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12月17日-06号

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  1. 高知市議会 2020-12-17
    12月17日-06号


    取得元: 高知市議会公式サイト
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    令和 2年第481回12月定例会 第481回高知市議会定例会会議録第6号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第6号 令和2年12月17日(木曜日)午前10時開議第1  市第129号 令和2年度高知市一般会計補正予算 市第130号 令和2年度高知市産業立地推進事業特別会計補正予算 市第131号 令和2年度高知市介護保険事業特別会計補正予算 市第132号 令和2年度高知市後期高齢者医療事業特別会計補正予算 市第133号 高知市事務分掌条例の一部を改正する条例議案 市第134号 高知市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例制定議案 市第135号 高知市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の施行に伴う関係条例の整備に関する条例制定議案 市第136号 高知市職員定数条例の一部を改正する条例議案 市第137号 高知市収入証紙条例の一部を改正する条例議案 市第138号 高知市債権管理条例の一部を改正する条例議案 市第139号 高知市手数料並びに延滞金条例の一部を改正する条例議案 市第140号 高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案 市第141号 高知市後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例議案 市第142号 高知市介護保険条例の一部を改正する条例議案 市第143号 高知市団地下水道条例の一部を改正する条例議案 市第144号 高知市火災予防条例の一部を改正する条例議案 市第145号 高知市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第146号 高知広域都市計画下水道事業受益者負担に関する条例の一部を改正する条例議案 市第147号 高知市下水道条例の一部を改正する条例議案 市第148号 高知市・土佐市消防指令業務共同運用協議会の設置に関する議案 市第149号 指定管理者の指定に関する議案 市第150号 指定管理者の指定に関する議案 市第151号 指定管理者の指定に関する議案 市第152号 指定管理者の指定に関する議案 市第153号 指定管理者の指定に関する議案 市第154号 指定管理者の指定に関する議案 市第155号 高知市文化プラザ電気設備改修工事請負契約締結議案 市第156号 高知市立学校情報通信ネットワーク環境施設整備業務委託契約の一部変更議案 市第157号 調停の申立てについて 市第158号 令和2年度高知市一般会計補正予算 市第159号 令和2年度高知市国民健康保険事業特別会計補正予算 市第160号 令和2年度高知市収益事業特別会計補正予算 市第161号 令和2年度高知市介護保険事業特別会計補正予算第2 市第162号 令和2年度高知市一般会計補正予算  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第129号議案から市第161号議案まで日程第2 市第162号令和2年度高知市一般会計補正予算  ────────────────  出席議員1番 浜口佳寿子君  2番 島崎 保臣君3番 甲木 良作君  4番 木村  亘君5番 神岡 俊輔君  6番 迫  哲郎君7番 はた  愛君  8番 細木  良君9番 岡崎 邦子君  10番 深瀬 裕彦君11番 長尾 和明君  12番 下本 文雄君13番 下元 博司君  14番 田鍋  剛君15番 岡崎  豊君  16番 近藤  強君17番 戸田 二郎君  18番 高橋 裕忠君19番 海治甲太郎君  20番 横山 公大君21番 大久保尊司君  22番 伊藤 弘幸君23番 氏原 嗣志君  24番 吉永 哲也君25番 清水おさむ君  26番 平田 文彦君27番 西森 美和君  28番 寺内 憲資君29番 川村 貞夫君  30番 和田 勝美君31番 竹村 邦夫君  32番 福島  明君33番 山根 堂宏君  34番 高木  妙君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     松島  研君      副市長     中澤 慎二君      総務部長    森田 洋介君      防災対策部長  松村 和明君      財務部長    橋本 和明君      市民協働部長  谷脇 禎哉君      健康福祉部長  大野 正貴君      こども未来部長 山崎 英隆君      環境部長    今西 剛也君      商工観光部長  楠本  太君      農林水産部長  島津  卓君      都市建設部長  岡崎  晃君      教育長     山本 正篤君      上下水道事業管理者              山本三四年君      消防局長    本山 和平君      監査委員    細川 哲也君      財政課長    大北  新君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    藤原  哲君      事務局次長   山崎 敬造君      庶務課長    谷村 守敏君      庶務課長補佐  田村 章代君      議事調査課長補佐竹村 博和君      議事調査課管理主幹              中須賀広典君      秘書係長    西  理恵君      議事係長    池上 弘倫君      議事調査課主幹 森 美樹子君      議会庶務担当調整官              松下 智子君      書記      伊藤 剛大君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開議 ○議長(田鍋剛君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田鍋剛君) この際,諸般の報告を事務局長からいたします。 ◎事務局長(藤原哲君) 御報告いたします。 市長から議案の提出がありました。 市第162号議案でありますが,内容につきましては,印刷してお手元に配付してありますので,朗読を省略させていただきます。 以上でございます。  ────────────────             2重財第107号            令和2年12月17日高知市議会議長 田鍋 剛様         高知市長 岡崎 誠也    追加議案の提出について 下記の議案を市議会に追加提出します。         記市第162号 令和2年度高知市一般会計補正予算  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第129号議案から市第161号議案まで ○議長(田鍋剛君) 日程第1,市第129号議案から市第161号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 下元博司議員。  〔下元博司君登壇〕 ◆(下元博司君) おはようございます。日本共産党の下元博司です。 早速,通告に従い,一問一答方式で質問を行いたいと思います。 まず最初に,決裁文書のいわゆる偽造問題の総括についてであります。 高知検察審査会は,虚偽有印公文書作成,同行使被疑事件に対する不起訴処分は不当とし,その理由を何点か上げて再審査の議決をしていますが,総括ではこの点について触れていませんので,以下,お聞きをしたいと思います。 まず,検察審査会の,被疑者,市長ほかは起案紙の遡り作成について不適切行為であったことは認めており,添付されたマスタープランを熟読することなく押印している事実もうかがえ,本来,決裁行為とは言えない,このように指摘をしていますが,このことについて市長の見解をお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 少し経過を申し上げますが,御指摘の検察審査会の議決につきましては,令和2年10月26日付で,マスタープラン策定に関する決裁文書の総括におきましても経緯を説明しておりますが,平成28年9月21日付で,私を含め決裁に関与した職員らが,内容虚偽の公文書を作成し,行使した容疑で刑事告発されまして,警察及び検察による捜査の後,令和元年6月12日付で,検察から不起訴処分が下されました。 この処分に対しまして,告発人らが,不服があるとして検察審査会に審査の申立てを行い,当該審査会は,審査の結果,同年12月に不起訴不当の議決を行いました。今御指摘のものが,この議決の中身だと思います。 この議決を受けまして,再度検察による捜査が行われ,令和2年6月17日付で,再び不起訴処分が下されたものでございます。 この検察審査会の議決の中の指摘部分でありますが,起案紙の遡り作成とありますが,総括でも説明しておりますとおり,本件は意思決定を記録する決裁文書として作成したものでございます。 しかしながら,事後に決裁文書を作成するに至ったわけですが,その理由を明記していなかったことは,我々も深く反省をしております。 また,御指摘の添付されていたマスタープランの内容を熟読することなく押印している事実もうかがえるというのがありますけれども,合議に係る職員の承認のことを指していると思われますが,そもそも合議に係る各部局の職員については,関係する自分の部局に関する内容の確認等をするものでありますので,その確認をした上で承認をしたものと認識をしております。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) それでは,2つ目ですけれども,検察審査会は,2014年3月7日のマスタープラン報告式で,市長のマスタープランの内容を了承する挨拶を行っており,これをもって事実上の決裁と捉えることができるので,違法ではない。 こういう主張に対して,3月3日に報告式の開催案内の起案を行い,3月4日に決裁を了していることから,当然それ以前にマスタープランが策定され,市長までの決裁を了していなければならないはずであり,この弁解には無理がある。 この指摘について,市長はどのようにお考えなのか,お聞きします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 都市計画マスタープランは,権限は市町村が策定するものでございまして,その内容につきましては,高知市都市計画マスタープラン策定委員会において取りまとめていただいた計画案の内容を,市長である私に報告をしていただき,それを承認することによって策定の意思決定がなされるものであります。 したがいまして,策定委員会が取りまとめを終了した段階で行う報告式の前に,策定について,市としての意思決定を行うものではございませんので,その点は御理解を賜りたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) それでは,3つ目ですけれども,文書の事後起案が繰り返されている実態について,公務員にあるまじき不適切行為であるにもかかわらず,後にこれを容認する形で文書管理規程を改定していることは,一般人としては全く理解し難く,起案文書の遡り起案作成は犯罪性が深く疑われ,悪質というふうに指摘していますが,このことについてはいかがでしょうか。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 検察審査会の文書の事後起案が繰り返されているという実態については,どういう事例を指しているのか,こちら側では分かりませんけれども,先ほどもお答えしましたとおり,本件は意思決定を記録する決裁文書として作成したものでございます。 決裁文書の事後作成につきましては,意思決定が先行する場合に必要となりますので,平成29年4月には文書管理規程の改正を行いまして,決裁文書を作成することとなった場合には,その理由を明確にすることなどの文書の作成義務を,この件の反省を受けまして明確にして,全庁に周知徹底を図ったところです。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) それでは,次にですけれども,市長は,総括文書を発表した後の記者会見で,この総括文書については,全然足りないという声もあると思うと,こういった発言をされています。 全く足りないということを,事前に市長は認識しているわけですけれども,これはどうして,何を想定して,市長は,こういった発言されたのか,お聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
    ◎市長(岡崎誠也君) 令和2年10月26日付で公表しましたこのマスタープラン策定に係ります決裁文書作成に関する総括については,事実を取りまとめたものでありますが,この総括文書に対しては,様々な御意見があろうかと思うという見解を述べたものでございます。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 記者会見の中で,こういった最初から全然足りないだろうと,そういうふうに言われるだろうという,こういった発言というのは,市民に対しても,議会に対しても,ちょっとばかにしたような感じに受け取れます。 それから,地元紙ですけれども,この総括文書についても,こういうふうに述べています。 結果的に,偽造の刑事責任はおとがめなしに終わった。ただし,捜査当局の判断がどうであれ,市長は偽造に関する経緯を詳細に説明し,謝罪し,けじめをつけるべきだと述べていますけれども,市長は,けじめはついているとお考えなんでしょうか。謝罪は必要ないと思っているのか,お答えをいただきたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 決して,謝罪が必要ではないというふうに思っているわけではございません。 平成28年9月に,私を含めまして職員が刑事告発されまして,警察及び検察による厳正な捜査を経まして,不起訴処分となりましたが,事後に決裁文書を作成するに至った理由を記載していなかったことによりまして,公文書の信頼性に疑念を抱かせる事態となりましたことにつきましては,市民の皆様方に,また議会の皆様方にも,改めましておわびを申し上げたいと思います。 今回の反省を踏まえまして,文書法制課をその後新設をし,文書管理規程の改正を行いましたが,現在,さらに文書管理全体の見直しに取り組んでいるところであり,令和3年度からは,高知市公文書管理条例の制定を目指したいと考えておりまして,意思決定過程におけます文書主義のさらなる適正化を考えているところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 書画カメラをお願いします。 高知市都市計画マスタープラン全体構想(案),このパブリックコメントを2013年4月22日から5月24日の間に実施をしています。 そして,高知市都市計画マスタープラン地域別構想(案)のパブリックコメントは,2014年の2月1日から25日まで実施していますが,いずれの案にも長浜地域の高台利用の記載,これがありません。こちらです。 パブリックコメントで出された意見を反映して,案を修正するということはあるとは思うんですけれども,この2回のパブリックコメントとも,長浜地域のまちづくり構想に関する意見は出ていないようです。 2回目のパブリックコメント募集終了の2月25日から10日後の3月7日,この日は,高台を利用した土地利用が記載されたマスタープランが策定委員会から市長に報告され,市長が意思決定をした日ということです。 決裁文書作成に関する総括のマスタープラン策定に係る経緯には,長浜地域のまちづくり構想に高台の利用と防災道路等についての追記を事務局で行ったと書かれています。 書画カメラを閉じてください。 検察審査会は,市の意思決定及び決裁の在り方にも触れていますけれども,このパブリックコメント終了後にマスタープラン策定委員会は開かれていません。 追記の意思決定は,いつ,どのように行い,また追記したことについて,策定委員会には,いつ報告したのか,市長にお聞きします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 都市計画マスタープランの掲載に至った経緯につきましては,当該プランの,先ほど御覧いただいた地域別構想の策定時期に,津波浸水リスクを回避するための企業移転が市内でも増加するとともに,浸水のおそれがない市外の土地への企業移転が懸念されていた時期でもあります。 企業からの高台の土地利活用の需要が高まる中で,当該地区において民間レベルの動きも考えられ,当該地域の高台を利用した土地利用が,マスタープランの全体構想で示した土地利用の方針に乖離をしないと判断し,マスタープラン策定委員会の事務局において追記したものでございます。 策定委員会への報告につきましては,平成25年11月に開催しました第4回の都市計画マスタープラン策定委員会において,修正内容が軽微な場合は,委員長に最終確認していただき修正することを,この時点で決めていたという報告を受けております。 パブリックコメント等を踏まえまして,都市計画マスタープランが仕上がった段階で,委員長に確認をしていただくという予定でございましたが,委員長が急逝されまして,お亡くなりになられましたので,平成26年3月6日に副委員長に,最終の形で全体の報告を行い,確認をいただいたと聞いております。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 追記の意思決定,これは決裁文書なんかを取っているんでしょうか。もし,そこが分かるようでしたら,お答えください,市長。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 都市計画マスタープランにつきましては,都市計画審議会に出しておりますので,その都市計画審議会での審議の後,決裁文書はあるというふうに聞いておりますが,そのほかの決裁は,自分の手元では承知をしておりません。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) それでは,市長,都市計画マスタープランの意思決定をした3月7日以降の道の駅構想の経過ですけれども,市の総括文書や道の駅構想について,2014年9月議会において,地元の市会議員から浦戸道の駅構想に関する質問があり,その後,11月に浦戸町内会連合会長から要望書が提出され,12月議会で道の駅整備の要望がまたあったと。翌年の2月に,浦戸町内会5会長の連名で,要望書が提出されたというふうに書かれています。 この地元議員の,浦戸に市内初の道の駅の実現を求める質問があったわけですけれども,市は,国土交通省の官民連携基盤整備推進支援事業について,道の駅などの事業について事業化検討経費の支援が受けられ,官民連携による地域再生には効果的な取組が可能となる制度,このように答弁をしています。 市は,2015年2月26日,官民連携による地域活性化のための基盤整備推進支援事業の補助金活用に関する意向調査に回答書を出しています。 ところが,地元議員の質問の3か月前,6月20日付で高台の土地利用者から,弊社は浦戸地区の高台に山林や宅地など約25ヘクタールの用地を所有しております。これら弊社所有地を,災害支援活動や観光振興,地域振興など地域のためにお役立ていただくのであれば,協力は惜しみません。地元の産業振興や地域貢献活動にも積極的に参加させていただき,高知の企業として社会的責任を果たしていく所存でございますと,浦戸地区の地域貢献について協力申出があっています。 この協力申出について,事前にこの土地所有者と協議,調整を行っていたのか,都市建設部長にお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 当時の書類を調査し,職員に問合せを行いましたが,確認できませんでした。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 確認できていない,言うたら協議,調整はされていないということだと思います。 書画カメラをお願いします。 これが,先ほど述べました土地所有者からの地域貢献の申出であります。社会的責任を果たしていくと明確に書かれています。 そして,これが添付された位置図です。高知市の発行している地図だと思います。 申出の報告は,市長決裁になっています。6月26日に起案をして,5つの部,6つの課,市長はじめ38名が押印をしています。 決裁日は,起案日から36日たった7月31日で,大変慎重な決裁です。偽造の決裁文書は,決裁日と起案日は僅か1日,同じ日になっているわけですけれども,これは慎重に決裁がされています。 それと,国交省に対して,高知市は補助金の事業の調査計画書を出しているわけです。それがこちらです。 この調査計画書の中では,この事業,道の駅構想に関する事業のきっかけ,これについては,浦戸連合町内会から道の駅等の整備の要望があった。これは議会でも言われています。 ところが,地権者による地域貢献の申出があったということも,明確にこのきっかけとして,国交省へは提出をしているわけです。 もう一つの資料はこちらです。これにも,民間事業の活動,新たな投資予定ということで,ここに地権者による地域貢献の申出が平成26年6月にあったと,このように書かれているわけだと思います。 それからもう一つ,ちょっと不思議な文書なんですけれども,市長はもう,これを御覧になっていると思います。これは,浦戸地域の土地所有者の高知市への協力申出の文書です。 赤丸と緑の丸をつけていますけれど,これは物すごく不思議な文書になっているんです。赤丸は,これは句読点の読点,コンマになっています。これは市役所で使う読点なんです。 これを確認しましたら,高知市は公文規程で,句読点,符号について,文書には,読点はコンマ,縦書きの文書の場合には,こちらの緑の点を使う場合もあるようですけれども,こういうふうに公文規程では決まっています。 この文書の中には,市役所で使うコンマと一般的に使われている点が混在しているという,大変不思議な文書です。 私は,これはひょっとしたら,高知市のほうと土地所有者の方と協議をして作った文書ではないかなと,そのように思いましたけれども,都市建設部長は,そういった事前の協議をしていないということでした。一体,なぜこんなおかしな文書が出てきたのか,不思議でなりません。 この当時から,文書のやり取りなんかはメールでも送られますので,私は誰かが,職員がこちらの土地所有者とやり取りをしたことがあったんではないか,そのように思います。 このことについては2年前,2月14日に,当時,私は経済文教常任委員長でした。副委員長の浜口卓也さんと一緒に,この土地所有者のところへ行きまして,約2時間懇談をしました。 その中で土地所有者に対して,私も29年市役所におりましたから,この書類は,市役所の人が作ったような感じもするけれど,どうですかと言いましたら,土地所有者の方は,よう見ちゅうのうということは言いましたけれども,否定も肯定もしませんでした。 書画カメラを閉じてください。 市長にこの文書をお渡ししていましたので,市長は,この文書をどのようにお感じになるか,所見をお聞きしたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 決裁文書が自分のところへ回ってきましたので,文書を見ましたけれども,さすがにコンマの使い方までは,自分のほうは確認できておりませんので,そこは申し上げることはできませんが,この平成26年6月20日付で高知市に提出されました文書につきましては,会社から有印文書,いわゆる押印された文書として提出されておりますので,当然会社で作成されたものと認識をしております。 協力申出の文書につきましては,浦戸地区の地域貢献についてとして,浦戸地区の地域活力の衰退や,2011年の地震がありましたので,南海トラフ地震発生時の被害等を懸念されまして,例えば,高台を医療救護活動や仮設住宅などを例に出されまして,そういうニーズがあれば協力しますという内容でいただいておりますので,そういう点について,協力はしますというものであったと認識をしております。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 私は,この文書については,うんと引っかかっているんです。誰か市の職員さんが,向こうとの話をずっと進めてきたんではないかという,その疑念は拭えません。 市長は,11日の戸田議員の質問で,道の駅構想のきっかけを聞かれました。市長はそのときに,2014年9月議会で,先ほども言いましたけれども,地元市会議員の提言を受けて着手したというふうに答えています。2016年12月議会で,協力申出について意図的に隠したものではないと,私の質問に答えています。 この総括の刑事告発の内容とそれに対する釈明でも,地元議員からの提言を受けて道の駅構想を開始したというふうになりますけれども,本当は,きっかけは地元議員の質問の前にあった協力依頼,この申出がきっかけじゃないんですか。市長,お答えください。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 道の駅構想につきましては,段々お答えしているように,平成26年9月議会で地元の市議会議員さんから,長浜・浦戸地域の疲弊している現状を憂いまして,活性化のための提言を受けたものでございますので,その後,検討に着手したものでございますので,この申出がきっかけということではございません。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) うそを言うたらいかんですよ。国交省には,きっかけは土地所有者の協力があったということを明確に書いているんでしょう。国に対しては,きっかけは土地所有者の協力の申出があったと。 ところが,地元の説明会は,道の駅構想で3回やりましたけれども,一言も触れていない。議会にも触れませんでした。 これは,ちょっと議会に対しても,地元の方に対しても,本当にばかにした,隠したことしか言っていない。経過を隠しているんですよ。 それで,あえてこの土地所有者の協力申出があったこと,これに触れないというのは市長と,高知市と土地所有者との間に表に出したら都合悪いとか,そんなことが,何か約束があったんではないかと,勘ぐられても仕方がないと思います。 今度のマスタープラン決裁の偽造事件は,まさにここに大きな問題が発端としてあるんではないか。国の改ざん,隠蔽体質,こういったものと共通したところがあるというふうに私は思います。 この道の駅の構想のきっかけは,地元出身議員さんの質問がということをずっと言っていますが,地元議員さんだけが,悪目に遭わせられています。 事実は土地所有者の申出があったということですから,ここのところは,やっぱりちゃんと答えるべきだと思います。 当時の担当者や,既に退職していた職員も含めて,偽造決裁文書作成というのが行われて,判を押した職員さん,市長も含めて,何度ともなく事情聴取をされています。罪に問われるのではないか,そういった不安の中で過ごしていたと思います。 幸か不幸か不起訴処分になりましたけれど,もしこれが起訴されて有罪に,罪に問われたとき,退職した職員で判を押さされた,その人たちに対して大変な負担をかけることになるわけです。 私は,やっぱりこうした職員に対しても,また全職員に対して,今度この問題について,トップの市長としてちゃんと謝罪すべきだと思いますが,いかがでしょうか,市長。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 前段申し上げておきますが,当該事業者と事業の約束をしていたというものではございません。 御質問ですが,平成28年9月に,決裁に関与しました職員が刑事告発をされ,警察及び検察による捜査を経て,結果的には不起訴ということになりましたけれども,特に,今御指摘いただきましたように,関係職員の皆様には,それぞれ御心配や御心労をおかけしましたことについては,私のほうからも深くおわびを申し上げたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 土地所有者と約束したことではないという,約束したことがあるということを言えば大ごとになりますから,そういったことだと思いますけれども。 ただ,きっかけとして,国に対して,土地所有者からの申出があったという,このことがきっかけということは言っているわけですから,これをなぜ言わなかったのか。約束していなかったという市長の答弁ですけれども,少し信用はできません。 松島副市長は,15日の氏原議員とのやり取りの中で,地方公務員法第30条を引用して,全て職員は全体の奉仕者として公共の利益のために勤務しということを言われました。 このことは,私は,市長はじめ幹部職員こそ,しっかりと心にしていただかなければいけないと思います。 過去には,特定市民と職員との交流の問題がありました。特定業者などと幹部職員とのお付き合いがある。こういったうわさも耳にしています。 現場の職員は,本当に市民の皆さんのためにということで一生懸命仕事をしていますけれども,私はやはり幹部職員が,本当に全体の奉仕者として市民に向き合って仕事をしてほしいと思います。地方公務員法第30条,このことをしっかりと心にしていただきたいと思います。 次に,アートアクアリウム展についての質問に移っていきたいと思います。女性の人権の観点からです。 1981年に発効しました女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約は,締約国は,あらゆる形態の女子の売買及び女子の売春からの搾取を禁止するための全ての適当な措置を取ると,このようにうたっています。 また,男女が互いに人権を尊重し,市及び全ての市民が協働して男女共同参画社会づくりに取り組むため,男女がともに輝く高知市男女共同参画条例を制定していますが,この中では,7つの基本的な考え方のうちの一つに,性と生殖に関しての男女の人権尊重を掲げています。 高知市人権教育・啓発推進基本計画は,女性の人権課題に対する取組について,売買春等,女性に対する暴力事案等が社会的に問題となるなど,真に男女共同参画社会が実現されているとは言い難い状況にあるとの認識の下に,売買春等女性に対するあらゆる暴力を根絶するため,関係者に対し,女性の人権の重要性について,正しい認識と理解を深めるための啓発活動を実施するとしています。 昨年制定された高知市人権尊重のまちづくり条例は,事業者の責務として,市と協力し,人権尊重のまちづくりの推進に努めるものとしています。 12月19日から開催が予定されていますアートアクアリウム展ですが,この代表作品が花魁ということです。 観光協会のホームページを開いてみますと,作品紹介で,花魁はアートアクアリウムを代表する作品で,江戸の遊郭を表現しています。乱舞する金魚は花魁とそれを目指す女性たちを,金魚鉢はその中でしか生きることのできない世界を意味しています。金魚鉢が七色に変化するライティングは,江戸花街のあでやかさを演出しています。こういうふうに述べています。 また,アートアクアリウムの公式サイトは,アートアクアリウムミュージアムの所蔵作品集の花魁道中について,花街は,江戸時代に最も華やかで革新的な場所で,きらびやかで象徴的な瞬間と紹介をしています。幾多ものアートアクアリウムの代表作である花魁によって構成した超大作だと。豪華けんらんな夢の世界が広がる。このような紹介をしています。 花魁道中というのは,いわゆる常連客が遊郭にやってきますと,最初に揚げ屋に上がって花魁を指名するようです。指名を受けた花魁が飾り立てて揚げ屋まで歩いて,客を連れて自分の妓楼へ戻ってくる。花魁が自分を買ってくれる,買う客を揚げ屋や引き手茶屋まで迎えに行くという,こういったことです。 9月議会で市長は,島崎議員の花街,花魁といったものにどういった認識を持っているか質問がありましたけれど,お答えになっていません。 改めて,市長の花魁,花魁道中に対する認識をお聞きしたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 花魁という呼び名につきましては,もともと,姉さんのことをおいらのと呼んでいたものが変化したものだというふうに言われています。 花魁は,江戸時代の吉原の遊郭におけます最上位の遊女のことであり,花魁道中は,その花魁が盛装して遊郭を練り歩いた様子のものを指すものであり,遊郭の歴史におけます明と暗,いわゆる光と影を感じるところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 光と影を感じるところということですけれど,結局,自分の体を買ってくれるお客さんを迎えに行く,行き来が花魁道中ということなんです。江戸時代は,これが常識であったかもしれませんけれど,現代では,全く通用するものではないと思います。 アートアクアリウム展は,こうした人身売買,売買春,女性の商品化である花魁について目をつむって,花魁道中などの華やかさの側面しか捉えていないんじゃないか。 人権教育・啓発推進基本計画や高知市男女共同参画条例との整合性について,市長は,どういった認識をされているのか,お聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 今般の「アートアクアリウム展~高知・金魚の海~」では,花魁,大奥,大政奉還金魚大屏風という,3つの芸術作品が展示されます。 芸術作品でありましても,例えば,その表現が明らかに個人の人権を侵害するものであったり,特定の人や集団等を差別したり,そうした差別を助長するものであってはなりませんけれども,そうしたものでない限り,芸術や文化,言論等の活動におけます表現の自由は保障されるべきものであると考えますので,特にこの3つの作品が,差別的な考え方を助長する作品ではないというふうに考えております。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 差別的なことを助長するというか,そういった花魁とかといった江戸時代の人身売買の一つの形態を,無批判に,ただ単に芸術的に表現をしたという,そういった認識は,私は間違っていると思います。 12月6日まで,国立歴史民俗博物館で企画展が開かれていました。売春は最古の女性の職業と言われるが,本当なのか。遊女として生きた女性たちの日記や手紙なども紹介しながら,男女の区分や位置づけを深く反映する性の歴史を振り返る,こういった企画展示で,性差,ジェンダーの日本史というものです。性の売買は,社会の構造と密接に結びついているという視点です。 近世国家,江戸幕府が遊郭での性の売買を公認する。こういった公娼制度が江戸時代に成立しています。幕府や政府が公に性の売買を認めることで,性搾取されることが当たり前になっていたといっています。 「性からよむ江戸時代,生活の現場から」という沢山美果子さんの本も読みましたけれども,ここでは江戸時代の隠れ売女,非公認の売春婦です。 この出自について,文政12年,1829年から11年間に127名の隠れ売女の方が検挙されているようです。そのうち,娘さんが69人,次に召使,同居女性,養女とか妻や妹,こういった方も検挙されているということが紹介されていました。 こういった検挙された女性の刑があります。それは,入札をして新たに新吉原に売られてお勤めをさせられる。また,ここで売春をさせられるという,こういったことが刑として与えられたようです。 検挙されたこういった方々が,再び商品として値踏みをされる。性や人身売買の実態がこの本の中でも示されていますけれど,遊郭に売られた22歳で死んだ女性が,苛酷な生活の中で遊女の多くが若くして命を落とし,苦しい勤めからの逃亡や心中未遂で,女たちの体を傷つけ,むしばみ,命を奪った。逃亡や心中未遂は,見つかれば厳しいせっかんを受けた。こういった記録も残っています。 先ほど市長も言いましたけれど,こういった遊女の最高位が花魁です。アートアクアリウム展は,花魁の極めて一面だけを捉え,美化していると私は考えます。 市長は,作者に性差別を助長する意図はないと,だから問題がないというふうな考えを持たれているようですけれど,いかがなんでしょう,そうなんでしょうか。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 女性を暴力等で支配することや差別し,蔑んだり,あるいはそうしたことを助長するような言動は,決して許されるものではありませんけれども,アートアクアリウム展の作品に,そうした意図があるとは考えておりません。 この展覧会は,これまで全国で開催をされ,多くの観客が鑑賞されておられます。アートアクアリウム展の作品は,花魁をモチーフとした芸術作品としての表現の一つであるというふうに認識をしております。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 昔といいますか,かつて高知市は,学校現場で同和問題を知る。その中で賤称も教えていく。その教えてもらった賤称を,友達とのけんかのとき,あるいは先生の指導に反発して賤称を使う。 子供たちには,当然,部落差別の意図はないけれども,そういった発言をすると,これが差別事件というふうに取り上げられました。 花魁については,市長は,そういった差別の意図がなければ問題がないという,使い分けをしています。 子供の発言と,この花魁のアートアクアリウム展の内容というのは,全く質が違うものだと思います。都合のいいときに,そういった意図がなければ問題ない,そういった答弁というのはおかしい,間違っていると思います。 それから,テレビでもありましたけれども,コロナが収束したら,物すごく,絶対面白いことがあるんですよ。美人さんがお嬢やります。短時間でお金を稼がないと苦しいですから。これはナインティナインの岡村氏が発言をし,批判を浴びました。生活苦と女性が性を売るビジネスが,密接につながっています。 新型コロナ感染が拡大し,現在も女性の性を取り巻く深刻な状況がある中で,公費を3億5,000万円もつぎ込むこのアートアクアリウム展というのは,私は極めて不適切な事業であるということを言っておきたいと思います。 次に,マイナンバーカードの交付の問題です。 マイナンバーの今年11月1日現在,交付率は,全国で21.8%,高知県で14.8%,高知市は15.9%になっているようです。 マイナンバー制度は,様々な機関や事務所などに散在する各人の個人情報を名寄せし,参照できるようにし,日本に住む全ての国民,外国人に生涯変わらない番号をつけて,行政などが活用するものです。 各分野の個人情報をひもづけして利用できるようにすること自体,プライバシー権の侵害の危険性を持つ重大な問題だと思います。 総務省は昨年6月に,来年3月から本格実施されるマイナンバーカードの健康保険証利用を着実に進めるため,職員等におけるマイナンバーカードの取得について協力を要請しています。正規,再任用,会計年度任用職員とその被扶養者,家族が対象となっています。 この要請に基づいて,高知市は昨年7月,職員のマイナンバーカードの取得状況の調査を実施しています。 総務部長にお聞きしますが,職員及び被扶養者の交付率はどのようになっているか,教えてください。 ○議長(田鍋剛君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田洋介君) 本年10月に実施しましたマイナンバーカードの取得状況調査につきましては,地方公務員共済組合の組合員及び被扶養者を対象とし,9月末時点で,その方々がマイナンバーカードを取得しているか,または申請中であるかを調査したものであります。 この調査は,高知県の総務部長からの要請を受けて実施したものでありますが,報告すべき事項は,組合員数及び被扶養者数,また組合員及び被扶養者それぞれのマイナンバーカードの交付申請者数となっており,正規職員や会計年度任用職員といった職の区分までは必要とされていないことから,それぞれの集計は行っておりませんが,全体の調査人数5,532人に対し,取得または申請済みの方は1,404人でありまして,その割合は25.4%となっております。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 25.4%というのは,高知市の平均よりか大分高い交付率になっているように思います。 10月に配った調査票です。この中には,8月の時点で,調査したときに申請または取得済みと回答した人については,調査の結果欄に1の数字を印字しています。9月末時点で取得済みか申請中かを確認していただいて,その該当する欄に丸の印をつけてくださいというお願いをしているわけです。 調査票の区分欄には,組合員というのと被扶養者,家族ということが記されているわけですけれども,被扶養者まで,なぜ対象にしなければいけないのか,したのか,総務部長にお答えをいただきたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田洋介君) マイナンバーカードの申請及び取得状況の報告につきましては,総務省からの照会文書を受けまして,昨年6月から開始したものとなっております。 この照会に対する回答につきましては,総務省が作成しております記載要領に基づき対応しており,調査の対象者は,関係共済組合から提供される照会対象日時点の組合員及び被扶養者とされておりますことから,本市におきましても,高知県市町村職員共済組合から提供いただいた被扶養者を含む対象者について調査,報告を行ったものでありまして,今年10月の報告につきましても,同様に依頼があったものでございます。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 総務省からの依頼があったから家族まで対象にするという,そんな単純な,短絡的な対応でいいんでしょうか。 幾ら公務員の職員の,例えば奥さんであるとか子供である人まで,交付の状況を調べ上げる,答えなさいというのは不適切じゃないですか。 私は,扶養者まで対象にするということについて,これは行き過ぎじゃないかと思います。しかも,公務員だから,おまえは交付したのかどうなのかという,この調査自体についても,私は,本来行うべきではないんじゃないかというふうに思います。 職員の方から,何でうちの家族まで,交付したかどうかを言わんといかんがでしょうかという,そんな苦情があります。 それこそ,調査に応じるかどうか,応じない場合も当然あると思いますし,マイナンバーの交付の申請をしない人もあると思います。 ところが,こういった調査をされると,応じなければ何か不利益があるんじゃないか,そういうふうに思うのが普通じゃないでしょうか。 調査に応じなかったり交付申請をしない,こういった職員へ,そういった不利益があってはならないと思いますけれども,総務部長,どうお考えでしょうか。 ○議長(田鍋剛君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田洋介君) この調査につきましては,被扶養者の情報も掲載していることから,適切な取扱い及び管理を所属長に依頼した上で,各所属において調査を実施しております。 これまで所属長から,調査に応じてもらえなかったといった報告,相談は上がっておりませんので,職員の理解は得られているものと考えております。 仮に調査に応じない,交付申請をしなかった場合においても,その職員に不利益が発生するものではないと考えております。 今後につきましても,調査の依頼がありましたら,情報管理を徹底するとともに,職員には調査の趣旨を十分理解の上,回答に協力してもらえるよう対応していきたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 職員からこのことについて,何らおかしいとか声が上がらないから,理解をしてもらっているというふうな判断のようですけれど,現実に私たちのところへは,なぜ職員,自分の家族の調査をされるんだろうかという,おかしいじゃないかという,そういった声が出ています。私は,こういった調査は,中止をしてもらいたいと思います。 2年前の2月には,横浜市の鶴見区では,マイナンバーカードを紛失したという,こういった事態も起こっています。 こういった調査について,しっかり情報管理もしていくということですけれども,情報漏えい事件も年々増えています。こういった個人情報を保護していくということが,今大きな課題にもなっていると思います。 政府は,国民一人一人に生涯変わらない番号をつけて,多分野の個人情報をひもづけして利用できるようにすること自体,プライバシー権の侵害の危険性を持つ重大な問題だと思っています。 日本共産党は,こうしたマイナンバーカードを押しつけるやり方は,やめるべきだと考えています。 マイナンバー関係の現場ですけれども,ちょっとお聞きしましたら,10月で3,700人余りの来庁者が,マイナンバーの関係で訪れているようです。その上,出前の申請の受付とか,第2・第4土曜日には,本庁で休日受付の業務も行っています。 多い人は,月80時間ぐらいの時間外勤務を強いられているという状況もあるようです。 それからもう一つは,3,774人が10月に来庁して,手続もしているようですけれど,びっくりしたのは,そのうち,市民の人が来られて用務を終えるまで,一番長い人で1時間58分待っていた。それから1時間以上待っていた方が59人,さらに30分から45分以上待っていた方を合わせると,2割方の市民が長時間滞在をしなければいけないという,こういった状況もあるようです。 私たちは,マイナンバーカード推進の立場ではありませんけれども,現場のこういった状況は,ちょっとおかしい状況になっていると思います。しかも,コロナ第3波が広がっています。 できるだけ簡潔に市民が用務を終えて帰れるようにしていくことが,市民や職員のコロナ感染を防止するという面でも必要なことだと思いますので,そういった今の現場について,ちゃんと見直しもしていく必要があるんではないか,このことを申し添えておきたいと思います。 最後に,行政文書の西暦・元号,年号の使い方についてなんですけれど,先月,にじいろのまちの宣言がされました。それから,来年2月には,パートナーシップの制度もスタートします。 その関係で今,行政の申請書とかいろいろな行政文書があります。例えば,納税証明書の申請,住民票の交付請求書,こういったものについて,性別欄の見直しをされていると思います。これはいいことだと思います。 そこで,もう一つお願いをしたいと思いますのは,今新聞は,ほとんど西暦が主体になって,西暦を書いて,その後へ括弧して元号を入れていくという,こういったことが一般的になっています。 こういった年号を使うときに,元号ではなくて西暦も使える,こういうふうにすべきではないかと思います。 問題になっていますのは,都市計画マスタープランも,表題には西暦の2014高知市都市計画マスタープランと,こういうふうに高知市の文書でも使っているわけです。ところが,中身を見ると,元号で表記しているのが多いわけです。 自治省の文書課は,公文書における西暦と元号の使用区分,これに規定があるのかという,四万十市ではなかったかと思いますが,問合せがあったときに,明文規定はないというふうに回答しているようです。 総務部長,この元号使用について,元号を使用しなければいけないという,そういった法的根拠,理由というのがあるんでしょうか,お聞きします。 ○議長(田鍋剛君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田洋介君) 国などの公的機関において作成される公文書につきましては,従来から慣行により元号が使用されており,本市におきましても,他の公的機関との表記の統一を図るため,元号を使用することを基本としております。 一方,業務によっては,市民の皆様にとって分かりやすいなどの観点から,西暦のみで表記するものや,西暦と元号を併記するものがありまして,現在,それぞれの部署において判断しているところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 特に元号を使わなければいけないということではないと思いますけれど,いろんな申請書,住民票を交付してもらうときの申請年月日のところには,令和というふうに印字をされています。 それをもう少し工夫して,西暦を書くこともできるような,そういった工夫というのをしてもらいたいと思うんですけれど,総務部長,どうでしょう,検討していただけますか。 ○議長(田鍋剛君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田洋介君) 本市において作成する公文書につきましては,元号の使用を基本としていることから,多くの部署において元号を使用することを前提とした事務処理が行われており,申請書や届出書などの様式における日付を記載する欄につきましても,台帳との照合や受付後の各種システムへの入力などの事務処理上の必要性などを考慮して,あらかじめ元号を表記しているものと考えております。 したがいまして,日付を記載する欄において,元号,西暦,どちらでも選択できるよう統一的に見直すことは,現時点では困難であると思われますが,元号で記載することを強制する趣旨ではございませんし,各業務において,仮に西暦で記載されたとしましても,書類の受付を拒むような対応は取っていないものと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ぜひ両方,どちらでも使えるようなことを検討していただきたいと思います。 NHKで,なぜ元号多用という,こういった番組もあったようです。地元紙でも載っていましたけれど,例えば,昭和59年に生まれた。平成19年に就職した。令和元年に結婚した。 こういった自己紹介をされたときに,何年前のことなのか,昭和59年に生まれた人が何歳なのかという,これを計算するのに,一々昭和何年までやったかというふうなことをせんといかんわけですから,西暦であれば簡単に何年前ということが分かるわけですから,やはりそういった点からも,ぜひ検討をお願いしたいと,重ねてお願いをしておきます。 質問は以上になりました。最初も言いましたけれど,道の駅の問題,マスタープランの問題,これについては,やはり多くの市民の皆さん方は,経過についても本当に納得できるものではないんじゃないかと思います。 重ねて言いますけれど,土地の所有者から協力申出があった後に,議会で道の駅を行ったらどうかという質問があり,町内会から,地元からの要望が出されている。 きっかけは,土地所有者の申出だと私は思っています。そのことについて,あえて触れないということについては,やはり疑念が残ります。 3月,マスタープランで高台利用の位置づけを決定した後,これは3月じゃなかったかと思いますけれど,その後で土地所有者の方からは,匿名でこどもファンドに100万円の寄附もあったというふうにお聞きをしています。 営利企業が,宣伝行為ともなる寄附行為をどうして匿名で行っているのか,この点にも疑問を感じるところです。 市長はじめ皆さんには,市民が本当に納得できる,そういった説明責任を今後ちゃんと取っていただきたい。 このことを申し上げて,私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。  〔浜口佳寿子君登壇〕 ◆(浜口佳寿子君) 日本共産党の浜口佳寿子です。 まず,男女共同参画推進プランについて伺います。 今年は,日本が女性差別撤廃条約を批准して35年。しかし,日本のジェンダーギャップ指数は,153か国中121位と下がり続け,その最大の原因は,女性の政治への参画と賃金,待遇などの格差にあります。 現在,来年度から5年間のジェンダー平等への取組となる第5次男女共同参画基本計画策定へ,6,000件以上のパブリックコメントが寄せられ検討されていますが,明日閣議決定されるかもしれないというふうなお話もありますが,その調査会のメンバーに若者はいません。 世界から大きく立ち後れている原因を深く分析し,両性の平等を定めた日本国憲法を土台に,多様な性の在り方を認め,女性や性的少数者の切実な願いに正面から応える計画にする必要があります。 同計画に,若者の思いや声を集めて国に届けるため,7月に発足したアクション「♯男女共同参画ってなんですか」が,30歳未満の若い世代にパブコメ投稿を呼びかけ,選択的夫婦別姓や同性婚,性暴力,性教育の充実,科学技術分野への女性の参画拡大など,1,000件以上も寄せられた意見をユース提言として,9月に橋本聖子男女共同参画大臣に手渡しました。この若者たちの声こそ,反映すべきものだと思います。 ところが,同アクションは,最近の世論調査で7割が賛成している選択的夫婦別姓の記述に,自民党内の一部から根強い反対論が出ていることに対し,早期導入を求める署名を5日間で3万筆以上集め,12月2日に再び橋本大臣に提出をいたしました。 大臣は,皆さんの声を大事に受け止め,解決していくのは政治の責務だと応じたそうですが,結局,別姓の記述は削除されてしまいました。 こうした状況の下で,高知市でも2000年3月に高知市男女共同参画推進プラン2001を策定し,5年ごとに改定するとともに,2005年4月には,男女がともに輝く高知市男女共同参画条例を施行,取組を進めてきました。 今年はプラン2016の最終年度で,5年間の取組を総括し,プラン2021案の検討が重ねられています。 プラン2016の目標の達成度は,子育て・介護分野の施設面での環境整備や生涯にわたる健康支援で一定前進した一方,男女共同参画意識の高揚や人権尊重とDVなど暴力の根絶,地域・防災分野は目標には程遠く,その原因を究明するとともに,現在の国際社会の流れや日本社会の現状から求められる,誰もがその人らしく尊重されるジェンダー平等社会実現に向けた新プランにと願うものです。 新型コロナウイルスの感染拡大が,日本社会の深刻なジェンダー格差を改めて浮き彫りにしました。 11月23日に開かれた高知県はたらく女性の交流集会で,こうち労働相談センターからの報告では,今年1月から10月の間に電話などで寄せられた相談167件,内訳は男性85名,女性82名,正規雇用が60人と非正規が67人,確認できていない方が40人だそうですが,新型コロナウイルスの感染が広がった3月が57件,休業を余儀なくされ賃金・休業手当不払いで生活できないという切実な相談が集中したそうです。 さらに,そのうちパワハラ被害の相談は30件で,26件が女性。解雇,雇い止めは28件中26件と,女性が圧倒的に多数を占め,しかも,その多くが契約やパートなど非正規雇用です。 高知でも,女性労働者の雇用や働き方への不利益な取扱いが蔓延していることが分かります。 また,様々なメディアが報じているように,コロナ禍の下,今年7月から10月までの女性の自殺者が2,831人で,前年同期と比較して4割以上に急増しています。さらに,家庭内での性暴力やDV,10代,20代の妊娠の相談も増加しています。 自死が増加している背景には,様々な要因が考えられますが,NPO法人POSSEがNHKと共同で行った聞き取り調査では,これはテレビでも放映されましたが,コロナ禍の労働問題が,女性の生活やメンタルヘルスに与えている影響を見落とせないということが報じられています。 高知市でも市民の実態を把握して,何ができるのか,対策を考えるべきだと思います。 女性労働者は,コロナ禍の下で命と健康を守る医療・介護,障害福祉,保育,学童保育などに数多く携わり,自粛・休業要請の下でも休まずに社会の基盤を支えています。コロナで大打撃を受けた宿泊,飲食などサービス業でも多くの女性が働いています。 国,行政には,女性が安心して働き,生活できる労働法制の整備や職場環境の改善を,早急に推進する責務があると思います。 国の第5次基本計画案にも,コロナ禍での性別による影響やニーズの違いを踏まえ,今後の政策立案につなげていくことが肝要と述べられています。 本市の女性の雇用や働き方の実態把握を行っているのか,本市プラン2021にどう反映させるのか,市民協働部長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 谷脇市民協働部長。 ◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 女性の雇用や働き方に関する本市での実態調査はございませんが,国の労働力調査等を見ますと,女性は男性に比べて非正規雇用労働者の割合が高く,特に宿泊,飲食業,生活・娯楽業,医療・福祉の分野でその割合が高くなっているのが分かります。 また,本年4月以降の雇用者数は,前年同月と比べ減少しておりますけれども,雇用形態別の内訳を見ますと,非正規雇用労働者,中でも特に女性の非正規雇用労働者の減少幅が大きくなっています。 さらに,産業別の就業者数では,飲食業,生活・娯楽業の減少幅が大きくなっていることから,コロナ禍が女性の雇用や生活に大きな影響を与えていることが推察されます。 男女共同参画に係る取組におきましては,従前より不安定な雇用環境の改善,雇用機会や待遇における差別の解消,働きやすい職場環境づくりといった女性の雇用環境の改善が課題となってきましたが,このたびのコロナ禍は,まさにそうした課題を浮き彫りにしたように思われます。 そのため,現在策定中の高知市男女共同参画推進プラン2021におきましても,こうした課題認識の下,家庭や職場でのジェンダー平等の実現を目標の一つとして掲げ,その中で生活上の困難を抱える女性への支援につきましても,職業能力の開発のための講座や再就職支援,独り親家庭への相談,支援といった具体的な取組を掲げていくようにしております。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) 例えば,小学校休業等対応助成金は,政府がコロナ対策として要請した一斉休校により,休業せざるを得なくなった保護者に対して,正規,非正規雇用を問わず特別休暇として賃金全額を補償する制度ですが,予算執行率は僅か20.9%です。 雇用調整助成金の申請率も,全国は約3割あるところ,高知県は16%と低調ですが,それを補完するはずの休業給付金は,パートやアルバイトでも個人で申請できますけれども,これも十分活用されていません。 市民の皆さんの中には,制度そのものがあることを知らない方や,オンライン申請など手続の煩雑さなどから諦めている方がたくさんおられます。 尼崎市では,市民向けに新型コロナウイルス総合サポートセンターという相談サポート窓口を開設し,申請手続が苦手な市民の制度の活用を支援しています。 国の制度も含めて休業補償などの活用を支援することは,市民の生活を守るために重要な高知市の役目だと考えます。 本市でも第3波拡大の影響が懸念される中,支援が必要な女性をはじめとする市民に対して,コロナ支援に関わる総合的な相談窓口を,期限が来年の2月とかというものもありますので,早急につくる必要があると思います。その点について,市長にお伺いします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 全体として,窓口を総合窓口のように集めるかどうか,もしくは感染予防のために分散させるかどうかという議論は,様々行ってまいりました。 御質問をいただきましたとおり,市民の皆様の命と財産を守るというのが我々の大きな責務ですので,新型コロナウイルス感染症の防止対策につきましては,制度が国や県,また社会福祉事務所等で,それぞれ分かれておりますので,それぞれが連携して取り組んでおります。 それぞれ制度が多岐にわたっておりますので,できるだけ分かりやすく,高知市のホームページや広報あかるいまちでも,例えば特集を組むなどしまして,できるだけ分かりやすくお知らせをしたところでもございまして,併せて各種相談の窓口の電話番号等につきましても,できるだけ掲載をしているところでございます。 高知市の総合案内窓口や高知市のコールセンター業務,特にコールセンターが,一番最初に電話がかかってくる場合もありますので,コールセンターの業務を委託しております事業者とも,それぞれの情報をしっかりと共有し,お問合せいただいた場合には,用件を聞き取りながら適切な専門部署へ御案内をするということが大事ですので,そういうふうにしております。 新型コロナウイルス感染症に関する相談につきましては,御自身の体調に関することから生活支援まで多岐にわたりますので,総合窓口で1か所へ集めるということは,多分感染予防の対策でちょっと無理ではないかと思いますが,各窓口等で相談を受け付け,必要に応じて専門部署等へ的確につなぎ,専門部署が深くそれぞれの個々の御事情を聞き取るほうが,実質的には有効になるというふうに考えていますので,できるだけ,その支援が途切れないようにということを十分気をつけながら対応していきたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) 尼崎市がやっているのは,相談だけではなくて申請のサポートなんです。 本当に書類自体が複雑で,そのこと自体が苦手だという方もいらっしゃるので,この間,私たちも,いろんな該当する方もいらっしゃいますけれど,声をかけても,そういうのを出さないといけないんだったら,もうやめるわみたいなことも聞こえてきますので,やっぱりそういうサポート自体,こういうのがありますよではなくて,もっと具体的に関わりがあるものをやっていくように,ぜひ取り組んでいただきたいと思いますので,よろしくお願いします。 給付金などが地元で使われたら,また地域にとっても大きな経済効果にもなることですので,前向きに取り組んでいただくように要望しておきます。 次に,本市は,先日,にじいろのまち宣言を行い,来年2月にパートナーシップ制度を導入することになりました。 現在,国際的な到達点として,性教育は一人一人の人権を大事にする土台と位置づけた包括的性教育が広がっています。 性被害やDVなどが人権侵害として告発され始めた背景には,まさに性は,私たちが生まれてから命を終えるまで,私が私をどう生きるかに深く関わる人権の根幹との認識の広がりと無関係ではありません。 ところが,日本では長い間,性教育が寝た子を起こすと考えられ,タブー視され,学校教育の平均時間数は,他国と比べてかなり少なく,これは私たち大人も性を学ぶことが保障されていなかった結果とも言えます。 幼児期,子供の性に関する疑問へのそんな大人の態度が,性は恥ずかしいもの,隠すものということを学ばせることになってしまっています。 包括的性教育の内容をどう進めるかは,ユネスコが国際セクシュアリティ教育ガイダンス,以下,ガイダンスとしてまとめています。 性を含む自分の体や心の変化とどう向き合うか,心地よい状態にするために何ができるか,セルフケアですが,誰とどのような関係をつくるのかつくらないのか,子供を持つか持たないか等々,性に関わる事柄で必要な知識とスキルを得て,性的自己決定能力を高めることを学び,何か課題や問題があるときは相談する。または,解決法がなければ声を上げたり,つくっていくことが大きな柱になっています。 自分と他者の体の違いに気づく幼児期から,発達段階に応じた学びを繰り返すことで,命を守り育む大切さや,自分の体は自分で整え,自分が嫌と感じたら嫌と言える権利があり,相手にも様々な考えがあることや,多様性があるのが人間であることを知っていきます。 ユネスコのオードレ・アズレ事務局長は,最新の科学的エビデンスに基づき,ガイダンスは性教育を人権とジェンダーの平等という枠組みの中に位置づけると述べていますが,世界では,このガイダンスに基づく性教育が行われています。 包括的性教育の性は人権であるとの認識と,幼児期からの性教育の重要性,必要性について,市民協働部長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 谷脇市民協働部長。 ◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 包括的性教育につきましては,性と生殖に係る健康と権利に関する教育であり,単に性に関する知識やスキルとして妊娠,出産の仕組みや避妊,性感染症の予防方法などについて教えるだけではなく,人権やジェンダー,性の多様性,そうした性に関するあらゆる知識を身につけていくことだと,そのように理解しております。 したがいまして,その対象は,健康のみならず,お互いを尊重する人間関係や価値観の尊重,性暴力の回避等,人権に関する事項全般に及んでおり,そうした点からも,幼児期から発達段階に応じて継続的に進めていくことで効果的なものになると,そういった認識を持っております。 また,特に子供の人権という観点におきましては,子供自身が権利保有者であるとの認識の下,自ら権利を行使できることが重要であることからも,幼児期からの性教育というのは必要であると考えております。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) ありがとうございます。 子どもの権利条約,それも具体化していく上でも大事な教育ではないかなと思っています。 包括的性教育を保育所や学校,また大人世代で広げることが求められていると考えますが,プラン2021に書き込み,具体化することについてお聞きをします。市民協働部長にお願いします。 ○議長(田鍋剛君) 谷脇市民協働部長。 ◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 包括的性教育は,先ほど申し上げたとおり,全ての人の健康と人権全般に関わるものです。 現在策定中の高知市男女共同参画プラン2021,そして高知市人権施策推進基本計画(案)の中では,包括的性教育という用語そのものは用いておりませんけれども,例えば女性の人権に関して,性差別の解消やジェンダー平等意識の醸成,DVや性犯罪に関する理解の促進等を具体的取組として掲げることとしております。 そうした取組を進めるに当たっては,この包括的性教育の考え方を反映して進めていくもので,そういうふうに考えております。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) ぜひ取り入れていただいて,市民の皆さんに,特に小さい子供たちの世代に,そういう意識を持っていただくように取り組んでいただきたいと思います。 そのためには,とりわけ保育士さんや幼稚園教員に対する研修なども含めて具体化をしていただけたら,ありがたいなと思います。 次に,防災・復興への女性の参画についてですが,国の第5次基本計画案でも,防災・復興への女性の参画を位置づけていますが,今年5月,内閣府は災害対応力を強化する女性の視点,男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン,以下,女性の視点ガイドラインを公表しました。 平常時の備えから初動段階,避難生活,復旧,復興の段階ごとに取り組むべき事項や備蓄,避難所チェックシートなども盛り込まれています。 災害が起きたとき,女性と男性では受ける影響が異なり,違いに配慮した避難所運営や避難生活の支援が必要です。 例えば,指定避難所の学校体育館や公民館は集団で過ごすため,プライバシーは守りにくく,着替えや授乳に困ります。東日本大震災や熊本地震など災害時の避難所では,若い女性だけでなく,高齢者や子供まで性暴力の被害に遭っています。 常日頃から女性たちは,職場,家庭,地域のコミュニティと多様な場所で役割を担い,活躍していますが,平常時から男女双方の視点で地域の災害リスクや避難方法を話し合う場に参加する状況があれば,災害時にも実態に即した対策につながると思います。 女性リーダーを育成し,避難所運営に女性が参画することで,女性だけでなく外国人,LGBTなど,多様な方々からも要望や相談がしやすくなり,災害に強いまちづくり,災害への対応力が強化されるのではないでしょうか。 プラン2021に避難所運営のリーダーとなる地域の自主防災組織などの役員を30%にする指標を掲げてほしいと考えますが,防災対策部長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 松村防災対策部長。 ◎防災対策部長(松村和明君) 現行の高知市男女共同参画推進プラン2016では,役員に女性がいない自主防災組織の割合の目標値を10%としておりますが,平成30年度実績は29.3%,約7割の自主防災組織に女性が役員に登用されているものの,目標値達成には至っておりません。 平成27年12月25日に閣議決定された第4次男女共同参画基本計画の中では,指導的地位に女性が占める割合を30%とすることは,社会の多様性と活力を高め,我が国経済が力強く発展していく観点や男女間の実質的な機会の平等を担保する観点から,極めて重要な目標とされておりまして,女性の参画が重要であると認識しているところでございます。 防災対策部としましては,地域防災力向上のための事業として,防災人づくり塾を実施しておりまして,本市での修了生の女性の割合が,平成28年度37.7%,29年度39.1%,30年度32%,令和元年度46.3%となっておりますので,地域のリーダーとして活躍できる人材育成は,一定進んでいるものと考えております。 しかしながら,自主防災組織におきましては,各地域主体の組織であることから,組織づくりや役員構成につきましては,地域の実情を踏まえて構成される側面もございますので,プランの指標はこうした現状を考慮し,設定する必要があると考えております。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) 現在の目標は,女性のいない自主防をなくすというようなことになっていますけれど,1人,2人,私の所属するところも本当に数少ない中で,なかなかそういう視点が反映できないという状況がありますので,努力目標ということで,ぜひそういう啓発をしていくことが実際の場面で重要になってくると思いますので,目標でなくても,ぜひ取り組んでいただきたいということを求めておきたいと思います。 内閣府の女性の視点ガイドラインを本市の避難所運営マニュアルや様々な計画策定にどのように取り入れていくのか,今後の取組について防災対策部長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 松村防災対策部長。 ◎防災対策部長(松村和明君) 本市では,平成23年の東日本大震災の被災地での実態から,災害対策に家事,育児,介護などの家庭生活を担うことが多い女性の視点が必要であると考え,24年から4年間,庁内女性職員によるプロジェクトチームを設置し,南海トラフ地震対策に女性の視点を取り入れる提言を取りまとめ,各種計画や地域の防災活動に取り組んでいます。 現在,避難所ごとに作成しております避難所運営マニュアルには,この提言と併せて作成したポスターやリーフレットを活用しながら,女性の視点を反映させたものとなっております。 今回,国から出されたガイドラインでは,女性の参画を進めるための具体的事項について,全国の事例を紹介しながら自治体が取り組む内容が示されておりますので,今後の本市の避難所運営マニュアルや様々な計画の策定や改定の際に参考にして,女性の視点からの取組をさらに進め,災害対応力の強化に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) ありがとうございました。 日本政府は,政治の場への女性の30%参画という目標を早々に断念して下ろしましたけれども,今世界では,2030年度までに男女の完全な平等が目標になっています。50対50ということです。 そういう中で,やはり地域の隅々でそうしたことを具体化していくことが,すごく大事になってくるというふうに私は感じています。 自主防のほうには,できないということであれば,高知市の防災会議などもあると思いますけれど,そちらも,ぜひ女性委員を3割にしていくことも取り組んでいただきたいと,お願いしたいと思っています。 次に,介護保険について伺います。 住み慣れた地域でいつまでも生き生きと自立した生活を送れるようにと,介護保険制度がスタートして21年目を迎えました。 創設時と比べると,全国の要介護,要支援認定者,介護保険サービス利用者とともに3倍以上に増え,給付額は3兆2,000万円から10兆2,000万円に拡大しました。 地域で通所介護の送迎車が行き交う景色が当たり前になり,この制度は,私たちの生活にとって欠かせないものとして定着してきました。 一方,この間,サービス利用者は,負担増と給付の抑制の連続で,本市の基準保険料も月額約3,100円から5,680円と1.8倍を超え,年々減り続ける年金からの負担は限界に達しています。 来年度からの第8期介護保険計画が検討されていますが,次期改定でも,この間繰り返されてきた介護報酬の引下げなどさらなる制度の後退で,滞納による資産の差押えや保険給付の制限だけでなく,サービスの利用控えによる状態悪化や家族の身体的,精神的な負担増などが心配をされます。 本市の保険料滞納者の状況と,その対応,差押えや給付制限などについて健康福祉部長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 介護保険料の滞納者の状況につきましては,本年12月9日時点で,滞納者数が2,996人,その金額は約1億2,200万円となってございます。 この滞納者への対応についてですけれども,特別な事情がなく保険料を滞納されますと,財産の差押えや介護サービス自己負担等の給付制限などの措置を取ることとなります。 まず,国税徴収法の規定に基づく差押処分につきましては,本年度54件行っておりまして,対象資産の内訳は,預貯金が20件,年金が21件,給与が13件となってございます。 次に,本年度の給付制限件数でございますが,1年以上保険料を滞納された場合に,利用料を一旦全額自己負担いただきまして,後から公費負担分をお返しする,いわゆる償還払い化といった措置をした方が12件。同じく2年以上滞納されますと不納欠損という扱いになりまして,その期間に応じまして,通常の場合は1割から2割御負担いただいております利用者負担を3割に,そして3割御負担いただいております利用者負担を4割に御負担いただく給付制限措置と,やむを得ずした方は35件でございます。 引き続き納付相談等の機会を通じまして,お一人お一人の個別の事情も十分にお聞きした上で,高齢者の皆様の生活維持の視点も配慮させていただいた上で,介護保険財政の安定と負担の公平性の確保の観点から,適切に取り組んでまいります。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) この介護保険制度は,その中身を見たら,やっぱり国庫負担が少ないということで,利用者が増えれば,保険加入者の保険料がどうしても高くなっていくという構造になっていますので,そういった意味でもなかなか,その制度自体が維持できるかどうかという辺りも,利用も含めて心配されるような状況になってきているんじゃないかというふうに感じているところです。 高齢になれば,当然,介護だけでなく医療の必要な方も増えますが,高齢者医療保険も給付抑制と負担増が重なり,基本的に年金頼みの高齢者の経済的な負担は急増,多くの市民の保険料負担は限界に達しています。少なくとも,低所得者は今以上の配慮が不可欠の状況だと思います。 第8期介護保険計画では,第7期介護保険給付費準備基金の活用や,国も妨げていない一般財源の投入による保険料軽減策,とりわけ低所得者への配慮が求められると思いますが,市長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 介護保険制度ですけれども,介護に係る給付費用のうち,費用の半分を国,県,市町村が負担する公費で賄いまして,残り半分を被保険者の皆様方の介護保険料で賄う仕組みとなっております。 高知市におきましても,現在第8期,令和3年度から5年度までの3か年計画になりますが,介護保険事業計画を策定する中で,この第8期,次の3年の介護保険料の算定の作業を今行っております。 年金収入がなかなか増えない中で,医療費や保険料などの負担が増加してきておりまして,高齢者の皆様の生活を取り巻く環境につきましては,厳しいものがあると認識をしております。 そのため低所得者の方々への保険料につきましては,平成30年度から令和2年度までの第7期の3か年につきまして,低所得者の方々については,保険料の減額措置を強化いたしました。 具体的には,令和元年10月から2年10月の間に軽減強化を行いましたので,当初の第7期の保険料設定時である平成30年度と現在の令和2年度と比較しますと,最も所得の低い第1段階の方の保険料は,3万670円から2万440円に引き下げていますので,約1万円の減額となっています。 その次に所得の低い第2段階の方は約1万7,000円の軽減,また第3段階の方は約3,000円の軽減,それぞれ保険料の御負担を軽減しておりまして,この第1段階から第3段階の所得層の方々は,被保険者の方々の全体の約42%を占めているということでございます。 今後の介護保険料の在り方につきましては,冒頭で申し上げました公費半分,そして半分が保険料という現行の枠組みだけでは,伸び続けます予算をカバーできないという点もありますので,一定の引上げはやむを得ないものと考えておりますが,税制改正も含めまして,国においては給付と負担のバランスの均衡を図りながら,的確に制度設計をしていただく必要がございます。 今般のコロナの影響によりまして,それぞれ高知市の財政も逼迫してきておりますので,独自の軽減制度や,御指摘のような一般財源からの繰入れは難しいですけれども,第8期の介護保険料につきましては,運営のための基金を取り崩すことなどによりまして,可能な限り保険料の上限を抑えてまいりたいと考えておりまして,今後とも制度の安定的運営に資する適切な保険料の設定に,作業しながら努めてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) 制度があっても利用できないというようなことがないように,ぜひ負担の軽減なども取り組んでください。 東京商工リサーチは,老人福祉・介護事業倒産件数が,介護保険法施行以降,最多を更新したと発表しました。休廃業,解散も過去最多の見通しです。 もし今後,介護報酬改定などで本市でも休廃業が広がり,必要な介護サービスが確保できないことになれば重大な事態です。 本市では,休廃業の届出等で確認しているということですので,今回はこの点,特にそういった顕著な状況はないというふうにお聞きしていますので,この質問はちょっと飛ばさせていただきます。 第8期介護保険事業計画策定に係る在宅介護実態調査によると,本市の主な介護者は,7割が女性で,年齢は60代以上が前回より増えて7割と,高齢化が進んでいる状況です。 また,介護者の就労割合が増加し,その多くが労働時間や休暇等の調整をしながら働いていて,訪問系サービスを軸とした多様なサービスの充実が求められること,また,要介護者の重度化に伴い,幅広い視点から生活支援等の取組の検討が必要としています。 そのために,ホームヘルパー,以下,ヘルパーは必要不可欠な存在ですが,介護事業者によると,現在,全国的な傾向と同様に,市内のヘルパーはほとんど60代,70代で占められ,若い方は全くいないそうです。 そのため,県内でも質の担保どころか,十分なサービスが受けられない自治体も出始め,本市も総合事業など,よそごとではないということが危惧されます。 コロナで雇用情勢が悪化しても,介護サービスの有効求人倍率は全産業平均の3倍以上で,中でもヘルパーは15倍以上,求人を出しても全く反応がない。人材不足に一層の拍車がかかっている状況です。 介護職員の賃金が月24万4,500円は,全産業平均の月33万8,000円より月9万円以上も少なく,責任の重さに対して低過ぎます。 しかも,今はコロナ禍で,高齢のヘルパーは,自分が感染して重症化しないか,感染を広げないかと,不安を抱えながら働かねばなりません。 読売新聞,今年の3月23日の調査では,主要102自治体の首長のアンケートで約9割が,今後10年,現行のまま制度を維持するのは難しいと認識し,その理由は,人材や事業者の不足が74%で,最多でした。 国は,来年度の介護報酬改定では,コロナの影響を考えてマイナス改定を見送りましたけれども,人員・施設基準は緩和のオンパレードです。本市で介護人材をいかに確保するのか,本市の今後の取組を健康福祉部長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 本市におきましても,介護人材が不足しているとの声を事業者等から多くお聞きをしておりますので,介護サービスの提供体制の維持という観点から,人材確保に向けた対策が大変重要だと考えております。 高知市独自の取組としましては,平成30年度から介護に関わる職員の思いを共有することによりまして,やりがいや横のつながりをつくりまして,職員同士が連携して自主的な活動に発展することを目的とした,こうち介護カフェといったものを開催してございます。 この取組は,昨年度の本市の行政サービス大賞も受賞しておりまして,参加者の皆様からの声としましては,開催を楽しみにしている。行政職員の本音が聞けた。ふだん,職場では,なかなか言えない思いが共有できてよかったといった数々の喜びの声が本市にも寄せられております。 今年はコロナの影響によりまして,これまでの集客形式での開催はできておりませんけれども,オンライン形式に変更して開催を継続しておりまして,引き続き御好評いただいているところでございます。 今後の取組としましては,県のほうが介護労働安定センターに委託をされまして,11月に開催された住民向けの介護の入門研修,これでは本市も共催いたしまして,30名定員を超える参加となるなど,県や関係団体と連携しながら,新たな人材確保についても積極的に取り組んでいるところでございます。 介護職員の給与等の処遇改善につきましては,国において報酬改定も含め,制度全体の中で考えていただくといった必要があるものと考えておりまして,今後も介護従事者の確保と,より一層の処遇改善を図るための財政措置の拡充等々,全国市長会を通じまして,国に強く働きかけてまいりたいと考えています。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。
    ◆(浜口佳寿子君) 本当に人材確保,そこがなくては,地域共生社会づくりも前には進みませんので,ぜひ強力にお願いします。 次に,自治体デジタル化について伺います。 菅政権は,コロナ禍による定額給付金支給の遅れや3密を避けるためと,現金に触れないキャッシュレス決済やリモートワークの推進へ,国と地方自治体のシステムの標準化や行政手続のオンライン化,マイナンバーカードの普及,教育・医療のオンライン化でデジタル社会を強力に推し進めるため,デジタル庁創設を宣言しました。 私たちも,デジタル技術などを住民や地域のために活用することは,とても重要と考えています。 しかし,この構想はデジタル化で生み出され,各省庁や自治体が目的ごとに持っていた個人や産業の巨大なデータ,ビッグデータを丸ごと政府に集約し,国家による中央集権的な管理体制をつくろうとする危険があるものです。 デジタル化の大前提は,障害者や高齢者など,デジタルを使うことが困難な条件や環境にある人や,経済的事情でIT機器が利用できない人のデジタルディバイドの是正です。しかし,政府は,デジタル活用支援員の配置を行って,習熟せよと自己責任を求める以外,具体策はありません。 また,デジタル化で行政の人員削減を一層進める方向も示され,既にマイナンバーカードによるコンビニ交付の導入で,窓口センターを廃止,対面による申請や交付事務が本庁しかできなくなった実態もあります。 結果,市民の利便性は後退し,ほかにも,固定電話もない方やクレジットカードを持たない方などが置き去りになる懸念が残ります。 デジタル化によって市民の利便性の後退や,市民が行政サービスから取り残されることがあってはなりません。そのための対応と決意を市長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) まず,申し上げておきますけれども,今回のデジタル庁,またデジタル化は,個人情報を国のほうが1か所に集約するとか,そういうことを想定しているものではございません。 国においては,デジタル庁を設置し,強力に行政のデジタル化を推進しておりまして,例えば,高知市のそれぞれの行政手続にも大きな変化が見込まれるということが想定されますので,様々な可能な範囲で準備をしているところです。 急速なデジタル化の進展につきましては,パソコンやインターネット等を利用できる環境にあるかどうか,また情報にアクセスする機械を持つ人とそうでない人との間に情報の格差が生じる。これがデジタルディバイドということで言われていますが,それぞれ課題があります。 高知市におきましては,来年4月の機構改革におきまして,現在の市長公室を,来年の令和3年度から政策推進室に改めたいと考えておりまして,その中に情報政策課を配置しまして,市長直轄の推進体制を組むとともに,特にデジタルにつきましては,松島副市長を中心に行政のデジタル化に積極的に取り組むこととしております。 例えば,デジタル化による手続や届出が困難となる方への支援,またデジタル化が一定進みますと,中山間のほうからわざわざ窓口とかそういうところへ出てこなくても,一定オンラインでの申請ということも可能になる技術もありますので,そういうふうに市民サービスの向上と,また行政の内部での効率化,こういうものも併せて取り組んでいきたいというふうに考えております。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) 10万円の定額給付金の際にも,そういった手続で十分行き届かなかった方もたくさんいらっしゃいましたので,この点でも必ず誰一人取り残さないということで,対策を求めておきたいと思います。 また,政府は自治体のデジタル化で,全国でばらばらの情報システムを標準化,統一化しようとしています。 自治体のシステムは,個人情報保護を強化しながら,教育や福祉など,それぞれの地域の実情に応じて構築されたものです。この自治体独自のシステムを排除し,国のシステムに統一をするということになれば,地方が国の出先機関化されるようなことが危惧をされております。 自治体は,多様な住民ニーズに応えて,例えば,本市の同時入所第2子の保育料無料化や,全国に広がっている子供の医療費無償化,国保料の減免などを行っています。 既に国の指導で情報システムを共有化,標準化する自治体クラウドを採用した自治体では,総務省の情報システムのカスタマイズ抑制等に関する基本方針の下でカスタマイズができず,独自の住民サービス拡充の妨げになっているという実態をお聞きしています。 標準化のため,クラウドのシステムに業務を合わせる仕組みを導入することは,地方自治の侵害とも言える問題です。 システム標準化で,本市が構築してきたきめ細かな自治体独自の施策の維持,拡充ができなくなるようなことがないように,自治権を確実に担保できるのか,市長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 基本的には,様々な同じ業務をそれぞれの市町村で別々のシステムで動かしているということは,やっぱりコストの問題等もありますので,できるだけ標準化されていたほうがいいというのが,我々市長会や町村会の考え方ではあります。 ただ,いろいろ課題がありまして,9月25日に政府のワーキンググループの第3回の会合がございまして,各自治体でそれぞれ異なっております業務システムについては,2025年度末までに統一を目指す方針が表明されております。 その検討内容の取りまとめを少し触れますと,自治体の業務システムの統一・標準化につきましては,いわゆる基幹システムと言われています住民記録,税,福祉,こういうものなどの相当大規模なシステムがございます。 そのシステムは,先ほどおっしゃいましたカスタマイズされているものがございますので,こういうものにつきましては,自治体の基本システムと言われる部分を共通化していこうということで,来年の通常国会に法律案が出されるということで,2025年までの,多分詳細な工程表が示されてくるというふうに考えております。 それぞれ独自でカスタマイズしないといけない部分もありますので,それが制約されているということではございませんけれども,標準的に処理ができるものについては,できるだけ標準化をしながら,それでも地域によって独自の特色がある場合があり,カスタマイズをする場合もありますので,それが全部いけないということにはならないというふうに我々は認識しております。 それぞれカスタマイズに関する具体的な方針等が一定示されてくるものというふうにも考えておりますので,今後の国の情報等を注視しながら,松島副市長の下でそれぞれ調整をしていきたいというふうに考えております。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) このシステムは,先ほども言いましたけれど,自治体それぞれの地域性,独自性の中でできている部分もありますので,そういったことが使えなくなってしまう。 そのために拡充ができなくなってしまうということになれば,本当に本末転倒でありますし,地方自治体の存在意義がなくなってしまいますので,その点は本当に強く,そういうことがないように国にも求めて,そうした制度にしていただくようにお願いします。 そして,デジタル化の下で心配されるのが,個人情報の保護の問題です。 今,2020年度の総務省の情報通信白書は,サービスアプリケーション利用の際に,個人情報を提供することについて,日本はとても不安,やや不安を合わせると8割に上り,アメリカ,ドイツ,中国と比べても一番高く,国民は政府を信頼していないことが分かります。 昨年,学生就職支援サイト,リクナビを運営する会社が就活生の内定辞退率を勝手に算出し,企業に販売していた問題が発覚しましたが,日本は諸外国に比べて,個人の権利利益が,実質的に守られる制度がとても遅れています。 まず,先端技術を国民生活向上のために生かす立場で,デジタル化に対応した個人情報保護制度の整備が不可欠だと思います。 市として,このデジタル化と併せて市民の個人情報をどう守るのか,市長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) デジタル化の行政,またデジタル社会が進展していく中で,個人情報の保護ということが非常に重要になると考えております。 私が所管しております国保中央会でも,全国の約3,000万人の被保険者のデータを管理していますので,例えば,データのやり取りのときは暗号化して,個人名をそのまま動かすということではなくて,匿名化してやり取りをしております。 そういうやり方もたくさんありますので,国では情報を個人が識別できないように加工し,例えば,ビッグデータとして活用する場合には非識別加工情報,いわゆる個人名を出さないような形で加工しながら,それを利用するということが出ております。 個人情報保護条例の中では,様々な条例の中でも,また法律上もいろんな規制がありますので,国の動きとしましては,本年10月に総務省から,地方公共団体の個人情報保護制度に関する法制化についての素案が示されています。 この素案では,地方公共団体における個人情報保護条例の規定や運用の違いが,データ流通の支障となり得る場合があるということから,全国的な共通ルールを法律で規定するとともに,国がガイドラインを示すことによりまして,できるだけ地方公共団体の的確な運用を確保するということが示されておりますので,今後,さらにまた細かいいろんなガイドラインが示されるものと思いますので,今後とも国の動きを注視してまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) マイナンバーカードの流出とか,そういうのもまだまだ起こっているような状況ですので,そうした個人の情報を守るために,ぜひ強化をしていただくように求めておきます。 次に,保育行政ですが,11月27日,民間保育所経営者協会の皆さんと厚生常任委員会の懇談が行われました。 保育補助員の雇用について,雇用するには約40時間の保育研修が課せられ,保育所で行わねばならないことから,お昼寝の時間の合間など保育士の手が割かれ,負担が大きいと,次々に改善を求める意見が出されました。 10項目の保育研修内容も園任せで,子供を預かる保育所で,一定水準の研修レベルを保証する支援が必要との御指摘もありました。 研修を行うことで保育業務にしわ寄せがないような,園の実情に応じた質が担保できる支援ができないのか,こども未来部長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 山崎こども未来部長。 ◎こども未来部長(山崎英隆君) 保育補助者雇上強化事業は,保育士の業務負担を軽減し,離職防止を図ることを目的として,保育士資格を有さない保育補助者の配置を補助する国の制度でありまして,当初は,県が実施する子育て支援員研修の修了が保育補助者の要件となっておりました。 当該研修は,国の基準に基づく26科目,約30時間の研修と2日以上の実習が必要であり,修了に一定の期間を要することから,平成30年度には当該研修に加えまして,各園での実習を修了した者も補助対象とするように,要件が緩和されました。 この要件緩和は,保育補助者の雇用開始と同時に,各園で実習を始める場合も補助対象となりますので,園全体の業務負担の軽減と保育人材の確保につながるメリットがございます。 また,厚生労働省の令和3年度当初予算案では,保育補助者の勤務時間に関する要件でございます週30時間以下の勤務時間,こうした要件の撤廃など,さらなる要件緩和が盛り込まれておりまして,本市としましても,各園が実情に応じて柔軟に活用していただけるよう,制度の周知や相談支援体制の強化に努めてまいります。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) ぜひよろしくお願いします。 また,その懇談で南海トラフ地震に伴う津波・長期浸水被害が予想される地域の保育所から,人口が減って,毎年定員を割り込み,財政運営が逼迫する事態に陥っているとのお話が出ていました。 公定価格は入所児童数に応じて給付されることから,保育士の定期昇給をストップさせたり,臨時・パート保育士で人件費を抑えてきたが,それも限界で,処遇を切り下げると保育士確保が一層難しくなります。 後日,私は幾つかの保育所で理事長さんや園長先生にお話を伺ってきましたが,それぞれに子供たちの命や安全を守るために,必死の努力をして取り組んでおられることを再認識いたしました。 それでも,南海トラフ地震などの予想がされる中で,人口が減っていて定員が満たせないということになっています。保育士さんすら応募してこないというようなこともお聞きしています。 そうした民間保育園だけでは難しい安全面の取組を,市が地域にPRして,保育士養成施設とも連携しながら案内するなど,何らかの支援策が必要と考えましたので,検討もぜひよろしくお願いいたします。 今年度から5年間の第2期高知市子ども・子育て支援事業計画が策定されましたが,今年の出生数の減少傾向や,中部・南部地域の人口減少の進行で,想定を超える保育ニーズの変化が今後予想されます。 また,津波・長期浸水地域の定員の見直しの要望がある中,そうした検討ができないかと考えています。 この間の保育ニーズの変化を再検証し,施設の実情を聞き取った上で,定員を早急に見直すなど,保育の安定的運営を確保するための対策が必要と考えますが,こども未来部長の認識を伺います。 ○議長(田鍋剛君) 山崎こども未来部長。 ◎こども未来部長(山崎英隆君) 定員の見直しに関しまして,利用定員は公定価格の算定根拠となります,児童数が恒常的に利用定員を超える場合には,減額調整が適用されるなど,施設の安定的な運営のためには,利用定員の適切な運用が必要となります。 利用定員の見直しについては,過去の入所児童数の実績に基づいて判断をしておりますが,急激な児童数の減少など特別な事情がある場合は,個別に御相談の上,施設の状況に応じて判断をしております。 今後につきましても,保育ニーズの地域的偏在や少子化の進展,また感染症の影響等による出生数の減少など,保育ニーズを含む保育所の経営環境は常に変化しておりますので,施設運営の安定性,継続性を確保する観点から,実情に応じた適正な制度の運用に努めてまいります。 ○議長(田鍋剛君) 浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) この後,教職員の働き方改革について伺います。 今,教職員の長時間労働を助長する変形労働制を本市は導入せずに,市立学校教職員の働き方改革プランに基づいて,残業時間を月45時間以内にするために取り組まれています。 ところが,現場では,そのために管理職に呼ばれて,仕事が残っているのに帰れというような指導がされているという実態があるとお聞きをいたしました。 文部科学省は2019年12月,給特法改正に伴う指針で,時間外勤務は1か月45時間以内,1年間360時間以内として,より厳しく守らねばならないと位置づけ,留意事項に,持ち帰り残業は,上限時間を遵守するためだけに自宅等に持ち帰って業務を行う時間が増加することは厳に避け,行われている場合は実態把握に努めるとともに,縮減に向けた取組を進めると明記しています。 さらに,文部科学省の指針は,長時間化を防ぐための取組を講ずることなく,上限時間を遵守することのみを求めてはならないとしており,実効性あるプランにするためにも,持ち帰りや休日出勤の時間を適切に把握する必要があります。このような現状を把握しているのか,教育長に伺います。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 高知市の働き方改革推進委員会におきまして,各学校の現状を具体的に把握する必要があるというふうな御意見もいただいております。 教育委員会では,休日出勤,そして持ち帰り業務は本来なくしていくべきと考えておりますので,そのためにも実態調査の内容や方法について,推進委員会において議論をいただきながら検討してまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 取りまとめてください。浜口佳寿子議員。 ◆(浜口佳寿子君) ありがとうございます。 実態を把握して,本当に解消していかなければ,本来の働き方改革にはなりません。そのためにも,今,国が進める少人数学級などの推進をぜひ取り組んでいただきたいですし,学校任せではなく,教育委員会として,せめて授業を準備する時間が確保できる,そして教育の質を確保していくために,責任を持って取り組んでいただくように求めまして,私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(田鍋剛君) この際暫時休憩いたします。  午後0時1分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後1時0分再開 ○副議長(吉永哲也君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 高木妙議員。  〔高木妙君登壇〕 ◆(高木妙君) 公明党の高木妙でございます。 第481回市議会定例会に当たり,通告に従い,一問一答方式により個人質問を行います。 高知市で,コロナ感染が急増する厳しい緊張感の中で,昼夜を問わず奮闘してくださっている医療関係者の方々,並びに連日夜遅くまで市民の方々からの御相談に乗りながら,体調や感染経路を確認し,PCR検査のための検体採取を寒空の下で行ってくださっている保健所並びに応援の職員の方々など,全ての関係方面の皆様の御苦労に,心より感謝を申し上げます。 岡崎市長におかれましては,さぞ気苦労もおありでしょうが,まずは感染拡大防止に一層の御尽力を賜りますよう,よろしくお願いを申し上げます。 初めに,市長の政治姿勢についてお伺いします。 これまで高知市では,国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の財源を活用し,12月補正まで合わせて45億5,000万円の様々なメニューを創設し,企業支援や見舞金,協力金の支給を行ってきました。 また,このたび,浜田高知県知事の飲食業に対する営業時間短縮の要請では,県の協力金の支給に対し,高知市の上乗せ方針も発表されております。 そこで,新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも,これまで一度も支援メニューが創設されていない,顧客との密接な接触を避けることが困難な理美容などの業種に対し,営業を自粛しなければならない事態が発生した場合などの営業補填を行える制度の創設を求めるものですが,市長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 県のほうは,本日知事が発表されるというふうにも聞いております。 御質問のありました理容業や美容業,エステティック業界など,顧客との密接な接触を避けることが難しい業界でありまして,市民の皆様の中には,新型コロナウイルスの感染拡大の状況を懸念されて,例えば来店を少し控える,そういう方もいらっしゃるものと考えます。 今年は,特によさこいの中止や結婚披露宴などが延期,もしくは来年,再来年に延期をされている方々も多くおられますので,新型コロナウイルスの感染拡大が,理美容の事業者の売上げに与えた影響は大きいものと認識をしております。 また,今非常にお問合せが多いのは,来年早々の成人式をやるのかやらないかということが,保護者の方,また理美容の関係者からも毎日たくさんの問合せがあっております。 理美容業界に特化した支援につきましては,千葉市や名古屋市をはじめ,幾つかの自治体で実施をされているというふうにも聞いておりますが,そういった先進事例を参考にするとともに,理美容事業者の方におきましては,例えば,お客様に新型コロナウイルス感染症の陽性患者が判明した場合などに,営業を自粛していただいた事業者に対する,そういう支援の観点,そのことによってお店の中を消毒するとか,そういうところも含めまして,今後,他市の事例も見ながら具体的に検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 業界の御認識をいただきまして,ありがとうございます。どうか具体的に検討が進んでいきますように,よろしくお願いを申し上げます。 私が手にしているのは,コロナ禍で生まれた差別,偏見をなくそうと,愛媛県で生まれたシトラスリボンプロジェクトのシンボルマークです。 この3つの輪は,地域と家庭と職場もしくは学校ですけれども,ただいま,お帰りと言える,そういう街ならば安心して検査を受けることができ,ひいては感染拡大を防ぐことにつながり,感染者への差別や偏見が広まることで生まれる弊害も防ぐことができるとの願いが込められています。 このようなプロジェクトが推進される傍らで,濃厚接触を避けるために視覚障害者に心ない言葉が投げつけられているという報道に,胸が痛みます。 それは,私たちが目で物を確認するように,視覚障害者の方は,日常的に人や物に手で触れて,手に取って目の近くで確認をしたり,体全体で,その感覚で物事を確認します。触らなければ分からない人,手で見る人たちがおられることも理解をしていただきたいと思います。 それでは最初に,視覚障害者の支援について,暗所視支援眼鏡を日常生活用具に加えることについてお伺いをいたします。 我が国における失明の原因の第1は緑内障が上げられ,第2位は網膜色素変性症によるものと言われています。 その網膜色素変性症には,明らかに効果を示す治療方法もなく,眼科領域の難病とされる国の指定難病の一つになっています。 網膜色素変性症は,網膜に異常が起こり,暗いところで物が見えにくい夜盲や,視野が狭くなったり,視力が低下する遺伝性の病気だと言われています。中でも夜盲は,夕方に出かけられなくなり,日常生活が制限されるなど,生活が変容します。 ですから,この分野では,僅かに残った視力を生かして行動を支えることができないかと,20年ほど前より繰り返し研究が進められてきました。 そして,ようやく九州大学と眼鏡メーカーのHOYAの共同研究により支援眼鏡が開発され,先進自治体では日常生活用具として提供されています。 そこで,高知市での患者数はどの程度と推察されるのか,お伺いをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 県に確認をいたしましたところ,指定難病の特定医療費の受給者は,高知市内に約50名おられますけれども,網膜色素変性症の患者さんでありましても,症状の度合いによっては医療費助成の対象とならないといった場合もありますことから,現状では,患者さんの正確な数までは把握できないと伺っております。 一方,公益財団法人難病医学研究財団が運営いたします,難病情報センターのホームページによりますと,患者数は4,000人から8,000人に1人の頻度と記載されておりますので,高知市の総人口から推計しますと,おおむね40人から80人ぐらいの患者さんがおられるものと推察をいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 高知市では,40人から80人程度の患者さんと推察されるという御答弁をいただきました。 では,夜盲などの暗いところが見えにくい方の眼鏡として開発された暗所視支援眼鏡MW10とはどういうものか。その性能と期待される効果も含め,健康福祉部のお考えをお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 御紹介のありました暗所視支援眼鏡「HOYA MW10 HiKARI」でございますが,小型低照度高感度カメラで捉えた像を明るい映像としまして,装用者の左右の目の前に配置されました有機ELディスプレーに,ほぼリアルタイムで投影するといったことで,夜盲症や視野狭窄の方の行動を支援いたします眼鏡型のウェアラブル機器で,眼鏡メーカーのHOYAが世界で一番早く開発をされた製品でございます。 私も実際に体験をさせていただきましたけれども,暗闇でも周りの景色が,タイムラグを感じることなくカラーで視認できることや,大きさや重さにつきましても十分実用に耐えるものでありまして,夜盲症や視野狭窄の方々のQOL,生活の質でございますが,それを高めることのできる画期的な製品であると感じたところでございます。 開発メーカーのHOYAによりますと,夜間等にガイドヘルパーの支援を受けていた夜盲症の方が,この機器を使用することによりまして,通学や通勤,お買物をされる際にも,ガイドヘルパーと密着する必要がなくなったということでございまして,ひいては災害時に夜間の自力の避難も可能となること。また,特に3密を回避しなくてはいけませんウイズコロナ社会にありましては,感染リスクも軽減できるといった効果も大きいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 健康福祉部長の御自身の体験に基づいてお話をいただきました。 ただいま御答弁のあったように,夜盲で困っている方が,このMW10を使用すれば,就労の継続を何よりも可能にすることはもとより,コロナ禍でも行動を制限するのではなく,自力で動くことができます。また,災害時にも一人で避難することもできる。 そうした効果が認められ,2018年度より,視覚障害者日常生活用具に加える自治体が出始めました。 熊本県天草市や千葉県千葉市では,災害時に,自分も災害から身を守ることができ,人をも助けることができるとの防災の視点から助成を始めており,現在では28団体が日常生活用具に加えています。 また,本年度はコロナ感染により,平常時でも行動制限が伴う視覚障害者の自立支援のために,助成対象として105の自治体が検討中だとの情報を得ています。 そこで,夜盲症や視野狭窄など,日常生活に支障がある方々の自立効果が期待される暗所視支援眼鏡MW10を,本市の要綱に合致する生活支援用具として,また情報意思疎通支援用具として,高知市日常生活用具給付事業に加えるべきだと考えますが,市長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) コロナの影響はいろんなところに及んでおりまして,例えば,視覚に障害のある方は,ガイドヘルパーの方と一緒に買物に行ったりしていますけれども,コロナの関係で一緒に行けないとか,そういうところも影響が出ております。 日常生活用具給付事業につきましては,障害者総合支援法におきまして,先ほどの難病の患者さんなどを対象にしまして,市町村が行う地域生活支援事業のうちで,用具を一定指定しておりますけれども,障害のある方々の日常生活が,より円滑に行われるための用具を給付しておりまして,本市では52の品目を対象に,年間約1億円の予算で実施をしております。 暗所視支援眼鏡につきましては,日常生活用具にということで,先ほど御紹介いただいたように,夜盲症,夜見えなくなるということですが,視野狭窄などでお悩みの方々につきましては,まさに一筋の光明が差したということも言われておりまして,大変画期的な用具として,それぞれの障害者の方の自立につながるものというふうに考えております。 現在,来年度予算の編成作業中で厳しい予算にはなっておりますが,この生活者支援の総合支援に基づきます日常生活用具給付事業につきましても,今持ち出しが8,000万円ぐらいあります。 しかしながら,この暗所視支援眼鏡につきましては,先行導入しました他の自治体におきましても,難病患者の方々にも非常にお喜びをいただいていると,大きな成果を上げているというお話もありますので,本市でも,先ほど申し上げましたように,ガイドヘルパーと一緒に外出ができないような状況もあり,新型コロナ感染症対策としても有効だと考えますので,それぞれ臨時交付金の財源としての事業として,例えば,3月補正での対応ということも視野に入れながら,併せて検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 岡崎市長より,大変前向きな御答弁をいただきました。 実は,この議会中継は関係者の方々が見守ってくださっております。どうか,高知市で実効性ある取組が3月補正でなされますように,くれぐれもよろしくお願いをいたします。 それでは,その際に1つだけお願いをしておきたいと思います。この制度設計をするときに,給付に当たっては,必要性を確認しながら,限られた予算でありますので,歩行訓練士さんなんかと相談もしながら,本当に必要とする人を救済できる制度となりますよう,よろしくお願いをいたします。 次に,幼児期の視力検査と3歳児健診についてお伺いをいたします。 子供の成長過程で見落とされがちな弱視の改善につながればと,期待を込めてお伺いをいたします。 高知市では,母子保健法第12条の定めにより行われている3歳児健診において,法施行規則第2条2項の規定により,3歳児健診で初めて出てくる目の疾病及び異常の有無の健診項目について,斜視などの視機能の阻害因子を持つ子供を早期に発見し,治療につなげるよう,スクリーニング機能の精度を上げて取り組んでいただいております。 私がこの問題を取り上げた平成26年度よりは,健診回数も増すなど随分改善され,受診率も伸びていることに感謝を申し上げます。 初めに,本市の3歳児視力検査の取組概要と令和元年度の視覚検査結果も含め,その現状についてお聞かせください。 ○副議長(吉永哲也君) 山崎こども未来部長。 ◎こども未来部長(山崎英隆君) 本市の3歳児健診における視力検査の実施方法は,まず問診票の目や視力に関する11項目を確認するとともに,家庭でのランドルト環を用いた視力検査が未実施,または基準を満たしていない場合は,健診会場で視力検査を行います。 次に,視覚検査として,令和元年度から導入したスポットビジョンスクリーナーによる屈折検査を行いまして,これらの結果を医師が総合判定し,必要な方には精密検査依頼票を発行し,眼科受診の勧奨をしております。 令和元年度につきましては,ランドルト環による検査に加え,屈折検査を併用したことで,3歳児健診受診者2,331人のうち,精密検査の結果の要治療,要経過観察が合わせて6.2%と,前年度から3.6ポイント増加しておりまして,スクリーニングの幅が広がり,視覚異常の早期発見,早期治療への取組が向上していると評価をしておるところです。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) スポットビジョンスクリーナーを用いて測っていただいて,そのスクリーニング機能が高まっている。前年度と比べて3.6%発見率が高まっている。非常にうれしいことだと思います。 そこで,一つ気になるところが,家庭で行う視力検査です。これは平成26年のときにも指摘をさせていただきましたけれども,本市から送られてくる,こうしたランドルト環と,それから目に当てる,右目,左目という,こういう動物眼鏡が送られてきて,お母さんと一緒に御家庭で測るわけですけれども,それを問診票に書いて持っていくというところなんですが,実は3歳児の子供が,大好きなお母さんと2.5メートル離れて検査をするには非常に難しく,このランドルト環の開いている方向を指を指すということは,子供にとっては非常に難しい。 そういうこともありまして,保護者の方の中には,面倒なので測らずに書いて出したとか,保育園で測ってもらいたいなど,改善のお声をいただいております。 高知市はなぜ,こんなにも困難な家庭での検査を求めているのでしょうか。また,3歳児健診で視力検査を行う必要性についてお伺いをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山崎こども未来部長。 ◎こども未来部長(山崎英隆君) まず,3歳児健診で視力検査を行う必要性から御説明します。 幼児の視力異常に関しては,目の成長が止まる8歳頃までに治療を行えば改善できる場合があるなど,早期発見,早期治療は特に重要となるため,3歳児健診における視力検査の必要性は非常に高いと思います。 国立成育医療研究センターの乳幼児健康診査身体診察マニュアル,それから高知県の健康診査手引書においても,視力検査の実施が定められておりまして,本市の3歳児健康診査マニュアルにも視力検査の実施を定めておるところです。 次に,御家庭での視力検査につきましては,国立成育医療研究センターの先ほどのマニュアル,それから高知県の手引書,共に自宅での視力の検査というものが項目として規定をされておりまして,そういうことから本市のマニュアルにも定めまして,御家庭での事前の視力検査と問診票への記載をお願いしておるところです。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 3歳児に視力検査が必要な事柄のお話をいただきました。それは,また後で触れていきますけれども,御家庭での視力検査を求めるにはマニュアルがあって,それに従ってやっているという御答弁でありますが,私は,この家庭でやる視力検査をやめなさいと言っているわけではなく,マニュアルにある内容を改善していけば,もっと工夫した取組をすれば,せっかくの目的が果たせるのではないかと思っております。この点については,次回議論をしていきたいと思います。 次に,保育所などで行う健康診断についてお伺いします。 こども未来部長にお伺いをします。 本市保育園などで行われている健康診断は,何を根拠として行われていますか。 ○副議長(吉永哲也君) 山崎こども未来部長。 ◎こども未来部長(山崎英隆君) 保育所で行われる児童の健康診断につきましては,高知市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例第15条の規定に基づき,実施をしております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 本市保育施設では,高知市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の第15条に基づき,行われているとの御答弁でありました。 では,それがどういうものなのか,お伺いをしてまいります。 本条例第15条には,学校保健安全法に規定する健康診断に準じて行わなければならないと,健康診断の実施が義務づけられていますが,その健診内容について,学校保健安全法施行規則第6条に掲げる検査の項目に照らし,本市の診断がどのように行われているのか,実態をお示しください。 ○副議長(吉永哲也君) 山崎こども未来部長。 ◎こども未来部長(山崎英隆君) 保育所における児童の健康診断は,学校保健安全法施行規則第6条に規定する検査項目に基づきまして,年2回の歯科医による歯科健診において,歯及び口腔の疾病及び異常の有無について,それからゼロ歳児は年3回,1歳児以上は年2回の小児科医による内科健診において,栄養状態や結核の有無など9つの検査項目について実施をしております。 視力及び聴力については,検査としては実施しておりませんが,小児科医による内科健診において,弱視や斜視などの目の異常や,聴覚障害などの耳の異常について確認をしておるところです。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 本市は,内科健診と歯科健診は行われているが,つまり視力検査は行われていないということです。 これまでの御答弁から,保育所における園児の健康診断については,学校保健安全法に準じて行うこと,高知市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例で定めている。その検査項目は,学校保健安全法施行規則に示されている。 しかしながら,高知市の保育所で行う健康診断は,義務化となっていながら,検査項目にある視力検査は行われていないということであります。 私は,視力検査を条例に定めたとおり行うべきだと思います。この見解が違うのかどうか,総務部長に確認をさせていただきたいと思います。 本市保育所などで行う健康診断について,本市が定めた高知市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例に基づく健康診断の在り方について,法制担当の総務部の見解をお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田洋介君) ただいま御紹介もございましたが,高知市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例第15条第1項では,保育所などの児童福祉施設において,その入所者に対し,健康診断を行うことを義務づけています。 また,この条文の内容は,厚生労働省が定めた児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の内容に準拠しており,この基準の解釈運用に関する通知などにおいて,視力検査を行わないことについての解釈などが示されていない限り,学校保健安全法及び学校保健安全法施行規則に定める健康診断の内容と同じように取り扱うことを求められているものと考えます。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 学校保健安全法やそれにまつわる規則に定めるとおり,同じように取り扱うべしとの総務部長の御答弁でありました。 少し戻りますけれど,先ほど,こども未来部長は,内科健診と歯科健診をやっている。それ以外の聴力とか云々については,園医さんの内科健診等の中でやっている場合もあるというような御答弁があったと思います。 それを一つ振り返ってみますと,この施行規則の中には身体測定,視力及び聴力の検査,問診,胸部エックス線検査,尿の検査,その他の予診的事項に属する検査は,学校医または学校歯科医による健診の前に実施するものとありますので,だから,高知市がこの条例に沿ってやっているという見解は全く見当たりません。私は,この健診の方法は条例違反だと思います。 これまで,本市における3歳児健診の実態と幼児期の視力検査の必要性,保育園での健康診断の在り方について,ずっと御答弁をいただいてきました。 ここで少しまとめてみます。 人の視力は,生まれたときからはっきりと物が見えているものではなく,生後徐々に発達し,成長するにつれて近くから見えるようになり,個人差はあるようですが,8歳ぐらいでほぼ成人同様に完成すると言われています。 その視力が発達する成長期内に,視力の発達を阻害する要因を発見し,早期治療につなげることで視力を育て,弱視を改善することができると言われています。ここは,高知市と同じ見解です。 ですから,3歳児健診で視力検査をすることで,屈折異常を発見し,弱視の治療につなげることは,私たち保護者や関係者の重要な責任でもあると思います。 3歳児健診の受診率は,100%ではありません。子供によっては,その日に測れない場合もあるので,検査から漏れる子供の対応をどうするのかが重要な課題になり,家庭での視力検査の在り方や保護者への啓発の重要さが明らかであると思います。 そして,今日論議してきました2つ目に,小学校入学前までに弱視の治療訓練を終えることが,視力を回復させることが期待できる。 そういう重要なときに,高知市の児童の95.3%まで通う保育所等で,学校保健安全法に準じて行うことが本市の条例にも定められていながら,視力検査が公立保育園ですら1園も行われていないという,驚愕な事実が発覚いたしました。 本市が定めた条例を,高知市自らが遵守しない正当な理由はないと思います。 こども未来部長にお伺いをいたします。 高知市では,GIGAスクール構想によりICT教育が推進される中,全ての児童・生徒に小学校1年生からタブレット端末やパソコンを使った授業が展開されることになります。 これまでの黒板中心の授業形態では,黒板の文字が見える視力が必要であり,5メートルの距離で視力検査を行ってきたようですけれども,パソコンやタブレット主体の授業形態になると,近くの文字が見えるその視力が必要になります。 これまで,子供の視力について40年以上研究してこられた桃山学院大学名誉教授の高橋ひとみ先生は,こうおっしゃいます。 遠くを見るときの目と,近くを見るときの目の仕組みは違う。したがって,遠くが見えても,近くが見えていない子供がいる。子供は,次第に見えてくるようになるから,はっきり見えた経験がないので,自分から近くが見えにくいとは訴えません。 大人は,遠くが見えていれば近くが見えると思っているから,学校の視力検査で異常なしなら,まさか近くが見えていないとも思わないというふうにおっしゃられております。 そういうときでありますので,今議会では,コロナ感染症対策に関わる臨時交付金を活用し,市立保育所における事務の軽減と効率化を図るとして,ICT機器の投入予算約7,500万円が計上されております。 そうした室内のWi-Fi環境の整備ができますと,近見視力,近くを見る視力の検査もできるアプリも使えますし,日常の保育の中で,保育所だからできる視力検査も行えます。 本市が定めた条例に従って,保育施設での視力検査を行うよう改善を求め,お伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山崎こども未来部長。 ◎こども未来部長(山崎英隆君) 御指摘いただきましたとおり,保育園での視力検査を実施することとしまして,実施方法などについて医師会等に相談の上,準備を進めてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) ありがとうございます。いつから始めますか。 ○副議長(吉永哲也君) 山崎こども未来部長。 ◎こども未来部長(山崎英隆君) 医師会園医部会さんにお話をする必要があります。御相談をした上で,どういう方法が一番望ましいかということを決めまして,その準備をした上で実施をしたいと思います。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 早期に,来年度から始まるように期待をしております。 眼科医の久松先生は,視力は子供の財産ですとおっしゃられました。全ての子供たちが視力不良に陥ることなく,公平に義務教育が受けられるよう,眼科医さんや園医さんら専門の方々と協議を行い,保育園での視力検査が早期に実施されますよう,入念な準備をお願いいたします。 次に,教育行政についてお伺いをいたします。 今回は,不登校対策を取り上げます。 高知県の不登校は,7年連続増加傾向にあり,その出現率は,残念なことに全国でも4番目に高い結果となっています。 そのため,高知県は不登校対策に万全の取組を行うために,不登校担当教員を県下20校に配置いたしまして,高知市には,小学校4校,中学校6校に不登校担当教員が配置をされました。 そうした現場の対応強化と同時に,不登校の背景にある課題の解決,昨今の児童・生徒の変化に対応できる教育環境の在り方について,実存する課題解決を目指すために,4点に絞ってお伺いをいたしたいと思います。 初めに,今年度初めての設置となる不登校担当教員の先生方は,相当の覚悟とやる気を持って赴任されていると思います。 その先生方が,じっくりと腰を据えて児童・生徒と向き合い,託された任務を行うためには,校内の協力体制や時間保証などの後押しがなければ,課題解決への活路を開くことは難しいと考えます。 本市に配置された不登校担当教員の職務内容や位置づけと取組指標についてお伺いするとともに,高知市教育委員会として,今年度の実践を振り返り,高知県教育委員会に対し,改善を求めなければならないと思うことについてお伺いをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 御紹介いただきましたように,本市10校に配置されました不登校教員でございますけれども,不登校支援や未然防止のため,校内支援体制の中心的役割を担うと位置づけられておりまして,その職務といたしましては,校内支援会の運営や関係機関との連携,不登校児童・生徒に対する柔軟な受入れ体制の構築など,多岐にわたっております。 高知県教育委員会では,この事業も含めた不登校対策に取り組み,令和5年度までに,高知県の不登校の状況を全国平均まで改善させることを指標としております。 高知市教育委員会では,指導主事など不登校担当教員が配置された10校の支援会に継続して参加をし,よりよい支援や校内体制の在り方を協議いたしますとともに,年間5回,不登校担当教員連絡会を実施いたしまして,取組の相互交流でありますとか,今後の実践力向上のための研修を行うことで,各校の組織的な支援の充実を図っております。 本年度の成果といたしましては,校内支援会の質的な向上でありますとか,子供の状態に合わせた柔軟な対応が取られるようになり,各校において不登校支援対策が充実し,これらの取組をモデルとして研修会で発信することにより,高知市立学校全体の取組に向けて拡大を図っているところでございます。 県教育委員会に対しまして,来年度の不登校担当教員の継続配置・拡充と併せまして,先日新聞報道に,来年度から新たな取組として,県内4中学校に不登校の子供たちの居場所となる特別教室を設け,専任教員を配置することが紹介されておりましたので,本市への配置を要望してまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 教育長のほうから,高知県教育委員会にお願いをすること,継続配置等と拡充のことをお話しいただきました。それは当然のことだと思います。 そもそも,この不登校の担当教員は加配配置ということで来ていると思います。加配ということは,標準の学校規模に配置された教員の上に配置をされるわけですから,本来でしたら,この先生方が職務を全うできるように,授業等を持ってはいけないと私は思います。 そうでないと,この先生方の仕事はできない。この先生方が求めていく不登校の改善への取組は,考えようによっては,学力を0.1ポイント上げるよりも難しいぐらい人の心に関わっていく,そうした取組であります。 不登校担当教員のサポート校の授業実施要綱を見てみますと,不登校担当教員の授業時数は,週約10時間程度を目安とするとなっております。こうしたところの改善を求める。専任で配置をしてほしい。 そしてまた,継続配置が3年や5年はないと解決をしない案件であるということを,しっかり教育委員会として申し述べていただきたいと,重ねてお願いをしておきます。 モデル校に配置された不登校担当教員の先生方の取組とその成果が,実践研究として蓄積をされて,高知市立学校における不登校対策の実践的な取組につながることを切に望んでおきます。 次に,不登校を解決するためには,その要因となっている課題の解決を図らなければなりません。 しかしながら,不登校の要因はケースごとに違い,家庭内に課題のあるもの,本人の無気力や学力,そしていじめ,友人関係など本人に関わるもの,また,教師との人間関係に関わるもの,多岐にわたります。そして,その対応も様々変わってきます。 しかしながら,その要因が教師によるもので不登校になったとすれば,生徒にとって,これほどの不幸はありません。 令和2年5月1日現在,高知市立学校における正職教員1,265名,臨時教員206名,合計1,471名の教員の中に,教師として不適格と思われる先生はおられますか。 また,それらの先生方は,どのような研修を受けねばならないのか,お伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 本年度,高知市立学校において,課題を有する教職員として,研修の受講を命じなければならないまでの者はいないというふうに考えております。 しかしながら,例えば,大学を卒業したばかりの新卒・新採用の教諭や経験年数の少ない講師が,授業づくりや学級経営,生徒指導等で苦戦する状況も見られます。 本年度を例に取りますと,高知市立小・中・義務教育学校における新規採用教諭は合計70名でございまして,そのうち教員経験の全くない新卒・新採用の教諭は43名という状況となっております。これらの若年教員の資質,指導力の向上につきましては,喫緊の課題というふうに捉えております。 なお,指導すべき課題を有する教員がいる場合につきましては,研修を開始するに当たって,当該教員に自らの課題を明確に認識させることが必要でございます。 その上で,学校長が学校の実態に合わせて研修方法等の計画を立て,学習指導案や年間計画,学級経営方針の作成等のみでなく,研究授業など児童・生徒と関わる内容も含みながら,所属校で研修を行うこととなります。 また,所属校等での研修で,勤務の状態に改善が見られないなどの場合につきましては,県教育委員会に対し,指導を要する教職員の認定について申請することができます。指導を要する教職員として認定された場合には,県教育委員会が研修を行うこととなります。 県教育委員会が行う研修が終了し,なお課題の改善が認められないなどの場合につきましては,様々な条件的制約はございますけれども,最悪の場合は免職となる場合がございます。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 教育長からは,研修を命じなければならないほどの教員はいないという御答弁でありました。 しかしながら,若手教員等の指導には課題がある。課題があるということは,問題があるということだと私は認識をしておりますし,残念ながら,該当者はいらっしゃると私は思っております。 書画カメラをお願いします。 御答弁いただきました課題を有する教職員の定義について,高知県教育委員会が書かれているものでございます。 もちろん,教科に関する専門知識が必要なことは言うに及ばず,そしてその指導方法も追いついていかなくてはなりません。 また,大切な児童の心を理解する能力,これは本当に先生にとって重大なことではないでしょうか。勤務態度,そしてまた適格性,こうしたことが課題を有する教員として上がっていくわけであります。 このような対象教員というのは,往々にして,生徒との関係性がこじれた原因が自分にあるという自覚を持っておりません。 だから,管理職や先輩教員の助言が耳に入らないし,いつまでも改善をすることができません。最悪な状態だと思います。 例えば,担任する学級に複数の不登校の生徒がいても,それを解決する能力はない。というよりも,課題という意識に欠けている。自分の意見だけが正しいというようなことで,改善ができておりません。 先ほど教育長は,こうした教員に対しては,学校長が指導をまずする。しかし,その研修は,学校長が担うということでありましたけれども,課題教員の研修となる以前から,日常的に指導が入らないので,管理職の忠告が聞けていない。なのに,そこを学校の校内研修で改善できるはずはないと,私は思います。 書画カメラを終えてください。 議会を傍聴されている教育関係の皆さんの中には,教育現場の大変さも知らない議員が一体何を言っているのかと,不快な思いをされた方も多いと思います。 しかし,児童・生徒が,教師により一旦受けた心の傷,嫌な思い,信頼を裏切られる行為は,簡単に癒えたり解決するものではありません。 我が子の人生をずたずたにされたとの憤りを持つ保護者のやり場のない心中をお察しいただきたいと思います。本来なら,自分を省みて謝罪をしていただきたい,そのような思いに駆られております。 私が本日この問題を取り上げたのは,若年次ゆえの未熟さから来る失敗は,時として自分を見詰め,振り返る時間を持つことで力を蓄え,これから先,なくてはならない先生になっていただけるだろうとの期待を込めてからのことであります。 私が教壇に立ったとき胸に刻んだことは,子供という鏡に自分を照らして,自分を正そうとする自省のまなざしを持て。そうでなければ,よかれと思う試みも,結果として,その場しのぎの対応になってしまうとの恩師の一言でありました。 教育問題の解決は,誰のためにするのでしょうか。教育委員会に課せられた,先生方に課せられた目標達成のものではありません。 先生が変わらないと学校に行けないという不登校生徒を生み出さないように,学校を挙げて改善をしていただけますようにお願いをいたします。 教育委員会の所感をお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 先ほど申し上げましたように,近年,若年教員の経験不足,そして未熟さが原因と考えられる問題が報告されるようになっております。 このため,教員としての資質や技能の向上につきまして,11月定例校長会において,学校長に向けて,学校における人権感覚の希薄化を含め,生徒指導や教育活動において,初歩的な部分での脆弱さを厳しく指摘されていること。 また,教育に携わる者として,改めて基本に立ち返り,対応や指導については,感覚ではなく根拠に基づく明確な説明がかなうよう,日常においても常に振り返りを行うなど,謙虚な姿勢で日々実践に向き合い,学び続ける姿勢が必要であることなど,私の考えを説明いたしますとともに,管理職に対しましては,若年教員からの報告を待つのではなく,積極的に話しかけを行いまして,風通しのよい職場づくりを行うこと。 そして,若年教員の育成については,管理職のみならず,学校を挙げての育成ができるような組織の体制づくりについてお願いをしたところでございます。 実践を生かすことができる具体的な指導を早急に行うため,まず若年教員に対しまして,この冬休み明けの1月5日でございますけれども,集合研修を急遽実施するように予定いたしまして,指導のほうをしてまいりたいというふうに考えております。 御指摘いただきましたように,学校が子供たちにとって安心な場所でなくてはならないというふうに考えております。教員が原因での不登校などあってはいけないというふうにも思っております。 学校,市教委が一体となり,教員の能力,指導力の向上に向けて取組を行ってまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 高知市教育委員会,そしてまた高知市におられる1,471名の先生方の力を信じております。どうか,不登校で苦しむ子供たちの課題の解決につながるよう御尽力をお願いいたします。 3点目,教育研究所のセンター機能の充実についてお伺いをしておりました。どのように強化が図られているのか,お伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) まず,教育支援センターの体制面での機能の充実につきましては,本年4月,不登校対策に精通したセンター長を新たに配置をしまして,不登校状態の子供の成長の場を保証し,進路に向けた自己実現が図れるよう,教育支援センターみらいとしてスタートし,パンフレットを作成し,保護者への周知に努めております。 この機能充実によりまして,相談の受理はセンター長,指導主事2名,教育相談の経験豊富な専任相談員,スクールカウンセラーの5名が担当することとし,8名の支援員と2名の不登校児童生徒学習指導員については,年間の活動計画に基づき,子供たちが楽しく,意欲を持って過ごし,進路に向けて自己実現ができるよう,子供たちの日々の支援に専念できるようになりました。 教育委員会として,増加する不登校児童・生徒に対応するため,現状の施設,人的体制,予算の範囲内で教育支援センターみらいの充実を図ってまいりましたけれども,高知市における不登校児童・生徒数は増加の傾向にございまして,それに伴って教育支援センターの相談件数も増えている現状がございます。通所生の活動場所の不足でありますとか,支援員の勤務の負担など,課題も浮かび上がってきております。 一方,これまでの学校の取組として,ある中学校においては,数年前から,高知県教育委員会が,来年度,試験的に導入を計画している居場所と同様の機能を持つ,校内で不登校生徒の居場所を新たに設置をし,全ての教員がその居場所の運営に関わり,授業を行うことができるよう時間割を設定し,学習や作業を行っております。 この居場所があることで,登校が不安定な生徒が,安心して登校でき,個々の状況に応じた学力保障ができるといった成果も上がっております。 さらに,本年度につきましては,学校現場における新たな取組として,居場所をさらに発展させた校内型適応指導教室を中学校1校に試験的に設置をしまして,専任の教員を配置して,不登校生徒の新たな居場所としての研究を開始いたしました。 全国的には,不登校特例校の設置が先進的な取組として始まっており,高尾山学園のような不登校特例校は,本市においてもぜひ欲しい施設であるというふうに考えておりますけれども,設置には多額の予算が必要となりますので,財政状況の厳しい本市において,直ちに事業化することは困難でございます。 このため,教育委員会では,まずは,現在の校内型適応指導教室を県教育委員会の協力をいただきながら拡大し,学校における不登校対応力を強化してまいりたいと考えております。 その上で,それぞれの課題と成果を検証し,エビデンスを得た上で,特例校を含む新たな取組について検討してまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 最後に,特例校を含む新たな取組についても,研究をするという前向きな御答弁をいただきました。 私は,教育支援センターみらいの役割は,非常に重要だと思います。そして,今年度から校内型の居場所をつくっていただきました。こういうことを一つ一つ積み上げながら,特例校ができたら望ましいと思っております。 学校をつくるには多額の予算も要りますけれども,一足飛びにそういうことはできませんので,せめて,教育研究所内にこの特例校を建設するに当たっては,どういうことをしていけばいいかという,まず研究から始めていただきますことを御要望しておきます。 それでは,機構改革に移りたいと思います。 市長は,今議会に令和3年度の機構改革に関わる条例議案を上程されております。 それぞれの具体的な体制強化につながる構想についてお伺いしたいと思います。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 令和3年度の機構改革につきましては,共生社会の実現や,また総合計画の後期が始まりますので,新しい時代,ウイズコロナ,アフターコロナ時代におけます効率的な行政運営,また執行の滞留があったらいけませんので,意思決定をできるだけ早くというのが,今の時代に問われているというふうに思います。 そういう意味で,現在の市長公室を政策推進室に改めまして,その中に情報政策課を編入したいと思います。 もう一点,共生社会の推進が大きなテーマになりますし,コロナの中でやっぱり貧困が相当進んだという認識がありますので,さらなる体制の強化ということも考えていかなければいけないと思っております。 もう一つ,これまでの答弁にもありましたように,それぞれ厚生労働省の補助金が縦割りから包括補助金で一本化される可能性もありますので,それに向かいます準備もしておかなければいけないということがございます。 また,文化とスポーツに関しましては,市長部局の中で,さらにスポーツは市民協働部の中で,また文化につきましては,全庁的な,いわゆる行政の文化化ということも含めて,連携が必要になりますので,そういう方向性を新たに目指していこうということで,今般お示しをしているところでございます。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 全体構想についてお答えをいただきました。 今議会に提案されている機構改革に関する条例議案は,令和元年6月7日に公布され,地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律に基づくものとの認識の上で,当時の議論で課題とされていた事柄に注意しながら,以下,お尋ねしたいと思います。 初めに,教育委員会が所管する公立の図書館,博物館,公民館,その他の社会教育に関する教育機関について,まちづくりや観光などの他の行政分野との一体的な取組の推進を図るために,本市がより効果的と判断する場合に,社会教育の適正な実施の確保に関する一定の担保を講じた上で,条例により市長部局が所管することを可能にするものであると,私は理解をしております。 そこで,そうした施設について,これまでの協議の経過も踏み,関係機関への周知と今後の具体的な取組についてお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 簡潔に申し上げますが,平成30年から文化とスポーツに関しまして,教育委員会と市長部局の間で協議を行ってまいりました。 それぞれ所管の法律もありますし,公民館活動も含めまして,これまで地域のそれぞれの資産がありますので,そこをできるだけ継続しながらということで協議をしてまいりました。 本年10月に機構改革案を取りまとめましたので,関係団体に対しまして教育委員会から,公民館を含みます社会教育関係等を含めて,関係団体にも御説明を申し上げているところでございます。 また,教育委員会の定例会にもかけておりまして,教育委員会の委員の方々には御理解をいただいたところです。 ただ,これから実務になりますと,公民館やスポーツ関係の団体が,それぞれございますので,申請書等の書き方とか,また来年2月に高知市公民館連絡協議会との協議の場とかもありますので,様々な場を捉えまして,事務的な申請手続も含めて丁寧に周知を図ってまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 丁寧な取組をお願いします。 最後になると思います。文化振興課の創設によって,今後議論がされていくでありましょう文化振興条例の制定等々について,市長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) それぞれ総務部が文化振興に関する所管にも今なっておりますけれども,今回新しく,全体的に文化行政を市長部局でやろうということも協議をしております。 これまで,文化振興ビジョンとかいろんなものを取りまとめてきましたけれども,まだまだ十分ではないというところも,我々も意見としてお伺いしておりますので,現行の文化振興ビジョンや審議会を含めて,文化に関します本市の位置づけをさらにはっきりと明確化した上で,文化振興条例の制定の検討にも入っていきたいというふうに考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 文化振興条例の制定は,大変期待をしているところでございます。 今日は,機構改革について市長の全体構想及び様々なビジョンをお伺いすることができました。 この条例が制定されてから取りかかっていくと思いますけれども,その前提となる詰めをしっかりしていただきまして,この機構改革が実効性のあるものになっていきますようにお願いをしておきます。 今日私は,内閣府が進める子供の未来応援国民運動の缶バッジをつけて登壇いたしました。子供が夢を諦めないように,様々な課題を解決できる高知市でありますよう願って,全ての質問を終わります。ありがとうございました。
    ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。  〔岡崎豊君登壇〕 ◆(岡崎豊君) 市民クラブの岡崎豊です。 第481回高知市議会定例会におきまして,個人質問を行います。いよいよ最後になりました。少しの間,お付き合いをお願いしたいと思います。 まず,通告の順番を少し変えておりますので,あらかじめ御了承をお願いいたします。 それでは,質問に入ります。 まず,高知市都市計画マスタープラン策定に係る決裁文書作成に関する総括,こちらにつきましてお伺いをいたします。 去る10月26日に岡崎誠也高知市長名で,当該決裁文書に関する総括が出されました。議員の皆さん,また執行部の皆さんも読まれたことと思います。 この総括について,どのような読後感をお持ちになりましたでしょうか。 私見ですけれども,一言で言うと,非常に理解しにくい,読みにくいというのが私の感想でした。多分,読解力が不足しておるということは当たると思います。 前回,9月議会での私の個人質問で,後日,決裁文書が作成された経過を確認するために,誰が事後に決裁文書の作成を指示したのか。事後に決裁文書を作成した理由は何なのか。誰が決裁文書を回したのかなど,この事実関係を明らかにした市長の総括をお聞きしたいという問いかけを行いました。今議会でも,初日は,戸田二郎議員が同様の質問もしております。 これに対する市長の答弁は,決裁文書の取扱いについては,当該部署との協議の場において,事後とはなるものの重要な計画であるため,後日検証ができるよう作成しておく必要があるとの共通認識があり,担当課が法務担当部局に確認して決裁を作成したものでございますとの,非常に不可解な,分かりにくい答弁でございました。この答弁が,度々繰り返されております。 今回,こうした総括で必要なことは,誰が,何をしたという人物の特定と行為の特定,また,その都度都度,なぜその判断を行い,それは社会通念上や法律と照らしてどのような評価となるのか,そしてそれを検証することだと思います。 決裁文書の取扱いについては,担当部署との協議の場において,事後とはなるものの,重要な計画であるため,後日検証できるよう作成しておく必要があると共通認識があり,担当課が法務担当部局に確認して,決裁文書を作成させたのは,決裁権者である岡崎誠也市長,あなた御自身ではないでしょうか,お聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々答弁しておりますとおり,この決裁文書が抜かっていたということで,事後にはなりますけれども,後日検証ができるように,決裁文書が要るという出席者全員の共通認識がありまして,担当部署である都市建設部の判断で決裁文書を作成したものでございます。 このとき,私は,決裁文書の作成方法については,いろんな考え方があるので,法制担当部署と十分に協議をするようにという指示をしたところです。 それで,決裁文書の最終決裁権者は私でございますので,その内容については,ほかの決裁もそうですけれども,最終決裁権者がその内容についての責任を持つということになっておりますので,それは全ての文書についての原則的なルールであります。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) それでは,過去の市長の答弁について,御紹介をしておきたいと思います。 平成28年の第457回9月議会での市長の答弁です。ちょっと議事録のほうを読み上げます。 このたびの都市計画マスタープランの事業の事案につきましては,本来行うべき決裁を取り抜かっていたことから,それを是正するために,決裁権者である私が,つまり岡崎市長ですね,私が意思決定をしたという事実を証する起案文書を策定したものでございます。 この起案文書の決裁につきましては,市長としての意思決定を行った平成26年3月7日,これは委員会から報告を受けて,私がやりますと言って回答した日ですが,この当時の決裁権限や合議する権限を有する者に対しまして,所管課の担当課の職員が経緯を説明し,その了承を得た上で決裁欄に捺印を押していただいたものでございますという答弁が残っております。 まさに,今回のマスタープランの事後の起案書につきましては,市長自身が,私が意思決定をしたという答弁をしております。この点につきまして,見解を求めます。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 議事録でそう発言したということだと認識をしておりますので,その内容のとおりでございます。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 議会の質問と,それと先ほど申しました総括につきましては,対外的にも影響があるものですけれども,市長につきましては,以前この答弁をなされたということは記憶になかったのか。また,答弁書を作成する所管課のほうから,そういう助言がなかったのか,お聞きをします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 今の平成28年9月議会の答弁は,その内容について私は覚えておりますので,そういう内容に基づいたものでございますので,今回総括した内容と,我々はそごする内容であったというふうには認識をしておりません。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) この総括というのは,職員,市長を含めて19名もの職員の方が被疑者として,市長自身がおっしゃったように,警察あるいは検察のほうに呼出しを受け,取調べを受けた,そういう被疑事件なんです。 私はもっと市民に対して,職員に対して,議会に対して,しっかりとした責任ある発言,また答弁,これはされてしかるべきだと思います。その点は強く指摘をしておきます。非常に不信感を持って,ここに立っております。 不可解なのは,決裁権者である私が意思決定したという事実を証する起案文書を策定したとの答弁を過去にしておきながら,これまでの議会質問に答えていないこと。総括においても曖昧な表現に終始しており,市長が決裁文書を策定した事実を伏せているということであります。 特に,これまで何度も,誰が決定したのかという議会質問がありましたが,曖昧な答弁に終始しており,極めて不誠実なものであると思います。 そして,今回のこの不誠実な総括は,高知市政の汚点ともなりかねない,そういうものであるということを指摘しておきます。 まず,なぜ,これほどまでに,御自身が決裁権者であること,この事実を伏せておかなければならなかったのか,この点につきまして市長にお伺いをします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 特に伏していたということではございませんが,決裁文書の事後作成につきましては,都市計画マスタープランについて,策定委員会が取りまとめたマスタープランの,委員会のほうは案ですけれども,策定委員会の副委員長から私のほうに最終の報告が市長室でありまして,そのときに私が挨拶をした挨拶文も文書で残っております。 その計画をもってこれから事業に的確に取り組んでいくという挨拶文が,文書としても残っておりますので,それが意思決定をした日でありますので,その事実を証する決裁文書を作成したものです。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 果たして,説明責任であるとか,あるいは情報公開とかという言葉に照らし合わせて,今の言葉等はどうだったでしょうか。 以前,この説明責任と情報公開,これに関する質問をさせていただきました。そのときは,かいつまんで言いますと,市長は大変重要なものであり,この2つは表裏一体のものだと言われていました。情報公開があって説明責任があって,説明責任があって情報公開がある。 この2つが,しっかりと1つになったときに,初めて行政の責任が果たせるものだと思います。この点は強く指摘しておきたいと思います。 ただいま出されております総括につきましては,被疑事件の中心人物である市長の判断が検証されておりません。 これからの市政運営の教訓とすることを目的とする総括でなければならず,そのためには,その都度市長がどのような判断をし,それが法律や規則,さらに社会通念上ふさわしいものであったかどうか,これを事後に検証し,それに耐え得るものでなければならないと思います。 2つほど例を挙げます。これまで御答弁の中で,文書主義という言葉を市長は度々上げられました。また,監査委員のかつての指摘事項もあります。 文書主義につきましては,市の文書管理規程のほうに記載がなかった。だから,この事後に決裁文書を作ったときに,その旨の記載をしていなかったというようなお話もありました。 市長自身は,法制,文書係のほうもされておりまして,係長で第一線でされておったということもお聞きをしております。 通常,法律あるいは通達等につきましては,その表面だけでなしに,その奥のほうも,いわゆるこれは原理原則として,何を言っているのかということをおもんぱかった上で執行するのが,それぞれの担当職員の役割であろうかと思います。 また,監査のほうにつきましても,都度都度,今市長がおっしゃった御自分が決裁を宣言した日が決裁日となると。これは,監査のほうからは,決裁を揺るがせない,そういう事案であるというようなことも指摘されております。 そういう一つ一つについて,市長の判断,執行部の判断がどうであったかということを検証に耐え得る総括であるべきであります。 改めまして,今回の総括につきましては,そのような視点を持って,その都度都度の判断が後々の検証に耐え得るもの,あるいはこれからの市政運営に生かせるもの,そういう内容の総括に作り直すように求めるものですが,市長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 令和2年10月26日で公表いたしましたこのマスタープラン策定に係る決裁文書作成に関する総括の内容が事実に基づくものでございますので,作り直すということは考えておりません。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 先ほども言いましたように,今の総括の内容で果たして,市長がかつて答弁をしておりますように,事後にはっきりと検証ができるものか,事実を査証する起案文書となるのか,そういうのは非常に疑問であります。 文書管理の文書主義,当然これは行政の責任ある文書です。それは,将来,訴訟になったときにも使う,そういう大事な文書です。総括の内容がこのような貧弱なもの,あるいは事実関係に触れていない,そういう内容で果たして通用するかどうか。 いま一度市長にお伺いをしたいんですけれど,それでは今回の総括なるものは,誰に対して,何のために出すのか。この点につきまして市長のお考えをお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) この総括は,高知市として発表しておりますので,高知市のホームページにも載せておりますので,市民の皆様方に対します経過の説明,また議会に対しましての経過の説明,両方の性格を持つ文書でございます。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 経過説明であるならば,総括という表現はふさわしくないと思います。 総括というのはあくまでも,その分に関しての全てのものをひっくるめてどうであったか,反省も含めて,どう対応するかということを含めた指針になるような内容でなければならないと思います。この点につきましては,再度作り直すように求めます。 また,市民に対して,本当にこの内容でいいのか。市民の方がこの総括の内容で納得し,市長やっぱりそうやったねと,執行部の皆さんそうやったねと言っていただけるとお思いなのか,その点をお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 議場でも,段々御意見がありましたけれども,我々はこの事実に基づく経過を含めまして,総括の文書を取りまとめたところでございます。 ただ,この総括についての評価とか御意見は,この受け取りをされました,それぞれの皆様方の思いというものがあると思いますので,評価はそれぞれの個々の御判断があろうかというふうに思います。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) この件につきましては,平行線になろうかと思います。しかし,改めまして,総括につきましては,事後の検証に耐え得るもの,それぞれの,それと時々の判断がどうであったか。それが法令,社会通念上どうであったかということが検証できる,そういう総括でなければならない。そして,作り直しを改めて求めておきます。 総括につきましては,市長が決裁権者である私,つまり市長が意思決定をしたという事実を証する起案文書を策定したことが判明したため,道の駅構想まで遡って再度検証することや,関係した職員の率直な声を議会として聞く機会を持つ必要があると思います。 それでは1点,市長に確認をいたしたいんですけれども,先ほど下元議員のほうが質問をいたしました道の駅の件で,国のほうに申請をしておるんですけれども,その中で1点確認をさせていただきたいと思います。 こちらの先ほどの分ですが,民間事業者が行う地域活性化に資する事業活動,これで,申請のほうのきっかけとして再度お伺いをいたしたいと思います。 読み上げます。桂浜公園再整備計画を進める中で,地域全体の観光,産業,防災拠点の基盤整備の方針が決定した。また,浦戸連合町内会から道の駅等の整備要望や,地権者による地域貢献の申出があったという表現がありました。これは確認したとおりです。 これの表現が後々の地元説明等については,全く触れられていないという状況でした。その理由,つまり,まずこの国への申請について,この内容が偽りの内容であったのか否か,この点につきましてお伺いをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 詳細は通告を受けておりませんので,その詳細を細かく答えることはできませんけれども,偽りとかそういうことではなくて,我々は南部振興はどうしても必要だと,今でもその思いは変わっておりませんけれども,南部振興についてのいろんな可能性を調査したものでございます。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) はい。通告していませんでしたので,今の答弁でよろしいと思います。 続けます。高知市政の信頼の回復のためにも,議会が先頭に立ちまして徹底的に問題を検証して,市民に対して説明責任を果たすことが,チェック機関としての議会の役割であろうかと思います。 総括のやり直しを求めるためにも,委員会の設置等,議会としての必要な対応,これを協議していただきますよう,議長にお願いをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員からの議長に対する御要望の件につきましては,しかるべき機関にお諮りをさせていただきます。 以上,お答えいたします。 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) それでは,議長,ぜひともよろしくお願いいたします。 次に移ります。 次は,公益通報者保護に関する法律として公益通報者保護法が制定され,平成18年4月から施行されております。 本市におきましても,高知市職員等の公益通報に関する要綱を設置して,運用しているところです。 この要綱の趣旨は,市政における違法な事態の防止及び損失の抑制を図り,もって公正な職務の遂行及び公務に対する市民の信頼を確保し,公正かつ適正な市政の運営に資するため,公益通報者保護法の規定に基づき,職員等が知り得た市政運営上の違法な行為等に関して行われる公益通報の取扱いに関し必要な事項を定めるとしています。 また,この要綱では公益通報の定義を,職員の職務上の行為により次に掲げる事実が生じ,またはまさに生じようとしている旨を,職員等が公益を守ることを目的として,法に定めるもののほか,市に対して通報することをいう。ア,法令(条例及び規則等を含む)に違反し,または違反するおそれのある事実。イ,個人の生命または身体の保護,環境の保全及び請負契約等に関する公正な競争の確保等に重大な影響を与えるおそれのある事実。ウ,その他市に対する市民等からの信頼を損なうおそれのある事実としています。 公益通報者保護法は,その立法目的を,国民生活の安定及び社会経済の健全な発展と設定しており,この目的を達成する手段としての公益通報者の保護が担保されることを期待しておきたいと思います。 所管部局であります総務部人事課にお聞きしたところ,公益通報に関する要綱が施行された平成21年10月から現在に至るまで,通報や相談は,まだ一件もないということでした。 このことから,高知市の公益通報制度は,機能していないというふうに思うところです。匿名性の確保や,通報内容や相談要件の緩和等,職員の皆さんが利用しやすい制度にする必要があると考えます。 本市の公益通報に関する制度運用上の課題と周知について,総務部長のほうにお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田洋介君) 本市の内部職員等からの公益通報制度につきましては,御質問にもありましたとおり,高知市職員等の公益通報に関する要綱を制定し,平成21年10月1日から運用しております。 この要綱では,相談窓口を総務部人事課とすることや,公益通報の方法など手続に関することから,公益通報の内容を調査する場合は,通報者の秘密を守ること,通報者が特定されないよう配慮するといった匿名性の確保に関することも規定されております。 また,通報者を保護するために,正当な公益通報したことを理由として,人事その他の勤務条件等について,いかなる不利益な取扱いもしてはならないということも明記されておりまして,本市の制度は公益通報者保護法の趣旨に沿ったものであると認識をしております。 しかしながら,御指摘をいただきましたとおり,制度が機能しているかという点につきましては,これまでの利用実績を見ますと,職員が公益通報制度を知らないといったことや,制度を知っていても内容を十分に理解できておらず,利用につながっていないということも想定され,制度の周知に課題を残しているものと考えております。 本制度を機能させるためには,通報者となる職員の制度理解が重要になりますので,職員研修の場を活用することや,公務員倫理月間の周知に合わせて本制度の周知を図るなど,よりよい周知方法につきまして検討を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ぜひ,その旨よろしくお願いします。 市民の知る権利を保障する制度といたしましては,情報公開制度があります。当然,行政機関の保有するあらゆる情報は主権者たる市民のものであり,原則的に全て公開されるべきという前提に立っています。 しかしながら,情報公開条例は,現に行政機関が保有している情報について,請求に応じて開示を義務づけております。 そのため,請求者はどのような情報が存在するのか分からないことが多いため,行政側の対応によっては有効に機能しない場合があります。 つまり,情報公開条例は,行政機関がその存在を認め,かつその保有を認めている情報に対してのみ,限定的に有効に機能するということです。つまり,情報公開条例を補完し,市民の知る権利の保障を担保するのが,公益通報制度であると考えます。 現在の高知市の公益通報に関する仕組みの課題は,通報相談窓口が庁内のみであり,つまり人事課の中にあるのみであり,外部窓口がないこと。公益通報委員会委員が幹部職員のみで,法律の専門家等の知見や専門性を有する委員がいないこと。通報の適正な取扱いや通報者の保護に関する懸念を払拭できていない。こうした点があります。 つまり,高知市における公益通報制度を有効に機能させるためには,安心して相談,通報ができる環境整備や,適切な調査や是正措置や公表などのアカウンタビリティーなどの義務を果たす仕組みをつくることが,市長の責任であると考えます。市長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 今御指摘いただきました課題は,我々も感じております。 高知市の公益通報制度の仕組みに関しましては,まず通報相談窓口につきましては,先ほど御指摘いただいたとおり,現在,内部の窓口のみを設けておりますが,例えば,ほかの都市,団体を見ますと,職員等が同じ組織に属する担当者の方に通報することは,心理的な抵抗があるとか,なかなか言いにくいということもありますので,組織の外部に専門性を有する弁護士等を配置した窓口を設置している事例もあります。 また,公益通報がありますと,調査を行う必要がありますが,公益通報に関する調査を行い,その調査結果について市長に報告をする役割を担う公益通報委員会につきましても,例えば他都市では,弁護士や学識経験者を構成員として配置をしている自治体もございます。 職員の方々が安心して相談,通報ができる環境を整備することや,公益通報制度の透明性を確保することのできる仕組みが重要でありますので,専門性を有します弁護士等の配置につきまして,その有効性等を調査するとともに,より適正,また的確な体制づくりを進めていく必要があると考えております。 また,例えば運用状況に関する情報の定期的な外部への公表を行うとともに,もちろん,これは公表できるものと公表できないものがあると思いますが,運用状況に関しまして,情報の定期的な外部への公表とともに,通報の窓口及び通報対応の仕組みに対します職員の信頼性の向上を図ることも必要であると考えておりますので,運用実績の概要を内部に公表する制度なども,併せて検討していく必要があるというふうに考えておりますので,さらに検討していきたいと思います。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ぜひ,職員の立場に立った制度を実現していただくようにお願いします。 医療センターのほうなんですけれども,毎議会のたびに医療ミスという形の報告があります。本当に重大な分は別にして,こんな事案が医療ミスに該当するんですかということもオープンにしております。それだけ,逆に医療機関としての信頼性というのが高まってくると思います。 内部に伏せ込むということではなしに,やはり透明性の確保という点で,職員が安心して働ける,あるいはそういう環境を整えるという意味で,ぜひとも実効性のある制度をつくっていただきたいと思います。 また,重ねて,通報した人に対する嫌がらせであるとか,報復人事であるとかということは,他のところでは聞くこともありますので,本市におきましては,そういうことがないように運用していただきたいと思います。 次に,障害者就労施設等優先調達につきましてお聞きをいたします。 11月下旬まで小康状態を保っていました新型コロナウイルス感染症も,この12月になり急速に拡大をしております。経済活動への影響が大変心配されるところになりました。 一般企業ではもちろんのこと,生産活動を行っている障害者施設にも,このコロナ不況の波は押し寄せており,関係者は懸命な努力を続けているところです。 中小企業等の事業継続に向けた支援は,5月から9月議会で約28億6,000万円の補正予算が組まれており,このうち就労継続支援補助金として約4,000万円が組まれています。この補助制度は,障害者施設の運営維持や利用者の生活を支える役割を果たしております。 本市では,対象期間を令和2年4月1日から3年3月31日として,新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う生産活動収入の減少に対し,就労継続支援B型事業利用者に払う工賃の維持を図るため,就労継続支援B型事業を実施する事業者に対して補助金を交付する事業を行っております。 この事業費補助金制度を実施するに当たりまして,障害者施設を対象にした就労継続支援B型事業所における工賃影響調査を行っておりますが,その調査結果の概要と当該助成金事業に反映させた内容,そして現在の利用申込み状況等につきまして,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 就労継続支援B型事業所を利用される皆様の工賃への影響把握を目的といたしまして,市内40か所のB型事業所を対象に,6月3日から9日までの間に,B型事業所における工賃影響調査を行いました。 各事業所からは,昨年と今年の4月,5月の二月間の工賃実績を報告していただきまして,その結果,お1人当たりの工賃支払い月額は約3,500円減少しているということが判明をいたしました。 そうした場合,雇用調整助成金の対象とならないなど,制度のはざまにあるB型事業所と,その利用者の皆様の工賃確保の観点から,本市の独自事業としまして,高知市就労継続支援事業費補助金を創設したところでございます。 この事業におきましては,本年4月から来年の3月までの間におきまして,前年度同月と比べて工賃額が減少された方を対象としまして,お1人当たり月1万5,000円を上限に助成を行うということとしておりまして,それぞれの事業者から順次申請をいただいているところでございますが,現在,市内41事業所のうち8事業所から申請があったほか,今後,9事業所が申請予定と事業所のほうからはお聞きをしております。 一方で,引き続き,申請の予定もない事業所に対しまして意向確認を行うなど,本事業を有効に御活用いただきますよう,鋭意取り組んでまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ぜひとも,全ての事業所につきまして周知をお願いしたいと思います。 障害のある人たちが自立した生活を営むために,就労に関する支援は重要な位置づけになります。障害のある方の就労に対しての希望や適性に応じ,就労継続支援A型,B型に分類されたサービス提供がされております。 通常,A型におきましては,通所により,雇用契約に基づく就労の機会を提供すること。そしてB型では,雇用契約は結ばないが,通所により,就労や生産活動の機会を提供するものと理解されております。 それだけでなく,このことはあまり知られていない部分なんですけれども,就労継続支援サービスを提供する事業者のA型では,一般就労に必要な知識,能力が高まった者について,一般就労への移行に向けて支援,そしてB型では,一般就労に必要な知識,能力が高まった者は,一般就労等への移行に向けて支援するサービスの提供が求められています。 そのため,通常の時間帯の中で,一般就労等に向けた訓練,つまり一日の生活のリズムを整える生活訓練や対人関係を円滑に行うための社会的な訓練,知識を取得するための訓練等を行う時間を確保しなければなりません。 その一方で,A型事業所には最低賃金の支払いが求められ,B型事業所には工賃アップ等が求められており,就労継続支援事業者としては,その対応に苦慮しているところです。 求められている一般就労等ヘの移行に向けた支援を行うためには,安定した仕事や生産活動を行えること。そして,商品や製品の安定した流通先や販売先が必要となります。 こうした状況を鑑みて厚生労働省障害福祉課長より,障害者就労施設等からの物品等の調達について,一層の推進を図る旨の通知が出され,都道府県,指定都市,中核市の障害者優先調達推進法担当部局においては,法に基づく取組を一層推進していただきたいとの要請も出ているところです。 本市におきましても,障害者就労施設等優先調達方針を定めておりますが,適用の範囲や調達の目標,これらにつきまして,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 平成25年4月に施行されました障害者優先調達推進法ですが,障害者就労施設や在宅で就労,就業されます障害のある方の経済面の自立を促進するために,国や地方などの公的機関が物品やサービスを調達する際に,障害者就労施設等から優先的,積極的な購入を推進することを目的に制定されたものでございます。 同法では,市町村は物品等の調達に関しまして,当該年度の予算及び事務事業の予定等を勘案して,障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための方針を作成しなければならないと定められてございます。 この法の規定に則しまして,本市におきましても,毎年度,調達方針を定めているところでございますが,その適用範囲につきましては,障害者総合支援法におけます就労移行支援事業所,就労継続支援A型事業所,そして就労継続支援B型事業所等が生産または提供する物品及び役務としております。 この目標額でございますが,庁内各部署に対しまして,調達実績や調達予定につきまして照会の上で定めるということにしておりますが,今年度で申し上げますと,物品については,放課後児童クラブで提供するおやつ,そして小学校等で使われる花や土等で132万円,役務につきましては,名刺印刷やテープ起こし,公園清掃業務等で4,807万8,000円となってございます。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございました。 ぜひとも,引き続きまして優先調達に取り組んでいただきたいと思います。 それで,高知市内の各施設も,夢のある製品や高品質,安定した品質の商品の製造や生産活動を行っております。その中で,リサイクルトナーの製造販売を行っているB型事業所の例を御紹介したいと思います。 昨今は,障害者の多様性も求められており,仕事の内容にも幅広い業務が必要となっております。工賃の向上を追求することと,障害福祉事業所としてサービスの質を担保していくという,難しい課題をB型事業所は抱えています。 その課題の解決のため,リサイクルトナーの製造販売に関して,専門的な技術や部材を企業からの提供を受けることで,事業所の仕事として商品やサービスの質を高め,少しずつですが,事業を拡大,広げております。 この取組は,岡山県を中心として,現在は鳥取県,高知県,沖縄県の4つの県で,7つのB型事業所が取り組んでおります。 このリサイクルトナーの名称を,よつぼしトナーとしており,そこには提供する製品に対しまして,障害者品質なんてないとの思いを込めております。 そして,B型事業所利用の皆さんは,1,働くきっかけや挑戦の心を持つこと,2,製品にプライドを持つこと,3,自分の可能性を追求すること,4,将来に目標を持つことの4つの星の目標を掲げて,みんなの力でそれぞれの人生,そしてQOLを高めることを目指しております。 また,SDGsにも取り組み,8の働きがいも・経済成長も,そして12のつくる責任・つかう責任も掲げており,2030年までに達成する目標を設定しております。 このような崇高な理念を持って取り組んでいる事業所もあります。本市としても,調達の推進体制を整え,より積極的に優先調達に取り組むよう求めたいと思いますが,全庁的な課題となりますので,中澤副市長のほうにお聞きをしたいと思います。 ○副議長(吉永哲也君) 中澤副市長。 ◎副市長(中澤慎二君) 御質問にありますリサイクルトナーに関しましては,トナーを購入すると無料でプリンターもレンタルでき,そのメンテナンスも無料という,お得で優れた製品であるとお聞きをいたしております。 本市における一般的な事務文書の印刷につきましては,窓口サービスや業務の運営に支障が生じないよう,印刷サイズやカラー印刷などの機能面や,一定レベルの保守が確保された複合機を利用しておりますが,プリンター専用機は,基本的には導入しないこととしています。 複合機が設置されていない小規模な出先機関や,同一庁舎内にカラープリンターがないといった場合には,このリサイクルトナーを購入してレンタルのプリンターを活用することも,一つの方法ではないかというふうに考えております。 障害者就労施設等から優先調達をいたしますことにつきましては,全庁掲示板を用いて,事業所からの情報提供に基づき,個々の製品を庁内に周知するとともに,毎年度,調達可能物品等取扱事業所一覧を最新の情報に更新し,全庁で共有するなど,各施設の扱う製品の情報提供に努めております。 優先調達は,障害のある方の経済面の自立を進める上で重要な取組ですので,引き続き企画調整会議等を通じまして,調達方針等の周知を図ってまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ぜひとも,全庁的な取組をよろしくお願いします。 先ほどのプリンターにつきましては,先日,市民クラブのほうにも設置をいたしました。非常にいい機械ですので,また,興味のある方は,うちの会派のほうで御覧いただきたいと思います。 学校教育のほうでも,活用も有効な取組だと考えますが,教育長につきまして御所見をお伺いしたいと思います。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 御指摘のリサイクルトナーにつきましては,私自身も含め,教育委員会の関係課にも御紹介をいただいております。 リサイクルトナーの利用,購入につきましては,金額的に学校裁量により配当予算で購入する範疇となりますので,購入に際しては学校現場の判断に委ねられるところでございますけれども,当該製品を利用することにより,障害者の就労支援や経済面の自立を進めることになるなど,教育的な視点からも有意義ではないかというふうに考えております。 教育委員会といたしましても,学校に対して周知をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございます。 このトナーを交換する際には,B型事業所のほうにお勤めの障害の方が直接出向いて,交換のほうに参ります。日常の業務として,障害の方が各現場に行くということですので,社会参加の面でも非常に有意義です。ぜひとも御協力をお願いしたいと思います。 それでは次に,12月補正予算に関連しまして幾つか質問をいたします。 12月議会におきましても,一般会計で4億8,800万円の補正予算案が提案されています。新型コロナウイルス感染症対策の補正予算は,市民の皆様の感染拡大防止の徹底と,市民の皆さんの暮らしや中小企業の事業継続に向けた支援などを中心に組まれております。 その予算規模は,5月の特別定額給付金事業330億円をはじめ,12月補正を含めると総額408億3,000万円と,多額な金額となります。円滑な財政運営に欠かせない,令和2年度の一時借入金の借入れの最高額は,400億円と定められております。 そのため,心配されますのは資金の回転でありますが,本年度は例年以上に多くの事業と多額の予算が執行されております。 多額の一時借入金が発生していることと思われますが,円滑な資金運用がされているかどうか。また,本年度内の一時借入金の見通しにつきまして,財務部長のほうにお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 本年度は,新型コロナウイルス対策としまして,特別定額給付金をはじめとする市民の皆様への生活支援や感染防止対策,事業者の皆様への事業継続支援などの大型補正予算を編成し,順次執行をしております。 これらは,多額の予算執行を要するものですが,特別定額給付金に係る国庫補助金や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の全額が概算交付をされ,予算執行前に必要な資金が確保できましたので,新型コロナウイルス感染症対策関連事業による一時借入金への直接の影響は出ておりません。 こうしたこともあり,毎年,資金繰りが厳しくなります10月におきましても,この一時借入金は発生をしておりませんので,現時点では,ほぼ平年ベースの資金運用ができているものと考えております。 今月以降は,年度末の起債借入れや国費の受入れまでは大きい収入がございませんので,毎月の支出等により一時借入金が発生する見通しとなりますが,各課から集約した収支予定を分析しながら,的確に対応してまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございました。 つい先日,感染者が急増したことにより,新型コロナウイルス感染注意レベルが特別警戒に引き上げられ,市民の皆さんの動きが制限されております。感染予防策は人々の動きを制限するため,この感染拡大の経済活動への影響は,先が見えない中で長期化し,深刻化しております。 本市でも,ホテル・旅館業関係や飲食店関係,交通事業者等の多くの業種が利用者の低迷,消費の低迷に苦しんでおります。 こうしたことに,中小企業等の事業継続に向けた支援として,宿泊事業継続支援給付金や事業者支援給付金,観光リカバリー事業補助金等の支援策に,5月から9月の間に28億6,000万円の補正予算を組んで取り組んできました。 このように補正予算を使って中小企業等の事業継続に向けた支援に取り組み,本市の中小企業等の皆さんの下支えをしております。 この一連の支援策が,時宜を得て有効な支援策となっているのか,これからの本市の産業の再生や振興策を考えるときに気になるところです。 中小企業等の事業継続に向けた支援の中で,主な事業についてどのような評価をしているのか,商工観光部長のほうにお聞きをします。 ○副議長(吉永哲也君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 本市が実施しております事業者支援の中で,まず事業者支援給付金は12月10日の時点で1,118件,約1億6,000万円の支給実績となっておりまして,当初想定しておりました件数には達していないものの,一定,事業者の皆様の事業継続につながっているものと考えており,さらなる制度の周知を図り,来年2月末の申請期限に向けて給付件数の増加を目指してまいりたいと考えております。 次に,飲食事業者が新たな業態に取り組みます経費の一部を支援するテイクアウト・デリバリー等業態変更支援事業費補助金や,インターネット上での販売サイトの新設などの経費の一部を支援しますECサイト等利用促進支援事業費補助金につきましては,両事業とも募集開始から想定しておりました予算枠に短期間で到達しております。 その申請件数の多さや問合せ等による反響を考えますと,事業者の皆様のニーズは非常に高い事業であったと考えており,新型コロナウイルスの感染拡大の影響により,販路の確保に苦慮しておりました事業者の皆様への販路拡大に向け,効果的な事業であったものと考えております。 さらに,観光需要の激減により厳しい経営状況に置かれておりました宿泊事業者の事業継続を支援するために,1施設当たり最大2,500万円の給付を行います宿泊事業継続支援給付金を創設し,8月から11月末日まで申請を受け付け,給付件数は85件,給付総額は7億3,735万円と,予算ベースの執行率は95.51%となっておりまして,多くの宿泊事業者の皆様に厳しい時期を乗り切っていただき,GoToトラベルキャンペーンによる観光需要の増加に備えていただいたと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ぜひとも,そのような事業につきましては取り組んでいただきたいと思います。 高知市内には多くの業種の企業があり,その規模もまちまちです。また,コロナ不況の影響も,業種によって異なっています。 国の補正予算が検討されていますが,これからは,業種,業態,そして企業の規模などに応じた効果的な支援策がより一層必要となります。 商工観光部では,市内企業の状況把握とコロナ不況の影響等の調査アンケートを実施したとお聞きしております。 その分析結果と影響の傾向,また,今後考えられる効果的な支援策等につきまして,商工観光部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 今回のアンケート調査は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって,市内の事業者の経済活動にどの程度影響が出ているか,その状況や要望等を把握し,今後の施策につなげることを目的に,市内1,474事業者に向け郵送による調査を行い,過半数を超えます746事業者からの御回答をいただいております。 調査の結果によりますと,ライフラインに関わる業種や金融業界など,新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けにくい業種もありましたが,5月15日の緊急事態宣言解除前の時点で,6割を超える事業者が経営ヘの影響を受けているという結果となっております。 それぞれの事業者におかれましても,コロナ収束後の売上回復策として,新しい生活様式に対応した営業方法や業態の変更,営業体制の見直しなどを図られておりますとともに,これまで事業者支援給付金やECサイト関連の補助金,またテイクアウト・デリバリー等業態変更関連の補助金,宿泊事業に対する給付金など,事業者の事業継続に向けた支援を実施したことによりまして,事業継続や販路の確保などに一定の効果があったものと認識しております。 しかしながら,全国的な新型コロナウイルスの感染拡大の第3波により,本市の事業者にも大きな影響が出ているものと考えており,感染拡大の長期化による影響や,アンケート調査の結果や御意見を踏まえまして,現在,さらなる支援策といたしまして,ECサイトでの販売促進の追加支援策や,生産性向上を図るための設備投資への支援などを研究しておりまして,国の第3次補正や来年度当初予算の動向に注意しながら,引き続き事業者支援策を具体的に検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ぜひとも,実態調査に基づいた効果的な支援をお願いしたいと思います。 さきに述べましたように,本市の新型コロナウイルス感染症対策として,5月から9月に多額の補正予算,そして12月には1億6,000万円を提案しております。 厳しい財政状況でもあり,12月議会で補正予算をどのように捻出したのか,財務部長のほうにお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 12月補正予算は,新型コロナウイルス感染症対策としまして,中小事業者等支援金や軌道事業者経営維持支援給付金など約10億円を新たに計上いたしましたが,一方で,事業者支援給付金の減額等がありましたことから,地方創生臨時交付金で対応いたしておりますほか,国や県への返還金や国費の内示等に伴います補正など,一般財源を要する増額補正もございました。 議会の皆様にも御協力いただきました議員活動費や,新型コロナウイルス感染症の影響に伴い中止をしましたイベント経費など,不要不急の経費等を減額補正することによりまして,全体では,新たな一般財源を要することなく補正予算が編成できたものであります。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございました。 本年度の当初予算を審議しているときには,このコロナ不況で市民の皆さんの収入が減少することが予測されておりました。そのため,税収等が落ち込み,市政運営に支障を来すのではないかという懸念の声もあります。 税収を含み歳入の状況につきまして,財務部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 本年10月に実施しました決算見込みでは,市税収入は,歳入予算額を4億4,000万円余り下回る見通しとなりましたほか,地方消費税交付金や使用料,手数料等も伸び悩むなど,幅広い歳入科目において,新型コロナウイルスの影響が出ているものと認識をしております。 また,新型コロナウイルスとの関係はございませんが,本年7月の普通交付税算定では,臨時財政対策債を含めた実質的な普通交付税の総額が,当初予算との比較で5億7,000万円程度減収となるなど,歳入全体として非常に厳しい状況にあります。 一方,一昨日15日の閣議後の記者会見で,武田総務大臣は,地方の税収減に伴い,減収補填債の対象税目に,新たに地方消費税交付金等を追加するということを表明されましたが,今後の見通しに関しまして,直近での感染者数の急増を踏まえ,高知県が飲食店などへの時短営業の要請に踏み切るなど地域経済活動への制約が広がりつつあり,企業収益や雇用,所得に影響を及ぼすことも想定されますので,決して楽観視することなく,決算見込み作業等を通じ,歳入の動向を注視しながら,収支均衡に向けた的確な財政運営に努めてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 本当に厳しい状況ですけれども,ぜひとも支援のほうにつきまして,よろしくお願いいたします。 それでは,高知市役所職員がコロナウイルスに感染した場合の対応につきまして,お聞きをいたしたいと思います。 先ほど言いましたように,この12月に入りまして急激に感染が拡大しておりまして,これまでの特別なものではなく,本当に感染というのは身近な問題になってまいりました。 この傾向につきまして,最近の感染者は,感染経路不明という方が大変多くなっております。 このことは,誰もが感染するリスクが高まっていることを示しており,今まで以上に予防策と感染後の対応が重要となります。 高知市役所には,多くの職員の方が勤務をしておりまして,また不特定多数の市民の方も来庁しております。 そのため,職員さんが感染する,あるいは市役所自体がクラスターになることも想定しておかなければなりません。 職員が感染者,あるいは濃厚接触者となった場合の本市の対応策につきまして,総務部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田洋介君) 本市におきましては,職員が新型コロナウイルス感染症に感染,あるいは濃厚接触者となった場合等を想定し,職員や所属長の取るべき行動などを定めた,職員が新型コロナウイルス感染症に感染した場合等の対応指針を策定しております。 この指針では,まず職員が濃厚接触者となった場合,当該職員は,保健所の外出自粛要請や自宅における健康観察等の指示に従うとともに,直ちに所属長に報告することとしており,所属長は,当該職員から健康観察の報告や外出自粛等の要請を受けた期間,職場で接触した職員や出入りした場所等について聞き取りを行いますとともに,当該職員の検査結果が陽性であった場合に備えて,職場の執務体制や仮執務室の必要性を検討するなど,業務継続のための措置や消毒の範囲などについて検討することとしております。 また,職員の感染が確認された場合には,所属長は,あらかじめヒアリングをしていた内容を基に,所属職員に対し,感染者となった職員との接触状況等をさらに詳しく聞き取り,濃厚接触が疑われる職員に対しては,保健所へ連絡するよう指示し,在宅勤務等を求めることとしております。 また,これと並行して,所属長は,保健所とも情報共有しながら,速やかに職場の消毒を行うとともに,あらかじめ検討していました業務継続のための措置を速やかに実施し,可能な限り業務を継続できるよう対応していくこととしております。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 最後の質問になります。 PCR等の検査の結果,陽性反応となった場合,個人の感染の問題だけでなく,部署がクラスターとなることも予想されております。 一部または全面的な業務の休止も予想されております。その場合,市民生活や企業活動等へも甚大な影響を及ぼすおそれもあります。 こうした場合の対応策,課題につきまして,総務部長のほうにお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田洋介君) クラスターの発生等で複数の職員が感染するなど,全ての業務を通常どおり行うことが困難となった場合などは,市民生活への影響が少ない業務を一時的に休止することも考えなければいけませんが,部局内や,場合によっては部局を越えての応援体制を迅速に組むこと,また,本来の執務室が使用できない場合は,他の会議室の利用などにより,業務の継続を前提として対応を行っていく必要があると考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 御答弁ありがとうございました。 各病院等でもクラスターとなった事例があります。どんなに注意をしておりましても,感染は防げない状況になっておりますので,精いっぱい予防に努めて,その上で感染が発生した場合につきましては,最小限の影響にとどめるように対応をお願いします。 今回,いろいろと質問いたしました。行政の責任として,やっぱり市民の皆様に対して,しっかりした説明責任ができるように,そういうことは大事な視点であろうかと思います。 特に,今インターネットが発達しておりますので,こうした情報,特に今回の被疑事件につきましては,ネット上でいろんな声も上がっております。 単に高知市内だけの問題ではなしに,内容によっては全国的な注目を浴びるという事案であります。 再度,総括等につきましては,出し直しということを求めた上で,改めて高知市政の姿勢を内外に示していただきたいというふうに思います。 年末押し迫ってまいりました。それぞれ健康に気をつけながら過ごして,よい仕事をしてまいりたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。 ○副議長(吉永哲也君) 以上で通告による質疑並びに一般質問は終わりました。 これにて質疑並びに一般質問を終結いたします。 ただいま議題となっております市第129号議案から市第161号議案までについては,お手元に配付してあります議案付託表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  ────────────────  第481回高知市議会定例会議案付託表 予算決算常任委員会市第129号 令和2年度高知市一般会計補正予算市第130号 令和2年度高知市産業立地推進事業特別会計補正予算市第131号 令和2年度高知市介護保険事業特別会計補正予算市第132号 令和2年度高知市後期高齢者医療事業特別会計補正予算市第158号 令和2年度高知市一般会計補正予算市第159号 令和2年度高知市国民健康保険事業特別会計補正予算市第160号 令和2年度高知市収益事業特別会計補正予算市第161号 令和2年度高知市介護保険事業特別会計補正予算 総務常任委員会市第133号 高知市事務分掌条例の一部を改正する条例議案市第134号 高知市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例制定議案市第135号 高知市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の施行に伴う関係条例の整備に関する条例制定議案市第136号 高知市職員定数条例の一部を改正する条例議案市第137号 高知市収入証紙条例の一部を改正する条例議案市第138号 高知市債権管理条例の一部を改正する条例議案市第139号 高知市手数料並びに延滞金条例の一部を改正する条例議案市第144号 高知市火災予防条例の一部を改正する条例議案市第148号 高知市・土佐市消防指令業務共同運用協議会の設置に関する議案市第149号 指定管理者の指定に関する議案 経済文教常任委員会市第145号 高知市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例議案市第150号 指定管理者の指定に関する議案市第151号 指定管理者の指定に関する議案市第155号 高知市文化プラザ電気設備改修工事請負契約締結議案市第156号 高知市立学校情報通信ネットワーク環境施設整備業務委託契約の一部変更議案 建設環境常任委員会市第143号 高知市団地下水道条例の一部を改正する条例議案市第146号 高知広域都市計画下水道事業受益者負担に関する条例の一部を改正する条例議案市第147号 高知市下水道条例の一部を改正する条例議案市第157号 調停の申立てについて 厚生常任委員会市第140号 高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案市第141号 高知市後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例議案市第142号 高知市介護保険条例の一部を改正する条例議案市第152号 指定管理者の指定に関する議案市第153号 指定管理者の指定に関する議案市第154号 指定管理者の指定に関する議案  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第2 市第162号令和2年度高知市一般会計補正予算 ○副議長(吉永哲也君) 日程第2,市第162号令和2年度高知市一般会計補正予算を議題といたします。  〔別冊議案参照〕 ○副議長(吉永哲也君) 提案理由の説明を求めます。岡崎市長。  〔市長岡崎誠也君登壇〕 ◎市長(岡崎誠也君) ただいま追加提出をいたしました市第162号令和2年度高知市一般会計補正予算につきまして,御説明申し上げます。 今月9日に,高知県では,新型コロナウイルス感染症対応の目安のステージが特別警戒(赤)に引き上げられ,それ以降も感染拡大が続いております。 直近の感染傾向を見ますと,飲食や会食が契機と疑われる事例があることから,今月14日に開催されました高知県新型コロナウイルス感染症対策本部会議におきまして,浜田知事からは,飲食店などへの時間短縮営業の要請に踏み切ることが発表され,協力金を支払うことが決定されました。 この高知県営業時間短縮要請協力金につきましては,今月16日から30日までの15日間,夜間の営業時間を午後8時までとする県の要請に応じた店舗を対象に,1日当たり4万円,最大で60万円を支払うこととしております。 本市としましては,高知県の協力金に,さらに1日当たり1万円,最大15万円を上乗せすることにより,多くの店舗の御協力をお願いし,現状の感染拡大に歯止めをかけるとともに,年末の書き入れ時期に,営業機会を損失することとなる事業者の皆様に対する経営支援を図るものであります。 今回,提出いたしました補正予算では,本市における約2,300件の協力金の支給に係る3億2,100万円を予算計上していますので,提出議案の御承認がいただけましたら,できるだけ速やかに協力金の支給に向けた準備を精力的に進めまして,可能な限り早期の支給開始を目指してまいります。 支給事務に当たりましては,高知県が申請受付や支払事務の委託を予定しております同一の民間事業者に事務を委託することによりまして,事務的経費の圧縮を図り,効率的な事業執行を図ってまいります。 また,この事業の財源として活用します,新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金については,既に配分見込額を歳入予算額が上回っておりますが,本事業を含めましても,対象事業全体の不用などにより,一般財源の負担は発生しない見通しとなっています。 以上,提出いたしました議案につきまして,概要の説明を申し上げましたが,よろしく御審議の上,適切な御決定をお願いいたします。 以上です。 ○副議長(吉永哲也君) この際暫時休憩いたします。  午後3時3分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後3時20分再開 ○副議長(吉永哲也君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより質疑に入るのでありますが,ただいまのところ通告はありません。質疑はありませんか。─質疑なしと認めます。 お諮りいたします。ただいま議題となっております市第162号議案については,会議規則第36条第3項の規定により委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(吉永哲也君) 御異議なしと認めます。よって,市第162号議案については,委員会の付託を省略することに決定いたしました。 これより電子表決による採決をいたします。 市第162号令和2年度高知市一般会計補正予算を採決いたします。 本案は原案のとおり決することについて,賛成または反対のボタンをお押し願います。  〔電子表決開始〕 ○副議長(吉永哲也君) 表決漏れはありませんか。─表決漏れなしと認め,確定いたします。  〔電子表決終了〕 ○副議長(吉永哲也君) 賛成全員であります。よって,本案は原案のとおり可決されました。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △請願,陳情の付託 ○副議長(吉永哲也君) 本日までに受理した請願,陳情は,お手元に配付の請願,陳情文書表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託いたしましたから報告いたします。 〔請願,陳情文書表は305ページに掲載〕  ~~~~~~~~~~~~~~~~
    ○副議長(吉永哲也君) 以上で,本日の日程は全部終了いたしました。 12月25日午後2時再開いたします。 本日はこれにて散会いたします。  午後3時22分散会...