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  1. 養父市議会 2019-09-20
    2019年09月20日 令和元年第94回定例会(第5日) 本文


    取得元: 養父市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-10
    2019年09月20日 : 令和元年第94回定例会(第5日) 本文 (291発言中0件ヒット) ▼最初の箇所へ(全 0 箇所) / 印刷プレビュー                  午前9時29分開議 ◯議長(深澤  巧) ただいまから第94回養父市議会定例会5日目の会議を開きます。  本日の議事日程は、あらかじめお手元に配付のとおりであります。        ──────────────────────────────   日程第1 会議録署名議員の指名 ◯議長(深澤  巧) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員は、会議規則第79条の規定により、議長において、3番、藤原哲郎議員、4番、西田雄一議員、以上2名の議員を指名します。  谷口危機管理監より、発言の申し出があります。  谷口危機管理監◯危機管理監(谷口 和幸) 昨日の一般質問で、田村議員の一般質問で、養父市総合防災訓練を10月27日に実施する予定となっておりますが、その中で、トイレの展示はないのかということで、私のほうがトイレの展示はないという回答をさせていただきましたが、トイレ販売業者のほうでブースを市のほうが用意して、災害用トイレの展示を行うこととしておりますので、修正させていただきたいと思います。大変申しわけありませんでした。        ──────────────────────────────   日程第2 一般質問 ◯議長(深澤  巧) 日程第2、一般質問を行います。  19日の本会議に引き続き、一般質問を行います。一般質問は、通告の順に従い、順次、議長より発言を許します。  8番、谷垣満議員の発言を許します。  8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) おはようございます。8番議員、会派養父の未来の谷垣満です。議長の許可を得ましたので、通告書に従い、一般質問を行います。  初めに、市民の視点に立った行政の対応について、次に、不妊治療についての2項目の質問を行います。  ことしの3月19日に、明延川上流において、民間の工事現場からコンクリートが流出する事故が発生しました。コンクリートアルカリ成分により、多くの魚が死にました。稚魚や貴重なカジカ、成長したヤマメ、アマゴの中には、15センチに近いものも死んでいました。現場から下流約500メートルにわたり流出したコンクリートが川底にたまり、22日に回収されるまでに与えた影響は甚大で、魚だけでなく、水生生物全般に対し広範囲にわたって大きな被害になったと言えます。このような事故は、いつどこの川でも起こる可能性はあり、養父市の自然環境を守る上で、今後の対応に生かすべきと考えます。
     前段として、養父市の自然環境保全に対する考え方について、市長の見解をお尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) おはようございます。8番議員、谷垣満議員の御質問にお答えいたしたいと思います。  3月19日、明延川の上流で工事を行っておりましたが、コンクリートがそこから流出した、そしてコンクリートの成分によりまして、その下流、生息しておりました魚等に大きな影響を及ぼしたということでございます。今後の対応の参考にすべきであるということで、十分我々も参考にはさせていただく、そういうことを考えているところであります。  市全般の環境に対する対応のあり方についてという総括的な、包括的な御意見をということであります。我々人が地球上にどうしてあらわれてきたのかなと考えたとき、地球ができて、陸ができて、海ができて、そういう中で、いろんな有機物が結合するのか、ある生き物が、小さな生き物ができて、それがだんだん進化して、今、地球上の植物であるとか動物であるとか、そういうものになってきた。それらがなおかつ進化して霊長類になり、そしてそこから人が生まれてきたということであります。人はそういう自然に抱かれる中で生まれてきたということを考えるなら、最も人として自然な姿は、人が生きる上で最も自然な最適な姿は、やはり豊かな自然、我々を生み、進化させ、育んできてくれた、母親の胎内におるような形の中で暮らすのが最も安心・安全であるだろうと考えております。  そこで、我々人は、万物の霊長と言われるように随分進化してまいりました。それで、社会をつくり、またその中で、反対に人がより安全・安心で快適で、そして利便性が高い中で生活していくということを求めるようになりました。経済というようなことも生まれてきましたが、そういう中で人は、人が生きていくための利便性であるとか快適性を追求する上で、いろんな開発をやってきた。それらが本来なら失われてはならない自然を創出せしめているのではないかと考えているところであります。  また、人は食物連鎖の頂点にも立っているわけでありますから、どんどん食い潰していることも事実であります。そういう中で、絶滅危惧であるとか、いろんなことが言われてきている。それから、人そのものが本来なら自然の中、この地球上で、自然な状態でおれば安心して生活できたものが、そういう活動が行き過ぎることによって、かえって人にまたいろんな意味での生きにくさの環境をつくってきているということも事実であります。  そういうことを考えるなら、私どもは人として社会が適度にしっかりと発展していくということも必要でありますが、その対極にあるものとして、バランスよく自然も残していく、自然と調和した開発のあり方が必要であろうと思っております。そういう意味で、自然をそういう視点で保護していく。保護というより、保護というのは、余りにも私は傲慢な言い方ではないかと思いますが、自然と仲良く調和して、人々の生活も発展も考えながら、しっかりとその自然の中で生きる、そういう環境づくりをしていくことが必要ではないかと思っております。まさしく国連で目標を定めておりますSDGsの取り組みにつながってくるのではないかと思っておりますが、お話ししましたように、養父市はしっかりとそういうことを踏まえながら、自然の中でどう人が自然と調和しながら、仲良く生きれる、そういうことを追い求めていきたい、そういう環境づくり、社会づくりをしていきたいと考えているところであります。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 初めに、今回の事故の概要と、行政はどのような対応を行ったのかについてお尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 井上まち整備部次長◯まち整備部次長(井上  武) 今回の事故のことについて、経過を御説明させていただきたいと思います。  現場、御存じのとおり、上流のほうで、普通河川で、市の管理する普通河川ではありましたが、そこが砂防指定地内に入っておりましたので、工事の実施の申請等につきましては、市を通して県土木が許可をするというものでございました。事故発生の通報を受けまして、県に進達した控えの書類を取りあえず確認しまして、担当のほうを現場へ派遣しました。警察、それから県、環境推進課の職員とともに、現場等の確認を実施して、そのうちにその現場が、ちょっと申請と異なる工法での実施をされていたということが判明いたしました。それで、コンクリートが流れて、先ほどおっしゃられたとおり、アルカリ値が上がって、魚がへい死したということでございます。それを受けまして、私ども県のほうにも相談し、指導を受けながら、公事業者に対しまして、流出して底に残ったコンクリートをかきまぜないように、かきまぜるとまたアルカリが出てくるということですので、バキュームで清掃する指示、それからへい死した魚の回収、清掃と、これらの作業の報告書の提出を指示したところでございます。  次の日になりまして、県の環境課の職員と環境推進課とともに、また現場から、下流のほうから簡易ではありますが、pHの検査、調査に同行いたしまして、どこも中性に近かったということで調査を終わっております。その後、再度業者に清掃、それからへい死の回収等の指示をいたしました。  というのが、今回の対応でございます。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 今回の事故は、地元住民から、魚が大量に死んでいるとの連絡から発覚したものです。へい死と呼ばれる状態で、魚の死骸が浮いていたり、川底のたまりに集まって沈んでいる状態です。魚がへい死する原因は、今回のアルカリ成分によるものから、農薬や化学物質によるものなど多岐にわたります。早期に原因を突きとめ、対応することが被害を食いとめ、環境保全と周辺住民の安心につながります。  お尋ねします。今回の事例を踏まえ、魚類のへい死が発生した場合の早期の原因究明や周辺住民への周知など、手順を定めたマニュアルの策定も環境保全に有効であると考えますが、いかがでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) 環境全般の御質問ということで、私のほうから説明をさせていただきます。養父市内の流域、円山川水系に関しましては、平成6年から円山川を美しくする協議会というものが立ち上がっております。これは、関係機関、県でありますとか国交省の地方整備局、関係自治体、または関係団体、農協でありますとか、食品衛生協会でありますとか、漁協様、こういった方々を構成員とします協議会をつくってございまして、その中で、まさしくこのような事案、異常水質の事故対策の実施体制の整備に関することということで、規約や詳細のマニュアル的なルールを定めております。今回も、この事案が発生したときには、このルールに基づきまして、適切に対応してきたものというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 養父市の豊かな自然は、虫や魚、水草など、たくさんの動植物、そして周辺住民の手によって守られています。その自然は、養父市で生まれた子供たちや住民、移住者にとっても大きな魅力であり、心のよりどころとなっています。地元漁連の皆さんが、こども園とも一緒に行ってきた魚の放流事業や、自然を大切にし育んでこられた住民の長年の積み重ねを思い、大量の魚がたまりに沈む光景や打ち上げられた稚魚、変色した死骸を手にし、惨状にいたたまれなくなります。住民の方が独自に調査し、数万匹の魚の死骸を確認され、その被害は下流数キロに及んでいたことに、強い憤りを感じるとの声も聞きました。また、明延川で子供のころにしか見られなかったような魚を近年、家の裏の川石の下に発見し、うれしかったとの声も耳にしております。魚がたくさん死んでいるという連絡の裏に、声にならない住民の思いや、弱くなりつつある地域の現実があるとすれば、行政の立場でくみ取り、親身に対応することが必要であり、自然を守り、魅力とする養父市らしい行政の姿ではないかと感じます。  先ほど、養父市も加入しております円山川を美しくする協議会、こちらのほうのマニュアルにのっとりまして、連絡等を行ったということであります。そのマニュアルも確認させていただきましたが、やはり行政的に人体に影響がない範囲でありますとか、関係機関に連絡をするというところにとどまっており、また養父市の対応としましても、pHで確認して、それは人体には影響がないというところまでであります。私の思いとしましては、豊かな自然を魅力と位置づけ、守り育んでいく養父市として、積極的、具体的な環境保全に一歩踏み込むことで、市として養父市の自然を守っていく行政の姿勢を示し、住民の思いに寄り添うことができるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) 御質問をいただきました。恐らく御質問としては、条例をつくったり、計画をつくったりだけじゃなくて、積極的、具体的に環境保全に取り組むということで、住民の方が安心したり、親身になって協力してくれてありがとうという感情を持たれるんじゃないですかという御質問かと思います。私どもも限られたマンパワーの中で、いろいろな事業をやっていく中で、計画策定のみならず、もちろん事業も実施してございますし、いろいろな先ほど例に挙げられました幼稚園児がアユなりの解禁の前に放流をやる際には、私どもも非常に少額ながら支援もさせていただきながら、そういったイベントにも必ず顔を出したりもしてございます。私、国から来ている立場から申し上げますと、非常にやはり地域密着で行政をやられているなというのは、いろんなところで感じておりますし、それはもちろん環境保全という意味で、いろいろな取り組みを環境保全の面においても、地域住民と。市の職員も行政マンであり、地域住民であり、養父市が好きだからこそ、ある意味戻ってきて市の職員になったということですから、その養父市のよさを最大限に引き上げようというんでしょうか、最大限にしようという取り組みは、これはプライベート、オフィシャルいずれの場面も取り組んでいるものと思います。  御質問の答えになっているかどうかわかりませんけれども、今後ともそういった環境保全には常に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 養父市の自然を守ることは、同時に養父市に暮らす価値を守るものであると考えます。被害を受けた生態系は、自然の力で少しずつ戻っていきますが、住みなれた地元に対する愛着や、残念に思う住民を支えていくのも、行政の役割の一つではないかと感じております。養父市独自では、魚のへい死マニュアル等は作成されておりませんので、もしマニュアルを作成される際には、そのような地域住民の思いをくんだような養父市独自のマニュアルが必要ではないかなというふうに感じております。  次の質問に移ります。同じく、あけのべ自然学校の施設に、鉱山学習館があります。鉱山の採掘当時の様子を映像で見たり、採掘に使用する機械などが展示してあり、坑道探検に入る際に、毎回使用する施設です。明延区の努力や日本遺産認定の効果もあり、探検坑道の来場者は、平成27年の約3,800人から昨年度の約6,500人と、大きく増加しております。その鉱山学習館の裏山の地滑りにより大型の水路が崩壊し、建物の基礎の下が大きく掘られ、縦2メートル、横7メートルにわたり、高さにして2.3メートル、宙に浮いた状態になっています。初めの被災は数年前でありますが、大雨のたびに流され、浸食が進行しています。現在は、応急処置で設置された大型土のうが昨年の7月豪雨で流され、その後は仮復旧もなされずに被害を受けた状態のまま放置されています。  お尋ねします。あけのべ自然学校の鉱山学習館裏の水路の崩壊について、市はどのように考えているのか。また、復旧の予定は立っているのかについてお尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 加藤まち整備部長◯まち整備部長(加藤  忠) 明延鉱山学習館の横の水路につきましては、明延鉱山創業時におきまして、三菱金属工業におきまして整備されているものと確認いたしております。この水路につきましては、整備後の経年劣化や近年の台風などによりまして発災をしておりますが、河川などの公共土木災害復旧事業の対象にならないことであります。これまでは、鉱山学習館を保護する観点から、土のうを積むなどして応急的な対応をしてまいりました。しかし、昨年7月の豪雨などによりまして、さらに水路の倒壊やのり面の崩壊が進みました。鉱山学習館の基礎部が、議員おっしゃられたとおり、大きくえぐられてしまっている状況でございます。これには、基礎部を支柱などで支えるなどの工法で、建物自体を補強することが大事ではないかと考えております。  市内の災害復旧状況につきましては、市民生活に関係する箇所などを重点的に順次整備しております。今後は、この建物を所管します部署とも協議しながら、水路部分の復旧を主体とした工事を、市の単独予算にて発注し、今年度中に完成するように計画していきたいと考えております。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 市民の暮らしに関する部分を優先するのは当然ではありますが、この箇所は、最初の被災は5年以上前になります。それから、何度も仮復旧の段階で放置されることによりまして、その浸食が進んでいるということであります。現在は、7月豪雨によって崩壊した状態のまま、先ほど言われた建物の保護もなされない状態で今、ずっと1年以上たっている状態であります。このように年度内にできなかった分は、次年度には早期に復旧すべきではないかと考えます。例年、入札の結果により多額の予算が余りますが、翌年度に繰り越されないことで、基金や繰り上げ償還に回っています。次年度、新たに財源を確保することが難しく、後回しになってしまっているのではないかと感じます。復旧がおくれることで被害も拡大しており、建物への被害につながれば、さらに復旧が困難になることも予測されます。  お尋ねします。年度内に行えなかった事業は、入札減による不用額を財源として、次年度に優先して処置し、以降に積み残さない仕組みが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 加藤まち整備部長◯まち整備部長(加藤  忠) 年度内に発注できない事業につきましては、どうしても実施しなければならない事業につきましては、その予算を繰り越すことによって予算を確保して、事業を執行するというのが現在の仕組みとなっております。今回の明延の工事につきましても、昨年度の予算を今年度に繰り越して確実に執行するという繰り越しの予算の仕組みをしっかりと使った事業になっておりますので、今後ともどうしても必要な事業につきましては、予算を繰り越してするということを基本に実施していきたいと思っております。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 今回は繰越明許で今年度に上げて、早期の復旧を図るということでありますが、今回のこの箇所以外にも同様に、年度内にできなかった分で繰り越されている事業等もたくさんあると見受けられます。これは、先ほどの自然環境に関する質問でも述べましたが、市民の視点に立った行政の対応が行われているかが大切であると考えます。過疎、高齢化が進む明延地域において、住民の願いや努力から、多くの人が訪れる地域になっています。この被災箇所は、坑道探検に向かう際に大変よく目につく場所であり、産業遺産で、地元の象徴でもある鉱山に来てくれる人を迎えるに当たり、市にお願いしているけども、直してもらえないと説明することは、とても残念なことであると感じます。そのような地域住民の心情を感じてもらえる行政であってほしいと思いますし、現場の職員さんは、お一人お一人は親身に取り組んでおられますので、住民の声に応えられる行政の仕組みや体制を整備してほしいと思いますが、いかがでしょうか。当局の考えをお尋ねし、次の質問に移りたいと思います。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 我々市政運営を行う上での視点は、絶えず市民を基点したということで、市民の立場で行っているところであります。今回の災害復旧でありますが、先ほど部長も申し上げましたように、市としてもしっかり対応しているというところでございます。地域の方々から議員のほうにどういう形でそういう情報が伝わっているのかもわかりませんが、しっかりと市のほうとしても予算を確保しながら対応していく、そして、昨年7月豪雨、特に災害の件数も多かったということもありますので、市民の生活にまず密着した部分から進めているということで、この部分の現場についても、それら緊急度から見まして順次整備していくという位置づけにあるということですので、しっかりと整備していくということであります。体制的には限られた人数であるとかスタッフの中で、体制の中でやっておりますので、しっかりとやっていると私は考えております。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 次の質問に移ります。次に、不妊治療についてお尋ねいたします。国の報告によると、5.5組に1組の夫婦が不妊の検査や治療を受けたことがある、または現在受けている現状であり、子供のいない夫婦では3割弱が治療を受けておられます。また、2016年に全国で生まれた赤ちゃんの18人に1人が、体外受精など、いわゆる特定不妊治療により誕生しています。その人数は過去最多を更新しており、その割合は2000年の97人に1人と比べ、10数年で急速にふえたことになります。また、統計にあらわれない人工授精などの一般不妊治療を合わせると、その人数はさらに多くなります。  初めに、養父市の不妊治療に関する現状を、市はどのように把握しているのかをお尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 不妊治療の関係の御質問でございますが、養父市におきましては、妊娠届け出時に問診の中に、不妊治療の経験などをお尋ねする項目がございます。そうしたことから、養父市におけます実数を把握しているという状況でございます。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 確認ですけど、妊娠届け出時、出産届け出時でしょうか。妊娠届け出時。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 妊娠届け出時でございます。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) その中で、養父市全体の不妊治療に関する現状というのは、どのように把握しておられますでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 養父市におきましても、特定不妊治療の経費の助成の制度を独自で設けていることもございまして、また昨今の国の制度におきましても、こういった部分の助成制度がつくられているというようなことから、養父市におきましても、増加の傾向にはございます。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 養父市が行っている特定不妊治療に対する助成制度について、概要をお尋ねいたします。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 市が行っております特定不妊治療の助成事業の件でございますが、いろいろと要件はございますけれども、例えば具体的に申し上げますと、養父市内に住所を有しておられる方で、法律上の婚姻をされている御夫婦ですとか、夫婦合算しました前年度の所得が730万円未満であることなど幾つか項目がございますが、こういった要件をかなえておられる方々につきましては、その経費を上限45万円までということで助成をするというところでございます。また、この助成につきましても、当然ながら兵庫県のほうでも助成の制度を持っておりますが、それを範囲内で超える部分ということで、私どもとしましては、45万円という県下でも一番高い助成額ということで、制度を設けているというところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 国の指針によりまして、兵庫県が行う特定不妊治療の助成制度に加え、個人負担分の助成、さらには県の制度の対象外となる年齢でありますとか、回数の制限を超えた部分に関しても、養父市は独自の助成制度を設けております。県の統計によりますと、特定不妊治療費助成事業の助成件数を人口比率で比較してみますと、都会と比べて但馬の割合は高くなっています。高齢化率の違いや収入の違いの影響により多少の変動を生じますが、総じて、子供を授かりたいと願う夫婦や女性の割合は但馬のほうが高い結果であり、その動向は合計特殊出生率が高いことにもあらわれております。大変喜ばしいことではありますが、それだけ困っている方が多いのが現状であると感じております。  養父市においても、悩みを抱える夫婦は増加しており、治療を行っている方も多くありますが、皆さん、京阪神や姫路方面に出向いて受診、治療することが当たり前になっております。人工授精、体外受精等を行える医療機関が但馬にはないので仕方のないことではありますが、1回の診察を受けるにも、但馬、養父市からでは1日仕事であり、都会のように数時間の合間に受診することはできません。交通費など、助成制度の対象とならない費用を含め、都会と比べて大きな負担を強いられている現状があります。また、治療の特性上、何度も受診する必要があり、妊娠に至らなかった場合はその繰り返しとなります。  お尋ねします。人工授精、体外受精を行える施設が但馬にないことで、養父市民、但馬では大きな負担を強いられている現状を踏まえ、行政はどのような取り組みを行っていくのか、お尋ねいたします。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 今、御質問にありました医療施設の関係でございますが、まず私ども市が持っております治療費の助成事業、あるいは県が行っております治療費の助成事業、これもいずれにしましても、県が指定をしました医療機関で受診をしていただくということが前提となっております。当然ながら、専門医のおられる医療機関ということにはなっておりますが、そうしたことから、この但馬の地域におきましては、県が指定をしました医療機関というものは、現実に現在のところないという状況でございます。今、議員の御質問の中にもありましたように、養父市民のそうした治療を行っている御夫婦におかれましては、大半が京阪神の医療機関で治療は行っておられるという現状でございます。私どもとしましても、やはり近い但馬のエリアの中にそうした医療機関があれば、それは御負担も軽減されるであろうということは重々承知しておりますが、現実にないというようなことから、こういった部分の経済的な負担というようなことも含めまして、私どもとしましては、治療費の助成の上限額を45万円ということで、県下で一番高い額を設定しているということで取り組みを行わせていただいているというところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) この県の特定不妊治療の助成の対象となるもの以外に、人工授精などの一般不妊治療についても同様の課題があります。1回の治療でも数回の受診が必要で、養父市、但馬においては、治療費よりも交通費のほうが高くかかる現状であります。助成の対象とならない一般不妊治療についてはいかがでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 一般不妊治療、この部分につきましても、私どものほうでは現在、その助成制度を持ち合わせておりません。県下の中では幾つかの自治体で取り組みをなされておられるという部分もございますが、いわゆるそこのそういった自治体におきましては、特定不妊治療の助成額も低いというような現状もございますし、私たちは、バランスを見ながら、こういった部分も取り組みを強化していくかどうかを判断していきたいというふうに考えております。  いずれにしましても、望まれておられる御夫婦につきましては、できる限りの支援はしていきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 私の見たところによりますと、医療機関により多少の誤差はありますが、治療により生まれる子供の約2割は、この一般不妊治療によって生まれているというデータもあります。それだけ、ある一定数が特定不妊治療に至らないまでに一般不妊治療において生まれているという現状があると見受けられます。このように、同じ兵庫県内でも、不妊治療に係る南北の格差は歴然であり、県にも働きかけてはまいりますが、養父市、但馬からそのような実情を訴えていく必要があると感じております。  もう1点は、仕事と治療の両立の難しさがあります。働きながら治療を行う約5,500人を対象としたアンケートによると、その96%が両立は難しいと答えておられます。その理由は、通院の予定を立てることが難しく、急に仕事を休む必要がある、会議や出張など大切な予定を入れられない、保育士など、ほかの人に代替が難しい職務内容である、中には、不妊のことを職場で言いづらい、また周りに迷惑をかけるのが心苦しいなどの意見が多くありました。また、そのうち2割の方が両立が難しく、退職せざるを得なかったと答えておられます。女性の社会参画や女性活躍社会が叫ばれますが、こと不妊に関しては、女性が職場に伝えづらい、上司や同僚の理解を得られにくいことから表面化せず、さまざまな体制整備がおくれているのが現状ではないかと考えられ、昨年には厚生労働省からも、仕事と不妊治療の両立支援に関する周知の依頼がなされております。  お尋ねします。治療の特性を踏まえて、仕事量や予定を配慮するなど、働きながら治療に取り組める仕組みづくりが必要であると考えますが、いかがでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 確かに、今、議員御質問がありましたように、その仕組みは必要と感じております。まず、不妊の治療についてでございますけれども、この不妊の原因というのは、男性、女性にかかわらず、どちらに原因があるかというようなことは非常に難しい状況でございます。それぞれ御夫婦そろって診察日に診察を受け、受診に行くというようなケースもございましたら、どちらか一方だけの診察ということもございますし、また不妊の一般的な不妊治療と言われるものによりましては、例えばタイミングを合わせるだとか、あるいな内服薬で治療を行っていくというようなものであったりや、注射なり、そういった治療の方法がさまざま考えられるところであります。特に、今、御質問がありましたように、タイミングなどを図る必要性がある場合には、ある程度予測はされておられても、急遽あす、あさってというようなことになるケースがあることも、十分私どもも認識はしておるところでございます。そうしたことから、アンケートの結果の中にもありましたように、業務上の予定が立てにくい、あるいは一度の治療で妊娠に結びつくということも限らないわけでございまして、複数回治療に向かわなければならないというような事案があることも、重々承知はしているところでございます。  こうしたことから、私どもも市としましても、働きやすい環境づくり、あるいは市の職員も含めまして、福利厚生制度の充実ですとか、職場におけるそういった不妊治療への理解を求めていくことは必要であろうと考えておりますので、今後、市としましても、市内企業、あるいは地域の皆様、市民の皆様、そういったお力を借りながら、そうした風土づくりに努めていかなければならないと考えております。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 先ほど申し上げました厚生労働省からの仕事と不妊治療の両立支援のためにというパンフレットでありますとか、仕事、働きながら治療を行える不妊治療の連絡カード等を厚労省のほうで作成され、活用を図ることの依頼がなされておりますが、そのような依頼、不妊治療連絡カード等を一般の事業者さんでありますとかに啓発のチラシを配布して、協力を求めるようなことは考えておられませんでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 厚労省のほうから、そうしたカードなりが出ていることは承知しております。しかしながら、これもいろいろといきなりということにはなかなか結びつかない部分がございますでしょうし、私どもとしましても、機会を捉えながら、こういった部分の啓発は行ってまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 先ほど仕事をかわってもらうことが難しい職種として保育士さんが上がっておりましたが、公的な仕事に携わる公務員さん、市の職員さん全般におかれましても、急に休むことができにくい職種であると思います。市役所において、仕事との両立の現状はどうでしょうか、お尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 今回、不妊治療という観点からの御質問でございますが、特に、緊急的に職員が休暇をとらなければならないというようなことは、今回の不妊治療にかかわらず、いろんな場面が想定されると考えます。そうしたことから、市におきましては、1人の担当者が何らかの事由で急遽欠けた状態でありましても、それらがカバーできるというような体制づくりには努めているというところでございますが、しかしながら、地域におけます企業におかれまして、そういった状況がとられておるかと、可能かということになりますと、またそれぞれ個々の事情があろうかとも考えます。また、市の職員におきましては、地方公務員法というような法の中での勤務条件なども定められているというようなことから、当然ながら、休暇などは制度上も認められておるところでございますし、各種の制度が休暇制度もあるという状況でございます。地域におかれましては、当然ながら雇用の関係にありますと、それぞれの各種法令がございますので、そういった中での運用がなされておるというふうにも理解をしておりますし、それに努めていただきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 通常の有給休暇でありますとか、それらのもので対応していくということでありますが、こと不妊治療というものの特性を先ほど言われました。タイミング法だけではなく、通常の特定不妊治療に関しましても、大変日程でありますとかは決めづらい状態であり、不妊に関することは特別な事情で、ほかとはちょっと違う内容であらわれてくることがあり、また一般の企業におきましても、これに関する特別な扱いでありますとか、特別な制度をつくっているところはまだ少ない状況があります。まずは、市役所から率先して取り組み、民間企業とも連携し、みんなで応援できる雰囲気と当事者の迷惑をかけて心苦しい、また上司、同僚の急に休まれて困った、そんな思いをどちらもしなくて済むような仕組みづくりが必要ではないかと考えます。また、不妊治療という名前から、従来の考え方から、後ろ向きなイメージを持たれがちなことで、夫婦が積極的な行動をためらう傾向があると感じております。不妊に関する現状を周囲が正しく認識することが必要ではないかと考えます。  1つに、不妊の要因は、男性側だけに要因がある場合が24%、男女ともに要因がある場合を含めて、約半分が男性側にも要因があるとされていますので、女性だけの要因ではないこと、また1つに、晩婚化と出産年齢の高齢化の進む現代において、子供を授かりたいと願っても、成立しにくい夫婦は多くあり、何か要因があって治療を行っている方ばかりではないことなどです。先ほど、部長のほうからもお話がありました、この不妊治療を行っていることを職場や周囲に伝えにくいという現状は、その当事者の問題ではなく、周囲の認識と理解によって改善されるべき問題であると感じています。子供を授かりたいと願う夫婦をみんなで応援する、そのような機運を高めることで、不妊に悩む夫婦が前向きに頑張れるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 最近もいろんな大手の新聞等でも不妊の治療についての記事等が多く出されているところであります。それらを読むにつれて、なかなか大変なことだなという思いはいたしているところであります。それらの大変さをどう克服していくのか、そういうことで、養父市では、とりあえず今、金銭的な部分ではしっかりと支援していこうということで、部長も言っておりましたように、私は県内で最もすぐれた制度だろうと思っております、そういうことを行っている。それらの効果も少しずつ出つつあると考えているところであります。我々が目指したいのは、不妊治療の方のお話での質問ですが、そちらのほうに、今、問題は集中しておりますが、不妊治療の方も含めまして、それから、身体、精神等のいろんな障がいを持っておられる方々も含めまして、社会の中でやはり生きづらさを感じておられる方々、そういう方々がやはり安心してといいますか、生活していける、生きていけれるような、自信を持って生きていけれるようなそういう社会環境づくりを、これは市民の皆様方、一人一人の御理解をいただきながら、我々も頑張りますが、市民の皆さん方、一緒につくっていく必要があるのではないかと考えているところでございます。そういう社会づくりに向けて、しっかりと努力していきたいと考えております。  あとは部長のほうで。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 私どもとしましても、ただいま市長が申しましたように、この不妊治療の方々のみならず、あらゆる方々が生活しやすく、地域に溶け込んで活躍ができるというような地域社会をつくっていきたいと考えておりますので、またこの部分につきましても、行政のみならず、市長が申しましたように、地域全体として御協力いただきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) また、将来出産を迎える若い夫婦や女性においても、正しい知識をできるだけたくさん持っていただきたいと考えます。不妊症を自覚するのがおくれた方や、悩みながらも受診するまでに時間を要した方、また受診をためらった方の6割が、もっと早くに受診すればよかったと後悔されているとの報告もあり、将来、妊娠を希望される夫婦には、不妊についてまず知るきっかけや、早い段階で前もって検査を受ける機会を持っていただきたいと考えます。  お尋ねします。婚姻届を提出された夫婦に、不妊に関する啓発や不妊検査の助成制度なども有効であると考えますが、いかがでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 今、御質問の中にありましたように、養父市におきましては、婚姻の届け出時に、特別に何か助成制度がありますよというような周知は行ってはおりませんが、制度を知らずに取り組みがおくれたということがないようには、そういった部分は有効かなとは考えておりますが、このあたり、非常に個人的な思いでありますとか、またその方々が取り巻かれておられる家族環境、あるいは労働環境、こういったことも踏まえながら、そういった部分については慎重に取り扱っていきたいというふうに考えます。 ◯議長(深澤  巧) 8番、谷垣満議員。 ◯議員(8番 谷垣  満) 以上で質問は終わりますが、治療を行う女性は、大変に大きな負担を心と体に伴われており、そっとしておいてほしいと感じておられる方がいることも、また現実であります。また、同じ女性として、これから結婚や出産を迎える方に、同じ思いや痛みを経験してほしくないと言ってくださる方もおられます。当事者の女性は、仕事との両立、家庭との両立、周囲への気遣いなど、本当に頑張っておられます。不妊を取り巻く現状を変えるために、頑張らなくてはいけないのは周囲であると感じます。パートナーや同僚や上司、政治家や行政など、子供を授かりたいと願う夫婦をみんなで応援するには、周囲の正しい認識と理解を深めていくことが必要です。どの赤ちゃんを見ても、我が子のようにほほえましく感じるように、不妊に悩みながらも前向きに頑張る夫婦を他人事と捉えず、応援できるまち、また子供を授かりたいという願いがかなった人やかない得なかった人、その痛みや苦しみも含めて、理解し合えるまちはすばらしいと考えます。市長の見解をお尋ねしまして、私の一般質問を終わります。
    ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 我々も今、御質問ありましたような思いで市政運営をしっかりと行っているというところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 以上で、8番、谷垣満議員の一般質問は終了しました。  暫時休憩します。                  午前10時26分休憩        ──────────────────────────────                  午前10時39分再開 ◯議長(深澤  巧) 再開します。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。  6番、田路之雄議員の発言を許します。  6番、田路之雄議員。 ◯議員(6番 田路 之雄) 皆さん、おはようございます。6番議員、田路之雄です。議長より一般質問の許可を得ましたので、通告書に従って質問いたします。  まず、佐賀県を中心とした九州北部の豪雨、そしてまた台風15号の強風で家屋等が被害に遭われ、今なお停電や断水の続く千葉県の被災者の皆様にお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられました皆様方の御冥福をお祈りいたします。  今回の私の質問は2項目で、1項目は、養父市における有機農業への挑戦について、2項目めは、県が本年8月29日に更新した1,000年に一度の雨についてであります。  まず1点目の養父市における有機農業への挑戦についてを質問いたします。この項目は、昨日、同僚議員の質問と重なってしまう部分があると思いますが、よろしくお願いいたします。養父市は、人口減少と高齢化の進行、農業の担い手不足と耕作放棄地の増加などを課題として、平成26年3月28日に、第4回国家戦略特区諮問会議において、国家戦略特別区域の指定を受けました。指定から5年数カ月を経過し、山間でも農業を継続させ、滅びない地域を確立するために、中山間地農業改革に向けてさまざまな規制改革を実践してまいりました。全国一律の政策では養父市は滅びてしまう。人口2万4,000人足らずの小さなまち養父市の将来予測では、このままだと75年後には人口がゼロになるなどの強い思いで、特区指定を手探り寄せ、特区の取り組みがすなわち、養父市の地方創生と位置づけした5年間の成果と、今後の展望について、市長のお考えをお聞かせください。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 6番議員、田路之雄議員の御質問にお答えいたしたいと思います。  国家戦略特区の地区指定を受けて5年が経過して今、6年目に入ってきておりますが、その成果と展望についてということであります。昨日も同趣旨の御質問があり、答弁したところでございます。繰り返しになろうかと思いますので、少し要約してお答えをさせていただきたいと思います。養父市は中山間地域ということで、営農上、条件が余りよろしくない。経営規模がまず小さいというようなこと、それから段差等があって、営農といいますか、合理化がなかなか図りにくいところがあるというようなことであります。そういうような中でも、地域の営農者、農業者は、先人から引き継いだ農地をしっかりと守って豊かな村づくり、地域づくりをやってこられた。そしてそこで、養父市の生活や文化が育まれてきたということであります。経済的、物質的にはさほど豊かでなかったかもわかりませんが、暮らす人々の心は非常に豊かであっただろうと思っております。これが私は養父市の原点であろうと思っております。  現状を見てみますと、経営的に農業を考えた場合、やはり経営規模が小さい、それから収益性も余り高くないというような中で、後継者、担い手、若手の後継者がだんだんいなくなってきていることが事実であります。現在、農業を担っていただいております担い手も高齢化してきているということであります。我々はこの現状を踏まえた上で、過去数十年、この現状を打破して、農業の振興をしっかりやっていこうと努力はしてきました。基盤整備をやったりとか、いろんな営農のあり方を検討してみたりとか、国が示します農業振興施策をしっかりと取り組んでみたりと、いろいろやってきましたが、その成果は見られない。相変わらず農業の衰退が目に見えてくるようになってきたということであります。そのような中で、今の農業制度の中では努力しても、ひょっとしたら養父市の農業は守れないのではないかというようなことから、少し今の制度を見直していただきたい、養父市の経営規模が小さい、そして、条件が余りよろしくない、担い手が高齢化して後継者がいない、こういうような状況を考えた、これをやはり解決していくために、今の国の農政制度を少し、養父市の課題解決に向けて取り組みやすいような方向にしてください、制度を変えてください、これが養父市の国家戦略特区の趣旨であります。  これらを受けまして、農業関係のいろんな改革をやってきました。今の農業制度ができましたのが第2次世界大戦以降、自作農の創出というようなところから始まりまして、土地所有制度を根本的に変えてきた、それらが今の制度でありますが、制度ができまして70年近く、ずっと変わってきておりませんでしたので、これらをしっかり変えていこうということで、そういう意味から言うならば、農業においての、ある意味、よりこれから農業を発展する、近代的な農業をつくり上げていく、それから、未来に向かっての農業をつくり上げていくという意味では、従来の制度を根本から見直すという意味では、革命的なことを今、養父市では取り組んでいるということであります。  それらの成果は、規制改革とともに、昨日来の議論の中でお聞きいただいていると思いますが、少しずつ成果を見出しつつあるということであります。耕作放棄地の解消であるとか、それから、農業の6次産業化であるとか、地域のいわゆる農産物のブランド化であるとか、それから、農業とその他の産業の融合によります新しい産業の創出であるとか、いろんなところで効果が出てきつつあるということであります。これは、我々が目指しております農業の担い手として、多様な担い手をしっかりと確保していく、その目的、その効果が出つつあるということでございます。  そういうようなことで、農業に関してやっておりますが、国家戦略特区は、農業だけではなしに、全ての規制緩和に関して我々は提案することができるということで、農業以外の養父市が置かれておる、市民が置かれて、市民の生活が置かれている現状を鑑みるときに、例えば、過疎化が進む中での医療、それから服薬、それから過疎化が進み、高齢化が進む中での移動手段、交通弱者と言われる方々の移動手段の新たな確保であるとか、いろんな意味で展開をしているところであります。これらも少しずつ成果を見せつつあるということであります。  今後でありますが、ベースとします農業をしっかりと守りながら、なおかつこれに、今の時代は情報通信、超情報通信社会ということが言われておりますので、超情報通信社会、そういう技術をしっかり取り入れて、そして、また人工頭脳、AIと言われておりますが、これらも随分日進月歩で進んできておりますので、農業であるとか、それから、農業農村の生活の中に、これらをしっかりと取り組むことによって豊かな幸せな社会づくりをしていく、そういうようなことを特区の中で成し遂げていきたいと考えているところであります。  養父市の特区のこの5年間の成果と今後における展望ということで、概要でございますが、お話をさせていただきました。  以降、詳細なことにつきましては、また担当部長のほうから答弁をさせていただきたいと思います。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田国家戦略特区・地方創生担当部長。 ◯国家戦略特区・地方創生担当部長(鶴田 晋也) 細かい数字はいろいろございますけれども、幾つかの数字を上げて特区の成果の部分について御説明をさせていただきます。  議員御存じのとおり、13の事業者が立ち上がりまして、営農を市内で展開していただいております。営農面積で申し上げますと、46ヘクタールほどの農地を活用しながら、いろいろな方向で営農を実施していただいております。そのうちの約半分近くの農地については、耕作放棄地であったり、休耕地であったり、そういったことを再生させた上で利用していただいているということで、昨日も、荒廃農地の御説明をさせていただきましたけれども、ここ数年、それらの伸びといいましょうか、耕作放棄地の拡大が何とか抑えられている。縮小とまではなかなか行きませんが、そういったことはもちろん農業委員さんの頑張りもございますけれども、そういった特区の事業者さんが入っていただいたことの効果も大きいというふうに考えてございます。  また一方で雇用につきましても、順調に雇用も伸びてございます。現時点では、80名以上の雇用、そのうち、正社員の方も少しずつふえてきたということで、非常に喜ばしい状況だというふうに考えてございます。  また、売り上げについても昨年度は営農が始まって3年から4年目ということで、ある程度ノウハウも各事業者さんが身についてきたこと、また大規模な施設園芸の施設ができたこともありまして、2億円近い売り上げを、生産額を出しているというような状況で、農業に関する特区の事業者さんは、いろいろな課題は当然ございますけれども、順調に事業展開をしていただいてございます。  また、やぶくるであるとか、遠隔服薬指導等の新しい試みについても、すぐにはなかなか市民の方には受け入れられていただけない部分もあるかもしれないんですが、悪いところは少しずつ改良も加えながら、息の長い取り組みとしてしっかり対応していきたいと思います。  簡単ではございますが、私のほうからの説明とさせていただきます。 ◯議長(深澤  巧) 6番、田路之雄議員。 ◯議員(6番 田路 之雄) 5年間の成果と今後の展望についての市長並びに部長から、昨日に続いて説明いただきました。  本年3月10日、養父市政15年記念式典と国家戦略特区シンポジウムが、市内外からの多くの招待者をお招きして、盛大に開催されました。その中で市長は、今後も国家戦略特区による地方創生を力強く進めていくとの説明がありました。市内各地では、地域に根差した法人による営農が本格化しており、8社の農業生産法人の要件緩和を活用した、設立した法人と5社の企業による農地取得の特例を活用した法人、合計13社が特区制度を活用して、市内で営農をしております。  しかし一方、市内の大屋町では、2011年4月に開校の大屋町の住民でつくる大屋村役場の会が運営するおおや有機農業の学校があり、この学校では、神戸大学名誉教授の保田茂先生から、家庭菜園などで農薬や化学肥料を使わない農法を学んでおられます。大屋村役場の会は、2016年度には環境保全型農業推進コンクールで、近畿農政局長までを受賞されています。また、おおや高原有機野菜部会も、中山間地における有機野菜産地づくりと、地域活性化の取り組みが高く評価され、2000年、平成12年に、農林水産祭で天皇杯を受賞されるなど、全国的によく知られております。両団体とも、いわゆる養父市の有機農業のパイオニアであります。約30年前から活動しているおおや有機農業のこのすばらしい取り組みについて、当局はどのように認識されておりますか、お尋ねいたします。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) おおや高原の有機農業、非常に頑張っていただいております。今、昨年度、近年におきましても、新規就農者が2名入っていただいて、30年近くたっておりますので、30年以上たっておりますので、世代交代の時代も来ておりますけれども、順調にそういった意味では世代交代が果たせているのではないかなというふうに考えてございます。何より、同僚議員の御質問にもお答えさせていただいたかと思うんですが、やはり有機農業をやりたいという方は非常に多いというふうに認識しておりますが、その場合に、なかなか売り先の問題、価格の問題がございますけれども、おおや高原につきましては、コープこうべさんという非常にしっかりとした川下が確保されているということで、入られた若いお二人の方も、安心して今、有機農業に取り組みをされているという状況でございます。先般、農業生産額の7.8%が有機農業であるという説明もさせていただきましたけれども、これの多くの部分は、やはりおおや高原の生産額が占めているということもございますし、今後とも養父市の有機農業の中心的な位置づけという意味で、しっかりとおおや高原の皆様方には頑張っていただきたいと思いますし、行政としても、しっかりと側面支援をしていきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 6番、田路之雄議員。 ◯議員(6番 田路 之雄) このすばらしいおおや有機農業の地道な努力の歴史が、全国的に認知され、先月8月31日に、有機農業研究者会議2019が市内大屋町において国、地方自治体、大学、民間組織において、有機農業に実際に取り組んでいる生産者、関係者が一堂に会して、研さんと情報交流の場として開催されました。私も今回の研究者会議に参加させていただきました。その中で、おおや有機農業の学校やおおや高原有機野菜部会の活動成果を聞かせていただきました。特別講演をされた神戸大学名誉教授の保田茂先生からは、母親の母乳から農薬が検出されたことが社会問題になったことが、食の安全を考える原点、いわゆる有機農業研究の契機となった、無農薬で農業をするのは難しいというのは理由にならない、食の安全、環境の保全が大切、次の世代に幸せを送ることが大切なんだなど、感銘深い講義を聞かせていただきました。このように、歴史あるおおや有機農業は、食の安全と環境保全を最大限に図りつつ、有機農業技術の確立をなされたものと思います。2006年に有機農業推進法が成立して10年以上が経過し、この法律によって、国が有機農業の推進に責任を持つことになり、それまでには変わり者がやっていると思われていた有機農業が、国の農政の中に確固とした地位を占めるようになりました。養父市としては今後、国家戦略農業特区も大きな市政の柱ですが、もう一方の柱として、今こそぜひとも、全市的に養父市有機農業まちづくり構想のプロジェクト事業を立ち上げ、特区の相乗効果と相まって、地方創生を力強く推し進めるべきではないでしょうか。その点について、市長に御答弁をお願いします。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 私も有機農業研究者大会に参加させていただき、養父市の有機農業の取り組み、国家戦略特区の取り組みについて御報告をさせていただきました。これからの時代の農業を語るときに、やはり有機農業と家族農業、これはやはり1つの大きなキーワードであろうと考えております。養父市は、国家戦略特区に取り組むことによって、先ほど申しましたように、日本の中山間地域の農業のあり方を変えていきたいという大きな1つの目標を定めて活動しております。そういう中での規制緩和ということで、それらについても着実に成し遂げて、成果が出つつあるということを申し上げましたが、実はこれらを実現していただくのはやはり農家であるということであります。農業者であるということであります。その多様な農業者として多様な農業の担い手ということを申し上げておりますが、多様な農業の担い手の、やはり中心になっていただくのは、何といっても、やはり現在、農業をやっていただいている皆さん方である。養父市の農家の皆さん方、まず頑張っていただく。そのことをしっかりと応援していく、これは大前提にあるということであります。ただ、その中でも現状を見ますと、高齢化が進んだり、また担い手も少ないというようなことで、だんだん衰退といいますか、衰退傾向にありますので、その方々にしっかりと応援していただくということで、企業であるとか、他から入っていただける新規就農であるとか、そういう方々にしっかりとサポートしていただく、連携していく、特に協働といいますか、パートナーシップを組みながらやっていくということであります。  そのまた農業の手法として、これからの時代の流れを見ますと、やはり有機農業ということは、非常に大切であろうと思っているところであります。今、世界の流れを見てみますと、有機ということが非常に言われておりますが、もう一歩進んで、やはり自然農業、自然農法というようなことも今、言われているところであります。グローバルなGギャップというようなことで、しっかりと位置づけをしながら、養父市の農業が日本の農業であるとともに、やはり世界の農業の水準、基準にしっかりとできるような農業をしていく、そのことがやはり養父市の農業の発展にもつながってくると考えておるところであります。有機農業の重要性。養父市は当然有機農業ということの大切さというのを十分理解しておりますので、合併して養父市になりました、そういう中で、大屋、非常に優秀な大屋堆肥というようなものも生産されております。それらをベースにしながら、また但馬牛、非常に多く飼育されておりますので、そういう但馬牛から排出されます堆肥、廃棄物を堆肥化したもの、それらを農地に還元していくというようなことで、非常に養父市ではそういういい循環ができる基礎がありますので、それらをしっかり使った循環型農業を推進していくための方向づけをしっかりする中で、循環型農業、環境保全型農業へ、有機農業というようなことで、市の農政の柱としても既に取り組んでいるというところでございますので、御理解を賜りたいと思います。しっかりとそういう方向で進めていきたいと思っております。 ◯議長(深澤  巧) 6番、田路之雄議員。 ◯議員(6番 田路 之雄) 次に、農福連携について質問いたします。兵庫県が本年7月から8月にかけて開いています農業者向け、農福連携研修会の第4回研修会が、8月22日に養父市にて開催されました。農業と福祉の双方が協力し合い、障がい者の活躍の場の創出や、農業の人手不足の解消などを目指す農福連携の取り組みが広がり始めています。一方、両者のマッチングや受け入れ体制の課題なども多いのが現状です。  この研修の先進モデルとして、おおや高原有機野菜部会の農家と、社会福祉法人さつき福祉会大屋作業所の農福連携の事例が、現地視察に選ばれました。私も、両者の仕事場に出向き、いろいろと話を聞かせていただきました。その農家では、30代、50代の2人の男性が収穫や肥料散布などの作業を担う仲間として活躍しています。週に2回、午前9時から午後5時までで作業に従事しており、事業所との関係は15年前から続き、これまでに9人が援農や実習などの形で農作業に携わってきました。そのうち1人は、他の業種にでも就労しています。両者にとって意義ある連携を実施されています。ハウスの中では、働きやすい環境づくりのために、作業と用語を簡素化し、いろいろと工夫されています。また、このおおや高原有機野菜部会の他の農家でも、2人の就労実習があり、さらに2人をふやす予定です。2人が通う就労継続支援B型事業所、たんぽぽワークの管理者は、農業にはさまざまな作業があるので、就労訓練の場として適している。工賃を得る喜びよりも、誰かの役に立っているという喜びや、人とのつながりの喜びのほうが大きいようだと話されており、農業経営者は今後就労実習から雇用も考えるとのことで、農福がうまく適切にマッチングしていて、人と人の融和ができています。そしてその融和によって、地域の新たな製造業、加工業、販売業、飲食業などのつながりも生まれてきています。  農福連携を通じ、養父市にある産業がうまく融合できれば、農福連携は福祉分野からの農業参入にとどまらず、市内中小零細企業の人材不足の解消にもつながり、また人口減少が進む中での新たな時代の持続可能な地方創生にもつながるのではないでしょうか。この点どうでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) 雇用という話ではなくて、実習として受け入れているというお話がございました。将来的には雇用という形もとりたいという事例を御紹介いただきました。私どもも、おおや高原のグッドプラクティスといいましょうか、優良事例については把握してございます。また、障がい者の雇用ではないですね。実習等という意味では、6次化支援センターでも一部行われたりもしていましたし、特区事業者も一時、そういった実習として受け入れられていた時期もあったというふうに認識してございます。いろいろなそういった対応には、いろいろな課題は幾つかあるやには聞いてございます。市長もよく申し上げておりますが、雇用者にとっても、事業者にとっても、障がい者にとっても、双方の我慢が、双方に少しずつないとなかなかうまくいかないというような面があるやには聞いていますけれども、先ほどもありました実習として受け入れて、作業のお手伝いをしてもらうということは、私、産業環境部の担当としては、農業者にとっても非常にありがたい、そこまで雇用する力がない事業者にとっても、非常に戦力となるというところもありますので、隣にいます小井塚部長ともしっかりと連携をとりながら、少しでも多くの事例ができるように、マッチング等を推進していきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 福祉の担当部のほうからの御答弁をさせていただきたいと思います。ただいまの御質問の中にもございましたように、現在、おおや高原のほうでは、お話のありましたように、お二人の方が就労継続支援B型ということで、実習的に入られております。私どもも福祉の担当部としましても、障がいの方のみならず、福祉無料職業紹介所アグウェルやぶというものも設置をしておりまして、こういった福祉部門と、それから農業、また他の部門との連携ということで取り組みを行っているというところでございます。現在、私どもの把握しているところで申し上げますと、このB型の実績としましては、市内で15事業所、約100人ほどがこの形で就労、あるいは実習的に取り組みをされていただいております。また、就労A型というのは、少し高度な部門ということになりますけれども、1事業所お一人というようなことで、養父市にお住まいの方がそれぞれ取り組みをされているというところでございます。今後も私どももこういったところで、自立に向けた支援に努めていきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 6番、田路之雄議員。 ◯議員(6番 田路 之雄) 農福連携もですが、調査に行かせていただいた農業経営者から、都会などで引きこもりなんかで悩んでいる方に養父市に来ていただいて、市内の第一学院学校などに入学していただいて、農業に関心があれば農業にも携わっていただき、農福学の連携も可能になるんではないかというようなことも言われております。  次に、2項目めに移ります。最大規模の降雨によって、河川等が氾濫した際の最悪の浸水ということで、県の想定、1,000年に一度の雨についてということが先日、新聞に出ました。兵庫県は8月29日に、県が管理する43水系の249河川について、1,000年に一度クラスの大雨がもたらす浸水想定をした1,000年に一度クラスの降雨は、1年の間に発生する確率が1,000分の1という想定で、円山川水系の八木川などの支流の浸水想定が新たに加わった想定区域図を見ると、もし八木川が氾濫すれば、養父市役所は浸水深3.3メートル、八鹿駅周辺は浸水深6.7メートル、最大浸水深は、豊岡市日高町の13.2メートルで、161時間にわたって浸水が続くと見込まれているという新聞報道がありました。私は突然の新聞報道に驚き、多くの市民からもそのような問い合わせがあり、災害は忘れたころにやってくるというのが災害であります。今後、当局として、この報道についてどう認識し、どう対応するのか、お聞かせください。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 兵庫県が1,000年に一度の降雨があった場合の浸水マップということで発表したということで、県内全域で大きな反響を呼んだところであります。これは、水防法という法律がありまして、その中で規定されております想定し得る最も危険な状況をしっかりと住民の皆さんに知らせなさいということがありますので、これに基づいて県は1,000分の1年の降雨ということで、算定したということであります。ただ、私自身、1,000年に一度の降雨というようなセンセーショナルな見出しでもって報道するべきかどうか。また、県もそれを発表するべきかどうか。1,000年に一度の意味がどういう意味があるのかというようなことをしっかりと考えて、本当に発表しているのかどうか、疑問に思っているところであります。これは、神戸の市長も何を根拠にこんなことをということで、コメントを発表されているところであります。これは神戸新聞に掲載されていた部分でありますが、私も全く同じ思いでありまして、ただ単にいたずらに住民、市民の不安をあおっているのではないかという思いがいたしているところであります。100分の1年と、1,000分の1年でどれだけ大きな違いがあるのだろう。100分の1年と500分の1年と1,000分の1年、どれほど大きな違いがあるのだろう。30分の1年と50分の1年と100分の1年と500分の1年と1,000分の1年、どれほど大きな違いがあるのであろう。しっかりと考えて県は発表したのかどうかということであります。  養父市の河川の整備は、河川整備の基準は、今、30分の1年の確率年の洪水を想定して河川整備がなされております。そしたら、1,000分の1年といったら、もう水浸し。まさしく水浸しであります。それでは、この庁舎の前、3.3メートル浸水するということが書いてありました。果たしてそういうことが起こり得るのかどうか。起こるとして、あるいは想定外ということは考えられません。やっぱり想定し得ることはしっかり想定して対応しなくてはいけませんが、河川整備は30分の1年でしかしていない。1,000分の1年が来たら当然水浸しになるのは当たり前です。1,000分の1年を発表するなら、1,000分の1年に対応できるような方法をしっかり考えて、1,000分の1年を発表してほしいと、私は考えております。ただいたずらに市民の不安をあおっているだけではないかという思いが。  ですから、ただ想定し得るいろんな大きな危険がありますので、これは、ハードではないけど、ソフトの面でしっかりと命を守りましょう、そういう意味でのそれぞれみんなで自分の命を守るために、しっかりと災害時には対応しましょう、そういう意味での意味は認めているところでありますが、しっかりとそういう記述もなしに、ただ単にこうなりますという発表がいいのかどうか。その辺は為政者として、もっとしっかりと県にはやっていただきたいと思います。  ちなみに、昨年、また後ほど危機管理監のほうから申し上げますが、7月豪雨で雨が降りました。あれが48時間、2日、累計で450ミリほど降りました。今まで既往最大と言われておりました伊勢湾台風であるとか、それ以降、平成2年の19号台風であるとか、それ以降の近年では、平成16年の台風23号、大体300ミリから320、330ミリというところであります。ですから、昨年の450ミリは、既往最大から見ても、極めて多くの雨が降っております。しかし、我々はしっかりと社会資本整備をやったり、それからソフトな対応もしてきた。市民の方々にもしっかり逃げていただかなくてはいけないというようなことをやってきた。その成果もありまして、450ミリ降りましたが、多くの被害はありましたが、致命的な被害はなかったということであります。  1,000分の1年の雨の量がどの程度なのか。これは、円山川水系でいいますと、48時間に505ミリであります。505ミリ。1,000分の1年、505ミリ。だから、100分の1年の降雨量で、1,000分の1年だったら10倍降るのかといったらそういうものではありません。過去のデータ、確率統計でありますから、倍々でふえていくものではないということであります。ですから、1,000分の1年の表現というようなことが果たしていいのかどうかということも考えなくてはいけないということであります。  ですから、昨年の降りました450ミリ、これはひょっとしたら統計的に言うと、100分の1年、500分の1年ぐらいに近い雨なのかもわからないということであります。それと、それらの雨が降ったときの堤防の決壊等の状況を想定して、最悪の状況が発表されたということでありますので、しっかりそれは社会資本の整備等やっておれば、そういうこともひょっとしたら起きない可能性もあるということでございます。もう少し丁寧な柔軟な発表の仕方があったのではないかと考えているところでございます。  数値と詳細につきましては、危機管理監のほうから答弁させていただきます。 ◯議長(深澤  巧) 谷口危機管理監◯危機管理監(谷口 和幸) 先ほど市長のほうからも数字的なこと、それから法律的なことも少し述べられたかなというふうに思っておりますが、平成27年7月19日に水防法が改正され、それに伴って、国土交通大臣、都道府県知事は、管理河川における想定最大規模降雨、1,000年に一度の雨による洪水浸水想定区域図を公表することとなりました。市内では、平成29年に円山川の区域図が公表され、令和元年、ことしですが、八木川と大屋川で公表されたところです。円山川水系において、県が想定している1,000年に一度の雨とは、円山川水系の全流域面積で48時間に505ミリの降雨があった場合を想定しています。既に公表されている計画規模降雨、100年に一度の雨は、48時間に327ミリの降雨があった場合を想定しています。先ほど市長が申したとおり、昨年の7月豪雨は、まさにこの雨を少し上回るような雨が降ったということになっています。また、浸水区域の解析では、1時間のみで破堤または越水があったケースで、浸水区域を計算して、その1カ所のみで破堤したものを200メートルピッチで繰り返し破堤または越水させてそれを重ね合わせてつくったものが、今回公表された浸水想定区域図となっています。そのような降雨があった場合は、1カ所のみならず、下流域でも複数箇所で破堤または越水等が起こっている可能性は高く、またその上流域では河川の水位は下がり、実際に1,000年に一度の浸水地域ということにはならないというふうに考えています。市としては、水防法第15条の規定により、今回発表された洪水浸水想定区域図を反映して、来年公表される大屋、関宮地域の土砂災害特別警戒区域のデータとあわせてハザードマップを作成し、市民へ周知していく方針です。ですが、今回の発表を受けて、養父市としては、市民の不安をあおるのではなく、避難の重要性、避難率の向上にいろいろな機会を捉えて、住民に説明を行っていきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 6番、田路之雄議員。 ◯議員(6番 田路 之雄) そういう新聞報道を見まして、非常にびっくりしたというのが、市民の皆さんがそうだったと思います。養父市の防災マップにおいては、次の項目で質問しますけども、養父市の文化会館の辺を0.5メートル以下の浸水想定区域に入っているということが書かれておりますが、そう考えた場合、その辺の新聞報道との差異ですね。非常に10倍のような想定をされております。それで非常に市民もびっくりされたと思っております。  次に移ります。今回建設予定の新文化会館の整備基本計画の中で、新文化会館は、指定緊急避難場所及び指定避難所への指定を予定していると書かれております。これについて変更はないでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 雲田市民生活部次長。 ◯市民生活部次長(雲田 裕史) 初めに、新文化会館の建設地の浸水対策につきまして御説明をさせていただきます。新文化会館の建設につきましては、先ほど議員もおっしゃられましたとおり、水防法に基づきます養父市防災マップによる50センチ未満の浸水想定区域となっております。その浸水に対応するために、今の現地盤よりも50センチ以上かさ上げを行い、建設する予定としておるところでございます。今回、新聞報道でありました県想定の1,000年に一度の雨では、この想定をはるかに超える浸水深、先ほどからもありましたけども、養父市役所周辺、このあたりでは3.3メートルの浸水が想定されておるということでございますが、その対策としまして、建物を4メートルから5メートルかさ上げをするというようなことは、周辺の住宅の環境への影響などもありますし、現実的ではないと考えておるところでございます。  ただ、新聞報道にも記載がありましたように、こういった生活圏にある河川の特性を知った上で、避難経路の再確認でありますとか、上層階へ逃げる垂直避難などにつきまして、再認識いたしまして、新文化会館の運営に努めてまいりたいと思っておるところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 谷口危機管理監◯危機管理監(谷口 和幸) 指定緊急避難場所、それから指定避難所の指定については、新文化会館建設と同時に、近隣区、そこの該当する区との調整を行った上で、決定していきたいというふうに思っております。 ◯議長(深澤  巧) 6番、田路之雄議員。 ◯議員(6番 田路 之雄) ぜひ先ほども言いましたように、災害は忘れたころにやってくるということが言われておりますし、それから、災害時にいつも言われます、正常性バイアスという言葉がありますが、自分は大丈夫、人は被害に遭っても自分は大丈夫なんだというものがありますので、ぜひ担当部局におかれましては市民周知を徹底していただきたいと、このように思います。  以上で、私の一般質問を終わります。 ◯議長(深澤  巧) 以上で、6番、田路之雄議員の一般質問は終了しました。  暫時休憩します。                  午前11時27分休憩        ──────────────────────────────                  午前11時39分再開 ◯議長(深澤  巧) 再開します。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。  9番、足立隆啓議員の発言を許します。  9番、足立隆啓議員。 ◯議員(9番 足立 隆啓) 9番、養父の未来所属、足立隆啓でございます。議長の許可をいただきましたので、一般質問を行います。  まず最初に、ことしも台風の被害が続いております。8月の九州、佐賀県、関東の千葉県は、大変大きな被害を受けられました。千葉県は、いまだに停電の続く中、被災された方にはお悔やみ、お見舞い申し上げます。  さて、建屋小学校、小規模特認校に指定されている建屋小学校に、ことしも4月から1人、2学期からは3人の生徒さんが転入されました。早くなれて、建屋小学校に来てよかったと思えるような学校生活を送っていただきたいと思います。  さて、先日、建屋診療所が来年3月末をめどに、閉鎖になるとの新聞記事が掲載されました。そうなると、一番近い医療機関でもこれまでの2倍、3倍の時間を要します。交通機関のバスの本数も少なくバス停までも距離があり、これが現実になると弱者である子供たちや高齢者にとっては大変な生活を強いられることになります。今、養父市が取り組んでいる日本一のまちづくり宣言条例で宣言いたしました、日本一農業しやすいまち、日本一子育てをしやすいまち、日本一福祉が充実したまちを3つの柱として、重点施策として、住みやすいまちに、チャレンジできるまちに、子育てしたいまちに、健康長寿のまちに、国家戦略特区を推進すると5つを推進しています。このような中で、建屋の診療所のみならず、今の先生は、関宮の大谷診療所も兼務しておられる関係上大谷診療所、また9月で閉鎖が決まっている南谷の診療所とあわせて、3つもの診療所が閉鎖になれば、養父市の地域医療は崩壊です。このような状況の中で、市長はどのように思っておられるのか、お聞きいたします。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 9番議員、足立隆啓議員の御質問にお答えいたしたいと思います。  来年春に、市の直営診療所であります大谷診療所、建屋診療所、それから民間の診療所であります南谷の、今診療していただいておる診療所、この3つが来年春には閉鎖になる、地域医療の崩壊であるという御質問でございます。そもそも地域医療の崩壊という表現をされましたが、地域医療の崩壊というのは一体どんなことなんでしょうかね。地域医療が崩壊するというようなことが養父市であり得るとお考えでしょうか。私はそんなことはないと思って。地域医療の崩壊はさせてはいけないということで、行政はしっかり頑張っているところであります。  こんなことを言っては失礼ですが、余り軽々しく崩壊であるとかという言葉は、私は使われないほうがいいのではないかと考えております。運営をする上で、診療所の運営をする上で、やはり人も少なくなってきた、患者も少なくなってきた、それでもしっかりと医師と看護師とか、施設を維持してきましたが、そろそろ限界になりつつあるということであります。確かに、地域の皆さんから見ると非常に寂しい、心配だということもあろうかと思います。ただその部分は、我々は、しっかりとカバーしていきたい。そのためにカバーできる方法はどういう方法があるのだというようなことも、地域の皆さんと話し合いながら進めていきたい。一方的に我々がこれでやってしまうというものではないということであります。そういうことで今、担当も地域に出ながら、お話をしながら、御理解をいただくような努力をしているところであります。  診療所が、先ほど申し上げましたように、診療所がなくなると、地域の方、とても心配だろうと思います。診療所にかかっていただいている数、実数は非常に少ないことも事実でありますが、その少ない方々にとっては非常に心配だろうと思っております。我々はやはり1人も取り残さないというようなことをしっかりと心がけながら、診療所がなければ、取り残さない方法はどういう方法があるのか。診療所がなくなっても安心して生活していくために、どういうことをやらなくてはいけないのか、そういうようなことを地域の皆さん方と一緒に、一緒になって考えながら進めていきたいと考えております。まだ今のところ、診療所の廃止については、担当課のほうで、地域の皆さん方と協議をしているところでございます。そういうことも踏まえまして、また今後の成り行き等を見守っていただけたらと考えているところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 9番、足立隆啓議員。 ◯議員(9番 足立 隆啓) 建屋の診療所もですけども、もう9月で目の前に迫ってきた南谷の診療所のやめられた後はどのようにお考えですか、お聞きいたします。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 南谷希望の杜診療所の件だろうということで、御答弁をさせていただきたいと思います。昨日も御質問がありまして、同様の質問になろうかと、御回答になろうかとは思いますが、御了承いただきたいと思います。現在、私どものほうでも大屋地域に開業されておられます希望の杜診療所におきましては、大屋診療所の情報を把握しておる中でも、一定の患者さんはおられるというところはお聞きをしております。そうしたことから、私ども市営の診療所でできる限りの支援といいますか、患者さんの対応はさせていただきたいという思いでおりまして、それぞれ医師、大屋診療所の医師と閉院を予定されている医師の間で、情報交換なりをしていただいて、受け入れ体制を整えているという状況でございます。 ◯議長(深澤  巧) 9番、足立隆啓議員。 ◯議員(9番 足立 隆啓) この新聞報道がされて以降、市民の方から、閉鎖するまでにまだ何かやるべきことがあるんではないかといった意見も聞こえてまいります。例えば、建屋地区内を運行している自家用有償バス、タッキー号ですが、この運営ですが、これまでは週3回運行していたのですが、今では利用者も少なくなり、週1回となっています。このタッキー号も、今は2路線しかありません。国土交通省の認可を受けているので運行方法に制限があり、難しいのが現実でありますが、路線バスとの兼ね合いもあり、なかなか難しいところではありますが、何か得策はないのでしょうか。ますます高齢者の免許証の返納が叫ばれている昨今において、市民の移動手段が重要課題になるのは、目に見えています。大屋、関宮地区には、やぶくるの運用もされていますが、本年度の決算報告で29件の利用があり、大変喜ばれているとの意見も出ましたが、まだまだ課題も多いのが事実でございます。  このように医療機関の足の確保は重要課題だと考えておりますが、この中で閉鎖となった場合、何かとってかわる施策を市としてはお持ちなのでしょうか。先ほど市長は、崩壊というのは言い過ぎだ、軽々しく言わないでと言われましたが、やはり市民にとっては、診療所がなくなるということは、大変不安な材料の一つであります。これからの駐在所のあり方について、市長はどのような考えをお持ちですか。診療所のあり方について、市長はどのような考えをお持ちですか。
    ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 診療所もいわゆる直営の診療所で、市が管理運営している施設である。医師の確保もやらなくてはいけないというような状況であります。利用していただける方がそれなりの数あれば、我々は診療所はしっかりと維持していくということであります。ただ利用していただける方が非常に少なくなれば、維持できなくなってくる、これは地域の皆さん方も御理解いただきたいと思っております。今、建屋の診療所、1日当たり平均しますと、決算報告でもありましたか、利用者が5人弱、5人前後であるということであります。この辺のところを地域の方も頑張っていただいて、頑張っていただく。病気になってくれとは申しませんが、しっかりとこの診療所を5人を15人にしてみようではないかとか、頑張っていただける、そういうことになれば、我々もしっかりと診療所、そうですね、今、週3日ですが、これを維持しましょうかということになるんですが、ただ単にこれからまだ減っていくことも予測される中で、やっぱりないと不安だからとか、ないとやはり地域のイメージが落ちるからとか、ただそれだけではだめだということなんですよね。どの地域も一体になってこの診療所を維持するために、今、ひょっとしたらほかの地域の診療所を使っておられるかもわからないけど、建屋診療所を使ってもらうとかいうようなことも考えていただく、そういうことをしっかりと努力していただけたら、我々は、またそれに対応できるようなこともあるのではないかと思いますが、今のままでは、なかなか維持がしづらいということでございます。建屋地域の人の気持ちはよくわかる。でも、市全体の市政運営の中でどうなんだということ、駐在所の話が出ましたから申し上げますが、県警の統廃合の話も出たりしております。ひょっとしたら私は今、兵庫県と同じ、兵庫県警本部と同じようなことを言っているのかもわかりませんが、それでも、県警には我々はしっかりと今の見直しを再度、再検討してと言っていきますが、診療所において私は決して御無理を申し上げていない、地域のほうがそれなりに努力していただければ、我々もそれらは相談に応じるということで、応じるというより、やらざるを得ないだろうと思っておりますので、その辺のところを御理解いただけたらと思っております。 ◯議長(深澤  巧) 9番、足立隆啓議員。 ◯議員(9番 足立 隆啓) このような中で、私も市民の皆さんとの話の中で、今、市長がおっしゃいました、やっぱり主役は市民であると。やっぱり建屋の診療所を守っていくためには、そこを利用して盛り上げていかなければならないということはお願いしたつもりでございます。  挨拶の中でも書きましたが、ことしも小規模特認校制度を利用して、生徒さんが来てくれました。ことしは1人で寂しいなと思っていると、7月に、建屋小学校の特認校制度を特集したテレビ放送がありました。するとすぐに問い合わせがあり、2学期からは3人も編入してきていただきました。このように、毎年成果が出てきているわけですが、市当局はもちろん、学校、教育委員会、地域の皆さん、みんなで協力して建屋小学校を盛り上げている。この間の地域小学校合同の運動会も、稲刈りの忙しい中、父兄の皆さん、役員の皆さんは、本当に小学校のために一生懸命盛り上げていただきました。また、校長先生もいろいろと趣向を凝らして、ことしはALTの先生に全種目英語での応援までしていただきました。このように、地元を盛り上げようとしています。子育てを推進している養父市として、このような中で医療機関が閉鎖とは、到底考えられません。このように頑張っている地域の診療所を守るべきではないかと思いますが、考えをお聞かせください。 ◯議長(深澤  巧) 小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 小規模特認校などの取り組みなど、いろいろと努力されている地域におけるこの診療所のあり方についてという御質問だろうということだと考えておりますが、先ほど来、市長が申しましたとおり、私どもとしましても、やはり近隣の民間医の状況、あるいは利用の状況、また経営という観点も判断しなければならない部分がございます。そういったところを御理解いただき、地域の方には御理解いただきながら、またこの診療所がなくなったとなった場合には、どういった形で市が移動手段なり、通院の方法を確保していけるのかというようなことも含めまして、現在、御意見をいただきながら議論を交わさせていただいているというところでございます。  そうしたことから、現在、まだどうするというような確定的なお話ということにはなっておりませんが、私どももいろいろな取り組みが可能である部分については、検討を重ねていきたいと考えているところでございますので、御理解をいただきたいと思っておるところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 9番、足立隆啓議員。 ◯議員(9番 足立 隆啓) 市長は、この定例会の挨拶で、先ほどもちょっと触れられましたが、兵庫県警の編成について、この南但馬は、面積は800平方キロメートルと広大で、道も複雑であり、住民の文化も気質も多様である。養父市は近年、田舎暮らしランキング、住みよさランキングで高い評価を受けているが、これは警察署と行政、区、自治協議会、消防団、市民団体とが一体となり、防災、減災、交通安全、防犯、青少年健全育成等に真剣に取り組んでいることによる安全なまちであることが高く評価されているものである。県警の編成案にはわからないでもないが、養父市が取り組んでいる地方創生の根幹を揺るがすものである。よって、この案には賛成できないとの思いを述べたとのことでした。兵庫県警は、管理部門、専門部門は削減するが、多機能部隊、パトカーをふやすことで、地域パトロールを行い、広域パトロールを行い、地域の安全を確保するとの説明がありました。条例宣言で、日本の福祉の充実を重点施策、また子育てをしたいまち、健康長寿のまちを上げる養父市の施策で、診療所という地域医療を守っていくことは当然ではないかと感じております。  以前もしたかもわかりませんが、落語の話の中に、診療所の待合室での、きょうは何々さんの顔が見れないねという問いに、きょうは風邪で寝ているらしいよという笑い話がありますが、確かに先ほど市長の答弁にもありましたが、住民の憩い場であった昨今は、このような場を見ることはなくなったのも事実でございます。  本年度決算においては黒字という報告がありましたが、1億2,000万円もの支出がされているのも事実でございます。しかし、このようなことが閉鎖の理由になるとは、私は思いません。診療所の役目というのは、やはり大きな病院まで距離があり、移動時間がかかり、不便である、そういった地域の負担を少しでも和らげるのが、診療所の役目だと思っております。私の地元からは、八鹿病院までは運賃料が片道810円、往復で1,620円、また明延から八鹿病院までは1,030円、大屋の営業所までは510円、また民間の医療機関がある浅野までは580円、これだけの交通費を要するわけでございます。やはりその中において診療所がなくなるということは、やはり私だけではなく、住民の皆様にとっては、やはり大きな問題であることには変わりはございません。何回も申しますが、やはり今、診療所の少ない人数ではありますが、やはり途絶えさせてはいけないと感じております。  最後に、養父市の医療機関、先ほど崩壊ということでかなり厳しい意見をいただきましたが、やはり私は、そのぐらいな気持ちが住民の中にはあるのではないかと考えております。もう一度、市長に御意見をお聞きいただいて、私の質問を終わります。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 診療所がなくなるというか、閉鎖される、今、現に診療所があって、それが閉鎖されようとしている地域、今回は養父市の場合は大谷地区と建屋地区ということでございますが、その地域の住民の皆さん方の気持ちはよく理解できます。できます。ただ、今のままではなかなか維持も難しいということです。だから、それを維持しようと思えば、やはり地域の皆さん方にも少し維持するための努力もしていただかなくてはいけないということでございます。現にその部分の議論がまだなされていないということでございますので、しっかりとその分は話し合いをさせていただきたいと思います。  それと、地域医療が崩壊、これは軽々しく言うべきではないということを申し上げたところで、養父市は、地域医療が崩壊するほど、地域の皆さんが本当に診療所が不足してというような状況にはなっていないと私はまだ思っております。公立の八鹿病院、それから診療所、歯科診療所は直営のもの、民間の開業医の先生方、それぞれとても頑張っていただいておりまして、地域の皆さん方の病気であるとか健康、いろんな意味で、それらを担保するために努力していただいているというところでございますので、それぞれの思いとしては、当事者としては、いや、崩壊だと思われている方もおられるかもわかりませんが、ただ全体として見たときに、そういう状況にはないということをしっかりと御理解いただきたいと申し上げたというところでございます。我々は、先ほど申しましたように、決して1人の人だから、その方を見捨てていこうというような行政はやらない、やっていないつもりでございますので、もし診療所が廃止になった場合に、今、そこでかかっておられる数名の方々の医療をどう確保していくのか、それらは、しっかりと、またこれも地域の皆さんと一緒になりながら、考えていきたいと思っておるところであります。  それぞれの運賃、建屋や南谷から診療所、病院まで行くと幾らというようなお話もありましたが、それらに対しても今、養父市のほうは十分ではないかもわかりませんが、高齢者の皆さん方の公共バスを活用していただいた場合の定額のサービス、それらも行っておったり、優待、そういうこともやったりしておりますので、そういうことを活用していただいたらいいと思いますし、それが不足なら、もっとこういうことはどうだろうとかいろんな御提案をいただいて協議していくということも必要かもわかりません。しっかりと我々は、地域の皆さん方の医療、安心はこれからも守っていく、そういうつもりでおります。 ◯議長(深澤  巧) 以上で、9番、足立隆啓議員の一般質問は終了しました。  暫時休憩します。                  午後0時05分休憩        ──────────────────────────────                  午後1時10分再開 ◯議長(深澤  巧) 再開します。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。  12番、藤原芳巳議員の発言を許します。  12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) 12番議員、藤原芳巳です。議長の許可をいただきましたので、一般質問に入らせていただきます。今回は、人口減少について、そして、そこから派生する問題として、棚田の保全と荒廃農地の利活用についてでございます。  前回も人口減少を取り上げました。最も大切な課題だと受けとめています。同僚議員の発言にもありましたが、日本の人口が減っていきます。一昨年2017年に国内では40万3,000人減ったそうであります。今後日本の人口は2060年ごろまで年間およそ80万人ずつ減ると言われています。養父市も、創生総合戦略にもかかわらず、人口減少が続いています。最近では、年間500人を超える減少であります。中でも社会減がふえています。養父市から出ていく人の数が養父市に入ってくる人の数を上回っています。ここが問題であります。全員協議会での資料によりますと、平成30年度に養父市に転入してこられた人は391人、出ていかれた人は652人、261人の社会減となっております。最も多いのは、朝来市への転出113人、転入63人、差し引き50人のマイナス、次が豊岡市で、転出92人、転入62人、差し引き30人のマイナスであります。進学や就職のために流出するのはやむを得ないにしても、隣の朝来市や豊岡市に出ていく人が、そこから入ってくる人よりも多いのは気になるところであります。  養父市が提供する公共サービスは、かなりレベルが高いと言えると思います。それは、住みたいまちランキングが語っているところであります。しかし、それでもなお、若い人たちにインセンティブを与えているとは言えないということでしょうか、社会減が続いております。一体なぜなんでしょうか。他の自治体のほうが住みやすく見えるのでしょうか。道路がどんどんよくなって、若者は住居を容易に変更します。特に、結婚するときどこに住むのか。家を新築するとき、どこに建てるのか。その自治体の便益が考慮されます。保育、教育、医療、公共料金、税負担、そして補助金等から、住みやすさを考えるということであります。養父市は現状、豊岡市や朝来市に勝てないでいる。いわゆるゼロサム政策で負けている。それはなぜか。イメージで負けているのか、実質の便益で負けているのか。市長はこれをどのように分析されるでしょうか、お尋ねいたします。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 12番議員、藤原芳巳議員の御質問にお答えいたしたいと思います。  養父市の人口減少についてということで、養父市の人口減少、最近でも年間約500人ぐらいあると。そのうち、特に社会減が大きなウエートを占めているというものであります。この社会減も、中身を見てみると、近隣の朝来市であるとか豊岡市への流出が流入を上回っているということであります。国全体での人口減少化社会の中において、地方の人口減少、これを食いとめるということはなかなか難しいといいますか、困難を伴うものであるということであります。その中で、なおかつ東京への一極集中が進むというようなことで、地方の人口減少より急激なものがある。その中で、地方都市の間でも、またそれぞれ流入、流出があるということであります。そういう中で、人口減少に歯どめをかけ、人口を維持していこうと思えば、周辺自治体を含めて、他の自治体との比較に対して、住んでもらう、より優位性が高いと判断してもらえるようなまちづくりをしなくてはいけないということであろうかと思います。  御質問の内容は、養父市の行政サービスは決して低くないというお話であります。それで、なおかつそれでも人が減ってくるのは、養父市に人が住むことによる便益性なのか、それともイメージなのか、どちらかなのだろうというお話でありますが、私の思いは、今のところ、やはり双方があるのではないかと思っております。住む場所として養父市は私は決して悪くはないと思うわけですが、例えば、若い人、働き盛りの人から見て通勤等を考えたとき、朝来市はどちらかというと南に近い、高速道路を使えば比較的短時間に瀬戸内海寄りの京阪神部の都市部につけるという優位性がある。ある意味、便益という部分であろうかと思います。豊岡市は、やはり但馬の中核都市ということで、ここは人も人口も多くて、そして、いわゆる但馬における中央をなしてきた、それでそこには、県の出先機関であるとか、いろんなものもあるという意味で、都市的要素は非常に高いものがあるということで、やはりこちらも便利であると考えられると思います。さらに、イメージの面で行きましても、豊岡はやはり都市的要素が非常に強いということで、若者にはひょっとしたら養父市より受け入れられやすい素地があるのかもわからない。朝来市の場合は、やはり土地、平面的な土地の広がりということもありまして、企業の誘致等もやられている中で、企業、事業所も展開しているというところで活力がある。それから、雇用の場もあるというような感じで、やはりイメージアップというところもあるのではないかと思っております。この2つに挟まれている養父市というのは、どうしても不利になりがちであると、私は考えておりますが。  ただ、養父市が住みにくいまちではないということは、私は自信を持って言うことができます。私自身は、自分の生まれ育ったところですし、すばらしいまちだと思っております。特に、養父市の場合は、教育という部分ではやはり他に抜きん出てすばらしい部分があるのではないかと思っております。池田草庵先生を輩出した下地であるとか、県立高校がこの狭いエリアに2校あるとか、いろんな意味で教育という部分では非常にすばらしいまちだろうと思っております。このすばらしさをしっかりどう出していくのか。それから、産業という意味では、やはり残念ですけど、平面的な土地の広がりはやっぱり少ないということで、貴重な農地等をいろいろ他に利用することがなかなかできて、企業誘致あたりも余り進まなかったということもあります。ただ、その分はしっかりと自然も含めて農地であるとか、まちづくりの基礎となった産業が、やはりこれはしっかりと残っているという部分でありますので、この辺は養父市の魅力として打ち出していくということが必要であろうと思います。  いずれにしても、国全体で人口減少社会ということの中での地方の急激な人口減少、これにどう対応するかということでございますので、息の長い取り組みが必要であろうかと思います。今、養父市は、便益、イメージともというお話の中で、両市に挟まれて少し窮屈な面というようなところもあろうかと思いますが、それをはねのける、はねのけて、それらを補って余りある、やはり私は魅力のあるまちだと思っておりますので、この魅力をしっかりと打ち出していく。この魅力の部分がなかなか顕在化、表にあらわれなかったまちです。あらわしにくい要素があったということでありますが、これらは今、養父市が取り組んでおります国家戦略特区であるとか、子育てであるとか、健康長寿であるとか、それから、医療を中心とした安全・安心であるとか、そういう意味では、他の自治体、この周辺自治体から見ても、かなり優位性があると思いますので、これらをしっかり魅力として出していく、まさしく今、国家戦略特区はそういう意味で、非常にいいチャンスであろうと、挑戦のチャンスであろうと思っております。この挑戦の姿勢をしっかりとあらわして、そして、養父市の魅力を出していく、これらを辛抱強く、我慢強く進めていくことが必要であろうかと思う。  ただ、総合計画の評価とも皆さん方にもお渡ししました。それから、総合戦略の評価も、間もなくまた皆さん方に交付させていただきますが、現実、御質問ありますように、社会減の進んでいる、人口減少も進んでいるということであります。今、お話にあったような現実をしっかりと、なぜ原因は何だろう、何なのだというようなところ、現実を直視しながら、それらに対応していくというこの真摯さも必要ではないかと思っております。特に、我々にとって大切なのは、この養父市、このすばらしい養父市を、自分の生まれ育った養父市をしっかりと自分のまちとして郷土愛といいますか、そういうものを持って、しっかりと自分たちでこの困難を乗り越えていくのだ、立て直していくのだという市民全体としての強い1つにまとまった方向性、そういうものが必要ではないかとも考えているところでございます。行政としましても、市民の皆さん方のそういう機運の醸成にも、これからもしっかりと努めていきたいと思っているところであります。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) 丁寧に答えていただきました。転出の全体では、最も多い理由は就職のためでありますけれども、豊岡市、朝来市への転出の理由といいますのは、結婚のためとなっております。これに対しては、若者向けの賃貸住宅の整備でありますとか、分譲地の整備などが有効と思われるんですけれども、そこへ力を入れようとするお考えについて、お伺いをいたします。 ◯議長(深澤  巧) 井上まち整備部次長◯まち整備部次長(井上  武) 人口増のための宅地の整備、また市営住宅等の関係でございますが、分譲住宅につきましては、御承知のとおり、市が直接するわけではございませんが、市の遊休地を活用して、分譲宅地を民間の力で進めていくというような方針を打ち出しておりまして、それを年度年度で実現していくという方向で進めておるところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) しっかりと進めていただきたいと思います。  人口や産業を拡大する、もしくはもとに戻そうとするガバナンスやポリシーというのは、今、ほとんど通用しなくなってきた状況でございます。人口減少が地域にもたらすものが現実味を帯びて、すぐそこに見えてきた今、この事態の深刻さを共通認識として持たねばならないと考えます。我が養父市において、自治体行政が行っている施策、これでいいのか、このままでいいのかと問うてみる必要があるのではないか。地方創生を政府が提唱する中で、人口減少の原因を考え、手を打ってきた総合戦略であります。最重要課題として人口目標を掲げてきたわけですけれども、具体的に取り組みの成果を示すものが人口の数字としてはありません。目標は達成できていないということであります。どういう考えでどういう施策に取り組んできたのか、市民の理解を得て、市民とともにやってきたのか検証しなくてはなりません。例えば、養父市が住むまちとして選ばれ、豊岡市や朝来市は働く場所といったようなことにできないだろうか、地震も風水害も少なく、但馬の中央に位置する養父市のこの地理的優位性を生かせないだろうか、そういうふうに考えるのであります。次の総合戦略策定に向け準備が進んでいると思いますが、特に、市民基点ということ、本当に必要な市民ニーズの把握ということについて、どのように考えておられるのか、お尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田国家戦略特区・地方創生担当部長。 ◯国家戦略特区・地方創生担当部長(鶴田 晋也) まさに、次期総合戦略の策定に向けて今、動いているところでございます。常日ごろ、市民ニーズという意味で、特に人の出入りに関しましては、市民課の窓口におきまして、アンケート調査を実施して、その原因といいましょうか、要因を聞いたりもしておりますが、いよいよ次の戦略をつくるに当たって、現在、市民アンケートを実施しているところで、現在集計を行っているようなところでございます。その中で、これまでの施策の市民の方の満足度でありますとか、今後の定住意識とその理由等を訪ねる設問も設定しておりまして、そこをしっかり分析しながら、骨格をつくっていきたいと思います。また、戦略の策定のプロセスの中には、各いろいろな意見交換会でありますとか、いろんな業種との対話、またはタウンミーティングの実施、または検証委員会という、市民の代表の方にいろいろな実態を踏まえた御意見をいただくようなプロセスも考えておりまして、議員から御指摘のありましたような、これまでの反省も含めて、市民起点という立場に立って、新しい総合戦略等をつくっていきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) 地方の人口減少は、長期的かつ構造的な要因であるから、容易には反転しないと、市長は常々言われております。人口が減れば、当然ながら施策も対応しなくてはならない。行政的な需要の縮小というのはシミュレーションしておくべきであり、これを考えに入れた事務事業を行う必要があろうかと思います。人口が幾らであろうと、幾らになろうと、どのような住民が何を必要としているのか、そしてそれをどうやってみんなで支え合うのか、これを考え共通認識を持つことで、自分たちの地域を守り存続させていく必要があります。人口減少と高齢化が1人当たりの税収を減少させる一方で、1人当たりの行政コストを増大させていきます。少子高齢化による自然減と地域間移動による社会減、賢く縮む施策が求められていると考えます。養父市内の人口、世帯、山林、農地、それらの現状と地域に住む人たちの意向、これに基づいた施策が求められます。10年後の姿を見越した施策を立案、実行していく。何を得ようとするのか、ロジックが明確でないと成果はないと考えます。人口が減少して困っているから移住してほしいというのではなく、養父市は本当に住みやすいと住民が心から思える地域にすれば、おのずから人はふえていくと考えます。住民が求める幸せな地域社会を実現しなければなりません。都会に住む若者たちの半数近くは、田舎で暮らすチャンスを伺っているというアンケート結果もあります。ウエルカムなまちになりたいものです。養父市に住んでいることに我々自身が誇りと自信を持つこと、それができれば、養父市は前に行くのではないかと考えます。養父市だからできること、市長はそれを国家戦略特区に求めました。それもいいと思います。しかし、それだけでは足りないのではないか。市民とともに、養父市にしかできないことを探し、磨いていかなければ、持続はできない。地域の人々とともに、コミュニティのあり方をつくり上げることが必要です。国の言うスキームとは別のことをやっていかないと、独自性、持続性は生まれないと考えます。住んでいる人が幸せを感じる、シビックプライドを育む、醸成することが最も大切なことではないかと、私は考えます。これについて、市長のお考えをお尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) まさしく御質問のとおりだろうと思います。我々も、従来のやり方、国のスキームにのっとってやっていたのでは、地方の養父市の地方創生はなかなかできないと考える。そういうような中から、1つの手段として国家戦略特区という手法に取り組んでいるということで、国家戦略特区が全てというわけではないということは御理解いただきたいと。国家戦略特区は養父市の取り組みの心意気であるとか、斬新性、先進性をしっかりとアピールするための一手段であるということで、ひとつ御理解いただきたいと思います。当然、市民の方々が養父市に住んでよかったと思えるようないろんな施策をやっていく必要があろうかと思っております。さきの質問で、事態の重大さを共通認識する必要がある、市民のニーズをしっかりと捉えてというお話がありましたが、まさしくそのことをやっていかなくてはいけないだろうと考えているところであります。  それで、養父市はどういうまちづくりをイメージするのかというお話であろうかと思いますが、今までの質問にも申し上げましたが、やはり養父市はこれだけ自然に恵まれたすばらしいまちでもあります。そういう中で、まちづくりの基礎となりました農業、これはしっかりと残っております。この農をベースにしたまちづくり、基幹としたまちづくりをやっていく必要があるのではないかと考えております。そういう中で、人づくりというようなことも非常に大切であろうかと考えているところであります。  お話にありました市民そのものが、やはりこの養父市をどう今後維持していくのだ、生まれ育った養父市を大切に思う、この気持ちが大切だろうと思っておりますので、これら先ほども申し上げましたように、市民の郷土愛といいますか、シビックプライドといいますか、この辺をしっかり醸成していく、そのことが必要であろうと思っております。いろんな困難は、養父市の未来に向かって、養父市がこれから持続可能なまちになっていくために、いろんな困難はあろうかと思いますが、それをみんなで乗り越えていく、そういう熱い思いといいますか、煮えたぎるというような思いをしっかりとみんなで持ち合う、そのことがやはりひとつには、いろんな施策もやっていきますし、我々も先ほどありました市民ニーズに応えられるような施策をしっかりと行っていきたいと思いますが、それだけではやはりだめだろうと。市民全員がしっかりとこのまちを、養父市をどう将来維持していくのか。いいまちとして持続していくのかという、やはりそういう煮えたぎるような熱い思い、そういうものを持っていただくことも必要ではないかと思っております。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) そこでひとつ市長にお尋ねしますけれども、国家戦略特区事業というのは、私は市民を巻き込み切れていないと捉えています。見に行きますと、企業の力というのはやはり非常にすごいものがあります。市長は特区事業で、もっと雇用が広がり、正規雇用もふえ、もっと市民に影響を与える、そのように考えられていたのではないかと私は思うわけですが、どうですか。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 規制緩和によります経済の活性化が国家戦略特区であるということを申し上げております。そういう意味で、農業をベースにした規制緩和で、農業をベースにした産業振興というところで地域の活性化を図っていく、雇用も増大していくというようなことであります。我々、国家戦略特区を最初に国に提案したとき、これは皆さん方にも資料でお渡ししたり、お話ししておりますが、耕作放棄地の解消をどうしていくのか。5年間の目標を約80ヘクタールの耕作放棄地の解消、それから、雇用はおおむね100人程度でしたか。雇用をしっかりふやしていくんだという目標を立てておりましたので、これらの目標に向かって、国家戦略特区そのものは着実に進みつつあるであろうと思っております。  ただ、市民を巻き込んでという、経済活動の中で、市民を巻き込んでという巻き込み方の考え方をどう整理するかということだろうと思っております。多様な担い手ということで、養父市の農業が今の制度のままではいずれ担い手がなくなってしまって、農地が荒廃してくる。ですから、新たな担い手として、企業をしっかりとパートナーとして迎えいれようとしたところでありますので、ここで市民が、そしたら企業と一緒になってといってどんどん。なかなかイメージしにくいところであろうかと思う。私、先ほど、前の質問にも申し上げましたように、国家戦略特区の規制緩和の中では、それぞれの養父市でしっかりと農業をやっていただいておる農家の方にも、いろんな意味で福音があるものもある。それから、企業が参入することによって、企業と、それから地域の農業者が連携して活動する、これは連携している地域の農業者にとっては、まさしく国家戦略特区に真剣に取り組んでやっているという実感はあるのではないかと思っております。それから、また別に、新たな担い手として、市の農家以外の方が養父市で農業をやるというようなことも、新たに担い手として出てくるというようなことで、いろんなケースを考えております。それで、市民全体を巻き込んでという意味では、我々も市民全体を巻き込んでといういろんな言い方をしておりますが、国家戦略特区を行うことによって、養父市の活性化ができること、これが市民全体を巻き込んでということになろうかと思う。そういう中で、雇用がふえたり、それから、生産額が上がったりすること、このことで、市民の方にいろんな形で利益が、トリクルダウンといいますか、水滴がしたたり落ちるように落ちてくれば、市民全体の利益にもなってくるという判断をしているところでございますので、市民全体をどう巻き込んで、市民が一斉にみんなで国家戦略特区をやろうというようなことになるのか、ならないのか。私はなかなかそれはならないのではないか。皆さんが1人ずつ当事者でない限り、なかなかならないのではないかと考えているところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) あえてこんな質問をしてみましたが、やはり国家戦略特区、規制緩和、一生懸命できているわけですけれども、農業特区という言葉に捉えられて、市民の皆さんが期待したこと、それと少し乖離があるなというのは、感じているところであります。  地方分権、もしくは地域主権、この言葉をかみしめ、過去にはそうではなかったのだと、私たちは認識し直す必要があるんだと考えます。繰り返しますけども、私たちのやるべきことは、地域独自の価値を磨き上げ、多様で内発的な発展をしていくことであろうかと思います。現状のような都市の論理での補助金頼みだけの施策では、養父市のほうがそうだ、全てがそうだとは言いませんけれども、養父市の生きる道、都市の論理では閉ざされてしまうのではないかと思うわけです。ずっとこの地で生きてきた人たちが中心にいて活性化するのでなければ、あしたはないと考えます。自治体は、プロジェクトを起こし、若者にポストを与え、中山間地域へいざなう。自分が確かに地域の役に立つ、そんな場所に来ませんかと声をかける。田舎は誰もが誰かの役に立つ場所であります。自分らしく生きられる場所であります。そうして、住む人たちの交流の中に、新しい風を入れていくことが必要です。少ない人口で広大な空間が活用される、これを先進的な少数社会でありますとか、持続可能な低密度社会とかいうのだそうでありますけれども、そういったあすの養父市のあるべき姿を明確にしていく必要があります。そして、それを実現する上での問題点として1つお尋ねをいたします。  個々の世帯が農地、山林、宅地等の不動産を持っているわけでありますけれども、養父市から出ていかれて、あるいは相続を受けて、権利を持ったまま都会で暮らす人がふえています。また、日本では、土地は先祖から受け継いだ大切な財産としての意識が強く、それは耕作放棄地、荒廃農地についても同じ思いを持っていらっしゃいます。相続放棄される土地もふえようとしています。これらにきちんと対応することも、今後の課題として取り組むべきだと考えます。土地を地域でシェアして、共同利用していく上での課題であります。これについてのお考えをお尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 相続放棄地対策について、またこれは部長のほうからお話しさせていただきます。  その前に、国家戦略特区と市民との思いの乖離という部分がありました。その乖離の部分がどこなのかな。これ、特区の指定を受けてからずっと議会等でも御指摘を受けているところでございますが、国家戦略特区を受けて、これで何かいいことが養父市であるんだろうという思いを持たれたと思います。大きく報道されました。国は力を入れてくれるんであろうと。議会の中でも、補助金が幾ら来るのだとか、事業がどれぐらいできるのだとかいう議論があったことは事実であります。私のほうは、補助金は一切ありません、補助金をくださいといった時点で、国家戦略特区の地区指定は終わりですというお話もさせていただきました。これは補助金をもらうのではない。ただ、戦う武器と自由度を我々は手に入れたということでありますので、これをどう使うかというのは、行政、養父市、役所であって、市民の知恵と工夫であろうと思っています。そういう部分での多分乖離、思いが違ったという部分があるのではないかと思って。これはまさしく先ほどお話しありました、補助金頼みではないという部分につながってくるということであります。  ある意味、そういう意味で国家戦略特区の効果というのは、皆さん方のところに細かい報告とか、一々そういうことはやっておりませんし、皆さん方のところに訪問される方がおられるかどうかはわかりませんが、国家戦略特区の地区指定を受けてから、養父市のいろんな産業であるとか、教育であるとか、福祉であるとか、いろんな部門で、国家戦略特区の地区指定を受けた養父市なら、ひょっとしたら自分たちがやりたいと思っていたこと、今の制度の中では、やりたいと思ったけど、なかなか困難性がつきまとうけど、養父市ではひょっとしたらできるのではないかというような多くの若者、起業家たち、それから、企業が、以前にもましてかなり多くの数の問い合わせがあったり、プレゼンテーションが、提案があったり、いろいろしていることは事実であります。そういう意味で、養父市は今、かなり注目を浴びる中で、そういう中で、我々はいいものをしっかりとモデルケース的に取り組んだり、いろいろしておりますが、特区としてのそういう意味での効果というのは、じわっと少しずつですが、出てきつつあるということでありますので、このことはしっかりと申し添えさせていただきたいと思います。  相続放棄対策、これらについて、養父市は今、どういうことをやっているのか。これについては、部長のほうから答弁をさせていただきたいと思います。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) 相続放棄対策といいましょうか、土地、財産を権利を持ったまま、都市に出られた方がふえているというお話と、最後の御質問のほうで、その土地を地域でシェアをして、利用していく際の課題だというお話、利用を前提にお話をさせていただきたいと思いますけれども、冒頭、いろいろな世帯が農地であるとか、山林であるとか、宅地という財産を持ったというお話、前提のお話でしたが、農地の権利を持ったまま、都会に出られたような方の場合には、しっかりそこは利用しようとする場合には、農業委員会なり、農地政策課を中心に追跡といいましょうか、そういうことをさせていただいて、マッチングをするという行為を行っておりますし、できる限りそういった方には、なかなか養父市の農地の管理というのは厳しくなるような場合には、中間管理機構という制度も今ございますので、できる限りそういった制度を活用するように呼びかけをしているところでございます。また、森林に関しても、まさに森林活性化センターの仕事の一つでありますけれども、なかなか所有者が明確になっていない、または登記の代がわりが行われていないような実態もございますので、そういった情報を今後センターの業務として最新のものに高精度化をしていくと。その上で、その森林を利用する際には、所有者の方にお話をするなりしながらやっていくと。そのような話が持ち上がるまでには、活性化センターの主要な業務でありますけれども、所有者の意向を確認しながら、市が中心となって、なかなか経済的には回らない、森林の場合には、市が中心となって管理を行っていくというスキームもできました。こういったいろいろなスキームを活用しながら、地域で利用していく上での課題とならないように、対応していきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) ありがとうございました。  人口減少について、ここまで雑駁な質問になってしまいましたけれども、国に反旗を翻すということではなく、国の言う地方創生、これは地域拠点都市への資金と施策の集中ではないかと、私は捉えています。これが養父市に住む私たちがイメージする地方創生とは明らかに違うんだということだけは忘れてはならないと考えます。市長はどのようにお考えですか。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 地方創生は、もっともっとダイナミックなものでないとだめだろうと思っております。今の地方創生、確かに5年前、6年前、地方からの急激な人口減少、東京一極集中、そういう中で、地方の将来が大変なことになるという1つの想定といいますか、人口推計のもとで、地方を何とかしなくてはいけないということでスタートいたしておりますが、これは、以前も申し上げましたが、あくまでも東京、都市の人の目で見た視点での地方創生であると私は考えております。東京の人から見て、ああ、東京に人がたくさん集まってきてくれている、ありがたいという気持ちはあるかもわかりませんが、反対に、このままだと地方から人がいなくなってしまうということ。地方は大変お困りでしょう、何とかしないといけませんね、東京の人から見たら、田舎の人口をふやすために、こんなことをしたらどうでしょうかという、いわゆる恵まれたものが、少し困窮している方々に対して、どうだいというアドバイスを与えているのが今の地方創生であろうと私は思っております。これでは、地方創生はできないと思っている。やはりその人口減少の現場にいて、その大変さに直面している。将来のことを考えたときに夜も眠れないほど悩んでいる我々から見て、やはりこういうことが必要だといったことが、これが政策的にも、それから財源的にもしっかりとできるような方策を、国はとるべきだろうと思っております。  そういう意味で、今の地方創生、もう少し我々、地方に自由度と、それから財源をしっかりといただきたい、そういう思いもいたしているところであります。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) 次に、棚田の保全についてであります。棚田というのは世界中に無数にあって、フィリピン、あるいはボルネオ、中国などにも棚田はたくさんあるわけであります。日本も輪島を初め、後世に残したい棚田百選とかあるわけでありますけれども、これらですら、保全が難しくなってきております。養父市においても、過去に旧大屋町や関宮町で、棚田オーナー制度による保全に向けた取り組みを行った経緯もありますが、耕作放棄される棚田がふえる一方であります。拡大が抑えられているとの報告もありましたけれども、どこを見てそれを言っているのかと、データを検証し直していただきたいような思いでおりますけれども、現在養父市において、棚田の保全についてはどのような取り組みをされているのか、お尋ねいたします。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) 私が申し上げた荒廃農地のデータについて御批判がございましたけれども、淡々と、私どもはデータを整理して、お伝えしたまででございます。  棚田の保全についての御質問がございました。今の現状ということで、まさに議員のほうからございましたけれども、過去には棚田のオーナー制、こういったことを別宮でありますとか、加保でありますとか等でやった実績がございますが、現在では、なかなか受け入れの手間等の問題で、別宮あたりはちょっと一時休止というような状況でございます。一方で、例えば別宮に関しては、パートナーズが京阪神の企業やスーパーと連携をして、田植え体験をやって、都市部の方々にそういった棚田のよさを体験してもらうような取り組みは引き続き行っておりますし、加保については、シルバーさんのほうで引き続き継続的にオーナー制度を実施してございます。田植えと草刈りと稲刈りを体験できるというものです。また、厳密に言うと、オーナー制度にはならない、料金をとっていないという意味で、オーナー制度にはならないかもしれませんが、体験ということで、高柳のほうでは田植え、草刈り、稲刈りを体験した上で地域に泊まってもらうというような取り組みも行われているというふうに考えております。その他、こういったオーナー制度に近いような体験型の取り組み以外でも、中山間直接支払いの交付金で棚田の保全に対する支援を行っておりまして、地区数でいいますと28、面積でいいますと170ヘクタールが対象となっておりまして、3,000万円以上も支援を行っているというようなところでございます。活動に対しては、このような補助といいましょうか、支援策もございますが、ハードにつきましても今、まさに走っている地区がございますけれども、県営事業のふるさと水と土ふれあい事業等を活用して、農道であったり、水路の整備であったり、こういったことを検討したり実施をしようとしているところであるというふうな認識でございます。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) いろいろとやっていただいているということがよくわかりました。  私も、市民の方から、昨年、新聞記事を示されまして、12月14日の新聞、棚田の維持に向けた法案が出そうだとありました。これは恐らく棚田地域振興法、先日できたもののことだと思いますけれども、何とか棚田を守ることに力を注いでくれないだろうかと言われておりました。しかし、先日、もういいと、補助金があっても、もう何年かでやれる人が本当にいなくなる、もう地域では支え切れないからいいよと、寂しそうに言われておりました。誰だって、先祖から受け継いだ田畑を捨てたい人などはいません。できることなら、父や母とともに働いたその景色を残したい、誰もがそう思っておられるのではないかと考えます。  ことしの6月、つい先日でありますが、棚田地域振興法が成立しました。しかし、これも生産活動に主眼を置いた保全は、非現実的であるとしています。つまりそれは、ある程度山に戻ることは仕方ない。景観を守り、観光の視点での保全をしていこうというような考え方かなと、私は思っております。この棚田地域振興法について、その意味するところと養父市に与える影響について、お尋ねいたします。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) この6月に、棚田地域振興法が、議員立法で提案されまして成立してございます。まさに、養父市のような中山間地における棚田を、農業生産のみならず、いろいろな多面的な機能に着目して、いろいろな省庁の支援策を優先的に充当できるように、5年間の時限という法律ではございますけれども、各省の連携のもと、議員立法でできたということになってございます。今まさに、法律が施行されたところでございまして、今後、兵庫県のほうで県の基本的な方針を定められるというふうに聞いておりまして、今まさにその段階でございます。そののち、指定棚田地域というものを各都道府県が申請をしまして、国が審査をして、国が棚田地域に指定をすると、先ほど申し上げたような財政措置であるとか、人材育成等の支援が受けられるということになってございます。これは、県が養父市を選んでくれるのを待つのではなくて、自治体が、市町村が申請を提案することができるというスキームになってございます。もちろん、棚田がある地域というのは非常に多くて、県内でいろいろな競争といいましょうか、あるとは思いますけれども、ぜひ養父市としてもこの指定棚田地域に選ばれるように、積極的に挑戦をしていきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) 確認をしますけれども、指定棚田地域というのは市全域のことを言うんでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) 今の情報によりますと、旧町単位である一定程度のまとまりを持った棚田の地域を指定するというふうに聞いてございます。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) そうしますと、高齢化で担い手がいなくなる中で、耕作できない棚田がふえているわけですね。養父市の現実的な問題として、棚田をどう守るのかということですが、方法としてはどのようにお考えでしょうか、お尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) 今、まさにこの後にも御質問があるかもしれませんが、旧関宮町の別宮のあたりでは、いろいろな生産基盤の環境が悪いと。道路が、農道がない、または水路がなかなかつけが悪い、排水が悪い。なので、耕作放棄地が発生してきているというお話もありますが、究極は、やはり担い手不足によって、条件が悪いところはどんどん放棄されていると。今、別宮のほうでも議論しているんですが、その基盤の整備をやったとしても、しっかりとそこを守っていける担い手が確保できるのかというところが、最大の地区の課題になっておりまして、この話になると、まずはやはり人・農地プランをつくる過程において、地域で、では誰がどうやっていくんだということをしっかり話し合いをしていただいて、それでも地域でどうしても守れないというお話であれば、先日の同僚議員の御質問にも回答させていただきましたけれども、特区を活用して、企業に来てもらうのか、または隣の地域と広域的な集落営農をやるのか、そういったいろいろな手法を検討していなかければならないというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) 別宮の棚田の話が出ました。別宮の棚田というのは、氷ノ山を背景に、非常に美しい景色となっています。政府の要人も多く訪れまして、今や養父市の国家戦略特区や地方創生施策の顔とも言うべき存在になっているんではないかと思います。ワールドマスターズゲームズ2021関西で、たくさんの人が訪れたときも、まず息を飲み、感動するのは、あの景色であります。何としても守りたい景観であります。話にありましたように、そこもまた担い手の減少から、存続が危ぶまれているということでございます。  まっすぐお聞きしますけど、果たして養父市はあの景観を守れるのか、お尋ねしたいと思います。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) まさに養父市の顔と申しますと、別宮の圃場に張られた水に移る逆氷ノ山と申しましょうか、あのシーンと天滝と、そういうのが養父市のシンボルになっていると思いますので、ぜひとも守っていかなければいけないとは思います。しかしながら、現実を直視しますと、いろいろな課題は先ほども申し上げました。いろいろな補助事業を活用して、ハード整備はできるかもしれません。ただそれを活用していただける人、担い手、農家の確保をどうやってやっていくかというのを今、まさに地域と一体となって真剣にやっているところでございます。もちろん、棚田地域振興法がこれの一助になるかもしれないんですが、時限の法律でもありますし、なかなか厳しい側面もあろうかと思います。  今回、棚田地域振興法のいろいろな資料を読んでいる中で、他地区の事例、優良事例がやはりいろいろ紹介されてございます。よく御存じかと思いますが、輪島の千枚田あたりは、本当に修学旅行生が再生に非常に大きなインパクトを与えたという事例もございますし、お隣の徳島の事例あたりは、本当にもうギブアップ寸前だったところに、地域のお父さんが息子をたまたま呼び寄せてみて、その息子さんが、ちょっとおもしろがっていろいろなネットワークをつくった結果、8,300もの圃場が、今、3分の1が再生しつつあると、そういうような話もございますし、力を入れてこれをやりますとは、今のところなかなか言えないんですが、そういった事例を見てみると、意外なきっかけで事が好転する場合もあるということで、決して悲観的にならずに前向きな議論を地元の方としながら、養父市のシンボルである別宮の棚田をしっかりと守っていきたいというふうに思っております。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) 5年間の時限立法も利用していただきながら、何とか保全に力を尽くしていただきたいと思います。
     次に行きます。同じような話になりますけれども、荒廃農地の問題です。御存じのように、耕作放棄されて、荒廃していく農地が後を絶たない養父市であります。高齢化はさらに進み、耕作されない農地もさらにふえてまいろうかと思います。農水省は、2025年までに4.5万へクタールの荒廃農地を再生させると言っております。そこに荒廃農地等利活用促進交付金、これは人・農地プランを立てた団体が対象になりますけれども、こういった制度もあるわけであります。養父市においては、荒廃した農地を再生して耕作していくという発想は、現実的ではないと考えます。今の話にもありますように、担い手がいないからであります。もちろん適合する事案はそれでいけばいいわけでありますけれども、まず養父市の環境と景観をどうやって取り戻すのか、そういった方向性を持つべきなんだろうと思います。  日本では、土地は先祖から受け継いだ財産であるとの認識が強いわけで、これをシェアする発想もなくて、共同利用にもつながりにくい、利用する場合にはということで、先ほど部長のほうからも説明がございました。手はあるんだなと思います。地域の皆さんと合意ができれば、荒廃農地が農用地としてでなくても、刈り込まれ、景観を取り戻し、利用されることで、地域に活気を与えられないかと考えるのであります。現時点で養父市においては、荒廃農地の利活用に向けた取り組みというのは何らかの形で始まっているのでしょうか、お尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) 御質問の趣旨を踏まえると、荒廃農地の農業利用としてではなく、その他の利用の動きというお話かと思いますけれども、前段として、議員のほうからは、荒廃農地の再生というのは、非現実的ではないかという御提案がございましたが、実際は、そうとも言い切れないという事例から紹介させていただきたいと思います。  昨日から、荒廃農地のいろいろな情報提供をさせていただいておりますが、例えばなんですけれども、平成30年度の調査におきまして、前年度、俗に言う荒廃農地、A分類という比較的再生が可能な分類の農地が、平成30年度に、前年度において意向確認をするわけですね。ちょっと荒れ気味ですけれども、どういうふうにされますかというふうに農業委員会の皆様で聞き取り、意向確認をさせていただきます。中間管理機構に預けるとか、いやいや今はやめているけど、自分で耕すつもりだとか、いろいろな回答があると思います。そういった活動を通して、ある意味、有効活用であるとか、あとは自分でやる意向がなければ、流動化、誰かに貸してみてはどうですかというような調整を推進委員さんであったり、農業委員さんが行われた結果、4ヘクタールを超える農地が、A分類ですので、比較的程度の軽い荒廃農地なんですが、それが通常の農地に戻っていると、作付がなされているようになったというような実績もございますし、いろいろな国の、これは今申し上げたのは農業委員の活動を通じて、荒廃農地が農地に戻ったという事例でございますけれども、一方で、本当に荒れてしまった農地を、いろいろな重機を入れて再生させるようなものに対しては、国、県、市がいろいろな角度から補助メニューをつくってございまして、1反当たり5万円程度の支援を行わさせていただいて、ここ数年でも7件、3ヘクタール程度の再生が行われているということで、先ほど別宮なりの話のときに、市はどこを見て耕作放棄地がふえていないんだと言っているんだとおっしゃいましたけれども、まさに濃淡がございまして、市内で回復できているところはできています。それは議員おっしゃるとおり、プレイヤーがいらっしゃるところだというふうに思います。ただ、やはりいらっしゃらないところは、なかなか再生してまで、使う人がいませんので、そういった動機づけがなかなかないということです。  本来の御質問のほうに戻りますと、農業以外の利用で、何とか利活用できないのかというお話です。正直言って、なかなかそういった事例というのはないというのが実態でございまして、やはりこれだけ農業を中心としたまち養父市で、耕作放棄地を再生させて、何かに使っていこうとした場合、やはり水田なりに回復、再生させたほうが、次のメンテナンスといいましょうか、維持も楽だということがあるとは思うんですけれども、なかなかそういった別利用のというのは、まだ私どもの耳には入っていません。ただ一方で、ハチ高原のほうで、そういった耕作放棄地にヤギなんかを放牧させて、高原に来ていただいた学生さんがそういった動物たちとスキンシップをしながら、ヤギでとれたミルクをチーズにするとか、いろんなアイデアがあるようですけども、そういうアイデア段階のお話はありまして、そのような話が具体化できるように、市としてもいろいろな今後支援をしていく必要があるというふうには考えております。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) 少し希望はあるのかなというようなお答えをいただきました。ヤギであるとか牛を放牧するとか、あるいは果樹園にしてしまうとかいうような動きもあるようではございます。さきの参議院選挙でも、中山間地の農業や家族農業を守らなければならないと、多くの候補者の方が訴えておられました。どんなに基盤整備をして補助金を出していただいても、言われるように担い手がいなければ先へ行かない。また、農地を持ったままの非農家というのもふえているような現状かと思います。農地の利用、そして棚田の保全、荒廃した農地の利活用、そして鳥獣被害対策、森林の整備、これらを少ないプレイヤーで、担い手で維持していける仕組みをつくれないものだろうかと、いろいろ思うわけでございます。  それで、例えば個人の方でもやっていらっしゃるんですけども、人・農地プランなんかの作成の途中で、話し合いの中で、ある程度まとまった荒廃農地にある程度手を入れて、例えばクリでありますとか、あるいは栃の木を植えていただく。クリは3、4年かかるんですか、栃は13年から15年ぐらい実がなるのにかかるそうでございますけれども、これを地域と市、地域おこし協力隊、あるいは別の主体でもいいわけですけども、複数の主体で協力して管理育成をしていく。花の時期には養蜂で蜂蜜を生産する、あるいは収穫した実は6次産業化の中で製品開発して、特産品へと育て上げていく、いいものができれば、市内のお菓子屋さんでもきっと利用していただけるのではないかと考えます。草刈りも、実の収穫も、ふるさとを守るコンセプトの中で、内外のボランティアを募集することで、イベント的に実行できていかないだろうかと考えます。栃の実拾いボランティア、クリ拾いボランティア、草刈りボランティアと、そういったぐあいでございます。全てをそれでというわけにはいかないでしょうから、作業や担い手、分散してネットワークをつくっていく、そういうことで、持続できる仕組みづくりをしないと、前には行かんのかなという思いもあります。幾つかの地域で成功事例をつくり上げ、広げていくことができれば、養父市の景観も守りつつ、新たな展開も期待できるのではないでしょうか。先人たちが守ってきた農地が、山に戻っていくのを黙って見てはいられない、そういう人はたくさんいらっしゃるのではないかと考えます。  もう1つ例を挙げますと、桑です。養父市は、昔から畑に桑を栽培して養蚕が盛んでありました。養蚕を復活しようというのではありませんけれども、桑は養父市民にとって歴史的にもかかわりの深い存在であります。種類も豊富で、養蚕に向くのは山桑、桑白皮という生薬になるログワ、マルベリーとして実を食べ、果実酒にもできる種類もあります。桑茶としての利用もよく知られているところでございます。養父市の荒廃農地が桑で覆われて、産業としての仕組みを構築できたら、こちらのほうがストーリーとしてはおもしろいかもしれません。例を挙げましたけれども、このような取り組みはできないものか、お考えになっていないのか、御意見を伺いたいと思います。 ◯議長(深澤  巧) 鶴田産業環境部長◯産業環境部長(鶴田 晋也) ありがとうございます。いろいろなアイデアをいただきました。私、議員の御質問の中で、1つの成功事例をつくり上げて、それを広げると。そうすればしっかり養父市の景色が守れるのではないかという御質問ございましたけれども、まさに国が言うスキームをまねするなとはちょっと相反するかもしれないんですが、成功事例は、養父市にはまだないかもしれませんが、先ほども例に挙げたお隣の岡山にはしっかりあるわけですね。そういったものをしっかり勉強しつつ、やはり人が重要になってきます。どういうプレイヤーが来てくれるかがやはり非常に重要となってくるんだろうなというふうに考えております。そういった人たちを探しながら、優良事例も勉強しながら、活用していくとしたら、既に養蚕プロジェクトなんかもやっていますけれども、切り口の一つとして桑というのは、やはり養父市が誇るべくリソースの一つだというふうに考えておりますので、本日いただきました貴重な御意見を参考にしながら、先行事例も勉強しながら、対策を考えていく必要があるというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) これでおよそ私の質問は終わるわけですけれども、養父市の農業は企業による農業、また集落営農、そして、個人も有機栽培、朝倉山椒や八鹿浅黄、ニンニクなど、もうかる農業を目指し、多様な動きを見せております。その努力の影で、山に戻ろうとする農地がふえております。今回は、そこを取り上げてみました。いずれにせよ、合わせ技で地域を持続せしめる努力が必要だと考えます。少ない人数で管理できて、景観を守り、農地の荒廃を防ぎ、かつ生活の糧になることにつなげるためにできること、その可能性を求める必要があるのではないかということで、例えばの話をしてみました。展開としては、関係人口をふやすこともその仕組みの中に入れていく。人のつながりをふやしながら、利益も生むようなものであればと考えます。2040年、20年後の養父市の中心部以外の地域に誰が残っているのか。何もしなければ、山間地にはほとんど若い人がいないと想定される中で、どんな地域を描けるのか、やはり今、それぞれの地域に住む人たちがあしたのために何ができるのか、本気で話し合うしかないのではないかと思います。自治体は、市役所は、それにアイデアを出せるのか。きのうのように、きょうをこなしているだけでは、村は消え、田畑は山に返っていきます。何を解決すればよいのか、養父市をどんな空間に見立てるのか、そこに住む人はどんな人か、そこに漂うコンセプトは何なのか、共通認識を育てていかなければならないと考えます。市の職員の皆さんも、定例的な補助事業の事務に追われるだけでは、養父市のあしたが見えてこないのではないか。私は、職員の皆さんが市民に影響を与え、市民とともに汗する存在であってほしいと願っています。そこから発生する新たなものに期待したいと考えます。市長のお考えをお尋ねいたします。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 今、市の職員のあり方、市の組織としてのあり方ということでお話をいただきました。まさしくそのとおりだろうと思っております。今、市のほうでは行政系マネジメント等しっかり取り組みながら、職員の今、意識の改革等も行っているところであります。やはり市民の立場に立ってしっかりと、そして養父市の将来をイメージしながら、そういうまちづくりを行っていける、そのことに果敢に挑戦していける勇気と沈着冷静さと、それから賢さ、やさしさ、それらを備えた職員をつくり上げていきたい、今、そういうことに努力しているところでございます。しっかりと期待に応えれるように、頑張っていきたいと思っております。 ◯議長(深澤  巧) 12番、藤原芳巳議員。 ◯議員(12番 藤原 芳巳) 養父市に住んで、支え合いながら楽しく暮らすのにどんな仕掛けが必要か、今後とも皆様とともに考えていきたいと思います。  以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ◯議長(深澤  巧) 以上で、12番、藤原芳巳議員の一般質問は終了しました。  暫時休憩します。                  午後2時19分休憩        ──────────────────────────────                  午後2時34分再開 ◯議長(深澤  巧) 再開します。  小井塚健康福祉部長より、発言の申し出があります。  小井塚健康福祉部長。 ◯健康福祉部長(小井塚 裕二) 田路議員の一般質問の私のほうで答弁をさせていただいた発言の中におきまして、おおや高原に就労といいますか、実習的に体験をされておられる方がお二人というような発言がございましたが、現実には2つの農場といいますか、で各2人ずつということで、計4人の方が就労Bという形で実習を行っておるということで、訂正をさせていただきます。申しわけありませんでした。 ◯議長(深澤  巧) 休憩前に引き続き、一般質問を行います。  4番、西田雄一議員の発言を許します。  4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) それでは、一般質問に入りたいと思いますが、こうして当局席を見ますと、広瀬市長の隣の席があいてございます。前副市長は本会議開催前の9月3日に一身上の都合でおやめになりましたが、せめてこの9月議会だけでもと市長も留意に努められなかったのか。また、承認した私ども議会もひどく軽視されたものだなと、こう感じております。このようなことは過去2回ほどありましたが、市民の皆さんや他の自治体から見ると、異常な状況に見られているのではないかと思います。いずれにしても、一刻も早く後任を探されることを念じながら質問に入ります。  さて、養父市は合併当時、マスコミなどに財政破綻、今では財政再建団体と言いますが、北海道夕張市のようになるのではないかと言われ、市民の皆さんもいろいろ心配されたと思いますが、昨年は合併15年式典を開催されました。その間、市長も3人かわられ、それぞれ市民、住民の福利向上を願い、みずからの施政方針を掲げ、予算を執行されてきました。その御努力もあってか、第2の夕張市になることはありませんでした。  ところで、自治体の予算は、単年度主義が原則ですが、長期間を要する施策などは1年ごとの単年度予算で数量化され、事業事務を積み重ねて具体化されることなどから、私も一度、この15年間で、どのぐらい養父市は予算を使ったのか調査をしてみました。すると、一般会計、特別会計合わせて当初予算約5,040億円、歳入決算4,836億円、歳出決算約4,683億円ものお金が15年を通し、市民の皆さんのために使われてきたことになるのでございます。そのうち、財政力に限っていいますと、決算の状況は市税などの自主財源は4分の1程度、残り4分の3は、地方交付税、国・県支出金、市の借金などの依存財源で賄われ、地方自治体の財政力を示す指数も、合併後10年間、さほど変わらず、平均0.25で、豊岡市0.41、朝来市0.47などと比べても低く、県下一低い状況であり、市の人口構造や産業構造を見ると、大きな企業の誘致などで生産人口をふやすか、市税を上げない限り、今後財政力の向上は考えられないとは思っております。  また、合併以来、今日までの歳入4,836億円のお金の流れの中で、1点気になることがございます。と申しますのは、自主財源は少なく、国県の交付税など依存財源に頼っていながら、基金が多いのはなぜでしょうか。これは平成20年度ごろからふえ始め、平成30年度は市民1人当たり基金は59万1,662円で、豊岡市、朝来市に比べ、約2倍程度多くなっております。この理由は今後の人口減、普通交付税の一本算定などによる将来へ向けての借金返済や、いつやってくるかわからない災害対応、現在建設予定の文化会館の財源など、市民の将来のことまで考えていただいている市長当局の取り組みは理解できますが、多くとは言いません。もう少し市単独の普通建設事業費など、住民ニーズのために使っていただいておれば、合併後15年間の養父市の姿も、幾らか変わっていたかもわかりません。  このような厳しい財政状況の続く中、養父市も他の自治体同様、平成23年6月に、第2次総合計画を策定されました。そもそもこの第2次総合計画は同年3月に提案されたのですが、二元代表制のもと、市民にその理念や計画の説明責任などが必要なことから、当時の議会でこの計画を審議する特別委員会を設置、継続審査の申し入れをし、結局6月定例会で議会の修正案を加え、可決したことは、広瀬市長もよく覚えておられると思います。あれから早8年、養父市の全ての計画の基本となり、地域づくりの最上位に位置づけられたこの総合計画にどう携わってこられたのか、市長の所管をお聞かせください。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 4番議員、西田雄一議員の御質問にお答えいたしたいと思います。  ほとんどもう回答も皆言っていただいたような御質問をいただきました。ありがとうございます。合併以来、財政再建にしっかりと努めてきたということでございます。そして、危機的な状況にありました財政状況も今はかなり安定した状況になってきているということで、これは議会初め、市民の皆さん方の御理解、御協力のたまものであると思っているところであります。そういう中で、もう少ししっかりと一般財源、まちづくりに投資してきたならば、もう少しいい形になっていたのではないかというようなお話もありました。そうであったかもわかりませんし、そうでなかったかもわかりません。今はただ、結果として今の財政状況、非常に安定した状況にある結果に導いているということであります。少ない投資ではありましたが、それでも、御質問もありますように、15年間で4,000億円を超す、平均しますと15年、300億円近く、300億円以上になる。多くの金を使ってきたんだなといまさらながら思っておりますし、養父市の力というのはすごいんだなという思いもいたしました。しっかりと市政運営をやらせていただいたということであります。  そういう中で、今、養父市は養父市らしい特徴を生かしたこの15年間、いろんな紆余曲折ありましたが、養父市らしいまちづくりの方向性を打ち出しながら、やはり市民の地域に対する誇りとかそういうものを尊重しながら、しっかりといいまちづくりができつつあるのではないかと思っております。いろんな意味での御批判であるとかいうこともお聞きしておりますが、トータルとしてはよくやってきて、やってこれてきたのではないかなと思っております。  そういう中で、第2次総合計画の進捗評価等についてということでございます。これにつきましては、過日、総合計画の評価について、皆さん方に御提示をさせていただいたと思っております。今5つの目標、それから40の施策で目標を掲げて、指標を掲げてやっておりますが、今、私、手元に持っておりませんが、私も目を通した中で、10年後の目標を達成したもの、それから、5年後の目標を達成したもの、それから、比較的順調に目標を達成しつつあるもの、それらを入れますと40項目のうちの約3分の2、66%ぐらいが計画の目標に向かって進みつつあるという評価を得ておりますので、ある意味、順調にといいますか、100%でないといけないのかもわかりませんが、約3分の2、66%、67%ぐらいの率でいい方向での評価をしておったと思っておりますので、それなりに総合計画の目標に沿って進んでいるのではないかと考えているところであります。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) 私は、できるだけ自分で調査できることは調査して、それから一般質問に臨むようにしておりますので。  それと、今の市長のありました指標の40、これは今から説明しますので、よくお聞きください。それから、この総合計画なんですが、養父市の将来像を実現するために5つの柱とそれからそれごとに4つの施策、それからさらに政策ごとに40の成果指標が設定してあります。この進捗状況の平成30年度実績が、3日ほど前、本来ならもっと早く出ておらなければならないんですが、3日ほど前に発表されました。これ、もう少し早くいただいておれば、私も一般質問のやり方も変わったんですが、これによりますと、40指標のうち、景観地域指定件数とか分野別新規企業件数、それから、光ケーブルのカバー率など、27指標が策定時から数値の伸びが見られるものの、これから言います合計特殊出生率、これは策定時1.85人、10年後2.1人が、平成30年度現在で1.62人、また1世帯当たりの人員数、10年後には3人、これが同じく2.5人、それから、市のホームページのアクセス数、10年後が100万、こうなっておりますが、平成30年度では半分程度の54万8,000アクセスと、こう全く指標値に達しない施策もあるようです。特に、合計特殊出生率や1世帯当たりの人員数は、即人口減に変わる大きな問題ですし、ホームページアクセス数は、私も何度も言っている養父市の情報発信の弱さに原因があるのではないかと、こう思っております。今後、2年ほどですが、それなりの予算措置も考えなくてはと、懸念もしております。当局は、今後どのように考えておられるのか、お聞きします。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 評価の中で、特に進捗率の悪いものについて、今、御説明があったのではないかと思っております。人口の問題に関しましては、総合計画が平成23年度に第2次、今、この話題になっているのを立てました。それ以降、人口減少問題が国の大きな問題として、これも取り上げられ、地方創生というような形で、改めて人口問題に関する部分だけは総合戦略ということで取り組まさせていただいているところであります。総合戦略は、総合計画の人口部分に対するより実践的なといいますか、具体的な戦略であろうと思っておりますが、今ではやはり、我々自治体が置かれている環境から見れば、まず人口問題をしっかりと解決する、これが最も大きな課題で、急がれる課題であるということで、どちらかといえば、総合戦略をしっかりと実現するという方向で少しシフトダウン、重さがそちらに行っている。ただ、総合計画全体としての5つの柱を均衡、しっかりとどれもバランスよく成し遂げていく、これも大きな使命でございますので、そのこともしっかりやってきたわけですが、特に人口部分については力を入れて、戦略ということで力を入れていく。ただ、人口減少、先ほどこの一般質問でも多くの方から質問いただき答弁させていただきましたが、人口減少については、なかなかやはり構造的な問題もありまして、構造的なものを一挙に変えるということには時間がかかる、国全体が人口減少社会に入っている中で、特に難しい部分があるということで、総合計画策定時の平成23年度、ですから実際は平成22年ごろからの計画だろうと思うんですが、当時とは立てた目標から見ると、なかなか実現しにくい状況にあるということで、合計特殊出生率に関しましても、1世帯当たりの人口にしましても、目標を達していないということは事実でございますが、ただ、プロセスとしては総合戦略という部分で、この部分についてはかなり努力を傾注してきたところであるということを申し添えておきたいと思います。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) この合計特殊出生率ですが、丙午から国全体が1.59かな、1.58かな、あって、人口の増減の一番基準点は、指標にある2.1なんです。それより上になったら、人口はどんどんふえる、下やったらどんどん減るというようなこともございますので、日本全国が全体に人口減少に入っておりますので。  次に、将来人口と市民規模についてお聞きします。さきの成果指標の数点についてもそうですが、この将来人口と市民規模、これについても策定時、議会が修正案を入れさせていただいたところでございます。特に、市民規模は、定住人口を中心にした従来のまちづくりから、養父市まちづくり基本条例、これが示す市民、つまり市内に居住する人や市内で働く人、学ぶ人、活動する人及び団体など、養父市にかかわる全ての人々が市民としてまちづくりに参画していくことで、まちづくり条例の3万人としております。将来人口については、養父市においても、人口減が予測される中、八鹿氷ノ山インターチェンジの開通インパクトや、基本計画に定めるまちづくり事業に市民協働で取り組み、10年後には第1次総合計画で目標とした人口2万6,000人を維持するということでありました。この将来人口と市民規模については、この間いただいた総合計画の進捗状況には明記してございませんので、実際、進捗状況を御教授願いたいと思います。 ◯議長(深澤  巧) 井上企画総務部長。 ◯企画総務部長(井上  剛) ただいま総合計画等の中で示されております市民規模、将来人口の関係についてでございます。先ほど議員からの質問の中にありましたとおり、市民規模につきましては、養父市のまちづくり基本条例が示す市民というようなことの中から、市に、本市養父市にかかわる全ての人を市民という位置づけで、その市民がまちづくりに参画することを目指すということで、市民規模というようなことと定めておるわけでございます。今でいいますと、関係人口という言葉が最近ございますけれども、近いものがあるのかなというようなイメージでございます。市民規模といいますのは、正確にはかることはちょっとなかなか難しい、できないというようなこととは思いますけれども、現在の人口、また国勢調査等で数値が出ております昼間流入人口、昼間に入ってこられる働く方であるとか、学生さんとか、そういった方々でありますとか、そのほか、市内でいろいろと活動していただいている団体のメンバーの方々、そういった方々の数字等も加味する中で、昼間人口につきましては、平成27年の国調によりますと、約3,700人近い数字というふうになっております。そういったことを加えますと、目標としております市民規模に、3万人には若干切れるかもわかりませんけれども、ほぼ近い人口が維持できているのではないかなと推測はしておるところでございます。しかしながら、現在の住民基本台帳上の人口によりますと、7月末現在では2万3,395人ということで、将来人口とは少し乖離をしているというような現状があるというふうに分析しておるところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) 将来人口については、きょうはまだ話は余りしませんが、市民規模、これは現在高校生にしても、どんどん学級を減らしていますので、減っていますし、商工会関係が平成18年からの調査では3割方、事業者数も減っておりますし、そこらのこともいろいろありますから、昼間人口も、そこの今言われた差のほうに出てきていることとは思いますが。  次、月日のたつのは本当に早いもので、先ほどもありました平成23年度の策定時には、10年先といえば、物すごい先のような、私らも考えながら議会で審議をしておりましたが、もう次の計画を考えなければならないようなところまで来ております。  ところで、これまでの総合計画は、市町村に対し、総合計画の基本部分である基本構想について、これは議会の議決を経て定めるということが義務づけされていました。ところが、平成23年5月に地方自治法が改正されて、基本構想の法的な策定義務がなくなりました。策定や議会の議決を経るかどうかは、市の独自の判断でできることになりました。さらに、総務大臣からは、しかし引き続き、自治体それぞれの判断で議会の議決を経て、基本構想の策定を行うことができる通知が出されたと、私は理解しております。この通知に基づき、基本条例を根拠にして基本構想を策定する自治体が今はふえているようでございますが、養父市はどうされるのか、お答えください。 ◯議長(深澤  巧) 井上企画総務部長。 ◯企画総務部長(井上  剛) 総合計画につきましては、先ほどもございましたとおり、地方自治法上の策定義務ということからはなくなったわけでございますけれども、しかしながら、市のまちづくりを進めていく上で、一定期間のビジョンといったものは必要であると考えております。御承知のとおり、総合計画につきましては、来年度末をもって期限が来ることになっておりますが、先ほど市長のほうからありました、人口ビジョンに特化したということで、総合戦略につきましては、本年度末というようなことで期限となっております。しかしながら、地方創生の実現のためには、総合戦略におきましては、人口減少対策を切れ目なく展開していく必要があると考えておりますので、本年度末までには、次期総合戦略の骨子となる部分はお示ししたいと考えておりますし、またその骨子をもととして、次年度、早い段階で総合計画にかわるもの、これらを一体化したような仮称としますけれども、基本構想的なものというような一本化したようなものを早い段階で策定いたしまして、それを議会のほうに説明をする中で、議論をしていただきたいなというふうには考えておるところでございます。現在、次期の総合戦略、また総合計画なる基本構想の策定に向けて、市民アンケートをとっておるでありますとか、今後は関係団体、また市民のワークショップ、関係団体等のヒアリング、いろいろな面で市民の皆さんからの御意見等も聞く中で、次年度に向けて作成をしていくということで、現在は進めておるところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) それで、議会で議決するかどうかは。その際、達成できなかった指標に対して、先ほども何点かありましたが、それらはどういうふうにされるんでしょうか、お聞きします。 ◯議長(深澤  巧) 井上企画総務部長。 ◯企画総務部長(井上  剛) 指標といいますのは、達成度の把握でありますとか、その原因、また分析等する上で、事業の改善等を図るうえにも、必要であるものと考えております。達成したもの、現在達成できているものについては、より高い目標を立てるのか、また未達成のものは達成をするために指標の見直しをするのか、現状に合わせながら見直し等も検討はしていく必要があるのではないかなと考えております。現在、基本構想、仮称の基本構想の策定に向けまして、先ほども言いましたけれども、アンケート等を実施しております。その中で、御意見等も踏まえながら、新たな指標等といったものも定めながら、今、目標を達成していないから、そのままの目標といいますか、指標にするというのではなく、新たな視点に立った中での指標というものは定めていく必要があるのではないかなと考えておるところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) 私がなぜこんなことを聞くかというと、8年前のこの計画策定時の本会議の審議で、審査で、私が、成果指標が達成できなかった場合の責任はどうなのかと、こういう質疑をした際、市長は、指標化は実現の度合いをはかるための物差しであり、当然、この目標に向け我々は努力をしていくが、それができたらどうなのか、できなかったから責任がどうなのかと、こういう話は結果を見てからの話であり、努力目標であるということで御理解いただきたいと答弁でございました。市長、覚えていらっしゃいますね。この総合計画は、将来像の実現に向けて適切な予算編成を行う体制をつくり、総合計画を基準とし、予算編成、行政評価が一体となることで将来像の確実な実現を図ると、こうあります。策定時は将来像であったのが、先ほども言いましたが、現実、つまり結果が出るのはもうすぐでございます。市長のお考えは当時と変わりませんでしょうか、市長、どうでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 指標は、持続可能なまちづくりを行うために達成しなくてはいけない大切な目標であるということであります。その実現に向けて最大限の努力をしますが、いろんな環境の変化、状況の変化等もありますので、できない場合もあり得るということで、達成に向けて努力する、努力目標であるということには変わりはないと思っています。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) 私は、責任は誰にあるのかということでしたが、責任は全員にあるということでしょうか。市長、責任は、ここのお考えは変わっていないでしょうか。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 達成できなかった責任は、行政の計画で行政の目標で努力したけどできなかった、責任は私にあるのかもわかりませんね。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) 私が心配するのは、この10年前の総合計画の問題点なんですが、また市長がお気に召さない言葉を使うかもわかりませんが、やっぱり形骸化であり、機能の劣化であると、10年たてばと私は思っておるんです。井上部長、今後こういう計画を出される、されるときには、今の点にも十分留意されてこういうような計画をつくっていただきたいと、こういうように私は思いますが、今後のこともありますので、何かあれば伺っておきますが。 ◯議長(深澤  巧) 井上企画総務部長。 ◯企画総務部長(井上  剛) 今、御指摘いただきました、計画が形骸化とならないように、現在も行っておりますけれども、PDCAサイクルをしっかりと展開させながら、目指すまちづくりの将来像に向けまして、しっかりと計画を含めて、実行できる計画づくりに努めていきたいと思っております。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) それでは次に、私も、第2次総合計画を調査研究する中で、関連がありますので、広瀬市長のマニフェストや、それから養父市長、ひろせ栄政策綱領はどんだけ進んどるん、出ていましたね。これなど読ませていただきました。特に、どんだけ進んどるん、これには第2次総合計画との整合性、これもはっきり明記してございましたので、やはり総合計画のことはここにも書いてあるなと思いながら読ませていただきました。このひろせ栄政策綱領はどんだけ進んどるんの自己の総合評価なんですが、これは70点であり、土づくりから種をまき、芽吹きを見守ってこられ、成長を助け、開花を迎える時期に向け、引き続き事業に取り組んでいかれるそうですが、せっかく花の咲くのを、開花を待たれるんでしたら、実を結ぶまで。花が咲いたら実ができます。実を結ぶまで世話をすべきだと思います。つまり、もう一度選挙に出馬されるお気持ちはあるのかどうかですが、市長のそのお気持ちは現在ありますか。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 話が随分飛躍して、とまどっておるところでございますが、私の任期はまだ1年以上あるということでございますので、任期の全うに向けて、しっかりと努力をしていく、政策の実現に努力をする、養父市の地方創生に向けて、実現に向けて努力をする、そのことに尽きているということでございます。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) 想定内の答弁、ありがとうございます。  それで、任期を全うされるのなら、この自己評価70点、これなんですが、市長には釈迦に説法だと思いますが、市長1人でされたのではないと思います。前におられる市の幹部の皆さんは、皆さん初め、職員全員の協力があってのことだと、私は思いますし、さらに、職員をまとめる市長の女房役、片腕となって働いてくれる人も、私は必要だと思います。これから、来年度の予算編成など、多忙を極めるときに、副市長不在で市政が滞らないよう、早い段階で後任を人選したいと、市長みずから言われておりますが、9月定例会もきょう20日ですので、あと1週間でございます。議会承認の件もありますが、もう副市長候補はお決まりになられましたですか。 ◯議長(深澤  巧) 広瀬市長。 ◯市長(広瀬  栄) 一般質問の通告にない質問でしたので、全然答弁を考えておりませんので、お答えすることはできません。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) 私は、市長のマニフェストと広瀬栄の、どんだけ進んでおるなどについて質問しておりますので、その質問の中にはこういう質問も出ることは、ただその質問だけについてだけじゃなしに、そういう、これについてですから、そこらはある程度、市長もおくみになっていただきたいと思いますが、これについては答弁は要りません。もうお決まりですか。 ◯議長(深澤  巧) 質問を続けてください。 ◯議員(4番 西田 雄一) 次に、議会から提出する教育関係の意見書なんかに出てくる経済協力開発機構OECDというのがございます。これの調査によると、日本の教員は、1週間の仕事時間が小学校で54.4時間、中学校では56時間で、調査に参加した国や地域で一番長いという結果が出ました。原因は、授業時間が長いのではなく、授業準備や他のほかの事務事業にとられている時間が多いそうですが、養父市の現状はどうなのか、教育委員会のほうですかね。お聞かせください。 ◯議長(深澤  巧) 足立教育長。 ◯教育長(足立 篤史) 先生方の勤務時間につきまして、ことし6月、OECDのほうから発表がございました。そのような傾向が、養父市の先生方にも見られるのかどうかという御質問でございます。まず養父市の先生方の勤務時間の傾向についてお話ししたいと思います。県に報告している超過勤務記録簿統計というのがございます。学校には、全て一人一人の先生方、超過勤務記録簿というのをつけてもらっております。それをまとめ上げたものが統計でございますけども、ことし6月の超過勤務時間が45時間、これを超える教職員の割合が、小学校で36%、中学校で63%というふうになっておりまして、本市におきまして、ちょっと今、時間でOECDのほうは言っておりますし、養父市の場合は、勤務時間を超えた先生の割合で言っておりますので、一概にすぐに比べることはちょっと難しいんですけども、傾向としては同じだと思っております。勤務時間が長くなっている先生が多いということがあらわれております。  ただ、この傾向ですけども、去年と同じ同時期と比べましたら、小学校で7%、それから中学校で10%ばかり、学校の先生、養父市の場合は約200人おられますので、例えば小学校だったら14人、それから中学校でしたら20人ばかり改善されて、これだけの先生たちが超過勤務をしなかった、45時間を超えなかったというふうなことになって、改善はしてきております。これは定時退勤日というものの日を決めてみたり、ノー残業デー、あるいはノー部活デー、こういうものを進めてきた、そのあらわれではないかなというふうに考えております。  次に、勤務時間が長くなっている先生方、その先生方の原因ですけども、議員がおっしゃいますように、授業の準備とか、それからほかの事務の作業、こういうもので時間をとられていると、そういうふうな傾向があらわれています。結論を申し上げますと、養父市の先生方の勤務時間というのは、OECDが出しましたその傾向と大変よく似ているということが言えると思います。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) 確認させてください。この超過勤務時間がOECDでの調査と大体似ているということで、この原因なんですが、これはやっぱり授業準備やほかの事務事業にとられている時間が多いのがOECDの結果なんですが、やはり養父市もそういう事務関係や授業前のいろんな煩雑な事務関係とか、それがあるので多いのでしょうか、もう一度お願いします。 ◯議長(深澤  巧) 足立教育長。 ◯教育長(足立 篤史) そのとおりでございます。授業準備、それからその他の事務作業、例えば社会科の先生でしたら、社会科のアンケートがたくさんやってまいります。それに対する、それにとられる時間、あるいは保護者対応、あるいはそれ以外の生徒指導。生徒指導も先生の仕事といえば本分でしょうけども、今言っておりますのは、直接教室で授業を教える、それ以外の仕事、これが大変多いということが言えます。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) 今の質問なんですが、OECDもなんですが、やはり中学校の先生が小学校の先生よりOECDでは2時間ほど多いんです。養父市のほうも今おっしゃいました7%、10%。これはやっぱり中学生になるとクラブ活動が関係してきますので、このほうも加わっているのでしょうか、どうでしょうか、お聞かせください。 ◯議長(深澤  巧) 足立教育長。 ◯教育長(足立 篤史) 中学校で行う部活動、これが教員の働き方に影響を与えているんではないかなという御質問でございますけども、確かに教員の負担になっているということは言えるというふうに私は思っております。OECD調査でも、中学校の課外活動。課外活動には2種類ありまして、スポーツ活動と文化活動というのがあります。こういうものの時間が特に長いという指摘を受けております。先ほどお話ししましたように、養父市の場合は、やはり中学校の先生の超過勤務のほうが、時間が、小学校よりも長い。では、何で長いのかということを考えましたら、小中学校の先生の授業の、仕事の内容を比べてみましたら、2種類ばかり、小学校にはなくて中学校にあるものがあると。それは何やと言いましたら、1つは進路指導。これは大変時間がかかります。それ以外にやはり部活動が上げられます。年間通して行うものとしましては、やはり部活動ではないかなというふうな思いをしております。  全てが部活動であるというような断定はできませんけども、勤務時間が小学校より長くなっている要因の一つであるというふうに考えています。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。
    ◯議員(4番 西田 雄一) それで、クラブ活動なんですが、これはやはり私らも養父市内の子供たちが野球や卓球や球技、これとか、吹奏楽とか、いろいろと市や但馬大会とか、県大会なんかに活躍してくれる姿を見ると、保護者ではないんですけど、私らも一喜一憂するものなんです。それで、ついついそのときには勝っただ負けただと、うれしいな、悲しいなとなるんですけど、指導する先生のことはすっかり忘れておるんですわ。このようなことからも、やはりスポーツ庁と文化庁ですか。これは運動部と文化部の部活動で教員の忙しさ、多忙を軽減させるために、平日は最低1日、土日で1日以上の休みを確保しながら、1日の活動時間は平日で2時間程度、それから土日は3時間程度と、こういう指針をまとめております。それから、文部科学省は、部活動などの課外授業を教員にかわって行う部活動指導員ですか。これを制度化したそうなんですが、養父市の場合は、そういう周知はされているのかどうか。これは国や都市部の学校だけなんでしょうか、どうでしょうか。ここのところをお聞かせください。 ◯議長(深澤  巧) 足立教育長。 ◯教育長(足立 篤史) 私も、議員と同じように、養父市の中学生が大会で活躍してくれる、そういうふうな話を聞きましたら、大変うれしく思っておるものの1人でございますけども、特に、先生方の熱心な指導や負担から、保護者の温かい支援には、私ども教育委員会としても感謝しているところでございます。  その上で、生徒指導としての行き過ぎた指導、あるいは先生方の多忙化、こういうものがこの部活動の、活発な部活動の裏には隠されている、そういうものが見えてくるわけでございます。では、部活動、もうちょっと制限しなければいけないんじゃないかというふうな話もあるわけですけども、部活動自体は学習指導要領の中に学校教育の一環としてというふうに表記されています。そういうこともありまして、実際に皆様方御存じのように、やはり部活動は、子供たちの生きる力の一端になっているというふうなことも言えるわけでございます。そこで、やはりこれからは、部活動を通じた生徒の教育的要素も大切にしながら、なおかつ先生方の負担軽減を図っていく、こういうふうなバランスのとり方、とれた部活動、これがやっぱり必要ではないかな、これをやっぱり考えていかなければいけないんじゃないかな、そういうふうに考えています。そのため、教育委員会といたしましては、議員のおっしゃったように、そのような指導方針、文科省が出しておりますけども、その方針に沿って全ての学校で養父市の場合、全ての学校で同じような取り組みをしていくようにという指導はしているところでございます。また、この方針につきましては、但馬全域同じ同一歩調をとっておりますし、その達成率は但馬全て100%というふうに、私どもは報告をしております。  それから、部活動指導員のお話がございました。これにつきましては、都会と比べて、やはりその専門の指導者がなかなか見つけにくいということもございます。養父市の場合は、全ての中学校で部活動指導員という方は雇っておりませんし、そういう方は見つけておりません。その原因につきましては、今さっき申し上げました、見つけにくいということもありますと同時に、やはり学校文化の中に、先ほど行き過ぎた指導ということを言いましたけども、そういうふうなこともありまして、なかなか中学校ともうまく調整がつかないということもございます。そういう状況でございます。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) それで、こういう問題も、私ども第三者ですので、やはり今の国の決めたこととか、県のほうのこととかはあれなんですが、やはり生徒児童のこととか、保護者の方ともよくよくいろいろと相談の上、皆さんが納得いくような方法で考えてあげてほしいなと、こういうふうには思っておりますが。  それと、先ほどありました、小学校、中学校とも新しい学習指導要領はもう始まっておるんですか。それとも私は小学校がことしからかな。中学校は来年からか聞いておるんですが、これもOECDの調査にしっかりOECDでも調べてくれておりまして、日本の教員は知識や専門性を高めるための職能開発というらしいんですが、これに費やした時間は0.6時間です。日本の先生方は。これは最も短いということなんですが、令和元年度の養父市の教育委員会の評価調書、ここにもありますが、これにも、多忙感や負担感を払拭できない、養父市の先生方が書かれたと思いますが、多忙感や負担感を払拭できない、このような現場の意見も出ております。それならば、授業に関係する以外の事務などを担当する事務職員の雇用、これを、この間の質疑でもありましたが、また一般質問しますわというのはここなんですわ。県費ではなく、市単独で今定例会に上程中の会計年度職員の雇用を、上手に利用するような柔軟な対応はできないのでしょうか。お尋ねします。 ◯議長(深澤  巧) 足立教育長。 ◯教育長(足立 篤史) 初めに、OECDから指摘されました日本の教員の資質向上、このことにつきましても問題点につきまして、私の考えを初め、述べさせていただきたいと思います。  最初、新学習指導要領開始時期ですけども、小学生は来年から2020年から、2021年から中学校になりますので。  まず、議員が御指摘されましたように、OECDの調査で、日本の教師は職能開発、これにかける時間が大変短い、外国は多いと。中学校全部で46カ国でしたか、その中で日本が一番低い。要するに自分の研修、能力を高めるための時間に費やす時間が一番低いというふうな指摘がございました。原因がそれも教師の多忙化によるものであろうというふうな指摘も、OECDの中で出されているわけです。教育委員会といたしましては、教師の研修意欲をそぐことにつながりかねないという、その多忙化をできるだけ減らしまして、そして、教育力の向上につなげていきたいということで、勤務時間の適正化に今、取り組んでいるところでございます。広報などでも、市民の皆様方に協力を呼びかけてもきております。具体的には、それぞれの学校で、先ほどから出ておりますノー残業デー、あるいはノー部活デー、あるいは夏、冬の学校閉庁、あるいは仕事の効率化を図るためのICT化、こういうふうな取り組みもしているところでございます。このようにゆとりを生む環境づくりをしっかりと推進することで、子供と向き合うことのできる時間が確保されまして、質の高い教育を進めていきたい、そういうふうに考えているところでございます。  事務職員、養父市ではスクールサポートスタッフというのを県から1名いただいておりますけども、この件につきましては、部長のほうから答弁させていただきます。 ◯議長(深澤  巧) 橋本教育部長。 ◯教育部長(橋本 義弘) 授業に関連する以外の事務などを担当する事務職員として、今回上程中の養父市会計年度任用職員のほうで、その条例のほうで任用できないかというような御質問だと思います。先ほど教育長のほうが言いました、県がモデル事業として行っている先生の授業準備のための配付物の印刷とか、会議の準備のための資料印刷だとか、そういったものを行うものとして、県のモデル事業では、スクールサポートスタッフ制度というのがございます。それの市単独版というようなことだと思いますけども、大体スクールサポートスタッフのほうと任用条件が似たものと想定すれば、同条例のパートタイム会員、年度任用職員として、制度的には任用が可能であると思っています。この条例の参考資料としてついていました規則の中で、別表として、職種別基準表というのがありましたけども、そのような職員は現在おりませんので、その職務表の中には入っておりません。ただ、その職種として何なのかと言われれば、事務補助に該当するものなのかなというふうに思っています。その点につきましては、実際任用の際に、企画総務部のほうと相談しながら、ここに該当するものですねということは相談の必要があるかとは思います。  そのような市単独の職員ということにつきましては、今のところはちょっと考えていないところなんですけども、現在、任用している今回の会計年度職員の中に位置づけられているものとしては、学校の中では学校公務員さん、それから、指導補助員さんが位置づけられております。言われる事務補助の業務とは若干異なりますけども、各学校が内部的に役割分担する中でできるのか、その現状を把握する必要があると思いますし、また県のモデル事業というのが今後の動向、どうなるのかということもありますので、その辺も勘案しまして、必要に応じて検討していきたいというふうに考えております。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) それで、今おっしゃる表を別表、あれの最後にあったでしょう。市長が別に定める者。その枠の中に。これは市長の単独で、よっしゃわかった、ほんなら学校がそないに困っとんだったら1人つけようとか、2人つけようとかできるんですか、市長。 ◯議長(深澤  巧) 井上企画総務部長。 ◯企画総務部長(井上  剛) 先ほど部長の答弁と重複するかもわかりませんけれども、その市長が特に定める部分というところでも、該当させようと思えばできないことはないとは考えますけれども、やはり主要職種ということで、明確にあれば、規則の改正をするなどして、その職種を加えた形での規則改正等もして対応したいと考えております。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) もしその場合は、条例の改正になるんですか。議決は要りますか。 ◯議長(深澤  巧) 井上企画総務部長。 ◯企画総務部長(井上  剛) 規則でございますので、条例のほうではございませんので、議決ということにはならないと考えております。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) それで、今まで述べてきたんですけど、教員の長時間労働、これもどんどんふえておると。それと、最近、民間企業が好調らしいんですわ。そんなようなこともあって、最近、教育志願者、教育学部の志願者、これがどんと減っておるらしいんです。加えて、第2次ベビーブームに対応するために採用された教員の多くが定年を迎えつつあるということで、国も北海道初め、大阪市など11の自治体や政令指定都市でアンケートをとったそうなんです。この結果なんですが、小学校では常勤で266人の先生が足らない、非常勤で50人、それから中学校では常勤101人、非常勤153人の教員の不足があったそうでございますが、大都市ばかりなので、これは養父市とは、児童や生徒数で学校の規模などは違うと思いますが、それらはあるものの、養父市の現状をもしわかれば、お答え願いたいと思います。 ◯議長(深澤  巧) 足立教育長。 ◯教育長(足立 篤史) 議員がおっしゃいますように、教師という職業が、マイナスイメージがちょっと広まったのかなというふうなことも考えられますし、あるいは社会情勢の変化なのかもしれませんけども、全国的に教師を志望する若手が減っているという話は聞いております。養父市では、ではどうなのかということですけども、毎年新人の教師が養父市の場合は入ってきてくれておりまして、4月のスタート段階におきましては1名の欠もない、つまり不足は一切ないということで、ここ何年もやってきているところでございます。ただ問題が大量退職ということと、それから、それに伴います若手の大量採用というようなこともありまして、年齢構成の不均衡、これがやはり今、課題というふうになっておりまして、どうベテラン教師のノウハウを若手に伝えていくのか、ここら辺が課題であるなというふうに思います。教育委員会といたしましては、若手教師の支援もしっかりしながら、なおかつ子供たちが質の高い教育を受けれるように、しっかりとそういう環境づくりに力を入れていきたい、そういうふうに思っておりますので、御協力をよろしくお願いいたします。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) それで、この教育委員会の点検評価報告書なんですが、これに、ベテラン教員の退職に伴う若手職員の増加に対応するため、引き続き若手育成のための研修の工夫が求められると、先生方もおっしゃっていますし、これの評価としては、ベテラン教員の退職に伴う若手職員の増加により、充実した若手職員の育成が求められると、こういうふうにもおっしゃっておられますので、これは大事な問題ですので、またいろいろとお考えになっていただきたいと、こう思います。  それで、私いつも思うんですけど、今までの養父市の小中学校の現状について、いろいろとお尋ねしてきたんですが、いつも思っておるんです。これからの養父市を支えるのが今の子供たちでございます。その子供たちを指導し成長を支えているのが、学校でございます。先生が足りなくなり質も下がり待遇は悪くなり手がいなくなれば、当然、未来を担う子供が社会性や知識を得ることなく大人になってしまう、こういうことでございます。もう一度言いますが、まちづくりは人づくり、人づくりは教育からであるということをしっかりかみしめながら、次の質問に入ります。  次に、青谿書院についてですが、この青谿書院は、ことし3月議会でそれまでの保存会の手を離れ、市の直営になるということで、私ども議会も可決いたしました。ところが、直営になったのはいいのですが、書院や資料館の管理はどうなっているのでしょうか。また、遠方から大体来訪者は遠方から何の前触れもなく来られるんですが、遠方からの来訪者が見えたときなど、思い余って元保存会が動かざるを得ないこともあるようでございます。保存会の今後については、地元宿南も我がふるさとの遺産として、自治協の会長も初め、受け入れ体制もばっちり整えておるところでございます。当局はこれについてどうお考えなのか、お聞かせください。 ◯議長(深澤  巧) 中村教育部次長。 ◯教育部次長(中村 文明) 青谿書院についてでございます。まず、青谿書院の現状でございますけども、一般財団法人青谿書院保存会から寄贈を受けまして、昨年6月から市の所有ということになっております。社会教育課の所管施設ということで、施設の管理ですとか、見学希望者の予約の受付等は、社会教育課のほうで対応しております。寄贈によって、市の所有になりました経緯につきましては、昨年度、議員もおっしゃられましたとおり、昨年度の議会でも御説明をさせていただいておりますけども、今回、財団の解散につきましては、市として本来必要でない山林等も含めて一括して寄贈を受け、約2万5,000平方メートル、2万5,000平米になるんですけども、全てを一括して寄贈を受けて、その後、市が不要になる山林等を逆に譲渡するというような手続しかとれないというようなことでございました。そういった関係がございましたので、昨年6月から一括、市で寄贈を受けた形にはなっておりますけども、その後、市としては本来必要になる部分の土地を整理する中で、分筆であったりとか、登記という作業が必要になっておりました。そういったことで当然、外部への依頼というような中で対応してきたというようなことでございます。そういったことを優先させていただくようなこともありましたので、速やかな管理体制がとれていなかったということは事実でございます。市の管理になってからは、見学の予約等につきましては、それまでの財団ではなく、市になったというようなことで、ホームページ等でも変更して対応してきたわけでございますけども、議員おっしゃられましたとおり、事前予約などがなく、直接現地に行かれる方もあるようで、その際には、前所有者の方といいますか、関係者の方にも対応していただいたというようなこともお聞きしております。それにつきましては、本当に大変申しわけないというふうに思っておりますし、おわびを申し上げたいというふうに思っております。  実はそういった手続を終えまして、ことしの6月に登記のほうも完了いたしました。ところがその後、また前所有者の方との協議といいますか、話し合いの中で、実は上下水であったり、電気の切りかえ、本館はできているんですけども、資料館の分のそういった切りかえができていないというようなことも、実はことしになって判明しております。そういったことで、業者にも依頼して、現在もそういった切りかえ工事等も順次進めている状況でございます。  ちょっと言いわけのようなことになって申しわけないんですけども、そういったようなことで、いろいろとそういった事情に対応していく中で、本当にきちっとした管理体制をとれていなかったというのは本当に申しわけなく思っておりますけども、先ほど議員のほうからも、地元の御意見もお聞きいたしましたが、ことしの宿南地区のタウンミーティングなどでも、地元の方から管理方法についての提案は聞いております。大変ありがたい御提案をいただいております。そういった中で現在、地元との管理委託というような形で進めさせていただきたいということで、協議を複数回重ねております。いろいろと管理人の問題であるとか、予約の受付方法などの管理方法につきまして協議が調いましたら、本当に近いうちになるべく早い時期に地元とのそういう管理契約をさせていただいて、市と地元と共同で適正な施設運営を図っていきたいというふうに思っているところでございます。 ◯議長(深澤  巧) 4番、西田雄一議員。 ◯議員(4番 西田 雄一) 次に、青谿書院を国の重文にということでございますが、御存じのように、青谿書院、草庵先生は、たくさんの門下生をお持ちです。その中には、琵琶湖疎水を完成させ京都の殖産工業に政策を進めた京都府知事のほかに、いろんなところの高知とか知事をされておりますが、北垣国道、それから教育行政官で、東大総長、文部科学省、当時は文部省でしたが、文部大臣などを歴任した濱尾新、さらに実業家で第百国立銀行創立以降、各銀行頭取や東武鉄道、帝国ホテルなどの重役なども務めた原六郎など、枚挙にいとまがございません。すなわち、地域殖産、教育、金融と明治維新後の日本の夜明けに大きな影響を与えた方々が多く、山口県、当時の長州ですが、松下村塾とはまた違った流血を見ずに日本の歴史に名を残しておられます。この青谿書院を今は県の史跡ですが、国の重要文化財に申請はできないかということでございます。もちろん、門下生との関係のある京都市や滋賀県、東京都など、連携をとりながらの話でございますが、いかがなものでしょう。時間の関係上、当局の答弁をいただいて、私の一般質問を終わります。 ◯議長(深澤  巧) 中村教育部次長。 ◯教育部次長(中村 文明) 国指定に向けた申請という御提案でございます。御質問のとおり、現在、青谿書院につきましては、兵庫県の指定文化財ということで、昭和45年に指定をされております。国指定ということではございますけども、正直申しまして、私塾として現在国指定になっております全国にあります6件と比較しますと、現状ではどうしても知名度などが低いというようなこともありますので、国指定の申請は上げる前段階、前段の事前協議の段階で、なかなか県や国からは受け入れてもらうのが難しいのではないかというふうに思っております。例えば、先ほど名前の出ました国指定文化財の松下村塾につきましては、御存じのとおり吉田松陰の私塾ということで、こちらの門下生には、高杉晋作であったりとか、伊藤博文というようなことで、かなり知名度の高い方が出ております。また、その他の国指定の私塾でも、例えば、緒方洪庵の適塾というものにつきましては、門下生が約3,000人、ほかにも古義堂というところでも門下生が約3,000人というようなことで、かなりの門下生を輩出しています。先ほど言いました適塾につきましては、福沢諭吉が学んだというようなことでも有名になっております。  そういうほかの6件と比較すると、なかなか現状では本当に厳しいのかなという思いをしておりますが、市といたしましても、池田草庵の顕彰を継続して進めたいということもありますので、同じように地域の偉人など顕彰するため、全国の14の自治体が加盟しております嚶鳴協議会というものがございますが、そちらなどの連携などにもよりまして、全国的な知名度の向上にも取り組みをさせていただいております。また、議員おっしゃられましたとおり、青谿書院、それから池田草庵というだけでなく、門下生であります北垣国道などの活躍も含めまして、メディア等の活用も視野に入れながら、全国に向けてPRしていくというようなことも必要であると思っておりますし、当然、それだけでなく、大学等の関係機関による専門的な調査であるとか、そういった成果等も必要であるというふうに思っております。先ほど申しましたとおり、施設の維持管理の方向性をきちんとすることで、今後、地元と市役所とが一体になって、将来的にそういう重要文化財、国の指定になるような形になるよう、我々も努力していきたいと思っておりますので、地元におかれましても、ぜひこの青谿書院の活用ということも取り入れていただいて、一緒に活動していきたいというふうに思っております。 ◯議長(深澤  巧) 以上で、4番、西田雄一議員の一般質問は終了しました。  以上をもちまして、本日の議事日程は全て終了しました。  お諮りします。  委員会審査のため、9月21日から9月26日までの6日間、休会したいと思います。これに、御異議ございませんか。               〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(深澤  巧) 御異議なしと認めます。  したがって、9月21日から9月26日まで6日間、休会することに決定しました。  次の本会議は9月27日、金曜日、午前9時30分から開きます。  本日は、これをもって散会します。大変御苦労さまでした。                  午後3時43分散会        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┌─────────────────────────────────────────┐ │                                         │ │                                         │ │  地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。             │ │                                         │ │                                         │ │    令和  年  月  日                          │ │                                         │ │                                         │ │                  議  長   深  澤     巧      │ │                                         │ │                                         │ │                  署名議員   藤  原  哲  郎      │ │                                         │ │                                         │ │                  署名議員   西  田  雄  一      │ │                                         │ │                                         │ └─────────────────────────────────────────┘...