• 夫婦別姓(/)
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  1. 鹿児島市議会 2006-09-01
    09月20日-06号


    取得元: 鹿児島市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-20
    平成18年第3回定例会(9月)   議事日程 第六号     平成十八年九月二十日(水曜)午前十時 開議第 一 第三〇号議案ないし第六〇号議案────────────────────────────────────────   本日の会議に付した事件議事日程のとおり────────────────────────────────────────   (出席議員 五十四人)  一  番   和  田  幸  一  議員  二  番   脇  田  高  徳  議員  三  番   池  山  泰  正  議員  四  番   竹 ノ 下     光  議員  五  番   長  浜  昌  三  議員  六  番   の ぐ ち  英 一 郎  議員  七  番   欠  員  八  番   杉  尾  巨  樹  議員  九  番   奥  山 よしじろう  議員  十  番   川  越  桂  路  議員  十一 番   山  口  た け し  議員  十二 番   堀     純  則  議員  十三 番   古  江  尚  子  議員  十四 番   大  森     忍  議員  十五 番   小  森  のぶたか  議員  十六 番   崎  元  ひろのり  議員  十七 番   井  上     剛  議員  十八 番   大  園  盛  仁  議員  十九 番   小  川  み さ 子  議員  二十 番   仮  屋  秀  一  議員  二十一番   豊  平     純  議員  二十二番   柿  元  一  雄  議員  二十三番   田  中  良  一  議員  二十四番   志  摩  れ い 子  議員  二十五番   谷  川  修  一  議員  二十六番   ふじくぼ  博  文  議員  二十七番   北  森  た か お  議員  二十八番   中  尾  ま さ 子  議員  二十九番   う え だ  勇  作  議員  三十 番   三 反 園  輝  男  議員  三十一番   山  下  ひ と み  議員  三十二番   黒  木  すみかず  議員  三十三番   小  森  こうぶん  議員  三十四番   鶴  薗  勝  利  議員  三十五番   幾  村  清  徳  議員  三十六番   長  田  徳 太 郎  議員  三十七番   ふくし山  ノブスケ  議員  三十八番   森  山  き よ み  議員  三十九番   うえがき     勉  議員  四十 番   藤  田  て る み  議員  四十一番   政  田  け い じ  議員  四十二番   ふ じ た  太  一  議員  四十三番   竹  原  よ し 子  議員  四十四番   上  門  秀  彦  議員  四十五番   平  山     哲  議員  四十六番   西  川  かずひろ  議員  四十七番   下  村  祐  毅  議員  四十八番   入  船  攻  一  議員  四十九番   赤  崎  正  剛  議員  五十 番   秋  広  正  健  議員  五十一番   竹 之 下  たかはる  議員  五十二番   川  野  幹  男  議員  五十三番   片  平  孝  市  議員  五十四番   泉     広  明  議員  五十五番   平  山  た か し  議員     ──────────────────────────────   (欠席議員 なし)     ──────────────────────────────   事務局職員出席者  事務局長   大  西  義  幸  君  議事課長   北  山  一  郎  君  総務課長   原  園  政  志  君  政務調査課長 吉  永  直  人  君  議事係長   宮 之 原     賢  君  委員会係長  尾 ノ 上  優  二  君  議事課主査  奥     浩  文  君  議事課主事  九  反  大  介  君     ──────────────────────────────   説明のため出席した者  市長     森     博  幸  君  助役     大  平  和  久  君  助役     山  本  克  也  君  収入役    渡  邊  眞 一 郎  君  教育長    石  踊  政  昭  君  代表監査委員 山  元  貞  明  君  市立病院長  上 津 原  甲  一  君  交通局長   永  田  哲  夫  君  水道局長   園  田  太 計 夫  君  総務局長   草  留  義  一  君  総務局参事  四  元  正  二  君  市民局長   松 木 園  富  雄  君  市民局参事  児  島  文  雄  君  環境局長   上  田     稔  君  健康福祉局長 邦  村  昇  蔵  君  健康福祉局参事今  吉  悦  朗  君  健康福祉局参事折  田  勝  郎  君  経済局長   川  原     勤  君  建設局長   山  中  敏  隆  君  消防局長   隈  元     一  君  病院事務局長 松  永  初  男  君  船舶部長   森     英  夫  君  企画部長   新  地  茂  樹  君  総務部長   松  元  幸  博  君  税務部長   徳  永  良  一  君  市民部長   窪  島  彬  文  君  環境部長   松  岡  志  郎  君  清掃部長   古  川  秀  樹  君  福祉事務所長 日  高  隆 一 郎  君  商工観光部長 成  清  次  男  君  農林水産部長 山  元  誠  一  君  建設管理部長 松  山  芳  英  君  都市計画部長 原  口     悟  君  建築部長   角  田  正  雄  君  道路部長   原  田  由  晴  君  交通局次長  藤  田  幸  雄  君  水道局総務部長徳  永  文  男  君  教育委員会事務局管理部長         福  元  修 三 郎  君  選挙管理委員会事務局長         南  郷  義  人  君  秘書課長   松  永  範  芳  君     ────────────────────────────── 平成十八年九月二十日 午前十時 開議 △開議 ○議長(赤崎正剛君) これより、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付いたしました議事日程第六号のとおりであります。 △第三〇号議案─第六〇号議案上程 ○議長(赤崎正剛君) それでは、日程第一 第三〇号議案ないし第六〇号議案の議案三十一件を一括議題といたします。 件名の朗読を省略し、前回の議事を継続して質疑を続行いたします。 △個人質疑(続) ○議長(赤崎正剛君) それでは、引き続き個人質疑の発言を順次許可いたします。 まず、大園盛仁議員。   「大園盛仁議員 登壇](拍手) ◆(大園盛仁議員) 昨日に引き続き個人質問を行ってまいります。 国内では、親が子を、子が親をという悲惨な出来事を初め、政財界や公務員、教師の不祥事等、考えられないような事件・事故や自然災害が相次ぎ、まさに国が沈没寸前にあるかのように思わせる昨今の国内情勢であります。そんな中で、悠仁親王の誕生は、明るい話題になりました。悠仁親王の健やかな御成長をお祈り申し上げます。 また、この夏の甲子園での鹿児島工業高校の活躍は、私たちに大きな感動と喜びを与えてくれました。鹿児島工業高校野球部及び関係者に心から敬意を表し、感謝申し上げます。 質問通告の一部を割愛する部分がありますので、御了承ください。 森市長が市民との対話、パートナーシップを大切にした市民が主役の市政を選挙公約にして当選されて以来、約二年が過ぎようとしています。市民が主役の市政で、市民に優しい誠実な森市政であるかの観点から、以下質問を行います。 まず、市長とふれあいトークについてお伺いいたします。 このふれあいトークの開催については、市民のひろば等に案内がしてありますが、開催日時、場所の選定については、どこでどのような要因をもって決めるのかお示しください。 また、五月に開催された都市農業センターでは、二月の伊敷公民館で開催されたときの要望に対し、いまだに回答がないとの不満の声が複数ありました。これらの不満解消の改善策はどのようにされたのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) お答えいたします。 市長とふれあいトークの開催日時や場所につきましては、参加者の希望や地域のバランスなどを考慮しながら、より多くの市民の方々が参加していただけるよう設定しているところでございます。 次に、御意見等のうち、後日回答を約束したものにつきましては、可能な限り速やかに対応しているところでございますが、中には、事実確認や検討に時間を要するものもございます。このような場合には、現在、途中経過を連絡するなどの対応をいたしているところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 不満解消の取り組みがなされていることがわかりました。せっかくのふれあいトークですので、今後とも市民の皆様に満足していただくような対応を要望しておきます。 都市農業センターでは、地籍調査の要望が出され、市長も私有地の境界など地籍調査の重要性や国からも指示があると発言されました。過去多くの議員からも、この本会議で問題が提起され、論議が交わされてきた課題でもあります。これまでも当局は、都市化や地価水準の高さ、所有権の権利意識が強いこと等から、困難が予想されることを理由に事業化に至っていません。市街化調整区域では、農道の十分な道路幅があるにもかかわらず、農道の境界確定を個人でしないと建築許可がおりないという実態や、鹿児島市道の反対側に字図と異なる土地があるなど、さまざまなトラブルが発生しております。市長は、私有地の境界確定に必要と述べられておりますが、現実には公道である農道の境界確定すら個人がしなければ建築許可がおりないのであります。権利意識が強いがゆえに、土地の境界を確定し、市民の大切な財産である土地を公平に守るのが行政の果たすべき大切な役割であり、義務ではないでしょうか。市民から森市長のカラーが見えないとの言葉をお聞きします。市長、あなたは若いのです。赤崎市長の後継者とはいえ、地籍調査については、まさに市民の目線での政策として打ち出されるべきであります。 そこでお伺いいたします。 市長は、首長の職責についてどのような見解をお持ちか、いま一度お示しください。 また、国や県も勧め、市民までお願いしている地籍調査ですが、市長もその必要性は認めておられるわけですが、改めて市長はどのように考えておられるのか、御見解をお示しください。 また、国が行っておられるという都市再生街区基本調査は、本市でどのような経緯があり、行われるようになったのか。現在、どの地区でどのように進んでいるのか、市街化調整区域も対象になるのかお示しください。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 大園盛仁議員にお答えいたします。 私は、最も重要な首長の職責は市民の生命や財産を守ることであり、また、市民福祉の向上のため、長期的展望に立って新しい時代にふさわしいまちづくりを進めていくことであろうと考えております。 また、一方では、一層厳しさを増す財政環境の中で、限られた財源の重点的な配分を行い、将来の世代に責任の持てる財政を堅持していくことも私に課せられた重要な職責であろうと考えております。 地籍調査につきましては、本市においては都市化が進み、地価水準も高く、所有者の権利意識が強いことや調査の実施には相当の期間、人員、費用などの種々の困難が予想され、結果として調査を完結できないことも考えられるなどの問題もございます。 また、今日の厳しい地方財政環境を勘案しますと、これを今直ちに実施することは困難でございます。しかしながら、長期的な観点からの可能性につきましては、研究をさせてみたいと考えております。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 都市再生街区基本調査につきましては、国が全国の都市部における地籍整備の推進を図ることを目的に、DID地区、いわゆる人口集中地区のうち、地籍調査が未了の地域を対象に、平成十六年度から十八年度までを調査期間として、地籍調査の基礎的データの整備を行っているものでございます。この国における全国的な取り組みの中で、本市におきましても、人口が集中している市街地、約六十五平方キロメートルが調査対象とされ、これまで基礎資料の収集や測量など年次的に作業が進められているところでございます。なお、調査対象区域は、そのほとんどが市街化区域でございますが、一部市街化調整区域も含まれているようでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 市長、地籍調査は、困難だからこそ若い森市政で取り組むところに意義があり、市長のカラーが出せるのです。市民の生命や財産を守るのが行政なのに、首長としてこれを放棄されたと思われてしまいます。地方分権の時代でもあります。地域の市民の声をしっかり聞かれ、まず市当局が政策を立案し、国にその支援を要請することが必要であります。市民とのパートナーシップを標榜される市民に優しい誠実な森市政であってほしいものです。市街化区域は国で、調整区域は本市で行うのも一つの方法です。本市で前向きに検討されるよう要請いたします。 次に、市長選挙公報の条例化についてお伺いいたします。 私は、これまで公正公平な市長選挙実現のために、市長選挙公報条例化の必要性を提言してきており、これまでの質疑で、九州県都や中核市のほとんどで市長選挙公報は条例化され、発行されていることも明らかになっています。この三月の定例本会議で市長も調査検討させるとの答弁でしたが、現在、どのような状態にあるのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎選挙管理委員会事務局長(南郷義人君) お答えいたします。 市長選挙におきます選挙公報についてでございますが、現在、中核市や九州県都の状況などを調査し、各面から研究しているところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 数多くの他都市で行っているのに、条例化への取り組みに進展がありません。森市政は研究だけを行うところですか。市民と協働の政策を実行する市政であるべきであります。早急な対応を要請いたします。 次に、三月議会に引き続き、河川堤防の復旧について再度お伺いいたします。 県におかれては、過年災であり被災の拡大も予想されないことから、復旧の必要はないとのことでした。本市経済局の答弁でもありましたように、孤立している水田の地権者は不便な状況にあると認識されておられるのになぜでしょうか。公共用地である河川堤防を災害以前の状態に戻し、従前機能を確保することは、行政の使命であります。受益者が一人だったら見捨てるのですか。親水性など新たな観点から公益性の確保ができるか検討するとありましたが、その検討結果はどうだったのかお示しください。 また、河川堤防がそれまで果たしてきた従前機能の回復について、当局はどのように考えておられるのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎経済局長(川原勤君) お答えいたします。 甲突川の堤防復旧につきまして、河川管理者である県と親水性を生かした公益性の確保について協議いたしましたところ、親水施設は積極的に人々を誘引する施設か、景観性があるか、あるいは地形的に危険性はないかなど、各面から慎重な検討が必要であるとのことでございます。当該箇所には、九州電力株式会社小山田発電所の取水口があり、水深が深く、ふちになっていることや、下流に急峻な滝があること等から、安全性の確保に課題があり、親水性を生かした公益性のある場所には適さないと考えているところでございます。 次に、従前の機能回復につきましては、平成十八年第一回定例会でもお答えいたしましたとおり、河川管理者の県は、過年災であり河川管理上も被災の拡大が予想されないことから、復旧の必要性がないと判断されております。本市といたしましても、個人の専用通路になる可能性もあり、公益性の確保ができないことから、復旧は困難であると考えております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 市民の財産や公共用地を守るべき行政の責任が全く感じられません。昔は、水田までの途中で魚を釣ったり、網ですくいにおりていけた場所であり、最も親水性の活用に適した最高の場所であるということだけは申しておきます。 本市が問題意識を持って県に要望しなければ、県も受け入れるはずがありません。本来、公共用地ともいうべき河川の担当課は建設局です。経済局、建設局間の横の連携をしっかりとって、市民の立場に立った交渉を県当局とされたとは到底思えません。個人の専用道路になるおそれがあり、公益性が確保できないとの前回答と同じでは、市民に優しい誠実な森市政であるとは到底言えないと思います。行政が対応できないのであれば、ボランティアを募り、水田の地権者に協力して自助努力で復旧するようにいたします。 新しい質問に入ります。 小野地域において、水路と市道にかかる個人の橋が長年、不法占用しているような状態で、交通の障害になっています。幹線道路に等しい交通量の多い市道でありますが、市道の改修工事要望が町内会長から出され問題となっております。この道路状態は、水路にふたをした昭和三十八年ごろを含め戦前から続いております。政治や行政の光が当たらない状況が続いているといっても過言ではありません。 そこでお伺いいたします。 当局は、この事実をいつごろから把握されているのか。これまでどのように対応され、取り組んでこられたのかお示しください。 また、個人でかけられたこの橋は、三人の地権者が宅地まで利用され、戦前から数十年間も利用されておりますので、市道の一部や水路まで既得権が発生していると言えます。自宅まで車が進入できたのが遮断されたらどうなりますか。不便になり、土地評価も下がってまいります。このような橋をこれまで放置してきた行政の責任をどのように認識されておられるのかお示しください。 また、公益性を高めるために市道の改修を行い、橋を撤去するわけですから、車が進入できるよう従前機能の保持責任は、行政にも幾分かあると思いますが、従前機能の保持責任について当局の見解をお示しください。 また、町内会の役員の方々は、まちづくりのために道路改修に向かい一生懸命取り組んでおられます。町内会と一緒になって道路改修は早期に行うべきであります。今後の道路改修の取り組みについて見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 おただしの通路につきましては、平成十六年度に地元町内会からの道路整備の要望を受けまして、現地調査を行い、この通路の存在が判明いたしました。関係者から聞き取りを行いましたところ、当初は民地と市道との間にある農業用水路を渡るための人道橋であったものを、自家用自動車を通行させるために、個人が現在の通路にかけかえたものと伺っております。現在、歩行者等の通行に支障を来すとともに、市有地を不法占用している当該通路を撤去するよう関係者と協議を行っているところでございます。 この通路は、市有地を不法に占用しておりますので、通路の撤去に伴う損失の補償を行うことは、従前と同様の通路機能の回復を含めできないと考えております。なお、当該民有地は市道に面しておりますので、通路撤去後も市道への通行は可能でございます。 道路整備におきましては、地域住民の方々の御理解と御協力を得ながら、取り組むことを基本といたしておりますので、この地域におきましても、同様な進め方で対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 車の通行量が多い市道です。何十年も道路の管理を怠り既得権が生じているにもかかわらず、地権者の立場には全く配慮されない行政の姿勢が問われております。行政ですべてやるべきと言っているのではありません。これが市民に優しい市政であると言えるでしょうか。善処を要望します。 次に、環境局と水道局は、水道拡張事業に基づき、簡易水道を上水道へ編入させるべく取り組んでおられます。補助金の廃止もあり、仕方なく編入されたとの話や集落の争いの根源になっているとの話も聞きます。 そこでお伺いいたします。 給水区域において、拡張期間経過後、改修等に補助金がなくなることは承知いたしますが、簡易水道組合が上水道に編入する場合、補助金はなぜなくなりますか、見解をお示しください。 また、このことは公権力による強引な上水道への勧誘にならないかお示しください。 また、そのために集落の争いを助長している事実があることは認識されておられますかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 簡易水道等組合補助金は、基本的には給水区域外にあるため、市水道の供給を受けることができない地域の簡易水道等組合に対し、施設の適切な維持管理及び編入促進等を図るため助成するものでございます。 また、補助金を受けられる期間につきましては、水道局が給水区域拡張計画に基づき、配水管・配水池などの基幹施設の整備が完了する翌年度までとしております。このことは、水道局が基幹施設の整備を完了することで、地域への水道供給体制がとれることから、補助の基本的な考え方に沿って、基幹施設整備後は補助できない旨定めたものでございます。 地元への対応でございますが、給水区域の拡張に当たっては、水道局において、それぞれの簡易水道等組合からの承諾を得ており、また、水道事業への編入の際は、組合加入全世帯の同意が必要であることなどから、毎年開催する水道組合長会議や地域で個別に開催される説明会等で、補助期限などの詳細な説明を行っております。 また、一部の組合において、市水道事業への編入の総意がまとまらず、編入工事に着手できない事例があることは把握しておりますが、編入については、それぞれの簡易水道等組合において各面から十分協議される必要があるものと考えております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇]
    ◆(大園盛仁議員) 地域でもこれに関しては、それぞれ協議をされ、対応しております。しかしながら、そもそも環境局の期限を切っての補助金廃止が問題です。長年地域に貢献してきた自然の恵みともいうべき安くておいしい水があるのであります。とても環境未来館を建設し、市民と循環型社会に対応した環境政策を進めていかれる市政と同じ市政とは思われません。 そこで環境局にお伺いいたします。 現在の給水拡張事業は、住民の意思を尊重し、温かく見守られるような体制になっていますか、お示しください。 また、環境保全上、設備はもとより、周りの自然もしっかり管理し、自然の恵みを生かすのが、本来の環境政策ではないでしょうか、見解をお示しください。 また、環境保全の立場から、水道局が政策として進める給水拡張とは矛盾があると思われますが、どのような見解かお示しください。 以上、答弁願います。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 先ほど答弁いたしましたとおり、給水区域拡張の際には、それぞれの簡易水道等組合の総会等での承諾を得るとともに、市水道への編入の段階では、組合加入全世帯の同意を必要としていることから、住民の意思を十分に尊重しているものと考えております。本市といたしましても、今後とも機会あるごとに水道局とも連携し、編入への意思がまとまっていない簡易水道等組合の御理解をいただくために、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 次に、本市は、自然や社会環境などの特性に配慮し、環境への負荷の少ない循環型の快適環境都市づくりを推進するため、環境基本計画を策定し、その目標の一つに、良好な水環境の保全を掲げ、水源涵養地の保全や緑地による涵養機能の向上などを図っているところでございます。 また、市水道への編入促進を図っていることにつきましては、市民に対し、安心安全な飲料水を安定的に供給することが本市の責務であること、高齢化や過疎化等により、簡易水道等の十分な維持管理体制の確保が難しくなっていることなどによるものでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 私も、現在簡易水道の組合員として苦慮している当事者の一人です。現在の水を飲みたいとおっしゃる多くの意見と補助金廃止に伴う維持管理上の問題が対立しておりますが、何よりも長年地域に貢献してきた簡易水道を使い捨て同様、廃棄されることに疑問を感じています。スクラップ・アンド・ビルドは、高度成長期の負の遺産であり、質問の冒頭申し上げましたように、さまざまな事件・事故は、この負の遺産がもたらしているといっても過言でないように思います。環境局、水道局も市民に優しい水道拡張事業の推進をされるよう要望いたします。 新しい質問に入ります。 次に、かけがえのない四人の少年たちが亡くなられた地下壕惨事についてお伺いいたします。 あの痛ましい事故からはや一年半近くなります。被害者の遺族にとっては、いまだに大変な悲しみと御心痛の中にあることと心からお悔やみを申し上げます。一年半たった今、私は、心の教育、地域の教育力などの視点から一つの教訓として質問をさせていただきます。 この地下壕惨事を受け、市当局はもちろん、本市議会においても二度とかかる事故がないよう、直ちに地下壕事故に係る諸課題を調査検討する特別委員会を立ち上げ、地下壕の実態把握や事故の再発防止策、国の補助制度の見直し等に取り組み、大きな成果を得ることができました。市当局や議会の皆様に敬意を表し、感謝申し上げるところです。しかしながら、子供を持つ親として被害者の御両親や家族の無念さに思いを寄せるとき、言葉に言いあらわせないものが込み上げてまいります。 私たちが小さいころは、遊び場は家の中でなく、野山や川、空き地であり、遊び仲間も先輩、後輩のあらゆる年齢層でありました。また、悪さをしたら、近所のお年寄りや年配者に厳しい注意や指導をいただいたものです。地域自体が、子供たちを見守る温かい環境にあったと言えます。その中で、正義感や生きる力もはぐくまれました。その点では、亡くなられた子供たちは、現代社会がもたらした被害者であるとも言えると思います。 質問の冒頭申し上げましたように、昨今は、いろんな悲惨な事故・犯罪が続出しております。なぜでしょうか。高度成長期において、人や物を大事にしない使い捨ての風土が定着したことや自分さえよければ他人は顧みない自己中心的考えの増大、強い者になびき、長いものに巻かれる生き方等があらゆる組織や社会に台頭してきた結果であるように思えてなりません。 また、わが子でなくてよかった、自分の学級や学校でなくてよかったと思われるのは、ある面では当然のことであります。しかしながら、市長や教育長を初め、それぞれの立場の方々が遺族の方々の悲しさや心の痛みを自分のこととして受けとめられ、教訓とされておられたらどうでしょうか。今回の惨事は社会のあり方や生きる力、命のとうとさをはぐくむ真の教育のために何かを示唆しているように私には思われます。 そこでお伺いいたします。 まず、当該学校では、この間、生徒や被害者家族にどのような対応をされてこられたのかお示しください。教育委員会は、今回の惨事を教訓として、市内の学校に対し、生きる力や命のとうとさをはぐくむ真の教育のために、どのように指導されてこられたのかお示しください。 また、教育委員会は、当該学校や被害者遺族にはどのような対応をされたのかお示しください。 本市の教育の最高責任者として、惨事に対する石踊教育長の見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 当該校では、事故発生後、保護者や全校生徒に対して事故の概要を説明するとともに、市教委から派遣された臨床心理士やスクールカウンセラーによるカウンセリングを行い、心のケアに努めてきたところでございます。また、校区環境点検マップを作成するとともに、各種行事の実施に当たっては、安全重視・危険防止の観点から指導の徹底を図ってきております。告別式やお盆、一周忌等には、校長を初めとする関係職員等が参列し、哀悼の意を表しているところでございます。 次に、痛ましい事故の教訓から教育委員会は、危険予知トレーニング等を通して、学校内外におけるさまざまな場面で危険を予測し、避けることができる児童生徒の育成に力を入れるよう学校を指導してまいりました。具体的には、校区内の危険箇所等を掲載した校区環境点検マップを作成することと、それを活用して児童生徒を指導し、保護者・地域へ周知すること、学校や関係団体等における安全・事故防止等の指導計画例を発達段階に応じて積極的に活用すること、さらに教科・道徳・特別活動など全教育活動を通して、生命尊重に関する内容をより一層計画的・系統的に取り扱うことなどでございます。 次に、事故後、教育委員会としましては、当該校に臨床心理士等を派遣し、生徒や保護者等へのカウンセリングを行ったところでございます。また、告別式には、当時の教育長を初め関係職員が参列し、御遺族に対してお悔やみを申し上げたところでございます。 今回の事故を教訓にして、今後とも、学校や保護者、地域と一体となった情報の共有化を図り、安全な環境づくりに努めるとともに、危険を予知し回避する能力を高める指導の充実など、発達段階に応じた指導の徹底を充実させてまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 前教育長を初め、教育委員会や当該学校では、これまで誠実に対応されてこられたことがわかりました。今後とも、あらゆる事件・事故に対し、被害者の立場に立った対応をされるような教育委員会であるよう要望いたします。 次に、この事故が起きた土地の所有者は、この団地を造成した鹿児島市住宅公社であります。 そこでお伺いいたします。 事故発生時から、地権者として鹿児島市住宅公社は、告別式の参加者を含め被害者に対し、だれがどのような対応をされてこられたのかお示しください。 また、事故発生まで当該地下壕の存在を認識されていたのかお示しください。 また、認識がなくとも、少年たちのとうとい生命を奪った地権者としての管理責任はあると思います。住宅公社は、土地所有者として、被害者家族にお見舞いや補償等されたのかどうか。その考えがあるのかどうかお示しください。 また、本市は、昨年、安心安全まちづくり条例を定め、安心安全なまちづくりに向かって各事業を展開されておられますが、今回の惨事が安心安全なまちづくりに与えた教訓は何であったかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) お答えします。 地下壕事故の教訓についてでございますが、防犯や防災だけでなく、このような事故の未然防止を目的の一つとして掲げた安心安全まちづくり条例に基づき、行政と市民、事業者が連携し協力することにより、こうした事故が二度と起こらないような、安心して暮らすことのできる安全なまちづくりに取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 土地所有者である財団法人鹿児島市住宅公社の対応についてでございますが、同公社に確認いたしましたところ、事故発生直後と一年後に現場に花を手向け、御冥福をお祈り申し上げたとのことでございます。 また、住宅公社としては、当現場の地下壕の存在につきましては、事故が発生するまで認識はなかったとのことでございます。 土地所有者としての住宅公社の考え方についてでございますが、事故現場は人が立ち入ることができないよう、周辺の道路・公園に防護フェンスが設置されており、このような事故が発生することは予見できなかったことから、土地所有者としての管理上の瑕疵はないものと考えているとのことでございます。御遺族への補償等につきましては、民事上の問題でもあり、発言は控えさせていただきたいとのことでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 地下壕存在の認識すらなかったことは、地権者として管理不足であると言えます。 また、被害者遺族に対しても、誠意ある対応がなされなかったようであります。住宅公社は本市の外郭団体であり、住宅公社の理事長は森市長であり、役員のほとんどは本市の関係者であります。本市は、住宅公社を管理指導する立場にあると考えますが、市職員の中には、住宅公社は法人であり、本市とは関係がないという認識の方もおられるようであります。本当にそうですか。住宅公社の責任は、本市と関係がないのかどうかお示しください。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 鹿児島市住宅公社が所有しております土地の管理につきましては、同公社におきまして責任を持って対応がなされているものと考えており、本市といたしましては、同公社の土地の管理のあり方につきまして、指揮監督を行う権限は有していないところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 本当に管理責任等の責任がないのか。本市の土地との認識があり、誠意ある対応がないことに疑問を持たれている市民もおられます。全国では、赤字となり倒産寸前の外郭団体や第三セクターに行政が支援しているではありませんか。 そこでお伺いいたします。 住宅公社の経営責任の責任者はどなたですか。理事長には責任はないのか、あわせてお示しください。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 先ほども答弁いたしましたように、鹿児島市住宅公社が所有しております土地の管理につきましては、同公社におきまして、責任を持って対応がなされているものと考えており、住宅公社といたしましては、事故現場は、人が立ち入ることができないよう周辺の道路・公園に防護フェンスが設置されており、このような事故が発生することは予見できなかったことから、土地所有者としての管理上の瑕疵はないものと考えているとのことでございますので、御理解賜りたいと存じます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 管理上の瑕疵はなくても道義的にも責任があるではありませんか。何か起きた場合、あらゆる組織で責任を転嫁するケースが多い社会に陥っておりますが、住宅公社の出資者は本市であり、市長が住宅公社の理事長であります。地下壕惨事の責任意識が市長部局全体に全くなかったのも当然であります。残念であります。心の傷を希望に導くような、温かい行政としての対応が欠けていたように思われます。 次に、松山市と松山教育委員会では、先月二十九日、子供にかかわる事件・事故が発生したときに、どう対応すべきかを明記した子ども危機管理マニュアルを策定され、市長部局、教育委員会事務局を通して役割分担を明記されたとのことであり、食中毒、鳥インフルエンザなど他の緊急マニュアルと同様に、全庁を挙げて対応できるようにしたことが特徴のようです。マニュアルでは、子供の生命・身体に重大な影響を及ぼす事態が発生した場合、市長を本部長に、市長部局と教委、事務局の職員で構成する緊急対策本部を設置し、現場トップの職務についても明記されております。 そこで市長にお伺いいたします。 まず、市長は住宅公社の理事長であり、本市の最高責任者ですが、地下壕惨事における遺族に対しお見舞いをされたのかどうか。また、本市の外郭団体である住宅公社の土地で、とうとい四人の子供の命が奪われたことにかんがみ、その責任と地下壕惨事に対する見解をお示しください。 また、松山市のように、子ども危機管理マニュアルの作成を行う考えはないものかお示しください。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 昨年の地下壕事故につきましては、中学生四名のとうとい命が失われるという大変痛ましいものであり、改めて最愛の御子息を亡くされた御遺族の皆様方に衷心からお悔やみを申し上げる次第でございます。 私は、事故後、速やかに現場に赴き、亡くなられた子供さんたちの御冥福を心からお祈りをいたしました。また、四名の子供さんの告別式に際しましては、教育長等が参列したところでございます。 私は、このような事故が二度と起こることがないよう、地下壕事故も踏まえ、できる限り早く、安心して暮らせる安全なまちづくりへの取り組みを進めるために、昨年十月、事故防止を含めた安心安全まちづくり条例を制定し、この条例に基づき、防犯や事故防止等の各面からの施策を実施しているところでございます。地下壕の安全対策につきましても、子供たちの安全の確保を最優先の課題としてとらえ、市の単独事業により、壕口の封鎖工事を進めているところでございます。 また、お触れになりました子どもの危機管理マニュアルにつきましては、現在、危機に対する迅速な初動体制の確立など、総合的な危機管理体制の整備を図るため、危機管理に関する指針の策定を指示しているところでございますので、その中で、子供の安全対策についても検討してまいりたいと考えております。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 教育委員会の責任者である教育長の立場と住宅公社の責任者である市長の立場とは、おのずと違うことの認識がまず足りません。惨事の場所が個人の所有地ならともかく、本市の外郭団体である住宅公社であります。道義的責任すら感じていないように思われます。市民の生命や財産を守る立場にある行政としても、被害者遺族に対する十分なる配慮が不可欠であると考えます。市長を中心に市長部局全体での善処を要望いたします。 市民に優しい誠実な行政であってほしい立場から、るる質問してきました。市長を初め当局の皆様にはいま一度、それぞれ自分自身の職責について再考されますよう要望いたし、新しい質問に入ります。 特別養護老人ホームと有料老人ホーム、いわゆる介護付有料老人ホームの整備に関してお伺いいたします。 まず、ここ五年間における特別養護老人ホームの待機者と利用状況はどのようになっているかお示しください。 同じく、介護付有料老人ホームの利用状況の推移についてもお示しください。 また、施設の過去五年間における施設建設募集数と応募施設数はどのようになっているか、計画とあわせてお示しください。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 特別養護老人ホームについて、過去五年間の六月末の待機者数を平成十四年度から十八年度までの順に申し上げますと、一千三百九十九人、七百九十五人、九百七十五人、一千二百七十一人、一千百七十七人となっております。また、施設の過去五年間の利用状況について十四年から十八年の各年六月のレセプト件数を特別養護老人ホーム、介護付有料老人ホームの順に申し上げますと、一千百五十三件、三十五件、一千二百十八件、三十四件、一千二百五十三件、三十五件、一千六百五件、七十六件、一千六百四十一件、百三十八件となっております。 次に、過去五年間の特別養護老人ホームの応募者数等の状況について順次申し上げます。十四年度計画数百八十床に対し、応募者数、創設九、増設三、選定者数、創設三、増設一、十五年度計画数七十床に対し、応募者数、創設十、増設四、選定者数、創設一、増設一、十六年度計画数四十床に対し、応募者数、創設八、増設三となっておりますが、このうち十五年度分は、従来国が認めていた前倒し整備が方針の変更によりできなくなったことから整備を実施しておらず、十六年度分は、国の制度が補助金制度から交付金制度に変更になったことから、十七年度に増設二の選定を行いました。十八年度は計画数百床に対し、応募者数、創設十、選定者数二でございます。 また、介護付有料老人ホームにつきましては、県が指定することになっておりますが、十四年度から十七年度においては、特に計画数は設定されておらず、募集等は行われていなかったところでございます。十八年度は、計画数が設定され、その中で県が指定することとなりましたが、市町村が提出した意見書をもとに県が指定することとなっておりますことから、本市におきましては、公募を行いましたところ、十七の事業者から応募があったところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 予算措置の変更等があっても、特別養護老人ホームはほぼ計画的に整備が進められていることがわかりました。しかしながら、在宅介護を進める中においても、依然として特別養護老人ホームの待機者は多く、ニーズは高まるばかりであります。当局におかれては、今後ともさらなる御努力を要望いたします。 次に、整備の進め方や選定のあり方に少なからず疑問を感じておられる方もあるようです。 そこでお伺いいたします。 特別養護老人ホームと介護付有料老人ホームの選定を行う選定機関はどのようになっており、募集する施設数と定員の応募はどのように行っているのか。募集時における選定の要件とあわせて配慮点を具体的にお示しください。 また、公正公平な選定に不可欠な要素は、選定機関における透明性の確保だと思います。当局は、選定における透明性の確保については、どのように対応されておられるのか、見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 特別養護老人ホームなどの老人福祉施設整備対象施設の選定につきましては、国からの指導に基づき、局内の局部課長及び他部局の関係課長をメンバーとする十八名の委員からなる鹿児島市社会福祉法人設立認可及び社会福祉施設整備審査会で、審査選定を行っております。 また、介護付有料老人ホーム等の本市が県に意見書を提出する事業所の選定を行う機関につきましては、外部の委員十三名で構成される地域密着型サービス運営委員会において、その優先順位を決定することとしております。 次に、募集する施設数等及び選定の要件等についてでございますが、特別養護老人ホームにつきましては、前年度選定されなかった応募者と新規の設置要望者を対象に説明会の開催を案内し、応募いただいております。 なお、選定に当たりましては、ユニット型の施設であること、できるだけ市街地で交通の便のよい立地であること、造成済みの敷地、または造成を要する場合でもより平坦地であること、用地が要望者の所有地、または確実に取得できる土地であること、資金計画が適正であることなど、以上のような点を考慮しているところでございます。 次に、介護付有料老人ホームの施設数及び定員につきましては、県において定数の管理のみを行っておりますので、今回は、施設数、定員の要件は定めず募集を行い、県への意見書を提出する順位を決定したものでございます。また、選定の要件などでございますが、介護付有料老人ホームとしての立地条件、事業実施の確実性、事業実績などをもとに、公平で公正な観点から選定をいたしております。 なお、選定における透明性につきましては、先ほど申し上げました、いずれの審査会におきましても、応募者の匿名性を確保した上で、各面から慎重に審査いたしておりますので、十分な透明性・公平性が確保されているものと考えております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 特別養護老人ホームの施設選定は、当局だけで選定されており、透明性に欠けているのは明らかであります。当局は、十分な透明性・公平性が確保されていると答弁されましたが、市民の間からこれに疑問が寄せられているのであります。行政は、当局のための行政であってはなりません。市民のための行政であるべきであります。選定委員に医師会やボランティア、社会福祉施設の代表を選任されて、透明性を図るべきであります。当局の見解を再度お示しください。 答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 特別養護老人ホームを初めとする社会福祉施設整備の選定に当たりましては、先ほども申し上げましたように、国の指導に基づき施設整備担当以外の部局等を加えた審査会において、合議制による審査を経て選定を行ってきておりますので、今後も同様な形で審査を行う中で、十分な透明性・公平性を確保してまいります。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 市長の標榜される市民が主役の政治になっていますか。市民不在の市政に陥っております。市民とのパートナーシップを大事にされるなら、選定委員も民間から半数は選任されるなど、市民の立場に立った選定委員会であられるよう善処を要望いたします。 次に、特別養護老人ホームの場合、地域バランスも考慮して選定するとの話もありましたが、地域配置のバランスは本当に考えておられるのか。本年度の場合、二施設とも谷山方面に決定しておりますが、十七年度末において、旧市域に占める谷山地域の人口比率と施設の定員比率をお示しください。 また、本年度における選定経過と二施設を決定された理由をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 十七年度末時点で、旧市域に占める谷山地域の人口比率は二八・六%、施設の定員比率は四二・七%でございます。 なお、本年度につきましても、従来の選定方法を踏襲し、審査会での議論を経て選定が行われており、その結果、相対的に立地条件などがよい二施設が選定されたものでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 相当、施設が谷山方面に偏っていることがわかりました。高齢化比率によっても変わりますが、お聞きしていた地域バランスに配慮がないようであります。また、具体的な選定経過や理由を明らかにされず疑問だけが残ります。これでは、市民が納得されないのは当然であります。私も答弁に納得できません。それぞれの選定結果を公表するか、民間から半数の選定委員を選任されるか。透明性・公平性の確保の御努力を強く強く要望いたします。 次に、環境未来館整備事業についてお伺いいたします。 まず、平成十七年度に用地取得と基本設計を行われ、今回、補正予算を上程し、継続費として設定されました。 そこでお伺いいたします。 一点目、用地取得費を含め最終的建設費はどれだけになり、その財源内訳はどうなっているかお示しください。 二点目、本市においては、道路や環境整備など多くの取り組むべき課題があります。道路等の社会資本整備と比較して、環境未来館への投資は、まちづくり交付金や合併特例債の有効な活用になっていると言えるのか。 三点目、完成してからのランニングコストはどれだけになるか。 四点目、来館者数は、どれだけを見込んでおられるのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 環境未来館(仮称)の事業費は、用地購入費二十二億二千七百三十万円、工事費十九億四千六百二十万円、合わせて四十一億七千三百五十万円でございます。財源内訳としましては、国からのまちづくり交付金十六億二千五十六万四千円、合併特例債二十四億二千五百十万円、一般財源一億二千七百八十三万六千円でございます。 国のまちづくり交付金につきましては、原良地区都市再生整備計画の作成に当たり、環境未来館(仮称)を整備する計画も含めて要望し、平成十七年三月に新規採択を受けたところでございます。また、合併特例債につきましては、多くの人々の利用や環境保全活動に取り組む市民、市民団体の交流が盛んになることが見込まれるとして、平成十七年度に申請し、許可されたところでございます。 ランニングコストにつきましては、現時点で試算することは困難ですが、屋上緑化や太陽光発電、地下水などの自然エネルギーを利用した空調設備等を積極的に取り入れ、できる限りの省エネを図り、コスト縮減を目指しているところでございます。 来館者数につきましては、参考とした類似施設では年間八万人から十万人と伺っております。環境未来館(仮称)も同程度を目標としたいと考えておりますが、市内に限らず、できるだけ多くの方々に来館してもらうよう、展示に工夫を凝らし、市民、事業者による企画展示やフィールドを活用したイベントなど計画してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 莫大な財政出動であり、この財政難のときに、他都市に先駆けてなぜといった感は払拭できません。例えば、JR谷山駅までの市電延伸事業約三十六億円より大きな財政負担で、リニューアルや維持管理運営費を永久に伴う環境未来館建設事業であります。利用者の市電延伸と比較し、費用対効果を考えたら、どちらが本市に活力をもたらすかだれでもわかることであります。何よりも市電の延伸は、生産性があり、人と環境に優しい公共交通機関であり、地域の交通結節機能を高め、CO2を排出するマイカーの抑制になり、真の環境政策として取り組むべきであると考えております。環境未来館事業は、環境政策や行財政運営の視点からも疑問が残ることだけは指摘しておきます。 次に、本市では、総合計画の効率的かつ計画的な推進と市民の視点に立った成果重視型の行財政運営の実現を図るために、行政評価を実施しておりますが、この環境未来館整備事業については、どのような行政評価がなされたのかお示しください。 また、箱物行政への批判が多い中で、箱物建設そのものが環境の負荷になるとの認識はないのかお示しください。 また当初、立地条件の一つは、甲突川の親水性を生かした施設の建設とのことでしたが、どのような設計になっているのかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 環境未来館(仮称)整備事業につきましては、行政評価の対象を決定する時点で、既に事業の実施や基本的な計画が定まっていたことから、事前評価の対象とはならなかったところでございます。 次に、施設を建設し、維持管理していくことは、資源やエネルギーを消費するため、環境に負荷を与える側面がございます。しかしながら、環境未来館(仮称)は、循環と共生を基調にした環境文化都市の実現に向け、市民一人一人の環境への興味・関心を促し、環境保全活動を市域全体へ広げ、将来の世代へよりよい環境を引き継いでいく重要な役割を担っており、その効果は大きいものと考えております。 次に、甲突川の立地を生かした設計につきましては、省エネを図る上で、敷地の横を流れる甲突川を東西に吹く卓越風や四方に開かれた開放的な敷地を有効に活用し、空気調整に効果のある自然の通風や採光を積極的に取り入れ、コスト縮減を図ることとしたところでございます。 また、親水施設もある甲突川は、市民が自然と触れ合うことができる河川であり、水辺の植物や昆虫の観察などフィールドと一体となって活動できる参加体験型の環境学習の場として考えているところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 行政評価を行う必要はないのか疑問を感じます。昨年度、鴨池市民プールの整備も事業の実施や基本的な計画が定まっていました。しかしながら、計画の見直しを行われたではありませんか。行政に費用対効果の視点は不可欠であります。 そこでお伺いいたします。 市民から全く要望のなかった環境未来館の建設ですが、社会保障費の増大する中で、莫大な整備費とそれに伴う運営費は本市の財政を圧迫してくるおそれはないのか。行政コストの縮減や行政責任の確保はどのように図られるのか、見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 環境未来館(仮称)につきましては、まちづくり交付金や合併特例債を活用し、本市の財政状況を踏まえ整備することとしたところでございます。行政責任の確保などを踏まえた管理運営につきましては、今後、具体的に検討してまいります。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁を伺いました。 当局には、費用対効果の認識があるのでしょうか。事業を実施する時点で、ランニングコストや行政責任の確保について明確にできないとは残念であります。民間だったら考えられないことです。何よりも今日、環境行政に求められるのは、あらゆる事業に人や環境に優しい視点からの対策と考えます。本市の環境政策に一貫性・整合性を感じないのは私だけでしょうか。本市のあらゆる事業に、環境局はもう少し配慮されるべきことを申し上げ、私の個人質問のすべてを終わります。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、大園盛仁議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、平山たかし議員。   [平山たかし議員 登壇](拍手) ◆(平山たかし議員) 日本共産党市議団の一人として個人質疑を行います。 まず、人工島問題の今日的問題の七項目について順次お伺いをいたしてまいります。 昨年末、鹿児島県知事は、人工島埋立計画について、整備計画案と埋立地の利用計画変更案を公表をされましたが、この整備計画の変更は、港湾法並びに公有水面埋立法に基づく港湾審議会の手続とともに鹿児島市長の意見聴取、さらには、その前提となります鹿児島市議会の議決が必要となってまいります。 私どもは、この手続が九月議会になるのかいつになるのかと思っておりましたが、今日に至るもその気配すらないのであります。 しかし、このほど人工島問題について調査をする中で、人工島計画の幾つかの重要な課題が既に大きく変更をされていることが判明をいたしました。しかもその変更計画は、この間に複数回に上り、既にその変更計画を前提とした工事発注作業も進められているのであります。この現実を踏まえて、まず変更に至った経過と変更の内容について質問をいたします。 第一の質問、平成十八年一月から、二カ月前の平成十八年七月十日の公有水面埋立免許の変更は、いずれも鹿児島県知事が鹿児島港港湾管理者たる県知事に変更手続を提出をした。つまり、県知事が県知事に変更手続を行い、そして申請どおりすんなり許可になった、そのとおりか。 また、埋立免許変更の申請書類をつくったところと、埋立免許申請を審査し許可したところは、県庁内の同じ港湾空港課で行われたと理解をしていいか、お答えをいただきたいのであります。 第二に、一連の変更計画の内容についてお示しをいただきたい。 第三に、変更内容は、それぞれ鹿児島市にいつ相談があり、鹿児島県からの事前報告はいつあったのか。市当局は市議会にどの時点で報告をされたのかお答えをいただきたい。 市議会への報告という点については、私が記憶をしている点では、三月時点で橋梁工事を国直轄施工とぜひしていただきたいと国に要請をしているとの報告がなされただけと思っておりますので、したがって、それ以外の項目についての市議会への対応をお聞かせをいただきたいのであります。 また、鹿児島県への意見具申についても行われたものかお答えをいただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 おただしのありました公有水面埋立免許のいずれの変更も、申請者である鹿児島県代表者県知事から、鹿児島港港湾管理者である鹿児島県代表者県知事への変更許可申請書の提出に対し、港湾管理者である県から申請者である県へ、申請どおり変更許可がなされております。 また、埋立免許変更許可の申請書類の作成、審査、許可につきましては、おただしのとおり県港湾空港課で行われたとのことでございます。 一連の変更内容につきましては、県によりますと、「平成十八年一月六日の変更許可として、埋立土砂の採取場所として、鹿児島市の旧桜島町区域の追加、平成十八年七月二十一日の変更許可として、中仕切り護岸の追加、埋立土砂の採取場所等の変更、工事竣功期間の伸長」とされております。 平成十八年一月六日以降の公有水面埋立免許の変更許可につきましては、県によりますと、「埋立地の用途変更にかかわるものではなく、事前に市の意見を求めるようには規定されていない」とのことであり、事前に県から本市への説明はなく、市議会への報告並びに県への意見具申も行っていないところでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) この間の数回にわたる公有水面埋立免許変更が、埋め立てが行われる当該自治体にもそのほとんどが報告をされない。したがって、鹿児島市当局としては、市議会にも変更内容等についての説明が行われていないのであります。そのような中で、港湾負担金だけは毎年一億数千万円から二億円の負担が来るという状況が続いています。このことの問題点を、まず申し上げておきます。 しかも、これらの変更手続は、県庁舎の同じ港湾空港課で申請書類がつくられ、同じ課内で書類審査を行い、計画変更が許可をされる。この手法についても、これまた問題になるということを申し上げておきます。 次に、それでは、鹿児島市にも知らされない仕組みの中で変更された内容がどのようなものであるのか。どのような問題点を含んだものであるかということについて質問をいたします。 まず、人工島一工区の埋立土砂をどこから持ってくるか、幾らの量を持ってくるかという点については、これまで公表された内容、さらには、これまでの鹿児島県当局説明の内容を大転換させている点についての質問です。 第一、これまでの計画では、どこから幾ら投入する計画としていたのか。その計画をこのように変更するという変更内容をお示しをいただきたい。 第二に、今回の計画を変更する理由を具体的にお示しをいただきたい。特に、平成十四年からの発生状況が、これまでの計画とどのように違ってきているのか明らかにされるとともに、この投入土砂不足分を県内に広く求める内容とその理由についてもお示しをいただきたいのであります。 第三に、桜島の土石流土砂の見通しの甘さを県当局も初めて自覚をされての変更と思いますが、そのとおりか。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 平成十四年七月時点では、マリンポートかごしまの埋立土砂は、全体で約四百五十万立方メートルが必要で、このうち約三百七十万立方メートルを桜島野尻地区土石流土砂とされていました。 その後、変更を経て、平成十八年七月の変更許可申請書によりますと、「全体が約四百四十六万立方メートルで、うち桜島野尻地区の流下土砂を約二百六十四万立方メートルに、西之谷ダムを除く旧鹿児島市、旧桜島町の鹿児島市域の公共残土を約八十二万立方メートルに変更し、旧喜入町、郡山町、吉田町、松元町の鹿児島市域から約八万立方メートルを、指宿地区、鹿屋地区、伊集院地区、加治木地区、加世田地区から約三十一万立方メートルの公共残土を一工区に新たに受け入れる」等とされております。 県によりますと、「平成十四年七月時点では、埋立土砂のうち約三百七十万立方メートルを桜島土石流土砂から採取することとし、その内訳としては、野尻川に仮置きまたは堆積している土砂が約百三十万立方メートル、今後発生する土石流土砂を、過去二十年間の実績から年約三十万立方メートルと想定して、八年分の約二百四十万立方メートルとして計画していた。しかし、近年、桜島土石流土砂の発生量が減少傾向にあり、平成十六年度までの直近三年間の実績では、年平均約四万立方メートルの発生量となっていること、また、県内の公共工事から発生する土砂についての有効活用が求められていることから、一工区の埋立土砂の採取場所等を変更した」とのことでございます。 このように火山活動の変動により、桜島土石流土砂の発生見込み量は大きく変更されております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) ただいまの答弁でも明らかなとおり、桜島の土石流土砂が当初計画より大幅に不足をしてきている、その実態をようやく認められての計画変更となっているようであります。このことは、桜島の土石流の捨て場がないから人工島の建設をという当初の人工島建設の出発点とも言うべき基本方針自体が、このことで大きく崩れたことになります。鹿児島市当局はそのことを認めているのかお答えをいただきたいのであります。 桜島の土石流土砂は激減をし、これからも大量発生は見込まれません。そのことについては、平成十四年の計画変更時点でも明らかでありました。しかし、県当局はその現状を直視をせず、人工島計画を基本的に見直し、中止をするなどの方策をとらず、土石流の大量発生を願うかのような計画を進めてまいりました。このことは、桜島の大爆発を待ち望んでいたことにつながり、とんでもないことと言わざるを得ません。 ところで、人工島建設の事業費については、これまでは桜島の土石流土砂の人工島への搬入というのは、国の費用で行われるというふうにされておりました。 しかし、先ほどの答弁では、激減した桜島の土石流土砂分を市域内の旧五町だけではなくて、指宿からも鹿屋、伊集院、加世田、そして加治木、ここでの公共工事で残った土砂を人工島に持ってくるまさに大転換の新しい計画になっているようであります。このこと自体も問題。 それでは、そのことによって次の問題が出てまいります。 桜島の土石流土砂の人工島への土砂搬入経費は、これまで国の砂防事業で負担をしているものを、今後は、鹿児島県並びに土砂を搬入する鹿児島市やそれらの今挙げた町などの公共事業の中で算定をすることになり、鹿児島県やそれぞれの市町の公共事業費として負担をすることになりはしないかと思うのでありますが、そのとおりか。答弁願います。 また、新しい計画の投入予定の土砂は、それぞれの地域に現時点でどれだけ存在をしているのか。 さらに、公共工事の大幅減という要素を加味しての検証されての計画変更か。その根拠を含め、具体的にお示しをいただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 平成十四年七月の時点では、桜島土石流土砂を活用する場として、約三百七十万立方メートルを投入するとしていた計画が、全体必要土量約四百四十六万立方メートルのうち約二百六十四万立方メートルを投入する計画に変更されましたので、桜島土石流土砂の活用量が大きく変更されたものであると考えております。 埋立土砂搬入の経費につきましては、県によりますと、「これまで桜島野尻地区の土石流土砂のマリンポートかごしまへの搬入は、国直轄砂防事業で実施されているところである。マリンポートかごしまにおいては、公共事業から発生する建設残土の処分及び活用を図る事業であり、国直轄砂防事業と同様に他の公共事業においても、搬入経費については、それぞれの事業者が負担するものである」とのことでございます。 計画変更後の埋立土砂の採取予定につきましては、県によりますと、「変更許可申請書に記載のとおり、それぞれの地区において、今後、公共残土が発生する見込みである」とのことでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 鹿児島県当局は、公共事業の残土が発生をする見込みという答弁でありますが、公共事業縮減の中での見込みは望めないでありましょう。土砂投入も指宿、伊集院、加世田、鹿屋、加治木、こういうところまで広げての土砂搬入というのは、この変更自体も問題でありますが、これまで国の負担で人工島に投入をされたものが、それぞれの自治体の公共事業発注者の負担での土砂投入となることも、これまた問題であります。 計画変更の中の埋立土砂の変更計画の問題点についても明らかになりました。 次は、人工島の一工区と二工区に新たに中仕切り護岸をつくるとの計画変更についてであります。これまで中仕切り護岸の問題点を各面から取り上げてきた者といたしましても、唖然とせざるを得ません。 第一に、計画変更の内容、新たに出てきた中仕切り護岸の必要性、構造、工費、事業期間をお示しをいただきたい。 第二に、くるくる変わってきた中仕切り護岸計画の変遷を、鹿児島市当局はどう思うか。 さらに、計画変更の理由を明確に示されるとともに、これまでの我が党が市議会で指摘をしたとおりの展開となっていることを、市当局は認められるか。見解をお示しをいただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 変更許可申請書によりますと、「中仕切り護岸は、一工区と二工区の間に新たに計画されたものであり、その構造は、延長約七百六十五メートルの捨て石式であり、工事費は約五億円、施工期間は平成十八年十月から平成十九年四月」となっております。 中仕切り護岸につきましては、平成十一年の当初の許可申請書では、「本体を場所打ちコンクリートで施工する」とされており、平成十四年の変更許可申請書では削除され、平成十八年七月の変更許可申請書では、「本体を捨て石で施工する」と変更されております。 このような変更につきましては、本市といたしましては、桜島土石流土砂の減少により、シラス土壌の公共残土を投入することになったことが影響しているものと考えております。 中仕切り護岸の必要性や変更理由につきましては、変更許可申請書によりますと、「埋立土砂等の種類の変更により、新たに受け入れる土砂は、その大部分がシラス土壌であり、多孔質で比重が小さく、特に水中では流動性が高く、地形を形成しにくいという特性があることから、土地造成の確実な進捗を担保するため」とされております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 今、答弁をされた中仕切り護岸の変更理由につては、これまで私どもが議会で指摘をしてきたんですよ。中仕切りがなければ、一工区に土砂を投入したのがそこにとどまっていないでしょう。二工区にも行くでしょう。埋め立ては進まないでしょう。だから、そのことで中仕切り護岸をようやくつくらざるを得ないというふうになったというふうな判断をいたしておきますが、次の質問は、今回の計画変更のもう一つの特徴であります一工区の竣功年度を延長する、資金計画も変更するという、これまた重要な変更内容についての質問です。 竣功年度の延長はいつまでの期間で、また、その根拠を示していただきたい。 さらに、これからの作業工程とスケジュールを示し、一工区竣功年度の延長期間の設定に整合性ありとの根拠をお示しをいただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 変更許可申請書によりますと、「一工区に係る外周施設は、中仕切り護岸を除いて既に概成しており、今後の工事としては、中仕切り護岸基礎部への土砂投入、中仕切り護岸の築造、埋立土砂の投入並びに外周護岸の上部工及び舗装工等があり、これらの工事の工程を検討した結果、一工区の竣功期限である平成十八年十二月を平成十九年九月に九カ月の伸長とした」とされております。 一工区の竣功までの作業スケジュールにつきましては、変更許可申請書によりますと、「中仕切り護岸を平成十八年十月から平成十九年四月の間に施工、現在行っている埋立工については、平成十九年九月までに完成、また、岸壁や護岸の上部工等につきましても、平成十九年九月までに完成」とされております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) ただいま、一工区の竣功年度を平成十九年九月まで延長する計画であることを初めて明らかにされました。 しかし、一工区の竣功年度は延長しても、二工区の竣功年度についての方向づけは示されていないと思いますが、そのとおりか。答弁願います。 さらに、これまでの計画では、二工区の竣功年度は二十一年十二月となっていますが、この年度はそのままということであれば、このことについて市当局は矛盾を感じないのか。市当局の見解と県当局のこのことについての考えをあわせてお示しをいただきたい。 第二に、資金計画の変更内容とともに、このことの本市港湾負担金への影響もお示しをいただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 本市といたしましては、一工区と二工区が同時に公有水面埋立免許の変更がなされるものと考えておりましたが、県によりますと、「一工区については、埋立土砂の採取場所等や工事の施工方法、竣功期限についての見通しが立ったので、一工区のみ変更を行い、二工区については、現在、埋立土砂の採取場所等について検討中であり、見通しがつき次第変更したい」とのことでございます。 資金計画の主な変更内容につきましては、中仕切り護岸の追加により約五億円の増でございますが、これは、本市に負担を求めない県の起債事業で行うとのことであり、本市負担金への影響はないものと考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 二工区の工期延長を検討をしても、新たな矛盾が出てくるであろうということを申し上げておきますが、中仕切り護岸の五億円の本市への負担はないということを確認をいたしておきます。 先ほど、一工区の埋め立ては工事延長しても、来年の九月には一工区の埋め立てが終了する計画と答弁をされました。しかし、一工区の埋め立ての状況を見てみますと、あと一年で果たして一工区が埋立完了するのかという疑問が出てまいります。 私は、九月八日と九日の大潮の満潮時と干潮時に海から、陸から、四方八方から写真を撮ってまいりました。別途写真もお借りをしてまいりましたが、その一部をお示ししていきますが、まず、人工島全体は、このようにまだ埋め立てた土は全く見えません。一工区も二工区もこういう状態。この写真は、船通し区間から大潮の満潮時に撮った写真です。当然埋め立てた土砂というのは一つも見つかりません。 また、干潮時に行きました。大潮の干潮時、これだけ潮位が一番低いところまで引いているにもかかわらず、この状態でも埋め立てた土砂というのは、全く地上に水面からあらわれていないんです。これが今日、三八%の土砂投入をしたと、終えたと言っている人工島の現状なんです。 私は、そういう点では、中仕切り護岸が完成をするのは来年の平成十九年四月というふうになっているようでありますが、この中仕切り護岸で一工区に投入した土砂というのは、多分一工区にとどまることになるでしょう。 ところが、それから中仕切り護岸が完成をし、五カ月後の土砂投入で一工区は埋立完了となるのか。私は、この状況について改めてお示しをいたしましたが、こういうような状況にあるということを当局は承知をされておられるのか。そして、県に対しても現状を直視しての意見具申を申されるよう求めるものであります。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 本市といたしましては、現地はおただしの写真のような状況であると承知いたしておりますが、県によりますと、「平成十八年七月末での埋立土砂の投入については、一工区での必要計画量約百六十三万立方メートルに対し約六十二万立方メートルが投入済みであり、残り約百一万立方メートルについては、平成十九年九月までに投入が完了する予定である」とのことでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 次は、人工島が防災拠点となり得ない実態をお示しをして質問いたします。 これは、九月八日、満潮時に近い午前六時五十分の人工島の旧護岸と言われている、既に鹿児島県が完成をしている護岸、船が着くロープをかけるところももうでき上がっています。この護岸です。この状況を写真にしてまいりましたが、護岸が完成をしているこの状況でも、この日はまことに波静かな穏やかな錦江湾でありました。それでも海水が上がり、あと五十センチか六十センチ上がったら、全部ここの埋立地は海水が押し寄せるんです。波静かでも、現在でも、完成した護岸でも、人工島の状況というのはこういう状況なんです。 私は、昨年十二月議会で、台風時における与次郎ケ浜の浸水問題を取り上げてまいりました。そして、気象庁の調査に基づく水位を提示をいたしました。与次郎ケ浜は、堤防を通常想定をされる状況から約二メートル以上高波が押し寄せて、与次郎ケ浜一帯に浸水をしたというふうに言われています。 ところが、人工島は、二メートル、二メートル五十どころか、少しの風でもここを越えるんですよ。大型船舶が通るだけでも越えるんですよ、波が。 私は、そういう点では、まさに少しの風でも、また、沖を大型船舶が往来をするたびに海水が護岸を越える。その上、台風襲来となりますと、さらに二メートル以上の海面上昇がまさに一目瞭然。人工島の一工区、二工区が完成をしても、少しの強風でも、また台風のたびに海水が人工島全体に押し寄せる。これが果たして防災拠点となり得ると思いますか。 元市議の西郷まもる市議が、けさ、インターネットでもとってまいりましたが、「広域防災拠点の機能をつくる」と、「避難民もここに受け入れる」と。こういうようなところに、防災拠点として避難民を受け入れるんですか。そういうことについての、この写真を見られての市当局の感想と見解をお聞かせをいただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 県によりますと、「マリンポートかごしまで整備を予定している緑地空間は、災害が発生した場合の対応空間とするものである」とのことでございますが、本市といたしましては、平成十八年第一回市議会定例会で答弁いたしましたとおり、マリンポートかごしまは、海に突き出して建設されることから、異常気象などの越波による被害などには十分な警戒が必要であると考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 答弁をいただきましたが、この問題点については次回に新しい資料をもとに明らかにしてまいります。 この問題の最後の質問は、一つは、昨年来の知事の計画変更案は明らかに法に基づく手続が必要との市当局の認識は変わっていないのか、改めて見解を求めます。 市の見解が変わっていないのであれば、法に基づく手続をとらず、一方では埋立土砂の採取場所や採取量の大転換。しかもそれは市や町の費用負担にもつながる重大事。中仕切り護岸を改めてつくる計画、経費、工事期間の延長と資金計画の変更など次々と重要な計画変更を行い、それも鹿児島県独自で一方的にどんどん進める。鹿児島県の相も変わらぬ姿勢があります。このことについての鹿児島市の見解をお示しをいただきたい。 二つには、知事はいつ市長の意見聴取、そして市議会の意見を聞くのか。法に基づく手続をとるつもりか。県当局の考え方をお聞かせをいただきたいのであります。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 昨年末の知事の計画変更案は、平成十七年第四回市議会定例会で答弁いたしましたとおり、埋立地の用途の変更や埋め立てに関する工事の着手及び竣功の期間の延伸等についての変更があれば、公有水面埋立免許の変更の必要があり、埋立地の用途の変更については、市議会の議決が必要であると考えております。 県によりますと、「平成十六年七月二十六日から平成十八年七月二十一日までの間の公有水面埋め立ての変更については、公有水面埋立法第十三条の二に基づき、変更の手続を行っている。また、港湾計画における土地利用の変更については、港湾法に基づき、地方港湾審議会の審議を経て、ことし四月に港湾計画の変更を行っている」とのことでございます。 本市といたしましては、変更内容が法的には本市に意見を求める事項ではなかったとしても、事前に説明があるべきではなかったかと考えております。 県によりますと、「現在、用途の変更を含む二工区の公有水面埋立免許の変更許可申請の作業中であり、変更時期などについては未定である」とのことでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 今、御指摘を申し上げました手続上の問題については、やはり県に厳重に申し入れをしていただきたいと思っております。 人工島問題の今日的問題について幾つか質問をいたしましたが、改めて今回、問題点が明らかになってまいりました。人工島建設は、埋め立ての必要性が根本から崩れてきている。護岸をつくり、埋立途中まで既に二百十四億八千万円の税金投入。うち鹿児島県百三十三億三千万円、鹿児島市二十六億一千万円の税金投入であります。人工島埋立完了まで、これからも莫大な税金投入となります。埋立完了しても指摘をしたとおり防災拠点にもなり得ず、全国の人工島の失敗と同じく将来展望ないことは、いよいよ明白になってきております。 市当局におかれましては、このことを踏まえられ、人工島建設中止を前提とした意見具申を決断をされんことを強く要請をいたしておきます。 また、関係委員会におかれましては、もっと深く問題点を解明をされますよう、関係委員会での審査を要望をいたしておきます。 新しい質問に移ります。 市電専用軌道の緑化整備事業の実施について、市長にお伺いをいたします。 鹿児島中央駅の市電敷地へのビクトール芝による緑化事業が評価をされ、今議会では、鹿児島中央駅に次いで市電の起点・終点の一つであります鹿児島駅に向けての軌道敷緑化が予算化されました。このことによって、市電の起点・終点のもう一つであります谷山電停からの事業実施が残されております。 市電専用軌道のよさを生かしての軌道敷の緑化整備事業は、副都心谷山の玄関口としても効果があるものと期待をいたします。これまでの芝あるいは花壇を設けるなどを含めた市電専用軌道緑化事業を進めていただきたいのであります。新たな観点での事業と思いますので、交通事業設置者でもある森市長の答弁を願います。 答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 平山たかし議員にお答えいたします。 市電軌道敷緑化整備事業につきましては、市街地のヒートアイランド現象の緩和や都市景観の向上を図るため、実施しようとするものでありまして、ファンタスティックイルミネーションと相まって、緑に彩られた美しい都市空間と新たな個性ある夜間景観を創出しようとするものであります。 道路との併用軌道区間である鹿児島中央駅から桟橋通交差点までの区間につきましては、来年十月までに完成させたいと考えているところでございます。 おただしの涙橋から谷山電停までの区間につきましては、専用軌道敷に応じた形で、沿線の方々への潤いの場の創出や都市景観の向上などが図れないか、今後、検討させてまいりたいと考えております。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 市長、大いに期待をいたしております。 新しい質問に入ります。 慈眼寺公園の課題と改善策について質問をいたします。 慈眼寺公園は、森からわき出た水が岩をえぐり、清流となり、この清流にかけられた橋の上からの眺めはすばらしく、春は桜と若葉、夏は濃い緑とせせらぎ、カジカの鳴き声も聞こえます。秋は紅葉と、すばらしい景観です。昭和四十九年には、名勝の地慈眼寺跡として鹿児島市の文化財にも指定をされています。その慈眼寺公園の課題と改善策については、先輩の方々より数々の指摘と要望が寄せられておりますので、以下、お伺いをいたしてまいります。 まず、山本助役にお伺いをいたします。 助役におかれましては、慈眼寺公園に何回となく足を運ばれ、慈眼寺公園のよさを味わっておられると仄聞をいたしておりますので、この際、山本助役の慈眼寺公園に対する認識と公園のあるべき姿、そして今日の課題についての見解をお聞かせをいただきたいのであります。 以上、助役の答弁を願います。 ◎助役(山本克也君) 慈眼寺公園は、慈眼寺風致地区内に位置する緑豊かな総合公園であり、園内を流れる渓谷には巨岩や奇岩による特色のある景観が形成されるとともに、清流と直接触れ合える自然の水辺が残っております。公園入り口側は、慈眼寺跡として市指定文化財の名勝であり、また、園路は自然遊歩道として利用され、豊かな自然の中で歴史に思いをめぐらせながら四季の移り変わりを味わえる場所として、多くの市民の方々に親しまれているところでございます。 私は、このような公園が六十万都市の市街地の中に残されていることは、全国的にも珍しいのではないかと思っております。 この貴重な財産をさらに多くの市民の方々や観光客に利用していただけるようにすることが課題であり、園路の整備、老朽化した施設の更新、新たな水辺施設や案内板の設置などを図っていくことが必要であると考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 私どもがかねて見ており、散策をしております慈眼寺公園の課題、そしてまた、現在の認識、そういう点で山本助役より答弁をいただきました。答弁をお聞きをいたしておりまして、谷山出身の助役との思いをいたしておりますので、ありがたいというふうに思っているところです。 それでは、続いて公園を取り巻く課題について建設局長にお聞きをいたします。 質問の一、四十一年の歴史を持っております慈眼寺のそうめん流しは、施設の老朽化が進んでいることは当局も御承知のとおりです。施設の家主としての施設改善はいつからどのような手法で始まり、いつまでに完成をするのか。 二、案内板、標識が破損をしたり、谷山町時代のままであったりとか、これまでにも指摘をされてまいりましたが、全面的に見直し、改善をする計画はないのか。 三、自然遊歩道の改善と整備。 四、スロープや手すり設置の要望にどう答えるか。 五、公園入り口の交通安全対策と新たなバス停設置についての考え方をお示しいただきたいのであります。 あわせて、次の項目の質問に挙げておりましたが、慈眼寺公園の清流を満喫できる水に親しむ休憩施設設置について伺います。 仄聞をいたしますと、国交省にかかわりのある財団の御支援・御援助のもとに一定の方向づけがなされたやにお聞きをいたしておりますので、このことについても建設局長に答弁をお願いする次第です。これまでの経過、施設内容と場所、設置時期についても同様にお聞かせをいただきたいのであります。 建設局長の答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 慈眼寺公園の施設整備について順次お答えいたします。 おただしのそうめん流しの調理室等の施設につきましては、昭和四十年に建築し、既に四十一年が経過していることから、老朽化が著しく、これまでも補修を繰り返してきております。このような状況を見て、谷山地区に本社を置く企業から、地域貢献のためにこれの施設について改修をし、市に寄贈したい旨の申し出がございました。現在、建てかえについて協議を進めているところであり、来年のシーズン開始までには完成させたいと考えております。 案内板等につきましては、一部破損しているものやさびついて美観を損なっているものも見受けられますので、今後、関係部局とも連携を図りながら、来園者にわかりやすく、周辺の景観にも配慮した案内板や標識の整備を行ってまいりたいと考えております。 自然遊歩道や園路につきましては、来園者から一部の園路や階段が歩きにくい、また、道幅が狭いなどの声が寄せられておりますことから、自然や歴史に親しみながら安心して散策できる園路を確保するため、現在、園路測量設計を実施しているところでございます。 公園内の施設の改修については、文化財の面からの制約もございますが、スロープ、手すりなどのバリアフリー化につきましては、できるだけ配慮してまいりたいと考えております。 公園入り口の安全対策につきましては、現在整備を進めております市道木之下慈眼寺団地線の交通量が多いことから、歩行者等の安全な交通を確保するため、今後、横断歩道等の設置について、県公安委員会と協議したいと考えております。 また、バス停の新設につきましては、地元関係団体等からの要望を踏まえ、公園入り口付近に設ける方向で県公安委員会等と協議を進めており、バス停を含めた公園入り口付近の整備は、平成二十年度を予定いたしております。 最後に、親水・休憩施設につきましては、本年度、もみじ橋のたもとに財団法人リバーフロント整備センターより設置されることとなっており、来園者が散策の途中、ゆっくり憩える施設としてあずまやの設置を計画いたしております。経過につきましては、昨年、同財団の公益事業として全国の市町村に水辺施設案の公募があり、応募したところ、本年度選定されたものでございます。設置時期につきましては、来年二月ごろには完成する見込みとなっております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 慈眼寺公園を取り巻く課題について御答弁をいただきましたが、あずまやの設置については、多分この事業では鹿児島市内で初めてというふうに考えておりますが、その他の課題を含めて、山本助役を初め当局の御努力に敬意を表します。これからの整備充実に期待をいたしておきます。 新しい質問に入ります。 九月七日の南日本新聞によりますと、「JR谷山駅近くの中村踏切の遮断時間をこれまでの三分から四十秒に短縮をし、待ち時間を解消する」という報道がなされています。 この中村踏切の待ち時間の長さの問題点は、これまでの市議会の中でもたびたび申し上げてきたとおり、交通渋滞の要因になっています。交通渋滞解消のために鉄道高架化事業を提案をし、今日、この事業が事業実施と、めどがついてまいりました。このことは、本会議の中でも繰り返し述べてきたとおりであります。 ところで、今回の報道が、鉄道高架化事業の都市計画決定というこの時期のJRの対応措置でもありますので、この際、お聞きをしてまいります。 一、中村踏切の改善内容をお聞かせをいただきたい。また、いつまでの措置なのかということについてもお示しをいただきたい。 二、中村踏切について、これまでの公式の市民要望についてお聞かせをいただきたい。 三、今回のJRの対応は、鉄道高架化事業を認識した対応か。 四、これまでの列車集中制御装置任せから手作業で行うとの方式のようでありますが、この手作業方式での全国の教訓について、市当局とJRの見解を明らかにされて、安全対策は万全かという点を明確にしていただきたいのであります。 五、これまで他の踏切で改善をされた箇所は、どのような方式で改善をされた経過があるか。また、本市域内の他の踏切での遮断時間短縮の市民からの要望箇所についてもお聞かせをいただきたい。 六、他の踏切でも、万全の安全対策をとっての緊急対策を速やかにとられるよう、JRに申し入れられるようお願いしておりましたので、JRの見解もお聞かせをいただきたいのであります。 以上、六項目まとめて質問します。答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) 中村踏切の改善に関連して順次お答えいたします。 今回の改善の内容につきまして、JR九州鹿児島支社にお聞きいたしましたところ、「列車の運行管理は、列車集中制御装置(CTC)により、同支社内にあるCTCセンターで一括して行っており、列車の位置を示す制御盤をもとに同センターの専門の社員が信号等の運行状態を確認している。指宿枕崎線の中村踏切は、駅からの距離が近く、信号を制御することによって連動して遮断する踏切であったことから、ホームの乗り降り客が多い朝は、遮断時間が長くなる傾向にあった。そこで、午前七時から八時三十分までの鹿児島中央駅方面に向かう上り三本の列車に対し、同センターの社員が制御盤の列車位置情報を確認し、列車制御の自動状態を解除し手動で操作することにより、当該踏切の遮断時間の短縮を図った」とのことでございます。 いつまで運用していくかということは、今後、効果の検証を行っていきたいとのことで、まだ決まってはいないということでございます。 これまでの市民要望といたしましては、平成四年度に、JR指宿枕崎線の踏切遮断の時間短縮などを求める陳情書がございます。 次に、今回のJR九州の対応は、同社によりますと、十数年前から中村踏切については、谷山駅七時台発の一列車に対して手動により短縮を図っていた経緯もあり、渋滞解消に効果があると思われるので、今月四日から、谷山駅発七時十四分と八時十六分の列車に対しても試行的に実施したとのことでございます。鉄道高架化事業については、渋滞解消の抜本的な解決に向けた事業として認識していると伺っているところでございます。 手動方式による安全対策でございますが、同支社によりますと、踏切の開閉を手動で行っているのではないため、列車制御を手動方式で実施しても安全上の問題はないとのことで、今後においても、社内でのチェック体制を充実させていきたいとのことでございます。 本市としては、JR他社で発生した事故事例検討を含めた安全対策については、JR九州で責任を持って対応しているという報告を受けておりますので、JR九州に対して、今後とも安全確保に万全を期するよう要請してまいります。 これまでの踏切改善といたしましては、平成九年度に坂之上第一踏切において、踏切検知装置の位置を鹿児島中央駅側に移すことによって、上り列車通過時の踏切遮断時間が約四十秒に短縮されております。 また、ほかの要望箇所といたしまして、指宿枕崎線の駅周辺の各踏切、黒田踏切、宮田通り踏切がございます。 最後に、ほかの踏切の遮断時間の改善につきましては、これまでJR九州に対しまして要望してきているところでございますが、改めて、今回の事例のように万全の安全対策をとっての緊急対策として改善ができないか申し入れを行いましたところ、ほかの踏切についての対応は困難であるとのことでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 平成四年の陳情にもかかわってまいりましたし、坂之上駅の交通渋滞解消策としての踏切改善についても、本議会で取り上げて実現をしていただきました。 今日、やはり踏切の万全の安全対策をとっての緊急対策、これはそれぞれの箇所で重要な課題になってくるというふうに思っておりますので、改めてJRに強く改善方と安全を確認をした上での対応をとっていただきますよう、要請をしていただきたいと思っております。 新しい質問に入ります。 市電(専用軌道)の踏切遮断機と隣接をしております道路の信号システムの改善について質問をいたします。 まず、市電上塩屋五号踏切と直角に交差する市道笹貫十六号線を朝夕見ておりましての、交通渋滞の現状を申し上げます。 朝の通勤時、車両が市電踏切の手前で停車をし、上り下りの市電車両の通過を待っています。市電が踏切を通過し、遮断機が上がります。停車した車両が国道二百二十五号に向けて発車しようとすると、国道二百二十五号の信号機は赤に変わりました。ようやく国道の信号が青になろうとしています。通勤車両が動こうとすると、今度はその踏切に市電が近づき、踏切の遮断機がおり始めました。結局、車両は一台も通過をできません。たまにはこの状況が連続して起こることもあります。このようにして、二百メートル以上の車両が交通渋滞を引き起こしているのであります。このような箇所は、市電専用軌道の笹貫から谷山電停までの間の市電の遮断機と国道の信号システムが連携していないことが原因と思われます。 質問の第一、指摘をした状況はそのとおりか。また、脇田四号、笹貫四号、上塩屋一号踏切もほぼ同じ状況と思いますので、上塩屋五号踏切地点での交通渋滞の原因についての市当局の見解をお聞かせをいただきたい。 第二に、交通渋滞の改善方法として、市電踏切の遮断機の作動と道路の信号システムの連携を持たせる方策をとっていただきたいのであります。技術的には可能か、答弁願います。 さらに、そのための改善策を関係当局との協議を進めていただきたいのであります。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 市電上塩屋五号踏切地点における市道笹貫十六号線の交通状況につきましては、おただしのように特に朝の通勤時間帯において、約二百五十メートルの渋滞が発生している状況でございます。 渋滞の要因といたしましては、この踏切に隣接する国道の交差点は、信号制御をされておりますが、踏切遮断の間隔が約七秒と短い場合があること、また、遮断機がおりている間、市道側から国道側に向かう信号が青になっている場合があること、さらに、遮断機が上がっているにもかかわらず、信号が赤で国道側へ進めない場合があることなどが考えられるところでございます。 信号システムの改善につきましては、技術的に可能かどうかを含めまして、関係部局と連携を図り、関係機関と協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) このことについて初めて取り上げましたが、問題の認識は市当局と一致いたしております。今後の対応を期待をいたしておきます。 新しい質問に入ります。 市内の随所に見られる交通渋滞解消のための時差信号システム設置と道路拡幅と道路車線区分変更について質問いたします。 質問の第一、時差信号システムを採用しての交通渋滞解消策、さらには、道路拡幅や右折車線の新設など、車線区分を変更しての対応の効果をどのように認識をされておられるものか。 第二、谷山地域における市民要望について申し上げてみますと、谷山電停と中村踏切近くの市道、JR谷山駅から国道二百二十五号、谷山支所通りと国道二百二十五号、これらの交差点は、谷山地区の中心部の交通渋滞地点であります。時差信号システムを含む交通渋滞策を速やかに検討をしていただきたいのでありますが、市当局の対応と関係機関への要請を含む改善策についてお示しをいただきたいのであります。 答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 交差点における交通渋滞解消策についてでございますが、一般的には、幹線道路の交差部におきましては、右折レーンがない箇所や滞留長が短い箇所などで渋滞発生が見受けられるところでございます。これまでの交差点改良におきましては、おただしの時差式信号システムの導入や道路改良による右折レーンを設置した箇所では、車両の円滑な通行が確保されるなど、それぞれ一定の効果があるところでございます。 また、双方ともに設置した場合は、さらに効果があるものと考えております。 おただしのありました国道二百二十五号の谷山支所前交差点等の四交差点につきましては、より円滑な交通の確保のため、信号システムの改善等について、関係部局と連携を図り、道路管理者である国及び県公安委員会へ要請してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 当局の前向きの姿勢に敬意を表しておきます。 新しい質問に入ります。 八月二十三日の新聞報道でも明らかなように、国土交通省はこのほど、「鉄道による開かずの踏切」「自動車交通の著しい踏切」「歩道が狭く危険な踏切」として具体的に踏切箇所名を挙げて、五カ年で整備改善をするようにと方針を打ち出しました。国交省が具体的に踏切名を挙げた中には、旧鹿児島市域内が五カ所あります。 まず第一の質問は、五カ所のうちJRの踏切が四カ所あります。中村踏切、試験場、大久保、諏訪踏切ですが、これらはいずれも谷山地区の鉄道高架化事業の実施区域内となっています。したがって、これらの踏切は、高架化事業の中で改善策を図ることになるのか。 第二、国土交通省は五カ年で対策が必要との方針ですので、高架化事業までの間はどうするのかをお示しをいただきたい。 第三、あと一カ所は市電の笹貫五号踏切です。この踏切は、周辺の国道の整備も含めて、今後どのように改善をするつもりかお示しをいただきたい。 以上、答弁願います。 ○議長(赤崎正剛君) しばらくお待ちください。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 歩道が狭隘な踏切として、五カ年で対策が必要な速効対策の検討対象踏切となっております中村、試験場、大久保、諏訪の四踏切は、現在取り組んでおります谷山地区連続立体交差事業の高架化区間内にありますことから、同事業によりすべて除却されることになります。 また、高架化事業の施行に当たりましては、仮踏切を設置することにしており、その際、仮踏切とあわせて仮歩道を設けるなど、歩行者等の安全通行に配慮することでJR九州と協議しているところであり、現在線から仮線へ線路を切りかえる段階で安全対策が図られるものと考えております。 市電の笹貫五号踏切につきましては、国土交通省において、自動車交通の著しい踏切で抜本対策の検討対象踏切として抽出がなされております。抜本対策の検討対象踏切につきましては、今後、立体交差化などで踏切自体を除却することにより、踏切問題を抜本的に解消することとし、全国合計でこれまでの五カ年における踏切の除却ペースを二倍にするべく、地域の実情に合わせた整備計画案の策定を関係機関へ要請していくとのことでございます。 なお、同踏切を含む付近一帯につきましては、あんしん歩行エリアに指定されていることから、鹿児島国道事務所において、国道二百二十五号の宇宿三丁目から東谷山二丁目までの約一・八キロメートルの区間を、歩道のバリアフリー化により安心で快適な歩行を確保するため、段差解消等の整備を今年度実施するとのことでございます。 以上でございます。   [平山たかし議員 登壇] ◆(平山たかし議員) 鉄道高架化事業の実施区域内にありますJRの四つの踏切については、鉄道高架化事業の整合性との間で、やはりスムーズにいくように、効果があるようにぜひ努力をしていただきたいというふうに思っております。 市電の笹貫五号踏切ですが、この踏切については、今、私も思い出しましたが、かつて末吉市長在任中にこの場で、この五号踏切をどういう形態にするのかということが議題になりました。かなり論議をされました。仕方なく現在の状況で通すというふうになりました。それはそれとして、改めて立体交差を含めてどういうふうにするのかというのは、かつての末吉市長時代にさかのぼっての課題もありますので、改めてそのことについても検証され、効果のある対応をとられるよう要請をいたしておきます。 当局の現状認識と国等への要請の心意気については、十分理解をいたしました。市長の努力を期待をいたしておきます。 今、それぞれの項目について御答弁をいただきました。 先ほどの交通渋滞解消策としての時差信号システムと道路形態の改良についての答弁でありましても、さらには、国土交通省が緊急課題として整備促進を進めている自動車交通と道路の踏切遮断機、歩道が狭く危険な踏切の改善、さらには、踏切の遮断時間が長いことでの開かずの踏切、こういう問題というのは、谷山地域の事例を取り上げて今回は私は質疑を交わしましたが、いずれもこれらは全市的な課題であります。また、単に建設局だけではなくて、建設局の中でも道路部、都市計画部、こういうところとの連携が必要でありますし、当然安心安全という点では、市民局のかかわりも出てくるというふうに思っております。また、総合的な企画、道路交通網の整備、どういうふうに配置をするのかという点では、今後はコミュニティーバスを含めた企画部を含めての対応が求められてくるというふうに考えておりますが、今後において緊急抜本的対策を検討し、速やかに対応されますよう要請をいたし、以上で私の個人質問のすべてを終わらせていただきます。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、平山たかし議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) ここで、しばらく休憩いたします。              午 後 零時  三分 休 憩            ─────────────────              午 後 一時  三分 開 議 ○議長(赤崎正剛君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を続行いたします。 次は、うえだ勇作議員。   [うえだ勇作議員 登壇](拍手) ◆(うえだ勇作議員) 平成十八年第三回定例会に当たり、私は市政クラブの一員として個人質疑を行います。 男女共同参画社会政策について質疑を行ってまいりますが、割愛もしくは質疑の順序を変える場合もあり得ます。また、質疑は多岐にわたりますが、特定の政党を非難することが目的でないことをあらかじめ申し上げておきます。 さて、長年の女性の地位向上運動は、さまざまな試練を経て少しずつ成果をあらわしてきました。いわゆる女子差別撤廃条約は一九七九年、第三十四回国連総会において採択され、一九八五年、我が国においても批准され発効しました。締約国は百八十二カ国に上っています。この流れの中で、我が国では平成十一年男女共同参画社会基本法が制定され、翌十二年に男女共同参画基本計画が策定されました。政策は着実に進展していると申せます。これから本題に入る前に、前段としての質疑を行います。 まず、市長にお伺いいたします。 今の社会現象には、子供などの弱者に対する卑劣な犯罪や簡単に人を殺してしまう傾向、その他悪質な犯罪の頻発など、個人の欲望や利益のためには他人を害することに無感覚になりつつある現状があり、かつて日本人が共通して持っていた恥の概念や謙譲心、あるいは美徳としてのおおらかさなどを取り戻すことが必要と言われます。これに関連して、公教育で宗教的情操を涵養すべしとの議論もたびたび行われてきました。 ここで森市長に伺います。 市長は、多感な少年時代、一定の宗教的雰囲気を体験されました。市長の中学・高校六年間に宗教的環境が与えたものは何であったか、それがこれまでの人生にどのように作用してきたか、お答えいただければありがたいと思います。また、宗教的情操の意味や大切さについて、どのようにお考えかお伺いいたします。 次に、一九一七年、ロシア革命を経てソビエト連邦政府が樹立されましたが、ソビエト政府は当初、共同食堂、洗濯所、託児所等を充実し、家庭の負担から女性の解放を図りました。ところが、青少年の性秩序や家族秩序が乱れ、離婚が激増し出生率が激減した、また、少年の犯罪が急増し、略奪や破壊を繰り返し、抵抗者は殺りくしたと言われます。その政策は散々な結果に終わり、結局、一九三四年、政府は家族政策及び女性政策を見直し、逆に家族の強化策をとることになりました。 一方、一九六〇年代のアメリカのウーマンリブ運動は、女性の性と家庭からの解放を目指して全米を揺るがせましたが、その結果、就学児童の生徒のほぼ五〇%が片親という空前の高離婚率社会を生み、少年犯罪も増加しました。アメリカはその反省に立ち、働く主婦であっても、家庭の大切さや子育ての重要性を改めて認識することになったと言います。 これらには貴重な教訓が含まれています。家族の軽視や性の解放が社会を混乱させ、犯罪を増加させることを教えます。この教訓からも、家族は肉親が信頼を寄せ合う安らぎの場として、子供たちの揺りかごとして、また、社会の基礎的単位として最も大切であり、性秩序は社会の基礎的規範であるという伝統的な考え方がとても大切であると思いますが、市長の御見解を伺うものです。 以上、御答弁ください。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) うえだ勇作議員にお答えいたします。 私は、中学・高校時代を通じまして隣人愛の精神というものを学びましたが、それはその後の私の人生における心の糧となっていると思っております。宗教的情操につきましては、いろいろな解釈があるようですが、いずれにいたしましても、命あるものに対する思いやりの心や、人間形成に大きく影響を与えるものであると考えております。 私は、夫婦や親子の関係が急速に変化し、多様化している今日の社会にあって、夫婦・親子・兄弟を初め家族間の良好なコミュニケーションを通じ、互いに人間として尊重し合うことから、きずなの強い安定的な家庭が築き上げられるものと思っております。また、乳幼児からの教育も人間人格形成上、大変重要であると考えており、そのためには、家庭を初め学校などにおいて基本的な生活習慣や態度、自立心などを育てることが大切であると考えております。また、最近の性犯罪の増加や性に関する状況を見てみますと、学校や家庭、職場などでの、性に対する正しい知識の普及と啓発への取り組みが重要ではないかと考えております。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 御答弁をいただきました。 宗教的情操とは、必ずしも特定の宗教に帰属するものではありません。人知を超えた畏怖すべき存在を感得し、これに対して畏敬の念を抱く心のありようを言います。市長御答弁のとおり、宗教的情操は人間形成に大きく影響を与えるものです。それは人を謙虚にするとともに、他を思いやる心情をはぐくみ、道徳を形づくるがゆえに大切であると思います。また、御答弁のとおり、性秩序や家族の強いきずなが大切であることは論をまちません。 さて、これから本題の男女共同参画政策に質疑を移します。 男女共同参画政策は一定の定着を見る一方で、幾多の問題点も指摘されております。その最大のものは、社会にさまざまな弊害をもたらすジェンダーフリー思想の混入です。男女共同参画政策を検証しつつ、お伺いいたしてまいります。 まず、ジェンダーフリーの考え方は難解で多岐にわたりますが、代表的な例を挙げます。 一、社会的・文化的な性差、ジェンダーは、生まれながらの性差、セックスにはかかわりなく、後天的につくられたものであるとする考え方。二、男性と女性を平等な相互補完関係とみなさず、男が上で女は下、男が支配し女が従うといった非対称の関係として機能するととらえる考え方。三、ジェンダーは中立的な概念ではなく、性別役割分業を階級構造であるとみなし、これを解消すべしという意図を含む考え方。そして四番目に、一部には性差・差異そのものを否定し、相対化する過激な論者もおります。 代表的な例を挙げましたが、その影響は家族の連帯を弱め、性秩序など伝統的規範意識を否定するなど、自然法的規範を省みない過激な行動につながり、社会を混乱させます。 以下、伺ってまいります。 まず、当局はジェンダーフリーについて十分に研究されましたでしょうか。 次に、研究されたとすれば、申し上げたような思考法や影響があると考えてよいか。間違いがあれば訂正してください。別に当局なりのお考えがあればお示しください。 以上、御答弁ください。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 ジェンダーフリーにつきましては、これまで用語の解釈や使用例のほか、昨今の課題等についての国会の論議や国からの通知、そしてまた、他都市の状況なども参考にしながら調査研究してきたところでございます。 ジェンダーフリーの用語は、これと決まったものがないことから、確かにお述べになられたようなことを指摘される方々もおられるようでございます。この用語につきましては、国は当初、定義づけをして使用することは問題がないという考えを示しましたことから、本市では、性別にかかわらず個性と能力を十分に発揮できるという意味で定義づけて使用してまいりました。しかしながら、本年一月、この用語をめぐる誤解や混乱を解消するため、今後使用しないことが適切である旨の考えが示されましたので、本市としましても、今後そのことを踏まえて対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 本市も今後政府見解を尊重していくとの御答弁でした。性差の後天性につきましては、既に近年、デイヴィッド・ライマーによって間違いであることが証明され、社会的・文化的性差も生まれながらの性差に大きく影響されると結論づけられたことを申し上げておきます。 続いて伺います。 本市の平成十三年の男女共同参画都市かごしま宣言と平成十四年の鹿児島市男女共同参画計画の中に、ジェンダーフリーを目指すとありますが、当局は、宣言や計画制定当時、この言葉をどう理解しておられたか。また、この言葉がかくも深刻な問題を投げかけることを予想されたか。 次に、二〇〇四年、内閣府はジェンダーフリーという用語を使わない方がよいが、自治体で定義づけて使用しているものは問題ないとの見解を出しました。本市は後追いの形で定義づけを行いましたが、その定義はフェミニストが使う用語とどう違うか。また、市民が双方をきちんと区別して理解できると考えるか、混同する危険はないか。 また、ジェンダーもしくはジェンダーフリーという用語の存在によってフェミニズム思想の入り込む余地はないか。もしないと考えるなら、その理由をお示しください。 以上、御答弁ください。 ◎企画部長(新地茂樹君) 男女共同参画都市かごしま宣言や男女共同参画計画策定当時におきましては、本市はジェンダーに縛られない、ジェンダーからの解放というふうにとらえていたところでございます。ジェンダーフリーという用語につきましては、当時多くの都市の計画や広報誌などにも使用されており、その後のこの用語をめぐる状況は予想していなかったところでございます。 次に、本市ではジェンダーフリーという用語を使う場合、平成十五年以降、その意味を必ず付記してきたところでございますので、市民の方々には、本市の使用しているジェンダーフリーは、性別にかかわらず個性と能力を十分発揮できるという意味であることを常に周知しているところであり、今後とも混同がないよう努めてまいりたいと考えております。 ジェンダーもしくはジェンダーフリーとフェミニズムの関連につきましては、学者を初めいろいろな論者がさまざまなとらえ方をしているようでございまして、このことについて一概に申し上げるのは困難であると考えております。 以上でございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 御答弁いただきました。 この用語をめぐって混乱が生じることは予想しなかったということを正直なお答えでされました。ジェンダーフリーを本市の定義とフェミニズム用語と区別できる市民はほとんどいないと思います。また、その用語の存在はフェミニストの入り込む余地を与えます。 なお、ここでお断りしておきますが、ここで言うフェミニストとは、通常使われている女性を崇拝する男性、または女性に優しい男性といった一般概念と違って女権拡張主義者を言い、特に日本においては過激なジェンダーフリーを推進する人々を指すので、混同しないようにしてください。 では、ジェンダーフリーはどんな問題を生じさせるか、幾つかの具体例を挙げます。 一、男らしさや女らしさを否定したり、こいのぼりやひな祭りもいけないという。 二、各種施設のトイレの男女標識を同一色にして男女識別を薄める。男が黒、女が赤ではいけないんだそうです。 三、離婚やシングルマザー、フリーセックスやセクシュアルマイノリティーを過剰に弁護する。 四、専業主婦として家事にいそしみ子育てに専念することは、男への隷属と見てさげすむ。 五、そして小中学校での過激な性教育です。その内容については、このような場で申し上げるのははばかられるのですが、例えば吹田市の教育委員会発行の副教材小学一・二年生用では、言いにくいですね、お父さんはということで、男性の生殖器を言いまして、もう一つ、女性の生殖器もあります。お父さんはそれをお母さんのそれにくっつけて精子が外に出ないようにして届けますと記述されています。まあ言いにくいので、この辺でとどめておきますが。 それから六つ目、小学校でのコンドーム装着実習や、御丁寧にも教材として男と女の生殖器をつけた裸体人形を持ち出して、こうする、ああすると実技して見せたりするわけです。これに関係した東京都の校長が、石原知事によって降格させられた事例もあります。 七番目、北九州市の男女共同参画センターでは、ジェンダーの視点で読む読書感想文コンクールに、地元の主婦団体が「課題図書に女性が立ちしょんしてもよいとか、夫婦別姓もよいといった内容があり、子供のしつけにマイナス」と異議を申し出ました。これなども典型的なケースと言えます。 八番目、二〇〇三年に福岡市で開かれた女性フォーラムでは、昔話の「桃太郎」を「桃子」に変更し、ストーリーを変えた劇を上演。鬼を退治することではなく、話し合いによって解決する内容にしました。これは、男性イコール暴力的、女性イコール平和的といった固定観念から来るものと言われます。などなど枚挙にいとまがありません。 そこで伺います。 市長は、ジェンダーフリーにまつわるこのような実態があることを御存じでしょうか。 また、このような事態に対する御感想をお聞かせください。 以上、御答弁ください。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) うえだ議員がただいまお述べになられました事例の中には、行き過ぎた面もあるのではないかと感じたところでございます。私は、何でも画一的、機械的に男女の違いをなくすような社会が、男女共同参画社会とは考えていないところでございます。本市といたしましては、男女が対等なパートナーとしてお互いにその人権を尊重し合い、性別にかかわりなく、個性と能力を十分に発揮することができ、あらゆる分野に参画し、ともに責任と喜びを分かち合える社会の実現を目指しているところでございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 御答弁をいただきました。 市長の御見解を伺って安心いたしました。石原慎太郎東京都知事は、都議会定例会において「最近、教育の現場を初めさまざまな場面で男女の違いを無理やり無視するジェンダーフリー論がばっこしている」「男らしさ、女らしさを差別につながるものとして否定したり、ひな祭りやこいのぼりといった伝統文化まで拒否する極端でグロテスクな主張が見受けられる」と述べ、「男女は本来等質ではない。質が違うということは大事なことであり、それを差別とか不平等とか勘違いしてはいけない。ジェンダーフリーの考えは、非人間的だと思う。男女の区別なくして人としての規範はもとより、家庭、社会も成り立たないのは自明の理だ」と強調し、推進派を「感性の薄れた貧しい人たち」と評し、ジェンダーフリー教育を公式に批判しております。 次に移ります。 本市の男女共同参画計画の基本目標Ⅰの中にリプロダクティブ・ヘルス/ライツ、女性の性と生殖に関する健康と権利という言葉があります。これはかなり説明を要する言葉なのですが、時間の関係でストレートに質問します。 この言葉はジェンダーフリー派によって多用され、妊娠中絶の決定権は女性にありとする思想も含まれます。伺います。 まず、生まれ出た者の命と母体内で既に命を得て息づいており、ひたすら外の世界に出る日を待っている者の命の重みは同じか違うか、お考えをお示しください。 また、本市計画で言うこの言葉は、妊娠中絶の自由を含むものと解される危険はないか。 以上、御答弁ください。 ◎企画部長(新地茂樹君) 母体内の命の重みにつきましては、我々一人一人の命の重さと同じと考えております。リプロダクティブ・ヘルス/ライツにつきましては、女性の子供を産む性としての尊厳、生涯を通じた健康というものを大事にしていこうというものであり、決して中絶をたやすく行うような自由を認めているものではないと理解いたしております。 以上でございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 立派なお答えだと思います。命は天から与えられるものであり、既に命を得た以上、どのような状態にあっても同じです。リプロダクティブ・ヘルス/ライツは、自治体でどのように定義づけようとも、生命の尊厳を侵す反倫理的な概念が入り込むすきを与えます。ジェンダーフリーの最たるものの一つとして、排除されなければならない言葉です。 次に、基本目標Ⅱについて伺います。 まず、「女性の人権の確立」とありますが、女性の人権は確立していないのでしょうか。我が国では、年齢、性別、貧富、門地、職業等にかかわりなく人権は等しく保障され確立しているはずではなかったのでしょうか。 次に、「女性学やジェンダーなど男女共同参画に関する学習機会の提供」という項についてですが、女性学とは何でしょう。男女共同参画に女性学が必要ならば、男性学も必要ではないのでしょうか。 また、この計画を通じて特に「女性」という言葉が目立ちますが、男女共同参画社会において女性は特別な存在なのでしょうか。それとも、前問にも関連しますが、男女共同参画社会推進ということは女権獲得運動なのでしょうか。 また、ジェンダーの学習とは具体的に何を学習するのですか。それは、ジェンダーフリーの学習にもつながるのですか。フェミニストの主張するジェンダーフリーも入っているのでしょうか。 以上、御答弁ください。 ◎企画部長(新地茂樹君) 女性の人権につきましては、男女共同参画社会基本法におきまして、男女共同参画社会の形成についての基本理念の一つとして男女の人権の尊重を掲げておりますが、性別に起因する暴力の被害者の多くは女性であり、その行為は女性の人権を侵害するものであることから、この点ではいまだ問題があると考えております。 女性学につきましては、これまで男性中心の物の見方でとらえてきたさまざまな事柄を、女性の視点でとらえ直そうとする取り組みであり、そこから女性であるがゆえに抱える問題が浮かび上がってくるものと認識しております。一方、男性学は男性が男性であるがゆえに社会的に抱えている問題について研究する取り組みであり、女性学と同様に男女共同参画社会の形成のための必要な学問であると考えております。男性学につきましては、男女共同参画計画の中にも施策に盛り込まれているところでございます。 男女共同参画社会は、男女が対等なパートナーとしてお互いにその人権を尊重し合い、性別にかかわりなく個性と能力を十分に発揮することができ、あらゆる分野に参画し、ともに責任と喜びを分かち合える社会の実現を目指しているもので、一方の性を特別なものととらえてはいないところでございます。 ジェンダーの学習についてでございますが、ジェンダー自体は、よい、悪いという価値を含むものではございませんが、性差別や性別による固定的な役割分担、偏見につながっている場合もあることから、これを意識していこうとするもので、男女共同参画センターでは、男性学講座や女性学セミナー、女性学ステップアップ講座、就職準備セミナーなどを実施いたしております。これらの講座は男女がともにその個性と能力を十分に発揮し、社会のあらゆる分野に参画していくための学習機会として行っているものでございます。なお、ジェンダーフリーにつきましては、本市の定義を外さないように配慮しているところでございます。 以上でございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 日本では女性の人権は確立しています。女性が歴史の上で制度的なあるいは慣習的なハンディを負ってきたところは正しくしていくことが必要です。それがために女性の視点が重視されているということも、実は十分に承知しているつもりです。また、暴力を受けたり、単に欲望の対象にされてもいけません。しかし、人権は存在の根源にかかわる最も崇高なものです。気軽に人権という言葉を振り回さない方がいいと思います。計画全般を通じ、男女の対立概念をもう少し和らげる必要があるように思います。 男性学につきましては、実は計画に載っておりました。よほど気をつけなければわからないほど小さな字でありましたので、見落としておりました。申しわけありませんでした。 これから、教育とジェンダーフリーについて質疑を行いたいと考えます。 参画計画の基本目標Ⅱに、「ジェンダーフリーを目指した教育・学習の推進」としっかりと書いてあります。 以下、伺います。 まず、教育長は、私たちが日常生活感覚の中で男女がその性的特性に応じた一定の役割があると考えること、あるいは男は男らしく、女は女らしくあるべきと考えることはよくないとお考えでしょうか。 御答弁ください。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 男女共同参画社会におきましては、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会を目指しており、男らしさとか女らしさを否定しているものではないと考えております。 以上でございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 教育長のお考えはわかりました。実は、ジェンダーフリーは思想統制傾向があるんです。代表的フェミニストの一人である上野千鶴子氏は、個人が私的な立場で「女は嫁に行くのが一番だと信じている」と述べる行為すらも、そんな発言は思想、信条の自由を根拠にしても許されないと言っておりますし、また、千葉県の堂本暁子知事もジェンダーフリーに反対する自由を奪う発言をしています。 続いて伺います。 生徒児童が学校で性教育を受けた後の福岡の事例を申し上げます。 一、中学一年の兄が小学校五年の妹を妊娠させた。二、小一の兄が妹の下着を脱がせて性行為の真似をする。三、学校で連呼させられた性器の名称を家で大声で復唱する。四、子供が具体的に母親にセックスの内容を聞くなど、たくさんの訴えがあります。すべてがジェンダーフリー教育のせいではないかもしれません。しかし、福岡の保護者の皆さん方は学校の日常を見て、そう訴えたい気持ちになるんだと思います。ジェンダーフリー思想はなぜ過激な性教育につながるのか、御見解を承りたいと思います。 次に、平成十六年二月の読売新聞の記事によれば、日本、米国、中国、韓国の高校生の意識調査において、日本の女子に極端に純潔観が欠けているのがわかります。結婚前は純潔を守るべきかという問いに守るべきと答えたのは、米国が五五・九%、中国が七二・九%、韓国が七六・六%に対し、日本は二九・二%で各国の平均の半分以下です。ちなみに日本の男子高校生は、まだ四〇・九%が純潔を守るべきと答えております。また、純潔を守るべきとする割合は、各国とも女子が男子よりも高いのに対して、日本だけが女子が男子より格段に低くなっております。 ここは、市長にお伺いいたします。 全国調査であってそのまま本市に当てはめることはできませんが、この状況をどう思われるか。このままでよいとお考えになりますでしょうか。また、その原因をどうお考えになるか。ジェンダーフリー教育も大きく影響しているのではないか、お伺いするものです。 その一方、我が子に純潔を望む親は八三%です。市長、対応しなくてよいのでしょうか。我々のできることは何でしょう。お考えをお示しください。 以上、御答弁ください。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 私は、高校生の性に関する意識等については、これまでの報道においてもその実態を憂慮することがありましたが、今回の調査結果に改めて考えさせられたところでございます。原因につきましては、いろいろ考えられると思いますが、現代の若者が将来に対して夢や希望を持てなくなっていることや、自分自身を大切にしない傾向があること、他人を思いやる気持ちが不足していることなども関係しているのではないかと思います。また、最近の性情報のはんらんなども影響を与えているのではないかと考えております。 私は、今後、学校教育において、児童生徒の発達段階に応じた適切な性教育や道徳教育の一層の充実が図られることを強く望むとともに、青少年問題協議会等の中で青少年の健全育成について検討していかなければならないと考えております。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 学校における性教育は、学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階に応じて生命の大切さを理解させ、正しい異性観を育て、望ましい行動がとれるようにすることが大切だと認識しております。 ジェンダーフリー思想と過激な性教育との相関関係につきましてはよくわからないところですが、一部で間違った認識のもとに行き過ぎた性教育が行われたためにおただしのような事例が生じているとすれば、学校現場ではあってはならないことであると考えております。 以上でございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 御答弁いただきました。 市長は、発達段階に応じた性教育や道徳教育の重要性を示されました。純潔教育の劇的な効果は米国で報じられております。御研究いただきますようお願い申し上げます。 それでは、本市の学校教育では男女共同参画計画にいうジェンダーフリー教育はどのように行われているのでしょう。具体的事例をもってお示しください。 また、ジェンダーフリー教育の典型と言われる男女同室着がえ、男女が入り乱れてする体ほぐし運動、男女同室宿泊、男女混合騎馬戦など、男女ごちゃまぜ教育は行われていませんでしょうか。 さらに、先ほど来お示ししてきたような過激な性教育は本市の教育現場で行われておりませんでしょうか。もしないとおっしゃるならば、自信を持ってないとおっしゃることができますでしょうか、お伺いいたします。 以上、御答弁ください。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 学校教育においては、ジェンダーフリーという用語は使用せず、人権尊重の視点に立った男女平等の精神を培う教育に取り組んでいるところでございます。 具体的には、中学校社会科において男女共同参画社会の実現について学習したり、女性が仕事を得やすく働きやすい環境を整えていくことの必要性などを学習しております。また、道徳や家庭科等において男女平等についての学習や家族の一員としての役割、異性についての正しい理解を深める学習などを実施しているところでございます。また、おただしのような教育は本市では行われておりません。 次に、昨年度、性教育の授業について一部の保護者から苦情などもございましたが、本市の教育現場ではお示しのような過激な性教育は行われていないと認識しております。 以上でございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 御答弁いただきました。 教育長の御答弁から、本市の教育は他都市の事例のような非常識な教育は行われていないようです。私の手元には、お母さん方の心配の声、子供たちの戸惑いなど幾つかの学校の事例が寄せられていますが、まだ調査中でありまして、一定の時期にまた改めてお話を申し上げたいと思います。 さて、日教組はことし二月の日教組教育新聞で、男女共同参画基本計画の改定に際し、政府が「ジェンダーフリーという用語を使用しての性差否定は国民が求める男女共同参画社会と異なる」と明記したことを評して、国際的な流れに逆行すると批判しています。三重県で開かれた日教組の第五十五次全国教研でも、小学校や中学校の男女の体力差があるようなことではいけないといったわけのわからない報告や議論が行われました。日教組の皆さん、どうぞ子供たちの純粋な心を傷つけないでください。 小学校等には男女混合名簿というのがありますが、男女の名簿をごちゃまぜにすることと男女平等とは何ら関係のないことです。男女の違いをしっかりと認識させた上で互いの理解や協力が大切であることを教えるという原則の方が先決なのではないでしょうか。 以下、伺います。 男女混合名簿の趣旨をお聞かせください。性別名簿はいけないのでしょうか。 東京都教育委員会は、ジェンダーフリーという用語を教育現場から排除することを決めました。男女混合名簿の作成も禁止する方向ですが、これに対してまたも日教組です、東京都教職員組合は早速反対声明を出しました。これらの事実については御存じのことと思います。御感想をお聞かせください。 以上、御答弁ください。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 学校の名簿につきましては、混合名簿であれ、性別名簿であれ、男女共同参画社会形成の趣旨を踏まえて、男女差別の意識の助長につながることのないように、慣行でなく用途に応じた名簿の使用を検討するよう指導しているところでございます。 次に、東京都教育委員会の通知内容やこれに関する一連の動きにつきましては承知しておりますが、本市としましては、これまでどおり男女共同参画社会の趣旨を踏まえて教育活動を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 御答弁をいただきました。 ジェンダーフリーの入り口と言われる男女混合名簿の見直しをお願い申し上げます。 次の第六項目の本市の男女共同参画行政は正しいか(具体例に照らして)の質疑のうち、一番目から四番目までにつきましては、その後の調査で一定の理解に至りましたので省略します。五番目の質疑のみ行います。 私は、過日サンエールに並べられたジェンダーフリー関係の図書やビデオを閲覧しました。特にビデオの映像と音声は迫力があります。男女間の階級意識、女は一生飼い殺し、夫婦別姓、離婚の勧めなど損得勘定と自己主張ばかりで、これらのストーリーには人に必要な忍耐や思いやりを感じることができませんでした。それに男と女は本来生物学的には同じものなんですよといった小学校教育事例などもありました。中でも離婚女性たちのセックス談話などは下品で聞くに耐えません。有害図書と言えます。 企画部長はごらんになったことがありますでしょうか。本市の定義づけを超えるものを市民に提供するとすれば、行政方針と矛盾することになりませんでしょうか。お伺いするものです。 以上、御答弁ください。 ◎企画部長(新地茂樹君) 男女共同参画センターでは、図書・ビデオの選定に当たりましては、同センターの図書・資料収集方針に従い、男女共同参画社会の形成に有為と思われる図書等を収集・提供いたしております。 おただしのございましたビデオにつきましてはまだ見ておりませんが、私も見てみたいと思っております。 以上でございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 自己主張ばかりのビデオを拝見しますとですね、私はある論評を思い出します。「男も女も関係ないと主張する女性たちは、実は男たちの言動に異常に敏感で、わずかなことでセクハラだのDVなどと騒ぎ立てる傾向がある。彼女たちは自己の矛盾に気づいていない」というものであります。実はほとんどの女性はそうでないと思います。私の友人の女性たちもめったにそんなことは口にしませんし、特に精神の自立した聡明な女性たちは皆一様に寛容で視野が広く、自信があるのでしょうね、男女を分かたず活躍する場と性別による持ち場があることをしっかりと認識してさわやかに生きております。企画部長にはぜひごらんいただきまして、御感想をお聞かせいただきたいと思います。 ジェンダーフリー思想を推し進めようとする人たちはどういう人たちでしょう。実はさまざまな主義が混在しておりますのでなかなか難しいのですが、その代表格を三つ挙げてみます。 一、まず、日本の伝統や秩序を破壊して社会を混乱に陥れることで現体制の弱体化をもくろむ人たちです。彼らはセックスを乱れさせることが一番の早道で最も容易な方法であることを知っています。冒頭にソ連やアメリカの例を挙げて性の自由化や家族の弱体化が社会を混乱させた事例を紹介しましたが、その教訓を革命を手法として利用する、例えばマルキシズムに連動する革命主義者などの確信犯です。最も中枢の奥深いところにいる人たちです。しかし、このようなことについては、おおらかな日本人のほとんどは気づいていません。 二番目、次に、ベティ・フリーダンらによって広められたラディカル・フェミニズムです。これは男性嫌悪、マン・ヘイティングや男性に愛される女性への呪詛、のろいですね、これを基調とします。田嶋陽子著「もう、「女」はやってられない」(講談社)もこのたぐいで、根底には家庭づくりの苦手な人たちの幸せで円満な家庭に対する屈折した心理があると言われます。だから、専業主婦をいとい、差別することになるのでしょうか。 三番目、最後の一つは、深く考えないで付和雷同するグループです。ジェンダーフリーにどのような危険が潜んでいるか知らないままに単なる男女平等思想の普及や女権拡張運動と信じて熱心に行動する悪意なき人たちで、結構こういう人が多いわけです。 このような分析があることを市長は御存じでしょうか。これに対してどのような感想を持たれるでしょうか。また、市長独自の御見解をお持ちであればお示しください。 以上、御答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) ただいまお述べになられたような分析については承知をしておりませんが、ジェンダーフリーという用語につきましては、国におきましても公式な概念を示しておらず、また、論者によりその意味や主張する内容が異なっておりまして、さまざまな分析がなされているようでございます。 本市の目指す男女共同参画社会は、先ほども申し上げましたが、何でも画一的に男女の違いをなくすような社会ではなく、男女が対等なパートナーとして個性と能力を十分に発揮することができ、ともに責任と喜びを分かち合える社会であり、私はその実現に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えております。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 御答弁いただきました。 今後とも注意深く観察していただきますようお願い申し上げます。 さて、これまで男女共同参画行政がその目的に照らして正しく運営されているかをただしてまいりましたが、ここで次期計画について伺います。 政府は、昨年十二月男女共同参画基本計画の第二次計画を策定しましたが、前の計画との違いについて御説明ください。 また、ジェンダーに関連して改訂作業に当たって特に留意された点として、第二次基本計画において、社会的性別、ジェンダーの視点について示されているようですが、それを読み上げて説明をしてください。 次いで、本市は来年に向けて男女共同参画計画の見直し中と聞きますが、これまで計画を進める過程で実情に合わない、あるいは問題があると思われる点があればお示しください。また、新たな計画の中で見直す方向になっている点があれば理由を付してお示しください。また、そのスケジュールについてお教えください。 以上、御答弁ください。 ◎企画部長(新地茂樹君) 国の第二次男女共同参画基本計画の前計画との違いについてでございますが、第二次基本計画において特に重点的に取り組む事項及び新たに盛り込んでいる事項として、女性の再チャレンジ支援策の充実や科学技術、防災、地域おこしなどの分野における男女共同参画の推進などがございます。 ジェンダーに関連しての改訂作業の留意点についてですが、第二次基本計画において社会的性別、ジェンダーの視点、このことについて記載された内容を読み上げますと、一、人間には生まれついての生物学的性別、セックスがある。一方、社会通念や慣習の中には社会によってつくり上げられた男性像、女性像があり、このような男性、女性の別を社会的性別、ジェンダーという。社会的性別はそれ自体によい、悪いの価値を含むものではなく国際的にも使われている。社会的性別の視点とは、社会的性別が性差別、性別による固定的役割分担、偏見等につながっている場合もあり、これらが社会的につくられたものであることを意識していこうとするものである。 このように、社会的性別の視点でとらえられる対象には、性差別、性別による固定的役割分担及び偏見等、男女共同参画社会の形成を阻害すると考えられるものがある。その一方で、対象の中には男女共同参画社会の形成を阻害しないと考えられるものもあり、このようなものまで見直しを行おうとするものではない。社会制度、慣行の見直しを行う際には、社会的な合意を得ながら進める必要がある。 二、ジェンダーフリーという用語を使用して性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の伝統文化を否定することは、国民が求める男女共同参画社会とは異なる。例えば、児童生徒の発達段階を踏まえない行き過ぎた性教育、男女同室着がえ、男女同室宿泊、男女混合騎馬戦等の事例は極めて非常識である。また、公共の施設におけるトイレの男女別色表示を同色にすることは男女共同参画の趣旨から導き出されるものではない。 上記一、二について、国は計画期間中に広く国民に周知徹底するというものでございます。 次に、本市男女共同参画計画の見直しについてでございますが、見直しを前にその基礎資料とするため、十七年度に男女共同参画に関する市民意識調査を実施いたしました。 調査の結果、各分野における男女の平等意識では、社会通念や慣習、しきたりの中で不平等な点があるとの回答が七割を超えており、特に不平等感が強くなっております。また、計画の中で用いているジェンダーフリーの用語につきましては、さまざまな誤解や混乱を生じておりますことから見直す必要があるものと考えております。 男女共同参画計画の見直しの方向としましては、国の第二次基本計画や社会情勢等の変化に合わせて新たな項目の追加や修正及び文言整理を行っていくことにしております。今後のスケジュールにつきましては、パブリックコメント及び地域での意見交換会を実施し、改訂案に対する意見と、その検討結果の公表等を経て今年度末までに策定をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。   [うえだ勇作議員 登壇] ◆(うえだ勇作議員) 御答弁をいただきました。 ジェンダーフリーは今後使用されない方向であることを示されました。ありがたいことでございます。 石原慎太郎東京都知事は、推進派を感性の薄れた貧しい人たちと評しました。言うなれば、ジェンダーフリーは反自然法的な観念の産物で、フィクションであります。弊害が多過ぎます。権利意識ばかり強く、反倫理的で人への思いやりに乏しく何の潤いもない社会を生み出します。男女共同参画政策の本旨と正反対のこの思想を制度内に取り入れてはいけません。男性の力強さや女性のすばらしい感性など彩り豊かに織りなす社会こそ味わいが深く、それがまた人類の文化の源泉なのではないでしょうか。 平成十四年の男女共同参画計画の策定に当たっては、初めての試みでもあり大変な御苦労があったことと思います。関係者の御努力は想像にかたくありませんが、この種のものは一挙に完成品を求めるのは困難で、日を追って進化していくものだと思います。見直しに当たっては言葉のみならず文章中にジェンダーフリー的要素を紛れ込ませないような御配慮をお願い申し上げます。そして男女がともに助け合い、喜びを分かち合える真の男女共同参画計画にしていただきたいと祈っております。そのように切に望みます。 最後に、マザー・テレサは一九九五年、北京で開かれた世界女性会議にメッセージを送りました。男女の役割は神によって与えられたものであり、そのすばらしい違いは子供たちのために必要であることを訴えています。特に母となった女性に与えられる特別な愛の力は神の贈り物であり、それを破壊してはいけないこと、父親は父親らしく、母親は母親らしいやり方で愛を体現して子供たちを慈しみ育てなければならないことを説き、男女のすばらしい違いを否定する人たちは世界に分裂と不幸をもたらし、平和を破壊するだろうと述べています。同時に、中絶は最大の世界の平和に対する破壊であり、女性と男性を同じ列に置く人たちはみな中絶に賛同的ですとも言っています。まさにジェンダーフリーの本質を知ってしまえば道徳心の高い人や一定の宗教的情操を備えた人であれば、決してそのようなものにくみさないであろうことを教えてくれます。 以上で、私のすべての質疑を終わります。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、うえだ勇作議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、小川みさ子議員。   [小川みさ子議員 登壇](拍手) ◆(小川みさ子議員) 第三回定例議会に無所属の立場で個人質問いたします。順番を入れかえたり割愛する質問もありますので、御了承ください。 少子化対策にとって大事な意味を持つ出産のあり方について、産婦人科医師不足と助産師の活用という視点から、以下質問いたします。 近年、小児科医と並び産婦人科医が不足するという現象が深刻な問題になっておりますが、産婦人科医師の減少が社会にもたらす影響はどんなことがあるのか。 また、とても残念なことですが、産婦人科がきつい、汚い、危険な三K職場と言われ医師たちから敬遠されていると聞きますが、それはいつごろからか。また、市立病院にも影響を及ぼしているのか。 産婦人科と周産期医療センターの医師確保はどのようにされているのか。 鹿児島市立病院の産婦人科医の勤務実態はどのようになっているのか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 安心して子供を産むためには、妊娠中は定期的に受診が必要であることから、産婦人科医が減少することにより遠くの病院に通院を余儀なくされたり、また、緊急時の対応が難しいなど妊産婦が肉体的、精神的、経済的に負担を強いられることになると考えております。また、高齢社会における女性の生涯の健康管理上も問題があるのではないかと思われます。 以上でございます。 ◎市立病院長(上津原甲一君) お答えいたします。 まず、産婦人科のみならず、外科系が三Kと言われているようになって久しくなります。ただ、市立病院の産婦人科医の配置については、定数どおり充足されておりますので、その影響があるとは考えていないところでございます。 次に、市立病院の産婦人科医と周産期医療センターの医師は、平成十八年九月一日現在、産婦人科は職員八人、医員三人の合計十一人、周産期医療センターは職員六人、医員七人の合計十三人であり、いずれの部門においても現在のところ充足されているものと考えております。また、医員や臨床研修医の募集を行い、将来の医師確保にも努めているところでございます。 次に、産婦人科への勤務医の状況につきましては、常に入院患者がおり、時間外分娩も多く救命救急センターもあることから、夜間・休日も含め常時当直を行うほか、宅直体制もとっております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 産科や小児科が医師不足で休診に追い込まれている金沢市立病院、医師の退職と死亡で人口十万六千人の町に産婦人科医師が一人しかいない状態が続いている岩手県花巻市、県立病院が医師不足で休診し、市内にほかに出産できる医療機関がなく、里帰り出産で帰省した妊産婦に対し通院にかかる交通費の助成制度を開始し、昨年度百八十五人が助成を受けている岩手県遠野市など深刻な他都市の事例があります。とりわけ産科の医師が不足する傾向の中、少子化に拍車がかかるのではと全国的な問題になっている中で、本市の市立病院が医師不足の影響を全く受けていないというのは喜ばしいことだと思います。 市立病院が産婦人科医師不足の悩みに陥らないで済んでいるという魅力は何かお示しください。 また、市民がどこで出産しようかと迷ったとき選択の助けになるのが、安心安全で医療事故や訴訟がないということだと思います。市立病院では、医療事故や訴訟件数は過去五年間どうなっているのか。また、異常分娩はどのようなものが多く、正常分娩と異常分娩の割合とその推移はどうなっているのか。 以上、答弁を求めます。 ◎市立病院長(上津原甲一君) お答えします。 市立病院の産婦人科医師が充足されている理由ですが、市立病院は昭和五十一年の五つ子誕生を契機として、母子救急医療、周産期医療に日夜取り組んでおり、ハイリスクの妊娠や分娩に対応しております。その結果、国内で最も高かった本市の新生児死亡率が、現在では最も低い方に改善されております。このような日ごろの取り組みやその結果が、医師確保にもよい影響を及ぼしてきたものと考えております。 出産にかかわる医療事故及び訴訟につきましては、最近五年間ではそのような事例は発生いたしておりません。 次に、市立病院での異常分娩について多い順に五種類を申し上げますと、切迫早産、前期破水、多胎妊娠、糖尿病合併妊娠、子宮内胎児発育不全となっております。 過去三年間の正常及び異常分娩の割合の推移を正常分娩、異常分娩の順にお答えいたします。正常分娩、平成十五年度五二・五%、十六年度五二・五%、十七年度五一・三%、異常分娩、平成十五年度四七・五%、十六年度四七・五%、十七年度四八・七%となっております。異常分娩の割合がわずかに増加しております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 異常分娩の割合の高さに、ハイリスクの妊婦さんが集中していることが理解できます。にもかかわらず、医師の充足率が高く、医療事故・訴訟ともに、ここ五年間ないという高度な医療技術に改めて敬意を表さずにはおれません。 次に、市立病院の女性の医師の数は幾らで、安心して産み、働き続けることのできる体制づくりはどうなっているのか。 以上、答弁を求めます。
    市立病院長(上津原甲一君) お答えします。 市立病院における平成十八年九月一日現在の女性の医師数は、職員と医師免許取得後三年以上の研修医の合計で、医師総数百十三名のうち二十名となっております。また、女性の医師が安心して出産し、働くことのできる職場体制としましては、産前産後休暇や育児時間などの特別休暇制度、育児休業制度を整備いたしております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 九月十六日の南日本新聞の夕刊で報じられた内閣府の全国調査、少子化と男女共同参画に関する社会調査によれば、働いている女性の率が高い地域は出産率も高いとのこと。女性医師の数は、全国的にも産婦人科に限らずふえてきているようですが、敬遠される三Kを考えたとき、二十四時間拘束され、ほかの診療科に比べてリスクも高く、過酷な仕事と言える産婦人科はなおさらのこと、女性医師が安心して出産して職場復帰できるように、ベビーシッターのあっせんなど育休の女性医師の職場復帰を促す対策に乗り出している病院もあるようです。本市も新しい市立病院構想に、女性医師はもちろん看護師さんたちのためにも、女性が子供を産み、働き続けやすい環境づくりとして院内保育所の設置も強く要望しておきます。 次に、昔はお産婆さんと言われた助産師についてお尋ねします。 私たちの産まれたころは、お産婆さんによる家庭分娩が多かったと記憶していますが、いつのころからか助産師の活躍が減少しました。恐らく市長や市立病院長もお産婆さんに取り上げられて産声を上げられたのではないでしょうか。その助産師が減少している背景はどのようなことで、また、助産院開業における顧問医という制度とはどのようなものなのか。 また、本市では、助産師の免許を保持する看護師を多く採用しているようですが、産婦人科医とのチーム医療による安心安全はどのようにして築いているのか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 分娩を扱う開業助産師の減少は、医療機関での分娩を希望する妊婦がふえてきたことなどによるものと考えられます。 一方、最近では、自然分娩を望み、かつ家庭的な雰囲気で助産師によるきめ細やかな産前産後のケアのできる助産所での分娩を希望される方もいるようでございます。 次に、医療法第十九条の規定によりますと、助産所の開設者は、嘱託医師を定めておかなければならないとされており、嘱託医師は分娩時に異常があった場合の対応や妊産婦の診察、新生児の保健指導などを行うものでございます。 以上でございます。 ◎市立病院長(上津原甲一君) お答えいたします。 産科医と助産師の連携につきましては、母子の妊娠中から分娩後のケアを含め密に連絡をとり合い、適切な措置を講じております。また、毎週定期的に学習会を開催し、安心安全に出産できる体制を築いているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 南日本新聞の特集「安心して産みたい」によりますと、鹿児島県の離島では、出産できる医療機関がない地域もあるようです。遠隔地などでは、出産に至るまでや出産後の育児に地域の助産師のサポートがあれば、産婦人科医の負担の軽減につながると思いますが、いかがでしょうか。 全国的に医師不足解消のため、助産師外来に取り組む病院ができています。私自身、医師不足に限らず新しい市立病院に助産師外来と院内助産所をつくってほしいという比較的若いお母さんからの声が届くまでは、正直申しまして助産師外来や院内助産所の存在を知りませんでしたが、助産師外来とはどのような役割で、どのような効果が期待できるのでしょうか。市立病院への設置はシステム上可能なのかどうか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 産婦人科医の負担軽減のためには、妊婦の身近にいる助産師と産婦人科医が連携をとり、出産や育児のサポートをすることが有効であると考えております。 また、助産師外来とは、助産師が医師と役割を分担しながら正常な妊産婦に限って責任を持って妊婦検診や保健指導などを行う外来のことでございます。期待される効果としましては、妊産婦の不安軽減や心理面での安心感、妊娠中の健康の自己管理が向上することなどがございます。このことにより、産婦人科医の負担軽減も図れると考えております。 以上でございます。 ◎市立病院長(上津原甲一君) お答えします。 医師不足を解消するために助産師外来や院内助産所を設置できないかとの御質問でございますが、ハイリスク分娩の多い市立病院では、必ず産科医師の監督のもとで助産師は妊産婦・新生児の看護に当たります。一方、産科医師の少ない病院においては、助産師の活躍に大いに期待するところがありますが、ローリスクの分娩であっても急変する可能性がありますので、助産師の的確で迅速な異常兆候の発見とドクターコールの判断が必要になります。 病院の中に助産師外来や院内助産所を設置するのは、管理者の問題など組織上の課題などがあります。安全なお産を支えるためには産科医と助産師のさらなる緊密な連絡体制を構築することが最も大切なことであると考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 核家族の多い現在、里帰りしないでの出産もよく聞きます。正常分娩の場合、院内もしくは最寄りに助産所があり連携がとれていれば、分娩だけではなく安産のためのマタニティヨガや呼吸法、母乳が出やすいマッサージ、だっこひもの使い方などを教えてくれる助産師さん、授乳と乳腺炎、夜泣きなど初めてのお母さんの出会うさまざまな悩みをサポートできる助産師と妊婦、お母さんとの信頼関係が、少子化対策の一助になるのではないかと思えてなりません。 鹿児島市内で桶谷式の母乳マッサージをされている助産師さんのところは、母親同士のつながりも強く、今活躍する育児サークルのお母さんたちもそこで出会ってネットワークされています。長野県の佐久市立国保浅間総合病院では、この十月から院内助産所の前段階として、助産師外来を始めることを六月議会で病院側が明らかにしています。助産師による産前産後のケアは、産科の医師、看護師、妊婦、妊婦の家族にとってもプラスだと思います。このような安心して産み育てる環境を社会がつくっていくことで、もう一人、もう二人産もうとお母さん、お父さんを決意させることになるのではないでしょうか。行政全体での横断的な御検討を要望しておきます。 新たな質問に入ります。 市民相談のあり方、とりわけ女性の深刻な悩みへの相談対応窓口は、どのように機能しているのか。それぞれの相談件数とリピーター、解決した件数をお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(松木園富雄君) お答えします。 市民相談の中で女性の悩みへの対応窓口としましては、サンエールかごしま相談室や福祉事務所の婦人相談室がございます。また、市民相談センターにおきましては、男女を問わず離婚の手続や金銭貸借、相続問題などの相談に対応しているところでございます。 次に、平成十七年度に相談員が受けたそれぞれの相談の総件数及び主な相談内容・件数につきましては、私の方からお答えいたします。まず、市民相談センターは六千百七十件で、金銭貸借一千六百四十六件、身上相談一千四百七十一件、相続問題九百六十件。次に、サンエールかごしま相談室は一千八百六十九件で、夫婦問題四百三十八件、法律問題二百四十件、家庭内の問題百七十八件。次に、婦人相談室は一千百五件で、家庭問題四百四十五件、離婚問題二百三十六件、経済的問題二百十九件などとなっております。また、いずれもリピーター及び解決した件数につきましては、把握していないところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 相談事業の充実は市民生活に直結していますが、女性の悩み相談を男性が受けるケースの割合はどれぐらいあるのか。 その場合に、一九九九年に制定された男女共同参画社会実現のための男女共同参画社会基本法、二〇〇一年に制定された殴る、ける、威嚇する、存在を無視する、心理的な苦痛を与えることも含めた、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律に基づく対応はどのようになっていますか。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(松木園富雄君) 市民相談センターにおける女性からの相談を男性相談員が受ける割合につきましては、把握していないところでございますが、相談者から女性相談員をという御要望があれば、そのように対応いたしております。 次に、男女共同参画社会基本法、DV防止法の趣旨に沿った対応でございますが、さまざまな相談の中でも、特に離婚問題などで相談に訪れる女性に対しましては、男女共同参画の視点に立った適切な対応をとるとともに、必要に応じ適切な機関を御案内しているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 ことしの八月に市民から、覚えのない夫の借金についての相談がありましたので、早速弁護士を紹介しました。その後、本人なりの調査をして市役所の相談窓口に出向いたとのこと。ネクタイをして仕事の装いで家を出るものの、途中着がえて仕事には行かず、子供を育て暮らすのに不十分な生活費しか渡さないので実家からの援助が続き、どこにいるのかも明かさない。夫の部屋も車の中も夫の所持品は掃除することさえ許されない、何か聞こうとすると暴力。このまま目に見えない借金がふえていったのではと思い余って、母と子は離婚を前提に市民相談を受けることを決意。傷ついて張り詰めた思いで訪ねた本市の相談窓口の男性から、内容には触れませんが、二次被害とも言うべく人権を著しく傷つけられてしまいました。幸いその後、サンエールの女性相談に駆け込み救われたとのこと。 そこでお尋ねいたしますが、市の相談員は有資格なのか。であればどのような資格で、相談員の適任、非適任であるかの選任方法はどのようになっているのか。また、相談員の使命感はどうなっているのか。 さらに、市民サービスとして大切な相談員の身分はどうなっているのか。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(松木園富雄君) 市民相談センターを初めいずれの相談員も、特に資格は必要といたしていないところでございます。 次に、相談員の選任方法、使命感についてでございますが、市民相談センターでは、市民相談員選考基準に基づき、裁判所などに適任者の推薦を依頼し面接を行った上で選任しております。また、相談員は、相談者の悩みが一刻も早く解決し、安定した生活を取り戻せるよう適切な助言を行うという使命感を持って相談に応じております。 次に、身分につきましては、いずれの相談員も、地方公務員法第三条第三項第三号に規定する非常勤の嘱託員として位置づけているところでございます。 以上でございます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えします。 婦人相談員の選任につきましては、福祉事務所非常勤嘱託員選考会におきまして面接などを行い、社会的信望があり、職務を行うために必要な熱意と識見を持った女性の方を選任しております。 また、相談員は、複雑多岐にわたる相談者の悩みを解決し、家庭的、精神的に安定した生活ができるよう使命感を持って助言や支援を行っているところでございます。 以上でございます。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 サンエールかごしま相談室の相談員につきましては、心理・福祉・医療・教育等の分野の知識や実務経験を有する方を対象に、作文及び面接による審査を行い、相談員として適任と思われる人を選任しているところでございます。 また、相談員は、相談者の抱える問題や悩みを男女共同参画の視点で受けとめ、悩みを共感・理解することによって、相談者自身がみずから解決していくことを支援するという使命感を持って相談に当たっているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 人選には慎重に臨んでいただくよう要望しておきます。 DV被害の女性を婦人相談にお連れした際に、かつては子供のためにもう一度考え直してみないか、もう少し我慢できないかという対応だったのが、法の後ろ盾で大きく変わったことを実感したことがあります。DV防止法成立後は、たとえ手を上げなくても生活費や妻の行動への制約、無視して心理的苦痛を与えることなどすべてDVとみなされることが伝えられ、あなたは悪くない、あなたは自分らしく生きる選択をしていいのですよという対応に変わり、どれほどの女性が救われ、勇気づけられてきたことか。 女性の人権が大切にされるということは、女性が抑圧されずに自分らしく生きることができる社会、まちづくりということです。このことは、男女の社会的な役割を伝統的な慣習によって規定されてきた「男は仕事、女は家事・育児」という固定的な性別役割分業から解放されるということで、男は大黒柱という考え方から男性も自由になれ、失業やリストラを苦に中年男性が自殺をしなくて済む社会なのです。もちろん、女性が男性になってかわろうという争いではありません。 そうやって女性が自分らしく生きていける社会は、男性にとっても、また、子供や障害を抱える方、高齢者、在日外国人など弱い立場にある市民にとっては、もっと住みやすい優しい町であり、社会だということなのです。今、ここでジェンダーフリー論議をするわけにはいきませんが、多岐にわたる相談に対して、経験や法的知識に基づいた適切な判断や心のケアにも気を配らなくてはならない重要な業務が相談事業です。 そこで本市では、相談員の資質向上のための研修はどのようにされているのか。 以上、答弁を求めます。 ◎市民局長(松木園富雄君) 市民相談センターの相談員につきましては、現在のところ、特に研修は実施していないところでございます。しかしながら、御指摘のことも踏まえまして、今後さまざまな悩みを抱える相談者に対し、より適切に対応するための研修の実施について検討してまいります。 以上でございます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 婦人相談員につきましては、県が主催する婦人相談員研修会を初め、九州地区や全国の研修会に参加するなどして、資質の向上に努めているところでございます。 以上でございます。 ◎企画部長(新地茂樹君) サンエールかごしまの相談員につきましては、二カ月に一回程度で、専門的な知識や能力を有するスーパーバイザーによる相談対応の研修や全国の相談担当者実務研修などの研修への参加、他都市や関係機関との情報交換等により、資質の向上を図っているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 残念ながら市民相談センターでは研修をされていないとのことですが、早速研修を実施することをお約束くださいました。相談窓口の連携と再発防止を要望しておきます。 次の質問に入ります。 天文館からついに鹿児島東宝も移転することになり、映画館が消えることになりました。映画館を学校のようにして青春時代を過ごした私たちにとっては、何とも寂しい話です。映画館の灯が消えるということに対して、商店街の反応はどういったものなのか。また、興行的に成り立たなくなった主な理由は何なのか。 以上、お示しください。 ◎経済局長(川原勤君) お答えいたします。 映画館がなくなることについて周辺商店街の方々に意見をお聞きしますと、「天文館の象徴でもあり、一つの文化が消えることは寂しい」「家族連れなどの来街者減少によって、通りの活気が低下する」といった町のにぎわいや天文館の持つ文化性への影響に対する意見がございました。 興行的に成り立たなくなった理由でございますが、新聞報道等によりますと、娯楽の多様化やテレビ・ビデオの普及に加え、中央駅地区の複合映画館開業に伴う入館者減や与次郎ケ浜地区の複合映画館への統合などが主な理由のようでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 映画全盛の昭和三十年代から映画鑑賞スタイルは、いつでも気軽に家庭で見ることのできるテレビ、ビデオ、DVD、インターネットからの配信サービスと多様化してきました。興行形態もロードショー館、一般封切り館、二番館、三番館などに分類されていた時代から、大型駐車場完備でショッピングセンターなどと一体化した複合映画館(シネマコンプレックス)の参入で、今までの映画館は全国のどこの町でも風前のともしびというのが現実のようです。 天文館から音楽専門の店、しにせの書店、電気屋さん、文房具屋さんが消えて久しいですが、ついに最後の映画館も消えてしまうということで、町のイメージがどうなるのか。 浮上しては消え、また浮上を繰り返す場外馬券、車券売り場などの誘致計画の商店街、青少年に与える影響はどうなのか。 映画館跡の改装計画などを把握されていたらお示しください。 さらに、鹿児島の戦後の歴史や文化に与える影響はいかなるものなのか。 以上、答弁を求めます。 ◎経済局長(川原勤君) 映画館の閉館後の活用につきましてお伺いしたところ、現在未定のようでございますが、今後集客力のあるテナントの誘致等により、これまで以上ににぎわいのある通りになるような活用をしていただきたいと考えております。 以上でございます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 馬券場等の問題に関しましては、教育環境の保全や青少年健全育成の面から、関係機関等とも連携しながら検討してまいりたいと考えております。 次に、映画館がなくなることの影響等についてでございますが、天文館に映画館が立ち並び、にぎやかな昔を御存じの方々にとっては一抹の寂しさがあると思っております。 また一方で、シネマコンプレックスなど同一ビル内で数多くの映画が上映されている現状を見ますと、映像文化の発信地が天文館から他の場所に移動したものであると理解しております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 六月一日にシネシティ文化で、閉鎖される映画館への郷愁を描いたイタリア映画「ニュー・シネマ・パラダイス」を見ました。残り数日で休館といった割に観客が少ないのが気になりました。と同時に、映画はやっぱり映画館という非日常の場で見たいと改めて感じました。居合わせた観客や仲間と感情を移入して泣き、笑い、怒るというその臨場感がいいのです。 映画館を天文館に何とか残せないものかという思いを引きずり続け、八月二十六日、知人が誘ってくれたシネシティ文化で開かれた「「鹿児島の映画文化を考える」~天文館から映画館が消える!?」と題したアートフォーラムに参加しました。三食を二食に減らしてでも年間二百本以上の映画を見て、映画館を学校として人の生き方や社会性まで学んできた私や、さらに名画を期待する市民にとっては、いまだに閉館ではなく休館と言われているのが一縷の望みといったところです。 全国の商店街から映画館が消える中、埼玉県深谷市のように三十数年ぶりに町の映画館が復活した取り組みもあります。中心市街地商業活性化法に基づくTMO(まちづくり機関)構想を活用し、空き店舗活用の一つの事業として、国・県・市といった行政と商工会議所とNPO法人の市民らで、商店街も映画館もまちの文化と位置づけ、町の映画館を立ち上げたとのことです。また、新潟でも新潟・市民映画館が復活。映画館という空間を利用して寄席やコンサートなどさまざまなイベントを行ってきているとのこと。 シネシティ文化でのフォーラムでも、せめて会費制にしてミニシアターとして名画を上映する映画館を残せないかという切実な意見もありました。もちろん私も同感です。ワンスクリーンでも残したいと模索される支配人からは、一日五回上映で週に一千人確保でき、一回当たり三十人の観客動員が果たせたら続けられるといった発言もあり、これに会員制をリンクしていけば維持費捻出ができないわけではないなどと、存続の夢を捨てきれずにいます。 郷愁だけでは立ち行かないことはわかった上でお尋ねしますが、もし現実にこのような構想を商店街に働きかけ、例えば、名画祭や多目的であれ既存映画館の有効活用ができ、鹿児島の映画文化発祥の地として、天文館のにぎわい創出のための一助となる動きを今後つくれるとすれば、まちづくりを進める市の責任として何らかの支援は可能なのでしょうか。 以上、答弁を求めます。 ◎経済局長(川原勤君) 一部の映画館においては、小規模での存続につきまして模索されていたようでございますが、現状は厳しいようでございます。 天文館は、これまで集客力のある映画館によってにぎわいを創出してきた面もあることから、今後、鹿児島の映画文化発祥の地として、周辺の商店街等が地域に根差した取り組みを始められることも一つの方法と考えており、その際には本市といたしましても側面から協力してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 団塊の世代の市民がリタイアして比較的自由に昼間の時間を使えるようになったとき、天文館にミニシアターが残っていれば、名画のリバイバル、監督シリーズ、俳優シリーズ、世代別シリーズなど企画物での観客動員は無理でしょうか。いろいろと残す方向で思いをめぐらしていると、時代に取り残された映画館と自分が一体化して心が痛くなってきます。余り時間はありませんが、しばらく私たちはよい結果を導けるよう頑張ってみることにします。 次の質問に入ります。 原子力発電、六ケ所村の核燃サイクル、電磁波被曝の不安なオール電化に反対する立場で、太陽光発電の普及に関して質問してまいります。 早速ですが、本市の個人住宅用の太陽光発電設置への補助件数を事業開始から順次お示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 住宅用太陽光発電システムの設置に対する補助件数は、平成十六年度が四百三十六件、十七年度が四百八十五件、本年度は八月末現在で二百十七件でございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただいて、十七年度で個人住宅の太陽光発電設置への国の補助が打ち切られたにもかかわらず、市の補助による変わらぬ設置希望があることがわかりました。オール電化による深夜電力利用の電気温水器やIHヒーターの電磁波被曝など、ガスからオール電化へのシフトを考えると、太陽光発電ブームを手放しに喜べない点もありますが、この八月末までで既に約一千百三十八世帯以上が本市の補助を受けているとのこと。今までの実績どおりだとすれば、今年度末には三年間で二百世帯に一世帯の割合で、本市の補助による個人住宅用の太陽光発電システムの設置が実現するということになります。 太陽光発電の普及を誇る長野県飯田市は、二〇一〇年に全世帯の三〇%目標を達成するために新たな展開に取り組んでいます。日差しが強く、日照時間が長く恵まれた南国鹿児島でも、目標を定めてさらに補助制度が継続されることを要望しておきます。 次に、京都市では、市内に約一千四百の分譲マンションがあるそうですが、共同住宅向けの太陽電池が高額なため普及が進んでおらず、自然エネルギーの普及促進を掲げた条例のもと、分譲マンションに太陽光発電を導入する際の助成制度を新たに設けています。管理組合が照明やエレベーターなど共用部分の電力源に太陽電池をつける場合を対象に、太陽電池の出力一キロワット当たり二万五千円を支払うという助成制度に総額一千万円の予算を計上し、この六月三十日から申し込みを受け付けています。ほかに武蔵野市でも、分譲マンションを補助対象にしています。 本市では、分譲マンション向けの補助は検討されないものか。 以上、答弁を求めます。 ◎環境局長(上田稔君) 分譲マンションにおける太陽光発電システムの設置補助につきましては、現行の制度は市民を対象としており、事業者は対象としておりませんが、さらに普及を進めていくために有効であると考えられることから、今後、事業者からの要望が多数寄せられた場合には改めて検討したいと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 分譲マンションへの太陽光発電の補助は、事業者から要望が多ければ改めて検討を話し合うという前向きな答弁だと受けとめておきます。 次に、グリーン電力証書についての自治体取り組みについてお尋ねします。 佐賀県は、太陽光発電の新規設置世帯に補助金を支給する事業をこの八月から開始しました。設置世帯の自家消費分のグリーン電力証書を県が買い取り、同証書を使っての太陽光発電普及支援事業を自治体で実施するというものです。このようなシステムを導入することにより、太陽光発電を初めクリーンなエネルギーの利用が促進され、環境面からのメリットも大きいと考えますが、御見解を伺います。 以上、答弁を求めます。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 グリーン電力証書の取り組みにつきましては、地球温暖化対策の一つの有効な手段であると認識しておりますが、本市といたしましては、現在、鹿児島市地域新エネルギービジョンの個別プロジェクトに位置づけられております、市施設への新エネルギーの導入や住宅用太陽光発電システムの普及促進等に力を注いでいるところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 グリーン電力証書については、次に詳しく質問することにします。 次に、ハイブリッド外灯、防犯灯への公的補助については割愛し、太陽光発電による環境貢献と環境未来館についての質問をいたします。 太陽光発電による環境貢献はどのようなものがあるのか。また、先ほど答弁いただいた本市の補助による住宅用太陽光発電の環境貢献をCO2換算でいけば、何トンの削減になりますか。また、環境未来館への導入計画を具体的にお聞かせください。 以上、答弁を求めます。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 太陽光発電は、二酸化炭素等の温室効果ガスを発生しないクリーンなエネルギーであり、平成十六年度及び十七年度に市の補助を受けて設置された住宅用太陽光発電システム九百二十一件により、年間約一千二百トンの二酸化炭素の排出が削減されたこととなります。 また、環境未来館(仮称)におきましては、太陽光発電やハイブリッド外灯を整備するなど自然エネルギーを積極的に利用し、二酸化炭素の排出を抑制することとしております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 CO2削減効果を評価いたします。 平成十七年二月十六日に、地球温暖化防止のための国際的な約束である京都議定書の発効により、日本は二酸化炭素、CO2などの温室効果ガスの総排出量を平成二年、一九九〇年レベルより六%削減することが義務づけられました。さきに分譲マンションの太陽光発電補助制度を紹介しました京都市の教育委員会は、環境教育の一環で、市内の小中学校に小型風力発電機と太陽光発電パネルを順次設置すると発表し、今年度は小学校五十二校、中学校九校に設置される予定とのこと。私の環境未来館の設置の前に取り組むことが多々あるという認識は今も変わっておりません。 数日前の南日本新聞のひろば欄に、環境未来館への指摘があり、北部清掃工場のシステム紹介をするようにとありました。パブリックコメントの際も、新たな敷地に新たな箱物ではなく、どうしても建設するのなら北部清掃工場の敷地内にという声もありました。日々のごみの始末がどのようになされているかを学ぶことは、即環境負荷の削減につながる問題ですので大事な声だと思いました。環境未来館への詳細は次の機会に譲りますが、持続可能な社会を標榜されているのであれば、環境未来館のトイレの水も、環境面だけではなくコスト面からも雨水貯留を利用するなど、各面からの御努力を要望しておきます。 新たに川、海、環境、飲み水を守る石けんの利用についての質問に入ります。 化学物質排出移動量届け出制度(PRTR制度)について、そもそもどのような背景で、いつできて、市民へのメリットはどういったことがあるのかお示しください。 また、全国PRTRデータによれば、家庭からの有害物質排出量の内訳で合成洗剤が四年連続で五〇%以上との事実は認識されていますか。 以上、答弁を求めます。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 PRTR法が制定された背景は、平成四年に開催された地球サミットにおいてPRTRの必要性が示されたことから、日本でも法制化について検討を開始し、平成十一年に制定され、平成十二年に施行されました。 PRTR制度は、事業者が排出する有害な化学物質の量を市へ報告し、国が公表する制度です。したがいまして、この制度のメリットとしましては、事業者による化学物質の適正管理が進むことによって市民の安全が図られること、また、市民がどのような化学物質がどのくらい排出されているかという情報を供有できることでございます。 次に、平成十六年度の全国PRTRデータによりますと、家庭から排出される化学物質の排出量は九・六%を占めており、その約六割が主に台所用や洗濯用などの合成洗剤の成分として使われている物質となっております。本市としましても、家庭から排出される化学物質に占める合成洗剤の割合の高さは認識しているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 これほどまでに有害性が明確になりながらも、なかなか石けんの一般利用は普及されません。 本市は、川・海・環境を守る立場から合成洗剤の生態毒性をどのように認識されているのか。 また、石けん利用の徹底に向けどのような努力がなされているのか。さらに、民間委託の会社など庁舎管理の上でどのような指導をされ、考え方はきちんと伝えてあるのか。 以上、答弁を求めます。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 合成洗剤の生態毒性についてでございますが、合成洗剤の成分として多く利用されているLASについての魚類への影響を見てみますと、生存・成長等に関する最大許容濃度は河川水一リットル中〇・三ミリグラム以下、急性毒性の半数致死濃度は河川水一リットル中〇・四から四十三ミリグラムと言われております。 次に、本市での石けん使用の徹底でございますが、これまで取り組んだ率先行動計画に引き続き、十八年度から新たにスタートした環境配慮率先行動計画の中でも、洗剤は石けんを使用し適量使用に努めますといった行動項目を掲げて、全庁的に取り組んでいるところでございます。また、庁舎内の清掃業務や警備業務などに従事する委託業者の方々も同計画を御理解いただき、石けんの利用に取り組んでいただいているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 委託業者の方々にも石けん利用の拡充が図られているとのこと。前回の石けん利用を促す質問のときよりも前進していることを評価したいと思います。 以下も今までも幾度となく指摘させていただいていますが、合成洗剤を使用して、みずからの飲料水は浄水器やペットボトルのわき水や温泉水というパターンをよく見かけますが、それほど飲料水に気をつけるのならば、有害物質である合成洗剤を追放し石けんを利用するべきだと考えますが、浄水器もペットボトルも不要な水道水を確保するため、水道局としてはどのような努力をなされているのか。 以上、お示しください。 ◎水道局長(園田太計夫君) お答えいたします。 水道水の水質基準につきましては、平成十六年度に見直しがなされ、合成洗剤の成分の一つである非イオン界面活性剤などが新たに加えられたところでございます。 水道局といたしましては、水道水を安心して飲んでいただくために、水道法で検査が義務づけられております水質基準五十項目を初めとして、検査項目に位置づけることが望ましいとされている水質管理目標設定項目や局独自で行う項目など、多くの項目について水質検査を行うとともに、運転管理など適切な浄水処理を行い、安全な水道水の供給に努めております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 合成洗剤に含まれる非イオン界面活性剤が検査項目に加わったことは、粘り強い石けん運動の成果です。まるで合成洗剤が安全であるかのようなテレビコマーシャルに惑わされないような賢い消費者である市民を育てていただくため、さらなる啓発を要望しておきます。 次に、思い出ふれあい(回想法)事業の質問に入ります。 北谷山公民館の図書室に期待する会のメンバーから、回想法を紹介されました。この高齢者のグループ回想法とは、どのようなものなのか認識されていますか。 また、介護予防のための健康福祉活動として回想法を行政の事業として取り組んでいるところはありますか。また、本市では類似の取り組みがありますか。 以上、答弁ください。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 愛知県北名古屋市のホームページによりますと、いわゆる回想法は、昔懐かしい生活用具などを用いて自分の体験を語り合うことにより脳を活性化させ、生き生きとした自分を取り戻そうとする療法であり、介護予防、認知症予防などに効果があるとされております。 次に、同市では、思い出ふれあい事業として、回想法による事業に取り組んでいるとのことでございます。本市では、二百二十カ所のお達者クラブの中で、お手玉やおはじきを使った昔遊びなどを実施しております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 回想法について御答弁いただきました。 北名古屋市では、回想法を高齢者福祉に積極的に取り入れていますが、本市では、二百二十のお達者クラブでお手玉やおはじきを使った昔遊びを実施されているとのこと。このような昔を懐かしみ、思い出を回想することの個人的内面への効果はどのようなものか、その意義をお示しください。 さらに、社会的・対外世界への効果はどのようなものか、その意義もお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 回想法による個人的内面の効果としましては、昔を回想し語り合うことが高齢者にとって楽しいことであり、心理的に安定し、感情を豊かに表現できることから、高齢者の自我の形成や自分を大切にする気持ちが高まるなどの効果があるとされております。 また、対社会的効果としまして、家族などが高齢者とともに生きてきた人生を振り返り、高齢者とのつながりを見出し深めていくことにより、対人関係の進展などに有効であるとされております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 それぞれに高い効果があるようです。そもそも回想法は欧米諸国から始まり、我が国でも臨床に応用され、老人ホームや老健施設での試みが始まっており、この北名古屋市では地域ケアに取り入れているとのこと。さらに同じ時代を生きてきた高齢者同士のケアやかかわりを深めることも大事なことで、シニア・ピア・カウンセリングという活動があります。 本市では、シニア・ピア・カウンセラーと類似の取り組みがありますか。なければ養成に取り組む考えはありませんか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) シニア・ピア・カウンセラーは、高齢者がカウンセリングの基本を学び、悩みを持つ高齢者の話し相手として相談に乗るための活動を行う傾聴ボランティア員のことであります。 本市では、類似の取り組みは行っておりませんが、市社会福祉協議会で傾聴ボランティア養成講座が開催されているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 本市は、社協で傾聴ボランティア養成講座が開かれているとのこと。ピアとは仲間のことですので、高齢者の方の受講がふえれば、そのままシニア・ピア・カウンセリングを実践できるのだと思います。 先ほどの答弁でもありましたが、ふるさとのおやつや遊びなどの実践をもう少し詳しくお示しください。 また、高齢者が自分を大切にする気持ちを高めるため、生涯学習などで絵、写真、作文、俳句など自分の大切な思い出の品を使った自分史を手づくりで編集する講座は開講できませんか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 本市では、お達者クラブにおきまして、健康づくり推進員等のボランティアの方々が持参されたふるさとのおやつなどを食べたり、お手玉やおはじきなどの昔遊び、童謡を歌ったり、七夕、もちつきなどの行事を行っております。また、保健センターの健康まつりなどにおきましても、お手玉、おもちゃづくりなどの昔遊びのコーナーを設けております。 以上でございます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 新しい講座の開設に当たりましては、市民の多様なニーズ等の中から検討し、決定しているところでございます。自分史講座につきましても、今後の検討材料とさせていただきたいと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 自分史講座についても今後の検討材料にしてくださるとのこと。 北名古屋市では、回想法事業が広がるようにキットとして本市のようなお手玉、おはじきを初め、かるた、こま、竹トンボ、ビー玉、ラムネ瓶、けん玉などの玩具、教科書、ノート、鉛筆などの文具、洗濯板、たらい、弁当箱、蚊帳、ハエとりリボン、湯たんぽ、炭おこし、あんか、給食食器、柳ごうり、防空ずきん、げたなどの生活用具、それに真空管ラジオなどの電気具など思い出を誘う道具を箱に詰め、介護保険施設、病院、医療保健施設、公共団体など全国を対象に貸し出しをしています。また、グループ回想法の実践ビデオの販売もしています。さらに回想法スクールを開講して、修了者をいきいき隊の隊員に任命し、高齢者の生きがい活動の推進を図っているとのこと。ホームページで募集して集めた本だけで図書館をつくる矢祭町を紹介した新聞報道を目にしましたが、本市も回想キットの寄附をホームページや市民のひろばで募集してみてはいかがでしょうか。要望しておきます。 最後に、コストパフォーマンスについてお尋ねします。 北名古屋市のこの事業では、認知能力やうつ傾向の改善、介護負担の軽減などさまざまな効果が得られています。研究的に検証されたアセスメントツールやさまざまな手法で効果を客観的に測定し、その効果による目的数値として虚弱高齢者の減少、寝たきり、認知症高齢者の減少、介護認定、医療費・介護保険給付額の軽減を定めています。 私は、この事業は低予算で最大の効果を生み出すものと期待するわけですが、同じ認識をお持ちかどうか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お達者クラブでも実施しております昔遊びなどは、施設や材料費などが少なくて済み、高齢者の介護予防に効果があるものと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 大変簡潔な御答弁でしたが、さほど予算もかからずにすぐ取り組めて効果が大きいと御認識いただいていると理解いたします。 敬老の日の南日本新聞によれば、総務省発表で七十五歳以上が一割、六十五歳以上は二割、もう何年かすると女性の高齢者が女性人口の四人に一人とのこと。もちろん、高齢者の方に思い出だけで生きてほしいわけではなく、厳しい現実があります。福祉にかける予算が削られることはもちろん大反対ですが、回想法によって材料費などにそんなにお金もかからず、高齢者の方が自分を大切に思え、自分らしく生きることを最大に阻害する戦争が二度とあってはならないと、平和な思いで心豊かに生き生き元気に暮らせ、寂しさや不安で催眠商法などでむだな買い物をしてしまったりするのではなく、人と交わり、その上医療費などが軽減できれば申し分ないと思うのです。 この思い出ふれあい回想法を、お達者クラブを初め本市の高齢者福祉事業や生涯学習に生かしていただくことを強く要望し、私の質問をすべて終わります。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、小川みさ子議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) ここで、しばらく休憩いたします。              午 後 二時五十四分 休 憩            ─────────────────              午 後 三時二十九分 開 議 ○議長(赤崎正剛君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を続行いたします。 次は、竹之下たかはる議員。   [竹之下たかはる議員 登壇](拍手) ◆(竹之下たかはる議員) 平成十八年第三回定例会に当たり、私は平成の会の一員として個人質疑を行い、市当局の見解をただしてまいります。一部割愛することがあることをあらかじめ申し上げます。 日本経済に明るい兆しが見えてきたという見方がある一方で、地方自治体を取り巻く環境は厳しさを増していると言われております。都市間競争に打ち勝つ努力を模索する中で、夕張市の財政破綻が明らかになり、財政再建団体への移行による財政再建というニュースに大きなショックを受けています。このニュースは、地方自治体に携わる者に、それぞれの立場でその責任を再確認せよという警告になったと思われ、その責任を再確認させています。 そこで財政問題を中心に質疑を行います。 まず、基礎的財政収支(プライマリーバランス)について伺います。 財務省は、今月八日、地方自治体が借金を除いた基礎収入だけで通常の行政経費を賄われているかどうかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス)の二〇〇四年度財務省の試算値をまとめて公表し、税収の確保策や歳出削減などの自助努力によって、地方自治体の財政健全度に違いがあることが浮き彫りになったと指摘をしています。この財務省の試算は、各自治体が公表した最近の二〇〇四年度決算をベースに行われ、自治体の個別の基礎収支が明らかになるのは初めてと言われております。 そこで伺います。 一、財務省の基礎的財政収支(プライマリーバランス)試算に対する評価をお示しください。 二、本市の平成十六年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)試算値の分析をどのようにしているのか。 三、平成十七年度決算による本市のプライマリーバランスの試算値と過去五カ年の推移をお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) 地方自治体の基礎的財政収支につきましては、財務省の試算によりますと、都道府県の合計は赤字となっておりますが、市区町村を含めた地方全体では黒字となっており、また、個々の自治体で見ましても、都道府県は半数以上が赤字で、市区町村は約七割が黒字となっているようでございます。 しかしながら、地方の収入には国が配分する地方交付税も含まれることから、税収が乏しくても健全に見える面があり、地方自治体を取り巻く財政環境が厳しくなる中で、多くの自治体では歳出削減など自助努力がさらに必要になるのではないかと考えております。 次に、本市の平成十六年度決算による基礎的財政収支につきましては、約九十二億円の黒字となっており、これは、厳しい財政状況の中でも健全な財政運営に努めてきたことによるものであると考えております。 また、十三年度から十五年度及び十七年度につきましては、十三年度約百五十四億円、十四年度約百四十三億円、十五年度約四十三億円、十七年度約八十七億円のいずれも黒字となっております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 本市の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、平成十六年度決算で九十二億円の黒字、過去五年間では百五十四億円ないし四十三億円の黒字で健全な財政運営となっておりますが、ただいまの答弁にもありましたように、地方の収入には国が配分する地方交付税も含まれており、国の政策上の地方交付税が支払われている結果としての黒字であります。厳しい国の財政の中で、この交付税の減額は地方自治体に極めて大きな影響を与えることになります。国の動向を見きわめながら、地方自治体経営の一層の自助努力を求めておきたいと思います。 次に、プライマリーバランスの分析から見た財政課題をどのようにとらえているか。 さらに、プライマリーバランスの健全化への取り組みをどのように行うのか。 以上、答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) 本市は、税収など自主財源が乏しい上、三位一体改革による国庫補助負担金や地方交付税が縮減される中、これまで基礎的財政収支の黒字を保ってきておりますが、今後におきましては、扶助費など義務的経費の増加や地方交付税等の縮減が見込まれるなど、基礎的財政収支は厳しくなることが予想されます。 したがいまして、今後ともより一層の自主財源の確保に努めるとともに、事務事業や公共事業の見直しによる歳出削減を行うほか、市債の借入額を元金償還額の範囲内とすることや市債の繰り上げ償還などの取り組みが必要と考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 自主財源に乏しい本市の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、今後厳しさを増すとの見解が示されました。事務事業や公共事業の見直しによる歳出削減とともに、市債の借入額を元金償還額の範囲内とすることや市債の繰り上げ償還などの取り組みが必要との答弁でありましたが、歳入確保のためには、市税の納税率の向上、滞納による不納欠損を極力抑えることが不可欠であります。行政課題として、税の滞納対策について効果的な施策を求めておきます。 また、国が地方交付税を配分する現在の財政システムからの脱却を求めて、国に対して、全国市長会等を通じて機会あるごとに働きかけられるよう要望しておきます。 次に、地方自治体の財政再建団体への移行について伺います。 去る六月二十日、北海道夕張市後藤市長は、負債総額約五百四十億円を抱え、地方自治体の倒産に当たる地方自治体の財政再建団体への移行を決め、正式に表明し、その波紋が広がっております。夕張市は、これから国の財政再建団体の指定を受け、今後、国の管理下で財政立て直しに取り組むことになり、再建の期間は、十四年前、再建団体になった福岡県の旧赤池町が約三十二億円の赤字で指定をされて、再建計画が十二年間だったことを例にとれば、夕張市の赤字はその約二十倍、単純計算をすると二百四十年を要することになります。再建団体の脱却までは、少なくとも五十年以上はかかるのではないかと言われております。 そこで率直に市長に伺います。 夕張市の再建団体への移行について、地方自治体の首長である市長はどのように受けとめているか、率直な見解をお示しください。 以上、答弁を願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 竹之下たかはる議員にお答えいたします。 夕張市が今回、財政破綻をし、国の管理下で再建団体へ移行することについてでございますが、このことは単に夕張市だけの問題ではなく、昨今の厳しい財政環境にある全国の地方自治体におきましても、教訓としなければならないことであると思っております。 幸いにも本市は、財政破綻が生じるというような状況にはございませんが、今後におきましてますます財政環境は厳しくなることが予想されますことから、可能な限りの歳入の確保に努めるとともに、さらに厳しい事業の峻別や事務事業の抜本的な見直しを行うなど、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 市長から答弁をいただきました。 夕張市の財政再建団体への移行問題は、全国の地方自治体が教訓としなければならないというような御答弁がありました。全く同感でありますが、これを教訓にするためには、夕張市がなぜ財政再建団体へ移行せねばならない結果になったのか、石炭産業の衰退による著しい人口の減少、テーマパークやスキー場、ホテルの第三セクターの経営悪化、国への依存体質、自治体経営の見通しの甘さなど、要因を徹底して分析をする必要があります。こうした検証をする中から、教訓として生かされるよう要望しておきます。 次に、地方自治体の赤字隠しと一時金、財務情報の開示について伺います。 総務省は、夕張市の財政破綻を受け、全国の自治体を対象に一時借入金の実態調査を進め、先月三十日その結果をまとめています。一時借入金は、地方自治体が短期の資金繰りを目的に金融機関から借り入れて、原則として年度内に返済することが義務づけられておりますが、この一時金を使って特別会計と一般会計の間に年度をまたぐ貸し借りを多用して、巨額の赤字隠しが行われたとされております。一時借入金の実態調査によって、新たに釧路市など七市に赤字隠し、あるいは赤字が見えにくくなる不適切な会計処理が行われていたことが判明しております。 そこで伺います。 本市の一時借入金は適切に行われているか明らかにしていただきたい。 地方自治体が一年を超す資金を調達する場合には、国や県の許可、同意を得た上で地方債を発行することになっておりますが、地方債の発行についても適切に行われているか、あわせてお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) 本市におきましては、一時借り入れはしていないところでございます。 市債の発行につきましては、御案内のとおり、本年度から従来の許可制から協議制となり、県の同意が必要となっております。本市といたしましては、これまで、県の許可に基づくとともに、活用に当たっては対象事業の厳選や交付税措置のある良質なものに限定するなど、適切に処理してきているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 総務局長から御答弁をいただきました。 本市は、短期の資金繰りを目的とした一時借入金は借り入れていないとの答弁がありました。今後も、一時借入金が生じないような財政運営がなされますよう要望いたしておきます。 次に、民間並みの財務諸表を作成し、財政状況のより詳細な情報開示を行う考えはないか伺います。 住民のチェックを促すために、第三セクターや公営企業を含めた連結ベースの貸借対照表を作成して、財務状況の詳細な情報開示を行い、透明性を高めるべきという主張があります。公営企業、第三セクターを含めた連結ベースの貸借対照表をつくる考えはないかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 財務諸表の作成等につきましては、平成十二年度から、総務省の基準に基づき、普通会計と公営企業を含む公営事業会計を合わせた全体バランスシートと、損益計算書に相当する行政コスト計算書などを作成し、市のホームページ等で公表してきております。 また、第三セクター等を含めた連結ベースの貸借対照表につきましては、現在進められております総務省の検討の結果等も踏まえて対処してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 公営企業、第三セクターを含めた連結ベースの貸借対照表の作成については、総務省の検討結果を踏まえて対処したいとの御答弁をいただきましたが、財務状況の詳細な開示に前向きに取り組むと受けとめておきます。総務省の検討結果待ちの姿勢ではなく、みずから積極的に検討を進める取り組みを期待し、今後注目してまいります。 次に、地方自治体の財政環境の悪化について伺います。 政府は、地方に税源を移す国と地方の税財政改革、三位一体改革を実施をいたしました。しかし、税源そのものが乏しい自治体は、税源を移譲されても税収がふえないという地方の実態があります。都市圏の自治体が景気の回復で法人税収が伸びて財政が好転する一方、立地条件の悪い自治体は困窮の度合いを強めており、自治体の財政の二極化が進んでいると言われております。 そこで伺います。 こうした自治体の財政の二極化の現実をどのように考えるのかお示しください。 また、この地方自治体の財政構造についてどのように受け取っているのか、見解をお示しいただきたい。 さらに、政府が進められた国と地方の税財政改革、三位一体改革で本市の財政状況はどのように変化したのかお示しいただきたいのであります。 先日の新聞報道によりますと、総務省は、財政悪化した自治体の財政破綻を防ぐために、財政赤字を補てんする資金繰りを目的とした赤字地方債の発行を認めることの検討を進めていると言われております。赤字地方債の発行についてどのように評価されるか、見解をお示しください。 さらに、本市の財政状況の分析とこれからの財政運営の進め方について見解をお示しください。 以上、五点について答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) 自治体財政の二極化についてでございますが、三位一体改革における税源移譲は、国の基幹税目である所得税から個人住民税への税源移譲に当たり、税率を従来の三段階からフラット化することにより、都市圏と地方の自治体との格差を縮小しようとするものでございます。 しかしながら、昨今の景気回復により都市圏や大企業を有する自治体においては、法人税収が伸びて財政状況が好転してきており、一方、税源の乏しい自治体は依然として税収が伸びないといった状況がございます。したがいまして、今後におきましても、このような地方の財政構造を補完するためには、財源保障機能と財源調整機能を持つ地方交付税のあり方を初め、各面にわたる取り組みが必要であろうと考えております。 本市の財政状況につきましては、定率減税の廃止等による税収の増はあるものの、十六年度から実施された三位一体改革、特に地方交付税の改革により臨時財政対策債を含めた地方交付税は、十五年度の一市五町の合計分と十八年度を比較いたしますと、三年間で約百三十億円の大幅な減となっております。したがいまして、今後さらに厳しい事業の峻別や見直しを進めていく必要があると考えております。 赤字地方債の発行につきましては、財政状況が極度に悪化した自治体においては、赤字を一時借入金などで隠すことなく透明度の高い改革を進めることを主眼として、国において検討が進められているようでございます。本市はそのような状況には至っておりませんが、赤字地方債の発行という事態になる前の段階から、危機感を持って大胆な改革をしていくことが必要であると考えております。 本市の財政状況につきましては、社会保障関係の扶助費などの義務的経費が年々増大しており、今後におきましても、本市を取り巻く財政環境はさらに厳しさを増していくものと考えております。したがいまして、これからの財政運営を行うに当たっては、これまでにも増して事務事業の抜本的な見直しを行い、予算の重点的かつ効率的な配分と可能な限りの歳入の確保に努めてまいらなければならないと考えております。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 三位一体改革で本市の地方交付税は、十八年度までの三年間で約百三十億円の大幅減となり、経常収支比率は平成十七年度で八五・七%と硬直化を招いております。今後さらに著しい事業の峻別や見直しを進めて、予算の重点的かつ効率的な配分を行うとのことですが、都市間競争に打ち勝つために、例えば観光といった本市の財政の柱ともなるものを選択をして、歳入の確保の方向性を明らかにすることによって、市民とともに自治体経営が進められるよう要望いたしておきます。 引き続き質問を続けてまいります。 新会社法の施行と税制改正についてお尋ねをいたします。 百年ぶりの商法大改正と言われる商法、有限会社法、商法特例法、商法施行法の四つの法を一体化してつくられた新会社法は、中小企業にフィットするよう変更されたと言われております。新会社法の利点は、端的に言えば定食からカフェテリア方式に変更したようなもので、自己責任による選択が可能となり、この結果、自己責任のウエートが重くなり、選択眼の必要が高くなっています。この新会社法では有限会社が新たにつくられなくなるなど、中小企業に与える影響は大きいと言われております。 そこで伺います。 新会社法の改正点について、以下七点についてお尋ねをいたします。 一、大企業、中小零細企業の区分を取り外した改正となっていると思われますが、見解をお示しください。 二、会社法の施行に連動した税制改正に伴う中小零細企業の税負担増による本市に与える影響をお示しください。 三、中小零細企業のマイナス要因にならないか、見解をお示しください。 四、中小零細企業の負担増と企業体力の弱体化につながらないか。 以上、答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) 新会社法の施行に伴う税制改正により、特殊支配同族会社が役員に対して支給する給与の額のうち、給与所得控除額については、損金の額に算入しないこととされたことから、法人市民税はその分については増額になるものと考えております。 以上でございます。 ◎経済局長(川原勤君) お答えいたします。 会社法は、商法第二編や有限会社法等の各規定を再編成したものであり、その中で有限会社制度が廃止され、株式会社制度に一本化されたところでございます。なお、中小企業者及び小規模事業者については、資本金や従業員の規模により、中小企業基本法に規定されているところでございます。 今回の法改正により、新規に有限会社を設立することはできませんが、既存の有限会社は手続を踏むことなく特例有限会社として存続するか、株式会社に移行することになります。移行する場合には、手続費用等の負担等が生じることになります。また、新たに導入された会計参与を設置する場合は、その経費の負担が生じることになります。一方では、最低資本金制度の撤廃により、会社設立が容易となっております。有限会社の方々に株式会社への移行について伺ったところ、さまざまなお考えがあるようで、現時点では特に大きなマイナス要因は少ないものと考えております。 有限会社から株式会社へ移行する場合は、ただいま申し上げましたような負担が生じますが、特例有限会社としての存続も可能であり、負担増につながらない場合もございますので、会社法の施行が直接的に企業体力の弱体化に作用することは少ないのではないかと考えているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 経済局長から答弁をいただきました。 この新会社法は、新規設立の有限会社制度を廃止をし、株式会社への誘導を目指し、広い意味での株式会社へのルールの一元化を図ろうとしているのは明らかであります。株式会社になれば決算の情報開示が必要となり、公報が義務づけられます。そのため、公認会計士や税理士による会計決算が求められます。これらに要する費用が企業の負担増になってまいります。これらは、果たして本市の多くの中小零細企業の実態に見合うのか、大きな疑問を抱かざるを得ません。本市中小企業の新会社法による費用の負担増、ひいては地方経済の疲弊につながるおそれがあると考えます。 新会社法の施行に伴う税制改正により、法人市民税の増額が見込まれるとの御答弁がありましたが、確かに一時的には増収につながるでしょう。しかし、これら中小企業の税負担の増がやがて企業体力の弱体化につながり、納税能力が減退し、倒産・廃業を招きかねない要素を含んでおります。地方零細企業に対するセーフティーネットが具体的に構築をされなければ、中小零細企業の将来はないという指摘があります。当局は本市の中小零細企業の実態把握に努めて、積極的な対策がなされるよう要望をいたしておきます。 次に、会計参与制度の目的についてお示しください。 さらに、会計参与導入によって中小零細企業に課せられる負担増についてお示しください。 さらに、金融機関、公的機関等の融資に与える影響についてお示しください。 以上、答弁願います。 ◎経済局長(川原勤君) 会計参与制度は、公認会計士または税理士の資格を持つ者を会計参与として任意で株式会社に設置し、計算書類の作成等を行い、中小規模の株式会社の決算書の適正さの確保を図り、その信頼性を向上させようとするものでございます。 会計参与の設置は任意であり、義務づけされておりませんが、仮に設置することになれば、相応の費用が発生することになるものと思っております。 次に、金融機関などの融資に与える影響につきましては、会計参与が作成にかかわった企業の会計書類は、金融機関等からの信頼性も高まることから、円滑な資金調達が期待されているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 会計参与制度は、税理士や公認会計士が会社の役員として決算書を取締役と共同して作成する制度で、監査役や会計監査人がいない中小企業の透明性向上をねらって新設され、決算書の信頼性が高まることになります。 一方、会計参与を設置をすれば相当の費用が発生すること、会計参与という会社役員として負う責任が重く、第三者に対する責任も問われかねず、銀行が回収不能の貸付金の残高を損害賠償請求することも考えられることや株主代表訴訟の対象となり、税理士等の中には会計参与の引き受けに慎重な意見が多くあると言われております。会計参与制度はこうした懸念があり、費用を含めて、多くの中小企業への導入は困難という見方があります。 融資に与える影響についても、会計参与制度を導入した企業は確かに担保、個人保証の免除や低金利での融資が受けられるが、導入しない企業には融資条件が厳しくなるおそれがあります。今後の動向を見守りながら、中小零細企業のハンディにならないように対応を求めておきます。 次に、新会社法の施行と十八年度税制改正が、地方経済及び自治体財政に及ぼす影響について、見解をお示しください。 また、本市地場産業の主体となっている中小零細企業に対して、新会社法の施行に当たって市当局はどのような対策を進めているのか、当局の取り組みをお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 新会社法の施行と十八年度税制改正による影響につきましては、景気の動向などに左右されますことから一概には言えませんが、自治体にとっては税収増につながるものと考えております。 以上でございます。 ◎経済局長(川原勤君) 会社法の施行が地域経済に及ぼす影響についてでございますが、新法は、利用者の視点に立った規律の見直し、会社経営の機動性・柔軟性の向上、会社経営の健全性の確保等が要点とされており、地域経済活性化につながることが期待されているところでございます。 新法施行に関する取り組みでございますが、市中小企業融資制度におきましては、会計参与設置会社を含め、信用保証協会が認める財務諸表を作成している事業者に対して、信用保証料率年〇・一%の割引が適用されております。また、会社設立が容易になったことから、新規創業の相談につきましては、鹿児島市インキュベーション・マネージャーの活用を図ってまいりたいと考えております。 新法は施行後まだ間もないこともあり、模様眺めをしている企業もあろうかと思いますので、その動向を注意深く見守りながら、周知等については関係機関とも連携した対応を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 新会社法が五月に施行されてから半年足らず、企業経営者の改正内容の理解も不十分で、模様眺めをしている企業があると考えます。新会社法の企業経営者の選択による自己責任のウエートが高まっている内容について、これらのメリット・デメリットを含め、企業経営者の理解が深まり、地方経済の活性化につながるよう関係機関とも連携した対応を要望いたしておきます。 次に、十八年度税制改正に伴う来年度予算編成への影響についてお尋ねいたします。 平成十八年度税制改正法案が国会で可決をされ、原則四月一日から施行されております。この改正によって個人住民税の税率は、十八年度分までの五ないし一三%の三段階から、十九年度以後は一律一〇%になっています。 そこで伺います。 一、個人住民税の税率改正によって、税収見込みはどのように試算されるのか、改正前と比較してお示しください。 次に、定率減税の廃止について伺います。 定率減税は、個人住民税については平成十九年六月徴収分から廃止されることになります。定率減税の廃止によって、税収見込みはどのように試算されるのか、改正前に対比してお示しください。 次に、法人市民税の増税の影響について伺います。 同族会社の役員給与に対する給与所得控除が損金として算入されないことになり、法人税の課税が強化をされます。法人市民税の増税、税収見込みはどのように試算されるのか、改正前に対比してお示しいただきたいのであります。 また、酒、たばこ税の改正によって、たばこ税が本年七月より税率が引き上げられました。たばこ税の税率引き上げ、増額による税収見込みについてもあわせてお示しください。 さらに、これら平成十八年度税制改正に伴う来年度の予算計上、市税の見込み額をどのように試算しておられるかお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) 平成十八年度税制改正に伴う十九年度税収への影響でございますが、現時点におきましては、個人市民税の税率改正により約四十三億六千万円の増、定率減税の廃止により約十一億三千万円の増、市たばこ税の税率の引き上げにより約一億五千万円の増、合計で約五十六億四千万円の増になるものと試算をいたしております。なお、法人市民税につきましては、国税である法人税額を課税標準としているため、現時点で試算することは困難でございます。 来年度の予算編成に当たりましては、これらの増要素を加味する中で市税の額を計上することとなりますが、十九年度の税制改正など不確定な要素もございますので、今後十分精査をする中で適切に対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 答弁をいただきました。 個人市民税の税率改正や定率減税の廃止、たばこ税率の引き上げ等により、平成十九年度の税収は、試算で五十六億四千万円の増が見込まれていることが明らかになりました。これに加えて、法人市民税が加わることになります。今後十分な精査をする中で適切な歳入見通しが立てられるよう要望いたしておきます。 次の質問に入ります。 公金裏金づくり問題についてお尋ねをいたします。 岐阜県の裏金問題を調査をしてきた弁護士によるプール資金問題検討委員会は、九月一日調査結果を明らかにし、報告書で十二年間の総額約十七億円と金額を算定をし、利息を含めた約十九億二千万円を県に返還すべきとし、職員数人の刑事告発を求めております。 この裏金づくりは、予算を使い切らないと次年度予算を減らされるなどの事情から、一石二鳥的な発想で行われてきたと指摘をされ、この調査によって実態が次々に明らかになり、県民の怒りは募るばかりとマスコミは報じております。これらの調査が報道されるたびに自治体の信頼は揺らぎ、ほかでも行われているのではないかと疑念を抱かせています。 このプール資金問題検討委員会の調査では、一、つくられた裏金が一九九二年度から二〇〇三年度までの十二年間に約十七億円に上ること。 二、裏金を県の監査の及ばない団体の口座に振り込んで使われており、その手法は裏金のマネーロンダリング(資金洗浄)と指摘されたこと。 三、県庁の各職場でつくられた裏金の一部が、料亭、飲食店や事務用品店、タクシー会社などに預けられ、職員の飲食に使われたり現金で戻されたりしていたこと。 四、自治体の首長である知事のホテル代の差額にもこの裏金が使われていたこと。 五、裏金問題で裏金をつくって停職処分になった七名に、裏金から生活費約一千百万円が支給され、処分された職員を裏金で助けていた、公金に対するモラルの低さが改めて浮き彫りになったこと。 六、裏金づくりの調査に対して、発覚しないように裏金の現金と預金通帳を焼却したと発言した職員が、実際は飲食に使っていたこと。 七、全国的に官官接待など裏金問題が表面化した九六年に、当時の知事が裏金の存在を知りながら、副知事の進言を受けて問題の総点検を見送ったことが問題の拡大を招いたこと。 八、裏金がことし初めに発覚、県が内部調査の結果をまとめて九四年度に約四億六千六百万円の裏金をつくっていたと発表していたが、その後、元裁判官を含む弁護士による第三者の検討委員会の調査によって、十二年間に約十七億円であったことが判明、ずさんな内部調査であったこと。 九、全国的に裏金問題が発覚した後も、長年にわたり裏金づくりを続け、裏金を明らかにできず、隠す方向に組織の全体が動いた組織の体質に問題があったことなどが明らかになりました。 そこで、地方自治体の首長である森市長に伺います。 岐阜県の公金裏金づくり問題についてどのように考えるか。 そして、岐阜県プール資金問題検討委員会の報告の指摘と教訓をどのように生かすのか、明らかにしていただきたいのであります。市長の見解を求めます。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 岐阜県の問題についての検討委員会の調査報告によりますと、公金に対する職員個々人のモラルや組織の体質等が、この問題の要因として指摘されているようでございますが、このことは、住民の信頼の上に立って行政を進めるという、自治体運営の根本にかかわる意識が欠如していたのではないかと考えております。 本市におきましては、このような問題は一切ないところでございます。私は、これまで機会あるごとに職員に対しまして、公金の支出など事務事業の執行に当たっては法令等を遵守し、公正な取り扱いを行うよう指示してきているところであり、今後とも、綱紀の厳正な保持について徹底を図り、これまで以上に市民の皆様に信頼される市政運営に、全力を傾注してまいりたいと考えております。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 市長の率直な見解をお聞かせをいただきました。 この市長の答弁は、これを教訓とし、本市ではこうしたことをこれからも絶対に起こさないように、地方自治体の首長として責任を果たしていくという決意として、受けとめさせていただきます。 この市長の決意が、五千五百九十名の大所帯の市組織全体に的確に伝わり、それぞれが自覚と責任を持って職務を遂行することが求められます。不祥事が起きたとき、本人の不利益や監督責任や体面から、自分の在任中には明らかにしない隠ぺいや先送りがなされない組織づくりに、市長、管理職、一般職員がそれぞれの立場で考え、意識を持って行動すべきであります。この裏金づくりの教訓を、本市行政に役立てられるよう要望いたしておきます。 次に、公務員の飲酒運転防止対策について伺います。 幼児三人が犠牲になった福岡市職員による飲酒運転の事故後も、各地で続発する公務員の飲酒運転事故や酒気帯び運転事故。住民の範となるべきなのにと、厳しい批判が公務員に寄せられ、従来より厳しい処分を打ち出す自治体が増加しております。 姫路市の石見市長は、去る十一日の市議会で、職員に甘えや気の緩みがあると陳謝をし、事故の有無にかかわらず飲酒運転をしただけで、即免職とすることを明らかにされました。福岡市の事故での公務員の飲酒運転への批判が渦巻く中、姫路市の職員が飲酒運転をし、歩行者をはねて意識不明の重体を負わせる事故を起こし、批判を受けたことに対応したものであります。このほか、同乗職員にも懲戒免職にするなど、全国の自治体の厳罰化が広がっております。 そこで、公務員の飲酒運転防止対策について伺います。 本市には飲酒運転等の処分基準があるのか、その有無と内容をお示しいただきたい。また、職員の過去の処分内容、件数についてお聞かせいただきたい。 次に、飲酒運転同乗者に対する処分はどのようになっているかお示しいただきたい。 以上、答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) 飲酒運転対策についてお答えをいたします。 本市では、職員の交通事故及び交通法令違反に対する処分基準を設けており、その中で飲酒運転についても定めているところでございます。その内容でございますが、酒酔い運転による死亡事故の場合は免職、人身事故の場合は免職または停職と規定をいたしております。また、過去五年間におきましては、人身事故による処分はございませんが、酒気帯び運転による減給一件、戒告一件の計二件がございました。 次に、同乗者につきましても、この処分基準の中において、運転者が飲酒運転であることを知りながらその車両に同乗していた場合は、処分することといたしております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 本市は、職員の交通事故及び交通違反に対する懲戒処分の基準を内規で定め、処分を行っているとの答弁がありました。 公務員の飲酒運転による事故が続発している現在、これまで処分基準がなく、これから新たに処分の基準をつくる自治体がある中で、処分基準が整備をされて対応がなされてきたことに対して、率直に評価をいたします。 しかし、ここにその内規がありますが、この内規では、飲酒運転のおそれがある者に対して酒を提供したり飲酒を勧めた者、飲酒運転であることを知りながら車に同乗していた者も懲戒処分の対象とするということにしているものの、別途処分を行うとしており、適宜対応しているようであります。 佐賀県の多久市は、同乗者も懲戒免職の対象とすると職員に通知をし、綱紀粛正を図ろうとしております。こうした事故者以外の同乗者や飲酒を勧めた者に対する処分の程度を、運転者と同様に明らかにすべきと考えるが、見解をお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) 飲酒運転の車に同乗した者や飲酒を勧めた者に対する処分につきましては、先ほども申し上げましたように、基準の中で処分をする旨を明記いたしているところでございますが、処分の程度を設けることにつきましては、運転者本人とのバランスも考慮しながら、現在、検討しているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 答弁をいただきました。 飲酒運転者の同乗者についての処分について、具体的な処分区分が明らかにされるよう早急な対応を要望しておきます。 引き続き公務員の飲酒運転予防対策について伺います。 全国的な社会問題となっている飲酒運転防止対策としての市の姿勢を明らかにするために、職員の処分内規を飲酒運転に対する指針として公表し、安心安全なまちづくりを進めるべきではないか、市長の見解をお示しください。 以上、答弁を願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 申し上げるまでもなく飲酒運転は交通三悪の一つでありまして、市民生活を脅かす絶対に許されない行為でございます。 先ほど総務局長が申し上げましたとおり、本市におきましては、早い時期から飲酒運転に対する明確な処分基準を設け、これを機会あるごとに職員に周知するとともに、外部に対しましても情報提供を行ってきているところでございます。 今後とも、職員の飲酒運転防止に対する本市の取り組み姿勢をさらに明らかにする意味からも、積極的に情報発信し、飲酒運転の根絶に努めてまいりたいと考えております。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 市長から御答弁をいただきました。 これからの積極的な取り組みを期待しておきます。 飲酒運転は、どんなに厳罰化を掲げてみても後を絶たない。要は各職員のモラルの問題という声があります。しかし、職員の飲酒運転防止策にあらゆる手法を取り入れるとともに、モラル向上に努める必要があります。 本市交通局は、バスの運転手に対して、始業前に指導員の点呼やアルコールの簡易測定器による測定を行い、あわせて定期的に運転記録証明の提出によってチェックはしておりますが、電車の運転手やまたごみ収集車の運転手については、こうした証明の提出を求めておりません。この運転記録証明の提出は、車社会の中にあって、勤務時間の内外を問わず飲酒運転や交通違反を抑制する一定の役割を果たしているものと思われます。 職員の意識改革、モラル向上について、これまでの取り組みと今後どのように進めていくのか、あわせてお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) 飲酒運転の防止につきましては、これまで職員に対して処分基準の周知を図るとともに、毎年、年度初めと年末に服務規律の確保に関する通達を行い、その中で、特に飲酒運転は絶対に許されない行為である旨、注意を喚起してきているところでございます。また、今回の福岡市の飲酒運転による死亡事故を受けまして、改めて職員に周知徹底を図ったところでございます。 なお、飲酒運転防止策については、他都市の事例も踏まえ、各面から現在、検討しているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 総務局長から御答弁をいただきました。 職員の意識改革は、通常自動車を運転する業務に従事をしている職員の勤務時間のみに求められるものではありません。今日の車社会の中にあって、勤務時間の内外を問わず飲酒運転の可能性を全く否定できない今日、定期的な運転記録証明、これは安全センターから取り寄せれば出るわけであります。そういうものでチェックをするなど、自己規律を高めることにも役立ちます。より効果的な取り組みがなされるように要望いたしておきます。 以上で、私の個人質疑のすべてを終わります。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、竹之下たかはる議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、北森たかお議員。   [北森たかお議員 登壇](拍手) ◆(北森たかお議員) 私は、社民党鹿児島市議団の一員として質疑を行ってまいります。 まず、総合評価入札制度への転換と公契約条例制定についてであります。 現在の入札制度は、価格が安ければよいという価格重視の制度となっております。そのため、清掃業務などの労務提供型では、不当廉売と思われるような落札となるケースがあったことも記憶に新しいところであります。全国的には談合事件も後を絶たず、国においても法令の改正や新法の制定で対応してきております。また、本市においても、国の制度改正を機会として一定の改善をしてきましたが、総合評価制度導入には至っていないところであります。本市の入札・契約制度における改善に向けて、以下伺ってまいります。 第一は、本市の低入札価格制度と最低制限価格制度の導入と改善点であります。 一つは、導入の時期と導入の背景・理由についてどうであったか。 二つは、導入した対象業務等はどうであったか。 三つは、導入した後の改善点はどうであったか。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) お答えいたします。 低入札価格調査制度についてでございますが、これは従来の最低制限価格制度にかえて、平成十三年一月から導入したものでございます。この制度は、入札参加者の経営努力等が反映でき、コスト縮減につながることなどから導入したものでございます。 また、最低制限価格制度につきましては、平成十四年の地方自治法施行令の改正により、設定できる範囲が拡大されたことに伴い、十五年度からダンピング等を防止する観点から、人件費の占める割合の高い労働集約的業務について導入したところでございます。 低入札価格調査制度の対象は、本市が発注する競争入札に付するすべての建設工事でございます。また、最低制限価格制度は、当初は建築物の清掃業務、常駐及び巡回警備業務委託に導入をいたしておりましたが、その後、本庁内案内業務委託や北部清掃工場ごみ焼却処理業務等委託などに、順次拡大してきているところでございます。 低入札価格調査制度は、一定の基準価格を下回る入札を無条件で排除しないことから、業者のコスト削減意欲を促進し、工事費の縮減につながったものと認識しております。また、最低制限価格制度により、ダンピング等による入札を排除できたことから、一定の成果があったものと考えております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 建設工事については、低入札価格調査制度を五年前から導入をし、それまであった最低制限価格制度よりすぐれているとの答弁であります。最低制限価格を下回ったとしても、経営努力により、工事の成果が確保できるとしているからであります。 最低制限価格制度については、制度の改正に応じて労働集約的業務に取り入れ、ダンピング等の排除の成果が上がり、対象業務の拡大を図りつつあります。低入札価格調査制度、最低制限価格制度ともに、入札が単に価格が高い、安いだけの物差しでないことから、その弊害が改善され、本市の主要な制度となっております。本制度の充実、特に最低制限価格制度の対象業務の引き続きの拡大を要望しておきます。 質問の第二は、総合評価入札制度の検討状況であります。 一つは、国の制度として一九九九年二月の地方自治法施行令の一部改正が、入札・契約において価格とその他の要素を総合的に判断するとしたことは、総合評価方式の導入に踏み切ったものと考えるがどうか。 二つは、その後の国における公共工事入札・契約の適正化法や指針が出されたことの評価はどうか。 三つは、二〇〇五年四月施行の公共工事の品質確保の促進に関する法律も、価格以外の要素を入れて落札者を決める総合評価を求めていると考えるがどうか。 四つは、以上三点の国の制度の動きに対して、本市の対応はどうであったか、施策の評価はどうか。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) お答えいたします。 平成十一年の地方自治法施行令の改正により、地方公共団体が競争入札により契約を締結する場合において、価格とその他の条件を総合的に判断し、落札者を決定することができるようになり、いわゆる総合評価方式を導入することが可能となったものでございます。 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律や、これにかかわる指針につきましては、国、地方公共団体等の発注者を通じて入札・契約の適正化を促進し、公共工事に対する国民の信頼の確保と建設業の健全な発展を図ることを目的として制定されたものでございますが、このことにより透明性、公平性、競争性の向上が図られたものと認識をいたしております。 公共工事の品質確保の促進に関する法律におきましては、公共工事の品質は、経済性に配慮しつつ価格以外の多様な要素をも考慮し、価格及び品質が総合的にすぐれた内容の契約により確保されなければならないと規定をされているところでございます。 本市におきましては、これまで入札・契約の適正化を図るため、公共工事の発注の見通しに関する事項の公表や入札及び契約の過程・内容の公表等について取り組んでまいりましたほか、社会資本整備を担う公共工事の発注者として、公正な競争のもとに品質の確保に努めてまいりました。このことにより、入札・契約事務の透明性、公平性、競争性の向上が図られたものと考えております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 本市においては、公共工事の入札・契約における透明性や公平性、競争性の向上や品質確保の法制化に対して、対応する取り組みを進めながら、総合評価制度については、七年前から可能にもかかわらず対応していないようであります。 そこで、引き続き総合評価入札制度の検討状況について伺います。 五つは、入札に当たり、価格以外に何をもって総合評価とするか、他県の事例などでどのように把握しているか。 六つは、公正労働基準も評価の重要な要素と考えるがどうか。 七つは、これまでの価格の高低だけの価格入札から、自治体として目指す社会的価値の実現を図るために入札制度を生かすこと、つまり政策入札への転換は時代の流れと考えるがどうか。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 福島市や大阪府枚方市における建築工事や設備工事及び札幌市や京都市におけるシステム開発においては、それぞれ総合評価方式により入札価格に加えて技術提案の優劣等を総合的に評価し、最も評価の高い者を落札者に決定しているようでございます。 また、大阪市における庁舎清掃業務などにおきまして、入札価格に加えて技術的評価、環境への配慮などを総合的に評価し、決定しているようでございます。 大阪市の総合評価入札制度におきましては、賃金や勤務時間などが評価の要素になっているようでございます。 これまでの価格競争のみによる入札方式から価格以外の社会的価値等の要素を総合的に評価して決定する入札方式は、社会情勢の変化や多様化に対応した入札制度の一つであろうと考えております。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 入札に当たり、価格以外の要素とともに総合的に評価する動きのあること、それらの要素の考え方に各自治体ごとの違いがあることが明らかになりました。価格を基本にしつつ、政策入札が広がりつつあることが確認をできます。 第三の質問に入ります。 自治体公契約条例をどう考えるかであります。 一つは、本市の目指す社会は、第四次総合計画によって基本が示され、その実現のため市役所全体が努力し合っている中で、入札を通じて本市の目指す社会を実現する取り組みも有効と考えるがどうか。 二つは、政策入札への転換に当たり、自治体だけでなく事業者、市民の合意づくりがなされる必要があると考えるがどうか。 三つは、本市の目指す社会を実現するために、入札制度を通じて自治体、事業者、市民が努力し合う宣言を自治体公契約条例として考えたとき、その条例化を検討できないか見解を示してください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) おただしの条例についてでございますが、入札を通じて本市の目指す社会を実現する取り組みも一つの手法として考えられると考えております。 また、価格という客観的な条件ではなく、その他の条件を総合的に評価する入札方式には、お触れになりましたように、事業者・市民の理解が必要であろうと思います。 最後に条例制定につきましては、さまざまな課題がございますことから、今後、他都市等の状況などを調査研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 公契約条例の制定は、他都市の状況など調査研究の回答でございますが、今後引き続き関心を強く寄せてまいります。 第四の質問に入ります。 政策入札としての総合評価入札制度への転換の条件についてであります。 一つは、本市の公共施設の指定管理者制度が総合評価による選定となっており、既に総合評価入札制度の手法は実践されつつあると考えるがどうか。 二つは、公共から民間へという流れの中で、委託業務の拡大が進み、受託業者同士の競争も激しく、そのことが業者泣かせ、労働者泣かせとなりやすい不安定社会、格差社会を強め、そうした社会を是正してほしい社会的公正を求める声が強まっていること、そのためには、総合入札制度への要望も高くなっていると考えるがどうか。 三つは、本市として、総合評価入札制度への転換が踏み出せない問題点は何か明らかにしてください。さらに、問題点に対する今後の対応をどうするか見解を示してください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 本市における指定管理者の選定におきましては、申請者が提出をした事業計画書等をもとに、サービス向上策、経費縮減への取り組みとその他の要素を総合的に評価して決定しており、総合評価入札と共通する面もあると考えております。 総合評価入札制度につきましては、国の工事等において一部導入されているところでございますが、本市におきましては、これまで最低制限価格制度の導入に取り組み、また労働関係法令等の遵守を契約書に規定するなど、ダンピング等の防止や労働者の賃金、労働条件が適正に確保されるよう努めてきているところでございます。 総合評価入札は、価格とその他の条件を総合的に判断し落札者を決定することから、合理的な評価項目や評価基準の設定及びその点数化が必要であり、客観的な評価基準のあり方が課題となるとともに、先ほども申しましたように、事業者・市民の理解が必要であろうと考えておりますが、今後、以上のようなことを踏まえて各面から検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 総合評価制度への転換についての答弁をいただきましたが、指定管理者制度の選定の実績を踏まえ、客観的な評価基準づくりや事業者・市民の理解を得るために各面からの検討ということであります。現在、最低制限価格制度の導入によって、ダンピングや労働者の賃金、労働条件が適正に確保されるよう努めているとのことですが、果たして現実はどうか。その検証を効果的に保証するシステム一つとっても不十分であります。政策入札の有効性を肯定しながら、なかなか踏み込めていないことについて、もっと真剣に具体的に進めていただきますよう求めておきます。 新しい質問に入ります。 市職員の健康管理とメンタルヘルスについて伺います。 職員の労働安全衛生は、本市としても日ごろの対策に努めているところでありますが、働く側にとって、なお厳しい状況があります。変化の激しい職場環境に加えて、合併による要因も加わっているのではないかと推測されます。職員の皆さんが、それぞれの持ち場において精いっぱい力を発揮できるような職場環境づくりが進むことを期待しながら、以下伺ってまいります。 第一は、労働安全衛生組織の活動について伺います。 一つは、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者の活動はどうなっているか。 二つは、市安全衛生委員会と安全衛生職場委員の活動はどうなっているか。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 労働安全衛生組織の活動についてでございますが、労働災害の防止や衛生管理を行うため、職場の規模等に応じて安全管理者や衛生管理者等を配置し、職場の安全点検や職員の健康状態の把握に努めております。 また、本庁には安全衛生委員会を、職員数が一定規模以上の職場には職場安全衛生委員会を設置して、職場点検の報告や安全衛生対策について定期的に協議をいたしているところでございます。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇]
    ◆(北森たかお議員) 職員の皆さんの労働安全衛生については、法令に基づいた組織が置かれ、日常的な職場点検等がなされているようでありますが、その活動を担う安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者が職場の実情と人間関係にどこまで接近をし、実効ある活動ができるかが問われております。そのための活動条件を整え、取り組みを強化していただくよう要請しておきます。 第二は、病気休暇や休職者、現職での退職者の状況について伺います。 一つは、病気休暇の状況について、一定の日数区分で平成十四年度から平成十七年度までの合計を、本庁、支所、教育委員会別に示してください。なお、旧五町の支所については、合併以後の状況を示してください。 二つは、休職者の状況について同様に示してください。 三つは、現職での退職者についても同様に示してください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 病気休暇の状況についてでございますが、病気休暇期間が一カ月未満とそれ以上の人数をそれぞれ申し上げますと、一カ月未満は、本庁が二百十七人、旧鹿児島市の支所が十一人、旧五町の支所が十一人、教育委員会が百十五人、また一カ月以上は、本庁が百八十九人、旧鹿児島市の支所が十人、旧五町の支所が十人、教育委員会が五十八人となっております。 次に休職者数は、本庁が八十八人、旧鹿児島市の支所が四人、旧五町の支所が四人、教育委員会が十五人となっております。 次に、中途退職者数でございますが、本庁が八十二人、旧鹿児島市の支所が十人、旧五町の支所が四人、教育委員会が十一人となっております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 病気休暇については、総合計を年平均に直しますと百八十一人余りとなっております。内訳といたしまして、本庁が百一人、教育委員会が五十八・五人、旧五町が十六・八人、旧鹿児島市の支所が五・三人となっております。旧五町が高い比率となっております。休職者につきましても、年平均に直すと合計が三十人余り、旧五町の支所が一割の三・四人で高い比率となっております。現職の中途退職者も年平均の合計が二十九人程度で、旧五町の支所が三・二人と比率で高くなっています。 以上、三つの指標について、いずれも旧五町の支所における件数が職員比率で高くなっている点が、合併との関係において心配なことであると指摘しておきます。 第三の質問は、メンタルヘルスについてであります。 一つは、休職者の中で心の病が原因となっている職員の状況はどうか、先ほどと同様に示してください。 二つは、現職での退職者で心の病が原因となっている職員はどうか、同様に示してください。 三つは、メンタルヘルスの相談者数についても、同様にそれぞれ示してください。 以上、答弁願います。 △会議時間の延長 ○議長(赤崎正剛君) ここで、本日の会議時間について申し上げます。 本日の会議時間は、議事の都合により延長いたします。 ◎総務局長(草留義一君) 休職者の中で心の病が原因になっている職員は、本庁が六十人、旧鹿児島市の支所が三人、旧五町の支所が三人、教育委員会にはおりませんでした。また、中途退職者の中では、本庁に十三人おりましたが、支所等にはいなかったところでございます。 次に、メンタルヘルスの相談者数は、本庁が六百六人、旧鹿児島市の支所が四十一人、旧五町の支所が二十二人、教育委員会が四十人となっております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 休職者の中でメンタルヘルスが原因となっている職員は、旧五町の支所が比率でやはり高くなっていることが鮮明になりました。メンタルヘルスの相談件数も、年平均に直すと全体で百八十八人程度、そのうち旧五町が十七人程度、旧鹿児島市の支所が十人となっており、それよりかなり多くなっております。合併との関係がさらに感じられることから、その分析と対策について取り組みを要請をしておきます。 第四の質問は、メンタルヘルスへの対策について伺います。 一つは、精神保健相談体制、気軽にだれでも利用できるようになっているか。日ごろの職員への支援はどうなっているか。 二つは、職員全体への啓発として、だれもが陥りやすいことや早期相談などをどのようにしていくか。 三つは、人事管理面からの対策、特に職場復帰に当たっての配慮としてどのようにしているか。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 精神保健の相談体制についてでございますが、職員からの個別の相談を保健師などが随時受け付けるとともに、嘱託の精神科医による相談を月三回実施をいたしております。 また、職員への啓発として、専門医による講演会の開催や職員研修、職員向けの広報誌の発行などを行っており、予防と早期発見に努めているところでございます。 また、職場復帰の際には、スムーズな復帰と再発防止のため、個々のケースに応じて時間外や外勤等の制限を行うなどの適切な対応を行っているところでございます。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) メンタルヘルス対策については、相談体制や全職員への啓発など一定の取り組みがなされておりますが、引き続き実効性の検証など充実に向けて努力を要請しておきます。さらに職場復帰に当たっては、すぐに完全復帰ではなく、様子を注意深く見ながら当人と復帰職場の折り合いを徐々につけていく取り組み、そのための必要な人的配置も準備されるよう要請しておきます。 次に、新しい質問に入ります。 ごみのふれあい収集について伺います。 高齢社会が進み独居高齢者が増加する中で、ごみ収集についても新たな課題が生まれつつあります。特に、粗大ごみを家の外へ持ち出すことが困難な家庭が生まれ、近隣関係も薄くなって援助がもらえない状況があります。こうした状況に対応したごみの個別収集やふれあい収集が始まっております。 以下、伺います。 第一は、本市において、高齢者や障害を持つ市民からの要望として、市職員へのごみの運び出しの依頼の声があったかどうか。 第二は、市として、これらの声にこたえたふれあい収集の実施について検討したことがあるか。あれば検討内容を明らかにしてください。 第三は、検討内容の中で課題となっている点を明らかにしてください。 第四は、検討に当たって他都市の調査をしたことがあるか。調査結果の概要を示してください。 以上、答弁願います。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 ごみの排出についての市民からの要望でございますが、高齢者などからごみの運び出しを要望されるケースにつきましては、粗大ごみの収集受け付け業務の中などで、一人住まいなどの理由により、持ち出しを要請されるケースが時折ございます。なお、日常的に出される通常のごみ・資源物につきましては、特に要請はないところでございます。 次に、粗大ごみの運び出しへの対応についてでございますが、実施する場合の課題の検討や他都市の実施状況等の調査を行っているところでございます。なお、通常のごみ・資源物の収集につきましては、要請がないことから特に調査を行っていないところでございます。 粗大ごみ等の運び出しを実施する場合の課題といたしましては、どのような世帯を対象とするかなどの問題や、個人の住居内に入ることに伴うトラブル防止のために、第三者の立ち会いが必要になること、人員・機材を新たに要するなどの課題があると考えております。また、高齢者等を地域がどのようにして支えていくかという観点からの問題もあり、単にごみ出しだけではなく、日常全般における支援として他部局とも連携していく必要もあろうかと考えているところでございます。 次に、他都市の実施状況につきましては、本市を除く中核市及び九州県都市三十八市の中で、高齢者宅などから粗大ごみの運び出しを行っている都市は十三市ございます。また、この十三市中六市が通常のごみ・資源物の収集につきましても実施されていると伺っております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) ふれあい収集については、本市においても粗大ごみについて市民の皆さんの要望があり、一定の検討や他都市の調査をされております。通常の家庭ごみ・資源物についての市民の要望はないことから、検討の中には入っていないようでありますが、他都市の調査では、中核市など三十八市中六市で実施されており、検討の視野に入れるべきであります。ただ、清掃部が機材や要員を拡大してサービスを厚くすることに課題を抱えており、答弁にあるように福祉などとの連携や地域における支え合い体制などとの連携も必要なこととして、市民のニーズにこたえていただきますよう要望しておきます。 新しい質問に入ります。 指導監査について伺います。 今月十二日、県は、市内の介護型有料老人施設へ四項目の業務改善勧告を出したと報道がなされております。福祉施設や事業の中で、不正や虐待などの事例が時折明らかになることがあります。大方の事業者は、福祉のために懸命な努力をされていると考えるわけですが、事業として福祉を運営する以上、間違いを起こす場合も起こり得ることから、監査の役割が大きいと考えます。 そこで以下伺ってまいります。 第一は、本市の指導監査課は、何名の体制で、法人・施設等の対象件数とその主な施設、事業名はどうなっているか。 第二は、監査の実施に当たり、計画、通知、実施、講評など一連の流れはどうなっているか。 以上、答弁を願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 指導監査課は、課長を含め十人の職員で、法人・施設の規模等を考慮し、二人から四人で監査班を編成しております。対象件数は、十八年度当初で社会福祉法人が九十七、社会福祉施設が三百十、居宅生活支援事業などが五百八十六、合計九百九十三件。また、主なものとしましては、特別養護老人ホーム、保育所、身体障害者療護施設、知的障害者更生施設など、事業といたしましては、老人居宅介護等事業や認知症対応型共同生活介護事業、障害福祉サービス事業などがございます。 次に、監査の流れについてでございますが、まず年度初めに実施の対象、方法、方針などの年間実施計画を定め、これに基づき対象施設等には、監査実施日の十五日から一カ月前に通知をいたします。監査では、まず施設の全体回覧を行い、施設・設備の状況、処遇などの確認を行います。さらに、各種資料などを閲覧するとともに、ヒアリングや運営の実情把握を行い、最後に講評をいたします。 監査結果につきましては、文書指摘と口頭指摘がございますが、文書指摘があった場合は、三十日以内に改善状況について報告をしていただくこととしております。また、口頭指摘につきましては、翌年の監査におきまして、改善の状況を確認することとしております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 事務方を含めて、一人当たり約百件の法人・施設等を対象に年間の指導監査が行われております。あくまでも指導の面がありますので、監査実施の事前通知から講評まで各面からの監査になることから、関係する法人等の理解が前提となります。研修と経験が物を言う仕事であるだけに、その機会が保障されるような監査体制づくりを要望しておきます。 質問の第三は、十七年度の主な指摘事項はどうなっているか。 第四は、指摘事項の件数は、過去五年間でどのような推移か。 第五は、今後の課題をどう考えるか。 以上、答弁願います。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) まず、十七年度の主な指摘事項でございますが、社会福祉法人の運営・管理につきましては、理事長の重任に伴う変更登記などの期限が守られていないなど、施設の運営・管理等につきましては、保存すべき給食材料の一部に保存漏れがある、職員の健康診断を実施していない、利用者の処遇に関する記録に不備があるなどがございます。 次に、指摘事項の件数につきましては、平成十三年度から文書指摘、口頭指摘、合計の順に申し上げます。十三年度百五十五件、三百三十九件、四百九十四件、十四年度二百十件、五百八十件、七百九十件、十五年度百九十一件、四百九十一件、六百八十二件、十六年度百八十八件、四百八十九件、六百七十七件、十七年度三百六件、五百三十九件、八百四十五件となっております。なお、十七年度は合併による増加分も含まれております。 最後に、今後の課題についてでございますが、指摘事項の内容には、毎年同じようなものが多く、また件数につきましても、ほぼ横ばいという状況にございます。このことは、社会福祉法人や施設側の制度や関係通知等に対する習熟や理解に不十分な面があることが原因の一つではないかと考えております。このようなことから、監査の際には十分な説明を行い、理解をいただくよう努めるとともに、年度初めには、法人監事への研修会や法人理事長や施設長に対する監査説明会を開催し、前年度の主な指摘事項や実施方針などの説明を行い、適正な管理運営と利用者の尊厳を重視した福祉サービスの提供などを指導しているところでございます。 また、来年度からは、事前に所定の自主点検表に記入し、提出していただくこととしておりますので、運営全般にも役立てていただけるものと考えております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 監査の指摘事項は、毎年同じような件数になっていることから、指導監査の実効性が分析をされ、対処する必要があります。法人等側の制度等に対する習熟や理解に不十分さがある点に着目した改善の努力がなされつつありますが、新年度からの事前の自主点検記入の取り組みの効果を見守ってまいります。 次に、県道鹿児島蒲生線について伺います。 この県道は、かつて八・六水害のとき、溝辺空港方面から鹿児島市街地に入るルートとして、吉野を通る鹿児島吉田線とともに大きな役割を果たしました。幅員の狭さから拡幅による整備が進められておりますが、沿線市民にとっては整備完了が待ち遠しいところであります。 そこで、工事の進捗状況などについて以下伺います。 第一は、一期工事区間の中で坂元郵便局交差点の整備の課題がどうなっているか。その完了予定はどうか。全体の進捗はどうなっているか。 第二は、二期工事区間の進捗状況と当面の課題は何か。 第三は、三期工事予定区間で坂元住宅付近の三差路交差点について、渋滞解消の工事を先行して実施をできないか。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 県道鹿児島蒲生線の整備状況について、順次お答えいたします。 県道鹿児島蒲生線につきましては、上竜尾町の坂元入口交差点から下田町の県警察学校前バス停付近までの延長約三千百八十メートルを、平成九年に都市計画道路催馬楽坂線として都市計画決定し、現在、県において整備が進められております。 坂元郵便局前交差点につきましては、隣接地の境界が確定できる状況にあることから、今後地権者の御理解をいただき、できるだけ早期の完成を目指してまいりたいとのことでございます。また、催馬楽バス停付近から坂元郵便局前付近までの一期区間の進捗状況は、平成十七年度末で用地取得で約八五%、事業費ベースで約八〇%とのことでございます。 次に、二期区間の坂元入口交差点から催馬楽バス停付近までの区間につきましても、これまで事業や用地の協力等についての地元説明会を開催し、現在、建物調査や用地買収等に取り組まれており、関係権利者の御理解と御協力を得て、おおむね平成二十三年度を目途に事業推進を図ってまいりたいとのことでございます。 また、残りの坂元郵便局前交差点付近から県警察学校前バス停付近までの区間につきましては、現在着手している一期区間及び二期区間の早期完成を目途に全力を傾注してまいりたいとのことでございます。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 一期工事区間の中で坂元郵便局交差点の整備が進んでいることが明らかになりましたが、なお進捗状況が当初予定よりおくれており、これが二期、三期予定区間に影響することが心配されます。三期予定区間の住民からは、平成十六年九月に説明があったが、その後何の説明もないという不満の声があります。沿線住民の協力なしに進まない工事ですので、何らかの方法で経過を知らせるよう県への要望をお願いしておきます。さらに、三期予定区間内となる坂元住宅付近の三差路交差点の渋滞解消の先行実施についても、県への要望をお願いをしておきます。 新しい質問に入ります。 地域公民館と校区公民館についてであります。 地域公民館、校区公民館は、それぞれの地域・校区の生涯学習の拠点施設として利用されております。平成十七年度では、市内全館の利用者が、地域公民館で約百三万人、校区公民館で約三十万人の市民の皆さんが利用しています。このことは、それぞれ地域や校区において学習・実践活動がなされ、コミュニティーの場として大いに利用され愛されている結果であります。 また、合併前の段階で、谷山北部地域に地域公民館の新設を声を大にして要望しても、かたくなに八館体制を崩さなかった教育長が、合併という時代の変化の中でもろくも崩れました。現在十三館ですが、谷山北部地域に公民館の建設計画が進められており、結果として市民にとって喜ばしいこととなりました。こうした各公民館の充実の中で幾つかの問題を指摘し、以下伺ってまいります。 第一は、利用の少ない地域公民館の利用促進についてです。 地域公民館の利用は、鴨池公民館の約十九万人が一番多く、二番が谷山市民会館、三番が中央公民館です。逆に少ない方から、東桜島の約一万人、武・田上公民館八万四千人、城西・吉野・伊敷の三館が十万人台となっております。武・田上公民館は、公共交通の不便地として利用しにくいことも一因と考えられますが、さらに利用しやすいようにするには、どのような課題があり、解決には何をすればよいか示してください。 第二は、旧五町の中で地域公民館の役割に、子供会育成会の事務局がありましたが、合併によってそれができなくなることへの心配があります。あいご会は青少年課、生涯学習は生涯学習課となっており、縦割りの弊害によって旧五町の地域活動が後退することのないようにすべきと考えるがどうか。 第三は、本市に現在八十の校区がある中で、七十三の校区公民館があります。その中で旧五町では、喜入と吉田地区に校区公民館と類似施設があります。それが現在、校区公民館として利用されていますが、合併の前と後の利用内容、利用時間、管理体制、利用者数について平成十五年度、十六年度、十七年度の状況を示してください。 以上、答弁願います。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 生涯学習の拠点の一つであります地域公民館の利用促進に当たりましては、市民の多様化するニーズに柔軟に対応していくことは重要であると考えております。そのため、市民のニーズを的確に把握した上で、特色ある講座の開設や自主学習グループの育成支援など、さらに工夫改善を図ってまいりたいと考えているところでございます。 次に、旧五町におきましては、社会教育課並びに公民館等が生涯学習活動や青少年健全育成活動の支援等を行ってきたところでございますが、合併後は、地域公民館が青少年課や生涯学習課と連携を図りながら、青少年健全育成活動の支援等を推進してきているところでございます。今後とも、旧五町域の地域活動が後退することがないよう、教育委員会として関係課と地域公民館の連携を図りながら引き続き取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 次に、利用内容については、喜入・吉田地区とも生涯学習の拠点として住民の交流及び学習の場であるとともに、青少年の健全育成や地域課題を解決するための活動の場となっており、合併に伴う変更はないところでございます。 利用時間は、合併前は、両地区とも午前八時三十分から午後十時までで、合併後は、喜入地区だけは午前九時から午後九時までと変更になっております。 管理体制は、合併後も教育委員会が管理しておりますが、喜入地区には、合併前は館長と主事が配置されておりました。 利用者数につきまして、平成十五年から十七年度まで順次地区ごとに申し上げますと、喜入地区七万八千二百八十七人、八万三千九百八十人、四万七千百二十四人、吉田地区五千五百八十一人、七千七百六十九人、一万三千五百四十四人となっております。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 地域公民館は、公共交通の便利なところが利用率も高いことから、交通確保や駐車場整備などを含め、答弁にあったことなど、住民が使いやすい条件整備を要望しておきます。 旧五町の地域公民館の役割として、あいご会事務局など後退することがない点を明確にしていただきました。地域活動の一層の活性化を期待しておきます。 次の質問でございますが、旧五町の中では、喜入・吉田地区の校区公民館は、学校敷地外にあることが旧市と違いがあります。合併後の利用状況は、喜入地区の六館が特に減っております。地区民からは「利用しにくくなった」「管理人がいなくて不便だ」などの声を多く聞きます。何が原因で減少したのか。それは、学校敷地内にある校区公民館と同じ管理体制に問題があるのではないかと思いますが、当局の考えを聞かせてください。また、以前のように地区民が多く利用できる体制づくりが必要であると思いますが、見解を示してください。 次に、校区公民館運営審議会に補助金や報酬などの助成がありますが、内容について示してください。また、運営するに当たり、それぞれの校区ではいろいろ支障を来している面もありますが、今後の公民館運営に当たって何か考え方があれば示してください。 以上、答弁願います。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 喜入地区の六館につきましては、これまで実施した講座の多くを新たに設置した喜入公民館において開催するようになったことや、常駐の職員を配置できなくなったため利用手続が不便になったことなどから、利用者が減少したのではないかと考えているところでございます。 校区公民館の利用のあり方につきましては、地域の実情なども勘案しながら、さらに各面から検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、校区公民館運営審議会への助成といたしましては、運営費補助十万円と、わがまち自慢づくり支援事業として五万円のほか、審議会委員長及び委員、公民館主事への報酬を支払っているところでございます。今後の公民館運営に対する助成のあり方や利用方法等につきましては、社会教育委員の会議に諮ったり、校区の方々の意見も伺ったりして検討しているところでございます。 以上でございます。   [北森たかお議員 登壇] ◆(北森たかお議員) 校区公民館については、住民が利用しやすいようにするにはどうすればよいかといった観点から、地域のコミュニティーの場所として多面的な利用ができるよう要望しておきます。今後の公民館運営に当たっては、一定の検討が進んでいるようであります。特に、事務局となる公民館主事の仕事を学校側が請け負う今の負担のあり方を含め、具体化を期待しておきます。 以上、私の個人質問のすべてを終わります。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、北森たかお議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 以上で、通告による個人質疑を終わります。 ほかになければ、これをもって質疑を終了いたします。 △常任委員会付託 ○議長(赤崎正剛君) それでは、ただいまの議案三十一件のうち、第三〇号議案ないし第四四号議案及び第五五号議案ないし第六〇号議案の議案二十一件については、いずれも所管の各常任委員会に付託いたします。 △決算特別委員会設置・付託 ○議長(赤崎正剛君) 次に、お諮りいたします。 ただいまの議案二十一件を除く、第四五号議案ないし第五四号議案の決算関係議案十件の付託については、お手元に配付いたしました特別委員会設置要綱(本日の末尾掲載)のとおり、決算特別委員会を設置し、これに付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり] ○議長(赤崎正剛君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 △決算特別委員の選任 ○議長(赤崎正剛君) 次に、ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任を行います。 まず、議長から委員の氏名を申し上げます。 局長に氏名を朗読いたさせます。 ◎議会事務局長(大西義幸君) 決算特別委員の氏名を申し上げます。 和田 幸一 議員  奥山よしじろう議員 大森  忍 議員 うえがき勉 議員  川越 桂路 議員  井上  剛 議員 古江 尚子 議員  山下ひとみ 議員  仮屋 秀一 議員 三反園輝男 議員  幾村 清徳 議員  川野 幹男 議員 以上、十二人であります。 ○議長(赤崎正剛君) お諮りいたします。 ただいま指名いたしました議員を決算特別委員として選任することに御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり] ○議長(赤崎正剛君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 △散会 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。 今議会は、明日から委員会審査に入りますので、本会議再開の日時は、追って通知いたします。 本日は、これにて散会いたします。              午 後 五時 十一分 散 会            ───────────────── △特別委員会設置要綱 一.名  称決算特別委員会ニ.目  的平成十七年度一般・特別会計(企業特別会計を除く)決算議案を審査する。三.性  格法による特別委員会四.定  数十二人五.設  置平成十八年九月二十日 (議長発議によって、設置要綱どおり設置する。)六.審査期間審査終了までとし、審査は原則として閉会中に行うものとする。   地方自治法第百二十三条第二項の規定により署名する。            市議会議長   赤  崎  正  剛            市議会議員   黒  木  すみかず            市議会議員   森  山  き よ み...