小田原市議会 > 2021-12-14 >
12月14日-05号

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  1. 小田原市議会 2021-12-14
    12月14日-05号


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    最終取得日: 2023-06-03
    令和 3年 12月 定例会         令和3年          小田原市議会12月定例会会議録(第5日)令和3年12月14日-----------------------------------出席議員(26名)         1番     安野裕子議員         2番     鈴木敦子議員         3番     川久保昌彦議員         4番     角田真美議員         5番     荒井信一議員         7番     宮原元紀議員         8番     池田彩乃議員         9番     大川 裕議員        10番     鈴木和宏議員        11番     鈴木美伸議員        12番     杉山三郎議員        13番     鈴木紀雄議員        14番     木村正彦議員        15番     奥山孝二郎議員        16番     楊 隆子議員        17番     神戸秀典議員        18番     篠原 弘議員        19番     井上昌彦議員        20番     加藤仁司議員        21番     武松 忠議員        22番     俵 鋼太郎議員        23番     清水隆男議員        24番     小谷英次郎議員        25番     岩田泰明議員        26番     田中利恵子議員        27番     横田英司議員-----------------------------------欠席議員(1名)         6番     金崎 達議員-----------------------------------説明のため出席した者  市長            守屋輝彦君  副市長           鳥海義文君  副市長           玉木真人君  教育長           柳下正祐君  理事・企画部長       安藤圭太君  理事・技監・建設部長    小澤千香良君  理事・教育部長       北村洋子君  総務部長          石川幸彦君  市民部長          早川 潔君  文化部長          鈴木裕一君  環境部長          藤澤隆則君  福祉健康部長        中津川英二君  子ども青少年部長      杉崎 智君  経済部長          武井好博君  都市部長          石塚省二君  広報広聴室長        尾上昭次君  総務課長          阿部祐之君  財政課長          福井康文君-----------------------------------事務局職員出席者  事務局長          向笠勝彦  副事務局長         室伏正彦  議事調査担当課長      有泉三裕紀  副課長           高橋洋子  総務係長          城所淳子  主査            石川有紀----------------------------------- ○議長(大川裕君) ただいまから昨日に引き続きまして小田原市議会12月定例会を開きます。     午前10時0分 開議 ○議長(大川裕君) 本日の出席議員は26人であります。定足数に達しておりますので、これより直ちに本日の会議を開きます。----------------------------------- ○議長(大川裕君) 昨日に引き続きまして一般質問を行います。 2番鈴木議員、登壇願います。     〔2番(鈴木敦子君)登壇 拍手〕 ◆2番(鈴木敦子君) 皆様、おはようございます。 通告に従い順次質問させていただきます。 大項目1として、小田原市の支援教育について。 (1)公教育における支援体制について。 ア、小田原市における総合的な支援教育の推進について伺います。 「『子供たちには毎日、元気に楽しく学校生活を送ってほしい。』子供たちにかかわる大人の共通の願いです。子供たちが生き生きと学校生活を送ることができるように、一人一人のニーズに応じた適切な支援をしていくのが、支援教育です」。小田原市教育委員会の「小田原市の支援教育」という冊子の冒頭に出てくる言葉です。その中に、神奈川県ではとして、「障がいのあるなしにかかわらず、さまざまな課題を抱えた子供たち一人一人のニーズに適切に対応していくことを学校教育の根幹に据えた『支援教育』の推進に取り組んでいます」とあります。さらに、小田原市では、「障がいのあるなしにかかわらず、子供たち一人一人に対して、それぞれの教育的ニーズに応じた適切な支援を行うことにより、すべての子供たちが自らの幸せを実感できるようにすることを考えていきます。そのために、小田原市としては、支援体制や相談体制を整備し、子供たちが生き生きとした学校生活が送れるよう、『支援教育の充実』を図ります」としています。 近年、福祉共生社会の実現に向けた様々な法整備も進む中で、障がいのあるなしにかかわらず、子供たちが一番長い時間を過ごす学校という場所において、小田原市ではどのような教育支援がなされているのか、一人一人に対してそれぞれのニーズに本当に適した支援が行われているのか、質問したいと思います。 私自身、長女が生後1か月で日本で初めての症例と言われる難病になり、第三頸椎と第四頸椎が溶けてなくなってしまい、首から下が麻痺し、全身ギブスで大学病院に長期入院し、九死に一生を得、リハビリ等を経て、子育てに苦労した経験から、公教育での限界を感じることもありました。また、難病を抱えた子供たちの子育てに頑張っている保護者の日々の悩みや不安を聞くことがありました。 支援が必要なお子さんの場合、家庭で子育てしているうちは気がつかない問題が、就園や就学することによって出てくることもあります。また、幼児期にはつくしんぼ教室や民間の教室、また、必要であれば保健師等の発達支援体制がありますが、就学へ向けての支援内容の情報共有が必ずしも十分とは言えません。 冒頭にあるように、子供たちに関わる大人の共通の願いは、障がいや病気のあるお子さんも含め、全ての子供たちが毎日元気に楽しく幸せな学校生活を送ってほしいということに尽きます。家庭も学校も思いは同じであるはずですが、聞こえてくる声は、支援員を増やす予算がなく、人手不足で適切な支援が受けられないといった悩みです。 公教育として尊い理念を掲げても現状とかけ離れていたり、問題が多くあったりしては、少子化の昨今、もっとよいところで子育てしたいと思う保護者もいることでしょう。小田原市の人口増加を推進する上でも、教育の充実は不可欠です。 弱者に優しいまちは誰にも優しいまちであり、弱者に寄り添える教育は全ての子供たちによい教育となります。 そこで、(1)公教育における支援体制について、小田原市における総合的な支援教育の推進についてとして、支援教育の推進に当たり、本市においてはどのように総合的な推進をしているのか、改めて伺います。 次に、相談体制の充実についてとして、学校との相談は、学校で設けられた相談日というものがあるそうですが、相談日でなくても心配なことがあれば、担任教諭をはじめ教育相談コーディネーター心理相談員に相談することができると伺いました。そういった心理相談員などの相談はどのように行っているのかお伺いいたします。 就学に当たっては、就学に心配を抱えている保護者を対象に在籍園への訪問や発達検査の実施などを通して、よりよい就学先や就学後の支援について一緒に考えてくれる仕組みもあるとのことですが、その中の就学支援委員会について、どのような組織で、年間どの程度開催されているのかお伺いします。 小田原市では、県内の施設の中でも対象年齢の幅の広い支援の必要な家庭に、より丁寧に寄り添えるおだわら子ども若者教育支援センター(はーもにぃ)が2年前に開設されました。その成果についてもお伺いいたします。 次に、多様な学びの場の取組についてお伺いいたします。 各小・中学校には、通常の学級と言われる1学級40人、小学校1~3年生は35人までの集団の中で、担任の先生の指導・支援を中心に学ぶ学級と、1学級8人までの小集団の中で、一人一人のニーズに合った学習計画を基に、困難さに対応したきめ細やかな支援を受けたり、通常の学級で一緒に活動したりしながら学ぶ特別支援学級があり、インクルーシブ教育として交流や共同学習を行うこととなっています。 令和3年度の特別支援学級の学級数や児童・生徒数について、また、近年の人数の傾向などについてお伺いします。 交流や共同学習を行うということですが、特別支援学級在籍の児童・生徒が通常の学級と交流している現状についてお伺いします。 こうした交流にはマンパワーが必要です。令和3年度の個別支援員の配置人数と今後の見込みについてお伺いします。 多様な学びの場を必要とする児童・生徒の中には、母国語が日本語ではなく日本語指導を必要とする子供たちもいます。令和3年度の外国につながりのある児童・生徒で日本語指導を受けている人数と学校数についてお伺いします。 多様な学びの場として、通常の学級に在籍する児童・生徒が通級しながら言葉に関する苦手さに対して指導を受ける通級指導教室「ことばの教室」は、市内に新玉小学校と下府中小学校に設置されています。自分の通う小学校にあることが一番便利ではないかと考えますが、各学校に通級指導教室が設置されていない理由をお伺いいたします。 多様な学びの場として、学校へ行きたいが登校できないなどの思いを抱えている児童・生徒が、学校に籍を置いたまま通級する教室として教育相談指導学級「しろやま教室」、「マロニエ教室」もあります。小田原市における不登校児童・生徒の現状についてお伺いいたします。 学校としての支援について、校内支援体制として校内支援委員会が設置されているとのことですが、校内支援委員会とはどのような組織であるのかお伺いいたします。 児童・生徒への支援が効果的に行われるようにするため、教育相談コーディネーターを校内に置くとのことですが、教育相談コーディネーターはどのような方が担っているのか伺います。   学校が作成している個別支援計画個別教育計画とはどのようなものなのか伺います。    次に、大項目2、公共施設等の不具合に係る市民からの通報システム構築について伺います。 (1)対応に至るまでの過程の現状について、まずお伺いいたします。 小田原市の建物施設については、個々の所管に管理が分かれており、その性質や体制についてもおのおの異なるため、不具合の気づき方や、市民の方からの情報に対する対応も施設ごとに臨機応変に行っていると聞いております。実際、私も市民の方から様々な小田原市施設の不具合について指摘や要望をいただくことがあります。市民の皆様も、職員が常に配置されているところでも夜間にはおらず、昼間でもどこに言っていいのか分からないこともあったり、無人の施設、例えば公衆トイレなどの不具合について戸惑うこともあるようです。公共の管理責任のあるものは建物施設だけではありません。市道や街区公園もそれに当たりますが、市道等で起きた不具合が原因の事故などで市側の管理責任を問われる場合もあります。 現状、建物施設の管理はそれぞれ臨機応変にせざるを得ないとして、それ以外の市管理の市道及び街区公園については、損傷や異常箇所をどのように把握しているのか、どう対応しているのかお伺いいたします。 次に、(2)デジタル化による新たな仕組みの可能性について伺います。 先日、湘南議長会の研修会で、デジタル化について勉強しました。その中に宮城県仙台市の先進事例があり、調べてみました。修繕が必要な道路の不具合を市民が知らせる「道路不具合通報システム」です。専用アプリを活用し、スマートフォンタブレット端末で撮影した写真や位置情報を添えて、修繕が必要な道路の不具合を通報するものです。仙台市のみならず、近いところでは神奈川県や厚木市も導入されているようです。 仙台市の事例では、導入以前、仙台市へ1年間で寄せられた電話相談件数は約1万7000件、道路の補修相談はこれまで管轄区役所や総合支所へ連絡していましたが、修繕が必要な道路の不具合に関する市民からの通報手段を拡充しようとするものです。全国では、福島県郡山市、いわき市、埼玉県熊谷市、愛知県半田市などでも運用されています。 通報の対象は、道路の段差や穴ぼこ、側溝の破損、ガードレールや横断防止柵など防護柵の破損、カーブミラーの破損など、市が管理する道路や道路の附属物に関する情報。道路の拡幅、側溝の整備、市街灯の新設、カーブミラーの新設など、新たな整備に関する要望は対象となりません。 仙台市建設局道路保全課によると、試行開始後は1日2~3件程度の通報が寄せられたそうで、同システムの導入により、道路の不具合の位置や状況が伝えやすくなること、閉庁時間帯でも通報できること、対応の経過をスマートフォンで確認できることの効果を期待、緊急を要する場合はこれまでどおり管轄区役所や総合支所への連絡を勧めるとしています。2018年から試行期間を経て検証を行い、現在、本格指導されています。 また、神奈川県でも道路損傷通報システムを導入していますし、厚木市では厚木市民情報提供システムを「スマ報」と名づけ、道路の損傷、公園遊具の不具合、不法投棄、落書き、外来生物に関する通報のほか、厚木市の魅力も知らせることのできる仕組みを導入しています。いずれもアプリ登録となっています。 小田原市がもし取り組むのであれば、仙台市より一歩踏み込んで、公共の建物施設や街区公園等も視野に入れた仕組みにすることを提案します。また、登録市民制にすることで、より建設的でよい意味で積極的な市民サービス向上に寄与できる情報が集まるのではないかと考えます。 以上を踏まえて、デジタル化による新たな仕組み導入の可能性について、御所見をお伺いします。 以上で登壇しての質問を終わります。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 2番鈴木議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 なお、御質問のうち、本市の支援教育につきましては、教育長からの答弁といたします。 初めに、市道及び街区公園の損傷や異常箇所を把握するための方法等について御質問がございました。施設の異常等につきましては、日常のパトロールなどで把握に努めているほか、市民からの電話や市ホームページの「問い合わせフォーム」等による通報で、数多くの情報提供をいただいております。通報を受けた際は、速やかに現地を確認し、必要に応じて通行規制や施設の使用禁止などの措置を講じた上で、直営または業者に依頼し対応しております。なお、道路照明に関しましては、通報の受付から軽微な修繕までを民間事業者に委託しております。 次に、デジタル技術を使って市に通報できる仕組みの導入について質問がございました。他の自治体において、スマートフォン等から主に道路の不具合について通報する仕組みの導入が始まっていることは承知をしております。この手法は、道路以外の分野においても、公共施設等の不具合を把握するための一つの有効な手段であると考えております。通報の仕組みにおける登録の有無や対応方法等、検討すべき事項はございますが、他の自治体の事例を参考に研究してまいります。 以上をもって、2番鈴木議員の御質問に対しての答弁といたします。 ◎教育長(柳下正祐君) 2番鈴木議員の御質問のうち、小田原市の支援教育については、私から答弁をさせていただきます。 初めに、本市における支援教育の推進について御質問がございました。本市では、支援教育の推進のために、特別支援教育相談員心理相談員が保護者や教員の相談に応じているほか、様々な課題を持つ児童・生徒のニーズに応じた対応を図るために、学校からの要請を受けて支援教育相談支援チームを派遣し、児童・生徒の見取りや具体的な支援等を助言しております。また、本市の特別支援教育の総合的な推進を図るため、特別支援教育推進会議を設置しております。さらに、教員や個別指導員等を対象といたしました研修会を行い、これらを通して支援教育の充実を図っているところでございます。 次に、心理相談員などとの相談について質問がございました。現在、小学校には、1校当たり月2回程度の心理相談員による巡回相談を行い、児童の観察や発達検査を実施するとともに、教職員に児童の発達に関する課題や支援の方法に関する助言や情報共有を行っているところでございます。また、中学校には県のスクールカウンセラーを派遣し、校内体制についての助言や保護者と関係機関との調整、児童・生徒へのカウンセリングなどを実施しております。 次に、就学支援委員会の組織等について質問がございました。就学支援委員会は、様々な教育的ニーズのある児童・生徒に対しまして必要な支援を検討し、適切な就学相談や就学支援が行えるよう話合いを行うもので、医師や児童相談所職員、校長の代表者、特別支援学級担当教員、市の関係職員等で構成されております。本委員会は年4回開催しておりますが、ここ数年、就学相談や就学支援の希望者が増加しておりまして、令和2年度には委員会に加え専門部会を7回行い、就学支援に関する協議を実施いたしました。 次に、おだわら子ども若者教育支援センター(はーもにぃ)が開設されたことによる成果について質問がございました。幼少期から学齢期、青壮年期までの切れ目のない相談・支援体制が確立されたことによりまして、継続的な相談や支援が可能となりました。また、相談機能が集約されたことにより、相談件数が増加したことや、個別の案件について関係課との情報共有や対応における連携が強化されたことが成果として挙げられます。さらに、子ども若者教育支援センター(はーもにぃ)という名称にしたことで、市民からも相談がしやすくなったとの声が寄せられております。 次に、令和3年度の特別支援学級の学級数や児童・生徒数と近年の人数の傾向について質問がございました。令和3年度の特別支援学級数は、5月1日現在、小学校は90学級、中学校は29学級でございます。また、特別支援学級在籍の児童・生徒数でございますが、5月1日現在、小学校は429人、中学校は143人でございます。近年の特別支援学級在籍児童・生徒数でございますけれども、これは増加傾向にございまして、小学校と中学校の合計人数は、平成30年度は405人、令和元年度は439人、令和2年度は492人、令和3年度は572人でございます。 次に、特別支援学級在籍児童・生徒の交流について質問がございました。本市では、全ての子供ができるだけ同じ場で学ぶインクルーシブ教育の考えの下に、特別支援学級在籍の児童・生徒が通常の学級でできるだけ多くの時間を過ごせるよう交流を図っております。通常の学級との交流の方法ですけれども、児童・生徒一人一人の特性に応じて計画的に進められておりまして、朝の会や給食の時間など短時間の交流の場合や、一日のほとんどの時間を通常の学級で過ごす場合もございます。 次に、個別支援員の配置人数と今後の見込みについて質問がございました。個別支援員は、様々な教育的ニーズのある児童・生徒に適切な支援を行うために、教員の補助者として特別支援学級在籍の児童・生徒数に応じて学校に配置しております。令和3年度の個別支援員の配置人数は185人でございます。特別支援学級在籍の児童・生徒数は年々増加しておりまして、今後もこの傾向は続くと考えられますことから、これに伴い個別支援員も増員していくことが必要になると見込んでおります。 次に、外国につながりのある児童・生徒について質問がございました。令和3年11月末現在、日本語指導を受けている児童・生徒は、小学校が10校で25人、中学校は8校で14人、合計18校に39人が在籍しております。 次に、通級指導教室の設置について質問がございました。通級指導教室は、通常の学級に在籍する児童・生徒のコミュニケーションや言葉に関する課題に対しまして、支援を行うための教室で、本市では6か所に教室を設置しております。通級指導教室には、神奈川県が教員を配置しておりまして、開設するには通級する児童・生徒が10人以上いることが条件となっております。2番鈴木議員御指摘のとおり、通級指導教室を全校に設置することは、指導を希望する児童・生徒にとって望ましいことと考えておりますが、現状では既設の教室数で対応できている状況でございます。 次に、本市における不登校児童・生徒の現状について質問がございました。本市における不登校児童・生徒数は年々増加しておりまして、令和2年度は、小学校が112人、中学校は219人となっております。不登校の主な要因といたしましては、無気力や不安によるものが多く、不登校児童・生徒の半数以上を占めております。 次に、校内支援委員会について質問がございました。校内支援委員会は、各学校が児童・生徒の支援や就学についての検討を行うもので、校長、教頭、教育相談コーディネーター等により構成されております。各小・中学校におきまして、年間計画に基づいて開催され、特別支援学級と通常の学級間の在籍変更や、通級指導教室の入級及び通級の終了を含め、児童・生徒一人一人の支援の方向性について検討が行われております。 次に、教育相談コーディネーターについて質問がございました。教育相談コーディネーターとは、学校内及び関係機関等との連絡調整やケース会議の運営など、児童・生徒の抱える課題等の解決に向けての調整役として活動する教員のことであります。教育相談コーディネーターは、専門的な研修を受け、その修了書を有する教員または同様の職務を担うことができる教員が担っております。なお、教育相談コーディネーターは、学級担任や養護教諭など、その他の業務を兼任しております。 次に、個別支援計画個別教育計画について質問がございました。学校では、支援を要する児童・生徒一人一人に対するきめ細やかな支援を組織的・継続的・計画的に行うために、個別支援計画個別教育計画を作成しております。個別支援計画ですけれども、乳幼児期から学校卒業後までを見通して作成され、教育、福祉、医療、保健、労働等の関係機関が連携協力して支援するためのツールとなるものでございます。個別教育計画は、学校の教育課程において、児童・生徒一人一人のニーズに応じたきめ細やかな指導が行えるように、指導目標や指導内容・方法等を具体的に表した指導計画のことでございます。 以上をもちまして、2番鈴木議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。 ◆2番(鈴木敦子君) 一定の答弁ありがとうございました。 それでは、順番を変えまして、先にデジタル化については意見を述べさせていただきます。 前向きな御答弁をどうもありがとうございました。神奈川県でも、そして厚木市でも導入されているということで、デジタル化を目指している小田原市ですから、ぜひ前向きに検討していただきたいと思っておりました。防災の観点からも、例えば市道ののり面等の危険箇所などの通報などにも応用できるかと思います。小田原市は、守屋市長のリーダーシップの下、スーパーシティ構想に名のりを上げて、デジタル化による住みよいまちづくりの推進を政策に掲げていらっしゃいます。前向きに取り組んでいただくことを期待して、こちらのほうは終わります。 次に、支援教育のほうですけれども、何点か再質問させていただきます。 いろいろ詳細に聞かせていただきました。と申しますのも、やはり文言が難しくて整理することがなかなか難しかったので、一定に全部聞いてみたのですけれども、そしてまた、現場が本当に大変なことがよく理解できます。例えば増加傾向にあるといったことも顕著ですし、そういう中でいろいろ頑張ってくださっているということは分かりました。 まず、先ほど伺った中で、小田原市における総合的な支援教育の推進についての中で、特別支援教育推進会議というのがあるということを伺いましたが、構成員ですとか、それから研究テーマなどは具体的にどのようなものがあるのかお伺いいたします。 ◎理事・教育部長(北村洋子君) 特別支援教育推進会議の構成員や研究テーマについての御質問がございました。特別支援教育推進会議は、校長会や市内小・中学校特別支援教育担当者と教育相談コーディネーター、障がい児入所施設や障がい者団体等の代表者で構成しております。本会議では、年2回程度、本市の支援教育の基本的な考え方や条件整備、就学指導の在り方、指導方法の改善等について、様々な立場から御意見をいただいているところでございます。令和3年度は、就学相談について御意見をいただいております。 以上でございます。 ◆2番(鈴木敦子君) ありがとうございます。 障がい者団体の方も入っているということで、当事者の声が届くことを願っています。でも年2回ということで、なかなか難しい面もあるのかなと思いますが、やはり質問していきますと課題はもう見えていて、予算がついていろいろなサポートの方が増えるということと、先ほどの例えば教育相談コーディネーターなどは兼任ということですけれども、やはり専任で十分な支援ができるように、そんなふうに思います。 支援教育相談支援チームというものもあると伺っていますけれども、その構成員についてお伺いいたします。 ◎理事・教育部長(北村洋子君) 支援教育相談支援チームの構成員について御質問がございました。支援教育相談支援チームは、支援教育に係る校内体制について指導・助言するとともに、特別な支援を必要とする児童・生徒への教育的対応について実践的な検討を行っております。その構成員は、医師や県立小田原養護学校職員、市関係課職員、特別支援教育相談員心理相談員通級指導教室職員、巡回相談員、個別指導員などとなっております。 以上でございます。 ◆2番(鈴木敦子君) ありがとうございます。 やはり仕組みとして大きな形でというふうに推進していくのも重要ですけれども、個々の子供たちはそれぞれに違った課題を抱えていますので、こういった個別支援員がつくとか通級支援とか、いろいろな方が実践的なことを考えて支援チームをつくってくださっているということは、大変ありがたいことであると思います。 子供たちを指導する教職員に向けて、やはり支援教育の研修などが大変重要になってくるかと思います。一般の普通学級の先生などにも、やはり子供たちを指導する立場において支援教育の研修などは大変重要だと思いますけれども、その研修内容についてお伺いいたします。 ◎理事・教育部長(北村洋子君) 教職員に向けた支援教育の研修内容についてお尋ねがございました。本市では、教員を対象に、支援教育に関する見識と具体的指導法の向上を図るため、支援教育研修会を年2回実施しております。令和3年度の研修では、2人の講師を招き、「神奈川県におけるインクルーシブ教育の推進について」と「教育と福祉の連携や就学先について」を内容とする講演をオンライン配信で行いました。また、個別支援員を対象に個別支援員等研修会をこちらも年2回実施しておりまして、今年度は「支援を必要とする児童生徒への実践的な関わり方などについて」を研修内容といたしました。 以上でございます。 ◆2番(鈴木敦子君) ありがとうございます。 いずれも、どうしても年2回ぐらいのペースが多いのかなと思いますけれども、いろいろ勉強していただきまして、ぜひぜひ子供たちに対応していただければと思います。そして、どうしても一般的な研修になるかと思いますけれども、実践的なということが出ておりましたので、本当に一人一人に合った学びを取っていただきまして、また、そういった当該の家庭のお話を聞くであるとか、そういった形の研修も入れていただきたいと思います。 支援を必要とする児童・生徒についてなのですけれども、ほかの機関とはどのような連携を図っているのかお伺いいたします。 ◎理事・教育部長(北村洋子君) 支援を必要とする児童・生徒について、ほかの機関とはどのような連携を図っているのかとのお尋ねがございました。支援を必要とする児童・生徒の中には、学校だけでは対応が困難なケースや、学校以外での関わりがより適しているケースもございます。このような場合に、一人一人の特性に合わせた支援を行うため、保護者の同意の下、市の関係各課をはじめ、児童相談所や放課後児童クラブ、地域の幼稚園や保育園などのほかの機関と連携し、情報の共有や具体的な支援方法の検討などを行っております。 以上でございます。 ◆2番(鈴木敦子君) ありがとうございます。 いろいろな課や団体と連携してくださっているということは分かります。ぜひぜひ必要と思うところは連携を取っていただきたいと思います。 次に、多様な学びの場の取組についてですが、教育相談指導学級の利用者は増加傾向にあるのかお伺いいたします。 ◎理事・教育部長(北村洋子君) 教育相談指導学級の利用状況についてお尋ねがございました。本市では、教育相談指導学級として子ども若者教育支援センター内にしろやま教室と、川東タウンセンター内にマロニエ教室を設置しております。教育相談指導学級は、学校へ行きたいけれども登校できないなどの思いを抱えている児童・生徒が通う通級学級で、その利用者数につきましては、毎年ほぼ同程度で推移しております。これは、学校が不登校の初期段階から様々な関係機関と連携して、児童・生徒への支援に取り組んでいる成果であると考えております。 以上でございます。 ◆2番(鈴木敦子君) 分かりました。先ほど、年々増加傾向にあるということで、半数以上が無気力や不安という理由だということで、そちらは増えているというのに対しまして、こちらの利用の増加傾向がないということがどういうことなのかなと思っておりましたけれども、そういった形で学校で対応していただいているということがあるのであれば、その点はよかったと思います。ですが、いずれにせよ、根本的な人数の減少というのには至っておりませんので、さらに力を入れていただきたいと思います。 日本語指導については、先ほども伺いましたけれども、小田原市は鎌倉市と同程度の人口ですけれども、鎌倉市が全体で外国人が1700名程度に対して、小田原市は2300名ぐらいということで、実は多い傾向にあります。大人が多いということは子供も多いということになるかと思います。日本語指導については、小田原市には日本語教室はるの会などといった、小学校3年生から技能実習生の大人まで30名以上の会員に対して、3年間で延べ1000名以上のボランティアの方が日本語指導をされておられまして、日本語検定などはこの3年間で60名近く合格させているということです。こういった団体と学校現場が協力することも大変重要であるかと思います。 愛知県一宮市の事例なのですけれども、こちらは特別支援学級のことなのですが、平成15年度から積極的に特別支援教育に取り組んできた一宮市の研究成果の集大成として、市の特別支援事業の紹介や発達障がいのある子への指導事例、支援のポイントを示したヒントカード、コーディネーターのためのハンドブック、研修会での講演の記録等を含む情報満載の冊子を制作しているそうです。こちらは発達障がいのあるお子さんに対しての取組ですけれども、小田原市でもせっかく成果を上げている子ども若者教育支援センター(はーもにぃ)のような施設もあることですので、集まった情報をまとめて冊子にする等、保護者や関わる大人が見て子供たちのためになるような情報共有の仕方を考えていただけたらと思います。そして、何より、学校現場や保護者から支援員の加配要望があったら、小田原市の支援教育にある理念を守り、対応できる体制づくりを強く望みます。 今回、様々な立場の支援を必要とする児童・生徒へのサポートについて質問いたしました。過去の予算特別委員会資料のつくしんぼ教室利用者数を見ても、平成28年度の障がいのある児童数は118人から5年後の令和2年度には134人と増加傾向にあります。それによって予算も比例して豊富になったかといえばそうではありません。学校現場は加配を希望してもなかなかかなわない。マンパワー不足が支援教育の充実への最大の課題であると思います。 小田原市において、人手不足だから、予算がないからといった理由で、それぞれに合った支援が受けられないとしたら、それは小田原市の支援教育が掲げる理念に反することにもなります。 我が子が難病を得て生まれ、育てる中で、保護者、特に母親は自分を責めるようなことも多々ある毎日です。その御家族の不安や困り感を行政が少しでも軽減してあげることも大切な支援教育の一つであると思います。親の不安は子供たちに影響しますし、保護者の笑顔が子供たちに幸せを運びます。 これからも、子供たちがより生き生きと学べる教育環境づくりのため、しっかりと予算をつけて支援教育の充実を図っていただきますようお願い申し上げ、以上で質問を終わります。(拍手) ○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午前10時50分といたします。     午前10時44分 休憩-----------------------------------     午前10時50分 開議
    ○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 16番楊議員、登壇願います。     〔16番(楊 隆子君)登壇 拍手〕 ◆16番(楊隆子君) 通告に従い順次質問してまいります。 大項目1、国府津、前川海岸の防災・減災対策について伺ってまいります。 昨今では、温暖化の影響による気候変動で、自然災害の脅威は以前にも増して水害等が深刻化し、対策は待ったなしです。コロナ禍と複合災害への対応などの課題も生じています。これまで以上に、国、地方自治体及び民の確かな連携・協議がますます重要であり、過去の教訓を生かしながら新しい挑戦に励んでいただきたいと考えます。 また、本市の危機管理対応力を総点検し、強化するとともに、ハード・ソフト両面にわたる防災・減災対策をより一層進めながら、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に盛り込まれた流域治水やインフラ老朽化対策など、国と地方自治体との連携を深めながら、本市においても、前へ推進していただきたいと考えます。 2年前の令和元年10月の台風第19号では、台風の襲来前から市が周知を図ったこともあり、防災意識が高まり、避難所へ避難された方も大勢おられました。この台風により、市内では甚大な被害が生じ、大きな爪痕を残しました。 特に河川、海岸の被害が大きく、台風が過ぎ去った後の被害を目の当たりにいたしました。河川では、箱根町では日雨量1000ミリメートルほどとなったことで山王川があふれ、狩川等では内水氾濫により床上浸水等が生じた地域がありました。海岸では、気象庁の発表によると、小田原の最高潮位は歴代1位となる172センチメートルを記録し、東町、国府津、前川地区では、高潮・高波が海岸護岸を越えて家屋等が損壊いたしました。市内各地で大変な状況でしたが、その中でも多くの住民が不安を抱き、その声が私に届いている国府津、前川地区の海岸における高潮・高波に関する防災・減災対策に焦点を当て、お伺いさせていただきます。 モニターを御覧ください。     〔議場モニターへ資料投影開始〕 国府津海岸におきましては、国府津駅東側の海に面した国道1号の道路擁壁を高波が越え、第1次緊急輸送道路となっている、本市の重要な東西軸である国道1号は一時通行止めとなり、迂回を余儀なくされました。 住民からは、「田島方面の広域農道小田原中井線、通称やまゆりラインへ大きく迂回させられたが、緊急車両のことを考えると、何か対策が必要ではないか」という声を伺い、また、この高波により、建物が損壊する被害を受けた飲食店の店主からは、「大きな台風が来るたびに被災してしまう。そのたびに多額の修繕費がかかり、頭を抱えている」と伺いました。 モニターを戻してください。     〔議場モニターへの資料投影終了〕 一方、前川海岸におきましては、沿岸住民の方々から、「台風第19号により階段の手すりが損壊したが、いまだ修繕されていない」、「護岸の根元が掘られてしまっており、次に高波が来たら護岸もろとも家が損壊し、住む家を失ってしまう」、「波で砂浜が減少し、平常時でも波打ち際が目と鼻の先まで迫っている」。 モニターを御覧ください。     〔議場モニターへ資料投影開始〕 前羽福祉館前の高波の映像です。この映像のように「護岸を高波が越え、家屋が損壊してしまった。生きた心地がしなかったために、護岸のかさ上げを早急に実施してほしい」など、多くの不安な声を伺っております。 モニターを戻してください。     〔議場モニターへの資料投影終了〕 住民の立場になれば、大きな台風がまた来るかもしれないからといって、長年住み慣れた人間関係もある地域から、自分の財産である自宅を手放し、引っ越すことは簡単にできるものではありませんので、住民は、大きな台風が襲来するたびにおびえていくことになります。何か手を打たなければ、家屋の損壊や人命に関わることにつながりかねません。安心して住み続けていただくためにも、今こそ防災・減災対策に力を入れて、ハード面から整備していく必要があると考えます。 市では、台風第19号の被害を受け、速やかに沿岸部の住民と面談しながら被害状況を詳細に確認し、国道1号を管理する国土交通省と海岸を管理する神奈川県へ各種対策を要請したことは承知しております。この際も速やかな対応に感謝しております。 こうした行政の動きに対し、議員の立場から、国道を管理する国土交通省や海岸を管理する神奈川県など、こうした関係機関に地域住民の声をしっかりと届けるために、国・県・市の連携なくしてスピード感が高まらないと考え、会派として、三浦信祐参議院議員と藤井深介県議会議員に相談・要望するとともに、被災した地域の現場視察に同行していただきました。その後、同参議院議員は、参議院予算委員会において、国府津地区等の高潮・高波対策について取り上げていただき、同県議会議員には、県に働きかけていただきました。 ここで、まず初めに、質問の1点目に、国府津海岸における国道1号の国府津駅東側の海に面した箇所における高潮・高波対策のこれまでの取組と今後の予定についてお伺いいたします。 2点目に、前川海岸における高潮・高波対策のこれまでの取組と今後の予定についてお伺いいたします。 3点目に、前川海岸の最も国府津寄り辺りで、護岸の根元が掘られてしまっている箇所の補強工事の今後の予定についてお伺いいたします。 大項目2、(1)自治会加入促進の課題と取組について伺ってまいります。 自治会とは、地域の住民が住んでいるまちをよくするために、お互いが協力し合っていろいろな問題を皆で話し合い、皆で解決していくこと、地域を共同で管理運営することを目的として組織された団体です。 小田原市自治会総連合の「自治会加入のご案内」の中に、「自治会では、住民同士の親睦を深めるための行事をはじめ、防災訓練、地域内の清掃、防犯パトロール、地域の情報のチラシの配布や回覧などを行っている」と掲載されております。 また、さらに、「顔の見える関係づくり」として、「何か困ったときに、みんなが協力して、解決していくためにも、日ごろのふれあいが大切」、「地域の安全は地域の手で」、「高齢者を地域で見守り」、「ごみステーションの管理や地域の一斉清掃など地域の環境美化活動」、「地域の情報のお知らせ」を「回覧板で」、また「市の広報紙、ごみカレンダーなどは自治会を通じて配布され」、「行政とのパイプ役」としての機能も記されております。 私は本市出身ですが、就職・結婚等で他市に在住し、十数年ぶりに地元に戻りました。すぐに順番で隣組の組長となり、御近隣の皆様の顔を覚えることができました。また、親子で自治会や子ども会等の行事などを通して、すぐに地域に溶け込みました。お祭り行事があり、私は下の子供が小さく動きにくかったのですが、近所の奥さんが小学1年生の息子と手をつなぎ、はっぴを着ておみこしと一緒に地域を歩いてくださいました。「やはり小田原はいいな」と心から思いました。主人も、お祭りのお手伝いの後、公民館で御近所の皆さんと談笑し、地域や人に親しみを感じて、うれしかったなと記憶しております。自治会主催の秋の健民祭などにも参加し、地域の皆さんと仲よくなれたことが「顔の見える関係づくり」とうたわれている意味ではないのかなと思います。 先日は、2か月に1回開催されている、地元の二つの自治会合同で開催の「きずなチーム」に出席いたしました。高齢者への緩やかな見守りです。見守る側のメンバーが集まり、近くにお住いの御高齢者を見守ります。それぞれ担当がいて、「◯◯さんはごみ出しでお見かけします」、「◯◯さんは郵便物を毎日きちんと受け取っています」、「ひとり暮らしの◯◯さんはお見かけしませんが、時々娘さんが来ているようです」等、安全確認と個人情報に細心の注意をしながら情報共有し、課題があれば話合いがされます。よくできている仕組みに感心しています。その場での声から、「転入の際の手続のときに、自治会加入の御案内と推進をしてもらいたい」。また、ごみ出しのルール等についてお声をいただきました。 東日本大震災のときに被災地で避難所が開設され、被災された地域の人々がお互いに支え合い、地域の絆の大切さを再認識されました。いざというときに、地域を支えるのは間違いなく自治会であると思います。日ごろ気がつかなくても、周りや自分自身を守ってくれる組織であると認識していますが、小田原市の現在の自治会加入率は73%と伺っております。本市は加入促進への課題は何であると考えますか、1点目にお伺いいたします。 また、2点目に、これまで自治会加入促進に向けて、どのような御努力をされてきたのか、また、少しでも大勢の方に加入していただけるように、今後、課題解決にどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。 大項目の3、小田原市の福祉と住宅施策について伺ってまいります。 日本は、諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進んでいます。団塊の世代が75歳以上となる2025年には、国民の医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれます。厚生労働省においては、2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の下で、誰もが可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けていくことができるように、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しております。 本市は、今年度は高齢者1人を支える生産年齢人口は1.9人であり、2025年は1.8人、2040年には1.4人で高齢者を支えていくと予測されています。少子化・高齢化が進んでいくことを物語っております。 本市の要支援・要介護の状況にある方は約1万人です。足腰が痛くなってくる御高齢者の増加も見込まれます。本市は、住民がいつまでも健康にお過ごしいただけることを願い、介護に要する期間を短く、平均寿命と健康寿命の差が少なくなるように、特定健診受診率向上に向けての努力や脳血管疾患予防啓発など、様々な介護予防事業に力を入れておられます。 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目標に、住み慣れた地域で誰もが自分らしい生活が継続できるように、住まい・医療・介護・予防と生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築を目指しますが、構成要素の概念図は植木鉢をイメージして、それぞれの要素を表わしています。 一番下の部分には、「本人の選択と本人・家族の心構え」が基本・土台となり、その上に、「すまい・すまい方」が置かれます。生活の基盤として必要な住まいと、そこで御高齢者本人の希望にかなった住まい方を確保する意味です。それを基盤として、「介護予防」や「生活支援」の「医療・看護」、「介護・リハビリテーション」、「保健・福祉」へとつながります。このイメージ図は本当に分かりやすく、必要なことが表されているなと実感しています。 住居は人間生存の基盤であり、福祉の基盤であると言われています。ここで言われる住まいとは、自宅や公営住宅、サービスつき高齢者向け住宅、介護老人福祉施設、グループホームなど、人が住んでるところの全てを指します。 まず初めに、質問の1点目に、本市が考え、本市が目指す地域包括ケアシステム実現のための「住まいと住まい方」をどのようにお考えになるのか、見解を伺います。 介護の視点から考える入所の施設は、要介護3以上などの要件で低価格で入居できる特別養護老人ホーム、病院などから在宅に戻るためのリハビリとお世話が目的の介護老人保健施設、有料老人ホーム、認知症のグループホームなどがあります。 御自宅、またサービスつき高齢者向け住宅の住まいからは、病気になったら、かかりつけ医や連携病院へ通院や入院をして、介護サービスとしては訪問看護・介護、24時間対応の訪問サービスやデイサービスなど様々利用できます。 在宅の要介護の方などは、介護予防福祉用具で、手すりの設置、介護ベッド、車椅子や歩行器、滑り止めなどの入浴補助用具のレンタルや、ポータブルトイレの購入など、ケアマネジャーと相談しながら、その時々の状況に応じて在宅生活が可能となるように支援してくれます。 住まいの観点から考えると、災害による住居の喪失、アパートの建て替えに伴う立ち退き、持病や高齢化のために独居に不安があるなどの家族の問題、エレベーターがない公営住宅の上の階に住んでいて、足が痛いために1階に引っ越したい、家賃の安いところへ転居したい、入院の退院先の確保ができないなど、様々な住まいに関する課題があると認識しています。 本市は、令和3年度から令和5年度までの3年間の計画である第8期おだわら高齢者福祉介護計画の中の基本理念を「『ともに生きる活力ある長寿・福祉社会』をめざして」とし、重点指針を「自分らしい高齢期の実現~高齢者一人ひとりの生活の質の向上~」とあります。 質問の2点目として、国が2025年を目指している地域包括ケアシステムの中の「住まい・住まい方」は、この計画の中でどのように位置づけられているのかお伺いいたします。 続いて、障がい福祉の観点から伺ってまいります。 市営住宅ではないのですが、数年前に、ある本市の公営住宅にお住まいの2人の小学生を持つひとり親家庭の方から御相談がありました。2人のうちの1人は、車椅子生活の重度の身体障がいのお子さんでした。3階に居住されており、エレベーターがないために、毎日お母さんが抱き上げて3階まで上がります。自宅は排水場所の関係で洗濯機がお風呂の入り口近くに設置されて、そのため通りが狭く、洗濯機よりもお子さんを高く抱き上げてお風呂場に連れていき入浴介助します。また、3階までの昇降が一苦労で、腰痛が慢性化しています。小学生の兄が、母親の仕事などの不在中に見守り・協力・面倒を見てくれています。友達と仲よくしているので転校しないで、目の前の団地の1階に住みかえ希望を申し込んでいます。一般のアパートを探しましたが、幾ら以上は、金銭的に生活が苦しくて出せません。何年か待機しても、コミュニティもできたこの団地内に引っ越したいと希望しておりました。 また、障がい者の入浴サービスですが、15歳以上からしかサービスが受けられないという制度のはざまからこぼれ落ちて、すべて母親が行うしかありませんでした。もちろん、母親御自身も様々なところへ住みかえ要望を、私もしかるべきところへ何度もお願いしました。写真なども通用いたしませんでした。団地も高齢化で、足の不自由な方など1階への住みかえ希望者が多く、希望がかないませんでした。何にも頼らず、一人で家事、育児、仕事を精いっぱい努力をしているけなげな母親に、せめて1階に住みかえができたなら、日常生活において、それだけでも負担が軽くなるはずです。 年月が過ぎていき、お子さんも大きくなりました。お子さんが義務教育の卒業を機に、他市の障がい者用の入り口の広いバリアフリーの団地に引っ越しされました。頑張ってきた若き親子に、最後は、他市の団地を探すことしか実際にはお力になれなかったことが、胸が痛くて自分の心に残りました。「住まい・住まい方」とはいうものの、簡単なものではないと実感したケースです。 ここで3点目の質問です。第6期小田原市障がい福祉計画には、基本理念の中のワードに「地域共生社会の実現」、基本目標の中には、「障がい者等が住み慣れた地域で、自己実現と社会参加を実現するためには、障がい者等の自己選択、自己決定に基づく障害福祉サービス等の利用による支援と、その適切な利用を支え、障がい者等の意思決定を支援する相談支援体制が不可欠です」とありました。この計画の中において、福祉の視点から考える「住まい」についての位置づけは、どういう点であるのかお伺いいたします。 質問の4点目に、本市の福祉全般の観点から考える「住まい・住まい方」についての課題は何であると考えるのかお伺いいたします。 続いて、福祉の視点から見る市営住宅の取組についてお伺いしてまいります。 昭和30年代からの建設で老朽化してきた市営住宅は、現在、1591戸のうち、約1200戸御入居されております。修繕や維持管理で、本市としても住民の皆様にその都度御不便がないように御努力されていると認識しています。市営住宅の住民の方と関わる福祉関係の方々や、住民や、その家に住んでいない御家族の声の多くは、団地にエレベーターもなく、4階や5階に住んでいるが、足が痛くて住みかえたくても、下の階が順番待ちで住みかえられない、また、転居の際に風呂釜等でお金がかかるとのことで、少ない年金で転居したくても、その費用を用意できないという内容です。自助努力とはいえ、経済的に困難なゆえに、足が痛くてやっと家に戻る生活を、そのまま住みかえられないことを考えると、今後の本市の課題として捉えて考えていくべきではないのかと考えます。 足が痛い、階段がつらいという理由で外出を控え、一度自宅に戻り、階段の昇降の苦痛から何日間も閉じ籠もりとなり、人に会うこともなく、一日一言もお話しすることがない生活により孤独感や、さらなる筋力の低下、認知症の進行など、手遅れになると問題が深刻化して、精神的・身体的によいわけがなく、社会的コストも大きくかかっていく可能性が出てくると考えます。 ここで質問の5点目に、福祉の視点から見た市営住宅の入居に関する現在の取組を伺います。 また、福祉の視点から見た老朽化した市営住宅の今後の整備の在り方についてもお伺いいたします。 次に、福祉と住宅施策の連携について伺います。 国においては、共生社会実現に向けた住宅セーフティネット機能強化・推進事業に、住宅セーフティネット法に基づく居住支援法人制度というものがあります。この制度は、居住支援を行う法人として都道府県が指定し、住宅確保要配慮者の居住支援に係る新たな担い手として指定することが可能とするものです。支援対象は、住宅確保要配慮者として、低額所得者、被災者、高齢者、障がい者、ひとり親世帯、また外国人など特に配慮を要する方であり、支援としては、民間賃貸住宅への円滑な入居に係る情報提供、不動産店への同行やコーディネート、相談、見守りなどの生活支援や、必要に応じて成年後見制度や公正証書による死後事務手続委任契約等が行われます。 質問の6点目に、市内にも居住支援法人が存するのか、また、存するのであれば、居住支援の実績があるのか伺います。 また、住まいの課題の中には空き家問題もございます。人がそこに住んでいないために、手入れがされにくく、古く壊れそうな住居や、草や木が生い茂り、近隣住民からの環境的な御相談・苦情が後を絶ちません。 そこで、課題は多いかと思いますが、家主の御理解をいただき、空き家が管理不全となる前に、例えば、公営住宅の4~5階など上層部に住んでいて、足が悪い方などが住める場所に活用できるようになれば、空き家問題の解消の一助にもなると考えます。 最後に、守屋市長にお伺いいたします。現代社会において、安心して生きられる社会をつくることは重要であると考えますが、住居は、その中でも福祉の基盤・基礎であると考えます。「SDGs未来都市」小田原が言われている「誰一人取り残さない」小田原、また、「世界が憧れるまち“小田原”」の実現のために、小田原の福祉と住宅施策を進めていく必要があると考えます。市長の見解と本市の展望についてお伺いして、登壇しての質問を終わります。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 16番楊議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、国道1号の国府津海岸に面した箇所の高潮・高波対策について質問がございました。先ほど画像で示されたとおり、この箇所につきましては、令和元年の台風第19号により、高波が国道の道路擁壁を越え、沿道の家屋が被災するとともに、一時通行止めになった事態を受け、市では、道路管理者である国土交通省に対策を要請いたしました。あわせて、16番揚議員の御発言にあった要請もあり、国では、高波対策について検討を進め、令和4年1月に道路擁壁のかさ上げ工事に着手することになりました。 次に、前川海岸の高潮・高波対策について質問がございました。前川海岸につきましても、台風第19号により、多くの箇所で高波被害が生じたことから、海岸管理者である県に対策を要請しました。これを受け、県では砂浜を回復させる養浜事業を強化するとともに、高潮・高波対策についても検討し、令和3年8月下旬、市と合同で地元説明会を開催し、地域の住民と意見交換を行いました。今後、県では、関係機関とかさ上げ構造等の協議を行った上で、地元との合意形成を図り、工事に着手してまいりますが、全長約1400メートルに及ぶかさ上げ工事の完成には、着手から10年程度を要する見込みと伺っております。 次に、前川海岸西側の既設護岸の洗掘箇所について質問がございました。この箇所は、過去の高波等により砂浜が減少し、約220メートルにわたり護岸の基礎が露出したものであり、県が補強工事を進め、これまでに約85メートルが完成しております。残る135メートルにつきましては、令和4年度から着手し、早期完成を目指すと伺っております。 次に、自治会加入促進への課題について質問がございました。自治会の加入率につきましては、近年の少子高齢化、単身世帯の増加、地域住民の働き方や価値観の多様化などにより、減少傾向にございます。自治会総連合と市は連携しまして、加入促進の取組を行っておりますが、自治会活動への負担感や地域とのつながりが希薄になっていることなどから、参加が減少していると考えられ、未加入の方に自治会活動の重要性や必要性を理解していただく方法などが課題であると認識しております。 次に、この課題解決への取組について質問がございました。現在、自治会総連合では、自治会活動の目的や必要性を認識していただくため、加入促進ハンドブックやリーフレットの作成、自治会加入促進月間での活動のほか、「自治会カードおだわら」事業の実施など、加入促進のため様々な取組を行っております。市といたしましても、これらの事業を支援するとともに、転入者に対し、加入案内リーフレットを配布するなど、加入促進を進めております。今後も、現在の取組を継続するとともに、自治会活動の負担軽減につながる取組や、未加入の方に自治会活動への関心を高めていただく取組を、自治会総連合と連携して行ってまいります。 次に、本市が目指す地域包括ケアシステム実現のための「住まい・住まい方」について質問がございました。本市では、高齢者が住み慣れた地域で、できる限り安心・安全に自立して暮らすことを支援する地域包括ケアシステムの推進に取り組んでおります。システムの構成要素の一つである住まいと住まい方については、生活の基盤として、必要な住まいが整備され、本人の希望にかなった住まい方が確保されていることが前提であり、高齢者のプライバシーと尊厳が守られた住環境が必要であると考えます。 次に、第8期おだわら高齢者福祉介護計画における「住まい・住まい方」の位置づけについて質問がございました。本計画では、基本方針3に「保険給付事業の円滑な運営」を、基本方針4に「地域における高齢者支援体制の強化」を掲げております。その中で、在宅生活の継続に必要な住宅改修や介護保険施設等の整備、地域包括支援センターにおける総合相談支援体制の充実、居住支援関連情報の提供などを位置づけ、高齢者が自分に合った住まいや住まい方の選択ができるよう支援しております。 次に、「住まい」の位置づけについて質問がございました。「小田原市障がい福祉計画」の上位計画である「おだわら障がい者基本計画」では、障がい者が家族とともに住み慣れた地域において快適かつ安全に生活するためには、障がい者にも家族にも使いやすい「住まい」が必要としており、「住まい」の重要さは認識しております。これを受けまして、小田原市障がい福祉計画では、共同生活援助事業における定員増・地域移行等を勘案した利用者数や施設入所支援事業における入所者数など、居住系サービスの見込量を定めております。 次に、福祉全般から考える住まい等の課題について質問がございました。この少子高齢化の時代にあっては、いわゆる老老介護や老障介護の課題が今後ますます顕在化してくると予想されます。これまで述べてきたような「住まい・住まい方」に関係する様々な福祉サービスがございますが、住み慣れた地域で誰もが自分らしく暮らすことができる居住基盤をつくり上げるためには、福祉施策のみならず、他の分野との連携が必要であると認識しております。 次に、福祉の視点による市営住宅の入居の取組について質問がございました。まず、新規入居者の決定には、抽選のほか、福祉的要因を考慮した選考も実施しており、募集住戸のうち約半数をこれに充てております。一方、既存の入居者が加齢や病気等により住みかえを希望した際には、空き待ちにはなりますが、公募の例外として低層階に入居できることとしており、直近5年間では18世帯が住みかえております。また、新規入居者の住みかえ希望者から転居費用の相談を受けた際には、福祉の制度の利用を案内しております。高齢化が進む市営住宅については、入居者の状況把握に努めながらも、今後も福祉の視点に立った取組を研究してまいります。 次に、福祉の視点から見た市営住宅の今後の整備の在り方について質問がございました。市営住宅は、住宅セーフティネットとして重要な役割を担っていると認識しており、高齢者や障がい者の方などが安心して居住できる住宅を供給していく必要があると考えます。このため、今後、建て替える住宅につきましては、エレベーターの設置やバリアフリー化を図るとともに、入居者の負担に配慮して、浴槽や給湯設備を備えた住宅を整備していく考えでございます。 次に、本市における居住支援法人の状況について質問がございました。神奈川県では、住宅セーフティネット法に基づき、現在、14の法人を居住支援法人として指定しており、このうち、10法人が本市を業務区域に含んでおります。その中で市内に事務所を置く法人は、令和2年4月に指定を受けた1法人であり、実績としては、これまで低額所得者や高齢者からの相談に対し、賃貸住宅に関する情報の提供や相談などを行い、2件が成約に至ったと伺っております。 次に、福祉と住宅施策に関する市の展望等について質問がございました。住居は、人が人らしく社会生活を営むための礎であり、住まいや住まい方に課題を抱える社会的・経済的に弱い立場の方には、行政が中心となって寄り添い、しっかりと手を差し伸べ、誰一人取り残すことのない地域共生のまちを築き上げていかなければならないと考えております。地域の見守りや身近な商店街の活性化、買物の移動手段等、住まいを取り巻く環境を総合的に捉え、福祉の観点と住宅施策とを連携しながら施策を進めてまいります。 以上をもちまして、16番楊議員の御質問に対しての答弁といたします。 ◆16番(楊隆子君) 一定の御答弁をいただきありがとうございました。 まず、国府津、前川海岸についてなのですけれども、前川海岸の高潮・高波対策については、御答弁でもありましたように、本年の8月下旬に、コロナ禍ということで数日に分けて開催された住民説明会に、私は1回だけ参加させていただきました。この説明会では、多くの地域住民が参加されており、行政の説明では、県と市がしっかりと連携されているなと思いました。市が、被害状況と県への働きかけについて、また、県が、護岸のかさ上げ等に関する基本的な考え方について説明されておられました。最後の意見交換の時間では、不安を抱いている住民の皆様の切なる御意見や御要望があったなと実感しています。 地域住民の意見、要望をしっかりと把握するために数回に分けて開催された説明会には、全て参加された地元のリーダーの前羽地区の自治会連合会の会長をはじめ、地元の自治会長、また地元に住んでいる方などが参加されて、活発に意見交換、要望、質問等が展開されたと伺っておりますけれども、それだけ、この地域にお住まいの皆様が、高波による被害などを目の当たりにして問題意識が高いのだなと本当に思います。 そこでお尋ねいたしますが、先ほど申し上げましたように、私は1回のみ参加させていただきましたが、この説明会全体を通して、出席した住民の皆様からの意見や御要望はどのような声があって、また、その声をどのように取り扱っていくのかお伺いいたします。 ◎理事・技監・建設部長(小澤千香良君) 説明会での意見、要望について御質問がございました。県と市が3日間で5回開催した説明会には、延べ60名の地域の住民の方が出席をされました。説明会における主な意見、要望といたしましては、かさ上げ工事の早期完成や養浜量の増加、海岸の出入口の集約と階段構造の見直しなどの意見がございました。 海岸管理者である神奈川県では、こうした意見、要望を可能な限り反映した整備計画を策定していく予定と伺っております。 以上でございます。 ◆16番(楊隆子君) 住民意見をしっかりと受け止めて、県もできることとできないことがあると思うのですけれども、できることは確実に計画等に反映していただきますように、市の方からも強く働きかけていただきたいと思います。これは要望です。 冒頭にも申し上げましたが、昨今の気候変動により台風が大型化するなど深刻化しており、幸いなことに、昨年、今年は、本市の地域にはそのような大きい台風は襲来しませんでしたけれども、今後、台風第19号と同等な、あるいはそれ以上のものが襲来する可能性は否定できません。沿岸にお住まいの住民の皆様は、護岸のかさ上げが完成するまで、不安と恐怖の中で過ごすことになると思います。 そこでお尋ねしますが、前川海岸の海岸護岸のかさ上げについては、完成までに10年を要すると御答弁がございましたが、可能な限り、早期完成を県に市としても働きかけていく必要があると考えますが、市長の見解を伺います。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。 16番楊議員の御指摘のとおり、被災された方々は、本当に不安な気持ちがいっぱいなのだろうと思います。私も、令和元年の台風第19号の後に現場を調査したり、地域にお住まいの方から直接お話を伺う機会があって、本当にそのときは恐怖でいっぱいだったと。そして被災された後は、どうやって生活を立て直していくかということ。そしてさらには、生活を立て直した後も、また同じような台風が来て、同じような被害があったらどうするのだろうと。そのような不安の声を直接聞いてまいりました。 先ほど御答弁させていただきましたように、この前川海岸のかさ上げ工事というのは事業期間も長く、そして、これに要する事業費も相当な額に上るわけですので、これをどうやって早く進めていくかということにつきましては、私も積極的に国や県へ働きかける。そして、この事業には多分いろいろな局面があると思うのです。そのポイント、ポイントとなるタイミングということもあろうかと思いますので、そういったことも、しっかりと情報を収集しながら、早期完成に向けて取り組んでいきたいと考えます。 以上です。 ◆16番(楊隆子君) 建設部では、高潮・高波対策へ向けて、地元関係者や国・県などの関係機関と連携がしっかりと図られているということは、私が説明会に出席して、また、連合会長や住民の方からの声を通じて承知しております。大変感心するとともに安心しているところでございます。 海岸護岸のかさ上げなど、対策を進めるためには、住民をはじめ、関係者が一丸となって取り組むことが重要です。私も少しでも力になりたいと考えます。引き続き、建設部の国県担当の皆様には、同様な姿勢で高潮・高波対策を促進していただくよう要望させていただき、この防災・減災対策について終わります。 2番目に、自治会加入促進なのですが、先ほど御答弁されておられましたとおりに、住民の皆様に、自治会加入することの必要性や、よい点、利点などをしっかり分かっていただけるように、いろいろふだん御努力されているのもよく分かりましたが、引き続き粘り強く進めていただければなと、これは御要望させていただきます。 最後に、住まいと福祉についてなのですけれども、先ほど事例を申し上げた障がいのあお子さんがいるひとり親家庭のケースなどは、今年度の施政方針に大きく掲げられている「福祉まるごと相談」なども機能していけたのではないかなと考えるのですが、市はどのように考えますか。これまでにこのような住まいについての御相談を受けた事例があるのか、実績についても併せて伺います。 ◎福祉健康部長(中津川英司君) 福祉と住まいの関係で2点御質問をいただきました。 まずは、16番楊議員の受けた御相談の例において、「福祉まるごと相談」ではどのような支援ができたのかという御質問でありました。生活困窮者の自立支援相談や社会福祉協議会のまるごと相談では、相談者が抱える様々な課題を広く受け止め、必要な情報の提供や助言を行うとともに、関係機関と連携しながら課題の解決に向けた支援を行っております。相談例のような住まいに関する御相談については、物件探しをはじめ、転居に当たっての支援など、相談者の状況に応じて各種の支援につなげております。 もう一点、複合的な課題がある住まいに関する御相談についての御質問がありました。 生活に困り事のある家庭からの相談は、ひきこもりや介護、貧困といった複合的課題を抱えていることが多く、その中の一つの課題として住まいの御相談が寄せられることは多いものです。まずは、相談者の悩み事を丸ごと受け止め整理し、必要な各種支援につなげるとともに、継続的に関わりながら、関係機関や地域と連携して支える支援を行っております。 以上でございます。 ◆16番(楊隆子君) 御答弁ありがとうございます。 先日も、別件なのですけれども、複数の課題のある御家庭の御相談を「福祉まるごと相談」のほうに親身に受けていただきました。私も同席を全部したのですけれども、役所の各部署や、それから社会福祉協議会などとの連携や、複雑に絡む御相談内容を一つ一つできるところから、解決の糸口に向かおうとしている皆さんに対して、御相談者共々頼もしく感じましたし、また感謝いたしました。 共生社会の実現のために「福祉まるごと相談」があるのだなと思います。複合的な御相談も多いと思います。関係部署につなげて、それをフィードバックして実例を積み上げていき、できることもあれば、できないこともあるかもしれませんが、御本人に最後まで寄り添っていくというその姿勢がとても必要だと考えます。本市はこの点についてどのようにお考えになりますかお伺いいたします。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。 8050問題やひきこもりなど、複合的な課題を抱えた個人や相談者が増えている、こういった状況に今あるわけでございますけれども、そういう様々な状況に置かれた方に対しまして、やはり、それぞれの相談者に寄り添いまして、包括的かつ継続的に支援を行うということが求められているのだろうと考えております。本市では、福祉まるごと相談事業において、地域福祉相談支援員を配置いたしまして、地域に軸足を置いた取組を行い、いわゆる伴走型の支援というものの体制をつくっているところでございます。このようなことを繰り返し、繰り返し、その支援が必要な方に対して対応していくことで、現実に支援が行き届いていない人というのはまだいらっしゃるのだろうと思います。そういった方に対しては、そういった方への掘り起こしと的確な支援をつなげていくということに加えまして、相談の場づくりや関係機関との連携強化も、より一層図っていかなければならないのだろうと。そして、だれもが安心して暮らせる地域共生社会を実現していく。これが本市の考え方でございます。 この制度というのが国のいろいろな制度改正とかもあって、そして、その相談者の置かれている環境も、状況によって毎年同じ状況ではありませんので、今ある制度でも、なかなか利用いただけていない方が相当数いらっしゃるのです。もちろん、制度が完璧かといえば、そうではない部分があるとは思うのですが、やはり、その方が今どういう状況に置かれているかということを、まずは把握するということ。そして、今あるそれぞれのサービス、これは市が直接行うものもあれば、別の機関が行うものもあると思いますけれども、そういったものを的確につなげていく。その繰り返しの中によって信頼関係をつくっていく。そして、それが、またほかの方に伝播していくような、まさにこの地域の共生社会の輪ということを広げていくように、これからも取り組んでいきたいと考えます。 以上です。 ◆16番(楊隆子君) それでは、空き家についてなのですけれども、本市の平成28年度に実施した実態調査によれば、本市の空き家は約950件とのことです。そのままで、あるいは古くても手入れをすれば使えそうな家は、そのうちどのぐらいの割合なのかお伺いいたします。 本市の空き家をもっと積極的に活用していくお考えはないのか伺います。 ◎市民部長(早川潔君) 空家等実態調査で把握した約950件の空家等のうちで、利活用可能なものの割合についてのお尋ねがございました。この実態調査では、現地調査や所有者の方へのアンケート調査等を行いまして、評価・分類をいたしました。この結果、ほぼそのままの状態で利活用可能なものは31.8%、建物の修繕等によって利活用可能なものは64.3%でございまして、これらを合わせた96.1%が利活用可能であるという判定をしております。 以上でございます。 ◎都市部長(石塚省二君) 続きまして、空き家の積極的な活用についてのお尋ねでございます。定住促進や良好な住環境を形成するために、空き家を含めました住宅ストックの活用は重要なことであると考えてございます。その上で、低額所得者や高齢者などの住宅確保要配慮者向けに空き家の利活用を図るためには、低廉な家賃設定ですとか、バリアフリー対応のための改修など、様々な課題があると想定されます。今後、これらの課題対応も含めまして、不動産事業者と連携した利活用の取組について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆16番(楊隆子君) 空き家の活用といっても、課題は本当に大きいなというのはよく理解できます。ですが、これから進んでいく高齢社会で、要介護の人や、また足腰の不自由な方も今より一層増えていくと予測されます。公営住宅も簡単に建て替えはできないのです。4階・5階にお住まいの方が、下の階はいっぱいで、住みかえもそう簡単にはできません。でも、私はここで家賃を免除してほしいと言っているわけでもございません。 法制度上、住宅確保要配慮者の住まいを探して支援している居住支援法人が市内にも存在しております。また、不動産関係団体も市内で積極的に活動しているとも伺っています。これから、これらの民間活用と大家に考慮した空き家の活用、そして本市の福祉健康部、建設部、都市部、市民部などの部局を超えた行政が連携・共有、課題解決に向かって前に進めていくべきだと考えます。 こうした民間と行政をコーディネートしていけるような公民連携の取組を進めることで、住宅確保要配慮者への観点から、本市の新しい住宅施策をつくり出していきませんか。最後に、市長の見解をお聞かせください。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えいたします。 公民連携による新たな住宅施策という御質問でございますけれども、住宅セーフティネット法では、地方公共団体や不動産関係団体、そして居住支援法人等が連携をいたしまして、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため、居住支援協議会を設立する、こういうことができる規定ですけれども、法制度上の位置づけがございます。 本市の状況でございますけれども、この同法により設立されました神奈川県居住支援協議会に参画しておりまして、県が登録したセーフティネット住宅や居住支援法人に係る情報発信を行っておりますが、新しいこの住宅施策も、地域の実情を踏まえた居住支援を行うための組織づくり、こういったこともぜひ検討していきたいと考えております。 私は、県庁の職員時代に住宅政策を担当する仕事をしておりました。県営住宅や市営住宅、いろいろ県内の市営住宅のほうも調査いたしましたし、どんどんどんどん、この住宅政策というか制度も変わってきましたよね。公営住宅も地方公共団体が自ら建設するということから、場合によっては、民間に建てていただいて、それを借り上げるというような借り上げ型というのもスタートいたしましたし、この民間賃貸住宅においても、様々な質の高い住宅をどう提供していくのか、もしくは、住宅に困窮する方に対してどうやっていくのか。例えば補償の問題だとか、この住宅問題は、先ほど16番楊議員の御質問にもありましたように、どんどん複雑化して多様化していっていると。そのために、法律も住宅セーフティネット法ができたり、サービスつきの高齢者の賃貸住宅ができたりと、制度を変えながら前進をしているところなのですが、これからさらに公民連携というのはやはり問われてくるのだろうと。もとより本市では、様々な政策分野において公民連携を進めていくと。地域の課題に対して、行政だけのリソースで対応することは困難な状況の中で、それはどの分野に特定しているわけでもございませんので、各分野、市役所の中にもそれぞれの所管がございますけれども、空き家の利活用とかも含めて、これからの公民連携の新しい住宅政策にもしっかりと取り組んでいきたいと考えます。 以上です。 ○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後1時10分といたします。     午前11時48分 休憩-----------------------------------     午後1時10分 開議 ○副議長(木村正彦君) 休憩前に引き続き再開いたします。 8番池田議員、登壇願います。     〔8番(池田彩乃君)登壇 拍手〕 ◆8番(池田彩乃君) それでは、通告に基づきまして一般質問を行わせていただきます。 大項目の1、小田原市農業振興計画についてお伺いします。 令和3年6月、移り変わる環境の変化に対応し、安心・安全で高品質な農産物の安定供給と、持続的かつ魅力的な農業が展開できるようにと、小田原市農業振興計画が策定されました。 策定前に行われたパブリックコメントをきっかけに、私自身も、農家の方々や、農業体験やコミュニティ農園、農泊を行っている方、また、そこに参加されている方々に話を聞く機会をいただきました。幾つか話している中で、一番多くの声をいただいたのは、新規就農者や若手農家への経済的な不安でした。全国的な新規就農者と若手農家の状況については、「新規就農者の就農実態に関する調査結果-平成28年度-」(平成29年3月一般社団法人全国農業会議所・全国新規就農相談センター)及び総務省の調査によれば、「40代以下の新規就農者全体における新規参入者の割合は1割程度であるものの、年々増加傾向にあることから、農業の今後の担い手として期待されていることに変わりはないが、新規参入者の就農後の就業所得は生計が成り立っていないと回答したのは75.5%に達しており、新規参入者の目標とする所得は、最高で275万円、最低で140万円であった。このうち、所得目標を達成できたのは14.3%。未達となった理由を分析すると、病害虫被害などの栽培管理上の課題、計画以上の規模拡大等による経費の増加など経営にまつわる課題が散見された」という安定的に継続することが難しい内容でした。 今回、話を伺った新規参入者(30代)の方も同様に、農業所得だけでは生計が成り立たないことから、バイトと掛け持ちをして生計を立てているということでした。 小学生の算数の問題のようになりますが、農家がキャベツ一つ100円で出荷した場合、1万円稼ぐには何個のキャベツを売らなくてはならないでしょうか。しかも、100円のキャベツにも確実になるものではありません。先ほどにもあったように、病害虫被害等があるわけです。 若手農家の方に話を伺った際に、そのような懸念を考慮して、新しい事業に展開している方もいました。その内容は、スマート農業や体験農業、そのほかにはYouTubeを使ったネット配信やアプリを使った販売などされているそうです。 話を伺った際に、「この10平方メートルで幾ら稼ぐか。特に、この神奈川県西部エリアは土地が広いわけではない。だからこそ、コンパクトな土地の中で効率的に稼ぐ方法を生み出すことが重要」との言葉は印象的でした。 少し土地の話をしますと、隣の大井町にはフルサポートつき農業レジャー農園「里山シェア」があります。1区画を借りますが、サポートがついているので農作業のノウハウを教えていただき、かつ、管理もしてもらえます。料金は次のようになっております。入会金が2万2000円に加え、1区画12平方メートル、大体2メートル×6メートルといったところでしょうか、月1万円。また、ミカンの木やお米をつけますと1万2000円。相当の価格帯ではありますが、人気があるそうです。 もう一つ御紹介いたします。千葉県香取市にあります滞在型市民農園クラインガルテン栗源です。こちらは、1区画310平方メートルの土地にラウべと言われる休憩小屋と農園がセットにされています。もちろん、地元農家の栽培指導もついております。こちらの料金は1か月3万5000円といったところになります。内容は、利用期間は1年単位となり、また、年間40万円、共益費等が年間2万4000円、そして、ラウベと言われる休憩小屋に電気・ガスがついておりますので、こちらが別途かかります。都内から約1時間30分のところに、週末都内から通われる方が多いそうです。この栗源には、そのほかにも道の駅やキャンプ場などもあります。農地から、いかに安定的な収入を得るか、いろいろと考えさせられるところではありますが、多様な方法があり、また需要もあると認識できます。 そこで、まず初めに、(1)新規就農者についてお伺いします。 これまで予算特別委員会等でも質問に何度か上がりました農業次世代人材投資資金ですが、令和2年度以降、本市の新規就農者数と、農業次世代人材投資資金の交付対象者数についてお伺いします。 その後、農業次世代人材投資資金の交付が終了した新規就農者の現在の営農状況についてお伺いします。 続きまして、(2)農地の保全・活用についてお伺いします。 耕作放棄地が周辺農地に病害虫の発生や雑草の繁茂など著しい支障を及ぼさないために、農地活用が必須であり、いかに耕作放棄地にしないように先手を打つ必要があると考えます。 そこで、これまでの耕作放棄地に対する取組について伺います。 また、先ほど紹介した農業体験をはじめとした観光農園に対する需要が高まっています。今年、稲刈りのイベントが小田原市栢山で行われるということで伺ってまいりました。参加者は10組ほどで、御家族や友人と御一緒に参加されていました。参加された方は、市内や近隣の方もいらっしゃいましたが、都内や川崎市からの参加者の方もいらっしゃいました。この田んぼは、栢山駅から徒歩20分ほどの場所なのですが、電車を利用して川崎市からいらした家族もいらっしゃいました。また、小学生と保育園のお子さんと御一緒に参加された御家族は、東京都港区からいらしていたのですが、区が開催されている農業体験はすぐに定員となってしまうため、なかなか参加できずにいたそうです。とても人気があり、そこで港区の事業を調べてみました。 港区区内において都市農園を行っているものではなく、東京都あきる野市から借り受けて、様々な事業を展開しているものでした。農業体験のみならず、間伐体験や植樹体験、沢散策やミニ登山などがありました。 あきる野市のように他行政とのタイアップも農地の活用方法に効果的だと思いました。保全を持続していくために、様々な農地の活用を検討しなければなりませんが、本市の農地の活用について、どのように考えているのか伺います。 最後に、(3)地産地消・食育についてお伺いします。 北西に丹沢や箱根の山々が大きな壁の役目をして冷たい北風を防ぐ一方、太平洋側から暖かい空気が流れ込むため、穏やかな気候の小田原市。その恩恵は、おいしい農作物を私たちの食卓に届けてくれております。 日本穀物検定協会で、食味ランキングの最高峰「特A」を獲得して注目された神奈川県産米「はるみ米」。また、その生産の多くを学校給食で使用していることで話題となりました。 地産地消のメリットは、消費者にとって、「身近な場所から、新鮮で、より安価な農産物を得ることができる」、「消費者自らが生産状況を確認でき、安心感が得られる」、「食と農について親近感を得るとともに、生産と消費の関わりや伝統的な食文化について理解を深める絶好の機会となる」、「環境に優しい生活につながる」などが挙がり、また、生産者にとっては、「消費者との顔が見える関係により、地域の消費者ニーズを的確に捉えた効率的な生産を行うことができる」、「流通経費の削減により、生産者の手取りの増加が図られ、収益性の向上が期待できる」、「生産者が直接販売することにより、少量な産品、加工・調理品も、さらに場合によってはふぞろい品や規格外品も販売可能となる」、「対面販売により、消費者の反応や評価が直接届き、生産者が品質改善や顧客サービスに前向きになる」などが挙げられます。 また、食育においては、「健康的な暮らしができる」、「精神面が安定する」、「学力と体力向上が期待できる」等、メリットが挙げられますが、そこで、これまでの地産地消の取組、食育の推進について伺います。 大項目2、子供を取り巻く環境について。 (1)学校教育の現場においてをお伺いします。 今年夏、大阪府摂津市で起きた、熱湯シャワーによる3歳児虐待死事件。母親の交際相手に、風呂場で60度のシャワーを浴びせられたとされ、死因は熱傷性ショックでした。事件をめぐっては、児童相談所に何度も虐待の通報があったことが分かっていたのに、なぜ、行政が助けられなかったのかと。また、この事件も「負の連鎖」を断ち切られなかったのです。3歳児の母親自身も、両親からネグレクトの虐待を受けて児童養護施設にいたのです。 これまでの私の一般質問において、児童虐待、DV被害対策、自殺対策、産後鬱等の質問をさせていただきました。救えたはずの命が一つ、また一つとなくなっていくことに悲しみを越え、怒りさえ覚えます。 核家族やひとり親家庭、共働き世帯の増加など家族形態の変容、地域社会の絆の希薄化など、社会状況が変化していることに加え、子育ての不安や問題を抱え孤立する保護者の増加、児童虐待相談対応件数の増加など、健やかに子供が成長できる環境が脅かされていることが指摘されています。 本来、子供は愛情に包まれ、家族との温かい触れ合いを通して、善悪の判断や思いやり、基本的な倫理観を学びます。家庭という子供の育ちを支える土台がしっかりして、初めて子供は健やかに育つのではないでしょうか。 前回、妊娠・出産・育児における支援について一般質問させていただきましたが、健やかに子供を育てたくとも、子育てへの不安やストレスにより、妊産婦を自殺まで追い込んでしまう現状も述べさせていただきました。子育ては親育て、親育とも言われておりますが、それ以前に、親自身を取り囲む不安な環境があることも事実です。 核家族が増え、また同時に「子供たちを地域で育てる」という考え方も次第に失われ、家庭を地域で支える仕組みが揺らいでいます。 そのような中で、子供たちの育ちを支える家庭に直接対峙しているのは、第一に、毎日子供と接している学校であります。学校では、多くの先生方との関わりを通して、家庭に支援の必要性を感じる機会があると考えていますが、ただ、学校もまた様々な課題や責任が課され、子供たちに十分に寄り添う環境が難しい事態になっていないでしょうか。 このように、家庭への支援は今ある制度だけでは限界があると考えます。いかにして制度のはざまにある困難家庭を制度につなげていくか。そう考えたとき、家庭教育支援条例の必要性を強く感じます。 その施策の一つとして、家庭教育支援チームというものがあります。子育て経験者をはじめとする地域の多様な人材で構成された自主的な集まりがあり、身近な地域で子育てや家庭教育に関する相談に乗ったり、親子で参加する様々な取組や講座などの学習機会、地域の情報などを提供しています。 そこで、(1)学校教育の現場についてお伺いします。 現在、学校教育の現場では、支援の必要性を感じる家庭との連携・支援について、どのように取り組んでいるのか伺います。 続きまして、(2)家庭教育支援条例の必要性について。 現在、小田原市では家庭教育支援チームはありますでしょうか。また、支援員養成講座は実施されていますでしょうか。さらに、今後、家庭教育支援チームの設置を検討しているのか伺います。 次に、保護者が外国籍の方や障がいのある方の場合の家庭教育支援はどうされているのか伺います。 最後に、これまでの本市の家庭教育支援の取組について伺います。 以上をもちまして、登壇での質問を終わりとさせていただきます。 ○副議長(木村正彦君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 8番池田議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、本市の新規就農者数と農業次世代人材投資資金の交付実績について質問がございました。新規就農者数は、令和2年度が16人、令和3年度が現時点で7人となっております。農業次世代人材投資資金の交付対象者数は、本市が交付を開始した平成26年度からこれまでで14経営体となっております。 次に、農業次世代人材投資資金交付終了後の新規就農者の状況について質問がございました。本市で経営を開始し、交付が終了した者は5経営体でございます。現在、そのうち4経営体は本市で引き続き営農しており、1経営体は他市に拠点を移し営農しております。 次に、これまでの耕作放棄地対策について質問がございました。主な取組といたしましては、耕作放棄地の再生と予防であります。耕作放棄地の再生は、整地や土壌改良に対して補助金を交付し、耕作放棄地を解消しております。耕作放棄地の予防は、耕作されなくなって間もない農地の整備や援農を地域団体に委託し、耕作放棄地となるのを防いでおります。また、農地の貸し借りを促進して、耕作放棄地とならないよう、農地の流動化にも取り組んでおります。 次に、農業体験などによる農地の活用について質問がございました。小田原市農業振興計画策定時の市民アンケートでは、気軽に農業体験したいとの意見があり、また、農業者アンケートでは、今後、農業体験や観光農園の開設に取り組みたいとの意見がございました。このアンケート結果を踏まえ、農業振興計画では、市民や来訪者に対する農産物の販売強化のため、農業体験などを推進し、農地の活用を図っていくこととしております。 次に、これまでの地産地消の取組、食育の推進について質問がございました。地産地消につきましては、大型農産物直売所の朝ドレファ~ミを整備し、市民が市内産農産物を直接購入できる環境を整えたほか、漁港の駅TOTOCO小田原等の交流施設や農業まつりでのイベントを通じて、市内産農産物の周知、販売促進に取り組んでまいりました。農業に関する食育の推進につきましては、市内産農産物の学校給食での活用や市内小学校の稲作体験の促進、また、JAかながわ西湘が、幼稚園児と小学生にサツマイモやジャガイモを栽培する機会を提供するなど、小田原の農業に親しむ環境づくりを進めてまいりました。 8番池田議員の御質問のうち、子供を取り巻く環境の学校教育の現場については、教育長からの答弁といたします。 次に、家庭教育支援チーム等について質問がございました。家庭教育支援チームは、地域の多様な人で構成される自主的な集まりの団体であり、保護者に対する学びの場の提供や、地域の居場所づくりなどを行っておりますが、支援チームとして登録すると、国から家庭教育支援に関する情報・資料などが提供されます。また、石川県の加賀市のように、チームの中核となる支援員を養成するための講座を実施した自治体もございます。本市では、現在、国に登録されている家庭教育支援チームはなく、支援員等を養成する講座も開催しておりませんが、市内には、子育ての相談や居場所づくりなどをサポートしている団体が存在しているので、必要に応じて家庭教育支援チームの設置について検討していきたいと考えます。 次に、保護者が外国籍の方や障がいのある方の場合の家庭教育支援の対応について質問がございました。本市が実施している主な家庭教育支援といたしましては、家庭教育学級等の学びの場の提供や相談の受付を行っておりますが、現状では、外国籍の方や障がいのある方などから、特段の対応を求められておりません。家庭教育支援の取組を広く進めていくためには、個々の家庭の状況に応じたきめ細やかな対応が必要であることから、相談者や支援を必要とする方に対して、できる限り寄り添った対応に努めていきたいと考えます。 次に、家庭教育支援の取組について質問がございました。家庭教育支援の主な取組といたしましては、市内保育園・幼稚園、各小・中学校のPTA等が自ら開設する家庭教育学級と、家庭教育力の向上を目的とした家庭教育講演会を開催しております。家庭教育学級には、例年2000人を超える受講者が参加しておりますが、コロナ禍である令和2年度と令和3年度の現時点においては200人程度にとどまっている状況にございます。なお、令和4年1月22日には、大阪大学大学院特任研究員である岡真裕美先生を講師に招き、家庭教育について考える家庭教育講演会を開催する予定でございます。 以上をもちまして、8番池田議員への答弁といたします。 ◎教育長(柳下正祐君) 8番池田議員の御質問のうち、子供を取り巻く環境の学校教育の現場については、私から答弁をさせていただきます。 支援の必要を感じる家庭との連携や支援について御質問がございました。近年、子育てに不安を抱える家庭の増加や地域で社会性を育む機会の減少など、子供を取り巻く環境が変化していると認識しております。学校では、児童・生徒や保護者への支援が必要と感じたときに、個別に連絡を取りまして、各家庭に寄り添った相談や指導を行っているところでございます。また、必要に応じて、管理職や養護教諭、教育相談コーディネーターが関わり、家庭に行き届く支援ができるよう組織的に対応しております。さらに、保護者の意向に合わせまして、関係各課や児童相談所などの機関と連携して、学校、地域、行政が一体となって、子供たちの健やかな成長のための支援につながるよう働きかけているところでございます。 以上をもちまして、8番池田議員に対する答弁とさせていただきます。 ◆8番(池田彩乃君) 今回、本市の営農状況について心配する要素がないように見受けられておりますが、登壇で申した調査の状況からは深刻さを感じております。今後の中で、この農業振興計画のほうにもいろいろな言葉でつづられておりましたけれども、本市はどのような方が農業を担うのか、そして具体の農家像についてお伺いいたします。 ◎経済部長(武井好博君) 農業を担う農家像について御質問がございました。 本市農業は、主にこれまで家業として農業を営んでこられた農家の方々により支えられてまいりましたが、農業を取り巻く状況の変化から、担い手の在り方が変わってきているところでございます。今後の農業の担い手は、専業農家、兼業農家のほか、定年後に農業に従事される方、農作業受託組織など、多様な担い手になると見込んでおります。 以上でございます。 ◆8番(池田彩乃君) 担い手の多様化といいますと、いろいろな方々がこれから小田原市の農業に携わっていくのだなというふうなことを感じました。そうなりますと、やはり農業がいろいろな形で農を生んでいく、そして、この小田原市の農業を発展させていくということで、多岐にわたって考慮していかなければならないと思います。 一つ事例を挙げさせていただきたいと思います。まず2021年、今年の5月に農林水産省の方から、有機農業の取組を積極的に拡大する目標を掲げた「みどりの食料システム戦略」が掲げられました。私もいろいろな方々とお会いした中に、子育て中の方、そして障がいのある方を御家族にお持ちの方に伺いますと、農業体験をさせたいけれども、やはり農薬だったりとか、そういう土という、農産物の対してもですけれども、農薬がかかったものには考慮するものがあるというふうにされておりました。そうなったときに、やはり有機農業での農業体験、そして市民農園の拡充も必要となってくるのではないかと考えております。 その一つに、静岡県三島市が時代に先駆けた取組で、有機農業、自然農法のモデル農園、市民農園としても評価が高まる中で、三島市は平成22年から新たにスマートウエルネスシティ構想を掲げて、市民の健康と生きがいづくりを志向し、その構想の実現や、地元事業者・団体への有機農業、自然農法の推進のため、市内佐野地区にあります本格的な都市型の市民農園を開設いたしました。そして、平成24年に、その佐野地区に市民農園を中心とする1.4ヘクタールの三島市佐野体験農園を開所されております。 そこで伺います。本市におきます市民農園の需要が高まっていると感じておりますが、本市における市民農園の充実についてどのように考えているのか伺います。 ◎経済部長(武井好博君) 市民農園の充実について御質問がございました。市民農園は、現在、市内に11か所ございまして、この10年間、数に大きな変動はなく、市民ニーズに対応した整備と運営がなされていると認識しております。市民農園には、近年開設したところもあれば、最近、閉鎖されたところもあり、今後の整備については、農家の意向や市民ニーズの動向を踏まえながら取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆8番(池田彩乃君) 本市の市民農園に、農家たちはどのようなやり取りがありますかというふうに伺ったところ、農家の方々から市民農園に関心があるとされた場合に、その取組について支援していると伺いました。市民農園の必要性を農家が感じることは確かなのですが、やはり市のほうからも、この市民農園だったり観光農園において、とても農に対しての可能性があるというような動きをしていただけたらなと思っております。 農業の可能性は、今回述べさせていただいたように、教育・食育への可能性、そして観光、コミュニティが生まれる場所としての可能性、そして福祉の可能性、そして農業者の収入、安定供給の可能性、そして農地の保全、利活用の可能性と、様々な可能性を含んでおります。この農の可能性を広げて、市民にとって、市長が掲げていらっしゃいます「世界が憧れるまち“小田原”」となることを願いまして、こちらの質問を終わりにさせていただきます。 続きまして、大項目2の再質問をさせていただきたいと思います。 全国で、こども庁創設に向けての動きがあります。子供関連の政策には関係省庁がばらばらで、縦割り行政の弊害が発生しております。それは市においても同じことが言えるのではないでしょうか。子供たちの環境を考えたとき、庁内の横串、そして地域、民間との連携等はきちっと考え、そのための政策が必要だと思います。家庭教育支援条例の必要性についてお伺いさせてください。 ◎市長(守屋輝彦君) 家庭教育支援条例の必要性ということでございますけれども、本市はこれまでも家庭教育支援というものを重要な施策の一つに位置づけまして、様々な事業を実施してきたところでございます。そして、現在策定中の第6次小田原市総合計画、この基本構想は既に御議決いただいたところですが、これから定めていく実行計画においても、重点施策の教育・子育てについて、家庭教育支援を位置づけているところでございます。これまでも様々な観点から、この条例の必要性、それから既に制定をした自治体の状況などを、情報収集や研究を重ねてきたところでございますが、さらに、子供を取り巻く環境が複雑化している家庭の状況も踏まえて、どういった形であれば、一番いい家庭教育支援ができるのかということ、さらに調査研究を進めてまいりたいというふうに考えています。 以上です。 ◆8番(池田彩乃君) 先日、栢沼前教育長が御退任されまして、そのときに伺った一言です。「自分の担任中に、児童・生徒の中で自ら命を落とすことがなく、守ることができて本当によかった」とおっしゃっておられました。これまでもそうでしたが、そしてこれからも、私たちは地域の子供たちを守り続ける、そういう努力が必要だと思います。本日述べさせていただいたように、多様化してきている子供たちを取り巻く環境の中で、起きてから対応するのではなく、起きる前の対策を整えるために、家庭教育支援条例の制定を強く願いまして、本日の一般質問を終わりにさせていただきます。(拍手) ○副議長(木村正彦君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後2時といたします。     午後1時48分 休憩-----------------------------------     午後2時0分 開議 ○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 20番加藤議員、登壇願います。     〔20番(加藤仁司君)登壇 拍手〕 ◆20番(加藤仁司君) 通告に従い順次質問してまいります。 初めに、大項目1、生活ごみに関する諸課題について伺います。 我々が生活していく上で欠かせないごみ処理という問題については、今までも何度となく各議員から質問が繰り返されているところでありますが、今回は、主に家庭から排出されるごみに注目して質問してまいります。 まず、中項目の(1)可燃ごみの収集量の推移と処理費用について伺います。 これについては、毎年の予算特別委員会や決算特別委員会にて資料も頂いているところですが、平成9年にごみの分別改革が行われたこともあり、改めて分別改革前の状況と分別改革後の収集量の推移について伺います。 次に、焼却灰処理費用の推移はどうなっているのか、さらに、焼却灰の行方について伺います。 ごみ処理の広域化について活発な議論がなされていた平成21年にまとめられた「ごみ処理広域化の考え方」において、本市の最終処分場である堀ヶ窪埋立処分場の残余年数は2年と表にはあります。既に当時から12年の歳月が経過していますが、堀ヶ窪埋立処分場が閉鎖されたとも伺っていませんので、延命措置が図られているものと推察いたします。 そこで、現堀ヶ窪埋立処分場の残余年数はどのくらいと見込まれているのか伺います。 次に、さきの決算特別委員会にて21番武松議員の総括質疑でも触れられておりましたが、現在、焼却灰の埋立処理に秋田県、山形県、長野県、群馬県、茨城県の5か所に、資源化処理に栃木県、埼玉県、愛知県の3か所の計8か所に委託していると伺っています。 そこで、既に平成25年11月の「ごみ処理広域化の検討状況」公表に続き、平成30年にも広域化に対する検討を重ねていると市のホームページには掲載されていますが、1市3町での広域化の動きはどうなっているのか、また、ごみの埋立処分は自区内処理が原則だと思いますが、本市の考えについて伺います。 次に、(2)資源ごみの収集量の推移と市の収益について伺います。 平成9年より実施された9分別15品目(現在は9分別18品目)にわたるごみの分別が図られた当時、市議会においても様々な議論がなされていたと記憶しております。多品目の分別は市民の間で混乱を招いた時期もありましたが、資源ごみの活用、リサイクルが叫ばれた時期でもあり、厳し過ぎると言われていたごみ分別も徐々に定着して現在に至っております。 さて、その資源ごみでありますが、まず、資源ごみそれぞれの収集量の推移はどうなっているのか、また、資源ごみについては市の財産となると思われますが、収益はどのように推移しているのか伺います。 次に、(3)ごみステーションについて伺います。 初めに、現在のごみステーションの数とその配置についてはどのようになっているのか、設置場所の管理者はどうなっているのか、さらに、自治会への協力金はどのように使われているのか、現在の協力金の支給対象はどうなっているのか伺います。 次に、(4)不燃物収集について伺います。 先日の不燃物の収集日にごみステーションにごみを出しに行ったところ、一人の男が不燃物にかかっていたネットを持ち上げ、何やら物色している光景に出くわしました。私が凝視していると、その男は何も取らずに軽自動車に乗り込み、ごみステーションを後にしました。十数年前にも同じ場面に遭遇し、そのときは声をかけて持ち去りを阻止いたしました。市の「小田原市廃棄物の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例」では、市から委託を受けた業者、その他市長が指定する者以外の者は、一般廃棄物処理計画で定める場所から収集し、又は運搬してはならないとあり、各ごみステーションにごみ持ち去り禁止の啓発ステッカーを貼ってもらった経緯もあります。 そこで、違法持ち去りの実態はあるのか、その内容は、摘発件数はどうなのか、また、不燃物収集時の監視についてはどうなっているのか伺います。 次に、大項目の2、橘地域における認定こども園の進捗について伺います。 橘地域は地勢的に二宮町と中井町に接する地域であり、昭和46年の合併時には二つの公立幼稚園が存在していたことから、私立幼稚園や民間保育施設が整備されずに推移してきました。しかしながら、昨今の保育需要の高まりから近隣の民間保育園に通わせる家庭が多くなり、以前、議会でも申し上げたとおり、下中、前羽の公立幼稚園から各小学校に入学する園児の割合は、約10年前で約50%、その後は公立幼稚園からの入学者の割合が少ない状況が続いています。そのような状況の中、橘地域に認定こども園が整備されることとなりました。既に今年初めより行政は地元にアナウンスをしていると伺っていますが、そこで伺います。 (1)の地元の理解と対応についてですが、地域に対してどのように情報伝達をしてきたのか、また、その中でどのような意見があったのか伺います。 次に、(2)入園見込数について伺います。 認定こども園設立時の入園見込数と開園後の見込数はどのように考えているのか伺います。 続いて、(3)の交通手段について幾つか伺います。 初めに、認定こども園の整備に当たって、通園する児童の送迎についてはどのように考えているのか、また、現在の下中幼稚園の敷地内に送迎用の駐車場を整備することは可能だと考えているのか伺います。 最後に、安全確保策について伺います。下中小学校と、認定こども園予定地である下中幼稚園は、道路を挟んで玄関が向かい合っています。現在、小学生の通学時間と幼稚園の通園時間は1時間ほど違うため問題はありませんが、幼稚園終業時間と小学校の下校時間が重なる際には、園児送迎車と下校小学児童が交差する時間帯もあり、現状、安全な状況ではないときもあります。 今後、認定こども園が開設した場合、今以上に施設利用車両が出入りする状況となる見込みから、小学生の登下校時における認定こども園を利用する車両などからの安全確保策はどのように考えているのかお伺いし、登壇しての質問を終わります。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 20番加藤議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、ごみの分別改革前後の可燃ごみ収集量について質問がございました。燃せるごみとして排出される可燃ごみの年間収集量は、分別改革前の平成8年度が7万5878トン、分別改革後の平成9年度が5万6508トンとなっており、約1万9000トンの減、率にして25.5%減少しました。直近では、令和2年度が4万8806トン、平成8年度と比較して35.7%の減少となっております。なお、分別改革前後では、可燃ごみの減少に伴い、資源ごみは増加しており、資源化率の向上も図られたところでございます。 次に、焼却灰処理費用の推移について質問がございました。焼却灰の処理は、県外に委託しており、過去5年間の処理費用は、平成28年度は約2億3415万円、平成29年度は約2億2312万円、平成30年度は約2億1981万円、令和元年度は約2億2048万円、令和2年度は約1億9829万円と推移しております。 次に、処分場の残余年数、広域化の動き等について質問がございました。本市の焼却灰発生量は減少傾向にあり、堀ヶ窪埋立処分場に焼却灰を埋め立てた場合の残余年数は、令和2年度の焼却灰発生量で試算すると約4年4か月と推計されます。広域化の動きにつきましては、ごみ処理広域化実施計画に基づき、当面、小田原市と足柄下郡3町の2系統でごみ処理体制を構築することとしており、焼却灰の処理は、現在、各市町で行っております。今後、将来的な1市3町でのごみ処理広域化に向けては、焼却灰処理を含め自区内処理の考え方を踏まえた、ごみ処理体制について協議していくことになります。 次に、各資源ごみの収集量の推移について質問がございました。資源ごみの収集量につきましては、平成28年度と令和2年度で比較すると、ペットボトルは、670トンから762トンで92トン増加、トレー・プラスチック類は、1943トンから2276トンで333トン増加、缶類は、533トンから566トンで33トン増加となっている一方で、紙・布類は、1万470トンから8617トンで1853トン減少、瓶類は、1342トンから1272トンで70トン減少となっております。 次に、資源ごみによる収益の推移について質問がございました。資源ごみの収益には、鉄缶・アルミ缶などの不燃物の売却益とペットボトルなどによる拠出金がございます。資源ごみによる収益の合計は、平成28年度は約4536万円、平成29年度は約7265万円、平成30年度は約6720万円、令和元年度は約5843万円、令和2年度は約5069万円と推移しております。 次に、ごみステーションの数とその配置について質問がございました。令和3年11月1日現在で、開発事業に伴い設置されるものも含め、その数は6331か所でございます。ごみステーションは、自治会が場所を選定し、市は、道路の状況等を含め、交通や収集に支障がないかを確認しております。 次に、ごみステーションの管理者について質問がございました。自治会が設置するごみステーションにつきましては、清掃やごみ飛散防止ネットの管理等、自治会が行っております。また、アパート、マンション等開発事業に伴い設置されたものは、管理会社等の責任の下に行われております。 次に、自治会に支払われた協力金の用途について質問がございました。市では、ごみステーションの管理等への協力に対する謝礼として自治会に対し、分別収集奨励及び集積場所管理協力金を支給しております。補助金と異なり、その用途はそれぞれの自治会に一任しており、全体の把握はしておりませんが、ごみステーションの管理に必要な道具の購入などに充てている例があると伺っております。 次に、協力金の支給対象について質問がございました。協力金につきましては、以前は自治会や子ども会で資源物を集め、その売却益を自らの活動費に充てていたものを、平成9年度以降、市が収集することとなり、その経費を賄うために協力金として支出することとした経緯がございます。現在、全地区の自治会に対しまして、自治会加入世帯数に応じ支給しております。 次に、不燃物の違法な持ち去りの実態について質問がございました。缶や古紙等のごみの持ち去り行為があることは承知しております。先日も、市民からの通報を受け、警察とともに対応したケースがございましたが、そのような例は非常にまれであり、人のいない時間、場所が狙われるため、行為中を捕らえることが非常に難しいのが実情でございます。市では、市民からの通報により、該当地区の重点パトロールの実施や警察と情報共有するなど対策を講じているものの、摘発には至らない状況でございます。 次に、不燃物収集時の監視体制の現状について質問がございました。市では、持ち去り行為につきまして、パトロールの実施や看板の設置等の対策を講じております。また、自治会によっては、周辺の防犯カメラの活用や当番制による立会い等、個別に対策を講じていると伺っております。 次に、橘地域の認定こども園の地域調整について質問がございました。地域自治会とは継続して説明、意見交換等を行ってまいりました。さらに、前羽幼稚園と下中幼稚園の保護者及び子育てサークル等の利用者の方へのヒアリングや就学前児童がいる世帯へのアンケートも実施してまいりました。その中で、認定こども園の整備に当たりましては、給食の実施、駐車場整備の必要性、預かり保育の実施、園バスの運行など、様々な御意見をいただいたところでございます。今後、コロナ禍の影響で延期していた地域住民への説明会を開催し、引き続き丁寧な説明を行ってまいります。 次に、認定こども園の入園見込数について質問がございました。現時点で具体的な数字を示すことはなかなか難しい状況ですが、就学前児童がいる世帯へのアンケートでは、認定こども園の幼稚部が3歳から利用できることや、今までこの地域になかった保育機能が整備されることで、入園希望や入園を検討する旨の回答数が一定数あったことから、認定こども園へのニーズは高いと考えております。 次に、認定こども園の送迎について質問がございました。就学前児童がいる世帯へのアンケート中の通園手段の設問では、約半数の方が自家用車を利用しており、園バス利用は4分の1で、それ以外は自転車や徒歩となっております。また、保育・教育施設を選ぶ際に重視する項目として、「駐車場があること」が約半数、「園バスがあること」が約3割でございました。このことから、駐車場ニーズは非常に高く、その整備は必須のものと考えておりますが、園バスについては、安全な運行方法や専用車両の確保、運行に係る経費など、様々な課題があることから、その実現性について引き続き検討してまいります。 次に、認定こども園の駐車場の整備について質問がございました。施設整備地であります下中幼稚園敷地につきましては、都市計画道路予定地として敷地の一部が減少することや、十分な園庭を確保していくためにも、全ての送迎用駐車場を敷地内に設置することは困難と考えます。今後、基本計画の中で駐車場の整備内容を検討してまいります。 次に、認定こども園の利用車両からの安全確保について質問がございました。認定こども園の予定地は、下中小学校と道路を挟んで隣接していることから、小学校の通学路の位置や雨天時の車での送迎状況等を考慮し、駐車場を整備する必要があると考えています。一般に送迎用駐車場は、園から近いほうが保護者からは喜ばれますが、今後、基本計画を策定する際には、一定の距離を取るなど安全確保に十分に配慮してまいります。 以上をもちまして、20番加藤議員の御質問に対しての答弁といたします。 ◆20番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただきましたが、再質問させていただきます。 まず、可燃ごみの収集量については、答弁いただいたとおり、分別前から現在に至っては約35%強の減少となったということでありました。そして、それに伴い資源ごみは、出っこみ引っこみありましたけれども、基本的には増加し、資源率が上がっているということは、これは分別回収の成果と言えるのではないかと思います。 あの当時を振り返りますと、環境部をはじめとして職員の皆さんが、各地区に分別回収に対しての説明をかなりきめ細かくしてきた、その結果でありまして、分別に対して住民の意識も向上し、また日々の生活の中で継続的にルールに基づいて行動してきた。これは本当に市民の協力の下でなし得たものと改めて感じたところであります。 そこで、登壇でも申し上げましたけれども、現在、9分別18品目となっている分別方法ではありますが、今後についても現在と同様の分別方法で行う予定であるのか伺います。 ◎環境部長(藤澤隆則君) 今後の分別方法についての御質問でございます。本市では、可燃ごみの減量及び資源化率のさらなる向上に向けまして、新たな分別品目として、庭木などの剪定枝を対象とすることを目的に、令和2年度から市の施設から排出される剪定枝の資源化を試験的に実施してまいりました。今後、家庭から排出される剪定枝について検証していく予定でございます。なお、近年、食品ロスや海洋プラスチックの問題、ひいては地球温暖化など、廃棄物に関係する環境問題、これらが様々にございまして、分別方法を含むごみ施策については、今後も、社会状況等を踏まえ対応していく必要があると考えているところでございます。 以上でございます。 ◆20番(加藤仁司君) 分別の品目に剪定枝を対象とするということで、その検証を行っていくということであります。これは理解しました。 また、今、二つ目の御答弁の中に、海洋プラスチックの問題の対応についても触れられておりました。先週の金曜日ですか、読売新聞の1面に、6月に成立したプラスチック資源循環促進法が来年の4月に施行され、プラスチックごみの分別回収の導入、これは自治体の努力義務とされているらしいですが、施行3年以内に導入を検討する自治体などは72団体にすぎないとの記事がありました。財政支援等が明確でない中で、本市をはじめ多くの自治体の課題だとは思いますけれども、今後もこの動きには注視しながら、ごみ減量化、資源化が図られるよう、当局には頑張っていただきたいと思う次第であります。 それから、焼却灰の処理については、年間約2億円の経費がかかり、堀ヶ窪埋立処分場はまだまだ余力があるということも分かりました。また、広域化については、取りあえず2系統継続ということでありますが、これについては大きな問題でもありますので、改めて次の機会に触れていきたいと思います。 資源ごみの収益については分かりました。この数年、少なくとも5000万円程度の収益があることは我々も認識しておくべき数値だと思います。 ここで、(1)と(2)をまとめた質問ということになりますけれども、我々市民の日常のごみ出しは、可燃ごみも資源ごみもごみ袋に入れてごみステーションに出しております。可燃ごみについては、本市指定のごみ袋、可燃ごみ以外のごみ袋は、特に指定がなく半透明の袋ならよいこととなっております。昨今、レジ袋の有料化によりまして、エコバッグを持参して買物をする人も多く見かけるところであります。その分、俗に言うコンビニ袋、スーパーの袋等、可燃ごみ以外を入れていた袋が家庭から少なくなって、わざわざ市販のごみ袋を買っている家庭もかなり多くあると思いますが、そのような声というのは聞いたことがありますでしょうか、また、何かしらの対応策を考えていないか伺います。 ◎環境部長(藤澤隆則君) ごみを排出するための袋、レジ袋等が活用されてきた事例が多いかということで御質問がございました。レジ袋有料化に伴いまして、可燃ごみ以外のごみの排出用に市販の袋を購入しなければならなくなったといった声は、これまでのところ、特に市に寄せられてはおりません。しかしながら、そのような家庭があることも当然認識できる範囲だと思っております。ごみの排出の際に袋を使用しない方法、これは、各ごみステーションに回収用のボックスを設置しまして直接投入する方法、こういった方法を採用している自治体もございますが、本市といたしましては、ごみステーションの数が非常に多いこと、さらには道路沿いなどはボックスの設置が難しいといったことが考えられるという状況であると認識してございます。 以上です。 ◆20番(加藤仁司君) 市のほうも、可燃物以外のごみ袋に市販のごみ袋を購入して使用しているということは認識されているということであります。最近、ごみステーションを見ますと、コンビニエンスストアの袋とかスーパーの袋を使ってごみを出している方というのは本当に少なくなったなと感じているところであります。 そこで、再々質問として、可燃ごみ以外を排出するための袋について、市として新たに可燃ごみ用以外の指定ごみ袋の導入、また、指定ごみ袋と半透明の袋とのセット販売、こういったことを行う考えはないかどうか伺います。 ◎環境部長(藤澤隆則君) 可燃ごみ用以外の指定袋の導入についての御質問でございます。本市では、排出機会の多い可燃ごみについては指定ごみ袋を導入してございますが、可燃ごみ以外のごみについて指定ごみ袋を導入することは、市民の皆様に対して複数のごみ袋の御購入をお願いすることとなりまして、負担感が増すのかなといった考えでございます。また、指定ごみ袋と半透明袋をセットで販売するとの御提案でございます。家庭によりまして使用する袋のサイズが様々異なるのかなというような事情もある中で、半透明袋につきましては、現在、民間の事業者により既に提供ができているというような認識でございます。そういったことから、それぞれ現時点で導入する予定はないというふうな状況でございます。 以上でございます。 ◆20番(加藤仁司君) 導入予定はないということですけれども、今申し上げました実情があるということだけはお伝えしておきたいと思います。これからも情報収集等をしていただければありがたいと思います。 それでは、次の再質問でありますが、これはごみステーションであります。御答弁いただきましたように、ごみステーション設置には自治会が深くかかわりながら、毎日の市民のごみ出しに寄与しているわけであります。近年は、市内に外国人の労働者の方々も増えてきており、その方々も生活している以上、ごみを出しております。中には自治会に加入している方もいらっしゃるかもしれませんけれども、一時就労者については加入していないと思われます。このように以前とは状況も大変変化しており、例えば仮に100世帯全部が自治会の加入者で、100世帯分の協力金をもらう自治会と、50の加入世帯と50の自治会未加入世帯との合計100世帯のごみが捨てられる自治会の協力金が50世帯分だけでは、同じ量のごみが排出されるにもかかわらず金額に差が出てしまいます。自治会としても同じ負担でありながら金額が異なるという状況が生まれることになります。これはやはりおかしいのではないのかなと思うところであります。 そこで、ごみステーションの利用は、自治会加入世帯だけではなく、ごみ出し世帯分の協力金を出すべきではないかと思いますが、御所見を伺います。 ◎環境部長(藤澤隆則君) 自治会未加入世帯を含めた協力金の支給についての御質問でございます。ごみ施策につきましては、市民、事業者、行政との連携により進めてきておりまして、自治会の協力なしでは成立し得ない、このような認識でございます。一方、協力金の支給につきましては、自治会未加入世帯を含めることが未加入状態の容認につながるおそれがあるといった考えもございまして、これらを踏まえまして、これまで総合的に判断してきたところでございます。その結果、これまでは協力金の算出方法を変更するには至っていない状況といったことでございます。しかしながら、今後ごみステーションの利用世帯数の把握などの課題もありまして、それらも含め謝礼金につきましては検証が必要である、このような認識でございます。 以上でございます。 ◆20番(加藤仁司君) 今、環境部長から答弁いただいたのですけれども、この問題につきましては、登壇のときにも言いましたように、これは陳情もありました、また、私以外のほかの議員からも過去において何度か質問されてきた経緯もあります。部長の御答弁にもあったように、自治会加入への影響があるということも以前から伺っているところではありますけれども、さきに申し上げましたように、ごみ出し量が同じで、自治会加入世帯によって協力金に差が生じるということは、自治会負担の公平性の面からも検討すべき内容ではないかと思います。これについての市長の御見解を伺います。 ◎市長(守屋輝彦君) 協力金の検討でございますけれども、自治会の皆様には、先ほどの環境部長の答弁とも一部重複しますが、本当に日頃から御協力をいただいておりまして、また、この収集にだけにかかわらず様々な観点で、このごみ問題も含めて御協力をいただいているわけでございまして、特にごみにおいてもステーションにおける美化清掃、それから維持管理等などにもお力をいただいていることは、私も十分認識しているところでございます。そして、自治会を取り巻く環境も年々変わっておりまして、自治会加入率が低下していること、それから高齢化の進展、担い手の不足、さらには単身世帯の増加など、自治会の様々活動する領域においても、様々な環境の変化や新たな課題が出てきているというふうにも認識しております。その上で、このごみ施策について、自治会との協力関係を維持しながら、さらに進めていくためにはどうしたらいいのかなということ、今の20番加藤議員御指摘の協力金の支給ということも含めまして、自治会等の意見を伺いながら、これから慎重に検証してまいりたいと考えます。 以上です。 ◆20番(加藤仁司君) 今、市長のほうから慎重に検証してまいりたいということでありますが、現状のまま、このまま置くわけにはいかないと思っているのです。ぜひとも御検討をお願いいたします。 それでは、次に、不燃物収集における持ち去りについての再質問をいたします。持ち去りについては、さきに御答弁いただきました。市の財産収入の減収にもなってしまうということから、監視強化が必要であると思うところであります。違反行為を例えば目撃をしたとしても、なかなか住民のほうも安易に声をかけにくい、こういう状況もあると思いますので、通報等複数の情報が寄せられ、そして行為者が判明した場合には、警察へ告発するなど、より強い対応が必要であると思いますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いします。 ◎環境部長(藤澤隆則君) 不燃物の持ち去り行為への対策強化についての御質問でございます。不燃物の持ち去りは違法行為として市では条例で禁止し、罰則も設けているところでございます。これまでに、条例を適用し、罰金に処した事例といったものはございませんが、今後は、不法投棄の対策と同様に、行為者の把握に努め、警察とも連携し、厳正に対処してまいりたい、このように考えております。 以上でございます。 ◆20番(加藤仁司君) ぜひともよろしくお願いします。 それでは、次に、大項目の2に移らせていただきます。 まず、内閣府のホームページを見ますと、認定こども園に対する国の行政窓口は、「認定こども園に関する事務については、内閣府子ども・子育て本部で一元的に対応します。なお、学校教育法上に位置づけられている幼稚園について文部科学省、児童福祉法上に位置づけられている保育所について厚生労働省と各種法体系の連携を図っていきます」とあります。 そこで、本市においてはどこの部局が認定こども園の所掌事務を行うのか、まず伺います。 ◎子ども青少年部長(杉崎智君) 認定こども園の所管についての御質問でございます。本市におきましては、認定こども園の所管は子ども青少年部となります。 以上でございます。 ◆20番(加藤仁司君) 分かりました。 次に、中項目に対してそれぞれ御答弁をいただきました。駐車場の確保や送迎車対応など、これから様々な課題が表面化するように思われるところでありますが、地元や議会に報告されているスケジュール表では、今年度に基本計画の策定及び地域調整、来年度は設計工事に入るということになっています。今の状況では、従来示されました整備スケジュールではとても厳しいのではないかと思うところでありますが、スケジュールについて変更はあるのか伺います。 ◎子ども青少年部長(杉崎智君) 認定こども園の整備スケジュールについてのお尋ねでございます。認定子ども園の開設は、令和6年度当初を目途としておりましたけれども、コロナ禍の影響で、自治会関係者との調整、子育て世帯向け説明会、地域住民説明会の開催などが予定どおりに行えなかったところでございます。また、基本計画の策定や工事関連調査も未着手であることから、当初お示ししたスケジュールでの開設は難しいと考えております。入園時期の関係から、年度途中での認定こども園の開設は難しいことも踏まえまして、今後、基本計画を策定していく中で、改めてお示しをしたいと考えております。 以上でございます。 ◆20番(加藤仁司君) やはり厳しいですよね。スケジュールの変更につきましては、本当にこれは速やかに関係各局に報告したほうがいいと思います。 それでは、次の再質問に移ります。この橘地域の認定こども園の入所希望者、これは市内居住者に限定されるのか、そして就業場所が本市内である他市町の方が希望された場合はどうなるのか伺います。 ◎子ども青少年部長(杉崎智君) 認定こども園の入所希望者の選定方法についてのお尋ねでございます。認定こども園には、幼稚部と保育部があり、入所の際の取扱いが異なります。現在の入所選考では、保育を必要とする事由を指数化し選考しており、市内居住者を優先する対応を取っていることから、認定こども園の保育部におきましても、同様の取扱いになる予定でございます。また、幼稚部の入所選考につきましては、橘地域の公立幼稚園の統合が背景にあることも踏まえまして、運営基準を策定していく中で定めていきたいと考えております。 以上でございます。 ◆20番(加藤仁司君) 入所希望者の対応については理解しました。 次に、通園児童の送迎についてですが、アンケート結果、これは果たして行政が予想していたような結果だったか分かりませんが、いろいろな課題が挙げられたと認識するところであります。 そこで、橘地域の認定こども園の周辺交通の検討には、交通に関わる幅広い層からの意見集約が必要だと思いますが、市の考えを伺います。 ◎子ども青少年部長(杉崎智君) 認定こども園の周辺交通の検討方法についてのお尋ねでございます。子育て世帯へのヒアリングやアンケートにおきまして、雨天時の周辺交通の現状から整備予定地周辺の登降園時及び駐車場の利用時の安全確保策を講じてほしいとの御意見をいただいております。今後、市が開催する住民説明会では、施設利用予定者だけでなく、日頃周辺道路を利用している市民などからも幅広い意見をお聞きしまして、安全で利用しやすい施設整備を行っていきたいと考えております。 以上でございます。 ◆20番(加藤仁司君) 地域住民の幅広い意見を伺う、このような答弁でありますけれども、現在、橘北地区、また前羽地区、これにはまちづくり委員会が存在しているところであります。現状、様々な関係団体が関わります組織として、橘地域の認定こども園の周辺交通の検討には、まちづくり委員会の分科会で議論いただくということが、地域の状況を踏まえた、よりよい施設整備にもつながると思うのですが、市の考えを伺います。 ◎子ども青少年部長(杉崎智君) まちづくり委員会分科会での周辺交通の検討についてのお尋ねでございます。20番加藤議員の御提案のとおり、まちづくり委員会分科会で、認定こども園の周辺交通を地域課題として取り組んでいただけるのであれば、御検討いただきまして、その結果を踏まえまして、地域の状況に合った、安全で利用しやすい施設整備を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆20番(加藤仁司君) 今、子ども青少年部長のほうで、まちづくり委員会分科会で行っていただけるのであればということなのですけれども、御承知のように、まちづくり委員会は二つ、関連するところは橘北と前羽と全く別の組織という格好になるわけです。ですから、ここの一つの課題を、この二つのまちづくり委員会がもしも協議するということになると、やはりその橋渡しというか調整役が必要ではないのかな。そこにはぜひとも行政のほうでそういう調整をしていただきたいなと、このようにお願いをするところであります。 さて、橘地域におけます認定こども園については、るる質問させていただいたわけであります。この認定こども園については、私は本当に大いに期待しているところであります。登壇しての質問のときには申し上げませんでしたけれども、乳幼児を持つ保護者の意識、どうしても保護者の意識というのはやはり子供に向けられるわけです。それで、その子供が通う自治体、橘地域であればやはり中井町と二宮町が多いのですけれども、そういった自治体のほうに関心を持ってしまうという部分もあります。住まいは橘地域、小田原市ではあるのですけれども、やはり関心はほかの自治体という状況を、何とか小田原市というか橘地域に持ってもらいたいなということで、これによってコミュニケーションを地域内で育んでいただくというような意図もありまして、認定こども園を大変歓迎しているわけであります。そのような思いは自分だけかもしれませんけれども。 先ほど本市の所掌事務はどこかと伺って、子ども青少年部だということは分かりました。確かに事務はそうなのですけれども、この設置によりまして、先ほど言いましたコミュニティの推進、そしてまた、場合によっては人口流入の可能性等、幅広い変化が見込まれることもあり得るかもしれない。すなわち、行政であれば多くの部署、また様々な施策にも関わる重要な施設になり得る可能性もあるのではないかなと勝手に思っているところであります。ぜひとも地域調整をしっかり図っていただきまして、多少スケジュールはずれるということになってしまうのですけれども、認定こども園の整備、この推進を心から願いまして、一般質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(大川裕君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後2時55分といたします。     午後2時47分 休憩-----------------------------------     午後2時55分 開議 ○議長(大川裕君) 休憩前に引き続き再開いたします。 15番奥山議員、登壇願います。     〔15番(奥山孝二郎君)登壇 拍手〕 ◆15番(奥山孝二郎君) 通告に従い順次質問をしてまいります。 まず初めに、大項目の1として、本市における公文書管理の現状と課題等について伺ってまいります。 (1)文書管理システムについて。 平成23年に公文書管理法が施行され、多くの自治体がこの管理法に準拠して公文書管理の改善を実施しています。公文書管理法の基本認識として、必要とされる公文書が滅失したら国の歴史や政策決定のプロセスも語れない。公文書管理法は時を貫く国民及び市民の知的財産を守る法律です。 また、公文書管理法第34条に「地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない」とあります。このように地方公共団体として努力義務を課しております。 こうした状況の中、最近、隣の真鶴町では、選挙人名簿のコピー流出事件が発生し、相模原市では、土地区画整理事業において、当時の意思決定過程の公文書が残されていなかった不祥事が発生するなど、近年、地方公共団体の公文書の管理に関する事件を耳にします。 そこで伺ってまいりますが、①として、小田原市の公文書についてはどのように管理しているのか。 ②として、公文書を管理する上で、どのような課題があるのか。 ③として、公立の小学校、中学校の公文書は、市役所で管理している公文書とは別管理と聞いているが、それはどのように管理しているのか伺います。 次に、(2)公文書管理の改善について伺います。 ①として、公文書管理法の施行により、多くの自治体が公文書管理について見直しや改善を行っている。他都市では、公文書を一体的に管理するシステムを導入している例が見られるが、本市においても、公文書管理システムの導入をすべきと思うが、検討しているのか伺います。 ②として、教育委員会では、小・中学校の公文書でもある成績表作成や管理において、漏えいや紛失などの事故防止のために、どのような対策を講じているのか伺います。 次に、大項目の2として、本市における入札等の現状と課題について伺ってまいります。 早いもので今年もあと2週間余り。年が明けると3月定例会が近づいてまいります。私は毎年、この時期になると、議員の手元に届く分厚い予算書でまず目にするところがあります。それは歳入の中の市税、なかんずく法人市民税であります。款・項・目・節にある数字や短い文の言葉、果たしてこの言葉の裏というか目に見えない文底を考えるとき、各企業、商店等の経営者やそこで働く従業員の方及びその従業員の方々の家族のこと、その生活がどのように仕事に反映されているのかを考えます。ましてや、今はコロナ禍であり、アフターコロナの経済の立て直し、そういった面では、この予算書の中の目には見えない文の下に隠れている、こういった法人市民税、しっかりと本市として賄えるかどうかということを踏まえて、順次質問させていただきます。 そこで伺いますが、(1)として、入札等の仕組みについて伺います。 ①として、建設工事の請負業者の選定については、かながわ電子入札共同システムで行われておりますが、どのように行っているのか、以前の紙で入札していた時代と比べて、現在はどのように変わってきているのか伺います。 ②として、建設工事の入札の参加要件はどのように設定しているのか伺います。 ③として、印刷製本及び物件供給に関わる入札の際の最低制限価格について、本市における設定の有無について伺います。 (2)として、入札等に係る課題について伺います。 ①として、現在の入札の運用において、どのような課題があると認識しているのか伺います。 最後に、(3)として、適正な参加要件と競争性の確保について。 ①として、設定する参加要件によって、十分な施工能力を有する業者が選定されていると言えるのか、また、そうした業者間による入札で、適正な競争性が確保できているのかを伺い、登壇しての質問を終わります。 ○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 ◎市長(守屋輝彦君) 15番奥山議員の御質問に順次お答えをしてまいります。 初めに、公文書の管理について質問がございました。本市の公文書につきましては、小田原市文書管理規程に基づき、文書の収受、供覧、起案決裁、保存及び廃棄等を行い、適正に管理しております。具体的には、公文書については会計年度ごとに整理し、現年度及び前年度の文書は、各執務室で管理しております。それ以上保存が必要な公文書は、市役所内の書庫に引き継いで集中管理し、保存期間満了後、廃棄しております。 次に、公文書管理の課題について質問がございました。本市では、文書による事務処理を原則としていることから、近年、増加傾向にある文書の保存スペースの確保、文書の引継作業や廃棄作業に、相当な労力が必要となるなどの課題がございます。 15番奥山議員の御質問のうち、学校における公文書管理の現状と課題等につきましては、教育長からの答弁といたします。 次に、文書管理システムの導入についての質問がございました。現在、県内の多くの自治体が文書管理システムを導入していることは承知をしております。本市におきましても、公文書の作成から廃棄までの文書の流れ全体を電子的に管理し、電子文書により起案決裁をする文書管理・電子決裁システムについて、早期の導入に向けて検討組織を立ち上げ、具体的に検討しているところでございます。 次に、電子入札共同システム導入による建設工事の請負業者選定方法の変化について質問がございました。電子入札共同システムの導入によりまして、入札に係る通知等や業者の入札書の提出等の手続が書面によるものから電子化され、事務手続が迅速化、簡素化されました。これに伴い、従来は工事場所からの距離等を勘案して、直接業者を指名する「通常型指名競争入札」によっていた建設工事の入札を、システム上で参加要件を公表して入札参加業者を募り、参加意思を示した業者のうち、参加要件を満たす業者を指名する「公募型指名競争入札」等の透明性の高い方法により執行できるようになりました。 次に、建設工事の入札参加要件の設定について質問がございました。まず、市内業者優先の原則の下、市内業者で施工できる工事では、市内に本店を有することを参加要件としております。また、土木一式工事や建築一式工事等の主要な6工種では、あらかじめ県が行う経営事項審査により算出される総合評定値に基づいて、本市が各業者を等級分けしており、等級ごとに入札に参加できる工事の予定価格の範囲が定められております。さらに、工事の内容によっては、同種工事の施工実績や技術者の資格等を参加要件として設定することもございます。 次に、物件供給契約等における最低制限価格の設定の有無について質問がございました。本市では、印刷製本及び物件供給に係る入札において、最低制限価格は設定しておりません。 次に、現在の入札の運用における課題について質問がございました。工事の入札を例に取りますと、入札参加資格者名簿に搭載された事業者数が少ない工種や等級においては、発注する工事の予定価格や時期によって、入札に参加する事業者数が少なくなり、競争性が低下することや、入札不調が生ずることが課題であると考えています。 次に、適正な参加要件と競争性の確保について質問がございました。本市が各業者の等級区分を設定する際の基準となるのは、県が業者の経営状況等を評価して算定する経営事項審査の総合評定値であることから、等級区分は業者の施工能力を一定程度担保しているものであります。そのため、予定価格に応じた等級区分を参加要件として設定することで、施工能力等について、ふさわしい業者が選定されると考えております。また、公募においては、参加要件を満たさない応募者には入札参加を認めないため、適正な能力や資格等を持った業者のみが入札に参加することとなります。 以上をもちまして、15番奥山議員の御質問に対しての答弁といたします。 ◎教育長(柳下正祐君) 15番奥山議員の御質問のうち、公立の小・中学校の公文書管理については、私から答弁をさせていただきます。 市立の小・中学校における公文書は、小田原市立学校文書管理規則に基づきまして、文書の収受、処理、保存及び廃棄等を行い、適正に管理しております。具体的には、公文書については会計年度ごとに整理し、現年度及び前年度の文書は、各学校の職員室で保管しております。ファイル基準表により保存が必要な公文書は、事務室等で集中管理し、保存期間経過後に廃棄しております。また、永年保存の文書については、校長室の耐火書庫に保存しております。 次に、漏えいや紛失などの事故防止対策についての質問がございました。教育委員会では、平成25年11月に市内小・中学校に教育ネットワークシステム及び校務支援システムを導入し、児童・生徒の成績に関する事務処理や出欠席の管理等をシステム化いたしました。システムの導入に当たりまして、データ漏えい等の防止対策を検討し、教職員がシステム内の電子データを持ち出すことができない仕組みを採用いたしました。また、システムの導入と併せて、「小田原市学校情報セキュリティポリシー」を改正し、教職員の遵守を徹底しているところでございます。 以上をもちまして、15番奥山議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。 ◆15番(奥山孝二郎君) 一定の答弁をいただきましたので、再質問をするに当たり、改めて公文書の必要性というのはどうなのかと。今、市長、教育長の答弁を聞いて分かってはおりますけれど、改めて一つの例として、直近で言うならば、小田原市民会館が変わって、最初は城下町ホール、その後、芸術文化創造センター、そしてやっとこの間、小田原三の丸ホールができたのですけれども、要は変遷してころころ変わった形、名称も変わってやっとできたのです。しかし、そのときの責任者は誰なのか、いつ、どこで、誰が、どのような形で選定したり議論してきたのか。もちろん議会でも質問してきましたけれども、正確な時系列や、例えば検討委員会はだれがどのようにやってきたのか。どうして城下町ホールから芸術文化創造センターに変わったのか。また、芸術文化創造センターはだめで、結局、小田原三の丸ホール。今度いいのができたけれど、例えば直近の例を一つ取ったとしても、しっかりと検証してみて、それを例にして、またこれから大きな建物を造るに当たって、そういった意味では、文書というのはきちんとした管理が必要ではないかなということを改めて申し述べさせていただきました。 あと古い話をするとあれですけれど、昨年、市制80周年で市史編さんをやりまして、その中においても、今定例会でも自治会だとか体育振興会、子ども会とか、そういった生い立ち、成り立ちというのをどこかの段階で検証したいときに公文書があればいいかなと。最近では地域コミュニティ、そういったことがこの10年ありますけれども、そもそも地域コミュニティというのは名前は新しいけれども、公文書を見て管理してやっていけば、もともと地域で支え合っている、そういった仕組みがやはり何らの形で公文書に残っているのではないかなと。そういった意味も含めて、重ね重ね公文書の管理というのは大事だなと述べさせいただき、再質問に移ります。 今答弁をいただきまして、まず初めに、文書管理・電子決裁システムの導入を検討しているとのことでありますが、システムを導入することで、どのような効果が生じるのか伺います。 次に、(2)として、システムを導入することにより、公文書に関する不祥事が防止できるのか伺う。 また、ここで例えて言うのもあれですけれど、登壇して言いましたけれど、隣の真鶴町、たしか今日告示ですか、そういった流れの中で、そもそもこれはコンプライアンスの問題だというのは認識しておりますが、たられば言うのもあれですけれども、もしこういった文書管理システムなるものがしっかりと導入されていれば、どこかの段階で、早い段階で漏えいが分かったのではないかなと。聞くところによると、たしか2回やっていて、1回やって、その後、2回目の間に何らかの形で発覚できたのではないかなと。そういった意味ではしっかりと不祥事が防止できるのか、見解を伺います。 (3)として、答弁を受けて、やはりこの文書管理システム導入はいいことなので、速やかに進めていただきたいと思います。ただし、システムはあくまで管理する道具であり、このシステムを活用して、公文書がより適正に管理されていくことが大事だと考えられます。そこで、システム導入に当たり、全庁的な公文書管理の見直しを進める必要があると考えますが、見解を伺います。 次に、(4)として、この公文書の管理や保管に関して、やはり導入を検討するということでありますが、ここは専門的知識を有する「アーキビスト」という公文書管理の専門家がおります。また、相模原市では、「公文書監理官」という公文書管理の全体状況を指導監督する職を設置したと聞いております。そういった専門職、アーキビストがおれば、例えば、意思決定の途中段階で作成したもので、当該意思決定に与える影響がないものとして長期間の保存を必要としないと判断される文書、この影響がないかあるのかの判断は一体誰がするのか。そういったことを踏まえますと、こういった専門的知識を有するアーキビストの職員の配置についての見解を伺います。 ◎総務部長(石川幸彦君) 公文書管理に関して、4点再質問をいただきました。 まず1点目、文書管理・電子決裁システムの導入効果についてということでございます。システムを導入して、公文書を電子的に管理することで、先ほど市長から答弁申し上げました保存スペース、保存文書の引継作業及び廃棄作業、こういった課題が解消されるものと考えております。また、文書の簡単な検索ですとか参照作成、こういったものができますことから、職員の事務の効率化にもつながると考えております。さらに、電子決裁システムを導入することによりまして、これまで以上にテレワークの環境が整うことになりますので、職員の働き方改革にも寄与する効果があると考えております。 続きまして、2点目、システム導入よる不祥事の防止という御質問でございます。システムを導入することによりまして、所属や職員ごとに公文書の管理範囲の権限が設定できるために、権限外の公文書を利用することはできなくなります。また、閲覧や修正の履歴が記録できますことから、不適正な公文書の取扱いの抑止効果が生じるものと考えております。 3点目です。システム導入の際の公文書管理の見直しについてというお尋ねでございます。15番奥山議員が御指摘のとおり、システム導入は公文書管理の見直しのよい契機と捉えております。文書管理システムの導入に合わせまして、全庁的に文書管理事務を見直すことで、その効率化を図り、職員の負担を軽減するとともに、適正な公文書管理がされるよう取り組んでまいります。 4点目です。公文書管理の専門職の配置についてということです。相模原市が適正な公文書管理に向けまして、公文書監理官を配置して取り組んでいるということは承知をしております。公文書監理の専門職の配置につきましては、本市では現時点では考えておりませんが、公文書管理の重要性については十分認識しているところでございますので、まずは文書管理・電子決裁システムの導入に向けて取り組んでまいります。 以上でございます。 ◆15番(奥山孝二郎君) 今、公文書管理システムによって不祥事等を防御できるということは、安心しました。冒頭、教育長から学校においては教育ネットワークシステムというのをやっていると。蒸し返して申し訳なかったのですけれど、何年か前、私ども議会、委員会等に、教職員等による公文書流出の不祥事があったものですから、今どうなっているのかなと。それを確認したかったのですけれども、先ほど教育長の言ったような、しっかり教育ネットワークシステムをやっていることを聞いて安心しましたし、重ねて申し上げました。 それでは再々質問をさせていただきますが、今、部長の答弁を聞きまして、公文書管理の重要性は十分認識しているということでありますが、本市では、平成24年1月から小田原市自治基本条例を施行しております。この条例には第12条で市の執行機関の責務として、市民に対する説明責任を意識し、政策立案、実施等に関する情報を市民に適切に提供する義務が規定されており、また、第14条では、市民と市は、まちづくりに必要な情報等を相互に提供、共用、活用するよう努めるものと規定されております。言うまでもなく、本市の情報の基本となるものが公文書であって、だからこそ公文書を適正に管理することが大変重要になってきております。そこで、改めて公文書管理の重要性について見解を伺います。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。 様々な角度から公文書管理に関して御質問をいただいたところでございます。言うまでもなく、今御意見もいただいたように、市の意思決定に至る過程や事務事業の処理状況を記録したものです。本当に幅広くて、重要な意思決定というものもあれば、例えばいろいろな事業の許認可、もしくは契約事務やその支払いに係るもの、本当に公文書というのは多岐にわたるわけなのですけれども、だからこそ改めて市政運営の基本となるものだと。しっかりとそれを管理していくということが大変重要なものであるということは、常々認識しながら執行に当たっているところでございます。重ねてということになりますけれども、将来的に保管するスペースという問題もございますし、効率的にそれを行っていくためにも、文書管理・電子決裁システムということはやはり必要だというふうにも思います。検討しているという答弁をさせていただきましたが、できる限りの早期の導入に取り組んでいきたいと考えております。 以上です。 ◆15番(奥山孝二郎君) 最後、市長の公文書の見解、ありがたく受け止めさせていただきました。 今の答弁の中で、公文書管理の場所云々という話もありましたが、公文書に関しては、最後に一つ紹介させてもらいたいのですけれども、別に、要望とか導入というのはこの時期にはまだ私も考えていませんが、公文書館というのがあるのです。日本の約1700自治体でまだ約70か所しか公文書館が設置されておりません。公文書等を後世に残すとともに、情報公開制度よりももっと簡潔明瞭な方法で利用できる施設が公文書館であります。分かりやすく言えば、例えば図書館、博物館と比べて、資料を収集・保存し利用するという点では共通しているのではないかなと思っています。また、公文書館は、役所の業務で作成、収受される公文書等が対象で、適正な管理ができ、また、特別に公文書館をどこかに建てることをしなくても、いわゆる独立した館設置ではなく、図書館や、あるいは博物館、そういった建物の中にその機能を持ちながら活用していくと。そうすることによって、情報公開制度よりも、もう少し簡潔明瞭な形でできるのが公文書館であると。これは一応紹介だけしておきます。 将来、財政的な形でもって本市が余裕があるならば、そのとき改めて検討していただければなと思っております。 また、公文書に関して最後に一言述べさせていただくと、今まで早く公文書管理を導入すべきと述べてきておりましたが、それはそのとおりでありますが、ただ、情報公開において、市民の財産である公文書を絶対に守らなければならない。幾らこれからデジタル化あるいはAIが進歩しても、しょせんはやはりその人のコンプライアンス、あるいはまた人間性かなと思っております。その上で、本市として市民の個人情報を守っていただきたいと申し述べさせていただいて、次の質問に移らせていただきます。 大項目の2、いろいろと入札の質問をさせていただきました。平成25年にも私、この議会で入札、最低制限価格等云々の議論をさせていただきました。 そこで、まず初めに、(1)の①として、入札の参加要件としては、工事場所により、酒匂川以東や以西、要は川東、川西、そういった地域要件を設定した場合があったと思うのですけれども、近年はそこをどのように運用しているのか伺います。 次に、②として、工事の入札では、同額で入札された場合、つまりくじ引により落札者が決定される件数が多いと聞いておりますが、近年ではどの程度の入札でくじ引を行っているのか、また、くじ引になる要因をどのように考えているのか伺います。 ③としまして、工事の入札では最低制限価格を設定していると承知しておりますが、それはなぜなのか、改めて伺います。 次に、④として、印刷製本及び物件供給に係る入札では最低制限価格を設定してないと先ほど答弁がありましたけれども、それはなぜか伺います。 ⑤としまして、契約に係る一連の事務の流れの最後に完成検査を行うと思いますが、検査の結果、工事成績評価が低かった業者に対して、入札参加に係るペナルティーはあるのかお伺いいたします。 ◎総務部長(石川幸彦君) 入札に関しまして、5点の再質問をいただきました。 まず一つ目、地域要件の設定についてでございます。主要な工種におきましては、発注しようといたします工事の予定価格が比較的少額の場合に限りますが、工事場所が酒匂川より東か西かによって、入札参加要件に東西の地域要件を設定する運用をしております。予定価格の多寡に応じた入札参加者数の調整を目的としているわけですが、公募型のため、入札参加要件によって行っているものでございます。ただし、工種や発注時期によりましては、入札参加者数が減少することで、競争性の低下や入札不調の可能性が高まるために、発注時点の諸状況を勘案して地域要件を設定するか否かを決定しているものでございます。 2点目に、同価入札の際のくじ引に関する御質問でございます。直近3年間の工事の入札ですが、くじ引となった件数につきましては、令和元年度が、随意契約を除く工事案件全体で227件のうち、くじ引件数は132件で割合は58%、令和2年度は同じく全体で210件のうち、くじ引件数が133件で割合が63%、令和3年度が10月末までの開札分による途中経過でございますが、127件のうち、くじ引件数は102件で割合は80%となっております。また、くじ引になる要因といたしましては、予定価格に対する最低制限価格の割合や積算基準が公開されておりますことに加えて、積算ソフト等の進歩によりまして業者の予定価格積算能力が向上した、こういったことが考えられます。 3点目に、最低制限価格の設定についてでございます。最低制限価格につきましては、原価割れの受注、いわゆるダンピングを防止して、粗雑工事の回避等公共工事の適切な執行を確保するために設定するものでございまして、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律、いわゆる入札契約適正化法というものでございますが、この法律及び国が定める適正化指針において、その適切な活用を求められているものでございます。 4点目に、印刷製本及び物件供給に係る入札の最低制限価格の設定についてということでございます。地方自治法施行令におきまして、最低制限価格は、工事又は製造その他についての請負契約を締結しようとする場合に設定できるとされております。物件供給契約は請負契約に該当しませんので、本市では最低制限価格を設定しておりません。一方、印刷製本に係る契約につきましては、請負契約に該当いたしますが、物件供給契約に準じて、最低制限価格を設定していないということでございます。 5点目に、完成検査の工事成績評価が低い事業者に対する入札参加へのペナルティーということでございますが、工事成績評定点が60点を下回った工事を施工した事業者につきましては、本市では要項によりまして、その工種において、翌年度の通常型指名競争入札の指名回数を減ずることができるとされております。また、総合評価方式入札におきましては、本市発注の同一工種工事の工事成績を評点項目として反映させておりまして、工事成績評定点が低い場合はそちらに影響が出るということになります。なお、当該工事が粗雑工事あると認められた場合は、指名停止措置の対象となってまいります。 以上でございます。 ◆15番(奥山孝二郎君) 今いろいろと答弁いただきまして、近年、入札において、本当に同額が多いのは積算ソフトの進歩があるなと、つくづく思います。先ほど総務部長の答弁があったとおり、この3か年で、最初はくじ引の割合が60%そこそこから、65%前後、それで今年度においては80%というくらいくじ引の割合が多いと。それはやはり今言った積算ソフト。ただ、この積算ソフトは、聞くところによると、やはり200万円とか300万円ぐらいするのです。市内の業者の方は余裕があってその積算ソフトを購入してできるかといったら、そうでもないのかなと思います。そこにはいろいろと企業努力、営業努力があるかと思いますが、そのような中で、このぐらいの割合で仕事が取れるというのも大きな今後の課題かなと思います。 法律でそうやって示されているというのはよく分かります。ちなみに、法律の要項を読みます。地方自治法施行令第167条の9に「普通地方公共団体の長は、落札となるべき同価の入札をした者が2人以上あるときは、直ちに当該入札者はくじを引かせて落札者を定めなければならない」と書いてあります。デジタルが進んでシステムが進んだ中でもって、最後はくじ引、アナログ的な何か形でこれいかにというか、これは時代の流れなのかなと思っています。私は、法律がこのように定められておりますが、本来ならば、よく議会でも質疑しますけれども、地元業者優先で、例えば防災協定を結んでいるところとか、いろいろな形で業者に対して、ポイントというのをあげてもいいのかなと思っておりますが、その辺はくじ引の段階ではなかなか難しいのは分かっていますが、その前でできないのかなと考えたのですけれども、これも今後大きな課題かなと思っています。答弁は結構です。そういったデジタルに向けての時代だけれども、まだまだそういったアナログ的な形があるというのはいかがなものかなと一言申し述べさせていただきました。 そこで、もう一つ質問させていただきます。先ほど、長年の工事の入札において、いろいろな形で、工事場所が地元だとか、先ほど言った東西とかいった流れがありましたが、それはメリット・デメリットがあってそうしたと思うのでけれども、私も幾つかの業者に聞くと、「いつからそうなったのか。最近、いつ。そのような説明は何もないよ」と、市内の業者はほとんど言っております。そこで先ほど言ったように、別にいいか悪いか、東西で地域要件を前までしていて、知らない間にそれをフラットにしてしまったということで、これはやはり市内の業者は重要な問題ですよ。その辺はしっかり本市から、業者と、あるいは組合というか協会というか、そういったところに十分な説明は必要ではないのか、その見解を伺います。 もう一つ、これも法律上でいろいろとありますけれども、物件供給契約において、地方自治法施行令上、最低制限価格の規定がないことが分かった。要は、印刷製本に関しては別に法律上問題がないので、最低制限価格を設定できるということなのです。小田原市は全然していない。そういったこともどうなのかなと思います。ぜひ、法律に別に縛りがなければ、少なくとも納品される物品の品質の確保や業者の経営状況とか、最低賃金も今、神奈川県は1040円でしょう、だんだんだんだん上がってきていることを見ると、そういった面で少しでも地元の業者に、条件を踏まえれば、少なくとも印刷製本のほうは法律に縛られてないのだから、最低制限価格を導入してもいいのではないのかなと思うのですけれど、見解を伺います。 ◎総務部長(石川幸彦君) 一つ目が地域要件の運用に係る事業者へ説明をということでございます。本市におきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、東西の地域要件の設定につきましては、発注時期や工種等によって、競争性の低下ですとか入札不調の可能性が高まることも考慮して、設定することもあるし、設定しないこともあるという状況でございましたために、現在は特に事業者へ説明はしておりません。しかしながら、本件に限らず、事業者にとって必要な情報につきましては、適切な情報発信を心がけてまいりたいと考えております。 それからもう一つ、印刷製本に係る契約についても最低制限価格を設定することができるのではないかということでございます。先ほど答弁申し上げましたとおり、本市では現在、最低制限価格を設定しておりませんが、法令上は最低制限価格を設定することが可能でございますので、神奈川県ではもう既に設定していると伺っております。まずはそうした先進事例に学んでまいりたいと思います。 以上です。 ◆15番(奥山孝二郎君) 今回、入札のことで私が冒頭述べましたとおり、市内業者の育成等を考えますと、ちなみに、先週、10番鈴木議員の質問で公共施設包括管理の質問におきまして、市内業者の育成と地域経済の発展云々と、そういったことについて市長の答弁がありましたけれども、同様に今、私が幾つか述べさせていただいた入札における現状等を踏まえて、市長の見解をお伺いしたいと思います。 ◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。 今いろいろ、本市の入札の現状、それから市内企業の育成、さらには地域経済の好循環、様々な観点から御質問をいただいたところでございます。災害時に応急に何かインフラを復旧していただくとか、安全措置を講じていただくなど、地域を支えている建設業者の力というのは本当に頼もしいなと思うところがあります。例えば、今年の7月、8月の大雨のときにも、市内あちこちで土砂崩れが起こって、いち早くそれを復旧していただいたのは、まさに市内の建設業者の力だというふうに本当に感謝しているところでございます。建設に限らず、広い意味でこの物件供給とかも含めて、地域経済の担い手である市内業者、これはある意味雇用の確保という面でもありますし、税収の確保という面も、様々な観点から重要な役割を担っていただいているのだというふうに思っております。 公共工事をはじめとする公共発注については、入札の公平性・公正性を担保する、これは当然のことなのですけれども、あとは適正な価格、それからしっかりとした品質の確保ということもまた求められているわけでございまして、それを踏まえて、できるだけ多くの市内事業者の受注機会を確保するということが、やはり地域の経済を回していくということ、それからそういう現場があれば、またそこに新たな担い手も生まれてくるし、その新たな雇用というものが生まれてくると、今度はそれを目指して次の世代がまたそこに担い手として現れてくるという、そのような好循環をぜひつくっていきたいと思っております。 東日本大震災が起きたときに、やはりあのときに地元にいち早く、特に道路網などが寸断されて他県からの応援などもなかなか入らない状況で、最前線でいろいろな意味で頑張っていただいたのは、そのそれぞれの地域における市内事業者だったということを、私も被災地を何度も訪問しておりますけれども、そういった方々からもそういった声はたくさん聞いておりますので、しっかりと市内事業の育成、それから担い手の育成、さらに地域経済の好循環ということを目指していきたいと考えます。 以上です。 ◆15番(奥山孝二郎君) 答弁ありがとうございました。 今、市長の答弁でもありますけれど、適正な価格、適正な価格というのは一体何だろうなと、私も今回質問するに当たりいろいろ考えました。そのような中で、こう言っては何ですけれども、市民の売り買いにしても、市民の大事な税金ですよね。であるならもう少し、先ほどの特に印刷製本の最低制限価格もそうだけれども、もう少し市民感覚の買物もしようよと言いたい。例えば安ければいいというものではないし、また高ければいいとも思わないし、これは極端な例えで申し訳ありませんが、買物で一番いい例えが洋服とか靴なのです。いわゆるTPOですか、Time、Place、Occasion、いわゆるどういうときに、どういう場所で、どういう目的で買物をするか。これも極端な例えで申し訳ないけれども、ゴルフ場に行く洋服で本会議場に来るというのは、議長から注意されると思いますけれども、そういったことを踏まえると、やはり適正な価格というのは安い高いではなくて、本当に価値的な形で買物をする、それが本当の、市民の大事な税金を使っての買物ではないかなと思っています。そういった意味では、本当に地元の印刷業者など、だんだん印刷業界は数が減っていますよ。それでも何とか市の仕事を取っていかないと厳しいということで、一生懸命、赤字覚悟で取っていると。そういったところはしっかり担保していってやりたいなと思っています。 また、最後に、これは同じ入札でも物件供給の契約と反対に売物に関しても言えるのかなと思っています。さきの6月定例会の私の一般質問で、小田原市のいわゆる塩漬けの土地というか、土地開発公社の土地ですね、そういった質問をさせていただいた。守屋市長はスピード感があるね。6月に質問して早速今、例えば寿ハイツとか、そういった物件をもう売りに出している。そういったことに対しても市民目線で、売り買いも含めて、やはりしっかりやっていただきたい。そういった思いで、なかなかしっかりとした質問ができなかったけれども、以上、意見を述べさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。 以上。(拍手) ○議長(大川裕君) 以上で本日予定しておりました一般質問は全て終了しましたので、明日15日午前10時から続行することにいたします。 なお、改めて再開の御通知をいたしませんので、御承知ください。 それでは、本日はこれをもって散会いたします。     午後3時46分 散会...