○議長(大野眞一君) 以上で
福祉文教常任委員長の報告は終わりました。 ただいまの報告に対して御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大野眞一君) 質疑もありませんので質疑を終結いたします。 なお、
福祉文教常任委員会付託議案は、
一般会計補正予算(所管事項)のみでありますので、残る
常任委員長報告の後、一括して討論、採決を行います。
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○議長(大野眞一君) 次に、
総務民生常任委員長から御報告願います。
---------------------------------- 平成15年6月17日 議長 大野眞一様
総務民生常任委員長 小松久信[印]
総務民生常任委員会審査報告書 本委員会に付託されました事件について、審査の結果、次のとおり決定したので、会議規則第74条の規定により報告します。1 事件 (1)議案第40号 平成15年度小田原市
一般会計補正予算(所管事項) (2)議案第43号 小田原市消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部を改正する条例 (3)議案第44号 小田原市
特別土地保有税審議会条例を廃止する条例2 審査の経過及び結果 上記議案について、当局の説明を聴取し慎重審査の結果、全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定した。
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○議長(大野眞一君) 20番小松議員、登壇願います。 〔20番(小松久信君)登壇 拍手〕
◆20番(小松久信君)
総務民生常任委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本委員会は去る17日開会し、付託されました議案第40号 平成15年度小田原市
一般会計補正予算(所管事項)、議案第43号 小田原市消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部を改正する条例及び議案第44号 小田原市
特別土地保有税審議会条例を廃止する条例の3件の各議案について、青木助役、市橋助役ほか関係職員の出席を求めて説明を聴取の上、慎重なる審査を行い一括採決した結果、全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。 以上のとおり、本委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げましたが、各議員におかれましても、何とぞ本委員会の決定どおり御賛同賜りますようお願い申し上げまして、報告を終わります。(拍手)
○議長(大野眞一君) 以上で
総務民生常任委員長の報告は終わりました。 ただいまの報告に対して御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大野眞一君) 質疑もありませんので質疑を終結し、討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大野眞一君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。議案第43号及び議案第44号の2件について、
総務民生常任委員長の報告どおり決定することに賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○議長(大野眞一君) 全員賛成であります。よって、議案第43号 小田原市消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部を改正する条例及び議案第44号 小田原市
特別土地保有税審議会条例を廃止する条例については、
総務民生常任委員長の報告どおり可決確定いたしました。
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○議長(大野眞一君) 次に、議案第40号 平成15年度小田原市
一般会計補正予算について討論を行います。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大野眞一君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。議案第40号について、各
常任委員長の報告どおり決定することに賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○議長(大野眞一君) 賛成多数であります。よって、議案第40号 平成15年度小田原市
一般会計補正予算は、各
常任委員長の報告どおり可決確定いたしました。
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○議長(大野眞一君) 次に、日程第7 陳情について(審査結果)を議題といたします。 ただいま議題となっております陳情については、さきにそれぞれ所管の
常任委員会にその審査を付託いたしましたが、お手元に配付した陳情審査結果一覧表のとおり、各
常任委員会から審査結果が提出されておりますので、御了承願います。
---------------------------------- 小田原市議会6月
定例会陳情審査結果一覧表 (平成15年6月20日)
陳情番号件名受理年月日付託委員会審査年月日審査結果3最低賃金の引き上げ・全国一律最低賃金の確立を求める陳情H15.5.27
総務民生常任委員会H15.6.17不採択4公契約における公正な賃金確保等に関する陳情H15.5.27
総務民生常任委員会H15.6.17不採択5パート・臨時労働者の
労働条件改善に関する陳情H15.5.27
総務民生常任委員会H15.6.17不採択6義務教育諸学校の
学校事務職員・
栄養職員給与費の
国庫負担制度からの適用除外及び「必置規制」廃止に反対することについての陳情H15.5.30
福祉文教常任委員会H15.6.16
採択 ----------------------------------
○議長(大野眞一君) 以上で本日の付議事件はすべて議了いたしましたので、これより一般質問に移ります。 質問通告が参っておりますので、議長より発言者を指名いたします。 8番檜山議員、登壇願います。 〔8番(檜山智子君)登壇 拍手〕
◆8番(檜山智子君)
神奈川ネットワーク運動の檜山でございます。この4月の選挙におきまして、市民の皆様からの負託をいただきまして、議席を預からせていただきました。市民・生活者の目線・感覚で
まちづくりを進める、政治の場・議会のあり方も見詰めてみたいということが私のモットーでございますので、そのことに忠実に活動してまいりたいと思っております。先輩の議員の皆様、市長はじめ行政の皆様からも学ばせていただきながら、この混迷の時代を切り開くべく、私なりの提案ができればと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。 では、通告に従いまして質問させていただきます。第1のテーマは、本市における市民活動の推進についてです。 来月、7月1日より、小田原市におきましては
市民活動推進条例が施行されます。私はこれまで、幾つかの分野でも市民活動、いわゆる大くくりにいうNPOでございますが、立ち上げまして活動をしてまいりました。2000年3月の議会では、福祉分野におきますNPO、市民が自主的に財源を拠出して行う福祉事業を支援する条例を制定してほしい、そうすることで小田原における市民活動の推進を図ってほしいという請願を仲間とともに行いました。当時は、趣旨は理解できるが、福祉のNPOのみを限定した支援の条例はいかがなものかということで採択されませんでしたが、このたび
市民活動推進条例の施行で、市民活動が小田原の
まちづくりにおいて果たす役割、重要性がしっかりと位置づけられたことは、大変すばらしいことと考えております。検討を重ねられた研究会の皆様、また、前期の議会の皆様の御努力、市長はじめ行政の皆様方の御努力に敬意を表するものでございます。 さて、この条例ですけれども、前文におきましては、
市民活動推進の基本的な理念として、「市民活動を行う者や、市民、事業者、市が互いに対等なパートナーとして協働の姿を生み出すことで、市民参加による
まちづくりが進展する」とうたわれておりますが、一方で、第12条におきましては、市長が市民活動の推進に貢献したものを表彰するという、およそ対等とはほど遠い規定があるなど、なかなかそういう意味では特徴のある条例になっているなというのが私の正直な感想でございます。しかし、大きな流れから見たときには、やはりこの条例が制定された意義は非常に大きいものがございますし、前文で述べられているような対等なパートナーとして協働するあり方をこれから小田原市でどうやってつくり出していくのか、そういう前向きの論議や、大きく先を見据えた提案や施策が必要な時期にきていると思います。 小田原市ではこれまで、総合計画「ビジョン21おだわら」策定の段階で、市民百人委員会の開催や、今もまた
後期計画策定に向けた
市民提言会議などの手法で、
計画策定段階への市民参加は行われてきておりますが、もはや時代の流れとともに、市民活動や市民の意識も成熟し、単なる計画づくりへの参加や市長への意見の具申の域を超えるものを市民は求めているのではないかと私は感じております。計画づくりへの参加から、計画の決定への参加をどこまで進めることができるのか、また、
まちづくりの具体的な場において、市民活動が評価され、公益的な分野をどれだけ担うことができるのか、それがこれからの課題になってくると思います。そういう中で、小田原市におきましても、この条例が単なる言葉だけに終わらない、その精神に沿った、極めて具体的な実行がこれからは目指されなければならない、新しい段階へと移っていかなければならないということだと私は受けとめておりますので、本日の私の質問も、そういう視点でさせていただきたいと思います。 まず第1に、市民活動サポートセンターの市民による運営についてお伺いしたいと思います。 小田原市のサポートセンターは、2年前、市民活動の拠点となるべく開設されました。印刷機があったり、コピー機があったり、そしてまた、それぞれの団体が自由に使えるラックがあったり、ロッカーがあったり、自由に集えるスペースやミーティングルームがありまして、そういうような機能を備えまして、多くの市民活動団体が利用することで、この間、その活動の活性化にしっかりと役立っております。市民活動団体相互の交流や情報の共有の場ともなりまして、確実に本市における市民活動の推進にこの2年間で寄与したと言えると考えております。 現在、小田原市内で活動するNPOは非常に多種多様でございます。福祉の分野あり、教育・観光の分野、そして国際交流、また環境の分野と、非常に多彩でございます。その中で、いわゆる特定非営利活動法人、NPO法人格を取得している団体は、今や10を数えるまでにふえてまいりました。また、最近も一つ、国際交流関係の団体が、県にNPO法人格の認定を申請したということでございまして、この傾向は、これからもますますふえていくのではないかと思っております。先日、私がサポートセンターを訪ねましたときにも、障害者向けのサポートの活動のボランティア団体の皆様が、一生懸命自分たちの活動について相談をしていたり、いろいろなグループで、ミーティングルームは全部埋まっております。また、ワーキングルームも埋まっておりまして、非常に活気あふれる空間となっておりました。 このサポートセンターは、開設から現在までは市によって運営されてきましたけれども、サポートセンターの本来の趣旨からいえば、市民自身による運営が望ましいのは言うまでもありません。例えば藤沢市などにおきましては、国体の際のボランティア活動を担いました市民の中から、そこが母体となって、市民活動支援のNPOが組織されるなどの動きがあり、公開選考会を経て、運営を委託する団体を決めて、開設当初から、NPO法人が運営するという形をとっていると聞いております。本市におきましても、現在、市民による運営を目指し、たしか昨日、第1回のワークショップが開催されたと聞いております。今後、どういう流れを経て、また着地点としてどういう形を目指しているのか、ぜひお伺いしたいと思います。 次に、条例第9条にうたわれております市の業務への参加についてお聞きいたします。 第9条では、市長は、市民サービスの向上と市民活動の活性化を図る目的から、市民活動を行う団体に対して、市が行う業務のうち、その団体の専門性、地域性などの特性を生かすことのできる業務について、参入の機会を積極的に提供するよう努めるとうたわれております。ここでいいます市民活動とは、条例第2条で、市民が自主的かつ自立的に行う営利を目的としない活動で、不特定多数の者の利益の増進に寄与することを目的とするものをいうと規定されておりまして、その趣旨は、特定非営利活動法、いわゆるNPO法にうたわれていることと同じだと、基本的に私は理解しております。非常に幅広い市民活動を含むものと理解できます。つまり、本市の条例で、市が参入の機会を提供するよう努める団体は、ボランティア団体から任意団体としてのNPO、また、法人格を持つNPOと、非常に幅広く対象が存在するということでございます。このような市民活動団体が、市の業務の一部を担い、公共性のある活動を行うに当たっての新しいルールづくりが今必要ではないかと私は考えております。 これまでも、駐車場の管理運営ですとか、あるいは近いところでは、あすオープンいたします市街中心部に開設されますリサイクルプラザのフロアの受付を市民活動団体がお手伝いするとか、そういうようなことがございました。それ自身は、小田原市の契約規則にのっとって行われていると思いますが、そうやって少しずつ市民に公共的な部分の活動が担われていく、そのこと自身の意義を否定するものではございません。しかし、これまでの進め方だと、ともすれば市や行政が、たまたま知っている団体や、これまでの活動の上で一定の関係性がある団体にお願いするという傾向があったのは否めないと思います。例えばそこでの契約が何年間なのか、あるいはなぜその団体なのか、それが明らかでないまま、事が進んでいたのではないかと私は感じております。しかし、これからは新しい条例がスタートし、市と市民活動との協働ということがうたわれている中での市の業務への参入となるわけですから、その精神にのっとった新しい参加のルールが今後は検討されなければならないのではないかと考えております。 そこでお伺いいたします。今後、市長は参入の機会を提供する分野というものをどういうように考えているのか、また、提供するに当たっては、広く市民に対してオープンに募集をし、公開性のあるプレゼンテーションなどの手法をとることが必要と考えておりますけれども、いかがでしょうか。 次に、第2のテーマとして、本市における子育て支援策の充実についてお尋ねいたします。 今国会においても、非常に大きな話題となっております。また、連日のように、今、日本における少子化が非常に進んでいる、そういうことが話題になっております。先日も新聞で見ましたところ、何らかの形で仕事を持っているお母さんの場合の子供の数が1.93人、また、専業主婦であるお母さんの子供の数が1.91人、最近も政府から、少子化対策の二つの法案が提案されました。その中には、子育てに対する社会的支援の特徴として、結婚や妊娠への支援や、市町村による独身の方のための出会いの場づくりの支援などが提案されておりました。しかし私は、やはりこれは根本的な解決にはならないのではないかと考えております。これからの未来を担う子供、そして子育て中の方が将来に希望を持ってこの小田原のまちで暮らしていくことができるために、本市における子育て支援はどうあるべきか、今後さらに何を目指すのか、財源の問題なども含め、非常に大きな問題だと思っております。 私は4年前、本市が開設したファミリーサポートセンターの事業にずっと注目してまいりました。国の補助事業として、県下で初めて手を挙げて小田原市が進められていた当時、保育所の待機児童が比較的少ない小田原で、果たして事業が成り立つのだろうかと、担当の職員の方が非常に心配していらっしゃったのが今でも印象に残っております。しかし、開設から3年半、先日お伺いいたしましたところ、年間の利用回数は平成14年度で約5700回ということだそうで、1回の利用が大ざっぱに2時間と換算しても、年間1万時間以上のサービス提供ということになります。特徴的なのが、保育所や幼稚園、学童保育の開所時間前後の面倒を見ているというニーズが6割を超えていることです。延長保育を行う認可保育園が、小田原の場合にはかなりふえてきているにもかかわらず、この数字だということです。3年半でこれだけの急成長ということは、いかに子育て支援に対する市民のニーズが実は多様化し、顕在化していたかということを物語っていると思います。 一方、学齢期にある子供たちの状況はと申しますと、小田原市は25の小学校のうち22校で、3年生までの児童を対象に放課後児童クラブを設置・運営しておりまして、最近開設されたものを除けば、かなり手狭だったり、待機児童が出てきているという状況です。また、本市には、他市によくあるような、幼児から小・中学生までが自由に集え時間を過ごせる、いわゆる児童館というものがありません。県の青少年会館も、平塚市などは市が譲り受けて運営しておりますが、本市の場合は、取り壊されてしまってそのままでございます。土地柄もあってか、これまでは待機児童数も他市に比べてそれほど多くなく推移してきましたけれども、最近、私の耳にも、以前と比べますとなかなか保育園に入れないという声が聞こえてまいります。また、学童保育も待機状態のところがあったり、4年生以上の児童も見てくれるところがあったらいいのにという保護者からの声もございます。世の中全体の不況で、保育者が働かざるを得ない事態は、これからますますふえていくことが予想されますし、保育者の状況も多様化しております。核家族化が進み、子育てに行き詰まり、相談を求める方もたくさんいらっしゃいます。もはや社会全体で、そして地域で、子供とその親を見守り、育てるための重層的なサポートシステムが求められる時代となっております。 本市はこれまで、幼児保育は公立・私立も含め、認可保育所を中心に、税金による公的サービスの充実が図られてきました。そして、学童保育も市がつくって、市が運営している、まさに小田原市は県下でも恐らく群を抜いて、市が直営型の子育て支援策をやっているまちです。しかし、一方で市は、小田原市行政改革大綱の中において、市民との協働によるサービスコストの削減ということをうたっております。そして、平成14年度の行政改革の取り組みとして、民営化・外部委託化検討委員会を設置し、市民との協働の時代における行政の役割と守備範囲について検討を行い、基本方針などの提言を行うと、先日の
総務民生常任委員会でも報告がありました。
市民活動推進条例の施行もあり、市長におかれましても、市民活動、市民事業の活用をいろいろな分野で真剣に考えていただいているのかなと思ったわけでございますが、具体的には、平成15年以降の取り組みのところを見ましたら、地元住民による公園や史跡の管理、また、NPOなどによる生涯学習施設の運営しか挙げられておりませんでした。しかし、その一方で、公立保育所、幼稚園の民営化、外部委託化の検討ということがうたわれているわけでございます。このことは、非常に大事な問題を含んでいると私は考えております。なぜ市民との協働が公園や史跡の管理だけなのでしょうか。私は、市民生活の根幹をなす福祉や、幅広い意味での教育、そういった分野などでも市民活動を育成・支援して、市民と行政の協働に真剣に取り組むべきだろうと思います。例えば放課後児童クラブを、これまでの市営のやり方にとらわれず、新しい発想で地域で展開するNPOや、障害児のケアあるいは拠点を持って子供向けのミニデイサービスを行うNPO、そして不登校児のためのフリースクールの運営など、いろいろなNPOの活動が予想されます。実際、今そういった形に向けて、活動に向けて準備活動を展開している市民、そういうきめ細やかな地域に根差した事業、団体、それがあったら、どれだけ助かるのに、そういうものを何とかできないだろうかと模索している市民の方は、私もサポートセンターなどでのふれあいを通じて、多々存じておる次第でございます。これらが豊かに活動してこそ、小田原市の充実した公的なサービスとも相まって、安心して子育てのできるまち小田原が生まれると考えます。この市民の非営利活動を、ぜひ公立保育所や幼稚園の民営化論議の検討の際、いわゆる民の範疇の中に、この非営利の市民活動、非営利の市民の活動、それを含めて検討を進めてほしいものでございます。 私は、公的なサービスの現場での御苦労は高く評価をしておりますし、公的なサービスの必要性を否定するものではございません。しかし、介護保険制度導入のときにも論議がされましたように、全体に広くセーフティネットを張りめぐらす市のサービス提供、公でなければできない部分は市が行うことを目指し、しかし当然、そこには限界というものもございます。財政的な、物理的な理由、また、どうしても公的なサービスの性格上の限界、それを補うのが民間企業のサービス、そしてまたNPOは、自分が暮らしている生活圏内で求められている細やかな地域のニーズに柔軟に対応するサービス提供を行う、この市と市民活動と、そして事業者のバランスのよいすみ分け、これこそが、本市における
市民活動推進条例でも目指され、そしてまた市長が行政改革大綱の中でも検討を進めると言っている問題の本質ではないかと思います。今、非常に重要な子育て支援策の充実を考えるとき、これ以上の公的サービスの肥大化、私は今あえてそれには言及はいたしません。むしろ、細やかな地域のニーズに対応しようとする市民活動団体、NPOを積極的に育成・支援し、市民の活力を生かすことで対応していく方向に力を注いだらと考えております。今回、子育てにかかわるNPOの支援制度、とりわけ今大きな問題となっております子育て支援にかかわるNPOの支援制度を、ぜひ市におきましても積極的に検討していただきたいと思います。 また、もう一つ、保育を受ける市民の側から見ますと、現在、認可保育所にいる子供には、年齢によって違いますけれども、1人当たり数万円から数十万円という税金の還流があるのに対して、今は法律も変わりまして私設保育施設といいますけれども、いわゆる無認可にはゼロと、大きな差があるのが実情です。県には、その私設保育施設のうち、一定の基準を満たす施設を認定保育施設とし、補助を行う制度がございます。いわゆる以前の小規模保育施設に対する補助ですが、小田原市では平成13年度からこの補助制度をなくしております。いろいろ検討されてのことと、過去の議会における答弁を見させていただきまして理解はするものでございますが、むしろ待機児童数がふえてきている傾向にございますこれからこそ、さまざまな補助制度が必要な時期ですので、再度導入することを検討すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。 最後に三つ目のテーマ、小田原駅周辺の整備計画について伺います。 東西自由通路の一部開通で、小田原駅周辺の整備計画が、やっと市民にとって目に見える形で明らかになってまいりました。巨額な公費と長い年月をかけた一大公共工事ですが、アウトラインが浮き彫りになってきて、今市民が感じている思いや感想は、意外と冷静で、厳しい目で見詰めているのではないかと私は感じております。確かに東西がつながることについての市民の願いや、駅前の交通の利便性などについての市民の要望がなかったわけではなく、また、御尽力なさった関係各位の方々には、長い間にわたっての御苦労がおありだったと思います。また、便利になって活用している市民の皆様が多々いらっしゃることも確かです。しかし、経済状況が変化し、また、まちに求められる機能や、まちのいわゆる発展ということについてのこれまでの概念と違う面が求められている時代になっている中で、特に多額な税金を拠出する都市開発という公共事業は、常に厳しく見直されなければならない時期にきているのではないでしょうか。毎日小田原駅を利用し、また、周辺に住んでいる私自身も、一市民としての感覚から、本日は市長に素朴な疑問をぶつけたいと思います。 例えば、東西自由通路の次なる駅周辺整備計画とされております、お城通りの整備計画ですが、計画のベースは1986年の計画、それからかれこれ17年が経過しております。バブルの全盛期にできた計画が基本的には今も生きておりまして、超高層のホテルや住宅、アミューズメントのスペースやコンベンションの機能を持った一大空間が構想されております。今や予定地の約8割は公有地化されておりまして、既に数十億という税金が投入されておりますが、素朴な疑問として、この経済状況下でそれだけの出店する企業が集まるのだろうか、あるいはコンベンションも、箱根を控えていかがなものか、どうも右肩上がりの経済のころの発想としか思えないのですが、どこの大都市にもあるようなビルを建てて、果たして小田原に人が来るのだろうか、それは非常に市民の感覚として疑問を持つものであります。もっと小田原らしい、周辺の街並みと融合した中低層のビルなどが構想されてもよいと思いますし、その中に、お年寄り向けの住宅や、市民が手軽に使える施設などをつくり、せっかくですから、お城にも続いていくプロムナード的な回遊型の施設にするなどの配慮を行ってみたらいかがでしょうか。現在の計画そのものについての実現性について、ぜひ私は市長の率直な感想を伺ってみたいと思います。 また、こういった都市計画は、現在、小田原市においては議会の議決を必要としておりません。また、直接的な市民の声の反映も不十分です。市長は、小田原市行政改革大綱の中で、パブリックコメント制度の導入を平成18年までの課題の中に入れていらっしゃいます。例えばこういう巨大な公共工事に対する市民の声の反映について、今後どのように進めていくお考えをお持ちか、また当然、市民の代表である議会での合意についてもどのようにお考えか、伺いたいと存じます。(拍手)
○議長(大野眞一君) 市長、登壇願います。 〔市長(小澤良明君)登壇〕
◎市長(小澤良明君) 8番檜山議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 はじめに、市内で活動するNPO法人の活動拠点であります、おだわら市民活動サポートセンターの市民運営につきまして御質問がございました。おだわら市民活動サポートセンターは、開所以来2年余りを経過しているわけでありますが、その間、さまざまな活動団体の拠点として使われてまいりました。御指摘のとおりでございます。今年度は、今後の運営のあり方等を御検討いただくために、市民活動ワークショップを開催することにいたしました。一昨日、6月18日、初めてのこのワークショップでございますけれども、既に市民運営を実践されておられます、8番檜山議員も御質問の中で触れられておりました藤沢市
市民活動推進センターのNPO法人の方においでをいただきまして、いろいろと市民運営についての御説明もお聞きした後で、小田原市のサポートセンターの市民運営に向けた検討を行っていただいたわけであります。今後の市民活動ワークショップにおきましては、具体的な管理面・事業面や運営団体のことなどを検討していく予定であります。また、委託する団体の選定に当たりましては、関係されます皆様方の御意見もお伺いいたしまして、できるだけオープンな形で行っていきたいと考えております。いずれにいたしましても、8番檜山議員のまた今後ともの御指導もお願いできたらというふうに思っております。よろしくお願い申し上げます。 それから、
市民活動推進条例第9条における、市の行う業務への参入機会の提供につきましては、協働の精神に立ったあり方で進めるべきと考えるがどうかとの御趣旨の御質問がございました。
市民活動推進条例では、市民サービスの向上と市民活動の活性化を図るという目的から、市が行う業務のうち、市民活動団体の専門性・地域性等の特性を生かすことができる業務で、市政全般の中で適当と判断できる業種・業務等につきまして、参入の機会を積極的に提供するよう努めることとされているわけであります。なお、参入機会の提供に当たりましては、幅広く周知を図るなど、公平性が保たれますように、御提言のことも意識しながら、今後努めてまいりたいと考えております。 次に、小田原市における子育て支援策の充実についての御質問がございました。はじめに、子育て支援センターの提供が期待されるNPOなどに対する支援について御質問がございました。小田原市では、これまでも多様な保育需要にこたえるために、一時保育や延長保育などの特別保育事業や、ファミリーサポートセンター事業等の施策を実施してきたところであります。これも、8番檜山議員に御指摘いただきましたけれども、ファミリーサポートセンターは、市民がみずから育児支援活動を行うものでありますが、平成11年に開設以来、会員数、活動件数ともに増加いたしまして、円滑に事業が行われていると考えております。今後、さらにこうした活動の輪が広がっていくことを期待しているところであります。いずれにいたしましても、保育・保健・医療、これら子育て支援の範囲は大変広くなってきておりまして、また、個人・団体・企業・NPO等々、さまざまな市民活動が行われておりますので、今後、市民の声や利用者の実態などを把握しながら、子育て支援のあり方についても積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 次に、小規模保育施設への補助制度についての御質問がございました。保育の実施は、公的責任のもとに、国の基準を満たしている認可保育所で実施されるということが基本ということになっております。大勢の待機児童を抱えております大都市、例えば横浜市、川崎市等では、やむを得ず認可を受けていない保育施設も重要な役割を果たしているのは事実であります。しかし、小田原市におきましては、他市町村と比較をいたしますと、人口に対して保育所が多いということがございます。待機児童数も、それほど多くはございません。また、現在のところでございますけれども、認可保育所入所枠の拡大によりまして、定員を超えての入所が認められておりまして、これによりまして、本市では、ほぼ認可保育所で保育需要を満たしている状況でありますために、認可保育所以外の保育施設への助成は行っていないのが現状であります。少子化対策が国の大きな課題となっている一方で、国と地方の税財政改革、三位一体の改革でございますけれども、これらの中では、御承知のとおり、ここのところも補助金の削減が大きく議論されているなど、大変先行きが不透明な状況に今あることは御承知のとおりであります。いずれにいたしましても、このように大変大きく社会が変化する中で、国のそうした動向も、やはり私ども自治体にとりまして、税財源の移譲等々、この三位一体の改革の行く末によっては、現実の市民の日々の生活に直接影響を与えるようなもの、どういうことになるかわからない部分があることは御承知のとおりでありまして、これらに対しても、いろいろと考えていかなければならない。そういう中で、特に子育てに対する御指摘のような多様なニーズも踏まえて、総合的に判断して、この問題にも取り組んでまいりたいというふうに思っているところであります。 次に、お城通り地区再開発事業における現在の計画の実現性についてお尋ねがございました。小田原駅周辺地区におきましては、国際的観光地であります富士箱根伊豆地域の広域交流圏の一角を本市が担っていることなどを踏まえまして、県西地域活性化の新たな視点としての新しい交流圏づくりを目指しまして、市民や県西地域の方々はもとより、国内外からの来訪者を迎えるにふさわしい
まちづくりを進めていく必要があることから、御承知のとおり、平成11年3月に神奈川県と小田原市が共同して広域交流拠点整備構想を策定いたしておりまして、この構想におきまして、お城通り地区を広域交流コアとして、事業優先区域に位置づけているところであります。この国と県の広域交流拠点整備構想のスターティングプロジェクトとして、小田原駅東西自由連絡通路の一部オープンが過日あったわけでありますし、また、それに対して国や県から望外な巨額の助成もいただいたということになっているというところであります。さて、お城通り地区におけます整備の方向性といたしましては、県西地域の産業振興や文化交流を促進するためのコンベンション施設、人的交流を促進するための都市型ホテルなど、交流の場を支える核としての機能を備えた整備を図る計画となっております。再開発準備組合では、平成13年5月に策定されました基本計画をベースといたしまして、現下の社会経済情勢の激変を踏まえまして、8番檜山議員御指摘のとおりの状況もございますので、平成14年12月に一般業務代行者から中間報告がなされているところでありまして、その中で、施設建築物を駅寄りに集約すること、また、事業手法は定期借地権方式など幅広く検討することなど、こうした時代にふさわしい、よりリスクの少ない、そして安全側の、堅実な、実現性の高い計画として検討を進めているところであります。いずれにいたしましても、お城通り地区再開発事業は、広域交流拠点整備構想の実現とともに、中心市街地の活性化のためにも大変重要な拠点の事業でありまして、広域的な人や物や情報等の交流の場をつくり出すとともに、集客力の向上や雇用の創出、小田原の顔としてのアイデンティティの向上など、さまざまな面での波及効果を期待するものであります。そのために、本市としても、この事業の実現に向けまして、できるだけの努力をしてまいりたいと考えているところであります。 公共事業等に対する市民の声の反映や議会での合意について、どのように考えているのかとのお尋ねが最後にございました。市民、議会と行政との関係につきましては、必要な予算などの議案を通して、議会の皆様に御審議をいただくという基本的なことのほかに、重要な案件については、その都度、
常任委員会へ御報告をさせていただくことにいたしておりまして、このような議会への対応が行政としての基本であるというふうに考えております。また、市政の運営に対して、市民の皆さんの意見を反映させるということは大変重要になってきておりまして、これまで市民の皆さんからの情報を取得する機会として、「こんにちは、市長さん~市民の声の直通便」、市民意識調査、そして各種懇談会等をきめ細かく催すことによりまして、既に実施してきているところでありますけれども、平成14年2月に策定をいたしました小田原市行政改革大綱「おだわら改革宣言2002」に基づきまして、これらの施策を充実させていくとともに、平成14年度に実施いたしました「市民満足度・重要度調査」などを通じまして、市民から取得した情報を有効に施策に反映するシステムを確立することといたしております。パブリックコメントにつきましても、これまで、一部の条例制定等に際して行ってきているところでありますが、今後、市民の皆さんとのコミュニケーションの強化の観点から、行革大綱に基づき、パブリックコメントの制度の導入について検討をすることといたしております。なお、都市計画決定につきましては、都市計画法の規定により、案の策定段階において、説明会や公聴会の開催、縦覧や意見書提出などの手続の中で住民の意見を反映させておりまして、また、重要案件につきましては、都市計画決定前の段階におきまして、その内容を所管の
常任委員会に報告させていただいているところであります。いずれにいたしましても、市民参加とか市民実施とか、自己責任、自己決定、自立とか、いろいろな形で市民の皆さんと一緒にまちをつくる、行政とのパートナーシップを持って今後進めていかなければならない。しかし、今お話ししましたような難しい言葉でなくて、私は日ごろから、まちは市民の皆さんのまちなんですから、皆さんと一緒につくっていきましょう、そういう言い方で皆さん方にお話しかけ、問いかけをいたしております。基本はそういうことであります。みんなのまちだから、皆さんと一緒につくりましょう、そういうことだと思っています。ただ、やはり行政といたしましては、一方では、しっかりと市民の負託を得て、責任を果たしていく、過ちなきように行政をしっかりと運営していくという大きな基本的な課題、責任がございまして、そうしたことと両々相まって、着実に、8番檜山議員御指摘のような問題につきましても、ステップアップしていくことができたらと思います。やはりこういう時代ですから、皆さんのお声をしっかりと聞きながら、いろいろなお声もございますので、何回も言いますけれども、一歩、二歩、三歩、着実な歩みを持って進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。ぜひ御理解をいただきますようお願い申し上げます。 以上をもちまして、8番檜山議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。
◆8番(檜山智子君) 今、御答弁いただきましてありがとうございました。幾つか改めまして質問させていただきたいと思います。 まず、1番目の市民活動サポートセンターの市民による運営ということについてでございます。市長は今、できる限りオープンにしていく形で進めたいというふうにおっしゃっていました。一昨日は、ワークショップに、藤沢のNPOの方にも来ていただいたということでございましたけれども、私としては、できるだけオープンという抽象的なことではなくて、具体的にきちっとサポートセンターを管理運営する、そしてまた小田原市のNPO活動をサポートしていく、実質的にサポートしていくことができるようなやはりちゃんとした団体、NPOを立ち上げて管理を任せていくという形に、この2年間の布石もあるわけですから、そういう形をしっかりと目標を持って目指していっていただきたいというふうに考えます。 そして、あと参入ですね、市の業務に対する参入のことについてですが、今、市長は公平性を意識していきたいというふうにおっしゃっていましたけれども、公平性は当然意識していただかなければいけないわけで、問題は、その公平性を確保するためのシステムとか、制度とか、チェックのあり方をどういうふうにしていくのかということを私は問いたいわけです。例えば参入の機会を与えるため、どの団体に参入の機会を与えるのか、そういうことの判断、それをしっかりとオープンにしていただきたいと先ほども申しましたけれども、すべての市民に開かれた応募の機会とか、それから当然、市の公益性のあるそういう公共的な業務を委託していくわけですから、税金からのそこが流れていくわけですから、その事業体の計画や活動団体の計画や予算、そういったものについても、あるいはどういった形で活動を展開していきたいのか、そういうことをしっかりと公開のプレゼンテーションなども行いながら、市民にオープンになるような形で、気がついたら知らない間にどこかの団体がやっていたということがないように、そうすることがやはり市民活動の発展、市民にとっても、こういう団体が今小田原市のこういう部分の活動を担っているんだということで活動が広がっていくと思いますので、私は、当然意識をしていただいて、具体的なそのシステムをしっかりと検討を進めていただきたいと思います。条例の中に、
市民活動推進委員会を設置し、市長の諮問機関として置いて、
市民活動推進のためのいろいろなことを検討していくということがうたわれております。今、この
市民活動推進委員会の委員さんも公募をしているようでございますので、私としては、ぜひそういった委員会で、こういったルールなども具体化して、市長の裁量だけでない、公開性のあるオープンな制度をつくり出していただきたいというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。 それと、あと子育ての方ですけれども、どうもやはり私が申し上げたこととすれ違っているなというふうに思います。市長は先ほど、小田原市の保育は、やはり保育は公的な責任においてというふうにおっしゃっていました。もちろん公的な役割もございますけれども、私が申し上げましたのは、やはり今、税の問題とか、地方分権と言いつつも、財源の移譲とか、非常にその辺は不透明なものもあります中で、やはりこれからは、この小田原に住む市民の資源、お金の部分もそうですが、それから市民が持っている能力や、技術や、生活体験や、そういったものをベースにした、やはり市民資源をもっと積極的に活用していくことを考えることで、小田原市の財源的な部分も、私はむしろそこは、しっかりとコストの削減にまた別の意味からつながっていって、地域の中に雇用も生まれてくるというふうに考えておりますので、当然、公的な役割と、それは自覚していただきますが、そういう意味で、子育て支援、とりわけ障害児の問題とかいろいろございます。そういったことでのNPOへの支援策、これが私はやはり一つ、市長は市民との協働というふうに言葉ではおっしゃっていますけれども、それが具体的にどう進められていくのかということの試金石ではないかと考えております。ぜひお答えをいただきたいと思います。
◎市長(小澤良明君) 8番檜山議員の再質問に、まず私の方からお答えをいたしますが、もしフォローが必要でしたら、担当の方からいたします。 サポートセンターの問題でございますけれども、いろいろ細かいお話をされましたけれども、いずれにしても、8番檜山議員御指摘のような方向で、今進めようといたしております。ただ、今後のいろいろなことについて、市といたしましては、基本的におっしゃるとおりなことで進めたいと思っていますけれども、やはり初めてのことでもありますし、皆さん方も、ワーキングチームですとか、そのほか、いろいろなまた市民の皆さんからの御意見、あるいは議会の皆さんの御意見もあるかもしれませんから、そういうこともよく多面的に御意見をお聞きしながら、着実に運営をお任せするということで、基本はそういうことでもちろんいっているわけでありますから、それと同時に、公開性というようなことも、当然、市民活動サポートセンターという施設の趣旨からいいましても、もちろん進めることについても、それから取りまとめることについても、ここのところは大事なことだと思っておりますから、しっかりとやってまいりたいと思っております。 それから子育て支援のことで、小規模保育施設のことについてお触れになりました。確かにこういう時代ですからいろんなニーズはあると思います。しかし、一方では、御承知のとおり、小田原の保育というのは、戦後すぐ、大変厳しい経済状況の中で、民間の保育園が一生懸命、どうしたら小田原の子供たちを守れるのか、育てられるのかということで必死で取り組んでこられたわけです。そういうすき間というか、そういう中で、どうしてもこの地域には保育園が必要だというような場所に公立保育園をつくって補った。両々相まって、小田原の保育園が今あって、そして待機児童が多いか少ないかというのは、相対的な問題だというふうにとらえておりますけれども、小田原市の場合は、どうしてもあの保育園に行きたいということでなければ、多少保育園の枠も、定員よりも余計に入れていいというようなこともできているわけでありますし、ですからそんなことをしんしゃくしながら、保育園の健全経営というようなことも考えましたり、あるいは市民の皆さんのニーズもいろいろお聞きしながら、ここいら辺は、先ほどお答えいたしましたような形で着実に進める中で、補助制度復活という意味のお話は、NPOを育てるということは、またそれはそれで別な課題というか、ことでございますけれども、この小規模保育施設への補助制度を復活するということにつきましては、先ほどもお答えいたしました国の考え方や子育て支援全体にも、どういう国の補助が変化があって、国の考えが変化があって、そして小田原市もそれにどういう対応をしていくべきかという全体的な判断が、もう少しでだんだん明らかになってくるわけでありますから、そういう点も見きわめながら、いろいろと対応してまいりたいというふうに思っております。御指摘のことが必要でないとか、そういう意味ではございません。ただ、いろいろな過去のいきさつだとか、それから今一生懸命、延長保育だとか一時保育だとか、それから早朝保育だとか、とにかく時代のニーズに、今、民間の保育園さんは必死で取り組んでいただいて、本当によくやってくださっています。そういうところの健全な経営というか、これは結局、ひいては地域社会のためでもありますし、子育てのためでもありますから、そこのところと、それから本当に御指摘のとおり多様なニーズがあるわけですから、それをどう埋め合わせていくのか。市民の皆さんのNPO等のお力も必要だと思います。そういうところの見きわめを、もう少し時間をおかりしながら取り組んでまいりたいというふうに思っているところであります。 以上です。
◆8番(檜山智子君) 今お答えをいただきました。サポートセンターの運営につきましては、私の申し上げたことを基本的には御理解いただけたようで、基本的にはそういう方向で進めたいということでございますので、また私も今後、ワークショップの開催とか、見守らせていただきながら、ぜひよりよい形での運営というものを進めていただきたいと思います。 また、小規模保育施設についての補助制度でございますが、今、市長がおっしゃいましたように、これまでの小田原市におきます保育のいろいろな関係、皆様方の御努力ということは、本当に私自身も高く評価するものでございますし、そういう中で、今後、ぜひまた検討を少しずつ進めていっていただきたい。しかし、かなりそういう意味では多様化しておりますので、具体的に進めていただきたいということを要望したいと思います。 あともう一つ、ちょっと別の視点から、先ほどの私の質問にちょっとまだ答えていただけていないなというふうに感じますのでお尋ねしたいんですが、
市民活動推進条例の第8条の中で、市民活動に対して市が行わなければいけない施策ということで、財政的な支援及びその仕組みづくり、それを行っていくということがあると思うんです。小田原市におきまして、例えば放課後児童クラブを市民事業でNPOが行いたいと。それは、例えば今現在ある公的な学童保育がかなり満杯であると。そういう場合に、もう少し別のニーズ、いろんなニーズがあるので、ではNPOをつくって自分たちがやろうよと。それは非常にそういう意味では地域での公益性、地域性に合致する活動というふうに私は評価できるのではないかと思うんですが、そういう場合、例えばその条例に基づいて、小田原市のそういう放課後児童クラブの事業、それに自分たちは手を挙げて参入したいと、やってみたいというような事態があり得るわけです。そういう場合に、では果たして、そのNPOに任せることが妥当なのかどうなのか、そういう問題が派生してくるわけで、そのためにも、先ほど質問いたしましたように、市民に開かれた応募の資格でありますとか、公開のプレゼンを行って審議する、チェックする場、それが早急につくり出されなければいけないんじゃないか、それをぜひ
市民活動推進委員会などでも具体的に検討していったらどうかということを私は先ほど申し上げたんですけれども、ちょっとそれについてまだお答えをいただいていないようなので、お願い申し上げます。
◎市民部長(植田理都子君) ただいま
市民活動推進委員会での検討が必要ではないかという御質問をいただきました。これから
市民活動推進委員会が設置されるわけでございまして、ただいま、公募も含めまして、メンバーの選定を行っているところでございますが、御提言のありましたように、これから委員会の中で、公平性や透明性を保てるような仕組みづくりについて御意見をいただき、私どもの参考にさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
◎市長(小澤良明君) 具体的な項目で8番檜山議員がお触れになられました放課後児童クラブのことですけれども、難しいのは、先ほども登壇しての答弁でお話ししましたけれども、やはり行政としての責任ですね。だからそこのところがきっちり担保できて、放課後児童クラブの問題などは、あともう一つは、教育委員会の施設をお借りしているわけですから、お借りというか、教育委員会の施設を使っています。例えばそこは学校長の管理責任がございます。ですから、全体的な合意みたいなものがまずきっちりとないといけないと思うんです。こちら側のですね。ですから、一つ考え方としては、放課後児童クラブの運営等は、もしそういうことでお引き受けしていただいて、同じレベルのというか、それ以上のレベルのものができるのであれば、これはそういう方向で検討するのはやぶさかではありません。ただ、こちら側として、たとえ何時間でも大事なお子さんをお預かりするということのところが、どこまできっちりと、その責任というか、それは皆さんが幾ら責任は持てますと言われても、一般の市民の皆さんが、いやそれはちょっともう少し先の方がいいねと言う場合もあるでしょうし、ここいら辺については、少し時間をいただいて、検討してまいりたいというふうに思います。
◆8番(檜山智子君) 御答弁ありがとうございました。 かなり具体的に、市長のお考えもお聞かせいただきましたので、今後、具体的ないろいろな局面、またいろいろな条件、難しい面もあるとは存じますが、ぜひとも市民活動を積極的に育成し、また推進し、それが小田原市の発展のためにも、しっかりと新しい方向性を打ち出していけるものというふうに私は確信しておりますし、市民の中には、しっかりとそういう要素が育っておると私は実感しておりますので、今後ともまた御相談させていただきながら、具体的な協働の作業を進めていければいいのではないかというふうに思っております。 また、3番目に私が質問いたしました小田原駅周辺の問題でございますが、今回は、本当に私自身、まだ勉強不足の中でもありますし、一市民としての感想ということでお話しさせていただきました。ただ、市長は、あるいは行政の皆様はいろいろ御苦労なさって、市民の声をというお気持ちはあるかと存じますが、しかしそれを外側で、あるいはまちの中で受けとめている市民の気持ち、それから感覚、そういったものにはなかなか厳しいものがあるんだということも御承知おきいただきまして、また今後、私も議会でいろいろな提案をさせていただきたいと思います。このテーマにつきましては、きょうのこれからの議会でも、私の先輩の議員の皆様も、いろいろな御質問をなさるということも通告に出ておりますので、私はこのテーマにつきましては、きょうは私の感想を述べさせていただくということでとどめさせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○議長(大野眞一君) 1番鈴木議員、登壇願います。 〔1番(鈴木美伸君)登壇 拍手〕
◆1番(鈴木美伸君) 先般執行されました市議会議員選挙におきまして、初当選させていただき、責任の重さを痛感し、身の引き締まる思いがしております。小生、甚だ微力ではございますが、この重責を全うすべく、不惜身命、議員活動に努めてまいりますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。はじめに、広域農道小田原湯河原線についてお伺いいたします。 さて、神奈川県の西部に位置します小田原市は、県内でも有数の気候温暖地域であり、古くからその恵まれた自然環境を生かした農業が営まれてまいりました。特に、早川・片浦地区は、箱根外輪山南東の山岳丘陵地に位置し、相模湾に面する急傾斜地が多いことから、この地形を活用した果樹、いわゆるミカンやキウイフルーツなどを主力とした営農が行われてきましたが、近年、農業後継者不足が深刻化するとともに、自由貿易体制の国際化の推進のもと、低価格の農産物の輸入増加、さらには国内農産物の価格の下落によりまして、農業を取り巻く環境はますます厳しい事態となってきております。このようなことから、本市のみならず、全国的にも荒廃農地は増加傾向にあり、将来の農業、そして国内の食糧問題にも発展するとして、非常に危惧をされております。このため、行政と民間が一体となって、優良品種への転換や、コスト削減に向けた栽培方法を改善するなど、さまざまな努力が続けられておりますが、依然厳しい状況が続いております。 このような状況の中、広域農道小田原湯河原線の整備が完成すると、農産物の出荷にも大きな障害となっております国道135号の慢性的な渋滞の解消が見込まれ、また、流通体制の強化が促進されることから、格段に営農条件が改善されるばかりでなく、小田原から真鶴・湯河原に広がる地域の活性化が、農業振興を中心に図られるものと、非常に期待をしております。 そこでお尋ねいたします。一つ目として、広域農道小田原湯河原線につきましては、当初、平成8年から平成17年までの10年を工期とし、全長1万6650メートル、幅員7メートルを整備するとのことで、国が事業採択を行ったと聞き及んでおります。その後、農林水産省におきまして、与党3党合意に基づく公共事業の見直しを受け、小田原湯河原線につきましては、全体を3分割し、そのうち、第1期工区につきましては事業採択を受け、順次整備をしているとのことであります。そこで、広域農道小田原湯河原線の現在の進捗率及び今後の計画についてお伺いをいたします。 次に、小田原市グリーン・ツーリズム事業について何点かお伺いいたします。 私たちの大切な食糧を生産する農業の状況につきましては、食糧自給率の低下、農地面積の減少、農業者の高齢化、担い手・後継者不足、農村の活力の低下などが全国的に深刻な問題になっており、小田原の農業につきましても同様と考えております。そこで、私も農業を営んでいる一人といたしまして、小田原の農業について、少しお話をさせていただきます。 御存じのとおり、小田原市の主要農産物の生産高第1位は何といってもミカンであり、以下、水稲、野菜、梅、キウイフルーツ、ナシなどとなっています。私が農業を営んでいる早川地域も、ミカンが基幹作物でありますが、栽培面積が昭和50年をピークに減少しております。その背景には、消費者の嗜好の変化により、ミカンの消費量が減少し、需給バランスが崩れ、価格が低迷して、ミカン生産だけでは農業経営を支えられなくなっている状況があります。そこで、産地間競争を勝ち抜き、農業を続けていくために、選果場の統廃合、優良品種の導入、新しい販路の拡大、新規作物への転換を行ってまいりました。しかしながら、農業経営はなかなか好転せず、現状維持もままならない状況であります。 このような状況の中、国は平成11年に、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興を基本理念とした「食料・農業・農村基本法」を制定いたしました。さらに、平成12年3月24日に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」には、農村の振興に関する施策の四つの柱の一つに、グリーン・ツーリズムの推進等による都市と農村の交流の促進が位置づけられております。このグリーン・ツーリズムの推進により、農村の振興に成果を上げている地域の一例に、長野県飯山市がございます。長野県飯山市は、農林業が盛んな地域でありながら、農村の過疎化が進行しておりました。そこで飯山市は、農村地域に活力を与えるのは若者と考え、若者が定住して若い力を生き生きと発揮できる環境を整えるため、いち早くグリーン・ツーリズムに取り組みました。農村資源を活用してグリーン・ツーリズムを推進し、スキーを中心とする冬季観光地から通年観光地への変革をなし遂げ、人口約2万6000人の地域に年間約150万人の観光客が訪れるようになりました。グリーン・ツーリズムによる交流人口の増加は、新たな雇用を創出し、若者を定住させました。若者の定住が、農業では担い手の確保と農村の振興をもたらし、また、観光や商業においても若い力が発揮され、活性化が図られました。このように、グリーン・ツーリズムの推進は、農村の活性化ばかりではなく、市全体の活性化を図ることができるわけです。ほかにも多くの事例はあると思いますが、グリーン・ツーリズムは農業の救世主であるばかりでなく、地域の活性化に欠かせないものであると私は確信をしております。 さて、小田原市におけるグリーン・ツーリズムについてですが、市では、平成8年3月に「小田原市グリーン・ツーリズムモデル整備構想」を策定いたしました。その中で、片浦地区、早川地区、曽我・下曽我・田島地区、下中地区の4地区をグリーン・ツーリズムモデル地区と定めて、特色ある地域づくりを展開するために、消費者と農家、都市と農村の共存関係を推進するという交流型農業の基本方向を定めており、21世紀を見据えた足腰の強い、そして魅力のある農業を目指すと聞いております。この構想をもとに、平成9年度から平成12年度まで、片浦地区でグリーン・ツーリズム事業が実施されました。これにより、農道2路線、連絡道1路線、そして総合交流ターミナル「江の浦テラス」が整備されました。総合交流ターミナル「江の浦テラス」は、地元の農家が集まって、農事組合法人を設立し、宿泊施設やレストランを併設して、グリーン・ツーリズムを実践しております。また、米神地区では、やはり農家が出資した株式会社オレンジセンターがミカン狩りを実施しており、都市住民を集客して、整備した農道を活用した交流型農業を展開しております。さらに、既存のグリーン・ツーリズム関連施設であります「星ヶ山コテージ」、そして「きのこ苑お山のたいしょう」は、「江の浦テラス」と連携して、昨年度より「おかめ桜まつり」を行い、多くの観光客でにぎわうようになりました。このように、小田原市においてもグリーン・ツーリズムを推進することによって、地域の活性化が図られつつある地域がございます。 この小田原市のグリーン・ツーリズム事業ですが、片浦地区の次に早川地区で事業を実施すると聞いております。地元の早川活性化推進協議会では、グリーン・ツーリズム事業導入に向けて、平成12年度に、協議会の下部組織でありますグリーン・ツーリズム準備会を立ち上げました。このグリーン・ツーリズム準備会を中心に、地元の農家をはじめ、自治会、商業者、漁業関係者や農協、さらには関係行政機関が集まり、グリーン・ツーリズムを推進することによる地域の活性化について、幾度となく話し合いを持ちました。その成果が、市で作成した経営構造対策推進事業「早川地区基本構想」であります。この構想は、広く地元にも示され、私も大いに興味を持って拝見をさせていただきました。その内容は、早川地区の農業を、従来の温州ミカンの共選・共販体制による農業経営から、既に一部の農業者に見られる中晩柑類やその他の果樹、野菜、花卉なども取り入れた複合的な農業経営に移行させるというものでした。具体的には、地域の観光資源である石垣山一夜城歴史公園や、相模湾の雄大な眺望を生かした交流型の農業を目指し、そのために、交流型農業推進の拠点としての総合交流拠点施設、(仮称)石垣山一夜城レストステーションを整備、さらには、農道や園内道、そして体験農園を整備、また、農畜産物処理加工施設を整備、ミカンの改植などを行うというものでございます。これらの事業を実施することによって、担い手の確保と育成及び農業経営体の法人化を行い、地域農産物の新たな需要の創出と高付加価値化を実現し、販路拡大と所得向上を図っていくと構想にはあります。私といたしましても、この構想の策定にかかわった地元農家の一人といたしまして、ぜひともこの構想のように、グリーン・ツーリズムを推進することによる地域の活性化を図りたいと常々考えているところでございます。また、この構想の中には、事業実施予定年度が記載されておりまして、(仮称)石垣山一夜城レストステーションの施設整備実施予定年度は平成15年度となっており、他の施設整備につきましても、平成14年度から平成16年度までが実施予定年度になっております。しかしながら、既に平成15年度もスタートし、はや3ヵ月を過ぎようとしておりますが、施設整備実施どころか、いまだに事業実施計画すら示されておりません。一部では、グリーン・ツーリズム事業自体そのものが中止されたのではないかということまで言われており、私も少々心配をいたしております。早川地区の農家の中には、グリーン・ツーリズム事業への参加に意欲をお持ちの方も、少なからずおられます。 ところで、平成10年秋から、石垣山一夜城歴史公園駐車場隣のきらめきガーデンでは、毎年秋と春の2回、花の摘み取り体験が実施されており、毎回約4000人もの来客者があり、大変なにぎわいをしております。会場では、地元でとれた地域農産物等の販売を行い、新鮮で安全な農作物が食べられると、都市住民から大変好評を得ております。また、平成13年秋からは、都市住民の方との交流と、農業所得の向上を目指して、「みかんの木のオーナー制度」が始まりました。スタートいたしました平成13年度には65人だったオーナーも、おかげさまで2年目の平成14年度には倍近くの105人になりました。これは、地元農家の皆さんの努力のみならず、小澤市長をはじめ小田原市及び各関係機関の御理解、御協力があったからこそと心から感謝をいたしております。この場をおかりいたしまして、衷心より厚くお礼を申し述べさせていただきます。今後も引き続きまして、より一層の御理解、御協力をお願い申し上げます。いずれの取り組みも、交流型農業を実践したものであり、実績も順調でありまして、このようにグリーン・ツーリズム事業を実施する土壌は整いつつあると思われます。 そこでお伺いをいたしますが、早川地区のグリーン・ツーリズムの進捗については、どのような状況なのか。また、事業費はどれぐらいを予定しているのか、その事業費のうち地元負担は幾らになるのか。もし、行政の負担が困難であるなら、事業計画を縮小してでも早期に実施する考えはないのかをお伺いいたします。 次に、小田原特定漁港漁場整備事業についてお伺いをいたします。 私が生まれ育った早川は、海岸に沿って国道135号が走り、相模灘の風景を満喫しながらドライブを楽しむことができ、また、頼朝旗上げの地である石橋山古戦場にも接している風光明媚な地区でございます。また、漁港と漁業関係者等の小集落を形成し、山の斜面はミカンなどの果樹が植えられ、晴れた日は、遠くに伊豆半島や初島をはじめ、三浦半島が見え、山あり、川あり、海ありと、自然環境に恵まれたとてもすばらしい地区でございます。 この早川で、小田原を代表する産業であります漁業と関連して進めております漁港整備事業は、本港の整備から始まり、昭和44年から新港の建設事業に着手して以来、三十有余年の歳月が流れております。この間、小田原漁港には二つの重要な役割が課せられてきたと言えます。第1に、沿岸漁業の中核的拠点を担ってきたことであります。小田原漁港は、相模湾や伊豆近海の好漁場から水揚げされた魚介類が、箱根・湯河原などの観光地や西湘・湘南地区に広く供給され、神奈川県西湘地域におけるアジ・イワシ・サバなどの定置網漁業をはじめとした沿岸漁業の中核的漁港として発展を続けていることは、皆さんも御承知のとおりかと思います。第2に、西部地震対策の要請とともに、災害時の海上輸送拠点として、小田原市のみならず、近隣市町村において重要な位置づけにあると考えられます。現在、県が事業主体となり進めている小田原特定漁港漁場整備事業による耐震強化岸壁も、平成15年7月末に完成すると聞いております。これによって、ますます市民が安心して暮らせる
まちづくりに大きく貢献するものと確信しております。反面、漁港整備に伴う不可避の問題も起こってきており、例えば早川地先の海岸が工事ヤードとなっていることから、地域住民にとっては、海岸利用に不便が生じたり、観光資源としても名高い小田原・早川の美しい海の眺望が阻害されております。一日も早く漁港整備を完了すると同時に、新しい水産拠点として生まれ変わった小田原漁港の発展を期待するものであります。 そこで、小田原漁港に関連してお伺いをいたします。県事業として進めている小田原特定漁港漁場整備事業の現在の計画の進捗状況と今後の予定についてお伺いいたします。また、国道135号の慢性的な交通渋滞により、安心して横断ができない状態にあることから、特に早川地域の住民から、安心して横断できる地下道設置要望が出されておりますが、この地下道の整備状況についてお伺いをいたします。 次に、鳥獣対策について3点ほどお伺いをいたします。 私たちの生活環境は、高度経済成長期の昭和40年代から、経済バブル崩壊までの間、目まぐるしい変化を遂げました。この生活環境の変化に伴い、野生動物の生息状況にも大きな変化がありました。今から40年ぐらい前の昭和30年代には、キジやキジバトなどは山野に行かないと見かけることができませんでしたけれども、今では住宅地や農家の庭先などでも見かけられるようになり、すっかり人間の生活環境に入り込んでいるようです。この背景には、昭和20年代から始まった山林の造林計画により、スギやヒノキの人工林がふえ、鳥獣のえさになる木の実がなる樹木や植物などが減少したことにより、野生動物に大きな環境変化をもたらし、動物の生態系が変化したことにあるのではないかと思われます。このように、野生動物の生息状況は、自然環境のバロメーターと言えると思います。しかし、その自然環境を崩し、動物の生態系を崩したのは、山林の造林計画と、さらには、私たちがペットとして飼っていたインコやハトなどの鳥類、ハクビシンやアライグマなどのけもの類であります。野生化した愛玩動物は、従来からの鳥獣の生態系を崩すばかりではなく、農作物を食い荒らしたり、住居の中に入ってはいたずらをしたり、ふん尿被害をもたらしております。 先ほどもお話をいたしましたが、私も農業を営んでおりまして、はじめはミカンを主に栽培をしておりましたが、その後、ナシとキウイ、ビワ、イチジクなどの果樹栽培に転換をいたしました。転換後の果樹の成長は順調で、25年ほど前には野猿やハクビシンによる被害はほとんどありませんでした。しかし、今では毎日が、農作物の被害を防ぐため、
カラス、野猿などと戦いの日々となっております。最初は、爆竹やロケット花火で追い払っておりましたけれども、その効果は本当に一時的なもので、逃げてもすぐに戻ってきて、被害を受けてしまいます。次に、爆音機を使用してみましたけれども、住宅地までよく響き渡りまして、住民の方から苦情が寄せられ、やむなく中止せざるを得なくなりました。その後もいろいろな対策を試みましたけれども、効果は一向に上がらず、現在に至っております。また、片浦地区で野猿の追い払いをすると、その野猿が早川地区に移動し、早川地区の農作物及び民家などに侵入して被害を及ぼします。また、小田原市農業協同組合にある小田原市野猿対策協議会でも、各支店ごとに追い払い隊を結成して、野猿が出没すれば追い払いを行っているようです。さらに、有害鳥獣の捕獲についても、市の環境部の環境保全課から有害鳥獣捕獲許可を得て、猟友会の会員が主体となって、猟期以外にも
カラスやイノシシの捕獲を行っていると聞いておりますが、許可期間が3ヵ月と短いために、捕獲数も少なく、有害鳥獣の数が減らない状況にあると思われます。 次に、実際に
カラスの被害に遭って苦しんでいる農家の農作業記録を一例として述べさせていただきますと、平成14年7月9日、火曜日、今年一番の暑さ、台風6号が出ている。前坂、
カラスが悪さをして、赤いオクラの苗をくちばしで抜いた。8株やられた。2株しか残っていない。
カラスに花火弾を一発撃つ。7月13日、土曜日、朝方雨のち晴れ。港の朝市に出店。朝市が終わってナシ畑に行ったら、入畑ナシ100個、遠山150個、前坂50個
カラスに食われた。花火弾を撃って追い払ったが、あすまた来ると思う。あしたは朝早く畑に行かなければ。7月14日、月曜日、晴れ、台風7号が出ている。きょうも、遠山と入畑と前坂のナシ、
カラスにやられた。特に遠山、目離すとすぐ
カラスがナシを食う。猟銃で花火弾を何発も撃った。入畑には、きのうの夕方、地域の住民から苦情がすぐくるので、音を小さくして爆音機を設置、前坂には今朝、防鳥器を設置する。これはほんの一例ではございますけれども、これが現実の農家の声なのです。 そこで、一つ目の質問ですが、このように農作物を荒らしたり、住宅地で生活被害を起こしたりする
カラスやイノシシと、野生化したハクビシンなどの被害の実態を市は果たして把握しているのかどうか。また、
カラス、イノシシ、ハクビシンなどの有害鳥獣捕獲許可についてですが、一度の申請で通年の捕獲許可がおりるようにできないのか、できないとすれば、なぜできないのかをお伺いいたします。さらに今後、
カラス、イノシシ、ハクビシン等の被害対策を市はどのように考えているのかをお伺いいたします。 野猿についてですが、板橋・大窪地区や城山・荻窪・久野地区に出没をするS群、そして早川・片浦地区に出没するH群が問題となる群れで、S群については、私も時々板橋地区で、市役所に向かう途中、民家の間を徘回している姿を見受けますが、本当になすすべがない状態であります。また、先日、湯河原の友人と話す機会があり、お互いに農家ということで、野猿の被害が話題になりました。湯河原でも個々の農家が集まって、集団で追い払いを行っているとのことでした。湯河原町鳥獣対策協議会では、農家の方が狩猟免許を取得する際に、狩猟免許受験手数料に補助金を出しているとのことで、また、狩猟期における狩猟者登録手数料についても補助金を出しているとのことでした。これは、農家の方の農作物被害を防除するための援助だと思われます。早川地区でも、集団で野猿の追い払いを行っておりますが、パチンコや爆竹、ロケット花火では、以前はすぐに逃げた野猿も、最近では本当になれてしまいまして、効果が上がらない状態です。ですから、早川地区では、今年になりエアガンを購入、今月の23日に追い上げを予定しております。ここでも、野猿の被害に泣かされているある農家の実例を述べさせてもらいますと、平成13年7月1日から9月16日の期間に、野猿がナシ畑に17回襲来し、野猿に食われたナシの総数は1883個、その農家はこれではいけないということで決意をして、猟銃を取得し、その結果、翌年の平成14年度は、7月19日から9月5日の期間に、野猿の襲来回数13回、回数としてはわずかな減少でしたが、野猿に食われたナシの数は460個と、かなり減少いたしました。ですから、明らかに猟銃による追い払い効果があるものと思います。さらに、より効果を上げるために、集団での猟銃による追い払いをする必要があります。そこで、どうしても農家の方は、猟銃を所持したいと思っておりますが、狩猟免許を取り、猟銃を取得して撃てるようになるまで、かなりの時間と、そして費用がかかることから、断念をしている状況であります。ここでもある人の例を述べますと、医者に診断書を書いてもらうことから始まり、銃砲刀剣類所持講習代、狩猟免許受験手数料、教習資格認定申請手数料、猟銃用火薬類等譲受許可申請手数料、教習射撃代、銃購入申請手数料、それに銃の代金を合計いたしますと、中古の散弾銃が5万円、銃の値段はピンキリですけれども、合計20万2900円かかり、取得期間に7ヵ月を要しました。 そこで2点目に、野猿の追い払いをするための組織づくりに必要な狩猟免許取得に要する費用等の支援策が考えられないのか、また、野猿被害の対応の窓口についてですけれども、現在は、農業被害、農作物の被害については農政課、それ以外の被害は環境総務課となっております。非常にわかりにくく感じてなりません。この窓口を一元化することにより、どちらの課で対応するのか話し合いをする時間が省かれ、より一層素早い対応ができるのではないかと思いますが、その点についてお伺いをいたします。 また、先ほど小田原市農業協同組合に小田原市野猿対策協議会があると述べましたが、本店の農政生活部に事務局が設置されていると聞いております。事業活動費については、神奈川県と小田原市から補助金の交付を受けており、農協も負担をしているようですけれども、活動そのものは各支店で行っています。小田原市近隣の市町村における協議会事務局の所在ですけれども、箱根町野猿対策協議会は箱根町産業施設課、湯河原町鳥獣対策協議会は湯河原町農政課、津久井町鳥獣等被害対策協議会は津久井町産業経済課農林係、相模湖町野猿対策協議会は相模湖町産業環境課農林係、藤野町野猿対策協議会は藤野町
まちづくり課に協議会の事務局がございます。 そこで3点目の質問ですが、小田原市野猿対策協議会の事務局が小田原市農業協同組合にあるのはなぜなのか、また、市が事務局を持てないのかをお伺いいたします。 以上、登壇しての質問を終わります。よろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(大野眞一君) この際、暫時休憩いたします。 午前11時53分 休憩
---------------------------------- 午後1時0分 開議
○副議長(今村洋一君) 休憩前に引き続き再開いたします。 市長、登壇願います。 〔市長(小澤良明君)登壇〕
◎市長(小澤良明君) 1番鈴木議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 はじめに、広域農道小田原湯河原線の進捗等につきまして御質問をいただきました。広域農道小田原湯河原線でございますが、1番鈴木議員が御指摘されましたように、当初、平成8年から17年までの10年間で百四十数億円、一括採択ということで、当時、農林水産省始まって以来のことだというようなことで、私ども関係者一同、あるいは県も含めてですけれども、いろいろと運動してお願いしてきた成果だということで大変喜んだものでありました。それが、これも御指摘をいただきました国の公共事業の見直しの一環で、農林水産省の農道事業総点検におきまして、工区を3分割いたしまして、第1期工区事業といたしまして、延長5673メートルが採択されまして、平成21年度の完成を目指して進めているところであります。第2期工区につきましては、延長8532メートルで、工期は平成34年まで、第3期工区につきましては、延長2160メートルで、工期は平成37年までとなっております。平成14年度末におきます第1期工区の進捗率につきましては約54%でありまして、小田原湯河原線全体では19%であります。国の公共事業が当初の見直しよりまた厳しく見直しをされつつある、こんなことの中で、第2期工区、第3期工区の採択につきましては、いろいろ不透明な点もございまして、そういう意味で、大変厳しい状況にあると認識しているところでありますが、県西地域の農業振興に不可欠な事業であり、第2期・第3期工区につきましても、全力を挙げて国・県などに働きかけてまいりたいと考えているところであります。 次に、早川地区のグリーン・ツーリズム事業についてお尋ねがございました。冒頭、片浦地区のグリーン・ツーリズム事業をいろいろと御紹介いただきまして、一定の評価をいただいたところでございます。市の経済部農政関係、あるいはそのほか行政といたしましても、大変感謝を申し上げたいと思います。現在の早川地区の進捗状況でございますけれども、平成12年度に策定いたしました早川地区基本構想をもとに、「早川活性化推進協議会」を中心といたしまして、地元の合意形成を図っているところでありますが、御指摘のとおり、事業実施には至っていない現況でございます。計画事業費でございますけれども、基本構想の試算、あくまでも試算でございますけれども、総事業費約8億5500万円となっております。そのうち、地元の負担でございますけれども、1割弱の約8000万円ということであります。事業計画の大小にかかわらず、計画地域につきましては、現状の交通アクセスに問題がありますことから、広域農道小田原湯河原線の進捗状況を見ながら、事業計画につきましては地元等と調整もしながら、推進方努力をしてまいりたいと考えているところでございます。 御承知のとおり、この早川地区のグリーン・ツーリズム構想の拠点施設とも言うべき石垣山一夜城の現下の状況を見ておりますと、早川から農道を通って車両等も行っている、また戻ってくると、そういう形でございます。そんなことで、現状でも土・日になりますと、口コミで大変多くの皆さんがお越しになりまして、トイレだとか、それからいろいろなものが、いわゆる便益施設と言われているものが不足をしている状況にあります。そうは言いながらも、このままの状況で石垣山一夜城を拠点施設として充実をさせていきますと、特に交通の問題で、のっぴきならない状況になる可能性もございます。そこで、市といたしましては、先ほど御答弁いたしました広域農道小田原湯河原線の第1期工区でございますけれども、石垣山一夜城まで、ここのところをできるだけ早く整備をしていただく。しかし、この区域には、御承知のとおり、橋りょう等非常に大きな事業が幾つかございまして、これらを、直接事業を担当されます県の広域農道課といたしましても、集中的に予算も投入していただいて、促進をしていただいているところでございます。そこの広域農道小田原湯河原線の、少なくとも石垣山一夜城周辺まで、これが一定の交通の負担を担うようになりますと、風祭方面、太閤橋の方から早川まで、ぐるっと環状の交通網ができまして、例えば渋滞のときは一方通行にしたり、いろいろな意味の交通上の処理ができる。そういうことで初めて、石垣山一夜城の充実整備というものができ上がるのではないかというふうに思っているところでありまして、多少というか、大幅にというか、御承知のとおり、国・県の財政硬直化の中で、広域農道小田原湯河原線の第1期工区にしても、そういうことで遅くなっているところでございまして、1番鈴木議員に先ほどいろいろと市の事業の方のおくれも御指摘をいただきましたけれども、全体のあんばいというか調整をしながら、この事業を着実に進めてまいりたい、こんなことでございます。御理解いただきたいと思います。 次に、小田原特定漁港漁場整備事業でございますが、この小田原漁港は県営第3種漁港といたしまして、神奈川県西部漁港事務所が整備を進めていられます。私は、県の水産活性化促進協議会の会長も務めさせていただいておりますけれども、この県のこうした場におきましても、全国の会長が集まります漁港漁場関係の大会等におきましても、かねがね、首都圏の中での小田原漁港の重要性というのをいろいろな場所で指摘をさせていただきました。公共事業の見直しの一環で、何年か前から、漁港の整備というものが投資と効果が合わないというような議論がございまして、ある面で、その問題が標的にされているところでございます。しかし、特にこういう飽食の時代というか、グルメ時代になりまして、どなたも新鮮ないろいろな魚を食したい、あるいは触れたい、そんなようなことで、特に首都圏、全国の人口の4分の1を占めます巨大消費圏を抱えている中で、沿岸漁業としての拠点であります小田原漁港の重要性というのは大変大きなものがあると思います。ましてや、前面には世界でも何本かの指に入る多品種の魚介類等魚種が生息しているという相模湾を控えている、その沿岸漁業の拠点でありますから、数千万の人口を抱える首都圏の台所として、さらには一億数千万の入り込み観光客がございます富士箱根伊豆国立公園、その接点にあります一番大切な場所にある小田原漁港を、国としても、県としても力を入れるということが、どれほどか漁業に対する国民の理解を促進することにつながるか、そんな意味もございまして、国・県の皆さんも認識を深めていただきまして、現在、特定漁港漁場整備長期計画が平成14年度から平成23年度までの10年間、総事業費約120億円でございますけれども、スタートをしたということもございます。平成14年度では、神奈川県地域防災計画の緊急物資受入港といたしましての耐震強化岸壁と、漁獲物の安定供給を目的とした蓄養水面を囲む防波堤工事を実施いたしました。平成15年度でありますけれども、引き続き防波突堤の耐震強化工事及び蓄養水面を活用するための波除堤や防波堤の延伸工事を行う予定であります。今後の予定でありますけれども、これも1番鈴木議員御承知だと思いますけれども、数年前に国と県と市、地元の漁業協同組合等で、大型定置網を設置いたしまして、大変効果が上がっているところでありますけれども、これをより効果を上がらしめるために、蓄養水面をできるだけ早く整備をしたいという地元あるいは県当局の意向もございまして、この活用を目的とした岸壁や多目的広場等を順次整備していくことになっております。また、長年にわたりまして、早川地域の住民の皆さんから御要望のございました地下道の整備でございますけれども、これもこの漁港漁場整備事業の一環という枠組みの中で、平成15年度に県小田原土木事務所が実施設計をいたしまして、来年度、平成16年度、17年度の2ヵ年で地下道を建設するという運びになったところでございます。またその節には、いろんな意味で、1番鈴木議員は地元の議員さんとして、ぜひ御指導賜ればありがたいというふうに思います。 次に、鳥獣対策について御質問がございました。はじめに、
カラス、イノシシ、ハクビシンの被害実態につきましての御質問がございました。農作物への被害届につきましては、平成14年度は、食害や耕作地を荒らすなどの被害がございまして、イノシシは17件、
カラス、ハクビシンはございませんでした。生活被害につきましては、威嚇など
カラスによるもの7件、イノシシ1件で、ハクビシンはございませんでした。 次に、有害鳥獣捕獲許可につきまして御質問がございました。
カラス、イノシシにつきましては、通年にわたり被害を与える鳥獣としているところでありますが、捕獲許可期間については、保護を基本に、被害が生じている時期のうち、最も効果的に捕獲ができる時期に必要最小限の許可を与える、こういう1番鈴木議員の論調からいいますと御納得がなかなか得られないことかもしれませんけれども、保護を基本にということがもともとございまして、必要最小限の許可を与えるとの考え方から、3ヵ月を超えない範囲と定めているわけでございまして、御理解をいただければ幸いであります。 次に、今後、
カラス、イノシシ、ハクビシン等の被害対策をどのように考えているかとのお尋ねがございました。現在、
カラス、イノシシ等の有害鳥獣につきましては、被害の状況におきまして、小田原市野猿対策協議会と神奈川県猟友会小田原支部に、捕獲や追い払いの対応をお願いしているわけであります。ハクビシンにつきましては、農作物の収穫期に被害が発生しないように、金網による防護等の対策を各農家にお願いをしているところであります。また、市民生活に被害が生じた場合は、その都度、防除対策を啓発するとともに、衛生面での消毒を必要に応じて実施しております。今後も引き続き、地元の皆さんの御協力も得ながら、被害の対策を講じていきたいと考えております。 次に、野猿につきまして御質問がございました。率直に言いまして、この野猿につきましては、私どももほとほと困り果てているというのが実態でございます。野猿の追い払いをするための狩猟免許取得に要する費用等の支援策の対応についてまずお尋ねがございました。狩猟免許の取得目的が狩猟鳥獣の捕獲等を行うものでございまして、野猿の追い払いとは目的が違うということになっております。そういうことからして、取得費用等の行政の支援がなかなか難しいということになっております。現在、市では有害鳥獣の駆除を行っている小田原市野猿対策協議会と神奈川県猟友会小田原支部に対しまして、活動費の一部を補助させていただいているところであります。御理解を賜りたいと思います。 次に、野猿の対応窓口の一元化について御質問がございました。昭和57年ごろより、野猿の被害が顕著になってまいりまして、農作物の被害を防止するために、小田原市におきましては農協主体で小田原市野猿対策協議会が発足した、こういう経緯がございます。そういうことで、農業被害につきましては、小田原市におきましては経済部の農政課が所管になっております。その後、家屋の中に侵入し、あるいは屋根の上で暴れる、雨どいを壊される等々、生活被害が出始めたために、その対応につきましては、環境部環境総務課が、市民からいろいろそういう苦情や連絡等がございましたときの窓口となっているわけであります。環境総務課の職員が、猿が出て脅威になっているとか、あるいはいろいろ悪さをしているとかという連絡がありますと、直ちにというか、できるだけ早く飛んで行くと、そんなようなことで対応をしておりまして、こうした体制が市民の皆さんからも御評価をいただいている部分もありまして、定着をいたしております。当面、いろいろと御指摘はいただきましたが、この形で進めていくのかなと、こんなことで考えております。 次に、小田原市野猿対策協議会の事務局についてでございますが、本市では昭和57年4月に、先ほどもお話しいたしましたように、農業協同組合を軸に小田原市野猿対策協議会が設置をされました。この協議会の構成員でございますけれども、農業協同組合の関係各支店及び組合員によって構成をされておりまして、小田原市農業協同組合本店が事務局となっております。野猿対策につきましては、この協議会により追い払いが行われておりまして、関係支店を軸に、その地域の情報が素早く伝わることで、的確に対応ができ、地区におきましては、今までの経験をもとに効果も一部上げておりまして、事務局は今後も、そういういろいろな過去の経緯とか現況の対応等を考えましても、小田原市農業協同組合さんが一番ふさわしいのではなかろうかというふうに考えております。よろしくお願い申し上げたいと思います。 以上をもちまして、1番鈴木議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。
◆1番(鈴木美伸君) 御答弁、大変ありがとうございました。要望を含めて、何点か再質問をさせていただきます。小澤市長に御答弁をお願いいたします。 一つ目は、広域農道小田原湯河原線ですけれども、完成予定が平成37年ということで、22年先になるわけです。それで今回、早川地区で立ち上げようとしておりますグリーン・ツーリズムにも非常に大きなかかわりがあると思われまして、太閤橋からの話は今市長よりございましたけれども、既存に縦の道路が湯河原まで行く間に何本かあろうかと思います。ですから、その辺のところを拡幅工事とかして、何ヵ所か国道135号につなげるようなことを考えておられるのかどうかということをまずお伺いいたします。 それから二つ目ですけれども、緊急地域雇用創出特別対策市町村補助ということで、これは厚生労働省の補助金だそうですけれども、小田原市がハローワークを通じ、野猿追い払い業務を行うと伺っております。S群、H群に対してですけれども、平成15年度の8月ごろからということで、今年の8月ごろから実際には動き出すようなことを聞いております。そこで、野猿の情報など、地域の被害に遭っている方々に、うまい形で知らせることができないかどうかということで、例えばですけれども、小田原市の防災無線ですとか、JA小田原の放送システムなどを利用して、これは本当に素人的な考えですけれども、そのようなことができればどうなのかなというふうに考えたりしております。ですから、今年度小田原市が行う野猿の監視・追い払い業務の情報を、何らかの形で情報提供ということを市として考えているのか、お聞かせを願いたいと思います。 それから地下道に関しては、平成16年度から平成17年度にできる運びになったということで、御尽力に対しまして、大変感謝をいたしております。どうかよろしくお願いいたします。 そして、早川地区グリーン・ツーリズム事業につきましては、地元と行政が一体となって、前向きに推し進めていけるように願っておりますし、私個人といたしましても、早期実現を願っておりますので、どうかよろしくお願いしたいというふうに思います。 また、小田原特定漁港漁場整備事業につきましては、地元の意見、要望などを当然くみ上げていただくということは承知はしておりますけれども、できるだけ地域の不利益にならないような形で行っていただきたいということで、事業主体が県でありますので、県にその旨、申し上げていただきたいというふうに思います。 それから野猿の関係ですけれども、緊急地域雇用創出特別対策事業、ニホンザル被害対策事業として、平成13年10月から平成17年3月末まで県単独の調査が行われているわけですけれども、先ほど申し上げましたように、小田原市が行う野猿監視・追い払い業務の情報とこの県の調査等の情報をあわせて、有効に活用していただきたいということです。それからS群に関しましては、野猿の関係ですけれども、県としては、最終的には群れ捕獲の考えのようなことも伺っておりますので、ぜひその方向で推し進めていただきたいということと、H群に対しましては、加害レベルの見直しをしていただきたいというふうに思います。H群に関しましては、加害レベルが現時点では3、4ということなので、S群は現時点では5というふうなことを伺っております。それから小田原市が小田原市野猿対策協議会へ平成14年度は220万7000円補助金を出しておりますけれども、その辺のところも、小田原市は協議会と関係機関ですので、もっと密にかかわっていただきたいというふうに思います。なお、小田原市野猿対策協議会に対しまして、一般質問で鈴木より、狩猟免許受験手数料、狩猟者登録手数料に補助金の支援策をという質問と、事務局に関する質問が出たことをお話しいただけますようお願い申し上げまして、再質問並びに要望を終わりといたします。ひとつよろしくお願いいたします。
◎市長(小澤良明君) 1番鈴木議員から、何点か御質問と御要望をいただきました。まず私の方から一、二点お答えをいたします。 広域農道小田原湯河原線と国道135号との間に縦軸のこれをしっかりと整備してほしいという、そういう趣旨の御質問というか御要望がございました。広域農道小田原湯河原線につきましては、先ほど答弁させていただきましたように、第1期工区事業は平成21年、第2期工区事業は平成34年の完成を目指しているということでございます。広域農道小田原湯河原線から国道135号への接続でございますが、県事業として、根府川地内の田代山農道の整備を実施いたしておりまして、また、新設といたしましては、早川から石橋までの早川石橋農免農道の整備を実施しているところであります。そのほか、グリーン・ツーリズムに、これから実際的に、どういう計画というか、その実施・推進に向かって進めていくのか、それらに応じて、また、例えばそういう施設があった場合は、施設と農道事業とを絡めて国の補助事業等になったりするような場合もありますので、いろいろと計画を進める中で、ただいま御指摘いただきましたようなことにつきましても、配慮できたらいいなというふうに思っております。 それから、野猿の問題につきましては、担当の方からお答えをさせていただきます。また、野猿対策協議会の場におきましても、ぜひまた1番鈴木議員のいろいろな御指導をいただければありがたいと思います。 小田原漁港の拡張事業につきまして、御指摘のとおり、これからあと9年間、私どもといたしましては、県や水産庁に向かって、こういう時代ですから、そんな長い10年とかということでなくて、これをできるだけ短くしてほしい、できるだけ早く投資効果があらわれるような仕事として充実させてほしいということをお願いしているわけでありますけれども、そういう仕事が進んでいきますと、確かに地元としては、にぎやかになっていいよ、いろんな機会もできていいよという話と同時に、迷惑だねという話も当然出てくるわけであります。地元の皆さんと、今まで以上に、この計画が進むにつれて、あるいはその前に、自治会や地域の関係の皆様方等々と御相談をしながら、これは直接の事業は県でございますから、県と地元との間に立って、市も一生懸命汗を流してまいりたい、住民の皆さんの期待にこたえられる事業として整備できるように努力をしてまいります。よろしく御理解を賜りたいと思います。 以下のことにつきましては、担当の方からお答えいたします。
◎環境部長(梅津菊三君) 1番鈴木議員の再質問に私からお答えをさせていただきます。 まず、猿の居場所の情報提供について再質問がございました。先ほどお話しのとおり、今年度、本市では国の緊急地域雇用創出特別交付金を活用いたしまして、民間委託によりまして、猿の監視・追い払い業務を行うべく、現在準備をしておるところでございます。また、これに関連をいたしまして、先ほどお話もありました神奈川県西湘地区行政センター環境部で、猿の行動域調査を行っておりますので、本市としても、県と連携をとることで、より被害防止の効果が上がるよう、現在調整を行っております。これらにより得ました猿の居場所の情報を、地域にどのような方法で提供できるか、現在検討に入ったところでございますので、よろしくお願いをしたいと存じます。 それからお話の中で、S群、H群のお話がございました。今回の神奈川県ニホンザル保護管理計画の中で、S群については防御措置をとり、追い払いも上げ、いろいろなことをやった中で、どうしてもいけない場合は群れ捕獲という言葉も出てきております。群れ捕獲という言葉も出てきておりますが、いろいろ条件もございます。行動域が市街地及び農地が中心ですとか、生活被害が多発しているですとか、捕獲した後の地域個体群内における群れが複数存在し、かつその連続性がおおむね維持できること、また、捕獲対象とする群れと隣接する群れが、その行動域を拡大しないよう、組織的追い払いや防護さくの設置等の被害防除対策を実施することと、条件的にいろいろございまして、こういう条件を全部備えたときに、群れ捕獲ということをそこで検討するかと思います。 それともう一つ、小田原市野猿対策協議会との連携ということでございますが、現在、保護管理計画ができまして、進行してまいります中で、野猿対策協議会とは密接な関係を持ちながら対応してまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 また、先ほどのH群の被害レベルが3から4ということもございました。これの変更につきましては、県では、この計画につきましては、1年ごとに見直すというようなことも表記がされておりますので、また県を通じて意見を申し上げてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○副議長(今村洋一君) 2番杉山議員、登壇願います。 〔2番(杉山三郎君)登壇 拍手〕
◆2番(杉山三郎君) まずはじめに一言述べさせていただきます。 21世紀、国内外の未曾有の難局に当たって、小田原を見たとき、風光明媚で全国でも有数の観光地を控え、なおかつ交通の要衝と三拍子そろったすばらしい条件を備えた都市が全国にあるでしょうか。この地が栄えないわけがないと、今回行われました市議会議員選挙に「甦れ!小田原」と強く訴え、皆様の御信任をいただき、市議会議員の重責を担うことになりました。このすばらしい小田原発展のため働かせていただけることは、私にとって大変光栄なことであり、大きな喜びであると同時に、その責任の重さを感じると身も引き締まる思いであります。 〔副議長退席、議長着席〕 さて、小田原を取り巻く状況は多岐にわたって、あらゆる分野の中で大変な時代を迎えております。そうした中、治安・教育・環境・産業・雇用・福祉とさまざまな分野で行政需要が複雑かつ多様化し、本市が取り組まなければならない課題は山積しております。特に中心市街地活性化を図るため、市長も今年は「活性化元年」と位置づけております。未来都市小田原を構築するには、まず百年の計を立てなければならないと聞いております。「ビジョン21おだわら」は、まさに「明日の1000年都市」を目指す絵図面だと思います。この計画をもとに着実に年度ごとの実施計画を立て、実行なされていると思います。 さて、今、中心市街地の現状はどうでしょうか。小田原駅の乗降客は多いが、街中へなぜ人が流れないのか。小田原を取り巻く道路網は1級道路が多いのに、市内に車が流れず、なぜ通過車両が多いのか。災害の少ない、居住環境のよいまちなのに、なぜ人口がふえないのか。すばらしい観光地、文化・歴史の香る小田原なのに、なぜまちににぎわいがないのか。私は常々、なぜ、なぜなんだろうと思ってまいりました。今、何か手だてを打たなければ小田原がよみがえらないと思うところであります。 それでは、通告に従って順次質問いたします。今回質問いたします4点については、すべて中心市街地活性化に関連するものであります。 まずはじめに、中心市街地活性化についてお伺いいたします。 市では、平成11年3月に中心市街地活性化基本計画を策定し、平成14年9月には中心市街地活性化推進本部を立ち上げ、また、平成15年度は、さらなるステップアップとして「活性化元年」と位置づけており、中心市街地の活性に向けて積極的に取り組みを行っていることは承知しているところであります。 そこで、①として、中心市街地活性化基本計画のリーディングプロジェクトである小田原駅東西自由連絡通路が今年3月に一部開通したが、このアークロードが開通したことにより、駅の利用状況がどう変わったか、また、それによりどのような効果が期待できるのかをお尋ねいたします。 ②として、アークロードの整備に引き続き、お城通り地区再開発事業を推進しているが、この事業は、長年にわたり検討してきた経緯があるものの、成就できないまま現在に至っています。しかしながら、平成14年12月に行われた再開発準備組合の役員会において、一般業務代行者から中間報告がなされ、事業実現に向けての方向性について了解が得られたと聞いており、ここで事業化のめどがついたものと思われます。そこで、事業のタイムスケジュールを明確に設定し、事業実現に向け早期に取り組む必要があると考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。 ③として、「活性化元年」の平成15年度は、中心市街地に関連して一定の予算が措置されていますが、今後さらに追加する考えはないかをお伺いいたします。 ④として、百年の計をもって整備するハード面の施策と即効性を重視したソフト面の施策をうまく組み合わせていく必要があると思いますが、どのように取り組んでいこうとしているのかをお伺いいたします。 次に、県施設(保健福祉事務所・警察署)の跡地利用についてお伺いいたします。 ①として、小田原市における治安についてお伺いいたします。 さて、近年、我が国では、国際化の進展や生活スタイルの変化、加えて価値観の多様化などにより、それぞれの地域でよき伝統として守られてきた住民相互の連帯意識が低下するなど、犯罪防止機能としての地域という安全基盤に大きな陰りが生じているところであります。昨年の犯罪状況は、件数が過去最悪を更新し続けておりまして、屋外においては、路上強盗、ひったくり等の犯罪が、また、屋内においては、新たな開錠手口(ピッキング等)で住宅に浸入して窃盗のみならず、凶悪な犯罪を犯す事件が増加しており、県内では、前年に比較して約1万件も増加していると聞いております。また、小田原警察署管内においては、件数は減少しているものの、車上ねらい、自転車等の窃盗事件が多発していると聞いておりますが、このような犯罪状況の中で、地域社会における防犯組織の育成や非行少年の指導、さらに防犯意識の高揚など、地域における防犯活動はますます重要性を増してきております。このような状況の中、本市における「安心で安全なまちづくり」を目指す行政としての取り組みはいかがなものかをお伺いいたします。 ②として、大型派出所の設置についてでありますが、訂正させていただきます。派出所という言葉は現在使われていないとのことです。再度、大型交番の設置についてお伺いいたします。 平成16年4月に小田原警察署の移転に伴い、中心市街地の治安が心配されるところであります。市民の声は、移転後、小田原警察署にかわる機能を持つ現代的な大型交番をと切実な願いで訴えております。また、鴨宮地区では、大型店舗が数多くあり、今年の10月初旬には西湘貨物駅跡に大型アミューズメント施設がオープンするとのこと、ますます県と一体となり防犯の強化を図らなければならないと思い、大型交番設置が必要と考えますが、行政の対応をお尋ねいたします。 ③保健福祉事務所跡地についてお伺いいたします。 平成14年6月定例会において13番中島議員が、市立図書館は「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の長期計画の中で移転として位置づけられており、それに伴う図書館の本館構想の考え方として、南町に図書館移転を望まれたことは承知のとおりであります。その後、14年8月26日付で地元より、南町の県施設移転についての陳情書が出され、その内容は、小田原市民にとって有益な場となるように、市民の福祉、文化等の充実を図り得る有益な場所とするため、県に対し、市当局が早期に協議を願いたいとの内容であります。この場所は、小田原の中心市街地活性化基本計画にも、伝統の街並み形成ゾーン、西海子小路エリアとして位置づけられ、武家屋敷の面影を残す街並みと歴史と文学のまち小田原の個性を出すとうたっております。陳情書が出され、県との協議はどの程度進んでいるのか、また、市として、この跡地をどのように考えているのかをお伺いいたします。 次に、(仮称)城下町ホールについて、何点かお伺いいたします。 はじめに、(仮称)城下町ホールの今日までの経緯と今後の展望についてお伺いいたします。 この(仮称)城下町ホールの問題は、これまでに多くの先輩議員が何度となく質問されてまいりましたが、私も、このホールは本市の中心市街地活性化のシンボルタワーとなることを期待しておりますが、単に小田原市のみならず、西さがみ連邦共和国や県西地域の、あるいは静岡、神奈川、山梨の3県にわたる広域交流拠点のランドマークとして、十分な集客能力を持った、「世界にきらめく明日の1000年都市おだわら」にふさわしい施設でなければならないと考えております。今年3月末、(仮称)城下町ホール建設市民委員会が、3年間にわたって検討されてきた内容を報告書として提出されました。この内容を拝見しますと、「長引く景気の低迷や中心市街地の活性化が求められている今だからこそ、(仮称)城下町ホールや文化が持つエネルギーが私たちやこの小田原には必要である」とのくだりがあります。また、この報告書の巻末には、委員の皆様の意見や感想が記されておりますが、その中のある委員は、「新構想以来、延々としてその形がはっきり見えてこない状況にある。その積み重ねた要望に誠実に答えを返せるように望む。すべてに先の時代を見据えたノウハウがポイントだと思う」とあります。市長は今年4月、(仮称)城下町ホールにかかわる用地取得と施設整備の事務を一元的に行うための機構改革を実施されました。これは、(仮称)城下町ホールの建設における市長の意気込みや積極的な姿勢のあらわれであろうと理解しております。 そこでお尋ねします。用地問題を含めたこれまでの経緯はどのようであったのかお聞かせ願いたいと思います。また、今後、(仮称)城下町ホールの事業化に向け、今年度どのような取り組みや展望を持っていられるか、あわせてお聞かせ願いたいと思います。 次に、(仮称)城下町ホールのプランの推進についてお伺いいたします。 市長は以前から「市民参加の
まちづくり」を掲げられており、(仮称)城下町ホール建設市民委員会は、こうしたお考えのもとで、市民の意見を反映したいとの思いから立ち上げられたものと認識しております。しかし、今日の厳しい社会経済環境の中で、市民委員会の皆様は、報告書の取りまとめに大変な御苦労をされたことと思います。それゆえに、先ほども申し上げましたとおり、(仮称)城下町ホールは、本市の中心市街地活性化のシンボル的施設であってほしいし、活発な交流が図れる集客能力を持った施設であってほしいと願うものであります。 そこでお尋ねします。市長は、市民委員会の報告を踏まえ、(仮称)城下町ホールの施設構成や規模について、どのような考えで整備を進めていくのかお聞かせ願いたいと思います。 次に、小田原漁港海岸整備についてお伺いいたします。 県事業(神奈川県西部漁港事務所管轄)の小田原本町地先荒久海岸から山王川まで1.6キロ区間において、波浪による浸食が進み、海岸線が著しく後退しており、背後地には住宅が密集しており、住民の生命・財産を浸食から守る必要があるとしております。概要としては、人工リーフ4基、小人工リーフ1基、小突堤1基、防波突堤1基、養浜6万4000立米、事業費は約50億円とし、事業年度は平成8年度から平成14年度とし、若干のおくれはあるものの、15年度以降は山王川河川の防波突堤1基と養浜3390立米の予定とのことです。人工リーフは前面の被覆ブロックについては検討中とのことであります。また、今年度には、小田原漁港沿岸整備工事その3(県単)、相模灘沿岸海岸保全基本計画策定委託として、基本計画の策定に入るとのことです。委託目的は、この計画は平成12年5月16日に、農林水産省、運輸省、建設省告示第3号、海岸保全基本計画として公表され、国民共有の財産として、「美しくて、安全で、いきいきした海岸」を次世代へ継承していくことを、今後、海岸保全のための基本的な理念として策定するものであり、基本的計画策定に当たっては、地域の意見を反映して沿岸ごとに整合のとれた海岸保全計画を作成し、総合的な沿岸の保全を実施することになっています。県の事業が進む中で、小田原海岸の復活とともに、当沿岸は多くの人工、資産が占められていると思います。海水浴、花火大会等、小田原唯一の海岸、レクリエーションの場であるので、中心市街地活性化の上でも、観光海岸として位置づけたらと思います。市長にこの海岸の現状と展望をお伺いいたします。 以上、第1回目の質問を終わりにしたいと思います。(拍手)
○議長(大野眞一君) 市長、登壇願います。 〔市長(小澤良明君)登壇〕
◎市長(小澤良明君) 2番杉山議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 はじめに、中心市街地の活性化に関しまして、小田原駅東西自由連絡通路(アークロード)の一部開通に伴う駅の利用状況の変化や、開通による効果についてお尋ねがございました。御承知のように、小田原駅は五つもの鉄道が乗り入れをいたします一大交通結節点でございまして、県西地域、さらには富士箱根伊豆交流圏の玄関口として重要な役割を担った駅でもあります。しかしながら、小田原駅には東西を結ぶ自由通路が長い間なく、分断をされ、拠点としての機能を十分に発揮することができませんでした。そうしたことから、市民をはじめ多くの利用者からその建設が長い間にわたって強く要望されてきたところであります。このアークロードの開通によりまして、駅の東西が結ばれ、自由に行き来できるようになるとともに、乗りかえ時における通路の混雑解消や、駅前広場からプラットホームへの移動がバリアフリー化されること等によりまして、利用者の利便性と安全性が大幅に向上するわけであります。現在のところは仮開通でございますから、市民の皆さんにいろいろと御不便をおかけしたり、御批判をいただいている部分もございますが、いずれにいたしましても、この完成をいたしますとその役割は、単に通路としてだけでなくて、駅東西の均衡ある発展を推進する施設として、中心市街地活性化への起爆剤にもつながるものと期待いたしておりますし、ひいては小田原の歴史の新しい一ページを開き、富士箱根伊豆にまたがる新たな交流の舞台となるものと考えております。いずれにいたしましても、アークロードの整備をはじめとする小田原駅の再整備は、将来の小田原にとって、新たな発展に向けた大きな財産になると確信しているところであります。 次に、お城通り地区再開発を早期に実現するべきだという御趣旨の御質問がございました。お城通り地区再開発事業につきましては、平成14年12月に開催されました再開発準備組合役員会におきまして、一般業務代行者から事業採算性を踏まえた実現性の高い計画案として中間報告がなされまして、施設建築物を駅寄りに集約すること、また、事業手法は定期借地権方式など幅広く検討することについての提案がなされた。大変厳しい現下の諸情勢を受けまして、そうした諸情勢に合った、適合した、リスクの少ない方式につきまして提案があったということでございます。こうしたことを受けまして、再開発準備組合では事業化に向けた詳細な検討を現在進めているところでありまして、具体的には再開発事業の成立性や都市計画における妥当性なども検討しながら、準備組合員との個別的な協議・調整を進めているところであります。今後は、これらの作業を進めていく中で、準備組合員の意向を把握しながら、合意形成を図りつつ、事業化に向けての判断をしていくことになりまして、その後、市街地再開発事業の都市計画決定や市街地再開発組合の設立に向けての法定手続を進めていくことになります。いずれにいたしましても、お城通り地区再開発事業は、広域交流拠点整備構想の実現とともに、中心市街地の活性化のためにも大変重要な事業でありまして、市としても、この事業の早期実現を図り、にぎわいと活力のある中心市街地の創生に向けてできるだけ努力をしてまいりたいと考えているところでございまして、2番杉山議員、今後とものご指導をよろしくお願い申し上げる次第であります。 次に、今年度、中心市街地に関連して一定の予算措置がされているわけでありますが、この予算につきましては、追加予算を編成して、さらなる充実を図れと、こういう御激励を含めた御質問だと思います。中心市街地の活性化策としては、新たな創生とにぎわいの創出を図ることを目的に、昨年の9月に、私自身が本部長となりまして、中心市街地活性化推進本部を庁内に立ち上げました。以来、活性化に向けて具体的な事業を、昨年の補正あるいは新年度予算等においても展開しているところでございます。特に、これも2番杉山議員御指摘をいただきましたけれども、今年は小田原の活性化元年、特に中心市街地の活性化元年として意義づけをいたしておりまして、アークロードの開通をきっかけに、にぎわいと活力のある中心市街地の創生につなげていきたいと考えております。リサイクルプラザの開設や、食と木の文化創出事業、中心市街地再生チャレンジ事業、これらの新規事業を立ち上げるなど、活性化策を着実かつ速やかに推し進めてまいりたいと考えております。こうした中で、昨年から今年にかけて取り組みました小田原駅東西自由連絡通路(アークロード)の一部開通、あるいは市営の栄町駐車場を30分無料化いたしました。あるいはまた、大工町交差点の右折禁止解除を議会の皆様方と一緒になりまして運動いたしまして、あるいは地域の皆さんと一緒になりまして運動いたしまして、この右折禁止の解除を県警本部にお願いをしたわけでありまして、こうしたこと等によりまして、まちの魅力やまちを訪れるお客様の利便性が向上し、目に見える形で変化の兆しを見せ始めていると受けとめております。こうしたことから、この変化をより効果の高いものへと変える絶好の機会ととらえまして、現在、行政によります空き店舗活用、あるいはSOHO(いわゆるスモールオフィス・ホームオフィス)や、地場産業振興策の中心市街地での展開などの事業につきましても、追加施策として検討させているところでありまして、国や県とも連携をとりながら支援を得るように努め、できるだけ対応したいと考えているところであります。 次に、中心市街地活性化に関するハード・ソフト両面の施策についてでございますが、特に中心市街地の活性化策で、まず行政がやるべきことといたしまして、例えば国道1号の無電中化リニューアル、これは東海道ルネッサンス事業に関連いたしまして、国土交通省横浜国道事務所が主体となって行っておりますが、こうしたことの推進、あるいはお堀端通り、シンボルロードと位置づけておりますけれども、小田原駅浜町線の整備、シンボルロードは市が行っておりますが、あるいは市民会館からスクランブルにかけましてのうるおいの道づくり事業、その部分は神奈川県の事業で行っておりますけれども、国道255号でございますが、これらの事業を既に完了または継続施工中でございまして、道路やあるいは景観整備、こうしたものの整備を主体に行ってきつつ、かつ、今後どう取り組むのかというお話でございます。まず、ハード面の施策でございますけれども、中心市街地、とりわけ小田原駅周辺では、これから、アークロードが間もなく完成するわけでありますが、これや西口駅前広場の整備に続きまして、東口駅前広場の整備を行いますほか、先ほどもお答えいたしましたお城通り地区再開発事業の早期事業化に努めるとともに、駅西口地区や栄町二丁目東通り・大乗寺周辺地区につきましては、社会経済情勢の推移を見守りながら、有効な整備方策を検討してまいりたいと考えているところであります。さらに、城下町小田原の特性や魅力を引き出し、市民や訪問者が快適な時間を過ごせるような都市空間づくりを進めるために、先ほどもこれも御答弁いたしましたように、昨年の9月に中心市街地活性化推進本部を庁内に立ち上げたわけでありますが、これとあわせて設置させていただきました中心市街地アメニティデザイン推進委員会を中心にいたしまして、「緑あふれる城下町」「せせらぎの流れる城下町」あるいは「バリアフリーの城下町」等々を研究いたしまして、2番杉山議員も御指摘のとおり、緑あふれる、あるいはうるおいのある、人にやさしい、地球にやさしい、こうした小田原の魅力を十分に生かした事業に結びつけていきたいと考えているわけであります。ソフト面の施策でございますけれども、まちの活性化を進める観点から大変重要であります商店街や小田原TMO、これは商工会議所が事務局となりまして民間
まちづくり推進機関を組織しておりまして、これを小田原TMOと申しますけれども、この民間主体の中心市街地活性化のための機関への支援をはじめ、街かどコンサートの充実や街かど博物館ネットワークの強化、地場産業振興策の中心市街地での展開、これらを視野に入れながら、駅周辺のにぎわいや、街中を回遊できる、例えばいい例が街なか博物館の展開ですけれども、街なか博物館をまち歩きしながらめぐって小田原の魅力を楽しむ、そういう中で知らない間に中心市街地を一周してしまった。そんなような形で、駅周辺のにぎわいや街中に来やすい環境をつくり出すための諸事業を展開してまいりたいというふうに思っております。 今後は、今年度の各事業の効果や成果を見きわめまして、さまざまな観点から諸施策を検証し、さらなるステップアップを図るよう、行政としてできることを着実かつ柔軟に実行していくことだと理解しております。何よりも、ただそこをしっかりと、ハードの施策、ソフトの施策にかかわらず、活性化とかにぎわいとかいうものは、そこに住んでいる皆さん、特に御商売をやっていらっしゃる皆さんが奮起一番、こうした時代だからこそ、お子さんやお孫さんにも御商売をつなげていただけるような挑戦を、チャレンジをしっかりとしていただきたい。また、そのための応援をできるだけしてまいりたいというふうにも考えております。やはり商業者の皆さんのここ一番での踏ん張りが基本だと思っておりまして、ここのところを行政として、ハード面はもちろんですけれども、ソフト面をどう継続、充実させていけるのかというのが私どもの役割だというふうに考えております。ハード面の施策によりまして、まちの新たな発展の牽引力となりますように、交流の舞台づくりを進めると同時に、ソフト面の施策により街中に人々を引きつけ、回遊性を高める必要がありますことから、互いの施策を補完・連携させるとともに、これから策定する「ビジョン21おだわら」後期基本計画において、それぞれの施策を位置づけ、中心市街地の活性化に努めてまいりたいと思っております。 次に、行政としての防犯対策の取り組みについてのお尋ねがございました。2番杉山議員におかれましては、大変長い間、民間防犯指導員の主体的なメンバーといたしまして御活躍をいただいております。まず、そのことに関しまして、市として衷心より御礼を申し上げたいと思います。そうした視点からの質問がございました。県内の犯罪情勢は年々悪化しているということも事実でございます。市内での犯罪発生件数は、昨年は皆様方の御努力もございまして減少傾向を示しているところであります。しかしながら、御指摘のとおり、一部の地域で車上ねらいや自転車盗等の身近な犯罪も増加しているという事実も見過ごすことはできません。市内では、鴨宮、酒匂交番管内が車上ねらい、小田原駅東口交番管内は自転車盗が多発しているわけであります。小田原市では、本年2月から毎月10日の「防犯の日」にこの地域を重点的に、警察の皆さんや2番杉山議員が御加盟でいらっしゃいます民間防犯指導員の皆さんと連携を図って、犯罪被害防止を市民に呼びかけながら夜間パトロールを実施していただいております。また、広報紙や回覧による犯罪被害防止の呼びかけや駅前キャンペーン等によりまして啓発活動を行っているところであります。去る6月1日に開催されましたエコライフフェアでは、警察や民間防犯指導員と協力して、啓発チラシなどを配布して犯罪被害防止を市民に呼びかけたところでございますが、これにつきましても、終日、2番杉山議員には御参加をいただいて御活躍をいただきまして、これらにつきましても、市長といたしましても感謝申し上げたいと思います。さらに、6月2日には、市内25地区の連合自治会長が出席する自治会代議員会では、小田原警察署から担当次長さんをお招きいたしまして、市内における犯罪発生状況についての御講演をいただきました。今後とも、市民が安全で安心して暮らせる
まちづくりの実現に向けまして、関係機関・団体と連携を図って防犯対策に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 次に、小田原警察署の移転後の中心市街地と下府中地区におきます大型交番の設置についての御提案というかお尋ねがございました。来年の4月1日から、お堀端通りにあります小田原警察署が、市役所のそば、西湘センターの隣に来られるわけでありまして、いずれにいたしましても、この小田原警察署本署が荻窪の方に来た後の中心市街地の防犯対策等々を皆さんからいろいろと御意見をいただいているところであります。そこで、小田原市といたしましても、それに加えて、近年急速に商業集積があります下府中地区の防犯対策等もございまして、交番の新設を小田原警察署を経由して県警等にもお願いをいたしてまいりました。小田原警察署におきましても、県警本部に対しまして、中心市街地における大型交番の新設と下府中地域における交番警察官の増員を要請されているとお聞きしております。また、交番警察官によるパトロールの強化やパトカーによる機動力を生かした警戒活動の強化等、犯罪発生の実態を踏まえた、交番警察官の配置や担当地区の見直しなど、柔軟な体制で対応されるということも検討されていらっしゃるようであります。今後も地域住民が安全で安心して暮らせることができますように、引き続き、交番の新設等につきまして小田原警察署にお願いをしてまいりたいというふうに思っておりますし、市といたしましても、そうした小田原警察署や神奈川県警本部の御努力に対しまして、できるだけの御協力もしてまいりたいと考えているところであります。 次に、保健福祉事務所の跡地利用について、市としてどのように考えているのかとの御質問がございました。昨年8月、県施設の移転に伴う跡地を、市民にとって有益な場となるよう県に働きかけてほしいという陳情書が地元の皆さんから市にございました。2番杉山議員御指摘のとおりでございます。小田原市では、当該地区は文学館や白秋童謡館など回遊性のある
まちづくりを考える上で重要な施設が存在することや、桜並木等良好な住環境が形成されている地区であることをかんがみまして、県と跡地の有効活用につきまして協議を重ねてきたところであります。そして先日、神奈川県としての利用計画はないという旨の連絡がございました。そして同時に、小田原市に対しまして利活用の計画についての照会があったわけであります。小田原市といたしましては、引き続き県と協議しながら跡地の有効利用について検討してまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、御承知のとおり、県施設の跡地の利用につきましては、保健福祉事務所だけではございませんので、小田原市の場合はいろいろなことが重なってまいりました。そこで、全体的な県と市との考え方、あるいはそこに民間というものがどういう形で存在するのか、こんなことも総合的に勘案しながら、県と調整してまいりたいと考えているところでございます。 次に、(仮称)城下町ホールの整備について御質問がございました。(仮称)城下町ホールの整備につきましては、平成2年に、市民会館建て替えに向けた市民の代表による「小田原市民会館整備検討委員会」が組織されまして、その検討結果が平成4年3月に調査報告書として提出されたことを踏まえまして、市では、用地確保や整備に向けた検討を、用地の買収からいろいろ困難性がございましたのを今日まで継続的に鋭意進めてきたところであります。その後、平成10年7月に策定されました小田原市新総合計画「ビジョン21おだわら」におきまして、(仮称)城下町ホール整備事業を、重点項目でありますレインボープロジェクト、7本の重点施策の束をレインボープロジェクトと位置づけておりますけれども、そこに位置づけますとともに、平成11年12月には、神奈川県工芸技術センターの跡地、現在は小田原TMOにめがね橋臨時駐車場としてお貸ししているところでございますが、ここを建設予定地として土地開発公社が取得した次第であります。そして平成12年3月、広く市民の意見を聞く場として「(仮称)城下町ホール建設市民委員会」が設置されました。市民委員会の場では、社会経済情勢の変化や価値観の多様化、
まちづくりの観点から新しい切り口の検討を重ねていただきまして、今年の3月に、市に対しまして報告書が提出されたということであります。また、小田原警察署の移転計画が進むなど、建設用地の確保に向けて進展がございましたことから、本年度より市民部の中に御指摘がございましたように城下町ホール整備担当を配置いたしまして、建設に向けた準備を進めているところであります。 次に、(仮称)城下町ホール整備の事業化に向けての取り組み、展望についての御質問がございました。(仮称)城下町ホールの建設用地といたしましては、小田原警察署、めがね橋臨時駐車場及び消防中央分署の敷地を確保できるものと考えているところであります。小田原警察署はまだ人様の土地でありますから、いずれにいたしましても予定でありますけれども、御理解いただければそういうことで確保できるというふうに考えております。また、建設については、従来の建設手法にとらわれず、PFIの導入などを積極的に検討してまいりたいと思っております。PFIでございますけれども、既に御承知のとおり、公共事業の分野に民間の皆さんの経営力、資金調達力、技術力等を導入する手法でございます。自治体にとりましては、公共事業の早期の実現、財政負担の軽減や平準化などの利点があるということとされておりますけれども、これらにつきましても別なマイナス点もあるというふうなこともございまして、検討をいろいろとこれらについても進めているところでございます。こうしたことから、(仮称)城下町ホール建設市民委員会から提出された報告書を踏まえまして、現在進めている総合計画後期基本計画の策定とあわせて、(仮称)城下町ホール整備の事業方針の検討を進めてまいりたいと考えているところであります。 次に、この(仮称)城下町ホールの施設構成や規模をどのように考え、整備を進めていくのかとの御質問がございました。(仮称)城下町ホールの目指す方向と必要とされる施設構成や規模については、社会環境や文化活動等が多様化する時代を背景といたしまして、ホールを単に鑑賞や発表の場にとどめるのではなくて、学ぶ・つくる・表現する場である「創造系機能」や、出会い・交流・発見の場としての「交流系機能」をあわせ持つ小田原の文化振興の柱とする、こういう市民委員会の皆さんからの報告や、確保できる建設用地を考慮した検討が必要であると考えております。(仮称)城下町ホールの整備は、単に文化振興だけでなく、集客力を考慮した企画運営を行い、中心市街地の活性化も視野に入れた魅力ある
まちづくりの一環として推進していきたいと考えております。本年度は、ホールのコンセプトや施設の構成など事業方針を検討してまいりたいと思います。いずれにいたしましても、市民ニーズの高い施設でありまして、早期実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 小田原漁港海岸整備でございますが、小田原海岸の浸食を防止し、減少した砂浜の回復を目指しまして、平成3年度から神奈川県西部漁港事務所が事業主体となって、この小田原海岸の砂浜の回復につきまして、事業が進められております。事業内容は、人工リーフ(潜堤)、一定の水面の下に、潜り堤防でありますけれども、これを連続して設けましたり、防波突堤、これはヘッドランドといいますけれども、海の中に突堤を出して海流を弱めて砂浜がつきやすくする、並びに砂浜の回復、養浜でございますけれども、これを目的とした養浜工を進めまして、山王川寄りの突堤を除き、既にこれらにつきましては完成いたしております。平成15年度では、防波突堤工、延長100メートルと養浜工1万立米を施工いたします。御承知のとおりでありますが、酒匂川飯泉取水堰のところに砂が堆積いたしております。この砂を取水堰からトラックでピストン輸送いたしまして、国府津海岸や小田原海岸に養浜工の材料として埋め立てをする。ですから川の砂を、本当は自然に海に流れるものを、そこにとどまっているということもございますので、県の手でこれらを運搬してもらっているということでございます。また、神奈川県では、相模灘沿岸海岸保全基本計画を策定するために、関係市町と県担当機関で相模灘沿岸海岸保全基本計画検討会を組織いたしまして、昨年(平成14年)の3月から検討を進めているところであります。この基本計画は30年間の長期計画であります。この検討会のテーマは、「みんなで守り・楽しみ・伝えよう相模灘の豊かな自然と悠久な歴史・文化」ということでございまして、この中には、施設整備を含めた海岸の利用について重点事項としているところであります。 以上をもちまして、2番杉山議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきたいと思います。
◆2番(杉山三郎君) ただいま市長より、私の質問に対しまして御理解ある御答弁をいただきまして、誠にありがとうございます。そこで若干再質問させていただきます。 中心市街地活性化についての関連ですが、アークロードが今年度中に完成し、駅ビル建設も予定があり、東口のペデストリアンデッキも今年度既に設計に入っているということです。ハード面の準備も着々と進行していることと思いますが、小田原の現状を見ますと、とにかく中心市街地に人が流れない。今、商店街の人のみならず、まちを大切にしようと思っている人がたくさんおります。例えば、北條五代祭り以降、銀座通り商店街で
まちづくり応援団が企画された「まちえんカフェ」が開店休業になってしまうことに対して、非常に残念な思いを抱いている人もたくさんいるのではないかと私に切々と話してくださる人がいます。そこで即座に活力を与えるソフト面で、せっかく軌道に乗ってきているのにという思いがとんざすることは誠に残念なことであります。ここで私の提案ですが、まちのにぎわいを即座に活力あるまちにするには小田原提灯だと思います。この小田原提灯は北は北海道、南は沖縄・屋久島に至るまで、「小田原といえば」との問いに小田原提灯と答えます。先日、NHKの深夜放送で「音の風景」という番組の中で、市長も御存じのように小田原が全国に紹介された中で、そのすばらしさを私は感じましたので、ぜひそのことを実現したいと思う次第です。小田原駅周辺を提灯によるプロムナードとして、365日「灯りの町」「提灯の町」として全国に発信することは、極めて時宜を得た施策と考えますが、いかがなものでございましょうか。ぜひこれを実現いたしたく願うものですが、お考えをお伺いする次第です。 次に、保健福祉事務所の跡地につきましては、ただいま市長から、今後も県と協議を続けるという御答弁をいただきましたが、私は、もともとここは県の土地なんですから、本来、県の方で周辺環境に配慮した施設をつくるべきじゃないかと思います。県西地区には県の施設が少ないという声もよく耳にいたしますし、県として、この地域に文化施設的なものを設置するに当たっては、地元小田原市の意向を尊重する、この方向でぜひ県と協議していただきたいと思います。この点、強く要望しておきたいと思います。 次に、(仮称)城下町ホールについてですが、既に整備に向けた検討を始めて10年余りが経過しておりますが、市長の御答弁をお聞きしますと、実現にはまだまだ数年を要するように聞こえます。(仮称)城下町ホールは小田原の中心市街地を活性化させるために欠くことのできない重要な施設であることは、先ほど申し上げましたとおりでございますし、市長からも同様の趣旨で御答弁をいただきました。市長がこの(仮称)城下町ホールにかける意気込みや姿勢は所轄を一元化されたことからもうかがうことができますが、(仮称)城下町ホール整備にかかわる予算を重点的に配分することも必要だと考えます。そこで、(仮称)城下町ホールの整備に向けて、なお一層の取り組みをお願いするとともに、一日でも早く施設の内容や展望をお示しくださるよう強く要望いたします。 次に、観光海岸として位置づけてほしいという質問をしましたが、この小田原海岸は小田原駅から歩いて20分とかからない地の利を得ているところです。これは、小田原の自然が与えてくれた財産です。この海岸を観光として広く全国に生かす手だてを講ずることは誠に大切だと考えます。そこで、具体的には、整備が図られている早川河口から御幸の浜までの間に、海岸整備とともに人工リーフの砂浜寄りに砂利を敷き、シュノーケリングポイントをつくってみてはいかがなものかと思います。シュノーケルは、ダイビングスクールなどで講習を受け、水泳同様、自分に合ったペースで行え、老若男女を問わず楽しめ、目的に合わせ、水面遊泳、海中観察から競技スポーツといろいろな活動ができるとのことです。近年、シュノーケル人口はふえております。ちなみに、ダイビング人口は、ライセンスを持った方が全国で100万人と言われております。ぜひ小田原の海を活用し、シュノーケルポイントをつくり、小田原市民にすばらしい海を知ってもらうのはもちろん、観光客の集客や小田原の活性化につながるものとして御提案申し上げます。 以上で、私の要望、提案を兼ねた再質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。
◎市長(小澤良明君) 2番杉山議員から何点かにわたって要望なりあるいは御質問なりをいただきました。まず最初の、小田原提灯を生かして、小田原を「提灯の町」、また小田原提灯の全国的なアピールというか、そういうことをやったらどうか、それが活性化につながるということですが、確かに「灯り」というのは城下町に非常に合う一つの装置だと思いますし、そこで観光協会主催でこの夏も小田原ちょうちん夏まつりを行うわけであります。一大イベントとして行います。御指摘いただきましたように、小田原提灯はまた小田原を代表する歴史的産物でもありますし、手づくり提灯のボランティア活動の皆さん等もいろいろと動いておりまして、さまざまな機会を通じて小田原のPRにも既に大きな役割を果たしてきております。これはお聞きしているところでありますけれども、小田原商工会議所の青年部さんが20周年の記念事業として、小田原提灯を使ったいろんなイベント等を企画していらっしゃるようであります。御提言いただきました「灯りの町」小田原の創出につきましては、過去、小田原提灯にずっと御努力をいただいてきた、ボランティアとしていろいろ地道な御努力を続けてきた皆さんの御意見もお伺いいたしましたり、そのほか関係諸団体とも協議をしながら、御提言のような趣旨で、もっとしっかりとしたものに、「提灯の町」としてやっていくにはどういう形で、どういう歩みでしていったらいいのかというようなことを協議してまいりたいというふうに思っております。いずれにしても、小田原ちょうちん夏まつりをこれから行いますけれども、いろいろとそうした観光協会が行っておりますイベントにつきましても、商業者や市民の代表者の皆さんが、毎年毎年企画委員会をやっていろいろ新しい試みをやりましたり、あるいはまた反省会で反省をしながら翌年につなげていく、そういう繰り返しできましたものですから、そこに今のようなお話とどういう形でドッキングできるかというようなことも含めて、少し時間をおかりしたいと思います。 それから保健福祉事務所の跡地は特に県有地なんだから県の施設をやるべきだと、私も全くそのとおりと思います。あるいは、小田原市選出の県会議員の皆さんもそういうお考えのようでございました。力を合わせまして、この問題が発生いたしました当初から、当時の岡崎県知事さんはじめ関係のところに市を挙げていろいろとお願いをして、こちら側から、正式ではございませんけれども、内々ではいろんな御提言もさせていただいた。各レベルでそういうことも重ねてきたわけですけれども、当初から、県の財政的な問題から県有地の処分の問題も一部議論されましたり、そんなような背景もありましたからなかなか県の姿勢がかたいわけでありまして、いろいろやってきましたけれども、結果的に、先ほど当初の御答弁でお話をいたしましたように、県としての利用計画はない、いわばそういう積み重ねを経た上で、最後通告のような形できたわけであります。これはこれとして私どもも受けとめますが、ただ市といたしましても、そこは本当に貴重な、特に御提案のところは貴重な場所だと思っておりますので、まだまだ県ともいろいろな形で御相談をしながら、あそこだけでなくて、交渉事ですから総合的にいろいろと絡め合いながら、できるだけ市の意見も言ってまいりたいし、また、そういう中で貴重な土地だということはしっかりとわきまえて、この話を進めてまいりたいというふうに思っております。 (仮称)城下町ホールの問題ですけれども、本当に早くやりたいと思っています。ただこういう時代ですから、一つの時代に一遍にハードな大きな施設につきましてはなかなか幾つも幾つもやるというわけにはいきません。しかし課題は幾つもあるわけです。課題は幾つも皆さんからもいただいております。市といたしましてもやらなければいけないこと、やりたいというか、やらなければいけないこともたくさんあるわけでございます。そういう中で、財政の将来展望をしっかりと、ましてこれだけ国と地方のお金をめぐっての厳しいやりとりが続いているところでありますから、そうした見きわめをはっきりと見きわめなければなりませんし、そういう中で、市としてやりたい大きな課題、事業として(仮称)城下町ホールもとらえている。むしろ最近では、芸術文化の関係の皆さんから「城下町ホールに早く手をつけたいと一番思っているのは市長さんなんですよね」と、半分嫌みなのかもしれませんけれども、そういうことまで言っていただけるくらいに、私としては本当にそう思っています。ただ、諸環境がなかなか許さないというふうなことの中で、どうしたらうまい展望が開けていけるのかということをできるだけ早く模索してまいりたいと思っています。 小田原海岸の問題につきましては、海は大きな財産だということは、私も先ほど来お話ししているとおり小田原の大きな財産です。特に、新幹線の駅から1キロぐらい離れて、あんなにすばらしい海岸があるというのは、これは学識経験者等もひとしく指摘されているところで、海を小田原がもっと利用しない手はないということはかねがね言われているわけであります。学生さんの提言なんかでも、小田原駅から今の道路にずっと2階建てのデッキみたいなのをつくって、木造か何かでデッキをつくって、そのまま海へ歩いていけるようにしたらどうかとか、大変すばらしいアイデアというか、そんなような御提言もいただいたりするくらいに、小田原の海というのはやはり財産だと思っています。ただ、今シュノーケルポイントというお話を初めて聞きました。ちょっと聞いただけですけれども、よくわかりませんけれども、小田原の海岸というのはある面で急に深くなって危険だよと、そんなようなことも聞いておりまして、人工リーフがあるにしても、そこのところの様子がよくわかりません。人工リーフと人工リーフの間はやはり相当間がありますから、そこのところの海流の流れは、人工リーフができただけに相当激しいものもあると思います。水の巻き返しも。その奥の方は下がえぐれているというようなことも、2番杉山議員は水泳も達者で、素潜りもどんどんやっていらっしゃると思いますけれども、よくその辺は体で確かめていらっしゃるのかもしれませんけれども、初めて今お聞きすることで、そういう利用法があるのかどうかということにつきましては調べてはみます。ただ、あくまでもこの事業は県の手で進められておりまして、小田原海岸は山王川までは漁港区域でありますから、農林水産省あるいは水産庁と神奈川県西部漁港事務所が行っていただいております。そういうことからしまして、どこまで漁業との兼ね合いでそういう利活用の仕方がいいのか、そういう問題とかいろいろあると思うんです。そういう御提案があったということは県にお伝えをしていきたいというふうに思っております。 以上で私からの2番杉山議員の御質問に対してましての答弁とさせていただきます。
○議長(大野眞一君) この際、暫時休憩いたします。 午後2時40分 休憩
---------------------------------- 午後3時0分 開議
○議長(大野眞一君) 休憩前に引き続き再開いたします。 6番青木議員、登壇願います。 〔6番(青木正光君)登壇 拍手〕
◆6番(青木正光君) 社民・ネット連合会派の青木正光です。私は、4月の市会議員選挙で市民の皆さんの御支援、御支持をいただき、初当選させていただきました。市民の代表として、小田原市政発展のため、これから4年間、一生懸命議員活動に努めてまいりますので、よろしくお願いをいたします。 通告に従い御質問をいたします。はじめに、中心市街地の活性化問題についてお伺いいたします。 現在、中心市街地では空き店舗や駐車場などが数多く見受けられ、地盤沈下や空洞化が着実に進んでおり、活性化に向けた抜本的施策が必要であると考えています。私は、中心市街地の地盤沈下や空洞化の現象が今後も進行し拡大していくのではないかと危惧しているところです。したがって、今、本市が行っている活性化の施策の成果を期待するところでありますが、私は、もっと抜本的に中心市街地の活性化問題を考えるときではないかと強く感じているところでございます。 平成11年3月に、小田原市と神奈川県による広域交流拠点整備検討委員会は、小田原駅周辺地区を広域交流拠点とした広域交流拠点整備構想を策定しました。この整備構想に基づき、小田原駅東西自由連絡通路や駅前広場整備などは具体的に事業が進められています。しかし、お城通り地区整備基本計画は準備組合で協議している段階であり、そのほかの事業の構想は見通しも明らかではありません。また、平成11年3月に小田原市中心市街地活性化基本計画が策定されましたが、その中の活性化の基本方向、中心市街地の将来像の中で、「小田原市は、城下町としての歴史と伝統文化のイメージの割には、他地域とかわりばえがしない、おもしろみのないまちの評価を受けており、市民はもとより、来街者の中心市街地離れが進んでいる。その原因は、競合する他地域が成熟しつつあり、中心市街地の魅力が相対的に低下したこともあるが、中心市街地が持つすぐれた特性や資源を生かし切れず、資本の論理を主にまちが構築されてきたことにある。うるおいや情緒のない街並みが形成され、来街者の心が動く、おもしろみ・おもむきといった『あじわい』を感じることの少ないまちがつくられてきた」と厳しい指摘をしています。特に中心市街地が高めるべきまちの魅力とは、地域の特性や資源を最大限に活用した「おもむきや風情のあるまち」「奥行きのあるまち」「おもしろみのあるまち」であり、それはとりもなおさず「あじわいのあるまち」にほかならないと将来の
まちづくりを設定しています。私は、整備構想や基本計画では、どこのまちにも見受けられる「かわりばえがしない、おもしろみのないまち」になり、これだけでは、中心市街地の地盤沈下や空洞化を防ぎ、中心市街地の活性化を図ることはできないと感じています。 私は、広域交流拠点整備構想でも、小田原市中心市街地活性化基本計画の中でも、城下町、宿場町としての小田原の歴史的・文化的資源を生かした
まちづくりが強調されていますが、それが活性化基本計画の大きな施策の柱として具体化されていないことを強く感じているところでございます。本市には、他の都市にはない小田原城という歴史的資源があります。まさに、この歴史的・文化的資源の特性を生かした施策が、中心市街地の活性化に向けた抜本的施策となるのではないかと考えます。広域交流拠点整備構想では、「21世紀の交流舞台・小田原城下町」を基本コンセプト(発想)と定めています。現在、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の事業が進められていますが、事業を早めるための財政措置とスタッフの充実を図るなどの措置が必要と考えます。私は、中心市街地活性化事業において、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」に基づく整備事業の推進を積極的に実施し、市民や観光客などの集客を図るための事業を行うことが何よりも重要だと認識しておりますが、どのような整備計画を計画されているのでしょうか。このことは、広域交流拠点整備構想に示されている小田原駅周辺の整備計画よりもその実現性は高く、中心市街地活性化対策の抜本的施策ではないかと考えております。市長のお考えをお伺いいたします。 二つ目に、学校教育と施設の充実についてお伺いいたします。 最初に、2学期制導入について調査研究を行っているのかお伺いいたします。 2学期制導入に向けて、県内では横浜で53校、横須賀で9校、平塚では6校が2年間試験的に導入して、2005年から市内全43校で実施を目指しています。また、大井町では3校が試行しております。隣の南足柄市も2005年実施を目指して研究会を設けています。完全学校週5日制に移行する中で、全体的に授業時間の不足解消や、音楽、美術、総合学習などの授業時間を確保できる等、2学期制を採用するための試行や研究が始まっています。また、教員の事務的負担も軽減されて、生徒とじっくりかかわる時間を確保できるなど、ゆとりある教育が生まれています。金沢市では来年度、58小学校、24中学校で実施に踏み切ります。年間授業数は、学習指導要領よりも小・中ともに約50時間多くとれ、懇談会やミニ通知表できめ細かい指導と評価を行うことになり、保護者の信頼を得られたと伝えられています。私は、小田原市も2学期制移行に向けて、評価や問題点を十分に検討するために、市民に開かれた調査研究を行うため、現場の先生、保護者、研究者などで研究会を設置すべきと考えます。また、教育委員会の判断によるトップダウンや、いきなり試行などの措置をとることなく、十分に調査研究をすべき課題と考えております。教育長のお考えをお尋ねいたします。 次に、教職員の精神疾患に対応したメンタルケアの対応についてお伺いいたします。 学校現場では、「学級崩壊」や「キレる子」、授業を妨害する生徒たちがふえている中で、教員の精神的ストレスの増大と悩みを抱えて、うつ病などの不安神経症など精神疾患になるケースが後を絶たないと言われております。県内の教職員の心の悩みについて相談した件数は、ここ数年で年間500件~700件と言われ、うつ病などの精神疾患で休職した公立学校の教師は、13年度で126名になり、3年前より35人ふえていると伝えています。公立学校共済組合神奈川支部は、神奈川県臨床心理士会に委託して、今年度から「メンタルヘルス面接相談」を設けましたが、横浜、横須賀、藤沢の3ヵ所であり、ぜひ神奈川県と共催して、この西湘地区に電話相談で受け付ける「メンタルケア面接相談」を設けるべき必要性が高まっていると考えます。教育長のお考えをお伺いいたします。 次に、保健室や職員室にエアコン設置の促進についてお伺いいたします。 これから暑い夏場を迎えて、エアコン施設の設置など学校施設の充実が求められています。現在、保健室にエアコンが設置されているのは、市内でわずかに三の丸小学校だけであります。そのほかに、PTAがお金を出して酒匂小学校と城北中学校の保健室にエアコンが設置されていますが、他の小・中学校には誠に残念ながら設置されていません。私は、体調を崩した生徒たちが休息する保健室にエアコンが設置されていないことは、生徒たちを思いやる心に欠けているのではないかと思います。これから厳しい夏場を迎えて、何よりも優先すべき施策ではないかと考えます。「教育元年」「静かなる教育論議」は、本市が教育問題を重視する姿勢をあらわしており、大変に必要で重要なことでありますが、肝心の学校現場での環境整備にも力を入れるべきではないかと考えます。私は、保健室にエアコンを設置するために、財政問題もありますので、年次ごとに設置計画をつくり、速やかに全校に設置されるべきと考えます。教育長のお考えをお伺いいたします。 三つ目に、介護保険制度の問題についてお伺いいたします。 はじめに、在宅重度要介護者の家族介護者の家庭援護金の給付、表彰制度などの実施を求めるものであります。 私は、要介護4の義父を妻と一緒に在宅介護をしています。私の体験からも、また在宅介護を行っている人たちから、家族を含めた在宅介護の大変な厳しさ、苦しさ、辛いお話を数多く伺ってきました。在宅介護は家族の理解と協力がなければできません。しかも、1年、2年で終わるものではなく、いつまで続くかわからない状況の中で介護が続けられているのであります。むしろ、介護サービスを利用して介護の負担を軽減したり、自分の時間をつくり体を休めたり、息抜きをしてストレスの解消を図るなど、大変な御苦労をされている中で在宅介護が続けられているのが現実であります。私は、今本市が行っている在宅重度要介護者家族慰労金制度を抜本的に見直すべきと考えています。この慰労金制度の対象となる要介護認定者数は、平成14年10月現在で要介護4は634人、要介護5は626人、合計1260人おいでになりますが、この制度で慰労金をいただいた介護者は、平成13年度で2名、14年度はわずかに1名であります。私は、この制度の支給要件が厳しいか、制度が知られていないかのどちらかにあると考えます。家族介護者支援事業の慰労金制度の問題は、第1に対象者が住民税非課税世帯、第2に介護サービスを利用していない人、第3に老人ホームや病院などに90日以上入所・入院をしていない人を対象にしています。私は、この慰労金制度は、在宅介護をしている人たちの御苦労されている気持ちに報いるものではなく、その気持ちを無視したものではないかと思います。私は、本市が行っている家族介護者支援事業の慰労金制度は、支給要件を見直して所得制限のみにするなど、在宅介護を行っている介護者の立場から抜本的に見直しを図るべきと思います。また、在宅介護を支援する事業として、家族介護者に表彰状と記念品を贈り、長年にわたる御苦労をねぎらうべきであります。そのために、新たに表彰制度を設けるべきであると考えます。市長のお考えをお伺いいたします。 二つ目に、自治会や老人クラブなどに介護保険制度や介護内容などの啓発事業の推進を行うべきと考えます。 介護保険制度の発足時は、自治会ごとに、またさまざまなところで介護保険制度の説明会が開かれて、介護保険制度の啓発活動に大きな役割を果たしてきましたが、現在はこれらの啓発活動が不十分であると思います。介護保険制度の内容や介護保険料など制度の見直しが行われており、発足当時と内容も変わっています。また、高齢者が元気なときに、介護保険制度や介護サービスの内容などを正しく伝えることによって、要介護者になったときに制度内容を理解していることで、その対応が違ってくると思います。特にケアマネジャーやヘルパーさんの役割を認識するためにも必要なことであります。なぜこのような提起を行うかと申し上げれば、まだ介護保険制度の理解が行き渡っていないことにあると思います。要介護認定の申請や、介護サービスは高いとか、利用したくないなどの声を家族や介護者から聞くことがあります。元気なときから介護保険制度や介護サービスの内容を知っていれば、そのような声も少なくなると思います。また、高齢者の健康を維持し、要介護を予防することにつながることになると思います。私は、自治会や老人クラブなどに、定期的に介護保険制度や介護内容などの啓発事業を行うべきと考えています。市長のお考えをお伺いいたします。 4番目に、県営漁港海岸事業、平成14年度までの進捗状況と15年度以降の事業並びに山王川以東の事業着工の見通しについてお伺いいたします。 私が質問通告をしました県営漁港海岸事業の平成14年度までの進捗状況と15年度以降の事業展開につきましては、2番杉山議員の御質問と重複しています。したがって、自然を相手にした難事業でもあり、関係者の御努力も大変なことと存じますが、平成15年度以降の残事業が円滑に進められ、海岸の浸食を防止し、減少した砂浜の回復と市民の憩いの場となるように、県並びに市関係者の一層の御努力をぜひお願いし、市長の御答弁で大筋理解をいたしました。 私は山王で生まれ育ってきました。小田原は自然に恵まれ、山・川・海と自然に囲まれた中で私たちの生活が営まれています。私が住んでいる山王の海岸では、小学校時代は野球などのスポーツをした楽しい思い出がたくさんあります。しかし今は、西湘バイパスができて、波浪や台風などによる海岸の浸食もあり、海岸線が後退しております。先日、距離を測ったところ、西湘バイパスから37メートルと海岸が大変狭くなっており、昔のような美しい海岸を取り戻すことは多くの住民の願いでもあります。現在進められております県営漁港海岸事業の第6次全体計画では、御幸の浜から山王川までの区域であります。お話によれば、神奈川県土木整備部は相模湾全体の海岸事業の計画を策定中と伝えられていますが、これには莫大な費用と長期間にわたる大事業になるものと考え、国や県の厳しい財政状況の中で、すぐに事業として着工することは困難と思います。したがって、私は、県の小田原土木事務所が管理している山王川以東の酒匂、国府津までの海岸浸食に伴う海岸事業の着工を、現在行われている県営漁港海岸事業と同様に事業計画を立てるように、再度神奈川県に強く働きかけをお願いするとともに、これまでどのように県当局に働きかけを行い、海岸浸食対策が検討されてきたか、また、今後の山王川以東の海岸事業着工の見通しについて、市長のお考えをお伺いいたします。 以上で質問を終わりにいたします。ありがとうございました。(拍手)
○議長(大野眞一君) 市長、登壇願います。 〔市長(小澤良明君)登壇〕
◎市長(小澤良明君) 6番青木議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。 はじめに、中心市街地活性化に向けた抜本的施策として、小田原城跡の整備を推進すべきとの御質問がございました。中心市街地活性化につきましては、基本計画に位置づけられた方針に基づきまして事業推進を図っております。「歴史・文化の拠点づくり」や「伝統ある街並みや歴史を生かした回廊づくり」というテーマのもとに、小田原城など歴史的資産を生かした整備を推進していくものであります。そこで、御質問の小田原城跡の整備推進でありますが、できるだけ早く進めるべきであるという6番青木議員の御提言につきましては、私も同様の思いでございます。現在は、お堀端通りからの景観を整えまして、周辺への集客を図ることを考慮し、馬屋曲輪の整備を他のエリアに先駆けて着手しております。今年度は、馬屋曲輪全体の整備基本計画の策定と馬出門桝形の発掘調査を実施いたします。御指摘もございましたけれども、小田原城跡は国指定史跡ということでございまして、整備に当たりましては一定の手順を踏んでいかなければならない。国は国として、例えば法的な問題やら、財政的な財源の問題やらいろいろなことがございます。そんなことで国の御理解と御支援をいただきながら、市といたしましても6番青木議員御指摘のとおりこの整備を積極的に進めているということで、いろいろと時間もかかるということもございます。手続に時間がかかるということも御理解いただきたいと思います。馬屋曲輪がそういうことで整備をされますと、めがね橋から馬出門を通り、住吉橋・銅門・本丸へと続きます。ちょうど小田原警察署の前の橋から順々に、往時に登城ルートがしっかりとしていたわけですけれども、正規のですね、それが復原をされることになりまして、今まで以上に江戸時代の小田原城を体感していただくことができるようになるというふうに考えております。中心市街地の空洞化は全国どこのまちでも同じような状況でありますが、小田原の場合は、その中心市街地に、小田原市のシンボルであります小田原城跡という歴史的な一大施設があって、城下町小田原のあのあたり一帯が、特に風情をしのばせる大変貴重な、小田原の個性をあらわす貴重な場所としてあるわけでありまして、そこをどう磨き上げていくのかということは、御指摘のとおり大変貴重なことでありますし、今後とも、いろいろな問題はございますけれども、積極的にこの整備を進めていきたいと、そんなふうに考えているところでございます。御理解を賜りたいと思います。 次に、6番青木議員の御質問のうち、学校教育と施設の充実についてございましたけれども、これらにつきましては、教育長からの答弁とさせていただきたいと思います。 次に、3点目に介護保険制度について、6番青木議員の御自身の体験から貴重な御意見をいただきました。在宅重度要介護者家族慰労金の抜本的な見直しについて御質問があったわけでありますけれども、私自身も、在宅で介護されている方の日ごろの御苦労が大変であるということは本当によく理解しております。ただ、これは頭で理解しているということだと思います。6番青木議員のように体で理解しているというところまでには、お話をお聞きしていて至っていないのかなというような思いもございます。しかし、いずれにいたしましても、小田原市におきましてもいろいろな事業はふくそうして行っているところでありますが、在宅介護者の例えば寝たきりの方とか重度痴呆の方を在宅で介護している御家族の皆さんを年に1回、昼食会に御招待いたしまして、まさに6番青木議員の御指摘されたような、一生懸命介護していらっしゃる皆さんが意見交換をしていただきましたり、あるいは悩みを話し合っていただきましたり、そんなような場をずっと小田原市独自の施策として設けておりまして、私も必ずその場所にはお伺いして、一緒に皆さんとお話し合いをしているということがございまして、その中には、何年も何年も極端なことを言えば一歩も外へ出られない、介護をしていらっしゃる方がどしてもその方にいていただかないと困るということで、何年ぶりかでこの昼食会に出られましたといって涙を出していらっしゃるような方もいらっしゃいます。そういうようなこともございます。いずれにいたしましても、特にこの介護保険制度の中で家族介護者の支援をするということにつきましては、この制度の中で行われていることでございまして、要介護者が必要なときに必要なサービスが利用できるような施策を推進していくことは大変重要なことでもあると考えております。 小田原市における在宅重度要介護者家族慰労金というものでございますけれども、国の「介護予防・生活支援事業実施要綱」というものがございまして、その家族介護慰労事業に基づいて実施しているということになっております。支給要件につきましても、当然その要綱に沿ったものとなっておりまして、現在、この国の要綱でございますけれども、御指摘もございましたけれども、要介護度4あるいは5の重度の方々の家族介護者が対象で、そこのおうちが非課税世帯であるということがまず一つの条件になっておりまして、そしてそのほか在宅や施設のサービスを1年間受けなかったということも条件になっておりまして、年間10万円が支給されます。御指摘のとおり、13年度2人、14年度1人という対象者でございますけれども、先ほどお触れになりました要介護度4が634名、5が626名というのは、市内の全体の要介護度4の方が634名、5が626名ということでございまして、御理解をいただきたいと思います。市といたしましては、今後、諸情勢を見きわめながら、これにつきましては対応を検討してまいりたい。要するに、介護保険制度という保険制度のいわば相互扶助の中で行っているということが基本というか原則になっておりまして、その中でこの制度は制度としてある。小田原市としては、在宅介護者の家族交流会ということでまた別に御慰労のためのそういう機会も設けている、私自身もいろいろ出席をさせていただいているということでございます。 次に、家族介護者に対する表彰制度の創設について御質問がございました。御提案の表彰制度につきましては、介護者の介護期間や介護にかかわる度合いなど基準の設定が、お聞きをいたしておりましてちょっと難しいこともあるかなというふうにも考えておりました。小田原市では、在宅介護の重視という、この法の趣旨もそうでございますし、基本的な考え方に立ちまして、在宅介護支援センターの機能強化や、高齢者福祉に係る総合的な相談窓口機能の充実に努めております。また、家族介護者交流事業、これは先ほどお話をいたしました。それから紙おむつの給付事業、それから介護教室や徘回痴呆性高齢者探索事業等によりまして、家族介護者の負担軽減に努めているところでございますが、今後もこれらの事業の推進を図ってまいりたい。いろいろな視点で家族介護者の御負担を少しでも軽くできたらいいなと思っているところであります。したがいまして、多くの皆様方の御意見もお聞きしながら、あるいは6番青木議員のように直接的にその当事者であります方々の御意見も当然お聞きしながら、御提案の介護者に対する表彰制度につきましては、今後研究をさせていただきたいというふうに思っております。 次に、介護保険制度や介護サービスの内容などについて積極的な周知を図るべきとの御質問がございました。小田原市では、自治会や老人クラブ等へ、「きらめき出前講座」や直接の御依頼を受け介護保険制度の説明をさせていただいております。「きらめき出前講座」等の実績は、平成13年度に6件、平成14年度に5件でございまして、今年度は既に8件の要請がございます。市の広報では、平成13年度、14年度と、介護保険情報として、介護サービスの種類や要介護認定の申請方法などについて随時掲載いたしましたが、今年度はシリーズ「心豊かに共生する高齢社会」の中で、介護保険制度など高齢者福祉施策を体系的に説明していくことといたしております。また、「おだわら・くらしのテレフォンガイド」では、在宅介護支援センターの利用方法などの情報を音声やファクシミリで提供させていただいております。さらに、介護サービスの種類や利用方法、サービス事業所の情報をわかりやすく説明する情報誌「小田原市高齢者介護サービス情報」を発行するとともに、この情報を「高齢介護課ホームページ」に掲載しているところであります。窓口等での個別の相談に対しましては、職員が丁寧な説明を心がけているところでございまして、どうか御不安な思いの皆様方はまたおでかけいただきますとありがたい。また、今御説明いたしましたようないろいろな事業・制度がございますので、うまく御利用いただくとありがたいと思うところであります。今後も、種々の機会、媒体を活用し、市民の皆さんへわかりやすく説明をして、制度の周知に取り組んでまいりたいと考えております。6番青木議員におかれましても、またこの点につきましてはいろいろなお立場の皆さんの御指導が必要だと思いますので、遠慮ない御指導をいただければありがたいと思うところであります。 次に、山王川以東海岸浸食対策につきまして御質問がございました。山王川以東の管理者は御指摘のとおり神奈川県小田原土木事務所で、浸食の著しい国府津海岸については、平成12年度より養浜事業を実施いたしております。この事業も県当局への長年にわたる働きかけで実現したものでございます。なお、この事業の協力として漁業協同組合等と酒匂川及び小田原海岸機能検討会を組織して漁業調整を行いまして、事業の円滑な推進を図っております。また、2番杉山議員にもお答えをいたしましたけれども、県では相模灘沿岸海岸保全基本計画を策定中でありまして、海岸の防護、環境の整備及び適正な利用の確保など基本的な事項を年内に策定する予定とのことでございまして、この基本的な事項の中に、山王川以東(国府津海岸等)の海岸保全計画を位置づけていただきますように県に働きかけるということでございます。 先ほど、在宅介護者の慰労金制度、在宅重度要介護者家族慰労金の問題におきまして、介護保険制度の中で、介護保険事業特別会計の中で行っているという趣旨の発言を私はいたしましたけれども、これは一般会計で実施させていただいている。国や県の補助はありますけれども、一般会計でさせていただいている。私の誤りでございました。あわせて御紹介いたしました家族介護者交流事業、昼食会でございますけれども、これは、一般会計で実施しております市の施策ということでございます。訂正をさせていただきたいと思います。失礼いたしました。 以上をもちまして、6番青木議員の御質問に対しましてまず私の方からの答弁とさせていただきます。
◎教育長(江島紘君) 6番青木議員の御質問のうち、学校教育と施設の充実については、私から順次お答えをいたします。 はじめに、2学期制の導入について御質問がございました。まず、市の教育委員会では、特に現在のところ検討委員会を設けておりませんが、本年4月、校長会に2学期制の導入についての調査研究を依頼したところでございます。校長会では、既に検討委員会を設置し、2学期制について検討しております。検討に当たっては、校長の考えだけではなくて、教員、児童・生徒、保護者、地域の皆さんの意見を十分聞いて、また、既に2学期制を導入した学校の取り組みなどを参考にするとともに、各学校の地域性等を加味しながら進めるようお願いをしているところでございます。検討結果につきましては、年度末までに示される予定でございますので、それを受けて、他市町村の動向等も参考にしながら、対応について考えていきたいと考えております。 次に、教職員のメンタルケアのための電話相談窓口を西湘地区にも設けるべきではないかとの御質問がございました。児童・生徒の指導上の課題や、保護者や地域社会との対応等によりまして、教職員がストレスを抱え、うつ病などの精神疾患がふえる傾向が見られるというのは御指摘のとおりでございます。そこで、初期の段階でカウンセラーや医師等の専門家が相談を受け、悩みを聞き、解決に向けて援助する相談窓口が必要であるというふうには考えております。相談窓口として、県教育委員会と県医師会が共催で行っている「教職員の心の悩み電話相談」がございますけれども、さらに今年度から、6番青木議員のおっしゃるとおり、公立学校共済組合で「教職員メンタルヘルス面接相談」を開設したところでございます。西湘地区につきましては、電話相談窓口はないわけでございますけれども、今後、この設置につきまして、2市8町の教育長で構成されております西湘地区教育長協議会等を通しまして対応していきたいというふうに考えております。さらに、小田原市といたしましても、教職員のメンタルケアについて研究する必要性を感じておりまして、早期に対応すべき課題というふうに考えております。 次に、保健室や職員室へのエアコン設置について御質問がございました。学校施設の整備に当たりましては、児童・生徒の安全確保を最優先に考え、耐震補強事業や外壁、はり、天井改修工事等を順次実施してまいりました。それにあわせ、学校からのその他の施設改善要望についても、その必要性と優先度を十分に検討いたしまして、順次整備を行っているところでございます。児童・生徒の衛生面への配慮や、学校週5日制の実施に伴う教職員の夏季休業中の出勤などから、保健室や職員室へのエアコン設置の必要性については認識しておるところでございます。現在のエアコン設置状況につきましては、全中学校のパソコン教室や一部の学校の保健室や管理諸室、特殊学級に設置してございます。今年度につきましては、富士見小学校の保健室、職員室などの管理諸室及び下府中小学校のパソコン教室にエアコンを設置する予定でございます。今後も国庫補助の活用を図るとともに、限られた財源の中で、効率的・計画的に教育環境の整備を推進してまいりたいというふうに思います。 以上をもちまして、6番青木議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。
◆6番(青木正光君) はじめに、教育長の方にお伺いをさせていただきたいと思います。また、市長をはじめ教育長の御丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございます。 2学期制の導入について、4月に校長会に調査研究を依頼したというふうな御報告をいただきましたけれども、私も勉強不足でよくわかりませんけれども、この校長会というのはそういった役割をする組織なのかどうかということもよくわかりませんけれども、最近の情報などによると、例えば、東京都教育委員会は小・中学校校長会の服務規定の見直しをして、もっと校長が学校の校務に専念できるように、あるいは校長会がどういうふうなものをやっているか、いわゆる都民に明らかにするようにと。そういった東京都教育委員会の取り組みなどが服務規定の見直しという形で行われているわけです。今、学校現場では、学級崩壊とか、荒れた学校の現場の中で、校長先生としてはもっと学校経営とか学校の管理だとかそういう点にやはり力を入れていく、それが本来の校長さんの一つの大きな仕事ではないかというふうに考えているわけですけれども、ただいまの御答弁ですと、そういった2学期制の問題について校長会に調査研究を依頼して、その一定のまとめをしたものを何か集約して、検討委員会をつくるかどうかというようなお話をいただいたわけです。校長会というのは、そういった学校教育一般というよりももっと大きな課題などについてもそういう検討を行うものかどうかということを、東京都教育委員会ではそういった服務規定の見直しというようなことも提起をされているというお話もありましたので、そういう問題に関連して1点御質問をさせていただきたいというふうに思います。 それから市長の方に質問をさせていただきたいと思います。一つは、中心市街地の活性化問題について、一定の御理解をいただいたわけでございますけれども、やはり小田原市の基本計画の中に、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」というものがきちんと位置づけられていないのではないかというような思いをしているわけでございまして、そういった点について御答弁をいただければありがたい。 それからもう一つは、この事業は法の規制などあって大変な御苦労をされているということも十分理解しているわけですけれども、そういった意味で、財政措置とか、そういったスタッフの充実を図るというようなことについても、これは質問というよりも、特にそういった点について要請をしていただきたいというふうに思います。 次に、介護保険制度の問題についてです。この慰労金制度については、今市長からも御答弁いただいたように、一般会計で実施しているということでございますので、これは市の判断でこの制度の見直しという問題に取り組めることだというふうに思います。在宅介護の一番大変なことは、やはりその家族の理解と協力がなければ在宅介護を続けることはできないわけです。ですから、そういった在宅介護をしている家族介護者の支援というものがいろんな制限を設けて事実上狭き門になっているということは、13年度で2名、14年度でわずか1名というこの実績が示しているところであります。しかも、この介護サービスを利用していないというところにも非常に大きな問題がある。むしろ介護者の立場からすれば、介護サービスを利用して、そして在宅介護を継続していくということが、これから在宅介護を支援していく、そういう場合の大きな柱になってくるものではないかと思いますので、そういう点で介護サービスを利用していない人がその条件になっているということは、在宅介護を支援している立場からすれば、この制度のここのサービスを利用していないという条項については撤廃をしていただくということが、在宅介護を支援するための一つの大きな施策ではないかというふうに考えているところでございます。 最後に、山王川以東の整備事業の見通しについて御答弁をいただきました。この問題については、昨年1月に亡くなった石黒明議員が、この海岸保全整備事業の問題について、平成11年9月の市議会でも質問をされているわけですけれども、その当時の市長の御答弁によると、山王川から一色までは海岸があまり浸食されていないので、酒匂から国府津までは、先ほども12年度から事業が着工されているというようなお話もされているわけですけれども、一つは一色の方の地形的な問題もあるし、山王の場合には非常に海岸の浸食が行われているという実態もありますので、ぜひ神奈川県の方に対して強く働きかけをお願いして、山王川以東からこの海岸の整備事業が行われるように、これは要望として強くお願いをしたいというふうに思います。 以上です。
◎市長(小澤良明君) 順序を狂わせてすみません。私の方から先に答弁させていただきます。 2点目の中心市街地活性化基本計画の中で、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」がきちっとあるのに、それが位置づけられていないのではないかというような御趣旨の御質問でございました。いずれにいたしましても、中心市街地活性化基本計画の主体は、先ほどもお話ししました小田原の中心市街地空洞化問題でやはり最大の眼目は、史跡小田原城跡という、その中心に非常に大きな財産があるということだというふうに考えてこの基本計画もできている、要するに城下町小田原としてどう活性化させていくのかというようなことででき上がっていると思います。その城下町小田原の最大のポイントに小田原城跡があるということでございます。ただその整備ということになりますと、今度は城跡を整備する、例えば花の小田原城事業だとかも現に進めておりますし、この22日ですか、夏至の夜のキャンドルナイトとか何か、ショウブとかアジサイでやりますから、ぜひ皆さんも、市会議員の皆さんはお忙しくてなかなかお見えいただけないのですけれども、お見えいただくとありがたい。担当者を励ましていただけるといいと思います。要するに、文化庁というか国の史跡の中で許されているあり方、そういうものについては積極的に取り組んでいるつもりでありますし、また、それがないと、中心市街地の活性化のパワーが相当落ちてしまうというふうに考えております。この点は6番青木議員の御指摘のとおりだと考えております。ただ、国の史跡ということで非常に取り上げ方が難しいわけです。直接的にいきますと、なかなか国の方の御同意が得られないことがございましたりしまして、ですからそういう点も考えながら、史跡の整備という国の法律でしっかりと守られて、例えば石垣が転がっている、それを一つ動かしてはだめだ、松の木が枯れてしまった、小田原市の木であります黒松が枯れた、枯れたからそこの跡に新しい木を植えたい、それはだめだ、そういうふうに厳しいわけであります。とにかくあるがままにしておきなさいということで、やっていいことは、きちっとした図面や過去の歴史的な事実に基づいた一定の国で認められている復原の仕事しかだめですよということが言われているわけでありまして、そこのところが、中心市街地の活性化基本計画あるいは活性化のための仕事、日々ビビッドに反応していかなければならないような施策とどうもバッティングしない部分がございます。これは、ですから臨機応変にやらせていただくということと、それから本丸・二の丸の整備事業につきましては、先ほども冒頭お話ししましたように着実にきちっと整備を進めていくということで、皆さんの前に小田原城跡が徐々にきちっとあらわれてきて、城下町小田原のシンボル性が高められるというふうなことになっていくと思います。 それから在宅介護者の支援の事業でございますけれども、これは、確かに6番青木議員がおっしゃいますように、在宅介護がこの介護保険制度の基盤的な考えであるのに、そのサービスを全然利用しない人に、そういう年間10万円という制度があるというのはおかしいのではないかということはよく理解できますが、そこの10万円という制度がおかしいとは思いますけれども、ですからとにかく周知を図るということになっているわけです。一方では、保険料をちゃんと納めたりしてきちっとしていながら、その家族皆さんのお力の中で一生懸命努力をされている方が厳としてあるわけですから、そういう方に何とかして、国としても地元の自治体としてもこのままでいいのだろうかということも、特に非課税世帯の皆さん等に対しては、そのままじゃいけないだろうというような考え方があるということも、これはまた一面、理解できなくはないというふうに思います。いずれにいたしましても、市といたしましては、今後のいろいろな状況を見ながら対応を検討してまいりたいというふうに思っております。
◎教育長(江島紘君) 6番青木議員の再質問のうち、2学期制につきまして、私の方から御答弁申し上げます。 校長は各学校の経営管理に全力を尽くして、しかもその学校でリーダーシップを発揮して学校の経営管理をしっかりやるということにつきましては、私もまるっきりそうだと思いますし、そのとおりやってもらいたいというふうに願っている一人でございます。そういう中で、校長会は実際に、そういうような校長の資質・能力の向上といいましょうか、そういうようなものを絡めまして、研修ですとか研究でありますとか、そういうようなものをやりながら、一つの校長会というものを運営していくというような形をとっているわけですけれども、その中で、なぜこの2学期制について校長会の方に研究調査というものをしてもらったのかと申しますと、2学期制は各学校の教育課程を非常に大きく左右するような面がございます。教育課程の編成権は校長にありますので、そういう意味で、校長会の方にこの2学期制についての研究調査というようなものを依頼したということでございます。2学期制というのは、学校だけではなくて保護者の方、また一番大きな影響を受けるのは児童・生徒だろうと思いますし、また、それをやることによって地域の方々への影響も非常に大きいというふうに考えますので、一番教育現場の最先端にいる学校の中で、そういうようなものについての研究調査をやってもらうということ、またそれを尊重しながら、教育委員会が次のことを考えるということについて、一番いい方法だなというふうに考えましたので、校長会の方に依頼したというわけでございます。 以上でございます。
◆6番(青木正光君) 市長から御答弁いただいた介護保険制度の慰労金の問題ですけれども、やはり一つは住民税非課税世帯というふうになっているわけです。これは僕もいろいろ伺っているんですけれども、住民税非課税世帯というその金額がなかなかはっきりしないということもあるんですけれども、いずれにしても、この在宅介護を支援していく立場で考えれば、やはり所得制限に基づいた考え方で、住民税非課税世帯とか、あるいはサービスを利用していない人だとかという形で、むしろ後向きのような感じでこの支給要件を設けるということは、制度を在宅介護をしている人たちが積極的に利用し、そしてまた市もそれを支援するという立場からすれば、やはり今の慰労金の制度の見直しというのは当然なことだというふうに思うんです。特に在宅介護は、お金のある人もない人も同じものですよね。お金がある人が負担が軽くなるというわけではなくて、お金があっても在宅介護をしている限りにおいては、その厳しさ、大変さというのは共通している問題でありますので、そういう意味では、住民税非課税世帯とか、あるいは介護サービスを利用していない人だとかというふうな支給要件というものをぜひ見直していただきたいということを改めてお願いしたいというふうに思っております。 それから今、教育長から御答弁をいただいた2学期制導入問題について、私は、教育論議というのは市長も強調されているように、やはり開かれた市政と同時に開かれた教育というものも大変必要なことだと思います。特に2学期制というのは、今の学校教育のあり方というものも非常にかかわっているし、大きな問題でもあると思いますので、やはり市民参加で、現場の先生とか、あるいは保護者だとか、あるいはそういう研究者だとか、あるいは今お話がある校長先生とかさまざまな人たちがそういった研究会に入って、この2学期制の評価や問題点というものを市民の前で議論をして、その結果について市民に報告していく、そういうものがスタンスとして必要ではないかというふうに思いますので、そういった校長会という限られた枠の中で、この重要な2学期制という問題を議論するだけではなくて、もっと開かれた教育論議という立場からぜひお願いをしたいというふうに思います。 以上です。
○議長(大野眞一君) 長時間にわたりましたので、23日午前10時から一般質問を続行することにいたします。 なお、改めて再開の御通知をいたしませんので、さよう御承知をいただきます。 それでは、本日はこれをもって散会いたします。 午後4時4分 散会...