたします。          〔宗村收環境保全局長 登壇〕 ◎宗村收 環境保全局長  ごみの戸別収集導入の可能性についてお答えいたします。  戸別収集につきましては、議員御指摘のとおり、自分の敷地内にごみが出されることから、ごみに対する意識が向上し、分別が徹底されることなど、ごみの減量に一定の効果がある一方で、収集効率の低下や経費の増といった課題がございます。現在、燃やすごみに限定し、モデル地区約350世帯において戸別収集によるごみの量や収集時間の変化などについて調査を行っているところでございまして、この結果も踏まえ、費用対効果等の分析を行い、戸別収集の将来的な導入の可能性について検討することといたしております。今後、議員からの御指摘も踏まえながら、さらなる検討を行う場合には市民の分別行動につながる一定の期間にわたって収集をするなど、これまでの調査とは違った角度、テーマで実施するなどの観点を持つことが必要であると考えております。  いずれにいたしましても、資源として有効に活用できる資源物の分別の徹底は、リサイクルの推進のみならず、ごみの減量化につながりますことから、かねてから実施しております分別ルールの周知のための説明会に加えて、新しい分別収集として、生ごみのバイオエタノール化等のモデル事業にも取り組んでいるところでございまして、今後とも、ごみの減量、リサイクルの推進に資する効果的な手法を広く講じてまいりたいと考えております。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  私の提案を評価していただきありがとうございます。私も現場の職員からごみ収集に対する提案もいただきました。現場の職員も一生懸命考えております。職員にも聞きました。また業者にも尋ねました。評価をいただいたと思っております。戸別収集が進めばいろいろな形で今目標にしておりますごみゼロに近づくこととなると思っております。いろいろなやり方があるかと思いますが、私はこの方法はいい方法だと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。  次に、本庁裏の熊本市役所駐車場の混雑対策について提案させていただきます。  この駐車場は、料金精算機は現在のところ市役所本庁1階の東玄関、駐車場1階のエレベーター前、そして駐車場出口の3カ所にあります。このうち駐車場出口での精算は車に乗ったままでの精算機の操作が必要であることもあり、本庁1階や駐車場エレベーター前の精算に比べると特に時間がかかり過ぎております。このことが結果として駐車場内の渋滞を引き起こしているのではないでしょうか。したがって、駐車場出口での精算方法を改めることができないか、企画財政局長にお尋ねいたします。          〔西島喜義企画財政局長 登壇〕 ◎西島喜義 企画財政局長  熊本市役所駐車場の混雑対策についてお答えいたします。  入庫時の渋滞につきましては、平成18年4月に公用車82台を市役所駐車場から辛島公園地下駐車場に移動いたしましたことによりほぼ解消しております。しかしながら、出庫時におきましては、議員御指摘のとおり、時間帯によっては出口精算機のところでの渋滞が発生することもあります。現在の精算システムは、平成15年2月に精算事務のスピードアップを図るため導入したもので、事前の精算を可能とするシステムであります。事前精算機につきましては、本庁1階東側出入り口のサービスコーナー横、市役所駐車場1階エレベーター前に各1台設置しており、現状では約80%の方が事前精算を利用されております。残りの出口精算機を利用されている約20%の方々は、初めて駐車場を利用される方や、市役所で用を終えた後、他の場所へ訪れる方などであると思われます。このような方々の出口精算の利用を全くなくすことは難しい状況であります。  今後、事前精算機の利用について、駐車場内でのアナウンス並びにサービスコーナーにおける案内など、より一層の利用者への周知徹底を図り、出庫時の渋滞解消に努めたいと考えております。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  非常に消極的です。出口精算の利用を全くなくすことは難しいということでございますが、民間ではどんどん進んでおります。例えば民間の場合、精算が済んでおればゲートに近づくと自動でバーが上がります。そういうところもございます。80%の人が事前に精算している、あと20%を事前精算に導けばいいわけでございます。考えれば知恵は出ると思います。例えば出口の精算は割引をしないというだけでほとんどの方が精算されるのではないかなと思っております。また、渋滞のとき、燃料漏れによる火災、地震発生等もあるかもしれません。そういうときにどうするかという問題もあります。改善をよろしくお願いいたします。  次に、その他として、富合町との合併についてお尋ねいたします。  熊本市と富合町との法定合併協議会での協議が着々と進んでおり、我が会派くまもと未来としてもその成り行きに大いに注目いたしております。そもそも我が会派としては、ことし5月の設立趣意書の中で「3年以内の政令指定都市実現を目指し、積極的に行動する」とうたっておりますとおり、政令市を目指すこと、その前提となる隣接自治体との合併については賛成の立場を表明し、そのための取り組みに積極的に取り組んでおりました。しかしながら、市民の方々と接する中にあって、富合町との合併はどうなっているのかよくわからないとの声をよく耳にします。本市として合併協議の内容について市政だよりと一緒に配布される合併協議会だよりで市民への周知を図っておられることは存じておりますが、これだけでは十分ではないのではないでしょうか。これまで市内5カ所で開催された富合町との合併についての地域説明会への参加者は合計でわずか108名でしたが、このことはまさしく市民の富合町との合併についての関心の低さを物語っているのではないでしょうか。  合併は手段です。その先にある政令市も手段です。大切なのは、合併そして政令市によって我々熊本市民そして富合町民の生活がどうなるのか、それぞれの市と町はどのように発展するのかをきちんと住民に知らしめることです。そのことによって初めて住民の中に論議が湧き起こります。幸山市長は「市民協働による行政推進」をスローガンとされておりますが、そのためにもまずもって市民が真に必要とする情報を積極的に提供すべきであって、そのことで市民の関心を深めることができると考えております。そのためには、合併によって私たち市民の暮らしがどう変わっていくかについても具体的に示すことが必要であり、このことで市民を巻き込んだ合併政令市問題の幅広い議論が可能となると考えておりますが、このことについて幸山市長はどのように考えておられるのかお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  富合町との合併につきましてお答えをさせていただきます。  ただいま御指摘もありましたように、合併によってみずからの暮らしがどのように変わっていくのか、あるいは市と町がそれぞれどのように発展をしていくのかといったことを住民の皆様方によりわかりやすい形でお知らせをしていくということ、これが合併、そしてそれから先の政令指定都市の問題の幅広い論議を可能にしていくものと考えております。そのために、合併協議会で作成をいたしました新市の将来像でもございます基本計画におきまして、新市のまちづくりの基本方針あるいは新市の施策概要に加えまして、45の主要事業や計画期間の財政計画もあわせまして提案をし、合併後はこのようなまちづくりを行っていくという具体的な方向性を示したところであります。この基本計画や住民にかかわりの深い項目の協議内容につきまして7月の住民説明会においてその概要を説明し、参加者は少なかったという御指摘もあったところでございますけれども、参加をしていただいた方々からは熱心な御意見もいただいたところでございます。  また、周知の方法といたしましては、これも先ほど御指摘もありましたけれども、合併協議会だよりの全戸配布以外にも合併協議会のホームページを開設いたしまして、逐次、協議状況等につきましてごらんいただけるようにしているところであります。今後も引き続きまして合併協議会だよりやホームページでの掲載内容を充実させまして、両市町の住民の皆様に対してよりわかりやすい丁寧な情報提供に心がけますとともに、地域や団体での説明会などさまざまな機会を積極的に活用しながら、なお一層の情報提供に努めてまいりたいと考えております。  ただいま議員の方から合併はあくまでも手段であるというお話をされたところでありますけれども、私もまさにそのとおりだと思っております。合併はあくまでも手段、その目的というものはやはりお互いの地域の特性を生かし、それが一体となることによってさらに魅力的なまちづくりを進めていくということではなかろうかと思っております。そういう意味におきましては、その内容を示させていただいております基本計画でありますとか、あるいは合併協議会での進捗の状況等につきまして、やはり御指摘もありましたように、もっとわかりやすい形でそれぞれの住民の皆様方にしっかりと提供してまいる、そんな努力をしていきたいと考えているところでございます。  この富合町との合併の問題、これはその先には政令指定都市の実現という本市の最重要課題と言っても過言ではないと考えておりますが、そこにもつながるものと考えておりますので、先日も申し上げたところではございますが、まさに背水の陣で臨んでまいりたいと考えておりますので、今回もこの議会の中でも各議員からこの政令市あるいは合併の問題につきましては御指導、御指摘をいただいたところでございますけれども、どうぞ今後とも御協力をいただきますように、この場をおかりいたしまして重ねてお願い申し上げたいと存じます。          〔23番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  この問題については何人もの議員が質問をされております。再度の「背水の陣で臨む」というお言葉を聞きまして、この熱意とともに、勇気ある行動をとっていただきたいと思っております。  最後に、健軍川の河川改修に関し、昨日の満永議員の質問でも取り上げられましたが、私からも強く要望をいたしておきます。  昨年の大雨のとき、私は長嶺に住む友人から水害の現場を見てほしいとの電話連絡を受け現場に向かいましたが、渋滞がひどくやむなく途中で引き返しました。それ以来そのことが気になっていましたが、ことし2月、本市の河川課、東部土木センター、公園課と地元住民を交えその現場の立ち会いをすることとなりました。私は一見して洪水になる構造ではないかと直感し、担当者に尋ねると、そのときの答えが「ここを改修すると下流の洪水がひどくなるので今はできない、改修工事には五、六年かかる」と。きのうは十数年という答弁がありました。担当者としては流域全体を考えていかなければならない立場からの発言だったと思いますが、私を初め地元の人たちにとっては大変ショックでございました。河川改修が終わるまで地元としては我慢できないという思いを胸に、何とかできないかと周辺を歩き回り、そこで健軍川沿いにある県の戸島調整池を目にし、とっさにこれを利用できないかと考えました。戸島調整池内の土砂を砂利層の上まで取り除き、ここに洪水時の健軍川の水を流し込めば流域の洪水は防止できるのではないか、大した費用もかからず有効な手段ではないかと考えました。このことを直ちに市の担当課に伝えましたが、県市の連携が必要な対応であり難しい面もあるかもしれませんが、その後、何の連絡もありませんでした。そして、ことし7月、地域に大雨が降り洪水が発生しました。そのとき現場を回っておられた市の職員の方が巻き込まれ殉職されました。あのとき速やかな対応ができていれば防げたのではないかとまことに残念でたまりません。同じことが再発しないよう速やかな対応を強く要望いたしておきます。  以上をもちまして私の質問を終わらせていただきますが、幸山市長を初め関係局長の温かい御答弁をいただきありがとうございました。また、長時間にわたって御清聴をいただきました議員各位並びに大変御多忙の中にもかかわりませず最後まで傍聴をいただきました皆様方に対して心から御礼申し上げます。  これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)      ─────────────────────────── ○磯道文徳 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時29分 休憩                             ───────────                             午後 2時01分 再開 ○牛嶋弘 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。      ─────────────────────────── ○牛嶋弘 議長  質問を続行します。佐々木俊和議員。          〔34番 佐々木俊和議員 登壇 拍手〕 ◆佐々木俊和 議員  皆さん、こんにちは。社民・民主・人(ヒューマン)市民連合の佐々木俊和でございます。  まずは質問の機会をいただきました先輩議員並びに同僚議員に感謝を申し上げます。  質問に入ります前に、一言述べさせていただきます。  先ほどニュース速報で安倍首相が辞意を表明すると流れました。2時から記者会見のようでございますけれども、さきの参議院選挙での歴史的な大敗の責任を追及されたにもかかわらず続投を表明して、これまで安倍首相は総理の座に着いてまいりました。現在国会も開会をされ、所信表明演説をされたにもかかわらず本日総理大臣を辞職するという、これはまさに無責任であると私は思います。そういった意味では、これまで申してきたように、国民の信を問うために解散して総選挙をやって新たな国の枠組みづくりをつくっていく、そのことが非常に今求められていると思いますので、一言だけ私の感想を述べさせていただきます。  それでは、一般質問も最終日となり私が最後の登壇でございます。質問も10人目になりますとお尋ねする項目も随分と重なってまいります。これまでの質問と重複する点があったり、視点を変えてのお尋ねになりますので、御了承いただきますようよろしくお願い申し上げます。市長を初め執行部の皆さんにおかれましても、意をお酌み取りいただいて御答弁いただきますようお願い申し上げます。  それでは、通告に沿って質問してまいります。  まず、第6次総合計画の策定についてお尋ねいたします。  言うまでもなく総合計画は都市が目指す将来像を描くとともに、その実現のためのまちづくりの方向、基本指針、主な施策を定めた長期的なまちづくり計画であり、行政各分野の計画事業の基本となるとともに、まちづくりにかかわる市民や団体にとっての指針となるもので、基本構想、基本計画、実施計画から構成されております。基本構想は、都市の将来像やまちづくりの理念を明らかにし、それを実現するための基本方向を示すもので、地方自治法第2条第4項で「市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行うようにしなければならない。」と策定を義務づけ、議会の議決を要することとなっております。基本計画は、基本構想を受け各分野の基本方針や目標、施策の関係を示すもので、議会としてさきの6月定例会で新たに条例を定め、基本計画を議決事項にすることにいたしました。実施計画は、基本計画に基づく具体的な事務事業の実施プログラムであり、事業のスケジュール、事業手法などを示します。  本市は、昭和39年に第1次総合計画を策定して以来、現在の平成13年に策定され平成22年度を目標年次とした第5次総合計画によって市政運営がなされています。現基本計画は、中間の平成18年3月に見直しを計画いたしておりましたが、幸山市長のもとで2年前倒しの平成16年3月に目標年次を平成20年度としたまちづくり戦略計画を策定、同時期に定めた行財政改革推進計画とあわせて新たな市政運営の基本計画と位置づけ、取り組みを進めています。さらに、集中改革プランを平成18年4月に策定し、平成22年度までの事務事業組織体制の見直しや民間委託等の推進による経費削減を図っています。  さて、幸山市長は、第6次総合計画への移行をまちづくり戦略計画の計画期間にあわせて2年繰り上げ、平成21年度から新たな総合計画へ移行するとして現在策定作業を進めておられます。本会議において市長は「行政と市民に共通するまちづくりの目標といたしまして、67万市民の皆様方が夢と誇りを持てる新しい熊本像を描きますために新年度から新たな総合計画の策定に着手する。」と述べられました。  そこでお尋ねをいたします。  まず、第5次総合計画の評価についてであります。  既に5月から第5次総合計画、まちづくり戦略計画検証市民会議が開催され、検証結果がまとまっております。その検証市民会議の政策評価を見てみますと、A、B、C、Dの4段階で評価していただいておりますけれども、9項目中、政策評価を実施していない「政令指定都市を目指して」の項目を除き、8項目すべてが不満であるというCという評価になっています。このことに対する市長の感想と市長御自身の第5次総合計画の現在までの取り組みに対する評価をお聞かせ願いたいと思います。また、市民会議と市長の評価が違っているならば、なぜそのような市民会議の評価となっているのか、お考えをお聞かせください。私は今の急速な社会情勢の変化に計画そのものが時代の潮流にそぐわなくなるということも理解できますが、2年繰り上げて新総合計画を策定する理由をお聞かせ願いたいと思います。少なくとも、大方の計画が達成される見込みが必要だと思いますので、明確にお答えください。  2つ目に、計画の基本的な考え方、将来の都市像についてお聞かせください。幸山市長の答弁をお願いいたします。  次に、策定手順とスケジュールについてお聞かせください。また、議会に対する説明と提案についても基本構想、基本計画それぞれにお考えをお示しください。先ほど申しましたように、基本計画も今回から議決案件になりました。議会としても十分な議論が必要であります。潜在的市民ニーズに合致した計画であるか、財政の健全性を考慮した実行可能性の高い計画であるか、事業目的、目標が明確化してあるか、計画目的の達成状況の把握、管理ができるか、市民や企業との協働のまちづくりの展開ができるか等々あらゆる観点からの議論が不可欠でありますので、十分な説明をいただきたいと思います。企画財政局長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  第6次総合計画に関しますお尋ねにつきまして、順次お答えをさせていただきます。
     まず1点目でございますが、検証市民会議の評価結果についての感想と、それから第5次総合計画の取り組みに対する私自身の評価についてでございます。  今回、本市にとりましては初めての試みとなったわけでありますが、新たな総合計画の策定に先立ちまして、先ほど御紹介のありました第5次総合計画、まちづくり戦略計画検証市民会議を立ち上げたところでございまして、計画の成果や残されました課題などにつきまして市民の皆様の目線から検証を行っていただいたところであります。その結果につきましては、先ほど御紹介もあったところでありますが、総合計画の8つの章ごとの政策評価につきましてはすべての分野におきましてまだまだ不十分であるというC評価をいただいたところであります。  しかしながら、その内容を少し詳しく見てまいりますと、各分野の中におきまして具体的な施策ごとに行っていただきました施策評価の中では、例えば子育て支援の充実でありますとか良好な環境の保全などは十分満足できる、あるいはおおむね満足できるというAやBの評価をいただいているものもございます。しかしながら、逆に工業の振興でございますとか総合交通体系の確立などといった項目ではやや不満、あるいは不満というCやD評価が多かったところであります。また、CやD評価が多いものでも、例えば市民協働の取り組みや観光コンベンションの振興などにつきましては、積極的に取り組んでいることは評価はするけれども、新しい熊本づくりに特に重要な分野でもあるのでさらに努力をしてもらいたいとの思いを込めてこのような評価をしたとの意見も多かったところでございます。  これらの検証結果につきましては、今回大変厳しい結果をいただいたところでございますが、それを踏まえまして、これまで以上に市民のニーズを的確に反映した施策展開を図りますとともに、市民協働の取り組みを進める観点からもそれぞれの分野の取り組みや、あるいはその成果というものを市民の皆様方にわかりやすく説明していく必要を強く感じたところであります。  なお、検証会議は平日の夜という時間帯にもかかわりませず大変出席率も高かったわけでございまして、事前の評価書提出にも真摯に取り組んでいただきまして、予定時間を超えて議論をしていただいたところでございます。まちづくりに大きな関心をお持ちの皆様によりまして市政が支えられているということを改めて実感したところでございまして、大変心強く、またありがたく感じたところでもございます。  続きまして、計画の策定を2年繰り上げて取り組む理由についてでございます。  今日、申すまでもございませんが、国の地方分権改革は予想を上回るスピードで進んでおります。そして、本市の行財政運営に多大な影響を与えております。また、道州制議論の本格化、あるいは少子高齢化の急速な進展、人口減少社会の到来、さらには間近に迫りました九州新幹線全線開業への対応など、本市の将来を左右するさまざまな課題が顕在化してきております。加えまして、現在の総合計画におきましては市政の最重要課題でもございます政令指定都市は視野に入っておりません。こうしたことから、できるだけ速やかに見直しをしなければならないと考えたものでございまして、現行のまちづくり戦略計画終了後の平成21年度から新たな総合計画へと移行できますように、本年度から本格的な策定作業に取り組んでいるものであります。  なお、まちづくり戦略計画等の現行計画の平成20年度までの達成見込みにつきましては、新総合計画の基本計画の策定に当たりまして十分に検証してまいりたいと考えております。  最後に、新たな計画の基本的考え方及び将来の都市像についてでございます。  計画の基本的考え方や目指すべきまちの姿を示すこととなります基本構想につきましては、本年7月、各界各層から成ります基本構想審議会を設置いたしまして素案の取りまとめについて諮問いたしたところであります。今後は、本審議会の答申に基づきまして市としての案を作成し、そして市議会における御論議、さらには市民の皆様から幅広い意見を賜りながら定めていくことになりますが、私といたしましては、第5次の現行の総合計画で残されました課題でありますとか、あるいは今後の時代の潮流を踏まえますと、市民協働による自主自立のまちづくりを基本といたしまして、新しい熊本を担う人づくりでありますとか地域づくり、そして日本一住みやすく暮らしやすいまちづくり、さらには九州の真ん中から熊本力を発進していくための交流拠点都市などが今後特に重点的に取り組むべき課題ではないかととらえております。  第6次総合計画の策定に当たりましては、その進捗状況に応じまして適宜市議会に対しましても御説明を申し上げまして御論議をいただきながら進めてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御協力をよろしくお願い申し上げます。          〔西島喜義企画財政局長 登壇〕 ◎西島喜義 企画財政局長  私の方からは、策定手法とスケジュール、議会に対する説明、提案についてお答えいたします。  まず、策定手法についてでございますが、総合計画は行政と市民の皆様に共通するまちづくりの基本指針であり、設計書であるととらえておりますことから、策定に当たっては、行政内部はもとより市民の皆様の理解とコンセンサスを得ながら取り組むことといたしております。そこで、庁内におきましては、全局長で構成いたします作成会議、各局主管課長で構成いたします検討会議を設置しておりますほか、6月には全職員を対象とした市長の講和を実施するなど、全庁一丸となって取り組んでいるところでございます。また、市民の皆様には、先ほどの検証市民会議や市民公募委員を含む基本構想審議会の設置に加え、総合計画策定に関するホームページを開設し、審議会での議論の内容や提出した資料などを広く公開しており、また子供向けのキッズページもあわせて開設したところであります。加えて、ホームページでは随時市民の皆様からの意見を募集しているほか、さきの子ども議会でもアンケートを実施するなど、さまざまな機会をとらえて積極的な情報提供や幅広い意見の聴取に努めているところであります。  次に、今後のスケジュールについてでございますが、審議会においては本年11月ごろに基本構想の素案をまとめていただくこととしており、これをもとにシンポジウムやオープンハウス、市内各地域での地域説明会などを開催し総合計画の周知を図るとともに、素案について幅広い意見を聴取することとしております。審議会ではこれらの意見を踏まえ素案についてさらに議論を深め、来年1月にも基本構想案についての答申を出される予定となっており、この答申に基づき市としての案を取りまとめ、市議会、さらには市民の皆様に御提示いたしたいと考えております。また、基本計画につきましては、基本構想の骨格がおおむねまとまった時点から本格的な策定作業を進め、来年中には案を取りまとめたいと考えております。  議会に対します説明と提案につきましては、まず基本構想につきましては、審議会での審議の進捗状況にあわせ適宜御説明申し上げ御意見をいただきたいと考えておりますが、来年の3月議会においては審議会の答申を受けた市としての案を提示して御論議いただき、来年6月議会には議案として御提案申し上げたいと考えております。  また、基本計画につきましても、作業の進捗状況にあわせ適宜御説明申し上げ御意見をお聞きしてまいりますが、来年12月議会では案を提示して御論議いただき、次の平成21年3月議会において議案として御提案申し上げたいと考えております。          〔34番 佐々木俊和議員 登壇〕 ◆佐々木俊和 議員  ありがとうございました。  それぞれ手順、策定、スケジュールにつきましても庁内、それから市民の皆さん方、そして議会にもしっかりと説明をしながらこれから策定作業を進めようということでございますし、また市長の感想の中で、やはり今、市がどういう取り組みをしているのかという取り組み成果を市民の皆さん方にまだまだ周知をするための努力が必要だということでございます。今回の検証市民会議の皆さん方は比較的市政に関心の高い方がお集まりでありますけれども、その中での熊本市の事業説明の中でやはりああ知らなかったというようなことも幾つかあったようでございます。そういった意味では、本当に市民の皆さん方にどういうふうに啓発をしていくのか、説明をしていくのか、お知らせをしていくのか、これはこの問題だけに限らず環境の問題でありますとかさまざまな課題にも共通しているものだと思っています。ぜひこれについては今回の新しいマスタープラン策定の中でしっかりとそのことが達成できるような仕組みづくりということも頭に入れながらこれから進めていってもらいたいと思います。  また、基本計画につきましては議会の議決事項になりましたので、議会としてもしっかりと議論をしてまいります。そのためには情報の共有化はもちろんでありますけれども、時間的な余裕と十分な説明を重ねてお願いしておきます。また、議決後の計画の取り組みについても執行部と同様に議会も責任を担って推進していかなければならないと私は思います。また、新行財政改革プランも策定の予定でございます。これにつきましてもあわせて議会にもしっかりと説明していきながら論議ができるような体制もお願いをしておきます。  それでは、次に、交通問題についてであります。  まず、九州新幹線まちづくりについてお尋ねをいたします。  平成23年春の九州新幹線の全線開業まで残すところ3年半となりました。熊本県においてはその開業効果を全県的に波及させるために新幹線くまもと創りプロジェクト推進本部を設置し、未来に続く県土づくりのために取り組むべき戦略及びプロジェクトを策定いたしております。本市も幸山市長を本部長に熊本地域推進本部を設置し、九州における熊本地域の拠点性向上を基本戦略として行政及び民間が連携し、熊本地域の振興を図るためのさまざまなプロジェクトが進められております。しかしながら、これらの県市の取り組みがいま一つ県民市民に周知されていないように思いますし、策定後の進捗状況もどうなっているのかよくわかりません。開業までに、魅力あるまちづくりや懸案の交通問題がどこまで解決するのか気になるところでございます。そこで、これらの進捗状況についてお尋ねいたします。  まず、熊本県関連のくまもと創りプロジェクトに関してでありますが、交通、観光、産業及び定住促進の4つの分野ごとに戦略やプロジェクトが練られております。このうち、交通分野については縦に走る新幹線に対し横軸となる道路の整備や交通機関などのアクセス強化に取り組むこととされています。第一次アクセスである新幹線が開業し、多くの観光客が熊本駅におり立ったとしても、二次、三次のアクセスが現状のままでは次第に観光客が減少していくことは目に見えております。この戦略が計画どおり進めば九州の縦軸と横軸の交差する熊本市の地理的優位性が十二分に発揮されることになるわけでありまして、本市としてもその進捗状況をきちんと把握し、おくれているようであれば県に対して強く働きかけをする必要があるのではないでしょうか。そこでお尋ねでありますが、新幹線開業時までに阿蘇から天草までの横軸の整備はどの程度進むのか。また、熊本環状を含めた熊本都市圏の道路整備の整備状況はどうなる予定なのか、具体的な成果指標を交えてお示しいただきたいと思います。  また、熊本駅を起点とした阿蘇、天草との観光ネットワークについてお尋ねいたします。平成18年1定で質問いたした項目でもあります。現在、県内3市については阿蘇・熊本・天草観光推進協議会を立ち上げ、既に実務的な協議に入り、阿蘇・熊本・天草に至る横軸の観光ルートの開発に取り組んでおられると聞いておりますが、交通アクセスについてはどのようにお考えでしょうか、具体的にお聞かせください。また、関係機関との協議状況についてもお答えください。市長の答弁をお願いいたします。  次に、まちづくりにかかわるお尋ねをいたします。  この新幹線くまもと創りプロジェクトには、県下の11の地域ごとに地域本部が立ち上げられており、本市においても熊本地域推進本部を設置し、行政及び民間が連携して熊本地域の振興を図るということでありますが、その基本戦略として九州における熊本地域の拠点性の向上を目指し、中心市街地の活性化、行政業務機能の集積や都市圏の連携によるまちづくりを3つの柱にさまざまなプロジェクトを展開することになっています。いわば、魅力ある熊本のまちづくりを進め、多くの人が集まる交流拠点を形成しようということであると認識しておりますが、この中の中心市街地の活性化については中心市街地活性化基本計画を着実に進めていくことにほかならないわけでもあります。この中心市街地活性化については、熊本の顔づくり、熊本の玄関づくりの2つを戦略の方向性に位置づけ、熊本城や中心市街地など都心の魅力を高める取り組みや熊本駅周辺整備の推進を行うことになっています。  今回は、熊本の玄関づくりとして熊本駅周辺整備事業、熊本駅と都心間のまちづくりについてお尋ねをいたします。  熊本駅周辺整備については、本年3月に2回目が開催された熊本駅周辺整備に関するトップ会議の議題を中心にお尋ねしたいと思います。御承知のとおり、このトップ会議は新幹線開業を見据え、熊本駅におり立った方が熊本の魅力を感じ取れるようなまちづくりを進めるため、熊本県、熊本市、経済界並びにJR九州のトップが意見を交換する会議であります。その主な議題は、熊本駅周辺における都市機能のあり方、乗りかえ利便性向上等交通結節のあり方、その他新幹線開業に向けた取り組みということでありますが、前回の会議ではこれらのテーマごとに意見交換がなされ、鉄道高架下に東西連絡通路や県産品市場を設置することが合意されるとともに駅舎へ市電を乗り入れる方向性が確認されました。また、新幹線駅舎のデザインに加え、在来線の駅舎について世界的に有名な建築家である安藤忠雄氏によるデザインスケッチの紹介もなされております。さらに、熊本駅周辺の魅力ある町並み形成に向けてのデザインガイドの検討状況も報告がなされています。そこで、その後の検討状況についてお尋ねいたします。  まず、県産品市場でありますが、新幹線の開業にあわせて県産品市場が設置されている事例で東北新幹線の八戸駅があります。この八戸の県産品市場は「八食センター」と呼ばれており、市の商工会議所が出資を募り、高度化資金を活用して総額17億円を投じ建設されています。市場棟1万平米、飲食棟3,000平米の2棟で構成され、鮮魚店16、珍味乾物店10、菓子店10、飲食店9棟からなる共同店舗方式で協同組合方式での運営がなされています。八戸駅からは2キロほど離れているものの100円バスで結ばれており、来店者数が300万人を超え、その売り上げも78億円と大変な盛況であります。このような魅力ある県産品市場が熊本駅にも設置されれば、熊本駅周辺の賑わいの創出に大きく貢献するのではないかと思いますが、現在の検討状況はいかがでしょうか。企画財政局長にお尋ねをいたします。  次に、駅舎への市電乗り入れについてであります。  この市電の乗り入れに関しては、熊本駅の乗降客の乗りかえ利便性が大きく向上するものであり、さまざまな課題はあるようでありますが、ぜひ実現していただきたいと思います。現在の乗り入れの計画によりますと、中心部から熊本駅方面に向かう電車は熊本駅舎に乗り入れる電車と田崎橋に行く電車に分かれることになります。田崎行き電車に乗った人が熊本駅でおりたい場合は駅前広場内に設けられた電停でおりることができるようになっています。しかし、田崎橋から中心部に向かう電車の熊本駅前電停は設置されない計画のようであります。これは駅前広場周辺のビルの利用者、特に東A地区の情報交流施設の利用者が市電を利用して中心部に向かう場合は駅舎の中まで行かなければなりません。そこで提案でありますが、田崎橋方面からと駅舎内からの市電が合流する駅前広場の中央部分に上り下りの電停を設置してはどうでしょうか。そうすれば、現在の案より市電利用者の利便性が高まるのではないかと思います。今後、検討される場合の参考にしていただきたいと思います。  次に、在来線駅舎のデザインでありますが、トップ会議では駅前広場から見た駅舎とホームのデザインスケッチが示されました。現在、基本計画の発注に向けて構造面、運営面の課題や費用負担などの検討が進められていると聞き及んでおります。在来線駅舎は鹿児島本線の連続立体交差事業の一環で建てかえられるものであり、県が主体で調整を行っておられるとは思いますが、本市も3割の負担をしているわけであり、何より熊本駅は熊本市の陸の玄関でありますので、もっと積極的に市民の意見を聞き、遠慮なく県やJR九州に市としての意見を伝えるべきではないかと思います。幸山市長の熊本駅舎に対する思いを含め、お尋ねをいたします。  次に、熊本駅周辺の魅力ある町並み形成に向けてのデザインガイドについてでありますが、このデザインガイドは熊本駅周辺の整備を進めるに当たって熊本らしさが感じられるとともに、機能的にも景観的にもすぐれた賑わいと憩いを創出する都市空間の形成を目指す上での指針となるものであります。専門家会議で検討が加えられ、取りまとめがなされたと聞いております。そこで、このデザインガイドの概要をわかりやすく御説明いただきたいと思います。  次に、熊本駅と都心間のまちづくりについてお尋ねいたします。  中心市街地活性化基本計画の中でも熊本駅周辺地区と通町、桜町周辺地区との間の新町、古町地区については、城下町として魅力と趣のある当地区のポテンシャルを最大限に生かしたまちづくりを展開していくことが整備方針にうたわれております。既に地元の商店街でも「熊本城下町きゃあめぐろ」のキャッチフレーズで、加藤清正が築いた城下町を散策する拠点ともなる立寄り処として12の店舗共同の取り組みが始まるとともに、これらの店舗や中心部を結ぶ乗り物としてベロタクシーや人力車なども運行されています。これらの歴史的な町並みを生かし、回遊性を高める取り組みこそが新幹線開業後多くの観光客に足を運んでもらうことにつながるのではないかと思います。しかしながら、これらの取り組みはまだ緒についたばかりで、全国的に評価されるために地区全体で取り組むとともに、さらなる魅力づくりが重要であります。そのためには、民間を主体としながらも行政の支援が欠かせないと考える次第であります。そこで、熊本駅から古町、新町を通り熊本城や桜町に至るモデルの散策ルートを整備してはどうかと思います。むろん、魅力ある町並みにする必要があるので、城下町としての風情を再現するためには沿線の商店や民家に御協力をいただき、改修や建てかえの際にそれなりの工夫をする必要があると思います。熊本駅周辺で取り組みが進んでいるデザインガイドのような指針を設け、それに沿った整備を行う場合には行政が支援する仕組みを設けてはいかがでしょうか。  さらに、先日、熊本駅前から辛島町まで市電に乗ってみましたが、改めて街路樹の少なさに愕然としました。森の都熊本を標榜するのであれば、せめて街路樹ぐらいはあってよいのではないかと思います。確かに歩道が狭くその余裕はないかもしれませんが、車道を少し狭くするなどの工夫でどうにかならないものかと思うのは私ばかりではないと思います。熊本駅と都心間を結ぶ市電からもっと緑が感じられるまちづくりを進めていただきたいと思います。都市建設局長にお尋ねをいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま新幹線とまちづくりというテーマでさまざまな観点から御質問をいただいたところでございますが、私の方からは、阿蘇、天草間及び熊本都市圏の道路整備、それから阿蘇・熊本・天草に至る横軸の交通アクセス及び観光ネットワークについて、そして在来線熊本駅舎のデザインにつきまして、順次お答えをさせていただきます。  九州を南北に縦断をいたします九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を間近に控えまして、熊本駅を起点とした阿蘇、天草とのいわゆる横のラインを有機的に結びつけまして観光客を誘客してまいりますことは非常に重要な課題でございまして、そのためには道路整備や公共交通アクセスの強化、さらには観光ネットワークの整備を図っていかなければならないと考えております。  1点目の阿蘇、天草間及び熊本都市圏の道路整備についてでありますが、九州中央の交流拠点都市を掲げます本市におきましては、新幹線時代に対応した熊本駅からの交通アクセスを見据えまして、その基盤となります道路整備の促進を図りますことが広域交流の牽引役として本市のみならず県全体の発展に大きく寄与するものと考えております。特に、熊本都市圏の交通渋滞を緩和いたします熊本環状道路を初めといたしまして、県において策定されております本市と県内の主要都市とを結びます90分構想、さらには九州内の主要都市とを結びます150分構想、この実現に向けて整備を進めていくことが重要になってくると考えております。そのことから、天草、阿蘇地域との熊本天草幹線道路、そして中九州横断道路、さらには宮崎方面への九州横断自動車道延岡線といった横軸連携を形成してまいります道路の早期整備を図りまして、都市機能を充実させる必要があると考えております。また、これらの道路整備の促進に向けましては、各路線の整備促進期成会あるいは新幹線くまもと創りプロジェクト等との連携を図りながら、関係機関へ強く働きかけていきたいと考えております。  2点目の交通アクセスについてでありますが、新幹線駅からの二次、三次交通アクセスの向上を図りますことが重要でございまして、そのためには熊本駅の乗りかえの利便性でありますとか、そして交通結節拠点の充実に取り組む必要があると考えております。現在、熊本と阿蘇を結ぶ交通手段といたしましては観光列車カルデラライナー「あそ1962」が運行しております。観光客に大変好評を博しているところでございまして、また、熊本と天草を結ぶ交通手段といたしましては高速船マリンビューが就航しております。しかしながら、観光列車につきましては土曜、日曜、祝日での期日限定運行でありますことや、さらには高速船マリンビューにつきましては就航本数についての問題などがあると考えております。こうした問題の改善には交通事業者や行政機関による連携が重要でありますことから、横軸交通アクセス強化推進協議会を県とともに設立しているところであります。この協議会におきましては、先月は熊本駅から天草方面へ、また今月でございますが、阿蘇方面への公共交通機関を乗り継ぎました実地調査が行われているところでありまして、今後は実地調査で確認をされました課題や交通結節拠点の機能についての検討を行いまして、交通アクセス改善案を策定し、来年度以降の実証実験を踏まえて改善策の実行を予定しているところであります。  最後に、観光ネットワークに関しましては、阿蘇・熊本・天草が一体的な観光地域として連携をしていきますために阿蘇・熊本・天草観光推進協議会を設立したところでございまして、観光ルートの開発や一体的なPR活動などに取り組むこととしておりまして、本年度はこの3つの地域を結びます魅力ある観光ルートの造成に向けまして、山陽新幹線沿線地域を対象とした観光モニター事業を実施しているところであります。  いずれにいたしましても、それぞれの協議会での議論を踏まえまして、また関係機関と連携をし、交通、観光が一体となった阿蘇・熊本・天草に至る横軸の改善、構築を行っていきたいというふうに考えております。  続きまして、在来線駅舎に関するお尋ねにつきましてお答えをいたします。  熊本駅は本市の陸の玄関でございまして、新幹線駅舎並びに在来線の駅舎は訪れる人に熊本を印象づける重要な役割を担う施設であります。御承知のとおり、西側の新幹線駅舎につきましては、事業主体であります鉄道運輸機構から昨年末デザイン案が示されまして、2月の県民、市民への意見募集を経まして、去る5月にデザインが決定されたところであります。一方、東側の在来線駅舎でございますが、昨年度、紹介もございましたが県から建築家の安藤忠雄氏にデザインイメージの作成依頼がなされまして、トップ会議におきまして公表されたところであります。世界的な建築家でもあります安藤氏の起用によりまして熊本駅舎への注目度は非常に高いものがあると考えておりますが、意匠面のみならず機能面やコスト面につきましても十分な検討を行いまして、そして周囲と調和がとれた使いやすく親しまれる駅舎にすべきであると考えております。今後、本市といたしましては、基本設計に向けました県及びJR九州との協議の場におきましてこうした考えを伝えますとともに、新幹線駅舎と同様、在来線駅舎のデザインにつきましては県民、市民の意見を伺いながら、市民に親しまれ、熊本らしさを感じていただけるような駅舎が建設されますよう協議を進めていきたいと考えております。          〔西島喜義企画財政局長 登壇〕 ◎西島喜義 企画財政局長  私からは、県産品市場の検討状況についてお答えいたします。  県産品市場につきましては、本年3月の第2回目の熊本駅周辺整備に関するトップ会議におきまして、テーマの1つである熊本駅周辺の都市機能のあり方について議論がなされる中で、設置する方向で合意がなされたところであります。御指摘のように他都市での成功事例も多く、熊本駅に設置すれば多くの観光客や市民の方が訪れ、駅周辺の賑わいの創出に大変寄与する施設となるものと思っております。  そこで、九州新幹線全線開業までの実現を目指し、現在、熊本県、JR九州並びに経済界と事業主体や配置場所、施設の規模や内容などについて協議を行っているところでございます。          〔松本富士男都市建設局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市建設局長  私からは、デザインガイドの概要と熊本駅都心間のまちづくりの2点についてお答えいたします。  まず、1点目のデザインガイドの概要についてでございますが、この熊本駅周辺地域都市空間デザインガイドは10名の学識経験者により構成される都市空間デザイン会議で、平成18年から策定に取り組んできており、去る7月に公表されたところであります。このデザインガイドは、駅として使いやすく、公園として居心地がよく、まちとして暮らしやすい、熊本にはぐくまれた文化に根差した都市空間をテーマに、1つ、賑わいの都市空間、2つ、環境豊かな潤いの都市空間、3つ、すべての人が利用しやすい都市空間、4つ、利用者ニーズを取り込んだ協働のまちづくりの4点を基本方針とし、熊本駅周辺の将来像を実現するため、都市空間デザインの基本的な考え方と進め方を示すものであります。実現すべき都市空間の全体像としましては、熊本駅前広場から坪井川の水辺までを「出会いの景」とし、駅を中心に緑と賑わいに包まれた快適でわかりやすい空間を形成すること、電車通りは「木立の景」とし、公共の空間とそれに接する民間の空間が一体となった緑の町並みの中を市電が走る美しい空間を形成すること、さらに坪井川沿いを「水辺の景」とし、地域の資源を生かしつつ、安全で変化に富んだ水際の回遊歩行者空間を形成することを目指しております。  今後、熊本駅周辺地域で実施される都市基盤の整備や建築行為等につきましては、公共空間、民有空間を問わず、事業規模や施設規模、都市空間上の重要度に応じて都市空間デザイン会議が中心となり、魅力ある町並みを形成するためにデザインガイドに基づいた調整を図ることとしております。  次に、2点目の熊本駅と都心間のまちづくりについてお答えいたします。  新町、古町地区については、寺を中央に配置した一町一寺の町割りや歴史ある建造物など熊本城を中心として城下町の風情を楽しむことができるまちづくりのための貴重な資源が多く残っています。その貴重な資源を生かして中心市街地の回遊性を高めることにより、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業の効果を最大限に発揮できるように、平成16年から地域と協働した取り組みを進め、平成17年8月に熊本駅都心間協働のまちづくり計画書が策定されました。この計画には、地域の方々のさまざまな思いを実現するための夢のある24事業が提言されています。そこで、これらの事業を市と地域との役割分担や効果、実現性といった視点から精査した後、地域のまちづくりリーダーの方々とともに具体的な方策を検討することとしております。  議員御提案の散策ルートの整備につきましては、現在行われております立寄り処の運営、ベロタクシーの運行、旧町名板や立寄り処の看板設置に加え、回遊性向上のための案内板設置や散策道整備などによりルートの開発が進んでおりますが、24事業を基本にして地域との協働を進めながら、その充実を図ってまいりたいと考えております。また、地域の特性を生かし城下町風情を創出するためには景観が重要な要素であると考えております。そのための景観に配慮したまちづくりの指針作成に当たっては、住民の合意形成が重要となるため、これまで行ってきたワークショップ手法などにより、まずは景観に対する住民の方々の意識の醸成に努めてまいりたいと考えております。  次に、この新町、古町地区において市電から緑が感じられるようなまちづくりを進めることについては、その必要性を認識いたしております。したがいまして、市電沿線の一部区間においてはプランターの設置などに努めているところですが、まだ十分ではないため沿線の公共空間で余裕がある場所や緑視効果の高い場所におけるポイント的な整備ができないか、また、沿道の住民の方々と協働した取り組みができないかということを検討してまいりたいと考えております。          〔34番 佐々木俊和議員 登壇〕 ◆佐々木俊和 議員  ありがとうございました。  新幹線開業までの期間を「3年半もある」ととらえるのか「3年半しかない」ととらえるかで随分と取り組み方が違うと思います。先ほど私が紹介、お尋ねしました事業については新幹線開業までにすべて整備をするという方向性で動いております。しかしながら、先ほど御紹介がありましたように、道路整備一つとっても非常にまだ先が見えないという状況の中で、新幹線と同時にその整備ができるのかなかなか厳しい状況であります。そういった意味では、さまざまなハード面、それからソフト面の整備も含めながらさらに関係機関にもきちんとそこら辺は伝えていただきながら、特に道路整備については県に申し入れをきちんとしていただきたいと思っていますし、またやはり新幹線で熊本に来ていただいて熊本市内をゆっくり観光してもらう、そのためには楽しいまちでなくてはならないと思いますし、熊本駅周辺もやはり賑わいのある楽しい空間の創造、それから先ほどから申しますように熊本の玄関にふさわしい都市空間を整備する必要があると思っています。私は「あと3年半しかない」と思っていますので、皆さん方の事業の取り組みを急いでいただきますように重ねて要望しておきます。  次に、市電の延伸とLRT化への取り組みについてであります。  交通機関の中で鉄軌道は定時性、安全性にすぐれ、環境にやさしい中大量輸送の乗り物であります。これまで何度も述べてきましたように、熊本都市圏は他都市と比較してもそのストックに恵まれている地域であります。現在の交通事情をかんがみても、現存の鉄軌道を活用し発展させた都市圏の交通体系を確立させていくことが本市の都市機能を向上させ、市民の福祉の増大につながるものであると考えます。そこで、本市の基幹交通であります市電の延伸、LRT化の方向が決定されて随分と経過いたしましたが、この間、市電の活用と交通ネットワーク化の議論もなされてきました。今回は、市電のLRT化への取り組み状況と東部延伸の取り組みの進捗状況についてお聞かせください。  続けて、JR新水前寺駅の結節強化についてであります。  県市共同事業として進められております新水前寺駅地区交通結節点改善事業、JR新水前寺駅と水前寺駅通電停の結節についてでありますが、進捗状況とスケジュールについてお示しください。都市建設局長にお尋ねをいたします。  次に、熊本電鉄の都心結節についてであります。  本年3月に行政三者、熊本県・熊本市・合志市は一致して都心結節を推進することに合意し、平成19年度の早い段階に具体的な事業概要案を検討し、協議会を立ち上げて整備計画の策定を目指すとの方針が確認されました。そして、本年6月、行政三者による都心結節計画検討委員会が、委員長に森田熊本市副市長を選出し発足いたしました。これまでの検討委員会の検討状況と今後の検討方針、結論の時期とその後の展開についてお答えください。あわせて、委員会構成に道路管理者、交通管理者等も予定されていましたがどうなっているのでしょうか、森田副市長にお尋ねいたします。          〔森田弘昭副市長 登壇〕 ◎森田弘昭 副市長  私からは、熊本電鉄の都心結節の取り組みについてお答えしたいと思います。  議員御案内のとおり本年6月に熊本県と合志市、本市の行政三者で都心結節計画検討委員会を設立したところでございます。その後、8月には作業部会を開催いたしまして、利用者増の方策、また沿線のまちづくりなどについて検討を行っているところでございます。今後、道路管理者や交通管理者など関係機関に御参加いただきまして軌道敷設による道路交通への影響などについて検討を行い、まずはさまざまな課題について共通の認識を持っていただき、その中から可能なルートや採算性、事業主体、スケジュールなど事業概要案を詰めていきたいと考えております。今年度を目途に事業概要案の取りまとめを行い、その後、関係機関を含めました協議会の設立を目指したいと考えております。  なお、検討委員会への道路管理者並びに交通管理者などの参加につきましては既に御了解をいただいているところでありまして、次回の検討委員会から御参加いただくという予定にしております。          〔松本富士男都市建設局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市建設局長  私からは、市電のLRT化と東部延伸、それからJR水前寺駅の結節強化の2点についてお答えいたします。  最初に、市電のLRT化と東部延伸の取り組み状況についてお答えいたします。  まず、市電のLRT化への取り組み状況でございますが、平成9年に日本で初めて超低床電車を導入し、現在までに5編成を導入しております。九州新幹線鹿児島ルートの開業効果を高めるために、熊本駅と中心市街地間の輸送力増強を図る必要があることから、熊本市LRT整備計画に基づき、平成20年度に新たに2編成導入するよう、現在、国と協議を行っているところであります。  あわせて、スピードアップのための取り組みといたしまして、電車優先信号の導入を予定しております。導入区間は、田崎橋から辛島町と上熊本駅から辛島町の2区間を予定しており、現在、県警などの関係機関と協議を行っているところであります。  また、市電の運賃につきましては、昭和51年に均一運賃から乗車距離に応じて運賃が加算される対キロ区間制運賃となっておりますが、本年10月より150円均一運賃の本格的施行を予定しております。均一運賃は利用者にとってわかりやすい運賃となり、乗車時に整理券をとったりカードを通す必要がなくなるため、乗降時間の短縮によるスピードアップとそれに伴うコスト削減が期待されます。今後もこれらの取り組みを進め、市電の利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。  次に、東部延伸の取り組みの進捗状況についてお答えいたします。  市電の東部延伸は、平成15年度に策定された熊本都市圏都市交通アクションプログラムで早急に方針を示すべき別途検討課題と位置づけられており、これまで技術的課題の整理や費用対効果の検証、延伸方面の住民や事業者の意向調査を行ってまいりました。今年度は、延伸した場合の道路交通に与える影響を検証するために交通シミュレーションを行うこととしております。これらの調査結果をもとに、今後、関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、2点目のJR新水前寺駅交通結節点改善事業についてお答えいたします。  本事業は、当初、県道熊本高森線を拡幅する案で進めておりましたが、地元の了解が得られずにいましたところ、平成16年に道路構造令の運用の見直しが行われ、道路車線幅が現況幅で整備できるようになり、このため県道を拡幅する必要がなくなり、現道内での整備へと方針転換を行いました。  なお、本事業は県市の共同事業として進めており、ことし2月に県の都市計画審議会で県道の区域変更について決定され、4月までに県市ともに事業認可を受けております。今年秋には工事に着手する予定であり、7月末に地域住民の方々を対象に工事説明会を開催したところでございます。具体的なスケジュールといたしましては、県事業として平成20年度までには主にJRの鉄道橋、高架けた及び新駅の工事を行い、平成21年度から平成22年度にかけましては県事業として道路改良、ペデストリアンデッキの新設、市事業としての駐輪場の新設、電停移設などの工事を行い、平成23年春の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業までの完成を目指しております。          〔34番 佐々木俊和議員 登壇〕 ◆佐々木俊和 議員  どうもありがとうございました。  市電のLRT化の取り組みについてはそれぞれソフト面上で今進められておりますけれども、かなり初期投資に事業費がかかります。これはぜひ国の補助金あたりで、今LRTについては国も推進をいたしておりますので、ぜひそこら辺の工夫をしながら財源の確保をしていただき、一日も早い市電のLRT化を実現していただきたいと思います。  電鉄の都心結節についても同じようにLRT化を進めているわけでありますけれども、並行して市電の方も進めていただけるようにお願いしたいと思います。電鉄につきましては、早速庁内での協議が進められまして本年度中に事業概要案を取りまとめ、そして次に具体的に事業を進める上での協議会の設立をしていくということでございますから、期待をしたいと思いますし、道路管理者、交通管理者が実質的に進める上では協議の場に入るということは前進なのかなと思っていますので、今後とも鋭意協議を進めていただきながら、実効ある取り組みを進めていただけますようにお願いを申し上げたいと思っています。  それでは、次に、バス交通についてであります。  バス路線網の再編の動きは、本年3月に民間バス3社から都心バス株式会社(仮称)の設立と運行等移譲に向けた検討を市長に申し入れられ、大きく動き出しました。市役所内には4月に森田熊本市副市長を議長とした熊本市バス網再編等検討会議が設置をされました。検討内容は、バス路線網の再編に関すること、共同運行体制に関すること、交通局バス事業の今後の方向性に関すること、その他路線バスに関し必要な事項となっています。  バス路線網の再編に関して前回の質問で、市長は「共同運行への移行は、交通局バス路線の線から面への移譲の単なる受け皿とするのではなく、利用者の利便性向上が図られる適切なバス路線網と新たな運行体制を確立することが目的でなければならない。共同運行に関する今後の進め方に関しては、バス事業者間の新たな協議の場において民間バス事業者と共通認識を形成しつつ、さまざまな角度から検討を加え、面的路線移譲について段階的に進め、バス路線網の再編につなげていきたい。」との考えが示されました。それを受けて私は「市長は既存のバス路線網の範囲だけで物事を考えているのではないか、だから面として移譲するという発想が出てくる。今の路線網では利用者が望むようなバスネットワークは構築されていない。そのことがバス離れの要因の一つになっている。だから市域、都市圏全体を考えた路線網の再編が必要である。ですから、営業所単位の共同運行というものは利用者の立場に立っていないと考える。将来にわたってバス交通を維持し発展させていこうと考えた場合、安易に段階的な手法をとるべきではない。」と申し上げました。  これまでの議論で、市民の一番身近な公共交通としてのバスを維持していくということは共通認識として一致していると思います。しかし、バス利用者の減少が続く状況の中で交通事業の経営が厳しい状態にあります。そうした現状からこのようなバス網の抜本的な再編が求められてきているのです。しかし、その論議の中で押さえておかなければならない基本は、やはり利用者の立場に立って利用しやすく便利な路線、車両、言いかえればいつでもどこへでもスムーズに移動できる交通手段としての公共交通の提供だと思います。ほかにもTDMの手法によってマイカーから公共交通へのシフトをさせる政策も必要となってきますが、このことをきちんと押さえてバス網の再編を行えば、乗客数はおのずとふえてくると考えます。  さて、市営バスの面的移譲についてでありますが、交通局バス事業の現在の経営状態からすれば、移譲する営業所がどこであれ、民間の新会社で運行した場合でも赤字経営になると予想されています。そうであれば、行政が赤字補てんをするか、新会社が赤字路線を切り捨てるしか経営上できないと考えられます。現在、1,000万円の予算で利便性の高いバス路線網を構築するために熊本市バス路線網調査が行われています。私は常々主張してきていますが、都市圏において理想とするあるべき路線網を構築してバス事業者4社において共同運行を行うべきだと申してきました。近々この調査によって効率的なバス路線網が提案され、理想的なバス路線網が実現できるならば段階的な面移譲は必要ないのではないでしょうか。財政面から見ても、路線網再編にあわせて乗客数増加のための施策を実施していけばバス事業を継続していくための採算が十分に合うと考えています。そうでなくても現状に比べれば経営改善は図られ、補助金を充てたとしても現在より軽減できると考えます。  そこでお尋ねいたします。  現在、共同運行会社は民間3社で設立されようとしていますが、交通局も参画して4社で設立するお考えはないのでしょうか。そうすれば面的移譲は行う必要がなく、公共交通としてのバス事業から撤退することなく、行政として関与することで採算性だけの事業運営に陥ることなく、市民の足としてのバス交通を維持することができると考えます。市長のお考えをお示しください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  バス交通につきましてお答えをいたします。          〔議長退席、副議長着席〕  議員御承知のとおり、本市におきましてはバス事業者4社が競合している状況でございまして、加えまして利用者の減少によりましてバス事業者の経営はそれぞれ大変厳しい状況にございます。そこで、バス事業全体の体質強化を図り、ひいては将来的に安定した運行ができる運行体制の確立及び利用者の利便性確保の視点に立ったバス路線網の構築が喫緊の課題と考えておりまして、現在、運行体制の見直しと需要と供給のバランスのとれた路線網及びダイヤの策定を行っているところであります。これまで交通局は公共の福祉の増進という重要な役割を長年担ってまいりました。しかしながら、民間に比べまして高コストとなっておりますことから毎年多額の財源を一般会計から繰り入れている状況になっておりまして、経営改善について早急な対応が必要となってきております。本市といたしましては、持続可能なバスサービスを市民の皆様に提供する方策といたしまして、民間バス事業者の経営体力を強化し、今後、その運行状況を監視し、指導していく方向が望ましいと考えております。  議員御提案の共同運行会社への交通局の参画につきましては、その経営環境に大きな隔たりもありますことから現実的には厳しいのではないかと考えております。そこで、一部エリアにおきまして交通局のバス路線を面的に新会社へ移譲し、その成果を検証いたします中で、新たな支援の方策を含めまして、議会や市民並びに関係機関とも議論を深めながらバス交通のあり方につきましてさらに明確にしてまいりたいと考えております。          〔34番 佐々木俊和議員 登壇〕
    ◆佐々木俊和 議員  答弁をいただきましたが、この件については非常に政策的に一致しない部分でありますが、バス交通、それから公共交通の考え方、それからこれまで議論してまいりましたけれども、都市の装置として行政が整備をするべき機能だというふうに、そこは一致をしております。そして、そこに財政的な支援もやっていくということは一致していると思います。そういった意味におきまして、今回の市営バスの面的な移譲を具体的にどうしていくかという問題への対応になってくるわけでありますけれども、確かに今おっしゃいましたように、1つには経営環境に大きな隔たりがあるということで交通局は一緒に入れないということでありますけれども、私は、軌道もそうでありますけれども、バス事業についても将来的には三セクなりそういう形でも一向に構わないとこれまでも言ってまいりましたし、その考えは今も変わりません。しかし、全国的にも珍しく4社で運行しているこのバス事業が一気に1社になるということは非常に難しい状況の中で、段階的に共同運行会社をつくって、そして4社がその中で運行していく、そのやり方がベストではないかと提案をしているわけでありまして、それぞれの会社が存続をしながらそれぞれ力量に応じた運行をやっていく、そうすれば段階的に、将来的には1社で運行できると私は考えております。  今、お話にありますように、段階的にすべて面的移譲をしていくと交通局のバス事業は全くなくなってしまうということになるのではないかと私は危惧をいたしております。そういった意味では、4社がそれぞれにこれまで市内のバス交通、公共交通を担ってきている現状から考えれば、将来的にも何とかバス交通を維持することでそれぞれに働いている皆さん方の雇用を継続してやっていければという考えもあります。ぜひそういった面ではこの件は今後議論をしてまいりたいと思いますし、一番私が懸念をしておりますのは、民間バス3社で運行したときに、その運行会社の運行状況を熊本市が管理、指導していくということをおっしゃいましたけれども、それが可能なのか。そのためにはやはり逆に交通局がその中に入っておく、あるいは熊本市がそこに資本を投資する、それしかないと思っています。先ほど言いましたように、民間会社ですから赤字路線は切り捨てていきます。ぜひそれがなくならないように行政がやはり主体的にそこにかかわっていく、そのための方策として私が申します共同運行方式があるわけでありますから、そこら辺は今後もしっかりと議論をしていかなければならないと思っています。  それから、課題としてありますのが、民間に営業所を移譲したとき、では車両をどうするのか、土地をどうするのか、そういう具体的な話になってまいります。今の民間会社にその体力があるのか。そこも含めて今後ぜひ議論をしていく必要があると思いますので、これについてはさらにこれから議論を深めていきたいと思います。  それでは、次に観光問題について、観光政策についてお尋ねをいたします。  熊本の観光政策については、観光アピールが下手とか、観光資源が生かし切れていないなどとよく言われていることは皆さんも御存じのとおりだと思いますが、なかなか具体的な成果を見ることができる施策がないといった点では、まだ試行錯誤の状態にあると思います。  そのような中、私が最近注目しているキーワードが「産業遺産」「産業観光」というものです。既に御存じと思いますが、産業遺産とは産業活動に関する歴史的な意義のある物的資料を総称し、人類の多面的な活動の重要な部分を実証する文化財とも言えるものです。特に最近は世界遺産ブームに伴って世界各地のすばらしい産業遺産が紹介されるようになってきました。また、そのことに刺激を受け日本各地でも地域活性化の核として産業遺産を世界遺産にしようとの動きが広がっています。九州においても書籍という形で2005年4月に「軍艦島の遺産」や「かごしま近代化遺産」が出版され、2006年11月には「北九州の近代化遺産」が発行されています。また、国交省九州運輸局が砂田光紀氏に委託してまとめた「九州遺産−近現代遺産編101」は大きな反響を呼びました。産業遺産活用については、鹿児島の集成館のリノベーションは焼酎ブームの追い風を受けて観光客の増加に結びついていますし、大口の曽木発電所遺構が観光資源として注目され、国土交通省の支援も受け急速に整備事業が進みました。同時に、焼酎蔵、薩摩焼窯元など鹿児島独特の産業の生産現場などを見る観光提案などを鹿児島県が積極的に広報しています。  熊本においてはどうでしょうか。「産業遺産」という言葉さえ熊本県や熊本市のホームページではキーワード検索で見られるのはわずかであります。その意識の違いが観光資源としての活用に結びつかないところかもしれません。一部移築活用されたことになったとはいえ、熊本駅前の月星化成熊本工場や八代市の旧日本セメント八代工場も姿を消してしまいました。改めて熊本市における産業遺産とはどんなものがあるかといいますと、意外に多く存在するのです。熊本市のホームページで歴史コースや文化コースでも紹介されているものもありますし、その存在はみんなが知っていると思います。しかし、観光資源としての活用というところではまだ成果が足りないと思います。また、その認識も薄く、さらに学ぶことが多く、産業施設で見学が可能なことなどもっともっとアピールする必要があります。  これらは学術支援なども受けながら積極的に取り組むべき課題と考えます。そして、その価値に着目しながら推進していくものが産業観光です。産業観光とは、JR東海相談役の須田寛氏が提唱され、近年急速に広がった言葉です。歴史的・文化的価値のある産業遺産、工場、工房を観光資源とする観光のことで、本来産業施設としての役割を終えた産業遺産でなく、現在の最先端工場まで含む広い意味の観光を示します。須田氏の提唱を受け、歴史遺産に関心を示す土壌を持った中京の経済界を中心に急速に産業観光への理解が広がっていきました。産業観光に関する本も相次いで出版され、全国的規模でも産業観光フォーラムが開かれ、鹿児島や北九州市、長崎などが産業観光の可能性に着目し、積極的に行政が取り組んでいます。また、全国規模で産業観光フォーラムも開催され、各種事業に取り入れられてきています。その状況は長崎や北九州市のホームページでも見ることできます。  九州には製鉄工場、造船所、自動車工場など大規模な工場が存在しますし、新聞の特集記事として臼杵市の造船所の進水式ツアーと軍艦島クルーズなどが取り上げられ、産業観光施設としてはサントリー九州工場、万田坑が紹介されています。山鹿温泉や黒川温泉とともに組み合わせた観光ツアーによって万田坑への観光客が急増していることも注目すべきことです。これは、受け入れ側の体制づくりとネットワーク化が重要であることも示しているように思われます。  熊本にはすばらしい観光遺産があります。我が熊本市においてももちろんでありますが、大切なことは、そのすばらしい遺産があるから人が来るだろうという自己満足的な発想でなく、今の人々が何に関心を持ち、何を求めているのかをマーケティングすることが大切です。そのことによって発信の手段や表現の仕方も変わってきて、予算が有効に使われるかどうか左右することにもなります。そして、熊本市における魅力発掘の手がかりにもつながることと思います。  まず取り組むべきことは、地元の多くの人々の参加と協力の仕組みをつくり、一つ一つでは観光客を引きつける力の弱い産業遺産そのものもネットワーク化し、ほかの産業資源とのネットワークにより、より一層の観光誘致を図るべきです。また、観光というものを自然や歴史だけでなく、産業を総合的に提供するものと考え、企業の持つ資源を生かし、古い建物だけでなく近代の建築物までも含み活用していくことが大切であると思います。熊本市だけでなく、県全体、九州の中心的な位置にある地理を生かし、九州新幹線の全線開業までの間に積極的にさまざまな分野でネットワーク化に戦略的に取り組むことが不可欠となります。  熊本城築城400年祭で観光客がふえて、熊本城の来場者もふえていると聞いております。この時期をチャンスととらえ、観光客にリピートしてもらう仕掛けが必要です。通常はアピールする対象者が来てくれているのですから、その方々に口コミで熊本の魅力や好奇心を広げていただき、再び訪れてくれるきっかけづくりが必要です。今まで述べてきたように、産業観光としての考え方を具体的なツールにして、お土産として観光客に渡すことができるようなアイデアが重要なこととなります。予算を有効に使い、ホームページもしかりですが、マネジメントやマーケティングの工夫が必要です。これからどれだけの時間で構築できるかわかりませんが、優良な商品をつくり出し、短期間にいかに進めるかが明暗を分けます。  そこでお尋ねをいたします。  産業観光について、その推進が必要と考えますが、熊本城築城400年祭の観光客増加をきっかけととらえ、その後に展開される観光施策について具体的な施策を考えていると思いますが、お答えください。  また、学術支援や企業の協力を得ていくことが有効と思われますが、そのためにも予算の増額やコンベンションの強化も必要と考えます。そして、予算を有効に執行できるように、観光誘致が評価できる検証方法を組み立てるべきだと思います。この点につきましても今後の取り組みをお聞かせください。経済振興局長にお尋ねいたします。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  熊本城築城400年祭後の観光政策の展開についてお答えいたします。  近年、議員御提案のとおり、日々の生活に密着して営まれ、その地域に根差した産業遺産や工場などの見学はもとより、農林水産業や伝統工芸の体験など、過去から現在までの産業を観光資源として活用しようとする新たな取り組みとして、いわゆる産業観光が注目されております。城下町として発展してきた本市におきましても、産業観光の資源として歴史のある味噌醤油の醸造元や薬問屋などがある新町、現在も商いを続ける表具材料店や履物店がある古町、酒蔵や刃物などに代表される伝統工芸や和菓子のわざを伝える六菓匠などがある川尻地区に多くのものが残っているところであります。これらの一部では、既に活性化の取り組みとして、地域の皆さんが案内人となり行政と一体となって散策マップを作成されるなど、積極的なPR活動がなされております。しかしながら、現状ではこれらの資源を十分に生かし切っているとは言えないのも御指摘のとおりであります。  そこで、ことしの10月1日から、本市も九州観光推進機構と九州内の自治体等が連携して取り組みます九州さるくに参画し、城下町を市民ガイドが案内する熊本版さるくとして、新町、古町地区も取り込んだ5つのコースを設定し、観光資源としての活用を図っていくこととしております。また、九州新幹線と直結する在来線の駅を拠点とした新たな観光コースの設定も考えているところであります。例えば、川尻駅かいわいでは酒蔵や伝統工芸、歴史史跡を探訪するコース、竜田口駅かいわいでは五高記念館や泰勝寺、立田山憩いの森をめぐるコースなどが考えられますが、このほかにも埋もれた観光資源があることから、地域の皆様と一緒になって観光資源の掘り起こしに取り組んでまいりたいと考えております。さらに、企業との連携を図り、IC工場やビール工場、フードパルなどの新しい産業観光資源と既存の観光資源とを結んだコースの検討などを行い、熊本の多彩な魅力として発信してまいりたいと考えております。  なお、観光誘致の評価につきましては、観光統計調査等の中で地区別や施設ごとの観光客の入り込み状況の分析を行うとともに、事業ごとの具体的な数値目標を設定し、より効果的な施策の展開に努めてまいりたいと考えております。          〔34番 佐々木俊和議員 登壇〕 ◆佐々木俊和 議員  「観光立市くまもと」を宣言いたした本市でございます。やはり観光産業はすそ野の広い産業でありますから、この熊本市にとっては推進していくべき非常に大きな課題だととらえております。そういった意味では、さまざまな観光のメニューをそろえてやはり熊本から発信をしていく、そして全国からお客さんを呼ぶ、そういうことが非常に大事かと思いますので、今回は新たな視点の観光施策の提案をさせていただきました。ぜひ担当局におきましても今後具体的にこういうメニューが提案できるような仕組み、仕掛けというものをしていただきますようによろしくお願いをいたします。  それでは、市町村合併問題についてです。  合併によります本市の政令市実現に向けた取り組みについてであります。  政令市実現へのプロセスや具体的な行動計画について質問準備をいたしておりましたが、やはり議会としてもこの政令市問題は重要課題として受けとめられ、今回の質問者の大半の皆さんが取り上げられました。その中で市長の決意や具体的な取り組み、進め方についても言及されましたので私の質問と重複しております。これらの点につきましては割愛をさせていただきます。しかし、市長が述べられましたように、私も合併特例法の期限内に何としても周辺市町と合併して70万人という人口要件をクリアして、政令指定都市移行へというシナリオを現実のものにしていかなければならないと強く思っております。議会としても最大限の努力を傾注し、具体的な行動を起こしていかなければならないと考えております。  さて、前回の質問で熊本市、福岡市、鹿児島市の3都市による広域連携の必要性について提案をいたしました。九州新幹線の全線開通で直結される福岡市、熊本市、鹿児島市の3都市の連携は、九州全体で見た場合、観光戦略や産業戦略などの分野において新幹線の持つ潜在的なメリットを最大限に引き出すことができると考えています。3都市をつなぐ九州の縦軸はまさに将来の道州制を見据えた九州の基軸を形成します。将来的にはこの基軸が九州政府の骨格になると思います。そして、この3都市連携の地理的中心は熊本市であるため、熊本市は3都市連携の推進役として最もふさわしいと同時に、3都市連携は熊本市が将来の九州政府の州都になる可能性を開くことになると考えます。つまり、福岡市、熊本市、鹿児島市の3都市による広域連携を進めることが政令市、そして州都を担えるか否かのかぎを握るのではないかという主張をいたしました。確かに政令市が実現した後の州都ということでありますが、九州新幹線の全線開業をにらみながら、その効果を生かすためにも州都の取り組みについては同時に進める必要があると考えますので取り上げさせていただきます。  前回の質問の際、市長は「今後、積極的に取り組んでいかなければならない。将来の州都を見据え、九州の情報、交流拠点都市しての確固たる地位を築き上げるため、熊本都市圏、九州各都市との連携強化を図り、拠点性の向上に大きく寄与する政令指定都市の実現に全力を傾注していく。」と答弁をされました。幸山市長は、先日、福岡市長と対談をされ、道州制や九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を見据えた連携のあり方等について議論したと聞き及んでいます。その中で、特に九州新幹線鹿児島ルートの全線開通を見据え、鹿児島市も含めた3都市連携を福岡市長の方からも提案されたということであります。このことからも3都市をつなぐ九州の縦軸は九州の基軸として両市長さんにも認識されているということだと思います。  そこでお尋ねいたします。  これまで、福岡市、熊本市、鹿児島市3都市の広域連携の取り組みはどういった状況でしょうか。また、広域連携によって生み出される効果についてのお考えをお聞かせください。  最後に、州都実現の展望についてお示しいただければお聞かせください。幸山市長の答弁をお願いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  市町村合併問題ということで、福岡市、熊本市、鹿児島市3都市の広域連携について並びに州都実現の展望についてお尋ねがございました。順次お答えをさせていただきます。  私は、社会、経済のグローバル化の急速な進展あるいは将来の道州制導入などを見据えましたときには、県境を越えた広域的な連携強化が九州の一体的な発展を図りますために不可欠であると認識をしております。特に、道州制につきましては、地方にはこれまで以上に自立が求められることになりますが、それとともに他の道州との競争も予想されるところでありまして、九州各都市との連携というものが特に必要となる課題であるととらえております。こうした中で、今後、九州の一体的な発展に向けましては、その地理的特性を生かしまして、経済成長が著しいアジアとの交流を推進してまいりますことが重要な視点であると考えております。このためには、例えば観光分野などにおきましては、単一の観光スポットではなく九州各地の魅力をパッケージとして売り出すなど九州全域の連携、協力が不可欠でございまして、そして、この連携を牽引する役割を担いますのは九州新幹線鹿児島ルート全線開業を契機といたしました福岡市、熊本市、鹿児島市この3都市による縦軸連携であろうかと考えております。このことにつきましては、ただいま御紹介もいただいたところでありますが、先日、吉田福岡市長と対談をしました際にもこのような認識で意見が一致をしたところでございます。  そこで、御質問の第1点、3都市連携の取り組み状況についてであります。  現在、3都市におきまして、九州縦断県都観光ルート協議会を設置いたしまして、中国、韓国の旅行関係者の招聘や現地プロモーションなどに取り組んでいるところであります。先ほど申し上げましたように、それぞれの首長の間におきましても新幹線全線開業を契機とした連携強化の必要性につきまして同じ認識を持っておりますことから、今後改めて福岡市長、鹿児島市長にも呼びかけまして協議する機会を設けますなど、さらに幅広い分野におきまして具体的な連携が進みますよう、積極的に取り組んでいきたいと考えております。  次に、連携による効果についてでございます。  例えば、先ほど申し上げましたが、アジアへの戦略といたしましては、福岡におきましては韓国釜山市、中国広州市、熊本におきましては御承知のとおり韓国蔚山市、そして中国桂林市、鹿児島では中国長沙市などとそれぞれ活発な交流を展開しているところでございますが、特に韓国におきましてはKTXと呼ばれます高速鉄道、日本におきます新幹線のようなものでございますが、これが2010年ごろに全線開通することになります。開通をいたしますと釜山と蔚山間は約15分で結ばれることになります。そして、釜山とソウル間も約2時間程度で結ばれることになります。そこで、これはまだアイデアレベルではございますが、鹿児島、熊本、福岡、さらには海峡を越えまして釜山、蔚山、ソウルへと日韓の高速鉄道による広域連携を構築いたしまして、例えば沿線の観光地とタイアップをした記念乗車券を売り出す、あるいは中国に対しましても2010年には上海で万国博覧会が開催をされることになりますけれども、そういった場所におきまして九州全体でセールス活動を行いますなど、福岡、熊本、鹿児島の3都市が力を合わせることによりましてアジアとの交流をさらに大々的かつ活発に展開することができ、それが九州全域の発展につながるものと考えております。  最後に、州都実現の展望についてでございますが、私といたしましては、これまで述べましたような九州新幹線全線開業を契機とした縦軸の連携、これとともに本市を中心に天草から長崎へ、あるいは阿蘇から大分、宮崎への横軸連携をあわせて構築をしてまいりますなど、本市が九州全体の反映に資する広域連携の中心的な役割を担ってまいりますことで、名実ともに九州中央の交流拠点都市としての位置づけが確立をされ、さらには道州制導入時の州都の実現につながっていくものと考えております。          〔34番 佐々木俊和議員 登壇〕 ◆佐々木俊和 議員  答弁ありがとうございました。  3都市連携に向けては福岡市長、鹿児島市長さんにも呼びかけられて協議の場を設けるということでありますから、ぜひ十分なる連携のもとに州都実現あるいは九州は一つということの取りまとめの中心で熊本市が役割を果たしていただきたいと思います。  それでは、次に、環境問題についてであります。  地球環境保全並びに温暖化に関する質問は昨日も我が会派の上田議員からもございましたが、地球環境及び子供たちの将来に危機感を募らせている者の一人として、市民レベルでの温暖化防止、CO2削減の取り組みについて提案や質問をしてまいりたいと思います。  私たちが地球温暖化を身近な問題として認識するようになってきたのは、全国一暑いと言われる熊本の夏がさらに暑さを増してきたここ四、五年のことではないでしょうか。熊本市の気象データを見ると改めてその暑さを実感してしまいます。本市の最高気温30度以上の真夏日が2004年に過去最高の105日となり、2005年に106日とこの記録を更新、ことしはこれを上回る勢いとなっています。ことしの8月の平均気温は29.5度と1891年の観測開始以来の最高を記録、35度以上の猛暑日も平年の3.9日を大幅に上回る18日となり、昨年より2日、一昨年より6日ふえているのであります。もちろん暑かったのは熊本だけではありません。御承知のとおり、岐阜県多治見市や埼玉県熊谷市では最高気温40.9度と74年ぶりに記録を更新するなど、日本列島至るところで史上最高と言える暑い夏となりました。しかしながら、この暑さもクーラーの普及により室内では何とかしのげるため、温暖化が急速に進んでいるといっても100年後に気温が二、三度上がる程度であればそんなに恐ろしいことではないと思っている人も多いのではないでしょうか。  ところが、世界に目を転じてみれば、アフリカの熱波が地中海の沿岸諸国のみならず、ルーマニアなどの東欧にまで押し寄せ多数の死者が出ているなど、世界のあちこちで大きな影響が出ています。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、これは世界じゅうの第一線の研究者800人が執筆し、2,500人の専門家が3年がかりで審査し取りまとめられた報告書でありますが、この報告書では20年以上にわたる膨大な観測データに基づき温暖化の衝撃の事実が明らかにされております。今世紀末までの海面上昇は最大60センチと予測されていますが、そうなれば2080年までに世界の沿岸湿地の30%が消失し、バングラディッシュなどのデルタ地帯では年間で数百万人が洪水の被害を受ける可能性があると指摘されています。また、気温が3度上昇すると30%の動物が絶滅の危機に瀕し、死滅するサンゴが急増するとともに、これまで100年に一度だった大規模な干ばつが10年、20年に一度のペースで発生することも予測されており、そうなれば水不足や穀物などの収穫減による世界的な食糧不足に陥る危険性もあります。もちろん、これらの地球温暖化の影響は専門家の間では早くから警鐘が鳴らされており、1997年には温暖化防止のための国際条約である京都議定書も合意されたところであります。日本や欧州など125カ国・地域が批准、全体で1990年比5.2%の温室効果ガスの排出削減を目指しています。しかし、残念なことにアメリカが離脱したり、アメリカを抜き世界最大のCO2排出国となる中国など発展途上国は含まれておらず、また法的拘束力もないため実効ある国際条約となっておりません。  そうした中、先日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)がシドニー市内で首脳会議を開き、初めて地球温暖化問題の宣言を採択しました。この日採択された「気候変動、エネルギー安全保障とクリーンな開発に関するシドニー首脳宣言」は、地球温暖化対策として省エネルギーの重要性や域内のエネルギー利用効率の数値目標を盛り込んだものであり、法的拘束力はないとはいえ、域内の温室効果ガス排出量が世界の約6割を占めるAPECの首脳らが地球温暖化問題で認識を共有した政治的意味は大きいと言えます。しかしながら、我が国も6%の削減を目標にしておりましたが、削減どころか逆に8%増加しているのであります。このような現状に政府も手をこまねいているのではなく、ことし5月のG8主要国首脳会議で2050年までに世界全体の二酸化炭素の排出量を50%削減することを提言しております。この根拠としては、人間が全世界で年間72億トン排出しており、地球の吸収量が30億トンであることのようです。  6%でも無理なのに50%の削減という不可能な数字のように思いますが、国立環境研究所と京都大学のプロジェクトチームによれば、70%削減が可能であるとの報告が出されております。国立環境研究所の西岡秀三博士は、断熱性の高い住宅や電気自動車の普及などさまざまな技術の開発とともに、大切なのはエネルギー消費が前提の社会からエネルギーを使わない社会に構造自体を変えていくことにあると話されています。私も全く同感であります。我が国は戦後の復興期までは食糧や物が不足する、ある意味で究極のリサイクル社会だったのでありますが、その後の急速な経済成長とともに世界一の消費大国になってしまいました。我々がその昔に戻ることはできませんが、我々の生活、すなわち便利さを手に入れるためにエネルギーを大量に消費している生活を見直すことで、西岡博士のおっしゃるエネルギーを使わない社会に近づくことはできると思います。  西岡博士は、今我々ができることについても示唆に富んだ話をされています。例えば、公共交通機関をもっと便利にすることで自家用車を使う機会を減らし、二酸化炭素の排出を削減するといったことや、日本では抵抗が強くいまだに検討段階ですが、エネルギーの消費を抑えれば経済負担が軽くなり、エネルギーを消費すればするほど負担を重くするという炭素税の導入です。世界的にはその導入が常識となりつつあるそうで、製品の製造過程で石炭や石油を使った場合、その使用料に応じて税金を課すといった方法であります。これは市レベルでは困難な面があると思いますが、法定外目的税として環境税を設け、運営が厳しいバス事業や軌道事業支援の財源にするといった方法も考えられると思います。また、博士は、市民一人一人が自家用車を買いかえるときはハイブリッド車や電気自動車にする、家を建てかえるときは断熱性の高い住宅にするといったことや、細かいことでは家族で電気の消し忘れなどお互いにチェックすることなどを挙げておられます。  しかし、このような意識や物を大切にする心を常に持ちながら暮らしていくことはなかなかできることではありません。私は、このような生活を変えるためにはやはり市民に対する啓発や学校教育や家庭教育を通して、ただいま述べてきた地球環境の現状や物を大切にする心など環境教育を徹底することに尽きるのではないかと思います。環境教育といえば、環境省ではESDの10年実施計画が推進されています。ESDは持続可能な開発のための教育の略称です。我が国におけるESDの10年実施計画では、ESDを一人一人が世界の人々や将来世代、また環境との関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革させるための教育と定義しています。2002年のヨハネスブルクサミット、持続可能な開発に関する世界首脳会議では、日本は持続可能な社会を実現するために世界じゅうで人づくりに取り組むことを提案しました。これを受けて開始されたのが国連ESDの10年です。国際的には国連教育科学文化機関をリード機関として持続可能な開発の原則、価値観、実践を教育や学習のあらゆる側面に導入することを目指しています。日本では、平成18年3月にESDの10年推進のための関係省庁連絡会議において我が国におけるESDの10年実施計画を決定し、各省が連携してESDを推進しています。  前置きがかなり長くなってしまいましたけれども、今後も環境教育は不可欠です。このような環境教育の推進に対する教育長のお考えをお尋ねしたいと思います。          〔小牧幸治教育長 登壇〕 ◎小牧幸治 教育長  環境教育についてのお尋ねにお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、環境教育は今日の環境問題の大きさを思いますときに、まさに喫緊の課題として取り組まなければならない重要な教育であると考えております。  また、環境教育は、子供たちが将来持続可能な社会づくりに主体的に参画する地球市民として必要な能力や態度の育成を目指して行うものであり、学校教育におきましては総合的な学習の時間や理科、社会などの一部の教科等だけではなく、すべての教育活動で取り組むことが肝要であると考えております。特に、複雑な環境問題を解決するためには、命や物を大切に思う心をはぐくむような豊かな自然観、世界観を持った地球市民の育成が必要であり、子供たちには、五感を駆使して命あるものと対話できるような豊かな自然体験、生活体験を行うことが必要であると考えております。そのような点からも、環境教育は、幼児期、学齢期、成人期とそれぞれの発達段階の中で生涯を通して行うことが重要であり、さらには今日の地球温暖化問題の急速な進展を考えますときに、より早い段階から地球規模の課題を学び、行動を起こすといった具体的な取り組みも重要であると考えます。  そこで、学校教育におきましては、環境問題への自己啓発、意識づけのために、小学校1年からエコカードの配布による取り組みを行っておりますし、子供たちが具体的な目標を設定して学校全体で取り組みます学校版の環境ISOを本年度から本市すべての学校で実践をしているところであります。また、このほかにも節水チャレンジ体験学習や買い物ゲームなどの出前授業を初めとするさまざまな環境学習プログラムを学校が積極的に活用できますよう、関係部局と連携をしながら環境教育担当者研修会を開催し、子供たちの環境学習に役立つ情報提供を進めているところであります。  いずれにいたしましても、地球環境を身近に考えることができる豊かな感性と実践力を子供たちにはぐくむことができますよう、環境教育の一層の充実を図ってまいりたいと存じます。          〔34番 佐々木俊和議員 登壇〕 ◆佐々木俊和 議員  ありがとうございました。  本当の意味での環境教育とは、学校で習うものだけではなくて、家庭においてもその会話がなされる、少しでも環境に対する意識が自然と日常生活になじんでいくことだと思います。また、学校の環境に関する授業では、いい成績がとれる知識があっても、出かけるごとに車を使うことに抵抗を覚えなければ実践的な教育ではないと思います。保護者もともに環境に対する意識が増すような工夫も必要だと思います。アル・ゴア氏の「不都合な真実」にも私たちが日常で取り組める項目が書いてあります。一人一人の家庭での実践ができるような環境教育を進めていかれるようにお願いをいたします。  それでは、次に、上下水道の組織統合についてお尋ねをいたします。  全庁的な組織の見直しの中で、平成19年度は市長室の廃止、都市整備局と建設局の統合がなされましたが、平成20年度に組織改編が予定されている中に上下水道部門の組織統合が計画されています。スケジュールについては、本年の12月定例会で関係条例の改正案を上程し、平成21年4月には新組織に移行する計画とのことでありますが、議会の立場から言わせていただくと、今議会の委員会で初めて説明がなされる、そして次の12月議会で条例可決というスケジュールでは余りにも時間がないと思われます。市長部局内だけの組織統合であればまだしも、上下水道の統合は公営企業同士の統合でもあり組織そのものも巨大化しますし、統合に向けた課題整理も残されていると考えます。当局におかれましてもその認識がなされているので準備期間を1年以上も確保してあるのだと推測いたします。私は将来的には上水道と下水道は統合すべきと考えていますが、それに向けては幾つかの課題の解決が必要不可欠で、少なくともきちんとした方針を示してから実行すべきだと考えています。  そこで、上下水道組織統合に関し、より確かな市民サービスの提供に向けた組織運営を図っていく上での課題について何点かお尋ねいたします。  まず、下水道事業の公営企業法の全部適用の時期は、上下水道組織統合の目標時期である21年4月と理解していいのでしょうか。  次に、下水道の起債残高の償還スキームについてであります。下水道の中長期計画によれば、今後も新たな費用が見込まれていることもあり企業経営上の足かせになると考えられます。下水道の中長期経営計画の引き直しによれば、下水道企業債残高が平成25年度段階で1,263億円から1,428億円に増加をしていますが、下水道審議会で確認した内容から変更になった理由をお示しください。  また、下水道会計に対する一般会計からの繰り入れについては、統合に関する内部的な説明において、繰り入れが今後とも続くことが見込まれ財政的な見通しが立ったという趣旨の説明をされたそうですが、一方で、一般会計繰り出し基準を将来的な変動要因として調整の項目に挙げてありますが、これは今後恒久的なルール化ができないということでしょうか。  なぜこういうことをお尋ねするかというと、今回の上下水道の統合について検討会議の最終報告を見ると、メリットとして挙げられているもののうち、具体的なのは、下水道事業のスムーズな公営企業法の全部適用への移行ができ、単独で移行するよりも経費、人員の増が抑制できるということだけだと思われます。元来、下水道事業は一般会計からの繰り入れなしでは事業は成り立つものではなく、それらの事業は独立採算制で運営がなされてきました。統合後においては上水道事業に下水道事業の債務を負担させることがあってはならないと考えるからであります。そのことは、公営企業法によって組織が統合された場合であっても上水道事業、下水道事業、それぞれに特別会計を設けることになっています。当然、受益者負担の原則によってそれぞれが独立採算制に基づいて運営されていくことになりますから、両会計の負担区分は厳格に運用していかなければなりません。これについての考えをお示しください。  また、市民の受益者負担、つまり使用料金への影響についてもお考えをお聞かせください。  続いて、環境面についてでありますが、下水道事業が担ってきた雨水事業については公費負担が原則であり、統合後もこの原則は守られるのかという点も確認しておきたいと思います。  次に、デメリットとして掲げられている統合に伴う初期費用の発生の問題です。庁舎の問題については当面プレハブ仮庁舎を建設していくとのことでありますが、具体的な将来計画についてお考えをお示しください。  電算システムの共通化については基本的に上水道のシステムに下水道システムを取り込んでいく形になるかと思いますが、その設計思想と稼働予定日をお聞かせください。あわせて費用分担についての考え方をお示しください。  また、最終報告の中で基本理念として「環境を保全し、水循環型社会の一翼を担います。」とされておりますが、具体的な事業、政策についてお聞かせください。関係局長の答弁をお願いいたします。  さらに、関連して総務局長にお尋ねいたします。  平成20年度組織改編の概要によりますと、上下水道統合の目的として水の供給、処理、再生といった水循環にかかわる施策を一体的かつ総合的に展開するとあり、その効果として一人の事業管理者のもとで一元的、総合的な運営が期待できるとあります。契約、工事検査の取り扱いについてでありますが、全適に移行する趣旨、目的からすると統合後の新組織が発注する契約、工事検査は新組織で対応するのが通例であります。一方で、市長部局で行うことになれば、今述べましたような一人の事業管理者のもとで一元的、総合的な運営ということからすれば、技術面での問題はもちろんのこと、地方公営企業法第9条第8項に抵触するおそれもあります。経費の面でも地方公営企業の基本原則として常に企業の経済性を発揮するように運営されなければならないとあり、事務が分散化されることで非効率な点も指摘されます。公営企業の主体性という観点からどのような取り扱いをされるのかお答えください。          〔松本富士男都市建設局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市建設局長  上下水道の組織統合について、3点お答えいたします。  まず、下水道事業の地方公営企業法の全部適用につきましては、統合の目標時期でございます平成21年4月に同時に行う予定でございます。  次に、当初の中長期経営計画に比べまして企業会計への引き直し後の企業債の残高が約160億円増加した理由についてでございます。これは、国の地方交付税制度の見直しにより、一般会計から下水道事業会計への繰出金が減額される分の代替措置として、下水道事業会計で特別措置債を借り入れることによる約120億円及び起債充当率の変更による約40億円でございます。なお、特別措置債は後年度に地方交付税として措置されますので、財政計画への影響はないものと考えております。  最後に、3点目の両会計の負担区分についてでございますが、議員御指摘のとおり、事業ごとの独立採算制という制度の趣旨に基づき会計処理を行ってまいりたいと考えております。  また、下水道使用料への影響についてでございますが、統合後、より一層の経営の効率化を図ることとしており、水道局との統合が使用料に影響を及ぼすものではないと考えております。          〔西島喜義企画財政局長 登壇〕 ◎西島喜義 企画財政局長  私からは、上下水道組織統合に際しての一般会計からの繰り出しの取り扱い及び雨水事業の公費負担についてお答えいたします。  下水道事業会計に対します繰り出しにつきましては、下水道事業が平成18年度より公営企業法の適用を受け企業会計へ移行するのに際しまして、総務省が定める公営企業への繰り出し基準に準拠し明確な繰り出しルールを設定しており、雨水事業に係る経費についてもこの中に含まれております。  議員御指摘のとおり、公営企業は水道事業や下水道事業などそれぞれの事業ごとに独立採算が原則であり、一般会計との間には明確な費用負担のルールがございます。上水道と下水道の組織が一体化しましても、両事業は別個の公営事業ですので、費用負担における一般会計との関係はそれぞれの事業ごとに取り扱うこととなります。          〔東軍三水道事業管理者 登壇〕 ◎東軍三 水道事業管理者  私の方からは、上下水道の組織統合に関しまして、4点のお尋ねにお答えをいたします。  まず、組織統合による水道料金への影響についてでございますが、下水道部と組織の統合はいたしましても、2つの事業会計の独立性は確保されることになりますので、昨年策定いたしました経営基本計画にうたっておりますとおり、現行の水道料金の水準を維持してまいりたいと考えております。  次に、庁舎の将来計画につきましては、一昨日、大石議員にお答えいたしましたように、現在の水道局本館の庁舎は建築後40数年を経過しており、耐震面や防災面などでの課題がございますため、新庁舎の建設について検討の必要があるものと考えております。具体的な計画につきましては、今後さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。  次に、電算システムの共通化につきましては、操作性やシステム相互間の連携を重視したいと考えておりまして、組織統合時には日常の事務処理に支障がないよう、システムを構築してまいりたいと考えております。なお、開発の費用負担につきましては、適正な費用の負担となるよう関係部局と協議してまいりたいと考えております。  最後に、水循環型社会の形成に向けた具体策につきましては、今後、本市の第6次総合計画の策定作業の中で、関係部局とも連携しながら上下水道一体となって具体的な事業の検討に取り組みたいと考えております。          〔寺本敬司総務局長 登壇〕 ◎寺本敬司 総務局長  私からは、契約及び工事検査に関してお答えいたします。  工事や物品供給等に係る契約及び検査につきましては、現在、水道事業に関するものは水道局ですべて実施しておりますが、下水道事業につきましては地方公営企業法の財務規定のみについて適用していることから、市長の事務として緊急工事を除く工事に係るものは総務局の契約検査室で、その他の物品供給等については下水道部で行っているところでございます。  今回の両組織の統合にあわせて下水道事業に地方公営企業法の全部適用を考えていますことから、統合後は、契約につきましては事業管理者の権限として事務を担当することになりますが、その事務の執行に当たりましては、設計部門と契約検査部門を分離することが透明性の確保に役立つことや、管理者の補助職員が契約検査室で一体的に行うことで効率性が向上し、人件費等の経費削減も図られるなど、今回の組織統合を契機に、新組織の工事等に係る契約及び検査業務につきましては原則契約検査室で対応する方向で検討を進めているところでございます。  なお、議員御指摘の事務の分散化につきましては、緊急工事や物品供給など、業務執行の効率性や機動性の面から見た場合、新しい組織において行った方が望ましいものもあるため、今後、組織統合に向けた詳細な検討の中で、具体的な担当事務の範囲や執行体制等につきまして整理したいと考えております。          〔34番 佐々木俊和議員 登壇〕 ◆佐々木俊和 議員  上下水道の組織統合に向けまして、解決すべき課題の基本的な考え方が示されたものもありましたし、今後それぞれの委員会で具体的に論議をしてまいりたいと思います。  それでは、最後の質問になりますが、その他の項で地域福祉権利擁護事業についてお尋ねをいたします。  1999年10月に地域福祉権利擁護事業が開始されてから既に8年が経過しようとしています。この事業は、認知症高齢者、知的障害者や精神障害者で判断能力が十分でない方を対象に福祉サービスの利用援助、日常的金銭管理サービス、書類等の預かりサービスなどをすることにより、これらの方が地域の中で安心した生活を送れるようにすることを目的としたものです。高齢化が進む中で制度実施以来、本事業の利用者数は全国的に増加し、その内容も生活全般にわたるようになり、判断能力が低下した利用者の権利擁護の実績を積み重ねていると聞いています。しかし、本事業に対するニーズが高まる一方で、各実施主体による取り組みの格差や制度的な限界などから、あらゆるニーズに対して十分にこたえ切れているとは言いがたい状況にあります。潜在的ニーズの掘り起こしをするための広報の徹底、福祉サービスの利用に困難を伴っているあらゆる高齢者や障害者が利用できるように、対象者の拡大や専門員、生活支援に対する専門的な研修などを要望する改善提案も2005年には出されています。熊本市も社会福祉協議会を中心としてこの事業を展開するために努力しておられることと思います。  そこでお尋ねをいたします。  熊本市において現在の利用者の推移はどうなっているのか、ニーズの掘り起こしのための広報はどういう形で行われているのか、相談員はどのような人が引き受けているのでしょうか。
     また、今の制度ではサービスを受けられている方々の範囲が限られているので困っていることが現場で起きています。それは、このサービスを受けるために本人の財産等を一時的に保管し、契約終了時に相続関係者に引き渡す第三者を選定しなければならないことです。身寄りのない高齢者の方がこの引き渡しを行う方を探すということは身体的にも非常に困難であり、改善すべきであると思います。  そこでお尋ねですが、身寄りのない高齢者の方々等が増加している現状を踏まえ、引き渡し者の指定という条件の見直しができないでしょうか。健康福祉局長の答弁をお願いいたします。  次に、本人にはまだ判断能力が十分にあるものの、体が不自由なため金融機関に出かけていくことが困難であるにもかかわらず、ヘルパーさんにお願いしても規則で金銭の扱いはできませんと拒否され、この権利擁護事業も利用できないといったケースが出ています。現実には、違反とわかっていてもヘルパーに頼るしかなく、ヘルパーさんにも精神的に大きな負担をかけている状況があります。このような身体的な障害を持つ方に対して行政が保証人や身元引受人となって社会福祉法人等が事業を引き受けるといった制度を創設して問題解決を図ることができないかと考えます。財産権の問題で難しいと思いますが、現に大変困っている市民の方が大勢いらっしゃいます。早急に検討されて、問題解決が図れる福祉サービスのシステムを整備されるよう強く要望しておきます。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  地域福祉権利擁護事業につきまして、利用者の状況、広報、相談員、また条件の見直しについて、4点のお尋ねにお答えを申し上げます。  本事業は、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など判断能力が十分でない方に対し、財産保全や日常的金銭管理サービス等を実施するものでありまして、平成11年10月から熊本県社会福祉協議会からの受託事業として福祉公社ヒューマンライフで実施をしておりましたが、平成17年4月から熊本市社会福祉協議会に業務移管されたところでございます。  1点目、お尋ねの利用者数でございますが、平成17年度末で61名、18年度末で80名となっております。  2点目の広報については、県社協並びに市社協においてそれぞれのホームページ等でお知らせするほか、高齢保健福祉課の窓口を初め各保健福祉センター等で配布しております、高齢者の方々への「もの忘れハンドブック」に事業内容を掲載しているところであります。さらに、本事業の対象者のほとんどが介護サービスを受けておられることから地域包括支援センター等を通して制度の周知をお願いしております。  3点目の相談体制でございますが、現在、市社協職員3名が相談業務に当たっております。  4点目の条件の見直しについてでございますが、契約に際しましては、県社協の実施要綱によりまして、契約終了の際にお預かりした財産を一時的に保管する保管物件引渡者を決定していただくこととなっております。しかしながら、議員御指摘のように、身寄りのない方々がこの引渡者を選定することは難しいものがあり、本市としましては、この点の改善について市社協を通して県社協に申し入れを行っており、検討が進められているところであります。  いずれにいたしましても、地域福祉権利擁護事業につきましては、よりよいサービスを提供できるよう今後とも努めてまいりたいと考えております。          〔34番 佐々木俊和議員 登壇〕 ◆佐々木俊和 議員  ぜひこの制度の改善については関係部署と連携をとりながら、本当に市民の皆さんで困っている方がいらっしゃる、その中でサービスが十分に提供できるようなシステムづくりに向けて御努力をいただきたいと思います。  以上で私の質問は終わりますが、最後に一言申し上げます。  今回の職員逮捕に至った贈収賄事件は現在捜査中でありますので事件の全容解明を見守りたいと思いますが、行政は行政として、どうしてこのような事態になったのかということを厳格に検証して再発防止策を検討し、二度とこのような事件が起こることのないようにしっかりと対処していかなければなりません。市民の皆さんの意見は謙虚に受けとめ、これからの取り組みを通じて信頼回復をしていかなければなりません。また、職員の皆さんについては、一人一人がみずからのこととして受けとめ、市役所職員としての自覚を持って業務に励んでもらいたいと。今度のことで厳しい批判にさらされるでありましょうけれども、市政発展のために市長を初め執行部、職員の皆さん、頑張ってください。  議員各位、傍聴の皆さん方には長時間の御清聴ありがとうございました。(拍手)      ─────────────────────────── ○磯道文徳 副議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明13日から9月19日まで7日間は委員会開催並びに休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○磯道文徳 副議長  御異議なしと認めます。  よって、明13日から9月19日まで7日間は休会することに決定いたしました。  次会は9月20日(木曜日)定刻に開きます。      ─────────────────────────── ○磯道文徳 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 4時07分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成19年9月12日 出席議員 48名       1番   牛 嶋   弘        2番   磯 道 文 徳       3番   紫 垣 正 仁        4番   田 中 敦 朗       5番   重 村 和 征        6番   那 須   円       7番   上 田 芳 裕        8番   前 田 憲 秀       9番   原     亨       10番   澤 田 昌 作      11番   倉 重   徹       12番   満 永 寿 博      13番   大 石 浩 文       14番   高 島 和 男      15番   田 尻 善 裕       16番   上 野 美恵子      17番   東   美千子       18番   有 馬 純 夫      19番   三 島 良 之       20番   齊 藤   聰      21番   津 田 征士郎       22番   白河部 貞 志      23番   藤 山 英 美       24番   田 中 誠 一      25番   村 上   博       26番   東   すみよ      27番   日和田 よしこ       28番   藤 岡 照 代      29番   坂 田 誠 二       30番   下 川   寛      31番   田 尻 清 輝       32番   北 口 和 皇      33番   中 松 健 児       34番   佐々木 俊 和      35番   田 尻 将 博       36番   田 辺 正 信      37番   家 入 安 弘       38番   鈴 木   弘      39番   竹 原 孝 昭       40番   古 川 泰 三      41番   税 所 史 熙       43番   落 水 清 弘      44番   江 藤 正 行       45番   主 海 偉佐雄      46番   嶋 田 幾 雄       47番   益 田 牧 子      48番   上 村 恵 一       49番   西   泰 史 説明のため出席した者  市長        幸 山 政 史    副市長      三 嶋 輝 男  副市長       森 田 弘 昭    総務局長     寺 本 敬 司  企画財政局長    西 島 喜 義    市民生活局長   原   幸代子  健康福祉局長    谷 口 博 通    環境保全局長   宗 村   收  経済振興局長    岡 本 安 博    都市建設局長   松 本 富士男  消防局長      神 原 節 生    交通事業管理者  石 田 賢 一  水道事業管理者   東   軍 三    教育委員会委員長 黒 澤   和  教育長       小 牧 幸 治    人事委員会事務局長嶋 村 早 人  代表監査委員    濱 田 清 水    農業委員会会長  森   日出輝  財務部長      岡   昭 二 職務のため出席した事務局職員  事務局長      松 本   豊    事務局次長兼議事課長                                山 田 利 博  議事課長補佐    木 村 建 仁...