広島市議会 2012-09-20
平成24年第 3回 9月定例会−09月20日-03号
平成24年第 3回 9月定例会−09月20日-03号平成24年第 3回 9月定例会
平成24年
広島市議会定例会会議録(第3号)
第 3 回
広島市議会議事日程
平成24年9月20日
午前10時開議
日 程
第1 一般質問
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会議に付した事件等
開議宣告(終了)
会議録署名者の指名(終了)
日程に入る旨の宣告(終了)
日程第1 一般質問
休憩宣告(終了)
開議宣告(終了)
一般質問(続行し,明日も続行)
次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)
散会宣告(終了)
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出 席 議 員 氏 名
1番 関 藤 雄 姿 2番 碓 氷 芳 雄
3番 石 橋 竜 史 4番 山 路 英 男
5番 森 畠 秀 治 6番 三 宅 正 明
7番 宮 崎 誠 克 8番 森 本 健 治
9番 山 内 正 晃 10番 伊 藤 昭 善
11番 近 松 里 子 12番 西 田 浩
13番 渡 辺 好 造 14番 原 裕 治
15番 米 津 欣 子 16番 安 達 千代美
17番 星 谷 鉄 正 18番 豊 島 岩 白
19番 八 軒 幹 夫 20番 大 野 耕 平
21番 清 水 良 三 22番 森 本 真 治
23番 八 條 範 彦 24番 竹 田 康 律
25番 馬 庭 恭 子 26番 元 田 賢 治
27番 今 田 良 治 28番 永 田 雅 紀
29番 平 木 典 道 30番 谷 口 修
31番 母 谷 龍 典 32番 山 田 春 男
33番 太 田 憲 二 34番 若 林 新 三
35番 松 坂 知 恒 36番 沖 宗 正 明
37番 村 上 厚 子 38番 中 原 洋 美
39番 熊 本 憲 三 40番 木 山 徳 和
41番 金 子 和 彦 42番 佐々木 壽 吉
43番 児 玉 光 禎 44番 碓 井 法 明
45番 種 清 和 夫 46番 酒 入 忠 昭
47番 田 尾 健 一 48番 土 井 哲 男
49番 月 村 俊 雄 50番 山 本 誠
51番 平 野 博 昭 52番 中 本 弘
53番 木 島 丘 54番 藤 田 博 之
55番 海 徳 貢
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欠 席 議 員 氏 名
な し
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職務のため議場に出席した
事務局職員の職氏名
事務局長 松 村 司
事務局次長 宮 本 誠
議事課長 重 元 昭 則
議事課主幹 小 田 和 生
議事課主査 谷 崎 誠 治
議事課主査 今 井 悦 尚
議事課主査 吉 川 和 幸
外関係職員
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説明のため出席した者の職氏名
市長 松 井 一 實 副市長 佐々木 敦 朗
副市長 荒 本 徹 哉
企画総務局長 竹 内 功
財政局長 岡 村 清 治 市民局長 佐 伯 克 彦
健康福祉局長 糸 山 隆
こども未来局長 藤 田 典 子
環境局長 永 谷 尚 之
経済観光局長 谷 本 睦 志
都市整備局長 西 岡 誠 治
都市整備局指導担当局長
藤 本 誠
道路交通局長 高 井 巌
下水道局長 片 平 靖
会計管理者 藤 岡 賢 司 消防局長 山 下 聰
水道局長 宮 本 晃
病院事業局事務局長
山 本 正 己
監査事務局長 国 本 善 平 財政課長 宮 路 拓 馬
教育長 尾 形 完 治
選挙管理委員会事務局長
岩 崎 静 二
人事委員会事務局長
志 賀 賢 治
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午前10時01分開議
出席議員 46名
欠席議員 9名
○種清和夫 議長 おはようございます。出席議員46名であります。
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開 議 宣 告
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○種清和夫 議長 これより,本日の会議を開きます。
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会 議 録 署 名 者 の 指 名
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○種清和夫 議長 本日の
会議録署名者として
5番 森 畠 秀 治 議員
47番 田 尾 健 一 議員
を御指名いたします。
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日 程 に 入 る 旨 の 宣 告
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○種清和夫 議長 これより日程に入ります。
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△日程第1 一般質問
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○種清和夫 議長 日程第1,昨日に引き続き,一般質問を行います。
発言通告者に順次発言を許します。
37番
村上厚子議員。
〔37番
村上厚子議員登壇〕(拍手)
◆37番(
村上厚子議員) おはようございます。
日本共産党の村上厚子です。
市会議員団を代表して一般質問を行います。
まず,
オスプレイ配備についてお伺いします。
野田首相は,圧倒的な民意を無視して,
消費税増税や大飯原発再稼働を強行し,7月23日には,
地元岩国市長,
山口県知事を初め,全国の県知事会が安全性の保証がない
オスプレイの配備は認められないとの緊急決議を採択するなど,多くの国民の配備反対の声を無視し,岩国基地に
オスプレイの陸揚げを強行しました。
日米安保条約を盾に,国民の安全より日米同盟を優先する政府のやり方に強く抗議するものです。米軍は岩国基地で試験飛行を行い,10月末には沖縄・
普天間基地で本格的な配備,訓練を行うとしている中,9月9日,沖縄で10万人が参加して,
オスプレイ断固阻止の集会が開かれました。
オスプレイは,開発段階から事故が多発しており,2006年から5年間で58件に上っています。米国内では
未亡人製造機と呼ばれ,ハワイでは世論の反対で飛行訓練は禁止されています。
米国防総省が発表した
環境審査報告書によると,米海兵隊は,
オスプレイの訓練として沖縄全域の69カ所の
ヘリパッドと,
岩国米海兵隊航空基地と
キャンプ富士に分遣隊を配備し,全国七つの
低空飛行訓練ルートで低空飛行を実施するとしています。
オレンジルート下の高知県は,
飛行ルートや時間の告知もなく行われる超低空飛行は,防災ヘリや
ドクターヘリの航空の安全性を脅かすと,即刻中止を政府に求めました。広島市はどのような見解をお持ちですか。
今回の
オスプレイの配備は,約150メートルという低空飛行だけでなく,60メートルという超低空飛行が計画され,しかも夜10時から早朝7時の深夜訓練が予定されています。まさに
オスプレイの配備は,墜落や爆音被害の危険を全国に拡大し,これまで以上の苦痛と恐怖を全土に広げるものでしかありません。
そうした中,沖縄県名護市の稲嶺市長は,安全性も確認されないまま,国民を無視してアメリカの言いなりに
オスプレイ配備を進める日本政府には,民主主義は存在しないと述べ,
アメリカ言いなりの陸揚げを厳しく批判しています。9月15日
付ニューヨークタイムズも,沖縄への配備計画の見直しを提案しました。
一方,広島市は,市民生活に影響を及ぼすような事態が生じるようであれば,市民の安全・安心を守る立場から,国に対し適切な対応を求めたいとしていますが,市民生活に影響が及んでから抗議しても遅いのではありませんか。県内には,米軍が訓練を行っているとされる中国地方の
ブラウンルートや,エリア567では,北広島町が主な訓練空域になっています。
2010年に新滑走路が岩国基地に整備されて以降,岩国基地を離着陸する米軍機がふえ,廿日市市によると,2011年度には市民の目撃情報は延べ168日,874回と,10年前と比較して4倍にふえているといいます。
このような状況のもと,
オスプレイの
低空飛行訓練が加われば,県北地域はもとより,岩国市,廿日市市だけでなく,広島市民の生活にも大きな影響が出ることは容易に想像できることであり,よそごとではありません。
市は,他の自治体が生活の安心・安全を脅かされて苦しんでいることに対して,どのように受けとめておられますか。米軍機や
オスプレイの
低空飛行訓練は,近隣市町と連携して,新たな旅行商品や夜
型観光資源の開発を取り組んでいる広島・宮島・
岩国地域観光圏事業にも影響が出るのではありませんか。どのようにお考えですか。
自治体の使命は,市民の安心・安全を守ることにあることは言うまでもありません。これまで,広島市は,
核兵器廃絶という立場から,核保有国の核実験に機敏に抗議してきましたが,
被爆地広島の責務は,単に
核兵器廃絶を訴えるだけでなく,放射能による内部被曝の
科学的解明,福島を繰り返さないため,脱原発,
エネルギー政策の転換を初め,平和を脅かすあらゆる事態に対し,機敏に抗議する行動が
国際平和文化都市広島に求められていると考えます。
また,米軍の
戦争力強化のために,日本全土を騒音と墜落の危険にさらす訓練はやめよというべきではありませんか。お答えください。
次に,原発停止について,お伺いします。
野田首相は,電力不足に陥るとして,大飯原発の再稼働を強行しました。ところがこの夏,どうだったでしょうか。ピーク時でも電力に余力があり,原発がなくても電力は足りたことが証明されました。電力が足りないというのは,根拠のない原発推進の政府と,電力会社の
国民だましが露呈されたと言わざるを得ません。
原発からの撤退を求める世論はおさまるところを知りません。
そうした中,8月24日,
日本共産党中国5県の代表が
中国電力本社に申し入れを行った際の中国電力は,60年は稼働させる,プルサーマルを進める,上関原発は中止しないと答弁。特に,島根3号機は社運をかけてやると,強硬姿勢でした。中国電力の原発依存はわずか8%にすぎません。原発を廃止しても,私たちの生活に支障を来すことはありません。国に対して,
エネルギー政策を求めると同時に,世論を無視する中国電力に対して抗議するとともに,中電が率先して原発からの撤退を宣言するよう,市長として申し入れるべきです。どうされますか。
次は,
消費税増税を実施させない政治の実現を求めて伺います。
広島市の
中小企業経営実態調査がまとめられ,厳しい状況がうかがえます。事業者,従業員も減少し続けています。特に
大型量販店やコンビニエンスストアの進出で苦境に立たされている従来型の小売業は,今後の希望が持てないと答えており,深刻です。
そうした中で,
消費税増税と
社会保障一体改悪が,自民,民主,公明3党の増税大連合によって可決しました。国民に約束した公約を投げ捨て,3党談合で国会のルールさえも無視し,しかも可決されてもまだ過半数の国民が反対という民意に背を向けた暴挙で,許されません。
一方,消費税は国の借金を返すため,社会保障のためといいながら,13.5兆円のうち,社会保障に充てるのは6.5兆円しか予定していません。残りの7兆円はどうなるのでしょうか。こっそり減災や景気対策に名をかりた大型開発に充てようという附則が入りました。
コンクリートから人へどころか,人に増税を押しつけて
コンクリートに回すやり方は,借金を膨らませてきた,いつか来た道であり,断じて許されません。
消費税が10%になったら,広島市の試算では,市民の家計や事業者の経営を,1400億円という増税が直撃します。帝国データバンクの調査によれば,中国地方の1,400社の企業に
消費税増税について聞いたところ,8割の事業所が消費が落ち込む,7割の事業所が業績悪化すると答えています。
広島市の調査でも,今でさえ,製造業では,取引先との関係でこれまでにないレベルの
コストダウン要求が進展しており,事業者の経営を圧迫していると述べています。もうけが出なくても,売上に課税されるのが消費税です。これ以上価格に転嫁できない,今でさえ自腹を切って納税しているという中小業者にとって,これ以上の増税は死活問題です。
現在,広島市で消費税が払えず,滞納している中小業者の割合は幾らか,つかんでおられますか。地域経済への深刻な影響について,どのように考えていますか。
さらに,消費税を価格に転嫁できず,経営を圧迫しているのが医療現場です。医療費は公共性を持つことから,
消費税非課税となっていますが,医療機器や医療材料など,全ての仕入れには消費税がかかるため,医療機関が自己負担せざるを得ないのが実態です。これを損税といいますが,
日本医師会や
保険医協会が多額の損税が発生していると指摘しています。政府は,診療報酬を一定程度引き上げることで損税分を手当てする方針ですが,損税を解消するために診療報酬を引き上げれば,患者の負担も上がり,医療を非課税としていることと矛盾します。
日本医師会は,仕入れにかかった税の控除ができる税制を要望,
日本共産党は,その具体策として,仕入れにかかった消費税が還付される医療費のゼロ税率を求めています。
お聞きしますが,2011年度の市立5病院の消費税の納付額は幾らですか。現在,市立5病院の仕入れに係る消費税の実質負担はどうなっていますか。今後,消費税が上がると,病院経営への影響はどうなるのでしょうか。
暮らしや経済が落ち込んで,税収も伸びないというのは,消費税5%になったときの苦い体験です。地方経済を壊し,財政再建にもつながらない
消費税増税は実施させないために,選挙で
消費税ストップの審判を下すしかありません。
消費税増税は暮らしと経済を破壊し,貧困と格差を拡大します。今,求められているのは,無駄の一掃と,富裕層,大企業への行き過ぎた減税を見直すなど,所得に応じて応分の負担をする応能負担の原則に立った税財政の改革を進めるべきです。
同時に,雇用と賃金を改善して,
中小業者いじめをやめさせ,家計を温め,消費をふやして内需を拡大する経済改革が必要です。消費税に頼らずに,社会保障を充実し,財政危機を打開する道を真剣に模索すべきです。市の認識をお伺いします。
次は,広島駅
南口Bブロック市街地再
開発事業についてです。
借家人から,広島駅
南口Bブロック市街地再
開発事業によって,無権利状態で追い出され,生活の糧を奪われると,市と組合に
生活再建措置を求める声が届いています。
借家人は,
権利変換計画には違法性がある,
借家権価格に納得していないと意見書を提出しましたが,組合は全ての意見書を不採択にし,
権利変換計画の認可申請を市に提出しています。
そこでお伺いします。
1,借家人が
権利変換縦覧期間に出された意見書はどんな内容ですか。
2,都市再開発法や市街地再
開発事業を熟知している市民はいません。再
開発事業に当たっては,
関係権利者に手続や事業の中身について,しっかり説明し,転出か権利変換なのか,その後の生活再建に向けた協議により,合意を図りながら進めることが必要です。
ところが,借家人は,大家や組合とまともに協議したことがないと言います。これでは,スムーズに事業が進むはずはありません。市は,監督権者として,どのような点に留意し,その指導力を発揮されてきたのか,お聞きします。
3,6月議会の質問で,
権利変換計画の認可に当たっては,都市再開発法の規定に基づき,適切な手続,対応などが行われているかについて審査し,判断すると答弁されています。ついては,
法定期間外に提出された転出届の有効性,転出届を提出していない借家人の権利変換を認めないという組合のやり方は合法なのか,市の見解をお聞きします。
4,1992年に組合が設立後,今日まで3回の事業計画が破綻しましたが,20年も前に出された転出届を,組合は有効としていますが,一般常識では,20年も前の書類はごみ同然です。単に書類が整っていれば認可するというのではなく,最新の
事業計画における借家人の意思を再確認すべきではありませんか。
5,市は,借家権に関する合意書がなくても,このまま行政が
強制執行権を発動し,本人の意思に反して,勝手に私権を動かすこともやむなしとする立場ですか。それとも,
権利変換計画の審査の中で,
関係権利者との合意を図る努力をいとわない立場でしょうか。
6,再開発は公共性が高い事業だとして,多額の税金が投入されます。が,その裏で借家人を路頭に迷わせるようでは,公共の福祉に資するとした都市再開発法の第1条「目的」に違反すると思いますが,どのようにお考えですか。
7,6月議会で
衆議院建設委員会での借家権者の
零細権利者の生活の安定が図られるように,必要な助成,措置を講ずるという附帯決議は,
法的拘束力がなく,
地方公共団体に決議されたものではないと答弁されましたが,附帯決議は都市再
開発法改正に当たり,つけられたものであり,改正された法に基づいて事業執行する広島市においては,附帯決議も合わせて遵守することが当然ではないのですか。いま一度,市の見解をお伺いします。
8,都市再開発法は,権利者は基本的に地区内に残るという建前で組み立てられた制度のため,
都市計画法第74条
生活再建措置の項目が,建前上は適用されていません。そのため,他都市では,
都市計画法74条を準用して,
生活再建措置を講じ,借家人の営業を保証しています。広島市でも,借家人への
生活再建措置を図るべきではありませんか。
9,
事業計画書における補償額はどのくらいですか。
以上の9項目です。
次に,広島高速5号線計画についてです。
高速1号線,
福木トンネル工事では,大規模な地盤沈下が発生し,住民は物心両面の多大な損害を受けました。1号線の被害を繰り返してはいけないとの,二
葉山トンネルの関係住民の要望を受け,市は
学識経験者等で構成する広島高速5号線
トンネル安全検討委員会── 以下,
検討委員会── を設置し,住民生活の安全を確認するための
科学的検討を行うことを決めました。
検討委員会設置に当たっては,住民代表も一緒になって,委員の選定や規約を協議し,この間,9回の
検討委員会の審議を見守ってきました。
先週の11日に
トンネル安全検討委員会の報告書の説明会が行われました。会場からは,住民生活の安全を確認するものではなく,トンネルを安全に掘るための検討報告だ,
住民推薦委員の意見は全く反映されていないなどの反発の意見が相次ぎました。住宅への影響を懸念する一番の理由は,大
規模盛り土団地の造成状況です。
現地を視察した検討委員は,口をそろえて,不安定な盛り土と評しました。ところが,肝心の
ボーリング調査はせず,報告書の解析結果は,牛田地区では14ミリ,中山地区では51ミリの沈下を予測しながら,かたい岩盤を掘るのだから,住宅への影響はないというものです。こんな報告書は断固認められないのは当然です。
まず,団地の
盛り土対策が先決ではありませんか。どうされますか。
第9回の
検討委員会は,審議未了とする4人の委員が退席するという異常な事態となりました。報告書の
取りまとめ案に対しての意見を無視し続ける委員会の運営に,責任が持てないと抗議の退席でした。
お聞きしますが,市長は,こういう状況で提出された報告書を,公正・中立の立場で,
科学的検証がされたと判断されるのでしょうか。
報告書は,工法については検討が必要としています。5号線の残事業費は152億円ですが,
検討委員会の報告を受け,この予算の範囲内で建設が可能と考えているのでしょうか。市長は,
検討委員会について,記者会見で,後から住民推薦の委員が割り込んで,委員会をもませたかのような発言をされましたが,これは,これまでの経緯を無視した問題発言です。謝罪すべきです。どうされますか。
住民の命と財産を脅かしてまでも建設しようとしている高速5号線は,2000年に計画決定しましたが,2006年に5路線の
高速道路整備計画の見直しを行い,全線4車線の計画を一部2車線,5号線は全線2車線に変更するなどして,収支計画を8300億円から6750億円に下方修正しました。
そもそも有料道路は借金でつくり,料金収入で償還していくものですが,この
都市高速道路網計画は,使用料だけで建設費を賄うことが困難なことから,一般財源を投じて成り立つという事業です。
高速1号線から4号線までの事業費は5522億円。この料金収入は,6318億円見込んでおり,十分採算がとれます。
ところが,5号線の事業費は,1228億円に対し,料金収入は432億円で,事業費の3分の1しか回収できません。
また,5
路線全線供用開始時の交通量の
見込み台数は,1日10万台に修正しましたが,これは4路線でも5路線でも同じ
見込み台数です。
交通量の下方修正を行い,約1000億円の事業費を圧縮しましたが,その陰で市の負担が,
関連道路事業で680億円,
合併施行分が630億円,合計1310億円にふえています。使用料で事業費を賄うことができず,5号線をつくるがために巨額の一般財源を投じなければなりません。市の認識をお伺いします。
現在,供用開始している4路線の平均交通量は,見込みに対して90%程度にとどまっている中,4号線だけは開通当初から100%を超えています。しかし,5路線がネットワーク化した計画になっているため,4号線だけがどんなに交通量がふえても,40年間の償還期間は変わりません。
お聞きしますが,4号線だけ単線で考えた場合,今の交通量で推移したら,償還が終わるのはいつになるでしょうか。
高速5号線は,東区温品町を起点とし,中山西までを高架で通過した後,尾長山,二葉山をトンネルで通過して,二葉の里三丁目に至る延長約4キロメートルです。二葉山の南側は,八つの神社仏閣が並び,広島の聖地として大切にされてきました。
その二葉山にトンネルを掘る計画に,8人の宮司さんたち全員,反対を表明されています。トンネルは,1本のみの対面通行です。高速道路の対面通行区間は死亡事故が1.7倍も高く,5号線は対面通行プラストンネルで,さらに危険な道路であると言わざるを得ません。
これまで,市は5号線の必要性を広島空港への定時性を確保するためと説明してきましたが,松井市長は,記者会見で,二葉の里の価値を高めるために必要と述べました。どこで目的が変わったのでしょうか。山陽道の渋滞等でリムジンバスが運休する事態がたび重なり,当初の目的は破綻したということではありませんか。答弁を求めます。
以上,述べてきたように,高速5号線計画は,不要不急,不採算事業の最たるもので,市民の福祉と健康,生命,財産を守る第一義的使命を持つ行政は,きっぱり中止を決断すべきです。
次に,世界遺産原爆ドームの保存についてです。
先月,原爆ドームの健全度調査が報告されました。調査結果は,経年劣化程度で補修の必要はなかったということですが,耐震調査については,8月末に調査結果が出るということでした。どうだったでしょうか,お聞きします。
この調査結果を踏まえて,保存工事をすることとしていますが,文化財としての価値を損なわないように,外観はできる限り現状を維持し,同時に耐震性を確保しなければならない,大変な仕事であると考えます。
現在,史跡原爆ドーム保存技術指導委員会に,耐震対策部会を設置し,対応されていますが,この委員会の庶務は文化財担当です。しかし,原爆ドームの管理も,耐震対策も,都市整備局の公園担当が担っています。他都市を調査してみますと,公園内にある文化財,史跡,名勝等の管理を文化財の担当部署が行っているところが多くあります。
本市では,なぜ平和記念公園内にある原爆ドームを公園担当が管理することになったのでしょうか,その経緯をお伺いします。
負の遺産の原爆ドームが,被爆100年を経過しても,150年たっても,維持・保存していくことは,世界遺産に登録された時点からの広島市の使命です。今の体制では,世界遺産原爆ドームは,ブランコや滑り台と同じ位置づけなのかということになりかねません。市のお考えをお聞きします。
同様の平和記念公園内にあるレストハウス── 元大正屋呉服店も,爆心地から500メートルにある被爆建物ですが,聞くところによると,耐震対策がされていません。67年前の8月6日8時15分,レストハウスの地下に資料を取りにおりていた一人の職員は,奇跡的に助かりました。その方は,原子爆弾が炸裂した直後の実態を目の当たりに体験した唯一の生き証人として,その後,亡くなるまで地下室で被爆体験を語ってこられました。
現在も,修学旅行生等が地下を見学し,被爆の実相が語り継がれている貴重な場所です。早急に耐震対策をして,安心して見学できることを要望します。
最後に,全ての学校で少人数学級の実現を求めて質問します。
今,学校現場では,いじめ,校内暴力,不登校,学力,貧困,進学,発達障害など,さまざまな困難を抱える子供たちが学んでいます。大津市の事例に象徴されるような陰湿化したいじめにより,子供が命を脅かされる事例が後を絶たないことは由々しき事態であり,子どもの権利条約に照らしても,早期の解決が求められる重大な問題です。
国連子どもの権利委員会第3回勧告は,日本政府に対して,高度に競争主義的な学校環境が,就学年齢にある子供の間のいじめ,精神的障害,不登校・登校拒否,中退及び自殺に寄与していることを懸念すると指摘し続けてきました。
2010年の勧告は,新たに,驚くべき数の子供が情緒的幸福度の低さ── 孤独を訴えている,その決定要因が,子供と親及び子供と教師との間の関係の貧困さにあるという指摘が加わりました。
広島市においては,こうした指摘に沿った教育行政の見直しを求め,以下質問します。
私は,一人一人が大切にされ,行き届いた教育を保障する教育環境を整えることが,いじめなどの解決につながると考えます。そのためには,子供たちの小さな変化をしっかり受けとめることができる教職員のゆとりが必要です。市教委の調査で,2011年度の100時間を超えて学校に時間外で在校している教師の延べ人数は,小学校43人,中学校390人,80時間超えが延べ2,694人にもなっています。
教職員が子供たちと向き合う余裕のない実態の改善こそ急がれます。また,子供たち一人一人に目が行き届く少人数学級の実現は急務です。
学級規模について,OECD加盟国では20人から30人以下が普通ですが,日本は昨年やっと,法定で小学校1年生を35人学級にしました。
国の少人数学級の取り組みが進まない中でも,広島市は現在,小学校1年生から中学校1年生まで,35人学級になっています。しかし,中学校2年生からは40人学級に逆戻りして,学級集団をばらばらにして,教科ごと,習熟度別で少人数授業が実施されています。
市の統計を見ても,2011年度に学校が認知したいじめ件数は,中学1年生は53件,中学2年生は46件と,義務教育9学年で最多となっています。この間の痛ましい事故,事件も全てこの年齢です。
中学生は,心と体が一気に成長する思春期を迎えると同時に,進学問題を抱える学齢期です。学習集団と生活集団を一緒にして,生徒たちの心の悩みをしっかり受けとめられる体制整備として,中学校2年生,3年生の35人学級を実現すべきではありませんか。
また,小学校でも,35人学級の対象外のところがあります。ここでさまざまな問題が発生しています。35人を超える学級が1学級の場合には,非常勤講師が加配措置されていますが,学校によっては,授業が終了する4時半には,非常勤講師は学校にはいません。そのため,担任との打ち合わせができず,チームワークがとれない。不安定,不利な待遇で教育活動をしている非常勤講師に,担任が積極的に仕事を任せることがためらわれる。そのため,担任が全ての仕事を担うことになり,こうした仕事に忙殺されているという訴えです。
こうした基準は,市教委が勝手に決めたものであり,大人の基準で,同じ広島市の子供の教育条件に差をつけるのは問題です。今後,35人を超える学級が1学級の場合でも,正規任用教諭を配置し,クラスそのものをふやすことが必要です。市の考えをお聞きします。
少人数学級の対象学年のうち,現在,小学校,中学校で35人を超えている学校数と学級数は,それぞれ幾つあるのかお聞きします。
また,現在の35人を超えているクラスを解消するためには,予算は幾ら必要でしょうか。
教員の異常な多忙化を解消し,教職員に授業準備と子供たちと触れ合う時間を保障する教育環境を整備することが,さまざまな問題行動の未然防止につながると考えます。
市教委も,長時間在校時間を解消するために,学校経営活性化に取り組まれていますが,教員定数と欠員補充数はどうなっていますか。正規職員をふやすことが,教員の異常な働き方を解決する基本だと思いますが,市の考えをお聞きします。
以上で私の一般質問を終わります。(拍手)
○種清和夫 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 村上議員からの,広島高速5号線に関する御質問がございました。
私から,高速5号線の事業判断についての基本的な考え方を答弁させていただきます。
昨日,山田議員の御質問にお答えさせていただきましたけれども,高速5号線の事業判断に向けて,現在,安全
検討委員会の報告書をしっかりと踏まえながら,トンネルの工法や事業費などの必要な検討を行っているところであります。
事業判断に当たっては,市全体の利便性の向上と,地域住民の安全確保,不安解消という二つの観点をいかに調和させた結論を出すかという視点で,対処しなければならないと考えています。
また,報告書で述べられていること,すなわち仮に事業実施の判断がなされた場合には,地域住民の安全を第一に考え,丁寧かつ適切な施工をする必要があること。
さらに,万が一の補償についても,誠実かつ適切に対応されるべきであることなどについて,十分,留意しなければならないと考えております。
今後の検討の進め方といたしましては,住民の意見を聞く場を持ち,また,議会や経済界の意見も踏まえ,知事と協議した上で,事業判断を行いたいというふうに考えております。
その他の御質問については,担当局長から御答弁申し上げます。
○種清和夫 議長 財政局長。
◎岡村清治 財政局長
消費税増税の問題につきまして,お答えさせていただきます。
まず,現在,広島市内で消費税が払えずに滞納している中小企業の割合は幾らなのかつかんでいるのかという御質問でございました。
消費税は,納税義務者が国へ申告納付するものです。このため,本市では,消費税を滞納している中小企業の割合は把握しておりません。
次に,消費税等の税率の引き上げが地域経済に与える影響についての御質問でございます。
このたびの消費税法の一部改正法の第1条において,経済状況を好転させることを条件として行う税制の抜本的な改革の一環として,消費税の使途の明確化及び税率の引き上げを行うと規定され,また同法の附則において,そのために必要な措置を講ずると規定されていることから,まずもって国において必要な対応がされるものと考えております。
次に,消費税に頼らず,社会保障を充実し,財政危機を打開するべき道を真剣に模索すべきであるが,認識はどうかというお尋ねでございます。
このたびの消費税及び地方消費税の引き上げですが,我が国財政は,税収が歳出の半分すら賄えず,さらに国の一般歳出に占める社会保障関係費の割合は5割を超えており,毎年,1兆円規模の社会保障の自然増は不可避となっているという状況のもとで行われるものと,国の社会保障・税一体改革大綱において明記されております。
また,消費税法の一部改正法の第1条におきまして,社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化を同時に達成することを目指す観点から行うと規定されております。
したがいまして,まずは国において,法律に基づき必要な措置が講じられていくものと認識しております。
以上でございます。
○種清和夫 議長 市民局長。
◎佐伯克彦 市民局長 平和問題についての御質問にお答えをいたします。
まず,米軍機の低空飛行の関係ですが,米軍機の低空飛行につきましては,県が取りまとめた平成23年度の目撃件数によりますと,全県下で2,048件となっておりまして,こうした結果をもとに,ことし6月,県が県内の自治体を代表し,国に対し,
低空飛行訓練の中止を要請をいたしております。
次に,
オスプレイの関係でございますが,
オスプレイの配備に関することは,我が国と米国の安全保障上の問題であり,基本的には,国家間の問題として,国民世論を踏まえ,国政の場で議論されるべきものと考えております。
先日,
山口県知事と岩国市長が防衛大臣から米国での事故の分析結果の説明を受けた際に,知事は安全性への懸念を示し,市長は一定の理解を示しながらも,再発防止策や市街地上空での飛行制限を要請している状況にあり,日米合同委員会が決定をした安全確保策について,防衛大臣から改めて説明を受けた後に,方針を判断すると聞いております。
また,広島県も同様の説明を中国四国防衛局から受け,安全対策について,国の責任で住民に説明をするように求めている状況にあると聞いております。
本市といたしましては,
ドクターヘリの運航といった緊急対応,あるいは広域的な観光振興なども含め,今後,市民生活に影響を及ぼすような事態が生じるようであれば,市民の安全・安心を守る立場から,国に対し,適切な対応を求めたいと考えております。
以上でございます。
○種清和夫 議長 環境局長。
◎永谷尚之 環境局長 平和問題のうち,原発の新設,再稼働を中電に抗議し,原発からの撤退を申し入れるべきとの御質問にお答えいたします。
エネルギー政策は,エネルギーが国民の経済や生活を支える基盤であることを踏まえて,国民経済や国民生活全般に責任を持つ,国が決定すべきものです。
国はこのたび,革新的エネルギー・環境戦略において,原子力発電については,原発の新設,増設を行わない,既設の施設については,原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働するなどの原則を示しました。
中国電力の原子力発電所については,今回示された国の方針に基づき,関係当事者において判断されるものと考えており,中国電力への抗議,申し入れを行う予定はありません。
以上でございます。
○種清和夫 議長
都市整備局長。
◎西岡誠治
都市整備局長 私からは,広島駅
南口Bブロック市街地再
開発事業についてと,原爆ドームの保存について,お答えいたします。
まず,Bブロック市街地再
開発事業について,借家人が
権利変換縦覧期間中に出された意見書はどのような内容であったかという御質問でございました。
再
開発事業組合に意見書を提出された15名のうち,7名が借家人の方でした。借家人の方々が提出された意見書の内容としましては,その多くが,補償が過少であり,生活再建ができないというものでした。さらに,借家権者の生活の安定を図れるよう,広島市が対処してほしい,また,組合を指導してほしいという意見があったことを確認いたしております。
次に,Bブロックの再開発について,監督権者として,どのような点に留意し,指導力を発揮したかという点でございます。
本市としましては,組合に対し,これまでも再開発法に基づく所要の手続が適正に行われるよう,また借家人を含む全ての
関係権利者に対し,十分な説明を行うよう,組合を指導してまいりました。
こうした指導のもとに,組合は,これまでに平成24年3月の説明会を初め,借家人を含む全ての
関係権利者に対し,節目節目に説明会を行うとともに,補償の概算額の提示や残留・転出の意向調査を行った際に,計画概要や権利者の資産の取り扱い等について説明をしています。
さらに,組合は,借家人を含む全ての
関係権利者から求めがあった場合には,個別のヒアリングを実施するなど,適宜,説明を行っているというふうに聞いております。
続きまして,
法定期間外に提出された転出届を有効とする,また,転出届を提出していない借家人の権利変換を認めないとする組合のやり方について,市の見解を問うておられました。
都市再開発法では,借家人等の立場にある者が,再開発後に同じ場所で,引き続き権利を保持することを望まない場合には,その後の手続を円滑に進めるために,法第71条に権利変換を希望しない旨の申し出ができると規定されております。
この申し出につきましては,その後の手続である
権利変換計画の縦覧が開始されるまで,書面により撤回ができることになっております。
この申し出及び撤回については,7カ月ごとに30日間到来する申し出期間に提出が可能とされています。この申し出期間外に提出されたものであっても,その後,撤回されず,また最終の撤回機会において周知も行われていることから,申し出自体は有効であるとの組合の考え方には合理性があるというふうに考えます。
先ほど申し上げた,権利変換を希望しない旨の申し出を提出していない借家人の床が過小である場合には,公共の福祉に寄与することを目的とした都市再開発法の趣旨に沿うものと認められるときには,その対応として,法第79条第3項のその施設建築物の一部についての借家権が与えられないように定めることができるとの規定を適用し,権利変換を行わないようにすることができます。
続いて,20年も前に提出された転出届は無効ではないのか,また,最新の
事業計画における借家人の意思を再確認するべきではないのかという点の御質問がありました。
権利変換を希望しない旨の申し出は,20年前のものであっても,撤回の意思表示がない限りは有効です。先ほども御答弁しましたとおり,権利変換を希望しない旨の申し出については,
権利変換計画の縦覧が開始されていない場合,撤回申し出ができることになっています。
御質問の20年前に提出された申し出は,撤回する機会が都合35回あったことになります。組合は,
権利変換計画の策定に先立つ,昨年11月2日から12月1日までの期間において,借家人を含む全権利者に対し,申し出の撤回が可能である旨,お知らせを配り,最終意向の再確認を行ったと聞いております。
借家権に関する合意書がなくても,私権を動かすことはやむを得ないのか,市は
権利変換計画の審査において,
関係権利者間の合意を図る努力をしないのかという御質問がございました。
Bブロックの市街地再
開発事業においては,建物所有者と借家人との間で,借家権に関して合意をし,合意書を組合へ提出した場合には,その内容に応じて当事者に補償金を分配することといたしております。
都市再開発法においては,当該合意書の提出は,必須要件ではなく,借家権の取引慣行がない地域においては,多くの市街地再
開発事業が,借家権に関する合意書の提出という手続を行っていません。
こうしたことから,借家権に関する合意書の有無にかかわらず,権利変換を行うことは可能であり,市が
権利変換計画の審査において,
関係権利者間の合意形成に直接かかわることはありません。
続いて,再
開発事業は,公共の福祉に資するとした都市再開発法第1条の目的に,本Bブロックの再
開発事業が反しているのではないかという御指摘がございました。
都市再開発法第1条には,この法律は,市街地の計画的な再開発に関し必要な事項を定めることにより,都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り,もって公共の福祉に寄与することを目的とすると規定されています。
この法律は,市街地の再開発によって,都市における土地の合理的,健全な高度利用と都市機能の更新とが図れることにより,その再開発自体が公共の福祉に寄与するものにしていこうとするものでございます。
したがって,この規定は,個人の財産の制約であっても,土地の合理的かつ健全な高度利用と,都市機能の更新に役立つものである場合には,その制約も許容しているものです。
こうした中でも,Bブロック市街地再開発組合においては,借家人に対しても一般の公共事業に伴う損失補償基準に準じて,個人の財産の制約に対する適切な補償を行っています。
また,組合からは,借家人の方々からの希望があれば,移転物件の紹介を行うなど,個人の財産の制約に対して,可能な限り努力して補うというふうに聞いております。
さきの6月議会におきまして,私の答弁についてお問い合わせがございました。
6月議会での答弁を改めて読み上げさせていただきます。
昭和50年6月4日の
衆議院建設委員会での附帯決議は,
法的拘束力を持つものではなく,また,その対象も政府に対するものであり,直接,本市を初め,
地方公共団体に対して決議されたものではありません,これまで,本市においては,再
開発事業に係る
零細権利者に対して必要に応じた措置を講じてまいりましたが,それらを検証するとともに,今後とも必要なものについては適切に対処したいと考えています。
本日の御質問についても,このままでお答えになっているものと考えます。
他都市での再
開発事業では,借家人の営業継続に手厚い対応をしているが,広島市でも,借家人への
生活再建措置を図るべきではないかという御質問がございました。
他都市の事例が具体的に示されませんでしたので,一概には比較できないと思いますが,民間が主体となって行うBブロックの市街地再
開発事業と,行政関与という面でも,時代背景という面でも,さまざま違いがございまして,一概に比較できるものではないと思います。
その上で,Bブロックの市街地再開発組合では,事業実施に伴う補償については,一般の公共事業における損失補償基準を適用して行うとともに,公共の福祉に寄与するという都市再開発法の趣旨に合致して,適切に事業を行っています。本市としては,組合に対し,法に基づき適切に事業を実施するよう指導しており,組合からは,借家人の方から希望があった場合には,移転物件の紹介をするなど,可能な限り支援を行っていると聞いております。
また,本市では,借家人が営業継続する場合には,利用可能である中小企業融資制度や,市街地再
開発事業等促進資金融資制度を設けるとともに,地区内に居住する方々に対して再開発住宅を確保しています。このように,本市では現行の事業の枠組みの中で,できる限りの支援措置を講じております。
事業計画書における補償額をお尋ねでございました。
事業計画書に記載された補償額は,総額約52億6000万円となっております。
続きまして,世界遺産原爆ドームの保存について,お尋ねでございました。
まず,原爆ドームの耐震調査結果がどうであったのかというお尋ねです。
原爆ドームの耐震対策については,平成18年に策定した平和記念施設保存・整備方針に基づき,建築学や耐震工学の各種専門家の意見を踏まえながら,文化庁等との協議を行い,検討を進めています。
これまでに原爆ドームの耐震性能を把握するために,れんが壁の強度を調査するための強度実験や,原爆ドームの壁体の振動特性調査などの各種調査を行いました。
ことし1月から,これまでの調査結果を用いて,原爆ドームの地震時の構造上の弱点を把握することを目的に,コンピューターによる構造解析を行い,この8月末には調査を終えています。現在,その結果について,専門家の意見をいただきながら,取りまとめを行っているところです。
原爆ドームが公園管理者による担当となった経緯について,お尋ねでございました。
昭和27年に広島平和記念都市建設法に基づく記念施設として,原爆ドームが所在する区域を含む約12ヘクタールを,平和記念公園として都市計画決定いたしました。
原爆ドームは,公園内に位置する施設であったことから,昭和28年に広島県から譲与を受け,都市公園法施行令第5条第5項に該当する遺跡として,現在まで60年にわたり,公園管理者が管理いたしております。
また,今の管理体制では,原爆ドームの適切な管理ができないのではないかという御質問でございました。
原爆ドームは,平成18年に策定した平和記念施設保存・整備方針に基づき,単に公園施設としてだけではなく,世界遺産,文化財の保存,世界遺産にふさわしい景観形成の観点から,永久保存を究極の目標に置き,次の世代に理想的な姿で,確実に維持するための保存に取り組んでいます。
公園,文化財,世界遺産,景観形成を所管する部署が,それぞれの立場から市長のもとで連携し,保存の取り組みを進めており,適切な管理を行っていると考えております。
私からは以上です。
○種清和夫 議長
道路交通局長。
◎高井巌
道路交通局長 高速5号線について,お答えいたします。
まず,大
規模盛り土団地の
盛り土対策が先決ではないかについてでございます。
本市における盛り土造成地の
盛り土対策につきましては,現在,優先的に進めている区役所や学校,道路橋梁等の公共施設の耐震化事業に引き続き取り組むこととしております。
現在,本市においては,国庫補助事業である宅地耐震化推進事業の対象となり得るものが31カ所あり,その中に牛田東地区も含まれております。
ところで,トンネル施工と大規模盛り土造成地の関係について,安全
検討委員会では,トンネル施工が原因となって,大規模盛り土造成地の滑動崩落を引き起こすようなことはないとの議論がなされており,この盛り土造成地の耐震対策につきましては,トンネル施工と切り離し,別途取り組む問題と整理しております。
なお,安全
検討委員会の報告書の留意事項には,地域住民の不安解消の観点から,牛田東一丁目と三丁目の間の盛り土を支える大規模擁壁について,現状の把握のため,事前調査をし,問題があれば適切な対応をすることが提案されています。
次に,報告書を
科学的検証をされたと判断されているのですかという問いでございます。
先月10日に開催された第9回委員会では,15名中14名の委員の出席のもと,報告書についての審議が行われ,委員会の終了間際に4名の委員が反対意見を表明し,退席されたことは承知しております。
しかし,本報告書は,これまでの客観的なデータに基づく科学的な審議を踏まえ,委員会を総括する立場にある委員長が責任を持って,全委員の意見を網羅した上で総括し,委員会として取りまとめられたものと認識しております。
次に,残事業費で建設が可能と考えているのかについてです。
現在,報告書の内容を踏まえまして,県,市及び公社において,トンネル工法や事業費など,必要な検討を行っているところでございます。
次に,市長の記者会見に関する御質問でございます。
8月21日の記者会見において,市長は高速5号線に関する質問に答えておりますが,この際の発言は,前市長時代に安全
検討委員会の設置を検討するに当たり,10人規模で検討を始めた中で,住民団体が推薦する学識経験者を委員に加え,最終的な委員構成が決まり,委員会が立ち上がったということ,また,追加
ボーリング調査を決めてから約1年間,委員会が開催できない時期があったことなど,これまでの経緯を述べたものでございます。
次に,5号線をつくるために,巨額の一般財源を投資しなければならないが,市の認識はどうかということでございます。
高速5号線は,それが完成するならば,都心から広島空港への定時性,高速性が向上するとともに,陸の玄関である広島駅と,中国四国地方全域に延びる高速道路が結ばれることにより,本市の都心の活力向上,ひいては県の中核としての本市の都市機能の向上に資する重要なインフラでございます。
こうした公共的に大きな利益を生み出す高速5号線事業への投資は,本市にとって意義あるものだと考えております。
次に,4号線だけ単線で考えた場合,何年で建設費を償還できるかとの質問でございます。
広島高速道路は,指定都市高速道路として,1号から5号線までの計画路線全体が一つのネットワークとして,相互に機能を発揮することで,一体として採算を取る事業であり,御質問のように,高速4号線のみの償還については,検討しておりません。
仮に,現時点で5号線の事業を中止した場合には,これまで投資した建設費が,料金収入を生まない借入金として残り,事業全体としての収支構造に問題が生じることになるものと考えております。
また,関連公共事業に投資した国庫補助金につきましても,返還等の問題が生じることが考えられます。
最後に,5号線の目的についてです。
高速5号線は,空港アクセス時間の短縮のみならず,広島の陸の玄関である広島駅と中国四国地方全域に延びる高速道路が結ばれることにより,本市の都心の活力向上,ひいては県の中核としての本市の都市機能を向上させる重要なインフラです。
計画当初から,こうした波及的な効果を見込んで,高速5号線の整備を進めてきたものであり,整備目的が変わったということはございません。
以上でございます。
○種清和夫 議長
病院事業局事務局長。
◎山本正己
病院事業局事務局長 消費税の病院への影響等についての御質問に御答弁を申し上げます。
まず最初に,平成23年度に納付をいたしました消費税についてですが,病院事業の収入のうち,大部分を占めます診療報酬は非課税ですが,入院時の個室料や診断書料などが課税対象となっていることから,平成23年度の消費税として4419万3200円を納付しております。
次に,市立5病院の薬品や診療材料などの仕入れに係る消費税額は,23年度決算で9億1400万円です。このうち,価格に転嫁ができない消費税額は,8億8300万円です。消費税に係る負担増につきましては,議員も述べられておられるとおり,これまで消費税導入時,改定時の診療報酬に上乗せをされています。3%の消費税が導入されました平成元年4月の診療報酬改定時に0.76%,5%に消費税が引き上げられました平成9年4月の診療報酬改定時に0.77%が消費税分として上乗せされ,仕入れ等に係る医療機関の負担増に対応する措置が講じられています。
消費税の引き上げは,当然に病院の経営に影響をしてまいりますが,今回の消費税率の改定に当たっても,法律に,医療機関等の仕入れに係る消費税については,診療報酬等の医療保険制度において手当てをすることが規定をされており,消費税引き上げに伴い,何らかの措置が講じられるものと考えています。
市立病院では,こうした措置を踏まえ,引き続き,経営努力をしていきたいと考えております。
○種清和夫 議長 教育長。
◎尾形完治 教育長 教育に関する御質問にお答えを申し上げます。
少人数学級に関して,6点ございます。
まず,中学校2・3年生の35人学級の実現についてでございます。
教育委員会では,個に応じたきめ細かな教育の充実を図るため,平成20年度より小中学校において少人数学級を推進しております。
具体的には,小学校1年生から6年生と,教科担任制へ移行するなど,学校生活に急激な変化が生じる中学校1年生の各学年で35人以下学級を実施しております。
中学校2・3年生への35人以下学級の実施につきましては,教職員の定数改善計画など,国の動向を踏まえ,適切に対応していきたいと考えております。
次に,35人を超える学級が学年で1学級の場合も,正規任用教諭を配置し,クラスをふやすことについてでございます。
35人を超える学級が学年で1学級の場合は,非常勤講師を1名加配し,小学校では,複数教員による学習指導,中学校1年生では,国語,数学,英語において,習熟度別にクラスを分けて少人数指導を実施しております。今後,35人を超える学級が学年で1学級の場合についても,教職員の定数改善計画など国の動向を踏まえて,適切に対応していきたいと考えております。
次に,35人を超えている学校数と学級数についてでございます。
小学校では,11校15学級であり,中学校には該当はございません。
次に,35人を超えている学級を解消するための予算についてでございます。
35人を超えている学級を解消するために配置する15人分の臨時的任用教諭の給与といたしまして,概算で7500万円の経費が必要でございます。
次に,教員定数と欠員補充数についてでございます。
平成24年5月1日現在で,小学校については,教員定数は2,705人で,そのうち126人を臨時採用の教員で欠員補充をしており,その割合は4.7%となっております。
また,中学校については,教員定数は1,442人で,そのうち96人を臨時採用の教員で欠員補充をしており,その割合は6.7%となっております。
最後に,正規教員の増員についてでございます。
小中学校の教員は,県費負担教職員でございまして,その給与は県教育委員会が負担することとなっております。また,教員定数は県教育委員会が決定し,本市に配当をいたしております。
正規教員の増員につきましては,引き続き,県教育委員会と協議し,教員の新規採用者の確保に努めてまいります。
以上でございます。
○種清和夫 議長 37番,村上議員。
◆37番(
村上厚子議員) 答弁ありがとうございました。
一つ一つ言いたいことはあるんですけれども,時間が足りないので,三つの項目について言います。
まず,Bブロックなんですけれども,いろいろ言われましたけれども,問題は,市は組合に聞いてこうだと言っているという,それが全部,答弁だったんですね。住民が言っているのは,そこが食い違っているからなんです。
直接住民と,ぜひ話を聞いてください。組合からの話ではなくて。その上での,改めて答弁をしていただきたいと思います。また,委員会でもありますので,よろしくお願いします。
それから,消費税なんですけれども,消費税の増税で,病院経営が大変なんではないかということでお聞きしたわけなんですけれども,8億8300万円の,転嫁できない消費税があると。病院が負担しなくちゃいけないということだったんですけれども。
医療費は非課税という,そういう根本の原則の中で,診療報酬に仕入れ分の価格に対する負担を軽減しようという,そういう手当て,政府の手当てがあるわけですけれども,今回の増税に際しても,全部を手当てするというふうには言っていません。したがって,さらに病院の負担がふえるのは,これはもう間違いないことであるわけです。
じゃあ,診療報酬はもっと引き上げろということ,それもまた医療費の非課税の原則からいって,市民負担がふえるということは,それはまた問題だというふうに思うんですね。
消費税を導入して,または増税をして,その手当てを診療報酬でやろうとする,そういう政府のやり方ですよね。市民負担,究極は市民に医療費が負担,医療費の増になるという,このことについて,病院事業局としては,どのようにお考えなのかをお聞きをします。
それから,高速5号線についてなんですけれども,これもいろいろ,1個ずつあるんですけれども,まず,
盛り土対策ですね。これは,何はさておいてその対策が必要だよというふうに言っているわけです。そのことについての答弁は,少し曖昧だったというふうに思いますので,もう一度,答弁をしてください。
それから,4号線についての償還時期については,答弁できないということでしたけれども,ネットワーク化されているということは,十分承知です。しかし,
事業計画を立てるときに,1号,2号,3号,4号というふうに,それぞれの建設費どうなるかとかいうふうにして,計画を立てたものであります。
私は,難しい質問をしてるわけじゃないんですね。4号線は既にもう供用開始されてますから,事業費がどんだけかかったかという,建設費がどんだけかかったかということもわかりますし,金利もはっきりしてます。交通量は,今の量で推測してというふうな,そういう仮定も示してます。
この4号線についての答弁ができないということは,納得できませんので,答弁があるまで休憩をして,待ちますので。きのう質問したわけじゃないんですよ。1週間前に質問しているんです,時間がなかったわけでもないと思います。よろしくお願いします。
答弁は,以上の2点でお願いします。
○種清和夫 議長
道路交通局長。
◎高井巌
道路交通局長 最初の
盛り土対策についてお答えします。
先ほど答弁申し上げましたように,この
盛り土対策とトンネルの問題というのは,切り離して,別途取り組む問題というふうに,まず整理をしております。
その上で,その
盛り土対策につきましては,現在,優先的に進めている区役所,学校,あるいは道路橋梁等の公共施設の耐震化事業に,今,引き続いて取り組んでいるところでございます。
そういった中で,その後,こういった民間住宅についての取り組みについては考えていくと,そういう趣旨の答弁をさせていただきました。
それと,4号線でございますけれども,答弁できないというか,先ほど答弁したとおりなんですけども,路線単体での償還を計画実施するという制度ではございません。そういう意味で,検討することは考えてない,そういう趣旨で御答弁させていただきました。
以上でございます。
○種清和夫 議長
病院事業局事務局長。
◎山本正己
病院事業局事務局長 消費税増税分を診療報酬上乗せでやられる方法というのは,全国にたくさんある病院,それから議員も御指摘されましたような保険者の負担等々ございますけれども,そういう中で,御検討されてやられていることだと思います。
改定率も,私ども病院を経営する側の負担増と,それから市民の方々の負担の状況を勘案しながら,この率を決めておられるんだと思います。
そういう与えられた条件の中で,私どもも粛々と経営努力をしてまいりたいと考えております。
○種清和夫 議長 37番村上議員。
◆37番(
村上厚子議員)
道路交通局長,
盛り土対策,別途切り離してというふうに言われました。ということは,道路交通局で今の
盛り土対策を考えるんではなくて,別な部署で
盛り土対策を考え,対策を講じて,その上で5号線を建設することになれば,それを待って建設するというふうに,部署が違って,別途やるという,対策の取り組みは進めていくというふうに理解してよろしいでしょうか。
それから,4号線のことですけれども,理屈はわかってます,さっきも言いましたように。私が聞きたいのは,数字を尋ねているんです。その計算もできないことはないということも言っているんです。時間もありました。データもあるはずです。
その数字が示せないということは,先ほど来から,私が申し上げてますように,この5路線の計画は,一般財源を投じなければできない不採算な事業で,その上に,単線では料金収入で建設費が賄えないから,ネットワークで,全体で見なくちゃいけない。つまり,ドル箱といわれているところが赤字路線をかぶっていくというか,そういう。だから,そのことが4号線を利用している人たちにとっては,大変矛盾がはっきりするということで,数字が言えないというふうに,そういう理解でよろしいでしょうか。
議長,もう2回目の質問になりますので,次の質問ができません。数字は,きょうの本会議終了までに出してもらうように,議長のほうからもお願いをしていただくようにお願いをして,今の答弁を求めて,終わります。
○種清和夫 議長
道路交通局長。
◎高井巌
道路交通局長 最初の盛り土の問題ですけれども,これは議員おっしゃるように,部署は都市整備局のほうになります。
これは,先ほども申しましたように,道路とは切り離して,別の問題として対応するということです。ですから,宅地の問題を解決して,道路をということではございません。これは別問題ということで御答弁申し上げました。
それと,4号線の償還につきましては,これは繰り返しになりますけれども,路線単体で償還する計画とか,そういう実施,そういう制度でないということ。そもそもそういうことでございますので,検討することっていうのは,考えておりません。
以上でございます。
○種清和夫 議長 次に,4番山路英男議員。
〔4番山路英男議員登壇〕(拍手)
◆4番(山路英男議員) 自由民主党・保守クラブの山路英男でございます。会派を代表して,質問させていただきます。
発言通告の順番をかえて質問させていただきます。
まずは,家庭ごみ収集運搬業務委託について,質問させていただきます。
昨年の12月定例本会議で,家庭ごみ収集運搬業務の入札において,激しい価格競争が展開され,その結果,著しい低入札が続き,労働条件の悪化などの弊害になっていると申し上げました。
その原因としては,年々,ごみ収集量が減少する中,前秋葉市長さんが,平成19年度から一般廃棄物収集運搬業者を新たに新規参入させたことにより,過当競争が激しくなり,低入札になったと考えられます。
その結果,同じ仕事をする直営業務の従事職員の平成22年度の平均年間給与は695万,民間事業者の職員の年間給与は,積算上200万円以下となり,その差は3倍以上となってしまいました。
これらのことからわかるように,民間事業者の職員は,年間給与200万円以下というワーキングプアのレベルとなり,安定した生活までもが脅かされる状況となっていると質問させていただいたところ,松井市長の決断により,平成24年4月1日から,一般廃棄物収集運搬業者の新規許可を停止し,また平成24年度分の家庭ごみ収集運搬業務委託についても,最低制限価格を導入されることとなりました。
これらの決断により,家庭ごみ収集運搬業務委託の落札価格は,以前より上がりましたが,それでもほとんどが最低制限価格で入札され,くじ引きで落札業者が決まるという結果となっています。
ごみ収集運搬業務には,最低制限価格が導入された家庭ごみ収集運搬業務のほかにも,本庁舎等の固形状一般廃棄物の収集運搬業務や,広島市立学校給食残菜等収集処理業務,広島市立学校一般廃棄物等収集処理業務など,幾つもの入札があります。
そちらの入札では,依然として低入札が続いており,例えば,本庁舎等の固形状一般廃棄物の収集運搬業務の入札では,予定価格が253万1000円で,落札価格は何と予定価格の3.79%の9万6000円となったり,安佐南区の広島市立学校の一般廃棄物等収集処理業務の落札価格は,予定価格の15.78%です。
そのほかにも,幾つもの入札で20%を切る落札価格となっています。
これらのことから考えると,平成24年4月1日から,固形状一般廃棄物収集運搬業者の新規許可を停止しても,依然,業者が過剰な状態となっており,需要と供給のバランスが崩れていることが明らかなのは,誰でも簡単に予想がつくはずです。
落札価格が予定価格の3.79%であるならば,予定価格の算出基準は何なのか,疑いたくもなります。これは,正常な入札ではありません。
そこで,これらの問題を解決し,なおかつ広島市の財政にプラスになる御提案をさせていただきます。
直営業務と民間委託で1トン当たりの処理コストを比較しても,平成22年度ベースで,直営で3万4000円,民間で9,000円,仮に予定価格で落札されたと仮定しても,1トン当たりの処理コストは2万円で,コストが明らかに違います。仮に直営業務を全て廃止し,民間委託にした場合,予定価格満額で落札された場合で,年間約11億3400万円のコストを削減可能で,さらに,現在の最低制限価格が妥当とは思いませんが,最低制限価格で落札されたと仮定すると,その削減額は何と約16億7500万円となります。
この削減額は,24年度予算で全庁を挙げ実施された事務事業の見直しで削減した予算20億円のうち,一般財源ベースの削減額14億円をはるかに超える金額となります。
また,平成24年2月に策定された財政運営方針の中でも,地域の活力を生み出す財政運営ということで,民間委託を積極的に推進するという市長の方針にも沿うものと思います。
このように,直営を廃止することにより,民間事業者の仕事量が増加することで,入札も適正な価格に戻ることが予想されます。
さらに,一般財源ベースの事務事業の見直し額を超える予算の削減ができます。
そのほかにも,行政改革計画で,広島市職員の削減目標を立てられ,平成16年から平成22年で996人の職員を削減され,平成23年度から平成25年度では,200人の削減目標を立てられていますが,直営を廃止することで,約200名の削減が可能となります。まさに直営の廃止は,一石三鳥です。
24年度予算の事務事業の見直しで削減された予算の中には,市民サービスに直結するような予算や,松井市長も断腸の思いで削減された予算もあったと思います。
さらに,来年度予算においても,事務事業の見直しをされると思いますが,これ以上の事務事業の見直しは,市民にとっても大変大きな影響があると思います。
まさに,今が決断のチャンスだということです。もちろん,家庭ごみ収集運搬業務の中には,不法投棄ごみへの迅速な対応,高齢者を対象とした大型ごみのふれあい収集,あるいは市民への排出指導や事業者の指導を行う上で,最低限必要となる直接収集があることは承知しています。
その上で,家庭ごみ収集運搬業務のうち,こうした行政的な要素のない,いわゆる単純な収集運搬業務については,民間業者の仕事をふやし,市のコスト削減の観点から,より一層推進する必要があると考えますが,市長のお考えはいかがでしょうか。
次に,重度障害児及び病児の入院時の付き添いについて,質問させていただきます。
まずは,私のところにこんなメールがありましたので,お聞きください。
おかげさまで今回の入院は,思いのほか早く退院することができました,息子の入院は1年半で9回,トータル166日にも及んでいました,その都度24時間の付き添い生活ですが,毎回多くの方々に支えていただき,今回も何とか乗り越えることができ,感謝しております,しかし,この先のことを考えますと,とても不安になります,重度障害の22歳の息子は,機能的に下降の一途ですから,この先もこのような入退院の繰り返しだと思われますし,1カ月後には手術を考えており,このような状況を考えますと,今のような24時間の付き添いを続けなければならないと思うと不安になり,笑顔ではいられません,我が子のことですから,決して付き添いを拒むわけではありません,しかし,限界も感じています,主人は土日に仕事と,田舎で暮らす両親の介護をしながら,入院した際には,必ず土曜日に付き添いを交代してくれます,また,時々付き添いを交代してくれる私の両親も高齢です,まだ目を向けなければならない子供もいます,障害のある息子も,他の家族も同様に,私にとっては大切な家族ですから,付き添い生活しながら自宅で生活する家族のフォローも精いっぱい頑張っています,私だけではありません,病棟仲間もさまざまな思いを抱えながら頑張っています,随分以前のことになりますが,仲間が産後間もない時期に,御主人と交代しながら子供さんの付き添いをされていましたが,仲間は倒れ,そのまま亡くなってしまいました,重度の障害児を抱えていると,ふだんの生活でさえ,一般的な普通の生活を送ることすらできないのが現状です,それでも,仲間も私も,みんな明るく頑張っています,中には,もう3年も病院で寝起きしながら,付き添い生活をしている友達もいます,もう4年目に突入よ,もう限界よと言いながらも,今も頑張っています,このような,私たちの生活を想像できますでしょうか,どうかこのような付き添い状況を,もっとたくさんの方々に知っていただいて,一緒に考えていただけませんでしょうか,このような付き添い状況が少しでも,早急に改善されることを望みます,どうぞよろしくお願いいたします,このような内容のメールでした。
皆さん,子供が生まれるときに,何を想像されるでしょうか。恐らく妊娠してから生まれるまでの約10カ月の間,親は生まれてくる我が子に希望を膨らませ,将来,こんな子供になってほしいと,一生懸命に名前を考え,幸せな家庭を想像しながら,出産を迎えたはずです。
しかし,出産直後や育っていく中で,重度の障害を持っているとわかったときに,親は落胆し,何で我が子がと,人生の無情を感じたことと思います。まさに天国から地獄へ落ちたような気持ちになったと思います。
特に母親は,父親以上に,何で元気に産んでやれなかったのかと自責の念に駆られ,思い悩みます。しかし,悩んでいる暇はなく,その直後から,我が子の看病が始まるのです。
最初は,成長していく過程で,少しでもよくなるのではないかなど,将来に対し,一縷の望みを持ち,献身的に24時間の看護もいとわず,我が子のために頑張っていきます。
しかし,それから1年,2年,また5年,10年と入退院を繰り返しながら,看病するも病状は改善されず,一縷の望みも断ち切られ,家族は子供のためにとさまざまなものを犠牲にしながら介護をされています。
その介護や看病の疲れや負担も蓄積され,この状況がこの先何年も続いていくのかと想像し,将来への絶望,また不安も大きくなっていくことは間違いありません。
現在,広島市内の病院で,重度障害を持った子供が入院した場合,原則,保護者は24時間の付き添いを強いられています。付き添いを望む人も,そうでない人も,入院時の書類の中に付き添い許可願があり,それにサインしなければ入院ができない雰囲気があります。ですから,入退院を繰り返す重度障害者の保護者は,入院するたびに24時間の付き添いをしております。
医療的ケアが必要な子供の場合,在宅で介護しているときも,四,五時間おきに,鼻から胃へ通したチューブから栄養剤を直接胃に入れる,いわゆる注入といわれることをしたり,また,常に心拍数や血中の酸素濃度をはかるモニターをつないでおり,そのモニターから警告音が鳴るたびに,鼻や口,または気管につけたチューブから,たんや唾液を吸引したりと,昼夜を問わず介護が必要です。
重度障害者がいる家庭は,365日24時間,常にそのような状況におかれ,ぐっすり眠ることもままならず,休まることはありません。唯一,介護ヘルパーが来る日の3時間だけは,介護から少しだけ解放され,その間に掃除や買い物,洗濯などと,最低限の家事はすることができますが,気分転換にと習い事をしたり,髪を切りに行ったりすることすら,なかなかできません。
このように,在宅で介護することも大変なのですが,入院すると,もっと大変なのです。
重度障害者が入院すると,先ほど申し上げましたとおり,24時間の付き添いが必要で,誰かかわりの付き添いがいない限り,日中短時間程度でも病室を離れることができません。
ですから,入学式や卒業式,参観日といった学校行事や,身内の不幸や,体調が悪いときなども,かわりの付き添いがいなければ行くことすらできません。
例えば,月曜日から金曜日までは母親が付き添いをし,土日は父親が付き添い,月曜日の朝,父親は病院から出社したりと,それでも,付き添いできない場合には,80歳を超えたような自分の両親に付き添いをお願いしたりと,家族で協力しながら,何とか付き添いをされている状況です。
それでも,どうしても付き添いができない場合もあります。しかし,病院に入院しているがゆえに,介護ヘルパーなどの公的サービスも受けることができず,ただただどうすることもできず,我慢しているのが実態であり,現状でございます。
このような現状の中,重度障害者のいる家庭で,どのようなことが起きているか,幾つか実例を申し上げます。
重度障害者の兄弟で,小学校4年生の男の子ですが,4月の学校の身体測定で視力が悪いとのお知らせを持って帰ったため,父親は眼科に連れて行き,検診をしてもらった結果,その男の子は心因性視力障害と診断されました。また,その兄弟で中学校1年生の男の子も,胃腸炎を繰り返し,学校を早退したり休んだりするなど,兄弟に影響が出ている方。
次に,母子家庭で,その当時,小学生の子をひとりで家において,障害の子の付き添いをしなくてはならず,病院は助けるだけ助けて,後の福祉は整っていないじゃないですかと,泣いて訴えた方。
次に,ふだんの生活から重度障害を持った子供の世話をし,神経がすり減った状況の中での入院で,付き添い中のお母さんが倒れたこと。
次に,自分の手術後の治療も早々に切り上げ,娘さんの付き添いに戻った方。
次に,重度障害がある息子さんを,まだまだ自分で見てやりたかったけれども,たび重なる入退院の繰り返しで,小学生の低学年の子をこれ以上放っておくことができないので,仕方なく障害のある子供を施設に預けることにした方。
最後に,4歳になる重度障害の男の子と乳児を抱える御家庭のケースですが,重度障害を持った子供は,入退院を繰り返し,そのたびに1歳になる乳児を実家に預け,奥さんは平日だけ付き添い,週末は御主人が病院で付き添いをするといった,余りにも過酷で負担の多い生活が続き,罪悪感を感じながらも,その重度障害の男の子を施設に預けることとされました。ただ,残念ながら,広島市内では施設が不足しており,呉市にできた新しい施設に預けられました。
この御家族も,本来は在宅で最後まで見てあげたいと思っておられましたが,施設が不足している状況では,今施設に入れないと,次はいつ入所させてもらうことができるかわからない。また,施設に入所している子供が亡くならないと入所できないという現実の中で,苦渋の決断をされました。
このような現状から,私は,少しでも入院時の保護者の負担の軽減を考えなければならないと思っております。
ことし3月の予算特別委員会で,この重度障害児の入院時の付き添いの問題を質問させていただきました。そのときは,保護者の付き添いの実情をお話させていただき,入院時に重度障害児に対し,介護サービスを使えないのか。また,厚生労働省がその実態を把握していないのではないかという思いで,国に対し要望してほしいとの質問をさせていただきました。
それは,松井市長は,厚生労働省出身なので,私の話を聞いて,必ず厚生労働省に要望を上げてくださるとの思いで質問をさせていただきました。しかし,残念ながら,松井市長は,感想すらお答えいただけませんでした。
その後も,広島市公設デイサービス家族会からの要望などを受け,6月議会において,医療的ケアが必要な重度障害者(児)の入院中の介護ニーズに応じた十分なサービスの提供を求める意見書を,各会派の御協力のもと,全会一致で可決していただき,その意見書を持って7月24日に厚生労働省へ行ってまいりました。
厚生労働省では,障害保健福祉部の岡田部長,障害福祉課の土生課長に,広島での実情をお話したところ,予定時間を超え,熱心に私たちの話を聞いてくださいました。しかし,その回答としては,現状の制度の中では,私どもの要望内容を実現するには,非常に高いハードルがあるとのことでしたので,今後の施策に少しでも生かしていただきたいと要望して帰りました。
東京に行った第一の目的は,厚生労働省に意見書を持っていくことでした。そして,二つ目の目的として,関東の病院を視察することでした。
そこで,国立成育医療研究センターと神奈川県立こども医療センターに行ってまいりました。その二つの病院を見て,広島の入院時の付き添い状況の違いに驚き,愕然としました。
そこでは,保護者に24時間の付き添いは求めてなく,原則,病院が24時間の看護をされていました。また,関東では,24時間保護者が付き添いをするのは聞いたことがないとのことでした。実際,視察した病院にも,保護者が付き添いをしている方もいらっしゃいましたが,その割合は3割程度で,しかも保護者から付き添いたいと要望があった場合にだけ許可しているというものでした。
その理由として,重度障害児に兄弟がいる場合,保護者は重度障害児に手をとられ,その兄弟に対し,十分な愛情や育児,教育ができないことで,将来,その兄弟へ影響が出てくること。また,レスパイト── いわゆる休息ですが,保護者にレスパイトしてもらうことで,介護疲れによる弊害を少しでも軽減することができるということでした。
そのほかにも,在宅介護に疲れた保護者のために,検査等によるレスパイト的な入院を引き受けたり,緊急時の受け入れ,いわゆるショートステイのために,横浜市が病院内のベッドを借り上げる施策も,本年7月1日から実施されておりました。
これら見聞きしたことは,広島とは正反対で,同じ国の法律のもと,同じ診療報酬で,また同じ看護体制で,こうも違っていいものかと考えさせられました。
その後,詳しく視察をするため,9月5日,6日に再度,国立成育医療研究センターと神奈川県立こども医療センターに視察に行き,また,広島市民病院と同じ規模の総合病院である川崎市立川崎病院へも視察に行きましたが,川崎病院でも,同じように保護者の付き添いは求めていませんでした。
川崎病院は,特に,保護者の付き添いはおろか,保護者の面会時間まで決められており,保護者でも面会は16時から19時までの3時間で,それ以外の面会は逆に断っている状況でした。
これら申し上げましたとおり,同じ国の法律のもと,同じ診療報酬で,また昼は7人の患者に対し1人の看護師,夜は9人の患者に対し1人という,同じ看護体制で,これだけの地域間の格差があっていいのでしょうか。
これは,市民病院だけの話ではありません。広島市内,県内どの病院においても言えることです。障害者本人も,1回きりの人生で,その家族もまた,1回の人生しかありません。その家族が幸せだと,そしてこの子を産んでよかったと感じられる社会にしないといけません。
今の広島の状況で,そのように感じることができるでしょうか。もう1人産んでみようと思いますでしょうか。皆さん,これで広島の小児医療は本当にいいんでしょうか。
今は,総合周産期母子医療センターなどの医療技術の進歩により,保護者も何とか助けてほしいと医者に望み,病院もそれに応え,全力を尽くす。その結果,今まで助からなかった命も助かりますが,それと同時に,障害を持った子供もふえていきます。
助かった命も,その後の施策が追いついていない,もしくは不十分では,本当に助かってよかったと思えるのでしょうか。せめて入院時の24時間の付き添いが少しでも軽減し,将来的には,関東の病院と同じ程度の看護体制を確立していただきたいと思います。
これは広島だけの問題ではありません。全国で,もし広島のような自治体があれば,この質問をきっかけに,全国に広げていただきたいと思います。
そこで質問します。関東の子供病院や小児科病棟の看護体制がどのようなものか,御存じでしたか。
次に,現在,病院事業局が管理する病院の付き添い状況はどうなっていますか。小児科病棟とそれ以外の病棟についてもお聞かせください。
今後,市立病院の小児科病棟での付き添いについて,どのようにされるお考えか,お聞かせください。
次に,安佐市民病院の建てかえに際しては,国立成育医療研究センターなどの小児科病棟を参考に,入院した子供たち一人一人の様子に目が届くような施設づくりをされてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
最後に,病院の持つ医療機能を活用し,在宅で生活している医療ケアが必要な病児や,障害児の保護者のために,国立成育医療研究センターで取り組んでおられるようなレスパイト的入院や,緊急時の受け入れ,横浜市のようなメディカルショートステイシステムの整備,安佐市民病院の建てかえにあわせた医療型のショートステイ施設の併設など,制度運用や新たな施策,施設整備により,保護者のレスパイトにつながる取り組みを積極的に進められることを強く要望しておきます。
最後に,このたび,一般質問の機会を下さいました自由民主党・保守クラブの皆さんにお礼を申し上げます。
これで一般質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました(拍手)
○種清和夫 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 山路議員からの御質問にお答えします。
重度障害児,障害者の付き添いについての御質問がございました。
今回の議員の御質問をお聞きし,まずもって議員のこの問題解消に向けての取り組みに敬意を表します。
それとともに,改めて重症心身障害児など,重度障害の子供さんを抱える御家族の介護の大変さ,負担の大きさというものを痛感いたしました。
こうした重度の障害がある子供さんの多くは,日常的に医療を必要とする状況にあります。そして,頻繁に病院を受診し,入退院を繰り返すというふうに聞いております。重度障害のお子さんを抱える御家族にとっては,病院における介護も,介護の一場面にすぎず,病院職員は,御家族が24時間365日,介護が続く生活を続けておられることを十分理解した上で,きめ細かな対応をしていくということが欠かせない,とても大切なことだというふうに考えます。
議員の御指摘にありましたように,重度の障害がある子供さんの場合は,なおさら御家族が付き添っていたいと思われるのは当然だというふうに思います。しかしながら,だからといって,病院として付き添いがなければ入院できないというふうな取り扱いをする点についての問題は,確かにございます。
以前の御質問について,十分答え切れなかったのは,現行制度の大枠を熟知していたもので,議員の問題の取り組みへの回答が,ちょっと現行制度では非常にハードルが高いということで受けとめたのは間違いありません。それは厚生労働省で確認していただいたというふうに思っております。
しかしながら,当然,基準にのっとった看護を行うのが病院であるといたしましても,その患者及びその家族の状況に配慮した,弾力的な運営を行うべきは当然であることは言うまでもありません。
したがいまして,市立病院といたしまして,医師,看護師等が日々懸命に治療,看護に当たっていただいておりますけれども,議員の御質問の趣旨を踏まえて,こうした御家族の思いに寄り添って,市民に,より安心していただける病院運営となるように,病院事業管理者にしっかりと伝えたいというふうに思います。
その他の御質問については,担当局長から御答弁いたします。
○種清和夫 議長 環境局長。
◎永谷尚之 環境局長 家庭ごみの収集運搬業務の委託の推進をすべきとの御質問にお答えいたします。
家庭ごみ収集運搬業務については,従来より,いわゆる行政要素のない,いわゆる単純業務を中心に,その委託化によるコスト削減を進めてきており,平成24年度の民間委託率は,約60%と見込んでいます。
この民間委託率に至る過程では,携わる職員の処遇等を絡めながら委託化を進めてきており,おおむね10年間かけて委託率を引き上げてまいりました。
本市では,こうしたことから,本市の処理責任を踏まえた上で,家庭ごみの収集運搬業務に係る単純業務について,委託化を推進してまいります。
以上でございます。
○種清和夫 議長
病院事業局事務局長。
◎山本正己
病院事業局事務局長 重度障害者,児の付き添いについての御質問に御答弁を申し上げます。
まず最初に,関東の子供病院等の状況に係る認識についてでございますが,これらの病院における看護体制,子供に対する家族の付き添いの状況については,承知をしておりませんでした。
今回の指摘を受け,改めて市内の主要病院,政令市の小児科病棟について,付き添いの実態について聴取をいたしました。その結果は,市内の主要病院全てと,市立病院を有します19市中14市で付き添いをお願いしているとのことでした。政令市で付き添いのお願いをしていないのは,議員が視察をされました川崎市を含め,5市でございました。
次に,本市の市立病院の付き添いの状況でございますが,小児科病棟以外の病棟では,付き添いをお願いをすることはございません。御家族の御希望で付き添われるというケースはございますが,入院患者の3%程度でございます。
一方,小児科病棟では,入院患者の8割以上を乳幼児が占めておりまして,入院による環境変化で精神的に不安定になったり,手術等により激しい動揺を起こすなど,円滑な治療や看護に影響が出ることから,御家族の付き添いをお願いをするという実態がございます。
また,御家族の多くが付き添いを希望されるということもございまして,入院患者の約8割に付き添いのある状況でございます。
今後の対応といたしましては,先ほど市長が申し上げましたように,付き添いをしたいという御家族のお気持ちにも十分配慮しながら,病院における看護は,看護師を初めとする医療スタッフが行うという看護の原則にのっとり,運営をしていきたいと考えております。
そのためには,重度の障害がある子供さんへの対応として,看護師が常駐をし,常時目の届く病床をふやすことが必要です。こうしたベッドは,現在,広島市民病院に7床,安佐市民病院に2床,舟入病院に2床ありますが,施設への入所が適当と思われる長期入院の子供さんでその多くが埋まっており,ベッドの確保が難しい状況にございます。
とりわけ,このような重症の患者が多く入院をされる広島市民病院については,諸室の変更などにより,早急にこうしたベッドをふやしたいと考えています。
また,各病院の病室の多くは,付き添われる御家族のプライバシーを確保するため,外から中が見えない構造となっています。今後,御家族の付き添い希望や,対象となる子供の状況を勘案しながら,ナースステーション等から患者の状況が確認できるよう,病室の改造も検討いたします。
さらに,一時的に付き添いができない場合などに対応するため,保育士の増員や病院ボランティアなどの御協力なども検討したいと考えております。
それから,御要望のありました安佐市民病院の建てかえに係る施設の整備内容につきましては,議員御提案の点も十分考慮し,検討したいと考えています。
最後ですが,今回の議員の御質問によりまして,直接看護に従事をいたします病院職員とも,小児科病棟における看護体制について,改めて考えることができました。今後は,これを契機に,重度の障害がある子供さんとその御家族の思いに沿った看護体制となるよう,取り組んでまいります。
以上です。
○種清和夫 議長 4番山路議員。
◆4番(山路英男議員) 市長,まずありがとうございます。
今回,いろいろ質問させていただきましたけど,ちょっと,質問と少し内容が変わりますけれども,県外に視察に行くことっていうのは,本当に大切だなと改めて実感しました。
今回,市の職員さんも同行していただいたりということがあったんですけども,前秋葉市長の時代には,なかなか出張へ行っても1泊ができないとかいう,そういう問題も聞いております。しかし,今回のケースのように,広島では当たり前であることも,県外に行ったら,そうじゃないということがやっぱりあると思うんですね。
ですから,ぜひ出張に行った際は,せっかくですから,1泊して,担当の施設なりサービスなりいろいろ視察をされて帰る。今,ビジネスパックで安くなってますから,正規の運賃で買うより,ホテルがついても安いですから,ぜひそこは認めてあげていただいて,どんどん視察をして,それをこの広島市政に生かしていただきたいというふうに思います。
あと,我々議員,もちろん市長もそうなんですけども,何のために仕事をしているかっていうと,市民のためだと思うんですね。我々が地位や名誉のために仕事をしてはならないというふうに思います。職員さんにおいても,同じだと思うんですね。職員さんは,広島市のために,やっぱり仕事をしないといけないし,教育委員会でいえば,教員の方は,子供たちのためにやっていかないといけない。保身を考えてはいけない。そこをもう一度考え直していただいて,この市政に当たっていただきたいというふうに思います。
最後に,市長が先日,区役所にハローワークの機能を持っていくということをされました。この対応は,本当に,非常に早い対応で,すばらしいなというふうに感じました。逆に言えば,広島市もこれだけスピーディーな行政対応ができたんだなということを感じました。
ですから,本当に必要なものは,松井市長のやる気で,今回のハローワークの件のようなスピーディーな対応で,市民サービスに応えていただきたいという御要望で,私の再質問を終わらせていただきます。
ありがとうございます。(拍手)
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休 憩 宣 告
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○種清和夫 議長 この際,暫時休憩いたします。
午前11時49分休憩
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午後1時04分開議
出席議員 42名
欠席議員 13名
○木山徳和 副議長 出席議員42名であります。
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開 議 宣 告
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○木山徳和 副議長 休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。
25番馬庭恭子議員。
〔25番馬庭恭子議員登壇〕(拍手)
◆25番(馬庭恭子議員) 市政改革・地域デザイン・無党派クラブ,略称,市政改革ネットワークの馬庭でございます。会派を代表して,一般質問をいたします。
まず,平和発信について,お尋ねいたします。
市長は,世界に誇れるまちの実現を言われています。それにふさわしいまちを継続してつくっていかなければなりません。しかも,国内外から,広島を目指し,多くの来訪者が来てくださっています。
昨年は東日本大震災の影響があり,外国からの来訪者が6万人減少したことは,大変残念です。しかし,国内からは,引き続き修学旅行生を初め,たくさんのお客様があり,平成22年と比較すると,入り込み観光客数は1067万人で,一昨年と比較して10万人近く増加しています。大変ありがたいと思います。
広島を訪問する団体の一つとして,他都市からの行政視察があります。過去5年間,他都市からの行政視察の目的である内容を見ると,404項目となります。
その内容を分類すると,結果は,1番は平和への取り組み,平和教育を初め,平和関連が圧倒的に多く,次は水の都構想,3番目は,新市民球場,地球温暖化対策,4番目は国保事業,5番目は,ひろしま型カリキュラム,路面電車となっています。
結果を見ても,広島に寄せる関心は平和と言っていいと思います。他都市の首長と比較して,やはり広島の市長としての役割は,平和の発信をいかにするかだと,再認識したところです。
さて,松井市長の平和への発信力はどうでしょうか。平和宣言も,今回2回目となりましたが,御自身の自己評価はいかがですか,お尋ねいたします。
次に,発信をどういう方法でするかということです。
湯崎知事は,広島県のリーダーとして積極的に広島を発信し続け,目立っています。平和関連では,国際平和拠点ひろしま構想を初め,積極的に平和に関する諸課題に取り組み始めています。
報道によりますと,10月から11月にかけて,スイス・ジュネーブの国連欧州本部を初め,ユニタールを訪問予定で,広島を拠点にした平和構築の分野の人材育成を要請することとなっていると聞いております。
また,世界保健機構── WHO本部や,赤十字国際委員会への訪問も調整中となっています。
また,観光分野では,「おしい!広島」を初め,秋の観光キャンペーンに向けて,県庁男性職員12名による全力歓迎課を組織し,おもてなしパワーを発信しています。
ちなみに,「おしい!広島」の動画サイトへのアクセス数は,公開1週間で68万回ということで,日本中で話題になりました。話題になること,知ってもらうことは大切なことではないでしょうか。
市長も,あらゆる場面を活用して,平和を初め広島の魅力,広島の取り組んでいることを市民へ,そして他の都市の方々へも発信していく必要があると思います。
広島市の広報紙「ひろしま市民と市政」は,企画も写真もプロ顔負けの広報媒体と成長し,市政の動きや観光,お役立ち情報が手元に届く紙ベースの広報媒体として,市民に喜ばれています。
しかし,市長の定例会見などを見ると,原稿を読む姿が目立ち,何をどう発信しているのか,よく見えません。
定例会見などは,テレビを初め,動画サイトでも視聴でき,しかも広告料は無料で,今の広島市政の動きや魅力を伝える絶好の機会になると思います。
バックボードで核廃絶,水の都構想を初め,広島の魅力をアピールするとか,広島市が何に取り組んでいるのか,広島市民にアピールすることを考えていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
また,発信力不足の証拠として,市庁舎前には広告塔があります。その広告塔は長く空白状態となっています。この広告塔は,アジア大会の折,作成されたもので,市内には駅前,平和大通りを初め,七つあります。せっかくの広告塔も使用されなければ意味がありません。今後,どのように考えておられるのか,教えてください。
次に,旧市民球場跡地についてお尋ねいたします。
旧市民球場跡地は,世界遺産の原爆ドームも近く,国内外からのお客様が周遊する市内屈指のスポットです。その跡地を巡って,今までけんけんがくがく,7年にもわたって議論が進められてきました。
現在,市民による旧広島市民球場跡地委員会が進められ,中間報告されたところですが,それを参考に,今年度末までに市長が決定するということです。市民の意見を聞くということは大切なことで,否定するものではありません。しかし,私は,委員会の傍聴を重ねていく中で,プロセス重視であることに重きを置いているのか,何か方針がまとめられ,何を議論するのか,行きつ戻りつしながらの会議で,時間が経過していくことが残念でなりませんでした。
検討時間が延びれば延びるほど,議論は洗練されていき,文化・芸術機能,緑地広場機能でまとまるのかと思えば,第4回の8月10日の委員会では,スポーツ複合型機能を推す意見の巻き返しがあって,結局,三つの機能に絞り込まれました。
旧市民球場跡地は,広島の重要な核であり,周辺のさまざまな機能を有機的に結合させ,連続させるものでなければなりません。
また,世界遺産バッファゾーンなど,景観とともに,にぎわいのある空間でなければなりません。さらに,皆さん御存じのように,平和記念資料館のピロティーから望む慰霊碑と原爆ドームの景観軸に広島商工会議所の建築物があります。
昭和40年に建築されたもので,老朽化が課題で,メンテナンスを繰り返しながら使用していると聞いています。
以前は,旧球場跡地構想と,商工会議所の移転とがセットになり,平和公園の景観軸を担保することが大切だとして,商工会議所の移転計画がありましたが,今やゼロスタートです。
私は,市民レベルの
検討委員会の報告と並行して,広島市は商工会議所と話し合いをし,どう考えているのか,意向や課題を情報収集しておく必要があるのではないかと思っています。
個人的には,商工会議所の移転は新幹線にアクセスしやすい駅前あたりのビルテナント,南口の市街地開発のビルの保留床獲得など,移転のチャンスがたくさんあったのではないかと,今では残念に思っています。
また,今回,広島市が広域的ビジネス拠点と標榜している二葉の里に,県の地域医療再生計画の一環として,県医師会,県歯科医師会,県薬剤師会は,二葉の里への高精度放射線治療センターと並行して,移転の動きを見せています。
市長と商工会議所のリーダーが率先して,互いに意向を確認し合うことが,まず旧市民球場跡地のビジョンの明確化につながると思います。今まで,旧市民球場の跡地の機能充実に向けて,移転について話し合ったことがありますか。また,今後,情報交換のためにも,定期的に話し合いをしたらどうでしょうか。
大規模な未利用地への誘致を初め,都市空間の活用決定など,大きな動きは,誰かが動かないと決定できません。ただただ相手の決定を待ち続けているのでは,物事は進まないと思います。
次に,旧球場跡地は今,整地作業をしていると聞きます。しかし,市民の皆さんにとっては,旧市民球場跡地の活用が議論されていても,一体,どのくらいの広さなのか,周囲の建物との位置状況,景観はどのように見えるのか,残された球場のスタンドは,今どのようになっているのか,全く塀の中でわかりません。
来年開催される全国菓子博では,今,囲んである塀がそのまま利用されると聞きましたが,せめて市民の皆さんが,旧市民球場跡地の全体像が把握できるように,塀の一部を透明化にするなど,見える化を図っていただきたいのですが,どうでしょう。
次に,雇用対策推進について,お尋ねいたします。
雇用対策は,これから労働人口が減少していく我が国では,重要な施策の一つです。団塊の世代が定年を迎え,技術の継承などが課題で,働く人を育成し,求めていくことが,これから必要となります。
一方では,職を求めても,職につけない人もいる中,いかにマッチングするかが行政の力量となります。
浜松市は,NPOが行政と一体となって生活困窮者の就業支援を,寄り添い方式で行っていますし,千葉市初め,他都市も生活困窮者についての就業支援を積極的に行っています。
同様に,広島市も,広島労働局とアクションプランに基づき,広島市と広島労働局が雇用福祉政策などを一体的に実施するための協定書を締結し,現在,その支援窓口を南区と佐伯区に設置しています。
そこでお尋ねいたします。なぜこの2区を選択したのですか。データ的には,生活保護受給者は,圧倒的に中区,西区と多く,南区,佐伯区と比較すると,多いと思うのですが,この2区を選択した理由を教えてください。
7月からの取り組みですが,現在,実績はどう上がっていますか。また,広島市と国との共同による住民のための雇用対策の推進に関する提案では,現在の2区に加えて,新たに設置箇所を2区拡大するとしていますが,具体的に常設窓口はどこになるのか,また,なぜその区を選択するに至ったかの理由も,重ねてお尋ねいたします。
さらに,その他の区は,巡回相談となっていますが,この窓口が常設されると,広島市民の雇用状況は変わり,生活困窮から脱却できることが本当に可能なのでしょうか。就業の目標値をどう設定しているのでしょうか。
巡回型の場合は,携帯端末,常設になると,固定のシステムが導入されると聞きますが,相談対象者の個人情報の管理はどうなっていますか。また,この事業にかかわるコストについて,広島労働局と広島市の負担割合はどうなっているのか,教えてください。
また,このたび,就労支援窓口事業がうまくいくと,この事業は周辺自治体へ拡大し,そして全国に波及できるものなのでしょうか,お尋ねいたします。
次に,がん対策です。昨年のがんの統計では,全国でのがん死亡者数は14万2064人,広島市では2,828人ががんで亡くなられています。また,赤ちゃんを含めて,市民1人当たりの医療費は,年間36万円となっています。がんは,何と言っても予防と早期発見が重要です。平成23年1月より,がん予防できる手段の一つとして,女子に任意の子宮頸がんワクチン接種への助成がなされましたが,その後の子宮頸がんワクチンの接種状況はいかがですか。また,啓発活動はどうされたか,お尋ねいたします。
さらに,平成21年度から,女性特有のがんの検診として,無料クーポン券が発行されました。全国的には,思った以上に受診率が伸びなかったと聞きましたが,広島市の受診率を初め,受診向上に向けて,どのような取り組みをされましたか。また,費用と効果はどうだったでしょうか。
さらに,がん対策基本法が改正され,これから5年以内で小児がん,がん患者の就労,子供へのがん教育などに取り組むことが国で決定されました。広島市では,平成24年度から健康づくり,健康診査の出前講座として,小学校高学年へ講義と体験学習を行っています。
その中で,子供が家族に向けて健康診査の受診勧奨をするということで,自分のお父さん,お母さん,おじいちゃん,おばあちゃんへとメッセージを書くといった工夫がされています。
子供のときから自分自身や家族の健康に関心を持つこと,保護者である大人も,子供のために自分の健康に関心を持ち,がん検診をするという相乗効果が生まれ,受診向上となるのではないかと思います。
また,例えば,がん患者さんから直接話を聞き,命の大切さを学ぶことができます。
また,健康だけではなく,相手にも命があるという,いじめ防止の教育の一環として,学びは深く,こういった出前講座の活動を拡大していくことが大切だと思いますが,いかがお考えでしょうか。
次に,NPO法人についてお尋ねいたします。
特定非営利活動法人── NPOは,平成10年NPO法の制定により,営利目的ではなく,市民が自由闊達に社会貢献するという側面からスタートいたしました。
同時に,行政の認証を得て法人となり,外部との契約も可能となり,多様なニーズに応えることができるようになりました。公的なサービスに限界があり,新たな領域の拡大として,医療,福祉,介護,教育,環境,まちづくりなど,さまざまな活動が展開されています。
広島市は,ことし4月から,広島県からNPO法人の所轄事務を引き継ぎ,事務を行っています。現在まで,本市が所轄するNPO法人数は357法人と聞いています。しかし,NPO法人の中には,適正な運営ができない,全く事業活動を行っていない法人や,事業報告を提出せず,活動実態が不明なものもあります。中には,若者や判断能力が低下した高齢者を食い物にする団体も,全国的には見受けられます。
そこでお尋ねいたします。広島市では,事業報告の提出がなされていないなど,指導が必要な法人は幾つありますか。私は,事業報告の内容を精査し,活動実態のない法人は,認証取り消しを速やかにすべきと考えますが,どうでしょうか。
次に,防災についてです。
今まで定めていた国や地方自治体の防災計画は,今回の3.11東日本大震災で根底から揺らぎ,津波,原発事故による放射能対策を初め,大都市では,帰宅困難者という新たな課題も出現し,計画は大幅に見直し,新たな計画を立案せざるを得ない状況になりました。
特に,原子力災害は,全く防災計画に組み入れられていない領域でした。広島市は,原子力災害を想定した場合,愛媛県の伊方原発,島根県の島根原発があります。特に,原子力災害の放射能は,目に見えないこと,被曝すると生涯にわたって健康被害をもたらすという恐怖があります。
広島市としては,県と協力して,他県の住民の受け入れを初め,応援活動に当たる緊急消防援助隊への対策など,さまざまな取り組みが必要となってきます。そこで,原子力災害対策をどのように取り組んでいるのか,お伺いいたします。
次に,昨年の福島第一原子力発電所の事故では,放射能の拡散予測を公表していないため,浴びなくても済むセシウムや,高濃度のヨウ素を被曝した福島県民がたくさんいます。
国は,この拡散予測のために,緊急時迅速放射能影響予測ネットワークの開発に100億円かけたにもかかわらず,全く役立つことができませんでした。広島市は,陸続きの隣県,島根原発,海を隔てての隣県,愛媛県の伊方原発に囲まれています。私は,市民の安全な待避のためには,緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム── SPEEDIの情報はいち早く手に入れ,市民に公表すべきと考えていますが,広島市が直接,情報入手できるようになっているのですか,お伺いいたします。
次に,東日本大震災後,避難所などの課題が浮き上がりました。それは,町の防災リーダーが,ほとんどが男性で,女性の視点で避難所の運営がされてないという指摘でした。震災後,各地で福祉避難所を初め,いろいろ工夫されてきていますが,東京では,妊産婦さんや乳児が避難する専用の避難所を,女子大学と職能団体の助産師会と協定し,設置する取り組みの事例報告がありました。全国では初めての提案です。
こういった地域にある有効な資源を,女性の視点で複合的に入れ込んだ新しい視点が,地域防災計画の立案時には大切だと思いますが,いかがお考えか,教えてください。
最後に,地域包括支援センターについて,お尋ねいたします。
超高齢社会の我が国は長寿国であり,1963年に100歳以上の高齢者は全国で153人でしたが,今や100歳以上は5万人以上います。しかも,女性が男性より長生きするので,日本はおばあちゃんの国になると言っていいでしょう。
その中で,国は,地域包括ケアという概念で,地域でいかに最後まで豊かに住み,住み慣れた町で過ごすかを挙げ,在宅での生活にシフトしてきました。それには,医療費の削減が背景にあります。
広島市では,現在,高齢化率が20.4%という早いスピードです。その中から,数々,実態が浮かび上がってきています。高齢者が高齢者を介護する老老介護を初め,親を介護するシングル介護,妻や母親を介護する男性介護者の増加,老人虐待問題,認知症高齢者を初め,判断能力が低い障害者などを狙った悪徳業者,成年後見人制度を悪用する人など,課題山積です。
その実態の中で,解決,相談機能を発揮するのが,学区41に配置された地域包括支援センターです。このセンターは,活動を平成18年から開始して6年経過します。その運営状況は,市民から見ると,どこのセンターが職員の定着率を初め,質の高い機能を持っているかなどかはわかりません。
また,活動の評価は自己評価となっています。これから課題は複雑化し,多様化していきます。家庭訪問,電話相談,予防活動,相談業務の中で,センターの運営を,市民のための行政サービスなのですから,他者評価,外部評価を行い,課題を明確化し,評価の低い地域包括支援センターは指導を行っていく必要があると思いますが,いかがお考えですか。
以上で,質問を終わります。(拍手)
○木山徳和 副議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 馬庭議員の御質問にお答えします。
平和発信についての中で,平和宣言に関する御質問がございました。
平和宣言は,広島市長が被爆体験を持つ広島市民を代表して,その時々の時代認識を踏まえながら,ヒロシマの世界恒久平和への願いや決意を宣言の形に凝縮して,広く国内外にアピールするものであり,広島市長の重要な使命の一つだというふうに認識してます。
また,被爆から67年が経過し,被爆体験を直接語ることができる被爆者の方々が年々少なくなる中,私は,その体験や平和への思いを次世代,そして世界の人々に共有していただくことが,極めて必要であるというふうに考えております。
このため,ことしの平和宣言は,昨年に引き続き,直接,被爆者の方からいただいた被爆体験談を盛り込むことに重点を置いたものといたしました。
また,宣言の内容を広く市民に共感してもらえるようにするため,昨年に続き,できるだけ優しい言葉を用い,見ても聞いても理解しやすい表現に努めるとともに,原爆投下日時を具体的に示すなど,若い世代に継承することも,意識して起草いたしました。
ことしの平和宣言を行った後,さまざまな方から担当課などを通じていただいた意見,すなわち市長の思いが伝わり,感銘を受けた,被爆者の願いを語っていただいたといった意見が多かったように思います。
そういったことから,私は,広島市長の重要な任務の一つとして考えている,この平和宣言で訴えた思いが,しっかりと伝わったんじゃないかなというふうに実感しております。
来年度以降も,被爆体験談を盛り込んだ上で,
核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願う被爆者を初め,広島市民の思いが,広く国内外に伝わる平和宣言にしていきたいというふうに考えております。
その他の御質問については,担当局長から御答弁申し上げます。
○木山徳和 副議長
企画総務局長。
◎竹内功
企画総務局長 平和発信の関連で幾つか御質問いただきましたので,お答えいたします。
まず,市長の定例記者会見などでアピールするために,バックボード等を活用してはどうかという点と,それと本庁舎前の広告塔はどういうふうに活用するのかという点について,お答えいたします。
市政情報の発信については,市長は記者会見において,市長自身の言葉で,内容のある情報をわかりやすく発信することを心がけているとともに,各種講演会での講演や,市政車座談義などを通じて,市長みずからが,直接かつ積極的に情報発信を行っています。
したがいまして,市長記者会見において,キャッチフレーズのような断片的な情報の提供にとどまるバックボードを設置することは,現時点においては考えていません。
また,市庁舎前の広告塔は,アジア競技大会のPRのために設置したものであり,以降,国体や緑化フェア,ねんりんピックなどのPRに活用してきました。
しかし,設置後20年が経過しており,一部老朽化した状況も見られることから,このたび,劣化状況の調査を実施いたしました。その結果,今後,継続して活用していくためには,大規模な改修が必要であることが判明したことから,現在,当該広告塔の取り扱いについて,費用対効果等の観点から検討しているところでございます。
次に,雇用対策の推進に関して,6点ほど御質問いただきました。
まず,ハローワークと,今,共同実施している窓口がございます。それを南区と佐伯区に設置したのはなぜかということと,実績はどうなのかという点でございます。
本市としては,就労支援窓口を全ての区役所に設置したいと考えていましたが,広島労働局における予算や人員体制の制約等の課題があり,まずは先行的に2区で実施することが広島労働局から提案されました。
また,この2区の選定については,広島労働局はハローワーク広島が所管する中区,西区,安佐南区,佐伯区から1区,ハローワーク広島東が所管する東区,南区,及び安芸区から1区を希望されました。
こうした中で,本市としては,区役所から当該区を所管するハローワークが遠いこと,就労指導が必要な
生活保護受給者数が多いこと等を総合的に勘案した結果,南区と佐伯区に設置することにしたものでございます。
次に,実績についてでございますが,7月19日の事業開始以降,この9月18日までの2カ月間で南区と佐伯区を合わせて52名がこの窓口を利用され,そのうち6名の方の就職が決定しています。
それから,今後,新たに提案した中で,常設窓口を2区ほど拡大するとしているけれども,どこの区になるのかということ,またその理由でございます。
9月5日の国への提案においては,新たに2区常設窓口を設置することにしております。これは,これまでの広島労働局との協議の経緯を踏まえると,一気に残り6区全部に常設窓口を設置することは困難であると判断し,まずは2区確実にふやすという考え方によるものでございます。具体的な区については,これから広島労働局と協議していくことになります。
次に,常設窓口が増設されると,広島市民の雇用状況はどのように変わるのかということと,就業の目標値はどう設定しているかという点でございます。
市民に身近な区役所に就労支援窓口を設置することにより,ハローワークとのより迅速かつ緊密な連携のもとで,職業紹介等の支援が可能になることから,市民の就職の機会が拡大し,雇用状況の改善に資するものと考えています。
目標値につきましては,拡大する窓口を確定した上で,広島労働局と協議して,設定することになります。
それから,窓口で使うシステムは,個人情報の管理等大丈夫なのかという御質問でございます。今回の就労支援窓口業務で用いられるシステムは,既に国が他の自治体で同様の取り組みを行っている窓口で使用しているものと同様のシステムです。
このシステムの使用に当たっては,個人情報が適正に管理できる運用方法が定められており,本市においても,個人情報の管理に問題ないと考えております。
それから,就労支援窓口事業に係るコストの,労働局と市の負担割合についてでございます。
就労支援窓口に係る費用の分担は,本年7月5日に,市長と広島労働局長が締結した協定,及びこれに基づき策定した
事業計画において定めております。
具体的には,広島市が区役所内に窓口業務に必要なスペースを確保した上で,光熱水費や電話通話料などの管理経費を負担します。
一方,広島労働局は巡回の場合は,携帯端末及びプリンターに関する経費,それと常設に移行した際には,新たに窓口に設置いたします専用のシステムに関する経費を負担することになっております。
このたびの事業がうまくいくと,周辺自治体,そして全国に波及できるものなのかという点でございます。
このたび,本市が新たに提案した国と共同で実施する雇用対策については,国との協議が整い,その取り組みが順調に進めば,全国的なモデルにもなり得るものであると考えております。
また,周辺自治体については,本市と連携した雇用対策を実施できないか,検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○木山徳和 副議長 市民局長。
◎佐伯克彦 市民局長 NPO法人についての御質問にお答えいたします。
NPO法人は,毎事業年度終了後,3カ月以内に事業報告書を作成し,所轄庁に提出することが義務づけられておりまして,本市が所轄をしている357NPO法人のうち,未提出のものは,昨日時点で40法人となっています。
事業報告書を期限内に提出しなかった法人に対しては,督促状を送付しておりますが,この督促にかかわらず,提出をしなかったNPO法人については,法に基づいて地方裁判所へ過料事件として通知をし,さらに3年以上提出しない法人については,法人格の取り消しの対象となります。
また,事業報告書を提出してはいるものの,活動実績がない法人につきましては,事業活動を行うよう指導し,さらに事業活動を行う予定がないと確認をされた法人に対しては,解散をするよう,指導していきます。
こうした指導にもかかわらず,3事業年度にわたり活動しない法人については,法に基づいて改善命令を行った上で,改善されない場合は,法人格の取り消しの対象となります。
NPO法人に対する指導監督に当たっては,必要に応じて,電話や面談等による指導を行っているところであり,今後とも市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動が健全に発展するよう,取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
○木山徳和 副議長
健康福祉局長。
◎糸山隆
健康福祉局長 まず,がん対策についてお答えいたします。
最初に,子宮頸がんワクチンの接種状況と啓発活動についてです。
本市の子宮頸がんワクチン接種の状況は,対象者のおおむね4人のうち3人が接種しているという状況です。啓発活動については,広報紙「ひろしま市民と市政」や,ホームページ等で広報するとともに,市内の各学校を通じて,対象となる生徒へチラシを配布をしました。
また,本年8月には,全ての接種対象者に対して,はがきによる個別通知を行いました。
次に,女性特有のがん検診の受診率等についてです。
無料クーポン券を使用した女性特有のがん検診について,平成23年度の受診率は,子宮がん検診が29.2%,乳がん検診が26%でした。女性特有のがん検診の受診率向上を図るための取り組みについては,まず,受診しやすい環境づくりとして,働く女性に配慮し,地域に出向いての集団検診や,広島市健康づくりセンターでの休日検診を実施するとともに,子育て中の母親のために,託児つきの集団検診を実施をしています。
次に,普及啓発としては,カープやサンフレッチェの試合等でのピンクリボンキャンペーンや,市民と市政での広報,各区の保健センターが実施する健康教室等での受診の呼びかけなどを行っています。
さらに,昨年度は無料クーポン券の送付対象者のうち,未受診の方に受診勧奨はがきを送付し,受診を呼びかけました。
次に,費用については,検診の委託料及び事務費で,合計約2億円となっています。なお,費用の2分の1は国庫補助金が交付をされます。
事業の効果としては,事業の実施前に比べて,子宮がん検診で11.6ポイント,乳がん検診で10.8ポイント受診率が上昇しており,大きな効果があったと考えています。
それから,がん検診の3点目で,健康づくり,健康診査の出前講座についてです。
子供のころから健康や病気の予防について学ぶことは,命を大切にすることや,将来の検診受診につながるものと考えており,本年度から開始した小学校への出前授業については,教育委員会との連携のもと,今後,拡大をしていきたいと考えております。
最後に,地域包括支援センターの評価について,お答えをいたします。
地域包括支援センターの運営に関する評価については,現在,本市が作成した運営基準及び評価基準に基づいて,それぞれのセンターが毎年度,自己評価を行い,次にその評価結果を利用者やサービス事業者の代表,
学識経験者等で構成する市及び区の地域包括支援センター運営協議会に報告をし,御意見を伺っています。
また,各区の健康長寿課は,地域包括支援センターの報告内容をチェックし,改善策,支援策を作成するとともに,運営協議会の意見も踏まえて,各地域包括支援センターに対する助言等を行っているところです。
こうした取り組みは,地域包括支援センターの運営の公正・中立性の確保や,活動の質の底上げに効果があったものと考えていますが,今後,地域包括ケアを推進していくためには,高齢者の権利擁護や,医療と介護の連携などを一層進めていく必要があり,その中心的役割を担う地域包括支援センターの運営の質を,さらに高めていく必要があると考えております。
このため,市及び各区の地域包括支援センター運営協議会において,地域包括支援センターの自己評価結果や,運営状況を踏まえた具体的な改善策や,地域包括ケアを推進していく上での課題と対応策などについても,協議するようにしていきたいと考えております。
また,各区においては,こうした運営協議会の意見を踏まえるとともに,他区の地域包括支援センターの先進事例や,運営上の課題についても情報の共有化を図り,効果的な改善策のあり方を全区で協議することなどにより,これまで以上に,効果的な支援に努めてまいります。
以上でございます。
○木山徳和 副議長
都市整備局長。
◎西岡誠治
都市整備局長 私からは,旧市民球場跡地について,2点お答えいたします。
まず,商工会議所,建物の移転について,今後,定期的に話し合いをしたらどうかという御質問についてでございます。
本市と商工会議所とは,さまざまな機会を捉えて意見交換を行っており,今後も,移転問題も含め,広島が抱えるまちづくりの課題について,さまざまな形で意思の疎通を図っていくことといたしております。
次に,万能塀の外側から球場跡地の中が常に見えるように,可視化すべきだと思うがどうかという御指摘でございました。現在,旧市民球場跡地につきましては,球場解体後の原状回復を行うための整地作業を行っており,安全管理上,外周部を万能塀で囲んでいるところでございます。
球場跡地がどうなっているかについて,市民の関心が高いこと等については,十分承知しているところであり,議員の御提案については,今後,検討してまいりたいと思います。
○木山徳和 副議長 消防局長。
◎山下聰 消防局長 防災につきまして,3点の御質問がありましたので,お答えいたします。
まず,原子力災害対策についてでございます。
本市では,福島第一原子力発電所の事故を踏まえ,本年3月に地域防災計画に定めている放射性物質災害対策に修正を加え,原子力災害発生時には,広島県等と連携して,災害情報の収集や,他県等の住民の受け入れを行うこととしています。
緊急消防援助隊の原子力災害対策への取り組みについては,放射性物質に起因する災害に対応する資機材として,放射線防護服や除染シャワーなどの隊員保護資機材や,各種放射線測定器を配備しております。
あわせて,隊員に放射線災害に対する知識を習得させるため,毎年,広島大学病院の教授等を招聘し,放射線災害講習会を開催するとともに,消防大学校の専門研修へ職員を派遣しています。
また,特殊災害対応マニュアルを定め,これに基づいて放射線災害対応訓練も継続して実施しております。
なお,本市が行うべき原子力災害対策については,今後,国において定められる予定の原子力災害対策指針を踏まえ,必要に応じた対策を講じてまいります。
次に,本市周辺の原子力発電所で事故が発生した場合の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム── SPEEDIによる放射能影響予測情報については,これまで文部科学省から,関係都道府県等に伝達されることとなっており,本市が直接入手することはできませんでした。
しかし,今回の国の防災基本計画の修正により,今後,SPEEDIによる予測情報が,原子力規制委員会により,ホームページ等で公開されるようになることから,本市を含め,誰でもこの予測情報を直接入手することができるようになります。
次に,女性の視点で地域の有効な資源を活用する対策を取り入れた地域防災計画としてはどうかということでございます。
本市では,地域防災計画の中で,既に男女共同参画の視点を取り入れた防災体制を確立することを明記しています。これを踏まえて,生活避難場所に授乳室や女性更衣室の確保等を図るよう,マニュアルに定めるなど,女性に配慮した取り組みを行っています。
さらに,地域の有効な資源である大型商業施設等と協定を締結し,女性用の生活関連物品の調達などができるようにしています。
また,地域防災計画の検討・修正を行うに当たって,女性の視点からの意見を取り入れるようにするため,防災会議の委員に女性団体の代表者を委嘱しており,今後,この委員を中心に,女性の視点を踏まえた地域の有効な資源の活用等について,議論がなされるものと考えています。
以上でございます。
○木山徳和 副議長 馬庭議員。
◆25番(馬庭恭子議員) 若干,再質問をさせていただきます。
まず,平和宣言についてですが,市長の御答弁では,わかりやすかったということで,いい評価を受けているというふうな御答弁だったんですけれども,もう一歩踏み込んで,例えば核兵器も原発も同じ命を奪うものなので,脱原発に一歩踏み込んだらどうかとか,あるいは,市長の立ち位置をもうちょっとはっきりとしたらどうかというような,そういう御意見は全くなかったということなんでしょうか。
もしあれば,実際,市長の平和宣言に関して,よかったというだけでなくて,こういうふうにしてほしいという御意見もきっとあったと思うんですね。それを教えていただきたいと思います。
私としては,市長のスタンスが,誰に遠慮しているのか,誰に配慮しているのか,もう一歩踏み込んだ,平和市長としての踏み込みが,もう一歩欲しいなという感じはいたしております。
もう一つは,SPEEDIの件ですが,これはもうインターネット上で,市民が直接,手に入れられるということに決めたということを原子力規制委員会に── この間,代表が決まったばっかりなんですけれども,情報がとれないことがないように,きちっとその辺の確認はしておいていただきたいと思います。
この間,J−ALERTも,広島県でも3自治体届かなかったということもありましたので,それはきちっと確認していただきたいということが1点と,それから,あと,球場跡地なんですが,きのう永田議員の答弁で,商工会議所の返事を待っているということだったと思うんですね。
私は,きょう御質問させていただいたのは,商工会議所と市長が会って,移転についての話をしたことがあるのか,そういう経験があるのか。あるんなら,2回話したよとか,1回話に行ったけど,だめだったよとか,いや,
検討委員会が優先だから,会ったけれども,
検討委員会を待ってから,また話しましょうよということになったのか,その辺,トップ同士の話し合いがどうなっているのかというのが,市民に見えないので,話をしたのかどうかということに関して,答弁が抜けましたよ。それちょっと確認して,教えてください。
それから,雇用対策の推進,これ多分,市長の得意分野で,目玉政策だと思うんですね。私も実際に,南区に行って見ました。これがうまく発展して,全国的な取り組みになると,とてもいいなというふうに思ったんですが,労働局のほうが,何区かを選ばれたときに,もともと管轄するところの距離とか,生活困窮者の数で決められたというんですが,調べてみると,安佐南区だって南区より生活困窮者が多くて,しかも遠いんですね。なぜ安佐南じゃなくて,南区だったのかなというのが,ちょっと疑問だったので,もしわかれば,そこを教えていただきたいと思います。
御趣旨,わかっていただけましたでしょうか。よろしくお願いいたします。
○木山徳和 副議長
企画総務局長。
◎竹内功
企画総務局長 2区の理由ですけれども,確かに生活困窮者は,中区が一番多くて,次に南区というふうになりますけれども,その中で,生活保護に陥っている方で就労可能な方を対象に,就労支援というのをやっているわけです。
それで,この事業の趣旨は,今,就労支援をする際に,いかにハローワークに結びつけていくかということに力点を置いておりまして,それはハローワークの位置によって,区から遠かったりしますと,就労支援があって,ハローワークに行って相談してくださいねと言っても,なかなか行きにくい状態があるものを,区のほうにハローワークの窓口を持ってくることによって,できるだけそういった就労支援を身近にしていって,就業に結びつけていこうということにしておりますので,そういったハローワークへ行っている率が,この南区と安佐南区とを比べますと,そういった点で,距離的に遠いということもありましたので,数とそういった距離ということを考えまして,この南区を選択している。単純に保護者が多いというんじゃなくて,実際にハローワークにいかに結びつけていくかという点から,やっていってます。
○木山徳和 副議長 市民局長。
◎佐伯克彦 市民局長 平和宣言への御意見ですけれども,全てを把握しているわけではありませんが,平和宣言の中で,
核兵器廃絶に尽力した被爆者のことをよく語ってくれたという感謝の一方で,中にはそういうことができずにいた人も,そういうことは乗り越えられずに,あるいは被爆体験をこれまで語ってこれなかったみたいなことも,全ての被爆者が乗り越えたというわけじゃないあたりも,言ってほしかったというような意見もございましたが,大体が好意的に,わかりやすく,いい宣言だったという御意見をいただいたというふうに聞いております。
以上でございます。
○木山徳和 副議長
都市整備局長。
◎西岡誠治
都市整備局長 私の昨日の永田議員への御答弁の中で,商工会議所の方針決定を待ちたいという表現があったという点を踏まえての御質問がありましたけれども,永田議員への御回答では,地権者からの意向が示されるまではという表現を使いました。その前段で,実は午前中に山田議員への御回答で,委員会での議論の中で,商工会議所からの推薦委員が,この跡地委員会での議論を踏まえて,商工会議所として建物の扱いについては決めますと。その決定を待ちたいと,こういう表現を使わせていただきました。それを踏まえての御質問かと思います。
議員からは,先ほどの御質問の中で,トップ同士の意見交換があったのかと。それを踏まえて,今後,定期的にという御質問,確かにございました。
ただ,具体的に誰とどこで,どういうレベルで話したというのは,相手のあることですので,それを相手の了解を得ないままに,あからさまにするのはどうかと思います。一般論として,これまで商工会議所と私どもとは,必要に応じて話し合いをしてまいりましたし,今後とも必要が生じた場合には,適時的確な打ち合わせを行ってまいりますと,一般論でお答えした次第でございます。御理解ください。
○木山徳和 副議長 馬庭議員。
◆25番(馬庭恭子議員) 私は,ただただ待っていて,物事が進まないよりも,水面下のことはここで言えないかもしれませんけれども,ある程度,トップ同士が話し合って,下ごしらえをしていくというのは,やっぱりリーダーとして必要なんじゃないかなということを申し上げたということで,そちらもそういうふうに御理解していただきたいと思います。
雇用対策のところの今の説明,ちょっとよくわからなかったのですが,話になったら長くなるんですけれども,要は,生活困窮者が多くて,遠くのところへ行くはずだったんだけれども,南区が同じ管轄だけれども,生活困窮者少ないけれども,訪問している,就業相談に来た率が高いから,そっちに決めたというふうに聞こえたんですけれども。
私はわからなかったんですけれども。前の御説明は,とにかく管轄から遠く離れてアクセスできないところに行くようにしたというのと,生活困窮者の数が,管轄内のところでは,多いところではなくて,ハローワークに結びつく距離がすごく遠いところを選んだというふうに聞いたんですけれども。
ちょっと,私の理解力不足かも知れないんで,簡単に説明してください。
○木山徳和 副議長
企画総務局長。
◎竹内功
企画総務局長 先ほど答弁で言いましたように,まずハローワークには管轄区域があって,それで,今,議員が言われている中区を管轄しているハローワークは,中と西と安佐南と佐伯を管轄しておりまして,南は広島東がやってますので,これは別なんで,ハローワークのほうからは,この中,西,安佐南,佐伯のうちから一つと,向こうから人員体制等の関係もあるのでということでございます。
そうした中で,ハローワークの就労支援に結びつけていかなきゃいけないということになりますので,この4区の中で,最もハローワークに行って相談してくださいねと言ってお願いしている方が,行ってない率が低いところを選んだという。プラス,距離の遠いところ。
だから,低い率のところを選ぶことによって,一体的実施することによって,押し上げていこうという趣旨で選んだものでございます。
○木山徳和 副議長 馬庭議員。
◆25番(馬庭恭子議員) わかりました。ただ,生活困窮者が多いところは,就職が結びついてないということにもなるので,早く中区,西区をやっていただきたいという要望をしておきます。
以上です。
○木山徳和 副議長 次に,8番森本健治議員。
〔8番森本健治議員登壇〕(拍手)
◆8番(森本健治議員) 市民連合の森本健治です。会派を代表して一般質問させていただきます。しばらくの間,御清聴よろしくお願いいたします。
8月20日から7日間,会派5名でドイツ,イタリアの海外視察に行ってまいりました。多くの方とお会いし,施設を見学して説明を受け,質疑応答なども行い,大変勉強になりました。
その中で,ドイツのフランクフルトでは,介護ロボットや機器の開発を進めている大学を視察しました。また,介護つき住宅,高齢者ケアホーム,ショートステイ,デイサービスなどを提供している高齢者総合福祉施設のフーフェラントハウスも訪問し,ドイツの介護保険について説明を受けました。
2000年,平成12年に施行された日本の介護保険は,ドイツの介護保険を参考につくられたということです。施設長のヘルナーさんの説明では,ドイツの介護保険は公的な施設にできるだけ依存しないで,家族もしくは近親者に介護してもらう在宅介護を目的に,1995年,平成7年に施行されました。
日本との大きな違いは,家族や近親者,近所の方が介護する場合に,介護する方へ直接,現金給付があるのが大きな違いです。
また,現金給付に加え,デイサービスなどの介護サービスを利用した場合の追加給付もあるそうです。
このように,まずは在宅で介護し,介護の度合いが進んで,近親者でお世話することが困難になってから,施設サービスを利用されています。
よって,軽度の要介護者の入所者数が少ないため,公的施設への入所待機者は,日本のように多くないとのことでした。
こうした在宅介護を重視した政策により,ドイツは在宅介護の割合が大変高く,現在は全体の80%だそうです。
訪問中,施設内の食堂で楽しげに談笑する家族の姿を見ることができました。
ドイツでは,介護はできるだけ家族で行うということが基本になっていて,家族をとても大切にしているなと,感想を持った次第です。
お年寄りは家族とともに,できるだけ家族の介護を受けて,安心して暮らしておられるのを拝見し,日本でも施設をたくさんつくるのではなく,施設から在宅へと言われるように,高齢者ができるだけ在宅で生活し続けられるよう,在宅介護の推進を進める必要があると感じました。
在宅介護の推進について,今後,市としてどのように取り組んでいくのか,お聞かせください。
次に,私が6月に行いました政務調査で,市民へのインターネットによるアンケート調査から,市民の声をピックアップしてみました。300人の回答者の方に16項目の質問をさせていただきました。そのうちの自由回答の中から,代表的な回答を紹介してみます。
まず,景気対策としての市民の意見です。広島市としての誇りとなる企業の育成や,援助が全くない,50代男性。広島市の産業基盤の活性化に官民一体となって取り組んでほしい,60代男性。といった意見で集約されました。
次に,市民の声は行政に届いているのか,の質問に対して,市民の意見をもっと集めてほしいという要望が多数ありました。大変だと思うが,市民の意見を取り入れてほしい,30代女性。有識者の意見より住民の考えを聞いてほしい,30代女性。どんな施設をつくるにしても,もっと市民の声を聞くべきだと思う,40代女性。もっと,どうしようとしているのかを市民に説明すべき,40代女性。もっともっと住民の意見を吸い上げてください,50代女性。市の意図がはっきり見えない,40代男性。もっと大きな議論が必要ではないのか。取り壊しは決まっているのに,どうするのかの計画が全くできていなかった,40代女性。船頭が多過ぎる。それだけを見るのではなく,広島をどうしたらいいのかというビジョンが全く討論されていない,50代男性。大局観を持った意見が出てこない。いろいろな意見を聞いて,早く実行。何をもたもたしているのか,50代男性。行政の動向は見ていながら,市民は物言う立場ではないといったいら立ちすら感じられます。
平和活動についても,意見がありました。十年一日のごとき活動は,少しは平和発信できておると思うが,戦争が起きたことを謝る活動をしている人がいたり,「同じ過ちは繰り返しません」の文字があったりして,広島にいながら平和について,何が伝えたいのかがよくわからない,40代女性。平和活動をもっと大きくしていくために,資金力のない市民が立ち上がる制度をつくってほしい,30代女性。原発事故の後,広島としてもっと支援活動をすべきだと思う,30代女性。
平和活動に関しては,行政に対する要望は低いものの,しっかりした前向きの意見が見られました。
市政の広報広聴活動については,市からの分散的な発信が多く,特に双方向性という観点からすると,市民の声が届く仕組みに欠けているのではないかと思います。特に市政の重要課題について,例えば旧市民球場跡地委員会や,広島市自転車都市づくり推進検討会など,審議会や委員会などの審議状況を,インターネットで動画配信すれば,ローコストで反復放送でき,自由な参加も可能です。
市の重要施策の意思決定過程において,市民の意見を聴取することは大事であり,審議会や委員会などの審議を,インターネットで動画配信し,それに対し,市民意見を募集する取り組みなどをすることで,市民とのコミュニケーションを一層図るべきと考えます。
こういった双方向,参加型のコミュニケーションの可能性について,お答えください。
また,市長は,昨年度から市政車座談義を区ごとに開催して,市民と直接に対話されています。昨年度1年間で4区の開催にとどまり,まだまだ足りないかと思います。今後,開催回数をふやすなど,その取り組みを充実させるお考えはありますか,お答えください。
次に,たばこによる健康被害が大きく取り沙汰される中,我が国の成人喫煙率は,平成15年の27.7%から平成22年には19.5%と低下しています。
国においては,国民健康増進計画において,平成34年度に現在19.5%の成人喫煙率を12%にするという目標を定めるなど,禁煙対策が強化されています。
また,たばこの煙にさらされることの保護の観点から,平成15年に施行された健康増進法によって,多数の者が利用する施設を管理する者に対し,受動喫煙防止のための必要な措置を講じることを義務づけるとして,規定しています。
また,平成22年の厚生労働省健康局長通知では,多数の者が利用する公共的な空間は,原則として全面禁煙であるべきとする基本的な方向性が示されました。
広島市においても,平成20年9月から市庁舎の施設内禁煙を進めるとともに,市内の飲食店や宿泊施設などに対し,広島市受動喫煙防止ガイドラインの配布を通じて,受動喫煙防止対策の徹底を働きかけるなどの取り組みを進められておられます。
これらの取り組みの結果,広島市健康づくり計画「元気じゃけんひろしま21」の最終評価結果によると,本市の成人喫煙率は平成12年度の男性42.1%,女性11%から,平成23年度は男性26.9%,女性7.1%と,大幅に低下しており,非喫煙者がふえていることがわかります。
前段で述べたように,わかってはいますが,一方,喫煙者にしてみれば,喫煙場所が限られ,次第に肩身が狭くなっているという意見を耳にしています。喫煙者と非喫煙者がお互いを理解し尊重して,よりよい社会を形成する必要があると考えます。
受動喫煙防止の観点からも,分煙対策を徹底的に強化する必要があると考えます。こうしたことから,受動喫煙防止に関する条例が有効ではないかと思います。
神奈川県では平成21年3月に,兵庫県では平成24年3月に,受動喫煙防止条例を制定していますが,本市においても,条例を制定するお気持ちはないのでしょうか,お答えください。
平和公園の場合は,公園内の5カ所に灰皿がありますが,公衆トイレの横に喫煙ブースを設けて,他は完全禁煙にするなど,喫煙できる場所とできない場所を徹底的に分けていただきたいと思います。
また,多くの人が集まる広島駅,八丁堀,紙屋町などの市内中心部について,受動喫煙防止対策を進めたいが進められない民間事業者に対して,敷地内の喫煙スペースを設置する際に補助するなど,エリアを決めて,徹底的に分煙を進めるための対策が必要だと思いますが,いかがでしょうか。お答えください。
次に,市長は,かねてよりにぎわいの創出を図るため,即効性のある観光の振興に力を入れていきたい,広島市の年間観光客数約1000万人を2割増の1200万人に,外国人観光客数30万人を倍増の60万人にとおっしゃっています。
私は,都市経営の取り組みとして,観光ビジネスに力を入れるという考えに大いに賛同しています。
特に,外国人観光客の誘致には,大きなポテンシャルを感じており,私なりに調査を行い,また広島在住の留学生の意見を聞くなどして,ことし1月に広島おもてなしプロジェクトという報告書をまとめました。
その中で,プロジェクトの方向性として,来訪の動機づけと,来訪者の受け皿づくりの二つの柱をあげて,幾つかの提案をさせていただいております。
ことしの3月の予算特別委員会でも,この報告書に基づいて質問させていただきました。
そこで,その後の状況も含め,改めて外国人観光客誘致に関して,質問させていただきます。
まず,外国人観光客の来訪状況についてお伺いします。
東日本大震災や円高の影響もあり,外国人観光客は減少していると思いますが,全国との比較において,平成23年の広島市の外国人観光客の動向がどうなっているのか,教えてください。
次に,イベントなどの開催により,来訪の動機づけを行うことも大切です。来訪者の受け皿づくりを行うことは,来訪者の満足度を高め,リピーターの増加や口コミによるPR効果など,新たな外国人観光客の呼び込みにも効果があると考えています。
そこで,広島市では,民間事業者の協力を得て,観光客が必要とするさまざまな情報を,町じゅうで手に入れやすくするなど,広島滞在時の利便性の向上を図るための取り組みとして,140カ所を目標に,街角観光案内所を設置することにしています。
外国人対応のできる街角観光案内所も必要ではないでしょうか。このほか,外国人対応が可能なお店の拡大や,スタッフの養成なども重要であると思います。市として,どのような取り組みを行っているのか,お答えください。
現在,平和記念資料館を訪れる130万人余りの国内外からの来広者に回遊してもらうための仕掛けが重要であると考えます。また,外国人観光客の数だけが重要なのではなく,少しでも長く広島に滞在してもらい,宿泊につなげていくことが重要です。
予算特別委員会で,外国人が広島を一日かけて回遊する周遊プランの設定をしてはどうかと質問しました。さまざまなモデルコースを設け,ホームページに掲載しているが,今後とも外国人観光客の興味を引くような観光モデルコースの充実に取り組むと答弁いただきました。
その後,どのように取り組んでいるのか,お答えください。
さらに,現在,その活動が検討されている旧市民球場跡地ですが,三つの案に絞られたように報告書が出されました。
この跡地に隣接する平和記念公園や原爆ドームにも,多くの外国人観光客が訪れています。この外国人観光客の方々に,興味を持って回遊してもらうための仕掛けが,球場跡地の活用を考える際にも重要であると考えますが,いかがお考えですか,お答えください。
次に,私は,障害者自立支援作業所の理事長を務めています。日本社会全体が厳しい雇用環境にある中,障害者の雇用は極めて厳しい状況下にあります。成人になっても,未就労の障害者を持つ親たちは,年々高齢化しており,生活の土台が失われそうなケースや,親亡き後を心配する切実な声も多く聞こえてきます。
最初に,障害者雇用の現状と,広島市の取り組みについてお聞きします。
本市域における障害者の法定雇用率の実雇用率はどのようになっているのか,教えてください。
また,本市は,障害者の雇用,あるいは就労支援について,民間企業などにどのような働きかけを行っているのか,お答えください。
今,多くの障害者が共同作業所などで袋詰めやパンづくりなどを行いながら,雇用や就労の機会を待っています。現在の工賃は,1カ月1万円程度です。障害者の自立を図るためには,障害者の能力を活用した雇用や就労に向けて,行政のより一層の支援が必要であることは言うまでもありません。
そこで,私は,その支援策として,一つのアイデアを提案したいと思います。
学校給食の残渣を飼料化し,そこで障害者を従事させる仕組みをつくることへの支援です。廃棄物のリサイクルに詳しいある先輩議員にお聞きしたところ,他都市では,食品関連会社から出る食品残渣を飼料化する食品リサイクル事業に,障害者を雇用している事例があり,本市でも,同様の事業化の検討が,現在,民間企業などで始まっているようです。
飼料加工された製品の異物除去といった単純かつ反復する作業は,障害者にとって十分に作業が可能であり,現在の工賃よりも高い賃金が得られると思われます。実現までには数年かかると思いますが,そこを見据えながら,関係部局が連携して取り組んでいただきたいと思い,今回,質問することにしました。
本市の学校給食では,年間1,000トン以上の残渣が発生しています。この給食残渣は,ほとんどが食べ物であることから,紙などが多く混じった家庭ごみとは違い,飼料等にリサイクルしやすいものです。
しかし,現在は,清掃工場で焼却処分されています。リサイクルできるのに,コストをかけて焼却しているわけです。焼却処分している理由として,現在,本市に食品リサイクルを行う処分業の許可業者がいないことがあります。飼料化や堆肥化の事業化には,良質な食品残渣を継続的に集めることが必要です。
そこで,私の提案ですが,こうしたリサイクル事業者の出現を促し,継続的に育成していくため,行政として何らかの支援を行う必要があると考えます。
学校給食残渣について,一般廃棄物の処分業の許可業者が,飼料などにリサイクルすることはできないか。また,その場合,障害者雇用を促進している事業者を,随意契約の相手にする。あるいは,競争入札の参加資格要件にするといったことは考えられないか,お答えください。
私の提案は,極めて厳しい状況下にある障害者の雇用・就労を促進したい思いからです。この提案は,ごみのリサイクル,経費の削減,民間活力の有効活用にもつながるものです。今後,関係部局で連携を図りながら,積極的に取り組んでいただくよう要望します。
最後に,国内では少子高齢化により,子供の減少が問題となっている中で,逆に動物,特に犬や猫などのペットに関する関心は高くなってきています。今や,犬や猫は家族の一員として扱われています。私も,自宅で犬を飼っていますが,昔のように玄関先や庭につなぎっ放しというわけにもいかず,部屋の中での生活を送らせています。
その一方で,心ない飼い主による虐待や,動物に対する知識不足から,悲惨な状況に追い込まれる犬や猫も多いと聞きます。そういった犬や猫が収容され,その多くが殺処分されており,広島市では,動物管理センターがその窓口になっています。
昨年度は,犬と猫合わせて引き取り数1,766頭中1,526頭,86.4%が殺処分となっています。昨年の厚生委員会の行政視察で,同様な業務を行っている熊本市動物愛護センターの施設の状況を見ました。
広島市のそれと比較して,大きな違いがあるのも実感いたしました。ことしの春から,政令指定都市になった熊本市では,昨年度は犬と猫合わせて,引き取り数831頭中36頭,4%が殺処分であったと聞いています。同じ動物愛護を担当する施設でありながら,この大きな差は,動物にとってもちろん,国際平和文化都市である広島市民にとってもふさわしい状況といえないのではないでしょうか。
動物管理センターで扱われる犬や猫の処遇については,平和都市にふさわしい,命を大切にする平和教育にもつながる問題ではないかと考えます。
熊本市では,ペット業者も構成員として加わっている動物愛護推進協議会が中心となって,動物の終生飼養,適正飼養などの啓発活動を実施するアニマルハートフル事業や,動物愛護を普及啓発する人と動物のふれあい活動事業などに取り組んで,成果を上げていると聞いています。
動物の健康を管理する獣医師はもちろん,犬のしつけや訓練,動物の見栄えをよくするためのトリミングを行う職員なども配置して,収容された動物の新たな飼い主を見つける努力をしているとのことでした。
そこでお伺いします。広島市における動物行政について,郊外のもっと広い場所に移転して,管理センターから愛護センターへ,平和都市広島にふさわしい命を大切にする動物愛護行政として取り組むべきではないでしょうか,お答えください。
以上で,私の質問は終わります。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○木山徳和 副議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 森本議員から,外国人観光客の誘致についての御質問がございましたので,基本的な考え方について,私のほうからお答えいたします。
私は,広島に来られる多くの外国人観光客の方々は,平和都市としての広島に魅力や意義を感じておられるというふうに思っております。そのことを念頭に置いて,こうした方々に被爆の実相に触れ,廃墟の中から復興した広島を実際に見ていただくことによって,広島の平和への思いを共有してもらうということが,重要ではないかと考えております。
また,そうした中,市政を推進するに当たりましては,地域経済の持続的発展ということも大きな宿題でありまして,そのためには,ヒト・モノ・カネの好循環を生み出すということも重要であります。
観光は,経済的効果が広範囲に及び,即効性も認められ,とりわけ外国人観光客には,国内観光客よりも一人当たりの高額の消費が期待できるといったことから,多くの外国人観光客に,広島にお越しいただければ,本市の経済の活性化にも寄与するというふうに考えております。
このように,外国人観光客の誘致に関しては,直ちにでも,この二つの効果を見据えることができる,そんな視点で取り組んでいます。
一方,我が国を訪れる外国人観光客は,昨年の東日本大震災等の影響を受けまして,大きく減少しましたけれども,この6月には,震災後初めて,平成22年同月比で,増加に転じるということで,回復の兆しも見え始めております。
こうした中,本市としては,ヒロシマという世界的知名度や,世界遺産などを生かして,国や県,近隣市町と連携しながら,広島の魅力を発信するプロモーション活動を行うことはもとより,観光資源の発掘,開発や,広島ならではのおもてなしを感じていただける受け入れ環境づくりにも,積極的に取り組んでいきたいというふうに思っています。
こうした取り組みによって,外国人観光客の倍増,これを目指して努力してまいりたいと考えております。
その他の御質問については,担当局長から御答弁申し上げます。
○木山徳和 副議長
企画総務局長。
◎竹内功
企画総務局長 市民意見の聴取に関して,審議会や委員会等の審議をインターネットで動画配信して,それに対する意見募集などをしてはどうかという点でございます。
市民意見の聴取については,市民の声の収受,それから市政車座談義の開催,審議会委員の市民公募などを通じて行っております。
また,市政の各分野における基本的な計画等の案を取りまとめる段階などにおいては,広報紙やホームページなどを通じて,市民意見を募集しています。
審議会や委員会は,市政を遂行するために必要な事項について,学識経験者や市民等の意見を聞くために設けているものであり,これら審議会等の審議状況を動画配信し,それについて,市民意見を募集することについては,審議会等の役割や性格から見て,基本的にはなじまないものと考えています。
それから,次に,市政車座談義について,回数をふやすなど,充実する考えはあるかという点でございます。市政車座談義は,市長と市民が自由闊達に議論し,市民の思いや願いを市政の推進に生かすことを目的として,まちづくりに取り組んでいる団体を対象に,区ごとに開催しています。
これまで六つの区で開催しましたが,車座談義でいただいた御意見については,市の施策や地域における新たな活動に結びつくなど,成果が上がっています。
また,参加団体のみならず,参加の選に漏れた団体からの意見についても,区役所や担当部局に伝え,施策に反映すべきものは反映するよう努めています。
さらに,今年度から区長が市民と直接対話をする,いわゆる車座談義の区版ともいうべき区長との懇談会を各区で充実,開催しており,市民と行政との双方向,参加型のコミュニケーションの充実に取り組んでいます。
車座談義の開催については,市長と参加団体との日程調整や,参加団体の募集・決定,それから,実りある議論にするための調整に時間を要することを考慮すれば,年4回の開催が適当と考えています。今後,年4回の開催の中で,これまで以上に充実かつ有益の議論ができるよう,例えば幾つかのテーマを設定した上で,参加の募集をするなど,開催方法について工夫してまいります。以上でございます。
○木山徳和 副議長
健康福祉局長。
◎糸山隆
健康福祉局長 数点,お答えをいたします。
まず,在宅介護の推進についての本市の取り組みについてです。本年2月に策定した広島市高齢者施策推進プランでは,「高齢者一人一人が,健康で,その能力を発揮し,生きがいを感じ,住み慣れた地域で安心して暮らせる高齢社会の形成」を基本理念として掲げ,高齢者が要支援,要介護状態になっても,住みなれた地域で,安心して暮らし続けることができるよう,介護,医療,生活支援等のサービスを一体的に提供する地域包括ケアを推進することにしています。
その中で,在宅の要介護者に対する支援の強化については,ショートステイやデイサービス等の居宅サービスの充実や,小規模多機能型居宅介護等の地域密着型サービスの整備を引き続き促進するとともに,本年度創設された定期巡回・随時対応型訪問介護看護や,小規模多機能型居宅介護に訪問看護を組み合わせた複合型サービスについて,年内に事業者を決定し,早期の事業開始を図ることにしています。
また,担当圏域の高齢者人口が8,000人を超えた地域包括支援センターの職員を,本年度から1名増員して,5人体制としたほか,配食サービスを10月から土日祝にも拡大するなど,地域生活の支援の拡充に努めています。
今後とも,介護サービスや生活支援サービスの充実等によりまして,援護を必要とする高齢者が,住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう,積極的に取り組んでまいります。
次に,受動喫煙防止条例の制定についてです。
本市では,喫煙者と非喫煙者がお互いの立場を理解,尊重し,全ての人が快適に過ごすことができる環境づくりを目指すとともに,不特定多数の人が利用する公共的な空間については,全面禁煙を目指し,市民を受動喫煙から守り,健康増進を図ることを目的として,広島市受動喫煙防止ガイドラインを作成し,これに基づき受動喫煙防止対策を推進しています。
現在,公共的施設における受動喫煙防止条例を制定しているのは,全国の地方自治体の中で,神奈川県と兵庫県の2県という状況であり,本市では,その効果や反響等について,情報収集を行っているところです。
また,国においては,受動喫煙から労働者を守るため,飲食店や宿泊施設等を含む職場を全面禁煙,または一定の基準を満たした喫煙室の設置による分煙とすることを,事業主に義務づける労働安全衛生法の改正案が,昨年12月に国会に提出をされましたが,現在,継続審議となっています。
本市としては,こうした先進事例の状況や,国の動向を見きわめながら,引き続き,条例化に関する調査研究をしていきたいと考えています。
次に,多くの人が集まる市中心部における民間事業者の喫煙スペース設置に対する補助等という御質問です。
本市の受動喫煙防止対策ガイドラインでは,多数の者が利用する公共的な空間については,全面禁煙を目指すことにしていますが,禁煙が極めて困難な場合は,喫煙場所を設置し,喫煙場所から非喫煙場所にたばこの煙が流れないようにする分煙措置を講ずるよう,施設管理者に求めています。
平成22年度に実施した市内の飲食店に対する調査結果では,受動喫煙防止対策を実施していない理由としては,喫煙室などを設けるスペースがないが47.4%と最も多く,次に,利用者から要望がないが28.9%,次に,受動喫煙防止は,喫煙者のマナーの問題である,利用者数,売上の減少が心配である,喫煙室などを設ける費用がない,の三つの回答が,いずれも21.9%という状況でした。
民間事業者への補助についてのお尋ねですが,健康増進法では,施設を管理する者は,これらを利用する者について,受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないと規定されております。
これを踏まえ,各施設管理者に必要な措置を講じていただけるよう,法の趣旨や分煙方法等の周知を行い,意識啓発を図っていきたいと考えております。
次に,障害者の就労支援の関係でのお尋ねがございました。障害者の,まず実雇用率についてです。障害者の実雇用率については,公共職業安定所が数値を算出しています。公共職業安定所の管轄区域は,本市域と一致していないため,広島市分の数値は把握できませんが,本市域の大部分をカバーする広島,広島東,可部の三つの公共職業安定所の合計で申し上げますと,平成23年6月1日現在の障害者の実雇用率は,1.6%と,現時点の法定雇用率1.8%には届いていません。
次に,民間企業等への働きかけについてです。
本市では,毎年12月3日から9日までの障害者週間にあわせ,障害者雇用の義務がある市内の民間企業等に対し,障害者雇用のお願い文を送付してします。また,障害者雇用支援月間である9月に,広島労働局,広島県等と共催で,障害者合同面接会を開催しています。昨年は9月30日に開催し,96社と502人の障害者が参加をしました。
その結果,70人の障害者が就職をしています。今年度は,9月27日に開催をする予定です。
さらに,平成21年度から,障害者就労支援事業を民間委託により開始し,現在は,4人のジョブ・ライフサポーターが,就労前の職場実習への同行支援,就労後の職場定着支援,金銭管理その他生活面での助言などを行うほか,民間企業を訪問し,障害者雇用に向けた働きかけなどを行っているところであり,引き続き力を入れていきたいと考えております。
最後に,動物管理センターについて,お尋ねがございます。
まず,命を大切にする動物愛護行政ということについてですが,動物管理センターでは,殺処分の減少を図るため,犬,猫の引き取り申し出の際,飼い主に飼えなくなった理由を詳しく聞き,終生飼養を促すなど,安易な引き取りをしないようにするとともに,やむを得ず引き取った犬・猫や,飼い主のいない犬・猫については,ボランティア団体等の協力を得ながら,譲渡や飼い主への返還をふやす努力をしています。
今後とも,関係団体との連携を強化しながら,譲渡制度の一層の周知を図るとともに,新たに動物管理センターによる譲渡会の開催を検討するなど,少しでも殺処分を減らせるよう,努力をしてまいります。
また,動物愛護思想の普及ということに関して,獣医師会や動物取扱業者と連携をして,動物愛護フェスティバル等のイベントを開催するほか,ホームページやチラシ等を活用し,市民に対し,その普及啓発に努めているところです。今後とも,さまざまな機会を捉え,動物愛護思想の一層の普及啓発に努めてまいります。
また,現在の動物管理センターの移転建てかえのお尋ねですが,現行施設について,狭隘で必要なしつけを行うスペースや,譲渡可能な犬・猫と市民が触れ合うことができるスペースが確保できないなどの課題があると認識をしています。
その移転建てかえについては,同施設が築後32年という建築年数等から,早期には難しい状況にありますが,こうした中での対応として,隣接する本市の既存施設の有効活用も視野に入れ,現施設の抱える課題の解消策を検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○木山徳和 副議長
経済観光局長。
◎谷本睦志
経済観光局長 外国人観光客数の全国との比較についてですけれども,日本政府観光局によりますと,東日本大震災の影響等を受け,平成23年中に,我が国を訪れた外国人観光客数は621万9000人で,平成22年の861万1000人と比較して,239万2000人,27.8%の減となっております。
一方,平成23年中に,広島市を訪れた外国人観光客数は27万7000人で,平成22年の33万9000と比較して,6万2000人,18.3%の減で,全国と比べれば,小幅の減少率となっております。
次に,外国人対応ができる街角観光案内所,店の拡大,スタッフの養成や外国人観光客の興味を引く観光モデルコースの設定などについての御質問でございます。
議員御指摘のとおり,外国人観光客の受け入れ環境の整備は重要であると認識しております。本市は,観光庁が実施する訪日外国人旅行者の受入環境整備事業に応募し,本年3月19日,戦略拠点に選定されました。
この事業は,訪日外国人旅行者が安心して,快適に移動,滞在,観光できる環境を提供することにより,訪日外国人旅行者の訪問を促進するとともに,その満足度を高め,リピーターの増加を図ることを目的としており,国が地方と連携しながら,戦略拠点に選定した地域の受け入れ環境整備を行うこととなっております。
これまで本市は観光ホームページにおいて,41のモデルコースを紹介しており,また観光客が必要とするさまざまな情報を,街中で手軽に入手できるひろしま街角観光案内所「トラベルパル」を119カ所認定し,今月13日に開設したところでございます。外国人観光客のさらなる増加を図るためには,このような事業について,外国人対応への取り組みを一層充実させていく必要があると考えております。
このため,先ほど申し上げました訪日外国人旅行者の受入環境整備事業の実施に当たりまして,国に対し,一つが地元関係者が連携し,地域観光資源を活用した体験型モデルコースの構築と,外国人をおもてなしできる人と店の育成,二つ目に,外国人観光客の対応ができる街角観光案内所の整備,ネットワーク化,これを提案し,6月12日に採択されまして,現在,国とともに取り組みを進めておるところでございます。
今後とも,外国人観光客に対しましても,広島ならではのおもてなしを感じていただけるような受け入れ環境の整備に取り組み,外国人の誘客促進に努めてまいります。
以上でございます。
○木山徳和 副議長
都市整備局長。
◎西岡誠治
都市整備局長 私からは,旧市民球場跡地の活用策を考える上で,外国人観光客の方々に興味を持って回遊してもらうための仕掛けづくりが必要なのではないかという御指摘についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり,旧市民球場跡地は,国内外から多数の来訪者がある平和記念公園に隣接しており,その活用策を検討するに当たっては,外国人観光客を含めた来訪者の回遊性の向上も考慮すべき大事な視点であると考えております。
跡地委員会での議論におきましても,外国人観光客の流入を図り,観光客にとっても楽しい場所にする必要があるといった,来訪者の回遊性を重視する御意見がありました。
また,昨日,山田議員の御質問にも御答弁いたしましたように,球場跡地を含む周辺地区の回遊性の向上については,関係各課で構成する庁内検討会議において検討を進めているところであり,議員御指摘の点にも十分配慮した上で,最終的には,球場跡地の活用策と一体的に取りまとめたいと考えております。
以上です。
○木山徳和 副議長 教育長。
◎尾形完治 教育長 学校給食残渣に関する御質問にお答え申し上げます。
学校給食残渣について,一般廃棄物の処分業の許可業者が,飼料などにリサイクルすることはできないか。その場合,障害者雇用を促進している事業者を競争入札の参加資格要件にするなど,といったことは考えられないかという御質問でございます。
現在,本市においては,一般廃棄物の食品リサイクルの処分業の許可業者がいないことから,学校給食残渣は可燃ごみとして焼却処分をいたしております。
したがいまして,学校給食残渣のリサイクルにつきましては,仮に許可業者がいる場合には,議員の御提案を踏まえ,競争入札の参加資格要件なども含めて,関係部局と協議し得る課題であると考えております。
以上でございます。
○木山徳和 副議長 森本健治議員。
◆8番(森本健治議員) 誠意ある回答,ありがとうございました。
これで質問を終わります。
○木山徳和 副議長 本日はこの程度にとどめ,明日引き続き一般質問を行います。
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次 会 の 開 議 通 知
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○木山徳和 副議長 この際,御通知を申し上げます。
明日は午前10時より議会の会議を開きます。
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散 会 宣 告
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○木山徳和 副議長 本日は,これをもって散会いたします。
午後2時42分散会
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議 長 種 清 和 夫
副議長 木 山 徳 和
署名者 森 畠 秀 治
署名者 田 尾 健 一...