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平成24年第二部決算特別委員会−10月23日-06号
平成24年第一部決算特別委員会−10月23日-06号

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  1. 札幌市議会 2012-10-23
    平成24年第一部決算特別委員会−10月23日-06号


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    平成24年第一部決算特別委員会−10月23日-06号平成24年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第6号)               平成24年(2012年)10月23日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  山 田 一 仁      副委員長   しのだ 江里子     委   員  宮 村 素 子    欠 委   員  勝 木 勇 人     委   員  こんどう 和雄      委   員  村 松 正 海     委   員  村 山 秀 哉      委   員  小須田 悟 士     委   員  宗 形 雅 俊      委   員  飯 島 弘 之     委   員  川田 ただひさ      委   員  阿部 ひであき     委   員  北 村 光一郎      委   員  川口谷   正     委   員  西 村 茂 樹      委   員  小 野 正 美     委   員  ふじわら 広昭      委   員  三 宅 由 美     委   員  桑 原   透      委   員  宝 本 英 明     委   員  山 口 かずさ      委   員  村 上 ゆうこ     委   員  中 村 たけし      委   員  涌 井 国 夫     委   員  芦 原   進      委   員  阿知良 寛 美     委   員  福 田 浩太郎      委   員  井 上 ひさ子
        委   員  坂 本 恭 子      委   員  伊 藤 理智子     委   員  小 倉 菜穂子      委   員  石 川 佐和子     委   員  堀 川 素 人      委   員  木 村 彰 男       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○山田一仁 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、勝木委員からは遅参する旨、また、よこやま委員からは小須田委員と、伴委員からは北村委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第8款 消防費 第1項 消防費の質疑を行います。 ◆中村たけし 委員  私からは、一つ目がジュニア防火防災スクール市民防災センターの活用、二つ目がカセットボンベの爆発事故関連、そして、三つ目が原子力発電所災害に対する本市の対応ということで、大きく三つのテーマについて質問させていただきます。  最初に、ジュニア防火防災スクール市民防災センターの活用についてお伺いしたいと思います。  少子高齢化が確実に進んでいる状況にございます。先日、総務省が発表した人口推計によりますと、我が国の65歳以上の高齢者は、初めて3,000万人を突破しまして、3,074万人という数になっています。総人口に占める割合が24.1%で、今、約4人に1人がお年寄りというまさに超高齢社会になっている状況がございます。札幌市におきましても、昨年の10月1日現在、高齢化率は20.7%という状況にあり、今後、急速な勢いで高齢化が進むことは既に指摘されているとおりでございます。このような状況の中で、火災等の災害が発生した場合、最も被害に遭う危険性が高いのが高齢者や障がいのある方ですので、地域としてどのように支えていくのかということが、今、喫緊の課題になっているわけでございます。  本市では、現在、災害時に自力では避難できない高齢者や障がいのある方など、災害時要援護者への支援ということで、地域が主体となって実施する災害時要援護者避難支援対策を積極的に進めているところでございます。地域全体で災害弱者を支えるというすばらしい取り組みでありますけれども、日常生活で、ふだん、実際に地域にいる方はだれかということを考えた場合、助ける方も助けられる方も高齢者という状況にあるわけで、大変笑えない状況にございます。そういった意味で、消防局が、ふだん、地域にいる中学生を対象に、より実践を意識した体験型のジュニア防火防災スクールを行い、災害に直面したときに、みずからの安全を確保する能力、みずからの生きる力と大人と同等の対応能力、大人を支援できる力を高めて地域における防災の担い手の育成を目指すということは、まことに時宜を得た取り組みであると感じています。  そこで、質問ですが、消防局では、第3次札幌新まちづくり計画において、災害時における活動支援教育事業の到達目標として、最終の平成26年度、2014年度において、この活動支援教育を受けた中学生の数を8,000名にするという目標を掲げておりますが、今年度において、どのような取り組みを行って、どのような実施状況になっているのか、また、今年度、実施した中学校からの主な意見はどうだったのかということをお伺いします。  それから、2点目として、中学生の市民防災センターの利用状況についてお伺いします。  このスクールで市民防災センターを活用することは大変重要だと考えております。消防局では、幼児を対象とする幼年消防クラブ、小学校1年生から中学生までの児童生徒を対象とする少年消防クラブ、小学校4年生の社会科の授業を活用した「教えて!ファイヤーマン」など、それぞれ授業を通じて各種防災を模擬体験できる施設として市民防災センターを積極的にPRしているわけでございまして、その結果、昨年6月には、平成15年3月のオープン以来、来館者が50万人を突破したとお伺いしています。  そこで、2点目の質問ですが、消防局では、中学生に対する体験型の防火防災教育に力を入れているわけでございますが、実際に中学生がどのくらい市民防災センターを利用しているのか、2点お伺いします。 ◎上田 予防部長  まず、ジュニア防火防災スクールの今年度の取り組み状況についてでございますが、今年度は、避難訓練に合わせた煙道体験、防災講話や授業時間を利用した救命講習など、9月末現在、30校、1万2,880人に対して実施しております。  なお、教育の成果として、本年6月に市内の河川敷で枯れ草が燃える火災が発生した際、ジュニア防火防災スクールを受講しました中学生が、他の住民と協力し、初期消火を実施しております。  今年度に実施しました中学校のうち、一部の学校からアンケートをとったところ、ほぼすべての生徒が、また防火防災の授業を受けてみたいと回答しているほか、いろいろな火災の実験はとても見ごたえがあり、火の怖さを知った、地震がとても恐ろしいものであることが理解できたなどの意見を聴取いたしました。  2点目の中学生の市民防災センターの利用状況につきましては、平成23年度の実績は1,846人の中学生が来館しております。また、平成24年度は、9月末現在で2,072人が来館している状況でございます。 ◆中村たけし 委員  ただいまの答弁で、今年度の取り組み状況、実施状況、市民防災センターの中学生の利用の状況についてはわかりました。30校、1万2,800名余りの生徒にジュニア防火防災スクールを行っていて、初期消火の取り組みなど、大変重要な取り組みであると感じています。また、市民防災センターを利用している人数は、平成24年度、今年度の2012年度では2,072名の中学生が来館している状況です。  今ほどの答弁にもありましたが、ジュニア防火防災スクールを受けた中学生の意見を聞いた限りでは、防火防災の授業をもう一回受けてみたいとか、実際に体験してみて災害の恐ろしさを実感したという意見があったということでした。ただ、これは否定的な意見ではないのですが、今、聞いた感じでは、どうも受け身的な意見であるというふうに感じます。言ってみれば、人ごとで、自分は関係ないのだけれども、怖いという感じで、そういう面ではいささか不安を感じます。  こういうお話を聞きますと、昨年の東日本大震災における釜石において、釜石の奇跡と言われておりますが、釜石市内では津波で1,000名を超える死者、行方不明者を出している中で、市内の小・中学校14校では児童生徒3,000名がほぼ全員無事だったということでございました。多くの中学生たちが、先頭を切って小学生を誘導して避難を助け、地域の介護施設のお年寄りたちに手をかし、地域の住民を巻き込んで避難して災害を最小限に抑えることができたということでございました。かけがえのない命を救ったのは、日ごろの防災教育のたまものであったのではないかなというふうに感じております。  そこで、質問ですけれども、ジュニア防火防災スクールを受けた中学生の意見として、ほとんど受け身的で他人ごとであるという感じを受けるという実態を踏まえて、生徒たちに主体的な行動をさせるために、消防局として、今後、ジュニア防火防災スクールを通じてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。  また、市民防災センターは、各種災害の模擬体験を通じて、防火防災に関する知識や災害時の行動を学ぶことができるという目的を持って、地震体験、消火体験、煙避難体験など五つの疑似体験コーナーが設けられておりますが、第3次札幌新まちづくり計画においては、リニューアル事業で、来年3月までに地震体験コーナーの更新並びに暴風3D体験コーナー及び災害バーチャルコーナーが新たに設けられるとお伺いしております。まさに、ここに来ればいろいろな災害体験を学ぶことができるということで、大変有意義な施設だと感じています。  でも、先ほどの答弁によりますと、中学生の利用者数が平成24年では2,072名ということで、全体の数からすると低いという感じを持たざるを得ないところです。今後、中学生に対する体験型の防火防災教育を進める上で、この市民防災センターをぜひ積極的に活用すべきであるというふうに考えています。  そこで、2点目の質問ですが、消防局では、中学生に対する防火防災教育を進める上で、市民防災センターをどのように活用していくお考えなのか、お伺いします。 ◎上田 予防部長  まず、生徒に主体的な行動をさせるための今後におけます取り組み状況についてでございます。  最も教育を施さなければならない防災意識の低い人たちに防災意識を醸成することは、一朝一夕にできるものではないと認識しております。よって、時間をかけた粘り強い意識改革が必要と考えております。今年度は、3月までに、火災や大規模地震などの災害時において、中学生が主体的に行動し、地域の一員としての役割を認識させることを内容としたDVDを作成いたします。本DVDでは、中学生の意見を踏まえながら、災害発生時には、マニュアル的に対応するのではなく、困難を乗り越える力、その中で弱い者への配慮ができる心を醸成できるものといたします。  アンケート結果では、参加したほぼすべての生徒が防災に対する関心を抱いたものと認識しておりますので、例えば、火災警報機が鳴ったときには状況を確認するとか、緊急地震速報が発表されたときには自分の身の安全を確保するなど、主体性を持った行動ができるよう、ジュニア防火防災スクールを通じて継続的に指導してまいります。また、より効果的な子どもに対する防火防災教育の手法等について、教育委員会や危機管理対策室とも連携しながら検討してまいります。  次の質問の市民防災センターの活用方策についてでございます。  来年3月には、市民防災センターがリニューアルされ、より実災害に近い体験ができる装置が設けられることから、この機会を利用してジュニア防火防災スクール等において積極的に来館を呼びかけます。また、少年消防クラブ中学生クラブ員に対する研修を市民防災センターで実施するなど、広く周知を図ってまいります。 ◆中村たけし 委員  こういった防災教育で危機感を高めるということは、今ほどの答弁でもありましたように、一朝一夕にはできない取り組みでございますから、こういった取り組みを継続的に進めていくことが何よりも必要です。そして、DVDの作成、また、市民防災センターでも研修を行うなど、そういった効果的な取り組みが必要であるというふうに考えています。  10年後、20年後は今の中学生たちが社会の主軸として活躍する札幌市になりますから、将来、防災意識の高い札幌市民として活躍できるような取り組みを今後も継続的に行っていただきたいと申し上げ、この点についての質問を終わりたいと思います。  続いて、カセットガスボンベの爆発に関連して、何点かお伺いします。  先月、9月11日に札幌市の中央区で、元祖ラーメン横丁においてカセットガスボンベが爆発して、店内にいた従業員や来店客、合わせて6名が負傷するという大変な事故がございました。そして、その10日後の9月21日には、白石区の居酒屋においても同様の事故が発生して、そこで働いていた方3名が負傷するという事故が起こっています。こうした事故は、札幌市に限ったことではなく、ことしの1月には神戸市内の飲食店において発生し、このときには8名の方が負傷されています。これらの爆発事故に共通するのは、多くの負傷者が発生しているという点でございまして、手軽に使えるカセットガスボンベでありますが、誤った取り扱いをするとこのように多くの負傷者が出て、取り返しのつかない事故が起こることにつながります。  今回の中央区の爆発事故について、使用中のコンロの近くにカセットガスボンベを置いてしまって、それが熱を持って爆発したことが原因でございまして、白石区の爆発事故については、カセットガスコンロを乗せた状態で、業務用のグリルを使用してしまったことが原因であるというふうにお聞きしています。いずれも、ついうっかりそこに置いてしまったということで、人為的なミスによってこういった事故が発生している状況にございます。こうした事故は、飲食店に限らず、今はカセットガスコンロが大変普及している状況にありますから、一般の家庭でも日常的に起こり得る事故だというふうに感じています。  北海道はこれから寒い季節になりますから、なべのおいしい季節が到来いたしますから、ご自宅でカセットコンロを用いたときにこういった事故が起こる危険性も予想されます。このため、本格的なシーズンを迎える前に、誤った取り扱いによるカセットガスボンベの危険性について、いま一度、認識を新たにしていかなければいけないというふうに感じています。  そこで、1点目の質問ですが、今回と同様、コンロの火による加熱などによってカセットガスボンベが爆発した事故は、過去10年間に何件発生して、何人負傷しているのか、1点目にお伺いします。  また、今回の相次ぐ爆発事故のうちの一つは、札幌市の観光の看板と言うべき元祖ラーメン横丁で発生していますが、観光客に対する信頼回復という意味においても消防局として何らかの対策が必要だと考えます。  そこで、2点目の質問ですが、今回の事故を受けて、消防局ではどのような対応を行っているのか、お伺いします。 ◎上田 予防部長  1点目のカセットガスボンベの爆発事故の発生状況についてでございますが、平成14年から平成23年までの過去10年間に、コンロ火の加熱等によりカセットガスボンベが爆発した事故は23件発生し、負傷者は9人となっております。  2点目の事後の消防局の対応については、元祖ラーメン横丁、新ラーメン横丁の計21店舗を対象に緊急の立入検査を実施し、火気取り扱いについて不備のありました1軒に対して改善指導をいたしました。そのほか、消防局のホームページや報道機関を通じまして広く注意を呼びかけたところでございます。 ◆中村たけし 委員  ただいまの答弁によりますと、過去10年間で23件、そして、9名の方が負傷されている状況にあるということで、結構あるなと感じていまして、改めてその危険性を認識したわけでございます。それから、事故後の対応として、緊急の立入検査など、消防局では速やかに対応されたようでございますが、先ほど申し上げましたとおり、これからカセットガスボンベの使用機会がふえてきますので、さらにこの危険性についての周知の呼びかけを行っていただきたいというふうに思います。  カセットガスボンベの危険性は今ほどの質疑で明らかになったと思いますが、カセットガスボンベと同じく、引火性のガスが入っているスプレー缶等ごみ収集車火災の原因になっているということで、平成23年度の予算特別委員会において、我が会派のしのだ委員からスプレー缶に関して質問しました。スプレー缶等のごみを出す際に、穴あけによる引火事故が発生するというふうに聞いているわけでございます。  1点目の質問ですが、昨年までの過去10年間において、スプレー缶等のごみ出し時の穴あけによる引火事故は何件発生しているのか、お伺いします。  また、昨年3月から、北消防署において、ごみ収集車火災の防止とスプレー缶等を安全・安心にごみ出ししていただくことを目的にして、穴をあけないでスプレー缶などを引き取る取り組みを始めたということで、さきの予算特別委員会において、この取り組みを全市の消防署に広げるようにしのだ委員から要望いたしまして、昨年7月からは全市の消防署で要望のとおり行っているというふうにお聞きしています。  そこで、2点目の質問ですけれども、昨年7月から1年間におけるスプレー缶等の引き取り本数と、その取り組みによる効果として、ごみ収集車火災とごみ出し時の穴あけによる引火事故の発生状況がどのように推移したのか、お伺いします。 ◎上田 予防部長  まず、1点目のご質問の事故の発生状況でございますが、平成14年から平成23年までの過去10年間におきまして、スプレー缶等のごみ出し時の穴あけによる引火事故は16件発生しております。  2点目の質問の消防署でのスプレー缶等の引き取りの実施状況についてでございますが、取り組みがスタートした昨年7月からことし6月末までの1年間に、消防署で引き取った本数は2万828本となっております。  取り組みの効果といたしまして、平成23年のごみ収集車の火災は58件で、取り組み前の平成22年と比較いたしまして30件、約3割減少、平成24年は、9月末現在、39件で、前年同月比2件の減少となっております。ごみ出し時の穴あけによる引火事故は、平成22年が4件、平成23年4件、平成24年が9月末現在で4件となっており、取り組み前と比較しても減少していない状況でございます。 ◆中村たけし 委員  ただいまの答弁によりますと、過去10年間のごみ出し時の穴あけ引火事故は16件起こっているということで、平均すると1件ないし2件でございますけれども、今ほどありましたように、ここ数年では毎年4件程度発生していて、減っていないということは大変残念であります。  穴をあけずにスプレー缶を引き取るという取り組みですが、昨年7月から1年間の引き取り件数は約2万本という答弁でありました。札幌市の世帯数が約91万世帯だとすると、2万本というのはやや少な目な印象を受けます。この取り組みとして、ごみ収集車の火災が取り組み前と比較して3割減少していますので、成果としては上がっておりますけれども、回収本数としてはやや少ないというふうに感じています。そして、ごみ出し時の穴あけの引火事故が減っていないということですから、やはり、穴をあけずに引き取る取り組みをさらに進めていかなければいけないというふうに感じています。  そこで、穴をあけずにスプレー缶を引き取る取り組みの拡大についてどのように考えているのか、1点お伺いします。  また、ごみ出し時の穴あけによる引火事故に限らず、スプレー缶等の引火事故全般に言えることでございますが、見ると小さなスプレー缶ですけれども、引火すると大きな爆発を引き起こすという認識が一般の人にはなかなか伝わっていないのかなというふうに感じているところでございます。この小さなものが爆発するとすごい威力を持って事故を起こしてしまう、この危険性を認識してもらうためには、視覚に訴えることが必要になってくると思います。例えば、スプレー缶が爆発して、どかんと建物が壊れるような再現映像をつくり、そういったものを活用して消防局のホームページなどにアップロードすれば、大変効果があるのではないかなというふうに考えています。  そこで、2点目の質問ですが、スプレー缶等の引火事故に関して、再現映像を使った広報についてどのように取り組むおつもりなのか、お伺いします。 ◎上田 予防部長  1点目の穴をあけずにスプレー缶等を引き取る取り組みの拡大についてでございますが、札幌市内には52カ所の消防署、出張所がございまして、消防署、出張所のみでは引き取り量をふやすのには限界がございます。市民の皆様の利便性からも、引き取り拠点をふやす方法等について、環境局等の関係部局と協議してまいりたいと考えております。  次の質問の再現映像を使った広報については、効果があるものと考えております。今後、再現可能な方法を精査の上、映像づくりを進めていき、消防局ホームページへの公開や報道機関への提供等により広報してまいります。 ◆中村たけし 委員  ごみ出し時の穴あけによる引火事故は、ここ数年、年間4件という数字が続いていて、件数としては少ないのかもしれませんけれども、一つの事故の重大性を考えますと軽視してはいけない事故だというふうに考えています。ごみ出し時の穴あけによる引火事故は、穴をあけずにごみ出しできる環境が整えば、その心配も要らなくなるわけでありますから、スプレー缶等の引き取り拠点の増加とか、よりよい回収ルールなど、この点につきましては、環境局等の関係部局と連携して進めなければいけない問題でありますから、今後、連携を図って、この拡大について検討を進めていただきたいというふうに考えています。  また、再現映像につきましては、作成を検討するという答弁がありましたけれども、ぜひ、よりよい映像をつくっていただきたい。そして、例えば、前段で質問しましたが、ジュニア防火防災スクールでその映像を中学生に見せるとか、また、各まちセンなどの出前講座などの場でも見ていただくと効果があるのではないかなというふうに考えますので、より強化した取り組みを行っていただくことを要望しまして、この点についての質問はこれで終わります。  次に、原子力発電所災害に対する本市の対応についてお伺いします。  未曾有の被害をもたらした東日本大震災ですけれども、その発生から1年と7カ月余りが経過したところでございます。今なお、被災地では復旧に向けて全力で取り組まれていて、これから本格的な復興が望まれるところであります。  このような中、国においては、本年9月に環境省の外局として原子力規制委員会が発足したほか、関係省庁が連携して一体となった防災活動が行われるよう、必要な活動要領である原子力災害対策マニュアルの見直しに着手しているところでございます。また、北海道におきましても、地域防災計画の見直しや新たな協定の締結など、今、原子力防災対策の抜本的な見直しが行われている状況にございます。  昨年の決算特別委員会において、我が会派の小川委員が、原子力発電所災害に対する消防局の取り組み状況について質問して、その対策について十分に取り組んでいただきたい旨の要望をしました。消防局においては、当時の取り組みに加えて、その後においてもさまざまな協議、検討が進められてきたというふうにお聞きしております。  北海道内で唯一の原子力発電所泊発電所において、万が一、災害が発生した場合には、原子力事業所が主体となって対策を講じるべきものと認識しているところでありますが、被災市町村からの多数の避難者の受け入れが予想されるなど、本市も大きな影響を受ける可能性がございまして、消防機関として対応していかなければいけない活動事象も想定されるところでありますから、十分な安全対策を講じた上で、より迅速な対応が求められるわけでございます。  そこで、質問ですが、泊発電所において災害が発生した場合に、通報、連絡を含めた初動時の態勢をどのように講じられているのか、お伺いします。  また、消防局では、福島第一原子力発電所における災害を受けて、原子力災害消防活動調査・研究専門委員会を設置して、発電所が所在する双葉町地区の消防本部を初め、多数の避難住民の対応に当たられた郡山市の消防本部の現地調査、さらには、泊発電所を管轄する消防本部との情報交換や周辺施設の調査を行うなど、独自に調査研究を行ってきたというふうにお伺いしております。  ここで、2点目の質問ですが、これらの調査研究を踏まえて、北海道内において原子力発電所災害が発生した場合に備えて、消防局としてどのような取り組みを行っているのか、お伺いします。 ◎佐藤 警防部長  泊原子力発電所災害時における通報、連絡を含めました初動体制についてでございます。  消防局では、総務省消防庁から無償貸与により本市に配備をされております、放射線災害などに対応するための特殊な車両を迅速に派遣できるようにするための計画につきまして、北海道内消防本部と協議を進めてきたところであります。協議の結果、泊発電所で有事が発生した際には、地元を管轄する消防本部から、道消防本部が把握する災害の内容につきまして通報、連絡を受けることを計画し、昨年12月から運用を開始したところでございます。  次に、本市の取り組み状況でございますが、消防局では、原子力災害消防活動調査・研究専門委員会による現地調査や専門家との協議等を踏まえまして、本年3月に報告書を取りまとめたところでございます。本報告書では、現行法令等におきまして、本来、原子力災害は、一義的には、原子力事業者が主体となり、関係機関と連携して活動を行うものであることや、安全管理上の観点から消防活動の明確な範囲を示すなど、原子力災害における消防の位置づけ等を取りまとめたところでございます。また、万が一、汚染環境において活動することを想定した場合、被曝管理や汚染管理を的確に実施するため、職員に対する専門的な知識、技術の習得が急務と考えているところであり、具体には、昨年11月と本年7月に専門家を招聘して研修を実施いたしました。さらに、活動時の装備として、隊員の呼吸を保護する全面マスク、さらに被曝線量を計測する個人警報線量計などについて、総務省消防庁から相当数を無償貸与されたところでございます。 ◆中村たけし 委員  今の答弁で、泊発電所における災害時の通報・連絡体制は、昨年12月から新たな連絡体制になったこと、また、本市における取り組み状況については、備品の整備だったり研修の取り組みといったものが行われているということがわかりました。原子力発電所災害発生時の出動対応の仕組みのほか、今回の震災を契機としたさまざまな調査研究がなされているということで、その点については理解できました。  先ほど申し上げましたが、泊発電所において一たび災害が発生した場合には、福島第一原子力発電所の災害を見ましても、地元の消防本部のみでは対応が極めて困難だということがこれまでの報道を見ても容易に想定されるところでございます。そういった意味からも、私は、札幌市民にも大きな影響を及ぼすことが想定される原子力発電所災害に対して、やはり、地元のみではなく、幅広な枠組みで対応するべきだというふうに考えています。  本市の消防局は、北海道を代表する消防機関でございます。北海道内において大規模な災害が発生した場合においては、他の消防本部の応援活動に係る調整を行うなどの役割を担っているというふうにお聞きしています。  そこで、質問ですが、原子力発電所災害の発生に備えて、北海道内の消防本部においてはどのような取り組みがなされているか、お伺いします。 ◎佐藤 警防部長  道内消防本部における取り組み状況についてでございますが、委員がご指摘のとおり、地元の消防本部のみでの対応は困難であり、より実効性の高い消防応援体制を確立することにつきましては、重要な課題として検討していかなければならないものと認識しているところでございます。  本年6月、今後の原子力災害対策関連法令等の改正動向を見据えつつ、消防活動に係る課題を共有するため、北海道広域消防相互応援協定に基づく原子力災害対策特別検討委員会を設置したところでございます。本委員会には、札幌市のほか、各地区を代表いたします函館市、苫小牧市、小樽市、旭川市、釧路市に加えまして、泊発電所の管轄消防本部と同消防本部に隣接いたします消防本部が参画しており、本年につきましては、ケーススタディー方式による消防活動、原子力災害に対する消防職員のレベルアップ方策、今後、検討すべき課題の抽出、この3点を検討項目としているところでございます。具体には、福島第一原子力発電所災害を踏まえた災害ケースを抽出いたしまして、的確な消防活動のあり方について意見交換を進めており、今年度中に結果をまとめる予定となってございます。必要に応じて、来年度以降も継続して取り組むこととしているところでございます。 ◆中村たけし 委員  原子力発電所災害の問題については、国、北海道、本市においても、今後、継続して計画、マニュアルの見直しなど鋭意検討されていくことと思います。また、今ほどお話がありました、北海道広域消防相互応援協定の枠組みに基づいてさらなる検討が深められていくと考えます。  本市の消防活動の体制についても、これらの動向を見据えながら、万が一、札幌市民に影響を及ぼすような災害が発生した場合には十分な対応ができるよう、今後もさらに調査研究を継続していただくとともに、危機管理対策室などの関係部局と連携して札幌市民の安全・安心の確保をしていただくことを強く要望して、質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、消防車や救急車などの緊急自動車の交通事故防止対策についてお尋ねいたしたいと思います。  本年5月、西区において、出動中の救急車が通学途中の小学生と接触し、軽症を負わせるといった人身事故が発生し、新聞等でも報道されたところであります。  そこで、消防局から、過去3年間と今年度上半期分の消防局における交通事故等の発生状況を伺いましたところ、消防車や救急車などの対車両との事故や人身事故など、一般的に交通事故と言われるものは、軽微なものを含めますと、平成21年度が7件、22年度が13件、23年度は15件と、明らかな増加傾向を示しておりまして、また、今年度については6件の発生となっており、これから降雪期を迎えることを考えますとさらにふえるのではないかと危惧するところであります。  さらに、これら41件の事故の内容について見ますと、そのほとんどがいわゆる物損事故ではありますが、緊急走行中のものが12件含まれておりました。消防車や救急車などの交通事故は、事故による直接的な被害もさることながら、特に緊急走行中の事故は災害現場への到着や病院搬送のおくれにつながるなど、消防活動そのものにも影響を与えかねない憂慮すべき問題であると認識しているところであります。  そこで、質問ですが、まず、今申し上げました交通事故の発生要因について、消防局としてどのように分析しているのか、お尋ねいたします。  そして、事故防止対策の取り組みについてでありますが、これまでも緊急自動車による交通事故の防止に関してさまざまな対応をしてきているものとは思いますけれども、改めて、近年の交通事故の増加や、先般の人身事故の発生を受け、消防局としてどのように交通事故防止対策に取り組んでおられるのか、お尋ねいたします。 ◎武井 総務部長  まず、1点目の交通事故発生の要因に対する分析についてでございます。  委員がご指摘のとおり、ここ数年、出動件数の増加に伴い、交通事故がふえる傾向にあることや、先般の救急車の事故を重く受けとめ、過去の交通事故について詳細な分析を行ったところでございます。過去3年間と今年度上半期におけます計41件の事故のうち、消防局側に過失が認められた事故19件について分析いたしましたところ、確認・注意不足によるものが15件、運転操作ミスによるものが4件となっておりました。  次に、事故防止対策の取り組みについてでございます。  本年、7月に消防局内に交通事故防止対策プロジェクトチームを立ち上げ、緊急走行を初めとする車両運行時の留意事項を盛り込んだ交通事故防止ガイドラインを策定し、全職員に周知いたしました。また、毎月15日を安全確認デーと定め、職員の安全意識を高めるための研修やミーティングなどを実施することに加え、事故の要因として確認・注意不足が多かったことから、来月、11月に外部講師を招き、ヒューマンエラー防止に関するセミナーを開催することとしております。さらに、冬期間の運転技術の向上のため、消防学校の敷地内にアイスバーンの路面を再現し、冬場の安全走行のための訓練を実施いたします。 ◆福田浩太郎 委員  分析と対策については理解いたしました。  そこで、再質問に入っていきたいと思うのですが、今、お話ししましたような検討チーム等を立ち上げて鋭意対策を講じられていることはわかりましたけれども、ハード面におけるより具体的な対策として、私ども会派としては、ドライブレコーダーの導入についてお尋ねしたいと思います。  ドライブレコーダーは、主に事故発生時の車両前方の映像と音声などを記録する装置でありまして、一般的には、事故発生後の対応に備えて、近年、普及が進んでいるものであります。私どもは、ドライブレコーダーが交通事故の抑制にも大いに効果が期待できるものと考えております。  平成17年度に国土交通省がタクシー・トラック業界等を対象に行いましたドライブレコーダーの搭載効果に関する調査報告書によりますと、ドライブレコーダー導入前後の事故発生率の比較が可能な24社のうち15社において事故率が20%以上減少しておりまして、中には50%以上も減少した事業者が8社も含まれていたという調査結果が出ております。このことは、ドライブレコーダーを搭載することで車の走行状態を把握でき、運転者の安全運転意識が向上したことのあらわれではないかと推察しております。  また、このような背景もありまして、平成21年度に国土交通省などが保有車両100台以上の全国のハイヤー・タクシー事業所を対象に行ったドライブレコーダーの導入状況調査では、回答のあったうち約83%が導入済みであり、そのうち約67%が保有するすべての車両に導入しているという結果でありました。  そこで、再質問ですが、まず、消防局ではいまだドライブレコーダーの導入をしていないということでありますけれども、他都市の消防機関におけるドライブレコーダーの導入状況についてお伺いいたします。  次に、先ほど申し述べましたとおり、ドライブレコーダーは交通事故防止に取り組む上で非常に有効であると考えるところでありますが、このことに対する消防局の見解と今後の導入予定についてお伺いいたします。 ◎武井 総務部長  まず、他都市の消防機関におけますドライブレコーダーの導入状況についてでございます。  東京都及び他の政令指定都市合わせて20都市のうち、12都市において保有する緊急自動車の全部または一部に導入をしております。  次に、ドライブレコーダーの有効性についての消防局の見解でございますけれども、まず、事故が発生した場合においては、記録された映像等のデータをもとに客観的分析が可能であることや、このデータを交通の安全教育などに生かせることが挙げられます。また、事故発生時以外におきましても、常に車両の走行状態が記録されることで、運転者はもとより、隊員も含めて、安全運転に対する意識の向上が期待できるものと考えております。
     次に、ドライブレコーダーの導入予定でございますけれども、今年度中に救急車1台に試行的に設置し、その有効性を検証した上で、次年度以降の導入について検討してまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  今ご答弁がございましたが、まず、1台で試験的にやってみるということでございます。このことについては、うちの涌井会長がとりわけ強く主張しておりまして、今回、私がかわりにやらせていただきましたけれども、やはり、1年間の火災、救助などによる消防車の出動については約7,000件、救急車に至っては約8万件ということで、日々、サイレンの音を耳にしないことはないといった現状です。今後も、高齢化の進展などに伴い、出動件数も増加傾向が続くのではないかと予測されるところであります。このような中、初めに申し上げたとおり、消防車や救急車の交通事故は、市民の安全・安心にも直結いたしますし、社会的影響も大きいわけでありますので、ぜひ、ドライブレコーダーの導入に向けて検討していただきますとともに、緊急自動車の交通事故防止について、今後ともあらゆる対策を講じていただくことを要望して、これで私の質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私からは、高齢者の防火対策と新型消火剤の導入整備について質問したいと思います。  1点目は、高齢者世帯の防火訪問の実施についてです。  先ほどもお話がありましたが、今、高齢者がふえる中で、住みなれた地域で暮らしたいというのは多くの高齢者の願いです。また、単身高齢者世帯が増加している中で、火災を発生させないためにも、この間、消防職員・団員が防火訪問を実施し、防火指導や住宅用の火災報知機の設置指導、維持管理の指導を行っていると報道されていますが、どのような状況になっているのか、伺います。  もう一点は、サービスつき高齢者向け住宅への対応についてです。  東区においても火災が発生しました。本市においては、急速にサービスつき高齢者住宅がふえております。代表質問で取り上げましたけれども、安否確認と生活相談を受け付ける相談員を配置している施設ですが、その当時は65施設しかありませんでしたが、まだまだこれが増加しています。スプリンクラーの設置はどのようになっているのか、消防法上の取り扱いについて伺います。  また、介護事業者に対しても指導を行っているというふうに思いますが、防火・安全対策についても伺いたいと思います。 ◎上田 予防部長  1点目の住宅防火訪問の実施状況は、平成23年度から実施しており、単身高齢者11万2,819世帯に対し、消防職員・団員による防火訪問、防火指導等を実施しており、平成24年9月末現在、5万4,779世帯を終了いたしております。防火訪問の目的は、単身高齢者世帯の実態把握、住宅用火災警報器の設置調査や維持管理の指導などでございます。  なお、この調査におけます住宅用火災警報器の設置率は76.1%となっております。  2点目のサービスつき高齢者向け住宅の消防法の取り扱いと防火・安全対策についてでございますが、現在、札幌には建設予定中のものも含めてこのような住宅は72施設が登録されておりまして、スプリンクラーを設置する予定になっているものは62施設ございます。消防法上の取り扱いについてでございますが、管理、利用形態、入居者の状況、福祉サービスの提供方法により異なりまして、共用部で福祉サービスを提供している場合は社会福祉施設として、共用部での福祉サービスがなく、個別契約により訪問介護を受けている場合は共同住宅として取り扱っております。社会福祉施設の方がより高い安全基準が定められております  なお、開設後、福祉サービスの実態や入居者の介護状態の区分の実態が変われば、共同住宅としているものも社会福祉施設として取り扱っております。  防火・安全対策につきましては、消防用設備等のハード面の指導は、消防法令により用途、構造、面積、収容人員、階数等により規制が異なりまして、確認申請時の消防同意の際に、施設の関係者や設計者に対し、要介護者の有無、程度、程度の変化に伴う対応を確認しながら指導しております。防火管理や消防訓練の実施などのソフト面については、開設後の立入検査の機会をとらえ、施設管理者に対し指導を行っているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  高齢者の防火訪問については、本当にご苦労も多いと思うのですけれども、引き続きこれを進めていただきたいですし、やっぱり、そういう中で単身高齢者の実態も把握されておりますので、これから地域とも連携をとって進めていただきたいと思います。  サービスつき高齢者住宅の問題ですが、今、いろいろな報告がありましたけれども、都市局においてこれを聞いたときには、スプリンクラーの設置などはなかなか把握もされていなかったのです。現在も、72施設のうち62施設が計画されている、もしくは、あるというお話でした。グループホームなどとはまた違いますが、ぜひ、社会福祉施設並みの取り扱いをしていただいて、火災のときや、事故が発生しても本当に未然に防げるような、そういう取り組みを強めていただきたいというふうに思います。  そこで、関係部局との連携です。事業者との事前の相談とか指導の内容、登録、それから情報交換など、先ほども居住の安全が確保されるように事業者を指導していくということでいろいろ話がありました。そういうときに、福祉と都市局、それから消防が連携をとっていると思うのですが、今、お話を聞いた限りでも、私は消防の役割というのがすごく求められているなというふうに思うのですね。  そこで、改めて、消防の役割、関係部局との連携について伺いたいと思います。 ◎上田 予防部長  ただいまの関係部局との連携についてでございますが、これら高齢者向けの住宅がさらにふえることが予想されますけれども、登録の都度、登録事務の窓口である都市局から消防局に情報提供があるほか、平成22年に設置した札幌市グループホーム等安全安心対策連絡協議会におきましても、都市局、保健福祉局と情報を共有し、防火・安全対策を図っております。今後におきましても、関係部局との連携を図り、高齢者に対する防火・安全対策の指導を行っていきたいと考えているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  次に、新型消火剤の導入整備について質問したいと思います。  水を効率的に活用して、火災を迅速に、また確実に消火していく、画期的な消火剤であるとお聞きしておりました。2009年の予算特別委員会で質問したときに、水の削減を初め、マンション等のビル火災における水漏れによる被害の軽減が期待されるというお話がありました。消火時間を短縮したり、有害ガスや二酸化炭素などの温室効果ガスの発生を抑制する効果もあって、非常に環境に配慮したこういう消火活動が可能であるということでありました。新型消火剤の活用が、火災による被害を軽減することや間接的に生じる被害を最小限に抑えることができる、そして、市民に対しても安心・安全というサービスを高いレベルで提供できるということで、私は、早期にこの整備を進めていくことを求め、この間、そういう方向で動いていたと報告されておりました。  そこで、その安全性について、本当に素朴な質問でありますが、大丈夫なのかということと、マンション等では水漏れで水浸しになって大変だということもあるので、それが本当に防げて効果があるのか、これについて伺いたいと思います。  また、消防局では、更新するすべての水槽つき消防ポンプ自動車に整備を進めていくということで、既存の車両についても更新時期に合わせて整備を進めると聞いておりましたが、現在の導入状況について伺いたいと思います。 ◎佐藤 警防部長  まず、安全性についてでございますが、新型消火剤につきましては、消防用機械・器具等の性能を確保するための検定を実施する公的機関でございます日本消防検定協会の検定品でございます。日ごろ、一般に使われている液体シャンプーと同様の成分であり、使用後には自然界で分解されるものでございます。さらに、アメリカ、あるいはヨーロッパ諸国でも、人体及び環境に対する安全性が実証確認されているものでございます。  次に、マンション等の水漏れということでの水損防止という観点かと思いますが、消火に使用する水の削減につきましては、本市消防学校の実証実験におきましても3割から5割水量が減少するという結果が出ております。また、実際の事例といたしましても、同規模の建築物火災におきまして、消火に使用した水量が半減したという事例もございます。  次に、導入状況でございますが、消火活動につきましては、複数の水槽つき消防ポンプ自動車が連携して行いますことから、新型消火剤の効果を十分に発揮するため、早期にすべての水槽つき消防ポンプ自動車に新型消火剤を整備する必要がございまして、平成21年度から更新車両及び既存車両への整備を行ってまいりました。本年7月に水槽つき消防ポンプ自動車52台のすべてに整備が完了し、本格的な運用を開始したところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  7月にすべての水槽つき消防ポンプ自動車にこれが設置されたということでした。消火に使用した水による被害が3割から5割減ったということと、効果的な消火活動が行われているのかなというふうに今のお話を聞いておりました。  そこで、導入から現在までの火災現場における使用実績ですけれども、これについて、どのような状況になっているのか、そして、これを続けていくためには消火剤の保有が必要なのですが、これらの備蓄状況についても伺いたいと思います。 ◎佐藤 警防部長  火災現場での使用実績についてでございますが、導入開始から45件の火災現場で使用しております。使用した職員からは、浸透性にすぐれ、効果的に作用しており、完全消火に至るまでの時間が短縮されたという意見も聴取しているところでございます。今後につきましても、引き続き、検証を行ってまいる所存でございます。  次に、消火剤の備蓄状況でございますが、本年10月1日現在における消火原液の備蓄量につきましては、全市で約2,200リットルで、車両1台当たり約40リットルを積載しております。これらの新型消火剤を運用要領に基づいて0.1%で使用いたしますと、1台当たりおおよそ4万リットルの混合水を放水することが可能となります。消火原液につきましては、今後も、使用実績等を踏まえながら適正な備蓄量の確保に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆石川佐和子 委員  私からは、119番通報についてと放火火災防止対策について、大きく2点伺います。  まず、消防が市民の方から119番通報を受けたときの出動基準について質問いたします。  昨年、山形市において、ぐあいが悪くなった大学生が119番通報を行ったにもかかわらず、救急車が出動されず、結果としてその方が亡くなられたということがございました。そして、今月、その際の消防の対応に過失があるとした遺族の方が、山形市に対して民事訴訟を起こしたという新聞報道もございました。  消防の過失責任がどうだったかということにつきましては、今後、裁判で判断されると思いますけれども、報道等によりますと、自力で歩けるかなどの何項目かを質問しており、救急車の出動を判断する基準があって今回の対応には過失はなかったというふうに消防側は主張し、争っているというふうに聞いているところです。  また、この件に関して、新聞社が実施しました全47都道府県庁所在地の消防本部へのアンケートの結果を見ますと、119番受信時に緊急度判定をしている29本部のうち、45%の13本部は統一運用をしている判定基準がないことが明らかになっています。  そこで、質問ですが、札幌市には119番通報時に救急車を出動させるかどうかを判断する基準があるのかどうか、また、傷病者の緊急度については、どのように判断し、対処しているかについてお伺いをいたします。 ◎佐藤 警防部長  救急車の出動基準についてでございますが、本市では、救急車の要請があればすべて救急隊を出動させており、出動させるかどうかの判断基準はございません。傷病者の状態によっては、救急車だけの対応にとどまることなく、緊急度に応じました対応基準を設けて判断しており、その基準に基づき、119番を受信した司令員により、通報者や家族などへの口頭による心肺蘇生や異物除去などの指導を行っており、また、AEDによる除細動や喉頭鏡による異物除去が必要な場合には直近の消防車を同時出動させております。さらに、意識、呼吸がないなど、直ちに医師の処置が必要と判断される場合は、医師を乗せて現場に向かう、いわゆるドクターカーを運用、また、必要に応じて直近の臨時着陸場へヘリコプターを出動させて対応しております。 ◆石川佐和子 委員  出動の要請があれば、それを判断する基準はないということで、すべての場合に救急車を出動させているということが今わかりました。さらに、その緊急の度合いによっては、さまざまな対応をされていることも伺いました。  119番通報に関しましては、2010年の第1回定例市議会予算特別委員会において、私ども市民ネットワークから、聴覚や言語に障がいがあって会話が困難な方が通報する場合にどのような手段があるのかについて質問いたしまして、メールとファクスによる通報手段があり、運用されているという答弁をいただきました。メールによる通報には事前登録が必要であると聞いておりますが、登録者がふえることや、また、メールやファクスで通報できることを聴覚障がいの方々へ十分周知されていることが重要というふうに考えます。  そこで、1点目の質問ですが、メール119番通報システムへの登録及び通報内容についてどのような状況になっているのか、伺います。  また、聴力障がいの方へどのような普及啓発の活動をされているのか、伺います。  次に、さきの答弁によりますと、メール119番通報システムについては、札幌市は、確実に対応しなければならないことを重視して登録制としたと伺っております。登録制することで、迷惑メールとかいたずらなどが入る心配がなくなりますけれども、一方で、登録していない方、または旅行者などが利用できないなどのデメリットもあります。そうしたことから、さきの予算特別委員会におきまして利便性の向上について検討を要望してまいりました。  このたび、総務省消防庁おきましては、電話やファクスのほかに、インターネットやツイッター等のソーシャルネットワークサービスを利用した119番通報について、今後、検討していくと聞いていますけれども、障がいのある方にとっては、メールやファクスという限られた手段よりも、こうしたさまざまな通報手段がある方が安心できると考えられますし、また、観光などで札幌に来られた障がいのある方も安心ではないかというふうに思います。また、障がいのない方にとっても、地震など大規模な災害が発生した折に、電話等の通信が途絶えた場合にも有効に活用できるのではないかと考えるところです。  そこで、2点目の質問ですが、総務省消防庁の検討等を踏まえて、聴力障がい者からの新たな119番の通報手段について消防局はどのようにお考えなのか、あわせて伺います。 ◎佐藤 警防部長  1点目のメール119番通報システムの登録状況及び通報内容についてでございますが、メール119番通報システムの過去5年間の登録者は、平成19年が225名、平均すると毎年36名の増加であり、平成24年6月末現在、406名となってございます。利用件数につきましても、過去5年間で38件の通報がございまして、救急出動が16件、病院案内を含む問い合わせなどが22件となってございます。  普及啓発活動についてでございますが、市内聴力障がい者団体や各種福祉行事へ職員が出向して普及啓発を行っており、また、保健福祉部局の協力を得て、来庁する聴力障がい者の方へのリーフレットの配付を行っております。さらに、ホームページへ掲出し、登録者の増加に取り組んでいるところでございます。  次に、2点目の新たな通報手段の導入についてでございますが、総務省消防庁が、有識者によります検討会、大規模災害時におけるソーシャル・ネットワーキング・サービスによる緊急通報の活用可能性に関する検討会を設置し、検討をしているところでございます。この検討会でさまざまな手法及び登録の有無を研究しておりまして、いたずら、なりすましによる通報、さらにはプライバシー問題等の課題も多く、そうした問題の解決に取り組んでいるところでございます。  本市といたしましては、これらの問題が解決されることを期待しておりまして、その結果を踏まえ、対応を検討したいと考えてございます。 ◆石川佐和子 委員  メールの登録件数は、毎年、平均して36名ずつふえているということで、少しずつではありますが、取り組みの効果があると伺ったところです。こうした障がいのある方に対するメール119番通報システムの支えは本当に大事だと思いますので、保健福祉局との連携ということもおっしゃいましたが、さらにしっかり取り組んでいただきたいと思います。  この件に関する最後に、要望になりますけれども、市内のどこからでも、いつでもという119番通報システムがあることは、私たちにとっても非常に大きな安心になると思います。特に聴力障がいをお持ちの方にとっても重要なツールとなると思いますから、これまでの取り組みとあわせて、情報通信技術の発達に合わせたさまざまな手段をさらに検討していくことをお願いしまして、この質問は終わります。  次に、放火火災の現況と現在の放火防止対策についてお伺いいたします。  今月9日未明に、中央区において5件の放火火災が連続して発生しました。屋外に置かれた段ボールや、公衆電話ボックスの中の電話帳が放火されたということであります。一時は大きな社会的不安になりましたけれども、新聞によりますと、容疑者が逮捕されたということで、私どもも、また地域の方々もほっと一安心しているところだと思っています。  しかし、伺ったところによりますと、札幌市の2011年の火災発生件数は633件で、火災発生原因の1位は放火火災が154件であり、この件数はすべての火災の24%を占める非常に大きい割合となっているとのことです。また、過去5年間の火災発生原因を見ても、4年間連続して放火が1位を占めております。放火火災件数については、2007年が131件、2008年が144件、順に、152件、134件、154件と、この5年間は130件台から150件台で減少することなく推移している危険な状況ではないかというふうに思います。  さらに、ことしに入って4月に、東区内におきまして5件の連続放火、また、6月から7月にかけては北区で3件の連続放火、そして、10月は、先ほど申し上げました中央区での連続5件の放火火災というふうに後を絶たない状況にあると思います。ここ数年、建物への悪質な放火が増加しているというふうにも感じています。  また、私の町内におきましても、先月、ごみステーションへの放火火災があったところでして、その次は建物への放火があるのではないかという不安もあり、町内の広報誌を通して放火されやすいものはないかと点検を呼びかけたところであり、本当に人ごとではないと感じているところです。  そこで、1点目の質問ですが、ことしに入ってからの放火火災の発生状況、特に建物への放火件数はどのようになっているか、お伺いいたします。  また、先ほどの北区内の連続放火火災においても、放火防止のパトロールを行い、地域住民の方と関係機関による放火防止対策会議なども開催されたと伺っております。  そこで、2点目の質問ですが、こうした連続放火火災を受けての消防局の対応はどのようになっているのか、あわせて伺います。 ◎上田 予防部長  第1点目の放火火災の発生状況についてでございますが、ことしに入っての放火火災の発生状況は、4月中、連続放火が発生し、4月末現在では前年比17件の増加となっておりました。その後、放火防止対策を強化したところ、10月22日、昨日現在で106件と、前年比19件の減少となっております。しかしながら、建物火災への放火件数は4件増加して70件であり、人命に係る危険性が増大しているものと考えております。  2点目の連続放火火災を受けての消防局の対応についてでございますが、4月に東区、6月に北区で連続放火火災が発生した際には、連続放火防止対策会議を開催いたしまして、関係町内会、区役所、警察署を初め、関係機関・団体との情報共有と放火防止対策について検討を重ね、町内会等によるパトロールの強化、注意喚起の緊急チラシの配布、消防職員・団員によるパトロール強化や広報等を実施いたしました。中央区の連続放火火災の際には、中央区防火管理者協議会、札幌駅前通振興会、狸小路商店街、札幌薄野ビルヂング協会、地域連合町内会等に注意喚起文を配付するとともに、消防職員・団員によるパトロール強化、ホームページへの掲載や、地下歩行空間の電光掲示板の活用などの放火防止対策を実施いたしました。 ◆石川佐和子 委員  ただいまのご答弁を伺っておりまして、4月までは前年と比べてちょっと増加傾向にあったかなというふうなお話でありましたけれども、さまざまな注意喚起を行うなどによって減ってきたと伺いました。放火防止対策には、そうした粘り強い取り組みが必要ではないかなというふうに感じています。  昨年、北区において発生した連続放火火災の後に、町内会の皆さんが、放火防止パトロールを日中に行い、燃えやすいものを家の周りに置かないことなどを指導し、効果を発揮したと伺っております。また、放火火災は、確かに消防行政のみでは防ぎ切れない部分もあると思いますし、放火防止対策に向けては地域や関係機関との連携も重要であるというふうに思います。  そこで、質問ですが、町内会などの地域や関係機関との連携強化に向けて、今後どのように取り組むおつもりか、お伺いいたします。 ◎上田 予防部長  地域や関係機関との連携強化についてでございますが、放火されない環境づくりのため、地域住民や事業所みずからが放火危険について把握できるようにチェックリストをホームページに公開しておりますが、内容を見直し、より利用しやすいものにいたします。また、炎感知器の有効性をホームページに公開し、放火が発生したごみステーション等には積極的に町内会に対して炎感知器を貸し出すなど、地域が連携して放火防止対策に取り組めるよう支援してまいります。  今年度から、地域消防助け合いネットワーク事業として、町内会、消防団、学校、事業所、防火委員等を構成員として、平常時から助け合いのためのネットワークづくりを推進しております。例えば、新たな取り組みとして、中学校と共同での救命処置訓練やDIG研修、町内会との発災対応型の消火・避難訓練、町内会と関係機関・団体等の合同による放火防止パトロールなど、防火防災、救命に関するさまざまな取り組みを地域ぐるみで行うことにより、放火のない安全・安心なまちづくりを進めてまいります。また、次世代の子どもたちに、放火の危険性と、みずからが放火を防ぐ地域の一員であることを認識してもらうため、「教えて!ファイヤーマン」、ジュニア防火防災スクールなどの防火防災教育を通じまして放火防止対策に取り組んでまいります。  関係行政機関として警察、環境局、市民まちづくり局、教育委員会等、関係団体として防火管理者協議会、ビルヂング協会など、平常時から放火防止に係る環境整備と啓発について役割分担を明確にするとともに、特に連続放火火災が発生したときには、情報の共有化を図り、速やかな連携をとり、放火防止対策を進めてまいります。 ◆石川佐和子 委員  放火に関しましては、私たち市民一人一人が注意しても完全には防ぎ切れないというふうに感じておりますが、今おっしゃられましたように、放火されない環境づくりに向けての取り組みは、心がけが大変かなと思いますけれども、そうした状況に向けまして、各家庭で注意をしていただくとか、さらに地域での連携を深めることが本当に重要だと思いますし、市民と行政が一体となってしっかり取り組んでいかなければならないと考えます。今のご答弁の中で、消防局におきましては、地域消防助け合いネットワーク事業という新たな取り組みでありますとか、さきに質疑がありました中学生のジュニア防火防災スクールとか、先ほども主体的にもう少し取り組んではどうかという指摘もありましたけれども、いずれにしましても、防火防災に向けて継続的に取り組んでいくことが重要ではないかというふうに思いますので、今後もしっかりと取り組みを進めていただきたいと思います。  さらに、市役所の関係部局とも連携を図りながら放火防止対策に当たるとともに、先ほどからお話ししておりますように、市民の力を最大限に生かして、地域の消防・防災力の向上に向けて粘り強く取り組んでいただくことを要望しまして、私の質問を終わります。 ◆芦原進 委員  私も、救急救命士の新たな処置拡大について質問いたします。  消防のすべての業務は迅速を旨とするということですから、勢いよくやっていきたいと思います。  我が国における救急業務というのは、1963年の消防法の改正のときに、市町村消防機関の業務として法的に位置づけられ、以来、全国的に展開され、今日では、ほぼ全土、全人口的に普及してきました。そして、救急業務の量的側面における拡充にとどまらず、救命率の向上と質的側面においても著しい充実を見てきたことは疑いがない事実であるとされております。  しかし、昨今、阪神・淡路大震災以来、また危機的な事件、恐らくサリンを指すと思いますが、こういう発生を契機として、昨今、改めて救急・救助のあり方が問われて、そして、いろいろと取り組みがされてきました。一方、アメリカは非常に進んでいると伺っておりまして、アメリカでは、救急医療の発展と救急制度の展開が相互に影響を与えながら、1960年代以降、急速に進展してきた、こう言われております。そして、各州政府の立法により、医療制度全般とその一部である救急制度が構築されてきて、これらの制度のもとで州、地方政府のみならず、民間病院、民間救急会社が救急業務の実施に当たっており、患者の搬送や救急処置も広く普及しています。ヘリコプターと飛行機ですね。やはり、こういうアメリカの救急業務というのは、日本の救急業務よりも、以前は10年、現在は20年進んでいるのではないかという指摘もあります。体制とか支援システムの違いはありますけれども、私は、こういう状況の中で札幌市はかなり前向きに進んでいるなという思いをしております。  その中で、今回、まず1番目に、新たな処置拡大について、三つの行為があるのですが、それに関する市民への広報について質問いたします。  我が会派は、これまで、命のとうとさを基本とし、代表質問や委員会等で、AEDを初め、救急救命に関する質疑を通して提言、要望を行ってまいりました。消防局所管の救急救命士の処置拡大は、とうとい人命をつなぎとめる最も大切な救命率向上に貢献するものであると私は認識いたしております。そういう中で、今回、新たに、血糖測定と低血糖発作症例へのブトウ糖溶液の投与、重症ぜんそく患者に対する吸入ベータ刺激薬の使用、心肺停止前の静脈路確保と輸液の実施の三つの行為が拡大されると伺っております。これらの処置については、救急救命率の向上につながると大いに期待しているところであります。そして、今回の処置拡大は、全国的に見てメディカルコントロール体制や教育体制が充実している一部の地域において限定的に実施されますが、札幌がその地域として選定されたということは、市民にとっても非常に有益であり、喜ばしいことだと思います。  しかしながら、地域限定ということもありますので、大きな話題として取り上げられる機会は少ないのではないかと思い、そういう面では取り組みによっては大変危惧するところもあります。特に、道内では札幌市のみと伺っております。その分、消防局の主体的で積極的な広報が一番大事ではないか、必要であると私は思います。加えて、処置については、傷病者または親族等の一定の者の同意が必須とされております。了解いただかなければいけないわけですね。実施地域であることを多くの市民に知っていただくとともに、拡大3行為の内容はどういうものがあるかということをまずは知っていただく、それから、効果も知ってもらわなければいけません。しっかり理解をしてもらう、こういうことをやることが何より大事だと思います。  処置拡大の広報については、平成24年第1回定例市議会予算特別委員会において、私が質問したところ、消防局からは、ホームページを初め、広報さっぽろ、ポスター、掲示板等のさまざまな広報媒体を利用すること、さらには、報道機関に対して協力を依頼する等の積極的な広報活動を行う旨、答弁がありました。先日、届いた広報さっぽろ10月号ですが、皆さんもごらんになったと思いますけれども、ここに載っています。12ページに、今月の話題ということで取り上げていただきました。本来なら、これは大事なことなので1面全部を使ってほしかったなと思いますが、遠慮されて3分の1になっていますけれども、これで市民の皆さんにかなり周知できるのではないかと思います。  そこで、質問したいと思います。広報さっぽろも含めて、今、具体的にどのような広報活動を展開しているのか、伺いたいと思います。 ◎佐藤 警防部長  新たな処置拡大に関する市民への広報についてでございます。  拡大3行為の内容につきましては、専門的な用語が多く、言葉だけの説明では内容が十分に伝わらないことが懸念されております。その点、各世帯に配付される広報さっぽろにおきましてイラストを用いて情報提供できたことは、非常に有意義であったと認識しております。また、独自のイラスト入りのポスター300枚を作成いたしまして、市役所、区役所、各消防署及び消防出張所等の市有施設を初め、市内の2次・3次医療機関等にポスターの掲載を依頼しているところでございます。そのほか、消防局ホームページへの掲載や、会議、会合等の市民と直接接する機会をとらえまして情報提供を行うなどの草の根的広報活動を展開し、また、報道機関に対しましても積極的に協力を依頼する所存でございます。 ◆芦原進 委員  今、広報については積極的に取り組んでいるということでした。チラシがないような気がします。個人的な見解ですが、チラシなんかもあってもいいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。これは質問ではございません。  消防局としては、拡大3行為の実施に向けて、今さまざまな準備を進めてきたことはわかりました。拡大3行為については、救命士であればだれでも行うことができるものではなく、50分を1単位として22単位、トータルすると1,100時間の教育プログラムを修了した者のみが、医師の指示のもとで実施可能な処置と伺っております。さきに述べた予算特別委員会において、私の質問に対し、消防局からは、今年度の早い時期から救命士に対して必要な研修を行い、新たな3行為の実施に向けた体制を構築する旨の答弁がありました。  そこで、再質問でございますが、実施に向けた体制づくりをどのように進めてきたのか、また、教育を修了した救命士の数を含め、どのような考え方に基づいて体制を構築してきたのか、お伺いいたします。 ◎佐藤 警防部長  実施体制についてでありますが、本年3月下旬、厚生労働省が所管する救急救命士の処置範囲に係る研究班が研修会を開催いたしました。この研修会に、市立札幌病院救命救急センターの医師、さらに当局の救急指導係長を派遣したところであり、研修会におきまして医師が処置を指示する上での必要な業務マニュアルや救命士の教育プログラムの説明を受けたところでございます。  その後、研究班との意見交換等を経まして、本年7月30日から8月23日までの間、本市消防学校におきまして、規定の教育プログラムを合計4回実施いたしまして、救急隊長を中心に146名のいわゆる処置拡大救命士を養成いたしました。この人員は、原則、各救急隊に常時1名を確保できるよう考慮したものでございまして、救急隊として活動する救命士約230名の60%を超える数となってございます。  講習は、安全を第1に考えまして、講義のほか、実習、シミュレーション訓練等、実践的な内容となっておりまして、さらに、市民が安心して処置を受けられるよう、傷病者などへの処置に関する説明や同意のとり方にも力を注いだところでございます。また、講師につきましては、市立札幌病院救命救急センターを初め、札幌医科大学、北海道大学医学部の救命救急に携わる第一線の医師に担当していただきました。  そのほか、拡大3行為につきましては、医師による事後の検証を行うなど、メディカルコントロールのもと、安全性と実効性を確保できるよう体制を構築しているところでございます。 ◆芦原進 委員  教育プログラムを4回、146名、60%の人が資格を持ち、そしてまた、常時1名は対応できるような体制をとったというのは非常に市民にとっては心強いなと思いました。  平成25年度以降の本格導入に向けた検討を進めているようですけれども、準備段階として、札幌市においては、拡大3行為の対象となる症例がどれぐらいあるのかを把握する期間が9月1日から既に始まっていると伺っております。そして、実際の処置については試行的に11月1日からおおむね3カ月間実施することになっておりますが、症例数を把握する期間において、どれぐらい対象症例があり、また、それを年齢や性別で分類した場合にどのような状況になっているのか、私を含め、多くの市民にとって関心が高いものと思います。また、その傾向を把握することで、救急隊にとってより円滑な活動が可能になるほか、市民に対して、新たな3行為の内容とその効果をしっかりと理解してもらう一助になると私は考えます。  そこで、再々質問でございますが、処置の対象となる症例数等についてどのような状況にあるのか、お伺いしたいと思います。 ◎佐藤 警防部長  新たな処置拡大の対象となる症例数についてでございますが、本年、9月1日から10月15日までの45日間で全症例の合計は66件であり、全体の傾向といたしましては60歳以上に多い状況となってございます。  症例別の件数、状況でございますが、低血糖症例が17件、このうち60歳以上は16件で約94%となっております。男女別では、女性が11件で約65%を占めております。重症ぜんそく症例は1件で、40代の男性となってございます。心肺機能停止前の静脈路確保が必要な症例、いわゆるショック状態は48件でございます。このうち60歳以上は40件で約83%となっており、男女別では24件ずつの同数となってございます。 ◆芦原進 委員  高齢者の症例が非常に多いというのはよくわかりました。やはり、一刻を争うということです。  これは、要望ですけれども、私はご存じのように佐賀県出身でございます。札幌に移り住んでから今日まで、私は札幌のおやじと勝手に思って慕っていましたけれども、言葉に尽くせないほど公私ともに大変お世話になった恩人ですが、ちょうど昨年の9月、救急車で病院に搬送されました。一命をとりとめ、その後、リハビリを兼ねて転院いたしまして、私も奇跡を願い続けましたが、ご恩返しのまねごともできないままに、再び意識の回復を見ることなく、ちょうど1年目の先月、9月にお亡くなりになりました。大変に残念のきわみであります。本日質疑を行った救急救命士の処置拡大がもし昨年度に実施されていたら命をつなぎとめられたのではないか、私はそう思えてなりません。私と同様な思いをされた方は、市民の中で大勢いらっしゃるだろうと思います。  今回の新たな処置拡大は、救急救命士発足以来、初めて心肺停止前の傷病者に対して行う処置であります。これは、実績に裏づけられた救急救命士制度20年の成果と言っても過言ではないと私は思っております。そして、札幌市を含めて先行的に実施される地域においてその安全性と確実性が確認され、何よりも高い救命効果が実証されることで全国的な実施を促すものと私は考えます。まさに、札幌がその先駆を走っている、こう思います。加えて、全国的な実施が次の処置拡大への弾みとなり、さらなる救命率の向上につながるものと期待を膨らませるところであります。  また、消防局では、第3次新まちづくり計画の救急安心都市さっぽろ推進事業において、新たな処置拡大のほか、ビデオ喉頭鏡を用いた気管挿管、ICTを活用した新たな心電図伝送を行っており、これらについても同様に大きな期待を寄せているところであります。  一方、高度化する救急業務の中にあって高い安全性、確実性を維持していくためには、高度化に見合った知識、技術の向上が必要であります。その点、人材育成は必要不可欠であり、教育・研修体制の充実強化に努めていただくことを強く要望し、質問を終わらせていただきます。 ◆木村彰男 委員  私は、救急車、消防車が赤色灯を点灯しないで走行した件について、それから、IFCAA2012SAPPOROの開催について、最後に、兵庫県の製造所の爆発事故についてお伺いします。  まず、緊急自動車、救急車、消防車が赤色灯を点灯しないで走行した件でございますけれども、これは、平成23年7月10日22時35分ころのことでございました。中央救急隊が救急車によって傷病者を病院に搬送する途上、ボタンの誤操作により、サイレンは鳴っていたのですが、赤色灯が消えたまま南郷通を走行し、救急隊がこのことに気づかず、赤信号の交差点を通過しました。このとき、目撃したタクシーの運転手が司令情報センターにその旨を通報した、また、同運転手は警察にも通報した、このような事案でございました。  これに対して、札幌市は、これは誤操作が直接的な原因でありますが、赤色灯が消灯していることはドアミラーで視認できるということで、救急隊のそれぞれが十分な注意を払っていれば当該事案の発生は防止できた可能性があり、確認不足という点では現場到着が遅延した事案に通ずるところがあるという総括のもと、職員に対して注意喚起の通知を行うとともに、救急担当係長研修を開催し、再発の防止を図ったところでありました。  しかし、ことし、平成24年6月17日、21時ごろ、これは清田消防署の北野水槽隊が清田区内の火災現場へ出動する途上、やはり、ボタンの誤操作により、サイレンは鳴っていましたが、赤色灯が消えた状態のまま、真駒内御料札幌線及び国道36号線など約6キロを隊員が気づかずに現場まで直行したということであります。これにつきましても、市民からの通報でわかったということでございました。  したがって、この二つの事案を受けて、札幌市は、こちらにあるようなカバーと申しますか、サイレンアップ赤色灯スイッチの保護カバーというものをつけたのであります。これによって誤操作はないというふうに思っていたのでございますが、それからわずか2カ月後、平成24年8月1日、今度は昼間の午後1時30分、同じように西救急隊が病院へ傷病者を搬送するときに、取りつけ不良、つまり、このカバーの取りつけ不良でございますけれども、誤って触れたため、赤色灯が消えている状態に気づかず、病院付近まで約6キロを走行した、このような事案があったのでございます。
     私は、このようなことが繰り返されておる、とりわけ何回も再発防止のための訓令及びそのようなカバー等が取りつけられているにもかかわらず、このような事案が再発したことにつきましては、大変遺憾なことであるというふうに思っておる次第でございます。それぞれ、民間の方、もしくは住民の方々からの通報で初めてそこで認識し得るということでございまして、日ごろの活動における消防及び消防活動のかなえの軽重を問われかねないというふうに考えておる次第でございます。  今後の対策につきましては、今年度から購入する車両に整備するサイレンアップについては、誤って赤色灯スイッチを押しても赤色灯が消えることのない新しい構造のものを導入すると伺っておりますけれども、旧来のものもしばらくは残るという認識でございます。  先ほど、ヒューマンエラーという言葉も出ましたけれども、綱紀粛正と申しますか、そのようなことを再発させないために、やはり、職員の注意喚起ということを促す意味でのご処分、もしくはそのようなことについての内容をお聞かせください。 ◎武井 総務部長  緊急自動車の赤色灯の不点灯に伴います職員の処分についてお答えいたします。  ご指摘がございました3件の事案で、合計7人の隊員に対し、所属署長等から文書または口頭による注意処分を行っております。さらに、一連の発生を受け、現場活動の統括責任者であります警防部長に対し、消防局長から口頭厳重注意の処分を行ったところでございます。 ◆木村彰男 委員  ことし2件起きた事案ではございますけれども、今後、そのようなことが再発することのないように、市民の方々の信頼を失うことのないように、今後ともご注意いただきますようにご要望し、次の質問に移ります。  本年、6月20日から23日までの4日間、札幌コンベンションセンターで、アジア消防長協会の総会に加えて、国内会議もあわせて開催いたしましたIFCAA2012SAPPOROについてお聞きします。  私もこのイベントを見学させていただきまして、防災訓練等を視察してきたところでございます。この際、大規模地震により倒壊した建物から人命を救出する都市型捜索救助訓練、それから、ヘリコプターによる高所建物からの救出訓練等、大変大規模なもので迫力を感じた次第でございます。また、アジア各国の国際連帯もうたわれ、札幌市の設備、訓練技能等をアジアに示す絶好の機会となり、また、経済的な効果も大変大きかったと伺っておりますけれども、この件につきましての理事者の総括をお願いいたします。 ◎武井 総務部長  IFCAAの総括についてお答えいたします。  まず、東日本大震災の翌年、ことしがそうでございますが、アジア各地で発生いたします大規模地震災害を見据え、IFCAA決議といたしまして、大規模災害に対する消防救助隊の災害対応能力のさらなる向上と国際的な連携強化を札幌宣言として国内外に発信できたことは、大変意義深いことであったと考えております。  また、国際消防救助隊合同訓練では、大規模災害発生時におけます総合的な訓練を通じて、より一層の国際的連携強化に向けた体制づくりの道筋をつけることができました。さらには、国際消防・防災展では1万3,000人を超える市民の方にご来場いただき、各イベントを通じて防火防災意識の向上が図られたものと認識しているところでございます。  また、この会議におけます経済効果といたしましては、札幌市観光産業経済効果調査結果報告書による簡易計算では、約1億8,000万円の経済効果があったと試算できます。 ◆木村彰男 委員  次に、IFCAAにつきましては、実行委員会形式で行われたと伺っております。実行委員会形式の法的性質ですけれども、まず、これは権利能力なき社団という理解でよろしいのでしょうか。  そして、このことを前提といたしますと、組織の綱領といいますか、規則、それから、委員会を構成する団体、また、これらの団体の意思形成、合意形成はどのような形で調整されるのか、また、会計規則等の組織運営上のルールにつき、お聞かせください。 ◎武井 総務部長  まず、IFCAAの実行委員会の組織等の関係でございますけれども、実行委員会は、委員がご指摘のとおり、権利能力なき社団と位置づけられる組織でございます。組織運営上、規程類の整備につきましては、実行委員会設置要綱、専門部会設置要領、事務局設置要領、事務取扱及び会計事務取扱要領を定めております。構成団体は、札幌市に加えまして、北海道消防協会、札幌商工会議所、札幌国際プラザ、札幌コンベンションセンター、北海道国際女性協会及び札幌市10消防団連合協議会で組織しております。意思決定につきましては、これらの構成団体によります実行委員会を開催し、その場で決定しております。 ◆木村彰男 委員  次に、このIFCAAの当初予算と、決算はまだ行われていないと伺っておりますが、決算の見込みについてお伺いいたしますとともに、出展協賛金、広告費等は当初見積もりより増減がありましたでしょうか、また、これらがもし少なかったような場合は、収支上、赤字というような可能性がありましたけれども、赤字にならないような工夫はこの委員会でどのような対策をとって実施されましたでしょうか、お聞かせください。 ◎武井 総務部長  決算見込みでございますけれども、約7,400万円でございまして、出展協賛金等がふえたことにより当初予算より増額しております。  収支の見込みにつきましては、当初から収入に見合った事業計画により適正な予算執行を行ったため、赤字を出すことなく事業を終えることができました。 ◆木村彰男 委員  この件に関しての最後でございますが、特に会計監査ということにつきましてはいつごろまで準備されるつもりなのか、また、会計監査に付する領収書の保管期間等はいつごろになりますでしょうか、お聞かせください。 ◎武井 総務部長  会計監査は10月12日に実施済みでございます。領収書等の保管期間は、札幌市の規定に準じまして5年間と定めております。 ◆木村彰男 委員  それでは次に、兵庫県の製造所の爆発事故につきましてお尋ねします。  消防の方の殉職者を出し、大変痛ましい事故と考えておりました。札幌市におきましてはこの種のコンビナート等は存在しませんけれども、私どもの周辺におきまして、例えば、札幌市のいろいろな倉庫であるとか、薬品のようなものがどこに貯蔵されておるかわからないのであります。ですから、そのようなものがいつ何どき爆発するとか、火事となるようなことになったらと、やはり、非常なご不安を抱いていらっしゃるということをお聞きするのでございます。  したがいまして、まず、札幌市におきましてこのような大事故に匹敵するような事案の想定があるか、もし、想定があるとすれば、それはどのような施設を対象としておるのか、もし許されるのであれば、お名前も含めてお聞かせください。 ◎上田 予防部長  本市の状況でございますが、委員がご指摘のように、本市には石油コンビナート等災害防止法に該当する危険物質施設はございません。また、爆発したアクリル酸のように、自己反応により温度、圧力が上昇するおそれのある化学物質を製造する施設もございません。  なお、本市には6,793件の消防法上の危険物施設があります。ここで言う危険物とは、発火性、引火性の性質を有し、爆発的に燃焼する可能性がございます。そのため、許可施設として消防法により厳しい規制が設けられ、施設規模に応じまして事業所みずから安全対策として予防規程を作成している状況でございます。 ◆木村彰男 委員  今、具体的な施設といいますか、特に大きな薬品であるとか、石油であるとか、プロパンガスであるとか、そういうものを具体的に想定しているようなものはないというご理解でよろしいのでしょうか。 ◎上田 予防部長  そのとおりでございますが、札幌市独自で、警防活動上、災害発生時に困難が予想される製造所、指定数量の1,000倍を超える貯蔵を取り扱う危険物施設は、東区に3件、白石区に2件、西区に1件ほどございまして、事前に施設の具体的な危険要因や消防用設備の設置状況等を盛り込んだ消防活動の対策等を作成しております。 ◆木村彰男 委員  区の名前も出ましたけれども、私は、やはり、近くにいらっしゃる方には、そのような注意喚起ということで、常日ごろご準備いただくとか啓蒙していただくことを最後にお願い申し上げまして、私の質問にかえさせていただきます。 ○山田一仁 委員長  以上で、第1項 消防費の質疑を終了いたします。  ここで、およそ15分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時57分       再 開 午後3時15分     ―――――――――――――― ○山田一仁 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を行います。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、防災会議などへの女性委員の登用状況、また津波対策、さらには帰宅困難者対策の3点について、順に質問させていただきます。  1点目の防災会議などへの女性委員の登用状況についてお伺いいたします。  東日本大震災の教訓から、女性や高齢者、障がい者の視点からの防災対策、応急備蓄物資のあり方などの見直しが必要であることが指摘されております。私が平成24年第1回定例会の代表質問で、札幌市においても防災会議への女性委員の登用をより拡大すべきではないかと質問したところ、各関係機関に対して女性委員の推薦を依頼するなど、登用拡大に努めてまいりたいと考えているとお答えいただきました。また、今年度の防災会議では、札幌市地域防災計画(原子力災害対策編)の策定、また、札幌市避難場所基本計画の策定、津波防災啓発パンフレットの作成の3点については、それぞれ委員会などを立ち上げ、進めることの報告がございました。これらについては、災害時に援助を受ける、あるいは、避難場所を運営する女性の立場からのより具体的な意見を集約する必要があると考えるところであります。  そこで、質問ですが、防災会議と防災会議で報告のあった三つの委員会などにおける女性委員の登用はどのような状況なのか、お伺いいたします。 ◎山崎 危機管理対策部長  防災会議などへの女性委員の登用状況についてお答えいたします。  まず、防災会議についてでございますが、女性の視点からの防災対策検討の必要性がますます高まってきていることから、女性委員の登用拡大に努めているところでございます。現在、62名の委員中5名で、8.1%となっております。前年に比べまして、1人ふえ、1.8ポイント高くなっているところでございまして、引き続き登用の拡大に努めてまいりたいと考えております。  次に、防災会議で報告いたしました三つの委員会についてでございます。  避難場所運営で女性が直面する問題に配慮することが必要であるということで、防災における方針決定過程への女性の参画が必要不可欠であることから、各委員会への女性委員の登用率を高めているところでございます。具体的に申し上げますと、札幌市地域防災計画の原子力災害対策編策定に係る有識者会議の中では、9名の委員中3名、33.3%でございます。避難場所基本計画検討委員会では、13名中7名、53.8%、津波防災啓発検討委員会は6名中3名で50%となっておりまして、約半数程度は女性委員という状況でございます。 ◆福田浩太郎 委員  ただいまのご答弁で、各委員会などで女性委員の割合を高めていただいていることは理解いたしました。特に、避難場所の運営については、女性の視点が求められるものがございます。避難場所運営の研修を実施いただいておりますが、これにより多くの方々にご参加いただいてより効果的なものとするためには、避難所運営ゲーム、いわゆるHUGを取り入れるべきと考えます。このHUGは、避難者の年齢、性別や抱える事情などが書かれたカードを、避難場所の平面図にどれだけ適切に配置できるか、また、避難場所で起こるさまざまな出来事にどう対応していくか、模擬体験できるゲームであります。  そこで、再質問ですが、研修にHUGを取り入れ、避難場所運営の改善を図っていく考えはないのか、お伺いいたします。 ◎山崎 危機管理対策部長  現在、避難場所の運営に関する研修といたしましては、市職員と教職員などを対象に、開設から運営までの基本的な流れを確認する実働型の研修を小学校の体育館を会場として毎年実施をしているところでございます。  HUGについてでございますが、避難場所の運営を事前にイメージすることができることから、大変効果的なものというふうに考えておりますので、来年度からは、これまで実施している実働型の研修の中にHUGを取り入れるとともに、これ以外に新たにHUGを取り入れた研修を実施するということにしております。将来的には、対象者に地域の住民の方も入っていただいて実施回数をふやすなど、避難場所運営の充実強化をさらに図っていきたいというふうに考えております。 ◆福田浩太郎 委員  前向きな取り組みをありがとうございます。  要望は、最後にまとめさせていただきます。  続きまして、津波対策についてお伺いいたします。  札幌への津波浸水予測がいまだ明らかになっていない中、海に近い手稲区では、連合町内会の主催のものや、小学校と地域住民が協力するなどして、津波避難訓練を各地域で行っており、津波に対する住民の関心は非常に大きなものがございます。  ある連合町内会では、避難場所をどこにすればいいのかということが明らかでないものですから、山側にあるほかの連町の避難場所へ避難する訓練をしまして、もともと山にある連町の方からは困ったものだなというような声もあるとか、現状では整理がされていないためにこのようなことが起こるわけであります。やはり、実際に津波が襲ってきた場合、緊急的に避難するための避難ビルなど、避難施設の準備が重要であると考えております。さきの災害・雪対策調査特別委員会では、北海道による津波浸水予測がいまだ公表されない中で、避難ビル等の指定は難しく、当面の対策として、津波防災の啓発パンフレットを作成すると説明がございました。  そこで、質問ですが、津波防災パンフレット作成について、現在の進捗状況とその内容についてお伺いいたします。 ◎山崎 危機管理対策部長  津波防災パンフレット作成の進捗状況についてでございます。  現在、札幌市の津波防災啓発検討委員会の設置準備中ということでありまして、第1回の委員会を11月1日に開催する予定となっております。パンフレットの掲載内容につきましては、今後、委員会で決定していくことになりますけれども、津波の基礎知識や札幌市の地理的な特徴、それから、津波への心構えなどについて掲載していきたいというふうに考えております。検討委員会は、今年度中に3回ほど開催し、パンフレットの内容を確定し、来年度、そのパンフレットを公表していきたいというふうに考えております。 ◆福田浩太郎 委員  その点もよろしくお願いいたします。  当面の対策として津波防災パンフレットによる市民への啓発は理解をいたします。  ことしの6月末に、太平洋側の津波浸水予測の見直しが北海道から公表されましたが、日本海側はいまだ調査段階であります。  そこで、質問ですけれども、このような状況の中、来年度以降、津波対策についてどのように進めようとしているのか、お伺いいたします。 ◎山崎 危機管理対策部長  来年度以降の津波防災対策の進め方についてでございます。  今回、作成するパンフレットを活用して、市民の皆様に津波防災の普及啓発をしていくことを考えております。また、これまで、市域の標高マップの作成だとか、避難ビル候補の調査といった津波防災対策の事前調査を行ってまいりましたが、北海道による津波浸水予測の見直しが公表され、札幌市への影響が明らかになった段階で、これらの調査結果を活用して早急に計画策定に着手したいというふうに考えております。 ◆福田浩太郎 委員  わかりました。  最後に、3点目として、帰宅困難者対策についてお伺いいたします。  首都圏では、東日本大震災により約515万人もの帰宅困難者が発生しまして、大きな問題になりました。災害発生直後における情報の混乱、つながらない携帯電話、交通機関復旧の見通しの不明、家族の安否確認がとれないなど、必要な情報の不足が人々の不安を増大させて駅への集中を招いたと言われております。  札幌市においても、直下型地震を想定した第3次地震被害想定において、全市で帰宅困難者が最大8万3,000人発生すると予想しております。この数は、首都圏の500万人以上もの帰宅困難者と比較しますと発生規模は小さいと言えますが、しかし、厳冬期に発生した場合の寒さ対策や、観光都市としての災害時の観光客対策など、札幌市特有の課題があり、決して楽観することはできないわけであります。  そこで、質問ですが、現在、札幌市ではどのような帰宅困難者対策を行っているのか、お伺いいたします。 ◎山崎 危機管理対策部長  帰宅困難者対策についてでございます。  現在の札幌市地域防災計画におきましては、災害発生時に交通関係機関などと連携いたしまして、交通の状況だとか、道路の被災状況に関する情報を共有し、市民の方々へ、インターネットやコンビニエンスストアなどの災害時帰宅支援ステーションを活用して情報提供を行うことにしております。また、ことし作成した企業向けの防災パンフレットの中では、従業員がむやみに移動を開始しないことだとか、利用客など帰宅困難者の受け入れの協力を呼びかけているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  わかりました。  的確な情報提供、そしてまた、日ごろからの普及啓発による帰宅困難者の発生抑制も大切であります。  ただ、やはり、実際に帰宅困難者が発生した場合の対策が肝心であろうと思います。その際は、帰宅困難者の一時的な受け入れ等に関して、避難場所だけでは対応できないため、商業施設の役割が非常に重要であると考えるところであります。  そこで、質問ですが、帰宅困難者対策について、商業施設や企業などとの連携の状況と予定についてお伺いいたします。 ◎山崎 危機管理対策部長  商業施設などとの連携についてでございます。  国は、大都市中心部における災害発生時の帰宅困難者の安全を図るため、ことしの7月に都市再生特別措置法を改正いたしまして、都市再生安全確保計画制度を創設したところでございます。国際的な活動拠点にふさわしい市街地形成を目的といたしまして、都市再生緊急整備地域に指定されている、本市の場合は札幌駅あるいは大通駅周辺地域につきまして、この新たな制度を活用して都市再生安全確保計画を作成する予定でございます。具体的には、区域内の商業施設や企業、交通事業者、警察等で構成する計画作成会議を設置いたしまして、帰宅困難者への情報提供や誘導、一時退避場所の提供だとか、食料や飲料水の提供などにつきまして、それぞれの役割分担や連携体制を定めるものでございます。  今年度は、計画の前提となる帰宅困難者数のシミュレーション等を実施いたしまして、来年度には計画を策定し、商業施設や企業などと連携して帰宅困難者対策に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  わかりました。  最後に、まとめて要望させていただきます。  やはり、災害時の対応には女性の視点が大変重要であります。特に避難所は、女性がいないと回らないと思います。殺伐としてしまうと思います。我が家でも、お母さんがいてくれて、非常に居心地がいい状況がございます。ぜひとも、女性の意見、視点を大切にしていっていただきたいというふうに思います。  また、津波対策でありますけれども、想定が出てくるのかなと、そういう不透明な部分がございます。苦肉の策に対岸のロシアの地質を調べているような状況も聞いておりますが、その避難想定が出ないといつまでも避難所を指定できない状況が続くわけでありまして、困ったものだなと思っております。  和歌山県の田辺市の取り組みをちょっと紹介したいと思います。ここでは、最大津波が来た場合、対応できないものですから、避難場所の優劣を星の数で示しておりまして、できれば三つ星の安全なところに行ってほしいけれども、次善の策として二つ星や一つ星の避難所に避難していただくと。必ずしも最大の津波が来るわけではありませんので、その予想に合わせて、避難する方が身近な避難所を最善の策として選ぶという取り組みがされておりました。  今、事前に調査をしているということでありますので、避難ビルのご協力をいただいて、ぜひ、今後は高さで区分などして指定していただくことも検討していただきたいと思います。  最後に、帰宅困難者対策でありますけれども、まずは都心部での取り組みであります。避難場所は、札幌市全市でいけば定員分を確保されているということでありますけれども、人は動いておりますし、また、計算とは違うスペースを必要とすることもありますし、さらに、札幌特有の課題もあります。都心部の商業施設なども活用することができるように協力を呼びかけながら、協力いただける施設をしっかり把握していただくことを今後とも求めて、質問を終わります。 ◆伊藤理智子 委員  私からは、避難所の問題と避難所の備蓄物資について質問いたします。  現在、札幌市避難場所基本計画検討委員会を立ち上げて、有識者や地域の方などの委員と4回の会議を開く予定になっていると聞いております。既に、第1回目と第2回目の会議は9月3日と10月3日に行われました。現在議論されている検討委員会では、いろいろな立場で活動している有識者や地域の方々が、東日本大震災での経験から、札幌で、また自分たちの地域で災害が起こった場合、どうするかということを本当に熱心に議論されております。清田区では、避難所に指定されている学校を見学して、昨年の冬には皆さんで体育館に1泊する体験をしたことも載っておりまして、寒さでほとんど眠ることができなかったとの体験談を語っています。この経験から、備蓄している毛布が1人1枚ではとても冬の寒さに耐えられないという意見も出て、寒さ対策について、暖房器具も含めて熱心な議論をされていることがよくわかります。  また、自分たちの地域の避難所に民間のお寺が指定されていたけれども、実際にお寺に問い合わせたら、うちはそんなものになっていましたかという状況だったと、こういう実態も出されていました。なぜこういうことが起きるのか、ちょっと驚いたのですけれども、なぜなのか、伺いたいと思います。  また、避難所に指定されている民間のところで、ほかにもこういうことがあったらとんでもないというふうに思うのです。大至急、すべての指定されている避難所と連絡をとって徹底していくべきだと考えますが、いつまでに徹底するのか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  まず、1点目は、自分のところの施設が収容避難場所に指定されていることをそこの施設管理者が知らないということでございました。これは、たしか第1回目の検討委員会の中で、委員の方が、どなたにお尋ねになったのかはわかりませんけれども、たまたまお寺のどなたかに聞いたところ、そういう返事をいただいたということだったと思います。お寺にいらっしゃる皆さんがだれも知らないのか、この方がたまたまお忘れになっていたというか、知らなかったのかわかりませんけれども、こういったことがあったというご意見があったことは事実でございます。  この原因がどこにあるのかということは確かにあると思いますけれども、我々としても、毎年のようにお宅の施設が収容避難場所に指定されていますよというようなことを言ってきているわけではありませんので、指定して数年たてば忘れることも中にはあるのかもしれないというふうに認識しております。  ただ、今、基本計画ということで収容避難場所の整備をしようということでございますので、今後、民間施設の収容避難場所の管理者への指定の周知についても検討を進めてまいりたいというふうに考えております。危機管理対策室では、今回の避難場所基本計画策定に当たりまして、ことしの2月にすべての民間の収容避難場所を対象にアンケート調査も実施したところでございますので、現時点においては、多分、各施設管理者が収容避難場所指定の認識を持っていただいているというふうに考えているところでございます。また、基本計画は年度内をめどに策定しようというふうに考えておりますけれども、計画ができましたときは、その内容につきまして、各施設管理者に対して周知も予定しているところでございます。 ◆伊藤理智子 委員  私は、1回目と2回目の検討委員会の議事録を読ませていただいたのですが、選ばれた委員の方も非常にすごいなと、危機管理対策室のやる気が本当に伝わってきました。福島県で被災され、当時は県職員でしたが、今は大学に行って被災防止対策について研究されている方とか、小さいときに奥尻島で被災の経験をされている方が研究者になっていらっしゃったり、さらには、東日本大震災のボランティアで4回も救援活動をしている大学生とか、また、障がい者とか知的障がい者施設の方とか、町内会で防災のことを一生懸命やっている方とか、教頭先生とか、災害が起こった場合に自分たちの地域はどうしていくかということを本当に真剣に議論されていて、その真剣さが非常に伝わってくるのです。  その中で、福島県の方が言っていらしたことは、実際に災害を経験されて、避難所を指定していても、地域に開かれた学校ですよと口だけで言っているところと、実際にそういう活動を日ごろからきめ細かくやっているところでは、物すごく大きな差が出たと、当時のことをこういうふうに振り返って、ふだんのそういう意識づけや活動が非常に大事であるということを言っておりましたが、私も大切な問題だな、課題だなというふうに感じました。アンケートをとったりもしておりますけれども、東日本大震災を受けて、皆さんは自分の地域の避難所がどうなっているのかという思いでいらっしゃいますから、ぜひ、こういう人たちの力もかりながら――お寺の管理者の方だけが自分のところが避難所だとわかっていればいいという話ではありません。実際に地震が起きて、皆さんが慌てて避難所に行ったときに、何もわからないのですという人ばかりではパニックになります。ですから、こういうところは本当に真剣に位置づけていただきたいなというふうに思います。  私ども日本共産党は、この間、本市の避難所すべてに備蓄物資を配置すべきであると、危機管理対策室、教育委員会、市民まちづくり局と避難所に関連する担当部局に対して何度も求めてきました。  山崎危機管理対策部長は、どういった配置の仕方が一番効率的ではなくて効果的なのかということも含めて、十分に検討させていただいて、有識者や地域の方々のご意見も伺いながら、配置についてその方針を整理すると答弁しました。  この検討委員会の会議録を読ませていただきましたけれども、私が非常に気になったところがあったのです。それは、事務局の危機管理対策室が、備蓄物資の配置について、すべての避難所に備蓄物資を配置するという考え方もあることはあると思うのですけれども、すべての避難所に備蓄物資を配置した場合、札幌市の被害想定を大きく超える収容人員ということもあり、実際に開設された避難所では物資不足が生じてしまい、結果的に再配分が必要となり、即応が困難になるという状況も想定されることから、事務局としては、基幹避難所――この検討委員会の位置づけでは市立小・中学校を仮称基幹避難所に位置づけております。この基幹避難所に備蓄物資を配置するのが適当ではないかと考えている、こういうふうに議論を誘導しているような発言があるのです。  真冬に地震があって、命からがら避難してきた市民が、避難所に何の備蓄物資もなくて凍死してしまうことにならないように、すべての避難所に備蓄物資を配置するよう我が党は再三求めてきましたが、大災害のときには、猛吹雪や水害、大地震で道路が寸断されるなどすぐに物資を運ぶことができない場合がある、数日かかる場合もある、そういうことが考えられないのか、そういうことがあると思いますがいかがか、伺います。  その日のうちに運べないことがありますよね。東日本大震災の経験から見ても、運べないということが想定されると思うのですがいかがか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  備蓄物資の配置についてでございます。  すべての避難所への備蓄物資の配置ということでございますけれども、避難場所基本計画の検討委員会の中では、第1回目に収容避難場所の種類や指定の基準についてお話をさせていただき、第2回目では備蓄物資の種類と配置について課題だとか論点を絞って、第1回、第2回ともご議論をいただいているところでございます。今後も、11月末までに予定しております第4回目までの委員会でも検討を続けた上で、その時点で基本的な方向性を初めて決定し、計画の素案を固める予定でございます。その後、パブリックコメントを経て計画策定となるわけでございます。  私どもといたしましては、誘導というお話もありましたけれども、争点を絞って議論をいただくために説明させていただいたところでありまして、誘導したというような認識は持っておりませんので、検討委員会での議論を尊重し、計画策定に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
    ◆伊藤理智子 委員  私たちは、すべての避難所に機械的に同じように備蓄物資を置けというふうに主張しているわけではないのです。この検討委員会の議論の中でも、札幌はやはりほかの都市と違って、真冬になったら、私たちはマイナス15度と言っていますが、この議論の中では18度、19度まで下がってしまうと。つまり、避難してきたその晩に凍死してしまう危険性もあるような、そういうことまで想定した上での計画をつくっていかなければならないと思っています。ですから、弱者が避難してきたときに、何も備蓄物資がなくて凍死することがないように、危機管理対策室としてそういう配慮、考え方を持つべきだというふうに思うのですけれども、この点についていかがか。  また、備蓄物資は、最低限でも、高齢者や障がい者、妊婦や小さな子どもが基幹避難所ではない場所に避難したときに寒さで命を落とすことがないようにという考え方で配置するべきであり、議会からこういう提案がされていることを検討委員会の議題にして議論すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  備蓄物資について、再度、議会からの指摘もあったことを検討委員会の方に伝えるべきだというようなご意見だったと思います。  私どもといたしましては、先ほど委員から大変ありがたい評価をいただきましたけれども、多くのいろいろな経験をされた、それから、災害について知見もお持ちになっていらっしゃる委員の方を選出させていただいて、また、私たち事務局が誘導するようなことなく検討委員会を進行していきたいということは、以前にも申し上げたところでございます。  今後も、我々は、基幹避難場所だけでいいのだというようなことを押しつける形で誘導するのではなくて、いろいろなご意見をいただきながら、備蓄物資の配置についても委員会としての基本的な方向性を出していきたいというふうに考えております。 ◆伊藤理智子 委員  皆さんは、命最優先で、自分たちの経験も踏まえながら真剣に一生懸命議論されていますので、ぜひ、誘導することのないように、本当に札幌市民の命を守るという立場で検討していただきたいというふうに思います。  真冬の避難所に備蓄物資がないということは、市民の命にかかわる大問題です。基幹避難所からの物資の輸送がおそくなることもあるのですから、それに備えて、病弱な高齢者や障がい者、妊婦や子どもたちの分だけでもすべての避難所に備えつけるべきだと、この検討委員会での議論でも、ぜひ、こういう提案があるということを言っていただきたいというふうに思います。  また、小・中学校を基幹避難所としていくことについてですが、検討委員会では、福島県の方が、学校が避難所として適する理由について、ハード上のメリットとして、スペースが広い、トイレの数が多い、視聴覚室や家庭科室などの避難生活に欠かすことができない生活機能を有する特別教室があること、応急的・医療的措置が行える保健室もあること、暖房等の空調設備を完備していることを挙げています。ソフト上のメリットとして、組織的な動きが可能なこと、非常時における日常的な訓練を定期的に行っていること、自治組織づくりや情報提供活動も日常的に行っていることなどを挙げて、災害時に学校が果たす役割について、施設としても、そこで働く教職員についても力を発揮するということを強調しており、学校が避難所として果たすべき役割の重要さについてお話しされています。  教育委員会は、我が党の質問に対して、備蓄物資については、要請があれば教育委員会としても備蓄庫の整備に向けて協力していくことが必要であると言っておりますが、学校の耐震化を含めて、災害に強い学校施設の整備や、避難所として学校が果たすべき役割や考え方については、今後の大きな課題になってくるのかなと思います。私は、検討委員会での議論をくぐってから各担当部局へお願いするということではなくて、現在取り組んでいる検討委員会で重要な役割を担っていただくことになる教育委員会や市民まちづくり局などの関係部局にもしっかりと参加していただくべきだと考えますがいかがか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  避難場所整備に関して関連部局との連携についてということでございます。  教育委員会と連携いたしまして、既に、今年度、30数校の学校の備蓄庫の整備を行ってまいりました。また、今回の基本計画の策定におきましても、検討委員会での検討項目につきまして、庁内での議論や調整を行うために、教育委員会とか市長政策室、あるいは財政局など関係する部局の課長職から成る幹事会を設置いたしまして策定作業を進めているところでございます。今後も、引き続き連携を強化、維持して避難所の整備を行ってまいりたいというふうに考えております。 ◆伊藤理智子 委員  この検討委員会の議論を見ますと、本当に、ハード面で避難所備蓄物資を整備していくということも非常に重要ですけれども、災害が起こったときに、避難所に行った人、この人の動き、リードする人も非常に大事だという議論が深められていました。そういうことも含めて、本当に危機管理対策室だけではなくて、全庁的に、まちづくりも含めながら、どうやって災害時に対応していくのかということが非常に重要になってくるのだろうなと思いますので、こうしたことも含めまして、しっかりと議論していただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆小倉菜穂子 委員  私からは、地域防災計画の見直しにおける原子力災害対策に関連して伺います。  原子力発電の今後についてはさまざまな考え方がありますが、原子力災害対策は、そうした考え方の違いを超えて、原発が存在する限り、だれにとっても重要な取り組みであるというふうに考えます。そうした中、多くの自治体が、現在、原子力防災計画の策定を検討していたり、また、着手していますけれども、どんなにすばらしい対策ができても、原発事故時において最も重要なのは一秒でも早い事故情報の入手であるということを、これまでも重ねてお話しさせていただきました。  10月17日の報道では、泊原発に近い後志管内の16市町村が、北海道、北電と締結する安全確認協定の内容の協議のための会合を開催し、そして、年内には合意を目指しているということであります。また、それ以前の10月2日になりますが、道議会において、北海道は、泊の情報を、札幌市を含む石狩、そして胆振管内の自治体にも提供する新たな連携体制を検討していることを明らかにしたという報道がありました。札幌市は、市民の生命と財産を守るために、正確で迅速な情報の入手に力を尽くすべきというふうにいつも考えています。  そこで、質問ですが、北海道が拡大を検討しているというこうした状況を札幌市としてはどのように受けとめているのか、まず、その点について伺いたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  泊発電所におきまして過酷事故が発生した場合に、速やかに事故の情報を入手することは極めて重要であるというふうに考えているところでございます。  北海道が進めることとしております、今後の新たな連携体制づくりに係る検討協議に当たりましては、札幌市も積極的に協議に参加するとともに、避難者の受け入れなど、札幌市に求められる役割をしっかりと果たしていきたいというふうに考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  当然ですが、情報の入手は極めて重要なことであるということ、そしてまた、積極的に参加していくということでした。新聞の報道などを見ると、当時は協定という形になるかどうかもまだ明確でないように思いましたけれども、ぜひ、市民の立場に立って、しっかりと、そして、今、積極的にというお話がありましたが、そのような思いで参加していただきたいと強く思います。  次に、原子力災害対策編の原案ができましたが、それについて若干伺いたいと思います。  本市は、現在、原子力防災計画の検討を進めているところですけれども、これまで2回の有識者会議が開催されて、9月18日の第2回の会議では原案が示されております。それを読ませていただきましたが、予防対策として、平常時に準備し備えておくべき本当にたくさんの項目が盛り込まれております。それらは、災害発生時に備え、必要な手順の決定や必要な資材や機器、さらには体制の整備など、あらかじめ整理しておくといったものになっていまして、それぞれの詳細については今後の検討というふうになっております。しかし、事故というのはいつ起きるかわからないもので、そういうところに備えるためにも一日も早い対策が講じられるべきだというふうに思っています。  そこで、伺いますけれども、今後の計画の策定、そして、それに基づく詳細な具体的事項の検討をこれからどんなスケジュールで進めていこうとしているのか、伺いたいと思います。  一方、来月、11月11日には、原子力防災に関する市民の関心を高めるための原子力防災フォーラムが開催されるというふうにも聞いております。そのプログラムには、原子力災害の基礎知識といった講演も用意されているということでありまして、先ほど伺いました原発事故情報の入手手段の確保を初めとして、このフォーラムのように、計画すべての策定が終わらなくても先行して取り組める事柄もあると思います。  そしてまた、この夏、福島県の県民健康管理調査検討委員会の報告を見ますと、子どもの甲状腺異常の割合が35%に上るなど、安定ヨウ素剤の服用が適切に実施されなかったことから、現在、子どもたちの健康への不安が広がっています。放射線の影響を受けやすい子どもたちのために、安定ヨウ素剤の備蓄は急ぐべきだと考えています。  さらに、札幌市は、実際に災害や事故が起きたときに市民がどういうふうに行動するのか、いざというときを想定した防災のしおり、だれにでもわかりやすいしおりを発行しています。原発事故時においては、より遠くへ逃げることを基本とし、避難中に大量の被曝の可能性があれば屋内退避する、また衣類を着がえるなど、ほかの災害とは違った行動も必要となってきます。  そこで、たくさんあります対策の中で、すぐにでも取り組むべきこととして、市民や企業への原子力災害についての理解促進、そして、安定ヨウ素剤の備蓄の確保、防災のしおりの改定といったようなことなどが考えられると思うのですけれども、こうしたことをこれからどのように進めていこうとしているのか、お伺いいたします。 ◎山崎 危機管理対策部長  2点のお尋ねだったと思います。  まず、第1点目は、計画策定に当たっての細かな実施要綱等の策定の検討について、どのようなスケジュールで実施していくのかということと、もう1点は、計画が策定にならなくても、すぐにでも取り組むべき事項があれば、それはぜひ積極的に取り組むべきではないかということだったかと思います。  まず、1点目の策定後の計画に基づく細かな事項の検討スケジュールでございます。  現在、計画の策定に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。この計画に基づく細かな事項としては、委員からのご指摘にもありました安定ヨウ素剤の取り扱いだとか、それから、緊急時の放射線モニタリングなどがあると考えております。これらの詳細につきましては、計画策定後に、実施要領だとかマニュアルなどといった形で整備を進める予定でございます。  一方で、9月に発足いたしました国の原子力規制委員会におきましては、福島第一原発の事故を踏まえまして、安定ヨウ素剤の取り扱いなど各種事項について、今年度末、あるいは来年度以降に、さまざまな基準や考え方が示されるというふうに聞いております。したがいまして、今後、国や道から示される基準や考え方を踏まえまして、計画策定後においては、随時、必要に応じて計画本体の見直し、あるいは、実施要領等に修正を加えるように考えております。  次に、2点目のすぐにでも取り組むべき対策についてどうかというお尋ねでございました。  市民や企業の原子力災害への理解促進につきましては、私ども危機管理対策室は、昨年は年間100件を超えましたが、開催実績がある出前講座だとか、委員からのご指摘にもありました防災のしおりの活用などを検討しているところでございます。計画策定後には、原子力防災に関する内容を盛り込んで、市民にも積極的に啓発していきたいというふうに考えております。  なお、安定ヨウ素剤の取り扱いについては、先ほど申し上げましたように、今後、国から取り扱いや手順について示されるというふうに考えております。それを踏まえまして、今後、仮に計画策定前であったとしても検討を加えていきたいと考えているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  スケジュールについて伺いました。具体的な詳細について、計画の後にそれぞれやっていくということで、例えば、1年以内とか2年以内とか、そういったことではなかったというふうに思うのです。この原案を見せていただいて、当然でしょうけれども、本当にたくさんの取り組みがあって、そこにまたさらにいろいろ細かなことをやっていくとなると完全に対策ができるのは相当な時間がかかるのかなと、私はその原案の中からそんな思いを感じたところです。そうした中で、今、何年というようなお話ではなかったのですが、今、札幌でもちょうどまちづくり戦略ビジョンなどがつくられていて、その中でも災害に強いまちというようなことが盛り込まれていることから考えると、そうしたことと歩調を合わせるように計画性を持って取り組んでいただきたいと、その点については強く思います。  そして、できるところからということでは、理解促進などを積極的にやっていくし、出前講座も100回されていると今お聞きしましたが、もちろん、そうした場もぜひ生かしていただきたいというふうに思っています。先ほどの消防局の質疑の中でも、現場の方では、原発の防災に向けての取り組みも既に動き始めているとお聞きしました。そうした現場での動きもありますし、また、これまでも、例えば、食品の放射能検査であるとか、大気のモニタリングなどもされていますので、そういったことについては、引き続き、充実、そして継続を図っていっていただきたいというふうに思っています。  事故から1年7カ月が経過して、札幌市民は、当時と同じように原発事故を鮮明に意識されてはいないかもしれないというふうに思います。被災され、現在の厳しい生活を余儀なくされている皆さんの中からは、原発事故が風化するのが大変不安なのだというような声をいただいています。市民や企業の理解促進の取り組みなど、そうした場を生かすことが、あの事故を風化させないことにも一つはつながるのではないかなというふうにも思いますので、ぜひ、積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。  次に、計画原案は、今、検討が2回終わったところで、今年度中の策定を予定しているということですから、あと3カ月ぐらいすると、パブリックコメントという時期になるのかなというふうに思います。昨年の福島の事故によって、市民の皆さんの中には、札幌市の取り組みに注目している方も多いというふうに思いますが、何といっても、これまで、原子力防災について皆さんの意見を聞くようなことは余りなじみのないテーマでもあると思います。また、読んでみても思うのですが、大変専門的な内容も多いですから、意見を出すのが難しいのではないかなというふうに懸念しています。しかし、原案の中には、企業や市民の役割も明示されていますし、自主防災組織、また、町内会、病院や社会福祉施設などについても言及しておりますから、ぜひ、そうした方々にもしっかりとした意見をいただくことが必要である と考えています。  そこで、伺いますけれども、パブリックコメントの実施に当たっては、市民の皆さんがこれまで以上に意見を出しやすいものにすべきと思うのですが、何かその点についての工夫など、現在考えていることがあればお聞かせいただきたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  パブリックコメントの実施に当たっての工夫ということでございます。  委員がご指摘のように、原子力防災に関しましては、原子力だとか放射線ということで、市民にとってはこれまで余りなじみのなかった専門的な知識も要する分野であるというふうに認識しているところでございます。  そこで、パブリックコメントの実施に当たりましては、防災計画をわかりやすく、かつコンパクトにまとめた概要版を作成し、市民に提示する予定でございまして、また、専門用語に関しましては用語説明を記載するなど、多くの市民からご意見をいただけるよう工夫していく予定でございます。 ◆小倉菜穂子 委員  今、おっしゃったのはそのとおりだと思いますが、実施までにまだ時間があると思いますので、ぜひ、工夫できるところがあれば――最近、パブリックコメントと同時に、そのときに合わせてシンポジウム――シンポジウムに限りませんが、そういう場を持つようなことがほかの部局などでもあると思いますので、今後もぜひよろしくお願いしたいと思います。  ちょうど、けさの朝刊などでも、市民グループの方が原発の基礎知識の講座を開催するという新聞記事がありました。やはり、原発のこと、放射能のことについては、大事だけれども、わかりにくいと思っていらっしゃる方が多いのだなと改めて思ったところですので、そこのところは、札幌市としてもぜひ取り組んでいただきたいと思います。  最後に、要望ですけれども、先ほども申し上げた原案を見ますと、予防対策から、事故後、刻々と移り変わる対策の数々が網羅されていて、大変な項目の多さですし、また、細かな取り組みも策定するということですが、そういったことからも原子力事故対策の難しさを改めて感じています。幸いなことに、札幌は、災害が比較的少なくて、大規模な災害対応を行った経験自体が乏しいというふうに伺っております。そうした中、今回、原案においても被害想定に掲げられている複合災害です。何回か委員会などでもお話しさせていただきました複合災害については、原発事故だけでも複雑であるのに、ほかの対策とどのように組み合わせていくのか、より一層、困難であると思いますので、ぜひ、専門家の意見をいただきながらしっかりと検討していただきたい。そしてまた、十分に市民の意見を把握して、この計画が実効性あるものとなるようにしっかり取り組んでいただくことを要望しまして、私の質問を終わります。 ◆小野正美 委員  今の質問とかぶるところがありますけれども、私からも、泊原発にかかわる防災対策について質問します。  昨年3月の福島第一原発事故発生以来、1年7カ月が経過をいたしました。改めて言うまでもありませんけれども、あの事故によって、原子力発電所の安全神話が完全に崩壊し、我が国の原子力政策への信頼は大きく失われました。そして、原発ゼロ社会を目指したとしても、今後とも、原発の廃炉問題、あるいは使用済み核燃料棒の処理、それから、除染物質の中長期の管理体制など含めて、何十年、何百年と負の遺産を背負い続けなければならないわけであります。  現在、泊原発は、5月に3号機が定期点検により運転を中止しておりますけれども、その施設の中には大量の使用済み核燃料棒が冷却された状態で保管されておりまして、何らかの要因によってそのプールの水が漏れて水位が下がったり、あるいは、電源を喪失するなどして冷却がストップした場合には、大きな事故につながることが想定されるわけでありまして、原発がそこにある以上、事故にはしっかりと備えていく必要があることは言うまでもありません。  昨年の経験からしても、事故が発生した際に大気中に放出される放射性物質は、単に10キロだとか30キロという距離にはかかわりなく、地形であるとか、そのときの風向きであるとか、天候などの要因によって被害が広い範囲に及ぶことが明らかとなりました。特に、50あるいは60キロと言われている福島市においても大きな被害が及んだことは承知のとおりでありまして、これは、泊原発から札幌市と同等の距離であります。  先日、道議会の議事録の中では、事故から1年半たった9月11日現在、福島市で0.750マイクロシーベルト、平常時の20倍に当たる放射能が測定されていることも指摘されております。それから、福島原発事故の際に、放射能の拡散状況を測定するSPEEDI予測が公表されず、活用されなかったと。後に画面を見ると、距離の遠いところに逃げたけれども、実際にはより強い放射能が広がっている方向に避難していたという実態もあります。特に、北海道は偏西風のもとにありまして、日本海あるいは泊方面から札幌の方に風が流れています。これは、インターネットの天気予報で雨雲の動きなどを調べると、日本海から、石狩とか手稲の方に流れてきているのがわかります。  福島の事故発生時に、アメリカなど欧米諸国は、50マイル、80キロ圏内の自国民に対して待避指示を出したという事実を踏まえても、札幌は、泊原発から最短部で40キロ、中心部で60キロ、手稲あたりは50キロの距離にあると言われています。そういう中で、札幌市としても、昨年7月に開催された防災会議において、札幌市としての原子力防災計画を策定する方針が承認され、現在、策定に向けて検討を進めています。先ほどの小倉委員からの質問にダブりますけれども、いろいろと細かいお話をされています。  そこで、現在検討を進めているこの防災計画のポイントは何なのか、あるいは、具体的に今年度中に策定をするとなっているわけですが、その検討の進捗状況について、まず先にお聞きしたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  計画の策定に当たりましては、昨年の福島第一原子力発電所での事故を踏まえて、原子力発電所からの距離が札幌市と同等である福島市の実被害状況を基本といたしまして被害想定としているところでございます。  計画のポイントでございますが、まず、一つ目といたしましては、屋内退避など、市民の安全を確保するということでございます。二つ目は、迅速に事故情報などを入手いたしまして、市民へ的確に情報提供を行います。三つ目といたしまして、泊発電所の近隣町村からの避難者の受け入れに関することということで、この3点を計画の柱として考えているところでございます。  策定に係る進捗状況でございますが、7月に、庁内関係部局から成る策定検討委員会、それから、外部委員から成る有識者会議を設置したところでございます。これまで2回にわたって議論を進めているところであり、現在は、計画原案を作成しているところでございます。今後は、計画原案を固めた後にパブリックコメントを実施し、必要な修正を加えた上で防災会議に諮る予定でございます。 ◆小野正美 委員  事故情報などの迅速な入手と市民への的確な情報提供は、原子力災害が、地震などと異なり、見えない、におわないという人の五感で感じられない特性からも、非常に重要であり、しっかりした体制づくりをお願いしたいと思います。  それから、もう一つのポイントとして、避難者の受け入れということがありました。先日、10月2日の道議会予算特別委員会で、民主党・道民連合の小林郁子議員の質疑を見ていますと、原子力災害の場合、福島でもそうですが、1カ月だとか半年、あるいは1年、そして、それ以上にわたる相当長期間の避難を想定する必要がありますし、それが可能なホテルや旅館を避難先として活用するという考えが示されております。  19日の新聞報道によりますと、後志管内の13町村、約8万5,000人のうち、室蘭だとか洞爺とか胆振管内に割り当てられる町村と、残り9町村は札幌市内に避難とするということで、具体的にそれぞれ町村名が書かれていて、避難住民の多くが札幌市に集中することになると報じられております。まちの規模とかキャパシティーを考えると、札幌市に多く期待されることは当然のことであり、十分にこたえていくことが求められていると思います。  先ほどもありましたが、EPZとして4町村から、30キロを目安とするUPZ、後志、これは、小樽市も含めた16市町村で、北海道、北電との安全確認協定を年内にも締結しますが、そういう範囲だとか、あるいは権限、内容などが拡大をされたという点では一歩前進かなと思うわけであります。そうした後志管内の連携体制づくりに続いて、先日の道議会では、北海道として、避難者の受け入れ先となる札幌市を中心とする石狩管内、あるいは胆振管内市町村とも、平常時からの連携体制のあり方について検討を進めていくという考えが示されております。  この点では、上田市長は、後志管内における協議が開始される早い段階から、札幌市も同じテーブルに着いて、参加して、意見を表明する、意見を交換し合う、そういう場をつくるべきである、与えるべきであるという考えを北海道に申し入れているわけであります。しかし、高橋知事は、情報はホームページで提供しているという答弁にとどまったり、今回も、いわゆる避難先として後志管内を支援するという形での連携づくりという色彩が強いわけですね。そして、話し合った結論を説明しますよという内容にとどまっていると思うわけです。  そこで、2点目の質問ですが、今後、11月上旬にもとも言われていますけれども、北海道が進めようとしている新たな連携体制づくりの協議、札幌市との協議に向けて、どのような立場、スタンスで対応しようとしていくのか、また、どのような連携体制や連携の内容を求めていくつもりなのか、その考えを示していただきたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  原子力防災対策の基本的な考え方といたしまして、原子力発電所の安全性の確保、それから、住民の理解が極めて重要であると考えているところでございます。そのためには、十分な情報提供と情報公開が必要だというふうに考えております。行政区域だとか発電所からの距離にかかわらず、泊発電所の過酷事故によりまして被害が及ぶことが想定される地域につきましては、情報の共有化を速やかに図るなど、何らかの形で連携体制を構築する必要があるというふうに考えております。  11月の上旬には、北海道主催で広域避難などに関する説明会が開催される予定でございますので、この中で積極的に協議に参加し、発言してまいりたいというふうに考えております。  連携体制の具体的な内容につきましては、この説明会以降、詳細を北海道あるいは関係市町村と詰めていくことになるというふうに考えております。 ◆小野正美 委員  今の段階では、連携の内容とかかかわり方は北海道から説明を聞いてからということでありますけれども、冒頭にも、そして繰り返し述べたように、泊発電所で事故があった場合には、偏西風に乗り、地形や風の流れで放射能が60キロほどの道央圏、札幌に広がることは十分想定されるわけであります。  それから、今、国においても、発電所ごとに事故時の放射性物質の拡散を予測するシミュレーションを年内にも公表すると聞いています。事故時の支援体制のために日常的に連携をとることは確かに重要なことでありますし、それが大きく札幌に求められているのは事実ですけれども、何よりも大切なことは、事故が起きないようにすることですね。それに関係する市町村が連携して、泊原発にいかにかかわりを持つことができるかということだと思います。  そこで、最後の質問になりますけれども、単に災害対応、あるいは避難者の受け入れ、避難などが円滑に進むための支援体制づくりといった連携だけでなくて、原発にとって何より重要となる安全性の確保、向上に効果のある連携体制づくりとなるように、札幌市が積極的に主張していくべきと思うわけでありますが、この点、再度お答えいただきたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  原子力発電所につきましては、過酷事故が発生した場合の被害の甚大さを踏まえますと、安全性を確保することが何よりも重要であるということは十分に認識しているところでございます。  泊発電所から比較的近くに位置している後志・石狩・胆振管内の市町村がしっかりと信頼関係でつながり、原子力発電所の安全性の確保、向上に貢献できる連携体制の構築も含めまして、さまざまな角度から札幌市としてできるだけの努力をしていきたいというふうに考えております。 ◆小野正美 委員  最後ですが、こういった中で、7月には大飯原発が暫定的な安全基準に基づいて再稼働され、今月1日には、事故前の安全審査により建設が許可された青森県の大間原発が工事を再開する、そして、その周辺には活断層があり、地震の発生も予測されるという中で1年半が過ぎたわけでありますけれども、やはり、原発の安全性が軽んじられていると言われてもいたし方のない事態が進んでいるのではないかと思います。  繰り返しになりますが、原発は、存在する以上、事故の発生が否定できません。我々は、いかにその安全性の確保に最大の関心を持ち続けるかということであり、安全性の確保が何よりの防災対策であることから、ぜひ、札幌市が中心になってもっと強く北海道などに働きかけ取り組んでいただくことを求めて、質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、災害備蓄品につきまして、それから、地域防災計画(原子力災害対策編)について、3として避難所の運営についてお伺いします。  私は、災害備蓄につきましては、この場で何回もお話ししておったのでございますけれども、いろいろ中学校とか小学校を視察させていただきまして、ポータブルストーブがないことについては、既にこの場でお話しさせていただいたところでございます。  これに対しまして、理事者から自衛隊と北海道から提供を受けるとお聞きしております。これに対しまして、ことしは節電ということもありまして、夏から石油ストーブが大変売れておるということでした。電気ストーブが選択肢から外れる以上、1万円くらいのポータブル型の石油ストーブ、FFのものではなくて、昔ながらの開放式といいますか、そういうものだと思いますが、そういうものが大変よく売れておると伺っております。  私は、理事者と、例えば、災害ということではなく、ことしの冬の節電対策でもし計画停電等があって電源がとまってしまいますと、セントラルヒーティングであるとかFFストーブをお使いになっていらっしゃるご家庭におきましては、当然、電源が喪失するわけでございまして、暖房が切れてしまうことになります。  私もかつて住宅メーカーで働いていまして、セントラルヒーティングがダウンしたときに立ち会ったことがありますが、業者は、ポータブルストーブを2台ぐらい持ってきて、そこで暖をとりながら作業を続けます。その作業の中で、回復すればよろしいのですが、回復せず、ボイラーをそのまま交換しなければならないような場合は、そのポータブルストーブを置いて、それで暖をとっていただくようにしておったということを記憶しておるのでございます。  そのようなことを前提として、高齢者であるとか、ストーブが供給されておらないというような家庭から、札幌市に対して、そのようなときのご要請などがあった場合、札幌市は、今、持っていらっしゃるストーブがないという前提に立ちますので、どのように対応されようとしておられるのか、お聞かせください。 ◎山崎 危機管理対策部長  ご質問がありました、停電等によりまして個々の家庭の例えばFFストーブなどが使用できなくなった場合につきましては、その停電の規模だとか対応にもよりますけれども、基本的には、市民の皆様、各自がそれぞれ個別に対応していただくものというふうに私どもは認識しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  今、お話を聞きますと、基本的には1台もないということで、自助といいますか、そういう形で考えていくということをお伺いいたしました。  先ほどからも何回も申し上げていますけれども、私は、ポータブルストーブの効用というのは、例えば、災害になったときに、暖房だけではなくて、煮たり、食事に使うために暖めたりする上においても、震災時に大変効果があったというふうに聞いておりますし、見てもおります。このようなことについては、ぜひ、危機管理の方にその対策をご要望したいということを申し上げておきたいと思います。  次に、理事者は、札幌市の地域防災計画に盛り込む原子力災害対策編の策定作業を進められておるわけでございますけれども、これは、国の指針が示されない中で、見切り発車という形で進められていると私は認識しております。そこでのフレームを見ておりますと、やはり、基本的には泊ということで、泊原発の事故を想定しているかと思うのでございます。しかし、先ほど、別な委員からもお話がございましたが、函館の少し先に、大間という原発も既に計画の中に上がってきておりまして、その距離も、チェルノブイリの例を見るまでもなく、当然、札幌を射程に置いた形になるというふうに思います。したがいまして、私は、泊だけの想定でこの防災計画をこのまま進めてよろしいのかどうか、その辺について、まずお伺いしたいと思います。  それから、先ほどの備蓄の関係でございますが、別な委員が先ほどお話しになっておりました、いわゆる避難民、UPZ圏内の町村の避難民が大量に札幌市内に来られるといいますか、避難されてきます。そういう前提に立ったときに、それだけの備蓄、つまり、札幌市が今想定している札幌市民の備蓄だけで間に合うと想定していらっしゃるのか。それこそ、その方々は自助でおやりになれと言っていらっしゃるのか。または、その場合、優先順位として札幌市民がまず優先されて、その後にそれらの市民の方になると考えていらっしゃるのか、お聞かせください。 ◎山崎 危機管理対策部長  大間の原子力発電所につきましては、現在、建設を再開したということで、核燃料物質が搬入されておりませんので、現時点で原子力災害が発生する可能性はないというふうに考えております。したがいまして、現在策定中の計画の想定には、大間の原子力発電所の事故は想定していないということでございます。原子力災害対策につきましては、大間原子力発電所の完成後、運転開始に向けて国が示すと考えられる拡散シミュレーションを踏まえまして、検討を進めていくことになるのかというふうに考えております。  また、避難者の受け入れのお話がございましたけれども、受け入れに係る対応につきましては、今後の大間原子力発電所の動向を注視するとともに、北海道や渡島地方の自治体の考え方も踏まえて検討していきたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  私が申し上げたのは、渡島管内ということもさることながら、先ほど申し上げましたUPZの関係で避難されて来られる方の件についてもお聞きしていますけれども、それはいかがでございますか。 ◎山崎 危機管理対策部長  大間原発から函館まで、近いところでは20数キロ、函館市内まで……(発言する者あり)優先順位のことでございましたでしょうか。  優先順位につきましては、備蓄ということでご指摘がございましたけれども、私どもは、都市備蓄といいますか、我々札幌市が行政として備蓄しているもので対応するということでなくて、それ以外の流通備蓄というものもあわせてそれらの災害に対応できるというふうに考えているところでございます。  ですから、仮に優先順位ということがありましたけれども、基本的には、そういった優先順位をつけることは考えておりません。 ◆木村彰男 委員  ちょっと戻りますけれども、UPZの避難の想定を見ておりますと、基本的には、例えば、札幌の大通地区であるとか定山渓地区などのホテルや旅館と協定を結んで、仮設住宅へ入られるまでの一時的な避難というような形で想定されておるかと思うのでございます。例えばですが、時期にもよりますけれども、ちょうどゴールデンウイークであるとか、観光客が札幌市内に大量にいらっしゃるような場合、仮に協定があったからといっても、今、来られている観光客の方々にちょっと出ていってくださいと言っても出ていけないと思うのです、今そういう災害が起きているときでございますから。そういう状況になったときに、この協定なるものといいますか、閑散期に被災が起きることを想定しているなら別ですけれども、その辺について、札幌市と道であるとか国であるとかということについては、この計画にも出ておりますが、受け入れる側としてどのようなお話し合いが進められておるのか、お聞かせください。 ◎山崎 危機管理対策部長  具体的なお話については、今後、北海道と協議をしていくように考えているところでございます。私どもといたしましては、今、委員がご指摘のように、避難されてこられる方がいきなりホテルに入ることは難しいのではないかというふうに考えている部分がございます。したがいまして、例えば、札幌市の市有施設の一部を一時的な避難場所として提供するようなことも、今後、北海道との協議の中で検討をしていかなければいけないのではないかというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  私は、前に住宅メーカーの関係におったものですから、アパートなどのオーナーの方々が、もしそういう震災があったときに、自分たちのストックしている、あいている部屋を提供してもいいということで、そういうような手を挙げていらっしゃるオーナーがかなりいました。それがかなり大きなキャパとなって、今回の震災のときなんかでも受け入れ先になっておったのですけれども、そのような方々との情報交換といいますか、それは札幌市においてなされておりますか、お聞かせください。 ◎山崎 危機管理対策部長  避難者の受け入れにつきましては、今後、北海道とか関係市町村とも協議を重ねて詰めていきたいと考えているところでございます。  収容避難場所の提供ということで先ほどお答えいたしましたが、やはり、集団で来られた場合の地域のコミュニティーの維持だとか、いろいろな問題がございますので、これらにつきましても関係町村等と協議してまいりたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  当然、札幌市の市有施設といいますか、市営住宅も含めて対象になってくると思いますが、ぜひ、その辺のご検討を進めていただければと思います。  次に、防災計画を策定する上で、三菱系のものでございますが、現在、シンクタンクと委託関係にあるかと思います。それは、現在どのような契約内容になっていて、この防災計画策定に当たるお見積もり関係についてはどのようなお話し合いが進められておりますか、お聞かせください。 ◎山崎 危機管理対策部長  防災計画の策定に当たりましては、民間のシンクタンク、今、業者のお名前も挙がりましたが、計画の策定支援業務ということで委託しているところでございます。契約の内容といたしましては、災害事象の検討だとか、原子力災害関係の法令の分析、整理、それから、外部の委員から成る有識者会議の運営などでございます。  それから、費用の見積もりにつきましては、ただいま申し上げた委託業務内容を踏まえまして、必要な業務量だとか人工を考慮いたしまして算定したものでございます。 ◆木村彰男 委員  これは、随意契約で結ばれているという理解でよろしかったのでしょうか。  それから、この業者につきましては、先ほど出ておりますが、私が見た限りでは、結局、この有識者という方々が、かつての原子力村といいますか、この国の原子力政策を推進していった方にへんぱしているようにも見えるのでございますけれども、それについてはいかがでございましょうか。
    ◎山崎 危機管理対策部長  随意契約といいますか、私どもとしては、4社にプロポーザル方式という形で提案をいただき、一たん、その中で2社に絞りまして、さらに、プレゼンを経て、その中で私どもが一番期待する内容であった受託業者に委託したところでございます。  それから、2点目は、いわゆる原子力推進といいますか、その立場にあった事業者ではないかということでございましたけれども、私どもは、民間のシンクタンクに委託した業務につきましては、あくまでも策定の支援業務ということでございます。主体的に計画案を策定するのは札幌市でございます。また、札幌市では、外部の各種の専門家から成る有識者会議を設置しているところでございまして、ご懸念されるような事態は発生しないというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  次に、原子力災害ということで、事故の規模とか放射性物質の拡散のシミュレーションにつきましては、災害規模がどの程度になるかということを踏まえて、もちろん、いろいろな考え方があることはわかります。しかし、泊発電所は3.11の前から存在し、そのときも、やはり事故もしくは被害に伴うシミュレーションはあったわけでございますけれども、今回、進められているこの策定業務は、従来ありましたところのシミュレーションとはどこが違って、その違いの一番根本的なところは何か、まずご明示していただきたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  これまでの原子力防災対策との違いということでございました。  さきの福島第一原子力発電所の事故の前につきましては、当時の国の考え方といたしまして、原発からおおむね10キロ以内が防災対策を重点的に充実すべき地域、いわゆるEPZということで目安が示されていたところでございます。したがいまして、泊原発から約40キロ以上離れている札幌市に関しまして、事故前においては防災対策を要する地域というふうには考えられておりませんでした。しかし、福島第一原発の事故によりまして、同発電所から50キロ以上離れた、何度も話題に上っている福島市におきまして、空間放射線量率の上昇など、被害が発生した事実がございます。この事実を踏まえまして、泊発電所からの距離が40キロから80キロ先に位置する札幌市におきましても、福島市と同様の被害が発生し得るというふうに考え、基本的な被害想定とするところでございます。 ◆木村彰男 委員  次に、避難所についてお聞きいたします。  避難所の運営については、その施設に避難されてきた方々の中から、委員といいますか、役員を選抜して運営ルールをつくるということを、私は防災の日に札幌市の訓練に参加して仕入れたのでございます。ただ、基本的には、やはり、その施設といいますか、学校とかに見合ったものをあらかじめ用意した上で、その後に細則を住民の方に補足していただくようなやりとりというものが必要ではないかと私はそのときに感じたのでございますけれども、それについてはいかがでございましょうか。 ◎山崎 危機管理対策部長  避難所の運営についてでございます。  東日本大震災などを踏まえまして、現在、保健福祉局におきまして避難所業務マニュアルというものの見直しを進めているところでございます。避難所開設当初は、市の職員が中心となりまして、施設管理者や避難者とともに運営に当たり、おおむね1週間以内をめどに、避難者による自主運営組織の立ち上げを行うように考えております。その避難所業務マニュアルの中では、避難所の運営を円滑に進めるために、住民の代表などで組織いたします避難所運営委員会の規約の例示だとか、あるいは、避難所の開放スペースの例示、施設利用上のルールの例示を盛り込むなど、運営全般にわたりましてルールを記述する予定でございます。避難所の状況に応じて活用できる内容となるものと考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  今、ここに教育委員会策定の震災マニュアルというものがございます。これを見ておりますと、当然、学校等に避難所を設定されることが多いという前提に基づきまして、教師はどうするかということが書いてございます。この中におきましては、教師は、やはり、地域住民に先んじてといいますか、その中核となって、避難された方々に対してその先頭に立って運営をやるようにというような指示、内容になっているかと思うのであります。  これについて、最終的に指揮命令するというのは、学校長なのか、もしくは対策本部の区長なのか、それとも最終的には市長なのか、このことについてお伺いするとともに、これら教職員の方々と危機管理の方々、もしくは消防職員の方々というのは、どのような形でコミュニケーションをとられたり、情報を共有化するような作業を日常的に行われておるのか、お聞かせください。 ◎山崎 危機管理対策部長  大規模災害発生時におきましては、札幌市で災害対策本部を設置することになっておりますけれども、その場合は、教職員も含めまして、すべての職員が本部長でございます市長の命を受け、本部の事務に従事することを札幌市の災害対策本部条例で定めているところでございます。  発災当初につきましては、区の災害対策本部から派遣される職員が避難所を運営する主体となりますけれども、やはり、教職員との連携が重要であることから、両者が参加する避難場所運営実務研修や職員非常参集訓練を通じましてコミュニケーションを図っているところでございます。今後も研修訓練を充実強化して、これらの連携強化につなげていきたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  防災の日の訓練を見ていましても、やはり、学校職員の方とか、消防の方であるとか、その地域の方々が日ごろからそういうコミュニケーションをしていかなければ、やっぱり、避難所のスムーズな運営は難しいのではないかというふうに考えております。先般、備蓄品を学校に置くことについて教育委員会の方にも来ていただいていろいろお話があったときに、やっぱり役所の仕事なのかなと、課が違うとスムーズなコミュニケーションが余り行われていないように私には見えたのでございます。  したがいまして、そのようなことのないように、やはり、日ごろからコミュニケーションをとっていただいて、いざというときには市民の方々に優先的にそういうことが行われるように要望いたしまして、私の質問にかえさせていただきます。 ○山田一仁 委員長  以上で、第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。  ここで、およそ15分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後4時39分       再 開 午後4時55分     ―――――――――――――― ○山田一仁 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第7款 土木費 第4項 都市計画費の質疑を行います。 ◆坂本恭子 委員  私は、都心部のまちづくりにかかわって、2点質問したいと思います。  1点は、北1西1地区再開発事業についてです。それから、大通交流拠点地下広場整備基本計画について、この2点を質問したいと思います。  北1西1の再開発事業については、今、環境アセスが行われまして、せんだっての財政市民委員会でもこの手続を開始するという報告がございました。その中で、委員会で報告された規模ですが、高さが160メートル、延べ床面積は13万平方メートル、地上28階、その上にさらに2階足して30階、地下は4階ということでした。財政市民委員会では、保留床について、オフィスなどの床需要のヒアリングや調査を行っている、こうした調査結果や保留床取得者の応募状況を踏まえながら、確実に処分の見通しの立つ規模にするなど、無理のない現実的な計画にしていく旨の答弁がございました。  私ども日本共産党は、国際ゾーン構想から始まり、創世1.1.1区(さんく)事業など、過大規模の開発を行うべきではないということを繰り返し申し上げてまいりました。今回のこの規模についてですが、環境アセスですから、最大規模という想定があるということは委員会の中でも明らかにしてまいりました。これから一層の精査を行っていくべきと考えますが、この点は今後いかがなされるのか、伺います。  また、準備組合の中でも、今、いろいろ検討がなされてきているのかなというふうに思いますが、準備組合では現在どのような検討が行われているのか、また、保留床の取得予定者の確保の見通しについてはどのようになっているのか、伺いたいと思います。  あわせて、大通交流拠点地下広場整備の基本計画についてですけれども、これも財政市民委員会に報告されました。パブリックコメントも終わったところですが、総事業費22億円ということで、地下鉄大通駅の改札フロアというのですか、そこを改修する事業です。札幌駅前通から地下歩行空間を抜けて出てきたときに、大通の駅構内が非常に老朽化もして水漏れがしたり壁がちょっと崩れていたり傷んでいたりというようなこともあります。真っ直ぐに歩いていけないということで、改札口は除いて、今、証明サービスとか中央図書館の大通カウンター、あるいは観光案内所、こういうものがありますが、この出っ張っている部分をすべて取り除いて真ん中に集約する、あるいは、地下歩行空間から来てすぐの右手のところの壁を大きくくりぬいて、そして、行政サービス機構をはめ込んでいこうという計画です。そこに22億円かかるというものです。  このパブリックコメントは6件寄せられておりました。中身を拝見させていただきましたが、ふだんから大通駅周辺を利用されている市民なのだなというふうに思いました。しかし、圧倒的な市民は、大通構内が整備をされるという計画について知らない、認知度が極めて低いというふうに考えますけれども、原局としてはどういうふうにお考えになっているのでしょうか。この事業について、パブリックコメントはわずか6件しか来ておりませんが、こういう中で市民の理解が得られているとお考えなのか、この点について伺いたいと思います。 ◎星 都心まちづくり推進室長  まず、北1条西1丁目の再開発事業の件ですが、ご指摘いただきましたように、10月9日から環境アセスメントの方法書手続を開始しております。その内容は、今お話がありましたように、今、まだ事業が固まっていませんので、想定し得る最大規模でやっております。これについて、今後、さらに精査していくのかどうかというのが1点目だと思いますけれども、当然、それは厳しく精査しなければいけないと思っております。こういう経済状況ですから、事業の採算性は非常にリスキーな面がありますので、確実に採算のとれる事業に持っていくために、お話にありました保留床取得の面と規模あるいは建築コスト、それぞれについて今後厳しく精査していきたいというふうに思っております。  2点目に、準備組合で今どういう検討をしているのかというお話でした。重複しますが、今、申し上げたように、事業を成立させるためにいろいろな観点がありますから、それぞれについて検討するのが準備組合の仕事でありますので、札幌市としても事務局の一員としてそれを一生懸命やっている状況であります。  それから、3点目は、保留床処分の見込みということでした。  ご存じのように、HTBが保留床取得予定者という形で参加していただくことはかなり確実性が高い。それから、札幌市も今持っている自前の土地だけですべての床が取得できるわけではありませんので、保留床取得者にもなります。当然の話ですが、それも確実性が相当高い。あと、保留床をオフィスとして売却することも必要になりましょう。その点については、冒頭に申しましたように、今の経済状況の中で確実に取得されるという見込みについて、これまでもやっていますが、これからも確率を高めていく中で、全体として保留床処分の確実性を高める努力をしていきたいと思っております。  それから、大きく2点目の大通交流拠点地下広場の整備です。  これについては、パブリックコメントで6名の方から16件の意見をいただきました。それをもって、非常に少ない、あるいは、市民全体としての理解を得ていると考えるのかということです。もちろん、市民の方全体に満遍なくあまねく周知しているとは考えておりません。ただ、これまで、もちろん議会での報告、あるいは、それぞれ図面なども含めて新聞報道されておりますし、テレビ報道も一部あったと思います。それから、広報、インターネット等々で周知の努力はしておりますので、関心の度合いというのはもちろん市民の皆さんはいろいろあるでしょうけれども、関心をお持ちいただいている方にはそれなりに理解をいただいているというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  北1西1についてですが、事業はまだ固まっていないというご説明がありました。今、まさにご答弁あったとおり、採算性については非常にリスキーなものもあるのだというお話でしたから、精査の上にも精査を重ねてということだと思います。手がたい計画をつくっていくことですね。  それから、供用開始は、当初の予定よりもずれてちょっとおくれているということです。2018年の使用開始を目指しているということの理解でいいと思います。ただ、経済状況もなかなか先行き不透明ということもありますので、頑張って頑張って保留床の処分もしてきたけれども、結果として余ってしまいました、どたキャンとは言わないまでも、当てにしていたところがだめになっちゃったんですというようなことがないように、ここは本当にしっかりと対応していただきたいというふうに思います。  そして、ここからは、市民交流複合施設、とりわけホールの問題について伺っていきたいと思います。  私ども日本共産党としては、市民交流複合施設に入る新しい市民ホールを何階に設定するのかということで議論してまいりました。当初は、6階にホールエントランスをつくるということでしたから、これはもう安全上も認められないということで、市民まちづくり局でもやってまいりましたし、観光文化局でホールの機能を本当にどうするのかというところでも取り上げてまいりました。この間、こういう議論が数回ありまして、先日の財政市民委員会では、これを4階に下げるというお話があったかと思います。これは、もうちょっとどうにかならないのかという質問です。  そもそも、市民交流複合施設の下の1階から2階にかけてはNHKが入る予定で計画が進められていました。室長のご答弁にあったように、HTBが新たに入るのですよということです。今回は、HTBはホールの下ではなくて、オフィス棟、高層棟の方に放送局を構えたいのだというお話だと思います。ということは、今まで、躯体をつくりながら、ホールはどうしても上でなければだめなのだと言っていた根本のところが変更になったわけですから、私は、3階以下にホールエントランスを下げるということは可能なのではないかなというふうに思います。  2,300人の規模で入るホールをつくるわけですから、もちろん、先ほどの災害対策についても議会の中で議論がありましたけれども、何かあったときに対応できるのかということ、それから、芝居だとかがはねた後には2,300人の方たちが一気におりてくるわけですね。そういう意味では、下げる可能性をまだまだ追求していただきたいなというふうに思います。とりわけ、障がいを持った方、車いすの方、あるいは高齢者の方、こういうところに十分に配慮したものにしていかなければならないと思います。  ぜひ、3階以下にホールエントランスを下げていただきたいということですが、このことについては、構造上可能なのかどうなのかということも含めてご説明いただきたいと思います。  それからまた、今回、設計が変更になりましたね。今言ったように、ホールの下にNHKが入るということで、構造上、かなり大規模な工事をしなければいけないということだったと思うのです。しかし、設計自体が変更になりますから、総事業費も削減されていくと思うのですけれども、現時点での事業費の見込みはどの程度になるのか、具体的な数字があればぜひお示ししていただきたいと思います。  大通のコンコースの改修についてです。  あまねく周知しているとは思っていない、しかし、関心の度合いによって理解してくれる市民はいるだろうというのが室長のご答弁でした。  私は、都心部の活性化を図ることは重要なことだと思いますし、否定するべきものではないというふうに思っています。しかし、今、財政が厳しいと言っている中で、とりわけ市民生活に大きな負担を押しつけなければならないという札幌市政、財政運営が続いているわけです。こういう事業に22億円のお金を使うのだよという話をすると、やはり、市民の皆さんは、納得できない、今やる必要があるのか、こういう声がたくさん出てきております。私は、やはり、市民理解は得られていない、合意はまだまだ得られていないというふうに思います。そういう意味では、今、着手すべき性質のものではないのではないか、こういうふうに思いますけれども、この点について、改めてお考えを伺いたいと思います。 ◎星 都心まちづくり推進室長  まず、北1西1の再開発における市民交流複合施設の中に2,300席程度のホールを計画しております。今のご質問の中にありましたように、従来、さまざまな検討をしている中では、かなり高層に、上の方に行かざるを得ない状況がありましたけれども、HTBがお入りいただくという状況の中で、低層部には札幌市の施設で主にそれだけで完結できる状況になりました。そのことから、現在の環境アセスメントで仮の案としているものは、4階にホールのエントランスロビーを配置することにしております。  結論としては、構造のこととおっしゃいましたが、4階がぎりぎりではないかなというふうに思っています。もちろん、基本的には、ホールのロビーは、今、お話があったような状況からなるべく下にあった方がいいという認識は共有しているつもりですけれども、構造的にというご質問もありましたので、若干ご説明申し上げますと、電気室があります。この再開発では相当大規模な電気室が必要になりますが、再開発ビル全体として防災性を確保することが必要になります。やはり、電気は生命線ですから、仮に停電になったときでも、あるいは水害が起きたときでも、自家発電も含めて供給できることが必要になりますので、防災上あるいは安全上、水害を受けない2階以上に配置することが必要であるというふうに考えています。  それから、大規模な電気室になりますので、低周波の振動が生じます。このホールとか放送局への影響、あるいは電力ルートの確保、そういうことを慎重に検討しなければいけません。そういうことで、今、2階から3階以外にこの電気室を入れることはかなり難しいというふうな検討状況になっております。  それから、ホールですから、かなり大容積といいますか、天井の高い空間になりますし、空調の音も相当聞こえないようにしなければいけません。そういうことからしますと、ホールの空調機械室については、ホールの直下階に置いて床から空調することも必要であろうと。そんなことで、ホールの下に電気室、機械室を入れざるを得ません。  それから、1階部分については、やはり、ホールというのは公演がないときは人が来ませんから閑散とした状況になります。ですから、1階からすべてホールの機能で埋めるというよりも、やはり、日常的に人が行き交う機能を1階に入れるべきだろうということも考えまして、4階が妥当であろうというふうに現在は考えております。  それから、事業費のご質問がございました。  この再開発事業の総事業費については、環境影響評価の方法書に記載した現時点で想定される最大規模、高さをもとに試算しております。これは、設計を進めているわけではありません。あくまで類似の施設の床単価に面積を掛け算するという形で、非常に単純な試算ですが、それで工事費をはじきまして、再開発事業の事業費というふうに置きかえたときには、総事業費は550億円から570億円程度だろうと今のところ試算しております。  それから、大通交流拠点地下広場の整備時期です。  この地下広場は、札幌都心の中心性を象徴するにふさわしい拠点の整備を実現したいと。これは、札幌の魅力を高め、ひいては経済力を高める効果も非常に大きく期待しているところですが、その整備効果を早期に発現させるためには、駅前通地下歩行空間が開通し、歩行者交通量が大幅に増加している状況が現在ございます。それから、大通交流拠点内の民間ビルの建てかえ事業が進捗しています。このタイミングに官民共同で地下広場の整備効果を高めていくことがかなり重要だろうということで、急いで整備すべきというふうに判断しているところです。 ◆坂本恭子 委員  まず、大通の改修整備計画ですけれども、地上部と新しく改築される民間ビルとの接続というようなことなども含めて総合的に考えると、今の時期がいいのだというお話でした。パブコメもそうでしたが、お仕事をなさっている方だとか、中央区のこの近隣に住んでいる方たちにとっては非常に利便性が高くなるかもしれません。観光客だとか、いろいろな方にとってのアピールということでは確かにいいのかもしれない。けれども、やっぱり、市民の暮らしは厳しいのですよ。幾ら都心部でにぎわいを持たせるとか、回遊性を持たせるとか、サービス向上につなげていくのだと立派なことを言っても、そこに足を運ぶ市民がいないということになると、せっかくつくったってやっぱり意味がないというふうに私は思います。ですから、改めて立ちどまる勇気というものを持っていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。  それから、北1西1についてですが、ホールについては、いろいろな観点から研究もしていただいたのだとは思いますけれども、4階が妥当だというお話がありました。一方で、総工事費が、押しなべて一般的な数字で550億円から570億円ということですから、これから行っていく再開発事業としては、精査していくと言いながら、かなり大きな事業になることは事実ですね。これから札幌市がここに幾らのお金を投入していくことになるのか、まだ具体的設計ができていない段階ですから、明らかにはならないと思いますけれども、大きな開発ですよ。  こういう中で、1階はホールの入り口にしてしまうと閑散としてしまうから、にぎわいの場として、ここは何か活用していきたいのだという話はわかります。じゃ、2階はどうなのだと、3階はどうなのだという話になると思うのだけれども、例えば、先ほど電気室のお話をなさいました。ビル全体の防災性というのが一番大事なので、まず電源を確保していかなければならない、そのために電気室は2階から3階で確保していきたいのだというお話がありました。例えば、水害のお話もされていたけれども、地下に大規模な電気室、機械室を持ってくるとしたら、私は数億円のオーダーで可能だと思うのです。550億円から570億円かかると言っている工事の中で、数億円オーダーでこれを地下埋設できるのだったら、私はそっちをとるべきだというふうに思いますよ。本当にここに来る方たちの安全性を確保していくべきだというふうに思います。  以前の設計図ですが、ちょっと見せていただいたときに、地下の駐車場からホールに上がっていくエレベーター、1階から上がっていくエレベーターが、2基でしたか3基でしたか、あらあらの計画だったと思いますけれども、あったと思います。それから、エスカレーターは、1階ないし2階から4階に上がっていくような図面だったというふうに思うのです。しかし、私は、せめてエレベーターの基数はふやしていく、それから、エスカレーターについても、一気に何階かを1本につなげるのではなくて、各階にとまっていけるような、経由をしていくものにしていくべきだというふうに思います。これは、もちろん上がっていくときもあるけれども、最初にお話ししたように、イベントが終わったときには一気に人がおりてくるわけですから、将棋倒しだとか事故だとか、こういうことが起こらないように各階を経由していくものにしていくような工夫などもしていくべきだというふうに思います。  これから具体的な計画を立てていく中で、こういう安全性に配慮をする設計というものはやっていけるのでしょうか。その点について伺いたいと思います。 ◎星 都心まちづくり推進室長  もとより、非常に多くの人が集まる施設ですから、何よりも安全性、避難性能等々を最大限に確保しなければいけません。これは申し上げるまでもないことですので、今、ご指摘のことも十分に配慮して計画を進めていきたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  ぜひ、しっかりと検討を進めていっていただいて、私は、できれば3階以下にホールエントランスをつけていただきたいということを改めて申し上げておきます。  それから、今ある市民ホール、ニトリホールですけれども、当初よりも2年間、市民交流複合施設の供用開始がおくれるということですから、市民ホールの問題、それから、ニトリホールもかなり老朽化しています。バリアフリーの問題からいっても、2階席、3階席に上がっていくのにあの階段がとてもつらいという方がたくさんいらっしゃいますね。そういうところの関係もあって、早く市民交流複合施設、市民ホールをつくっていきたいというお気持ちはあろうかと思います。財政全体から見ると、やはり、早くつくっていきたいというようなこともあるのかなと思いますが、市民のための施設であること、それから、500数十億円という大きなお金をかけてつくるものですから、市民の財産になっていくものになりますので、市民の声を十分に反映させたものをつくっていかなければなりません。市民ホールだけではなく、アートセンターだとか、創造活動センターだとか、いろいろな市民が集えるような施設、機能をつくっていこうというわけですから、あらゆる機会をとらえて市民意見を聞いていく、こういう機会をぜひたくさんつくっていっていただきたいと思うのですけれども、準備組合でこの計画を立てながら市民の意見を聞いていく場というのでしょうか、そういうものを設けていくおつもりがあるのかどうか、その点について伺わせていただきたいと思います。 ◎星 都心まちづくり推進室長  市民交流複合施設の検討プロセスにおいて、市民の意見をどう反映していくかということだと思います。  市民交流複合施設の検討は、随分しばらく前から何年もかけて検討してきておりますけれども、これまでも市民の意見を把握しながら進めてきておると考えております。今後も、節目ごとに検討内容を明らかにし、ご意見をいただきながら内容を固めてまいりたいと考えています。  今年度につきましては、現在、再開発準備組合で、平成25年度の都市計画決定を目指して、本年度中に再開発事業としての事業計画の原案を固めるべく作業を進めております。市民交流複合施設につきましても、この事業計画原案にその内容を反映していくことが必要になりますので、その検討を進めておりまして、その中で市民の意見を聞くというプロセスを導入していきたいと思います。 ◆石川佐和子 委員  私からは、丘珠空港のあり方について、1点質問させていただきます。  ことしの第1定、2定、3定の代表質問、また、7月23日の財政市民委員会におきまして、丘珠空港のあり方などについて各会派からさまざまな質疑がありましたことは承知をしているところです。この広大な面積の北海道におきまして、空港ネットワークは地域間連携や交流を支える交通基盤として重要な役割を果たしており、丘珠空港はその中核として、札幌圏に集積する諸機能と各地域のニーズを効率的につなぎ、地域活性化の拠点を形成するなどの役割が期待されていると、2010年3月に北海道が策定した道内空港活性化ビジョンの中に記されております。  札幌市は、こうした丘珠空港の位置づけや役割等について、同ビジョンを踏襲するとともに、丘珠空港の活性化に向け、丘珠空港を拠点とする空港ネットワークの利用促進等に取り組まれておられるというふうに認識をしております。また、丘珠空港活性化推進検討会を主催し、2011年5月には、丘珠空港活性化プログラムをまとめ、空港利用の拡大、広報やソフトの強化などに取り組まれておられます。  そこでまず、1点伺いますが、丘珠空港の利用等の現状と経過について伺います。  直近の3年間、2009年度から2011年度までの年度ごとの丘珠空港の搭乗人数、それから、搭乗率、就航率についてお尋ねします。  道内空港活性化ビジョンは、空港政策に関する北海道の基本的な考え方を示しておりますが、それに先立ちまして、北海道の交通施策の基本方針が北海道交通ネットワーク総合ビジョンとして策定されています。具体的には、総合的な交通ネットワークを形成するため、北海道新幹線の整備、それから、航空ネットワークや空港・港湾機能の充実等を進め、幹線交通ネットワークの形成を図るというふうに記されております。航空機と新幹線の特性を生かすということで、利用者の利便性の向上、また、交流人口の飛躍的な増大が見込まれているというふうに記されておりますが、先ほど申し上げました道内空港活性化ビジョンにおきましては、空港利用の将来展望の課題として、北海道新幹線の札幌延伸の影響などにより、空港利用者の一層の減少が懸念されると指摘しております。2012年6月、北海道新幹線の仮称新函館―札幌間の工事実施計画が認可され、この懸念は一層現実味を帯びてきたと言えるのではないでしょうか。  そこで、もう1点伺います。  札幌市への北海道新幹線延伸が決定し、2035年度の開通の見通しとなったことを踏まえて、北海道の高速交通ネットワークにおける丘珠空港の位置づけ、役割は変わるのかどうか、また、そうしたことについて検討しているのかどうか、あわせて伺います。 ◎富田 空港担当部長  まず、1点目の2009年度から2011年度までの年度ごとの丘珠空港における乗降人数、搭乗率、就航率についてでございます。  まず、丘珠空港の乗降人数でございますが、2009年度は32万6,871人、2010年度は15万5,431人、2011年度は、12万8,082人という状況でございます。  次に、丘珠空港の搭乗率でございますが、2009年度につきましては53.0%、2010年度は56.6%、そして、2011年度は51.7%でございます。  最後に、就航率でございますが、2009年度は96.9%、2010年度は97.8%、2011年度は93.4%という状況でございます。  次に、新幹線の延伸を踏まえました丘珠空港の役割等についてでございます。  道民の暮らしとか経済活動を支える上で、新幹線を加えた鉄道や道路、航空といった高速交通ネットワークが充実し、これが有機的に連携していくことは、将来の北海道において極めて重要になるものと考えてございます。したがいまして、このことを前提としまして、丘珠空港の位置づけを検討するとすれば、北海道全体としての議論が必要ですし、また、国の航空政策とか航空業界の動向など、丘珠空港を取り巻く状況の変化について十分勘案し、注視していく必要があるものと考えてございます。 ◆石川佐和子 委員  今、この3年間の搭乗率や就航率を伺いました。この間、全日空の子会社であるA−netが丘珠空港から全5路線を新千歳に移したこととか、重大インシデントがあったということで利用が少なくなったことは承知しておりますけれども、今、こうした利用状況の実態があるということは一つ事実としてあると思います。  また、新幹線が札幌まで延伸する中で、今後は道民で総合的に考えていかなければならないというお話は本当に当然なことだなというふうに思っています。新幹線が札幌まで延伸する中、費用対効果の観点から、丘珠空港の機能をどこまで充実するかということについては総合的に慎重に検討すべきというふうに考えています。搭乗率の数字で言いますと、採算性に合う数字は60%と言われています。今の数字は50%台が続いているということで、採算性でも厳しい状況があるというふうに思っています。  また、空港の経営状況についても把握をしていくことが必要だと思います。国土交通省は、国が管理している25の空港の収支の試算をホームページ上で公開しております。それによりますと、2009年度決算におきまして経常黒字は新千歳、松山、鹿児島、小松、徳島の五つの空港であり、丘珠空港を含めた20の空港は経常赤字となっております。これは、一般会計受け入れを各空港の歳入に含めず、空港整備事業費などを歳出計上した上で、企業会計の考え方を取り入れた試算としての数字ではありますが、HACの経営問題もさることながら、丘珠空港の経営も赤字が続いているということで慎重に考えていかなければならないことだと思います。  先日、丘珠空港の活性化をテーマに開催されたシンポジウムで、出席した空港会社関係者の方が、現在の長さで小型ジェット機の離着陸が可能とし、チャーター便誘致の提案をされたり、また、滑走路の路面強化においては9億円で行えると市長にアピールしたという報道を私も読んでおります。  また、今月、やはり新聞報道でありますが、丘珠空港のジェット化について市民モニター調査結果が載っておりました。これは、10代から70代の男女の方、380名に行ったモニターで、丘珠空港のジェット化に反対か賛成かを聞いたものです。回収率は71.8%と書かれてありました。その結果、ジェット化に反対の方が54%と半数以上を占め、賛成の方は21%、どちらとも言えない方が25%というふうになっていました。反対はどういった理由かといいますと、多額の税金投入の費用対効果に対する疑問、また、ジェット化の採算性への疑問、騒音などの環境問題などへの懸念が示されてありました。  また、それとは別に、空港周辺に住む市民及び市民団体からは、この間、ジェット化への動きがたびたび報道されたり、そうしたことを危惧し、札幌市が空港整備に係る基本的な考え方としてこれまで5項目を堅持したことを無視しないで、ジェット化しないことを求める内容の要望書を市長あてに提出しているところであります。  そこで、質問ですが、丘珠空港をもっと活用してはどうか、あるいはジェット化などの声もある一方で、空港周辺に住む市民及び市民団体から、そうした動きを危惧し、ジェット化しないことを求める声、また、ジェット化反対が半数以上を占めたモニター調査結果による市民の声をどのように受けとめておられるのか、また、そうした中で言われている費用対効果、環境問題の指摘についてどのように考えておられるのか、こうしたさまざまな意見を踏まえ、今後の丘珠空港の方向性をどのように考えておられるのか、伺います。 ◎富田 空港担当部長  ジェット化反対の要望書等の受けとめと、丘珠空港の今後の方向性についてといったご質問かと思います。  このたび、ジェット化に反対します要望書等が提出されたことにつきましては、丘珠空港の前回延長時の経緯なども踏まえますと十分に理解できるところでありまして、その中の費用対効果とか環境問題の指摘についても重要な視点であると考えております。  また、丘珠空港の今後の方向性についてですけれども、ジェット化反対の声がある一方で、有効活用すべきといった声など、さまざまなご意見が多く寄せられているところでもございます。したがいまして、札幌市といたしましては、丘珠空港の今後の方向性について、新千歳空港との関係性も含めて、丘珠空港が将来にわたりどのような役割を担っていくべきか、また、丘珠空港のニーズがどこにあるのかといった点を見きわめながら、地元の意向も十分に踏まえ、中長期的な視点に立って考えてまいりたい、このように考えてございます。 ◆石川佐和子 委員  札幌市がジェット化を断念した理由は、道央圏において二つのジェット化空港の必要性があるのかということ、それから、周辺市街化の状況、住宅密集地ということですけれども、そうしたことから必要性がないというふうに判断したわけです。そう判断したときの理由は、現在もなお該当し、何ら変わっていないというふうに考えます。  そこで、質問しますが、1996年、札幌市は、丘珠空港のジェット化については断念し、プロペラ機による路線の継続を図る方針を決定し、空港整備については滑走路の全長は1,500メートル、定期便の運航便数は現在の生活環境を悪化させないなどの5項目を基本的な考え方として地元と合意されています。この考え方や内容に変わりはないか、改めて伺います。 ◎富田 空港担当部長  空港整備の基本的な考え方についてのご質問でございますけれども、空港周辺の生活環境を悪化させず、保全を図っていくという点を基本とする考え方については、現在も変わってございません。 ◆石川佐和子 委員  現在も変わっていないことを確認させていただきました。  丘珠空港は、皆さんご存じのように、日米地位協定のもとで防衛省が設置、管理をし、民間航空機との共用空港となっておりまして、国交省と防衛省との相互協定により運営されております。民間利用への拡大はおのずと限界があることは、だれもが承知のことであるというふうに考えます。  空港は、公共交通の一端を担っておりますから、経営が赤字だといいましても、簡単にそれをなくすことはできないという現実もあると思います。しかし、こうした赤字は、将来の国民負担であり、簡単に次世代にツケを回すべきではないと考えますし、国の補助金頼みの空港整備を安易に進めていくべきではないというふうに考えます。計画段階での過度な期待や、実態とかけ離れた需要予測等が、これまでの赤字を生み出してきているというふうに考えます。これ以上、赤字経営を悪化させないため、先ほどもおっしゃったように、中長期的視点に立ち、ジェット化ではない丘珠空港の役割を市民とともに検討することを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆阿部ひであき 委員  私は、路面電車のループ化について伺います。  さきの第1回定例議会における第一部予算特別委員会の中で、私は、この件について、既存の交通への影響など交通面と、事業採算性の経営面での検討状況が不十分であることを指摘させていただいたところであります。その際、交通面において、佐藤路面電車担当部長は、搬送業界やタクシー業界の理解などといった課題につきましては、関係者の意見も踏まえて、これまでに実態調査や検討を行っており、ループ化実現に合わせて対策を行っていきたい、関係する事業者や商業者などと協議を進め、ご理解いただけるよう適切な対応をとらせていただきたいと考えておりますという旨の答弁を行っております。  そこで、早速、質問でありますが、まず、路面電車活用計画を策定した4月以降、現在までどのような検討を行っているのか、ループ化事業の進捗状況について伺います。
    ◎佐藤 路面電車担当部長  ループ化にかかわる現在の進捗状況という質問についてお答えいたします。  現在、本年4月に策定しました路面電車活用計画に基づき、関係行政機関はもとより、事業者や商業者の方々と協議しつつ、ループ化実施設計や新型低床車両の製作のほか、停留場や架線柱のデザイン検討、さらには、地域と連携した路面電車のまちづくりへの活用策や利用促進策の検討に、交通局と連携協力しながら取り組んでいるところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  実施設計あるいは車両の製作など、そういうことで進めているということでありますが、一方で、私の言っている交通面での検討状況については詳しいお答えがなかったように思います。  そこで、次の質問に移らせていただきます。  先ほど申し上げましたように、前回の予算特別委員会で棚上げされていた関係事業者や商業者などとの協議の進捗状況、とりわけ搬送業界やタクシー業界の理解といった課題についてどう取り組まれたのか、伺います。 ◎佐藤 路面電車担当部長  搬送業界やタクシー業界の理解などといった課題についての取り組み状況についてお答えいたします。  私どもでは、昨年、大通地区におけるタクシー、荷さばきの利用実態調査を行っておりますが、それを補強する意味で、本年9月に歩行者天国実施時の状況も確認したところでございます。現在、これらの調査結果を踏まえつつ、タクシー乗り場の移設を含め、対策案の検討を進めているところであります。今後、対策案をまとめ、事業者や商業者の方々、関係行政機関との協議を進め、ご理解をいただけるよう適切な対応をとらせていただく考えでございます。 ◆阿部ひであき 委員  ただいまの答弁を聞く限り、調査検討は進めているものの、移設方策などが固まっていない、したがって、いまだ業界の理解を得るところまでは至っていないというふうにとらえますけれども、そのような感じでよろしいですね。  実施設計や車両の製作はどんどん進めていきながら、片や、もう一つの課題については、業界の理解を得るどころか、移設方策も固まっていない。ループ化を実施するということであれば、そうした棚上げされていた課題について早急に解決すべきことは当然ではないかと私は思います。ほかにも、自転車の走行の問題など、さまざまな課題についても残っています。何よりも、あれからもう7カ月たっているわけですね。そうした中で、この7カ月間の中で、ループ化に係る実施設計等はどんどん進んでいる、でも、移設方策等々の課題点については余り進んでいないことは今確認できたところであります。  もう一つ、当時の課題について除雪の問題がありました。除雪については、サイドリザベーション方式に伴い、工法変更など課題が生じるわけであります。  そこで、質問ですが、除雪問題についてはどのような対策を講じるつもりなのか、検討状況について伺います。 ◎佐藤 路面電車担当部長  除雪対策の検討状況についてお答えいたします。  ループ化区間では、軌道の敷設位置はサイドリザベーション方式としておりますことから、既設線とは異なり、歩道側となります。これまでの方法では歩道に雪をはね上げることになってしまいますことから、現在、歩道側に雪をはね上げないで除雪する方法について、除雪車両の改良も含めた新たな方策や維持管理方法をあわせて関係行政機関の方々と検討を深めているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  こちらも検討を深めているということです。除雪車両に改良を加えるということでありますが、サイドリザベーション方式を導入する必要などあったのか、本当に疑問が残るところであります。財政が厳しい中、余計に税金を投入していかなければならないことを何でわざわざするのか、ここでまた改めて私も疑問に思うところであります。  しかも、実際に除雪経験がない中で、どのように除雪するのかがいまだに整理されていない。そんな中で、何度も改良を重ねていかなければならないことなど手にとるようにわかりますし、そこでさらに経費がかさむことも容易に想像できます。どちらにしても、この件についても早急に検討を進めて深めていかなければならないということでありますね。  以上の質問から、私は、ループ化に関する課題点、とりわけ、今の質問は総合交通計画部所管に限定して前回棚上げされた課題点の一部について進捗状況等を伺ったわけでありますけれども、総合的にいまだ解決に至っていない点が多く、はっきり申し上げて検討不足であると言わざるを得ない、私はこういうふうに思います。平成24年3月2日の第二部予算特別委員会の中で、上田市長みずから、さまざまな経営改革が必要であり、ループ化と同時並行的に検討を進める、そうした答弁を行っているのですよ。今、伺ったら、同時並行なんてものじゃないのではないですか。しかも、業界への理解や除雪の課題の進捗は、実施設計に比べて明らかにおくれていると言っても過言ではないのではないか、こう思うところであります。  同じことを何度も繰り返しても仕方がないので、最後に質問させていただきますが、こうした状況の中で、今後、これらの課題についてどのようなスケジュールで検討を進めていくのか、そのつもりなのか、伺いたいと思います。 ◎佐藤 路面電車担当部長  今後のスケジュールについてお答えいたします。  先ほどお答えしましたとおり、現在進めています実施設計などの取り組みを着実に進めていきますとともに、ループ化にご理解とご協力を得られるように、関係するさまざまな方々との協議を行い、またあわせて、法定手続の準備を進めているところでございます。そして、平成25年度には、1両目の低床車両が既設線を走行することになります。今後とも、各種課題への適切な対応を図りながら、平成26年度のループ化実現に向け、着実に検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  法定手続、特に特許取得に向けた実施設計作業が粛々と進められるということですが、その前に棚上げされた多くの課題点の進捗状況はこれまでのやりとりで明らかにしたとおりであります。  さらに、本日は、交通局の決算特別委員会が重なっている状況にありまして、交通面と並ぶ重要課題であります軌道事業における経営形態の見直しについては残念ながら質問することができませんでした。しかしながら、我が会派では、かねてから、軌道事業の継続に当たっては、これまで何度も何度も言っていますけれども、抜本的な経営の効率化を図ることが重要である、経営形態の見直しを図り、黒字化のめどをしっかり立ててから論ずるべきである、こう主張してきているわけであります。こちらについても、必ず近いうちに進捗状況を確認させていただきます。  私は、このループ化を進めるのであれば、交通面、そして、この経営面の課題も並行してしっかり解決すべきである、こういうふうに思います。今は実施設計ばかりが進んでいる、こう見られてもおかしくない状況ではないかというふうに思います。改めて、実施設計の進捗を図る以上に、こうした課題解決に向けた作業も、市長の言う同時並行的にと、そういうふうに行って早急に解決を図るべきであります。これらの課題点が進まないのであれば、それこそ、同時並行的にループ化に関する特許申請や実施設計もその進捗に合わせるべきではないかというふうに思います。そうでないと、市民の声に耳を傾けないで、課題点をおざなりにして強引にループ化したと言われても文句の一つも言えないことになるのではないでしょうか。こうしたことをはっきりこの場で一回確認させていただいて、私の質問を終わりたいと思います。 ◆宝本英明 委員  私からは、都心のまちづくりということで、北4西3の西武百貨店跡地についてと、今後の都心のまちづくりにおける事業手法について、2点伺いたいと思います。  北4西3、旧西武百貨店跡地、いまだにこういうふうに呼ぶのがいいのかわかりませんが、昨年の決算特別委員会においても、この場所については、札幌の玄関口であるJR札幌駅の正面に位置しておりまして、都心のにぎわいや魅力の向上など、まちづくりにとって非常に重要な場所であるとの観点から、その検討状況などについて質問させていただきました。その際、当街区においては、旧西武百貨店の売却を契機に、街区全体での一体的なまちづくりの可能性を勉強、検討する目的で、札幌市が街区内の地権者に呼びかけて札幌駅周辺まちづくり検討会を設置しておりますが、札幌市として、ヨドバシカメラに対し、まちづくり検討会への参加を強力に呼びかけていくべきであると指摘するとともに、接触を持てないでいる状況に対し、今後もあきらめずに粘り強く取り組みを進めていただきたいと要望させていただきました。  そこで、1年たちましたので、まず、その後、札幌市は、ヨドバシカメラ側と協議のテーブルに着くことができたのか、できたとすれば、まちづくり検討会への参加についてどのような意向を持っているのか、伺いたいと思います。 ◎星 都心まちづくり推進室長  ヨドバシカメラとの協議の状況についてでございます。  昨年の決算特別委員会でご説明した状況と変化がございません。そのとき、平成23年2月にヨドバシカメラが西武百貨店跡地を取得した直後に、先方から、開発の考え方がまとまった時点で相談したいという回答を得ました。それ以後、さまざまなチャンネルを通じて接触の機会を持つ努力をしておりますけれども、いまだ正式な協議の場を設けるには至っておりません。したがいまして、現在、ヨドバシカメラ側がまちづくり検討会への参加についてどのような意向を持っていらっしゃるかは把握しておりません。 ◆宝本英明 委員  変化なしということで、1年もたって本当にどうしてなのかなと、そのように思います。ヨドバシカメラとはちゃんと話ができていないということでありますから、地元の自治体の呼びかけに応じようとしない姿勢には疑問を感じるところがあります。ただ、テーブルに着かないからといってあきらめるような事案ではありませんので、引き続き、粘り強く当たっていただいて、何とかテーブルの場についていただくよう努力していただきたいと思います。  現在、旧ロフト館側については、先日の10月1日から時間貸し駐車場としての利用が開始されました。駐車場というのもあの場所では寂しいなと思うのですが、さらには、旧本館側は、依然、囲いをしたままの状態でありまして、今後、どういった土地利用がされるのか、本当に危機感を抱いているところです。  そこで、旧ロフト館側は、時間貸し駐車場として土地利用の期間はどれくらい見通されているのか、また、ヨドバシカメラが旧本館側の土地利用をどのように考えているのか、把握しているのであれば教えていただきたいと思います。 ◎星 都心まちづくり推進室長  旧ロフト館側の現在の土地利用の期間、それから、旧本館側の土地利用の見込みということですけれども、旧ロフト館側では、10月1日から営業を開始しております屋外駐車場の運営期間に関しましては、駐車場の事業者からの聞き取りなどから、おおむね5年間をめどとしているというふうに伺っております。  一方、旧本館側の敷地につきましては、解体をせずに地中に残されている地下の既設の構造躯体がございます。その構造強度の関係から駐車場として活用することを断念したというふうに伺っておりまして、それでは、今後、ヨドバシカメラ側がどのような土地利用を行おうとしているのかということについては把握しておりません。 ◆宝本英明 委員  5年間あのままになるというのは、札幌の顔となるような場所で本当に残念としか言いようがないと思います。何度も言いますが、何とかヨドバシカメラ側と連絡をつけて話し合いを持っていただいて、早急にあの辺の再開発をしていっていただきたい、そのように思います。  続いて、今後の都心のまちづくりにおける事業手法について伺いたいと思います。  これまで、我が会派では、現在の停滞する経済状況や厳しさを増す本市の財政状況の中で、2015年をピークに人口も減少の局面を迎える見通しであることなどを踏まえて、これからの都心まちづくりにおいては、国内外からの投資を呼び込むための質の高いまちづくりを本市が積極的に先導し、展開すべきであると、さまざまな場面で主張させていただきました。現在、札幌市の都心部では、札幌駅前通地下歩行空間の開通以降、大型の民間都市開発プロジェクトの実施や計画が明らかになってきております。  このような中で、北2条西4丁目の北海道庁前で工事が行われております三井不動産株式会社とJP、日本郵便株式会社の共同プロジェクトでは、事業者側から、都市再生特別地区や地区計画等とともに、北3条通の広場化について都市計画提案がなされ、平成19年8月に都市計画決定されておりまして、また、その広場整備自体についても事業者側が整備を行っていく、そういうふうになっています。この北3条広場の整備は、地下歩行空間開通後、歩行者の大半が地下に流れ、地上部のにぎわいの低下が顕著となっていると言われる中で、本市の観光スポットの一つであります道庁赤れんが庁舎と都心のメーン通りである札幌駅前通の間に位置しておりまして、今後の都心の新たな名所、顔になっていくものと期待されることなどから、地上部の活性化に向けた取り組みを先導するものとして、また、札幌市における官民共同の都市開発事業の代表例として高く評価させていただきたいと思っております。  一方、国内では、他都市の都市開発事業手法の事例で、私が注目をしているというか、関心を持っているのは、先ごろ、リニューアルオープンしましたJR東京駅の改修整備事業であります。ここでは、いわゆる空中権の売買により、その事業費の大半を賄ったということであります。この事業は、2002年に、東京都が東京駅周辺地区の都市開発・整備・保全を誘導、制御するために、大手町・丸の内・有楽町地区に特例容積率適用地区及び地区計画を都市計画として定めて、この区域内で一定の制限――容積率や高さの制限などのことですが、そのもとに、特定行政庁、東京都の許可によって各建築敷地間で容積率の移転ができるとしたものであります。JR東日本では、赤れんが駅舎を戦前の3階建てに復元しても、その建物規模は敷地の指定容積率に対応して建設可能な上限床面積に及ばないので、この制度を活用して、東京駅丸の内側の赤れんが駅舎の復原的保全を行うこととし、未消化となる容積率相当分を分割して他の敷地に移転することで改修の資金調達を図ったものであります。  この空中権売買のもととなった特例容積率適用地区は、どのような場所でもできるものではなく、その適用は高い土地利用のポテンシャルを有している地域に限定されることは承知しておりますが、政府においても、2011年4月に、規制・制度改革に係る方針において、規制・制度改革事項の一つとして特例容積率適用地区の拡大を閣議決定したところであります。  そこで、本市の都心部において、容積率を移転した都市開発の事例があるのか、また、都心まちづくりの推進に当たって、この特例容積率適用地区の活用のために適用の可能性について検討したことはあるのか、適用の可能性の有無について伺いたいと思います。 ◎星 都心まちづくり推進室長  まず、都心部で容積率の移転を行った都市開発の事例があるかということでありますけれども、現在、ちょうど道庁赤れんがの前で建設中であります札幌三井JPビルディング、これは、都市再生特別地区という都市計画制度を適用しておりますが、その中で、隣の街区間で容積率の移転を一部行っております。  それから、特例容積率適用地区の活用の可能性を検討しているかということですが、容積率の移転自体は、例えば、歴史的建造物を保全するために、その余った容積を隣に移すとか、あるいは、大きな都市開発で全体の開発計画の中で一部を移していくということはこれまで札幌市でもありますし、大いにあり得るというふうに考えています。  特例容積率適用地区は、今、ご質問にもありましたように、東京駅の改修のために、あれは歴史的建造物で非常に大きなものですけれども、そこにかなり容積率が余っているという状態で、改修した東京駅を将来にわたって保全しつつ、あの地区ですから、土地を大いに高度利用するということを一体的に進めるものとして適用しているというふうに理解しています。  やはり、今、申し上げましたように、特例容積率適用地区というのは、大規模な歴史的建造物とか、大規模な民間緑地とか、容積を消化しない、あるいは保全すべき土地の余った容積を別なところで有効活用する、そういう趣旨で創設された制度と理解しております。そのことから申し上げますと、札幌都心部で、もちろん歴史的建造物はありますけれども、大規模に存在しているとか、あるいは、民間の保全すべき緑地が大規模にあるということではございませんので、一般規制として面的にこの地区を適用して、ある種、自由に容積を移転するような状況にはないと考えております。  また、現下の経済状況の中で、容積率需要自体がそれほど高くなく、容積緩和のご要望を民間の皆さんからそういただく状況にはありませんので、その適用を今検討している状況にはございません。 ◆宝本英明 委員  私は、道都札幌の都心まちづくりの推進は、市民生活の質の向上だけでなく、国際都市の顔として、国内外に札幌の魅力を発信して北海道全体の経済成長を牽引するなど、極めて多角的な意義のある重要課題と考えております。今、部長の話にもありましたけれども、札幌都心部には札幌時計台など容積率低利用の歴史的建造物も存在しております。それらの保存、文化的環境の維持・向上を図るとともに、今、お話がありましたが、都心全体としての土地の高度利用を促進し、質の高い商業・業務機能への更新、文化機能の集積などを図っていただいて今後も都市再生を推進していく必要があるのではないかなと僕は考えております。  したがって、今回の特例容積率適用地区を含めて、今後ともさまざまな事業手法の適用を検討し、さらに研究し、効率的・効果的に、そして積極的に都心の再生をしていっていただくことを要望して、質問を終わりたいと思います。 ◆木村彰男 委員  私は、山元町の復興支援について、それから、用途地域見直し後における土地利用の動向について、北1西1の地区再開発について、石山・藤野通を都市計画に位置づけることについて、豊平川通の南進について、福住・桑園通と水源池通の交差点付近の拡幅について、じょうてつバスに係る補助金交付について、最後に、HACへの支援と丘珠空港ビルの運営についてお伺いします。  まず、山元町復興支援についてお聞きします。  さきに、被災地視察に際しまして、山元町に派遣されております高久政行課長とご連絡をとり、復旧・復興の計画を細かくご説明いただいたところでございましたけれども、分散していた集落を集約化してコンパクトにするとか、それから、路線の移設に伴うJR常磐線の復旧を視野に入れた困難なまちづくりが進められているのだなということを知ることができました。  そこで、現在、札幌市がかかわる山元町の復旧・復興事業の進捗はいかほどなのか、例えば、全体のマスタープランを100とした場合、今の進捗はどの程度と認識されておるのか、また、プランを進める上で、現在、最も克服しなければならないと考えていらっしゃる内部要因とは何なのか、まずお聞かせください。 ◎若松 都市計画部長  山元町の復旧・復興事業の進捗状況についてお答えいたします。  山元町における復旧・復興事業は広範囲にわたりますため、札幌市から派遣している職員が携わっている道路復旧事業、そして、復興事業の主要事業であります新市街地整備事業にかかわる事柄についてお答えさせていただきます。  まず、生活基盤となる道路復旧状況についてですが、山元町全体での被災箇所245カ所のうち、187カ所の76%が完了もしくは発注済みとなっております。すべての被災箇所については、平成25年度の完了を目指して今進めているというふうに伺っております。  次に、新市街地のうち、被災した方々にとって特に重要な災害公営住宅の整備につきまして、既に測量、設計に着手しており、今年度中には一部地域で工事に着手し、早いところでは平成25年度から入居開始予定というふうに伺っております。  一般的に、被災後の状況としては、応急対応、復旧、復興のプロセスを経ていくことになりますけれども、現在の山元町は本格的な復興事業がスタートしたばかりの状況であるというふうに認識をしております。  それから、これらの復興事業を進めていく上で克服しなければならない問題ですけれども、復旧・復興事業の推進に当たりましては、住民の理解や協力、関係機関との調整、予算の確保、さらには、それらの事業を遂行する職員不足の解消など、さまざまな課題がございます。これらをすべて克服していかなければならないというふうに認識しておりますけれども、内部要因ということでのご質問について言えば、やはり職員の不足が大きな課題だというふうに認識しております。 ◆木村彰男 委員  札幌市は、先ほど言いましたように、多くの職員を派遣しておるのでございますけれども、いつまでそれを継続するというふうに今考えておりますか。今後の見通しにつきまして伺うとともに、先ほどございましたが、今後、山元町の増員派遣要請があった場合、増派していくおつもりがあるか、お聞かせください。 ◎若松 都市計画部長  今、派遣している職員の派遣期間の見通し等についてでございますけれども、災害復興にかかわる職員派遣につきましては、被災した自治体や国などからの要請に基づくもので、次年度以降も継続するかどうかにつきましては、山元町からの要請により協議して決定していくこととしてございます。ただ、次年度は、本市から派遣している職員が担当しております新市街地整備事業を軌道に乗せなければならない大切な時期でございますので、今年度限りで派遣を終了することにはならないものと考えてございます。  いずれにいたしましても、札幌市としては、復興状況をよく勘案し、山元町と協議をして適切に対応していく必要があるというふうに考えてございます。 ◆木村彰男 委員  次に、用途地域見直し後における土地利用の動向についてお聞きいたします。  8月10日に都市計画の変更が告示され、用途地域の見直し等から約2カ月たってございます。その具体的な効果といいますか、事例について伺いたいと思います。  身近な店舗立地のために、郊外住宅地において第2種の低層住居専用地域などを拡充してコンビニなどのお店ができるような施策を進めたわけでございますけれども、実際に、買い物困難地域におけるコンビニの立地等々の確認申請であるとか、問い合わせ等によって確認できておるのか、この傾向をお聞かせください。 ◎若松 都市計画部長  規制緩和した地区におきましてコンビニなどの立地が進んでいるかどうかというご質問でございますけれども、土地利用規制の緩和による効果は、個別の建築更新の積み重ねによって生じるものでございまして、8月10日の告示から現在までの2カ月ですぐ効果があらわれるものではないというふうに認識しております。ただ、毎年、前年度の新築建築物の用途とか面積等の動向を把握しておりますので、新年度になりましたら、そのデータを活用して見直しの効果を検証してまいりたいというふうに考えてございます。  ちなみに、民間の店舗立地に係るホームページで調べたところでは、今回、規制緩和をした地区においては、今のところ、コンビニ等の新規立地は確認できていない状況でございます。 ◆木村彰男 委員  次に、高さ制限についてお伺いします。  私は、前に、必要な地域においては高さ制限を緩和するような特別措置を講じるべきであるというようなことを委員会でも申し上げておったのでございますけれども、現在、規制されたところの地域において、そのような緩和を要請するような動きがあったかどうか、特に、地区計画等の申請を含め、実際の動きはどうだったか、お聞かせいただくとともに、特に、規制前に購入された方が、規制後に土地をお売りになったようなケースについて、何かそういう人たちのご意見などが届いているかどうかもお聞かせください。 ◎若松 都市計画部長  まず最初に、高さ制限をした地区で緩和した実績があるかどうかでございますけれども、8月10日の告示以降、2件の実績がございます。1件は、病院の新築でございまして、地下鉄駅周辺における都市機能向上に資する計画ということで、地区計画を定めることにより高さ制限を緩和したものでございます。もう一件は、高齢者専用の共同住宅でございます。これにつきましては、周辺住環境に支障のないものであるとともに、オープンスペース等の創出により良好な市街地環境の形成に資するということで、建築審査会の意見を聞いた上で、高度地区に定める高さを超える建築を許可した事例でございます。  それから、都市計画の変更に当たって、土地所有者の意見を聞いたかということでございますけれども、今回の見直しに当たりましては、パブリックコメントとか、変更案の法定縦覧の実施に際しまして、広報さっぽろの記事掲載のほか、本市ホームページでの情報発信、パンフレットの配布、各区説明会の実施等、さまざまな機会を通じて市民、企業の皆さんに周知を行ってまいりました。この過程の中で土地所有者の意見を個別に聞くことはしておりませんけれども、不動産業界を含む関係団体の意見も、適宜、伺いながら進めてまいったところでございます。 ◆木村彰男 委員  私は、基本的に規制というのは反対の立場で言っておるのですけれども、先ほど申し上げましたように、これらの申請とかご相談があった場合、柔軟に対応していただくように要望したいと思います。  次に、北1西1の地区再開発における象徴的なランドマークのことについては、さきの財政市民委員会でもお聞きしたのでございますが、私は、観光客の方が来られて、再開発したビルの前で写真を撮らなければ札幌に来たあかしにならないというようなビルの構想をぜひ持っていただきたい、そういう意味合いで申し上げています。  例えばで言うと、シンガポールにあるマーライオンのようなものを想定して、そういうものをランドマークのような形でつけることができるかどうか、お伺いするとともに、それから、ビル本体であるとか共有空間、広場のようなところに、例えばネーミングライツをつけて売買するような、そういう構想もやはりご計画の中に入れていただきたいと思っておりますけれども、いかがでございましょうか。 ◎星 都心まちづくり推進室長  北1西1の再開発事業は、もちろん、札幌の都心のみならず、札幌全体から考えても非常に重要な事業です。つまり、創造的な市民活動とか文化芸術活動、あるいは、今、お話があった観光客を含めて集客交流の拠点となるような開発を目指しております。それは、もちろん、多くの人にその場所を認識してもらう、あるいは、認識する場所にするという意味でランドマークとならなければならないと考えておりますけれども、物体を置いてどうしてもそこで写真を撮りたいとか、ある彫像のようなものを置くということは必ずしも必要ないのではないかというふうに思っております。ネーミングライツのお話もございましたが、ホールなどの公共施設のネーミングライツということは今後の話として検討いたしますけれども、広場だけのネーミングライツというのはいかがなものかというふうに考えます。 ◆木村彰男 委員  星室長とお話しするといつもすれ違いますけれども、今後ということで、またお聞きしていきたいと思っております。  次に、石山・藤野通を都市計画に位置づけることについてお聞きします。  11月の都市計画審議会で事前説明すべく、10月に地域で説明会を行うということでご案内をいただいておりました。さまざまなご意見が出された旨、伺っております。特に、地権者の方と地域の方と二つに分けてご案内してご説明されたとお聞きしておりますけれども、この二つに特徴的なご意見があったとすればそれは何だったのか、お聞かせください。 ◎山重 総合交通計画部長  石山・藤野通の説明会の状況についてお答えいたします。  石山・藤野通につきましては、これまでも地域と意見交換しながら検討を進めてきたものでありまして、本年3月にパネル展の開催とあわせて実施いたしましたアンケート調査では、約54%の方が道路計画案に賛成であったことから、10月1日、2日の両日、地権者や地域の方にご説明したものでございます。説明会では、土地をお持ちの275名の方と石山地区の皆様約2,100世帯にご案内したところ、合計204名の方々にご参加をいただき、札幌市から道路計画の内容及び今後のスケジュールについてご説明した後に、参加者のうち約30名から質問やご意見を伺ったところでございます。  地権者からの主な意見といたしましては、具体的な補償内容がわからず不安であるといった補償に係ることのほか、事業に直接影響ない人の意見よりも地権者の意見を聞くべきだといった進め方に係る意見などが寄せられたところでございます。また、地域にお住まいの方からは、極力、空き地を利用して住宅地への影響を減らしてほしいというご意見や、住宅地の分断をできるだけ避けてほしいなど計画内容に係る意見のほか、道路の必要性を理解できないといった意見などが寄せられたところでございます。 ◆木村彰男 委員  かつて、東京では、美濃部知事のもと、一人でも反対があったら橋をかけないという橋の論理というお考えがありました。これを基本姿勢とした結果、大都市東京に必要な機能の確保はやはりおくれることになってしまったという認識を私は持っております。説明会におきましては、地域でそのように多くの反対もあったこともお伺いしておりますけれども、今後、このような意見を踏まえて、札幌市としてはどのような形でお進めになるおつもりなのか、お聞かせください。 ◎山重 総合交通計画部長  石山・藤野通の今後の進め方についてお答えいたします。  これまでの石山・藤野通の勉強会や検討状況の中間報告では、この道路の必要性や期待される効果、概略のルートなどを説明してきたところでありますが、今回の説明会では、具体的な道路計画案を示した上で、参加者からさまざまなご意見をいただいたところでございます。石山・藤野通は、地域の方々の生活を支えるための道路でありまして、町内会関係者と意見交換する場や、関係者の不安を解消するための説明機会を設けるなど、今後とも、地域の理解を深めるための丁寧な取り組みを進め、地域全体の意向を見きわめたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  さきにいただいておりました今後のスケジュールについてという中で示されている予定というものがありまして、来年3月には都市計画決定、告示というところまで書かれておりますが、今の部長のお話からいきますと、これらのスケジュールはさらにおくれるという認識でございましょうか、お聞かせください。 ◎山重 総合交通計画部長  ただいま説明したように、これまでも地域とともにこの道路計画についての検討を進めてきておりますが、説明会でさまざまなご意見が出されましたので、説明会の中で示したスケジュールについては現時点では見直しをすべきものだと考えております。 ◆木村彰男 委員  それを前提にしますと、例えば、地権者に対する条件が示されるのはいつごろになるか、また、着工を考えるのはいつごろになるか、また、公共の福祉の概念に照らせば、私権の中で最も強い所有権の制限を見据えた土地収用法の適用も可能になるというふうに私は考えておりますが、その見通しはいつごろになるか、お聞かせください。 ◎山重 総合交通計画部長  今後、石山・藤野通の事業を進める時期などについてお答えいたします。  地権者に用地補償などの具体的な条件をお示しできるのは、都市計画決定の手続を経まして、事業認可を得て事業化した後に、測量し、道路の位置とそれぞれの家屋との位置関係が確定し、物件調査を行った後になることから、着工とあわせましてその時期については現時点では未定でございます。  いずれにいたしましたも、用地取得を含めまして円滑に石山・藤野通の整備を進めるためには、地権者や地域の方々にご理解いただくことが重要でありまして、今後とも、地域理解の促進に向けた取り組みを進め、事業スケジュールを早期に見出したいと考えております。 ◆木村彰男 委員  次に、豊平川通を南側に延伸することについてお聞きします。  ことしの3月16日の予算特別委員会におきまして、私は、山重部長から、南進についての理念であるとか、大枠としてのコース、距離等を示したお話を伺った後、平成24年度については、検討対象区間にある北の沢川、南の沢川を横断する構造物につき、概略の構造計算や図面を作成し、それに基づき、河川管理者である国及び北海道と協議を行う旨のご発言を伺っておりますけれども、お話し合い、協議のご進展はいかがでございましょうか、お聞かせください。 ◎山重 総合交通計画部長  豊平川通の南進の検討状況についてお答えいたします。  豊平川通の南進につきましては、南部地域と都心部を結ぶ交通アクセス上の重要な軸線でありまして、平成24年1月に策定いたしました札幌市総合交通計画に都心アクセス強化道路軸として位置づけており、国道230号側の豊平川左岸に上下線の道路を集約いたしまして、上下1車線の2車線道路として検討を進めているものでございます。  これまで行ってまいりました調査検討をもとに各管理者と具体的な協議を進めており、終点部となる国道230号の石山大橋付近の交差点については、交通処理が可能となるよう国道側に新たに右折レーンを設置することで国道管理者との調整を進めているところでございます。また、主要幹線道路である五輪通との交差部につきましては、公安委員会との協議により、立体交差とすることとし、また、河川管理者との協議により、北の沢川と南の沢川にかかる橋梁について概略の構造を検討するなど、一つ一つ着実に協議、調整を進めているところでございます。 ◆木村彰男 委員  今のご答弁を前提にいたしまして、ことしの春の予算特別委員会で部長が触れられた計画沿線の地権者や地域の方への住民説明会のようなものにつきましては、例えば先ほどの石山・藤野通のことを考えますと、今後、かなり時間が必要になってくるかなと。  現在、想定し得る問題、課題点等がありましたら、何点かお挙げください。 ◎山重 総合交通計画部長  豊平川の南進の課題解決についてお答えいたします。  豊平川通南進の実現に向けては、地権者や市民の理解が必要なことはもちろんですが、現在は事業の成立を見きわめるための関係機関協議を進めている段階でございます。今後の主な課題の一つとして、豊平川と国道230号が近接している区間については、河川管理用通路を新たにつくる道路が重複することから、高架橋を配置することで河川や国道を管理する上での重要な機能を確保するよう課題解決策を検討しているところであります。また、自然環境への配慮が必要でありますことから、ハヤブサの営巣地がある豊平川右岸側を避け、国道230号側の左岸を活用することとしており、今後とも自然環境に配慮した道路計画が必要と認識しております。  こうした各管理者との協議、調整だけではなく、全体的な計画に対するご理解が必要なことから、北海道開発局や北海道、市の関連部局などが豊平川周辺のまちづくりについて連携を深めるために、平成19年に設立した豊平川川づくり・まちづくり連絡協議会におきましてこの計画への理解を深めるなど、計画実現に向けた取り組みを着実に進めたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  次に、札幌ドーム方面から南区に至る車の流れにつきまして、特に、羊ケ丘方面から福住・桑園通を通って水源池通で左折するコースがあるのですけれども、真駒内方面に至る交通量が非常に多いのです。私もここをよく通りますが、数年前に福住・桑園通を4車線に拡幅してちょっと流れがよくなったのですけれども、現在も福住・桑園通と水源池通の交差点のところはかなり渋滞して、1回の青信号ではなかなか通過できないようなことがしばしばございます。  これにつきましては、現在、渋滞を解消すべく関係機関との協議が進められているというふうに伺っておりますけれども、それについてお聞かせください。 ◎山重 総合交通計画部長  福住・桑園通と水源池通の交差点における渋滞対策についてお答えいたします。
     札幌市では、平成22年度に札幌市交通円滑化対策プログラムを策定いたしまして、100メートル以上の渋滞が発生している箇所での渋滞緩和対策に取り組んでいるところでございます。  ご質問の福住・桑園通と水源池通の交差点につきましては、羊ケ丘方面から福住・桑園通を左折して水源池通を通る交通量が特に多い状態でございまして、最大で200メートルの渋滞を観測しております。このため、交通円滑化対策プログラムにおいて対策が必要な箇所と位置づけ、今年度より交通量調査に基づく交差点解析などの技術的な検討や、公安委員会などとの協議を開始したところでございます。 ◆木村彰男 委員  次に、文書質問でもお尋ねしたのでございますが、札幌市の審査会の中に札幌市乗合バス路線維持審査会というのがございまして、これが、実質上、札幌市のじょうてつバス、中央バス、ジェイ・アール北海道バス、ばんけいバスという大体四つの会社の補助金等を決定する機関となっております。全体の予算というのは、もちろん議会が予算承認することになるのですが、この審査会というのがありまして、個々の会社の経常収支であるとか支出上のバランス等について事務局が作成した資料に基づいてご判断して、最終的に何億円というお金を動かす形になります。  これらの審査委員の方がいらっしゃるのですが、例えば、ある民間会社と同じ利害関係を有するような方がこの審査委員におらないのか、その可能性が全くゼロと言いにくいというふうに考えた場合、それを前提とした上で、これらの審査委員の方々の中立性、独立性、そういうものは何を担保として審議されておるのか、お聞かせください。 ◎西田 公共交通担当部長  札幌市乗合バス路線維持審査会委員の中立性、独立性についてのご質問かと思います。  札幌市乗合バス路線維持審査会は、市内バス路線の適切な維持、あるいは、補助金の適正な執行等について審議する機関でありまして、補助金の交付を受けることを予定するバス路線の運行計画とか運行実績に基づく系統ごとの補助金の額について審査しております。  審査会の委員は、民間バス事業者の重要な経営情報に接する可能性がありますとともに、全市的な観点に基づいて審査をすることが求められておりますことから、経営分野の学識者や専門家を選任しているところでございます。また、バス利用者の分野からも委員を選任しておりますが、特定の路線に利害関係を有する一般市民ではなく、公的な団体の代表者等とすることにより、中立性、独立性が担保されているものと考えております。 ◆木村彰男 委員  次に、先ほど言いましたこの審査会の委員の中に、札幌市から助成金を受けたことのある団体の副会長が入っております。この方は、バス路線を利用している方なのか、また、いかなる地域を代表しているのか、お聞かせください。  このほかに、代表となる方は、例えばほかに助成金をいただいていないような方を委員にお選びになるような選択肢はないのか、お聞かせください。 ◎西田 公共交通担当部長  先ほどお答えしましたとおり、バス利用者の分野から選任する委員につきましては、特定の路線に利害関係を有する一般市民ではなく、公的な団体の代表者等としておりますことから、特定の地域を代表しているものではございません。また、バス利用者かどうかは選任の要件とはしておりませんので、本人のバス利用の状況については承知をしてございません。  委員の選任に当たりましては、幾つかの公的団体を候補といたしましたが、そのうち、通学の足を確保するという観点から幅広いご意見をいただける団体であります札幌市PTA協議会に委員推薦を打診したところ、応諾がございましたので、同委員会の副会長に委員を委嘱したものでございます。 ◆木村彰男 委員  次に、じょうてつバスのことしの決算と営業収支、経常利益についてお聞きいたします。これは、さきの特別委員会でも質問した内容ですが、特にバス部門の赤字が幾らになっているか、数字を挙げてこれをお聞かせください。  また、それらの数字について、札幌市は、現在、どのように総括、分析されておられるのか、お聞かせください。 ◎西田 公共交通担当部長  じょうてつバスの平成23年度の経営状況等についてであります。  公開されておりますじょうてつバスの平成23年度の損益計算書によりますと、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を差し引いた営業利益は6億5,000万円、これに営業外収益費用を反映した経常利益は5億3,000万円で、当期の純利益は3億4,000万円となっております。  なお、バス事業に特化した損益につきましては、公にすることにより、法人等の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害すると認められる情報に該当いたしますので、金額等についてはお答えできかねるところでございます。  札幌市としましては、民間バス事業所の経営状況を評価する立場にはございませんが、今後とも、堅実な経営によりましてバス路線の維持がなされるよう期待しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  じょうてつバスの企業努力がわかる数字を何点か挙げまして、ここ3年の変化、例えば、利用者数がふえておるとか、広告収入、車内のつり広告等が収入増になっておるかどうか、まずそれをお聞かせいただくとともに、逆に、支出を抑制する数字、人件費であるとか燃料費とか、じょうてつバスはそういうものをどのような形で抑制しておるか、わかっている範囲でお知らせください。 ◎西田 公共交通担当部長  じょうてつバスの企業努力がわかる数字ということでありますけれども、バス事業の主たる営業基盤であります南区の人口減少や高齢化の進展によりまして厳しい事業環境が続く中、輸送人員を伸ばしておりまして、営業収益につきましても、平成23年度は前年度よりも増収となってございます。具体的に、平成21年度から23年度までの3年間の推移を申し上げますと、輸送人員につきましては、平成21年度が1,390万人、平成22年度及び23年度は1,393万人、営業収益につきましては、平成21年度が27億8,000万円、平成22年度が27億6,000万円、平成23年度が28億7,000万円となっております。  また、定量的な評価ではございませんが、じょうてつバスの経営改善に向けた取り組みとしましては、バスの系統再編とか運行水準の見直しなどを行っていると聞いているところでございます。 ◆木村彰男 委員  わかりました。  次に、HACの支援と丘珠空港ビルの運営についてお伺いしたいと思います。  昨年の決算特別委員会及びことしの予算特別委員会でもお聞きした論点でございますが、何点かお聞きしたいと思います。  まず、丘珠空港ビルの2階を札幌市が借りて展示しているにぎわい創出の費用対効果についてお聞きします。  私も、さきの財政市民委員会で視察させていただいて、前にはいつ利用したのかなと思って考えてみましたら、身内に不幸があって函館に行ったときがちょうど8年前でございまして、そのとき以来だったのですが、多少寂れたなという印象は正直言ってぬぐえませんでした。  部長は、にぎわい創出事業によって相当の効果を上げられる旨、ご答弁されていたかと思いますけれども、1年たちましてその結果はいかがか、お聞かせください。 ◎富田 空港担当部長  2階の札幌いま・むかし探検ひろば設置の効果ということでお答えさせていただきたいと思います。  札幌市が丘珠空港ビルの2階に開設しました札幌いま・むかし探検ひろばについては、昨年9月14日のオープン以降、小学校から介護施設までさまざまな団体見学を受け入れており、ことしの9月末までの団体に限った入場者数でございますけれども、3,191名となってございます。市内には、このような札幌市のまちの成り立ちなどをこれだけの規模で網羅的に紹介した施設もないことから、高評価をいただいているところでもございます。  また、札幌いま・むかし探検ひろばでは、2カ月に1回、市内のさまざまな地域にスポットを当てた地域歴史講座というものを実施しておりまして、こちらも毎回50人ほどの参加と好評でありまして、こうしたことを通じまして、少しずつではありますが、丘珠空港の周知とかにぎわい創出にも貢献しているものと考えてございます。 ◆木村彰男 委員  今年度は、新たに生島副市長が社長に就任され、そのときもおっしゃっていますし、部長も、会社の経営努力の中で、特に広告収入の増加にお触れになっておりましたけれども、前年同期比で幾らぐらいの増収になっておるのか、お聞かせください。 ◎富田 空港担当部長  広告料収入の増加についてでございますけれども、札幌丘珠空港ビル株式会社におきましては、平成22年のA−net撤退に伴う旅客者数の大幅な減少によりまして落ち込んだ広告料収入の確保に努めてきたところでございます。今年度、平成24年度ですが、新たに2件の新規契約を結んだところでありまして、平成23年度と比較いたしますと5.6%の広告料収入の増を見込んでいるところでございます。 ◆木村彰男 委員  次に、私が近隣相場より高い賃料のことをお話しした際、部長のご答弁は、あくまでもこの賃料は妥当と表現されていたと思います。ただ、ことしの契約切れを待って、ターミナルに唯一ありました食堂は撤退してしまいました。私は、もう無策のきわみと思っております。財政市民委員会でも申し上げましたが、やはり、これは収益還元法に基づく適正な家賃を提示しない限り入店するテナントはないのでありまして、この機に至ってもまだ適正だというお考えを維持されるおつもりなのか、お聞かせください。 ◎富田 空港担当部長  丘珠空港ビルの賃料に関するご質問でございますけれども、交渉ごとですので詳細については申し上げられませんが、丘珠空港ビルにおいては、現在、レストランの後継テナントの入居に向けて誘致活動を行っているところでございます。テナントを探すに当たりましては、委員からのご指摘も踏まえまして、できる限り柔軟な姿勢で誘致活動を行っている、このように聞いてございます。 ◆木村彰男 委員  ぜひ、埋めていただきたいと思っております。  それから、搭乗率を50%ぐらいにして7月以降は黒字にしていくという計画につきましてご発言があったかと思いますけれども、私は、これは絵にかいたもちだというふうに表現いたしました。部長は当時、確信を持って、私の絵にかいたもち、画餅論を否定されましたけれども、現在、現実はどちらが真実を語ったことになっているか、お聞かせください。 ◎富田 空港担当部長  HACの収支計画に関するご質問かと思います。  HACが本年7月末に策定しました修正事業計画でも、利用率を平成24年度は50.0%、25年度は53.5%、26年度は53.9%と設定いたしまして、平成24年度、25年度につきましては経常赤字となりますものの、平成26年度からは経常黒字に転換するとしているところでございます。  修正事業計画が策定されましてから2カ月が経過したところでございますが、8月の利用率は50.8%、9月の利用率は、速報値でございますけれども、50.4%と50%台で推移しているところでございます。また、月ごとの収支の状況についてでございますが、7月が2,300万円、8月が2,100万円の経常赤字となってございます。(「黒字」と発言する者あり)  経常黒字となっているところでありまして、9月以降も今後の動向について注視してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆木村彰男 委員  黒字と赤字では大きな違いでございますので、ご認識はしっかりしていただきたいと思います。  最後に、重大インシデントの件についてお聞きします。  重大インシデントについては、この場においても何回も議論されたところでございますが、まず、原因調査につきましては最終結論を得たのでございましょうか。  私の認識によりますと、乗務員といいますか、パイロットに責任を負わせるようなことになっているかと思うのでございますけれども、組合も反発をしており、そのようなことについて最後にお聞かせください。 ◎富田 空港担当部長  平成23年、去年ですが、6月4日に発生しました重大インシデントの原因調査に関してでございます。  現在、国土交通省の運輸安全委員会が調査中でございます。また、HACとしても、東京航空局からの事業改善命令を6月末に受けていますけれども、昨年7月に、安全運航に係る体制の確立と運航乗務員の技量管理の徹底を柱とした再発防止策を打ち出しており、現在もこうした取り組みを確実に継続的に実施しているところでございます。  また、先ほどの事故原因の調査ですが、昨年の9月に調査の進捗状況が報告されておりますけれども、今後、運輸安全委員会から最終報告がなされるもの、このように伺っているところでございます。 ○山田一仁 委員長  以上で、第4項 都市計画費の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了します。  次回の委員会ですが、10月25日午後1時から、市民まちづくり局のうち地域振興部及び市民生活部関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後6時42分...