小野市議会 2020-12-17
令和 2年第425回定例会(第2日12月17日)
令和 2年第425回定例会(第2日12月17日) ┌─────────────────────────────────────────────┐
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│ 第425回小野市議会(定例会)会議録 │
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│ │
│ │
│ 令和2年12月17日(木)(第2日) │
│ │
│ 開 議 午 前 1
0時
00分 │
└─────────────────────────────────────────────┘
第1 質 疑
第2 一般質問
第3 議案第85号 上程、提案説明、質疑、
予算決算常任委員会付託、
常任委員会審査報告、
同審査報告に対する質疑、
討論、表決
2 本日の会議に付した事件
日程第1 質 疑
日程第2 一般質問
日程第3 議案第85号 上程、提案説明、質疑、
予算決算常任委員会付託、
常任委員会審査報告、
同審査報告に対する質疑、
討論、表決
3 議事順序
開議(午前1
0時
00分)
質疑
一般質問
休憩(午前11時
03分)
再開(午前11時15分)
一般質問
休憩(午前11時59分)
再開(午後 1時3
0分)
一般質問
休憩(午後 2時34分)
再開(午後 2時45分)
一般質問
休憩(午後 3時47分)
再開(午後 4時16分)
議案第85号
休憩(午後 4時18分)
再開(午後 5時
05分)
散会宣告(午後 5時
09分)
4 会議に出席した議員(16名)
1番 村本 洋子
2番 藤原 貴希
3番 松永美由紀
4番 河島 泉
5番 喜始 真吾
6番 久後 淳司
7番 平田 真実
8番 山本 悟朗
9番 河島 三奈
1
0番 高坂 純子
11番 前田 光教
12番 藤原 章
13番
小林千津子
14番 河島 信行
15番 岡嶋 正昭
16番 川名 善三
5 会議に欠席した議員・説明員
な し
6 議事に関係した
事務局職員
議会事務局長 井岡 伸
議会事務局課長 内藤 暢
議会事務局 近都 祐子
7 会議に出席した説明員(16名)
市長 蓬莱 務
副市長 藤井 大
副市長 小林 清豪
防災監 上田 芳敬
技監 森本 孝
総務部長 新免 秀晃
市民安全部長 大戸 英治
市民安全部次長 上原 和樹
市民福祉部長 松井 孝
市民福祉部参事 犬塚 良子
地域振興部長 上月 敏之
水道部長 奥田 謙二
消防長 藤原 靖
教育長 橋本 浩明
教育指導部長 藤原 正伸
教育管理部長 岸本 浩幸
8 会議に付した事件
1.
市長提出議案
議案第85号 令和2年度
小野市一般会計補正予算(第8号)
午前1
0時
00分
〜開 議 宣 告〜
○議長(
小林千津子君) 皆さん、おはようございます。
これより2日目の会議を開きます。
それでは、お手元に配付いたしております議事日程に基づき会議を進めてまいります。
なお、
新型コロナウイルス感染症対策として、1時間程度をめどとして、議場の空気の換気を兼ねて休憩を取りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
これより日程に入ります。
〜日程第1 質 疑〜
○議長(
小林千津子君) 日程第1、質疑であります。
今期定例会に上程されております議案第73号から議案第76号まで、及び議案第8
0号から議案第83号までの以上8件について、質疑の通告はありませんので、これにて質疑を終結いたします。
〜日程第2 一般質問〜
○議長(
小林千津子君) 次に、日程第2、一般質問であります。
これより一般質問に入ります。
質問の通告がありますので、通告順に順次発言を許可いたします。
村本洋子議員。
(村本洋子君 登壇)
○1番(村本洋子君) 皆さん、おはようございます。公明党の村本洋子でございます。議長に発言の許可を頂きましたので、2項目、質問をさせていただきます。
第1項目、
性的マイノリティに対する支援施策の推進について。
最近、テレビや新聞で
性的マイノリティ(
性的少数者)の総称の一つである「
LGBT」などの多様な性についての情報が取り上げられる機会が増えてきました。この
LGBTとは、レズビアン(
女性同性愛者)、ゲイ(
男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(性別越境−性別違和)の頭文字を取って名づけられたものですが、性の在り方は、「男性」・「女性」というだけではなく、もっと多様であるという考え方が広がってきています。
身体の性別、自認する性別、好きになる性別、表現する性別などの組合せによって
一人ひとりの性の在り方は異なります。異性が好きな人、男女で結婚する人、性別に違和感を持ったことがない人なども含めて、性の問題は全ての人の生き方に関わる重要な事柄です。
LGBTの当事者が抱える
同性カップルの悩みとして、急病時の病院での対応では、パートナーの病名や安否情報・治療内容の説明が受けられないことや、部屋探しの際には、入居を拒まれたりするなど、日常的に困難に直面する場面が多々あるようです。
周囲の人々の無理解や偏見などから日々の生活の中で様々な困難を抱え、誰にも相談できずに孤立されていることもあります。
LGBT総合研究所が実施した
国内最大規模の全国の2
0代から6
0代の約42万人に調査配信した「
LGBT意識行動調査2
019」では、
LGBT性的少数者に該当する人は1
0%と判明、1
0人に1人の割合でした。
本人が告白しない限りその姿は見えづらく、正しい情報が伝わらないなど、制度や施策の対応は十分ではありません。しかし、基本的人権に関わる観点でもあることから、向き合わなければならない重要なテーマであると考えます。
このことから、
性的マイノリティに対する取組について、次の4点をお伺いいたします。
答弁は、1点目、2点目、3点目、
市民安全部次長、よろしくお願いいたします。
1点目、
性的マイノリティの悩みに対応した相談体制について。
性的マイノリティの方は、早い人では4歳頃から自分の身体と性が違うことに悩み始めるといいます。当事者の多くは、自分らしく生きることを望みながら、家族にもなかなか相談できずに一人で苦しむことが多く、性別の違和感について話せる仲間が欲しいと思う方もいます。
性的マイノリティの悩みは、本人だけではなく、家族や友人も同じで、言いようのない辛さを味わいます。事業者が従業員から「性別を変えて生きていきたい」と言われ、その対応に苦慮する場合もあります。
こうした方々が悩みを相談できる窓口の設置が必要だと思います。電話や面談の相談に加え、当事者や家族らがより利用しやすいメールやSNSでの対応も不可欠です。
そこで、
性的マイノリティの悩みを抱える本人や家族、友人、または事業者への相談体制と相談窓口の周知に対する取組についてお伺いします。
2点目、性の多様性への理解を深める職員の研修について。
市の窓口には、日常的に様々な方が手続や相談に来られます。職員が
LGBTについての正しい知識や、取り組むべき対応・姿勢を身につけるとともに、当事者が抱えている課題についても十分に理解し、適切に対応していくことが重要であると考えます。
これまでどのような内容の職員研修を行ってきたのかお伺いいたします。
3点目、
パートナーシップ制度の導入について。
同性カップルを結婚相当の関係と公的に認めたり認証したりする
パートナーシップ制度等については、研究を重ね丁寧に行っていくことが大切です。誰もが互いの多様性を認め合い、それぞれの人権を尊重し支え合える、SDGsの誰一人取り残さない社会を実現するために、
性的マイノリティに寄り添うまちづくりが重要です。
そこで、
パートナーシップ制度等の導入についての考えをお伺いいたします。
4点目、小中学校での
LGBT教育について。
答弁は、
教育指導部長、よろしくお願いいたします。
当事者が
性的マイノリティであると自覚した時期については、
小学校高学年から高校までにかけて集中しており、そのことを打ち明けた相手として、両親や担任の先生といった大人世代ではなく、同世代の友人が多い状況です。
この背景の一つには、子どもは一番信頼できる存在でいてほしいと思っている大人に打ち明けることで、これまでの関係が壊れ、拒絶されることを恐れていることが考えられます。一方で、4割の生徒は誰にも打ち明けられていないようです。
学校には、自分の性自認や性的指向について悩む生徒が少なからずいます。そのような生徒が過ごしやすい環境の実現が不可欠といえます。いじめや偏見に悩まず、
一人ひとりが自分らしく生きることのできる社会を目指すには、学校教育で
LGBTについての正しい知識を教えることが重要な時代となってきました。
平成27年4月、
文部科学省から「
性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」の通達が出されました。
性別の違和感について、学校側が早く察知し、学校における正しい理解や適切な対応の重要性が示されています。
学校の
LGBT教育に求められるのは、悩む生徒が疎外感を抱かないように配慮した言動や、やゆや笑いの対象にすべきでないこと、
性的マイノリティに理解があることを伝えることです。
さらに、
多目的トイレの設置や、水泳着・体操服・制服の自由化、宿泊学習でのお風呂など、
性同一性障害に悩む生徒に配慮した取組も欠かせません。
無知から起こる差別を減らすためにも、多様な性を学ぶ学習機会をつくり、多様な性が尊重される学校の実現が望まれることから、学校現場における
LGBT教育についての現状と考えをお伺いします。
第2項目、若い世代への結婚支援について。
厚生労働省が発表した2
019年の出生数は86万5,
000人で、前年比で5万3,
000人の減少、1899年の統計開始以来、初めて9
0万人を下回り、過去最少を更新しました。
本年1月から8月までの出生数は58万3,
000人で、
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、前年比1万3,
000人減少し、出生数の大幅な減少と少子化の加速が懸念されます。
また、近年結婚する男女の減少傾向も続いています。2
019年は「令和婚」で1万2,
000組増えたものの、本年はコロナ禍で結婚式ができない、仕事が不安定になり収入が減少し、結婚を延期した等の声を聞いております。
婚姻数減少の背景には、結婚や出産に対する考え方の多様化なども挙げられますが、実際には、経済的な理由が少なくありません。
国立社会保障・
人口問題研究所が、結婚の意思のある未婚者を対象に1年以内の結婚の障害となる理由を調べたところ、結婚資金という回答が最多で、男性43.3%、女性41.9%あり、結婚のための住居という回答が、男性21.2%、女性15.3%であります。さらにコロナ禍で仕事が不安定になり、収入が減少している方も多く、先の見通しが立たない状況は、若者も決して例外ではありません。
そこで、若い世代への結婚支援について、次の2点をお伺いします。
2点とも答弁者は、
市民福祉部長、お願いします。
1点目、出生数、
届出婚姻数の減少について。
経済的理由などから、結婚に不安を抱え、踏み出せない若者が多くなると、晩婚化の進行や生涯未婚率の増加の要因となってきます。
そこで、小野市の出生数、
届出婚姻数が年々減少していることについて、その要因をどのように考えておられるのかお伺いします。
2点目、結婚新
生活支援事業の活用について。
新婚生活を経済的に支援するものに、結婚新
生活支援事業があります。
結婚新
生活支援事業とは、2
016年から始まり、
少子化対策の一環として、結婚に伴う経済的負担を軽減するため、新婚世帯に対し新生活の
スタートアップに係るコストを支援する地方自治体を対象に国が自治体の支援額の2分の1を補助するものです。
経済的理由で結婚を諦めることがないように、結婚を希望する若者が希望する年齢で結婚をかなえられるように環境を整備することが重要という趣旨で実施されています。
対象世帯は、夫婦共に婚姻日における年齢が34歳以下、かつ夫婦の合計所得が34
0万円(年収約48
0万円)未満の世帯、補助対象は、
住宅取得費用または
住宅貸借費用、
引っ越し費用で、補助上限額は一世帯当たり3
0万円(うち国が15万円)となっています。
現状は、全国の自治体の15%しか実施されておらず、要因の一つは、自治体の負担が重いことです。現在、小野市においても実施されておりません。
内閣府は9月2
0日、結婚新
生活支援事業の補助額を倍増、対象を拡大する方針を固めたと報道がありました。来年度から年齢条件を39歳以下に引き上げ、世帯所得4
00万円(年収約54
0万円)未満に緩和、費用は補助限度額を6
0万円に倍増するものです。
結婚新
生活支援事業は、若者の結婚を後押しするとともに、新居を小野市に定めるきっかけになり、
少子化対策として、大変有効であると思います。
コロナ禍で補助金や支援金に関する情報には多くの方が注目されています。そこで、この結婚新
生活支援事業を活用することについて、当局のお考えをお伺いします。
以上です。
○議長(
小林千津子君) 質問に対し、答弁を求めます。
市民安全部次長。
(
市民安全部次長 登壇)
○
市民安全部次長(上原和樹君) おはようございます。第1項目1点目、
性的マイノリティの悩みに対応した相談体制についてお答えします。
性的マイノリティの問題は、いじめや差別につながる人権問題であり、
小野市男女共同参画計画(はーと・シッププラン)においても、「男女平等や多様な生き方を認め合う心を育む教育・啓発」として取り組むことといたしております。
本市では、人権問題に係る多種多様な相談に対し、各担当課での相談窓口としての機能を効果的に活用するため、
ヒューマンライフグループを中心として、関係部署との情報共有・一元化に努め、様々な事案に対し、相互に連携し対応しているところであります。
ご質問の
性的マイノリティに関する相談については、これまでに
性的マイノリティに関する具体的な相談等がない現状から、専属の相談員の配置は行っておらず、いじめ・人権等に関するものは、
市民安全部の
ONOひまわりほっとライン、身体や性に関することは、健康増進課の保健師・助産師が相談を受けることといたしております。また、相談内容が専門的で困難な場合は、兵庫県やNPO法人の
性的マイノリティの
専門相談窓口などを紹介することになります。
なお、相談窓口については、市広報誌やホームページに掲載するとともに、公共施設、学校を初め、市内の店舗、事業所などに、「
ONOひまわりほっと
ライン相談啓発カード」を設置し、様々な問題や悩みの相談を受けていることを周知しているところでございます。
次に2点目、性の多様性への理解を深める職員の研修についてお答えいたします。
本市では、
小野市人権教育研究協議会、及び各
地区ヒューマンライフ推進協議会が中心となり、女性・子ども・高齢者・障がい者や外国人に関する人権問題とともに、各地域で
LGBTをテーマとした講座や講演会などを開催し、啓発に取り組んでまいりました。
市職員の人権研修についても、多様な人権問題がある中で、
小野市人権教育研究協議会の活動方針の中から
研修テーマを選定し、毎年11月に実施しております。
また、1月から3月にかけ、各職場において所属長が中心となり、その年の
研修テーマに対するDVD等を視聴し、
意見交換等を行っているところであります。
そのような中で、
LGBTに関する研修については、平成29年度に全職員対象に「
性的マイノリティの人権問題と最近の動向について」をテーマとして、
職員人権研修を実施しました。また、同年、新たに
人権啓発DVD「見過ごしていませんか
性的少数者へのセクシャルハラスメント」を購入し、職場ごとの人権研修で活用しているところです。
小野市いじめ等防止条例や小野市はーと・
シップ社会推進条例のある
自治体職員として、さらに深い自覚を促すとともに、引き続き、その時々に応じた
人権テーマを取り上げ、研修の機会を設けていきたいと考えております。
次に3点目、
パートナーシップ制度等の導入についてお答えいたします。
パートナーシップ制度とは、地方自治体が、法律上婚姻できない
同性カップルに対して、婚姻に相当する関係と公的に認め、自治体独自の証明書を発行する制度のことで、県内では、宝塚、三田、尼崎、伊丹、芦屋及び川西の6市が導入しています。
この制度によって、当事者の生きづらさや不安が軽減されることや、親族に限定している公営住宅での同居が可能になるなど利点がありますが、法的効力がないことから、適用される
行政サービスが限定され、適用範囲の広がりが難しい状態にあること、また、市民に
性的マイノリティへの理解が十分進んでいないことなどが課題としてあると考えています。
そのような中、現在のところ、制度の導入についての具体的な検討に至っていませんが、全国的に様々な意見がある中、まずは市民に
性的マイノリティについての啓発及び理解を求めることが先決であると考えています。
性的マイノリティ当事者を含めた全ての市民が性別にかかわらず、一人の人間として尊重され、自らの個性と能力を発揮し、自分らしく生きることのできる社会の実現に向け、性の多様性についての正しい知識を理解し、偏見や差別をなくすための効果的な教育・啓発に努めてまいります。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 次に、
教育指導部長。
(
教育指導部長 登壇)
○
教育指導部長(藤原正伸君) 第1項目4点目、小中学校での
LGBT教育についてお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、
性的マイノリティの問題を正しく理解することは、いじめや偏見に悩むことなく、
一人ひとりが自分らしく生きることができる社会を実現するために重要な人権課題の一つであります。
平成29年4月、
文部科学省は、
教職員向け研修資料として「
性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」を発出いたしました。
これを受け、当市におきましても、
県教育委員会や
市民安全部ヒューマンライフグループ、
男女共同参画センターと連携し、
LGBTについての正しい理解や現状、個別への対応等についての
教職員研修を行い、性についての不安や悩みの相談などに適切に対応できるように取り組んでまいりました。
ご質問の学校現場における児童生徒の
LGBT教育については、
文部科学省の研修資料の中で、個別の事案に応じ、児童生徒の心情等に配慮した対応を求めておりますが、
学習指導要領には、
性的マイノリティの問題についての具体的な指導内容は示されておりません。指導に当たっては、学校の実態に応じて慎重に進めていく必要があります。
一方で、令和2年度に改訂された小学校保健の教科書「思春期の体や心の変化」の単元で、発展的内容として、自分の性について不安なことや心配なことがある人もいるかもしれないということに触れられました。これらの動きも踏まえて、性に関わる指導を行う際にも、
男女共同参画の視点も含め、性別にかかわらず「
一人ひとりの違いを認め合い、お互いに助け合い、協力していくことが大切である」というあらゆる人権課題の解決につながる学習の狙いを大切にした指導を行っております。
今後におきましても、それぞれの課題に対し、着実に取組を進めることにより、いじめや偏見に悩むことなく、
一人ひとりが自分らしく生きることができる社会を実現する教育を展開してまいります。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 次に、
市民福祉部長。
(
市民福祉部長 登壇)
○
市民福祉部長(松井 孝君) 第2項目1点目、出生数、
届出婚姻数の減少についてお答えいたします。
小野市統計書の
人口動態資料の出生数、婚姻数の過去1
0年間を遡ってみますと、出生数につきましては、平成2
0年度の44
0件から平成3
0年度は341件、婚姻数につきましても、平成2
0年度の219件から平成3
0年度は151件というふうに年々減少をいたしております。
厚生労働省の2
019年
人口動態統計におきましても、婚姻数は59万組で前年比2%増と僅かに増加しているものの、日本人の
国内出生数は86万人と前年比5.9%減となっており、全国的にも出生数と婚姻数が減少するなど社会的な問題となってきております。
そこでお尋ねの小野市における出生数、
届出婚姻数の減少要因についてでございますが、少子高齢化の流れの中で都市部への流出など、15歳から49歳までの
女性人口等の若年層の人口減少が考えられる大きな要因である上に、婚姻数に関しましては、全国的な調査にもあるように「適当な相手に巡り会わない」といったことや、「自由や気楽さを失いたくない」といった社会環境や価値観の変化などを要因として結婚に至らない若者が増加していることも考えられます。
また、出生数に関しましては、先ほどの婚姻数の減少に加え、晩婚化や既に複数の子どもがいらっしゃる方の再婚も増加しており、結婚が出産に結びつかないケースが増えていることも要因ではないかと考えているところであります。
次に2点目、結婚新
生活支援事業の活用についてお答えをいたします。
昨年の全国での出生数が86万人台となり、今年は84万人台に、さらに、コロナ禍による妊娠控えの影響が出ると思われている来年は7
0万人台にまで落ち込むことが懸念されており、少子化問題はより深刻な課題となってきているところでございます。
国では、少子化に対処するための施策の指針として定める少子化社会対策大綱に、議員ご説明の結婚新
生活支援事業を重点課題の一つに挙げ、少子化への影響が大きいとされる未婚化・晩婚化が進行する中で、結婚を希望する場合に経済的な理由で結婚を諦めることがないよう後押しする事業として取り組まれているところであり、次年度はさらに拡充予定との報道がされております。
しかしながら、本市におきましては、一時的な支援ではなく、まずは住んでよかったと思っていただけるようにすることが大切であり、子育て世帯の経済的負担を軽減する高校3年生までの所得制限なしでの医療費無料化や就学前教育・保育の無償化などを他市に先駆けて取り組んできたところでございます。
今後の
少子化対策におきましても、「誰もが安心して子どもを生み育てることができるまち」を目指し、これまでの子育て世帯を中心とした継続的な支援を優先的に取り組んでまいりたいと考えております。
そこで、お尋ねの結婚新
生活支援事業の活用についてでございますが、現時点では、これまでからの
少子化対策を引き続き進めていく中で、新婚世帯への
引っ越し費用などの一時的な費用を補助する当該事業が、結婚への後押しの効果があるのかどうかといった課題などがあることから、活用の方向では考えておりませんが、今後の国の補助拡大や実施自治体の状況について注視してまいりたいと考えているところでございます。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
村本洋子議員。
○1番(村本洋子君) 1項目の2点目、性の多様性への理解を求める職員の研修について、
市民安全部次長に再質問させていただきます。
職員に向けて、
性的マイノリティ対応のガイドラインを策定しているのかをお伺いいたします。
具体的には、窓口での対応で、書類上の性別と外見などが一致していなくても、必要以上に見たり聞き直したりすることを避ける、周囲の人の前で何度も聞き直さない、差別的な言動をしない等の基本的な知識や業務に当たっての心構えなどについてです。
職員が、多様な性の在り方についての正しい理解と適切な対応を図るためのガイドラインを策定しているのかをお伺いいたします。
3点目のパートナーシップの導入について、
市民安全部次長、お願いします。
県内では、宝塚市、三田市、尼崎市を初め、6市で導入し、明石市が本年度中に導入予定、姫路市はワーキンググループを立ち上げ研究を始めており、導入を検討している自治体も全国に広がりつつあります。先進的に取り組んでいる自治体を研究するなど、ワーキンググループの立ち上げについてのお考えをお伺いいたします。
1項目について、市長にお伺いいたします。
小野市として、
性的マイノリティに対する認識と当事者に寄り添うまちづくり、
パートナーシップ制度導入についてのお考えをお伺いいたします。
4点目、制服の選択制について、
教育指導部長にお伺いいたします。
特に、中学の思春期には、体が成長し、自分が希望していない制服の着用や恋愛感情なども重なることから、いじめられたり不登校になったり、さらには自殺願望も強いと言われます。もし、自分の性に違和感を言い出せなくても、
性同一性障害に悩む生徒に配慮した取組として、性差の少ない例えばブレザーなどの制服の導入や、スカートやズボンも選択制になれば、苦痛が和らげ、全ての子どもが安心して着られると思います。
平成31年第415回定例会の答弁で、教育委員会の基本的な考えとして、「校則を守り指定された制服を正しく着用することは、将来社会人として必要とされる秩序や規律を重んじる道徳心や自制心、規範意識が向上するといった無形の教育効果があると考えています。校則を決定する際に、地域の実情、時代の流れ等を十分に踏まえた上で校則を決定している」とのことでした。
このジェンダーフリーの時代、導入が広がっている制服の選択制や自由化を通じて、差別や偏見のない性別の壁を越えた人間力を発揮できる若者が増えていくとしたら、すばらしいと思います。
制服の選択制について、どのようにお考えかお伺いいたします。
以上です。
○議長(
小林千津子君) 再質問に対し、答弁を求めます。
市民安全部次長。
○
市民安全部次長(上原和樹君) 再質問にお答えいたします。
まず1点目、職員の性の多様性の理解を深めるために、職員向けの窓口対応等のガイドラインが作成されているのかということであったと思います。
現在、当市の住民票や戸籍、税務証明等の交付申請書には、性別記載欄はなく、受付番号で呼出しを行っています。
先ほど議員がおっしゃったとおり、戸籍上の性別と見かけが異なる場合、性別の確認に固執することなく、生年月日・住所等ほかの方法で確認することや、名前で本人を呼び出す必要がある場合は、名字で呼び出し、下の名前まで言わないなど、配慮した対応が必要であると考えております。
現在のところ、
性的マイノリティに関する具体的な相談、事案等がないことから、職員向けのガイドラインについては、今後の状況等注意しながら、実情に応じて考えてまいりたいと思っております。
次に2点目、ワーキンググループ等を立ち上げ、
パートナーシップ制度等の導入に向けて研究することについてお答えします。
先ほどの答弁のとおり、
性的マイノリティに対する市民の認知度は高いとはいえず、理解がまだ十分でないと考えられ、まずは人権教育と啓発により、性の多様性について理解を深めていくことが必要であると考えています。
自治体
パートナーシップ制度には法的効力がなく、導入している自治体で
行政サービスの適用範囲等、制度にも差異があることから、また、具体的な相談等もない現状から、国や県の動向、他市の状況に注視しながら、当市においてのニーズ、市民の関心、理解などの状況を見受けながら、実情に応じた全庁的な情報共有、調整の場を設けていくことを検討していきたいと考えております。
以上、再質問における答弁とします。
○議長(
小林千津子君) 次に、
教育指導部長。
○
教育指導部長(藤原正伸君) 制服等の対応につきましての再質問についてお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、制服を初め、髪型、それから部活動など、様々なことでやはり悩みや不安を感じたり過ごしたり、いじめや偏見に対して悩ましい日々を過ごしたりする児童生徒があれば、それに対してやはり心に寄り添い、そして適切に先生もそれから子どもたちも対応していくことが重要だと考えます。
これまでのところ、児童生徒や保護者から具体的な相談や対応した事例というのはございません。しかしながら、今後、相談がございました場合につきましては、
文部科学省の研修資料を基に、制服だけでなく、トイレの問題、更衣室の問題、先ほどございましたような宿泊の取組の問題、画一的な対応でなく、個別の事例における状況を把握して、当該児童生徒や保護者と丁寧に対話を重ねながら、また、他の児童生徒への対応も合わせまして、総合的に判断して必要な対応を取ってまいりたいと思います。
また、児童生徒が自身の
性同一性障害を可能な限り秘匿したい、しゃべらずにおきたいという場合、または性的に違和感を感じる強弱に差があったり、あるいは成長とともにそれが減ずるようなことがあることも指摘されておりますので、個別の事案につきまして、丁寧に養護教諭、スクールカウンセラー等、また医療等も連携しながら不安や悩みの相談しやすい環境づくりを大切にしてまいりたいと思います。
議員ご提案の制服の在り方につきましては、小野市の実態を踏まえながら、性差の少ない制服、あるいは選択できる方式等につきましては、様々な思いや考えを保護者、地域の皆様と共有しながら、丁寧な議論が必要だと考えております。今後の状況を踏まえながら総合的に検討していく必要があると現段階では考えているところです。
引き続き、保護者の皆様、地域の皆様と一体となって情報を共有しながら、全ての人権課題について、いじめや偏見に悩むことなく、
一人ひとりが自分らしく過ごすことができる学校づくりを進めてまいりたいと思います。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 次に、市長。
○市長(蓬莱 務君) 再質問にお答えをいたします。
2点あったかと思いますけれども、共通の事項だと思います。
1点目は、これは私、市長として、このジェンダーフリーについてどう思われているかということですね。市民意識はどうかということを問われているわけではないですね。
ということと、2点目は、それらを踏まえて、いわゆる
パートナーシップ制度を導入してはどうかということでありますけれども、先ほど来、担当のほうからお答えしたことと全く同じ考え方でありますけれども、というよりも、それは当然、市長の代理としてそれらの担当部長が答えているわけでありますから、そこに考え方に違いがあるわけでありませんけれども、そういう中で、一般論として私が認識しておりますのは、ジェンダーフリー、もはや世界共通の普遍の権利と言われているわけですね。そういう中で、
LGBTを含めた認識というのは、人権問題の最たるものであると、こういうことが私もそれなりに認識はいたしております。
ただ、個人的に言いますと、まだまだ私の認識が甘いのかどうか知りませんが、どうも納得できないと。国としては結婚は認めていないんです。これを認めるようになれば、私は多分、考え方を変えるかもしれませんけれども、国家としては、いわゆる女性同士の結婚、男性同士の結婚というのは、認めてない状況なんですね。
そういう中で、
パートナーシップ制度もやむを得ない事情であるから、そういう制度をもって、そういうことで苦しんでいる方たちのことは十分分かるので、取りあえずそういう対応をしようということでありますけれども、完全な対応ではないわけですね。しかし、都会のほうでは、そういったことが非常に大きな課題になってきているということで、やらざるを得ない環境で、いろいろ行政は、今言われたような制度を導入しているということだろうと思います。
今日本では、私も2
0年ほど前だったと思いますが、海外へ行きますと、サンフランシスコなんかでもそうですけれども、いわゆるレインボーフラッグ、虹の旗が、私たちは同性愛者ですよという形で当たり前のようにそれぞれの家屋からビルからそういう人たちが住んでいますということを分かる形にして、今もそうですけれども、そういう旗がひらめいていますよね。同時にそういう人たちの集団で、いろんないい意味でのデモ行進というんですか、PRの行進もやっておられると。
日本ではそういうことはなかったわけですけれども、最近では東京でもやはり同じようなことが行われているということで、大きなうねり、流れというのは、そういう形になっているということでありますので、先ほどの答弁でありましたように、学校教育の中も含めまして、あるいは市民意識の中に含めましても、あるいは行政においても、このことに関して、いわゆる無関心ではおられない社会であると。
一方では、少し
男女共同参画のことにも関わってくるかもしれませんけれども、今までスチュワーデスと言っていたのが、フライトアテンダントと言うようになったし、看護婦と言っていたのが、看護師になったり、それから大学のミス・ユニバーシティーというような形でやっていたものが、ミスター・ユニバーシティーももうそういう時代ではないということとか、要するに、全員が同じになることを意味することではなくて、多様になるということ、多様な価値観を認め合う社会と、もう一言で言えば、そういう社会を認めましょうと言っていることなんですね。
のために、ご指摘のそのような制度を小野市がこの地域で先頭を切ってやるかどうかについては、私としてはまだ時期尚早であると。
といいますのは、小野市への具体的なそういうことについての、1万件以上を超える市長への手紙等につきましても、そういうことで悩まれて相談室へ来られると、これは守秘義務を持ってやっているわけですけれども、全くありませんし、門戸は開いているわけですね。そういうことは事実ありませんし、どういうんですか、それをもって大きな人権問題に発展しているという事象も出ておりません。
全国、そんな形で動いているかどうかということになってきますと、私の言う、言われてからやるのではなくて言われる前にやるという、小野市が後手から先手管理という考え方を持っているならば、先手で最初に
パートナーシップ制度も含めたこういうものを積極的に、相談機関もつくり、教育も積極的にやり、そしてそういう制度もつくって、そして皆さんにそういう人権の最たるものについてのあってはならないということを、我々は多様な社会を認め合う社会をつくるために小野市が先頭を切るということについては、個人的には、はっきり言いまして、大変な違和感があります。
答弁にならないかもしれませんが、意に沿えませんが、場合によっては「市長は今の世の中を読めていませんね」ということを言われるかもしれませんが、あえて読めているつもりだからこそ、読んでいるからこそ、じゃあ、結婚を認める社会を国家として決めた場合は話は別という考えの下に、時期尚早ということで答弁とさせていただきます。
以上でございます。
○議長(
小林千津子君) 答弁は終わりました。
再々質問はありませんか。
村本洋子議員。
○1番(村本洋子君) 申し訳ありません。第2項目についても市長にお伺いしたかったんですけれども、よろしいでしょうか。いいですか、すみません。
若い世代への結婚支援についてなんですけれども、
少子化対策の入り口に当たる結婚に伴う経済的な理由で踏み切れずにいるカップルを支えることは、定住促進にもなると思います。
まずは、新たなステージに進む後押しとなる結婚新
生活支援事業が国でつくられていますので、それを活用もしていただいて、できれば結婚時の一時金にとどまらず、所得向上や住宅費補助など、将来の不安をなくす政策も進めていかなければならないと思います。
そこで、年齢等を決めていただいて、若者の子育て世代向けへの家賃補助の制度や新婚世帯や子育て世帯を優先に市営住宅に入居できるとかという取組についてのお考えは、市長としてのお考えはどのようになっているかお伺いいたします。
○議長(
小林千津子君) 再々質問に対し、答弁を求めます。
市長。
○市長(蓬莱 務君) 再々質問ではなくて、再質問の抜けておったということでの質問ですね。
議長、そういうことでありますね。
要するに、若者の結婚に対する支援制度、先ほどご質問があって、それぞれ小野市がやっていること、あるいは現在の考え方について、答弁をさせていただいたと思うんですが、要は何なのかというと、成果が出るかどうかというところなんですね。それと、何のためにやるかということなんです。
1つ目の、要するに非常に少子化がどんどん進んでいるという中で何とか結婚しない限りは赤ちゃんも生まれないわけなんですという言い方はちょっと語弊がありますけれども、基本的にはそうなんですね。そういうことで結婚を増やすことによって、
少子化対策の対応をしようと。
そのためには、結婚できる環境をもっと援助していこうではないかということなんですけれども、ご承知のとおり小野市の場合、例えば、他市というよりも全国的にも小学校から中学3年、そして高校3年生までの医療費の無料とか、いろんな子育て・教育の環境を整えるとかということも含めまして、子育て対策については、それなりに県内でも評価される子育て対策はしているという具合に、私が申し上げているんじゃなしに、他市の人からもそういうお声を聞いているわけですけれども、ただ、現状は、いわゆる合計特殊出生率ということにつきましていいますと、小野市の場合は、何回もお話しさせていただいておりますけれども、国よりも県よりもどこよりも、この地域の中では、合計特殊出生率、すなわち女性が一生の間に子どもを生む人数のことについて、1.44から1.48になって、そして1.63になったということを今までずっと言ってきました。しかし、ここへ来まして、小野市はいよいよやはり全体の人口の減少とともに、先ほどの中のように、結婚適齢期でしかも子どもを生む世代というのはどんどん流出をしていると。
その背景は何かということは、いろいろとあると思うんですよ。高学歴になって、小野市に住まないでほかへ勤めに行くということになったということとか、あるいは
男女共同参画の進展とともにやっぱり働く社会になって、夫婦とも働く社会になってきたということが進展している等で、今年のコロナ禍も含めますと、恐らく反転して私は1.3ぐらいに落ちると、今、認識しています。
つまり、ある意味では、1.44から1.48、1.63、小野市は物すごい勢いで子育てに対してやった結果の成果が出た。しかしここへ来て、働きやすい環境と住みやすい環境ができた結果、高キャリアな人たちがここから出て行って、小野市のデータが5年単位で行われる国勢調査の結果として出ますけれども、それからシミュレーションした結果をいずれ報告することになると思いますが、このままいくと、ひょっとすると、北播磨の中で最も合計特殊出生率が低い市に小野市がなる可能性があります。1.2から1.3という具合に一気に落ちてくるという可能性がちょっと予測されているんです。
それから、ゼロ歳から14歳の年少人口比率、これだけ小野市はいろんな形で医療と福祉も整えて、教育環境も整えてやってきたけれども、いわゆる14.6%といったら県内第一位だったんですね。いわゆるゼロ歳から14歳の人口に対する比率、年少人口比率は県下第一位だったんです。しかし、それが、今、13ぐらいまで減ってきているんです。
何か小野市が住みよい環境になればなるほど、結果として、女性が流出し、そして女性が働く社会に入って、諸般の事情で、環境を整えることで自立社会が出てきた結果として、今度は赤ちゃんを生まれることが、それだけが原因だとは決して言いませんが、数字の上では、全く真逆の方向に今進んでいるという。これは何も小野市だけではなくて、他市も同じような動きになっているかもしれませんが、しかし少なくとも小野市の状況は、今までの右肩上がりでどんどんと行け行けでそれなりの評価という成果の時代から、明らかに変化してきているというように認識をしています。これは、いずれ5年ごとの国勢調査の結果が集計がまとまり、全てのいろんな人口動態に関わるデータが整理された段階で明らかになってくると思いますが、私はそのような予測をしているんですね。
ということは、今まで子育て対策として小野市は何のためにやってきたのかという、じゃあ、血税を一生懸命それにやってきた成果は一時的にあったけれども、結果的に長いスパンで見ると、この少子化の流れは基本的には全く真逆の方向で今、進んでいるということなんですね。
ですから、そういうことを考えていくと、今話がちょっと飛んでいるように見えますけれども、何を申し上げたいかというと、つまりその政策が、やる以上はやっぱり私としては明快に見える成果が出ないと駄目だという認識なんです。なぜかというと、貴重な市民の財産であるそういう税を投入していくからなんですね。
しかし、じゃあ、結婚のために条件を仮に整えたとして、そして、多くの新婚さん夫婦に対しての補助をやったとして、じゃあ何のためにといったら、お二人が幸せになって小野市に住むことが非常に住みよいまちだという認識、これ一つあるでしょう。しかし、結果として結婚された結果、いわゆる
少子化対策の一環としてその成果が出るかといえば、基本的には出ないんですね。
もう結論として申し上げれば、今の時代はもう多様な価値観の中で多様な生き方をする女性が増えた以上は、また夫婦間にもそういうものがある以上は、全く価値観が変わってきている中で、あらゆる我々がよかれと思ってきたこの政策が、私はひょっとしたら何の成果も出てきていないんじゃないかなというように、認識を今しつつあります。
が故に、議員のご提案のことについては、何か、何もしないよりは、何かをしなければならないということは分かるんですけれど、明快にそれが読めないということなんですね。
で、そういう政策は、役所の世界というのは、この公の世界というのは多いんですよ。
最近でも私は、話は全く変わりますけれども、例えば、山田錦を作って、日本酒をどんどん増やしていこうと言っているんですが、今、日本酒はどんどん減っているんですよ。飲んでいるのは私だけで、そんなん冗談ですけれども、少なくとも日本酒はあまり飲まないんです。今回のおの恋も私もつまりこの前も12本買ってきたんですね。毎晩、今まではビールを飲んでいたんですけれども、このおの恋を冷酒でかっと飲んだらすぐテレビを見とるような顔をしながら寝てしまっているんですけれども、そういうようなことをやったからといってどうというんじゃないんですけれども、要するに隣の加東市の、これ悪口言っているんじゃないんですよ。要するに吉田類さんを呼んで、酒米祭りをやって、そして山田錦を増産をしてと言っているけれども、でも逆に山田錦は今度作る面積はぐっと減ってきとるし、コロナ禍だというわけじゃないですよ。その流れはそういうことなんですよ。日本酒は減ってきているんです。
そういうようなことで私が言ったのは、この北播磨の山田錦の作付面積がこの1
0年間でどのように動いて、そしてその結果としてこの地域で日本酒がどれぐらい消費されたのか。そして、そのトレンド、「傾向」というのはどういう具体的になっているんか。これ、誰も明らかにしようとしないんですよ。とにかくいろいろやっています、結果は、あまり成果が出ていないんですというのが本質なんですね。
という具合に、でも誰も責任を取らないんですよ。「一応やりましたよ」ということなんですね。
これ、ビジネスからいったら、「あなたは残念だけれども降格人事でリストラの対象です」と、当たり前の話なんです。人口増政策としてやった、結果が出ませんでしたと、市民課長、税を無駄に使ったということですよと、どうするんですかと。トップである市長も含めて責任は免れないというのが、これ普通の私たちの生きてきた世界なんです。でも、役所はそれだったとしても、「いろいろやりましたけれども、結果が出なかったんで、誠に申し訳ありません」と、これで終わりなんです。で、ボーナス同じようにもらっているんです。
こういうことから考えますと、話が飛んでばっかりですけれども、分かりやすく申し上げているつもりです。
ということからしますと、本当に結婚したいんだけれども、でも住む家がない、給料が安いがためになかなか生活ができない、だから何とかしてくださいよという人たちの声、これはまず一番大事にせないかん話。同時に、そういう制度があることによって、小野市に住んで結婚して、そして子どもを生んで、地域社会の中で小野市のために貢献しようと。
素直に考えたらそういうことなんですよ。でも残念ながら、トップである経営者は、事実その成果があるかといったら、ない社会に血税をそれを投入し続ける責任は誰が取るんですかということを言われたら、その責任は市長にあるんです。
私は、少なくとも見える成果が出ない限りは、言いっ放しのやりっ放しの誰も責任を取らない、すなわち成果と報酬が連動する社会から連動しない社会におる人たちからすれば、成果と報酬は連動しなくてもそれは問わないという社会の中で、このまま、この日本の政策も含めて、いろんな政策といってやっていくのがいいのかどうかということを私は考えると。
どんなに頑張っても人口は1億2,7
00万人が、今1億2,6
00万人になって、これが8,
000万人に向かってどんどん進んでいくのに対して、国も県も市も地域社会も、誰もそれが対応することは今の時点ではできていないんですよ。少しでも横ばい、もしくは反転したことがこの1
0年間であったかといったら、私、市長になって2
0年ですけど、一度もないですよ。言いっ放しなんですよ。明快に数字はそれを物語っとんですよ。
ということになれば、そういう社会の中でも幸せと感じる市であり国家であったらいいんじゃないかと。逆転の発想でそういうことを求めていくことも決してそれはネガティブ、ポジティブな話じゃなくてネガティブな話であるということではないと私は感じていますので、そういうように、全体のこの最適解ということを考えていきますと、私はご指摘されていることは非常に重要なご指摘であって、重要な提案であって、認識は十分しておりますけれども、それが見える成果として出ないということを嫌というほどこの市長はやってきて、それが分かったが故に、そのことを知らなかったらいいけれども、知ってなおさらにそれをやっていくということは、それがリーダーの執るべき道かといったら、私は違うと、こう思っておりますので、ですから、結婚等には当事者間の努力であり、その人と人とのつながりの問題であって、それが行政がそれを支援をすることによって、何らかの形でプラスに働くでしょうけれども、明快なプラスに働く答えはない、これを私たちはもう認めざるを得ない社会なんだということをもって、何ていうんですか、政策をやっていく必要があるんじゃないかと。
ただ、スウェーデンとかデンマークとかそういう北欧では働く女性が増えれば増えるほど実は出生率は増えとんですよ。これは事実なんです。そういうデータもあるんですね。
すなわち、働く社会に女性が出てしまったから少子化につながるとか、あるいは結婚しないとかということではなくて、逆にその代わりに日本と違うのは、結婚しなくても子どもを持つことに対して、当たり前のように認める社会があるわけですね。全く違うんです、価値観が。そういうようなことからいうと、一概に女性の地位が上がり、働く社会ができたが故に子どもを生まないというように、そう決めつけるのもまた無理があるんですね。
だからそういう具合に、いろんなところで、いわゆるそれぞれの国の状況とか地域の状況がありますけれども、少なくともこの小野市の状況の政策をどう遂行していくかということについては、非常に今までは、私は、小野市は非常にその件については評価できる政策をしてきたと思いました。少なくとも、高校3年生までの医療費の無料というのはもうやめてしまおうかなとも担当に言ったら、「いや、市長、それ大変ですよ」と、こういう話が出たんですけれども、でもそれが子育て支援のためになっていると私は信じていたけれども、そのために小野市の合計特殊出生率も年少人口比率も高まる事実、この1
0年以上の間については、見事にそれは成果が出ておったんですけれど、でももう一つの大きな波が来たなというふうに思っているんですね。それでは耐えられない、それではその成果を出し得ない社会が来ていると。
ということは、全く違う対応をしないと、今までの延長線上のような子育て対策では、要するにこの結婚する社会、若者が、同時に子育てしやすい社会として子どもを少しでも多く生んで、そして将来のためにそういう社会をつくっていこうというようなことができているかといったら、もう一つ違う、私は今時代に入ろうとしている、そこへ今回のコロナ禍の問題ですから、恐らく来年度の出生率というのはどさっと減るでしょう。昔、ひのえうまとかいろいろあったんですけれど、そんなレベルじゃないと思いますね。
ですから、逆に考えれば、トレンド傾向として考えたら、「いや、でもそれはいつかどうせいずれ来る人口減少の中において、少しスピードが速まったというだけの話じゃないか」と考えれば、だから人口が減ってもやっていけるような市を目指さな駄目やということを繰り返し私は言っていかなきゃならないだろうし、またそういう政策に大転換をしなきゃならないんではないかという思いが今あります。
大変、質問に対して、あっち飛んだりこっち飛んだりしていますけれども、でもこの話は、端的な質問に対して端的に答えるようなレベルじゃないんですよ。いろんなことが絡んでいて、総合的に判断しなければ、こういう政策はないということを十分議員も理解された上において、ご質問されていると思いますので、私もあえてお互いにそれはその思いというのを共通の情報共有をしましょうよという意味での答弁ということで、うまく逃げましたけれども、よろしくご理解いただきたいと思います。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 村本議員、答弁はこれで終わらせていただいてよろしいですか。
以上で、
村本洋子議員の質問は終わりました。
この際、議場の換気を行うため、暫時休憩いたします。再開は、11時15分とさせていただきます。
休憩 午前11時
03分
───────────
再開 午前11時15分
○議長(
小林千津子君) ただいまから、会議を再開いたします。
休憩前に引き続き、一般質問であります。
平田真実議員の質問を許可いたします。
(平田真実君 登壇)
○7番(平田真実君) 紡ぐ未来の平田真実です。議長のお許しを頂きましたので、私からは2項目について質問させていただきます。
第1項目、学習障害を持つ子どもへの配慮について。
小野市では、平成24年から特別支援学校にタブレット端末を導入し、
一人ひとりに合わせた学習支援を研究、実践されてきました。GIGAスクールプロジェクトにより、今年度からは、特別支援学校以外の小中学校でも一人一台端末が実現することになります。
令和2年度版障害者白書によりますと、令和元年5月時点、小中学校の特別支援学級の児童生徒は2.9%、通級による指導を受けている児童生徒は1.4%であるとのことです。
通常学級においても、苦手分野以外の知的能力に問題が見られないLDと呼ばれる学習障害を抱える子どもたちへの合理的配慮を含め、多様性を前提とした教育の提供が必要です。
例えば、読みの困難を抱えるディスレクシアの子どもたちは、1文字を読むのに時間がかかる上、間違えることが多いために、読むことに疲れて意味を把握するまでに至らず、語彙や知識が不足し、学業不振に陥ることが指摘されています。
ICTをうまく活用した学習支援により、多様な子どもたちの可能性を大きく広げることが期待できる中で、次の2点をお伺いいたします。
ご答弁は、2点とも
教育指導部長にお伺いいたします。
1点目、多様な見え方への配慮について。
色覚特性を持つ人に配慮したカラーユニバーサルチョークや、できるだけ多くの人が見やすいUDフォントの利用を初めとした、学校生活における子どもたちの見え方への配慮について、小野市の取組をお伺いいたします。
2点目、GlGAスクールプロジェクトによる学習環境の変化について。
多様な子どもたちの個別最適化を図るためには、ICT機器の利用のしやすさ、アクセシビリティを向上させることも重要です。GIGAスクールプロジェクトの推進により、一人一台のICT機器を活用することで、学習障害を持つ子どもたちの学習環境がどのように変わるのかお伺いいたします。
第2項目、インターネットリテラシーの育成について。
こちらもご答弁は、
教育指導部長にお願いいたします。
ICTを活用した学習支援が充実していく中、子どもたちのインターネットリテラシーが育っていないと、保護者が把握できていないインターネットの中で、子どもたちが様々なリスクに対処できず、トラブルに巻き込まれたり、加害者となってしまったりする可能性があります。
本年5月の第421回臨時会の質疑におきまして、「ICT教育に頼り過ぎないようスマホなどとの付き合い方には留意しつつも、メディアリテラシーの育成を進めることは重要であると川島教授よりご助言いただいている」とのご答弁がありました。
小野市では、脳科学の知見に基づき、「スマホ・携帯・ゲーム・テレビは1時間以内にしよう」などの発信をしていただいています。情報モラル教育の視点からは、「時間の制限」ということだけではなく、ツールであるICT機器をどう利用するか、利用内容がますます重要になってくると考えます。
メディアリテラシー教育の一つの要素であるインターネットリテラシー教育をどのように展開していかれるのかお伺いいたします。
以上です。お願いいたします。
○議長(
小林千津子君) 質問に対し、答弁を求めます。
教育指導部長。
(
教育指導部長 登壇)
○
教育指導部長(藤原正伸君) それでは、第1項目1点目、多様な見え方への配慮についてお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、学校生活において、子どもたちの効果的な学習支援を行うことで、多様な子どもたちの可能性が広がることが期待できます。見え方への配慮もその一つであります。
学校では、これまで色チョークの使い方に留意し、子どもの見え方に配慮を行ってまいりましたが、カラーユニバーサルチョークの普及に伴い、これを市の指定用品としたことから、順次、各学校への導入が広がってきているところでございます。
また、UDフォントにつきましても、最新の教科書に採用されるなど普及が進んでおり、最新の「おの検定」の小学校漢字テキストにもUDフォントを使用しております。
また、各学校で自作教材等を作成する際にも、必要に応じてUDフォントを活用する事例も増えてきており、校務用パソコンにも導入をいたしました。
そのほか、小学校2年生でひらがな単語聴写テストを行い、読字障害(ディスレクシア)を含め、早い時期から、早期から「読み書き」に困り感のある一人一人の児童生徒に関わる課題を分析して、専門機関と連携し、個に応じた支援を進めております。
これらの対応は、全ての児童生徒に優しい対応であり、各学校で進めておりますユニバーサルデザインの教育の推進にもつながっています。
今後におきましても、引き続き、できる限り多くの児童生徒にきめ細かな学習支援を行う工夫に取り組んでまいります。
次に2点目、GIGAスクールプロジェクトにおける学習環境の変化についてお答えいたします。
議員ご承知のとおり、小野特別支援学校では、平成24年度からタブレット端末を先行して導入いたしました。そして、一人一人の課題に応じて、意欲的に学んだり、分かりやすく学んだりするなど、学習効果を高めるための道具として、効果的にアプリケーションを活用した指導方法を研究してまいりました。
そして、このたび、GIGAスクールプロジェクトの推進により、小・中・特別支援学校の全ての児童生徒に一人一台端末が配備され、小中学校においてもICT機器を効果的に活用した個に応じた支援が可能となります。議員ご提案のとおり、視聴覚化して理解を促進したり、自ら主体的に操作を行い、学習意欲を高めたりすることのできるアプリケーションを活用した指導方法を小野特別支援学校での取組成果を基に研究しているところであります。
また、翻訳機能を活用した外国籍の児童生徒の支援、プログラミングなどの児童生徒の特性を伸ばす支援など、多様な支援も可能となります。ICT機器の利活用により、児童生徒一人一人の学びを促進し、新たな可能性を拓くことも期待されます。
しかしながら、ICT機器に頼った子どもたちの学習の個別最適化を必要以上に進めることは、学校での仲間同士での進めるペアやグループの対話、学級全体での説明活動などの学び合い活動、五感を生かして取り組む体験や活動などを抑制してしまうことが懸念されます。
これらのICT活用のメリットとデメリットを見据え、義務教育段階における様々な学びのバランスを大切に、児童生徒の夢と希望をかなえるために、
一人ひとりの学びを一層高める効果的な指導の在り方について、研究を進めてまいります。
次に第2項目、インターネットリテラシーの育成についてお答えいたします。
オンラインを初めとするコミュニケーションの手段や情報を効率的に収集する手段として、インターネットを効果的に活用することにより、便利で質の高い生活を実現することができます。しかしながら、議員ご指摘のとおり、使い方を誤ると、義務教育段階の子どもたちに様々な面で悪影響を及ぼす危険性がございます。
小野市においては、これまで教育行政顧問である東北大学川島隆太教授の脳科学の知見をベースに、スマートフォンを持つ年齢をできるだけ遅くすること、使用を1時間以内に抑えることを啓発してまいりました。ゲームや明確な目的のないSNSの利用、インターネット情報の閲覧など、低学年から長時間行うことは、学力だけでなく心や体の動きをコントロールする脳の司令塔、前頭前野の発達を抑制することが分かっており、ゲーム依存症等の問題も顕在化する中、子どもたちの夢と希望をかなえるために、これらの取組については、一層の危機感をもって進めていかなければならないと考えております。
また、様々な社会問題となっておりますネットトラブルや個人情報の漏えいなどの問題から児童生徒を守るための情報モラル教育についても、具体的な事例を選定し、引き続き、関係機関と連携し積極的に取り組んでまいります。
その上で、川島教授のアドバイスを踏まえ、超デジタル化社会であるSociety5.
0の時代を生きる児童生徒のインターネットリテラシーの育成につきましては、「情報の加工」、情報を発信する際の「素材づくり」という2点をキーワードに、「脳を働かせる仕掛け」を意識した研究を進めてまいります。
まず、1点目の「情報の加工」でありますが、情報を加工する際には、単なるインターネット情報の閲覧や複写、いわゆるコピー&ペーストするだけにとどまることなく、目的に応じて情報の真偽、正しいか誤っているかを見極め、取捨選択することを初め、要約する、2つ以上の情報を比較する、図・表やグラフにまとめ直す、情報を基に自らの考えを創り出すなど、課題解決へ向けて主体的に「情報を加工」するといった脳を働かせる仕掛けを意識した実践研究を進めてまいります。
次に、2点目の自らの情報発信する際の「素材づくり」でありますが、目的を明確にした上で正しい情報を正確に発信し、情報モラル教育の視点を育むとともに、伝える相手を意識し、写真や絵・動画・音楽等を活用した情報の視聴覚化、箇条書や図表・グラフなどの活用などによる情報の整理等、自分の思いや考えを相手に伝えるための素材づくりの工夫を大切にするといった脳を働かせる仕掛けを意識した実践研究を進めてまいります。
なおこれら、情報モラル教育や、情報リテラシー教育については、
学習指導要領においても、中学校技術科で約3分の1もの時間が割り当てられているところであります。
Society5.
0の時代を生きる上において、実際に体験したり活動したりすることや、本や図鑑などで調べたり、人との関わりを持ち、対話・話合いをしたりすることも大切であります。
これらの活動とのバランスを保ち、インターネット利用のメリットであるコミュニケーションや情報収集等の効率化により生み出された時間を脳を働かせる仕掛けにシフトする取組を進めます。
そして、思考・判断・表現力や、問題を解決する力など、子どもたちが主体的に未来を拓く力を育成する教育の実践について、小野市の教職員が一体となり研究してまいります。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
平田真実議員。
○7番(平田真実君) ありがとうございました。それぞれの項目につきまして、
教育指導部長に再質問させていただきます。
まず、第1項目なんですけれども、先生方のICT活用技術向上への取組状況と、先生方の負担軽減ということについてお伺いさせていただきます。
小野市でこれまで研究実践されてきた特別支援学校での成果を踏まえますと、先ほどのご答弁にもありましたように、特別支援学級もそうなんですけれども、通常学級の学習障害を持つ子どもたちを想定したICT機器利用ということについて、小野市の特別支援学校の成果を十分に生かしていけるのではないかと考えています。
例えば、ソフトウエアに装備されている読み上げ機能ですとか、読みたい行だけに集中させるための機能というものを必要な子どもたちに設定してあげたり、もっと単純なことをいいますと、ページの色変更や列幅の変更をしてあげるだけでぐっと見やすくなって集中できるという可能性もあるかもしれません。
もう少し具体的にお伝えさせていただきたいんですけれども、例えば本当に一例なんですが、「北」という漢字なんですけれども、明朝体だとこのように、下左の棒が突き出ていると思うんですね。ですが、楷書で正しく書きますと、この北という左の棒は突き出ないというふうになるかと思います。もちろん、学校で習う北という漢字も楷書で習いますので突き出ていないという漢字ですよね。で、そのIT機器を使って作り出された文書が習った字体と違うということで戸惑ってしまうという子どももいるかもしれないんですけれども、これは先ほどもご答弁いただいたようなUDフォントを活用していただくというところで解消できることと思います。
こういったICT機器の利用のしやすさ、それをそのアクセシビリティという言葉で表現しているんですけれども、そのアクセシビリティを向上させるということが、子どもたちの学習支援につながるというケースもあるんですが、ただ、やはりそれには、先生方のICT機器の知識の向上というのが必須になってくるかと思っております。また、個別の学級支援を行うスクールアシスタントなど、その支援に携わっていただくような方々のICT活用技術というのも向上していく必要があるのではないかと思っております。
GIGAスクールプロジェクトにおいて、現在、既に先生方を対象とした様々な研修に取り組まれていることと思うんですけれども、先生方のICT活用の技術向上をするための取組について、現在どのように進めておられるのかということを、まず1点お伺いさせていただきます。
先生方の負担軽減というところなんですが、やはりただ、先生方も得手不得手があるかと思います。また、本来の先生方のお仕事を考えますと、ICT機器の設定や操作に時間を取られていては、本当に大変だと思います。また、得意な先生に負担が偏ってしまうということも考えられるかと思います。
文部科学省による急速なICT化を進める自治体への支援として、GIGAスクールサポーター配置支援事業などもありますが、先生方のICT活用を日常的に支援するICT支援員などの導入、もしくは地域の人材を活用するなど、外部人材の活用ということも考えられるかと思います。
先生方の負担軽減を図るために、市がどのように支援していくのかということを当局のお考えをお伺いさせていただきます。
第2項目につきまして、こちらも
教育指導部長に1点、再質問させていただきます。
インターネット利用に関する様々なリスクや危険性に関する研修、啓発についてです。
先ほどのご答弁に、脳を働かせる教育、川島先生のご助言を頂いたインターネットリテラシー教育というのは、本当にすばらしいものだと思いました。ただその一方で、やはり、インターネット利用のリスクや危険性というところについて、ちょっと再質問させていただきます。
日々進化する情報社会において、保護者や教職員、我々大人が情報社会に参画して、正しい情報活用能力を身につけていく必要があると考えています。
これまでからPTA講演会などで保護者への啓発にも取り組んでいただいていることと思いますが、情報社会の進化に合わせた啓発等を引き続き行っていただき、未然にトラブルを防ぐ必要があると思っています。
アプリで課金して、後から親が気がついてしまったりとか、子どもでも親権者の同意を得たように擦り抜けて簡単にお金を借りることができてしまうアプリですとかシステム、または最近ではマッチングアプリも浸透してきています。
全て、本来は親がしっかり情報収集して、子どもとコミュニケーションが取れているか、その家庭教育が本当に一番重要であると思いますが、GIGAスクールプロジェクトによって、子どもたちにとってICT機器がますます身近になるこれからの時代では、やはり学校による教育も必須であると思っています。学校・家庭・地域で連携して、子どもたちのインターネットリテラシーを高めていくためには、教職員の皆さんのインターネットリテラシーの向上というのも不可欠であると思います。
教職員の皆さんが、インターネットリテラシーへの理解をどのように深めて、各家庭へどのように啓発していかれるのかということをお伺いさせていただきます。
以上です。
○議長(
小林千津子君) 再質問に対し、答弁を求めます。
教育指導部長。
○
教育指導部長(藤原正伸君) 2点の再質問についてお答えいたします。
1点目の教職員の研修、それから負担軽減に関わる部分でございますが、議員ご指摘のとおり、入ります端末を使いますと、いろんな多様な使い方ができます。学習支援の立場からいくと、読み上げ機能とか色の問題とか字体の問題とか様々なことを工夫すれば、子どもたちを支援できますし、それぞれのアプリケーションを使えば、学びそのものを促進していけるような、そういうアプリケーションもたくさんございます。
そういう意味では、端末は1つ入るんですが、アプリケーションはもう様々で、どう使っていくかというのは、それもまた多様でございます。その中で、小野市についてどんな形で利用していくのかにつきましては、教職員、全ての教職員を対象としまして、11月から全ての学校で全教職員、順番に回りながら研修をしているところです。
その中でスクールアシスタントも含め、あるいは特別支援学級の教職員も含めて、その端末の利用の在り方、アプリケーションの特性について学びながら、そのアプリケーションそのものを学んだ上で、じゃあ、子どもたちにどう使っていくのかというのは、これからさらに研究を深めていかないといけない状況にもあるかと思います。
この研修につきましては、1回目こんな形でやりました。その前に少しリーダー研修をやりました。そして、今度、授業支援のアプリケーションについては、3学期、1月に行います。あるいは端末の管理については3学期に行うという段階的なことを行っていくわけでございますが、基本、先生方が全員、全ての先生方が、やはり教室に1台ずつありますので、使えるだけの技能を高めていかないといけないというそういう部分がございますので、ICT教育の研修を専門とする講師陣による研修会を行っております。複数の指導者を招いて、きめ細かに行えるようにしているところでございます。
そんな中で、先生方につきまして、本当に研修、私も行きましたけれども、前向きに取り組み、熱心に研究をしているところです。業者の研修を担当された研修講師さんのほうも、本当にその辺りを評価いただいておりますし、また、これまでICT教育を推進してきた中でも他市さんも含めて視察にお越しいただいたり、あるいは、公務支援システムについても自ら研究して本当に活用を有効にしたりというようなところができていたこともございますので、先生方について、これから共に頑張っていく体制はでき上がっているというふうに見ております。
とはいいますものの、先生方の負担というのは非常に大きくなっております。このコロナ禍において、厳しい状況もございます。全ての授業で使っていくということについて、やはり全教職員がやらないとできないという面がございますが、例えば、小学校のプログラミング、中学校のプログラミング等につきまして、一定分野につきましては、明石工業高等専門学校あるいは兵庫教育大学と共同研究をして、そのプログラムについては共同で専門の研修外部講師を用いて、外部講師の方と一緒に事業を展開していくそんなことも始めているところでございます。
GIGAスクールサポーター配置促進事業、国のほうが設けました。先ほどの事業をするという部分については、本当に研修の充実性、みんなで高めていくということが重要なんですけれども、例えばICT機器の特性とかマニュアルを作成するとか使用方法とかハードの問題というのは、本当に教職員にとっては、なかなか理解がしにくい要素もあります。
その部分につきましては、令和2年度より教育委員会に専門的な資格を持つ職員を1名配置して、そこが支援するような体制をつくっております。また、今後、GIGAスクールサポーターの配置も含めまして、国の事業等を見定めて、その辺りも支援しながら、先生方とともにGIGAスクールプロジェクトを推進して、小野市の教育の充実発展ができるように努めてまいりたいと思います。
以上が、1点目の再質問に対する答弁になります。
2点目です。2点目のインターネット利用のリスクや危険性に関するご質問でございます。
このことにつきましては、本当に安易に知らない人とつながったり、先ほどございましたように簡単に課金できてしまって多額の費用を求められたりというような状況がやはり喫緊の重大な課題となってきております。
そんな中で、当市におきましては、兵庫県警察本部あるいは
市民安全部ヒューマンライフグループ等との関係機関と連携しながら、保護者も含め、子どもたちは
小学校高学年以降が中心になるんですけれども、直接やはり具体的な事例を聞きながら、その危険性を肌に感じて学ぶ機会、授業を持っているところでございます。
また、青少年センターにおきましては、インターネットパトロール等を通じまして、個人情報が出ていないか、あるいは書き込みに問題はないか、その辺りのパトロールを受けて、個別の指導あるいは啓発も行っているところです。
また、今年はコロナ禍において、なかなかPTAの研修というのは難しい状況ではございますが、PTA向け、あるいはこのPTAとそれから子どもたち向けの研修そのものは教職員の研修にも該当することになるんですが、その辺りにつきましても、インターネットの「影」の部分について警鐘を鳴らし、適切なルールの中でインターネットを活用していくその技法だとか、その具体的な気持ちの部分を育成していきたいと思っております。
一方、このインターネットリテラシーをうまく使うことによって、SNSによって、場合によっては人を助けていく、あるいはクラウドファンディングを利用して社会のために何か活動をする、そういうこともできる世の中になってきております。そういう意味では、Society5.
0、超スマート社会と呼ばれるんですけれども、その社会に向かって子どもたち自身はそれをよく学び、逆に「光」の部分をよく知り、それを利用したり、あるいは逆に情報から取り残されることなく、より便利に、そして生活を高め、そしてみんなが豊かに生きていけるようなそんな世の中をつくっていける子どもたちを育成できたらと思っております。
インターネット利用につきましては、今、申し上げましたように、「光」と「影」の両面がございます。この両面について、私も含めまして、なかなかやはり苦手で分からないという状況に大人たちは、いや、大人たちの中でもできる方もたくさんいらっしゃいますけれども、陥る危険性もございます。
分からないと決めつけることがなく、これは学校教職員も保護者もそして地域の皆様も一体になりながら、子どもたちの安全を確保して、そして子どもたちの夢と希望をかなえるように取り組んでまいりたいと思います。そして、未然にそういう危険から守ってまいりたいと思います。
以上、答弁とさせていただきます。
○議長(
小林千津子君) 答弁は終わりました。
再々質問はありませんか。
平田真実議員。
○7番(平田真実君) ありがとうございます。そうしましたら、再々質問は市長にお伺いさせていただきます。第1項目について再々質問させていただきます。
先生方の負担軽減に関わる予算についてということでお伺いさせていただきます。
今回の私の質問は、学習障害を持つ子どもへの配慮という項目で質問をしておりまして、GIGAスクールプロジェクトで私が一番期待するのは、その一人一台の端末、そのツールを使うことで、支援を必要とする子どもへの合理的配慮の提供が充実する可能性が高いということ、障害が障害でなくなる可能性があるという、少なからずあるということです。
国が大きな覚悟を持って進めるこのGIGAスクール構想ですが、もちろん多額の税金で賄われて、今後も端末の更新などたくさんお金がかかってくるのではないかと思います。ですが、私はこれが教育の標準として、このツールを活用した主体的で対話的で、それが深い学びにつながっていくということとしても期待しています。なので、その端末をやはり配備することでは終われないといいますか、配備して終わりということではないんだろうなというふうに思っています。
このような中、本当に先ほどのご答弁にもありましたように、ただ、先生方は本当に今、コロナ禍もありますし、大変な状況かと推察いたします。先生方の業務構造というのを抜本的に改革する必要があり、先生方が先生本来の仕事にご尽力いただくということが、やはり教育の質の向上につながってくると思います。
今年度の当初予算の段階では、皆さんもご承知のとおり、このGIGAスクールプロジェクトに関する方針というのはありませんでしたので、コロナの影響で将来にわたる持続可能な財政基盤の確立が最重要課題、定例会のご挨拶の中でもありましたけれども、そのような中、GIGAスクールプロジェクトが進行しているわけではございますが、市長の教育行政への予算配分に関するお考え、また昨日ニュースでも1学級の児童生徒を35人にするというようなニュースもありましたし、少ない人数で頑張っておられるその先生方の負担軽減を、市が予算という形で今後どのように支援していくかということをお伺いさせていただきます。
以上です。
○議長(
小林千津子君) 再々質問に対し、答弁を求めます。
市長。
○市長(蓬莱 務君) 再々質問にお答えをいたします。
一言で言えば、not−overestimate、過大評価してはならないと。すなわち、政府も含めまして、学校現場においてもこのICT機器、つまり情報通信機器を使って学校における従来のやり方ではない学びの拠点をつくっていこうということでありますけれども、議員もご指摘のとおり、取りあえず情報機器を今回コロナ禍において、やむを得ず、場当たり的に、取りあえずそろえましょうと。
でも、その更新に対して莫大なお金がかかるわけですけれども、じゃあ、それは誰が負担するのか。国ですか、県ですか、市ですか、いや、あるいは、持っている保護者を含めた生徒たちが応分の負担をするんですかということで、まだ何も決まっていないわけですよ。
それと、このICT、つまり情報通信技術を使えば、非常に学習能力がアップされるようなことを皆、願っているわけですけれども、同時に先生方への支援ということを今言われているわけでありますけれども、そうなってくると、究極は、ICTが分からない先生は採用しないと。これからは、今までの先生の採用基準というのは、抜本的に全く違ってくるかもしれないと。そういうことが分かる、理解し、操作できる人材、プラス、いわゆる教育に対しての本来あるべき生きる力を育むための人格者的な人を採用するとなってくると、従来の教育学部出身云々というようなそういう人材そのものからもう見直さないかんということになってくる。
すなわち、先生方をいかにして助けて、先生方がいかにそういう情報化戦略の中で対応できるかということの人材育成に、どう市はやるんですかという質問はずっと頂いて、小野市はこういう対応をしていますということを先ほど部長が答えたんですけれども、私はもっと違って、もう今までの先生方全部辞めていただいて、全く違う人材を先生方に取り入れてこないと、これに対応する時代ではなくなってくる、知りませんよという時代が来ているということであるし、同時に、そういうことが分かるということは、つまり、人間力でもってフェース・トゥー・フェースで付き合う、そういう学校の世界から関係なしに、年齢には関係なしに教師の資格というのは取って、そういう操作でもって子どもたちが学ぶ社会であったり、あるいは今までは
学習指導要領によって、小学校1年生から段階的に
学習指導要領が決められてやっていく時代から、こういうICTを使ってくると、いきなり小学校3年生が中学3年生の勉強をいきなりしても、そういう情報機器の中ではどんどん与えられてくるわけですよ。すなわち、教える側も今までの人材では駄目ですよと。学ぶ側も従来の年代ごとにやっていく学習の在り方では対応できない社会が来ていると私は思っていますね。
そういう中で、それぞれの学年別、年代別の教育に対するそういうICT機器をどのように与えていって、それは誰が負担するかということはできますかと言ったら、私はまず不可能だと思っているんですよ。ですから、過大評価してはならないと。あんまり情報化戦略の、まだ一から十まででいえば、まだ一の段階なんですよ。だから二、三、四と行ってくると、いろんな問題がこれから出てくると思います。
例えば学校へ今までは登校することが当たり前だったし、そして学校へ来て勉強しなきゃならないという社会から、いえいえ、私はもう全部ネットでやりますから、勉強しますから、学校へ行かなくても、
学習指導要領に基づくようなレベルはもう十分やれますので、わざわざこの寒いときに学校まで行く必要あるんですかと。じゃあ、スポーツやその他の人間形成のためにはどうですか、ああ、それは塾やその他でやりますから。それも塾との間でネットでやりますから。だって東京でやっている有名な先生がやっているやつが、先生が今、私の担任の先生が教えるよりもその人の授業をネットで見て、そして通信技術のほうでやっているほうが、はるかにいい講義やったというようなことが、一から十のまだ一の段階でありますから進んでいませんが、それが五や六やと行ってくると、究極は、そういうことになってくるんじゃないかと。
じゃあ、それで人間、本当に教育の本質は何かといったときに、やっぱり生きる力を学んだそういう人間としてのものを育てる教育が、それでいいんですかということがまた私はあると思うんですよ。
そうすると、所詮道具にすぎない、このICT技術にそんなに過大評価せんでもよろしいし、そんなに心配をしなくてもいいんじゃないですかというのが私の今の段階なんで、市が予算を組んで、これに対してどこよりも早く体制を整えていくということが、本当にこの世の中に遅れていかない小野市の教育の方向性なのかといったら、私は今の段階ではどちらとも言えません。ただ、もう少し見極めないと駄目であるということだけは、確信を持って言います。あまり、言葉は悪いですけれども、何をバタバタしてますのんと。たかが、おもちゃじゃないですか。
それともう一つは、その情報技術の進展というのは、物すごいスピードで変わっていくと思いますよ。今のある端末、あるいはその情報機器が、じゃあ3年、同じように持ちこたえられるかといったら、全く違う具合に進化すると思いますね。それにも対応していかないかんわけですよ。
それだけ、イノベーション、技術革新というのは物すごいスピードで変わっていく中で、繰り返すようでありますけれども、これからのこの時代に対して、国家として日本はそっちを向いていくということが教育のいわゆるベースとして本当に行くならば、私、そんなの行けるとは思っていませんが、行くならば、本当の教育の本質はどこにあるのかということをもう一回問い直してもらう必要があるし、それを選ぶ権利も子どもたちにもあると思うんですよ。
教育を受けさせるそういう責任は義務としてあるわけですけれども、そういうみんながそろって学校へ行って勉強しなきゃいけないという社会を重視するのか、要は、知識等を学び、そしてカリキュラムに基づくことを学ぶんであるならば、私、本当に怖いなと思うのは、登校拒否率をできるだけ少なくして皆さんにできるだけ学校に出てきなさいということで今までやっていた、あるいは出席率が高い子、毎日来る子ということは、「この子、真面目ないい子やね」と言っていたやつが、いや別に学校へ出てくるか出てこないか、それはその子の評価としてはならないという時代が、私は、この情報機器はそういう社会を、一方では私はつくっていく可能性もあると。
だから、私は、今申し上げたのは、極端な話をしているようなんですけれども、でも、そのときに何を選ぶかということを我々はしっかりと見定める必要があると思うんですよね。
そのためには、今の段階であまり過大評価もしてはならないし、そんなに心配してもならないし、もう少し、やっぱりやりながら、走りながら、変えるべきところは変えていくし、もっと大事なことは、小野市の教育はそれには流されないと。「小野市はこれで行く」ということになるかもしれませんし、そうすると、今一つ出ているのは、例えば話が違うように見えますけれども、私立高校と例えば公立高校であるならば、授業料は高いか安いかだったんですね、ある面では。もちろん、内容は違いますよ。しかし、それが無償ということになってきたら、公立高校なんて行かんでも、私立高校へ行こうかという生徒がどんどん増えてきているわけですよ。そうすると、名門何々高校へ行くというそのニーズさえも全く変わってくる可能性もあります、ですよね。
つまり、どこで何を学ぶかは、自由であって、どこでどういう手段で学ぶかも自由であって、同時にグローバルで考えたら日本で教育を受けることが絶対必要なのかということもあるし、先ほど言ったように、休もうが出席しようが、そんなことは子どもの評価にはつながらないというような社会になってきて、それでいいんですかということからすると、私たちはICT技術を使うのであって、ICT機器に使われてはならない、これが小野市の教育の、教育長ではありませんけれども私は、これが小野市の教育の方向であると。決して、使われ過ぎてはならない。我々が使うんだというために主体性を持った教育が私たちに求められる。それを今判断するには無理がある。もう少し、じっくりと見極めをした上で小野市の教育行政を、やっぱり方向性をきちっと決めていく必要があろうとこう思います。
質問に対する答弁になっているか分かりませんが、要するに、その先生方の育成のためのいろんなフォローとか、助けてあげたいとか、いろいろあるんですけれども、本質はそこにはないということをご理解いただきたいと思います。以上であります。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 以上で、平田真実議員の質問は終わりました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩 午前11時59分
───────────
再開 午後 1時3
0分
○議長(
小林千津子君) ただいまから、会議を再開いたします。
休憩前に引き続き、一般質問であります。
藤原貴希議員の質問を許可いたします。
(藤原貴希君 登壇)
○2番(藤原貴希君) こんにちは。紡ぐ未来の藤原貴希です。議長にお許しを頂きましたので、私のほうから1項目3点について質問いたします。
第1項目、予防医療戦略の現状と今後の展開について。
厚生労働省発表の令和元年度の国民健康・栄養調査結果の概要によると、「糖尿病が強く疑われる者」は男性19.7%、女性1
0.8%、「収縮期(最高)血圧が14
0mmHg以上の者」は男性29.9%、女性24.9%であり、いわゆる生活習慣病患者の多さを示しています。
また、令和元年度の
人口動態統計によると、全死因のうち悪性新生物(腫瘍)、つまりがんによる死亡は27.3%で死因の第1位であり、次いで心疾患が15.
0%で第2位、脳血管疾患が7.7%で第4位となっており、5大生活習慣病のうちのこれら3つの疾患の合計で全死因の5
0%を占めています。
我が国における予防医療戦略に関しては、平成25年4月から適用されている第二次健康日本21の方針の中で次のように述べられています。
「がん、循環器疾患、糖尿病、及びCOPD(慢性閉塞性肺疾患)に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等による一次予防に重点を置いた対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点を置いた対策を推進する」
つまり、病気を未然に防ぐ一次予防に重点を置きながら、病気の早期発見、早期治療により、重症化を防ぐ二次予防にも力を入れるということです。
小野市においては、今年度から二次予防に当たる胃・肺・大腸がん検診に関して、節目年齢の方を対象に無料クーポンを配布するなど、市長の施政方針である「予防医療の無料化」を少しずつ推し進めておられます。
また、令和元年の第417回定例会において、予防医療戦略を推進する上で、私は予防医療に対する市民の意識改革が重要であり、そのために子どもの頃からの予防医療に関する教育、意識づけが必要であると述べさせていただきましたが、当局においても同じ認識であることを確認いたしております。
小野市における予防医療戦略はまだ始まったところであり、市民の健康寿命延伸のために、今後の展開は非常に重要なものであると考えられるため、次の3点についてお伺いします。
1点目、2点目においては、答弁は、
市民福祉部参事にお願いいたします。
1点目、予防医療戦略の検討状況と今後の展開について。
庁内で「健康未来ONOプロジェクトチーム」をつくり、予防医療戦略に関して検討されていたと伺っておりますが、検討状況及び今後の展開についてお伺いします。
2点目、糖尿病に係る有所見率の上昇について。
小野市国民健康保険第2期データヘルス計画によると、糖尿病に関連する血液データであるHb
A1cの有所見率は上昇傾向にあり、メタボ該当者及びメタボ予備群も増加傾向にあります。この増加の要因について、どのように分析しておられるのかお伺いします。
3点目につきましては、答弁は、
教育管理部長にお願いいたします。
3点目、子どもたちへの予防医療教育について。
学校教育の中で子どもたちへ予防医療に関する教育を行うことについて、どのように考えておられるのかお伺いします。
以上、私からの質問とさせていただきます。
○議長(
小林千津子君) 質問に対し、答弁を求めます。
市民福祉部参事。
(
市民福祉部参事 登壇)
○
市民福祉部参事(犬塚良子君) 第1項目1点目、予防医療戦略の検討状況と今後の展開についてお答えいたします。
本市では、予防医療構想の推進に向け、平成3
0年度、若手職員によるワーキング委員会を組織し、市民の健康課題の分析と構想の方向性、及び具体的施策の検討を進め、翌年度、部をまたいだ庁内体制で立ち上げた「健康未来ONOプロジェクトチーム」の中で議論を深め、施策の検討を行ってまいりました。
ここでの重要なコンセプトは、まず、「無関心から関心へ」をキーワードに、市民の「意識改革」を促すこと、そして、各ライフステージに応じた健康づくりをサポートすること、さらには、市民の自立した習慣につながる「行動変容」を促す持続可能な仕組みを構築すること、の3点でございます。
このことを踏まえ、今年度からは、二次予防への行動変容のきっかけにしていただけるよう、節目年齢の方々への胃・肺・大腸・乳房・子宮頸部の5つの部位のがん検診無料化を開始したほか、特定健診及びがん検診のWeb予約の導入を進めているところでございます。
また、一次予防のための生活習慣の基盤をつくる乳幼児期の健康づくりと健やかな成長を支援するため、子育て応援アプリ「おのっこナビ」を今年7月に導入したほか、9月には大塚製薬工場と「予防医療の推進に関する協定」を締結し、まず高齢期の皆様を対象とした健康教育を市内各地で行うなど、でき得る施策から順次進めているところでございます。
今後におきましては、議員ご指摘のとおり、ライフステージの中で最も重要視すべき子どもの頃からの予防医療を推進するためにも、スマートフォンやタブレットが普及し身近に使われている現在において、また、今般のコロナ禍により生活様式が大きく変わる中で、ICTや
AIの活用等も視野に入れ、子育て世代を含む若い年代の方々に受け入れられやすい手法を導入するなど、簡単・便利で成果を実感でき、市民の皆様それぞれが自主性を持って健康づくりを継続していただける施策の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
次に2点目、糖尿病に係る有所見率の上昇についてお答えいたします。
小野市国民健康保険第2期データヘルス計画は、本市の4
0から74歳の国民健康保険被保険者の平成25から28年度における健康診査の結果と医療給付実績から抽出した健康課題を基に、平成3
0年度以降の特定健康診査及び特定保健指導の実施計画を立案したものでございます。
議員ご指摘のとおり、HbA1cの有所見率は、平成25年度は43.5%でしたが、28年度には56.
0%と、12.5ポイント増加しております。
また、注目すべき点は、4
0歳代から5
0歳代へのHbA1c有所見者が、約25%から5
0%に倍増していることでございます。
メタボリックシンドロームの該当者についても毎年微増傾向にあり、平成28年度は18.2%で、国の17.3%、県の16.8%に比べ高い数値になっております。
議員お尋ねの増加要因につきましては、国保データベースを活用し、特定健康診査を受けられる年間約2,5
00人の方の問診票を分析いたしますと、本市住民の運動と食事、生活リズムの3つの生活習慣が背景にあることが伺えます。
具体的に、まず運動面では、「1回3
0分以上の運動習慣がない方」及び「歩行速度が遅い方」の率が国・県平均よりも高く、かつ微増する傾向にあり、相対的な運動量が不足している状況がございます。
次に食事面では、「食べる速度が速い方」や「週3回以上夕食後に間食を取る方」の率が国平均よりも高く、かつ微増しており、これらの習慣から1日の摂取カロリーが過剰になっていることが考えられます。
また、生活リズムについては、「睡眠不足の方」の率が国平均よりも高い状況にございます。夜型の生活や不規則な生活は、交感神経・副交感神経のバランス及びホルモン分泌に影響し、生活習慣病の原因の一つになっております。
糖尿病を初めとする生活習慣病の原因が、遺伝よりも不健康な生活習慣であることは明らかであり、自家用車での移動が主になっている本市の特徴を背景として、物にあふれた現代社会の中で、意識的に食生活や運動等の一次予防に取り組んでいる市民がまだ少ない現状が、有所見者の増加に影響していると考えております。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 次に、
教育管理部長。
(
教育管理部長 登壇)
○
教育管理部長(岸本浩幸君) 第1項目3点目、子どもたちへの予防医療教育についてお答えをいたします。
初めに、小中学校における予防医療教育につきましては、
学習指導要領に基づき、保健分野において学習をしております。
学習指導要領では、まず、小学6年生で「病気の予防について理解すること」となっており、中学校においては、小学校段階の学習レベルを一歩進め、3学年にわたって「健康な生活と疾病の予防について理解を深めること」となっております。
具体的には、小学校では、健康の大切さや健康によい生活、病気の起こり方や予防について学習をします。そして、中学校では、7年生で人間の健康や疾病の成り立ち、健康を保持増進し、疾病を予防するために必要な生活の仕方について、8年生では、生活習慣と関連の深い疾病の予防や喫煙・飲酒・薬物乱用などと健康との関わりについて、そして9年生では、感染症の発生要因、感染リスクの低減による予防対策、個人や社会の取組の重要性や保健・医療機関の有効な利用、そして医薬品の正しい使用などについて学習をしております。
このように、小中学校の保健学習では、
学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階や実態に合わせまして、生涯を通じて心身の健康を保持増進するための資質や能力を育成することを目指しているところです。
教育委員会といたしましても、学校教育において、運動分野も含め、若年層から予防医療の視点に立った教育を実践することは大変重要であると考えているため、今後も引き続き、
学習指導要領に沿った保健学習を充実させていく所存でございます。
また、各学校で作成しております保健だより等の配布物や食育の取組におきましても、予防医療の観点を盛り込むなど家庭とも連携・協力した生涯にわたる予防医療に係る実践力の素地づくりを推進してまいりたいと考えております。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
藤原貴希議員。
○2番(藤原貴希君) 3点につきまして、丁寧なご答弁、ありがとうございました。私のほうから再質問を3点させていただきます。最初の2点につきましては、
市民福祉部参事にご答弁をお願いいたします。まず、その2つについて、説明させていただきます。
再質問1点目ですが、先ほども答弁の中でありましたが、前回、第417回定例会でもご答弁いただきましたそのICTや
AIの導入、それと民間サービスとのコラボについて、具体的な内容についてお伺いしたいと思います。
2点目です。先ほどの質問2点目に関しまして、糖尿病患者及び糖尿病予備軍と言われている方々を減らすための具体的な方策についてお伺いしたいと思います。
まずその2点について、説明させていただきます。
まず、「予防医療」と一言で言いましても、予防できる病気というのは限られています。全ての病気が予防できるわけではありません。そこで、ターゲットを絞っていく必要があるんですけれども、そのターゲットになるのが、死因の半分以上を占める、そして、でありながら予防もできるという生活習慣病になると思います。
現在、特定健診、がん検診の受診率、これ非常に当局のご努力もありまして、非常に受診率は上がっていると思います。それと、あと、特定保健指導、リスクのある方に対しての指導、小野市でいうと元気アップセミナーというものがそれに当たると思いますけれども、それの参加率もかなり多いということで、非常にいわゆる二次予防に関しては充実してきているのかなというふうに認識しています。
現状を見てみますと、二次予防に力を入れざるを得ない状況もあると思うんですね。例えば、退職されるまでは国民健康保険以外の保険に加入されていて、退職されてから国民健康保険に入ってくると、その入ってこられた時点でもう既に生活習慣病を2つ持っていますよとか、1つ持っていますよという方が結構おられますので、その方に対して、リスクを下げるという意味で対応されているのが現状かなと、そういうことがありますので、力を入れていただいているのかなと認識しています。
一方で、じゃあ一次予防はどうですかということですけれども、これはもう非常に難しいと。これに関しては、今のその予防医療戦略において、力を入れていくべきところだと私は思っていますけれども、なぜ難しいかといいますと、市で関与できる、アプローチできる範囲というのはすごく限られています。その国民健康保険の被保険者に対してのみでありますので、現在、小野市においては、1万1,
000人ぐらいでしょうか。4分の1弱の方が入られていますが、その方に対してはアプローチできても、そのほかの3万7,
000人近くの方にはアプローチできないという現状があります。
現在、KDBシステム、国保データベースシステムにおいて、かなり詳細なデータを管理できて、それを活用することができるようになっています。それによって現在、既にもう働きかけを、リスクの高い方に対しては働きかけを行っていただいているということです。しかしながら、やはり全市民に対して一次予防の意識を高めるというのは非常に難しいかなと思っています。
そこで、その方法の一つとして、ICTであるとか
AIというところの利用というのはその可能性を秘めているのかなと。それと、民間サービスとのコラボに関しても、そこの部分で可能性があるのかなというふうに考えていますので、まずそのICTの導入、そして民間サービスとのコラボについて、具体的に教えていただきたいと思っています。
そして2点目、糖尿病患者、及び糖尿病予備軍と呼ばれている方々を減らすための方策、これについては、特に説明も必要ないかなとは思うんですけれども、糖尿病というのは、かなり多くの疾患の基になるというふうに言われています。腎臓疾患であるとか、目の疾患、あるいは神経症状を引き起こす疾患、あるいは動脈硬化、それに伴って脳血管障害、心疾患というふうに引き起こされていくという、非常に糖尿病というのは怖い病気だというふうに考えています。
その糖尿病患者さん及びその予備軍と呼ばれている方々に対してアプローチするということは、市民のその健康寿命を延伸させる上でも重要かなというふうに考えますので、その具体的な減らすための方策についてお伺いします。
再質問3点目になります。こちらは、
教育管理部長にご答弁をお願いいたします。
再質問としては、小中学生に対しての小野市独自の生活習慣病予防に関する取組に関して、現在されている内容、もしくは今後予定されている内容について、具体的に教えていただけたらなと思います。
私自身の考えとしましては、予防医療というのを本当に広めるためには、義務教育課程での教育、子どもたちへの教育というのはすごく大事、一番大事だと考えています。
なぜそう思うのかといいますと、義務教育課程の子どもたちに教育ができたとすると、それはその年代ほぼ1
00%に対して教育することができると。プラスアルファで、その子どもたちの保護者の世代に対しても啓発できるということで、多くの市民に予防医療の意識づけをするのであれば、私は義務教育の課程で教育するのが最もふさわしいというふうに考えています。
一例を申し上げますと、これは令和元年度の学校保健統計ですけれども、小児の今、生活習慣病とかいうことも結構話題になっていますが、それに係る小児の肥満、子どもたちの肥満に関してですけれども、小学校6年生の男子でいわゆる肥満といわれる方が11.11%、女子で8.84%、中3男子で8.96%、女子で7.37%、高3男子で1
0.56%、女子で7.99%というふうに、男子で約1
0%前後、女子では8%前後というふうになっています。これは正確な値ではないんですけれども、このうちの半分以上は成人の肥満へと移っていくというふうにも言われています。
実際に、こちらは令和元年度の国民健康栄養調査結果の概要ですけれども、ここから学校を卒業して2
0歳から29歳男子で、いわゆる肥満というのが23.1%、これ一気に増えます。女性においては、8.9%と、そんなに変わらないという現状であります。これは算出方法が学校とまた違いますので、一概には比較はできないんですけれども、そんなに大きく数字が変わることはないと思います。
ですので、義務教育課程での健康に対する教育というのは非常に重要であるというふうに考えますので、再質問、小野市独自の義務教育課程においての生活習慣病予防に関する取組に関してお伺いします。
以上、再質問といたします。
○議長(
小林千津子君) 再質問に対し、答弁を求めます。
市民福祉部参事。
○
市民福祉部参事(犬塚良子君) 糖尿病を減らすという対策などを含めた予防医療戦略の今後、特にICTの活用、民間とのコラボというふうなところかと思います。
糖尿病を減らす取組ということでありますが、運動不足、それからカロリーの過多というのが糖尿病の大きな原因になっているというのは、もちろんそのとおりでありますので、そして、インスリンを使う手前までであれば、努力をすれば可逆的に元に戻ることも可能であるというふうなことから、本市では、おととしから開始しました事業がございます。HbA1cが黄色信号、赤信号の方に対して、それぞれの主治医の診療所において、医師・保健師・栄養士によって6か月間、個別的な指導を受けていただくということを開始いたしております。
今後は、この糖尿病対策、この後に説明するような内容を含めまして、この事業も継続いたしますけれども、これからお話しするようなことも合わせて、一次予防にやっぱり力を入れていきたい。先ほど議員がおっしゃったとおり、一次予防のところがとても大切というふうに思っております。
生活習慣病全体の一次予防につきましての考え方なんですけれども、「まさか、私はもう病気にならない」という、こういう心理がございます。これは、人間の脳が防衛力を持っているがためでありまして、これ日々毎日病院行きの心配ばっかりしていますと、脳がもうパンクしてしまうわけでございます。
ですので、脳というのは、もう適当に緩くなっているわけなんですけれども、しかしその病気に対しては、時にはやはり意識を持っていただきたいということで、プロジェクトチームの中でも議論いたしました中では、やはり、意識を持っていただくにはまず知識を持っていただくことだろうというところから始まるなというところでありまして、知識が入りますと、意識が変わっていきます。意識が変われば行動が変わります。行動が変われば習慣が変わって、習慣が変われば人生が変わるということで、市民の方の人生のQOLを高めるという目的を持ってプロジェクトチームは考えないといけないということでありまして、その一つは、今までどおりの健康教育であれば、意識のある方だけが集まって短期間的な効果しかないのではないかということで、もっと大きなムーブメントとして、もっと大きなことで市民の方が楽しく行動できるような大きなことを考えていったほうがいいんじゃないかというふうな話が出ていたところであります。
過去に私の経験の中で劇的に行動変容される方がいらっしゃいました。それは、もうその病気で死んでしまう思いをした方、それから糖尿病で透析の直前まで行かれた方、あるいは失明するよと言われた方、この方たちは行動変容されます。たばこをやめるとか、ダイエットを始めるとかということがございます。それから進行のがんになられた方、この方も健診を受けておればよかったというふうに言われています。
このようなことからいいますと、脅かし型の健康教育、「放っておけばこうなってしまいますよ」というふうなことをもっとしっかりとやるべきじゃないかというのもプロジェクトチームの結論、結果の一つではあるわけですが、ただ、脅かしばかりではこれまた人が動かないということでして、やっぱり1つは楽しいこと、楽しくなければ三日坊主になるということでありますので、1つは楽しいこと。
2つ目には、我々、朝昼夜と歯磨きをします。このように生活習慣の中にもうしみついてしまうような行動をつくっていただくというふうなことが2つ目。
そして3つ目には、周りにつられるという心理がございます。この頃、ナッジ理論というのが出てきているのもそのようなことで、お店に行列ができているとつい並んでしまうというふうな、このような心理も利用してはどうかということがございます。この周りにつられるこの環境づくりというのも、行政の役割というふうに研究者の方が言われているわけなんですが、やはり小野市に住むだけで健康的な生活をしてしまうとか、もうそういうふうに仕向けられるような小野市の状態、このようなまちづくり全体の政策というのも、これが今からのトレンドの健康政策だというふうにも言われている中でございます。
このような考え方の上に立った今後でございますけれども、今はもうじっくりと長いスパンで予防医療戦略というのを研究、そして準備をしていっているところなわけなんですが、なぜかといいますと、その奇をてらってというか、急いで、大きなことをして、花火のようにぱっと盛り上がるけれどもすぐに衰退してしまうということであれば、これも公費を投じて行うことですのでよくないということで、サステナブルなもの。サステナブルというの私、言葉を知らなかったんですけれども、日本語で、担当者に聞きますと「持続可能な」という意味だそうでございます。この「持続可能な」政策でなければならないというのが1つ。それから小野市の地域性に合ったものでないといけないということ。他市で成功しているからといってまねをしても、小野市の住民の方に受け入れられないこともございます。それからもう1つは、特定財源、国・県の補助金が活用できるような時期を見極めるだとか、そのようなことも大切かなというふうに思っております。
そういう中でお尋ねのICTの活用につきましては、先ほどの答弁でも言いましたようなWeb予約と「おのっこナビ」のことと、それからKDBシステムを動かしていると、ここのところ既にICTで進んでいるわけなんですが、今後につきましては、やはり子どもだとか、その保護者の方とか、若い世代の方にもやっぱり健康づくりをやっていただきたいという考えの中では、やっぱりスマホというのが今、皆さん、持っておられます。
そういう中でこのプロジェクトチームの中でも、「歩きましょう!」と。どうやったら歩いていただけるかなというところで、スマホをやっぱり媒介として、アプリをスマホに入れて歩いていただく、そういうふうなそこにポイントがついていくというふうなやり方も一つですし、それからカードを通しましたら健康ポイントがついていくとかいうふうな、カードと機械でのICT化、そのカードには情報が入りますので、その情報が市のほうに集約されて、そしてそのデータを用いて、市はもう分析をするとか、PDCAを回していくとか、そういうふうな形が理想的というか、将来的にはそういうことが想定されるのではないかなというふうな考えで今、話合いをしているところということになります。
それから民間活用、これにつきましては、やっぱり運動実践とか食生活改善の実践というところに関しましては、このたびの大塚製薬工場もそうなんですけれども、民間事業者がもう本当に多くのノウハウを持っておられます。そこのところをやはり活用していくというのも、方向性としては視野に入れているところでありまして、だんだんと具体化していきたいなというふうに思っております。
そのほか、現段階での予防医療施策というのは、まだ未知数なんですけれども、要はいずれにしましても市は活動の受皿をつくり、そしてそこに市民の方にたくさん参画していただくという、そこのところに役割があると思っておりまして、あとはもうその受皿のところに乗っていただいた市民の方が、もう自らサステナブルに継続して続けていただいて、そしてほかの方たちも巻き込んでいただいて、やっぱり市のムーブメントとして健康づくりというのが起こっていくのが理想的だなというふうに思っております。
そのような持続可能な政策というものを念頭に今後も進めていきたいというふうに考えております。
以上で、再質問に対する答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 次に、
教育管理部長。
○
教育管理部長(岸本浩幸君) 再質問にお答えをいたします。
再質問ですけれども、子どもたちへの予防医療、特に今回、生活習慣病ということにターゲットを当てられていますので、先ほどちょっと例を挙げていただきました小児の肥満対策ということも含めまして、小野市ならではの独自の取組についてということであったかと思います。
大きく2項目を考えて挙げさせていただきたいと思います。
まず1つは、食育の推進ということ、それからもう1つは、運動習慣の継続という、その大きなくくりでちょっと説明をさせていただきたいと思います。
まず、食育の推進なんですけれども、一般的に「早寝・早起き・朝ご飯」という言葉があります。その中で、小野市は特にその朝ご飯にちょっと注目を当てまして、生活習慣の向上のためには、バランスのよい朝食摂取の習慣づけ、これが大事であるということで、そのために子どもたちが楽しみながら何か取組ができないかということで、「ひまわりカード」ということで取り組んでおります。
この「ひまわりカード」なんですけれども、朝食で食べた食品の種類、例えばパンとかご飯、それから野菜とか果物、それから乳製品、牛乳とか、そういう食品の種類に分けて色を赤と緑と黄色だったと思うんですけれども、その三色に分けて、今日はどういったものを食べたということでチェックをしていくと。小学生、それから幼稚園、それから保育所の子どもたちには、それをひまわりの図柄の塗り絵方式で、今日の朝は例えばパンと野菜を食べたので、赤と黄色ということで塗り絵をしていって、バランスよく全部食べれば、きれいなひまわりの図柄ができると。そういった感じで楽しみながら食育ができるというふうな、そういった取組を一点、やっております。
この取組については、全ての小中学校、幼稚園、先ほど言いました保育所も含めて、年に2回、一斉に取り組んで、またその統計を取っております。
それから、それとは別に給食センターの栄養教諭が実際に学校に出向いて出前授業ということで、そういった取組も行っているところでございます。
それと、ちょっと話はずれるかもしれないんですけれども、小野市の教育行政顧問であります川島隆太先生がいらっしゃいます。川島先生のほうも、その脳科学理論の観点からもバランスのよい食事を取ることは、脳を活性化させ、学習効果も向上するということで、これもデータ的にそういうデータも出ているということも言っていただいていますので、食育の推進の後押しになるのかなというふうに考えております。
それからもう一つの部分、運動習慣なんですけれども、いわゆる通常の体育の授業とか運動の部活動とは別に、「ハートフルチャレンジおの体力検定」ということで、市独自で実施しております。小学校でいいますと、縄跳び検定とか水泳検定、それから中学校では5
0メートル走とかハンドボール投げとか体前屈とか、そういったいわゆる一般的な体力テストを運動版のおの検定という形で、これも定期的に実施しております。
こういったことも予防医療につなげておるというふうな状況でございます。また、もう一点、それと柔軟性について、小野市の子どもはちょっと全国平均でいうと、柔軟性がちょっと劣っているというふうなデータも出ていますので、ちょっと近年はこの柔軟性にターゲットを当てて、これも体力検定の一環として取り組んでおるところでございます。
主に先ほどの食育、それから運動習慣ということで、通常の、最初にお答えしました
学習指導要領に基づく予防医療の授業に加えて、こういった独自のものも加味しながら、引き続き学校段階での取組を推進していきたいというふうに考えております。
以上、再質問の答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 答弁は終わりました。
再々質問はありませんか。
藤原貴希議員。
○2番(藤原貴希君) 再質問につきまして、丁寧なご答弁ありがとうございました。私のほうから再々質問をさせていただきます。答弁は、市長にお願いいたします。
質問は1点だけです。ちょっと抽象的な質問になります。今後、その予防医療戦略を進めていく上で、どのような視点に立って、どのような枠組みの中で、どこにターゲットを絞って、戦略を進めていかれるのかというお考えをお伺いしたいと思います。
先ほど、再質問のご答弁を頂きました市民福祉部におかれましても、かなり予防医療というところで力を入れていただいていますし、学校教育の中でも独自に指導要領に従って、もしくは小野市独自の施策をしていただいているというふうに認識しています。
現在の保健制度というところで考えてみますと、生まれてから学校に入るまでは地域保健と、いわゆる市民福祉部さんの管轄になると思いますけれども、学校に入ってからは学校保健と。これ、教育の部門になります。そして、学校を出てからは、また地域保健に戻っていくという形で、いわゆるリレー方式という感じで、切れ目のない保健制度になっています。
これは、リレー方式なんですけれども、枠組みのみがリレーされているというふうな印象があります。地域保健は地域保健で一生懸命やっていただいていると、学校保健は学校保健で今言っていただいたように一生懸命していただいていると。ただ、その中身に関しては、なかなかリレーされていないというのが現状かなというふうに認識しています。
ちょっと話は変わりますけれども、その予防医療戦略をアプローチしていく方法につきまして、現在は、よく言われるのは2つのアプローチがあると言われています。1つはハイリスクアプローチ、もう1つはポピュレーションアプローチと呼ばれるものです。
ハイリスクアプローチというのは、文字どおりリスクの高い方にターゲットを絞ってそのリスクを下げていくというふうなアプローチの仕方です。
ポピュレーションアプローチというのは、ちょっとこれ言葉では説明しにくいんですけれども、全ての人が少しずつ各自の病気のリスクを減らしていくと。それによって社会全体として、集団としてリスクを下げていくというふうなアプローチの方法です。
これは図でお示しできたら一番分かりやすいんですけれども、ちょっとイメージしていただきたいんですけれども、グラフをイメージしてください。横軸がリスクの低いところから高いところ、右に行けば高いとことに行きます。縦軸が人数ですね。これの分布なんですけれども、リスクの低いところ、高いところに関しては、それぞれ少ない、一番多いのはこの真ん中辺りですね。だから山なりになるようなグラフになります。
ハイリスクアプローチというのは、このリスクの高いところの人数を減らすと。つまり、この山のすそ野を低くするというようなイメージですね。一方のそのポピュレーションアプローチというのは、この山全体をリスクの低いほうへ移動させていくというふうなアプローチになります。
現在は、そのハイリスクアプローチに関しては、かなり力を入れてやっていただいていると私は認識していますが、今進めようとされている予防医療戦略、これに関してはどちらかというと、そのポピュレーションアプローチのほうになるかと私は思っています。
ただ、これは、先ほども申しましたとおり、非常に難しいです。全市民をターゲットにして啓発していくと、教育していくと、意識変革を起こしていくというのはこれ非常に難しいことになります。
その中でアプローチできる方法があるとすれば、私は義務教育課程だというふうに思っています。義務教育課程で子どもたちにアプローチしていくと、ほぼ1
00%の子どもたちにアプローチできると、プラスアルファでその保護者の方にアプローチできると。
で、これはもう先の長い話になりますが、それを何十年と続けていくことによって、全ての世代に意識改革、現在の健康への常識を変えるというふうなことができてくるんじゃないかと、その下地づくりができるんじゃないかなというふうに考えています。ただ、その長期的スパンでやっていくのは非常に根気も要りますし、覚悟も要るところであります。
話がちょっとあっちこっち行きましたけれども、私の結論といたしましては、地域保健それと学校保健、これを包括的に見れる視点、全体として見れる視点、これは絶対的に必要だというふうに考えています。
それと、地域保健それと学校保健、市民福祉部さん、教育委員会さん、またその他その関係部署になると思いますけれども、この横断的な枠組みの中で互いに連携して同じ目標を共有して方針を共有していく。で、方法を共有していくというふうなことが重要だと。その中で、私はターゲットにすべきは義務教育だというふうに考えています。
そこで、市長にお尋ねなんですけれども、どのような視点、そしてどのような枠組みの中で、どこにターゲットを絞って予防医療戦略を進めていかれるのかと、そこの考えをお聞かせ願いたいと思います。
以上、再々質問といたします。
○議長(
小林千津子君) 再々質問に対し、答弁を求めます。
市長。
○市長(蓬莱 務君) 再々質問にお答えをいたします。
ご質問は、小野市の掲げる予防医療戦略というものについて、どのような理念で、そしてどのような視点から、そしてどのようなターゲットを絞ってやって成果を出していくかということやと思うんですけれど、これはもう当初からこの課題を出したときの基本的なベースになるものであります。
そもそも数年前に私は、「医療費の無料から予防医療へのチャレンジ」と、こういうキャッチフレーズを出したわけですね。その本質は何かというと、小野市は私が就任以来、行政もまさに経営であるということを言い続けてそれに沿った施策をずっと今までやってきたわけでありますけれども、その観点から見たときに、要するに小野市の場合は、いち早く今高校3年生まで所得制限なしの医療費を無料というようなことをやっているところは、はっきり言いまして、近辺も含めて小野市のみということになっているわけですけれども、それは一つの
少子化対策とかいろんな面もありましたけれども、基本的にはやはり市民が一番幸せと思うのは何か、それは年齢に関係なく健康であると。これこそが究極の目指すべき道であるということだったわけですね。
と同時に、行政も経営であるといったときに、このままいくと、物すごい大変な、医療費の増大というのは、大変なことになるということで、これはもう市だけの問題ではなくて、もう国家的レベルでその課題が今問われているということをちょうど医療費の無料から予防医療への無料化ということを話をしたときには、まだあまりこの国内では「予防医療」という、いわゆるよく話をします、製造メーカーであれば機械が壊れる前に先に予防保全をやれば、長寿命化につながるというそういう発想から、行政においても予防医療ということに対して、やっぱり無関心からまさに関心を持ってもらうということがあったということです。
そのために、何をやるかと言ったら、私は何でもいいと言っているんですよ。先ほど来、いろいろ答弁をしておりますけれども、これは無限なんですね。ある意味では、教育行政とこの予防医療政策というのは、同じ背景を抱えていると思うんですよ。つまり、すぐに成果が出るようなものではないんですよ。
教育は、長いスパンでもってもなお、絶えず未完成なんですよ。だから、未完成であるが故に完成に向かって絶えず進化し続けるのが、これが教育の世界。つまり、人を育てるという観点からいうと、教育はまさにそのとおりです。
予防医療も、これは無限なんですよ。小さなことから、それから今、議員がいろいろご指摘されたり、あるいは担当のほうから答弁をさせていただいたように、あらゆる場面で予防医療に対して関心を持っていろんな政策をやっていくということ、少なくとも市の職員も含めまして、行政が、このたびは小野では、名前はそれは省略しますけれども、要するにプロジェクトを組んで、自らをもって予防医療ということについて考えてみなさいというこういう指示を出したわけですね。
その結果が、教育行政とか福祉の行政なり、いろんなところで、民間とタイアップをするとか、いろんな形になってきたんですよ。そうこうしているうちに、ご承知のとおり、やっぱり国家的レベルでこのままでは医療費がどんどん増えてきたらやっぱり国家的レベルで大変だねということで、今はどうなのか、取りあえず予防医療ということに対して検診を増やそうとか、いろんな形で国もやり出しました。と同時にこれではやれんから、保険料も上げようというふうに今これ出てきたわけですよ。
つまり、いろんな角度から痛みを伴うこともありますし、そうでないこともありますし、一方では国民・市民に、あなた自らをもって健康管理をしてくださいよと。それは幸せな生活を送るために絶対不可欠であると。それは予防医療という、病気にかかってからじゃなしにかかる前の体制に意識を持たないと駄目じゃないですかというのが、そもそもこの予防医療の最初に私がそういう話をさせていただいたというのは、きっかけがそこだったと思うんですね。
とはいうものの、小野市の場合、よく考えてみたら、じゃあ病気になった人に対してどうするかというようなこと、これはもう子どもも大人もおじいさんもおばあさんも関係なしですよ。そういう拠点は、少なくとも小野市については、北播磨総合医療センターという大きな1,
000人以上働く、そういう医師も約2
00名近くなっているような、この医療の拠点をまず整備すると。
つまり、拠点整備はできた、でもそこへ病院へ行くことのためにあれができたわけじゃありません。本当は、北播磨総合医療センターへ行かない市民が増えることが本来の狙いなんですよね。だから、そういう意味で、そうすると逆に非常に病院経営は厳しくなると、逆の話も出てくるんですけれども、それはともかくとして、まずは、病気になった人を救うための病院の整備、拠点というのはできたけれども、でもそこでお世話にならない人たちをどうつくるか、それを提唱したのが予防医療ということです。
しつこいようですけれども、ここは皆さんによくしっかり押さえといてもらわな困るということなんですけれども、ですから、本質は、ある意味では経営に関して、小野市の財政をさらに豊かにして健全財政を維持しようと思ったら、いかに医者にかかる人を少なくしていくかということなんですよ。
そのためには、子どもの頃からの予防医療に対する意識とか、いろんな取組が、1つの取組だけで成果が出るんだったら、何も言うことない。それはある面では、過去に話したことありましたが、宗教と一緒なんです。宗教は、人を救いますよだったら、宗教は1つでいいはずなんです。こんだけわんさかと世界の中に宗教は、結果的にどれをも人を救うことはできていないということは、やっぱり未完成なんですよ。
という具合に考えていくと、この予防医療は、完成形はありません。ずっと持続可能な形で、先ほどそういう話がありましたけれども、要するに持続可能な形でし続けるしかないということなんです。
もう少し整理しますと、まずはとにかく、まず1つ目には目的は何か、視点は何かという質問なんですけれども、これはまず、元気な市民、元気で活躍できるそういう市民をまず、そういう環境を整備をしていくと。
2つ目は、本音からいいますと、医療費が発生しないようにして、市の負担を少なくして、要するに「医療費の削減=経営改善」であり、行政の経営戦略であるということが本質にあります。
そういうことからして、皆さんに1つには、市民の意識改革をしてもらいましょうと、頭の切り替え、今まではぼーっと自分では気をつけているけれどもといっても、ある意味では、最近一番小野市で多いのは何かといったら、グラウンドゴルフですね。あれも一つですね。グラウンドゴルフをする人たちが増えてきたために、こだまの森ができ、堀井城跡ふれあい公園ができた。場を整えるのが行政の立場なんです。そういう役割分担なんです。
そういうようなことからすると、1つには、予防医療の取組は、1つは市民の意識改革というのは、先ほどの答弁にもありました。2つには、やはり、医療にかかった場合のいわゆる拠点整備、これはもう北播磨総合医療センターを含めてできてきました。あるいは、医療関係者とのいろんな連携も今できております。
それからその次には、因果関係を明らかにするエビデンス。要するに、じゃあその目的に対して小野市は予防医療戦略の結果、このように医療にかかる人が少なくて、結果的に医療費の削減はできたんですかというのは、これがいわゆる、ある意味ではこれからターゲティングになると思います。いわゆる数値目標となると思います。
それは、子どもたちが、あるいは働いている人たちが、あるいは高齢者が、医療に実際にかかるレベルがどんなもんであって、結果として以前と比べてどのように削減されておって、結果として医療費がどのように削減されたかということ、これはターゲティングワークになると思います。成り行きじゃなくて。そういうようなこともあると思います。
しかし、いろいろ申し上げましたけれども、先ほど来、学校現場とか、あるいはそれぞれ市民の間でとか、あるいは個別案件として、糖尿病患者をどうするかとか、それはもう個別案件の話、何百とある政策の中のそのうちの一つにすぎないと。ですから、私言っているのは、無限大であると。無限大に意識を持って、予防医療というものに意識を持って、皆さんがすることが、結果として市民の幸せにつながるし、その場を整えるのが、これが行政の役割分担であって、加えて、結果として市の経営という観点からも変わってくるであろうというようなことです。
ですから、今後進めていくべき視点はといったら、予防医療の理念そのものであるということでありますし、枠組みをどうするか、枠組みなんかありません。その時代に応じていろんな形でいろんな政策をやれることからやっていったらいいということであります。そんな枠組みを決めてやる必要はない。ということは、加えて、ターゲット、目標をきちっと決める必要はない。
ただ、検証するという仕組みはつくっとかなあかんと。前とどう変わったのかということは、絶えずこれは検証をしていくと。
例えば、私言っているのは、あのときに健診を受けておればと、無料になったのにと言ってもなかなか健診は増えないんですよ。自分だけは大丈夫やと思っているもんですからね。だから、先ほどいい話をしてくれたと思ったら、「そうや、日頃私言っていることをそのまま言葉にしよったな」と思ったのは、「脅かし戦略」。これは、市民に対して「脅かし」というけれども、実は愛情を込めたというよりも、市民が本当に意識改革するときは、時と場合によっては、やっぱりそういうことをはっきり出していかないかんということなんですよ。
だから、そういうふうなこととか、いわゆる「見える化」をしていくという、見える状態にしていくという。
少なくとも小野市の場合は、がん検診等についても無料にしたりいろいろやっているけれども、まだまだ健診は増えていません。もし、増えない市にはどういう対応をしていくのかなということもやっぱり考えていかないかんかもしれません。
私は今少なくとも、よく自治会長さんから要望がありましたら、「安全上、防災上、この道路は即刻直してもらわな困る」、あるいは「この溝は直してもらわないと危ないです」と言われたときにどう言うかといったら、「フェニックス共済の加入率と火災警報器の加入というのは法で定められているけれども、あなたの町は下から数えたほうが早いですね」と。防災意識には、その町には、区長さん以下全然ありませんねというところには、「そんな防災、防災と言われても、ぼちぼちやりますわ」と。「もっと意識の高いところをやります」というような嫌みを時々言うんですけれども、いや、それは困るという話になる。でも現実にそうすることによって、安全を守っていくということも大事なんで、「脅かし」ということじゃなしに、「気づかせ」ですね。「気づく」ということなんですね。そういう認識がないままやっていたら駄目なんで。
そういった意味で、今のこの一応プロジェクトチームを組んでいろいろ検討されておりますけれども、私は、先ほど申し上げたように、これは永遠の課題であるし、し続けなければならないキーワードであろうし、そして、地域特性をしっかりと考えた、小野の強みと弱みをよく考えながら、小野市の予防医療戦略をやっていくと。
本当は、国家的レベルでやるべきなんですよ。このまま行ったら、もう間違いなく、今回のコロナ禍も含めて、恐らく増税ということが出てくるでしょうし、それから消費税も3、そして8%、1
0%でやっていけますかということは、もう前々から言っているようにやっていけないですよ。それで、どうするか。高齢者の負担にも医療費の負担の保険の負担をやっぱり増やさざるを得ないということに今、なってきています。恐らくそれもそういう方向で行かざるを得ないでしょう。これだけの借金大国ですから。
そうすると、やっぱりどうするかとなってきたときには、やっぱり医者にかからなくても、病院へ行かなくてもいい予防医療を、それぞれが、いわゆる市民の側もそうでありますし、そして同時に行政の側も、国家的レベルでそういう「予防」という意識を、恐らくそれを、この頃大分、そういう話をしてくれる人も大分増えてきたんですけれども、だから要するに、予防の意識がもっともっと皆さんの意識の中に増えてくれば、それが最初の小野市からの発信だったんです。
だから、これをもっと広げていけば、本当は、今度知事さんが代わられるようですけれども、知事さんがやるのは私、絶対言っておきますよ。兵庫県は最大の全国47都道府県で最も予防医療に力を入れた県であると。よって、病気にかかる人は最も少ない県であって、かつ医療費の最もかからない、一人当たりの医療費がかからない県である、もうこれだけで一つの公約になりますわ。だからそういうことを目指すというのが、リーダーの本来あるべき姿やと思いますよ。
だからそういう具合に、小野市の場合は、はっきりと申し上げたのは、予防医療という、まだ本当にスタートしたところですけれども、そういうようにいろんなあまり固定観念にとらわれないで、柔軟にフレキシブルに、柔軟に考えて、やれることを着実にいろんなことからやっていったらいいと。結果的には、それは自己責任の世界なんですよ。あなたやりますか、私やらないと。そういう世界になってくると思います。ですから、こればっかりはみんなそろって同じようにやらせるということも無理かもしれませんね。
だから私言っているのは、議員の質問の今後進めていくべき、締めとしますけれども、視点とか枠組みとかターゲット、誰にもこだわりません。その質問に対しては、だから駄目なんですよ。もっと柔軟に発想を変えて、いろんなことで思いがけないような、あり得ないような、そういう発想が出てくることを期待するためには、こういうことをやっていくんですよということの枠組みは、私はあえてしないほうがいいと思います。それは将来の市民・住民が意識を持って予防医療というのに対して、まさに無関心から関心を持つこういうきっかけを今つくろうとしているわけですので、それを皆さんとともにこれを啓発していきたいということであります。それがうまく結果に出ればよし、結果に出なかったら、それはあなた自身の責任ですよと言わざるを得ないですよね。
我々が絶対に持たないかん責任は何かといったら、やっぱり病気になったときの受皿としての拠点、これは義務としてやらなければです。健康で文化的な生活を営む権利を有する国民としては、少なくとも皆が予防医療というものに関心を持って、もっと健康であって豊かな生活が送れるように、あらゆることを考えてやっていったらいいと。だから、今は、まだまだ固定観念にとらわれる必要なく、そこはゆっくりと柔軟な発想でもってやっていくということが私は望ましいと。
答弁にはなってないかもしれませんが、あまりここで、こういうことをこういう枠組みでこうしますというのは、それはあえてしないほうが、この予防医療というのは、ファジーのほうがいい発想が出てくると思いますので、私はそういうように考えております。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 以上で、藤原貴希議員の質問は終わりました。
この際、議場の換気を行うため、暫時休憩いたします。再開は、14時45分から再開といたします。
休憩 午後 2時34分
───────────
再開 午後 2時45分
○議長(
小林千津子君) ただいまから、会議を再開いたします。
休憩前に引き続き、一般質問であります。
高坂純子議員の質問を許可いたします。
(高坂純子君 登壇)
○1
0番(高坂純子君) 市民クラブの高坂純子でございます。本日最後となりました。もうしばらくお付き合いのほどお願いいたします。
議長の許可を頂きましたので、私からは2項目2点について質問をいたします。
第1項目、太陽光発電の在り方について。
福島第一原発の事故を受け、再生可能エネルギー法が成立し、電力の固定価格買取制度(FIT制度)がスタートいたしました。国が推奨していることにより、太陽光発電施設の建設が全国で進み、今でも多くの開発が行われています。それによって、自然破壊や住環境の悪化、さらには災害の発生につながるなど、多くの問題が生じております。
小野市内を見ましても、休耕田や空き地を利用した小規模な太陽光発電施設が点在しています。私は、平成28年の第4
02回定例会、平成3
0年の第413回定例会においても、太陽光発電についての質問を行いました。
その間に兵庫県では、「太陽光発電施設等と地域環境との調和に関する条例」が制定され、事業区域面積が5,
000平方メートル以上であれば、届出が必要となりましたが、小野市においては届出の基準を要望により1,
000平方メートル以上とし、近隣他市よりも厳しくしています。しかし、住民の方の健康被害やトラブルも後を絶ちません。
民と民の相互理解という難しい問題ではありますが、私たちがもっと関心を持ち、私たちの問題として取り組むべきと考え、太陽光発電の在り方について、次の2点をお伺いいたします。
1点目、2点目とも
地域振興部長にご答弁をお願いいたします。
1点目、小野市内の太陽光発電施設の設置状況について。
2年前の第413回定例会において、一度、設置状況を確認いたしておりますが、その後の小野市内における太陽光発電施設の設置状況についてお伺いをいたします。
2点目、太陽光発電施設設置に対する規制について。
県条例の太陽光発電施設の設置基準に「動植物」の項目が追加されました。本年4月1日以降に事業計画届出書を提出する場合は、「環境影響評価に関する条例」または「小規模太陽光発電所に関する自然環境調査指針」に基づく自然環境調査を実施の上、環境影響評価書または調査結果報告書の添付が必要となるなど、自然環境保護の観点からの規制がとられています。
これは、一つの取組例ではありますが、増え続ける市内における太陽光発電施設整備の際においても、何らかの規制を設けられないか、当局のお考えをお伺いいたします。
第2項目、地域で支える外国人について。
ご答弁は、
市民安全部次長にお願いいたします。
昨年度、国の出入国管理法改正に伴い、外国人労働者の受入れが拡大いたしました。小野市も例外ではなく、昨年と比べて大きく増加し、10月末現在で899名の外国人が住んでいます。
永住者やその家族のほかに、技能実習生と呼ばれる3年から5年の間、派遣された企業で働く若い世代が多くを占めています。
派遣先の企業は、組合などを通じて、日本語や文化、ルールなど生活面で困らないようにサポートをされていますが、十分ではないように思われます。
先日、
ヒューマンライフグループが、技能実習生とともに人権学習用に作成した「かんしん」というビデオを拝見いたしました。町内に住む外国人が、ごみの日の掃除のやり方を通して交流が始まり、町内の一員として溶け込んでいったというものです。
日本はグローバル化したと言われる中、周りの外国人に対しては、つい偏見や先入観で距離を取ってしまうのではないでしょうか。今後増えてくるであろう外国人にも「住むなら小野」と思ってもらえるように、外国人を地域で支えることが必要になってくると思います。
例えば、先月、人権学習の取組の一環として、東本町ふれあい交流会が行われ、外国人の方を招いて楽しい時間を過ごされていました。外国人の方には国際交流協会による支援だけではなく、こういった地域の方々と移り住まれた外国人の方々との相互の先入観や偏見など垣根を取り除くような取組を各地域に広げていくことも大事だと考えます。
人権版の“きずなづくり事業”として、それぞれの自治会における取組を支援していくことについて、当局の考えをお伺いいたします。
また、地域拠点となっているコミセンにおいても、人権啓発員が配置されています。人権啓発員が中心となり、地域住民と外国人との橋渡し的役割を担っていくことも必要であると思いますが、それぞれのコミセンにおいて、同様の取組を展開していくことについて、当局のお考えをお伺いいたします。
以上、私からの質問といたします。
○議長(
小林千津子君) 質問に対し、答弁を求めます。
地域振興部長。
(
地域振興部長 登壇)
○
地域振興部長(上月敏之君) 第1項目1点目、小野市内の太陽光発電施設の設置状況についてお答えいたします。
電気事業者による再生可能エネルギーの調達に関する特別措置法(いわゆるFIT法)に基づき、経済産業省の認定を受けた産業用出力1
0キロワット以上の太陽光発電施設の設置件数ですが、第413回定例会において、平成29年度中に94件の設置件数があったことを答弁させていただきました。それ以降の設置件数ですが、平成3
0年度が85件、平成31年度、令和元年度になりますが45件、そして今年度、令和2年度は11月末現在で1件の設置件数となっており、計131件の増加となっております。
そのうち、太陽光条例が適用される事業区域面積が1,
000平方メートルを超える太陽光発電施設は、14件届出があり、地目ごとの内訳は、山林が8件、田畑が4件、宅地、雑種地が2件でございます。
次に2点目、太陽光発電施設設置に対する規制についてお答えいたします。
議員ご承知のとおり、令和2年4月1日以降、森林伐採等を伴う太陽光発電施設を設置する場合は、太陽光条例に基づく届出を提出する際に、規模や設置場所に応じて、事前に環境アセス手続、または、自然環境調査を実施し、必要に応じて環境保全措置を講じることが必要となりました。
その背景として、再生可能エネルギー固定買取制度が始まった当初は、多くが遊休地等に設置されておりましたが、年々、山林の伐採や斜面地の開発を行ってまで設置されるケースが増え、環境や防災上の様々な問題が顕在化してきたことが原因であると考えられます。
これにより、国は環境保全に配慮した事業の実施を事業者に求めることとし、出力4万キロワット以上、大規模な太陽光発電施設を環境影響評価法に基づくアセス手続、すなわち環境影響評価書の作成を義務づけました。
兵庫県においても、同様の問題が高まってきたことから、国の手続とは別に県独自の対応として、事業区域面積が5,
000平方メートル以上の事業に対し、自然環境調査の実施を義務づけております。なお、小野市の場合は、1,
000平方メートル以上が対象となります。
このような中、ご質問の「増え続ける市内の太陽光に対しても何らかの規制を設けられないか」についてですが、ご承知のとおり、再生可能エネルギーは国家施策として推進されております。太陽光発電を取り巻く諸問題については、小野市だけでなく、市域を越えた広範囲で規制等を行う必要があり、加えて、県条例により規制や指導等が行われておりますので、市独自で規制を強める予定はございません。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 次に、
市民安全部次長。
(
市民安全部次長 登壇)
○
市民安全部次長(上原和樹君) 第2項目、地域で支える外国人についてお答えします。
日本を訪れる外国人の増加や改正出入国管理法の施行など、外国人と接する機会が増え、異なる文化・言語・習慣等の理解不足による地域住民とのトラブルや差別、偏見など、新たな人権課題が発生しており、外国人に対する偏見や差別意識を解消し、外国人の持つ文化や多様性を受け入れ、一人一人の人権を尊重していく観点からの取組が必要であると考えております。
本市では、各コミセンに配置されている人権啓発員が中心となり、各コミセンにおいて、
小野市人権教育研究協議会の活動方針の中から
研修テーマを選定し、講座や講演会などを開催しています。また、各地域の公民館等において、自治会で人権課題となっている
研修テーマを選定し、町別学習会を開催するなど、人権啓発に取り組んでいるところでございます。
議員ご質問にあった東本町ふれあい交流会は、この町別学習会として外国人3名を講師として招き、座談会形式でグループごとに
意見交換等を行い、お互いの思いや感想等を発表していただくなど、外国人と地域住民との交流を図ったものでございます。
令和元年度には、6つの自治会で、町内に住む企業外国人実習生等を招いた座談会形式の学習会を開催しており、以後、町内での挨拶や声かけ、町内の行事参加等につながり、交流の輪が広がったとの感想を聞いております。
また、本年度、人権啓発員が「外国人との共生」をテーマに、住民と外国人実習生がごみ清掃などを通じて交流を深める姿を描いた動画を制作しており、
ヒューマンライフグループや各コミセンでDVDの貸出しを行っているところでございます。
今後は、きずなづくり事業を含め、人権活動の取組として、このDVDを活用した学習会や外国人を招いた座談会形式の学習会などの取組を他の地域や自治会に広げていき、人権という観点から多文化共生社会の推進に取り組んでまいりたいと考えています。
以上、答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 答弁は終わりました。
再質問はありませんか。
高坂純子議員。
○1
0番(高坂純子君) それぞれご答弁いただきましてありがとうございました。再質問は、第1項目、第2項目、1つずつお願いをいたします。
まず最初に第1項目、ご答弁は、
地域振興部長にお願いいたします。
先ほど、規制はなかなか難しいというお話を頂いたのですが、現在、小野市は1,
000平方メートル以上の設置事業計画の届出が必要です。一般的にも設置が多いのが5
00平方メートル程度以上の部分が大変多いと聞いております。その部分で少し縮小といいますか、下げて、この設置事業計画の届出を必要とすることができないのか、また、十分な地元説明と同意を求める義務づけができないのか、そのことに対してのお考えをお伺いしたいと思っております。
太陽光発電施設の建設を規制する内容の条例を設けている自治体は、3年前は28市町村でございました。しかし、本年12月上旬で94市町村と、およそ3倍にも数が増えております。背景といたしましては、やはり景観を損ねる、人体的被害、光害、土砂災害の懸念ということになります。
現に、認定した事業が後に地元でトラブルになるケースが少なくありません。それは、認定後にしか事業者や事業内容等の情報を地元自治会に提供していないという制度になっているからです。
届出面積を少し小さくすることで、トラブルが起きる前に住民説明の在り方も、また特定の近隣関係者のみだけではなくて、町全体の問題として取り組むこともできると考えます。
先ほども申し上げましたが、まずこの平米を少し小さめにというような届出ができないのか、お考えをお伺いいたします。
それから、第2項目でございます。
第2項目につきましては、
市民安全部次長にお尋ねをいたします。
外国人を交えたふれあい交流会のような地域の人権学習会などに、外国人を雇用されている地域の方々にももっとご参加いただけるような啓発ができないかという点についてお尋ねをいたします。
商工会議所が、昨年の11月に企業の方々が外国人の雇用に必要な情報サービスを提供するための基礎データ収集、外国人雇用に関するアンケート調査を行っておられます。外国人を雇用してみて苦労した点は、雇用する難しさはという設問に対して、コミュニケーション、生活・思考習慣という答えが群を抜いておりました。
こういった部分からも、地域での人権学習に企業の方々がご参加いただくことで、地域の方への理解や交流、ひいては、コミュニケーションや生活習慣を共有できると考え、この再質問とさせていただいております。
以上、再質問は2点でございます。
○議長(
小林千津子君) 再質問に対し、答弁を求めます。
地域振興部長。
○
地域振興部長(上月敏之君) 再質問にお答えいたします。
まず、1,
000平米以下に引下げができないかということなんですけれども、先ほど答弁の中でも申しましたように、現在の設置件数、平成3
0年度以降131件、届出が14件ということで、差引きしますと117件が届出がない、いわゆる1,
000平米以下ということになってまいります。
確かにこの1,
000平米以下というのは、非常に多いわけですけれども、少し市のほうに相談、平成3
0年度以降、太陽光でいろんな苦情といったらあれなんですけれども、相談があった件数というのが、把握しているものが6件ほどございます。
決してこれが全てとは思っておりません。恐らく、潜在的なものも確かにあることは承知しておるわけですけれども、その中で、その6件、どのようなものがあったかと申しますと、まずは雨水、山林を森林伐採して、そこに太陽光を設置する、その際に雨の水が集落内に多く入ってくるじゃないか、それを何とかというお話が1件ございました。これについては、最終的には、災害発生時には、事業者が補償するということで結論、結果、設置されたようでございます。
それからもう1件、これ2件ほどあるんですけれども、住宅に接近していて何とかならないかというお話も聞いております。これは現在、今も聞いておる分もありますし、もう既に聞いて解決されたものもあるわけですけれども、その住宅の接近の話の相談については、結局どうなったかといいますと、話合いの結果、一定の距離を置いて設置をするということで落ち着いたようでございます。
それからあと、安全柵がないから設置してほしいという相談もございました。それから、草が伸びているので草刈りができないかというお話も聞いております。
そして最近のお話ですと、もう1件あるのが、結構大きいメガソーラーのお話なんですけれども、山林、山腹が崩壊しないのかちょっと心配だということで、今、いろいろ相談を受けている状況でございます。これについては、その自治会で現在反対表明をされて、頑張っておられるというのか、いろいろ協議をされている最中でございます。
先ほども申しましたように、これが全てではないというのは承知しておるわけですけれども、やはりその件数に比較して、6件、7件の相談件数ということ、それからもう1つは、そもそも先ほどもありましたように、他市に先駆けて5,
000平米から1,
000平米にしたという、小野市はしておりますので、そういうことから考えますと、現在のところやはり1,
000平米でもいいのかなと考えております。
それから、もう1点、同意を求めるのはどうかというお話だと思うんですけれども、これもご承知だと思うんですけれども、県条例の第8条の中で、説明義務というのは、義務は課されております。それから、事業計画の内容について理解が得られるよう努めることという、ここが恐らく、同意を求めるとなると、同意を得ることということになろうかと思うんですけれども、どうしてもここが、「得られるよう努める」ということで、そこでいろいろいつも議論になるわけですけれども、最近結構、小野市だけではなしにほかの市でもいろいろ太陽光については物議をかもしているというんですか、いろいろございまして、他市の状況というのも、この条例、別建てしたりとかしているところもございます。我々も結構研究はしているんですけれども、いろいろ見ますと、県内もそうなんですけれど、いわゆる防災上問題がある場所を追加している。なので、県でここは駄目、ここは駄目、ここは駄目、プラスここも駄目よという、そういうケースがもうほとんどでございまして、「同意を得ること」としているところは、正直、ちょっとこちらではまだ見つけられていない。
これ、いろいろ本当に県条例がある中で、それよりそうしたらきつくするということになってまいりますので、そうしたら、いろいろ考える中で当然この環境問題もあるんですけれど、一方でその財産権というのが出てくると思います。そうしたら、憲法が保障する財産権の保障というのがございまして、そこが恐らくてんびんにかかっているのかなと。一方を立てれば、一方がというそういう状況の中で、じゃあ、それを中立の立場で我々が事務を執行している中で、どうしたらいいのか、どうしたらというか、これはあくまで中立というのは我々の立場で立ち位置だと思っておりますので、そういう状況がある中で、やはりもう今は、やはりまずはこの研究をしよう。国の動向を見よう。県にこういう問題が出ているんだよというのは、市から進言するべきだろうし、もし機会があれば国にも進言すべきだとは思っております。
したがいまして、現在のところ市独自で、いわゆるこの独自の規制というのは、現在のところ考えていないという状況でございます。
以上、再質問に対する答弁とさせていただきます。
○議長(
小林千津子君) 次に、
市民安全部次長。
○
市民安全部次長(上原和樹君) 再質問にお答えをいたします。
地域の人権学習会などに外国人を雇用されている企業の方にもご参加いただけるような啓発等ができないかというような質問であったと思います。
各コミセンに設置している各
地区ヒューマンライフ推進協議会は、自治会長、老人クラブ、民生委員、PTA役員、学校長などで構成され、その事務局をコミセンに配置している人権啓発員が担っておりまして、
小野市人権教育研究協議会の活動方針に従いまして、コミセンで講座や学習会などを開催し、人権啓発を行っているところです。
また、各地域の公民館などで開催している町別学習会につきましても、このコミセンに配置している人権啓発員が計画・運営を支援しておりまして、自治会長さんや役員さんと相談の上、自治会で人権課題となっている
研修テーマ等を選定して、人権啓発を行っているところでございます。
私たちの周りには、外国人だけではなく、女性・子ども・高齢者・障がい者・同和問題、また
LGBTなどの性に関わることや、インターネットなど新たな取組を求めている人権課題も発生しているところでございます。
このような中、多文化共生という観点から、外国人を招いた座談会形式の学習会を実施する地区、または自治会等を意図的に選定しまして、この学習会に外国人を雇用している企業の方にもご参加いただき、地域の方と交流を通して外国人に対する理解を深めていくような啓発活動について、検討してまいりたいと考えております。
以上、再質問に対する答弁といたします。
○議長(
小林千津子君) 答弁は終わりました。
再々質問はありませんか。
高坂純子議員。
○1
0番(高坂純子君) 再質問のご答弁、ありがとうございました。それでは、再々質問ということで、市長にお伺いをいたします。
第2項目から先にお伺いをさせていただきます。
今、お答えも頂きました「人権」という切り口から、質問を今回は行っております。地域で外国人を支えるためには、やはり企業の協力が欠かせないのではないかと私は考えます。外国人が、小野市で、そして地域の中で安心して暮らせて働くことができるための企業の果たす役割について、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
実は先日の夜、日本語教室をのぞかせていただきました。ちょうど日本語検定の試験前ということもありまして、ボランティアの先生方は、マン・ツー・マンでヒアリングや文章問題など指導をされておりました。しかし、この教室に来ることができる外国人は、ごく僅かです。
先ほど、外国人雇用に関するアンケート調査の話を再質問で出させていただきましたが、このアンケート調査の中に、「外国人労働者は今後も増加することが予想されるので、ボランティアでの語学学校教室などをもっと充実させてもらえれば、企業としては助かると思う」という意見がございました。アンケートのこの意見を要約しますと、日本語教室のような活動を行うのはボランティアに、国際交流協会に、行政にお願いしたいとも取れます。それでよいのでしょうか。
ある企業では、外国人実習生の入国後の日本語教育を社内総務グループがおよそ1年かけて教育をされているところもございます。企業によっては、派遣会社に頼んでいるから、派遣会社では、企業の責任だからというふうに言われます。コロナの影響でたくさんの外国人労働者が入国できず打撃を受けている企業もございます。また、数年後には過酷な労働条件や生活条件によっては、日本の外国人労働者はほかの国へ流出していくのではないかとも言われております。
企業や地域住民も含め、新しい時代に突入したことを認識して、地域で支える外国人市民が安心して暮らせて働くことができるため、企業の果たす役割について、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
そして、第1項目についての市長への再々質問でございます。
私は、もう過去に2度同じ質問をしております。しかし、なかなかこれは難しいものでございます。答えのない質問というふうにも言われてしまいますが、今週、政府は2
05
0年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標を法制化する方針を固めました。これは、国の姿勢を明確にして、企業には技術革新を促す目的があります。また、太陽光などの再生エネルギーを最大限導入する方針です。
自治体として推進はしていかなければいけないお立場とは思いますが、地元住民との合意形成といった問題もこれから浮上してくることと思います。自治体がどういった形でかじ取りをしていかなければならないか、大変難しい問題でございます。市長のお考えをお伺いしたいと思います。
過去2回の答弁では、電気事業法の趣旨からいえば、1つには、公共の安全の確保、そして環境の保全、2つには、太陽光発電の所有者が何か起きたときの責任を持つ、3つ目には、太陽光発電を行うと、最終的にはある一定の期限が来たらそれを破棄するルールがある。そのための積立てができているかどうかだ。その利害関係のある方は、太陽光発電業者にその話を事前にする必要があるということ、行政は強制力がないので、そこは当事者間、民民の話になるわけである。民民の活動に対して規制をやるには、エネルギー戦略の観点からいくと、非常に無理がある。問題意識はきっちり持っているが、国や自治体の動きを見ながら考えていかなければならないといった市長からのお答えを頂戴したと思います。
しかし、年々小野市の景観は、太陽光発電によって変わってまいりました。農地法、農振法の運用の改革、農振除外、農地転用許可の要件緩和が今、上がってきています。小野市内の休耕田の増加とともに、どんどんと太陽光発電が設置されていくのではと不安にもなります。
これは、元区長さんのお話なんですが、歴史があるこの町内のあちこちに太陽光発電が設置され、景観も壊され、1
0年後、2
0年後の破棄がどうなるのかなどを考えたらとても怖い。個人の問題ではなくて、町内全体の問題として、みんなが考えるべきだというふうにおっしゃっておりました。
土地の活用は、所有者の自由ですが、隣接する民家がやむなく引っ越しをしたり、健康被害に遭われている方、近隣との人間関係がぎくしゃくするなど現在でも生じている負の部分を考えたときに、小野市のまちづくりの在り方や、コミュニティ、景観、防災などの観点からも考えていかなければならないのではないでしょうか。
将来的には、ゾーニング、地域分けという形で抑制する区域もある一方で、推進していく区域も設定していくといった、国と地方が連動したゾーニングを考えるべきなのかもしれませんが、自治体がどういったかじを取っていくか、市長のお考えをお伺いいたします。
○議長(
小林千津子君) 再々質問に対し、答弁を求めます。
市長。
○市長(蓬莱 務君) 再々質問にお答えをいたします。
まず1点目のほうですが、外国人労働者に対して、企業の果たし得る役割というんですか、そういうことについてもどう考えておられるかとか、あるいはどう対応していくかということだと思うんですけれども、基本的には、それぞれの企業は労働人口の確保ということで、外国人労働者を今、雇用しているということならば、基本的にはその企業が責任を持つべきものと。
例えば、逆に考えたら、日本から海外へたくさんの人たちが、この小野市からも、どういうんですか、仕事で出て行っているわけですけれども、それはもう当然、現地でじゃあ面倒を見てくださいなんていうことは全くないんですね。いわゆる海外に勤務する人にとって、その国の慣習とか、あるいは風習とか、あるいは健康管理の問題、あるいは宗教上の問題、それから住む場所の問題、それからアメリカであれば必ず日曜日には住んでいるところの芝刈り等は当たり前のようにしなければならないとか、実に大きなことから小さなことまで、人事管理上の問題として全て派遣する側の企業が責任を持って派遣をしているということなんです。
逆に、今度は日本で働くために日本へ来日されている方は、それは派遣会社であろうと企業が直接的に雇用している場合においても、その総務人事部門は、その全てのものについて総括して管理し、そしてまた分かりやすく言えば、面倒を見るのが本来あるべき姿であって、そこの公金の支出とか、日本のボランティアに頼っているというのは、何を甘えているのというのが私の基本的な考え方です。
しかし、とはいうものの、このグローバルな社会でありますから、外国の方と住みやすい小野市、あるいは小野市で働いてよかったと思えるような環境をつくるために行政が側面から応援をしたりとか、あるいはボランティア活動で皆さんが結集してやったり、官と民が連携を取るとか、あるいは国際交流協会が連携をして例えば病院へ行くときにそういうアドバイスをするとかというようなことは、当然のことでありますし、現に小野市はそれを今やっていると思います、ほとんどのところで。
それでまた、先ほどの要望の中で、外国の方が来られたら日本語を学ぶための日本語学校をつくってほしいとかいう、私、言うと、企業からじゃあそれぞれ3,
000万円ずつ小野市へお金を出してください、小野市に立派な日本人学校をつくりましょうと、いうことはやりますよ。
それを、企業はプロフィット、利潤を追求するために、コストの安い外国人労働者を、技能労働者という名目で日本へ来ていらっしゃるわけですけれども、そして祖国へ帰ってまたそこで日本の技術を継承していこうということなんですけれども、しかしそのためには、例えばベトナム人だったら、今は1か月の給料は大体3万円ぐらいですよね。ちょうど私たちが大卒初任給が3万円台になったという時代は、実に今からウン十年前の話ですよね。だからコストがそれだけ安いわけですよ。ですから、逆にベトナム人の方が日本で働かして、例えば2
0万円、月もらえたら、それはまさに1
0か月分の、1か月で1
0か月分の、ほぼ1年間の年収を日本で得ることになるわけですから、そういうことなんですよ。
だから、私が思うのは、外国人と文化を共有し、そしてお互いに仲よくやって、そしてお互いに理解を深めて、国際交流をやっていきましょうということについて、ボランティアなり、あるいはそういう場を行政がつくってあげるということについては、当然の流れとして、大いにそういう提案があれば市としてはやぶさかではありませんが、企業が雇用した人のために、行政がそういう場を整えてくれということであるならば、それは企業に応分の負担を求めるということになろうと思います。
そういうことは皆さん、普通の企業経営者なら皆、分かっていらっしゃると思うんですね。分かっていらっしゃるけれども、できることならばそれを企業以外の行政がやってもらえれば、コストはかからないし、手間もかからないし、トラブル解消にもなるので、逆に考えたら人事総務部門の怠慢ですわね。だから、外国人労働者をやっぱり雇用しようということになったら、それだけの覚悟を持って、人間ですから、外国人、明快な、人格のある。そういう人たちをやっぱり雇用する上においては、福利厚生も含めて、やっぱりどうあるべきだというのは、まずは当該企業が主体的に考えるべき問題であるし、日本語は学んでから来てくださいというのが本来あるべき姿です。
しかし、そうはいってもなかなか全てができないので、皆さんと一緒に交流をしながら学ぼうという風土が、今、小野に、日本にあると。
大体、日本人はそういうことについては非常に親切ですけれども、例えば難民がたくさんいらっしゃるヨーロッパについても、あるいはまたアメリカの多民族国家であっても、やっぱり不法移民もあるでしょうし、そこで働いている人たちをちゃんと雇用していることについては、そういう形で働いている人たちは、多言語を自分でやっぱりマスターをして行って、命を懸けてやっておられるわけですよね。
だから、そういうように考えていくと、やっぱりどういう観点で見るかということによって違ってきますが、ご質問の「企業の果たすべき役割とは」というご質問だったんで、それは企業の果たすべき役割は、日本が海外へ日本人を送り込んで海外工場で働くときと同じように、外国から日本へ来るためには、それは全て受ける側、いやいや派遣する側が本来やるべきであるし、受け入れた側もその責任はあると。
ですから、医療にかかるということについては、こういうときにはこういう病院へこういう形で行くんですよとか、あるいは人事担当部門には、日本の風習とか礼儀とか、あるいはいろんな地域によってまた違うことがあると思いますから、そういうこともやっぱりちゃんとマニュアル化して、そして説明をしてやるというのが、これは、私から言うと、企業としてはそんなことをやっていない企業はそれはきっと外国人は次、来ないようになると思います。そういった労働人口の安い労働人口が確保できないから、一生懸命言ってもなかなか来てもらえないということですよね。
やっぱり企業経営というのは、やっぱりそういう社会的使命をやっぱり果たしていかなきゃならないのは当たり前のことであって、もし企業の方から「何とか小野市でそういうものをつくってもらえないか」と言われたら、そこに関わる経費の2分の1負担を出す必要がありますかということを私は言いますね。それはやっぱり当然ですよ。何も出稼ぎに来られている方のために、全て小野市の血税をそこに使うんだったら、私はもっと小野市の医療費とか、先ほど来いろいろ質問がある学校教育の状況とか、改善すべきことはわんさとあります。そっちを最優先です。優先順位から見たらそうなりますね。
ということなんで、当たり前のことを私は当たり前に言っているんで、ただ、「えらい市長、冷たいな、外国人に」と言われるかもしれんけれども、経営者でその本質がないような人は、経営者の責任を果たせないですね。それはもう失格ですわ。少なくとも、経営者におかれる人事あるいは労務担当部門というのは、それぐらいのことをやれるから、人事担当部門の長、つまり責任者であると私は思いますので、そんなに、あまりによいしょし過ぎるから日本は何でもやってもらえるという、どうしても日本人は外国人コンプレックスがあるんで、何かこう、そうしなきゃいかんというような思いが強過ぎるからそうなんですね。だといって、何も共に日本のような豊かな国でないところへ、そうやって家族のために仕送りとか、いろんなことの環境でもって、もちろん志を立てて技術を学んでいく人たちもたくさんいらっしゃいますよ。そういう人たちも含めて、志を持って来た以上は、その覚悟は持って来られているわけですから、だからそれに対してどのような支援をしていくかということは、まずは主体的に当該企業の担当部門がしっかり考えることであると。
それに対して、みんなで交流を深めようということは、これはもう人権には国境はありませんから、当たり前のように、それはもうあってはならない、そんな差別とか、あるいはもう厳しい労働環境とか、そういったことを課せるというのは、それは大きな問題であるから、これは当然一つ間違えたらもう明快な犯罪になるわけですから、それはもうちゃんと労基法に基づいて、日本の法律に基づいて労働環境はきちっとやっていかなきゃならんということでありますから、それぐらいのことが、外国人労働者を採用するときには分かっていない人だったら、もうその会社は発展はないですよ、きっと。だから、それはもうそういうような考え方でいいんじゃないかと思います。
労働人口の確保とは、それすなわち、企業の責任であるということを明快にもって、やっぱり物じゃないんだから、人間ですから、やっぱりそのように接するのは当たり前のことだと。それで我々は、それなりの場を整えるために支援していくことについては、やぶさかではありません。
2つ目の、何でしたかね。太陽光発電の小野市独自の条例ということも含めてのことだと思うんですが、ポイントは、今の太陽光発電を取り巻く環境というのは、もう問題ははっきり皆、顕在化しているわけですよ。問題は、条例をつくろうがつくらまいが、あるいは規模を大きくしようが小さくしようが、要は罰則規定がないんですよ。国にも、そして県にも、罰則規定がないということがまず前提にあります。
それと、もう1つは、太陽光発電を、例えば場所によって違いますけど、集落の大きな斜面でやる場合と、あるいは家の近辺に太陽光発電が来る場合というように、状況によって、私は考え方が違うと思うんですけれども、いずれにしても、太陽光発電が近くに来る場合、今の話からすると、小さな規模ということになってくると、近くに来る場合、自分の家の前とか横にそういう太陽光発電のきらきらするものが来るということについては、そこに住んどる人たちからすると、こんな正直言って、ないほうがいいのに決まっているんですよ。緑豊かな水田があって、きれいな環境のところにということですから、それのほうがいいと思うんですよ。
ただ問題は、今度、その土地を持っている財産権のほうで、土地を持っている人の立場からいえば、そこに分家を建てようと、あるいは草ぼうぼうになったときは毎日草刈りその他で管理をしていかないかん。もう年を取ってきたし、住む人もいないのに土地の管理責任は土地所有者にあるという責任を課されながら、一方では、財産権としてその土地はその持っている方が、所有者が、極端に言ったら、何に使おうとこれは放っておいてほしいというのが、土地の所有者の側からいったらそういうことなのね。
しかし、そういうものが造られる側からしたら、環境に対して言うと、そんなものはもうできるだけない、窓をぱっと開けたら太陽光発電が見えるというふうになったら、勘弁してくださいよという。
この、どちら側の観点に立って話をするかということになってくると、まず、財産権のあるほうからしたら、これから恐らく、人口減少、高齢化社会になって、田舎に住んでおる人もおれば、住めない人もおると。そういう中で土地だけが残っている。その人を、年間にやっぱり環境を守るために年間1
0万円渡して、シルバーの人たちに、土地を守ってもらうために土地を耕運機ですいてもらう、物を作らないんですよ。要するに、どういうんですか、トラクターですいてもらって、草刈りのためにトラクターですいてるだけのために、お金をずっと毎年し続けなければならないというような、かと言って土地を買ってくれと言っても、そんな土地、かえって手間になるから、別に買い先がなかなかないとか、そうしたときに太陽光発電だったら収入も入るわけですし、いわゆる遊休地が有効にできるので助かるというようなところがあちこちで今、出てきているという、これからも増えてくると思うんですよね。
それはあくまでも、その土地が持っているが故に、みんな土地持ちというのは、すごい恵まれているように思うけれども、田舎であると、土地を持っているが故に、言ったらその負の遺産をずっと孫の代まで誰かが管理していかなければならないと。税金を払いながら管理をしていって、自分でできないが故に誰かにお願いをするというコストがかかる。そういうことをずっとやらなきゃならないことは、田舎にはこれがどんどん出てくると思うんですよ。
そういう、いわゆる財産権を有するその人の立場から考えたら、何とか助けてくださいということです。
しかし、自分の家を建てている人の立場からいうと、何で今までは何もなかったのに、そんな太陽光発電ができたのということになるんですね。
じゃあ、そこで具体的にそういう問題があって、先ほどのように条例で決まっても努力義務ですから、罰則規定があるまでやったら、話は別やけれども、残念ながら県の条例も努力義務でありますね。ということですから、なかなかそこに市としては独自のものをつくるというわけにはならないわけですよ。
どうするかというと、例えば、先ほどの話で事例で言いましたけれども、1,
000平米といったら3
00坪、大体1反といったら3
00坪ですよね、1,
000平米。1,
000平米でここに太陽光発電を造りたいんやと、もう管理できないから造りたいんやと言ったときに、もし私の家がそこにあったとしたら、いや、家の前は何か道路か何かあって、それよりもうちょっと向こうにあったら、後ろ側から見るわけですね、太陽光発電があると、きらきら光るほうでないほうで見るんですね。そういうときだったらどうするかといったら、悪いですけれども、私がお金を出しますので、樫の木でもその境目のところにずっと植えるのは、私が個人でお金を払いますので、樫の木をずっと植えて、ぱっと窓を開けると、台所側から開けますと、向こうが今まで見えていたのが、それがきれいな緑でこうなっていると。ただし、その代わりに、1メートルほどの土地は、無償で貸してくださいねと。1
0メートルほど引いて太陽光発電を造るのと同じようなもんですけれども、できることやったら家の周りに全部、木は自分で植えますと、自分の家は環境に優しいところに住みたいんで、木は全部カナメモチか何か、カナメモチはちょっと難しいか、樫の木ぐらいのほうが成長していくからいいと思うんですけれども、樫の木を全部植えますと。その植える費用と木を植えるのは自分で持ちますと、家の環境を守るために。その代わりに、土地を持っている人には、できましたら、周りを1メートルの間、木を植える場所については、無償でその土地を貸してもらえませんかという話が、初めから話がうまくいっていって、地域の人も認めるということ、解決策なら、そううまくいったらいいけれども、初めから、「そんな横に太陽光発電とはけしからん、反対」とやると、「反対って、私の土地に何しようと勝手や」と。もう最初から土俵の上へ上がってもうて、こないなってくると、もう話は「信頼」というキーワードが外れますから、こういう話はなかなか前へ行かないという問題があちこちでたくさん出ています。
うまくいっているところは大体、先ほどの話のように、「いや、1
0メートルほど引いたところから太陽光発電、引くなら」と、それだったらよろしいとか、あるいは、その間に側溝は何とか直すから、こういうようにするからとか、何かこういう民民の話の中で解決していらっしゃるところが一番多いんですね、田舎の場合は。そういうところまで行けるように、最初からなったらいいけれども、なかなかうまくいったケースだけれども、なかなかそこへ行かない場合もあると。
そこに、自治会長さんが介入するとなっても、区長さんというのは大体1年か2年やるだけなんですね。そんなやっかいなことを言われたら、もう何も自分が手を挙げて自治会長さん、区長さんになったわけでないのに、それはお互いにそこに住んだ以上は、やっぱり地元への奉仕というために、ある一定の年齢になるとそのリーダーとしてそういうことをやっていかなきゃいかんだろうと思ってなっている人にとって、そういう問題を自治会で解決してくださいと言ったら、私は、言うはやすしやけれども現実は難しいと。
行政が入ってくると、先ほど言ったように、財産権の問題と環境問題を含むといって、この並立した問題が出てくるんで、しかも条例をつくっても罰則規定がないという関係からすると、この話は行政としてはやっぱり入っていくには限界があるということです。
ですから、やっぱり、社会通念上、やっぱりご近所の人と、「やあ、最近、お孫さんどないしてはりますの」、「いや、私、たった二人だけですねん」、「ああ、そうですか」とか、「今日採れた野菜ですけれども、どうぞ」って、「いやあ、ありがとうございます」という、そういう環境を、やっぱり自らつくっていく社会でないと、こういうことはできないということですね。
これが、そういうことを何で申し上げているかといったら、結論として、地元住民の合意形成を図るといっても、結局は当事者間同士の信頼感に基づくお互いの話合いがベースにならざるを、今の現時点の国・県の条例の範囲内におけると、これが現実であると。
先ほど言ったように、市がじゃあ独自に、「小野市はそうじゃないんだ、地権者の権利も守るけれども、そんな環境の問題に困っている人を救うのは当たり前や」とやったときに、「じゃあ、この土地を市で買ってください」と。「買い上げてください、私はもうこんな土地要らないんです」と。じゃあ、なぜ個人の土地を市が血税をもって、その土地を取得しなきゃならないかといったら、議会の皆さんは当然、「それはおかしいでしょう」、「ノー」という答えが出てきて当たり前ですよね。たった一人の個人のために市が公金を支出して目的外、目的もないのにその土地を公金で取得するということは、これははっきり言って背任に近い行為であるということになると思いますから、そういう問題があるんですよ。
ですから、これからは、この環境問題の中で、ただ国は、再生エネルギーはどんどん増やしていきやと言っているわけですよ。
だからこの辺は、やっぱり私が思うのは、どこかで線引きと、どこかである一定の明らかに環境を害するということならば、法的根拠で国家としてのそういうルールを決めないと。そういうときは、いわゆる財産権をどうするかという、そういう法的な根拠まで入っていって、それを変えていかなきゃならないということは、非常に大きな課題を持つということになると思いますね。そういう状況が絡んでいると。
みんな、全ては直接的な質問に対する答えではないように見えますけれども、そういうように絡んでいるんだという事実をご理解いただきたいと思います。
以上です。
○議長(
小林千津子君) 高坂純子議員。
○1
0番(高坂純子君) 市長から頂いた答弁というのは、先ほどまとめて言ったと思うんですけれども、その市長としての方向性というのは、今の意見をまとめたら方向性ですよというふうに理解してよろしいんでしょうか。
ちょっと、最後の質問と答えがちょっと合わないように思ったんですが。
○議長(
小林千津子君) 市長。
○市長(蓬莱 務君) 理念であり、方向性であり、現実の問題であると。
要するに、この環境問題というものをどうしていくのかということになったときに、立場を考えて、私の考え方を申し上げれば、あるときは地権者の立場に立って物を言います。あるときは、環境で被害を受ける側の立場に立って今は物を言ったつもりです。
そういう中において、環境問題の将来を見たときは、国家として2
05
0年も含めて、そちらへ動いているという、これを止めることはできない。再生エネルギーというのは止めることはできないと。
だといって、個人のそういう住む権利というのか、良好な環境をじゃあ、侵害していいのかということと、じゃあ、たまたまそこに土地があったというだけのことで、その財産権を行使することはできないのかと言われたら、これはもう今の現時点ではどうにもならない。
だから、私が言うのは、ご質問のことについては、質問自体があまりにも個別案件的な質問だから、私はそうじゃないでしょうということ、この問題は。もっと大きな理念で問題を考えていかないかん話であって、太陽光発電は前回にお答えしたとおり、どんどん進化して変わってきているわけですよ。
だから、何をどうして欲しいんですかということをもう一回、じゃあ、質問してください。何をどうして欲しいんですか。
○議長(
小林千津子君) 高坂純子議員。
○1
0番(高坂純子君) 議長、お許しをお願いします。
私が最初にお尋ねいたしましたのは、今後のことについて、市長としてはどのようなかじ取りを行っていかれるおつもりですかというそのことをお伺いしたかったんですけれども。
○議長(
小林千津子君) 市長。
○市長(蓬莱 務君) 今まで延々と話をしてきた意味が分からないということだったら、それはご理解ができないということですわ。
今の話を聞けば、市長が将来どのように考えているかということは、もう嫌というほどお答えしているつもりです。
以上です。
○議長(
小林千津子君) 以上で、高坂純子議員の質問は終わりました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩 午後 3時47分
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再開 午後 4時16分
○議長(
小林千津子君) ただいまから、会議を再開いたします。
〜日程第3 議案第85号〜
○議長(
小林千津子君) 日程第3、議案第85号を議題といたします。
議案の朗読を省略いたしまして、理事者側より提案理由の説明を求めます。
総務部長。
(総務部長 登壇)
○総務部長(新免秀晃君) 議案第85号 令和2年度
小野市一般会計補正予算(第8号)について、提案説明をいたします。
議案書の85ページをお願いします。
このたびの補正は、児童扶養手当の受給者を対象とする臨時特別給付金の追加支給に必要な経費を補正しようとするものであります。
第1条、歳入歳出予算の補正でありますが、既定の総額に歳入歳出それぞれ2,5
00万円を追加し、予算の総額を288億5,76
0万円にしようとするものであります。
85ページの1、第1表、歳入歳出補正予算の概要について説明をいたします。
まず、歳入でありますが、款16 国庫支出金は、ひとり親世帯臨時特別給付金の給付に係る国庫補助金の増額であります。
次に、85ページの2、歳出であります。
款3 民生費は、ひとり親世帯臨時特別給付金の追加支給に伴う増額であります。
なお、詳細につきましては、85ページの3以降に記載しております歳入歳出補正予算事項別明細書をご高覧願います。
以上、提案説明といたします。
○議長(
小林千津子君) 提案理由の説明は終わりました。
ただいま議題となっております議案について、質疑の通告はありませんので、これにて質疑を終結いたします。
次に、常任委員会付託であります。
会議規則第37条第1項の規定により、議案第85号をお手元に配付いたしております常任委員会審査付託表のとおり、所管の常任委員会に付託し、慎重審査を煩わしたいと存じます。
この際、委員会開催のため、暫時休憩いたします。
休憩 午後 4時18分
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再開 午後 5時
05分
○議長(
小林千津子君) ただいまから、会議を再開いたします。
常任委員会審査報告であります。
本日、審査を付託いたしました議案第85号について、休憩中に審査の報告がありましたので、常任委員長の報告を求めます。
予算決算常任委員長 岡嶋正昭議員。
(岡嶋正昭君 登壇)
○15番(岡嶋正昭君) 予算決算常任委員会の審査のご報告を申し上げます。
本日、当委員会に付託されました案件は、議案第85号の1件でございます。
委員会を先ほど開催し、当局から詳しく説明を受け、その後慎重に審査を行いました。
審査の結果につきましては、お手元の委員会審査報告書のとおりでありまして、反対討論はなく、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。
なお、年末でもあり、24日の支給に間に合いますよう、くれぐれもよろしくお願いしたいという意見もございました。
また、議員各位におかれましては、当委員会の決定にご賛同賜りますようお願い申し上げまして、予算決算常任委員会の審査報告といたします。
○議長(
小林千津子君) 以上で、常任委員長の報告は終わりました。
ただいまの委員長報告に対して、質疑の希望はありませんか。
(「なし」と呼ぶものあり)
○議長(
小林千津子君) 委員長に対する質疑の希望はありませんので、これにて質疑を終結いたします。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております議案第85号について、これより討論、表決に入りたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
小林千津子君) ご異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
これより討論、表決に入ります。
議案第85号について、討論の希望はありませんので、これにて討論を終結いたします。
これより議案第85号を採決いたします。
本案は、原案のとおり可決することに、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
小林千津子君) ご異議なしと認めます。
したがって、議案第85号は、原案のとおり可決されました。
ただいま可決されました議案第85号は、
今期定例会に上程されております議案第73号 令和2年度
小野市一般会計補正予算(第7号)に先立って議決となったことから、両議案に記載されている補正前後の金額等について、計数整理が必要となります。
したがって、小野市議会会議規則第43条の規定に基づき、その整理を議長に委任されたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
小林千津子君) ご異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、散会いたしたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶものあり)
○議長(
小林千津子君) ご異議なしと認めます。
したがって、本日はこれにて散会することに決定しました。
次の本会議は、12月18日、午前1
0時から再開いたします。
本日はこれにて散会いたします。
お疲れさまでございました。
散会 午後 5時
09分...