2ページをお開きください。
II.災害に強い都市基盤の整備として,まず,1.
都市計画道路整備の
取り組み状況についてでございます。
(1)
都市計画道路は,円滑な交通を確保することや,都市の環境や防災面で良好な都市空間を形成することなどを目的としまして,532路線,延長約833キロメートルを
都市計画決定しております。このうち,現在約666キロメートル,約80%が完成している状況でございます。
(2)阪神・
淡路大震災では,道路は
火災延焼防止,避難路,救難活動・
緊急物資輸送路として重要な役割を果たしてまいりました。これらも踏まえ,市街地の
道路ネットワークで未整備となっている区間のうち,緊急性・重要性の高い路線を
震災復興街路事業により事業化を行ってまいりました。事業化した10路線,約7キロメートルのうち約5.5キロメートルが完成しております。
(3)これまで以上に選択と集中により,効率的・効果的な道路整備を進めていくため,現在,全市的な
都市計画道路の見直しを進めております。本年3月には
都市計画道路を
主要幹線道路と
主要幹線道路以外の道路──
生活幹線道路に分類し,それぞれの整備の進め方を示した
都市計画道路整備方針を策定いたしました。
主要幹線道路につきましては,防災上も重要な道路であることから,市が主体となって計画の内容を見直し,
整備優先度の考え方と整備の見通しを明らかにした
整備プログラムを策定し,着実に整備を進めてまいります。また,
主要幹線道路以外の道路──
生活幹線道路につきましては,地域の皆さんとの協働と参画により,地域の課題の整理・改善方策の検討を行い,防災上の課題改善も含め,幹線道路が必要であるとの合意形成が図られた地域ごとに,改めて
都市計画の手続を行い,
生活幹線道路に位置づけることにより整備を進めてまいります。
3ページに参りまして,2.
土地区画整理事業の
取り組み状況でございます。
(1)本市では,戦災復興や都市改造,震災復興,郊外の宅地供給などを目的として,市や組合,
都市再生機構などの施行により,これまで98地区,面積約5,626ヘクタール,市街化区域のおよそ3割において
土地区画整理事業を実施してきており,現在,浜山地区や
学園南地区など5地区,面積約157ヘクタールにおいて事業を行っております。
(2)
戦災復興土地区画整理事業では,11地区,面積約2,207ヘクタールにおいて,山手・中央・浜手の3大幹線や王子公園・
須磨海浜公園・
生田川公園などを整備し,市街地の骨組みの大部分を形成してまいりました。また,阪神・
淡路大震災からの復興においても,
土地区画整理事業により幹線道路や防災公園などを整備し,災害に強い
まちづくりに取り組んでまいりました。
(3)現在施行中の浜山地区におきましては,地域との協働と参画により,
老朽木造住宅密集市街地の整備改善に取り組んでおり,特に
高松線沿道では共同建てかえを積極的に誘導し,狭小宅地の有効活用や建物の不燃化による防災性の向上を図っております。
(4)今後も
密集市街地の整備改善や
都市計画道路の整備とあわせて,沿道地域を一体的に整備する場合などにおいて,
市街地整備の有効な手段である
土地区画整理事業の活用を検討してまいります。一方,
東日本大震災からの復興においても,複数の自治体で
土地区画整理事業の導入が検討されており,職員の派遣などにより,本市の経験とノウハウを伝えてまいります。
4ページをお開きください。
3.市街地再開発事業の
取り組み状況でございます。
(1)再開発事業では,市街地の拠点整備を目的として,これまで
公共団体施行として10地区,面積約22.3ヘクタールにおいて
市街地改造事業や市街地再開発事業が完了し,建物の耐火・耐震性能の向上と,道路や
駅前広場等の公共施設の整備など,まちの防災性の向上を図ってまいりました。
(2)現在,
新長田駅南地区約20.1ヘクタールにおいて,引き続き整備に取り組んでおります。また,
鈴蘭台駅前地区約1.1ヘクタールにおいては,北区の玄関口として
駅前広場等の整備を行うとともに,再開発ビルに
区役所機能を移転することにより,防災拠点としての機能を持った街区整備を進めてまいります。
(3)今後は
都市計画マスタープランに位置づけられている都心拠点や地域拠点において,道路や駅前広場など公共施設の整備が十分でない地区や,建物更新が進まず,非
耐火建築物が相当部分を占め,防災上・土地利用上の課題を有している地区などにおいて,地区の特性を踏まえ,市街地再
開発事業等の手法を活用して,道路・広場の整備と建物の耐火・耐震性能の向上を図り,防災街区の整備に取り組んでまいります。
5ページに参りまして,
密集市街地の再生について。
まず,1.
密集市街地再生方針の策定についてでございます。
(1)策定の趣旨といたしましては,本市では戦災や震災からの復興や健全な市街地の整備,都市環境の改善を目的として,
土地区画整理事業や再開発事業などを活用し,面的な基盤整備や建てかえ更新を進めてまいりました。こうした地区は都市基盤が整い,防災性の向上や住環境の改善が進んでおります。一方,戦災や震災の影響を余り受けなかった市街地の一部には,都市基盤の整備がおくれ,古い木造住宅が密集し,道路が狭く,公園も不足するなど,防災面や住環境などにさまざまな課題がある
密集市街地が残されております。
密集市街地の改善のため,これまでも個別に共同建てかえの促進や老朽住宅の除却,
細街路整備などに取り組んでまいりましたが,法的なルールを伴わない事業であり,整備改善の効果があらわれるのに長い時間を要しております。そのため,平成23年3月に
都市計画マスタープランの策定と合わせ,
密集市街地の整備改善を一歩ずつ着実に進め,子供や高齢者など,だれもが安全・安心で快適に暮らせる住みよいまちとして再生していくため,市民・事業者・行政の協働と参画の取り組みの指針となる
密集市街地再生方針を策定いたしました。この中で新たな評価指標と対象地域の考え方を示し,重点的・効果的に
防災まちづくりを進めることとし,施策の方針や市民・事業者との協働と参画の仕組みをお示しをしております。
また,
密集市街地の対象地域──模式図にも示しておりますが,(2)
密集市街地再生方針に基づく重点的な取り組みといたしまして,耐火のおそれがある町丁目が連続し,広範囲に延焼が拡大するおそれがある市街地の4地区──灘北西部,兵庫北部,長田南部,東垂水の4地区を
密集市街地再生優先地区と位置づけており,特に優先的に
防災まちづくりに取り組んでまいります。
6ページをお開きください。
2.
防災面向上の効果的な施策でございます。
(1)燃え広がりにくい
まちづくりといたしまして,1)
老朽木造建物の除却促進,空地の有効活用として,垂水区泉が丘3丁目における
まちなか防災空地の事例,2)沿道建物の防火規定とあわせた
前面道路幅員条件の緩和として,長田区駒ケ林町1丁目南部における
近隣住環境計画の事例,それから,3)建物の不燃化の促進として,灘区の畑原市場における共同建てかえの支援の事例を挙げております。
7ページに参りまして,(2)建物が倒壊せず避難が可能な
まちづくりの事例といたしましては,1)身近な生活道路の確実な拡幅整備として,長田区久保町9丁目における
細街路整備の事例,2)主要な生活道路のあり方を考える
まちづくりとして,兵庫区夢野西における
都市計画道路大倉山線の整備検討の事例,3)建物の耐震化の促進として,すまいの
耐震化ピンポン作戦の事例を挙げております。
次に,3.
密集市街地再生の進め方でございます。
密集市街地再生優先地区における
延焼危険性の低減と,暮らしやすさ・地域魅力の向上を図るため,地域と課題を共有しながら,身近な環境改善をきっかけに,地域特性に応じた手法により,モデル街区から先行事例をつくり,連鎖的に拡大・展開をしてまいります。また,身近な環境改善として,
東垂水地区における
避難誘導サインの設置の事例を挙げさせていただいております。
次に,8ページをお開きください。
建築物の耐震化の促進についてでございます。
まず,1.神戸市
耐震改修促進計画です。平成18年1月に
改正耐震改修促進法が施行され,平成27年度までに
既存建築物の
耐震化率を90%以上とすることを目標とする国の基本方針が示されました。近い将来に発生が予想される東南海・南海地震から市民の生命・財産を保護するため,早急な建築物の耐震化が強く求められており,本市においても平成20年2月に,神戸市
耐震改修促進計画を策定いたしました。
取り組み状況につきましては,
耐震化率の目標と現状を表に記載をしております。
次に,2.住まい等の
耐震化促進でございます。
(1)耐震診断,
耐震改修補助等につきまして,表に記載しておりますとおり,
耐震化促進のため旧耐震基準による住宅の所有者などに対し,さまざまな支援を用意しております。
また,(2)普及啓発にも努めているところです。
9ページに参りまして,3.市営住宅における
耐震化促進でございます。
(1)第2次
市営住宅マネジメント計画といたしまして,更新や改修時期を迎える大量の
市営住宅ストックの確保と活用を図るため,第2次の
マネジメント計画として平成23年度から32年度を計画期間とし,神戸市
耐震改修促進計画で定めた平成27年度までに
耐震化率92%以上,平成32年度までに100%の達成を目指しております。
(2)耐震化の実施計画といたしまして,第2次
マネジメント計画の前期5カ年の平成27年度までに着手する住宅を位置づけ,耐震性の問題のある市営住宅については耐震改修を基本とし,老朽化が進行している市営住宅や,施工性・費用面などから改修が効率的でない市営住宅は,建てかえ・廃止により耐震化を図るとの方針のもと,事業手法を選定しております。
(3)耐震改修に関する取り組みといたしまして,特に耐震性の低い住宅や保育所を併存している市営住宅などを優先いたします。また,経済性,施工性,改修時の入居者への影響などを考慮し,建物やその敷地の状況に合った合理的な工法を選択いたします。
10ページをお開きください。
4.
公共建築物における
耐震化促進でございます。
(1)対象となっている
公共建築物は,1)区役所,
消防署等災害時に防災の中枢拠点となる施設や,2)小・中学校をはじめとする主要な避難所,3)その他
耐震化促進法に定める
特定建築物でございます。
(2)
取り組み状況といたしまして,小・中学校につきましては改築・
統合予定校を除き,平成23年度末で
耐震化率100%となる見込みでございます。その他の
対象公共建築物につきましても,耐震性の不足が確認された施設につきまして,順次耐震化を進めております。平成23年度は37学校園,44棟の耐震改修,2学校,4棟の解体及びその他の
公共建築物5施設,5棟の耐震改修を行っており,
耐震化率は94%となる見込みでございます。
(3)
耐震化率の推移につきましては,表に記載をしておりますとおりでございます。
次に,11ページに参りまして,V.神戸市
建築物安全安心実施計画(第3次)でございます。
1.計画の目的です。阪神・
淡路大震災の教訓を踏まえ,平成11年度に市民,市並びに
関係行政機関,建築関係諸団体の協働により,神戸市
建築物安全安心推進協議会を設立するとともに,平成11年度から20年度まで
建築物安全安心実施計画を策定し,
違反建築対策の促進と
完了検査率の向上などを目指して各種施策を推進することにより,建築物の安全安心の確保に一定の成果を上げてまいりました。平成21年度から25年度までの第3次計画におきましては,これまで取り組んできた施策の検証・評価を踏まえ,引き続き取り組んでいく必要がある課題及び耐震偽装問題,
アスベスト問題,カラオケボックス・
個室ビデオ店火災,
自動回転ドア・エレベーター・
エスカレーター事故,
遊戯施設事故等,最近の建築物に係る事件・事故への対応策を示し,建築物の安全性の確保のための施策を総合的に推進することにより,日本で最も安全な住まいのまち神戸を実現することを目的としております。
2.計画の目標及び
取り組み状況でございます。
(1)
既存建築物の適正な維持管理を推進するため,
建築基準法に基づき一定規模以上の
特殊建築物等を対象とする
定期報告制度の周知・啓発及び未報告物件に対する指導の強化を行い,平成25年度までに報告率90%を目指しております。
また,(2)不特定多数の市民が利用する小規模な
飲食ビル等については,従来から防災面の指導を強化してまいりました。平成21年度から5カ年で,約1,000棟の小規模な
飲食ビル等について違反の有無を調査し,違反是正を指導しております。
(3)吹きつけ
アスベストの
飛散防止対策の啓発・指導を行うとともに,
アスベスト含有調査補助及び
アスベスト除去等工事補助を実施いたします。平成23年度からは,
既存民間建築物の
データベース作成にあわせて,順次
アスベスト実態調査を行ってまいります。
12ページをお開きください。
(4)
新築建築物について,建築確認の適正な実施及び完了検査の完全実施を目指すなど,法手続の適正な執行を促進し,違反建築の未然防止に努めるとともに,違反建築の早期発見・早期是正に努めてまいります。また,昇降機等の事故の
未然防止対策も進めてまいります。
また,先ほども申し上げましたが,(5)神戸市
耐震改修促進計画の着実な実行により建築物の耐震化を促進してまいります。
そして,(6)市民及び
建築関係業界に対する広報及び知識の普及を図ってまいります。特に市民との協働による安全・安心な住まい・
まちづくりの推進のため,神戸市建築物の安全性の確保等に関する条例に定める市民の
基本的責務について理解を深めることのできるように,広報・周知に積極的に取り組んでまいります。
以上,報告事項,災害に強い
まちづくりについて,
都市計画総局における
取り組み内容のご説明を終わらせていただきます。これらの取り組みは,市民の生命と財産を災害から守るための取り組みでございます。これら取り組みの成果を上げていくことこそが,災害に強い
まちづくりの実現につながるものであると考えております。引き続き目標達成に向けて取り組んでまいります。また,ご説明を申し上げました取り組みだけでなく,必要な施策も実施してまいりたいと考えておりますので,引き続きよろしくお願いをいたします。
5 ◯委員長(高山晃一) 当局の報告は終わりました。
これより質疑を行います。
ただいまの報告事項について,ご質疑はございませんか。
6 ◯委員(藤原武光) これは初めて閉会中の
常任委員会ということで,テーマを設けて議論を深めようというのが趣旨だというふうに思います。今回は災害に強い
まちづくりというテーマで
都市計画,消防局それぞれの取り組み,今日までの課題も含めて局長の方から取り組みの状況報告があったと,こういうことだと思います。
これはこれで立派なことだと思いますし,よく頑張ってこられたというふうに思いまして。これ以外に,
都市計画総局がやるべきなのか,あるいは他の局と連携するべきなのか,あるいは他のセクションがやるべきなのかは精査してもらったらいいと思うんですけども,幾つかありまして,この災害に強いというのは,何かハード面でがちがちとやろうと,こういうイメージが強いと思うんです──イメージですよ。もう1つ,災害というのは減災という視点も大きく当然入っているわけなんですけれども。
そうすると,例えばの話ですけども,企業における──会社だと思うんですけども,災害への備えなんかは重要な課題と言われてますね。これはハードもあればソフトも両方あるんですけども,誘導策というんですか,あるいは指導というのは難しいんでしょうけれども,そういう何か新しいものをつくってみるというのも1つのことだし,減災でいうと,見える化を図ったらどうかと。実はこの地域は災害に強いというのは,一方でこれだけの減災をしているんだと見えると。あっ,なるほど,うちの地域はこれほど減災があるんかと。そんな地域に我々は住んでいるんだと。例えば,そんなことが安心につながると。ここらが
都市計画がやるべきかどうかは別として,勝手なことを言うてますけども。減災の視点で見える化を図ったらどうかと。非常におもしろいんではないかと。
それから,それぞれの地域の私たちのまちは──中学校区単位になるのか,あるいは中学校区を2つぐらいにするのか,そこはいろいろ方法があると思うんですけれども,我々のまちの災害に強い自慢の発表会なんかをやってみたらどうか,あるいは募集してみたらどうかと。そこには企業や住民や地域の団体いろいろ入れまして,まちの災害に強い自慢何とか何とかというのを打ってみると。それが地域のきずなの再生につながっていく──ソフト面ですね,可能性があるんじゃないかなと。それを
都市計画でやるかどうかはわかりませんが,そんな仕掛けをしてみたらどうかなと。
あるいは,神戸の中心の商店街の顔ですね,ここを幾つか災害の強いところですから,減災に向けたスポットみたいなものをつくってみると。逃げる場所とか,そういうことだと思うんですけど。それを国際都市ですから,それを国際都市として表示してみると。これから中国の方とか,いろんな方が神戸に来られて買い物と。いざというときにどうしたらいいかと。例えばそんなことを考えても,非常に神戸が国際的に災害に強い減災のまちだということをアピールできて,いろんな相乗効果が生まれるんではないかなと。
もう1つ,これはもう全く
都市計画とは関係ないんですけれども,エネルギーの地産地消という問題がありまして,どういう装置を仕掛けていくかと。都市のあり方だと思うんですけれども。そんなことが今,お返事をくれという意味じゃなくして,勝手に思ったことで,そんなことを総合的にやっていくことで,もっと
都市計画全体として,
まちづくりにおもしろいというか,これからの課題ではないかなということで勝手に考えましたので,局長のお考えがあればお聞きしたいと思います。
7
◯井澤都市計画総局長 たくさんの示唆に富むご提案をちょうだいしまして,ありがとうございます。ちょっと今,全部お答えする能力を持ち得てないのですが。実は,震災復興の
まちづくり,いろんな個人の思いはあるわけですが,よくここまでできてきたと思います。ですから,これから震災復興を乗り越えまして,新しい
都市計画にまた乗り出していく必要があるということで,この3月に
都市計画マスタープランとして,今後の方向性をひとまずまとめ上げたところでございます。その中にも防災の
まちづくりという視点を第一で盛り込んでおりまして,今お話しいただきましたようなことにつきましても,これから具体化する中で肉づけをしていきたいと思います。
今,お話しいただきました中で幾つかあるわけですが,企業の方の災害の対応,備えということを
都市計画の範疇で申し上げますと,大企業・中小企業があるわけですが,それぞれの地域の中で生活されている住民との接点もございましょうし,そういう面では,各
エリアごとに
まちづくり活動の中に,企業市民として参画していただきまして,ソフト・ハード面の対応の検討を深めていく中で,行政としてのできることを対応したいと思っております。何せ産業活動が停滞すれば,生活に特に影響が及ぶわけですので,大事なことであると思います。
それから,減災の関係で,見える化ということでございますが,特に今までも
防災福祉コミュニティさんを中心に,それぞれの活動地区で避難路の表示とか,その他,見える化に努めていただいておりますが,さらに
密集市街地のこれからの
まちづくりの中で,生活道路の整備,建物の更新,あるいは避難地の確保などにあわせまして,見える化をさらに進めていければと思います。
それから,災害に強い
まちづくりの神戸の自慢というか,でき上がったことを対外的にも発信していかなければならないということは,そのとおりでございまして,引き続き積極的に取り組んでまいるということで考えてございます。
以上です。
8 ◯委員(藤原武光) それ以外にもたくさんのことが多分あると思いますし,海外に行ったら,どうしても感じるのが──
都市計画の中に,範疇に入るんだと思いますけども,都市の品格であったりとか,あるいは都市の歴史と伝統であったりとか,そういうことも当然──建物と,もちろんそこに住まいをしている人がそういうふうにつくり出すと思うんですけれども,50年,100年を考えると,神戸のまちは140年ぐらいの歴史しかないわけですから,まだまだ300年,500年の歴史から比べるとなるんですけれど,多分,将来はそういうまちであってほしいなと,こういうふうに思いますから,そんなこともちょっと100年ぐらいのイメージをぱっと構えたものも要るんじゃないかなと。それは別に書き物にするとか,そういうことじゃなくして,積み重ねが結果,それを招くということではないかなと思いますので,そんなことも心にとめてもらって,
都市計画のお仕事をしていただければというふうに思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
9 ◯委員(安井俊彦) 今,藤原議員から非常に奥の深い示唆に富んだ質問がありました。私も本当にそう思いますし,この小史をまとめるのに,かなり
都市計画の皆さん方の努力してくださった跡が見えてうれしく思いますし,また私はちょっとここのところ神経質になってますが,大阪のようなことになったら,こういうテーマをしっかりと見据えて,
常任委員会でこういう落ちついた議論ができるんだろうかといったような,そういう心配をしながら,だからこそ今,市民のために大事な議論を
常任委員会でするべきであるし,このテーマをとられた私たちの仲間というのはすばらしいなと,そういう気持ちです。
そういう,ちょっと神経質になりながら。笹山市長が亡くなりました。笹山市長は,戦災復興をし,そして図らずしも彼の運命であるかのごとく,震災復興までやったと。ある意味では,彼は
都市計画屋というよりか,
都市計画に生きた行政マンであったと思いますが,今の局長も
都市計画のベテランとして,その思いについて少し感想をいただきたいというのが1つ。
それからもう1つは,あの震災のときに気がつかなかったこと,いろいろあの震災で学んだこと,
都市計画総局として学んだことがたくさんあっただろうと思います。それに対する対応,それに対して,今もう1度あの震災がこの神戸市で起こったら,どれぐらいの減災率になるのかということを──数字であらわせというのは非常に難しいんでしょうけれども,死者の数であるとか,倒壊の数であるとか,それから焼けるんですね,火災の確率であるとかというものが数字であらわせればうれしいなと思います。その中で,全く当時気がつかなかった
アスベストという問題があります。この問題について,この小史の最後に書かれてあるわけですけれども。あのときの状況は,
アスベストの有害について,神戸市でほとんど論議されていなかって,そして空気中に
アスベストがどれぐらいあるかということすら測量していなかった。ただ,私も個人的に調査をしていって──神戸市もそうだったんですけれども,空中の
アスベストの有無を調べておったのは,全国で東京都だけだったと。東京都の空気中の
アスベストの数を震災当時の神戸市の空気中の
アスベストの数で比較して,通常時の30倍という数字が出たわけです。これは,環境局のお仕事でありますので,皆さん方と直接は関係ないんですが,しかし,建築する上においての
アスベストというものに対する対応,このことが非常に大事であります。これらのことについて,しっかりと対応をし,そして現在は空気中のそういった
アスベストの問題について対応されておられるのか。現実にあの当時の
アスベストの問題から中皮腫の患者が出ているんではないかというような気もいたします。その点について,例えばあの当時,全然気がつかなかったことが震災で気がついたという1つの事例として,お話をさせていただいてますが,そういうものがほかにあるのかどうかということ。
それから,その当時,私は覚えてますが非常に大きな現象がありました。ある牛丼屋さんは,神戸市民であるので無料で1週間食べてくださいという牛丼屋さんがあったら,このときとばかりに値上げをした牛丼屋さんがありました。あるいは,公務員でも,肉親が死に,あるいは負傷しながらも黙って市役所で淡々と業務についた公務員もおられます。あるいはまた,自分の家が全壊したからといって,職場放棄をして役所の仕事をしなかったために,東部市場では被害総額が約半月にわたって算定できなかったために回復がおくれました。こんな公務員もおりました。市会議員もそうです。いろんな市会議員がおりました。そういう中で,私たちが震災で強い都市をつくるために──今,藤原さんが本当にいいことをおっしゃったと思うんですが,ハードの面ではなしに,そういったソフトの面,そういったことについてどうするかというマニュアルをしっかりとつくっておかなくてはなりませんが,その点についてどう対応されているのか。
それからもう1つ,私がいまだに心に傷がついていますが,私が住んでおりますセルバサティという,東灘にマンションがあります。ここは震災の11カ月か,恐らく1年ぐらい前に完成をして住んだところですが,ここが震災で大破しました。このときの設計士が皆さんの質問に対して,建築確認をおろしたのは神戸市だから,文句があるんだったら神戸市に言いに行けと,こういう誘導をいたしました。なおかつそれを修理するために追加金を取って,その設計士は建築屋を連れて復旧しました。もしこの災害で同じようなことがあったら,今度は神戸市の建築主事というよりか──建築主事というのは独立しているわけですから,神戸市長とは別人格であるということは百も承知の上で,建築確認行為が民間に移ったら,この設計士はその民間の許可をおろしたところに損害賠償を訴えろと言うんでしょうか。そういった市民の苦しみをどれほど感知されておられるのかどうか,その辺についてお伺いをいたしたいと思います。
最後ですが,この1号館はちょっとずれたんですが,2号館はご承知のようにサンドイッチ状態になりました。これはもう,もちろん耐震構造はでき上がっているでしょうね。もう二度と大丈夫だと思いますが,ちょっとついでに聞いておきたい。
以上です。
10
◯井澤都市計画総局長 まず,笹山前市長がお亡くなりになられまして,そのご遺志,あるいはお元気なときのお考えなどを踏まえて,どういう思いかというお尋ねかと思いますが,よく笹山市長からいろんなお尋ねも含めてお話をお聞きしたことがございます。笹山さんは昭和21年3月に神戸市に奉職をしたとおっしゃっておられました。その後,
都市計画一筋でございます。
都市計画局長としては,調べてみますと昭和48年から56年の9年間なさっておられます。その後,助役を8年,それから市長を12年ということでございますが,ちょうど私,個人的にはそのころに,局長でおられたときに市役所に勤務をさせていただいたということで,常に離れてはおりますが,1つの
都市計画の中で,大所高所からご指導をちょうだいしたわけでございます。
改めて申すまでもございませんが,戦災復興,それから都市改造,震災復興ということで,その都度,神戸のまちをよみがえらせてこられた方でございますし,そういうハード面だけじゃなくて,都市景観の施策,それから協働と参画の
まちづくりの推進ということで,全国に先駆けまして
まちづくりを誘導していただいた笹山さんでございます。よくお聞きしておりますのは,神戸は,やはり災害のたんびに苦労してまちをよみがえらせてきたということをおっしゃっておられました。強い信念と熱い志を持って,私ども職員をその都度,引っ張ってきていただいたということを思っております。そういうご遺志を引き継ぎまして,これから我々は神戸の
まちづくり,住まいづくりにさらに邁進してまいりたいと思います。
それから,次に,阪神・
淡路大震災の中で学んだこと,特に対応状況,それからもし仮に今後,災害が起きた場合の減災の状況がどうかというお尋ねでございますが,ここまで17年ほぼたちまして,神戸のまちは復興してきたわけでございますが,引き続き実は残っておりますのが,
密集市街地の再生,
密集市街地の老朽木造住宅,
密集市街地の
まちづくりでございます。そういうエリアにつきまして,震災復興で我々が学んだ対応を,これから
まちづくりの中で生かしていきたいというふうに思います。
それから,
アスベストの状況の調査,特に空気中の
アスベストの状況がどういうことになっているのかということでございますが,この件と,それから建築紛争の件につきましては,建築指導部長の方からお答え申し上げます。
それから,この市役所の2号館につきましては,建築の技術部長の方からお答えを申し上げます。
それからもう1つ大事なことは,震災時のハード面のみならずソフト面の対応,そういう対応をこれからどう生かしていくかというお尋ねかと思いますが,ハード面は比較的,
都市計画,我々は得意でございますが,やはり大きい
まちづくり,住まいづくりの中で,住民の皆様とコミュニティも継続をする中で,どういうそれぞれの地区に合った
まちづくりの方法がいいのかというのを,知恵を出しながら詰めていく中で,ソフト面も盛り込んでいくということになろうかと思います。制度上は
まちづくり協定とか,地区計画とか,そういうルールを活用することによって,それぞれの住環境の整備・保全に生かしていければと思ってございます。
私からは以上でございます。
11 ◯浅野
都市計画総局建築指導部長 まず,
アスベストの件についてお答えさせていただきます。
地震の当時は,建物が大きく被害を受けまして全壊したもの,あるいは半壊したもの,当然その中に
アスベストの吹きつけ材が含まれていた場合には,それが空気中に飛散したということは十分考えられますし,その後,結構緊急に解体処理をいたしましたので,そのすぐ直後ですと,かなり荒っぽい解体の仕方もした事実があったのかなというふうに思います。少し時間がたつと落ちついてまいりましたけれども。そういうようなことがございまして,例えば空気中に
アスベストの繊維がどれぐらい浮遊しているかということにつきましては,神戸市全体を危機管理室がトップになりまして,各局を集めた横断的な組織があるんですけれども,そこの資料なんかを見てますと,平成6年,7年には,例えばリッター当たり1本というような,そういう繊維が浮遊していたという事実が示されております。これはその後ずっと下がってまいりまして,もう現在では0.0何ぼというような安定した状態になりますが,地震の直後は随分高い繊維が浮遊していた。といいましても,健康に直接の被害ということについてはよくわかっていませんし,環境基準ですとリッター当たり10本というような基準がありますので,それは随分下回っているんですけれども,そういう事実が1つありました。
それから,その後の情報として大きなトピックスとしましては,平成17年ぐらいですか,尼崎のクボタが,そこの工場での製造の過程で空気中に
アスベストが放出されて,それでもって従業員の方だけじゃなくて,付近に住まわれている方も健康の被害を受けたということをクボタが公表して,その後,非常に大きな話題としてクローズアップされたという事実がございます。先ほど,資料の方に書かせていただきましたけれども,民間の建物に対して補助をやっているということでございますが,実はこの17年,クボタの事件の後,国の方が緊急に
アスベストの吹きつけの実態を調べろということで調査をし,その結果,建物の中に吹きつけ材があった場合には,それをきちっと処理しなさいよということで,これまでずっとやってきております。このお渡ししております資料の最後のページに数字を上げさせていただいておりますが,平成17年のときに──下にちょっと書いてますけれども,床面積1,000平米以上で,なおかつ平成元年までに施工された建物に対して,
アスベストの有無をアンケートで聞くとともに,あった場合にはどう処理されますかということで,ここに書いておりますように,その当時の調査で──その後,ずっとフォローを続けておりますが,2,400何がしのうち1割弱ですか,200棟ぐらいの中に
アスベストの吹きつけ材があったということで,その後,これをきちっと処理してくださいということで,これまでずっと対応してきていただいておりまして,40棟にやっとなってきたかなということでございますが,これは実は床面積1,000平米以上ですとか,あるいは平成元年までにという制限がかかっておりますので,ことしはそれ以外の,とにかく神戸市内にある建物のデータベースをつくりまして,この当時対象としなかった部分についても調査をし,それから今現在ですと,
アスベストの含有調査については全額国庫の補助が出るというようなことにもなっておりますので,調査をしていただいて,もし含まれていれば補助金も出して改修していただくということを考えております。ただ,これは非常に数の多い対象ですし,それから長い年月をかけてこれからもじっくりと取り組んでいかないといけないなというふうな認識をしておるところでございます。
それからもう1点,建物の安全性の問題ですけれども,これもその1つ手前の安全安心実施計画,これはそもそもなぜこの平成11年にスタートしたかと言いますと,阪神・
淡路大震災のときに,やっぱり先ほど先生がおっしゃいましたように,建物の基準法に合ってたにもかかわらずつぶれたとか,あるいは施工の手抜きですとか,そういったことがあってつぶれたとか,いろんな理由でもって建物がたくさんつぶれたわけですが,1つは古い基準ですね,1981年に
建築基準法の施行令が改正されて今の耐震基準が適用されているんですけれど,その前の建物にデータで見ますと,大きな被害を受けた建物が集中しているということがございまして,その後,国は耐震改修促進法というのをつくったわけですが,その法律でもって,先ほども申しましたように,耐震改修の事業をずっとその後進めてきているという実態がございますし,1つは,手抜きの方を防ぐ手だてといたしましては──ここにも書いておりますが,建築確認,書類上は法律にちゃんと照らしてできているんだけれども,その後,現場が本当にそのとおりにできているかどうかということにつきましては,検査済証をちゃんと取ってくださいねということで,ここに書いてますように,それが順次成果を上げてきたなということで,地震のたびに新たな事象がわかって,それについてこういった形で対応してきているというところでございます。
以上です。
12 ◯阿部
都市計画総局建築技術部長 私からは,2号館の耐震性能についてお答えいたします。
2号館につきましては,30年代に当時の建設基準で建てられたものですけど,地震を受けまして中間階が破損するという状況になりました。その後,再使用に当たりましては,上の荷重を8階建てから5階建てになったということで荷重の軽減,あるいはエレベーター周りを中心とした耐震壁の増設,これらによって耐震性能を確保して再使用をしているということで,耐震性能を有しております。
以上でございます。
13 ◯委員(安井俊彦) ご丁寧に答弁していただいて,ありがとうございます。ただ,
アスベストのように,震災で初めてそういう実態が明らかになったような,そういったものがやっぱりなかったのか,
アスベストぐらいやったのかなという気がしますが,ただ,今ご説明していただいた中で,実は解体のときに
アスベストがあるかないかというのは,解体業者もしくは施工者の申請によっております。これが虚偽であるのか,あるいはわかって虚偽をするのかわかりませんが,なしとなった場合は,ほとんどそのまま通過しているという状態です。たまたま関心のある民間人が
アスベストと違うんかといったような形で申し出ていったときには,もうその部分はやみに消えているといったようなこともあって,非常にその辺は数字上では出ない実態があると思いますが,その辺についてはどういう防止策をされているのか。それから,確認の完了検査,このことについて100%,今いってるのかどうかということ。それから,その当時,合法的ではあっても,私のマンションのように,本当に悲しい思いをした,そういう設計をした,あるいはまたそういうコンサルタント,あるいはまたもっと良心的にやって,自分の設計をし,自分がコンサルタントをしたところに愛情を持って対応したコンサルタント,もしくは設計士。今,そういう,そのときの市民に対する対応に対する評価,そういうものについて神戸市は一切お構いなし。全くお構いなしで,相変わらずよかった,市民に非常に喜ばれた設計士,コンサルタントも,そのときにさらにもうけた設計会社,コンサルタントも全く同レベルで,役所の立場としてはそうなんだけれどもと言われてしまえば,そうせざるを得ないけれども,市民感情としては悲しい思いがありますが,その点はどういうご感想をお持ちなのか,その点で終わりたいと思います。
14
◯井澤都市計画総局長 幾つかご質問をいただきました中で,でき上がった建築の部分に伴いまして,そういうふぐあいが発生したことに伴う行政側の対応でございますが,やはり建築確認の段階で行政としての一定の役割は果たしておりまして,なおかつでき上がった時点で,それぞれ検査をしているというのが行政の限界かもしれませんが,そういう入居なさった後に発生したトラブルに対しましても,その後,法令等も徐々に整備をされてきていると聞いておりますので,そういう対応で行政はせざるを得ないのかなというふうに思ってございます。ただ,いろんな生活していく上でのご不安に対しましては,我々もそれぞれ窓口で誠意を持って対応させていただきたいと思います。
15 ◯浅野
都市計画総局建築指導部長
完了検査率につきましては,ほぼ99.何%というふうに至っておりますので,ほぼすべて最後の工事の段階での検査はできておるのかなというふうに考えております。
16 ◯阿部
都市計画総局建築技術部長 解体工事に関する
都市計画総局のかかわりについて,ご説明いたします。
建設リサイクル法という形で,私どもの方で廃棄物の分別処理について,再資源化についての取り組みをしてございます。これにおきましては,80平米を超える解体工事につきまして届け出をしていただいているわけでございますけれども,この情報は環境局の方と共有しながら,行政として取り組んでございます。また,この実績につきましては,1つは現場の確認のパトロールということで,環境局と合同パトロールを毎週してございますけれども,なかなか全数とまではいってございません。そのパトロールの中で,新たな発見がありましたら,そういう形での指導もしておるような状況でございます。
最後に,この結果については,環境局の方で報告を求めるような別の県の条例等に基づく取り組みをしていると聞いてございます。そういう形で,届け出が確実になされているような形を確認している取り組みを進めてまいりたい,あるいは進めておるということでございます。
以上でございます。
17 ◯委員(安井俊彦) 震災で皆さん,ソフトの面でお困りになったのが,つぶれたマンションをみんなで話し合って建てかえるときの,物すごい困難さ。これはみんな身にしみているんです。そういうことに対して
都市計画が,次に震災が起こったときには,どういう形のものをとるべきかというものが,もうあと100年先か200年先かもわかりませんけれども,震災を経験した私たちは,そのノウハウについては,やっぱり記憶しておくべきだろうと思います。今さら,あの当時,このコンサルタントはよくなかったとか,よかったとかいうことを評価するのは,もう時期も過ぎ,不可能だということもわかっておりますし。しかし,そういうものがあったということを,やっぱり記憶にとどめるというのも大事だと思うんです。その点,要望しておきたいと思います。
それから,最後の
アスベストの問題ですが,確かにおっしゃるとおりで,パトロールをされているんですが,現実にパトロールの数も一生懸命やってもうてますが,まだまだ足らない。費用の面もあるでしょう。足らない面もあります。特に解体で安くあげようと思えば,
アスベストなしと報告できる他地区の業者であるとか,神戸市外の解体の業者であるとか,そういったようなおそれもあるわけですね。だから,その点は,やはり罰則規定を強化するとか,あるいはうっかりミスだったということで済ませて,おとがめなしというような形で果たしていいのかという気がいたしてなりません。それで,市民の健康が守られるんかなという気がいたしますので,その点についても,また検討してくださるようお願いして終わります。
以上です。
18 ◯委員長(高山晃一) 安井委員の質疑の中で,今もう1度震災があったら減災率は幾らになるかとか,火災の数とか,死者の数とかいう質疑がありましたが,それのご答弁はありましたか。
19
◯井澤都市計画総局長 大変失礼をいたしました。実はそういう数字的なものは持ち得てないのが現状でございます。いずれにしろ,まだまだ
密集市街地で安全性・防災性を確保する上で──もちろん住環境の整備も向上していく上で,対応すべきエリアがたくさんございますので,そういうところは今の危険な状況の調査を引き続きやってまいります。そういう形で,改善に向けて取り組んでまいりたいということでございます。
以上です。
20 ◯委員(むらの誠一) 2点ほど,大きくちょっと質問させていただく中で,1点目は,今回この資料をいただいて,
防災面向上の効果的な施策──6ページですね,その中の2),私は今回,この報告の中で初めて,こういった幅員が狭いままで沿道の建物の防火性能を確保した上で建てかえができるような,こういった面的な計画の策定というやり方を知ったわけなんです。ちょっと質問したいのは,2.7メートルの幅員というのは,どういう根拠でこの2.7メートル──例えば消防車なんかというのが入るような幅になっているのか,ちょっとその辺もまず聞かせていただきたい。
それと,防火性能,最近はどんどんハウスメーカーとか建築業界とか,いろんな技術の向上はしていっているんだけれども,どの程度の防火性能なのか。いわゆる一切火災が発生しないというような建物というのが想定されているのか,あるのか,その辺をまずお聞かせいただきたいと思います。
21 ◯浅野
都市計画総局建築指導部長 まず,2.7メートルの件でございますけれども,ちょっと細かい話になるんですが,
建築基準法上では道路は原則4メートルということになってまして,4メートルに足らないまち中の道はいっぱいあるわけですけれども,それは建てかえるときに真ん中から2メートル下がりなさいよと。そうすると,いずれ全部建てかわったら4メートルになるんだということですが,その後ろにもう1個条文がついてまして,どうしても4メートルとると敷地が全然なくなるようなときには,法律そのものが2.7メートルまで小さくしてもいいですよという規定を設けております。その根拠をさかのぼってまいりますと,もともと今の法律のもう1つ前,大正時代にできた法律が──市街地建築物法というんですけれども,その法律の当初の道路の幅員というのが9尺といいますか,それを換算すると2.7メートルになるので,4が原則だけれども,どうしても辛抱するときには2.7までは譲ってもいいのかなというのが根拠になっております。
それから,それとのバーターといいますか,代替で道は狭いけれども建物をもう少し防火性能を上げてくださいよということで,それは建物の防火の基準に防火構造ですとか,準耐火構造ですとか,耐火構造ですとか,何ランクかありますので,1つ上のランクでもって防火の性能を上げてもらうことによって,少しは狭い道でもよしとしようかなという,そういう判断でやっております。
消防車がどこまで来るかということにつきましては,多分2.7だったら,車そのものはなかなか入りづらいかなと思いますが,ホースを引っ張って,今,実態上は4メートル原則でも,それより狭い道がいっぱいありますが,それはもう消火活動のときにはそういう形で,人でずっと引っ張って対応してますので,それは同じことかなというふうに考えております。
以上です。
22 ◯委員(むらの誠一) そうすると,今後の防災に強い
まちづくりという観点で,先ほどの答弁で,どうしても土地がとれないと,簡単に言うと,もう消防車は入らない,消防車は入らないけれども,防火性能というものを確保した上でということになりますよね。ただ,ワンランク上というご答弁があったけれども,大変抽象的だけれども,今の答弁では,恐らく火事というのは火災というものは,残念ながら発生するんだろうと,いわゆる全く火がつかない防火性能というものを想定して,この2.7メートルの幅員でもって,この
まちづくりというのを認めるという形にはなってないということですよね。
そうすると,すごく乱暴な言い方をするけれども,今後,防災に強い
まちづくりを神戸市がやっていく上で,いわゆる技術がどんどん発達していって,火事が,火災が発生しないような,要は燃え広がらないような構造物であれば,幅員というのは狭くてもいいんだと。法律の規定の中の2.7メートルの範囲の中で,どんどん燃えない建物,広がらない建物,この6ページの上では逆に江戸時代かなと思うぐらい空地を活用していると。燃え広がらないためにも空地を活用していると。あの時代はそういうような活用もやってましたけれども。いわゆる,建物がもう燃えなくなるんだったら,幅員というのは消防車が入りにくいような
まちづくりを,究極的にはやっていってもいいんだと。それとも,やはり仮に建物が燃え広がらないような構造,技術がどんどん向上していっても,幅員というのは4メートルとるんだとか,5メートルとるんだとか,その辺の大きな
まちづくりの今後の考え方を聞かせていただきたい。
それにあわせて,駒ケ林地区で街区単位の計画策定を支援していくと。当然,地域地域に応じた実情,状況で判断されている,
まちづくりって,皆さん方と。ただ,どんどん支援していくというふうに書いているんだけれども,駒ケ林地区で。いわゆる2.7メートル幅員の,なおかつ防火性能を確保した上,その程度の防火性能を確保した上での2.7メートル幅員というような
まちづくりの面で,まだまだ今後も推し進めていきますよというようなニュアンスなのか。その辺もちょっとあわせてお聞かせいただきたい。
23
◯井澤都市計画総局長
密集市街地はたくさん残っておるというのは,先ほども申し上げましたが,いろんな地区のそれぞれの特色がございます。今,議論になっております駒ケ林につきましては,昔の長田の漁村の集落の面影を残した路地空間が,場所によってはいい雰囲気で残っているところでございますので,ここの関係の方々が全員同意をなさった場合は,こういうメニューも使えますよということで,それを今,作業に入ったところでございます。もとより,やはり緊急自動車,あるいはそれぞれのおうちの玄関先まで,その利用される車が届くと,到着するというのがベストでございますので,やはり将来を見据えた
まちづくりを進める中では,2.7メートルというのは,どちらかというと望ましくない。やはり4メートルの公道として整備をしていくのが望ましいと思ってございます。そういう中で,それぞれの地区の実情に応じて,プラスマイナスを比較しながら,それぞれのどのメニューをとって
まちづくりを進めていくかということかと思います。
私ども,すべてを4メートル以上の公道に確保するというのは,合意形成の上からも難しい点がございますし,もちろん財政上の問題もありますしということで,いろんな仕組み,メニューをご提案申し上げて,その中でそれぞれの地区に応じたのを採択をして,
密集市街地の整備改善を進めていきたいというふうに考えてございます。
24 ◯委員(むらの誠一) 私は須磨区選出の議員ですから,お隣の長田の駒ケ林あたりも知らないわけではないんですけれども,当然詳しくは知りません。今,局長の話があったように,そういった路地というか,神戸でなくても路地を楽しむとか,路地がまたまちの魅力になっているようなところもありますから,路地というものを,そういったもの,昔ながらのものを否定するものでもないし,私は割とそういうものが好きな方なんですけれども。ただ,きょうのテーマというか,やはり神戸は震災を経験して,そこから震災に──あっ,ごめんなさい,震災,それから火事,そういったもの,火災に強い
まちづくりというものを今後,やはりどこの都市よりもやっていかないといけないというのは,もう当然おわかりだろうと思うんだけれども。その上で,やはり先ほど1ランク上の防火性能,だから,それをもっと,現実,技術的に,もう全く火事にならないような建物というものがあるのかないのかわかりませんけれども,結果的にそういったところが,火災が発生しないように,また火災が発生したときに燃え広がらないように,その辺はきちっと考えて──やっておられるんだろうけれども,ぜひ進めていただきたいなと。ちょっとこの辺,どうその辺の
まちづくりと幅員と整合性をとりながらやっていっているのかな。また,このやり方は,どちらかというとどんどん進めていくのかなというのを,ちょっと確認したかったのでお聞きしました。もうこれは私の意見なので,何かあったらまたお聞きしますけれども。
もう1つ大きなもう1点は,先ほど少し藤原委員の方からも民間なんかの話もありましたけれども,今回の災害に強いまちをつくっていく上で,行政の役割というのは当然あります。ただ,
都市計画,
まちづくりにかかわる民間のありとあらゆる業界ですね。関係団体,業界,個人事業主なんかも含めて。こういう方々と
都市計画,神戸市が行政が事前に,みんなで災害に強いまちをつくっていくと,協力してくださいねと。その辺の合意というか,協力体制というものができているのかと。神戸市はそう考えているけれども,それぞれの業者はそれぞれの法律や基準に基づいて建物を建てたり,
まちづくりを考えていると,こういうことになってないのか。いわゆる,神戸市としては震災を経験しているので,皆さん方にも──これは市民も入りますけれども,事前にどれだけ神戸市とそういった思いを一緒にしているか,一定のルールがつくられているのか,その辺,ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
25
◯井澤都市計画総局長 先ほどちょっと駒ケ林の件で漏れている点がございました。実はすべての路地を2.7メートルで残そうということではなくて,やはりその中にも,少なくとも4メートルの生活道路もつくる,あるいは避難空間もつくる,それにあわせて2.7メートルの狭い幅員の路地も,地域が望まれるんであれば,建物の防火性能を上げる中で実現していこうという組み合わせで進めようとしている制度でございます。
それから,
まちづくり,住まいづくりにかかわる関係団体との協働の体制がどうなっているのかということでございますが,その都度,
まちづくり,住まいづくりの情報は,できる限りPR,周知に努めているわけでございます。それぞれの業界団体の方の得意分野もございましょうから,そういう情報をお届けする中で,それにあわせまして業務内容ごとに,その都度,ご相談をしていくということしかないのかなと思います。
26 ◯委員(むらの誠一) いや,局長ね,それしかないのかなとおっしゃるけれども──また後に私,マンション問題で話もしますけど,事前に神戸市がどういう
まちづくりをするのかということを示してますよね。それを関係の業界団体と話をすり合わせて協力を求めていくというのは当然だろうと思うんです。それと,先ほど申し上げた具体的な何か協定であったりとか。だから,私のイメージでは,神戸市としては災害に強いまちをつくろうとしている。でも,それぞれ建物を建てたりする業界,いろんなそれにかかわる業界というのは,別に災害に強い
まちづくりというのに縛られてつくるわけではないですよね。いわゆる現行の法律,
建築基準法上とか,いわゆる関係法令に基づいて建てれるんだから建てますよとか。我々としては,そこまでするつもりはありませんよとか。事後で協力してくれたらいいんですよ,当然。でも,事前に協力を要請し,なおかつそれに納得をしておいてもらうと。神戸市はこういう
まちづくりを進めているから,業界の皆さん方も協力してくださいねと。こういったことが協定というか,神戸市のそういった災害に強い
まちづくりの施策にすべての関係団体に協力を求めて,協定なんかを結べるとか,そういうことができないのかということなんです。もう1遍繰り返しになるかもしれないですけど。
27
◯井澤都市計画総局長 業界の皆様とは,例えば建築協力会,土木協力会,設備の協力会とかいうレベルでは,その都度,行政側も,抱えている事業なりノウハウ──失礼,そのときのそれぞれの情報をお伝えはさせていただいておるわけでございますが,具体的にとなりますと,やはり
まちづくり,住まいづくりの対応する項目ごとに異なってまいりますので,それはやはり,例えば今回,
都市計画の用途地域・高度地区の見直しの対応でも考えてございますが,やはり市民の皆様,それから事業者の皆様,もう一律に一斉に情報を細かくお知らせをして,ご意見をいただく中で,その都度,繰り返し繰り返し,ご説明,相談をさせていただくということにならざるを得ないところでございます。
28 ◯委員(むらの誠一) ごめんなさいね,しつこくて。ノウハウをそういった会合なんかのときにお伝えしてますということですけれども。では,そのノウハウをお伝えして,お知らせして,そのノウハウを使うか使わないかは,その関係の皆さん方の勝手ですよと。いわゆる災害に強いノウハウを使わなくても,逆に災害に弱い──今,業界団体があえて災害に弱い
まちづくりをしようと考えているというふうに言ってるわけではないんだけれども,当然,営利だけを考えたり,コストがかかるからというような形で,いわゆる災害に強いか弱いかというと,余り強くないような構造で考えたりとか,そういう設計をしたりとか。だから,それでは私は本当に災害に強い
まちづくりというのはできないだろうと思っているんです。だから,神戸市が持ってるノウハウをお知らせしていますというふうにおっしゃったけれども,そういうものをどれだけ使っていただけるか。その辺が,いや,後はもう民間の皆様方の協力度ですわと,やってくれるところもあれば,やってくれないところもありますわと,協力してくれるところもありますが,余り協力してくれないところもありますわというようなスタンスでは,私は本当に災害に強い
まちづくりというものを全市的に進めていくことは困難だと思っています。景観にしたってしかり,何にしたってね。神戸市が考えていたって,あとはもう民間がそれぞれ法律に基づいて自由にやってくださいよというんではね。だから,その辺を私は申し上げているんです。いかがですか。そういったことをもっと今よりも事前に協議をして,何か協定を結ぶとか,協力を取りつけるとか,今よりも進んだ取り組みというのは考えられないですか。
29
◯井澤都市計画総局長 それぞれの
まちづくり,住まいづくりの個別の施策を実現していく中で,その都度,民間のそれぞれの団体さんの方にお願いをし,制度の内容をご説明し,展開していくということになろうかと思います。例えば,住まいの耐震化で申し上げますと,いろいろまちの中の中小の工務店さんにも手を挙げていただき,制度の内容をご説明し,それを個別にまた活用していただいて,市民の住宅の耐震化の促進が,今,図られている状況でございます。そういうことをほかのいろんな施策につきましても,必要に応じて対応を検討してまいりたいというふうに思います。
30 ◯委員(むらの誠一) これでこの件については終わりますけれども,やはり建てるのは民間であったり──神戸市でやるわけではありませんからね,ほとんど,公共の施設以外は。どれだけ神戸市が考える
まちづくりに,市民,それから民間──いわゆる民間ですよね,の方々が協力していただけるか,神戸市の考え方に沿うたやり方をとっていただけるか,これに尽きると思うんです。そういうものが事前にできていれば,後々,注意をしたり,指導したり,陳情が出てきたり,やめてくれというように神戸市が言ったりとか。でも,結果的に建ってしまうというようなことがないんです。だから,事前にきちっと業界団体とすり合わせると,そういう努力をぜひやっていただきたいということを要望して終わりたいと思います。
31 ◯委員(池本 真) 1点だけ確認で質問させていただければと思うんですけど。7ページの3番の,建物の耐震化の促進ということで,ピンポン作戦で1軒1軒回って働きかけておられるんですけれども──これは今ここには書いてないんですけれども,防コミの皆さん──自治会の方と活動されている方がかぶっているということはあると思いますけれども,防コミの方ですとか,あとは例えば他局でも保健福祉だったら,多分何かの見回りだとか──この後の消防局でもあるかもしれないけれども,火災検知器の普及に戸別訪問してますとか,多分,他局でも戸別訪問というようなことをしているかと思うんですけれども,そこに一緒に耐震化はお済みですかというような,何か他局との連携というのは,どのような感じなのかというのを,ちょっとお聞きできればと思うんですけれども。
32
◯井澤都市計画総局長 住まいの耐震化に関しましては,我々,
都市計画総局が推進を責任を持ってしているということでございます。ただ,力不足もあり,体制上の足らないところもございますので,例えばこのピンポン作戦でありますと,それぞれの地域の方々にお願いをしてございます。それが今申されましたように,
防災福祉コミュニティの組織でもあり,婦人会あるいは自治会でもあるわけでございます。そういうときに,例えば
防災福祉コミュニティさんにお願いするんであれば,もちろん区役所や消防局等も連携をとりながら,対応をしているというところでございます。
33 ◯委員(池本 真) 質問の趣旨的には戸別訪問をするとき,多分,いろんなことを一遍にやれたら効率よく,しかも回数も多くみたいな,さまざまな機会で災害の意識も高めてもらえるんじゃないかなということで,ぜひまた今後もいろいろと他局とも連携をしていただいて,進めていただければと思います。ありがとうございます。
34 ◯副委員長(大かわら鈴子) 先ほど,むらの委員のご質問に対しての答弁もありましたので,ちょっと具体的なところだけ確認をしたいんですけれども。
密集市街地の再生という項でお聞きをしたいんですが,例えば兵庫北部の方ですとか,この下の方もありますが,このあたりは西出,東出町あたりになるのかなという気はするんです。今も取り組みはされているということは存じておるんですが,目標年次で2025年ということが出ておりますので,スケジュール的なところをちょっと確認をしたいというのが1点と,それから7ページの方で,大倉山線の整備ということが検討ということで上がっているんですけれども,先日,この地域でアンケートがとられたということをお聞きしているんですけれども,もしその結果がわかっておれば教えていただきたいと思います。
35 ◯鳥居
都市計画総局計画部長
密集市街地再生の方の目標年次を一応2025年までということで,これは神戸市の基本計画とかとあわせた形で,
密集市街地の再生方針をつくる際に目標とさせていただいて,そのときに現在やっている
延焼危険性とか避難困難性の解消をとにかく目指したいというふうな中で,延焼が拡大するおそれがある市街地をとにかく解消するという目標を掲げさせていただいておりますが,ただ具体的に,まず5年で何をする,10年で何をするというのは,現在,いろいろそれぞれの地区の中でちょっと検討を進めているのが現状でございまして,具体的に今ここでちょっとお示しするような計画は,個別具体の細かい計画まで策定には至っておりません。ただ,そういうことですので,とにかく現在この4地区にそれぞれ入りまして,地元の方々と,先ほど局長も答弁させていただきましたけど,やっぱり個別具体にいろいろ事情がありますので,とるべき施策がそれぞれでやっぱり異なってまいりますので,じゃあ具体的にどういう施策をどこからとっていったらいいのかということを,具体に地域の方々と一緒に──我々は地域カルテと呼んでおりますけれども,そういうものをつくりながら,協議をしながら,課題を共有しながら,ちょっと施策を進めてまいりたいと思っております。
それと,大倉山線の方でございますけれども,大倉山線につきましては,地元の方に,あそこの──もともと今は18メートルの幅員の
都市計画決定がございます。これは18メートルですから,かなり広い道でございまして,当然,対面通行になります。地元の方々は我々が入る中では,とにかく道は欲しい。それは,どちらかというと通学路の安全という,非常にポイントがございまして,そういう意味で歩道がそれなりに欲しいと。ただ,通過交通はやめてほしいと。通過交通がようさんふえるのはやめてほしい。現在,昔から葬連道と言われているところでございまして,北側一方通行になってます。これが要は対面通行になりますと,上の山麓線からようさん車が入ってくるんちゃうかとか,そういう危惧がございますというか。それは,我々も,普通の対面通行になったら,そういうことが当然想定されるわけでございますから,要は幅員が今のままでいいのか,そういうふうなことも含めまして,あそこの道路の使い方がどんなのがいいのかというのを,今,いろいろ市民の方々からご意見をいただいておる状況でございまして,やはり通過交通は減らしてほしい,でも,やっぱり通学路の安全は確保してほしい,でも,やっぱり使い勝手がいいという意味では,両方通行にしてほしいとか,いろいろこれは細かく言えば二律背反するみたいなところがございますので,その辺につきましては,今,そういう意見集約を図りつつあると。じゃあ,具体的に幅とか,そこの中の構造をどうしていくかについて,今からそれらのご意見を踏まえながら,具体的にちょっと検討を一緒にさせていただきたいなと,そういう状況でございます。
36 ◯副委員長(大かわら鈴子) さっきの兵庫区の北部と,それから西出・東出のあたりの
密集市街地のことなんですけども,いろいろ取り組みはされているということなんですが,なかなか住民にとってはそれが見えてこないということで,私はよくこの地域に入ったら,西出・東出なんか特に忘れられた地域なんですということを皆さん言われるんです。そういうことで地域カルテとかもつくりながらということでされているのであれば,ぜひそういう情報を皆さんと一緒に共有をしながら,一緒に
まちづくりをするという点で,もっと進めていただけたらなというふうに思います。
兵庫区の北部なんか同じように狭い道とかいろいろあるんですけども,以前には救急車が入れなくて,若い男性の方を運び出すのに時間がかかって亡くなられたというようなこともあったんです。だから,やはりそういう点では解消していかなあかんということもありますし,それから阪神・
淡路大震災のあの経験からも,
密集市街地の対策というのは大変重要やと思うんです。だから,そういうことを進めていく上でも,先ほども言いましたように,情報をもっとオープンにして,今はこういう取り組みをしてますから,こういうところでやっていきましょうというようなところを,もうちょっと市民に示していただけたらなというふうに思います。
それから,もう1つの大倉山線なんです。おっしゃるとおりに,ここは本当にいろいろな意見がありまして,大きくするのは反対やという方もたくさんいらっしゃるということもお聞きしているんです。というのは,この近所のところで,あの旧西神戸有料道路が無料になりまして,大型車が物すごく激増しているということで,大変な地域の問題になっています。大きな道路にすれば,ここにも流入してくるんじゃないかということで,大変心配されているという声も聞いているんですけども。やっぱり,今後どうしていくかというところが全く今のところ見えてないということで,余計に不安もあるということがあります。
まちづくりとあわせて,本当にどこまでの広さが必要なのかということも含めて,先ほど,細い道でも何とか耐火性を高めてやっていこうみたいな意見もありましたけども,ああいうところも含めて,どういうところがいいのかというところが,具体的なところが,これもまちの方の意見を吸い上げることを,ぜひ大事にしていただきながら進めていただきたいというふうに思います。
37 ◯委員長(高山晃一) ほかにございませんか。
(なし)
38 ◯委員長(高山晃一) なければ,次に,この際,
都市計画総局の所管事項について,ご質疑はございませんか。
39 ◯委員(むらの誠一) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども,民間の業界団体と事前にどれだけ話し合いができるかということ。前回の委員会でマンション問題に対する陳情が上がってきて──打ち切りになりましたけれども,結果的には現段階で,神戸市の景観に対する考え方,いわゆる景観審の考え方とは違った形で建設がされようとしている。これはもう事後ですよね。逆にマンション業界からすると──業界ってごめんなさい,今回のマンションの会社ですか,土地を買った──からすると,事前に言ってといてくれたら,協力要請がなかったから,もう私たちは土地を一般競争入札で高い値段をつけて買ってるんだという主張をされています。マンションの説明会等ではそういうような説明もありました。神戸市の方から事前に話があれば,我々はだからルールにのっとって一般競争入札で建てられるいっぱいのところの高さで値段をつけているんだと。だから,今さら言われたってと。それはおっしゃるとおりの部分があります。だから,私は,事前に業界団体に対して,神戸市の景観行政──神戸市がどういう
まちづくり──それを協力してくださいねと。国際観光交流都市──先ほどまちの品格というような話もあった。神戸はこういうまちを目指していると。だから,業界団体の皆さん方も協力してくださいね。それを事前にきちっとできないのかということなんです。これは市長が,私は業界団体に対して働きかけて,そういう席なんかを設けていただいたらいいんじゃないかと。別のところでも私は市長に聞いてみたいと思ってますよ。ただ,現副市長も
都市計画畑の方が今いらっしゃいません。だから,いわゆる
都市計画の責任者として,私は井澤局長に,どのように今後,今以上に──結果的にああいうマンションで,市民の方々が反対運動が起きてくるような。それは乱暴に3階にしろよとか,2階にしろとか,そういうことを言ってるわけではなくて,あくまでも神戸市の景観行政,神戸市の手続の中での──今回,神戸市の場合でいくと景観審議会というものが1つの神戸市の意思決定になってますね,景観に関しての。少なくともそれは守っていただくということを,事前に業界団体と約束をする,協力を要請して。その考えはないのか。やっていく必要が私はあると思いますけれども,いかがでしょうか。
40
◯井澤都市計画総局長 昨今,建築紛争がたびたびあちらこちらで生じておりますので,今まで以上におっしゃいますように,事前協議という制度を,景観につきましては取り入れていく必要があろうということで,今現在,審議会の方で議論を深めていっていただいてございます。そういう手続はこれから担保をさらにとっていくということで取り組んでまいりますが,一方,公有地の売却に当たりまして,その土地土地の地域の歴史なり文化なり地形,そういうものを踏まえて,どういう土地利用の展開が望ましいのかということにつきましても,我々,それぞれ関係部局があるわけですが,
都市計画の立場からいいましても,用途それから高度等のルールをそれぞれどうその土地土地に当てはめていくかということを事前に検討していきたいと思ってございます。
それぞれの民間事業者さんに対しましては,やはりそれぞれのその土地のルールをまずベースに踏まえていただく必要がもちろんあるわけですが,やはり経済活動も大事なのはわかるとしましても,その対象地の周辺がどうなっているのかということを建築設計なさる事業者側もよく調査をされて,その地域に合ったものをご計画いただく必要があろうかと思います。それに向けまして,行政としての役割をその計画段階あるいはもっと前の基本構想の段階からも対応してまいりたいというふうに考えてございます。
41 ◯委員(むらの誠一) 前回の委員会のときも少し局長は答弁されたし,今回は個別にはいろいろと対応を今以上にしていこうという思いは当然見えるし,その努力もされているのはわかるんですけれども,先ほど私は聞いたけれども,事前に今まで業界団体に神戸市から要請をしたこと,そういった話し合い,神戸市の景観行政に対して業界の皆さんも協力してくださいねという働きかけ,そういう場を設けたことがありますか。
42
◯井澤都市計画総局長 跡地利用のルール等あるいは周辺の配慮等につきまして,直接設けた場を持ったというのは記憶にはありません。ただ,ルールを定めていこうとすることについては,その都度,ニュース等で情報として周知を図ってきているというのは実情でございます。
43 ◯委員(むらの誠一) 私はそれが不十分だというふうに申し上げているんですよ,ニュースで業界団体に。なぜ業界団体の方々に神戸市の意思,要は神戸市の
まちづくり,景観に対する考え方を,顔の見える形でそういった協議,そういう場を設けないのか。今後設けるつもりはないんですか。そのニュースだけで一方的にお知らせするのも1つです。それは一方的ですわ。協力していただけませんかと呼びかけて──業界団体にですよ,個別にではなくて,業界に関して,設計やマンションのディベロッパーや──神戸市の景観,こういったものに。そういう場を設けたらいかがですか。今のお知らせしてますというので十分ですか,私は不十分だと思います。極めて不十分だと思います。今の答弁では納得いかないですけれども,いかがですか。
44
◯井澤都市計画総局長 まずはニュースでお知らせをする必要があろうかと思いますが,その内容を個別のそれぞれの業界団体ごとに要請がございますれば,説明にもお伺いしますし,要請がなくとも,必要な場合はこちらから説明をさせていただこうということはやります。
45 ◯委員(むらの誠一) 要は,はっきりとやりますと言っていただいたらいいんですよ。要請がありましたら,もしくは要請がなくてもと,何かちょっと,どういう解釈をしていいのかわからない。神戸市として
都市計画総局がどういう
まちづくりかということを,皆さん職員の方々が考えて,手続も踏んでやってるわけでしょう。それを業界団体の皆さん方にも協力──先ほど言ったように,神戸市だけではできないわけですからね,協力があって初めてできるわけです。だから,いろんなほかの局でも当然,災害のときにはとか,事前に協定を結んだりやってますよ。協力を要請して。だから,局長ができないんだったら,市長が要請したらいいのかもしれないです。要請しませんというのもおかしいですよね。神戸市としてそれをやろうとしているんだから。だから,事前にきちっと正式に──個別個別はそのときそのときの事案で考えていただいたらいいんです。ただ,神戸市は特に景観に今力を入れてますと──室を設けているわけでしょう,
都市計画総局の中に,組織で。景観に力を入れていると,デザイン都市・神戸で,観光交流都市神戸で。だから,業界の皆さん方も,我々の景観の行政に関して協力をしてくださいということを正式に要請をして,当然,それは向こうから協力をしますと言っていただくのが望ましいけど,しませんというのか。当然,でも,そこは協力していただけるように努力をするのが神戸市の役割じゃないですか,事前に。今までは大体事後になっているんですよ。だから,先ほど局長もおっしゃった,事前に協議を。それは個別の案件ですよね。ではなくて,私が言ってるのは,事前に業界団体に対してまず協力を取りつける。ぜひ,明確にやりますという答弁をいただきたいと思いますが,いかがですか。
46
◯井澤都市計画総局長 景観のルールにつきましては,審議会でご議論をいただいておりますので,その成案ができ次第,業界の方にご説明をさせていただくということで対応いたします。
47 ◯委員(むらの誠一) また成案ができた段階で,私も委員会でお知らせいただくのか,また個別に教えていただくのか,またそれを見て,どういうふうに業界団体に話をしに行くのか,またそれをお知らせいただいた上で,必要であれば質疑をさせていただきたいと思います。
以上です。
48 ◯委員(安井俊彦)
都市計画総局は非常にテリトリーが広くて,大変な局で,市民生活に直結し,非常によくやってくださっているということを,敬意を持って申し上げながら,建築調整課──住宅調整課というのか──の役割がどういうものか,ちょっと教えてください。
49
◯井澤都市計画総局長 建築調整課はいろんな仕事をやっておりますが,特に建築紛争の調整の指導業務を受け持ってございます。建築紛争につきましては,民事上の紛争ということもあるわけでございますが,やはり法令等に基づいた建築行為にまずもっていく必要がございますし,それからやはり周辺とのあつれきをできるだけ話し合いでもって解決する必要がございますので,それに向けて行政としての役割を果たす必要があるというふうに考えてございます。
50 ◯委員(安井俊彦) 今,局長がおっしゃった役割を十分果たしておられるかどうか。私は,非常に残念ながら,果たしていただいているとは言えないではないかというふうに思っています。そもそも私が議会に入れていただいて10期になりますが,ずっと今,局長のおっしゃった建築紛争というのは続いて,
常任委員会の陳情のほとんど,非常に大きい部分をマンション建築の紛争で,市会議員が大変な苦労をしておるというのが実態であるし,現在も今のむらの先生のおっしゃったようなことになっています。
ここのところ,今,法律に基づいて民間の紛争でもあるので,できるだけ話し合いを通じて解決をしたい──解決されてますか,現実に。相談にお越しになった住民が満足されておられるとは思いません。じゃあ,ある程度満足したらええだろうということで,ある程度満足しておりません。なぜか。業者に対して今,むらのさんのおっしゃったようなことも含めて,住民の意向を建物に反映させるという行為に怠慢であるからです。実態を申し上げて,例えば建築協定を住民と結んでくださいという行政指導をしているにもかかわらず,そういうことを当局から業者に申し入れている数というのはほとんどありません。まさにメッセンジャーボーイにしかすぎないし,なれ切った業者は,むしろ調整課に入った方が仕事がしやすい。そういった状況ですが,それに対して反論してください。課長さんからで結構です,反論していただいたら結構かと思います。
51 ◯門脇
都市計画総局建築指導部建築調整課長 まず,工事協定の件につきまして,ご説明させていただきます。
建築紛争が出まして,住民さんの相談がございましたときには,対応等,相談に乗っておりますが,建築紛争といいますと,基本的には建築主さんの建築する権利と住民さんの環境を守る権利との争いが原因になっておりますので,基本的には民民の話し合いでございます。ただ,住民さんとの話し合いができない場合につきましては,私どもの方も市役所等で業者と住民の話し合いに立ち会わせていただくこともございますし,また日照等調停というような制度も用意しております。工事協定につきましては,話し合い等──当然,話し合いをしますと,話し合いの約束につきまして文書で取り交わしたいということを申し出もございますので,私どもとしましても,工事協定を結ぶような指導はしております。ただ,なかなか先ほど言われましたようなマンションを低くしようとか,内容によっては業者さんが飲めないようなこともございますので,一部,合意に至らないとか,最後までいけないような場合につきましては,工事協定が結べない場合もございます。ただ,話し合いの途中で,今まで話し合ったことにつきまして,両者の合意ではなくて──業者さんの方の名前──一方的になりますけど,差し入れ書みたいな形で,住民さんに判を押して配られる場合もございます。
以上でございます。
52 ◯委員(安井俊彦) 委員会ではそういうふうにおっしゃっているんです。ところが実態は違います。実態は,建築の工事協定を結んでくださいということをおっしゃっておられません。
その次に,いわゆる今,課長さんがおっしゃったように,民民の問題であるということに重きを置いて,自分たちに権限がないというスタンスに立って,積極的に住民の意向を反映してあげたいという意思が強く出ておりません。それが明らかになるというのは,ほとんどの住民の皆さん方が失望して帰っておられるということです。だから,実態は,各地域の市会議員のところへ持ち込まれ,市会議員も相当なそれぞれの地域で苦労しておるという実態。かつては住宅環境課と言ってました。住宅環境課の課長になったら,胃潰瘍になるだろうと言われるほど大変な苦労をして調整をしてくれたものです。今やメッセンジャーボーイにすぎないし,いわゆる住民から言われて,業者に言うて,あかんかったですということを伝えるにすぎない。それもほとんど相手が通じませんでしたで終わっておる。やる気があるのとないのと,委員会で言うことと実態が違っておるというのは恐ろしいことです。課が有利に動くように,自分たちで規制を変えておるというのも実態です。例えば1つのマンションがある。このマンションでどれだけの人々にそのマンションのことを知らしめるかということは,このマンションの高さを倒したその範囲でよろしいということをおっしゃっている。どこでこんなことが決まったんですか。どこでこういうことが決まったんですか。
もう1つ,建築確認行為が市役所における建築主事で行われるというとこから民間に移ったときに,恐らくそう言うだろうと思って質問しておいたんですが,建築確認行為が神戸市にないので,民間なので,実態がよくわかりません,いつ下りるかもわかりませんということを住民に言い返し,そしてその確認行為と神戸市とは関係ないということを,住民に堂々と言っているんです。しかし,かつての
常任委員会では,民間に確認行為が移っても,我々は連携をとりながら確認行為のことを見守ってまいりますということを,局長が
常任委員会で答弁しているにもかかわらず,この課は全くそういうことは,そういうことがあったことすら把握しておられない。このことについてはどういうふうに思われているんですか。
53 ◯浅野
都市計画総局建築指導部長 説明する範囲でございますけれども,神戸市民の住環境等をまもりそだてる条例で,建築主は周りに説明しなさいよというふうに条例で書かれておりまして,それを受けて,それじゃどこまで説明したらいいかということで,それについてはパンフレットの中に,建物の高さを横倒しした範囲であれば,影が一番影響が及ぶ範囲ですので,そこまで説明してくださいねというふうに,そこに記載しております。
それからもう1つは,建築確認が民間に移ってという話ですけれども,民間に移るときに,事前計画届けというルールをつくりまして,先に神戸市に書類を出していただいて,もろもろ民間に移ったがために,漏れたらいけないような情報を全部そこへ記載して,それを建築主にお返しして,それを民間の機関がチェックするときに照合するということでもって,情報が漏れない,あるいは神戸市が独自に,ここは建築協定がありますよとか,地区計画がありますよとか,あるいは指定建築物と言って,先ほどの日影の関係がありますよというようなことを伝えて,漏れがないようにするというようなルールでやっておりますので,先ほど先生がおっしゃった,見守っていくという前提での横の連絡はとれておるのかなというふうに思います。
それから,もう1つ,単なるメッセンジャーボーイではないかということですが,我々,当然その住民の方の意向は建築主にも伝えますし,それから我々の希望として,こういうふうに思ってますよということは,当然伝えております。ただ,最後はやはり相手が聞いてくれるかどうかということに尽きますので,そこの強弱の兼ね合いについては,全部が全部,こちらの意向どおりにはならない実態であるということは,そうなのかなと思います。
以上です。
54 ◯委員(安井俊彦) よくおっしゃいますね。この建物の高さを倒した部分だけで説明をしなさいというのはパンフレットに書いておられる。私もそのパンフレットを見ました。じゃあ,これはどこで決まったんですか,そういうことは。
それから1つ,メッセンジャーボーイではありません,市民から受けたことについて,私たちもそのように要請をいたしております,このあたりはうそです,されておられません。住民がこういうふうに望んでおられますが,私たちもそう思いますとは一切言っておりません。だから問題なんです。もちろん8階建てを7階建てにしなさいとか,どっから見ても,これはちょっと業者にとって気の毒だなというようなケース,これはよく理解できます。しかし,わずかなことですら変更されてないんです。神戸市民は怒っているんですよ。議会でそんなことを言うてもうたら困りますわ。反論してください。
55 ◯門脇
都市計画総局建築指導部建築調整課長 説明範囲の件とメッセンジャーの件だと思います。説明範囲につきましては,条例の方では先ほど部長も言いましたけど,説明をしなさいということしか定めておりません。それで,説明の範囲につきましては,先ほど言いました指定建築物建築届けの概要というのを,業者向けの指導のパンフレットとして定めておりまして,ホームページで公開するとともに窓口で配付しております。これは私ども指導の運用基準として定めております。
それと,住民の要望を伝えてないということでございますが,住民さんから要望されたことにつきましては,できること,できないこと,先生がおっしゃいましたように,内容的には私らが見ても難しいような問題もありますけど,それについては伝えるようにはしております。ただ,実現しない分もあるので,先生がおっしゃるような面もあるのかなと思いますが,私どもで要望を聞いてとめるというようなことはしておりませんし,業者の方には検討するように指導するようにしております。
以上でございます。
56 ◯委員(安井俊彦) 余りにも不誠実な答弁ですよ。いいですか。私は課長に対して,私はこの質問をしますよということを言うておきました。いきなり言ったんじゃない。建物を倒した高さで,その範囲内で説明はいいですよということは,おたくの局が楽になるように──もちろん今の課長が決めたんじゃない,どっかの時点でそういうことを決めたために,この範囲内以外の住民は阻害されているんです。しかも,そのことが業者にとったら,それ以上の地域に知らしめなくてもいいということに定説になっているんです。局は楽ですよ,それの方が。業者も楽です。しかし,影響を受けるのは,日影だけではないんですよ。いろんな形の影響がある。自分たちの局が楽になるように,自分たちの課が楽になるように仕向けていったという形跡が幾らでもあるんです。だから,地域の市会議員が苦労しているんですよ。
その次に,部長は市民が言うたことについて,私たちもこう思いますと言っておりますと言ったけど,課長は,それは言ってないということははっきりしてますやん。例えば,かつての亡くなった笹山さんは──これは名前を言うといけないからあれですけど,ある場外馬券売り場とかのときに,私の目の前で,その関係者に対して,おたくの会社がこのことで頭を出すことはやめてください,住民は非常に困っておられますということをはっきり電話で,私の前でおっしゃってた姿を思い出しています。甲南女子大学の山側の地域にお墓ができるときに,やはり助役は電話を入れて,合法的であってもここでお墓をつくってもらうのは神戸市のためにならないんです,文句があって訴訟されるんだったら受けて立ちますからやってくださいと言って,つぶされました。行政が本当に市民のために──市民を守ろうとするのか,仕事が楽になろうとするのか。果たして本当に役割を果たしてくださってますか。建築確認がよそに行ったときに連携がとれますと言って──今おっしゃったけれども,連携はとれてないですよ。じゃあ,どんな状況ですかと言って,答弁が返ってきたことはありません。民間人にもわかりませんと答えてますよ,現場は。
常任委員会でおっしゃったことと──議会に言うたことと,実態が違っているじゃないですか。それはどう説明していただくんですか。どこで決まったんですか,この高さは。実態は住民に言ってることと全然違っていることを言ってるんですけど。
57 ◯浅野
都市計画総局建築指導部長 高さの件ですが,先ほど課長も申しました指定建築物建築届けの概要という,業者の方にお渡しする資料の中に,どこまで説明するかという中に,その建物の高さの範囲を説明してくださいよということを目安として書いております。ただ,その下に,範囲外の住民の方から説明を求められれば,そちらの方にも説明をしてくださいよということで,その範囲だけ説明すればよしとするということではなくて,一応,目安としては示しておりますけれども,外の方に対しても説明してくださいということは,そこに書いております。
それから,先ほど私の答弁と課長とがちょっとずれるということがございましたが,例えば前回の
常任委員会で陳情のあった物件なんかにつきましては,我々としても高さをもう少し何とかならないですかというような形で,個々の項目につきまして,こちらの意見も申しております。ただ,最終的には前回の件につきましては聞いていただいてないという実態がございますが,一切,こちらの意思を何も示さずに,とにかくこっちからこっちへ情報を伝えるメッセンジャーボーイだけであるということではないというふうに考えております。
58 ◯委員(安井俊彦) 全然違います。全然違ってます。やっておられません。やっておったら,こんな発言を私はしてませんし,実際上,私は長い議員生活をして,この課ほど都合よく変わった課はないと思ってます。
それから,今,確かに書いてあるんです,説明の範囲はこの程度ですけれども要望があったらやりなさいと。業者が神戸市の条例でそう決まっているって住民に言ってるんですよ。そんな実態をあなた方はご存じやのに黙っておられるんです。知っておられないとしたら,物すごい怠慢ですわ。それだったら,なぜそういうことをされたんですか。なぜそういう住民説明はその範囲にしなさいという指導をされたのか。業界に頼まれたんですか。議会にその報告があったんですか。
59 ◯門脇
都市計画総局建築指導部建築調整課長 説明範囲のことと要望のことで,ちょっと答えさせていただきます。
要望のことにつきましては,重なりますけど,住民さんから要望があったことにつきましては,業者には必ず伝えるようにはしております。
それと,説明範囲のことでございますが,先ほど言いましたように,条例では説明しなければならないと明確に規定しております。また,届け出もしなくてはならないということになってますので,届け出を受ける目安としまして,先ほど,先生もおっしゃいましたような建物の範囲というふうに決めております。ただ,これは説明の範囲以外にも計画地に看板を出して,そのほかの方が通りかかられた方がもし見られて,また説明をしてくれということであれば,説明をするように指導しております。また,先生がさっきおっしゃいましたような苦情を聞くこともございます。そういう場合につきましては業者を呼びまして,うちの指導の内容と違うということを伝えておりますし,説明を求められた住民のところには説明に行くように指導をしております。ただ,先生がおっしゃる,業者が言うてるような状況がもしあるようでございましたら,また今後,業者の方に指導を──違っているということを,していきたいと思います。
以上でございます。
60 ◯委員(安井俊彦) 納得いかない。
61 ◯委員長(高山晃一) 住民説明に関する経緯を今聞かれたと思うんです。業界からの要請があって,そういう説明に関する規定をつくったのか,それから議会にも確認をとって,そういう説明規定をつくったのかというようなことを聞かれたと思うんですが。その点はいかがですか。お答えできる範囲で。
62
◯井澤都市計画総局長 今の議論になっております地元対応をどこまでどうやるかというのは,あくまでも我々内部の規定で設けまして,過去からそれに基づいて,ずっと事業者に対応してまいっています。その範囲が,先ほど来,部長,課長が答えた範囲でございます。いずれにせよ事業者がそれぞれの地域で,土地利用を展開をする上で,マンション等を建てる場合に,いろんな建築紛争が起きるのは,我々は望んでないところでございますので,今,先生からのご批判も踏まえまして,さらに心して対応していきたいと思います。つまり,住民の皆様からとれば,行政が事業者側に立ってるんじゃないかというようなご批判が出ないようにしたいと思いますが,やはり我々,行政,第三者としまして,どういう土地利用が許されるのか──経済活動も片や頭の隅に置きますが,その地域の住環境にとってのあり方を踏まえて対応したいと思います。従来は,その前提となりますのは用途地域等の
都市計画の規制なりでございますが,やはりマクロ的なものしかなかったのが実態でございまして,それではまずいということで,今回もう少しきめ細やかな高さの制限とかを,ようやく制度化しようとしている状況でございます。さらに,そういう紛争を事前に防止するためには,やはり前もってその地域でルールをつくっていく必要がございます。それは,やはり
まちづくり協議会等の団体を窓口にしながら,地区計画等のルール化に向けた検討も1つの方法かと思います。
以上です。
63 ◯委員(安井俊彦) 納得いきません。局長,あなたのお気持ちは非常によく理解できるし,一生懸命やろうとされていることについてはうれしく思いますし,敬意を表したいと思うんですが,あなたの部下である,いわゆる調整課におかれては,非常に私は怠慢であると思っています。
1つには,今おっしゃったこの高さのことは,まさにおたくの内部でお決めになったことです。議会がそれを了承したことではありません。しかし,業者は内部で決めたその要綱を使って,条例で定まっているというふうに流布しています。その実態は,課はつかんでおられるはずです。何回も住民からそういう話が行ってるわけです。そのときに対して対応されておりません。だったら,もっと大きな文字で,これは必要に応じて広範囲において流布するべきもので,お知らせするべきもんであるといったようなことを書くということの検討すらされてない。そのことは明らかに局としての怠慢です。
それから,私はこれ何回も言ってますが,突然言うたわけやないですよ。私はこの質問をするといって通告して言うてますから。それに対する対応がこれですからね。
その次に,もともとこの課は建築調整課の前は住宅環境課だったと思うんです,そういう名称だった。これができ上がったとき,私が2期生のときだったと思います。このときは,その以前は近隣にマンションが建つときには,近隣に金品を配って,近隣の承認を得たというような経過がある。これではいい市民ができない,マンションが建つためにお金が配られるということはよくないというような形で,そういうことを防ぐためにも,しかしながら建築確認行為をとった後の業者が乱暴なことをしたり,あるいはまた施主の方に強引なところがあったら,近隣の住民の皆さん方の環境が阻害されることが余りにもひどかってはいけないということのために,環境課というものが置かれた。そのために一生懸命,住民の立場に立ってやってくださいました,その当時は。夜11時,12時まで頑張ってました,課長さんなんか,係長さんなんか。大変やったんですよ,本当に。いつの間にか,それはもう健康のこともあるんでしょう,どんどん楽する方向に行って,あげくの果て,説明の範囲はこの程度でよろしいという内部規定をつくってしまった。それが条例であるかのごとく業者に利用されていることも知っておって黙っておる。住民からの要望については,こういうことを言っておりますと言うて,私もそう思うんですが何とかなりませんかという言葉がない。業者があかんと言ってますということの話です。あげくの果てに,裁判をされるという道もありますとかいうとこまで言ってる。じゃあ,工事協定はどれぐらいの率で言っておられるんですか。工事協定を結びなさいなんかいうて指導されてないですよ。ペーパーで書いてあるだけのことですよ。言っておられるのかどうか,ちょっと確認をとりたい。工事協定,あるいはまた建築協定。
64 ◯門脇
都市計画総局建築指導部建築調整課長 工事協定,建築協定の件でございますが,全体の中でのどのぐらい結ばれているかというのは把握はしておりませんが,住民さんと市──市が入って業者と市役所で話をする場合もございますが,そういう場合につきましては,当然,工事協定を結んでほしいと,市としても話し合って合意したことは結んでほしいというような指導はしております。ただ,いかんせんこれが両者の話し合いで決まることでございますので,内容等で合意に至らない場合につきましては,結べてない例もございます。正確な数字はありませんけど,約半分ぐらいは結べるんじゃないかなと思っております。
以上でございます。
65 ◯委員(安井俊彦) いわゆるマンションが建っておって,どれぐらい工事協定を結ばれているか,結ばれてないか──確率,件数なんかも把握してないというのも不思議な現象ですね。おたくの課の仕事やないんですか。
それからもう1つ,話し合いをして,これは両者の話し合いで結べますもんですからというので,おたくの課の姿勢が出てるんですわ。結ばせようとしてないんですわ。結ばせようとしてたら,そんな表現は出てこないですよ。あくまで両者が話し合いして決めるもんですからという。じゃあ,行政指導の中で,結んでくださいというふうに書かれているんですけれども,積極的に自分で指導していることについて忠実であろうとされているんですか。だったら,そういう言葉は出てこないはずですけれども,その点はどうなんですか。
66
◯井澤都市計画総局長 先生からご指摘いただいております業者に対応する我々行政側の姿勢でございますが,ご指摘のようなこともあったと思いますので,今後そういうことの誤解が生じないように,もう1度かっちりと仕切り直しをさせていただきたいと思います。
67 ◯委員(安井俊彦) 局長は非常に心を痛めておられるので,もうこれ以上は言いません。しかし,本当にみんな怒ってますわ。みんな神戸市は業者寄りや言うて帰っておられるんです。市民は賢くなってますから,一生懸命やってたら言いません。一生懸命我々のためにやってくれたんやな,でもあかんかったんやな,市役所さん,ありがとうと,せめてそう言わせてくださいよ。そのとばっちりが全部,議会に来てますわ,議会人に。一生懸命やってくださいな。両輪の輪でしょう,議会と当局というのは。せめて一生懸命やってくれたけど,業者というのはきついんやないうて。
それからもう1つ,我々,経済活動のことについてよく承知してますよ。でも,わずかなことですら譲歩してないんです,業者は。近隣対策屋が出てきて,それが全部,業として断ることにしているわけですやん。それは住民はかわいそうや。そして,つくり上げた課の意味がなさ過ぎる。お願いしておきたいと思います。
68
◯井澤都市計画総局長 承知をいたしました。
69 ◯委員長(高山晃一) ほかございませんか。
(なし)
70 ◯委員長(高山晃一) 他にご質疑がなければ,
都市計画総局関係の審査はこの程度にとどめたいと存じます。
当局,どうもご苦労さまでした。
なお,委員各位におかれては,消防局が入室するまで,この場においてしばらくお待ち願います。
(消防局)
71 ◯委員長(高山晃一) これより消防局関係の審査を行います。
それでは,報告事項1件について,当局の報告を求めます。(「起立,礼。」の声あり)
局長,着席されたままで結構です。