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令和 2年第 6回 9月定例会−09月17日-03号

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  1. 広島市議会 2020-09-17
    令和 2年第 6回 9月定例会−09月17日-03号


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    令和 2年第 6回 9月定例会−09月17日-03号令和 2年第 6回 9月定例会         令和2年  広島市議会定例会会議録(第3号)         第 6 回                  広島市議会議事日程                                 令和2年9月17日                                 午前10時開議                   日    程  第1 一般質問 ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)
     一般質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  岡 村 和 明            2番  川 本 和 弘    3番  田 中   勝            4番  並 川 雄 一    5番  川 村 真 治            6番  石 田 祥 子    7番  川 口 茂 博            8番  水 野   考    9番  平 岡 優 一            10番  椋 木 太 一    11番  吉 瀬 康 平            12番  山 本 昌 宏    13番  山 内 正 晃            14番  碓 氷 芳 雄    15番  海 徳 裕 志            16番  木 戸 経 康    17番  山 路 英 男            18番  森 畠 秀 治    19番  石 橋 竜 史            20番  平 野 太 祐    21番  定 野 和 広            22番  伊 藤 昭 善    23番  桑 田 恭 子            24番  近 松 里 子    25番  大 野 耕 平            26番  西 田   浩    27番  渡 辺 好 造            28番  豊 島 岩 白    29番  宮 崎 誠 克            30番  八 條 範 彦    31番  母 谷 龍 典            32番  三 宅 正 明    33番  八 軒 幹 夫            34番  馬 庭 恭 子    35番  竹 田 康 律            36番  藤 井 敏 子    37番  中 原 洋 美            38番  太 田 憲 二    39番  若 林 新 三            40番  今 田 良 治    41番  佐々木 壽 吉            42番  元 田 賢 治    44番  永 田 雅 紀            45番  金 子 和 彦    46番  木 山 徳 和            47番  沖 宗 正 明    48番  中 森 辰 一            49番  碓 井 法 明    50番  山 田 春 男            51番  中 本   弘    52番  児 玉 光 禎            53番  木 島   丘    54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名    43番  谷 口   修 ───────────────────────────────────────          職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    石 田 芳 文       事務局次長   松 坂 康 雄  議事課長    小 田 和 生       議事課課長補佐主任事務取扱                                吉 川 和 幸  議事課主幹   沖 原 義 文       議事課主査   村 田 愛一朗  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     小 池 信 之  副市長     及 川   享       危機管理担当局長岩 崎   学  企画総務局長  手 島 信 行       財政局長    古 川 智 之  市民局長    政 氏 昭 夫       健康福祉局長  山 本 直 樹  健康福祉局保健医療担当局長         こども未来局長 松 井 勝 憲          阪 谷 幸 春  環境局長    重 村 隆 彦       経済観光局長  日 高   洋  都市整備局長  中 村   純       都市整備局指導担当局長                                胡麻田 泰 江  道路交通局長  加 藤 浩 明       下水道局長   油 野 裕 和  会計管理者   長   敏 伸       消防局長    斉 藤   浩  水道局長    友 広 整 二       監査事務局長  荒神原 政 司  財政課長    沖 村 慶 司       教育長     糸 山   隆  選挙管理委員会事務局長           人事委員会事務局長          橋 場 聡 子               仁 井 敏 子 ───────────────────────────────────────                午前10時00分開議                出席議員  30名                欠席議員  24名 ○山田春男 議長       出席議員30名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       本日の会議録署名者として               12番 山 本 昌 宏 議員               32番 三 宅 正 明 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       日程第1,昨日に引き続き,一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  36番藤井敏子議員。                〔36番藤井敏子議員登壇〕(拍手) ◆36番(藤井敏子議員) おはようございます。  日本共産党の藤井敏子です。日本共産党市議団を代表して一般質問を行います。  まず,平和について伺います。  2017年に国連で採択された核兵器禁止条約は,現在署名した国は84か国,批准した国は今年8月に44か国となり,いよいよあと6か国が批准をすれば発効するところまで来ました。ところが,安倍前首相は,平和記念式典の挨拶でも核兵器禁止条約について一言も触れることなく,直後の記者会見では敵基地攻撃能力の保有について新しい方向性を打ち出し,速やかに実行していくと語り,首相辞任の会見でも同様の発言をしています。敵基地攻撃能力を持つべきだという議論は,政府・自民党がこれまで曲がりなりにも堅持するとしてきた専守防衛からの重大な逸脱であり,憲法の平和原則を破壊し,国際法も現実も無視した極めて危険な暴論です。  相手を抑え込む能力を高めれば,相手は抑え込まれないように自らの攻撃能力を強化し,軍備拡大競争になります。政府は,既に敵基地攻撃を可能にする巡航ミサイルやF35ステルス戦闘機の取得,いずも型護衛艦の空母化などをなし崩し的に進めています。今後,本格的な敵基地攻撃能力の保有に乗り出せば,軍事費の膨張は数兆円単位となり,際限がありません。専門家は,地下や移動発射台がある相手国のミサイル全ての位置を把握し破壊するのは不可能だとし,核兵器による報復攻撃の危険性も指摘しています。  日本政府がやるべきことは,被爆国として自らが核兵器禁止条約に直ちに署名・批准するとともに,朝鮮半島の完全な非核化の実現に向けて米朝のプロセスを後押しし,東アジアに平和的な環境をつくるための憲法に沿った外交努力ではありませんか。  改めて伺います。核兵器禁止条約が発効する意義を市長はどのように受け止められておられますか。  また,敵基地攻撃能力の保有は,憲法と国連憲章に二重に違反する先制攻撃論そのものであり,核兵器が使用される引き金になりかねません。被爆地広島の市長として,敵基地攻撃能力の保有方針は明らかに憲法違反であると厳しく抗議すべきだと思いますが,市長のお考えを伺います。  次に,黒い雨の訴訟について。  国が1976年9月に黒い雨の大雨地域のみを健康診断特例区域に指定したことに対して,降雨地域は正確ではない,なぜ大雨地域だけの指定かという声から始まった運動は,40年前に遡ります。降雨地域の拡大を国や県・市に何度も訴え続けても,国は認めず,ついに5年前に裁判に訴えたものです。当初の原告88名のうち,無念にも16名の方が判決を見ることなく亡くなられています。まさに命がけで闘ってきた裁判です。  5年にわたる裁判で,7月29日,広島地裁は,黒い雨を浴びて被害を受けた人たちの援護対象区域を狭くした国の不当な線引きを退け,被爆者の被害実態に基づき広く救済することを国に求めた原告に,全面勝訴の画期的な判決を下しました。その内容は,第1に,これまでの論争になってきた三つの降雨図を検証した上で,降雨図に含まれない地域もあり得ることも考えて判断すべきであるとしたこと,第2に,黒い雨に放射性微粒子が含まれていたと認められると,外部被曝に加え内部被曝の影響も加味した健康被害を生ずる可能性を指摘したこと,第3は,原告全員が被爆者援護法第1条第3号の「身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」に該当すると述べ,原告全員への被爆者手帳の交付を命じたことです。判決は,国がこれまで1980年の原爆被爆者対策基本問題懇談会の答申の科学的・合理的根拠を盾に被爆者の援護・救済の対象を狭く抑え込んできた,厚生労働省のこれまでの被爆者援護行政について,被爆者援護法に基づく行政を怠ってきたと明快に断罪しています。  ところが,8月12日,国は原告84人全員を被爆者と認めた広島地裁判決を受け入れず,広島県,広島市とともに広島高裁に控訴しました。控訴を受けて,原告・弁護団や被爆者団体は,被爆者の苦難に満ちた人生と無念のうちに亡くなった多くの黒い雨被爆者の思いを踏みにじるものだ,腹の底から込み上げてくる憤りを禁じ得ないと抗議の声を上げました。控訴断念を求める原告をはじめとする被爆者の悲痛な声にあくまで背を向け,裁判を長引かせる国の姿勢は重大です。しかも,降雨地域拡大のためにこれまで共に頑張ってきた広島市と広島県が国に追従して控訴を決断し,被爆者の期待を裏切ったことに対して,日本共産党市議団は全ての黒い雨被爆者に代わって満身の怒りをもって抗議します。  国は今回の判決についても,十分な科学的知見はない,長崎体験者訴訟最高裁判決と異なると強調し,蓄積されてきたデータの最大限の活用など,最新の科学的技術を用い,可能な限りの検証を行うと区域の拡大も視野に検討を始める考えを示しました。  これに対して弁護団の竹森事務局長は,そもそも黒い雨援護地域に指定された際,放射線量が問われたことはなく,広島地裁判決で科学的な結論はついている,再検証の必要はない,また,高野原告団長も,再検証について,これまで住民や市などが何度も国に援護区域の拡大を訴えてきたが認められなかった経緯を考えると,あまり信用できないと指摘しています。控訴をやめて,高齢化した原告全員に直ちに被爆者健康手帳を交付し,全ての黒い雨被爆者の早期救済に乗り出すことが最善の道であると控訴取下げを求めています。
     広島市も国に控訴断念を求め,直前に行われた平和記念式典での平和宣言でも,黒い雨の援護区域の拡大を要望されてきたのではないでしょうか。そもそも,今回の広島地裁判決を援護区域の拡大を訴えてきた市としてどのように評価されていますか,お答えください。  今回の裁判において,法律的には,国は補助的立場であり,被告である広島市と広島県が広島高裁に控訴せず,判決を確定させる選択もあったのではありませんか。現に2009年の3号被爆の裁判では,被告である広島市は控訴を断念し,判決が確定しました。今回はなぜできなかったのですか。  また,被爆者の被害実態に基づき広く救済することを国に求めた広島地裁の判決を確定させることこそが,国が定めた援護区域の外でも黒い雨の影響が及んだと認め,裁判に参加していない同じような立場の人の救済につながるのではないでしょうか。  広島市は,国の区域拡大も視野に検討を始めるという言葉のみを信じて,控訴を受け入れる理由にしています。市長は記者会見で,控訴したことを苦渋の選択,ソクラテスの弁明の例えで毒杯を飲んだ行為と表現しましたが,毒を飲まされたのは,被爆者手帳を目の前にしながら,無情にも遠ざけられた原告の被爆者の皆さんです。80歳,90歳を超えた原告らに対してもっと頑張れと言うことは,命がけで頑張ってこられた原告らに対してあまりにも冷たい仕打ちではありませんか。今からでも控訴を取り下げ,速やかに被爆者手帳を交付するべきです,どうされますか。  以上5点について答弁を求めます。  次に,コロナ禍の下での行政の役割について伺います。  日本感染症学会舘田一博理事長は,8月20日,新型コロナウイルス感染症が広がる日本社会の現状について,第二波の真っただ中にあると表明されました。新型コロナ感染者数は,9月12日現在で全国では7万4000人を超えています。広島市内では294人,広島県内では467人の方が感染確認されています。こうした中,広島県は,感染が点から線,面へと広がるフェーズ3を想定した検査体制の整備方針を発表しました。しかし,国は経済対策を優先させるGoToキャンペーンを強行し,三密を避けた新しい生活様式の徹底を市民に呼びかけるだけで,感染防止には無策です。感染防止が市民頼みでは,今後の感染拡大を防ぐことはできません。  そこで,以下2点を提案します。  一つ目は,PCR検査の戦略的な拡大です。  東京都医師会は,国の無策に抗議しつつ,PCR検査を診断目的から防疫目的に切り替えて,無症状者を含めて感染力のある人を見つけ出し,隔離・保護することが感染拡大を防ぐ上で必要だと強調されています。世田谷区では,区長が誰でもいつでも何度でもというスローガンの下に,全ての区民を対象にした無料のPCR検査を実施することを宣言されました。千代田区では,集団感染が発生すると多くの命が危険にさらされるとし,感染すれば重症化のリスクの高い高齢者が入居している介護施設での感染予防を徹底するために,区内の介護施設で働く職員全員を対象に,定期的なPCR検査を実施することを決めています。  先日,医科・歯科医療関係者からは,次のような深刻な実情をお聞きしました。歯科治療が必要な高齢者が入所されている介護施設が,感染を恐れて施設への往診を拒否されたために,必要な治療ができずに症状が悪化したというのです。安心して往診し,必要な治療ができるように,早期に医療と介護関係者の定期的なPCR検査体制をつくってほしいとの要望をお聞きしました。  社会を支えるために不可欠なケア労働に従事する医療,介護をはじめ福祉施設,保育園,幼稚園,学校などの労働者は,人との接触が避けられないため,集団感染によるリスクが高くなっています。安心して通院できる,介護サービスが提供できるようにするためには,先進自治体に学び,広島市もこのような施設に勤務する職員,出入り業者への定期的なPCR検査を行うことが必要ではありませんか。そのための財源を集中して確保すべきですが,市の考えをお聞きします。  また,市民に積極的な感染防止の行動を呼びかけるなら,市全体の感染確認数だけを発表するのではなく,市中感染が広がっている地域が少しでも特定できるように,区ごとの検査数や陽性者数,感染者の発症日別の陽性者数をまとめて公表されるよう提案します。いかがですか。  次に,二つ目は,医療の保健所体制の基盤を強化させることです。  全国的には,家族の感染を危惧して看護師が退職された病院もあり,舟入市民病院では,経営を維持するために事務職員の雇い止めが提案されていると聞いています。このままでは看護師確保も困難になるのではと不安の声が上がっています。ますますゆとりのない医療現場となり,内部からの医療崩壊も危惧されます。コロナ禍の下,地域医療を担う病院やクリニック等の医療機関では患者数が激減し,どこも経営危機に直面しています。  ところが,国による減収になった医療機関への直接の損失補填はありません。市民の命を守る地域の医療機関が安定的に維持されるよう,国に対してコロナの影響による減収の補填を求めるべきだと考えますが,どうされますか。  また,広島市の広島市民病院舟入市民病院安佐市民病院も同様に,収支が悪化しています。地方独立行政法人といえども,広島市が整備した市民の病院です。労働条件等にしわ寄せが行くようなことがないよう,市として責任を持って補填されるよう求めておきます。同時に,国が進める公立病院の再編・統廃合計画の撤回を求めるべきと思いますが,どうされますか。  また,各区の保健センターも,これまでの業務を一時的にやめて,コロナ対応に追われています。今後の感染状況の長期化も踏まえて,保健所と各区の保健センターの人的体制の強化が必要と思われますが,この点についても伺っておきます。  次に,有機農業の推進と学校給食について伺います。  世界規模のコロナ禍と地球温暖化による干ばつや豪雨災害などの気候変動は,世界的に作物の適地を変えるなど,農業にも大きな影響を与えています。とりわけ,自国の食料確保のため,ロシアやベトナムなど20か国が小麦や米などの輸出を禁止するなど,世界的な感染拡大は食のグローバル化が大変脆弱であることを顕在化させました。改めて,日本の食の自給率の向上が喫緊の課題であることを認識するものです。  しかし,日本の食の自給率は,国民の基礎代謝すら賄えない37%まで落ち込んでいるにもかかわらず,日本政府は農業団体の反対を押し切って,TPPやFTAと自由貿易協定を進め,農産物輸入をさらに拡大し,このままでは食の自給率は今後14%まで下がるだろうと指摘されています。ところが,国はこうした問題に目を向けずに,強い農業,農業の成長産業化,輸出拡大を掲げ,アメリカからの農産物輸入を推進し,2017年には農業競争力強化支援法を成立させ,これまで長年かけて日本の米や麦等の主要農産物の種子の育成技術を蓄積し守ってきた種子法を廃止しました。その狙いは,グローバル企業などを含む民間企業に主要農産物の種子育成の技術や知見まで提供させるものです。今また狙われているのが,種苗法の改定です。これまで種苗の自家増殖は原則自由であったのを原則禁止するもので,これでは日本の食料自給を支えている中小家族農業がやっていけなくなるのは明らかです。  こうした中,国連では2018年,小農民の権利宣言が採択され,2019年から家族農業10年がスタートし,国連食糧農業機関は報告書の中で,この50年から60年,世界が進めてきた大規模化や農薬の多用,地球の裏側から食料を運んでくる農業は持続可能ではないと指摘しています。SDGsの推進は,国際社会の共通認識になりつつあり,小規模家族農業を維持していくことの重要性を主張しています。こうした背景には,グローバル企業アグリビジネスに地域農業が壊滅させられた国々の実態があるからです。  日本政府の農業の大規模化,輸出重視の農業政策の下でアメリカからの農産物の輸入が今後さらに拡大されるなら,日本の農業が危機的状況になるだけでなく,もう一つの大きな問題として,食の安全が脅かされることがあります。  世界では,農薬の多用やホルモン剤などの使用による健康への影響が明らかになり,蜜蜂絶滅の原因と言われているネオニコチノイド系の農薬の規制強化や使用禁止する国々がEUやアジアでも広がる中,日本は今や農薬基準が最も緩い国になっています。また,アメリカやカナダでは発がん性が明らかになった除草剤グリホサートが,小麦を収穫直前に乾燥させるために大規模に使用され,日本はその残留農薬の基準を2017年に5ppmから30ppmの約6倍に大幅に緩和しました。ほかにも,日本は米国の遺伝子組換え農産物の輸入の拡大要求に応じて遺伝子組換え食品の表示義務さえなくし,国民が知らない間に食べさせられる事態をつくろうとしています。このままでは,アメリカで売れなくなった危険な農産物や加工品,遺伝子組換え食品が日本の市場に出回り,大人も子供も食べさせられることになります。  フランスや韓国では,こうした輸入自由化の動きに対抗して,自治体が安全な地域の有機農家を支援し,できた農産物を学校給食に積極的に活用する仕組みをつくり,子供と地域の農業を守っています。食の自給率が低下している中で,輸入農産物の拡大のため農薬基準を大幅に緩和させている日本の状況を市としてどのように受け止めておられますか。  千葉県いすみ市のように学校給食に有機米を提供するなど,子供の健康を守る立場から自治体が有機農業育成推進の立場に立つべきと考えますが,どうされますか。  次に,学校給食の問題です。  近年,日本でも格差と貧困の拡大がさらに進み,子ども食堂フードバンクなどボランティアの取組が全国各地で起こっています。このことは,貧しい食生活を強いられている食料弱者が確実に増加していることを反映しており,改めて公的責任,とりわけ学校給食の役割はますます重要になっています。未来を担う子供たちの心と体をどうつくるのか,学校給食の安全な食の確保に対しての行政の姿勢が問われています。  ところが,学校給食では,発がん性が明らかなグリホサートの残留農薬が確認されている輸入小麦を使ったパンが使用されています。市当局は,残留農薬について基準値内だから大丈夫と検討もせず,使用はやめないと答弁されてきましたが,では一体どれくらい残留農薬が含まれているのか測定し,市民に明らかにすべきです。どうされますか。  また,学校給食での輸入小麦の使用のパンはやめて,米粉パンや,また御飯に切り替えるべきです。どうされますか。  また,有機農産物を学校給食に積極的に活用できるようにすべきではないかと考えますが,お答えください。  安全でおいしい給食の提供は,国民の負託を受けて行政が行うものです。広島市は,この間の中学校給食をデリバリー弁当と家庭からの弁当との選択制で20年以上続けていますが,広島市はこの学校給食を通じてどういった子供を育てようとしているのかが見えてきません。現在,広島市として,学校給食全体と提供方式の見直し検討をしていますが,どういう教育的視点で見直しを行っているのですか。また,その検討状況はどうなっていますか。  私たちは,デリバリー給食の問題を解決し,教育としての給食は直営の自校調理方式が望ましいと主張し続けています。どういう給食にするのか決めるのに,食の専門家や保護者,市民の入った検討会もつくらず,行政が一方的に決めることは,民主教育本来の在り方からしても問題だと指摘しましたが,改めてこの点について認識を伺います。  次に,気候非常事態宣言と南工場の建て替え規模の見直しについて伺います。  地球温暖化防止は待ったなし。海水温が30度を超え,巨大台風が発生しやすくなっているだけではなく,五十年に,また百年に一度という豪雨が毎年続き,そのたびに多くの犠牲者を出し,被害も甚大化,広域化しています。さらに,この夏も最高気温が40度に達する自治体も出ており,命や健康に関わる深刻な状況が続いています。  こうした中,世界的にも気候非常事態宣言をする自治体が増え,日本国内でも現在,29自治体がこの宣言を行い,何らかの具体的な地球温暖化防止対策の取組や行動を市民とともに始めています。気候非常事態宣言を発する自治体が増えていますが,広島市としてどう取り組もうとされていますか。  広島市も2017年3月に,温室効果ガス80%削減を目標とした地球温暖化対策実行計画を策定していますが,まだまだ市民のものになっているとは言えません。日本政府は,石炭火力発電をやめるどころか,推進する国として国連では何度も化石賞を受ける恥ずべき態度を取り続けています。広島市は,特に廃棄物の分野のCO2削減が遅れています。ごみの焼却熱を発電に利用するからと,石炭火力発電と同じ意味を持つプラスチックごみなどの焼却化をサーマルリサイクルとして推進しようとしていますが,これは国際的には通用しません。しかも,廃棄物処理能力自体を減らしていこうとする努力も見られません。  現在,焼却能力300トンの南工場を建て替えるため,停止していた安佐北工場の日量100トン分を再稼働させ,建て替える間の5年間対応しようという計画が進められています。建て替えの間の市内全体の焼却能力日量1,100トンです。今年4月から事業所のプラスチックごみを焼却する分を見込んでも,日量約850トンです。焼却ごみは定期点検中の休炉分を考慮しても1,100トンで対応できるわけですから,令和10年度に稼働する南工場の規模が300トン炉のままというのは,あまりにも過大な処理能力と言わざるを得ません。  広島市も,気候非常事態宣言を行うと同時に,ごみの一層の減量と資源化の具体的な目標を市民に明らかにし,ごみの再資源化とゼロエミッションの一層の推進で,CO2削減に向けて市民レベルの協力をもっと進めるべきではありませんか。今後,人口減少も見込まれます。CO2削減という環境問題解決のためにも,南工場の建て替え規模は見直すべきだと思いますが,当局のお考えをお聞きいたします。  最後に,指定学校変更許可基準の改正について伺います。  広島市教育委員会は,8月26日の教育委員会議で,来年度から児童が多く規模が過大となっている六つの小学校において,学校の過密状態を和らげるために,来年に入学する新1年生を対象に,希望すれば空き教室のある隣接校に入学先を変更できるとする指定学校変更許可基準を改正したことを報告したと新聞報道がなされました。  振り返れば,2004年に中学校の通学区域の弾力的運用が導入されたときも,学校現場に十分な説明もなく実施された経緯があります。当時の教育長は,保護者,市民の理解と協力を得ながら進めたいと説明していました。しかし,このたびの小学校新1年生の隣接校への入学については,議会にも何の報告もなく,あまりにも唐突で一方的なやり方ではないでしょうか。  そこで,お聞きいたします。どういう意図を持ってこうした計画が出されたのか。地域や学校現場の合意は取られているのか。議会の意見はいつ聞かれるのか。また,安佐南区の対象校の春日野,山本,祇園の3校は隣接しています。一体どこの学校に行くことになるのかお答えください。  また,過大規模,過密化した教育環境の改善は,本来,広島市の責任で実施するべきものです。それを行わずに,小学校新1年生のみを隣接校に入学させることで一時しのぎをしようとするものであり,根本的な解決にはなりません。分離新設も見通した計画も同時に持つべきだと考えますがどうか,お答えください。  以上,答弁を求めて,質問を終わります。 ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       藤井議員の御質問にお答えします。  平和についてのうち,核兵器禁止条約が発効する意義についての御質問がございました。  核兵器禁止条約は,核軍縮・不拡散を確実に行うための実践的な核軍縮措置であるNPT── 核兵器不拡散条約とともに,核兵器のない世界の実現を目指すために不可欠な条約です。また,同条約は,世界中の市民社会がヒロシマの心を共有するための新たな国際的な枠組みとなるものであって,その発効は核兵器廃絶に向けた重要な一里塚であると考えています。  発効まであと僅かまでこぎ着けたことは,共に取り組んできた被爆者や平和首長会議加盟都市など,思いを同じくする多くの方々の御尽力のたまものと考えております。  しかし,世界にはいまだ1万3000発を超える核兵器が存在し,核軍縮に向けた取組も,自国第一主義などによる国家間の緊張の高まりから停滞した状況にあります。また,核保有国や核の傘の下にある国は,同条約への署名・批准に反対の姿勢を貫いており,同条約の発効により直ちに核兵器廃絶が実現するわけではありません。  今後は,同条約をより実効性の高いものとするために,核保有国の締約国会議への参加や署名・批准国の拡大に向けた取組を進めていく必要があります。そして,為政者に核抑止政策に頼らないという大きな決断を促すのは国内外の市民であり,被爆体験を基にした平和を希求するヒロシマの心が,その市民の共通の価値観となることが何よりも重要であると考えています。  本市としては,今後とも被爆の実相を守り,広め,伝えるための取組や,迎える平和の取組を推進するとともに,164か国・地域の8,000都市に迫った平和首長会議加盟都市と連携し,ヒロシマの心の発信力を強化し,平和への大きな潮流をつくることにより,核兵器禁止・廃絶に向けた為政者の政策転換を強力に後押しする環境づくりを進めてまいります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     平和についてのうち,敵基地攻撃能力の保有方針は憲法違反であると抗議すべきと思うがどうかについてお答えいたします。  我が国の安全保障に係る事案については,国民の多くが納得できるようなものにすべきと考えています。そうした視点を踏まえて,国政の場でしっかり議論していただきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  黒い雨の訴訟について,数点の御質問に順次お答えいたします。  初めに,今回の広島地裁判決を援護区域の拡大を訴えてきた市としてどのように評価しているのかについてです。  このたびの判決は,原告の方々の請求を全面的に容認するものであり,心身に苦しみを抱えてこられた黒い雨体験者の方々の長年の切なる思いと,黒い雨降雨地域の拡大を目指す本市の思いを司法の場で認知していただいたものと受け止めております。  次に,今回の裁判において,法律的には国は補助的立場にあり,被告である広島市と広島県が広島高裁に控訴せずに判決を確定させる選択もあったのではないかについてお答えいたします。  今回の裁判は,国から,本判決がこれまでの累次の最高裁判決とも異なり,また十分な科学的知見に基づいたとは言えない判決内容となっていることから,上訴審の判断を仰ぐべきとの強い要請を受け,また被爆者健康手帳等交付事務が法定受託事務であり,本市は法律上これを適切に履行しなければならない立場にあることから,控訴せざるを得ないと判断をいたしました。  勝訴された原告の方々のお気持ちを思うと誠につらい思いでありますが,国に対して控訴審の対応とは切り離して,黒い雨を体験された方々の援護を早急に進めることを強く求めてまいります。  次に,2009年の3号被爆者裁判では,被告である広島市は控訴を断念し,判決が確定した。今回はなぜできなかったのかについてです。  このたびの黒い雨集団訴訟は,援護対象区域外にいたとされる方が被爆者援護法第1条第3号に定める被爆者に該当するか争われているものですが,2009年のいわゆる3号被爆者裁判は,被爆者の救護に当たった方が同様に3号被爆者に該当するかが争われたものです。この裁判では,救護に当たった原告が多数の負傷した被爆者が集合していた環境の中に相応の時間とどまったと認められるかなど,被爆者の救護に携わった原告の被爆状況の事実認定が争われたもので,当時は各自治体が設けた審査基準に基づいて事実認定が行われていたことから,国は,控訴するか否かは審査長である自治体の判断でよいとの見解を示し,本市は最終的に控訴しないことといたしました。  一方,このたびの裁判では,先ほど御答弁したとおり,国から,本判決がこれまでの累次の最高裁判決とも異なり,また十分な科学的知見に基づいたとは言えない判決内容となっていることから上訴審の判断を仰ぐべきとの強い要請を受け,また被爆者健康手帳等交付事務が法定受託事務であり,本市は法律上これを適切に履行していかなければならない立場にあることから,控訴せざるを得ないと判断いたしました。  次に,被爆者の被害実態に基づき,広く救済することを国に求めた広島地裁の判決を確定させることこそが,国が定めた援護区域の外でも黒い雨の影響が及んだと認め,裁判に参加していない同じような立場の人たちの救済につながるのではないかとの御質問と,今からでも控訴を取り下げ,速やかに被爆者健康手帳を交付すべきであるがどうかの御質問について,併せてお答えをいたします。  仮に本市が控訴を取り下げ,このたびの広島地裁の判決が確定したとしても,被爆者援護制度は国が本来果たすべき役割に係るものであり,国が被爆者健康手帳交付に関する法令等を改正しない限り,本市が,裁判に参加されなかった黒い雨体験者には被爆者健康手帳を交付する仕組みにはなっておりません。このことから,裁判に参加していない黒い雨体験者をも救済できるよう,国に対して黒い雨降雨地域の拡大も視野に入れた検証を早急に実施するとともに,今年度内には方向性を示すよう要請をしているところです。  次に,コロナ禍の下での行政の役割についてのうち,PCR検査の戦略的な拡大に関する2点の御質問にお答えします。  初めに,安心して通院できる,介護サービスが提供できるようにするためには,これらの施設に勤務する職員や出入り業者への定期的なPCR検査を行う必要があるのではないかについてです。  PCR検査は,発熱等の症状から感染が疑われる方に対して感染の有無の判定を行う検査であるということを踏まえた上で,効果的に実施する必要があると考えております。したがいまして,議員御提案の,施設の職員や出入り業者に対するPCR検査については,かかりつけ医などの医療機関で唾液によるPCR検査が受けられる体制を医師会などと協力して整備し,発熱等の症状がある方に随時検査を実施できる方策を講じるほうが効果的であるというふうに考えております。  次に,市全体の感染確認数だけを発表するのではなく,感染が広がってる地域が少しでも特定できるよう,区ごとの検査状況や感染確認状況,感染者の発症日別の陽性者数をまとめて公表してはどうかについてです。  感染拡大防止に必要な情報につきましては,これまでも個人情報の保護に留意しつつ積極的に市民に提供しており,議員御提案の内容も含めて,引き続き必要な情報を提供してまいります。  次に,コロナ禍の下での行政の役割についてのうち,医療や保健所体制の基盤の強化に関する3点の御質問にお答えをいたします。  初めに,地域の医療機関が安定的に維持されるよう,国に対してコロナの影響による減収の補填を求めるべきと考えるがどうかについてです。  医療機関への減収の補填につきましては,本年5月に指定都市市長会から国に対して,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と社会経済活動維持の両立に向けた提言として,地域における医療提供体制維持のため,感染拡大の影響に伴う外来患者の減少等により経営状態が悪化している医療機関への財政的支援を行うことを求めているところです。  次に,国が進める公立病院の再編・統廃合計画の撤回を求めるべきと思うがどうするのかについてです。  昨年,国が公表した再編・統合の検討が必要な公立・公的病院については,人口構造の変化などに伴い,地域の医療を取り巻く状況が厳しさを増す中で,地域医療構想の達成や地域包括ケアシステムの構築の推進が求められており,とりわけ医療提供体制については,病床の機能分化や医療機関の連携強化等により,より質が高く効率的なものとしていくことが必要となってくることが背景にあるものと受け止めております。  このため,公立・公的病院の再編・統合の検討については,国による機械的な分析だけで判断し得ない地域の実情に関する知見を補いながら,県が設置し,医師会や病院,行政等で構成する地域医療構想調整会議において議論を尽くす必要があると考えており,安芸市民病院の建て替えに当たっても,本年8月に同会議に諮り,合意を得たところです。  最後に,今後の感染状況の長期化も踏まえて,保健所と各区の保健センターの人的体制の強化が必要と思うがどうかについてです。  保健所及び保健センターでは,通常の業務に加えて新型コロナウイルス感染症に関する市民や医療機関からの問合せへの対応や,感染が確認された患者等への積極的疫学調査などを行うことから,感染の拡大に伴って職員の負担が大きく増加しました。  このため,感染症対策の組織の要となる保健部健康推進課には,感染拡大の状況に応じて健康福祉局や他の部局からの応援職員を配置するとともに,本年8月と9月に新たに4名の職員を増員配置し,体制を強化いたしました。また,各区の保健センターでは,コールセンターの回線数の増加や対応する時間帯の拡大,本市退職保健師の配置に加えて,検体を医療機関から衛生研究所に搬送するなどの業務を区役所全体で分担するとともに,感染者の発生状況に応じて保健所や他区の保健センター,広島県の保健師等を応援配置するなど,体制の強化を図ってまいりました。  引き続き,新型コロナウイルス感染症の対応の長期化を見据えて,感染者の発生状況に応じた体制の整備に努めてまいります。  次に,有機農業の推進と学校給食についてのうち,輸入農産物の拡大のため,農薬基準を大幅に緩和させている日本の状況を市としてどのように受け止めているのかについてです。  農薬の残留基準値の設定については,厚生労働省の諮問を受けた内閣府の食品安全委員会が科学的なデータに基づき食品健康影響評価を行い,同省に答申した後,厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の審議・評価を経た上で,同省が人の健康に悪影響が生じない数値として設定したものであることから,安全性に問題はないと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       経済観光局長。 ◎日高洋 経済観光局長    有機農業の推進と学校給食についてのうち,自治体が有機農業育成推進の立場に立つべきと考えるがどうかについてお答えをいたします。  有機農業とは,有機農業の推進に関する法律において,化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として,農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行う農業と定められております。  しかし,現状において,有機農業は病害虫による品質や収量の低下が起こりやすいこと,多くの場合は生産コストの大幅な増加を伴うことなど様々な課題があり,特に化学肥料や農薬を全く使用しない農産物を生産することは技術の難易度が非常に高く,本市で採用する農家はほとんどいない状況でございます。  こうした中で,本市では,環境に優しい農業として化学肥料や農薬の使用を低減する栽培方法の普及に努めることとしており,一般的な栽培基準よりも化学肥料や農薬の使用を低減した農家のエコファーマーとしての認定やエコファーマーの栽培基準に準じた“ひろしまそだち”栽培指針等により,安全・安心な農産物の生産を進めてまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       教育長。 ◎糸山隆 教育長       有機農業の推進と学校給食について,数点の御質問に順次お答えをいたします。  まず,学校給食で使用する輸入小麦を使ったパンに含まれているグリホサートの残留農薬を測定し,市民に明らかにすべきだ,また,輸入小麦を使用したパンを米粉パンか御飯に替えるべきだと考えるがどうかという御質問です。  小麦に含まれるグリホサートなどの残留農薬については,先ほど保健医療担当局長も御答弁申し上げたとおり,内閣府の食品安全委員会において,現状の科学的知見の下,神経毒性や発がん性など人体への影響に関するリスク評価を行い,これに基づいて厚生労働省が子供や妊婦も含めた人の健康を損なうおそれがない範囲で残留基準値を設定をしています。我が国で使用される輸入小麦については,その輸入の際,農林水産省において,この基準に適合しているかどうかの検査が行われており,これにより,学校給食用のパンに使用する小麦をはじめ国内で流通する輸入小麦の安全性が確認されていると認識をしております。  したがって,現状において,本市独自に学校給食に使用される輸入小麦の残留農薬検査を実施すること,また学校給食における週1回のパンについて,残留農薬を理由として米粉パンや御飯へ切り替えることは考えておりません。
     次に,有機農産物学校給食における積極的な活用を目指すべきだという御質問です。  学校給食においては,一定の食材費の下で日々大量の野菜や果物を安定的に確保する必要があります。このため,現在の我が国における有機農産物の供給量やそのコストなどを踏まえますと,学校給食有機農産物を積極的に活用していくということは困難であるというふうに考えております。  最後に,学校給食の提供方式の見直しについて,どういう教育的視点で見直しを行っているのか,検討状況はどうか,また,どういう給食にするかを食の専門家や保護者の入った検討会もつくらず,行政が一方的に決めることは問題だと考えるがどうかという御質問です。  給食の提供体制を見直すに当たっては,デリバリー給食では十分な対応ができていなかった,おいしい給食の提供や食育の充実,より安全でより効率的かつ持続可能な提供体制の構築,老朽化する自校調理場・給食センターへの対応といった様々な課題をトータルで解決することを目指しているところです。  その検討状況についてですが,このたび行おうとしている給食提供体制の見直しは,デリバリー給食の調理業者のほか,パンなど主食の供給業者,また野菜等の調達に係る市場関係者などに影響する可能性があるため,これら関係事業者と丁寧に協議・調整を行いながら検討を進めることとしておりました。しかしながら,これらの関係事業者は,新型コロナウイルス感染症に起因する学校の臨時休業に伴う給食中止により大きな影響を受けたことから,予定していた協議・調整などが遅れている状況です。  今後は,これら関係事業者の状況を確認しながら,できるだけ速やかに検討を進めていきたいと考えております。  また,このたびの見直し検討に当たっては,児童生徒や保護者等の給食に対するニーズを勘案することが重要だと考え,昨年1月に小・中学校の児童生徒,保護者等約2万2000人を対象に,食に関するアンケートを実施したところです。今後は,このアンケートの結果も踏まえた上で方針案を作成し,議会にも適宜御説明し,御意見を伺うなど,丁寧に進めてまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       環境局長。 ◎重村隆彦 環境局長     気候非常事態宣言と南工場の建て替えについての3点の御質問に順次お答えします。  まず,気候非常事態宣言を発する自治体が増えているが,本市はどう取り組むのかとの御質問にお答えします。  本市においては,平成29年3月に策定した広島市地球温暖化対策実行計画に基づき,地球温暖化対策に取り組んでいるところです。この実行計画には,気候非常事態宣言の主な趣旨である気候変動の現状認識や対策の重要性等について示していることから,現時点で当該宣言を行うことは考えていませんが,今後も,市民一人一人の地球温暖化防止に対する意識を高め,行動につなげていくよう,地球温暖化対策の取組を進めていきたいと考えています。  次に,ごみの再資源化とゼロエミッションの一層の推進でCO2削減に向けて市民レベルでの協力を進めるべきではないかとの御質問にお答えします。  本市では,ごみを可能な限りゼロに近づけ,環境への負荷を極めて小さくするゼロエミッションシティ広島の実現を基本理念に,広島市一般廃棄物ごみ処理基本計画を策定し,ごみの排出量,焼却量及び埋立量それぞれの減量目標を定め,ホームページで公表するとともに,その目標達成に向け,市民,事業者,行政が一体となってごみの減量・資源化に取り組んでいます。  今後も,市民・事業者と協働で取り組んでいる買物袋持参運動や食品ロスの削減など,ごみの発生を抑制する施策について市民・事業者へより一層の周知を図り,市民一人一人の意識を高め,ごみの減量・資源化を推進していくことでCO2の削減につながるものと考えています。  最後に,南工場の建て替え規模は見直すべきではないかとの御質問にお答えします。  建て替え後の南工場,中工場及び安佐南工場の3工場による可燃ごみの全量焼却体制を将来にわたり安定して維持していけるよう,各工場の定期的な点検・補修等による休炉期間を考慮した実質処理能力や,災害発生や突発的要因による稼働停止などのリスクを踏まえると,南工場は日量300トンの焼却能力で建て替える必要があると考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       教育長。 ◎糸山隆 教育長       指定学校変更許可基準の改正についてお答えをいたします。  まず,どういった意図を持って行ったのかということについてです。  指定学校変更許可制度は,一定の事由に該当すれば保護者の希望により指定学校を変更することができる制度です。このたびの改正については,この制度において過大規模校が抱える課題の緩和につながるような運用ができないかと考え,31学級以上の過大規模校が指定学校になっている場合に,保護者が希望すれば隣接校に指定学校を変更できるよう許可事由を追加することにしたものです。  この改正により,少しでも児童数が少ない学校に通わせたい,あるいは少しでも通学距離が短い学校に通わせたいといった保護者のニーズに応えるとともに,過大規模校におけるクラス増の抑制や児童の過密の緩和につながることを期待しております。  次に,地域や学校現場の合意は取られているか,また議会の意見はいつ聞くのかという御質問です。  今回の改正は,既存の指定学校変更許可基準に許可事由を追加するものであること,またその内容も強制的に通学区域を変更するのではなく,保護者の希望によって指定学校を変更することができるようにするものであることから,地域の方々や議会に特段の説明を行うことは考えておりませんが,御意見が寄せられれば丁寧に説明したいと考えております。  なお,対象となる過大規模校及びその隣接校には,趣旨や内容についてしっかり説明した上で改正を行っております。  次に,安佐南区の春日野,山本,祇園の3小学校は隣接しているが,どの学校に行けるのかという御質問です。  春日野,山本,祇園の3小学校は同じ祇園中学校区内の小学校であることから,これらを一つの学区とみなし,その学区の境界が接する全ての小学校のうち,過大規模校と空き教室がない小学校を除いた10小学校へ指定学校を変更することができるようにしたところです。具体的には,長束,原,古市,大町,安,安西,伴東,大塚,己斐上,三篠の10小学校です。  最後に,新1年生のみを隣接校に入学させることは,過密化した教育環境に対する一時しのぎであり,根本的な解決にならない,分離新設も同時に考えるべきではないかという御質問です。  本市における児童数は,全体としては減少傾向にありますが,宅地開発や大規模マンションの建設等により,地域によっては児童数が増加し,教室不足など様々な課題が生じている学校もあります。こうした状況が将来にわたって続く見込みであれば校舎の増築などの対応を検討することとしておりますが,これらのハード整備には一定の期間が必要であることなどから,このたびの指定学校変更許可基準の改正のように,クラス増の抑制や児童の過密の緩和も期待できるソフト対策についても取り組んでいこうとするものでございます。  以上でございます。 ○山田春男 議長       36番藤井議員。 ◆36番(藤井敏子議員) 答弁をいただきました。  何点かありますけれど,要望等も伝えさせていただきたいと思います。  まず,核兵器禁止条約は,市長は一里塚だというふうに言われましたけれども,まずこれを発効させることが核保有国に対しての大きな圧力になり,世界を動かすことになるということを改めて申し上げて,ぜひ日本が参加するよう引き続き強く求めていただきたい,このことを申し上げます。  今も,使用可能な,使える核兵器がどんどん造られています。こんな状態の中で敵基地攻撃論など,これを本当に国が認めるようなことになれば,まさに使われる危険が高まってくるわけですので,これについても,これは国のことだから国会でやってほしいというのではなく,やはりきちっと被爆地広島の市長として,憲法を守る立場からも,ぜひ抗議をしていっていただきたいということを求めます。  やっぱり紛争解決のために戦力を持たない,これが憲法9条です。核兵器の核の時代の世界にこれを呼びかける,まさに規範だと思うんですね。ですので,これは引き続いて市の立場として貫いていただきたいと思います。  そして,黒い雨訴訟についてですけれども,全面勝訴で本当にすばらしい判決だったということはお認めになられて,これまでも降雨地域拡大のために市も頑張ってきたわけですので,一日も早く黒い雨を受けた方の救済につながることを私たちも望んでいるわけですけれども,一つ確認ですけども,原告の人はたとえ控訴が取り下げられて判決が確定したとしても,原告以外の人,黒い雨を浴びた人がまた裁判をしないとこの対象にならないのかという,この点も一つ確認をしたいということと,もう一つは,先ほど言われたように援護区域の拡大の結論,これは国が今からしていくということで市も取り下げずに控訴したわけですけれども,この結論はいつまでに出せるという見通しを持っていらっしゃるのかどうか,いつまで待てと言われるのか,この辺をもう一つはっきりとお答え願いたいと再質問いたします。  そしてあと,有機農業の推進,学校給食等を質問いたしましたが,これまでと同様な答弁でありました。私も先ほど何度も言いましたけれども,今本当に食の安全,私たちの食をめぐる環境がますます悪化しているわけです。こうした中で,国頼みでは本当に守れないところまで来ているのではないかと思います。国際的に見ても農薬の規制,それからグリホサートも使用禁止にしているところが増えている中で,どう私たちのこういう健康を守っていくかという立場に立って行政を行っていただきたい。  有機農家もほとんどないと言われても,県内でも10軒以上あるし,市内でも3軒程があるというのも聞いております。ですので,そういうのが取り組めるような,そういう支援や仕組みをつくっていってはどうかということを私は提案をしているわけです。  それと,学校給食についてですけども,今検討をされています。グリホサート,パンのことについては以前から私も言っておりますけれども,危険なものが含まれていると分かっているのにこれをやめない,代替案はあるのにそれもしないということが私はおかしいということを申し上げているわけです。  これもぜひ,引き続き委員会等でもまた訴えていきたいと思いますけれども,子供の命を守るという,健康を守るという立場に立っていただきたい。今,保育園などでも実践をしているという報告を聞きます。有機農業で作った無農薬,それから化学肥料を使わない,そういう食に切り替えたことによってアレルギーがなくなったり,ぜんそくも改善したりとか,そういう実績があるわけですね。やはり体に優しい,こういう食をつくっていく,守っていく,こういう立場が今,私は行政に求められていると思うわけです。  学校給食についても同様,今までとほとんど変わらない答弁でしたけれども,この間のコロナを経験をしてきた中でも,やはり子供のためにはコストや効率ばかりを追求するのではなく,やはり教育としての給食を実現していただきたい。まず一番に健康に配慮した食材で,出来たてを食べさせることが一番おいしくて安全な給食です。自校調理をなくしてはいけないと思うわけです。子供たちに最善の給食を早急に実現いただくことを改めて求めます。  もう一つ,食のアンケートについては,自校調理がよいかセンター給食がよいかという,こういう中身ではなかったというふうなことをこの間も指摘してきました。ですので,それを根拠に自校調理をやめるという,そういう理由には絶対にしていただきたくないということも申し上げておきます。  以上,先ほど言いました再質問の答弁をお願いいたします。黒い雨の問題のところですね。お願いします。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  今の藤井議員からの,今回裁判をしていない方ですね,この方について,再度裁判しなければいけないのかということについてですけども,仮に今回裁判が地裁の判決で確定したとして,私どものほうが原爆手帳を出したとしても,それ以外の方,今回の訴訟に参加されていない方については,国の法令に基づいて手続をすることになりますので,これは却下せざるを得ないと,そういったような手続の流れになります。そうしましたら,再度またそういった方々が裁判をされるということの可能性は十分あると思っています。  もう一点,黒い雨の降雨地域拡大に向けて,結論を出せる見通しについてはどうかという御質問でした。  これにつきましては,国の判断がございますので明言できませんけれども,今,黒い雨を体験されたという方が大変高齢になってきていらっしゃると。そういったことに鑑みまして,本市としましては,今年度内には国に対して方向性を出すように要請をしておりますので,私どもとしてもその方向で力を尽くしてまいりたいと考えております。  以上です。 ○山田春男 議長       36番藤井議員。 ◆36番(藤井敏子議員) 判断の仕方があると思うんですけども,裁判をしなくても,今法律を変えなくても政令を変えるだけでもできるというふうにも聞いていますが,その点についてはどうでしょうか。  それと,今回の控訴を決めた翌日13日の新聞報道は,地元紙だけでなく全国紙のほとんどが1面トップで報じました。これは被爆の実相にも関わる重要な裁判だからだと思いますし,日本だけでなく国外でも本当に関心を持たれている裁判です。このことは本当に皆さんの願いだということが改めてはっきりしております。私はこの裁判はまず取下げをしてから国との交渉をして,降雨地域の拡大について交渉をされてもよかったと思います。  またこれ,委員会でも続けてやりたいと思いますので,以上,終わります。 ○山田春男 議長       次に,13番山内正晃議員。                〔13番山内正晃議員登壇〕(拍手) ◆13番(山内正晃議員) 市民連合の山内でございます。会派を代表しまして一般質問を行います。しばらくの間,御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  まず,平和行政について,2020ビジョンの次期ビジョンの見通し並びに平和首長会議の活動強化の観点で数点お尋ねします。  まず,平和首長会議の取組についてお尋ねします。  平和首長会議の前身団体である世界平和連帯都市市長会議が1982年に設立をされて,今年で38年を迎えるということであります。長い取組を広島市としても続けてきました。世界には,今も多くの核兵器があります。国際的な緊張状態もあります。しかしながら,市民社会から核兵器廃絶への取組を引き続き強めていくことが必要であると考えているところです。  さて,平和首長会議の加盟都市の数は,国内においては現在までに1,733都市に加盟をしていただいており,100%の加盟まであと8都市を残すのみとなりました。また,全体では164か国・地域の7,956都市が加盟するなど,広がりを続けております。  しかしながら,今年はコロナウイルスがこの平和首長会議の活動にも影響を及ぼしております。例えば,2020ビジョンの後継となる次期ビジョンについては,本来今年の8月の平和首長会議総会で決定される予定であったところ,感染拡大の影響により総会を来年に延期することとなり,次期ビジョンの決定もそれに伴って1年延期される予定となっていると伺います。コロナウイルスが平和の取組に影響を及ぼしていることは非常に残念ではありますが,平和首長会議としては,こうした状況下においても歩みを止めることなく,様々な取組をされていると思います。  そこでお尋ねをします。とりわけウェブなどITを活用しての取組が民間においても進んできましたが,こうした点について,平和首長会議においてはどのような取組をされてこられたのでしょうか。  続きまして,2020ビジョンについてお尋ねします。  全ての核兵器の実戦配備の即時解除,核兵器禁止条約締結に向けた具体的交渉の開始,核兵器禁止条約の締結,2020年を目標とする全ての核兵器の解体を目標とする2020ビジョンは,現在のところ全ての核兵器の解体には至っておりませんが,核兵器禁止条約の採択などの成果をもたらす原動力となりました。先ほど述べましたとおり,総会の延期に伴い,次期ビジョンの決定も延期になっていると伺います。  そこでお尋ねします。次期ビジョン並びに行動計画の策定については,どの程度まで作業が進んでいるのでしょうか。  また,次期ビジョンにおける行動計画においては,若い世代の育成や核兵器保有国における都市の加盟などに力を入れるとお聞きをしております。平和首長会議の取組をより実効性のあるものにするためには,特に若い世代の育成に各加盟都市が取り組んでいただき,核兵器廃絶を願う世代を世界中で育成をしてほしいと考えます。そのためには,プログラムの充実や学習機会などが当然必要になるところでありますが,それに加えて,財源の確保に取り組むことも必要なことであると思います。  そこでお尋ねします。平和首長会議として活動を安定的に長く継続していくために,幅広く寄附金を募る仕組みを構築されてはいかがでしょうか,お尋ねします。  続きまして,コロナウイルスの対策について,冬の到来を見据えた体制整備をしていただきたいという趣旨で数点お尋ねします。  第二波が到来して以降,感染者数の推移を見ると,増加は抑えられてきている状況ですが,冬に向けてコロナウイルス感染症の拡大が心配されています。また,冬は風邪やインフルエンザの流行期でもあり,体調不良となる人が増えることから,体調不良の原因はコロナウイルス感染ではないかと心配し,医療機関の受診や保健所への相談を希望する人が増加することが懸念されます。したがいまして,現状に安心するのではなく,引き続き相談体制や受診体制を強化することが必要であると考えます。  まず,相談窓口の体制についてお尋ねします。  広島県の数字によりますと,相談窓口には4月中旬頃の多いときには1週間で8,771件の相談があるなどの状況があり,相談件数が1日平均1,000件を超えておりました。そのため,コールセンターの回線数の増加を行ってこられたと聞いていますが,その後,現在,広島県における相談件数は1日200件から300件,広島市においては100件から200件前後に落ち着いているということではあります。しかしながら,今後,相談件数の急増に備えてコールセンターの回線数のさらなる増加が必要であると思いますが,いかがでしょうか。  次に,検査体制についてお尋ねします。  このたびの予算では,PCR検査体制の拡充強化が計上されています。かかりつけ医などの医療機関で唾液の検体採取が可能となり,1日40件ほど拡充されるというものです。これにより,衛生研究所での1日160件の検査と病院等での1日130件の検査と合わせて1日当たり330件の検査体制の整備目標の達成が可能になると伺っており,PCR検査の体制がさらに強化されたと思います。  また,これまではPCR検査は,かかりつけ医またはコールセンターに相談し,そこから保健センターを介して,感染の疑いがあるケースに行うという流れになっていましたが,今回の唾液による検査では,医療機関が保健センターを介さずに,医療機関がその場で検体を採取し,検査機関に検体を回すことになるので,検査の間口が広がるとともにスピーディーな対応が可能になると思います。このような唾液による検査を実施する医療機関は,広島県が唾液検査協力医療機関として募集をしていると聞きますが,広島市内の応募状況はいかがでしょうか。  また,懸念されるのは,全ての医療機関が対応できるというわけではないので,市民の間に混乱が生じないかということであります。現在のところ,医療機関名は非公表という前提でこの事業の募集が進んでいますが,非公表としても必ず情報は拡散していくと思いますので,事前に公表しておいたほうが市民にとっては安心できると思います。  そこでお尋ねします。現在,非公表とされている唾液検査協力医療機関について,公表するよう県や医療機関に働きかけていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  次に,陽性者を受け入れる施設についてお尋ねします。  県の公表資料を見ると,現在のところ空床率は高い状況にあるようですが,冬に陽性者数が急増した場合には,軽症または無症状患者用の宿泊施設を含め,病床確保についてどのように対処をされるのかお尋ねします。  続きまして,西日本豪雨災害からの復旧・復興について,数点お尋ねします。  西日本豪雨災害からの復旧・復興について取り組んでいただいております区役所並びに関係者の皆様には,心から敬意を表するところであります。西日本豪雨災害から2年2か月が経過をしましたが,復旧・復興工事は依然道半ばであります。これからも取り組んでいかなければならない状況であり,引き続き御尽力を心よりお願いいたします。毎年のように全国のどこかで激甚災害に相当する大規模災害が発生する中,私たちの生活様式も改めなければならない時期に来ていると思うところです。  さて,本日は公共土木施設災害復旧事業の進捗状況について,市民への周知のための情報量を増やしていただきたいという趣旨でお尋ねをします。  私は,昨年6月の一般質問において,広島市のホームページ上に公共土木施設災害復旧事業の進捗状況について,事業箇所数とそれぞれの進捗状況を地図に落とし込んで分かりやすく掲載をしていただくということを要望しましたところ,県のホームページを参考に対応していただき,復旧工事の着手状況等をマップ上に分かりやすく掲載していただきました。情報として見やすくなったというふうに思っております。  この情報を見ると,広島市が担当する復旧工事は344か所あるとのことですが,着手できていない箇所,すなわち発注準備中となっている箇所がまだ多く見られる印象です。県事業や国事業との兼ね合いもあるとは思いますが,ぜひとも一日も早い復旧工事の完成にしっかり取り組んでいただきたいと思っております。  国では,災害が発生した年度を含めて3か年での復旧が基本と言われており,災害から2年が経過した今,地元住民も今後の復旧工事の状況を心配しております。  そこでお尋ねをします。ぜひとも国の補助予算の確保も含めて,復旧事業を確実に成し遂げていただく必要がありますが,今後の見通しはいかがでしょうか。  また,現在のホームページの情報では,工事の位置とそれぞれの進捗状況は分かりますが,全体の進捗状況や見通しが分かりにくい状況にありますので,一覧表を併せて掲載するなど,掲載内容について改善をしていただきたいと思っておりますが,市のお考えをお尋ねします。  続きまして,広島市の林業政策を拡充していただきたいという趣旨で数点お尋ねします。  日本の国土のうち67%,約3分の2は森林であります。その面積は約2500万ヘクタールと言われています。日本の国土に占める森林の割合は,先進国の中ではフィンランドに次いで第2位であり,世界平均の31%を大きく上回る約67%であります。つまり,日本は森林と共存してきた国であると言えます。  広島市について見ますと,市域面積約9万ヘクタールのうち,森林面積が約6万ヘクタールであります。やはり市域面積の約3分の2を森林が占めます。  森林は,国土の保全,水源の涵養,木材等の生産など,国土形成の礎であるとともに,経済面においても大きな役割を担ってきました。現在,日本の森林は,先人たちの努力により,戦後に植林や造林が行われたいわゆる人工林が育ち,本格的な利用期を迎えています。  人工林は,広島市においては先ほど御紹介した森林面積約6万ヘクタールのうち約2万ヘクタールの面積があり,市域面積約9万ヘクタールに対して見ると,その約4分の1から5分の1を人工林が占めていることになります。担当課に伺うところによると,この人工林2万ヘクタールのうち,森林組合など大規模な森林事業体が管理をされているのが約6,000ヘクタールであります。残りの1万4000ヘクタールがまだ資源として残っているという状況です。  林業は危険を伴う上,大がかりな機械なども必要となることから,新規事業者が取り組むには依然として高い障壁があります。素人がそう簡単に取り組める仕事ではありません。  そうした中で注目されているのが,自伐林業家の育成です。自伐林業とは,森林組合などの大規模な林業事業者ではなく,個人事業主や小規模事業者のような形態の事業者が山主さんと相談の上,地代や立ち木代を無料,あるいは低価格にしていただき,樹木を伐採するなどの林業を行うケースです。広島市でもこの自伐林業支援の取組を行っておられるところであり,事業の一つは機器のレンタル代を助成する自伐林業支援事業,もう一つは自伐林業家の育成支援を行う半林半X移住者支援事業です。半林半X移住者支援事業がスタートして今年で3年目を迎えるところであり,ぜひともこの事業が着実に取り組まれることを望んでいるところです。  そこでお尋ねします。市としては,今後,自伐林業者の育成支援など,自伐林業支援策の充実に向けてぜひ取り組んでいただきたいと思いますが,どのようにお考えでしょうか。  また,林業は産業としては厳しい状況が続いてきたことによる影響として,森林整備が十分に行われなかったり,被相続人による所有権移転登記が行われていない山林もあったりします。また,移転登記がされていても,登記上の所有者が地元に居住していないケースが山積しています。その結果として,個人所有の山林の境界線が不明瞭になっているケース,あるいは近い将来にはそうなるであろうと推測されるケースが多々あります。仮にそうなってしまうと,地権者を探すことや境界を確定する作業から始めなければならず,林業政策を進めることも困難になります。  そこでお尋ねをしますが,国のほうでは森林経営管理制度を昨年から設け,こうした状況を改善する方向に進んでおります。この制度を各自治体がしっかりと取り組んで進めていくことが必要ですが,広島市としてはどのように取り組んでいかれるのでしょうか。  続いて,公共建築物への木材の活用についてお尋ねします。  林業を復活するには,木材の生産だけではなく,販路や消費の拡大も併せて実施しなければなりません。コンクリートにも木材にもそれぞれの長所がありますが,行政が公共建築物を建てる際には,木材の活用をしっかりと意識する必要があると思います。このことについて,国のほうにおいては,平成22年に公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律を策定し,自治体に取組を求めているところであります。  そこでお尋ねしますが,広島市においては木材を公共建築物等に活用することについてどのような取組を行っておられるのでしょうか。
     続きまして,安佐北区のまちづくりについてお尋ねします。  西日本豪雨災害の際には,安佐北区内を走るJR芸備線は,橋梁の崩落などにより1年余りにわたる運休となりましたが,関係者の皆様の御尽力により,代行バスの運行並びに橋梁の復旧が実現しました。関係者の皆様に,心より感謝を申し上げます。  また,昨年10月の芸備線全線開通の際には,市長をはじめ多くの皆様に開通を祝していただき,地元の住民も大変喜んでいるところです。  今年の7月には,長雨の影響により,芸備線は再び一部区間が運休となりましたが,この間もJR西日本においては代行バスの運行を行っていただき,また小・中・高校生の夏休みが終わる前に運行を再開していただいたところであり,関係者の皆様に併せて心より感謝を申し上げます。引き続きまして芸備線の活性化に取り組んでいただきますよう,この場をお借りしましてお願い申し上げます。  さて,本日は,そのJR芸備線の駅の一つであるJR安芸矢口駅前の駅前周辺整備についてお尋ねします。  安芸矢口駅前から広島三次線の三差路に向けての約280メートル区間について,懸案であった用地買収が進んでいる状況にあると伺います。この区間はJR安芸矢口駅と矢口バス停を結ぶ区間になりますが,歩道が狭隘であるため,通行人が対面で通る際はどちらかが車道に下りて譲らなければならない箇所もあり,通行人も車もいつも冷や冷やしながら通行しています。用地買収を進めていただいていることに感謝申し上げるとともに,安芸矢口駅から広島三次線の三差路までの拡幅整備の早期実現を願っているところであります。  お尋ねをします。この区間の今後の整備の見通しをお聞かせください。  続いて,安芸矢口駅前のロータリー整備についてお尋ねします。  安芸矢口駅はバス停留所も近く,交通結節点としての機能を有しております。また,1日に約4,000人が利用する駅であるにもかかわらず,駅前が狭く,通勤通学の時間帯は送迎の車やバイク,自転車,歩行者が入り乱れるように駅前に入っていき,危険な状況もよく目にします。これまでにも駅前の歩道の拡幅や送迎車の滞留所の確保などは行っていただき,状況は改善される方向にあるものの,交通量に対しては十分な整備には至っていない状況であります。  そこでお尋ねします。本市では,JR安芸矢口駅前のロータリーを含む駅前広場整備の事業化に向けて検討していかれるとのことでしたが,その検討状況はいかがでしょうか。  続きまして,広島市立病院機構の中期計画の変更についてお尋ねします。  このたびの広島市立病院機構の中期計画によると,現在の安佐市民病院北館の整備について,工期が延長し,工事費が増額されることになっていますので,この理由についてお尋ねします。  安佐市民病院をめぐる経過を少し申し述べさせていただきますと,安佐市民病院の移転に際しては,荒下地区に移転して建て替えを行おうとする市の方針に対し,現在地での建て替えを求める請願書が5万数千筆の署名とともに提出されるなど,多くの安佐北区民を巻き込んでの議論となりました。結果として,荒下地区に主要な病院機能を移転する一方,現在地には地域医療を支える病院機能を残し,かつ南館跡地を有効活用することについてしっかりと整備に取り組んでいくとする機能分化整備方針が出されることとなりました。つまり,現在地の安佐市民病院について,北館はまだ耐用年数が残っていることから機能分化をして病院機能を残し,南館は取り壊して跡地を有効活用していくという方針が2015年9月の本市議会で可決をされました。あれから約5年が経過をしたところであります。  その後,市の方針に基づきまして,地域医療を支える病院機能として,安佐医師会病院が現在地の北館の病院機能として設置されることになりました。また,その医療機能への併設施設として,可部夜間急病センターや安佐准看護学院,地域開放施設などの整備が予定されているとお聞きしています。この病院機能はもちろん,そのほかの跡地の施設活用についても区民の関心は高く,現在,跡地活用推進協議会が立ち上げられ,鋭意検討していただいているところであります。  このたびの中期計画では,北館には安佐医師会病院のほか,可部夜間急病センター,広島市北部医療・介護連携支援センター,安佐准看護学院,地域開放施設が併設されることとなっていますが,開設が令和4年春から同年12月へと延期となり,整備費も9億9000万円から29億4500万円へと約20億円の増額になっております。広島市が北館の機能整備に取り組んでいただいていることは,広島市北部の医療機能の充実において必要不可欠であると思う反面,工期延長と予算の増額は大いに気になるところです。  そこでお尋ねをしますが,病院以外の併設機能について,どのような経緯で決定をしたのでしょうか。また,なぜスケジュールが遅れ,整備費が増額になったのでしょうか,お答えください。  最後に,ごみ収集について,市民との協調をしていただきたいということ,つまり市民に対しては分別や集積所の管理にしっかり協力をしていただく一方で,行政としてもしっかりと市民をサポートしていただきたいという趣旨で質問します。  広島市においては,家庭ごみを有料化することなく,市民1人当たりのごみ排出量は,政令指定都市の中で少ないほうから4番目という状況です。一方で,ごみの減量化や資源化を図るとともに,分別の徹底を市民に行っていただいている状況でもあり,広島市においては市民の理解と協力を得ながらごみ収集行政を進めていただいているところであります。  さて,家庭ごみの収集においては,市内には集積所,いわゆるステーション方式の地区と戸別で収集をしている地区とが混在をしております。具体的な数字で申し上げますと,広島市内には収集箇所数は令和元年度末時点で6万5680件,そのうち集積所,いわゆるステーション方式での収集は3万7453件,戸別収集の件数は2万8227件ということであります。数字上で見れば,約3分の1以上が戸別での収集という件数になります。  ごみ収集の集積所については,私の地元安佐北区では,団地造成の際に既に造成業者によって集積所── ステーションが設置されている場合もあれば,それが団地造成時にはなく,そこに居住した住民が独自に集積所を設けるケースもあります。後者の場合,住民の誰かが民地を提供する場合もあれば,道路や歩道などの一部にブルーシートを置いて集積所とする場合もあります。あるいは,先ほど述べたとおり,各自宅の玄関先や門先などに収集箱を置くことで戸別収集を行っている地区もあります。  本来,集積所,いわゆるステーション方式でごみ収集を行うことが効率上は望ましいと思うところですが,これまでの経過もあり,戸別収集されている地区を集積所,いわゆるステーション方式に戻すことは困難を極めるというふうにも思います。  一方で,行政としても対策を講じておかなければ,これから超高齢化社会が到来する中で戸別収集を希望する人や地区がどんどん増えていくことになり,ごみ収集にかかる手間やコストが一層増加してしまうのではないかと懸念します。このため,現在,ごみ収集を集積所,いわゆるステーション方式で行っている地区への適切な支援も必要であると思います。現在,広島市が取り組んでいるごみニティ活動支援事業は,その一つであるというふうに思います。  そこでお尋ねをします。例えばその中で進められているごみステーションの管理用具の貸与は,1か所につき1回限りと聞いています。貸与した箇所にごみ収集枠を追加して貸与したり,貸与されたごみ収集枠が老朽化して使用できなくなった場合,新しいものと交換してもらうなどの検討を行っていただきたいと思っておりますが,いかがでしょうか。市のお考えをお尋ねします。  以上で一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       山内議員の御質問にお答えします。  西日本豪雨災害からの復旧・復興のうち,公共土木施設災害復旧事業の今後の見通しについての御質問がございました。  本市では,平成26年8月の豪雨災害において,道路や河川等の公共土木施設の災害復旧は防災力を高める改良復旧に主眼を置くべきだという観点に立って,国や県と連携し,全力で取り組むことで一定の成果を上げることができたと考えております。このため,平成30年7月の豪雨災害による被災地の復旧に当たっても,同様の観点に立って災害に強いまちづくりを進めることとしているところであります。  これまで,今年度末までの3か年を基本的な復旧期間として位置づけ,公共土木施設に係る個々の災害復旧事業は,入札不調となることを回避するための対応策を講じることによって,8月末現在で事業全体の344か所のうち約8割に当たる270か所が着手済みで,そのうち142か所については完了しているところであります。残る74か所についても,平成26年8月の豪雨災害に係る復旧・復興作業の経験を踏まえつつ,地域の皆様の御意見をしっかりとお聞きし,国の補助金の確保にも努め,できるだけ早期に完了するよう全力で取り組んでまいります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       下水道局長。 ◎油野裕和 下水道局長    西日本豪雨災害からの復旧・復興のうち,災害復旧工事の進捗状況について,現在の掲載情報では分かりにくいので改善してもらいたいがどうかについてお答えいたします。  現在,本市のホームページで公表している公共土木施設災害復旧事業に関する情報は,事業箇所ごとの位置,発注予定時期,契約済み及び施工済みとなっています。議員の御提案を踏まえ,全体の進捗状況が把握しやすくなるよう,事業箇所ごとの情報を一覧表とするとともに,公共土木施設災害復旧事業全体の総括的な進捗状況も公表するよう改善します。  以上でございます。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     平和行政の推進についての3点の御質問にお答えいたします。  まず,平和首長会議では,新型コロナウイルスの影響の中,ウェブなどITを活用してどのような取組を行ってきたのかについてです。  平和首長会議では,今年が被爆75年という節目の年に当たり,また2020ビジョンの最終年であることから,コロナ禍の中で実際に被爆地に赴いていただくことはかなわなくても,世界中の人々に被爆者の核兵器廃絶への切なる思いを共有してもらうため,インターネットを活用した取組を行っています。  まず,広島・長崎両市の被爆者や市長のほか,国連,各国政府,NGO,平和首長会議役員都市の代表など23名が広島・長崎に思いを寄せ,核兵器廃絶への願いを語るメッセージをまとめ,世界に向けてユーチューブで発信いたしました。  また,青少年が主体の取組として,広島・長崎のほか,英国やロシアなど五つの加盟都市をオンラインでつなぎ,各都市の青少年が平和活動を発表し,意見交換する平和教育ウェビナーを開催し,同時にユーチューブでの配信も行いました。こうしたオンラインによる取組への反響は大きく,コロナ禍に限らず効果が期待できるものであることから,今後も積極的に活用し,核兵器廃絶が市民社会の総意となるよう,国際世論を拡大していきたいと考えています。  次に,次期ビジョン及び行動計画の策定について,どの程度まで作業が進んでいるのかについてです。  次期ビジョンについては,昨年11月に開催した第11回平和首長会議理事会における議論の中で,まず核兵器のない世界の実現を中心に据え,同時に自治体首長で構成する組織として市民の安心・安全を守るという視点に立って,安全で活力のある都市の実現を目指し,さらに平和文化の振興を目標として掲げるという基本的な方向性について合意を得ました。また,その目標を達成するためには,より根源的に重要なこととして,市民一人一人が日常生活の中で平和について考え,行動することを奨励する必要があることから,その理念を示す平和文化を振興することを目標の一つとして掲げることとしました。  次期ビジョンの下で市民社会に平和文化を根づかせて平和意識を醸成することにより,平和への大きな潮流をつくり,核兵器のない世界の実現に向けて為政者の政策転換を強力に後押しする環境づくりを推進していきたいと考えています。  そうした中,ビジョンの下で行う具体的な取組を示す行動計画については,これまでの取組をしっかりと総括し,今後予定されているNPT再検討会議や新START延長についての米ロの協議など,核兵器をめぐる世界情勢を踏まえながら,来年8月に開催予定の総会での策定に向けて,役員都市と議論しながら内容を取りまとめていく予定でございます。  最後に,平和首長会議として活動を安定的に長く継続していくために,幅広く寄附金を募る仕組みを構築してはどうかについてです。  平和首長会議では,広島市及び長崎市からの負担金のほか,各加盟都市が負担するメンバーシップ納付金,2020ビジョンキャンペーンに基づく取組への寄附金を主な財源として活用しています。  議員御指摘の寄附金の募集については,世界で8,000都市近くまで広がった平和首長会議の活動が今後一層活発かつ持続的に行われるようにするために,財政基盤の強化を図ることが必要不可欠であることから,新たな財源の確保方策について情報を収集しながら検討を始めています。  今後も核兵器のない世界の実現を世界中の人々の民意とするためには,平和首長会議のさらなるネットワークの拡大や各加盟都市における活動の活性化を推進することが重要となります。こうした活動を支えるために,より安定的に幅広く活動資金を確保できる枠組みを整えられるよう,専門家等にも助言を求め,様々な事例を研究しながら,役員都市をはじめとする関係者と協議を進めていきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  新型コロナウイルス感染症への備えについて,4点の御質問にお答えいたします。  初めに,今後,相談件数の急増に備えて,コールセンターの回線数のさらなる増加が必要であると考えるがどうかについてです。  本年2月に開設した本市のコールセンターは,当初,夜間と休日のみを2回線で受け付けておりましたが,その後,相談件数の大幅な増加に伴い,24時間の受付に切り替えるとともに,特に問合せの多い平日の昼間帯は16回線に増やして対応するなど,相談体制を強化してまいりました。  今後も,相談件数の推移や感染者の発生動向等に留意して,迅速に回線数を増やすなど,市民が安心して相談できる環境を整備してまいります。  次に,広島県が募集している唾液検査協力医療機関の広島市内の応募状況はどうかについてです。  唾液検査協力医療機関は,本年9月12日現在で県内では777施設が応募し,このうち広島市内では391施設が応募していると聞いております。  次に,現在,非公表となっている唾液検査協力医療機関について,公表するよう県や医療機関に働きかけるべきではないかについてです。  広島県は,唾液検査協力医療機関を公表することで,当該医療機関に患者が殺到することが想定され,それにより院内感染につながるおそれもあることから,医療機関名を非公表としております。  一方で,この冬にはインフルエンザに新型コロナウイルス感染症が加わる同時流行が懸念されており,多くの発熱患者に適切な医療を提供するためには,かかりつけ医の判断で新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者を速やかに検査につなげることが重要と考えます。このため,現在,県や医師会に対して,感染の疑いのある患者に対して迅速に検査ができるよう,例えば地域の医療機関の間で唾液検査協力医療機関の情報が共有できる仕組みづくりなどの検討を依頼しているところです。  最後に,冬季に陽性者数が急増し始めた場合には,軽症または無症状患者用の宿泊施設を含め,病床確保についてどのように対処するのかについてです。  県内の感染症病床を調整する広島県は,病床の利用状況や療養者数,新規感染者数等に応じてゼロから3までの4段階のフェーズを設定しており,それぞれのフェーズに合わせて必要な病床を確保することにしております。  フェーズ3では,第一波において全国で最も感染者の発生率の高かった東京都と同程度の感染者が発生しても感染者を受け入れることができるように,広島県は重症または中等症患者用の病床を500床,軽症または無症状患者用の宿泊施設700室を整備することにしており,この冬に患者が急増した場合でも必要な病床を確保できるとしております。  仮にフェーズ3を超えるような想定外の感染者が発生した場合には,本市も広島県や医療関係者等と連携を図りながら,必要となる病床等を確保してまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       経済観光局長。 ◎日高洋 経済観光局長    林業政策の拡充について,3点の御質問にお答えをいたします。  まず,今後,自伐林業支援策の充実に向けて取り組んでもらいたいと思うが,どのように考えているのかについてでございます。  自伐林業者が安定した林業経営を行っていくためには,まず経営の基盤となる林業経営に適した森林の確保が重要であり,また自伐林業だけでは大きな収入が望めないことから,林業以外のほかの仕事に従事する複合経営も重要であると考えております。  このため,本市では新たな林業の担い手として自伐林業者の参画を支援する取組を行っているところであり,具体的には平成28年度から,林業とほかの仕事を組み合わせた兼業林業者を育成する半林半X移住者支援事業や,自伐林業者に対してまき割り機などの林業機械の貸出しを行う中山間地域自伐林業支援事業を実施しております。さらに,今後,森林経営管理制度により,森林所有者や境界が明確になった森林の管理を自伐林業者が受託できるような仕組みも検討していきたいと考えております。  いずれにしましても,議員御指摘のとおり,戦後,一斉に植林された人工林が本格的な利用期を迎えることや,木材需要が徐々に回復している状況を好機と捉え,引き続き自伐林業者の育成に取り組むなど,自伐林業支援策の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に,森林経営管理制度について,各自治体がしっかりと進めていくことが必要だが,広島市としてどのように取り組んでいくのかということでございます。  森林は,水源の涵養や山地災害・地球温暖化の防止,林産物の提供など多面的で重要な役割を担っていますが,所有者不明などにより森林の適正な管理ができていないことが課題となっております。  こうした状況の中,森林の適切な経営や管理の確保を図るために,森林経営管理法が平成31年4月に施行され,本市においても昨年度からこの森林経営管理制度に取り組んでおります。具体的には,森林所有者自らが経営管理できない私有林の人工林を対象として,森林所有者の確認や境界明確化などの調査を行うとともに,所有者から経営管理の委託を受けた上で,意欲と能力のある林業経営者に再委託などを行おうとするものでございます。  現在,本市では,市内に設定した2か所のモデル地区において,森林所有者の確認や境界の明確化などの調査を実施しており,ほかの地区においても順次調査を実施していく予定です。  引き続きこの制度を着実に運用していくことで,森林の経営管理の適正化を図っていきたいと考えております。  最後に,木材を公共建築物等に活用することについてどのような取組を行っているかについてでございます。  本市では,平成22年に施行されました公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律を受け,平成22年度に庁内の関係課で構成する広島市木材利用推進検討庁内会議を設置し,平成24年度に広島市公共建築物等木材利用促進方針を定めて,木材の利用推進について取り組んでいるところでございます。  この取組により,本市の公共建築物等における木材利用実績は,平成25年度から令和元年度の7年間において44件となっております。このうち,木造化は湯来町民具収蔵庫及び大下集会所の2件,内装に木材を利用する木質化は学校,集会所,児童館,こども療育センターなどの42か所でございます。本年7月1日にリニューアルオープンしましたレストハウスについては,スロープや階段の床,手すりに木材を利用しております。また,本年3月に策定しました中央公園サッカースタジアム(仮称)基本計画では,県産材を積極的に活用し,県産材の利用モデルとなるようなスタジアムとすることとしております。  さらに,民間建築物の木材利用を促進するため,本年2月には木材利活用関係者や店舗等事業者約120名が参加した木材利活用シンポジウムを開催し,木材利用に向けた意識啓発を図っているところでございます。  本市の林業政策を推進していく上で,まずは公共建築物等への木材利用が重要であると認識しておりまして,今後とも,木材利用の拡大に積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   安佐北区のまちづくりについて,2点の御質問にお答えいたします。  まず,JR安芸矢口駅から広島三次線の矢口三差路交差点の整備見通しについてです。  JR安芸矢口駅から広島三次線の矢口三差路交差点までの約280メートルの区間については,平成11年度から幅員16メートルで両側に歩道のある2車線道路として拡幅整備を進めています。このうち安芸矢口駅から約230メートルの区間は平成29年度に完了しましたが,矢口三差路交差点側の約50メートルの区間については,関係権利者との用地交渉が難航し,完了していませんでした。  こうした中,本年6月に当該区間の用地契約を行い,年内に取得できる予定となったため,今後,速やかに工事を発注し,来年度末までの供用を目途に取り組んでいきたいと考えています。  次に,JR安芸矢口駅のロータリーを含む駅前広場整備の事業化に向けて検討していくとのことだったが,その検討状況はどうかについてです。  JR安芸矢口駅は,芸備線の中で最も利用者が多い駅です。その理由として,芸備線の全ての列車が停車することや広島駅までの所要時間が約15分と都心に近いことから,駅周辺の大規模住宅団地からのマイカー送迎や路線バスからの乗換えなどが多いことが挙げられます。このため,通勤通学の時間帯における送迎車,バス,バイク,自転車,歩行者などを円滑に処理する必要があり,広場のレイアウトなどについて概略検討を進めているところです。来年度,交通事業者等と協議を行うなど,さらに検討を深めていきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  広島市立病院機構の中期計画の変更についてのうち,現在の安佐市民病院の北館整備について,3点の御質問にお答えいたします。  初めに,病院以外の併設機能はどのような経緯で決定したのかについてです。  安佐医師会病院の建て替えに当たっては,本市が平成27年9月に作成した安佐市民病院の建て替えに伴う医療機能の分化整備の基本方針に沿って,広島市立病院機構が本市や安佐医師会などの関係機関と協議しながら,その具体化を進めています。このうち,安佐市民病院の北館の治療・入院機能と連携した初期救急医療サービスを担う可部夜間急病センターの移設と北館の医療機能の整備と併せて,高齢者等の在宅医療を支えるサービスを提供する地域包括ケア拠点の運営・受託については,平成30年6月の安佐医師会総会で決定されました。  また,安佐准看護学院については,現在,祇園出張所の建物の一部を校舎として使用しておりますが,老朽化が著しく,耐震性も確保されていないことから,安佐医師会から本市に対して,平成27年9月に北館に移転したいという旨の要望がありました。本市は同学院が安佐地区の医療を支える看護職員の養成機関であることや,北館病院と連携した看護実習や看護教員の研修等が行えるなどの運営上のメリットを考慮し,同学院の北館への移転を平成28年8月に安佐医師会に提案し,平成31年2月の同医師会総会で移転が決定されました。  さらに,北館のリハビリ用体育館への地域開放施設の整備については,安佐市民病院跡地の活用方針を検討,作成するため設置した安佐市民病院跡地活用検討協議会において取りまとめられた報告書を踏まえ,本市が平成29年2月に作成した安佐市民病院跡地の活用方針の中で,リハビリ用体育館にはコミュニティーセンターの機能を持たせ,若者から高齢者まで幅広い世代が多目的に利用でき,世代間の交流・連携を促進し,広域的で効果の高い取組を行うことができるよう有効活用を図ることとし,平成30年10月に同協議会においてコミュニティーセンターを集客イベントなど多目的に使えるホールとすることが決定されました。  次に,なぜスケジュールが遅れたのかについてです。  安佐市民病院の北館には,併設する施設の運営主体の安佐医師会との協議や地元主導の跡地活用の議論等を踏まえ,地域医療を支える病院機能を残した上でその他の機能も担う複合施設とすることを前提に,所要の作業を進めてまいりました。  平成28年9月にお示しした広島市立病院機構の中期計画におけるスケジュール及び整備費は,その他の機能が特定できない中で,北館を一旦は空にし,最小限必要となる工事量によって,複合施設化するための工事を行う計画としていたことから,建物全体の構造補強等の作業工程は見込んでいませんでした。  その後,平成31年2月に併設する施設の機能が確定し,施設の複合化に伴う建物全体の構造補強などについて具体的な整備内容を固めるための作業を進めたところ,工事期間は約13か月新たにかかることが昨年度末に明らかになりました。
     したがいまして,令和4年春の開院は見送らざるを得なくなりましたが,工事の着工を可能な限り前倒しすることで,令和4年の年末までには開院できるよう,スケジュールの抜本的な見直しを行ったところです。  最後に,なぜ整備費は増加したのかについてです。  整備費が20億円増額となった主な要因としては,病棟の間仕切り壁を防火構造から耐火構造にするなど,既存建物の建築基準法不適格部分を改修することに加えて,2階に安佐准看護学院を整備するため,建物全体の積載荷重が増すことに伴う一部耐震補強や,地域開放施設を不特定多数の者が利用するため,新たな避難路確保のための増築,さらには,利用者の増加による電気等附帯設備の容量増への対応等が必要となったことからです。  以上でございます。 ○山田春男 議長       環境局長。 ◎重村隆彦 環境局長     環境行政のごみニティ活動支援事業の拡充についての御質問にお答えをいたします。  平成27年度から実施しているごみニティ活動支援事業は,令和6年度末を期限とし,ごみステーション管理用具の一つとして折り畳み式のごみ収集枠を貸与しています。  この貸与は,ごみステーション1か所につき1回限りとし,未利用箇所への貸与の拡大に努めているところですが,ごみステーションの使用世帯数の増加などにより,ごみ収集枠の追加が必要と認められる場合には追加貸与を行っています。  また,現在貸与しているごみ収集枠は,修理等が必要な場合は利用される方々で行っていただくことを貸与条件としていますが,今後,ごみ収集枠の経年劣化が進行すると,利用者による修理ができなくなることも想定されます。  議員御指摘の,老朽化したごみ収集枠を新しいものに交換することについては,本事業の利用状況や利用者の声を踏まえて,今後の在り方を検討していく中での課題の一つと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       13番山内議員。 ◆13番(山内正晃議員) 御答弁ありがとうございました。  再質問はありませんが,2点ほど補足で申し上げさせていただきたいというふうに思います。  まず,林業政策の拡充についてですけれども,森林の経営管理について,モデル地区を選定して2か所で取組を始められているということであります。  しかしながら,重ねて申し上げますが,本当に広大な面積,担当局は御存じだと思うんですが,広大な面積が所有者不明になりつつあります。ぜひとも急いでいただかなければいけない課題であります。国のほうも昨年から法整備をされたということでありますが,ぜひとも自治体においてもペースを上げて取り組んでいただきたいというふうに思います。  また,公共建築物に木材を活用するということで,この7年間,全庁的にいろいろな検討はされてきたということでありますが,一般的にコンクリートは台風や火災には強いんですが,やはり60年から70年でどうしてももろくなるという,物質的なデメリットと言えると思うんですけど,そういったことがあります。一方で,木材は長期的な耐久性という意味では優れているという部分もあります。  公共建築物の全部丸ごとということでなくても,ぜひとも部分的にでも木材を活用するということを引き続き全庁的に何かのときには取り組んでいただく,検討していただくということをぜひともしていただきたいというふうに思います。要望させていただきます。  最後に,ごみニティ活動支援事業についてですけれども,私の住んでおります団地でも,この制度を活用させていただいて,住民同士で話し合って,なるべくステーションを維持していこうということで取組をしているところであります。  ステーション方式というのは,御承知のとおり,まず御近所とのお付き合いが必要になるということもありますし,高齢になってくるとどうしてもステーションの掃除,あるいはごみ出しというのが大変になってくるということで,体の調子などでどうしても戸別収集にならざるを得ないケースというのはあろうと思いますので,それはある意味致し方ないというふうに思うんですけれども,ごみ出しというのは近所同士のコミュニケーションの一つの機会であるというのも実態であろうかなというふうに思います。  地域コミュニティーを維持していくということでも,ぜひともステーション方式を維持していくということが望ましいと私は思っておりますので,私の質問に対しては,これからの検討課題の一つということで御答弁いただきましたけれども,この制度の延長や充実,ぜひとも適切な支援策を行っていただきたいということを最後に要望いたしまして,終わります。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       この際,暫時休憩いたします。                午前11時58分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時04分開議                出席議員  29名                欠席議員  25名 ○渡辺好造 副議長      出席議員29名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  8番水野考議員。                〔8番水野考議員登壇〕(拍手) ◆8番(水野考議員) こんにちは。  自民党・市民クラブの水野考です。会派を代表して質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  まずは,広島城の天守閣についてです。  本年,予算特別委員会で,同会派の平岡議員から広島城の歴史的・文化的価値について,また木造で建て替えが必要なことについて質問がありました。続く6月議会では,同会派の川口議員からも天守閣の木造復元の意義を質問した際には,歴史的・文化的な価値が高まるだけでなく,郷土愛がより醸成され,観光やまちづくりに大きく寄与することが期待できるとお答えをいただきました。また,資金調達の方法についても,幅広く検討すべきであるとお答えをいただいております。  平岡議員が広島城,川口議員が姫路城のお膝元で育ったのと同様,私も尾張名古屋は城でもつという言葉に登場します,愛知県は尾張の出身でございます。小さい頃は名古屋城に何度も見学に行っており,また高校も清洲城の近くの高校に通っておりました。お城というものはコンクリートで造られているものなのだということを信じて疑わなかった素直過ぎる少年でもあったんですけども,お城がある,お城が見えるということがどれだけ地域の文化の発展に寄与し,郷土愛を育てているのか,肌で感じてもおりました。  さて,質問に移ります。今,広島城の天守閣を将来どのようにするのか,議論を進めているところだと思います。基本的には,耐震改修をするのか木造にするのかの二つで検討されていると思います。検討する中で,広島市としては耐震改修または木造復元をした場合,広島城を観光資源として活用できる耐用年数はどのように変わると考えておられるのかお示しください。  鉄筋コンクリートの耐用年数は50年から60年と言われております。耐震改修を行っても本体自体の耐用年数は変わらず,また,たとえコンクリートで建て替えたとしても,当時から技術は進んだとはいえ,やはり100年もたたないうちに建て直しが必要になるのではないでしょうか。また,仮に耐震工事になった場合,工事期間及び閉館期間中の観覧料の減収への対応について,どう考えておられますか。  現広島城は,1958年に5か月の短い工期で造られました。鉄筋コンクリート製です。1980年頃までは,いわゆるコンクリート神話,コンクリートの寿命はメンテナンスフリーで100年以上あるとも考えられた節があります。耐火性にも優れ,復興のシンボルとして願いを託すのに十分な信頼性を持った素材でできていると当時は考えられていたと思います。しかし,近年,コンクリートの劣化のメカニズムが明確になったことや,阪神大震災のときにコンクリートで建てられた建物も含め多くの建物が崩壊したことで,高度経済成長時に推奨された方法では想定よりも寿命が短くなるということが明らかになりました。  さきに行われました市民アンケートによれば,広島市の20%の方がどれだけ費用がかかろうとも木造復元をしてもらいたいと望んでおります。しかし,木造が危ぶまれるのは,その高額の費用と耐火性に問題があるからだと思います。費用の想定は前回平岡議員が,またお金の集め方については川口議員から,これまで委員会や議会で提示がありました。私からは,もう少し具体に近年の募金の在り方について提示させていただき,木造再建の後押しをしたいと思います。  昨年,首里城が焼失し,再建費用は一部では150億円を超えると報じられております。保険金で賄う限度額は約70億円だそうです。残りの80億円のうち,2020年7月29日までに寄附金が約36億8000万円集まっています。この寄附金は,ふるさと納税をはじめ,Tシャツや泡盛を購入するとそれにチャリティーをつけるなど,まさに官民合わせての募金活動の成果と言えるでしょう。さらに,最近では,熊本県にある国宝に指定されている神社の御神刀・奉納刀が令和2年7月水害で水没。8月に刀剣の修復のために500万円を目標にクラウドファンディングが始まりました。開始3時間で目標金額を達成。今では目標額の7倍を超える3500万円が集まっています。  首里城は沖縄の人気の観光スポットであり,熊本の神社は国宝というだけでなく,地域に根差しています。歴史的に価値があるもの,地域に根差しているもの,人々に愛されているものにお金を払おうという風土は,確実に高まっているのではないでしょうか。  次に,お城を支える石垣について質問をいたします。  500億円かけても名古屋城を木造復元すると名古屋市長が宣言してからはや数年。一向に建て替えが進んではおりません。その要因は,資金だけではなく,石垣の調査保全ができておらず,次の段階に進むことができないからであるとも聞きます。広島城の石垣はどうでしょうか。調査保全がしっかりとできているのか,市の見解を教えてください。  続きまして,文化の保全・普及の観点から質問をいたします。  お城の建て替え工事をするに当たり,中に所蔵されている文化財的資料はどう扱うのでしょうか。文化財的資料は,一度なくなれば二度と取り返すことができません。その保管・管理はどうなっているのか,建て替え中はどう保全するのか,市の見解をお聞きいたします。  また,三の丸の中に博物館と収蔵庫を造るのはどうでしょうか。現状と今後の方針をお示しください。  次に,過大規模校における良好な教育環境の確保についてです。  昨年の9月議会では,祇園中学校を例に挙げ,正常な教育環境が確保されているのか質問をさせていただきました。9月議会からこれまでの1年を振り返ると,まず本年4月に向けて学区の弾力化をより強化していただきました。その結果,近隣の中学校に通う生徒が増え,ぎりぎり教室不足に陥らずに済みました。また,おかげさまで新校舎が増築され,教室は8教室増えて42教室に,来年度入学する生徒が入るだけの教室も確保できました。  しかしながら,もともと狭かった運動場はさらに狭くなりました。今現在の運動場の広さは7,093平米あります。しかし,令和3年3月から令和4年3月までに行われる屋内運動場の工事の際には,さらに減少して4,512平米になる予定です。祇園中学校に最適な運動場の広さはどうか。平成8年から10年に国が行った整備事業の基準,小・中学校規模別校地面積基準によれば,祇園中学校の現学級数34に適した運動場の広さは1万4731平米です。また,平成14年に策定されました小・中学校設置基準では,721人以上の生徒に必要な校庭の面積は8,400平米以上とされております。  校庭の大きさと子供の体力の関係はどうでしょうか。文部科学省は,平成30年の全国体力・運動能力,運動習慣等調査の中で,中学校の運動場の面積が9,000平米に満たない学校では体力が低くなる傾向があると分析をしております。繰り返しになりますが,祇園中学校はこれからの2年間,4,512平米の運動場で過ごすことになります。屋内運動場が設立され,その次の1年で旧屋内運動場や関連施設が取り壊されると,運動場の広さは9,281平米に回復し,9,000平米は超えることになりますが,トラックの大きさは今まで200メータートラックだったものが150メータートラックになります。  このような教育環境は,よい環境と言えるのでしょうか。私は言えないと思います。まして時代はコロナ禍です。密になりやすい環境は,さらに大きな問題を生む源にもなりかねません。  また,人数が多いことで,他の学校では簡単にできることでもなかなか実施できない現状があります。  例えば,今必須とされている手洗い。実用的な例えではないかもしれませんが,祇園中学校の全生徒が水道で30秒手を洗ったら25分かかり,給食の時間が終わるそうです。今現在,祇園中学校が置かれている環境は,今述べたとおりです。加えて申せば,今現在の祇園中学校の生徒数は1,160名,これが令和8年には1,357名になることが予想されております。もしそうなれば,分離開校基準を超えております。実際,昭和59年,長束中学校から祇園中学校が分離開校したときに迫る勢いです。まして,おかげさまで令和6年までには下祇園駅の改修工事も行われ,周辺はさらに住みよい環境になりますので,人口はさらに増えることが予想されます。  そこでお尋ねいたします。今現在の祇園中学校の置かれている狭隘な施設の現状をどう捉え,今後さらに生徒数が増加することが予想されている中,どう対応しようとするのでしょうか。  生徒一人一人の学びを支える器に祇園中学校がなり得ているでしょうか。多くの生徒がおり,切磋琢磨できる環境は整っております。しかし,力いっぱい体を動かせる機会はあるでしょうか。所属員100名を超える部活動もあります。活動するには場所が必要です。そもそも部活動以前に,体育の授業ですら男女4展開を行うのはかなり活動が制限されるのではないでしょうか。  そこで,お尋ねをいたします。祇園中学校について,運動場が狭い中,部活動や体育の授業においてどのように対応しようとされているのでしょうか。  さて,祇園中学校の教育環境がこのようになった根本の原因は,この地域が当初の予定をはるかに超えて発展したことにあると思います。40年前は砂利道と田んぼが多かった地域が一気に住宅街です。とはいえ,市が子供の人数の増加に合わせて少し早めに校庭のことや校舎のことを考えて進めてくだされば,ここまで追い込まれた状況にはならなかったのではないでしょうか。  そこで,同じく祇園学区の学校になりますが,児童数急増中の祇園小学校のことをお伝えいたします。  祇園小学校は,現在児童数が1,015名,令和6年には1,054名,推計上は39名と微増の予定です。しかし,予測と実数を比べると,来年度の入学者の予測は1年生で162名ですが,現段階で既に177名になりそうだと聞いております。小規模な宅地開発が市としても把握しづらく,推計に反映するのが難しいことは昨年答弁でいただいておりますが,大型マンションがもうすぐ分譲を開始し,4年後には下祇園駅の改修も終わっている予定です。推計を超える児童数の増加がかなり確実に見込まれるのではないでしょうか。  祇園小学校は,最近仮設校舎を新設していただいておりますが,既に空き教室はありません。現在,音楽室は2教室ありますが,来年は1教室に減らす予定と聞いております。学年によっては,音楽室が使えない学年も出てくるそうです。このことは法令上問題ではありませんが,教育環境としてはいかがなものでしょうか。  校舎の問題はそれだけにとどまりません。本校舎は四階建てですが,一番上の階は児童数の増加に対応するために増築されたものです。当時の建設基準に照らし,全体の重量を減らすために天井部分がかなり薄くなっており,このたびの夏の授業では,最上階は冷房をつけても36度を上回る暑さになったと聞いております。  校庭につきましても,問題が起こりつつあります。先日,コロナ禍の中で初めて全校集会が開かれましたが,そのとき少し距離を取りつつ,各クラス2列で並ばせようとしたら,最後の学年が運動場に入り切らなかったようです。今はまだ運用次第で何とかなりますが,児童数が今後増えれば,現場の努力ではどうにもならなくなるのは明白です。体育館も,全校集会を行うのは既に難しく,入学式,卒業式には保護者が入り切れません。給食室につきましても,今現在既に全力運用をしていると聞きます。児童がこれ以上増加したときに,既存の施設では対応できないでしょう。スペースの問題もあり,コロナ対応をするのも難しいと聞きます。  そこでお尋ねいたします。広島市としては,児童数が急増し,施設の狭隘化が顕著になっている祇園小学校をどう認識し,どのように改善しようと検討しているのでしょうか。祇園小学校の教育環境は今よりももっと悪くなる可能性が多分にあり,喫緊の対応が必要と私は考えます。子供の願い,地域の思いを受け止めていただき,今後,祇園小学校をどうしていくのか,令和3年度には目に見える形でお示しいただけるよう強く要望をいたします。  続いて,祇園地区周辺の渋滞についてです。  雨の日の渋滞。どこの住宅街にも共通する課題と思います。人口増加が続く祇園地区でも,先日,渋滞の長さが更新されました。西原一丁目交差点から続く交通渋滞は,春日野団地の集会所まで続きました。全長4,150メーター,すいていれば車で6分,晴れた日の通勤では軽めの渋滞が起こっているため30分程度の道のりですが,雨の日には通過に1時間以上かかったとの声も聞きます。ちなみに,徒歩でも1時間程度ですので,歩いたほうが早いそうです。  このような状況になっている原因の一つは,長束八木線の整備や周辺道路の渋滞対策が人口の増加に追いついていないからではないでしょうか。同線は,渋滞緩和と災害時の避難道確保のために整備されることになっており,今現在,緑井地区におけるシールド工事が行われております。議事録を見ますと,同路線については昭和60年より渋滞や工事内容,スケジュールなどについて多数の議事録が残っており,安佐北,安佐南の議員を中心に質疑が行われております。特に,平成26年には長束八木線の祇園・山本地区の部分について質疑が行われております。その中で,長束八木線の幹線道路としての必要性,祇園・山本地区の防災道路としての役割を考えますと,今後,都心部側への整備は避けて通れない課題と認識しています,このため,4工区整備の完了をにらみながら,都心部側の計画の見直し案について比較検討を進め,実現可能な計画を確定させたいと考えておりますと答弁がなされております。  現状,祇園地区の渋滞は,ますますひどくなっていると思わざるを得ません。これを解消しようと思えば,西原一丁目交差点の流れをよくするか,長束八木線を南に延ばして交通を分散させるしかないと思います。こうした対策について,どのようにお考えなのかお答えください。  祇園・山本・春日野学区の住人は,立地上,この渋滞に特に捕まりますが,この3学区の人口の増加具合を見ると,平成元年から11年,21年,令和元年と,2,700人,4,700人,7,900人と増加しています。結果,総人口は平成元年の人口の1.5倍,3万5625名になっています。また,祇園地区の道は場所によっては本当に狭く,児童の通学に危険を感じる箇所も多くあります。まちづくりの課題として対応していただけるよう,併せて強く要望をさせていただきます。  続きまして,地域福祉関係団体への応援金を通じたコミュニティー再生についてです。  地域では,安全で健やかな生活を支えるために,今回の応援金事務を担った地区社会福祉協議会のほか,町内会・自治会やその連合組織,青少年健全育成協議会,公衆衛生推進協議会,老人クラブ,子供会など,様々な地域団体が日々活躍し,地域の課題解決に尽力をしています。  しかしながら,数多くの地域団体で役員の大半は高齢者が占め,後継者も見つからない状況となっており,今後,地域活動を続けられるのか不安に感じられている役員の方は数多くおられます。このことに加え,急速な少子高齢化,個人の価値観・ライフスタイルの多様化など,社会の環境の変化はいわゆるダブルケア,8050問題などの住民の生活課題の複雑化・深刻化をもたらしており,さらに自然災害の激甚化により地域の防災対策に係る負担が年々重くなるなど,地域団体が直面する課題は増え続けるばかりです。  このような現状を地域の力で乗り越え,地域社会の課題解決に必要な活動を続けていくためには,おのおのの団体同士がしっかりと連携した上で活動することが重要となってきます。地域団体が互いにその組織・活動の内容を知り,理解するための交流を深め,実際の場面で協力し合い,それぞれが地域の仲間であるという意識を高めていくことがますます大切になると考えます。  既に一部の地域では,そのような連携体制を自らの力でつくり出そうと取組を始めております。  例えば私が住んでおります山本学区では,地域の結束力を高めてワンチームになることを目指し,学区社会福祉協議会を中心とした地域団体の組織再編に乗り出そうとしております。山本地区は,以前は住民の数も少なく,自分たちの住んでいる地域の安全と安心は自分たちで確保するという意識が地域住民に浸透する,いい意味での村社会が形成されておりました。しかし,近年,急速に住宅化が進み,住民の生活の在り方や価値観が多様化する中で,そのような意識はだんだんと希薄化していきました。現在,学区の在住者数は約1万3000人,4,000世帯と増加しております。一方で,町内会・自治会の加入率は年々減少しています。このような状況の中で,以前のように自分たちのまちは自分たちで守るという意識を継承し,地域活動の大切さを知っている人たちが何とか地域活動を守り続けている状況が続いております。  そこで,山本学区では,現在横並びで活動している連合自治会など各種地域団体が山本学区社会福祉協議会の下で結集し,さらに自主防災組織,防犯組合なども加えることで地域の課題を共有し,協力しながらその解決に取り組む体制を整えようとしています。このような体制の下,皆で話し合うことで地域社会の福祉増進に自らも役割を果たしているという自覚がより高まり,住民のまとまりができていくと考えております。  また,他の政令指定都市に目を転じると,やはり地域団体の力を結集して課題解決に取り組もうとする動きは数多く起きております。  例えば,私が今年1月に安心社会づくり対策特別委員会で視察させていただいた大阪市では,現在,地域活動協議会という組織を小学校学区単位で形成し,地域運営を行うことに力を入れております。この協議会は,町内会・自治会のほか,地区社協などの地域団体,NPOなどの多様な主体が集結し,防犯・防災,福祉,環境美化などの様々な地域課題の解決に向けて連携して活動する組織であり,私が視察した当時は,ほぼ全域の326小学校区に設置されているとのことでした。協議会の中には,防犯・防災,福祉,環境美化,子育て・教育など取り組むべきテーマごとに部会を設けており,そこにおのおのの団体が所属し,課題解決の方策やそのための具体的な活動内容を話し合い,役割分担を決めて活動を行います。これにより,各小学校区において,各地域の実情に合わせて特に重要と感じている課題に対して重点的に活動できるようになり,また各団体の活動の重複や偏りが減るという効果があったとのことです。  広島市では現在,地域コミュニティ活性化ビジョンの策定に取り組んでおり,このような地域団体同士の連携の在り方についても,今後,検討項目の一つとして取り組まれていくことと思います。今回の地域福祉関係団体への応援金は,地区社会福祉協議会が各団体の活動内容を踏まえながら支給団体を決めるものですが,この事務を通じて,今後,広島型の地域コミュニティーの連携方策を考える何らかのヒントが得られたのではないかと思います。  そこで市長にお聞きします。市社会福祉協議会を通じた地域福祉関係団体への応援金の支給により,各地域ではどのような動きが見られているのでしょうか。また,市は今後,地域コミュニティ活性化ビジョン策定に取り組む中で,今回の応援金支給により地域に生じた変化や効果を踏まえつつ,地域コミュニティーの連携体制の構築についても検討を進めていくべきだと思いますが,いかがお考えでしょうか。  私自身の話ですが,今回の応援金の支給を契機に,地元の地域団体で活動する皆様と地域の現状や課題,これからの地域活動など様々な意見交換を行いました。その中で,実際に新たな地域活動につながったものもあります。このような意見交換の成果が全て実際の活動になることはないでしょうが,しかしながら,常日頃から意見交換の機会を持つことは,自らの地域を主体的によくしていこうという積極的な住民の意識を生み出します。このことが地域活性化を図るプロセスにおいて欠かせないものであることを今回の取組で実感したところです。  広島市においては,今回の事業で得た知見を十分に生かしながら,今後,地域コミュニティー活性化の方策をしっかりと見いだしていただきたいと思います。  以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○渡辺好造 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       水野議員からの御質問にお答えします。  地域福祉関係団体への応援金を通じたコミュニティー再生についての御質問がございました。  新型コロナウイルス感染症が拡大する中,日常生活上,または経済上困難な状況に陥っている方々を直接的な支援により救うことも大切でありますが,それと同時に,住民同士が助け合い,この困難を乗り切るという共助の精神による取組も非常に重要な意味を持つものであると私は考えております。なぜなら,この新型コロナウイルスへの対応は一過性のものではなく,今後,新しい生活様式を取り入れつつ,市民おのおのの自覚の下,息の長い取組が求められるものであり,あらゆる場面において困難な事態に直面している人としていない人の双方が共に手を取り合い,この新たな課題に取り組むことが求められているからであります。  しかしながら,この共助の精神による課題解決は,多くの市民の共感がなければ成り立たないものであります。私は,今まさにそれぞれの地域社会において互いに助け合うことの大切さを再認識し,共助の精神に基づく活動を実践していただけるよう,各種地域団体の連携の強化に動き出すべきときが来たものと考えております。  こうした認識の下,これからの新たな生活様式をベースにした地域コミュニティーづくりにつながる契機をつくり出したいと考えていたところ,日頃から高齢者や障害者,生活困窮者など困難を抱えた人々を様々な形で支援してきた地域の福祉団体と縁の深い市社会福祉協議会がそれぞれへの支援に取り組むことが可能であるとの意向を示されたことから,今回,市社会福祉協議会が主体となった応援金の支給を行うことといたしました。  新型コロナウイルス感染症対策を契機とした今回の応援金の支給については,地域においてその調整に当たる地区社会福祉協議会にとって初めての経験であり,どこの団体に応援金を支給するのか話合いが重ねられたと聞いておりますが,この取組を進めていく中で,地区社会福祉協議会として地域における各種団体の活動実態等を再認識するとともに,他の団体との相互理解を深め,連携強化が期待できる契機になったところもあるというふうに聞いております。とりわけ連合町内会・自治会については,今後も地域を支える活動に引き続き積極的に取り組むことを表明した上で,地区社会福祉協議会との連携をさらに強化していこうという動きが見られた地域もありました。  本市としては,こうした動きを通じて,今後多くの地域において地域社会でそれぞれ重要な役割を果たしている組織,例えば地区社会福祉協議会や連合町内会・自治会といったものが中心となって各種地域団体による連携体制をつくり出し,より効果的・効率的な活動が展開されるようになることを期待しているところであります。  このような中,このたび議員から御紹介のありました山本地区における住民自らの意思による各種団体の連携強化の動きは,まさに私の考えを体現したものであり,非常に心強く感じております。  現在,本市においてこのような団体の連携強化の方策も含め,地域コミュニティ活性化ビジョンの策定に向けた検討を進めているところであります。御紹介のあった様々な事例も十分参考にしつつ,ビジョンの策定準備をしっかりと進め,今後様々な困難が生じたとしても,共助の精神の下,住民同士が支え合い,安全・安心に暮らすことができる地域社会の実現を図ってまいりたいと考えております。
     その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○渡辺好造 副議長      市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     広島城天守閣についての4点の御質問にお答えいたします。  まず,耐震改修と木造復元で観光資源として活用できる耐用年数はどのように変わると考えているのかについてです。  耐用年数を経過し,老朽化が進む広島城天守閣については,昨年度実施した耐震診断調査の結果を踏まえ,耐震改修または木造復元など,今後の耐震対策の在り方について,有識者で構成する広島城のあり方に関する懇談会において今年度議論を行う予定です。  耐震改修の場合は,建物自体の耐用年数を延ばすという効果はありませんが,例えば平成28年に耐震改修を完了した小田原城天守閣では,耐震改修後約20年の使用を想定するなど,建物の長寿命化には一定の効果があります。一方で,木造復元の場合には,例えば木造復元を検討している名古屋城天守閣では約400年の使用を想定するなど,適切な維持管理を継続的に行えば,一般的には耐震改修と比べて長期間の使用が可能になると考えています。  次に,仮に耐震改修となった場合,工事期間及び閉館期間中の観覧料の減収への対応についてどのように考えるのかについてです。  仮に耐震改修工事を行う場合は,一定期間閉館することになりますが,工事期間及び閉館期間については,耐震改修の工法により決まるため,現時点で具体的に申し上げることはできません。広島城天守閣とほぼ同じ延べ床面積の小田原城天守閣の場合は,約10か月の工事の間,閉館としていました。また,広島城天守閣は,利用料金制度を採用しているため,観覧料は指定管理者の収入となります。閉館期間中は大幅な収入減が見込まれることから,その対応については指定管理者と協議していきたいと考えています。  次に,広島城の石垣の調査保全に関する取組状況についてです。  広島城の石垣については,堀の整備の一環として昭和40年代に内堀の石垣補修工事が行われましたが,本格的な石垣調査はこれまで実施されておりません。天守閣の耐震対策として,耐震改修または木造復元のいずれの手法を採用した場合にも,石垣の位置,劣化状況などの現状や工事による影響の有無を把握し,万が一影響がある場合には,原状復旧できる状態を確保する必要があることから,石垣の調査保全の取組は重要であると考えており,今後の取組の進め方について検討してまいります。  最後に,広島城天守閣に所蔵する収蔵・展示品の現状及び耐震対策工事期間中の保全方法についてどのように考えているのか,三の丸に博物館と収蔵庫を造ってはどうかについてです。  現在,広島城が保有する収蔵・展示品は,天守閣内の収蔵庫及び展示スペースで保管していますが,収蔵庫のスペースや温湿度環境が十分でないことから,市重要文化財である広島城下絵屏風については,温湿度管理のできる郷土資料館の特別収蔵庫で保管しています。  耐震対策工事の期間中は,天守閣内の収蔵・展示品を一時的に他の場所で保管する必要が生じると考えられることから,個々の収蔵・展示品の材質や歴史的・文化的価値等に応じた適切な保管場所について今後検討してまいります。  なお,耐震改修または木造復元のいずれの手法を採用したとしても,天守閣内部の展示面積の減少が見込まれることから,本年5月に策定した広島城基本構想において,三の丸に空調等の展示環境に配慮した展示空間や収蔵資料を適切に保管・管理するための収蔵庫の整備を検討することとしております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       過大規模校における良好な教育環境の確保について,3点お答えをいたします。  まず,現在の祇園中学校の置かれている狭隘な施設環境をどう捉え,今後どう対応していくのかという御質問についてです。  祇園中学校は,校区内の宅地開発等により生徒数の増加が続き,校舎や屋内運動場の狭隘化など教育環境の課題が顕著になっていると認識をしております。このため,本年8月に新しい校舎を増築したところですが,今後は800平方メートルと狭隘な屋内運動場を現行基準1,285平方メートルに合わせて改築するとともに,武道場・特別教室と重層化し,これにより生じる敷地にバレーボールコート等を移転して運動場面積を拡大するなど,教育環境の改善を図ることとしており,現在,その実施設計を行っているところです。  また,ソフト面での対応としては,通学のしやすさや教育内容・部活動などで進学する中学校を選択できる隣接校・行政区域内校選択制において,令和2年度に祇園中学校区内の3小学校の児童を対象とした受入れ枠を隣接する2中学校に75人分増員確保した結果,令和2年度に予測された教室不足を回避することができました。令和3年度においても同様に,隣接する2中学校に75人分確保し,引き続き祇園中学校のクラス増の抑制に努めてまいります。  次に,祇園中学校において運動場が狭い中,部活動や体育の授業においてどのように対応しようとするのかという御質問です。  現在,体育の授業においては,授業時間が重なった場合でも,運動場のほか武道場や屋内運動場を利用することで複数のクラスが同時に授業を行っています。また,部活動においては,運動場や屋内運動場を使用する曜日や時間帯を部ごとに割り当て,それ以外の時間には基礎トレーニングを行う,また部ごとに異なる曜日に休養日を設定するなどの工夫をしながら活動を行っております。  今後,屋内運動場の改築工事が始まりますと,完了するまでの期間,約1年間ですが,この期間は運動場がさらに狭くなり,制約が増すことになりますので,他施設の利用など,どのような工夫が可能かについて改めて学校と協議し,その意向を踏まえながら必要な対応を考えてまいります。  最後に,児童数が急増し,施設の狭隘化が顕著となっている祇園小学校について,どう認識し,どう改善しようとしているのかという御質問についてです。  祇園小学校では,近年,校区内の開発等により児童数の増加が顕著であり,議員御紹介のとおり,運動場の中に平家建てまたは二階建ての仮設教室を計4棟7教室設置して,教室不足に対応しています。今後もこの教室不足はしばらく続くものと見ており,運動場の狭隘化など施設面で大きな課題があると認識をしております。  このため,限られた敷地の中での運動場の有効面積の確保や仮設教室の解消などに向けて,例えば運動場内にある仮設教室と建築後60年を迎えようとする老朽化した既存校舎の教室とを収容できる新たな校舎を配置場所を工夫しながら建築することなどについて,今後,検討していく必要があると考えております。  あわせて,午前中,藤井議員に御答弁申し上げたとおり,こうしたハードの整備には一定の期間が必要であることから,指定学校変更許可基準の改正のように,過大規模校のクラス増の抑制や児童の過密の緩和が期待できるソフト対策についても取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   祇園地区周辺の渋滞についての御質問がございました。  祇園地区の交通渋滞の解消は,国道183号の西原一丁目交差点の流れをよくするか,長束八木線を南側に延ばして交通を分散させるしかないのではないかと思うが,こうした対策についてどのように考えているのかについてお答えいたします。  祇園・山本地区では,大規模住宅団地の開発などにより人口が著しく増加したため,朝ピーク時には当地区から国道183号に至る西原山本線に交通が集中し,国道183号と交差する西原一丁目交差点を先頭に,祇園・山本地区まで続く著しい交通混雑が発生しています。また,この交通を受ける国道183号側も,朝ピーク時には交通混雑が発生しており,西原一丁目交差点はこの両方の交通を受ける市内有数の渋滞箇所となっています。  こうした状況を踏まえ,これまでに西原山本線側の右折車線の延長や右折時間の延長などの対策を行ってきましたが,抜本的な解消には至っていません。現在,西原一丁目交差点への右折車線の新増設や交差点から南側に抜けて国道183号を拡幅する案などについて検討を行うため,改めて交差点付近における交通調査を進めており,できるだけ早期に交通混雑改善策を取りまとめ,実施したいと考えています。  また,長束八木線の都心部側は,祇園・山本地区から都心への交通を分散させ,混雑緩和を図る上で有効な路線ですが,新庄橋に接続する部分で交通処理上の問題があります。このため,現在,この区間を当該地区と国道183号をつなぐ東西方向のネットワークとして見直す検討を進めており,その整備見通しも立てた上で,できるだけ早く地域の皆様に計画案をお示ししたいと考えています。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      8番水野議員。 ◆8番(水野考議員) 丁寧に答弁をいただき,誠にありがとうございます。  まず,コミュニティー再生について,共助の精神の下,住民同士が支え合い,安全・安心に暮らせるよう,そんな生活ができるような仕組みづくりをよろしくお願いいたします。  続きまして,過大規模校のことについてですけども,今回初めて古い校舎も含めて,仮設校舎も含めた新しい校舎を配置,工夫しながら建築するという,これから検討をしていくということを初めて示していただいて,ありがとうございます。当地区は本当に子供の数がどんどん増えており,また推計に収まらないぐらい,推計ではちょっと推計できないぐらい増えているところもあるので,引き続き柔軟な対応も取れるよう,またしっかりと現状を見ながら考えていっていただきたいというふうに考えております。引き続きよろしくお願いをいたします。  交通渋滞についてですけども,これも丁寧な答弁ありがとうございます。西原一丁目の交差点の右折,新増設で南に向けて国道183号の交差点の改良,検討を行っていただけるという答弁をいただけて,大変うれしく思っております。朝の10分は本当に貴重で,特に僕も毎朝信号のところで緑のおじさんをやっとるんですけども,雨の日は赤になっとるのに車が突っ込んでくる,それぐらいいらいらしながら車はみんな運転しているので,ここの渋滞が解消していただけたら本当にありがたいと思っております。引き続き検討をよろしくお願いをいたします。  最後に,広島城についてです。広島城なんですけども,コンクリートは広島城を造るには硬過ぎるんじゃないかと思っております。もちろん建築素材としてコンクリートは硬ければ硬いほどいいんですけども,やっぱり広島城というのはただの建物じゃないんだと思います。やっぱりそこは生き物であって,僕たちの思いだったり誇りだったり,そういうのを受け止めて,要するに広島の市民と一緒に成長できる,そういう建物なんじゃないかなというふうに考えております。その点,それが木材でできていれば,例えば伊勢神宮でも何十年に1回建て替えがありますし,法隆寺でもそうですし,そうやって少しずつ少しずつ建て替えながら広島市の移り変わりと一緒にお城も一緒に移り変わっていける,それはやっぱり共に成長する,共に愛される広島城になっていけたらというふうに考えております。  それに加えて,午前中の山内議員の質問に対して,経済観光局長の日高局長も答弁されていましたが,広島市としても公共建築物への木材の利用を強く推進されるということでございましたので,広島城天守閣も公共建築物です。ここはぜひとも広島城天守閣についても広島産の木材を利用して復元していただければと強く要望しておきます。  また,木材だけじゃないです。広島城の周りが漆塗りだったりして,漆もまた日本の伝統的なものでありながら数が少ないです。この広島城を木材で建て替えるということを通じて,広島で今は失われてしまった昔の資産というのを取り戻す一つの契機になるのではないかと思います。御検討のほど,どうぞよろしくお願いいたします。  以上です。 ○渡辺好造 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日引き続き一般質問を行います。 ───────────────────────────────────────                 次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      本日は,これをもって散会いたします。                午後1時50分散会 ───────────────────────────────────────   議 長   山  田  春  男   副議長   渡  辺  好  造   署名者   山  本  昌  宏   署名者   三  宅  正  明...