小田原市議会 > 2022-06-17 >
06月17日-04号

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  1. 小田原市議会 2022-06-17
    06月17日-04号


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    令和 4年  6月 定例会         令和4年          小田原市議会6月定例会会議録(第4日)令和4年6月17日-----------------------------------出席議員(27名)         1番     安野裕子議員         2番     鈴木敦子議員         3番     川久保昌彦議員         4番     角田真美議員         5番     荒井信一議員         6番     金崎 達議員         7番     宮原元紀議員         8番     篠原 弘議員         9番     大川 裕議員        10番     鈴木和宏議員        11番     鈴木美伸議員        12番     杉山三郎議員        13番     鈴木紀雄議員        14番     木村正彦議員        15番     奥山孝二郎議員        16番     楊 隆子議員        17番     神戸秀典議員        18番     池田彩乃議員        19番     井上昌彦議員        20番     加藤仁司議員        21番     武松 忠議員        22番     小谷英次郎議員        23番     横田英司議員        24番     田中利恵子議員        25番     岩田泰明議員        26番     清水隆男議員        27番     俵 鋼太郎議員-----------------------------------説明のため出席した者  市長            守屋輝彦君  副市長           鳥海義文君  副市長           玉木真人君  教育長           柳下正祐君  理事・企画部長       杉本錦也君  理事・都市部長       石塚省二君  総務部長          石川幸彦君  財政・資産経営担当部長   石井裕樹君  防災部長          韮澤浩一君  文化部長          鈴木裕一君  環境部長          藤澤隆則君  福祉健康部長        中津川英二君  経済部長          武井好博君  観光・美食のまちづくり担当部長                遠藤孝枝君  建設部長          杉山忠嘉君  消防長           渋谷精二君  教育部長          飯田義一君  総務課長          小川 均君  財政課長          福井康文君-----------------------------------事務局職員出席者  事務局長          柏木敏幸  副事務局長         室伏正彦  議事調査担当課長      高橋洋子  総務係長          城所淳子  議事調査係長        橋本 昇  主査            本多博明----------------------------------- ○議長(大川裕君) ただいまから昨日に引き続きまして小田原市議会6月定例会を開きます。     午前10時0分 開議 ○議長(大川裕君) 本日の出席議員は全員であります。定足数に達しておりますので、これより直ちに本日の会議を開きます。----------------------------------- ○議長(大川裕君) 昨日に引き続きまして一般質問を行います。 それでは、発言者を指名いたします。 10番鈴木議員、登壇願います。     〔10番(鈴木和宏君)登壇 拍手〕 ◆10番(鈴木和宏君) 皆様、おはようございます。10番・誠風・鈴木和宏でございます。それでは、通告に従い質問をしてまいります。 大項目の1、市内農業生産基盤について。 小田原市は、温暖で穏やかな気候であることから、様々な農産物の生産に向いており、高低差や土質の違いは、多彩な食文化を支える土台となっています。 私の家も、古来、稲作農家と海に出ての漁師を営んでいましたが、明治の頃からはミカン作りを主に取り組むようになりました。当時は、資材や作物の運搬は牛車であり、農道はよくて石畳という状況でした。自動車という文明の利器がもたらされてからは、地域の農家が集まり、舗装用の資材と労働力を出し合って農道の整備をしたり、石切場から毎日一つずつ石を買い、それを背負ってミカン山に登り、石垣を組むという時代でした。それでも、ミカンの価格は高く、ミカンの収穫を迎える冬の繁忙期には、東北や信越から稲刈りを終えた労働者がミカンの手伝いにやってきました。 その後、消費者の志向の変化による生産過剰とオレンジの輸入自由化で、ミカンの価格は暴落し、それ以来、低価格のままです。価格低迷により、後継もなく、高齢化した農家が細々と営農に取り組み、農家は自分の代で終わりという声も聞きます。 私の住む早川地区の話で恐縮ですが、宮の沢農道という杉、ヒノキの山林を走る農道があり、舗装されているとはいえ、ふだんより湿っているため、コケが生えていることから、ミカンを満載して下るときは、危険を避けるために大きく迂回する必要があります。 また、広域農道や農免農道は、バイパスとしての山と山をつなぐ、いわゆる横道と呼ばれるものですが、今取り上げている農道は、山と麓の集落を結ぶ縦の道であり、居住地から営農地までの連絡道の役割を果たしています。しかし、大雨が降った際には、舗装された農道は排水路と化し、雨水は集められ、川のように流れていきます。反面、地震や津波の際には、縁辺部に住む方にとっては、居住地からの避難路として機能します。 一方、稲作を営む地域では、豊かな田園風景が広がるものの、宅地化が進み、過去に農業用の水路として使われた水路も、家屋のすぐ隣を流れたり、暗渠となったりしています。こうした水路は、急な増水にも対応できるよう、水利組合や農地を所有する農家が共同で、護岸の補修や藻を切る作業ということを毎年行いながら、災害を防ぐ機能を果たしてきました。 しかし、近年は農家の高齢化が進み、農家による水路の管理が難しくなってきており、さらに自治会でも、高齢化などで河床の砂をさらう作業も困難になりつつあり、その役割を行政が補完することも増えてきました。 そこで伺ってまいりますが、現在把握している市内農地の経営耕地面積荒廃農地面積、また、高齢化が進む本市農業専従者の平均年齢について伺います。 次に、農道を含め、本市の農業施設の整備要望について、どのような要望が多いのか、またその件数、そしてその把握方法について伺います。 また、限りある予算の中で優先順位をつける必要がありますが、その決定の方法について伺います。 次に、先ほど述べたように、地域に水利組合や生産組合のような組織がある中で、高齢化や人口減少などで農業施設の維持が難しい事例も、最近見受けます。昨年度、市が負担した農業用水の維持工事の件数について伺います。 次に、大項目の2として、アニメを生かしたまちづくりについて伺います。 昨年本市は、全国初となるガンダムマンホールの寄贈を受け、市内2か所に設置されました。これを契機に、「機動戦士ガンダム」の監督で有名な富野由悠季監督が、本市のふるさと大使に就任してくださいました。さらに、このデザインを生かして、本市発行のナンバープレートにもデザインが採用されました。 マンホールプロジェクトについては、富野監督の生まれ故郷である小田原だからこそ、全国で一番に採用されたわけですが、先日、相模原においてもガンダムとザクⅡ、いわゆる量産型ザクのマンホールが設置されることになりました。このマンホールプロジェクトは、株式会社バンダイナムコが、ガンダムを社会的なアイコンやキャラクターとして認知してもらえるよう実施される施策であります。 ガンダムが好きな人は大勢います。私も、本市の職員の方も。そして、ファンは日本だけでなく世界中です。ガンプラの売上げの半分が海外であり、国内でも慢性の品不足のニュースを聞いています。また、実物大のモビルスーツが横浜や上海で作られています。世界の多くの人が目を向けています。 では、ガンダムに関連して小田原特有のものは何かといえば、富野監督の生まれ故郷だということです。私たちは、ガンダムだけでなく様々なアニメーション作品の監督である富野監督に、もっと寄り添うべきと考えます。「海のトリトン」、「勇者ライディーン」、「無敵超人ザンボット3」、「伝説巨神イデオン」、「戦闘メカ ザブングル」、「ラ・セーヌの星」、「聖戦士ダンバイン」等々、皆さん、胸が熱くなる作品は多数に及びます。そこで伺ってまいります。 本市において、ガンダムマンホールとガンダム御当地ナンバープレートの施策がなされましたが、1点目として、どういった団体がこの発案をされたのか。 2点目として、本市の所管はどこであったのか伺います。 3点目として、富野監督の作品の著作権を持っているのはどういった組織で、どのような条件が求められているのか伺います。 さらに、マンホールやナンバープレートの導入は、経済界や市民にとって、有形無形のよい効果が生まれていると思います。4点目として、改めてこれらの効果について、本市はどのように捉えているのかを伺います。 次に、一口に富野監督に寄り添うといっても、様々な課題があると考えます。そこで、施策推進の上での課題を伺ってまいります。 まず、今回、マンホールやナンバープレートという形で実を結んだわけですが、今後こういったコンテンツを増やしていくとしたときに、どういった課題があるのか伺います。 次に移ります。この4月3日の日経新聞、日曜日の特集記事に富野監督が取り上げられました。記事の内容は、子供の頃のことやアニメーションを目指したいきさつ、善悪は立場によって変わるという視点。これは当時、勧善懲悪一辺倒であった子供向けの作品としては異例でした。そして、妥協しない姿勢や、子供が見るからこそ全力で作品作りに取り組む姿勢を取り上げるなど、富野監督御本人にフォーカスした記事でした。 また、2019年から2021年にかけて、「富野由悠季の世界」という展覧会が、全国8か所で開催されました。私は、富野監督の生まれ故郷、小田原でも展覧会を開催できたらと考えています。それは、市民の意識の醸成や、富野監督御自身の監督となられる前の作品や、作品を通じて貫かれている思想など、小田原市民が知る、またとない機会となるからです。そこで伺いますが、本市の富野由悠季氏への思いについて、市長の御所見を伺いたいと思います。 大項目の3として、地域の食材を学校給食で利用する取組について伺います。 今年、令和4年5月31日の日本農業新聞の一面記事に、令和3年度の文部科学省の調査で、学校給食の地場産物と国産食材の使用割合が、ともに増加していることが掲載されました。調査は、各都道府県の単独調理場か、共同調理場を七つ抽出し、令和3年6月と11月の各5日間の地場産物と国産食材の使用割合を、金額ベースで調べたものです。その結果は、都道府県別では、地場産物の使用割合が最も高いのは山口県で85.2%、国産食材では長野県で97.7%となっております。また、神奈川県は、金額ベースで地場産物が31.4%、国産食材が81.6%となっていました。 昨年度より始まった、文部科学省の進めている第4次食育推進基本計画では、学校給食で使用する地場産物、国産食材の割合を、令和元年度より向上させた都道府県の割合を9割以上とすることを目標に掲げています。 さて、本市におきましては、第2期食育推進計画健康増進計画等と令和5年度に一本化されることが決まり、令和4年度におきましては、まさに見直しの作業中となっております。現在の第2期食育推進計画は、基本理念、計画の視点、基本目標、計画目標、施策の体系から成り、計画の視点4の「学校、幼稚園・保育所等における食育の推進」、また基本目標2の(1)には「地産地消の推進」という項目も見受けられ、健康増進計画等と令和5年度に一本化された後、総合計画の中の「美食のまち小田原」という観点から、どのように進んでいくのか興味深いところであります。 今回質問に至った背景として、私自身、生産者であることから、学校給食で旬の野菜や取れたての果実を児童生徒に食べてほしいという考えが第一です。また、昼の日本放送のニュースで、学校給食でマツバガニが一杯出たとか、松阪牛が出たといった知らせを見るたびに、小田原でもこういったごちそうができないものかと考えたのが始まりでございます。当然、給食として、1食当たりのコストでこういった高級食材を出せるわけではないと思ったのですが、調査をするうちにいろいろなことが分かりました。 そこで、学校給食にもっと地元食材を使いましょうよという立場で質問をさせていただきます。 まず、神奈川県西部に位置する本市は、農産物でも県内有数のものがあり、温州ミカンだけでなく神奈川県オリジナル品種の湘南ゴールドや梅、レモン、キウイフルーツ、下中たまねぎ、神奈川初の特Aランクのはるみ米など、様々な農産物が栽培されており、JAかながわ西湘や小田原青果市場などで取引がなされています。大項目の1で触れたように、農家の高齢化などから年々生産量は減っていると思いますが、伺います。 本市の農業産出額の過去5年の推移と、本市農産物の中で神奈川県内で栽培面積1位となっている農産物について伺います。 次に、本市の水揚げ量についてですが、本市には、早川に新鮮な鮮魚や活魚が水揚げされる小田原漁港があり、さらにその魚がすぐ公正・公平に取引される小田原市公設水産地方卸売市場があります。しかしながら、ここ数年、その魚を食べられる機会が減っているようにも感じています。そこで伺います。 小田原漁港に水揚げされる漁獲量は、過去5年間どのような推移になっているのか、また、水揚げされる魚種にはどのような特徴があるのか伺います。 次に、学校給食に地域食材を使う取組について伺います。 学校給食に地域食材を使う取組については、平成26年度に、早川小学校において地魚を使った学校給食メニューが展開されたと記憶しております。非常によい取組であり、早川小学校だけでなく、地域からも高い評価を得た取組であったと思います。そこで伺います。 平成26年度の取組の目的や内容は、どのような取組であったのか伺います。 また、この取組についてどういった課題があり、どうしてモデル的な取組で終わってしまったのかを伺います。 最後に、現在の学校給食費と1食当たりの主食、副食、牛乳の単価の内訳、令和3年度の学校給食の地場産物の割合について伺います。 以上をもって、登壇しての質問を終わります。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 10番鈴木議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、本市の経営耕地面積荒廃農地面積、農業専従者の平均年齢について質問がございました。2020年農林業センサス及び農林水産省の「令和2年荒廃農地の発生・解消に関する調査」によりますと、経営耕地面積は約871ヘクタールで、荒廃農地面積は約178ヘクタールとなっております。また、年間150日以上農業に従事した、いわゆる農業専従者の平均年齢は69歳となっております。 次に、農業用施設の新設・改良等の整備要望について質問がございました。農業用施設の整備要望の内容につきましては、農道は拡幅、用排水路はコンクリート化、水門は施設の更新が多い状況です。また、令和3年度に本市に寄せられた施設整備に係る要望件数は、農道が29件、用排水路が33件、水門が14件で、合計76件となっており、かながわ西湘農業協同組合、小田原市農業委員会、土地改良区や生産組合など農業団体からの要望や、個人からの申出により把握しております。 次に、農業用施設の整備要望に対する優先順位の決定方法について質問がございました。農業用施設の整備要望につきましては、毎年多くの要望が寄せられているところでございますが、優先順位につきましては、周辺の施設や営農等の状況、受益の範囲、地権者等権利者の同意など、必要性を総合的に勘案して決定しております。 次に、農業用水路の維持修繕工事の件数について質問がございました。令和3年度に実施した農業用水路の維持修繕工事の件数は、水門に関する工事も含め44件であります。工事の内容としては、護岸の修繕が多い状況です。 次に、アニメ作品を生かしたまちづくりについて、富野由悠季氏を生かした事業の発案についての質問でございます。ガンダムデザインマンホールにつきましては、小田原青年会議所から市へ提案がされたことが始まりであり、それを公民連携団体である小田原城誘客プロジェクトにおいて実現させたものでございます。原動機付自転車の御当地ナンバープレートにつきましては、小田原管内青少年交通安全連絡協議会からの作成の提案があったことを受け、市としてガンダムデザインの使用を検討し、事業実施に至ったものでございます。 次に、富野氏の作品を活用した事業の所管について質問がございました。マンホールは下水道整備課及び経営総務課、ナンバープレートは市税総務課が所管となっており、事業ごとに分かれておりますが、著作権会社とのガンダムデザイン使用等の調整については、観光課が窓口となり事業を展開してまいりました。窓口を一本化することにより、スムーズな調整が可能となり、スピード感を持って事業を進めることができたと考えております。 次に、富野氏の作品の著作権等について質問がございました。富野氏の作品の著作権につきましては、株式会社バンダイナムコフィルムワークスや株式会社創通など、その作品ごとに数社が分かれて管理をしております。使用の条件は、ガンダムデザインマンホールのデザイン及びマンホール蓋の写真などを広報活動に使用する場合に、著作権会社からの事前承認が必要であることや、コピーライツの表記、その内容によって使用料が生じるといったものでございます。 次に、ガンダムデザインマンホール及び御当地ナンバープレートの効果について質問がございました。これらの取組は、様々なメディアに掲載されるとともに、SNS上にて多くの投稿が寄せられるなど、本市のPRにつながっております。御当地ナンバープレートは、市内郵便局、小田原警察署及びさがみ信用金庫の営業車両に採用されたほか、市民からのナンバー登録希望も多く、キャラクターの根強い人気を再認識しております。こうしたことから、原作者の富野氏の出身地として、アニメコンテンツを生かした新たな層へのアプローチが図られたと捉えております。 次に、富野氏の作品を生かした取組の課題について質問がございました。今後、効果的に富野氏の作品を生かした誘客事業を展開していくために、まずは市民意識の醸成が必要であると認識しております。そのため、市民に対しては、富野氏が本市出身のふるさと大使であることや、ガンダムだけではない、富野氏の様々な作品や功績などを幅広い世代に認知してもらうことが重要と考えます。また、市全体で盛り上がりを見せていくためには、グッズ販売など、行政だけではなく民間事業者も富野氏の作品を活用できるよう、その使用に関する著作権の取扱いについて関係会社と調整し、その体制を構築していかなければならないと考えております。 次に、本市の富野由悠季氏への思いについて質問がございました。日本のみならず、世界のアニメ界に数多くの功績を残している富野氏が、小田原出身であるということを誇りに感じております。また、富野氏は、「自分の作品は小田原の風土から影響を受け、そのキャラクターも小田原出身である」と述べており、世界的に有名な作品の背景が小田原にあることも、感慨深く受け止めております。今後は、富野氏個人と数々の作品にスポットを当てた事業を展開し、本市独自のアニメコンテンツを生かした誘客施策を推進していくと同時に、市民をはじめ多くの方に、富野氏の功績を顕彰していきたいと考えております。 次に、地域の食材を学校給食で利用する取組についてのうち、まず本市の農業産出額の推移と、神奈川県内で栽培面積1位の農産物についての質問にお答えいたします。過去5年間の農業産出額推計は、平成28年が44億5000万円、平成29年が46億9000万円、平成30年が40億4000万円、令和元年が35億8000万円、令和2年が34億8000万円で、減少傾向にございます。また、本市が神奈川県内で栽培面積1位の農産物は、温州ミカン、梅、キウイフルーツ、タマネギであります。 次に、小田原漁港の漁獲量について質問がございました。小田原漁港に水揚げされる漁獲量の過去5年間の実績につきましては、平成29年度が1984トン、平成30年度が1704トン、令和元年度が1674トン、令和2年度が2788トン、令和3年度が2876トンで、ここ2年は増加している状況であります。 次に、水揚げされる魚種の特徴について質問がございました。ここ数年の水揚げ量が多い業種といたしましては、サバ、イワシ、ブリ、アジ、カマスが上位5種となっております。年度によって、ソウダガツオが大量に水揚げされたときもありました。また、磯の王者と呼ばれるイシダイが、定置網で大量に水揚げされることも特徴であります。 次に、地魚を使った給食の目的や内容について質問がございました。小田原の魚ブランド化消費拡大協議会では、事業の一環として、地魚を使った学校給食のメニュー化に取り組んでおります。平成26年度には早川小学校をモデル校とし、9月から3月までの7か月間、月に1度、小田原漁港に水揚げされたシイラ、ゴマサバ、カマス、ワカシ、小アジ、イシダイを学校給食のメニューに取り入れました。これらは、どれも漁獲量はあるものの低利用魚であり、これら魚種をメニューに取り入れることで、資源の有効活用や新たな価値を見いだすことにつながると考えたものであります。 次に、地魚を使った給食の課題について質問がございました。平成26年度の取組において、課題といたしまして、学校給食では、魚種を含めて使用する月の1か月以上前までにメニューを決定する必要があること、食材費を所定の範囲内に抑えるため、低利用魚の活用を図ったところでございますが、これらの魚につきましては、それぞれに応じた調理方法が必要となってしまうことなどが挙げられます。また、一定量を安定的に確保する必要があるため、平成27年度以降は、水産加工品として定着したかます棒のみ、多くの学校給食で提供しているものでございます。 10番鈴木議員の御質問の学校給食の取組のうち、学校教育に関する御質問につきましては、教育長からの答弁といたします。 以上をもちまして、10番鈴木議員の御質問に対しての答弁といたします。 ◎教育長(柳下正祐君) 10番鈴木議員の御質問のうち、学校給食の取組については、私から答弁をさせていただきます。 学校給食費の月額ですけれども、小学校が4300円、中学校が5000円、幼稚園が3900円となっております。1食当たりの単価ですが、小学校で257円。内訳は、主食59円、副食144円、牛乳54円であります。中学校の単価は307円で、内訳は、主食が66円、副食187円、牛乳が54円です。幼稚園の単価は230円で、内訳は、主食50円、副食121円、牛乳59円でございます。 令和3年度の学校給食の地場産物の割合につきましては、市内産を含む県内産が35.4%と、目標値の30%を上回ってございます。このうち市内産の食材は、鮮魚、青果、豆腐、練り製品等で、全体の14.3%でございます。 以上をもちまして、10番鈴木議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。 ◆10番(鈴木和宏君) それでは、大項目の1、3、2の順に、再質問をさせていただきます。 平成28年に、私が過去、同様の質問をいたしましたが、現在の農業専従者の平均年齢が69歳であると聞きまして、今後の本市農家の高齢化はますます進み、あと何年かすると、担い手が一気に減るときが来ると、私は考えます。新規就農者等の課題は、今後の質問とさせていただきますが、いずれにしても、農地の持つ多面的な機能を維持すべきと考えたときに、今後打つ、一手一手が重要になってまいります。 農道や用排水路といった農業用施設については、農家の高齢化や減少が進む中、維持管理が難しくなっていくのではと危機感を覚えております。同時に、自らの農地や、それを支える農業用施設を自ら守るという気概を育てることが、私は肝要と考えております。 そこで伺います。農政課として、地域でできることは地域でできるように、改めてお願いをすべきではないかと考えます。いかがでしょうか。 また、そうした取組の中で、整備・修繕する箇所を増やすべきと考えますが、御所見を伺います。 ◎経済部長(武井好博君) 農業用施設の維持管理に関する地域の取組について御質問がございました。農業従事者の高齢化や減少が進む中、本市では、農業従事者や地域が連携し、農業用施設の軽微な修繕を行うといった共同活動に対して支援する、農業の有する多面的機能発揮促進事業を展開しておりまして、現在、早川地区をはじめ9団体に取り組んでいただいているところでございます。今後も引き続き、このような取組に対して支援を行うとともに、拡充に努めまして、地域の活動を促進し、維持修繕を進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆10番(鈴木和宏君) 答弁いただきました。多面的機能の交付金については、本当にすばらしい取組であると思います。ぜひ、今後も進めていただきたいと思います。 農業従事者の中には、地域の中でリーダー的な役割を担って、その住む地域と連携し協働している方もいらっしゃいます。そういった方のやり方も学びながら、さらに組織化を進め、多くの方々の参加の下、農業施設の機能維持や保全ができるように要望いたします。 以上で、大項目の1を終わります。 次に、大項目の3に移ってまいります。 折しもタマネギの季節でございます。先日、うちの娘が、給食で下中たまねぎが出たと教えてくれました。給食中に小学校のテレビ放送で、調理員さんがタマネギを角切りをしているところが流れたそうです。すばらしい取組と思います。 実は、今回質問をする中で、いかに高価な食材を出そうかと考えていましたけれども、先ほどの小学校での地魚の取組を聞くに至り、小田原には世界に誇る食材があるのだと気づかされました。かつ、主食を100円以下に抑えているので、実は経済的に、継続的に食材として扱うことができるのだと。また、今回の給食費の補正予算の件もありますけれども、ロシアによるウクライナ侵攻で、小麦や燃料の価格が上がっていること、また佐賀県でのタマネギの不作で、全国的にタマネギの価格が上昇している、こういったことも考えますと、今後、給食における材料費の高騰はまだ続くかもしれません。そこで、地元産の農作物や魚介といったものが、改めて注目されるのではないでしょうか。 先ほどいただいた答弁では、農作物については、県内でも1位の産物が多くあり、水産物についても、年度によって魚種は変わるものの、特色ある魚が水揚げされています。 平成26年に行われた取組は、大変興味深いものです。文部科学省の進める地場産の材料の利用比率を高める目標と、今後の材料費の高騰を理由に地場産物の利用を高める方向で質問を続けたいと思います。 伺います。学校給食の材料の仕入先はどのようになっているのか、また、実際に給食が提供されるまでの流れを伺います。 ◎教育部長(飯田義一君) 学校給食の仕入先と給食提供の流れについて御質問をいただきました。本市の学校給食の食材は、市に納入業者登録をしている69の業者から仕入れておりまして、うち市内業者は55業者でございます。食材を確実に確保するため、各栄養士は、給食を提供する月の前々月の月末までに1か月分の献立を決めまして、その後、注文書を教育委員会に提出し、教育委員会から毎月中旬に各納入業者に、翌月の1か月分の食材をまとめて発注しております。調理に用います食材につきましては、給食の当日に各納入業者から調理施設に納入していただきまして、調理場のほうでは、献立ごとに調理手順に従って調理いたしまして、これを各学級に配膳し、適温で給食を提供しているという、こういった流れでございます。 以上でございます。 ◆10番(鈴木和宏君) 給食の発注の方法、献立を前もって定める仕組み、また、それが確実に届かないといけないこと、なかなか課題は多そうであると思います。 地場産物を多く利用するためには、どのようにしたらよいのか。納入業者にその旨を伝えるのか。誰がその責を担うのでしょうか。 続けて伺ってまいります。栄養士が、地場産物を使用した献立を作成する上での課題について伺います。 ◎教育部長(飯田義一君) 地場産物を使った献立の課題について御質問がございました。地場産物を使用する上での課題としましては、本市の農産物の特徴が、少量多品目の栽培であるため、学校給食で使用ができるのは、生産量が多い、限られた種類の農産物になるということが挙げられます。 以上でございます。 ◆10番(鈴木和宏君) 先日、若手農家と話をする機会がございました。昨今のコロナ禍の影響で、野菜等作物の出荷量は減っており、営農継続の危機にあるとのことでした。気になるのは、学校給食で利用できるのは、生産量の多い限られた種類の作物が、大きさ等そろっていないために、地場産を使うことが困難であるとのことですけれども、本当にそうでしょうか。 皆さん、小田原でアンコウが取れることを御存じでしょうか。東のアンコウ、西のフクと言われますが、茨城で旬のときにはキロ当たり2000円、高級品になるとキロ5000円だそうです。これが小田原で水揚げされると、キロ500円くらい。季節の終わりの5月となると、キロ50円。漁師は、安いためにその場で海に逃してしまうそうです。これをまとめて加工して、例えば共同冷蔵さんに冷凍してもらい、空揚げとアンコウ鍋にできるのではないでしょうか。あくまで一例ですが、こういった例は数多くございます。 改めて伺いますが、食育を推進する上で、地場産物を学校給食で積極的に利用していく必要があると考えますが、見解を伺います。 ◎教育部長(飯田義一君) 地場産物の学校給食への積極的な利用についての御質問をいただきました。地場産物の給食への利用は、生産者の顔が見えるほか、地域の産物を知ることができるなど、地域に親しみを持ち、食の安全・安心の意識を高める効果があると認識しております。現在、本市の給食では、地場産物を利用した献立といたしまして、かます棒、梅丸ラーメン、おだわらっ子おでんなどの小田原献立や、かまぼこ丼などのかまぼこ献立を提供しているほか、毎月の献立表に、その月に使用している小田原産食材を紹介するなど、給食が生きた教材になるよう食育を推進しているところでございます。ただいまの、アンコウを例に御紹介いただいたわけでございますが、まだまだ、我々としても勉強しなければならないところはあるのかなというふうに考え、感じているところでございます。今後も、積極的に学校給食で地場産物を利用してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆10番(鈴木和宏君) ありがとうございます。先ほどの農業従事者の話もございます。そしてまた、漁業関係者もそうなのですけれども、やはり給食で使いやすいようにこちらも歩み寄る、そういった姿勢がやはり、どうしても必要になってくると思います。ただ一方、なかなか、ではこれから具体にどうしていこうかというときには、疑問が残るところでございます。 もう一点伺います。地場産食材の利用を進める上で、改めてモデル校のような取組を始めるべきと考えますけれども、御所見を伺います。 ◎教育部長(飯田義一君) 給食に地場産物を利用するモデル校についての御質問がございました。本市では、御紹介いただきましたように平成26年度に早川小学校で、地魚を使った給食をモデル実施した経緯がございます。まずは、当時の状況を改めて検証させていただきまして、その上で地場産物を積極的に利用するモデル校の実施について、庁内の関係部署、学校関係、校長や栄養士、あるいは生産者の皆さんを含めまして、関係者による話合いを、まずは行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆10番(鈴木和宏君) 取組を検討していただけるということで、感謝を申し上げます。 先ほど、神奈川県の地場産物は3割で、新聞の文部科学省の情報ですけれども、トップの山口県では8割を超えている状況であります。やはり、目標を超えているからということで満足するべきではなく、8割と3割の差というものもこれからしっかりと検討していただけたらと思います。よろしくお願いします。 続けて、大項目の2に移ってまいりたいと思います。 登壇をいたしまして、富野監督の作品を通じて、何か施策を展開しようとすべき観点から、発案から様々な課題を克服した上での課題などについて伺いました。その中で、施策推進の上で、いただいた答弁により大分問題が整理されたと感じております。 本市職員の中には、ガンダムが好きである職員が大勢いると考えます。私は、市長がこれから施策を進めていく上で、法令や経緯に詳しい生き字引のようなスペシャル公務員と、ショートゴロをサードゴロにするようなスーパー公務員と、両方が必要になると考えております。今回質問するに当たって、「所管は違うのだけれど」と断った上で、熱く語る職員の方々のマグマのようなエネルギーを感じました。 富野監督のファンやガンダム世代は、現在50歳代前半の方が多いと思われますが、今後の施策展開を図っていく上には、この世代の職員や民間の力も必要だと思います。そこで伺いますが、手挙げによるプロジェクトチームを立ち上げるよい機会となると考えるのですが、御所見を伺います。 ◎観光・美食のまちづくり担当部長(遠藤孝枝君) 富野氏を生かした取組のプロジェクトチームの立ち上げについて御質問がございました。富野氏を生かした観光施策につきましては、公民連携の下、実施してきておりまして、この行政や民間という枠を超えた連携は、事業に対する柔軟な発想やスピード感を出すためにも重要であると感じております。こうした経験からも、民間事業者を含めたプロジェクトチームのような組織体制の構築は有効であると考えておりますが、まずは市民意識の醸成など、基盤づくりの段階でありますため、組織の立ち上げに関しては、適切な時期を見極めながら取り組んでまいります。 以上でございます。
    ◆10番(鈴木和宏君) さらに施策推進の質問を進めていきたいと思います。ここまで富野監督の作品を、小田原として施策推進していこうという話を進めてきたのですが、今後、先立つものも必要と考えます。そこで、この案件は、本市の事業の一つと位置づける必要があると考えますが、御所見を伺います。 また、本市で全てを賄うのでなく、地方創生などの補助金活用も必要と考えますけれども、以上2点、御所見を伺います。 ◎観光・美食のまちづくり担当部長(遠藤孝枝君) 富野氏を生かした取組について、本市事業としての位置づけと補助金の活用について御質問がございました。第6次小田原市総合計画におきまして、「e-sports・アニメなどを活用した新たなコンテンツの造成」として、富野氏を生かした取組を含め、本市の事業として位置づけているところでございます。補助金につきましては、アニメコンテンツを生かした観光誘客施策として、地方創生推進交付金の採択を受けているところでございまして、これを財源の一部として活用していく予定でございます。 以上でございます。 ◆10番(鈴木和宏君) ありがとうございます。 市長より先ほど、富野監督への思いを伺いました。私は、市民と共に、このベクトルを束ねて、一つの目標に照準を定めていく必要があると感じています。 先ほど、市民と共に顕彰していきたいと答弁をいただきました。二宮金次郎の生誕地である本市が、二宮尊徳の教えを学校で学ぶように、50年、100年後に社会や歴史、美術の教科書に富野監督の作品を学ぶことがあるかもしれません。そうした際に、やはりそれを語る、語り継ぐ市民がいないといけません。市民講座や市民検定など、市民の意識醸成の仕組みが必要と考えますが、御所見を伺います。 ◎観光・美食のまちづくり担当部長(遠藤孝枝君) 続きまして、市民意識の醸成についての御質問でございます。富野氏のアニメ作品を生かしたまちづくりに向けましては、市民意識の醸成のために、富野氏による講演会の開催や広報紙等への寄稿など、様々なことが考えられます。こうした施策の展開につきましては、富野氏御本人の御意向を踏まえながら、慎重に対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆10番(鈴木和宏君) 2019年のアニメニューヨークというイベントに富野監督が招かれた際には、11月15日をガンダムの日とするという表彰を受けたそうです。またイタリアでは、「無敵鋼人ダイターン3」が国民的アニメとなっており、2017年に富野監督が功労賞を受賞した際に、現地の人がローカライズされたオープニング曲を合唱して出迎えたこともあったそうです。こんな例は枚挙にいとまがないのですが、実は、世界が憧れる富野監督や富野作品に、どこに行ったら巡り会えるのか分からない人々は多いのではないでしょうか。そこで、ぜひ小田原で富野監督を語り合うことができるよう、その環境整備や市民意識の醸成をお願いします。これは要望にとどめます。 続けます。富野監督の作品は、その背景に、生まれ育った小田原での経験や風景が影響していると、何かで読んだ記憶がございます。翻って、私たちのことを考えたとき、今の世の中は誰もが携帯を持っていて、SNSなどで発信者の側に立つことができる。それは、すばらしいものばかりでなく、時に未熟だったり誹謗中傷にあふれたものであったりもしますけれども、その携帯を握る人は、老いも若きもそれまでの人生を生きてきた背景を持ち、何かしらの情動を持って発信をしています。時代は変われども、富野監督が影響を受けた同じ地に我々は生活し、訪れる人はそれを空気として感じている。小田原に関わることで、小田原がその後のその人の人生に、何かよい影響をもたらす地であることを、もっと感謝を持って意識しないといけないと思います。 「世界が憧れるまち“小田原”」は、データを示したり説明をしたりするのではなく、景色を1枚切り取ったり、言葉で描写することで、それを見たり読んだりした人の心が動かされるまちだから、憧れになるのではないかと私は考えます。 話は長くなりましたが、富野監督の全ての作品でなくとも、好きな一つの作品から、その物語そのものや、作り、放送された時代、そのときに監督が感じた思いなど、追いかけることができる仕組みが小田原に必要です。 そこで伺います。富野監督は昨年11月、文部科学省の文化功労者にも選出され、まさに世界が憧れるアニメーション映画監督・原作者であります。「世界が憧れるまち“小田原”」の実現に向けては、小田原市富野由悠季記念館が必要と考えますが、市長の見解を伺います。 ◎市長(守屋輝彦君) 富野由悠季記念館を造ったらどうか、こういう提案でございます。なるほどな、そういうアイデアがあるのだなというふうに受け止めておりますけれども、もし仮に、この世界の数多くのファンがいる富野由悠季監督の記念館をどこに造るかと考えたときに、それはやはり小田原というものも、生誕の地として有力な候補地なのかなとは思います。しかしながら、課題もたくさんございまして、例えば建設場所をどうするか、一体どのくらいの財源が必要なのか、さらには市民みんなの夢を育むような共通の理解ができるのか、そして複数の著作権会社との調整など、様々な課題があるということも、また事実でございます。何よりも大切なのは、富野監督御自身のお考えがどこにあるのかというところでございまして、様々な観点から、その必要性については検討していきたいと考えております。 以上でございます。 ◆10番(鈴木和宏君) 答弁、ありがとうございました。 以前、市長が県議の時代に、小田原に忍者屋敷をということで、視察に私も同行させていただいたことがございました。私どもの誠風の20番加藤仁司会派代表と観光協会の方々と、現地に赴いて、見たものや考えを共有し、本市に帰ってからは、経済部の当時、長谷川部長と意見を交わしながら様々な課題をクリアしていった記憶がございます。記念館は、まさにこういった流れをつくって課題を共有する仕事を、私自身もこれからしなければならないなと感じている次第でございます。 様々、答弁いただきました。これからぜひ前向きに進めていっていただきたいなというところで、あと一点だけお伺いいたします。 プロジェクトチームにつきまして、適切な時期を見極めてとの御答弁でした。プロジェクトチームの立ち上げにつきまして、私がこだわるのは、課題を解決し物事を進めるには、ノウハウではなくノウフーであると。そのとおりであると私は感じています。企業の側からすると、担当窓口の一元化はありがたいことですが、やはり人であると感じます。そこで、横断的に組織を乗り越えて構成されるプロジェクトチームが、やはり向いていると感じます。プロジェクトチームの立ち上げについて、構成員はともかく旗振りは小田原市でしかあり得ないと私は感じています。あらゆる施策を打っていく際に、プロジェクトチームの立ち上げがないと、何も動かないのではないかと考えております。 改めて伺いたいと思います。適切な時期ということでありますけれども、私は可及的速やかに立ち上げるべきと考えますけれども、御所見を伺います。 ◎市長(守屋輝彦君) プロジェクトチーム、本市も様々なプロジェクトチームが今もあります。例えば、女性活躍のプロジェクト。部局の枠を超えてプロジェクトをつくっていく、いろいろな部局横断的に政策課題に対して取り組んでいくということは、大切なことだと思います。特にこの件に関しては、市役所の中だけではなくて、やはり市役所だけが先走っても、先ほどからの答弁にもさせていただいているように、全体がムーブメントを起こしていくという取組が必要だと思います。プロジェクトチームをつくってから考えましょうというやり方ももちろんあるのですが、やはりそういうプロジェクトが必要だよねということが、市役所の中だけではなくて、この公民連携で進めていくという、そんな機運が醸成された暁には、そのプロジェクトチームの設置が必要になってくるのではないかなと考えます。 以上です。 ○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午前11時5分といたします。     午前10時55分 休憩-----------------------------------     午前11時5分 開議 ○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 5番荒井議員、登壇願います。     〔5番(荒井信一君)登壇 拍手〕 ◆5番(荒井信一君) 通告に従い、順次質問いたします。 大項目1、本市におけるデジタルアーカイブの取組について。 本市には、数多くの有形無形の歴史的・文化的資産の蓄積があります。これらを後世につなげていくことは、今の時代を生きる私たちの責務であると考えます。 私は、令和2年9月定例会にて、「戦後75年、小田原市民への平和の心の伝承について」、「本市の戦跡」などの伝承について、また、令和3年9月定例会にて、「自然災害伝承碑の活用について」において、「防災教育の中での自然災害伝承碑を活用してはどうか」など、小田原の地域に存在し、後世に伝えていくべき歴史的・文化的資産について質問してまいりました。 そこで、(1)小田原市デジタルミュージアムについて。 このたびのデジタルミュージアム創設事業は、さきの厚生文教常任委員会にて議案関連事項にて検討されたことは承知していますが、私は、創設事業の方策について伺ってまいります。 この創設事業は、国からのデジタル田園都市国家構想推進交付金・新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源とし、一般会計補正予算においてデジタルミュージアム創設事業費を計上したことは、行政としても積極的に取り組んでいられることは評価いたします。今後、地道ながらも水かさを増やして、さらなるコンテンツの充実を図ることが重要であると考えます。 本市には、有形無形の歴史的・文化的資産の蓄積が存在する中で、デジタル手法を生かして、老若男女を問わず幅広い方々に公開することは、教育分野での効果だけではなく、観光分野においても大きな効果につながるものと考えます。 また、先進事例として千葉県の松戸市、大網白里市が展開しておりますデジタルミュージアムを参考にしているとお伺いしました。そこでは、資料を3D技術や高精細画像で紹介しているコンテンツや、子供向けのコンテンツなどを展開しています。 そこで、本市独自のデジタルミュージアム創設の目的と、今年度の事業の概要について、初めに伺います。 (2)コンテンツの利活用方策について。 学校教育現場、市民の生涯学習の場、また、国内外を含めた観光客への利活用について、それぞれどのような利活用を想定しているのかお伺いいたします。 (3)今後の展開について。 来年度以降における本事業の展開について伺います。デジタルアーカイブの充実、データベースの蓄積は、来年度以降も実施していくのかどうか、また、このデジタルミュージアムを魅力あるものにしていくための今後の展開についてお伺いいたします。 大項目2、スポーツ振興について。 (1)本市のスポーツ施設と公認競技場について。 本市の陸上競技場は、1周400メートルのトラックを有して、第2種公認の公認陸上競技場と伺っています。公認陸上競技場は5種類の区分で、陸上競技を運営するに当たり様々な条件の下で、公認競技会を開催し得る十分な精度のある適切な施設であることを、日本陸上競技連盟が認定するものであると認識しております。 そこで、本市の陸上競技場はどのような施設であり、過去にどのようなレベルの競技大会が開催されてきたのか伺います。 次に、小田原アリーナなどに代表される本市のスポーツ施設は、全国規模の、あるいはプロレベルの大会を開催するために必要な施設の要件を満たしているのかお伺いします。 また、そのような大会を開催するために必要な施設の要件を満たしていない場合、要件を満たすよう修復する意向があるのか伺います。 (2)「ねんりんピックかながわ2022」について。 本年11月に神奈川県にて開催される「ねんりんピックかながわ2022」の概要について伺います。 本市で開催される競技の内容と規模についてですが、ねんりんピックは、60歳以上の方が全国から参加され、スポーツや文化種目の交流大会などのイベントを通し、健康づくりや生きがいづくりに取り組むイベントで、いわゆる高齢者の国民体育大会と認識しています。本市では、ソフトテニスとソフトボールの2種目の交流大会が、小田原テニスガーデンや酒匂川スポーツ広場を中心に開催される予定であり、市実行委員会で準備を進めているとも承知しております。 私は、本市のスポーツ振興としても絶好の機会だと捉えており、ねんりんピックに注視しているところです。そこで、1点目として、この大会を本市はどのように捉えているのか伺います。 2点目として、全国から多くの選手団が本市を訪れ、交流大会に参加することになるが、大会運営をどのような運営体制で行う予定なのか伺います。 3点目として、ソフトテニス、ソフトボールの2種目の選手、監督、スタッフは、小田原市内に宿泊するのか、また、宿泊先から会場までの移動はどのように行うのか伺います。 (3)スポーツツーリズム構想について。 現在、健康寿命の観点から、マラソンやサイクリングなど、日常的にスポーツに取り組む人が増え、大会への参加人数も増加しています。こうした中、神奈川県では、スポーツ大会の参加者や観戦者の、会場付近の周辺観光による誘客を図るスポーツツーリズムを提唱しています。そこで、本市においてスポーツ大会の開催などに合わせて、スポーツツーリズムの考えから、来訪者の滞在時間延長などの観光施策を実施しているのか伺います。 また、ねんりんピックの神奈川県における開催により、本市にも全国から多くの来訪が見込まれますが、ねんりんピック参加者等に対する観光施策を検討しているのか伺います。 大項目3、本市における観光PR施策の展開について。 (1)eスポーツを通じた観光PRについて。 先日の建設経済常任委員会における、補正予算の観光PR事業において、eスポーツコンテンツの造成が計上され、その予算が議決されましたが、アとして、eスポーツはどのようなものなのか、その概要を伺います。 また、本市としてeスポーツを活用し、どのような魅力を発信していこうと考えているのかお伺いいたします。 イとして、eスポーツというと、オンラインによるゲーム対戦を想定するが、そうすると、実際に本市を訪れることの想定が難しいと考えます。そこで、eスポーツを活用し、実際にどのような誘客を実施していくのかお伺いします。 スポーツツーリズムは、スポーツの大会開催などにより誘客を図るものですが、このeスポーツも、大会を通して多くの誘客が可能ではないかと考えています。そこでウとして、本年度におけるeスポーツの大会開催のスケジュールについて伺い、以上、登壇にての質問を終わります。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 5番荒井議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、小田原市デジタルミュージアム創設の目的と今年度の事業概要について質問がございました。小田原市デジタルミュージアムは、本市で所有する歴史的・文化的資料をデジタル化し、インターネット上で公開することで、広く本市の歴史や文化に触れる機会と場を提供し、市民の生涯学習活動の推進、歴史と文化の次世代への継承、並びに学校教育や観光振興等を図ることを目的としております。今年度の事業概要といたしましては、委託業務で目録のデジタル化と資料のデジタル写真撮影を進めるとともに、デジタル化した資料をより効果的に見せるコンテンツの作成を行ってまいります。 次に、デジタルミュージアムの利活用についての御質問です。小田原市デジタルミュージアムは、貴重な資料の高精細画像を鑑賞できるなど、様々なコンテンツを想定しております。学校教育の場では、昔の生活道具について、動画等を交えた分かりやすい内容で、楽しみながら学習できるようなコンテンツ等の利活用を、生涯学習の場では、通常公開することが難しい古文書等の資料を公開するコンテンツ等の利活用を想定しております。また観光面では、文化財マップの活用やVR技術等の先端技術を用いた魅力あるコンテンツを整備することで、小田原を訪れようとする方々を増やしていくことなどを想定しております。 次に、デジタルミュージアムのオープン後の内容の充実と展開について質問がございました。オープン後は、引き続きデータのアップロードを職員の手で進めていくほか、国レベルのデータベースとのデータ連携を開始し、海外からも市が所有する資料のデータに容易にアクセスできるようにする予定であります。また、時宜にかなったテーマでのコンテンツを随時追加していくなど、魅力的なデジタルミュージアムづくりを継続してまいります。 次に、スポーツ振興の御質問がございました。 まず、城山陸上競技場の施設と過去の競技大会についての質問でございます。公益財団法人日本陸上競技連盟が定めている「公認陸上競技場および長距離競走路ならびに競歩路規程」において、第2種公認陸上競技場は、走路が8レーンまたは9レーン、収容人員が芝生席を含んで5000人以上1万5000人未満などの要件が規定されております。城山陸上競技場は、これらの要件を満たし、公認競技会を開催し得る十分な精度のある、適切な施設であることが認定されております。過去には、秩父宮賜杯実業団学生対抗陸上競技大会や神奈川陸上競技選手権大会などを開催した実績がございます。 次に、全国規模あるいはプロレベルの大会を開催するスポーツ施設の要件について質問がございました。全国規模の大会開催のための施設要件につきましては、統一された基準はなく、主催者側の判断によって開催が決定されることになります。小田原アリーナでは、バスケットボールやバレーボールの競技規則等に定められた基準を満たしており、女子バスケットボールのWリーグやバレーボールのVリーグ、フットサルのFリーグなど、各競技のトップレベルの試合を開催した実績がございます。小田原テニスガーデンでは、競技規則の基準を満たしており、関東オープンテニス選手権や国民体育大会を開催した実績がございます。 次に、全国規模あるいはプロレベルの大会開催に向けた施設の改修について質問がございました。城山陸上競技場では、サッカーのフィールドの大きさが基準を下回っており、城山庭球場では、テニスコート内の土が流出したことにより、地面からネット上端までの高さが基準を超えております。これらの施設におきましては、フィールドを拡張したり、コート内の土を整備することによって、競技規則等に定められている施設要件を満たすことは可能です。しかし、改修に当たっては費用のほか、敷地内に遺構があることや近隣への騒音など、立地や周辺環境の面で多くの課題があることから、すぐに改修することは難しいと考えております。 次に、ねんりんピックを本市はどのように捉えているのかとの御質問がございました。本市でねんりんピックの交流大会が開催されることは、参加される選手、監督はもとより、本市の高齢者に対しても健康の保持・増進、生きがいづくりについて意識啓発を図る機会になると捉えております。また、全国から来訪される方たちに、小田原の魅力を広く発信する機会とも捉えております。 次に、本市で開催する交流大会の運営体制についての御質問がございました。ねんりんピックの交流大会の運営主体は、大会を実施する「ねんりんピックかながわ2022小田原市実行委員会」となっております。この実行委員会の中で、役割分担は大きく二つに分かれております。まず、市の職員が中心になるものとして、歓迎装飾や会場設営などの事前準備、及びおもてなしや未病改善教室の実施、救護所の設置等、大会当日の全体運営に係る部分がございます。また、県の競技団体が中心になるものとしまして、各種目競技の審判員や補助員の確保、試合の進行管理など専門的な知識や経験が必要な競技運営に係る部分がございます。 次に、「ねんりんピックかながわ2022」について、選手、監督の宿泊場所と会場までの移動方法について質問がございました。選手たちの宿泊場所や会場までの移動方法の調整は、県の「ねんりんピックかながわ2022実行委員会」の役割となっております。宿泊場所につきましては、県西地域2市8町を中心としたエリアが割り当てられる見込みでございます。また、会場までの移動方法につきましては、原則、公共交通機関及び県が借り上げたバスによることとされております。 次に、スポーツツーリズムにおける観光施策について質問がございました。本市では、スポーツ大会を開催する主催者からの要望により、試合会場において観光パンフレットの配架や観光案内などを実施しております。また、サッカーの湘南ベルマーレのホームゲームでは、小田原ホームタウンデーが用意されており、その際には小田原市観光協会と協力し、平塚競技場にブースを出店し、観光パンフレットの配布や小田原特産物の物販など、スポーツによる集客を生かした観光PRを実施しております。 次に、「ねんりんピックかながわ2022」参加者等に対する観光施策について質問がございました。本市は「ねんりんピックかながわ2022」において、2種目の競技会場となっており、選手だけでも全国から約1800人が来訪する予定であります。これを、本市の観光PRを行う絶好の機会であると捉え、会場での観光物産PRブースや観光案内所の設営のほか、まち歩きツアーや各種優待サービスの実施を予定しております。この経験を生かし、今後もスポーツ大会を通じた効果的な観光誘客を図ってまいります。 次に、本市における観光PR施策等の展開についての質問でございます。 まず、eスポーツの概要についての質問がございました。eスポーツはエレクトロニック・スポーツの略で、電子機器を通じての競技全般であり、一般のスポーツと同様に、プレーヤーだけでなく多くの観客が観戦することが大きな特徴であります。北米やヨーロッパ、アジアでは、eスポーツが既に興行として成立し、広範な経済波及効果もあり、幅広い年代において人気のコンテンツとなっております。国内においても、若年層を中心に競技人口や観戦者数も増え、各地で全国レベルの大会が開催され、企業が有望選手とプロ契約を結ぶなど、今後成長が見込まれる分野であると考えられます。 次に、eスポーツを活用した魅力の発信について質問がございました。令和2年度に実施した調査におきまして、若年層に「小田原の観光に対して特にイメージを持っていない」といった意見が多く、さらなる観光振興のためには、若い世代に向けたコンテンツが必要であるという課題が浮き彫りになりました。そこで、若年層に人気があり、さらに年代、性別、障がいの有無を超えて多くの人が楽しむことができるというeスポーツの特徴を生かし、これまでの歴史観光に加え、若者を呼び込むための新たな魅力として発信してまいります。 次に、eスポーツを活用した誘客方法について質問がございました。国内で開催されているeスポーツイベントには、規模が大きいもので数千人が会場に訪れていることから、誘客の方法として、大会などのイベント開催がメインとなります。また、オンライン配信は、レベルが高い大会となると視聴者は数万人単位となるため、小田原の特産物などと絡めたイベントを併せて開催することで、多くの観客に対する観光PRが可能であります。さらに、大会の開催に加えて、ゲームタイトルとコラボした周遊企画などを実施することで、さらなる集客効果が期待できると考えております。 次に、eスポーツイベントの開催予定について質問がございました。今年度においては、10月頃にeスポーツを普及、定着させるための初心者向けの体験会を、3月には競技としての大会の開催を予定しております。また、eスポーツを市民に広く普及していくため、体験や練習ができる拠点の整備なども併せて行っていく予定でございます。 以上をもちまして、5番荒井議員の質問に対しての答弁といたします。 ◆5番(荒井信一君) それでは再質問いたします。 初めに、大項目1、本市におけるデジタルアーカイブの取組について、(1)小田原市デジタルミュージアムについてですが、本市の取組について、他市事例と比べて本市の特徴は何かをお伺いいたします。 ◎文化部長(鈴木裕一君) 小田原市デジタルミュージアムにつきまして、他市の事例と比較した本市の特徴についてお尋ねがございました。本市の特徴的な取組といたしましては、本市が所有する資料の一部を、3Dや高精細の画像で見ることができるコンテンツを整備する予定でございます。また、本市にゆかりのある偉人に関するデータベースの構築や、本市に関わる新聞記事索引の構築など、今後の研究の基礎資料として利用できるコンテンツも整備する予定でございます。加えて、郷土文化館で活動する市民ボランティア団体による石造物調査の結果や、古写真の整理状況等のコンテンツも随時掲載していきたいと考えております。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) では、次にコンテンツの利活用方策についてですけれども、デジタルアーカイブの対象となる本市の所蔵していない歴史的・文化的価値のある資産があると考えます。こうした民間が所蔵している資産についても、重要度が高いものがあると思います。そうした資産のアーカイブ化の取組を実施するか伺います。 ◎文化部長(鈴木裕一君) 民間所有の貴重資料をデジタル化し、本市のデジタルアーカイブに加えていく取組についてお尋ねがございました。本市が所有する資料だけでも膨大な量となりますことから、まずはこちらを優先して作業を進めてまいります。民間所有の貴重な資料につきましては、個々の資料の重要性や劣化の状況等を考慮しながら、必要に応じて所有者等と調整を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) できれば、ぜひとも早めに取り組んでいただきたいと思います。 次に、教育機関の利活用について、学校教育の現場では、具体的にこのコンテンツをどのように使用していくことを想定しているのか、また、その可能性についてお伺いいたします。 ◎文化部長(鈴木裕一君) デジタルミュージアムのコンテンツを、教育現場でどのように活用していくことを想定しているのか、お尋ねがございました。デジタルミュージアムでは、先ほど御答弁しましたとおり、昔の生活道具や教育研究所で発行している副読本等、教育の現場でも活用できるコンテンツを掲載することを想定しております。また、解説や写真だけではなく動画等も活用し、子供たちが楽しみながら学べるようなコンテンツを充実させていく予定でございます。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) これからの課題となると思いますが、教育研究所等を含めて、本当に分かりやすい、楽しいものに仕上がっていくことを期待しております。 次に、(3)今後の展開についてですが、この事業によって資料のデジタル化が進むことになりますが、一方で、博物館構想の具現化が停滞してしまうことがあってはなりません。この事業が博物館構想へ与える影響について、市長の所見をお伺いします。 ◎市長(守屋輝彦君) 博物館基本構想では、目指す姿であります「小田原の歴史を未来へ伝え市民とつくる博物館」を実現するため、四つの視点として整理しております。一つは、「小田原の歴史をたどる」、もう一つは「小田原の宝を守り未来に伝える」、そして「市民とともに活動する」、さらには「まちをまるごと博物館にする」、この4点を掲げておりますが、デジタルミュージアムは、この考え方に沿って事業を進めていく予定でございます。このデジタルミュージアムによって、郷土の歴史や文化に関する知識を深め、さらに実物に触れて体感したいという方が増えることで、博物館構想推進のさらなる取組につながるものと考えております。 以上です。 ◆5番(荒井信一君) 私は、令和元年12月の定例会の一般質問におきまして、「本市の歴史的文化遺産について」の中で「博物館基本構想について」伺い、「本市も、小田原の古代から現代に至るまで堪能できて、数多くの文化財を活用したデジタル博物館、デジタルミュージアムの構想実現へ」と提案いたしました。今後も、大規模な自然災害に襲われたとき、現在の収蔵施設の老朽化により倒壊による損失を想定しつつも、文化財資料のデジタル化は急務と考えます。本市のデジタルミュージアム創設事業の促進に、今後も注視してまいります。 次に、大項目2、スポーツ振興について再質問いたします。 城山陸上競技場では、秩父宮賜杯実業団学生対抗陸上競技大会や神奈川陸上競技選手権大会など、レベルの高い利用があったことは分かりました。 そこで、(1)本市のスポーツ施設と公認競技場についてですが、小田原アリーナや小田原テニスガーデンで行われる競技については、トップレベルの競技を開催していることは理解できました。これからも日本のトップレベルの大会が開催され、本市に多くの方が訪れるよう期待します。 城山陸上競技場や城山庭球場におきましては、課題が山積しているとのことでした。令和4年度は、それらの課題についての取組がありましたらお伺いいたします。 ◎文化部長(鈴木裕一君) 城山陸上競技場や城山庭球場における課題に対する令和4年度の取組についてお尋ねがございました。城山陸上競技場や城山庭球場の改修につきましては、先ほど御答弁しましたとおり、費用のほか、施設内に遺構があることや近隣への騒音など、立地や周辺環境の面で多くの課題がありますことから、令和4年度の実施は予定しておりません。これらの施設を含めた本市のスポーツ施設につきましては、各施設の老朽化の進行や利用状況などを踏まえまして、スポーツ施設全体の在り方を検討していくこととしております。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) 費用、立地、また周辺環境の課題があることは理解しました。また、全体の在り方についても、新しく、早めに早急に検討していただきたいと思います。 次に、今後、本市への大会誘致についての考えを伺います。 ◎副市長(鳥海義文君) 今後の本市への大会の誘致についての考え方でございますが、本市のスポーツ施設でトップレベルの試合を生で観戦できることで、スポーツやスポーツ選手に対する感動や憧れ、こういったものが生まれ、スポーツを始める動機であったりきっかけ、また技術力の向上にもつながりまして、本市全体のさらなるスポーツの振興が図られると考えてございます。また、観客が集まることで、地域経済の活性化、こういったものにもつながるものと考えてございます。いずれにいたしましても、先ほど来、答弁がありましたように、これまで本市ではトップレベルの試合を開催したという実績もございます。今後もそういった試合の誘致ができるよう、これは指定管理者、また競技団体、こういったものとの連携による取組をさらに進めるとともに、スポーツ施設の適切な管理運営、こちらにも併せて取り組んでまいりたい、このように考えてございます。 以上です。 ◆5番(荒井信一君) ぜひとも誘致へ、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 私は、静岡県掛川市のスポーツ施設、東遠カルチャーパーク総合体育館「さんりーな」へ見学にまいりました。そこは、メインアリーナや温水プール、武道場、スタジオ、弓道場、トレーニングルームなどがある総合的なスポーツ施設であり、周辺は大きな公園に囲まれています。市民が利用しやすい環境整備と感じました。 本市におきましても、酒匂川スポーツ広場の冠水の問題もあり、市はスポーツ施設の整備に前向きと思いますが、大会を誘致し、市民はもとより多くの来訪者を見込めるような規模のスポーツ施設の整備・充実を図っていただきたい。掛川市と同じ城下町であることから、武道についても繁栄しやすい環境に、ぜひとも取り組んでいただきたく要望といたします。 次に、(2)「ねんりんピックかながわ2022」について再質問します。 選手、監督、スタッフなどの宿泊先、移動手段、また運営体制については理解いたしました。引き続き、開催に向け準備を進めていただきたいと思います。 ねんりんピックは11月の開催となりますが、9月、10月と台風シーズンになります。ソフトボールが行われる酒匂川スポーツ広場については、近年大雨による冠水被害が頻発しています。大会開催前に台風や大雨等で、河川敷にある酒匂川スポーツ広場が被害を受けた場合、ねんりんピック開催が難しいと考えますが、リスク管理についてどのような考えを持っているのかお伺いいたします。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 大会開催に向けた酒匂川スポーツ広場の冠水等のリスク管理についての御質問でございました。酒匂川スポーツ広場が冠水被害を受けた際、代替となる施設がないのが現状でございます。万が一、冠水被害を受けた場合は、早期に復旧できるよう迅速に対応いたします。いずれにしろ、大会開催に向け、ねんりんピックの主催者であります神奈川県と綿密に調整を図ってまいります。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) いつ災害が起こるか分かりませんけれども、ぜひとも、その体制だけはしっかり組んでいただきたいと思います。 (2)高齢者の国民体育大会とも言われるイベントにもかかわらず、昨年、県民ニーズ調査では、県民のねんりんピックの認知度が4.4%と、県民の関心は極端に低い状況です。県も令和4年度にPR動画を作成し、周知に力を入れていると聞いております。本市でも、令和4年3月の予算特別委員会では、当時の高齢介護課長が、「県民調査によると、まだ大会の認知度が低いことから、本市としても周知に力を入れていく」と答弁していましたが、その後、市ではどのように独自で大会周知に力を入れてきたのかお伺いいたします。 ◎福祉健康部長(中津川英二君) 大会の周知方法についての御質問でございました。本市では令和4年4月に、市のねんりんピックのホームページをリニューアルいたしまして、トップページにバナー画像のリンクを配置したほか、「広報小田原」5月号から、ねんりんピックに関する記事を毎月掲載しておりまして、市民周知を図っているところでございます。また、子供から大人まで、楽しみながらねんりんピックに興味を持っていただけるよう、6月から、脳トレを兼ねたクロスワードを掲載した本市独自のチラシ「ねんりんピック通信」を発行いたしまして、公共施設や駅、商店街、医療機関、薬局等に配架するなど、今後も大会周知に力を入れてまいります。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) きめ細かい周知をよろしくお願いします。また、大胆に小田原駅とか、また市役所の玄関でも、大きな横断幕を設置することも大切ではないかと思いますので、御検討のほどよろしくお願いします。 (2)「ねんりんピックかながわ2022」は、全国から数多くの選手、監督、スタッフが訪れるので、本市としてもおもてなし等が大切と考えますが、市長に、大会開催に向けた意気込みをお伺いいたします。 ◎市長(守屋輝彦君) ねんりんピックは、コロナ禍の影響を受けまして、先に開催される予定であった岐阜大会が、令和2年度は延期、そして令和3年度は中止となったため、この神奈川大会は実に3年ぶりの開催となります。岐阜大会の視察もできない、そんな状況ではございましたが、大会開催まであと半年という時期になってまいりました。神奈川県や競技団体などの関係機関との連絡を密にして、円滑な大会運営ができるよう、準備を本格化してまいります。全国から訪れる選手の皆様を、おもてなしの心でお迎えいたし、大会を成功に導くとともに、小田原の文化、歴史、食、地場産品などを知っていただき、この大会が終わった後、また来たいと思っていただけるような魅力を発信してまいります。 以上です。 ◆5番(荒井信一君) 要望としまして、酒匂川スポーツ広場のリスク管理や、令和4年に入ってから周知方法に力を入れていることと、市長の意気込みも理解いたしました。大会成功に向けて、また引き続き御尽力をお願いいたします。 (3)スポーツツーリズム構想について再質問いたします。 神奈川県が提唱しているスポーツツーリズムによる観光施策には、健康増進・大会参加や様々なスポーツ施設を活用して、交流人口による地域の活性化などが期待されます。そこで、来訪者の滞在時間を延ばす方策についての課題についてお伺いします。 また、今後の本市におけるスポーツツーリズムはどのような実施体制で取り組んでいくのか、そして、対象とするスポーツ競技の選定はどのようにしていくのかお伺いします。 ◎観光・美食のまちづくり担当部長(遠藤孝枝君) スポーツツーリズムによる観光施策についての御質問がございました。 まず、スポーツツーリズムによる来訪者の滞在時間を延ばす上での課題でございます。スポーツ大会参加者及び観覧者は、スポーツをする、見るということが主目的で来訪されておりますため、目的を達すると、すぐに帰宅してしまう傾向がございます。そうした来訪者に対しては、周遊観光につなげる動機づけをどのようにしていくのかという課題がございます。まずは、スポーツツーリズムの実施体制の構築を図りますとともに、参加者への動機づけとして、試合会場や最寄り駅などで、本市の観光地としての魅力を発信するためのPRの実施が必要であると考えております。 次に、本市におけるスポーツツーリズムの実施体制等についての御質問でございます。今後のスポーツツーリズムの実施につきましては、観光課とスポーツ課が密に情報共有するとともに、観光協会をはじめとした民間事業者などの協力団体を増やしながら実施してまいりたいと考えております。また、スポーツ競技種目を絞らずに、全国規模や関東大会規模など、遠方から多くの方が来訪するスポーツ大会を対象といたしまして、観光振興につながるような施策を実施してまいります。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) 今の御答弁で、(3)の再々質問は省略させていただきます。 (3)ねんりんピックの参加者は、全国から様々な交通手段にて来訪されると聞きました。参加者は高齢者の方々ですが、事前に小田原の観光をしていただけるような周知・方策を検討されているのかお伺いいたします。 ◎観光・美食のまちづくり担当部長(遠藤孝枝君) 「ねんりんピックかながわ2022」参加者等に対する事前の観光PR等について御質問がございました。参加者に対しましては、既に神奈川県のねんりんピック特設サイトに、小田原市観光協会のホームページをリンクしているほか、各都道府県に配付いたしました大会開催要領の冊子の中でも、本市の紹介をしているところでございます。今後は、9月に発行予定の総合プログラム及び種目別プログラムに、本市で実施いたしますまち歩きツアーや各種優待サービスの掲載を行う予定でございます。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) 様々な事前準備が勝負となりますので、取組のほう、よろしくお願いします。 私は、ねんりんピックの開催は、本市への誘客、交流人口、地域消費の誘発など、地域経済の活性化にとっても絶好の機会と考えています。また、スポーツ施設や環境整備の充実は、大きな誘客の要因になり、おもてなしによっては次回の来訪にもつながります。今後とも、観光課やスポーツ課など、関係する所管の政策の相乗効果によって、スポーツツーリズムの促進を要望いたします。 次に、大項目3、本市における観光PR施策の展開について、(1)eスポーツを通じた観光PRについての再質問をいたします。 ア、eスポーツの概要と本市が発信していく魅力についてですが、本市のeスポーツの観光PR事業は単年度にて終了するが、毎年のように継続していく取組を考えていくのかお伺いいたします。 ◎観光・美食のまちづくり担当部長(遠藤孝枝君) eスポーツを生かした観光PR事業の継続した取組について御質問がございました。このPR事業は、3か年の計画で地方創生推進交付金の採択を受けておりますことから、令和4年度から令和6年度までの3か年で継続した施策を実施していく予定でございます。初年度には認知・普及といった基盤づくり、2年目はさらなる認知度向上に向けた事業拡大、3年目には民間企業等を巻き込みながら、次年度以降の持続可能な仕組みを構築してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) 3年間、いろいろな形で実施していくことは理解しました。また、3年後、4年後以降も、しっかりと持続可能な取組をお願いしたいと思います。 eスポーツによる新たな誘客についてですけれども、eスポーツを活用し、実際に対面における誘客ができることは理解できましたが、ほかの自治体で実施している事例があるのかお伺いいたします。 ◎観光・美食のまちづくり担当部長(遠藤孝枝君) eスポーツの関係で、他の自治体における実施事例について御質問がございました。神奈川県内では横須賀市において、イベントの開催や拠点整備など、eスポーツを生かした観光誘客を図るとともに、高校の部活動への機器の貸出しなどの支援を行っていると伺っております。また、2019年に開催されました「いきいき茨城ゆめ国体」では、文化プログラムとして「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」が開催され、参加者及び来訪者、合わせて約3100人、報道機関131社が取材に訪れるなど、大きな話題となった事例がございます。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) 3100人の来訪者が、茨城国体で実施されたということでした。 3番目に、本市にもeスポーツのプレーヤーがいると聞いております。また、老若男女の幅広い世代に普及していて、プレーヤー、観客が一体となり、会場が騒然とすると聞いております。本市におけるeスポーツを活用した事例はあるのかお伺いいたします。 ◎観光・美食のまちづくり担当部長(遠藤孝枝君) 本市におけますeスポーツの活用事例についてお尋ねがございました。本市におきましては、eスポーツは過去にない新たな取組でございまして、本年2月11日に小田原市観光協会の主催で「eスポーツ小田原の陣 ぷよぷよ体験会」と題しまして、ファミリー層をターゲットにしたeスポーツの体験会を、小田原三の丸ホール展示室にて実施いたしました。これが、今のところ唯一の実績でございます。この体験会では、プロのeスポーツプレーヤーとの対戦や、プロの技を披露するなど、プレーするだけではなく、見ても楽しめるというeスポーツの特徴を生かしました企画を実施し、約400名の来場者がございました。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) その2月に開催されました大会において、三の丸ホールで開催したということです。そのときに、eスポーツの活用事例の講評(効果)についてお伺いいたします。 ◎観光・美食のまちづくり担当部長(遠藤孝枝君) 2月に行われました、本市におけますeスポーツの取組の評価についてお尋ねでございます。体験会の来訪者に実施いたしましたアンケートでは、回答者の約8割の方から、「イベントに満足」、また、今後のeスポーツイベントへの参加につきましては、9割以上の方から「参加したい」、「検討する」との回答がありまして、eスポーツへの興味や熱意が高いことがうかがえました。そのほかにも、「ぜひ続けてほしい」、「プロの技を初めて見て感動した」、「子供から大人まで楽しめた」など好印象な回答が多く、参加者の満足度が高いイベントであったと評価しております。 以上でございます。 ◆5番(荒井信一君) 大変、印象深いアンケートだと思います。 次に、最後、今年度における開催予定ですが、10月に初心者向けのeスポーツ大会、来年3月に大規模な大会を開催する予定であることでありました。ぜひとも、拠点施設の整備を含めて、大成功の大会になるよう期待しております。 今後の展開で、eスポーツをイベント化させて、どう人を集客していくかが課題であると考えます。eスポーツを通じて、大会に参加したい目的や、ハイレベルの競技の観戦にての誘客、また高齢者には、脳と指先の活性化につながる認知症対策の一環にもつながるコンテンツであると考えます。 新たな誘客のターゲットを取り組む中で、特定の性格を掲げた観光PR施策について、eスポーツの可能性は多大な影響力のある事業と考えます。単年度で終わることなく、5年も10年も継続して、本市がeスポーツの聖地となるように促進していただきたい。今後の展望について、市長の見解をお伺いしまして、再質問を終わります。 ◎市長(守屋輝彦君) 様々な観点からeスポーツについての御質問をいただいたところでございますが、国内におけるeスポーツは、今後、さらなる活性化が期待されますが、自治体の観光施策として実施している事例は、まだなかなか少ないと認識しております。こうした中で、いち早く本市でeスポーツを取り入れ、まずは普及・定着といった小さな波を起こし、継続することで、全国規模の大会誘致やプロプレーヤーの輩出へつなげていきたいと考えております。いずれは、今御質問にもありましたように、小田原市がeスポーツの聖地と呼ばれるようになり、若者層の誘客だけではなくて、移住や交流人口の拡大、さらには新たな事業者の参入による地域の活性化など、いろいろな主体を巻き込みながら、大きなムーブメントをつくり上げていきたいと考えております。 以上です。 ○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後1時20分といたします。     午前11時59分 休憩-----------------------------------     午後1時20分 開議 ○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 21番武松議員、登壇願います。     〔21番(武松 忠君)登壇 拍手〕 ◆21番(武松忠君) 通告に基づき質問いたします。 1、久野地区地区計画について伺います。 JT小田原工場跡地に、イオンタウンが取得時点の用途規制に対し、店舗面積と建物高さの緩和を求める提案をされた計画が、都市計画手順にのっとり都市計画決定されました。ここで、改めまして小田原市における工業用地に立地した主な大規模店舗を振り返ります。 1993年、イトーヨーカドー小田原店開店、店舗面積1万5151平方メートル。この開店時には、順礼街道が全線にわたり渋滞し、また、交差する道路の大渋滞もございました。 1999年、シティーモールクレッセ開店、店舗面積3万4513平方メートル。週末の順礼街道の渋滞が問題となり、打越跨線橋入口交差点の信号のタイミングの見直しや、信号の移設などが行われました。 2000年、ロビンソン百貨店開店、店舗面積4万8136平方メートルとなっております。 その後、全国的に工業地域等への大規模集客施設立地により、中心市街地の衰退や立地後の大規模集客施設の撤退により、自治体の財政や都市構造に大きな影響を及ぼし始めたことから、2006年に都市計画法の改正が行われました。これにより、大規模集客施設の立地を制限し、工業地域では、1万平方メートルを超える集客施設の立地は不可となっております。しかし、上位計画の位置づけがあり、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、都市構造に大きな影響を及ぼさないことを市が認めるものは、開発整備促進区を定める地区計画を決定することにより、立地が可能とされました。 その後の出店は、2008年、フレスポ小田原開店、店舗面積1万569平方メートル。 最近では、2019年、スーパービバホーム小田原国府津店、売場面積8453平方メートルとなっております。 法改正前後とも、既存の用途地域にのっとった立地がされております。 JT小田原工場跡地については、2013年にJTからイオンタウンへ所有権移転され、同年10月22日の小田原市議会建設経済常任委員会において、用途地域の工業地域にのっとった計画が示されました。また、当時は市の大きな課題として、市立病院建て替えがございました。その後、2017年8月に商工会議所とイオンタウンが記者発表した、いのち輝くまちづくり構想は、市立病院建て替えも内包したものになっておりました。 そして、2018年5月にイオンタウン株式会社より、都市計画の用途地域に認められた店舗面積を超える都市計画提案が出されました。それは、3階建て、延べ床面積6万平方メートル、商業施設床面積3万4000平方メートルの規模でありました。その後、市との協議の後、2020年5月に見直し案が示され、2階建て(一部3階建て)、床面積4万8000平方メートル、商業施設床面積3万平方メートルの規模となりました。 その後、市がこの提案は必要と意思決定し、関係各所との調整の下、特に交通関係の県警協議が調い、都市計画法にのっとり進められました。 私は、これまでイオンタウンの出店は、あくまで工業地域での出店規模にとどめるべきと主張してまいりました。それは、この立地による店舗過剰(オーバーストア)による市内既存商店街や大規模店舗への影響、立地を認める開発整備促進区を定める地区計画の条件である上位計画の位置づけが明確でないままに、こうした手法を市が決定したこと、さらには、他の工業地域でも同様な開発が可能となる先鞭をつけるのではないかと危惧したからであります。 私自身、店舗面積と建物高さの緩和に反対する意見を、市内全域に折り込み等も行いましたが、地区計画案の法定縦覧でも、6名の縦覧で賛成5名、かつ反対意見はなく、都市計画決定されました。決定した以上、地域の発展に寄与するものにしなければなりません。 そこで、(1)自動車交通量の増加について伺います。 まず、このたび久野地区地区計画が都市計画決定されたことにより、大規模集客施設の立地が可能となり、イオンタウンは商業施設の建設に向けて動き出すことになります。施設が完成すれば、この久野地区周辺の生活利便性も向上し、街なみも一変すると思われます。私も都市計画審議会の委員として、久野地区地区計画の審議には携わってまいりましたが、改めて確認させていただきます。 イオンタウンの出店に伴い、休日には1日当たり約6000台の車両が来店すると見込まれております。この自動車交通量が増加すると、周辺道路に影響があると考えますが、都市計画決定に当たり、どのような交通協議がなされてきたのか伺います。 また、都市計画道路城山多古線及び小田原山北線の山神下交差点北側における丘陵部の開削やトンネル工事等の進捗状況と開通予定について伺います。 次に、(2)久野地区地区計画における土地利用の方針について伺います。 出店予定地は、小田急小田原線の足柄駅から約1キロメートル、徒歩で12分と、駅からのアクセスには比較的優れているものの、計画地周辺には集会施設などのコミュニティ施設が不足していると感じております。今回のイオンタウン建設は、その規模から、地域の核となり、また地域に根差した施設としていかなければなりません。 イオンタウンでは、出店に際し、地域に貢献する施設運営を行っていくとの提案がなされておりました。そこで、久野地区地区計画における土地利用の方針では、その提案をどのように反映されたのか伺います。 次に、2、都市計画高度地区について伺います。 小田原都市計画高度地区につきましては、2005年6月に、第一種低層住居専用地域を除く市街化区域全域を対象として、高度地区を都市計画決定されました。2013年7月には、周辺環境への影響が少ない太陽光パネル等を既存建築物の屋上に設置する場合、市から適用除外の認定を受けることにより、高さの制限を超えた太陽光パネル等の設置を可能とする変更が行われました。2019年12月には、小田原駅周辺の容積率400%以上の商業地域において、周辺の市街地環境の改善に資する建築物については、高さの基本最高限度を45メートル以下の範囲で緩和することができるように変更されております。 そこで、(1)高潮浸水想定区域における病院の高さ制限の緩和について伺います。 2005年に高度地区を都市計画決定以降、2011年に東日本大震災が発生し、その後の度重なる水害により、日本全国で病院や高齢者施設が津波や洪水で浸水する例が数多く報道され、その頻度も、最近特に多くなっていると認識しております。 小田原市の新病院建設検討の際も、受電設備や非常電源の設置場所を、浸水想定高さ以上に設置する設計とするなど、災害に対する対策が取られております。 一方、川東南部には、津波災害警戒区域、洪水浸水想定区域には指定されていないものの、高潮浸水想定区域で、最大浸水深1メートルから3メートル未満で、かつ家屋倒壊等氾濫想定区域内にある病院や最大浸水深3メートルから5メートル未満の高齢者施設がございます。 高潮は、台風の進路や天文潮位で、ある程度事前に想定でき、避難等はあらかじめできますが、非常電源、受変電設備や高度医療機器が浸水深より低い場合、その復旧には年単位の時間と莫大な経費を必要とします。 そこで、高潮浸水想定区域内にある病院数と、その地域を伺います。 次に、高潮における浸水対策として、浸水被害を受けないよう盛土等により地盤面を高くすることや、高台に移転するなどが想定されますが、費用面や時間的な問題、隣接地への影響などから、その対策は容易ではありません。 こうした状況から、病院については同敷地で建て替えを行う場合、病床数や機能を確保しつつ、浸水深より高い位置に非常電源や受変電設備、高度医療機器を設置するためには、階数を増やすことが必要となりますが、高度地区の制限により、その対策の支障になっているのではと感じております。 そこで、建築物に対する、高潮における浸水対策として、受変電設備を屋上に設置する場合は、高度地区の適用緩和を受けられるようにすべきと考えますが、見解を伺います。 次に、(2)弁財天通り(市道0004)に隣接する建物の斜線制限について伺います。 2005年の高度地区の当初決定時において、お堀端通りのお堀の対面では、高度地区の制限で斜線制限が設けられております。その後、2019年12月に、小田原駅周辺の商業地域で容積率400%以上の区域において、周辺の市街地環境の改善に資する建築物については、高さの基本最高限度を45メートル以下の範囲で緩和することができるよう変更がなされました。 現在、城内の公有地化が徐々に進んでおります。2020年度に史跡小田原城跡保存活用計画が策定されたことは承知しておりますが、以前の構想である史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想では、弁財天通りのお堀側は、将来的に堀と蓮池に整備されることになっておりました。私は、こうした整備により、通りからの城の眺望が開け、小田原城整備が整うことを期待しております。 一方、将来の史跡整備を考えますと、弁財天通りの北側についても、容積率400%以上の区域でありますが、お堀端通りと同様に斜線制限を行うことにより、弁財天通りを歩く観光客から空が少しでも広くなることは、小田原城の観光的価値を高めるものと考えております。 そこで、弁財天通り北側沿道に斜線制限を行うべきと考えますが、見解を伺います。 次に、3、小田原大海嘯から120年を迎えて伺います。 2022年は、1902年(明治35年)に小田原を襲った高潮災害である小田原大海嘯、または明治大海嘯とも言いますが、発生から120年を迎えます。これまで市は、市制40周年記念誌「目で見る小田原の歩み」におきまして、小田原大海嘯を特集しております。その記載によりますと、「小田原地方を中心とする吉浜から大磯に至る県西海岸地方を襲った海嘯は、大被害をもたらした。この年、9月に入ってから波が荒れ始め、28日の午前11時頃、急に大波となって陸地に押し寄せてきた。激浪は防波堤を越え市街地まで浸入した」とのことであります。 なお、これより国会図書館デジタルアーカイブ「明治三十五年九月二十八日神奈川県下暴風海嘯被害記事」に記載の被害区域、気圧配置並びに土木学会附属土木図書館デジタルアーカイブにございます、許可を得た写真をモニターに示します。     〔議場モニターへ資料投影開始〕 これは、神奈川測候所がまとめた海嘯被害図であります。これには、高潮の被害区域と天気図が示してあります。拡大します。被害区域を黒で、浸水区域を灰色で示しております。この黒いところが被害区域、それから、その上にあるグレーのところ、これが浸水区域となっております。 ここで見えます線路は、当時の東海道線でありまして、現在の御殿場線が当時の東海道線であります。このように被害区域は、現在の小田原市沿岸全域となっております。 特に灰色の部分で三角に内陸に入り込んでいるところは、川を遡上した高潮が周辺に広がっている状態であります。 次が、当時の天気図であります。高潮が発生したのは午前11時頃でありますので、この左側が午前6時、右側が午後2時のものであります。当時の気圧の単位がmmHg(ミリメートルエイチジー)、水銀柱ミリメートルでありますので、換算いたしますと、ここは730とか周辺はなっていますが、中心周辺の気圧730は、973ヘクトパスカルとなっております。ですから、中心の気圧は、これより少ないということになります。 ここでは、二つ低気圧がございますが、これは、二つの台風が同時に襲来したというものであります。小田原に被害を及ぼしたこの右側の低気圧につきましては、南南東から三浦半島付近に上陸し、新潟を抜けて、それから北海道に再上陸した経路をたどっております。 次に、土木学会附属土木図書館より許可を得て画像提供いただいたものをお示しします。 これは国府津橋とありますけれども、現在の森戸橋になります。その被災後の写真でございます。ここに、もう橋の支柱しか見えておりませんけれども、この上部の橋は500メートル上まで流されたと言われております。 そして、線路がございますが、この線路は、国府津から箱根湯本に至る箱根登山鉄道の前身の小田原電気鉄道であります。 次に、小八幡の被災後の写真でございます。倒壊した、かやぶき屋根の民家、それからそれに集まる瓦礫がございます。「かどや」という屋号がありますけれども、場所は定かではありませんが、小八幡の写真ということであります。 次に、これは酒匂村の被災後の写真であります。現在の国道1号で、写真の右側が海になります。線路が曲がっておりますけれども、これも先ほど御説明いたしました小田原電気鉄道の線路。本来であれば、まっすぐ進んでいたものが、波の、高潮の被害により進行方向に曲げられたものとなっております。 これが山王原の被害後の写真でございます。流された橋は山王橋でして、線状のものはレールです。この小田原電気鉄道のレールが流され、川に引き込まれているような状況になります。 次が、小田原町の被災後の写真でございます。当時の旅館でしょうか、唐破風の玄関、屋根が傾いております。それから奥には、壁が抜けて、柱で建っている建物が見えるかと思います。また、この右側のところは、屋根が流れ着いているものでございます。 次が、早川口の被災後の写真であります。水車小屋でしょうか、河口側へ倒壊をしている様子が分かります。 最後の写真が、石橋の被災後の写真であります。ここにも線路がありますけれども、これは小田原から熱海までつながっていた豆相人車鉄道の線路であります。線路が空中に浮いておりますけれども、ここの線路の下側が波により洗われて、この線路が宙に浮いた状況となっております。 写真は、以上でございます。     〔議場モニターへの資料投影終了〕 これらの写真から分かりますように、当時、小田原を襲った高潮は、浸水しただけでなく、相当な勢いを伴い、地震の津波のように押し寄せたものでありました。 (1)高潮対策について、何点か伺います。 昨年、2021年に神奈川県により高潮浸水想定区域が発表されました。また、説明会等実施されたと認識しておりますが、現在の高潮の想定と小田原大海嘯の被害等について、市の考えを伺います。 次に、高潮に対する市のソフト対策について伺います。 また、高潮対策のうち、海岸に設置された防潮扉の閉鎖について伺います。 次に、ハード対策について伺います。 本市の特徴の一つに、海岸ぎりぎりまで家屋が軒を連ねている状況がございます。本年は、小田原大海嘯から120年という節目の年でもあり、行政や市民が高潮対策の重要性について、改めて認識することが肝要であると考えております。 記憶に新しいところでは、2019年の台風第19号の影響により、本市の沿岸部の各地で高潮・高波の被害が生じております。東町海岸では、西湘バイパス小田原インターチェンジの道路擁壁を高波が越え、家屋への被害がございました。また、国府津海岸の国道1号が、海に面した箇所や前川海岸の広い範囲において、高波により家屋が損壊するなど、甚大な被害が生じております。こうした被害を受け、市では速やかに国や県などに高潮対策を要請し、取組が開始されていることは承知をしております。 そこで、国や県などがハード対策として進めている東町、国府津、前川海岸の高潮対策について、現在の取組状況を伺います。 次に、(2)周年事業について伺います。 私は、こうした災害の記録は、周年事業を通して多くの市民に周知することで、市民の避難行動を促すきっかけとなり、ひいては減災につながるものと考えております。1902年9月28日から120年を迎え、市民周知のために、災害の概要や状況を検証すべきと考えますが、御所見を伺います。 以上をもちまして、登壇しての質問を終わります。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 21番武松議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、久野地区地区計画の交通協議について質問がございました。都市計画決定に向けた交通協議では、歩行者の安全性の確保や自動車交通の円滑化などについて協議を行いました。その結果、区域内の市道0032や市道2289、県道小田原山北線において、歩道設置や道路拡幅などの改良を行うことといたしました。また、増加する交通量に対しまして、周辺の主要な信号交差点において、交差点需要率が規定値内に収まっており、処理能力に支障がないことを確認したものでございます。なお、信号機の表示時間の調整や右折レーンの設置などについては、今後の実施協議で決定してまいります。 次に、都市計画道路城山多古線及び小田原山北線の進捗状況等について質問がございました。県では、この2路線を1事業として進めており、事業用地の約9割が取得済みとなっているほか、穴部側では約300メートルの区間が整備済みであります。お尋ねのあった山神下交差点北側からトンネル手前までの区間については、令和4年4月に掘削工事に着手したところであり、トンネル工事については、令和4年度中の着手に向け準備を進めております。開通予定につきましては、令和7年度中を目指していると伺っております。 次に、久野地区地区計画の土地利用の方針について質問がございました。久野地区地区計画では、イオンタウンから提案がございました地域貢献に資する取組が着実に推進されるよう、土地利用に関する基本方針に位置づけたものでございます。その内容は、「地域の特産品の販売や農林水産物の地産地消に貢献する集客施設の立地」、また、「未病改善に取組むことができる多世代交流拠点の形成」、「災害時に施設が一時的な避難場所として機能するなど、地域の防災力の強化」を図ることとしております。 次に、都市計画高度地区について何点か質問がございました。まず、高潮浸水想定区域にある病院の数と、その地域について御質問がございました。現在の高潮の想定は、我が国の既往最大規模の台風が本市に最接近したと仮定した場合を想定したものであり、その高潮浸水想定区域に病院は5施設ございますが、大部分は浸水深1センチメートルから30センチメートルの区域に位置しております。なお、地域別では、緑地区、酒匂・小八幡地区、国府津地区に各1施設、幸地区に2施設となっております。 次に、高潮における浸水対策として、高度地区の適用緩和について質問がございました。高潮浸水想定区域を対象とした、高度地区の適用を緩和する規定は設けてございません。なお、高潮による浸水対策につきましては、課題認識を持って、都市機能の維持のため様々な角度から研究をしてまいります。 次に、弁財天通り北側沿道の斜線制限について質問がございました。小田原駅周辺の商業地域は、土地の高度利用を促進する区域であることから、高度地区の緩和規定を設けております。緩和の適用に当たりましては、幅員2メートル以上の歩道上公開空地を設置するほか、敷地内にも空地を求める基準を設けており、良好な市街地環境の形成に配慮することとしております。斜線制限につきましては、高度利用を可能とする土地利用を規制する懸念もございますが、小田原城の眺望に配慮することも重要であると考えており、史跡整備の進捗状況等を踏まえながら慎重に対応してまいります。 次に、小田原大海嘯について何点か質問がございました。まず、現在の高潮の想定と小田原大海嘯の被害等についてでございます。現在の高潮の想定は、台風の中心気圧を我が国の既往最大の室戸台風、また、移動速度と半径を伊勢湾台風と想定し、予測したものでございます。小田原大海嘯は、大波が打ち寄せている時期に台風が通過し、満潮時に大波が堤防を越え、死者56名、行方不明者4名、負傷者343名、流失家屋552戸、全半壊家屋470戸の被害をもたらしており、海岸には当時、波よけ土手があるに過ぎなかった状況でございますが、県に補助を求め、1503メートルに及ぶ防波堤を建設したとのことであります。 次に、高潮に対する市のソフト対策について質問がございました。最大規模の高潮につきましては、令和3年8月に、県から高潮浸水想定区域が指定され、市のソフト対策として、その直後に浸水想定図及び家屋倒壊等氾濫想定区域図を作成し、自治会を通じて市民の皆様に配布することで、自分の居住地域の高潮に対する危険度を把握していただいたところでございます。また、台風が接近した場合には、事前に立ち退き避難が必要であることなど、避難に関する情報を直接市民の皆様へ伝えるため、浸水が及ぶ想定となっている自治会を対象に4回の市民説明会を開催したほか、その後も防災教室を活用し、啓発を図っております。 次に、防潮扉の閉鎖について質問がございました。防潮扉につきましては、小田原市消防本部防潮扉取扱要領に基づき、台風や発達した低気圧の進路、風向きなどを考慮し、高潮による被害が予想される際は、森戸川以西の海岸沿いに設置されている23か所の防潮扉を事前に閉鎖することにより、被害を防いでおり、今後もこれを継続してまいります。 次に、東町海岸における高潮のハード対策について質問がございました。東町海岸は、海底地形が急峻なため、防波突堤や人工リーフ等による高潮対策が困難とされており、海岸管理者の県では、有識者の助言をいただきながら有効な対策を検討していくと伺っております。そこで、当面の対策として、西湘バイパスを管理するNEXCO中日本が、道路擁壁のかさ上げを実施することとなり、令和4年度中の工事着手を目指しているところでございます。 次に、国府津海岸及び前川海岸の高潮のハード対策について質問がございました。国府津海岸の国道1号に面する場所につきましては、国土交通省が、道路擁壁のかさ上げ工事を進めているところでございます。前川海岸につきましては、県がNEXCO中日本と、護岸のかさ上げ構造の検討を進めており、地元住民の合意を得て、工事に着手する予定と伺っております。本市といたしましては、いずれの箇所においても、国・県等の事業者と地元関係者の調整役となり、市民の安心・安全のため、今後も高潮のハード対策を促進してまいります。 次に、小田原大海嘯の周年事業について質問がございました。小田原大海嘯の時代と現代では、気象や沿岸等の状況が違うので、小田原大海嘯の際の対応を、現在の災害対応にそのまま活用することは困難と思われますが、過去、本市が経験した災害の一つとして、本年度拡大を予定しております防災教室で伝えていきたいと考えております。 以上をもちまして、21番武松議員の御質問に対しての答弁といたします。 ◆21番(武松忠君) 御答弁をいただきました。 では、まず順番に伺ってまいります。久野地区地区計画のほうですけれども、交通協議のところについては、歩道や道路の拡幅等されるということでございました。また、交差点については、処理能力には問題がないという認識でございます。ただ、6000台車が増えるということなのです。車の1台当たりの長さを4メートルとしますと、6000台といいますと、それを一列につなげますと24キロメートルになるわけです。それだけのものが、あの道路に増える。もちろん、時間は、日中の時間に分散されるとは思いますけれども。それが、例えば道路が2車線あって、交通量がかなりはけるのであればいいのですけれど、交差点はともかく交差する道路も、どちらとも1車線になっているわけです。ですから、専門家が導き出した問題ないというところで回答なのですけれども、なかなか個人的には、それだけの能力が本当に1車線ずつの道路で対処できるのかなという懸念を持っております。これにつきましては、実際に開通しまして、信号のタイミング等も協議されるということですので、その辺は抜かりなく調整をしていただければと思います。 それから、城山多古線及び小田原山北線の件は分かりました。ただ、これは事業用地の9割が取得済みというのが、たしか以前も同じような答弁だったと思うのです。今回の事業が3年ぐらい遅れているかと思いますけれども、その間、あまり取得が進んでいないような認識を持っております。これについては、小田原市が答えるところではないかもしれませんけれども、その1割の未取得の用地につきましては、市も一緒になって県と協力して、ぜひ進めるように、これは要望とさせていただきます。 これが、城山多古線の部分のトンネルが開通しますと、本当に多古の交差点だとか、その下の飯泉のほうの交差点まで、かなり交通量が減るのではないかとも期待をしております。 それで、次の久野地区地区計画における土地利用の方針について御答弁をいただきました。特産品であるとか、未病関係で多世代交流の場、それから防災等、提案があったということでございます。イオンタウンからの提案が確実に実行されること、これをまず願っております。 一方、多分その場所を用いて、市とのいろいろな協業事業が出てくるのではないかと思います。協業といいますと、必ず委託料前提ということになってくるかと思います。そうするようなことがなるべくないように、あくまでも市の委託料前提の事業ばかり増えるようでは、結局市がその場所を間借りしているような、せっかくイオンタウンが提案してきたのに、市が委託料を払って、空いた店舗の部分を補填するようなことになっては困ります。その点は、まずは指摘をしておきます。 それから、残念ながらイオンタウンのような首都圏の大きなモールというのは、地域経済の好循環を、残念ながら破壊するものだと捉えております。ですが、しかし、それを少しでも緩和するためには、例えばそのモール自体が子会社で、本社機能が小田原市にあれば、その法人税が小田原市に入ってくるわけです。そういったことや、進出に当たって商工会議所の会員に必ずなることとか、そういったようなことも調整をしていただいて、あくまでも地域経済の好循環に資するもの。地域経済を吸い上げて、中央に持っていくような施設になってはいけないのです。この点について、守屋市長の考えている地域経済の好循環を生かすための施設になるかどうか、そのあたりの守屋市長のお考えを、まずお伺いしたいと思います。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。 イオンタウンのような大型の商業施設ができることは、地域にいろいろな影響をもたらすのだと思います。先ほどお話しになった、例えば発生交通量が増えるとか、その辺に加えて、今御指摘のあった既存の地域経済に対して何がしかの影響があると。この何がしかの影響というのが、取り方によって、持っていき方によって、プラスになる部分とマイナスになる部分というのがあります。そこら辺を、やはり心配される地域の商業者の方がいらっしゃるのもまた事実でございますので、イオンタウン側から出された提案をしっかりと実施することによって、地域経済の好循環につなげていきたいと考えます。 以上です。 ◆21番(武松忠君) ありがとうございました。まさにそのとおりで、やはり市がそのところにポイントを絞って、きちんと見ていかないとならない課題であると思います。資金面、人材面においても、イオンタウンが市に対して配慮、貢献いただくことが肝要であるかと思います。ということを指摘しておきます。 次に、都市計画高度地区について、高潮浸水想定区域における病院高さの制限の緩和について御答弁がございました。浸水想定区域には、深さはそれほどではないものの、浸水する施設は5施設あるということでございます。いずれにしても、こうした高潮等の災害によって、受電設備だとか非常電源であるとか、特に高度医療施設が水没いたしますと、1台1台莫大な、数千万円、億単位の金額となってまいります。それらが機能しなくなりますと、沿岸地域だけではなくて、小田原市の医療体制が抜本的に崩れてしまうというような状態になるかと思います。 これに対して、建築物に対する高潮の浸水対策として、高度地区の適用緩和を受けられるようにすべきとも伺いましたけれども、これについては研究いただくという御答弁をいただきましたので、それ以上は述べませんが、これについては期待をしています。なぜかといいますと、この高潮浸水想定区域が発表されて約1年になろうとしております。最初、5月に出されたのですけれど、何かシミュレーションが間違っていたということで、8月に直されたということで、最終的には8月に出されたという形になっております。 また、都市計画マスタープランの改定が行われておりますけれども、これも都市防災の方針で、津波とか水災害の見直しも行われているかと思います。これらも、タイミングもありますので、こういった災害があるということを具体的に策として、都市計画上で出せるものであれば、やはり研究していただいて、いい提案を御期待をしております。 それから、弁財天通りの斜線制限について、進捗を見ながら検討されていくということで、きちんと配慮いただいていることが分かり、安心をしております。この45メートルの規制があったときに、私もたまたま都市計画審議会の委員で、その部分の斜線制限が入っていないことを指摘はしたのですけれど、ちょっと間に合わなかったという経緯もありまして、改めて指摘をさせていただきました。御存じのとおり、城址公園の東側と北側で斜線制限に差があるというのは、やはり問題があることだということは、共通の理解が得られたものと思います。 最後、小田原大海嘯から120年ということで、周年事業については行われないというようなことだったかと思いますが、120年前の対応と現在の災害対応に差異があることは当然といたしまして、実際に高潮浸水想定区域が示されました。その範囲は、実はかなり大きくて、特に私の住んでいる小八幡とかは、3メートルから5メートルの浸水深なのです。それはもうかなり、今までの津波の被害でもそれほどでもなくて、洪水等の浸水深でもそれほどでもなかったのですけれど、この高潮については3~5メートルの地域もかなりあるということでございます。 実際に120年前の小田原大海嘯の際には、小八幡の死者が一番多かったとも伺っております。また、小八幡に三宝寺というお寺があるのですけれども、その9月28日に亡くなったという方のお墓に書いてあるのが相当数あるとも伺っております。 御答弁の中で、拡大を予定している防災研修等もあるということでしたので、こうした防災研修も、例えば三の丸の大ホールで一般市民も対象にした研修にするなど、検討いただければと思います。 それから、今回、土木学会附属土木図書館の写真をお見せしました。これは写真の使用の許可は、公が使う場合は、電子申請で1日で許可が下ります。1日で許可が下りますから、1週間後のイベントであっても間に合うぐらい、本当にすぐに許可を検討していただいて、もちろん無料です。有料配付するものとなると、1枚1000円かかるという話ですけれども、公が使う場合は、何と何の写真を、どういう目的でいつ使うという電子申請をすれば、すぐに許可できるものなので、こういった民間の資産も、ぜひうまく活用していただければと思います。 さて、来年は大正12年(1923年)9月1日に発生しました関東大震災より100周年を迎えます。そうしたことを申し上げまして、質問を終わります。(拍手) ○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後2時25分といたします。     午後2時11分 休憩-----------------------------------     午後2時25分 開議 ○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 4番角田議員、登壇願います。     〔4番(角田真美君)登壇 拍手〕 ◆4番(角田真美君) 4番角田真美です。会派、緑風会に合流し、2年目になりました。これより、通告に従いまして一般質問に入らせていただきます。 厚生労働省の人口動態統計の発表によれば、国の出生率は統計開始以来最少で、女性1人が生涯に産む子供の推定人数は1.3人となり、6年連続で減少しております。減少する子供たちに対する成長を見守る態度は、保護者以外の大人にとっても大事な課題であり、先日、「こどもまんなか社会」の実現を目指して、議員立法、こども家庭庁設置関連法案が衆議院本会議で可決されました。今こそ、子供たちを大切にし、しっかりした教育基盤を整えるべきときだと感じています。 小田原市の教育においては、望ましい教育環境の基本的な考え方を、「(仮称)新しい学校づくり推進基本方針」として、令和4年度及び令和5年度で策定されようとしております。 そのような動きの中で、私は、子供たちが本当の生きる力を養い、国際社会のビジネスの場などで活躍していくためには、郷土愛を育むことを盛り込んでおくことが大切ではないかと考えます。ネーティブのような流暢な英語力があっても、日本の中で自分がどういう場所で育ち、どんなことを考え、生きてきたかを表現できなければ、一笑に付されてしまうような海外経験を、ビジネスマンや留学生はしたことがあるのではないでしょうか。 守屋市長は、「世界が憧れるまち“小田原”」を掲げ、第6次小田原市総合計画を実行したところです。世界が憧れるポテンシャル、潜在的な要素を、小田原市はたくさん持っていると思います。幾つか例を挙げますと、多くの企業、教育者が学ぶ、世界が注目する報徳の教えを生んだ二宮金次郎は、この小田原が世界で唯一の生誕地であります。現在のNHK大河ドラマの源頼朝、北条政子ゆかりの場所が小田原にはあります。将来は大河ドラマへと歩みを進める小田原の北条五代は戦国時代の覇者であり、後の一夜城についても、世界に誇る歴史であります。 また、歴史文化だけではなく現在の農業においても、小田原市は梅やミカン、タマネギ、キウイフルーツの収穫量が神奈川県下で1位であります。お土産といえば、梅干し、かまぼこはすぐに浮かぶものの、木工製品、小田原鋳物といったものも、すぐに浮かんでほしいものです。 先ほど述べました第6次小田原市総合計画の冊子26ページにある、生活の質の向上、「2030年の姿」として「子どもが夢や希望を持って成長できるまち」として、「子どもたちが、他の国や地域の文化を理解する機会を通じて自分たちが暮らす社会を見つめなおし、国際感覚や問題意識を持って世界で活躍できる若者に成長している」とあります。まさにこのことは、郷土愛を育むことではないかと解釈いたしております。 そこで、大項目1、(1)将来を担う子供たちの郷土愛を育むための本市の教育施策について、2点伺います。 1点目に、現在の本市における郷土である小田原について、系統的に学べる時間があるのかどうか伺います。 2点目に、かつては学校で先生の指導の下で歌った「富士の見える梅の丘に」で始まる新小田原市民歌を小学校時代に歌った覚えがあります。歌詞に「こゆるぎ」、「黒潮」、「相模灘」とあり、言葉を覚えたものです。また、夏の盆踊りでは、「ここは小田原 日本の名所」で始まる小田原小唄といったものもあります。「梅」、「桜」、「御感の藤」、「御幸の浜」、「尊徳様」、「かまぼこ」、「梅干し」といった、小田原を表す歌詞が味わい深いです。これら新小田原市民歌、小田原小唄を、学校の教育活動で取り入れている例があるのかどうか伺います。 次の質問に移ります。 小田原市の人口は、今年5月1日現在で18万7680人。そのうち男性9万662人、女性9万7018人となっています。男女9万人台で約半数ずつ。7000人、女性の人口が多い結果でした。要するに、小田原市の男女比は同じくらいなのです。もちろん、育児、介護、御自身のハンディなど、優先すべき課題もあるかもしれませんが、これだけある女性パワーを、家庭にだけ向けておくことは、社会にとって、むしろもったいないことであると考えます。 夫は外で働き、妻は家庭を守るべきであるという固定的性別役割分担意識というものが、長い間女性の社会進出の機会を塞いできたことは、事実ありました。しかし、現在、女性も社会で働くことが当たり前となりつつあります。 令和4年度から令和8年度までの第3次おだわら男女共同参画プランが今年3月に示されました。その中にある、令和元年度に実施した小田原市男女共同参画市民意識調査において、女性が職業を持つことについて聞いたところ、「結婚や出産にかかわらず職業を持ち続ける方がよい」が全体では53.4%で最も高く、次いで「子どもができたら仕事をやめ、大きくなったら再び職業を持つ方がよい」16.7%、「子どもができるまでは職業を持ち続ける方がよい」が7.2%と続きました。注目すべきは、1位の「結婚や出産にかかわらず職業を持ち続ける方がよい」が、2位と36.7ポイントの差がある点と、性別で見てみると、女性58.2%、男性48.3%と、女性のほうが9.9ポイント高くなっている点です。 これを私なりに分析してみたのですが、結婚や出産を経験した後にも、女性の社会進出への期待や希望は高くなってきているのではないか、また、その気持ちは男性よりも女性のほうが強く持っているのであろうということです。「結婚、出産、育児の後、また同じ仕事の場に戻ってきたい」、そのような願いの声が聞こえてきます。 一度は正社員として就職できても、結婚、妊娠、出産といった未知の経験に大きな壁を感じるのは、どんな人も同じでしょう。それは、男性も、条件によっては同じと言えるかもしれませんが、姓名の変更も多くは女性、出産も女性であることで、心と体の変化という点から、断然女性へのきめ細かなサポートの仕組みが肝腎であると考えています。 今年の3月定例会において、会派、緑風会の代表・13番鈴木紀雄議員が、働く女性の相談体制の充実について代表質問いたしました。「出産後の女性の職場復帰や新たな仕事に就きたい女性の支援をするなど、公民連携を含めた具体的な方策をどのように考えているのか」という内容に対し、「国家資格を有する相談員による女性のためのキャリア相談窓口を設置し、対応している」、「小田原Lエール認定企業とも連携を図る」といった御答弁でございました。 私はこれを受けて、結婚、出産を契機に会社をやめ、一度家庭に入ってしまった女性が、この制度を頼り、社会へすぐ無事に復帰できるであろうかと疑問が湧いてきました。 女性は就職のタイミングで、結婚、出産期、復帰の仕方などをあらかじめ設定しておくことが、上司や仲間に急に迷惑をかけないために必要不可欠ではないかと考えます。かつては、女性だから仕方ないと大目に見てこられたことで、女性の仕事へのマイナス要素となってしまったのではないでしょうか。未然に、計画的に結婚、出産のイメージングを促し、アドバイスしておくことも、女性がその人らしく伸び伸びと働くための大切な要素として、各企業へと働きかけてほしいと考えます。 また、小田原市内部においては、令和3年4月、小田原市特定事業主行動計画「女性活躍とワークライフバランス推進のための取り組み」を、「みんなでスクラム いきいき子育て計画」と銘打ち、子育てを行っている職員だけではなく、全ての職員が仕事と生活の調和に向け、ワークライフバランスの視点を重視した職場環境を目指して策定しています。 その目標1として、「令和7年度までに、女性の主査級職員の昇任希望率を80%以上、女性の副課長級職員の昇任希望率を80%以上にする」、目標3として、「令和7年度までに、男性職員の配偶者出産休暇取得率を80%以上、男性職員の育児参加のための休暇取得率を30%以上にする」、目標4として、「令和7年度までに、男性職員の育児休業取得率30%以上とする」など、とても高い目標値を設定してあります。その目標をかなえるための取組内容として、特に気に入っているところがありますので、御紹介いたします。 女性職員のキャリア開発支援のところで、「育児休業中の女性職員を対象とした研修を実施。研修では、女性管理職に育児と仕事の両立の体験談を話してもらい、復帰後や今後のキャリア形成について考えてもらう」、「職員が、家庭との両立やキャリア形成上の悩みについて、直属の上司ではない職員に相談し助言や指導を受けるメンター制度の導入」と、かなり具体的ないい取組であり、これが現実化すれば、市内でも優秀な職場環境となるに違いありません。 そこで、大項目2、(1)真の女性活躍のための本市の課題について、2点伺います。 1点目に、結婚、妊娠、出産を契機に、育児休業をしておくなどの職場復帰できる環境を確保せずにやめてしまった場合、職場復帰、特に元の職場並みの場所へ社会復帰というのは、非常に困難であると考えます。退職を考える方々への相談体制強化やニーズ把握を、早めに積極的にできないかどうかについて伺います。 2点目に、本市における職場環境が目標どおりになれば、市内でも優秀な、女性が活躍しやすい職場として認知され、各事業所へのいいアピールになるに違いありません。特定事業主行動計画に掲げる目標達成に対する意気込みをお聞かせください。 次の質問に移ります。 「人生100年時代」、「生涯現役」という言葉、すっかり定着しています。一昔前、定年を迎えると、人生もリタイヤし、隠居などという言葉も聞かれました。しかし、未病ということが盛んに言われ、若い頃からの健康志向に加え、医療も進化している昨今、「おじいちゃん、おばあちゃんとは呼ばないで」と叱られるほど、精力的に活動されている元気な60代、70代、80代の方々がたくさんいらっしゃいます。 「シニアが輝くまち小田原」の活動報告書によると、2018年7月に小田原市に住民登録のある満55歳から80歳未満のいわゆるシニア世代対象にアンケートをした結果、働きたい方が60.3%、職種希望としては製造業19.8%とトップ、2位は卸売・小売業18.2%、3位は医療・福祉16.2%、4位、飲食店・教育関係15.9%。条件としては、自宅から近い・通いやすい81.4%、週に3日から4日、1日4時間から6時間労働が70%を超えていました。 これに対し、同年行った小田原箱根商工会議所の会員3147社を対象としたアンケート結果では、シニア世代を雇いたい事業主は30.9%であり、職種としては技術職が約半数を占め、次に、労務職、販売・接客の順でした。雇用する際の重視するところは、健康であることが78.5%、知識・経験があることが65.5%、勤務日数・時間が合うことが49.9%でした。これまでの楽しいこともつらいこともたくさん乗り越えてきた、豊かな経験・知識があるシニアこそが魅力であるという結果が見えました。 厚生労働省では、働く意欲のあるシニアが年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会の実現に向けて、生涯現役促進地域連携事業を推進しており、本市も小田原市生涯現役推進協議会を設立し、平成30年7月からこの事業を受託し、各種取組を実施していますが、その一つに、本庁舎2階ロビーで展開するセカンドライフ応援窓口があり、仕事やボランティアなど、何かしたいおおむね55歳以上の本市シニアバンクに登録している元気・活力のあるシニア世代と、地域、行政、民間などの様々な職場、活躍の場と橋渡しをする役割として認識をしております。「シニアが輝くまち小田原」、「ゴールドタウン小田原」といったキャッチコピーがとてもいいと感じており、それを実感できるまちこそ、世界が憧れるまちに匹敵するであろうと考えます。 そこで、大項目3、(1)「シニアが輝くまち小田原」に対する本市の取組として、何点か伺います。 まず最初に、協議会が設立された以降、令和3年度までのセカンドライフ応援窓口における相談件数と、シニアバンクへの登録事業者とのマッチング件数、また、求人の多い業種について伺います。 次に、小田原市生涯現役推進協議会が、これまで実施してきている取組と課題について伺います。 次の項目に移ります。 小田原市は、世界的にもファンの多い「機動戦士ガンダム」の生みの親である富野由悠季さんの出身地です。ガンダムと聞くだけで、アニメーションの冒頭メロディーがこだましてしまいます。この御縁を、長年にわたり本市で生かせないのかという声を、たくさん聞いておりました。念願かなってというところですが、富野さんには小田原ふるさと大使にも就任していただきました。就任早々、ガンダムの絵柄を用いたマンホール、階段アート、マンホールカード、御当地ナンバープレートができ上がりました。本当によかったと思います。 4月4日の神奈川新聞に、「実物大動くガンダム・望む声熱く公開1年延長」の記事がありました。ファンでなくても見たくなる実物大のガンダムは、7月15日までメンテナンスで休業中とのことですが、来年3月末まで横浜市の「ガンダムファクトリーヨコハマ」にあります。このガンダムの高さは、6階建てビルに相当する18メートルで、本体の重さは25トン。目を光らせたり、歩いたり、膝を曲げたり、人差し指を空に向けたりできるもの。この歩く動きがたまらないファンがいるとのことです。 この実物大動くガンダムのホームページ中に、「ガンダムという海外からも高い注目を集める」という文言があります。横浜も認めるガンダムの力です。 これは「世界が憧れるまち“小田原”」に本来あるのがふさわしいのではないでしょうか。一から造るのは大変ですが、来年3月末で終了とのこと。もしも、この動くガンダムを運んでくることができたら、全国、いや世界から小田原へ観光を呼び込むチャンスであると考えます。 そこで、大項目4、(1)実物大動くガンダム設置についてですが、守屋市長は、本市にこの横浜のガンダムを誘致するお考えはないかどうか伺います。 次の項目に移ります。 本市の魅力の一つは、森里川海とよく例えられる、この自然であります。第6次小田原市総合計画の序論、市民アンケートの調査結果の自然環境についてでは、「自然環境に満足している」理由として、1位は森林や里山の緑の多さ、46.8%、2位は空気のきれいさ、40.8%、3位は河川や川辺もきれいさ、親しみやすさ32.3%となっています。全体の9割の市民が、小田原市の自然環境に満足しているという結果でした。この自然のよさは、何としてでも守っていかなければなりません。 2015年のパリ協定採択以来、徐々に高まってきたCO2をはじめとする温室効果ガスの排出をなくす意味の脱炭素、カーボンニュートラル、ゼロカーボンという、当時聞き慣れなかった言葉も、現在は当たり前に使うようになり、様々な方面で本格的に取り組むようになりました。 本市は、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指しています。電気自動車(EV)カーシェアリング「eemo(イーモ)」を展開する株式会社REXEV(レクシブ)、電気事業を展開する湘南電力株式会社と協定を結び、連携して取り組む「EVを活用した地域エネルギーマネジメントモデル事業」は、脱炭素型の地域交通モデルを構築していくはずです。 電気自動車(EV)というものは、ガソリン車に比べCO2を排出しないことや、災害による停電時には、搭載された蓄電池により電気供給ができることなどのメリットがあります。いまだ、一般の市民は理解できていないように感じます。 そこで、大項目5、(1)カーボンニュートラルに向けた本市の電気自動車(EV車)推進施策について、3点伺います。 1点目に、さきに申し上げたように、EV車に対する市民の理解が十分ではないため、説明会を開いて市民に説明する場が必要と考えますが、本市の御見解を伺います。 2点目に、EV車購入に当たって、現在どのような補助制度があるのか伺います。 3点目に、EV車の普及には、EVスタンドをもっと設置すべきと考えますが、本市の御見解を伺います。 次に、最後の質問項目に移ります。 昭和28年に建設され、翌年29年から小田原市の支所として愛され、平成31年3月に役目を終えた旧片浦支所。その後、解体され駐車場になるはずだった計画を、海の眺めがすばらしいので活用するとの守屋市長の鶴の一声で、6月1日から見違えるような建物、ワーケーションハウス「U(ユー)」へと生まれ変わりました。 この案内文には「根府川の穏やかな雰囲気の中で、『仕事も休暇も目一杯過ごしたい』、そんな人にお勧めの場所が誕生します。『仕事の前に釣りに出かけて、ゆっくり過ごしてみる』『ぐっと集中した後に、のんびりと山歩きを楽しむ』など、時間の使い方を自分で決めて過ごす、自分らしい新しいライフスタイルがきっと見つけられるはずです」と、イメージよく、今年5月の本市の広報紙を見事に飾っていました。 大変喜ばしいニュースと思っていましたので、先日、近隣住民の方にお会いしたときに、「旧片浦支所が残ってよかったですね」と声をかけたところ、「小田原市はとんでもないものをつくってくれたものだ」とお叱りを受けました。ワーケーションはどんな人たちが来るか分からないから不安で仕方がない、周辺道路も整えないであそこだけ開発しても困る、駅を利用する人間に変な人が増えたらどうするといった声があったのです。 そこで、大項目6、(1)旧片浦支所活用に当たり、近隣住民への配慮について3点伺います。 1点目に、旧片浦支所活用の全容については、本市は近隣住民へ、ヒアリングや説明会は何回か行っていたのでしょうか。 2点目に、オープンされるまでに近隣住民との合意形成はできていたとの認識であったのか伺います。 3点目に、今回の地域住民の方々の声、反応を受けて、どのような対応をしていくおつもりか伺います。 以上をもちまして、登壇しての一般質問を終わらせていただきます。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 4番角田議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 なお、御質問のうち、郷土愛を育むための本市の教育施策については、教育長からの答弁といたします。 初めに、働く女性に対する相談支援について御質問がございました。女性の出産・育児等と仕事との両立に向けて、本市では、企業の組織風土や制度改革の促進に取り組み、特に小田原Lエール事業では、多くの企業の参加を得て、働く女性を社会全体で支援する環境づくりを進めております。また、女性がそれぞれ望ましい働き方を実現できるように応援するため、キャリア相談や働く女性の交流会等も実施しております。今後さらに、女性が出産や育児のようなライフイベントに対して、一人で思い悩むことのないよう、例えば、母子健康手帳の交付時にキャリア相談窓口を紹介するなど、支援の充実に努めてまいります。 次に、特定事業主行動計画に掲げる目標達成に対する意気込みについて質問がございました。本市では、昨年10月から、民間企業で長年ダイバーシティ推進に携わってきた方を、女性活躍推進プロデューサーとして登用し、庁内横断型のプロジェクトチームを立ち上げ、女性の昇任希望率や男性の育児参加向上のための施策に取り組んでおります。職員の多様な働き方を実現し、誰もが働きやすい職場づくりに向けた組織変革を実行していくためには、真の女性活躍は不可欠であり、令和7年度末の目標達成に向けて、粘り強く取り組んでまいります。 次に、令和3年度までのセカンドライフ応援窓口における相談件数等、シニアバンクの現状について質問がございました。平成30年度から令和3年度までの4年間における相談件数は1836人、そのうちマッチング件数は289人となっております。また、令和4年3月末時点で登録のある237事業所の求める業種は、飲食・販売関連が最も多く、次いで福祉関連となっております。 次に、小田原市生涯現役推進協議会が、これまで実施してきている取組と課題について御質問がございました。小田原市生涯現役推進協議会では、取組に関する普及・啓発をはじめ、合同仕事説明会などのセミナー開催や、事業所訪問、そしてシニアと事業所とのマッチングを図るセカンドライフ応援窓口の開設など、就労支援に係る各種取組を実施しております。また、課題といたしましては、事業者の多くが、長期雇用が見込める現役を退いたばかりの経験豊富な60代前半までの方を求めているのに対し、就労希望のシニアの多くは60代後半から70代の方であるため、需要と供給のアンバランスが生じていることなどが挙げられます。 次に、実物大動くガンダムの設置について、その誘致について質問がございました。この動くガンダムの誘致に際しましては、設置場所や費用面等に加えまして、著作権を持つ会社や富野氏御本人の意向、市民理解など、様々な課題があるものと認識しております。しかしながら、誘致が可能となれば、ガンダムの生みの親である富野氏の出身地である本市を国内外に発信できるとともに、その誘客力は計り知れないものであると考えます。そのため、誘致につきましては、著作権管理会社など関係会社との折衝をはじめ、あらゆる可能性を探ってまいります。 次に、カーボンニュートラルの質問でございます。このカーボンニュートラルにおけるEVの市民周知に向けた本市の見解についての御質問でございます。電気自動車のメリットにつきましては、カーシェアリング事業者が試乗会や説明会などを随時開催し、市民理解の促進に努めております。本市といたしましても、小学生などを対象とした講座に電気自動車を取り上げたり、カーボンニュートラルに向けた取組を広く紹介するイベントなどの機会を捉えて、今後も積極的に周知を図ってまいります。ガソリン車から電気自動車への転換は世界的な潮流であり、自動車メーカー各社も製造・販売に力を入れている状況であるため、こうした企業等と連携した普及啓発にも努めてまいります。 次に、電気自動車の購入に係る補助制度について質問がございました。令和4年度に実施されている補助金につきましては、国の制度に基づき一般社団法人次世代自動車振興センターが交付するクリーンエネルギー自動車補助金や神奈川県が交付するEV導入費補助金などがございます。さらに、本市では、地球温暖化対策推進事業費補助金といたしまして、充電設備を併せて設置する電気自動車の購入に対し、5万円を交付しております。 次に、EVスタンドの設置について質問がございました。電気自動車の場合、車種にもよりますが、満充電でおおむね200キロメートルを走行することができ、日常生活における利用であれば、自宅の充電設備で充電することができます。しかし、長距離の移動には移動先で充電する必要があり、そのことに不安を感じる人からは、EVスタンドの設置数の増加を望む声が上がっていることも承知をしております。本市といたしましても、電気自動車の使用環境向上が、さらなる普及につながると考えており、事業者等に対する働きかけを継続してまいります。 次に、旧片浦支所活用に当たり近隣住民への配慮について御質問がございました。旧片浦支所を活用していく方向性となりました令和2年11月以降、片浦地区自治会長会議に担当職員が7回出席し、説明を行っております。そのうち2回は、片浦地区まちづくり委員会の委員にも参加をいただきました。また、タウンニュースや新聞、テレビで、度々取り上げていただいており、このことも、旧片浦支所利活用の周知に一定の効果があったものと考えております。 次に、オープンされるまでの近隣住民との合意形成について質問がございました。市といたしましては、自治会長会議やタウンニュースなどを通じて、旧片浦支所の活用について周知に努めてきており、地域の方々に一定の御理解はいただいたと認識しております。しかしながら、地域の中には様々な御意見があることも認識しており、事業者と協力しながら、御理解を得られるよう努めてまいります。 次に、地域住民の声に対する対応について質問がございました。ワーケーション施設につきまして、地域の中には歓迎、期待、心配、不安といった様々な意見があることは承知しており、そういった声を聞くたびに、事業者とは情報を共有し、丁寧な対応を心がけてきました。事業者からは、今後、地域住民の方々に参加していただくイベントを定期的に企画し、事業提案の一つであった「地域との共創」の実現を目指すと聞いております。そのような場を通じて、事業者と地域住民との交流が進み、施設への理解が深まるよう、市としても協力してまいります。 以上をもちまして、4番角田議員の御質問に対しての答弁といたします。 ◎教育長(柳下正祐君) 4番角田議員の御質問のうち、郷土愛を育むための本市の教育施策については、私から答弁をさせていただきます。 初めに、郷土小田原に関する系統的な学びについて質問がございました。本市では、教育委員会が発行しております社会科副読本を使いまして、小・中学校を通して、郷土についての学習活動を系統的に行っているところでございます。具体的には、小学3年生で副読本「わたしたちの小田原」を使い、市の地形・伝統工芸・地域産業等を学習し、4年生では副読本「二宮金次郎物語」を使い、地域の偉人について学んでおります。6年生では副読本「北条五代物語」を使い、戦国時代を中心に小田原の歴史に触れ、中学校では郷土読本「小田原」を使い、郷土の自然、社会、歴史・文化について理解を深め、郷土である小田原を系統的に学んでおります。また、各小・中学校では小田原の歴史・文化等を積極的に授業に取り入れる、小田原の教材化に努めているところでございます。 次に、新小田原市民歌と小田原小唄について質問がございました。平成30年度までは、小学6年生が一斉に集う小田原市体育大会で、新小田原市民歌、小田原小唄を扱い、市の歌や踊りに親しんでまいりました。しかしながら、令和元年度から体育大会を廃止したことに伴いまして、学校教育の中で扱う機会は減っているというのが状況でございます。 以上をもちまして、4番角田議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。 ◆4番(角田真美君) 一定の御答弁をいただきました。 まず、大項目2、真の女性活躍については、ワークライフバランスなど、入社するタイミングで人生設計をよく考えておくことが望ましいのですが、計画どおりに進まないことも多々あり、一度社会から離れてしまって家庭に入り込んでしまった、そのような場合にも、再び社会復帰ができるような伴走型の仕組みづくりにも力を入れていただくことを要望いたします。 次に、大項目3、「シニアが輝くまち小田原」については、平成30年7月に実施したアンケート結果のとおり、週3日から4日、1日4時間から6時間の労働を希望するシニアが70%を超えているなど、フルタイムの労働を希望する人が少ないのが現状であります。シニアが輝くまち、ゴールドタウン小田原を実現するためには、シニアが年齢にかかわらず働くことができる環境を整えることが重要です。そのためには、シニアが希望する就労条件を踏まえ、勤務日数や短時間勤務の求人情報を、企業や団体に登録してもらうなど、シニアの方と、企業や団体とのマッチングが促進されるように取り組んでいただきたいです。これは、意見として言わせていただきます。 続いて、大項目4、実物大動くガンダムについてですが、小田原ふるさと大使になられた富野氏の御意向を大切にしながら、ぜひ実現へと結びつけてもらいたいと強く要望いたします。 大項目5、EV活用については、ガソリンスタンドのように手軽に充電できる環境づくりを、ぜひお願いいたします。その際、お隣の箱根町で取り組むエヴァンゲリオン柄のEVスタンドのように、小田原らしい、小田原ならではの図柄を使ったEVスタンド活用も視野に、御検討願いたいと要望しておきます。 では、順番は戻りますが、大項目1、子供たちへ郷土愛を育むことについて再質問させていただきます。 質問の2点目に挙げた新小田原市民歌、小田原小唄ですが、小学校6年生が一斉に集う体育大会の廃止に伴い、親しむ機会が減っているというのは非常に残念なところです。ぜひ、どこかの機会で復活させ、取り入れてもらいたいと要望いたします。 かつて私の幼い頃は、夏休みになると、子ども会と浴衣を着た地域の方々と輪になり、小田原小唄の踊りを教えてもらった思い出があります。地域の方々との関わりが持てる機会は、とてもいいものでした。そこで、学校教育の中で、地域の人とのつながりが持てるような取組が、現在なされているのか伺います。 ◎教育部長(飯田義一君) 地域の人とのつながりが持てる取組について御質問がありました。小・中学校では、各教科等で地域素材を活用した学習場面を設定いたしまして、地域の方々と連携して教育活動を行っております。例えば小学校では、地域の方から、特産物である梅干しの作り方を教わったり、中学校では、地域の事業所のほうで職業体験をさせていただいたりと、そのようなことをさせていただいております。今後も、学校教育の様々な場面で、地域の人とのつながりが持てるような取組を、さらに進めてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ◆4番(角田真美君) 御答弁ありがとうございました。梅干しを作る方法を教えてもらったり、あと職場体験をできたりと、地域の方との交流もあるのだなと分かってうれしいです。ぜひ、継続していただきたいと思います。 ICT教育によりまして、人とのコミュニケーションの機会が薄れていく気がして心配ではございます。かつては、子ども会活動も盛んに行われ、地域の方と過ごす中で、地域への思いを深くしたと私は感じております。交流の難しい昨今ではありますが、ぜひ機会をつくってもらいたいと思います。これは意見といたします。 最後になりますが、大項目6の旧片浦支所活用についてですが、コロナ禍ということもあり、近隣住民を集めての説明会の開催が困難であった状況は分かります。今後においても、同意なされていない方々へ理解を促し、地域活性化への努力を続けていただきたいと要望いたします。 また、少し軽口に聞こえたかもしれませんが、今回、大項目6の一般質問を上げた私の真意というものは、今後、守屋市政で予定されている新病院の建設、旧内野醤油店の活用、デジタルタウン、小田原駅西口ロータリーなどの大きな事業において、どれも地域の活性化のために、近隣住民との同意の形成といったものを大切に進めてほしいという私の思いからでした。同意形成ができていれば、安全に工事が進むはずです。そして、工事中から待ち望む住民も増えるはずです。それこそ、まちづくり一つ一つの事業の成功プロセスにとって、欠かせないものと考えるからでした。ぜひ、そのことを大事にしてほしいと要望し、私の一般質問を終了いたします。(拍手) ○議長(大川裕君) 以上で本日予定しておりました一般質問は全て終了しましたので、20日午前10時から続行することにいたします。 なお、改めて再開の御通知をいたしませんので、御承知ください。 それでは、本日はこれをもって散会いたします。     午後3時15分 散会...