○議長(大川裕君) 全員賛成であります。よって、意見案第1号
人権擁護委員の推薦については、原案に同意することに決しました。
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○議長(大川裕君) 次に、日程第3 意見書案第1号 豊かな学びの実現・
教職員定数改善及び
義務教育費国庫負担制度負担率の引き上げをはかるための令和5年度政府予算に係る意見書を議題といたします。
----------------------------------- 令和4年6月16日
小田原市議会議長 大川 裕様 発議者
小田原市議会議員 篠原 弘(印) 〃 〃 安野裕子(印) 〃 〃
川久保昌彦(印) 〃 〃 楊 隆子(印) 〃 〃
田中利恵子(印) 〃 〃 清水隆男(印)意見書案第1号 豊かな学びの実現・
教職員定数改善及び
義務教育費国庫負担制度負担率の引き上げをはかるための令和5年度政府予算に係る意見書 上記の議案を別紙のとおり会議規則第15条の規定により提出します。
-----------------------------------豊かな学びの実現・
教職員定数改善及び
義務教育費国庫負担制度負担率の引き上げをはかるための令和5年度政府予算に係る意見書
学級編制標準の35人への引き下げは、令和7年度の小学6年生まで段階的に実施されているが、少人数学級の必要性は、中学校・高校においても変わらないことから、まずは、中学校・高等学校においても早急に35人への引き下げを行い、また、今後、安定的に教員を配置するためにも早期に採用計画を確定する必要がある。 一方、今年度から導入された
小学校高学年における
教科担任制は、豊かな学びの実現や働き方改革を目的に導入された経緯があるにも関わらず、多くの学校で配置がされておらず、全国で小学校約19,000校に対して950人分の予算措置にとどまっており、全校に配置できるだけの予算の拡充が必要である。 また、格差社会、
新型コロナウイルス感染症拡大等の影響により、学校においては教育格差、子どもの貧困が課題となっている。この課題に対し、
就学援助制度等で教育の機会均等をはかっていることから、
就学援助費を遅滞なく支給することは重要であり、その業務は事務職員が担っている。しかしながら、事務職員の要保護・準要保護加配について、平成27年度から配置要件が厳格化され年度当初からの配置数は減少している。さらに、年度途中に要件に達しても配置されていない実態があることから、要件を緩和し年度当初からの配置が必要である。 豊かな学びの実現に向け、子どもが全国のどこに住んでいても、一定水準の教育を受けられるよう、
義務教育費国庫負担制度を2分の1に復元することを望む。また、国の施策として
教職員定数改善に向けた財源を保障し、教職員が
子ども一人ひとりと向き合う時間を確保することが必要である。 よって、国会及び政府におかれては、
地方教育行政の実情を十分に認識され、
地方自治体が計画的に教育行政を進めることができるようにするため、次の措置を講じられるよう強く要請する。1.小学校の35人学級を計画的に進め、中学校・高等学校での引き下げを早急に実施すること。また、さらなる少人数学級について検討すること。2.専門性の高い教科指導を行い教育の質の向上を図るとともに、教員の持ちコマ数軽減等による働き方改革推進のために、
教科担任制の配置増によるなど
教職員定数改善を推進すること。3.要保護・準要保護加配の基準を緩和し、年度当初から事務職員を配置すること。また、年度途中に要件を満たした場合も、確実に配置すること。4.教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため、地方財政を確保した上で
義務教育費国庫負担制度の負担割合を引き上げること。 以上、
地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和4年 月
日衆議院議長参議院議長内閣総理大臣 あて総務大臣財務大臣文部科学大臣 小田原市議会-----------------------------------
○議長(大川裕君) お諮りいたします。本件につきましては、提案理由の説明、質疑及び委員会の審査を省略することにして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大川裕君) 御異議ないものと認めます。よって、提案理由の説明、質疑及び委員会の審査を省略し、直ちに討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大川裕君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。意見書案第1号について、原案に賛成の方は起立を願います。 〔
賛成者起立〕
○議長(大川裕君) 賛成多数であります。よって、意見書案第1号 豊かな学びの実現・
教職員定数改善及び
義務教育費国庫負担制度負担率の引き上げをはかるための令和5年度政府予算に係る意見書は、原案のとおり可決確定いたしました。
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○議長(大川裕君) 以上で本日の付議事件は全て終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 再開は午前10時20分といたします。 午前10時14分
休憩----------------------------------- 午前10時20分 開議
○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 これより昨日に引き続きまして一般質問を行います。 それでは、発言者を指名いたします。 11番鈴木議員、登壇願います。 〔11番(鈴木美伸君)登壇 拍手〕
◆11番(鈴木美伸君) それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。 まず初めに、1として、本市の
地球温暖化対策について質問をいたします。 日本の
年平均気温は、世界の
年平均気温と同様、変動を繰り返しながらも上昇しており、気象庁によりますと、長期的には、100年当たり1.28℃の割合で上昇しているそうです。 また、顕著な高温を記録した年は、おおむね1990年以降に集中しており、さらに、気温の上昇に伴って大気中の水蒸気が増えることで、雨をもたらす低気圧などの強さが変わらなくても、水蒸気が多い分だけ多量の雨が降り、大雨の頻度が徐々に増えていきます。 本市においても、令和3年夏には、台風でなくても大雨が降り、これまでに経験したことがないような農地の崖崩れが市内各地で発生し、大きな被害をもたらしたことは記憶に新しいところです。 このような被害を防ぐためには、基盤整備だけでなく、
地球温暖化を抑制する必要があり、
地球温暖化に大きな影響を及ぼす大気中の
二酸化炭素濃度を減らさなければなりません。これは、いわゆるCO2削減と言われる取組で、さらに
CO2排出量をゼロにする脱炭素の実現が望ましく、一部の地域や企業だけでなく、地球規模で脱炭素化に取り組む必要があります。 それでは、(1)として、実績と効果についてですが、
地球温暖化については、もはや猶予のない段階に来ており、持続可能な
開発目標SDGsの達成においても主要な課題の一つとなっています。 2015年、フランス・パリで開催されたCOP21において、パリ協定が採択されました。これは、国際条約として初めて「世界的な
平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること」などが掲げられたもので、我が国においても、2020年に2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言するなど、脱炭素に向けた取組が推進されています。 本市においても、
太陽光パネルの設置に係る補助制度、公民連携による電気自動車の
カーシェアリングサービス、
小田原こどもの森公園わんぱくらんどの
地域マイクログリッド構築などの取組が行われていると承知をしています。 そこで、現在までの本市の
地球温暖化対策の実績と効果についてお伺いいたします。 次に、(2)として、本市の4パーミル・
イニシアチブの取組についてですが、脱炭素化の取組として4パーミル・
イニシアチブという取組があります。この4パーミル・
イニシアチブの説明をすると、2015年の
国連気候変動枠組条約締結国会議(COP21)で
フランス政府が提案したもので、一言で言えば、4パーミルは1000分の4のことで、全世界の土壌の炭素の量を毎年1000分の4ずつ増やしていけば、人間の経済活動によって増加する大気中の二酸化炭素を実質ゼロにすることができるという考え方に基づいた国際的な取組です。 2021年6月現在、日本を含む623の国や国際機関がこの取組に参画しており、農業分野から脱
炭素化社会の実現を目指す、
温暖化対策の切り札として注目されています。 そこで、4パーミル・
イニシアチブの取組について、本市ではどのように考えているのか、市長の御見解をお伺いいたします。 次に、(3)として、農業分野からの
地球温暖化対策についてですが、山梨県は2020年4月、4パーミル・
イニシアチブに日本の都道府県では初めて参加しました。山梨県では、4パーミル・
イニシアチブの全国に先駆けた取組として、県の主要農産物である桃やブドウなどの果樹園で発生する剪定枝を炭にして炭素を土壌中に貯留する方法や草生栽培、剪定枝のチップや堆肥等の施用を行うなどの取組を行っています。 また、日本の農業全体で
温暖化抑制に積極的に取り組むため、山梨県が提案し、4パーミル・
イニシアチブ推進全国協議会が2021年(令和3年)設立されました。この協議会には、山梨県をはじめ東京都や神奈川県など13都県、農業・
食品産業技術総合研究機構(農研機構)などが参加しました。 そこで、1点目に、本市の農業分野での、これまでの
地球温暖化対策の取組についてお伺いいたします。 2点目に、山梨県以外で既に農業分野での
温暖化抑制の取組をしている自治体については把握しているのかお伺いいたします。 次に、2として、本市の地域通貨について質問いたします。 地域通貨は、特定の地域内でのみ使える通貨のことで、お金の地域外への流出を防ぎ、地域経済の活性化につなげる効果があると言われています。 先進的な取組としては、2017年に
飛騨信用組合が発行を開始した
電子マネー「さるぼぼコイン」や、2018年に
君津信用組合・木更津市・
木更津商工会議所が連携して開始した
電子マネー「アクアコイン」が全国的に有名となっています。 (1)として、地域通貨の取組についてですが、他の
地方自治体においても、地域通貨に取り組んでいますが、本市ではこれまでに、地域通貨の取組としてどのようなことを行ってきたのかお伺いいたします。 (2)として、今後の事業展開についてですが、2022年5月13日付のニュースに、山形県長井市が実施するデジタル地域通貨「ながいコイン」において「おまかせeマネー」が採用という見出しで、「おまかせeマネー」とは、電子地域商品券は、紙で発行されていた地域商品券を電子化した地域限定で利用できるキャッシュレスサービスです。そして、「おまかせeマネー」は、電子地域商品券の発行から決済、精算までワンストップでサポートします。導入いただくと地域通貨や自治体施策への活用など長期的な利用にも展開ができます。そして、「おまかせeマネー」の三つのポイントとして、1.誰にでも簡単に使える、2.カスタマイズが可能、3.お任せできる安心感とのことです。 長井市では、地域内経済循環の創出やキャッシュレス決済の普及、決済データの利活用を目的に、長井市内限定で利用できるデジタル地域通貨「ながいコイン」を導入するとともに、展開施策の第1弾として、プレミアム商品券に相当する「ながいコインプレミアム」を5月27日より販売を開始しました。 背景として、長井市においては従来、地域振興券等については紙媒体となっており、電子地域通貨を活用することで、行政における運用コストや稼働負担の軽減、及び市民の利便性向上につなげていく必要がありました。また、購買行動履歴や傾向を把握することで、展開結果を行政施策に反映することができ、地域経済の進展につながることも期待できますというような内容です。 そこで、本市として、今後の事業展開はどのように考えているのかお伺いいたします。 次に、3として、早川・片浦地域の活性化について質問いたします。 本市は、首都圏の1都7県の中に含まれており、豊かな自然に恵まれ、その恵まれた環境を生かし、農業については、産出額県内1位である果樹をはじめ、野菜、米などの農産物の栽培や畜産が行われています。 私の初当選は、平成15年4月ですが、本市では、平成15年3月に策定した小田原市農村振興基本計画(おだわら農業・農村ビジョン)を基に、農業振興施策に取り組んできました。そして、令和3年には、本市農業行政の最上位計画である小田原市農業振興計画を策定し、将来像を「農業者・市民・来訪者が支えあい 持続可能な農業があるまち小田原」としていることは、承知をしています。 そこで、まず、(1)として、交流促進による早川・片浦地域農業振興構想についてですが、1点目に、なぜこの時期にこの構想を策定するのかお伺いいたします。 2点目に、この構想の目的と策定状況についてお伺いいたします。 3点目に、これまで早川・片浦地域で取り組んだ農業の交流促進の取組についてお伺いいたします。 次に、(2)として、早川・片浦地域の歴史的資源や観光資源の活用についてですが、私は、平成15年に初当選してからこれまで、平成15年6月定例会で、早川地区グリーン・ツーリズムについて、平成15月9月定例会で、地域に賦存する観光資源の活用について、平成17年6月定例会で、早川・片浦地区の活性化について、平成18年6月定例会で、片浦地区の諸課題について、平成19年12月定例会で、早川地区の活性化についてと、片浦地区に賦存する観光資源の活用について、平成20年6月定例会で、早川・片浦地区の景勝地等を生かす施策について、平成20年12月定例会で、地域資源を生かした交流人口拡大プロジェクト等における早川・片浦地区の具体的な取組について、平成22年12月定例会で、早川・片浦地区の活性化についてなど、早川・片浦地区について、何度も質問をしてきました。 平成15年9月定例会の地域に賦存する観光資源の活用についての中で、根府川の白糸川上流にあるインノウの滝等の質問をいたしました。 そこで、1点目に、早川・片浦地域の歴史的資源や観光資源の活用については、これまでどのように取り組んできたのかお伺いいたします。 2点目に、早川・片浦地域の歴史的資源や観光資源で、地域に賦存し眠っている資源にはどういうものが考えられるのかお伺いいたします。 令和3年12月定例会で私は、「早川には、史跡石垣山や史跡江戸城石垣石丁場跡のほか、御所山砦跡や関白道、朝日の井戸や夕日の井戸など、そして、根府川には、根府川関所跡など、歴史的に重要な遺産もたくさんあります」、「これらの遺構を次の時代に残していくために、きちんと保存すべきある」という質問をいたしました。「今後、この担当部局で、一口に歴史的資源と言っても様々でございますので、これからその必要性というものを見極めてまいりたいと考えております」という守屋市長の答弁でした。 そこで、3点目に、歴史的資源の見極めについては、いつ頃をめどに考えているのかお伺いいたします。 それから、御所山ですが、「小田原市史・別編 城郭」によりますと、「城跡の概要として、箱根古期外輪山のうち大観山から石垣山に伸びる尾根のほぼ中間地点に、標高855mの御所山がある。昭和59(1984)年、小田原市早川の月村仙造氏と青木友吉氏により遺構が発見され、小田原城郭研究会が実地に調査した結果、御所山の頂部に良好な堀・土塁・郭などの遺構が確認された。尾根上の古道と城との関わりを検証する上でも、今後の指標となる遺構である」と記載されています。 なお、ここでは「御所山」を「御所山砦」という表現で質問いたします。 そこで、4点目に、小田原城郭研究会が実地調査をいつ頃行ったのか、また、所在地の地目や地番、所有者については把握しているのかお伺いいたします。 5点目に、所管課では現地確認はしているのか、しているのであれば、いつ頃されたのかお伺いいたします。 以上で登壇しての質問を終わります。
○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。 〔市長(守屋輝彦君)登壇〕
◎市長(守屋輝彦君) 11番鈴木議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、本市の
地球温暖化対策の実績と効果について質問がございました。
地球温暖化の要因となります二酸化炭素排出量の削減率は、本市では2018年度実績で2013年度比約17.5%となっております。削減割合で最も高いのは家庭部門の29.4%となっており、市ではこれまで、
地球温暖化対策に資する設備導入の補助やイベントなどによる普及啓発を行ってまいりました。こうした取組が市民の行動変容やライフスタイルの転換につながり、効果として現れているものと考えております。 次に、4パーミル・
イニシアチブについて質問がございました。4パーミル・
イニシアチブは、
地球温暖化を抑制するため、農業分野から脱炭素化を目指す取組であると認識しております。
地球温暖化対策は様々な取組がございますので、本市といたしましては、まずはこの取組の動向を注視してまいります。 次に、農業分野のこれまでの本市の取組について質問がございました。本市では、農業生産に由来する環境負荷を軽減し、有機農業などの環境保全型の農業を積極的に推進しており、環境保全型農業直接支払交付金や小田原有機の里づくり協議会への支援等の取組を進めてきたところでございます。 次に、山梨県以外で農業分野での
地球温暖化抑制に取り組んでいる自治体の把握について質問がございました。4パーミル・
イニシアチブに取り組む団体で構成される4パーミル・
イニシアチブ推進全国協議会は、神奈川県をはじめ13の都県が参加しております。また、農林水産省「令和2年度環境保全型農業直接支払交付金の実施状況」によりますと、本市と同様に有機農業を推進し環境保全型農業直接支払交付金を実施した市町村は、841自治体で全体の約49%となっております。 次に、地域通貨の取組について、何点か質問がございました。まず、取組の現状でございますが、地域通貨は、利用可能な地域や期間が限定されることで、地域内での消費が増加し、地域経済活性化に寄与するものと言われております。本市では、「おだわら梅丸商品券」や「小田原観光ウォレット」を発行しておりますが、その趣旨・目的は同様のものでございます。また、令和3年度発行の「第2弾おだわら梅丸商品券」では、紙の商品券に加え、デジタル商品券の発行、「小田原観光ウォレット」では、キャッシュレス決済を導入するなど、地域におけるデジタル化の推進にも取り組んでおります。 次に、地域通貨の今後の事業展開についての御質問がございました。地域通貨の実施には、本市だけではなく、地元の金融機関や経済団体との協力・連携が必要不可欠でございます。現在、本市では、小田原市商店街連合会の協力により、利用期間を令和4年7月から12月に設定した「第3弾おだわら梅丸商品券」事業を実施しております。今後の取組につきましては、全国各地で実施されている様々な事業の情報を収集し、経済関係者等と本市での事業展開の可能性について検討してまいります。 次に、早川・片浦地域の活性化について、何点か質問がございました。まず、「交流促進による早川・片浦地域農業振興構想」の策定理由についての御質問でございます。本構想は、小田原市農業振興計画の将来像「農業者・市民・来訪者が支えあい 持続可能な農業があるまち小田原」の実現を目指すために取りまとめるものであり、農業振興計画公表後、速やかに策定作業を進めたところでございます。 次に、構想の目的と策定状況についての質問がございました。本構想は、都市住民が農業に触れるグリーン・ツーリズム事業を展開してきた早川・片浦地域に特化して、農業者と消費者の交流促進により地域の農業振興を図ることを目的に策定するものであります。これまで農業者等への地域説明会を開催し、現在、最終意見を整理しており、近日中の策定を予定しております。 次に、これまで早川・片浦地域で取り組んだ農業の交流促進の取組についての質問がございました。早川地域では、コスモスの摘み取り体験、みかんの木のオーナー制度による農業体験、一夜城ヨロイヅカファーム、漁港の駅TOTOCO小田原で地場産農産物の食体験ができる機会を提供してまいりました。また、片浦地域では、おかめ桜まつりなどのイベント開催や農家によるレストラン、宿泊施設で地場産農産物を味わったり、味覚狩りなどができる機会を提供してまいりました。これらの取組を通じまして、早川・片浦地域では、農業者と消費者の交流促進に努めてきたところでございます。 次に、早川・片浦地域の歴史・観光資源を活用する取組について質問がございました。早川・片浦地域は豊かな自然環境を有するとともに、石橋山古戦場や石垣山一夜城などの歴史的資源に加え、小田原漁港周辺の食にまつわるスポットなどの観光資源がそろっており、多くの人を魅了するポテンシャルが非常に高い地域であると認識しております。こうした魅力あるスポットをより回遊していただくため、ウォーキングコースの設定、早川臨時観光案内所の開設やレンタサイクル貸出所の整備、観光回遊バスの発着所の増設など、回遊性向上を図る施策を積極的に取り組んでまいりました。 次に、早川・片浦地域の歴史的資源等についての質問でございます。本市では、市内に所在する史跡を調査し、後世に伝え活用することを目的として、地域の方々等から聞き取りや現地調査等を実施し、「身近にある小田原の史跡」として取りまとめております。この中では、豊臣秀吉ゆかりの天正庵跡や、実業家で数寄茶人でもあった益田孝が営んだ石垣山農場跡、関東大震災で一度埋没した釈迦堂など、知る人ぞ知る史跡も取り上げられており、地域の大切な資源であると認識しております。 次に、早川・片浦地域の歴史的資源の活用について、いつ頃を目途に見極めていくのかとの質問がございました。早川・片浦地域には、史跡石垣山や史跡江戸城石丁場跡をはじめ、有名無名の数多くの歴史的資源が存在しており、地域の大切な資源であると認識しております。歴史的資源は、その歴史的な重要性ばかりでなく、所有者の意向や公開・活用に適しているかなど、様々な点に配慮する必要があり、一様に適切な活用の必要性について判断することは現状では難しいと考えます。このため、当面は早川・片浦地域の歴史的資源のさらなる把握に努めてまいります。 次に、御所山砦についての質問がございました。御所山砦は、昭和59年に早川の住民により発見された後、小田原城郭研究会が同年に現地調査を行っております。御所山砦の所在地の地目、地番及び所有者につきまして、市として把握しております。 次に、御所山砦の現地確認についての質問がございました。御所山砦の現地確認は、昭和59年に小田原城郭研究会が調査したときと同じ頃に、当時の文化財課職員が現地調査を行っております。その後、開発等により損壊されるおそれがなかったことなどから、御所山砦の現地調査は行っておりません。 以上をもちまして、11番鈴木議員の御質問に対しての答弁といたします。
◆11番(鈴木美伸君) それでは再質問いたします。 本市の
地球温暖化対策についてから再質問いたします。 1点目に、先ほど、本市の
地球温暖化対策の効果と実績について御答弁がありましたが、本市と同等の規模を持つ類似自治体と比較してどうなのか、その点をお伺いいたします。 2点目に、本市の4パーミル・
イニシアチブの取組や農業分野での地域
温暖化対策については伺いましたが、4パーミル・
イニシアチブ推進全国協議会に参加している神奈川県の動きについてお伺いいたします。 それから、令和4年3月18日の予算特別委員会の総括質疑で、(款)4 衛生費(項)2 清掃費(目)1 清掃総務費及び(目)2 じん芥処理費における、剪定枝の資源化について質疑いたしました。その質疑の中で、「農業者から排出される剪定枝の活用については、チップ化する方法のほか、無煙炭化器によるバイオ炭を生産する方法があります。炭化したものは燃焼時に排出される二酸化炭素が低減され、土壌に固定化することで
地球温暖化を抑制できると考えられています。このことは、農業の剪定枝以外にも、事業者や一般家庭から出てくる剪定枝にも活用できます。そこで、本市でもこのような取組について検討したらどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします」、このことを申し上げました。 そこで、3点目に、4パーミル・
イニシアチブに今後、本市でも取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
◎環境部長(藤澤隆則君) 1点目の御質問の、他市と比較した
地球温暖化対策の実績と効果についての御質問にお答えいたします。 本市では、2019年11月に「2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ」を目指すことを、全国でもいち早く表明いたしました。そして、これまでに、電気自動車を活用した地域エネルギーマネジメントモデル事業や
地域マイクログリッド構築事業など、他市のモデルとなる先行的な取組を公民連携により実施してきております。二酸化炭素排出量の削減率は、本市と同等規模の自治体の平均が約15.9%となっておりまして、削減率を比較すると約1.6ポイント上回っている状況でございます。 以上でございます。
◎経済部長(武井好博君) 4パーミル・
イニシアチブ推進全国協議会に参加している神奈川県の動きについて御質問がございました。神奈川県は、同協議会に昨年から参加しておりますが、山梨県の取組もまだ研究中の段階でございますため、現在は情報収集の段階であると伺っております。 次に、本市でも取り組むべきとの御質問がございました。現時点で4パーミル・
イニシアチブ推進全国協議会に参加している市町村はございません。そこで、本市としては、まずは同協議会に参加している神奈川県を通じて、4パーミル・
イニシアチブについての情報を収集してまいりたいと考えているところございます。 以上でございます。
◆11番(鈴木美伸君) 4パーミル・
イニシアチブについてですけれども、今答弁がございましたが、神奈川県から情報収集をしているとのことでございますけれども、国では、令和3年10月に改定された
地球温暖化対策計画の中で、農地土壌炭素吸収源対策を位置づけでおり、その対策の一つとして、堆肥や緑肥等の有機物の施用やバイオ炭の施用等による土づくりを推進しています。また、本市では、今年5月1日に4パーミルおだわらという団体が設立されたと聞いております。今後、国や県の動向を踏まえて、本市としても、特に4パーミル・
イニシアチブについては積極的に取り組んでほしいと申し上げておきます。 それでは、地域通貨について再質問いたします。 1点目に、本市の地域通貨への取組状況については分かりました。地域振興券として「おだわら梅丸商品券」や「小田原観光ウォレット」を発行してきた、「第3弾おだわら梅丸商品券」事業を実施しているという答弁がありましたが、これまでの課題とか問題点はなかったのかどうか、その点をお伺いいたします。 2点目に、今後、「さるぼぼコイン」や「アクアコイン」のような地域通貨の導入を検討していく考えはあるのかどうなのか、その点をお伺いいたします。
◎副市長(鳥海義文君) 二つ目の導入検討についてでございます。「さるぼぼコイン」のような電子地域通貨、これは金融機関が主体となりまして、自治体や地元の商業者との連携により運用がされております。ここ数年で、利便性の高いキャッシュレス決済のシステムの普及が急速に進んでおりまして、この地域通貨の普及・定着には、独自のポイント付与といった、利用者へのメリットの付与というものが必要となってきてございます。こうしたことを踏まえまして、今年度、公民連携により実施をいたします小田原市の「地域経済振興戦略ビジョン」の策定の中で、総合計画のまちづくりの目標に掲げます「地域経済の好循環」を実現するための手段の一つとして、地域通貨についても議論を重ねていきたい、このように考えてございます。 以上です。
◎経済部長(武井好博君) 「おだわら梅丸商品券」の課題や問題点について御質問がございました。課題といたしまして、紙の商品券につきましては、応募受付時や抽選、換金などの際の事務作業が煩雑となり、それに伴う人件費が多くなることが挙げられます。また、第2弾の際に、初めて発行いたしましたデジタル商品券につきましては、表示内容や操作方法が分かりにくいと、こういった御意見をいただいたところでございます。そこで、「第3弾おだわら梅丸商品券」では、デジタル商品券に関し、利用者への説明会の実施や、操作方法の説明動画を公開するなど工夫をいたしまして、取り組んでいるところでございます。 以上でございます。
◆11番(鈴木美伸君) それでは、早川・片浦地域の活性化について再質問いたします。 1点目に、2月下旬に開催した地域説明会には、どのような方が出席し、どのような意見が出されたのかお伺いいたします。 2点目に、コロナ禍における早川・片浦地域の観光施策については、どのように考えているのかお伺いいたします。 3点目に、御所山砦ですが、アネスト岩田ターンパイク箱根の道路のところと御所山砦に登るところの2か所に標識が設置してあるとのことですが、そのことについては確認しているのかどうかお伺いいたします。
◎経済部長(武井好博君) 地域説明会についての御質問につきましてお答えをさせていただきます。 地域説明会につきましては、2月下旬に早川地域と片浦地域でそれぞれ開催いたしまして、農業者や農業団体、自治会の方々に御出席をいただきました。この説明では、体験農園や地域産品の直売、農泊、宿泊施設、農家レストラン、農家カフェなど地域で取り組みたい事業や、農業生産基盤の整備の推進など、様々な意見をいただいたところでございます。 以上でございます。
◎観光・美食の
まちづくり担当部長(遠藤孝枝君) コロナ禍における早川・片浦地域の観光施策についてお答えいたします。 コロナ禍におきましては、密を避けるという意味合いから、野外で楽しめるウォーキングなどによる観光が注目されております。早川・片浦地域には風光明媚な景観を楽しめる四つのウォーキングコースがあり、それを生かした誘客に努めているところでございます。コース上の石橋山古戦場が大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に登場するという情報から相乗効果を見越したPRなどを行いましたが、このようにコロナ禍でも様々な機会を生かした観光施策を展開してまいりたいと考えております。 以上でございます。
◎文化部長(鈴木裕一君) 3点目の御所山砦周辺の標識の確認につきましては、私から御答弁申し上げます。 御所山砦の標識がアネスト岩田ターンパイク箱根の道路のところと、御所山砦に登るところの2か所に設置されているとのことでございますが、現状では確認できておりません。 以上でございます。
◆11番(鈴木美伸君) 2月下旬に開催された地域説明会では、農業生産基盤の整備を推進などという意見が出たというような答弁がありました。そこで、農業生産基盤については、私は令和4年3月22日の予算特別委員会で、(款)6 農林水産業費(項)1 農業費(目)4 農地費における、農道・用排水路整備事業についてのうち、農道整備について質疑をいたしました。その質疑の中で、基幹的農道の整備と併せてアクセス道の充実が必須であることから、注力していただきたいと要望いたしましたが、これから早川・片浦地域で取り組まれる農業における交流促進が成功するためには、農業振興構想策定だけではなく、改めて農道の整備が必要であると考えます。 そこで、1点目に、農道の拡幅についてはどのように考えているのかお伺いいたします。 2点目に、御所山砦の今後については、本市としてはどのように考えているのか、その点もお伺いいたします。
◎経済部長(武井好博君) 農道の拡幅についてお答えをさせていただきます。 本地域における交流促進による農業振興に当たりましては、農道が果たす役割は重要であると認識しております。農道の拡幅につきましては、本構想における地域の取組の熟度や、広域農道小田原湯河原線など基幹的な農道整備の進捗、農地の利用状況などを総合的に勘案し、判断してまいりたいと考えております。 以上でございます。
◎文化部長(鈴木裕一君) 2点目の御所山砦の今後についてでございます。御所山砦は、標高が855メートルと大変高く、山林となっている上、アネスト岩田ターンパイク箱根を利用しないと容易に見学ができないなど、アクセスが難しいところが活用を困難なものにしております。昭和60年に小田原市No.226遺跡として小田原市遺跡分布地図に登載し、埋蔵文化財包蔵地としての位置づけは既になされているところでございます。遺跡の性格など、まだ不明な部分が多い遺跡でありますが、機会を捉えて御所山砦の紹介に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
◆11番(鈴木美伸君) それでは、1点目に、交流促進による早川・片浦地域農業振興構想に位置づけられる想定事例をどのように推進していくのか、その点をお伺いいたします。 それから、ただいま答弁がありました御所山砦なのですけれども、機会を捉えて御所山砦の紹介に努めていきたいというような御答弁がありましたが、この御所山砦の取得については、本市としてはどのように考えているのかお伺いいたします。
◎経済部長(武井好博君) 想定事例の推進についてお答えをさせていただきます。 本構想の想定事例に取り組む際には、農地法や都市計画法等、土地利用に関する規制を考慮するとともに、地域全体の合意形成を図る必要があるところでございます。本市といたしましては、想定事例に取り組む事業主体を支援しながら、関係者間の連携を図り、エリアが一体となった交流事業を促進することで、地域農業を振興してまいりたいと考えているところでございます。 以上です。
◎文化部長(鈴木裕一君) 2点目の御所山砦の取得についてでございます。御所山砦は現地の状況や遺跡の性格が不明であり、また、アクセスが難しく活用が困難なことから、現時点では、土地を取得することは考えておりません。 以上でございます。
◆11番(鈴木美伸君) 御所山砦ですけれども、昭和59年に小田原城郭研究会が調査したときと同じ頃に、当時の文化財課職員が現地確認を行っているようですけれども、昭和59年は西暦1984年ですので、38年前に現地に行ったというような計算になるのかなと思います。私も議員になる前に、早川地内に住んでいる方と現地に行ったことがありますが、御所山がどこだったか、はっきりそのときのことを覚えていません。そこで、所管課と一緒に現地確認をしたいと考えていますが、そのことについての御所見をお伺いいたします。
◎文化部長(鈴木裕一君) 御所山砦の現地確認のお尋ねでございます。御所山砦は現在、山林となっており、現地確認は堀や土塁などの遺構を観察しやすい秋から冬にかけての時期に行うのが望ましいと考えております。所管といたしましても、現地確認を行う必要はあるものと考えておりますので、御同行させていただくことも考えてまいりたいと思います。 以上でございます。
◆11番(鈴木美伸君) 御所山砦の取得について、甚だ残念な答弁でしたけれども、今後、購入ということも視野に入れて検討していってほしいなと思います。 それから、後世に伝えていくのはもちろんですが、今後は現地確認をして紹介に努めるだけでなく、保存や活用等についても今後検討するように申し上げて、質問を終わります。(拍手)
○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午前11時15分といたします。 午前11時7分
休憩----------------------------------- 午前11時15分 開議
○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 25番岩田議員、登壇願います。 〔25番(岩田泰明君)登壇 拍手〕
◆25番(岩田泰明君) それでは、順次通告に従いまして質問いたします。 1、新型コロナウイルス感染症対策について。 2020年3月に世界保健機関が新型コロナウイルス感染症をパンデミックと認定してから2年3か月が経過した。この間、世界で確認された感染者数は累積5億3800万人以上に上り、日本でも914万人以上となっている。世界では630万人以上、うち日本では3万1000人以上が死亡している。依然として、新型コロナウイルス感染症が公衆衛生上の大きな脅威であり、対策継続を必要とすることを示している。 一方で、世界の7日間の移動平均新規感染者数は、1月以降減少し、死亡者数も2月以降減少を続けている。日本でも2月以降、新規感染者数は減少し、死亡者数も減少している。 さらに、ワクチン接種の進展による重症者の減少、治療の選択肢の増加、感染力は高いが重症化リスクは低いオミクロン株への置き換わりなどにより、確認感染者中の死亡者割合は徐々に低下。6月19日時点での世界の致死率は1.17%、日本では0.34%となっている。 これらを受け、世界各国で行動制限の緩和が進んでおり、日本においても同様である。この下での感染症対策について、忽那賢志大阪大学医学部感染制御学教授は、「第6波では過去最大の死亡者数となり、幾ら重症化する割合が減ったとしても感染者数が増え過ぎてしまえば、重症化する人数としては大きくなる」と指摘、その上で、「今後は、重症者・死亡者が増え過ぎないようにある程度感染者数を抑制しながら、社会機能を維持していくことを目指す」、「そのためには、めり張りをつけた感染対策を一人一人が身につけることが重要」としています。 その感染対策の要点としてワクチン接種を挙げている。本稿では、如上の観点から以下本市の新型コロナウイルス対策について伺う。 1、ワクチン接種について。 医療逼迫を回避し、行動制限が緩和された現状を保つには、小児を含む高いワクチン接種率の維持が不可欠と考える。政府アドバイザリーボードも、ワクチンの3回目接種は、その種類にかかわらず時期が来れば早めに受けていただくことが重要としている。その実現には、ワクチンの効果、接種の必要性についての市民理解の進捗が欠かせない。 そこで、まず、2回目接種をした人のうち3回目接種をした人の年代別割合を伺う。 次に、全国的な傾向として、年代が下がるにつれ、3回目接種をした人の接種率が低くなっている。本市においても同様の傾向が見られるのであるとすれば、その要因について本市の見解を伺う。 新型コロナウイルスワクチンは、5歳から11歳までの年齢層にも効果が認められている。当該年齢層の感染も続いていることから、ワクチン接種がその対策として引き続き有効とされている。そこで、本市の5歳から11歳までのワクチン接種率を伺う。 あわせて、本市5歳から11歳までのワクチン接種率は、当初の見込みに対してどのような状況にあるのか伺う。 次に、変異株の登場により、新型コロナウイルスワクチンは、生涯免疫の獲得や発症予防効果の高い持続など、当初期待された効果を満たすことはできなかった。しかし、重症化予防や一定期間の発症予防については、現在流行しているオミクロン株に対しても効果があるとされている。 また、オミクロン株の下で、デルタ株までの感染症対策において非常に効果を発揮した非特異的対策が、労力に対して得られる利益が小さいものとなったとされている。このため世界各国で、感染の拡大は医療逼迫を招来しない範囲内で一定許容する政策へ変更がなされている。これを担保するのが、国民全体に対する高いワクチン接種率である。重症化リスクが低いとはいっても、膨大な感染者数を記録すれば重症者も相当数にならざるを得ない。 このワクチン接種業務は、専門的知見の更新に伴い、小児接種、3回目・4回目接種など内容の変化を伴いながら継続をしている。まさに同事業は、新型コロナ対策の根幹の一つをなすものと言える。当然、同業務の所管部署は高い緊張度をもって長期にわたる業務となっており、過誤発生を極少に抑えるためには、当該部署の人員が充足されていることが肝要と言える。
○議長(大川裕君) 御発言の途中ですが、申し上げます。 なお、質問時間のタイマーを止めてください。 25番岩田議員に申し上げます。傍聴者をはじめ聞く人にとって聞き取りやすく、いいスピードで、分かりやすく御発言をお願いいたします。
◆25番(岩田泰明君) 議長の御指摘を得まして、改めたいと思います。 そこで、ワクチン接種を担当する職員数及び時間外勤務時間の状況を伺います。 次に、ワクチン接種以外の対策について伺います。 行動変容、行動制限をその態様とする非特異的対策は、オミクロン株の登場でその費用便益に大きな変化が生じた。その一方で、対策自体の有効性は不変である。主たる感染経路が、接触、飛沫、換気不十分な空間でのエアロゾルである以上、マスクや手洗い、換気、3密回避など、有効性・必要性も変わるところがないと指摘されている。 しかし、強度の行動制限を伴う新型コロナ対策が長期・累次採用されていることから、対策疲れとも言うべき反応もある。諸条件の変化に対応した感染症対策の変化を超えて、新型コロナウイルス感染症の流行そのものが終息し、2019年以前の生活に回帰できるような受け止めもある。 2020年の発生当初の対策が、その後の専門知の蓄積・更新に伴い変更されるのは当然である。しかし、科学的知見に基づかない希望的観測や、公衆衛生・感染症学問上の知見と社会経済的な影響を科学的に比較考量した上での対策の変化ではなく、経済活動上の要求にのみ応じたなし崩し的な対策緩和は、感染症対策上、妥当性を有しない。 感染対策の象徴となっているマスク着用について、感染症対策の専門家の見解では、引き続き感染リスクの高い場所ではマスクの着用が推奨されている。しかし、行動制限の象徴として科学的な着脱の可否の検討とは異なるところで議論が行われている向きもなしとは言えない。 そこで、国からのマスク着用の考え方が示されたが、何が変わったのか、変わったことをどのように市民へ周知していくのか伺う。 同様に、市立小・中学校におけるマスク着用について、何が変わったのか、何が変わっていないのか、変わったこと、変わっていないことをどのように周知していくのか伺う。 次に、本市職員の労働条件について伺う。 本市が適切に市民に対し業務を遂行できるためには、良好な労働条件の維持が不可欠である。そこで、定年延長についてまず伺う。 2021年6月の地方公務員法一部改正により、2023年度4月から2年に1歳ずつ定年を引き上げ、2031年度からは定年年齢が65歳となる。そこで、本市の移行期間終了までの定年退職者数について伺う。 次に、本市も、定年延長により隔年で定年退職者が生じないことが示されている。法改正時、衆議院附帯決議では、引上げ期間中の必要な新規採用を継続するための定員措置のほか、職員の希望に基づく暫定再任用職員のための定員の確保のため必要な配慮を行うことを求めている。同期間中の定数管理、新規採用者数について、本市の考えを伺う。 2020年12月28日付総務省通知の条例・規則の概要によると、賃金月額が60歳時点の7割になるという数字が示されている。賃金の生計費原則にのっとりこれを理解すると、60歳を境として職員の生活費が3割減るということを意味せざるを得ないと考えるが、本市の見解を伺う。 次に、会計年度任用職員について。 2020年4月1日から会計年度任用職員制度が開始され、会計年度任用職員については、3年目公募問題などが取り沙汰されている自治体も多い。自治体業務の遂行に不可欠となっている会計年度任用職員制度の安定的運用、労働条件の維持・向上を図る観点から伺う。 会計年度任用職員制度の発足により、正規雇用職員と同様の職員管理が非正規雇用職員についても求められることとなった。 そこで、本市の会計年度任用職員の任用等の管理は、どの部署で、どのように管理をしているのか伺う。 その際、会計年度任用職員の任用等の管理は何人の職員で行っているのか伺う。 また、会計年度任用職員の賃金水準は、公務労働にふさわしいものか、本市の見解を伺う。 次に、暑さ対策について。 気象庁の季節予報では、「暖かい空気に覆われやすいため、向こう3か月の気温は北・東日本で高く、西日本では平均並みか高いでしょう」とされている。労働安全衛生の観点並びに労働能率の維持のために、夏季の暑い時期に向け、執務室において空調の温度調節が不調なところに対し、一律、扇風機を配置するなどの対策を講ずる必要があると考えるが、本市の見解を伺う。 次に、本市の国際問題に対する対応について伺う。 2月24日、ロシア独占資本主義によるウクライナへの侵略が開始された。国際連合憲章の2条に反する行為であり、その正当性を認めることはできない。 ところで、国際労働者階級にとって、資本主義の下での戦争に対する原則的態度は既に第一次世界大戦前に確立をして、1912年に当時の労働者党国際組織の第2インターナショナルが決議したバーゼル宣言では、最も有効と思われる手段を適用することによって、戦争の勃発を防止することに全力を尽くすべき義務があるとし、それでもなお戦争が起こった場合には、速やかな終結のために力を尽くし、戦争によって引き起こされた経済上及び政治上の危機を、国民を揺り動かすのに利用し、そのことによって資本主義的階級支配の排除を促進することに全力を挙げて努めることが義務であるとし、戦争に反対する義務を課した。 ところが、1914年に勃発した第一次世界大戦に際し、ドイツ社会民主党をはじめ大半の党は、祖国防衛を掲げて戦時公債に賛成するなど、戦争協力へ転じ、戦争に反対する義務を裏切った。 これに対し、戦争反対を貫き、帝国主義戦争を遂行する自国政府を打倒して戦争を終結させたのが、レーニン率いるロシア社会民主労働党ボリシェヴィキであった。革命に勝利したレーニンは、無併合、無賠償の即時講和を掲げ、民族自決権を擁護し、諸民族の牢獄と呼ばれたロシア帝国の支配下にあった諸民族の独立を認め、このときウクライナも独立を果たした。ロシア独占資本主義の利益のためにウクライナを侵略したプーチン大統領が、「ボリシェヴィキの政策によって生じたのがソビエトのウクライナ」と呼んでその独立を否定し、レーニンに悪罵を投げているのはけだし当然と言える。レーニン率いるボリシェヴィキ党は、断固として帝国主義戦争に反対し、資本家の利益のために各国労働者が互いに撃ち合うことを拒否、被抑圧民族の独立を支持したからである。 さて、世界は残念ながら第一次世界大戦に続き第二次世界大戦を経験し、その甚大な惨禍から戦争を国家の正当な権利とする無差別戦争観と決別し、戦争を違法化した。第二次世界大戦の連合国が設立した国際連合憲章では、第51条の例外を除き、「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない」とした。冒頭述べたように、ロシアによるウクライナ侵攻はこの国際連合憲章に違反し、許されざるものである。しかし、残念なことに、国際連合憲章に違反した武力行使は、ロシアによるウクライナ侵略が初めてのことではなく、新ユーゴ空爆やイラク戦争など米国等によっても何度も幾度となく行われてきた。 主権国家の平等に基づく国際連合憲章の規範性は、5常任理事国をはじめ、自国の主張を他国に強制可能な実力を有する国に対する羈絆として機能するとき、現実のものとなる。今日、ロシアのウクライナ侵略を批判し、真に国際連合憲章を拘束力ある平和の規範とするためには、ロシアであろうが、米国であろうが、およそあらゆる恣意的な武力の行使を批判し、いかなる国の領土保全または政治的独立を擁護しなければならない。 そこで、以下伺う。 本市の国際紛争に関わる対応について。
地方自治法第149条は、「普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する」として9項を挙げている。しかし、これらの中に、国際問題について抗議声明が明示的に含まれている項目はない。国際問題への声明発出について、その法的根拠を伺う。 また、過去に市長が国際問題に触れ、抗議等の声明を発したことがあるか伺う。声明を出したことがある場合には、その名称、発表年月日を伺う。 あわせて、その声明のうち、国家間の武力紛争に対するものは何件か、当該国の固有名称を挙げて非難した事例があれば、件数と国名を伺う。 過去に、今回の小田原城で実施したように、市の事業収入の一部を国際紛争関係の人道支援に充てたことはあるか、該当があればその対象や日付を伺う。 過去に、国際問題に関し、小田原城天守閣のライトアップのような抗議行動を行ったことがあるか伺う。 次に、HPVワクチンの接種について伺う。 本年度から定期接種の積極的勧奨が再開されたHPVワクチン接種に関連し、本定例会ではキャッチアップ接種に関する議案が審議され、一般質問では2番
鈴木敦子議員が取り上げたところであるが、以下伺う。 HPVワクチン接種の本市独自の取組について。 国は、日本国内で使用できるHPVワクチンとして、サーバリックス、ガーダシル、シルガード9の3種類を認めている。定期接種の対象となっているのは、サーバリックスとガーダシルである。静岡県富士市は4月から、定期接種で使うことが認められていない9価ワクチンについて、独自に一部の費用を補助する制度を開始している。 ヒトパピローマウイルスを原因とする子宮頸がんは、ワクチンで予防可能であることが科学的に明らかにされている。日本では2013年に予防接種法に基づく定期接種となった。しかし、その直後に、副反応やその効果への懸念から、接種の積極的勧奨が差し控えられた。その後の研究の進展でこの懸念は退けられ、積極的勧奨が再開されたが、ワクチン接種への理解が十分進んだとは言い難い。 新型コロナワクチン接種とも通ずるが、接種は他の定期接種と同程度に安全ではあるが、安心して接種すると断言できる状態にはない。このような状況下で、接種事業を円滑に進め、子宮頸がん撲滅などの目的を達成するためには、対象者とその周囲の人々に対し、正確な理解が進むよう伝達していくことが求められる。 その一環として、定期接種の対象ではない9価ワクチン接種をした者の費用助成を行うことにより、HPVワクチン接種についての関心を惹起し、接種促進を図るべきと考えるが、本市の見解を伺う。 同様の観点から、男性についても疾病予防の効果が認められる同ワクチン接種についても、費用助成を行うべきと考える。本市の見解を伺う。 以上で登壇しての質問を終わります。
○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。 〔市長(守屋輝彦君)登壇〕
◎市長(守屋輝彦君) 25番岩田議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 新型コロナウイルス感染症対策に関するワクチン接種に関しての質問からまずお答えをいたしますが、2回目接種をした人のうち3回目接種をした人の年代別の割合についての質問がございました。令和4年6月20日現在、本市の2回目接種者は15万3143人、3回目接種者は11万6006人であり、2回目接種者に対する3回目接種者の割合は75.8%となっております。年代別に見ますと、10代は38.1%、20代は54.6%、30代は59.9%、40代は68.1%、50代は80.6%、60代以上は94.1%となっております。 次に、年代が下がるにつれて接種率が低くなっている要因についての質問がございました。3回目接種におきまして、若い世代の接種率が低いことは、本市に限らず全国的な傾向となっております。その要因といたしましては、若い人ほど重症化しないという情報などから接種の必要性を感じていない方がいることや、2回目接種までで生じた副反応による接種への忌避感などが考えられます。 次に、5歳から11歳までのワクチン接種率についての質問がございました。令和4年6月20日現在、本市の5歳から11歳のワクチン接種率は、1回目が17.6%、2回目が15.1%であります。なお、令和4年6月17日公表の全国の総接種回数のうち小児接種を見ますと、1回目が17.9%、2回目が15.8%であることから、本市の接種率は国とほぼ同じ状況となっております。 次に、5歳から11歳までのワクチン接種の当初見込みに対する状況について質問がございました。ワクチン接種実施に当たりましては、国からのワクチン供給予定や1・2回目接種での10代の接種率などから、当初、7割程度の接種率を見込んでおりましたが、直近の状況は、当初の見込みを大幅に下回っております。この要因といたしましては、国では努力義務の規定を適用しなかったこと、子供は重症化しづらいとの情報や副反応を考え、保護者も接種に対して慎重になっていることなどが考えられます。 次に、ワクチン接種を担当する職員数及び時間外勤務時間の状況について質問がございました。職員数につきましては、令和4年度当初は管理監督者を含め8名でありましたが、6月に任期付職員1名を配置したことにより、現在9名の職員が業務に当たっております。ワクチン接種業務は、令和3年12月からの3回目接種の度重なる前倒しや、小児接種、12歳から17歳への3回目接種に加え、令和4年度からは4回目接種も加わるなど多岐にわたっております。このような状況の中、職員にかかる負担も大きく、時間外勤務時間数も多い状況にあります。 次に、マスク着用の変更点と市民周知についての質問がございました。令和4年5月20日付で厚生労働省よりマスク着用の考え方が示されましたが、基本的な感染対策としてのマスク着用の位置づけを変更するものではなく、身体的距離の確保や会話の有無によるマスク着用の考え方を明確化するとともに、就学前児童のマスク着用をオミクロン株対策以前の取扱いに戻すといった内容でございました。市民に対しましては、引き続き、マスク着用を含め、手指消毒や換気など基本的な感染対策の徹底をお願いするとともに、マスク着用の考え方についても、広報やホームページといった様々な媒体を活用し、丁寧に周知に努めてまいります。 25番岩田議員の御質問のうち、市立学校におけるマスク着用の変更点とその周知方法については、教育長からの答弁といたします。 次に、本市職員の労働条件について、何点か質問がございました。まず、定年延長の移行期間の定年退職者数についての質問でございます。現在、60歳となっている地方公務員の定年は、令和5年度から2年ごとに1歳ずつ延長され、令和14年度に65歳となります。定年が65歳になるまでの間の移行期間の定年退職者数は、医師を除き、令和6年度が43人、令和8年度が45人、令和10年度が74人、令和12年度が57人、令和14年度が50人と想定しております。 次に、定年延長の移行期間の新規採用者数等についての質問がございました。定年延長の移行期間は、隔年で定年退職者が生じないことになるため、職員全体の年齢構成を考慮し、毎年度、新規採用職員を確保する必要があると考えます。このため、2年ごとに生じる定年退職者数の半数相当を、その前の年に採用し、採用者数の平準化を図っていくことを検討しております。 次に、定年延長に係る職員の給料についての質問がございました。国は、60歳を迎えた職員の次の年度以降の給料月額を、当分の間、60歳を迎えた年度末の給料月額の7割とすることを示しております。国の通知によれば、民間企業における高齢期雇用の実情を考慮し、再雇用の従業員も含む正社員全体の給与水準を参考にして設定されています。 次に、会計年度任用職員についての質問がございました。会計年度任用職員の任用等の管理につきましては、その職員を任用する所管課において行うことを基本としており、任用状況については職員課も把握しております。 次に、会計年度任用職員の任用等を管理する職員数についての質問がございました。会計年度任用職員を任用している各所管課においては、数名の職員が、職員課においては2名の職員が、会計年度任用職員に係る業務を担当しております。 次に、会計年度任用職員の賃金水準について質問がございました。会計年度任用職員の報酬単価は、職務の内容や責任、職務遂行上必要となる知識等に応じて、他自治体の状況も参考としながら、それぞれの職種ごとに報酬単価を定めているところでございます。 次に、暑さ対策についての質問がございました。本庁舎におきましては、令和2年度に熱源改修工事が完了し、より安定した空調管理が可能となりました。また、必要に応じてエアコンの増設工事を行ったところであり、これらにより一定の改善がなされたと考えております。しかしながら、昨今の夏季の暑さはより厳しさを増しているため、各所管課の要望に応じて、扇風機の貸出しを行うなどの対策も引き続き行ってまいります。 次に、本市の国際問題に対する対応について、何点か質問がございました。まず、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に抗議声明を発表した法的根拠についての質問でございます。このたびのロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、人々の貴い命と平和な暮らしが理不尽に奪われていることは、国際社会の平和と秩序、安全を脅かす侵略行為として断じて容認できません。市議会においても決議の採択が行われましたが、核兵器の廃絶と世界平和の実現を願い平和都市を宣言している本市として、同じ思いで抗議声明を発表いたしました。
地方自治法では、長の担任事務を、幅広く、包括的に規定しており、今回の抗議声明もこうした規定に基づいております。 次に、過去に、市長が国際問題に触れ、抗議等の説明を出したことがあるかとの質問がございました。今回のロシアによるウクライナへの軍事侵攻への抗議声明以外には、過去に市長による抗議声明は行われていないと認識しております。 次に、過去に、小田原城に関して市の事業収入の一部を国際紛争の人道支援等に充てたことがあるのかとの質問がございましたが、調べた限りになりますが、小田原城で実施した今回のウクライナ避難民支援と同様の事例はございません。 次に、小田原城天守閣のカラーライトアップを活用したことに関して同様の事例があるかとの質問がございました。今回のロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対しましては、軍事侵攻への抗議と国際平和の願いを込め、小田原城天守閣のカラーライトアップを実施いたしましたが、本市の施設において、過去に同様の事例はございません。 次に、HPVワクチン接種について、何点か質問がございました。まず、子宮頸がん予防ワクチンの定期接種の対象ではない9価ワクチン接種の費用助成についての質問でございます。国は、令和2年8月から9価ワクチンを定期接種で使用することの是非について、ワクチンの有効性や安全性などの検討を始めております。この検討状況は注視してまいりますが、市では予防接種法の定期接種に公費助成を行っており、現時点では、9価ワクチン接種の費用助成については考えておりません。 次に、男性の接種費用の助成について質問がございました。子宮頸がんの主な要因となるヒトパピローマウイルスは、一般的に性行為を介して感染することが知られており、世界では男性の接種を進めている国もあると承知しております。また、他のがん疾患との関係についても様々研究されているところではございます。先ほども御答弁したとおり、市では予防接種法の定期接種に公費助成を行っているため、費用助成は考えておりません。 以上をもちまして、25番岩田議員の御質問に対しての答弁といたします。
◎教育長(柳下正祐君) 25番岩田議員の御質問のうち、市立学校におけるマスク着用の変更点とその周知方法については、私から答弁させていただきます。 文部科学省から令和4年5月24日付で、学校生活における児童生徒等のマスクの着用の考え方が示されました。これは、基本的な感染対策を変更するというものではなくて、身体的距離の確保や会話の有無によるマスク着用の考え方を明確にしたものでございます。これを受けまして、マスク着用の基本的な考え方の徹底について、5月末に教育委員会から保護者宛てに通知をいたしました。さらに、全国で熱中症の救急搬送が相次いだことから、6月10日付で、体育の授業、運動部活動のほか、登下校時のマスク着用についても、夏季は原則不要であると示されたために、6月中旬に改めて保護者宛てに通知し、周知を図ったところでございます。 以上をもちまして、25番岩田議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。
○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後1時5分といたします。 午前11時45分
休憩----------------------------------- 午後1時5分 開議
○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。
◆25番(岩田泰明君) それでは、順次再質問いたします。 まず、新型コロナウイルス感染症対策のワクチン接種についてでありますが、移動や人との接触の機会の多い若年層、現役労働者世代で接種率が低いことは、感染対策上問題がある。チェコのヴォイチェフ・バルトシュらの研究では、「専門家の見解の分布に対する誤解がワクチン接種のためらいに与える役割を明らかにするとともに、正確な情報を提供することでこの障壁を取り除くことができる」ことが示されている。 若い世代の接種率を上げるため、未接種者に対しどのような対策を行うのか伺う。
◎
福祉健康部長(中津川英二君) ワクチン接種については、御本人の意向が優先されるものでありますが、まずは、これまでも行っているようにワクチン接種の必要性や有効性等の周知を継続してまいります。なお、いまだ接種されていない方が多い若年層の方については、日中働いている方や学生が多いことから、その接種を受けやすくなるような会場や時間帯などの接種環境についても検討してまいります。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) 御答弁にありました小児の接種率は、集団として新型コロナウイルス感染リスクから守られているという状況には程遠いと思います。重症化リスクは成人に比べ低いとはいえ、小児の感染リスク自体は無視すべきものとはされておりません。また、家庭内感染などにつながる可能性もございます。さらに、小児接種と接続する10代接種率の低さを見ると、小児接種率の低さ、接種効果への理解の低さが、今後のワクチン接種率低下をもたらす可能性もあります。 そこで、接種率の低い小児接種について、その向上に資するような広報・周知を強化すべきと考えますが、本市の見解を伺います。 以上です。
◎
福祉健康部長(中津川英二君) 小児接種の実施に当たりましては、対象者へ接種券を発送したほか、主にホームページでワクチン接種の効果や安全性などの情報発信を行ってまいりましたが、努力義務の規定が適用されていないため、12歳以上の接種と同様、積極的に接種勧奨を行うことが難しい状況でございます。これから夏休みを迎えるに当たり、外出や人と接触する機会も増えてくると思われますので、改めて、御家族でワクチン接種について考えてもらえるよう必要な情報提供に努めてまいります。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) ぜひそのようにしていただきたいと思います。 それでは、担当部署の問題ですけれども、答弁で示されたように、時間外労働が依然として発生していることが確認されました。当該業務の必要労働量に対し、労働者数が充足していないものと言えます。 そこで、まず、これまでのワクチン接種を担当する職員数の増減について伺います。
◎
福祉健康部長(中津川英二君) 令和3年1月にワクチン接種の準備のため副課長以下8名から成る専任の係を設置いたしまして、8月の人事異動で専任の担当課長、副課長を配置したことにより、職員数は10名となりました。その後、11月の人事異動で1名減員となりましたが、令和4年2月に課内異動により減員分を補充いたしました。令和4年4月の人事異動では2名減員で8名となりましたが、6月の人事異動で任期付職員の配置等を行い、現在9名体制となっております。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) 今、示された変動を見ますと、さきにも述べたように、ワクチン接種は継続をしておりまして、知見の更新に伴い新たな接種も発生しております。この間の感染状況変化などから、新型コロナウイルス対策は危機対応としての全庁的取組から恒常的対策としての専門部局の取組へと移行していくものと考えられます。 そのような中で、その根幹を担うワクチン接種担当部署において、慢性的な時間外労働が発生するような状況は問題であると考えます。課内移動ではなく純増としての当該部署職員の手当てはしないのか伺います。
◎理事・企画部長(杉本錦也君) ワクチン接種を進めるに当たりましては、業務の特性や事務量、職員の健康状況等を考慮するとともに、接種の前倒し等、国からの度重なる要請に応じるため、職員の補充や交代、職の設置などにより組織を整えてまいりました。今後も、ワクチン接種等の状況を注視し、会計年度任用職員や部内外からの職員応援による配置も含めて、円滑に業務が進められるよう適正な人員の配置を考えてまいります。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) やはり時間外労働が発生しているということは、職員が最高の力能を発揮する環境とは言い難いと思いますので、ぜひ、しかるべく人員を充足していっていただきたいと思うところでございます。 引き続きまして、ワクチン接種以外の対策について伺います。 新型コロナウイルスの根絶は、現実的課題ではなくなっています。その中で感染症対策の強度は、何らの対策も取らない場合の感染者数、医療逼迫の程度を想定し、それを回避するために必要な程度となることが求められます。さきの忽那氏は、「これだけ長期化してきたコロナ禍において、徹底すべき感染対策に集中するためには、不要な対策は削ぎ落としていくことが継続性の上では必要」と指摘しております。必要な感染対策が日常の行為として定着化することが今後さらに重要になってくると言えますが、新型コロナウイルスがある新しい日常について、どのような対策が必要と考えているのか伺います。
◎
福祉健康部長(中津川英二君) 新型コロナウイルス感染症はいまだ収束の兆しが見えない状況にございますが、新規感染者数は減少傾向にあり、社会活動や経済活動の正常化に向けた取組が少しずつ動き始めているところでございます。市民生活においても、これまでの経験から、マスク着用や手洗い等が日常生活の中に位置づけられてきました。今後の状況は不透明ではございますが、日常生活における換気や身体的距離の確保、状況に応じたマスク着用や手洗いの励行といった基本的感染対策は継続していく必要があると考えております。
◆25番(岩田泰明君) 小・中学校の対策について再度伺います。 6月10日付の事務連絡等は承知しておるところでございますが、「マスク着用で熱中症のリスクが増すという質の高いデータはないし、逆のデータはある」との専門家の指摘もございます。感染リスクの高い場面では、引き続きマスク着用が有効とされているときに、「マスク不要」という言葉だけが独り歩きすることは、感染症対策上好ましくないと考えます。 マスク着用を適切に行うためにも、新型コロナウイルス感染症登場前から存する学校活動中の熱中症リスクの低減の取組が、効果的な感染症対策の実施上からも一層強化されるべきものと考えますが、本市の見解を伺います。
◎教育部長(飯田義一君) 命に関わります熱中症の対策と感染症の予防の対策、これの両立を図ることが大切であるというお考えであると理解いたしました。私どもも同じ考えで学校運営に取り組んでおりまして、学校では、こちらの「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」を徹底するとともに、また「小田原市立学校熱中症予防ガイドライン」、これらを徹底することで両立を図っておるところでございます。今後も引き続き徹底してまいります。 以上です。
◆25番(岩田泰明君) 答弁の中にありました「基本的感染対策は継続」との答弁は了解するところでございますけれども、しかし、そのような基本的感染対策が、行動制限緩和の中で確実に行われるためには何が必要なのかという検討が欠かせないものと考えます。この点についてどのように考え、何を必要として実施していくのか、本市の見解を改めて伺います。
◎
福祉健康部長(中津川英二君) 新型コロナウイルス感染症と共存しながら日常生活を送っていくには、まずは、自らを感染から守るだけではなく、周囲に感染を拡大させないことが不可欠でございますが、そのためには一人一人の心がけが何より重要となります。今後、身体的距離の確保やマスクの着用、手洗いの実施等の基本的な感染対策を取り入れた「新しい生活様式」を実践していくことが、個人のみならず、大事な家族や友人、隣人の命を守ることにつながるものと考えております。
◆25番(岩田泰明君) 個々人の取組は非常に重要なわけですけれども、やはり主体的な取組だけではなかなかなし難いことがございまして、客観的条件の整備というのが重要になってくるかと思うのです。 厚生労働省クラスター対策班メンバーの古瀬祐気京都大学特定准教授は、制限緩和について、「小児も含めた免疫保持率のほうが緩和を考える上で重要な要素」と述べており、その上で、「人の多い室内空間での換気、リスクの高い場面でのマスク着用、飲食店のアルコール消毒液設置、できる範囲でリモートワーク・リモート会議あたりは残そうみたいな安全かつ前向きな議論もしてほしい」としております。 繰り返しになりますが、現在のような制限が緩和された状態を持続させるためには、それを可能としているワクチン接種率や手指洗浄、マスク着用、3密回避などの行動変容の持続が必要となるものと考えます。 本市は、「タウンニュース」に市長、医師会長、保健所長、市立病院長、消防本部長の座談会記事「地域の医療 地域で守る」を掲載するなど、必要な情報伝達の仕方にも工夫を重ねているものと思います。 今後、市として、現在の専門的知見に応じた今後の新型コロナウイルス感染症対策の広報・周知をどのように実施していくのか、重ねて伺います。
◎
福祉健康部長(中津川英二君) 新型コロナウイルス感染症と共存した日常生活を送っていくためには、一人一人が基本的な感染対策を取り入れた「新しい生活様式」を実践し、定着させていくことに加え、ワクチン接種の勧奨が必要であると考えております。市民に対しては、これまでも広報紙等で様々な情報提供を行ってまいりましたが、今後も感染状況等を注視しつつ、感染対策に関する理解を一層深めてもらえるよう、広報紙や自治会回覧、タウン誌、ホームページ等により適時適切な情報発信に努めてまいります。
◆25番(岩田泰明君) 厚生労働省ホームページなど、その当初に比べて格段に宣伝等の中身、広報・周知の中身が進歩しております。必ずしも市広報や市ホームページに掲載するものが内製である必要はないものと考えます。他公的機関の作成物で市の課題に適合するものがあれば、積極的に転載・紹介するなどして、必要な情報が伝わり対策の継続につながることをこれは期待いたします。 次に、本市職員の労働条件について再度伺ってまいります。 まず、定年延長について。 本市職員の多くも利用する7階売店や食堂において、60歳を過ぎたからといって全品3割引きとなるわけではございません。労働者の生活費も労働時間も変わらない中、賃金月額だけが60歳時点の7割に減ることは、生計費原則に反するだけでなく、職務給の原則にも反するものであります。本市の見解を改めて伺います。
◎理事・企画部長(杉本錦也君) 定年延長に係る職員の給料に関する市の考え方について御質問がございました。地方公務員の給与は、国家公務員の取扱いに準じて必要な措置を講じることが求められておりまして、それに従っていくものと考えているところでございます。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) そういう答弁になるのは大変残念でございます。 続きまして、現行の60歳定年制度の下では、雇用の継続を希望する職員は一旦退職し、再任用されるという形を取っております。このため、60歳を過ぎた再任用職員の賃金は役職に応じて一律であります。 しかし、改正後は定年そのものが延長されるため、同じ職階でも60歳時点の賃金月額に応じた金額となり、支払水準に統一性を欠くこととなることが指摘をされております。これについての本市の見解を伺います。
◎理事・企画部長(杉本錦也君) 定年延長に係る職員の給料の支払水準に係る統一性についてお尋ねがございました。定年延長に係る給料月額の措置は、現時点の民間企業における高齢期雇用の実情を踏まえた当分の間の措置として位置づけられておりまして、将来的には、人事院の検討状況を踏まえ所要の措置を順次講ずるものとされております。本市におきましては、今後の国の動向を注視し、対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) これからの市の職員の労働条件に関わることでありますので、私も注視してまいりたいと思います。 続きまして、会計年度任用職員についてでありますが、採用等の管理については、所管課が行っているとのことでございました。賃金水準などの労働条件については、所管課が異なったとしても、統一した基準によって管理されているものと理解してよいのか伺います。
◎理事・企画部長(杉本錦也君) 会計年度任用職員の賃金水準などの労働条件につきましては、本市の統一した基準に基づいて各所管課で管理・運用しておりまして、職員の人事管理、給与を担当しております企画部職員課におきましても、任用時の決裁におきまして確認をしているところでございます。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) それでは、会計年度任用職員の賃金の水準についてでありますけれども、地方公共団体における会計年度任用職員の業務は、当該団体の公務労働の不可分の一部をなしております。一方で、会計年度任用職員の時間賃金額の多くは、最低賃金近傍にございます。最低賃金額は、義務教育を修了した15歳以上の全労働者が適用を受けるものであります。その基準は、熟練や経験、義務教育修了以上の知識を要しない単純・肉体労働が想定されているものといってよいと思います。 如上鑑みれば、賃金等の労働条件は、最低賃金に準拠するのではなく、正規任用職員の所定時間内総支給額を正規任用職員の所定時間で割り返したもの、つまり正規職員の時給換算額を基準とした均等待遇とすべきものと考えますが、本市の見解を伺います。
◎理事・企画部長(杉本錦也君) 会計年度任用職員と正規職員との賃金の均等待遇について御質問がございました。会計年度任用職員の報酬単価は、職務の内容等に応じて、他の自治体の状況も参考としながら、職種ごとに報酬単価を定めております。また、制度導入以降の経験年数に応じた会計年度任用職員の昇給も行っておりまして、公正な待遇の確保に努めているところでございます。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) まさに公務労働の担い手が、その再生産ですね、家族も含めた修養費や生計費、家族費をきちんと賄って、子育てが安心してできるような収入水準が確保されなければならないと考えますので、ぜひとも待遇改善に向けた努力を願うところでございます。 さきに紹介した定年延長に関わる衆議院附帯決議では、「高齢期の職員の活躍を確保する定年年齢の引上げに際し、若年層をはじめとする全ての世代の職員が英知と情熱をもって職務に従事することを可能とするため、職員のワーク・ライフ・バランスの確保など、地方公務員の働き方改革の一層の推進に向け努力すること。また、非常勤職員と常勤職員との給与・手当等の格差をなくすための処遇の改善等に一層の努力を行うこと」と述べております。本市が同決議の趣旨にのっとった取組を進めることを期待するものであります。 それでは、次に、本市の国際問題に関する対応について再度伺います。 登壇しての質問は、抗議声明を出すに至った理由ではなく、国際問題に声明を発出することが市長所掌事務の内にあるとする法的根拠について問うたものでありますので、よって、前段の質問への答弁は、質問への答弁としては筋違いでございます。 なお、
地方自治法上の長の事務についての市の答弁は適当であると考えます。国際問題、国政・県政の問題についても、住民福祉の増進をその目的とする地方公共団体の責務から必要と思われる発言を行うことは、むしろ当然と言ってよいと考えます。 今回の国際問題についての声明発出という行為については、「前例がないからやらないのではなく、前例がないからやってみる」との態度を公言する市長の意欲的な取組として評価できるものと考えます。 同時に、答弁にあるように今回の声明発出等は、過去に例のない新規の行為であります。そうである以上、単に法的に許容されるというだけではなく、当該行為の必要性、妥当性が証明される必要があると考えます。特に、今回は日本と直接関わりのない国際紛争の当事国の一方の行為についてこれを非難するものであります。その非難の基準について、客観性、公平性、論理性が担保されなければならず、恣意性を排し、二重基準とのそしりを受けることのないようにしなければなりません。 そこで、声明発出の理由については答弁で示されておりますので、まずはそれ以外の行為の理由について伺います。 まず、なぜ、今回初めて、事業収入の一部を国際紛争関係の人道支援等に充てたのか、その理由を伺います。 あわせて、なぜ、今回初めて、国際問題に関し、小田原城天守閣のライトアップのような抗議行動を行ったのか、その理由を伺います。
◎観光・美食の
まちづくり担当部長(遠藤孝枝君) まず1点目でございます。本市では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対し、市長による抗議声明を発表し、ウクライナから小田原市への避難民に対する制度を設けるなど、困難な状況に置かれているウクライナの人々に対する支援への取組を進めているところでございます。このような一連の取組の一つとして、ウクライナ支援に対する多くの方々からの賛同や、支援の輪を広げるため、本市のシンボルであり観光の中心である天守閣の入場料収入をウクライナの避難民支援への寄附に充てることとしたものでございます。 続きまして、小田原城天守閣のカラーライトアップでございますけれども、このたびのロシアのウクライナへの軍事侵攻に対する市長の抗議声明の発表などを受けまして、市の姿勢を明確に示すとともに、多くの方に平和の大切さを意識していただくため実施したものでございます。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) それぞれの理由については理解したところでございますが、それでは伺います。軍事侵攻は、国際社会の平和と秩序、安全を脅かす侵略行為として断じて容認できないとのことでありますが、市長の抗議声明で非難している侵略行為とは何か、また、何に違反しているのか伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 抗議声明におきましては、本年2月24日以降のロシアによる軍事侵攻が、明らかにウクライナの主権及び領土を侵害する侵略行為であり、国際法に反するものとして、直ちに中止し、誠意ある対応を強く求めたものでございます。
◆25番(岩田泰明君) そのようなロシアによるウクライナへの軍事侵攻について、市が侵略行為と判断したのはいつでしょうか。
◎総務部長(石川幸彦君) 侵略行為であるかどうかということは、市が判断する事柄ではございませんが、先進7か国(G7)の抗議声明や、
国連総会におきまして、141か国の圧倒的多数でロシアの非難決議が採択されるなど、明らかな侵略行為であったと認識しております。
◆25番(岩田泰明君)
国連総会のその決議等で当然侵略行為と認定する理論はあるわけでありますが、ロシアによる軍事侵攻が違反する国際法とは何か、また、抗議声明は
国連総会決議の内容を踏まえたものであるのか伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 国際法は、条約などによりまして国家間の関係を規定する法であります。領土と主権の尊重、武力の不行使、これは現代の国際法の基本原則でございます。
国連総会決議、G7首脳声明のいずれにおきましても、ロシアの違反行為を強く非難するものであり、本市の抗議声明もこうした考えを踏まえたものでございます。
◆25番(岩田泰明君) 「領土と主権の尊重、武力の不行使は、現代の国際法の基本原則である」とした場合の国際法は、具体的に何を指すのか伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 繰り返しの答弁になりますが、国際法は、条約などにより国家間の関係を規定する法でありまして、この国際法において、領土と主権の尊重、武力の不行使は、現代の国際法の基本原則であると認識しております。
◆25番(岩田泰明君) 国際連合加盟国においては、国際法といった場合の最も上位にあるものは国際連合憲章になると思われるわけでありまして、国際連合憲章第1条には、国際連合の目的として、「国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること」とあり、国際連合憲章第2条4項には、「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない」とされております。市が言う国際法というのは、これを指すのではないかと思うのですが、明確な御答弁をお願いいたします。
◎総務部長(石川幸彦君) 国際法について、今いろいろ述べていただきましたが、先ほど御答弁したとおり、国際法というのはそういうものだということで解釈をしております。
◆25番(岩田泰明君) 国際法というものは、その条約や国際連合憲章のようなものが具体としてあるわけでありまして、そういうものを総称して国際法と言っているわけでありますから、ただいま私が申し上げた国際連合憲章の第1条や第2条4項、こういうものが市の言う国際法に該当するのではないかと申し上げているのですが、それにおいても国際連合憲章という名前が出てこないのは、いささか理解しかねます。国際法とは具体的な条約名や憲章等の名称でお答えをいただきたいと思います。再度の答弁をお願いします。
◎総務部長(石川幸彦君) 今回の抗議声明につきまして、具体的な国際法に基づいて声明を出したということではございませんで、一般的に申し上げております国際法の基本原則にのっとって抗議声明を発出したということでございます。
◆25番(岩田泰明君) 明確な答弁がないのが極めて疑問なのでありますけれども、市が抗議声明の根拠として挙げた
国連総会決議について、それでは伺いますけれども、この
国連総会決議はどのような論理でロシアの行為を侵略行為として認めているのか。当然、国際連合憲章に反する違反行為としているわけですが、その点についてどのように認識しているか伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) ロシアへの非難決議が141か国の圧倒的多数で採択された、このことが重要な事実でございまして、その決議の詳細につきまして、市はこの場で答弁する立場にはないと思っております。
◆25番(岩田泰明君) 驚きの答弁でありまして、多くの国が言っているからという話ではないのです。当然、多くの国は、その
国連総会決議の中身が妥当なものだと判断するから賛成しているからでありまして、
国連総会決議には、そのロシアの侵略を非難する根拠というのはしっかり書かれているわけであります。その総会決議の中にはどういうふうに書いてあるかといいますと、このES-11/1の中ですが、「ウクライナに対する侵略」のところに、要するに端的に言って、16点挙げているのですが、「憲章第2条(4)に違反するロシア連邦によるウクライナへの侵略を最も強い言葉で遺憾の意を表明する」と、こう書いてあるわけです。ですから、このロシアの侵略については、当然、国際連合憲章第2条4項違反が問題になっているのではないのですか、市の見解を伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 繰り返しの答弁になりますが、国連の決議の詳細につきましては答弁を控えます。
◆25番(岩田泰明君) これは大変残念なことなのです。つまり、そんなに難しいことを聞いているのではないのです。市が抗議声明を出したのは、私は正しいと思うのです。これはいいと思うわけです。その根拠が、当然市として外交・安保等を担当する国際部局を直接持っているわけではありませんので、様々な情報でこれを参酌して妥当と思われるものを拾うということは当然あっていいわけでありまして、その
国連総会決議を挙げているときに、
国連総会決議の中身について確認をしないで、多くの国が言っているからこれはいいのだというのでは、全く論理的な正当性を人に説明できないと思うわけであります。 そこで伺いますけれども、3月4日の市長声明では、「人々の尊い命と平和な暮らしが理不尽に奪われている」、「国際社会の平和と秩序、安全を脅かすもの」、「超大国が巨大な武力をもって一方的に国家の主権を侵害する行為に、強い憤りを覚える」という3点が、「断固抗議するとともに、この侵略行為を直ちに中止し、国際法を遵守した誠意ある対応を強く求める」根拠として挙げられております。そこで、少し脇にそれますけれども、まず超大国ではない国家による主権を侵害する行為も許されないと思いますが、見解を伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) どのような国であれ、他国の主権を侵害する行為は許されないものと考えております。
◆25番(岩田泰明君) それは、大変原則的で納得できる答弁だと思うわけですけれども、では、この3点を満たすような事態がほかに発生した場合には、あるいはある場合には、市長は同様の声明を行うのか伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 今回、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻につきましては、平和都市を宣言する本市として、市議会における決議と歩調を合わせて、同じ思いで抗議声明を行ったものでございます。今後、同じように抗議声明を行うかどうかにつきましては、具体的な状況に応じて総合的に判断していくことになると思います。 以上です。
◆25番(岩田泰明君) 今、本市議会の決議を挙げられましたが、本市議会は、決議として市にも同様の態度を取ることを求めたものではありませんで、独自に市としての態度を表明されたわけですので、市として今後独自に判断されるということなのだろうと思いますが、先ほど引用いたしました抗議声明で挙げている主権への侵害、これはいかなる国であっても許されないという御答弁でございましたので、現在、他国の軍事介入、占領を受け、あるいは過去に受けた国や地域、例えばシリアであるとかパレスチナ、イエメン、西サハラ、過去の戦争で言えばイラク戦争や新ユーゴ空爆など、これらについて、市答弁で触れた国際法に違反するものかどうかを伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 他国への侵略行為であったかどうかなど、国際紛争の個々の事例について、市として判断する立場にはないと考えております。
◆25番(岩田泰明君) ただいまの答弁は、他国への侵略行為であったかなど、国際紛争の個々の事例については判断する立場にはないとの御答弁でございましたけれども、ロシアのウクライナ侵略に関わっては、その判断を行って抗議声明を発しているわけでありまして、答弁が矛盾していると思われます。 個別事例について判断できるからこそ、その判断に基づく賛同やあるいは非難、抗議の行為を行えるのではないのでしょうか。本市は、侵略行為であったか判断していないにもかかわらず侵略と断定した、こういうことでよろしいのでしょうか、本市の見解を伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 本市が侵略行為であるということを判断したということではなく、国連決議において、ロシアの行為が侵略行為であると判断したことを受けて、声明を発表したものでございます。
◆25番(岩田泰明君)
地方自治法上のどこを読んでも、
国連総会決議があったからといって、直ちに自治体として声明を発しなければいけないという規定はないわけでありまして、あくまで法として長の事務の内に含まれる、可能の業務の範囲の中において、当該地方公共団体が主体的判断の下にその行為をなしているわけでありますから、
国連総会決議があるということをもって、直ちに抗議声明を発出する理由にはならないのでありまして、当然、
国連総会決議なりの妥当性を市が独自に判断して声明を発出するということになるのだろうと思います。 その点で伺いますけれども、例えば個別の事案ですけれども、1999年の新ユーゴ空爆において、新ユーゴを空爆したNATO諸国に対し、国連安保理はいかなる武力行使の権限も与えておりません。また、新ユーゴがNATO諸国に武力攻撃または武力による威嚇を行った事実もございません。しかし、NATO諸国は、コソボ自治州での人道危機に対応するためとして軍事侵攻を正当化し、新ユーゴに空爆を行いました。 これはまさに、ロシアがウクライナ侵攻に当たって採用した論理と同様のものであります。ドンバス地方の人道的危機を喧伝し、ウクライナの非ナチ化を言って、侵攻を正当化するプーチン政権に対して、これを適切に批判するには、当然、新ユーゴ空爆の際にNATOが取ったような論理、行動というものは、国際連合憲章に違反するものと判断する必要があると考えますが、本市の見解を伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 何度も繰り返しになりますが、市は、個別の国際紛争の個々の事例について判断する立場にはございません。
◆25番(岩田泰明君) ロシアという固有の国家が、ウクライナという特定される国家に対して侵略行為を行っていて、これに対する抗議声明を出したのが、個別具体の事例でないとするそういう論理は、理解ができないわけでありまして、続けて伺います。 同様に、イラク戦争においては、米英などは自らがイラク侵攻を可能とするための決議案を安保理に提出していながら、フランスを含めた多数により否決される可能性が高まると、安保理決議を無視して、湾岸戦争時の決議678の授権規定が復活したものとしてイラクに対し侵攻を開始しております。これも、大国が恣意的に武力行使を行った事例と判断することが可能と考えますが、本市の見解を伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 何度も同じ答弁になって恐縮ですが、国際紛争の個々の事例について判断する立場にはないと考えております。
◆25番(岩田泰明君) 大変残念な御答弁でございますけれども、ロシアのウクライナ侵略という個別具体の案件については、これを侵略と判断して非難するけれども、それ以外の国による国際連合憲章違反の武力行使については、判断を回避しております。これは明白な二重基準であります。抗議声明の価値を大きくおとしめるものと言わざるを得ません。 現在、ウクライナ難民が大量に発生しております。これへの欧州の対応が、シリア難民の欧州への流入に対する対応と全く異なることが問題視されております。この対応差の象徴的発言が、ブルガリアのペトコフ首相の「(ウクライナ人は)我々が見慣れた難民ではなく、教養のある欧州人だ。テロリストかもしれない人々とは違う」との発言に示されております。 このような二重基準を示すことは、米国やNATOを批判するときには国際連合憲章を持ち出すが、自らの武力侵攻についてはこれを正当化するロシア・プーチン政権と同じ態度と言えます。 このような姿勢で他国を非難しても、それは、自国の利益あるいは自国の所属する陣営の利害からであって普遍性を持たない主張とみなされるものと考えます。本市抗議声明はそういった性格のものなのか伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 今回の抗議声明でございますが、そもそも抗議声明というのは、何か基準があってその基準に達したから声明を出す、基準に達しないから出さないという性格のものではないと考えております。今回の声明の中にもありますように、今回この声明を出した理由というのは、ロシアの行為が断じて容認できない、強い憤りを覚える、その気持ちの表れでございますので、基準に達しているから出した、事務的に出したものではございません。また、逆に非難声明を出していない紛争について、これを全て肯定するというものでもございません。 以上です。
◆25番(岩田泰明君) お気持ちはそのとおりだと思うのです。ですからこそ、
国連総会でも国連加盟国はその感情の赴くままに感情を吐露するのではなくて、その感情を具体的に法理として明らかにするために、国際連合憲章第2条4項違反というのを出しているわけです。それがほかの事例について当てはまるのかどうかというのは、当然問われるわけでありまして、市のこの間の御答弁を見ましても、
国連総会決議、まあG7とかを出されていましたけれども、G7というのは国連加盟国の中の僅か7か国でございますので、当然、その正当性というのは、193か国が加盟する
国連総会決議の下に包含されると言ってよいわけでありまして、この
国連総会決議が市の唯一の根拠とならざるを得ないと思いますが、これに相違ございませんかお伺いいたします。
◎総務部長(石川幸彦君)
国連総会決議がなされたということは、世界の多くの国々が同じ思いを持っているということの証左があるというふうには考えております。今回の件につきましては、小田原市民を含む多くの方々が、この行為に対して悲しみや憤りを覚えているわけで、それに応える形で市として抗議声明を発したということでございます。
◆25番(岩田泰明君) ですから、全くそのとおりだと思うわけでありまして、だからこそお伺いしているわけでありまして、例えば国際紛争において
国連総会決議があるものというのがございます。決議趣旨に沿って抗議声明を出すのが当然かと思うわけですけれども、そういった国際社会の多数が非難した事案について、例えば1983年の米国がグレナダに侵攻した際、これを非難した国際連合総会決議がございますけれども、例えばこのグレナダ侵攻については、本市の見解はどのようになっているのか伺います。
◎総務部長(石川幸彦君) 先ほど来、何度も御答弁しておりますように、個々の国際紛争の事例について、市は何かを述べる立場にはございません。これは過去のことに関しても同じでございます。