広島市議会 > 2019-06-18 >
令和 元年第 2回 6月定例会-06月18日-02号

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  1. 広島市議会 2019-06-18
    令和 元年第 2回 6月定例会-06月18日-02号


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    最終取得日: 2022-12-05
    令和 元年第 2回 6月定例会-06月18日-02号令和 元年第 2回 6月定例会         令和元年  広島市議会定例会会議録(第2号)         第 2 回                  広島市議会議事日程                                 令和元年6月18日                                 午前10時15分開議                   日    程  第1 市長の施政方針に対する質疑及び一般質問 ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  職員の不祥事に関する市長の発言(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 市長の施政方針に対する質疑及び一般質問
     休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  市長の施政方針に対する質疑及び一般質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  岡 村 和 明            2番  川 本 和 弘    3番  田 中   勝            4番  並 川 雄 一    5番  川 村 真 治            6番  石 田 祥 子    7番  川 口 茂 博            8番  水 野   考    9番  平 岡 優 一            10番  椋 木 太 一    11番  吉 瀬 康 平            12番  山 本 昌 宏    13番  山 内 正 晃            14番  碓 氷 芳 雄    15番  海 徳 裕 志            16番  木 戸 経 康    17番  山 路 英 男            18番  森 畠 秀 治    19番  石 橋 竜 史            20番  平 野 太 祐    21番  定 野 和 広            22番  伊 藤 昭 善    23番  桑 田 恭 子            24番  近 松 里 子    25番  大 野 耕 平            26番  西 田   浩    27番  渡 辺 好 造            28番  豊 島 岩 白    29番  宮 崎 誠 克            30番  八 條 範 彦    31番  母 谷 龍 典            32番  三 宅 正 明    33番  八 軒 幹 夫            34番  馬 庭 恭 子    35番  竹 田 康 律            36番  藤 井 敏 子    37番  中 原 洋 美            38番  太 田 憲 二    39番  若 林 新 三            40番  今 田 良 治    41番  佐々木 壽 吉            42番  元 田 賢 治    43番  谷 口   修            44番  永 田 雅 紀    45番  金 子 和 彦            46番  木 山 徳 和    47番  沖 宗 正 明            48番  中 森 辰 一    49番  碓 井 法 明            50番  山 田 春 男    51番  中 本   弘            52番  児 玉 光 禎    54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名    53番  木 島   丘 ───────────────────────────────────────          職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    重 元 昭 則       事務局次長   石 田 芳 文  議事課長    小 田 和 生       議事課課長補佐主任事務取扱                                吉 川 和 幸  議事課主幹   沖 原 義 文       外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     谷   史 郎  副市長     岡 村 清 治       危機管理担当局長行 廣 真 明  企画総務局長  及 川   享       財政局長    手 島 信 行  市民局長    政 氏 昭 夫       健康福祉局長  古 川 智 之  健康福祉局保健医療担当局長         こども未来局長 松 井 勝 憲          阪 谷 幸 春  環境局長    和 田 厚 志       経済観光局長  日 高   洋  都市整備局長  中 村   純       都市整備局指導担当局長                                胡麻田 泰 江  道路交通局長  加 藤 浩 明       下水道局長   倉 本 喜 文  会計管理者   長   敏 伸       消防局長    斉 藤   浩  水道局長    友 広 整 二       監査事務局長  岩 崎   学  財政課長    沖 村 慶 司       教育長     糸 山   隆  選挙管理委員会事務局長           人事委員会事務局長          橋 場 聡 子               柴 田 吉 男 ───────────────────────────────────────                午前10時16分開議                出席議員  52名                欠席議員  2名 ○山田春男 議長       出席議員52名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       本日の会議録署名者として               9番 平 岡 優 一 議員               35番 竹 田 康 律 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────             職員の不祥事に関する市長の発言 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       この際,市長より職員の不祥事について発言の申し出がありますので,これを許します。  市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       お許しをいただきましたので,職員の飲酒運転について申し述べさせていただきます。  本市経済観光局食肉市場職員が,6月15日午前1時半ごろ,酒気帯び運転で,現行犯逮捕されました。全庁挙げて飲酒運転の根絶に全力で取り組んでいる中で,本市職員が,このような事件を起こしたことについて,私自身大変大きな衝撃を受けております。今回の事件は,市民の市政に対する信頼を著しく損なうものであり,市民の皆様,議員各位に深くおわび申し上げます。今後,事実関係を把握の上,厳正に対処するとともに,本市職員の服務規律の確保を一層徹底してまいります。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 市長の施政方針に対する質疑及び一般質問 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       日程第1,市長の施政方針に対する質疑及び一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  16番木戸経康議員。                〔16番木戸経康議員登壇〕(拍手) ◆16番(木戸経康議員) 皆さん,おはようございます。  自由民主党・市民クラブの木戸経康でございます。令和になりまして最初のトップバッターで一般質問をさせていただきます。今期もひとつよろしくお願いを申し上げます。会派を代表いたしまして一般質問をさせていただきますので,御清聴のほど,よろしくお願いを申し上げます。
     昨年7月の豪雨による災害発生から,はや1年近くが過ぎようとしております。改めて,このたびの災害でお亡くなりになられた方々に御冥福をお祈りいたしますとともに,被災された皆様方に対し,お見舞いを申し上げます。  まずは,昨年7月の豪雨災害を振り返ってみたいと思います。梅雨前線と台風7号の影響により,7月5日から7日にかけて,西日本を中心に全国的に広範囲で記録的な豪雨となりました。県内で400ミリ以上の総雨量を記録した地域では,土砂災害により家屋等に甚大な被害をもたらし,私の地元である安佐北区でも,口田南三丁目や五丁目で大規模な土石流が発生し,まことに残念ながらお亡くなりになられた方が多数いらっしゃいます。  また,土石流により相当数の家屋が押し流され,甚大な被害を受けました。被災地の本格的な復旧はこれからでございますが,地元の皆様が安心して暮らせるまちの実現には時間を要するものと考えております。  こうした中,下水道局におかれましては,民有地内に流れ込んだ土砂や瓦れきの撤去,さらには家屋の解体撤去について,災害発生時から迅速に対応していただき,現在,安佐北区でほぼ土砂等の撤去が完了し,また9割近くの家屋の解体撤去も完了したと聞いており,その御尽力に感謝を申し上げるところです。  それでは,質問に入ります。  昨年の12月議会でも取り上げましたが,昨年7月の豪雨で落橋した三篠川にかかる鳥声橋と,これに添架していた水道管の復旧についてです。  初めに,鳥声橋の落橋に伴い流出した水道管についてお尋ねをいたします。  この管は白木町に送水する唯一の水道管であったことから,被災による影響で白木町の全域が断水となりました。水道局では緊急措置として,下流にかかる新鳥声橋を経由する迂回ルートに仮設の水道管を布設して,断水を解消されたところでございます。現在,本復旧に向けた準備をされていると思いますが,本復旧までの間,この仮設の水道管は新鳥声橋の歩道脇に露出した状態であり,歩道幅も若干狭くなっていることから,できるだけ早期の本復旧を望んでおります。  そこで,お尋ねをいたします。仮設水道管の本復旧の見込みについてお聞かせをください。  また,鳥声橋は主要地方道広島三次線と並行する生活道路の一部であり,朝夕の通勤時間帯には多くの車が利用されていることから,通行できない間,地元は不便を強いられております。鳥声橋は,8径間の橋梁のうち右岸側の3基の橋脚が洗掘され,沈下したことにより,4径間分の橋桁が落橋いたしました。この復旧に当たっては,落橋を免れた左岸側の4径間は健全な状態であったためそのまま使用し,復旧する右岸側の4径間は橋脚の本数を減らすなどの改良復旧を行うと聞いております。橋の復旧には時間を要することは承知しておりますが,地元の関心は高く,工事の進捗を確認しておく必要があります。  そこで,お尋ねをいたします。現時点における鳥声橋の復旧見込みについてお聞かせください。  次に,土砂災害警戒区域等についてお尋ねいたします。  イエローゾーンと言われている土砂災害警戒区域は土砂災害のおそれがある区域で,レッドゾーンと言われている特別警戒区域は建物が壊れ,住民に大きな被害が出るおそれがある区域であり,いずれも県において指定されているものです。平成26年8月の土砂災害に対し,国や県において砂防堰堤を整備していただいており,こうした堰堤が整備された後,県においては順次レッドゾーンの解除が行われておりますが,イエローゾーンについてはそのまま残っております。  また,昨年の土砂災害に対しても,国や県において砂防堰堤の整備に向け,現在,用地買収や工事契約が行われ,一部は着工していると聞いております。これらの堰堤が整備されると,レッドゾーンが解除されることにはなりますが,イエローゾーンの解除は困難だと聞いております。  そこで,お尋ねをいたします。砂防堰堤が整備されればレッドゾーンは解除できるのに,なぜイエローゾーンの解除は困難なのかをお聞かせください。  次に,砂防堰堤の見学についてお尋ねをいたします。  平成26年8月の豪雨災害の対策として,これまで国や県において砂防堰堤の整備を積極的に進めてこられました。この砂防堰堤は,住民の生命・財産を守る重要な施設であることから,地域住民を初めとして非常に関心が高く,間近で施設見学をしたいとの声を多くいただいております。しかし,実際のところ,砂防堰堤は常に安全が確保されている場所では必ずしもないため,砂防堰堤につながる管理用道路を含め,一般公開することは困難だと伺っております。これに対して国や県では,ホームページ等を通じて砂防堰堤の見学会の開催を広報していることはよい取り組みではございますが,市民には十分な周知が得られていないと考えております。このため,市としても防災・減災に向けた取り組みの一環として,国や県と連携し,砂防堰堤の見学会の周知を一層図る広報活動に積極的に関与すべきと考えますが,市の見解をお伺いいたします。  次に,ため池対策についてお尋ねいたします。  昨年7月の豪雨で,広島県内では48カ所ものため池が決壊し,福山では流れ出た濁流で女児1人が亡くなりました。本市では決壊にまで至ったため池はなかったとのことですが,上流での土砂崩れによりため池が埋まるといった被害が発生しており,ことしも梅雨を間近に控え,ため池の付近の住人は同様な災害が起こらないかと不安に感じております。  こうした中,広島県において,決壊した場合の危険性を発信することを目的としたため池マップが作成され,3月に県のホームページで公表されたことや,農業に使わない県内約5,000カ所のため池を廃止する方針を固めたなどといった報道があるなど,ため池に関して行政としての新たな取り組みが動き始めたようです。  そこでお尋ねをいたします。ため池の防災対策について,今後,市としてどのように取り組んでいくように考えているのかお聞かせください。  最後に,昨年の災害で安佐北区において河川が被災し,護岸とともに複数の個人所有の橋が流されました。その方々にとっては,流された橋は宅地に入るための出入り口であることから,いまだに不便を強いられておられます。  そこで,一日でも早く護岸の復旧をお願いするとともに,出入り口の早期回復につながるような整備ができないものかという思いがあることを申し添えておきます。  次に,高陽地区へのスマートインターチェンジの設置についてお尋ねをいたします。  昨年の7月豪雨災害では,国道2号線や31号線を初め多くの幹線道路が被災し,その応急復旧に相当の時間を要する中で,高速道路においてはいち早く復旧され,被災した幹線道路にかわって緊急物資の輸送などに大きく貢献されました。高陽地区においても県道広島三次線が被災し,交通が混乱しましたが,この県道広島三次線が通行どめとされた場合でも,高速道路を経由することによって地区外からの救援活動や物資の輸送などが可能となります。  高陽ニュータウンは高陽地区の中心に位置し,昭和50年8月に販売開始された広島県内最大郊外住宅団地であり,高度経済成長期以降,この地域に多くの人が入居され,平成2年,1990年には入居者数がピークで2万1507人と,とてもにぎわいのある地域でした。しかしながら,この団地は入居当初は子育て世代が中心でございましたが,45年近くたった現在では高齢化が進み,子供たちは独立して地域外へ転出し,高齢者世帯の比率が高い住宅団地へと変容しております。高齢者のみでは今後ますます住宅団地の活性化を図ることは困難であり,いかに若年世帯を呼び込むことができるか,それが課題となっております。  人口規模も減少し始め,平成31年現在で1万4464人の居住者数となっております。また,仕事先は男女ともに地区外への通勤者が少なくありません。私が大きく期待を寄せているのが,高陽地区の交通利便性が大きく高まることで若者や新たな事業所などの呼び込みにつながり,就業先が地元で通勤時間を気にせず,子育て世代が安心して住み続けられ,住宅団地が抱えている空き家対策や高齢化対策といった問題の解消など,地域の活性化に大きく貢献するのではないかということでございます。  また,高陽地区には広島市防災センターや広島県消防学校など防災拠点となり得る施設が立地しており,スマートインターチェンジがあればこうした施設と高速道路とのネットワークが強化され,被災地へのアクセスが容易になることなど,施設をより有効に活用できると思います。  これだけでもインターチェンジを設置する意味は十分にあると思いますが,これに加えて,高速道路経由のアクセスが可能になることで交通が分散され,県道広島三次線の渋滞緩和にもつながるのではないでしょうか。  高陽地区においては,以前より中筋温品線の早期完成などを要望しておりますが,スマートインターチェンジであれば高陽地区だけではなく,市域や周辺地域全体における安全性や防災性の向上をより早期に図れるのではないでしょうか。これまでもこうした考えを市当局に訴えて,市においてはスマートインターチェンジ設置実現可能性について検討を進められていると聞いておりますが,現在どのような検討状況となっているのでしょうか。また,今後どのように進めていこうとしているのかをお聞かせください。  また,先ほど申しました中筋温品線についてでございますが,現在事業中である1工区が完成すれば,広島インターチェンジへのアクセス改善のみならず,交通ネットワークの強化に資するものと考えられます。中筋側の用地買収工事も進んでいると伺っておりますので,早期に太田川への架橋を進めて,全線完成にめどをつけていただきたいと考えております。  そこでお尋ねをいたします。中筋温品線1工区は,現在どのような進捗状況でございますか。また,橋梁整備の今後の見通しについてお聞かせください。  次に,広島高速5号線についてお尋ねをいたします。  先ほど申し上げましたとおり,私は地元の高陽地区へのスマートインターチェンジの設置を求めていますが,それは高速道路ネットワークへのアクセスがよくなると市民生活はより便利になると思っているからでございます。現在進められている高速5号線についても,山陽自動車道と陸の玄関である広島駅をダイレクトに結ぶ路線であり,私自身大変便利になると思っておりますし,我が会派といたしましても,本市の都市活力の向上に大きな役割を担う道路として,早期の完成を期待しているところでございます。  しかしながら,現状はその期待に反する事態が続いていると言わざるを得ません。すなわち,シールドトンネル工事の契約内容をめぐっての公社とJVの間の認識の違いがあることから,その原因の分析及び再発を防止するための第三者委員会を設置したという報道が昨年11月になされたと思っていたら,12月にはシールドマシンが損傷し,ことしの5月まで工事ができなくなるなど事業の着実な進展を妨げるようなことが発生しております。  そのような中で,ことし3月に第三者委員会から公社に対し,調査結果の報告がありました。報告書では,トンネル外壁となるRCセグメント等に要する工事費用を契約変更により増額する旨の合意があったとまでは認められないものの,工事の契約金額にはこれらの費用が含まれていなかったと解さざるを得ない。また,JVがこれらの工事費用が契約変更により増額されるとの認識ないし期待をして入札に応じ,契約を締結したことを当時の公社は認識していたと認められるため,契約金額の見直しを協議することは相当の理由があるとしています。  私としては,この委員会報告を踏まえ,両者がしっかりと協議し,一刻も早く解決が図られるべきだと考えていますが,協議開始を公表してから7カ月余りがたちますが,いまだに工事費が合意に至ったとの報告はありません。  そこでお伺いしますが,現在,この公社とJVの協議についてはどのような状況なのでしょうか。また,なぜ協議が進まないのかお聞かせください。  また,シールドマシンカッターの損傷については,学識経験者で構成する施工管理委員会での審議結果を踏まえて新たな対応を行い,掘削を再開していますが,掘削が5カ月間とまっていたことで予定している令和2年度,2020年度の完成が危ぶまれるのではないかと心配になります。完成時期についてはどうなるのでしょうか。また,仮に完成がおくれることになる場合はどのような手続が必要になるのかをお答えください。  仮に完成がおくれるとなると,一般的には工事費は増額になると考えられます。今回の事態はおくれたことに伴う工事費の増額に加えて,公社とJVの間での協議によって高速5号線の完成に必要な費用の増額も想定されるところでございます。この場合,公社が当然負担することになると考えますが,この増額費用の資金手当てについてはどうお考えなのか,お尋ねいたします。  増額費用は本来の有料道路建設費であり,実質的に市の負担を伴わない通行料金で賄われるものであると考えますが,事業の採算性はどのようになるのでしょうか,お答えください。  ところで,事業の採算性を確保しながら進める必要がある高速5号線でございますが,呉方面とのつながりをよくすることでさらなる採算性の向上を図ることは考えられないでしょうか。  最近の新聞報道等で,呉市はいろいろとまちの活性化策を打ち出しており,広島呉道路の全線4車線化も目指しているということを知りました。この広島呉道路が4車線化され,直接接続する高速2号線と高速5号線をつなげば,呉から広島駅周辺地区へのアクセスが大幅に改善されるのではないでしょうか。広島広域都市圏の活性化を図る上で呉方面とのアクセスの改善は極めて重要であるとともに,山陽自動車道が被災し通行どめとなった際の東広島・安芸バイパスと都心を結ぶ代替路が確保できるなど,高速5号線をより有効に機能させていくことになると考えます。  そこで,この高速5号線と高速2号線をつなぐことについて,市はどのように考えているのかお聞かせください。  最後に,平和記念式典の挙行に適した環境の確保についてお尋ねをいたします。  広島市では毎年8月6日に,原爆死没者の霊を慰めるとともに世界恒久平和の実現を祈念することを目的として,平和記念式典を挙行しております。平和記念式典は,原爆投下の翌年の平和復興祭及び翌々年の平和祭を原形として,以来挙行されており,被爆者,遺族,市民を初め,内閣総理大臣,衆参両院議長,国連関係者,各国外交官など国内外から約5万人が参列し,その状況はテレビ中継され,またインターネットで配信されているほか,海外でも8月6日は世界各地において原爆犠牲者追悼祈念行事が行われているなど,極めて公共性の高い平和行事です。  その式典で行われている子供たちによる平和への誓いは,市内の小学6年生から平和についての作文を募集し,こどもピースサミットで子供たちが一生懸命考えてまとめたものでございます。子供たちの宣言に対し,全国から集まった児童生徒が耳を傾けており,また,市内の各学校でも平和学習として視聴されております。  しかしながら,この平和への誓いの最中も,デモ団体による拡声機の音が聞こえてくる状況です。私は,少年補導協助員などとして日ごろから各学校で授業の見守りやパトロール,挨拶運動などの活動を行っておりますが,子供の健全育成に取り組む者として,その平和への誓いがこうしたことで台なしになることは非常に残念なことであると感じております。デモ団体の主張,表現の自由については,それを保障することが大切であることは十分承知はしておりますが,そのことによって失われる利益,すなわち式典にあっては次世代に平和のバトンをつなぐ貴重な平和教育の場という公共性を害することもありますので,このような状況について市はどのように考えているのかお聞かせください。  昨年9月議会における一般質問で,我が会派の宮崎議員から,被爆者を初めとする市民に式典の現状をどう考えているのかアンケートで聞いてみてはどうかとの提案がされました。それを受け,市では昨年12月,無作為抽出した18歳以上の市民3,000人を対象にアンケートを実施したとのことです。まずは,その結果がどうなったのか,概要をお聞かせください。  多くの市民も,今の式典の状況は騒がしくて祈りどころではないと感じているのではないでしょうか。式典の挙行に適した環境を確保するという視点に立てば,アンケート調査で多くの人が現状をうるさいと感じているとすれば,重く受けとめる必要があると思います。ことしの式典の参加者にも,ぜひともアンケートを行うべきではないでしょうか。その上で,私は有効な手段としては,もはや条例を制定し,規制することしかないのではないかと思いますが,市の考えをお聞かせください。  また,条例化を考えるとすれば,どの音量まで規制するかが重要であるので,拡声機の音量の計測も十分に行ってほしいと思います。ぜひとも平和記念式典の挙行に適した環境で子供たちが参列できるよう,対応をよろしくお願いをいたします。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       木戸議員からの御質問にお答えします。  平和記念式典の挙行に適した環境の確保についての御質問がございました。  毎年8月6日に平和記念公園で挙行してきている平和記念式典が目的とするところは,原爆死没者の霊を慰め,世界恒久平和の実現を祈念することにあります。その式典には,毎年被爆者,遺族を初め,国内外の政府・自治体関係者など多くの方の参列をいただいており,その内容はテレビ,インターネット等を通じて世界中に発信されています。また,式典には全国から多くの子供たちが参列し,子供たち自身による平和の決意である平和への誓いが宣言され,それを多くの子供たちがテレビ等を通じて視聴しており,広島の心を次世代を担う若い世代に受け継いでいくための式典ともなっております。  こうした式典の最中に,拡声機から,参列される被爆者,遺族を初めとする市民がうるさいと感じるような音が聞こえてくる状況は,多くの参列者の心情を害するだけでなく,式典の目的を達成するという公共の福祉をも損ないかねないのではないかとの問題意識を持っております。  そこで,昨年9月議会での宮崎議員からの御指摘を踏まえ,この現状を市民がどのように受けとめているかについて調査を行いました。その概要を申し上げますと,過去5年間に式典に参列したりテレビなどを見たりしたことがある人の約69%は,実効性のある方策として条例を定めて規制すべきとの回答がなされております。こういったことを踏まえ,今後,ことしと来年の式典の2段階に分けて対応を進めていきたいと考えております。  まず,ことしの式典については,会場の周辺に注意喚起の横断幕を掲出するなどこれまで行ってきた方策とともに,デモ行進を行う団体等に対し,式典の挙行中は拡声機の音量を下げてもらうよう,改めて文書で要請することにいたします。これらの対応にあわせて,式典の挙行中の拡声機の音量に関し,式典参列者へのアンケート調査を実施するとともに,式典会場での拡声機の音量の状況を計測したいと思っております。そして,被爆75周年に当たる来年の式典については,こうしたことしの式典に係る一連の対応状況とともに,議会における議論等も踏まえ,条例の制定も視野に入れつつ,実効性のある方策を検討していきたいと考えております。  なお,条例を検討するに当たりましては,公共の福祉と表現の自由との関係について,国の静穏保持法── 具体的には国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律や,県の暴騒音規制条例── 具体的には拡声機による暴騒音の規制に関する条例など,これまでの立法例も参考としつつ,規制の時間や場所及び音量の制限などの内容のあり方について,専門家の意見も伺っていく必要があると考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       経済観光局長。 ◎日高洋 経済観光局長    平成30年7月豪雨災害についてのうち,ため池の防災対策について,今後,市としてどのように取り組んでいくように考えているのかという御質問にお答えをいたします。  農業用ため池の防災対策については,昨年7月の豪雨災害を受け,同年11月,国において平成30年7月豪雨災害等を踏まえた今後のため池対策の進め方が公表され,これを踏まえて,本年3月に広島県がため池の整備・廃止・管理等に関する方針を定めており,本市を含む県内市町のため池対策はこの方針に基づいて行うことになります。  本市としては,この方針を踏まえ,広島県との連携・役割分担のもと,民有のため池を中心に,迅速な避難行動につなげる対策,ため池機能の維持・補強のための対策,ため池機能の廃止対策の三つの対策を行うことにしております。その中で早急に取りかかる対策として,まず適正な維持管理ができるよう管理者等のデータを再整理するとともに,梅雨前に管理者へ適切な維持管理等を促す通知をこれまでと同様に行います。今年度の管理者への通知は5月末に行っております。また,決壊した場合に人的被害を与えるおそれがある防災重点ため池については,ハザードマップを作成・公表することとし,今年度は9カ所のため池について実施いたします。さらに,農業用水として利用しなくなったため池については,所有者等と協議しながら廃止を進めることとし,今年度は県が施行予定の5カ所のため池の廃止について,所有者等の把握と廃止の同意取得に取り組みます。  補強に係る対策は特に時間を要しますが,今後,防災重点ため池の点検を管理者に促し,点検の結果,措置が必要なものについては,県や所有者等と調整を図りながら計画的にその対策を進めてまいります。  また,本年4月に公布された農業用ため池の管理及び保全に関する法律が7月に施行される予定ですが,この法律により,所有者等にはため池の位置や名称等を広島県に届け出ることや適正な管理に努めるといった義務が課されます。このため,本市は所有者等に対してこの法律の内容を周知するとともに,法施行後に示される国からの通知を受けて,本市が担うべき事務を着実に進めてまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   平成30年7月豪雨災害についての御質問のうち,鳥声橋の復旧見込みについてお答えいたします。  鳥声橋の復旧については,本年5月末までに落橋した橋桁や沈下した橋脚の撤去を完了しており,現在,橋脚2基と橋台1基から成る全ての下部工事について,渇水期が始まる本年10月下旬から工事に着手できるよう準備を進めているところです。また,上部工については,来年秋ごろに架設工事に着手できるよう準備を進めることとしており,来年度末には復旧工事を完成させる予定です。  以上でございます。 ○山田春男 議長       下水道局長。 ◎倉本喜文 下水道局長    平成30年7月豪雨災害についてのうち,2点の御質問にお答えいたします。  まず,砂防堰堤が整備されればレッドゾーンは解除できるのに,なぜイエローゾーンの解除は困難なのかとのお尋ねです。  イエローゾーン及びレッドゾーンの指定及び解除について,所管する広島県に確認したところ,土砂災害警戒区域── いわゆるイエローゾーンは,土石流により住民の生命または身体に危害が生じるおそれがあると認められる区域とされており,また,土砂災害特別警戒区域── いわゆるレッドゾーンは,イエローゾーンのうち土石流により建築物に損壊が生じることによって,住民の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがあると認められる区域とされております。  上流部の渓流で砂防堰堤等が整備され,建築物の損壊が生じる危険性がなくなったと判断される区域については,レッドゾーンとしての指定は速やかに解除されますが,イエローゾーンとしての指定は残ることになります。イエローゾーンの指定の解除については,上流部の渓流で砂防堰堤等が整備され,下流部の土地の勾配を2度未満とするような大規模な土地造成が行われた場合には解除できることとされていますが,地権者等が負担する事業費も多額となることから,県内においてそのような事例はなく,イエローゾーンが解除されたことはないという状況にあります。  次に,砂防堰堤の見学についてです。  砂防堰堤の現場見学会は,実物の砂防堰堤を見ることで市民の皆様の平時の危機意識や防災意識の醸成につながるものです。本市としては,これまで自主防災組織等からの要請があれば,国・県が実施する現場見学会を随時紹介してきました。今後は,こうした対応だけでなく,広報紙「ひろしま市民と市政」やホームページ等も活用しながら,国・県が実施する現場見学会について連携して周知に努めていきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       水道局長。 ◎友広整二 水道局長     平成30年7月豪雨災害についての御質問のうち,新鳥声橋の仮設水道管の本復旧の見込みについてお答えします。  新鳥声橋の仮設の水道管につきましては,応急措置のため歩道脇の欄干に沿って設置しており,また歩行者等への安全対策として歩道上にカラーコーンを設置していることから,歩道幅が若干狭くなっています。  本復旧につきましては,新鳥声橋の橋桁に水道管を添架することとし,現在,関係機関と協議を行っており,今年度中に工事を完了し,仮設の水道管を撤去する見込みです。  以上でございます。 ○山田春男 議長       道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   高陽地区へのスマートインターチェンジの設置等について,2点の御質問がございました。  まず,現在どのような検討状況となっているのか,また,今後どのように進めていこうとしているのかについてお答えいたします。  高陽地区へのスマートインターチェンジの設置については,高陽地区から山陽自動車道までのアクセス時間が短縮されるほか,地区内にある防災施設と山陽自動車道とのネットワークが強化されることで災害時の消防援助活動や救援物資の輸送の円滑化による防災機能の向上などが期待されます。こうしたことから,本市ではインターチェンジ設置の実現可能性を見きわめるため,国やNEXCO西日本などの関係機関の意見を聞きながら,インターチェンジやアクセス道路の構造,利用交通量の推計などの検討を行うとともに,周辺地域への波及効果などについて検討を進めています。  これまでの検討では,高速道路本線へ直結するインターチェンジ施設を新たに整備する必要があるため広範囲の用地取得を伴う大規模な工事となることや,インターチェンジを利用する車両が住宅団地内を通過することによる地域への影響といった課題があります。  今後は,引き続きこうした課題に対する検討を進めるとともに,現在,高陽地区において太田川を渡る中筋温品線の整備や広島三次線の渋滞対策などを進めていることを踏まえ,これらの継続事業の中でインターチェンジ整備をどのように組み込むかということについて,高陽のまちづくり提言に関する議論や地域住民の意見もお聞きしながら,さらに検討を深めていくこととしています。  次に,中筋温品線1工区の進捗状況と橋梁整備の今後の見通しについてです。  都市計画道路中筋温品線の1工区については,平成12年度に事業認可を受け,総事業費166億円で事業を進めているところです。平成30年度末時点の進捗状況は,面積ベースで約7割の用地取得が完了し,まとまった範囲の用地取得が完了した祇園新道から東へ約300メートルの区間において,2車線の暫定供用を行っているところです。  引き続き用地取得や道路整備を進めるとともに,橋梁部については来年度から詳細設計に着手できるよう取り組んでまいります。  広島高速5号線について,4点の御質問がございました。  まず,公社とJVの工事費に係る協議の状況についてお答えいたします。  契約当事者である公社では,第三者委員会の調査結果を踏まえ,JVと協議を行っていますが,現時点で合意に至ったとの報告は受けておりません。  本件シールドトンネル工事に係る増額協議については,当初契約時における認識の差を残しながら進められているという状況のもと,特殊な工事で標準的な設計単価や施工歩掛かりがないこと,専門業者の見積もりによらなければ金額が定められない部分が多いことなど,一般的な土木工事と比べ積算が難しいことから時間を要していると聞いています。  次に,高速5号線の完成時期とおくれることになった場合の手続についてです。
     公社は,5月8日にシールドトンネル工事の掘削を再開したものの,5カ月の中断期間を取り戻すことは難しい状況としており,掘削再開後の状況を踏まえながら今後の工程を検討していると聞いています。  現在の整備計画では完成予定年度を令和2年度としていることから,仮に完成がおくれることになる場合にはこの完成予定年度を変更する必要があり,その際には県市の議会にお諮りした上で公社が国に変更申請を行うことになります。  次に,増額費用と事業採算性についてです。  公社はもともと,広島高速道路ネットワークを整備するために設立した組織であり,高速5号線の完成に必要となる費用も当然有料道路建設費として公社が負担することになります。増額費用の手当てについては,公社とJVの協議結果を受け,県とともに公社とその対応を協議していくことになりますが,事業の採算性については建設費を通行料金で賄う有料道路事業の枠組みの中で処理することについて,最新の計画交通量や金利等の社会経済情勢を反映させて検討を実施していくことになると考えています。  最後に,高速5号線と高速2号線の連絡路についてです。  高速5号線と2号線の連絡路については,平成17年度の整備計画変更の際に広島高速道路ネットワークの整備をまず優先することとし,その整備を先送りしたという経緯があるものですが,議員御指摘のとおり,東広島や呉方面と広島駅周辺地区とのアクセス強化や道路ネットワーク機能の多様性・弾力性などの向上,さらには災害時のリダンダンシーの確保等,高速5号線の整備効果が一層高まるものであると考えています。  広島高速道路ネットワークの整備完了の見通しが立つようになった現在,広島呉道路の4車線化の決定や東広島・安芸バイパスの整備進展などを考慮の上で,高速5号線完成後の事業展開をにらむべき状況になっていると考えられることから,今後その整備について採算性や費用対効果等も含め検討を行っていきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       16番木戸議員。 ◆16番(木戸経康議員) 御丁寧なお答えをありがとうございました。  いろいろな質問をさせていただきましたが,本当に大切なことばかりでございます。今後ともひとつよろしくお願いいたします。終わります。 ○山田春男 議長       次に,19番石橋竜史議員。                〔19番石橋竜史議員登壇〕(拍手) ◆19番(石橋竜史議員) 皆様,おはようございます。  自民党・保守クラブの石橋竜史です。これより,会派を代表して,施政方針に対する質疑並びに一般質問をさせていただきます。  初めに,このたび市長が表明された施政方針,その結びでは,これから50年,100年先を見据え,あらゆる分野で質的向上を図り,将来に向けて持続的に発展する広島のまちづくりに果敢にチャレンジすると述べられました。仰せのとおり,我々は過去の歴史から学び,また現在の社会情勢を精緻に分析しては,かつ擁する知見を最大限に生かしながら,不確かなる50年,100年先の未来を見据えた上で今後も的確なる政策を打ち出し,現世の人々のみならず将来世代までも豊かなる幸福感を享受できる広島市を創出していかなければなりません。  さらに,施政方針の中では,持続的な発展との文言が幾度も用いられては,全体最適を追求するという発想に立つと述べられているとおり,今現在,まちづくりに携わる我々が刹那の部分最適にとらわれてはならず,財政面でも中期財政収支見通しにとどめることなく,子や孫の世代まで続くロードマップを描いては,依存財源の多寡に左右されにくい最大限の自立都市を目指す必要もあります。  また,導入部分での200万人広島都市圏構想の提唱につき,圏域全体での持続的な発展にもあるとおり,例えば半世紀といわず,これより20年後の2040年あたりに目を向けてみても,広域都市圏で結ばれている各都市の推計人口は,竹原市が現行よりおよそ40%減,江田島市がおよそ49%減,安芸太田町ではおよそ56%の人口減が見込まれるなど,今後は公助への共助がより顕在化してくると思われますが,事実として,これからの未来は過去からの延長にはあらず,揺るぎないまちづくりの矜持が,今,我々に問われています。  そこで,本市の発展や成熟は広域の周辺都市にも好影響を届けることは言うに及ばず,このような本市が担う重責を前向きに捉えながら,これより施政方針の冒頭から順を追って伺ってまいります。  まず,活力とにぎわいのあるまちの部分において,市長は広島の都心については全ての関係者が一丸となった大改造を,また楕円形の都心づくりを一層強力に進め,西の核である紙屋町・八丁堀地区では中央公園を含めた地区全体のあるべき姿の共有を述べられました。  改めてこの西の核である本市の都心部を顧みると,まず南側には74年前に原爆を投下されて後,今日まで被爆の実相を世に語り続けては世界の恒久平和を希求する原爆ドームを初めとした平和記念公園が存在し,そこから北側へ各文化施設が配置されながらサッカースタジアムの建設予定地でもある中央公園広場へと続き,その隣にはこのたび新たに観光施設として魅力の向上が図られる広島城が存在するなど,こうしたロケーションの意義を鑑みても,唯一無二と呼べる本市の都心部へてこ入れが図られることは,本市が世界へ向けて,また全人類へ向けたメッセージにつながるかと存じます。  ここへ付言をすれば,戦後初めて世界へ発信された昭和22年の平和宣言では,この地上より戦争の恐怖と罪悪とを抹殺して真実の平和を確立しよう,永遠に戦争を放棄して世界平和の理想を地上に建設しようと結ばれており,重ねて,昭和24年に制定された平和記念都市建設法,その第1条には,この法律は,恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として,広島市を平和記念都市として建設することを目的とするとありました。ここにあえて飛躍した表現を用いれば,西洋の教会や建築物の装飾には時に彩りあふれるステンドグラスを見ることもできますが,このステンドグラスにはその地域の歴史や物語が描かれ,後世に語り継がれるモニュメントの役割を果たしているものも少なくないと同様に,つまりは西の核と位置づけられる都心部のまちづくりは,一つの地方都市が行う単なる整備事業とは趣を画し,また,地域活性化などのコンセプトにとどまらず,一発の原子爆弾により灰じんに帰した都市が,向こう75年間草木も生えないと言われながらも,そこから決死に先人たちが立ち上がり,怒りや憎しみを超え復興を果たしては,市民を初め多様なる人々が豊かなる文化に包まれるなど,主体的に築き上げた平和を謳歌する。こうしたストーリーを都市デザインにより具現化しては,都市のありようを通じて普遍的な平和のメッセージを発する,まさに,世界に冠たる国際平和文化都市のシンボルとなる先駆的な象徴都市を築く,我々は現在,この非常に意義深い出発点に位置しています。  つきましては,都心部の大改造に当たり,今後は広島商工会議所ビルの移転と市営基町駐車場周辺での再開発を一体で行うリーディングプロジェクトや,広島の新たなシンボルの誕生となるサッカースタジアムの建設,また基町住宅地区のまちづくりなどが進められる予定であり,全てが進捗を見せ,全体のバランスを持って有機体をなせば,都心部へ新たなる活力とにぎわいが創出され,メッセージの込められた都市が確立されていくことは想像にかたくありません。  そこで,こうした都心部の大改造を進める上で,単に世界のトレンドを模倣,追随するわけではなくとも,近代社会のまちづくりにおいて決して欠かすことのできないキーワードの一つに,環境が上げられます。2020年の東京五輪開催へ向けて新国立競技場の建設が木のぬくもりを感じられる杜のスタジアムをコンセプトに多くの木材が使用されたことは,後世に受け継がれるレガシーの一環としても世間の話題を集めた国内の事例ですが,一たび海外に目を向けてみますと,例えばアメリカのポートランドやシンガポールのシティ・イン・ザ・ガーデンなど,環境に重点を置いては水と緑の美しい庭園都市の発想を進め,持続可能な都市づくりの先端で急成長を遂げる,このような先例を耳にする機会もふえてまいりました。  こうしたムーブメントは,単に環境だけに注力するのではなく,環境面を優先させながら快適でエコロジカルな暮らしやすい都市を形成していくことにより,まずはそこへ住む市民がシビックプライドとも表される,みずからのまちに誇りと愛着を持ち,生き生きとした生活を送る市民の輝きと対外的な発信によりその魅力に引きつけられては域外よりさらなる人材や投資も集まるなど,環境と経済を両立させる取り組みでもあります。  そこで伺いますが,今後,都心部の大改造にも環境を絡め,良好な都市環境を形成していくことは必然になってくると思われるのですが,本市ではいかに捉え,また今後取り組まれるのか,ここにお聞かせください。  次に,都心部へのアクセス向上に触れられた際には,国道2号線西広島バイパスの都心部延伸について,事業の早期再開を目指しますとありました。改めて本市の都心に敷設された道路網に目を向けてみても,バイパスが未整備であるがゆえ,信号機のある幾つもの交差点を横切りながら,ひっきりなしに一般道を大型輸送車両が行き来する現状は,一定規模を誇る都市の中でも珍しい光景であると言えます。  一方,本市に限らず,各都市ではある程度の道路網が整備され,そこへ新たな道路を整備するに当たっても,いわゆる伸び代と申しますか,開発の余地は限定され,うがった見方をすれば,こうした状況下,地方事務所に人員も抱え込む国が各自治体を巻き込みながら大きな事業に着手したい背景もうかがい知ることはできますが,幹線道路たるや重要な経済の動脈でもあり,私にせよ,西広島バイパスの都心部延伸に否定的な立場ではありません。しかしながら,あくまで15年前の試算となりますが,総事業費およそ300億円のうち本市がその3分の1,およそ100億円を負担するに当たり,時にジャンプ台ともやゆされた現在の西区観音本町の中断箇所から東へおよそ2.3キロメートルバイパスが延伸された暁には,いかなる変化が生じ得るのでしょうか。無論,一定の効果が派生するのは当然であり,重ねて国へ対して高架の延伸を要望している現状は加味するにせよ,いま一度,整備効果を含め熟慮すべき事案かと存じます。  続けますと,昨今,高齢者ドライバーの運転事故が頻発しては,高齢者の免許返納なども取り沙汰されておりますが,こうした社会を取り巻く空気感が助長され,高齢者の方々が肩身の狭い思いをされては,よしあしは別にしても,免許の返納に拍車がかかったらば,これからの超高齢社会において交通弱者が増加の一途をたどる可能性も多分にはらみ,かつ高齢者の社会参画にも弊害を及ぼすなど,より深刻な地域課題になることは容易に推察されます。  そうした意味においても,本市では公共交通の整備に一貫して取り組んでまいりましたが,この公共交通機関の利便性にせよ,最寄りの駅やバス停から自宅までの足の確保,いわゆるラストワンマイルの問題は常に抱えているところで,そんな折,世界から周回おくれになっているとまで言われながら,ようやく国内でも自動運転システムに関する規定を新設した改正道路交通法がこの5月末に可決,成立し,システムに運転を任せるレベル3の実用化に向けた法整備が進められるなど,移動手段を取り巻く新たな環境が徐々に整えられてまいりました。  また,今回の政府のロードマップでは2020年を目途に,高速道路でレベル3を実用化,さらに交通量の少ない過疎地などに限定して無人運転をするレベル4の導入も目標にするなど,いまだ事故が起きた際の補償や責任の所在など解決しなければならない諸課題はありながら,今後,国内でも自動運転システムが飛躍的に普及する可能性は否定できません。  ここまでを振り返り,私が申し上げたい趣意は,冒頭にも触れました50年先を見据える着眼点で,到来する自動運転システムが当たり前の未来を前提に,公共交通と同様,主要エリアを結ぶ自動車道の整備は必須であり,本市においてもまずは高速道路の環状線化を図るべく,選択と集中の選択において優先順位をつけるならば,西広島バイパスの都心部延伸の前に高速4号線の沼田出入り口から山陽自動車道へ結ぶ事業が先決になることはないのでしょうか。  双方これからの検討が進められる現時点において,私は絶対にこちらが優先であると断言しているのではなく,いま一度,現状を俯瞰しながら,将来の社会動向も予見した上で,適宜政策を実行するその前段として,まずは先日の案件を比較,検討するためにも伺いますが,ただいま列挙いたしました西広島バイパスの都心部延伸と高速4号線の延伸,それぞれの取り組み状況についてここにお聞かせください。  続いて,観光の振興について伺いますが,近年本市へ訪れる観光客のうち,9割以上の人々が平和記念公園に足を運びながら,そこから北へ位置する広島城へ足を延ばす人々は全体の2割にも満たないとの統計も出ているとおり,その要因は時間的な制約などさまざまなことが考えられますけども,いずれにせよ,このたび観光施設としての魅力向上に広島城へ着手されることにつきましては,私も心より賛意を示すものです。  しかしながら,広島城が歴史的な背景を想起させるようなより魅力にあふれる場所へと整備が進んだにしても,これは釈迦に説法となりますが,改めて肝要なるは,そこへ人々を導く動線ではないでしょうか。  そこで,私などは南側の平和記念公園から旧広島市民球場跡地の周辺を経ては,北側の広島城を含めた中央公園広場まで,この縦1.6キロメートル,横0.4キロメートルの長方形エリア一帯を手前勝手にピースセントラルパークと銘打っては,エリア内にある各種機能を有する既存施設や新たに建設予定のサッカースタジアムも含め,その全体のバランスと調和をもってシンボリックな空間を創出したいと熱望しており,また,エリア内の親和性と相互の回遊性を高めるべく,ひとつ参考になるであろう場所が,御本家とも言える,アメリカはニューヨークのセントラルパークです。  かつて私が就職活動を行いながらも苦難をきわめ,心の安らぎを求めては毎日のように足を運ぶなど,当時非常にお世話になったニューヨークのセントラルパークですが,縦4キロメートル,横0.8キロメートルのエリア内には,幾つものスポーツ施設や美術館に動物園まで配置され,年間利用者は4000万人を超えるとも言われています。ならばと,ここを訪れる人々の来園目的に目を向けてみると,そのおよそ65%を占めるのは地元民のウオーキングやジョギング,また来訪者の観光であり,単にマンハッタンの中心部に位置するにあらず,人々の往来を滑脱にする手だてとして有効なる機能を果たしているのが,広大なる公園内に縦横無尽に張りめぐらされては各所で立体交差まで見せる遊歩道でもありました。  例えば散歩を始めると,緩やかな坂の遊歩道を上り切った先や立体交差の遊歩道をくぐった瞬間,突如一面に広がる緑の景色や,林立する摩天楼に各文化施設などが顔を見せてきます。その遊歩道にせよ,並木のガイドラインに導かれ,真っすぐに延びては公園の背骨をなす遊歩道に先を急がせないとばかり蛇行する遊歩道,さらには多様なる時代の装飾が施された短い橋梁も点在するなど,こうした心憎いまでの演出が各所になされており,エリア内の回遊性を向上させるには周遊する動線を重要視し,そこへの労を惜しんではならない典型例とも言えます。  続けて,同じく海外事例の提示となれ,私が3年前に観光政策の視察の一環としてフランスのJNTO── 日本政府観光局を訪ねては,いろいろと学ばせていただく機会があったのですが,例えばフランスのある地方都市では,まず歩いてめぐる観光コースを町なかにぐるりと設定し,そのコース上の歩道には延々とカラーの細い線が引かれ,しかも線上には要所に次なる観光スポットの名称とそこまでの距離が記されており,これは地図やスマートフォンを持たずして,期待感を胸に観光コースがめぐれる試みとなります。  一方,本市でも,歩いて観光を楽しんでいただこうと,市内各所,17もの散策コースを設定したまち歩き観光マップ「広島とりっ歩」なども展開されておりますが,正直な話,多くの方々に浸透,知れ渡っているとは言いがたく,いずれにせよ,例えばお行儀について物議は醸しながら,食文化を満喫する食べ歩きの要素が人気観光地のリピーター獲得にも大きく貢献しているとおり,歩く観光は本市にも欠かせないコンテンツかと存じます。  るる述べてまいりましたが,このたびの施政方針の中では観光プログラムの開発や観光資源・観光サインの整備も盛り込まれていることを考えると,本市でも「広島とりっ歩」とさきのフランスの試みを絡めるなど,ここにいま一度歩く観光,その確立と魅力向上にてこ入れを図っていただきたいと望むのですが,本市の御所見をお聞かせください。  続いて,二つ目のまちづくりの要素でもあるワーク・ライフ・バランスのまちについて伺いますが,市長は,高齢者いきいき活動ポイント事業の仕組み並びに同事業のように共助が自助と公助をつなぐ重要性からも,こうした事業をさらに充実させ,高齢者の健康づくりと社会参加を促進させたい旨を述べられました。  また,続いての文脈では,市民一人一人が日々の暮らしに潤いと豊かさを実感できるようスポーツ・文化芸術の振興についても言及されており,ならばと,このあたりを結びつける施策,手法の一つとして,私が過去にさまざまな発言機会で触れてきた話題をここに改めて振り返らせていただきます。  人間の脳内にはミラーニューロンと呼ばれる機能が備わっており,これは視覚から入ってきた映像を,言ってみればみずからの脳内でみずからの体を通しながら再現,リプレーするものです。こうした医学的な見地からも,高齢者の方々がスポーツ観戦に出向き,そこでトップアスリートのパフォーマンスを通じた体の動き,足を運ぶリズム,筋肉の使い方などをたとえ自身に専門的な知識や経験がなくとも,目にするだけで自然に,若いころのと言えば失礼ながら,最も旺盛に体が動いていたころの肉体の使い方が呼び起こされ,健康増進,若返りの効果があるとも言われています。  重ねて,本市のみならず全国的な傾向として,今後,確実に単身高齢者も増加していく中で,決して無理強いはできませんが,まずは外出をする,人々と出会う,新たな交友を築く,やりがいや生きがいの創出などの意味合いにおいても,高齢者の方々がスポーツ観戦に足を運ぶ,そのきっかけづくりの一つとして,現行制度の延長や新たな制度の創設でも構いませんので,高齢者いきいき観戦ポイント事業を展開するのはいかがでしょうか。  確かに,現在も本市では,トップス広島の加盟チームを観戦し,集めたポイントでサインボールなどの関連商品を手に入れるトップスポーツ観戦ラリーや西区ゆかりのトップスポーツチームの観戦に絡めたわくわくスタンプラリーなどにも着手されておりますが,いずれも3試合を観戦した結果,抽せんや先着で何名様と,高齢者いきいき活動ポイント事業のようにポイントがたまり,手帳の空欄が次々とスタンプで埋められる,こうした確かなる実感やさらなる次回への動機づけ,このあたりにつながっているとは言いがたい現実も否めません。  他方,各クラブの選手からしてみれば,一人でも多くの方々に会場へお越しいただくことはプレーの後押しや励みにつながるのも当然であり,かつ各クラブ側でも率先して高齢者の方々が観戦しやすい環境整備や企画も打っていただきたいとは願うのですが,改めてこの高齢者いきいき観戦ポイント事業について,本市の御所見をお聞かせください。  続いて,学校教育について伺いますが,このたび多様な教育プログラムを提供できるよう,また国際平和文化都市としての特性を生かした実践的な会話ができる英語教育の導入なども掲げられておりますが,そこで都度アップデートを迫られ,新たな業務を担うのは現場の教員でいらっしゃいます。  先日,私もある学校の校長先生とお話をしたのですが,この新年度を迎えた時点で必要な教員数を満たしておらず,結果的には早期に新たな教員が配置されて事なきを得たとのことでしたけども,年々教員免許を取得しようとする学生が減少傾向にあれば,ベテラン教員の大量退職,公務員削減の流れにより正規教員の人数的な抑制が進むなど,置かれる時代背景も手伝い,このような教員の欠員── 先生不足の実情は,今や教育現場が抱える全国的な問題でもあります。  重ねて,市教委や県教委合同で行われる教員採用試験でも,その受験倍率は年を追うごとに低く推移し,直近では3倍強の状況にありますが,全国では限りなく1倍に近いところも出てくるなど,つまりは受験した学生がほとんど全て合格する,あえて率直な表現を用いれば,そこには適性も何も問われない傾向も散見されています。  改めて,教育が国をつくると言っても過言ではなく,しかし,殊に教育に関しては一朝一夕に現場が改善される特効薬や妙案は存在せず,地道な教員の環境整備が求められるところ,このたびの施政方針では,教員が限られた時間の中で児童生徒と向き合う時間を確保できるよう,学校における働き方改革を推進しますとありました。  そこで伺いますが,全国的にも教員のなり手が少なくなっているさなか,本市においては教員志望者をいかにふやし,質をいかに担保していくのか,また教員の職場環境を改善し人材を確保するためにもどのように働き方改革を推進していくのか,ここにお聞かせください。  続いて,市長が三つの要素とともに重要な方針として掲げられた災害に強いまちづくりについて伺います。  顧みれば,近年でも本市は,20年前の6.29豪雨災害,5年前の8.20豪雨災害,そして昨年の西日本豪雨災害と,都度甚大なる被害を受けては多くの犠牲者を出しながら,その失われたとうとい命を無駄にしてはならない,災害の記憶を風化させてはならないと,積み重ねられた経験をもとに今日まで継続して防災・減災のまちづくりに着手してまいりました。その結果,防災対策に完璧などはありませんけども,近年ではハード,ソフトの両面において災害から人々の生命や財産を守る体制は着実に整えられ,各所でも自主防災会の意識が高まり,活動が活発化しては,さらにさきの5月に広島県が昨年の西日本豪雨災害における発災後の初動,応急対応の状況や改善の方向性を整理した検証結果を広く報告した後,共有が図られるなど,今後も市町を越えて取り組みが進められてまいります。  そこで,私も5年前,そして昨年の災害の際も,市域にとどまらず県内各所をめぐってはさまざまな復旧活動に従事させていただいたのですが,現場で改めて改善の必要を痛感したのは避難された方々を受け入れる避難所についてであり,私は昨年の12月議会で災害関連について一般質問を行い,その再質問の際にスフィア基準に触れさせていただきました。改めて,この国際的な基準は,個人の尊厳と人権保障の観点から,1人当たり3.5平方メートルのスペースの確保や世帯ごとにプライバシーを守り,独立した生活空間が保たれること,ほかにも最適な快適温度が保たれ,室内の換気が行われることやトイレは20人に一つ以上で男女別に設けられることなどが定められたものですが,重要視されるべきは,ただいま列挙した数字や規定を単に追求するにあらず,被災者の方々の尊厳ある避難生活をいかに守るのか,このコンセプトにあります。  災害大国の日本にあって,かつ近年も頻度が増してはその規模さえ拡大化する自然災害を前に,当然万全なる体制を各所で必ずや保つことは困難をきわめますが,これだけ都市型の局所豪雨が頻発する昨今,行政が指定する避難所や垂直避難を促す緊急退避施設のほかにも,平素から大型の民間商業施設とも連携を図るなど,災害死ゼロを目指しながら,いまだ後を絶たない災害関連死もゼロにすべく,さらなる想定,避難所の体制整備は必須かと存じます。  今日では,発災前に迅速なる避難を促すべく,あらゆる手法が用いられるようになり,発災後も被害を最小限に抑えるハード面の整備や,これまでの災害における被災地の復旧・復興,またいまだ日常生活を取り戻せない被災者のフォローと,あらゆる方面で人々が最善を尽くすただ中にあり,避難所に関しましても今なお改善が進められてはおりますが,災害の規模いかんでは想定を数倍は上回る避難者が駆けつけ,長期にわたる避難生活を強いられるケースも決して絵そらごとではなく,まだまだ改善の余地が残されているのではないでしょうか。  あくまで極端な例となりますけども,地震大国であるイタリアでは,発災後,備蓄してある数百個の大型テントや1,500人分の簡易ベッド,簡易トイレなどが大型トレーラーに搭載され,瞬く間に被災地へそろえられ,そこから始まる避難所生活にせよ,被災者の心のケア,その対応,体制も徹底されております。  つきましては,昨年の災害後に行われた避難対策等検証会議の提言を踏まえ,避難所の環境整備等についてどのように取り組まれたのか,また今後の取り組みについてもここにお聞かせください。  そして,改めて,梅雨時期とも重なり,自然災害に関しましてはどうしても人々の耳目は豪雨災害に集まりますが,向こう30年で80%の確率で起こるかもしれぬ南海トラフ巨大地震にせよ,学会のアンケートでもおおよその学者が直前の事前予知は不可能とされるとおり,浸水,液状化現象,火災,上下水道の分断,防犯なども念頭に,いま一度本市でも防災訓練の拡充,注意喚起など,さらなる地震への準備,対策を行っていただくことを最後に要望して,私の施政方針に対する質疑並びに一般質問を以上とさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       石橋議員からの御質問にお答えします。  活力とにぎわいのあるまちについてのうち,観光プログラムの開発についての御質問がございました。  さきの所信表明において申し上げたとおり,中四国地方最大の都市である本市は,近隣市町や県と連携して,市域を超えた活力とにぎわいを生み出し,圏域経済の発展を牽引しなければなりません。  このため,旧広島市民球場跡地を含む中央公園全体の空間づくりなどを進めることで,平和記念公園から旧広島市民球場跡地,サッカースタジアム,広島城,ひいては紙屋町周辺に至る大きな周遊ルートの形成につなげ,この一帯が中四国地方の発展を牽引する広島の新たなにぎわいの拠点となるように取り組んでいく必要があると考えています。  こうした都心の回遊性の向上については,平成29年3月に策定したひろしま都心活性化プランにおいても,都心に存在する平和記念公園,広島城,広島市民球場,比治山公園などの地域資源を回る都心回廊という考え方のもと,人が中心となる回遊ネットワーク,おもてなしを創出する水・花・緑のネットワークの形成を目指しております。  観光の振興に当たっては,こうした視点のもと,平和大通りや広島城におけるにぎわいの創出などにより,市内観光拠点の再整備・ネットワーク化を進めるとともに,市内の平和関連施設を周遊できるピースツーリズムの推進や広島広域都市圏内の市町と連携した観光プログラムの開発などにも取り組んでいるところです。  議員から御紹介のあった「広島とりっ歩」も,こうした周遊を促進するための取り組みの一環として作成し,まち歩きのボランティアガイド等で活用されており,これのさらなるPRを図るとともに,本年7月には都心部の3カ所で広告つきの観光サイン実証実験を開始し,その結果を踏まえ,市内の主要箇所にある観光サインの更新を進めることなどによって,一層の回遊性の向上を図ることにしております。こうした取り組みを進めていく中で,議員御紹介の他都市の事例も参考にしながら,世界中からの来訪者や市民など誰もが安心して楽しくまち歩きができるよう,しっかりと取り組んでいきたいと考えております。  その他の質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    活力とにぎわいのあるまちについての御質問のうち,都心部の大改造での環境を絡めた良好な都市環境の形成についてのお尋ねにお答えをいたします。  都心部における良好な都市環境の形成は,市民の郷土愛を醸成する上で不可欠なものであるとともに,国内外から多くの人々を引きつけ,世界に広島の魅力を発信し続けるまちづくりの基本となるものと考えております。  平成29年3月に策定したひろしま都心活性化プランでは,まちのさまざまな場所で花や緑を育むことや音楽イベントの充実などにより,市民や来訪者が潤いと安らぎと癒やしを実感できる花と緑と音楽のあふれる美しいまちづくりに取り組むこととしております。  また,昨年10月に都市再生緊急整備地域に指定された紙屋町・八丁堀地区の地域整備方針では,整備の目標の中に環境への配慮を掲げており,そのための取り組みとして広島ならではの自然・歴史・文化・芸術等の地域資源を生かし,広島の顔となる風格ある良好な都市景観を形成しつつ,地域の魅力向上と新たなにぎわいを創出することとしております。  さらに,この方針ではオープンスペースの緑化,省エネルギー設備の導入促進等による低炭素なまちづくりを推進するとともに,まちのルールづくりや施設の管理運営などのハード・ソフトの両面にわたり,良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための活動を地域が主体的に行うエリアマネジメントも促進することとしています。  こうした取り組みを着実に進めていき,都心部における良好な都市環境を形成することにより,都心部へのさらなる投資を促し,経済の好循環を生み出していきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   活力とにぎわいのあるまちについての御質問のうち,西広島バイパスの都心部延伸事業と高速4号線の延伸事業,それぞれの取り組み状況についてお答えいたします。  西広島バイパス都心部延伸事業と広島高速4号線の延伸事業は,いずれも都心部へ向かう交通渋滞の緩和や沿道環境の改善,さらには昨年10月に都市再生緊急整備地域に指定された紙屋町・八丁堀地域への導入路となるものであることから,本市の中枢性向上にも資する重要な事業です。  このうち西広島バイパス都心部延伸については,既に所要の手続を経て事業を開始し,一旦中断していたものを再開するというものであり,直近の事情を反映した事業にするために,渋滞の緩和効果や騒音などの沿道環境の改善効果についての確認を終え,今後は事業費精査などの検討結果をまとめることとしているものです。  一方,高速4号線の延伸については,広島ジャンクションと五日市インターチェンジのわずか3キロメートルの間に接続することから,その構造や走行の安全性等について関係機関と協議しながら検討を進めているところであり,今後,事業化に向けて所要の手続が必要となるものです。  このように,西広島バイパス都心部延伸事業と高速4号線の延伸事業は事業化に向けての所要の手続の進捗状況に大きな差があるため,整備時期には違いが生じるものと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     ワーク・ライフ・バランスのまちについてのうち,高齢者がスポーツ観戦に足を運ぶきっかけとなるよう,現行制度の延長,または新たな制度として高齢者いきいき観戦ポイント事業を展開してはどうかについてお答えいたします。  議員の御提案は,スポーツを見ることで極限を追求するアスリートの姿に感動し,みずからの人生の励みになることなどから,高齢者がスポーツを見ることへのインセンティブを付与することで外出の機会を創出するとともに,健康の増進にも寄与することになるということであると考えています。  ところで,現在,実施している高齢者いきいき活動ポイント事業は,高齢者の社会参加を促すとともに健康の増進にも寄与することを目的とするものであることから,議員の御提案についてはしっかりと研究していく必要があると考えています。  なお,スポーツ観戦など高齢者が足を運ぶことになるという点に着目し,それを支援する制度を新たに創設するということについては,対象となる場所や規模の選定,さらにはポイント付与なども含めた新たな認定手続やそれに係る人員の確保といった多くの課題を整理する必要があると考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       教育長。 ◎糸山隆 教育長       ワーク・ライフ・バランスのまちについてのうち,学校教育について2点,お答えをいたします。  まず,教員のなり手が少なくなっている中,教員志望者をいかにふやし,質をいかに担保していくのかという御質問についてです。  近年,教員採用候補者選考試験において志願者が減少傾向にあることから,教員の資質の維持・向上を図るという観点からも,志願者の確保が喫緊の課題であると考えております。こうしたことから,全国18会場での採用試験説明会や県内の大学生を対象としたひろしま未来教師セミナーを開催するとともに,採用試験の受験資格における年齢制限の撤廃,県内・市内の臨時的任用教諭や他県における正規教員の特別選考などを実施しております。今後は中四国地方の教員養成課程を有する大学を直接訪問し,採用試験説明会を開催するとともに,県内の15大学の関係者が一堂に会する広島市教員等育成に関する協議会における採用試験や教員養成に係る意見を踏まえた取り組みを進めるなど,志願者の増加に向けて取り組んでまいります。  また,採用試験合格者を対象に,赴任後すぐに校務に着手できるよう採用前研修を実施するとともに,採用後には年間を通して200時間程度の初任者研修を行い,その後,経験年数に応じた研修を実施しております。さらに,各学校においては,授業改善や生徒指導のための研修なども計画的・継続的に実施しており,今後ともこうした取り組みを通して教員の資質向上に努めてまいります。  次に,教員の職場環境を改善し,人材を確保するためにも,どのように働き方改革を推進していくのかという御質問についてです。  本市では,昨年12月に広島市の学校における働き方改革推進プランを策定し,教職員が担ってきた役割の見直しと業務の効率化を図り,めり張りのある働き方を進めることで心身ともに健康を保持し,児童生徒に対する総合的な指導を持続的に行える学校教育体制の構築を目指しております。  このプランでは,長時間勤務の解消と休暇取得の促進の観点から数値目標を定めるとともに,その目標を達成するため,中学校への部活動指導員の配置や学校閉庁日の拡充など,26の取り組み項目を中心に取り組んでおります。その際には,教育委員会事務局職員と校長会の代表者等を構成員とするプロジェクトチームを設置し,現場の声を聞きながらPDCAサイクルのもと,実効性のある取り組みを進めていきたいと考えています。  また,働き方改革を進めていくに当たっては,モデル校を指定し,働き方改革推進リーダーを配置して,全校への普及を見据えた先導的な取り組みの実施と効果検証を行うとともに,教職員の負担軽減のみならず,いじめ防止等の課題解決も同時に図っていくことにしています。
     こうした取り組みにより,学校現場の教職員が働き方改革の効果を実感できるようにしていくことが教育への高い志と意欲を持つ人材を将来にわたって確保し,広島の未来を担う子供たちに質の高い学校教育を提供し続けることにつながるものと考えております。  今後とも,本市の学校が教員を目指す人材にとって魅力ある職場となるよう,関係者が一体となって学校における働き方改革を進めてまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       危機管理担当局長。 ◎行廣真明 危機管理担当局長  災害に強いまちづくりについて,昨年行われた避難対策等検証会議の提言を踏まえ,避難所の環境整備等に関するこれまでの取り組みと今後の取り組みについての御質問にお答えします。  昨年12月に平成30年7月豪雨災害における避難対策等検証会議から避難所における被災者の支援等についての提言をいただき,本市におきましては,これを踏まえて避難所の生活環境の改善等に取り組んでいるところです。  これまでの取り組みについてですが,まず,地域の地形等に応じた避難先の確保を推進すべきという提言につきましては,自主防災組織と協議しながら,指定緊急避難場所までの避難が困難な場合に一時的に避難できる避難場所を確保するとともに,民間商業施設やホテルと協定を結び,災害時に一時的に退避する施設の確保にも努めています。ペットの同行避難について周知すべきという提言につきましては,ペットとの同行避難が基本的に可能であるということを市のホームページや広報紙を活用し,市民への周知を図っております。簡易ベッドを避難所等に備蓄すべきという提言につきましては,昨年の豪雨で被災された地域の指定緊急避難場所に段ボールベッドを配備いたしました。要配慮者等が迅速に空調設備の整っている教室を避難場所として活用できるよう,事前に活用ルール等を検討すべきという提言につきましては,現在,指定緊急避難場所に指定された学校と区役所,地域の自主防災組織において協議を進めているところです。入浴環境の整備を進めるべきという提言につきましては,高齢者施設の浴場の利用について,協力いただけるか確認しているところです。各区に地区担当保健師制を導入すべきという提言につきましては,来年度から全区で導入するよう準備を進めており,また保健師を避難所の保健業務に専任で配置すべきという提言については,今年度から保健師は避難所運営要員から外し,保健業務の専任化を図りました。このほか,避難所運営の職員向けの研修内容を見直すべきという提言につきましては,避難所運営の経験がない職員でも避難所運営のポイントがわかるよう,必要な見直しを行いました。  今後の取り組みとしましては,これまでの取り組みを強力に推進していくほか,段ボールベッドの被災地以外の指定緊急避難場所への配備や入浴環境の整備のための簡易シャワーの早期設置,食事メニューの多様化,食事提供に関するマニュアルの作成などに取り組んでいくこととしております。  今後とも,避難所の環境整備につきましては,検証会議からの提言を踏まえ,また避難された方々の御意見もお聞きしながら必要な改善を行ってまいりたいと考えております。  以上です。 ○山田春男 議長       19番石橋竜史議員。 ◆19番(石橋竜史議員) 今答弁を頂戴いたしまして,私も今回,本当,一般質問というよりは施政方針に対する質疑という形で進めさせていただいて,一つ一つの何か文言であるとか事業を取り上げるというよりは,ある種の,ちょっとおこがましいですが,メタファーというか,隠喩的に一つを取り上げながらもその背景をということで,例えば私が高齢者いきいき観戦ポイント事業というのを提言させていただきましたけども,それも私の浅知恵を必ず反映してくれというわけではなくて,やはり高齢者の部分ですよね,本当,単身高齢者のふえていく中で,じゃあその人たちがいかに日々を,生きがいであったりやりがいであったり,また新たな交友をつくれるのか,そういうきっかけの一つになるんじゃないかと。  また,一つ大きな点が,やはり医療費といいますか,今,概算医療費でも昨今,20年ぐらいでは12兆円ぐらい上がって,今現在,45兆円ぐらいですか。2020年問題になるとそれが60兆円ぐらいにもなると言われておりますし,1人に対する医療費にしても,75歳未満ではおよそ22万円ぐらいと言われるのが,75歳以上になるとそれが94万円もという,それぐらい膨れ上がる意味でも,やはり都市を通じての予防医療というか,そういうのを図っていただきたいということでちょっと提言をさせていただいたところであります。  また,西広島バイパスの延伸等もありましたけども,どちらが早い云々とかというのではなくて,確かに利便性の向上ですとか渋滞の緩和ですとかネットワーク化,いろいろありますけども,そういった中でちょっときょう歩くというポイントも入れさせていただきましたけども,歩いたり,そしてまた自転車を使ったり,そしてまた物流なども変えていく,いわゆる一つの事業単体で終わるのではなくて,そういう未来へ向かってのモーダルシフトというか,そのトレンドを全体的に変えていきたいという思いでちょっと質疑もさせていただきました。  最後に,再質問はないんですが,一つ要望といたしまして,本当梅雨時期でありますんで,このたびというか,出入国管理法が改正されまして,1号認定は5年で34万人ぐらいですか,それぐらいを目指すと言われておりますけども,昨今の災害でもやっぱり避難所で例えば外国人の方をちょっと隔離してあるですとか,隔離というのは悪い意味ではなくてどこか壁ができているとか,そしてまた言葉の問題,宗教を通じた食の問題ですとかいろいろまた課題になって,今後はより顕在化してくると思われますんで,そのあたりも改めて,より改善していただくことをここにお願いしまして,私の発言は以上といたします。ありがとうございました。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       この際,暫時休憩いたします。                午前11時50分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時05分開議                出席議員  45名                欠席議員  9名 ○八條範彦 副議長      出席議員45名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○八條範彦 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,市長の施政方針に対する質疑及び一般質問を行います。  10番椋木太一議員。                〔10番椋木太一議員登壇〕(拍手) ◆10番(椋木太一議員) 市政改革・無党派クラブの椋木太一でございます。このたび4月の選挙におきまして,市民の皆様の負託を受け,安佐南区から市議会へ送り出していただきました。そして,初めて一般質問の機会を与えていただき,心から感謝申し上げます。  それでは,発言通告に従い質問いたしますので,御答弁をよろしくお願いいたします。しばしの間,御清聴よろしくお願いいたします。  それでは,市長の所信表明について質問いたします。  皆様,札仙広福という言葉を御存じだと思います。全国に20ある政令指定都市のうち,地方中核都市といった似た性格や規模を持つ札幌,仙台,広島,福岡の頭文字から成る造語です。このところ,この4都市の実力や勢いに差が開き始めています。特に福岡市の躍進ぶりは顕著でございます。私は,広島市で生まれ育ち18年間,福岡市では読売新聞記者として15年間暮らしてきました。広島市の潜在能力の高さを知っているがゆえに,福岡市に引き離されていく現状に大変もどかしく,歯がゆい思いをしております。  福岡市は,今や地方都市最強とまで言われております。広島市との差は,空港の有無,そのことによる東京や世界各地からの心理的な距離感にあると痛感しております。福岡市には福岡空港があり,地下鉄で博多駅と2駅,九州一の繁華街天神には地下鉄で10数分の距離にあります。この奇跡の立地とも表現されるアクセスのよさで,東京-福岡間は1,000キロありながら,さほどの距離感,移動のストレスを感じさせません。  一方,広島市には空港はありませんし,広島空港は電車で結ばれておりません。広島市内からはリムジンバスで1時間かかりますし,高速道路の事故などで延着のリスクが伴います。岩国錦帯橋空港は,開港以降,広島市内からの利用者がかなりの割合を占めているというのは,広島空港の利便性の低さの裏返しであり,東京への心理的,または物理的な距離感,ストレスも相当なものだと推察できます。  同じ政令指定都市の熊本市では,第三セクターが中心となって熊本空港への直通のアクセス線を建設するというお話でございます。そもそも広島市内に空港がない状態ですから,ますますほかの政令市に差をつけられてしまうのではなかろうかと大変懸念しております。  また,福岡市の特徴に,市長の発信力,アピール力の高さがあります。福岡市の高島市長は,地元福岡の民放アナウンサー出身の44歳でございます。私が新聞記者時代,福岡市政を担当して感じたことは,高島市長の言葉には見出しになる言葉が入っているということであります。そのことによって,ニュースとして取り上げられやすくしているのです。通常,市長による定例記者会見は多くの自治体で行われております。ですが,よほど目新しいトピックがなければニュースになりにくいものであります。キャッチーな言葉は紙面や電波に乗り,多くの福岡市民に届くのです。市民の福岡市政に対する関心度はおのずと高まり,福岡市職員のモチベーションも高まります。そうなれば,ニュースになりやすい日本初,政令指定都市初といった最先端の政策を提案するという雰囲気が醸し出され,部署間や職員同士での競争意識も出てきます。高島市長の言動は一見パフォーマンスと受け取られることも多々ある様子ですが,福岡市政に関心を集めたり市職員の士気を高めたりするための重要なファクターだと私は思っております。  一方の広島市ですが,元新聞記者の視点からしますと,お世辞にも広報活動が積極的,あるいは効果的だとは思えません。私が広島市に戻って1年たちましたが,地元紙でも定例記者会見が紙面を大きく飾ることはまれです。報じないというより,新聞業界的に表現すれば見出しが立たないのではなかろうかと思います。広島市長を初め広島市の職員の皆様方の仕事ぶりは実に地道なものがあると思いますが,そのことが広島市民に余り届いていないとなると,実にこれは惜しいことなのです。  ところで,広島市はどの政令市も持ち得ない財産を持っております。唯一の被爆国の中で,長崎市とともに被爆地であるという歴史的事実です。恒久平和を全人類に発信でき,発信していかなければならないまちなのです。その象徴が原爆ドームであり,平和記念公園でございます。この地には,海外からも多くの観光客が訪れています。中でも欧米人の多さに目をみはるものがあります。バックパッカーたちが平和公園の至るところにいて,平和を祈っていくのです。広島市ではありませんが,近隣の宮島にも多くの外国人が訪れています。広島市にずっと暮らしていますと,さもすればそこにあるのが当たり前ということになりがちなのですが,一歩引いてかつグローバルな視点で見てみますと,世界的な遺産が近場にあるということは大変大きなアドバンテージなのでございます。  ここまで広島市の底上げにこだわりますのは,これから激化していくであろう都市間競争に勝ち残るためでございます。広島市は,大阪市,福岡市という大都市に挟まれています。この地理的に不利とも言えるポジションにある広島市の求心力を高めていくには,中国地方,西日本において少なくとも大阪市に次ぐポジションを狙うというぐらいの意気込みでないと埋没してしまうという憂き目に遭うと言いたいのです。  広島市の求心力を上げていくためには,交通インフラの強化が鍵になると見ております。具体的には,アストラムラインの環状化並びに広島駅との連結,都市高速道路の環状化並びに各都市高速道路の連結,そして広島市から広島空港へのアクセス線の確保,この以上三つは,私たちの世代で解決の見通しを立てなければならないことだと切に感じております。  現在,リニア中央新幹線が東京-名古屋間で建設中ですし,名古屋-大阪間も計画されております。現行計画では,諸々の理由により,あの京都府ですら素通りとなっております。これはなかなかインパクトのあることだと思います。リニア新幹線が大阪から西に延びることは十分に考えられます。リニア新幹線が広島市を通過してしまうようなことがあれば,都市間競争においてこれこそ目も当てられない結果が待ち受けているのは言うまでもありません。広島市としてイニシアチブをとって,いつでも他都市と勝負できる状態にしておかなければならないと私は危機感を抱いております。  そこでお尋ねします。所信表明の中で都市部の再開発に触れられていましたが,日本における広島市といった俯瞰した視点からの構想が見受けられませんでした。50年,100年後を見据えた上で,リニア新幹線が大阪から西へ延伸するとしたら広島市はどうすべきとお考えでしょうか,お答えください。  さらに,唯一の被爆国の中の被爆地,平和都市としての情報発信力,世界的遺産を抱える優位性など,福岡市や他の政令市にはない特性があります。ここを最大限に生かさない手はありません。平和都市としての発信力の向上による広島市ブランドの確立について,どうお考えかお聞かせください。  次に,カラーバリアフリーについてでございます。  目の重要な機能の一つに,色を識別することが挙げられます。歩行者は信号を見て赤,青,黄を見分け,青なら横断歩道を渡ります。小さい子供が描く絵は,空は青,太陽は赤,ヒマワリは黄色と色を区別していくでしょう。今この話を聞いて,何だそれ,当たり前だろうと感じていらっしゃる方も多いと思います。ところが,色の見え方が一般的なものとは異なる色覚特性を持つ人たちがいます。いわゆる色弱者という人たちです。私も色弱者の一人でございます。  色弱には幾つかのパターンがあり,赤や茶色といった暖色系の識別がつきにくい人や,青といった寒色系の識別が難しい人もいます。また,困難さの度合いも人それぞれでございます。ちなみに,私は暖色系の識別が難しいケースの色弱でございます。  日本眼科医会によると,色弱者は日本人男性の20人に1人,女性は500人に1人の割合でいます。女性の割合は一見少ないのですが,自身が色弱でなくても色弱の因子を持ち,子にその因子を引き継ぐことが多いとされております。いわば潜在的な色弱とも言える女性と言え,その保因者は10人に1人の割合といいます。ですから,学校でいいますと男女20人ずつの40人学級ですと,色弱の男子は各クラスに1人,保因者の女子は2人いる計算になります。広島市全体で見ますと,人口約119万で男女がほぼ同数としますと,男性は約3万人の色弱者がおり,女性は約6万人の保因者がいるという計算になります。ふだん気にすることがないことだと思いますが,これはかなり多い数だと私は思っております。  私の実体験で申しますと,色弱であるがゆえ,さまざまな不便な思いをしてきました。子供のころでは,黒板に書かれた字が見えづらかったことがあります。授業で花の色を答える際,私が見たままの色を答えたら,それは間違っていると怒られたこともありました。色弱は先天的なものとされており,病気のように治るといった性質のものではありません。ですから,外部から何らかの配慮や工夫をしなければ,色弱の児童生徒は不利な状況に置かれたままとなってしまいます。  子供たちにとって平日の大半を過ごす学校において,文字が見えづらいということは想像以上のストレスになります。何よりも学習の障害となってしまいます。学校の現場で色弱者へのハードルとなりやすいのは,チョークだけではありません。気温や降水量の分布を色分けした地図帳は,その代表例でございます。気温は暖色のグラデーションになっていることが多く,凡例から少し離れた地域の気温を識別することは,色弱者にとってかなりの困難を強いるものとなります。  色弱は大人になっても治ることはありませんので,社会生活上,色の識別で不便を強いられるケースは多々あります。例えば電車の路線図,赤と緑でオン,オフを示すテレビやDVDなどの電源などでございます。また,自治体などが作成するハザードマップも,色弱者にとってかなりハードルの高いものとなっております。大抵災害が起こる危険度が同一のグラデーションで表現されており,しかもその箇所が細かく入り組んでいて,識別しづらいためでございます。ハザードマップは元来,地域住民の安全・安心を確保するためにつくられたものです。しかし,いざというときに使いづらいのでは,これほど残念なことはありません。現在,徳島県の鳴門市や東京都の調布市などは,既にハザードマップを色弱者が識別しやすいように,色の濃さや配色に配慮したカラーバリアフリー化をしたものを使っているということです。  そんな折,色弱の人たちが識別しやすいように開発されたチョークがあることを知りました。実際見てみますと,従来のチョークと比べ見やすさが断然違いました。千葉県の松戸市では,現在公立の学校で導入しているということです。価格も従来のものとほとんど変わらないということで,これは画期的なものだと感じました。また,先日,マツダスタジアムの電光式スコアボードのランプが識別しづらいという指摘を受け,見やすいように色が調整されたという記事を読みました。チョークやこういったスコアボードの電球のように,ちょっとした配慮で住みやすい広島市にできるのです。広島市も,カラーバリアフリー化に積極的に取り組んでいってほしいと思います。それは,私を含めた色弱者の切なる思いなのでございます。  それでは,お尋ねします。広島市の学校教育の現場で,色弱の児童生徒に対する配慮は現在どのようなものがありますでしょうか。また,カラーバリアフリー対応のチョークを市内の公立学校に導入することで子供たちの学習効率が上がると思いますが,いかがお考えでしょうか。さらに,ハザードマップは使う者にとって直接生命にかかわるものでございます。現在,市の作成するハザードマップにおけるカラーバリアフリー化はどのようになっているのでしょうか,お答えください。  続きまして,広島市の少子化対策についてお伺いします。  先般,国会において,自由民主党の有志議員が,男性の育児休暇取得を企業に義務づけることを目指し,議員連盟を発足させました。私は,子育て,人づくりを自身の政策の柱の一つに掲げ,広島市における育児休業取得の促進を目指しております。このニュースに,追い風が吹き始めたと感じました。率直に,少子化対策につながるであろう,とても貴重な一歩だと思っております。一議員としてではなく,前職の新聞記者時代に1年間の育児休業を取得した育休経験者としても,大きな期待感を抱いております。  とはいえ,現実的には企業は厳しい経営環境のもと,ぎりぎりの人手でやりくりしており,育児休業取得が義務化されることは人手不足に拍車がかかるなど,かなりの困難が伴うことだと思います。私自身も多忙な記者職でしたから,なかなか取得を言い出しづらい思いをしました。企業の経営者らに私が育児休業を取得していたことや育児休業を促すような話をすると,社員が少ないから育休をとることすら考えていられないといった声もいただきました。これが現実だと思いますし,そのことは十分理解しております。だからといって,漫然としているわけにはいきません。  育児休業取得の義務化という言葉には,強権的,強制的といった負のイメージがつきまとうと思います。しかし,ここであえて義務化という言葉を使った背景には,少子化対策が直面する現実の厳しさを反映しているなと思っております。  先日,厚生労働省が発表した2018年度の男性の育児休業取得率は6.16%でした。前年度に比べ約1ポイントふえているとはいえ,政府目標としては2020年で13%ですから,まだ半分にも到達しておりません。義務化と銘打ってまで強力に推進していかなければ少子化はとまらず,日本がなくなってしまうのではないかというメッセージだと思っていただきたいのでございます。  また,厚労省の発表では,1人の女性が生涯に産む子供の推計人数を示す合計特殊出生率は1.42で,3年連続の低下となりました。死亡数から出生数を引いた人口の自然減は約40万人で,初めて40万人を超えております。これは,広島市でいうと中区,南区,東区の合計の人口約39万8000人に匹敵します。つまり,毎年これほどの規模のまちが消滅しているということなのです。  育休をとった者だからこそ,男性の育児休業取得を強く主張したいと思っております。実際問題,育休中は生活が苦しくなることもあります。私もそうでした。なぜなら,無給となり,育児休業中は育児休業給付金が支払われるのですが,最初の6カ月間は給料の67%,それ以降は50%と,かなり収入が減るからです。ですが,一方で,かえがたいものも手にできます。生まれたての子供が描く成長曲線は,大人のそれとは全く比べ物になりません。想像以上のスピードで成長する我が子の姿を一番間近で見守ることは,親子ともに大きな財産になります。ここはぜひとも強調しておきたいポイントなのでございます。  さらに,母親にとってもプラスに働くことは多いのです。産後の母親は,心身ともに大きなダメージを負っております。交通事故に遭ったぐらいのダメージと表現する専門家もいるぐらいです。父親が育児休業を取得することで,母親が子育てに伴う苦痛や悩みをひとりで背負い込むリスクを軽減したり,回避しやすくなると思います。何よりも,父親が母と子の支えになるということは家族として当然のことだと思いますし,家族がしっかり結びついてこそ社会が安定すると考えております。  都市部に比べ,地方都市では男性の育児休業を率先して取得できるような余裕のある巨大企業はざらには存在しないでしょう。育児休業に対する認識が高くないかもしれません。義務化への道のりは厳しいと思われます。男性の育休取得を常識化するのが先決だと思います。  そこで,推進役として期待されるのが,地方の優良企業と言える県庁や市役所── 行政機関ということになると思うのです。地方の場合,行政機関がみずから育児休業取得のモデルケースを示していけば,民間企業が実行しやすいものになると考えます。育児休業取得率を高めれば,広島市は出産,子育てがしやすい自治体としてアピールできますし,企業誘致などに結びつけることも可能となってくるでしょう。このようなことは,今後激化するであろう都市間競争に打ち勝つための大きな武器になると確信しております。  そこでお尋ねします。男性の育児休業について,市はどのように認識しているのでしょうか。また,取得率の目標をお聞かせください。広島市の過去5年間の男性職員の育児休業取得率はどうなっているのでしょうか。育児休業は,取得率とともに取得日数も重要な指標となると思います。平成30年度の取得者について,取得期間を1週間未満,1週間以上2カ月未満,2カ月以上6カ月未満,6カ月以上と分けた場合,それぞれ何人だったのかお聞かせください。数値目標を設定するだけでは,取得率は上がるわけではありません。広島市では,男性職員の育児休業取得を促進するため,どのような取り組みをしているのかお聞かせください。  このたびの議連発足は,あくまで民間企業における男性の育児休業取得義務化を目指すものです。民間企業における育児休業取得を促進するため,広島市の取り組み内容,例えば同じ課内で男性職員が育児休業を取得した際,どのような工夫をして課内で仕事を回して対応したかなどといったモデルケースを民間企業に周知してはいかがでしょうか。お答えください。  続きまして,生産緑地制度についてでございます。  私のふるさと安佐南区川内地区は,広島菜の名産地でございます。太田川の氾濫などにより肥沃な土壌ができたことで,広島菜の栽培に適した土地となりました。広島菜を品種改良し,名産地となるきっかけをつくった農家の子孫は私の川内小学校時代の同級生であり,また,小学校の授業では広島菜の観察日記をつけたり収穫を体験したりするなど,広島菜はとても身近な存在です。ところが,近年,川内地区では宅地化が進み,広島菜を栽培する畑が見る見るうちに減っています。宅地化に伴い,若い子育て世代の人口がふえたことは少子高齢化が叫ばれる現状では大変喜ばしいことなのですが,一方で,畑が見る見るうちに減っていく様子を複雑な思いで見ておりました。地元の方々も,広島菜がこのままでは消えてしまうのではないかという危機感を抱いており,川内の広島菜を残したいという声が多く寄せられております。近隣の中筋や東野,東原でも同様の現象が起きております。  畑の減少の影響は,目に見える形であらわれております。先日,広島菜を買うために立ち寄ったスーパーでは,広島菜がわずか2種類しか置いてありませんでした。農地の減少に伴って生産量も減り,広島菜が今や希少なものになっているということなのです。私が子供のころには広島菜はスーパーの棚いっぱいに並んでいて,あるいはお土産として,いつも夕食として食べていたのがうそのようです。こんな状況があるので,是が非でも市街化区域内の農地,ひいては広島菜は守っていくべきものだと私は思っております。  ところで,市街化区域内の農地を残す制度として,生産緑地制度というものがあります。市街化区域内の農地は宅地にするという従来の考え方を農地として維持するという方針に転換したものです。地域に指定されると固定資産税が宅地に比べて安い,相続税や贈与税を猶予されるといった税務上のメリットもあります。しかし,現在,広島市はもとより,県内で生産緑地に指定された地区はございません。緑地がもたらす癒やし効果,空間を確保することによる防災・減災効果など副次的な効果もあり,制度を導入するメリットは多岐にわたります。  そこでお尋ねいたします。広島市では市街化区域内の農地の将来像をどう捉えているのでしょうか。また,生産緑地制度の導入が進まない原因は何か,制度導入の見込みはどうなっているのか,あわせてお聞かせください。  最後に,エディオンスタジアム広島の活用・運用についてお尋ねします。  広島市中心部へのサッカースタジアム建設が動き出しております。市や県,商工会議所,建設場所となっている中区などを中心に活発な議論が行われ,盛り上がりを見せているようでございます。一方,サッカースタジアムが完成した後,サンフレッチェ広島の現在のホームスタジアムであるエディオンスタジアム広島をどのように活用・運用していくのかといった話は,さほど聞こえてこないというのが市民の率直な思いだと思います。私自身,安佐南区選出の議員としては,なおのこと関心が高まっております。  エディオンスタジアム広島を取り壊すのであれば,活用どころか運用すら議論の対象にはならないのですが,サッカースタジアムが完成した以降もエディオンスタジアム広島は安佐南区に存在し続けるわけです。これまで,試合があるときには渋滞などの負担を負ってきた地元住民や広島市民の関心に応える必要があると思います。  そこでお尋ねします。サンフレッチェ広島がホームスタジアムをサッカースタジアムに移転することになった場合,エディオンスタジアム広島を含む広域公園の使用料などの減少分はどのように試算されているのでしょうか,お聞かせください。  また,平成31年2月定例会において,エディオンスタジアム広島の活用策について,陸上競技場のトラック改修に触れられています。このたびの所信表明でも,松井市長はスポーツの振興についてはスポーツ王国広島として引き続きトップレベルの国際的・全国的スポーツ大会の誘致を推進すると述べられております。さかのぼれば,2002年サッカーワールドカップでは,J1チームのホームスタジアムがありながら試合が行われませんでした。ことし9月20日に開幕するラグビーワールドカップでは,広島市では試合どころか事前合宿も行われません。本気でスポーツ王国広島をうたうのであれば,トップの大会を狙うべきなのです。1994年のアジア大会を開催した大会運営力などを見れば,広島市のポテンシャルの高さは言うまでもありません。  そこでお尋ねいたします。陸上を初め,世界的な大会の誘致を視野に入れてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○八條範彦 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       椋木議員からの御質問にお答えします。  市長の所信表明についてのうち,平和都市として発信力の向上による広島市ブランドの確立についての御質問がございました。  人類史上最初の被爆都市である本市は,戦後一貫して広島平和記念都市建設法の恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴としての平和記念都市の建設に努力するとともに,世界で最初に被爆し,廃墟から立ち直ったまちとして,平和を希求するヒロシマの心を国内外の市民社会に発信し続けてきました。  私が会長を務める平和首長会議は,その一環として取り組んでいるものでありますが,本年6月1日現在,世界の7,764都市が加盟しており,私が市長に就任して以来,3,000都市以上,加盟都市数が増加しました。また,世界の為政者に被爆の実相に触れてもらい,平和を希求するヒロシマの心を共有していただくため,被爆地訪問を働きかけ,国際会議の誘致をするなど,迎える平和を積極的に推進しております。その結果,平成26年のNPDI── 軍縮・不拡散イニシアティブ外相会合,平成27年と平成29年の国連軍縮会議,平成28年のG7広島外相会合などの国際会議が広島で開催されるとともに,平成28年には現職の米国大統領として初めてバラク・オバマ大統領の広島訪問が実現するなど,世界への発信力はさらに高まったものと考えています。  さらに,昨年度の平和記念式典には世界85カ国と欧州連合代表部の大使等約160人が参列し,また式典の中継は海外にも配信されています。加えて,昨年度の広島平和記念資料館の入館者数は150万人を超えており,特に外国人については43万人を超え,6年連続で過去最高を更新しております。こうしたことからも,平和を希求する広島市の姿は広く国内外に共有されており,平和都市としての広島市のブランドは着実に確立されてきているものと考えております。  今後ともこうした取り組みを含め,平和への思いを共有するまちづくりを進め,平和都市としての発信に努めてまいります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○八條範彦 副議長      道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   市長の所信表明についての御質問のうち,リニア新幹線が大阪から西へ延伸するとしたら広島市はどうすべきと考えているのかについてお答えします。  報道や公表資料によれば,リニア新幹線は現在,品川-名古屋間において認可を受けて整備が進められておりますが,将来的には東京-大阪間を約1時間で結ぶという計画となっています。この計画が実現すると東京-大阪間の時間距離が大幅に短縮されるため,これに関連する国内各地間の移動時間も短縮されます。  リニア新幹線の大阪以西へのルート計画については,これまでと同様,国主導で検討されるものになると考えられることから,本市としては広島都市圏のさらなる発展に大きく寄与するものとして,国の動向などをしっかり注視してまいります。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      危機管理担当局長。 ◎行廣真明 危機管理担当局長  カラーバリアフリーについての御質問のうち,洪水や土砂災害のハザードマップにおけるカラーバリアフリー化についての御質問にお答えいたします。  まず,洪水ハザードマップにつきましては,国が定める水害ハザードマップ作成の手引で示された配色を用いて作成しております。この配色は,ISO等の基準や色覚障害のある方への配慮,他の防災情報の危険度表示との整合性を考慮し決められたものであります。  次に,土砂災害ハザードマップにつきましては,広島市ユニバーサルデザイン協議会が取りまとめたユニバーサルデザイン・カラーガイドラインを参考に,色の区別が困難な方がわかりやすい,快いと感じる配色を目指し,市として明度差に配慮して作成しております。いずれも議員御指摘のいわゆるカラーバリアフリー化に沿ったものとなっております。  以上です。 ○八條範彦 副議長      教育長。
    ◎糸山隆 教育長       カラーバリアフリーについての御質問のうち,広島市の学校教育現場で色弱の児童生徒に対する配慮はどのようになっているか,またカラーバリアフリー対応のチョークの市立小・中学校への導入についての御質問にお答えいたします。  色覚異常は,議員御紹介のとおり,男子で約5%,女子で約0.2%の割合で見られると言われており,日常生活には大きな支障のないことが大半であるものの,黒板の字が見えにくい,色を勘違いするといった場合があるため,学校生活においても一定の配慮が必要となっています。このため,本市の学校においては,毎年保護者の希望を聞いた上で児童生徒に対して色覚検査を実施し,該当する児童生徒の把握に努めております。その上で,該当の児童生徒に対する配慮としては,そうした児童生徒が在籍するクラスにおいて,黒板へ板書する際に言葉で説明を加えたり,掲示物や資料の作成時に色の組み合わせに気をつけたりしております。  また,議員から御紹介のあったカラーバリアフリー対応のチョークについても,使用状況の調査に対し回答のあった学校の約4割で使用しているところです。  今後とも教職員の研修会等を通じ,色覚に関する正しい知識の習得を促進するとともに,校長会等を通じてカラーバリアフリー対応のチョークの存在や活用の周知を行うことなどを含め,色覚異常を持つ児童生徒に対するより適切な対応が行えるよう,各学校に対して指導・助言をしていきたいと考えております。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      企画総務局長。 ◎及川享 企画総務局長    広島市の少子化対策についての御質問のうち,3点の御質問にお答えいたします。  まず,男性の育児休業取得についての市の認識と取得率の目標についてです。  仕事と子育ての両立を図るためには男性の育児参加は不可欠であり,育児休業の取得を促進することは必要なことだと認識しております。本市では,広島市職員子育て支援プランにおいて,男性の育児休業の取得率を今年度末までに13%以上とする目標を掲げており,この達成に向けて職員に対する意識啓発等に取り組んでいるところでございます。  次に,本市の過去5年間の男性職員の育児休業の取得率と平成30年度の取得者の取得期間ごとの人数についてです。  広島市職員子育て支援プランの対象職員におけます過去5年間の取得率は,平成26年度は3.9%,平成27年度は3.3%,平成28年度は4.5%,平成29年度は6.9%,平成30年度は7.6%となっており,着実に向上してきております。また,平成30年度の取得者は20人ですが,その取得期間ごとの内訳は,1週間未満が4人,1週間以上2カ月未満が9人,2カ月以上6カ月未満が3人,6カ月以上が4人となっております。  最後に,男性職員の育児休業の取得を促進するための取り組みについてです。  男性職員の育児休業のさらなる取得率の向上のためには,管理職を初め職員の意識啓発や制度に関する理解促進が重要となります。このため,全所属長に対して毎年度,育児休業や子育て支援に関する研修を実施したり,全職員に子育て支援制度の内容をまとめた子育て支援ハンドブックを配布しております。特に3歳未満の子供のいる職員の所属長に対しましては,子育てのための休暇等を計画的に取得するための育児支援制度利用プランを当該職員に作成させた上で,そのプランについて職員との面談を実施し,育児休業等の取得の働きかけや業務分担の見直しなどに取り組むよう徹底を図っております。  また,昨年度から市長初め職員の人材育成を担っている管理職が,子育て中の職員に対する育児支援制度の積極的な利用の働きかけなどを盛り込んだワクワク職場宣言を実施し,女性職員はもとより,全ての職員が働きがいを持って生き生きと活躍できる広島市を目指した組織風土の醸成を図っております。  今後も引き続き意識啓発や各種制度の周知等に積極的に取り組み,男性職員が育児休業等を取得しやすい環境づくりにより一層努めていきたいと考えております。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     広島市の少子化対策のうち,民間企業における育児休業取得を促進するため,広島市の取り組み内容をモデルケースとして民間企業に周知したらどうかということについてお答えいたします。  本市では,第2次広島市男女共同参画基本計画において,民間企業の男性の育児休業取得率を上げることを重点目標に掲げ,女性の活躍や仕事と家庭生活等の両立支援について,民間企業が参考にしやすいよう,事例集を取りまとめることとしております。この事例集においては,民間企業の先進的な取り組みとあわせて,本市の取り組み内容についても取り上げたいと考えております。  議員から御提案のあった本市の男性職員が育児休業を取得した職場でどのような工夫をして部下,同僚の育児休業取得を支援したのかといった取り組み内容を掲載し,本市が実施する民間企業向けの研修会での活用や経済団体の会員企業への配布などにより周知を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    生産緑地制度について3点御質問がございました。  市街化区域内の農地の将来像についてまずお答えします。  平成25年に策定した本市の都市計画マスタープランにおきましては,市街化区域内の農地について,農地が市民への生鮮野菜の供給の場や市民が自然に触れることのできる憩いの場となるほか,防災機能等の重要な役割を担っていることから,その保全を視野に入れ,農と共生したゆとりある良好な住宅地の形成を図ることとしているところです。  これにつきましては,本市の実情を考慮して,市街化区域内の農地であっても保全を視野に入れるべきという方向性を示しておりますが,議員御指摘のとおり,平成28年に国におきましては,これまでの宅地化すべきものから都市にあるべきものへと位置づけを転換し,農地保全に関する制度改正が逐次行われております。本市としては,こういった国における制度改正等を踏まえて,都市計画マスタープランに掲げた方針を基本にしながら,どういった取り組みを行うべきか検討を進めているところです。  次に,2点目,生産緑地制度の導入が進まない原因についてですが,生産緑地地区に指定された後には,原則30年間は農業を継続して行う必要があるなど,真に農業を継続する意欲がないと制度を導入できない制約がございます。農地所有者が子や孫の世代にわたって農業を継続できるか自信が持てないといったことなどがこれまでのアンケート結果からもわかっており,導入が進まない要因の一つになっているものと考えております。  三つ目に,制度導入の見込みについてですが,農家の方々の多くが生産緑地制度の導入に慎重になっている状況の中,近年においては意欲的に都市農業を営む一部の若手農家の方々から,この制度を導入して積極的に農業が継続できるような条件を整えるよう,本市やJA広島市に要望が寄せられているところです。このため,現在,JA広島市や若手農家の方々との勉強会を行いながら,制度の導入に当たっての研究を進めているところです。  いずれにいたしましても,生産緑地制度の導入に当たっては,本市の行うさまざまな都市農業振興施策を踏まえ取り組む必要があると考えており,今後も都市農業と共生したまちづくりに向けたさらなる研究に取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     エディオンスタジアム広島の活用・運用についてのうち,世界的な大会の誘致についての御質問にお答えいたします。  大規模なスポーツ大会を開催することは,市民にさまざまなスポーツに触れる機会を提供するだけでなく,来訪者の宿泊や飲食等による高い経済効果があり,まちのにぎわいづくりにもつながるものでございます。  こうしたことから,エディオンスタジアム広島など広島広域公園内の競技場を国際規格に合うよう改修するなど,国際的・全国的なスポーツ大会の誘致に向け,基盤を整えてきたところでございます。その結果,広島広域公園での国際大会としては,今まさにオリンピックの女子ホッケー競技予選大会であるFIH・シリーズ・ファイナルが開催されているところであり,その後もこの秋には東京オリンピック代表世代による男子U22サッカー代表国際試合が,また全国大会として,国内大学生・高校生のトップレベルの選手が参加するU20・U18日本陸上競技選手権大会の開催が決定しております。  今後とも,競技施設の仕様や開催に伴う財政負担,地元競技団体の受け入れ体制なども勘案しながら,国際大会等の誘致に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    エディオンスタジアム広島の活用・運用についての御質問につきまして,サンフレッチェ広島がホームスタジアムを移転することになった場合,広島広域公園の使用料などの減少分はどのように試算しているのかの問いにお答えします。  広島広域公園においてJリーグ公式戦が行われる場合には,公式戦にあわせて売店・看板等の施設を設置するための使用料として年間約3000万円,エディオンスタジアム広島等の施設を利用するための料金として年間約6000万円,合わせて年間約9000万円が市の収入となっています。また,このほかに,ネーミングライツ料として年間3300万円が市の収入となっています。一方,公式戦にあわせて施設利用に係る光熱水費や警備費等の維持管理費がかかり,市からの支出は年間約3000万円となっております。こうしたことから,サンフレッチェ広島のホームスタジアムが新たなサッカースタジアムに移転し,ほかにネーミングライツ料を払うものがいない場合には,年間約9300万円の減収になると見込んでおります。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      椋木議員。 ◆10番(椋木太一議員) まず,先ほどのリニア新幹線についてなんですが,ちょっと再質問をさせてください。  リニア新幹線の質問に関して,答弁の中で注視というふうに表現されてたんですが,注視といいますとちょっと抽象的で,いろんなスタンスがあると思うんですね。はなから傍観してる,結構前のめりでやってる,どういうニュアンスの注視なのかというのをちょっとお聞きしたいんですが。  続いて,生産緑地制度についての答弁の中で,アンケートで自信が持てないというふうに答えられてる方がいるというふうに答弁されてたんですけど,自信が持てないってちょっとニュアンスがわからないんで,もう少しかみ砕いて,どういったことが当てはまるのか,現実にどういう現象が起きてるから自信が持てないという表現になってるのか,もう少しわかりやすくちょっと教えてください。  あと,エディオンスタジアム広島の活用について,国際大会の誘致などなどというふうにおっしゃってたんですが,陸上大会で国際大会というと,どうしても世界陸上がトップ大会としてぱっと浮かぶんですけど,現実問題,それ可能かどうか。箱としてですね,箱。あそこで開催するのは財政的なものは除いてですよ,現実的にできるのか否か,実現可能性,ぱっとお答えできる範囲でいいんですが,お答えください。  あと,これは要望になるんですけど,カラーバリアフリー化についてのチョークの話で,現在約40%が使ってるという御答弁あったんですが,裏を返せば残りの60%は使ってないということで,使ってないというか,導入されてないのかちょっとわかんないんですけど,現場には入ってないということで,あくまで市立なんで,公立学校ということで,教育水準の平準化というのはかなり重要な要素だと思うんですね。住んでる地域によってチョークが使われてない,隣の学区だったら使われてるのになと。それで人知れず悩んでいる子供もいると思うんです。周知徹底ということだったんですが,周知徹底を100%に到達できるように,かなり厳し目に強くやっていただきたいなというのが私の切なる思いなんで,本当に悔しい思いをしましたので,何とかよろしくお願いいたします。  以上です。 ○八條範彦 副議長      道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   リニア新幹線に関する御質問でございます。  50年,100年先を見据えた上でということになりますと,リニア新幹線の成立性とか,あるいはほかのモードについてもいろいろ考えていく必要もあると思います。そういった意味で,国や世の中の動きというものをしっかりと情報収集するということが大事だというふうに考えております。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     エディオンスタジアム広島の活用について御質問でございますけれども,エディオンスタジアム広島の陸上競技のトラックに関しまして,U20・18の大会を開催するに当たりましてクラス2の資格を取得しておりますけれども,現状聞いているところでは世界陸上ではさらに高い規格が要るというふうに聞いておりまして,明確に金額はわかりませんけれども,かなりの金額の改修が必要だというふうには聞いております。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    生産緑地制度について,改めて御質問をいただきました。導入が進まない理由についての答弁の中で,農業が継続できるか自信が持てないというアンケート結果だったけれども,具体的にどういうことなのかという御質問だったと思います。  答弁の中でも申し上げましたが,以前に実施をしましたアンケート調査の中では,30年という期間が長いということ,あるいは後継者が農業を継続するのかどうか不明であるといったような御意見が出ており,制度導入に慎重となる理由というふうに挙げられております。  あわせまして,先ほどの答弁の中で,近年,若手の農家の方が意欲的に都市農業を営みたいという声が上がっておるというような状況でございますけれども,生産緑地制度の導入に当たりましては,農地で耕作している方だけではなくて,農地に関して所有をしているですとか,そういった利害をお持ちの方の合意が必要となってまいります。農地所有者となっている親世代の方々の理解を得ることが必要になってくるということもございますので,こういったことも生産緑地制度の導入が進まない要因の一つになってくるかというふうに思います。  以上です。 ○八條範彦 副議長      次に,3番田中勝議員。                〔3番田中勝議員登壇〕(拍手) ◆3番(田中勝議員) 皆さん,こんにちは。  公明党の田中勝でございます。4月の統一地方選挙におきまして初当選させていただき,市民の声を形にとの思いで頑張ってまいりますので,よろしくお願いいたします。  会派を代表して一般質問をさせていただきます。しばらくの間,御清聴のほど,よろしくお願いいたします。  まず初めに,昨年7月に発災いたしました平成30年7月豪雨災害から来月で1年となりますが,お亡くなりになられた方々に哀悼の誠をささげるとともに,御遺族の皆様に心からお悔やみ申し上げます。また,被災された多くの皆様に心からお見舞い申し上げます。  この場をおかりして,一つお礼を申し上げたいことがございます。8月6日に平和記念式典が毎年とり行われておりますが,私は被爆2世として,また広島・長崎講座の認定大学の教員として参列してまいりました。被爆者の方々を初め,多くの方々を迎えるに当たり,市職員の皆様の献身的な姿に心から感謝と御礼を申し上げさせていただきます。  さて,初めに,平和政策についてお伺いいたします。  人類最初の被爆地である広島市は,核兵器廃絶・世界恒久平和の実現に向け,使命と責任と,そして権利があります。核兵器をめぐる国際情勢がどんなに厳しくなろうとも,私たち広島市政は被爆者の方々と手を携えて,核兵器廃絶への希望を失ってはならないと声を発していきたいと思います。  世界は,国連を初め多くの国々も,日本も,広島も,絶対悪である核兵器の廃絶を叫んでおりますが,核の傘からの脱却なくして核兵器廃絶は夢物語であり,あり得ないのであります。こんな思いを他の誰にもさせてはならない,そのことを誰よりも知っているのがヒロシマ・ナガサキの人々であります。  平和首長会議では,この状況に終止符を打つために,2003年10月に,2020年までの核兵器廃絶を目指す行動指針2020ビジョン── 核兵器廃絶のための緊急行動を策定しました。目標にある,全ての核兵器の実戦配備の即時解除は,ダモクレスの剣からの解放そのものであります。そして,2020ビジョンの目標地点を被爆75年である来年に迎えます。  そこでお伺いします。2020ビジョンの目標地点を迎えるに当たり,何が達成し,何が困難であったのか,また今後の解決策をどのように見つけ出していくべきなのかなど,国内外の有識者を含め,2020ビジョンの総括を行うべきと思いますが,市長の御見解をお聞かせください。  次に,ヒロシマは試練に挑み行く希望として,確かな目標を持たなければならないと考えます。羅針盤と目的地なき航海ほど危険なものはありません。苦しみに耐え抜いた被爆者の方々が高齢化する中で,希望が持てる具体的な取り組みが必要です。核兵器廃絶・世界恒久平和の実現に向け,限られた時間を確かな歩みにするためにも,5年ごとに検証するなど段階的な,つまり短期,中期,長期的なビジョンが必要だと考えます。  2017年から2020年の平和首長会議行動計画にて,核兵器のない世界の実現と安全で活力のある都市の実現の両輪こそ世界恒久平和へ進む道と示されております。SDGsの文書で核兵器廃絶に関する言葉は避けられておりますが,アジェンダの前文では,平和なくしては持続可能な開発はあり得ず,持続可能な開発なくしては平和もあり得ないと述べられ,平和首長会議の行動計画の両輪と重なっております。  2017年11月,松井市長も訪問されたバチカン市国でありますが,ローマ法王庁主催のバチカン会議では,核兵器禁止と持続可能な開発の関連性が強調されました。核兵器廃絶と持続可能な社会へ向けての魅力ある都市の実現の両輪こそ,進むべき確かな道と確信するものであります。  そこでお伺いいたします。2020年以降の新たなビジョンとしてどのようなお考えをお持ちなのか,御見解をお伺いいたします。  次に,広島市は被爆の実相を守り,広め,伝える取り組みを進めてきました。一方,平和首長会議の会長都市としては,加盟都市の拡大に取り組み,世界中の7,700を超える自治体が加盟するに至っています。また,国内加盟都市は99.5%に及んでいます。広島市は,まず他都市の市民社会に平和を希求するヒロシマの心を伝えていくことに重点を置くべきであると考えます。あわせて,平和首長会議として,迎える平和のさらなる充実と推進とあわせて,発信する平和を他都市の市民とのかけ橋となるように働きかけていくべきだと思います。  そこでお伺いいたします。市長は被爆地広島市の市長と平和首長会議の会長のそれぞれの立場で,核兵器廃絶と世界恒久平和の実現という目標に向けてどのような基本的な考え方で取り組んでいこうとお考えでおられるのでしょうか。御見解をお伺いいたします。  続いて,平和首長会議のさらなる取り組みをお伺いいたします。  国内外の多くの都市が加盟する平和首長会議は,広島のみならず,世界の平和構築への大きな財産だと考えます。この加盟都市のネットワークを十分に活用するためには,一都市一都市とのさらなる連携が必要です。よって,平和首長会議のさらなる取り組みとしては,①核兵器禁止条約の早期発効と軍縮へのさらなる尽力,②自律型致死兵器システム── LAWSの開発規制等,現代の脅威に対する警鐘と行動,③平和首長会議の一都市一都市とのさらなる連携による再構築と拡大,④誰もが平和のメッセンジャーとして活躍できる新たな仕組みと支援,⑤平和首長会議に関する展示やウエブサイトのさらなる充実と発信などが望ましいと考えます。  そこでお伺いいたします。平和首長会議のさらなる取り組みについて,市長はどのようにお考えでしょうか。  続けて,青少年を対象とした平和への取り組みについてお伺いいたします。  次世代を担う若い世代には,核兵器や平和の問題を広島,長崎だけの問題ではなく,自分たちの問題だとの意識を持って平和を推進する活動に取り組んでいただきたいと思っており,国内の加盟自治体の中には,既に青少年の広島派遣を初め,活発に若い世代を対象とした平和の取り組みを行っている自治体もあります。こうした自治体はさらに活動を充実させていただき,これから取り組もうとしてる自治体には市が力強くサポートすることによって活発な活動を進める自治体をふやしていくことが重要ではないでしょうか。  そこでお伺いいたします。平和首長会議国内加盟都市における青少年を対象とした平和の取り組みの促進・拡充に向けて,今後,市としてどのような展開を考えておられるのでしょうか,お聞かせください。  続けて,平和の祭典である東京オリンピック・パラリンピック関連についてお伺いいたします。  被爆75年という節目の年に当たる来年,いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。平成30年第2回定例会において我が会派の碓氷芳雄議員が,この貴重な機会を逃さず,さまざまな形で平和のメッセージを発信していくべきと訴え,広島市としてどのような取り組みを進めていこうと考えているのか質問いたしました。市長は,核兵器のない平和な世界の実現に向けた機運の醸成につながるさまざまな取り組みを行っていきたい,例えば東京都内での原爆展や折り鶴を使った平和のメッセージの発信などを考えると答弁されました。東京オリンピック・パラリンピックは広く世界に平和を発信する絶好の機会となるものと考えるので,発信する平和への取り組みを積極的に行ってほしいと考えます。  開催期間中,東京を訪れる選手,役員,マスメディア,観客等多くの人々には,ぜひこの機会に被爆地まで足を運んでいただき,平和記念資料館への見学や被爆体験証言の聴講を通して被爆の実相に触れていただきたいところでありますが,限られた滞在期間の中でそれが難しい方もおられると思います。  そこでお伺いいたします。市長は所信表明にて,都内等で原爆・平和展を開催したいとのお考えを示されました。被爆地を訪れることができない方々にも原爆の実相を伝えるように取り組むとのことでありますが,世界中の多くの人々にヒロシマ・ナガサキの心を伝える絶好の機会となるこの原爆展については,これまでより規模を拡大し,原爆被害の凄惨さを伝える展示に加え,核兵器廃絶に向けた平和の取り組みも紹介できるなど,内容をより充実した特別な原爆・平和展,いわばミニ平和記念資料館としてはどうかと考えますが,どのように取り組んでいこうとしておられるのか,お伺いいたします。  また,折り鶴を使った平和のメッセージの発信については,東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が幅広い市民社会に向けて折り鶴を折って,その写真をSNSで発信することにより大会開催期間中の休戦を世界に呼びかけるキャンペーン── 「PEACE ORIZURU」の参加を呼びかけていると聞いております。このような取り組みを日本発の平和を希求するムーブメントとして大きな輪に広げていくべきであり,広島市としても積極的に協力すべきだと考えます。  そこでお伺いします。このキャンペーンに広島市はもとより平和首長会議としても呼応し,世界の加盟都市の子供たちに折り鶴を折ってもらい,平和のメッセージを発信してもらえば,若い世代にも平和の思いが広がり,効果的ではないかと思いますが,市としての御見解をお伺いいたします。  次に,持続可能な社会に向けて,エシカル消費の普及・啓発について御質問させていただきます。  2015年9月の国連サミットで採択された,持続可能な開発のための2030アジェンダにて記載された,2016年から2030年までの国際目標である持続可能な開発目標── SDGsは,政府としても積極的に取り組んでおります。SDGsは,貧困や飢餓,エネルギー,気候変動,平和的社会など,持続可能な世界を実現するための17のグローバル目標で,169のターゲットから構成されております。政府はその目標12に当たる,つくる責任・つかう責任の目標において,エシカル消費への推進を行っています。具体的には,消費者基本計画において,エシカル消費を,地域の活性化や雇用なども含む人や社会・環境に配慮した消費行動と定義し,消費者庁が主導で普及活動を行っており,今年度,地方消費者行政強化として22億円の交付金を交付しております。  広島市は第2次広島市消費生活基本計画において,エシカル消費行動をとることが重要とうたっており,重点目標として,倫理的,つまりエシカル消費を実践する消費者をふやすとあります。エシカル消費の推進として,広島にはエシカルに関する事業者,または商品が多くあります。例えば折り鶴再生紙を初め,福祉作業所で製作されたものや,地産地消のもの,アップサイクルやリサイクル商品など,また食品ロスや省エネルギーに取り組む企業など,それらを応援する仕組みがあってもよいのではないでしょうか。このエシカル消費の普及・啓発は,主に市民局の消費生活センターが中心に推進されますが,全ての部局に関連しており,また,一つの部署だけで取り組める内容ではありません。既に各部局で取り組まれているものを,SDGsの推進のエシカルとして把握し応援することで,学生などがインターンシップ先を選択する基準にもなり,持続可能な社会への推進へつながります。  消費者庁のオフィスが設置してある徳島県では,各部署が連携し,自分たちの部署でできるエシカルに取り組んでおり,エシカルアワードの創設や,国境を越えたフェアトレード商品の共同開発,またエシカル消費で子育て支援や,公立高校にエシカルクラブの設置など,多くの事業支援を実施し,県庁内にあるオフィスもエシカルをテーマにしたコンセプトでデザインされ,職員がより働きやすい環境づくりに配慮されていました。  そこで,エシカル消費の普及・啓発のための広報活動についてお伺いいたします。私たち社会生活を営む全ての人は,誰もが消費者であります。その中で,エシカル消費は,決してその消費活動を減退させるものではなく,持続可能な社会に向け,よりすてきな消費活動を展開しようとするものです。徳島ではエシカルイコール思いやりと表現して事業展開をしております。このエシカルは,若い世代,特に高校生から高い関心が寄せられているのも特徴です。まずは交付金などを活用しながら,エシカルという言葉を普及・促進し,次世代を生きる若者を初め,市民に広く広報できればと思いますが,お考えをお聞かせください。  エシカルの具体的な展開として,マイボトルの普及活動におけるエシカル・ウオーター・ステーションとしてのサイン・ボード等の設置についてお伺いいたします。エシカルへ取り組むマイボトルの普及の意味で,市民並びに広島を訪れる観光客へ,環境省選定名水百選でもある広島のおいしい水が出る水飲み場をエシカル・ウオーター・ステーションとしてイノベーションし,サイン・ボード等を設置するのはどうでしょうか。具体的には,観光客や多くの市民が集うエリアの水飲み場で始めてみてはどうかと思いますが,御見解をお伺いいたします。  次に,防災・減災対策についてお伺いいたします。  防災・減災対策は,命を守る政治として,待ったなしの課題であります。その中で,市民の防災意識の向上と地域の役割は重点課題であります。私は,8年3カ月前の東日本大震災が発災したとき,東北山形の地に暮らしており,被災地へのボランティアや震災後の復興の現場へ何度も足を運ぶなど活動し,防災士の資格も取得してまいりました。また,平成30年7月の豪雨災害の発災後,当時住んでいた京都から2日間ボランティアに入らせていただきました。災害発生時で最も大事なのは,自助でありますが,次に,共助・協働という町内会,自治会,消防団等地域組織の役割と行政の役割,またボランティアの役割などが欠かせません。阪神・淡路大震災の際,約8割が家族や近所住民によって救出されました。また,東日本大震災のとき,岩手県の釜石という地域では,約9メーターの大津波に襲われながら,99.8%の方の命が助かり,小・中学校のたゆみない防災教育が大きく生かされました。  災害はいつ発生するかわかりません。地域において多くの時間を学区内で過ごしているのが,市立の小学生と中学生であります。釜石の奇跡のように,小学生や中学生が地域の高齢者を手助けし,避難したように,地域防災の中核となることが求められております。また,広島県は3月26日までの情報で土砂災害警戒区域が全国最多の4万7428カ所で,その中でも広島市は最多の7,697カ所となっております。これらを踏まえ,広島独自の防災教育が必要であると考えます。  静岡県では,ジュニア防災士という認証制度が実施されており,この制度をスタートした平成22年度が59名の認証で,現在は毎年1,000名を超える人数となっております。ジュニア防災士の制度は,防災の意識を持ち,災害から身を守ることができ,かつ将来は地域の防災活動のリーダーとなることが期待される育成です。静岡県では小学校5年生から高校生を対象として,現在行われている学校教育のカリキュラムに負担がない形で導入されております。  広島市は,平成27年度から防災士制度を活用し,地域の防災リーダーの養成を行ってまいりましたが,これらの防災リーダーを各学校へ派遣し,ジュニア防災士の講師として活躍していただくとよいと思います。また,認証制度では,ジュニア防災リーダーとしての意識向上へ大きな役割を果たすことができます。1人が10歩前進の防災教育も必要ですが,今,広島に求められているものとしては,10人が1歩前進の防災教育が必要であると考えます。
     そこでお伺いいたします。広島市でのジュニア防災士制度を導入してはいかがでしょうか。  続いて,モバイル型応急仮設住宅── トレーラーハウスについてお伺いいたします。  平成30年7月の豪雨災害では,岡山県倉敷市において災害救助法に基づく建設型仮設住宅としてトレーラーハウスが51戸ほど整備されたと聞いております。プレハブの仮設住宅よりも,迅速かつ安価に提供できる可能性があると考えており,広島市においても災害時の応急仮設住宅としてトレーラーハウスの活用を検討してはどうか,お考えをお聞かせください。  続いて,学校体育館の老朽化における建てかえについてお伺いいたします。  今月,6月7日に大雨による避難勧告が広島市内各地に発令されました。西区におきましては,大きな被害はありませんでしたが,己斐中学校の体育館は老朽化による雨漏りが発生いたしました。現在,広島市内の小学校・中学校の体育館は202施設あり,建築後40年以上を経過したものは全体の43%で,己斐中学校も含め,87の施設があります。己斐中学校体育館の雨漏りについては,市で緊急対応していただきましたが,教育施設における安全性と,災害時の指定緊急避難場所としての安全確保のために,建てかえも視野に入れた対応を検討いただきたく,お考えをお聞かせください。  次に,SNSを活用したいじめ・自殺相談体制の構築についてお伺いいたします。  いじめは,いじめを受けた児童生徒の心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず,その生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるもので,いじめ問題の克服に向けて取り組むことが強く求められています。  また,警察庁によると,2018年の全国の自殺者は2万840人,9年連続で減少する一方,19歳以下の自殺者数は増加の傾向にあります。  こうした中,子供のいじめ・自殺相談体制の強化は重要課題であります。長野県では,2017年に全国で初めてLINEを使ったいじめ・自殺相談事業を実施し,わずか2週間で前年の電話相談の倍以上となる相談が寄せられました。このため,文部科学省も2018年度から補助金を出してSNS相談を行う自治体を後押しし,現在,約30の自治体で実施されております。文部科学省がいじめ防止対策協議会の中に設置したワーキンググループが取りまとめたSNS等を活用した相談体制の構築に関する当面の考え方の中においても,SNSを活用した相談は,文字や絵文字などを用いた自分の思いを気軽に伝えやすい,また,スクリーンショットを用いることにより,SNS等の中でのトラブル等を正確かつ容易に相談員に伝えることができるというメリットが報告されております。こうしたことから,子供たちが相談しやすい体制づくりを推進していくため,本市においてもSNSを活用したいじめ・自殺相談体制を確立していくべきではないかと思います。  そこでお伺いいたします。昨年9月議会においてSNS等を活用した相談体制の構築に向けて検討すると答弁がありましたが,その後の検討状況を教えてください。また,SNS等を活用した相談体制の構築に向けて,今後,どのように対応されるのかお答えください。  続いて,広島駅における観光客のおもてなしについて質問します。  政府は,観光立国の実現として,住んでよし,訪ねてよしの国づくりを推進し,広島市におきましても,VI戦略が推進されており,住んでよく訪ねてよい千客万来の都市の実現を目指しております。こうした中,広島駅周辺地区整備の推進により,広島の玄関としてふさわしい整備がされてきましたが,広島駅における観光客へのおもてなし状況はどうでしょうか。まず,駅に到着した観光客が身軽で負担なく観光するためには,手荷物等の預かり場所の充実が欠かせません。広島駅の1日乗降者数は約14万人で,広島駅のロッカー数は1,236個です。他の都市駅との比較で,ロッカー数が極端に少ないわけではありませんが,手荷物当日一時預かりサービスは,営業時間が午前9時から午後6時に限られております。この春,ゴールデンウイークはコインロッカーのあきがない状況でした。一時預かりサービスは,最後尾とのプラカードを持った職員が立つほど列ができ,決して訪ねてよい状況ではありませんでした。千客万来の都市の実現に向けて,また,限られた旅行の時間を無駄にさせないためにも,コインロッカー及び荷物一時預かりサービスの充実に向けた取り組みとして,例えばロッカーの空き状況を確認できるロッカー監視サービス── ロッカーコンシェルジュの導入や,また周辺施設への手荷物一時預かりサービスの協力要請なども必要と考えます。  広島駅では,来年4月から駅ビルの建てかえ工事に着手し,魅力ある空間が創出されるようです。しかし,建てかえ工事の完成は,令和7年春予定となっており,工事期間中,こうした手荷物の預かり場所の不足はなかなか解消されないのではないかと懸念しております。駅構内のロッカー整備はJRの所管ではありますが,広島を訪れる観光客へのおもてなしの向上を図る観点から,広島市としてもJR西日本に対してロッカー及び手荷物一時預かりサービスの充実に向けた取り組みをするなど対応できないか,働きかけてみてはいかがでしょうか。  最後に,アストラムラインの延伸先となる西広島駅は,南北自由通路等整備,南口駅前広場の再整備による西広島駅周辺地区交通結節点整備が本格的に着手し,また北口地区では,駅前広場を含めた土地の再整備事業によるまちづくりが進められております。広島の西の玄関であり,また平和大通りの西の終点が西広島駅前となりますが,活力とにぎわいのあるまちづくりを実現するために,市長は周辺の装いを一新すると述べております。  そこで,西広島駅周辺整備についてお伺いいたします。己斐のまちは歴史的に植木と花卉のまちとして発展してまいりました。その地域の独自の歴史を大切にするため,西広島駅を含めた周辺整備のランドスケープデザインは,植木と花卉のまちである己斐の歴史に配慮されたものを考えておられるのでしょうか。  以上で私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○八條範彦 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       田中議員からの御質問にお答えします。  平和政策についてのうち,広島市長と,平和首長会議会長の平和政策の基本的な考え方についての御質問がございました。  私は,被爆地ヒロシマが,被爆直後から今日までそうであったように,これから先いつまでも平和の象徴であり続けるようにすることは,市長としての責務であると考えています。そのために,被爆者の体験や,こんな思いをほかの誰にもさせてはならないという被爆者の思いが,まず広く市民社会に共有され,しっかりと受けとめてもらえるように,平和宣言を初めとして,発信する努力を重ねることが重要であると考えています。その基礎となる被爆の実相を守り,広め,伝えるための努力も同時に重ねていかなければならないと考えています。  次に,共有された市民社会の思いを実現していくためには,市民の安心で安全な生活を守る責任を担っている首長が一致団結した取り組みを行うようにする必要があると考えています。そこで,首長によって構成されている超党派の組織である平和首長会議の存在とその活動が重要になってくると考えており,加盟都市と連帯し,世界の為政者の世界恒久平和の実現に向けた動きを後押しする環境づくりを進めているところであります。  私は,広島市長と平和首長会議の会長という二つの立場をこのように整理しながら,平和政策への取り組みを進めてきているところであります。現下の国際情勢を見ると,自国第一主義が台頭する中で,敵対的,排他的な考え方が広まってきております。市民社会の中で,こうした考え方を乗り越える価値観を醸成していかなければなりません。息の長い地道な取り組みとなりますけれども,今後とも二つの立場を活用しながら,未来志向で,世界の市民社会に我々人類の住む地球を持続可能なものとするためには核兵器は要らないとの思いを浸透させて,大きな潮流をつくっていくことこそがヒロシマの真の役割であると考えているところであります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○八條範彦 副議長      市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     平和政策について,順次お答えいたします。  まず,2020ビジョンの総括についてです。  平和首長会議では,行動指針である2020ビジョンと,これを実現するための行動計画を策定し,さまざまな取り組みを実施してきました。本市として現時点の2020ビジョンの達成状況について,次のように考えています。現ビジョンに掲げられた4項目のうち,核兵器禁止条約締結に向けた具体的交渉の開始と同条約の締結の2項目については,2016年12月の国連総会で法的拘束力のある核兵器禁止条約の交渉を行うための国連会議を開催することが決定された後に,多国間核軍縮交渉の前進に関する公開作業部会,核兵器禁止条約交渉会議で議論が進み,2017年7月に核兵器禁止条約が採択されました。同条約には現在70カ国が署名し,23カ国が批准するに至っています。しかしながら,全ての核兵器の実戦配備の即時解除と,全ての核兵器の解体の2項目については,達成は厳しい状況です。  平和首長会議は,核兵器のない平和な世界の実現という共通目標のもとで連帯している組織ではありますが,外交・防衛に係る権限を有していない各都市の首長から成る組織であることから,為政者に政策転換を促し,またそれを容易にするための環境づくりを目指して活動を展開しています。具体的には,国連の協力を得て,国際会議の場で各国の為政者に対して市民社会の声を届ける要請活動や,加盟都市とともに市民社会の世論の醸成・拡大に向けたさまざまな取り組みを進めています。現時点では,これらの活動による広がりがまだ十分ではないため,核保有国,その同盟国と,非核保有国の間での大きなギャップを埋めるに至っていないのだと考えています。  今後,来年8月の総会での審議に向けて,議員御提案のように,連携する平和研究機関等に意見を伺いながら,それらを十分にそしゃくした上で,役員都市との間でしっかり議論し総括していきたいと考えています。  次に,2020年以降の新たなビジョンについてです。  2020年以降の次期ビジョンの柱については,役員都市との意見交換の中で,現在,世界恒久平和という究極の目標への道筋として掲げている核兵器のない世界の実現と,安全で活力のある都市の実現という二つを継続して掲げていこうということを確認しており,後者については,近年国連において提唱されているSDGsにも合致しています。今後さらにその具体的な内容について検討していきますが,平均年齢が82歳を超えている被爆者の方々が一日も早く核兵器廃絶を実現したいと切に願っていることをしっかり受けとめた上で,着実に核軍縮が前進していくような取り組みにしていきたいと考えています。そのため,4年ごとに開催している総会を短期的な取り組みの検証の場としてPDCAサイクルに位置づけるなど,取り組みの成果が確実に上がるような進め方について,新たなビジョン等の検討の中で役員都市と議論していきます。  次に,平和首長会議のさらなる取り組みについてです。  平和首長会議では,これまで広島市立大学広島平和研究所など,連携する平和研究機関の核軍縮をめぐる国際情勢等についてのニューズレター等の発信,リーダー都市制度の導入など,会長都市である本市と管轄地域の加盟都市の連携の強化,次代を担う広島の青少年みずからが,平和記念公園を訪れる外国人に対して被爆の実相を英語で伝えるユースピースボランティア事業など,市民一人一人が平和の主体者になれるような取り組みの推進,平和首長会議のウエブサイトでの加盟都市名や各都市の取り組みの好事例の掲載など,ウエブサイトの充実などに取り組んできているところですが,議員御指摘にも合致するこれらの取り組みは,いずれも核兵器禁止条約の早期発効と核軍縮の進展に向けて世界の各都市の首長が連帯して実施するにふさわしいものであり,2020年以降は市民社会レベルにおける平和の取り組みがますます重要になってくることを踏まえつつ,さらなる取り組みを検討していく必要があると考えています。  次に,青少年を対象とした平和の取り組みについてです。  国内においてヒロシマの心への共感を市民社会に広げていくためには,平和首長会議の国内加盟自治体からできるだけ多くの人に広島に来ていただき,被爆の実相の理解を深めていただくことにより,各自治体の平和の取り組みが深化していくことが重要であると考えています。被爆者の高齢化が進み,みずからの体験を語ることができる人が少なくなる中,来年の被爆75周年を契機として,被爆者から次代を担う若い世代に平和のバトンを渡し,それぞれが地域のリーダーとなってヒロシマの心を発信していくことがとりわけ重要になると考えています。  先月,市長が,神奈川県市長会や東京都市長会に出席し,それぞれの参加市長に対して,青少年の広島訪問や平和への活動を促すとともに,本市での平和学習とセットで広島への修学旅行誘致を依頼しました。神奈川県の市長会では,川崎市長から青少年支援事業の体系がよくわかったので関係部署に伝えるとの発言があり,小田原市長からは被爆70周年に青少年を派遣したが,75周年も派遣したいとの発言があるなどの反応が得られました。本市としては,被爆75周年に向け,平和記念式典での自治体席を増設し,各自治体の生徒の派遣をふやすとともに,派遣された児童生徒と広島の児童生徒が8月6日に一堂に会し,平和のメッセージを発信するひろしま子ども平和の集いへの広島市内外からの参加を積極的に呼びかけます。さらに,この集いに参加した児童生徒が被爆の実相をより深く理解し,各自治体においてヒロシマの心を発信するために,考え学ぶ場として,意見交換会を新たに開催し,平和を議論する場の充実を図っていきたいと考えています。  また,各自治体における本市への修学旅行の事前学習等に資するため,ヒロシマ・ナガサキ原爆写真ポスターや,市民が描いた原爆の絵,記録映像のDVDなどの平和学習資料の貸し出しや,国との連携のもと,被爆体験伝承者等派遣事業に取り組んでおり,今後ともこうした事業がより多く活用されるよう,平和首長会議国内加盟都市会議総会の場や,修学旅行誘致のセールスなどの機会を捉えて働きかけを行っていきたいと考えています。  次に,東京オリンピック・パラリンピック関係のうち,東京での原爆・平和展について,内容をより充実した,いわばミニ平和記念資料館とすべきと考えるがどうかということについてです。  被爆75周年に当たる来年は,2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催により,国内外から多くの人が東京を訪れます。これを好機と捉え,同大会開催期間中に東京都内で原爆・平和展を開催したいと考えています。  この原爆・平和展では,被爆の実相や平和への取り組みについてより深く理解していただけるものとするため,議員御提案のとおり,ミニ平和記念資料館とも言えるものとして実施したいと考えています。  まず,会場は,都心からの交通至便な文京シビックセンターの300平米のギャラリー及びホールを使用する予定です。この会場にあわせて,動員学徒の遺品などの被爆資料や,被爆直後の惨状をあらわす原爆の絵を多く展示するほか,被爆体験証言,被爆体験記朗読会の開催,記録映像コーナーの設置など,被爆の実相に係る内容を拡充するとともに,被爆からの復興や核兵器廃絶に向けた市民社会からの訴え,平和首長会議の取り組みなど平和への取り組みに係る内容を拡充し,これまでにない規模のものとするよう考えています。  こうした内容は,現在関係機関等と調整中ではありますが,この原爆・平和展を通して,特に若い世代の人々に今まで触れたことのない被爆の実相を深く理解していただき,被爆者から次代を担う若い世代に平和のバトンを渡していくことができるよう取り組んでまいりたいと考えています。  次に,「PEACE ORIZURU」キャンペーンについてです。  被爆75周年という節目の年に開催される東京オリンピック・パラリンピックは,平和のとうとさを感じることのできるメッセージを発信することにより,世界の人々の平和意識を醸成し,共感の輪を広める重要な機会であると考えています。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が呼びかけている「PEACE ORIZURU」については,議員御指摘のとおり,日本から発信する平和を希求するムーブメントとして大きな輪に広げていくべきであると考えています。  このため,本市では,世界の163カ国・地域の7,764の平和首長会議加盟都市や,広島市内及び広島広域都市圏内の学校にこの取り組みへの参加を呼びかけたいと考えています。具体的には,平和首長会議の国内加盟都市には本年10月に東京都国立市で開催される平和首長会議国内加盟都市会議総会で,海外の加盟都市には本年11月にドイツハノーバーで開催される平和首長会議理事会で呼びかける予定です。また,広島市内及び広島広域都市圏内の学校には,東京オリンピック・パラリンピックの開催年となる来年1月以降に各学校で実施してもらうよう呼びかける予定です。こうした呼びかけにより,国内外の多くの青少年から折り鶴に込めたメッセージが発信され,平和への思いが世界に広がるよう取り組んでまいりたいと考えています。  次に,持続可能な社会に向けてエシカル消費の普及・啓発について,二つの質問にお答えいたします。  まず,エシカルという言葉の普及・促進についてです。  本市では,昨年策定した第2次広島市消費生活基本計画の重点目標に,倫理的消費── エシカル消費を実践する消費者をふやすことを掲げ,SDGsに掲げられている目標の一つである持続可能な消費と生産パターンの確保に向けた取り組みを進めているところです。具体的には,消費者向け講座の開催や,児童生徒用リーフレットの学校への配布などにより,エシカル消費に該当する消費行動を促すための意識啓発に努めているところですが,エシカル消費という言葉については,市民や企業に十分浸透しているとは言いがたい状況にあります。このため,本市広報紙や消費生活情報紙での特集,区役所・公民館でのパネル展示,スポーツ施設の大型スクリーンでの放映などを通じて周知を図るとともに,特に次代の担い手である若年層に対しては,児童生徒用学習会・イベントでのPRや出前講座などを通じてエシカル消費という言葉の周知を図りたいと考えています。  最後に,マイボトルの普及活動におけるエシカル・ウオーター・ステーションとしてのサイン・ボード等の設置についてです。  議員御提案は,マイボトルが環境に優しい消費行動を促すものとして認知度が高いことを踏まえたものであると考えますが,多くの観光客や市民が集うエリアの水飲み場にエシカル消費に係るサイン・ボード等を設置することにより,マイボトルの普及を期待するということについては,広島のおいしい水と絡めて広報することになじむものかどうか,もう少し時間をかけて慎重に検討してまいります。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      危機管理担当局長。 ◎行廣真明 危機管理担当局長  防災・減災対策についての御質問のうち,静岡県が導入しているジュニア防災士制度を本市においても導入してはどうかの御質問にお答えします。  地域の防災力を高めるためには,地域の子供たちがみずからの命はみずからで守るという自助の意識や,自分たちのまちは自分たちで守るという共助の意識を高め,子供たちを通じて家庭内の防災意識を高めていけるよう,子供のころからの防災教育を充実することが重要であると考えています。こうしたことから,本市では,これまでにも小・中学生が参加する防災訓練や防災イベントにおきまして,地震体験車や降雨体験機などを活用し,防災に対する意識を高めてもらう取り組みを行っています。また,地域における取り組みとしましては,例えば安佐北区三入学区では,自主防災会連合会が中心となり,三入小学校の児童とともに防災紙芝居を作成し,地域住民に披露するなどの取り組みが行われています。さらに,昨年の7月豪雨災害の教訓を踏まえ,今年度から小・中学生を対象とした避難所での宿泊訓練や地域の水害碑めぐりを行うとともに,地元の方から過去の災害について語っていただくなどの取り組みを進めることとしております。  議員から御提案のありましたジュニア防災士制度につきましては,今後とも子供たちの防災意識を高めていくための有効な手段となるか否か,十分に検討してまいりたいと考えております。  以上です。 ○八條範彦 副議長      都市整備局指導担当局長。 ◎胡麻田泰江 都市整備局指導担当局長  防災・減災対策についての御質問のうち,昨年7月の豪雨災害では倉敷市において応急仮設住宅としてトレーラーハウスが活用されたので,広島市においても活用を検討してはどうかとの御質問にお答えします。  災害が発生した際に,被災者の方々に提供する仮住宅については,迅速に提供することが重要であり,また本市には既存の公的賃貸住宅や民間賃貸住宅が多数存在することから,これら既存の住宅を活用することを基本にしており,大規模地震などで多数の民間賃貸住宅も被害を受けるなどして提供可能な住宅が不足する場合に,建設型仮設住宅の整備で対応することにしています。  議員から御紹介のあったトレーラーハウスについては,建設型仮設住宅の一つとして活用できるか研究していくことになると受けとめておりますが,プレハブの仮設住宅とのコスト面での比較,大型トレーラーで搬送・搬入できる場所の確保,全国的なストック数の状況など,プレハブ住宅との比較が必要というふうに考えております。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       防災・減災対策のうち,学校体育館の老朽化に伴う建てかえについてお答えをいたします。  学校施設の安全性の確保については,これまで喫緊の課題であった耐震化を最優先として集中的に取り組み,平成30年度までに一部を除き完了いたしました。また,日常においては,学校による安全点検を行いつつ,外壁の剥離や雨漏りなど,老朽化に起因した突発的に起きる事象に対しては,その都度,応急措置,いわゆる事後保全を行いながら安全性を確保しています。そのうち外壁については,危険性をあらかじめ除去するため,今年度から計画的な改修に取り組んでいるところです。こうした中,本市の小・中学校は,議員御指摘の体育館と主要校舎を合わせますと644施設あり,そのうち建築後40年以上経過したものは346施設と,全体の54%を占めております。このため本市では,令和2年度までに学校施設の長寿命化計画を策定し,計画的に整備を進めることとしているところであり,その中で体育館や校舎等の学校施設ごとに劣化状況を踏まえつつ,外壁や屋上防水等の改修については,応急的な事後保全から予防保全という考え方に転換し,また劣化の著しい施設については建てかえを行うといった観点に立って,財政負担の平準化を考慮した対応方針を定めていくこととしております。  次に,SNSを活用したいじめ・自殺相談体制について,昨年の9月議会で相談体制の構築に向けて検討する旨を答弁しているが,その後の検討状況はどうか,また今後どのように対応するのかということにお答えいたします。  SNSによるいじめ・自殺相談体制の構築については,昨年9月の時点では,先行実施している他の自治体の実施状況や検証結果等も踏まえた上で,具体的な実施方法を検討し,平成31年度に広島県教育委員会とともに文部科学省の補助金を活用して,夏休み明けの1カ月間など期間を限って試行的に相談窓口を設置し,効果等の検証を行いたいと考えておりました。  しかしながら,平成30年12月に,同省から新規の事業実施に対する補助は困難との見解が示され,予算化を見送ることとなりました。こうした中,今年度広島県が,厚生労働省の交付金を活用して自殺防止対策としてSNSによる相談窓口を9月1日から1カ月間開設することになりました。この相談窓口は,本市の児童生徒を含む全県域の若者を対象にしており,本市としては,いじめを原因とした自殺防止の観点から,本事業について,市立学校の児童生徒へ積極的に周知するとともに,事業の検証結果などについて県との情報共有を図りたいと考え,現在,協議を進めているところです。来年度以降のSNSを活用した相談体制の構築については,当該事業の検証結果や国の財源措置の動向なども踏まえながら,今後検討していきたいと考えております。  そのほか,従前から行っておりますいじめ110番の電話相談や,本市ホームページに設置している子どものいじめに関する情報提供窓口などについても一層の周知を図るなど,いじめにかかわる相談体制の充実に努めてまいります。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      経済観光局長。 ◎日高洋 経済観光局長    広島駅における観光客のおもてなしについて,コインロッカー及び手荷物一時預かりサービスの充実に向けた取り組みをするなどの対応ができないか,JR西日本に働きかけてはどうかという御質問にお答えをいたします。  広島を訪れる観光客のおもてなしについて,とりわけ本市の陸の玄関口で,重要な交通結節点である広島駅においては,これまでもJR西日本と連携して,総合案内所の設置や自由通路の整備など重点的に取り組んできているところでございます。  広島駅におけるコインロッカーや手荷物一時預かりサービスについては,議員御指摘のとおり,特にゴールデンウイーク等の繁忙期においてはコインロッカーのあきがなく,手荷物預かり所も順番を待つ人で長蛇の列となっている状況が見受けられ,総合案内所にも荷物を預ける場所がないかなどの相談が数多く寄せられており,本市としてもおもてなしの向上を図る観点から,これらの充実が必要であると考えております。  このため,御指摘の点については,今後,JR西日本が実施する駅ビルの建てかえ事業にあわせたコインロッカーの増設などについて,同社に対して毎年行っている施設整備等に関する改善意見などの機会を捉えて要望してまいります。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   西広島駅を含めた周辺整備のランドスケープデザインは,植木と花卉のまちである己斐の歴史に配慮されたものを考えているのかについてお答えいたします。  西広島駅を含めた周辺地区においては,自由通路や北口駅前広場の新設と,南口駅前広場の再整備を一体のものとして取り組むことにより,交通結節機能の強化を図っていくこととし,自由通路については本年2月から工事に着工しているところです。また,今後整備を予定している南北の駅前広場や,アストラムラインの(仮称)西広島駅の駅舎については,天井の部材などに木材を多用し,己斐地区の歴史を踏まえた明るくぬくもりのある雰囲気を創出するようにした自由通路との接続や,周辺で検討が進められている民間の再開発事業との連携に配慮しながら,西広島駅を含めた周辺全体のランドスケープデザインが地域の方々の声を反映した植木と花卉のまちにふさわしい空間となるよう検討してまいります。  以上でございます。 ○八條範彦 副議長      田中議員。 ◆3番(田中勝議員) 丁寧な御答弁ありがとうございます。何点か要望させていただきたいと思います。  市長に御答弁いただきましたとおり,平和行政は広島市にとって,また全世界にとっても最も重要な取り組みであります。私たちもしっかりそれに協力をしていきたいと思いますので,今後ともどうぞよろしくお願いいたします。  エシカル消費の普及・啓発につきましては,先ほどの質問でもお話しさせていただいたとおり,市民局の消費生活センターが中心的な役割での推進となりますが,決して一つの部署だけで取り組める内容ではございません。エシカル消費について,広く市民やこれから未来を担う子供たちにエシカルを知っていただくには,広報の企画総務局を初め,教育委員会やこども未来局などのお力添えが欠かせません。人や社会に配慮した消費でいえば,発展途上国の生産者や労働者への支援につながるフェアトレードや障害者支援につながる商品などの購入などで健康福祉局などが関係してきます。また,環境に配慮した消費では,エコ商品やリサイクル,アップサイクルの商品の購入,または食品ロスやごみ減量への取り組み,また再生可能エネルギーの利用など,環境局などが関係してきます。また,地域に配慮した消費では,オーガニック,地産地消,または伝統工芸や地元のお店や商店街での買い物支援,被災地の復興を応援する被災地産品の購入など,経済観光局や都市整備局などが関係してきます。このように,SDGsのエシカル推進は,さまざまな部局が関係しておりますので,どうか各部局が我が部局のエシカル推進との意識で取り組んでいただけるよう要望させていただきます。  また,マイボトルの普及活動におけるエシカル・ウオーター・ステーションにつきましては,核兵器廃絶・世界恒久平和の実現に向けた両輪の一つであるSDGsの発信地広島として,ぜひ取り組んでいただけるよう要望させていただきます。  防災・減災対策については,待ったなしの課題であり,広島独自の対策が必要であると考えます。ジュニア防災士は,教育委員会との丁寧な連携が必要で,検討が進むよう要望させていただきます。  SNSを活用したいじめ・自殺相談についてですが,新規事業実施に係る国の補助金が困難になったなどの事情や,広島市の検討状況,今後の対応については理解いたします。ただし,私としては,いじめなど子供たちの悩みを早期に解決するために,子供たちがふだんから使いなれた方法で気軽に相談できる体制を構築する必要があり,SNSの活用はそうした意味で極めて有効な手段であると考えます。今,子供たちにフィットした手段でのSNS相談窓口を,広島市として単独で予算を構えてでも設置していただけますよう要望いたします。  広島駅における観光客のおもてなしについて,ロッカーの充実についてですが,コインロッカーのさらなる充実と駅ビルの建てかえ期間中もコインロッカー数が現在よりも少なくならないように要望いたします。  最後に,西広島駅周辺整備について,地域の方々に喜ばれ,また市民が行きたくなるランドスケープデザインとなるように整備を行い,また,再開発計画など具体化した段階で,最終的な全体のイメージを提示できる看板の設置がこの西広島駅周辺にあればと思いますので,この点も要望しておきます。  最後に,新たなにぎわいづくりのために,西広島駅前商店街並びに己斐中通り商店街を含めた駅周辺全体の商店街も視野に入れた整備が必要と考えておりますので,この点も要望させていただきます。  以上です。ありがとうございました。 ○八條範彦 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日,引き続き市長の施政方針に対する質疑及び一般質問を行います。 ───────────────────────────────────────                 次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○八條範彦 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は,午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ───────────────────────────────────────
    ○八條範彦 副議長      本日は,これをもって散会いたします。                午後2時59分散会 ───────────────────────────────────────   議 長   山  田  春  男   副議長   八  條  範  彦   署名者   平  岡  優  一   署名者   竹  田  康  律...