神戸市議会 2006-12-22
開催日:2006-12-22 平成18年第4回定例市会(第5日) 本文
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(
浜本議長議長席に着く)
◯議長(
浜本りつ子君) おはようございます。
ただいまより本日の会議を開きます。
最初に,諸般の報告を申し上げます。
監査委員より,監査報告第13号及び監査報告第14号の報告が提出されましたので,いずれもお手元に送付いたしておきましたから,ご了承願います。
2 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上,報告を終わります。
これより議事に入ります。
日程によりまして,日程第1 号外神戸市
土地利用審査会委員任命の件及び日程第2 号外神戸市
公正職務審査会委員委嘱の件を一括議題に供します。
3 ◯議長(
浜本りつ子君) これより当局の説明を求めます。矢田市長。
4 ◯市長(矢田立郎君) ただいまご上程になりました
号外議案神戸市
土地利用審査会委員任命の件及び神戸市
公正職務審査会委員委嘱の件につきまして,一括ご説明を申し上げます。
土地利用審査会委員任命の件につきましては,今井和男氏がこのたび辞任されましたので,その後任として井上武司氏を任命いたしたいと存じます。
公正職務審査会委員委嘱の件につきましては,
公正職務審査会を設置するに当たり,委員として荒川雅行氏,大内ますみ氏,高須要子氏,元原利文氏,米丸恒治氏を委嘱いたしたいと存じます。
以上の各氏は,その人物・経歴・識見から見まして,
土地利用審査会委員及び
公正職務審査会委員として適任と認められますので,
国土利用計画法第39条第4項及び第44条,並びに神戸市政の透明化の推進及び公正な職務執行の確保に関する条例第14条第2項の規定により,その任命及び委嘱につきまして,議会の同意を求める次第であります。
何とぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。
5 ◯議長(
浜本りつ子君) 当局の説明は終わりました。
本件に関し,発言の通告もありませんので,本件は委員会の付託を省略し,同意することに決しまして,ご異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
6 ◯議長(
浜本りつ子君) ご異議がないと認めます。
よって,本件は,いずれも同意することに決定いたしました。
7 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,日程第3 予算第35号議案より日程第22 第98号議案に至る20議案,一括議題に供します。
8 ◯議長(
浜本りつ子君) これより
委員会審査の経過並びに結果について,
関係常任委員長の報告を求めます。
まず,
総務財政委員会委員長安達和彦君。
(42番安達和彦君登壇)
9 ◯42番(安達和彦君) ただいま議題となりました諸議案中,本
委員会所管分の予算第35号議案の関係分,予算第37号議案,第83号議案,第84号議案,第90号議案から第92号議案に至る3議案,第97号議案及び第98号議案,以上合計9議案について,一括してご報告申し上げます。
まず,予算第35号議案の関係分は,県・
市会議員選挙に係る予算及び市民税等の増に伴い,
また,予算第37号議案は,公債の
元金償還金等の増に伴い,それぞれ予算を補正しようとするものであります。
次に,第83号議案は,本市の平成19年度における
当せん金付証票の発売総額の範囲を定めようとするものであり,
第84号議案は,住居表示の実施,宅地造成及び
土地改良事業の施行に伴い,町及び字の区域並びにその名称等を変更し,並びに町の区域を新たに画そうとするものであります。
次に,第90号議案から第92号議案に至る3議案は,いずれも外国語大学の
公立大学法人への移行に伴い,それぞれ中期目標を定め,定款の一部を変更し,または財産を承継させようとするものであります。
次に,第97号議案及び第98号議案は,いずれも
工事請負案件であります。
委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。
以上,報告を終わります。
10 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,
文教経済委員会委員長土居吉文君。
(49番土居吉文君登壇)
11 ◯49番(土居吉文君) ただいま議題となっております諸議案中,本
委員会所管分の予算第35号議案の関係分,予算第36号議案,第85号議案及び第96号議案,以上合計4議案について,一括してご報告申し上げます。
まず,予算第35号議案の関係分は,
東灘区民センターにおける
アスベスト対策及びアライグマによる被害に対応するため,予算を補正しようとするものであり,
予算第36号議案は,
マリンピア神戸の用地整備等に伴い,予算を補正しようとするものであります。
次に,第85号議案は,神戸ゆかりの美術館を設置するに当たり,条例を制定しようとするものであり,
第96号議案は,長尾小学校及び玉津第一小学校の位置を変更し,
御影工業高等学校及び
長田工業高等学校を廃止するに当たり,条例の一部を改正しようとするものであります。
委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。
以上,報告を終わります。
12 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,
福祉環境委員会委員長芦田賀津美君。
(37番芦田賀津美君登壇)
13 ◯37番(芦田賀津美君) ただいま議題となっております諸議案中,本
委員会所管分の予算第35号議案の関係分及び第86号議案について,一括してご報告申し上げます。
まず,予算第35号議案の関係分は,兵庫県
後期高齢者医療広域連合設立準備委員会等分賦金の支出に伴い,予算を補正しようとするものであります。
次に,第86号議案は,大池児童館ほか4施設について,それぞれ指定管理者を指定しようとするものであります。
委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。
以上,報告を終わります。
14 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,
建設水道委員会委員長亀井洋示君。
(51番
亀井洋示君登壇)
15 ◯51番(亀井洋示君) ただいま議題となっております諸議案中,本
委員会所管分の第87号議案から第89号議案に至る3議案について,一括ご報告申し上げます。
まず,第87号議案は,
神戸総合運動公園について,
第88号議案は,
塩屋駅前自転車駐車場について,それぞれ指定管理者を指定しようとするものであります。
次に,第89号議案は,神戸駅北駐車場を廃止するに当たり,条例を改正しようとするものであります。
委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。
以上,報告を終わります。
16 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,
港湾交通委員会委員長田路裕規君。
(64番田路裕規君登壇)
17 ◯64番(田路裕規君) ただいま議題となっております諸議案中,本
委員会所管分の予算第38号議案について,ご報告申し上げます。
本件は,
ポートアイランド西側コンテナバース跡地緑地の
安全さく設置等に伴い,予算を補正しようとするものであります。
委員会は審査の結果,原案を承認することに決定いたしました。
以上,報告を終わります。
18 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,
都市消防委員会委員長梅田幸広君。
(22番梅田幸広君登壇)
19 ◯22番(梅田幸広君) ただいま議題となっております諸議案中,本
委員会所管分の第93号議案より第95号議案に至る3議案について,一括ご報告申し上げます。
まず,第93号議案は,垂水消防署の位置及び
水上消防署等の管轄区域を変更するに当たり,条例を改正しようとするものであります。
次に,第94号議案は,消防団員の任免に係る要件を変更するに当たり,条例を改正しようとするものであります。
次に,第95号議案は,
非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令の改正等に伴い,条例を改正しようとするものであります。
委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。
以上,報告を終わります。
20 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で
関係常任委員長の報告は終わりました。
委員長の報告に関し,ご質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
21 ◯議長(
浜本りつ子君) ご質疑がなければ,これより討論の通告がありますので,発言を許可いたします。
16番浦上忠文君。
(16番浦上忠文君登壇)(拍手)
22 ◯16番(浦上忠文君) 皆さん,おはようございます。
市会議員になって11年と半年が経過いたしました。あの地震の年の平成7年に,市会議員になろうと決意をして,神戸市議会に佐藤けん一郎さんという今闘病生活を送っておられる市会議員を訪ねました。25階のエレベーターをおりて,すっと左に曲がると,何と文化勲章40番目という西村 功先生の──神戸ゆかりの方の絵が掲げてあるではありませんか。さすが神戸市議会だな,神戸市はすごいなと,改めて絶対に当選してやるぞというモチベーションがわきました。テンションが舞い上がってきました。絵の力というものはすごいものだな,こう思いました。
ただいまから85号議案の神戸ゆかりの美術館条例という条例に反対する討論をいたしますが,きょうは
スケジュールを見ておりますと,なかなか
盛りだくさんで時間が遅くなるだろうということを聞きましたんで,手短に反対の理由を申し上げます。
15日の本会議で我が会派の林 英夫議員は,せっかくの
ファッション美術館ができて,それを盛り上げようという機運が高まって,運動が始まって,しかし多目的ホールが年間50日ぐらいしか使われていない,そこをゆかりの美術館にするのは,木に竹を接ぐようなことで,これはちょっと到底のめる考えではないと,こうおっしゃいました。
私も全くそのとおりと思いますが,それよりも何よりもこの神戸のまちを元気にするために,神戸のゆかりの美術品を,美術作品をもっともっと活用する方法があるのではないか,そういう観点から反対討論をいたします。
先日の委員会で,あるジュネーブに住んでおられた方が,ジュネーブというまちは世界で2番目に住みたいまちだ,そういう話をされました。残念ながら神戸は40番目だ,それでも40番目はすごいことだと,こうおっしゃいました。
私は,神戸を世界一住みたいまちにするためには,さまざまな方法があるだろうと思います。せっかくのこの財産をどう使うのか。
あの地震の後に,私は地元の
御影北小学校のPTAの会長をしておりました。あの地震から1カ月ほどたったときに,その年に音楽の先生になったばかりだという女の先生が──北区の小学校の先生でしたが,バイオリンを1つ持って
御影北小学校にやってこられました。そこで,教室を仮の
コンサート会場にして,被災されたおばあさんやおじいさん,若者たちに集まっていただいて音楽会を開催しました。
私は,バイオリンを見るのは生まれて初めてだというようなおばあさんだとか,みんな集まってきて,そしてその音楽の先生がシュッとひとつバイオリンを弾いただけで,そこにいた 100数十名の人間がどっと泣きました。芸術の力はすごいということは聞いていたけれども,これほど人の心をいやすものなのか,これほど人の心を元気にするものなのか。
その日まで,食べるものがまずいとかもっと部屋を暖かくしろと文句を言っていた30代の男が,その音楽を聞いたその夕方から熱心にボランティアをするようになりました。音楽の力,芸術の力というものは本当に人間の心をいやしますし,また人間に勇気がわいてくる,すごい力があるもんだな,こう思いました。
そこで,せっかくの神戸のゆかりの美術品であります。
神戸まちじゅうを美術館にするようにしたらどうかと。例えばぱっと思い浮かぶだけでも,小磯良平さんとかあるいは石阪春生さんとか西村 功さんとか鴨居 玲さんとかいろんな方がいらっしゃいますが,例えば西村先生の絵なんかは,駅員を描いた姿が多いから新神戸駅が向いているでしょう,石阪春生さんの絵はエキゾチックな女性が多いですから,例えば神戸空港全部を石阪春生さんにしてもいいでしょうし,あるいは小磯さんや西村先生の絵をセットにして──10点か20点のパックにして神戸じゅうの小学校や中学校を巡回していく。
2~3年前に,ある女子大生が神戸市の論文に応募して,
フラワーロードを全部本当に花という花に埋まった道にしたらどうかという提案をしました。これもいい考えだと思いますが,私はせっかくの美術作品を神戸じゅうのターミナルとか,あるいは小学校・中学校に並べ──そして先日新聞を見ておりますと,地下鉄の海岸線というのは非常に換気がよくてすばらしい場所だということが新聞に出たんですが,海岸線,お客さんが少ないということを聞いておりますが,海岸線の1つ1つがギャラリーになっていて,地下鉄の海岸線を乗るだけで神戸ゆかりの──これが神戸のゆかりの美術館が地下鉄の海岸線だと,そういうふうなアイデアもわき上がってくるんではないかと思っております。
きょうはこれから
スケジュールが
盛りだくさんだと聞いておりますので,話はこれぐらいにとどめておきますが,85号議案に反対するとともに,もっともっと新しい考えを出して,これだけの面々がそろっているんですから,ここにもたくさんの優秀な方がいらっしゃるんですから,みんなで力を合わせて世界一住みたい神戸のまちをつくっていきたいと思っております。
きょうは6時,7時にかかるそうですから,どうか体に気をつけて頑張ってください。ありがとうございました。(拍手)
23 ◯議長(
浜本りつ子君) 討論は終わりました。
これより順次お諮りいたします。
24 ◯議長(
浜本りつ子君) まず,第85号議案について,お諮りいたします。
本件を委員長の報告どおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
25 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立多数であります。
よって,本件は,原案のとおり可決されました。
26 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,第88号議案及び第90号議案より第92号議案に至る3議案,以上合計4議案について,お諮りいたします。
本件を関係委員長の報告どおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
27 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立多数であります。
よって,本件は,いずれも原案のとおり可決されました。
28 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,予算第35号議案より予算第38号議案に至る4議案,第83号議案,第84号議案,第86号議案,第87号議案,第89号議案及び第93号議案より第98号議案に至る6議案,以上合計15議案について,お諮りいたします。
本件は,関係委員長の報告どおりに決しまして,ご異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
29 ◯議長(
浜本りつ子君) ご異議がないと認めます。
よって,本件は,いずれも原案のとおり可決されました。
30 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,日程第23 決算第9号より日程第39 決算第25号に至る17件,一括議題に供します。
31 ◯議長(
浜本りつ子君) これより
委員会審査の経過並びに結果について,委員長の報告を求めます。
決算特別委員会委員長植中 進君。
(60番植中 進君登壇)
32 ◯60番(植中 進君) ただいま議題となりました決算第9号より決算第25号に至る平成17年度神戸市
一般会計決算及び
特別会計決算,合計17件について,
委員会審査の経過並びに結果をご報告申し上げます。
平成17年度は,念願の神戸空港が開港し,21世紀に羽ばたく神戸の礎を築いていく上で重要な年でありました。
その決算状況は,8年ぶりに市税収入が増加し,
起債制限比率のピークも過ぎるなど明るい兆しが見られたものの,
扶助費等義務的経費はなお高水準にあり,今後も社会保障費や医療費の増加が予想されるなど,財政については依然として厳しい状況にあります。
委員会は,去るl1月30日にこれら決算17件の付託を受けて以来,2つの分科会を設けて連日にわたり局別審査を行い,さらに12月13日には市長・助役等に対する総括質疑を行ったのであります。
以下,
委員会審査において議論となりました主なものについて,簡単にご報告を申し上げます。
まず,
行財政運営全般に関しては,民間活力の積極的な導入,職員の
不祥事防止対策,
市税徴収率向上に向けた取り組み,区役所業務の将来の方向などについて議論がありました。
次に,主な事業に関しては,経済・産業においては新たな2万人雇用に向けた取り組み,
医療産業都市構想の
経済波及効果,神戸空港の利用促進策,
農業振興施策など,福祉・教育においては
障害者自立支援法の円滑な実施に向けた取り組み,新たな
介護保険事業計画,子育て支援,公立保育所の民間移管,いじめ対策など,また環境や安全・安心なまちづくりにおいてはごみの減量・資源化のさらなる取り組み,
自動体外式除細動器──AEDの設置拡大,住まいの耐震化,
歩道段差解消,街灯整備などについて議論がありました。
このような審査の後,12月14日には意見決定を行い,その結果,神戸空港の開港,公立保育所の民営化,中小企業者への支援策などについて,一部反対意見もありましたが,厳しい財政状況が見込まれる中,
行政経営方針を着実に実行し,行財政改善を一層推進するとともに,市民の暮らしと安全・安心を守るなど,さまざまな施策に取り組まれたことを評価し,平成17年度神戸市
一般会計決算及び
特別会計決算17件は,いずれも認定することに決定いたしました。
それでは,以下,委員会の要望事項について申し上げます。
最初に,観光都市の推進についてであります。
本市では,観光入り込み客数 3,000万人の達成を目指し,観光客誘致に努めているところであります。神戸には多くの史跡や文化遺産,山と海に囲まれた神戸ならではのすばらしい眺望などがあり,これらを魅力的な観光資源として活用していくとともに,市民・事業者と協力し,観光客をもてなすハード・ソフト両面からの対応にも鋭意取り組んでいくべきと考えるのであります。
よって,当局におかれては,観光都市を一層推進するため,地域ブランドの発掘・育成,景観の保全に努めるとともに,観光客に対するサービスの向上を図るなど,さまざまな施策を講じられたいのであります。
次に,神戸空港の利用促進についてであります。
神戸空港は,人・物・情報・文化が交流するための拠点として,またただいま申し上げました観光都市を推進する上でも必要不可欠な都市装置であります。
開港からl0カ月余経過した現在,平均搭乗率・利用者数は63%・約 220万人となっており,新千歳便・羽田便などの搭乗率は堅調に推移しているものの,一部の路線においては便数も少なく,利用しにくいダイヤとなっております。
空港利用者の増加による経済効果も期待されることからも,利便性の向上,需要の喚起に向けた取り組みが急務と考えるのであります。
よって,当局におかれては,エアライン各社に対し時間帯に配慮したダイヤの改善,また国に対し運用時間の延長を強力に働きかけられたいのであります。
次に,子供を守る施策の充実についてであります。
最近,いじめによる自殺,親の虐待による死亡などの悲報も目にするなど,子供に関する事件・事故が全国的に多発しております。一方,保護者からの多種多様な相談・要望に対し,教員が1人で抱え込み,迅速な対応ができない状況も見受けられます。
今まさに次代を担う子供を守り,子育て家庭を社会全体で支えていく仕組みが強く求められているのであります。
よって,当局におかれては,これら子供に係る諸課題の解決に向け,教員からの相談などを受けとめる体制づくりを含め,早急に対策を講じられたいのであります。加えて,子供の医療費助成についても,対象者の拡大に努められたいのであります。
最後に,危機対応に係る次世代システムについてでございますが,現在その導入を進めているところでありますが,同システムの構築に当たっては関係部局の連携を強化し,全庁的な対応を進めることはもちろん,より実効性を高めるための人材の育成にも努められたいのであります。
以上,
委員会審査の経過及び結果並びに要望事項について,ご報告申し上げました。
終わりに当たりまして,委員会運営に終始絶大なるご協力をいただきました副委員長・理事の皆様,並びに連日熱心な審査を賜りました委員の皆様に心から敬意と感謝の意を表しまして,報告といたします。(拍手)
33 ◯議長(
浜本りつ子君) 報告は終わりました。
委員長の報告に関し,ご質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
34 ◯議長(
浜本りつ子君) ご質疑がなければ,これより討論の通告がありますので,順次発言を許可いたします。
まず,33番本岡せつ子君。
(33番本岡せつ子君登壇)(拍手)
35 ◯33番(本岡せつ子君) 私は,日本共産党議員団を代表して,平成17年度
一般会計決算及び
特別会計決算のうち,決算第9号,決算第10号,決算第12号,決算第20号,決算第21号及び決算第24号の6議案について,ただいまの委員長報告に反対する討論を行います。
17年度予算の施政方針で,矢田市長は,市民1人当たりの市民所得10%アップを公約に掲げましたが,先日発表された前年比市民所得はマイナス 0.4%でした。このことは神戸市が進めている政治が市民の暮らしを向上させ家計を応援するものとなっていなかったことを示しています。
平成17年度決算のうち反対する6議案は,暮らしや福祉を守ってほしいという市民の願いにこたえるものではなく,認定することはできません。
以下,反対の理由を申し上げます。
反対する第1の理由は,市民不在の不公平な市政が続いているからです。
矢田市長は,ことし2月,市民の反対を押し切って神戸空港を開港しました。未来を幾らバラ色に描いても,現実には乗降客数は年間 319万人の需要予測を大きく下回り,たとえ今後全便が満席になっても達成しないことが明らかになり,さらに全日空は来春以降,新潟便・鹿児島便から撤退することが発表されました。
みなと総局の審査では,沖縄便の着陸料減免措置が終了するため管理収支は5年後から赤字になる,見直すべきではないかとの問いに,見直すつもりはない,頑張って黒字を確保したいと,現実を直視しない答弁に終始しました。
また,空港島の土地売却でも,新交通が車庫用地として 7.8ヘクタールを 210億円で買い取る計画について,梶本助役は,計画では平成32年,買い取りは現時点では考えていないと答弁しています。具体的に売却先が決まっている土地でも,いつ売れるかわからないのです。2009年から償還が始まりますが,全くめどが立っておらず,余りにも無責任です。
また,ことし4月,村岡 功自民党市会議員団長の逮捕に始まった神戸市構造汚職事件では,2名の現職市会議員が逮捕され,辞職に追い込まれました。市長室が検察によって捜索され,矢田市長はじめ助役・幹部職員が参考人として事情聴取されるという,神戸の歴史に汚点を残す事態となりました。
裁判では,検察側の示した市職員らの証言内容と,関係議員の発言や当局が実施した職員のヒアリング内容が 180度食い違っていることが明らかになっています。単なる表現の違いなどではありません。にもかかわらず市長は,職員ヒアリング資料の公開を拒否し,市民への説明責任を果たそうとしていません。汚職問題に対する神戸市の姿勢が問われる問題です。
疑惑が持たれている御影工業高校跡地売却問題では,新コンペ方式の採用によって,84億で入札した業者が 116億で入札した業者を抑えて落札して,32億円もの損失を与えたことについて,行財政局は,想定した売却額よりも高いので,損をしたということは当たらないなどと,市民感覚では考えられない無責任な答弁をしています。
第2の理由は,相変わらずむだ遣いが行われているからです。
神戸空港関連事業のポートライナー複線・延伸化事業で 518億円,海上アクセスの再開のためベイ・シャトルの債務保証に10億円など,採算を度外視した事業が強行的に進められています。
関空と神戸空港を結ぶ海上アクセスは 158億円の負債を抱えたまま7月に再開しましたが, 120人定員のベイ・シャトルの乗客実績は平均7月15人,8月17人,9月14人,10月13人です。民間企業なら成り立たない,中止すべきとの質問に,当局はPR不足が原因,努力すると強弁しています。
そのほかにも,総事業費も明らかになっていない国営明石海峡公園にこれまで60億円近く支出し,事実上凍結されている文明博物館群構想でも,新都市整備事業会計から用地買い取りのために16億円も使われています。これでは到底市民の理解を得ることはできません。
第3の理由は,国や県による負担増の政策から市民の暮らしを守る姿勢がないからです。
17年度は小泉自民・公明内閣による大増税で,定率減税の半減,公的年金控除の縮小,老年者控除の廃止などで,国民に5兆 2,000億円の負担増を押しつけました。
さらに,年金保険料・雇用保険料の値上げや市税の値上げに連動した国保料・介護保険料・市営住宅家賃の値上げ等の負担がふえることになります。負担増は来年以降も連続して進められます。
神戸市は,こうした負担増に対する緩和措置をとるべきですが,極めて不十分です。
また,兵庫県との協調事業である福祉医療制度についても改悪され,乳幼児・高齢者・障害者等の医療費負担がふえました。
国や兵庫県の増税や社会保障の削減計画に反対し,市民の不安を解消して,暮らしを支える施策が求められていますが,対応がなされていません。
第4の理由は,公立保育所の民営化を進めているからです。
多くの保護者や住民の反対の声を押し切って,ことし4月,3カ所の公立保育所が初めて民営化されました。鈴蘭台北町保育所では,民間移管される直前の3月末日でも新旧の引き継ぎを行うことができなかったなど,保育の継続や移行期間で多くの課題があります。
にもかかわらず神戸市は,来年4月から新たに3カ所の民営化に向けて手続を進め,さらに20年度に民営化する保育所も発表しました。来年度民営化しようとしている保育所の保護者や子供たちは,民営化の差しとめを求めて裁判所に提訴しました。ところが,神戸市は保護者や市民の意見を聞く姿勢はなく,強引に民営化を進めていることは許せません。
第5の理由は,神戸経済の深刻な事態を打開するための手だてが不十分だからです。
神戸市は,震災と不景気にあえいでいる中小地元零細企業を置き去りにし,一方では外資系企業などの誘致を進めるための優遇措置を講じ,多額の資金を投資するなど,経済政策が逆立ちしています。経済の主役である中小業者を支援する振興策を最重点に進めることが神戸経済の活性化への道であるのに,そうなっていません。
また,震災10年の節目の年に,震災関連の市税や市営住宅使用料などの減免や被災者支援策を縮小・廃止したことは許せません。
第6の理由は,市長は市民参画3条例を制定し,住民の市政への参画を強調していますが,実態は市民参画にほど遠いものになっているからです。
日本テルペン化学工場跡地の悪臭被害は,市民の暮らしと健康を守る自治体の基本姿勢が問われる問題です。周辺住民には猛烈な悪臭が漂い健康被害が広がって,矢田市長のもとに住民から,市長への手紙で直接訴えが届けられましたが,これらの市長への手紙は,市長が目を通すことなく返事が出されています。
悪臭のため体調を崩し入院した小学校3年の少女が,市長さん助けてくださいという率直で緊急な訴えが書かれた市長への手紙は極めて事務的に処理されていたのです。市長への手紙とされているのに,市長が初めてこれらの手紙を読んだのは,私たち共産党議員団の段野議員が本会議で指摘したその後,初めての手紙が届いてから約4週間後でした。
私は,一度も市長さんから返事をもらっていません。返事をくれないなんてひどいです。市長さんがみんなから手紙を書いて送ってほしいといっているのに,みんなの手紙を本当に読んでいるのですか。このような少女の訴えに対し,危機感を持って機敏に対応していたなら,市民が不信感を募らせるようなことはありませんでした。また,健康被害を食いとめることも可能だったはずです。
市民参画を象徴する事業である市長への手紙にこのような対応では,市民の市政への参画を大切にしているとは言えません。
以上,日本共産党議員団を代表して,決算を認定できない理由を述べ,討論といたします。以上です。(拍手)
36 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,36番加納花枝君。
(36番加納花枝君登壇)(拍手)
37 ◯36番(加納花枝君) 私は,新社会党神戸市会議員団を代表し,決算第9号2005年度神戸市一般会計歳入歳出決算,決算第20号神戸市海岸環境整備事業費歳入歳出決算,決算第21号神戸市市街地再開発事業費歳入歳出決算及び決算第24号神戸市空港整備事業費歳入歳出決算について,認定できない理由を述べ,反対討論を行います。
2005年度は震災から10年の1つの節目でありました。「市民とともに創る神戸」の政策の柱は,市民が主役のまち,安心して暮らせる環境福祉のまち,伸びやかに育つ教育のまちなどとし,神戸空港の開港や
医療産業都市構想の推進で人材や企業集積で経済の活性化と市民福祉の向上を目指すとの市長の予算方針でした。
さて,決算状況ですが,
一般会計決算では 7,000万円の黒字とはいえ,財産収入や職員の削減による56億円の財源対策をとった結果の数字であります。景気は回復基調と言われながらも市民の生活は格差が拡がり,疲弊している部分が多くあります。
このようなところにどれだけ目を配っての市政運営であったのでしょうか。残念ながら市民とともに市政が進められたとの実感はありません。
まず,反対の最大の理由は,市民合意のないまま神戸市営空港を開港してしまったことです。
私たちは,震災以前から本計画に反対し続けてきました。関西に3空港は必要ない,海の埋め立てや騒音問題などの環境への負荷をこれ以上ふやすべきではないという考え方からです。
1993年,淡路の空を守る会から提出された請願の紹介議員を引き受けたのも,そのような考え方があり,当時オール与党体制の中,全会一致でなければ請願が出せないルールのある中で市民の請願権を復権させました。
その後,予期せぬ大震災を経験し,多くの市民が価値観を変え,神戸空港計画にも疑問の声を大きく上げるようになりました。当時は震災からの生活再建が最重要課題であったにもかかわらず,震災直後に神戸空港建設を推進するとの笹山市長の発言に多くの市民が耳を疑ったのです。
神戸空港の建設の是非をめぐり,住民投票を求めた署名は全市で35万筆を超えました。設置された特別委員会では市民の口頭陳述が延々と続き,審査・議論は深夜にまで及びました。市民の議会傍聴も定員をはるかに超え,市議会には多くの市民が押し寄せたのです。特別委員会での強行採決,住民投票は必要なしとした前市長と空港推進派議員の皆さんには,市民の市政に対する思いを受けとめなかった責任が今なおあるのではないでしょうか。
今も請願や陳情は途切れることなく続いています。市民合意のないままの強行建設,過大な需要予測,瀬戸内海保全特別措置法の意思に反する閉鎖性海域の埋め立て,関西3空港過密空域の管制の危険性,土地造成費用の返済の見通しなどなど,多くの課題は未解明なまま2006年2月16日,神戸空港は開港しました。このことが最大の反対理由です。
次に,指定管理者制度や保育所の民営化問題です。
官から民への小泉内閣の大合唱に乗り,財源対策として公の仕事を民間に任せる指定管理者制度や公立保育所の民間移管を進めました。とりわけ保育所の民間移管は,該当する3保育所の保護者にとっては,4月1日に入所し,ならし保育もようやく終わりに近づいた4月末の説明会の通知は,行政の仕事の進め方とは思えません。
何ら全体計画の説明もなく,突如の提案でありました。次世代を担う子供たちのための子育て支援を予算提案時には市政方針で述べられながら,すべての子供に子育て予算は使うものとして,1園 5,000万円の財源削減を理由に公立保育所の民営化を打ち出したのです。本山北町保育所・中原保育所・鈴蘭台北町保育所の保護者に大きなショックを与え,また該当園以外の多くの保護者にも不安を与えました。保護者と当局の話し合いは続いているものの,裁判になるような実態です。
民間保育所の保育士の労働条件引き上げ策などで,公・民のすみ分けにより待機児童対策を進めるべきです。女性の就業支援策としても,待たずに入れる保育所づくりを市民は求めています。保育所の民間移管への取り組みを進めたこと,また進め方に大きな問題があったことも決算を承認できない理由です。
そのほか,アジュール舞子事業には償還財源として多額の一般財源を投入したことや,
医療産業都市構想には多額の投資と運営費補助を続けているものの成果が上がっていないこと,震災からのまちづくりにおける都市計画には地元住民の声が十分反映されておらず,ボタンのかけ違いが今もなお是正されていないこと,御影工業高校跡地など,後に明らかとなった疑惑のコンペをしたことなど,4議案を承認できない理由を申し上げ,新社会党の反対討論といたします。(拍手)
38 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で討論は終わりました。
これより順次お諮りいたします。
39 ◯議長(
浜本りつ子君) まず,決算第9号,決算第20号及び決算第24号,以上合計3件について,お諮りいたします。
本件を委員長の報告どおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
40 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立多数であります。
よって,本件は,いずれも認定されました。
41 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,決算第10号及び決算第12号について,お諮りいたします。
本件を委員長の報告どおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
42 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立多数であります。
よって,本件は,いずれも認定されました。
43 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,決算第21号について,お諮りいたします。
本件を委員長の報告どおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
44 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立多数であります。
よって,本件は,認定されました。
45 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,決算第11号,決算第13号より決算第19号に至る7件,決算第22号,決算第23号及び決算第25号,以上合計11件について,お諮りいたします。
本件は,委員長の報告どおり決しまして,ご異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
46 ◯議長(
浜本りつ子君) ご異議がないと認めます。
よって,本件は,いずれも認定されました。
47 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で,平成17年度神戸市一般会計及び
特別会計決算17件は,いずれも認定されました。
48 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,日程第40 「請願の審査結果について」を議題に供します。
49 ◯議長(
浜本りつ子君) これより
委員会審査の経過並びに結果について,関係委員長の報告を求めます。
まず,
福祉環境委員会委員長芦田賀津美君。
(37番芦田賀津美君登壇)
50 ◯37番(芦田賀津美君) ただいま議題となりました請願のうち,本
委員会所管分の請願第 168号について,ご報告申し上げます。
本請願は,阪神・淡路大震災被災者1人1人の生活自立を目指し,福祉行政の拡充を求める趣旨であります。
委員会は審査の結果,当局からは,災害援護資金の償還について,少額償還制度や支払猶予制度など生活再建に配慮し,最大限に柔軟な対応を行っていること,また引き続き今後も各種福祉施策を通じて,被災者をはじめ市民1人1人の生活の自立を支援していくこと等の説明があったことから,本請願を不採択とすべきものと決定いたしました。
以上,報告を終わります。
51 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,空港・新産業に関する特別委員会委員長藤原武光君。
(48番藤原武光君登壇)
52 ◯48番(藤原武光君) ただいま議題となっております請願のうち,本
委員会所管分の請願第 160号から請願第 162号に至る3件の請願について,一括ご報告いたします。
まず,請願第 160号及び請願第 162号は,いずれも神戸空港の需要予測・財源計画等の見直しを求める趣旨であります。
委員会は審査の結果,神戸空港の需要予測は,国土交通省のガイドラインに沿って精査された妥当なものであると考えられること等の理由から,不採択とすべきものと決定いたしました。
次に,請願第 161号は,神戸空港の影響により発生した青潮への対策を求める趣旨であります。
委員会は審査の結果,青潮の発生要因,発生場所及び,潮流の変化が空港島近傍に限られていることを考慮すると,神戸空港が原因とは特定できないとの理由から,不採択とすべきものと決定いたしました。
以上,報告を終わります。
53 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,神戸市会政治倫理確立委員会委員長荻阪伸秀君。
(67番荻阪伸秀君登壇)
54 ◯67番(荻阪伸秀君) ただいま議題となっております請願のうち,本
委員会所管分の請願第 136号より請願第 142号に至る7件,請願第 144号,請願第 147号,請願第 149号,請願第 152号,請願第 155号,請願第 159号及び請願第 167号,以上合計14件の請願について,一括してご報告申し上げます。
まず,請願第 136号より請願第 139号に至る4件,請願第 142号,請願第 149号及び請願第 152号,以上合計7件の請願は,いずれも産業廃棄物処理施設指導要綱の改正及び
資源リサイクルセンター運営方法の変更,並びに疑惑として報道されたその他の事柄について,真相解明等を求める趣旨であります。
委員会は審査の結果,本請願はいずれも産廃要綱の改正等について,議会として調査・審査に努めることを求めるとの趣旨において趣旨採択すべきものと決定いたしました。
次に,請願第 140号,請願第 141号及び請願第 144号,以上合計3件の請願は,いずれも産廃要綱の改正等についての真相解明と市長の責任を明らかにすること等を求める趣旨であります。
委員会は審査の結果,産廃要綱の改正等について市長に責任があると最初から決めつけているため,本請願はいずれも不採択とすべきものと決定いたしました。
次に,請願第 147号は,御影工業高校跡地売却に関して市長を参考人として委員会招致することを求める趣旨であります。
委員会は審査の結果,審査の方法は委員会が必要に応じて決めるものであり,市長の参考人招致は必ずしも必要ないと考えるため,本請願は不採択とすべきものと決定いたしました。
次に,請願第 155号は, 100条調査権の権限付与の範囲をすべての疑惑に広げること等を求める趣旨であります。
委員会は審査の結果, 100条調査権の対象範囲を市有地売却コンペ等すべての疑惑に広げる必要はないと考える等のため,本請願は不採択とすべきものと決定いたしました。
次に,請願第 159号及び請願第 167号は,いずれも産廃要綱の改正等についての調査のため,自民党市会議員の委員会招致等を求める趣旨であります。
委員会は審査の結果,現在係争中の事案について同時並行的に調査・審査することは,公判に影響を与えるおそれがあり,行うべきではないと考えるため,本請願はいずれも不採択とすべきものと決定いたしました。
以上,報告を終わります。
55 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で関係委員長の報告は終わりました。
委員長の報告に関し,ご質疑はございませんか。
(「なし」の声あり)
56 ◯議長(
浜本りつ子君) ご質疑がなければ,これより討論の通告がありますので,順次発言を許可いたします。
まず,14番大かわら鈴子君。
(14番大かわら鈴子君登壇)(拍手)
57 ◯14番(大かわら鈴子君) 私は,日本共産党議員団を代表し,請願第 136号から第 142号,第 144号,第 147号,第 149号,第 152号,第 155号,第 159号から第 162号,第 167号,第 168号の18件の採択を求め,主なものについて討論を行います。
請願第 136号, 137号, 139号は,村岡 功元議員にまつわるすべての疑惑について,全容の早期解明と市民への説明責任を果たすよう求めるものです。
また, 140号, 144号は,全容解明とともに矢田市長の政治的責任を明らかにし,市長自身に真相を語るよう求めています。
市民は,立件されている産廃要綱の改正問題とリサイクルセンター問題の2件だけにとどまらず,次々と出てきたポートアイランドPC──用地売却をめぐる問題,御影工業高校跡地,布引車庫跡地売却をめぐるコンペ問題,神戸空港ターミナルビル増設に係る問題など,一連の問題すべてについて疑惑を抱き,真相究明を求めています。
しかし,委員会の中で与党会派の皆さんは,疑惑であって事件ではないと真相糾明を拒み続け,さらに12月15日の政治倫理確立委員会では,市長に最初から責任があると決めつけているとの理由で,これらの請願を不採択とされました。
市長は,事件が発覚した当初に,まともな調査もしないまま,神戸市に不正はなかった,圧力には屈していないと断言され,この立場に固執し続けました。この発言が後々真実を語ろうとする職員の口をふさぎ,手足を縛る結果となったのです。このとき市長が保身ではなく真相解明の立場に立たれていたなら,事態は全く違うものになっていたはずです。
また,その後に出された内部監察報告書の内容と裁判の中で明らかになった事実との相違についても,表現の違いとの受けとめしかされておらず,積極的に解明しようとの姿勢は全く見られませんでした。
このような市長の態度が再発防止に向けた真相解明の大きな妨げとなったことは言うまでもありません。その意味でも市長の責任は重大です。
請願第 155号は, 100条調査権を活用して真相を明らかにすること,それに加えて請願第 159号では,これらの事件に関連して3人の自民党議員の参考人招致を求め,請願第 167号では,この間の裁判の経過の中で明らかになった問題を踏まえて,引き続き政治倫理確立委員会での審査を求めるものです。
100条調査権は,本会議で全会一致で採択され,政治倫理確立委員会に付与されました。市民は,この権限を活用し,あらゆる疑惑が解明されることに大きな期待を抱いていたことは間違いありません。しかし,その期待は見事に裏切られたのです。
この間の委員会の中でこの権限を活用する機会は何度もありました。内部監察結果報告書の重要なデータである職員ヒアリング資料の請求,証人喚問などについて,権限の発動を求める声はことごとく拒否されてきました。これらが行われていれば,疑惑解明は大きく進んでいたはずです。この結果はかえって市民の疑惑を深める結果となっています。
請願第 138号, 149号, 152号は,神戸空港のターミナルビル増設に係る疑惑について解明を求めるものです。
空港ターミナルビルは,北側のまち並みや夜景が見えないことは承知の上で,もともと3階建てとして設計・建設されていました。それが突然,本会議質疑,その後の与党3会派の団長と市長とのトップ交渉で,いとも簡単に4階建てに変更されたのです。これらを含む一連の変更で16億円も余分に使われました。この経緯について当然明らかにするべきです。
請願第 141号, 142号は,
資源リサイクルセンターに関する問題についての疑惑解明を求めるものです。
資源リサイクルセンターは,当初福祉施策の目玉として位置づけられ,国に対しても福祉工場方式として何度も要望してやっと認められたものでした。決算議会でも助役は,あくまで福祉団体に管理運営をゆだねると答弁されていたにもかかわらず,その2週間後には市長判断で覆ってしまったのです。
この一連の経過の中で,このままでは予算が通らないとのおそれを抱くほどの自民党の圧力があったことなどは,内部監察結果でも報告されており,市長みずから市民に対して率直に語るべきです。
請願第 147号は,御影工業高校跡地売却問題について,真相解明を求めるものです。
市有地は市民の財産であり,その売却については当然公平性・透明性が求められます。しかし,このとき行われていたコンペ方式は,入札金額が32億円も差があるにもかかわらず,簡単に入札業者の順位が逆転できるものでした。
このような方式をどういった経過で導入したのか,市長や助役など最高幹部職員がどうかかわったのか,依然として明らかになっていません。関係者の参考人招致は当然行われるべきです。
請願第 159号は,3人の自民党市会議員の参考人招致を求めるものです。
村岡被告の逮捕とともに3人の議員の家宅捜索が行われました。市民に説明責任を果たすためにも,みずから進んで委員会に出席し,身の潔白を証明する機会とするべきです。
請願第 168号は,震災被災者の生活自立を目指し,福祉行政の拡充を求めるものです。
あの大震災から12年,来年の1月17日は遺族にとっては13回忌,節目の年となります。家を失い家族を失った被災者の生活は,表通りのきれいに復興したまち並みとは違い,今も大きな影響を引きずったままです。災害公営住宅ではさらに高齢化が進み,孤独死は今でも続いています。震災で失った住宅を何とか再建できた人も多額のローンを抱えて返済に苦しんでいます。
このような状況にもかかわらず被災者に対する施策は次々と打ち切られているのです。災害公営住宅の家賃も入居10年目から震災減免が打ち切られています。このままでは住む家さえ再び失いかねない状況です。災害援護資金の返済も大きな負担となっています。
これまで神戸市の行った震災関連事業費の総額は3兆円近くになります。しかし,その中で生活支援に使われたのは 1,827億円,わずか 6.5%に過ぎません。行政として市民の暮らしの復興に軸足を置いていたならと思わずにはおれません。
国連社会権規約委員会,ここでは厳しい生活を続けている被災者への支援の改善が必要としています。行政として被災者の現状を踏まえ,支援の拡充を行うべきです。
請願第 160号, 162号は,神戸空港の需要予測などの見直しを求めるものです。
空港・新産業に関する特別委員会の中で局長は,神戸空港の運営について,定着しつつあるとの見解を示されました。みなと総局が作成した管理収支でも,着陸料は平成18年度の7億 7,900万円から19年度で12億 2,000万円と大幅にふえる計画であり,黒字を確保できるとされてきました。これは増便とともに沖縄便の着陸料減免措置が18年度で終了するとの見通しに立ったものです。
しかし,その減免は24年度まで延長されることは確実であり,年間2億 1,000万円もの減収となります。その上,搭乗率の低い全日空の新潟便と鹿児島便の廃止が決まりました。幾らバラ色の先行きを描こうとしても,そうでないことはだれの目にも明白です。
また,土地売却も全く進んでおらず,新交通株式会社が購入する予定となっているポートライナーの車庫用地さえ,平成32年度まで売却できないことが助役の答弁で明らかになりました。願望にしがみつくのではなく,現実をしっかりと直視し,需要予測・管理収支等の見直しを行うべきです。
最後に,社会保険神戸中央病院を公的病院として存続させることなどを求めた請願4件は,審議未了とされました。
何度も指摘していますが,委員会は本会議からの付託を受けて請願を審査しています。その請願の採否については本会議で決すべきものであるということを指摘しておきます。
以上,私の討論といたします。(拍手)
58 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,34番恩田 怜君。
(34番恩田 怜君登壇)(拍手)
59 ◯34番(恩田 怜君) それでは,請願3件に対する委員長報告に反対いたしまして,賛成の討論を述べたいと思います。
なお,私どもは,今回採決が行われております18件すべてに採択を主張するものでありますが,特に神戸空港関連の3件について討論をいたしたいと思います。
先ほど一般決算の反対討論の中で,加納花枝議員が神戸空港のこれまでの問題そしてその過程についてるるおっしゃいましたが,まさにそのとおりでございますが,私は神戸空港が開港してからの問題点を取り上げたいと思います。
開港して10カ月になるわけでございますが,私の住んでおる垂水地区では,大変騒音が増したという市民の苦情が絶えないわけでございます。私の住んでいる塩屋のまちには漁師さんがたくさんおられるわけでございますが,当然漁師さんは早起きをするために早寝をするわけでございますが,騒音で寝つかれずに,魚ではなくて酒の量がふえたと,このように言われている状態になっております。
利用客 319万人という需要予測に対して,目標達成するためには平均搭乗率は77%が必要とされているわけでございますが,羽田便でさえも72~73%の状態でございます。その他の地方都市の航路は,就航1年もたたないのに航空各社が撤退を検討する──仙台・新潟・鹿児島・熊本などの地方都市への航路の廃止を検討しているという報道がございますが,局長はこれらの航空会社と緊密な連絡と連携をとっていると,このような中でこのような事実は聞いていない,これが緊密さを示すものでございましょうか。
このような地方路線が廃止になったときに神戸空港はどうなるのか。どのような経営がなされるのか。私は,この廃止の議論が実際に行われるのかどうかということは抜きにいたしましても,そうなった場合どうするのかという,まさに危機管理についてどう考えているのかということを質問したわけでございますが,残念ながら,努力する努力するの一点張りで,このような危機管理が全く行われていないのか,それとも言えないのか,どっちかと言わざるを得ないのでございます。
それから,空港島の起債の償還に当たるべき土地の売却も全く進んでいない。いろんな組織をつくって努力しておられるのは認めるわけでございますけれども,土地が売れた,売れそうだという現実の話として上がってくることはないわけでございまして,この話がどこまで進むのかというのは全く見えないわけでございます。
それから,さらに輪をかけて,海上アクセスの問題ですが,1日 600人の乗客しかないという,計画の半分にも満たない状態でございますし,これらはまさに私たちが指摘してきたことでありまして,それが現実となった今,PRが足りないだとか,これから努力します──これだけではどうにもならないと言わざるを得ないわけでございます。
当然これについても,どういう条件になったら,どういう段階になったら,この海上アクセス問題を検討するのかという,これもまさに危機管理の問題でございますが,それについても,努力する努力するという返事しかなかったわけでございます。これもやはり危機管理という意味で,検討しているとは言えないと思います。恐らくそのことが言えないと言わざるを得ないわけでございます。
先日週刊ダイヤモンド誌で,全国の自治体の中であの再建団体になった夕張市を抜いて,最も危険な地方団体として指摘されているわけでございます。
このように空港計画・海上アクセス,こういったものが当局の予想に反して破綻をしているという段階の中において,少しでも損失を防ぐ,そして市民に不安を与えない,市民に損失を与えないという意味からも,この 160号の神戸空港の需要・財源等見直しを求めるということにこたえるべきであります。
また, 162号も神戸空港の需要予測の見直し等の審議を求める,まさに空港計画の根幹をなす需要予測が──先ほども委員長から言われましたけれども,国の指針に従って,真っ当な予測であるとおっしゃいましたが,実際にはその予測が外れておると,達成できないということがはっきりした現在,そういったことをきちんと検討するということを考えますと,この2つの請願に対して議員の皆さん方の採択の賛成をお願いしたい,こういうふうに考えます。
それから,第 161号は空港島による大阪湾の汚染に対して対策を求めるものでございます。
先日もテレビ報道されたように,大阪湾では最近青潮という現象が起こっておるというルポが放映されたわけでございます。もちろんこの青潮の直接の原因は,海底の砂の採取の際にできた巨大な穴が原因しているということは明らかでございますが,これはもう随分前からあるものでございます。
今回の請願でも言われておりますように,大阪湾は以前の高度成長時代から一転してだんだん汚染が減ってきていると,このような状態でありましたし,それはデータでも示されているわけでございますが,残念ながら神戸空港ができてから,透明度とか海底の溶存酸素とか,こういったものの数値が悪くなっているというのは紛れもない事実でございます。
そういった環境汚染,大阪湾の海流の汚染,そういったものが青潮の現象を助長して,神戸空港ができてから青潮という現象が起こってきたわけでございます。
有明海のような死の海にならない前に,やはりこういったことに対策を講じるという請願,まさに時を得た請願でございます。これについても議員各位のご賛同をお願いしたいということを述べまして,請願の賛成討論──委員長報告に反対をして,採択を求める討論とさせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました。(拍手)
60 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,54番あわはら富夫君。
(54番あわはら富夫君登壇)(拍手)
61 ◯54番(あわはら富夫君) 私は,新社会党神戸市会議員団を代表して,政治倫理確立委員会で審議された請願 136号より 142号, 144号, 147号, 149号, 152号, 155号, 159号, 167号の14件,空港特別委員会で審議された 160号より 162号の3件,計17件について,それぞれ委員長報告に反対し,採択を求める立場で討論をいたします。
政治倫理確立委員会に提出された請願は14件,陳情は68件に上り,市民の大きな関心を呼びました。しかし,政治倫理委員会の運営で,受理した請願や陳情が提出されてから口頭陳述まで最大 100日を要するなど,運営について大きな問題を残しました。
特に7月19日,市民からの請願・陳情22件の陳述・審査を棚上げにし,事件の解明からコンプライアンス条例案の議論に審議の重点を移すことを与党会派多数で決めてしまいました。
その陳情・請願には委員会運営についての項目があり,それが委員会運営の方向が決まってしまってから陳述を受けるなどは,市民の請願権や陳情権の侵害になってしまったことに対し,大いに反省をするべきです。
'98年の空港住民投票時にも同じことがあり,空港住民投票の実施を求めた条例案が既に否決された後,多くの請願・陳情が長期間残されたままとなり,開かれた空港特別委員会が住民の怒りで大混乱となり,結果,後日の開催となったこともありました。
請願についても,たなざらしにするのでなく,市民の請願権や陳情権を最大保障するためにも適宜適切な時期に結論を速やかに出して行うべきでございます。
政治倫理委員会で審議された14件の請願は,刑事事件となった要綱変更問題とリサイクルセンターの委託変更問題の徹底解明を求めるもの,また御影工業高校跡地コンペ疑惑や空港ターミナルのかさ上げなど,疑惑の解明を求めるものです。
要綱変更問題とリサイクルセンターの委託変更問題は,既に審議は尽くされたと委員長は述べていますが,疑惑はまだまだ解明されておりません。
その1つは,自民党会派としての介在はなかったのかという問題であります。この間,自民党は,今回の事件は村岡個人の問題だと主張しています。実際に家宅捜索を受けた3人の議員も,本会議・委員会質疑・総括質疑は村岡団長の指示でなく自分の意志で質疑したと記者会見や報告チラシで明らかにされております。
ところが,公判で平野章三議員の供述調書が紹介され,そこでは村岡団長の指示で質疑したと明確に述べているのです。本人の信念なのか,村岡団長の指示による自民党会派による問題なのか,市民に明らかにしなければなりません。
神戸市の内部監察調査報告や矢田市長は,今回の事件に関して,圧力はなかった,違法性はない,公益にかなっていたと常々述べてきました。ところが,公判で検察は,当時の環境局参事など職員の供述調書を明らかにし,そこでは圧力に屈した,違法性を組織として認識していた,特定企業を対象にした不適切な変更であったと記されているのでございます。
矢田市長は,記者会見で,それぞれの立場での表現・評価の違いと答えておられますが,圧力に屈した,屈していなかった,違法性を認識していた,認識していなかった,不適切な変更であった,公益にかなった変更であった──だれが聞いても表現や評価の違いでなく,証言をそれぞれの場所で変えたのか,証言を聞いた人が意図的にねじ曲げたのか,そのいずれかとしか考えられないのでございます。何が事実なのか,神戸市当局のかかわりも含めて,市民に明らかにされなければならないと思うのでございます。
また,御影工業高校跡地コンペ問題は,事件として立件はされていないものの,極めて不透明です。特に御影工業高校跡地は地域にとって貴重な用地であり,民間に売却するべき土地であったのか,そのことにまず疑問を感じます。開発優先行政によって苦しくなった一般会計の救済策として,神戸市は多くの統合後の学校用地を不動産会社や民間会社に簡単に売ってしまいました。学校用地は市民の財産であり,地域の安全や福祉,コミュニティの創造の場として神戸市が管理すべき土地であったと思うのでございます。
ところが,御影工業高校跡地はコンペ方式で売却予定グループを決め,ここと随意契約を結んで売却をしております。しかも,最高額より32億円安いグループが当選。このコンペ方式そのものに疑問の声が上がるのは当然です。
このコンペ方式は,価格50点,内容50点で評価しますが,他市の方式とは違い,最低価格を0点としないがゆえに価格差は20点程度の差しか出ず,逆に内容点では50点差が出る仕組みで,幾ら土地の価格で差が出ても内容で逆転できる仕組みになっております。
また,他市が行っているコンペ方式では,内容点が出されてから価格が最後に公表されるのに,神戸では審査委員に価格が事前に公表される仕組みになっています。情実が入り込む余地を残したと言えます。
また,御影コンペでは募集要項が事前にまちづくり協議会に提示され,この会議には,今回当選したグループ参加企業である阪神電鉄がこの協議会の構成員であったというのです。当選したグループは募集が始まる前からその内容を把握していたことになります。これで公平な審査が行われたと言えるでしょうか。疑惑は深まるばかりです。
また,空港ターミナルのかさ上げ等疑惑でも,当局質疑の中で,当時の自民・公明・民主の3団長が本会議の休憩時間に,市長・助役はもちろん担当局などを呼び出し,ターミナルのかさ上げを要求したことが明らかにされました。与党会派が恒常的にこのようなことを正式な会議でない場で行っていたとすれば,まさに密室協議と言われても仕方がないのではないでしょうか。
これらの行為が汚職につながるきっかけになっていたとするならば,このような与党会派と当局の関係こそ改めなければならないのではないでしょうか。これらの解明も不十分にしか行われておりません。
したがって,これらの徹底解明を求める請願の採択を求めるものです。
次に,12月20日に空港特別委員会で審議された3件の請願についてです。
これら請願は,神戸空港の需要予測や土地処分に係る財政計画・管理収支の見直しを求めるものです。そして,大阪湾で最近発生が確認されている青潮の原因の1つが空港島に起因しているのではないのかというものです。
需要予測については,11月末での神戸空港の搭乗者数が 216万人で,このまま 100%の座席利用率になっても 310万人しか利用が見込めず,当初需要予測の 319万人は達成できないことが明らかにされました。局長も,そもそも 100%の座席利用もあり得ないということで 319万人は難しいと,需要予測に達しないことを認めざるを得ませんでした。
また,土地処分についても,処分可能土地は現在のところ35ヘクタールとの答弁が行われ,本来であれば平成18年度末で売却されていなければならない土地が,売却どころかまだ未成土地として50ヘクタールもあるということでございます。これは大問題です。
これこそ平成10年の空港財政計画と大きな乖離であり,枠組みが変わっていないから財政計画は変更しないとの局長答弁は,当然納得することはできません。 2,000億円に及ぶ起債の償還は土地処分にかかっており,土地処分計画と起債償還計画を早急に市民に明らかにするべきです。
また,管理収支についても,現在問題になっている全日空による新潟便や鹿児島便,さらには日航の熊本便が廃止になれば,年間 7,400万円の減収になることが質疑で明らかにされました。
また,沖縄便減免が今年度で廃止になる予定でしたが,国の方で平成24年まで継続される状況であり,この影響が年間2億 1,000万円に上るということですから,最悪年間2億 8,400万円の減収になるということです。管理収支の見直しは必至の状況です。
また,海岸環境についても,当局は,青潮の原因は空港島の影響とは考えにくいとの答弁で終始しました。平成18年度の当局の調査でも,空港島東側での溶存酸素は西側に比べ大きく落ち込んでおり,青潮が尼崎や西宮で発生していることを考えると,影響はないとは断言できないのでございます。
特に平成5年から12年ごろまでの海の環境は年々よくなっており,ところが空港島護岸が海面に出たあたりから再び海の環境が悪化してきたことは,環境局の調査結果からも既に明らかにされています。
また,多くの漁民や釣り愛好家からも同じ証言を私たちは得ています。青潮の原因の一因に空港島があることは当局も認め,その対策を他市や国と一緒になって行うべきであります。
以上,政治倫理確立委員会での14請願と空港特別委員会での3請願に対する討論といたします。いずれも採択していただくようお願い申し上げて,私の討論を終わります。(拍手)
62 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で討論は終わりました。
これより順次お諮りいたします。
まず,請願第 136号より請願第 139号に至る4件,請願第 142号,請願第 149号及び請願第 152号,以上合計7件の請願について,お諮りいたします。
本件を委員長の報告どおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
63 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立多数であります。
よって,本件は,いずれも委員長の報告どおり趣旨採択することに決定いたしました。
64 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,請願第 140号,請願第 144号,請願第 147号,請願第 155号,請願第 159号,請願第 167号及び請願第 168号,以上合計7件の請願について,お諮りいたします。
本件を採択することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
65 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立少数であります。
よって,本件は,いずれも不採択と決定いたしました。
66 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,請願第 141号及び請願第 160号より請願第 162号に至る3件,以上合計4件の請願について,お諮りいたします。
本件を採択することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
67 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立少数であります。
よって,本件は,いずれも不採択と決定いたしました。
68 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,日程第41 議員提出第67号議案より日程第44 議員提出第70号議案に至る4議案,一括議題に供します。
69 ◯議長(
浜本りつ子君) これより順次提案理由の説明を求めます。
まず,議員提出第67号議案について,13番赤田勝紀君。
(13番赤田勝紀君登壇)(拍手)
70 ◯13番(赤田勝紀君) 私は,日本共産党の提出議員を代表して,ただいま議題となりました議員提出第67号議案
障害者自立支援法の抜本的見直しを求める意見書提出の件について,提案説明を行います。
自民党・公明党が障害者団体などの反対を押し切って成立させた
障害者自立支援法は,施行されて10カ月がたち,原則1割の応益負担となる大幅な利用者負担増,相次ぐ施設からの退所やサービス利用の手控え,施設経営を揺るがす報酬の激減など,多くの問題点が明らかになってきました。
先日,我が党議員団が行った神戸市民アンケートでも,
障害者自立支援法への不安と怒りの声が寄せられました。
あるお母さんは,税金が大きく膨れ上がり,残業する日々が続いていますが,貯金ができないほど生活が圧迫されています。うちの子は最重度の自閉症ですが,障害が重い人ほど負担額が大きいと聞きました。助けてください。
また,別の方は,今まで無料だった費用が月額2万 2,000円の負担増となり,6万円の障害者年金の中から定期代を含めると4万円も必要になったなど,負担増で生活が苦しくなっている様子が生々しく伝わってきました。
また,神戸市が実施した障害者へのアンケート調査でも,平成17年度平均と平成18年度4月から8月の平均とを比較してみますと,居宅サービス利用者の月額平均負担額は 900円が 5,052円に,通所施設利用者では 372円だったのが1万 7,206円に,入所施設利用者では3万 3,906円が5万 3,180円に負担が大幅に膨れ上がっていることが明らかになっています。
一方,サービス事業者への報酬単価引き下げと報酬日額化によって,今でさえ困難な施設の運営が一層困難になっています。通所施設に通う障害者が1割負担になったために,通所日数を制限し,それに伴って施設の収入が減少することになります。
障害者自立支援法は,障害者も事業者も苦しめる悪法であり,全国で怒りの声が沸き起こっています。
そんな中で
障害者自立支援法の見直しを求める声が広がっています。障害が重いほど負担がふえる原則1割の応益負担の中止などを求めた署名が3週間で約44万人分集められ,12月12日に障害者団体が厚生労働省に提出しました。神戸でも11月9日に,県庁を包囲する集会に 600人を超す障害者が集まりました。
10月の法全面実施後わずか1カ月で与党が一部改善の方向を打ち出し,補正予算要求を行いました。そのこと自体,この法律がいかにひどいものであるかを示すものでありますが,その内容は通所・在宅サービス利用者の1カ月負担上限額を若干引き下げること,事業者の収入を部分的に保障する措置の創設などだけで,制度の根幹である応益負担の問題には触れていません。ここに手を触れずに抜本的な改善はあり得ません。この改善を今すぐにでも求めるべきです。障害者への負担増は利用制限につながり,障害を悪化させます。一律1割の応益負担と報酬の日額化は撤廃すべきです。
よって,国に対して,応益負担撤廃など
障害者自立支援法の抜本的見直しを求める意見書提出を行おうとするものです。議員各位の賛同を心からお願いいたしまして,私からの提案説明とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
71 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,議員提出第68号議案について,30番森本 真君。
(30番森本 真君登壇)(拍手)
72 ◯30番(森本 真君) 私は,日本共産党議員団を代表して,議員提出第68号議案介護保険法の抜本的見直しを求める意見書提出の件について,提案説明を行います。
4月から介護保険法が改正され,多くの高齢者が公的な介護サービスを奪われています。今まで利用してきた介護ベッド・車いすが取り上げられ,ヘルパーやデイサービスなどが削減されました。
また,昨年10月から介護施設の居住費・食費が全額自己負担となったため,負担に耐えられず退所を余儀なくされたり,ショートステイ,デイサービスを断念した高齢者も少なくありません。
神戸市介護サービス協会が行った事業所アンケートでも,今まで利用していたショートステイが利用できなくなり,家族の介護負担が増している,ベッドさくを利用して1人で立ち上がっていた方は,布団に戻ると立ち上がることができなくなる,車いすを取り上げられたらもう外出しないなど,利用者や事業者からの悲痛な声が出ています。
さらに,税制改正による税負担増と,それに連動する介護保険料の値上げは高齢者をますます苦しめています。
日本共産党市議団が先日行った市民アンケートでも,市政に望む施策として国保と介護保険料の値下げが65.1%と一番多く,市民の切実な要求となっています。この値上げは三位一体の改革・税制改正とともに来年・再来年も続けられる計画です。
介護保険料を引き下げるためには,全国市長会や全国町村会などが要望しているように,当面国庫負担を30%にすべきです。これだけでも今回の高齢者の保険料値上げをほとんど抑えることができます。必要な財源は年約 3,000億円であり,米軍への思いやり予算と大差ありません。
さらに,今回介護保険と切り離された要介護度の軽い要支援1及び要支援2の介護予防プランは,地域包括センターが作成することとされました。この業務は,他の居宅介護支援事業者──えがおの窓口に委託可能となっていますが,低い介護報酬と1人のケアマネジャーにつき委託件数8件という制限がついています。
今後増大することが予想される要介護者のケアプランが,報酬が低いためにえがおの窓口では敬遠され,包括支援センターに集中することは確実です。そうなれば各地の包括支援センターに勤務する3人の職員だけでは,すべての要介護者のケアプランが作成できなくなる事態が予想されます。このことはとりもなおさず必要な介護を受けることができない介護難民を生じさせる危険性が極めて高いのです。
また,療養型病床群の縮小・廃止計画については,神戸市医師会も反対の決議を上げています。この計画は療養病床の廃止・再編によって介護や医療が必要な高齢者が追い出され,介護難民・医療難民が生まれ,施設介護制度を根本から変えてしまうとともに,質の低下,弱者切り捨てにつながります。
介護保険制度が,だれもが自由に介護サービスを受けられるという,発足当初に政府が説明した,社会で介護を支える制度ではなくなっています。高齢者が安心して必要なサービスが受けられるように,介護保険制度そのものの抜本的改正が必要です。
介護保険制度を改善し,だれもが安心して介護サービスが受けられるよう,神戸市会において国に意見書を提出すべきだと考えます。
議員各位のご賛同をお願いして,提案説明といたします。(拍手)
73 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,議員提出第69号議案について,31番金澤治美君。
(31番金澤治美君登壇)(拍手)
74 ◯31番(金澤治美君) 私は,日本共産党議員団を代表して,議員提出第69号議案社会保険神戸中央病院の存続・機能拡充を求める意見書の提案議員を代表して,提案説明を行います。
社会保険神戸中央病院は,神戸市の強い要望により昭和61年に中央区から北区に移転され,20年以上,北区の中で地域の中核病院としての役割を果たしてきました。
社会保険神戸中央病院は,保健予防・医療・総合リハビリ・ターミナルケアを担う病院として,また老人保健施設・訪問看護ステーションを併設し,地域医療とのネットワークの中心ともなってきた病院です。入院患者のベッド数 424床を有し,1日の外来患者数約 800名,地域の開業医との連携のもと,基幹病院としての役割を果たしています。
また,時間外・休日の患者受け入れも,平成17年度だけ見ても年間1万 1,468件にも上り,小児救急も毎日行うなど,北区の中でなくてはならない病院です。
しかしながら,厚生労働省社会保険庁は,医療保険制度改革の論議の中で平成14年に社会保険病院のあり方の見直しの方針を発表し,全国にある54の社会保険病院を3グループ──1,単独で経営自立ができる病院,2,単独での経営自立は困難であるが,地域医療にとって重要な病院,3,その他の病院とに分けて,1と2の病院については新しい経営形態への移行などを,3の病院については統合・移譲──売却等を検討しています。
社会保険庁は,平成18年度中に社会保険病院の整理・合理化計画を出すとしていましたが,いまだに何の方向性も打ち出されておりません。
そんな中,社会保険神戸中央病院が今後も今までどおり地域の基幹病院としての役割を果たしていけるのか,病院関係者はもちろんのこと,患者をはじめ北区民は大きな不安を抱えています。
近年,少子・高齢化の進展などにより医療に対する市民のニーズはさらに高まっており,小児医療などの機能を拡充する声も高まっています。
今後も社会保険神戸中央病院が公的病院として引き続き地域の中で必要な医療を展開できるよう,その存続と機能拡充を求める意見書を,今この時期に国に出すべきと考えます。
議員の皆さんのご賛同をお願いいたしまして,私の提案説明といたします。(拍手)
75 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,議員提出第70号議案について,36番加納花枝君。
(36番加納花枝君登壇)(拍手)
76 ◯36番(加納花枝君) 私は,議員提出第70号議案イラク派遣自衛隊の即時撤退を求める意見書提出の件につきまして,日本共産党議員団,住民投票☆市民力議員団,新社会党議員団の18人を代表いたしまして,提案理由を申し上げます。
イラク戦争が始まって4年近くになります。長引く戦争が一日も早く終わり,イラクの人々が安心して普通に暮らせる日が来ることを願うものです。今マスコミ報道が激減した中,イラクの情勢を知ることは難しいことです。しかし,内紛は続いています。
私は,戦争への道を許さない女たちのネットワークの一員として,昨年イラクの子供たちへの人道支援を続けている方の報告会を持ちました。画面に映し出される映像からは直視できない場面も多くありました。戦場と化したまちの中では,親や家をなくした子供たちが泣き叫んでいるのです。
私たちの国では今でも,戦後60年たちながら原爆被害者の方々の苦しみがあるように,アメリカのやったベトナム戦争では今なお枯葉剤による奇形児が産まれており,苦しみは続いています。
イラクでは劣化ウラン弾の被害が子供たちや市民を苦しめており,いつまでも被害は続くと思われます。
7月に陸上自衛隊は撤退したものの,航空自衛隊については基本計画を3たび変更し,派遣期間の延長がなされました。すべての自衛隊を撤退させ,人道支援に徹するべきと考えます。神戸市議会として国に声を上げるべきです。
以下,意見書案を読み上げ,提案をいたします。
「イラク派遣自衛隊の即時撤退を求める意見書(案)
イラクでは主権移譲から3年が経過しました。しかし,政権移譲後も治安情勢は安定せず,事実上の内戦状態が続いています。米国はこれに対し有効な対応策を打ち出せず,米兵死者の累計は 3,000人に迫り,イラク市民も5万人以上が死亡したという推定もあります。国連のアナン事務総長は現状のイラクを内戦状態と断言し,「イラク政府は暴力を抑えられないでいる。安全がなければ復旧も復興もおぼつかない」と述べています。
さらに米国では,超党派の「イラク研究グループ」が12月6日,ブッシュ大統領と議会にイラク政策見直しの提言をまとめた報告書を提出しました。報告書によると,「米軍はまったく先の見えない任務に入り込んでしまった」とし,「イラク政府の崩壊と人道的な大災難」の可能性を警告しています。さらに,従来どおり米軍の軍事作戦を続行させるだけでは何も解決せず,周辺諸国に協力を求めて国際的な問題解決支援の枠組みをつくることを提案,米軍は大規模な駐留を無期限に続けるべきではないとし,2008年3月までの戦闘部隊撤退を目標に掲げています。そもそも開戦の最大の理由であった大量破壊兵器がイラクに存在しなかったことも,米国政府を含む世界の共通認識となっています。
イラク戦争には,当初からフランス,ドイツ,ロシア,中華人民共和国など多くの国がかかわりませんでした。派兵した国々も次々と撤退を表明し,あるいは既に完全撤退しています。
ところが政府は,12月8日,陸上自衛隊が撤退した後も活動範囲を広げて派遣を続けてきた航空自衛隊について,三たび基本計画を変更し,イラクにおける復興人道支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法の期限が切れる来年7月31日まで,派遣期間を延長することを閣議決定しました。
神戸市会は昭和37(1962)年,「全世界の人々と相携えて恒久平和の実現に邁進する平和都市であることを宣言」しています。
政府は,国際協調主義に基づく人道的見地から,イラク問題に取り組んでいくべきであると考えます。米国がイラク政策を転換しようとしているとき,政府は混迷するイラクの情勢にかんがみ,憲法の平和主義に立ち戻って早急に自衛隊を撤退させ,イラク問題の解決に当たるべきです。
よって,国におかれては,航空自衛隊への派遣命令を撤回し,イラクに派遣された自衛隊を即時撤退されることを,強く要望します。」
以上,文案を読み上げさせていただきました。議員の皆様のご賛同をよろしくお願いいたします。(拍手)
77 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で提案理由の説明は終わりました。
本件に関し,質疑の通告もありませんので,本件は委員会の付託を省略し,直ちに討論に入ります。
これより発言を許可いたします。
15番高山晃一君。
(15番高山晃一君登壇)(拍手)
78 ◯15番(高山晃一君) 私は,住民投票☆市民力を代表しまして,ただいま議題となっております議員提出第67号議案
障害者自立支援法の抜本的見直しを求める意見書提出の件,議員提出第68号議案介護保険法の抜本的見直しを求める意見書提出の件の2議案に反対する立場から討論を行います。
まず,第67号
障害者自立支援法の抜本的見直しです。
私たちは,国が応益負担という原則を定める以上,障害者が働いて収入が得られるよう訓練をする場所,そして実際に働く機会や場などが十分に提供されることが前提条件になると考えます。
ところが,実際は障害者が働いて収入を得る機会は提供されていないに等しい状況のまま負担だけが生じ,応益負担したくてもできないという事態を招いております。
私たちは,本議案で要望されているように,応益負担の撤廃という見直しではなく,障害者に働く機会や場が提供され,働く喜び,収入を得る喜びや納税したいという願いがかなえられる方向で法整備,見直しがされるべきだと考えます。
よって,本議案には賛同できません。
次に,第68号介護保険法の抜本的見直しです。
本議案では,国の負担をふやすこと,国の予算をふやすことなどが要望されています。しかし,こうした見直しは結果として介護保険料のさらなる値上げや大幅な増税という悪循環を招き,抜本的な見直しにはならないと考えます。
私たちは,予防施策を充実させ,トータルとしての介護サービス料が増大しない方向で法整備,見直しをされるべきだと考えます。
よって,本議案には賛同できません。
以上,議員の皆様のご賛同をお願いいたしまして,反対討論といたします。(拍手)
79 ◯議長(
浜本りつ子君) 討論は終わりました。
これより順次お諮りいたします。
まず,議員提出第67号議案及び議員提出第68号議案について,お諮りいたします。
本件を原案のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
80 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立少数であります。
よって,本件は,いずれも否決されました。
81 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,議員提出第69号議案及び議員提出第70号議案について,お諮りいたします。
本件を原案のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
82 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立少数であります。
よって,本件は,いずれも否決されました。
83 ◯議長(
浜本りつ子君) この際,暫時休憩をいたします。
午後1時20分より再開いたします。
(午後0時3分休憩)
(午後1時23分再開)
(
浜本議長議長席に着く)
84 ◯議長(
浜本りつ子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
直ちに議事に入ります。
日程第45 議員提出第71号議案より日程第47 議員提出第73号議案に至る3議案,一括議題に供します。
85 ◯議長(
浜本りつ子君) これより順次提案理由の説明を求めます。
まず,議員提出第71号議案について,15番高山晃一君。
(15番高山晃一君登壇)(拍手)
86 ◯15番(高山晃一君) ただいま議題となりました議員提出第71号議案神戸市政治倫理に関する条例の件につきまして,住民投票☆市民力・新政会の2会派の提案者を代表いたしまして,提案説明をいたします。
本件は,前文に書かれているとおりあっせん収賄罪容疑で平成18年──2006年4月5日,自由民主党神戸市会議員団団長村岡 功氏が,5月19日には同じく自由民主党神戸市会議員村岡龍男氏が逮捕され,起訴されました。これは明治22年──1889年6月21日に神戸市が開庁されて以来の愚挙であり,神戸市民の神戸市会並びに神戸市政に対する信頼は地に落ちました。
このような事態を受け,神戸市民の信頼を回復すべく,この神戸市政治倫理に関する条例を制定しようとするものです。
本条例は,第1条に目的を,第2条で市長・市会議員及び市民の責務について明記し,第3条でこの条例遵守のための宣誓書の提出義務を定め,第7条で疑義を審査する諮問先として独自の審査会を設置するのではなく,平成18年9月20日に制定された神戸市政の透明化の推進及び公正な職務執行の確保に関する条例に規定される神戸市
公正職務審査会に諮問することとしています。
また,第8条に市民の審査請求権を,第9条に市民説明会の開催を,第10条に政治倫理の確保に向けて,市長や議員が不誠実な態度をとったり説明責任を怠った場合に広報紙等で公表することとし,附則として本条例を平成19年4月1日から施行することとしております。
以上,何とぞご審議のほどお願い申し上げます。(拍手)
87 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,議員提出第72号議案について,72番西下 勝君。
(72番西下 勝君登壇)(拍手)
88 ◯72番(西下 勝君) 私は,日本共産党議員団を代表して,ただいま議題となりました議員提出第72号議案神戸市政治倫理に関する条例について,提案説明を行います。
福島県,和歌山県,宮崎県と,相次いで知事が汚職事件で逮捕されるなど,異常事態が続いています。一連の汚職事件に共通しているのが,選挙で自民・民主・公明党などの応援を受けて,首長と与党の持ちつ持たれつの関係ができていることです。今,地方政治での汚職・腐敗をなくすために政治倫理条例を制定する自治体がふえています。
さて,神戸市でも残念ながら市民の期待を裏切る汚職事件が起きました。元自民党市会議員団長の村岡被告とその長男──龍男被告らによる今回の汚職事件に対して,市民から厳しい批判の声が上がるとともに,神戸市政に対する不信が広がっています。
この事件も,市長選挙で矢田市長が自民党・民主党・公明党などの応援を受けたことが背景にあると言わざるを得ないのであります。神戸空港ターミナルビルの増築をめぐって自・公・民の3団長が圧力をかけ,市長がこれに屈服した例を見ても明らかであります。
事件の真相解明と信頼回復を目的に設置された市議会政治倫理確立委員会は,自民・民主・公明党の与党が数を頼りに, 100条調査権の発動をはじめ必要な調査もせず,市民の信頼を回復することもないまま,特別委員会の廃止を強行しようとしています。
こうした与党の態度は神戸市民の期待を裏切り,市政と市議会に対する不信を一層広げることになるもので,絶対に許されない態度だということを申し上げておきます。
さて,さきに述べましたように全国各地で政治倫理条例の制定が続いています。神戸市でも今回の汚職事件を真摯に反省するならば,再発防止のための有効な手だてを講じるのは当然のことであります。私たちが政治倫理条例を提案する最大の理由はここにあります。
与党議員が提案している決議・綱領などは議員の申し合わせ事項にすぎないもので,法的な拘束力は全くありません。これに対して我々が提案している政治倫理条例案は単なる申し合わせ事項ではありません。法的拘束力のある条例として定め,守るべき政治倫理規範も可能な限り具体的に明らかにしています。
では,提案している条例案の特徴について述べます。
第1条の目的では,主権者である市民の厳粛な信託にこたえ,清潔で民主的な市政,市議会として発展することに寄与することなどを明らかにしています。
対象は,市長・議員に加え,助役・収入役及び教育長も対象としました。これは市長・議員はもちろん助役・収入役は市政全般に大きな影響力を持っているからです。また,教育長は教育行政の責任者として教育行政に大きな影響力を行使する立場にあることから対象としました。今回の一連の汚職事件・疑惑にかかわって助役室も家宅捜索を受けており,当然対象とすべきと考えます。
市長等の責務については,地方自治法が地方自治体の役割として規定している市民の福祉の増進を図ることを目的として,事務事業を執行することを改めて明記しました。また,議員の責務としては,議員の基本的な役割である市政に対するチェックという点を明記しました。
守るべき政治倫理基準についても,第6条で明らかにしておりますが,そのうち特徴的な項目について説明いたします。
市長や議員には企業・団体からの政治献金を受け取らないよう求めています。このことは今回村岡親子が,わいろを受け取っていた業者から政治献金も受け取っていたという事実があります。企業・団体からの政治献金が汚職・腐敗の温床となっているため,市長・議員には受け取らないよう求めています。
また,市長等及び議員が関与する企業について,市の請負契約等から辞退,指定管理者の指定も受けないよう求めています。
さらに,汚職などの疑いがあるとき,そのことについて調査・審査するために,第9条で神戸市政治倫理審査会を設置するとしています。この審査会には学識経験者だけでなく公募で市民も加わることとしております。
また,第11条で,市民に審査請求権を保障していることも本条例の大きな特徴です。条例に規定する政治倫理規範に反する疑いがある場合,市民が必要な資料を添えて説明会の開催を求める権利などを保障しています。
また,有権者50分の1以上の署名と定数3分の1の議員の連署があれば,説明会の開催を義務づけています。同時に疑惑の対象とされた市長等及び議員に対して,説明責任など協力義務も課しています。
こうした市民の調査請求権などを保障した理由は,今回の汚職事件の審議経過からも不可欠だと考えました。
資源リサイクルセンターの運営方法の変更については,神戸市当局が,福祉工場方式のままでいけば予算が否決されるかもしれないという懸念を持ち,市長が最終的に2分割方式ということを決断したとする当局資料が存在します。
しかし,矢田市長は一貫してこの事実から目をそらし,まともに答弁しておりません。私たちが提案している条例が成立すれば,今回のような場合,第13条に基づき市長みずから市民説明会に出席して,その経過について説明する責任を負うことになります。
また,平野章三議員についても,事件発覚後の記者会見とみずからの後援会員にあてたおわび文書では,一連の質問はみずからの判断でした,事件とは無関係だとしています。ところが,10月20日の公判で明らかにされた検察調書では 180度違います。
調書では,自民党市会議員団の団長であった村岡 功先生の指示を受けてのことに間違いありません。共同記者会見を受けた際,真実でないことを話してしまいました。この記者会見で村岡 功先生から指示を受けて質問したと話すことができなかった理由は,村岡 功先生の不利になること,党幹部役員に事件に関与していると見られること,私も村岡 功先生と同様に逮捕されるのではないかという不安があったこと,私のこれまでの議員歴に汚点を残し,来年行われる
市会議員選挙に悪影響が出るのではないかと考えたことなどでした。当初から真実をお話しすることができなかったことに対し,まことに申しわけなく反省しております。今後は今回の事件に関し,どのような場合においても真実をお話しすることを誓いますとされているのです。
平野議員の判断なのか,それとも村岡被告の指示を受けたものなのか, 180度違うわけで,これらについて平野議員から事情を聞くべきだとする日本共産党議員団などの提案にも与党は応じませんでした。さらに,コンペ問題では他の議員の名前も取りざたされました。
こうした疑惑も自民・民主・公明各党によって審議そのものが中断させられたため,真相は解明されていません。市民の願いに背を向けた与党会派の責任は重大であります。
私たちが提案している条例では,市民が平野章三議員に,どちらが本当なのか説明を求めることができるようになっています。
さらに,12月8日の公判では,村岡被告側が平野章三議員と贈賄業者であるセーフティーアイランド社の北尾元社長とのつながりが深いことを明らかにしています。こうしたことも,市民は平野議員に説明を求めることができるのです。
また,コンペ問題でも市民は審査会に調査を求め,また名前が取りざたされた議員に対して説明会を求めることができるのです。市民にこうした調査請求権を付与することで汚職・腐敗事件を防ぐ効果があると考えます。
今,市民は,神戸市議会が今回の汚職事件に対してどういう態度をとるのか,さらに再発防止のためにはどういう対策をとるのか,注目しています。あいまいな決議や綱領などでなく,法的拘束力のある条例を制定し,市民とともに汚職事件の再発防止に取り組む姿勢を明確にすべきであります。
各議員は,こうした点を真摯にご検討いただき,私たちが提案している政治倫理条例案にご賛同いただきますよう重ねてお願いして,私の提案説明といたします。(拍手)
89 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,議員提出第73号議案について,65番前島浩一君。
(65番前島浩一君登壇)(拍手)
90 ◯65番(前島浩一君) ただいま議題となっております3議案のうち,議員提出第73号議案政治倫理の確立に関する決議の件につきまして,自由民主党・公明党・民主党の3会派の提案者を代表いたしまして,ご説明いたします。
このたびの現職議員2名による収賄事件は,市会議員ひいては市政全体に対する市民の信頼を損ない,神戸市会の名誉を傷つけ,清廉を旨として運営されてきた神戸市政の歴史に大きな汚点を残しました。もとより市民福祉の向上のため市民の声を市政に反映させることは,議員活動として当然の責務でありますが,そこに金品の収受等不正が伴うことがあっては断じてなりません。
我々議員は,まさにその政治倫理が問われたこのような事件を二度と起こさないよう,一層公正かつ高潔な職務執行に努め,一日も早い市民の信頼回復を図らなければなりません。
本決議は,事件の再発防止に向けた神戸市会としての強い決意を表明するとともに,この機会に神戸市政治倫理綱領を定め,改めて本市における政治倫理の確立を図ろうとするものであります。
次に,神戸市政治倫理綱領について申し上げます。
まず,本綱領は,同じく選挙によって市政に携わる機能を市民から託された議員及び市長を対象といたしております。
そして,第1条では本綱領の趣旨を,第2条及び第3条では遂行すべき責務と遵守すべき政治倫理基準の内容を,それぞれ定め,議員及び市長に使用される者で政治活動を補佐するものも含めて,政治倫理基準を遵守することを盛り込んでおります。
最後に,第4条において,本綱領に反すると認める行為に対しては,事案の内容に応じて適宜適切な措置がとれるよう,必要な措置を講じることなどを規定いたしております。
以上,本市における政治倫理の確立に向けて,議員各位のご賛同をお願い申し上げまして,提案説明を終わらせていただきます。(拍手)
91 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で提案理由の説明は終わりました。
本件について質疑の通告がありますので,順次発言を許可いたします。
まず,31番金澤治美君。
(31番金澤治美君登壇)(拍手)
92 ◯31番(金澤治美君) 私は,日本共産党議員団を代表して,議員提出第73号議案政治倫理の確立に関する決議の件について,数点質疑をいたします。
まず,なぜ条例ではなく綱領として提案されているのかをお聞きいたします。
提案されている決議・綱領は,法的に何の拘束力もなく,いわば理念を列挙したものにすぎません。今回,神戸市政始まって以来の汚職事件が起こり,疑惑と言われるものも多数出てくる中で,真の再発防止策をとらなければならないというのは皆さん一致した意見だと思います。
それならば,決議をして綱領をつくるぐらいでは足りないと思います。きちんと条例化を行い,規定に違反する疑いがあれば審査会に諮る,市民からも審査が請求できる仕組みなどをつくるのが本筋ではないでしょうか,お伺いをいたします。
次に,綱領の内容について,数点伺います。
まず,綱領の第1条の趣旨についてです。この趣旨には,議員と市長の責務を明らかにするとなっており,この綱領を守るのは議員と市長だけになっています。しかし,今回の汚職事件では,市長のみならず助役らも事情聴取を受け,家宅捜索も受けています。市政の最高幹部である助役・収入役及び教育長まで含めるべきと考えますが,いかがでしょうか。
次に,第3条の政治倫理基準について伺います。第3条3項には,政治的・道義的な批判を受けるおそれのある寄附を受けないこととなっていますが,それだけでは足りません。今回の汚職事件で捕まった村岡両氏は,もちろんわいろを受け取っていたわけですが,同時に多額の政治資金も受け取っています。つまり政治献金自体が市政をゆがめることにつながるのです。公正で高潔な職務執行に努め,市民の信頼を回復するというのなら,法人その他の団体から献金を受け取らないことを決めるべきではありませんか。そうしてこそ真に公正で清潔な市政が実現できると考えますが,いかがでしょうか。
また,同じく第3条1項に,その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこととありますが,不正の疑惑とはどういうことを言うのでしょうか。今回政治倫理確立委員会では,汚職事件の論議とともに疑惑についても論議しましたが,これを自民党の委員の方たち中心に,事件ではないから,これ以上論議する必要はないと言い,疑惑を残したまま議論を打ち切ってしまいました。今回,政治倫理確立委員会で論議した疑惑問題のうち,どのような案件がこの綱領の不正の疑惑に当たるのか,具体的にご説明ください。
最後に,第4条措置等について伺います。第4条1項では,綱領に反すると認める行為に対し,市政の名誉と品位を守るため必要と認める措置を講ずるものとなっていますが,これでは再発防止の担保措置とはなりません。
政治倫理審査会の設置,市民からの調査請求を保障すること,市長等及び議員の協力を義務づけること,また必要ならば市民説明会を開催することなど,しっかりと再発防止策を担保することが必要ではないでしょうか。
このたび提案されている綱領が実質的に機能するものでなく,単に理念的なものであってはならないと我々は考え,神戸市政治倫理に関する条例の提案を行っております。
そういう観点から質疑を行っておりますので,簡明なご答弁をお願いいたしまして,私の質問といたします。(拍手)
(「議長65番」の声あり)
93 ◯議長(
浜本りつ子君) 65番前島浩一君。
(65番前島浩一君登壇)
94 ◯65番(前島浩一君) ただいまご質問のありました点について,ご答弁させていただきたいと存じます。
まず最初に,なぜ条例でなく綱領なのかと,こういう点についてでございます。
法的拘束力という問題でありますが,綱領でも当然内部規律として遵守義務が発生するわけでございまして,そのことをもって条例でなければならないということにはならないと私どもは考えております。
政治倫理の基本は個々の議員の政治姿勢あるいは心の規律である倫理の問題であろう,このように思います。
したがいまして,法的な権利・義務を規定する条例にはなじまないというふうに思っております。さらに,条例で規定しなければならないとする法令上の理由もございません。
以上のことから,市会といたしましては事件の再発防止,政治倫理の確立についての決意をあらわすとともに,条例ではなく綱領を含む決議が適正であるというふうに考えております。
次に,綱領の中には助役・収入役あるいは教育長が入っていないが,必要ではないかという趣旨のご質問でございます。
今回の収賄事件で市政の信頼を損なうに至ったことを踏まえ,何よりもまず政治家みずからのあるべき姿を示すことが第一であるということから,広く市民の直接選挙によって選ばれた公職者のあるべき姿を示そうというものであり,市民の直接選挙で選ばれておらず,自治法上も一般の職員と同じ補助機関である助役・収入役を今回の規範の対象とする必要性はないというふうに判断しております。
助役・収入役につきましては,市長が任命権を持っておりまして,また教育長は教育委員会が任命権を持っているというふうに思います。仮に助役等に倫理違反があれば,それぞれの任命権を持っている者にゆだねることが法律的に適切であるというふうに考えております。
それから,第3条3項のいわゆる政治的また道義的な批判を受けるおそれのある寄附を受けないことというのは不十分ではないかと,法人その他の団体から寄附を受け取らないようにすべきではないかと,こういうご質問でございますが,ご承知のとおり首長や議員個人に対する企業・団体献金は政治資金規正法で禁じられております。これに上乗せをして議員及び市長は政治的または道義的批判を受けるおそれのある寄附を受けないことを定めるというふうなものでございまして,不十分とは考えておりません。
また,その3条の1項の職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこととはどういう行為に当たるのかと,こういうご質問でございますが,政治倫理基準は遵守すべき政治倫理について定めたものでありまして,公選法等の公職者に対して適用される法令の遵守を大原則として,それらに抵触すると疑われるような行為をしないことを規定したものでございます。表現としては共産党の条例案第6条第1号のイと同様というふうに考えております。
条例で規定する場合には,具体的な規定とすべきかもしれませんが,綱領では,疑惑を持たれること自体,市民の信頼を損なうことにつながるので,住民の不信を買うような公私混同を戒めたものであるというふうにご理解をいただきたいと存じます。
そして最後に,第4条の措置の件についてですが,再発防止の担保措置がないが,どうするのかと,こういう点でございますが,担保措置としては,起こり得る事案はさまざまなことが想定されるため,事案の内容や状況に応じ,臨機応変に適宜適切な対応がとれるよう,市会は必要と認める措置を講じるものというふうにいたしております。
以上で答弁を終わらせていただきます。
(「議長31番」の声あり)
95 ◯議長(
浜本りつ子君) 31番金澤治美君。
96 ◯31番(金澤治美君) そしたら,再質問をさせていただきます。
今ご答弁がございましたけれども,まず私の1つ目の質問で,なぜ条例にしなかったかという点でございますけれども,心の規律である,そして条例にはなじまないというご答弁がございますけれども,各都市でも条例として制定をしているという状況がございますし,やはり法令を遵守するという立場から言いますと,綱領ではなく,きちっと条例にして定めるということが何よりも大切であるというふうに思っております。この点については指摘をさせていただきます。
それから,私が一番お伺いをしたかったところは,不正の疑惑はどういうものであるかということですけれども,疑惑を持たれるようなことをすること自身が問題であるというふうな認識を,提案者の方々もお持ちであるというふうに思います。
そこで,再質問をさせていただきますけれども,このたびの政治倫理確立委員会の中でさまざまなご議論がございました。
その中で6月30日の政治倫理確立委員会の中ですけれども,平野昌司理事がこう発言をしておられます。火事とけんかは大きいほどおもしろいというようなたとえもあるように,例えば疑惑だ疑惑だと騒ぎ立てて疑惑をつくり出すことは,私はあえてしたらいかんと思うんですよと──途中省きますけれども,現実に金銭の授受であるとか特定の人に非常に利便を与えるとか,いわゆる法律違反とかいうのが明確に出ていないと──恐らくコンペについてはもう全部終わっていると思うんですよね,それを前提にまだこれをあおり立てて言うのはどうかなと,こういうふうに発言をされております。
同じく平野昌司理事ですけれども,8月28日も,疑惑疑惑と言われるようにおっしゃる方がおられれば,それは皆さん,それを自分なりに証拠を持って検察庁なり警察なりに告発されたらいかがでしょうかと──これは前にも申し上げたと思いますが,そのように申し上げたいと思いますと,このように疑惑というのは問題じゃないんだというふうに,ここの政治倫理確立委員会の中で言われているんです。
それで,結局この疑惑の問題については最後まできちんと当局を呼ぶとか,参考人を招致するとかいうことがなされないまま終わらせていらっしゃるんですね。特に与党の皆さん方中心に幕引きを図られたと,私たちは感じていますけれども,こういったことがまたこの綱領をつくったとしても起こってしまうのではないか,疑惑は事件じゃないから,いいんだよと──いいんだよとまでは言いませんけれども,それを一々持ち出すのはいかがなものかと,こういうふうに言われているわけですね。皆さん提案者の方々の中からこういうふうに言われているんですけれども,こういったことでは何ら解決は図られないと思うんですけれども,この点についてのみ再質問をさせていただきます。
(「議長65番」の声あり)
97 ◯議長(
浜本りつ子君) 前島浩一君。
98 ◯65番(前島浩一君) 今のお話ですが,委員会における1つのやりとりといいますか──でのお話を例に挙げられて申されたわけでございますが,私どもといたしましては,あくまでも当然の,先ほども申し上げましたように,市民から見て信頼を損なうおそれのあるような,そういう公私混同を含めたことについては戒めていこう,こういうことでありまして,委員会における議論のやりとりで,お互いに感情的な面も含めてやりとりがあったという点はあるかもしれませんが,基本といたしましては,あくまでも職務の責任に関して不正の疑惑を持たれるようなことについては,一切それについては我々はしないということを,住民に対して決議・綱領を通じて宣言していこう,こういうことでございますので,そういう理解をしていただきたいというふうに思います。
(「議長31番」の声あり)
99 ◯議長(
浜本りつ子君) 金澤治美君。
100 ◯31番(金澤治美君) もう1回再質問をさせていただきますけれども,それでは不正の疑惑のようなことがもし起こった場合には,第4条で必要と認める措置を講じるものとしてありますけれども,具体的にこの場合の措置とはどういうことでしょうか。
(「議長65番」の声あり)
101 ◯議長(
浜本りつ子君) 前島浩一君。
102 ◯65番(前島浩一君) それはその都度──先ほど来申し上げましたが,その都度その必要に応じて内容を審査した上で措置を決めていくということでございますので,それはその都度に判断をさせていただくということになろうかと思います。
103 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,2番井坂信彦君。
(2番井坂信彦君登壇)(拍手)
104 ◯2番(井坂信彦君) 与党さんの出されたのにいろいろお聞きしたいんですが,ちょっときょうは時間が大変短いということですので,1点に絞ってご質問いたします。
要は,今回この出された綱領がもし実現したときには何が変わるのか,綱領ができる前とできた後で具体的に何が変わるんですかということのみ,お答えいただければ結構です。
以上です。(拍手)
(「議長65番」の声あり)
105 ◯議長(
浜本りつ子君) 前島浩一君。
(65番前島浩一君登壇)
106 ◯65番(前島浩一君) ただいまのご質問にお答え申し上げたいと存じます。
綱領ができる前とでは何が変わるのかというご質問ではないかというふうに思います。
私どもといたしましては,本決議案は事件の再発防止に向けまして,神戸市会としての強い意思をあらわすというものでありまして,これを受けて政治倫理綱領を定めておるわけでございます。
議員等の遂行すべき責務というのは,あるいは遵守すべきものは,政治倫理基準で改めて明らかになってくるというふうに思います。綱領制定は,いわばさらなる政治倫理確立に向けての,我々としてはスタートラインというふうに理解をいたしておりまして,各議員の綱領遵守こそ,今後の清廉で潔白な市会及び市政を築いていくものだというふうに確信をいたしておるところであります。そのようにご理解いただきたいと思います。
(「議長2番」の声あり)
107 ◯議長(
浜本りつ子君) 井坂君。
108 ◯2番(井坂信彦君) 政治倫理基準等を拝見しましても,法律を守りましょうとか,不正な働きかけはやめましょうとか,批判を受けるような寄附をやめましょうですとか,これらに反した場合は必要と認める措置をしましょうという,大変当たり前のことしか書かれていないというふうに思うわけですね。
こういった内容は,まさに提案者が先ほどおっしゃったように心の問題であって,本来明記する必要もないようなことであると,ただ世の中にあまたある政治倫理条例と名づけられたものになぜこういう政治倫理基準が載っているかといえば,これはまず必要な措置があって,つまり何かまずいことをしたときに,こういう手続がありますと,あるいはこういうやり方で説明を求めていきますというものがまずあって,その措置を発動させるための基準として,その前段に政治倫理の基準が1項1項書かれていくという形であるというふうに,私は思うわけですけれども,出されている綱領は,要は具体的な措置もなく基準だけが書かれていると,これはまさに提案者が図らずもおっしゃったように,わざわざ明記すること自体が恥ずかしい内心の問題であるというふうに思います。
結局何が変わるのかと,仕組み上,何も変わらないし,書かれていることはこれまでも皆さん守ってこられたことであると,これからも守っていかれることであると,何が変わるのか,措置もなしで政治倫理基準を書かれた意味をお聞きしたいと思います。
(「議長65番」の声あり)
109 ◯議長(
浜本りつ子君) 前島浩一君。
110 ◯65番(前島浩一君) ご質問の意味がちょっと理解しかねておりますが,要は私どもといたしましては今回必要な措置は講じると,このように明確に申し上げておりますし,その対応をきちんとすることによって内外に責任を明らかにしていこうということもあります。
皆さん方が言われるような,いわゆる市民調査権だとかそういった,あるいは条例の中に盛り込まれているもろもろのことについて,私どもといたしましては何度も申し上げますが,基本はやはり心の問題であり,倫理観の問題であると,このようなことの中でいかにそれを守っていくかは,やっぱり議員同士の信頼関係の中において,そしてなおかつそれが守られないときにはきちんと措置をすることによって対応していく,このことを明らかにすることによって内外にそれを表明したい,このように考えているわけであります。ご理解をいただきたいと思います。
(「議長2番」の声あり)
111 ◯議長(
浜本りつ子君) 井坂議員に申し上げます。予定時間がほとんどなくなっておりますので,簡潔におまとめください。
112 ◯2番(井坂信彦君) 必要と認める措置をしますなんていうのは,これはこれまでもやってきたことで,何ら変わりがないわけですよ。
これまでどおりのことを改めて決議しますというのは,要はこれまでどおり頑張りますという,そういう決意表明であるのかどうか。
113 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,35番井上 力君。
(35番井上 力君登壇)(拍手)
114 ◯35番(井上 力君) 私は,新社会党を代表して,議員提出第73号議案倫理綱領決議案について,質疑を行います。
周辺にいる人はわかっていたはずだ,ベテラン議員なのだから,わからなかったはずはない,あのやり方ではいつかこの日が来ることは予想できた,このような声をたくさん聞きました。
事件に情けない思いをしたのは市民ではないでしょうか。今や全国どこにでもある,腐り切ったそういうまちであったということに恥ずかしい思いをしたのは市民です。
今回の産廃関連の汚職事件を,疑惑のリサイクル,疑惑の再生,疑惑循環と人々は嘆いています。綱領案は議員提案ですが,そもそも議員の金品の授受について,議員の倫理について,またその行動のあり方について明確な基準をつくり,それを守らせたいと発議しているのはだれでしょう。当然にこの綱領決議の発議者は市民ではないでしょうか。厳粛な市民の負託によって私たち代議員が存在していることを忘れてはなりません。
議員が金品を受け取る自由を制約すべきだと議員以外の人は皆考えています。だから,高い歳費と政務調査費の支出を許しているのではないでしょうか。
綱領であれ条例であれ,これをつくらせようとしているのは市民です。もちろん既存の法令があって,それでは防げなかったのですから,新たな基準をつくって守らせようとしているんです。
このことを念頭に,以下2点のみ伺います。
私たちが委員会に提出した条例案では宣誓を盛り込んでいました。議席を預かるたびに,綱領や条例に定められたその趣旨を誓い,負託した市民に対し宣誓することをなぜ盛り込めなかったのか,お答えいただきたいと存じます。
2点目は,金品の収受ということについて,この綱領は,前文ではそこに金品の収受等不正が伴うことがあっては断じてならないとしながら,第3条第1項では行為に,同第3項では寄附に,また同第4項では寄附行為に言いかえられているのであります。金品の収受という明確な表現を巧みに言いかえてしまっているのです。行為・寄附・寄附行為と言いかえ,甚だしきはもち代と言いかえる,これほど万人を愚弄する話はありません。
綱領案では,法令の遵守はもとよりと,あたかも法令以上の倫理基準を明示するかのように表現しながら,具体的な基準は何も書かれていません。これではつまり発覚さえしなければ,どのような汚い金品の授受も許されるということを意味しているのではないでしょうか。
お聞きしますが,今回の事件に即して言えば,2人の被告は公職選挙法と政治資金規正法の手続を踏んでいなかったために今起訴され,裁判になっているんでしょうか。だとすれば新説です。断罪されている法令の名称が違うじゃありませんか。再発防止という観点からお答えいただきたいのです。
以上,提案者にお尋ねして,私の質疑といたします。(拍手)
(「議長65番」の声あり)
115 ◯議長(
浜本りつ子君) 前島浩一君。
(65番前島浩一君登壇)
116 ◯65番(前島浩一君) ただいまのご質問にお答え申し上げたいと存じます。
まず,宣誓についてでございますが,なぜ宣誓を拒否するのか,入れてないのかということでございます。
この件につきましては,本決議案は事件の再発防止に向けた神戸市会としての強い決意を表明するとともに,この機会に政治倫理綱領を定め,改めて本市における政治倫理の確立を図ろうとするものでございまして,宣誓することと何ら変わらないというふうに考えております。
今後必要があれば,宣誓するかどうかは市会としてお決めになっていただければいいというふうに思います。
それから,もう1点でございますが,前文でこそ金品の収受禁止が含まれているが,提案された政治倫理基準には,用語は寄附となっているということで,これは法令の遵守を重ねて表明するにすぎない。今回の事件に関して言えば,顧問料としてなら免罪するのかと,公職選挙法や政治資金規正法に定められた手続を踏んでなかったことが断罪されたのか,決してそうではないと,こういう趣旨のお話ではないかなと,このように理解をいたしておりますが,これにつきましては,政治倫理基準は遵守すべき事項について定めたものでございまして,公選法等の公職者に対して適用される法令の遵守を大原則として,それらに抵触すると疑われるような行為をしないことを当然想定としたものでございます。
なお,第3条第1項において,その職務に関しての不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないことというふうに,当然規定をいたしておるわけでございます。ご理解をいただきたいと存じます。
(「議長35番」の声あり)
117 ◯議長(
浜本りつ子君) 井上君。
118 ◯35番(井上 力君) 宣誓については,4月に改選が行われるわけでありますし,4年ごとに,あるいは解散等が行われれば大幅に変わることもあるわけであります。全会一致の決議ではないにしても,みんなで決めたことだから大丈夫だと,そういう前提に立つならば,ぜひ宣誓というのは当選のたびにそれぞれの者が,市民の皆さん方の議席を預かるわけですから,私たちの権威はすべて市民の中に由来をしているわけでありますから,その送り出していただいた市民の皆さん方に改めて宣誓をして,4年間,妙なお金は受け取りません,汚い金で動くことはありませんと決意をするのが当然だと思います。ぜひ取り入れていただきますようにお願いをいたします。
2点目の点でありますが,12月7日の朝日新聞に,私たちの同僚・先輩議員がインタビューを受けて,それが記事になっております。もち代といっても,派閥の長として節目に5万から10万くれる程度でと──この倫理観を実は今,私たちは問題にしなければいけないのではないかと思うんです。このような倫理観をどういうふうに基準を定めることによって正していくのか,これが大事なのではないかと思うんです。
議員と金の問題──神戸市会だけの話じゃありません。国会議員を含めて,全国にさまざまな形で絶えないわけです。それをとめたいというのが,それにこたえるのがこの綱領であるとするならば,この点についての提案者の前島議員のご見解をお聞かせいただきたいと思います。
以上,質問は1点です。
(「議長65番」の声あり)
119 ◯議長(
浜本りつ子君) 前島君。
120 ◯65番(前島浩一君) 宣誓につきましては,先ほども申し上げたとおりでありますし,井上議員も言われておりますが,私どもといたしましては,この政治倫理綱領の中でしっかりと政治倫理の確立を図ろうという意思をあらわしておりますので,そのことは宣誓と変わらないと,このように思っております。何度も申し上げますが,必要があれば議会全体でお決めいただいたらというふうに思っております。
それから,先ほどのその後のご質問ですが,もち代云々と,そのことが問題だと,このようにおっしゃっておられるわけですが,私に聞かれておりますので,私が答弁させていただくならば,私自身もち代をもらったことはありません。ですから,そのことを理解せよといってもなかなか難しいということであります。
そのように考えておりますので,当然のことながら,先ほど来申し上げておりますように公職選挙法や政治資金規正法,この法律をきちんと,定められた手続を私どもは大原則として守っていこうと,こういうことに立って,そのような疑われるような行為はしないというふうに規定したものでありまして,そのようにご理解をいただきたいと思います。
以上です。
(「議長35番」の声あり)
121 ◯議長(
浜本りつ子君) 井上議員に申し上げます。残り時間が少なくなっております。簡潔におまとめください。
122 ◯35番(井上 力君) 前島議員がもち代をだれかに渡したとか,あるいはもらったことがありますかと,こういうふうにお聞きをしたことはございません。こういう倫理観では困るんですという綱領案になぜなっていないんですかと,これではとめられないんではありませんかと,このようにお聞きをいたしました。
許されている時間の範囲でお答えをいただきたいと思います。
(「議長65番」の声あり)
123 ◯議長(
浜本りつ子君) 前島君。
124 ◯65番(前島浩一君) 先ほど来申し上げておることがご理解いただけなかったようでありますが,私は,もち代云々というのは世間で言われているようなことは知っておりますが,具体的にそのことをどういう感覚で──それがいわゆる政治資金にあるいは公職選挙法に反するんだというような感覚を持ち合わせていないと,実際に私がもらったり,差し上げたりしたことがないので,その感覚がありませんと,こういうことを申し上げたんで,そのようにご理解いただきたいというふうに思います。
125 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で質疑は終わりました。
本件については,委員会の付託を省略し,これより討論に入ります。
まず,34番恩田 怜君。
(34番恩田 怜君登壇)(拍手)
126 ◯34番(恩田 怜君) それでは,政治倫理綱領案に対する反対討論を行いたいと思います。
このたびの村岡親子市議の汚職事件は,市議会始まって以来の大変な不祥事である,市民の信頼を大きく裏切ったものである,ということは論をまたないところでございます。政治倫理確立特別委員会では,その実態の究明を行って,その発生した構造そのものを解明してこそ,その対応策が立てられるものであります。この事件をきっかけに,このようなことが二度と起こらないようにするのが,その任務であったはずであります。
ところが,事実究明も十分に行わず, 100条権限をも行使しないで,与党3党の多数決で終息するという,まさに市民の期待を裏切ったものとなったわけであります。事件をうやむやにしようとする企てや,実態も事件の構造もわからないまま幕引きをした与党3党の責任は重大であります。
その与党3党が──3会派がつくった綱領では,最初から期待できるものではないと言えるわけですが,具体的にその問題点を指摘したいと思います。
まず,この綱領は,具体的な措置が決められていないということと,第三者による関与が欠落していることであります。さらには,綱領であるという点であります。
措置等としてこの綱領にあるのは,議会は,綱領に反すると認める行為に対し,必要と認める措置を講じる,議員は,措置を尊重して,みずからが必要と認める措置を講じる──このように3度も認める,認める,認めるとありますが,私には何を言っているのか,具体的に何をしようとしているのか,理解できないのであります。このように抽象的に議会や議員の自浄能力に依存しただけのものでは,実効が上がるとはとても期待できないものであります。
このような自浄能力だけに頼るのであれば,このような綱領がなくても問題は起こらないはずであります。倫理観に欠ける議員があらわれて,議会が自浄能力を発揮できないという──保障がないから,再発防止のための条例が必要となってくるのではないでしょうか。
大切なのは,措置・手続であり,議会だけではなく市民参画も考慮したものであることが必要であります。その措置を発動させる基準として,政治倫理基準などを明記する必要が出てくるわけであります。
原案によれば,法律を守りましょう,不正な働きかけはやめましょう,批判を受けるような寄附はやめましょう,これらに反した場合は必要と認める措置をしましょうと,具体的な措置もなく,政治倫理基準に当たり前のことだけを書くのは,全く無意味としか言いようがありません。全く恥ずかしいと言わざるを得ないのであります。これらのことは,言うまでもなく現在でも行われていることであり,現状と何ら変わりがないものであります。
この綱領によって新しい仕組みができたとは到底言えません。今回の事件の再発が防げるとは到底言えるものではなく,単につくりましたというパフォーマンスとしか映らないものであります。綱領として済まそうという意図がありありと出てまいっておるわけでございます。このような綱領が後世に伝えられるのは,私は恥ずかしいとさえ思うのでございます。
この機会をとらえて,再発を防ぐ力になるような条例として法律化する必要があると考えます。
以上の点から,73号議案に反対の討論とさせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました。(拍手)
127 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,54番あわはら富夫君。
(54番あわはら富夫君登壇)(拍手)
128 ◯54番(あわはら富夫君) 私は,新社会党市会議員団を代表して,政治倫理に関する議員提出第71号議案,同72号議案の2件の条例議案に賛成し,議員提出第73号議案政治倫理の確立に関する決議には反対する立場で討論をいたします。
今回の議員の政治倫理規程を行う背景には,2人の自民党の神戸市議があっせん収賄罪と受託収賄罪で逮捕され,3人の市議が家宅捜索を受け,市長室を含めた神戸市役所に捜索の手が2度にわたって入るなど,神戸市政の歴史にとって始まって以来の出来事があったからであります。
多くの市民は驚き,この事件の徹底解明と再発防止を期待いたしました。この声に議会もこたえ,政治倫理確立委員会を設置し,全会派が一致して 100条権限を付与することになったのであります。
私たち新社会党は,当初から与党・野党の区別なく,全議員が一致してこの問題に取り組むべきと主張し,委員長に直接お願いし,理事会にもオブザーバーとして入ることも認めていただきました。
しかし,疑惑解明での参考人招致問題や 100条権限の行使などで意見が一致せず,与野党の対立は続きました。しかし,幾ら対立があっても,今回の問題は議員の逮捕から出発しているのですから,議員みずからの政治倫理規範は,全議員が一致して提案し,制定すべきと考え,主張してまいりました。
しかし,委員長は,当初は委員会でこの旨を発言しておられましたが,その努力は最後まで感じられませんでした。結果,条例と決議のそれぞれの提案になったこと自体,極めて残念であります。
新社会党は,条例案を主張していましたから,最低でも条例を考えている会派で一致して提案することが,市民の負託にこたえることだとの思いで,調整努力もさせていただきました。しかし,残念ながら,それぞれ政治的立場を超えることがでぎず,結果,2つの条例案の提案になってしまったわけであります。
したがって,新社会党は,議員倫理に関することは政治的立場を超えたものであり,多少の違いはあっても,それを乗り越えることが今回の事件に対する議員の責任のとり方との思いで調整を続けてきた立場から,あえて条例2本のいずれの提案者にもならず,2つの条例案に積極的に賛成することにいたしました。
このような立場を明らかにして,以下,討論をいたします。
そもそも議員や市長は統治者でなく,市民からの負託を受けて,それぞれの立場で公共の福祉の増進に努めています。したがって,政治倫理規程は,議員や市長みずからがみずからに課すという形式をとっているものの,一種の情報公開制度であり,ひいては市民による監視・統制の制度でなければなりません。
知る権利に基づいて行政情報の公開制度があるように,政治倫理規程は,議員や市長の政治活動に関する情報公開制度です。公職者から利権をできるだけ遠ざけ,金にまつわる情報を公開させ,第三者機関で審査し,その結果は有権者である市民が最終的に判断をするのです。市民が判断する公職者としての適格性の保障の制度でなければなりません。
このような立場で,自民党・公明党・民主党などから提案されている政治倫理の確立に関する決議を見ると,第4条1で違反措置への対応として,市会,市長は,必要な措置を講じるとし,第4条の2で,市会の措置を尊重してとしながらも,結果は,みずからが必要と認める措置を講じるで終わってしまっております。
なるほど個人倫理は,各人が良心に従っておのれを律するものでしょう。しかし,政治倫理なのです。それは,公職者にある者が,その職責にもとる行為をしないという有権者との約束です。その約束を破ることは,主権者への背信行為であり,公職者としての適格性の欠如を意味します。だから,その適格性を保障するのは,当人の良心でなく,政治倫理に反する行為を防止する法制度でなければなりません。したがって,条例なのです。
自民党・公明党・民主党等が提案している神戸市政治倫理綱領では,違反の判断も,その措置も,結局議会の場であり,最終的には本人の判断に任されることになります。これでは,今までの議会での対応とどう変わるのでしょうか。綱領といえども,違反措置への担保は明確にするべきです。
また,この決議では,市民からの請求権には全く触れられていませんし,ざる法と言われる政治資金規正法への対応も,前文でこそ金品の収受の禁止と言いながらも,本文の倫理基準では寄附となり,その枠は大きく縮小され,これでは法令の遵守を重ねて表明しているにすぎないのであります。
また,決議での政治倫理綱領の政治倫理基準の第3条5では,職務上の知り得た情報とは何を指しているのか,全く理解できないのであります。議員だけが知り得る情報こそ問題ではないのか。後のくだりでは,その情報を誹謗中傷のために使用しないことなど,個人相談での情報とも思われず,この間,自民党が問題にしてきた情報公開制度での情報を問題にしているとするならば,逆に議員の情報利用を規制するものにつながりかねず,議員活動の制限になるおそれさえあり,極めて問題であります。
新社会党は,今回の政治倫理規範の議論に当たって,責務の1つとして,議員は市民全体の代議員で,特定の企業・市民を代表するものでなく,市長は市民全体の奉仕者であることを,就任に当たって宣誓することなどを提案しました。
また,政治倫理基準では,地位利用の金品授受や公共工事の請負等の口きき,職員の採用・昇進の推薦,職員の職務執行への不当介入,議員相互の金品授受などの禁止なども提案をしました。そして,それらの措置を担保するために,政治倫理審査会を第三者機関として機能させ,市民の審査請求権も積極的に活用する必要を主張しました。
それらを本当に生かすためには,決議や綱領でなく条例とすること,そして条例づくりのためには市民公聴会の開催なども提案をしてきました。
今回の共産党提案の条例案や住民投票議員団の条例案では,金品の授受の禁止や宣誓,措置を担保する政治倫理審査会や市民の直接請求権の保障など,私たちの提案がおおむね盛り込まれており,賛成するものでございます。
以上,新社会党議員団を代表して,議員提出第71号議案,72号議案の2件の政治倫理の確立に関する条例議案に賛成し,議員提出第73号議案政治倫理の確立に関する決議には反対する討論といたします。
以上,皆さんのご同意をお願いいたします。
(拍手)
129 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で討論は終わりました。
これより順次お諮りいたします。
130 ◯議長(
浜本りつ子君) まず,議員提出第71号議案について,お諮りいたします。
本件を原案のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
131 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立少数であります。
よって,本件は,否決されました。
132 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,議員提出第72号議案について,お諮りいたします。
本件を原案のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
133 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立少数であります。
よって,本件は,否決されました。
134 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,議員提出第73号議案について,お諮りいたします。
本件を原案のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
135 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立多数であります。
よって,本件は,原案のとおり可決されました。
136 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,日程第48 議員提出第74号議案を議題に供します。
この際申し上げます。
本件については,地方自治法第 117条の規定により,該当の方は除斥されることになっておりますので,ご退席願います。
(該当議員退場)
137 ◯議長(
浜本りつ子君) これより提案理由の説明を求めます。
52番段野太一君。
(52番段野太一君登壇)(拍手)
138 ◯52番(段野太一君) 私は,提案議員を代表して,議員提出第74号議案平野章三議員の責任を問う決議の件について,提案理由の説明をさせていただきます。
平野章三議員は,本年4月に発覚した村岡功元自民党議員団長らによる神戸市構造汚職事件に関連して,他の2人の自民党議員とともに事務所を家宅捜索されました。
同議員は,家宅捜索を受けた直後の記者会見で,委員会での質問は自分が疑問に感じたからと述べ,疑惑を全面的に否定する発言をしています。また,後援会員にあてたおわび文書の中でも,みずからにかけられた疑惑について,事件となった環境局に係る質疑は,あくまでみずからの意思で行ったもので,村岡被告からの指示ではないと釈明しております。
ところが,10月20日に開かれた村岡 功被告の公判で,弁護士が読み上げた検察調書では,明確に自民党市会議員団の団長であった村岡 功先生の指示を受けてのことに間違いありませんと述べた,とされています。さらに,この調書では,当初から真実をお話しすることができなかったことに対し,まことに申しわけなく反省しております,今後は,今回の件に関し,どのような場においても真実をお話しすることを誓います,とも述べているわけであります。このように,逮捕された村岡被告との関係で,全く相反する発言をしているのであります。
政治倫理確立委員会審議の中でも指摘してまいりましたけれども,平野章三議員は,
資源リサイクルセンターをめぐる決算委員会質疑の中で,環境局の局長や参事など幹部職員を,時に語気を荒らげて追及しており,産廃要綱の改定問題でも,環境保全審議会に自民党の代表として加わり,ここでも隣接同意問題について執拗に質疑を行っております。
これらの質疑が,公判で村岡 功被告の弁護士を通じて語られたとおり,村岡団長の指示のもとに行われたものか,それとも後援会員へのおわびで述べているように,みずからの意思で行ったものなのか,どちらが真実か,明らかにすべきであります。
平野議員は,みずからの発言に対して,市民と議会に説明する責任があるにもかかわらず一切語らず,マスコミも遠ざけている状況であります。その上,裁判所から証人として出頭するよう要請があった10月20日,12月8日の公判にも出廷せず,裁判官から,議員としていささか見識を疑うとまで指弾されました。特に12月8日の出廷要請の際には,決算委員長が,平野議員の質問が入っていたものの,それを外して法廷に行っても支障がないように配慮されたにもかかわらず,応じなかったものであります。裁判官からの議員としての見識を疑うとの厳しい発言は,立場こそ違え,同じ議員として極めて残念であり,遺憾としか言いようがありません。
さらに,12月8日の公判の中でも弁護士から,平野章三議員と贈賄容疑で逮捕されたセーフティーアイランドの社長との交友関係まで言及されております。公判という公的な場で,このような発言をされたことは,本日議題となっております議員倫理にもかかわるゆゆしき問題であり,看過すべき問題ではありません。このことについても,平野議員は市民と議会に弁明する責任があります。
先日の政治倫理確立委員会でも発言しましたけれども,平野章三議員は野党議員が要請した参考人招致にこたえて,みずからの潔白を証明する機会にすべきではなかったでしょうか。
こうした平野議員の一連の行動は,村岡議員らによる汚職事件とともに,神戸市議会の信頼をさらに失墜させるものになるのは明らかであります。参考人招致にもこたえず,裁判所からの要請にも応じなかったことは,市民の負託を受けた議員として,政治的・道義的な責任は極めて重いと言わざるを得ません。
よって,神戸市議会として,平野章三議員に強い反省と自覚を求め,みずからの責任において議会と市民に真実を説明することを強く求めるため,本議案を提案した次第であります。
議員の皆さんのご賛同をお願いして,提案説明といたします。(拍手)
139 ◯議長(
浜本りつ子君) 提案理由の説明は終わりました。
本件に関し,発言の通告もありませんので,本件は委員会の付託を省略し,直ちにお諮りいたします。
140 ◯議長(
浜本りつ子君) 本件を原案のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
141 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立少数であります。
よって,本件は,否決されました。
(該当議員入場)
142 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,日程第49 議員提出第75号議案を議題に供します。
この際申し上げます。
本件については,地方自治法第 117条の規定により,該当の方は除斥されることになっておりますので,ご退席願います。
(該当議員退場)
143 ◯議長(
浜本りつ子君) これより提案理由の説明を求めます。
53番南原富広君。
(53番南原富広君登壇)(拍手)
144 ◯53番(南原富広君) 私は,日本共産党議員団を代表して,議員提出第75号議案神戸市会政治倫理確立委員会委員長の荻阪伸秀君の不信任に関する決議案について,その提案理由を述べさせていただきます。
本来委員長は,委員会の運営については大きな権限を持っています。当然その権限は,多数の意見だけを聞くのではなく,少数意見も尊重するという,議会制民主主義の原則が貫かれるという立場で発揮されるべきであることは自明の理であります。
ところが,荻阪委員長の政治倫理確立委員会の運営は,与党の多数の意見を取り入れるだけで,野党の意見に対しては,数の論理で排除するという態度に終始しました。こうした委員会運営の姿勢に最大の問題があったという点を,まず指摘しておきます。
さて,元自民党議員団長村岡 功被告らによる汚職事件は,市長・助役・前環境局長らが検察の事情聴取を受け,市長室なども家宅捜索を受けるなど, 120年の神戸市政に大きな汚点を残すこととなりました。この汚職事件に関連して,村岡親子だけでなく,他に3人の自民党議員が家宅捜索を受け,検察の事情聴取を受けるなど,自民党議員団ぐるみ,神戸市幹部職員らを巻き込んだ構造汚職事件の様相を呈しています。
こういう事態に対して,議会として,事件の真相解明と再発防止のための手だてをとることは,市民に対する重大な責任でもありました。その重要な責務を負って設置されたのが政治倫理確立委員会でした。
荻阪伸秀委員長は,こうした立場から,事件の真相究明に全力を注がなければなりませんでした。それが,真相解明を求める多くの市民の期待にこたえる道でもありました。そのためにも,野党が,市長・助役・前環境局長をはじめ幹部職員ら関係職員などを参考人として招致し,事情聴取を行うことを要求したにもかかわらず,参考人招致を行ったのは前環境局長ただ1人のみでした。他の参考人招致については,我が党などが何回となく提案いたしましたが,与党の必要ないとの意見にくみし,委員長として,疑惑を解明するために参考人招致するという提案すら行いませんでした。これらの参考人招致を行わなかったことにより,事実の解明は困難となったのです。
また,特別委員会に付託された 100条調査権を発動しようとしなかった責任も重大です。 100条調査権が付与され,疑惑の渦中にあった市長・助役・関係幹部職員らに加え,検察の事情聴取を受けた自民党の3人の議員らを証人喚問することが可能でした。
さらに,神戸市が行った行政内部監察報告と村岡裁判との関係で,神戸市の内部監察による調査内容と,村岡被告公判で明らかになった事実が全く食い違っていることが判明しました。内部監察報告では,市の幹部職員らは事件に関与していなかったと結論づけましたが,村岡裁判では,逆に神戸市幹部職員らの事件への関与が鮮明になってきました。そのどちらが真実であるのか,事実確認を行うためには,行政の内部監察報告のもととなった職員ヒアリング資料の提出を神戸市当局に求めることが必要でした。
しかし,荻阪委員長は,証人・参考人招致,資料請求など,我が党などが何度も発動要請したにもかかわらず,真相解明のために 100条調査権を発動するという姿勢をとらず,発動に反対する与党を説得するという努力も一切しませんでした。市民の期待にこたえて真相究明するためには調査権の発動が必要だと,委員長自身思われなかったのでしょうか。
このことは,委員長の汚職事件の真相を究明するという姿勢に問題があることを示しています。このような委員長の姿勢によって,疑惑を持たれた人物から真相を聞くことができなくなってしまったのです。そして,職員ヒアリング資料が提出されなかったため,裁判で明らかになった事実と内部監察報告の矛盾も明らかにできなかったのです。
真相解明のための重要な節目節目で,このような荻阪委員長の姿勢が,事件の事実解明を行うどころか,行政を擁護する結果になったことは明らかであります。
このほかにも,特別委員会では,いわゆる疑惑問題とされた御影工業高校跡地のコンペ問題や,ポートアイランド1期北地区のコンペ問題など,解明すべき問題が市民の請願や陳情によって提起をされました。これらの疑惑の解明にも力を注ぐ必要があったにもかかわらず,事件ではない,あくまで疑惑だと主張し,疑惑解明に手をつけようとしない与党会派の立場に同調し,荻阪委員長は,市民が望む疑惑解明のための努力を怠った責任も重大であります。
さらに,荻阪委員長は,8月9日以降の委員会に当局の出席も求めませんでした。これも,与党の多数を背景にしたもので,委員長として真相を解明するために必要な措置をとるという姿勢の欠如を示すものであります。
同時に,多数の市民から提出された請願・陳情についても,十分な審議を行うという努力もしませんでした。
冒頭に申し上げましたが,荻阪委員長の委員会運営は,終始与党の多数意見を背景にして進められました。そして,任務は終えたとして,委員会を終結させようとしています。
今回の委員会審議で,どれだけの市民が,審議は尽くされた,真相が解明されたと思っているでしょうか。逆に市民の期待を裏切り,より市政不信,議会不信を拡大することにつながったことは明らかであります。
こうなった責任の多くは,疑惑解明を真摯に進めようとしなかった自民・民主・公明党の与党とともに,与党の立場で委員会を運営してきた荻阪委員長にあることは明白であります。神戸市政 120年の歴史に大きな汚点を残したこの事件を未解明のままで終えることは,今後に大きな禍根を残すことは確実であります。
荻阪委員長が,終始事実解明を遠ざける役割を果たしてきたことは明白であり,よって荻阪伸秀委員長の不信任案を提案いたします。
十分な審議をお願いいたします。(拍手)
145 ◯議長(
浜本りつ子君) 提案理由の説明は終わりました。
本件に関し,発言の通告もありませんので,本件は委員会の付託を省略し,直ちにお諮りいたします。
146 ◯議長(
浜本りつ子君) 本件を原案のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
(賛成者起立)
147 ◯議長(
浜本りつ子君) 起立少数であります。
よって,本件は,否決されました。
(該当議員入場)
148 ◯議長(
浜本りつ子君) この際,暫時休憩いたします。
(午後2時45分休憩)
(午後3時13分再開)
(
浜本議長議長席に着く)
149 ◯議長(
浜本りつ子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
直ちに議事に入ります。
この際申し上げます。
本日は,議事の都合により,あらかじめ会議時間を延長いたします。
それでは,日程第50 「神戸市会政治倫理確立委員会の報告について」を議題に供します。
150 ◯議長(
浜本りつ子君) これより委員会の活動経過について,委員長の報告を求めます。
神戸市会政治倫理確立委員会委員長荻阪伸秀君。
(67番荻阪伸秀君登壇)
151 ◯67番(荻阪伸秀君) 神戸市会政治倫理確立委員会の活動経過について,ご報告申し上げます。
本委員会は,当時現職であった村岡 功元議員が,産業廃棄物処理施設指導要綱の改正に絡んで,あっせん収賄の罪で逮捕・起訴され,市会に対する市民の信頼が大きく損なわれたことを受けて,本年4月28日の臨時市会において設置されたものであります。
その後,同じく当時現職であった村岡龍男元議員が同一容疑で逮捕され,また村岡 功元議員が
資源リサイクルセンター運営方法の変更に絡む受託収賄の罪でも逮捕・起訴されたことを受けて,5月30日の臨時市会では,これら2件の問題について地方自治法第 100条に基づく調査権限が委任されました。
このような経過の中で,委員会が設置されてから今日まで約8カ月の間,理事会や委員会協議会も活用しながら,計20回の委員会を開催し,汚職事件の舞台となった産業廃棄物処理施設指導要綱の改正の経過及び
資源リサイクルセンター運営方法の変更の経過についての調査,並びに政治倫理の確立を図るために必要な活動を精力的に行ってまいりました。
また,政治倫理の確立に向けた議論を行う上で,疑惑ありとして,当時新聞報道されていたような事柄の事実解明を求める趣旨の請願・陳情についても本委員会で審査し,その参考といたしました。
それでは,以下,委員会活動の概要についてご報告申し上げます。
まず,産業廃棄物処理施設指導要綱の改正の経過に関する調査においては,環境局から報告を聴取し,質疑するとともに,前環境局長を参考人として招致し,意見聴取を行いました。
環境局からは,「一般廃棄物処理施設(資源化施設)等の許可のあり方」などを環境保全審議会に諮問してから,答申が出るまでの審議会における審議経過や,一般廃棄物処理施設指導要綱の制定や産業廃棄物処理施設指導要綱の改正の経過,事業者が産廃処理施設を設置し,処分業を営もうとした場合の許可取得に必要な一連の手続,産廃処理業者D社からの六甲アイランドにおける産廃処理施設設置に係る手続の経過などについて詳細な報告を受け,また前環境局長からは,当時の環境局の責任者としての意見・考え方や,村岡功元議員との面談の状況などについて聴取しましたが,その中で,村岡 功元議員から許可基準を厳しくすべきとの要請はあったが,産廃要綱の改正はその要請に従ったものではなく,審議会の答申に基づいて行ったものであるとの説明がなされました。
委員からは,平成13年6月にD社から提出された中間処理施設の計画案を受理せずに返却した経緯や,平成14年7月にD社を呼んで中間処理施設設置手続を待つよう助言した理由,審議会における隣接同意の距離規定に関する審議内容と最終的に28メートル未満とされた経過,平成15年10月にD社から提出された中間処理施設の申出書を預かりのままで行政指導を続けたことの是非,平成16年12月の産廃要綱改正が答申から1年以上経過後となった理由などについて,村岡 功元議員からの働きかけとの関連を含めて質疑が行われ,その中で,要綱では申出書の段階においては求められていない同意書が添付されていないことを理由に,申出書を受け付けず長期にわたって預かっていたこと,施設設置届出台帳が見え消しされていたり申出書受付簿に記載漏れがあること,平成16年12月の要綱改正が村岡 功元議員からの問い合わせ直後に行われたことなどは,そこに疑念を抱かれてもしようがないとの指摘がなされました。
なお,本年5月26日にまとめられた内部行政監察結果報告においても,D社からの申出書を長期にわたって預かったままとしていた行為は,内規に反し,職務上の義務違反に該当すること,台帳や受付簿の不備は事務処理上のミスであり,明らかに不適切であったこと,事業者等の権利義務に影響する要綱改正が長期間滞っていた事態は,行政の信頼性を損なう不適切なものであったことなどが報告されたところであります。
次に,
資源リサイクルセンター運営方法の変更の経過に関する調査においては,環境局からの報告聴取並びに質疑を通して,事実の把握に努めました。
環境局からは,福祉工場制度の導入を計画してから,管理運営業務と手選別業務の2分割委託方式に変更するまでの経過,管理運営業務及び手選別業務のそれぞれの委託内容,
資源リサイクルセンターの運営状況などについて報告を受けましたが,その中で,運営方法の変更は,知的障害者の雇用と適切な就労環境を確保しつつ,民間活力の導入により効率的な施設運営を図るという2つの命題を両立させる選択肢だっと考えているとの説明がなされました。
委員からは,2分割委託方式に変更したことと自由民主党議員による市会質問や
行政経営方針とのかかわり,管理運営業務の公募に当たっての募集要件,管理運営業務委託業者選定委員会における選定過程などについて質疑があり,その中で,管理運営業務の公募が始まって以降に,事業者に帰属する資源物の内容が変更されたこと,見積もり合わせに一定の資本関係・人的関係がある業者が複数参加していること,加えて見積書において日付が訂正されていたり筆跡が酷似していることなどについて,問題があったのではないかとの指摘がなされました。
この件に関しては,内部行政監察結果報告でも,帰属する資源物の内容変更は,相当な理由はあるものの,募集要件の大きな変更に当たるため,募集前に検討し確定しておくべきだったこと,より透明性と公平性を確保するため,参加資格などの募集要項についても選定委員会で検討すべきであったことが報告されております。
なお,以上の環境局関連2件については,ただいまご報告申し上げましたとおり,本委員会による調査と並行して,当局による内部行政監察が実施され,その結果,村岡 功元議員からの働きかけがあったこと,またそれについて一部の職員は圧力と感じ,結果としてその意図するところにつながることを認識していたものの,働きかけに応じて特定の者への利益の供与を意図し,幇助した職員はいなかったこと,職員に法令違反や不正な行為はなかったものの,不適切な事務処理や業務の遅滞など適正さを欠いていた点や,一部に内規不履行の職務上の義務違反と見られる点が認められたことなどが報告されるとともに,関係職員が職務義務違反として処分されたところであります。
次に,政治倫理に関する議論の参考とするために行った請願・陳情の審査においては,家庭ごみ収集運搬に係る傭車制度,クリーンセンターから排出される焼却灰の残滓運搬業務,事業系一般廃棄物処理手数料の引き上げ延期,神戸空港護岸工事に係る建設廃棄物の処理,神戸空港旅客ターミナルビル整備における設計変更,同ターミナルにおけるごみ処理業務,神戸港埠頭公社によるポートアイランドコンテナバース跡地売却コンペ,六甲アイランドにおける古紙流通センター,布引車庫跡地及び御影工業高校跡地に係る市有地売却コンペなどの事柄について,当局から報告を受けた後,議員からの働きかけはなかったか,議員からの働きかけによって施策や事務が不当にゆがめられた事実はないかなどといった視点のみならず,あらゆる角度から幅広く当局に対して質疑が行われました。
委員会は,以上のような調査・審査に相当な時間をかけ,慎重に対応してまいりましたが,そもそもこのたびの汚職事件でまず問われるべきは,賄賂を受け取って特定の者の利益のために行政に働きかけを行った議員の汚職行為そのものであることから,当然のこととして,再発防止に向けて議員の政治倫理を確立するための仕組みづくりに取り組みました。
まずは,去る6月7日に公正職務検討委員会から市長に答申された「要望等への対応に関する新たなしくみづくりの提言」について,基本的な内容を確認するとともに,その中で制定が求められている,いわゆるコンプライアンス条例に対するその時点における当局の見解などをただしました。
さらに,当該答申を踏まえて当局が策定したコンプライアンス条例案の概要に対しては,その考え方などを当局に確認した上で,市政の透明化の推進と公正な職務執行の確保を目的とする条例の趣旨が生かせ,かつ議員活動も十分に保障される,よりよい条例となるよう,委員会として意見を取りまとめ当局に申し入れることとし,それに向けて協議を重ねました。
しかしながら,委員会での意見の一致を見るに至らず,残念ながら各会派の意見を併記して当局に伝える結果となりましたが,その中でも多数の会派が要望した,市長をチェックすべき市会の活動を保障するために,市会の
公正職務審査会への諮問請求権を規定すること,要望等の記録の客観性・正確性を担保するために,記録内容が確認できる仕組みを設けることなどは,最終的には条例案に盛り込まれ,さきの第3回定例市会において可決されたところであります。
次に,現職議員が逮捕・勾留され,事実上議員活動ができないにもかかわらず,その間も報酬等が支給され続けていることに対して,制度の見直しを検討すべきとの意見が出されたことから,他都市における事例も調査し,条例改正に向けて具体的な協議を行いました。
その結果,今後このような事態に適切に対応し,市会に対する市民の信頼を確保するため,刑事事件の被疑者または被告人として勾留中の議員に対する報酬及び期末手当について,その支給を一時差しとめ,裁判において有罪判決が確定したときにはこれらを支給しないこととするとともに,報酬等の支給が停止されている議員が所属する会派に対しては,当該議員に係る政務調査費を支給しないこと等を内容とする条例改正案を取りまとめ,これについても,さきの第3回定例市会において全会一致で可決したところであります。
次に,同様の事件の再発を防止する上で極めて重要と考えられる議員の政治倫理規範について検討を行いました。
その際,政治倫理規範として,責務や政治倫理基準を明らかにするとともに,その対象を議員のみならず市民の選挙によって選ばれる市長にも広げることについては,すべての会派の意見が一致しましたが,形式や措置・担保の点において,決議方式によって綱領を定め,違反行為に対しては,その内容や状況に応じて必要な措置を適切に講じることができるようにすべきとする意見と,違反行為に対しては,第三者機関による審査や市民による審査請求権などを具体的に定めるべきであり,そのためには条例を制定すべきとする意見に,大きく分かれました。
委員会としては,意見の一本化を図り,全議員による議案提出を目指して協議を重ねましたが,結果として集約ができず,それぞれが議員提案することとなり,先ほど議決を見たところであります。
以上のように,本委員会は,これまでに例のない現職議員2名の汚職事件に直面し,事件の舞台となった要綱改正などの経過を調査し,再発防止に向け,議員の政治倫理について活発に議論を行ってまいりました。
その過程において,一部の委員からは,さらなる調査や 100条調査権による証人喚問,資料要求なども提起されましたが,その都度協議を行い,委員会としての方向性を決定してまいりました。
また,最終段階においても,いまだ不十分とする意見が出されましたが,委員会としては,十分な時間をかけ,所期の目的はすべて終了したことから,採決によって,活動の終息を決定した次第であります。
ここに,本委員会は,その活動を終息いたしますが,今後最も重要なことは,この神戸市会から二度と同じ過ちを犯す議員を出さないことであり,そのための取り組みは,これからがスタートであります。
このことを議員それぞれが肝に銘じ,より市民に信頼される清廉な神戸市会を目指して,今後の議員活動に邁進すべきと考えますので,議員各位のご理解・ご協力を賜りたいと存じます。
以上,委員会の活動経過についてご報告申し上げました。
終わりに当たりまして,委員会運営に終始ご協力をいただきました副委員長,理事の皆さん,並びに長期にわたり熱心にご議論をいただきました委員の皆さんに心から感謝の意を表しまして,報告を終わります。(拍手)
152 ◯議長(
浜本りつ子君) 報告は終わりました。
委員長の報告について,質疑の通告がありますので,順次発言を許可いたします。
まず,51番亀井洋示君。
(51番
亀井洋示君登壇)(拍手)
153 ◯51番(亀井洋示君) それでは,私は日本共産党議員団を代表して,神戸市会政治倫理確立委員会の委員長報告について質疑いたします。
早速質問に入らせていただきます。
まず,第1番目ですけども,政治倫理委員会報告で委員長は,十分な時間をかけ,所期の目的はすべて終了したことから活動の終息を決定した,こう述べていますが,いかなる理由で市民からの疑惑が晴れ,信頼が回復したと判断したのでしょうか,お答え願います。単に時間をかけたことで真相が解明されたということにはなりません。市民が納得してこそ役割を果たしたと言えるのではありませんか。
2番目に, 100条調査権の発動について意見の一致を見なかったと言われていますが,野党は一致して提起をいたしました。真相を明らかにし,事実を調査するという政治倫理委員会本来の役割からすれば,委員長として当然発動を提案すべきではなかったのでしょうか,お伺いします。
次に,産廃要綱について,村岡 功議員が環境局幹部や隣接企業に働きかけた経過などと関連して,神戸市の見解と幹部職員の検察調書との間にある食い違いについて,委員長として疑問に感じなかったのでしょうか。委員や市民から疑惑が出されている限り,調査・解明するという立場で委員長は臨むべきではなかったのでしょうか,お伺いします。
次に,
資源リサイクルセンターの2分割方式について,環境局長らが福祉工場方式で推し進めると予算が否決されるおそれがあると市長に相談し,最終的に市長が2分割方式実施を決断しています。この決断について,委員長として疑惑を解明する必要と責任を感じなかったのでしょうか,お伺いします。
次に,産廃要綱とリサイクル問題以外の疑惑問題,例えば空港ターミナルビル増築疑惑,コンペ疑惑などについても,私たちは多くの資料を提出し,疑惑を指摘してきました。にもかかわらず,報告では,その審議の経過が極めて不十分にしか触れられていないのはなぜでしょうか。
また,ターミナルビル問題については,委員長・副委員長が直接かかわっている疑惑であります。なぜ率先して疑惑を解明し,市民に説明するという立場に立たなかったのでしょうか,伺います。
次に,政治倫理委員会へ提出された請願14件,陳情68件を一括して,12月15日の委員会において,当局の出席もない状態のまま採決を行いました。本来請願・陳情については,当局説明も聞き,真剣に議論することが当然だと思いますが,なぜそれをしなかったのでしょうか,お伺いします。
以上です。(拍手)
(「議長67番」の声あり)
154 ◯議長(
浜本りつ子君) 神戸市会政治倫理確立委員会委員長荻阪伸秀君。
(67番荻阪伸秀君登壇)
155 ◯67番(荻阪伸秀君) ご質問にお答えをいたします。
まず,第1の,所期の目的がすべて終了した,だから活動の終息決定をしたと言うが,市民の疑惑が晴れたと判断したということか,時間をかけたと委員長報告をしているが,単に時間をかけただけで真相が解明されたということにはならない,市民が納得してこそ役割を果たしたと言えるのではないか,こういうご質問でございますが,政治倫理確立委員会は,市民の信頼を回復するため,環境関係の2つの事件の経過について調査を行うとともに,政治倫理の確立を図るために必要な活動を行うことを目的として,8カ月にわたり合計20回の委員会を開催してまいりました。
委員会では,環境の2つの事件の経過の調査や,コンペ疑惑等の審査を十分に行うとともに,議会として再発防止策を講じることが重要であることから,政治倫理規範等の議論も行い,先ほど政治倫理の確立に関する決議か可決されたところであります。
以上のことから,議会としての責任は果たせたものと考えております。
次に, 100条調査権の発動について,意見の一致を見なかったと言うが,野党は一致して提起をしておると,調査するという委員会の役割からすれば,委員長として当然発動を提案すべきではなかったのか,こういうご質問でありますけれども,委員長としては,公平な委員会運営に努めることが第一であります。で,意見が分かれた場合には,多数決により決定するのは民主主義の原則でございます。
したがって, 100条調査権を発動するとの提案が少数である以上,委員長としては発動を提案することは,これは民主主義に反することになると考えます。
次に,産廃施設要綱について,村岡 功議員が環境局幹部や周辺企業に働きかけた経緯について,神戸市の見解と幹部職員の検察調書の食い違いについて,委員長として疑問に感じなかったのか,委員や市民から疑惑が出されている限り,調査・解明するという立場で委員長は臨むべきではなかったか,こういうお尋ねでございますけれども,委員長としての見解を問われましても,お答えすることは適切でないと思います。そのような立場にないと思います。
なお,委員会の運営は,基本的には各委員の意見を集約しながら行うべきものであり,委員長としては委員の意見を十分にお聞きするということがまず第1,そのためには十分に時間をかけ,発言はあくまで保障する,こういうことに意を用いてまいりました。そして,意見が分かれた場合は,やむを得ず採決によって方向性を決定しながら,民主的に行ってきたところであります。
次に,リサイクルセンターの2分割方式について,環境局長らが市長に,福祉工場方式で推し進めると予算が否決されるおそれがあると市長に相談し,最終的に市長が分割方式を決断していると疑問が出されている以上,委員長として,その疑問・疑惑を解明する責任を感じなかったのかというご質問でございますけれども,あくまでも疑問・疑惑を解明するのは委員会の責務であります。仕事であります。委員長としての役割は,委員会としての調査がスムーズに進むよう,公正で円滑な議事運営を行うことでございます。リサイクルセンターについても,委員会において相当な時間をかけて審議を行っており,この件について,委員長として,それ以上お答えすることはございません。
次に,産廃要綱とリサイクル問題以外の疑惑問題──空港ターミナルビル増築疑惑,コンペ疑惑などについても,我々は多くの資料を示し疑惑を指摘してきた,にもかかわらず報告では,その審議の経過が極めて不十分にしか触れられていないのはなぜか,またターミナルビル問題については,委員長・副委員長がかかわっている疑惑である,なぜ率先して疑惑を解明し,市民に説明するという立場に立たなかったかというご質問でございますが,ご指摘のコンペ問題やターミナルビル問題等については,司直においても,議員が不正に関与したとして取り扱われたというものではなく,あくまでも請願・陳情を介して,政治倫理確立のための参考として審査したものでございますが,これにも時間を十分にかけて審査を行ったと考えております。
なお,委員長報告におきましては,政治倫理確立のための参考として審査してきたという趣旨・目的から,その表現のウエートは小さくならざるを得ないと考えます。
最後に,本来請願・陳情については,当局説明も聞き,真剣に議論することが当然だが,なぜそれをしなかったのかと,こういうご質問でございますが,請願・陳情について当局の説明を聞くかどうかは,委員会として判断すべきことでございます。委員長として,する,しないの問題ではございません。
以上でございます。
(「議長」の声あり)
156 ◯議長(
浜本りつ子君) 51番亀井洋示君。
157 ◯51番(亀井洋示君) それでは,時間が少しありますので,再質問をさせていただきます。
その第1番目は,市民の信頼をこの間本当にかち取ったかどうかということが,この委員会を終息する判断になります。私どもが9月から行いました市民アンケート,これでは6割以上の人が市長や市の幹部にも責任があると述べています。あるいは神戸新聞社がとりましたアンケートでも,そのとおりであります。議会に対しても,多くの意見が出されております。私は,この委員会が終息するのではなくて,もう1度改めて市民にその中身を聞くべきだと思います。神戸市にはホームページもありますから,この終息の仕方について,本当に信頼があるのかどうかについて,一度市民に問い合わせてみてはどうか,こう思います。その点について委員長のご見解を伺いたい。これが第1点です。
2点目には,御影工業高校の跡地の売却問題について,けさからも大変議論が出されましたけれども,トータル32億円のマイナス,神戸市は損害を受けたことになります。神戸市当局の姿勢は,手続が正しいから,あるいはコンペの方式が正しいから,結果的にそういうマイナスが出ても構わない,こういう姿勢でありますけれども,少し考えますと,民間企業で,やり方が仮に正しくとも32億円もの損失を与えたとしたら,その責任者は飛ばされるか,あるいは責任をとらされるというのは,これははっきりしているのではないでしょうか。たとえコンペ方式でそういう方式が決められたとしても,市長がそのときに,これは大きな損害をもたらす,だからこれは,この方法は拒否をすると,このことは可能だったのではないでしょうか,この点についてのご見解をお伺いいたします。
それから,もう1点,お答えにならなかった問題点があります。それは,ターミナルビル問題について,委員長・副委員長が直接かかわっている疑惑ではないかという質問をいたしました。神戸市にとって,自民党団長──元村岡団長ですね,それから公明党の団長,民主党の団長が一緒になって神戸市長に対して4階にせいと,しかもこの本会議が開かれている昼休みに市長を呼んで詰めた,このことが事実であるということが言われておりますけれども,その内容は全く明らかではありません。
その間のいきさつ,本会議で公明党の団長さんが発言されたのを私は今も思い出しますけれども──佐伯さんの発言を思い出しますけれども,そういうことの結果から,なぜこうなったのかということについてはわかりません。これは,だれが得をするのかという観点からも見る必要があろうかと思いますけれども,この点についてはお答えなかったので,再度ご質問をいたします。
当面それ……。
(「議長67番」の声あり)
158 ◯議長(
浜本りつ子君) 荻阪君。
159 ◯67番(荻阪伸秀君) まず,第1番目の,市民に問えと,こういうようなお話でございますが,これはご意見──意見でありまして,それに対して委員長の立場でどうこう言う問題ではございません。
次に,御影工業問題,これも同様でございます。
さらに,最後の空港ターミナルビル云々の問題でございますが,この場で団長として答える立場ではございません。委員長としては,委員会において当局の説明もあり,十分な審査が,議論が行われたと考えております。
以上です。
(「議長」の声あり)
160 ◯議長(
浜本りつ子君) 亀井君。
161 ◯51番(亀井洋示君) 非常にわからないご答弁で,ちょっと戸惑っておるんですけども,結局今,委員長として報告をされておりますから,その立場として,こういう課題はもっと追及すべきであったかどうかということを伺っておるわけです。
とりわけ3番目の問題については,あなた自身がその会合に参加をされて市長に求められている,こういうことで,その経過については明らかにしたら何かまずいことがあるのか,こういうふうに思わざるを得ないのであります。こういうことが,この委員会報告ではまだまだ明らかにされておりません。もう1度お答え願いたいと思います。
それから,もう1つお伺いしたいのは,この神戸市の震災後の歴史の中で,あの元村岡議長については,それ以前はやっぱりどっかまずいことがあるでというのが,神戸市職員や議会の合意だったのではないでしょうか。それは,その根拠は,市会,今現在議長さんや副議長さんの選出は,自民党・公明・民主,3党の持ち回りであります。ところが,それ以前について言うたら,村岡さんはずっと外されておりました。これご存じだと思います,議長もね。これは,結局そういうことがやばいんではないかということから,持ち回りに村岡議長は選ばれてないんですね。
これは,ところがなぜこう変わったかと言いますと,震災後の市長選挙において,あの笹山市長と矢田市長は,まさに接近をされてきて,断固として自・公・民で守らなあかんということの中から,村岡議長が誕生したんです。結局そういうわきの甘さが,私はこの問題を起こした大きな原因だと考えています。
そこで,お伺いします。委員長として,今回の神戸市政始まって以来のこの汚職事件,本当に大きな汚点だと思いますけれども,この汚職事件が起きた原因は,委員長としてどのように考えておられるのか,ご質問したいと思います。
(「議長67番」の声あり)
162 ◯議長(
浜本りつ子君) 荻阪君。
163 ◯67番(荻阪伸秀君) まことにお答えに困るわけであります。これはご意見をるる述べておられるわけでありまして,そのご意見に対して,委員長としてどうこうとお答えする立場にはございません。
委員会の運営につきましては,先ほども申し上げましたし,またこれまでの委員会の場でも何度も申し上げてまいりましたが,あくまでその発言を保障し,意見を聞き,時間をかけ,そして十分に審議をしていく,そのことについては,私は全力を尽くしてきたと思っております。ただ,意見が一致しない場合は,これは議会のルールにのっとって進めていくということでやってきたわけでございます。
一番最後の,原因はどうとかこうとかということは,これは私の現在のこの立場でお答えをする問題ではないと思います。
(「議長」の声あり)
164 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に──もう時間……
165 ◯51番(亀井洋示君) まだ5分あります。
166 ◯議長(
浜本りつ子君) 発言の回数が既に3回に及んでおりますので,会議規則第43条1項の規定により,ご発言は,大変恐縮ですが,ご遠慮願います。
167 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,1番林 英夫君。
(1番林 英夫君登壇)(拍手)
168 ◯1番(林 英夫君) それでは,住民投票☆市民力議員団を代表しまして,私の方から政治倫理確立委員会の委員長報告に関しまして質疑を行います。
まずは,政治倫理確立委員会の皆さん,長期にわたる委員会活動,お疲れさまでございます。私も,委員外議員として請願の趣旨説明を行ったり,何回も委員会の傍聴をして,確かに委員会の長時間にわたる当局からの事情聴取や,市民から寄せられた数多くの請願・陳情に対する審査活動については,お疲れさまですと言わせていただきたいと思いますが,あくまでこれは議会の責任そして仕事です。こういう中で,果たして議会の責任を果たしたと言えるんでしょうか。残念ながら,委員会の運営や一連の議員汚職の真相解明については,なお多くの問題が残っていると私は認識しております。
政治倫理の確立については,本来ならば臨時本会議を開いて,もっともっと十分に時間をかけて質疑を行いたいところでありますが,きょうは定例市会の中での質疑ということで多くの時間を与えられておりませんので,数点に絞ってお伺いをいたします。
まずは,委員会運営についてです。
さる4月28日,第1回の政治倫理確立委員会で委員長は,議会を挙げて,議会全体として真実を求めていきたいという旨のあいさつを行われました。しかるに,4月の委員会発足から今日に至るまで,議会全体,本会議の中での中間報告は一度もありませんでした。市会会議規則第37条「議会は,委員会の審査又は調査中の事件について,特に必要があるときは,中間報告を求めることができる。」という規則に基づいて,我が会派では理事会などを通じて中間報告を求めてきましたが,これまで一切実現はしておりません。議会挙げて,議会全体と言いながら,なぜこの本会議でこれまで中間報告をしなかったのか,委員長のご見解を伺います。
次に,先ほど質疑もありました 100条調査権の発動について伺います。
委員会に 100条調査権を付与したのは5月30日の臨時本会議,この場でした。しかも,全会一致で 100条調査権を付与しているのです。これは,単なる委員会では事件の真相に迫る調査ができないので,罰則規定のある調査権を委員会に付与して,徹底的に調査してほしいという議会全体の意思表示でもあったはずです。にもかかわらず, 100条調査権はこれまで一切発動されておりません。 100条調査権に基づいた現地立入調査も一度もありませんでした。伝家の宝刀というのは,抜くように見せて抜かないのが奥の手とよく言われますが, 100条調査権は抜かなければ全く意味ありません。他都市の過去の 100条委員会の例を見ても,大半が証人や参考人の招致を行い,近いところでは,芦屋では告発まで行っているのです。
100条調査権を発動しなかった理由については,これまでるる説明を伺っておりますが,議会を挙げて,議会全体でと言いながら, 100条権を付与した本会議に対して,なぜその是非を諮らなかったのでしょうか。今諮るのでしょうか。理事会や委員会だけで諮って,自民・民主・公明の多数で 100条権の不行使を決めた責任は重大であります。
何回も言いますが, 100条調査権を委任したのはこの本会議です。本会議が委員会に白紙委任したわけではありません。 100条権行使の是非についてなぜ本会議に諮らなかったのか,この点についても委員長のお考えを伺います。
最後に,委員長報告の内容について伺います。
委員会として活動はすべて終了したということですが,先ほどの委員長報告をつぶさに聞いて,数々の疑問がまだまだ残っております。時間がないので多くの疑問に触れることはできませんが,例えば村岡 功被告の当局に対する一連の発言は,不当な要求,圧力だったのか,あるいは政策提言だったのか,これもまだ結論は出ていません。内部監察報告のヒアリングに対して,環境局の職員は,検察に証言したのと同じように不当な政策変更をしてしまったと答えていたのでしょうか,これも明確な答えは出ていません。そして,平野章三議員は,果たして村岡被告の指示を受けて議会や審議会で発言したのかどうか,これも明らかではありません。そして,御影コンペで最高価格の 116億円をつけた企業のグループの内容点は50点満点でたったの28点,最低の価格84億円をつけた企業グループは内容点が44点でトップ,具体にこの内容の優劣は何だったのか,審査会のメンバーからの聴取もなく,全く疑問を残したままとなっているんじゃないでしょうか。
多くの市民が疑問に思っているこれらの疑問に対して,なぜもっともっと踏み込んだ調査を行わなかったのか,あるいは今後さらに委員会で経過も含めてこういった疑問を追及していく考えがあるのかどうか,委員長のお考えを改めて伺います。
以上でございます。(拍手)
(「議長」の声あり)
169 ◯議長(
浜本りつ子君) 荻阪伸秀君。
(67番荻阪伸秀君登壇)
170 ◯67番(荻阪伸秀君) ただいまのご質問でございますけれども,まずは中間報告を行わなかったのはなぜか,こういうことでございますけれども,委員会の運営につきましては,委員会の判断として行われるべきでございまして,委員長としては,委員会の運営については委員の意見を十分にお聞きしながら進めてきたところでございます。で,本会議での中間報告については,議会,本会議から求められたわけでもありませんし,理事会において求める声はございましたけれども,少数の意見であったということでございます。
それから,なぜ 100条調査権を行使しなかったのか,こういうことでございますけれども,これもまたおんなじことでございまして,委員会の判断として行われるべきものでございまして,委員会の意見が分かれた場合には,やむを得ず採決によって方向性を決定しながら民主的に決めてきたということでございます。
それから,いろいろ疑問について,なぜもっと踏み込んで調査しなかったのか,これもおんなじ問題でございます。委員会の運営は,委員会の判断として行われるべきものでございまして,委員長の恣意的な運営ということはやっておりませんし,またするべきでもない,こう考えております。
以上です。
(「議長」の声あり)
171 ◯議長(
浜本りつ子君) 林 英夫君。
172 ◯1番(林 英夫君) それでは,時間がありますので,もう少しお話を伺います。
今,委員長からるるお話を伺っておりまして,委員長としての職務というような話,そしてまた民主主義としての多数決の論理ということをずっとおっしゃっていると思います。もう私の質問に対しても面倒くさいのか,そればっかり繰り返していらっしゃると思うんですが,今回の不祥事というのは,一体何から起きたのかということを考えていただきたい。議員がかかわったんです。その真相を我々が追及しなくてだれが追及するんでしょうか。そのための委員会を設置したんじゃないですか。その委員長がリーダーシップを発揮しなくて,どういった委員会運営ができるんでしょうか。私は,それが非常に疑問です。
きょうも委員長から,先ほどるる経過報告を受けました。何がどういうふうに明らかになったか,皆さんわかりますか。わからないと思いますよ,私は。そういう点で,私たちはこれまでいろいろと聞いてきたわけなんですよ。しかるに,こういった状況でもう終結させる。私は,あくまできょうの委員長の報告は中間報告だとしか受けとめられません。1回でもじゃあ特別委員会に出席した議員の方,手を挙げていただきたいと思いますよ。出てない方も何人もいらっしゃるでしょう。そんな中で,なぜこんな中間報告──最終報告が報告だとわかるんですか。私,中間報告としか受けとめられない。傍聴しててもそういうふうに思うわけですよ。
だから,そういうふうな経過から,やはり委員会運営というのは,確かに多数決の論理というのはありますけれども,民主主義の一方では少数意見の尊重というものがあるんです。どこでその我々の少数意見の尊重をしていただいたのか,そういったところでもう1度委員長のご見解を伺いたいと思います。
それから, 100条調査権の発動についても,これは卑近な例で,最近よく新聞に出ておりますけども,例えば広島県知事の後援会の政治資金規正法違反事件,これ調査委員会が開かれたわけです。で,その中で12月11日──先日,調査報告書が出ました。それを見てみますと,これはホームページでもすぐに見られるんですが,議会のホームページに出ておりますので。これは 100条調査権を持たない委員会ですよ。持たない委員会が,現職の議員であったりとか,議員のOBであったりとか,あるいは後援会の当事者にまで対して調査を行っているんですよ。しかもですよ,これまで拒否していらっしゃる検察や裁判所にまで対して,訴訟記録の開示を請求しています。この中で,請求したけれども出てこない情報に対しては,これで十分じゃないということで,先日議会として 100条委員会を設置なさいました。この中で,さらに検察にこれまで出ていない情報開示を求めていくことを議会で決議してるんですよ。これが調査権じゃないですか,議会の。
これまでは,どうも当局の話を聞いたりとか,あるいはこれまでの文書を見ただけで審査を終わったと,これで終結しているということになっているわけで,例えば他都市の例を見ても,ここまで踏み込んで調査をしているわけですから, 100条権を,なぜこれを使わなかったのか。確かに多数決の論理で使わないということになったかもしれませんが,私たちはずっと 100条権を行使してほしいと,参考人あるいは証人の招致,さらには関連資料の提出を求めてくださいと何回も理事会で言ってきたけれども,それは拒否されました。少数意見はどうして尊重されなかったのか。
その2点について,改めてもう1度お話を伺いたいと思います。
(「議長」の声あり)
173 ◯議長(
浜本りつ子君) 荻阪君。
174 ◯67番(荻阪伸秀君) どうも意見で,委員長として,その意見に対してとやかく言う立場ではございません。
ただ,今日までの委員会の運営について申し上げますならば,決して多数決を振りかざして少数意見を封殺してきたというようなことは一切ございません。(発言する者あり)
それまでに委員会で十分議論をし,意見が対立をした場合にも,その場で決定をせずに理事会に持ち帰り,幾度となく話をし,そしてその上でなおまとまらない場合には委員会にお諮りをして決定してきた,これは議会のルールであります。それにのっとって進めてきたことでございます。
もう1つ,その真相追及とかそういったことに対して意欲がないのではないか,リーダーシップがないのではないか,こういうお話でありますけれども,もってのほかであります。委員長としては,当然そうした意欲,決意を持ちながら,なおしかし委員長個人の恣意的な運営は避けて,そして十分な意見等十分な発言を保障していく,こういうことでやってきたところでございます。
(「議長」の声あり)
175 ◯議長(
浜本りつ子君) 林 英夫君。
176 ◯1番(林 英夫君) 今お話を聞きまして,やはり多数決ではなくて少数会派の意見も十分に聞いてきたというふうにおっしゃいますけど,結果としまして,やはり多数決の論理になっていくわけですね。こういった倫理を確立していくというのも,先ほどの倫理条例あるいは要綱の問題でもそうだったんですけども,やはり全会一致で決めていこうというスタンスに立とうという努力をどういうふうになさってきたのか,そこの部分が私本当に見えないんです。
最終の局面まで来たら,委員会・理事会で諮って,やはり与党の多数派の方向に流れていく。じゃあ少数派の意見というのはどういうふうに反映されていくんでしょうか。少数派というふうに言ってますけども,多くのやはり市民の皆さんは,こういうふうな状況の中で,まだまだ未解明な部分が多いんじゃないかと考えている方も多いと思います。
先ほども,いろんなアンケート調査の結果も出ました。そういったことを真摯に受けとめて,さらに委員会を拡大しながら,市民の皆さんの疑問に答えていくというのが,我々議会あるいは議員の責任ではないかと思っております。その辺について,最後の──もう1度委員長の見解を伺います。
(「議長」の声あり)
177 ◯議長(
浜本りつ子君) 荻阪君。
178 ◯67番(荻阪伸秀君) 議会のルール,議会の進め方について,ここであなたと議論するつもりはありません。
それから,委員会の経過とそして終息については,先ほどご報告をしたとおりでございます。
179 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,36番加納花枝君。
(36番加納花枝君登壇)(拍手)
180 ◯36番(加納花枝君) 新社会党神戸市会議員団を代表し,ただいまの政治倫理確立委員会の委員長報告に対し,4点委員長に質疑いたします。
まず,私たち新社会党議員団は,一貫して公聴会の開催を求めてきましたが,専門家や市民の意見を聞く機会をつくられませんでした。神戸市当局も公正職務検討委員会を設置し,専門家の意見を聞いています。少なくともコンプライアンス条例の審査の際や再発防止策の審査に際しては,政治倫理に詳しい学者や法曹界関係者から意見を聞く必要があったと考えますが,なぜそのような機会をつくられなかったのか,お伺いします。
次に,全会一致で決めた 100条権限でありながら,一度も使われなかったことに多くの市民は怒っています。産業廃棄物処理施設指導要綱改正に当たっての民事訴訟で神戸市側が敗訴する可能性を指摘した文書があるとされたとき,また2005年1月16日の市長が
資源リサイクルセンターの福祉工場を断念する決定が行われたときの議事録など, 100条調査権に基づいて請求すれば委員会で議論することもできたのです。そのような機会は何度もありました。にもかかわらず,文書類の請求すらしなかったことには納得ができません。その都度協議をし,方向を出してきた,十分議論をしてきたとただいまの委員長の報告にありましたけれども,なかなか私たちは十分な協議があったとは思えません。納得できませんので,再度お伺いします。
3点目に,5月26日に提出された内部行政監察結果報告についての質疑は,本会議において質疑の場があったということで,委員会では質疑を拒否してきました。検察の調査や裁判が進む中で新たな事実が明らかになるなど,重要な問題が出てきたにもかかわらず放置されました。この扱いは,事件の解明において決定的なものであったと考えます。行政監察の際のヒアリング調査議事録の提出を求めなかったこととあわせ,なぜ委員会で行政監察報告について審査をされなかったのか,お伺いします。
最後に,今後政治倫理の確立を図るために委員長はかねがね全会派を1つにまとめていきたいとの考えだったと思います。しかし,結論はそうなっていません。各会派をまとめる努力をどのようにされたのでしょうか。まず委員長があっせん案を示すなど汗をかき,それでもまとまらなければ議長あっせんという方法も最終的にはあったのではないでしょうか。一本化の努力が十分なされなかったと私たちは考えておりますが,委員長の見解を求めます。
以上です。(拍手)
(「議長」の声あり)
181 ◯議長(
浜本りつ子君) 荻阪伸秀君。
(67番荻阪伸秀君登壇)
182 ◯67番(荻阪伸秀君) ただいまのご質問に対しましても,これまでお答えをしてきたことと基本的に同じであると思いますが,委員会の運営については,十分委員のご意見もお聞きして,相談をしながら進めてまいったわけでございまして,意見が分かれ対立した場合のみ,やむを得ず採決によって方向性を決定してきたわけでございまして,これは議会のルールでございます。
内部監察についてなぜやらなかったかとか,そのほかの問題についても,これは委員会で,委員会の意向として決まったことでございまして,委員長が恣意的に進める問題ではございません。
まとめる努力をしなかったのではないか,こういうお話でございますが,決してそうではございません。特に政治倫理規範の問題につきましても,委員会でいろいろ議論をいたしましたが,先ほどご報告したとおり,決議の方向あるいは条例の方向ということで,なかなかにまとまりません。したがって,その委員会では結論を出さずに,理事会に持っていきまして,それも1度でまとまらないため,さらに2度目の理事会を開き,その席上では,何とか1つにまとまらないかということをお話をいたしました。しかしながら,どうしても譲ることはできない,こういうことでございますから,それはやむを得ず委員会の場で決するということにしたわけでございます。
議長のあっせん案というような意見は,一遍も出てまいりませんでした。
以上です。(発言する者あり)
(「議長」の声あり)
183 ◯議長(
浜本りつ子君) 加納花枝君。
184 ◯36番(加納花枝君) 私たちの議員団は,一貫して公聴会を求めてきました。委員長はずっと同じことを繰り返されているんですけれども,運営の方法の中で,多数決で運営は適切に行ってきたと言われてるんですけれども,例えば先ほど申しました学者や法曹界の関係者の方から意見を聞くという公聴会を,委員長の職権とか職務というものでできたのではないかと私たちは考えてるんですけれども,そのことについてお伺いをしたいと思いますし,先ほど委員会の中で出ないことは委員長は全く関係ない,知らないというようなあれですけれども,司会進行だけではなくて,その委員会の中で目的をどう達成していくかという,今回の問題をどう解明していくかという任務のもとに委員長はいらっしゃると思いますので,出ないからやらなかったということでは納得ができませんので,再度お伺いします。
(「議長」の声あり)
185 ◯議長(
浜本りつ子君) 荻阪君。
186 ◯67番(荻阪伸秀君) 委員長職権でというお話でございますが,先ほどからるる申し上げておりますように,このたびの委員会につきましては,そのような運営の方法はとっておりません。
また,多数決云々というお話につきましても,先ほども触れましたけれども,多数決を振りかざして少数意見を封殺するというような運営は一度も行っておりません。
(「議長」の声あり)
187 ◯議長(
浜本りつ子君) 加納花枝君。
188 ◯36番(加納花枝君) 答弁漏れもありますけれども,このような状況ではとても失った議会の不祥事の信頼回復というものは取り戻せるものではないと,私たちは思っております。ぜひとももう1度しっかり議論をする場をつくっていかなければいけないんじゃないかということを申し上げて,終わります。(拍手)
189 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で質疑は終わりました。
次に,先ほどの委員長報告のとおり,神戸市会政治倫理確立委員会の活動が終了したことから,同委員会を廃止することについて,お諮りいたしたいと存じます。
190 ◯議長(
浜本りつ子君) 本件について,討論の通告がありますので,順次発言を許可いたします。
まず,51番亀井洋示君。
(51番
亀井洋示君登壇)(拍手)
191 ◯51番(亀井洋示君) 私は,日本共産党議員団を代表して,議長から提案されました政治倫理確立委員会の廃止に反対する討論を行います。
村岡 功元自民党市会議員団長の逮捕に始まった神戸市構造汚職事件は, 120年の神戸市の歴史に大きな汚点を残し,市民の信頼を損なうものとなりました。失われた市民の信頼を回復するために本政治倫理委員会は設置されたのでありますが,果たしてその目的は達成されたのでしょうか。
私たちは,事件が発覚した当初,元自民党市会議員団長汚職事件と呼んでいましたが,事件の内容が明らかになるにつれ,自民党議員団ぐるみの神戸市構造汚職事件と呼ぶのが正しくなった,こう確信をしています。本日の討論を通じましても,民主党の団長,関係者までが同様の立場に立っていることも明らかになりました。
家宅捜索された3人の自民党議員団の決算委や環境保全審での異常な追及と発言を総合して聞きますと,自民党内部で役割分担をし,それぞれ主張していたことがよくわかります。さらに,新コンペ方式による御影工業高校跡地売却問題では,複数の自民党議員の関与が言われており,まさに自民党議員団ぐるみの事件であります。
また,産廃施設要綱改正に絡んで,村岡 功被告が起訴された罪名は,あっせん収賄罪です。あっせん収賄罪が成立するためには,あっせんを受けた神戸市の協力が必要です。市の関与なしには不可能な犯罪なのです。
また,内部行政監察結果報告で述べられているD社からの申出書を長期にわたり預かったままにしていた問題は,窓口職員の単なるミスではなく,村岡被告の不当要求に環境局が応じたものであります。
さらに,
資源リサイクルセンター運営問題で梶本助役は,15年末の決算市会で福祉工場方式を守ると答弁したにもかかわらず,わずか2週間後の1月16日には矢田市長が2分割方式をとると態度を豹変させたのは,まさに議会軽視に当たるもので,甚だしいものであります。その責任は重大であります。
そして今,神戸市と自民党議員団は,この事件について,すべて村岡親子被告だけが悪いと決めつけ,臭い物にふた,事件の幕引きを図ろうとしているのであります。
では,どうしたらよかったのでありましょうか。汚職事件の真相を解明するには,関係した自民党議員や市長をはじめとする参考人招致が欠かせない課題でありました。さらに, 100条調査権の発動も必要でありました。ところが,荻阪委員長は,与党委員の主張をそのまま受け入れ,ことごとく多数で封じ込めてしまいました。この点で,自民党・公明党・民主党政治倫理委員会委員の責任は極めて大きいものがあります。
以下,政治倫理確立委員会の終息に反対する理由を簡潔に述べます。
その理由の第1は,政治倫理委員会が設置され8カ月がたちましたが,汚職事件に関し失われた市民の信頼は回復をしておりません。最近私ども市会議員団が行いました市民アンケートや神戸新聞社のアンケートでは,7割近くの市民が市長や市の幹部にも責任があると回答しています。また,議会全体に責任があると回答された市民が4割以上あり,議会として引き続き真相解明を行い,信頼をかち取る努力が必要なためであります。
第2の理由は,この事件の本質は根深いものがあり,単に村岡被告らだけが起こした犯罪ではなく,自民党議員ぐるみ,市当局を巻き込んだ構造汚職と言えるものであります。村岡親子被告だけに罪を押しつけ,事件の幕引きをするのではなく,全貌を今明らかにする必要があるからであります。
第3の理由は,政治倫理委員会では,村岡被告らが起訴された産廃指導要綱改正問題,
資源リサイクルセンター運営方法の変更を主題として議論がされましたが,これ以外の疑惑は解明されていないからであります。新コンペ方式による御影工業高校跡地や布引車庫跡地,ポーアイ1期北地区での市有地売却問題,空港ターミナルビル増築問題,家庭ごみ収集運搬制度における傭車制度問題等々,請願・陳情が行われた黒い疑惑は,解明の努力がなされないまま残されています。これらの課題の真相を解明してこそ,市民の信頼を回復できるのではないでしょうか。
第4の理由は,汚職事件の真相を解明するためには,関係した自民党議員や市長・市職員等の参考人招致が欠かせない課題でした。さらに, 100条調査権の発動が必要でした。ところが,荻阪委員長は,与党委員の主張をそのまま受け入れ,委員会廃止の採決を強行し,委員会運営において少数意見を尊重しなかったからであります。
以上4点の理由により,政治倫理確立委員会の廃止提案に反対いたします。
最後に,議会の役割は,真相を明らかにすることに全力を挙げることです。そのためにも,議員の発言時間は可能な限り確保すべきであります。本日の会議では,私や金澤議員などの質疑時間が大きく制限を受けました。突然時間制限が行われたことは,議会制民主主義に反するものであり,これを強行した自民・民主・公明の各党の責任は重大であり,到底容認できないことを申し上げて,発言を終わります。(拍手)
192 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,2番井坂信彦君。
(2番井坂信彦君登壇)(拍手)
193 ◯2番(井坂信彦君) 私は,住民投票☆市民力議員団を代表して,政治倫理確立委員会の廃止に対する反対討論をさせていただきます。
異常な運営の続く委員会でした。4月に出された請願・陳情に対して,各委員が賛否を表明する場が持たれたのは12月でありました。この間には,請願を受け取っておきながら長らく請願者の口頭陳述をさせず,請願内容にかかわる出来事が過ぎ去って,もはや請願の意味が失われた段階になって,ようやく口頭陳述を許可するというあってはならない出来事も起こりました。夏以降は,請願・陳情に対して当局を呼んでの質疑は一切行われず,請願・陳情に対する具体的な審査がないまま採決することにもなりました。そして,この本会議の付託を受けた委員会であるにもかかわらず,8カ月間で一度もこの本会議場における中間報告がなされないまま,今日に至っています。
異常な委員会のきわめつけは,先ほど行われた委員長報告の内容です。およそ世の中で,何かの調査を委託された委員会が報告をするとき,調査の結果,結論を報告しないなどということは考えられません。ところが,政治倫理確立委員会の報告では,あれ調べました,これ調べましたという活動の経緯だけが報告され,結論については一切触れられていないのです。結論めいたことが書いてあるのは,すべて役所の独自調査である内部監察報告からの引用であり,その役所の調査結果に対する委員会としての見解も一切明らかにされていないのです。独自の結論もないまま,調査のために設置された委員会を終了するという感覚は,もはや常人の理解の域を超えたものだと言えます。
委員会を終了すると言いながら,結論が報告できない理由は,いまだ白黒はっきりしない問題が数多く残されているからです。本日は,多くあるその中から2点を取り上げたいと思います。
1つ目の問題は,事件が市役所ぐるみだったのかどうかという問題です。
当時の環境局幹部職員が,検察の取り調べに対して,産廃要綱の改正は違法性のある不適切な政策変更だったと答えていたことが裁判で明らかになっています。しかし,神戸市内部監察報告書は,村岡圧力とは関係なく,公益のための正しい政策変更を行ったと,表現の違いどころか正反対の報告をまとめています。環境局職員が検察にうそをついたのか,環境局職員が神戸市内部監察のヒアリングに対してうそをついたのか,それとも,これが一番あってはならないことですが,環境局職員は神戸市内部監察ヒアリングに対して真実を語ったのに,内部監察報告書がまとめられる段階で何らかの捏造が行われたのか。
市長は,現在も産廃要綱の改正は市民のための正しい政策変更であり,村岡圧力とはたまたま同じ方向性になっただけだというふうに答えていますけれども,環境局職員の検察に対する証言が真実であれば,事件はむしろ市役所ぐるみで村岡被告の贈収賄を助けたという形が色濃くなってまいります。
環境局職員は,神戸市の内部監察ヒアリングに対して何と答えたのか,内部監察ヒアリング記録を提出させ,この職員を証人として呼べばすぐに白黒はっきりするこの問題も,いまだ真相がわからないままです。
2つ目の問題は,事件が自民党ぐるみだったのかどうかという問題です。
平野章三議員をはじめ取り調べを受けた3人の自民党議員は,市民とマスコミに対しては村岡被告の指示ではなく,みずからの政治信念に従って議会発言を行ったと説明していました。ところが,先日来の裁判では,検察の取り調べに対して平野章三議員が,市民・マスコミに対しては真実でないことを話していました,村岡被告の指示に従って議会で発言しましたと答えていたことが明らかになっています。平野章三議員は,村岡被告の指示を受けて議会発言をしたのか,それともみずからの信念のみに基づいて議会発言をしたのか,肝心の平野章三議員は裁判所へも出頭せず,自民党からこの件についての説明が行われる見通しも全くありません。
検察の取り調べの方が真実であれば,事件は村岡被告の単独犯行ではなく,組織の指示・命令を伴う自民党ぐるみの様相を呈してまいります。平野章三議員を証人として呼べば,すぐに白黒はっきりするこの問題も,いまだ真相がわからないままです。
この本会議場に,事件の真相が明らかになってしまってぐあいの悪い議員がいるのかどうかわかりませんが,少なくとも政治倫理確立委員会に所属してくる議員ぐらいは,使命感を持って真相解明に当たるものだとばかり思っていました。ところが,委員会では, 100条権限を使って証人を呼ぼうと提起しても,自民党・公明党そして民主党の委員がそれに反対して証人を呼ばせない。 100条権限を使って神戸市当局に資料提出を求めようと提起しても,自民党・公明党そして民主党の委員がそれに反対して資料請求をさせない。
この委員会は,4月28日にわざわざ臨時本会議を開催して設置され,5月30日にわざわざ再び臨時本会議を開催して地方自治法 100条に基づく強力な調査権限が与えられました。神戸市民の信託を受けた議員の全会一致で与えられた今回の 100条調査権の持つ意味は甚だ重大で,具体的な法的根拠も示さずに, 100条調査権の行使を妨げることは到底認められることではありません。
やれることをすべてやって,なおわからないことが残る,これは仕方ありません。世の中にはうまくいかないこともある。しかし,やるべきことをやらない,証人を呼べばわかるのに呼ばない,資料を提出させればわかるのに提出を求めない,やれることを意図的にやらずに,真相がわからないまま調査活動を終えてしまう,こんな委員会は, 100点満点でいえば0点だと,自民党・公明党そして民主党の荻阪委員長をはじめ委員の皆さんは,真相を解明しようという気がはなからなかったのではないかと改めて問いただしたい思いであります。
以上,政治倫理確立委員会の廃止に反対する討論とさせていただきます。(拍手)
194 ◯議長(
浜本りつ子君) 次に,54番あわはら富夫君。
(54番あわはら富夫君登壇)(拍手)
195 ◯54番(あわはら富夫君) 私は,新社会党市会議員団を代表して,政治倫理確立委員会の廃止に反対し,事件・疑惑のさらなる徹底究明のために政治倫理確立委員会の存続を求める討論をいたします。
今回の神戸市議汚職で,多くの市民は事件・疑惑の徹底究明と再発防止に期待を持っていました。当初は傍聴者もあふれ,別室を用意しなければならない状況でした。しかし,時間がたつにつれ,市民の思いと政治倫理委員会の流れが大きく乖離する状況になり,傍聴者の数も次第に減っていきました。その一番大きな原因は,疑惑究明への姿勢が大きく後退したことにあると思うのでございます。
委員長は,20回の委員会を重ね,十分な審議は保障したと言われましたが,事務手続上の不備の指摘はあるものの,今回の事件の原因は村岡親子がお金をもらったという議員倫理の問題だけに終わってしまっております。今回の事件・疑惑で神戸市当局のかかわりはどうだったのか,自民党会派としての介在はなかったのか,また国会と混同した議院内閣制的発想での与党・野党との関係が,市当局と与党会派との癒着につながっていなかったのかなど,多くの問題点についてはすべて積み残しされたままとなっております。ここで政治倫理確立委員会を廃止してしまえば,市役所も議会も少しの反省をしただけで,大方の責任は金を業者からもらった村岡親子の議員倫理の問題だけになってしまいます。
しかし,多くの市民は,今回の事件が与党会派と神戸市幹部の構造的関係の中にあるとの思いを持ち続けております。したがって,神戸新聞の市民アンケート調査でも,市長に責任があるとの回答が多く寄せられております。本当に神戸市の構造的汚職なのかどうか,この疑念が市民にある以上,それへの回答を出すためには,本来事件・疑惑についてのあらゆる情報を開示して徹底的な解明が──これからでも遅くないと思います──行われるべきだと思うのでございます。
特に5月30日の本会議で全会派が一致して 100条権限を政治倫理確立委員会に付与したのですから,この 100条権限を事件究明に有効に活用すべきだったのでございます。十分な審議が行われたのでなく,本来疑惑解明で行われなければならない最低のこともなされていないということです。
具体的には,要綱変更問題での公判での検事調書と神戸市の内部調査報告との乖離です。当時の環境局参事や係長など職員が検察で証言している内容と,神戸市の同じ職員からのヒアリング調査が全く違うのです。矢田市長は,記者会見などで職員は不正は行っていない,圧力には屈していないと繰り返し述べ,内部行政監察結果報告では,事務手続の不備は認めながらも,要綱変更もリサイクルセンターの委託変更問題も市民の利益に沿って適正に行われたとしております。
公判で検察は,この要綱変更を行えば,民事訴訟で神戸市が敗訴することを部局内で確認していた,そして業者と村岡被告の関係を知りながら,一般廃棄物要綱の審議会を円滑に進めるために,村岡容疑者の意向に沿ったと述べ,神戸市職員が村岡被告の圧力に屈していたことを明らかにしました。さらに,この敗訴することを確認していた市内部の文書も,検察が市長室から押収していたことも明らかになったのでございます。
また,8月18日の裁判では,検察は証拠として採用した市環境局幹部供述調書の中で,要綱の改正が,大栄環境の許可を得にくくするための,大栄環境をねらい打ちにする不適切な改正であったことが明らかにされました。これは,圧力に屈していない,不正はなかった,違法性はない,変更は公益にかなっていたとの神戸市の認識並びに市長の説明と大きく矛盾するものでございます。
したがって,私は,政治倫理確立委員会で 100条権限を使って当時の環境局参事・係長など職員を参考人として呼ぶこと,無理であるならば市内部調査でのヒアリング記録の提出を神戸市当局に求めることを提案しました。
しかし,委員会では,与党会派の多数で認められず,公判での検事調書が正しいのか,神戸市の内部行政監察報告が正しいのか,その真意は残されたままとなっております。このことは,今回の汚職事件での神戸市のかかわりや,二度と村岡事件と同じ問題を起こさせないための今後のコンプライアンス条例の公正な運営を考えても,重要な問題だと思うのです。結果,これも解明されない疑念として残されたままとなっております。
また,自民党議員団は,団長が逮捕されたにもかかわらず,会派の問題でなく個人の問題だとの立場をこの間とり続けております。2つの事件の関係で検察から家宅捜索を受けた3市議も,記者会見やみずからの報告チラシで,みずからの信念に基づき質問したと述べていました。ところが,公判の中で,何と村岡被告側の弁護士が,平野章三議員を名指しして供述調書を紹介し,村岡 功被告から議会で質問するよう指示を受けたことを明らかにしたのです。これは,平野章三議員が事件発覚直後の記者会見で,みずからの信念に基づき質問したとの会見と大きく矛盾するものであり,今回の事件が自民党会派としての事件でなかったのかとの新たな疑念を生み出す結果となっております。
したがって,私は,政治倫理委員会の中で平野章三議員を 100条権限に基づいて参考人もしくは証人として呼び,検察での供述が正しいのか,本人の会見が正しいのか,はっきりさせるべきと主張したのでございます。これは議会与党最大会派と神戸市との関係,ある意味では政治倫理規範の論議の上でも重要な課題だと思ったからであります。これも与党会派の数の論理で実現することにはなりませんでした。結果,これも解明されない疑念として残されたままであります。
このように公判が続く中で新たな事実が浮上しており,内部監察調査報告でも,矢田市長の会見でも,新しい事実が出てきたら内部調査をやり直すと明言しています。それなのに,議会側が事実解明の場所をみずから閉ざすことは,市民に責任を負う議会のとるべき態度ではありません。
また,今回の事件ではありませんが,御影工業高校などでのコンペでも疑惑は解明されたとは言えません。このコンペ方式は,先ほどの請願討論で明らかにしたように,他市のように最低価格を0点としないがゆえに,価格差は20点程度しかならず,幾ら土地の価格で差が出ても,内容点で逆転できる仕組みになっています。また,審査委員への公表方法も事前公表で,情実が入り込む余地を残しています。
また,御影コンペでは,募集要項が事前にまちづくり協議会に提示されたり,参加企業である阪神電鉄がこの協議会の構成員であったり,公平な審査が行われたとは到底言えないのでございます。疑念は深まるばかりです。
したがって,私は,政治倫理確立委員会で審査会の安田丑作会長を参考人として呼んで,この問題の経緯を聞きたいと提案しましたが,これも与党会派の多数で認められませんでした。結果,これも解明されない疑念として残されたままであります。
その他,空港ターミナルかさ上げ問題などでは,与党会派と神戸市当局との関係が汚職を呼び込むきっかけになったのかどうか,まだまだ明らかにされなければならない課題は多数あります。
このように 100条権限が付与された政治倫理確立委員会として,本来行うべき最低限の仕事,事実の突き合わせすら行えていないのですから,この委員会を廃止することは,疑惑解明に幕引きをしたとの批判を受けても仕方がありません。今からでもこの委員会の本来の設立趣旨に立ち返り,政治倫理確立委員会を継続し, 100条権限を駆使し,参考人聴取や資料請求などを行い,市民の期待にこたえるべきであります。
このことを申し上げ,新社会党市会議員団を代表しての討論といたします。会派を超えた疑惑解明継続の声を上げていただくよう期待をし,討論を終わります。(拍手)
196 ◯議長(
浜本りつ子君) 以上で討論は終わりました。
これよりお諮りいたします。
本件採決の方法は,記名投票により決することにいたします。
直ちに議場の出入り口を閉鎖いたします。
(閉扉)
197 ◯議長(
浜本りつ子君) この際申し上げます。
神戸市会政治倫理確立委員会を廃止することに賛成の方は白票を,反対の方は青票を投票願います。
白票・青票は,お手元にあらかじめ配付いたしておりますが,配付漏れはございませんか。
(なし)
198 ◯議長(
浜本りつ子君) 配付漏れなしと認めます。
投票箱の点検をいたします。
(投票箱点検)
199 ◯議長(
浜本りつ子君) それでは,1番林 英夫君より順次投票を願います。
(投票)
200 ◯議長(
浜本りつ子君) 投票漏れはございませんか。
(なし)
201 ◯議長(
浜本りつ子君) 投票漏れなしと認めます。
よって,投票は終了いたしました。
202 ◯議長(
浜本りつ子君) これより開票いたします。
開票立会人を指名いたします。
1番 林 英夫君,
3番 壬生 潤君,
5番 平井まち子君,
10番 横畑和幸君,
13番 赤田勝紀君,
以上5名の方をご指名いたします。
それでは,開票立会人の方はお願いをいたします。
(5立会人立会・開票)
203 ◯議長(
浜本りつ子君) 開票の結果をご報告申し上げます。
議長を除く出席議員数 68名
投票総数 68票
有効投票 68票
有効投票中
賛成(白票) 48票
反対(青票) 20票
以上のとおりでございます。
よって,神戸市会政治倫理確立委員会は廃止することに決定いたしました。
──────────────────
(賛成議員)
3番 壬 生 潤 君
4番 北 川 道 夫 君
5番 平 井 まち子 君
6番 むらの 誠 一 君
7番 西 本 ただし 君
8番 坊 やすなが 君
9番 森 下 やす子 君
10番 横 畑 和 幸 君
11番 川原田 弘 子 君
12番 川 内 清 尚 君
17番 山 田 哲 郎 君
18番 上 脇 義 生 君
19番 松 本 修 君
21番 新 原 秀 人 君
22番 梅 田 幸 広 君
23番 守 屋 隆 司 君
24番 大 井 敏 弘 君
25番 向 山 好 一 君
26番 崎 元 祐 治 君
27番 橋 本 秀 一 君
37番 芦 田 賀津美 君
38番 大 澤 和 士 君
39番 米 田 和 哲 君
40番 佐 伯 育 三 君
41番 松本 しゅうじ 君
42番 安 達 和 彦 君
43番 吉 田 基 毅 君
44番 たけしげ 栄二 君
45番 岡 島 亮 介 君
46番 池田りんたろう 君
47番 白 井 洋 二 君
48番 藤 原 武 光 君
49番 土 居 吉 文 君
50番 大 野 一 君
55番 吉 田 謙 治 君
56番 片 岡 雄 作 君
57番 平 野 章 三 君
58番 浜 崎 為 司 君
59番 福 浪 睦 夫 君
60番 植 中 進 君
61番 平 野 昌 司 君
62番 藤 本 浩 史 君
63番 安 井 俊 彦 君
64番 田 路 裕 規 君
65番 前 島 浩 一 君
66番 田 中 健 造 君
67番 荻 阪 伸 秀 君
70番 長谷川 忠 義 君
(反対議員)
1番 林 英 夫 君
2番 井 坂 信 彦 君
13番 赤 田 勝 紀 君
14番 大かわら 鈴子 君
15番 高 山 晃 一 君
16番 浦 上 忠 文 君
29番 山 下 昌 毅 君
30番 森 本 真 君
31番 金 澤 治 美 君
32番 松 本 のり子 君
33番 本 岡 せつ子 君
34番 恩 田 怜 君
35番 井 上 力 君
36番 加 納 花 枝 君
51番 亀 井 洋 示 君
52番 段 野 太 一 君
53番 南 原 富 広 君
54番 あわはら 富夫 君
71番 北 山 順 一 君
72番 西 下 勝 君
──────────────────
204 ◯議長(
浜本りつ子君) 議場の閉鎖を解きます。
(開扉)
205 ◯議長(
浜本りつ子君) この際,市長より発言の申し出がありますので,許可いたします。矢田市長。
(市長矢田立郎君登壇)
206 ◯市長(矢田立郎君) 私から,先ほど議決されました政治倫理の確立に関する決議に関しまして,一言申し上げたいと存じます。
このたびの神戸市議汚職事件によって市政の混乱を招いたことは,市政を預かる立場として痛恨のきわみであり,市民から信頼される市政の確立を図ることが私の責務でございます。
事件後,直ちに内部行政監察を実施し,その結果を公表いたしました。あわせて,神戸市公正職務検討委員会を設置し,その方針に基づいて神戸市政の透明化の推進及び公正な職務執行の確保に関する条例をさきの9月市会に提案し,全会一致で議決いただいたところでございます。そして,現在,来る1月1日からの円滑な施行を目指し,すべての職場で,すべての職員に対し,条例の趣旨・内容の徹底を図っているところでございます。
この間,議会におかれましては,村岡 功・龍男元市議に対し辞職勧告を決議されるとともに,神戸市会政治倫理確立委員会を設置され,事件の調査や政治倫理の確立に向け積極的な取り組みを行ってこられました。そして,先ほど再発防止に向けた強い意思を表明し,また神戸市政治倫理要綱を定め,これを遵守するため,政治倫理の確立に関する決議が議決されたところでございます。
政治倫理綱領には,議員とともに市長である私の責務も明記されてございます。議員と同じく,選挙によって市民の信託をいただき,常に政治倫理の保持に努めることは当然のことでございます。今回の決議を尊重し,この綱領を遵守してまいる所存でございます。
そして,神戸市政の透明化の推進及び公正な職務執行の確保に関する条例の中にも,市長である私の責務として,「法令等を率先して遵守するとともに,市民の信託にこたえるために,公共の利益の増進を目指し,市会と連携し,及び協力しながら,透明性の高い公正な市政の運営に全力で取り組まなければならない。」と明記しております。
今回のような事件が二度と起こらないよう,今後とも議会と軌を一にし,公正で透明な市政運営に努めることによって,市民から信頼される市政を確立してまいる決意であることを申し上げまして,私の発言とさせていただきます。
207 ◯議長(
浜本りつ子君) 市長の発言は終わりました。
次に,議案外質問の通告がありますので,この際発言を許可いたします。32番松本のり子君。
(32番松本のり子君登壇)(拍手)
208 ◯32番(松本のり子君) 私は,日本共産党神戸市会議員団を代表して,市長に数点お聞きします。
市長は,施政方針の中で,市民が主役のまちを目指すとずっと言われてまいりました。しかし,今回の汚職事件については,市民の多数が市長にも責任があるとして,真相究明を求めています。しかし,その声に市長は全くこたえることなく,先ほどの発言によりましても,政治倫理の保持に努めていく,そして市民の信託にこたえるため,透明性の高い市政を運営していく,市民から信頼される市政をつくっていく,このようにおっしゃられましたが,これまでの事件については全く口をつぐんだままでは市民は納得せず,市民の信頼は遠のくばかりではないでしょうか。
もし本当に市民から信頼される市政をしっかりつくっていくというのであれば,真っ先に市民サービスをどんどん削るのはやめていただきたい,そして大型開発を進めるという市長の政治姿勢こそ,まず見直すべきであると考え,最大のむだな開発であるスーパー中枢港湾について,そして以下数点についてお聞きいたします。
神戸市は,スーパー中枢港湾に指定されたのを機に,大型化したコンテナ船が入港するために,PC-18に 306億円かけて深さ16メーターバースをつくろうとしています。
このバースは,2003年4月に大型化するコンテナ船に対応するためとして,PC-18南岸に 150億円の市税を使い,水深15メーターのバースをつくり,供用開始いたしました。そして,その年の9月に,PC-16・17を使っていたCOSCOがPC-18に移転しました。このバースは,2004年3万トン以上の大型船の入港数は36隻,2005年は17隻,ことしは6隻ですが,なぜか4月25日以降は3万トン以上の船の入港は全くありません。現在のPC-18の外航コンテナ航路を見れば,エバーグリーンは東南アジア航路,COSCOはオセアニア航路など,近郊航路ばかりです。
一方,ことし10月8日,世界最大の17万トン級のコンテナ船エマ・マースクが六甲アイランドに入港,定期航路として就航しているため,12月10日にも入港いたしました。エマ・マースクが入港した水深は14メーターです。
市長は,月刊KOBEグー12月号,市長日記のコーナーで,上海出張のことを触れておられます。長江の沖に建設している洋山港を視察され,市長は,完成すれば多分世界一になるだろう,とにかく物すごい物量とその流れの変化の速さにはただただ驚くばかりだと書かれています。
市長自身,PC-18の大水深バース建設について,大型船が来るためとか,世界の競争に負けてしまうからとこれまで言い続けてこられましたが,今回の洋山港の視察で,神戸港の今後のあり方についてどう思われたのでしょうか。今回のエマ・マースクが水深の浅いバースへの定期航路就航や,PC-18に3万トン以上の船が入港がないことから,深いバースをつくると大型船が来るという根拠は崩れ去ったのではないでしょうか。 306億円以上もかけてPC-18の大水深バース建設は中止すべきと思いますが,いかがでしょうか。
次に,平成10年に起きた地下鉄工事人身事故についてお聞きいたします。
先月11月29日に,地下鉄海岸線工事の人身事故について再度調査を求める陳情が交通局に出されました。この事故は,平成10年7月3日,みなと元町駅の地下鉄線路工事中に,ヘルメットも安全帯も着用していない作業員が落下し,鉄筋が右大腿部を貫通したというものでした。すぐに現場で働いていた人たちがガスバーナーで鉄筋を焼き切るなど,必死の思いで救出し,地上に運び上げました。しかし,作業監督は,救急車を呼ばず,会社の車で病院へ運びました。幸い落ちた人は手術をして一命を取りとめました。
この転落事故では,元請である大林組は,神戸市土木工事安全衛生管理マニュアルで義務づけられている,警察署及び消防署など関係部署に通報することになっているにもかかわらず,通報をしませんでした。また,発注元である神戸市も,下請の事故はすべて元請の大林組に任せている,神戸市が警察・消防に届ける必要はないと,交通局長が11月29日の常任委員会でこう答弁されました。
労働安全衛生法第97条,労働安全衛生規則によれば,墜落などに対する危険防止は,高さが2メートル以上で作業する場合,事業者は防護ネットを張ったり,労働者に安全帯を使用させなければならないとなっています。交通局に提出されている事故報告書を見れば,高さ 2.8メートルから墜落とあることから,私は明らかにこの事故は労働安全衛生法違反だと考えます。
警察に届けていたなら,どういう状況で事故が起き,どこに問題があったのかということを警察が現場検証をいたします。届けなかったのは,大林組が事故隠しを行い,神戸市もそれに手をかしたと言われても仕方がありません。これだけの大事故をなぜ警察に届けるよう大林組に強く指導しなかったのでしょうか,お聞きいたします。
また,大林組が警察に届けない場合は,神戸市として警察に届けるべきです。それをしなかったのはなぜでしょうか,あわせてお聞きいたします。
次に,民間委託された市バス営業所の運営業務とバス路線について,お聞きいたします。
まず,交通局のバス路線についてお聞きします。
来年1月9日より,東灘区の御影の深田池から渦が森小学校前までバス路線が新設されることになりました。これは渦が森小学校・PTA・地域の皆さん方の長年の願いであり,実現したもので,私も大変うれしく思います。
しかし,バスの時間帯は登校時のみで,下校時がありません。渦が森小学校長とPTA会長の連名で交通局に提出された要望書を見れば,昨今社会問題となっている不審者対策で大変心配な面があります,日ごろよりPTA・地域の方々・教職員が立ち番をしていますが,もう限界があります,安全確保のためにもぜひ設置を,こういった要望書の内容です。また,東灘警察にお聞きすれば,東灘区でのことしの不審者は72件,近隣の他区よりも多いとおっしゃっていました。子供たちの安全を確保する上で,ぜひ登校時だけでなく下校時もバスを走らせていただきたいのですが,いかがでしょうか。
最後に,このバスを走らせるのは交通振興です。交通振興の運営業務についてお聞きします。
平成17年4月に,魚崎営業所は交通振興に民間委託されました。魚崎営業所は,神戸市直営のときには 104人の運転手で運行されていましたが,交通振興では路線・便数がふえているにもかかわらず,ことしは99人で運行しています。当然運転手1人当たりの業務量は確実にふえています。さらに,交通振興の運転手は,低い基本給の上,1年契約であるため,労働条件の改善を口にすれば,嫌ならやめてもらってもよいと,このように交通振興から暴言を吐かれています。
運転手さんにお聞きしますと,基本給が低い上,超過勤務でも時給は 1,000円そこそこ,バスを1便運転して,次のバス運行のために待機する必要があっても,その時間には給料も払われていません。魚崎営業所の運転手は40代と50代が58%を占めています。この人たちは,社会的には成熟世代と呼ばれ,家庭では家族を支える大黒柱です。その人たちが,1年契約の無権利・低賃金で働かされているのです。
今回のバス路線新設について,私は当然委託金額の見直しをして,運転手もふやして運行するものと思っていましたが,交通局にお聞きしますと,金額の見直しはせず,今いる人で回す,こういったことでした。
このままでは,運転手に今以上の労働強化を強いることになります。今でも,前日の23時46分にバスをおりて,次の日は7時35分にバスに乗るという,こういった勤務状況も出ていると聞いております。十分な睡眠をとらせず乗車勤務を続ければ,安全運転に支障が出てくるのは火を見るより明らかではないでしょうか。新設路線,便数が増加する場合は,金額の増加をして運転手を確保すべきではないでしょうか。
以上,簡明な答弁をお願いし,私の質問を終わります。(拍手)
(「議長」の声あり)
209 ◯議長(
浜本りつ子君) 矢田市長。
210 ◯市長(矢田立郎君) 私の方から,スーパー中枢港湾に関しまして,PC-18の大水深バースについてのご質問でございますが,最近の趨勢でございますけども,世界的にコンテナ船の大型化が進んでおるということは,もうこの今の世界の趨勢を見ますと,大変そういった状況が出てきてございます。現在神戸港に寄港をしております船社を含め,多くの船社が 8,000TEU積みを超えるコンテナ船の就航を進めてございます。国の資料に基づきますと,ことしの6月まででございますが, 8,000TEU積み以上の船舶が世界じゅうで現在69隻就航しておる,さらに2011年までに 8,000TEU積み以上の船が世界じゅうで約 200隻就航する予定であるというふうに言われております。
これに対応して,世界の港では岸壁の大水深化が急速に進んでございます。北米では,例えばロサンゼルスあるいはタコマの港,そしてヨーロッパではアントワープとかハンブルグ,こういったところはもちろん,中国では香港,そしてさっきおっしゃいました上海の洋山深水港,そしてシンセン,こういったところで進んでおります。お隣の韓国では,釜山などでマイナス16メーター岸壁の整備が着実に進んできておるということでございまして,相当な数の大水深バースが既に供用され,現在のところ,お聞きしておるんでは,大体98ほどのバースがこのマイナス16メーターで営業しておるというふうに聞いております。
また,日本国内の港でございますが,横浜港・名古屋港では既にマイナス16メーター岸壁が供用され,大阪港でも平成17年度から整備に着手という状況でございます。さらに,一昨日,東京港でもマイナス16メーター岸壁を新規着工する19年度予算内示がございました。また,横浜港でも,3バース目の着工に向けた予算内示があったところでございます。
現在PC-18は,東南アジアあるいは中国航路等の近海航路を中心に利用されてございますが,PC-18を利用しております複数の船社が船舶の大型化を進めてございます。今後2009年までに, 8,000TEU積み以上の船が順次竣工する予定でございます。また,PC-18を運営しておりますユーザーも, 8,000TEU積み以上の船舶の誘致活動を積極的に行っております。早期のマイナス16メーター岸壁の整備について強い要請がございますし,またことし神戸港に入港しました,先ほどご指摘のエマ・マースクの満載の喫水はマイナス16メーターでございますが,マイナス14メートルでも接岸が可能な積み荷状態で神戸港に入ってきたというふうに聞いております。このように,利用者に多大の制約をかけておるのが実情でございます。
神戸港が,スーパー中枢港湾として,コスト・スピード・サービスのソフト面の向上を図るとともに,早期にマイナス16メーター岸壁を整備することによりまして神戸港の国際競争力をより強化し,港間競争に打ち勝てるように対応していきたい,このように考えております。
(「議長」の声あり)
211 ◯議長(
浜本りつ子君) 鵜崎助役。
212 ◯助役(鵜崎 功君) 私の方からは,地下鉄海岸線の建設工事の事故についてお答えいたします。
ご指摘の事故につきましては,お話もございましたけども,平成10年の7月3日,大林と西松と大日本のいわゆる大林ジョイントベンチャーが施工しておりました海岸線の元町工区で,地下構造物をつくります地下を掘削するときに,立てくいとそれを横から支える鋼材,いわゆる支保柱と言ってますけども,その鋼材の解体工事中におきまして,取り外されていた,支保工上に置かれてございました土圧の測定用機器,これを回収するために計測コンサルタントの計測員の方が,立入禁止区域内の上から6段目の支保工上を通行中にバランスを崩されて 2.8メートル転落されて,負傷されたというものでございます。
この神戸市交通局工事請負契約約款というのが実はございます。これは公共工事標準請負契約約款あるいは神戸市工事請負契約約款,これも同じような規定でございますけども,これによりますと,工事は請負人が責任を持って施工するんだと,仮設・工法等の工事に必要な一切の手段につきましては請負人が定めるものとしてございます。事故が発生したときの緊急連絡につきましても,請負人の責任で行うということとされてございます。
工事現場で事故が発生したときですけれども,請負人の方は神戸市土木工事共通仕様書,これに基づきまして,事故状況につきまして関係のある官公署に通報することになってございますが,その具体的な通報先につきましては,この土木工事安全衛生マニュアルに具体的に例示をされてございます。このマニュアルに掲載されてございます例示の通報先でございますけれども,警察署あるいは消防署だけではなしに,交通局の建設事務所なり,あるいは労働基準監督署なり大阪ガス,関西電力,水道局,NTT,指定病院等も記載されているところでございます。
事故が発生した際,請負人の方は,みずからがマニュアルに基づいて作成いたしました緊急連絡表から必要な連絡先,これを選択されます。そして,関係のある官公署等に通報するものでございます。この緊急連絡表に記載されてございますすべてに通報するというものではございませんで,警察署及び消防署へ通報することは義務づけたものではございません。また,警察によりますと,建設工事で事故が発生した場合の警察への事故報告につきましては,警察の方では明記した規定はないというふうなことを確認させていただいてございます。
この元町工区の転落事故でございますけども,請負人の方の現場責任者の判断で緊急連絡表に掲げてございます指定病院,ここに連絡を行いまして,大林ジョイントベンチャーのJVの車で負傷者を病院へ搬送されたというふうに承知してございます。
また,大林JVから事故の連絡を受けまして,市の監督員が現場に到着したときには,既に負傷者の方は病院に搬送されていたというふうなことを確認してございます。
この事故当日でございますけども,1段目の支保柱から5段目の支保柱までの立ち入りは実は可能でございましたけれども,解体中でございました6段目の支保柱につきましては,実は立ち入りの禁止措置がなされてございました。この事故発生場所の6段目の支保工の現場への立ち入りにつきましては,禁止の措置がとられてございまして,解体作業員以外の立ち入りは禁止ということでございました。このことにつきましては,当時の市の監督員が事故発生後,現場に赴きまして,立入禁止のためのロープが設置されておること,そして明らかに立入禁止表示がなされていることを確認してございます。このことによりまして,労働安全衛生法上の違反はなかったというふうに考えているところでございます。
また,事故発生後の元請の業者によります調査でも,事故当日の朝礼で現場作業員の方全員に,事故発生場所でございます6段目支保柱への立ち入りを禁止していたというふうに聞いてございます。にもかかわりませず負傷者の方は,請負人の現場責任者への連絡もなく現場に立ち入り,転落されたというふうに考えてございます。
本件事故につきましては,ご本人も実は認められているとおり,不注意による自損事故でございまして,業務上の過失あるいは事件性があったとは考えてございません。
今回の事故では,神戸市高速鉄道地下工事標準仕様書に基づき,交通局の方へ事故報告書が提出されてございますけれども,また請負人の判断で警察への届け出はしてございませんけども,負傷者の雇用主である事業主,いわゆる計測コンサルタントさんにつきましては,安全衛生法で提出が義務づけられております労働者死傷病報告書,これを所轄の労働基準監督署に報告されてございまして,警察に届けていないことをもって事故隠しとは言えないということを確認させていただいてございます。
事故が発生したときの緊急連絡につきましては,神戸市交通局工事請負契約約款,これに基づいて請負人の責任で行うこととされてございまして,警察への届け出につきまして大林JVに対して指導するとか,あるいは市が届け出るということにつきましては考えてございません。
以上です。
(「議長」の声あり)
213 ◯議長(
浜本りつ子君) 松田交通局長。
214 ◯交通局長(松田正康君) 私どものバス路線のお尋ねについて,お答えをさせていただきます。
まず,1点目は,渦が森方面小学生の登校用のバス路線について,登校時のみならず下校時の対応をということでございます。
現在,住吉山手地域から渦が森小学校に通学する児童は,市バス31系統──これはJRの甲南山手から渦森台,それと38系統──阪神御影から渦森台,この2つの系統を利用されましてバス通学をされておりますが,一部住居から最寄りのバス停──白鶴美術館あるいは観音橋までのバス停については相当の距離があるため,教育委員会を通じて渦が森小学校から交通局に対し,児童の安全確保のためのバス路線設置の要望書が出されたところでございます。
私ども交通局といたしましても,車両と人員の制約があること,当該地域が狭隘で急坂の多い道路状況であるために小型バスでしか運行ができない,対応ができないということから,現在の市バス37系統──JR甲南山手からJR住吉駅前を通りまして阪急御影に至りますルートを運行しておりますバスにおいて利用しております小型バスの営業開始前の時間を有効に活用いたしまして,来年1月19日より,住吉山手地区近傍の深田池から渦が森小学校近傍の渦森台3丁目までを直行運行するバスを児童の登校時間に合わせて2便,運行開始する予定をいたしてございます。
下校時の対応でございますが,下校時間については,聞くところによりますと,児童・学年によって,1時過ぎから16時前後まで時間帯が幅広く,また曜日によっても異なると聞いておりまして,この幅広い時間帯をカバーするような小型バスのやりくりが大変難しい状況でございます。
渦が森小学校からは,下校時の運行についても要望も受けておりますが,交通局と教育委員会との間で協議を重ね,登校時は急な上り坂が多く,児童の登校時間帯もある程度集中していることから,まずは登校時のみの対応とすることといたしました。
児童の登下校の安全確保については,交通局としては,今回登校時において一定の役割を果たしていくことといたしてございますが,学校・地域における安全確保に向けた取り組みも必要不可欠であると考えております。その上で,今後も運用開始後の利用状況を十分見きわめ,引き続き交通局・教育委員会・学校の3者で協議を行いまして,渦が森小学校児童の通学が確保できるよう今後も研究をしていきたい,このように思ってございます。
それから,もう1点のお尋ねでございますが,魚崎営業所の管理委託をしております件についての,今回の委託によります職員数あるいは委託料の件でございます。
私どもでは,危機的な財政状況を抜本的に改善し,市民の足としての使命を果たしていきますために神戸市交通事業の経営改革プラン──レボリューション2004を策定いたしまして,局一丸となって経営改善に取り組んできたところでございまして,同プランの中核的な施策として,市バス営業所の管理委託を実施してまいりました。
平成17年度には,今回ご指摘の魚崎営業所を神戸交通振興株式会社に,松原営業所を阪急バスに委託を行いました。また,今年度,18年度には落合・西神の両営業所を神姫バスに委託を行いました。こうした管理委託に伴いまして,従来からのサービス水準の維持・向上を目標とした市バスの安全・安定運行が図られ,おおむね市民・利用者から高い評価をいただいておるところでございます。
この魚崎営業所の運転士の数でございますが,平成16年度管理委託前の 104人から,17年度管理委託いたしましたときは99人という指摘でございました。これは,18年度には 101人と推移をいたしてございます。
17年度に 104人から99人に運転士が減少した理由としては,従来直営時代に魚崎営業所が大部分運転を担当しておりました36系統──阪神御影から鶴甲団地の運行本数すべてを石屋川営業所へ移管したことによる魚崎営業所の業務量の減少に伴うものでございまして,先ほどのご指摘とは──業務量がふえたというご指摘でございますが,減少に伴いまして運転士の人数が変わっておると,こういうことでございます。
また,委託料は,17年度6億 2,400万,18年度6億 2,380万と,ほぼ同額になっておる状況でございます。
今回の路線新設には,先ほど申し上げましたように道路幅員が狭隘であるため,小型バスでの対応しかできないということでございまして,現在37系統──甲南山手駅から阪急御影まで運行しております小型車両の空き時間を有効活用して運行する予定でございます。
運転士においても,関係法令の遵守を前提に,交通振興の勤務体制で実施ができるかどうか,十分協議・検討した上で,現在の人員・勤務条件・委託料の範囲内で対応可能であると交通振興との協議が整い,確認したところでございます。
したがいまして,今回の対応は,現有の車両・人員をできる限り有効に活用することによって対応可能となったものでございまして,労働強化につながることはなく,また委託料についても現行の範囲内で賄えると考えております。
以上でございます。
(「議長」の声あり)
215 ◯議長(
浜本りつ子君) 松本のり子君。
216 ◯32番(松本のり子君) それでは,まずスパ中についてお聞きしますが,やはり市長は大水深バース,これは大型船を誘致して港勢を回復しよう,だから必要なんだとおっしゃられました。だけども,市長自身,本当にそう思っているのかなと私感じるんですが,この市長日記の中で,今世界一の貨物の取扱量はシンガポールや香港やと,そこは日本の東京・横浜・名古屋・大阪・神戸全部ひっくるめても,とてもじゃないけど勝ち目はないと。昔神戸は,頑張って頑張って 300万TEUに少し届かへんかったと。しかし今,洋山港はコンテナ──ガントリークレーンが5基で 300万TEUやってるんだということで,市長のこの日記を見させていただきまして,あっ市長自身やはり違う──神戸港の発展のために違う方向を考えておられるのかなというふうに私はこれを見て思ったんですが,先ほどのご答弁では全くそうではないと。
お隣の大阪も来年は着手,スパ中を──16メーターをつくっていく,そこは確かにお聞きしましたら,エバーグリーンが欧州航路として開設していくから必要なんだということなんですね。だけども,PC-18にはエバーグリーンが来るわけはないと私は思います,大阪で欧州航路を開設しますから。そうなれば,本当にここに今つくるんではなくて,今必要なことは,東南アジアなど近郊航路の開拓をもっともっと力を入れて──大阪港はこれを早くから,東南アジア・中国の貨物の誘致に力を入れていると聞きました。神戸も同じように,今求められているのは,大水深バースをつくるんではなくて,大型船の誘致を進めるのではなくて,東南アジアの小型や中型船をどう誘致してくるか,ここに焦点を当てる必要があるのではないかと,私はこのように思うんですが,市長,いかがでしょうか。
そして,次に地下鉄事故ですが,これは全く請負人がするもので神戸市は関係ないと,そして事故──違反はなかった,これは個人の責任だということでしたけれども,これは計測機器をとり忘れていたのでとりに行ったということをおっしゃってます。そもそもそういうことすらわからないのは,警察に届けていないから,全くそれがはっきりしたことがわからないからなんですね。
この事故──事件で,救出に全力を尽くされた2次下請の業者は,大林組に安全対策をとらなければ危なくて,いつ上から人が落ちてくるかわからないから仕事ができないと安全対策を求められました。当たり前のことだと思います。ところが,この業者は,1次下請から排除されて,登録業者からも排除され──外されて,一切この8年間仕事がなくなってしまいました。こういう事故なんです。こういうことも関連してるんです。
で,当初事故が起きれば最寄りの警察に届けるとなっております。生田警察の刑事課に直接行って聞きました。そうしましたら,刑事課は,事故があって労災になるようなものは必ず,大体普通は言うてきますと。例えば労災にならなくても,工場で指が挟まった,それでも言うていらっしゃいます。そのとき自分たちは,警察は,現場に行って写真を撮って,そしてそこの業者の人にお話を聞く,そうした証拠がきっちりしたものがそこに整っているから,後からだれにどう言われてもお見せすることができる,普通はそうするんですと。確かにそうなんですよ。普通は,お金が落ちてても,子供は警察に──法律で決まってなかっても警察に届けます。普通は警察に届けるんですよと,刑事課,生田警察がおっしゃってるんです。なぜ,その普通なことを交通局も大林組もできなかったのかということをお聞きします。
そして,次に市バス路線の渦が森小学校行きのバスですが,これは要望書では2便──詳しく2便,何時と何時に下校はしてほしいというのが要望ではっきり書かれてるんですね。今局長は,なかなかできないとおっしゃいましたけれども,例えばじゃあ,お隣の石屋川営業所区域内の六甲道の方にも37──交通振興は走っておりますが,交通局としてそのことが私はできる,交通振興でやらすようなやつをどこに──この時間帯を持ってこようとするから無理があるんで,神戸市としてできないのか,一緒になって石屋川営業所あるいはその隣の松原営業所,交通局としてできないのかということをお聞きします。
そして,最後ですが,この交通振興の労働の問題で,労働強化なんかしてないとおっしゃいますが,例えばこの2便ふえたことによって──90分ですかね,港湾交通委員会に示されました資料を見ましたら,余分に90分確実にふえてるんですよ,時間が。それは過勤でもって,わずかな 1,000円ぐらいのあれでやらされると。だから,ふえてないことはありません。
で,委託されたバス運転手の待遇ですけども,平成12年に参議院の全会一致の附帯決議,そしてこの神戸市会でも平成14年の日に,その附帯決議を受けて,神戸市議会で決議した内容,公共工事における適正な労働条件の確保に関する意見書,これは私たちが決議したのは工事ではありますけれども,労働者の適正な賃金が確保されるように求めるものでした。これは当然これら委託業務にも当てはまると,私は思います。このことについて,市長のお考えをお聞きします。
(「議長」の声あり)
217 ◯議長(
浜本りつ子君) 矢田市長。
218 ◯市長(矢田立郎君) まず,スパ中の関係でございますが,先ほども申し上げましたように 8,000TEUというのは,もう世界の趨勢に今なっていきよるんですね。ですから,先ほど2011年に大体 200隻がそういう状態になるというふうに申し上げたわけでありまして,上海が実はコンテナの大型化をにらんで,今までは長江下流の外高橋というところで,これは干満があるし,しゅんせつもせないかんのですが,マイナス13メートルのバースではもう立ち行かないということで,小洋山という浙江省の方にあります群島を,これを橋を30キロつくりまして,そこで大規模コンテナターミナルに取りかかりを始めた,そこを私は見ておかないといけないと思うんで見に行ったわけでありまして,こういった趨勢からしまして,やはり神戸港がそれに対応できるものでないといけないというふうに私は考えております。
神戸は,ましてや基幹航路を中心にずっと運営をしておるわけでございますし,もちろんアジア・オセアニアの方も努力をしておりますけれども,そういった形で考えましたときに,世界の趨勢の── 8,000TEUという世界の趨勢に対応できるような,そういう港であるということが非常に重要でございますので,これらの取り組みを今国を挙げてやっておるということでもございます。
以上でございます。
(「議長」の声あり)
219 ◯議長(
浜本りつ子君) 鵜崎助役。
220 ◯助役(鵜崎 功君) 海岸線の事故の問題で,なぜ警察へ──当時にですけども,届け出なかったのかというお話がございました。
この警察の問題につきましては,実は交通局の方でも警察の方といろいろお話をその後もさせていただいてますけども,先ほども申し上げましたけども,警察の方では,建設工事現場で事故が発生した場合の警察への報告について,明記した規定はないということをおっしゃってございます。この負傷者本人が,自分の不注意で転落したと主張されておって,事件性がないと判断したのであれば──これは元請のことだと思いますけれども,警察への届け出がなくても問題はないということを言われてございます。
そうしたことで,元請として,まさに緊急避難,緊急性があるということで警察への届け出ということを,事件性ということじゃなしに,まさに人命優先という感じから,下請の方の救助も得ながら行動されたというふうに理解をしてございます。
以上です。
(「議長」の声あり)
221 ◯議長(
浜本りつ子君) 松田交通局長。
222 ◯交通局長(松田正康君) 下校時の対応の問題で,交通振興のみならず石屋川あるいは松原の営業所を活用してはどうかと,こういうことでございますが,先ほどから申しておりますように道路の事情がありまして,大型バス・中型バスでは運行できない地域であります。したがいまして,松原営業所には小型バスもございません。中央営業所にも小型バスはございません。石屋川にはございますが,灘区の南北路線を運行してございます。
これは37系統で運行しております魚崎営業所のバス路線が,今26往復でございますが,それを上回る30.5往復を行ってございまして,昼間の時間帯にもしこの37系統,あるいは石屋川の運行をいたしております灘の南北路線のバスを学校に振り向けようといたしますと,例えば37系統でございますと,当初運行開始の時点では8往復でございましたのが,平成15年に増便・路線変更を行いまして9往復,さらに17年の4月には増便・路線変更・始発繰り上げ・終発延長等を行いまして13往復と伸ばしてまいりまして,乗客数も大幅に伸びております。そういう中で,今それぞれ多くの方々が, 700人程度の方々がご利用いただいておるバス路線で,下校時にバスが運行しておるその時間帯をカットするというのは,なかなか今の状況の中では難しいと思いますし,灘の南北路線につきましても,昼間の時間帯も,このバス路線は地域密着型のバス路線でございまして,お年寄りなり障害者の方々に,昼間の買い物なり通院なりその他用事に出かけやすいようにということで運行を開始したバス路線でございますんで,昼間のこの時間帯に新たに石屋川の方からバスを転送いたしまして,渦森台の方に配送して──回送して運行するというのは,今の状況の中では難しいということについてご理解をいただきたい,このように思います。
それから,公共工事の件でございますが,先ほどご指摘の分については,あくまで公共工事についての労働条件の規定──規定といいますか,そういう申し合わせ等ではないかと思ってございまして,私どもがやっておりますそれぞれの委託営業所の労働条件については,それぞれの労働規約等も含めまして基準を満たした上で,それぞれの営業所で,特に民間委託の営業所はそれぞれで対応していただいておるものと,このように理解をいたしてございます。
以上でございます。
(「議長」の声あり)
223 ◯議長(
浜本りつ子君) 松本議員に申し上げます。
予定の時間がほとんど残り少なくなっておりますので,簡潔におまとめください。
224 ◯32番(松本のり子君) わかりました。
建設労働者の適正な労働条件の確保に関する意見書,これ議会で通しましたけれども,この中身,もう1度ちゃんと見ていただきたいと,そのように思います。
で,1点だけですけれども,ことし北九州市で大林組の工事現場の事故で,同じように上から落下して亡くなっている人がいるんですね。死亡事故が起きました。そして,警察に届けて,もちろん大林組は地検に書類送検されてるんです。このときに,平成10年で,同じようにちゃんと,普通は届けるような──警察が言う,普通は届けますという普通をしていたら,私はこういう事故は起きなかったと思うんですが,それだけ1点お答えください。事故は起きなかったと思う。
(「議長」の声あり)
225 ◯議長(
浜本りつ子君) 鵜崎助役。
226 ◯助役(鵜崎 功君) 北九州市のお話がございましたけども,北九州市の事故が,どのような状況で,どのような下請との関係であったのかということも実は承知をいたしてません。
そういうことで,今後できるだけ安全対策にもちろん万全を期すという姿勢で,今後とも公共工事の施工につきましては十分管理・監督をしていきたい,そのように思ってます。
以上です。
227 ◯議長(
浜本りつ子君) 質問は終わりました。
以上で本定例市会の議事は全部終了いたしました。
これをもって平成18年第4回定例市会を閉会いたします。ご苦労さまでございました。
(午後5時36分閉会)
神戸市会事務局
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