○議長(大川裕君) 次に、
建設経済常任委員長から御報告願います。
----------------------------------- 令和4年2月22日 議長 大川 裕様
建設経済常任委員長 神戸秀典[印]
建設経済常任委員会審査報告書 本委員会に付託されました事件について、審査の結果、次のとおり決定したので、会議規則第74条の規定により報告します。1 事件 (1)議案第2号 令和3年度小田原市
一般会計補正予算(所管事項) (2)議案第3号 令和3年度小田原市
競輪事業特別会計補正予算 (3)議案第4号 令和3年度
小田原城天守閣事業特別会計補正予算 (4)議案第7号 令和3年度小田原市
公設地方卸売市場事業特別会計補正予算 (5)議案第10号 令和3年度
小田原地下街事業特別会計補正予算 (6)議案第12号 令和3年度小田原市
下水道事業会計補正予算 (7)議案第14号
小田原競輪場施設等改善基金条例 (8)議案第20号 市道路線の認定及び廃止について2 審査の経過及び結果 上記議案について、当局の説明を聴取し、慎重審査の結果、全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定した。
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○議長(大川裕君) 17番神戸議員、登壇願います。 〔17番(神戸秀典君)登壇〕
◆17番(神戸秀典君)
建設経済常任委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本委員会は去る2月22日開会し、付託されました議案第2号 令和3年度小田原市
一般会計補正予算(所管事項)、議案第3号 令和3年度小田原市
競輪事業特別会計補正予算、議案第4号 令和3年度
小田原城天守閣事業特別会計補正予算、議案第7号 令和3年度小田原市
公設地方卸売市場事業特別会計補正予算、議案第10号 令和3年度
小田原地下街事業特別会計補正予算、議案第12号 令和3年度小田原市
下水道事業会計補正予算、議案第14号
小田原競輪場施設等改善基金条例及び議案第20号 市道路線の認定及び廃止につての8件の各議案について、鳥海副市長、玉木副市長ほか関係職員の出席を求めて説明を聴取の上、慎重なる審査を行い一括採決した結果、全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。 以上をもちまして、本委員会における審査の経過並びに結果についての報告を終わります。
○議長(大川裕君) 以上で
建設経済常任委員長の報告は終わりました。 ただいまの報告に対して御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大川裕君) 質疑もありませんので質疑を終結し、議案第3号、議案第4号、議案第7号、議案第10号、議案第12号、議案第14号及び議案第20号の7件に対する討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大川裕君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。議案第3号、議案第4号、議案第7号、議案第10号、議案第12号、議案第14号及び議案第20号の7件について、
建設経済常任委員長の報告どおり決定することに賛成の方は起立を願います。 〔賛成者起立〕
○議長(大川裕君) 全員賛成であります。よって、議案第3号 令和3年度小田原市
競輪事業特別会計補正予算、議案第4号 令和3年度
小田原城天守閣事業特別会計補正予算、議案第7号 令和3年度小田原市
公設地方卸売市場事業特別会計補正予算、議案第10号 令和3年度
小田原地下街事業特別会計補正予算、議案第12号 令和3年度小田原市
下水道事業会計補正予算、議案第14号
小田原競輪場施設等改善基金条例及び議案第20号 市道路線の認定及び廃止については、
建設経済常任委員長の報告どおり可決確定いたしました。
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○議長(大川裕君) 最後に、議案第2号 令和3年度小田原市
一般会計補正予算に対する討論に入ります。
◆24番(田中利恵子君) 議案第2号 令和3年度小田原市
一般会計補正予算について、日本共産党を代表し賛成討論をいたします。 まず、旧
内野醤油店整備保全活用事業についてです。
厚生文教常任委員会において、私は、市がこの建物を公有化するために、この時期に補正予算に計上するタイミングとしての合理的理由は何かと質疑いたしましたが、御答弁に、歴史的建造物として市の地域資産として残していかなければならない等ありましたが、第1に、このことを共有するものです。第2に、令和3年度限りの事業であり、このタイミングは外せないと明言されましたが、これを理解いたします。公有化したことが後々よい評価をいただけるよう、これまでの議論を決して無駄にしてはならないと考えます。 保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業費補助金の目的の趣旨は、新型コロナウイルス感染症への対応など、教育・保育の現場の最前線で働く保育士等の賃上げ効果を継続し、処遇改善を図るということです。本市は、公立保育施設の保育士等の賃金アップをされないとのことですが、目的にある趣旨からいたしますと適切ではないと考えます。しかしながら、本事業により多くの民間保育士などの賃金アップにつながりますことから、これを受け止める次第です。 水産物加工事業補助金ですが、コロナ禍で運営に苦慮する小田原市漁業協同組合の加工事業を支援するため、HACCP(ハサップ)の承認を受けるため、これを進めているとのことですが、このことを歓迎するものです。ぜひ衛生面の充実と販路に向けて力を尽くすことを期待いたします。 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策事業としてのプレミアム付商品券事業費については、商業者、市民の方から、購入するきっかけを与えていただいた等、感謝されたことですが、こちらも地元商店を応援したいという声をお聞きしています。商品券はデジタルと紙対応と半々になっておりますが、紙対応でないと対応できないとする方の意見も尊重され、引き続き丁寧な対応を求めさせていただきます。 以上、若干の意見を申し上げましたが、最後に、令和3年度小田原市
一般会計補正予算における新型コロナウイルス感染症対策に全力を挙げ対応されるよう申し上げまして、賛成討論といたします。
◆10番(鈴木和宏君) 議案第2号 令和3年度小田原市
一般会計補正予算中の歴史的風致形成建造物等活用事業について、討論をいたします。 本市はこれまでも歴史と文化をメインテーマとして取り組んできた経緯があり、都市再整備計画の立地適正化計画においては、地方再生のコンパクトシティのモデル都市として認められてきました。狙いは、小田原駅と城郭で集客して、板橋・南町地区の邸園文化で交流空間を拡大し、それをさらに早川地区の港や一夜城周辺まで拡大する、これを総じて地域の稼ぐ力として育てていくといった具合です。 そうした中、旧内野醤油店について、市による買取りの補正予算が提案されました。過去20年以上前から、地域の方々が、地域活性化の取組として「板橋まちなみファクトリー」を組織し、活動してきた経緯があります。毎年、秋には夢見遊山として板橋商店会の皆様も加わり、地域の活性化に努めてこられています。地域の方々にとって旧内野醤油店はランドマーク的な存在であり、このたび本市が個人所有の資産を取得することに対して、様々な思いを抱いております。 本市として、歴史的建造物は小田原市の地域資産として残していく方向性であること、タイミングとして都市構造再編集中支援事業費補助金は今年度が限りであることを理解いたしますが、コロナ禍においてこれだけの額を投入するのは思い切った事業であると思います。もし、例えば本物件について、私が事業主として経済活動をすると考えると相当のちゅうちょがあります。しかし、いざイベントをすれば、板橋地区は大勢の観光客が訪れる場所です。さきに述べた板橋の夢見遊山は、ここ2年、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け中止しておりますが、いつかは収束し、人の流れが戻る時期が来ると考えます。その際に、更地となって何もないのでは、本市や地域の方が長年取り組んできた活性化に遅れを取ることになりかねません。歴史的建造物の保全は、行政の力をもってしかなし得ないことです。効率性を言えば反対する案件ですが、将来性、そして地域の方々の思いを考えたときに、板橋の活性化には欠かせない資産と考えます。 以上をもって、賛成の討論といたします。
◆19番(井上昌彦君) 議案第2号 令和3年度小田原市
一般会計補正予算のうち、歴史的風致形成建造物等活用事業について、討論させていただきます。
厚生文教常任委員会及び議案関連質疑から、この事業で購入予定の旧内野醤油店は、別邸文化を支える、なりわい・職人文化の歴史的価値を伝えるとともに、板橋の情報発信・交流の拠点として活用するため購入するものであるということでした。 本物件は、なりわい・職人文化の歴史的価値を伝えるといっても40年以上前に廃業しており、工場、穀蔵は管理状態がよくありません。特に工場は壁、屋根がかなり傷んでおり、国登録有形文化財としての価値はないと考えます。また、それらの施設を利用し、どのようになりわい・職人文化を伝えていく等の利活用について明確な方法が示されませんでした。 店舗については、和風と洋風の工法が多様された珍しい建造物となっていますが、2015年10月の日本建築学会技術報告書において、ある建築家が旧内野醤油店調査報告をしております。この店舗についての意匠は故人の強い思いがあったという調査結果でした。歴史的に見ても小田原の商家はなりわい交流館のような出桁造りが多く、本建造物は小田原のなりわいと言える商家の伝統的な建造物とは言えないと思います。 そして、板橋の情報発信・交流の拠点として活用するため購入するという点においては、公民連携で活用方法を考えていくということですが、すぐ近くには松永記念館、皆春荘があります。特に皆春荘は十分な利活用がされておりません。新たな施設、土地を購入せず、その2施設で板橋の情報発信・交流の拠点として活用すべきと考えます。 以上の理由により、この事業の予算については反対の立場の表明をさせていただきます。そのほかの補正予算について、新型コロナウイルス感染症対策等多くの重要な予算がありますので、賛成の意思表明をさせていただき、私の賛成討論とさせていただきます。
◆3番(川久保昌彦君) それでは、本議会に提出されました議案第2号 小田原市
一般会計補正予算の中で、(款)2 総務費(項)1 総務管理費(目)9 文化行政費の市民文化創造経費のうち、歴史的風致形成建造物等活用事業として計上され、市内板橋地内に存する国登録有形文化財である旧
内野醤油店整備保全活用事業について、国の都市構造再編集中支援事業費補助金3900万円余を活用して、現住居を含む対象建物取得費、用地取得費及び動産移転補償費に関わる総額1億3000万円余の補正予算案について討論いたします。 初めに、昨年6月の定例会において、補正予算として計上されました本案件に関わる不動産鑑定料等に関わり、私は賛成の意を表するものの、様々な角度から意見を申し上げさせていただきました。その後、本年2月21日に開催されました
厚生文教常任委員会においては、私が市民の代表の一人として、一片の迷いなく賛成できるような決断に至ることができませんでしたので、会派の先輩及び同僚議員の御理解をいただき、一議員としての信念より、その主な理由を述べさせていただきました。よって、本日の本会議においても、これより私の胸中にある思いを述べさせていただきます。 まず、まだまだ続くコロナ禍の中、困窮されている市民の方々の心情等を思うと、守屋市長は令和4年度施政方針においても述べられておりますが、新型コロナウイルス感染症対策を最優先するとの決意とは大きく相違する感が否めず、今、小田原のまちに暮らす約18万8000名の小田原市民全ての命と暮らしを守り抜くために、生活に困窮されている方々などに本市独自の支援策を講ずることが優先されるべきと考えるものです。 なお、そのことが果たせなければ、人口20万人規模を達成するという目標は到底果たせないものと考えます。 ところで、本定例会初日である2月16日に行われました本議案に関わる19番井上議員の質疑では、本市の歴史的風致形成建造物として指定されている清閑亭、豊島邸、皆春荘及び旧松本剛吉別邸の4物件に関わるこれまでの改修費用等についての質疑があり、その総額は2億6000万円を超える金額であることが分かりました。補修のために筋交いなどの金具が用いられ、伝統工法を用いた歴史的建造物として維持管理することには限界と疑問を抱くものであり、このたびの旧内野醤油店においても同様の支出が見込まれることに危惧感を抱くものであります。国庫補助金といえどもその元は国民の税金であり、小田原市としての支出分も、住民税や固定資産税等の、本市が命と財産を守るべき大切な市民の税金であります。 また、現住居部分も購入し、さらに1年間を期限として居住者の方と賃貸契約を結び、その後に市費で解体撤去等することは、居住者の方は居住用財産を譲渡した場合の特例等の適用もあり、今後の類似的な案件について、このたびの予算執行のあり方を議会が肯定する前例となりますことを大変憂慮するものであります。 地元地域の住民の方々はもとより、より多くの市民の理解と共感が得られ、他の歴史的建造物全てに共通した保存利活用計画について、市として、そして守屋市長としての信条である邸園文化の思いが具体的に小田原のまちを持続可能とし、後世の市民の方々にも負担をかけない施策として判断するに至ることは到底できませんので、一旦ブレーキを踏むべきことを併せて意見させていただきます。 なお、他の
一般会計補正予算案につきましては、緊急性等の意義から賛成の意思があるものの、本案件につきましては、他の議員の方との修正案の提出を図る考えはなく、よって、本補正予算案件は単独採決とはなりませんが、1期生議員ながらも市民の代表の一人として賛成できない理由等を明確に述べさせていただき、納税者の方々の思いの一端として会議録に残していただくことが本意であります。 以上より、このたびの
一般会計補正予算案の採決に関しましては、棄権の意思を示し、退席させていただくことを申し上げさせていただき、討論を終わります。 〔3番(川久保昌彦君)退席〕
○議長(大川裕君) 御発言も尽きたと思いますので討論を終結いたします。 採決いたします。議案第2号について、各常任委員長の報告どおり決定することに賛成の方は起立を願います。 〔賛成者起立〕
○議長(大川裕君) 全員賛成であります。よって、議案第2号 令和3年度小田原市
一般会計補正予算は、各常任委員長の報告どおり可決確定いたしました。 〔3番(川久保昌彦君)出席〕
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○議長(大川裕君) 次に、日程第20 陳情第73号 国に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情及び日程第21 陳情第74号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情の2件を一括議題といたします。 ただいま一括議題といたしました各陳情については、さきに
厚生文教常任委員会にその審査を付託いたしましたが、お手元に配付した陳情審査結果一覧表のとおり審査報告書が提出されておりますので、これより付託された陳情について一括で質疑、討論を行い、陳情ごとに採決を行います。
----------------------------------- 小田原市議会3月定例会陳情審査結果一覧表 令和4年3月1日
厚生文教常任委員会陳情
番号件名受理年月日付託委員会審査年月日審査結果73国に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情R3.12.24
厚生文教常任委員会R4.2.21不採択とすべきもの
(賛成少数)74神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情R3.12.24
厚生文教常任委員会R4.2.21不採択とすべきもの
(賛成少数)
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○議長(大川裕君)
厚生文教常任委員会に付託されました陳情第73号及び陳情第74号の審査結果報告に対し御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大川裕君) 質疑もありませんので質疑を終結し、討論に入ります。
◆25番(岩田泰明君) 陳情第73号 国に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情並びに陳情第74号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情に、賛成の立場から討論をいたします。 本陳情につきましては、その陳情項目にありますように、国に対し、地方自治法第99条に基づき「公私の学費格差をさらに改善し、すべての子どもたちに学ぶ権利を保障するため、私学助成の一層の増額を要望する」意見書を提出することを求めることであり、他方は、同じ趣旨で、神奈川県知事に対してこれを求めるものであります。 我が国の公教育においては、公立学校と並んで私立学校がその役割を歴史的に占めてまいりました。この下において、公立学校、私立学校共に国民に対する教育の責務を果たしているところであります。私立学校に通う児童生徒の学びの環境が、公立学校に通う児童生徒のそれと同等のものとして保障されるのは当然と考えますので、本陳情の趣旨は妥当と判断をいたします。よって、賛成をするものです。 以上。
○議長(大川裕君) 御発言も尽きたと思いますので討論を終結いたします。 採決いたします。まず、陳情第73号について、採択することに賛成の方は起立を願います。 〔賛成者起立〕
○議長(大川裕君) 賛成少数であります。よって、陳情第73号 国に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情は、不採択とすることに決定いたしました。
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○議長(大川裕君) 次に、陳情第74号について、採択することに賛成の方は起立を願います。 〔賛成者起立〕
○議長(大川裕君) 賛成少数であります。よって、陳情第74号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情は、不採択とすることに決定いたしました。
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○議長(大川裕君) 議事の都合により、この際、暫時休憩いたします。 再開は午前10時50分といたします。 午前10時38分 休憩
----------------------------------- 午前10時50分 開議
○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 次に、日程第22 議案第21号 令和4年度小田原市
一般会計予算から、日程第41 議案第40号 小田原市消防団員の定員、任用、給与、服務等に関する条例の一部を改正する条例までの20件を一括議題といたします。 ただいま一括議題といたしました各議案につきましては、既に説明が終わっておりますので、これより代表質問を行います。 この際、申し上げます。代表質問・個人質問時のみ、会議継続の要件である議員の定足数を確保できる範囲内で、議場に入る議員の人数を減員いたしておりますので、御承知ください。 それでは、発言通告がありますので、発言者を指名いたします。 誠風代表・7番宮原議員、登壇願います。 〔7番(宮原元紀君)登壇 拍手〕
◆7番(宮原元紀君) 会派誠風の宮原元紀でございます。 これより通告に従い、会派誠風の代表質問をしてまいります。 大項目1、第6次小田原市総合計画「2030ロードマップ1.0」スタートに向けて。 市長の本格的な意思と政策が、数々の取組や重点施策として庁内で混ざり合い、ブラッシュアップを重ねて盛り込まれ、今後2030年に向けての新たな道しるべとなる本市最上位の計画、第6次小田原市総合計画基本構想が先般、
小田原市議会で可決確定され、令和4年度からのスタートを目前に控えた本日、代表質問でございます。 市長になられて間もなく2年がたとうというところで、いよいよ政策面に思いの行き届いた新総合計画のスタートとなりますが、この間には総合計画の策定以外にも、最優先課題である新型コロナウイルス感染症に対する取組、台風など自然災害への対応、ここに挙げ切れない数々の事業や案件について、即断即決と熟考の日々であったと推察をいたします。 施政方針演説において示された、これまでにない新たな事業や大局的な取組については、後ほどお伺いいたしますが、まず、単刀直入に、第6次小田原市総合計画「2030ロードマップ1.0」スタートに向けて、市長の意気込みをお伺いします。 次に、大項目2、令和5年度中に示すとされた、注目の3事業について伺ってまいります。 (1)究極の「ゼロカーボン・デジタルタウン」について。 115年の長きにわたり、保護処分となった少年らを更生に導く施設として活躍した小田原少年院ですが、2019年4月1日に閉庁となりました。小田原駅至近の立地であり、その跡地利活用には注目が集まり、この
小田原市議会でも数多くの議員が質問を行ってまいりました。会議録を見返しますと、ポテンシャルのある大規模にまとまった土地であるということは認めつつも、国の土地であり、本市まちづくりにおける検討の俎上にのせる前の段階であるという答弁の印象でありました。しかし、このたび、究極の「ゼロカーボン・デジタルタウン」として新たなまちづくりをここで目指すと、少年院跡地の利活用に踏み切る英断が下されました。 タウンといった文言からは居住誘導がうかがえ、人口20万人に向けての期待も高まるところでありますが、ゼロカーボンとデジタルの融合とは、何を目的にどこを見据えたまちづくりなのか。究極の「ゼロカーボン・デジタルタウン」の目的や概要についてお伺いします。 (2)新たな健康増進拠点施設について。 平均寿命と健康寿命の差があることが以前より指摘をされています。これは算定の指針により解釈の異なるところですが、この差が広がることは、医療費や介護費の増加により、家計や扶助費に大きな影響を及ぼします。健康寿命を延ばすことと平均寿命との差を縮めることが本市の大きな課題であると言えます。令和4年度の施政方針には「健康増進拠点施設」の記述があり、注目をしております。令和5年度中に基本構想策定とありますが、対象とする人はどのような人を想定しているのか、どのような活動を行い、場所はどこを想定しているのか、現在の構想を伺います。 (3)小田原駅西口地区における再開発について。 このたび、優良建築物等整備事業として、旧新幹線ビルについては高層的な建て替えが進みますが、小田原駅西口地区では駅前にもかかわらず立体的な活用がされておらず、レイアウト的にも課題のある広場なども含めて、どのような再開発が検討されるのか、大変関心の高いところです。小田原駅西口地区再開発事業との一体的な整備の検討内容について伺います。 あわせて、西口地区の再開発検討が進んでまいりますと、東口の再開発についても関心が高まるところです。2015年にリニューアルをした「トザンイースト」、2020年に開業し、小田原駅東口のランドマークの一つとなった「ミナカ小田原」など、景観としても小田原らしさが光る新しい建物が増える一方で、年季の入った建物のしつらえと色味が混在した景観は、本市最大の玄関口として統一感がないと感じざるを得ず、たまたまエレベーターで一緒になった観光客からもそのような声を耳にしました。 小田原駅周辺全体を見ましても、西口・東口周辺の建物はそのほとんどが民間施設であり、市として見解を述べることが難しい点は理解しますが、まちづくりの顔として景観に統一感を持ち、事業計画に対する可能性や方向性について、市が協力的に関わり、進めることは、まちの価値を高める点でも、観光誘客においても非常に有意義だと考えます。 そこで、小田原駅西口・東口周辺について、調和の取れた景観へ統一するべきだと考えますが、御見解をお伺いします。 大項目3、市政運営の基本方針について。 (1)新型コロナウイルス感染症対策について。 新型コロナウイルス感染症は、オミクロン株の流行による第6波の真っただ中となっています。全国での新規感染者数も、2月には10万人超えの日もあり、連日5万人以上を記録しております。小田原市でも1日の新規感染者が100人以上の日もある状況です。 流行当初は、オミクロン株は重症になりにくいなどの報道もありましたが、時間の経過とともに、感染者もこれまでの変異株よりも急激に増加したということで、入院患者も増え、病床の使用率も上がり、医療逼迫を起こしています。 感染拡大の重要な対策であるワクチン接種について、本市では、昨年12月から追加接種が始まり、初回の接種同様に、医療従事者、高齢者施設入所者、続いて一般高齢者の対応をしていくと説明を受けていました。しかし、1月以降、国では、医療逼迫をもたらす感染拡大や重症化を防ぐため、予定を前倒しする方針を、度々打ち出していたと記憶しています。 このような中、2月22日の神奈川新聞に、新型コロナワクチン追加接種について、神奈川県は全国で45位、小田原市は県内市町村でワースト3位という記事が掲載されました。昨年の初回接種の際には、なかなか予約が取れないなどの市民の声もありましたが、今回は、そのような声はほとんど聞かれないものの、肝腎の接種が進んでいないと聞いて不安を感じています。 そこで、1点目として、本市の新型コロナワクチン追加接種における基本的な考えを伺います。 2点目として、追加接種の接種率が他市に比べ低いことについて、その要因は何か伺います。 3点目として、2月は出遅れてしまったようですが、3月以降は十分に接種が進むのか、追加接種の現時点における3月の予約状況と接種見込みについて伺います。 追加接種については、これからさらにスピードアップを図っていく必要があると思います。また、接種を進めるに当たり、初回接種のときにはワクチンの供給が遅かったなどの問題もあったと記憶しています。 そこで、4点目として、今後の接種を加速するための方策とワクチンの供給見込みについて伺います。 次に、ニュースでは、ファイザー社のワクチンが初回接種よりも少ないことから、初回接種をファイザー社ワクチン、追加接種を武田/モデルナ社ワクチンでの交互接種になる方が一定数出ることになるが、「武田/モデルナ社ワクチンの副反応が強いのではないか」との不安から敬遠されているとの報道をよく目にします。 そこで、5点目として、交互接種に対する市民の反応について伺います。 6点目として、交互接種や副反応の問題など理由は様々と思いますが、追加接種を敬遠する市民に対し、どのような接種勧奨の取組をしているのか伺います。 最後に、本市施政方針の新型コロナウイルス感染症対策の四つの柱として、「生活を守る」、「事業者を守る」、「教育を守る」、「地域医療を守る」とありますが、これまでどのようなことをしていて、今後どのようなことをしていくのか、それぞれの具体的取組について伺います。 大項目4、重点施策の取組について。 (1)医療・福祉について。 ア、地域医療体制について。 守屋市長は就任以来、新型コロナウイルス感染症との闘いが現在も続いております。その中で、ワクチンの確保と接種の体制づくりや、医療機関や介護施設との連携は将来に向けての大きな財産と言えると考えます。高齢化が進む世の中で、今後これらの関係はさらに進化・発展させていくことが必要と考えます。 そこで、地域医療におけるさらなる連携体制の強化をどのように図っていくのか、また、その中で市は役割をどう担っていくのか伺います。 次に、イ、地域共生社会の実現について。 平成28年7月26日、県立の障害者支援施設である「津久井やまゆり園」において、19人が死亡し、27人が負傷するという大変痛ましい事件が起きました。この事件は障がい者に対する偏見や差別的思考から引き起こされたと伝えられ、障がい者やその御家族のみならず、多くの方々に言いようもない衝撃と不安を与えました。当時、守屋市長と玉木副市長がタッグを組んで「ともに生きる社会かながわ憲章」の策定が進められたと聞いております。本市においては令和3年度をもちまして、第3期小田原市地域福祉計画の計画期間が終了します。新たな策定に向け、具体に共生社会推進本部の設置とありますが、その概要と目的を伺います。 また、「ソーシャルワークの強化」との文言に、生活課題に取り組む人の支援だけにとどまらない大きな視野を含めたものに感じます。どのようなものを想定しているのか伺います。 次に、ウ、健康寿命の延伸について。 平成25年に始まった健康増進計画は、健康増進法第8条第2項の規定に基づき、住民の健康を増進するために策定するものでありますが、本市での位置づけは、さきに取り上げた地域福祉計画の下位計画として位置づけられております。令和4年度の改定に向け取り組まれるものと推察しますが、食育推進計画と自殺対策計画を一本化するとの記述があります。報徳訓にも「身命の長養は衣食住の三つにあり」とうたわれ、なるほどと思われますが、本市において健康増進計画は「脳血管疾患予防」と「歯科保健の推進強化」を二本立てとしており、どのように進められていくのか気になるところです。新たに進む健康増進計画の策定をどのような方向性で進めていくのか伺います。 (2)防災・減災について伺います。 ア、防災・減災の取組について。 施政方針では、強靭化地域計画や地域の総合防災計画である地域防災計画により、事前防災・減災と災害発生時の対応能力を強化するとしています。その具体的取組として、防災拠点の機能強化や必要な資機材、食料の備蓄を計画的に進めることや、防災行政無線の更新に合わせた防災のデジタル化を推進するための計画を策定することとしています。また、防災行政無線をはじめとした情報伝達手段の全体的な見直しや、台風、集中豪雨による土砂災害から市民を守るため、県が実施する急傾斜地崩壊対策や土石流対策を促進するとしています。 そこで、防災拠点の機能強化、防災のデジタル化及び防災行政無線等の情報伝達の全体的見直しについて、それぞれの基本的な考え方と具体的な取組について伺います。 また、県が実施する急傾斜地崩壊対策や土石流対策について、本市としてどのように関わり促進していくのか伺います。 次に、イ、地域防災力の強化について伺います。 地域防災力の強化は、災害対応力強化のための重要課題の一つと言われています。言うまでもなく、災害対応力の強化には、地方自治体などによる「公助」に加え、地域住民自らの備えによる「自助」、地域住民同士が支え合う「共助」の取組を一体的に推進することが重要です。特に、自助と共助という点において、日頃から活発なコミュニティ活動を行っている自治会や自主防災組織などは、災害時に大きな力を発揮することから、自助・共助の精神に基づく各地域の防災体制の強化は不可欠です。 地域防災力の強化については、施政方針において、いっせい総合防災訓練、ハザードマップの一元化、防災教室などの事業の実施を掲げていますが、これらの事業がどのように地域防災力強化につながるのか、その意義と目的について伺います。 また、あわせて、守屋市長が考えられる地域防災の必要性と取組の方向性について伺います。 (3)教育・子育てについて何点か伺ってまいります。 ア、質の高い学校教育について。 施政方針では、小田原版STEAM教育の研究・開発に取り組み、教科横断的な教育を推進することにより、子どもの社会力の育成につなげるとしています。 そこで、STEAM教育について、3点伺います。 1点目は、文部科学省が掲げる「学校教育におけるSTEAM教育等の教科等横断的な学習の推進」の概要について。 2点目は、STEAM教育において小田原版とする意義について。 3点目は、小田原版STEAM教育の研究・開発体制と実施までのスケジュールについて。 以上、3点であります。 イ、水泳授業及び学校プールの在り方について。 2年前の予算特別委員会での総括質疑や私の一般質問、また昨年の予算特別委員会でもこの水泳授業の民間委託を提案させていただきました。民間委託を進めることで年間数億円規模のランニングコストの減少と、教職員の負担軽減につながることが他の先進事例で既に明確となっておりますので、今回の試行開始について大変高く評価するところです。 今後は、学校プールの在り方について、各地域や民間プール事業者のキャパシティーなどから鋭意検討されたいと思いますが、学校現場においては、このプール授業のほかにも民間活用が望める可能性があると考えています。例えば、既に導入されているALT(外国語指導助手)もその一つですが、スポーツの場面、歴史・文化の場面など、今後様々な場面で本市独自、小田原ならではの教育や文化継承、プロフェッショナルの活躍が生かされるような公民連携は望ましいと考えます。 今後の水泳授業における民間スイミングスクールの活用のような、教育の場における専門家の活用について見解をお伺いします。 次に、ウ、子ども・子育て支援について伺います。 施政方針では、行政、学校、地域住民の一層の連携による子育てを社会で支える環境づくりとともに、妊娠期から出産、子育てに係る親の不安や悩みなどに寄り添い、誰もが気軽に相談できる体制整備による、親が安心して子育てができる環境の実現により、子ども・子育て支援を推進することとしています。 そこで、二つの施策の実現に向けた具体的取組について伺います。 次に、エ、家庭教育支援について。 続きまして、施政方針にある「保護者を対象とした講演会等を開催」について伺います。 保護者を対象とした講演会は、現在でも行われていると承知しています。しかしながら、現状の講演会が果たしてどれだけ家庭教育支援に結びついているのかが、実際に参加した中で見えていません。 そこで、これから開催する予定の保護者を対象とした講演会等は、従来と比べどのような改善を図って実施されるのかを伺います。 次に、オ、子供たちの生活環境の確保と安全対策について伺います。 昨年の6月、千葉県八街市で下校途中の小学生の列にトラックが突っ込んだ痛ましい事故では、小学3年生と2年生の男子児童2人が死亡するなど、児童5人が死傷しました。この事故は、飲酒運転の根絶とともに、危険な通学路をいかに改善するかという再発防止に向けた課題を残しました。 事故を受けて、国は、危険な箇所を抽出して安全対策を講じるよう自治体などに通知し、全国の通学路の点検と対策が進められています。こうした動きの中、本市では、子供たちの生活環境の確保と安全対策を進めるため、その一環として、引き続き通学路の危険箇所の点検・改善を継続することとしています。 そこで、その取組における基本的な事項について3点伺います。 まず、安心・安全な通学路を実現するための本市としての基本的視点について伺います。 また、通学路の安全確保に向けた現状の課題について、どのように捉えているのか伺います。 さらに、令和4年度における通学路の安全点検をどのように実施していくのか伺います。 次に、カ、小田原市学校給食センターについて。 全国的にも学校給食では、自校式・親子式・センター式・デリバリー式など様々な運用がされており、それぞれメリット・デメリットがあると認識しております。センター式でのコスト面、自校式での温かくおいしい給食、それぞれのメリットは考えられる中、今回はセンターの建て替えとなりました。全国的には少子化が進むことが推測されますが、本市では、人口20万人を目指す中で生徒・児童数の増加が起こる可能性もあろうかと思います。 こうした生徒・児童数や学校施設など様々な環境の変化が想定される中、本市では、学校給食センター再整備後の学校給食の提供方法をどのように考えているのかお伺いします。 あわせて、食育の観点からも、「美食のまち小田原」を目指す観点からも、生徒・児童にはこの「美食のまち小田原」に触れ、食べていってほしいと考えますが、学校給食を通して「美食のまち小田原」との連携の可能性をお伺いします。 (4)地域経済について。 ア、企業誘致の推進について。 これまでにも、産業政策企業誘致については、様々な取組がされてきたと認識しておりますが、今回の施政方針では、加えて、地域経済の活性化に寄与する様々な業種の誘致を行うとされました。狙いとする業種や支援メニューはどのようなものか、新たな企業誘致の対象業種と支援内容についてお伺いします。 あわせて、誘致に適した環境について伺います。 これまで、工業団地などの受皿としての整備や企業誘致への取組は数々出されていることを承知しておりますが、このコロナ禍においてますます重要視されるのがインターネット回線ではないでしょうか。この首都圏においてもエリアごとの回線速度についての指摘が挙がっており、コロナ以前に市長がおっしゃっておりました徳島県では、日本屈指の光ファイバー網を従え、ネットの通信速度が速いことを地域の魅力として提案し、その通信環境は好評を得ていたと記憶しております。 本市でも、こうした通信環境の強靭化は、オフィス誘致やリモートに適したまちとして強みが出ると思われますが、企業誘致に適した通信環境整備についてお伺いします。 次に、イ、「ワーク・プレイス・マーケット」について。 多様な働き方環境の整備として、見本市とも言える新たな拠点「ワーク・プレイス・マーケット」を開設し、スタートアップや起業、民間企業相互の連携促進を図るとされています。 誰が、オンライン・オフラインなど、どこで、どのように開設し、本市の関わりはどのようなことが想定されるのか、また、この取組によって、本市へのメリットはどのようなことが想定されるのかをお伺いします。 次に、ウ、美食のまちづくりについて。 美食のまちづくりは、食をキーワードに様々な人が集う新たなビジネス機会を創出することとなっております。これまでにも本市では、食材に関しては小田原城前魚、小田原いちばやさい、片浦レモンなどの食材のブランド化を進めてきました。また、飲食店に関しては、小田原どん、小田原さんぽ甘味摘みなどで市内外に小田原の飲食店を紹介してきました。美食のまちづくりは、これまでの単なる紹介ではなく、ビジネスに特化するようなイメージを感じています。来年度から、どのように事業を進めていくのかお伺いします。 次に、エ、観光戦略ビジョンの改定について。 デジタル化を含めた情報発信、コンテンツの拡充、withコロナ、ポストコロナを見据えた観光振興策を展開していくため、観光戦略ビジョンの改定に取り組むとされております。コロナ以降、観光で勝ち抜けたとされる地はいまだなく、いわば先進事例がないわけです。他都市に先駆けた小田原市独自の先進的な取組が必要であり、この観光戦略ビジョンにはこうした目線も盛り込まれることを期待いたしますが、誰がどのように計画を策定し、観光業やまちづくりとの連携をどのように考えているのかお伺いします。 あわせて、この観光戦略ビジョンは前回7か年の期間設定だったようですが、今後、新型コロナからのスタートダッシュは緊急を要する可能性が高いと考えます。スケジュールと進め方についてお伺いします。 (5)歴史・文化について。 ア、スポーツ環境の整備について。 これまで度重なる増水被害を受け懸案となっている酒匂川スポーツ広場においては、まちづくりとしての付加価値を持った移転として総合計画の第1期で、御幸の浜プールの今後も同じく総合計画の第1期の3年で方向づけるとされました。課題となっているスポーツ施設それぞれの検討が進むことは喜ばしい一方で、高田運動広場も閉場となるなど、市民のスポーツ環境が減った現状もあります。 健康増進施設も検討が進む中、民間フィットネスジムの進出もかなり増えており、このコロナ禍においては、市民の健康増進やスポーツに対する欲求というのは日々高まりを見せていると感じます。そうした中、ハード整備においては大きな予算が必要となりますので、将来的なスポーツ施設の整備に関する計画策定の必要性について伺います。 (6)環境エネルギーについて。 ア、環境保全活動に係るプラットフォーム機能の強化について。 環境保全活動に係るプラットフォームとは、平成28年3月に設立されたおだわら環境志民ネットワークだと理解していますが、その機能の強化とは何を指すのか。 また、おだわら環境志民ネットワークに入会していないが、多くの環境保全活動に係る団体や個人の方が活躍しています。入会していない団体や個人の方との連携はあるのかお伺いします。 次に、イ、再生可能エネルギーの地域活用について。 再生可能エネルギーの導入拡大は世界的な潮流であり、本市の蓄電池導入やモデル事業は、この分野においてそれらを踏まえた先進的な取組であると考えます。今回の再生可能エネルギー地域活用はさらに次のステップへと進み、行政として大きく踏み込んだ印象を受けます。2030年に向けて、カーボンニュートラル社会の実現に向けた方策についてお伺いします。 一方で、この再生可能エネルギー政策の継続性と出口戦略をしっかり検討していく必要があると考えます。例えば、太陽光パネルよりも先に故障することの多いパワーコンディショナーですが、発電には欠かせない機器であることから、故障の際には大きな出費を被りながらも更新が必要となってまいりますが、太陽光発電買取価格の減少に伴って、機器の更新にメリットが見られず発電をやめてしまう事例も耳にします。また、太陽光パネルそのものの故障により、その継続性にメリットを見られずに発電をやめる場合、現状では太陽光パネルの廃棄処分が本市ではできません。また、撤去に伴う費用も大変高額なものとなってきます。これら、「太陽光パネル大廃棄時代2040年問題」として、今後、太陽光パネルの大量廃棄による制度不備や不法投棄のおそれなどについての指摘もされております。 こうしたデメリットは購入時に明確に知らされることがなく、数十年たって理解した消費者が多いのも事実です。継続性や出口についての課題をしっかり行政が捉えた上で、的確に対応できるよう制度をしつらえた上で、導入を促すべきだと考えます。 入り口戦略として導入拡大を促すのは理解しますが、継続性や出口戦略について国・県と連携し、早期に制度設計するべきだと考えますが、御所見をお伺いします。 (7)まちづくりについて。 ア、「海を生かしたまちづくり」について。 神奈川県内でも指折りの広い海辺を有する本市が、これまでなかった観点として、「海を生かしたまちづくり」に取り組む姿勢は大変に喜ばしいことです。市内の海岸や漁港は、地域ごとにその使われ方や発展の理想が異なり、団体、市民、地域のニーズに対して行政がどのように捉えていくのか、どれくらい理解した上で計画を立てられるかが重要だと考えますが、現状で本市が、そうしたニーズや特色、全てを網羅しているわけではないと思います。 全体の特色を捉えた上で地域、県と連携し、グランドデザインをつくるべきだと考えますが、御所見をお伺いします。 あわせて、「海を生かしたまちづくり」の組織体制について伺います。 沿岸の管理において、庁外では本市東側から山王までは県西土木事務所、山王から漁港エリアでは西部漁港事務所と県の所管も複数にまたがる上に、庁内でも水産海浜課、建設政策課、観光課、開発審査課、防災対策課など、エリアや内容によって様々な観点で所管は変わります。その後の進み方によっては、さらに様々な所管課との連携が必要になってくると思われますし、新しい事業、そしてまちづくりとなると、横断的かつ大きな意思決定や判断が必要な場面が多く、現状で一つの所管課が対応するべき範囲は限られており、その後の展開をスムーズに進めるには課題が多いのではないかと考えます。こうした課題解決に向けた仕組みや組織体制について、御所見をお伺いします。 次に、イ、地域の移動手段の維持・確保について。 先般、市内バス2路線について廃止が決まりましたが、小田原駅-石名坂線につきましては、1年間本市が補助することで減便の形で存続されます。施政方針におきましては地域の移動手段の維持・確保が取り上げられ、心強く感じますが、片浦地域におきましては代替の交通手段がないために、喫緊の課題と言えます。 そこで伺ってまいります。民間の交通事業者が収益を確保できる形で公共交通を担う構造が難しくなり、地域の移動ニーズを踏まえ、地域で自ら交通デザインをしていく体制が必要です。そこで、地域住民とどのように連携し、新たな移動手段の導入に向けた検討を行っていくのか伺います。 また、「最新技術の活用」との文言がありますが、昨今の技術の進展には驚くべきものがあり、地域の課題に新たな切り口で挑戦してほしいと考えます。そこで、地域の課題解決に向けた最新技術の活用については、どのように検討していくのか伺います。 そして、既存の交通サービスを最大限活用し、持続可能な移動手段を確保するために、地域公共交通計画をどのような手段で策定していくのか伺います。 次に、ウ、伊豆湘南道路について。 土砂災害において、伊豆方面への交通手段が分断されるリスク回避や、伊豆方面への観光、または伊豆・静岡エリアからの本市への観光誘客としても期待の高まる伊豆湘南道路ですが、昨年、本市でもアンケートが配布され、認知度も上がり、伊豆への交通アクセスの改善に期待する声も届いているところですが、調査を進めていますと、主体者としての熱量は静岡・熱海側のコメントが目立つ印象を受けました。 起点・終点の御当地と目される本市において、その接続がどこになるのかなども大きな関心事ではありますが、本市の動きとして最大限加速できる要素としては、市長による御活躍が大きいところではないかと考えます。伊豆湘南道路の実現に向けた市長の熱意のほどについてお伺いします。 次に、大項目5、まちづくりの推進エンジンについて。 (1)行政経営について。 ア、公共施設の管理について。 公共施設の最適化について、公共施設の機能配置の最適化を図り、施設の管理水準を相対的に向上させるための体制づくりをするとあります。これは、公共施設包括管理業務委託の事業化を指していると考えますが、管理水準の向上とはどういったことを想定しているのか伺います。 次に、イ、市民との情報共有について。 (ア)市の情報の積極的かつ複層的な発信について。 施政方針では、市民との情報共有については、様々なメディアを活用し、市の情報を積極的かつ複層的に発信すると述べています。市の情報発信がうまく市民に届かず、市民が必要な情報を手に入れられずに不利益を被ることがあってはなりません。このため、市民に確実な情報を届けて有効に利用してもらうためにも、様々なメディアを活用することは意義があるものと思われます。しかし、情報はただ発信するだけではなく、情報の受け手である市民に分かりやすく伝わり、伝わった情報が生かされることが重要で、伝える情報から伝わる情報への転換が求められています。こうしたことを踏まえて、守屋市長にお伺いします。 現在の本市における市民への情報発信に係る課題について、どのように捉えられているのか伺います。 また、その課題を踏まえて、市民への情報発信の在り方をどうするべきなのか、お考えを伺います。 (2)公民連携・若者女性活躍について。 ア、地域課題解決手段について。 次に、公民連携における地域課題解決手段について伺います。 施政方針における取組については理解できるものでありますが、実際に地域が直面している課題、例えば自治会や各種団体の担い手不足などの課題解決に結びつくのかが明確ではありません。その点についてどのようなお考えをお持ちか伺います。 次に、イ、SDGsについて。 小田原市は、令和元年にSDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業に選定されました。その後、企業やNPO法人などの多様な主体と連携し、持続可能な都市に向け地域課題の解決に取り組んできたと理解しています。しかし、SDGsパートナー登録はしていないが、SDGsの理念、持続可能であることに沿って活動している組織、個人の方はまだまだあると感じています。 そこで、SDGsパートナー登録されていない組織、個人との連携はどのように行っているのかお伺いいたします。 続けて、国際有機農業運動連盟によると、有機農業とSDGsの関係については、持続可能な農業システムは持続可能な食料生産を促進、化学肥料・化学農薬の使用削減による水質汚染防止などが人々の健康や福祉につながる、適切な土壌管理が気候変動の抑制につながるなど、SDGsと有機農業の関係をひもづけています。 また、欧州連合は、2030年に有機農業の比率を25%に高めるという目標を2020年に決定しました。全世界が持続可能な農業を目指す方向へ動いており、米国も中国も積極姿勢を見せています。 そのような中、農林水産省では、「みどりの食料システム戦略」において、「主要な品目について農業者の多くが取り組めるよう、次世代の有機農業に関する技術を確立する。これにより、2050年までに、有機農業の取組面積の割合を25%に拡大することを目指す」と明記しています。 小田原市は、神奈川県で唯一有機農業モデルタウンとして選定され、環境保全型農業直接支払制度を活用し、有機農業を推進していると承知していますが、現在の小田原市の有機農業の状況と「みどりの食料システム戦略」を受けての神奈川県の動きについてお伺いします。 (3)デジタルまちづくりについて。 ア、DX推進計画について。 私はデジタル推進派ですが、スマートシティ、スーパーシティ、デジタル田園都市国家構想と国のデジタルに関する推進支援政策や名称が目まぐるしくバージョンアップをしていく中で、今回の小田原市DX推進計画の策定に向けて、市民目線ではデジタル関連政策が渋滞し、複雑に映っているのではないかと危惧しております。デジタルに苦手意識をお持ちの市民の方の中には、既にこれ以上情報が伝達されないおそれがあり、デジタルデバイド、情報格差を起こさないためにも、市民に、より分かりやすいデジタルまちづくりの計画として伝えるべきだと考えます。 改めて、国の進めるデジタル推進政策と、小田原市DX推進計画との位置づけ、計画策定の目的についてお伺いします。 次に、イ、国によるデジタル推進員の要請及び配置について。 政府は昨年末に、高齢者らにスマートフォンやデジタルでの行政手続の方法を教えるデジタル推進員を約1万人に増やす予定であることが発表されました。現時点において、国からの要請や人員配置はどのように考えているのかお伺いします。 あわせて、本市独自にデジタル推進のための施策、例えば、デジタルボランティアを募集し、デジタル推進員から講習を受けた者が、公民館や身近な場所で初歩的なスマホ操作を指導するなどの施策は考えられないのか伺います。 ウ、市民サービスの向上について。 (ア)「書かせない窓口」による住民負担軽減及び住民サービス向上について。 最後に、デジタルまちづくり推進における市民サービスの向上の観点で伺います。 現在、戸籍謄本や住民票、印鑑証明などの申請は、書面による記入が必要であります。しかしながら、北海道北見市などのデジタル先進市では、「書かせない窓口」により住民負担軽減策を講じている自治体もあると伺っています。さきの
総務常任委員会にて配付された小田原市DX推進計画(案)にも様々な方策が示されていますが、本市において「書かせない窓口」の導入の考えについてお伺いします。 登壇しての質問は以上です。
○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。 〔市長(守屋輝彦君)登壇〕
◎市長(守屋輝彦君) 誠風・7番宮原議員の代表質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、第6次小田原市総合計画「2030ロードマップ1.0」のスタートに当たり、私の意気込みについて御質問がございました。私は、市民一人一人が小田原の魅力を再発見し、住んでよかったと実感していただくことができるまちをつくり、市民の皆様の小田原への誇りを伝播させることで、国内外から世界が憧れるまちとして認められる道を切り開きたいと考えております。総合計画はつくって終わりではなく、よりよい小田原を実現していくために新たなスタートラインに立ったと感じております。コロナ禍の収束が見えない状況において、感染症対策を最優先課題としつつも、2030年という未来に向かって、様々な一歩を市民の皆様とともに踏み出せる年としたいと考えております。 次に、ゼロカーボン・デジタルタウンについて質問がございました。このプロジェクトは、本市と我が国の2050年のカーボンニュートラルの実現に向けたモデル事業として、産学金官の力を結集し、最先端のデジタル技術により、「脱炭素」と「エネルギーと経済の地域好循環」を実現する新しいまちを市内につくろうとするものであります。そこで培った技術やノウハウ等の成果を市内外に横展開することにより、本市のカーボンニュートラル実現の重要なステップとするとともに、我が国、そして世界のカーボンニュートラルの実現に貢献するものと確信しております。 次に、健康増進拠点施設について質問がございました。超少子高齢社会を迎え、私たち一人一人の健康増進への取組は重要な課題となっております。この健康増進拠点施設は、市民の「日常生活機能の維持・向上・改善に向けた運動の定着」や「自身によるケア能力の向上」などに資する施設として、適切なサポートを得ながら、健康づくりが実践できる環境を整備したいと考えております。その機能、活動内容、建設エリアにつきましては、来年度の次期健康増進計画策定の過程において、様々な角度から検討してまいります。 次に、小田原駅西口地区の一体的な整備に向けた検討内容について質問がございました。西口駅前広場の東京方面に隣接する区域は、まちづくり協議会が設立されており、再開発に向けた検討が進められております。市といたしましても、この機を捉え、広場機能の拡充を目指しており、民間再開発と一体的な整備について、機能配置や事業手法、採算性等の検討が必要であると考えております。この検討作業を進めるに当たりましては、民間地権者や鉄道事業者の意向を確認しながら、駅前広場の利便性の向上と新たなにぎわいの創出を図ってまいります。 次に、小田原駅周辺の景観について質問がございました。小田原駅東口周辺は、小田原市景観計画の景観計画重点区域に指定し、新しい文化と歴史、伝統が調和した魅力ある景観形成を目標に掲げ、建築物の建築や工作物の建設等を行う場合には、色彩や緑化を制限し、建物の形態意匠の方針などを定めております。また、西口周辺は重点区域には指定していないものの、一定規模以上の建築物や工作物を対象として、色彩の制限や建物の形態意匠の方針などを定めております。したがいまして、小田原駅を中心とした区域におきまして、再開発などが行われる場合には、周辺と調和の取れた景観が形成されるものと考えております。 次に、本市の新型コロナワクチン追加接種における基本的な考え方について質問がございました。追加接種では、初回接種での様々な課題を踏まえまして、集団接種会場の複数設置、コールセンターの回線数の倍増、接種券の段階的な発送に応じた予約枠の設定、コールセンターでの予約の一元管理などの対策を講じました。また、国からの初回接種終了8か月後から6か月後への前倒し接種の要請に対しまして、接種券の発送を早めるとともに、集団接種及び医療機関での個別接種を追加してございます。 次に、接種率が低い要因について御質問がございました。誠風・7番宮原議員御指摘のとおり、本市の接種率が県内他市に比べ低い状況にございます。要因といたしましては、まず、初回接種における一般高齢者への接種開始時期の遅れが、追加接種の開始時期にも影響したことがございます。また、一般高齢者への接種が、初回接種終了後8か月から7か月へ前倒しされた際に、接種機会の増設を行いましたが、その後、さらに6か月へと前倒しされるに当たり、集団接種会場やスタッフが十分確保できなかったことが要因と考えられます。 次に、追加接種の3月の予約状況及び接種見込みについて質問がございました。3月には、個別接種を予定している全ての医療機関での接種が開始され、3月分の予約枠に対しまして、個別接種と集団接種を合わせて、約6割の予約が入っております。接種状況につきましては、2月末までに2万人以上の方が接種をしており、3月末までには延べ約7万3000人の方が接種する見込みでございます。これは、3月末までの接種対象者約9万3500人に対しまして8割程度に当たります。 次に、接種を加速するための方策及びワクチンの供給見込みについて質問がございました。追加接種では、接種券を順次発送し、発送数に応じた予約枠を確保することで、予約に関しまして混乱なく予定どおり進んでおりますが、今後、接種を加速させるよう、接種機会の確保に努めてまいります。具体的な方策といたしましては、接種券の発送を初回接種終了後6か月後で発送しているものを、さらに早めるとともに、接種機会を増やしながら、接種勧奨にも努めてまいります。ワクチンの供給見込みにつきましは、これまで問題なく供給されており、今後も前倒し分にも対応して供給される見込みでございます。 次に、交互接種に対する市民の反応について質問がございました。本市における追加接種では、集団接種は武田/モデルナ社ワクチンを使用し、医療機関での個別接種は主にファイザー社ワクチンを使用することとしており、予約の際に希望する接種場所がどちらのワクチンを使用するのか分かるようにしております。2月の接種につきましては、集団接種、個別接種ともに武田/モデルナ社ワクチンを使用いたしましたが、予約はほぼ埋まっている状態にございました。しかしながら、3月の予約状況は、医療機関での個別接種に比べ集団接種の予約が少ないことから、前回と同じワクチンの接種を希望している方も一定数いるものと捉えております。 次に、市民への接種勧奨について質問がございました。接種券の発送が一番の勧奨の機会と捉えておりますが、それ以外にも、広報、タウン誌、自治会回覧へ接種情報の掲載を行っております。また、市長のメッセージ動画でも呼びかけを行ってまいりました。特に、武田/モデルナ社ワクチンでの接種が進むよう、交互接種の効果や安全性に関する案内を接種券に同封したほか、小田原医師会とも相談し、市内の医療機関にチラシの配架を行っております。今後もあらゆる広報媒体を活用し、ワクチン接種の有効性を周知してまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症対策の取組の中で、4点の御質問、4本柱の質問のうち、まず、「生活を守る」の取組についてお答えをしてまいります。生活者への支援は、生活に困窮する方に対しまして、生活困窮者自立支援事業や社会福祉協議会に委託する福祉まるごと相談事業等におきまして、まずは相談者の抱える課題をしっかりと受け止め、住居確保給付金などの各種給付金や生活福祉資金の貸付け、子育て世帯への支援などにしっかりとつなげるとともに、就労や家計の改善策など、引き続き生活の安定に向けた支援を行ってまいります。また、民間団体が主体となり実施している食料支援活動の安定的な運営を図るために、新たにフードバンク活動団体への支援を行うなど、官民が連携しながら、市民の生活を守ってまいります、 次に、「事業者を守る」の取組についてでございます。本市では、これまで、専門家が対応する中小企業相談窓口の設置や特別融資の創設、支援金の交付などを行ってまいりました。また、商工会議所や商店街連合会から要望を受けまして、「おだわら梅丸商品券」や「小田原観光ウォレット」を発行し、事業者や市民からも好評を得ているところでございます。新型コロナウイルス感染症による経済への影響が長期化する中、融資や相談事業を継続していくほか、引き続き地域の経済団体と連携し、状況に応じた施策に取り組んでまいります。 誠風・7番宮原議員の代表質問のうち、教育に関する御質問につきましては、教育長からの答弁といたします。 そして、「地域医療を守る」の取組についてお答えいたします。地域医療につきましては、県や病院等と必要に応じて話合いの場を設けて、医療現場や救急搬送、検査体制、ワクチン接種などの状況につきまして、情報交換や意見交換などを行ってきております。宿泊療養施設につきましては、感染の第5波を受けまして、医療現場の意見も踏まえて県に要望を続け、調整を重ねて開設に至ったものであり、市の職員が24時間体制で従事するなど、県に協力しながら運営をしているところでございます。さらに、療養者の支援といたしまして、食料品の発送を、県が対象外とした自主療養者も含めまして、市内タクシー事業者と連携して実施しており、今後も必要に応じた取組を行ってまいります。 次に、地域医療の連携体制の強化や市の役割について質問がございました。現在、県は、地域医療構想に基づく2025年のあるべき医療提供体制の構築に向けた取組を行っており、県西地区では保健医療福祉推進会議の場に様々な関係機関や団体が参画し、地域医療構想の実現に向け、協議や検討を行っております。市は、これに参画して地域課題を共有し、県と連携しながら地域の特色に応じた地域包括ケアシステムの推進などの役割を果たしていくことになりますが、コロナ禍で培った経験や各団体等とのつながりを生かし、必要に応じて協議の場を設けるなどしながら関係性を深め、連携体制の強化につなげてまいります。 次に、共生社会推進本部の概要と設置目的について質問がございました。新たに設置いたします共生社会推進本部は、私を本部長とし、全ての部局長で構成する全体会、課長級または係長級の職員を中心とするワーキンググループ等を設ける予定でございます。市民一人一人が、共に支え合い、助け合いながら、安心して暮らせる地域共生社会の実現に取り組むに当たりましては、福祉分野の施策のみならず、市の全ての事業を地域共生社会の視点から捉えて、各部局が情報を共有しながら、庁内横断的に取組を連携していく必要があると考え、推進本部を設置することといたしました。 次に、「ソーシャルワークの強化」について質問がございました。ソーシャルワークは、困り事を抱える方に対する個々の相談援助であると同時に、地域社会全体の困り事を解決する方法を考えることでもあると捉えております。少子高齢化が進む中、今後、地域のつながりの弱体化などを背景とした「社会的孤立」などの課題が増加すると予想されております。そこで、包括的な相談支援や多機関協働の体制を整えて、支援を必要とする方の課題を丸ごと受け止めて支援するほか、地域福祉相談等により、地域における人と人同士の「つながり」の再構築や地域の支え合い活動を支援する取組を充実してまいります。 次に、健康増進計画の策定の方向性について質問がございました。現在の計画で重点的事業としております脳血管疾患予防プロジェクトと歯科保健の推進強化につきましては、まだ課題があることから、引き続き計画の中で重点的な取組として位置づけていきたいと考えております。また、このたびの計画の改定では、食育推進計画と自殺対策計画を健康増進計画に一本化し、身体の健康だけでなく、食育やこころの健康を合わせて総合的に取り組むことを考えております。 次に、防災・減災対策に対する考え方と取組について質問がございました。防災拠点の機能強化につきましては、本部を設置する本庁舎や避難所となる学校など、拠点ごとの役割により強化すべき機能は様々ございますが、令和4年度は、広域避難所での避難生活基盤の充実のため、耐震性貯水槽を設置するほか、応急給水口を小・中学校に整備してまいります。また、防災のデジタル化及び防災行政無線等の情報伝達の見直しにつきましては、近年、多様化・激甚化する災害に対しまして、防災行政無線だけでは情報を正確に市民に伝えることは困難であることから、様々なデジタル技術を活用することで、情報を漏らさず市民に提供できる体制を構築してまいります。 次に、急傾斜地及び土石流対策事業の県との関わりについての質問がございました。現在、県では市内5か所において急傾斜地崩壊対策事業を実施しており、土石流対策事業についても6か所で行っております。本市では、これらの事業につきまして地元からの要望を取りまとめ、県に要請するとともに、実施に当たりましては、円滑な事業推進を図るため、県と連携し地元関係者との調整に努めているところでございます。いずれにいたしましても、防災・減災に資する都市基盤整備につきましては、市民の命と財産を守るため、県・市一体となって推進する必要があると考えております。 次に、地域防災力の強化について質問がございました。いっせい総合防災訓練では、市民、自主防災組織及び防災関係機関が連携し、より実践的な訓練を実施することで、自助、共助の災害対応力の向上を目指してまいります。また、ハザードマップにつきましては、一元化により分かりやすく使いやすくすることで、地域の災害リスクに対する共通認識を持ちやすくするとともに、地域で行う防災教室でも活用し、地域ぐるみでの防災意識の向上につなげるものであります。 次に、地域防災の必要性と取組の方向性について質問がございました。災害時には、行政の災害対応だけでは十分ではなく、地域住民による自助・共助による災害対応力が求められます。激甚化する災害が年々増加している現在では、地域防災が果たす役割やその重要性はますます高くなっていると認識しております。このような状況に対応するため、自主防災組織の活動への支援、地域防災の要である防災リーダーの育成、地域住民の防災意識の向上を図る取組を引き続き推進してまいります。 次に、子ども・子育て支援の具体的な取組について質問がございました。コロナ禍で、より危惧される子育て世帯の孤立化の解消に向けまして、子育て支援センターや地域子育てひろば等を通じて、引き続き、親同士の交流や情報交換の活性化を図るとともに、ファミリー・サポート・センターによる育児支援など、子育てを行政、家庭、地域といった社会全体で支援する体制を強化してまいります。また、おだわら子ども若者教育支援センターや子育て世代包括支援センター等の関係機関の連携によりまして、妊娠期から青壮年期に至るまで、切れ目のない相談支援体制の強化に努め、親が安心して子育てができる環境を実現してまいります。 次に、家庭教育支援に関する講演会等について質問がございました。毎年、保護者を対象といたしまして、時宜にかなったテーマを設定し、家庭教育の重要性を啓発する家庭教育講演会を行っております。直近では、「家庭で取り組むマネー教育」、「コロナ禍での新しい生活様式における家庭教育」、「事故防止の基本は家庭教育」というテーマで開催し、アンケート調査結果によりますと、ほとんどの参加者から、参加して満足だったという回答をいただいております。令和4年度は令和3年度に引き続き、若い保護者がより参加しやすいよう土曜日に開催するほか、保護者の関心が高いテーマを設定するなど、工夫を凝らしながら開催したいと考えております。 次に、新たな企業誘致施策の内容について質問がございました。業種につきましては、より多くの質の高い魅力的な働く場を生み出すため、一部の業種に絞らず、幅広い業種の事務系オフィス開設に対して支援を行うこととしております。支援内容につきましては、市内外の企業や他市町村等へのヒアリングに基づき、ニーズの多かった賃料等への補助、古い物件を改修するための補助、そして、まずはお試しでビジネスを展開したいという声を反映しましたコワーキングスペースの利用料等への補助など、幅広いものとなっております。 次に、企業誘致に適した通信環境の整備について質問がございました。全国の市町村が企業誘致に取り組む中、企業にとって魅力ある支援策やビジネス環境の整備は、大変重要であると認識しております。通信環境につきましては、企業誘致に当たり、大きな要素の一つと考えておりますが、本市における整備の必要性や企業側のニーズをヒアリングするなど、変化が目まぐるしい通信技術の動向に注視し、対応してまいりたいと考えております。 次に、「ワーク・プレイス・マーケット」について質問がございました。「ワーク・プレイス・マーケット」につきましては、スタートアップに精通した民間事業者への運営業務委託を考えており、受託事業者がにぎわいの創出や民間の視点などを勘案の上、拠点を用意する予定でございます。拠点におきましては、コミュニティマネージャーを配置し、スタートアップ企業や市内企業が交流できる機会の創出、ビジネスマッチングの実施、情報発信イベントの開催などを行ってまいります。 次に、「ワーク・プレイス・マーケット」による本市のメリットについて質問がございました。本市では、新しい働き方・暮らし方の普及に向けまして、公民連携による協議会におきまして議論を進めてきたところでございますが、その検討の中で推進拠点の必要性が指摘されました。「ワーク・プレイス・マーケット」は、新しい働き方を体現し、人と情報が集うコミュニティが形成されることが期待できる場所であり、小田原への新しい人の流れをつくるとともに、オープンイノベーションや新たなビジネスモデルを創出し、関係人口の増加や地域経済の活性化につながるものと考えております。 次に、美食のまちづくりの進め方について質問がございました。本市には、恵まれた環境から生み出される農林水産物があることから、それら全てを視野に入れて美食のまちづくりを推進する考えでございます。また、漁業や農林業の関係者だけではなく、飲食店などの商業者との連携も含め、コンセプトづくりを丁寧に行い、地域資源を生かしたビジネス展開を進め、地域経済の好循環を図ってまいります。 次に、観光戦略ビジョンの改定の流れについて質問がございました。現在の観光戦略ビジョンにつきましては、令和4年度を目標年度として平成27年度に策定したものでございますが、改定に当たっては、改めて、現状分析や課題の抽出、将来的な目標の設定などを行う予定でございます。また、小田原市観光協会などの観光関係団体、小田原箱根商工会議所などの商業関係団体、鉄道事業者など様々な方々に参画を得て、公民連携の形で作業を進めてまいります。 次に、観光戦略ビジョンの改定のスケジュールについて質問がございました。スケジュールといたしましては、支援事業者の選定、必要な調査やデータの収集・分析、関連団体との意見交換などを行い、令和4年度末までには改定する予定でございます。コロナ禍により観光の形自体に変化が生じている中で、新たな方向性を見定めていくことになりますが、スピード感を持って改定作業を進め、観光振興に努めてまいります。 次に、将来的なスポーツ施設の整備に関する計画策定の必要性について質問がございました。将来的なスポーツ施設の整備に関する計画につきましては、スポーツ施設の老朽化が進む中、既存施設の大規模改修や新たな施設の整備を計画的に進めていくため、今後、必要になってくるものと認識しております。施設の整備に関する計画の策定に先立ちまして、まずは、スポーツ施設の在り方を検討する中で、既存施設や新たなスポーツ施設の整備等の必要性について検討してまいります。 次に、環境保全活動に係るプラットフォーム機能の強化について質問がございました。本市には、主に市内の団体、企業、個人で構成する「おだわら環境志民ネットワーク」が組織されております。現在、環境保全活動に係る課題は多岐にわたっており、個々の活動が連携することにより、解決できる課題もあると認識しております。このため、情報提供などの場となるプラットフォーム機能や団体間の調整や仲介、担い手の確保を図るコーディネート機能などの強化を図り、環境活動の活性化につなげてまいります。 次に、「おだわら環境志民ネットワーク」に入会していない団体や個人との連携について質問がございました。この地域は、森里川海がひと連なりになっており、多様な環境課題があるため、個別の団体等の活動のほか、これらの活動が連携して環境保全に取り組むことで解決できる課題もあると考えております。本ネットワークに入会していない団体等に対しましても、相談や情報提供、普及啓発などを通じて、団体等の環境活動を広く支援し、活動の活発化に期待しているところでございます。今後も、豊かな環境を継承するため、本ネットワークをはじめ多くの人がつながり合うことで、環境課題の解決に努めてまいります。 次に、カーボンニュートラル社会の実現について質問がございました。本市では、2050年カーボンニュートラルを表明しており、2030年度の二酸化炭素排出量を2013年度比で50%削減する「カーボンハーフ」を目指すことを新総合計画に掲げたところでございます。また、国では、2030年度までに全国に少なくとも100か所の「脱炭素先行地域」を選定し、交付金により地域の先行的な取組を支援することとしており、本市も再生可能エネルギーの導入拡大に弾みをつけていくため、これに応募したところでございます。採択待ちではございますが、こうした制度活用も視野に入れながら、目指す社会の実現と目標の達成に向けた取組を進めてまいります。 次に、国・県と連携した制度設計についての質問がございました。2050年のカーボンニュートラル社会への転換の過程では、廃棄問題など様々な課題がございますが、例えば令和4年7月からは太陽光発電の廃棄費用積立制度が義務化されるなど対策も進んでおります。これまで環境・エネルギー政策の先行的な取組を積み上げてきた本市は、対外的にも高く評価されており、制度設計につながるような最前線の課題を国や県に届ける機会も生まれております。いずれにいたしましても、より持続的な仕組みの構築に向けまして、国等との連携を図りつつ、先進地域としての責任を果たしてまいります。 次に、「海を生かしたまちづくり」に関するグランドデザインについて質問がございました。「海を生かしたまちづくり」につきましては、具体的な構想等を策定する前に、海や海岸を取り巻く法令の精査や、海の利活用に向けた可能性の研究及び課題の整理が必要と認識しております。そこで、まずは、漁業関係団体や遊漁、海洋性レジャー関係者及び本市を含む行政機関等での意見交換を通じ、相模湾沿岸部に共通する課題や実態の把握から取り組んでまいります。 次に、課題解決に向けた仕組みや組織体制について質問がございました。新たな取組に当たりましては、その進め方や課題の整理を行っており、今後、推進本部のほか、プロジェクトチームの設置なども活用し、柔軟に進めてまいりたいと考えております。重点施策の一つである「海を生かしたまちづくり」につきましては、海に対するニーズ把握に努めながら、様々な立場の関係者と連携するとともに、経済部を旗振り役として庁内の連携体制を整えてまいります。こうした、庁内横断的に取り組む重点施策は、私をはじめ庁内でその課題や進捗を共有し、必要に応じて私から直接指示を出してまいります。 次に、新たな移動手段の導入に向けた、地域住民との連携について質問がございました。路線バスにつきましては、運行経費の増大や運転手の確保、新しい生活様式による人流の減少などの影響もあることから、一部の路線に対し、本市からも運行補助を行っているものの、全ての路線の維持・確保は難しい状況にあると認識しております。路線バスに代わる新たな交通手段につきましては、一人でも多くの方に利用していただきたいと考えております。そこで、市民に対するアンケート調査に加え、必要に応じてヒアリングや、地域ごとの意見交換も行うこととしており、地域住民と課題を共有した上で、導入に向けた検討を行ってまいります。 次に、最新技術の活用に関する検討について質問がございました。これまで、橘地域における路線バスの実証運行や、片浦地区まちづくり委員会が実施している「お出かけサポート」への支援など、地域の課題解決に向けた取組を実施してまいりました。現在は、民間事業者から、AIを活用したオンデマンド交通の導入について提案を受けているところでございます。こうした実績を踏まえた上で、全国で実施されているMaaSや自動運転など、先進事例も研究しながら、地域公共交通計画の中で、利用者のニーズに即した移動手段を考えてございます。 次に、地域公共交通計画の策定手順について質問がございました。まずは、人口や高齢化率、公共交通の現状などについて評価を行い、市民アンケートの実施により、目的地や利用頻度、時間帯など、移動に対するニーズを把握することとしております。これら基礎的要件に基づき、交通事業者や有識者、市民代表、国・県・市等で構成する小田原市生活交通ネットワーク協議会において、専門的知見も含めた議論を重ねながら、策定作業を進めてまいります。 次に、伊豆湘南道路について質問がございました。静岡県につながる国道1号及び国道135号などは、地勢上、越波や積雪、土砂崩れなど、常に寸断のリスクを抱えております。このことから、災害に対する代替性や強靭性を有する伊豆湘南道路は、本市にとっても、防災上、極めて有効な都市基盤になると考えております。また、新たな東西軸となるこの道路は、中部圏との交流を活性化させ、防災面だけでなく、観光、物流、医療など、様々な分野に大きく寄与するものと確信しております。私といたしましては、引き続き、関係機関と密接に連携を図りながら、積極的に取り組んでまいります。 次に、公共施設の管理水準の向上について質問がございました。現在、各施設所管で行っている公共施設の維持管理業務を包括的に行うことで、業務内容の均質化を図るとともに、業務報告や最新の施設情報のデータベース化が可能となります。また、本業務では各施設の巡回点検の実施を求めていく方針であり、清掃・人的警備等の業務の中で得られる気づき等と併せることで、よりきめ細かい施設管理を行うことができるようになります。このような効果が期待できる本業務を実施することで、公共施設の管理水準が向上し、長期的な視野での適切な予防保全につながるものと考えております。 次に、市民への情報発信に係る課題について質問がございました。情報発信の重要性から、今年度、広報担当所管を私の直轄に据え、情報発信の強化に取り組んでまいりました。特に、ホームページやSNSでは、閲覧数やフォロワーも大幅に増加し、情報発信力の強化につながったものと捉えております。一方で、広報紙の即時の情報発信に限界があることや、情報の正確性を求めるあまり、市民に伝わりにくくなることがあるとも感じております。市民にタイムリーに必要な情報を届けるため、情報発信力の強化と多様なメディアの活用が課題であると認識しております。 次に、市民への情報発信の在り方について質問がございました。オンラインの情報発信ツールは即時性や相互のやり取りを容易に可能にすることから、重要なツールであり、一方、現状では紙媒体での情報発信も不可欠であると考えております。また、情報発信に当たりましては、受け手の立場に立った相手に対して正しく伝わるような発信が重要でございます。いずれにいたしましても、分かりやすく必要な情報が皆さんに届くよう、あらゆる手段を用いて積極的に情報発信に取り組むことで、市民に複層的に情報が伝播するように努めてまいります。 次に、公民連携による地域課題解決について質問がございました。民間提案制度や包括連携協定等を主たる取組とする本市の公民連携は、自治会や各種団体の担い手不足等といった課題の解決を主たる目的としたものではございません。しかしながら、広範な分野において公民連携を進めることを通じ、様々なノウハウを持った、より多くの主体が地域課題の解決に関わることは、結果として担い手不足の解決にもつながっていくものと考えております。 次に、SDGsに取り組む事業者等との連携について質問がございました。本市は、多様なステークホルダーと連携してSDGsを効果的に進めるために、おだわらSDGsパートナー制度を設けており、現在、192者を認定しております。7番宮原議員の御指摘のとおり、パートナー以外でも農業をはじめ様々な分野でSDGsに積極的に取り組んでいる事業者等が存在していることは認識しております。こうした方々との連携も含め本市におけるSDGsの取組の幅を広げてまいります。 次に、本市の有機農業の状況と「みどりの食料システム戦略」に係る神奈川県の対応について質問がございました。本市では、令和3年度、28名の農業者が環境保全型農業直接支払交付金を受け、有機農業に取り組んでおります。耕作面積は約13ヘクタールで、本市の耕地面積の約1.6%を占めております。また、「みどりの食料システム戦略」に係る神奈川県の対応につきましては、戦略の推進に向け、県内の市町村と情報交換を行っているところでございます。 次に、DX推進計画について質問がございました。国において、地方公共団体を含めた社会経済活動全般のデジタル化を推進しておりますが、本市におきましても、「世界が憧れるまち"小田原"」を実現するための推進エンジンとして、デジタル技術の活用を新総合計画等に掲げているところでございます。新総合計画の下位計画であるDX推進計画は、それを政策として具現化・明瞭化するため、本市のDX化の全体像や基本方針、重要施策等について取りまとめたものでございます。本計画を基に、国の施策とも緊密に連携しながら、本市が一丸となってデジタル化に取り組んでまいります。 次に、デジタル推進員の要請や配置について質問がございました。現時点で、デジタル推進員制度の内容が明らかになっていないところではございますが、本市といたしましても、デジタルに不慣れな方々にもデジタルのメリットを享受していただくことは大変重要だと認識しております。このため本市では、今年度から、協定を結んでいる携帯販売会社4社と協力し、市内各所でデジタル活用支援事業としてスマホ教室を行っており、この取組は、一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会、総務省等が開催する「あんしんショップ大賞2021」において最優秀の総務大臣賞を受賞するなど、全国的にも高く評価されております。令和4年度以降も、「誰一人取り残さない、デジタル化」の実現に向けて取組を進めることとしており、デジタル推進員についても、内容が明らかになったところで活用を検討してまいります。 次に、「書かせない窓口」の導入について質問がございました。御指摘の北海道北見市等における「書かせない窓口」の事例は承知をしております。デジタル技術を活用して、住民サービスを向上させた好事例として高く評価しております。本市におきましても、DX推進計画にも記載しているとおり、デジタル技術を活用した行政手続の改革は、市民の負担軽減や業務の効率化に役立つと認識しており、今後の第3次行政改革実行計画の策定作業の中で、北見市等の「書かせない窓口」の事例も参考に検討を行ってまいります。 以上をもちまして、誠風・7番宮原議員の代表質問に対しての答弁といたします。
◎教育長(柳下正祐君) 誠風・7番宮原議員の代表質問のうち、教育に関する質問については、私から答弁をさせていただきます。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策における「教育を守る」の具体的取組について質問がございました。まず、学校現場の感染症対策に必要な物品につきましては、校長の裁量で整備できるよう、これまで3回の補正予算等で措置をしてまいりました。学びの保障といたしましては、前倒しをして整備をいたしました1人1台の学習用端末を用いて、登校を控える児童生徒へ授業のライブ配信、学級閉鎖時のオンライン学習等、ICTの活用を図っております。また、希望する教職員へのワクチン先行接種を行いました。令和4年度に向けましては、これまでの取組を継続しつつ、家庭でのICTの活用が進むように環境の整備を行ってまいります。 次に、「学校教育におけるSTEAM教育等教科横断的な学習の推進」の概要について質問がございました。国の教育再生実行会議第11次提言におきまして、STEAM教育は「各教科での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科横断的な教育」としております。令和3年1月26日の中央教育審議会答申では、小・中学校においてSTEAM教育に取り組む際には、土台となります教科等横断的な学習や探究的な学習、プログラミング教育などの充実に努めるとともに、児童生徒自身が主体的に探究方法等を設定することが重要とされております。 次に、STEAM教育において小田原版とする意義について質問がございました。STEAM教育とは、各教科での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科横断的な教育であり、これは、本市が目指しております、子供たち一人一人が充実した人生を送り、よりよい地域社会をつくる力、いわゆる社会力の育成にもつながるものと考えております。本市には豊かな歴史や文化、産業、自然がございます。これまでも本市小・中学校では地域素材を学習の対象としてまいりました。このことから、STEAM教育の研究・開発に当たりましては、小田原の地域素材を切り口とすることで、実体感のある学びを展開できると考え、小田原版STEAM教育といたしました。 次に、小田原版STEAM教育の研究・開発体制と実施までのスケジュールについて質問がございました。小田原版STEAM教育の研究・開発に当たりましては、本市教育研究所において市立学校の教職員数名を研究員として委嘱する共同研究とするとともに、大学教授等専門家から助言を受ける予定でございます。今後のスケジュールといたしましては、令和4年度から3年間を研究・開発期間とし、令和7年度から市内小・中学校で展開をしていく計画でございます。 次に、教育の場における専門家の活用について質問がございました。教育の場では、令和4年度に取り組む水泳授業における民間スイミングスクールの活用のほかに、小・中学校への外国語指導助手の派遣や部活動指導員の配置等、幾つかの分野で専門家の活用を進めているところでございます。こうした専門家の活用は、より専門的な指導が可能となるほか、部活動におきましては、技術指導や校外活動の引率を指導員が行うことにより、教職員の負担軽減にも効果的であると考えております。 次に、安心・安全な通学路の実現について質問がございました。本市の通学路の安全確保は、校長会、PTA、警察、道路管理者など関係機関で構成をいたします小田原市通学路交通安全推進会議で策定をいたしました「通学路交通安全プログラム」、これに基づいて行っております。この中で、交通安全に関する情報を関係機関相互に提供・共有することや、小学校区単位で組織されております安全対策会議等と連携して、安全点検・安全確保を図ることとしております。また、継続的に通学路の安全を確保するため、関係機関相互に連携して、点検、対策の実施、効果の検証、対策の改善をPDCAサイクルとして繰り返し、安全性の向上を図ってまいります。 次に、通学路の安全確保に向けた課題について質問がございました。通学路の安全対策について、各学校の安全対策会議などの要望全てに応えることができないなどの課題がございます。例えば、注意喚起の看板の設置場所が物理的に確保できない、また、民地の壊れた塀の修復などは行政の対応できる範囲を超えているなどでございます。これ以外にも、改善要望した関係機関の予算や優先順位などから、改善に時間を要する場合もございます。このような場合には、看板の代わりにステッカーで対応するなど、できるだけ代替案を検討し、通学路の安全対策の実施を図っているところでございます。 次に、令和4年度における通学路の安全点検について質問がございました。令和4年度も引き続き、各学校では、通学路の安全確保に関する取組方針を定めました小田原市通学路安全プログラム、これに基づきまして、PTAや地元自治会、警察などとともに、通学路の合同点検を実施してまいります。その結果を受けまして、教育委員会では、道路管理者や警察、市関係課などに改善を依頼し、通学路の具体的な安全対策の実施を図ってまいります。 次に、学校給食の提供方式について質問がございました。本市では、単独調理場方式と共同調理場方式を併用しております。小学校20校は単独調理場方式により提供しております。その他の小学校5校、中学校11校及び幼稚園2園は共同調理場方式で提供しているところでございます。現在、再整備を進めております学校給食センターは、整備後も引き続き現行の中学校8校が対象となります。平成26年度の小田原市学校給食のあり方検討委員会におきまして、学校給食は単独調理場方式が望ましいとされたため、単独調理場方式で提供しております小学校につきましては、今後もこの方式を継続することを基本に考えてございます。 次に、学校給食を通して、「美食のまち小田原」との連携の可能性について質問がございました。本市の学校給食では、地元の食材を活用したかます棒、梅丸ラーメン、おだわらっ子おでんなどの小田原献立や、かまぼこ丼などのかまぼこ献立といった小田原ならではの献立づくりを推進しているところでございます。「美食のまち小田原」につきましては、豊かな地域資源を最大限活用することとしておりまして、学校給食と共通するところがございます。今後、学校給食における食育の取組を通して、連携できる部分があれば、可能性を探ってまいりたいと考えております。 以上をもちまして、誠風・7番宮原議員の代表質問に対しての答弁とさせていただきます。
◆7番(宮原元紀君) 市長と教育長から、大変前向きな、期待の籠もった御答弁をたくさんいただきました。続きのほうは、予算特別委員会で委員の皆様にお尋ねいただくというところでございますが、私からは2点、提案、要望させていただきます。 1点目は、「美食のまち小田原」にちなみまして、市長のグルメランチツアー、こちらを提案させていただきます。これまでにも、フードトラックとかキッチンカーでランチを率先して、そういったパン屋も庁舎に来られたときには、積極的に御利用されていると伺っておりますが、これから市内飲食店にも市長もぜひ出張っていただいて、この「美食のまち小田原」の方向性や角度を上げていただければ、市民の皆さんも市長にいろいろお伝えしたいことがあろうかと思いますので、ぜひ巡っていただきたいと要望いたします。 2点目ですが、注目の事業、いずれも明言はありませんでしたが、2点は川西と見受けております。ぜひ、来年度、再来年度以降の施政方針には、また川東エリアの注目事業が展開されることを御期待申し上げます。 最後に、今回の施政方針演説には農業に対しての言及がございませんでした。これを踏まえまして、我が会派の19番井上議員より再質問を預かっております。 小田原市における今後の有機農業への取組と、守屋市長の農業にかける熱意と思いをお伺いします。 以上、会派誠風の代表質問を終わります。
◎市長(守屋輝彦君) お答えいたします。 農業、とりわけ有機農業に対してどのように取り組んでいくかというところでございますけれども、本市では、令和3年度策定の小田原市農業振興計画に、有機農業を含めた環境保全型農業の推進を位置づけているところでございます。そこで、引き続き有機農業の取組に対する支援をするとともに、SDGsの理念の下に、生物多様性の保全や地球温暖化防止に向け、国や県と連携を図りながら有機農業を推進してまいりたいと考えております。 有機農業だけではなくて農業全般について、本市も様々な農業支援がございます。私、県議会議員時代に全国みかん生産県議会議員対策協議会というものに属しておりまして、全国の会議などにも出たわけでございますけれども、なぜ私が代表で行ったかというと、やはり神奈川県内でかんきつと言えば小田原だろうということで、そういう活動も続けてまいりましたし、度々、様々なこの現地に赴くようなこともしてまいりました。そして、東日本大震災の後、茶葉を中心として大きな放射性セシウムの被害を受けたときも、その復旧・復興に対していろいろな方々と意見交換をしながら、農業の復旧・振興に関して取り組んできた経緯ということもございますので、有機農業も含めて、これからもしっかりと農業政策を推進していきたいと考えております。 以上です。
○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後1時45分といたします。 午後0時34分 休憩
----------------------------------- 午後1時45分 開議
○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 誠新代表・27番俵議員、登壇願います。 〔27番(俵 鋼太郎君)登壇 拍手〕
◆27番(俵鋼太郎君) 私たち会派誠新は、2月に結成された新会派でございます。17番
神戸秀典議員、18番
池田彩乃議員、26番清水隆男議員、そして私、27番俵鋼太郎の4名で構成されております。 市長の令和4年度の施政方針から、今回、私が誠新を代表して、通告に従い質問をさせていただきます。 最初に、大項目の1として、本市の新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いします。 新型コロナウイルス感染症については、オミクロン株の流行に伴い、今年の1月以降、全国的に感染者が急増しました。現在は、ややピークアウトしてきた感はありますが、まだまだ予断を許さない状況であると認識しております。その中で、テレビ・新聞等では、医療機関の逼迫が毎日のように報道されており、市民からも心配する声が聞こえてきます。 そこで、(1)として、本市の新型コロナウイルス感染症対策について、市立病院の医療体制、実情についてお伺いします。 厚生労働省のホームページにおいて、新型コロナウイルス感染症対策に関わる全国の各医療機関の病床の確保状況等が公表されています。それによりますと、小田原市立病院の確保病床数、いわゆる県と協定を締結した最大の患者受入れの病床数は34床となっております。そこで、第6波における小田原市立病院の新型コロナウイルス感染症患者受入れ状況について、現在どうなっているのかをお伺いいたします。 また、現場は大変な苦労をしていると推察いたしますが、医師も看護師も、その使命感によって連日働いていることと思います。このコロナ禍においては、その実情に見合った手当も必要かと思いますが、お考えをお伺いいたします。 また、令和4年1月14日に、本市内に県西地区としては初となる宿泊療養施設が開設されました。宿泊療養施設は、新型コロナウイルス感染症の軽症、無症状の方のうち、自宅での療養が困難な方が療養する施設と承知はしております。これに加えて、1月24日からは、宿泊療養施設の入所基準が厳格化され、一定のリスクのある方が入所することとなったとも聞いております。 まだ開設から日が浅く、1か月ほどしか経過しておりませんが、現在の入所状況はどうなっているのかお伺いします。 また、宿泊療養施設の運営に当たり、何か問題点があればお伺いしたいと思います。 次に、新型コロナウイルス感染症対策の(2)として、市内の経済対策についてお伺いします。 長期化する新型コロナウイルス感染症の拡大は、地域経済に深刻な影響を及ぼしており、飲食店をはじめとし、事業者からは困窮の声を聞いております。こうした中、行われた「第2弾おだわら梅丸商品券」事業は、個人消費を喚起し、地域経済の下支えの一助になったと感じており、先ごろ行われた二次販売では、販売開始直後、1時間半程度で完売するなど、市民からも期待され、暮らしを守る上でも有意義な施策であると考えております。 3月の補正予算でプレミアム付商品券の販売は決定しましたが、市は感染防止対策に優先的に取り組む一方で、引き続き、継続的に商品券の販売等含め、地域経済の回復に向けた取組を積極的に進めていくべきと思いますが、市のお考えをお伺いいたします。 次に、大項目の2としまして、医療・福祉についてお伺いします。 (1)として、地域医療の連携体制の強化についてお伺いします。 このコロナ禍で医療に対する不安が高まっているように感じております。市民の皆様が安心して暮らせるまちづくりのためにも、地域医療の充実は市民みんなの願いです。地域医療の連携は県がイニシアチブを握り、進めていることは認識しておりますが、施政方針にある、さらなる地域医療の連携強化とは、どのようなことを想定しているのかお伺いいたします。 次に、(2)として、共生社会推進本部についてお伺いします。 本市では、平成22年に提言された「ケアタウン構想」をベースにして、高齢者、障がい者、子育て家庭など支援を必要としている方々を、市民、事業者、行政等が一体となって支えてきたと認識しており、その効果も認めるところです。 今回、施政方針の中で、新たに共生社会推進本部を立ち上げるとのことですが、その目的と意義についてお伺いいたします。 続きまして、(3)として、健康増進拠点施設についてお伺いします。 健康寿命を延ばすためには、個人一人一人の努力・取組も必要ですが、行政としては、その支援体制づくりも大変重要かと思います。 そこでお伺いします。継続して健康づくりに取り組む支援を実践していくために、施政方針にある健康増進拠点施設を活用していくものと推察いたしますが、この施設はどのような機能・効果を想定しているものなのか、現時点でのお考えをお伺いいたします。 次に、大項目の3として、防災・減災についてお伺いします。 (1)として、「防災のデジタル化の推進」について順次お伺いいたします。 まず、防災については、自助、共助、公助の三つが挙げられますが、基本的には自助だと思っております。自らが自身の置かれているリスクを正しく把握し、自らの判断で避難方法を考えるのは必須の事項であると考えております。 また、情報伝達手段としての防災行政無線は、雨風が強いときは聞こえないという欠点があります。こういった状況の中で、私としても、情報伝達については全体的な見直しが必要であると感じていたところ、施政方針では、「防災行政無線の更新に合わせて防災のデジタル化を推進するための計画を策定」することが明記されております。 この防災のデジタル化によって、私が挙げた課題が解決されるのか、防災のデジタル化により目指すところは何なのかお伺いいたします。 次に、市として情報を発信するということは、発信する情報にある程度の責任を負わなければならないと感じております。避難情報をむやみに出し過ぎて、情報に対する市民からの信頼を失ってもいけないと思います。そのためにも情報の精度を高める努力も必要であると感じているわけですが、そこで、特に風水害になると思われますが、行政として精度の高い情報を提供するためには、どのようなお考えで臨んでいくのか、どのような対策が有効であるのかお伺いいたします。 また、災害におけるデジタル化の一環として、事前のデータの整理が有効であるとも示されております。そこで、平時から非常時まで、幅広く活用できるオープンデータ化は率先して行うべきと考えます。防災の観点から、地形データ等の活用やオープンデータ化をすべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。 次に、大項目の4として、教育・子育てについてお伺いします。 (1)として、小田原版STEAM教育についてお伺いします。 STEAM教育とは、科学、技術、工学、数学などの理数系科目と芸術分野の科目を重視する教育方法のことで、テクノロジーの発展とともに、身の回りにあるAIやロボットなどを使いこなすだけでなく、作り出すことの必要性から生まれた教育概念です。 創造力を膨らませ、一人一人に合ったものづくりを学びと遊びの中から生み出していき、自己表現する楽しさを育てる、こういった教育は時代に沿った教育として重要性を感じます。 施政方針の中では、あえて「小田原版」とうたっておりますが、この小田原版STEAM教育とはどのようなものなのかお伺いいたします。 次に、(2)として、民間スイミングスクールの活用についてお伺いします。 少子化の中で、学校施設の今後の在り方については議論を深める必要性を感じているところではありますが、今回の施政方針において、民間スイミングスクールを活用した水泳授業について試行的に取り組むとあります。現状、どの小・中学校にもプールはあると思いますが、どのような形で民間のスイミングスクールの活用を考えているのか、学校施設の老朽化を見据えた将来に向けた試行なのかお伺いいたします。 次に、(3)として、幼保一元化の取組についてお伺いします。 施政方針において、組織統合や人事一元化の検討を行い、幼保一元化の取組を進めていくとあります。時代の変化に伴い、保育園の需要が伸びている中、幼稚園の在り方は様々な方面で議論がされております。この一元化をどのように進めていくのか、まずお考えをお伺いいたします。 また、国に先んじて、庁内組織を一元化していく必要性も感じております。トップダウンでなければできない改革とは思いますが、お考えをお聞かせください。 また、園児数が減少している公立幼稚園については、既に統合、廃止の方針は出ておりますが、充足率、地域性等勘案すると、早期に廃止の方針を打ち出してもよろしいかと考えます。民間の幼稚園との充足率の違いなどを考えると、公立であるがゆえに、なかなかできない特色を出した教育など、劣る点は否めません。民間との地域バランスを考えながら、長期的視野に立ち、認定こども園の活用などをはじめとした一元化を軸に、公立幼稚園の廃止の方針を打ち出すべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。 次に、大項目の5として、地域経済についてお伺いします。 言うまでもなく、地域経済は市の運営における最重要要素であり、その活性化は市の将来を左右するものです。将来を見据えた取組が必要と考えております。 そこで、(1)として、企業誘致・投資促進についてお伺いいたします。 企業誘致については、これまでもいろいろな手段を講じてきており、それなりの効果も出てきていることは理解しております。しかしながら、全国の地方都市が同じように企業誘致を行っている中、本市が勝ち残っていくためには、今までどおりのやり方ではなく、新しい視点で取り組む必要があるとも感じております。施政方針でもあるように、様々な業種へのアタックなどを行っていくためには、今後どのような方策が必要と思っているのか、市のお考えをお伺いいたします。 次に、(2)として、本市の観光戦略についてお伺いします。 施政方針の重点施策の取組の「地域経済」において、「ウィズコロナ、ポストコロナを見据えた観光振興策を展開していくため、観光戦略ビジョンの改定に取り組んでまいります」とあります。 観光戦略ビジョンの改定に取り組む中で、新型コロナウイルス感染症の収束後を見据えて考えることが重要であると思っております。また、新型コロナウイルス感染症が流行する前と同じ状況に戻るには、まだまだ時間がかかるとも思っています。 ここ数年のデータを参考にすることは難しく、さらに新型コロナウイルス感染症が収束していない中での検討は難しいとは思いますが、既存の観光資源を生かしつつ、新たな美食のまちづくりなどの取組を加えることで、観光戦略として期待できるのではないかと考えております。 そこで、観光戦略ビジョンを改定する中で、どのような視点で進めていく予定なのかお伺いいたします。 次に、大項目6、歴史・文化についてお伺いします。 まず、(1)として、交流人口に向けた取組についてお伺いします。 施政方針の重点施策の取組の「歴史・文化」において、歴史・文化資源の魅力向上による交流促進については、歴史的価値の高い小田原城跡等の史跡の保存・活用を図ることや、市民の誇りである天守閣・城址公園の魅力を向上させるとともに、観光交流センターを拠点とした回遊促進を通じて、交流人口の増加を目指すと書かれております。 小田原の観光のランドマークとも言える小田原城天守閣は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、観光客が減っていると言われている中でも、昨年11月、12月など、落ち着いた感染状況下では、入館者数が新型コロナウイルス感染症の流行前までの水準に戻るなど、それなりに入館者数が保たれているとも聞いております。 やはり、コロナ禍のような厳しい状況下においても、観光客が訪れるということは、小田原の歴史・文化には潜在的に高い魅力と価値があることが多くの方に認められているためだと思っております。長い歴史と、それに伴う文化的な価値が高いものが多い、この小田原の魅力を最大限に生かす政策が必要です。 そこで、コロナ禍においては容易ではないかと思いますが、歴史・文化を活用し、交流人口を増加させるために、今後、どのような取組を行っていくのかお伺いいたします。 次に、(2)として、歴史的建造物の活用についてお伺いします。 市長は施政方針の中で、歴史的建造物については、民間事業者のノウハウを生かした利活用と利用者サービスの向上を図り、邸園文化の魅力発信に取り組むと述べております。 本市はこれまで、歴史的建造物を公有化し、維持・保全の上、利活用しており、それぞれの建物において、本市の持つ文化・歴史資源の魅力を発信するということに一定の効果は認めておりますが、点としての価値にとどまっていると感じております。 今回の補正予算で、旧内野醤油店の公有化が決定いたしました。板橋という立地を考えると、今後のあの地域の歴史的建造物を生かすための拠点になり得ると考えております。このように、これからは、これまで公有化した歴史的建造物の利活用について、点から線へ、さらには面としての展開を進める局面にあると思います。そこで、板橋に限らず、歴史的建造物の今後の利活用の方針についてお伺いいたします。 次に、(3)として、小田原三の丸ホールの運営についてお伺いします。 小田原三の丸ホールが開館して約半年が過ぎました。数々のイベント等で多くの市民が訪れ、楽しんでいると感じております。このホールをさらに市民の愛すべきホールへと進化させるためにも、今後の運営方針を考えていくことは重要な要素と認識しております。施政方針の中でも指定管理者制度に触れておりますが、本市の文化振興を図るためには、新たな財団法人を設立し、担わせることが適切であると私は考えております。 そこでお尋ねします。ホールの今後の管理運営の在り方をどのように検討していくのかお伺いいたします。 続きまして、大項目の7としまして、環境・エネルギーについてお伺いします。 まず、(1)として、「ゼロカーボン・デジタルタウン」の構想についてお伺いします。 本市のゼロカーボンと豊かな暮らしとの両立をデジタル技術によって実現するためには、小田原少年院跡地を候補地として「ゼロカーボン・デジタルタウン」をつくり出すとのことですが、確かに、これまでの本市のエネルギー政策は、全国的に見ても先駆的であり、この優位性を生かした魅力ある政策であると感じております。しかしながら、「ゼロカーボン・デジタルタウン」という言葉だけでは、その具体的な中身が分かりにくいところがあります。 そこで、市が創造しようとしている「ゼロカーボン・デジタルタウン」構想とは、どのようなもので、本市にとってどのようなメリットがあるのかお伺いいたします。 また、小田原少年院跡地を軸に候補地を選定するとありますが、以前に、小田原少年院の跡地活用の議論の中で、本市としては取得しないとの方針を示したと記憶しております。今回、この「ゼロカーボン・デジタルタウン」構想の打ち出しに伴い、これまでの方針に変更が生じたものと理解いたしました。そこで、小田原少年院跡地を市が取得する覚悟があるのかお伺いいたします。 続きまして、大項目の8としまして、まちづくりについてお伺いします。 まず、(1)といたしまして、東通り・大乗寺周辺地区の整備についてお伺いします。 小田原駅周辺では、ミナカ小田原、通称新幹線ビルやオービックビルなど、一部で再開発が進められてきているものの、まだまだ老朽化した建物が多く、駅前という好立地でありながら、有効な土地利用が図られていないと感じております。 そのような中、東通り・大乗寺周辺地区では、地元まちづくり協議会において再開発に向けた検討を進めていると伺っております。そこで、まちづくり協議会におけるこれまでの取組と今後の進め方についてお伺いいたします。 次に、(2)として、小田原駅西口地区の整備構想についてお伺いします。 小田原駅西口地区は、駅前という高いポテンシャルを持った地区であると認識しております。 また、隣接する民間地権者が行う再開発事業との一体的な整備の検討を始めていくとのことであり、私としても、ぜひとも進めてもらいたいものと思っておりますが、整備に当たっては、まず、地権者の理解を得ることが重要と考えます。 そこで質問ですが、広場機能を拡充し、民間地権者が行う再開発事業との一体的な整備を検討していくことについて、地権者の理解は得られているのかお伺いいたします。 次に、(3)として、三の丸地区の整備構想についてお伺いします。 旧市民会館は、小田原城址公園に隣接する好立地であることから、来訪する観光客や市民が憩い・滞留する機能のほか、その周辺エリアや街なかへの回遊を促す機能など、様々な役割が期待されている場所であります。 そこで、旧市民会館を含むエリアについて、以前策定した「三の丸地区の整備構想」を基本として進めていくのかを含め、旧市民会館の跡地を今後どのように活用していくのかお伺いいたします。 次に、大項目の9として、行政経営についてお伺いします。 (1)として、人材の確保・育成についてお伺いします。 施政方針の中で、民間専門人材の登用、国との人事交流、民間企業等への研修派遣に取り組んでいくとあります。 複雑化した社会の姿を考えると、外部の人材登用により、多くの課題解決につながり、市役所の姿まで変えていく可能性を持った有効な手段と考えますが、具体的にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 また、言うはやすく行うは難し、人材確保に向けた市長の意気込みをお伺いいたします。 次に、大項目の10としまして、公民連携についてお伺いします。 (1)として、おだわらイノベーションラボについてお伺いします。 おだわらイノベーションラボの開設から約8か月が経過し、この間の実績等については、さきの
総務常任委員会の報告にて理解はいたしました。 このラボを拠点とした事業の将来性については、私は無限の可能性を感じております。事業は継続性が必要です。裾野を広げ、様々な公民連携のあり方を模索していく中で新しいものが生まれてくる、そのように思っております。 そこで、今後もさらなる進化の必要性を感じておりますが、今後のイノベーションラボを拠点とした取組はどのようなことを考えているのか、また、この事業に対する思いをお伺いいたします。 続きまして、(2)として、民間提案制度についてお伺いします。 これも実績等についてはさきの常任委員会で報告を受けましたが、この事業も継続させることにより、無限の可能性を秘めている事業であると認識しております。 市内だけでなく、市外へもアプローチしていくことや、積極的に外に出ていくことなどが今後必要と考えております。そのためにも、制度の質の向上を図っていく必要性があると感じております。そこで、これからの民間提案制度の展望についてお伺いいたします。 また、これらの公民連携をスピーディーに、かつスムーズに進めるためにも、今以上に組織の強化が必要と思います。外部人材の活用、登用など、民間に精通した人材の確保は必要と考えますが、それについてのお考えをお伺いいたします。 以上をもちまして、登壇しての質問は終わりとさせていただきます。答弁のほど、よろしくお願いいたします。
○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。 〔市長(守屋輝彦君)登壇〕
◎市長(守屋輝彦君) 誠新・27番俵議員の代表質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、市立病院の新型コロナウイルス感染症患者の受入れについて質問がございました。オミクロン株の感染急拡大に伴い、県は1月21日に中等症等の、2月10日には重症の病床確保フェーズを「災害特別」に引き上げ、神奈川モデル認定医療機関に災害即応病床数の確保を要請いたしました。市立病院でも1月下旬頃から、コロナ入院患者が増加し、2月には1日の入院患者数は30人を超え、県協定の確保病床数以上を受け入れたほか、発熱等の疑似症患者も増加し、専用病棟がほぼ満床の状態で稼働しております。また、一般の救急患者や入院患者も増加し、救命救急センターや一般病床でも9割を超える稼働率で、ほぼ満床状態が続いておりますが、全スタッフが協力し、病床確保や受入れ体制を整え、昼夜を問わず、コロナ治療と三次救急医療を両立してきたところでございます。 次に、コロナ禍の市立病院職員への手当について質問がございました。令和2年1月以降、新型コロナウイルス感染症患者や疑似症患者の診療等に従事した医師や看護師等には、感染症接触手当の額を引き上げ、感染リスクや業務内容に応じて日額3000円または4000円を支給し、重症者が多かった第3波のときには、手当額のさらなる上乗せも行いました。また、本年度を通じて多くの新型コロナウイルス感染症患者を受け入れて、神奈川モデル認定医療機関の役割を十二分に果たしつつ、三次救急医療や周産期医療を担う基幹病院の機能との両立もしてきた病院職員の努力と業績を評価し、本年1月には職員の区分に応じて2万5000円または5万円の臨時手当を支給してきており、時宜に応じて処遇改善を図ってきたところでございます。 次に、宿泊療養施設の入所状況及び問題点について質問がございました。誠新・27番俵議員の御指摘のとおり、宿泊療養施設の入所基準については県が決定し、運営をしております。令和4年1月14日から本市に開設した宿泊療養施設の入所状況は、開設当初、満室に近い状況でございましたが、その後、入所基準が厳格化されたこともあり、2月末までで51人が入所し、全16室に対し平均稼働率は約48%で、1日当たり7.6人の利用となっております。現時点では、県のマニュアルに沿って運営されており、今後も、宿泊療養施設の適切な運営に努めてまいります。 次に、地域経済の回復に向けた取組について質問がございました。本市では、事業者の事業継続と雇用の維持を図るため、経営相談窓口の設置や特別融資の創設、支援金の交付、プレミアム付商品券の発行など、感染状況に応じた支援策を順次行ってまいりました。新型コロナウイルス感染症の拡大による経済への影響が長期化する中、感染防止対策と経済活動の両立を図ることは大変重要な課題であり、引き続き、地域の経済団体と連携しながら、状況に応じた施策を切れ目なく実施してまいります。 次に、地域医療の連携強化の想定について質問がございました。現在、地域医療構想の実現に向け、県を主体に病床の機能分化・連携や医療介護連携等の協議が行われており、今後も、医療法等改正による新興感染症等拡大時の対応の県医療計画への位置づけ等、国の議論を経て様々な協議が行われるものと考えております。市もこうした場に参画するとともに、コロナ禍で培った経験や各団体等とのつながりを生かし、必要に応じて別に協議の場を設けるなどしながら、関係性を深め、連携体制の強化につなげてまいります。 次に、共生社会推進本部の設置目的と意義について質問がございました。ケアタウン構想は、高齢者、障がい者、子育て家庭など、支援を必要としている方々を制度的な枠組みを超えて、市民、事業者、行政等が一体となって支える仕組みづくりの方向性を示したものであり、これは、地域共生社会の実現に向けた取組においても核となる部分でございます。共生社会推進本部は、これまで以上に、全ての部局が「地域共生社会」の視点を持ち、庁内横断的に取組を進めるため設置することとしたもので、福祉分野の施策に限らず、様々な分野から「地域共生社会の実現」に向けた取組を推進してまいります。 次に、健康増進拠点施設について質問がございました。少子高齢化が進み、疾病や介護等の社会的負担の増加が懸念される中、私たち一人一人の健康増進への取組は重要な課題であります。現時点では、健康増進拠点施設は、市民の「日常生活機能の維持・向上・改善に向けた運動の定着」や「自身によるケア能力の向上」などに資する機能を持った施設とすることを考えております。この施設により、健康に対する市民の意識を高め、自ら健康づくりに取り組むよう行動変容を促していきたいと考えております。 次に、防災のデジタル化により目指すところについての質問でございます。現在、防災行政無線を含めた情報伝達手段の全体的な見直しにつきまして、市民アンケートや専門家、障がい者へのヒアリング等を行い、これら意見を参考に計画の策定作業を行っております。近年の災害は、自分自身の置かれている状況によって伝えるべき情報が異なり複雑化していることや、音声だけでの伝達では詳細を伝えることが難しいため、様々なデジタル技術を活用することによって、市民により分かりやすい情報発信ができる手段の構築を目指してまいります。 次に、精度の高い情報提供の考え方と、その対策についての質問でございます。行政が発信する情報の精度を高めるためには、現状の把握と予測をもって総合的な判断をすることが求められます。特に風水害につきましては、水位計や雨量計などによる現状把握、数時間先までの水位予測や降雨予測が専門的なシステムを基に情報発信が可能な状況となっておりますが、水位情報につきましては、市内の県管理河川にとどまっております。今後は、デジタル技術の活用により、さらに精度の高い予測機能を網羅的に持つことも可能であると思われるので、他市の事例等も参考に研究してまいります。 次に、地形データ等の活用やオープンデータ化について質問がございました。地形データ等の活用をすることで、危険箇所を視覚的に把握して、市の脆弱性を明らかにした上で、事前の対策を講じることができるようになります。また、こうした情報をオープンデータ化することにより、民間の知恵や力を取り入れ、公民が連携して、事前防災を意識したまちづくりや被災後の迅速な復旧・復興を成し遂げることが可能となります。デジタル技術による地形データ等を活用することで、オープンデータ化の有効性は今後も高まると考えております。 誠新・27番俵議員の代表質問のうち、教育に関する御質問については、教育長からの答弁といたします。 次に、公立保育所・幼稚園の一元化について質問がございました。幼稚園教諭と保育士は、これまでも、人事交流や幼保合同の研修会等を通して、保育及び教育の相互理解を深めるほか、互いが持つ知見を共有なるなどして質の向上に努めてきました。幼稚園と保育所は、国の所管など違いはございますが、子供の学びと育ちを支えていることには変わりなく、適切な教育、保育が一体的に行われるよう取り組んでまいります。今後、橘地域で進める認定こども園の開設に合わせ、組織の統合や人事の一元化に係る課題を整理するとともに、幼稚園教諭、保育士の意見も聞きながら、幼保の一元化を進めてまいります。 次に、国に先んじて庁内組織を一元化する必要について御質問がございました。国は、こども政策の新たな推進体制に関する基本方針を定め、こどもに関する政策を一元的に担うこども家庭庁を令和5年度に創設する準備を進めております。こども家庭庁は、厚生労働省所管の保育所と内閣府所管の認定こども園を一元化するものの、幼稚園につきましては、これまでどおり文部科学省の所管となっております。本市の庁内組織におきましては、こうした国の動きも踏まえて検討してまいります。 次に、企業誘致・投資促進に関して、様々な業種の企業誘致の方策についての質問でございます。令和4年度は、工場等の立地への優遇制度に加え、ビジネスプロモーション拠点での活動を中心とする事務系オフィスの誘致を加速させるため、新たにオフィス賃料や改修費等への補助を行っていく予定でございます。さらに、令和4年度設置予定の「ワーク・プレイス・マーケット」において、スタートアップ支援や民間企業同士をつなぐビジネスマッチング支援等も積極的に行ってまいります。 次に、観光戦略ビジョン改定の進め方について質問がございました。コロナ禍により観光の形自体に変化が生じている中で、新たな方向性を見定めていくことになりますが、まずは、withコロナ、ポストコロナを踏まえた視点が必要と考えております。そこで、本市の魅力的な観光資源である歴史・文化を大切にしつつ、それに、美食のまちやデジタル化といった新たな要素を加えたものにしたいと考えております。いずれにいたしましても、関連団体等との意見交換を重ね、様々な意見を聞きながら、新たな観光戦略ビジョンの策定を進めてまいります。 次に、歴史・文化を活用した交流人口の増加について質問がございました。史跡の活用を図るため、御用米曲輪では令和4年度に江戸時代の瓦積塀の復元などを予定しておりますが、戦国時代の重要な遺構である庭園跡等の発見もありましたので、丁寧に史跡整備を進めてまいります。また、城址公園の修景整備や便益施設の改修を進めるとともに、天守閣では、北条氏の歴史や文化を顕彰する特別展の開催なども取り組んでまいります。これらの魅力を観光交流センターを活用して情報発信し、交流人口の増加に努めてまいります。 次に、公有化した歴史的建造物の利活用について質問がございました。本市は、「人々はかつて小田原を目指した」と言われ、政財界の要人や文化人が注目する魅力的なまちでございました。それは、この地に他にはない無限の可能性があるからであり、歴史的建造物も、こうした重要な資産の一つであるという認識の下、清閑亭、松永記念館、小田原文学館に年間約6万人の来館者を迎えるなど、それらを維持・保全し、活用を図ってまいりました。今後は、歴史的建造物を活用し、建物の意匠や庭園のすばらしさはもちろんのこと、そこでの生活や交流により育まれた邸園文化やなりわい文化の魅力を広く発信し、体感していただけるよう民間事業者の協力も得ながら、近隣施設と連携し、地域経済の活性化につながる取組を進めてまいります。新総合計画では、2030年度における小田原城天守閣・歴史的風致形成建造物などの年間来場者数の目標を110万人と掲げておりますが、歴史的建造物の利活用の取組をまちづくりの視点で昇華させることにより、小田原駅・小田原城周辺から、南町・板橋地区、早川地区につながる一大交流空間を形成し、「世界が憧れるまち"小田原"」の実現を目指してまいります。 次に、小田原三の丸ホールの今後の管理運営の在り方について質問がございました。小田原三の丸ホールの管理運営は、現在、市が直営方式により運営をしておりますが、市民ホール開館記念事業実行委員会が企画いたしました事業の収支状況のほか、施設の使用料収入や維持管理費等を精査するとともに、開館記念事業で実施している鑑賞事業等も検証しながら、今後の管理運営方法等を検討してまいります。検討に当りましては、サウンディング型市場調査を実施いたしまして、民間事業者との意見交換や有識者の御意見も踏まえながら、今後、最も重要となる企画運営方法も含め、どのような管理運営方式やその方法が小田原三の丸ホールにふさわしいのか、その方向性を見極めてまいります。 次に、「ゼロカーボン・デジタルタウン」について質問がございました。このプロジェクトは、最先端のデジタル技術を活用し、「脱炭素」と「エネルギーと経済の地域好循環」を実現する新しいまちである「ゼロカーボン・デジタルタウン」を、意欲ある産学金官の力を結集して市内に創造するものでございます。そこで培った技術やノウハウ等の成果を市内外に横展開することにより、本市のカーボンニュートラル推進に向けての重要なステップになると考えております。また、小田原発の技術やノウハウが展開されることにより、経済的なメリットも生まれるものと期待しております。 次に、少年跡地を取得するかとの質問がございました。少年跡地は小田原駅に近い好立地であり、面積も大きいことから、本市の都市経営上重要な土地であると認識しております。このような土地において、地域が望まない開発が行われることは防ぐべきであり、行政の関与の下で、本市の活性化に資する開発が行われるものが望ましいと考えております。このような理由から、本市が進める「ゼロカーボン・デジタルタウン」の有力な候補地として認識しております。なお、「ゼロカーボン・デジタルタウン」の具体的な事業スキーム等は、令和4年度に検討してまいります。 次に、東通り・大乗寺周辺地区のこれまでの取組と、今後の進め方について質問がございました。再開発に向けて初動期段階にある東通り・大乗寺周辺地区では、まちづくり協議会におきまして、民間デベロッパーの協力の下、地区の課題やまちづくりの方向性などについて意見交換を行い、共通認識を深めることで機運の醸成を図ってまいりました。そうした中で、再開発の早期実現に向けましては、都市計画道路栄町小八幡線の線形変更が必要であるとの結論に至ったものでございます。今後は、都市計画道路と一体的な再開発も視野に入れ、関係権利者との合意形成に努めてまいります。 次に、西口駅前広場と一体的な整備の検討について、地権者の理解は得られているのかとの質問がございました。再開発に向けた検討が進められている西口駅前広場の東京方面に隣接する区域には、6人の地権者がおり、まちづくり協議会に参加している4人からは、再開発事業と駅前広場の一体的な整備を検討することについて理解が得られております。また、地権者である小田急電鉄株式会社と駅前広場の一部を所有する東海旅客鉄道株式会社においては、整備に向けた検討状況を見極めたいとの意向であり、現段階において事業を進めることについて了承をいただいております。 次に、市民会館跡地の活用について質問がございました。市民会館は、昨年7月末をもって閉館したことから、今年度、解体の実施設計等を行い、来年度以降に解体工事を行う予定でございます。また、平成30年度に策定した「三の丸地区の整備構想」の整備方針を基に、その後の状況の変化などを踏まえまして、今年度、活用計画の策定を進めておりますが、解体後の跡地は、広場や駐車場を基本に、民間のアイデアを生かした魅力的な空間にしていきたいと考えております。 次に、民間の専門人材の登用、国との人事交流、民間企業等への研修派遣などについて質問がございました。民間の専門人材につきましては、今年度に引き続き、来年度も民間企業の方を登用し、公民連携等に取り組んでまいります。また、現在、総務省など6省庁のほか、昭和大学病院へ職員を派遣しておりますが、令和4年度は新たにデジタル庁や株式会社横浜銀行、一般社団法人自治体国際化協会への派遣を検討しております。民間や国の人材と交流し、職員が新たな刺激を受けることは、幅広い視点を持った人材を育成することにつながるものと考えており、今後も積極的に進めてまいります。 次に、おだわらイノベーションラボの今後の取組について質問がございました。施設開設以来、企業など約350者の利用登録をいただき、延べ3700人余りの方に利用されるなど、施設の立地や安定した通信環境、また、独自の雰囲気を生かした各種取組が行われており、令和4年度も引き続き、公民連携や若者・女性活躍等に軸足を置いた取組の展開を考えております。私は、おだわらイノベーションラボにおいて、多様な主体によるコラボレーションが活発化し、さらなるイノベーションを引き起こしていくことが「世界が憧れるまち"小田原"」の実現につながるものと考えており、今後も注力してまいります。 次に、民間提案制度の今後の展望について質問がございました。令和3年度は試行として、市の全ての事業を対象に自由提案方式、いわゆるフリー型により、市内に事業所を有する法人等に御提案をいただきました。令和4年度は、この制度がより一層、地域課題の解決に資するものとなるよう、今回の試行を通じて得たノウハウを生かし、引き続き取り組んでまいります。 次に、公民連携の推進に係る組織体制の強化や人材確保の必要性についての御質問でございます。公民連携の取組を推進していくため、令和3年4月には未来創造・若者課を設置したほか、私が本部長を務める庁内横断組織である「小田原市公民連携・若者女性活躍推進本部」を組織いたしました。また、10月には、外部人材登用制度により「公民連携推進プロデューサー」を登用し、民間企業の視点を取り入れながら、公民連携を推進するための具体の取組について検討を進めております。まずは、こうした組織、体制、人材を最大限有効に活用し、公民連携の推進に鋭意取り組んでまいります。 以上をもちまして、誠新・27番俵議員の代表質問に対しての答弁といたします。
◎教育長(柳下正祐君) 誠新・27番俵議員の代表質問のうち、教育に関する質問については、私から答弁をさせていただきます。 初めに、小田原版STEAM教育について質問がございました。STEAM教育とは、各教科での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科横断的な教育でございます。本市が目指している、子供たち一人一人が充実した人生を送り、よりよい地域社会をつくる力(社会力)の育成にもつながるものと考えております。本市には、豊かな歴史や文化、産業、自然がございます。これまでも、本市小・中学校では地域素材を学習の対象としてまいりました。このことから、STEAM教育の研究・開発に当たりましては、小田原の地域素材を切り口とすることで、実体感のある学びを展開できるものと考え、小田原版STEAM教育といたしました。 次に、民間スイミングスクールの活用について質問がございました。令和4年度に試行的に実施しようとしている水泳授業は、新玉小学校において、近隣の民間スイミングスクールを活用するものでございます。児童を2学年ごとの3グループと特別支援学級1グループの計4グループに分けまして、5月から7月に、それぞれ60分の授業を5コマ実施する予定でございます。実施後には、児童や教職員へのアンケート等を通して効果や課題を検証し、施設の老朽化を見据えた学校プールの在り方の検討につなげてまいりたいと考えております。 次に、市立幼稚園の統合・廃止について質問がございました。平成31年3月に策定をいたしました「小田原市公立幼稚園・保育所の今後のあり方」では、幼稚園、保育所の双方において集団の適正規模を考慮した施設配置を考えていくことや、公立幼稚園は統合・廃止を具体的に進めていく必要があること等が示されております。そこで、教育委員会といたしましては、令和3年10月に「小田原市立幼稚園の園児数減少への対応指針」を施行したところであり、今後は、指針に従って、園児数の少ない幼稚園については、複式学級の実施、入園児の募集の停止、休園または閉園などの対応を段階的に検討していきたいと考えております。 以上をもちまして、誠新・27番俵議員の代表質問に対しての答弁とさせていただきます。
◆27番(俵鋼太郎君) 御答弁ありがとうございました。 各項目の細かなことにつきましては、続いて行われる予算特別委員会、そして常任委員会等で深く議論がされることと思っておりますので、ここでは再質問をいたしません。ただ、市長の施政方針を読んだ中での感想を言わさせていただきます。 今回の施政方針、最初から最後まで読みながら、一番印象に残ったのが官民連携、要は連携という言葉なのです。これは随所に出てきます。こればかりは、自分ではどうしようもならない部分で、相手もいることですから、やはりそれなりの交渉等が必要になってきます。それで、小田原市の職員の皆さん、私は優秀だと思っております。思っておりますが、もともと公務員を始めたときに、まず教わることは、市民へのサービスの向上なのです。市民に対して、どうやってサービスを向上していくか。そうやって育ってきた職員の方と、はっきり言って、私も民間企業にいたから分かりますけれど、民間企業は利益の追求です。はっきり言って育ちが違うのですよね。そういった中で手を組んでいくということは、よほどの覚悟を持って、気持ちを入れてやっていかないといけないことだと思っております。そのためには、一番効果的な方法というか、これも多く今回の施政方針に出てきます、要は外部人材。要するに、いろいろな民間の人材を、逆にどうやって利用していくか。特に今回の施政方針の中で、最後に出てきました民間提案制度とかあの辺は、もう職員の力だけでは、多分、市内だけだったらどうにかなりますけれど、市外の業者まで広がったときに、ではそこまで本当に手を伸ばしていけるのか。その辺が私は甚だ疑問なのです。 先ほどの答弁の中にも、その前に誠風の答弁の中にも、業務委託ということが出てきました。民間に任せられる部分、しかも効果が出てくる部分であれば、私はどんどん民間への業務委託で構わないと思っています。外部の人材を使ってうまく回っていくような事業があるのであれば、それも積極的に民間の力を借りて回していくということも、これからの時代、これだけ複雑化した時代でございます。進化も早いです。そうした力を借りていくということは、私、本当に重要なことだと思っておりますので、ぜひとも、市長におかれましては覚悟を決めて、この施政方針に突き進むと。そのような思いを持っていただきたいとお願い申し上げまして、私の代表質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後2時55分といたします。 午後2時48分 休憩
----------------------------------- 午後2時55分 開議
○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 公明党代表・16番楊議員、登壇願います。 〔16番(楊 隆子君)登壇 拍手〕
◆16番(楊隆子君) 私たち公明党は、5番
荒井信一議員、6番金崎達議員、15番
奥山孝二郎議員、そして16番楊隆子の4名で構成されている会派です。 市長の令和4年度施政方針から、公明党を代表して代表質問をさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症拡大が収まらず、市民の生活や社会に大きな影響を受ける中、日々を支えてくださっている全ての皆様方に心より感謝申し上げます。 市長就任以来、新型コロナウイルス感染症対策を講じながら、「世界が憧れるまち"小田原"」を目指し、様々な取組に着手されてまいりました。今後も、新型コロナウイルス感染症対策、「生活を守る、事業者を守る、教育を守る、地域医療を守る」の4本柱を具体的に進めながら、将来都市像「世界が憧れるまち"小田原"」の実現に向けて、社会も気候変動も課題が様々ありますが、小田原の豊かな資源を生かしながら、市民の安心・安全・安穏を最優先に、人口20万人規模の都市の実現に期待するところです。 第6次小田原市総合計画の基本構想に、三つのまちづくりの目標の「生活の質の向上」、「地域経済の好循環」、「豊かな環境の継承」の具現化を、行政経営、公民連携・若者女性活躍、デジタルまちづくりを推進エンジンとして、磨きをかけて、これからの2030年を目指す小田原市の第一歩としての取組をお伺いしてまいります。 初めに、重点施策の取組について伺います。 (1)医療・福祉についての中で、アとして、地域共生社会の実現について、高齢者や障がい者をはじめ、誰もが安心して暮らせる地域ケア力の高いまちを目指し、今後もさらに、複合的、多岐にわたるものを含め相談体制を強化され、支援を必要とされる市民に寄り添った伴走型の支援を引き続き充実されるとのことです。 その中の一つとして、成年後見制度の利用促進についてお伺いいたします。私は過去に、成年後見制度と市民後見人の推進について議会質問してまいりました。 成年後見制度は、平成12年、障がいのある方も家庭や地域社会で暮らせる社会にしようというノーマライゼーション、本人の残存能力の活用、自己決定の尊重の理念の下、本人の財産と権利を守るために、介護保険制度とともにスタートいたしました。成年後見制度とは、年齢を重ね、または障がいがあることにより、物事を判断する能力が十分でなくなっても安心して暮らすことができるように、御本人を法律的に保護する制度です。財産の管理、契約、入院の手続、介護の手続等を支援します。 小田原市も高齢化、老老世帯、単独世帯、認知症の方の増加が見込まれ、この制度の利用を必要とする人が同様に増えると考えます。誰もが住み慣れたまちでいつまでも安心して暮らしていけるように、この成年後見制度の促進、また、市民後見人を育て、福祉に強い小田原市になっていくことを大いに期待します。 施政方針の中には、「成年後見制度の利用促進に向けて中核的な役割を担う機関の開設に取り組む」とありました。市長はこの取組体制の構築をどのように推進されようとしているのか、目指すものは何かお伺いいたします。 イとして、健康増進拠点施設について伺います。 施政方針の中には、自らの健康管理や運動機能の向上と回復に取り組むことができる新たな健康増進拠点施設について、令和5年度中の基本構想策定に向けて調査・検討を進めていくとあります。 「健康寿命の延伸」の実現に向けて、本市はこれまでも様々な御努力をされてきました。今後さらに、各種専門家の御意見、市民の声も反映しながら、市民の健康増進、フレイル予防、回復などへの取組、市民が自分で健康意識を高めていかれながら、年齢を重ねても足腰を丈夫に、いつまでも健康にお過ごしいただけるように、さらに調査・検討されることに期待したいと考えます。 これから健康増進にさらに力強く推進していかれようと、本市の健康都市将来像を描かれておられると考えますが、健康増進拠点施設に関しても、今後、市長はどのようなイメージで推進していかれようとされているのかお伺いいたします。 (2)防災・減災について。 アとして、情報伝達手段の見直しについてお伺いいたします。 忘れた頃に、地震などの自然災害が予告もなしに突然、日本国内においては毎年のようにどこかで発生しています。また、台風や集中豪雨などによる被害も後を絶たず、本市においても大きな被害が発生しております。事前防災・減災と災害発生時の対応能力を強化していくために、本市はいろいろな角度からの努力をされ、また、今後さらに進めていかれると考えます。 その中で、災害時には命に関わることもあり得る情報伝達は、行政の重要な役割であると考えますが、災害時であればなおさら、正しい情報を、時期を捉えて、伝えるべき内容を分かりやすく、どこにいても皆さんに分かるように伝えていかなければなりません。 施政方針の中に、「防災行政無線を始めとした情報伝達手段の見直しを進めることで、激甚化・頻発化する災害の情報収集や分析・意思決定を迅速かつ確実に行い、これらを市民にも共有いたします」とありました。発災時において市民に漏らさず情報提供できる体制を構築するとありますが、今後、具体的にはどのような方法で行われようとされているのかお伺いいたします。 (3)教育・子育てについては、アとして、認定こども園整備についてお伺いいたします。 これまでも、認定こども園については議会質問してまいりました。先日は
厚生文教常任委員会にて議案審査がありましたが、ここで改めて質問してまいります。 認定こども園は、保護者が働いている、働いていないにかかわらず、就学前の子供に対する教育と保育を一体的に提供する施設で、幼稚園機能(教育)と保育所機能(保育)の両方のよさを併せ持つ施設です。以前、秦野市の認定こども園を視察に行ったときに、子供中心で「全ての子供に同じように教育を」という思いを伺い、心が打たれた思いをしたことを覚えています。 本市の歴史に民間保育園・幼稚園が多く存在し、地域によっては、園が少ないところに公立の園ができていると伺っています。これまでも教育・保育に多大な貢献をされてきた民間施設を、これからも大切にしていかなければなりませんし、公立が民間を圧迫することがあってもならないと考えます。 一方、橘地域は広い地域ですが、保育園児はこれまでも離れた地域やほかの町に通園しているのが現状です。橘の南地域の前羽幼稚園は、園児募集の結果が少人数となりました。施政方針には、橘地域の公立幼稚園の統合による認定こども園の整備のための基礎調査や基礎計画の策定に取り組まれるとのことです。小田原市内には様々な形の公立・私立の幼稚園、保育園が存在しますが、橘地域は保育園がないのが現状です。 ここで質問の1点目に、本市が考える、橘地域の認定こども園整備の利点と課題は何か伺います。 2点目に、橘地域の認定こども園開設に当たり、課題に対する対策をどうお考えになるのかお伺いいたします。 (4)地域経済について。 アとして、本市は、多様な働き方環境の整備について、多様な働き方の見本市とも言える新たな拠点の「ワーク・プレイス・マーケット」を開設し、スタートアップや起業、民間企業相互の連携促進を図っていくとのことですが、本市はどのような手法で、また、どのような目標を持って開設していかれるのかお伺いいたします。 イとして、地域資源を生かしたビジネス展開についてお伺いいたします。 地域資源を生かした食文化や食材から「美食のまち小田原」を展開していくことから連想されることは、地産地消の生産、魚・野菜等のブランド力向上、民間事業者、販路拡大とビジネス展開、また、小田原にまた行きたいと観光客が再び訪れたくなるような、活気あふれる夢のある小田原のよいイメージが想像できます。様々な生産者、観光分野、店舗などの地域経済循環も大いに期待できるところから、守屋市政の今後の手腕が問われるところであります。 美食のまち、地域ブランド確立、海外展開の支援などの具体のアクションが施政方針の中に描かれておりますが、市長はどのような戦略とビジョンを持って臨まれていかれるのかお伺いいたします。 (5)歴史・文化について。 アとして、歴史的建造物についてお伺いいたします。 小田原にはすばらしい歴史的建造物があります。文化資源として大切に保全しながら、観光拠点などとして開かれた場所でもあるべきです。市民や観光客の回遊性を高めるために、公民連携しながら、さらなる魅力発信に取り組まれるとのことですが、市長は今後の方向性や利活用の在り方をどのようにお考えになっているのか、どのようなまちづくりをしていきたいのかお伺いいたします。 イとして、小田原三の丸ホールの今後の管理運営についてお伺いいたします。 昨年は待望の小田原三の丸ホールがオープンとなりました。施政方針から、さらなる文化・芸術に触れる機会も増えていき、小田原ならではの文化資源の魅力を生かした施策の推進は、市民にとっても、訪れる方々にも喜びになることと考えます。小田原三の丸ホールの運営について、指定管理者制度の導入も含めて、今後の管理運営の在り方を検討されるとのことですが、市長の見解を伺います。 (6)環境・エネルギーについて。 カーボンニュートラルの実現についてお伺いいたします。 本市は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けての具体的なアクションとして、二酸化炭素削減に有効な再生可能エネルギーの導入支援と、公民連携による再生可能エネルギーを効果的に活用できる仕組みづくりと、「ゼロカーボン・デジタルタウン」の創造を掲げられております。SDGs達成のためにもいずれも必要な手段であると評価します。 身近なところでお伺いいたしますが、各家庭への再生可能エネルギー設備導入に対する支援について、具体的にお伺いいたします。 脱炭素社会の実現に向けて、公民連携、産学金などを含めて、これまでどのようなプラットフォームで進めてきたのか、今後どのように進めていかれるのかお伺いいたします。 (7)まちづくりについて。 アとして、市民会館跡地等の整備についてお伺いいたします。 小田原駅周辺も変わりつつあります。特に小田原三の丸ホールが誕生し、まちを歩くと目に入る美しく生まれ変わった姿は大変うれしいものだと感じております。また、市民会館はこれまで本市のシンボル的な存在であり、市民であれば何度か入ったことがある、思い出のある会館ではないでしょうか。 市民会館跡地等については、住民からも時に、「あの場所に何ができるのか」、「場所にふさわしい活用を考えてほしい」などのお声を伺うことがあります。施政方針の中に、市民会館跡地等の整備に関して、三の丸地区の整備構想を基本として策定する活用計画に基づき、その準備を進められるようですが、市長は、小田原の新たな顔として、どのようなものにしていきたいとお考えになるのかお伺いいたします。 イとして、地域の移動手段の維持・確保について伺います。 住民の声から、私自身の問題意識の中でも大きな比重を占めており、議会質問の中で、民間を交えて、本市の庁内において都市部、福祉健康部、市民部も共にこれからの移動手段の在り方を検討してほしいと伺ってまいりました。 まずは、住民の移動手段の確保が施政方針に掲げられていることを高く評価いたします。 地域のニーズに即した公共交通ネットワーク再構築で、既存の公共交通に加えて、福祉有償運送や企業送迎バス等の地域の多様な輸送資源、自動運転、AIによるオンデマンド配車などの最新技術の活用を含め、地域公共交通計画の策定に着手していかれるとあります。 小田原といっても広大な広さで、住むところによってそれぞれニーズも違います。ですが、どこに住んでいようと、人間の高齢化による判断能力の低下や認知機能の衰えは、個人差があるにしても避けては通れないと考えます。不便になるために、運転免許証を返納できない方も多くいると考えます。 1時間に1本のバス路線、乗り遅れたら大変です。中には朝夕中心の運行となっていて、日中は閑散とし6時間に1本しかバスが来ない地域の方からのお手紙の中で、80歳近くになっても、運転免許証を返納すると生活が不便で出がけられないため、運転免許証返納を延ばしているとの内容でした。公明党として数年前に全国ニーズ調査をしたときに、福祉の面では、高齢化により将来何が不安かという項目で、一番多かったのが病院や買物の移動手段でした。 これから小田原市として、安心して運転免許証を返納できる、安心して暮らしていける小田原の構築が必要であると考えますが、地域における移動手段の維持・確保に向けた取組方針について、守屋市長の見解を伺います。 大項目の2、まちづくりのエンジンについて伺います。 (1)行政経営について伺います。 「生活の質の向上」と「地域経済の好循環」の両輪を回していくために、本市は分かりやすい行政を目指しながら、厳しい財政状況が見込まれる中で、安定した行政サービスが提供できるように、施策として、効率的な行財政運営、公共施設の最適化、市民との情報共有、広域連携の推進、人材の確保・育成等が掲げられております。 思い返せば、2017年の財政推計が公開されて、平成34年度(令和4年度)には収支不足が14.5億円と言われておりました。当時は考えてもみなかった新型コロナウイルス感染症拡大もあり、社会も財政運営も状況は変わっています。 行政経営といっても、目に見える形で特効薬があるわけではないと考えますので、本市の取組として掲げている、移住促進やデジタル化の推進、公共施設の再編など、多方面からの取組を一つ一つ積み上げていきながら、質の向上を図り、着実な行政経営に向かわれようとされていると受け止めております。 守屋市長は、これからさらに進展していく少子化・高齢化に立ち向かいながら、人や財源などの限られた資源の中で、今後、どのようにして本市の行財政運営を進めていかれるのかお伺いいたします。 (2)デジタルまちづくりについて伺います。 デジタルを活用し、地域の課題解決や魅力向上の実現を目指して、本市は産学金官の力を結集し、国の施策とも連携しながら引き続き取り組み、
総務常任委員会でも報告がありましたが、現在策定中のDX推進計画に基づき、守屋市長を本部長としてデジタル化推進本部が中心となり、誰一人取り残さないデジタル社会の実現に取り組み進められています。委員会報告でも、耳慣れない言葉などの注釈を読みながら理解できたことは多いですが、今の時代に必要なことだと理解しております。 市民の利便性や、少子化・高齢化の中で人材不足を補うためにも避けて通れません。デジタルデバイドを解消し、市民の御理解を深めながら、「誰一人取り残さないデジタルまちづくり」の構築と、「人にやさしいデジタルまちづくり」をぜひともお願いしたいと考えます。 市長の御見解をお伺いし、登壇しての質問を終わります。
○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。 〔市長(守屋輝彦君)登壇〕
◎市長(守屋輝彦君) 公明党・16番楊議員の代表質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、成年後見制度の利用促進について質問がございました。本市では、令和3年3月に策定した「おだわら成年後見制度利用促進指針」において、成年後見制度の普及啓発、専門的な相談窓口、市民後見人の養成研修、医療・福祉・法律専門職等とのネットワークの構築などを担う中核的な機関を設置することといたしました。この中核機関につきましては、令和4年10月に開設すべく準備を進めており、ここを中心に成年後見制度の利用を促進し、誰もが自身の権利と利益が守られ、住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らすことができる地域共生社会の実現を目指してまいります。 次に、健康増進拠点施設の事業推進について質問がございました。超少子高齢社会を迎え、疾病・介護等の社会的負担を減らすため、私たち一人一人の健康増進への取組は重要な課題でございます。このため、健康増進拠点施設は、市民の「日常生活機能の維持・向上・改善に向けた運動の定着」や「自身によるケア能力の向上」などに資する施設にしたいと考えております。施設に必要な機能等につきましては、来年度の次期健康増進計画策定の過程において、医療関係者をはじめ様々な立場の方の意見や、必要とする機能の専門家からアドバイスをいただきながら検討してまいります。 次に、災害時における情報提供体制について質問がございました。他に有効な情報伝達手段がなかった昭和59年当時においては、音声で情報を伝える防災行政無線を中心に整備を行ってまいりました。現在は、音声、文字、画像等の取得が可能な情報端末を多数の個人が持つ時代となり、この特性を踏まえて、今回の計画では、災害時のより詳細な情報発信をデジタル技術の活用により実現しようとしているものでございます。さらに、漏らさず情報提供するためには、デジタルで対応できない市民にもアプローチをする必要があり、アナログ機器の活用も含め、全体として最適な情報伝達手段の構築を目指してまいります。 次に、認定こども園整備の利点と課題について質問がございました。今年度、橘地域の子育て世帯を中心にヒアリングやアンケートを実施いたしましたが、その中では、幼稚部の3歳児受入れ、低年齢児の保育受入れ、保育機能の不足により就労ができないこと、給食の提供、預かり保育機能、学校との連携などの要望が多数ございました。これらの要望や子育て支援機能の整備につきましては、認定こども園整備により解消できるものと考えております。また、主な課題といたしましては、通園バスの運行や整備計画地周辺の状況を踏まえた駐車場の配置、整備手法の検討があると考えております。 次に、認定こども園整備の課題に対する対策について質問がございました。通園バスの運行につきましては、事業者や実施自治体へのヒアリング等を通じて、運用方法の検討や経費等を整理してまいります。また、整備計画地周辺の交通を踏まえた駐車場整備につきましては、まずは、地域の方々や自治会、学校関係者等ヘのヒアリングにより状況を把握してまいります。こうした施設整備に対する課題や整備手法の検討につきましては、今後実施する基本計画を策定する中で課題を整理し、方向性を出してまいります。 次に、「ワーク・プレイス・マーケット」について質問がございました。「ワーク・プレイス・マーケット」につきましては、スタートアップ支援に精通した民間事業者への運営業務委託を考えており、受注事業者が用意する拠点施設において、スタートアップ企業や市内企業が交流できる機会の創出やビジネスマッチングなどに取り組んでまいります。こうした人と情報が集うコミュニティを形成することで、小田原への新しい人の流れをつくるとともに、オープンイノベーションや新たなビジネスモデルを創出し、関係人口の増加や地域経済の活性化を図ってまいります。 次に、地域資源を生かしたビジネス展開について質問がございました。本市は、農林水産物をはじめとする多様な地域資源にあふれております。これらを生かした「美食のまちづくり」を進めることは、国内のみならず、海外からも人を呼び込み、「世界が憧れるまち"小田原"」の実現に向けて大きな力になるものと考えております。それと同時に、地産地消型の生産・消費の拡大、農産物や水産物のブランド化、生産から販売までを一体化した6次産業化、交流や体験を含む観光分野との連携強化といった施策を推進し、情報発信を強化することで、地域の稼ぐ力を高めてまいります。 次に、歴史的建造物の利活用に対する考えについて質問がございました。歴史的建造物は、次世代に継承していく重要な資産の一つであり、建築的価値や地域における建物の位置づけを見極めながら、公有化するなど適切な維持・保全を図っております。こうした歴史的建造物を着実に保全し活用していくことは、地域の魅力やブランド力の向上につながることはもとより、かつて政財界や文化人の多くが小田原に居を移し花を開かせた邸園文化とそれを支えたなりわい文化の奥深さを改めて認識することになります。今後、歴史的建造物につきましては、民間事業者のノウハウを活用し、近隣施設とも連携させながら、立地するエリアの価値を向上させ、観光・産業など地域経済の活性化にもつなげていき、「世界が憧れるまち"小田原"」の実現を目指してまいります。 次に、小田原三の丸ホールの管理運営の在り方に対する見解についての質問がございました。小田原三の丸ホールの今後の管理運営の在り方につきましては、市民ホール開館記念事業実行委員会が企画した事業の収支状況や維持管理費等を精査しながら、サウンディング型市場調査による民間事業者との意見交換や有識者の御意見も踏まえながら、適切な管理運営方式を検討してまいります。指定管理者制度につきましては、民間事業者のノウハウを活用することで、魅力ある自主事業の展開や施設で提供するサービスの向上のほか、維持管理費の節減などが期待されることから、今後の小田原三の丸ホールの管理運営方式として、有力な選択肢であると認識しております。 次に、各家庭への設備導入に対する支援についての質問がございました。本市では、カーボンニュートラルの実現に向けて、一般家庭での地域温暖化対策に資する設備導入に対し支援を行っております。具体的には蓄電池、電気自動車、燃料電池システムに対する設備導入や、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを新築または購入する者に対し、その費用の一部を補助しております。また、県の実施する「太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助」との連携など、太陽光発電設備の導入を促進しております。今後、市としても、既存住宅向けの太陽光発電の設置など、補助対象設備の拡大を行ってまいります。 次に、脱炭素社会に向けた取組のプラットフォームについて質問がございました。本市では、これまで一貫して企業とのパートナーシップの下、段階的に脱炭素に資する取組を発展させてまいりました。これらの取組は、本市の積極的なコーディネートによりプラットフォームを形成し、国の補助金や民間資金を最大限活用する形で、それぞれの役割を果たしながら実施してまいりました。今後も、新たな事業の構築、実装に向け、先進技術や資金、ノウハウ等を持つ企業、金融機関、大学、研究機関等との連携を図り、公民連携による脱炭素社会の実現を目指してまいります。 次に、市民会館跡地等の整備について質問がございました。市民会館跡地が立地するエリアは、小田原城址公園に隣接し、小田原城の正規登城口に面する重要な場所であることから、来訪する観光客や市民が憩い・滞留する機能や、周辺エリアや街なかへの回遊を促す機能を整備することを考えております。その際、国道1号から天守閣への眺望が良好となるよう、建築物及び工作物の高さや形状、外観の色彩など、十分に配慮してまいります。 次に、移動手段の維持・確保の取組について質問がございました。本市の移動手段の維持・確保に向けましては、面的な公共交通網を形成している鉄道や路線バスが重要であることから、廃止等が予定されている路線においては、代替手段がない場合には存続に向けた協議を行ってまいります。一方で、福祉タクシーの利用助成や福祉有償運送の周知、ボランティア輸送を支援しております。こうした取組を継続しつつ、庁内はもとより、交通事業者や地域住民、国・県などと連携し、新たな交通手段の導入も含め、誰もが移動に困らない社会を実現してまいります。 次に、今後の行財政運営について質問がございました。本市では、人口減少や少子高齢化などによる厳しい財政状況にあっても、行政サービスを安定的に提供するため、これまでも歳入確保や歳出抑制といった「量の改革」と、行政サービスの質の向上を図る「質の改革」を両輪に、全庁を挙げて行政改革に取り組んでまいりました。今後は、このような取組に加えまして、行政の効率化はもとより、多様化・複雑化する市民ニーズに柔軟に対応できるよう、公民連携の推進やデジタル技術の活用を積極的に行い、将来を見据えた行財政運営に取り組んでまいります。 次に、デジタルまちづくりについて質問がございました。市民の皆様にデジタルを利用して活用していただくためには、情報格差を生じさせない取組が必要不可欠と認識しており、本市のDX推進計画においても、いわゆるデジタルデバイド対策を重点施策として位置づけるとともに、公民連携による事業を進めております。具体的には、協定を結んでいる携帯販売会社4社と協力し、市内各所でデジタル活用支援事業としてスマホ教室を行っており、この取組は、一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会、総務省等が開催する「あんしんショップ大賞2021」において最優秀の総務大臣賞を受賞するほど、全国的にも高く評価されております。令和4年度以降も「誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化」の実現に向けて努めてまいります。 以上をもちまして、公明党・16番楊議員の代表質問に対しての答弁といたします。
◆16番(楊隆子君) 御答弁ありがとうございました。 再質問は2項目ございます。一つは、カーボンニュートラルの実現についてなのですが、SDGs達成のためにも、脱炭素社会、カーボンニュートラルの意義を市民にお伝えしていくことが大事だと思います。一つ例に挙げると、3・11から11年経過した今では、当時よりも、例えば再生可能エネルギーや太陽光設備を我が家に積極的に設置しようという思いは薄れてきているかもしれません。本市が大きく推進していこうとするならば、市民の問題意識を醸成して、今なぜSDGsなのか、脱炭素社会を推進する意味、温暖化対策への取組、防災意識、個人の安心など、社会や個人も享受できることも御理解いただけるように市が啓発して、伝える力が本当に大切だなと思います。 究極の「ゼロカーボン・デジタルタウン」の創設に当たっても、個人の考える脱炭素社会の意識が高いほど理解が得られやすく、市民が喜ばれる事業となると考えますが、本市の見解を伺います。 また、もう一点、地域の移動手段の維持・確保についてです。2035年には団塊の世代の方が85歳以上となります。御高齢者の約8割の方は要介護などの状態ではありませんが、外出なしでいると、体を動かすことが減って、行動範囲や人間関係も併せて減っていきます。気がついたら一日中、誰とも話さない日が続くと、誰でも年齢とともに足腰も弱くなり、筋力が衰え、認知症の懸念も出てくる可能性も否めないと思います。最低限の通院や買物などができることは人間にとってとても大事だと考えます。 動き、人と話し、物を自分で選び、外に出れば、食事もおいしくなります。元気につながります。結局は、医療費や介護費拡大の抑制につながり、御本人にとっても、本市にとっても大変有益であると考えます。 当然にして、皆それぞれ状況が違います。住んでいる地域や御本人のお体の状況や年齢、家族構成や家族の状況、自分の身近なコミュニティ、皆違いますし、出かける目的も違います。 今後さらに、公共交通のほかに、民間の力や市民の力を借りながら、将来を見据えて、あらゆる可能性・課題も含めて移動手段を考えていく必要があると考えます。他市では、福祉で使用されている車両が、昼間は使用していない時間を利用して、交通弱者対策にAIを活用し、移動手段のニーズに応えているところもあります。国も交通弱者対策に乗り出し始めています。交通弱者また、これから交通弱者になっていく人たちを支えていく仕組みを、本市はどのようにお考えになるのかお伺いいたします。
◎市長(守屋輝彦君) 2点御質問をいただきました。 まず、カーボンニュートラルの実現に向けて、市民の問題意識の醸成をどうやっていくかというところでございますけれども、16番楊議員の御質問のとおり、カーボンニュートラル、大分、言葉自身はいろいろ聞き慣れるような状況になってきましたけれど、それを推進する意義というものが、より多く、より深く市民の方に浸透していくということが大切ですし、また、それがなければカーボンニュートラルの実現というのは難しいのだろうと捉えております。ですから、今までも行ってまいりましたけれど、より一層、この普及啓発活動には力を注いでいき、意識の醸成を図っていきたいと考えております。 そこで、やはり注意しなければいけないのは、これは大切なことなのだから、いいことなのだからやりましょうということだけだと、分かっているけれど自分の行動が変わるかというとなかなかそうではない。逆に言うと、いいことだけれど、つらいことを我慢しなければいけないよね、例えば冷房の温度も、自分は暑がりなんだけれど、冷房の温度も高くしなければいけないよねというと、頭では分かっていても、なかなか行動変容につながらない。特に日本人はそういう傾向にあると、様々な調査からもそういうことが言われているわけでございますので、そこを楽しいとか、そういう生活が豊かになるというような発想の転換を促していくような仕組みを行っていかなければならないと思いますし、本市では、既に電気自動車を利用したカーシェアリング事業なども市民の皆さんに提案して、既にこれは実装に至っているわけでございますけれども、こういった具体的な取組もお示ししながら、この機運の醸成を図っていきたいということ。そして、それを多くの人が実行に移すことによって、このカーボンニュートラルを目指していきたいと考えております。つまり、ライフスタイルの転換と問題意識の高度化が、結果的に「世界が憧れるまち"小田原"」につながっていくものと考えているところでございます。 もう一点が交通弱者の支援策についての御質問でございます。交通が便利な地域とそうでない地域、本市内においても様々な環境があるわけでございますけれども、やはり人間というのは外に出たいという欲求があるわけです。今、世の中便利になってきて、家にいながら買物もできたり、いろいろな情報を入手するということができるような状況になってきましたけれど、だからといって外に出なくていいということは違いますし、逆にそういう時代だからこそ、今御指摘にもありましたように、自分の健康、体もしくは心ということも含めて、やはり外に出るということは大切なことでありながら、それが困難になりつつある方がいらっしゃるということもまた事実だと思います。ですので、交通弱者を支える方策については、今までもいろいろ御質問いただいております地域公共交通計画というものと整合を図りながら、様々な運送・運輸に当たっている事業者の方とも連携し、地域共生社会の実現に向けて、さらに地域ケア力の高いまちを目指していく第4期地域福祉計画の策定においても、この議論をしていきたいと考えておりますし、さらに、共生社会推進本部を令和4年度からつくっていくというのは、まさに福祉施策だけではなくて、いろいろな政策を組み合わせていくことでこの課題解決に取り組んでいきたいと考えております。 以上です。
◆16番(楊隆子君) 私からの質問はこれで終了いたします。 引き続き、15番奥山議員から、(7)まちづくりについてのア、市民会館跡地等の整備について、関連質疑をいたします。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(大川裕君) 15番奥山議員、議員発言席へ移動願います。
◆15番(奥山孝二郎君) 公明党代表質問に関連して、私から、市民会館跡地等の整備について、1点伺ってまいります。 特に、三の丸地区のうち小田原城址公園に隣接するエリアは、増加する観光客を迎え入れる役割を担うことに加え、いわゆる地域経済の活性化に重要なエリアということは言うまでもありません。市長は施政方針の中で、「市民会館跡地等の整備に向けましては、三の丸地区の整備構想を基本として策定する活用計画に基づき、その準備を進めてまいります。さらに、民間や有識者等との連携により、都市空間デザインの視点による既存ストックの利活用や、地域資源を生かしたまちづくりについて調査研究を行うアーバンデザインセンターを立ち上げてまいります」と述べております。それを踏まえまして、幾つか伺ってまいります。 単刀直入に言いまして、短期、中期、長期という三つの視点から見ますと、今回、市民会館の除去というのはいわゆる短期かなと思っています。それ以外の周辺のところは、やはり中長期ということはいろいろな面で私も理解しておりますが、その中で、今後、周辺用地の取得の意思が本市はあるのか伺います。 次に、これまで、周辺用地の地権者に意向確認をしてきたのか伺います。 また、あわせて、この三の丸地区の整備について、いわゆるグランドデザインはしっかりとあるのか、そして、地権者の意向確認はグランドデザインを示しながら行っているのか伺います。 次に、今回の市民会館の跡地活用について、中長期的な整備は理解しますけれども、周辺の民間施設、例えば東京電力やその周辺の事務所等を含む周辺の地権者に、さらに意向確認を行っているのか、重ねて伺い、最初の質問とさせていただきます。
◎副市長(鳥海義文君) 今、四つほど御質問をいただきまして、私から、一つ目のものに対しまして答弁をさせていただきたいと思います。 このエリアの用地についての考え方でございます。このエリアの整備に当たりましては、御質問にもございましたように、「三の丸地区の整備構想」の中で、「民間活力の活用も含めた多様な事業手法の研究を進める」ということの中で進めることになりますが、この整備の中でも、特にその事業の内容ですとか手法、財源、こういったものを総合的に考えながら、中長期的な計画でございますので、しかしながら、そういった視点を持ちながらも、その事業用地の取得につきましては、その都度、判断をしながら見極めていくということになりますので、現在はそういったような考えを持ってございます。 以上です。
◎未来創造・
デジタル化推進担当部長(杉本錦也君) 私からは、後半3点につきまして答弁させていただきます。 まず、地権者の意向確認について御質問をいただきました。「三の丸地区の整備構想」につきましては、構想策定に着手する際と構想策定時に、区域内の地権者を個別に訪問いたして状況を説明し意向を伺ったほか、御不在の方には関係資料を送付してまいりました。 次に、三の丸地区のグランドデザインについての御質問をいただきました。「三の丸地区の整備構想」は、コンセプトや整備の方向性、実現のスケジュールのほか、整備後のイメージパースを加えるなどしており、グランドデザインそのものだと考えております。なお、整備構想の策定時に地権者に説明した際には、グランドデザインとなる整備構想をお示ししているところでございます。 最後に、「三の丸地区の整備構想」において、中長期的に捉えた地権者の意向確認につきまして御質問をいただきました。今年度、市民会館跡地等の活用計画の策定を進めておりまして、内容が整理できた段階で、地元自治会などに状況を説明することを考えております。なお、中期、長期に関わる地権者につきましては、時期を捉えてまして意向を把握することが必要であると考えております。 以上でございます。
◆15番(奥山孝二郎君) 一定の答弁をいただきまして、いわゆる土地の売買、取得というのは本当に大事であるなと思います。今答弁にありましたけれども、具体的な意向の内容については、この後、予算特別委員会等でまた確認していきたいと思いますが、1点、もう一度質問しますけれども、今言ったように、本当に土地の取得、売買は重要でありますが、一つの例を取って言わせていただきたいのです。 古い話になりますけれども、上府中公園の小田原球場、もう25年前ですかね、具体的には忘れてしまいましたけれど。要は、一生懸命、市の職員の方もいろいろな形で地権者に足を運んでいただいて、野球場ができたことはいいことなのですけれども、何が言いたいかといったら、御存じのとおり、両翼、レフトスタンドとライトスタンドがあと僅か長ければ、プロ野球のペナントレースの1軍の試合が年に1回来て、小田原の子供たちにプロのすごいプレーを見せてやりたいなと思っています。もちろん今の球場は、ペナントレースでありませんが、いわゆる2軍のチームが来て、それでも市内の子供たちが見に行って、それはそれでいいのですけれども、古い話を引き出して申し訳ありませんが、そのときも本当に市の職員の方々が一生懸命努力して、また地権者との交渉をやられたかと思いますが、要は、後からそういったことを思いますと、今回も、この三の丸地区の土地・建物等を含めてしっかりと前向きに捉えていただきたいなと思っています。 そこで、やはりタイミングかなと思うのです。市民会館はどちらかというと短期で、もう当初予算に出ておりますけれども、午前中から旧内野醤油店の話が出ていました。市長の答弁で、やはりタイミング、このタイミングで補正予算をつけてやったということ、先ほど、なぜ、中長期でありながら意向確認はどうなのかとあえて聞いたのは、そこはやはりそれぞれの家庭の事情があります。例えば、最初は市に売ってもいいよと言っても、長年たつとまたその逆もあります。今は売りたくないと言っても、場合によっては売買、変化があります。でも、先ほど部長の答弁で、これからも定期的に意向確認をしていくとありましたよね。もちろんそのときに代替地も含めて、やはりそういったときにタイミングだと思うのです。旧内野醤油店だけではないのです。板橋の文化のまちもいいですけれども、やはり本家本元の、シンボルである小田原城の周辺地区、冒頭にも申し上げた、その整備において、やはり地権者の意向があるならば、しっかりその辺は土地の売買をやっていただきたいなと思っています。 そこで1点伺いますが、先ほど最後に誠新の俵代表がおっしゃっていました民間の活力ということで、言いたいことを言っていただいたのですけれども、ただ、既に私は、このことに関しては昨年の6月定例会で、小田原市土地開発公社、いわゆる塩漬けの土地等を含めた土地の売買に関して、本当に今回も含めて市の職員は優秀で、このホールに関しての交渉、地権者との交渉を一生懸命やってきましたけれども、先ほど話があったとおり、ここは、優秀ですけれども市の職員に委ねるのではなく、やはり民間、6月定例会の質問でも言いましたけれども、例えば宅地建物取引業協会とかそういった専門の不動産屋に、そこは予算を立てても構いませんので、そういった形でもって予算をつけながら、たとえ中長期であっても、今後のそういった大事な土地の取得も踏まえて、売買、代替地を含めて、そういったことをしっかりとやっていただければなと思っています。最後、そのことをお聞きして終わりにしますが、細かいことは予算特別委員会でまた質疑させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
◎未来創造・
デジタル化推進担当部長(杉本錦也君) 用地取得における民間活力について御質問をいただきました。用地取得に関しまして、市の職員は、地権者交渉や契約、登記などの事務に携わっておりまして、測量などにつきましては、民間に業務委託を行っているところでございます。いずれにいたしましても、民間のノウハウの活用など、公民連携を意識した事業展開に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後4時10分といたします。 午後3時51分 休憩
----------------------------------- 午後4時10分 開議
○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 日本共産党代表・23番横田議員、登壇願います。 〔23番(横田英司君)登壇 拍手〕
◆23番(横田英司君) 日本共産党を代表して質問いたします。 1、「はじめに」で述べられている状況認識について。 (1)「コロナ禍というピンチをチャンスに」という認識について。 本市では、新型インフルエンザ等対策行動計画が2014年に策定されていたにもかかわらず、医療崩壊かと思われる状況が発生しました。それはなぜか。十分なベッド数、医療労働者が確保されていなかったことが要因の一つではないでしょうか。また、女性の自殺者が増え、その原因は、女性が多い非正規労働者の雇用環境が悪化したからだと報道されています。学生もアルバイトのシフトが入らないため、生活費・学費に困り、本市でもボランティアが行っている食料支援を毎回、心待ちにしている人がいると聞いております。結局、弱肉強食と自己責任押しつけの新自由主義の政治がコロナ禍の被害を大きくしたのではないでしょうか。 まず、コロナ禍をどう捉えるか、その認識を伺います。 さて、新型コロナウイルス感染症により多くの人が亡くなり、後遺症に悩まされる人も少なくありません。この状態は続いております。 ピンチを何かのチャンスにするというような状況ではなく、感染対策に全力で取り組むとともに、新たな感染症が発生しても最小限の被害に抑えられるよう、新自由主義の政治を変えることが求められているのではないでしょうか。どのような意図で「ピンチをチャンスに」と述べられたのか、所見を伺います。 施政方針では、「コロナ禍によって、テレワークやワーケーションといった新しい働き方が浸透し、私たちの生活スタイルは大きく変わろうとしています」と述べられていますが、NHKの世論調査では、「新型コロナ テレワーク・時差出勤実施は限定的」となっています。 現場の労働者、ケアワーカーなどは、新型コロナウイルス感染リスクが高い一方、テレワークは導入できません。こういう市民にどう対応されるのか伺います。 (2)SDGsの理念とデジタルまちづくりについて。 SDGsは、「このままでは地球が危ない、人類は生きていけない」、こういう危機感から目標とターゲットを定めたものであり、あらゆる施策にSDGsの視点を取り入れなければなりません。 施政方針で、デジタルまちづくりには、SDGsの視点を取り入れながらと明示した理由は何でしょうか。 また、本市がSDGsを推進するために重点的に行うべき課題は何でしょうか。 2、基本方針について。 (1)新型コロナウイルス感染症対策について。 ア、「生活を守る、医療を守る」について。 コロナ禍において、患者に直接接する医療や介護のケア労働者の献身的で過酷な労働が続いています。その仕事の重要性にもかかわらず、処遇の低さも明らかになっています。実際、全国労働組合総連合は、昨年の12月1日、厚生労働省に対して、「ケア労働者の大幅賃上げと職員配置基準の引き上げを求める要請書」を提出しました。その中で次のように述べています。「そもそも介護士や保育士は、全産業平均からみても月6万円~7万円も賃金が低い実態にあります。看護師は、夜勤手当などを含めず基本給で全産業平均を上回る、欧米諸国並みの賃金水準にすべきです」。 ケア労働者なくして、市民の「生活を守る、医療を守る」ことはできません。そのためには、ケア労働者の処遇の改善が求められます。所見と方針を伺います。 (2)「人口20万人規模」は、目的・目標になり得るのかについて。 施政方針で、人口20万人規模の都市を目指すことが述べられていますが、まず、現在の小田原市にとって、人口20万人規模は適正人口だと判断したからなのかを伺います。 さて、問題は人口そのものではなく、世代別人口のバランスであり、そのバランスの変化に社会が追いついていないということではないでしょうか。 そして、重要なのは、今住んでいる、そして将来住み続ける市民が幸せに暮らせることであり、そのために必要な課題の達成こそを目標とすべきだと考えます。見解を伺います。 3、重点施策について。 (1)医療・福祉について。 ア、市立病院の経営改革プランの見直しについて。 政府により、公立病院の再編・経営効率化・経営形態の見直し・病床削減の推進が行われてきました。これは、医療提供体制を縮小・弱体化させるものです。一方、市立病院は地方公営企業法の全部適用を今年度から開始しました。 そこで伺います。経営改革プランの見直しは、地方公営企業法の全部適用をさらに推し進めて、地方独立行政法人化、そして病床削減を進めることを狙いとしていませんか。 イ、市立病院の県や医療機関との役割分担について。 県と本市、県立病院機構が、一昨年10月に小田原市立病院と県立足柄上病院の連携・協力を強化する協定を締結し、この協定に基づき、3者は昨年3月、県立足柄上病院の分娩廃止を盛り込んだ「連携・協力の方向性」について合意し、周産期医療機能は小田原市立病院に集約されました。 そのため、大井町と松田町は、小田原市内まで妊婦のタクシー助成をすることにしましたが、足柄上地域1市5町議会の女性議員有志11人は、院内助産の再開などを県などに働きかけるように、関係市長・町長に要望書を提出しています。 そこで、施政方針で述べられている、市立病院と県や地域の医療機関等との役割分担について伺います。 新型コロナウイルス感染症の受入れに関し、市立病院は重症患者を、県立足柄上病院は中等症患者を受け入れるような役割分担なら地域医療は向上しますが、役割分担という名目で県立足柄上病院から分娩が廃止されることは、近隣自治体の住民が犠牲になるものです。医師の確保こそ、県に求めていくことだと考えますが、役割分担、連携・協力の在り方について御所見を伺います。 (2)防災拠点の機能強化について。 災害の被害は人々に等しい影響を与えません。より弱い立場の人々が、より大きい影響を受けます。人為的被害を受けることもあります。これらのことは、阪神・淡路大震災や東日本大震災によって問題が明らかになってきました。災害女性学という学問分野もできました。 今回、施政方針では、防災拠点の機能強化が取り上げられていますが、避難所での要配慮者や女性に対する配慮と対応が運営面でも設備面でも欠かせません。この観点から、防災拠点をどのように機能強化するのか伺います。 (3)教育・子育てについて。 ア、質の高い学校教育について。 まず、何をもって質の高い学校教育と考えているのか伺います。 次に、小田原版STEAM教育とステップアップ調査が、質の高い学校教育に資すると考える理由を伺います。 さて、私は、教育にとっては一人一人の子供に目が行き届くことが前提であり、質の高い教育には、これこそ一番の目標とすべきと考えます。35人学級化が進み始めましたが、世界では20人台学級が当たり前の状況で、まだまだ十分でありません。 そこで、質の高い学校教育のためには、少人数学級をもっともっと進めていくべきではないかと考えますが、所見を伺います。 イ、家庭教育支援条例の調査目的について。 質問の趣旨をはっきりさせるために、私たち日本共産党が、家庭教育をどう考えているかについて述べておきます。 私たちは、家庭教育を大切なものと考え、そのために次の二つの点を重視しています。 第1は、個人の尊厳、両性の平等、子供の権利などの民主主義的な価値を期待しながらも、家庭教育の多様性と自主性を尊重することです。多様性とは、子育てには正解や正しい形はなく、いろいろな家庭、いろいろな子育てがあってしかるべきだということです。自主性とは、どんな子育てをするかは各家庭で考えていくことで、公権力がそのあり方を指図してはならないということです。 唯一の例外はDVや児童虐待などの場合の介入です。しかし、DVや児童虐待などは犯罪であり、家庭教育の在り方の問題ではありません。児童相談所の体制強化、増設、人材の確保・養成とともに、親が孤立せず、安心して子育てできる社会環境にすることが求められます。家庭や子育ての困難を、社会的・経済的な要因を無視して親の責任に一面化することがあってはなりません。 第2に重視する点は、行政が家庭教育に行うべきことは、家庭教育を支えるための条件整備にあるということです。家庭で子供を育てるには衣食住が不可欠ですし、子育てと仕事の両立も必要です。まともな労働条件の確立、保育園などの設置、教育費や医療費の軽減・無償化、ひとり親家庭への支援も必要です。子育ての悩みにも気軽に相談できる場と専門家の配置、公民館などで子育てのネットワークづくりや子育て講座を奨励すること、子ども食堂への支援など多くの課題があります。 しかし、日本の家庭向け予算の水準は、ヨーロッパ諸国に比べて低く、子供の貧困という言葉も日常のように聞かれます。ここからの転換こそが焦眉の課題です。 さて、家庭教育支援条例の調査研究が施政方針の中で初めて述べられました。家庭教育支援条例は、2021年6月30日現在、都道府県が9団体、市町村が6団体制定していることが確認できましたので、この背景について述べておきます。 これまで、幾つかの地方議会に「家庭教育支援法の制定を求める意見書」が提出されました。この家庭教育支援法案は、2012年4月に安倍晋三氏が会長となり発足させた親学推進議員連盟が長年、立法化を目指してきたものです。「親学」とは、家庭生活のあるべき姿を具体的に提唱し、そのあるべき姿に応じた子育てを保護者に求めるというものです。 そして、この家庭教育支援法案を先取りするように、幾つかの自治体で家庭教育支援条例が制定されました。愛知県豊橋市の鈴木みさ子市議会議員は、「当局は、特定の家庭教育についての押しつけはしないというが、『親学』の導入については明言を避けている。結局、特定の思想に基づくものを押しつけることになるのではないか」と危惧しています。岡山県では、昨年、議案に対してのパブリックコメントに500件以上の意見が寄せられ、そのうち7割が反対意見であり、制定されていない状況です。 そこで伺います。各地で条例についての問題が指摘され、多くの反対意見が住民から出されている状況で、今回提案されたきっかけは何か。 また、市民から制定の要望があったのか。 調査研究というのは何かをするのか、それは制定の可否の判断も含まれているのか伺います。 (4)地域経済の好循環について。 施政方針では、地域経済の好循環を生み出すことと、地域経済循環の視点による取組が述べられていますが、まず、地域経済の循環または地域経済循環とは、どういうことを意味しているか伺います。 さて、長野県が、地域経済循環という言葉でなく、地域内経済循環の促進を進めています。地域内経済循環は次のように説明されています。地域にある資源を活用して、地域で消費するものを地域で生産する地産地消と消費者の消費行動を連動させ、地域外から獲得した資金を地域内で循環させることで、地域に雇用と所得を持続的に生み出す自立的な経済構造を構築します。このように説明されています。 お金は、生産物の売り買い、原材料の売り買い、労働による賃金の取得と支払い、投資などによって、ぐるぐる地域内外を回っていきます。注意すべきは、せっかく地域にお金が入っても、そのお金がすぐに地域の外に出ていっては、地域経済にとってメリットはあまりありません。また、そのお金が地域内でため込まれていても同じです。外に出る前に、地域内でできるだけ多くぐるぐる回ることが重要です。 このことについて、イギリスのNEF(New Economics Foundation)というシンクタンクが漏れバケツという理論を提唱していります。バケツに穴が空いて水が漏れていては、水はたまりません。そのためには穴を塞ぐことが必要です。地域をバケツに、お金を水になぞらえて、漏れバケツの穴、つまり外に出ていくお金を減らすことに着目します。発想の転換です。幾らお金を地域に引っ張り込み、落としてもらっても、お金がすぐに外に出るのでは、労多くして益少なしです。 そこで伺います。本市は、地域内での経済循環を高めるために、どのような施策を取ってきましたか、また、計画していますか。 また、地域の経済が持続的で豊かになるためには、地域内での経済の循環を高めることが重要だと考えますが、御所見を伺います。 (5)歴史・文化について。 ア、小田原ならではの文化によるまちづくりについて。 まず伺います。小田原ならではの文化とは、どういうことを言っているのか伺います。 次に、「小田原ならではの文化資源の魅力を生かした施策」と述べられていますが、本市はこれまでも文化振興施策を行ってきました。従来の施策とはどう違うのか伺います。 (6)再生可能エネルギーの導入について。 気候危機は、緊急に解決しなければならない死活的な大問題であり、大規模な省エネと再生可能エネルギーの導入拡大の両方が必要です。本市が、再生可能エネルギーの導入拡大を重点施策としていることは大いに評価できます。 導入拡大で重要なのは、地域と住民の力に依拠して活用を進めることです。それによってこそ、大規模な普及が可能になります。地域おこしにとっても貴重な資源となります。 また、市がイニシアチブを発揮して、住民の合意と協力、地域の力に依拠することで、利益が地域に還元され、環境を破壊することなく利用できます。再生可能エネルギーにより環境破壊が起こっては本末転倒です。そのためには、環境を守る規制を強化し、乱開発をなくすこと、また、既存の施設・建築物・未利用地などの活用を推進することが重要です。 そこで伺います。再生可能エネルギー導入の現状と今後の目標、施策を伺います。 どのような再生可能エネルギーを進めているのかを伺います。 環境・エネルギーの施策として、小田原産木材の利活用の促進が述べられていますが、木材ペレットなど、再生可能エネルギーの利用についての考えを伺います。 (7)まちづくりについて。 ア、地域の移動手段の維持・確保について。 路線バスについては、昨年、利用者の減少に伴い、箱根登山バスの路線退出の話がありましたが、市民の足の確保は喫緊の課題です。 そこで、今後予定している地域公共交通計画について、どのような手順で策定していくのかについて伺います。 4、まちづくりの推進エンジンについて。 (1)行政経営について。 ア、職員の人材確保・育成について。 施政方針で、民間の専門人材の登用が述べられていますが、これまで、PFI、指定管理者制度、包括的民間委託が進められてきました。このことにより、職員の現場で仕事をする機会を減らし、技術の蓄積を失わせ、市民からの声を日常的に聞く機会を減らすことになっています。 そこで、現在の民間委託化の流れは、職員の人材確保・育成とは逆ではないのか、見解を伺います。 (2)若者・女性活躍について。 2021年版の「自殺対策白書」では、職に就いている女性の2020年の自殺者数は1698人で、2019年までの5年間の平均と比べて3割近く増加しています。コロナ禍で、飲食・サービス業など女性が多い非正規労働者の雇用環境が悪化したことが影響したと見られます。非正規雇用の比率は、25歳~34歳の若者も、内閣府の「子供・若者白書」によると、2002年と比較して増加しています。 若者・女性の活躍は、非正規雇用による低賃金、不安定な生活、男女の賃金格差などの状況の改善なしにはあり得ません。生き生きと活躍できる環境を整えるとは、どのようなことをするのかを伺います。 (3)デジタルまちづくりについて。 施政方針では、「市民の利便性の向上と行政基盤のデジタルトランスフォーメーションを両輪としたデジタルまちづくり」と、市民向けと行政基盤の二つの側面でのデジタル化を進めることが述べられています。デジタル化そのものは有用な技術であり、必要な技術は適切に導入するのは当然です。しかし、まちづくりの目的は、住民の幸福や健康であって、デジタル化そのものではありません。また、まちづくりには様々な方策が必要で、デジタル化だけでは実現できません。 そこで、まず、デジタルをツールの一つではなく、推進エンジンとして全面的に打ち出した理由を伺います。 昨年5月に成立したデジタル関連法は、国や地方自治体のシステムや規定を標準化・共通化して、個人情報を含むデータの利用を強力に進めるものでした。法案の狙いは、特定の企業のもうけのために、地方自治体が持つ大切な個人情報を利用するということです。マスメディアや識者は、個人情報保護を破り、権力による国民監視を強める危険なものであると指摘しています。 このような指摘がされてきたにもかかわらず、施政方針で、小田原市にとって、デジタル化に関する国の施策と緊密に連携することが有効だと判断した理由を伺います。 スーパーシティについては、重要なのは個々のサービスではなく、データ連携基盤です。このことは、スーパーシティ型国家戦略特別区域の区域指定に関する専門調査会の第1回会議で、坂村健委員が述べています。そして、データ連携基盤で活用されるのは、オープン化された住民の基本データです。 施政方針では、個人情報保護に万全を期すと述べられていますが、これまで多くの議員が、活用される住民の基本データは何か、その仕組みはどうなっているのかを質問しましたが、一切明らかになりませんでした。データ連携基盤は内容によっては、個人情報の漏えい、悪意の活用などの問題が生じたとき、影響の大きさ、取り返しのつかなさなどは、原発事故と比べても低いものではありません。 そこで伺います。個人情報保護に万全を期するとはどういうことですか、そして、何をもって万全だと判断するのですか、誰が判断するのですか。5、「むすび」について。 (1)チャレンジできる環境を整えることについて。 基本方針では、人や企業を呼び込むことが、重点施策の取組では、企業誘致やスタートアップや起業を図っていくことが、「むすび」では、小田原で活躍したいと思う誰もがチャレンジできる環境を整えることが述べられています。 このように市長は、外部からの呼び込みや起業などのための環境を整えることを重視しているように見えます。しかし、現在、小田原に住み、地域に根づいて営んでいる人々を支援することも重要なことではないでしょうか。 そこで、チャレンジできる環境を整えるとは、どういうことなのか伺います。 (2)「プラットフォームビルダーとしての行政」について。 私たちは、頻発する災害や、新型コロナパンデミックを体験した結果、エッセンシャルワークとしての公務労働の重要性を改めて認識できました。市民や民間企業との協力・連携は当然行わなければなりませんが、行政独自の役割は減るものではありません。 「プラットフォームビルダーとしての行政」を強調し、推し進めることは、行政の役割を減らしていくものではないでしょうか、見解を伺います。 以上、よろしく答弁をお願いします。
○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。 〔市長(守屋輝彦君)登壇〕
◎市長(守屋輝彦君) 日本共産党・23番横田議員の代表質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、コロナ禍に対する認識について質問がございました。新型コロナウイルス感染症は、私たちの命や暮らし、社会経済活動に深刻な影響を及ぼし続けており、収束のめどはいまだ立っておらず、当面はwithコロナの状態が続くものと捉えております。こうした中、「生活を守る、事業者を守る、教育を守る、地域医療を守る」の4本柱に基づき、感染症対策を最優先に取り組む必要があると認識しております。そして、感染症によって顕在化した課題やコロナ禍による小田原の可能性を的確に捉え、ポストコロナ社会を展望し、時代の変化に対応した社会を実現することが重要であると考えております。 次に、「ピンチをチャンスに」という意図について御質問がございました。新しい生活様式や多様な働き方が定着しつつある中、豊かな自然環境や都心への交通利便性をはじめ、歴史・文化、新鮮でおいしい食べ物といった、私たちがふだん当たり前と感じている暮らしの要素を、新たに価値として見いだす方が増えていると捉えております。コロナ禍にあって、小田原が持っている地域資源の価値が再認識されている現状を捉え、最優先課題である命や暮らしへの影響に対する対策を行いながら、新総合計画に位置づけた各種施策を着実に進めることで、小田原の潜在力を開花させるチャンスにつなげていきたいと考えております。 次に、テレワークになじまない業種への対応について質問がございました。この数年、感染症の拡大防止、非常時の事業継続の目的から、企業におけるテレワークの導入が急速に進んでおります。一方で、現場の労働者やケアワーカーなど、テレワーク導入が困難な業種が存在することも認識してございます。本市といたしましては、テレワークが可能な事業者に対しましては、関係機関とも連携し普及啓発に努めるとともに、テレワークが難しい業種につきましては、引き続き、感染症対策の充実を働きかけ、必要な支援を行ってまいります。 次に、デジタルまちづくりにSDGsの視点を取り入れたとする理由について質問がございました。SDGsは経済・社会・環境など幅広い領域を網羅しており、市政運営全般において、この理念や考え方を踏まえ、取り組むことは言うまでもございません。このため、市政の推進エンジンとして位置づけられているデジタルを活用したまちづくりは、「誰一人取り残さない持続可能な社会の実現」をはじめとしたSDGsの理念と考え方を一にするものであるため、この旨を改めて明記したものでございます。 次に、SDGs推進の重点課題について質問がございました。本市では、SDGsの理念を踏まえた取組や普及啓発活動を、市民や民間事業者とともに進めてきたことにより、その認知と具体的な行動に広がりを見せております。具体的には、全国の先駆けとなる再生可能エネルギーの分野の取組などが挙げられますが、引き続きSDGsを旗印に、公民連携、若者・女性活躍、デジタル技術の活用などによって、経済・社会・環境の三側面の取組を進化させることが重要であると考えており、多様な主体との連携により、本市のSDGsを推進してまいります。 次に、ケア労働者の処遇改善について質問がございました。国は、令和4年2月から9月まで、介護職員の賃金を月額平均9000円引き上げるため、介護職員処遇改善支援補助金を介護事業所に交付することとしております。また、令和4年10月以降につきましては、賃上げ効果を継続するため、介護報酬を臨時改定することとしております。介護職員の処遇改善は、国の責務であると考えておりますが、本市といたしましても介護保険制度を維持する上で重要な課題であると認識していることから、引き続き全国市長会を通じて国に要望してまいります。 次に、人口20万人規模について質問がございました。本市は、かつて人口20万人を経験してきた都市であり、その人口規模に応じたインフラは一定程度整っていることから、既に本市には人口20万人を目指す土台があるものと捉えております。また、一定の人口規模は、税収を含めて、医療、福祉、教育、文化、安全等の行政サービスの持続的な提供に加え、地域の経済活動においても重要な要素であると捉えております。 次に、目的・目標について質問がございました。人口20万人規模という目標を掲げて本市の力を結集し、住んでいる方が暮らし続けたいと感じるまちを形成するとともに、小田原に住みたいと思う方を増やしていくことが本旨であり、人口増加を目的とするものではございません。こうした考え方につきましては、新総合計画の基本構想においても明確にしたところでございます。 次に、市立病院の経営改革プランの見直しについて質問がございました。総務省では、令和3年度中に公立病院の経営強化に向けた新たなガイドラインを策定し、公立病院に対し令和4年度または令和5年度中に経営強化プランを策定するよう要請する見込みでございます。このような国の動向を踏まえ、市立病院では、総務省から新たなガイドラインが示された後、このガイドラインの内容に沿って、経営改革プランの見直しを行う予定でございます。 次に、県立足柄上病院との基本協定等に関して質問がございました。「市立病院と足柄上病院との連携・協力の方向性について」は、構想区域内の医療機関が協力し、医療需要や医療資源の状況に応じ、それぞれの特色や強みを生かす機能分化や連携強化を進めることで、地域住民に将来にわたり安全・安心で質の高い医療を安定的に提供していくため、関係者間で議論を重ね定めたものでございます。市といたしましては、この方向性に基づきまして、地域医療構想に資する高度急性期から急性期、回復期、在宅医療までのシームレスな地域完結型の医療提供体制の構築及び推進を目指し、県を含めた関係者と緊密に連携・協力しながら取り組んでまいります。 次に、避難所における、要配慮者、女性への配慮と対応について質問がございました。避難所の運営につきましては、女性の職員や防災リーダーが防災訓練や広域避難所運営委員会に参加するなど、女性の視点を取り入れた避難所の運営体制の構築を進めております。また、設備の面では、市のガイドラインで要配慮者や女性に配慮した避難所のレイアウト設定を定め、授乳や着替えに利用できるパーティションやテントを備蓄しておりますが、これらの資機材を有効に活用できるよう訓練を積み重ねてまいります。 次に、日本共産党・23番横田議員の代表質問のうち、質の高い学校教育につきましては、教育長からの答弁といたします。 次に、家庭教育支援条例について質問がございました。家庭教育支援につきましては、私自身、以前から非常に関心を持っており、政策集、2030ロードマップにも掲げ、地域社会や行政、学校、事業者等が家庭の支えとなり、社会全体で子育てや家庭教育を支援する取組を検討するため、新総合計画に取り上げたものでございます。 次に、この家庭教育支援条例制定の市民要望について質問がございました。条例制定の陳情や要望書等は受けてはおりませんが、家庭教育支援条例につきましては、総合教育会議や市議会などにおいて、度々議論をさせていただいているところでございます。家庭教育を支える環境が大きく変化する中、子育てに悩みや不安を抱えつつ、自ら学びの場や相談の場にアクセスすることが困難な家庭など、支援が届きにくい家庭も存在しております。多様化する家庭環境に対し、社会全体での家庭教育を支える仕組みづくりが必要であると考えております。 次に、この家庭教育支援条例の調査研究の内容について質問がございました。調査研究につきましては、家庭教育支援条例を制定している他自治体の事例等を調査しつつ、こども家庭庁の創設など、国の動向も見据えながら、効果的な家庭教育の支援の在り方について研究を進めるものでございます。また、条例制定の必要性につきましても、この中で検討してまいります。 次に、地域経済循環について質問がございました。地域経済の活性化には、重層的に人や物が循環することが必要であり、誰もが働きやすい環境を整え、働く場としての魅力が高まることで、人や企業を呼び込み、新たなビジネス機会が創出されると考えております。さらに、地域産業の魅力や付加価値も高まり、地域経済循環が促進されるものと捉えております。 次に、地域内経済循環の施策の今後の計画等についての御質問がございました。地域内経済循環の施策の一つといたしまして、本市では、流通拠点である公設地方卸売市場を維持するとともに、朝ドレファ~ミや漁港の駅TOTOCO小田原といった販売拠点整備を進めるなど、地産地消に積極的に取り組んでまいりました。今後も、市内産農林水産物のブランド化を図りながら、地産地消を推進するとともに、様々な産業を通じて、本市のポテンシャルを生かし、地域経済の好循環に努めてまいります。 次に、地域内での経済の循環を促すということについて質問がございました。地域経済を活性化していくためには、地域外からより多くの資金を獲得し、地域に入ったお金を地域内で循環させることが重要であると考えております。そこで、まず、市としてできることとして、今般、公共調達に際し、地元企業でできることは地元企業へ発注するという方針を明確化したところでございます。あわせて、地域全体での取組が必要となることから、高いポテンシャルを有している様々な企業とともに、地域経済の循環を促す取組をスピーディーに進めてまいります。 次に、「小田原ならではの文化」について質問がございました。(仮称)小田原ならではの文化によるまちづくり基本計画では、本市の立地や気候の下、市内各地で受け継がれてきた人々の営みが融合し育まれてきた独自の文化を、「小田原ならではの文化」と表現しております。その上で、本市の多彩な文化の特徴を、小田原城やその城下町の歴史が育んだ武士・戦国の文化、地場産業などのなりわい文化、茶道や食など生活に根づいた文化、邸園文化、市民や文化団体が育んできた市民文化など、九つに分類しております。 次に、これまでの文化振興策との違いについて質問がございました。(仮称)小田原ならではの文化によるまちづくり基本計画では、長い歴史や風土に育まれた伝統、なりわい、生活、芸術等の小田原ならではの文化を振興することは、市民一人一人の感性を育むことにとどまらず、人づくり、地域づくりなど社会の基盤形成、まちづくりにもつながるものであると捉えております。文化の振興に当たりましては、文化・芸術に触れる機会をつくり、文化の裾野を広げるといった視点に加え、観光・教育・福祉・産業などの分野とも連携し、文化による活力と魅力あふれるまちの実現を目指す文化振興策の展開を意図しているものでございます。 次に、再生可能エネルギーの導入の現状と目標、そのための施策について質問がございました。市内の
再生可能エネルギー発電設備の導入量は年々増加し、2019年時点で3万キロワット強となっており、2030年までにこれを5倍とする15万キロワットを目標に定めております。今後の導入拡大を図るための施策として、一般家庭や事業所の設備導入に対する支援を行ってまいります。さらに、蓄電池や電気自動車の導入と制御など、再生可能エネルギーを地域で有効活用するための仕組みを公民連携により構築してまいります。 次に、再生可能エネルギーの導入の進め方について質問がございました。再生可能エネルギーの活用に当たりましては、これまで、中小水力や風力などの可能性について検討を行いましたが、いずれもポテンシャルが低いことが確認されております。木質バイオマスについても検討いたしましたが、燃料の調達から需要先まで一体的な創出が必要となるなどの課題があり、本市においては主力電源となることが難しいと考えております。そのため、ポテンシャルの高い太陽光発電を主力として、再生可能エネルギーの導入拡大を図ってまいります。 次に、地域公共交通計画の策定手順について質問がございました。まずは、人口や高齢化率、公共交通の現状などについて評価を行い、市民アンケートの実施により、目的地や利用頻度、時間帯など、移動に対するニーズを把握することとしております。これらの基礎的要件に基づき、交通事業者や有識者、市民代表、国・県・市等で構成する小田原市生活交通ネットワーク協議会において、専門的知見も含めた議論を重ねながら、策定作業を進めてまいります。 次に、民間委託と人材育成について質問がございました。民間委託は、業務の性質や内容、費用等のメリット・デメリットを比較考量した上で導入を判断しております。委託の結果、職員の知識や技術の継承が損なわれないよう留意するとともに、委託した業務においても市民の声をしっかり受け止めるよう心がけております。今後も、業務の効率化を図りながら職員の人材確保及び人材育成に取り組んでまいります。 次に、若者や女性が活躍できる環境について質問がございました。本市は、男女共同参画社会基本法及び女性活躍推進法に基づき、誰もが性別に関係なく、職場や家庭、地域などあらゆる場面で、生き生きと活躍できる社会の実現を目指しているとともに、「世界が憧れるまち"小田原"」の実現に向け、若者や女性の多様な視点や発想を生かそうと考えております。これまでも、市長との意見交換会や意識啓発セミナー、各種交流会等を実施してきており、引き続き、そうした取組を通して、誰もがお互いを尊重し協力し合い、それぞれの能力を発揮できる環境づくりに努めてまいります。 次に、デジタルを打ち出した理由について質問がございました。デジタルを最大限に活用しながらまちづくりを進めることで、これまでにも増して市民の利便性の向上や行政基盤の強化などを実現することが可能となります。このため、本市において、デジタルの活用は、特定分野に限定することなく、持続可能で活力ある豊かな未来社会の実現を目指すための「推進エンジン」として位置づけているところでございます。 次に、デジタル化に関する国の施策との連携について質問がございました。スーパーシティやスマートシティをはじめとする国の施策と緊密に連携しながら本市の施策を推進することで、財政的な支援や助言、情報提供を受けられるなど、円滑な進展が期待されます。実際の現場がデジタル化されることで、初めてその恩恵を市民が享受できるものと考えております。このため、デジタルまちづくりをはじめ、本市として必要と考えられる施策につきましては、国の施策と緊密に連携することで、施策の進展スピードを向上させていきたいと考えております。 次に、個人情報保護について質問がございました。本市では、システムの構築や各種データの取扱いに当たり、サイバーセキュリティ基本法や小田原市情報セキュリティポリシーをはじめ関係法令に基づく適切なセキュリティー対策を講じ、適切な情報資産の保護・管理体制を確保することとしております。また、個人情報保護につきましては、個人情報の保護に関する法律、小田原市個人情報保護条例等に基づき適切に取り扱うこととしております。 次に、チャレンジできる環境について質問がございました。新総合計画において、年齢、性別、国籍等にかかわらず、そして経済や福祉など領域を限定することなく、一歩を踏み出したいと思う誰もがチャレンジできる環境を整えていく方向性を示しております。その環境の一つとして、既にイノベーションラボを拠点に様々なノウハウを有する企業や大学をはじめ、柔軟な発想、アイデア等を持つ若者や女性がまちづくりに関わり始めております。これまでの市民力・地域力を土台に、公民連携や若者・女性活躍を推進することで、市内外を問わず、本市のまちづくりにおける様々な課題解決に関わっていただける人の裾野を広げてまいります。 次に、プラットフォームビルダーとしての行政について質問がございました。量的にも質的にも困難さを増す課題が増えている現在、行政のみで全ての課題を解決することは難しく、多様な主体をつなぐための土台をつくることで連携を生み、様々な地域課題の解決や新たな価値の創造を促進していくことが行政の重要な役割になってきております。プラットフォームビルダーとして、行政がこうした環境を整えることで、2030年に目指す小田原の姿を実現してまいります。 以上をもちまして、日本共産党・23番横田議員の代表質問に対しての答弁といたします。
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○議長(大川裕君) この際、申し上げますが、本日の会議時間は、会議規則第10条第2項の規定により、これを延長いたします。
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◎教育長(柳下正祐君) 日本共産党・23番横田議員の代表質問のうち、教育に関する質問については、私から答弁をさせていただきます。 初めに、質の高い教育について質問がございました。質の高い教育については様々な考え方があると思いますけれども、教育委員会といたしましては、学校において、子供たちが人や物、様々な出来事との関わりや体験を通して、互いのよさを認め合い、自己肯定感を高め、自分の考え、自分たちの考えを構築できるようにすることを目標としております。このことは、子供たち一人一人が自分を輝かせて充実した人生を送ることで、よりよい地域社会をつくる力、すなわち社会力を育成することにつながるものと考えております。 次に、小田原版STEAM教育やステップアップ調査について質問がございました。小田原版STEAM教育は、小田原の豊かな地域素材を切り口として実社会の問題発見・解決に生かしていく教科横断的な教育で、本市が目指します「社会力の育成」につながるものでございます。ステップアップ調査は、児童生徒の学力の伸びに着目した客観的なデータを基に授業を評価・検証することが可能となるため、授業の質の向上につながるものであります。このようなことから、いずれの取組も質の高い教育に資するものと考えております。 次に、少人数学級について質問がございました。23番横田議員御指摘のとおり、少人数学級の推進は、きめ細かな支援や指導が可能となりまして、一人一人のより最適な学びの実現に寄与するだけでなく、教員1人が受け持つ児童数が少なくなることから、教員の負担軽減にもつながるものと考えております。少人数学級の推進は、本来、国が行うべきものでありますが、本市では、少人数指導スタッフを配置して、令和3年度以降、順次、国より1年前倒しをして35人学級の実施を進めているところでございます。 以上をもちまして、日本共産党・23番横田議員の代表質問に対しての答弁とさせていただきます。
◆23番(横田英司君) 答弁ありがとうございました。 2点に絞って再質問いたします。まず、地域の移動手段の維持・確保について。 計画策定の流れについては分かりました。まずは、ニーズをしっかり把握して進めていただきたいと思います。 高齢の方から、車がないと生活ができないので、免許を返納したくてもできないという声を伺っています。そこで、地域公共交通計画を策定するに合わせて、とりわけ高齢者の移動手段の確保について、どのように検討していくのか伺います。 二つ目に、デジタルまちづくりについての個人情報保護について再質問します。 私は、万全を期してということについて質問いたしましたが、答弁は、適切にということでした。結局、個人情報に万全というのはないということなのです。市民は、個人情報を行政サービスを受けるために行政に託していますが、フリーハンドを与えていたわけではありません。市民は、自分の個人情報の何が活用され、どのように保護され、問題が起こったときにはどうするかを知り、活用の可否を判断し、それを求める権利があります。 デジタル化に必要なことは、個人情報やプライバシーを保護するための条例や法律の強化、ガイドラインの整備と、行政と企業を市民の立場で監視・監督する第三者機関を設置、個人情報が漏えいした場合の通知義務、十分な被害救済、罰則の強化、情報の自己決定権などを保障することです。 ですから、個人情報保護のためには、市民自身が自分で決定できるよう、情報公開と市民対話を徹底的に行い、また、合意が得られないことはやらないということではないでしょうか、御所見を伺います。
◎
福祉健康部長(中津川英二君) 高齢者の移動手段の確保についての御質問については、私から御答弁させていただきます。 高齢者の要望やニーズは様々でございまして、地域性によっても異なってくることから、実情に合った持続可能な支援が必要でございます。移動手段の確保については、地域公共交通計画と整合性を図りながら、地域共生社会の実現を推進するための第4期地域福祉計画の策定において議論するとともに、令和4年度から設置いたします共生社会推進本部の中において検討してまいります。 以上でございます。
◎未来創造・
デジタル化推進担当部長(杉本錦也君) 個人情報保護における市民の合意についての御質問がございました。この件につきましては、私から答弁させていただきます。 個人情報の保護につきましては、個人情報の保護に関する法律、小田原市個人情報保護条例等に基づきまして適切に取り扱うこととしておりますが、法も条例も国民・市民の意思に基づいて制定されたものでございます。また、個人情報を行政が使用する場合には、法令等に基づき、原則として本人の同意を事前に得ることが前提となっております。今後とも、法令等を遵守し、個人情報保護に万全を期することを前提に、デジタルの活用に取り組んでまいります。 以上でございます。
◆23番(横田英司君) 個人情報保護について述べておきます。先ほどの再質問の答弁では、個人情報保護の法律、条例ということに関して答弁されました。そこで一言述べたいのですけれども、個人情報とそれが匿名加工された情報について述べておきます。 法律では、行政機関等匿名加工情報は、個人情報とは定義されていません。ですから、これは個人情報として行われる規制からは外れています。そして、このことは、市民にはあまり知られていません。 そして、市民にとって、匿名加工されていようといまいが、どちらも「個人に関する情報」で重要性は変わりません。日常生活では、「個人情報」と「個人に関する情報」は同じ意味で使われています。ですから、行政は、「個人情報保護」と市民に説明するときには、「個人に関する情報」の保護として説明し、それに努める必要があると思います。 もし、「個人情報保護」というとき、説明抜きで、法律で定義された「個人情報」だけの保護の意味で使用しているとすれば、市民感覚からは言葉のすり替えとなりかねません。市民に寄り添って、個人情報の保護を進めていくべく、このことを申し上げて、質問を終わります。 以上です。(拍手)
○議長(大川裕君) 以上で本日予定しておりました代表質問は全て終了しましたので、明日2日午前10時から続行することにいたします。 なお、改めて再開の御通知をいたしませんので、御承知ください。 それでは、本日はこれをもって散会いたします。 午後5時8分 散会...