• "圧力"(/)
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  1. 鹿児島市議会 2006-06-01
    06月20日-04号


    取得元: 鹿児島市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-20
    平成18年第2回定例会(6月)   議事日程 第四号     平成十八年六月二十日(火曜)午前十時 開議第 一 第七号議案ないし第二六号議案────────────────────────────────────────   本日の会議に付した事件議事日程のとおり────────────────────────────────────────   (出席議員 五十四人)  一  番   和  田  幸  一  議員  二  番   脇  田  高  徳  議員  三  番   池  山  泰  正  議員  四  番   竹 ノ 下     光  議員  五  番   長  浜  昌  三  議員  六  番   の ぐ ち  英 一 郎  議員  七  番   欠  員  八  番   杉  尾  巨  樹  議員  九  番   奥  山 よしじろう  議員  十  番   川  越  桂  路  議員  十一 番   山  口  た け し  議員  十二 番   堀     純  則  議員  十三 番   古  江  尚  子  議員  十四 番   大  森     忍  議員  十五 番   小  森  のぶたか  議員  十六 番   崎  元  ひろのり  議員  十七 番   井  上     剛  議員  十八 番   大  園  盛  仁  議員  十九 番   小  川  み さ 子  議員  二十 番   仮  屋  秀  一  議員  二十一番   豊  平     純  議員  二十二番   柿  元  一  雄  議員  二十三番   田  中  良  一  議員  二十四番   志  摩  れ い 子  議員  二十五番   谷  川  修  一  議員  二十六番   ふじくぼ  博  文  議員  二十七番   北  森  た か お  議員  二十八番   中  尾  ま さ 子  議員  二十九番   う え だ  勇  作  議員  三十 番   三 反 園  輝  男  議員  三十一番   山  下  ひ と み  議員  三十二番   黒  木  すみかず  議員  三十三番   小  森  こうぶん  議員  三十四番   鶴  薗  勝  利  議員  三十五番   幾  村  清  徳  議員  三十六番   長  田  徳 太 郎  議員  三十七番   ふくし山  ノブスケ  議員  三十八番   森  山  き よ み  議員  三十九番   うえがき     勉  議員  四十 番   藤  田  て る み  議員  四十一番   政  田  け い じ  議員  四十二番   ふ じ た  太  一  議員  四十三番   竹  原  よ し 子  議員  四十四番   上  門  秀  彦  議員  四十五番   平  山     哲  議員  四十六番   西  川  かずひろ  議員  四十七番   下  村  祐  毅  議員  四十八番   入  船  攻  一  議員  四十九番   赤  崎  正  剛  議員  五十 番   秋  広  正  健  議員  五十一番   竹 之 下  たかはる  議員  五十二番   川  野  幹  男  議員  五十三番   片  平  孝  市  議員  五十四番   泉     広  明  議員  五十五番   平  山  た か し  議員     ──────────────────────────────   (欠席議員 なし)     ──────────────────────────────   事務局職員出席者  事務局長   大  西  義  幸  君  議事課長   北  山  一  郎  君  総務課長   原  園  政  志  君  政務調査課長 吉  永  直  人  君  議事係長   宮 之 原     賢  君  委員会係長  尾 ノ 上  優  二  君  議事課主査  奥     浩  文  君  議事課主事  九  反  大  介  君     ──────────────────────────────   説明のため出席した者  市長     森     博  幸  君  助役     大  平  和  久  君  助役     山  本  克  也  君  収入役    渡  邊  眞 一 郎  君  教育長    石  踊  政  昭  君  代表監査委員 山  元  貞  明  君  市立病院長  上 津 原  甲  一  君  交通局長   永  田  哲  夫  君  水道局長   園  田  太 計 夫  君  総務局長   草  留  義  一  君  総務局参事  四  元  正  二  君  市民局長   松 木 園  富  雄  君  市民局参事  児  島  文  雄  君  環境局長   上  田     稔  君  健康福祉局長 邦  村  昇  蔵  君  健康福祉局参事今  吉  悦  朗  君  健康福祉局参事折  田  勝  郎  君  経済局長   川  原     勤  君  建設局長   山  中  敏  隆  君  消防局長   隈  元     一  君  病院事務局長 松  永  初  男  君  船舶部長   森     英  夫  君  企画部長   新  地  茂  樹  君  総務部長   松  元  幸  博  君  税務部長   徳  永  良  一  君  市民部長   窪  島  彬  文  君  環境部長   松  岡  志  郎  君  清掃部長   古  川  秀  樹  君  福祉事務所長 日  高  隆 一 郎  君  商工観光部長 成  清  次  男  君  農林水産部長 山  元  誠  一  君  建設管理部長 松  山  芳  英  君  都市計画部長 原  口     悟  君  建築部長   角  田  正  雄  君  道路部長   原  田  由  晴  君  交通局次長  藤  田  幸  雄  君  水道局総務部長徳  永  文  男  君  教育委員会事務局管理部長         福  元  修 三 郎  君  秘書課長   松  永  範  芳  君     ────────────────────────────── 平成十八年六月二十日 午前十時 開議 △開議 ○議長(赤崎正剛君) これより、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付いたしました議事日程第四号のとおりであります。 △第七号議案─第二六号議案上程 ○議長(赤崎正剛君) それでは、日程第一 第七号議案ないし第二六号議案の議案二十件を一括議題といたします。 件名の朗読を省略し、前回の議事を継続して質疑を続行いたします。 △個人質疑(続) ○議長(赤崎正剛君) それでは、引き続き個人質疑の発言を順次許可いたします。 まず、幾村清徳議員。   [幾村清徳議員 登壇](拍手) ◆(幾村清徳議員) 平成十八年第二回定例会に当たり、自由民主党市議団の一員として個人質問をいたします。 冒頭お許しをいただきたいと思いますが、通告書の中で他の質疑者と重複する部分や時間の都合で割愛するところがありますが、御理解を賜りたいと思います。 まず初めに、改正地方自治法と副市長制についてお尋ねをいたします。 去る五月三十一日の参議院本会議で、改正地方自治法が可決され、成立しました。出納長、収入役が廃止され、一般職の会計管理者を置く、市町村の助役にかえて、市町村に副市町村長を置く、議会制度の充実では、議長に臨時会の請求権を与えるなどなどであります。 お尋ねをいたしますが、今回の自治法の改正のポイント、それに伴う自治体への影響、助役が副市長となるが、単なる名称の変更だけなのか、何がどう変わっていくのか。副市長制の仕組みと対応について把握されていましたら明らかにしてください。 また、市長はいつの時点で、どのような視点に立って制度の導入に踏み切られるのか、御見解をお聞かせください。 以上、御答弁をお願いいたします。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 幾村清徳議員にお答えをいたします。 副市長制は長の補佐、職務の代理など、現行の助役の職務に加え、長の権限を委任することができることを明確にし、みずからの権限と責任において事務の処理に当たることができるよう導入されるものでございます。 私は、この副市長制については、地方分権改革により地方公共団体の役割と責任が広がったことに対応するもので、長を支えるトップマネージメントの強化を図るものと認識しておりますので、本市においても副市長制については、この制度の趣旨が生かされるよう各面から検討してまいりたいと考えております。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) 市長から副市長制についてコメントをいただきました。 長年、なれ親しんできた制度や呼び名が変更されることへの若干の戸惑いもあろうかとは思いますが、時代の趨勢に適合させていくことは大事であります。今回の制度改革も、地方分権の時代に適合できるよう、首長権限の強化を図ることにあるようであります。改革の成果が発揮されるよう願うものであります。また、議会制度も充実されてくるようでありますので、議会の役割がしっかりと果たせることが肝要ではないかと思います。 次の質問に移ります。 次に、最高の意思決定機関と位置づけられている庁議のあり方と現状についてお尋ねをいたします。 庁議においては、各所管の壁を越えて横断的に自由濶達な論議はあるのか。また、おのおのの所管事務についてのみ発言や報告をし、他の所管の事柄については控えめにしておくというスタイルがとられているのか、庁議の状況についてお聞かせください。 市民の間から、どうも近年、市役所は横断、横の連携に欠けているのではないか、役所独特の縦割り主義の弊害が蔓延しているのではないかという声をしばしば耳にするからであります。この件につきましては、庁議の座長を務めておられる大平助役に御答弁を求めたいと思います。 ◎助役(大平和久君) お答えいたします。 庁議につきましては、市政の基本方針にかかわる事項について協議を行い、各局間の総合的な調整を行うことにより、市政の効率的な運営を図る場として、昨年度は毎月定例の開催も含め計十九回開催しております。その中では、各局における課題等について、全庁的な観点から活発な協議・検討が行われるとともに、全庁的に周知すべき事項についての報告や、今後の市政運営等に対する三役の考え等の伝達など、市長の意思決定を補佐する機関としての機能を果たしているところでございます。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) ただいま座長を務めておられる大平助役から御答弁をいただきました。 あえて大平助役に御答弁をいただいたのは、地方分権が進展して都市間の競争が激化してくると、これまでのようにぬるま湯的な体質では対応し得ないからであります。横の連携を図るには、縦割り主義的感覚から脱却することが大事であります。徹底した意識改革を図ることであります。上部の庁議のスタイルが変わっていけば、また風通しがよくなれば、役所の窓口にもその意思が伝わり、風通しがよくなってくるものと思います。ぜひ助役が述べられたように、開放的で活力ある市役所に改革するよう期待を申し上げておきます。 次に、市長のトップセールスについてお伺いをいたします。 市長は、去る五月二十日、神戸市の大丸神戸店で開催されました南国鹿児島の物産と観光展で、みずからトップセールスに立たれ、鹿児島の特産品の売り出しや観光PRをされたようであります。翌日は渋谷・鹿児島おはら祭に参加するなど、連日にわたって精力的に鹿児島の発信に御尽力されたことは評価をするものであります。大変御苦労さまでありました。市長就任以来トップセールスを展開されておられるわけでありますが、これまでの主なる実績とその成果、また今後の展望等についてお聞かせください。 以上、御答弁をお願いいたします。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 今日、都市間の競争が厳しい時代におきましては、それぞれの都市の個性や魅力をいかに効果的に国内外にPRするかが重要であると考えております。そのために、私みずからが先頭に立って積極的に行動することで、鹿児島市の熱意を示し、より強くアピールできるものと考え、トップセールスに取り組んでいるところでございます。 これまでの実績でございますが、神戸市での南国鹿児島の物産と観光展や渋谷・鹿児島おはら祭、千葉ロッテマリーンズ及びジュビロ磐田鹿児島デーなどにおいて、私自身先頭に立って、物産や観光、キャンプ地としての売り込み等に努めてまいりました。特にことしの神戸では、生産者の方々とも一緒になって、カンパチの試食提供やニガウリの配布などを行ったところでございます。その反応は、おかげさまでそれぞれの訪問先の方々に好評をいただき、あるいは歓迎いただきますとともに、現地や鹿児島のマスコミにも関心を持って報道いただいたところでございます。 また昨年、韓国を訪問した際にも、本市の観光都市としての魅力などについて、お会いした人ごとに強く訴えてきたところでございます。今後におきましても、物産と観光展等の催しや国内外の訪問など、さまざまな機会をとらえ、私自身が率先して物産や観光を初め鹿児島市の多彩な魅力のプロモーションに積極的に取り組み、物産の販路拡大や観光客の誘致など、本市の活性化につなげてまいりたいと考えております。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) トップセールスについて御答弁をいただきました。 阪神地区にはたくさんの鹿児島県人がおられますが、市長のその気さくさが大変受けていたようであります。権力は人を変えるといいますが、君臨するトップではなくて、率先垂範するトップこそ行政に活力をもたらすことになると思います。ぜひその姿勢を貫き通していかれるよう期待をいたしております。 次に、北朝鮮人権法の成立に伴う経済制裁と脱北者支援など、新たな展開を見せる拉致問題の動きについてお尋ねをしてまいります。 サッカーワールド杯でドイツ大会が開幕し、選手の妙技に酔いしれ熱狂している陰で、無念の思いを抱きながら我が子の、我が兄弟の無事の帰国を待ち望んでいる人たちがいます。拉致被害者の御家族のことであります。私たちは国民の一人として、この不条理な北朝鮮の国家犯罪から目をそらしてはいけません。毅然とした態度こそ大事であります。北朝鮮の拉致事件は、国際的にも広く知られることとなり、世界が日本政府の姿勢とその言動について注目をしているのであります。二〇〇三年九月十七日、小泉首相の電撃的北朝鮮訪問で、金正日国家国防委員長が小泉首相に対して日本人拉致を告白しました。言うまでもなく、拉致事件は重大な主権侵犯であり、許すことのできない人権じゅうりんであります。国の責任において最優先に取り組み、一刻も早く被害者を取り返さねばならない喫緊の課題であります。推定約三百名余の被害者がいるということであります。 去る十六日午前の参議院本会議で、賛成多数によって北朝鮮人権法が可決成立しました。遅きに失したとはいえ、万感の思いを込めてよくここまで到達したものだというのが率直な感想であります。今回成立した北朝鮮人権法は、拉致問題の解決を国の責務と定め、政府による調査と被害者の帰国実現に最大の努力をすることとなっております。また、北朝鮮を脱出した脱北者に対する支援も盛り込まれています。 さらに、毎年十二月十日から新しく北朝鮮人権侵害啓発週間が設置されるなど、拉致問題も新たな段階に入りました。自治体との関連も一層深まってきました。市川さんも増元さんもともに本市の市民でありました。拉致された場所も本県の吹上浜からであり、決して他人事などではありません。市長も先頭に立って旗を振る真摯な態度がなければいけません。拉致問題が新たな展開をする中で、改めて本市の市長として、その当事者意識をお伺いしたいと思います。森市長の拉致問題に関する見解を求めるものであります。 以上、御答弁をお願いいたします。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) お触れになりましたように、今月の十六日、拉致問題解決を国の責務として、政府による徹底調査と日本人拉致被害者の帰国実現に最大限努力することなどが明記された北朝鮮人権法が可決成立いたしました。こうした中、本市は今月の九日、三十五自治体で発足をしました拉致問題に関する自治体ネットワークに参加し、拉致問題に関する情報交換や拉致被害者が帰国されたときの受け入れ態勢の情報共有、拉致問題の啓発などに取り組んでいくことといたしております。 私は北朝鮮人権法の成立により、拉致問題解決に向けた国のさらなる取り組みや国際的連携が推進をされ、拉致問題が一刻も早く解決し、当時鹿児島市民であった市川修一さんや増元るみ子さんを初めとする拉致被害者の方々が、早急に帰国できることを心から念願をしているところでございまして、今回参加をいたしました自治体ネットワークにおける関係自治体との連携等も図る中で、本市としての必要な対応をしてまいりたいと考えております。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) 市長から拉致問題についての見解をいただきました。拉致問題の解決に向けて全国的な情報交換等のためのネットワークも結成されたようであります。また、本市も早速それに加入しているようでございますので、一定の評価をするところであります。佐渡では、一足早く帰国した曽我ひとみさんの夫、ジェンキンスさんが佐渡の観光施設・佐渡金山に就職されたという結構なニュースが伝わっております。鹿児島の市川さん、増元さんも一日も早く帰国を果たしてほしいものであります。本市としても最善の対応を図るということでありますので、国家の責務として国家の果たすべき役割を期待せざるを得ません。 次に、観光行政の中の鶴丸城の大手門の復元についてお尋ねをしてまいります。 鶴丸城の大手門の復元を望む声は、御案内のとおり、本会議においてもたびたび各議員から上がっております。また、市民の間にも根強いものがあります。かつて司馬遼太郎原作の「翔ぶが如く」がNHKの大河ドラマとして登場したとき、ロケのために一時的にではありますが、大手門が再現されたことがあります。記憶にとどめておられる方も多いと思いますが、画面を通じてみる鶴丸城は、天守閣こそそびえてはいないものの、重厚でまさに戦国武将のやかたそのもので、歴史への想像をかき立てる見事なものでありました。 お尋ねをいたします。 そこで、鶴丸城の大手門を仮に復元したとしたら新しい観光スポットとなり、鶴丸城周辺の景観の創造にも資するものと思いますが、当局はこの復元についてどのような認識に立っておられるのか。 また、復元については、一体何が障害なのか、何が課題なのか。クリアすべき問題等がありましたら、明らかにしていただきたいと思います。 以上、御答弁をお願いいたします。 ◎経済局長(川原勤君) お答えいたします。 鶴丸城本丸跡はその中に黎明館があるほか、周辺には近代文学館・メルヘン館等の文化施設、西郷銅像や私学校跡等の史跡があるなど、本市の代表的な観光ゾーンにある貴重な歴史観光資源でございます。仮に鶴丸城門が復元されるとすれば、このゾーンにおける散策がより一層楽しみになるのではないかと考えております。 次に、鶴丸城門の復元についてでございますが、鶴丸城跡は県指定文化財であり、その管理者である県に対しましても、城門の復元について要望が寄せられております。しかしながら、復元につきましては慎重な意見もあり、その調整を図ることや財源の確保、また正確な図面等が残されていないことが課題であると考えております。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) ただいま経済局長から、復元についての課題やクリアすべき問題等について御答弁がありました。財源の確保、これはそのとおりだと思います。また、正確な図面が残されていない、県の指定文化財であるという論につきましては、県の指定文化財という上に、全国的にも城の復元がされているところはいっぱいございます。また、正確な絵図が残されていないということでありますが、沖縄の守礼門等、絵図から解きほぐしていって復元したものであります。論拠が非常に薄弱であります。 今、東京では江戸城の天守閣を復元しようという壮大な夢が動き出しているそうであります。この計画には、東京五輪の誘致を目指す石原都知事も「日本の伝統的都市にはお城が一番だ。実現すれば東京の新しいランドマークになる。パリのベルサイユ宮殿やロンドンのビックベンに匹敵するものとなる」と賛同しておられるようでありますが、さすがであります。沖縄の守礼門も絵図を解析して復元したものだし、江戸の天守閣を復元するとなると、木造ならば約四百億円であるということであります。この発想力とその気概に比べれば、鶴丸城の大手門復元はそのスケールの点において天と地の差が感じられてなりません。本市の観光産業を将来のリーディング産業として真剣に位置づけておられるのであれば、固定観念などにとらわれずに発想の転換を図り、県を説き伏せて重い腰を上げさせるぐらいの気概を発揮してほしいものであります。強く要請をしておきます。 次に、順番が入れかわりましたが、教育行政の中の喜入の天然記念物メヒルギの危機的状況についてお尋ねをいたします。 喜入生見町のメヒルギ群落は、北限の自生地として国の特別天然記念物に指定されています。夏には白い花が咲き誇り、果実は親木についたままで発芽し、海中に落下して繁殖をしていくという大変珍しい植物で、貴重なものであります。ゆえに特別な天然記念物となっているのであるとのことであります。 本来、メヒルギ群落は、熱帯の入り江や河口の海水と淡水の入りまざり合う汽水域の泥地に生息すると言われております。しかし、喜入の場合は国道二百二十六号で他の植物群と分断されて、しかも河口はふさがれています。淡水の流れ込む余地もなく、走り回る車両等の排気ガスを浴びせられながら、孤立した砂丘で植物の生態系にとっては決して良好とは言いがたい環境の中で、よくぞ生命を維持していると、その境遇に胸の痛みを覚えずにはいられません。現場を見られた方ならば御理解できるはずであります。逆境にもめげず、生命を維持しているメヒルギ群落は、今を生きる私たちに、人間も逆境に負けるな、孤立を恐れるな、耐える力を持てとお手本を示しているようでもあります。 お尋ねします。 直面する課題について、喜入のメヒルギ群落はこのままの環境で果たして大丈夫なのでしょうか。復活はあるのでしょうか。心配する声が上がっております。また、天然記念物の最終責任官庁はどこになるのか、あわせて御答弁をお願いしたいと思います。 次に、近年、私たちの生活環境だけでなく、自然環境の保全は時代の大きなテーマとなってまいりました。メヒルギ群落を取り巻く周辺環境は、先ほど申し上げましたように、決して植物の生育にとって良好とは言いがたいものがあります。直ちに関係機関にも直訴をして、抜本的な環境保全の対策に取り組むべきだと思いますが、当局の御見解を求めるものであります。 以上、御答弁をお願いいたします。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 喜入のメヒルギの一部が枯れた原因でございますが、昨年七月末の豪雨の際に、指定地内にシラスが流入、堆積し、メヒルギが窒息したものでございます。この状況を八月下旬に発見し、応急措置を講じましたが、残念ながら南半分の約三割が枯れてしまったものでございます。現在、文化財審議委員等の専門家の指導を受けて、蘇生のための対策を進めており、徐々に新芽や幼木が育ってきている状況でございます。 次に、メヒルギの生息環境につきましては、昭和三十年代の国道工事により、淡水の流れ込みが少なくなったことや、波による浸食で自然環境が変化したことなど厳しい環境にありますが、その保護管理にはさらに努力してまいりたいと考えております。また、周辺の状況は、指定地内に国有地と民有地が混在し、群落地の境界確定がはっきりしないなどの問題もあることから、抜本的整備につきましては、今後研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) 教育長から特別天然記念物であるメヒルギの維持管理等についてお答えをいただきましたが、このことは本市の天然記念物に対する、また、史跡等に対する文化行政の問題意識とそのレベルが問われているわけでございます。何はともあれ環境整備を図り、メヒルギ群落が再生することを強く望むものであります。 次に、白銀坂の国史跡への指定についてお尋ねをしてまいります。 吉田の白銀坂が、今回文化審議会から国史跡指定の答申があったとのことであります。また先般、日本に最初にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの足跡を世界遺産にといううれしいマスコミの報道もありました。九州新幹線の全面開通を前に、話題が次々と出てくる。大変結構なことであります。 白銀坂は、吉田の牟礼岡から姶良町脇元までの約二・七キロの石畳の坂道のことで、高低差約三百メートル、大口筋最大の難所として藩政時代から知られたところであるということであります。坂の途中には休憩所があり、霧島連山を望むことができる緑豊かな眺望にすぐれた歴史街道であるとのことです。身近なところに藩政時代の石畳の道が今なおしっかりと残されており、大変珍しいと歴史家の評価も高い史跡であります。 そこでお尋ねをいたします。 白銀坂の国指定後の管理体制はどのようになっていくのか。また、姶良町との区分についてはどうなっているのかお示しをください。 以上、御答弁をお願いします。
    ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 平成十七年度までは文化財保護の担当部局である教育委員会が、草払い、台風後の清掃等を行っておりましたが、本年度からは所有者管理の原則から建設部局に管理をお願いしたところであり、指定後も同様となる予定であります。 次に、白銀坂は全長約二千八百メートルあり、うち二百三十メートルが鹿児島市内にあり、残りは姶良町に位置しております。平成十六年度には旧吉田町において国庫補助を受け、整備活用推進事業に取り組み、石畳の保存修復、ベンチや説明板等の建設工事を終えております。また姶良町においては、これまで駐車場やトイレを設置するなどの周辺整備も行っております。さらなる活用と周辺整備の進め方については、今後、関係機関等と協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) 白銀坂の状況について、教育長から御答弁をいただきました。 今、国の文化行政をつかさどる文化庁は、御承知のごとく、高松塚古墳の壁画剥落事故で大変であります。我が教育委員会の文化課は、その点は国と違ってしっかりしているので安心しているところでございます。この白銀坂も大事な人類の遺産であり、後世に残していくべき貴重なものでございます。保全について全力を挙げて取り組んでいかれるよう、そしてまた、やがて多くの歴史家や観光客が祇園之洲の石橋と回遊して訪れてくることを望まずにはいられません。 次に、教育基本法の改正についてお尋ねをいたします。 教育の憲法と称される教育基本法改正をめぐり、国会において論戦が繰り広げられるのかと期待をしていましたら、小泉首相の「会期延長なし」の一言で、重要法案と位置づけられていた教育基本法の改正論議も、秋の臨時国会に移されることになってしまいました。戦後六十年も経過すると、いかなる制度といえども、よほどの普遍性を有しない限り金属疲労を起こし、時代の進展に適応しなくなってしまうのが一般的なようであります。そもそも現行の教育基本法自体が、占領軍の軍政下で策定されたものであり、米国のレプリカであると思っております。やはり日本の文化を踏まえたオリジナリティーの日本の教育基本法であることが肝要かと思います。本来の姿ではないだろうかと思うものであります。 そこでお尋ねをいたしますが、教育現場の第一線で取り組んでこられた教育長は、その体験を通してどのような感想をお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思います。 さらに第二点、論点となっている「国を愛する心」についてもあわせて御見解をお聞かせください。 以上、御答弁をお願いいたします。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 昭和二十二年に現行の教育基本法が制定されてから半世紀以上を経て、教育を取り巻く状況は大きく変化し、さまざまな課題も生じてきております。このような中で、今回の改正案では、現在及び将来の我が国の教育をめぐる諸情勢の変化を見据え、現行法の普遍的な理念は大切にしながら、今日極めて重要と考えられる理念等が明示されているものと認識しておりますが、継続審議となり、またその動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。 次に、「国を愛する心」とは、郷土の伝統や文化を大事にし、ともに郷土をよりよくしていこうとすることから自然に生まれてくる心情で、ひいては日本人としての自覚や誇りを持つことにつながると考えております。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) ただいま教育長から、教育基本法の改定等についての感想をお聞かせいただきました。少し言い回しが複雑で、また何か含みのあるような答弁で、果たして市民が聞いていてよくわかるのかなという感を抱きました。 教育長は若いころ、一年間英国への留学を経験されていると聞いております。その当時、英国の教育の場においては、国を愛することについて、愛国心についてどのような教育がなされていたのか。もし把握しておられたら、また、英国の教育スタイルについて、愛国心についてどういうものであったか示していただければ大変ありがたいと思いますが、よろしくお願いいたします。 御答弁をお願いします。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 県の育英財団からイギリスに留学させてもらったのは、今から二十四年前になりますが、当時はサッチャー政権下で、フォークランド紛争が起きた年でございました。イギリスにおける愛国心教育について特別な問題意識を持っての留学ではありませんでしたので、英国生活で印象に残ったことを述べてみたいと思います。ちょうどその年は、サッカーのワールドカップスペイン大会が開催されており、イングランドの試合になると、町じゅうから車や人の姿が消えたことが強く印象に残っております。さすがサッカー発祥の地だなと感心するとともに、狩猟民族のアングロサクソン魂を感じたことでした。 また、イギリスの港に停泊している日本船のマストに日の丸が翻っているのを見て、強い郷愁の念に駆られ、遠く離れた日本に思いをはせたものです。留学生活を通して、自分の国の歴史や文化、伝統をまず理解しておくことが、これからの国際化社会ではいかに大切であるかということを痛感したことでございました。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) 教育長から英国留学時代の様子をお聞かせいただきました。私も外国に数年いたことがありまして、外に出てみて初めて自国の文化、歴史の知識が必要なことを痛感するところであります。私も全体主義的国家権力を官僚体制に奉仕する愛国心を涵養するのは否定するものでありますけれども、国を構成する国民の一人として、自分の国や郷土に愛着を持つ心の涵養は大事なことだと思っております。 次に、建設行政についてお尋ねします。 本市の公共事業の発注状況についてお尋ねをいたします。 一つ、二〇〇六年度第一・四半期及び上半期の見通し、及び過年度との比較はどのようになっているのか。 二つ、中小零細企業への対応はどのようになっているのか。分割発注や地元企業優先に配慮はされているのか。 三つ、県・市産材の積極的活用はいかがか。 四つ、事業に関する市民への情報公開等について明らかにしてください。 以上、御答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 建設局におきましては、毎年度公共事業等が地域経済の活性化に果たす役割を踏まえまして、可能な限り早期発注に努めているところでございます。公共事業の執行につきましては、昨今の経済状況を踏まえ、民間投資の誘発が見込まれる事業など、経済活性化効果の高い事業を優先的に執行するなど、きめ細やかな対応に努めております。今年度の五月末までの発注率を昨年度の同時期と比較いたしますと、約一・四ポイントの増となっており、昨年度を若干上回るペースで推移しているところでございます。 次に、公共工事の発注に当たりましては、地元中小企業に対する優先発注に努めるとともに、分離・分割発注により受注機会の拡大に配慮しているところでございます。今後におきましても、公共事業が地域経済の活性化に果たす役割を踏まえ、対応してまいりたいと考えております。 次に、市内・県内産の地場産品の活用につきましては、市営住宅や学校施設建設においては地場木材の使用、道路新設改良においては路盤材としてのシラスの使用などに努めているところでございます。地場産品の活用は地場産業振興等の観点から有意義なことですので、今後とも公共事業への積極的な活用を推進してまいりたいと考えております。 公共事業に関する市民への情報公開でございますが、身近な市政情報や税金の使われ方などについて、市民にわかりやすく情報提供することは、大変重要であると考えております。このようなことから、昨年度から市ホームページにおきまして、施工中の工事について工事名、工期、施工場所などを公表しているところでございます。今後とも、公共工事に関する市民への情報公開については、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) 建設局長から御答弁をいただきました。 公共工事の早期発注は、地域経済への支援策として懸案事項でありました。お聞きすると、おおむね計画どおり執行されておられるようでありますので、多といたします。 次に、雨季を迎えてその後の浸水、高潮、がけ崩れ対策についてお尋ねをしてまいりたいと思いますが、雨季に入り、台風襲来のシーズンがやってまいりまして、昨年の台風で浸水や高潮、がけ崩れ等、災害などに直面した地域は、特に不安を抱え敏感になっているようであります。浸水・高潮問題等につきましては、本会議でそれぞれの議員が詳しくただしてくださいましたので、私はがけ崩れ対策についてお尋ねしてまいります。 去る六月十七日、会派による危険地区の視察をした際、同僚の堀議員に伴われて喜入地区に足を踏み入れてみました。感想を一言で申し上げれば、わっぜかところがまだたくさんある。災害がいつ発生するかもしれないような危険地域が横たわっているのであります。一刻の猶予もならないというのが率直な感想でありました。 そこでお尋ねをします。 合併旧五町を合わせて緊急整備を要する箇所は、一体どれぐらい残されているのか。また、これまでの整備実績及び今後の計画について明らかにしてください。 以上、御答弁をお願いいたします。 ◎建設局長(山中敏隆君) 本市における急傾斜地の崩壊危険箇所についてでございますが、平成十七年度末調査時点における整備が必要な箇所は七百九十一カ所でございます。これまで二百五十九カ所を整備しておりますので、整備率は三二・七%となっております。急傾斜地崩壊対策事業は、規模によりまして、県施行事業あるいは県単補助事業となっておりますことから、今後とも、県と協議をしながら整備促進を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) 急傾斜地崩壊対策事業の整備率三二・七%ということであります。市民の財産、生命を守るためであります。今後も精力的に取り組んでいただくよう強く要請をいたしておきます。 次に、環境未来館についてお尋ねをいたします。 環境意識の高揚、環境保全活動の意欲の増進等を図るため、参加・体験型の環境学習、リサイクル活動など、さまざまな事業を進めていくための拠点施設として整備する鹿児島市仮称環境未来館については、本年度実施設計費が計上されていますが、周辺環境への配慮、交通対策等については、その後どのようになっているのか、具体的にお示しをください。 また、多目的な活用方法として、例えば芝生での周辺のお年寄りたちのグラウンドゴルフ等のプレーは可能なのか。また、生物の生息環境を身近に学習できるホタルの生息できる水路を設置してくださいという要望が高いのでありますが、このことに関しても御答弁ください。 さらに、開館に向けた整備スケジュールをお示しください。 以上、御答弁をお願いいたします。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 仮称環境未来館につきましては、建物を敷地の中心に配置し、低層の二階建てとし、屋上緑化や敷地全体を使い豊かな緑を創出するなど、周辺環境に配慮したところでございます。また、駐車場につきましては、イベント開催時に周辺の道路に交通渋滞を起こさないよう、出入り口を三方向に設けるとともに、臨時駐車場も設けております。なお、交通対策につきましては、関係部局や関係機関とも協議してまいりたいと考えております。 次に、フィールドは展示物を備えた環境学習の場、憩いの場として、また、いろんなイベントを開催し、市民の方々が活動・交流する場と考えておりますことから、グラウンドゴルフ等に使用することは考えていないところでございます。 次に、ホタルの生息できる水路の設置につきましては、市民意見交換会の意見の一つとしてございましたビオトープの設置の中で、開館後検討してまいりたいと考えております。 次に、開館に向けたスケジュールでございますが、現在、実施設計を行っているところであり、実施設計が完了した後、できるだけ早く工事発注を行い、平成二十年度の開館を目指しているところでございます。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) 環境未来館に関して御答弁をいただきました。 未来館の開館、平成二十年度とスケジュールが提示されました。市民の環境活動の拠点として、どのように活用されていくか楽しみであります。注視をしていきたいと思います。 次の質問に移ります。 本市出身の末吉竹二郎さんを環境アドバイザーとして委嘱されました。そこでお尋ねをしますが、末吉竹二郎さんを環境アドバイザーとして委嘱したその経緯、また、氏の就任に当たっての抱負はどのような内容のものであったかお示しをください。 次に、本市の施策に対してどのような助言をされていくのか。また、環境と共生を基調に、持続可能な社会を構築するため、行政として末吉竹二郎さんにどのようなことを期待されておられるのか。 以上、御答弁をお願いいたします。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 地球規模に広がる環境問題に対応し、国際的な観点から本市の環境施策等に対して専門的な助言をいただくために、国連環境計画・金融イニシアティブ・アジア太平洋地区特別顧問などを務められ、また国際観光施策の企画推進等につきまして、他都市の行政にも深くかかわっておられる末吉竹二郎氏を環境アドバイザーとして委嘱したところでございます。 委嘱式におきまして、「環境問題に対し真正面から取り組む市の姿勢は、世界的に見て意味のあること。環境と人間社会の共生を目指し、行政や市民に刺激を与えることができれば」などと抱負を述べられたところでございます。 次に、本市としましては、現在取り組んでいる仮称環境未来館の展示企画や環境パートナーシップ推進事業などに対して、また、本市の環境施策全般に国際的な観点からの専門的な助言をいただきたいと考えております。 さらに、本市の施策だけでなく、広く市民や事業者に対し講演会などを通じ、国際的な環境情報を発信していただくことにより、環境保全活動への自発的な取り組みがなされることを期待しているところでございます。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) 御答弁をいただきました。 末吉竹二郎さんの御活躍を楽しみにいたしております。 次に、鹿児島市みんなでまちを美しくする条例に関連してお尋ねをします。 この種の条例は、実効性が伴わなければ所期の目的は達せられないものと考えております。施行二年目を迎え、同条例の現段階の状況を検証することが大事なことかと思います。 そこでお尋ねをいたします。 条例の施行後、市民や商店街の皆様方がポイ捨てごみや飼い犬のふん放置等の状況について、どのような評価を受けているものなのか。 第二点、路上禁煙地区を指定されましたが、実態はどのような状況になっているものか。 第三点、条例では、市内全域においてごみポイ捨てや飼い犬のふん放置が禁止されており、これらの条例違反者に対して罰則規定を設けられておりますが、適用された実績があるのかお示しください。 第四点、六月十三日、美しいまちづくり運動推進協議会が開催され、平成十八年度の実施計画が策定されたということでありますが、同協議会の設置目的と役割は何か。また、実施計画には、市民一斉清掃「クリーンシティかごしま二〇〇六」、錦江湾サマーナイト大花火大会における清掃啓発活動、まち美化地域指導員制度の創設、まち美化教育の充実への取り組み等が盛り込まれていると聞いておりますが、それぞれの取り組みの具体的な内容をお聞かせください。 以上、御答弁をお願いします。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 初めに、条例施行後の市民の皆様や商店街等からの評価についてでございますが、市民や商店街の方々から、吸い殻、空き缶等のポイ捨てが少なくなり、通りがきれいになっているとの評価を受けていることから、一定の効果があらわれているものと考えております。また、ポイ捨てされた空き缶やたばこの吸い殻等の量について、天文館地区や谷山電停など市内五カ所においてこれまで八回調査しておりますが、平成十八年四月、調査をした結果で申し上げますと、条例施行前と比較して約六割減少しており、成果が上がってきているものと考えております。 次に、路上禁煙地区の実態につきましては、指定した通り会などから、条例の施行により歩行中の喫煙や空き缶等のポイ捨てが少なくなり、通りがきれいになってきたとの評価を受けておりますが、市民や観光客の皆様から、路上禁煙地区がわかりにくいとの御意見もあることから、今年度中に路面に表示板を設置するなど、禁煙地区が明確にわかるようにしてまいりたいと考えております。 次に、罰則規定につきましては、空き缶や吸い殻等の投棄などを常習的に行い、指導・命令に従わない悪質な違反者を過料の対象としているところであります。条例の施行後は、まち美化推進指導員の巡回パトロールを行っておりますが、これまでの実績としては、過料を徴収するまでに至った経緯はないところでございます。 次に、美しいまちづくり運動推進協議会は、鹿児島市みんなでまちを美しくする条例の施行を受け、条例の趣旨である市民総参加による美しいまちづくりを推進することを目的として、平成十七年七月一日に設置されたものでございます。推進協議会は鹿児島市・鹿児島市衛生組織連合会及びまち美化推進団体の代表者で構成されており、条例の趣旨である美しいまちづくりの達成に向けて、一体となって運動を推進することを役割としているものでございます。 次に、市民一斉清掃「クリーンシティかごしま二〇〇六」は、市内全域を対象とした市民参加による自主的な清掃活動であり、十八年度は八月六日の日曜日に実施することとしております。今後、鹿児島市衛生組織連合会やまち美化推進団体等の協力を得ながら、参加者五万人突破を目指して取り組んでまいりたいと考えております。 次に、かごしま錦江湾サマーナイト大花火大会における清掃啓発活動は、例年会場に残される大量のごみの対策が課題となっていることから、関係部局との連携を図りながら、大会終了後、まち美化推進団体を中心に、来場者の参加を得ながら会場の一斉清掃を行うものでございます。 次に、まち美化地域指導員は、町内会など地域の方々を指導員に任命し、行政と連携を図りながら飼い犬のふんの放置や缶のポイ捨て等に対し、啓発や注意指導を行っていただく制度であります。今後、パブリックコメントを実施し、本年度中に創設したいと考えております。 最後に、まち美化教育の充実につきましては、ポイ捨て等のない社会づくりには幼いころからまち美化に対する心をはぐくむことが重要であるとの観点から、まち美化推進団体と協働し、子供を対象とした各種行事等においてまち美化に対する啓発活動をしていただくなど、市民と行政とのパートナーシップによる環境教育への参画を図るものでございます。 以上でございます。   [幾村清徳議員 登壇] ◆(幾村清徳議員) 鹿児島市みんなでまちを美しくする条例は実効性を伴った条例のようであります。評価をするところであります。八月の市民一斉清掃「クリーンシティかごしま二〇〇六」には、市長さんもぜひ市民の先頭に立ってトップセールスをお願いしたいと思います。御検討をお願いしておきます。 以上をもちまして、私の質問のすべてを終了させていただきます。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、幾村清徳議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、大園盛仁議員。   [大園盛仁議員 登壇](拍手) ◆(大園盛仁議員) 引き続き個人質問を行ってまいります。質問通告の一部を割愛する部分や重複する部分がありますので、御了承ください。 第二三号議案 特別職の職員の給与に関する条例一部改正の件と第二六号議案 鹿児島市報酬及び費用弁償条例一部改正の件について、法の適正な運用、議会と行政のあるべき関係等のチェック機能を果たす立場から質疑を交わしてまいります。 まず、議会は市長の専属機関ではなく、市議会議員は市長と同じく選挙を経てきた立場であり、行政と議会の関係において今回のように一方的な諮問のあり方、議案提出までの経過について、いかがなものかという疑問を感じております。 そこでお伺いいたします。 前回、平成九年に改定されていますが、前回の改定時の経過並びに特別職報酬等審議会における給与、報酬額決定の答申内容をお示しください。 また、今回との主なる相違点についてお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) お答えいたします。 前回の平成九年の改定時におきましては、一般職職員の給与が増額改定されていること、中核市移行に伴い特別職の職責が増大したこと、中核市における水準が比較的下位にあったことなどから、一律約六%の増額改定が適当であるという答申がなされております。 次に、今回との相違点についてでございますが、前回の答申は、ただいま申し上げましたように約六%の増額という内容であり、今回は三%の減額となっているところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 平成九年度を初め、これまでの諮問はすべて増額でした。今回は減額答申であり、減額となると、おのずと受けとめ方が変わってきます。 そこで市長にお伺いします。 特別職の方は、市長が選任され、ほとんど第二の就職等の方々でありますが、私たち市議会議員は市長と同様に選挙を戦い、おのずと特別職の方々とは置かれた立場が違っています。また、市議会議員の受ける報酬は、選挙活動、政治活動及び議会活動を初め生活費に充当されているのが現実であります。引き下げの諮問は痛みを伴うため、まず第一に首長が率先して引き下げられる諮問の姿勢があるべきと思います。議員の報酬は条例により市長の諮問事項になっておりますが、今回のような減額の場合、議会と行政の関係において議会や議員に周知、相談もなく行ってよいと考えておられますか。また、首長として諮問や議案提案のあり方は当然と考えておられるのか。市長の見解をお示しください。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 大園盛仁議員にお答えいたします。 今回の諮問や議案提案のあり方についての見解をおただしでございますが、三役の給料や議員の報酬等の額の改定に当たりましては、鹿児島市特別職報酬等審議会条例によりまして、第三者機関である特別職報酬等審議会に諮問することとなっております。私といたしましては、社会経済情勢の変化を踏まえまして、審議会条例に基づいて諮問を行い、いただいた答申の内容が適正であると判断をいたしまして、関連する議案を提出したところでございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 市長より答弁をいただきましたが、私の質問に的確にお答えにならなかったようであります。市長は、条例に基づき諮問され、答申内容が適正と判断し、議案を提出されたと申されましたが、この経過において配慮があってしかるべきだったことだけは指摘しておきます。 鹿児島市特別職報酬等審議会が高い見識を持たれ、条例に基づき公正公平に論議を重ねられたのか検証する意味で、引き続き質疑を行います。どの審議会でも委員の選出や諮問のあり方、提出された参考資料等により、その答申内容も変わってまいります。 そこでお伺いいたします。 特別職報酬等審議会委員は、どのような方々をどのような方法で選出されたのか。また今回、委員会に諮問された根拠と諮問内容、さらには答申内容を簡潔にお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 審議会の委員でございますが、鹿児島市特別職報酬等審議会条例第三条におきまして、商工関係団体を代表する者二人、農業関係団体を代表する者一人、労働者団体を代表する者二人、婦人団体を代表する者一人、社会福祉関係団体を代表する者一人、学識経験者三人を市長が任命することとされており、これに基づき、各界各層の代表者等の人選を行ったところでございます。 次に、諮問の根拠と内容及び答申内容についてでございますが、審議会条例第二条におきまして、先ほど市長も申し上げましたように、「市長は、特別職報酬等の額に関する条例を議会に提出しようとするときは、あらかじめ、当該特別職報酬等の額について審議会の意見を聞くものとする」とされておりまして、この規定に基づき諮問したものでございます。 その内容は、「三役の給料、議員の報酬及び政務調査費の額を改定することの適否」並びに「改定することが適当であると認められる場合の適正額及び実施時期」でございます。また、答申の内容につきましては、「三役の給料及び議員の報酬については平成十八年七月一日から一律三%減額改定し、政務調査費については据え置くことが適当である」となっているところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 議員の報酬と費用弁償の額については、議会としても三月議会における議会運営委員会で引き下げについて論議すべきことが提起され、議論するようになっておりました。ところが、四月中旬、市長によって鹿児島市特別職報酬等審議会に報酬等について諮問されることが明らかになりました。審議会に諮問された以上、これに影響を与えるいかなる議論も議会サイドで行うべきでなく、議会は審議会の答申を尊重する観点から報酬についての議論を中断した経過があります。選出された委員の皆様には御苦労をかけたことと推察いたしております。しかしながら、金額の面で市民感情や他都市との比較だけに配意され、議員活動や議員の身分に関することは、全く配慮されていないように思われます。当局も審議会も、日常の市議会の議員活動に対し、どれほど御理解をいただき認識されておられるものでしょうか。 市議会議員は非常勤になっており、勤務に対する反対給付としての報酬になっていますが、果たして現実はどうでしょうか。平成九年度の答申でも示されておりますが、市民相談や市民・町内会の行政要望に対する対応を初め、議案や陳情に関する行政全般の勉強、質問の準備、多くのボランティア活動、合併による活動範囲の拡大や地方分権に伴う諸課題等、挙げたら切りがありません。常勤職以上に多忙な毎日の方々がほとんどではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。 かつて名誉職であったと思われる市議会議員も、現在では議員を専業としておられる方が多いようです。当局や審議会は、議員の専業化について、また、議員活動をどのように認識され理解されておられるかお示しください。 また、本市の人口は六十万余ですが、人口五十万以上の中核市は何市ありますか。そのうち市長、三役と同じく議員報酬が減額になった都市は何市あるか。政令市についても同じようにお示しください。また、同じく政令市を含め議員報酬を減額された都市があったら、その内容について簡潔にお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 地方分権の進展や合併による業務量の増加や行政範囲の拡大に伴い、議会の開会中・閉会中を問わず、議員活動は多岐に及ぶようになり、議員の職を専業にする方が多くなってきているものと認識をいたしております。なお、本市におきましても、このような状況にあることは審議会の中でも説明を行ったところでございます。 次に、人口五十万人以上の中核市は、本市を除いて八市ございます。そのうち最近五年間で議員報酬が減額になった都市は、新潟市、浜松市及び熊本市の三市でございます。また、政令指定都市におきましては、大阪市と名古屋市において減額改定を行っているとともに、この七月から千葉市が減額改定を実施するようでございます。 議員報酬の減額の内容につきましては、新潟市がマイナス四・七%、浜松市がマイナス二・五%、熊本市がマイナス二・九%、大阪市がマイナス二・九%、名古屋市がマイナス二%、千葉市がマイナス四・九%となっております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 議員活動について、当局も審議会の方々も御理解をいただいていることがわかりました。報酬減額審議を行った都市は、人口五十万以上の中核市八市と政令市十五市の二十三市中わずか六市であります。私の調査では、新潟、熊本、大阪、名古屋市等四市は鹿児島県と同じ再建団体直前の都市であります。 そもそも議員の待遇がよければ、もっと立候補者がふえるはずであります。選挙を経た上にあらゆる相談や中傷、非難にも耐えねばならなく、市民の方々から割の合わない仕事だという意見もよく聞きます。首長の判断だけで簡単に諮問され、議案を上程されますと議員待遇は悪化し、それこそ経済力のある方々しか立候補できなくなります。ひいては、議会制民主主義も成り立たなくなるおそれもあります。市長や特別職はともかくとして、職員の給与が四・八%下げられたから議員もとなりますが、減額されるにしても配慮が必要であります。地方分権の進む中では、これから夢を持って市議会議員を目指される方々のためにも、議員待遇は独自の方針を打ち出すことの方が大切であるように思えてなりません。 そこでお伺いいたします。 本市では一律三%の減になっておりますが、審査会でその根拠となった理由をお示しください。 また、市議会議員と市長三役について四年間における報酬の総額と退職金の基準及び金額について、それぞれお示しください。また、同じく後援会活動や選挙活動等多額の出費を必要とする選挙の有無についても、確認の意味でお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 審議会におきましては、一般職職員の平成九年度から十七年度までの累積給与改定率がマイナス一・三八%となっているとともに、本年四月に平均で約五%引き下げる給与改定が行われたことから、マイナス一・三八%からマイナス五%の範囲内における改定が妥当であるとされたところでございます。 その上で市長の水準につきましては、人口や税収額など各種指標を考慮すると中核市中十位前後が目安となることや、また一方では、地方分権の進展や合併に伴い特別職の職責が増大していることを勘案し、三%の減額改定が適当であると判断されたところでございます。また、過去のさまざまな経過によって確立された給与体系は崩すべきではないとの判断から、特別職の報酬等につきましては、これまでと同様、同率の改定とすることが適当であるとされたところでございます。 次に、四年間における改定後の給与総額を議員、市長、助役、収入役の順に申し上げますと、約四千三百七十九万円、約七千三百六十七万円、約五千九百四十四万円、約五千三百三十七万円となります。 次に、退職手当の基準及び金額につきましては、市長が退職時の給料月額に百分の五十と四十八月を掛けた額で約二千七百七十万円、助役及び収入役が退職時の給与月額に百分の三十五と四十八月を掛けた額でそれぞれ約一千五百六十四万円、約一千四百四万円となります。なお、選挙の有無につきましては、市議会議員と市長のみが公選による職でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 これまでの一律改定の原則を崩すべきでないとの見解ですが、今回は減額改定であります。他都市と比べ、当局や審議会にその配慮が全く感じられません。また、市長や三役には多額の退職金があることがわかりました。給与と退職金を合わせると、何と市長は四年間で収入は一億百三十七万円、助役は七千五百八万円となります。選挙を経てきた市議会議員には、退職金は全くありません。このことを市民の皆様も知っていただきたいのであります。加えて、昨今の年金制度も影を落としてきていることを御存じでしょうか。 そこでお伺いいたします。 地方議会議員の年金制度については、現在市町村合併が進み、現在年金を受給していらっしゃる方々の数と私たち現役議員の負担している議員数とのアンバランスを初め、一昔前と比較すると、取り巻く環境が著しく変化してきております。また、国全体の年金制度の論議とあわせて、地方議会議員の年金制度も減額を含めた議論がなされているようです。私たち地方議会に身を寄せる議員としても、退職金等の保障がないだけに、老後の生活に対して無関心なわけではありません。今回の報酬の減額改定の議論の一つとして、審議会では議員年金の現状をどのように認識され論議されたのかお示しください。 答弁を願います。 ◎総務局長(草留義一君) 審議会におきましては、議員年金に関する議論は特になされなかったところでございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 地方議員年金に関することは、全く論じられていないことがわかりました。退職金や年金等議員の身分に関することは一切議論されていないようです。これで果たして、中立的立場からの公正公平な論議がなされての答申と言えるでしょうか。 次に、二六号議案のうち費用弁償の減額に関する部分は、報酬審議会の答申及び附帯意見をもとに作成され、提案されたと考えてよいのかお示しください。 答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 今回、審議会からの答申書の中に、費用弁償の額に関する附帯意見が示されたところでございますが、費用弁償のあり方や実費を弁償するという性格に照らして、この附帯意見の内容は適正であるという市としての判断に基づき、条例改正案を提出したものでございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 諮問にない附帯意見をもとに提案されたことを確認しました。 それでは、議員の費用弁償まで言及された経過と附帯意見について簡潔にお示しください。 また、改正された三千円は三十六中核市中何番目ですか。 政令市の平均額はどのようになっていますか。 また、附帯意見の中で、地方都市では費用弁償を廃止する動きもあると述べておられますが、廃止された都市があったら、その都市名と実施時期を明らかにしてください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) まず、附帯意見に関する経過でございますが、五月八日の第一回の審議会におきまして、議員の報酬を審議するに当たっては報酬額だけ単独で議論するのではなく、これに関連する政務調査費や費用弁償もあわせて一体的に議論をし、結論を導くべきではないかという意見があり、費用弁償についても協議項目に加えて議論することとなり、最終的には附帯意見を付すこととなったものでございます。 次に、附帯意見の内容でございますが、費用弁償は本会議等に出席するために要する交通費等の経費を弁償するために支給されており、現行の日額八千円はこの費用弁償本来の趣旨から説明できない面があるとともに、中核市において最高水準となっているため、早急に社会通念上妥当と思われる額まで引き下げる必要があるとされております。具体的には、旅費日当の水準まで引き下げることにより、費用弁償の妥当性が確保できるのではないかとの考え方から、日額三千円とすべきであるとされているところでございます。 次に、中核市における順位でございますが、改定後の額は二十五位となるようでございます。 次に、政令指定都市の平均額につきましては、七千八百三十三円となっております。 次に、中核市におきましては、十市が議員の費用弁償を支給していないところでございますが、そのうち最近五年間で費用弁償を廃止したのは四市ございまして、高槻市が十六年四月、長崎市が十七年一月、豊田市が十七年四月、奈良市が本年四月となっております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 先ほど述べましたが、費用弁償の引き下げについては、本市議会もみずから検討を行うようになっていたところであります。合併し、通勤で往復二時間、交通費二千円近くかかる議員もおります。議会の意見は聞かれず、議員へのアンケートすらなされておりません。費用弁償は地方自治法で認められ、一括支給も判例で示されております。私からは、審議会の附帯意見の根拠が明確であるとは言いがたく、今後廃止も含め状況に応じた検討をと踏み込んでおられ、一方的な立場に立った判断であるように思われます。 私の調査では、費用弁償を廃止された豊田市は報酬を二万九千円上げられ、長崎市は政務調査を十万円から十五万円に上げておられ、議員活動に配慮された内容になっております。審議会で高い見識を持って総合的に中立的立場から議論されたと言えるでしょうか。報酬については、総合的な観点から中核市の十位前後が一つの目安になると述べておられますが、費用弁償三千円は二十五位であります。報酬の答申根拠と費用弁償に関する附帯意見の根拠が異なるのであります。報酬の際の審査では中核市等の水準に重きを置かれ、他都市を参考にされておられますが、費用弁償については審査事項でないにかかわらず、市民感情にだけ配意され、議員感情や他都市の水準は全く無視されておられます。これは審議会の暴挙としか私には思われません。 鹿児島市特別職報酬等審議会条例では、審査事項として議会の議員の報酬、市長、助役及び収入役の給料並びに議会における会派に対する政務調査費の額について審議するために設置する旨規定されています。今回、規定にない費用弁償についてまで議論され、その附帯意見をもとに議案として提案されたと確認しましたが、これは審議会制度のあり方として正しいあり方と考えておられるのか、お示しください。 答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 審議会におきましては、諮問事項である報酬や政務調査費の適正額を審議するに当たり、費用弁償も密接に関連していることから、これらを総体的に議論すべきであると判断されたこと。また、費用弁償については諮問事項ではないことから、答申ではなく附帯意見という形でその考え方を付記されたものであることなどから、私どもといたしましては特に問題はないと考えております。なお、過去の審議会におきましても、諮問事項ではない費用弁償や期末手当について議論がなされた経過があり、中でも期末手当につきましては、今回と同じように附帯意見が出され、市としてそれに基づき改定した経過もございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 過去、期末手当に附帯意見をされたかもしれませんが、一つの例外を認めれば、際限なく例外が拡大していくことだけは申しておきます。先ほど述べましたように、費用弁償については議会運営委員会でみずからの引き下げについて論議することになり、事務当局に改定についての過去の経緯などの関係資料を求めておりました。しかしながら、審議会がこれに関する附帯意見をつけて答申したことにより、議会の努力は無に帰した結果になりました。市民の方々には、どのような方法であっても結果が同じならよいのではないかとの考えがあるかもしれません。しかし、議会も行政もすべて法によって行動を律せられております。よほどの緊急事態を除いて法を越えることは許されないとする基本があります。なぜなら、いかなる越権行為もたとえそれが善意であったとしても、それを認めることによって新たな越権行為を誘発する危険をはらむからであります。 今回の附帯意見は、この問題が市民にとって関心が強いゆえに、報道を通じてひとり歩きする危険があったし、事実そうなりました。加えて本件は、市民感情から見て、議会サイドから反論しにくい現状があります。いかなる反論も議員の自己の利益を追求するためのものと受けとめられかねないからであります。ゆえに、なおさら今回のような越権行為はあってはならないことであります。附帯意見どおりの議案が出されたことは、すなわち法を越えた行為が現実を支配したことになると思いますが、このあり方は正しいか。いま一度当局の認識を問うものです。お示しください。 また冒頭、諮問のあり方、参考資料等によりその答申内容も変わってくると述べましたが、第一回の審議会資料に諮問外である議員の費用弁償が掲載されており、審議会に費用弁償まで審議されるよう誘導され、提案に至ったと推測できますが、実際そのような意図は当局になかったのか。その掲載理由とあわせてお示しください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 審議会の自主的な判断により、諮問事項に関係の深い事項について附帯意見を答申に付すことにつきましては、報酬審議会に限らず、他の審議会等においても事例がございます。また、この附帯意見につきましては、私どもとしましてはこれに拘束されるものではございませんが、費用弁償のあり方や実費を弁償するという性格に照らして適正であると判断し、今回、条例改正案を提出したものでございます。 次に、一回目の審議会への出席に当たり、多くの委員から、特別職の報酬等の額を審議するためには、諮問事項以外の期末手当、費用弁償など年間に支給されるすべてのものを把握しなければ、十分な議論をして結論を導くことができないのではないかという御指摘がございました。このため、委員のこのような意向に沿って費用弁償に係る資料もあわせて作成し、審議会に提出したところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 他の審議会でもこのような事例があったと申されましたが、それが怖いのです。先ほど、善意であっても例外を認めれば新たな越権行為を誘発すると述べたとおりになっているではありませんか。報酬や費用弁償については、議会として減額の方向に取り組んできておりました。本二件の議案には、行政をチェックする立場から、議会と行政のあるべき関係や法の適正な運用面から疑義を抱かざるを得ません。 そこで市長にお伺いいたします。 市長、議会は市長の専属機関ではありません。市議会議員は、市長と同じく選挙を経て議員になっております。議会と行政の関係が示すように、議員はみずから諮問された市長と市長が任命される三役とは立場がおのずと違うのであります。今回の審議会では、市民感情を前面に押し立てられ、支給される報酬や費用弁償の額だけが取りざたされ、議員の立場には配慮されず公正公平さに欠けており、総合的に必要な関係資料を十分備えて審議なされたとは到底思えません。議会軽視も甚だしいように私は思います。行政と議会の関係を踏まえ、市長には今回の条例改正をどのようにとらえておられるのか、総括した見解をお示しください。 答弁を願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 今回の特別職報酬等審議会は、社会経済情勢の変化等を踏まえ、九年ぶりに開催をしたところでございます。審議会におきましては、市民各層から選任された委員がさまざまな資料をもとに各面から十分に議論をされ、その審議結果を答申書として取りまとめていただいたところでございます。 答申につきましては、本審議会始まって以来の減額改定という内容でございましたが、私といたしましては、前回の改定以降職員の給与が約六%引き下げられていること、また、三位一体改革の影響等により本市財政も厳しい状況になってきていること、さらに中核市における本市の水準が上位になっていることなどを総合的に検討して、答申書と同じ内容で改定することが妥当であると判断いたしたところでございます。このようなことから、先ほども申し上げましたように、今回関連する議案を本市議会に提出したところでございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 市長より答弁をいただきました。 審議会の答申を妥当と判断されたと伺いましたが、最後まで議会や議員に対し配慮の姿勢がなかったことは残念であります。御存じのように、鹿児島市議会のみならず、大都市における市議会議員は現在の地方自治法では非常勤職員と規定されておりますが、実質的には専業化が進み、ほぼ常勤に近い業務を行っております。また、議員には選挙活動、政治活動及び議会活動など多様な仕事があり、それらは同時に多額の出費を伴うものであります。名目上、報酬とはいえ、実質的には生活給になっているのが現状でありますが、退職金の支給はありません。議員の年金の掛け金にしても、私たちは毎月八万六百円支払っております。所得税や市県民税を合わせると大変な支出になります。これらのことをぜひとも市民の方々に御理解していただきたく、るる質問をさせていただきました。また、この二議案については総務消防委員会に付託されておりますので、委員会で議論をいたしてまいりたいと思います。 新しい質問に入ります。 民間バス会社のバス路線運行の廃止については、昨日、同僚議員から質問がありましたが、けさの新聞のひろば欄にも、県や市町村は現実を見据えて赤字補てんの検討をすべきだろうとありました。 そこでお伺いいたします。 公共交通機関の役割と利用者である地域ニーズを反映すべき国・県・市の行政役割はどのようになっているか。 また、九州県都において、採算の伴わない過疎地の交通不便地域対策はどのように対処されておられるかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 バスなどの公共交通機関は、市民生活に欠かせない交通手段として公共的な役割を果たしていると思いますが、一方で事業者としては経営面での採算性、効率性が求められているという側面もあるようでございます。 次に、行政機関としては、公共交通の整備充実を図る観点から、国・県・市、それぞれの立場から関係機関やバス事業者などの関係団体等との連携を図りながら、総合的なまちづくりなどの視点で住民のニーズに応じた交通施策を進めていく役割を担っているものと考えております。 次に、九州県都の状況でございますが、福岡市、長崎市及び大分市におきましては、公共交通の不便地解消のため、当該地域におけるバスやタクシーの運行事業を実施いたしております。また、宮崎市におきましては、路線廃止の代替手段としてのバス運行事業を実施いたしております。その他の三市におきましては、熊本市は検討段階ではございますが、現時点では公共交通不便地解消のための事業は実施していないところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 本市でも創意工夫され、他都市より早く交通不便地域の対策が講じられるよう、また、バス廃止路線の関係では住民の立場に立った対処がなされるよう御努力方、要請いたします。 次に、交通局にお伺いいたします。 平成十五年二月から新・経営改善計画を策定され経営改善に取り組まれ、この三月見直しをされました。その推進状況はどのようになっていますか。計画見込みと比較し、どうであるかお示しください。 また、ICカードの利用状況はどのように分析されておられますかお示しください。 また、新しい敬老パス券の利用状況は、従来と比較しどのようになっていますかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎交通局長(永田哲夫君) お答えいたします。 新・経営改善計画の進捗状況についてでございますが、同計画につきましては、これまで増収対策、経費節減、資産活用など基本方針に基づく各種施策に取り組んできたところでございます。その結果、損益収支、資金残ともに現在までのところ当初計画の目標をほぼ達成できており、おおむね順調に推移していると考えております。 しかしながら、敬老特別乗車証の見直し時期の変更、旧桜島町自動車運送事業の統合など予定外のものもあり、収益、費用双方での大きな変動要素に対応するため、三月に見直しを行ったところでございます。局といたしましては、敬老パス利用の減少傾向、軽油価格の高騰など収支の悪化につながる要素がございますので、今後とも大変厳しい経営状況にあると考えております。 次に、市電・市バスにおけるICカード乗車券の利用状況でございますが、十七年度末までのICカードの販売枚数は約六万八千枚でございます。料金収入に占めるICカード乗車券の割合は五三%となっており、広く利用されているものと考えております。 次に、敬老パスの市電・市バスの利用状況でございますが、導入後の一月当たりの平均利用件数は約三十二万八千件でございました。これは三月の交付枚数で見ますと、一人当たり月約六回の利用となるものでございます。従来の市の負担金の根拠となっております交通局分の月約八回の利用回数と比較いたしますと、減少しているようでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 敬老パス券が若干落ち込んでいるものの、ICカードも広く利用され、新・経営改善計画の推進についてもおおむね順調に推進しておられるとのことでした。収支悪化の要素が大ですので、今後とも危機感を持っての取り組みを要望いたします。 次に、先日民間バス会社から重油等の燃料高騰に伴う値上げの要望が交通局にあったと新聞にありました。一般会計からの繰り入れに対する批判も掲載されていました。 そこでお伺いいたします。 昨今の軽油値上げに伴う影響はどれだけですか。その対応としてはどのようにしておられますか。 また、五年間における交通局における一般会計からの繰入額は、どのようになっているかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎交通局長(永田哲夫君) お答えいたします。 軽油価格につきましては、昨年からことしにかけて原油価格の高騰によって相当の影響を受けております。十八年度につきましては依然として値上がりの傾向にありますが、現在の契約単価で今後の使用見込みを試算いたしますと、年間約八百六十万円の支出増が見込まれるようでございます。その対応につきましては、今後ともさらに効率的な運行を行うとともに、全体的な経費の節減に努めてまいりたいと考えております。 次に、過去五年間の一般会計からの繰入額は、敬老パス等の負担金を除きまして百万円単位で申し上げますと、平成十三年度は六億五千六百万円、十四年度は三億一千八百万円、十五年度は四億七百万円、十六年度は四億二千三百万円、十七年度は三億八千一百万円となっております。なお、この繰り入れにつきましては、電車・バス購入等に係る国と地方自治体の協調補助など、鹿児島市公営企業に対する補助金等交付要綱の基準にのっとって繰り入れをいただいているところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 多額の一般会計からの繰り入れがあり、民間バス会社と比較し、交通局は恩恵を受けております。新聞によりますと、料金値上げの要望に対し、交通局長は、新・経営改善計画に基づき事業を進めておられると答えておられます。これまでも効率的な運行と経費節減に努めてこられてきたわけですから、このままでは収支はもっと悪化するのは明らかであります。 そもそも公営企業である交通局は、特に公共交通機関の使命である公共の福祉の増進を一義的に考えるべきであります。一般会計から多額の繰入金があり、民間バスよりその恩恵を受けております。交通弱者である高齢者が多く、交通不便地域である市街化調整区域内には市営バスが走っていないのです。お年寄りを初め地域住民から「何で市営バスはこっちを走らないのか」とよく聞かれます。市民にとって公正公平なバス運行路線となっていると言えるでしょうか。交通局の見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎交通局長(永田哲夫君) お答えいたします。 交通局のバス路線につきましては、地域住民の足の確保という公共の福祉の増進を図らなければならない一方で、経済性を発揮した運営も必要とされているところでございます。市内のバス路線については、公営及び民営によって市域をそれぞれ分担しているところであり、今後とも、住民ニーズや採算性などを考慮しながら運行していかなければならないものと考えております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 市営バスは、公営企業法により民間バスより優遇されております。交通不便地域の解消に市営バスは小型のコミュニティーバス等を運行され、率先して対応されるべきであります。赤字でも市民の理解が得られるのではと考えます。御検討されるよう、要望いたします。 新しい質問に入ります。 既存集落活性化住宅建設事業についてお伺いいたします。 これについては、議会や当局のおかげで事業が導入され、完成されたそれぞれの地域で喜ばれ成果を上げていることは、十分に承知をいたしております。認識を確認する意味を含め、順次お伺いいたします。 一点目、この事業の目的、役割についてお伺いいたします。 二点目、これまでの入居応募者の競争率について、平均倍率、最高倍率、最低倍率とあわせて、その住宅名をお示しください。 三点目、完成した戸数と小学校への入学者数を校区別にお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 既存集落活性化住宅建設事業につきましては、人口の減少や地域の活力が低下している市街化調整区域内の指定既存集落の活力を回復するため、指定既存集落の小学校の周辺地域に、豊かな自然環境等の地域資源を生かし、田園風景と調和した低層の市営住宅を建設し、定住促進を図るものでございます。 入居応募者の競争倍率につきましては、平均倍率が八・一倍、最高倍率が小山田塚田住宅の募集で十九倍、最低倍率が東桜島持木住宅の一・二倍でございます。 完成戸数、小学校への入学者数の順に順次お答えいたします。 本年四月現在で平川地区十戸、六名、錫山地区十戸、十一名、皆与志地区十戸、八名、小山田地区二十五戸、十四名、東桜島地区十戸、十二名でございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 当初の事業目的に沿って事業が行われ、当該地域で大いなる成果をおさめていることがわかりました。これまでの当局の御努力に感謝を申し上げます。また、今後とも地域活性化、ひいては本市発展のためにさらなる御努力を要望いたします。 次に、この住宅建設で入居者の自治会未加入の問題、農家で薬を散布する際の苦情等多少の問題も生じておりますが、犬迫地区の住宅建設がおくれた理由に土地購入の問題がありました。これまで建設された同じ地域内や隣町と比較しての整合性を含め、同様の問題をお聞きしております。 そこでお伺いいたします。 住宅地の購入に当たっては、多少の差はあっても鹿児島市全域や市街化調整区域全体の整合性を考慮され、購入価格は決定されるべきと思います。これまで購入されたすべての住宅地において、その整合性があるかお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 土地購入価格につきましては、専門の知識を有する土地評価員が現地調査を行い、土地の位置、形状、付近の公示価格、売買事例等を参考に評価を行い、評価額を決定いたしております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 この土地購入価格については、当局の評価額の決定方法に疑問を持たざるを得ません。校区間や地域間で整合性があるべきであります。その整合性について検証され、今後の事業に生かされるよう要望いたします。 次に、この住宅建設については、当初公営住宅法により一戸建てはだめで長屋のように二軒以上でなければならないと伺っておりましたが、現在では一戸住宅を建設されています。 そこでお伺いいたします。 一戸建て建築が可能になった理由と時期をお示しください。 また、住宅建設の方針の一つに、良好な自然環境を有する地区に立地することから、これらの周辺環境との調和に配慮した計画とするとうたってあることから、三階建てはできないとのことでした。 そこでお伺いいたします。 なぜ三階建ては周辺環境と調和しないのか。これからの行政需要は多くなるばっかりであります。維持管理費を考えた場合、三階建ての集合住宅の方がよいのではと考えます。また、市街化調整区域でも十メートル以内なら三階建てもできることや市営住宅の存在をアピールできます。三階建ても模索すべきと考えますが、当局の見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 平成十年度に公営住宅法が改正され、一戸建て住宅の整備が補助対象に加えられたことにより、平成十四年度に既存集落活性化住宅建設事業の今後の取り組み方針を策定し、農山村地域や田園地域といった良好な周辺環境と調和したものになるよう、優良田園住宅制度で定めた基準にできるだけ準じることとし、一戸建て住宅を基本としたものでございます。 既存集落活性化住宅につきましては、市街化調整区域内の豊かな自然環境等の地域資源を生かし、田園風景と調和した木造の低層住宅を建設することといたしており、周辺環境を考慮いたしまして平屋建てもしくは二階建ての住宅を建設することといたしております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 自然環境や田園風景との調和だけでは、調整区域の発展はありません。時代も変わっております。三階建てがあってもいいのではないでしょうか。三階建てで菜園や車庫を広く取られるのも一つの方法です。今後検討されるよう要望いたします。 次に、犬迫地区の住宅建設の予定地は昨年の二月に購入されておりますが、いまだに造成工事が行われておりません。同じ時期に購入された皆与志地区では既に造成工事は終わっております。犬迫地区のおくれている理由をお示しください。 答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) おただしの犬迫地区につきましては、建設用地の隣接地が水田であることから、周辺耕作者の御意見を参考にし、渇水期に造成工事を行うよう計画を見直したものでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 建設に向け御努力されておられることは感謝申し上げますが、実際に造成工事がおくれており過ぎるのでございます。引き続き早期に建設がなされるよう御努力を要望いたします。 新しい質問に入ります。 伊敷地区の梅ケ淵地域から犬迫地区のパールランド病院周辺まで福祉施設用地や住宅団地の建設を目的とする区画整理事業が小野区画整理事業組合から平成十一年に申請され、十六年十二月に認可されております。昭和四十七年以来さまざまな問題を抱え、変遷を経てきた小野区画整理事業組合ですが、やっとスタートラインに立つことができました。この事業が完成すれば犬迫地区から伊敷支所まで一直線であり、犬迫だけでなく、伊敷、小野の周辺住民からも便利さと地域活性化の面から喜ばれるのは確かであります。長年期待されてきた事業ですが、一向に着手されず事業が進みません。年次計画で進めてきた市道三枝線の整備事業も、区画整理事業に入った十五年度から中断になっております。区画整理も市道の整備も地域にとっては大変な大事な必要な事業であります。 そこでお伺いいたします。 一点目、小野区画整理事業組合による区画整理事業は、現在どのようになっているかお示しください。 二点目、年次計画で進めてきた市道三枝線の整備事業が平成十五年度から中断しておりますが、この整備事業を後から認可され、いつ着工されるかわからない区画整理事業の組合に託される理由をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 小野土地区画整理事業につきましては、平成十六年十二月一日の開発審査会において当該事業の開発行為について了承され、同年十二月二十日に組合設立の認可を受け、現在、工事着工に向け鋭意努力されていると伺っております。 平成十一年度に小野土地区画整理組合から、おただしの未整備区間につきましては、土地区画整理事業区域に取り入れた協議書が提出され、同事業計画との整合性や用地取得等総合的に判断して同事業区域に取り入れることで協議が調ったところでございます。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 県道二百六号線の整備については、鹿児島市第四次総合計画でもその推進がうたわれ、現在年次計画で着々と整備が進み、区画整理地域直前まで来ております。犬迫町の発展を最も阻害しているのが、小野町からこの区画整理区域までの旧態依然とした県道であります。 そこでお伺いいたします。 犬迫方面から県道整備が進むと、市道と並行して走るおそれもあります。県との協議はどのようになっていますか、見解をお示しください。 また、いずれにしても本市のまちづくりであり、本市が県や区画整理組合を積極的にリードする姿勢が必要に思えてなりません。本市と県、区画整理組合との連携の必要性と今後の取り組みについてお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 県道徳重横井鹿児島線につきましては、現在県において犬迫工区、仮屋工区の整備に取り組まれているところでございます。なお、当該区画整理事業区域界と接する区間についての具体的な整備計画は、現在示されていないところでございます。 本市といたしましては、小野土地区画整理事業で施行する道路が県道徳重横井鹿児島線と接続することから、県道の道路整備改良計画が示される段階において、組合に対して県の道路改良に支障を来さぬよう指導してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [大園盛仁議員 登壇] ◆(大園盛仁議員) 答弁をいただきました。 県道の整備については、以前本市に地域から要望があったにもかかわらず整備がなかなか決まらず、地域から直接県に要望が出され、平成十一年度から年次計画が決まって現在に至った経過があります。県道整備は、鹿児島市第四次総合計画でもうたわれております。本市に発展をもたらす道路環境整備ですので、本市が主体となってもっと積極的に県に働きかけるよう強く要望いたしまして、私の個人質問のすべてを終わります。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、大園盛仁議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) ここで、しばらく休憩いたします。              午 前十一時五十一分 休 憩            ─────────────────              午 後 零時五十八分 開 議 ○議長(赤崎正剛君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を続行いたします。 次は、小川みさ子議員。   [小川みさ子議員 登壇](拍手) ◆(小川みさ子議員) 二〇〇六年六月定例議会におきまして、無所属の立場で個人質問をしてまいります。通告後の調査で理解に至りましたことは割愛し、また、順番が入れかわっての質問事項がありますので、御理解を賜りたいと思います。 それでは質問をいたします。 食品の安心安全は、消費者である市民のたっての願いです。この半年間で四十五万部のベストセラーになった「食品の裏側」の著者で知られる、添加物の元トップセールスマン安部 司さんの実験まじりの講演を昨年から二度にわたって聞き、簡単・便利・安い食品の裏側をつぶさに知ることができました。安部 司さんは、自分が開発したインスタント食品、廃棄寸前のどろどろのくず肉に三十種類の白い粉、添加物を加えてつくった売れ筋の簡単で安いミートボールを、長女の三歳の誕生パーティーで、自分の子供たちが大好物だと言っておいしそうに食べているのを見て、家族も消費者だったとショックを受け、翌日、辞表を出したという方です。その彼が、講演しながら、添加物だけを薬さじでかきまぜて簡単につくって見せるイクラ、コーヒーフレッシュ、無果汁ジュース、インスタントラーメンのだしなどを見て、これは食べ物ではないと、講演会場は衝撃に包まれました。 食品関連業界のモラルハザードだけでは片づけられない、また、子供たちの食育と大騒ぎする以前の問題で、命をはぐくむはずである食の乱れはとどまるところを知りません。具体的には、雪印、BSE、日本ハム、中国ホウレンソウ、赤ちゃんのベビーフードに至るまで、そしてダイオキシンや遺伝子組み換え問題など、枚挙にいとまがないほど、食品の裏側も食卓の向こう側も過去のどの時代にも増して深刻になっています。ここまできてやっと重い腰を上げた国の食品衛生法の改正が市民にどう影響するのか、実効性のほどを問う意味も含め、ポストハーベストと言われる残留農薬のチェック、さらに食品検査についての質問を重ねてまいります。 まず、お尋ねしますが、食品衛生法に基づく食品・添加物の規格基準が改正になりましたが、改正に至った社会背景とその経緯、また特徴的な改善点は何なのか、どのようにして安全性が守られていくのか、その全体像。 そして、二〇〇四年制定の食品安全基本法との関係。 また、今までは何種類の農薬の基準値があったのか、改正したことで何がどうかわるのか、あわせてお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) お答えいたします。 食品・添加物などの規格基準の改正に至った経緯でございますが、BSEや偽装表示問題などを契機に、食品の安全性に対する国民の不安や不信を踏まえ、健康の保護を目的として食品安全基本法が制定され、さらに安全性の確保のための施策の充実を図るため、食品衛生法が改正されたところでございます。その中で、残留農薬等に係る基準の改正がなされ、これまでネガティブリスト制度として定められていた基準が、今回ポジティブリスト制度として改正され、これらの基準が守られることにより、安全な食品の確保が図られるものと考えております。 農薬等の基準値数につきましては、これまでの二百八十三農薬等が、改正後は七百九十九農薬等となり、その他のものは一律基準として定められております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 農薬等の基準値が二百八十三から七百九十九種類にふえ、基準が厳しくなったことは大歓迎いたします。しかしながら、消費者という市民の立場には、そのことによる暮らしの中でのメリットがリアリティーをもって伝わってきません。 そこでまず、農薬、飼料添加物及び動物用医薬品の検体の調達方法について具体的にお尋ねします。 一、抜き打ちという形で市場において検体を調達するのか。 二、検査対象は何種類で具体的にはどのようなものになるのか。 三、検査はどれくらいの頻度で実施されるのか。 四、米の残留農薬も検査対象になるのか。 五、輸入農産物、国内産、県内産など区分して一斉検査はできないものか。 六、検査項目にアレルギー物質はあるのか。あれば何種類検査するのか。 七、農薬問題でよく取りざたされるダイオキシンや環境ホルモンの検査も可能なのか。 八、学校給食用のパンは、現在、すべて輸入小麦粉か。また、県内の学校給食でも検査の対象になるのか。 九、改正食品衛生法では、モニタリングはどのように指示しているのか。消費者を代表する市民の素朴なお尋ねです。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 検体の採取につきましては、検体のロットなどの情報の確認が必要であることから、市場に対して連絡をすることといたしております。 今年度は、大根、白菜などの農産物を検査することとし、年四回の検査を予定しております。残留基準はすべての食品が検査対象となりますので、米もその対象でございます。 産地の区分につきましては、検体を採取する際に産地等を確認いたしますので、それぞれ区分して検査することとなります。 次に、アレルギー食品につきましては、小麦、そば、落花生、乳、卵が食品衛生法により表示が義務づけられておりますが、残留基準の検査項目には含まれていないところでございます。 また、ダイオキシンや環境ホルモンとしての検査につきましても、検査対象となっていないところでございます。 次に、学校給食のパン用小麦につきましては、教育委員会にお聞きしましたところ、輸入小麦とのことであり、検査対象となるものでございます。 なお、輸入食品につきましては、輸入の際に、国の検疫所において検査されております。 重点的な検査対象として、食品の種別や利用目的などについての指示は現在のところございません。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 米も学校給食用小麦粉も検査対象とのこと。国の検疫所での検査体制に問題があるのか。子供たちの学校給食用の小麦粉は、輸入小麦粉の中でも最も質が悪く、殺虫剤が検出された例があります。水際で検出できなかったから発生している問題も多々ありますので、疑わしきは使用せずの精神で、学校給食用小麦粉など積極的に検査していただきたいと要望しておきます。 改正食品衛生法は、ポジティブリスト方式になったとの御答弁が先ほどありました。では、そのポジティブリストとは何か。従来のネガティブリストの問題点がどのように改善されたのか。また、そのリストに沿った具体的な検査体制はどのようになっているのか。 さらに、食品衛生監視員との連携、県との具体的な連携はどのようにされているのか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) ポジティブリスト制度は、すべての農薬について農作物の項目ごとに基準を設け、規制の対象とする方式でございます。一方、これまでのネガティブリスト制度は、残留基準値が設定された項目についてのみ規制の対象とする方式でございます。 検査体制につきましては、保健所の食品衛生監視員が関係営業施設や販売等の監視指導を行うとともに、検査のための採取を行い、検査は保健環境試験所で行うこととしております。 また、県との連携につきましては、生産から流通まで食の安全の確保についてかねてから情報交換等を行っているところであり、検査についてもその中で対応していくことにしております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 すべての農薬が規制対象になるとのこと。一律基準〇・〇一ppmの厳しい基準であると伺っておりますが、適切な判断がなされることを期待せずにはおれません。 さらに、リスク分析を行う際のリスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションという三つの機能を果たすための国、行政、食品関連企業、消費者である市民、それぞれのかかわり方、望ましいあり方、その責務と対策はどのようになっているのか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) おただしのありましたそれぞれの責務と対策でございますが、国及び自治体は、食品衛生に関する知識の普及や情報収集及び提供、施策の総合的な実施などを行うこととし、関連事業者は、みずからが安全性の確保について第一義的責任を有していることを認識し、必要な措置を供給工程の各段階において適切に講ずる責務を有するものとされ、また、消費者は、安全性の確保に関する知識と理解を深め、これに関する施策について意見を表明するものとされております。 本市といたしましては、食品衛生監視指導計画の策定・公表や食品衛生懇談会を開催する中で、広く市民や各分野の方々から御意見をいただくとともに、情報提供を行っているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 食品衛生監視指導計画の策定や公表、また食品衛生懇談会などで出された各分野の意見なども公開して、選択する消費者である市民に対しても、みずからの食の安全にもっと関心を寄せるよう働きかけていただくことを要望しておきます。 次に、第八号議案、保健環境試験所に設置する液体クロマトグラフ・質量分析計について。 一、今までの設備での検査内容とその結果の公表。また、どのような効果があったのか。 二、さらに、液クロが追加され、新たに測定できる内容とそのねらい、プラス要素は何か。 三、四千万円もの機器ですが、運転コストと稼働率はどうなっているのか。 四、私ごとですが、ガスクロと液クロを使用する生化学研究室で十年間働いておりましたので、サンプルをホモジネイトして均質化し、検査する成分以外を除去するための抽出、ろ過、濃縮など、種類ごとの一連の前処理がどんなに大変なのかは理解できます。液クロ導入にあわせて専門職の補充は考えているのか。残留農薬など一回の検査にかかる所要時間は幾らか。 五、検査結果のデータ解析、パフォーマンス、市民への情報公開と結果を受けて、例えば違反が検出された場合の対応、対策はどのようになされるのか。 以上、答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(邦村昇蔵君) 平成十年度からガスクロマトグラフ・質量分析計を用いて、農産物の残留農薬検査を行ってまいりました。その結果につきましては、市のホームページやかごしま市の保健と福祉で公表しているところでございます。なお、これまでの残留農薬基準に違反した農作物はございませんでした。 今回、購入する機器は、これまで測定できなかった残留農薬等が検査できることになり、検査の充実が図られるものであります。 次に、運転コストといたしましては、医薬材料費や保守点検費などがございますが、今年度は二十万円ほどを要するものと考えております。また、新たな検査機器での検査につきましては、今年度は年度途中の購入であることから二回を予定しております。なお、一回に要する時間につきましては、約三週間かかるものと考えており、保健環境試験所食品検査係の職員三人で対応することとしております。 なお、検査結果につきましては、そのデータを解析し、基準に適合しているかどうかを判断することになります。結果につきましては、市のホームページ等で公表してまいります。また、検査の結果、違反があった場合は、関係部局と連携をとりながら、販売禁止等の措置を行うとともに、再発の防止に努めてまいります。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 すべての農薬を対象に、厳しい基準値で販売禁止事例が続出するようなことがないことを願っております。 そもそも政府は、一九九五年の改正と呼ばれる食品衛生法の改悪で、アメリカの圧力に屈し、農薬、飼料添加物及び動物用医薬品の使用基準を大幅に緩め、食の安全を規制緩和し、野放しにしてきた歴史があります。命をはぐくむ食までが敗戦後、アメリカに追従してきているわけです。その上、我々日本人の主食である米でさえ政府は責任を持たず、減反を強い、安全性に問題がある輸入農産物に頼り、食糧自給率の向上への努力を怠ってきています。 食品衛生法改悪から十年経過した今、失政の後始末のように改正された食品衛生法ではありますが、残留基準を超えて含有する食品は、製造、輸入のみならず、加工、使用、調理、保存も販売もしてはならないという流通禁止のおとがめで、食品関連事業者の管理責任が厳しく問われることになる今回の改正食品衛生法は、大変歓迎するべきものですが、よく考えると、そこまでしなくては安心安全が損なわれ、消費者の信頼を得ることができない悲しい現実の裏返しでもあります。 消費者運動の成果で表示制度の方も少しずつ進み、JAS法も改正されてきましたが、有機農業、減農薬、省農薬、環境保全型農業という言葉だけが一人歩きして、支援策など国の政策が追いついていない現実もあります。 例えば、鹿児島を例に考えますと、台風や夏の暑さでの害虫の発生など厳しい自然条件の中では到底無理だと言われる有機無農薬野菜づくりに、変人扱いされながらも試行錯誤を繰り返し、大地に根ざし、真摯に取り組みを続けてきた生産者たちがおります。有機農家を二十五年にわたり応援してきた私たち消費者としては、JAS法もより厳格な国際規格が適用されるようになり、さらにこれを契機に一昨年には、有機農業推進議員連盟が超党派の国会議員の参加で結成され、事務局長であるツルネンマルテイ参院議員を中心に、有機農業推進法の成立への動きが進められているという動きを、全国の消費者や生産者の皆さんとともに期待しているところです。 等身大の動きとしては、生産者と消費者の顔の見える地産地消運動、小学校でのアイガモ稲作の体験や大豆百粒運動など、体験を伴った子供たちへの食育の必要性が叫ばれる時代、時の要請としての新たな制度ポジティブリスト方式の実効性のある運用を強く要望し、次の機会には、その成果について質問をさせていただくことにします。 新たな質問に入ります。 市営住宅行政の退去手続について、私の質問に他都市を調査研究されると答弁された平成十一年六月議会から七年を経過して、どのような調査研究をされたのか。市民から寄せられた声をもとに同じ質問をいたしたいと思います。 一、建てかえ、改修工事が明らかになっている部屋の補充は、どれくらい前から打ち切られ、募集停止となるのか。 二、建てかえや改修工事前で補充しない場合、ふすまや畳を新しくする必要はないわけですが、その際には、退去者のふすま、畳の張りかえ代、また部屋の修繕費用は退去者に請求するのか。 三、退去時の立ち会い検査を担当委託されている住宅公社ですが、住宅課とはどのような打ち合わせをするのか。連携はとれているのか。 四、市営住宅返還届けの検査復命はだれが記入するのか。 以上、答弁を求めます。 ◎建設局長(山中敏隆君) 市営住宅について順次お答えいたします。 市営住宅の建てかえに伴う募集停止につきましては、団地の状況により異なりますが、現在取り組んでおります辻ケ丘住宅におきましては、法の制約により建てかえ後に現在の戸数を確保できないことから、入居者を減じるため、当該工事に着手するおおむね五年前から募集停止をかけているところでございます。全面的改善及び個別改善につきましては、改善工事により入居者へ負担を強いることから、おおむね一年前から募集停止をいたしております。 建てかえや全面的改善工事の対象となる住宅については、当該工事の中で全面的に改修を行うことから、修繕費用は生じないところでございます。個別改善工事につきましては、ふすまや畳は当該工事で行うことから修繕費用は不要となりますが、改修工事に含まれない箇所につきましては、一部修繕費用が生じることになります。 立ち会い検査につきましては、市の住宅公社に委託をしており、退去者の立ち会いのもと、住宅課の示している修繕内容基準に基づき修繕箇所の確認を行っております。建てかえ等のため修繕不要となる住宅や修繕の入居者負担の区分の変更が生じた場合等には、文書により住宅公社へ通知いたしております。 検査復命書につきましては、住宅公社の職員が記入いたしております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ答弁いただきました。 以上の質問に至った市民相談は、鴨池新町の市営住宅退去者の御遺族から寄せられました。市住に住んでいたお母様が亡くなり、五月二日に退去のための立ち会い検査に臨まれたその市民は、最低二十万円かかるので現金を準備してくるようにと言われ、そこで二時間余り検査をした各業者に合わせて十八万二千六百八十八円の修繕費を払いました。そのうち六万九千六百円は敷金で間に合い、残り十一万三千八十八円を現金で、畳屋さん、ふすま屋さん、塗装屋さんの三社が分けられ、そこで市民は領収書をもらっています。 以下、そのときの会話です。 市民は何げなく、「エレベーターがつくようになる前に亡くなるなんて残念、母も楽しみにしていたのに」と言うと、住宅公社職員は「改修があるのですか」、そこで市民は「そうですよ。説明会にも母のかわりに私が参りました」、改修を知らなかった住宅公社職員が「改修工事があるのなら、畳、ふすまの張りかえは不要になるかも」と、目前で連絡をとってくれたものの確認がとれず、「住宅課から回ってきた書類で請求しますがいいですか」と尋ねられ、さらにこの職員は気になったのか、「ずっと前にもこんなことがあって返ってきたことを聞いたので、返してもらえるかも」と告げたので、市民は「じゃあ、調べてくださいますか」と聞くと、「いえ、あくまでも住宅課から回ってきた書類で検査するのが仕事ですから、住宅課が気づいたら、修繕代のお金は返ってくるかもしれませんね」との返事。 それから三週間余り、住宅課からは特に何の連絡もなく、別な市民がたまたま住宅課にお尋ねをしてみたら、それからは超特急で入れかわり立ちかわりのおわびの電話があって、五月二日から一カ月近く経過した五月二十九日には、残りの敷金二万一千五百五十二円と十一万三千八十八円、合わせて十三万四千六百四十円が還付金払いで返されました。 そこで質問ですが、一、立ち会い検査のときに、修繕箇所に関する明細書や見積書はどのような形で渡すのか。 二、また、空き室の修繕はいつまでにするとか、締め切り期限があるのか。修繕完了の場合、検査及び手続はどうなっているのか。 三、返還検査件数のうち、修繕費用を必要とした中で、敷金の範囲内で修繕が済んだ件数と割合は幾らか。 四、空工事にならないために、住宅課が今後講じなくてはならない改善点は何か。 以上、答弁を求めます。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 立ち会い検査時に退去者にお渡しします明細書につきましては、塗装、ふすま、畳及びその他の四項目について修繕費用が記載されました修繕料明細書を作成しているところでございます。 空き室の修繕につきましては、締め切り期限は設けておりませんが、これまでおおむね二、三カ月の間に完了いたしております。また、修繕完了の検査及び手続につきましては、市が委託しております住宅公社で対応いたしております。 平成十七年度におきます修繕費用を必要とした返還件数のうち、敷金の範囲内で修繕費が済んだ件数につきましては、二十六件で全体に占める割合は約八%となっております。 退去に伴う修繕につきましては、これまで業務を委託している住宅公社と修繕負担区分、建てかえや改善工事等のスケジュール等について相互に連絡調整を行い、取り組んできたところでございます。今後とも、疑義が生じないように取り組むとともに連絡体制を明確にし、業務の遂行に当たりましては、遺漏の生じないように対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 今回の問題は、連絡体制の悪さ、それと不誠実な対応により発生したことです。反省されるとともに改善を強く要望しておきます。 次に、リユース、リサイクルの観点からの質問ですが、浴槽やガスがまが設置されていない住宅の戸数と割合。 また、照明器具、ガスこんろ、網戸、カーテン、カーテンレール、瞬間湯沸かし器などは原則撤去とされていますが、引き続き利用可能な場合、残置を認めているのか。 残置を認めることは、すなわちリサイクル、リユース、ごみ減量化の趣旨に沿い、本市が進める三Rの理念にも合致するように考えますが、御見解はいかがか。 以上、答弁を求めます。 ◎建設局長(山中敏隆君) 市営住宅におきましては、平成十八年四月一日現在、本市で浴槽を設置していない住宅は四千四百一戸、全体戸数に対する割合は約三九%で、ガスがまを設置していない住宅は五千二百三十一戸、全体戸数に対する割合は約四七%でございます。 退去時におきまして、原形に復旧するという観点から、退去者が設置したものにつきましては、原則撤去といたしております。しかしながら、故障するおそれの少ない網戸やカーテンレール及び撤去に費用を要する浴槽などで、立ち会い検査時に十分使用できると判断したものについては、残置を認めているケースもございます。 退去者が処分するものについて、他の入居者に譲渡している例も見受けられますので、リサイクルやごみ減量化の観点からも退去者に対しまして、有効な活用をお願いしたいと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 浴槽など設置されていない住宅がまだまだ多いようです。御答弁にありましたように、浴槽や網戸やカーテンレールを取り外して、引っ越し先で再利用する退去者はほとんどいないと思われます。今後は有効活用のため、柔軟というよりも積極的な対応をくださるよう要望しておきます。 次に、最近よくペットトラブルについての市民の声が届きます。確かにアニマルセラピー効果も広がる今の時代ではありますが、禁止になっている市営住宅でのペットについての入居者間のトラブルを把握されているか。また、市としてどのような解決をしたのか。さらに入居時の説明と今後の対応はどうされていくのか。 以上、答弁を求めます。 ◎建設局長(山中敏隆君) 市営住宅におきましては、犬や猫などのペットを飼っている入居者に対しまして、鳴き声やにおいがすることや犬・猫の排せつ物が建物の周囲に散乱していることなどの苦情を申し出ても、飼い主が応じないなどの入居者間のトラブルが生じております。ペットを飼っている入居者に対しましては、職員が戸別に訪問し、明け渡しの対象になることを含め、飼わないように厳しく指導いたしております。 入居時の説明につきましては、契約時に犬、猫などのペットは絶対に飼わないように説明し、飼育しない旨の誓約書を提出していただいております。ペットの飼育による他の入居者への迷惑行為の防止につきましては、福祉会や管理人研修会等において周知をさらに図るとともに、今後ともペット飼育者に対しては、厳正に対処してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 市営住宅で飼っているペットの里親探しへの参加もあると伺いましたが、感情的なトラブルがエスカレートしないように徹底指導を要請いたしておきます。 次に、家賃減免について、減免の対象になり得る市民の条件。また現在申請は何%ほどが行っていて、入居者への案内はどのようにして周知を図っているのか。 以上、答弁を求めます。 ◎建設局長(山中敏隆君) 市営住宅の家賃減免の条件についてでございますが、収入月額が二万五千円を超え五万円以下の場合は、家賃の四分の一を、また二万五千円以下の場合は、家賃の二分の一を減免いたしております。 平成十七年度における減免申請件数につきましては百五十九件あり、入居世帯に対する割合は一・五%となっております。 入居者への減免制度の周知についてでございますが、契約時におきまして、入居者に配付している入居者のしおりにより周知しているほか、毎年、市営住宅の入居者に配付しております、お知らせやお願いを掲載いたしました市住だよりにより周知しているところでございます。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁をいただきました。 憲法で保障される生活水準維持のため、申請漏れがないよう徹底周知を要望いたしておきます。 市営住宅行政最後の質問に入ります。 私はかねてより、環境問題は全庁に生かされるのは当然であり、さらに委託業者にも徹底指導することで、民間事業所、市民全般に環境配慮の精神が広がっていくということを言及してまいりました。 そこでお尋ねいたします。 一、市営住宅建てかえ、改修などの工事の際、環境保全、環境配慮について本市はどのようなことに気を配っているのか。 二、委託の工事業者への環境配慮の事前説明を行っているのか。 三、工事契約時の書類には、環境配慮の項目はあるのか。 四、環境基本計画、率先行動が現場に生かされているのか。 以上、答弁を求めます。 ◎建設局長(山中敏隆君) 建築工事中の周辺への環境配慮等につきましては、工事に伴う騒音や振動をできるだけ低減させ、作業時間を厳守させるとともに、工事により排出される廃棄物等の処理を適正に行うことなど、周辺環境に十分に意を用いるよう受託業者に指導を行っているところでございます。 建築工事の受託業者への環境配慮の事前説明につきましては、騒音規制法、振動規制法、リサイクル法などの関係法令の遵守やこれまでの工事による環境面で生じた事例を紹介するなど、万全な体制で臨むべく説明・指導を行っているところでございます。 工事契約時の書類の環境配慮の項目につきましては、設計図書に各関係法令を遵守することのほか、低騒音・低振動の工法を選定するなど周辺住民への環境影響を抑制すること、水質保全に関すること、建設廃材の適正処理に関することなどについても記載しているところでございます。 建物の計画に当たりましては、環境基本計画における率先行動や事業を行う際の環境配慮指針等を勘案し、計画しているところであり、また、工事の際におきましても、これらに基づいた施工を行っているところでございます。今後の建設工事におきましても、環境に配慮した計画の上で施工を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 市営住宅建てかえ工事の際、コンクリートの残りを側溝に流し込んでいるという市民の声で走っていって、現場監督に環境配慮のお願いをしたことがあります。市営住宅の工事に限らずですが、本市の公共事業が環境配慮をきちんとした工事のお手本になるように徹底していただくことを強く要望しておきます。 次に、小学校のプールの夏休みの管理についてお尋ねします。 準備体操の指導さえしない監視員と教頭、校長先生の無責任体制に端を発し、ことしの夏休みにはプールには行かさないという複数の保護者から不安の声が届いていますので、夏休みに間に合うように質問をさせていただきます。 夏季学校水泳プール開放の管理体制は何人で、どうなっているのか。 また、その人選はどうしているのか。 プールで事故などが発生した場合の責任体制はどのようになっているのか。具体的にお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 夏休みのプール開放では、それぞれの学校で教育委員会が委嘱した監視員一人とボランティアのPTA会員四人から五人でプール監視を行っております。 監視員の人選につきましては、水泳が得意であることや責任感を有していることなどの要件を満たした者を各学校長が推薦し、これを受けて教育委員会が委嘱しております。 プール開放に当たっては、夏休み前に各学校の職員及び監視員に対して、その資質向上を図るため、業務説明会及び救命講習会を実施しております。さらに、プール開放を実施する学校に対して、教育委員会は、学校長を初め職員及び監視員が十分な連携をとり、万全の体制を整えて、子供たちの安全を確保するよう指導しております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 型どおりの模範的な御答弁をいただきました。 夏休みに悲惨な事故が起きないように、万が一事故があっても素早い対応がとれるよう、校長会や教頭会での指導も強化していただくよう要望しておきます。 最後の質問に入ります。 五月に指宿市で環境自治体会議が開催されました。私は、本市の環境保全課の職員が話題提供されたEMS、環境マネジメントシステムの自治体での生かし方の分科会に参加しました。そこで他都市の環境派議員から、自分のまちでは発光ダイオードの信号機が設置されているけど、鹿児島市は発光ダイオードの普及はどうなっているのと聞かれました。赤色の発光ダイオードに三十年ほどおくれて発明された青色発光ダイオードは、発明した会社員個人の功績に対する会社の評価が余りにも低く、対会社側との争議になり訴訟問題に発展したことで、御記憶の方は多いと思います。ノーベル賞級の青色発光ダイオードが発明され、赤、緑、青の三原色がそろってフルカラーが実現できたという発光ダイオード、LEDについて、本市における使用状況はどのようになっているのか。 また、発光ダイオードと蛍光灯についてですが、その費用対効果、消費電力、ランニングコスト、メンテナンス、寿命などの比較をお示しください。 また、発光ダイオードは、地球温暖化の抑制という利点が挙げられますが、認識されておられるのかお考えをお示しください。 以上、答弁を求めます。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 本市の発光ダイオードの使用状況についてでございますが、主なものを申し上げますと、庁舎等の消火栓表示灯や火災警報機表示灯として、トンネルまたは地下道の非常警報表示板として、市バスや市電の行き先表示器として使用されているほか、自転車等駐車場の満車・空車表示や市道の道路びょうなどにも使用されております。 発光ダイオードは、半導体に電圧を加えることによりエネルギーが光となって放射されるものであり、蛍光灯は蛍光ガラス管の内側に蛍光体が塗布されており、紫外線が当たることにより発光し、表示器や照明器具に用いられているものでございます。 発光ダイオードは、蛍光灯に比べると消費電力が二分の一、寿命が十倍以上などの利点もありますが、価格の面や交換が必要となった場合には、基板の交換も含むメンテナンスが必要であることなどが課題と言われております。 地球温暖化の抑制という点につきましては、発光ダイオードは、消費電力が少ないことから省エネルギーにつながり、一般照明への実用化、普及が進むことにより、地球温暖化防止に貢献するものと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 今の御答弁にもありましたように、発光ダイオードは、蛍光灯に比べ消費電力は二分の一、寿命は十倍と言われています。電球の発熱量が少ないので樹木に優しく、電球の色が劣化しにくい上に割れにくいということで、次世代の地球に優しい照明とも言われています。 そこで、環境配慮のお手本となるべき環境未来館での使用の見通し、また本市のイルミネーション事業で、例えばみなと大通り公園のイルミネーションに使用する電球は、現在は使い捨てなのか。消費電力の節電の意味でも、発光ダイオードの導入の考えはないか。 以上、答弁を求めます。 ◎環境局長(上田稔君) お答えいたします。 仮称環境未来館は、屋上緑化等や太陽光発電等の自然エネルギーを積極的に利用し、可能な限り省エネルギー化を図ることとしております。このようなことから、発光ダイオードの使用につきましても、実施設計の中で検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 みなと大通り公園のイルミネーションにつきましては、白熱球を使用して、使い捨てとしてではなく、毎年度借り上げ業務として行っております。 イルミネーションの電球につきましては、これまでLEDよりも温かな光をともす白熱球を使用し、市民の方々に冬の風物詩として親しまれております。LEDには、白熱球にない長所もございますので、今後、トータル的な費用面も考慮に入れて研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [小川みさ子議員 登壇] ◆(小川みさ子議員) 答弁をいただきました。 本市では、谷山支所に民間団体の寄附により、風力と太陽光発電によるLED電子表示・防犯灯も設置してあります。それほど大きな予算ではないので、環境配慮のシンボルとして旧五町を初め各支所や公共施設に設置されてはいかがでしょうか。 私は、もともと六十枚の太陽光パネルを設置して家の電気を賄っておりますが、昨年の十二月から、マイクなどの電源に使用していた百ワット分の太陽光パネル二枚と個人住宅向けの低風速でも発電できる小型風車を設置し、バッテリーに充電し、発光ダイオードのイルミネーションをともし実験してみています。次の機会には、私自身もさらに調査研究して質問をさせていただきたいと思っておりますが、御答弁にありましたように、ぜひイルミネーションの電球そのものの購入価格と耐用年数、寿命と電気代など、トータルな費用面の試算をされ、地球に優しく経済的な選択をされることを要望しておきます。 以上で、私の質問をすべて終わります。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、小川みさ子議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、池山泰正議員。   [池山泰正議員 登壇](拍手) ◆(池山泰正議員) 私は、平成十八年第二回定例会に当たり、自民党新政会の一員として個人質疑を行います。なお、一部割愛する項目もありますので、御了承ください。 まず、地方交付税制度についてお伺いします。 今さらもう言うまでもありませんが、地方交付税制度は地方の行財政制度の根幹をなすものであり、極めて重要な役割を果たすものであります。国においては、今、総務大臣の私的諮問機関である地方分権二十一世紀ビジョン懇談会、財務大臣の諮問機関である財政制度審議会、また内閣府に設置されております経済財政諮問会議等で今後の地方交付税制度を含めたさまざまな議論が交わされておりますが、いずれも地方にとっては大変厳しい方向で協議が進んでいるようであり、その行方が気になります。 そもそも地方交付税は地方公共団体の共有の財源であり、国の制度として実施されている義務教育や介護・医療等の社会保障制度等の各種行政施策を確実に実施し、住民に対して一定水準の行政サービスを提供するためにも、また、自治体間の財政力格差を是正する財政調整機能を発揮するという観点からも必要不可欠のものと思っております。 この交付税が、制度の本来の趣旨も十分議論されないまま、国の財政難を理由に大幅に縮減されようとしていることは、まことにゆゆしき問題であります。政府は、来月上旬にも、来年度予算編成に反映させるための経済財政運営と構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太の方針二〇〇六を閣議決定するとのことであります。今こそ地方交付税の必要性を一番よく認識している地方の立場から、交付税制度の意義と必要性を国に対して強く訴えていく必要があると考えます。 そこでまず市長にお伺いします。 地方交付税制度についての基本的認識と三位一体改革における地方交付税改革について、どのように評価しておられるのかお聞かせください。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 池山泰正議員にお答えいたします。 私は、地方交付税は地域社会の存立基盤を維持し、一定水準の行政サービスを国民が享受するための財源調整機能及び財源保障機能を持った地方共有の財源であり、地方団体の安定的財政運営の根幹とも言える大変重要な制度であると認識をいたしております。 また、これまでの三位一体改革による国庫補助負担金改革と税源移譲にあわせて地方交付税も大幅に削減されてきておりますが、地方が行うべき事務事業に必要な地方交付税総額は当然確保されるべきものであると考えております。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 御答弁をいただきました。 地方交付税につきましては、地方の共有の財源であること、また、地方団体の安定的財政運営を行うための根幹となる制度であるという認識を持っておられるようであります。また、三位一体改革につきましては、地方交付税が大幅に削減されたことに危機意識をお持ちのようであります。 私もこの三位一体改革は、国から地方への税源移譲がなされたことにつきましては一定の評価はいたしますが、税源移譲に比べ交付税が大幅に削減され、地方の痛みが増したことについては大変問題であると思います。このようなことから、今後の行財政改革につきましては、地方の立場からしっかりと監視するとともに、国に対し適切な対応をしていく必要があるものと考えております。 このような観点から、以下お尋ねいたします。 まず、最近の地方交付税制度改革の動きについてお伺いをいたします。なお、この件につきましては、さきの質疑で明らかになった部分もありますが、観点を変えてお伺いをいたします。 まず第一点、現在、竹中総務大臣の私的諮問機関である地方分権二十一世紀ビジョン懇談会において、三位一体改革後の将来の地方分権の具体的な姿と、それを実現するための改革案が議論されております。その中において、地方への税源移譲や地方交付税改革についてどのような議論がなされているのかお示しください。また、来年度の骨太の方針を審議しております経済財政諮問会議での検討状況についてもお聞かせください。 第二点、その中で検討されております新型交付税とはどのようなものなのか。また、この新型交付税制度に対しての認識をお聞かせをください。なお、この新型交付税につきましては、先日の質疑にもありましたが、これまでの交付税制度を根本から変えるものであり、今後の地方の財政運営に大きな影響を与えるものでありますので、現時点で把握されております審議状況について、できるだけ具体的にお示しをください。 以上、答弁をお願いします。 ◎総務局長(草留義一君) お答えをいたします。 地方分権二十一世紀ビジョン懇談会におきましては、現在、報告書の作成作業がなされておりますが、先月末に示されたその案文によりますと、税源移譲につきましては地方が歳出に見合った税源を持ち、国からの移転に依存せずに、みずからの判断と責任で財政運営を行うことが地方分権の目指すべき姿であるとの考え方から、十年後までに国と地方の税収比を仕事量の四対六に近い水準にすることを目指して、今後、段階的に税源移譲を行うべきであるとされております。 また、地方交付税改革につきましては、国の規制や基準づけに基づく部分を縮小させ、地方が自由に歳出を決定できる部分を拡大すべきであるとの考え方から、その部分については新型交付税を導入するとともに、従来型の交付税についても算定基準の簡素化・透明化を進めるべきであるとされております。 また、経済財政諮問会議におきましては、骨太方針二〇〇六を検討する中でこうした税源移譲、地方交付税改革の議論が進められておりますが、一方には国の財政再建を優先すべきとする財務大臣や民間議員などが主張する交付税総額削減論などもあり、地方としてはこれに強く反対する立場で地方六団体の代表が意見を述べたところでございます。 次に、新型交付税は、地方が自由に歳出を決定する部分について、現行の複雑な交付税の算定基準を簡単な算定基準に順次変えていくため、人口と面積を基本として算定しようとするものでございます。したがいまして、例えば団体の人口と面積が同じ場合は交付額も同じということになりますが、同じ人口や面積であっても、実際には人口構成や土地の利用形態によって行政需要は異なってまいりますので、基本的には現行制度と比べ地方の実情が反映されにくく、各団体ごとの格差が生じるという面があるのではないかと考えているところでございます。 以上でございます。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 御答弁をいただきました。 国・地方を通じて危機的状況にある財政環境の中で地方分権を着実に推進するためには、地方も徹底した行政改革を進めるなど一定の役割を果たさなければならないのは当然でありますが、経済財政諮問会議等で議論されております内容は、答弁にもありましたように、交付税総額の削減や地方の実情が反映されにくい新型交付税の導入など、地方いじめともとられかねないような厳しい議論がなされていることには憤りすら感じます。 この中で示されました新型交付税につきましては、答弁にもありましたように、交付税制度の簡素化を図るため、交付税の一定割合を人口・面積を基本として算定しようとするもののようでありますが、いろいろな問題があると思います。 この新型交付税について、和歌山県が一定の条件を前提に積算した影響額の試算があります。紹介をいたしますと、試算は平成十七年度の交付税額をベースに、総額の三分の一相当額を人口割で八割、面積割で二割を配分し、残り三分の二を従来どおりの交付税制度で配分されると仮定して試算したものであります。この和歌山県の試算結果によりますと、増加額が大きかったのは北海道の一千六百八十七億円、神奈川県の八百四十億円、埼玉県の五百十七億円、千葉県の四百四十二億円などで、逆に減少額が大きかったのが長崎県の二百九十四億円、沖縄県の二百七十一億円、島根県の二百六十一億円、鹿児島県の二百三十三億円などで、不交付団体の東京都を除く四十六道府県のうち三十県で交付税額が減少するということであります。 この試算結果を見ますと、概して人口の多い都市部は交付税が大幅に増加し、地方の交付税が大幅に減少するというのが特徴のようであります。この数値は都道府県の場合の試算でありますが、市町村でも程度の差こそあれ、団体によって大きな格差が生じるのは必至であります。 この試算でもわかりますように、現在検討が進められております新型交付税制度は各団体間の格差を拡大させるものであり、各団体の実情に沿った行政需要を反映したものでないことは明らかであり、大いに問題であります。確かに現行の交付税の積算は複雑なものとなっておりますが、これは各地域の実情をできるだけ正確に交付税に反映させるために、交付税制度創設以来五十年という年月をかけて改善されてきた結果であります。このような実情を無視して、交付税の積算を簡素化するという理由で実情に沿わない形で制度を変えることは無謀としか言いようがありません。我々はそのことをしっかりと認識していく必要があると思います。 次の質問に移ります。 国における地方交付税制度改革の動きにつきましては、先ほど答弁にもありましたように大変厳しいものがあります。これに対し、地方財政審議会や地方六団体からは地方の立場からの意見も出されていますが、これらも踏まえ、これからの地方分権下の行財政を円滑に運営していく上で望ましい地方交付税制度はどうあるべきと考えておられるのか、見解をお聞かせをください。 以上、答弁願います。 ◎総務局長(草留義一君) 地方交付税は、地方六団体が主張いたしておりますように国から与えられるものではなく、みずからの財源を融通し合うことにより、すべての自治体が国に依存せず、一定水準の行政サービスを提供するための地方共有の財源でありますことから、名称を地方共有税とし、国の一般会計を通さず、直接特別会計に繰り入れる方式とするとともに、必要な財源が不足する場合には法定率の引き上げを行うなど、財源の確保を行うことが必要であると考えております。 以上でございます。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 地方の立場からの望ましい交付税制度についての答弁をいただきました。全く同感であります。本来、交付税は地方自治体共有の財源でありますので、その名称も実態に合わせて地方共有税と改めるのが適当だと思います。地方交付税という名称であるばかりに交付税は国から地方に施しているという意識になり、交付税の率の引き下げや実態に沿わない改革議論が交わされているのではないかという気がしてなりません。ぜひ地方の意見を国にしっかりと訴えていただきたいと思います。 次に、これらの最近の交付税制度改革の動きに対する市長の見解を伺います。 全国知事会、市長会等の地方六団体においても、去る五月三十一日、東京で開催された危機突破総決起大会において、地方自治危機突破に関する決議を議決し、各方面に要請を行うとともに、去る六月七日には、平成六年以来十二年ぶりとなる地方自治法に基づく意見書を提出するなど、国に対して強い働きかけをしたようであります。 また、県においても、去る五月三十一日、県知事、県議会議長、市長会長、市議会議長会長等で構成されております鹿児島県地方自治推進代表者会議において、地方財政改革等に関する緊急アピールが行われたようであります。しかし、過去において地方の意見がほとんど反映されなかった例から見て、これらの働きかけが来月上旬にも決定されます骨太の方針にどのように反映されるのか、危惧の念を禁じ得ません。 そこで市長に伺います。 県都鹿児島市の市長として、また市長会の会長として、県下の市町村長の先頭に立って県とも連携して国に対しさらなる強い要請を行うべきではないかと考えますが、決意のほどをお聞かせください。 以上、答弁を願います。   [市長 森 博幸君 登壇]
    ◎市長(森博幸君) 地方交付税制度の取り扱いにつきましては、今、かつてない危機的な局面を迎えようとしておりまして、地方にとりましてはまさに正念場でございます。 私は、交付税制度の持つ財源調整・財源保障の本来の機能を堅持するとともに、中間支出である地方交付税の削減をすることは絶対にあってはならないと考えております。そのような決意のもとに、五月三十一日には県内の地方六団体による緊急アピールを行うとともに、六月七日には全国市長会において地方財政危機突破に関する決議を行うなど、国に強く要請を行ってまいりましたが、今後におきましても全国市長会を初めとする関係団体や県とも連携をいたしまして、さらに強く国に働きかけてまいらなければならないと考えておるところでございます。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 御答弁をいただきました。 今、国で議論されております地方交付税改革の内容次第では今後の地方財政の運営に大きな影響を与えるものであり、まさに地方自治の危機であります。地方では、今、職員数の大幅削減や、これ以上減らすとやっていけないのではないかと思われるような徹底した事務事業の見直しなどで必死の経費節減努力をしていますが、一方でそれを上回るような大幅な交付税の削減が行われたのでは、地方の財政は成り立たなくなります。また、行政改革の意欲も失われてしまいます。市長は、この状況を一番よく認識している立場であります。今後とも全国市長会や関係団体とも連携し、交付税総額の縮減や地方の実情を無視した交付税制度の改革が行われないよう、国に対し強力な働きかけをされるよう強く要望いたします。 新しい質問に入ります。 合併後の新市の一体化の推進についてであります。 合併後、早くも一年八カ月が経過しようとしていますが、森市長を初め当局の大変な御努力により、市の各種制度等もおおむね旧五町の住民にも浸透し、新市の一体化のための諸施策も順調に進展していることに対し敬意を表します。 しかしながら、町内会・自治会等に対する行政の対応や、住民の声が行政に十分反映されず住民と行政の距離が遠くなったなど、住民の間に強い不満や不安があるのも事実であります。このような不満や不安を解消し、新市の速やかな一体化を推進するためには、これまで以上に住民との会話を進め、住民の声を行政に反映させる努力をすることが必要であると思います。 その意味で、合併後の諸課題等について幅広い立場から協議するために設置されております、かごしままちづくり会議と地域まちづくり会議の役割は極めて大きいものがあり、両会議で出された貴重な意見を地域の活性化のため、また、新生鹿児島市のさらなる飛躍発展のために生かしていくことが肝要ではないかと考えます。 そこでお伺いします。 昨年度のかごしままちづくり会議、地域まちづくり会議での協議状況を踏まえての市長の感想と、両会議に対しどのような期待を寄せておられるのかお聞かせください。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) かごしままちづくり会議及び地域まちづくり会議につきましては、合併後のまちづくりについて協議する組織として平成十七年一月に設置されて以来、貴重な御意見・御提言をいただいたところでございます。その内容を見ますと、地域が主体的に取り組むべき課題や本市施策への反映を求める御意見などが数多く出されており、私といたしましてはこれらの御意見等を真摯に受けとめ、施策に反映すべきものについては予算に組み入れたところでございます。 両会議につきましては、今後もより活発な議論がなされ、合併後の新市の速やかな一体化と均衡ある発展を図るとともに、合併効果を最大限に生かしたまちづくりについて、意見・提言をいただく重要な役割を果たしていただけるものと期待をいたしているところでございます。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 御答弁をいただきました。 かごしままちづくり会議、地域まちづくり会議は、昨年一月に設置されて以来、地域の抱えるさまざまな課題等について熱心な協議が行われました。市長といたしましても、その意見を真摯に受けとめられ、積極的に施策に反映していただいたことに感謝いたします。また、市長の両会議に対する熱い期待もお聞きし、安堵いたしました。 次に、両会議とも設置から一年半が経過し、今後の会議の進め方等につきましては、これまでと違った対応が必要ではないかと思いますので、以下お伺いします。 第一点、かごしままちづくり会議について、今後どのように進めていくおつもりかお示しください。 第二点、地域まちづくり会議についてでありますが、十八年度以降の各地域における会議の進め方はどのようにされるのか。また、その際の協議テーマはどのようなものを考えておられるのかお聞かせください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) お答えいたします。 地域まちづくり会議の運営につきましては、これまでの議会からの御指摘等も踏まえる中で、それぞれの会議におきまして運営方針の検討・確認がなされております。具体的には、新市まちづくり計画の施策の体系に沿った農業やコミュニティーなど分野別の協議やこれまで出されました意見等をもとに、地域の課題をテーマに議論を行うなどの形で整理がされております。また、今後は委員間での協議をさらに深める中で、地域で主体的に解決すべき事項についての取り組みも行っていくことといたしております。 以上でございます。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 かごしままちづくり会議につきましても今後の運営について検討が行われ、方針が確認されております。具体的には、これまでの論議も踏まえる中で、観光・コンベンションや農林水産業など個別テーマを設けて協議する形で整理がなされたところでございます。 以上でございます。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 御答弁をいただきました。 かごしままちづくり会議につきましては、今後、観光・コンベンションや農林水産業などの個別のテーマを設けて協議するということでありますので、今後の議論を期待いたします。 また、地域まちづくり会議につきましては、これまで行政に対する要望が多かったようでありますが、十八年度以降は地域の課題をテーマごとに議論を深めるとともに、地域で主体的に解決すべき事項につきましても協議していくということであり、今後の活発な議論を期待いたします。 私は、今後のこの会議のあり方といたしましては、行政に対する要望や提言も当然必要でありますが、むしろこの地域の抱える課題をみずから解決していくための議論を深めることが、より大事ではないかと思いますので、このような議論を通じ、それぞれの地域の活性化が図られることを期待いたしております。 次の質問に移ります。 地域まちづくり会議で出された意見についてのこれまでの本庁各部局での協議・検討のあり方につきましては、検討の余地があるのではないかと思います。このことについてどのように考えておられるのかお聞かせをください。 以上、答弁願います。 ◎市民局長(松木園富雄君) 地域まちづくり会議で出されました行政に対する意見・要望等につきましては関係部局へ伝達しておりますが、その際、必要に応じて意見等の趣旨や背景などの補足説明を行い、これらも踏まえる中で関係部局において協議・検討を行っているところでございます。また、予算編成時期には、積極的な施策への反映について改めて申し入れ等も行っております。今後、さらに関係部局が連携する中で充実に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 御答弁をいただきました。 私は、この地域まちづくり会議の進め方につきましては、各部局での協議・検討のあり方を含め、幾つか検討する必要があるのではないかと思っております。例えば、本庁組織内で五つの地域のまちづくり会議の意見等を取りまとめ、各地域ごとの実態や問題点等を総合的に判断し検証する部署がないこと、各部署間の連携が十分でないこと、また、本庁関係部局の会議へのかかわり方が十分でない等の問題があると考えております。このことについて、関係部局間で十分検討していただくよう要望いたします。 この項目の最後に、両会議の今後のあり方について市長にお伺いします。市長は、この両会議のあり方について今後どうあるべきと思われるのか、御見解をお聞かせください。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) かごしままちづくり会議及び地域まちづくり会議につきましては、これまでの論議経過を踏まえ、全市的見地から、あるいはそれぞれの地域の実態に応じたテーマを設定し、論議がなされることになっておりますことから、これまで以上に掘り下げた御意見・御提言が出されるものと思っております。 私といたしましても、市民が主役の鹿児島市の実現のため、それぞれの会議の役割と機能が発揮されることが重要と考えておりますことから、関係部局に対し、適切な情報提供や助言など各面からサポートをするとともに、連携を密にして、出された意見・提言に対しては的確に対応するよう指示してまいりたいと考えております。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 市長から両会議に対する力強い決意を聞かせていただき、心強く思います。かごしままちづくり会議、地域まちづくり会議は合併後のさまざまな課題や問題点等を幅広い角度から議論し、地域の活性化と新市の一体化を速やかに進めるための組織として設置されたものであり、全国でも例のない本市独自のものであります。市長の答弁でもありましたように、ぜひこの両会議の役割と機能が最大限に発揮され、所期の目的が達成されるよう、私の先ほどの提案も含め関係部局に適切な指示をしていただくよう要望しておきます。 新しい質問に入ります。 岩崎グループのバス路線廃止問題に関連してお伺いします。 通告をしておりました廃止対象路線と廃止による住民への影響、市の今後の対応等につきましては、さきの質疑で明らかになり、理解いたしましたので、次の点についてお伺いいたします。 県においても、今回のバス路線問題が提起されてからさまざまな取り組みがなされているようでありますが、県での本問題に対する検討、取り組みの状況はどのようになっているのか、その内容をお聞かせください。 以上、答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) お答えいたします。 県の取り組み状況等でございますが、県におかれては、県バス対策協議会路線確保対策部会の事務局として県内五地区に部会を設置し、廃止代替措置に係る情報の提供や各部会の取りまとめを行っております。また、廃止対象の運行系統や路線区間が複数の市町にまたがるケースにおいて、路線確保に関する関係市町の見解が異なるときは県がその調整に努めるとともに、廃止対象とされている空港バスにつきましては、一般的に複数の市町を経由して運行されておりますことから、県が主体的に利用状況等の把握に努めると伺っております。 以上でございます。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 御答弁をいただきました。 県におきましても、県バス対策協議会路線確保対策部会においてバス路線確保についてのさまざまな協議を重ねているようでありますので、市におきましても早急に必要な検討を行い、高齢者等交通弱者の足の確保に最大限の努力をされるよう要望いたします。 次に、今年度予定しております市内公共交通事業に関する調査検討事業との関連についてお伺いします。 今回、既存バス路線の廃止という新たな問題が提起されたことにより、この事業で当初予定しておりました調査スケジュール等に影響が出ないのか、関連性などについてお聞かせをください。 以上、答弁願います。 ◎企画部長(新地茂樹君) 市内公共交通に関する調査検討事業につきましては、本年度、公共交通機関の運行状況などの調査や不便地域の抽出、有効な施策などについての検討を行い、来年度以降、地域ごとの施策についての事業計画を策定し、その後、事業導入を図りたいと考えております。 一方、今回のバス路線廃止に関しましては、現在路線バスの運行により一定の公共交通サービスが確保されている地域において、早ければ本年十一月にはその交通手段が失われる地域もありますことから、廃止代替を含めた施策の導入の時期に違いが生じるものと考えております。 なお、市内公共交通に関する調査検討事業につきましては、当初の予定どおり実施できるよう準備を進めているところでございます。 以上でございます。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 御答弁をいただきました。 市内公共交通に関する調査検討事業につきましては、当初の予定どおり実施されるということで理解をいたしました。 新しい質問に入ります。 郡山地域の幹線道路網の整備についてお伺いします。 郡山地域において、周辺部との交流を促進し合併後の新市の一体化を図るためには、幹線道路網の整備を促進することが急務であります。 現在、郡山地区と鹿児島市街地を結ぶルートといたしましては、専ら国道三号に頼っている状況にありますが、国道三号の渋滞の解消と地域間の交流を促進するためには、郡山・川田地区と花野団地、伊敷団地を結ぶ新たなルートの整備の必要性を痛感いたします。この区間には、現在、市道比志島本線や皆房比志島線等の既存路線がありますが、いずれも線形が悪く狭隘なため、沿線地域住民の利便性の向上を図るためにも早急な整備が必要ではないかと思います。 また、本市と鹿児島空港を結ぶ外環状道路として位置づけられております主要地方道伊集院蒲生溝辺線の整備促進、県道小山田谷山線と国道三百二十八号とを接続する道路の早期実現も期待されます。 このようなことから、以下お伺いします。 第一点、郡山地区と鹿児島市街地を結ぶアクセス道路の整備についての基本的考え方をお示しください。また、市の第五次道路整備計画で予定している整備区間と、その整備方針についてお聞かせをください。 第二点、現在、鋭意整備が進められております主要地方道伊集院蒲生溝辺線の湯屋地区、賦合地区、都迫地区の整備状況と今後の整備見通しはどうなっているのか。また、市として県に対してどのような事業促進要請を図っていかれるおつもりか、お聞かせください。 第三点、昨年度整備が完了し、供用開始されました県道小山田谷山線と国道三百二十八号とを接続する道路の整備促進について、どのように考えておられるのかお聞かせをください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 幹線道路網の整備についてお答えいたします。 幹線市道の整備につきましては、合併によりまして新市として統一した方針による幹線市道の整備計画が必要となりましたことから、新市の速やかな一体化と均衡ある発展を図り、より効率的かつ計画的な道路整備を推進するため、幹線道路整備計画を策定したところでございます。 郡山地域と鹿児島市街地を結ぶ幹線市道の整備計画につきましては、相互の連絡強化を図るという観点等から、双方の地域を結ぶ既存の幹線道路の整備に取り組むことといたしております。 また、今年度から計画を進めております幹線道路整備事業第五次五カ年計画におきまして、郡山・川田地区から花野団地を経て伊敷団地を結ぶ幹線市道として川田比志島線、比志島本線、皆房比志島線、日影橋線の整備に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 主要地方道伊集院蒲生溝辺線につきましては、現在、県において整備を進められております。各工区の平成十七年度末における事業費ベースの進捗状況を申し上げますと、湯屋工区五五%、賦合工区八%、都迫工区六〇%とのことであり、いずれも平成二十年代前半を目途として事業推進に努めているとのことでございます。 本路線は、本市と鹿児島空港を結ぶ外環状道路などとしても位置づけられている重要な路線でありますことから、引き続き沿線自治体で構成している期成会などを通じ、その早期整備を県に要請してまいりたいと考えております。 県道小山田谷山線と国道三百二十八号の接続につきましては、県によりますと、これまで概略ルートの検討を行っており、今後詳細なルートや整備手法について検討してまいりたいとのことでございます。本市といたしましては、今後とも国・県に対し、その事業促進を強く要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [池山泰正議員 登壇] ◆(池山泰正議員) 御答弁をいただきました。 郡山地区と鹿児島市街地を結ぶアクセス道路の整備につきましては、昨年の第一回定例市議会におきましても整備の必要性を訴えてまいりましたが、当局におきましては整備の必要性を認識いただき、早速昨年度策定をいたしました幹線道路計画の中で双方の地域を結ぶ既存の幹線道路の整備に取り組まれるとのことで、感謝いたします。 また、今年度から計画を進める幹線道路整備事業の第五次五カ年計画の中で、郡山・川田地区から花野団地を経て伊敷団地を結ぶ幹線市道として川田比志島線、比志島本線、皆房比志島線、日影橋線の整備に取り組まれるということでありますので、これらの路線が早期に整備されることを期待しております。 また、本市と鹿児島空港を結ぶ外環状道路として位置づけられております主要地方道伊集院蒲生溝辺線につきましては、鋭意整備が進められているようでありますが、現在整備を進めております区間が完了いたしますと、本市と空港を結ぶ幹線道路として飛躍的に利便性が増すと思われますので、沿線自治体とも連携をして、さらなる整備促進を働きかけられますよう要望いたします。 また、県道小山田谷山線と国道三百二十八号を接続する道路の整備につきましても、引き続き県に強く要望していただくことをお願いいたしまして、私の個人質疑のすべてを終了いたします。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、池山泰正議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、竹之下たかはる議員。   [竹之下たかはる議員 登壇](拍手) ◆(竹之下たかはる議員) 平成十八年第二回定例本会議に当たり、平成の会の一員として個人質疑を行い、市長並びに当局の姿勢をただしてまいります。順序の入れかえや時間の都合上一部省略することがあることをあらかじめ申し上げます。 大正五年に東京、京都、大阪に次いで全国四番目に開設されました鴨池動物園が五十六年の歴史を閉じ、昭和四十七年に移転開園をいたしました平川動物公園はことしで三十四年目を迎えます。鴨池、平川動物公園を通算をいたしますと、九十年の歴史を持つ全国有数の動物公園として市民に親しまれる動物園の役割を担っています。しかし、開園当時の昭和四十八年に年間七十七万の入園者を数えたものの最近は年々減少傾向をたどり、平成十六年には四十四万となり、開設当時の六〇%に満たない数字となっております。 平川動物公園の再生、活性のために、以下、魅力ある平川動物公園リニューアルを求めて順次質疑を行います。 まず、平川動物公園の役割についてお尋ねをいたします。 動物公園の役割と位置づけについて伺います。 動物公園は、これまでの動物等を見せて楽しませるレクリエーション主体の場から、今日地球規模の開発が進み、多くの野生動物が絶滅の危機に瀕している厳しい環境の中でその役割は大きく広がり、多目的な機能を求めるという視点と感覚を持つことが必要であると言われています。 そこで伺います。 動物園の存在意義をどのように考えるのか。 そして、動物公園の役割と位置づけについて市長並びに教育長の見解を明らかにしていただきたいのであります。 以上、答弁を願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) 竹之下たかはる議員にお答えいたします。 動物公園の役割といたしましては、市民が楽しく憩う野外レクリエーションの場や動物や自然について学ぶ社会教育の場のほかに、野生動物の研究の場、自然保護の場としての役割がございます。さらには、環境教育や希少動物の種の保存の場としての役割も求められているところでございます。 本市におきましては、第四次総合計画の中で、平川動物公園を広く市民に親しまれる特色ある公園の一つとして位置づけるとともに、多様な魅力を持った観光ゾーンづくりの一環として、錦江湾公園などとともに、レクリエーションの場として充実を図ることといたしております。 平川動物公園は、敷地面積、飼育頭数ともに全国有数の動物公園であり、これまで一千九百万人を超える多くの方々に御利用いただいております。このような平川動物公園の特性や実績を最大限に生かしながら、動物公園に求められているさまざまなニーズに対応して、本市の活性化につながるさらに魅力ある動物公園づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◎教育長(石踊政昭君) お答えいたします。 動物園の教育的意義ということで申し上げますと、自然豊かで広大な敷地の中にある動物園には多種多様な動物がおり、児童生徒は日ごろ本や映像の世界でしか見ることのできない動物を間近に見て大きな喜びや感動を味わったり、知識を広げ深めることができます。また、動物に直接触れたり、飼育体験等をすることで命のとうとさや動物愛護など豊かな心をはぐくむ上で貴重な空間であると考えております。 次に、動物公園は、環境教育や生命尊重の教育ができるだけでなく、公共心や公徳心等を培う上でも大事な役割を果たしており、学校にとりましては、教科学習や学校行事等で利用し、動物の生態等に関する学習などを行う上で有意義な施設であると考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 市長並びに教育長から御答弁をいただきました。 私のこの手元に、ここに実は旅行パンフレットと旅行誌があります。旅行パンフレット、本年六月号でありますが、一面のトップにですね、ここに「鹿児島から直行便で行く北海道、知床、阿寒湖二大遊覧船と話題の旭山動物園四日間」、ここでありますね。さらに、もう一つのチラシでは「北海道パノラマ紀行四日間、小樽、富良野、旭山動物園」、鹿児島のパンフレットですね。それから、旅行誌の雑誌の七月号「花真っ盛りラベンダー咲く富良野と旭山動物園」。このように旭川市立旭山動物園は、観光ツアーの中の観光スポットとして組み込まれ、全国から来園し、大きなにぎわいを見せているのであります。この旭山動物園は、年間百四十五万人の来園者、年間約百五十億円余りの経済効果を上げていると言われ、実はこの鹿児島からの来園者も見込まれる施設となっているのであります。 これに比べて本市の平川動物公園は、こうした観光客を引きつける魅力を持った観光ゾーンの施設の役割を果たしているかと言えば、必ずしもそうは言えないと思います。ことしから始まるリニューアル事業は、第四次総合計画に位置づけられております産業活力都市、にぎわいと活力あふれるまちづくりを推進する機能を果たす、観光ゾーンの魅力ある平川動物園づくりを基本構想とすべきであります。森市長の御答弁にありました、本市の活性化につながる魅力ある動物園づくりに努めたいという言葉を前向きととらえ、今後の取り組みを期待いたしておきます。 次に、平川動物公園の収支、財政状況について伺います。 一、年度ごとの収支状況、収支差額の推移を年度別に明らかにしていただきたい。 二、年間入園者数の推移と分析はどのようになっているのか。入園料収入推移についてお示しをください。 三、管理運営費の推移について年度ごとにお示しください。 四、増収対策やその他の収入について明らかにしていただきたい。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 平川動物公園の年度ごとの収支状況につきましては、開園した翌昭和四十八年度は、歳出額約一億六千万円、歳入額約九千万円で、差し引き約七千万円でございましたが、入園者数がピークとなった六十年度は、歳出額四億七千万円、歳入額約二億円で、差し引き約二億七千万円となっております。その後、入園者数の減少に伴い歳入も減少してきており、平成十七年度は、歳出額五億一千万円に対し歳入額一億一千万円で、差し引き四億円となっております。 次に、年間入園者の推移につきましては、年度途中に開園いたしました昭和四十七年度は半年足らずで五十二万人を超す入園者を記録し、翌四十八年度は約七十七万人となりましたが、四十九年度からは減少を始め、五十八年度には五十万人を切ることとなりました。五十九年度にコアラが来園したことに伴い再び増加に転じ、同年度に約八十三万人、翌六十年度には約九十万人を記録し、ピークを迎えました。六十一年度からは再び減少に転じ、その後は減少傾向が続いており、ここ十年間は四十万人台で推移いたしております。 次に、入園者数の推移の分析でございますが、人気動物の導入等による効果は長期的には持続せず、それに加えまして、他のレジャー施設が次々にオープンし、各種のイベントが始まるなどしたことも入園者の減少につながっているものと考えております。 また近年、入園者数が長期的に減少傾向となっていることにつきましては、平川動物公園自体の魅力が薄れてきているとともに、レジャーの多様化や少子化等の要因も複合しているものと考えております。 入園料収入の推移につきましては、開園当初の昭和四十七年度から五十一年度は約三千万円から四千万円でございましたが、五十二年度の料金改定に伴い、五十八年度までは五千万円台で推移し、コアラが来園した五十九年度が約九千万円、翌六十年度には約一億円にまで増加いたしました。六十一年度からは再び減少に転じ、その後は入園者数の減少に伴い減少傾向が続いており、平成十七年度はピーク時の約五割、約五千万円の収入になっております。 次に、管理運営費の推移につきましては、ここ十年間の統計に基づいてお答えいたします。平成八年度から十三年度までは六億円前後で推移いたしておりましたが、その後、委託業務の見直し等を行った結果、十四年度からは徐々に減少し、十七年度は約五億円となっております。 増収対策につきましては、収入増を図るには入園者数をふやすことが基本でございますので、これまで夜間開園の夕暮れコンサートや動物のお食事ライブなどの新たなイベントを実施しましたほか、都市施設管理公社の協力による県外での宣伝キャラバンやコアラを派遣した福岡地下街でのキャンペーン等のPR活動、さらには総合学習の積極的な受け入れなどを行ってまいりました。今後も入園者増に向けて、さらにさまざまな取り組みを行ってまいりたいと考えております。 次に、その他の収入の主なものは、遊具使用料と駐車場使用料がございますが、その収入額は、入園者数がピークとなった昭和六十年度には約一億円でございましたが、平成十七年度は約六千万円となっております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 平川動物公園の収支、財政状況について御答弁いただきました。 入園者数については、児童生徒の入園者数も漸減傾向にあります。動物愛護や自然保護という教育施設のより積極的な活用を求めておきます。 監査報告書によりますと、平成十一年度から十六年度の収支差額は、毎年四億ないし五億円程度のマイナス、赤字となっております。動物公園開園から三十余年が経過をしております。これをもとに推定をいたしますと、累計マイナスは百億以上の赤字となるはずであります。一般会計財政を結果として圧迫したことになり、さらに経営感覚を持った改革が求められております。 大幅な赤字を抱えた動物園をまちおこしの起爆剤として再生させた旭山動物園、菅原市長、小菅園長は、今、経済界からも注目をされ、ビジネスモデルの本として出版されたり、経営改革経済セミナーの講師としても招かれております。これらの取り組みを参考にされ、収支改善・改革を進められるよう求めて今後の取り組みを注目してまいります。 引き続き質疑を行います。 経営改善成功例の教訓についてお尋ねをいたします。 厳しい収支状況のもとで経営改善に取り組み、黒字化に成功した他都市の成功例の教訓をどのように生かすかお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 経営改善成功例の教訓につきましては、旭山動物園のように魅力ある動物園づくりにより入園者数をふやすことで黒字化された事例のほか、経費節減のために民間から資金を調達する制度を導入して、黒字化とまではいかなくても経営努力されている動物園も少なからずございます。 今後、平川動物公園でも、これらの成功例を参考に経営改善の取り組みを行っていく必要があると考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 今後の取り組みについて、期待して注目してまいります。 次に、平川動物公園リニューアル事業について伺います。 本年度予算で平川動物公園リニューアル事業が予算計上されています。 そこで伺います。 一、リニューアル事業の事業策定の目的、基本的な考え方を明らかにしていただきたい。 二、リニューアル事業を推進するために再整備検討委員会を設置し、再整備基本計画を進めることになっていますが、この検討委員会の構成と公募委員、公募状況についてお示しをいただきたい。 三点目に、再整備検討委員会への園の飼育担当、現場の意見の反映をどのようにするのかお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 リニューアル事業の目的、基本的な考え方でございますが、平川動物公園は、昭和四十七年、緑豊かな自然を生かした特色ある動物公園として開園し、アフリカ園やコアラふれあいの森など全国的に誇れる諸施設も整備してまいりましたが、開園後三十三年が経過し、老朽化が進んだ施設や展示方法の改善の必要のある施設もございますことから、施設全般を見直し、魅力ある動物公園となるようリニューアルを進める時期に来ていると考えているところでございます。 このようなことから、今回、今後リニューアルを進める指針となる基本計画を策定することとしたところでございます。基本的な考え方といたしましては、平川動物公園の特徴を生かした鹿児島らしい特色ある動物園、動物たちが生き生きと生活できる動物に優しい動物園、バリアフリー化された人に優しい動物園づくりを進めてまいりたいと考えております。 次に、再整備検討委員会の構成でございますが、建築や造園、動物などの専門家や教育、観光関係者などの利用者代表者のほか、公募委員などで構成することといたしております。なお、公募委員につきましては、「鹿児島らしい魅力ある動物公園」と題した作文による募集を行ったところ、十五名の応募があったところでございます。 再整備検討委員会への飼育担当の意見反映についてでございますが、リニューアル事業を進めるに当たりましては、平成十七年度、飼育担当職員からアイデアを募り、基本的な構想としてまとめたところでございます。これらのアイデアにつきましては、再整備検討委員会の中で反映させてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 次に、展示方法の工夫、生態的展示、行動的展示について伺います。 展示の方法の工夫、生態的展示、行動的展示が魅力ある動物園づくりに不可欠と言われております。単に動物を見せる展示方法から、動物の生活の様子を見せる生態的展示や、動物が本来持っている行動の特徴や能力を見せる行動展示の方法に変更してこれらの展示方法を採用する考えはないか。これらを園の基本プランとして作成し、リニューアルを進めるべきと考えますがどうか、お示しください。 次に、環境エンリッチメントの採用について伺います。 動物が本来自然界で生息していた環境に近い環境をつくり、動物が幸せを感じて生活をしてもらえるよう気配りをする取り組み、環境エンリッチメントを採用し、生き生きとした動物を展示をし、魅力ある動物園にすべきと考えます。環境エンリッチメントの採用についてどのように進めるか見解をお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 展示方法の工夫についてでございますが、今日、多くの動物園では、動物の姿や形を見せるだけの展示方法から、動物の生息環境を再現し動物の生活の様子を見せる生態展示という方法に変わりつつあります。また、旭山動物園などの一部の動物園では、これらに加えて、飛ぶ、泳ぐ、登るといった動物が本来持っている行動の特徴や能力を見せる行動展示という斬新で特徴ある展示方法を取り入れ、元気に動き回る動物を間近に見せることで多くの皆様に驚きと感動を与えております。 平川動物公園におきましても、アフリカ園やフライングケージ、テナガザルの島など開園当初から生態展示の先駆けとなる全国に誇れる施設も整備したところであり、最近話題となっております行動展示につきましても、鹿児島らしさも考慮しながら基本計画を策定する中で検討してまいりたいと考えております。 環境エンリッチメントの取り組みについてでございますが、平川動物公園は、先ほど申し上げましたが、アフリカ園やフライングケージ、テナガザルの島などのように、施設そのものが環境エンリッチメントとなっているものもありますが、そのほかに動物舎に遊具を設置し、また、混合飼育や不断給餌などを取り入れて、環境エンリッチメントに努めてきたところでございます。 リニューアルに当たりましても、動物が生き生きと生活できるよう施設面や飼育形態、給餌方法などいろいろな面から環境エンリッチメントに配慮し、動物に優しい動物公園づくりをしてまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 答弁いただきました。 私は、かつて世界最大の自然動物公園、南アフリカのクルーガー国立公園を訪ねる機会を得ました。南北三百五十キロ、東西六十キロ、面積にして四国をやや上回る大きさの二万平方キロメートルにわたるクルーガー国立自然公園は、一八九八年設立以来、自然環境を守り、野生動物の保護育成をしてきた実績は世界的に知られている自然動物公園保護区であります。動物を自然のままの環境の中で育成することを公園設立の目的とした園内は、六百四十種以上の動物が共生しております。ここで特に強い印象を受けましたのは、動物が驚くほど活発で生き生きとしており、一般の動物園で見る動物とは全く違う表情を見せていたことであります。ビッグファイブと言われるライオンや象、サイ、ヒョウ、バッファローやまたキリンなどが来園者を引きつけていました。動物を生き生きとした表情にする生態的な展示、行動展示を進めるための施設環境づくりを強く求めて、今後の取り組みを見守ってまいりたいと思います。 次に、平川動物公園飼育現場からの改善について伺います。 旭山動物園では、動物園職員がみんなで何度も話し合い、知恵を出し合ってそれを行動に移したと言われています。ここでは三十年も前から飼育職員の定例の研修会が毎月一ないし三回開かれ、自分の飼育している動物に関する報告や展示の仕方に関する報告、発表が行われ、真剣な討議がなされております。この勉強会が危機からの脱出に有効に機能したと園長は語っておられます。 そこで伺います。 一、平川動物公園の飼育職員の研修、定期研修の勉強会は開かれているのか。具体的な内容と、またその成果がどのように生かされているかについてお示しください。 二、入園者に飼育係と同じ距離で動物を見せる努力、動物と人との距離感を縮める工夫、アイデアについて飼育現場からどのようなものが出ているのか、そのアイデアは取り入れられているのかについてもお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 飼育職員の研修についてでございますが、平川動物公園におきましては、社団法人日本動物園水族館協会が開催する全国の動物園技術者研究会や九州沖縄ブロックの動物園技術者研究会並びに講習会、さらに象やコアラに関する専門分野の研究会にも毎年職員を出席させ、技術や知識の向上を図っているところでございます。 また、園内におきましては、飼育職員が自主的に開催している勉強会飼育のつどいや係のミーティングなどの中で、動物の飼育技術や繁殖、展示方法などの研修、他の園の視察報告などを行っているところでございます。職員のアイデアで昨年から始めましたナマケモノの屋外展示などは、このような研修の成果であろうと考えているところでございます。 次に、動物と人との距離感を縮める工夫でございますが、平川動物公園は、開園当初から動物と人との間の視角障害となるさくやおりなどをなくした無さく放養式を取り入れ、動物と人の垣根のない展示方法を数多く採用しているほか、最近では、コアラふれあいの森やペンギン舎に見られるように、強化ガラスを使って動物が身近に見られるように工夫しているところでございます。 また、「好きな動物にえさをあげよう」という催しや乗馬体験、飼育体験、動物ガイドなどいろいろな参加体験型のイベントを通じて、動物と人との触れ合いを図っているところでございます。動物と人との距離感を縮める展示方法等につきましても、今後ともアイデアを出し合い、工夫してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 動物と人との距離感を縮める工夫の実例として、オランウータンを地上十五メートルのロープを張り空中散歩をさせながら知能を見せる。アザラシを水筒円柱トンネルに泳がせ、同一目線間近で対面をさせる。ペンギンが水槽水中の中を泳ぐ姿を頭上に飛ぶように見せる工夫。ホッキョクグマのダイビングを横から観察できガラス越しに対面、観客と目線を合わせて見せる。動物の習性を考えユキヒョウを頭上で見せる。あるいは、大半水中で活動するカバを見せる。これは旭山動物園などでの工夫であります。飼育現場でのアイデアが出され、工夫がなされるよう要望いたしておきます。 引き続き、質疑を行います。 次に、動物の身近な情報の説明を入園者にするワンポイントガイドの効果について、どのように考えるか明らかにしていただきたいのであります。 ユニークな展示で人気を集めた先ほどの旭山動物園の第一印象は、とにかく手づくり感であふれ、スタッフの手づくりの看板や説明ボードがいっぱいあるということです。この手書きポップ、パネルは、動物の説明をするために飼育係がみずから書いたパネルで、来園者と動物との距離を縮め、身近に感じさせる効果を上げていると評価をされています。手書きポップ、パネルの動物たちの最近の身近なニュースの提供、コラム、死亡告知などの活用をどのように評価するのか明らかにしていただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 動物のワンポイントガイドについてでございますが、平川動物公園におきましては、これまで飼育員が各自が担当する動物の解説を行う飼育係の話を毎月開催しているほか、春や秋の動物公園まつりなどのイベントの一環としても、積極的に動物のガイドを行っているところでございます。飼育員が持っている動物の情報を来園者の皆様に直接伝えることは、新たな発見や感動を与え、そのことが満足感を持っていただくことにつながると考えております。 手書きパネルの活用についてでございますが、平川動物公園におきましては、新聞やテレビ、ラジオ、ホームページなどを使った情報発信のほか、定期的に情報誌「どげんな動物園は」を発行し、情報発信に努めているところでございます。また、動物舎等に職員手づくりの写真やイラストを入れた看板やホワイトボードを掲示して動物の誕生や死亡、動物の移動、イベントの開催内容などの情報発信に努めているところでございます。 情報発信は、動物園や動物に対する新たな関心と興味を引き起こす大切な手段でございますので、今後ともタイムリーな情報発信に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 環境エンリッチメント、ワンポイントガイドや、今、御答弁のありました手書きポップ、パネルの活用は積極的に取り組み、情報発信を充実したいとの答弁でした。その成果を期待をして見守りたいと存じます。 次に、もぐもぐタイムについて伺います。 動物の食べる姿を通して動物本来の能力を観察することを目的に展示係が観客の目前でえさを与える、給餌を行う。これはもぐもぐタイムと言われ、飼育現場からのアイデアで一定の時間帯で実施されており、あらかじめその時刻を来園者に広報し、動物園の楽しみ方をふやそうという工夫がなされ、ふだんにはない動物たちの表情が見られるとあって、もぐもぐタイムになるといつも以上の人だかりができています。このもぐもぐ給餌タイムの広報についてどのように考えるか御答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 給餌タイムの広報につきましては、動物のえさにつきましては多くの人々が関心がございます。また、食事の様子を見ることは、新しい発見や動物の生態を知る機会にもなっていると考えております。 そのようなことから、今年度のこどもまつりのイベントとして、動物たちの給餌タイムを広報して食事の様子を公開する動物たちのお食事ライブを実施し、好評を得たところでございます。今後は、日常的に開催できないかについて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 積極的な取り組みを要望いたしておきます。 次に、平川動物公園飼育動物の拡充について伺います。 平川動物公園が来園者に魅力ある動物公園として評価される要素に、飼育動物の種類と飼育数が挙げられます。昭和四十七年百五十三種類、一千七十七点で開園した平川動物公園ですが、一、飼育動物の種類及び飼育数の推移についてはどのようになっているか明らかにしていただきたい。 二、同じく、飼育動物の種類の拡充への取り組みと実績をお示しいただきたい。 三、希少動物の動物園間の動物交換の状況はどのようになっているかお示しください。 四点、飼育動物の種類の拡充計画はどのようになっているかあわせてお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 飼育動物数の推移でございますが、お述べになりましたように、開園当初は百五十三種類、一千七十七点でございましたが、その後、毎年増減を繰り返しながらも全体としては増加傾向で、ピーク時の平成三年度には最も多い百八十六種類、一千四百六十二点を飼育しておりました。現在は百四十五種類、一千二十五点でございます。 次に、飼育動物の種類の拡充への取り組みでございますが、平川動物公園におきましては、これまで動物購入や動物交換、ブリーディングローン、動物の無償譲り受けによって動物を導入してきております。平成十七年度におきましては、動物交換で十四種類、七十三点、ブリーディングローンで一種類、一点、無償譲り受けによって四種類、六点、合計十八種類、八十点の動物を導入したところでございます。なお、新しい種類の動物につきましては、過去五年間ではピューマやボブキャット、アカツクシガモなど五種類の動物を導入したところでございます。 次に、動物交換の状況でございますが、動物の交換は、繁殖により余剰となった動物を提供し、繁殖や展示効果を高めるために必要な動物を入手する有効な方法でございます。平川動物公園におきましても毎年幾つかの動物交換を行っておりますが、平成十七年度におきましては、八件の交換を行い、アシカなどの十四種類、七十三点の動物を受け入れ、テナガザルやニシキヘビなど九種類、三十二点の動物を提供したところでございます。 飼育動物の拡充計画でございますが、飼育動物の種類や数につきましては、今後リニューアル事業を進める上で極めて重要な事項だと考えておりますので、市民の皆様の要望等も考慮しながら、平川動物公園にふさわしい動物の種類や数について、基本計画を策定する中で検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁いただきました。 平川動物公園の飼育動物の種類と飼育数は、御答弁にありましたように、四十七年の開園当時は百五十三種、一千七十七点が、現在は百四十五種、一千二十五点と開園時よりも減少しているのであります。さきの答弁にもありましたように、動物公園の入園者は、人気のある動物の導入によって大幅に上昇することが明らかであります。入園者の増加には、飼育動物の拡充が求められるのであります。 私は、山之口市長時代に仙台市立八木山動物園から子供たちに人気のあるカバを平川動物園に引き取ってもらえないかということを要望され、その意向を動物園に伝えたことがあります。残念ながらこれは実現しませんでしたが、このカバは平川動物公園が開園以来今日まで飼育された実績はありません。繁殖力の旺盛な動物で、実は出産制限をするほどであります。誕生した子供の引き受け先に困ってようやく韓国で飼育してもらった実例もあります。動物園間の情報交換によってこれらの動物を導入し、平川動物公園の飼育種の拡充をなされるよう強く求めておきます。 次に、動物のブリーディングローンシステム、保育動物の親善貸借制度について伺います。 多くの野生動物が絶滅の危機に瀕している厳しい環境の中で、動物の種の保存、繁殖を進めるために動物園間によるブリーディングローンシステム、保育動物の親善貸借制度に積極的に取り組み、活用する必要があると考えます。 そこで伺います。 一、ブリーディングローンシステムの評価とこれまでの実績はどのようになっているのか。 二、ブリーディングローンシステムの今後の取り組みについて、当局の見解をお示しください。 以上、答弁願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) ブリーディングローンの評価とこれまでの実績についてでございますが、ブリーディングローンは、繁殖や血液更新を目的として他の動物園と動物の貸し借りを行うシステムで、繁殖や血液更新を図る上で大変意義のある制度ですので、平川動物公園でも積極的に進めているところでございます。 これまでの実績でございますが、多摩動物公園にコアラ、円山動物園にキリン、旭山動物園にペンギンなど十五種類、二十三点を貸し出しております。一方、円山動物園からオランウータンやチンパンジー、広島市安佐動物公園からレッサーパンダなど七種類、九点を借り受けているところでございます。 ブリーディングローンの今後の取り組みについてでございますが、ブリーディングローンは、貸し出し園、借り受け園双方の信頼と理解の上に成り立っているシステムでございますので、広く情報を交換しながら積極的に進め、繁殖や血液更新に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 次に、国際交流による導入動物の飼育繁殖について伺います。 平川動物公園には、これまでオーストラリアからコアラ、オオカンガルー、中国からレッサーパンダ、ウンピョウ、ペルーからアルパカ、ラマ、カピバラ、アメリカからボブキャット、ピューマなどたくさんの動物たちが、姉妹都市や友好都市を初め外国からの親善動物として贈られ、仲間入りをしてまいりました。 そこで伺います。 一、これまで国際交流により導入された動物の種類、動物数について明らかにしていただきたい。 二、また、国際交流により導入された動物は現在どのようになっているのか。動物の現況と繁殖経過について明らかにしていただきたい。 三、これら国際交流により導入された動物は、意義を含めて継続して飼育されるべきと考えますが、今後の取り組みについて明らかにしていただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 国際交流により導入されました動物の種類、動物数でございますが、これまでにオーストラリアのクィーンズランド州からコアラ、友好都市長沙市からレッサーパンダとウンピョウ、姉妹都市のパース市からオオカンガルーなど、ペルーからリスザルやカピバラ、コンゴウインコなどが、また、アメリカのリバーバンクス動植物園からピューマとボブキャットが来園し、合計で十五種類、四十五点を導入しているところでございます。 次に、国際交流により導入された動物の現況でございますが、導入後、寿命や病気等で亡くなり、ウンピョウとコンゴウインコは飼育しておりませんが、現在残りの十三種類、五十七点を飼育しているところでございます。このうち、コアラやオオカンガルーなど六種類の動物で繁殖に成功いたしております。 国際交流により導入された動物の今後の取り組みについてでございますが、国際交流により親善動物として来園した動物たちは、コアラやレッサーパンダなど平川動物公園で人気の高い動物や展示効果の高い動物たちでもございますので、今後とも、注意深く飼育するとともに、繁殖にも努めてまいりたいと考えております。このことは、寄贈していただいた都市との友好を深めていくことにもつながるものと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 一九八四年にオーストラリアから日本で初めて贈呈を受けたコアラは、六世のコアラが誕生し、飼育管理の結果、日本一のコアラファミリーとなっていることに対しましては、率直に評価をし、敬意を表したいと思います。 一方、中国長沙市から贈られたウンピョウは残念ながら雄、雌とも既に死亡し、姿を消したのであります。このほか、ペルーの国立公園から来園したアルパカ、コンドルは現在わずか一点ずつが飼育され、このままでは子供の誕生は望めず、やがて姿を消すことになります。これらの動物は、国際親善の役割からも絶やすことのないよう、新規購入補充やブリーディングローンの活用などの対策を早急に進められるよう指摘をいたしておきます。 次に、希少動物の絶滅防止対策について伺います。 一九八〇年代から、動物園のあり方を見直さなければならない時期になったと言われております。地球規模の自然環境の変化によって野生動物は生息地を追いやられて絶滅したり、数を減らすという状況が進み、野生動物の入手が困難になっております。中でも、動物園で見られるような大型の動物たちの受ける影響は大きく、アムールヒョウのように野生で生息する数が動物園で飼育されている個体数よりずっと少ないという種類があり、絶滅が危惧されているのであります。最悪の事態になる前に、動物園がその種の保存のために大きなアクションを起こさなければならないと専門家は指摘をしております。ここに未来に向けた動物園の役割があると考えます。 これまで国内では、東京上野動物園でチンパンジーやジャイアントパンダの人工受精に成功し、旭山動物園ではことしアムールトラの人工繁殖に挑戦をし、その誕生が期待されています。 そこで伺います。 一、希少動物の絶滅防止対策、人工繁殖への取り組みについてどのように進めているのかお示しください。 日本動物園水族館協会は、希少野生動物の繁殖技術の向上を図る目的で、一九五六年から繁殖賞の制度を制定しております。この繁殖賞は、同協会に加盟する施設が飼育している野生動物の繁殖に成功し、日本で最初であった場合に表彰されることになっております。 そこで伺います。 二、これまでの繁殖賞の受賞についてどのようになっているのか。全国と平川動物公園を対比してお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 人工繁殖への取り組みについてでございますが、希少動物の繁殖を進め種の保存を図っていくことは、動物園の大きな役割だと考えております。 そのようなことから、全国の動物園において希少動物の繁殖に取り組んでいるところでございますが、平川動物公園におきましては、コアラやナベヅルなど希少動物の繁殖に成功しているところでございます。特に、ソデグロヅルにつきましては、平成十二年度に多摩動物公園と協力いたしまして、日本で初めて空輸精液を利用した人工受精による繁殖に成功しているところでございます。今後も、他の園とも協力を図りながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。 繁殖賞の受賞でございますが、平川動物公園で飼育しております哺乳類、鳥類、爬虫類について見ますと、これまで全国約九十の動物園で約八百種類の動物が繁殖賞を受賞しておりますが、平川動物公園におきましては、コアラやカピバラ、ナマケモノなど十種類の動物で繁殖賞を受賞しているところでございます。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 国際自然保護連合、IUCNは、動物園は絶滅のおそれのある種の個体群の保存を支援する施設だと位置づけています。国内では、動物園を野生生物保護センターと位置づけているところもあります。答弁にありましたように、希少動物の絶滅防止対策として、繁殖についてより積極的に進められるよう要請いたしておきます。 次に、動物の里親制度について伺います。 東京都は、動物園で飼育されている動物の里親を公募する計画を進め、平成十六年度から上野、多摩両動物園で導入しております。例えば、キリンやライオン、パンダなど好きな動物一頭ごとに里親を募集し、里親から寄せられる資金を動物のえさ代や維持管理費として活用するもので、えさ代などを都民や企業に求め、経費の節減に努める一方、里親になることで、動物園の動物たちにもっと親しんでもらおうと期待をして導入が行われています。 海外の動物園では、早くから市民参加で運営する形態が普及しており、イギリスのロンドン動物園やアメリカのサンディエゴ動物園などで導入活用されております。一八二八年に設立されたロンドンの動物園は、野生動物を世界じゅうから収集して実現、ロンドン市民に長年親しまれている施設であります。ここには、アドプトアンアニマルという動物との養子縁組制度があり、里親になることができます。この制度を広く市民や入園者に呼びかけて動物飼育の費用を捻出しており、養子縁組の種類、動物の種類によって、年間二十ポンドのハムスターやラビットから六千ポンドの象まで種々あり、養い主は個人または共同して養い主になることができ、動物のさくの前にはその里親の名前が記されているのであります。 機会がありましたので、この動物園を訪ね、マネージャーの勧めに応じて私もスマトラトラの共同飼い主の一人になったことがあります。マネージャーによりますと、この動物との養子縁組里親制度は、飼育経費の捻出に大きな役割を果たすとともに、市民の動物園、市民の動物という意識を高め、動物園入園者数の増につながり、市民と動物との距離をなくした意義は大変大きいと語っています。 そこで伺います。 一、動物の里親制度等による民間資金の活用についての基本的な見解をお示しいただきたい。 二、動物の里親制度の目的と効果をどのように評価するのか。そして、こうした他都市の動きに対してどのように取り組んできたのか。これまでの取り組みについて明らかにしていただきたいのであります。 三、動物の里親制度の導入を推進する考えはないか当局の見解を求めます。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 民間資金の活用についてでございますが、新たな収入源を確保することは、平川動物公園の経営基盤を安定させ、また、サービスの向上につながるという利点がありますので、民間資金を活用している他の園の状況も参考にしながら、今後検討してまいりたいと考えております。 動物の里親制度の目的についてでございますが、この制度は、動物園の経営に新たな資金を集めることを主な目的とした制度でございます。市民や企業が資金を出し合い、動物園の運営に直接参加していただくことによって動物園の経営改善が図られるとともに、市民が動物園を身近に感じ、リピーターとして入園者増が期待できるものではないかと考えております。平川動物公園におきましては、現在はこの制度は導入していないところでございます。 里親制度の導入につきましては、制度を導入している他の園の情報を収集するなど、今後、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきました。 私は、平成十年第三回定例本会議でこの問題を取り上げて論議を交わし、動物の里親制度の導入を求めたことがあります。これは、そのときの資料であります。里親制度、スマトラトラの動物との養子縁組の証書でありますが、あれから八年、平川動物公園は当時の永井園長から園長が四代かわられましたが、この間、果たしてどのような検討がなされ、飼育費の経費減の努力や工夫がなされたのでしょうか。 今回はこれ以上の質疑をとめておきますが、外国を初め上野動物園や北九州の到津動物園など、国内でも導入されて成果を上げている動物の里親制度を早急に検討され、導入されるよう強く求め、これからの取り組みを注視してまいります。 次に、動物園サポーター制度について伺います。 平川動物公園は、専門知識や特殊技能、特技を持ったボランティアによる動物園サポーター制度、平川動物公園ズーサポーター制度を制定しています。 そこで伺います。 一、動物園サポーター制度、ズーサポーターの目的、効果、評価についてお示しください。 二、動物園サポーター制度を導入するに至った基本的な考え方についてお示しいただきたいのであります。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) 平川動物公園のズーサポーター制度につきましては、市民ボランティアの活用によりまして、市民参画型の新たな行事の企画や運営を担っていただき、より親しまれる動物公園づくりを図る目的で導入いたしました。 サポーターが毎月実施している動物や自然環境保護について学ぶワイルドプロジェクト活動が好評を得ており、そのほかにも園の行事への協力という形で、飼育職員の補助やお茶会を開催していただくなど、少しずつではございますが、その活動は一般の入園者の方々にも認知されてきております。 ズーサポーター制度を導入するに至った基本的な考え方につきましては、より多くの市民の皆様にボランティアとして動物公園のさまざまな運営にかかわっていただく中で、自分たちの動物公園という認識が生まれ、その活動がほかの市民の方々への刺激となり、さらに活動の輪が広がることを期待して導入したものでございます。会員数がまだ少なく、多くの市民の方々が参加されている状況にはありませんので、今後は応募資格等の見直しや広報宣伝等を行い、多くの方々に参加していただきたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 御答弁をいただきましたが、平川動物公園ズーサポーターは、専門知識、特殊技能や特技を有する者に限定されております。そして、園長が審査をして登録されるシステムで、範囲が狭く限定されており、会員はわずか二十六名であります。果たしてこれで市民参加、市民に親しまれることができるでしょうか。 一方、他の市の動物園では、動物が好き、とりわけ動物園が大好きという一般市民が集まってできたボランティアのサポーター組織があります。専門家でも、研究者でも、飼育者でもあるいは評論家でもない、ボランティアでもない、動物、動物園が好きなだけという人たちが、みずから動物園と市民とのパイプ役と自分をみずからを位置づけて、そして一緒に動物園に行こうよと呼びかけて入会希望者を募り、爆発的に増加をしている実例があります。早急に要項、資格の見直しを行い、実効が上がるように求めておきたいと思います。 次に、動物園の再生について伺います。 一、再生活性化と意識改革について伺います。 動物園の再生活性化を図るためには職員の意識改革が不可欠です。動物園の存在意義と役割を再認識し、飼育するだけではなく展示の工夫についても考える飼育係から飼育展示係に変え、能力や個人差はあったにしてもたゆまぬ努力と失敗を恐れずチャレンジする意欲、知恵を出し合い、アイデアで話題をつくるという意識改革が求められると思います。 一、動物園の再生活性化と意識改革の取り組みをお示しください。 二、次に、職員提案制度の活用、アイデアの創出について伺います。本市には、職員提案制度の規定があり、業務や施策等に職員の斬新な着想や改善を求め、行政効率を図ろうとしております。この制度が動物園の業務に活用されているのか。制度を活用し、アイデアの創出を図るべきと考えますが、当局の見解をお示しください。 以上、答弁を願います。 ◎建設局長(山中敏隆君) お答えいたします。 動物園の再生活性化と意識改革につきましては、単に施設を整備するだけでは魅力ある動物園づくりにはつながらないと考えております。飼育現場にいる職員一人一人が、その者しか知り得ない動物の特性や習性の知識を生かし、どのような展示方法が動物の魅力を引き出すのか、入園者にどんなインパクトを与えるかを考えるとともに、あるときは人の目線で、あるときは動物の目線で研究し、今何が必要かを考えながらアイデアとして結集していく必要があると考えております。 平川動物公園でもこのような取り組みの一環として、飼育職員が現場から情報発信を行うさまざまな取り組みを始めており、毎月担当動物の詳しい解説を行っているほか、各動物舎で独自の手づくり動物解説板の展示や季節に応じた動物に関する催しを行っております。今後、このような活動を広げる中で、さらに意識改革を促しながら魅力ある動物園の再生につなげてまいりたいと考えております。 次に、職員提案制度の活用についてでございますが、本市の提案制度は、市政全般にわたる施策、事務事業等に関し職員から幅広く改善意見等を求めるものであり、これまで動物公園等のリピーター対策に関する提案がなされた経過もございます。 また、平川動物公園におきましても、定期的に行うミーティングや入園者増対策会議等の場で、職員からの提案を積極的に取り入れておりますので、今後とも、さらに多くの職員から自由にアイデアなどが提案されるよう意を用いてまいりたいと考えております。 以上でございます。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 最後に、長期計画と人事体制について市長に伺います。 今、日本の動物園の中には、管理社会になりつつある動物園の傾向があると言われております。この傾向は、これまで動物園に対する独自の考え方、いわゆる動物園観を持っている園長、動物園人と言われる園長がたくさんいたが、余り動物園のことを知らなかったり、野生動物、生物を飼育した経験のない職員が人事異動で回されてくることも要因があるという指摘があります。 さきに述べた動物園生え抜きの旭山動物園の小菅園長は、長年動物園に携わり、厳しい時期にも動物園でじっくり考える時間が与えられたことが役立った。アイデアも熟成させる時間が必要だ。一度考えたアイデアを土台にして幾度も練り直す作業ができたことに意味があった。予算についても、思いつくままでつくっていたら今のような結果にはならなかっただろうと語っておられます。三十余年の豊富な経験をもとに、園の活性化に向け情熱を燃やした努力が的確な長期計画の策定を可能にし、改革の基盤になったと言えます。 そこで市長に伺います。 再生活性化を目指して長期計画と人事体制について、今後どのように取り組もうとしているのか、お考えを明らかにしていただきたいのであります。 以上、答弁願います。   [市長 森 博幸君 登壇] ◎市長(森博幸君) お触れになりました旭山動物園の小菅園長の動物園に対する見識やこれまでの取り組みが、全国的に高い評価を受けていることにつきましては、私も承知をいたしているところでございます。 平川動物公園のリニューアルの基本計画の策定に当たりましては、職員の経験やこれまで蓄積されてきた貴重なノウハウを活用することはもちろんでございますが、一方では、従来の慣例等にとらわれない時代に即したフレッシュな発想も求められるものと考えているところでございます。 魅力ある動物公園づくりに向けて、平川動物公園を中心に、関係部局間で十分連携を図り、外部の方々の御意見も取り入れながら、長期的視野に立って、幅広い見地から検討を進めてまいりたいと考えております。   [竹之下たかはる議員 登壇] ◆(竹之下たかはる議員) 市長の御答弁をいただきました。 動物園長は、昭和四十七年の開園以来これまで三十余年の間に十二代を数えて引き継がれておられます。平均在任期間は二・八年、うち他の部門から転勤して着任した事務系の方が六名、ほかの園長も獣医師の資格を有するものの、保健所や畜産部門の関係者がほとんどで、野生動物の直接飼育に携わった経験者で生え抜きという園長はわずか、たしか二名だと思います。果たしてこういうことの踏襲で再生できるのか。私は疑問を抱かざるを得ません。 動物公園の再生に当たっては、設置者、市長の熱意、リーダーの役割は極めて大きいと私は考えます。人事体制を再検討し、生え抜きの起用やあるいは他都市からスペシャリストをスカウトするなどの対策を含めて長期計画を策定し、魅力ある動物公園に再生されるよう要望いたします。 平川動物公園のリニューアルに当たって、再生・活性を求めてこれまで質疑を交わしてまいりました。これらの課題を真摯に受けとめ、最北の旭山動物園に匹敵する本土最南端の魅力ある平川動物公園の再生、存在価値のあるにぎわいの創造の基礎となるよう期待し、私の質疑を終わります。 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、竹之下たかはる議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 以上で、通告による個人質疑を終わります。 ほかになければ、これをもって質疑を終了いたします。 △常任委員会付託 ○議長(赤崎正剛君) それでは、ただいまの議案二十件については、いずれも所管の各常任委員会に付託いたします。 △散会 ○議長(赤崎正剛君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。 今議会は、明日から委員会審査に入りますので、本会議再開の日時は、追って通知いたします。 本日は、これにて散会いたします。              午 後 三時三十四分 散 会            ─────────────────地方自治法第百二十三条第二項の規定により署名する。         市議会議長   赤  崎  正  剛         市議会議員   谷  川  修  一         市議会議員   三 反 園  輝  男...