まず,総括的な
事項についてであります。
各
会計歳入歳出決算については,
自主財源の
確保は
財政運営の
安定性と
行政活動の
自主性を
確保する上で極めて重要であることから,
市税等について,効果的・効率的な
収納体制を整備するなど,収入の
確保及び
収納率の
向上に努める必要があります。
そして,今後とも厳しい
財政状況の中で,多様化する
行政需要に的確に対応するためには,「選択と集中」による政策の
重点化・
効率化を図りつつ,すべての
事務事業の見直しにより,経費の縮減を行う必要があります。
また,
臨時財政対策債の発行などの影響により,
令和2年度末の
一般会計の
市債残高は1兆1,239億円となっており,将来世代へ過度の負担を残さないよう
市債残高の抑制により一層努める必要があります。
次に,
企業決算については,
水道事業,
下水道事業及び
安芸市民病院事業いずれも,その
経営環境は依然として厳しいものと予想されることから,従来にも増して,
経営の
効率化を図り,
独立採算制の原則のもと健全で安定した
事業経営の
確保に努める必要があります。
ついては,最少の経費で最大の効果を挙げることを基本に全庁を挙げてさらなる
行政改革に着実に取り組み,
弾力性のある健全な
財政体質を確立するとともに,
市民サービスのさらなる
向上をめざして,なお一層努力されるよう強く求めておきます。
続いて,個別の
事項についてであります。
1
新型コロナウイルス感染症対策については,終息が見通せない中において,今後も
市民の安全・安心を守ることができるよう,人員の
確保や体制の構築に万全を期すこと。
2
行政の
デジタル化の
推進に当たっては,
行政手続の
オンライン化をより一層進めるとともに,定型的な業務を自動化するRPAやAIなどのデジタル技術を積極的に活用し,業務のさらなる
効率化を図ること。
3 急
傾斜地崩壊対策については,
危険箇所の
対策を早期に完了するよう,県と連携して早急かつ確実に進めるとともに,
土地所有者の
対策を支援するため,急
傾斜地整備復旧資金融資制度の活用をより一層促進すること。
また,
被災地等において,住民の不安が解消されるよう,国・県に対して,
砂防堰堤の
早期整備を強く働きかけること。
4 学校における働き方改革の
推進に当たっては,プランに掲げる取組を確実に実施し,
目標達成により一層努めること。
5
児童生徒の
登下校中の安全を
確保するため,引き続き
通学路等の
安全点検を適切に実施し,
危険箇所については,
道路管理者等と連携して
対策を着実に進めること。
6
有害鳥獣対策については,防除や駆除,鳥獣が出没しにくい
環境づくりに引き続き取り組むとともに,県との連携による広域的な
対策の
推進により一層努めること。また,
従事者の
高齢化に対応するため,新たな担い手の
育成を着実に進めること。
7
コロナ禍における
事業者の支援に当たっては,
事業者が依然として厳しい
状況におかれていることを踏まえ,
感染拡大の防止に留意しつつ,地域経済の活性化が図られるよう,国・県と連携して事業活動の回復につながる効果的な支援を行うこと。
8
市民の健康増進に当たっては,医療費の適正化の観点から,生活習慣病の発症予防と重症化予防につながる施策の展開に取り組むこと。また,がん検診については,受診しやすい
環境づくりや効果的な普及啓発などにより,受診率の一層の
向上に努めること。
9 安佐医師会病院については,
令和4年12月末の開院に向けて,地域のかかりつけ医等との密接な連携のもと,市北部における地域包括ケアの核としての機能を十分に発揮できる体制となるよう,しっかりとサポートを行うこと。
10
道路整備に当たっては,
道路交通の安全性の
向上を図るため,現在着手中の事業を早期に完了できるよう
関係者が緊密に連携して,着実に
推進すること。
以上,申し上げました要望
事項のほか,
委員会審査を通じて,委員各位から述べられた指摘や意見,さらには各会派から提出された要望
事項についても,このたびの
決算審査の内容を十分踏まえ,今後の
行政執行及び予算編成等に当たって,十分に反映していただくよう強く求めておきます。
終わりに,長期間にわたっての委員並びに理事者各位の御協力に対し,心から
感謝申し上げ,
委員長報告を終わります。
○
佐々木壽吉 議長 ただいまの
委員長報告に対する質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
佐々木壽吉 議長 質疑なしと認めます。
これより討論に入ります。
発言通告者に発言を許します。
11番吉瀬康平
議員。
〔11番吉瀬康平
議員登壇〕
◆11番(吉瀬康平
議員)
皆様,お疲れさまです。
日本共産党の吉瀬康平です。党市議団を代表して,討論を行います。
反対する
決算は,
決算第1号,
令和2年度
広島市一般
会計歳入歳出決算,
決算第9号,
令和2年度
広島市後期高齢者医療事業特別
会計歳入歳出決算,
決算第10号,
令和2年度
広島市介護保険事業特別
会計歳入歳出決算,
決算第11号,
令和2年度
広島市国民健康保険事業特別
会計歳入歳出決算,
決算第12号,
令和2年度
広島市競輪事業特別
会計歳入歳出決算,
決算第16号,
令和2年度
広島市開発事業特別
会計歳入歳出決算,それ以外の
決算と議案は賛成いたします。
それでは,一括して反対する理由を述べます。
新型コロナウイルスの
感染拡大に直撃された2020年の国内総生産──GDPは記録的な落ち込みとなり,リーマンショック直後の2009年以来のマイナス成長となりました。10月期から12月期は前期に続きプラスとはなったものの,戦後最大の落ち込みとなった4月期から6月期の打撃から抜け出せず,日本経済の深刻な現状を浮き彫りにいたしました。
広島市でも新型コロナウイルスの影響で減収や廃業に追い込まれている中小企業も少なくありませんでしたが,市は,これまで公助は国と県の責任だと,自助と共助を強調されるばかりで,市としての公助の責任を果たそうとしていませんでした。国や県の施策がとても十分とは言えない中で,
市民に一番身近な市が,国や県の施策の足りないところを少しでも補完すること,
市民の命を守るために実態に即した独自の直接支援など積極的に取り組むことが当然のことだと思います。
2019年に大問題となった
広島高速5号線二葉山トンネル工事費375億円の増額に続き,2020年は
広島駅南口広場の再整備事業を2.3倍の360億円にまで膨らませました。
コロナ禍の下で,開発は立ち止まってでも公助の力を発揮するべきではなかったでしょうか。
これまで党市議団が求めてきたように,幼児教育・保育の無償化により,浮いた約32億円はどのようになっているのでしょうか。2020年度からの
財政運営方針では,歳出削減の取組として,所得の低い家庭に給食費や学習教材費を補助してきた就学援助制度の適正化が盛り込まれました。さらに長年誇ってきた無料の放課後児童クラブも2024年度から有料化する方針も明らかとなりました。子供の貧困の解消が何よりも優先する政治課題になっているときに,それに逆行するような見直し案など言語道断です。32億円は適正に使うと言いますが,子供たちへの支援は縮小されるばかりです。大型開発優先で,災害とも呼べる
コロナ禍の中,適切に公助が行われないことは問題だと指摘いたします。
次に,後期高齢者医療事業特別会計は,昨年12月,75歳以上の後期高齢者医療制度の窓口負担の1割から2割への引上げなど,高齢者に痛みを強いる中身が閣議
決定され,今年6月に国会で2割への引上げ法が成立いたしました。このまま突き進めば,高齢者の健康と命を脅かすことになりかねません。後期高齢者医療制度を廃止し,元の老人保健制度に戻し,際限ない保険料アップの仕組みなどをなくすように国に求めるべきです。
介護保険事業特別会計は,2020年度末,介護サービス利用料の1割負担の世帯に設けられてきた年間負担の上限額44万円が廃止されました。また,施設入所者の食費,居住費の負担も増えます。住民税非課税世帯で本人の年収が120万円を超える場合,自己負担が2万2000円増え,食費,居住費,サービス利用料,保険料を合わせると月に8万2000円の負担となり,年金収入のほとんどを施設利用料に充てることになります。このような負担増は,高齢者にも支える現役世帯にも痛みを押しつけるものです。国に対し,障害者が65歳になった途端に,介護保険サービスに強制的に移行させられる,低所得障害者の利用料が発生する,障害者総合支援法の介護保険優先原則を廃止するよう強く求めていただくよう要望しておきます。
国民健康保険事業特別会計は,保険料軽減のために行ってきた
一般会計からの法定外繰入れを,国の要求に従い県単位化後の6年間で廃止しようとしていることは問題です。また,
決算では,
一般会計の繰入金を法定外も含めて6億円も余らせました。県単位化前に行っていたように
収納率の見込みを引き上げて,
一般会計からの法定外繰入れを充てて保険料を抑える努力をするべきです。
競輪事業特別会計については,公営ギャンブルはもはや必要ないとの立場ですから,賛成できません。
開発事業特別会計についても,
利益が出れば
市民の暮らしや福祉を守ることに使うことを求めます。
以上のことを申し述べて,討論を終わります。
○
佐々木壽吉 議長 以上で討論を終結いたします。
これより採決いたします。
碓井法明
議員及び
藤田博之議員については,起立による採決の際,挙手によることを認めます。
まず,反対討論のありました
令和2年度
広島市各
会計歳入歳出決算中,
決算第1号,第9号から第12号及び第16号を一括採決いたします。
本件は,いずれも
委員会の
報告どおり決するに賛成の
議員の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○
佐々木壽吉 議長 起立多数であります。よって,本件は,いずれも
委員会の
報告どおり認定することに
決定いたしました。
次は,ただいま採決した
決算を除く他の
決算並びに第108
号議案,
令和2年度
広島市
水道事業会計未
処分利益剰余金の
処分について及び第109
号議案,
令和2年度
広島市
下水道事業会計未
処分利益剰余金の
処分についてを一括採決いたします。
本件は,いずれも
委員会の
報告どおり決するに御
異議ございませんか。
〔「
異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
佐々木壽吉 議長 異議なしと認め,さよう
決定いたしました。
───────────────────────────────────────
付議事件議了の
宣告
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 以上で,付議事件は全て
終了いたしました。
───────────────────────────────────────
閉会宣告
───────────────────────────────────────
○
佐々木壽吉 議長 これをもちまして,第4回
臨時会を閉会いたします。
午前10時34分閉会
───────────────────────────────────────
△(参照1)
(写)
決算特委第1号
令和3年10月20日
広島市議会議長
佐々木 壽吉 様
決算特別委員会
委員長 碓 氷 芳 雄
審 査 報 告 書
本
委員会に付託された
決算等については,
審査の結果,下記のとおり
決定したので,
広島市議会会議規則第71条の規定により
報告します。
記
┌──────────────────────────┬──────┐
│ 件 名 │
審査結果 │
├──────────────────────────┼──────┤
│
令和2年度
広島市各
会計歳入歳出決算 │ 認 定 │
│ (第1号〜第20号) ※各
決算は別紙参照 │ │
├──────────────────────────┼──────┤
│
令和2年度
広島市
水道事業決算 │ 〃 │
├──────────────────────────┼──────┤
│
令和2年度
広島市
下水道事業決算 │ 〃 │
├──────────────────────────┼──────┤
│
令和2年度
広島市
安芸市民病院事業決算 │ 〃 │
├──────────────────────────┼──────┤
│第108
号議案 令和2年度
広島市
水道事業会計未
処分利│
原案可決 │
│ 益剰余金の
処分について │ │
├──────────────────────────┼──────┤
│第109
号議案 令和2年度
広島市
下水道事業会計未
処分│ 〃 │
│
利益剰余金の
処分について │ │
└──────────────────────────┴──────┘
別紙
令和2年度
広島市各
会計歳入歳出決算
決算第1号
令和2年度
広島市一般
会計歳入歳出決算
決算第2号
令和2年度
広島市住宅資金貸付特別
会計歳入歳出決算
決算第3号
令和2年度
広島市母子父子寡婦福祉資金貸付特別
会計歳入歳出決算
決算第4号
令和2年度
広島市物品調達特別
会計歳入歳出決算
決算第5号
令和2年度
広島市公債管理特別
会計歳入歳出決算
決算第6号
令和2年度
広島市
広島市民球場特別
会計歳入歳出決算
決算第7号
令和2年度
広島市用地先行取得特別
会計歳入歳出決算
決算第8号
令和2年度
広島市西風新都特別
会計歳入歳出決算
決算第9号
令和2年度
広島市後期高齢者医療事業特別
会計歳入歳出決算
決算第10号
令和2年度
広島市介護保険事業特別
会計歳入歳出決算
決算第11号
令和2年度
広島市国民健康保険事業特別
会計歳入歳出決算
決算第12号
令和2年度
広島市競輪事業特別
会計歳入歳出決算
決算第13号
令和2年度
広島市中央卸売市場事業特別
会計歳入歳出決算
決算第14号
令和2年度
広島市国民宿舎湯来ロッジ等特別
会計歳入歳出決算
決算第15号
令和2年度
広島市駐車場事業特別
会計歳入歳出決算
決算第16号
令和2年度
広島市開発事業特別
会計歳入歳出決算
決算第17号
令和2年度
広島市市立病院機構資金貸付特別
会計歳入歳出決算
決算第18号
令和2年度元宇品町財産区特別
会計歳入歳出決算
決算第19号
令和2年度三入財産区特別
会計歳入歳出決算
決算第20号
令和2年度砂谷財産区特別
会計歳入歳出決算
△(参照2)
議 決 事 件 一 覧 表
(
令和3年第4回
臨時会)
┌─────┬────┬─────────────────────────┬───────┬────┬────────┐
│ 議 案 │ 提 出 │ │ 付託
委員会 │ 議 決 │ │
│ │ │ 件 名 及 び 内 容 ├───────┤ │ 議 決 結 果 │
│ 番 号 │ 年月日 │ │ 付託年月日 │ 年月日 │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ │ │
会期決定について │ │ 3.10.27│ 10月27日の │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │ │ │ │ 1日と
決定 │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ 報 告 │ 3.10.27│
専決処分の
報告について │ │ 〃 │ 終 了 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ 24 │ │(
道路の
管理瑕疵等に係る
損害賠償額の
決定) │ │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ │ 3. 9.22│
令和2年度
広島市各
会計歳入歳出決算 │
決算特別 │ 〃 │ 認 定 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │(第1号〜第20号) │ 3. 9.28 │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ │ 3. 9.14│
令和2年度
広島市
水道事業決算 │ 〃 │ 〃 │ 〃 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │ │ 〃 │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ │ 〃 │
令和2年度
広島市
下水道事業決算 │ 〃 │ 〃 │ 〃 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │ │ 〃 │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ │ 〃 │
令和2年度
広島市
安芸市民病院事業決算 │ 〃 │ 〃 │ 〃 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │ │ 〃 │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ 108 │ 〃 │
令和2年度
広島市
水道事業会計未
処分利益剰余金の
処分│ 〃 │ 〃 │ 原 案 可 決 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │について │ 〃 │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ 109 │ 〃 │
令和2年度
広島市
下水道事業会計未
処分利益剰余金の処│ 〃 │ 〃 │ 〃 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │分について │ 〃 │ │ │
└─────┴────┴─────────────────────────┴───────┴────┴────────┘
───────────────────────────────────────
議 長 佐 々 木 壽 吉
署名者 海 徳 裕 志
署名者 西 田 浩...