開議宣告(終了)
一般質問(続行し,10日も続行)
次会の開議通知(10日午前10時開議を宣告)
散会宣告(終了)
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出 席 議 員 氏 名
1番 岡 村 和 明 2番 川 本 和 弘
3番 田 中 勝 4番 並 川 雄 一
5番 川 村 真 治 6番 石 田 祥 子
7番 川 口 茂 博 8番 水 野 考
9番 平 岡 優 一 10番 椋 木 太 一
11番 吉 瀬 康 平 12番 山 本 昌 宏
13番 山 内 正 晃 14番 碓 氷 芳 雄
15番 海 徳 裕 志 16番 木 戸 経 康
17番 山 路 英 男 18番 森 畠 秀 治
19番 石 橋 竜 史 20番 平 野 太 祐
21番 定 野 和 広 22番 伊 藤 昭 善
23番 桑 田 恭 子 24番 近 松 里 子
25番 大 野 耕 平 26番 西 田 浩
27番 渡 辺 好 造 28番 豊 島 岩 白
29番 宮 崎 誠 克 30番 八 條 範 彦
31番 母 谷 龍 典 32番 三 宅 正 明
33番 八 軒 幹 夫 34番 馬 庭 恭 子
35番 竹 田 康 律 36番 藤 井 敏 子
37番 中 原 洋 美 38番 太 田 憲 二
39番 若 林 新 三 40番 今 田 良 治
41番 佐々木 壽 吉 42番 元 田 賢 治
43番 谷 口 修 44番 永 田 雅 紀
45番 金 子 和 彦 46番 木 山 徳 和
47番 沖 宗 正 明 48番 中 森 辰 一
49番 碓 井 法 明 50番 山 田 春 男
53番 木 島 丘 54番 藤 田 博 之
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欠 席 議 員 氏 名
51番 中 本 弘 52番 児 玉 光 禎
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職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
事務局長 石 田 芳 文 事務局次長 松 坂 康 雄
議事課長 小 田 和 生
議事課課長補佐主任事務取扱
吉 川 和 幸
議事課主査 村 田 愛一朗
議事課主査 小 崎 智 之
外関係職員
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説明のため出席した者の職氏名
市長 松 井 一 實 副市長 小 池 信 之
副市長 及 川 享
危機管理担当局長岩 崎 学
企画総務局長 荒神原 政 司 財政局長 古 川 智 之
市民局長 杉 山 朗
健康福祉局長 山 本 直 樹
健康福祉局保健医療担当局長 こども未来局長 森 川 伸 江
阪 谷 幸 春
環境局長 重 村 隆 彦
経済観光局長 津 村 浩
都市整備局長 中 村 純
都市整備局指導担当局長
谷 康 宣
道路交通局長 加 藤 浩 明 下水道局長 油 野 裕 和
会計管理者 金 森 禎 士 消防局長 勝 田 博 文
水道局長 友 広 整 二
監査事務局長 大 杉 薫
財政課長 後 藤 和 隆 教育長 糸 山 隆
選挙管理委員会事務局長 人事委員会事務局長
橋 場 聡 子 仁 井 敏 子
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午前10時02分開議
出席議員 50名
欠席議員 4名
○
佐々木壽吉 議長 おはようございます。
出席議員50名であります。
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開議宣告
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○
佐々木壽吉 議長 これより本日の会議を開きます。
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会議録署名者の指名
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○
佐々木壽吉 議長 本日の
会議録署名者として
8番 水 野 考 議員
18番 森 畠 秀 治 議員
を御指名いたします。
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日程に入る旨の宣告
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○
佐々木壽吉 議長 これより日程に入ります。
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△日程第1 一般質問
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○
佐々木壽吉 議長 日程第1,昨日に引き続き一般質問を行います。
発言通告者に順次発言を許します。
13番
山内正晃議員。
〔13番
山内正晃議員登壇〕(拍手)
◆13番(
山内正晃議員) おはようございます。
市民連合の山内正晃でございます。会派を代表して一般質問を行います。しばらくの間,御清聴のほどよろしくお願いいたします。
まず,
公共交通網の整備についてお尋ねします。
公共交通は,いろいろな形でつながることが理想であると考えます。
人口減少社会が到来する中で,自分だけがよければという発想では事業としても交通機関としてもますます存続が困難になってくると思うからです。ほかの自治体の事例を見てみますと,特定の交通路線に集中投資をした結果,そのほかの公共交通の利用者が減り,結果的に
公共交通網全体が疲弊しているという事例も目にします。一つの路線の利便性を向上するためには,隣の路線,つまり路線と路線との接続についても利便性の向上策を併せて考えることが大事だと考えます。もちろん利用者が多い基幹路線により多くの資源が配分されるということは,経営判断や行政判断としてあるとしても,市域全体に公共交通の利用者がいることに配慮をし,バランスよく資源を配分していくことも大事だと考えます。
さて,バス路線において,本市においては2016年に
地域公共交通網形成計画,現在の
地域公共交通計画を作成され,第1版,第2版の
地域公共交通再編実施計画を策定・実現し,路線の拡充などを進めていただいているところであり,この取組の進展に引き続き期待をしているところです。
そこで,現在,
地域公共交通計画については,次期の計画素案が検討されているところと伺っております。そこでお尋ねをします。次期の
地域公共交通計画の素案について,どのような取組状況でしょうか,改定の時期を含めてお答えください。
また,市北部において,新
安佐市民病院開院に伴う
北部バス路線の再編に取り組んでいただいております。
北部バス路線の再編は,新
安佐市民病院の開院に向けて地元との合意事項の一つであり,長年取り組まれてきた経過がありますが,いよいよ5月1日の開院予定日まで残された期間は5か月を切りまして,詰めの段階に入っていると思うところです。昨日もこの件について一般質問がなされたところであります。この
北部バス路線再編計画のうち,新規路線であります高陽地区と新
安佐市民病院とを結ぶ路線並びに既存の広島交通弘億線によって形成される路線網については,JR可部線のあき亀山駅,河戸帆待川駅,緑井駅,
アストラムラインの安東駅,
JR芸備線の安芸矢口駅を経由する計画になっており,バスとJR,
アストラムラインが接続をされるということになります。公共交通の利用促進,利便性の向上という点で,相乗効果が生まれることを期待しています。
さて,こうした交通結節点のうち,
JR安芸矢口駅前についてお尋ねします。
JR安芸矢口駅前については,既存のバス停が活用されるということであり,スタートとしてはこれがベストの方策というふうに思っておりますけれども,当該既存のバス停は駅から約50メートル程度離れております。将来的には
安芸矢口駅前を
ロータリー整備していただき,バス停を駅の直近に移設していただくことで,より利便性の向上を図っていただきたいと考えています。また,1日の便数は限られているとはいえ,路線バスが運行されることになります。現在整備中である,
矢口安古市線の安芸矢口駅付近から県道広島三次線矢口三差路交差点までの1工区に続きまして,安芸矢口駅付近から,はすが
丘団地南口交差点までの2工区の拡幅も進めていく必要があると考えています。
そこでお尋ねします。現在,
矢口安古市線1工区の整備は矢口三差
路交差点付近の工事を残すのみとお聞きしています。引き続き,2工区の整備と
安芸矢口駅前の
ロータリー整備をしていただくことが地元の願いであり,ぜひとも整備を進めていただきたいと考えていますが,今後どのように取り組まれようとしているのでしょうか,お尋ねをします。
続きまして,
JR芸備線の活性化についてお尋ねします。
公共交通機関を存続していくためには,行政と事業者だけでなく,住民の協力や熱意も大切になります。公共交通,とりわけローカル線の存続は社会的な課題であり,行政と事業者だけではなく,みんなで考えることも必要だと考えます。
本年7月には,白木地域の自治連から4,838筆の芸備線の利便性向上を求める署名が広島市に対して提出されました。この署名は,白木町の自治連の皆様が主体的に取り組まれた活動であり,署名に書かれているお名前のうち,7割から8割ぐらいは地元住民の署名であったと署名提出者の方からお聞きしています。白木町の人口は現在約7,500人であり,署名の筆数が4,838ですから,白木町にお住まいの方の半分以上の方が署名に賛同されたものと推定をします。私としましては,この署名はまさに芸備線の存続は地域の願いであるということ,そして存続に向けて地域も一緒になって取り組んでいくという熱意が示されたものと感じております。
この署名提出を受けて,
芸備線全線運転再開2周年に当たる10月23日には,私も参加をさせていただきましたけれども,
芸備線おもてなしイベントとして,志和口駅の周辺でフォトジェニックののぼり旗の設置,また,白木町井原のやまこうばし広場でイベントが実施され,井原市駅と志和口駅と会場をバスで送迎し,芸備線で来られた方に御来場いただくなど,約500名もの人が集まって大盛況であったというふうにお聞きしております。地元からは,イベントを開いてとてもよかった,自分たちが動けば周りも協力をしてくれることが分かったというお声も聞いており,まさに地元の熱意が表れたとてもよい事例であったというふうに思っております。
こうした取組をぜひとも持続し発展させていくためには,同様の志を持つ地域同士が連携をして,互いに芸備線を利用して行き来するような仕掛けへと発展させていくのがよいのではないかと考えています。この点につきまして,市の考えをお尋ねします。
続きまして,平和行政の推進についてお尋ねします。
2020ビジョンに続く
平和首長会議のビジョンであります
PXビジョンについてお尋ねします。
PXビジョンは英語名では「Vision for Peaceful Transformation to a Sustainable
World」であり,「持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン」と訳されます。三つの柱として,核兵器のない世界の実現,安全で活力のある都市の実現,平和文化の振興が掲げられています。私としては,この新ビジョンはこれまでの取組が網羅して挙げられており,体系的に整理されたものとなっていると感じております。このビジョンを掲げ,核兵器廃絶の取組が加速することを期待しているところです。
さて,柱の一つであります平和文化の振興の中には,次世代の平和活動を担う青少年の育成に取り組まれる方針が示されています。若者が核兵器廃絶と平和社会の実現に取り組んでいくためにも,平和を発信すること,考えることがごく当たり前にできるように平和文化を根づかせていくことは大切な責務であり,そのためには次世代を担う青少年の平和に関する意識を醸成していく取組を,一層強化していく必要があると感じています。もちろん
平和首長会議や本市におかれましては,これまでも子どもたちによる“平和なまち”
絵画コンテストや,核軍縮のための国際会議への青少年の派遣事業などに取り組んでこられているところであります。
私が小学生の頃は,戦争経験者が身近にいらっしゃいました。日常的に戦争体験を直接お聞きすることができました。個人的には,学校で学んだことだけではなく,生活の中で祖父,祖母から聞かせてもらった戦争体験の話が強く印象として残っています。直接お聞かせいただいた生々しい戦争体験が,まさに言葉では表現し切れない痛みとして聞く側にも伝わり,戦争や核兵器の恐ろしさを感じたという人は,私の世代には多いのではないかと思います。言わずもがな,現在の子供たちは,私たちの世代に比べてこうした機会は激減しています。そして,近い将来には,子供たちは被爆体験や戦争体験を直接聞くことができなくなります。私が感じたのと同じように,戦争体験者の痛みや苦しみを自分の子や孫は感じてくれるのだろうか,もしかするとそれは難しくなるのかもしれないという思いも脳裏によぎります。時代の流れとともに,戦争の恐怖と戦争はあってはならないものだという思いが薄れていってしまうのではないかという懸念です。
一方で,時代の流れとともに光明もあります。それは,言葉の障壁や文化について相互理解が進む環境になってきたことです。私が子供だった頃には遠い異国であった海外諸国も,ITやオンラインの発展を通じて,もはや遠い国ではなくなりました。高額な経費をかけて海外に出かけなくともほぼ無料で海外の友人と対話ができます。言葉についても,英語が当たり前のように話せる日本人も増えてきました。次世代を担う青少年には,戦争や核兵器の恐怖を知ってもらうとともに,国と国との間に発生する摩擦を超えて,人種や国籍は違えど同じ人間なのだという相互理解が浸透していくことも,平和な世界を紡いでいく上で大切なことだと考えます。
そこでお尋ねします。各国の若者同士で戦争や平和について語り合うウェブ会議など,オンラインを活用した取組をより積極的に取り入れてはいかがでしょうか,お考えをお聞かせください。
そして,こうした平和文化の醸成を進めていく上で,強力な後押しとなっているのが
平和首長会議の
加盟都市拡大の取組であります。自分が住んでいる自治体が
平和首長会議に加盟しているかどうかは,自治体に住む市民にとって平和の課題を考える上で大きな違いになると思います。世界の加盟都市の拡大は,1万都市を目指している中,現在8,059都市まで増えたとお聞きしているところですが,加盟都市の拡大において
平和首長会議ではどのような取組をされているのでしょうか,お尋ねします。
続きまして,災害に強いまちづくりについて,復旧工事と
地域コミュニティー活性化による共助の取組の推進の観点から質問いたします。
本市においては,近年,豪雨による災害が頻発していることから,災害に強いまちづくりの取組が重要であるということは,衆目の一致するところだと思います。災害に強いまちを実現していくためには,河川改修や急
傾斜地崩壊対策,建築物や水道,下水道などインフラの耐震化など,ハード整備に加えて,住民の間に防災意識が根づいていくことなど多様な要素が含まれていることから,幅広い施策が求められています。
まず,復旧工事についてお尋ねします。
災害復旧事業の進捗は,まだ道半ばではありますが,本市においては着実に進めていただいているものと認識しています。市民の命を守るために実施していただいている
災害復旧工事ですが,同時に市民の財産に直結することでもありますので,周辺にお住まいの市民の理解と納得を十分に得た上で実施していただくことが大切であり,そのためには地元住民への説明と周知が必要です。この点,本市におかれましては,十分な取組をしていただいていると認識はしておりますけれども,改めてしっかりと取り組んでいただきたいと願っているところであります。
そこでお尋ねします。
災害復旧工事において,地元への説明と周知について,本市はどのように取り組まれておられるでしょうか,お尋ねします。
また,河川の保全においては,
コンクリートで固めるだけではなく,自然環境,景観,歴史,文化などの観点を踏まえ,生物の生息や生育,繁殖環境を保全しつつ,地域の暮らしや歴史,文化などと根づいた取組とすることが求められています。
コンクリートによる河川復旧は,強度の面では優れていることは間違いありませんが,長期的な視点では,自然との共生型の河川の保全が大切ではないかと考えます。本市における
河川復旧事業においても,こうした視点を持って復旧に当たっていただきたいと考えます。
お尋ねします。河川の護岸等の復旧工事においては,自然に配慮した工法でできるだけ復旧をしていただきたいと考えています。本市はどのように考えておられるでしょうか,お尋ねします。
続きまして,
地域コミュニティーの活性化について質問いたします。
減災のためには,まずは住民に自発的に避難行動を取っていただくことが大切であり,
市民個人個人の適切な避難行動を促すという点について,広島市においては,避難行動をサポートするアプリの開発,
災害対策基本法の改定を踏まえた
避難情報発令の見直しや,国や県への働きかけによる
土砂災害警戒情報の発表区域の見直しなど,避難情報をはじめとした
各種防災情報を我が事として受け止めていただくための取組を進められているところであります。こうした自助に加えて助け合い,つまり共助の取組が必要ということも市民の中では認識としては共通認識であろうと思いますが,実際に取り組む上では,まだまだ道半ばでありますし,これから進めていく上でも困難さをはらんでいるのではないかと個人的に思っているところです。なぜなら,共助の担い手である
地域コミュニティー自体が担い手不足という大きな課題を抱えているからです。
自治会・町内会や
自主防災会などの地域団体においては,相当な御尽力をされておりますし,また,行政からも様々な働きかけを実施していただいているということは分かっておりますが,自治会・町内会の加入率が基本的には低下傾向にあり,日常的な地域行事の担い手すら不足している中,危険を伴う災害時の共助に取り組もうという意欲のある人,また実際に取り組める人が限られているのも実情であると思います。地域によっては一部の人が複数の役割を担っておられるケースもあります。例えば自治会役員,
地区社協役員,
自主防災会役員,そのほかの団体の役員などを同じ方が担われているような状況さえも見受けられます。
共助の担い手を育成していくには,まずは既存の
地域コミュニティーを活性化し,担い手の裾野を広げていくことが必要であり,そのためには,私は自治会や
自主防災会に加えて地区社協やNPO団体,各種団体など幅広い地域団体の協力を得ていくことが必要と考えます。現在,広島市では,
地域コミュニティーの活性化のための懇談会を実施されており,懇談会の議事録を読ませていただいたところ,大変よい取組と思っております。懇談会の委員の方々からも指摘が出ているように,自治会や町内会の成り立ちや活動の実態は地域によって千差万別であります。例えば人口が密集している地域では,2,000世帯を超える大規模団地を一つの自治会で運営されているケースもありますし,
マンション住民による自治会組織もあります。一方で,中山間地域では,三,四軒の世帯で一つの自治会が形成されているケースもあります。また,数十から100前後の世帯が町内会を形成し,そうした町内会が複数集まって連合町内会を形成されているケースもあります。また,地区社協と自治会の関係性においても,地区社協を自治会が包含しているケースもありますし,地区社協と自治会はあくまでも別組織として活動が実施されているケースもあり,こちらも多種多様な状況と言えます。こうした事情を踏まえると,
地域コミュニティーの協力体制については,既存の体制の長所と成り立ちの経緯を生かしながら,新たな協力団体が融和して
コミュニティーを活性化していくことが望ましいと考えます。こうした点を踏まえつつ,ぜひとも地域に喜ばれるビジョンに仕上げていただきたいと考えます。
そこでお尋ねします。本市は,広島市
地域コミュニティ活性化ビジョンの策定に取り組まれており,その中で既存の地域団体とNPO等との連携による新たな協力体制を示されていますが,この新たな協力体制にはどのような政策効果を期待されているのでしょうか。
また,新たな協力体制の運営・構築に当たっては,実効的かつ具体的な支援が必要だと考えます。本市はどのようにお考えでしょうか,お尋ねします。
続きまして,最後の項目になります。市職員のワーク・ライフ・バランスの促進と
会計年度任用職員の処遇改善についてお尋ねします。
本市では,ワーク・ライフ・バランスの取組を進めていただいているところです。ワーク・ライフ・バランスとは,少子化・高齢化社会の中で,朝から晩まで仕事という生活ではなく,自分のための時間,あるいは家族との時間も確保しながら,ワークとライフを調和させていくことを意味していると考えますが,とりわけ自治体行政を担っておられる方々には,仕事をしっかりと全うしていただくということはもちろん,一市民としての生活も大事にしていただくことが,住民目線での行政サービスの提供につながると私は考えています。そのためには,仕事にめり張りをつけ,家庭生活との調和を図っていくという意識を市職員の方々に持っていただくことが大事であるとともに,それに対応する制度の整備も必要であると考えています。
そこで,まず,年次有給休暇取得の促進についてお尋ねします。
本市では,取得率の向上に向けて取り組まれているとは思いますが,この取組をしっかりと引き続き行っていただきたいと思います。
まずお尋ねします。全庁的な年次有給休暇の取得促進について,本市はどのように取り組まれているのでしょうか。
また,社会全体において,女性の活躍が必要であり,広島市においても広島市職員の女性活躍・子育て支援推進プランを策定し,施策を進めておられます。女性が社会で活躍していただくには男性が家事・育児に加わることは欠かせないことだと思っています。私自身も子育てに参加をすることで学ぶことがたくさんあります。ぜひとも市男性職員の育児休業の取得に取り組んでいただきたいと思います。
そこでお尋ねします。男性職員の育児休業取得について,職員への意識啓発にはどのように取り組んでおられるでしょうか。
また,男性職員の育児休業の取得率について,私が2018年6月の一般質問で質問させていただいたときは,本市の男性職員の育児休業の取得率はまだ高いとは言えない状況にありましたが,男性の育児休業の取得促進には取り組んでいかれるという御答弁でありました。
そこでお尋ねをします。男性職員の育児休業の取得率は上がっているのかどうか,御答弁を願います。
続きまして,
会計年度任用職員の処遇改善についてお尋ねします。
会計年度任用職員制度は,臨時職員や嘱託職員を一元的に制度化するものとして約1年半前に始まり,正規ではなくとも自治体の行政サービスを担っていただいている職員の方々の処遇改善が目的でありました。現場からは,休暇取得がしやすくなったなど,この制度のよい面も指摘されています。一方で,
会計年度任用職員制度という言葉には,会計年度ごとの任用であるということがその名で明示されております。ほかの自治体のケースではありますが,任用の打切りが起きているというケースも耳にします。本市におきましては,
会計年度任用職員として働かれている方は,保育士,児童館指導員,事務補助職など,多様な職種において任用されており,約6,000人に上るとお聞きしております。行政サービスを安定的に市民に提供していくためには欠かせない重要な方々であり,私としては継続的な任用が大事だと考えています。
そこでお尋ねします。本市は,
会計年度任用職員の継続的な任用についてどのように考えておられるでしょうか。
また,
会計年度任用職員においては,フルタイムの勤務とパートタイムでの勤務の二つのケースがあります。フルタイム勤務とは,週の勤務時間が38時間45分であります。パートタイム勤務はそれ未満という点が異なり,また,処遇面についても幾つか異なる点があります。いずれの
会計年度任用職員の仕事においても,経験の蓄積が物を言う仕事であり,真面目な方に長く勤めていただくことが本市の行政においても有益であると考えますが,処遇面においては課題があると考えています。例えば本市では,
会計年度任用職員制度導入前の臨時職員から,導入後に事務補助職員になられた方の場合,時給ベースでは処遇改善になっているのですが,一日の勤務時間が7時間45分から5時間45分と変わったことから,月収ベースでは手取り10万円に届かないというケースもあると聞きます。もちろん
会計年度任用職員は兼業などができるため,別途,収入を得ることは制度上可能であるということは理解しますが,実態として厳しい環境にあることは間違いないと思います。重要な行政サービスを担う職員に対して,これが正当な評価なのだろうかという思いもあります。できる限りの改善が必要ではないかと考えます。
そこでお尋ねします。本市は,パートタイムの
会計年度任用職員の処遇の在り方についてどのように考えておられるでしょうか。
また,処遇面の課題について,具体的な点をもう一つ挙げますと,
会計年度任用職員においては,期末手当は支給されることとなりましたが,勤勉手当が支給されないという制度上の課題があります。勤勉手当は,民間給与でいえば考課査定部分に相当するものであります。つまり,働く人の業務への貢献度や技能の習熟度を考慮して支給される手当に該当します。
会計年度任用職員において勤勉手当という制度がないということは,働く人の業務の貢献や技能が評価される仕組みがないとも言えるのではないかと考えます。この点について,法律上,決まっていることとはいえ,働く立場から見れば不合理な制度設計になっていると感じます。本来は法律の改正を求めていくことが必要であり,本市においても問題意識を持っていただいているとは思いますが,お尋ねをいたします。
勤勉手当が
会計年度任用職員に支給されないことについて,本市はどのように考えておられるでしょうか,答弁を願います。
以上で一般質問を終わります。御清聴,誠にありがとうございました。(拍手)
○
佐々木壽吉 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 山内議員からの御質問にお答えします。
災害に強いまちづくりのうち,
地域コミュニティーの活性化についての御質問がございました。
近年多発する自然災害に対応し,地域の防災力を強化するためには,自分の命は自分で守る自助,自分たちの地域は自分たちで守る共助,行政機関による公助の一体的な機能発揮が求められているところであります。このうち共助については,市民と行政が一丸となって取り組める体制とすることはもとより,町内会・自治会など,特定の地域団体のみならず,自主防災組織など地域の様々な主体が共助の精神に基づき,適切な役割分担の下で携わっていただくことで,災害時のみならず,平常時においても,よりその効果が発揮されます。
現在策定中のビジョンでは,「自分たちのまちは,自分たちで創る」との基本的な考え方の下,市民主体のまちづくりを進めていくため,地域の実情に応じて,おおむね小学校区ごとに地区社会福祉協議会や連合町内会・自治会等が中心となって,既存の地域団体やNPO,協同労働団体,企業,商工会など多様な主体が連携する新たな協力体制を整えてみてはどうかと考えております。この地域の実情に応じた多様な主体の連携は,地域の防災力強化をはじめとする様々な地域課題の解決に資することはもとより,新たな担い手の発掘・育成,地域特性に応じた活動,さらには活動基盤の強化にもつながるものと考えています。この新たな協力体制が地域を代表する組織として行政に対しては,地域課題の情報提供や支援活動の提言を行い,その一方で,行政は能動的に地域課題を把握・分析し,柔軟な活動支援を行っていくことで,これまでの行政主導型から市民・行政協働型の公共サービスの提供につながるものと考えています。
この新たな協力体制の構築,運営に当たっては,本庁が中心となって区役所の地域起こし推進課などや,さらには市社協,区社協とも連携・協力体制を取りながら支援していきたいと考えています。具体的には新たな協力体制の構築に当たっては,例えば地域からの求めに応じてコーディネーターを派遣することや,必要となる経費の一部を補助することなどを考えております。また,新たな協力体制の運営に当たっても,例えば,町内会・自治会会費からの収入など,様々な財源を会計処理する場合のお困り事の相談には税理士などその分野の専門家を派遣することを考えております。このように,ヒト・モノ・カネ・デジタル化といった観点から様々な支援策を検討しているところであり,現在策定中のビジョンでお示ししたいと考えています。こうして策定したビジョンを市民に分かりやすくお示しするとともに,議員各位の御理解も得ながら,住民同士が支え合い,安全・安心に暮らすことができる持続可能な
地域コミュニティーの実現を図ってまいりたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○
佐々木壽吉 議長 下水道局長。
◎油野裕和 下水道局長 災害に強いまちづくりのうち,復旧事業についての二点の御質問についてお答えいたします。
まず最初に,
災害復旧工事における地元への説明,周知について,どのように行っているのかについてです。
災害復旧工事の地域住民への周知については,町内会の御協力の下,工事期間や受注者等を記載したお知らせ文などを回覧することを基本としています。その上で,復旧期間が複数年にわたり,この間,日常生活において不便が継続する橋梁の復旧や,営農に影響を及ぼす農業用水路が設置された河川護岸の復旧などについては,適宜,地元説明会を開催するなどにより周知に努めてきたところです。
次に,河川の護岸等の復旧工事について,自然に配慮した工法でできるだけ復旧してほしいがどうかについてです。
河川における災害復旧については,国が策定した美しい山河を守る災害復旧基本方針で示されている多自然川づくりの考え方に基づき,再度災害への備えだけでなく,従前から有している河川環境の保全を図ることになっており,この基本方針に基づき本市が管理する普通河川について復旧工法を決定しています。具体的な復旧工法としては,河川幅が狭く,勾配が急である場合が多いことを考慮し,再度,災害防止に必要な
コンクリートの河床に現地の石を不規則に埋め込むことや,護岸の水際部に現地の石を置くなどを採用しており,生物の生息・生育・繁殖環境や多様な河川景観の保全につなげています。残る河川の災害復旧についても,こうした自然環境に配慮した復旧に努めてまいります。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長
道路交通局長。
◎加藤浩明
道路交通局長 公共交通網の整備について,三点の御質問に順次お答えいたします。
まず,バス路線網の整備に関して,次期
地域公共交通計画素案の取組状況と改定の時期についてです。
地域公共交通計画については,今年度で計画期間が終了するため,昨年9月から学識経験者,地域公共交通の利用者代表,関係行政機関等で構成される協議会において議論を重ねているところであり,来年1月には計画素案を取りまとめ,議会にもお示しした上で,今年度中に改定を行います。
改定に当たっては,不便な路線・ダイヤや画一的な運賃などが見直し可能となる運賃プール制の導入のほか,複数の移動手段を最適に組み合わせて一つのサービスとして提供するMaaSの推進など,地域の移動ニーズにきめ細かく対応できる施策について新たに盛り込むこととし,利用者にとって分かりやすく使いやすい持続可能な公共交通体系の構築に向けて,着実に取り組んでいきたいと考えています。
次に,交通結節点の道路整備に関して,
矢口安古市線2工区と
安芸矢口駅前ロータリーの整備に今後どのように取り組んでいくのかについてです。
県道
矢口安古市線は,主要地方道広島三次線から
JR安芸矢口駅前や太田川に架かる安佐大橋を経由し,安佐南区安古市地区の国道183号を連絡する主要な道路で,現在,広島三次線から
JR安芸矢口駅前までの拡幅整備を進めているところです。議員御質問の2工区については,来年5月には新たなバス路線となることなどを踏まえ,できるだけ早い時期に実施設計に着手したいと考えています。
また,
JR安芸矢口駅前の
ロータリー整備については,当駅が芸備線の中で最も利用者が多く,バスなどの交通を円滑に処理する必要があると考えており,現在,整備に必要な用地の一部を所有するJR西日本と協議を行っているところです。今後も引き続き,JR西日本やバス事業者と協議を行うとともに,地元の皆様の声をしっかり聞きながら検討を深めてまいりたいと考えています。
最後に,
JR芸備線の活性化に関して,今回の井原地区でのイベントのような取組を持続し,発展させていくためには,同様の志を持つ他の地域同士が連携し,互いに行き来するような仕掛けへと発展させていくのがよいと思うが,どう考えているかについてです。
芸備線おもてなしイベントは,本市も含めた芸備線沿線4市で構成する芸備線対策協議会が利用促進と地域の活性化に向けた担い手を育む視点の下,全線運転再開1周年を記念して昨年度より実施しているものです。このイベントは,芸備線を利用して楽しみながら巡ってもらおうと四つの駅で同日開催したもので,本市の井原市駅付近では,地域が力を入れているパラグライダーなどのスカイスポーツをテーマに,地域の皆さんの熱烈な歓迎の下,地域外から訪れた多くの人によって会場は大盛況となりました。この経験を基に,今後は,単に自分たちが主催するイベントに来てもらうだけでなく,そこに生まれた人の流れを他の沿線イベントや観光資源などにつなぐことで,相乗的ににぎわいを創出する仕掛けに取り組むこととしています。
その一例として,今年度から芸備線から福塩線,山陽本線を経由して呉線へとつながるJR在来線の大きな「環」に活動を広げ,その沿線自治体と連携した沿線魅力情報誌の発行や,芸備線・福塩線の70駅を対象とした駅カードを発行し,その駅や周辺商業施設と連携して列車で現地を訪れた人に配布するなどの取組を展開しているところです。今後は,こうした沿線自治体との連携を組織化することにより,芸備線などの鉄道ネットワークによって地域同士が互いに行き来し,循環するような取組へと拡大していきたいと考えています。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 市民局長。
◎杉山朗 市民局長 市民社会とともに取り組む平和行政についての御質問にお答えをします。
まず,一点目として,各国の
平和首長会議加盟都市の若者同士で戦争や平和について語り合うウェブ会議など,オンラインを活用した取組などをより積極的に取り入れてはどうかについてです。
議員御指摘のとおり,核兵器のない平和な世界の実現に向けて,次代を担う若い世代の平和意識を醸成することは大変重要であると考えており,
平和首長会議が「持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン」,略称
PXビジョンの下で取り組む2025年までの行動計画において,次代の平和活動を担う青少年の育成に取り組むことにしています。
平和首長会議では,昨年度から,各加盟都市における青少年が主体となった平和活動を活発化するため,各国の青少年が行っている核なき世界に向けた平和活動をオンライン上で相互に発表し合い,視聴者も含めて意見交換等を行う平和教育ウェビナーを実施しています。今後は,この平和教育ウェビナーを核兵器廃絶だけでなく,戦争体験の継承などもテーマとして実施することなどにより,さらに充実していきたいと考えています。
こうした取組を通じて,次代を担う若い世代が被爆や戦渦の実相についての理解を深めるとともに,言語,文化,民族などの違いを超えた同じ人類の一員であるとの同朋意識を育み,共に平和な世界を目指していこうとの思いを確かなものにできると期待しています。
二点目として,
平和首長会議加盟都市の拡大について,1万都市の加盟を目指している中,現在,8,059都市に拡大したが,
平和首長会議ではどのような取組を行っているのかについてです。
平和首長会議では,
PXビジョンの下で継続的に取組を展開していくためには,持続可能な組織づくりを推進することが不可欠であることから,2025年までの行動計画において,加盟都市の拡大を取組の一つとして掲げ,1万都市加盟を目指して取り組んでいます。昨年度は
平和首長会議事務局からの要請に基づき,ドイツのハノーバー市やベルギーのイーペル市などのリーダー都市の働きかけや,駐日ボスニア・ヘルツェゴビナ大使など平和記念式典に参列された駐日大使による呼びかけを行った結果,157都市が加盟しました。また,国内の未加盟都市に対しては,事務局から継続的に加盟要請を行っており,現在では基礎自治体の99.7%が加盟するに至っています。コロナ禍の中で,要人の広島訪問や海外出張の際に市長が行う,加盟要請等の対面での取組が難しい状況が続いていますが,駐日大使館を介した働きかけのほか,リーダー都市など世界各地の地域事情に通じた
平和首長会議関係者との連携を密にすることにより,加盟都市の拡大に努めてまいります。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長
企画総務局長。
◎荒神原政司
企画総務局長 市職員がいきいきと働ける環境づくりのうち,ワーク・ライフ・バランスの促進について,二点の御質問にお答えいたします。
まず,全庁的な年次有給休暇の取得促進にどのように取り組んでいるのかについてです。
国は,ここ数年,働き方改革に係る施策を進めているところですが,本市においては,これに先んじて職員のワーク・ライフ・バランスの実現に向けて,所属長の意識改革と職場風土の醸成にポイントを置き,時間外勤務の縮減や男性職員の育児休業等の取得促進など,本市職員の意欲を高め,能力を十分に発揮できる良好な職場環境づくりに取り組んでまいりました。こうした考え方の下,年次有給休暇については,積極的な取得を促しており,所属長に対して職員が休日や夏季休暇などとの連続休暇,連続取得を行えるよう,また,年間の取得目標日数を設定し,計画的に取得するよう配慮することについて,毎年度,全ての所属長を対象に実施している研修などにより呼びかけています。こうした取組により,市長事務部局における年次有給休暇の平均取得日数は,5年前の平成28年度は11.5日であったものが昨年度,令和2年度においては12.7日と増加傾向にあり,着実に効果が現れてきています。今後も,引き続き,こうした取組を継続するとともに,職員の適正配置に努めるなど,関係者とも協議しながら年次有給休暇を取得しやすい職場環境づくりに意を用いてまいります。
次に,男性職員の育児休業取得に向けた職員の意識啓発にどのように取り組んでいるのか,また,男性職員の育児休業取得率は上がっているのかについてです。
先ほど申し上げた良好な職場環境づくりの一環として,男性職員の育児休業についても所属長をはじめ,職員の意識啓発や制度に関する理解促進に取り組んでまいります。まず,全ての所属長に対して,毎年度,育児休業や子育て支援に関する研修を実施する一方で,全ての職員に対しては子育て支援制度の内容をまとめたハンドブックを配布するなど,制度の周知に努めています。また,3歳未満の子供のいる職員の所属長に対しては,子育てのための休暇等を計画的に取得するための育児支援制度利用プランを当該職員に作成してもらい,そのプランに基づいて面談を実施するなど,育児休業等の取得の働きかけや業務分担の見直しなどに取り組んでもらうよう徹底を図っています。さらに,庁内LANの掲示板で育児休業や子育てに関する休暇の取得検討を広く呼びかけるとともに,子供が生まれた男性職員及びその所属長に対しては,電子メールで個別にこうした休暇等の取得を促しています。
この取組により,市長事務部局における男性職員の育児休業の取得率は,5年前の平成28年度は8.7%であったものが,昨年度,令和2年度においては30.8%となっており,着実に向上し効果が現れてきています。今後も,引き続き,男性職員の育児休業等の積極的な取得を促進してまいります。
続きまして,
会計年度任用職員の処遇改善について,三点の御質問に順次お答えいたします。
まず,他の自治体では,行政サービスの効率化の名の下に,
会計年度任用職員の任用の打切りが起きているケースを耳にする。
会計年度任用職員の継続的な任用についてどのように考えるかについてです。
会計年度任用職員については,客観的な能力の実証を経て,再度任用することが可能とされている中で,本市を除く他の政令指定都市全てにおいて,再度の任用に当たり5年程度の上限を設けているところです。本市では,従来の非常勤職員と同様に,勤務成績が良好である場合,65歳到達年度まで再度任用することが可能な制度としており,任用の打切りといったことはありません。
次に,
会計年度任用職員,パートタイムの処遇の在り方についてどのように考えているのかについてです。
会計年度任用職員制度は,地方公共団体の臨時職員及び非常勤職員について,その任用の厳格化と処遇の改善を図る観点から,地方公務員法等の改正を経て導入されたものです。本市においても制度導入の際には,その処遇について関係者との協議結果を十分尊重し,職務経験を考慮した給料の格付や昇給の実施,期末手当や時間外勤務手当などの支給,休暇制度や社会保険の適用など,勤務条件を改善したところです。今後も,
会計年度任用職員の処遇については,引き続き関係者と十分協議を行っていきたいと考えています。
最後に,勤勉手当が
会計年度任用職員に支給されないことについて,市としてどのように考えているのかについてです。
会計年度任用職員については,地方自治法の規定及び国の事務処理マニュアルにより,勤勉手当や扶養手当,住居手当などを支給しないとされており,現時点では勤勉手当を支給することはできません。このため,
会計年度任用職員に勤勉手当を支給することが可能となるよう,国によるヒアリングの機会を通じて要望するとともに,他の政令指定都市と連携するなどして引き続き国に対し,制度改正に向けた働きかけを積極的に行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 13番山内議員。
◆13番(
山内正晃議員) 御答弁ありがとうございました。
再質問はありませんが,三点ほど簡単に要望を申し上げさせていただきたいと思います。
まず,芸備線のことですが,署名の提出について述べさせていただきましたけれども,地域のほうからはこれまでもいろいろな要望がありました。単位自治会であったり,あるいは個別に要望という形も多かったのですが,このたびの署名は質問の中でも述べさせていただきましたが,4,838の署名でありまして,そのほとんどは地域住民の署名,あるいは地域住民ではない住所が書かれていたとしても,それはそこに働きに来ておられる方ということで,その地域に関係ある方がほとんど書かれた署名ということであります。何万という数字にはなってないんですけれども,人口が7,500という地域の中で,それだけの署名を集められたということは,本当に熱い署名だというふうに私は受け止めておりますので,ぜひとも市としてもそういうふうに思っていただきたいというふうに思います。これがまず一点目の要望です。
男性の育児休業の取得は大変進んでいるというふうに御答弁ありました。ぜひとも引き続き進めていただきたいというのが二点目の要望であります。
最後,
会計年度任用職員の方の処遇につきまして,答弁の中にもありましたが,広島市はほかの政令市にはないというか,政令市に比べると大変しっかり取り組んでいただいている,御尽力をいただいているということにつきまして,まず御礼を申し上げたいというふうに思います。しかしながら,私が質問の中で申し上げさせていただきましたが,やはりできる限りの処遇改善,ぜひとも図っていただきたいと思っております。そのためには国の財政措置,あるいは制度上の課題の整理というのが必要ということも理解はしておりますので,ぜひ引き続きよろしくお願いをいたします。
以上を申し上げまして質問を終わります。ありがとうございました。
○
佐々木壽吉 議長 次に,36番藤井敏子議員。
〔36番藤井敏子議員登壇〕(拍手)
◆36番(藤井敏子議員) 皆さん,おはようございます。
日本共産党の市会議員の藤井敏子です。日本共産党市議団を代表して一般質問を行います。
まず初めに,気候危機打開の取組について伺います。
気候危機の打開は,人類の生存に関わることであり,最も重要な課題の一つです。国連の気候変動に関する政府間パネル──IPCCは,危機が一層高まっていることを警告しており,従来に増して対応を急ぐことが求められています。先日開催された国連気候変動枠組条約締約国会議──COP26を含めて,常に経済問題と温暖化ガス削減目標がてんびんにかけられますが,私たちが住む地球が住めない状態になっていけば,経済発展など何の意味もありません。それだけに,気候危機を打開するための積極的な対策を国際的に協調しながら推進することは,私たち,今現在,社会を動かしている世代の未来の世代に対する責任だと考えます。
広島市が国際平和文化都市として活動するに当たっては,そういう立場で具体的な取組をより積極的に進め,他の都市をリードすることが重要であると考えますが,市長のお考えを伺います。
今や,ほとんどの国々は2050年のカーボンゼロへの到達を表明し,緊急的な中間目標としてEUなど多くの先進国が,2030年までに温暖化ガスを1990年比で55%削減という積極的な目標を決めています。日本政府も,2030年までの目標を2013年比で46%削減としていますが,46%という数字が低いだけでなく,近年で温室効果ガスの排出量が一番多い2013年比としているために,1990年比で計算すると約40%程度に削減目標が落ちてしまうまやかしの目標値であり,とても先進国だと胸を張れるものではありません。しかも,まだ実用化のめども立っていない新技術を当てにしていることや,国際的に厳しい批判を浴びている石炭火力発電を増やそうとしており,低い目標さえその実現性には大きな疑問符がついています。これでは気候変動アクションネットワークから極めて不名誉な化石賞を授与されたのは当然で,気候危機対策に後ろ向きと批判されても仕方がありません。
こうした日本政府に対して,抜本的な政策転換を求めていく必要がありますが,広島市が国際平和文化都市としてどう取り組んでいくのかも重要です。広島市は2009年,広島市地球温暖化対策等の推進に関する条例を公布し,温暖化ガス削減に向けた取組を進めてきました。また,2017年には,広島市地球温暖化対策実行計画を策定し,その中で二酸化炭素削減目標を設定しています。それを見ると日本政府と同様に,2013年度比で2050年度の目標を80%削減とし,中間目標を2030年度で30%削減としています。この目標値は2013年度比となっていること,我が国政府が掲げている日本の目標よりも随分低い目標であり,見直しが必要です。今の国際的な取組目標を踏まえて,2050年目標はカーボンゼロとし,2030年の中間目標はEUに倣って1990年比で55%削減とするべきではないかと考えます。どうされるかお答えください。
また,広島市は,2017年の実行計画に基づいて様々な取組を進めてきましたが,目標値の変更に合わせて実行計画の内容も見直す必要があると思いますが,いかがお考えかお答えください。
次に,広島市地球温暖化対策等の推進に関する条例の中で,第9条から32条にわたって温暖化ガスを排出する事業者に,その排出削減計画や報告を求めています。第9条と第10条で年間の原油換算エネルギー使用量が1,500キロリットル以上の事業者,または二酸化炭素換算温室効果ガス排出量が3,000トン以上の事業者に対し,3年ごとに事業活動環境計画書の提出を求め,その計画書の各年度ごとに実施状況を記載した事業活動環境報告書の提出を求めています。また,第16条と第17条で50台以上の自動車を使用する事業者に,同様に3年ごとに自動車環境計画の提出を求め,それらの事業者に毎年自動車環境報告書の提出を求めています。これらの計画書を提出した事業者数は現在どれだけあるか,報告書を提出した事業者数はどれだけか,また,それらは提出すべき事業者数の全部かどうか,提出しない事業者があるとすれば,その事業者数もお答えください。
また,第13条と第19条で基準に満たない事業者が計画書の提出ができるとしていますが,計画書を提出した事業者数はどれだけかお答えください。
また,第22条では,床面積の合計が2,000平方メートル以上の建築物を新築しようとする者に対して,建築物環境計画書の提出を求めていますが,条例施行以来どれだけの建物についてこの計画書が提出されたのか,また,提出するべき建築物のうちの提出数の比率はどれだけか,また,第25条による一戸建てと長屋を除く2,000平米未満の建築物の新築で計画書の提出があったのは何件かお答えください。
また,第35条では,広島市内に電気を供給する事業者に対して,温室効果ガスの排出抑制の取組や目標,再生可能エネルギーの利用の拡大の取組や目標を記載したエネルギー環境計画書の提出を求め,第36条により,その実施状況の報告書の提出を求めていますが,計画書や報告書を提出した事業者数はどれだけかお答えください。
次に,気候危機打開に取り組むに当たっては,広島市が取り組んできたように,省エネ対策と再生可能エネルギーの推進が重要です。
まず,省エネルギー対策ですが,自治体にできるのは建物の断熱効果を高めたり気密性を高めるための改修を推進することではないでしょうか。日本は,ヨーロッパに比べて断熱の取組が大変遅れていると言われており,インセンティブ効果を発揮できるような補助金制度の創設も考えられると思います。断熱対策で一番遅れているのが窓だと言われています。気密性の高いマンションでも結露が問題になるのは,窓の断熱対策が遅れているからで,気密性を高める改修を含めて,これらにポイントを絞った既存住宅の改修に補助金を出す仕組みを考えたらどうでしょうか。こうした取組は地域内の仕事を増やす雇用効果もあると考えられます。ぜひ御検討いただきたいと思いますが,お答えください。
もう一つは再生可能エネルギーへの転換の促進です。自治体がこの課題に取り組むに当たっては,地域住民の生活環境に大きな影響を与えたり,発電施設を造ることで災害を引き起こすようなことがあってはなりません。再生可能エネルギーは地産地消,地域の電力をできるだけ地域で賄うという考え方を基本とし,広島市が持つ再生可能エネルギーの潜在力を最大限発揮できるよう,地域の環境に影響を与える大規模施設ではなく,中小規模の発電施設をたくさん設置していくことが重要です。広島市内で考えられるのは,山間部でのバイオマス発電や小水力発電,都市部でのあらゆる建物の屋根や屋上を活用した太陽光発電だと思いますが,専門家の知恵を借りながらこうした取組をそれぞれの事業で目標を定めて推進する,そうしたことを通じて,市として,温暖化ガス排出削減目標を達成できるように取り組む必要があるのではないでしょうか。どのように取り組まれるかお考えをお聞かせください。
また,広島市の連携中枢都市圏ということを考えると,小規模風力発電施設の設置を含めて,それぞれの地域特性に応じた再生可能エネルギーの活用の推進が図れるのではないかと思います。そうした地域同士や大都市である広島市と連携し,再生可能エネルギー電力調達のネットワークをつくるといったことも考えられたらどうかと思いますが,市のお考えをお聞かせください。
次に,上安産業廃棄物最終処分場について伺います。
今年7月,熱海市の産廃を含む盛土が崩落し,土石流被害で多くの犠牲者を出したことを受け,国が全国の危険な盛土の総点検を指示し,盛土の緊急点検を行っています。県独自の調査に産廃処分場も含まれ,そのうちの1か所が安佐動物園南東側の野登呂山中腹で事業を続ける上安産廃最終処分場です。ハザードマップを作成するために地元の人たちが山に入り,この谷埋め盛土の存在を知りました。今年の8月の大雨の後,10月14日に私も現地の状況を確認するために山に入りました。上安処分場の敷地につながる高さ50メートル以上ある南側盛土ののり面が雨で浸食され,そこから
コンクリート片やアスファルト片,陶磁器片など明らかに産廃と思われるものが混ざっていること,また,盛土の右端には上まで浸食が進み,深い溝ができていることも確認しました。
住民からは,今でも崩れそうな盛土の上にさらに産廃を何メートルも積み上げようとする計画が,なぜ認められるのか理解できないという声が上がるのは当然です。市は,この問いに対して,申請内容が法的に問題ないためと繰り返されています。もし盛土が崩落すれば,この谷の下には800軒以上の上安地域の民家が土石流被害を受けることは必至です。そんなことになれば許可をしてきた市の責任は免れません。
改めて上安産廃最終処分場について伺います。上安産廃最終処分場は,今から29年前の平成5年に松一企画株式会社が広島市に安定型処分場として申請し,事業が開始され,徐々に拡張してきました。広島市は8年ほど前に松一企画から処分場を譲り受けたJAB協同組合が平成28年に問題となっている盛土の上に,新たに拡張申請し許可しています。令和2年にはこの盛土の上にさらに大量に産廃を積み上げる申請も許可をしています。
そこでお伺いします。平成28年に処分場の拡張申請されたときに,盛土の上にさらに大量の産廃を積み上げることは問題だという認識は持たれなかったのか,また,今年3月に住民から指摘を受け,JAB協同組合が令和2年に拡張申請した事業区域の現況図面を地番だけではなく,面積も大幅に修正した図面を市に今年の9月に提出しています。何と盛土ののり面まで処分場の区域内とするもので,保安林の境界線も大きく南側に移動されています。これまで間違ったものを申請していた以上,市は一旦工事を止めて再度事実を確認し,許可についての審査をやり直すというのが市の取るべき態度ではないでしょうか。答弁を求めます。
もう一つの住民の心配は,処分場から出る排水の問題です。処分場からの排水については,処分場西側の調整池からの排水の問題は,これまでも委員会で指摘してきました。今回は西側にある第2調整池の下のこの盛土の下,黒いビニール管から出る排水は,第1調整池からの排水と同様に異臭のある白い泡が混じった水が河川に流れ込んでいました。明らかに周辺の谷水とは違います。事業者は2号調整池からの表流水と主張し,市も疑うことなく認めておられますが,現地を確認されたのか。ここの排水は住民が測定した水質の簡易検査でも異常な値が確認されています。事業者の言い分が正しいかどうか調査をするべきではないですか。荒谷川支流域では河川水を農業用水に活用しています。本当に安全な水だと市は市民に説明できるのでしょうか。
また,住民の命に関わる問題にもかかわらず,事業者も市もこれまで住民に対してまともな説明が一度も行われていないことに対して,市はどのように考えておられますか。住民は知らなくてもよいと思っているのですか。
次に,中央公園の今後の整備方針について伺います。
初めに,中央図書館について。
広島市が,令和7年度をめどに中央図書館とこども図書館,映像文化ライブラリーを集約化し,広島駅前のエールエールA館内に移転する方針を検討していることについて,中国新聞でも市民の意見を紹介していましたが,賛否が分かれ,エールエールA館内の3フロア分でこれまでの中央図書館が果たしている役割が果たせるだろうかという疑問も出されております。
中央図書館は,市民の生涯学習の場として,また文化の拠点として各区の図書館と違って本の貸出し,閲覧業務などだけではなく,現在地だからこそできる様々な重要な事業を行っています。例えば自動車図書館です。毎日4台の自動車で市内17か所の図書館や71の公民館や集会所,児童館や院内学級などの本の定期的な入替え,また,ともはと号など巡回読書活動なども本の物流拠点となっております。また,浅野家から寄贈を受けた室町時代からの約1万点の貴重な文献を浅野文庫として保存し,未来につなぐ重要な役割を果たしています。
爆心地平和公園や広島城に近く,より理解を深めたいと図書館を訪れる人も多く,医療や介護などの専門的な資料や中小企業や起業したい人への情報提供で支援するなど,市民が利用しやすい市の中央という現在の立地点を生かして,その役割を果たしています。特に歴史的な蔵書や映像ライブラリーの資料については,特別の温度や湿度を管理することが必要です。エールエールA館内に移転して同じ機能が維持できるのでしょうか。また,広島駅の商業ビルに入れば,周りがにぎわうだろうという理由だけで,安易に移転を決めるのはあまりにも拙速です。移転が,今後40年,50年,将来にわたって続けていく大切な中央図書館の役割が果たせるのかどうか,市民や現場の専門家も交えて慎重な議論が必要です。
改めてお聞きしますが,中央図書館の役割と目的はどういったもので,エールエールA館内のフロアに移転して本当にその役割が果たせると考えているのか,お答えください。移転ありきでなく,現地建て替えも選択肢とすべきです。いかがですか。
また,現在,中央図書館の指定管理者は非公募で文化財団が指定管理者ですが,中央図書館などが移転するエールエールA館の10階では,ジュンク堂広島店も営業されています。全国で公立図書館の民間委託化を進めたところもありますが,その多くは失敗して元に戻しています。図書館にとって司書など専門的な仕事を未来に継承していくためにも,民間委託化はなじまない施設です。中央図書館の指定管理者は非公募を継続することを改めて求めますが,どうですか。
次に,ファミリープールについて伺います。
ファミリープールは,夏場の限定的な施設とはいえ,2か月で12万人が利用する市民から愛されている子供の遊び場としてかけがえのない施設です。ファミリープールの子供料金は340円,大人790円ですが,廿日市の民間プールでは,土日・祝日は就学前で900円,小学生は1,600円,大人は2,000円です。大人2人,子供2人の4人家族では1万円近い出費になります。安くて遊べる施設を廃止するというのは賛成できません。ファミリープールは現在地に建て替え,こども図書館とともにこども文化科学館と同一区域に残し,子供の遊びと学びの場を一体的に保障すべきと考えますが,いかがでしょうか。
市は,ファミリープールの課題として,施設の老朽化に加え,来場者の駐車場不足,夏場の限定施設を課題として挙げていますが,そもそも老朽化は市が適宜に施設の耐震化や補修をしてこなかったからであり,理由になりません。来場者の駐車場不足と言われていますが,ファミリープールを紹介したインターネットでは,交通の利便性がよいとなっています。駐車場がなくても利用できるということです。さらに,夏場しか使えない施設というのですが,プールなのですから当然でしょう。そのような理由で施設を廃止するなら,各小・中学校などに整備されているプールも廃止することになりかねません。ファミリープールは必要性のない施設とお考えなのですか,市の見解をお尋ねします。廃止のための理屈としか思えません。これまで,どのような検討がされてきたのかお聞きいたします。
今後,ファミリープールについては,市民の意見をしっかり聞いて,施設の在り方を決めるべきではないでしょうか。今後は,令和4年3月に検討結果を取りまとめ,可能なものから順次,取組を開始するとしていますが,来年の3月に結論を出すというのは拙速ではありませんか。答弁を求めます。
最後に,学校給食の見直し方針について伺います。
学校給食は憲法と学校給食法に基づき,子供の生存・成長・発達を保障するために教育の一環として重要な意義を持っています。子供の豊かな成長のために,安全でおいしい学校給食の充実を求める市民・保護者の声は切実です。この願いは,子供をめぐる貧困が深刻さを増す中で,一層切実になっております。とりわけ育ち盛りの中学生にとって,学校給食は必要不可欠です。本市は,30年近くデリバリー弁当給食を実施してきていますが,家庭からの弁当との選択制であり,完全給食とは名ばかりで,抜本的な改善が求められてきました。
これまで日本共産党市議団は,中学校給食は自校調理,また親子調理方式での早期実施を求めてきました。9月に出された学校給食の提供体制の見直しの方針は,中学校給食は今後5年間で全員給食化することに異議はありませんが,中学校での給食がセンター方式か自校調理方式かの議論もなく,市内の小・中学校全てを民設民営も含めて5か所の大規模給食センターに集約化するという内容であり,この方針には到底賛成できません。国も85年の合理化通知を出したその後に,97年9月に保健体育審議会の答申で,学校給食を活用した食に関する指導を一層充実する観点から,学校栄養教職員が個々の給食実施校に配置され,これにより,児童生徒の実態や地域の実情に応じて,豊かできめ細かな食事の提供や食に関する指導が行われることが望ましい,このような食に関する指導等が可能となるような単独校調理方式の移行について,検討していくことが望ましいとまで言っています。市が出されている今の見直し方針は,この答申が求める給食提供体制から逆行していると言わざるを得ません。安全で豊かな学校給食を実施するために,安全面と衛生面で行き届いた給食調理施設・設備を整備するとともに,学校ごとに調理場があり,調理員の直接雇用をはじめ,自治体が運営全体に責任を持つ自校・直営方式は,重要な意義を持っています。これまで議会の中で食育の重要性や全国の給食の実情,子供たちの最善の給食の観点から,大規模なセンター給食から自校方式に戻した世田谷区や今治市などの自治体の取組なども紹介してきました。自校方式の給食の教育としての役割をどのように考えておられますか。今後,自校調理の学校をどうされるつもりかお伺いいたします。
また,教育の一環としての学校給食を実施するためには,栄養教諭と学校給食調理員は専門職として重要な役割を果たしています。栄養教諭は,アレルギー対応をはじめ,給食管理と食育を担っています。国の栄養教諭・学校栄養職員の配置基準では,生徒550人以上の単独実施校で1名,それ以下の単独実施校は4人に1人の基準となっているため,本市の自校調理で提供している126校のうち64校に栄養教諭,また学校栄養職員が配置されています。公設の給食センターでは,6,001食以上で3名の栄養職員の配置が義務づけられ,五日市の旧来の二つの給食センターには合わせて4名の栄養職員がいました。ところが,民間会社が新たに建てた民設民営の給食センターは,国の栄養職員の配置基準がありません。そのために,市が独自に3名の栄養職員を配置しましたが,結局3人に減らされたことになります。五日市の給食センターに続いて,可部の給食センター化も民設民営で始めようとしています。今後,給食の提供体制の中で,栄養士の配置についてどう考えているのかお答えください。
また,自校調理給食かセンター給食かでは,栄養教諭の配置など,教育的可能性からいっても大きく異なるにもかかわらず,自校調理方式かセンター方式かの給食の提供方式は市が決めると,市民や保護者の意見を聞こうとしない市の姿勢自体が問題です。保護者や市民の意見を聞くこともなく,自校調理方式をやめることは,コストには代えられないよりよい給食の提供に,市が責任を果たすことにならないのではありませんか。センター化の方針を決める前に,自校調理給食かセンター給食か改めて子供や保護者の意見を聞くアンケートを実施すべきですがどうされますか,答弁を求めます。
以上で一般質問を終わります。
○
佐々木壽吉 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 藤井議員からの御質問にお答えします。
中央公園の今後の整備方針についてのうち,ファミリープールについての御質問がございました。
中央公園については,令和2年3月に策定した中央公園の今後の活用に係る基本方針において,中央公園の理念としてにぎわいの空間,くつろぎの空間及び文化を醸し出す空間の三つの空間特性を備えるものとして,周辺地区を含めた回遊性の向上にも留意しながら,老朽化等が進む公園内の公共施設の集約化等の検討をすることとしたところです。また,検討に当たっては,公園全体を文化芸術ゾーン,子供ゾーンなどにゾーニングした上で,ゾーンごとに施設の特性や各施設の耐用年数,利用状況等を踏まえて機能・在り方の見直しを行うとともに,広島広域都市圏からの利用や都心のにぎわいづくりへの貢献といった観点も考慮しながら,市内全域を視野に入れた最適な配置を目指すこととしております。
こうした中,ファミリープールは,昭和54年の開園から42年が経過し,本市としては施設の老朽化はもとより,来場者用の駐車場不足,夏期のみの営業という効率性の低さといったことも課題であると考えていることから,他のプールとの役割分担の整理や民間活力導入の可能性を含め,抜本的な解決策を検討することとしたところです。こうした中央公園の整備については,これまでその基本方針の策定段階から市民の意見を聞いてきているところであり,個別の施設であるファミリープールについても,その方向性がある程度まとまった段階で,改めてお聞きしたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○
佐々木壽吉 議長 市民局長。
◎杉山朗 市民局長 中央公園の今後の整備方針についてのうち,中央図書館についての数点の御質問にお答えをします。
まず,中央図書館の役割と目的はどういったものか,エールエールA館に移転してその役割や目的が果たせるのかについてです。
中央図書館は市民の教養等に資することを目的に,一般的な図書,資料の提供に加え,専門書や広島ゆかりの作家の作品,平和・原爆関連資料などを提供しています。また,本市全体の図書館資料の収集,整理や各区図書館等への集配を行うなど,本市の図書館全般を管理する役割を担っています。中央図書館をエールエールA館に移転した場合には,より快適に読書ができる閲覧スペースが確保できるだけでなく,開架書庫の増設や映像フィルム用の低温収蔵庫等の整備,各区図書館等への配送車の荷さばき場,図書運搬専用エレベーターの確保も見込めることから,中央図書館の機能の大幅な充実強化を図ることができると考えています。
次に,エールエールA館への移転ありきではなく,現地建て替えも選択肢とすべきではないかについてです。
現在の中央図書館は,老朽化が著しいなど多くの課題を抱えており,早急に建て替えを行う必要がありますが,現在地で建て替えるとすると建て替えの期間中,本市全体の図書館資料の収集・整理や各区図書館等への集配等,中央図書館が有している機能を停止せざるを得なくなります。それだけでなく,閲覧等の市民サービスを継続するためには,別途,臨時の図書館を用意する必要が生じます。こういったことを回避するために,移転して再整備を行うとすることにしたものでございます。
最後に,中央図書館の指定管理者の指定については,今後も非公募とすべきであると考えるがどうかについてです。
中央図書館は,先ほど答弁しましたとおり,本市の図書館全般を管理する役割を担っており,また,平和・原爆関係資料など本市独自の資料の収集,整理,保存も行っていることから,これまで非公募で専門的知識や豊富な経験を持つ職員を多く有する,公益財団法人広島市文化財団を指定管理者としています。エールエールA館への移転後は,中央図書館が平和文化を発信する拠点となるよう,広島の歴史,文化,産業等の広島らしさを学ぶための機能を強化することにしており,これまでの中央図書館の運営に係る専門的知識とともに,幅広い世代の利活用を促すための工夫が重要になってくるものと考えています。こうした視点に立って,利活用を促すための工夫が行えるようにすることを前提としつつ,引き続き,非公募として取り扱うことが適当であると考えています。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 環境局長。
◎重村隆彦 環境局長 気候危機打開の取組についての数点の御質問に順次お答えをします。
まず,2050年目標はカーボンゼロ,2030年の中間目標は55%削減とし,実行計画も見直す必要があるのではないかとの御質問にお答えします。
本市は,昨年12月,2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すことを表明しており,その目標の実現に向けて,現行の広島市地球温暖化対策実行計画を改定することとしています。この計画の改定については,令和3年10月に改定された国の地球温暖化対策計画の内容等を踏まえ,本市としての取組方針や施策等の検討を行い,令和4年度中の改定を予定しています。本市の2030年度の削減目標については,国の温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減するという目標を踏まえつつ,2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを見据え,国の地球温暖化対策計画に位置づけられた対策や本市独自の施策の積み上げ等により,検討を進めていきたいと考えています。
次に,広島市地球温暖化対策等の推進に関する条例についての御質問のうち,事業活動環境計画書等を提出した事業者数についてお答えします。
広島市地球温暖化対策等の推進に関する条例第9条に基づく事業活動環境計画書については,現在,94事業者から提出されており,第10条に基づく報告書については,令和2年度には対象となる94事業者全てから提出がありました。
次に,同条例第16条に基づく自動車環境計画書については,現在,63事業者から提出されており,第17条に基づく報告書については,令和2年度には対象となる63事業者全てから提出がありました。
なお,同条例第13条に基づく特定事業者以外の事業者及び第19条に基づく特定自動車使用事業者以外の事業者について,任意に計画書を提出できるとされていますが,これまで提出された事例はありません。
続いて,エネルギー環境計画書及び報告書を提出した事業者数についての御質問にお答えします。
令和2年度においては,同条例第36条に基づくエネルギー環境報告書について,令和元年度に本市の区域内に電気の供給を行った77事業者から提出がありました。また,第35条に基づくエネルギー環境計画書については,令和元年度に報告書を提出した77事業者に,新たに令和2年度に本市の区域内に電気を供給開始した19事業者を加えた,96事業者から提出がありました。
次に,省エネルギー対策について,既存住宅の改修に補助金を出す仕組みを考えてはどうかとの御質問にお答えします。
建物の断熱性能や気密性を高めることは,省エネルギー性能を向上させ,温室効果ガス排出量の削減に資することから,効果的な地球温暖化対策の取組であると考えています。こうした認識の下,本市では,断熱性能が高い外壁や窓,高効率の給湯器などにより,省エネルギー基準を超える性能を持つ低炭素集合住宅を新たに建築する事業者に対し,建築に要する経費への補助制度を実施しています。議員御提案の既存住宅の改修への補助制度については,現在,国が実施しているところであり,本市としては,こうした国の制度の活用を促すこと等を通じて,省エネルギー性能の高い住宅の普及啓発に努めていきたいと考えています。
次に,再生可能エネルギーの導入促進についてどのように取り組むのかとの御質問にお答えをします。
再生可能エネルギーの導入促進については,本市としてふさわしい目標を定め,それに取り組むための諸条件を整えていくことが必要です。また,太陽光発電や風力発電などについては,設置場所により防災・環境上の懸念が生じることも考えられ,こうしたことに対しては,明確な設置基準と,その基準を守るための具体的な手続等が定められておく必要があります。本市としては,こうしたことを踏まえつつ,地域における安全性の確保,環境との調和,さらには景観への配慮などを行いながら,再生可能エネルギーの導入を着実に進めていきたいと考えています。
最後に,地域同士や広島市と連結した再生可能エネルギー電力調達のネットワークも考えてはどうかとの御質問にお答えします。
議員御提案の再生可能エネルギー電力調達のネットワークの構築については,関係自治体の意向はもとより,地域における電力供給量と電力使用量の需給バランス等を踏まえて考える必要があり,本市としては,先ほど御答弁しましたとおり,まずは本市における再生可能エネルギーの導入を着実に進めていきたいと考えています。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長
都市整備局指導担当局長。
◎谷康宣
都市整備局指導担当局長 気候危機打開の取組についてのうち,広島市地球温暖化対策等の推進に関する条例の施行後において,同条例第22条に定める建築物環境計画書は何件提出され,これは提出すべき建築物のうちの比率で幾らか,同条例第25条に定める建築物環境計画書は何件提出されたのかについてお答えいたします。
広島市地球温暖化対策等の推進に関する条例第22条に定める建築物環境計画書は,床面積の合計が2,000平方メートル以上の建築物を新築等しようとする場合に,当該建築物の環境への配慮に関する措置及び基準に基づく自己評価について,市に提出してもらうものです。その提出数は,同条例の施行日の平成22年4月1日から本年11月30日までの合計で743件となっています。この期間において同条により提出すべき建築物環境計画書の件数は770件であり,提出率は96%となります。
次に,同条例第25条では,同条例第22条の建築物環境計画書の提出に係る要件に該当しない場合であっても,任意に建築物環境計画書を提出できるとされていますが,これについては,同条例施行の日以降,提出されたものはありません。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 環境局長。
◎重村隆彦 環境局長 上安産業廃棄物最終処分場についての数点の御質問に順次お答えをします。
まず,平成28年の処分場の拡張申請の際の,本市の認識についての御質問にお答えをします。
上安産業廃棄物最終処分場の埋立容量の変更に係る事業者からの申請について,施設の構造等の計画が技術上の基準に適合することなどを,現地確認に基づく専門家の意見聴取等も行った上で,許可要件への適合性を法令に基づいて審査し,許可しているものです。
次に,許可に係る審査のやり直しについての御質問にお答えします。
申請書に添付されていた参考図書の内容の一部の修正がありましたが,最終処分場の区域や面積,埋立容量,施設の構造など,本市の許可内容に変更はなく,審査をやり直す必要はないと考えています。
次に,調整池からの表流水の排水に係る現地確認と河川水の安全性についての御質問にお答えします。
処分場内の雨水流域の調整のため,広島県普通河川等保全条例に基づいて新たな調整池が設置された際,当該調整池の排水先であることを現地で確認をしています。また,水質に係る地域住民からの要望を受け,本年10月,当該箇所の下流の直近の公共用水域で検査を行い,環境基準への適合性を確認しています。
最後に,住民への説明についての御質問にお答えします。
本市は,これまで地域住民からの質問等に対し,適宜,説明や文書回答を行っているところであり,今後も引き続き,適切な対応に努めてまいります。また,事業者に対しても引き続き適切な住民対応に努めるよう指導してまいります。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 教育長。
◎糸山隆 教育長 学校給食の見直し方針について,三点お答えをいたします。
まず,自校調理方式の給食の教育としての役割をどのように考えているのか,今後,自校調理の学校をどうしていくのかという御質問です。
学校給食は,栄養バランスの取れた食事を取るとともに,食事の大切さや感謝の気持ちなどを学ぶことができるほか,地場産物を食材に取り入れたり,広島の郷土料理や日本の伝統料理の献立にしたりすることで,食文化について学ぶことができるなど,食育を効果的に進める上で大きな教育的意義を持つものと考えております。
全国の学校給食の提供体制については,直近のデータでは,校数ベースで自校調理方式が約40%,センター方式が約55%,その他の方式が約5%となっていますが,ただいま申し上げたような学校給食の持つ役割については,御質問のあった自校調理方式であってもセンター方式であっても違いはないものと考えております。
次に,今後,自校調理の学校をどうするのかとのお尋ねですが,自校調理校については,本年9月に策定した学校給食の充実に向けた給食提供体制の見直し方針において,島嶼部と特別支援学校を除き,将来的には給食センター方式に移行していくこととしております。
次に,今後,給食の提供体制の中で栄養教諭の配置についてどう考えているかという御質問です。
栄養教諭は,学校給食の統一献立の作成を分担して行ったり,調理過程における衛生管理を行うとともに,学校教育における食育推進において,中心的な役割を担っております。民設の五日市地区学校給食センターについては,いわゆる国の義務標準法の対象外となりますが,献立作成や給食センターの受配校における食育の推進など,栄養教諭の果たすべき役割を担うために必要な人数として3名を配置しております。今後も,見直し方針に基づく取組を進めるに当たっては,同様の考えで必要な体制を整備してまいります。
最後に,センター化の方針を決める前に,自校調理方式か給食センター方式かを改めて子供や保護者の意見を聞くアンケートを実施すべきと思うがどうかという御質問です。
今回の見直し方針の検討に当たっては,児童生徒や保護者等の学校給食に対するニーズを勘案することが重要であることから,現在の給食内容に対する評価や学校給食に期待する点などについて意見を聞くため,平成30年度に小・中学校の児童生徒,保護者等約2万人を対象に学校給食に関するアンケート調査を実施し,その結果を踏まえ検討を進めてきたところです。学校給食をどのように提供するかといった手法に関する部分については,経費面や衛生管理面など総合的な観点から,設置者において責任を持って判断すべきものと考えており,今後,改めてアンケートを実施する予定はございません。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 36番藤井議員。
◆36番(藤井敏子議員) 答弁いただきましたが,まず,気候危機打開に向けてについてですけれども,市長は昨日,答弁の中で,気候非常事態宣言を発するということも言われました。議会でも求めてきたことであり,これは本当によかったと思っています。これから宣言をして本気度を示すことが,よりこの効果につながると思いますので,引き続きこの問題を取り組んでいきたいと思っております。
それで,中央公園についてですけれども,中央図書館については,引き続き,これも関係委員会ではやりますけれども,結局,建て替える間が困難だからという理由でと言われましたけれども,それなら建て替える間だけでもエールエールに行って,今のところにきちんと建て替えると,こういうことも考えられるのではないかと思うわけですけれども,できるだけ市民の声もしっかり聞きながらこれについては慎重に審議を決めていただきたいとは思っております。
それとあと,ファミリープールについてですけれども,これも結局,なかなかまだ決めていないという最終的にはそういうことだと思うんですが,まだよく分からないという答弁だったと思うんですけれども,一点だけ紹介しておきます。党市議団に保育園の園長さんからメッセージが届いております。毎年2か月間に合計10回,園児を連れてファミリープールで遠足をしています,申請すれば私たち認可外保育園も引率者の入場料が減免され,本当にたくさんの保育園や幼稚園が利用しています,広島市にも子供のことを少しは考えてほしいですと。現在地での建て替え継続,改めて要望しておきます。
再質問をしたいと思っておりますのは,上安産廃最終処分場のことと給食についてです。
最初に,給食について述べたいと思います。
学校給食の見直し案も見せてもらいましたけれども,結局今,小学校,中学校,特別支援学校含めて206校あるうち126校が自校調理,調理室も持って自校調理給食をやっているわけですけれども,いずれそれを全部センター化にするというそういう重大な方針だと思うんですけれども,デリバリー給食の課題の中で調査した結果が書いてありました。デリバリー給食はやはり味がよくないと言っているのが27%,温度も57%,自校調理は味がよくないと1%が答え,センターでは味は3%と。やはりデリバリーを除いたら,自校調理のほうが味もよく温度管理もよいというのが生徒のアンケートで載っています,デリバリーは除いてですけれども。残食率もデリバリーは21.7%,自校は2.4%,これ10倍もあるんですね。それでもセンター化を決断されたということで,本当に私は驚くんですけれども,教員のアンケート,食育の役割を果たせているかという点では,自校調理と先生が答えているのが94%もあるんですね。給食センターは78%,これは味のことですね。味の評価,自校は一番評価が高いんです。残食率も一番少ない,センターの3分の1ですね。教員のアンケートでも,やはり給食の食育の役割を果たしている自校調理の評価が高い。こういうまとめを出しておきながら,自校調理方式を取らず,全部センター化にするという結論が出るのが本当に不思議です。なぜ中学校給食が自校調理を原則にして,どうしても困難なところは一時的にセンター化とする,こういう方針としなかったのか,再度お聞きいたします。
次に,上安処分場についてお聞きいたします。
上安処分場,結局出された申請,それについては法的に問題がなかったと,こういうふうな答弁ですけれども,これは本当にそうなのかということをきちんともう一度調べていただきたいんですね。この問題は,もともと3月に地元住民が説明会で保安林を法務局で記録されている地籍,面積よりも拡大し,保安林である矢口441,これを法務局で記録されている地籍よりも,ずっと拡大して周辺の土地を含めて盛土造成しているのではないかと指摘してから分かったわけですね。指摘がなかったら今回修正を出していないということなんです。なぜこのことが今まではっきりできなかったのか,この間,6回も拡張申請してきて,審査の中で確認できなかったのかということが非常に疑問なんですね。現況地番図というのはとても重要で,土地開発行為の基本です。公有地,民有地及び買収地の境界を精査確認して埋立面積なども出すのに重要です。産廃処理量を算出するにも必要なわけですね。それが全く間違って出されていた。地番図が全く違う状況になって出されていたということは,今になって修正,間違っていました,こう出してきたわけですよね。これなぜこういうことが起こったのか,それについての認識を伺います。
○
佐々木壽吉 議長 環境局長。
◎重村隆彦 環境局長 先ほど御答弁いたしましたとおり,議員御指摘の現況地番図につきましては,処分場の場所の住所を表す参考図書として,事業者が申請書に添付しているもので,許可要件の審査に用いるものではありません。なお,現在,事業者からの報告を受け,参考図書の補正を行っているところでございます。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 教育長。
◎糸山隆 教育長 先ほど,以前やったアンケートの結果も御紹介をされながら,こういうのを見てなぜセンター方式としたのかというようなお尋ねだったと思います。
平成30年のアンケートをやった結果として,今数字の御紹介もありましたけども,明らかになったことは,やはりデリバリーは大きな課題を抱えているということが明確になったというふうに認識をしております。このアンケートから得られたデリバリーの課題があるということ,また給食調理場については本当に多くが老朽化してここ10年,20年のうちには建て替え時期が一斉に来るというような状況がありまして,そこに対応していく必要もございます。また,文部科学省のほうが出している給食の安全基準,これも望ましい水準ということで見ると,なかなか個々の自校調理の中ではそこまでいき得ていないというところもあります。こうしたいろんな課題を総合的に解決する方策として何が一番よいか,経費面も含めまして総合的に検討した結果として今の見直し方針をお示ししたものです。
以上でございます。
○
佐々木壽吉 議長 36番藤井議員。
◆36番(藤井敏子議員) 給食については,それは納得できるものではありませんので,ぜひまた議論をしていきたいと思っております。最善の給食はやはり将来にわたって決めるわけですから,もっと議論をしてほしいと思います。
それで,あと時間がありませんけれども,上安産廃最終処分場についてですね。これは私もこの地番図を見せてもらいましたけれども,現況地番図,土地ですけれども,今回私も見ました。平成8年から既に地番の改ざんをやっていたことになるんです。松一企画は,1995年,平成7年に同じようにこの処分場の一部で他人名義の土地を無断使用したとして,10月13日に不動産侵奪の疑いで社長が逮捕されています。そのことをやっていると同時に,この山の中で同じことをやっていたのではないかという疑問があるわけです。当時の中国新聞の記事によりますと,上安処分場は平成5年,8年に県が森林法に基づく開発を許可し,広島市も産業廃棄物の最終処分場として許可をした,当時,近くの住民の人は,県などに何度も連絡したけれども,民間同士のことと取り合ってくれなかった,これに対し,山林の開発許可をした県は,基本的には業者の提出した資料を信用するしかない,土地の境界線は所有者間の話で権限はないと言い,市の当時の課長は,提出された文書から問題の場所は使用可能な土地になっていて,不動産侵奪とは分からなかったと話しています。松一企画はここと同じ時期に同じことをこの処分場の南側でもやっていたことになるわけですね。谷埋め盛土は恐らく松一企画が平成7年から8年に完成させて,それも登記上の地番図を変えて登記をしていたわけです。しかし,平成9年の申請にもその正確なものが反映されていない。平成28年の図面にも反映されていないという,こういうことを見過ごしている。これはまさに,また同じことを繰り返すんではないかと思います。とりわけ地番図の埋立ての盛土の保安林じゃないところの地番をどんどん変えて,そこを埋め立てて,事をごまかすためにやったとしか思えません。引き続き,これもまた委員会でやりたいと思います。
最後に,質問は,どうして……(発言する者あり)終わった。はい,私は県と一緒にやっぱりもう一度調査をすべきです。この盛土についてはこうした不正を事前にチェックできるかどうかはこれはとても重要なことだと思いますので,引き続き,このことも委員会でやってまいります。
───────────────────────────────────────
休憩宣告
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 この際,暫時休憩いたします。
午前11時51分休憩
───────────────────────────────────────
午後1時04分開議
出席議員 49名
欠席議員 5名
○若林新三 副議長 出席議員49名であります。
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開議宣告
───────────────────────────────────────
○若林新三 副議長 休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。
16番木戸経康議員。
〔16番木戸経康議員登壇〕(拍手)
◆16番(木戸経康議員) 皆さん,お疲れさまでございます。
自由民主党・市民クラブの木戸経康でございます。会派のお許しをいただきまして,一般質問をさせていただきます。どうか御清聴をよろしくお願いいたします。
まずは,広島の交通政策の方向性についてお尋ねいたします。
私が生まれた昭和30年,口田村,落合村,深川村,そして狩小川村が合併して高陽町ができました。その後,昭和48年に広島市と合併いたしまして,その高陽町という名前は消えることになりました。しかしながら,その高陽町の名前は高陽ニュータウン,そして安佐北区の高陽出張所と皆さんになじみで残っております。こうした高陽のまちですが,高陽設立時に僅か9,900人であった人口は広島市編入直前には1万3000人となり,その後の団地開発などにより,現在では6万人を超える大ベッドタウンとなっております。
そのまちの成長の過程を私自身の体験から振り返りますと,小学生から中学生の頃は,まだ道路などの整備も整っておらず自動車もまばらで,私も高陽中学校へは安芸矢口駅からまちの中心地であった中深川駅まで芸備線で通学しておりました。当時の人々の生活は,鉄道やバスなどの公共交通が中心であったと記憶しております。ちょうどその頃,昭和39年に東京でオリンピックが開催されており,その直後から全国的にモータリゼーションが進み,私が高校生から大学生の頃には我が高陽町においても,県道広島三次線の整備が進み,新しくできた団地では,一家に一台のマイカーが日常の風景となるなど,まちや都市の成長期においては,道路と自動車が人々の生活の中心になっていたような気がいたします。その後,平成初期には,高陽地区での団地開発もほぼ整い,現在のまちの姿となったわけですが,その頃には,全国的に少子高齢化への懸念が語られるようになり,高齢化社会において,誰もが安心して移動できる公共交通の重要性が再認識されつつあった時代でもあります。
広島市においても,このように都市が成長期から熟成期に移行しつつある中,活力と魅力のある都市づくりが求められるなど,交通政策を取り巻く状況が大きく変化してきたことから,平成16年に新たな交通ビジョンを策定し,交通体系の軸足を自動車から公共交通にシフトしていく方向で交通政策が進められてきました。その結果として,公共交通のサービスレベルは,私が学生の頃とは比べ物にならないほど便利になりました。しかしながら,近年の高齢化の急速な進展,人口減少といった流れの中,
JR芸備線をはじめとするローカル線や郊外バス路線の存続問題が顕在化している状況が見られますが,今後,この公共交通を維持していくためには,行政も何らかの役割を果たすべきだと思っております。
特に昨今,話題となっているローカル線について,これまでの経緯をお尋ねしたところ,昭和55年当時の赤字ローカル線の在り方を検討するに当たり,輸送密度を1日当たり2,000人から4,000人を目安として一定の基準を下回る路線については,廃止や転換の検討を行ってきており,これまで多くの路線がJRから切り離され,新たに設立された第三セクター鉄道の路線や私鉄の路線,あるいはバスに転換されてきているとのことでした。このうち,芸備線については,輸送密度は運営化時点の昭和62年,1日当たりで2,561人であり,本市区間の利用者が多かったことが後押しとなって,芸備線全線がJR線として存続することとなったようでございますが,昨年度の輸送密度は過去最低の1日当たり1,140人と,当時の半分にまで落ち込んでいる状況です。
こうした中,ローカル線としては中国地方で一番長いと言われる芸備線は,三次や庄原といった複数の生活圏にまたがっているため,途中,三次駅や備後落合駅などを境に,乗り継ぎダイヤとなっているなど,区間ごとの利用状況が大きく異なっております。このうち東城駅から備後落合駅間は,輸送密度は何と僅か1日当たり9人とJR西日本管内で最も低くなっているなど,一部区間の廃止を心配する声が新聞等で報じられているように,まさに待ったなしの状況だと考えております。
こうした中,これまで各自治体で行っている印象が強かった利用促進策でございますが,今年に入りコロナ禍による影響があったものの,おもてなしイベント,駅カード,情報誌,芸備線マルシェ,観光列車ツアーなど,沿線自治体が連携した様々な施策が次々と展開され,多くの人に利用されるとともに,鉄道ネットワークの必要性の再認識へとつながっているようです。
その加速の一番としては,今年3月に本市広域都市圏に三次市が加入してきたことが挙げられ,これを契機として芸備線対策協議会の会長である三次市との連携が一層強化されたことで,昨今の本市と鉄道業者との良好なパートナーシップと相まって,これまでなかった沿線自治体と鉄道事業者との強固な相互連携体制が構築されたことが大きいのではないかと思います。
そこでお尋ねをいたします。本市の交通政策は,平成16年に策定した新たな交通ビジョンにおいて,交通体系の方向を公共交通等にシフトさせる取組を実施してきましたが,人口減少等の社会情勢の変化の影響を受け,利用者の減少による公共交通の衰退,公共交通サービスの低下という悪循環に陥っているのではないかと思います。その顕著な事例として,芸備線存続問題が議論されていますが,本市は,今後の公共交通の維持・存続に向けてどのような姿勢で取り組もうとしているのかをお答えください。
続いて,私が議員として奉職した6年前の6月議会から毎回のように一般質問でお願いをいたしております,高陽地区へのスマートインターチェンジの設置についてお尋ねをいたします。
このスマートインターチェンジ設置は,私が議員になる前から,地域住民から山陽自動車道は高陽地区に通っているが,その高速道路を利用するには広島インターチェンジか広島東インターチェンジまで行く必要があり,通勤時には渋滞により40分近くもかかり,高速道路に乗れば時間が読めるが,乗るまでの時間が渋滞により読めないとの話を聞いていました。その後,広島インターチェンジと広島東インターチェンジの中間地点にスマートインターチェンジがあれば渋滞解消にもつながるので,ぜひ造ってほしいという地域住民の声が上がり,地元の高陽町商工会が住民に呼びかけ署名を集め,広島市に陳情した経緯がございます。また,西日本最大のベッドタウンとして売り出したこの地域も,四十数余年の歳月がたち,急速な高齢化が進み,空き家が増えております。その解決策としてスマートインターを利用してこの地域に企業誘致を行い,それにより他地域からの移住者を呼び込み,地元に住み地元で働ければ,通勤時の渋滞解消や安心して子供たちを育てることができ,そして消滅危機にあると言われている安佐北区の人口減少に歯止めをかける有効な手段になるのではないかと思っております。
高陽地区の住民からの早期整備を望む声は年々増加しており,先日も町内会連合会から3会長が市長を訪ねられ,高陽スマートインターチェンジ早期設置への要望を行われました。このことからも,地元のスマートインターチェンジ設置に対する期待が高まっていることがうかがえます。また,近年は,豪雨による災害が広範囲にわたり発生しております。高陽地区には,本市の防災センターや県の消防学校など,防災上の拠点となり得る施設があり,さらに重要なライフラインである高陽浄水場も位置しております。スマートインターチェンジが設置されることにより,災害時において,これらの施設をより有効的に活用できるようになり,高陽地区が新たな拠点となって,本市北部地域を中心とした広域にわたる地域の安全・安心の実現にも大きく貢献ができるのではないかと思っております。
200万人広島都市圏構想を打ち出している広島市としても,来年の5月には,新
安佐市民病院,仮称ではございますが,開院予定ですが,基幹病院という位置づけを考えれば,高陽スマートインターチェンジの設置は,高速道路と高陽可部線の道路を活用して広範囲からの救急患者の搬送という新しいルートになり,広島広域都市圏の中心都市として機能強化が図られると考えております。広島市においては,早期実現に向けた取組をより強力に進めていただきたいと思います。本年の2月議会でも設置に向けた検討状況について質問をしたところ,建設費用を削減するため,インターチェンジのコンパクト化を図れないかという点について,NEXCO西日本と協議を行いながら,検討を進めているとの答弁がありました。
そこで,お尋ねをいたします。高陽スマートインターチェンジについて,現在の検討状況と今後の見通しはどうかをお答えください。
次に,市立学校におけるいじめ・不登校対策についてお尋ねいたします。
私は,市議会議員として奉職する前から,長年,青少年健全育成に係る様々な取組に携わってまいりました。朝の登校時の挨拶運動や見守り活動もその一つです。近年,児童生徒が登校する様子は,昔に比べると随分変わってきたなと感じます。髪型や服装の乱れた子供を見かけることはなく,一口で言うと落ち着いてきたなという印象です。いわゆる非行少年も激減しているのだと思います。これは,長年,市民,地域ボランティアの方々や県警察,行政,学校などの機関が連携して,少年の健全育成活動に取り組んできた成果だと考えております。しかし,一方では,いじめや不登校は全国的に見ても大きく増加し,今年度も全国各地でいじめが原因と思われる痛ましいニュースが多く報じられております。先日の文部科学省の発表では,全国の小・中学校の不登校児童生徒数は19万人を超え,過去最多となっております。朝の登校風景からはなかなか見えてこない状況であり,個々の子供たちの抱える問題も,その背景には,急増する児童虐待やコロナ禍での経済的な課題など様々です。子供たちの実情が多様化している一つの表れだと考えますし,それだけ今後は,より一層個々の子供たちの実情に応じたきめ細やかな支援が必要になってくる,重要になってくると思います。
そこで,今回は,本市のいじめ・不登校対策等について,幾つか質問をさせていただきます。
先日,11月24日に教育委員会議において,令和2年度の本市のいじめや不登校等の生活指導上の諸課題について報告がなされました。いじめの認知件数については,平成29年度以降,毎年度,大きく増加していましたが,令和2年度は小・中・高等学校を合わせて3,620件となっており,令和元年度と比較して1,105件減少しております。
そこで,お伺いいたします。令和2年度のいじめの認知件数が減少していますが,教育委員会としてどのように分析をされているのでしょうか。また,本市の学校におけるいじめ防止対策について,どのような取組が行われているのでしょうか。さらに,教育委員会として,本市の取組の現状を踏まえて,今後,どのように充実を図っていこうと考えているのかをお答えください。
次に,本市の不登校児童生徒の状況についてお尋ねいたします。
不登校対策についても,長年にわたって学校が取り組んでおられますが,不登校児童生徒数は近年増加している状況です。加えて,この2年,新型コロナウイルス感染症拡大の状況は,子供たちの学校生活にもソーシャルディスタンスの確保,授業や学校行事での様々な制約など,大きな影響を及ぼしており,長期化することで,ますます子供たちの健全育成の妨げになるのではないかと心配をしております。本市の不登校児童生徒数は,平成29年度以降,増加傾向が続き,令和2年度は小・中・高等学校合わせて2,162人となっており,令和元年度と比較して225人増加し,ここ5年で約2倍となったと聞いております。
そこで,お尋ねをいたします。本市の不登校児童生徒数は増加傾向が続いておりますが,教育委員会はこのことをどのように分析されているのでしょうか,お答えください。本市では,不登校対策として,市内4か所に設置しているふれあい教室や,全国に先駆けて平成10年度より全ての小・中学校に,教室に入りにくい児童生徒の居場所としてふれあいひろばを設置するなど取組を進めておられ,多くの成果が上がったと聞いておりますが,近年増加する不登校児童生徒数の現状を考えると,より一層の充実が必要だと思います。
そこで,お尋ねいたします。本市の不登校対策について,ふれあい教室やふれあいひろばも含め,どのような取組を行っているのでしょうか。また,教育委員会として,本市の取組の現状を踏まえ,今後,どのような対処を考えておられるのか,お答えください。
近年,ダイバーシティーという言葉を頻繁に耳にするようになりました。これは,多様性という意味の言葉でございますが,先ほど少し述べたように,児童生徒の実情が多様化していることを踏まえると,いじめ・不登校対策の充実を図っていく上において,この視点で児童生徒の実情を的確に捉え,それに応じたきめ細かい支援を行うことが重要であると思います。こうした意味では,いじめや不登校だけではなく,児童生徒が抱える悩みや不安は多様化しており,学校においては,このような悩みや不安にも,きめ細やかな配慮をする必要があると思います。この一例として,LGBTの児童生徒については,各学校で本人や保護者の意向をよく確認した上で,ふだんから本人が希望する呼び方で呼んだり,着替える場所を配慮したり,また,心の性に応じたトイレを使用する場合は,他の児童生徒が使用しない時間帯に使用できるよう工夫したりするなどの対応をしていると聞いております。また,基準服については,防寒対策,動きやすさの観点や,LGBTの児童生徒の配慮から,女子生徒がスカートとスラックスを自由選択できる学校が増えているそうです。今後の多様化が進む学校内で,LGBTの児童生徒にきめ細やかな配慮を必要とすることが増えてくるのではないかと思います。
そこで,お尋ねをいたします。LGBTの児童生徒への対応について,今後の課題としてはどのようなことが考えられるでしょうか。
最後に,冒頭で少し申し上げましたが,児童生徒の非行問題についてお聞きします。
過去には,いわゆる非行少年が社会問題化した時期もありましたが,現在は非行少年の検挙・補導率は激減しております。一方,情報化社会の進展に伴い,インターネットやSNSが急速に普及したことにより,インターネット上のトラブルや犯罪の加害・被害に児童生徒が巻き込まれるといったことが社会的な問題となっています。こうしたインターネットに関する少年問題は,これまでとは異なる,目に見えにくい潜在化した少年問題であり,児童生徒に端末を一人一台配付する時代の中で,対策を講じていく必要があると考えております。新型コロナウイルス感染症の影響により,活動を制限せざるを得なかったこともあるとは思いますが,警察との連携を取りながら,幅広く少年問題に対応している少年サポートセンターひろしまの活動は,極めて重要であると考えております。
そこで,お伺いします。本市で少年の検挙・補導件数は減少しているとは思いますが,少年サポートセンターひろしまを配置して以降の広島市域における非行少年の検挙・補導状況の推移と,少年サポートセンターで行われている児童生徒によるインターネット上でのトラブルや犯罪の加害・被害を防止するための取組等についてお答えください。
いじめや不登校対策を中心に,児童生徒の実態が多様化していることを踏まえて,幾つかの質問をさせていただきましたが,これからの学校教育は,学校という集団の学び場であることのよさを生かしつつ,いかに個々の児童生徒の実態に応じたきめ細かい支援を行い,SDGsの目標にありますように,誰一人取り残さないということを目指すことが大切であると思います。子供たちの中には,悩みや不安を抱えていても,学校や友人,家族の誰にも自分の胸のうちを伝えることができず,一人で悩んでいる人もいると思います。そこで,そのような子供のSOSを周囲の大人たちが,いかに感じ取ることができるかが大切であると思います。
教育委員会には,ぜひとも幅広い視点から必要な支援が必要な子供たちに必要なだけ届くよう,現状ではまだまだ足りていないスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家の配置拡充に努めるとともに,他の機関との連携を図りながら,現在推進している施策等のより一層の充実を図り,全国に誇れる広島市の学校教育を推進していただくよう要望して,質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○若林新三 副議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 木戸議員からの御質問にお答えします。
広島の交通政策の方向性のうち,目指す姿と芸備線の取組についての御質問がございました。
戦後の復興期から経済成長期にかけての本市における交通政策は,国のいわゆるモータリゼーション政策との協調が図れる領域から,道路交通網を整備していくことを基本にしてきました。また,公共交通に関しては,国における各種規制緩和や民営化といった動きに沿って,民間の交通事業者を競わせることを前提とした取組を進めてきました。そのために,現在の本市における民間を主体とした公共交通は,都市部での利用者の減少が収益の減少を招き,郊外部の公共交通をこれまでのように支えられなくなるとともに,人口減少に伴う輸送需要の縮小が郊外部で顕著となり,従来どおりのサービス提供が不可能になるという状況になっております。
こうした中で,本市の活力の基盤となる公共交通の維持・存続は喫緊の課題であり,これを実現するためには,これまでの発想を抜本的に転換し,鉄道や海路も道路と同様に,公共交通を支える社会インフラと捉え直す必要があると考えています。その上で,これらがネットワークとしての機能を発揮するためには,交通事業者間の競争をベースにサービスを維持するという政策から,協調をベースに利用者が利便性を実感できるサービスを展開する政策へとかじを切り替えるとともに,地域の基礎自治体が中心となって,公共としての公共交通を支えるための新たなシステムを構築していく必要があると考えています。
御指摘の芸備線の存続問題を例に取れば,今述べたような考え方の下で,沿線自治体が当面の利用促進策と将来に向けた鉄道機能の維持向上策を連携して進めているところであります。具体的には,当面の対策として,具体化できる利活用促進等について,芸備線沿線自治体や住民,鉄道と連携するバス事業者や観光施設等の各関係者と実施体制を整えながら,連鎖的な取組を実施するとともに,福塩線や呉線など,共通の課題を持つ他の沿線自治体にも同様の呼びかけを行っております。さらに,将来的な対策として,鉄道インフラとして避けて通れない課題である軌道などの機能の維持について,近年ヨーロッパで着目されているPSO──パブリック・サービス・オブリゲーション,公共サービス輸送義務制度などを念頭に,国の公共交通に係る諸制度の改正も視野に入れた上で,新たなシステムの研究を進めることにしているところであります。本市としては,このように公共交通を社会インフラとして位置づけ,民間主体で行ってきた経営を官公協同で維持,発展させていくために新たな政策のオピニオンリーダーとして公共交通を支え,公共交通に支えられる持続可能な都市圏の実現に向けた取組を,着実に進めていきたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○若林新三 副議長
道路交通局長。
◎加藤浩明
道路交通局長 広島の交通政策の方向性についてのうち,高陽スマートインターチェンジの早期設置について,現在の検討状況と今後の見通しをお答えします。
高陽地区へのスマートインターチェンジの設置については,実現に向けては,さらなるコスト縮減を図る必要があるという国からの意見を踏まえ,共同事業者となるNEXCO西日本と協議を進めてきたところです。NEXCO西日本としては,利用者の安全性や利便性の確保が第一であるとの見解であったため,大幅なコスト縮減には至らなかったものの,誤進入車両の退出路と料金所の一体化などによる一部コスト縮減を行うことで,利用者の安全性・利便性とコスト縮減の双方に配慮した計画案を取りまとめたところです。国の情報では,中国地方において令和元年度以降にスマートインターチェンジの新規希望箇所はない状況であり,少なくとも他地域との競合は低い状況であると考えられることから,設置を許可する国に対し,現在の案を再度提示し,実現に向けた協議を進めていきたいと考えています。
以上でございます。
○若林新三 副議長 教育長。
◎糸山隆 教育長 いじめ・不登校対策等について,数点の御質問に順次お答えをいたします。
まず,本市の令和2年度のいじめの認知件数が大きく減少しているが,どのように分析しているのかという御質問です。
令和2年度については,新型コロナウイルス感染拡大により,授業日数が短縮されたことや感染症対策の徹底による協同学習の制限等により,児童生徒同士が直接対面してやり取りをする機会が減ったことなどにより,いじめの認知件数が減少したものと考えております。
次に,本市の学校におけるいじめ防止対策について,どのような取組をしているか,また,今後,どのようにその充実を図るのかという御質問です。
本市においては,平成31年度に改定した広島市いじめ防止等のための基本方針に基づき,いじめの未然防止,いじめの早期発見,認知したいじめへの適切な対応等に取り組んでおります。具体的には,いじめの未然防止に向けて,道徳や特別活動などの時間を通して,自他の生命を尊重する態度や思いやりの心を育む取組を行っております。また,いじめの早期発見に向けては,各校に教育相談・支援主任を配置し,定期的なアンケートや教育相談等,相談体制の整備に取り組んでおります。さらに,認知したいじめへの適切な対応に向けて,各学校のいじめ防止委員会にスクールカウンセラーが参加し,教員と連携を図りながら,児童生徒の心のケアを行う体制の強化に取り組んでおります。
今後とも,こうした取組を継続するとともに,各学校において,児童生徒の学校生活の基盤となる学級づくりを支援するために,これに特化した学校・教員向けの指導資料を作成し,児童生徒が安心して学校に通うことのできる環境づくりに積極的に取り組んでいきたいと考えております。また,教育相談体制を一層充実させるため,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の拡充にも努めていきたいと考えております。
次に,本市の不登校児童生徒数は増加傾向が続いているが,どのように分析しているかという御質問です。
本市の不登校児童生徒数が増加した要因や背景は,本人に関わる課題や家庭など,子供を取り巻く環境の影響が絡み合うなど,多様化していると考えております。まず,本人に関わる課題としては,良好な人間関係の構築が苦手であったり,学習についていくことが難しかったりすることから,登校を渋る事例などがあります。次に,子供を取り巻く環境としては,いわゆる教育の機会確保法において,登校という結果のみを目標にするのではなく,当該児童生徒が社会的に自立することを目指すことや,学校への行きづらさを抱えている児童生徒の休養の必要性が明示され,保護者の意識も無理に学校に登校しなくてもよいと変化するなど,多様化していること,また,近年,フリースクール等,子供の特性に応じた多様な教育機会を提供する場が増えていることなどがあるのではないかと考えております。
次に,本市の不登校対策についてどのような取組を行っているか,また,今後,どのように充実を図るのかという御質問です。
本市の不登校対策については,各学校において,児童生徒の欠席が数日続いた場合に,担任等が家庭訪問を行うなど,保護者と連携して早期から対応するとともに,必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等とも連携しながら,チーム学校として支援するようにしております。不登校及びその傾向のある児童生徒の受入れ体制としては,市内4か所にふれあい教室を設置するとともに,全小・中学校にふれあいひろばを設置しています。このふれあいひろばについては,個々の子供のニーズに適切に応えるため,令和2年度から指定校において教員を加配し,学習支援の充実を図るとともに,ふれあいひろばをそれまでの1日3時間程度の開室から,終日開室にする取組を進めております。そのほか,近年,利用する児童生徒が増加しているフリースクール等の民間施設と学校との連携強化を図るため,令和元年度から学校・教育委員会と民間施設等との意見交換会を開催しております。こうしたことにより,ふれあいひろばについて,利用人数や利用日数が増えるなど好ましい変化が見られるとともに,学校と民間施設等とのスムーズな連携が図れるようになってまいりました。今後,ふれあいひろばの終日開室の拡充を進めるとともに,市内4か所のふれあい教室も含め,不登校児童生徒にとって,居場所から学びの場になるよう,支援環境や支援内容のさらなる充実を図り,誰一人取り残さない学校教育の実現を目指したいと考えております。
次に,LGBTの児童生徒への対応について,今後の課題は何かという御質問です。
LGBTについては,11人に1人,約9%が該当すると言われており,これを踏まえると,各学級に二,三人の児童生徒が在籍しているということが想定されます。こうした認識に立って,教員は日頃から学級運営に努めるとともに,LGBTの児童生徒を把握した場合には,きめ細かな対応を行うこと,また,児童生徒には互いの違いや多様性を理解・尊重し,自他ともに大切にする意識を育むことが重要であると考えております。
このため,教育委員会では,教員に対しては,平成28年度から養護教諭を対象とした研修を開始し,平成30年度からは校長,教頭,新規採用教員等を対象とした研修の中にLGBTをテーマとした講座を設け,令和元年度からは希望する教職員を対象とした人権教育研修においても同様の講座を設けて,実施しております。さらに,校長会等を通じて,LGBTを含む特別な教育的支援を必要とする子供については,個々の児童生徒の実態に応じたきめ細かい支援を行うよう周知をしております。また,児童生徒に対しては,道徳の授業や特別活動の時間を中心としつつ,教育活動全体を通じて児童生徒の発達段階に応じた人権教育を行っているところです。今後とも,LGBTに関する研修を継続的に実施し,教員の資質向上を図るとともに,各学校における人権教育の充実に努めてまいります。
最後に,広島市域における非行少年の検挙・補導状況の推移,そして,少年サポートセンターひろしまの取組についての御質問です。
非行少年の検挙・補導数については,議員の御指摘のとおり,全国的に年々減少傾向にあり,本市においても,少年サポートセンターひろしまを開設した平成27年の広島市域における非行少年の検挙・補導数は796人でしたが,令和2年には369人と半減をしております。その一方で,児童生徒によるインターネットに関連するトラブルは後を絶たないことから,職員等がネットパトロールを行い,児童生徒によるインターネット上の不適切な書き込みを発見した際は,学校等へ情報提供を行うほか,事件性があるものは県警察へ情報提供を行うなど,迅速かつ適切に対応しております。さらに,ネットへの不適切な書き込み等を行った児童生徒に対し,県警察と協同してネット非行防止セミナーを開催し,情報モラルの意識向上に努めております。また,少年サポートセンターひろしまでは,少年の立ち直り支援の場として,体験活動や学習支援を行う少年サポートルームを実施しております。新型コロナウイルス感染症の影響により,ここ2年は休止と再開を繰り返してきましたが,状況が落ち着いた10月下旬からはほぼ例年どおりの内容で再開をしております。インターネット上の問題をはじめ,多様化している少年問題全般に幅広く対応できるこの少年サポートセンターひろしまの存在意義はますます高くなっており,今後も当センターを核として学校や関係機関のほか,ボランティアの方々とも連携を図りながら少年の健全育成に努めてまいります。
以上でございます。
○若林新三 副議長 次に,26番西田浩議員。
〔26番西田浩議員登壇〕(拍手)
◆26番(西田浩議員) 皆さん,こんにちは。
公明党の西田でございます。会派を代表して,一般質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず最初に,令和3年8月豪雨災害についてお伺いいたします。
質問に入る前に,このたびの豪雨災害でお亡くなりになられた方々に対して,心より御冥福をお祈りいたしますとともに,被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
さて,私の母校である広島工業大学環境土木工学科森脇武夫教授がまとめられた2021年8月豪雨災害に関する中国地方の調査概要によると,このたびの大雨は,直前に台風第9号による降雨があったところに加えて,前線の停滞により,激しい雨が断続的に長期間にわたり続き,8月11日までに安佐南区で200ミリ,安芸高田市では130ミリを超える先行雨量がありました。また,安佐南区では48時間雨量が536ミリ,72時間雨量が630ミリ,安芸高田市では48時間雨量が502ミリ,72時間雨量が563ミリで,いずれも観測史上最高の雨量を記録したとのことです。そして,10日間の累計雨量は,2018年7月の西日本豪雨を上回りました。3年前は一気に災害が発生し,今回は徐々に危険度が増して災害が発生したようでございます。今回の災害被害は,3年前の西日本豪雨災害と比較し,非常に少なかったとのことです。これも砂防ダムが機能したり,早めの避難に努めていただけたりと,これまでの教訓が生かされたのではないかと思います。
ところで,私も被害が発生した13日から現地を見て回りました。安佐町飯室や鈴張地区を流れる鈴張川は,あちこちで護岸が崩壊し,大きな被害が発生していました。安佐町鈴張から北広島町に入ると,明神ハイツという団地から国道に土砂混じりの水が流れていました。団地に入っていくと,山からの濁流で,舗装された道路がえぐられ,道路が川のようになって水が流れており,何軒かの家には床上まで土砂が流れ込んでいました。上流には治山堰堤があり,土石流はその堰堤により防がれているように見えましたが,治山堰堤から流れ出た土砂混じりの水は団地内の側溝に流れ込み,流木などが引っかかり,水路からあふれ,道路に流れ込んでいました。今回の大雨は,山の至るところから水が流れ出ており,相当の雨水が山にたまるなど,雨量の多さを実感しました。翌14日は安佐北区深川の奥迫川から三篠川への合流部の水門を閉じたとの情報が入り,3年前に現地で被災された知人から水位が上がっているとの情報を得たので,急いで現場に駆けつけました。地元の方が水門の水位計を指し,3メートル50センチの目盛りのところまで水位が上がると氾濫すると教えてくださいました。そのときの水位の目盛りはもうすぐ3メートル40センチに迫る位置まで上昇していました。幸い,国土交通省によるポンプ車の増強や雨が少し小康状態になったこと,水門操作などを駆使され,何とか大規模な氾濫は免れました。毎年のように大雨が降り,災害の危機にさらされている広島市ですが,少しでも被害を少なくするために,気づいたことを何点か質問させていただきたいと思います。
まず最初に,治山堰堤の下流側の流路の整備が不可欠であるということです。先ほど,北広島町の明神ハイツの様子を紹介しましたが,安佐北区内でも口田南地区,深川地区では下流の流路があふれ,土砂混じりの水が民家近くまで押し寄せてきたところがありました。また,安佐町鈴張の譲羽団地にも流路が壊れている治山堰堤があり,6.29災害で多くの被害が出た同団地では,治山堰堤のすぐ下に民家があり,またあの災害が起こるのではと不安な日々を過ごされています。
そこで,お伺いします。治山堰堤の下流側の流路の整備が必要ではないかと思いますが,いかがでしょうか。
次に,奥迫川の浸水対策についてです。
今年の大雨の際も,三篠川が氾濫危険水位に達するほど水位が上昇し,それに伴って奥迫川も流れにくくなり,安佐北区深川地区では大きな被害はなかったものの,一部が浸水しました。奥迫川と三篠川の合流部には,三篠川からの逆流を防ぐため,水門と排水ポンプが設置されていますが,今回の大雨で,地元住民からは適切に水門や排水ポンプが稼働されていたのか,一時ポンプが止まっていたのではないか,あるいは,水門操作者が替わったりして,適切な操作を行っているのかといった声をお伺いしました。
そこで,お伺いします。今回の大雨で,水門と排水ポンプは適切に操作されたのか,また,設置された排水ポンプのほかに国が排水ポンプ車を配備し,追加で排水しましたが,市自ら排水ポンプ車を持ち,対応することはできないのか,教えてください。
国土交通省中国地方整備局と市当局では,水門と排水ポンプを適切に操作されていると思いますが,それでも地元住民は心配されています。そこで,水門と排水ポンプの操作状況などを地元住民に間近に見学してもらえれば,より地域住民の理解・安心につながると考えていますが,いかがでしょうか。そのときに,防じんスクリーンがきれいであることなども確認できれば,より安心につながると思います。
また,国土交通省中国地方整備局によると,水門や排水ポンプは,浸水被害の軽減を図るものであり,根本的な対策ではないとのことであるが,これではいつまでたっても浸水被害は解消されず,地元住民は安心して生活ができません。奥迫川は県が管理しているとのことですが,今後,懸念される水害の激甚化・頻発化に備え,現在の排水ポンプだけではなく,抜本的な河川整備が必要だと思います。
そこで,お伺いします。県では,河川整備としてどのような対策を考えているのか,また,この対策の検討状況と今後の見通しについてお答えください。
次に,黒い雨被害者の救済についてお伺いします。
令和3年7月14日午後3時,広島高等裁判所で,国が指定した援護区域の外にいた原告の住民たちが被爆者に該当するかどうかが最大の争点となった,いわゆる黒い雨をめぐる裁判の判決が出ました。一審に続き,二審も原告の全面勝訴となりました。今回の判決では,黒い雨を浴びていなくても空気中に滞留する放射性微粒子を吸い込むなどして体内に取り込んだことが否定できなければ,内部被曝による健康被害を受けた可能性があると判示され,一審判決よりも踏み込んだ判断が示されました。厚生労働省内では,一審よりもさらにハードルが上がった二審判決は,受け入れ難いという考えがあったようです。しかし,7月26日,当時の菅総理は,判決には政府として受け入れ難い部分もあるとしながらも,熟慮に熟慮を重ねた結果だとして,上告しないことを表明されました。政府の見解は,今回の判決には,原子爆弾の健康影響に関する過去の裁判例と整合しない点があるなど,重大な法律上の問題点がある,とりわけ黒い雨や飲食物の摂取による内部被曝の健康影響を科学的な線量推計によらず,広く認めるべきとした点は,これまでの被害者援護制度の考え方と相入れず,容認できるものではないというものでした。その上で,談話では,原告と同じような事情にあった人も,訴訟への参加・不参加にかかわらず,被爆者として認定し,救済できるよう,早急に対応を検討するなどとされました。このような状況の中で,11月25日,湯崎県知事と後藤厚労相との非公開の会談の後,湯崎知事が22年度から新制度を運用できるよう考えると後藤厚労相が話されたことが報道されたところです。
そこで,お伺いします。国との協議の進捗状況はどうなっているのか,教えてください。
ところで,8月2日に安佐町北部黒い雨の会より相談があり,我が党の斉藤鉄夫衆議院議員と共に懇談会を行いました。その懇談会では,黒い雨降雨地域の早期拡大の要望はもちろんのこと,申請手続の不安について多くの方から御意見を伺いました。被爆から76年がたち,被爆者の高齢化が進んでおり,申請手続ができるのかどうかを特に心配されていました。被爆者健康手帳の申請には,当時の状況の記述や証人の有無など,高齢者にとってはとてもハードルが高く,一番懸念しているところであるとのことでした。まだ決定しているわけではありませんが,雨域が拡大されると救済対象者は約1万3000人に上ると言われています。それゆえ,手続の簡素化は必須であると思います。また,会では,平成15年に要望書を広島市に提出されており,要望書の中には,個々の黒い雨を受けたときの状況を証言集としてまとめられています。このようなものを再利用するということも簡素化につながるのではないかと思います。
高齢者が多く,文章がうまく書けない方が増えているなど,手続の簡素化についてどのように検討されているのか,教えてください。
ところで,このたびの上告断念や政府の見解を受け,黒い雨体験者から既に多くの申請が出ているとお聞きしています。申請の状況はどうか,また,その申請に対し,現在どのように対応をしているのか,教えてください。
次に,投票率向上対策についてお伺いします。
衆議院議員選挙の際,投票のしにくさについて,いろいろと御意見をいただきました。中国新聞でも投票率の低下について特集をされています。少子高齢化が進む中で,どのように投票率を維持,あるいは上げていくのかということは喫緊の課題です。
そこで,投票率向上対策について何点かお伺いします。
まず最初に,投票所の設置場所についてです。投票区の中には,投票所が遠くて投票に行きにくい地域があります。具体例を挙げますと,安佐町久地の宇賀の集会所と安佐町小河内の槇原地区は,太田川を挟んだ両岸に位置し,小河内の槇原地区から宇賀集会所へは宇賀大橋を渡るとすぐに行ける近さです。しかし,小河内側の地区は,数キロ離れた,狭く急な坂道を上らないと行けない小峠地区の集会所が投票所になっており,車を運転できない高齢者はもとより,元気な方でもなかなか行きづらい場所にあります。また,他の地域でも遠くて行きづらいという事例があると聞いています。中国新聞の江田島市での市議会議員選挙特集記事にも,投票所が遠くて行きにくい人がいることが取り上げてありました。
そこで,お伺いします。まず,投票所配置の見直しが必要ではないかと思いますが,いかがでしょうか。
次に,これも多くの方から指摘がありましたが,高齢者が利用しづらい投票所があるということです。昔から使用していた集会所で今までは何も不自由を感じなかったが,石段を上らないといけないので,最近は行きたくないとか,投票所が2階にあるとか,靴からスリッパに履き替えないといけないなどなど,昔は普通に行けたのに,近頃は投票所に行きにくいというお話をお聞きしました。利用しやすい投票所にするよう,バリアフリー化など,何らかの対応が必要ではないかと思います。いかがでしょうか。
次に,広島駅南口地下広場での期日前投票についてお伺いいたします。
我が会派では,これまでも投票率向上の施策として,大型商業施設や大学の構内などで期日前投票ができないかとの提案もしてまいりました。広島市は8区の行政区に分かれているため,それぞれのブースを設ける面積が必要である等,ハードルが高く,なかなか実現には課題が多いとのことでした。そういう中で,今回,広島駅南口地下広場において,3日間とはいえ,実施できたことは大きな前進だと思います。
そこで,お伺いします。どのような人員体制で実施されたのでしょうか。また,今回の結果をどのように総括されていますか。次に行われる予定の参議院選挙や統一地方選挙では期間の延長や大型商業施設での実施等,さらに拡大させるのか,以上三点についてお答えいただければと思います。
次に,空き家の活用についてです。
皆様御存じのとおり,空き家の総数は年々増加しており,平成30年の住宅・土地統計調査によると,我が国の空き家の総数は,この20年間で1.5倍,約576万戸から約849万戸に増加しています。本市においても,この20年間で約1割,6万6530戸から7万3000戸に増加している状況にあり,今後,団塊の世代が後期高齢者の年齢に達すると,ますます増えていくことが見込まれます。とりわけ,安佐北区の中山間地域の空き家については,不動産業者等の民間事業者は,収益が低いことや現地までの距離があり効率が悪い等の理由から積極的に取り扱わず,放置される状況が続くことで問題の深刻化につながるのではないかと危惧しています。空き家を取り巻く問題は,それぞれの所有者ごとに抱える問題が異なること,そして,その問題が多岐にわたるケースがあることなどにより,問題の解決を難しくしている面がありますが,そのために放置される空き家が増え続ければ,保安上の問題や景観や衛生に対する支障が出るなど,様々な生活環境の悪化を招くおそれがあります。このため,空き家を多く抱えている自治体では,空き家バンクの設置や改修等に係る経費に対する補助などを行い,積極的に空き家の活用を図る動きも見られます。本年9月19日の中国新聞の記事では,福山市で,所有者と各地域の住民組織,学区まちづくり推進委員会が話し合い,推進委員会が申請をすれば,家屋の補修費やごみの撤去料などを補助する制度を開始したとの記事がありました。
本市においても空き家の活用を図っていくことは重要であり,特に中山間地域では,定住者を呼び込むためには空き家を活用し,住宅の確保を図ることは必要不可欠であると考えます。また,空き家は負の財産などと言われますが,有効活用を図ることで,同じ「ふ」でも「とみ」のほうの富の財産にもなり得る可能性を持っています。例えば安佐北区の可部地区では,古民家の空き家を改修し,歴史と風情を感じられる町並みを守るとともに,古民家を生かしたまちづくり活動が行われています。また,安佐北区安佐町小河内地区では,食事や喫茶を田園風景を見ながら楽しめる
コミュニティー広場として活用されている方もいらっしゃいます。
このように,空き家の活用といっても,住むための活用もあれば,地域の活性化に資する活用もあると思いますが,本市として,特に中山間地域の空き家の活用に関して,どのような問題意識を持ち,今後,その活用について取り組んでいくのか,市の考えを教えてください。
次に,高陽地区へのスマートインターチェンジの設置についてお伺いします。
高陽地区へのスマートインターチェンジの設置については,これまで木戸議員から度々質問されていますが,このたびの衆議院選挙で高陽地区への挨拶回りをする中で,スマートインターチェンジ設置の要望が多いことを感じましたので,私からも質問をさせていただくことにしました。
私は,沼田のスマートインターチェンジを利用することが多くありますが,安地区や沼田地区からは広島インターチェンジや西風新都インターチェンジまで行くことなく,山陽自動車道にアクセスでき,とても便利です。しかし,高陽地区の南側エリアから山陽自動車道にアクセスする場合,広島インターチェンジを利用することになりますが,同インターチェンジを利用するためには太田川を越える必要があり,高瀬大橋や安佐大橋を通る手段しかありません。しかし,特に朝夕は,この二つの橋は交通量が多く,渋滞が常態化しており,広島インターチェンジへのアクセスが難しいと感じています。また,高陽地区の北側エリアからは広島東インターを利用することになりますが,そのためには,常態的に渋滞が発生している主要地方道広島三次線を利用する必要があるため,不便を感じています。安佐北区内でも特に人口が集中している高陽地区の口田及び落合地区で,山陽自動車道にアクセスできれば,高陽地区の利便性が格段に上がり,地域の活性化や災害時の対応強化にもつながるとともに,安佐北区の人口減少に少しでも歯止めがかかるのではないかと期待しています。
ところで,スマートインターチェンジの設置は広島市単独で行うものではなく,高速道路のランプや料金所等はNEXCO西日本が整備し,一般道から料金所に至る接続道路等は広島市が整備することから,共同事業者となるNEXCO西日本の協力を得て,広島市が全体の計画を取りまとめ,国に必要性を認めてもらう必要があると聞いています。
そこで,お尋ねいたします。高陽地区へのスマートインターチェンジの設置について,国やNEXCO西日本等の関係機関とのこれまでの協議経過と今後の見通しはどうか,お答えください。
最後に,盛土対策についてお伺いします。
令和3年7月3日,静岡県熱海市伊豆山付近を襲った豪雨の影響で,大規模な土砂災害が発生しました。27名の死者・行方不明者を出し,家屋の全壊が53棟になるなど,大きな災害となり,皆さんも記憶に新しいのではないかと思います。東京都立大学都市環境科学研究科松山洋教授があるサイトのインタビューで,今回の熱海市の土砂災害の原因は,明確に断定することは難しいが,主に降雨量・地形・盛土の三つが考えられる。まずは降雨量,年間降水量の10%が短期間に集中すると土砂災害が起きると言われており,熱海市の場合,7月1日から3日の3日間に552.8ミリが降り,熱海市の年間降雨量約2,000ミリを考慮すると土砂災害が起きたことはある意味必然です。また,盛土は低い地盤や傾斜地に山から削り取った土砂を盛り上げて,平たんな地表を造ることですが,山に手をかけることは地盤を大きくゆがませます。現在の地形は,長い時間をかけて徐々に変化し,今現在も隆起しています。にもかかわらず,開発目的のために盛土を含めた土地開発を,ここ数十年間に地球規模で見ると急ピッチで進められました。そのことが土砂災害のリスクを引き上げています。また,盛土は崩れやすいという指摘も聞かれます。大雨によって地面が大量の水を吸うと,本来の地形と盛土との間にずれが生じて土砂災害を引き起こします。2014年に神奈川県横浜市緑区を襲った台風18号では,盛土された崖が崩れて1人が亡くなっています。2017年の台風21号は,大阪府岸和田市で盛土が崩れ,川をせき止めて,住宅や工場を浸水させました。盛土が崩落した結果,水害を招いた事例は枚挙にいとまがありません。加えて,今回は,盛土の中に産業廃棄物が見つかったこと,開発に当たった不動産会社が基準値15メートル以内を大きく上回る高さの盛土を形成していたことなど,人災とも解釈できるような報道もあり,盛土はそれ自体だけでなく,様々なトラブルを内包しています。そして,今後は盛土を見直す必要があるとのことです。しかし,日本は山が多く,居住できる範囲が限られています。安全に生活する土地を確保するために,盛土をはじめとした土地開発とうまく折り合いをつけていかなければなりませんと,概要をこのように述べられています。
広島市も近年,土砂災害が頻発しており,平成26年の8.20広島土砂災害や,平成30年の西日本豪雨災害,今年8月の豪雨災害など,毎年のように豪雨に見舞われています。また,私の知人で土木業をされている方からも,あちこちに,特に山の中ですが,盛土があり,心配なんよとの声もいただいています。この土石流災害を受けて,本年8月に国は,関係府省連絡会議を立ち上げ,盛土による災害の防止に向けて盛土の総点検と,これを受けた対応について統一的に取組を進めていくこととし,人家に影響のある盛土について,都道府県に総点検を依頼しています。
そこで,次の二点についてお伺いします。
国から県へ依頼のあった盛土による災害防止に向けた総点検のうち,広島市の点検箇所は何か所あり,その点検の内容及び結果はどうだったのでしょうか。次に,宅地造成等の盛土に関する安全対策はどのようにされているのか。また,広島市では,熱海市のような災害は起きないと考えてよいのか,教えてください。
盛土は,これまでの人々の営みの中で多くの場所に存在しています。ちゃんと維持管理されているもの,不法なもの,長い年月をかけて地形が変形しているもの,様々な状態のものが多く存在していると推測されます。今後とも,安心・安全な住みよい広島市になるよう,当局も御尽力いただきますようお願いして,質問を終わります。
最後までの御清聴ありがとうございました。(拍手)
○若林新三 副議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 西田議員からの御質問にお答えします。
空き家の活用についての御質問がございました。
全国的に空き家が増加して,大きな社会問題となっている要因は,人口が増加し,高度経済成長している社会においては,都市部と郊外部,新築と中古住宅等,それぞれの市場の需要と供給がうまく循環してきたところ,少子高齢化,人口減少の社会を迎え,さらには価値観が多様化している現在,その需要と供給のバランスが崩れ,うまく市場が循環していないことにあると捉えております。
こうした中,国は2015年,空家等対策の推進に関する特別措置法を施行し,本市も国の事業メニューに沿って対策を講じてきましたが,空き家対策はこうした予防・管理の観点からの取組だけでなく,
地域コミュニティーの維持,活性化にも重要であり,基礎自治体として空き家を有効活用していくという視点から,その利活用にも積極的に取り組んでいく必要があると考えております。とりわけ,議員御指摘の中山間地域では,都市部と比較して収益性が低いため,物件が流通しにくく,利活用が進まない実態があり,こうした地域に対しては,行政が空き家の利活用をより積極的に支援し,取り組んでいく必要があると考えております。このため,現在,中山間地域を対象とした空き家について,相談から利活用まで一体的に支援する仕組みを検討するとともに,この仕組みをより実効性のあるものとするため,本市が所有者から空き家を借り上げ,活用希望者に貸し付けることで,所有者が安心して空き家を提供できる体制を整えたいと考えています。
あわせて,空き家の所有者,または活用希望者に対して,リフォーム──小修繕,あるいはリノベーション──改築,こういったことに関わる費用の一部を補助することも検討しております。このような取組を進めていくことで,中山間地域への定住者の住宅を確保し,定住の促進につなげるとともに,カフェなどの地域の新たな魅力スポットの創出にもなると考えています。こうした中山間地域の空き家の活用に関する取組方針を,現在策定中の次期広島市空家等対策計画と広島市
地域コミュニティ活性化ビジョンに盛り込み,本市として空き家を予防・管理する側面に加え,その利活用に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○若林新三 副議長
経済観光局長。
◎津村浩
経済観光局長 8月豪雨災害に係る対策についてのうち,治山堰堤下流の流路の整備について,整備が必要ではないかとの御質問にお答えいたします。
治山堰堤は,森林法に規定する保安施設として,広島県が事業主体となり整備しているものです。治山堰堤は,土砂が堆積すれば,そこに植生が再生し,その目的を果たすことになるため,下流側の流路は通常は必要ないものとされていますが,県では,現地の状況を見ながら,谷の水が多いなど,必要な箇所においては整備を行っています。こうした中,本市では,これまでの大規模豪雨災害の際には,県との協議により,県の事業区域外の流路の整備が必要な箇所について,土地所有者の同意を得ながら整備を行ってきたところです。
本年8月の豪雨災害では,議員御指摘のとおり,累積雨量が平成30年7月豪雨を上回るほどの大雨により,治山堰堤の下流側の流路から水があふれるケースも発生しています。本市としては,今後とも市民の安全・安心を守る観点から,流路から水があふれるなど,不安を抱えている周辺住民の声をお聞きしながら,県と協議を行い,流路の断面の不足の解消など,必要な対応を行っていきたいと考えております。
以上でございます。
○若林新三 副議長 下水道局長。
◎油野裕和 下水道局長 8月豪雨災害に係る対策についてのうち,奥迫川浸水対策についての数点の御質問についてお答えいたします。
まず最初に,本年8月の大雨で,水門と排水ポンプは適切に操作されたのか,また,設置された排水ポンプのほかに,国が排水ポンプ車を配備し,追加で排水したが,市自ら排水ポンプを持ち,それで対応することはできないのかについてです。
奥迫川に設置されている水門及び排水ポンプは,合流先の国管理区間の三篠川における洪水発生時の逆流防止や奥迫川の水位を下げることを目的として,国において整備されたものです。これらの施設の操作に当たっては,国の職員の立会いや指示の下,河川状況を監視しながら,委託業者が水門の開閉や排水ポンプの運転・停止を操作する体制を取っており,本年8月の大雨においても,この体制に基づき,適切な対応がなされたと考えています。この大雨の際に緊急的な措置として,国において排水ポンプ車が配備されましたが,国において水門や既設の排水ポンプと一体的に操作したほうがより効率的な洪水の抑制につながるものと考えます。このため,本市としては,引き続き避難指示発令等の避難対策や被害状況調査等の水防活動の役割を果たしてまいります。
次に,8月の大雨で水門と排水ポンプは適切に操作されていると思うが,それでも地元住民は心配されている,水門と排水ポンプの操作状況など,地域住民に間近に見学してもらえば,より地域住民の理解・安心につながると考えるがどうかについてです。
奥迫川の水門及び排水ポンプの操作については,毎年,出水期前の5月から6月までの間で,管理者である国の主催で訓練が実施されており,地域住民にも安全性を考慮して遠方で見学いただいているところです。議員御提案の見学方法は,遠方からでは見ることができない水門の開閉やポンプの運転・停止の操作について,洪水時の逆流発生や水位上昇を監視しながら,適切なタイミングで実施していることを地域住民に間近で見学いただきながら説明する機会になるため,地域住民のさらなる御理解と安心につながるものと考えています。このため,今後,こうした見学の適切な時期や安全に実施できる方法等について,国と調整を図っていきたいと考えています。
最後に,奥迫川は県が管理しているとのことだが,現在の排水ポンプだけではなく,河川整備が必要である。県では,河川整備として,どのような対策を考えているのか,また,この対策の検討状況と今後の見通しはどうかについてです。
県では,令和2年度に策定した三篠川水系の河川整備計画などにおいて,本市の要望も踏まえ,奥迫川の洪水対策として,放水路を中心とした河川整備を位置づけています。現在,県では,奥迫川の所要の流下能力を確保する中で生じてくる課題を整理しているところと聞いており,今後,この結果を踏まえ,実効性のある整備案が選定されていくものと考えています。本市としては,地域住民の安全・安心に向け,県に対して,引き続き整備促進を強く要望していきたいと考えています。
以上でございます。
○若林新三 副議長 保健医療担当局長。
◎阪谷幸春
健康福祉局保健医療担当局長 黒い雨被害者の救済について,三点の御質問にお答えいたします。
初めに,国との協議の進捗状況はどうかについてです。
国との協議につきましては,厚生労働省から黒い雨体験者の救済に向けた具体的な制度設計の協議の前に,広島県・市の事務担当者レベルで打合せを行いたい旨の意向が示されたことから,本年7月30日から11月29日までの間において,現在の3号被爆者に係る審査基準に基づく事実認定の方法や審査の手順などを,県・市から厚生労働省へ説明するとともに,今回の裁判における原告の方々の黒い雨の体験状況などを三者で確認してきました。この事務担当者レベルでの打合せを踏まえ,11月30日に長崎県・市も含めた正式な協議が始まり,その際に本市から国に対して,広島の思いを十分に考慮し,黒い雨に遭遇した方々に対し,直ちに,また,確実に手帳交付が行われるような制度に見直していただきたい旨の要請を行いました。また,昨日行われました2回目の協議では,広島県・市,長崎県・市,さらには厚生労働省が,それぞれ審査の指針に盛り込むべき内容等を提案したところです。本市としましては,引き続き,黒い雨に遭遇した方々の身になって,できる限り救済することができるような方策を国に講じていただけるよう,また,来年4月から制度の運用を開始できるよう,しっかりと議論してまいります。
次に,手続の簡素化についてどのように検討されているのかについてです。
被爆者健康手帳の交付申請書には,原爆が投下された時点の住所や家族状況,被爆したときにいた場所や一緒にいた方などを記載する項目があり,これらの内容を踏まえて審査をしております。こうしたことから,申請書には可能な限り記載していただきたいと考えておりますが,議員御指摘のとおり,原爆投下から76年が経過し,被爆者の高齢化が進む中で,全ての項目を詳細に記載していただくことは難しくなっていると認識しております。このため,本市では,申請書の受付の際などに職員が申請書の項目の内容を丁寧に聞き取り,場合によっては申請書への記載を補助することや,記憶がなく記載が難しい項目があった場合は不明であることを記載していただいた上で申請を受け付けることなど,できる限り申請者の負担軽減に努めているところです。また,申請者の被爆当時の証人につきましては,必須ではなく,証人がいない方であっても申請は受け付けているところです。今後は,高齢の申請者のさらなる負担軽減のため,現在,市役所まで来庁していただいている面接を,電話での聞き取りにより行うことを検討しており,そのほかの手続の簡素化についても,国と協議することにしております。
最後に,申請の状況はどうか,また,その申請に対し,現在どのように対応しているのかについてです。
黒い雨に遭ったとする方の被爆者健康手帳の本市への申請件数は,11月30日の時点で申し上げますと,952件となっております。これらの申請に係る審査の基準は,現時点では決まっておりませんが,制度改正後は速やかに手帳交付ができるよう,現在,提出された申請書について,黒い雨の体験状況などの記載内容を確認するとともに,戸籍の収集や過去の調査資料が記録されている広島原爆戦災誌など,申請内容を補足する資料の確認を行っているところです。
以上でございます。
○若林新三 副議長
選挙管理委員会事務局長。
◎橋場聡子
選挙管理委員会事務局長 投票率向上対策についての御質問のうち,まず,投票所が遠く,行きにくい地域がある,投票所配置の見直しが必要ではないか,利用しやすい投票所にするようバリアフリー化など,何らかの対応が必要ではないかの二点の御質問にお答えいたします。
投票所の配置につきましては,投票所までの距離,3キロメートル以内,選挙人数,おおむね3,000人以内といった国の通知を基本としつつ,交通事情,学区や
コミュニティー活動の範囲,投票所として使用できる施設の有無等を考慮して,区選挙管理委員会が定めております。自治会等から投票所の変更の御要望がある場合は,地域のできるだけ多くの方々の利便性や投票所としていつでも使用できる施設の有無等を勘案しながら検討させていただきます。
利用しやすい投票所とするための改善としては,これまで利用施設の変更や仮設スロープの設置等に取り組んでおりますが,今のところ,エレベーター等のない2階にある投票所が3か所,仮設スロープを設置できない投票所が7か所,土足禁止の投票所が47か所あります。2階や仮設スロープを設置できない投票所では,事務従事者が介助の必要な方の移動を補助しており,土足禁止の投票所では,ビニールシートを敷くことについて,施設管理者と協議するなどしていますが,今後も,利用施設の変更を含めて改善に努めていきたいと考えております。
次に,広島駅南口地下広場などの期日前投票について,その人員体制,今回の結果の総括,次に行われる予定の参議院選挙や統一地方選挙での期間や実施施設の拡大の三点の御質問にお答えいたします。
10月31日執行の衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査及び11月14日執行の広島県知事選挙・広島県議会議員広島市安佐南区選挙区補欠選挙では,期日前投票が集中する傾向にある投票日直前の3日間,広島駅南口地下広場に期日前投票所を設置いたしました。約730平方メートルの会場に8区ごとの区画を設け,衆議院議員総選挙等では,1日当たり投票立会人16人を含む117人の人員を配置し,運営いたしました。事務従事者の内訳は,市選挙管理委員会2人,区選挙管理委員会16人,業務委託業者83人となっております。この広島駅南口地下広場の期日前投票所の利用者は,衆議院総選挙等では8,875人で,これは,3日間の全市の期日前投票者数6万1209人の14.50%,また,全期間の期日前投票者総数12万8232人の6.92%に当たります。また,県知事選挙等での利用者は5,636人で,これは3日間の全市の期日前投票者数2万4618人の22.89%,また,全期間の期日前投票者総数9万4364人の5.97%に当たります。利用者からは,便利な場所で投票できるようになった,仕事帰りに投票できてよかった等の声をいただいており,一定の効果があったものと考えております。
庁外期日前投票所の設置については,本年2回の選挙を経たのみで,今後,定着が進んでいくものと思われることから,来年以降執行が見込まれます参議院議員通常選挙及び統一地方選挙におきましても,引き続き,広島駅南口地下広場に3日間程度設置し,さらに多くの方に御利用いただきたいと考えております。設置期間の延長やその他の大型商業施設等での設置につきましては,今後の結果も踏まえ,引き続き検討してまいります。
以上でございます。
○若林新三 副議長
道路交通局長。
◎加藤浩明
道路交通局長 高陽地区へのスマートインター設置について,国やNEXCO西日本等の関係機関とのこれまでの協議経過と今後の見通しに関する御質問にお答えします。
高陽地区へのスマートインターチェンジの設置については,山陽自動車道から高陽地区へのアクセス時間の短縮や,地区内の防災拠点とのネットワーク強化による防災機能の向上などの効果が期待できることから,平成27年度より実現可能性について内部検討を開始しました。平成29年度からは,接続する山陽自動車道の線形や勾配,利用交通量などの諸条件を踏まえ,共同事業者となるNEXCO西日本と協議を行いながら,具体的な検討を進め,基準をクリアするインターチェンジの概略案を令和元年度に作成し,国との協議を行いました。先ほど木戸議員からの御質問にお答えしたとおり,国から実現に向けてはさらなるコスト縮減を図る必要があるとの意見があったことを踏まえ,誤進入車両の退出路と料金所の一体化などによる一部コスト縮減を行うことで,このたび,利用者の安全性・利便性とコスト縮減の両方に配慮した計画案を取りまとめたところです。
今後は,設置を許可する国に対し,現在の案を再度提示し,実現に向けた協議を進めていきたいと考えています。
以上でございます。
○若林新三 副議長
都市整備局指導担当局長。
◎谷康宣
都市整備局指導担当局長 盛土対策について,二点の御質問にお答えいたします。
まず,国から県へ依頼のあった盛土による災害の防止に向けた総点検のうち,広島市の点検箇所は何か所あり,その点検の内容及び結果はどうだったのかについてです。
本年7月に静岡県熱海市で,平成19年に造成された盛土から土石流災害が発生したことを踏まえ,広島県は,造成された盛土や大規模盛土造成地などが宅地造成等規制法などの関係法令に照らして問題がないかについて点検を行いましたが,国からの依頼を受けて行った本市の区域内の点検箇所は,平成12年以降のものが190か所あります。なお,このうち,170か所については,県からの依頼を受けて本市が担当し,関係法令に基づく盛土の許可などの内容と現況との相違の有無,災害防止措置の有無などの観点から,確認を行っております。その点検の結果,法令違反などの可能性のある箇所が,広島県全体では13か所,本市の区域内では4か所ありました。これについては,1か所について,工事が中断しているため,計画されていた擁壁がまだ設置されていないもの,また,3か所については,一部小規模なのり面の崩落が見られるものなどでございます。これらについては,いずれも現地において,安全性について確認を行った結果,地盤が安定し,のり面の緑化が進行していることや,のり面が崩落しても既存の堰堤で補足できる範囲であることなどから,現時点で土石流災害の発生の危険性はないものと判断いたしております。
次に,宅地造成等の盛土に関する安全対策はどのようにしているのか,また,広島市では,熱海市のような災害は起きないと考えてよいのかについてです。
本市において,平成12年以降に行われた盛土については,そもそも宅地造成等規制法や森林法,広島県土砂の適正処理に関する条例,広島市土砂堆積等規制条例などに基づき,許可に当たり,盛土における擁壁の構造や排水施設,のり面保護など,技術的基準に適合した計画となっているかを審査するとともに,盛土工事が完成した際にも,計画どおりに施工されているか,完了検査などを行っているものであることに加え,このたび,国からの依頼を受けて行った総点検の結果,災害発生のおそれが認められなかったことから,現時点において,本市では,熱海市の土石流災害のようなものは起きないと考えております。また,平成12年より前に行われた盛土については,造成後20年以上経過しており,総じて安全であると考えられますが,宅地造成等規制法など関係法令による許可,検査を受けていないものもあり得ることから,引き続き,県が行う点検と連携しながらパトロールを行うことにより盛土の安全確保に努めてまいります。
以上でございます。
○若林新三 副議長 西田浩議員。
◆26番(西田浩議員) どうも御答弁ありがとうございます。再質問はないです。
まず,空き家の活用について,新しい制度,新しい仕組み等もつくっていただけるということで,非常に現場のニーズを考慮していただいて,取り組んでいただいているというふうに感じておりますので,ぜひお願いしたいと思います。また,御答弁にもありましたように,空き家を放っておくと危険な空き家になってしまって,本当に危険な状況が続きますので,そういう意味でもこの空き家利用の活性化,進めていっていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
それから,8月豪雨に係る対策についてですけれども,まず,流路の整備については,地域の方が行政と一緒に取り組みやすい制度へちょっと一歩前進をしていただいたということで,本当にありがとうございます。しっかりと安心・安全が守れるように,その地域の方にも新しい制度になりますよということも伝えていきたいと思います。また,奥迫川については,私,現場へ行ったときに,県議会議員,それから,そのときは大臣ではありませんでしたけれども,斉藤国交大臣も現場を見ておりますので,しっかり国・県・市,三者で本当に取り組んでいただけるように,県や国のほうにも私のほうからもしっかり言っていきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
最後に,黒い雨の話で,今朝,中国新聞,新聞報道でもされましたけれども,昨日の協議でちょっと国がとんでもないことを言い出したので,ここは,県・市の皆さんに頑張っていただいて,我々もしっかりと広島県出身の国会議員,今回,増えましたので,うちの党も,しっかりと話をして,当初の思いどおりにいけるように我々も頑張っていきたいと思いますので,どうか市も負けないように頑張っていただければと思います。
以上で終わります。
○若林新三 副議長 本日はこの程度にとどめ,明日引き続き一般質問を行います。
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次会の開議通知
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○若林新三 副議長 この際,御通知申し上げます。
明日は午前10時より議会の会議を開きます。
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散会宣告
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○若林新三 副議長 本日は,これをもって散会いたします。
午後2時36分散会
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議 長 佐 々 木 壽 吉
副議長 若 林 新 三
署名者 水 野 考
署名者 森 畠 秀 治...