釜石市議会 2008-09-16
09月16日-02号
平成20年 9月 定例会(第6号) 平成20年
釜石市議会9月
定例会会議録--------------------------------------- 平成20年9月16日火曜日
--------------------------------------- 議事日程 第2号 平成20年9月16日(火) 定例会 午後1時会議を開く第1 本日の
会議録署名議員の指名第2 市政に関する一般質問 1 (1)
東部地域振興について 13番 水野議員 (2) 医療・健康について 〃 2 釜石の水産業について 3番 小野議員 3 (1)
市町村合併について 17番 山崎議員 (2) 水産振興について 〃 4 (1) 福祉行政について 7番 坂本議員 (2) 教育行政について 〃 以上
--------------------------------------- 本日の会議に付した事件第1 本日の
会議録署名議員の指名…………………………………………………………20第2 市政に関する一般質問 1 (1)
東部地域振興について 13番 水野議員………〃 (2) 医療・健康について 〃 ………〃 2 釜石の水産業について 3番 小野議員………35 3 (1)
市町村合併について 17番 山崎議員………51 (2) 水産振興について 〃 ………50 4 (1) 福祉行政について 7番 坂本議員………64 (2) 教育行政について 〃 ………66
--------------------------------------- 出席議員(23名) 議長 松坂喜史君 副議長 川崎勇一君 1番 平野弘之君 2番 古川愛明君 3番 小野 共君 4番 合田良雄君 5番 小鯖利弘君 6番 海老原正人君 7番 坂本良子君 8番 菊池 孝君 9番 細田孝子君 10番 佐々木義昭君 11番 佐々木 透君 12番 和田松男君 13番 水野昭利君 14番 岩間勘二君 15番 赤崎光男君 16番 菅原規夫君 17番 山崎長栄君 18番 藤井修一君 19番 野田忠孝君 20番 平松福一君 21番 秋元厚子君
--------------------------------------- 説明のため出席した者 市長 野田武則君 副市長 上村俊一君 副市長 佐々木重雄君
総務企画部長 山崎秀樹君
市民環境部長 岩鼻 弘君
健康福祉部長 野田喜一君
港湾担当部長 下澤 治君 建設部長 岩間正行君
総合政策課長 阿部 毅君 総務課長 小林俊輔君 財政課長 沖 健太郎君 広聴広報課長 赤崎 剛君
健康推進課長 山田 守君
高齢介護福祉課長 久喜 眞君 水産課長 岡崎貞夫君 会計管理者 前川公二君
水道事業所長 菊地洋一君
企業立地推進本部副本部長 佐々隆裕君 教育長 河東眞澄君 教育次長 佐々木 諭君
総務学事課長 芦萱潤一郎君
総務学事課指導監 高橋 勝君
総務学事課主幹 清水啓之君
学校統合推進室長 高田健二君 図書館長 中村公一君
学校給食センター所長 川崎悦三郎君
市民文化会館長 猪又勝則君 監査委員 藤原宏昭君
--------------------------------------- 事務局職員出席者 事務局長 清野信雄 事務局次長 古澤茂樹 議事係長
山崎教史--------------------------------------- 午後1時会議を開く
○議長(松坂喜史君) 本日の出席議員は23名で定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 ただいまから本日の会議を開きます。本日の議事は、お手元の議事日程第2号により進めます。
---------------------------------------
○議長(松坂喜史君) 日程第1、本日の
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員には、会議規則第81条の規定により議長において5番小鯖利弘君及び6番海老原正人君を指名いたします。
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○議長(松坂喜史君) 日程第2、市政に関する一般質問を行います。順次質問を許します。13番水野昭利君、登壇を願います。(拍手) 〔13番水野昭利君登壇〕
◆13番(水野昭利君)
はまゆりクラブの水野昭利です。通告に従い、
東部地域振興、医療・健康について順次質問いたします。 まず最初に、
東部地域振興について3点お伺いいたします。 最初に、魚市場についてお伺いいたします。6月議会で質疑が時間切れとなったので、改めて質問いたします。 新
釜石魚市場の整備については、新浜町
地区漁港埋立地への移転、
公設民営化方式により平成22年度供用開始が予定されております。
移転予定先は西の風が強く、また波が高く、係留が困難と聞いておりますが、
魚市場建設地移転先として適地であるのかお伺いいたします。 魚市場の
運営予定者として、釜石市
漁業協同組合連合会を予定しているが、市漁連の経営状況はどうなのか、また、運営を引き受けてもらえるのかお伺いいたします。 魚市場が新浜町
地区漁港埋立地に移転した場合、魚市場の隣接地に、現在使用していない冷凍施設、小売、鮮魚出荷、
買受人組合等が入居している建物はどうするのかお伺いいたします。 旧釜石第一中学校、
釜石小学校の跡地利用についてお伺いいたします。 学校統合により、旧釜石第一中学校、
釜石小学校は現在使用されておらない状況です。
只越地区発展のためにも、この跡地を有効に利用すべきであるが、市では活用策をどのように考えているのかお伺いいたします。 3点目としまして、昨年の仙人峠道路、
釜石湾口防波堤、釜石港
公共埠頭拡張の3大
基盤整備事業の完成に伴い、新しい
まちづくりの方向性を議論するとして、海と緑の
交流推進委員会を今月1日発足させたようですが、委員会の検討内容についてお伺いいたします。 2つ目といたしまして、医療・健康について4点お伺いいたします。 現在、1000円たばこが話題になっております。健康増進を図る一方、税収増につなげたいと一挙両得を目指して、国では税の増額、増税を検討しているようです。国民に広く負担を強いる消費税に比べ、嗜好品であるたばこは健康によくないとして、健康増進につながるという大義名分が立ちやすく、増税に対する反発が比較的少ないとして愛煙家に負担を願うとしておりますが、愛煙家であります市長はどう考えておられるかお伺いいたします。 健康増進のためとしておるが、喫煙による人体に与える影響についてもあわせてお伺いいたします。 次に、釜石市民の平均寿命は、平成18年度、男性は76歳、県内35市町村で最下位です。女性は84.6歳で下から3番目と低い状況です。当市の主な死亡原因は悪性新生物、主にがんでございます。それから心疾患、心不全とか
心筋梗塞等でありますが、脳血管障害、脳卒中等いわゆる3大成人病による死亡要因が全体の60%を占めているようです。死亡率を下げるには、疾病の早期発見・早期治療が必要ではないかと思われます。当市では他市町村同様、早期発見のため各種検診を実施しているが、他市町村に比較して受診率が低い状況であるが、受診者への周知方法はどのようにしているのか。また、受診率向上に向けた方策を考えているのか、あわせてお伺いいたします。 当市は、国保1人
当たり医療費が
県内トップクラスであるが、早期発見・早期治療により保険給付費の抑制にもなるのではないかと考えております。現在、
県立釜石病院では、
がん放射線治療、
急性期心筋梗塞の
カテーテル治療が受けられない状況であると聞いておるが、この治療が可能となるよう取り組みを進めてもらいたいと思います。また、病院の耐震改修をする予定と聞いておりますが、現釜石病院の施設は十分なのか、不十分なのか、不十分な場合は新たな新築移転も考えられるのではないか、どのように考えておるのか、あわせてお伺いいたします。 昨年度まで、当市にも回復期の
リハビリテーションがあったが、医師などスタッフ等の関係で、現在
回復期リハビリテーションの専門病床がなくなったため、多くの市民から設置について望まれている状況であります。当局から、
のぞみ病院で開設に向けて検討しているとさきの議会で答弁があったのですが、
リハビリテーション病棟を開設するための課題、問題点は何か。また、
のぞみ病院は昨年4月、市民病院の跡地に開院いたし、1年過ぎましたが、経営状況はどうなのか、あわせてお伺いいたします。 以上をもちまして壇上からの質問を終わり、再質問は自席から行います。御清聴、大変ありがとうございました。(拍手)
○議長(松坂喜史君) 市長。 〔
市長野田武則君登壇〕
◎市長(野田武則君) 水野議員の御質問にお答えをいたします。
県立釜石病院に関する御質問でございますが、急速な高齢化の進行、生活習慣病の増加による疾病構造の変化、医療の高度・専門化などに伴い、住民の
医療サービスへの需要は多様化しており、質・量とも増大しております。このような状況において、医療機関の持つ機能をより明確にし、適切な役割分担と連携のもと、切れ目のない医療体制を構築することが求められております。 このことから県では、岩手県
保健福祉計画の
保健医療編において、がん、脳卒中、
急性心筋梗塞、糖尿病の4つを主要疾病として位置づけ、県内の
医療機能調査を実施し、その
医療機関名を7月末日に公表したところでございます。この公表結果では、県内の
保健医療圏で唯一、釜石市、大槌町を範囲とする
釜石保健医療圏において、がんの
放射線治療を受けることができないこと、また、
宮古保健医療圏とともに
急性心筋梗塞の
カテーテル治療を受けることができないことが明らかになりました。 市といたしましては、地域で安心して医療を受けられる体制を確保するためには、これらの医療機能が必要であるとの認識から、私は去る8月5日、岩手県医療局長に対して、
県立釜石病院において、
がん放射線専門医の確保及び施設の整備を行い、がん治療の均てん化を図ること、
急性心筋梗塞の
カテーテル治療など急性期の専門的な診断、治療を行う医療機能の充実を図ること、また、
広域基幹病院として救急医療や
高度特殊医療機能の充実強化を図ること、産婦人科及び消化器科の医師を確保することにより、診療体制の充実を求める要望をいたしました。 これとあわせて同日、岩手県
保健福祉部長に対して、
釜石保健医療圏において岩手県
がん対策推進計画に示された
がん治療連携拠点病院等の整備について、平成22年度の目標年度内に整備することを求める要望をいたしました。また、8月26日、岩手県知事に対して行った今年度市の統一要望の中では、
県立釜石病院を
広域基幹病院として整備すること、看護師の確保対策を進めること、保健、医療、福祉の連携の強化を図ることを骨子とした地域医療及び保健・医療・福祉の連携強化策の充実を求める項目を掲げたところであります。 地域医療及び医療機能の充実については、先般、市内の
病院医師等を対象として、地域医療に関する懇談会及び釜石市
地域保健医療福祉体制整備協議会を開催して、地域医療の現状、課題の把握を行ったところであり、今後とも医療、福祉、
保健関係者の意見集約を行いながら、県関係部局に対して
県立釜石病院の医療機能の充実強化を要望してまいります。 次に、
県立釜石病院の耐震改修についてですが、県が実施した耐震診断によると、
県立釜石病院は国の耐震基準を満たしておらず、耐震改修の必要があると判定されております。特にも、
県立釜石病院は
広域基幹病院に指定されていることから、平成27年度までに改修する予定と伺っております。しかし、いまだ実施年度が確定していないことから、県に対してできるだけ早期の具体的な
耐震改修計画の策定を要望してまいります。 また、
県立釜石病院は、市民病院との統合に伴い、外来診療棟、救急処置室の増築、手術室の増設、駐車場の拡張などの施設整備を行って施設機能を強化しておりますが、築後30年余りが経過して、施設、設備の老朽化が進んでいるとともに、医療の高度・専門化に伴い、医療設備や機能、医師の体制などの課題もあるところでございます。今後、地域の現状をあわせて勘案しながら、
県立釜石病院の新築移転についても視野に入れ、県に対する働きかけを行ってまいります。 以上をもちまして私からの答弁は終わりますが、引き続き副市長、
総務企画部長並びに
健康福祉部長が答弁をいたします。
○議長(松坂喜史君) 上村副市長。 〔副
市長上村俊一君登壇〕
◎副市長(上村俊一君) 私からは、
魚市場建設並びに海と緑の
交流推進委員会についての御質問にお答えします。 まず、
魚市場移転建設予定地の環境についての御質問でございますけども、当市では、以前に釜石港
湾口防波堤北堤地点の
風況観測調査を行った経緯があり、その結果、10月から1月にかけて西風の出現率が高く、最大風速も強いとの結果が報告されております。また、新浜町の
移転建設用地につきましても、現在の魚市場位置よりも外海に近い湾口に位置しており、現
魚市場施設に比べ冬季に西風が強いと推測されることから、施設整備に
当たり風対策が課題になるものと認識しております。 次に、釜石市
漁業協同組合連合会の経営状況についての御質問でありますけども、魚市場の移転建設につきましては、
運営予定者である同連合会の強固な経営体制が一番重要な要件となることから、現在、同連合会の平成19年度の決算状況や財務改善の達成状況、経営体制の強化状況などの検証を行っているところであります。その経営状況でありますが、平成6年度以降の経営は、魚価の低迷、
水揚げ不振等により苦しい状況にあったことから、経営の健全化を図るため、平成12年3月に
財務改善計画を策定し、一般管理費や職員の削減などの対策を講じてきました。しかし、依然として厳しい経営内容が続いたため、平成15年に
財務改善計画を見直し、さらに職員を削減するなど一層の経費節減を行っているところであります。 このように、釜石市
漁業協同組合連合会の自助努力の成果が見られたこと、また、
釜石魚市場の水揚げ数量も、平成17年度は1万7961トン、金額にして29億4000万、平成18年度は1万8619トンで32億2700万、平成19年度は2万439トンで34億1500万と増加傾向にあり、平成16年度以降については毎年単年度黒字を計上しているところであります。しかし、多額の繰越損失金の大幅な解消には至らず、水産業を取り巻く厳しい環境の中、新
釜石魚市場を安定的に経営するには、さらなる努力が必要と考えているところであります。 次に、移転した場合の現市場施設の活用についての御質問でありますけども、市では
釜石湾エリアの有効活用について検討するため、海と緑の
交流推進委員会を立ち上げており、この中で、
魚河岸地区の
にぎわい創出を検討課題の一つとしております。今後の委員会の検討内容にもよりますけども、
魚河岸地区の
にぎわい創出のためには、老朽化した現在の
魚市場施設の解体が必要になるのではないかと考えております。 魚市場の関連施設の大部分は、釜石市
漁業協同組合連合会の所有ですので、原則としてその利活用については同連合会の考え方によるものと思われますけれども、もし解体することとなれば、現在の試算で1億2000万ほどの解体費用がかかる見込みとなっており、経営状況は順調に推移しているものの、自己資金ですべてを解体するのは大変厳しいものと認識しております。 次に、海と緑の
交流推進委員会についての御質問にお答えします。 昨年当市は、仙人峠道路、湾口防波堤及び
公共埠頭拡張整備のいわゆる3大基盤の完成や、市制施行70周年、
近代製鉄発祥150周年の記念すべき節目の年を迎え、さまざまな方面に期待と希望が高まった年でありました。市におきましては、物流基盤や観光資源の活用、そして市民総参加による市民の力を結集し、活力ある経済基盤の確立など、希望に満ちあふれた新生釜石の実現に向けた取り組みを進めることが重要と認識しております。特にも、海をキーワードとした水産業の振興、港湾の活用と連動したにぎわいの創出が望まれてきました。 このような中、3大
基盤整備完成を契機に、人々が集い、交わるまち「海と緑の交流拠点」の形成に向けた基本的な方向性を検討するため、去る9月1日、海と緑の
交流推進委員会を
各種民間団体、民間企業、国、県、市を構成員として設置したところであります。委員長には私が就任いたしまして、市民の皆様からいろいろな御意見をいただきながら、実効性のあるものとして検討案をまとめ、市が主体となって進めていこうとするものであります。 所掌事務といたしましては、中心市街地の
にぎわい創出に関すること、漁業、観光等の振興につながる釜石湾の有効活用に関すること、及びこの2つに準ずる事項に関することとしております。また、委員会の円滑な運営を図るため、庁内に設置した海と緑の
交流推進会議及び検討部会と連携した取り組みを進めることとしております。 今後の取り組みといたしましては、地域住民や町内会、関係団体の参画を得ながら、テーマに沿った効率的な意見交換の場としてワークショップの開催を通じ、実効性のある構想をまとめてまいりたいと考えております。 なお、検討に入る準備、あるいは新しい
まちづくりへのきっかけとしての位置づけとして、海を活用した
にぎわい創出の成功事例等を学び、今後の
まちづくりに生かす勉強会として、来る9月27日に
釜石にぎわいの街・
海づくりセミナーを開催することとしております。今年度中には委員会としての中間報告を、そして来年度にかけては検討結果を取りまとめる予定としておりますが、委員会で検討されました提案につきましては、
次期総合計画に反映させるとともに、できるところから事業化に取り組むなど、その実現に最大の努力をしてまいります。
○議長(松坂喜史君)
総務企画部長。 〔
総務企画部長山崎秀樹君登壇〕
◎
総務企画部長(山崎秀樹君) 私からは、学校の跡地利用についての御質問にお答えをいたします。 学校統合によって閉校となりました学校の跡地利用につきましては、全市的な
まちづくりの観点から、庁内関係課による釜石市
土地建物利用検討委員会で検討を行っておりますが、旧釜石第一中学校、旧
釜石小学校の跡地利用については、現在のところ宅地等として売却するとの基本的な方向性が示されているところでございます。しかし、解体費用の財源確保のめどが立たないことなどから、年次計画等、具体的な方針決定とまでは至っておりません。 当市が今後とも広域的な拠点性を維持しながら発展していくためには、東部地区の持つ港湾や商店街等の都市機能を生かした魅力ある
まちづくりに努めていく必要があると考えております。そういう意味から、旧釜石第一中学校と旧
釜石小学校、合わせて約2ヘクタールの跡地は、まさに東部地域全体の活性化を図る上で
まちづくりの核となる地点であると認識しております。現在は、要望に応じて校庭を
スポーツ少年団や老人クラブなどに地域開放しているほか、
公的イベント時の駐車場等にも活用をされております。 今後は、市民の意見、要望等を踏まえ、民間活力の活用も視野に入れながら、釜石市
土地建物利用検討委員会において、より具体的に検討を進めていく必要があると考えております。 なお、検討の結果、跡地の活用構想がまとまり次第、ホームページなどで公表して、広く市民の意見を聞きながら、市としての跡地利用を決定したいと考えております。
○議長(松坂喜史君)
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長野田喜一君登壇〕
◎
健康福祉部長(野田喜一君) 私からは、医療・健康についての御質問にお答えをいたします。 まず、喫煙の人体に及ぼす影響についての御質問であります。 喫煙は肺がんの重要な危険因子であり、他の多くのがんのリスクも高めているだけではなく、がん以外の体のあらゆる部位の疾患にも影響していると言われております。
世界保健機関などによる試算では、世界じゅうで年間約300万人がたばこが原因で死亡をしており、現在の喫煙傾向が続きますと、20年から30年後にはそれが年間約1000万人になると予想されております。また、我が国でのたばこが原因とされる死亡数は、最近の試算によりますと9万5000人で、20年で約2倍に増加をし、この傾向はさらに続くと考えられております。 喫煙により発症のリスクが増大すると考えられる疾患は、
喫煙関連疾患、あるいはたばこ病と呼ばれており、悪性新生物を初め、呼吸器、循環器、消化器、精神、代謝、神経、歯科など多くの疾患の原因となっております。また、たばこの煙に含まれる有害物質には、ニコチン、タール、一酸化炭素があり、たばこの3悪と言われております。ニコチンは毒性の強い依存性薬物で、中枢神経の興奮・抑制作用や血管収縮、心拍数の増加などを引き起こす作用、タールには発がん作用、一酸化炭素には酸欠状態となって動脈硬化などを引き起こす作用があると言われております。また、副流煙には
発がん性物質が多く、胎児、乳幼児への害などがあり、喫煙者が吸う主流煙や吐き出す煙よりも強い毒性があると言われております。 次に、たばこ税についての御質問であります。 当市のたばこ税収は、平成19年度決算において約2億3900万円となっており、非常に重要な自主財源となっております。たばこ1箱当たりの値上げ額については、さまざまな報道がなされておりますが、税の引き上げ額及び税率等について、まだ国の各省庁が平成21年度税制改正要望に盛り込んでいる段階であること、また、仮に今回報道されているような1箱1000円という金額に見合う増税になれば、市たばこ税が大幅にふえるものと思われますが、喫煙人口の動向が想定しにくいこともあり、たばこの値上げによる市たばこ税の増収額の予測は困難であると考えております。 次に、当市における検診の受診の周知方法についての御質問でありますが、毎年3月に胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がん等に伴う検診申込書を個別に郵送するほか、休日検診の実施、広報かまいしへの掲載により、がんに関する正しい知識や検診の重要性などの普及啓発について周知徹底を図っております。 また、各生活応援センターの保健師、看護師、栄養士が、健康的な生活習慣づくりとして健康教室を開催するほか、健康づくりの知識や方法、検診などによる症状に応じたアドバイスや、保健、福祉などの相談窓口として家庭訪問を行うほか、身近な場所で保健、福祉についての相談に応じるなど、地域に密着した活動におきまして、がんに関する正しい知識や検診の重要性などについて、健康で安心して暮らせることを目指し、きめ細やかに指導しているところでもあります。 また、本年度から始まった特定健診については、広報かまいしへの掲載や文書でのお知らせ、出前講座などで周知徹底を図ってきたところであります。 次に、受診率の向上に向けた当市の取り組みについての御質問であります。 平成19年度の各がん検診の受診率については、当市では30%を目標値としておりましたが、20%前後であり、いずれも下回っている状況にあります。国では、がん対策基本法を制定し、がんの早期発見やがん検診の質の向上等を掲げ、岩手県では
がん対策推進計画において、がん検診の受診率について目標年度を平成24年度とし、目標数値を50%としているところであります。 当市においては、引き続き他の健診との連携、積極的な受診勧奨、受診者の利便性に配慮した検診体制を構築するとともに、何よりも住民意識の醸成が必要なことから、各生活応援センターを核として、訪問活動、健康講座の開催や自主グループの育成などの中で検診の必要性を周知してまいります。また、母子保健推進員や食生活改善推進員、さらには民生児童委員の御協力をいただきながら受診率の向上に努めてまいります。 次に、
回復期リハビリテーションの開設についての御質問であります。 患者の視点に立った安心・安全で質の高い医療体制を構築するためには、医療機関の持つ機能を明確にし、急性期から回復期を経て自宅に戻るまで、一貫した治療方針のもと地域の医療機関が連携することが必要と考えております。この中において、急性期、慢性期の患者に対する
リハビリテーションについては、市内の病院間においておおむねの機能分担が定まっているほか、病院退院後の機能維持を目的とする通所・訪問
リハビリテーションについても、老人保健施設、訪問看護ステーション等において実施をされているところであります。 一方、急性期と慢性期の中間に位置する回復期における
リハビリテーションについては、日常生活動作の向上等による社会復帰を促進するため、急性期
リハビリテーションに継続して集中的に行うことが重要とされております。この治療を行う
リハビリテーション病棟の整備には、病棟専従医師、理学療法士、作業療法士などを常勤配置するほか、定められた廊下幅など施設基準を満たす必要があることから、県内でも病棟施設数が少ない現状となっております。 当市においても、
リハビリテーション病棟及び同専用病床が設置されておらず、急性期の治療後に盛岡など他圏域の医療機関へ転院する事例も見受けられ、その整備の必要性を強く認識をしているところであります。 このような現状の中、釜石
のぞみ病院におきまして
リハビリテーション病棟を設置したいという意向があると伺っております。同病院の詳細な経営状況については判断をしかねますが、病院開設を終え、長期的な経営安定に向けた途上にあるものと推測をいたしておるところであります。また、同病棟の開設については、医師のほか、看護師、理学療法士など医療従事者の確保が課題であると伺っております。 釜石
のぞみ病院は、保健福祉センターの一部施設を借用して開業をしており、これまでにも地域医療を確保する観点から賃借料の一部を減免措置するなど、民間病院に対して可能な最大限の配慮をしてまいりました。市といたしましても、地域における医療連携体制を構築するためには、
回復期リハビリテーションの必要性を十分認識しておりますことから、今後の同病院の開設準備状況を踏まえながら、実現に向けた必要な支援を行ってまいります。 以上をもちまして答弁を終わります。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) 大変御答弁ありがとうございました。 それでは、関連質問をさせていただきます。 まず最初に、市長の答弁のところからお聞きいたしたいと思います。 市長は県に対しまして、釜石の医療に対しまして知事等にいろいろと要望等しておりますが、これに対しては私は評価いたします。 そこでお伺いいたしたいんですが、今、釜石にない
放射線治療、これを実施するにはどのような施設が必要であるか。医者だけおればいいのかどうかお伺いします。
○議長(松坂喜史君)
健康推進課長。
◎
健康推進課長(山田守君) お答えします。
放射線治療をする条件ですが、専門の医師のほか、必要な、高度な医療機器が必要ということで、それから県立病院、県医療局等の話によると、面積もかなり施設の面積もとるということで、いろいろな課題があると伺っております。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) 聞くところによりますと、この放射線の治療をやる施設については、やはり普通のレントゲンやるような施設ではだめだと。エックス線が相当出るんだそうです。ですから、私は先ほど、市長も言っておりますが、もし設備が足りなければ新設、移転も考えるということですから、その点についても十分にお願いしていったらどうかと思うわけです。 それからもう一つ、市長の答弁でありましたが、
急性心筋梗塞、カテーテルですが、これはどのようなものをやるのかお伺いします。
○議長(松坂喜史君)
健康推進課長。
◎
健康推進課長(山田守君) ちょっと具体的にはわかりませんが、血管が詰まったところを広げるという、簡単に言えばそういう処置になるかと思うんですが、簡単なものはやっていると伺っているんですが、その後の処置とかそういうことで今医師等が、専門の先生がいない、あとは足りないという状況で、カテーテルを簡単なものはやっているそうなんですが、なかなか高度なものまではいってないという状況だと伺っております。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) そのとおりです。今、
県立釜石病院では、内科の先生の、何か循環器の先生がいらっしゃいまして、簡単な内科のバルーン、すなわち風船で膨らませてやる方法です、これについては一応やれるそうですが、ただ、この心臓につきましては、いろいろと危ないんだそうです。そして今、この訴訟関係もたくさん起きているようなんです。そうなると、やはりこれは心臓血管外科とか心臓外科とか、そういう先生とチームをつくってやらなきゃだめだということなんです。ですから、この点についても今後要望していく場合においては御留意いたし、何とかこれをお願いしたいということで進めていただきたいと思います。 続きまして、副市長さんの答弁について御質問申し上げます。 まず最初に、風の向きにつきましてでありますが、風対策が課題になっておると--新しい魚市場ですが、その風対策が課題となっておりますが、この課題というのはどういうものを指すのか、そしてこれに対してどのように対応していくのか。 それと、もう一つ私は思うんですが、先ほど、8月25日に開催いたしました市政調査会の資料によりますと、22年に開設するということになっておるんですが、これはどうしても無理だと思うんですが、その辺の見解をお伺いします。
○議長(松坂喜史君) 水産課長。
◎水産課長(岡崎貞夫君) お答えいたします。 まず、風対策でございますが、新しい魚市場の建設予定地、新浜町地区でございます。こちらの方は西風が冬場、かなり強くなるということで、10月から1月にかけてということで調査がございます。そういった中で、新しい魚市場を新浜町に建設した場合には、水揚げ作業、あるいはその水揚げした後の市場内での処理、この辺に支障が出るのではないかという声も伺ってございます。 この対策につきましては、魚市場本体は、従来の屋根と柱だけのものじゃなくて、周りを囲む、壁で囲む閉鎖型と言われる形で考えてございますので、水揚げ物の処理については余り支障はないのかなと思います。ただ、陸上部分の野ざらしになっているところとか、あるいは水揚げ作業、こちらの方はやはり西風の影響を受けるだろうというふうに思われます。したがいまして、こちらの新浜町地区の漁港の管理者でございます岩手県、こちらの方とこの西風対策について検討してまいりたいというふうに考えております。 それから、新しい魚市場の供用開始目標、22年度ということにしております。それに向けて現在、魚市場関係者の方々等と協議を進めておりますけれども、今年度は20年度ということで、今後の予定とすると、今年度に建設あるいは運営者の最終決定して、21、22で実施設計あるいは本体の建設ということで考えております。スケジュール的には非常に厳しいというふうには考えておりますが、現在の目標に向かって取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) 水産課長、少し答弁を簡潔にお願いします。例えば、言いましたように、まずは1月から風が、西風があるとかそういうものは全部書いてありますから、単純に答弁して、時間がないもんですから、そのようにしてください。 もう一つお伺いいたします。
釜石魚市場を
漁業協同組合連合会に一応委託するということでありますが、この漁業組合で単年度については黒字だと、これは結構なことであります。ただ、繰越損失金が大幅に解消できないということで、この繰越損失金の額、そしてサンロックに対して幾らぐらい出したか、その辺もちょっとお聞きします。
○議長(松坂喜史君) 水産課長。
◎水産課長(岡崎貞夫君) 市漁連さんの19年度末での決算の新聞報道によりますと、繰越損失金2億5200万でございます。それからサンロックにつきましては、貸付金が1億8360万円、あとは出資金が1500万、あと、その他補助金等がございます。 以上でございます。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) そこでなんですが、サンロックについては、水産振興のためということで2億近くを出しているわけです。そして、今回の市場につきましては2億5000万の損失あるんですが、これについては何も、もし例えば同じ水産振興であれば考えられるのか、その点についてまずお伺いします。簡潔にお願いします。
○議長(松坂喜史君) 水産課長。
◎水産課長(岡崎貞夫君) 市漁連に対しての支援という観点で、サンロックとの関連でどうかということかと思いますが、いずれ魚市場、水揚げのほかに、関連する産業、加工業とか運送業とか波及効果は大きいということで、この辺はどうしたらいいのか、中身を詰めながら検討してまいりたいと思います。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) そこでです、今回の魚市場については公設民営化でやるということなんですね。あそこの、先ほども御質問いたしましたが、隣接地には冷凍施設とかいろいろ事務所とかあって、組合の建物があるんですが、あれの解体について1億数千万かかるというお話ですが、これは実際今のお話聞くと無理だと思うんですが、そこで私は1つ御提案申し上げたいのは、この地域を、市場を今のままのところに建てて、そしてあの地域全体を
まちづくり交付金事業に該当するものの施設にする。 例えばあそこに、公園とし、市場はあり、そして隣には例えば道の駅なんかありますが、ああいうような海の駅とか、そしてあそこを公園化にして、そこにステージ等をあわせて、そしてみんなが集まると。公園もつくる。そしてまた、あそこのところには海員会館もありますから、あの付近を全部やって駐車場もつくるというような形で考えられないか。これについては、あるところの集会に行きましたら、その辺について聞いてみろと言われたもんですから、どうかこの海と緑の
まちづくりの関係の中でその辺も御検討いただきたいと思うわけです。 もう一つ、先ほど
まちづくりと申しましたが、あの解体するのに1億何ぼかかりますから、市であれを無償でもらうとかして、そしてその交付金事業で解体することにより、2分の1の補助金、水産庁にはこのような補助金ないと思うんですが、そのような補助金を導入することも考えられないのかどうか、この点については建設部長、お願いいたします。
まちづくり交付金事業でできるかどうか、そのようなもの。公園とか駐車場とかにぎわい広場ということです。
○議長(松坂喜史君) 建設部長。
◎建設部長(岩間正行君) 現在の
魚河岸地区にぎわいづくり、交付金事業活用でできないかというお話ですけども、可能、条件さえ整えば十分可能だと思います。 それからあと、施設を市の所有にすることによって交付金が得られるんではないかという話ですけども、確かに一般的に民間の施設を解体する場合、ただ単に民間の施設を解体するのに交付金を使うというのは非常に困難ございますけども、
まちづくり交付金事業とか等々の再開発事業をする場合は、何も官民の施設を問わず、事業目的に合ったような跡地の活用方法であれば、土地整備費として事業費の中で可能かなと考えております。 以上です。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) やはりこの
まちづくり交付金事業については、どうしても民間のもんであればなかなか補助対象にならないと思うんです。まず例えば、先ほど、この解体には1億数千万かかります、2分の1補助金が来れば5000万でできます。このような形をひとつ今後この検討の中でやっていただいて、あそこを全体として市場をあの場所につくって、そして、あの辺を一つの核とした
まちづくり事業をやるようにしたらどうか、私の提案でございます。 もう一つ、先ほどから申しておりますが、この市場問題については公設民営化です。そのためにも、やはり今から、例えば、もう早く取りかかった方がいいんです。今のままではちょっとなかなか難しいと思いますが、単年度で赤字でありますから、公設民営化になりましても、今の市場を経営していっても大丈夫だと思うんですが、その点はもし考えられるのかどうか、その辺をお伺いいたします。実施するのに今からやっていけないかどうかということ、そして建物については市のものにするというような形にして解体もやっていくと、この辺はどう思っているか、水産課長。
○議長(松坂喜史君) 水産課長。
◎水産課長(岡崎貞夫君) 市場の建物とかを市のものにしてというか、譲り受けなり寄附なりということかと思いますけども、この辺は一つの御提言ということで承って検討させていただきたいと思います。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) ぜひそのようにしてください。この組合の方では幾ら頑張ったって1億2000万の解体はできません。そのためにも、ひとつこのような形の事業を取り入れるということをやっていただきたいと思います。そうしなければ、あそこが例えば市場があっちに行った場合においては、あそこは廃墟の町になってしまいます。いつになったって壊せません。ですから、そのように有効に財源を使うと。水産庁の補助金じゃなく国土交通省の補助金も導入するとか、そのような形のものを考えていただきたいと思います。どうかその点は御検討いただきたいと思います。 次は、海と緑の交流事業ですが、ここに、先ほど水産課長は、今の市場についてはことしやって来年やるとか、何だかあちらに行くような話をしておりますが、ここの中には、この地域については、今の市場がある地域についても検討内容にするということです。そして、来年に結論出すということですから、やはりこの計画が出るまでは、移転をあちらにするとか、そんなことは言わない方がいいんじゃないかと私は思うんですが、その点は補助金の関係ですから県・国ありますが、やはりその点についても今からもう方針を出してやっていくことが得策じゃないかと思うんですが、その辺の見解を伺います。
○議長(松坂喜史君) 水産課長。
◎水産課長(岡崎貞夫君) 先ほどの答弁、魚市場の方針につきましては、現在の市の方針ということで申し上げましたので、いずれ今後、この海と緑の
交流推進委員会の中身の進みぐあいも考慮に入れながら、この辺の判断を魚市場の整備について進めてまいりたいと思います。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) 市長さん、大変申しわけありません、この辺はどのようにお考えか、ちょっと御答弁お願いしたいと思いますが。
○議長(松坂喜史君) 上村副市長。
◎副市長(上村俊一君) 今、水産課長が答弁したようなことですけども、ただいまいろんな、海と緑の
交流推進委員会等で議論されてくると思いますし、あるいは前回の議会、あるいは前々回の議会でもお話ししたと思いますけども、私もいろんな方たちに会っております。数にして相当あれなんですけども。 さらに最近、市漁連の幹部とも随時、もう3回ぐらい話し合いしましたけども、毎回前向きに話し合いを進めておりまして、市漁連の幹部たちからも市場のあり方について具体的な提言がございます。先ほど水野議員がおっしゃっておりましたけども、いわゆる
まちづくりの中でやるべきだとか、あるいは市場だけじゃなくてトータルでもっと物を考えるべきだと、あるいは運営についてもさまざまな提言があります。あるいは、今から公設民営化できないかといった提案もございます。 ですから、非常に前向きな状況になっておりますので、多くのまた市民の意見を聞きながら、今の市の方針についても、今年度中に判断するということにしておりますので、いま少し、そういった話を聞かせていただきながら判断してまいりたいと思います。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) どうか釜石発展のためにもこれは必要だと思いますので、よろしく御検討いただきたいと思います。 続きまして、
東部地域振興についてでございますが、その中で、釜石第一中学校と
釜石小学校、これを宅地等として売却するというんですが、この
釜石小学校と釜石一中ですか、面積はどのぐらいあるのかお伺いします。
○議長(松坂喜史君) 財政課長。
◎財政課長(沖健太郎君) それではお答えいたします。 旧釜石一中は9257平米、それから旧
釜石小学校は1万692平米で、合わせて1万9949平米、約6000坪で約2ヘクタールということになります。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) それで、ちょっとお伺いいたします。このような広大な土地を宅地として売るということになれば、50坪とか100坪とか、そのような程度しか分けて売れないんです。そうしますと道路をつくらなきゃだめなんです。そうしますと、この道路等には、この土地のうちどのぐらい普通はとるものかお伺いいたします。
○議長(松坂喜史君) 財政課長。
◎財政課長(沖健太郎君) ではお答えいたします。 宅地等として売却する場合、区画の仕方にもよりますけれども、一般的には約2割から3割程度が必要だというふうに思います。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) そうなりますと、またこれが今例えばですが、野田教員住宅を広報等でも公募いたしまして売りに出しているわけです。あれ、330坪です。あの土地は売れましたかどうか、なぜそして売れないのかお伺いします。
○議長(松坂喜史君) 財政課長。
◎財政課長(沖健太郎君) 野田の旧教員住宅につきましては、広報で6月1日号、それから8月1日号で公募いたしておりましたが、現在のところ、まだその応募というのはないということでございます。面積的に約335坪ということで、ある程度面積が広いといいますか、一般的な家庭の場合は広いということで、ある程度区画ですね、もう少し分けてやらなきゃならないのかなというふうに今現在考えております。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) ですから、私はお聞きいたしたいのは、その330坪で売れないのが、このような土地を、また野田と比較して土地がどうなのか、安いのか高いのかわかりません、そのような形で私はなかなか難しいと思います。ですから、ここを例えば、先ほど市長もお話ありましたが、県立病院の移転先にするとか、また、これを民間の資金を活用いたしまして、例えばSMCの独身住宅にするとか、あの校舎をそのまま利用して改修するといいますか、そのような形も一つ考えられるんじゃないかと思うんですが、その点はどう考えておるのか。やはり市の資金ではこれは難しいというのは、解体だって何億かかります。その点、ちょっとお伺いします。
○議長(松坂喜史君) 財政課長。
◎財政課長(沖健太郎君) それではお答えします。 旧一中、旧
釜石小学校については面積が2ヘクタールぐらいということで、非常に広大だということでございます。やはり跡地利用については、これから具体的に煮詰めていかなければなりませんけれども、その際、もちろん市民の意見、要望等を踏まえまして、やはり議員さんの方から御提言のありました民間活力の活用ということも視野に入れて、これから取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) まだ検診についてとかいろいろ、死亡率について質問したいんですが、時間がないもんですから、最後となると思うんですが、例えば
リハビリテーションにつきましてですが、これは、今ここには病棟専従医師と理学療法士、それから作業療法士が常時配置されなければならないというんですが、この病棟専従医師、これは今でも必要なんですか。
○議長(松坂喜史君)
健康推進課長。
◎
健康推進課長(山田守君) 必要としております。
○議長(松坂喜史君) 水野昭利君。
◆13番(水野昭利君) これについては、今回この
リハビリテーションについての医療とかのあれで、今これは必要なくなったんですね。ただ、経験のあるお医者さんがいらっしゃって、内科でも構わないと。今までは整形外科、それから脳神経外科、それから脳関係の病気の医者でなきゃだめなんですが、今そのように変わってきております。その点、担当者は十分に勉強してください。そんなことで、これ、やれないとか、いろんなそのようなことは言わないで。 それから私、聞いているんです。何が問題があるかといったら全然これには書いてありません。そして私は、ここでは看護師さんがもし募集しても来ないんじゃないか、そうすると開設できないんじゃないかということまで、今いろいろなところを調べましたら、あるんです。今、看護師さんというのは国立療養所についても募集しております、看護師さん。いません。この点については、また後でいろいろと質問いたしたいと思いますが、やはりこのような形、もう少し担当課長は行って、聞いて、高飛車に出ないで、そしてこのような財政対策して、リハビリのこのやつをつくるようにするようしていかなければならないと思うんです。 また、この場合において赤字額がどのぐらいあるかと言ったら、それも全然答弁しておりません。私は聞いてきました。そしたら約2億3000万ぐらいです。なぜ私はこのようなことを言いますと、市民病院の跡地として、そして市民の医療のためにやっていただいている病院、これをやらせる、ただで貸して--お金取っておりますが、貸してる。そんな解釈じゃなく、やはりもう少し謙虚になって、この点、そういうものについても要望、またそういうお話し合いをして、この設置について向けていただきたいと思うんです。 それからもう一つ、そしてこの病院には今約百十何人勤務しておるんですね。今、医師を含めまして118人です。例えば、このぐらいの人間が今の釜石で、SMCでは1000人規模とかいろいろありますが、このような人が今勤務しているんです。それに今のような、例えば専従がいないからリハビリの施設はできないというようなことを答弁するようでは、私はだめだと思います。 だったら、どのようにしたらいいかと、その医師をどのようにしたら来れるようにするか、その点も応援するのが市じゃないですか。市民のための医療をやるためには、医師確保も一緒にやって、あの病院は一生懸命医師確保をやって、今2人ぐらいまた入ったようですけど、そのような形で、どのようにしたらいいか、その点、十分に話し合ったことありますか。やはりこのような形で116人も、この病院がもしつぶれてなくなったらどうなりますか。 今県立病院、大きい病院に入院して、どうしても出てくれと言われます、2カ月、3カ月すると。その方々がこの病院に入院しているんですよ。そのように、また入院率については今154床あるんですが、124人も入院しております。このような市民のために一生懸命やっている病院ですので、私はこの病院について何もそんなあれやる必要はございませんが、このようにやっておりますんで、もう少し親身になって、この
のぞみ病院に応援してやったらどうかと思うんです。 それからもう一つ、この病院でリハビリ施設をやるためには今どのような問題があるかと言ったら全然答弁しておりません。例えば、今の訓練所をまず8階あたりにつくりたいという要望もあったんですが、それについてもまだどうのこうのと、会計検査院どうのこうのと、私もそれは知っております。ですが、やはりその点についても要望があれば真摯に受けとめて、そして検討するのが当たり前だと思いますんで、この点を今後よろしくお願いいたします。 また、市長に先ほど言いましたが、海と緑、このような構想を練っていただき、今までは話だけで全然何も実効性ありませんでした。どうかこれを本気--本気って本気ですが、どうぞ実施に向け検討していただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○議長(松坂喜史君) 13番水野昭利君の一般質問を終わります。
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○議長(松坂喜史君) 次に、3番小野共君、登壇を願います。(拍手) 〔3番小野共君登壇〕
◆3番(小野共君) 民政会の小野共です。 今から150年前、釜石大橋高炉において大島高任が銑鉄に成功し、鉄がつくられるようになってから、我が釜石、魚のまちに鉄の産業が加わりました。鉄のまちとなるはるか以前から、我が町では魚をとり、漁業をなりわいとして生活してきました。釜石沿岸の住民にとって、漁業は生活習慣と密接に絡み合い、なりわいの域を超え、そこに住む人々の思想、哲学に影響を与え、釜石沿岸の文化そのものとなりました。言うまでもなく、漁業、水産業は我が釜石の経済活動、文化活動の基盤となる重要な産業であります。基幹産業であります。きょうは、我が釜石の基幹産業の一翼を担う水産業について、市長がどう考えているのかお聞きいたします。 FAO、世界食糧機構の統計によると、現在世界で最も魚を消費する国は中国で、中国の魚の消費量は、全世界、全国民の魚の消費量の約3割に当たります。魚の消費量世界第2位は我が国日本で、3位がアメリカ、4位がインド、5位がインドネシアと続きます。日本を除く4カ国、中国、アメリカ、インド、インドネシアは、世界の人口の多い国のトップの4カ国であり、統計からいうと、人口の多い国の国民は魚を好むということが言えます。魚の消費量3位のアメリカは日本の人口の約2.2倍、4位のインドは日本の人口の約8倍、5位のインドネシアは日本の人口の約1.6倍あり、これら人口が多い国を押さえての日本国民の魚の消費量世界第2位は、我々日本人がどれだけ魚を好きかがわかると思います。 魚を消費する量ではなく、魚をとる量、漁獲量を見てみますと、平成16年、我が国の漁獲量は452万トンで、中国、ペルー、チリ、アメリカ、インドネシアに次いで世界第6位の漁獲量を誇ります。漁獲量世界第1位の中国は、先ほど申し上げたとおり消費量も世界1位で、世界の総漁獲量と総消費量の3割を占め、中国は水産大国と呼ぶことができると思います。 我が国の水産物の輸入を見てみると、平成16年、我が国の水産物輸入は148億ドルで、水産物輸入世界第1位であります。我が国の輸入金額148億ドルは世界の輸入量の約3割を占めており、魚の消費量は中国に次いで世界2位でありますが、漁獲量は世界6位であります。我々日本人は、魚をとる量より食べる量の方が多いので、魚の足りない分を輸入する必要があり、それが結果として我が国が世界の水産物輸入第1位という結果につながっております。 魚介類の国内自給率は、想像できるとおり、平成14年現在46%で5割を割っている状態であります。魚介類だけでなく、我が国の食料全体の自給率はさらに悪く、平成15年現在で40%であります。ちなみに、昭和40年の我が国の食料自給率は73%でありました。我が国の食料自給率40%は主要先進国12カ国中最下位でもあります。 数字があらわすように、現在、我が国の食生活は相当の割合で外国に依存しており、よって外国と良好な関係を保ち続けることが直接我が国の国益となっているということは認めざるを得ない事実であると思います。我が国が世界の覇権国家を目指すことが現実的ではない以上、我が国の生活が世界の平和の上に成り立っていることは認めざるを得ない事実であると思います。 日本人1人当たりの魚の消費量は、昭和53年以降、この30年間で変わりはありませんが、ヨーロッパではこの30年間で魚の消費量は約1.3倍に増加し、北米では約1.5倍、中国ではこの30年間で5倍以上になっております。世界の人口は劇的な増加を続け、世界各国の魚の消費量がふえており、しかし、世界の海に存在する水産資源の量は決まっており、当然近い将来、世界規模の水産資源、魚介類の不足が予想されるところであります。 我が釜石を含む三陸沖の太平洋北西部漁場は、カナダ、アメリカの沖合の大西洋北西部漁場、そしてイギリス、ノルウェー沖合の大西洋北東部漁場と合わせ世界の三大漁場と呼ばれ、世界の好漁場として知られております。特に、我が三陸沖の太平洋北西部漁場の漁獲高は世界の漁獲量の約2割を占め、他の漁場を圧倒しております。これらのことを考えると、水産資源をとる国として、消費する国として、そして輸入する国として、世界における我が国の影響力を考えたとき、我が釜石を含む青森、八戸から気仙沼までの三陸漁場における各市町村の漁業政策が、我が国における漁獲量と水産物の輸入、ひいては我が国の食料自給に多大な影響力を持ち、同時に多大な責任を負っているということを、我々三陸沿岸都市の市民は改めて認識しておく必要があります。 世界の経済は全く無秩序に動いているわけではなく、我が釜石で直面する経済的環境が、常に国内、そして世界の経済的条件、社会的条件、そして政治的事情と密接に絡み合い、成り立っているのです。 例えば、ことし春先の三陸ワカメの値段が好調だったのは、漁業家と漁協の自助努力のほかに、中国の冷凍ギョーザ問題から発生した中国の衛生管理に対する我が国民の不安が大きく関係しているからであり、岩手県産アワビは国内だけでなく、中国を初め華僑の方々が多く住むアジアが大きい市場となっており、釜石にある製造業は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアに拠点を持ち、先々月7月8日の自動車関連産業成長戦略フォーラムでは、製造業の代表者が物流コスト軽減のため、釜石港から自動車を直接北米へ輸出する考えであることを明らかにしております。御存じのとおり、釜石の中だけで釜石の経済は成り立っておりません。政策を考えるときは、必ず大局的な視野のもとで判断する必要があると思います。 岩手県沿岸は総延長が708キロあり、その長い海岸線の中で人の手が加えられない自然のままの海岸が80%以上残されております。岩手沿岸市町村は、北から、洋野町、久慈市、野田村、普代村、田野畑村、岩泉町、宮古市、山田町、大槌町、釜石、大船渡市、陸前高田市と5市4町3村あり、構成人口は28万8708人で、国勢調査による漁業人口は8499人であります。岩手沿岸には184の漁村集落があり、岩手沿岸12市町村中、人口の約3分の1がこの漁村地域で生活しております。漁村の地形を見ると、その多くは背後に山やがけが迫る狭隘な土地であり、漁村地域の宅地の約3分の1が急傾斜地に立地しております。 県内における漁業の純生産を見ると、平成17年の漁業生産は266億円で、これに対し岩手の純生産は3兆3000億ありますので、漁業生産は岩手全体の0.8%を占めていることがわかります。岩手の全就業者に占める漁業者の割合は1.2%であります。 我が釜石における漁業の純生産を見ますと、平成17年の漁業生産は38億3500万円で、これに対し釜石全体の純生産は1200億円でありますので、漁業生産は全体の3.2%を占めていることがわかります。釜石の全就業者に占める漁業者の割合は6.1%であります。我が釜石の漁業は、鉄の町となるはるか以前から魚の町としての絶対的な地理的優位性を持ち、釜石の漁業は、歴史的に我が釜石において鉄鋼業から自立した地場産業として重要な地位を占めてまいりました。 険しい山が海に沈み込んでできたリアス式海岸と呼ばれる入り組んだ地形のため、我が釜石には多くの湾ができ、外洋からの波が直接湾に打ち寄せるのを防ぎ、漁港や養殖場をつくるためには絶好の場所であります。この特殊な地形のため、釜石の4つの湾、唐丹湾、釜石湾、両石湾、大槌湾に面するすべての市町村は、わずかな平地と段丘に漁村集落が形成されていくこととなりました。 農林中金総合研究所が、ことしの2月に全国の37都道府県の70の漁協の4000人の組合員に漁業に関するアンケートを行っております。このアンケートの結果によると、全国の漁業者が考える現状の漁業に対する問題点は大きく4つあり、第1に魚価の低迷、第2に燃油の高騰、第3に資源の減少、第4に高齢化の進行と後継者の不足を挙げておりました。 燃油の高騰に関しては、かつては漁業コストの2割程度だった燃油であるA重油、軽油、そして灯油の総漁業コストに占める割合が大きく上昇しております。確かに漁業者も燃料効率を考えたさまざまな取り組みを個人、漁協単位で行っております。しかし現在、世界の金融市場で取引されておる原油の取引量が、全世界の石油の現実の消費量の6倍もあり、世界の8人のリーダーが集まった7月の洞爺湖においても、世界的な原油の高騰に対し何の手だても打ち出すことができなかったという事実を考えたとき、政治の無力さを痛感すると同時に、原油の高騰が国内の組合組織単位で対処できる状況ではないことは周知のとおりであります。 水産物価格と燃油価格の関係を見たとき、日銀の企業物価指数によりますと、平成12年、今から8年前の水産物の価格は、平成19年、去年の水産物価格とほぼ同じ価格水準であります。つまり、去年の水産物の価格は8年前と同じ価格水準でありますが、燃油は8年前の2.5倍になっていることがわかります。ことしに入ると燃油の価格は8年前の価格の3倍となっております。単純に計算してみると、水産物の価格が8年前の価格から20%以上上がらなくては、漁業家の方々が8年前と同じ名目上の利益を得ることはできません。 8年前の消費者物価指数を100とした場合、ことし平成20年5月の消費者物価指数は99.5であります。つまり、この8年の間、物価が上昇するどころか、わずかながら国内の物価は下落しているということなのです。原油の価格が国内において8年前の3倍の水準になっていることが、どのぐらい異常な状況なのかがわかります。そして、この状況の中で漁業者の利益を確保するため、水産物の価格を2割上昇させることがどのぐらい難しいことかも容易に想像できます。 加えて、漁業の経費は販売額と連動しません。つまり、燃油のような漁業における経費が上がっても販売額には影響がありません。これが多くの魚介類の流通に共通する現象であります。例えば、漁業にとっての経費であります原油の値段は、基本的には供給側である産油国が集まって決めております。ほかの2次産業、3次産業における価格の決まり方も同様です。基本的に供給側が値段を決めてきます。しかし水産物、魚介類は、小売など流通でいえば川下の力が強く、供給側、生産者の事情などお構いなしに魚の値段が決まってしまいます。農林中金総合研究所のアンケートによる全国の漁業関係者の考える漁業の問題の一つである魚価の低迷の根本的な原因の一つは、この漁業における価格の決まり方にあると言えます。 原油高騰が一時的なものであるならば、この時期が過ぎるのをただ待てばいい。世界の金融市場で取引されている実態のない原油の量が現在の6分の1まで落ち、言いかえれば世界の金融市場で取引されている原油量の6分の5に投資されているお金が金融市場からいなくなり、金融市場での原油の取引量と世界の原油の実際の消費量とが同じ量になったとき、その価格は経済学上均衡価格となり、それが原油の適正価格となります。この価格は間違いなく現在の原油の価格より低くなります。しかし、この原油高騰が一時的なものではなく、現在の原油の値段が恒久的なものであるとするならば、我が国のエネルギー政策自体を根本的に見直す必要があると思われます。 1つ目の質問です。平成17年の国勢調査によると、我が釜石の漁業従事者は1154人いらっしゃいます。先ほど申し上げたとおり、現在の原油の価格は、平成12年、今から8年前の価格の3倍まで高騰しております。原油の上がり方を見ると、この一、二年で急激に価格が高騰したのではありません。平成16年に1.5倍となり、平成17年に2倍となり、平成18年に2.5倍となり、ことし平成20年に入り3倍となりました。原油の価格はこの8年の間、徐々にではありますが確実に上がってまいりました。 質問いたします。 この8年の間、燃油の価格が上がっている状況に対し、行政としてどのような対策をとっていたのか、またはどのような認識でいたのか。 2つ目、今現在の燃油の価格の状態を踏まえ、現在の釜石の漁業に対し、釜石市として何かするつもりがあるのか、あるのであれば具体的に何をするのか、見解を聞かせてください。 農林中金総合研究所のデータによりますと、全国70の漁協の年間の水揚げ高をそれぞれの組合の組合員の数で割った、組合における組合員1人当たりの水揚げ高のデータがあります。それぞれの組合の組合員1人当たりの水揚げ高のデータです。この組合員1人当たりの水揚げ高を、金額別に500万円未満、500万から1000万円、1000万円から1500万円、1500万から2000万、2000万以上と5段階に分けます。これに全国70の組合の組合員の平均年齢のデータを合わせて比べてみます。これを見ると、高齢化が進んでいる組合の1人当たりの水揚げ高は低く、逆に平均年齢が低い組合は1人当たりの水揚げ高が高いという結果が出ております。つまり、若い組合員が多い組合ほど水揚げ高が多いという結果があらわれております。 漁業家における後継者の状況を見るデータもあります。各組合において、組合員1人に対し後継者が何人いるかをあらわしたデータがあります。このデータを先ほどの漁協組合員の1人当たりの水揚げ高のデータと合わせて比べたとき、水揚げ高の高い組合には後継者が多く、水揚げ高の低い組合には後継者が少ないという結果を見ることができます。また、養殖漁業と漁船漁業、それぞれの後継者に調査した結果を比べてみると、養殖漁業の収入は漁船漁業の収入に比べ安定しており、その結果として、漁船漁業家に比べ養殖漁業の後継者は育っており、逆に漁船漁業は収入が不安定であるために後継者不足が深刻な状態になっているということがわかります。 これらの結果を見る限り、後継者がいるかいないかは、その組合の1人当たりの水揚げ高と所得が高いか低いかに大きく左右され、そして組合の1人当たりの所得が安定しているか、いないかにも大きく関係していることがわかります。 農林中金総合研究所のデータによりますと、全国37都道府県70の漁協の4000人の組合員の平均年齢は58.7歳でありました。58.7歳です。組合員4000人のうち60歳以上の組合員の割合が54.2%で、60歳以上の組合員が全体の組合員の半数を超えておりました。平成17年の国勢調査によりますと、我が国総人口に占める60歳以上の人口の割合は27%であり、高齢化が進んでいると言われる我が釜石の統計によると、平成17年現在の釜石総人口に占める60歳以上の人口の割合は39%でありました。漁業の高齢者の割合を、国の統計、そして市の統計と比べてみたとき、60歳以上の漁協の組合員の割合が54.2%というのがどのぐらい高齢化が進んでいるかがわかります。 ただ、高齢化の進行と後継者の不足に関して言えることは、漁業の後継者の不足は、漁業に従事する人がいなくなり、それがその漁村の衰退とその町全体の人口の減少と純生産の減少につながり、結果として長期的にその地域社会と経済全体に悪い影響を与え、全体的には我が国の漁業の衰退、ひいては国力の衰退につながるという理由から、漁業を含むある産業における後継者の不足は確かに問題であると言えると思います。 現在、釜石にある3つの高校には3年生が360人いらっしゃいます。毎年ほぼこの人数が釜石を出ていくことになります。一たん進学するとしても、いずれはこの360人ほぼ全員が就職することとなります。若年者は入社3年目までで大卒の30%、そして高卒の50%が仕事をやめると言われております。つまり、就職後3年以内に、初めて仕事をした若者の約8割が一度転職を経験していることになります。この統計から判断すると、今の釜石の高校3年生360人のうち8割の288人が、25歳になるまでに一度は仕事をやめていることとなります。先ほど申し上げたとおり、漁業の後継者不足は最終的に釜石の社会と経済の衰退につながります。 質問いたします。 第五次の釜石の総合計画において、水産業に関する記述として、工業と並ぶ基幹産業であるが、後継者不足により厳しい環境に置かれていると水産業に関する記載があります。漁業の後継者の不足が釜石の水産業にとって問題であるとするならば、その解決のために、つまり漁業の後継者不足に対し行政としてどのような対策をとってきたのか。そして、その対策の経過はどのようなものであったのか、成果を聞かせてください。 2点目、市長にお伺いいたします。 市長の考える釜石の漁業の発展の形とは具体的にどのようなものであるのか聞かせてください。釜石における漁業はこうあるべきだという明確なイメージなくして、それに対応する漁業政策を考えることは不可能なはずです。具体的な話を聞かせてください。 3点目、基本的なことをお聞きいたします。 後継者の不足ではなく、高齢化の進行がなぜ漁業にとって問題であるのか意見を聞かせてください。これからの長寿、高齢化社会における漁業政策だけでなく、社会政策を考える上で欠くことのできない視点であると思います。真摯な答弁をお願いいたします。 4点目、釜石の水産業は衰退したという話をよく聞きます。釜石の水産業が衰退したとは具体的にどういうことなのか。いつのころと比べ、何をもって衰退したと言っているのか、そして衰退したのであれば、釜石の水産業が衰退した原因は何であると考えているのか聞かせてください。釜石において、過去に起こった水産に関する事実の分析なくして現在の釜石の漁業政策を考えることはできないはずです。真摯な答弁をお願いいたします。 壇上からの質問は終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(松坂喜史君) 市長。 〔
市長野田武則君登壇〕
◎市長(野田武則君) 小野議員の御質問にお答えをいたします。 釜石の漁業の発展の形についての御質問でございます。 当市の漁業は、生産の減少に加えて全般的な魚価安であり、昨今の燃油の高騰などにより、生産者はもとより、加工業者、流通業者の経営が圧迫され、後継者も不足し、非常に厳しい状況にあると認識をしております。 当市は、平成13年3月に平成22年度を目標とする第五次釜石市総合計画を策定し、施策の方向の一つとして、新鮮で安全な魚を供給できる水産業の振興と定め、5つの施策である生産基盤の整備、水産物の生産拡大、経営の近代化支援、流通加工体制の整備及び試験研究の推進を展開しているところであります。特にも、重点施策としての
釜石魚市場の移転につきましては、
運営予定者の釜石市
漁業協同組合連合会や水産関係者と協議を進めており、さまざまな角度から検討し、市議会や水産審議会等の御意見を伺いながら、本年度中に市としての判断をする予定でございます。 また、漁協合併や釜石湾静穏水域の活用、次期の漁業権更新に向けた漁場の高度活用、養殖業における協業化、水産物の付加価値向上、グリーンツーリズム漁業体験活動など、当市水産業の将来展望を開く取り組みにも支援をしてまいる考えであります。 釜石の3つの湾は、それぞれが形状や社会的な要件等により違った特性を示しております。大槌湾は養殖漁業や定置漁業と根浜海岸を中心とした観光が共存してきた地域であり、釜石湾は大型船舶が航行する工業港と漁船が航行する漁港としての役割が大きく、湾外に開発の影響を受けない漁業地域があるものの陸域は市街地化が進んだ地域であり、唐丹湾は養殖を中心とした純漁村的な地域であります。それぞれの湾の特性を生かした施策を確実に進めることによって、水産物の生産が拡大し、所得が向上するとともに、漁村のにぎわいと活力が生まれるよう、最大限の努力をしてまいる考えであります。 また、漁業ばかりでなく、魚市場を初めとする海と陸の結節点である魚河岸地域の資源を活用した観光の推進、連携などにより、地域産業全体の底上げを図る取り組みも重要であると考えております。 いずれにいたしましても、国の施策の導入や県との連携強化、水産関係者との協議を進めながら、当市水産業の再生に全力で取り組んでまいる考えであります。 以上をもちまして私からの答弁は終わりますが、引き続き副市長が答弁をいたします。
○議長(松坂喜史君) 上村副市長。 〔副
市長上村俊一君登壇〕
◎副市長(上村俊一君) 私からは、まず燃油高騰対策に関する御質問にお答えいたします。 近年の燃油価格の急激な上昇は、漁業の経営経費の上昇を招き、経営を圧迫しており、特にも燃油消費の多い漁船漁業は大きな影響を受けており、存続も危ぶまれると認識しております。 国におきましては、平成17年9月と平成19年12月に燃油高騰緊急対策を打ち出しておりますが、去る7月には3回目の燃油高騰緊急対策として総額745億円の施策が講じられたところでございます。この内容につきましては、漁業者グループへの燃油高騰差額の助成、いわゆる直接補てん事業、無利子資金の要件緩和、省エネルギー操業に必要な運転資金の無利子貸し付け、漁業者の負担を義務づけしない休漁・減船等支援対策、国際的な減船に対する支援及び水産物の直接取引等の支援であります。 市といたしましては、これらの国の対策が出される都度、漁協等への実施要望の有無について照会してまいりましたが、現在のところ要望は出されてございません。今後、漁協から国の燃油高騰水産業緊急対策事業の実施要望があった場合につきましては、その要望内容を踏まえまして、市として可能な支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、漁業の後継者不足に対する対策と成果の御質問でございますが、後継者対策といたしましては、資源増大による生産の確保、安全に作業を行うための基盤整備及び作業環境の改善等多面的な対策を講ずる必要がありますが、何よりも所得の向上を図ることが課題と考えております。当市の漁業後継者対策として、岩手県が平成18年3月に策定した岩手県漁業担い手ビジョンづくりへの参画、岩手県水産業改良普及員との連携による漁協青年部の養殖試験や水産物のPR活動への支援、漁業士への情報提供及び海づくり少年団活動への支援等を実施してまいりました。 この成果につきましては、漁協青年部と連携して取り組んだ養殖試験につきましては、貝類、魚類など各種行っておりますが、現在実用化されている養殖として一粒カキがあります。その養殖を営む経営体は32経営体、数量で184トン、金額で7000万円となっております。また、海づくり少年団の活動として、管内の3つの少年団で行われているワカメの加工、サケの新巻づくり、自然体験活動などを継続して取り組んだ結果、地域の漁業に対する関心と理解が深まっていると考えております。 今後とも、県や青年漁業者、漁協と連携を図り、漁業後継者対策の活動を充実してまいりたいと考えております。 次に、高齢化の進行についての御質問でございますけども、平成15年の漁業センサスによりますと、60代の漁業就業者が602人と最も多く、全体の35%を占めております。このように漁業就業者が高齢化するということは、漁業生産の活動を中心となって担う若者や中堅の世代が少ないことを意味し、将来生産活動の中心となる漁業就業者がさらに減少して、ひいては生産の低下を招き、漁業の活力も低下することが予測されます。 一方で、漁業の種類にもよりますが、漁業は高齢者でも取り組めるという側面を有しております。一定の雇用の場を提供する役割を果たしているとも考えております。具体的には、マツモ養殖や塩蔵ワカメのしん抜き作業などに高齢者が携わっておりますし、また、実証試験が開始されましたナマコの増養殖も高齢者がかかわれると思います。したがいまして、高齢化というマイナスイメージにとらわれず、高齢者の経験や技能が生かされる漁業の特性を認識し直す必要があると考えております。 次に、水産業の衰退についての御質問でありますが、当市の漁業は近世以来存在し、明治以降において農業とともに地場産業として重要な位置を占めており、戦前は沿岸漁業とともに、資産家が所有する定置網漁業、沖合漁業の底びき網、まき網、遠洋漁業の北洋漁業、マグロ漁業があり、多くの漁業者は大型船への乗組員と漁期以外は沿岸漁業に従事し、生計を立てておりました。 戦後は、漁場制度の改善により定置経営が漁協に移るとともに、高度成長期において北洋漁業、マグロ漁業等中堅的根拠港として発展しております。1970年代におけるオイルショックと1977年における200海里体制の定着によって、燃油多消費型の北洋漁業の縮小、1980年代から続く燃油価格、賃金の上昇を転嫁できない沖合漁業の縮小が進み、遠洋漁業は漁場を失って解体方向に向かい、沿岸漁業の比重が高まり、今日に至っております。 これらの経緯から、漁業の衰退の原因としては、公海流し網漁業の禁止など国際的な漁業規制や漁業資源の減少、輸入による魚価の低下などが主な要因と考えられます。このような推移は、ここ釜石だけの問題ではなく、例えば八戸では900億円の水揚げが100億円まで急落するなど、東北地方太平洋沿岸地域の共通した傾向であり、構造的な問題であるのではないかと考えておりますが、いずれ地域としてできる限りの努力を払い、水産業の再生に取り組まなければならないと考えております。 以上をもちまして答弁を終わります。
○議長(松坂喜史君) 小野共君。
◆3番(小野共君) 再質問いたします。 先ほど私が申し上げましたとおり、水産業は、我が釜石においては鉄鋼業から自立した地場産業として重要な地位を占めてまいりました。我が釜石においては、御存じのとおり昭和38年、9万2123人いた人口が、その後の45年間で半分まで減ってしまいました。地域の経済を1つの産業に過度に依存した産業構造というものが、外部からの経済状況の変化に対し、こんなにも不安定であったということが、我々釜石市民が産業構造のあるべき姿ということに関し、過去の歴史から学んだ私は最大の教訓であったんじゃないかと思っております。 我が釜石の産業構造というものは、国内外の予測できない経済状況の変化に対し、びくともしない骨太のものである必要があります。そして、そのための望ましい産業構造とは、ある産業が不況にあったときでも、他の産業でできるだけその地域の雇用と経済と人口を支えることができるものである必要があると思うんです。特定の産業だけにその地域の経済を依存しない、1次、2次、そして3次産業のバランスのとれた産業構造である必要があると思います。 我が釜石におきましては、例えば1次、2次、3次産業それぞれの就業人口は、1次が8%、2次が30%、3次が62%の構造であり、生産高の割合は1次が3.5、2次が38、3次産業が63%の割合であります。今申し上げてもわかるとおり、我が釜石においては1次産業の就業人口と純生産が2次産業と3次産業に比べ極端に少ないということがわかると思うんです。ある特定の産業だけに釜石の雇用と生産を依存しない、国内外の経済状況の変化にびくともしない、3つの産業のバランスのとれた産業構造にするためには、我が釜石においては、やはり1次産業、漁業、水産業を強化する必要があるのではないかということが言えると思うんです。 例えば、現在の釜石の2次産業の就業人口は、製造業と建設業を合わせ、平成17年の国勢調査によると5743人いらっしゃいますが、この製造業、あるいは建設業の企業が不況のあおりを受け、あるいは何かの原因により、例えば釜石から撤退したり、あるいは釜石の会社を閉めてしまうということもあるわけです。その場合でも釜石の人口を減らさない。つまり、この結果出ることとなる仕事を失う方々を、釜石市内で再雇用できる産業の体制をつくっておくことを考えておかなくてはいけないのではないかというのが私の考えです。これが、過去半世紀にわたる人口の減少を経験した我が釜石が得た最大の教訓なのではなかったのかと思うのです。 例えば、先日視察に行きました室蘭では、18万人の人口をこの40年間で半分の9万人まで減らしてしまったそうですが、室蘭では新たな雇用の供給源として、あるいは新たな基幹産業として環境産業を考えており、既に室蘭は環境産業形成都市なるものを標榜しております。考え方とすれば、私はこれと同じだと思うんです。ある産業が不況になったときに、他の産業でその失業者の雇用を抱えることができる体制をつくっておくということだと思うんです。これが私が考える、釜石が水産業、1次産業に力を入れるべき大きい理由の一つであると思います。 我が釜石が水産業、1次産業に力を入れるのは、釜石の経済基盤をより強固なものにするために、釜石の産業構造の不均衡をより均衡のとれたものにするという、より均衡のとれたものにしなくてはいけないという釜石の経済の構造上の要請であると思うんです。 市長にお伺いします。 市長はよく、水産業の再生は釜石の経済の立て直しの第一歩であるというような話をされますが、それではまず、水産業がまず立ち直ることが釜石の経済の立て直しにつながるというその論理的根拠を聞かせてください。
○議長(松坂喜史君) 市長。
◎市長(野田武則君) ただいま議員の方からるるお話がございましたけども、やはり水産業がいかにその地域にとって極めて重要な産業であるかということについては、全く同じ認識でございます。議員のおっしゃるとおり、釜石の置かれている現状をかんがみますと、鉄に依存をしてきた、過度に依存をしてきた結果、こういう事態を招いたのではないかと、こういうことでございますが、ただ、その受け皿として漁業がそういう役割を担えるかどうかという点については、非常に厳しい認識を持たざるを得ないのではないかと、このように思っております。 先ほどお話がございましたとおり、基本的には漁業の役割は食料としての水産物の供給にあるわけでございますが、それと同時に海の大切さ、あるいは海洋の大切さを守っていくという極めて重要な、自然を守るという極めて重要な役割も担っていると思います。そこで、いわゆる漁業権というものがあるわけでございまして、これが他の例えば農業等々と大きな違いがあるわけでございまして、いかにその漁業権が大きな意味を持っているかということの一つのあらわれではないかと、このように思っております。 そういうわけで、特定の漁業権を持っている方が沿岸漁業に従事するという一つの大きな特性があるわけでございますから、そこに他の企業の倒産等によりまして大量に発生した失業者等が、その企業に、産業になだれ込む、それで成り立つかというと、これは非常に難しいと、こう思っております。したがって、そういう意味の漁業という意味じゃなくて、釜石の、岩手県の中でも沿岸に位置しているわけですから、沿岸というのは内陸と違って海を持っているという大きな特性があります、半分が海なわけですね。したがって、その海をその地域の特性としていくと。もちろん、その中の一つが漁業でありますし、また観光でもあるわけでございますけども、そうした中で、この漁業の役割ということを考えていかなければならないのではないかなと、こう思っております。 そういうわけで、私はまず1つは、漁村の衰退が釜石の衰退につながるということを申し上げたいと思っております。漁業の衰退は漁村の衰退でございます。漁村というのは、当然皆様御存じのとおり、特に災害時などにおける自主防災対策等もみずからつくる、そういった結いの精神の中で結束力のある地域づくりをしてきたと思います。そうした原動力は、漁業を中心とした漁村形成、これが非常に重要な役割を果たしているんだと思います。 したがって、まず1つは、衰退がなぜあるかというのはその漁村の衰退にあると。何とかしてその漁村を守っていかなければいけないというのが私の基本的な考えでございます。その中で、先ほどお話がありました2次産業、あるいは3次産業の発展を考えていくと。その中で、この釜石の経済構造というものが盤石の体制になると、こういう考え方をしておりますので、よろしく御理解をしていただきたいと思っております。 いずれにしましても、漁業者の皆さんが意欲を持って漁業に従事して、喜び、そしてまた海の持っている大切さを次の世代に伝えていくという、そういう大きな認識を持って、この漁業に取り組んでいただきたいと、このように思っております。
○議長(松坂喜史君) 小野共君。
◆3番(小野共君) その考え方として、第1次産業の水産業の立て直しが釜石の経済の立て直しにつながるという、私はその論理にはやっぱりちょっと無理があるんじゃないかなとずっと思っていたんですけども、その産業構造だけから釜石の経済政策を考えるのであれば、3つの産業のうち、就業人口が多く純生産の高い2次産業と3次産業に釜石の資本を集中的に投下することが、釜石全体の経済対策を考える上で合理的であるということが言えるんだと思うんです。 現在の釜石の産業構造と純生産を考えたとき、先ほど申し上げましたとおり、先ほどの論理には無理があるんだろうと思います。私は別な理由から、釜石の水産業は、我が岩手の水産業、釜石の水産業は必ず絶対に保護しなくてはいけないと考える1人であります。 現在の世界の人口は67億あり、世界の人口は1日で20万人、1年で8000万人のペースでふえております。世界の人口の増加のスピードはますます加速しております。近い将来、世界規模での食料の争奪戦が始まるのは目に見えております。先ほど申し上げたとおり、我が国の食料自給率40%、魚介類の自給率46%、穀物の自給率に至っては28%です。これに対し、我が国において食料の自給率100%を超える都道府県、たった5つしか、5個しかありません。北海道、青森、秋田、山形、そして我が岩手であります。 我が岩手の千田正元知事は、岩手を我が国の食料基地にするとおっしゃったそうですが、我が国において食料自給率100%を超えております北海道とこの北東北の果たす国内における食料基地としての役割は、これからますます私は大きくなっていくことが予想されると思うんです。必然的に我が釜石の水産業、1次産業もしかりです。私は、これが釜石が水産業、1次産業に力を入れるべき大きい理由の2つ目であると思います。 今私が申し上げた2つの理由、繰り返します。1つは、就業人口の減少を考え、産業の構造はよりバランスのとれたものであるべきこと。そして2つ目の理由、国の食料政策の観点から、私は釜石、そして岩手の沿岸の漁業は絶対に保護すべきだと考える1人であります。 ちょっと視点を変えます。企業城下町と呼ばれた自治体の、例えば我が釜石のような自治体レベルでの経済対策というのは、私はある程度考えやすいものだったのではないかと思っております。国内外の需要や社会的事情、経済的条件が、ある産業、そして企業を後押ししていたとき、極論を恐れず言えば、私は自治体レベルでの経済政策などは必要のないくらいにその産業は業績を伸ばし、さらなる雇用を生み、新たな関連産業をつくっていくものだと思います。そしてつくっていったんだと思います。 仕事があれば、就業者を確保するために、その地域の中で賃金が上がり、そして就業者が集まれば、今度はそこに新たな産業が生まれます。お金と仕事を求めてのこの経済の流れは、我が国の経済システムが資本主義である以上、政治ではとめられません。原油に投資されるお金を今とめられないのと同じ理由です。極論を言えば、過去の釜石の経済政策は、この経済のよい流れをとめるものでさえなければ経済政策としては成り立っていたのではないかということを私は思うんです。その地域の中にある特定の産業が、国内外の社会的・経済的事情という後押しを受けている限り、その企業城下町はある程度経済的に安定しております。 しかし、その産業が不況になったときに、国内外の経済の条件と需要が変わってしまったとき、先ほど私が申し上げたとおり、地域の産業構造がこれほど、企業城下町ほどもろいものはないと思うんです。企業城下町というものは、攻めているときは、これほど効率的な産業構造はありませんが、守るとき、不況のときは、繰り返します、これ以上弱い産業構造はないと思うんです。 市長にお伺いします。これ、通告書に書いておりませんので、準備がなければないで結構です。 歴史に、もしこうだったらというのは無意味であると言われておりますが、我が釜石の過去40年の人口の減少を見てきて、釜石はこの人口減少をとめるために、過去の行政の、過去に今まで我々がなしてきた社会政策以外に、今だから言えるという市の行政はどんなことをすべきだったと思いますか。その見解を聞かせてください。
○議長(松坂喜史君) 市長。
◎市長(野田武則君) 過去40年間の間に人口が減少したと、それに対して市がどういう対策をとったらよかったのかという御質問だったと思いますが、これは釜石のみならず、日本全体が少子高齢化、人口減少時代に入ってきているという大きな流れの中の一つの市町村の姿だと思います。 したがって、極端に言えば、釜石以外のほかの市町村も人口が減っているわけですから、よしんば釜石が一生懸命努力しても、恐らくかなり難しかったのではないかな、このように思っております。したがって、人口の減少は避けられないものの中で、限りなくその減少幅を少なくする努力、それから人口が減っても、そこに住んでいる皆さんが満足感、あるいは充実感、あるいは住みやすい住みやすさといいますか、そうした精神的なといいますか、そうしたものをいかに提供できるかというところが、我々市政を担当している者にとっては当然すべきものではなかったかなと思っております。 そういう点からすれば、1つは、やっぱり少子化対策についての子供を産んで育てやすい環境、そういった施策には少しおくれがあったと言ってもよいのではないかなと思っておりますし、あるいはまた住みやすさという点についても、当然狭い土地でございますから、こういう中で住環境の整備、あるいは下水道等の整備、そうした点についても、他の市町村から見れば進んでいるところもありますが、おくれている部分もあると、そういったところが1つ考えられるところではないかなと思っています。 ただ、議員のおっしゃるとおり、もっと水産業にも漁業にも、いわゆる第1次産業にも力を入れておくべきではないのかという御質問の趣旨だと思いますが、それは当然その点は考えられるところだと思います。ただ、先ほど申し上げましたとおり、他の産業と違って、水産業、特に漁業は、漁場が決まっているわけでございますし、それから漁業権というもので、そこで働く方は限られていると、そういう限定された中での産業だということが他の産業と違う大きなところだと思います。 ただ、もしやれるとすれば、そこから揚がる魚をいかに加工して、そしてまたそれを流通していくかという、大きな意味での水産振興には、もっともっと当然力を入れてこなければいけなかったのではないかなと思っております。そういう点は、一つの大きなこの歴史から学ぶべき反省ではないかなと思っておりまして、我々はその反省を生かして、次の新しい水産振興には取り組んでいかなければいけないと、こう思っております。
○議長(松坂喜史君) 小野共君。
◆3番(小野共君) 先ほどの壇上からの私のした質問に対する答弁でもそうだったんですけども、釜石の漁業の衰退した原因というのを私、先ほど聞いたんですが、日本全体の人口が減っている中で、日本の全国的に200海里規制とオイルショックの原因により、全国的に水産業が衰退してきたというのは、それは確かに全国的な理由であることはあると思うんですけども、じゃ釜石は釜石で特有の産業構造、先ほど申し上げましたとおり産業構造だったと思うんですね、その企業城下町であったということもそうなんでしょうから。やっぱりそのほかの都市じゃなくて釜石だけに特有な人口減少なり水産業の衰退の原因というのはあったと思うんです。それは何なのかというのが知りたかったんですけども、今度はそっちの質問に移ります。 釜石の純生産なんですけども、昭和55年ごろまで、私、資料を取り寄せて分析してみたんですけども、釜石の純生産は急激にふえ続け、その後、現在までほぼ横ばいであります。昭和55年以降の我が釜石の純生産は、数字上では横ばいですが、現在の物価の上昇率というのを加味したとき、やはり実質の純生産は減少しているということだと思うんです。 対して水産業の純生産なんですが、この5年後、昭和55年の5年後に、昭和60年にピークがきます。言いかえれば、釜石の水産業の名目の純生産は、数字上は昭和60年まで順調にふえ続けていたんです。純生産に関する限り、釜石の水産業の衰退は昭和60年ごろ、今から約20年前ということが言えると思うんです。イメージとして、釜石の水産業の衰退の時期は、人口の減少の開始と同時期、つまり昭和30年代後半と思っていたんですが、実際の数字を見て検証してみると、また釜石の漁業に関し違ったものが見えてきます。 繰り返します。先ほどの当局の答弁では、1970年にオイルショックがあり、52年に200海里規制による北洋漁業の縮小が始まり、昭和55年以降、沖合漁業の縮小と遠洋漁業の解体が始まっているとの答弁でした。私の質問は、釜石の漁業はいつのころと比べ何をもって衰退したのかと、その質問なんです。オイルショックと200海里規制があり、燃油の値段を魚価に反映させることができなくなり、そして世界水産国の乱獲により魚介類が減少を始め、北洋、遠洋、沖合漁業が成り立たなくなっていったというのは事情としてわかります。 しかし、これらの事情が具体的に釜石にどんな影響を与えて、漁業の就業者人口、あるいは純生産、そして魚市場の水揚げ高がいつと比べてどのような変化をもたらしたのか。そして、その変化を何で衰退と呼ぶことができるのかというような、その質問なんです。もう1回答弁お願いします。
○議長(松坂喜史君) 上村副市長、簡潔にお願いします。
◎副市長(上村俊一君) 壇上から答弁したとおりなんですよね。釜石の漁業の衰退を見ると、私もずっとここに職場があって、携わって見てたんですけども、かつて釜石の魚市場ですね、あの周辺は、マグロ、サンマと、それから公海の流し網のイカですよ、それであふれかえっていたわけです。それが減りました。それは、あくまで国際漁業規制とか何かですよね、それが最大の原因でございます。 それがなくなって、市場の水揚げが減って周辺の冷蔵庫がなくなってきたと、それが現実なんです。大きな衰退の理由はそれ。特に釜石は遠洋漁業が得意でしたし、それから公海流し網も得意でした。マグロもありました、サンマもありました。今、観光船ある、はまゆりの岸壁はまさにサンマ船がずらり並んでたんですよ。それが全部国際的な規制でもって影響を受けたと、影響の度合いが強かった。 ただ一方で、岩手県の沿岸は、沿岸漁業、栽培漁業を中心に転換してきました。したがって、先ほど壇上から答弁したとおり、八戸とか青森は、そういった漁船漁業に依存する率が高かったんで、非常に打撃が大きかったんですけども、釜石はそういった、岩手県はそういった栽培漁業に特化してやったために影響も少なかったというところは比較的にはございます。
○議長(松坂喜史君) 3番小野共君の一般質問を終わります。 暫時休憩いたします。 午後2時59分休憩
--------------------------------------- 午後3時30分再開
○議長(松坂喜史君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。休憩前に引き続き、一般質問を続行いたします。非常に議場内が暑いようなので、上着を外しても結構でございます。17番山崎長栄君、登壇を願います。(拍手) 〔17番山崎長栄君登壇〕
◆17番(山崎長栄君) 通告をいたしました水産振興と合併についての2題を質問させていただきます。 初めに、水産振興についてお尋ねをいたします。 社団法人日本経済調査協議会は、昨年の2月に緊急提言を、さらに7月、「魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ」とする提言、調査報告を発表いたしております。 その提言の序では、長きにわたって我が国の食を特色づける魚食文化を支えてきた水産業であるが、現在は衰退の一途をたどり、生産量、就業者数ともに減少した。魚介類自給率もピーク時の113%から57%にまで低下するなど、産業としての存立のみならず、日本の食文化の存立基盤さえも揺るがす危機にさらされている。これに加え、生産資源の輸入についても買い負けが目立ち始め、良質なたんぱく資源の確保が難しくなっている。このまま抜本的な対策が講じられなければ、日本国民の安全さえも脅かされることになるとして、農業改革の提言に引き続き高木委員会提言を世に問うております。調査報告では、水産業を取り巻く諸課題について余すところなく触れ、その報告書は相当量のものになっております。 今回の委員会提言は4項目にわたっての提言でありますが、発表されると同時に大きな反響を呼び、特にもJF全漁連は、昨年3月に漁業制度問題研究会を発足させ、高木委員会提言に対する考察を出し、反論をされております。 そこでお伺いをいたします。 この提言と提言に対する考察をどのように市当局は理解をしているのか。また、双方の主張の対比についてどのような所感をお持ちなのかお尋ねをいたします。 次に、海と緑の
交流推進委員会の設置についてであります。 同委員会にゆだねられた検討テーマは、中心市街地の
にぎわい創出と新たな魅力づくり、漁業、観光などの振興につながる釜石湾の有効活用だと伺っています。この委員会は、3大基盤整備の完成を受けての取り組みとされておりますが、なぜ今になったのか。完成時期とあわせ、本来であれば活性化に向けての事業がスタートを切っているはずではなかったのか、お尋ねをいたします。 次に、市町村合併について、これまでの流れを概略検証しながら基本的所見についてを伺っておきたいと存じます。 第27次地方制度調査会の答申では、合併を、地方分権の受け皿であり、少子高齢化進展への備え、広域的な行政需要への処理、行財政改革の推進などをねらいに、市町村を広域化、大規模化をし、地域における包括的な役割を担うにふさわしい行財政基盤を有する基礎自治体を目指すものと意義づけられております。国がイニシアチブをとった合併の推進に対し、地方からは、国の財政再建が優先されるのか、地方や弱者の切り捨てだ、あるいは地方自治の破壊ではないかなどの批判が相次いだわけであります。しかし、結果として、平成の大合併によって、全国の市町村は、1995年4月の3234市町村から2008年4月現在で約半分の1788市町村に激減いたしました。 合併は制度上、あくまで関係する自治体の任意で進められるものでありますが、雪崩を打ったかのように進展を見せました。1995年、市町村合併特例法が改定、延長されましたが、そのころまでは国の立場は自主的な合併の推進でありましたし、合併は広域行政の一つの選択肢に過ぎず、広域連合制度など新たな市町村の提携、連合による行政処理の方法が模索をされ、当時の行政課題であった介護保険制度の運営には広域連合方式の採用が推奨されました。その状況が変化を見せたのは、1998年、国が市町村合併を促進すると明確化してからであると思われます。 1990年代後半、声高に地方分権が叫ばれ、地方自治には分権の受け皿として、自己決定、自己責任を担うことができる政治的・行政的能力が求められ、財政の逼迫は、議員あるいは職員定数の削減や事務事業の見直しなど、効率化による地方支出が追求をされたわけであります。 また、国の財政再建の手段として、小規模自治体を優遇してきました地方交付税制度など地方行政システムの見直しが提起をされ、市町村合併は政治的課題として半ば普遍的なものとなりました。その合併推進の総まとめが1998年の第25次地方制度調査会の市町村合併に関する答申であり、それに基づく1999年、市町村合併特例法の改正であります。続いて出された都道府県知事あての次官通知「
市町村合併の推進についての指針」は、具体的な合併推進メニューを提示し、そこから国のイニシアチブによる平成の大合併が動き出しております。 平成の合併は、広域連合を活用した自治体間連携ではなく、基礎自治体の大規模化による広域行政課題への対処を指向した結果であり、国と地方の役割分担の見直しと基礎自治体優先の権限移譲の受け皿づくりだと理解いたします。また、合併が進展した背景に、市町村には多様化する行政需要に対しての財政的不安が広がっており、地方交付税の優遇や合併特例債の支援措置が大きな魅力であったと考えられます。 以上、平成の合併について簡単に流れを追いながら私見を述べましたが、まず合併についての基本的な市長の御所見を賜っておきたいと存じます。 さて、この6月、合併を推進した総務省が、平成の合併の評価、検証、分析の調査について公表をされております。合併の効果については、行財政基盤の強化や行政運営の効率化が図られているとし、観光行政では広域的な取り組みの進展を挙げられていますが、経常収支比率では合併した市町村の方が未合併の市町村より悪化の程度が大きいことも判明いたしております。また、平成の合併で不十分であったと識者などから指摘をされましたのは、合併を進め広域的に行政運営を行うには、行政サービスの供給側の論理ばかりではなく、受給者側の立場も理解をし、サービスごとに効率性、専門性、戦略性などが実現できる工夫と、そのシステムを具体的に明らかにしていく作業と検討が欠けていたことであります。 どのようなサービスが提供できるのか、具体には法定の合併協議会の立ち上げが待たれるところでありますが、この指摘についての所見もお尋ねをいたします。また、政治的決定にかかわる課題についてもどのような見解であるのかお伺いをしておきたいと思います。 1つは、人口密度の高い中心地域の政治的イニシアチブが強まり、集落など周辺地域の利益が軽視をされはしまいか。2つ目は自治の基盤、特にも、歴史を重ね、地域的アイデンティティーの対象となってきた地域単位の自治の弱体化。3つ目には、住民自治の強化を図るために進めていると思われる地域会議の創設が大槌町で果たして理解をされるのか、この3項目についてお答えをいただきたいと存じます。 合併に関する住民意向調査の結果が明らかにされました。公表から1週間余り経過いたしましたので、調査の問7についても市民の意見がまとめられたものと存じます。合併に対し、どのような声が寄せられているのかお伺いをいたします。 また、全員協におきましても、その回収率の低さについて言及をさせていただきましたが、大槌町との対比ではダブルスコア以上の大差であります。釜石市民の合併に対する意識の低さよりも、調査に当たった市当局の意識の甘さが問題であろうと考えるところであります。住民説明会の参加数におきましても、釜石市は大槌町の約半数であります。市民総参加を標榜する野田市政にあって、この実態をどのようにとらえているのか、率直にお答えいただきたいと存じます。 以上が壇上からの質問であります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(松坂喜史君) 市長。 〔
市長野田武則君登壇〕
◎市長(野田武則君) 山崎議員の御質問にお答えをいたします。
市町村合併についての御質問でありますが、いわゆる平成の大合併は、平成10年5月の
地方分権推進計画に基づく、平成11年7月の地方分権一括法の一環としての市町村の合併の特例に関する法律の改正により、合併特例債の創設、地方交付税の合併算定がえの期間の延長等の思い切った合併支援策が成立したことを起点といたします。 これと並行して政府が進めていたのが、国の政策としての市町村合併の推進のための指針の作成であり、このため平成10年8月に、有識者、実務家による市町村合併研究会が設置され、平成11年5月に市町村合併研究会報告書が取りまとめられたところであります。これを受ける形で平成11年8月に出されましたのが、自治事務次官通知「市町村の合併の推進についての指針の策定について」であります。 さらに、与党行財政改革推進協議会における市町村合併後の自治体数を1000を目標とするという方針を踏まえて、自主的な市町村合併を積極的に推進し、行財政基盤を強化するという平成12年12月の閣議決定に基づき、政府を挙げて市町村合併が推進されました。こうした推進策によって、市町村数は平成11年3月31日の3232から、平成20年11月1日見込みまで1784と大幅に減少しております。今回の合併については、相当程度の進展を見せていると評価をすることができると考えます。
市町村合併が求められる理由としては次の3つが挙げられております。 1つは、地方分権の受け皿として市町村に一定の規模と能力が求められていることであります。自治体が一定の規模を確保することによって政策形成能力を高め、効率的な行政サービスの提供が可能となります。 2つ目は、国、地方に共通する深刻な財政危機であります。細切れの自治体区域が効率的な自治体行政の運営を妨げ、住民1人当たりの行政経費が非常に高いことが指摘されております。したがって、合併によって人口規模が拡大していけば行政経費の削減ができることになるというものであります。 3つ目は、地域住民のサイドから見たとき、現在の行政区域が生活圏や通勤通学圏に合致しておらず、
まちづくりが阻害されている場合があるということであります。合併によってこれを合致させることにより、住民みずからが
まちづくりを考える契機とすることができると考えます。 反対に、合併の課題としてよく指摘される事項としては、自分たちの住む地域が合併するということが住民にとって最も身近な出来事でありながら、合併によって何が変わるのか、変わらないのかということがはっきり認識できない場合が多いということであります。合併は、行政サービスの水準や税金、公共料金の見直しが行われるなど、住民生活に非常に大きな影響を与えますが、そう感じられないのは、合併推進の目的が今後の
まちづくりに向けての強い市をつくるための行財政基盤の強化であり、すぐに合併の恩恵が住民に行き渡るわけではないことが要因として挙げられております。 現在、あらゆる方面で構造改革が叫ばれておりますが、市町村において最も劇的に行政改革をなす方法は合併であると考えます。しかし、変革を恐れ、現状に手をこまねいているわけにはまいりません。合併は真の三陸沿岸の拠点都市として飛躍するチャンスであり、また、釜石市と大槌町が地域住民の安心・安全な暮らしを確保し、次の世代が希望を持って生活できる
まちづくりを進めるためには、ともに手をとり、力を合わせていかなければならないものと考えます。今こそ変化を恐れず、当地域のあり方を根本から見直し、次の世代に希望ある未来を引き継いでいく所存であります。 合併は地域に住む住民の支持、また首長及び議会議員の決断なくしては決してなし得ません。議員各位並びに市民の皆様の御理解をお願い申し上げます。 以上をもちまして私からの答弁は終わりますが、引き続き副市長が答弁をいたします。
○議長(松坂喜史君) 上村副市長。 〔副
市長上村俊一君登壇〕
◎副市長(上村俊一君) 私からは、水産振興についての御質問にお答えいたします。 まず、高木委員会提言についての御質問でありますけども、社団法人日本経済調査協議会高木委員会が、昨年2月に緊急提言を、さらに同年7月に「魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ」という提言をまとめ、発表いたしました。この内容につきましては、我が国水産業は、生産、加工、消費などあらゆる面の指標から見て悪循環に陥っているとの認識に立ち、我が国の国益、国民の利益を守るため、水産資源の枯渇を防ぎ資源を復活させること、漁業者、地域社会を豊かにすること、並びに安全・安心な水産物を日本国民に持続的に提供することを最大の眼目としております。 この実現のために4つの提言をしておりまして、提言1が「科学的根拠の尊重による環境と資源の保護及び持続的利用を徹底し、かつ国家戦略の中心に位置づけ、これに基づく水産の内政・外交を展開せよ」であります。提言2が「水産業の再生・自立のための構造改革をスピード感をもって直ちに実行せよ」であります。提言の3が「水産業の構造改革のため、水産予算の大胆かつ弾力的な組み替えを断行せよ」であり、提言4が「生産から最終消費までの一貫した協働的・相互補完的な流通機構、いわゆるトータルサプライチェーンを構築せよ」であります。 これに対しまして、昨年7月にJF全漁連の漁業制度問題研究会が、高木委員会の2月の緊急提言に対する考察をまとめております。この中で、JF全漁連の宮原代表理事専務は、「沿岸水域を稠密に利用し、国民にたんぱく質を提供してきた我が国の漁業の歴史や、漁村の役割を踏まえると賛成しがたい。しかしながら、対立的にとらえることからは前進がないので、我々としても提言の真意を把握し、漁業、漁村の繁栄のためにどのような方策があるのか、さらに勉強していく考えである」と見解を表明しております。 このような中で、当市の水産業は生産の減少や後継者の不足、高齢化などの課題を抱えておりますが、比較的生産や経営が安定している養殖業や定置網漁業を中心として、地域が主体となって水産業を再生していく必要があると考えております。したがいまして、当市といたしましては、漁業関係者や市民と合意形成を図りながら、水産業の再生、活性化を目指す取り組みを進めようとしていますことから、基本的にはJF全漁連の考え方に同調するものであります。 今後、水産業に係る構造改革の動き次第では当市の水産業も大きな影響を受けることから、JF全漁連や国の規制改革等の動向を把握してまいりたいと思います。 次に、海と緑の
交流推進委員会についての御質問でございますけども、市勢発展のためには、物流基盤や観光資源の活用、そして市民総参加により市民の力を結集し、活力ある経済基盤の確立など、希望に満ちあふれる新生釜石の実現に向けた取り組みを進めることが何よりも重要であります。特にも、海をキーワードとした水産業の振興、港湾の活用と連動したにぎわいの創出が強く望まれてまいりました。 このような中、人々が集い、交わるまち「海と緑の交流拠点」の形成に向けた基本的な方向性を検討するため、海と緑の
交流推進委員会を、去る9月1日、
各種民間団体、民間企業、国、県、市を構成員に設置したところでございます。検討テーマといたしましては、中心市街地の
にぎわい創出に関すること、漁業、観光等の振興につながる釜石湾の有効活用に関すること、及びこの2つに準ずる事項に関することとしています。 3大
基盤整備完成にあわせ、これまで当市の重要課題としてそれぞれ取り組んできた中心市街地の
にぎわい創出策や、釜石湾の有効活用策について集約化、一体化して、さらなる魅力アップや事業の相乗効果をねらうとともに、新たな振興策を検討しようとするものであります。特に、とかく市民、行政ともばらばらになりがちだったこれまでの振興策について、市民参加を促し、その力を結集させて、真に市民のものとしてまとめ上げ、より実効性の高い取り組みを進めることとしております。 急激に変化する社会情勢や3大基盤完成等の状況下、検討テーマは急を要しますし、新生釜石の実現に向けた必須テーマであるとの認識から、今年度中に中間報告を、来年度にかけて検討結果を取りまとめる予定としており、来年度までという短い終期を設定して集中的に取り組んでまいります。委員会で検討されました提案につきましては、
次期総合計画に反映させるとともに、できるところから事業化に取り組むなど、その実現に努力してまいります。
○議長(松坂喜史君) 佐々木副市長。 〔副市長佐々木重雄君登壇〕
◎副市長(佐々木重雄君) 私からは、
市町村合併についての御質問にお答えをいたします。 まず、平成の合併を検証しての指摘に対する見解についての御質問でございますが、経常収支比率は、議員御指摘のとおり、平成11年度普通会計決算ベースで、合併市町村の都市81.1、平地79.4、中山間81.6、未合併市町村の都市83.4、平地78.3、中山間80.4に対しまして、平成17年度決算では、合併市町村の都市89.3、平地90.6、中山間91.7、未合併市町村の都市89.4、平地87.8、中山間89.2と、合併した市町村の方が未合併の市町村よりも悪化の程度が大きくなっております。 しかし、地方の財政環境の悪化により、経常収支比率は全国的に上昇し、合併、未合併を問わずどちらも悪化してきており、大きな差異とまでは言えないものと考えております。また、人件費の削減や施設の統廃合といった経常経費の削減には、ある程度の時間がかかり、合併による財政の効率化効果があらわれるまでには一定の期間を要しますことから、経常収支比率は合併直後直ちに改善されるわけではないものと言えます。したがって、合併による効率化効果は徐々にあらわれてくるものと考えております。 なお、合併市町村では、合併特例債等を活用した各種
まちづくりが推進されている状況にあり、こちらの効果も考慮する必要があると考えております。 次に、行政サービスについてですが、これまでの行政に受給者側の立場を理解した行政サービスの提供が不足がちであったことは、議員御指摘のとおりでございます。したがって、設置を目指しております合併協議会では、事務事業の調査やすり合わせ、調整一元化の作業が必須でありますので、その際に、サービスごとに効率性、専門性、戦略性のあるサービスのあり方を検討したいと考えております。この作業の過程において、議会への説明や住民説明会を開催して考え方を明らかにするとともに、意見をいただいて、受給者の視点で見た行政サービスを構築してまいりたいと存じます。 次に、政治的決定にかかわる課題についての御質問でありますが、これまでの合併の検証から、合併には各種の課題が指摘されておりますが、こうした課題については合併前から想定、これを解消するための対応策の研究を進めておく必要がございます。 1つ目の課題、周辺地域の利益につきましては、合併前にさまざまな地域の住民の声を反映させながら、市町間で合併後の
まちづくりをどのように進めていくかという話し合い、中心地域だけではなく周辺地域のことも配慮した基本計画を策定したいと考えます。その際には、現在設置を進めております地域会議の活用も視野に入れてまいりたいと存じます。また、旧市町の区域ごとにつくることができる地域審議会や地域自治区、合併特例区を設置して、地域づくりに関するチェックや方向性の検討などを行うことが効果的かどうかの研究を進めてまいりたいと考えております。 2つ目の課題、自治の基盤につきましては、当地域の人口減少や少子高齢化により、このままではむしろ弱体化することが推測されます。地域の安心・安全な暮らしを維持するため、地域文化や伝統といった地域のアイデンティティーを担っている地域単位の自治組織の弱体化を阻止し、これからもその継承、発展の中心として取り組んでいただくことが今後の
まちづくりには欠かせないものでございます。そこで市では、地域会議というシステムを整備し、それをサポートする仕組みの強化を進める必要があると考えます。 3つ目の地域会議につきましては、地域会議は住民自治の強化を図るために進めているものですが、これまで述べたように合併の課題解決にも有効であると考えております。人口減少や少子高齢化、住民ニーズの多様化・高度化、地方分権の進展といった社会環境の変化は、大槌町でも例外ではなく、住民自治の強化は市と同様の課題であろうと思います。また、合併の際の課題をにらむと、地域会議の創設は大槌町でも理解されるものと判断しますし、これまで大槌町として培ってきた地域づくりを生かす取り組みとしたいとも考えております。 合併には、御指摘の課題は確かに想定されますが、これまで述べましたように事前に対応策を講じることで克服してまいりたいと存じます。 次に、意向調査の結果についての御質問にお答えをいたします。 まず、問7の質問に対する回答についての御質問でありますが、合併に関する意向調査の問7では、合併についての意見を自由に記入していただきました。その結果、問2で合併を進める必要があると回答した方からは1122件、合併を進める必要がないと回答された方からは327件、わからないと回答した方からは120件の計1569件の意見記入がございました。 これを内容別に仕分けしたところ、22の項目に分類されました。多い順に主な意見を紹介いたしますと、合併が必要と答えた方では、合併すべき、早急に合併すべきが387件、メリット・デメリットを明確に、これが116件、合併後の
まちづくりに期待、これが104件、合併が不必要と答えた方では、合併より先に
まちづくりを、これが51件、メリット・デメリットを明確にが40件、合併の必要なし、これが31件、わからないと答えた方では、メリット・デメリットを明確にが26件、合併に関する情報提供をが24件、住民負担に不安、これが8件となってございます。今後とも、こうした意見に配慮しながら合併協議を進めてまいりたいと存じます。 次に、回収率についての御質問でありますが、率直に申し上げまして、大槌町74.6%に対しまして当市は32.8%と回収率が低く、非常に残念な結果となりました。回収率が低かった原因は、郵便を主としたか、行政連絡員による回収を主としたかという回収方法の違いであると分析をいたしております。 当市の調査は、8月1日から8月29日にわたり広報かまいしに挟み込む形で行いましたが、より多くの市民の意見を反映させるため、調査票の回収に当たりましては、郵便による回収のほか、生活応援センターや出張所への提出、行政連絡員への手渡し、広報紙の記事でのお願い、防災行政無線及び市の広報車での呼びかけ、地元新聞及びケーブルテレビでのお知らせ、町内会長、市職員による呼びかけや家庭訪問などを実施し、回収率の向上に努めてまいりました。その効果は一定程度ありましたものの、結果として大槌町より低い回収率だったことは、合併の姿勢を示す上で大槌町に対しおわびを申し上げたところであり、市の取り組みに甘さがあったものと反省をいたしております。 今後は、今回の取り組み結果を踏まえ、より多くの市民に理解をしていただける住民説明会のあり方について検討するなど、合併の推進に向けて努力をしてまいります。 以上をもちまして答弁を終わります。
○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。
◆17番(山崎長栄君) それでは、再質問をさせていただきます。 初めに、海と緑の
交流推進委員会の設置についてでございます。 きょうの答弁を聞いていますと、今回の委員会の立ち上げた理由について述べられたものだと理解いたしております。私がお尋ねしたのは、この委員会の立ち上げがなぜ今なのか。本来であれば、当局の皆さんがよくおっしゃるように3大基盤整備が完成、概成と同時に、活性化に向けた事業がスタートを切っていなければならなかったはずだと私はそう思いますし、前市長もそういうことをずっと言い続けてきたはずであります。いま一度、なぜ今になったのかお尋ねしたいと思います。
○議長(松坂喜史君)
総務企画部長。
◎
総務企画部長(山崎秀樹君) なぜ今かという御質問でございます。 確かに前市長、それから野田市長が11月に就任しまして、海のにぎわいという部分での必要性については当初からお話をされてきました。この市長の方の意向を受けた中で、庁内での準備、新たな予算の獲得含めてそれらを準備したというところでございます。 今回の海と緑の
交流推進委員会という形での特色としましては、副市長がまず委員長になりました。これは、市が主体的に計画を取りまとめる、それからもう一つは、今までいろんな形で御提言されてきた民間の動き、あるいは市街地活性化計画、それらの海とのにぎわい、浜の
魚河岸地区の開発含めて、海の港湾の利用促進含めて、それらを一体的にいかに事業化するかという部分について、積極的な取り組みをしようという流れの中で委員会を設置したという経過でございます。 議員御指摘のとおり、それがもう既に計画ができて、そして3大基盤整備とともに事業化されるというのが一番の理想ではございましたが、いろいろな取り組みの中でこういう形にまずずれ込んだと。それから、今後についてもいろいろな、例えば国・県、それからいろいろな民間の方々の意見も踏まえながら、いろんな部分での調整が当然必要になると。1つの事業を組み立てるにも大変いろいろな、大変なエネルギーを必要とするというところでもございますし、ぜひこの委員会の設立を契機にして、事業化に向けた取り組みを急いでやりたいという思いでございます。よろしく御理解のほどお願いしたいと思います。
○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。
◆17番(山崎長栄君) 今回は基本的な方向性を検討するという委員会なわけですよ。基本的な方向性を検討するのは、もうとっくに終えていなければならない。 それから、検討する事項の中に釜石湾の有効利用ということを挙げられております。きょう、同僚議員の質問の中にも出てきておりましたが、釜石湾の中には漁業権が設定されております。共同漁業権、あるいは区画漁業権というものがあるわけですよ。漁業権というのは、沿岸漁業者の漁業行為を保全するために設定されているのがこの漁業権だと。そうしますと、釜石湾を有効活用していくには、やがて問題となってくるのがこういう共同漁業権あるいは区画漁業権との調整だろうと。これは短時間で決まるような話じゃないわけです。水産業に非常にたけた副市長といえども、これは漁業権が絡んできますから非常に難しいだろうと、そのようにも考えるわけです。 ですから、今ごろ基本的な方向性を検討するというのは遅いと、そのことに対して、質問に対しての弁明もなければ、いや、遅かったという反省もない、まずその辺が問題だと私は思うわけです。いかがでしょう。
○議長(松坂喜史君) 上村副市長。
◎副市長(上村俊一君) 今、山崎議員おっしゃるとおりだと思います。漁業に関して、例えば具体的に2月の議会で生けすの話をしました。尾ひれがついて巨大になりましたけども、ああいった利用についても漁業権の絡む問題ですから、これには、区画漁業権は5年に一遍ですし、共同漁業権は10年に一遍です。ですから、それを見通したやっぱり検討が私は必要だったというふうに思っております。深く反省しております。 したがって、今後そういった構想を実現するためには少なくとも5年かかるわけなんですよね。5年というのはあっという間に過ぎる話だと思います。非常に利害関係が多い海面利用ですから、例えば漁業者が使いたくても、そこには港則法とかいろんな制約がございます。調整が必要になってきます。そうしたことから、そういった準備を今からやっていかなきゃならない、反省を踏まえた上で準備をやっていかないと、といったことから、今回こういった委員会を立ち上げました。 委員会を立ち上げるに当たっても、やっぱり時期というのが必ずあるはずだと思います。我々市当局が立ち上げたいと思っても、市民の皆さんの動向とか意見等がありますから、そういったことを踏まえながら今回は9月1日に立ち上げた経緯がございます。深く反省しながら、今後いろんなビジョンが実現できるように頑張ってまいりたいと思います。
○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。
◆17番(山崎長栄君) わかりました。 それから、今回の質問でいわゆる高木提案なるものを取り上げさせていただきました。答弁の中では、基本的にJF全漁連の考え方に同調したいということでありました。私も基本的にはそうだろうと思います。ただ、漁業制度を時代の変化とともにやはり変えていかなければならないだろうと。いつまでも明治の漁業、あるいは昭和の漁業、そういった伝統を守るだけがやはり漁業ではないだろうと、そのように思います。 ただ、私、この膨大な量を2日かけて読みました。そこで率直に感じたのは、この高木委員会提案なるものは経済至上主義であり、また市場原理主義がその中に問うていると、そういう中で、そういう経済至上主義、市場原理主義で今の漁業の実態を変えていこうと、そういう流れなのかなというものを感じたわけでありますが、ただ、その言わんとしている中に、提案されている中に、私もこれはやはり考えていかなきゃならない課題だろうと思ったものがございました。 それは、昨年の2月の方ではなくて7月に提案された、先ほど答弁にもありました提言2の中に、3項目また具体に提言されておりますが、漁業協同組合員の資格要件とされる従業員数や漁船規模などを見直し、漁業協同組合などへの投資や技術移転を容易にし、地域社会の活性化を図れ。2つ目が、漁業のみならず、養殖業や定置網漁業への参入障壁を基本的に撤廃し、参入をオープン化せよ。意欲と能力のある個人または法人が、透明性のあるルールのもとで、漁業協同組合と同等の条件で漁業・養殖業及び定置網漁業を営めるようにせよ。3つ目もあるんですが、今その漁業経営体がどんどん減っていっていると、それから後継者も育たない、そういう中で、こういう提案も真摯に受けとめて、やはり考えていく必要があるのかなということを少し感じておりました。この件についての所見をいただきたいと思います。
○議長(松坂喜史君) 上村副市長。
◎副市長(上村俊一君) 今回、山崎議員の質問を受けまして、私も何回か読んだんですけども、やっぱり議員と同じように市場主義、市場原理主義が根底にあるんだというふうに受け取りました。率直に言って私は受け取りました。これは、非常に一方では問題であるわけです。 漁業というのは、今さら言うまでもなく、日本の漁業は長い歴史を経て、調整の中で成り立っているわけであります。そういったことで地域社会も成り立っているわけであります。釜石市を見ても、唐丹湾あるいは釜石湾、大槌湾を見ても、それぞれの集落がありますけども、集落は漁業で成り立っていると、調整の上で成り立っている、利害の調整の上で成り立っていると。そういった中で、やっぱり市場主義的な発想でいいのかといったことは、私も率直に言って大きな懸念を持っています。 ただ、JF全漁連もやっぱりただ単に対立するだけじゃなくて、いいところは勉強していこうといった姿勢であります。そういった観点で読みますと、読んでみましたけども、率直に言って私は今の提言については具体的なものがないもんですから、これはいいという話ははっきり言ってございません。ただ、一つあるのは、生産物が消費者に届くまでの流れが非常に複雑で、それが非常に漁業者の魚価にもはね返っていないという、量販店の考えが強いといったことがありますから、そういった点では大手資本の入ってくる余地はあるんだろうと。漁業者にとっての貢献度もあるんだろうと思っています。 御質問の中の養殖業とか定置網業ですね、これにつきましても非常に歴史があるわけですよね。釜石湾あるいは唐丹湾を見ても、ワカメ養殖業一つをとっても、その中には一つの大きな漁場がありますけども、それを見た、その狭い範囲で見ても、いい漁場、悪い漁場があるわけです。それは、漁業協同組合が調整して、いい漁場が当たった人には何年か後にはちょっと悪い--悪いといっても条件の悪い漁場に変えてもらうとか、そういった調整が働いているわけですね。一方では定置網漁業で、今サケでもって潤っていますけども、それが悪くなりますと、悪くなったときは定置網漁業から養殖業に転換していると、そういった集落で、協同組合の中で調整し合っているわけですよね。そういったこともあります。 そういった実情、実態をちゃんと見ないで、ただ単に効率性だけ、あるいは利益だけを求めてやるのは、私はちょっと問題かなというふうに率直に思っています。ただ、これから具体的な提案が出てくると思いますので、その経緯を見ながら、動向を見ながら、学べるところは学んでいきたいというふうに考えております。
○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。
◆17番(山崎長栄君) 水産振興について最後の質問です。 この高木委員会提案を読みまして、魚食を守ることが大事なのか、漁業を守ることが大事なのか、そしてどちらに軸足を置くべきなのか、どちらに軸足を置いた方が水産振興につながっていくのか。どちらも大事なことですが、この考えについてはいかがでしょう。
○議長(松坂喜史君) 上村副市長。
◎副市長(上村俊一君) 非常に難しいことなんですけども、魚食を守るという観点からしますと、反論の中でどっかの教授が言ってましたけども、やっぱり魚食を守るということは、日本の漁業からすると多品種ですね。多魚種があって高品質という観点では魚食を守るということです。漁業というのはやっぱりなりわいですから、もうからなきゃならないということがありますよね。ですから、非常に一緒くたにはできないんですけども、私は日本の漁業をきちっと守っていくことが実は魚食を守ることなんだというふうに考えています。非常に抽象的ですけども、この程度で勘弁いただきたいです。
○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。
◆17番(山崎長栄君) 合併についてお尋ねをしたいと思います。 市長の答弁の中で、合併は住民にとって最も身近な出来事であるのに、何が変わるのか、何が変わらないのかということがはっきり認識できない場合が多いと、このように合併の課題として指摘されている事項を述べられておりました。住民が、何が変わらないのか、何が変わるのかさっぱり認識ができないでいるということは、それは住民の合併に対する意識が低いせいなのか、あるいはまた説明責任を住民に対して果たしていない行政が悪いのか、どちらか、市長、お考えをお聞かせください。
○議長(松坂喜史君) 市長。
◎市長(野田武則君) 住民に身近な点について、やはりよく説明をして理解をしていただくというのが合併の理想的な姿だと思いますが、ただ、従来の反省点の中で、今、議員の方がおっしゃったような点が述べられているということでございますから、当然これは市当局の住民に対する説明責任が不十分な例が多いという一つのあらわれだろうと思います。 したがって、我々はその轍を踏まないように、きちんと地域の皆さんによく理解をしていただけるような、そういう情報提供、あるいは説明をしていきたいと、このように思っております。
○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。
◆17番(山崎長栄君) もう一つ市長に答弁の中からお尋ねします。 市町村において劇的に構造改革をなす方法は合併であると、そういう表現での答弁をいただいたわけでありますが、合併による構造改革は劇的と、ドラマチックという表現がいいのかなと。私は、合併による構造改革はドラマチックというよりはドラスチックではないかと、そう思ったんですが、ここが私と市長の唯一違うところでした。市長はドラマチック、私はドラスチックだと、合併は。いかがでしょうか。
○議長(松坂喜史君) 市長。
◎市長(野田武則君) 非常に英語ですので、なかなか解釈にいろいろとあろうかと思いますが、ただ、言っていることは同じことといいますか、劇的に変化をする中でドラマチックに変化をしていくということだろうと思います。したがって、物事の形としては劇的に変わるわけですが、それを内面として充実したものにしていくには、議員のおっしゃるとおりドラスチックの政策も必要だということだと思います。
○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。
◆17番(山崎長栄君) 実は辞典を引いてきました。劇的というのはドラマチックですね、ドラマチックは「劇に見るような感動的なさま、感動を与えるさま」、これが劇的です、ドラマチック。ドラスチックの方は「思い切ったさま、根本的」と。そうしますと、やはりドラスチックの方が適切な表現ではないのかなと、そういうことです。ちょっと気になりました。ここがちょっと違ったかなと。 それから、きのうの岩手日報に、既に合併を終えた一関市、花巻市、それから合併をしなかった葛巻町と住田町を対象にしまして、岩手日報社論説委員会と県立大との共同研究の研究結果が公表になっておりました。その中にもあったんですが、日報の論説の中で、行政側が評価するほど住民側は合併を評価していない、両者の意識の差は大きい、それが今回の調査の結果でわかったというような記事が載っておりました。 それから、合併を推進した当事者たる首長は、当然行財政基盤が強化されたとそのように主張されるわけでありますが、しかし、住民側はそうは思ってないと。非常に財政的に大変だと、特にも周辺地域においては財政的に大変だということを、財政的に大変であれば、我々の地域は周辺なので捨てられるというような思いが強いというようなこともあったわけであります。市長も日報を読まれたかと思うんですが、読まれての感想をお聞きしたいと思います。
○議長(松坂喜史君) 市長。
◎市長(野田武則君) 議員のおっしゃる新聞記事は拝見させていただきました。ただ、おっしゃるとおり、合併を進めた行政側は大方行財政が進んでいるということでございますが、住民の方の調査が今回初めてだったということでございまして、非常に興味を持って拝見させていただきました。 しかしながら、先ほど来お話がありましたとおり、合併はすぐに効果の出るものでもございませんし、非常に長期間にわたってその効果があらわれてくるという点が、まず一つ我々としては認識をしていかなければならないと思います。しかし、主体である地域住民の皆さんの思いといいますか、その感じ方というのは非常に大事でございまして、先ほど来お話がありました説明責任、あるいは情報提供等もやはり今後とも進めながら、地域の皆さんが理解して初めていい合併ということになるんだろうと思います。 いずれにしましても、国が進めているこの国づくりの中で、我々地方に住んでいる者が、地方自治体がその国づくりとどうかかわるのか、そしてまた、その主体が地域住民にあるんだということをもう一度我々も考えて、新しい地域づくりに取り組める、まさにいいチャンスだと思っております。その点、改めて地域の皆さんとよく情報公開をしながら進めていきたいと、こう思っております。
○議長(松坂喜史君) 山崎長栄君。
◆17番(山崎長栄君) 政府規模、自治体の規模と民主主義というそのテーマは、プラトンやルソーの時代から実は古典的な課題として議論されてきているそうです。あるいはまた、我が国におきましても、地方分権については、中江兆民らによる自由民権運動、あの明治の時代から実は地方分権、地方分権と叫ばれてきたという事実があるわけであります。今回、私は大槌町との合併を通して必要なことは、客観的な現在の情勢はどうなんだということ、それから合併することによってこの両市町はこういう町を目指していくんだということを住民に知らしめていくことが、行政としての最も重要な役割ではないのかなと、そのように思います。 今回、回収率が低かったと、これは住民の意識の低さではなくて、私は大槌町との違いは、郵便ポストに入れてもらう、これでいいんだと、そういう判断をした市当局の判断の甘さ、大槌町は一歩踏み込んで、そして行政連絡員が歩いて回収したと、この認識の違いだったろうと、そのように思います。決して答弁であったように回収方法の違いじゃないんですよ。それ以前の問題、私は職員の意識の甘さが出たと、そう思いますが、最後にこの点をお聞きして終わります。
○議長(松坂喜史君) 佐々木副市長。
◎副市長(佐々木重雄君) 確かに大槌町と比べると、回収率ダブルスコアだったと、これはもう本当に大槌町に対してもおわびを申し上げたいし、深く反省をしなきゃならないというふうに考えていました。14年の意識調査においても、あるいはそのときの住民説明会においても、非常に大部分の方が釜石では賛成の部分が多かったと。こういった中で、これまでも全市的な流れの中で合併に対する賛成の意向の方が強かった。結果的に市としては、今回のアンケート調査の説明の過程、あるいは回収の過程においても、これに安心していた部分があったなと。これが結果的に回収率にはね返ったなと。この辺は深く反省をして、今後、あらゆる過程で住民説明会があります、それには反映していきたいと思います。
○議長(松坂喜史君) 17番山崎長栄君の一般質問を終わります。
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○議長(松坂喜史君) 次に、7番坂本良子君、登壇を願います。(拍手) 〔7番坂本良子君登壇〕
◆7番(坂本良子君) 日本共産党議員団の坂本良子です。通告に従い一般質問を行います。 まず最初に、介護保険制度について質問いたします。 深刻な老老介護をなくそうと2000年から始まった介護保険制度は、来年4月に3年ごとの見直しを迎えます。2006年に改悪された介護保険法は、介護の社会化という理念は投げ捨てられ、高齢者の生活を介護取り上げや負担増などが襲いました。その結果、必要な公的介護サービスを受けられず、社会から見えない形で困難を抱えて暮らす介護難民や、家族介護の負担を苦にした悲惨な事件や孤独死が激増しています。 介護保険は市町村が保険者であり、その事業計画は3年ごとに改定され、来年4月からの3年間が第4期事業計画の期間となっています。各市町村では、既に基本的な考え方などが厚生労働省から示され、事業計画づくりが始まっています。なお、今回の第4期事業計画は、第3期と同じく2015年に実現すべき目標に向けた中間的なものと位置づけられています。今回の見直しの最大の焦点となっているのが介護報酬の引き上げですが、過去の改定では、03年はマイナス2.3%、06年はマイナス2.4%と、全体として介護報酬が削られるマイナス改定となりました。このため、介護の人材不足、劣悪な労働条件、深刻な経営難のもとになっております。 そもそも2000年の介護保険法の発足までは、介護施設などは人件費に対する公的な補助に支えられて運営されていました。ところが、構造改革によって各自治体からの補助は相次いで廃止された上に、介護保険から事業者に支払われる介護報酬もそのたびに削減されてきました。厚生労働省が6月18日に発表した07年度介護事業経営概況調査でも、居宅介護支援のケアマネジメントが15.8%の赤字となったことを初め、深刻な赤字となりました。 当市の介護現場における人材確保はどのようになっているのか、また、施設経営の状況はどのようになっているのかお聞きいたします。 全国的に介護現場は深刻な状況となっていますが、深刻な介護現場を改善するためにも介護報酬の引き上げは急務となっています。政府も昨年の夏に、社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針を14年ぶりに改正し、深刻な状況を認め、職員給与についても国家公務員の福祉職俸給表等も参考とすることなど、改善の具体的な方向性を定めました。また、来年4月までに政府が賃金水準などについて検討し、必要な措置をとることを求める介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律が全会一致で成立し、施行されようとしていますが、当然介護報酬の改善も考えられるところです。 しかし、介護保険報酬の引き上げは、介護保険料や利用料の値上げにつながる危険性があり、介護保険料や利用料の値上げは高齢者の暮らしを直撃し、介護離れを生み出すことになります。介護保険料が高い最大の原因は国庫負担が少ないことですが、介護保険が始まったとき、介護に占める国庫負担の割合は、それまでの50%から25%に引き下げられています。もとの50%に戻すための財源は約3000億円必要ですが、この額は米軍に対する思いやり予算の規模とほぼ同じと言われ、不可能な額ではありません。国庫負担の割合を50%に引き上げ、保険料の負担をふやさずに制度の改善を図るよう、国に声を出していくべきではないでしょうか、お聞きします。 2006年に改悪された介護保険のもとで、介護予防や自立支援の重視といった当時の宣伝や、本当に必要な家事援助の方は当然今後も受けていただくという厚生労働大臣の約束にも反し、介護ベッドや車いすなどの取り上げに見られる高齢者の生活や人権を侵害するような介護取り上げが横行しています。厚生労働省は、導入された新予防給付の内容が要介護度の改善に効果があるという報告を一生懸命まとめようとしていますが、しかし、新予防給付が給付を抑制する手段にすぎなかったことは、介護現場の人たちが一番よく知っていると言われています。 当市の場合、この新予防給付が給付費抑制につながったのかどうか、また、この新予防給付による介護取り上げは許されないと思いますが、当局はどのように考えているのかお聞きします。 今度の改正で、厚生労働省は要介護認定の見直しを進めています。要介護認定は、要支援1から2、要介護1から5の段階で、この認定を受けなければ介護保険は利用できず、要介護度が軽くなるほど受けられる介護が制限されます。政府の見直しは、現在認定審査会で行っている要支援2と要介護1の判断も1次判定のコンピューターができるようにすることに加えて、認定のための調査項目を大幅に減らそうとしています。調査項目の削減で要介護認定は軽度に判定されることがふえ、ますます高齢者の状態からかけ離れた認定となり、介護取り上げにつながる危険性がありますが、介護認定の見直しをどのように考えているかお聞きします。 高い利用料や要介護度ごとに低く設定された利用限度額、介護取り上げなど、介護を必要とする高齢者が在宅で生活を送ることはますます難しくなっています。一方で、特別養護老人ホームへの入居者は全国で38万5000人の順番待ちとなっており、当市も200人を超える待機者となっています。今回の見直しでは、療養病床の縮小・廃止問題の具体化も焦点となる中、とりわけ介護型の療養病床、医療施設は介護保険の発足時に国が奨励して全国各地に生まれたにもかかわらず、2011年度末までにわずか12年で突然廃止すると言われ、行く当てのない高齢者が生まれかねないと大きな不安が広がっています。 日本療養病床協会も、6月18日、実態調査を発表し、現在の介護療養病床に入院している高齢者は35.7%が経管栄養を利用するなど手厚い医療が必要であり、新設された介護療養型保健施設にそのまま転換することは不可能と指摘しています。もし療養病床が縮小・廃止された場合、当市に及ぼす影響はどのようになると考えているのかお聞きいたします。 次に、教育行政について質問いたします。 最初に、学校給食について質問します。 当市の中学校の学校給食は、昨年の5月から県内では初めて、業者委託弁当のランチサービスとしてデリバリー方式を採用していますが、同時に家庭からの弁当の持参を認めています。昨年の12月議会で、私は中学校給食を中心にこの問題を取り上げましたが、明快な答弁がありませんでした。 学校給食の考え方は、安心・安全な食材を使って次代を担う子供たちに必要な栄養を提供し、健全な発達を保障することによって生きる力を培うとともに、食生活に対する正しい考え方を身につけさせるところにあるとされる食教育にあると一般的に言われています。 デリバリー方式による中学校給食は、昨年12月の答弁では利用率は30%と低くなっています。その理由として、ランチサービスが栄養率を整えた給食であることが伝わらない家庭があり、食育指導の中で学校給食の意義がわかってくれば注文数もふえていくのではないかと答弁する中、各中学校ごとに保護者を対象としたランチサービス試食会を行い、献立担当者である学校給食センター栄養士が食に関する講話を行い、学校の先生や保護者との意見交換の場を設けたとしています。その後の利用率が向上しているのかお聞きします。 また、利用率が変わらないとするならば、その要因として、格差社会での貧困化が進む中での家庭における財政的な負担も考えられますが、どのように考えているのかお聞きします。 食育については、心身の健康と食の関係、食と人とのかかわり、食を営む能力や技術、食料の生産・流通、環境問題、食文化等、食育で取り扱う内容は多岐にわたっているとする中、中学校でも給食を媒体とした食育は効果的であるとして、給食を実施していない家庭弁当では内容についての啓発が食育の手始めになるとして、引き続き、家庭、学校、地域、生産者、行政の連携した取り組みを推進したいと答弁しています。家庭弁当を持参する子供たちへの教育は、家庭を含めてどのように進めてきたのかお聞きします。 ことしの3月に、中国製ギョーザ中毒事件が学校給食の課題を浮かび上がらせましたが、当市の学校給食センターでも中国産冷凍加工食品を使用していた経過がありました。学校給食には、当市の小学校学校給食のように、1カ所で調理して複数の学校に配送する給食センター方式と、学校内で調理する自校方式があります。中国の冷凍食品を使用した公立学校の数は、センター方式が自校方式を超えていると言われ、専門家によりますと、十分な調理時間がとりづらいセンター方式は、外国産を含む冷凍食品の割合が大きく、こうした事件の影響を受けやすいと指摘しています。 当市の学校給食センターでは、安全・安心な学校給食とするために、できるだけ国産の食材を使用することとしているが、どうしても外国産を利用せざるを得ない場合には、今までの検査証に加え、確実に安全である証明書の記載がある検査証の提示を各メーカーに依頼しているとして、今後とも外国産の冷凍加工食品を使用する可能性も示唆しています。給食センター方式は、外国産を問わず、調理時間の関係から冷凍加工食品に頼らざるを得ないというのが実態のようですが、当市の学校給食センターにおける冷凍食品の使用割合はどのようになっているのか。 学校給食を食育としてしっかり位置づけている自治体では、それなりの財政負担をしながら小・中学校の子供たちの食の安全・安心を図っています。中学校を含めた学校給食は自校方式を採用し、食育として子供たちの安心・安全を図るべきではないかと思いますが、お聞きします。 最後に、少人数学級の拡充についてお聞きします。 県教育委員会は、少人数学級の拡充について、第1に、少人数学級を小学校中学年と中学校1年生に拡充する、第2に、小学校中学年以降は少人数指導に重点を置く。第3に、市町村や学校が少人数学級と少人数指導を選択できるようにすることの3つの方向性を示し、今年度中に結論を出すとしています。 当市の教育委員会は、共産党議員団の少人数学級と少人数指導についての質問に対して、少人数指導の場合には学習集団の人数が少ないだけでなく、集団が同室であることから、文字どおり一人一人の受けとめや学習の仕方、定着度について、すべての子供について一つ一つ確認することが比較的容易になり、子供一人一人の学習が、より高いレベルで成立するようになるとして、個に合ったきめ細やかな指導を考えた場合には、集団が固定された少人数学級の指導よりもはるかに有効であるととらえています。また、教職員の定数枠があり、加配教員獲得もなかなか厳しい現在の状況の中では、少人数指導体制の充実、推進の方がより現実的で有効であるとして、少人数指導を推薦しています。 しかし、よりよい子供たちの教育を目指したときは、少人数学級の方が一般的に効果があると言われていますが、少人数学級の拡充に力を入れていくべきと思いますが、お聞きします。 以上で壇上からの一般質問を終わります。再質問は自席から行います。よろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(松坂喜史君) 市長。 〔
市長野田武則君登壇〕
◎市長(野田武則君) 坂本議員の御質問にお答えをいたします。 介護保険制度についての御質問でありますが、介護の社会化を基本理念として平成12年に発足した介護保険制度は、介護サービス利用者数、事業者数とともに大幅に増加し、広く国民の間に定着しております。しかし、その一方では、介護の担い手となる介護従事者の離職が全国的に深刻化し、一部の介護現場では慢性的な人材不足に陥っているとの新聞報道があります。特にも介護施設においては、要介護者の生活を24時間絶え間なくケアし、命を預かるという極めて重大な責務があるものの、処遇面においては低賃金、重労働というマイナスイメージが先行していることとあわせ、職業としての社会的な評価が低いとの指摘もなされております。 このようなことから、国においては、介護労働者の処遇改善や人材確保の対策を求める介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律案が本年5月の国会で可決成立しており、来年4月に施行されることとなっております。現在国においては、3年ごとに見直される介護報酬の改定作業が進められておりますが、来年4月の新介護報酬には、同法律の成立を受け、介護従事者の処遇改善に向けた対応が反映されるものと認識をしているところであります。 さて、当市の介護現場における人材確保についての御質問でありますが、当市においては、本年2月末をもって看護師不足により休止している1事業所があるものの、それ以外には人材不足を理由に廃止または休止をしている事業所はないことから、市内の事業所は運営面においても経営面においてもほぼ順調に推移しているものと受けとめております。しかし、当市においては、高齢化の進展とともに今後ますます介護需要は高まるものととらえており、将来的には当市においても介護職不足に陥るのではとの懸念を払拭できないところであります。 したがって、釜石地方振興局とも連携をしながら、市内事業者の人員配置、人材確保を含めて運営面での状況把握を強化するとともに、現在策定作業を進めている第4期介護保険事業計画においては、地域バランスを考慮しながら適正なサービス量を見込み、今後とも良質なサービス提供ができるよう、事業者の育成、管理に努めていきたいと考えております。 以上をもちまして私からの答弁は終わりますが、引き続き、教育長並びに
健康福祉部長が答弁をいたします。
○議長(松坂喜史君) 教育長。 〔教育長河東眞澄君登壇〕
◎教育長(河東眞澄君) 私からは、教育行政についての御質問にお答えします。 学校給食の目標は、これまでは栄養改善に置いておりましたが、平成20年6月11日に成立し、平成21年4月1日に施行されます改正学校給食法により、食に関する適切な判断力の涵養、伝統的な食文化の理解、食を通じた生命・自然を尊重する態度の涵養など、食育の観点から目標が改定されております。このことから、学校で食べる昼食を食育のよき教材とすることを念頭に置いて給食事業を実施してまいりたいと考えております。 まず、ランチサービスの利用率についての御質問についてでありますが、中学校の学校給食につきましては、家庭の自主性にも配慮しながら、中学生の健康増進と自分の食事について考える力を育成すること等を目的とし、教育活動の一環としての家庭弁当との選択制によるデリバリー方式を採用、昨年5月14日からスタートしたところであります。 ランチサービスを利用した生徒の割合は、スタート時には35.1%と利用率もまずまずでしたが、その後10月までは減少を続け、それ以降は一進一退を繰り返しており、平成19年度の平均利用率は26.2%にとどまっております。今年度は減少傾向が底を打った状況にあり、平成20年度1学期の平均利用率は21.2%となっております。利用生徒の傾向を見ますと、ランチサービス実施日すべてに申し込む生徒が多数を占めるほか、決まった曜日に申し込む生徒もあり、固定化されてきております。 次に、利用率が伸びない要因として、家庭における経済的な負担が影響していないかとの御質問についてでありますが、選択制のランチサービスを実施する全国の先進事例を見ましても、保護者負担額は400円程度であり、1食360円に牛乳代40円を足すと、当市も同等のレベルにあります。また、当市においては、準要保護世帯の生徒については3分の2の補助を行っているにもかかわらず、利用率はほとんど同じであることから、経済的理由により利用率が伸びないということは考えがたいところであります。 ランチサービスの利用率が伸びない要因をアンケート調査等から推察しますと、利用するか否かの判断は自分の好き嫌いで決めている傾向があり、栄養のバランスに配慮したランチサービスよりも、子供が食べてくれる食材を中心とした家庭弁当を選択する生徒が多いことが大きな要因であると考えております。 このように、ランチサービスの利用率は厳しい状況にありますが、ランチサービスの目的である中学生の健康増進と自分の食事について考える力を育成するために、学校、家庭との連携を図りながら食の指導に努めてまいります。 次に、弁当持参の家庭に対する食育の進め方についての御質問にお答えします。 まず、中学校におけるこれまでの取り組みといたしましては、釜石中学校の家庭科の授業におけるランチサービス弁当の献立作成及び調理実習があります。この授業は、担当の教師と学校給食センターの栄養士が連携して取り組み、生徒たちに弁当ができ上がるまでの一連の作業を体験させることにより、食事の大切さを気づかせようとしたものです。でき上がった献立の中からランチサービスに適合するものを2つ選定し、実際のランチサービスに採用したところです。この取り組みにより、生徒たちの達成感と食事の大切さを認識させる契機とすることができた事例であります。 また、学校行事である親子レクリエーションの昼食にランチサービスのお弁当を試食していただき、保護者の方々からランチサービスの内容についておおむね好評との結果をいただいております。さらに、学校訪問による給食時間を利用した栄養指導を行い、自分の成長に合ったエネルギー量とお弁当箱の大きさの選び方、バランスのよい料理の組み合わせとお弁当などについて指導したところです。 一方、学校給食センターから各家庭への食に関する啓発としては、全生徒に配布する献立表と食に関するお便りにより、食と健康のかかわりを考えていただくよう努めております。なお、献立表が家庭でのバランスのとれたお弁当づくりの参考になるとの御意見もいただいております。 今後とも、家庭弁当を持参する生徒、ランチサービスを利用する生徒を問わず、家庭への啓発も含め食に関する指導を進めてまいります。 次に、学校給食における冷凍食品の使用についての御質問にお答えします。 中国製ギョーザ中毒事件が全国の学校給食施設に大きな波紋を与えたことは、議員御指摘のとおりであります。当市学校給食センターにおいては、この事件の対策として中国製食品を原則として除外しており、極力国産の食材を使うように努めております。しかし、食材によっては国産では対応できないものがあることから、中国以外の外国産も使用しているところであります。使用に当たっては、細菌試験成績書や残留農薬等に関する保証書により安全を確認しております。 御質問の当市学校給食センターにおける冷凍食品の使用割合は、食材購入費ベースでおおむね20%となっております。当センターで手づくりをする場合、時間的制約があり、それに対応した施設整備及び人員が必要になることから、冷凍食品を使用せざるを得ない状況があります。ただし、冷凍食品が生ものに比べて劣っているものではありません。衛生管理面から見た場合、2次汚染の心配のある生ものの方が、衛生管理が徹底された工場で生産された冷凍食品よりリスクが高い場合もあります。 今後も、細菌検査結果や産地の提示を受け、安全を確認した上で冷凍食品も使用してまいります。
○議長(松坂喜史君) あらかじめ会議時間の延長をいたします。
◎教育長(河東眞澄君) (続)次に、学校給食は自校方式を採用し、食育として子供たちの安心・安全を図るべきではとの御質問にお答えします。 当市の学校給食方式の状況は、小学校10校がセンター配送方式、配送が困難な小学校2校が自校方式、さらに中学校はランチサービスによるデリバリー方式を採用しており、それぞれ一長一短があります。このうち自校方式は、つくってからすぐに食べられること、給食をつくる人の顔が見え、感謝の気持ちを育てることが容易であること等、食育の観点からも学校給食として望ましい方式であると考えております。しかし、小・中学校全校への学校給食を自校方式とした場合、給食施設の整備、人的配置等多額の事業費を要することから、現実には難しいものと考えます。 また、学校給食は国が定める学校給食衛生管理基準等に基づき、安心・安全な給食を提供しているものであり、安心・安全の面において自校方式だけが特にすぐれているとは考えておりません。児童・生徒への食育は家庭での役割が一番大きいと考えておりますことから、学校、家庭と連携を図りながら食育に係る食に関する指導を進めてまいります。 次に、少人数学級の拡充についての御質問にお答えします。 現在、岩手県では、小学校の1・2年生で1学級35人の少人数学級を編成しておりますが、それ以外の学年は40人編成となっております。平成20年5月1日現在の釜石市の状況は、普通学級で35人を超える学級は、小学校で89学級のうち5学級で全体の5.6%、中学校は35学級のうち14学級で全体の40%となっております。また30人を超える学級は、小学校は12学級で全体の13.5%、中学校は16学級で全体の45.7%になります。小学校は、市全体で見た場合は少人数学級になっている割合が高いと言えます。中学校は、釜石中学校が3校の統合によって生徒数が多くなったことから、12学級すべて35人を超えているため、少人数学級になっている割合が小学校に比較して低くなっております。 30人を超える学級がある学校については、いずれも少人数指導のための加配教員が1名から2名配置されており、少人数指導などきめ細かな指導を行っております。少人数学級、少人数指導とも、指導する人数が少ないということで、児童・生徒一人一人に目が届きやすくなること、一人一人により丁寧な指導ができるという点で効果があります。 その中で、教育委員会といたしましては、教職員の定数枠があり、加配教員の配置もなかなか難しいこと、市独自の予算で教員を配置することも難しい現状において、学校教育の課題である学力の向上を図るためには、習熟度別による指導や複数教員によるチームティーチングによる指導など、児童・生徒の実態に応じて柔軟に対応できる少人数指導を充実させていくことが現実的で有効であるととらえております。 しかし、少人数学級を否定しているということではなく、児童・生徒と一番かかわる時間が必要な担任にとって、学級の人数が少ないことでゆとりが生まれ、教育相談を充実させたり、児童・生徒とのコミュニケーションを一層図ることができることで、子供たちの心を安定させることができると考えます。特に、中学校に入学して学校生活に不適応を起こす、いわゆる中1ギャップの解消に効果があるのではないかと思います。 県教育委員会の方向性はまだ示されておりませんが、市町村や学校が少人数学級と少人数指導が選択できるような方向性が示された場合は、現場の状況を踏まえ、学校と十分協議しながら対応していきたいと考えております。
○議長(松坂喜史君)
健康福祉部長。 〔
健康福祉部長野田喜一君登壇〕
◎
健康福祉部長(野田喜一君) 私からは、介護保険制度についての御質問にお答えをいたします。 まず、制度改善に関する御質問でありますが、介護保険制度は、介護を社会全体で支えようとする助け合いの精神をもって創設された経緯があります。したがいまして、かかる費用の9割を保険者が給付するものの、利用者にも1割の利用料を求めるとともに、あわせて保険料も納めていただく仕組みになっております。 この給付費の財源構成ですが、65歳以上の方が対象となる第1号被保険者の保険料が19%、40歳以上65歳未満の方が対象となる第2号被保険者の保険料が31%、国が25%、県、そして市町村がそれぞれ12.5%ずつという負担割合で成り立っております。また、保険料は給付に見合った水準に設定されることから、現行制度のままで介護報酬が引き上げられますと、給付費の増大を招き、ひいては保険料や利用料が値上げされることとなります。 このことをとらえて、国庫負担割合を25%から50%に引き上げ、保険料をふやさずに制度改善を図ってはとの御意見でありますが、今後、要介護者の増加に比例し給付費も増大することが見込まれる中で、負担割合のあり方については、社会保障制度として安定して機能していく上で、極めて重要な制度の根幹にかかわる問題だろうと認識をしているところであります。これに加え、近年、医療制度改革や税制改正等により、介護保険料以外にも高齢者に負担増が求められておりますことから、今後、全国市長会を初め地方六団体等の動向を見ながら対応を図っていきたいと考えております。 次に、新予防給付についての御質問にお答えをいたします。 平成18年に行われた制度改正により、要介護1以下の軽度者に対し、当時は新予防給付と言われた介護予防サービスが新たに創設をされました。これは、状態の維持・改善の可能性が高い軽度者に対しては、日常生活上の具体的目標を設定して本人の意欲を引き出すとともに、従来のできないことを補うサービスから、できることを引き出すサービスに変わったものであります。 その一環として、福祉用具貸与のあり方についても見直しをされ、例えば車いすや背上げ機能のある特殊寝台などは、軽度者の身体能力の改善に結びつきにくいとして、原則として保険給付の対象外とされました。しかし、この改正は一律に給付を制限したものではなく、軽度者であっても、身体機能などの状態によっては利用を可能とする例外規定が設けられておりまして、当市においても、該当者に対しては個別の申請に基づき給付を認めてきた経緯があります。 この新予防給付が給付費の抑制につながったのかとのお尋ねですが、要介護1以下の受給者1人当たり月額給付費を比較いたしますと、制度改正前となる平成17年度は約3万円であるのに対し、制度改正後となる平成18年度と19年度は、ともに約3万3000円と微増傾向にあり、現段階では必ずしも抑制につながったとは言い切れないと考えております。ただし、制度改正からまだ2年しか経過してない段階でありますし、新予防給付のみならず地域支援事業による効果等もあわせて考慮する必要がありますことから、今後、さまざまなデータを蓄積しながら分析を進めていきたいと考えております。 なお、新予防給付による介護取り上げは許されないとの御意見ですが、この改正は、あくまでも自立支援という介護保険の基本理念を踏まえつつ、限られた財源を有効に活用すべく、給付の効率化と重点化が進められたものと受けとめております。したがいまして、利用者にとって真に必要なサービス内容に再編されるものであり、介護サービスの低下につながるものとはとらえてはおりませんが、改正によって新予防給付に移行した方から見れば、従来の家事代行型の訪問介護、福祉用具のうち車いすなど、これまで使えたサービスが使えなくなったという声があるのも事実であります。 このため、出前講座等の機会を通じ、利用者、市民に対する制度の周知に努めるとともに、軽度者の自立支援の徹底、目標指向型のサービス提供の推進という観点から、適切で質の高いサービス提供がなされるよう、事業者の育成、指導に努めていきたいと考えております。 次に、介護認定の見直しに関する御質問にお答えをいたします。 平成21年4月から、要介護認定に対する全般的な見直しが行われますが、この中では、特に要介護認定の適正化と認定の効率化を図るため、認定調査項目等の見直しが行われます。多様な心身の障害の評価手法を確立するという観点から、国の要介護認定調査検討会で検討が重ねられ、調査項目は現在の82項目から74項目とされました。その中で削除される項目は、皮膚疾患の状況等、認定結果に影響が少ないとされる項目や、現在も使用している主治医意見書に記載されている項目となっております。また、この見直しに関する検証作業として、本年9月22日から11月5日にかけまして、全国の市町村において新しい1次判定ソフトに基づく審査判定のモデル事業を実施してまいります。 当市では、新たに追加をされる買い物や簡単な調理等の6項目を含む介護認定調査が円滑に行われるよう、研修等を通じまして調査員のさらなる資質の向上を図るとともに、介護認定審査会において判定基準に基づくとともに、調査票に記載した特記事項も含め、高齢者の状態を的確に把握しながら適正な判定に努めてまいりたいと考えております。 次に、療養病床が縮小・廃止された場合の当市に及ぼす影響についての御質問にお答えをいたします。 国においては、医療制度改革を踏まえ、平成18年当時13万床あるとされた介護型療養病床を平成23年度末までに全廃をし、削減した療養病床は老人保健施設などへ転換を図っていく方針が示されました。当市におきましても、1つの医療機関において32床が再編の対象となりましたが、当該医療機関の意向に従いまして、既に昨年12月末日をもって廃止をされ、24床が老人保健施設に、残る8床は一般病床に移行をしております。その際には、利用者の転院等円滑に進められ、混乱なく終了したことを確認しており、当市においては、この再編に伴う影響はなかったものと考えております。 以上をもちまして答弁を終わります。
○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。
◆7番(坂本良子君) 再質問を行います。 介護保険制度についてですけれども、来年4月の介護報酬の引き上げが最大の焦点となっている中、このままいきますと介護保険料の値上がりにつながります。当局も答弁で述べておりますように、保険料は給付費に見合った水準に設定されることから、現行制度のままで介護報酬が引き上げられますと給付費の増大を招き、ひいては保険料や利用料が値上げされることになると述べています。また近年、医療制度改革や税制改正等により、介護保険料以外にも高齢者には負担が求められていることから、これ以上の負担増は難しいという認識を示していますが、そうであるならば、なおさら介護保険料を値上げさせないために、国庫負担割合をもとに戻すよう国に求めていくべきではないでしょうか。 しかし、当局は、負担割合のあり方については、社会保障制度として安定して機能していく上で、極めて重要な制度の根幹にかかわる問題であるから、全国市長会を初め地方六団体の動向を見ながら対応を図っていきたいとしております。こういう態度は極めて消極的と言わざるを得ません。国に声を上げていかないとすれば保険料の値上がりにつながっていきますが、今後の介護保険料の値上げの見通しについてお伺いします。 また、2007年度の決算で見ますと歳入は4700万円ほどふえております。その中で歳出も5200万円ほどふえております。歳出が500万円ほど歳入より上回っておりますが、しかし、基金積立金が6700万円ほどあります。基金の繰入金が3300万、これから見ますと3000万を超える大幅な積み立てとなっております。このことから見ても当面保険料の値上げの必要はないと考えますが、お伺いいたします。
○議長(松坂喜史君)
健康福祉部長。
◎
健康福祉部長(野田喜一君) 御質問は、保険料の引き上げの見通し、それから基金の取り崩しというような2点の御質問なんですが、前段、市の取り組み、全国市長会の動向に対応していくというようなことで、消極的ではないかというようなお話がございました。実は、全国市長会は、去る6月26日ですね、介護保険制度に関して、国会議員あるいは関係省庁に要望書を提出しております。 それは何かと、幾つかあるんですけれども、実は介護給付費の負担金、現在国庫の負担は25%なんですけれども、まずこれを確実に給付を、しっかり負担をしていただきたい。それからあと、今、調整交付金という国から来る費用があるわけなんですが、これは25%の中で5%を、地域の保険者の動向、例えば高齢者が多いとか、その市町村の中で所得が低いとか、そういうところを勘案して5%の範囲で給付している。釜石は5%じゃなくて6%負担していただいているんですが、この5%を、調整交付金5%、これを別枠で負担してほしいと、そういうような要望をしているわけであります。 我々は全国市長会の構成員でありますんで、そういう要望もしているということでありまして、決して何もしていないということではございません。御理解をいただきたい。 それから次ですけれども、介護保険料の引き上げの見通し、どう考えているかということなんですが、現在我々、来年から始まる介護保険の第4期計画、その策定作業を進めております。もちろんこれは、向こう3年間のサービス料、そして給付費を割り出して推計をしまして、それに見合った介護保険料というものを設定していく作業ということになるわけであります。 それで現段階では、今後の後期高齢者、実は先般、後期高齢者が前期高齢者を市内では上回ったというようなこともありまして、要介護認定者、利用者とも増加が見込まれるということになります。そのほか施設待機者、300弱を数えておるわけでございますので、やはりこの緩和策として、施設あるいは居住系サービス等々も整備していく必要があるのではないかということ。それからあと、先ほど議員申されたとおり介護報酬、この引き上げ等々、増加する要因がございます。 したがいまして、現段階では来期の保険料の引き上げというものは避けられないというような見通しを持っておるわけなんですけれども、少なく、少しでも負担を軽減すべく、基金の補てんというものも視野に入れていきたいと、このように考えております。そして、この計画は我々作業を進めているということですけれども、決して我々単独でやるものではございません。既に市民のアンケートをとっておりますし、それから事業者の声も伺ってございます。 今後、介護保険の運協、10月には本格的な議論に入ります。それから、さらには意見募集もしてまいります。さらには、議会で別途協議の場をお願いしながら御意見もちょうだいをしたいと、このように考えております。こういうような手順を踏まえながら、来期の4期の計画を策定、あるいは保険料の設定というものをしていきたい、このように考えております。
○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。
◆7番(坂本良子君) 確実に保険料は上がるということ、国に対する声を上げていくということでは、25%、これを確実に確保せいという、これではやっぱり弱いと思うんですよね。国の制度、この根幹を崩しているのはやっぱりここにあると思うんです。ですから、別枠で5%の要望もしていると言いますけれども、このところを戻さない限り、やはり国民、市民の負担は避けられないというふうなことになってくると思います。 今、本当に収入が変わらないのに引かれるものだけ引かれると、これ以上負担がふえたらば本当に大変だと、そういうふうな状況にあります。なおさら国に対しては、特に釜石は高齢化率が高い、そういう深刻な状況にありますから、あたりほどりのあれも必要でしょうけども、そういう歩調を合わせるということも必要でしょうけれども、やっぱり釜石の実情を市長会とかそういうところに行って積極的に言って、25%ではだめだと、やっぱりもとに戻せというふうな強い姿勢で臨んでいただきたいなと思います。やはり介護保険料を上げるというのは相当なダメージがあると思います。ぜひ負担を負わせないような形で進めていっていただきたいと思います。 時間の関係がありますので、学校給食の方に移らせていただきます。 学校給食、デリバリー方式のこの21%という利用率、これはもう余りにも低いんじゃないかと思います。これでは給食と言えない。もちろん弁当方式、ランチサービスですから給食と言えるかどうかということもちょっと疑問なんですけれども、やっぱりこれは学校給食からほど遠いということになるんじゃないかと。ですから、この際デリバリー方式をやめて、給食センターを使用したやり方に変えることはできないのかどうか。そうした中で、計画的に1校ずつでもいいから、年間計画を立てながら自校方式に切りかえていくというふうな方向で考えていくべきではないかと思いますが、お伺いいたします。
○議長(松坂喜史君) 教育長。
◎教育長(河東眞澄君) デリバリー方式を廃止してセンター方式にできないかということですけれども、先ほど答弁でも答えましたけども、この中学校のデリバリー方式によるランチサービス、去年始めたばかりです。この経過については議員も御承知だと思うんですけども、市のPTA連合会等からの要望を受けまして、中学校給食検討委員会を設置しまして、その中でデリバリー方式でやっていこうということを決めて、そして今始まって1年たったところです。この中で議論されてきたのは、家庭の自主性にも配慮しながら、中学生の健康増進、自分で食事を考えてというようなことで、そういうことを含めながら取り入れてきた制度であります。 それで今、確かに利用率は21%と低いけれども、このデリバリー方式によっての中学校でランチサービスを始めた効果が今次第にあらわれてきています、効果がですね。そういうふうな中で、このデリバリー方式を今やめるということは当然考えておりませんし、先ほども出ましたけども、この方式を通しながら、中学生に対する食育、それから中学生は自分の食事を自分自身でどう考えてどうつくっていくのか、自分の健康と合わせながらですね、その辺の指導。それから保護者に対して、保護者もやはり、先ほどもこれも述べたんですけれども、保護者もようやく子供たちの成長に合った弁当というのはどういうものかということを、私はすごく考えるようになってきているというような成果が出てきていますので、それを当面推進していきたいというふうに考えております。
○議長(松坂喜史君) 坂本良子君。
◆7番(坂本良子君) 時間の関係上、はしょらせていただいて、あとは特別委員会の方で発言させていただきます。 最後に、少人数学級の拡充についての、これは要望として述べさせていただきたいと思います。 少人数学級の拡充については、県教育委員会の方向性が示されていない中で、市町村や学校が少人数学級と少人数指導が選択できるような方向性が示された場合は、現場の状況を踏まえ、学校と十分協議しながら対応していきたいと答弁しております。 当市の教育委員会としては、教職員の定数枠があり、加配教員の配置も難しく、市独自の予算で教員を配置することも難しい現状において、学校教育の課題である学力向上を図るためとして、習熟度別による指導や、複数教員によるチームティーチングによる指導など、児童・生徒の実態に応じて柔軟に対応できる少人数指導を充実させていくことが現実的で有効であるとしております。現在の子供たちは、さまざまな課題を抱えている中で、教師の役割も大きく、少人数学級の必要性が求められています。少人数学級の拡充のために、国・県への予算要望を強める中で、ぜひ実現に向けて頑張っていただくことを要望して質問を終わります。
○議長(松坂喜史君) 7番坂本良子君の一般質問を終わります。
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○議長(松坂喜史君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。 午後5時28分散会
釜石市議会議長 松坂喜史
釜石市議会議員 小鯖利弘
釜石市議会議員 海老原正人...