釜石市議会 > 2021-03-09 >
03月09日-02号

  • 大学生(/)
ツイート シェア
  1. 釜石市議会 2021-03-09
    03月09日-02号


    取得元: 釜石市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-09
    令和 3年  3月 定例会(第1号)            令和3年釜石市議会3月定例会会議録---------------------------------------           令和3年3月9日火曜日--------------------------------------- 議事日程第2号   令和3年3月9日(火) 定例会         午後1時会議を開く第1 本日の会議録署名議員の指名第2 市政に関する一般質問  1 (1) 水産行政について             8番 遠藤幸徳議員    (2) 福祉行政について                  〃  2 (1) 施政方針演述について           14番 山崎長栄議員    (2) 災害時の避難について                〃    (3) 福祉避難所について                 〃    (4) 移住・定住の促進策について             〃  3 (1) 教育行政方針演述について         5番 磯崎翔太議員    (1) 子育て支援施策について               〃    (2) 東日本大震災復旧・復興事業について         〃  4 (1) 人口減少と少子高齢化の問題について    15番 菊池秀明議員    (2) 復興公営住宅の家賃について             〃    (3) 地域会議について                  〃                                     以上---------------------------------------本日の会議に付した事件第1 本日の会議録署名議員の指名…………………………………………………………56第2 市政に関する一般質問  1 (1) 水産行政について            8番 遠藤幸徳議員………57    (2) 福祉行政について                 〃   ………58  2 (1) 施政方針演述について          14番 山崎長栄議員………72    (2) 災害時の避難について               〃   ………73    (3) 福祉避難所について                〃   ………〃    (4) 移住・定住の促進策について            〃   ………74  3 (1) 教育行政方針演述について        5番 磯崎翔太議員………88    (2) 子育て支援施策について              〃   ………89    (3) 東日本大震災復旧・復興事業について        〃   ………92  4 (1) 人口減少と少子高齢化の問題について   15番 菊池秀明議員…… 106    (2) 復興公営住宅の家賃について            〃   …… 107    (3) 地域会議について                 〃   ………〃---------------------------------------出席議員(17名)                 議長   木村琳藏君                 副議長  菊池秀明君                  1番  大林正英君                  2番  川嶋昭司君                  3番  三浦一泰君                  4番  野田忠幸君                  5番  磯崎翔太君                  6番  深澤秋子君                  7番  平野弘之君                  8番  遠藤幸徳君                  9番  佐々木 聡君                  10番  千葉 榮君                  11番  古川愛明君                  12番  高橋松一君                  13番  細田孝子君                  14番  山崎長栄君                  17番  佐々木義昭君欠席議員(1名)                  18番  水野昭利君---------------------------------------説明のため出席した者         市長           野田武則君         副市長          窪田優一君         総務企画部長       佐々木 勝君         市民生活部長       菊池公男君         保健福祉部長       水野由香里君         産業振興部長       平松福壽君         建設部長         菊池拓也君         文化スポーツ部長     佐々木育男君         危機管理監        佐々木 亨君         復興管理監兼復興推進本部事務局長                      熊谷充善君         総合政策課長       藤井充彦君         総合政策課オープンシティ推進室長                      石井重成君         総務課長         川崎浩二君         財政課長         佐野正治君         市民生活部次長まちづくり課長                      小池幸一君         市民課長         三浦 薫君         生活環境課長       和賀利典君         健康推進課長       鈴木伸二君         地域福祉課長       村上徳子君         高齢介護福祉課長     山崎教史君         地域包括支援センター所長 三浦功喜君         子ども課長        千葉裕美子君         水産課長         小山田俊一君         都市計画課長兼復興住宅整備室長                      三浦康男君         防災危機管理課長     関 末広君         都市整備推進室長     本間良春君         会計管理者        橋本英章君         水道事業所長       今入義章君         教育長          高橋 勝君         教育部長         板沢英樹君         教育委員会総務課長    紺田和枝君         学校教育課長       佐々木 誠君         監査委員         小林俊輔君---------------------------------------事務局職員出席者         事務局長         小笠原勝弘         事務局次長        廣田昭仁         事務局次長        小山田富美子---------------------------------------               午後1時会議を開く ○議長(木村琳藏君) 本日の出席議員は17名で定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 欠席の届出は、18番水野昭利君の1名であります。 直ちに本日の会議を開きます。本日の議事は、お手元の議事日程第2号により進めます。 釜石市議会は、申合せにより、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、1時間に一度、換気のため10分程度の休憩を設けます。 また、傍聴の方、市当局、議員の議場内でのマスク着用と、マスクを着用したままでの発言に努めるようお願いします。 多人数が集合している状況であることを考慮し、効率的な会議の進行に御協力をお願いいたします。--------------------------------------- ○議長(木村琳藏君) 日程第1、本日の会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員には、会議規則第81条の規定により、議長において13番細田孝子君及び17番佐々木義昭君を指名いたします。--------------------------------------- ○議長(木村琳藏君) 日程第2、市政に関する一般質問を行います。順次質問を許します。 8番遠藤幸徳君、登壇願います。  〔8番遠藤幸徳君登壇〕 ◆8番(遠藤幸徳君) 清和クラブの遠藤幸徳です。 弥生3月、卒業と旅立ちの季節です。今月で公務員生活を卒業される職員の皆さん、長い間大変お疲れさまです。皆さんは、東日本大震災の現場処理から復旧・復興の実務に携われ、現在の釜石があります。大変な業務だったと思います。どうぞ、そのことを誇りに語り継いでいってほしいものです。公務員の殻から脱すれば、新たな釜石が見えるものと思います。これからも、地域や釜石市のために活躍することを期待しております。 質問に入ります。 まず、水産行政について。 東日本大震災の大津波から10年、被災者の住居や社会インフラも整備され、市民生活も何もなかったような日常が漂っております。しかし、最大の被害を被った基幹産業の水産業は、不安定な波がその振幅を強め、漁業者の気勢を阻害している状態にあります。特に近頃は、地球規模における温暖化が、海水温の上昇をはじめ、漁場環境及び生態系に大きな影を落とし、三陸沿岸の漁業に厳しい結果をもたらしております。 当市の水産業の中核である釜石市の魚市場における取扱高は、毎年、減少傾向に歯止めがかからず、取扱数量は、平成29年の1万290トン、販売額は23億9000万、平成30年には約1万235トン、17億6800万、令和元年は1万666トン、13億9000万と低迷状態にあります。令和2年度においても、残念ながら大きな進展が望めないような状況です。再生魚市場の当初の計画は36億円、それからはほど遠い水揚げの実績となっております。そして、かねてより課題である漁業就業者の減少、漁獲量の減少、魚市場経由率の低下が続き、市場を取り巻く環境は一段と悪化することが予想され、このままでは市場としての存続も危ぶまれる厳しい状況に置かれていると思います。 また、もう一つの課題とされている運営体制の改善と体質の強化対策も急がねばなりません。魚市場を一つの経営体と捉え、将来を見据えた経営戦略を練り上げ、独立採算制の原則にのっとり、自主財源による経営を継続し、釜石魚市場の将来を見据えた実行体制を構築することが急務と思います。 そこで、公設民営の釜石魚市場の生き残りをかけた経営改善計画を示すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、釜石魚市場を支える市内の3漁業においてもまた水揚げが伸長せず、苦しい状況にあります。特に海水温の上昇による養殖漁業への影響も大きく、ホタテ貝の貝毒原因の究明と対策が望まれております。また、磯焼けがアワビを取る漁業に悪影響を及ぼしております。海水温の上昇で、ウニの個体数が異常に増え、ウニの食圧が拡大し、磯焼けが深刻化しております。コンブやワカメをはじめとする海藻は、アワビ、ウニの餌ではありますが、ウニの食圧がアワビの成長と漁獲に悪影響を与えております。過密のウニを間引き、生育環境の改善等、磯焼け対策が沿岸漁村の喫緊の課題と思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、福祉行政についてお伺いいたします。 コロナ禍の御時世、連日、新型コロナ感染状況が話題となっており、市民生活に不安感が漂っております。また、同時に、コロナワクチンについて、接種時期や接種順番、方法等が話題となり、期待感も膨らんでおります。コロナワクチンは、全国民に無償で投与されると決まっておりますので、その時期が早く来ることを私は期待しております。 さて、予防接種ワクチンですが、予防接種は、子供の頃からいろんな病気の予防接種を体験してきましたが、注射の嫌いな私はあまりいい思い出はありません。 実は、私は昨年の夏、帯状疱疹を患いました。初期は右肩に違和感を覚え、ちくちく、ぴりぴりする痛みが起こった後、赤い発疹が出、帯状に広がる水膨れになり、夜は痛みを覚え、寝ることも大変でした。私は、幸い3週間ほどで完治することができました。この帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスが原因で起こる病気です。水ぼうそうは、多くの方が子供の頃にかかり、発症後、約2週間程度で治ります。しかし、ウイルスが消滅したわけではなく、体の神経の細胞が集まった部分である神経節に潜んで休眠状態になり、加齢やストレス、疲労などで免疫力が低下したときに、休眠状態であったウイルスが活動を再開し、神経節から出て、皮膚に帯状の水膨れを作る状況から帯状疱疹と呼ばれるそうです。 帯状疱疹の問題点は、皮膚炎症がなくなっても痛みだけが残り、数か月から数年にわたり激痛に悩まされる場合が少なくありません。成人の90%以上がこの帯状疱疹原因のウイルスに感染しており、誰が発症してもおかくしないと言われております。帯状疱疹の発症は、50歳以上に多く、7割以上を占めております。また、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されております。加齢に伴う免疫力の低下は避けられず、高齢化率39%の当市を考えると、何らかの対策が必要と思います。 2016年3月から、以前から製造されていた水痘ワクチンが50歳以上を対象に帯状疱疹に対する効能が追加承認されました。しかし、任意接種のために8000円前後の費用が必要となり、これが接種への大きなハードルとなっていると思います。これが定期接種の対象になれば、費用の一部に対して地方交付税措置が図られ、高齢者のインフルエンザワクチン肺炎球菌ワクチンなどと同じように、個人の経済的負担が軽減されます。 そこで、現時点で任意接種となっている帯状疱疹ワクチン接種を定期接種と同様と位置づけ、費用助成の対象とすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 以上をもちまして壇上よりの質問を終わります。再質問は自席にて行います。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 遠藤議員の御質問にお答えをいたします。 公設民営の魚市場の生き残りをかけた経営計画についての御質問でございます。 市場事業を営む公営企業には、不断の経営健全化の取組が求められているものと認識をしております。このような中で、国が示す経営健全化の各種指標に基づき、令和3年度から令和12年度まで10年間の魚市場を取り巻く環境など、将来の事業環境を見通し、経営の基本方針や収支の在り方などをまとめた地方卸売市場釜石魚市場経営戦略を去る2月16日の市議会議員全員協議会で御説明したところであります。 本経営戦略は、魚河岸魚市場と新浜町魚市場の2場体制での水揚げ機能分担高度衛生管理型魚市場を活かした「食の安心・安全」を重視した体制づくり及び「公設民営」方式による官民連携体制の維持と更なる経営基盤の強化を経営の基本方針とし、効率的な市場運営に努め、経営の健全化を図りながら、地域経済活動を支える重要な市場機能を安定的に確保して、3年から5年をめどに見直しや更新の作業を行い、水産物供給の重要な機能である魚市場の持続的な運営に努めることとしております。 収益的収入である使用料収入につきましては、令和4年度から令和13年度までの10年間に分割して納入される令和2年度分使用料を加えた1100万円を毎年度見込み、徹底した経費削減に努めるとともに、施設は、定期的な点検作業を行い、可能な限り耐用年数を伸ばすなど、適切な維持管理に努め、運営体制は、これまでと同様に、釜石市漁連と市が情報を共有しながら業務を進めることとしております。 本経営戦略の推進に当たりましては、岩手県漁連、市漁連、各漁協、買受人、水産加工事業者など水産関係者、学識経験者及び消費者で構成する地方卸売市場釜石魚市場運営協議会において評価、検討しながら、不断の見直しによる運営体制の改善や経営の健全化に努め、社会情勢や魚市場を取り巻く環境の変化に適切に対応し、魅力ある三陸の水産物供給機能を確保してまいります。 以上をもちまして私からの答弁は終わりますが、引き続き関係部長が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 保健福祉部長。  〔保健福祉部長水野由香里君登壇〕 ◎保健福祉部長(水野由香里君) 私からは、帯状疱疹ワクチン接種についての御質問にお答えします。 帯状疱疹ウイルスは、水痘ウイルスと同じもので、初めての感染で水ぼうそうを引き起こした後、知覚神経に潜伏感染しており、加齢や疲労、ストレスなど、免疫力の低下などが誘因となり、再活性化を起こして帯状疱疹を生じます。 主な症状は、片側の神経に沿った水ぶくれを伴う赤い発疹の出現とそれに伴う痛みで、頭部や顔面に出ると目や耳の神経障がいが出たり、耳鳴りなどの合併症や、重症化すると視力低下や顔面神経痛などの後遺症が残ることもあります。治療方法は、抗ウイルス薬の内服、もしくは点滴や注射の投与で、痛みが伴う場合には対症療法を行います。 我が国の発生頻度は、年間1000人当たり5人程度とされておりますが、50歳を境に発症率が上がる傾向があることから、2016年3月に、50歳以上の人を対象に帯状疱疹ワクチンが追加承認されました。帯状疱疹ワクチンは、予防接種法の中では任意接種に位置づけられ、交付税措置の対象にはなりませんが、独自の助成をしている自治体もあります。 予防接種は、ワクチンを接種した方が病気にかかることを予防することや、人に感染させてしまうことで社会に病気が蔓延することの予防を主な目的としていますが、帯状疱疹ワクチンは、自分が病気にかかることを防ぐために実施するもので、インフルエンザのような社会に蔓延する可能性の高い感染症ではないため、費用の助成については、現段階では考えておりません。 帯状疱疹は、痛みや後遺症を伴い、誰もがかかる可能性があることから、発症予防、重症化予防のために、帯状疱疹ワクチンがあることや、十分な睡眠、適度な運動、栄養バランスの取れた食事摂取など、免疫力を低下させない日常生活を送ることの必要性について普及啓発に努めるとともに、帯状疱疹の症状や治療方法など、必要な情報の周知を医師会等と連携して行ってまいります。 ○議長(木村琳藏君) 産業振興部長。  〔産業振興部長平松福壽君登壇〕 ◎産業振興部長(平松福壽君) 私からは、磯焼け対策についてお答えします。 近年、藻場が大規模に消滅する磯焼けが全国的に問題化しており、当市の水産業にも大きな影響を与えております。三陸沿岸地域で発生している磯焼けは、海洋環境の変化により冬期間の海水温が高いことから、本来ウニの摂餌活動が低下する時期に海藻類などの新芽を摂餌することで、ウニの生息数と海藻類の繁茂量のバランスが崩れることが要因と言われております。 当市では、平成30年度に釜石東部漁協が実施した養殖コンブを藻場に定着させる事業を支援するなど、関係者と連携しながら、藻場の再生に向けた取組を推進しております。 また、令和元年度には、磯焼け対策事業補助金制度を創設し、採介藻漁業で採取するアワビやウニなどの漁獲の安定に向けた支援を行っているほか、岩手大学や岩手県水産技術センターとの連携により、ドローンを活用した藻場調査を実施するなど、年度ごとの基礎データを蓄積しながら、藻場の分布状況や海藻類の繁茂状況の把握に努めております。 県においても、本年度からドローンによる藻場環境の調査事業を開始したほか、過剰なウニを蓄養施設に移植し、ウニの生育密度の適正化を図りながら飼育に関する調査を行い、ウニの蓄養・出荷モデルの構築に向けた事業を始めるなど、深刻化する藻場の維持、回復に取り組んでおります。 今後とも、大学や試験研究機関、漁協や魚市場関係者などと一体となって水揚げの増強に努め、水産物の加工、流通、消費の拡大を促進し、魚のまち釜石の復活の実現に向け、一層積極的に施策を展開してまいります。 以上をもちまして答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) では、再質問させていただきます。 まず、水産行政の魚市場の状態についてお伺いいたします。 サンマの不漁、秋サケの不漁、イカの不漁、そういったことが魚市場の水揚げの低迷状態にある。これは岩手県各地そうですが、釜石の状況も大体うっすら分かりますが、各地、例えば宮古、大船渡のそういった魚市場の水揚げの状況について、分かっている部分があればお知らせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) ただいまの御質問にお答えいたします。 近隣の魚市場の現状はどうかという御質問かと思います。県の水産情報配信システムいわて大漁ナビによりますと、本年、2021年2月末現在の状況ですけれども、宮古が数量で2万4213トン、金額で約41億円、大船渡が数量で3万1516トン、約51億円、釜石が数量で1万404トン、金額で約13億円という状況になっております。それぞれ昨年同期と比較した場合には、若干ではございますが、金額が上回り、数量で下回っている状況になってございます。大きな要因としては、新聞報道でもありますとおり、秋サケの不漁が大きな要因ではないかなというふうに考えているところでございます。 今後も、大型巻き網船などの水揚げがマイワシを中心に伸びておりますことから、廻来船の誘致活動などは継続的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) どこもやっぱり以前から見たら大分苦しい状況にあるようでございます。それで、魚市場の財源といいますか、その収入というものは、水揚げによる定数量がほとんどなわけでございます。釜石の魚市場においても、そういった13億、14億のそういった水揚げでは、なかなか経営が厳しいことが続くんだろうと思います。まして、震災以前から財政があまり芳しくない、そういった経営基盤が弱い、そういったことが言われております。実際、こういった水揚げでもって、累積の欠損金、そういったものについて解決できている見込みなのか、そういった今度の経営改善の戦略がそういったことにも及んでいくのか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) ただいまの御質問にお答えいたします。 先日の全員協議会のほうでも御説明させていただきましたけれども、戦略の中で3つの基本方針を掲げておりまして、そういった基本方針に基づきまして、魚市場をはじめとする関係者と情報共有しながら、安全で効率的な市場機能を維持し、安定的な運営に努めてまいりたいというふうに考えております。 加えて、事後検証も行う旨、先日も報告しておりますけれども、事後検証につきましては、魚市場の運営協議会という場を活用しながら、運営体制の改善や経営の健全化に努めながら、取扱高のさらなる向上に向け取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。
    ◆8番(遠藤幸徳君) 関係者といろいろ協議しながら水揚げ増強に努めていることは、よく理解できます。 その中で、釜石市も、先日出された魚市場の1000万の利用料、そういったものについて2年間猶予し、100万ずつ向こう10年間で今年度分を徴収するという、そういった方針、経営があまり芳しくないそういった状態の事業体に先延ばしをしていって、本当に大丈夫なのかと私は思うわけでございます。そういった不安定な事業体、釜石市漁連ですけれども、釜石市漁連をこのまま魚市場の運営業者としてやっていけるのかどうか、その辺について皆さんはどのように関係者は捉えてきたのか、その辺について市としてもそれのことを検討したことがあるのかどうかお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えいたします。 市漁連ですけれども、震災後、着実に債務の解消に努めるなど、経営の改善努力は重ねているのではないかなというふうに考えております。経営戦略の中においても、「公設民営」方式による官民連携体制を維持した経営基盤の強化をさらに強めていくという旨、方針に掲げておりまして、方針に基づきますと、まず経営は現状の官民一体で取り組む公設民営方式、これを維持していきたいというふうに考えているところでございます。 まさに議員おっしゃるように、主力の魚種などの不漁より、非常に経営環境が厳しい中ではありますが、市漁連としても、これまで築き上げてきた関係者とのつながりや、あと運営により培ったノウハウ、経験など、こういったものを最大限に活用しながら、今後も魚市場の運営者として継続的に経営に努めていく方向で考えております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) 公設民営の在り方は分かります。公設民営においても、やはり今の市漁連の体制でいいのか、それとも株式会社にしてやっていったほうがいいのか、そういったことを協議したことがあるのかどうか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えします。 公式な、例えば魚市場の運営協議会のような場での議論というのは、私が知る範囲ではないというふうに認識してございます。それ以外の様々な場面では、議員おっしゃるように、経営形態として公設民営が本当にいいのか、あるいは株式会社のような純粋な民間が運営するほうがいいのか、そういった声が聞こえてくるという状況にありますけれども、公式な場での議論というのはないものと認識してございます。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) そこで、釜石市漁連を構成している唐丹漁協であり、釜石湾漁協であり、釜石東部漁協もあるわけでございますが、その3漁協は、この魚市場のことについてどのように捉えて自分らの事業を推進していくのか。何か、各単協には私はそれほどの熱量は感じないんですが、その辺についてお伺いします。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えします。 議員の御質問のとおり、経営は漁連ですけれども、漁連そのものの出資者は市内の3つの漁協さんでございます。そういった観点から、市漁連の理事は各漁協などの役員理事で構成されておりまして、そういった会議の場では、意見交換、協議を行いながら、運営の在り方、経営の方向性などを決定しているというふうに認識しているところでございます。 また、各漁協さんにつきましては、それぞれ直営の定置網で取れる魚を魚市場に水揚げしているところでございますけれども、そういった水揚げの際に、乗組員の方々であるとか市漁連の職員、あるいは買受人の方々と魚市場の職員の方々、水揚げの動向など、いろいろな意見交換はされているというふうに認識してございます。 様々な場面で意見交換などを行っておりますが、今後は、何か公式な場、例えば協議会であるとか、何かそういった場で、活用策、今後の在り方のようなものを共有する場面が必要ではないかなというふうに考えておりますので、そういった部分についても、今後、改善、工夫に努めてまいりたいと思っております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) それで、3漁協と魚市場の関係は分かります。その中で、水産振興ビジョンにおいて基本的な考え方として、運営主体である市漁連と生産の単位である3漁協の間で情報交換や相互補完体制が十分でないということを水産振興ビジョンでは指摘しておりますが、その辺の解決というのは、やはり市当局が仲立ちをして、その解決策を結びつけるものだと思っていますが、その辺についての考え方、お聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えいたします。 まさに議員おっしゃるように、水産振興ビジョンの基本的な考え方というところには書いてあるんですけれども、市漁連と生産基盤単位である3漁協間の情報交換や相互補完体制がより一層重要であるというふうに書かれております。今、御質問の内容のとおり、そういった場をさらに増やしていきながら、議論が深まるような場面をつくるのも市の役割であるというふうに認識しておりますので、関係者の協力をいただきながら、協議会などの場でそういった意見交換をするように努めてまいりたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) 釜石の魚市場の水揚げ、その増強のために、当局も廻来船の誘致、そういったのは一生懸命努めて、実際それなりに実績が上がっていることは、それは理解しております。 それで、今、釜石の魚市場に上がっている水揚げの大半は、廻来船によるものが数字としてはっきり出ております。そこで、廻来船の水揚げ、そういったものを、地元船の水揚げ、そういったものでもって市漁連の水揚げは構成されているわけでございますが、その処理数について、前回の私の質問では、釜石の魚市場に上がった部分が、加工に回った部分、例えば消費地に出荷された部分、地元消費された部分、そういった区分がなかなか数字として捉えることができないという回答でした。 では、逆に、例えば釜石の、統計的にいうと属人、属人という釜石に属する人の水揚げの体制はどうなっているのかというのは、地元の皆さんの、当局も言いますが、他の市場に水揚げしている水産物を呼び戻す、呼び戻しを強めていかなければならないということを論じておりますが、じゃ他の市場にどれだけの数量のものが上がっているのか、属人の数量、統計的な把握も必要だと思いますが、その辺についてはどう捉えているのかお聞かせ願います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えいたします。 まさに今の議員さんおっしゃるのは、よく昔の漁業センサスであると、属人統計のような生産者の所在地ごとの集計というようなイメージかと思います。なかなか、この魚市場に水揚げしている実態の把握についても、やはり売買取引など様々な兼ね合いがあり、表面化できない点が多々あるという現状がありますことから、個別に船主から現状を伺う程度にとどまっているという状況です。基本的に、水揚げの場所は船主の選択によるもので決まってしまうという現状がありますので、引き続き、我々としましても、情報の収集に努めていきたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) 私の実務の、皆さんにこんなこと言ったら釈迦に説法になりますけれども、実務の経験からいきますと、漁業というものは、どの漁種についても、漁業種類においても、大きいものであったら大臣許可であり、県内のものは県知事許可だったり、漁協の許可があって、はえ縄であったり、建網であったり、刺し網であったり、そういったものが許可になっているわけでございます。許可になっているということは、必ず水揚げ実績の報告の義務があるわけでございます。それをそういったことを捉えていけば、水揚げ実績、この者がどこに水揚げした、数量的には分かるかも、そういったところに漁協なんか、これが漁協がやるべき仕事なのか、漁連がやるべき仕事なのか、当局がやるべき仕事なのか、そういったもののアンケートをぜひ取る必要があると思います。 そして、他の魚市場に出している漁業者の意向、なぜ釜石の魚市場に水揚げしないのか、何が欠点なのか、何を欲しているものか、足りないものは何なのか、そういったものを基礎的資料として、やはり皆さん協議して、アンケート、その基礎的資料を作るべきと思いますが、その辺についてお伺いします。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えいたします。 今、生産者、買受人の方々をはじめとするアンケートを実施してはという御提言をいただきました。ありがとうございます。今、議員おっしゃるように、このアンケートを取るに当たっては、その主体が市のほうなのか、あるいは漁連なのか漁協なのか、その辺もちょっと考えなければならない点かなと思っておりますけれども、現状のところ、アンケートそのもの、そういった手法のものは行っておりませんで、個別に水揚げした際に、船主であるとか買受人の方々から声を聞くという状況にとどまっているところです。 御提言のアンケートについても、まさに主体がどこか、どういった内容のものが必要かも含め、関係する方々にちょっと意見を聞きながらということになると思いますので、今後は、協議会などの場でちょっと協議をしながら方向性を見極めていきたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) そのことは、漁業者だけじゃなく、買受人の意向、そういったことも私は必要だと思います。この前に出された経営戦略について、将来10年間の水揚げの取扱数量についても記載してございますが、見通しについて記載してございますが、買受人がどういった方向でもって将来的にどういった種類のものを取り扱っていくんだか、どれだけの規模の数量をこの釜石で加工していくのか、そういった買い付けしていくのか、そういった意向もしっかり把握しておかないと、こういった数量というものはただ単なる数量にしか見えないんですが、そういったこういった見通しの数量というのは、これ漁連からのデータのものだと思いますが、その辺についてはどう捉えてこの数量を把握したのかお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えいたします。 まさに議員おっしゃるように、全て数値は、市漁連のほうで今、経営改善計画を進めていますので、そちらのデータを基礎にして数字を拾っております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) あまり厳しいことばかり言ってもしようがないんだけれども、魚市場の水揚げ、私は強化することは期待しております。水揚げが増強になることを期待しております。その中で、私ら、ずっと今年から当局が事業をしているサクラマス。サクラマスについて、私、前回12月にも、その額、議会あるたびに何とかそういった状況、サクラマスの状況について報告してほしいということの旨、しゃべったつもりでしたが、あえてここで今のサクラマスの養殖の状況についてお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えいたします。 海面養殖、サクラマスの養殖試験研究事業ですけれども、現在の状況ですが、岩手大学水産研究センターから、これまでサンプル調査において、比較的順調に生育しているというふうに伺っておりまして、水質調査も定期的に行っておりまして、水質においても特段問題は出ていないというふうに確認されております。春の出荷までの間に、あと数回、サンプル調査を実施する予定としておりまして、生育の状況など、情報収集に努めながら、春の出荷を目指しているというところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) 順調に育って、高い生存率で、釜石の魚市場をにぎわせてほしいと思います。 次に、磯焼けについてお伺いいたします。 岩手県が昨年末に、補正でもって、黄金のウニ収益力向上推進事業調査事業を実施したわけでございますが、1000万、それで各県内を4か所、そういった事業を推進する事業体を模索したようでございます。残念ながら、この管内ではその事業に参加しなかったんですが、その結果、綾里漁協、田老、それから久慈、種市がそういった磯焼け対策を通じたそういった事業に参加したと報告がありますが、なぜ釜石は、釜石湾内の漁協はそういった事業に参加しなかったのか、ほかに何かそういった別な磯焼け対策の事業をやってきたのか、その辺についてお伺いします。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えいたします。 今、御質問の内容は、岩手県が実施しております黄金のウニ収益力向上推進事業調査であるというふうに認識してございます。本事業ですけれども、ウニの移殖や飼育、蓄養などの調査を行いながら、新たな出荷モデルの構築を目指した取組であるというふうに認識しております。 御質問の大船渡、久慈、宮古、それぞれで実施をすることになったものの、市内の各漁協の状況はどうかという御質問かと思います。議員がおっしゃるように、市内の漁協は、この事業を活用しないという結果になってございます。この事業実施に当たっては、県事業ですので、県の沿岸局を中心に、市内の3漁協さん、加えて大槌町さんのほうの漁協にも訪問しながら、この事業の活用についていろいろと意見交換、可能性の調査といいますか、相談をしたというふうに伺っております。そんな中で、事業年度が応募が11月末から12月上旬で、調査開始がちょうど1月という時期もありまして、各漁協さんは、年度途中での調査開始になることや、あと蓄養に係る場所の確保など、様々な条件などを加味した上で、今回は見送ったというふうに伺っております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) 私がちょっと調べた情報によりますと、岩手県は来年度も、もう今、岩手県議会もやってはおりますが、来年度の予算の中で、やはりこの事業を強化していく、それで今年度は1000万でしたけれども、来年度は2500万、そういった事業をまた拡張していくという意向のようでございます。じゃ、新たにこの釜石の管内も参加できるのか、そういったことを聞いたところ、なかなか、今実施している4団体、その4漁協の事業を推進、拡張していくという報告があったんで、非常に残念だなと私は思っております。何とか、そういったいい事業がありましたら、当局のほうから、各漁協、そういった現場の指導を強化していってほしいと思います。そのこと、何かありましたら。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えいたします。 私どもとしましても、県のほうにも、次年度、今、県のほうの議会をしていますけれども、同様に、次年度も我々の地域でチャンスがあればという御相談はさせていただいております。なかなかちょっと厳しい状況だという返事しか返ってこないんですけれども、我々としましては、この県事業のほかに、磯焼けに関しては近隣の大学、あるいは試験研究機関でも同様に調査事業などをしておりますので、そういった機関の方々と連携しながら、直接すぐ事業に結びつかない場合であっても、調査事業として取り組めないかということで、今、関係機関のほうともいろいろと議論をしているところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) 磯焼けに対して、当局でもいろんな事業をやっているという報告がありました。まして、ドローンを活用した磯焼け調査事業をやっている、そのドローンを飛ばしたことによって何を得たのか、どういったことが分かったのかお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えいたします。 まさにデータを今蓄積している最中でして、繁茂状況であるとか生息域であるとか、上空からの撮影になりますので、そのエリア、区切ったメッシュのような状態で、例年の規模からいくとこのぐらいとか、今、データを蓄積しながら比較する作業を進めているところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) ドローンも、それなりに重要、それなりに把握できると思いますが、私は、唐丹であれ釜石湾であれ東部漁協であれ、そういった漁場の違いによって、磯焼けの状態というのが各地違ってきている部分があるんだろうと思います。まず、水中でもって確認して、平米当たりどれだけのウニがあって、どういった状況なのか、じゃ適正な漁場というのはどういったことまでやっていくのか、平米当たりウニの数が何個、そういったことを目指していくことも必要なもので、そういった定点の観測というものは必要と思います。 私らとの、私なんか時々、アワビの口開けの際に漁場に出て、参加させていただくわけですが、そこで箱眼鏡を見ると、あっと驚くだけなんですよ、もう。あまりにもウニの個体が多過ぎて、これじゃ幾ら新芽の草が出てきても、すぐ餌としてなくなる、とにかくウニの個体数を減らすということが大事なんだと思います。そういったことも重要だと思います。 それで、磯焼け対策で成果している地区も全国にはあると聞いておりますが、そういった先進事例が分かっている部分があれば教えてほしいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) ただいまの御質問にお答えします。 議員がおっしゃっていました生育の状況、環境などについては、水産技術センターがもう長いデータを取っているものもありますので、そういったものも活用しながら、今後進めてまいりたいというふうに考えております。 磯焼けに関する取組なんですけれども、鉄鋼スラグの関係で、多分これは全国的にいろいろなニュースにもなった記憶があるんですが、大手鉄鋼メーカーさんが鉄分供給による藻場再生という技術を生かしまして、海の森プロジェクトという取組を行っているものと認識しております。海の森プロジェクトは、鉄鋼スラグと廃木材、チップを発酵させまして、人工的な腐植土であるとか腐植酸鉄を作り出して、人工的に鉄分を供給することで自然界の鉄不足を補いながら、藻場の再生につなげるというのが実証の内容だというふうに伺っております。 実際によく報道される地域につきましては、北海道の増毛町、あと三重県の志摩市などが、コンブなどの海藻類が繁茂し、魚類のほか、多様な生物が藻場に戻ってきたなどという結果が出ているというふうにお伺いしております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) 磯焼けの原因として鉄分の不足、そういったものが森林の伐採や、河川からの、上流の開発によって河川を通じて流れてくる鉄分が不足して磯焼けを起こしているのも、その一つの要因だと言われております。ぜひ、そういった藻場の環境が整備されることが漁村にとっても漁業者にとっても大変大事なんだろうと思います。その藻場が再生された先に、私ら期待しているような、今、ブルーカーボン、グリーンカーボンが言われているわけでございます。藻場がきっちり再生し、釜石には山林もあります、グリーンカーボン、海にはそういった藻場があればブルーカーボンが今後期待される部分があると思いますし、釜石の生きる道かなとは、私、思っております。 そのブルーカーボンを、ブルーカーボン、養殖ワカメ、養殖コンブから出た産物によって、それが炭素を吸収する、そういったことを数値として捉え、それを経済の取引の対象に販売する、そういったことをやっている普代村、そういったところがあるわけでございますが、普代村の養殖ワカメ、養殖コンブは、あそこも盛んでございますが、養殖ワカメ、養殖コンブで、生産量はここ釜石よりは少ないわけでございますが、養殖ワカメが500トンぐらい、それからコンブが千二、三百トンなんだと思います。それから出されるCO2が58トンという形で算定されております。その単価は、これは実際に横浜市と契約し、単価はトン当たり8800円、そういったことをもう実際に取引しているようでございます。 ちなみに、管内では、唐丹はじめ、釜石湾、それから釜石東部、養殖ワカメ、養殖コンブ、生産しているわけでございます。その生産量は、大体、以前から見たら大分少ないんですが、2700トンから3000トンぐらいが想定されるわけでございます。それから換算していくと、やはり今後、ブルーカーボンがいろんな今後の、何ですか、カーボン、何ていったっけな、カーボンニュートラルですか、カーボンニュートラルの話題に上がってくるものだと思います。その辺について、考えがあればお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産課長。 ◎水産課長(小山田俊一君) お答えいたします。 今、議員のお話は、多分、ブルーカーボンではないかと思います。ブルーカーボンは、二酸化炭素などの温室効果ガス、これらを減らすための活動とシステムで、人や社会経済活動を通じて排出される温室効果ガス排出量のうち、努力しても削減できない量の一部を他の場所で排出、削減、吸収するなど、埋め合わせを行う仕組みであるカーボンオフセット、埋め合わせのほうですのでオフセットではないかというふうに思います、カーボンオフセットであると認識しております。 まさにお話がございましたのが、先進して取り組んでいる横浜市でございまして、横浜市が行っている海洋資源を活用した温暖化対策プロジェクトが横浜ブルーカーボンという名称になりまして、これが普代村で活用している取組で、普代村は養殖ワカメと養殖コンブの水揚げ高から算出された二酸化炭素の吸収固定量を基に、2020年、令和2年2月に横浜市から、クレジットを創出する団体としてCO2吸収量58トンの認証を受けたところでございます。このクレジットは、CO2の吸収量1トン当たりが約8000円で、58トン全てのクレジットの買取りが成立した場合には46万4000円が普代村に支払われるという流れになっておりまして、これがブルーカーボンの流れになります。この普代村は、支払われた金額を基に水産業の活性化に役立てるというふうに伺っております。 ということで、市としましても、こういった取組もあるので、何かこの可能性として、藻場の再生もできますし、こういったクレジットの創出団体になると地域の貢献にもつながるという点もありますので、本年度、かまいしのDMCのほか、庁内関係課と一緒に横浜市の担当者と一度、意見交換を行っておりまして、今後も、こういった場を使いながら引き続き意見交換を重ねて、活用の可能性を見出していきたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。 ◆8番(遠藤幸徳君) 国も、2050年、温室効果ガスの排出量ゼロを目指しているわけでございます。県北においては、やはりそういった温室ガスゼロを、そういった実質ゼロを目指した宣言をしている自治体もございますので、ぜひ釜石市もそのことをしっかり捉えてやってほしいと思います。 それから、時間的にもう少ないんですが、漁場環境は、我々漁村、漁業者にとっても大事な問題でございます。まして、震災後、原発でもっていろいろな風評被害が私ら漁業者は受けてきました。それで、今、漁場環境問題で福島原発の汚染水の処理、トリチウムを含んだ汚染水処理が海洋放出、国ではそういったことを思って計画しているようでございますが、漁業者にとってはやはり大きな問題でございます。漁業者ならず、住民にとっても大きな問題でございます。我々の母体である岩手県漁連も、もう終始一貫、その反対を宣言しております。 なかなか、科学的には安全だと偉い先生方は言いますが、やはりそれと住民の理解、そういったものは別の問題でございまして、このこともやはり多分出されるのかもしれませんが、住民の意向をしっかりした形でもって、釜石市としてやはり何とか考え方を示すべきと思いますが、市長、お願いします。 ○議長(木村琳藏君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 原発のトリチウムを含んだ汚染水の問題でございますけれども、これについても、実は以前からいろいろと議論を重ねてきているところでございます。2月にでしたか、沿岸の期成同盟会の会がございまして、その席でも、私を含めて各首長さんからも様々な意見が出されてきたところでございますが、結論から言いますと、もちろん私も反対ですが、同盟会としても、岩手県の被災沿岸の12の首長さんは全員これについては反対を表明しているところでございます。 その大きな要因といたしましては、今、議員おっしゃったとおり、今までもこの原発問題で水産業はじめ、多くの方々がいわゆる風評被害、あるいは直接の被害を受けて今日に至っていると、こういうことも含めまして、ぜひ、この福島だけじゃなくて、これは東北、あるいはまた日本全体の水産業に大きく影響するということが1点でございます。 それから、今お話がありましたとおり、科学的な根拠については、いろいろと専門の先生方がおっしゃっているわけでございますけれども、我々素人にはなかなか分からない部分がございます。ぜひ、これはもう一度原点に返って議論を深めていただきたいと。これは国においても、それから我々地方自治体におきましても、ぜひ議論を深めながら、国民みんながこれ納得した形で、どのような決断をするか分かりませんが、ぜひみんなが納得する形でこの処理をしていただきたいということでございます。 なかなか理論的なことを言われますと、それに対して是非を、答えが我々も詰まるわけでございますが、先ほど議員おっしゃったとおり、科学的な理論と住民の意識の問題、これは別問題だという話がありましたが、まさにそのとおりだと思っております。ぜひ、我々の思いが国のほうにも御理解をいただいて、もう少し議論を重ねて、もしいい方法があるんであれば、そうでない別な方法で処理をしていただく、もし海に放水するということであるならば、今おっしゃったとおり、もう少し議論を深めて、多くの方々の御理解が得られるようにしていただければと思っています。これについては、反対だということを再三にわたって、復興庁はじめ、関係省庁には伝えているところでございますので、今後もこのような意見は述べさせていただきたいと思っております。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君。持ち時間あと3分でございます。 ◆8番(遠藤幸徳君) そんなになるの。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)はい。 では、帯状疱疹のことについてお伺いします。 帯状疱疹のワクチンについて、私、帯状疱疹になって初めて帯状疱疹のワクチンがあるというようなことが分かったもので、ぜひ、これを知らない人がいっぱいいるもので、帯状疱疹のワクチンがあるということをやはり保健活動の中でしっかりと啓発してほしいと思います。要望です。 終わります。 ○議長(木村琳藏君) 8番遠藤幸徳君の一般質問を終わります。 2時10分まで暫時休憩をいたします。               午後2時休憩---------------------------------------               午後2時10分再開 ○議長(木村琳藏君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を続行いたします。 次に、14番山崎長栄君、登壇願います。  〔14番山崎長栄君登壇〕 ◆14番(山崎長栄君) 通告をいたしました4点について順次質問をいたします。 初めに、施政方針演述についてであります。 去る2月13日深夜に発生したマグニチュード7.3の地震は、東日本大震災を思い起こすに不足のない地震でありました。強い揺れが続く中で、直感的に脳裏に浮かんできましたことは、あの凄惨な光景をいま一度見ることになるのか、そして、つらく不自由な生活が再びこの瞬間から始まったかもしれないでありました。消防団員として出動する身支度を整えたものの、幸いに津波の襲来はなく、安堵したわけでありますが、大きな犠牲を払い、嘆き苦しみ学んだ災害への心構えとその準備は、決して忘れることなく、怠ってはならないと改めて突きつけられ、思い知らされた地震ではなかったかと存じます。 市長は、施政方針演述で、防災意識の向上に触れられ、「昨年9月に公表された日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデルでは、津波浸水区域の拡大が示唆されております。また、想定し得る最大規模の降雨による洪水浸水想定区域図では、甲子川や小川川、鵜住居川、それぞれの流域において広範囲の浸水が想定されているなど、これまで以上に自然災害への備えを重視した取組を進めていく必要がある」、そのように述べられました。 そこで、避難訓練実施の概要と、ハザードマップの整備は急がれますが、その時期などについてお尋ねをいたします。 気温の低下する冬季における避難は、寒さ対策も必要であり、自己完結すべきですが、避難が長時間に及ぶことも想定されますことから、指定する避難場所によっては、その対策も必要ではないかと考えます。また、地震、津波に限らず、災害が予測され、避難指示が発令、避難所が開設された場合のコロナ感染対策、停電となった際の照明や暖房、対応に当たる人材の確保など、気がかりでありますが、想定される課題とその対策は万全なのかお尋ねをいたします。 地域防災力の向上では、自主防災組織と防災士について触れられましたが、組織率の向上とその養成に取り組みながらも、行政による指導と資格者の活用策がいささか不十分ではないかと存じますが、所見をお伺いいたします。 避難行動要支援者の避難と個別計画の策定についてお尋ねをいたします。 令和3年通常国会に、災害対策基本法等の一部を改正する法律案の提出が予定されています。成立した場合には、自ら避難することが困難な高齢者や障がい者等の避難行動要支援者の避難の実効性確保に向け、地方公共団体に対し、個別避難計画の作成について努力義務が盛り込まれるなど、取組への充実が求められると伺っています。内閣府及び消防庁国民保護・防災部防災課は、個別計画の策定促進に資する効果的、効率的な手法を構築するため、モデル事業や専門家の派遣を実施し、現場における当該計画策定作業等の分析を通じて、策定ノウハウの確立を図るとし、またその成果を踏まえ、フォーラム等を実施し、個別計画の全国的な策定推進を図りたいとしています。 しかし、個別避難計画の策定は、要配慮者の避難の実効性を確保するための支援人材が不可欠であることから、極めて困難な作業になることが予測されます。自らの身体に危険が及ぶことを承知の上で、要支援者を引き受けるには、相応の決意と覚悟も求められますが、果たして個別計画の策定は進むのでしょうか。災害から避難行動要支援者を守るためには、安全な地域に住まいを移していただくことが最も確実な対策ではないでしょうか。そのための財政的支援策など、国が政策としてつくることを提言すべきですが、計画策定の見通しと併せて、その見解をお伺いいたしたいと思います。 次に、福祉避難所についてであります。 福祉避難所の制度の見直しが検討されています。内閣府令等の改正により、福祉避難所ごとに、あらかじめ受入れ対象者を特定し、本人とその家族のみが避難する施設であることを明示し、指定する新たな制度が創設される予定であり、これを踏まえ、福祉避難所の指定避難所としての指定を一層進められたいこと。受入れ対象者を特定して公示することにより、指定避難所としての指定が進み、受入れ対象者への支援内容の検討や必要な物資の備蓄、非常用発電機等の設備の準備を一層進め、一般の避難所で過ごすことに困難を伴う障がい者等の福祉避難所への直接の避難を促進していくことにもつながると考えられていること。以上のことなどを踏まえ、内閣府において令和3年春頃に、内閣府令及び福祉避難所の確保・運営ガイドライン等が改訂、公表される予定と伺っています。 当市の福祉避難所の課題についてお伺いするとともに、広い地域と利用の緊急性を考えますと、市内におきましては複数の身障者の福祉避難所が必要と思われますが、所見をお尋ねいたします。 次に、移住・定住の促進についてであります。 コロナ禍を機縁にして、都心部から神奈川、埼玉、千葉への転出者が増えていることが報じられています。総務省によりますと、東京都では、昨年7月以降、5か月連続で転出者が転入者を上回り、脱東京の動きではと注目を浴びています。この動きが首都圏を越えた地方移住の流れにまで加速するか否かは、移住・定住を促進したい地方の自治体による的を絞った戦略が鍵となるのではないでしょうか。地方に移住を考える際に、断念する理由に上げられるものは、収入源となります仕事や子育て環境と教育、あるいは医療環境などであり、移住は望むものの、生活上の不安が拭えないことが大きいのではと推測されます。移住への推進を図るためには、そのような地方が抱える弱点を克服していく必要がありますが、全てを変えることは困難であり、非現実的であります。地域の持つ特性を生かし、優位性を特化するなど、戦略的な取組こそが重要なのではと考えます。 近年、行政活動に民間企業のマーケティング等の経営手法が導入されつつあると聞きますが、検討されたことはあるのでしょうか。あるいは、シティプロモーションに取り組んでいる自治体が増えておりますが、当市のシティプロモーションへの取組とその成果について、どのような評価がなされているのかお尋ねをいたします。 さらに、当市の特性を生かしながら、優位性を特化し、戦略的な移住・定住を進めるための具体的な取組についてお伺いをいたします。 以上、壇上からの質問とさせていただきます。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 山崎議員の御質問にお答えをいたします。 避難訓練実施の概要とハザードマップの整備についての御質問でございます。 まず、地震・津波避難訓練についてでございますが、昨年9月1日に予定をしておりました地震・津波避難訓練は、新型コロナウイルスの感染者が全国的に増加していることを踏まえ、感染予防の観点から、市民が一斉に参加する形での訓練を取りやめ、防災の日であります9月1日から1週間を地震・津波訓練週間と位置づけ、市民、事業者などの自主訓練方式として実施をいたしました。 自主訓練の内容としては、地震から身を守るシェイクアウト訓練や、地震発生から15分を目途に避難場所や高台などへの迅速な避難行動につなげていただくものといたしました。地震・津波訓練の目指すものは、まずは、今後も発生することが予想される地震・津波から大切な命を守ることであり、命を守る行動を市民がスムーズにできること、そして避難行動により助かった命を大切にするための行動、備えができることが大きな目標であります。このようなことから、令和3年度以降におきましても、地震・津波訓練週間の位置づけは継続しつつ、9月1日には、防災行政無線のサイレン吹鳴を合図にした市民一斉による避難訓練を予定しております。 また、東日本大震災の例を見ましても、避難所の運営は、地域との連携、協力をいただくことが不可欠であり、地域を挙げた協力により避難所の運営がなされたものと認識をしております。新型コロナウイルス感染症の動向を注視しながらの対応となりますが、町内会など、地域の方々の協力をいただいた上で、避難所開設から運営までの総合的な訓練について、地域と一体となった展開についても今後検討してまいりたいと考えております。 洪水・土砂災害避難訓練につきましては、これまでは、洪水・土砂災害のハザードマップ作成に取り組んだ町内会の中から1町内会にお願いをし、ハザードマップ作成の翌年の出水期前に避難訓練を実施しておりましたが、今年度は、新型コロナウイルスの影響を考慮して中止させていただいております。地震・津波とは違い、洪水・土砂災害の発生は、各地域の地形や雨の降り方等によるため、一斉での避難訓練は困難であることから、このような形を取ってまいりました。全国的に見ると、毎年のように大雨が発生しておりますので、洪水・土砂災害発生の可能性の高い地域が大変多い当市では、避難訓練の必要性はあると認識をしております。 現在は、気象庁をはじめ、テレビ、ラジオ、インターネット等で、早くから多くの気象情報が得られる状況であります。また、岩手県による危機管理型水位計の設置や当市における簡易気象計、ポテカ(POTEKA)の設置など、従来よりもきめ細やかな気象情報の収集手段が整備されておりますので、これらを市民自らが活用し、御自分の判断で避難行動に結びつくような取組を進めてまいりたいと存じます。 次に、ハザードマップについてでありますが、ハザードマップは、平時から災害に関するリスク情報を市民に提供することで、迅速な避難行動に結びつけるための重要なツールであると認識をしております。 当市では、これまで、洪水・土砂災害に主眼を置いたハザードマップの作成をしておりましたが、令和2年度においては、洪水・土砂災害に加え、津波浸水リスクも併せたウェブ版の総合ハザードマップの作成を進めております。これは、本年3月末の完成を目途に作成を進めておりますが、このウェブ版総合ハザードマップでは、電子データを用いて、土砂災害警戒区域や甲子川、鵜住居川などの洪水想定区域のほか、東日本大震災津波の浸水域に加え、昨年9月に公表されました日本海溝・千島海溝沿いの最大クラスの津波による浸水想定域について地図上に表示をするなど、広く市民の皆様に浸水リスク等を周知してまいりたいと考えております。 今後、県が進めております最大クラスの津波が悪条件下で発生した津波浸水想定が公表された場合には、そのタイミングに合わせて、電子データの更新を行いたいと考えております。 なお、これまで、町内会単位を基に作成を進めてまいりました洪水・土砂災害ハザードマップにつきましては、地域の実情や特性に応じた洪水・土砂災害などのハザード情報が記載されるなど、避難のタイミングや避難行動に有効となるマップと考えておりますことから、引き続き、地域でのワークショップなどを行いながら、作成に取り組んでまいります。 以上をもちまして私からの答弁は終わりますが、引き続き関係部長等が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 総務企画部長。  〔総務企画部長佐々木勝君登壇〕 ◎総務企画部長(佐々木勝君) 私からは、行政活動に民間企業のマーケティング等の経営手法の導入を検討したことはあるのかとの御質問及び当市のシティプロモーションの取組とその成果についての御質問にお答えいたします。 まず、行政活動に民間企業のマーケティング等の経営手法の導入を検討したことはあるのかとの御質問ですが、多様化、複雑化していく社会課題に対応し、地域のアイデンティティーやブランドを醸成しながら、持続可能なまちづくりを実現していくための手段として、民間の経営手法やマーケティング理論を行政活動に活用する動きが全国的に広がっているものと承知をしております。 当市では、行政経営に民間の経営手法を導入することを積極的に推進していくものとして捉え、第4次釜石市行政改革大綱においても、その基本方針5の中で「DX化の推進による働き方の変革」や「多様な人材の登用による課題解決」といった方針により、行政サービスの効率化や市民サービスの向上、あるいは外部人材の登用によって様々な地域課題の解決のためのアプローチをより柔軟に行うための取組を推進していくこととしております。 これまで、当市においては、自組織に閉じることなく、積極的に組織外の資源やつながりを生かして新たな価値創出を図るオープンイノベーションの考え方を取り入れながら、地方創生事業の推進を図ってきたところです。民間企業出身者の任用や経済同友会をはじめとする出向社員の受入れ、地域おこし企業人制度を活用した企業人材の招聘や都市部企業とのパートナーシップ締結などはその一例ですが、オープンイノベーションを推進していくためには、社会の潮流や技術革新といった様々な変化を敏感に捉え、釜石に多様な人材や資源を還流させていくとともに、多様性を受容し、挑戦を応援し合う地域の土壌を耕していくことが重要であると考えております。 次に、当市のシティプロモーションの取組とその成果についての御質問ですが、地域内外のつながりを創出、活用していくことで、持続可能なまちづくりの在り方を探求する釜石市オープンシティ戦略においては、その根底にシティプロモーションの考え方を取り入れながら、様々な事業を展開してきた経過がございます。 平成28年度から3年間にわたって活動してきた釜石シティプロモーション推進委員会では、釜石在住の写真家が撮影した良質な四季折々の写真をフリー素材として提供する釜石フォトライブラリーを開設し、地域の特色や個性を体現する人に出会う、新しい旅の形を提案する体験アクティビティ、ミートアップ釜石(Meetup Kamaishi)を構想し、これらは釜石市観光ビジョンに定めるオープン・フィールド・ミュージアム構想に結実をしていきました。 ローカルベンチャー推進事業においては、ホームページやSNS、首都圏等でのイベント開催など、積極的なプロモーション活動に取り組むことで、釜石は多様な人材、挑戦を受け入れる開かれた地域を目指すというブランドイメージを蓄積しながら、地域おこし協力隊の採用や地場企業へのU・Iターン採用及び副業マッチング等へつなげてきたところであります。 昨年度には、当市の復旧・復興、そして未来に向けたまちづくりの歩みを世界に発信する機会として、多くの市民と多様な関係者と共に、ラグビーワールドカップ2019釜石開催を開催させていただいたところですが、橋野鉄鉱山のユネスコ世界遺産登録や、環境未来都市、シェアリングシティの認定、持続可能な開発目標SDGsや関係人口といった新しい概念を柔軟に取り入れた地方創生事業など、先進的なプロジェクトに挑戦をし続ける地域の姿勢そのものが、当市のシティプロモーションにおける重要な価値の源泉であり、直接的、間接的に様々な成果に帰結をしてきたものと認識をしております。 また、シティプロモーションに関する近年の議論では、特定の組織、団体のみが地域のPRに携わるのではなく、地域が一体となり、面的な情報発信やブランディングに取り組むための手法として、市民の地域に対する肯定感や誇り、積極的な関わり等を示すシビックプライドという考え方が改めて注目されているものと承知をしております。 新型コロナウイルスの影響によって浸透しつつあるリモートワークや副業、兼業、個々人の多様な働き方の包摂や、働く場所と暮らす場所の遊離など、脱東京とも言われるような地域への人的還流を当市へ呼び込んでいくために、変化をし続ける社会のトレンドに呼応する挑戦を積み重ねながら、第六次釜石市総合計画を推進するための基本的な考え方として位置づける「多様な連携と交流によるまち」の多様な人材、機会の還流の推進に向けて取り組むとともに、市民一人一人が地域の課題や可能性に触れ、同じく第六次釜石市総合計画の基本的な考え方として位置づける「全市民参加でつくるまち」に向け、協働によるまちづくりを推進してまいりたいと考えております。 ○議長(木村琳藏君) 保健福祉部長。  〔保健福祉部長水野由香里君登壇〕 ◎保健福祉部長(水野由香里君) 私からは、災害時の避難について及び福祉避難所についての御質問にお答えします。 まず、災害時の避難についての御質問ですが、避難行動要支援者は、災害時に配慮を必要とする要配慮者のうち、自ら避難することが困難であり、避難をする上で特に支援を必要とする方を対象としており、当市の避難行動要支援者の登録者数は、令和3年2月末現在で359名となっております。 避難行動要支援者登録者には、災害が発生した際や災害が発生する可能性が高まった際に、避難支援を速やかに実施することができるよう、個人の事情や地域の特性などを考慮した避難計画をあらかじめ作成する個別計画の策定が求められております。当市において、個別計画が完了している地区は、栗橋地区と小川地区の一部の48名で、策定率は約13%となっております。 現在、国では、令和3年通常国会において、災害対策基本法等の一部を改正する法律案の提出が予定されており、成立した場合には、避難行動要支援者の個別計画の策定に対して、新たな地方交付税措置を講じ、モデル事業の実施や専門家派遣等を行って、避難の実効性の確保に向けた取組を強化することとしています。 しかしながら、個別計画の策定については、人命に関わるため、地域の中で支援者を確保することが非常に困難な状況であるとともに、支援者は、自身や家族の安全を確保した上で、登録者の避難支援を行うことになっておりますので、当市の釜石市防災市民憲章で掲げる「一度逃げたら 戻らない 戻らせない」という行動とは異なるものになっております。 また、個別計画の策定には、津波浸水区域、土砂災害危険区域、水害(洪水)浸水区域ごとに想定される被害に応じた避難方法や、日中や夜間における支援者の設定などを行う必要がありますので、課題は山積しています。 このような状況の中でも、災害から避難行動要支援者を守るため、町内会や消防団、自主防災組織、民生委員などと連携し、地域の実情に合わせた解決方法を模索してまいりますが、安全な区域に住まいを移転していただくという方法も有効であると考えますので、今後、機会を捉え、国等に要望してまいります。 次に、福祉避難所についての御質問ですが、福祉避難所は、災害時に一般の避難所において避難所生活が困難な高齢者や障がいのある人など、何らかの特別な配慮を必要とする方が避難する施設であり、当市においては、東日本大震災の教訓を踏まえ、現在10か所の施設を福祉避難所として指定しています。 福祉避難所は、必要に応じて開設される二次的避難所であり、災害発生時には、まず身の安全を最優先とし、緊急避難場所に避難することが原則ですが、実際には、避難に特別な配慮を要する方が避難所を移動することは、困難や危険を生じることが想定されます。現在、国会で検討されている福祉避難所の制度の見直しが実現すれば、あらかじめ受入れ対象者を特定する必要はあるものの、避難者への支援内容の検討や必要な物資の備蓄、非常用発電機等の設備の準備を進めておくことができ、一般の避難所で過ごすことに困難を伴う障がい者等の安全をより確保することができると考えています。 現在の福祉避難所は、避難対象者をあらかじめ想定しておりますが、障がい者を対象とした避難所は3か所のみであり、そのうち身体障がい者を対象としたものは1か所、知的障がい者を対象としたものは2か所、精神障がい者を対象としたものはありません。受入れ可能な場所が足りないことが一つの課題であります。 また、入所施設ではない2か所の避難所は、夜間や休日には職員が不在になるため、災害が発生した場合の施設の開錠、避難所担当職員の配置、物資の調達など、避難所としての態勢が整わないことも大きな課題です。 障がいのある方が災害時に安心して避難生活を送ることができる福祉避難所の整備は急務でありますので、釜石大槌地域障がい者自立支援協議会と連携しながら、今後も、福祉避難所として活用可能な施設を検討するとともに、既存の福祉避難所の機能確保に取り組んでまいります。 ○議長(木村琳藏君) 産業振興部長。  〔産業振興部長平松福壽君登壇〕 ◎産業振興部長(平松福壽君) 私からは、当市の特性を生かした戦略的な移住・定住を進めるための具体的な取組についてお答えいたします。 当市は、古くから鉄と魚とラグビーのまちとして栄え、内外の人材が積極的に交流を行ってまいりました。近年は、オープンシティ釜石として、オープンシティ戦略にも示されているとおり、「市民一人ひとりが役割を持つ、真に開かれたまち」の実現を目指してまいりました。これらの過程において、多様な人材、機会の還流を促し、挑戦しようとする人々を受け入れていくまちの風土が生まれてきたものと認識しております。 こうした特性を背景として、当市への移住・定住を促進するための具体的な取組の1点目は、広報活動です。 今年度、釜石はどんなところで、どんな人が暮らしているのかをPRする移住定住ポータルサイトとパンフレットを作成いたしました。これは、新年度もさらに内容を更新すべく予算を計上しております。パンフレットは、東京の岩手県U・Iターンセンターや認定NPO法人ふるさと回帰支援センターにも備え付け、移住相談があった際に使用していただくこととしておりますが、さらに市外、県外の方の目に触れるよう、周知に努めてまいります。 2点目は、独自のU・Iターン誘導施策です。 昨年10月から開始いたしました釜石市ライフデザインU・Iターン補助金は、住宅の購入、賃貸以外に、3親等以内が所有する家を改修して住んだ場合の工事費も補助対象としており、本日時点で14件の交付を決定しております。新年度も、働く場所を選ばない新しい生活様式を釜石で実現してもらうための呼び水として継続してまいります。 さらに、昨年度から実施している次世代UIターン喚起事業では、主に2つのイベントを開催いたしました。これは、釜石で自分に合った仕事や働き方を見つけ、釜石で働くことを選択肢に加えてもらうことを目的としたものです。 12月のイベントでは、市内にいる学生の親世代向けとして、昨年8月に当市に移住された方に御講演をいただき、子供たちがUターンしたいと思えるまちづくり、親が自信を持って帰ってきてと言えるまちづくりの重要性を再認識したところです。 2月のイベントは、学生を中心とした若者を対象として、オンラインで若者と市内企業が直接話す機会を設けたものです。当日は若者17名の参加があり、うち半数が釜石・大槌出身者で、参加した企業からは、大学生を中心とした若者、特に市内出身の若者と話す機会はありがたいという声をいただきました。企業、若者双方のニーズに応えるためにも、新年度も継続して開催してまいります。 さらに、地方における就職活動は、大手就活サイトを使うよりも、学生自身が会社の情報を収集する場合が多く、企業の情報発信力が非常に大切であることから、1月にオープンした、しごと・くらしサポートセンターにおいて、市内企業の情報発信力や採用力を高めるセミナーや直接指導の機会を提供しております。 また、現在、転入転出手続で市役所を訪れる方にアンケートをお願いして貴重なデータを得ているほか、新たに、お試し移住ツアーの企画を進めており、今後とも、センターに寄せられる声や様々な機会を通して情報を集め、工夫を凝らして効果的な施策を企画立案し、実施してまいります。 3点目は、全市的な体制の構築です。 移住・定住に取り組むためには、行政だけでなく、官民一体となって取り組んでいく必要があります。そのため、まず、しごと・くらしサポートセンターに、4月から移住・定住及び空き家の活用に関する相談業務を統合し、釜石での仕事と移住に関する情報提供と相談機能を一元化することといたしました。あわせて、昨年9月に組織した地域雇用サポート事業運営検討委員会を改組し、関係機関が一堂に会して情報を共有する体制を整えてまいります。 さらに、移住コーディネーターを新たに2名委嘱したほか、転入者の声を直接聞く機会を定期的に設けるべく準備を進めております。 加えて、当市の特性である鉄やラグビーのつながり並びに東日本大震災の復興支援をいただいたネットワークを生かして、首都圏在住の移住コーディネーターも委嘱する予定です。 これら移住・定住の促進には、仕事と住宅だけではなく、子育て環境や教育、医療、買物や余暇の楽しみ、転入者を温かく受け入れる環境など、生活全般に関わる取組が必要です。今後とも、様々な課題解決に向けて、庁内はもとより、全市を挙げて取り組む体制づくりに努めてまいります。 ○議長(木村琳藏君) 危機管理監。  〔危機管理監佐々木亨君登壇〕 ◎危機管理監(佐々木亨君) 私からは、避難所において想定される課題とその対策について及び自主防災組織の組織率の向上と養成の取組において、行政による指導と防災士の資格者の活用策が不十分ではないかとの御質問にお答えします。 まず、避難所において想定される課題とその対策についての御質問ですが、災害対策基本法第49条では、避難所について、災害の危険性があり避難した住民等を災害の危険性がなくなるまでに必要な間、滞在させ、または災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させるための施設として市町村長が指定することと規定しております。このことから、当市では、災害対策基本法施行令で示している基準に基づき、緊急時に市民等が一時的に滞在する施設として、19か所の拠点避難所を指定している状況にあります。 まず、避難所の運営については、当市では、これまで、事前に避難所担当職員を割り当て、市民生活部が中心となり、運営等の統括的な役割を担い、避難所の開設や運営を行うこととしております。しかしながら、東日本大震災時を思い起こしますと、町内会をはじめとする地域の方々の御協力なくして長期間の避難所運営をすることができませんでした。したがいまして、職員の防災に関する資質向上はもちろんでありますが、災害対応に従事する職員数にも限りがあるため、今後は、地域に精通した町内会などの協力を得ながら、地域と一体となった避難所運営を目指していく必要があると認識をしており、その実現に向け努力してまいりたいと考えております。 次に、寒さ対策や停電対策、そして新型コロナ感染予防対策についてでありますが、拠点避難所に備蓄している物品を紹介いたしますと、約3日分の水や主食、また液体ミルクなどの食料品はもちろんのこと、寒さ対策として、毛布や簡易マット、アルミブランケット、ストーブ、衣服など、停電対策として、発電機、照明、懐中電灯など、そして新型コロナ感染予防対策としては、マスクやフェースガード、消毒液、石けん、ゴム手袋などの衛生用品のほか、段ボールベッド、エアベッド、間仕切り用のテント型パーテーションなどを備蓄しております。 備蓄に当たっての課題でありますが、19か所の拠点避難所においては、おのずと備蓄エリアが限定され、必要最低限の備蓄となっておりますことから、必ずしも市民の皆様の期待に沿う物品点数には至っておらず、長期間等の避難で不足する物品については、別途、市内に設置している備蓄倉庫からの配送を行うなど、適宜対応する計画としております。しかし、それでも十分とは言えないと存じますので、避難される方々が食料や防寒具、常備薬、衛生用品など、自分に必要な物品を事前に準備し持参していただくことができるかどうかが大変重要であると考えており、改めて市民の皆様に周知をしてまいります。 新型コロナウイルス感染予防対策でありますが、避難スペースについては、市教育委員会や学校の御協力をいただき、一部の教室等の利用が可能となったことから、1人当たりの占有面積を2平方メートルから8平方メートルに拡大をしております。また、定期的な消毒作業や換気に加え、必要に応じてパーテーションや段ボールベッドなどを利用するなどし、密集、密接、密閉のいわゆる3密回避に向けた空間を創出するよう取り組むこととしております。 新型コロナウイルス感染予防のポイントは、飛沫感染と接触感染の機会をいかにして減少させることができるかだと考えております。そのためには、避難者をはじめ、避難所内にいる全ての方々が手洗いや手指などの消毒、咳エチケット、大声で話さない、お互いの距離感を保つなど、それぞれの責任のある行動が求められ、個人の行動に頼らざるを得ない側面もあります。 一方で、避難は、市が指定する避難所だけが選択肢ではなく、可能な場合には、親戚や友人、民間宿泊施設などへの分散避難も有効であり、避難行動の事前準備として検討をいただくよう、市広報紙などを通じて周知しているところであります。 新型コロナウイルスの影響で、従来の避難所運営とは違った対応が必要となり、現時点で、必ずしも感染予防対策は万全であるとは言い切れない状況にありますが、引き続き、様々な課題を解決しながら、感染リスク低減のための取組を行い、市民の安心・安全を確保してまいります。 次に、地域防災力の向上に係る自主防災組織の組織率の向上と養成の取組において、行政による指導と防災士の資格者の活用策が不十分ではないかとの御質問ですが、まず自主防災組織につきましては、現在45の自主防災組織が活動しており、そのほとんどは町内会や自治会単位で結成された組織となっております。東日本大震災以前は、積極的に避難訓練等の活動をしておられた団体も、震災を契機として、住民がその地域を離れ、仮設団地への入居などとともに、活動休止を余儀なくされ解散をした事例や、被災地区での住宅再建とともに、新たな町内会、自主防災組織を結成した事例もあります。 昨年9月には、内閣府が日本海溝・千島海溝沿い巨大地震モデルの津波浸水想定シミュレーションを公表したことから、浸水被害が想定される複数の町内会から、町内会としてどのような対応をしたらよいのか、自主防災組織とは何かとの問合せをいただいたことから、地域の方々との自主防災組織の結成や地域の防災力向上に向けた取組を相談しながら進めることにしております。 一方、震災から10年を契機に、組織の見直しを行い、自主防災組織の活動を活発化させたい意向の町内会や、避難所運営に関わる必要性を感じている町内会があるなど、少しずつではありますが、地域として防災活動に取り組む動きが出てきていることから、これらを生かして、自主防災組織結成に結びつけたり、自主防災組織にこだわらず、町内会のままでも地域での防災活動が活発になるような取組を進めてまいりたいと存じます。 今年度については、新型コロナウイルス感染の懸念から、思うように地域に入っていけませんでしたが、今後、ワクチン接種が開始されることもありますことから、来年度は、状況を見ながら、積極的に自主防災の必要性等について地域に出向いて説明し、御理解が深まるような動きをしてまいりたいと存じます。 また、防災士につきましては、阪神・淡路大震災での教訓を基に、地域の住民自身による新しい防災への取組を推進するため、自助、共助、協働を原則として、認定特定非営利活動法人日本防災士機構が2003年に創設した民間資格となっております。 当市では、平成27年度から防災士養成研修講座を開設し、これまでに397名が防災士となっております。防災士の資格取得をされた方々につきましては、得られた知識を自分自身や家族の安心・安全の確保のための取組に生かしていただくほか、平時においては、地域や職場においての防災意識の啓発や各種防災訓練への積極的な参加、また居住している地域においては、自主防災組織や町内会との連携を期待しているところであります。 また、当市としては、防災士としてのスキルを向上させるため、毎年、フォローアップセミナーを開催し、多くの参加をいただいております。 防災士の方々を地域防災力の向上に活用するためには、防災士の組織化や自主防災組織、町内会等との連携について、市が主導的役割を果たさなければならないと認識していますが、当市の防災士資格取得者で一番多いのが市職員であるほか、高校生の資格取得や企業、団体等の職員として資格取得した方が多いなど、地域との連携や防災士間の連携等、組織化後の展開について明確な方向性が見出せていない現状があります。とはいえ、防災士の組織化や自主防災組織、町内会等との連携は必要であると存じますので、モデル地区を決めるなど、方向性を探りながら、少しずつ進めてまいりたいと考えています。 以上をもちまして答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君。 ◆14番(山崎長栄君) 再質問に入る前に、危機管理監制をしくべきだと、そのように大分以前に、震災前だったでしょうか、提言させていただきました。それ以来、佐々木危機管理監が任命になって、これまで替わることなく務めてこられたわけです。長い間、たくさんの災害がありましたが、本当に大変だったなと、これまでの活躍に心から敬意を申し上げさせていただきたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、今回、洪水・土砂災害に加え、津波浸水リスクも併せたウェブ版の総合ハザードマップがこの3月に出来上がるということですが、すばらしいことだなと、そのように思います。そこで、このハザードマップが有効に住民が使っていくためにはどういったことが必要なのか、このことを考えなければならないと思うんですが、この作られるハザードマップを住民に有効に利用していくための施策についてお尋ねいたしたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 危機管理監。 ◎危機管理監(佐々木亨君) まず、大きな課題というのが、市民の方が必ずしもインターネット等を利用できる状況ではないというのが挙げられると思います。それから、ハザードマップを見て分かる方と分からない方がいるのかなということなので、その辺の説明をしっかり丁寧にしないと理解は進まないし、理解が進まないということは、避難行動であったり日頃の備えにつながらないということでありますので、それらを補完するような取組というのをしていきたいなというふうに思っております。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君。 ◆14番(山崎長栄君) ちょっと時間がないものですから、先にお尋ねしたいことをお尋ねさせていただきたいと思います。 行政活動に民間の経営手法を採用する際に注意しなければならないと思われることありましたら、お尋ねしたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) オープンシティ推進室長。 ◎総合政策課オープンシティ推進室長(石井重成君) 民間のマーケティング手法、経営手法等を行政の活動において活用する際の注意点といった御質問にお答えをいたします。 まず、注意点としては、民間の手法、行政の手法、それぞれの目的や違いについて知り、使い分けていくということがまず大事だというふうに考えてございます。マーケティング活動等を定義、広い形ではございますが、例えば対象を分類をして、特定の対象に定めて、効果的な事業開発やPRをしていくといった考え方もあろうと思います。一方で、行政活動におきましては、網羅性や公平性が求められるような分野、領域も多いというふうに考えてございます。 したがって、誰一人取り残さないような地域社会をつくっていくこと、あるいは社会的弱者を取り残すことなく、面的な取組を進めていく必要がある分野においては、こうした考え方はなじまないと、例えばこういったことだと思いますが、いずれにせよ、手法やその特徴を知りながら有効に使い分けていくということが必要だというふうに考えてございます。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君。 ◆14番(山崎長栄君) 確かに、今、答弁あったとおりだとも思います。最近、行き過ぎたマーケティングというものがいろいろ全国でも出てまいりまして、住民の福祉が減退してきているというようなことも指摘をされているわけです。最初から、企業は利益の最大化を目指していくのが企業倫理であり、行政の最大の目的は市民、住民の生活、生命を守るというところで、企業は不採算部門は切り捨てていきますが、行政は不採算部門こそ大事にしていかなきゃならない、それぞれ役目が違っている。ただ、そういった中で、我がまちがどうしたら発展できるのか、どうしたら住みよいまちにできるか、あるいはどうしたら企業の誘致ができるか、そういったことを考えますと、どうしても民間手法が考えられる、そこでその使い方が問われてくるのかなと、そのように思うわけです。 そこで、答弁の終わりのほうにもございましたが、近年、シビックプライドという言葉がはやり出してきていると。たしかこれはアメリカだったかなとも思いますが、このシビックプライド、そもそも日本人には郷土愛とか何とかという言葉があって、俺はこのまちで生まれてこのまちで育ったと、だからこのまちに愛着があるんだと、その愛着のあるまちのために俺は頑張るんだというようなことが言われてきたわけですが、新しいこのシビックプライドというのは、また考え方が全く違うと。むしろ、このまちで生まれていない方々がこのまちに来て、このまちをどうしたら栄えさせることができるのかなと。東日本大震災を通しまして、まさにこのシビックプライドにあふれた方々が被災地に乗り込んできていただいたなと、今もそうして活躍をされている、これこそがまさにシビックプライドではないかなと、そのようにも感じ取ってまいりました。 そこで、私は、まちづくりに必要なのは、こうした自分を大切にしながらもまちのために尽くしていく、そういう人材をつくっていくには、家庭での教育もそうですが、私は学校教育に負うところも大きいのではないかなと、そのように考えるわけであります。そこで、このシビックプライドについての学校教育との関わりといいますか、そこについて教育長からもお尋ねをできればと思います。 ○議長(木村琳藏君) 教育長。 ◎教育長(高橋勝君) お答えします。 まず、私も、シビックプライドというよりも、郷土への誇りとか郷土への愛着というふうな言葉のほうがまず思い浮かぶかなというふうな気がしております。その中で、やっぱり郷土への愛着、郷土愛、子供たちがこれからの社会の中で心豊かに生きるための一つの支えにもなるものだというふうに考えております。 そして、学校教育の中でも、まず釜石のいろんな素材を取り入れながら、まず学校としては、子供たちに郷土への誇りと愛着を持たせる、まずそれが根本になるんじゃないかなと思っています。それがないと、やっぱり人のために何かをするというふうな部分においても駄目ではないかと。自分の郷土を愛する心があって、そして相手のいろんなところの理解をすると、そういった部分も大変だと思いますので、まず大切だと思いますので、まず学校教育の中では郷土への誇りとか愛着というものを育ててまいりたいと思います。 その上でというふうなことで、例えば今、釜石のほうでは、子供たちが絆会議というのを組織して、自分たちの手で地域のためにできることを考えようということで一生懸命取り組んでいます。そういうふうな取組が将来へとつながるんではないかなと、みんなを大切にする心、人のために何かをする心、奉仕の心へとつながっていくのではないかなと捉えておりますので、そういった部分をこれからも大切にしていきたいというふうに思っております。 以上でございます。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君。 ◆14番(山崎長栄君) この概念、シビックプライドという考え方は、今後ますますまちづくりの根底に必要な人材の資質として求められてくるのかなと、そのように今思うわけであります。もう少しこの点について、今の釜石にとってこのシビックプライドという考え方はどうなのかという点について、もう少し詳細にお尋ねをしてみたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) オープンシティ推進室長。 ◎総合政策課オープンシティ推進室長(石井重成君) シビックプライドとまちづくりに関する御質問にお答えをいたします。 まず、シビックプライドですけれども、こちら日本語で言う郷土愛と同じような意味合いを持つとともに、議員おっしゃったとおり、これは必ずしも釜石に生まれた方のみを対象とするものではないという考え方がまず1点上げられます。 また、単に好き、単にここが地元だということのみならず、自分の力でまちをつくっていくと、自分の意思でまちに関わっていくと、こうした積極的なまちへの関わりを擁する市民、人材を育成をしていくことが重要であると、これがシビックプライドの議論だと認識をしております。そうした皆様を呼び込んでいくためには、あるいは地域で育てていくためには、市民協働のまちづくりを進めていくための、まさに具体的な手法だったり、新しい技術の活用といったところが、そのまちづくりを進めていく上での手法としては重要なのだと思っています。 例えば、市民協働のまちづくりでいえば、シビックテックといったような言葉、キーワードも、この総合計画を進めていく上で重要なものだというふうに承知をしてございますが、こうした新しい技術も使いながら、市民総参加でまちづくりをしていくといったことを進めていく根底には、市民の人材の地域に対する肯定感と積極的な関わり、こうした意識を醸成していくことが肝要であるというふうに考えてございます。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君。 ◆14番(山崎長栄君) それから、先ほどの答弁にもありましたけれども、DX化、デジタルトランスフォーメーションというんでしょうか、その推進によって、確かに職員の働き方改革はデジタル化によって進んできたのかなと、そのようには思います。 ただ、民間企業のマーケティングにもいろいろあるようでありますが、先ほども話が出ていましたブランディング、あるいはターゲット戦略、あるいはランチェスター戦略、あるいはセグメント化、それから釜石市も取り組んでおりますプロモーション、いろいろあるわけですが、こういった民間企業の経営手法が行政活動に入ることによってイノベーションが起きてくると、そこが狙いだとも言われておりますが、当市にとって、このマーケティングを行うことによって、果たしてイノベーションが起きてきているのかどうか、実感としてどうなのか、その件についてお尋ねをいたします。 ○議長(木村琳藏君) 総務企画部長。 ◎総務企画部長(佐々木勝君) 実感としてということでございます。 今回、第六次総合計画を策定する経過の中で、経緯の中で、市民会議、未来づくり委員会ですね、を編成して策定に取り組んだということがあります。この中で、やはり関わってくださった皆様の、自分たちがこれからも関わっていかなければならないというふうに提言書の中で提言されてくださったことが非常にこれまでと違うというふうに感じたところでございます。なので、その意識の変化といいますか、そういったものは見られるというふうな実感がございます。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君。 ◆14番(山崎長栄君) いや、非常に大事な部分だと思います。議会側のほうでも、議会改革のほうで、その総合計画に携わった方々との懇談会を行いました。若い方々が多かったわけですが、まさに新しい機軸が市内に生まれてきたなと、そういう感覚を得ました。ですから、こういったことがこれからのまちづくりには大事なことだなと、そういったことを感じ取ったわけであります。 時間があまりありませんので、幾らですか。1分。 ○議長(木村琳藏君) はい。 ◆14番(山崎長栄君) いずれにしろ、震災後のまちづくりをどう進めていくのか、今まさに瀬戸際に立っております。これ以上、人口が加速的に進んでいくのか、あるいは加速する人口減に歯止めがかけられるかどうか、これは当局のみならず、我々議会も、そして市民も同じ共通の認識を持つべきだと、そのように思うわけです。最後に、このことについての御感想を聞きまして、終わりたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) どなた、佐々木部長ですか。市長ですか。(「市長だ」と呼ぶ者あり)市長。(「いい、時間だ」と呼ぶ者あり)よろしいですか。よろしいですか。山崎さん、よろしいですか。 ◆14番(山崎長栄君) だって、手を挙げないからいいべ。 ○議長(木村琳藏君) はい。 それでは、14番山崎長栄君の一般質問を終わります。 ここで暫時休憩を、3時30分まで休憩をいたします。               午後3時10分休憩---------------------------------------               午後3時30分再開 ○議長(木村琳藏君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を続行いたします。 5番磯崎翔太君、登壇願います。  〔5番磯崎翔太君登壇〕 ◆5番(磯崎翔太君) 創政会の磯崎翔太です。 東日本大震災から10年という節目の年を迎えることになります。市長施政方針演述において、令和3年度は当市の未来に向けての新たな10年の幕開けとすべく、全力で市政運営に当たるとの力強い表明のほか、細井平洲の言葉についても言及がございました。その細井平洲の弟子である上杉鷹山は、米沢藩の財政再建の道筋をつくり、質素倹約に努めた明主として、今もなお語り継がれているだけでなく、現代の地域経営とは切っても切り離せない自助、共助、公助の思想を掲げたのも上杉鷹山であると言われております。 細井平洲の言葉を引用されておりましたので、野田市長におかれましては、4月からの新年度のスタートに当たり、今後も釜石市の上杉鷹山として適切な財政運営に努めるとともに、3助の役割を考慮したまちづくりに、その手腕を遺憾なく発揮していただきたいと思います。 本日の質問は、大きく分けて3点です。教育行政方針演述について、子育て支援施策について、東日本大震災復旧・復興事業についてでございます。 初めに、教育行政方針演述についてお伺いをいたします。 教育長より、令和3年度の教育行政の推進に当たっては、これまで取り組んできた知・徳・体の調和の取れた「強く生き抜く力」の育成を継承し、子供たちが将来、夢や希望を実現できるよう学校教育の充実を図っていくとの非常に前向きな発言がございました。 その中でも、家庭・地域と連携・協働した教育活動の推進のために、当市では令和4年度からコミュニティスクールの実施を目指し、準備を進めることとしております。コミュニティスクールを実施するに当たり、法令に定められた一定の権限を持って、保護者や地域の方々が学校経営に参加する仕組みとして学校運営協議会が設置されることとなります。同協議会には各種権限が付与されており、各学校長作成の基本方針を承認すること、学校運営について教育委員会や学校長に対して意見を述べられること、教職員の任用について教育委員会に意見を述べられることなどが具体的に実行可能となります。 また、既存の制度として、校長の求めに応じ、校長の行う学校運営に関して意見を述べることができる学校評議員の制度があります。学校運営協議会と学校評議員には、組織された機関と有識者個人という差だけではなく、発言、意見に対する責任の有無やその権限についても大きく異なっております。つまりは、学校評議員は、校長や教育委員会の行う学校運営に直接関与したり、拘束力のある決定をしたりすることができず、意見を述べることにとどまってしまう一方で、学校運営協議会は、保護者や地域の住民によって構成され、一定の権限と責任を持って学校運営に参画することが可能となります。また、両制度が有する機能が重複、類似していることから、学校運営協議会の設置に当たり、学校評議員制度を廃止しているケースもございます。 そこで、当局にお伺いいたします。 方針演述の中には、同制度の令和4年度からの実施を目指し、学校評価の活用や学校評議員の意見を学校経営に生かすなど、保護者や地域に信頼される学校づくりに努め、より一層保護者や地域との連携・協働による学校経営を推進するとの言及がございましたが、令和4年度以降の学校経営について、学校運営協議会と学校評議員制度の共存を目指し、そのベストミックスを模索するのか、それとも学校運営協議会による効率的かつ効果的な学校経営を模索するのか、令和3年度内には結論を出されるものと推察をいたします。現時点での当局の方針をお聞かせください。 「いのちの教育」の推進についてお伺いいたします。 方針演述の中で、震災の記憶があまりない児童・生徒や震災の経験そのものがない児童・生徒がほとんどとなり、震災の教訓から学び、語り継いでいくことが課題だと言及がされておりました。当市は、過去、幾重にも津波による被害を経験してまいりました。そのたびに、その経験が親から子に、子から孫に伝えられ、地域防災教育の礎として根づいているからこそ、釜石の児童・生徒の多くは、さきの東日本大震災においても自分の身を守ることができたのだと思います。そして、当時の震災を経験した児童・生徒が、その自分自身の経験を伝えるべく、現在、語り部として活躍をされております。 昔のことをよく学び、そこから新しい知見を手に入れることを「故きを温ねて新しきを知る」、または「温故知新」とも言いますが、この言葉には続きがあります。「以て師たるべし」、「人を教える師、先生となれるだろう」ということです。まさに、教育現場及び家庭の双方は、東日本大震災の経験をどのように子供たちに教え、そして後世に伝えていくことができるのかが問われているのではないでしょうか。子供たちだけではなく、親世代でもある我々も、過去から学び、来るべき将来に備えていく必要があるものと考えます。 そこで、当局にお伺いいたします。 災害は、時と場所を選びません。「いのちの教育」のより一層の充実を図るためにどのような取組を推進するのか、その方針をお聞かせください。 次に、子育て支援施策についてお伺いいたします。 去る令和元年12月議会定例会において、子育て世帯を支援することを目的に、子供に係る医療費給付の拡充や自己負担額の無償化等について質問をさせていただいております。その際の答弁では、「現在の就学前の児童の人数や、これまでの給付費などを基に、就学前児童の医療費を無償とする場合の所要額を試算すると、約350万円の給付費が見込まれるほか、システム改修費用や審査支払委託料などの事務費も必要となる。医療費助成の充実については、所得制限の撤廃や対象年齢の拡大など、どの部分を充実させていくのか、市の財政面も考慮しながら判断していく必要がある。就学前児童の医療費無償化について、既に取組を始めている県内市町村も多く、当市としても、子育て世代の負担軽減や子供の健康を守る意味からも、子育て支援の重要な施策の一つであると認識をしている。子育て世代のニーズに応えられるように、就学前児童の医療費無償化や所得制限の撤廃、対象年齢の拡大について庁内関係課と協議を重ねる」と述べられました。 そして、市長及び当局による大英断があり、昨年8月1日から、中学生への医療費の給付方法が償還払い方式から、未就学児、小学生と同様の現物給付方式に変更されただけでなく、未就学児の保険診療に係る医療費が無料となったことに加え、同年10月1日からは、医療費給付の対象が高校生年齢帯まで拡充がされました。 そこで、当局にお伺いをいたします。 今回の子ども医療費の給付事業を拡充するに当たり、システムの改修や、対象となる児童を養育する世帯や関係機関等への周知が課題として想定されたものと考えられます。これらの事案に関して弊害が伴うことはあったのかどうか、答弁をいただければと思います。 子供を思う親の気持ちは、子育ての当事者である私も十分に理解しておりますし、自分の子供に万が一のことが起きた場合に医療機関を受診する、受診させることは親として当然の務めであります。しかしながら、この事業における事前と事後にはモラルハザードが発生していないか、定期的な検証を行う必要があると考えます。 事前のモラルハザードとは、健康保持の努力、注意を正確に観察できないため、仮に医療費を給付した場合、被保険者に健康保持の努力や注意を払う意識が働かず、努力や注意が怠りがちになることを指します。事後のモラルハザードは、被保険者が病気にかかり保険給付を受ける場合、自己負担がなければ、医療サービスを過剰に需要するというマイナス方向への積極的な理由が生じることを指します。 当市において、未就学児の保険診療に係る医療費負担が無料となったことで、養育者によるモラルハザード等は発生しているのかどうか把握しているのであれば、答弁をいただければと思います。 加えて、モラルハザードを発生させないための啓発活動等について推進すべき取組があれば、説明をお願いいたします。 また、去る令和2年3月の予算特別委員会において、医療費の助成について、仮に小学生を医療費助成の対象として、就学前児童のように自己負担なし、所得制限なしということで試算した場合、およそ1300万円の予算が必要となるとの答弁がありました。当市の最大の課題は、人口減少であると考えます。これを打開するために、移住・定住者、U・Iターン者などを増やし、彼らをどのように定着させていくかが鍵となります。そして、その一つの切り口が、移住・定住、U・Iターンを望む子育て世代への支援にあるのではないでしょうか。 2017年に、移住・交流推進機構が実施した「若者の移住」調査について、その結果を一部抜粋いたします。政府や自治体などが人口問題を解決するために予算をつけて地方への移住政策を推進しているが、地方へ移住することを考えるに当たりどのような制度があるといいと思うかとの質問に対し、引っ越しの費用や住宅の購入費用など、金銭的な負担が比較的大きいと想定される住宅に関連する補助が多くを占めた一方で、子育てに関連する補助においては、子供の医療費支援が多数を占める結果となっております。また、仮に移住先で子育てをするとして、移住先の子育て環境について重視する条件はとの質問に対して、15.2%と突出して高くはないものの、行政による子ども医療費補助を上げる方が一定数いることも事実です。 そこで、当局にお伺いいたします。 子ども医療費の助成は、当市に既に定着されている子育て世代を支援することだけではなく、潜在的に移住・定住、U・Iターンを検討している家族や世帯等に対しても、当市を選択してもらえる一つの要素として資する可能性があります。もちろん、一度に全ての児童や学生を対象とすると、財政的負担が急激に増えるおそれもあることから、拡充に当たっては、段階的に対象範囲の拡大を検討していくことが賢明ではないかと考えます。当局の認識として、近い将来に子供の医療費助成の対象範囲を段階的に拡充、拡大していくことは現実的であると考えるか否か、答弁をお願いいたします。 続いて、学童育成クラブの運営についてお伺いいたします。 現在、当市には計11の学童育成クラブが設けられており、その運営については、釜石市社会福祉協議会、父母会、NPOが主体となっております。学童育成クラブとは、学校の授業終了後や長期休暇に際し、両親の共働きが一般に浸透していることなどから、昼間、保護者のいない放課後児童に対して、育成、指導、遊びによる発達の助長などを行い、児童の健全育成を図っているものであると認識しております。このことから、そもそも学童育成クラブとは、保護者のニーズに即した仕組みとして機能しており、運営主体はサービスの提供者としての側面を、保護者はサービスの利用者としての側面を有していることが分かります。また、現在では、放課後児童支援員の配置が義務づけられており、支援員の方々におかれましては、勉強や遊びのサポート、保護者との連携などが求められております。 運営主体による不断の努力があることは承知しておりますが、誠に残念な事案も発生していると保護者の方々から伺っております。児童福祉法が改正された際に、学童育成クラブ対象児童の想定が、小学校に就学しているおおむね10歳未満であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものから、小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに変更されました。このことから、下級生と上級生が接する機会が相対的に増えたことで、一部上級生によるいじめのような行為によって、その上級生との関係性に悩み、学童育成クラブへ通うことをちゅうちょする児童もいるとのことです。 もちろん、各家庭の環境や教育方針、各児童個人の特性、学年間の発達差異などを鑑みれば、学校生活外における児童間のトラブルを100%なくすことは不可能に近いことなのだと思います。加えて、加害者と呼ばれる側にばかり一概に非があるとは考えられませんし、被害に遭ったとされる側による一方的な勘違い、思い込みであるケースも考えられます。ただ、ここで皆様に知っていただきたいのは、大人が子供たちと真摯に向き合い、適切に対処ができないと、解決できる事案もそのままに放置されてしまうということ、そして最終的に最もつらい思いをするのは子供たちであるということです。 当市で制定している放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例第17条第1項苦情への対応には「放課後児童健全育成事業者は、その行った支援に関する利用者又はその保護者等からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。」とされております。先ほど申し上げたケースの相談が苦情の申立てとは言えないかもしれません。しかしながら、サービスの提供者と利用者という関係性から推察するに、相談や苦情等の申立てを行ったことで我が子が不利益を被ってしまうのではないか、親同士のトラブルに発展してしまうのではないかなどと考えた結果、声すら上げることができないといった状況に置かれていることも想定されます。 当局にお伺いしたいのは、運営主体が設置している相談等の窓口が問題なく機能しているかどうかなど、関係機関と密接な連携を図って利用者の支援を実施できているかということに尽きます。見解をお聞かせください。 最後に、東日本大震災復旧・復興事業についてです。 東日本大震災から10年という節目の年を迎え、その復旧・復興事業のほぼ全てを完遂し、釜石市民の日常を取り戻してきた当局には、改めて感謝を申し上げます。 この復旧・復興事業において、応急仮設住宅や仮設商店の設置、土砂の仮置場として利用するため、7か所の公園と1か所の広場の利用を休止せざるを得ない状況となりました。子供の遊び場確保について、去る令和元年9月議会定例会において、当局からは、休止している公園と広場の復旧が最優先と考えており、仮設施設等の撤去後、順次復旧を行うとの力強い答弁をいただきました。 そこで、当局にお伺いいたします。 休止としていた7か所の公園と1か所の広場について、保護者が子供を安心して遊ばせることができる環境、地域住民が気軽に運動等を楽しめる環境に復旧ができているか、事業の総括を答弁いただければと思います。 また、同事業に関連して、鈴子広場の整備に当たり、小学生未満の子供を持つ保護者の方などを募集し、遊び場づくりワークショップが開催されております。このワークショップは、第2期子ども・子育て支援事業計画策定のために行ったニーズ調査において、保護者の方が充実を望む支援策の1位が子供が安心して遊べる場所であったことから、第2期の計画において、遊び場開拓を重点プロジェクトの一つに掲げ、全庁的に取り組むことを目的とし、第1弾として、鈴子広場の整備に係るワークショップを開催することで市民の方の意見を反映し、市内外から集客を望めるような遊び場づくりを行うことにあります。 同ワークショップで洗い出された主な課題として、子供たちの遊び場の不足、休憩施設の不足、駐車場が未整備、施設の老朽化や利用状況の変化、バリアフリーへ非対応、防犯面の懸念が上げられております。私自身も、子供たちを連れてこの広場に度々足を運んでおります。周辺にはドラッグストアや金融機関、スーパーマーケット、公共交通機関の駅などがあり、アクセス面においても優位性を備えております。この鈴子広場の整備によって、どの世代の市民も気軽に集うことが可能となり、憩いの場としての機能、子供の健全な発達、健康増進等に大きく寄与することが期待されます。 そこで、当局にお伺いいたします。 このワークショップの結果を踏まえ、洗い出された課題をどのように解消するのか、その整備方針について説明をお願いいたします。 また、この事業の今後のスケジュールについても、併せて説明をいただければと思います。 以上で壇上からの質問を終わります。再質問につきましては、時間の許す限り自席より行いたいと思います。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕
    ◎市長(野田武則君) 磯崎議員の御質問にお答えをいたします。 子ども医療費給付事業についての御質問でございます。 まず、給付事業拡大に伴うシステム改修や周知について弊害があったのかどうかとの御質問でございますが、当市の医療費給付事業は、未就学児と小学生以上とで給付条件が分かれております。未就学児につきましては、これまで1医療機関1500円を超える自己負担分を給付しておりましたが、令和2年8月からは全額給付としております。小学生から中学生までは、所得制限を設けた上で給付をしておりますが、令和2年10月からは高校生年齢帯まで対象者を拡大して実施をしております。 今回の事業実施に際しましては、令和2年4月から6月にかけて、システム改修、各関係機関や市内医療機関へ事業内容の周知及び市ホームページと広報で市民の皆様に周知を図ったところであります。 給付の手続については、未就学児の医療費無償化に関わる受給者の保護者に対しまして、例年7月に実施している各医療費助成受給者証更新の案内に併せて、当事業拡大の案内と受給者証を送付しております。また、高校生年齢帯拡大に関わる対象者の保護者に対しましては、7月初旬に事業案内と申請書を送付し、9月中旬に受給該当者に受給者証を送付しております。 当市では、これまで段階的に医療費給付事業の拡大、拡充を図ってきたこともあり、今回につきましても、過去の経緯等を参考に検討、実施をしており、現在のところ、関係機関や市内医療機関の協力の下、特に問題なくスムーズに事務を遂行することができております。 次に、未就学児の医療費負担が無料となったことで、養育者によるモラルハザードは発生しているのかとの御質問でございますが、モラルハザードとは、道徳観の欠如や倫理観の欠如といった意味で使われ、経済では安全対策がかえってリスクを増大させることを指しているものと言われております。 事前のモラルハザードを把握できる機会としては、乳幼児健診時や子育てや発達、虐待などに関する相談の場が考えられますが、医療費が無償化になったことにより健康管理への意識が低下していると認識した事例は、これまでにはありません。 事後のモラルハザードにつきましては、無償化以前の令和元年8月から11月までの給付件数3952件と比較しまして、無償化後の令和2年8月から11月までの給付件数は4611件となっており、無償化により医療機関を受診する件数は増加していますが、給付件数の増加原因が医療費の無償化に伴う過度な受診等によるものかどうかについての判断はできておりません。 個別の状況は判断できませんが、当市が保険者である国民健康保険の状況を見ますと、重複多受診者、いわゆる必要以上に医療機関を何度も受診する方については把握しており、無償化を実施した前後において未就学児の該当者はいないことから、他の医療保険においても同様ではないかと推察しております。 今後は、医療機関及び庁内関係課と連携、協力し、必要に応じて啓発活動等の取組について対応してまいります。 次に、医療費助成の対象範囲を段階的に拡大していくことは現実的であると考えるか否かについてでありますが、当市の医療費給付事業は、さきに述べましたとおり、これまでも対象年齢の拡大や助成内容の拡充について段階的に実施してきております。 当市においては、子育て支援施策に力を入れていくこととしており、今議会においても、釜石市すこやか子育て基金条例を議案として提出し、今後の子育てにおけるニーズに応えていくような体制づくりや事業展開を図っていくことから、対象範囲の段階的拡充については検討してまいります。 以上をもちまして私からの答弁は終わりますが、引き続き教育長並びに関係部長が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 教育長。  〔教育長高橋勝君登壇〕 ◎教育長(高橋勝君) 私からは、教育行政方針演述についての御質問にお答えいたします。 まず、コミュニティスクールについての御質問ですが、既存の学校評議員制度は、校長の求めに応じ、学校の教育目標及び計画に関すること、教育活動の実施に関すること、学校と地域社会との連携に関すること等について、学校評議員が意見を述べることができるというものであります。 当市では、平成13年4月に釜石市小中学校学校評議員取扱要領を策定し、当該校の職員以外で教育に関する理解及び見識を有する者のうち、各学校長の推薦により、地域の代表や民生委員、元PTA役員など、1校につき5名以内の学校評議員を委嘱しております。各学校では、年3回程度、学校評議員会を開催し、学校運営等に意見をいただいておりますが、最終的な判断は校長が行っております。 これに対し、学校運営協議会制度は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正に基づく制度であり、現在は努力義務となっておりますが、今後は義務化されると言われております。 学校運営協議会は、教育委員会が学校に設置するものであり、その委員についても、学校、地域の実情に合わせて教育委員会が任命するものとなります。つまり、委員は、特別職の地方公務員として一定の権限を有し、学校と対等な立場で協議を行うことができます。この学校運営協議会を設置した学校がコミュニティスクールと呼ばれます。 学校運営協議会の役割としては、校長が作成する学校運営の基本方針を承認する、学校運営等について教育委員会または学校に意見を述べる、教職員の任用に関して任命権者に意見を述べるというものがあり、その機能は、学校評議員制度における評議員の権限から一歩踏み込んだものであると言えます。 また、同時に、学校評議員制度に係る評議員の役割は、学校運営協議会で担うことができますので、令和4年度以降については、現段階で、当市における学校評議員の制度を廃止し、学校運営協議会に発展させる形で進めてまいりたいと考えております。今まで、開かれた学校づくりに向けて一定の役割を果たしてきた学校評議員制度ですが、校長の求めに応じて個人的に意見を述べてきた体制から、学校運営協議会制度になることにより、意見を述べることだけではなく、一定の権限と責任を持って、合議体として学校運営そのものに関わることができるものと考えております。 次に、「いのちの教育」についての御質問ですが、当市では「自他の命を守るために、主体的に行動することができる子ども」を育てるために、教育活動全体で防災教育を核とし、自他の命を尊重する心を培うとともに、地域の人や自然、自然災害に対する理解を深めながら、主体的に自分で判断し行動することができる資質や能力を育てることを目標として、平成25年から「いのちの教育」を推進してまいりました。 具体的には、当市の特徴として、各学校が作成する経営計画の中に「いのちの教育」を位置づけ、担当者を置いて、全校体制で取り組んでおります。全校で防災マップ作りや下校時避難訓練を行うなど、各学校の特色ある学習活動を、様々な教科、領域で「いのちの教育」と関連づけながら行っております。 また、教育委員会としましては、担当者が参加する研修会を年2回実施しております。さらに、毎年、各小・中学校における「いのちの教育」の計画や目標、取組内容を取りまとめた実践事例集を作成し、各小・中学校や防災学習のために訪問してくる教育関係者等と共有しております。 「いのちの教育」のより一層の充実を図るためには、今後も、各学校において経営計画の中に位置づけるとともに、全校体制で取り組むことを継続することが大切であると考えております。 また、実践事例の蓄積と好事例の共有を図る必要があると考えます。例えば、今年度は、ある日突然災害が発生し、避難所となる学校での対応をシミュレーション体験するという内容で、実際に学校体育館に生徒だけで避難所を開設し、運営をするといった実践的な学習活動を行った学校がありました。この訓練では、教職員の指示も一切なく、自分たちだけで何を準備するか、役割分担はどうすればよいか等を考え行動し、避難者が来る前に、椅子やマット、仕切りや毛布などを準備するなど、予想以上の動きが見られたとのことでした。さらに、事後には、あらかじめの物品準備、心構え、組織、訓練など、生徒自身が避難所運営を行う上で必要なことについて意見が出されました。 今後は、防災教育において身につけた知識を実際の場面を想定して実践に生かすような体験的、実践的な学習活動が必要であると考えており、各学校の実情に合わせた学習過程や教材開発等を進めるよう支援してまいりたいと考えております。 さらに、これまでは、津波防災についての学習が中心となっておりましたが、近年、全国各地で発生している豪雨災害、土砂災害についての学習についても実践し、深めていくことが必要であり、今年度は、岩手大学の地域課題解決プログラムを活用し、土砂災害についての学習を小学校2校、中学校1校で実施しました。 学習活動の中で育まれる実践的な力は、「いのちの教育」の目標に掲げている「自他の命を守るために、主体的に行動することができる」力となり、子供たちが将来直面する様々な諸問題に対応する力として育まれるものと考えられます。 今後も、震災を経験していない子供たちに、伝え、語り継いでいくことや、子供たちがより自分事として防災教育に取り組むための教材や授業の開発、それぞれの活動や実践がさらに有機的に関連づくようなカリキュラムの作成、各地域、各学校における避難訓練の在り方の模索などを行いながら、「いのちの教育」を推進していきたいと考えております。 ○議長(木村琳藏君) 保健福祉部長。  〔保健福祉部長水野由香里君登壇〕 ◎保健福祉部長(水野由香里君) 私からは、学童育成クラブについての御質問にお答えします。 学童育成クラブは、保護者が労働等により昼間家庭にいない児童を対象とし、放課後等において適切な遊びや生活の場を提供し、児童の健全な育成を図ることを目的に、育成支援を行います。 放課後児童支援員は、年齢や発達の状況が異なる子供が一緒に過ごす中で、それぞれの子供の発達の特徴や子供同士の関係を捉えながら、育成支援を行うことが求められます。学校が終わった後の子供たちは、疲れたり、開放的になったりして、集中力や注意力が散漫になることも多く、留意して学童育成クラブの安全管理に当たっていただいております。 学童育成クラブに関する保護者の相談については、直接、運営主体が受けていますが、子ども課において相談を受ける場合もあります。その相談内容に基づき、当該クラブから状況を確認し、対応が適切であったかどうか、適切でない場合は再発しないためにどうすべきかについて、助言指導を行っております。 また、今年度から、学童育成クラブの放課後児童支援員が一堂に会し、他のクラブの取組を知り、学び合える場として、情報交換会を始めました。その中で、子供や保護者とのコミュニケーションの図り方、保護者と一緒に子育てをしていく視点を大切にすること、学童育成クラブにおける子供の様子を保護者に伝えることの大切さなどについて意見交換し、よりよい学童育成クラブの在り方について共有しています。 今後も、引き続き情報交換会を実施するとともに、学童育成クラブを巡回し、運営や育成支援等の状況の把握をするなど、学童育成クラブとの連携を深め、安全・安心な居場所づくりに取り組んでまいります。 ○議長(木村琳藏君) 建設部長。  〔建設部長菊池拓也君登壇〕 ◎建設部長(菊池拓也君) 私からは、東日本大震災復旧・復興事業についての御質問にお答えします。 まず、公園、広場等の復旧についての御質問ですが、市内における東日本大震災の影響により休止となった公園、広場は、公園が7か所で、野田西公園、野田中央公園、向定内公園、大天場公園、大只越公園、水海公園、平田公園、広場が1か所で、鈴子広場となっております。 これら公園、広場の現在の状況といたしましては、大天場公園は、現在、復旧工事を進めており、鈴子広場については、来年度に復旧工事を実施する予定であり、平田公園は、グラウンドとしての機能は復旧済みであり、既に一般に開放されております。野田西公園、野田中央公園、向定内公園、大只越公園の4つの公園につきましては、仮設施設が撤去され、更地となりましたので、遊具等の整備を除いては、運動等を楽しめる環境となっております。地域関係者に周知した上で既に開放されておりますが、残る水海公園については、いまだ土砂の仮置場として使用している状況となっております。 今後は、更地となっている4つの公園の遊具及びトイレ等の整備を行っていく予定ですが、全ての公園を同一のレベルで整備することは多額の費用もかかることから、今後の利用状況や市内全体における拠点性を考慮し、遊具の必要性など、地域住民等、利用する方々の声を聞きながら、財源の確保も含め、順次、計画的に実施していくこととしております。 次に、鈴子広場の整備についての質問ですが、鈴子広場は、震災後、日本赤十字社の活動拠点として利用された後、仮設飲食店街が建設され、一時、広場としての機能が失われた状況となっており、その後、民間団体からの遊具の寄附を受け設置、遊具のある部分のみ一部供用してきたところでありますが、平成30年度に仮設の解体が終了したことから、令和元年度設計、令和2年度整備工事実施の予定で進めてまいりました。 しかし、整備に当たり、広場の主な利用者である子育て世代や子供たちの意見を丁寧に拾い上げ、設計に反映させることで、子供から大人まで多くの方々が集える広場整備を図ることが重要であると、庁内関係各課による子育て支援検討委員会での意見も踏まえ、今年度6月から8月にかけて3回のワークショップを開催したところです。 ワークショップのメンバーは、公募にて応募があった小学生以下の子供を持つ親や、地元町内会の役員など12名で構成され、1回目と3回目には子供同伴で参加する方もおり、子供からの意見も聞くことができた大変有意義なワークショップとなり、そこで出された意見を反映させた設計をまとめたところであります。 設計の内容と整備方針についてですが、課題1つ目の子供たちの遊び場の不足では、広場内を遊具広場、運動広場、築山広場、中央広場、やすらぎの広場と、大きく5つのエリアにゾーニングし、遊具広場においては、既存の遊具を活用しつつ、新たな遊具も追加し、幼児も安全に遊べるエリアを確保しております。運動広場においては、既存健康遊具を活用しつつ、その周辺にボール遊びが可能なエリアを確保し、バスケットゴールを設置。築山広場においては、既存の築山を低く改修し、緩やかな傾斜のある芝生広場と土管トンネルを設置。中央広場においては、走り回れる広いエリアを確保するとともに、転倒時の安全性を高めるため、ブロック舗装からダスト舗装に改修。やすらぎの広場においては、消防団顕彰碑の周辺は、子供たちの遊びの場としての性質と異なる静かな安らぎのエリアとし、既存のモニュメント2基も、このエリアに移設いたします。 課題2つ目の休息施設の不足では、利用者の休息や保護者の見守りの場所として、中央広場と遊具広場に東屋の新設と8か所にベンチを設置いたします。 課題3つ目の駐車場が未整備では、広場の両面にある歩行者専用道路を駐車場として、乗用車10区画、身体障がい者用2区画、中型車両用1区画の計13区画の整備を行います。 課題4つ目の施設の老朽化や利用状況の変化では、既存のトイレを撤去し、新たに、身体障がい者対応及び幼児用便器も備えた誰もが利用しやすいトイレとして、見通しが利く広場の運動公園広場付近に設置。既存のステージを撤去し、デッキ形状の仕様に変更し再整備。老朽化した噴水は撤去し、夏期の熱中症対策として、ミストが発生する施設を設置いたします。 課題5つ目のバリアフリーへの非対応では、トイレでのバリアフリー化をはじめ、築山の階段の撤去、広場内の段差を解消を行います。 課題6つ目の防犯面の懸念では、広場全体にある樹木の成長により死角が生じていることから、季節を感じられる樹木以外で、支障となる樹木を伐採することと、既存照明のLED化による明るさを確保し、維持管理費の削減を図る計画としています。 なお、今後のスケジュールにつきましては、ワークショップ等で出された意見を踏まえ、整備工事を来年度実施することで、係る費用を当初予算案に計上しており、早期発注・完成を目指し、できるだけ早い段階で供用できるよう努力してまいります。 以上をもちまして答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 5番磯崎翔太君。 ◆5番(磯崎翔太君) それでは、再質問させていただきます。 まず、教育行政方針演述についてからです。 コミュニティスクールの導入に向けて、令和3年度は、その準備に相当な力を使うのではないかなということが想定されております。現時点では、学校評議員を発展させる形で学校運営協議会、こちらを組織づくるとのことでございましたけれども、そもそもこの協議委員会を構成する委員等の選出の基準というものをこれから定めていくと思うんですけれども、具体的に今の時点で、こういった方々を選出したいとか、そういったものがあれば、方針をお聞かせください。 ○議長(木村琳藏君) 学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐々木誠君) それでは、委員選出の基準についての御質問にお答えします。 地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、対象学校の所在する地域の住民、それから対象学校に在籍する児童・生徒及び幼児の保護者、地域学校協働活動推進員その他の対象学校の運営に資する活動を行う者、その他当該教育委員会が必要と認める者と定められております。この法律にのっとり、委員を選出することとなりますが、委員の任命に関すること、人数、対象者、任期等については、今後、学校運営協議会規則を定める中で協議していくこととなります。 ○議長(木村琳藏君) 5番磯崎翔太君。 ◆5番(磯崎翔太君) この協議委員会の委員の選出基準が例えば地域の住民であるとか、保護者、例えばPTAなんかも想定されていらっしゃるのかと思いますし、あとは学校の運営に対して資する方々ということが想定されているということでした。中には、例えば学校経営であるとか地域の経営というところに対して専門のコミュニティスクールのアドバイザーといったようなものという方々、全国で活躍されている方もいますし、一部あっせんというわけではないですけれども、アドバイザー、それぞれの地域、地区ごとによって担当されているというような方もいらっしゃるみたいなんですけれども、そういった方々、外部の力というものを学校経営に対して積極的に参画してもらうといったようなことも、今現時点で検討されておりますでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐々木誠君) ただいまの質問にお答えします。 選択肢の一つとして考えることは十分ありますけれども、私どものほうも、まだこれからたくさん情報を集めていかなければならないところですので、今のような本当に学校に対して協力的な方々の情報を集めながら、対応していきたいと考えております。 ○議長(木村琳藏君) 5番磯崎翔太君。 ◆5番(磯崎翔太君) 答弁の中でも、先ほど言ったとおりに、学校評議員の制度を発展させると、そしてそれを運営協議会として組織づくっていくということでありましたので、聞く人が聞いてしまえば、例えば学校運営協議会というもの自体は、学校評議員制度、今ある制度の柔軟な活用で対応できてしまうんじゃないのかなというふうに思う方々も中にいらっしゃると思います。中には、それに対して思いっ切り力をかけていくのであれば、そっち、今ある制度をうまく生かしたほうがいいんじゃないかと。もしかしたら、例えばそれぞれの学校で働かれている職員の方々、教員の方々に対して事務的な負担というのも重くなってしまうんじゃないかというような懸念はあると思います。 ただ、その中でも、例えば学校運営協議会というものを設置することによって、例えば具体的に地域であるとか学校の経営といったところに対してどのようなメリットがあると、そのように想定しておりますでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐々木誠君) ただいまの御質問にお答えいたします。 教育長答弁のほうにもありましたとおり、現在は学校運営協議会の設置については、法律により努力義務となっております。当市では、従来から行っている学校評議員制度により対応しておりましたが、しかし努力義務であったものが義務化になるという方向で話が出ているところですので、それに合わせて運営協議会設置に向けて動き出しているところです。 学習指導要領の総則にも「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という理念を学校と社会が共有し、社会との連携及び協働により、その実現を図っていくという、社会に開かれた教育課程の実現が重要となると示されております。これまでの評議員制度では、評議員が課題解決のために意見を述べることはあっても、実際に解決に向けて動くのは学校でありました。学校運営協議会を設置することにより、多くの地域住民や保護者にも、学校と方向性を合わせ、一体となって子供たちの成長に関わっていただけるような体制をつくっていきたいと考えております。 社会に開かれた教育課程の実現に向けて、情報や課題を共有し、これからの時代を生きる子供たちのためにという共通の目標を設定して、同じ思いで日々の教育活動を進めることができるということがメリットと考えますので、よりよいものとなるよう準備していきたいと考えております。 ○議長(木村琳藏君) 5番磯崎翔太君。 ◆5番(磯崎翔太君) このコミュニティスクール導入に当たって、先ほど今答弁いただいたとおり、やっぱり社会、地域と例えば課題を共有して、それを解決していくというところ、あとは地域とも同じ方向性を見て経営していきたいということであります。なので、やはりコミュニティスクールの実現に当たっては、やっぱり地域との関わり合い方であるとか、地域の皆さんの協力といったものがかなり大きなウエートを占めてくるのではないかなとなります。なので、例えば教育委員会だけで対応し切れないところは、例えば各地区の生活応援センターも、まだ現状としては多分恐らく来年度もあるでしょうから、そういったところとも協働する形で、学校経営についてもいろいろな意見交換、その部署を大きく飛び越えて、横断的になると思いますけれども、ぜひいろいろと協議、検討というものを進めていただきたいなとも思います。 その次に、「いのちの教育」の推進についてでございます。 防災教育において身につけた知識というものを、実際の場面を想定して実践に生かすような体験的、実践的な学習活動が必要だと答弁されておりました。 恐らく、これから課題となってくるんだろうなと思うのが、やはり震災を経験していない子供たちが非常に増えていると。実際に私の息子、娘も誰も震災を経験していないですし、実際に目の前でそれに、その場面に遭遇したというわけではないですので、例えば学校で学んだ、防災教育で学んだ知識をどのように自分なりにアウトプットしていけるか、外に発信していくことができるかだと思います。なので、例えば自分が勉強したことを誰かに伝えるとか、話す、もしくはそれを書き出していく、レポートにするとかといったような行動というのが、自分の今、頭の中にあるものを一旦整理して、確かなものにして積み重ねていくという意味では、かなり重要なものとなると思います。 なので、ぜひ子供たちには、学ぶだけで、それをまとめて、まとめるだけではなくて、ぜひ、その学んだ知識というのを例えば親御さん向けでもいいですし、地域の方でもいいですし、誰か第三者に対して伝えていくというような場、こういったものが必要となるんじゃないかなと思うんですけれども、お考え、いかがでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐々木誠君) ただいまの御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、自らが学んだことを誰かに伝える、話す、書くといった活動は、とても重要であると考えます。市内小・中学校では、「いのちの教育」として様々な学習を行っておりますが、その中で自分たちが学習したことを他者に伝えるという活動も行っております。校内で学習した内容をお互いに発表し合う活動はもちろんですが、学習した内容を保護者に向けて発表している学校もございます。また、ある小学校では、6年間の「いのちの教育」のまとめとして、地域の方々を集めて発表したり、後輩たちに伝えたりという活動を行っております。さらに、県外から交流に来た学校に対して、自分たちが学んだことを伝える活動も行っております。 今年度は、コロナウイルス感染症の影響で、人を集めたり交流を図ったりする場面が例年より少なくなってしまいました。しかし、オンライン交流で、「いのちの教育」で学習した内容を発表した学校もございます。かまいし絆会議でも、「いのちの教育」に関連づけて、震災から10年を迎えようとしている今、これまでの学習や経験を基に、感謝、防災、つながり、命、未来をテーマに、かまいし絆宣言としてメッセージを作成し、発表しました。今後、新聞等に掲載されることとなる予定です。 今後も、このような活動を大切にしながら、「いのちの教育」を推進してまいりたいと考えております。 ○議長(木村琳藏君) 5番磯崎翔太君。 ◆5番(磯崎翔太君) 防災教育で、私も小さい頃からですけれども、例えば大きい地震があったらここに逃げなさいよとか、大きい地震があったら津波が来るかもしれないからこういう行動を取りなさいよということは教わってきたつもりです。つもりで、本来は、教わってきたその知識というのは使われないことが一番いいんですよね。そもそも災害が起きないことがいいんですけれども、ただ、ないとも言い切れないので、非常時にどう行動しなきゃいけないかというのは、学んでおくというのはすごく重要なんですけれども、実際にこういう被害があって、今、まちの姿も大きく変わりました。かさ上げしましたし、道路も整備されました。避難路も整備されましたとなったときに、新しく自分が覚えた知識というのを、自分の親に対してとか、将来できるであろう自分の子供や孫に対し、どうやって伝えていくことができるかというのが、ここから大事なのかなと。 なので、ぜひ、子供たち、学ぶ意識であるとか、そういったものってすごく高いと思います。なので、その学んで身につけたものというのをもっといろんな人に知ってもらうような活動というのを今後の教育の一つとして続けていっていただきたいなと思います。 その次に、学童育成クラブの話をさせていただきます。 なかなか、当局からの答弁にもあったとおり、学校生活外というところになると、注意力が散漫になってしまったりであるとか、あとはどうしても学童育成クラブとなると、比較的いろんな学年の生徒が一堂に会すこともあるので、やっぱりその学年的な発達の差異というのもあるので、なかなか児童間のいざこざというか、トラブルといったようなこともないわけではないと思います。実際に、上級生から自主学習を妨害されて宿題できなかったとか、あとはちょっとパンチされた、キックされてちょっと痛い思いしたからもう行きたくないんだというような児童さん、いるというのも事実です。 ただ、やっぱりそれを例えば親とすれば相談はしたいんですけれども、例えば相談を直接その学童育成クラブの運営主体さんにしたことによって子供が何か不利益を被ったら嫌だなとか、例えば悪い意味で特別な扱いをされないかなとか、あとは保護者間のトラブルに発展しないかなといったようなことを考えるケースというのもあると思います。なので、もちろん運営主体さん、あとは子ども課というところで、苦情であるとか相談事って受け付けているとは思うんですけれども、なかなか直接、運営の主体さんにできないような相談であるとか、ちょっと苦言というものをどこかで受け入れるということが、受け皿となってそれを吸収してくれるというようなところがあると、非常に保護者としても助かると思うんですけれども、今、具体的にどのようなことがされているでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 子ども課長。 ◎子ども課長(千葉裕美子君) ただいまの質問にお答えします。 直接、運営主体、サービス提供者にためらわれる相談というのは、子ども課のほうにいただいております。今お話を伺って、子ども課でもない、運営主体でもない、何かクッションになるようなところがあればいいのですけれども、現在のところは、子ども課へということで対応しております。 ○議長(木村琳藏君) 5番磯崎翔太君。 ◆5番(磯崎翔太君) やはり、むしろ子ども課でそういうことをされていらっしゃるというのは物すごくすばらしいことだと思いますし、実際、その運営主体さんにそういったことを直接言えなくて、ただ単純に家庭の都合で学童育成クラブに通うことをちょっと一旦休みますよということで、通われていないという児童の方もいるので、やっぱりどこにどういったサインがあるか分からないですし、もちろん児童間のトラブルなので、どちらが100%合っている、間違っているというのを判断できないんですけれども、ただ、そこで例えば行政として委託先、どうしてもカバーし切れないところはカバーしてさしあげてもいいのかなと思います。 なので、どうしても相談しにくいことがあるんであれば、子ども課という窓口がありますよというのも、もっと周知していただきたいですし、それが保護者の方の、いわゆる安心して働ける環境にもなりますし、子供も安心してお勉強できたり友達と遊んだりということができると思うので、ぜひ、そのクッションと行政がなってほしいなとも思います。 次に、子供の医療費についてでございます。 現在、モラルハザードといったような重複の多受診者というものが未就学児では見受けられないということでございましたけれども、現時点では、今の未就学児の医療費負担無料となったことで、今現在は、保護者、養育者の方々の良識ある行動によって、事業自体は適切に運営できていると、そのように考えてもよろしいのでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 市民課長。 ◎市民課長(三浦薫君) それでは、御質問にお答えいたします。 受診件数等について、無償化の前後で比較してみますと、確かに無償化になった後のほうが受診件数のほうは増えておりますけれども、この事業の目的でもあります健康の保持という観点から、特にも症状が急変しやすい乳幼児の病気等に関しては、早めに受診を行っていただきたいこと、そしてまた必要とされる医療に関しては、ぜひ受けていただきたいというところが重要であると考えております。 現段階では、重複多受診者の該当がないことなどから、未就学児の医療給付無償化に伴う事業については、適切な事業運営がなされていると認識しております。 ○議長(木村琳藏君) 5番磯崎翔太君。 ◆5番(磯崎翔太君) やはり私もちょっとさんざん、子育て支援だということで、医療費の負担だけでもゼロにできないかということでずっと進言させていただいてはいたんですけれども、やはり頭の片隅どこかに懸念していることが、やっぱりあまりにも受診の頻度が多くなり過ぎないかとか、あとは逆に、養育者、保護者が子供の健康に対していわゆるルーズになっていないかとかというようなところは懸念しておりましたので、やはりなかなかそれぞれの家庭の事情というところまで踏み込んだ話になってしまうので、実態を全て100%把握するというのは非常に難しいとは思うんですけれども、例えば適切な事業として今運営できているかどうかといった効果の検証というものは、例えば定期的に実施していただきたいと思いますし、やっぱりそれで適切な運営ができているというのであれば、それが次の例えば医療費助成の拡大、拡充といったところに検討の素材の一つとしても機能すると思いますので、ぜひ適宜、効果検証等を行っていただきたいなとも思います。 最後でございますが、公園の整備についてでございます。 拠点性を考慮して遊具等を配備、整備するということでございましたけれども、この拠点性の考慮というのは何を具体的に考慮されるのか、あとは遊具の設置、これを判断する基準というものは何なのか、答弁いただければと思います。 ○議長(木村琳藏君) 都市計画課長。 ◎都市計画課長兼復興住宅整備室長(三浦康男君) お答えします。 拠点性の考慮という点でございますけれども、市内にある公園を大きく5地区に分けて、その中で拠点となる公園というのを定めていきたいというふうに考えております。その拠点性がある公園については、ほかの公園と比較した際、充実した施設の整備を実施していきたいということが拠点性の考慮ということでございます。 少し具体的にお話ししますと、拠点性のある公園とは、比較的面積が広いこと、それからそのことに加えて、その地区内においてイベントの開催など、地域コミュニティー形成の中心としての機能を持ち合わせている、人が集まりやすいというところかなというふうに捉えております。 実際、具体的に都市計画区域内で拠点となる公園として位置づけたいと思っているのが、鵜住居地区では復興事業で整備した鵜住居4号公園、それから片岸6号公園、それから東部地区においては大只越公園と嬉石松原3号公園、西部地区においては野田中央公園、平田地区では平田公園と平田3号公園というふうに、それから甲子地区では、現在は児童遊園となっておりますけれども、福祉の森児童遊園というのも地区の中では拠点性があるのかなというふうに考えております。このうち、鵜住居4号、片岸6号、嬉松3号、平田3号については、復興事業で今現在整備して、一部完成しているところもございますが、全て、今年度中に完了することで進めているという形です。 それから、次に遊具の設置の判断というところですけれども、これに対して具体的に定量な基準は特に設けておりませんけれども、先ほどの部長答弁の繰り返しにもなりますけれども、全ての公園、一律に遊具等も含めて整備していくということについては、財源の問題もありますし、あとは今実際、地域の方々からの声で、高齢者が多いので、遊具があるよりもグラウンドゴルフ等できる広い広場が欲しいという意見もございますので、今後、整備を進めていくに当たっては、児童から子育て世代、それから地域の方、高齢者など、幅広い利用者の方々のニーズを取り入れて判断していきたいなというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 時間ですので、5番磯崎翔太君の一般質問を終わります。 暫時休憩をいたします。               午後4時31分休憩---------------------------------------               午後4時40分再開 ○議長(木村琳藏君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を続行いたします。 あらかじめ会議時間の延長を行います。 次に、15番菊池秀明君、登壇願います。  〔15番菊池秀明君登壇〕 ◆15番(菊池秀明君) 令和クラブの菊池秀明です。 それでは、通告に基づき一般質問を行います。 今回は3項目について。1点目は人口減少と少子高齢化の問題について、2点目は復興公営住宅の家賃について、3点目は地域会議について、以上について質問を行いますので、よろしくお願いいたします。 岩手県の人口は、平成9年141万9000人、以降、減少をし続け、令和2年10月の人口は121万2000人と、ピーク時より20万7000人が減少しております。 生産年齢人口は、ピーク時である昭和60年と比べ28万人、年少人口は、ピーク時である昭和30年と比べ38万人が減少している一方、老齢人口は、最も少なかった昭和10年と比べ38万人増加し、少子高齢化が急速に進み、人口の減少が抑えられず、高齢者の人口の大幅な増加により超高齢化社会に突入しております。 今年の2月の釜石市の人口は、3万2069人は100年前の水準であり、年齢3区分別人口の推移は、年少人口と生産年齢人口は昭和35年より減少し、老年人口は横ばいから減少に転じていく見込みになっております。 平成2年には高齢社会と言われる高齢化率14%を超え、平成7年には超高齢化社会と言われる高齢化率21%をさらに超え、令和7年には41.6%が推測されるなど、今後の国全体や世界が経験するであろう少子高齢化を先取りした地域と言えます。 国全体で急速な人口減少、少子高齢化が進展する中で、釜石市はオープンシティ戦略を推進し、釜石らしい持続可能なまちづくりの在り方を探求していくことが早期に求められております。 それでは、1つ目の質問は、第8期介護保険事業計画から高齢者単独世帯の増加は、平成12年の国勢調査では1724世帯から平成27年では2675世帯で、951世帯が増加しております。急速に高齢者単身世帯の増加が見られ、現在はどのような状況なのか、その増加に対する対策について伺います。 次に、全国的に少子高齢化や核家族化が進み、高齢者の独り暮らしの世帯や高齢者のみの世帯が増えているとともに、地域のつながりが希薄になることで、地域や社会から孤立した状態で高齢者が死亡する孤立死が社会問題となっております。当市の高齢者孤立死についての状況とその対策について伺います。 2つ目は、人口減少、少子高齢化などの理由により、空き家の増加が社会的問題になっております。当市の空家実態調査を行った平成28年7月から12月まで、空き家と推定される建物831件、危険度D、E、倒壊危険性があるものですが、39件あったと。震災後の数年間は、家や土地を求める方で、空き家や空き地が少なくなりましたが、一時的であり、その後も人口、世帯数も減少しており、平成29年から600世帯以上、今年度も131世帯が減少し、空き家となる確率が高く、その増加が見られ、生活環境が悪化してきております。雑草、悪臭などの衛生環境の悪化、景観の悪化、不法侵入などによる治安の悪化、動物のすみかや身体危険など、問題が発生しております。 平成28年の調査後の空き家の状況と、現在どのような管理と対策を行っているのか伺います。 2点目は、復興公営住宅の家賃について。 復興公営住宅とは、災害により住宅を失い、自ら住宅を確保することが困難な方に対して、安定した生活を確保してもらうために、釜石市が国の助成を受けて整備する低廉な家賃の公営住宅であります。家賃について、復興公営住宅の家賃は、通常の県営住宅と同様に、入居者の収入、世帯構成と住宅の規模、立地等によって設定されます。 なお、今回の震災において、特に収入の低い方を対象に特別低減の措置をすることができ、期間は建設から最長10年間となっており、入居から3年以上経過した方で収入が高額な方については、収入超過者となり、家賃が増額されます。 災害により住宅を失い、低廉な家賃を望む公営住宅であることから、収入超過者の家賃の設定と増額について、高いとの不満の声があるが、どのように捉えているのか、またその対策はあるのか伺います。 次に、入居から5年経過した方で収入が高額な方については、高額所得者となり、住居の明渡しが必要になってきます。また、復興公営住宅は、今回、特別に設けた政令月収8万円以下の家賃が、住宅規模、立地等により決定した家賃額に5年間で徐々に増額される設定であるが、その課題と対策について伺います。 3点目、地域会議について。 地域会議の目的は、よりよいまちづくりのため、市民総参加の理念を基に、地域と行政が一体となって地域の問題を考え、解決策を見出し、自ら実践すること、地域住民の意見、要望を行政施策に反映させることなどを目的とし、平成20年に発足し、11年以上が経過しました。 発足した当時は、地域課題が主な課題でありましたが、東日本大震災が発生し、活動や地域課題も、その解決にも取り組んでまいりました。復旧・復興事業もほぼ終了し、第六次釜石市総合計画や第4次釜石市行政改革大綱において、地域会議が新たに取り上げられました。これからは、新たな地域会議を模索し、住みよい地域づくりの取組が必要であると考察します。 そこで、質問を行います。 地域会議が発足11年以上の現在の課題をどのように捉え、これからの展望についてどのように考えていくのか伺います。 次に、市のホームページに掲載されている地域会議の組織は、各地域会議とも、町内会や各種団体より選出された方により構成されております。議長1名、副議長2名程度、監事2名程度、委員20名程度を地域会議構成員や町内会等の団体により選出をします。事務局長1名、事務局5名程度を各地区応援センターの職員で運営し、合計30名程度を呈しておりますが、職員を除き、この町内会や各種団体より選出された方は、市の位置づけはどのようになっているのか伺います。 次に、毎年、各町内会から地域要望について提出し、その要望に対して3つの処理区分が決定され、実施、実施調整、実施困難の回答が出されます。実施の回答が少ないために、行政に対する不信感が出始めており、行政の取組の改善が望まれます。その対応策について伺います。 以上で壇上での質問を終わり、自席での再質問を行います。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 菊池議員の御質問にお答えをいたします。 地域会議の現状と課題及び今後の展望についての御質問でございます。 地域会議は、人口減少や少子高齢化、地域コミュニティーの弱体化、市民ニーズの多様化及び複雑化といった背景を受け、平成20年度から、生活応援センターが管轄する区域ごとに、市民総参加の理念を基に、地域と行政が一体となって地域の課題を考え、解決策を見出し、自ら実践すること、また地域住民の要望を行政施策に反映させることを目的に設置されております。 制度の開始から12年、現在の8地区体制となって10年が経過しておりますが、市内8地区の地域会議では、町内会等の構成団体が定期的に話し合い、必要に応じて地域会議交付金を活用しながら、地域課題解決に向けて、環境整備、地域防災、コミュニティーの促進など、地域の特性を生かした事業に取り組んでおります。 地域課題解決のためには、地域と行政がよりよい関係性を構築し、協働で取り組むことが肝要でありますが、これまでのところ、おおむね所期の目的どおりの活動はなされているものと認識をしております。 これまでの地域会議の課題につきましては、地域要望項目が多岐にわたり、特にハード面の整備に関する要望に対し、全ての事業に対応するための財源の捻出が困難であること、また地域会議の開催時期と市の予算編成時期との調整が合わず、地域の要望が市の事業に反映できなかったことなどが大きな課題と捉えております。 そのため、今年度から、課題照会、対応方針の協議日程について大幅な見直しを図り、予算編成に反映させる仕組みの調整を図っておりますし、財源捻出のため、ふるさと寄附金のメニューに地域課題解決に関する項目を加え、活用を予定しているところであります。 また、課題解決に向けた軽微な修繕や委託業務については、応援センターごとに発注する方式など、応援センターの裁量を高め、身近な地域課題に即応する仕組みづくりを予定しております。 次に、制度開始から12年を経過した地域会議の今後の展望につきましては、少子高齢化により地域活動の担い手がますます不足することが見込まれることから、第六次釜石市総合計画に掲げている「全市民参加でつくるまち」、協働によるまちづくりを推進していくためには、自助、共助、公助による地域づくりを一層推進することが必要であり、その中心となるのが応援センター及び地域会議であると認識をしております。 また、行政、企業、職能団体、NPO、市民団体等、多様な主体との連携や協働も視野に入れた地域会議の在り方も必要であると考えております。 以上をもちまして私からの答弁は終わりますが、引き続き関係部長が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 市民生活部長。  〔市民生活部長菊池公男君登壇〕 ◎市民生活部長(菊池公男君) 私からは、独居高齢者の孤立死の状況とその対策について、ほか3件の御質問にお答えします。 まず、独居高齢者の孤立死の状況とその対策についての御質問ですが、独居高齢者の孤立死については、岩手県では情報開示をしていないため、当市全体の孤立死を把握することはできませんが、見守りを行っている復興住宅での孤独死の状況では、平成25年度から令和2年度までの間に確認された孤独死が6件ありました。そのほとんどが周囲との交流はあったものの、みとられることなく息を引き取っていたという状況であります。このうち、周囲との交流もなく亡くなられた、いわゆる孤立死の方もいることから、当市全体での孤独死、あるいは孤立死も一定数あるものと捉えております。 市では、孤立防止対策の一つとして見守り事業に取り組んでおり、特にも被災地区につきましては、国の被災者支援総合交付金事業を活用した復興住宅の全戸訪問、復興住宅自治会活動補助金の交付、生活支援相談員による戸別訪問など、手厚い支援を実施しております。 しかし、順次、交付金事業が終期を迎えていくことから、被災地区での見守りを含め、今後は市内全域における持続可能で効果的な見守りの充実を図ることが喫緊の課題であります。 このような状況の中で、全市的に持続可能な見守り体制の構築を考えた場合、住民にとって最も身近な近隣の住民、町内会等の自治組織、民生児童委員など、互助による見守り活動が重要かつ即応性のある取組であると認識しております。これらの取組を、市内8か所の生活応援センターを核に、自治組織等による細やかな見守り活動の下支えや情報共有を図りつつ、孤立が心配される方には公民館事業等への参加の呼びかけなど、閉じ籠もり予防、他者との交流を図ることで孤立を防止するような工夫を講じてまいります。 また、ケアが必要な高齢者等には、応援センター保健師による定期的な戸別訪問を実施し、速やかに異変に気づく環境を整え、適切な機関につなげるよう、引き続き注力してまいります。 さらには、行政や地域住民だけでなく、訪問や配達を行う民間事業者が業務中に発見した異変を通報する見守りの取組、いわゆる見守りネットワークについても、事業者の皆様を一堂に会し、定期的な情報交換を行うなど、強化、充実を図り、当市における孤立死対策を推進してまいります。 次に、現在の空き家の状況並びにその管理及び対策についての御質問ですが、平成28年度の調査後の空き家の状況につきましては、平成28年度調査では831戸でありましたが、令和元年度に民家が集中する中妻町から野田町までのエリアを中心に行った調査では、新たに161戸の空き家が確認されております。 平成28年度以降、市から相続人などへ、危険と推定される空き家の解体をお願いした結果、これまで9戸の空き家の解体がなされたことから、令和2年3月末現在では983戸の空き家を確認しており、平成28年度の調査からは152戸増加している状況にあります。また、その中で倒壊危険性があるとされている危険度D及びEランクの空き家は36件となっております。 空き家の管理及び対策についてですが、空き家と判定された住宅については、空家等対策の推進に関する特別措置法の規定により、所有者等の特定に必要な課税情報、登記簿謄本、戸籍謄本等の個人情報の入手が可能となることから、所有者及び所有者が亡くなっている場合には管理責任を負うこととなる相続人等の特定に努めており、住宅地図を基にした空き家台帳で管理し、日々、住民から寄せられる苦情に速やかに対応しております。 また、市では、相続が円滑に進んでいないことが空き家増加の要因の一つと捉えており、建物の管理、相続登記の必要性についての意識向上を目的として、市民課や税務課の窓口に法定相続情報証明制度や相続登記を促す案内チラシを置くとともに、今年度からは、固定資産税納税通知書に空き家の適正管理についてのチラシを同封するなど、空き家の適正管理の周知を強化しております。 特にも、経年劣化が進んだ空き家は、雑草の繁茂や野良猫などの害獣のすみかとなり衛生上問題があること、また劣化したトタン屋根等が強風等で隣家に危険を及ぼすおそれがあることから、庁内関係課と連携し、所有者に対し、早期の適正管理を促す文書を発送しております。 なお、活用が見込まれる空き家については、空き家バンクへの登録を促すほか、個人が抱える悩みに丁寧に対応できる相談会を開催するなど、空き家の有効活用についても積極的に対応しております。 しかし、空き家が市民の生命を脅かし、生活に大きな支障を来すと判断した場合には、釜石市空家等の適正管理に関する条例に基づき、特定空家等の認定や応急措置等の対策を講じていくこととしており、今年度開催した釜石市空家等対策推進協議会では、1件の空き家について、応急措置の協議をしているところであります。 また、年々増加する空き家への迅速な対応が求められますことから、本年1月から、地域おこし協力隊制度を活用し、空き家の適正管理担当として1名の専任職員を採用するなど、人的体制も強化して、空き家の適正管理推進に努めております。 次に、地域会議役員の位置づけについての御質問ですが、地域会議は、地域の実情を最も理解されている町内会長など地域会議構成員が地域住民の意見を直接吸い上げ、行政が把握し切れない課題を把握し、行政運営や施策に反映させる重要な役割を担い、住民主体の地域づくりの推進を図る機関です。 現状では、事務局業務を生活応援センターが担っておりますが、あくまで地域と行政のつなぎ役であり、地域会議自体は、住民を主体とした独立した機関として、各地域会議規約により位置づけをされております。 次に、地域要望への取組についての御質問ですが、地域課題の処理の判定区分は、次の3区分となっております。実施は、当年度実施、または実施予定のもの、実施調整は、ここ二、三年の間に実施予定のもの、実施困難は、優先順位、緊急性を見ても実施が難しいもの、または実施すべきではあるが、ここ二、三年には実施困難なものであります。 令和2年度の要望項目153件中、各区分の数は、実施が30件、実施調整が75件、実施困難が48件となっており、少なくとも105件については、二、三年のうちには実施を予定していることとなっていますし、確実な進捗を図るため、庁内での課題対応の進捗管理を共有する仕組みを整え、対応に複数年を要する課題の対応履歴、進捗状況の共有を行っております。 ○議長(木村琳藏君) 保健福祉部長。  〔保健福祉部長水野由香里君登壇〕 ◎保健福祉部長(水野由香里君) 私からは、高齢者単身世帯の現在の状況とその対策についての御質問にお答えします。 高齢者単身世帯の現在の状況ですが、令和2年国勢調査の結果は、現在のところ公表されておりませんが、令和3年1月末現在における住民基本台帳上の高齢者単身世帯は4150世帯であり、国勢調査が行われた平成27年9月末現在と比較して427世帯増となっておりますので、実態としての高齢者単身世帯も増加しているのではないかと予想しております。 高齢者の状況把握とその対策につきましては、地域包括支援センターにおいて、要介護・要支援認定を受けていない65歳以上の高齢者約1万人を対象に、高齢者現況調査を毎年実施しております。 この調査は、高齢者の家族構成や身体の状況、生活上の困り事、地域との交流の状況、緊急連絡先などを調査し、緊急時の対応や相談支援を行う上での基礎資料とするほか、高齢者の生活状況や課題の把握を行うものであります。 この調査結果から得られる課題の一つに、孤立するリスクの高い独居高齢者があります。令和元年度の調査において、家族や友人との交流や近所付き合いはほとんどないと回答した中で、家族構成が独り暮らしと回答した方は102人でありました。この孤立するリスクの高い独居高齢者は、個別の名簿を各地区生活応援センターに配布し、保健師などの専門職が高齢者の自宅を訪問するなどして、状況を把握し、継続的に関わることにより、地域の通いの場への参加の働きかけや介護サービスの利用など、必要な支援につなげられるよう対応を行っております。 一方で、高齢者が孤立することなく、その有する能力に応じて自立した日常生活を送っていくためには、近所付き合いや地域活動への参加、家族との連絡を取り合うなど、自らが人とのつながり、社会とのつながりを持つことが重要であると考えております。 さらには、地域住民や関係機関が連携して、高齢者が抱えている困り事を自分のこととして捉え、共に支え合い、助け合う活動が必要とされておりますので、今後も、地域資源の把握に努めながら、多様な主体の活動が地域で活発に展開されるよう支援してまいります。 ○議長(木村琳藏君) 建設部長。  〔建設部長菊池拓也君登壇〕 ◎建設部長(菊池拓也君) 私からは、復興公営住宅の家賃についての御質問にお答えします。 まず、収入超過者の家賃の設定と増額対策についての御質問ですが、公営住宅は、本来、住宅困窮者である低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することを目的としたものであり、原則、政令月収15万8000円の収入基準を超える方は入居できないこととなっておりますが、東日本大震災で被災された方々を対象とした復興公営住宅においては、復興特区による特例として、収入基準を超える世帯であっても入居可能とされてきたところであります。 しかしながら、現行の制度では、入居から3年が経過した場合、収入基準を超える世帯は、近傍同種家賃が適用され、家賃が割増しとなってしまいます。近傍同種家賃は、建設時期による建設コストの上昇や建設条件の違いにより、住宅ごとに違う家賃となりますが、いずれの住宅においても10万円を超える高額な家賃となるため、入居者に大きな負担となるケースが生じている状況となっております。 このことから、当市では、平成30年3月に釜石市営住宅等家賃の減免取扱要綱を改正し、家賃の上限を1LDK、または2DKで7万1500円、2LDK、または3DKで7万7400円とし、近傍同種家賃との差額を減免して、高額家賃への対策を行っております。 次に、入居5年後からの家賃増額の課題と対策についての御質問ですが、政令月収8万円以下で、特に収入が低い世帯の方々の家賃については、これらの家賃区分にさらに細分化し、本来の家賃からより一層低減が図られた区分が設定されており、入居開始から5年間減免後、6年目から段階的に本来の家賃に近づいていき、11年目から本来の家賃となるものです。これは、国による支援制度であり、急激な家賃の上昇を抑えるために、6年目以降の5年間で徐々に本来の家賃に近づける傾斜家賃とすることで、入居者の負担が軽減されるものであります。 さらに、それでも収入が低く、家賃の支払いが負担となっている世帯の方々については、市独自の減免制度の対象となる場合もありますことから、個別の相談の体制を取っております。 なお、入居から5年で政令月収31万3000円を超えた高額所得者には明渡し義務が発生いたしますが、現在、その対象となる世帯は2世帯となっており、収入超過者となった時点で、個別に制度等を説明するため訪問し、高額な家賃納付について御理解をいただいている状況であるため、当市としては、明渡しは行わないこととしております。 以上をもちまして答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) それでは、再質問をします。 単身世帯の増加について御質問をいたします。 釜石市の世帯数から高齢者単身世帯数の割合を算出しますと、平成27年が2675世帯で15.8%と、令和3年には答弁より4150世帯、25.8%と、10%も増加している状況です。釜石市の世帯数の4件に1件は高齢者単身世帯となって、大幅に増加しています。この増加に対する対策について、答弁の内容がちょっと少なかったように思います。改めてお聞きしたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 高齢介護福祉課長。 ◎高齢介護福祉課長(山崎教史君) まず、高齢者の単身世帯として先ほどお答えした4150世帯というのは、住民基本台帳上での数字ですので、実態はもう少し少ないかなとは思っております。 高齢者単身世帯が増加していることに対しての新たな対策としては、市内の東部地区の復興公営住宅を中心に、主に高齢者のみの世帯を訪問して、悩み事を聞いたり、困っていることがあれば必要な支援策につなげるなどの役割を行う独居高齢者等見守り・傾聴業務というのを実施しております。これを市内全域で実施できれば、大きな安心につながると思いますけれども、そういった業務を担う適切な人材の配置とか、あとやはりコストがかかりますので、そういった部分があるので、こちらのほうは今後の検討課題というふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 今、東部地区を中心にして行っているということですが、高齢化、高齢者単身世帯は地域でも増加しております。地域では、人手がなくて、今、負担が大きくなっているのが実情です。今、行政は、地域、本人にその役割を転嫁する傾向があるように思います。高齢者単身世帯に対して行政の役割というのは何か、もう少し明確にして対応すべきではないかなと思いますが、この辺についてお伺いします。 ○議長(木村琳藏君) 高齢介護福祉課長。 ◎高齢介護福祉課長(山崎教史君) 行政の役割としては、本人や地域だけで解決できない課題というのを、本人とか家族、あるいは地域の皆さんと相談しながら、何らかの解決策を見出していくというところだと思っております。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 地域と解決策を見出すということなんですが、本当に地域と解決策を見出すための努力をしているのかというのがちょっと疑いたいなと思います。というのは、地域にやはり行ってもらうのでなければ、やっぱり地域に出向いて声がけするとか、そういった行政の情報を地域に伝えるとか、そういったのを、情報の共有とか、そういうのがなければ、地域としては協力、なかなか難しいのではないかなと思います。行政の掛け声だけでは、やはり伝わらないということがあります。行政が地域に足を運んで、独り暮らしの方の対策についてやはり訴えるべきではないかなと思いますが、その辺についてお伺いしたいなと思います。 ○議長(木村琳藏君) 高齢介護福祉課長。 ◎高齢介護福祉課長(山崎教史君) やはり地域ごとに課題や困り事を把握して、それに誰がどう対応していくかといったことを話し合いながら、それぞれの立場でできることをやっていくというのが重要であるというふうに考えております。 各地区の生活応援センター単位で、そういった話合いの場を設定して、今後取り組んでいけるように、関係部署と連携して対応してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 何か対策がちょっと弱いような感じはします。やはり超高齢化社会、これに対するやはり考え方、もう少し一歩進んでほしいなと思うところです。 次に、孤独死について質問します。 高齢者単身世帯が増加していることと、これから地域のつながりが希薄の現状、現況を見ると、さらに孤独死の発生が予想されます。高齢者単身世帯で若い方での孤独死が近隣町内会で続いておりますが、行政の管理体制はどのようになっているのか、改めてまた聞きます。 ○議長(木村琳藏君) まちづくり課長。 ◎市民生活部次長まちづくり課長(小池幸一君) お答えいたします。 現在は、高齢者の介護ですとか既往症のある、いわゆるケアが必要な世帯についての把握はしておりまして、被災地以外でも、各応援センターの保健師ですとか社協の生活支援相談員などで、重点見守りなどの状況により訪問頻度を決めて定めて、定期的な見守りを実施しております。また、民生児童委員さんとの情報共有にも努めておりますし、心配な世帯の把握も行っているところです。どうしても、住民も行政も互いに限界がある中での見守りというのは承知しておりますので、連携して、課題解決に向けた取組を模索していかなければならないと思っておるところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 住民と模索をしていくということだと思いますが、今、その中でやはり高齢者、住民については、高齢者単身世帯については、やはり民生委員とか行政の担当しか、その情報が入っていないということだと思います。地域では、個人情報のために、そのうちの詮索を控えておるということで、本人の健康状態とか、そういったものが本当に分からない状態、地域としては見守るだけというような感じですけれども、理念は共生社会の実現を目指すとされています。地域や市民に具体的に何をその共生社会の中で要求するのかお伺いしたいなと思います。 ○議長(木村琳藏君) まちづくり課長。 ◎市民生活部次長まちづくり課長(小池幸一君) お答えいたします。 情報の開示につきましては、御指摘のとおり、制限があることは事実でございます。地域コミュニティーとしてできることといたしましては、具体には、地域の中で挨拶等の声がけや回覧時の会話を行っていただくよう、そういった日常的な交流などで緩やかな見守りと支え合い、そういったものをしつつ、異変があった際には、応援センターを中心とした行政につないでいただく、そういった対応をお願いしたいと思っております。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 今、緩やかな対応ということで、やはり地域としては、緩やかな対応であれば長続きした見守りができるのではないかなと思います。やっぱり負荷がかかるような見守りは長続きしないと思いますので、その辺やはり行政としての指導をお願いしたいなと思います。 それと、孤独死は、ソフト面の対策だけではなく、やはりハードを使用した孤独死の監視体制の構築には費用もかかると思いますが、少子高齢化、人口減少を考慮すれば、必要ではないかなと思います。 また、ハードの監視体制を構築して高齢者を釜石に呼び込むと、移住する体制づくりについてはどのように考えますか。 ○議長(木村琳藏君) まちづくり課長。 ◎市民生活部次長まちづくり課長(小池幸一君) 高齢者の移住・定住に関しましては、様々な環境的な要因の整備が必要と思っております。それは気候であったり、買物の状況、交通の便など、そういった諸要因とともに、居住地区などの環境的な要因も大きいものと思っています。総合的に暮らしやすさを高めるためには、監視も大事ではございますけれども、様々な部局の総合的な施策の展開が並行、連携して図られるべきと考えておるところです。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 今、総合的な施策が必要だということですが、やはりハードを使った、何かソフトを使った、そういった監視体制の構築も考えてみてはとは思います。 次に、空き家について質問をします。 釜石市空家等対策計画が平成30年から10年間として計画されております。その中で、各施策を推進するスケジュールが示されております。地域との協働による適正管理の推進については、どのような状況でしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 生活環境課長。 ◎生活環境課長(和賀利典君) 地域との関係についての御質問にお答えをさせていただきます。 空家等対策計画におきましては、空き家等の適正な管理を推進する具体的な対策の一つに、地域との協働による適正管理の推進を定めております。これは、遠方等に住んでいらっしゃいます所有者等が様々な事情によりまして、適切に空き家、敷地を含めた土地も含めてですけれども、管理をできていないということが要因になっておりまして、地域住民の皆さんにとっては環境衛生上、大変大きな問題だということで、苦情等が寄せられております。このような場合におきましては、市が町内会さん等との仲介を、所有者との仲介を行うことで、両者の理解が得られれば、近隣住民によります敷地内の草刈り等の問題解消につなげているという実情がございます。 しかしながら、計画では、令和元年度までに、それらの町内会等との協力体制等も含めまして、体制整備を整えることとしておりましたけれども、これがあまり進んでおりませんで、今現在では、一部の町内会での取組にとどまっている状況でございます。 今後につきましては、これらの体制整備も含めまして、現在増え続けている空き家対応につきまして、早急に取り組んでいかなければいけないと考えております。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 空家調査によりますと、20%の方が全く管理していないというデータです。やはり地域では、管理されない、また市では管理している空き家も分かるかと思いますが、それ以外の空き家については、持ち主などの情報も地域では分からないということがありますが、この辺、情報の共有ということでは、やはり地域との共有も必要ではないかなと思いますし、そういうことによって、誰が管理する処理についても分かるのではないかなと思います。その辺についてはどうでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 生活環境課長。 ◎生活環境課長(和賀利典君) 空き家等の情報開示についての御質問にお答えをさせていただきます。 地域との関わりがある、あっての空き家となった場合はいいんですけれども、全然、地域との関わりがない上で空き家になってしまったという場合には、その所有者の特定につきましてもかなりの労力を要します。まず、課税台帳等から追っていきますし、あるいは相続、住民基本台帳等から追っていきますので、そういったところからの追跡調査を行って進めていくわけですけれども、どうしても、そこにたどり着くまでに多くの時間が要するということになっております。 そういうことで、所有者が全部把握できていない物件等もあるんですけれども、やはりそういった中で、何とか地域の方々からの情報、あるいは親族からの情報、そういったものも突き詰めていきながら、そういった情報を得ながら、早期に対応をしてまいりますし、最終的には、どうしてもそれらが特定できないという場合におきましては、法に基づきまして、当市の場合ですと、特定空家に認定する、あるいは裁判所等にそういった情報を介して相談するとか、そういうことを順次対応してまいりたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 裁判所とか、そういったもので順次対応していくということなのですが、昨年の3月から今年の2月までで131件の世帯数の減少がまず発生しております。世帯数の減少というのは、そのまま空き家になる確率が高いと考察します。先ほど4150世帯の独居老人がいるということですから、これがすぐ空き家になる可能性が高い部分ではないかなと思います。やはり対策を急がなければ、本当に釜石が空き家状態のまちになってしまうというのが考えられます。ですから、この辺について、やはり市として何らかの補助制度なり、そういった早期に空き家を対応、対処するやっぱり施策が必要ではないかなと思います。その辺は要望としてお願いします。 次に、復興公営住宅の家賃についてお聞きします。 この家賃については、かなり復興公営住宅に入っている方から強く求められた部分でございます。1つは、保険というか、健康保険制度が今年から被災者も支払わなければならないという問題と家賃が上昇するというダブルパンチだということをまず伝えてくださいということを言われました。 入居から3年以上経過した方で、収入が政令月収8万以下で、復興公営住宅のために特別に設けた家賃の方について、政令月収8万以上と以下の割合及び以下の4段階の割合の状況はどのようなのかお伺いします。 ○議長(木村琳藏君) 都市計画課長。 ◎都市計画課長兼復興住宅整備室長(三浦康男君) お答えします。 今、議員おっしゃったその区分については、収入分位1というものに当たるかと思います。全体で8区分の中で、収入分位1に当たる分については、対象となる867世帯のうち704世帯が対象となっております。 御質問の8万円以上の部分については、102件、14%となっております。それから、8万円以下の部分については、602世帯で86%という数字になります。 さらに、収入分位1の細分化された4段階の割合ということにございますが、1-①というふうに、1-①から1-④というふうに区分しておりますけれども、1-①、最低の部分については402世帯で67%、1-②については107世帯で18%、1-③については43世帯で7%、1-④が50世帯で8%というふうな数字になっております。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 今あったように、1-①というのは67%と言いましたか、というのは収入がゼロというか、政令月収がゼロという方が67%いるということでございます。そうすると、独り暮らしで暮らしている方、1DKで暮らしているとすれば、その収入ゼロ、政令月収でいうゼロということで、非常に生活が大変だという部分ではないかなと思います。 その中で、市のほうでは、答弁では、市は独自の減免制度の対象となる場合もあることから個別相談の体制を取っておりますというようなことを答弁されております。ですから、この個別相談についてはどのような内容なのか、またやはり個別相談ではなく、市としてこの8万円以下、再度その家賃設定については考えるべきではないかなと思いますが、その辺について伺いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 都市計画課長。 ◎都市計画課長兼復興住宅整備室長(三浦康男君) お答えします。 市の家賃の減免取扱要綱の内容をお話ししたいと思います。 この要綱は、減免に関する額と率を定めたものとなっておりまして、入居者及び同居者の収入を合算した月額を生活保護法による生活基準により算出された最低生活費で除した減免率によって、5段階に区分されております。10分の9、10分の7、10分の5、10分の3、10分の1というふうに区分されておりまして、具体的に申し上げますと、先ほど議員がおっしゃった1-①、最低の方で、今後、5段階、10年かけて最終的に2万1600円の家賃になったとして、その方がこの要綱に該当した場合、2万1600円が10分の9ですと1万9400円ですし、最低ですと10分の1の2100円になるというようなものでございます。 なので、市では、このとおり、著しく収入の低い方については、今申し上げました減免制度をもって対応したいと。なので、家賃、収入に関しては個別の情報になりますので、なので個別相談の体制を取っているというふうに申し上げたものでございます。 市で特別に設けた家賃制度ということになりますが、この家賃の決定に関しては、公営住宅法に基づいて決められた数式、算定方法にもって算出しておりますので、なかなか細かいところまで市で独自で定めるというものはできかねるかなというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 市の独自なことについては、決定が難しいところもあるかと思いますが、やはり1-①の方については、もしその家賃の6年目以上、家賃が上昇する場合については、そういう制度の周知も必要ではないかなと思います。よろしくお願いしたいなと思います。 それと、あと問題は、共稼ぎ者とか子供が稼ぎ始めたとかという場合については、即、家賃に反映するようです。ですから、高額な所得になってくれば、そうなれば公営住宅に入っている方がやはり公営住宅から離れると、そういった問題が出てきているようです。ですから、その中で公営住宅には低廉な家賃の方と高齢者しか住まなくなるという問題が全国的にあるようなものですから、その辺について、やはり市として家賃の制度の見直しとか、やはりそういったものが政府にでも要求しながら、考えていかなければならない問題ではないかなと思います。 時間がないので、この家賃については、ここで質問を終わりたいなと思います。 次に、地域会議について質問します。 第六次釜石市総合計画の第3部地区別計画と第4次釜石市行政改革大綱の地域生活応援センターとの協働等による地域会議の役割が示されておりますが、地域会議についての条例がなく、地域会議の設置や定義、目的が明確にされていない状況です。今、何で運用しているのかお伺いします。 ○議長(木村琳藏君) まちづくり課長。 ◎市民生活部次長まちづくり課長(小池幸一君) 地域会議に関する条例がないというのはそのとおりでございまして、現状では、平成20年度に地域会議を設置する際に、地域ごとに規約案をお示しして、委員の皆様で内容を吟味して肉づけしていただいたもので規約を制定したものと理解しております。その規約の中で、目的、事業、構成員等々が定められております。 規約の中でも、最も中心となる定義、目的でございますけれども、そういったことで、市民参画、地域との行政との協働、自ら実践、行政施策に反映というのがキーワードになっておりますので、その中で、やっぱりこの規約の中で適切に運営されているというふうに理解しております。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。 ◆15番(菊池秀明君) 各地区の規約で運営されているということのようですが、地域会議の役員は、奥州市での地域会議では、委員が30人ぐらいおります。これは団体の代表者とかということで、これは市長が委嘱しておるという状況です。それで、釜石も今、役員30名で組織しておりますが、答弁によりますと、応援センターはあくまでも地域と行政のつなぎ役であり、地域会議自体は住民を主体とした独立した機関として、各地区の会議規約により位置づけされているとされています。この住民主体とした独立した機関とはどういうことなんでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) まちづくり課長。 ◎市民生活部次長まちづくり課長(小池幸一君) 地域会議を設立する段階の中で、各地域の地域会議の構成員につきましては、域内の町内会ですとか各種団体、そういった地元の皆様が構成員となっておられますし、その中で地域のことは地域で解決していただくということも目的の一つになっておりますので、そういった形で捉えております。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君。持ち時間あと1分でございます。 ◆15番(菊池秀明君) あと1分。 ○議長(木村琳藏君) はい。 ◆15番(菊池秀明君) 残念だね。もう少し追及したかったんですが。 ただ、残念なのは、総合計画、行政改革大綱、この辺に取り上げております。ですから、地域会議というのは、これからやっぱり地域の中で重要な役割を果たしていくということを述べていますね。まちづくりの中で、やはり重要な役割を果たすのを、もう少し行政のほうできちっとした位置づけ、その辺が必要ではないかなと思います。その辺を要望して、質問を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 15番菊池秀明君の一般質問を終わります。--------------------------------------- ○議長(木村琳藏君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。10日は午後1時から会議を開きます。本日はこれをもって散会いたします。               午後5時40分散会                         釜石市議会議長 木村琳藏                         釜石市議会議員 細田孝子                         釜石市議会議員 佐々木義昭...