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平成23年第 6回12月定例会−12月12日-03号

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  1. 広島市議会 2011-12-12
    平成23年第 6回12月定例会−12月12日-03号


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    平成23年第 6回12月定例会−12月12日-03号平成23年第 6回12月定例会         平成23年    広島市議会定例会会議録(第3号)         第 6 回                  広島市議会議事日程                                    平成23年12月12日                                      午前10時開議                   日    程  第1 一般質問 ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)
     日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  一般質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  関 藤 雄 姿            2番  碓 氷 芳 雄    3番  石 橋 竜 史            4番  山 路 英 男    5番  森 畠 秀 治            6番  三 宅 正 明    7番  宮 崎 誠 克            8番  森 本 健 治    9番  山 内 正 晃            10番  伊 藤 昭 善    11番  近 松 里 子            12番  西 田   浩    13番  渡 辺 好 造            14番  原   裕 治    15番  米 津 欣 子            16番  安 達 千代美    17番  星 谷 鉄 正            18番  豊 島 岩 白    19番  八 軒 幹 夫            20番  大 野 耕 平    21番  清 水 良 三            22番  森 本 真 治    23番  八 條 範 彦            24番  竹 田 康 律    25番  馬 庭 恭 子            26番  元 田 賢 治    27番  今 田 良 治            28番  永 田 雅 紀    29番  平 木 典 道            30番  谷 口   修    31番  母 谷 龍 典            32番  山 田 春 男    34番  若 林 新 三            35番  松 坂 知 恒    36番  沖 宗 正 明            37番  村 上 厚 子    38番  中 原 洋 美            39番  熊 本 憲 三    40番  木 山 徳 和            41番  金 子 和 彦    42番  佐々木 壽 吉            43番  児 玉 光 禎    44番  碓 井 法 明            45番  種 清 和 夫    46番  酒 入 忠 昭            47番  田 尾 健 一    48番  土 井 哲 男            49番  月 村 俊 雄    50番  山 本   誠            51番  平 野 博 昭    52番  中 本   弘            53番  木 島   丘    54番  藤 田 博 之            55番  海 徳   貢 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名    33番  太 田 憲 二 ───────────────────────────────────────            職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    浜 中 典 明       事務局次長   松 村   司  議事課長    重 元 昭 則       議事課課長補佐主任事務取扱                                立 原   満  議事課主査   小 田 和 生       議事課主査   垣 井 英 孝  議事課主査   谷 崎 誠 治       議事課主査   吉 川 和 幸  外関係職員 ───────────────────────────────────────               説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     佐々木 敦 朗  副市長     荒 本 徹 哉       企画総務局長  竹 内   功  財政局長    岡 村 清 治       市民局長    佐 伯 克 彦  健康福祉局長  糸 山   隆       こども未来局長 磯 辺 省 三  環境局長    藤 岡 賢 司       環境局エネルギー温暖化対策担当局長                                藤 本   誠  経済局長    棚 多 展 義       都市活性化局長 片 平   靖  都市整備局長  西 岡 誠 治       都市整備局指導担当局長                                渋 谷 祐二郎  道路交通局長  高 井   巌       下水道局長   向 井 政 博  会計管理者   堀 内 雅 晴       消防局長    山 下   聰  水道局長    宮 本   晃       病院事業局事務局長                                山 本 正 己  監査事務局長  国 本 善 平       財政課長    古 川 智 之  教育長     尾 形 完 治       選挙管理委員会事務局長                                谷   博 司  人事委員会事務局長          志 賀 賢 治 ───────────────────────────────────────                  午前10時00分開議                  出席議員  47名                  欠席議員  8名 ○木島丘 議長        出席議員47名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○木島丘 議長        これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              会 議 録 署 名 者 の 指 名 ─────────────────────────────────────── ○木島丘 議長        本日の会議録署名者として               4番 山 路 英 男 議員               35番 松 坂 知 恒 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────              日 程 に 入 る 旨 の 宣 告 ─────────────────────────────────────── ○木島丘 議長        これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○木島丘 議長        日程第1,前回に引き続き一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  37番村上厚子議員。               〔37番村上厚子議員登壇〕(拍手) ◆37番(村上厚子議員) おはようございます。  日本共産党の村上厚子です。市会議員団を代表して,一般質問を行います。
     2009年の総選挙で国民が政権交代に託したものは,政治を変えてほしいというものでした。ところが,3代目の野田首相が選んだ道は,子ども手当廃止高校授業料無償化見直しなど総選挙の看板政策をすべて投げ捨て,民主,自民,公明の3党体制のもと,アメリカ財界の顔色をうかがい,その一言一句を忠実に実行する使い走り政権であります。  この野田政権が日本を亡国の道へと突き進めているTPP参加について質問します。  全国のTPP参加反対の党派を超えた世論にもかかわらず,野田内閣は11月のAPEC首脳会議TPP参加に向けて各国と協議すると表明しました。TPPが農産物を初めとする物品の関税を撤廃するだけでなく,保険や医療の規制,国境を越えた労働力の移動などいわゆる非関税障壁の撤廃まで含んでいることから,農林漁業だけでなく地域経済や国民の暮らしに大きな影響を与えることが日増しに明らかになっています。広島市にとって,決して無関係ではありません。  経済産業省は,TPPに参加しないと81万人の雇用減になるとしていますが,農水省は参加した場合の雇用減を農業やその関連産業などを合わせて340万人としています。失業者がふえ,家計と消費,内需が冷え込むのは目に見えているではありませんか。  また,TPPでは政府調達も対象になっています。国や自治体の公共事業や備品購入などで地元業者優先などが障壁とされ規制緩和が進むならば,地域の建設業者はますます減少することになります。学校給食の食材の地産地消の取り組みさえ,外国製の食品の参入を阻むとして問題視されかねません。  議会は9月定例会で,地元中小業者への優先発注で地元経済振興を進めるという決議を上げたところです。さらに,広島市も入札参加条件として,営業所の所在地要件を市内本店業者という地域要件をつけて,受注機会の拡大を図るといった取り組みを行っています。TPP参加でこのような措置は続けていけるのか,大変心配するところです。  地域を支える建設業者が小規模でも営業が継続できるためには,官公需の分離分割と地元優先発注の徹底,また下請工事の場合でも下請業者が適切な賃金を支払い,事業継続ができる適正な請負額確保のために,公正な契約を義務づける自治体の公契約条例の制定が求められます。  これまでTPP参加の問題点をるる述べてまいりましたが,本市としてTPPへの参加交渉をやめるよう国に対して申し入れるお考えはありませんか,お答えください。  次に,再生可能エネルギーの普及で地域おこしを進めることについて伺います。  福島原発事故から丸9カ月がたちました。野田首相は,所信表明演説では原発事故の収束は国家の挑戦,福島の再生なくして日本の信頼回復はあり得ないとし,事故収束,賠償,健康被害防止と大規模除染に取り組むと述べました。  ところが,9月下旬の国連において,福島原発が突きつけた挑戦を必ずや克服する,原発の安全性を世界最高水準に高めると,原発活用,輸出継続を明確にする演説を行いました。この演説は,福島を繰り返してはいけないと,原発に依存しないエネルギーと経済の仕組みづくりに向け動き出している世界の流れや,被災地を初め多くの国民の願いに逆らうものです。  国民世論はもう原発はやめなければと言っている中で,再生可能エネルギーの取り組みを進めている自治体が注目されています。  高知県檮原町は,1997年,前町長就任から自然にある風,光,水,森を生かす取り組みが進められ,現在町内28%の電気が自然エネルギーで賄われており,2050年までに100%自給を目指すとしています。1999年に町営で設置した風力発電所は,年間3000万円から4000万円の売電料を環境基金にして住民に還元しています。今後8基の増設を目指しているということです。太陽光パネルは22の公共施設に設置,一般住宅への設置は全体の約6%で,全国でもトップクラスとなっています。河川改修でできた段差を利用して水力発電に取り組み,昼間は小中学校,夜間は町内の街路灯に使用,町と森林組合,民間業者の三者が出資して開業した森林価値創造工場で生産された木質ペレットは,特養施設,障害者施設,町内に一つあるホテルや学校寄宿舎の冷暖房に使用しています。2006年に建てかえられた2階建ての町役場は,町内産の杉とヒノキがふんだんに使われたぬくもりのある建物になっています。屋上に太陽光発電装置を設置し,外部空気を取り込み地下に蓄え,冷暖房に使用しています。環境に配慮したまちづくりに感動したところです。  さて,8月26日,通常国会において再生可能エネルギー固定価格買い取り法案が成立しました。太陽光,風力,中小水力,地熱,バイオマス等を用いて発電された電気について,電気事業者に対し国が一定期間・価格で買い取りを義務づけるもので,自然エネルギーの爆発的な普及に向けた仕組みができたという点では一歩前進です。  一方,買い取りに要した費用を賦課金として電気代に転嫁されるため,買い取り量がふえればふえるほど負担も増大することは問題です。  実は,私たちは既に毎月の電気代で1キロワットアワー当たり0.59円の原発付加金を支払わされています。これは電気料金の明細書には記載されていません。原発のコストはブラックボックスにしておいて,ことしの4月から住宅用太陽光発電余剰電力買い取りコストを電気代から徴収するシステムをスタートしたことは,再生可能エネルギーのコストの高さのみを宣伝するやり方であり,正すべきです。この仕組みを改め,現在主として原発関連に充当してきた電源開発促進税の使途から原発を除外し,発電コストの高い太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電に充当して,電気料金の値上げを抑えるよう国に対して申し入れるお考えはありませんか,お答えください。  自然エネルギーの活用は,地域の建設業の皆さんを含めて仕事起こしに結びつけていくことができ,産業として多くの可能性を持っています。  各都道府県別の日照時間平均値ランキングでは広島県は2,042.3時間で,上から12位です。本市は県内で3番目に日照時間が多い地域です。太陽光発電に向いており,爆発的普及が期待されます。  本市においては,2030年までに太陽光発電戸建て住宅の半数に当たる10万軒,2050年には戸建て住宅のほぼすべてに普及する目標を立てていますが,長期目標だけでなく,年度ごとの目標実現に向けた普及計画を持つべきですがどうなっていますか。  公共施設においても,新設に限らず本庁舎や各区役所を初め既存施設への設置を進めるべきですが,お考えを伺います。  前述の檮原町では,住宅用太陽光発電の設置に1キロワット当たり20万円,上限80万円の助成を行っています。東京都港区では経費の4分の1,上限額30万円の支援制度を実施しています。本市の一律5万円の補助金制度の見直しが必要ではないでしょうか,お聞きします。  また,太陽光発電にとどまらず,川の多いことや市域の62%を森林が占めている本市の自然を生かし,木質バイオマス,小水力発電等再生可能エネルギーの普及に真剣に取り組み,檮原町のように広島市でも市と地域住民や地元業者が一緒にこうした自然エネルギーを活用して,いかに地域の仕事起こしにつなげるか,検討を始めてはいかがでしょうか,お答えください。  広島市は,1997年に高層化するマンションの増加に伴い多発する日照権などに関するトラブル解消のために,広島市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例を施行し,できる限りトラブルにならないようにするため,行政上の規制や救済措置を実施してきました。今後,太陽光発電の普及が進めば高層ビルに日照権を奪われ,太陽光パネルの発電能力が下がるという経済的なトラブルの増加が予想されます。付近に太陽光発電パネルが存在する場合は,今までどおり建築基準法を遵守しているから大丈夫といった理屈は通用しないのではないでしょうか。今後ふえるであろうトラブルを回避するための対応策はないのか,お考えを伺います。  次は,事務事業の見直し検討についてです。  まず,このほど中間報告のあった65の事務事業の選定根拠は何か,今後の見直し検討はどうなるのかお聞きします。  今年度で廃止の方向性が出された21事業の中には,私ども日本共産党市会議員団が主張してきた中工場の灰溶融炉の廃止が提案されていることは大いに歓迎するものですが,市民生活に重要な施策が削られることは問題です。  その一つは,高齢者,障害者への寝具の乾燥消毒事業です。廃止の理由として利用者が年々減少していることを挙げ,ヘルパーが布団干しをしたらいいとも言われています。仮にヘルパーが布団を干したとしても,1時間もすればヘルパーは帰ってしまいます。だれが布団をおろすのでしょうか。制度の周知徹底はどのようにされているのでしょうか。制度を知らない事業者があることをどのようにお考えでしょうか。  次に,来年度以降抜本的な見直しを検討するとしている高齢者公共交通機関利用助成についてお聞きします。  この事業は,高齢者が家に閉じこもることなく,外出するきっかけづくりとして公共交通機関の利用に要する経費を助成するものですが,日常生活を送る上で必要となる外出の費用軽減として使われており,目的にのっとった使われ方になっていないというのが見直しの理由です。  お聞きしますが,市が言われる外出とは何を指しているのですか。通院や買い物も高齢者にとっては外出する大事なきっかけではないでしょうか。交通費の助成は,日常生活の支援ではないのでしょうか。高齢者にとって,市から送られてくる通知で唯一楽しみにしているものがこの利用助成の通知だと喜ばれている事業です。また,ことしからバスカードの廃止に伴いPASPYに変わったため大混乱が起きました。やっとの思いで申請できたのに,廃止になるのかと不安の声もあります。助成額をふやすことはあっても,廃止する事業ではありません。また,この制度は地域交通を継続するためのかけがえのない制度としても喜ばれています。見直しによって,地域交通の存続に打撃を与えかねません。お答えをお聞きします。  次は,広島高速5号線計画についてです。  11月27日,第6回広島高速5号線トンネル安全検討委員会── 以下,安全検討委員会── が開催されました。この安全検討委員会は,二葉山トンネルを掘ることにより地盤沈下や土砂災害を危惧,命や財産が奪われかねないと,計画の白紙撤回を求める声が大きくなる中,県・市が地域の住民生活等の安全性を確認することを目的に設置した委員会です。16人の学識経験者が公正,中立に科学的検証を行い,その取りまとめを受けて県と市が改めて事業を進めるかどうかを決めることになっています。  ところが,松井市長は安全検討委員会の取りまとめが出ないうちから記者会見等で事業の推進を公言されていることは,これまでの経緯を無視した住民合意を踏みにじるものであり問題です。これでは住民が建設ありきの追加調査だといって,ボーリング調査に反対するのは当然です。安全検討委員会の検証を得て事業の判断をすることに間違いないのか,市長の答弁を求めます。  そもそも住民の不安が募ったのは,高速1号線福木トンネルで大規模な地盤沈下が発生し,4号線,西風トンネルでも被害が発生しているからです。なぜ想定外の沈下が起こったのか,この検証が報告されない限り二葉山のトンネル掘削はあり得ません。しかも,この被害の原因は解明されていないものもあるのです。  第6回安全検討委員会で委員長は,1号線や4号線の検討が必要であれば別途行政が判断すべきとの見解を示しています。関係住民の不安を取り除く上でも,市は即刻検証作業に入るべきです。市長の御所見をお伺いします。  福島第一原発事故を受けて原発の安全神話が崩れた今,トンネル建設にも想定外があってはならないのです。大震災,原発事故以後,情勢は大きく変わってきました。今,改めて安全性,必要性を問い直すべきです。広島空港までわずか7分短縮するために必要だとしていますが,リムジンバスは採算面から24便減便され,山陽道の渋滞等でことしのゴールデンウイークの期間中は241便が欠便している実態があり,市の言う必要性はなくなっているのではありませんか。  さらに,高速5号線は料金収入だけでは建設費が回収できないとして,一般財源を投入する道路です。これまで市が実施したトンネル工事において,当初の計画どおり完了した事業はありません。どの事業も掘ってみないとわからないとして,終わってみれば2倍以上に事業費が膨らんでいます。果たしてこの5号線についてはどのくらいの建設費になるのでしょうか。市長の英断で5号線計画はきっぱり中止すべきです。  そもそも今後4年間で約600億円の赤字を試算している市財政において,一体どこに5号線に着手できる財源があるというのでしょうか。加えて,人口の減少は進み,マイカーから公共交通にシフトするという世界の流れからも逆行しています。高速道路事業こそ事務事業見直しの第1候補ではありませんか。ここにメスを入れずに,市の財政再建はあり得ません。当局の認識を伺います。  次に,黒い雨調査資料の全面公開について伺います。  11月8日,長崎県保険医協会は,日米共同の研究機関,放射線影響研究所── 放影研── が広島,長崎で放射性物質を含んだ黒い雨の人体影響に関する1万3000件のデータを保管していることがわかったと発表し,放影研もその事実を認めました。このデータをもとにした報告書では,黒い雨を浴びたことで発熱,下痢,脱毛などの被爆後の急性症状が高い率で認められたとしており,これが事実ならこれまで国がとってきた黒い雨による人体影響はないとする立場を覆す貴重なデータと言えます。  現在,広島県・広島市の調査結果をもとに国において検討が行われていますが,被災者の立場に立った検討が行われるためにも,国に対して黒い雨の検討会にデータを提出するよう求めるべきですが,どうされますか。  また,本市としても放影研に対し早急にデータを公開するよう求めるべきと考えますが,お考えをお聞きします。  次は,基町県営住宅の廃止についてです。  9月29日付の地元新聞で,突然「県営住宅再編5箇年計画案」が発表され,13棟300戸の基町県営住宅取り壊しが住民に知らされ,衝撃が走りました。地元の代表は,10月に行われた町民運動会の開会のあいさつで,今回の計画は基町団地の存亡にかかわる一大事だと危機感を表明されています。3,253世帯の基町団地の約1割の団地がなくなるというのですから,地元の不安や怒りは当然です。団地商店街のお店は,商売が続けていけるかと不安を募らせておられます。小学校あってこその団地だと基町小学校を守りたいと願う方々は,児童数減少で基町小学校統廃合計画に拍車がかかるのではないかと懸念されています。  NHKテレビでも,戦後の復興の象徴だと言われた基町県営住宅廃止と大きく取り上げました。なぜ復興の象徴と言われるのか。そもそも基町団地は,この地の改良なくして戦後は終わらないと国や県,市によって建設され,国際平和都市ひろしまの復興とともに歩んだ町であるためです。1968年に基町地区再開発計画が立案され,10年の歳月をかけて現在のような基町団地が完成したのです。戦後の広島の復興は,核廃絶を世界に訴える崇高な平和都市としての理念と,公営住宅の整備を進める住民福祉の理念が一体となって実現されてきたのです。まさにその象徴が基町団地であると言えるのではないでしょうか。  今回の県営住宅廃止は,戦後の広島の歩みを顧みず基町団地建設への公的責任を放棄するもので,容認できるものではありません。市は,県からいつどのように廃止計画を聞かれましたか。基町団地再生の取り組みに背を向けるこうした県の身勝手な姿勢や進め方を,市としてどのようにお考えですか。  中国財務局の担当者は,国有地を返還してほしいと言ったことはない,跡地をどう活用するかが大きな問題になると困惑ぎみに答えています。跡地の利用については,県・市と共同で国に土地の無償貸与を求めるなど,今後の基町団地のあり方に対し協議を進めていくべきではありませんか。  また,住宅は人権,住民福祉であるという点で重大な問題があります。報道では,基町県営住宅は家賃収入が2000万円に対して国有地への借地料が3400万円かかり,赤字が廃止理由であるとしています。しかし,県営住宅特別会計の中では支出のわずか1.3%にすぎません。それどころか,独立採算制をとり一般財源からの繰入金もなく,維持・修繕費も住宅課の職員人件費も入居者の家賃で負担するという仕組みになっています。本市のように人件費を一般会計で見れば,300戸もの住宅を取り壊さなくても済むはずです。公営住宅法では,住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し,国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与するとその目的を明記しています。一つの団地単位で家賃収入と維持管理費をてんびんにかけ,採算面から改廃を決めるような考え方は公営住宅法の趣旨ではないと考えますが,どのようにお考えですか。  自治会の皆さんは,県営住宅廃止の十分な説明もなく,引っ越し先の話ばかり,高齢者の精神的,身体的負担をどう考えているのか,基町に住み続けたいなどの思いで,県に質問状を出されました。その回答書の中で,市営住宅への移転については市と協議した結果,難しいと回答を受けたとあります。市は市営住宅への移転を断ったのですか,お答えください。  県の身勝手な都合で立ち退きを迫られている住民の声を真剣に受けとめ,安心して暮らせるための対策が早急に求められています。市長は,私どもの要望に対し市としても前向きに検討したいと言われました。市営住宅への移転について,具体的にどのように考えておられるのかお答えください。  次に,どの子にも行き届いた教育・支援を進めるために,まず通級指導教室について伺います。  発達障害の受け皿として,情緒に弱さを持つ子にマン・ツー・マンで指導する情緒障害通級指導教室は,本市においては小学校で5校7教室,中学校では2校2教室という整備状況です。通常の学級の授業を抜けて通級指導教室に通うわけですから,通学に時間がかかることは授業時間を一層削っています。小学校は原則保護者が同伴することも,通級指導教室への通学を遠ざけています。また,他県から転居してきた保護者が通級を希望したところ,学校からどうして知っているのかと不思議がられたということも聞きます。通級指導教室での教育が本当に必要な子供が必要な時間を保障されているのか,大変心配するところです。  質問ですが,1校に最低1教室の通級指導教室の整備が必要と考えますが,市はこれまで県教委と協議した上でと,市単位では決められないと答弁されています。これでは広島市の子供たちに責任を持つことにはなりません。通級指導教室の増設と専門的な指導のできる教員の養成について,本市で計画的に行うべきです。どうされますか。  発達に弱さを持つ子供の入学時は重要な節目であり,子供にとっても親にとっても大切です。そのために,就学相談での的確な検査の実施や専門職の配置等,相談員の専門性の向上を図ることが必要と考えます。どうされますか。  公立高校に入学した発達障害のある生徒への指導,支援も充実させていくべきです。どのように図っていこうとされていますか。  青年期,社会に出てからの就労をめぐる問題も深刻です。発達障害者支援センターの就労支援の充実とあわせて,東京都中野区の事例にあるように,市の施設を提供するなど発達障害に理解のある民間業者と連携して就労支援に力を入れてほしいと願う親の願いにこたえるべきと考えますが,お考えを伺います。  最後に,高校に発達障害のある生徒の受け皿をつくるべき時期に来ていると考えます。今後,具体化に向けて検討を進めていただくことを強く要望しておきます。  スクールカウンセラーの体制強化についてですが,思春期は心の状態が不安定になりやすく,内面にストレスや不安を抱えた子供たちが暴力行為やいじめ,不登校など多くの問題に苦しんでいます。それらを解決するため,本市では2001年度から児童生徒の臨床心理に関して高度な知識・経験を有する者をスクールカウンセラーとして配置し,学校内の教育相談体制の整備を進めてこられました。2006年度からは公立すべての中高等学校に,今年度は特別支援学校に配置され,現在は71校に63人のスクールカウンセラーが配置されています。この5年間でカウンセラーは増員されていますが,生徒指導課が取りまとめた2010年度の不登校,いじめ,暴力行為の状況の速報値を見ると,不登校は1,165人で横ばい,いじめは73件の増加で233件,暴力行為は134件も増加し723件に上っています。このような状況のもとで,スクールカウンセラーへの相談件数はふえていると思いますが,どのような状況ですか。2006年度と比較したスクールカウンセラーへの相談件数をお聞きします。一人のカウンセラーが何人の相談を受けておられることになるでしょうか。  ある保護者から,スクールカウンセラーに相談したいと思ってもなかなか予約の時間がとれず,相談できないという声を聞いています。教室に入れない子供たちが保健室に登校するケースがふえ保健室がいっぱいになるため,保健室の1時間ルールがつくられた学校もあると聞いています。スクールカウンセラーは,中学校では週に6時間,年に210時間,高等学校と特別支援学校は週に8時間,年に280時間の配置しかなく,現行の週1回金曜日だけの相談日となっています。これで一人一人の相談に十分対応できるのでしょうか。継続的な相談効果や校内の一体的,組織的な相談体制の確保は困難です。保護者や子供たちの求めにきちんと対応できているとお考えですか,市の認識を伺います。  スクールカウンセラーの業務は,児童生徒に対する相談のほか保護者及び教職員に対する相談,教職員等への研修,事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒への心のケアなどますます多岐にわたっており,学校の教育相談体制に大きな役割を果たしていると思いますが,市の認識はどうですか,その効果についてお聞きします。  スクールカウンセラーを学校における相談体制の一員として位置づけ,児童生徒に関する状況や悩みに関して児童生徒やその保護者のプライバシーに配慮しつつ,適切な連携の観点から必要な情報の共有を行うことが大切です。教員がスクールカウンセラーから専門的な助言を得たり,お互いの情報交換が可能となるような学校運営上の工夫が求められますが,本市ではどのようにしていますか。  スクールカウンセラーを待つ児童生徒の心にしっかりとこたえていくためにも,可能な限り,週当たりの相談時間の増加や相談日数の増加が必要です。とりわけ小学校への配置の拡大は,中学校において増加する問題行動等の未然防止といった観点からも大切です。今後,スクールカウンセラーの増員や相談体制を強化,充実するお考えはありませんか,お答えください。  以上で私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○木島丘 議長        市長。                 〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       村上議員の御質問にお答えいたします。  再生可能エネルギーの普及についての御質問がございましたので,その基本的な考え方などについて私の方からお答えをいたします。  地球温暖化対策を進めていく上で,太陽光発電などの再生可能エネルギーの利用拡大を図っていくことは大変重要であると考えております。このため,本市では住宅用太陽光発電システムの支援制度を設けるなどその普及に努めており,同システムの設置戸数は年々大幅に増加しております。今後ともこれまでの施策の費用対効果なども十分に考慮しながら,着実に取り組みを進めてまいります。  また,東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故により,現在国においてはエネルギー政策の見直しが行われており,その中で市民生活や経済活動への影響なども含めて,エネルギー政策の望ましいあり方が議論されております。今後,こうした国における見直しの結果やそれに基づく施策なども踏まえ,例えば議員御提案の再生可能エネルギーの活用による地域の仕事起こしの可能性などについても検討していきたいと考えております。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○木島丘 議長        財政局長。 ◎岡村清治 財政局長     事務事業の見直し検討のうち,中間報告を行った65の事務事業の選定根拠等についてお答えいたします。  事務事業の見直しについては,すべての事務事業を対象に事業目的に照らした事業の妥当性・必要性,事業手法の有効性・効率性,事業に対する市の関与のあり方という主に三つの観点から見直しを行い,現時点で見直しの方向性が得られた65の事業について先月中間報告を行いました。今後はこの中間報告を基本に,議会の議論等を踏まえながらさらに検討を加え,平成24年度の当初予算等に反映してまいります。  また,今回の見直しにおいて方向性が得られなかった事務事業についても,引き続き検討を加えていくこととしております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    それでは,事務事業の見直し検討,それから黒い雨についてお答えをいたします。  まず,寝具乾燥消毒事業について,代替サービスの一つとして挙げておりますホームヘルパーによる布団干しに関する御質問と,事業の周知徹底に関する御質問についてです。  高齢者及び障害者を対象にした寝具の乾燥消毒は,寝具の品質向上等により寝具の乾燥消毒の必要性が低下していること,介護保険サービスの福祉用具貸与やホームヘルパーによる布団干しが代替サービスとして利用可能であることなどから,平成23年度をもって事業を廃止することを検討しております。  お尋ねのホームヘルパーによる布団干しについては,ホームヘルパーが利用者宅を訪問した際に,まず布団を干し,掃除等のその他のサービスを終えて帰る前に取り込んでいると聞いており,新たに利用される場合も同様の対応になると考えております。  寝具乾燥消毒事業の周知については,これまで事業案内のパンフレットを各区役所厚生部や地域包括支援センターの窓口に置くほか,民生委員や居宅介護支援事業所,障害者相談支援事業所に配付し,必要な方に事業を紹介してまいりました。  利用者の減少については,事業への周知が足らなかったということではなく,寝具の乾燥消毒の必要性が低下したことによるものと認識をしております。  次に,高齢者公共交通機関利用助成について,交通費の助成というのは日常生活の支援ではないのか,市が言う外出とは何か,あるいは廃止する事業ではないと考えるがどうかという御質問についてです。  本事業の目的は,高齢者の社会参加への意欲を具体的な活動に結びつけるきっかけとして,公共交通機関利用に要する費用の一部を助成し,高齢者の社会参加を促進するとともに,生きがいづくりを推進するというものです。  ここで言う社会参加,このための外出とは,通院,食料品の買い物等の日常生活を送る上でどうしても必要となる外出ではなく,講演会や学習会,趣味のサークル,ボランティア活動,健康・スポーツ活動等への参加など,社会や他者とのかかわりを通じて高齢者の生きがいづくりの推進に直結する外出を意味しております。その意味からしますと,日常生活を送る上でどうしても必要となる外出の費用軽減として使われることは,事業の目的に即した使われ方ではないと考えております。  しかしながら,所得の低い高齢者にとっては,実態として日常生活の支援の一つになっているということは考慮しなければならないと考えております。こうした現状等を踏まえながら,限られた財源をより効果的に活用するという観点に立って,今後現行制度の運用状況を検証し,そのあり方について抜本的な見直しの検討を始めたいと考えております。  それから,最後に黒い雨についてです。お答えいたします。  お尋ねの放射線影響研究所が保有するデータについてですが,先月行われた放影研の記者会見によりますと,何らかの科学的な解析ができるのかをこれから検討するとし,また,黒い雨を浴びた場所等のデータを発表できるか検討されると聞いております。  なお,このデータは最近入力が終わり,現在は事務レベルで整理を行っている段階で,まだ内容の点検が終わっていないとも聞いております。  本市が国に求めている被爆地域の拡大に影響があるかどうかというのは現時点ではわかりませんが,本市としては放影研において,早急にデータの点検作業等を行った上で発表していただくことが望ましいと考えており,その旨を放影研にも伝えております。  また,このデータが発表され,被爆地域の拡大に影響があるものであれば,データの取り扱いについては国の検討会で適切な判断をしていただけるものと考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        こども未来局長。 ◎磯辺省三 こども未来局長  どの子にも行き届いた教育・支援をの中で,発達障害者支援センターの就労支援についてお答えいたします。  発達障害者支援センターにおける就労支援の取り組みについては,就職活動の方向性についての助言・指導,履歴書の書き方や面接の受け方の練習,ハローワークへの同行訪問をするとともに,就労後も面談による就労状況等の聞き取りや仕事を継続していく上での必要な助言,指導などのフォローアップを行っております。  また,本年度は発達障害者が民間事業所において実習を行う発達障害者就労準備支援事業に取り組んでいます。今後こうした事業をさらに充実させながら,発達障害者に対する就労支援に取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        環境局エネルギー温暖化対策担当局長。 ◎藤本誠 環境局エネルギー温暖化対策担当局長  エネルギー政策についてお答えいたします。
     まず,電源開発促進税の使途に関しましての国に対しての申し入れについてでございます。  国民生活や経済活動に大きな影響を与える電気料金が低く抑えられることが望ましいことは,これは当然でございます。電気料金を抑えるやり方として,議員御指摘の方法が国民生活や経済活動において適切かどうかについては,現在国においてエネルギー基本計画の見直しの中で検討されることになっております。その動向を見守りたいと考えております。  次に,住宅用太陽光発電システムの年度ごとの目標についてです。  住宅用太陽光発電システムについては,その設置費が高額であるため,平成20年度から助成制度を設け普及を図ることとしており,年々設置件数は大幅に増加しております。このため,現在の補助制度を着実に運用することを当面の目標にしてまいりたいというふうに考えております。  それから,太陽光発電システムを既存の公共施設へ設置を進めるべきではないかということについてでございます。  本市施設については,平成21年度に策定した市有建築物省エネ仕様に基づきまして,新築の施設のみならず既存の施設であっても増築,改築の際には原則として太陽光発電システムを設置することとしております。  議員御指摘の既存施設への太陽光発電の設置につきましては,厳しい財政状況を踏まえながらも,平成24年度から開始される予定の再生可能エネルギーの全量買取制度の動向も十分に見定めた上で検討していく必要があると考えております。  最後に,住宅用の太陽光発電システムの5万円の補助金の制度についてでございます。  太陽光発電システムの設置補助については,今年度においても昨年度を上回るペースで申請がございます。太陽光発電システムの普及は着実に進んでいると思いますので,現時点で補助制度を見直すことは考えておりません。  以上でございます。 ○木島丘 議長        経済局長。 ◎棚多展義 経済局長     TPPの対応についてお答えいたします。  TPP── 環太平洋パートナーシップ協定につきましては,交渉参加に向けて関係国との協議に入るとの野田総理の表明を受け,各界でさまざまな議論がされているところでございます。  本市といたしましては,TPPへの交渉参加についての国民的議論や国の動向を注視しながら,適切に対応してまいります。  以上でございます。 ○木島丘 議長        都市整備局長。 ◎西岡誠治 都市整備局長   私からは,基町県営住宅の廃止についてお答えいたします。  まず,市は県からいつどのように廃止計画を聞いたのか。また,県の姿勢や進め方を市としてどのように考えるかという御質問がございました。  広島県住宅課から,本年8月23日付で「県営住宅再編5箇年計画」の素案の照会があり,その中で,平成23年度から27年度の5カ年間に用途廃止に事業着手する見込みの団地の一つとして,県営基町住宅が挙げられていたことで知りました。当該計画は,県営住宅の責任を負う広島県が,中長期の展望に立って当面必要な住宅施策として取りまとめたものであると理解しております。  次に,跡地の利用について,県・市と共同で国と協議を進めていくべきではないかという点についてでございます。  広島県は,平成27年度までに県営基町住宅の廃止に着手し,その後,解体した上で敷地を国に返還する方針であると聞いており,現時点では県の責任において対処されるべきものと考えております。  次に,県の廃止に至る考え方が公営住宅法の趣旨に反するのではないかというお尋ねでございました。  議員御指摘の公営住宅法の趣旨は存じておりますが,今回,広島県が平成27年度までに県営基町住宅を廃止するという考え方を打ち出した具体的な経緯等を十分承知しているわけではないので,この法律の趣旨との関係についてのコメントは差し控えたいというふうに考えております。  次に,立ち退きを迫られている住民が安心して暮らせるための対策についてでございます。  広島県は,県営基町住宅について,10月下旬から11月中旬にかけて住宅の廃止に伴う移転に関する説明会を開催しています。入居者の移転等については,今後所管している県においてしかるべき対応をされるものと聞いており,市としてはその動向を見守りたいと考えています。  なお,市として市営住宅への入居をお断りした事実はございません。  以上でございます。 ○木島丘 議長        都市整備局指導担当局長。 ◎渋谷祐二郎 都市整備局指導担当局長  エネルギー政策についての御質問のうち,太陽光発電とビル建設とのトラブル回避の対応についてお答えいたします。  太陽光発電システムは,設置する地区によっては設置後近隣に高層ビルが建てられ,そのビルの日陰の影響により発電量が減少しトラブルになることが考えられます。こうしたトラブルは,太陽光発電システムの設置者が近隣におけるビルの建築動向を見通せない中で発生すると考えられます。そのため,本市では広島市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例に基づき,ビルの建築主に対して近隣住民に建築計画や日照の影響等について説明を行うよう義務づけているとともに,トラブルが発生した場合は近隣住民からの申し出によりあっせんや調停ができるようにしています。本市としましては,この条例を効果的に運用する中でトラブル回避に向けて努めてまいります。  以上でございます。 ○木島丘 議長        道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    広島高速5号線について,まず事業判断についてです。  高速5号線につきましては,広島高速5号線トンネル安全検討委員会の結果を踏まえ,県・市において適切に事業判断をしてまいります。  次に,高速1号と4号での被害について,市が検証すべきではないかとの御質問です。  高速1号線の福木トンネル建設における地表面沈下につきましては,平成15年5月に設置した学識経験者,請負業者等で構成する安芸府中トンネル技術検討会において,そのメカニズムは解明されております。  また,高速4号線の西風トンネルにつきましては,開通から6年経過した平成20年2月に家屋等の損傷の申し出があったことから,広島高速道路公社において現地測量や専門家からの意見聴取,申し出者への聞き取り調査を実施した結果,トンネル工事との因果関係はないと判断しております。  このように,高速1号,4号の事例につきましては,公社において必要な検証はなされているものと考えており,こうした検証結果等について,関係住民の皆様から要請があれば説明したいと考えております。  次に,高速5号線はどのくらいの建設費になるのか。また,着手できる財源はあるのかについてです。  高速5号線は,現段階で全体事業費739億円のうちこれまでに約569億円を執行し,残事業費は約170億円となっております。  今後の事業続行に要する費用につきましては,安全検討委員会でのトンネル工法や地表面沈下の程度等についての検証結果を踏まえた後に算定してまいります。  市の財政事情が厳しい状況にあることは議員御指摘のとおりであり,事業続行が決まった場合には,市の事務事業全般についてさらなる洗い直しを行い,必要な財源の確保に努める必要があると考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        教育長。 ◎尾形完治 教育長      まず,通級指導教室につきまして3点の御質問にお答えをいたします。  最初に,情緒障害通級指導教室の増設,それから教員の養成でございます。  情緒障害通級指導教室は,児童生徒の障害の状況や保護者のニーズ等を踏まえ,平成7年から順次計画的に設置してきており,現在5区に設置しております。今後も教員定数の配当権限を有する県教育委員会と協議を行いながら,まずは小学校において全区への通級指導教室の設置に向けて取り組みたいと考えております。  また,担当教員の養成につきましては,中核的リーダーを対象に大学院への長期派遣研修を行い,初任者等を対象に教育センターで専門研修を行うなど計画的に実施しており,今後も引き続き取り組んでまいります。  次に,就学相談について,相談員の専門性の向上でございます。  就学相談に携わる相談員については,特別支援教育に関する経験豊かな退職校長及び心理学等の専門性を有する者を配置するとともに,計画的に子供の発達の実態を把握するための諸検査等の研修を実施しております。今後も相談員の専門性の向上に努め,保護者の意向やニーズを受けとめながら,きめ細かな相談を行ってまいります。  最後に,市立高等学校に進学した発達障害のある生徒への指導・支援でございます。  現在,市立高等学校においては,特別支援教育コーディネーターを中心に校長,教頭,学年主任,担任等で構成する校内委員会を組織し,支援を行っております。さらに,教育委員会としても適切な指導・支援が行えるよう,大学教授や医師,臨床心理士等の専門家チームによる巡回相談指導を行うとともに,教職員を対象とした研修会を開催しております。発達障害のある生徒が充実した高校生活を送るためには,学習面,行動面,対人関係面などそれぞれの場面において発達障害の特性に配慮した指導・支援が必要であり,今後ともこうした取り組みを継続してまいります。  続きまして,スクールカウンセラーにつきまして5点の質問にお答えいたします。  まず,スクールカウンセラーの配置状況,相談件数についてでございます。  児童生徒の問題行動等の未然防止や早期発見,早期解決及び学校における教育相談の充実のため,スクールカウンセラーをすべての市立中高等学校及び特別支援学校に配置し,小学校においては中学校に配置しておるスクールカウンセラーを派遣しております。スクールカウンセラーへの相談件数は,平成18年度は小中高等学校を合わせて1万5038件,平成22年度は2万703件になっており,5年間で約1.4倍に増加しております。  また,1人当たりの相談件数は,平成18年度は259件,平成22年度は334件となっており,約1.3倍に増加しております。  次に,保護者の相談への対応でございます。  各学校では,スクールカウンセラーとの連絡調整を行う担当教員を校内組織に位置づけ,児童生徒や保護者からスクールカウンセラーへの相談の希望が寄せられたときには,この担当教員が速やかにスクールカウンセラーへの相談につながるよう努めております。また,相談日については,状況に応じて曜日や時間を変更するなど柔軟な対応を行っております。今後も保護者や子供の要望を受けとめながら,スクールカウンセラーと教職員との連携により適切に対応してまいります。  次に,スクールカウンセラーの効果でございます。  スクールカウンセラーによる専門的なカウンセリングを受けることで児童生徒にとっては精神的な安定が図られ,意欲的に生活ができるようになったり,ふれあいひろばや教室に登校できるようになっております。  保護者にとりましては,子供への理解や接し方等の助言が得られることで安心感が増し,子供への適切な声かけ等の援助が行われるようになってきております。  また,教職員にとっては,校内研修会等でスクールカウンセラーからの指導・助言を受けることで児童生徒の理解が深まり,児童生徒に効果的な支援ができるようになってきております。  このように,スクールカウンセラーは児童生徒や保護者からの相談はもとより,教職員の資質向上に大変重要な役割を果たしていると考えております。  次に,学校運営上の工夫でございます。  スクールカウンセラーと教職員が連携をとりやすい環境を構築するため,各学校では職員室にスクールカウンセラーの机を置く,スクールカウンセラー担当教員を位置づける,スクールカウンセラーが学年会や生徒指導に関する会議等に出席するなど,学校運営上の工夫を行っております。  最後に,スクールカウンセラーの増員,相談体制の充実でございます。  スクールカウンセラーの配置については計画的に拡充を図っており,平成18年度からすべての市立中高等学校に配置し,本年度は特別支援学校にも配置いたしました。児童生徒の問題が多様化,複雑化する中で,スクールカウンセラーを初め不登校児童生徒への支援を行うためのふれあいひろば推進員,児童生徒の家庭環境を福祉面からサポートするスクールソーシャルワーカーなどの多様な人的支援を行っております。問題の早期解決に向けては,さまざまな視点から児童生徒への支援を行っていくことが重要であり,今後ともこうした人材を活用して教育相談体制の充実を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        村上厚子議員。 ◆37番(村上厚子議員) 答弁ありがとうございました。  細かいことについては,委員会の方でさらに深めていきたいとは思いますが,確認の意味も含めて二,三再質問したいと思います。  TPPについてなんですが,1年前にこの問題を本会議でも取り上げました。今回は,地域経済に与える影響が大きいということを指摘をしたわけですけれども,答弁は全く1年前と変わらずに,市の認識が発展していないということで大変残念に思いました。  それから,基町県営住宅の問題でこれは確認をさせていただきたいんですけれども,市営住宅への入居は市として断った事実はないというふうに答弁をされましたが,では入居希望があれば市営住宅への入居を受け入れるのか,そこを確認をさせてください。  それから,高速5号線問題についてなんですけれども,まず安全検討委員会の検証結果を受けて事業の判断をするということは確認をさせていただきました。しかし,これは市長みずから答弁をしていただきたかったというふうに思います。  6回の検討委員会が終わって,追加ボーリング調査をするということで今地元では大変混乱が起きております。一昨日の10日の土曜日も,日付が変わるまで住民の皆さんといろいろ話し合いが行われたんですけれども,行政としては断固ボーリング調査をするという姿勢を崩しておりませんでした。なぜボーリング調査を今反対しているのか。これはボーリング調査そのものを反対されているのではなくて,その前に1号線,4号線の検証をしてほしい,こういうこと,順番が違うじゃないかということを言われているんですね。答弁では1号,4号の検証は済んだというふうに言われましたけれども,しかし住宅被害があった届け出をされている方のところが全面的に解決しているわけではありません。調査をせずに一方的にトンネルと因果関係はないという,打ち切っている,こういう姿勢に対しても不信感が出ているわけですね。そこの認識を改めていただきたいというふうに思います。  1点だけ確認をさせてください。  検討委員会でボーリング調査をしようという話出たわけですけれども,住民の合意なしに強引に調査をしてほしいという,こういうことが安全検討委員会で確認をされたんでしょうか。だれが強引に進めようとしているんでしょうか,お答えください。 ○木島丘 議長        都市整備局長。 ◎西岡誠治 都市整備局長   私からは,県営基町住宅の廃止に伴って市営住宅への県からの入居の要望があった場合に,市としてどう対応するかという点についてお答えしたいと思います。  今後,県が行う住民との具体的な移転先の交渉過程において,県から求めがあれば市としても必要な協議に応じていきたいというふうに考えております。 ○木島丘 議長        道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    安全検討委員会で,昨年11月までの5回目の検討委員会の審議の中で,それまでにその5回の中で追加の調査が必要であると,その内容についても決められたところです。そして先月の27日に開催されました第6回の安全検討委員会で改めてその追加調査の必要が確認されたということで,委員会からもボーリングの調査は必要だということを強い要請を受けました。  こうした状況を踏まえまして,今月上旬から地区町内会あるいは住民団体に調査実施の通知を行いまして,牛田東一丁目全戸に調査着手のお知らせ文を配布するなど,必要な手順を踏んだ上で追加の地質調査の着手をしているものでございます。  以上でございます。 ○木島丘 議長        村上厚子議員。 ◆37番(村上厚子議員) 追加調査のことなんですけれども,必要な手続を踏んだというふうにも言われましたけれども,夜陰にまみれてポストに通知をしているというようなやり方であり,通知をしたというのはそういうやり方でしかできなかったのかというような,もうやり方自体も何かすごくこれまでの市が取り組んできたやり方と,非常に強引さを感じます。  このまま住民の方々の思い,意見を全く聞かずに,強引に追加調査をされるんでしょうか。確かに,検討委員会では必要性は議論されました。確認をされました。しかし,その検討委員会で確認されたのは三つありました。ボーリング調査と植生の調査と,それから1号,4号の検証について,その優先順位は検討委員会の中では確認をされておりません。その中で,ボーリング調査をそうやって強引に進めていくのか,もう住民との話は持たないのか,そこの点はどうなんでしょうか。最後の質問です。 ○木島丘 議長        道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    住民に対しては,先ほど言いましたような手順を踏んだお知らせと,ボーリングをする周辺の方々にもそういった個別に説明をして理解を求めるというふうな形で進めさせていただいております。  今回のボーリングをするということは,いわゆる,住民の方々がトンネルを掘るということが安全性が阻害されるんじゃないかということを心配されているわけですけども,逆にそういうことが起きるかどうかということを検証するためにそういったボーリング調査をするわけですから,決して住民の方が今言われていることに反するということではないんじゃないかと思っています。その辺はよく理解していただいた上でやっていきたいというふうに思います。  できるだけまずデータを出して,そういった住民の生活に影響があるかどうか,そこの審議をやっていただくということが一番重要なことではないかというふうに考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        次に,28番永田雅紀議員。               〔永田雅紀議員登壇〕(拍手) ◆28番(永田雅紀議員) 皆さん,おはようございます。  爽志会の永田でございます。しばらくの間,御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  まず,皆さんも御承知だと思いますが,鉛筆型人間というお話をさせていただきたいと思います。  鉛筆は1本真ん中にしんが通っておりまして,周りには木を使い,身を削って役立っているのが鉛筆でございます。子育てや教育の現場で,この例えはよく引用されております。最近はシャープペンシルが主流になっていますが,しんは改良されてはいますがまだまだ折れやすく,周りもプラスチックで木を使わず身も削らない。そういう人ばかりになると,世の中はどうなっていくのでしょうか。  最近,自転車の危険走行が重大な事故を引き起こしていますが,自転車のマナーの問題にしても,小学生は悪いことをしても注意されると大概直します。それが中学生や高校生になってくると,注意しても直さない生徒がふえてくるようです。中心市街地の店先にとめている自転車は学校名が出ておりますが,生徒が多くとめているようです。以前から教育委員会にはお願いしておりますが,家庭のみならず社会全体で子供に目を向けて,今,教えるべきことを教えていかなければ次の世代はさらに危うくなり,最悪,犯罪や事件に帰結してしまうのではないかと憂いてしまいます。  松井市長さんは私も推した方ですから,しっかり広島のかじ取りをしてくださると信じ,期待もしております。元厚生労働省の官僚としての御経験から,国民から批判されていることの本質をつかみ,自治体の運営をしておられることと思っております。松井市長さんには,二言目には議会の意見をと尊重していただいておりますが,職員のやる気を引き出され,職員が士気高く市行政を担い,若い職員の話にも耳を傾ける機会をつくってくださることで,今まで思いもつかなかったようなよいものが形成されるようであれば,市民にとってもどれほど幸せなことかと私は思います。
     また,松井市長は県との関係も重要視されておられます。対等な目線で議論できることを望みますが,広島県と広島市との交渉は時に厳しいものになることをしっかり肝に銘じて対応していただくことをお願いいたしまして,質問に入ります。  松井市長さんは,選挙公約で職員の給与に切り込みますとおっしゃっています。このたびは人事委員会の勧告等をかんがみ,給与及び諸手当を0.06%引き下げられますが,市長の判断による職員給与はいつ切り込みますか。  また,市長の退職金も下げられるとのことですが,当然職員の給与を下げるのであれば特別職の給与も下げられると考えますが,いかがでしょうか。  中期財政収支見通しにおいて,平成24年度から4年間で582億円の収支不足とされております。平成23年度末の基金残高を92億円とし,その基金を使い果たした形での数字です。この4年間の収支不足をどのような選択と集中で埋めていかれようとされているのか。そして基金のあり方はどのようにお考えなのか,お伺いいたします。  次に,松井市長の平和に関する基本的な考え方についてお尋ねいたします。  松井市長は,さきの6月定例会の冒頭において,今後広島市政を担っていくのに当たっての市政推進に係る基本的な考え方や主要な施策についての所信を述べられました。その中で,当然平和に関する思いにも触れられました。  まず,御自身の使命を何より広島を世界に誇れるまちにすることであることとされ,それを実現するために,何より広島の平和都市像をどのようなものにするか,そして,何を誇れるものにするかということについてしっかりとした考え方を持つことであるということを述べられました。そして,具体的に,世界で最初に被爆し,廃墟から立ち直った広島は,世界のどこよりも,平和の心が育ち,街に平和が香る「国際平和のまち」でなければならない,また,その国際平和のまちが,世界の人々を引き寄せ,核兵器のない恒久平和の実現に向けた取り組みを促すことになるという考えを表明されました。  そしてさらに今後推進していく主要な3施策の中の一つとして,「平和への思いを共有するまち」への取り組みということを上げられ,そのために平和都市としての取り組みとしては,先人の築いた成果をしっかりと受け継ぎ,ヒロシマの願いである核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け積極的に取り組むこと,核兵器廃絶の取り組みに当たっては,これまで以上に市民やNGO等との連携を強化し,国内外から多くの人々に広島に来てもらい,平和への思いを共有してもらうようにしたいこと,また,訪れた人々に平和への思いを共有してもらうために,被爆者による証言活動に対する支援や被爆資料の収集・活用,平和記念施設の保存・整備等の取り組みを推進するといったことを述べられました。  私は,そうした松井市長の所信表明に異論はございません。むしろ市長が述べられたように,平和都市像をどのようなものにするのか市長とともに考え,しっかりしたものを築き,そして現実のものとしてつくり上げていく必要があると思っており,それがこの広島に生活している者の使命ではないかとも思っております。  そして,市長がおかわりになったこの機に,これまでの取り組みを検証し考え直してみることも,今後の平和行政発展のためには行われるべきことではないかと考えております。  そこで,このたびは二つの視点から市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  その一つは,都市の建設という観点であります。その原点は,皆様も御承知のとおり昭和24年に日本国憲法第95条の規定に基づく特別法として全国で初めて行われた住民投票により,市民の圧倒的多数の賛成をもって制定された広島平和記念都市建設法による都市づくりであります。この特別法により,広島市は目覚ましい復興,発展を遂げるなど,都市づくりに当たって一定の成果を上げることができたものと思います。  第1条に「この法律は,恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として,広島市を平和記念都市として建設することを目的とする」とあり,現在の広島市は恒久平和の理想の象徴となることを目標に都市づくりが進められる途上にあると位置づけられているということになりますが,それでは現在を託されている私たちはどのような都市づくりを進めていこうとしているのでしょうか。  この法律には,広島市長の責務ということも規定されています。第6条ですが,「広島市の市長は,その住民の協力及び関係諸機関の援助により,広島平和記念都市を完成することについて,不断の活動をしなければならない」と明記されています。  このたびの所信表明で,松井市長は広島の平和都市像をどのようなものにするかしっかりした考え方を持つことであるということを述べられている中で,市長はこの法律を踏まえてどのような姿勢で今後の都市づくりに臨まれようとされているのか,市長の所見をお聞かせいただきたいと思います。  二つ目は,所信表明で述べられた訪れた人々に平和への思いを共有してもらうための取り組み,被爆体験継承,伝承という観点であります。  広島に原爆が投下された8月6日は原爆死没者のみたまを慰め,世界の恒久平和を祈念するための式典が挙行され,市長や子供代表,総理,来賓などが平和の宣言や誓いを行い,歴史を顧み,伝承する機会となっていますが,一方で被爆から60年以上が経過し,被爆者の皆様の高齢化は着実に進み,言うまでもなく被爆の体験を風化させることなく後世に伝え切るための手だてが急務となっております。このため,被爆者による証言活動に対する支援の充実や被爆資料の収集,活用など,被爆の実相を伝える取り組みを推進することが行われております。  そうした認識のもとに広島市では第5次基本計画に盛り込み,その取り組みの推進を図っていこうとされています。そうした広島市のたゆまぬ取り組みには敬意を表するところでありますが,一方で被爆者援護法ではその第41条に,平和を祈念するための事業として,国は原子爆弾の惨禍に関する国民の理解を深め,その体験の後代の国民への継承を図ることが規定され,国の事業として被爆体験の継承を実施することとされております。つまり,市と国においてそうした取り組みが進められていることになるのではないかと理解しますが,どのような役割分担で取り組みが講じられているのか,まずお答えください。  私は,こうした被爆体験の継承に関しては国の財産として位置づけ,より一層の国の協力を得る必要があるのではないかと思っております。それだけ重要な取り組みではないかと認識しています。広島市としてどのようなお考えをお持ちでしょうか,お聞かせください。  国,地方ともその財政は大変厳しい状況にあります。そうした中で,市長が掲げられている迎える平和の考えのもと,広島市としては世界じゅうの人々を迎えたときにきちんと被爆の実相を伝え続けることができるように,言葉をかえれば風化させないためにも被爆の実相を将来に残していく役割を果たすことが必要ではないかと考えますが,あわせてお考えをお聞かせください。  次に,交通施策について,主に自転車についてお伺いしたいと思います。  警察庁は,本年10月25日に良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策を公表しました。自転車は軽車両であり,歩行者ではありません。しかし,1960年代に交通事故死亡者がふえたことを受け,一部の歩道で自転車の走行が可能とされました。その後はその効果もあり,自動車と自転車の事故が減りました。  一方,自転車の歩道走行が浸透する中,歩行者との事故が増加し始めました。昨年は全国で2,760件の自転車と歩行者の衝突事故が発生し,広島市では死亡事故も起きております。警察庁によれば,平成22年中の自転車関連事故の発生件数は交通事故全体の2割を占めるとともに,自転車乗車中に死傷した者の約3分の2に何らかの法令違反があったとされています。自転車と歩行者の事故は時に重大な事案になります。事故により,障害が残りの人生を大きく変えざるを得なくなり,苦しめられている方は大勢おられます。加害者となれば多額の賠償責任を負うこともあり,たかが自転車と侮れません。  通行環境の整備,ルール周知と安全教育の推進,個人賠償責任保険の加入など多くの課題があります。冒頭に申し上げた警察庁の対策も,これらの課題解決のため指導取り締まりの強化に加えさまざまな対策を講じることとし,地方公共団体等へも支援,働きかけを行うとされています。  そこで,広島市の自転車施策についてお聞きします。  広島市においては,これまで自転車の走行環境の整備,駐輪場の整備や放置自転車の撤去,走行マナーやルールの周知啓発など,数多くの自転車対策を講じてこられました。しかし,現在の自転車を取り巻く状況を考えたとき,これからはさらに一層の取り組みが求められるものと思います。また,これからの自転車施策の推進に当たっては,実際に自転車を利用する人や市民の方々はもちろん,警察等関係機関,一般事業者や自転車小売店など関係者団体の理解と協力がこれまで以上に必要になってきます。  このようなことから,私はこれら市民の安全・安心な自転車利用に対する意識を醸成し,自転車振興を図るための規範として条例を制定することが必要と考えております。場合によっては,議員提出の議案により制定してはどうかとも考えております。自転車に関する条例制定について,広島市のお考えをお聞かせください。  次に,これから広島市がさまざまな自転車施策を推進していく上で,改善していってはどうかと思う点について一言申し上げたいと思います。  現在,広島市が自転車対策を実施する際,走行環境整備は道路計画課や道路課が主に担当され,放置自転車対策は道路管理課,またコミュニティーサイクルはといったように,対策ごとに担当課が異なる状況です。これでは市民にとってもわかりにくいと同時に,統一的な視点を持った対策ができないと思います。これらの担当課をできるだけ統合して,自転車に関する施策を推進すべきと考えます。これは要望しておきますので,ぜひとも御検討のほどをよろしくお願いいたします。  ところで,自転車と歩行者の分離については,昨今の事故発生状況を見ても大変重要であると考えております。平和大通りにおいては,施工済みの白神社前から三井ガーデンホテルの手前の区間は歩道と自転車道との区別がつきにくく,歩行者と自転車は区分けされてない状態です。せめて自転車走行帯には,はっきりわかりやすい大きな表示が必要ではないでしょうか。今後の取り組みとしては,車道上に自転車道を設置することにより歩行者と自転車,自動車の安全な走行ができる施工計画をしていくことが必要と思います。平和大通りのリニューアル事業は100メートルという幅員を持ち,計画のしやすさが利点でありますが,反面,植木などが自由な計画の妨げになっていることも否めないのですが,今後の取り組みとして歩行者や自動車の運転者にとって自転車が快適で安全・安心できる乗り物になるよう車道上に自転車道を設置するか,あるいは走行環境をかんがみ,歩道上に設置するのであれば,少しでも自転車と歩行者の事故をなくせるのではないかと思います。自転車走行帯と一目でわかる形状にすることが望ましいと思いますが,できないのかお伺いいたします。  また,太田川放水路の遊歩道や現在整備を行っている河岸の遊歩道においては,自転車が快適に走ることができる自転車道の整備も国土交通省と協議していただき設置できないか,お伺いいたします。  ここで少し話が変わりますが,皆さんはクリテリウムという競技を御存じでしょうか。市街地に設定された短い距離の周回コースを走るレースがクリテリウムです。コース1周の距離は1キロから5キロ程度と短く,コーナーの多いコースを決められた周回数走るため,観客たちは目の前を猛スピードで走る選手たちの姿を何度も見ることができます。スピードと自転車を操るテクニックや,数十人の選手がわずか数十センチの間隔でひしめき合いながら大集団で走るさまはとてもスリリングなもののようです。全国各地でこの競技は行われております。広島市で実行できませんか。  安全走行と自転車のタイムを競う競技とは相反するようですが,このたび事務事業の見直しに入っておりました競輪はギャンブル性が強く,クリテリウムはギャンブル性はなく選手の体力と技術を競うもので,首都圏が中心になっている自転車部も中学生や高校生,大学生が自転車競技に対する興味が少しでも高まれば,自転車部がふえてくると思います。自転車に優しいまちが,自転車競技で広島市の活性化を図ることは意義あることと思います。少し無理があったようでございますが,やってみたいという思いでございます。  これは一例ですが,現在跡地利用の検討が行われております広島西飛行場跡地ですが,私が1期目のときにこの西飛行場にF1を誘致してみてはどうかと提案したことがございますが,このたびは土地利用が決定するまでのクリテリウムの暫定開催地として利用できないか。または宇都宮市のように,中心市街地で自動車の通行を閉鎖し行うこともできます。宇都宮市のクリテリウムは,栃木の知事と宇都宮の市長の熱意で開催できたと言われています。知事も自転車の愛好者とお聞きします。知事とのトップ会談でクリテリウムの開催を提案されてみてはいかがでしょうか。  続きまして,安全なまちづくり推進についてお伺いいたします。  広島市は,公益社団法人広島被害者支援センターに犯罪被害者支援シンポジウム・講演会の開催補助金として43万円を出す予定です。広島県も220万円程度を委託費として支援されています。近年,刑法犯罪は減少傾向にありますが,軽犯罪違反の統計は出ておらず総合的な統計ははかれない状況ですが,近年の犯罪は昔では考えられないような内容のものが横行しております。他人が苦しむことを快楽とする犯罪を耳にする機会がふえているようにも感じております。残忍な未解決事件などもあり,被害者や近親者が抱えられている苦しみははかり知れないものがあり,ましてや被害者自身の精神的,身体的な被害による傷はそれまでの生活を一変させ,日々を困難に陥れています。  現在,国内ではこのような方々を支援するために,被害者支援センターが設けられております。この施設の運営には,当然のことながら人的支援と資金が必要とされます。広島県や広島市がどのようなスタンスでおられるのかわかりませんが,知事や市長はこの団体の顧問になっておられるようですので,御理解が深いものと認識いたしております。  広島市は,広島県が平成14年に「減らそう犯罪」ひろしま安全なまちづくり推進条例をつくられたことを受け,平成16年に広島市安全なまちづくり推進条例をつくられ,また平成18年には広島市安全なまちづくりの推進に関する基本計画をつくられました。そして,第2次広島市安全なまちづくりの推進に関する基本計画を平成23年3月につくられました。  しかしながら,そのもとになる条例には犯罪被害者の支援の項目はありません。平成17年に法律が施行された犯罪被害者等基本法をもとに,21の都道府県,6の政令指定都市が犯罪被害者に特化した条例や犯罪被害者支援の項目が盛り込まれた条例を制定していますが,広島市の条例にはその条文はありません。にもかかわらず,基本計画では犯罪被害者の支援をうたっておられます。これはおかしくありませんでしょうか。  犯罪被害者等の支援を条例に盛り込むべきと考えますが,いかがお考えでしょうか。司法制度の変化により活動範囲も広がり,経費幅も拡大してきております。そして被害者の支援は長期にわたるケースも多くあり,そのための経費などが重なっている状態です。  また,これは一例ですが,3.11の対応として東日本の被害者が公営住宅に入居されているというニュースは,犯罪被害者とて同じ状況なのにこの対応の違いに矛盾を感じておられます。支援センターの相談件数は,80%は広島市民とのことです。松井市長も,県,市町の会合で支援センターの方からの訴えをお聞きになられているはずです。岡山県と比較しても,広島県の委託費は半分以下の状態です。支援者の意欲をそぐような支援体制には疑問を感じます。犯罪被害者に対する支援策として,被害者支援センターの補助について県内の市町で負担するような形も考慮できないかという点も含め,広島県と話し合いの上,適正な運営ができるよう協議をお願いしたいと思います。これは要望にとどめておきます。  最後に,第14回広島国際アニメーションフェスティバルについてお伺いいたします。  先般行われた決算特別委員会にて,アニメーションフェスティバルについて質問いたしました。昨年のアニメーションフェスティバルは1,937の応募作品を受けて開催され,国内外から3万人を超えるファンが会場に集まったそうです。昨年の第13回広島国際アニメーションフェスティバルの開催時期については,8月6日に来訪していただいた方々にも引き続きアニメーションフェスティバルを楽しんでいただこうとの趣旨で,8月7日からの開催になりました。  しかしながら,アニメーションフェスティバルのために来訪される方々がホテルを確保するのが困難であったとも聞いております。それを受け,来年は8月23日からの開催に戻されるようで,戻されることに関しては大賛成ですが,開催から四半世紀を超えるのに,国内唯一の大会を開催している割に市民に浸透しているように思えず,以前は経済同友会がアニメーションビエンナーレなどを開催されていましたが,近年はいつ始まっていつ終わったのかわからないぐらいのように思え,要するにわくわく感や注目度がなくなっているのではないかと感じております。  せっかくのアニメーションフェスティバルをもっと盛り上げるためには,プロローグをさらに充実させることが一つの手段として大事ではないでしょうか。現在はポスターやチラシ,そしてプレイベントなどの行事で広報活動しておられますが,現状のどこかを変え,何かを取り込まないと進歩は望めません。現在行っているプレイベントは広場ありきで,元安川親水護岸を利用したものですが,この広場は人通りが少なく,来場者はアニメーションの愛好者や関係者に引き込まれた方々が大多数ではないでしょうか。  お盆明けの1週間後という時期をうまく利用し,このアニメーションフェスティバルを拡大し,アニメーションのまち広島という側面を開花できれば,観光資源としても夏の広島の大きな祭りの一つになる可能性は十分にあると思います。  そこで,昨年旧日銀の中でされたようですが,ゴールデンウイークの期間中,特にフラワーフェスティバルが開催されている期間を利用してアニメーションフェスティバルを盛り上げるプレイベントを行うなどの広報活動を強化してみてはどうでしょうか。フラワーフェスティバルでは全国からの集客がありますが,この時期は帰省される方も多くおられます。この方々に,広島のアニメーションフェスティバルに行ってみたいと思わせるような情報を持ち帰って広めてもらうのです。  また,毎年7月の第4土曜日に開催される広島みなと夢花火大会では43万人の人出があり,夜8時からの打ち上げ前には多くの人が心待ちにして待機されています。この時間を利用してアニメのプレイベントを行い,アニメーションフェスティバルの広報とアニメのまち広島を楽しく宣伝できるイベントを行ってはいかがでしょうか。  静岡市の大道芸ワールドカップでは,町の各所で小さなイベントを分散して行うことにより一大イベントとして確立されています。例えば,広島の町じゅうにたくさんの着ぐるみやゆるキャラを配置してアニメーションフェスティバルを盛り上げるとか,鉄道事業者に協力を得てアストラムラインや路面電車,JRなどの協力でアニメーション列車を走らせて,主要ポイントの駅前でイベント等を行い,その観衆にアニメーション列車に乗ってもらい,駅前イベントをめぐるというようなことなどあってもいいかもしれません。  一方,事業を行おうとすると人が必要になります。事業の成功のためには,積極的な配備が望まれます。まず広島市の職員に率先して知恵を出し汗をかく人がふえることを期待いたします。全庁的な取り組みをされないのか,お伺いいたします。  また,先月,安佐北区のアニメーション作家,山本蒼美さんが商業アニメの世界にデビューしたとの報道がありました。国内唯一のASIFA公認のフェスティバルを持っている広島市がアニメの工房を支え,アニメ作家を育てることの意味合いは大きいと思います。アニメ振興支援策を考えてみてはいかがでしょうか,お伺いいたします。  以上で私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○木島丘 議長        市長。                 〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       永田議員からの御質問にお答えいたします。  平和問題についての御質問がございました。  私は,広島の都市づくりについて,所信表明でも述べましたように,世界で最初に被爆し廃墟から立ち直った広島は,世界のどこよりも平和の心が育ち,街に平和が香る国際平和のまちにしていかなければならないと考えております。  また,この国際平和のまちは,何よりも市民が世界に誇れるまちでもあります。原子爆弾によって壊滅的な打撃を受けた本市は,広島平和記念都市建設法の恒久平和を象徴する都市を建設するという理念に基づいて,平和記念公園や平和大通り,河岸緑地,病院・教育施設等の整備などを進め,今や平和のたっとさを体現するまちになっていると言えるのではないでしょうか。このことにより国際平和のまち,すなわち世界に誇れるまちづくりに向けての基本的な条件はほぼでき上がっているものというふうに考えております。  その上で,私はこの広島を,まずは「活力にあふれにぎわいのあるまち」にする。そして生活のにおいがする,すなわち人々の生き生きとした営みが感じられるまちにすることによって,そこに暮らす人々が平和への思いを共有することができるようにしたいというふうに考えておるところであります。このようなまちづくりに向けて,不断の努力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○木島丘 議長        企画総務局長。 ◎竹内功 企画総務局長    職員と特別職の給与に関する御質問にお答えいたします。  職員給与については,今議会に人事委員会勧告を実施するために職員の給与の引き下げを内容とする条例案を提出しております。これは公務員の労働基本権制約の代償措置として,人事委員会勧告制度がある中での切り込みになっているものと考えております。職員給与への切り込みについては,今後とも財政状況や人事委員会勧告制度の動向等を見据えつつ検討していきたいと考えております。  特別職の職員の給与についても,こうした状況を踏まえながら検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        財政局長。 ◎岡村清治 財政局長     財政についての御質問にお答えいたします。  本年9月に公表した中期財政収支見通しにおいて見込まれた収支不足を解消するための方策や,財政調整基金の残高をどの程度確保するかについては,今後策定する財政運営方針の中でお示ししたいと考えております。  中期財政収支見通しで明らかになった財政運営上の課題などを踏まえ,現時点で考えられる収支不足の解消を図るための方策を申しますと,市税等の収納率の向上による収入確保,受益者負担の適正化,未利用地等の売却促進,行政改革推進債の活用などの歳入確保策や人件費の削減,社会保障費や投資的経費を含むすべての事務事業の見直し,公債費の抑制などの歳出削減策が収支不足の解消を図るための方策として挙げられると考えております。  また,財政調整基金の取り扱いについても,収支不足の解消の方策の検討とあわせて検討してまいります。  以上です。 ○木島丘 議長        市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     数点の御質問に順次お答えいたします。  まず,平和問題のうち,被爆体験継承の市と国との役割分担等についてでございます。  核兵器使用という過ちを二度と繰り返さないためには,被爆体験を人類共通の財産として風化させることなく後世に伝えていくことが必要不可欠であり,直接被爆の惨禍を経験をした広島,長崎両市は被爆体験をみずから後世に継承していく責務を負っております。  こうした考え方に基づき,本市ではこれまで世代や地域の枠を超えて広く被爆体験が伝わっていくよう,被爆体験証言の実施や被爆者証言ビデオの制作,被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真・資料の収集,平和記念資料館の運営,さらには国内外での原爆展の開催など,多様な手法により被爆の実相を伝えて被爆体験を継承していくよう努めてきております。  また,国に対しましても,国要望などさまざまな機会をとらえて被爆の実相を積極的に国内外に伝えていくよう要望しており,その結果,国の主催により海外での原爆展が開催されるようになってきております。  そのほか,国立広島原爆死没者追悼平和祈念館で被爆体験記の収集,公開や被爆者証言ビデオの制作に取り組まれるなど,被爆体験を継承していくことの意味やその重要性を強く認識されながら,主体的な事業展開を図られております。今後も引き続きさまざまな機会をとらえて,国による取り組みの充実を要望してまいります。  加えて近年,平和市長会議加盟都市を初め世界各地の都市やNGO等が被爆体験の意味や被爆者,広島市民の思いをきちんと受けとめ,おのおのの地域において被爆の実相を伝え,被爆体験を継承する取り組みが主体的に行われております。このことは,本市がこれまで被爆の実相と被爆体験の意味を世界に伝え続けてきた成果と考えており,今後さらに被爆体験が幅広く世界に,また次代を担う世代に継承されるよう,国,都市,NGOなど多様な主体と連携を図るよう努めていきたいと考えています。  次は被爆体験を将来に残していくことについてでございます。  被爆者の高齢化が進み,被爆体験を直接語り継ぐことができる方が減少している状況の中,被爆の実相や被爆体験を次なる世代に確実に継承,伝承していくことは喫緊の課題と認識しております。そのため,近い将来被爆者から直接体験を聞くことができなくなることを想定をし,被爆者にかわって被爆を体験していない世代がその役割を担う必要があります。こうしたことから,被爆者の力添えもいただきながら,被爆を体験していない世代が被爆者の原体験や平和への思いをきちんと受け継ぎ,修学旅行生を初めさまざまな人々に伝えていく被爆体験を伝承する人の養成を行うことが急務だと考えております。  また,被爆体験は貴重な財産であり,後世に確実に伝えていくためには未収録の被爆者の証言を速やかに記録することやそれを末永く活用していくためのデジタル化,さらには世界に伝えていくための英語化の促進と多言語化への取り組みを早急に進めていく必要があると考えております。  こうした課題認識のもと,被爆体験の継承,伝承を今後重点的に進めていくため,現在,来年度の事業化に向けて取り組みを進めております。  次はクリテリウムの開催についてでございます。  クリテリウムは,市街地に設定をされた短い距離の周回コースを走り,タイムまたは周回数を競う自転車レースの競技種目で,町中を走る迫力や,観客にとって選手との距離の近さなどが魅力であると言われており,宇都宮市では中心商店街のにぎわい創出や市街地の活性化を図る目的で大会が開催され,約3万人の観客が沿道に詰めかけたと聞いております。  自転車を活用したスポーツイベントの開催は,スポーツの振興やまちの活性化につながるものと考えますが,交通規制に伴う市民生活への影響などの課題もありますことから,まずは宇都宮市など他都市における開催事例を調査研究してまいりたいと考えております。  次は犯罪被害者等支援対策についてでございます。  平成17年の4月に施行されました犯罪被害者等基本法では,犯罪被害者等支援策は国と地方公共団体が実施することとされておりまして,本市ではその具体的な取り組みを平成18年に策定しました安全なまちづくりの推進に関する基本計画に明記し,実施いたしております。  一方,広島市安全なまちづくり推進条例は,安全なまちづくりにかかわる根拠法令がない中で,本市が安全なまちづくりに取り組むための施策の根拠として制定をし,これに基づき各種施策を展開しておりますことから,この条例には犯罪被害者等の支援は盛り込んでおりません。  次に,アニメーションフェスティバルについての3点の御質問がございました。  まず,他のイベントでのPRでございます。  広島国際アニメーションフェスティバルは世界四大アニメーションフェスティバルの一つと呼ばれ,現在アジア地区唯一のアカデミー賞公認の映画祭であり,これまで世界で活躍するアニメーション作家を数多く輩出してきております。  こうした成果を市民に広く周知していくため,昨年のフラワーフェスティバル期間中に旧日本銀行広島支店で「広島国際アニメーションフェスティバルが世界に誇る映画祭といわれる10の理由展」を開催するなど,さまざまな機会を利用してPRに努めました。こうした取り組みなどを行った結果,昨年の第13回大会では過去最高の来場者数を記録いたしております。  次は全庁的な取り組みについてでございます。  広島国際アニメーションフェスティバルにつきましては,本市と共催者である財団法人広島市未来都市創造財団の職員により実行委員会事務局を構成をし,事業を実施しております。来年の大会におきましても,これまでの大会と同様に職員体制を確保するとともに,大会期間中は観光課職員による観光案内業務等,各局の応援を受けて円滑な運営に努めてまいります。  全庁的な取り組みにつきましては,来年度の大会に向け広報やプレイベントにおける幅広い協力を各局に要請したいと考えております。  次はアニメ発信の支援策についてでございます。  広島国際アニメーションフェスティバルは,アニメーションクリエーターの育成事業にも力を入れておりまして,学生作品の紹介と教育機関のPRを行うエデュケーショナルフィルムマーケットや学生セミナー,プロを目指す若者向けのワークショップなどを開催いたしております。  アニメーションに係る人材育成のためには,子供のときからアニメーション文化に触れ,親しむ機会を設けることが重要と考えておりまして,中学校美術部を対象としました平和をテーマにしたアニメーション制作支援事業や,著名なアニメーション監督を講師とした中学校の美術科授業での出前講座などを実施しております。今後とも教育機関や関係者と連携をいたしまして,人材育成に努めていきたいと考えております。
     以上でございます。 ○木島丘 議長        道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    自転車施策についてお答えいたします。  まず,条例を制定することについての御質問です。  本市は,中心市街地がフラットで近距離間の移動に自転車を利用するには最適なまちです。こうしたことから,市民はもちろんのこと観光で広島を訪れた方々にも,もっと自転車を手軽に安心して使っていただけるような便利なまちをつくっていく必要があると考えております。  このため,自転車がさらに快適に走れるように空間の整備を進めるとともに,自転車を利用する者がそれぞれに目的にかなった乗りおりが可能となるよう,駐輪場の整備に工夫を凝らすなど自転車利用環境の整備を進めていきたいと考えております。  議員御提案の条例の制定は,市民の安全な自転車利用に対する意識醸成のための一つの方策であると考えますが,現段階ではまず自転車の利用者のルールの周知やマナーの啓発を行いながら,利用促進につながる具体的な施策を展開していきたいと考えております。  続きまして,自転車走行空間に関する御提案です。  議員御提案の平和大通りにおけるわかりやすい自転車走行帯の表示や自転車道等の設置,さらに河岸緑地等の遊歩道における自転車道の設置につきましては,ルールやマナーの向上に資する上でも重要なことであり,参考にさせていただき,先ほど申し上げました自転車の利用促進につながる施策を推進していきたいと考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        永田議員。 ◆28番(永田雅紀議員) 御答弁ありがとうございました。  犯罪被害者の件ですが,これは後か先かの問題ではなくて,それはやっぱり当然その条例の中に入れていただくことが,後だから先だからということは全く理由にならないと思いますので,もう一度考えていただきたいというふうに思います。  あと,私も勉強不足だったもんですから被爆者援護法の中にそういった継承とかいう項目が入っているとは知らなかったんですが,やはり質問の中にも入れておりますが,この被爆体験というのは国の財産だというふうに私は思います。そういった意味で,広島市も国に要望はされていますが,強くその辺は要望していただきたいというふうに思っております。  また,職員給与のことで切り込み,切り込みという言葉もいろいろあるんでしょうが,今回人事委員会の勧告も切り込みというような答弁もありましたけど,人事委員会の勧告は切り込みの部分に入るのかどうか,それはちょっとクエスチョンマークが入ると思います。松井市長自身が切り込みとおっしゃったわけですから,これはやっぱり市民にわかりやすい言葉で伝えてもらわないと,この切り込みは本当にひとり歩きすると思います,この言葉が。そういったことで,市民にわかりやすい言葉で表現していただくようにお願い申し上げまして,私の質問を終わります。 ───────────────────────────────────────                休   憩   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○木島丘 議長        この際,暫時休憩いたします。                  午前11時50分休憩 ───────────────────────────────────────                  午後1時04分開議                  出席議員  48名                  欠席議員  7名 ○金子和彦 副議長      出席議員48名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○金子和彦 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  1番関藤雄姿議員。               〔関藤雄姿議員登壇〕(拍手) ◆1番(関藤雄姿議員) みんなの党,関藤雄姿です。  まず初めに,今,この場に立たせていただきましたことに,木島議長を初め先輩議員の皆様に深く感謝いたします。そして何より西区にお住まいの皆様,本当にありがとうございました。  私の発言は,広島に生きる方々の声であるということを重く感じていただき,誠意ある御答弁を期待いたします。  初めに,本市におけるがん対策について質問いたします。  肺がん検診へのCT導入提案。  現在,日本の死因別死亡率の第1位はがんであります。人口動態統計からの主な部位別のがんの死亡率を見ると,1993年にはそれまでずっと1位だった胃がんを抜いて肺がんが急増し,死亡率が第1位になっています。本市においても国と同様で,肺がんによる死亡率は全悪性腫瘍の中でも第1位であります。平成21年では,広島市のがんによる死亡者は2,579人,うち肺がんは491人,胃がんは354人,肝臓・胆のうがんは316人との報告があります。  本市では,平成20年の国通知,がん検診実施のための指針に基づき,肺がん検診として胸部エックス線検査及び喀たん細胞診を実施しておりますが,この検査では,単純レントゲン写真では映りにくい薄い病巣があり,また心臓や肋骨,血管の後ろに隠れている病巣についても早期発見できないという欠点があります。現行の胸部レントゲン検査で肺がんを早期発見する努力がなされ,それなりの効果を上げてきてはおりますが,胸部レントゲン検査で発見された肺がんは既に進行がんである場合や,術後の予後が不良の場合があります。  本市が実施している肺がん検診は,対策型検診として死亡率減少に有効であるとされる検査を実施していますが,早期発見,早期治療のためにはより効果のあるCTを用いた肺がん検診が私を含め多くの専門医が必要であると考えております。  長野県松本市は,2006年から肺がんCT検診を行っています。同市は,市民の命を最も大切であると考える菅谷昭市長が外科医であり,医師としての経験上,肺がんの治療は早期発見,早期治療しかない,そのためにはCT検診が有効と決断され,肺がんCT検診を導入されました。  昨今,多くの自治体や民間検診機関においてこの肺がんCT検診が有効であると判断して,検診にCT検査が導入されています。  広島市の近隣の自治体では熊野町や尾道市が導入しており,一定の成果があったと聞きます。本市としても,他都市に例があるように積極的に肺がん検診へのCT導入について検討していくべきだと考えますが,どのようにお考えかお聞かせください。  その導入に関して,厳しい財政事情もありなかなか簡単にはいかないと思いますが,これについても私はあらゆる場面で,例えばみんなの党より選出の衆参国会議員とともに厚生労働省に対しても働きかけをしていく覚悟がございます。  こういった大事業への助成について,市から国へ要望していくべきだと思いますが,この件につきましてもお考えをお聞かせください。  本市における粒子線治療施設の整備。  がん治療の一つに粒子線治療というものがございます。最近では,保険会社のテレビCMにおいて先進医療や粒子線治療をうたっているものがあるのを御存じの方もいらっしゃるかもしれません。この粒子線治療は,陽子線治療と重粒子線治療に分けられますが,このたびは重粒子線治療についてお話をさせていただきます。  先日,市議会厚生委員会の行政視察において,佐賀県鳥栖市に建設中の重粒子線治療施設,鹿児島県指宿市でがん治療を行っている陽子線治療施設を訪問させていただき,それぞれの施設の草案から着工,運営状況のお話を伺いました。聞けば聞くほど夢の治療方法です。  現在,二葉の里において建設予定の高精度放射線治療施設と比べ,建設には莫大な予算が費やされます。しかし,重粒子線治療のすぐれている点は多く,健康な臓器への侵襲がない,またピンポイントでがん細胞を攻撃し死滅させることができるなどです。動かない臓器のがん治療に有効性を示し,最近では治りにくいがん── 難治がんである膵臓がん治療にも実績を上げており,注目されている治療方法の一つです。開胸や開腹手術をせず無痛でがん治療を行うことができ,入院期間も短縮できるということで,今後ますます期待されているものです。  この重粒子線治療施設は,本市においても建設案が出ては消え,また出ては消えという過程がございました。その経緯も踏まえ,佐賀県,鹿児島県それぞれの粒子線治療施設のリーダーの方に建設実現のために必要なものは何かと確認しましたところ,お二人とも必ず開設するという情熱であるとおっしゃいました。  以前,広島経済同友会様の御報告によると,単年度黒字になる事業であると発表されておられましたが,現時点でこの広島にこの夢の治療施設を建設しようとする企業はあるのでしょうか。また,ないのであれば松井市長がみずから先頭に立ち,民間出資などで積極的に誘致するお考えはないのかお聞かせください。  市民の利益を考えたとき,近隣でこの治療を受けられる環境を整えていくことは,松井市長の市民を思う気持ちがあれば,それは情熱であり夢ではなくなると信じています。  がん対策に関する市条例の制定。  全国には,自治体独自でがん条例を制定されているところがあります。中国地方においては,出雲市,岡山市が既に制定されておられます。これは理念条例と呼ばれているものですが,市民が一丸となってがんと闘おうとする決意の象徴となっています。国や県任せでない,まず私たちが主体となってがんに向き合う,受動喫煙を防止していく環境の整備,検診の受診率を上げる努力も大切です。がんについて,市民の皆様に正しい知識を持っていただくのはもちろんのこと,医療従事者や行政に携わる者も頑張ってもらわなければなりません。  中四国地方に粒子線治療施設がないなどの課題はありますが,がんを徹底的に早期発見することによりがんで命を失う市民を減らしていくことができるのです。包括的ながん対策,つまりがんの予防,がんの超早期発見による早期治療,そしてがんを患った場合でも社会的なサポートがだれでも安心して受けられる広島市であるべきと考えます。  市長の大切な方ががんで苦しんでいる姿を御想像ください。私は,広島市が本気になれば必ず条例の制定はできるものと信じております。広島県の湯崎知事は日本一のがん対策を目指していらっしゃいますが,本市ではこのがん条例を制定することにより世界一のがん対策都市を目指すのはいかがでしょうか。  松井市長から,選択と集中という言葉をよくお聞きします。広島市健康づくり計画にあります「元気じゃけんひろしま21」の中にもこのがん対策は盛り込まれていますが,市民総ぐるみでがん対策を積極的に推進していくために,このがん条例の制定をぜひとも松井市長の取り組まれる事業の一つに入れていただきたいと思います。松井市長のお考えをお聞かせください。  続いて,広域災害を想定しての対策について質問いたします。  私は,長年看護師として命を守るという仕事に,また地域においては消防団員という立場から生命と財産を守る役割を担ってまいりました。消防団へ入るきっかけとなりましたのは,阪神・淡路大震災での医療支援で出会った消防団員さんの献身的な活動を目の当たりにしたからでございます。このたびの東日本大震災においては,必死の救出作業中に殉職された方々がいらっしゃるのは同じ仲間として無念でなりません。この記憶に新しい悲しい史実を風化させることなく,本市としても想定外とならぬようあらゆる対策を講じる必要があると考えます。  広域災害の発生では,人命救助,被災調査のために消防・防災ヘリ,県警,自衛隊,海上保安庁のヘリコプターが出動し,しばらくして県外から支援ヘリが本市の上空にやってまいります。このたびの提案とは,上空より認識可能な大きな文字を公共の施設,例えば小学校の屋上へ小学校の名前を大きく標示します。これを災害時ヘリサインといいます。この標示により,上空ヘリからの的確な情報収集,混成ヘリチームでの円滑な連携,タイムロスのない迅速な救助が可能となります。このような目的で,他都市では公共施設の屋上にヘリサインを標示する取り組みが進んでいます。防災対策の視点で,本市としても同様に対策を講じていただきたいと考えます。  このたびの東日本大震災を受けて,危機管理として地域防災計画を見直す際にヘリサインなどを含めたヘリの有効活用を考えていただき,一人でも多くの市民の命を救うのだという当局の覚悟のお言葉を聞かせてください。  防災とは想像力だと思います。決して費用対効果ではあらわせません。悲しい思いをされる方が一人でも少なくなることを願うばかりです。そして最後に,消防局長の消防魂に期待いたします。  続いて,平和への取り組みについて質問いたします。  県が進めている国際平和拠点ひろしま構想に対する本市の考え方。  市長は,先日の会見でいろいろな視点での平和への取り組みが大切であると述べられていらっしゃいます。本市は,この構想に対してどのようにかかわろうとされているのか,いま一度お聞かせください。  このたび連絡会議を設けられる運びとなりましたが,事務方,つまり課長級での協議の場と位置づけています。この構想については既にでき上がっているものですが,以前より広島市では平和市長会議を含めた中で2020ビジョン,すなわち2020年までに世界じゅうから核兵器をなくそう,そしてそのための道筋として何としても2015年のNPT再検討会議をこの広島市で開催してもらうために,不断の努力を注ぐことを決意しています。私は,この構想の策定段階から平和市長会議の内容が盛り込まれていないことや,また広島市長が参加されていなかったことに違和感を持っておりました。私も先日,党派別要望の場にて,NPT再検討会議の広島市開催をみんなの党の渡辺喜美代表にお願いしたところ,応援するとの返事をいただきました。この開催の実現に向けては,市民・県民の思いが一つにならないと困難です。確かに広島市から県に対してお願いはされていますが,そうではなく,市と県が常に同じ席で,そして一丸となって平和の構築を推進していくべきではないのでしょうか。そのためには市長や局長がメンバーの一員となり,広島市としての意見を十分に反映していくことのできる環境を整えるべきではないでしょうか。  広島市立大学内の広島平和研究所の成果及び今後の展開。  広島市立大学には,国際平和文化都市ひろしまの知の拠点として附置研究機関である広島平和研究所があります。世界初の核兵器による被爆を体験した広島の地に生まれた総合大学の研究機関として,世界平和の創造・維持,地域社会の発展に貢献することを目指し,平和に関する学術研究に取り組んでいます。  市民の方々の中には,広島平和研究所の存在を知らない方が数多くいらっしゃるのではないでしょうか。まずは広島平和研究所の成果及び今後の展開について,具体的に説明をしていただけないでしょうか。私は,当研究所の存在価値を高く評価している一人ですが,このすばらしい研究成果を他教育機関に対しても教養科目あるいは専門科目の中で広く履修させていく必要があると考えています。  また,この研究の成果は,広島の財産として他大学等の教育機関や平和記念資料館での発表にとどまらず,さまざまな場所でさまざまなツールを利用し今以上に広く伝えていくべきであると考えますが,当局のお考えをお聞かせください。  国際平和大学の設置。  私は,国際平和都市が世界から求められているもの,それは平和のとうとさであると認識しています。  松井市長は,出かける平和から迎える平和の大切さを唱えられていらっしゃいます。私も同感で,前市長の灯台もと暗しと言わんばかりの対外的施策には疑問を感じていました。被爆地,被爆国としての役割として,今後これまで以上に海外からの留学生をこの広島の地に迎え,ヒロシマの心や平和について学んでいただき,その学びの成果を世界じゅうのそれぞれの出身国で活動に生かしていただくことが重要だと思います。  市立大学では,ことし4月から国際学研究科に平和学のコースを設置をされたようですが,平和学というものを考えたとき,被爆地としての役割だけにとどまらず地域経済格差問題,国際紛争,我が国の抱える領土侵犯問題や拉致問題をも解決すべく,国のシンクタンクになってしかるべきものを発信できることが世界から求められていることが真の平和学であると思います。しかし,現行体制の中でそうした教育研究を進めていくためには,平和研究所の積極的な参画も必要だと思います。こうした点について,当局のお考えをお聞かせください。  また,迎える平和という話に戻りますが,御存じのように文部科学省ほか関係省庁において日本への留学生30万人を目標と掲げて留学生を招致する活動を推進しています。国の出した30万人構想に対して,本市としてはその1割を集めるというつもりで臨んでいただきたいのですが,そのためには受け皿となる市立大学の存在では窮屈であるように思います。  私は,先ほども触れましたが,平和研究所の活用をさらに推し進め,将来的には世界を視野に入れた国際平和大学を新たに開設することが必要ではないかと考えています。もちろん広島市だけでは難しいので,県や国にも協力をしていただく必要があると思いますが,松井市長の唱えられる迎える平和の実現のため,国際平和大学構想に広島市として積極的に取り組むべきだと私は考えますが,松井市長のお考えをお聞かせください。  最後の質問となります。中国地方における主要都市広島のあり方について。  続いての質問に入る前に,一言つけ添えておきます。先ほど爽志会の永田議員からの質問の中で触れられました行政改革の部分で,一部重複する点がございます。私からの質問は,松井市長が選挙においてのマニフェスト実現に向けての覚悟という視点でお答えください。  広島市の行政改革。  先日行われた大阪市長選挙並びに大阪府知事選挙において,大阪維新の会の公認候補である橋下徹氏と松井一郎氏がそれぞれ当選を果たされました。その中でも,特に橋下徹氏は大阪市の行政改革について市職員数の削減や給与カットなど厳しい財政改革を行うに当たり,市長みずから改革に取り組む姿勢を示すために市長の報酬を3割削減し,退職金の5割削減を明言されました。  ところで,松井市長は4月の広島市長選挙において,わくわくライフ広島を実現するための重点施策の一つとして,市長の退職金の削減,市職員の定数,給与への切り込み,市議会議員の定数,報酬への切り込みの行政改革を掲げられました。橋下氏は,みずからの報酬を3割削減,退職金の5割削減を明言し,行政改革に対する意欲を見せましたが,松井市長は広島市の行政改革に対してどのような覚悟をお持ちなのかお聞かせください。  地域主権型道州制の導入に伴う本市としての準備と松井市長のグランドデザイン。  現在の中央集権体制により,日本のあちらこちらの自治体は個性を出せずに,また独自の財源を制限されていることから,思い切った政策を打ち出せずにいます。本市もまた国や県の施策に追従するしかなく,歴代の市議会議員の答弁を例にとっても,国や県に対し右に倣えで,数々のすばらしい政策提案が実現されませんでした。  御存じのように,私どもみんなの党では地域主権型の道州制の必要性を主張し,そして早期の実現によりこの広島をさらなる発展へと導かんとしています。このたび大阪維新の会の躍進に見るように今後は地域から大きな声を発信し,私たちの暮らすこのまちを私たちが主体となってつくり上げていく時期が来たものと認識しております。  日清戦争のさなか,大本営が広島城に置かれ,明治天皇を初めとし政府や軍部も私たちの住むこの広島に集積され,臨時的に首都機能を担っていました。大阪維新の会が大阪都構想を掲げ,東京と同様の主要都市の実現に向けて日夜奔走されています。私は,以前一時的とはいえ首都のあった広島も,東京や大阪と並んで日本の主要都市となり日本を支えていくべきであり,また支えていけるだけの力を持つ都市であると認識しています。  地方分権の推進を図ってきた本市でありますが,さらに地域主権型道州制に向けたビジョンを戦略的に打ち出しておくことが重要であると考えます。本市において,目前の対策も必要ですが,あらゆる可能性に対応できる10年,20年後を見据えた長期的な広島の成長戦略が不可欠であろうかと考えます。  最後の質問です。道州制の導入を踏まえた松井市長の考える本市の長期的なグランドデザインについて,何か考えをお持ちであればお聞かせください。  私は,市民を代表して命がけで質問をさせていただいております。そこを御理解いただいた上,納得いく御答弁をよろしくお願いいたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○金子和彦 副議長      市長。                 〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       関藤議員の御質問にお答えいたします。  中国地方における主要都市広島のあり方についての御質問がございました。  道州制に関しましては,さらなる国民的な議論が必要であると認識しておりますが,私自身は道州制の導入の有無にかかわらず,本市は中枢都市として中四国地方全体の発展を牽引する存在にならなければならないというふうに考えております。世界で最初に被爆し,廃墟から立ち直った広島は,世界のどこよりも平和の心が育ち,街に平和が香る国際平和のまちとして,世界じゅうの多くの人が訪れるまちであります。私としてはそうした都市の特性,これを生かしながら中四国地方全体の文化,経済の中心として中国山地を越え,あるいは瀬戸内海を渡り,人,物,金が大きく循環していくそういった都市の姿を展望しております。このようなまちが実現するならば,将来的に道州制が導入された場合にも本市が州都に最もふさわしいまちになっているというふうに考えております。したがいまして,今申し上げた方向で私のまちづくりを進めていきたいというふうに考えております。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○金子和彦 副議長      企画総務局長。 ◎竹内功 企画総務局長    平和への取り組みの質問の中で,広島市立大学の広島平和研究所の成果及び今後の展開についての御質問にお答えいたします。  広島平和研究所は,平和に関する学術研究を通じて,核兵器の廃絶に向けての役割を担うとともに,世界平和の創造・維持と地域社会の発展に貢献することを目的に,市立大学の附置研究所として平成10年4月に設置されました。  主な研究領域は,核兵器に関する諸問題の研究,平和に関する理論的及び実証的研究,アジア太平洋地域における平和の構築に関する研究であり,これらの成果を報告書として出版するとともに,ホームページやニューズレターにより広く世界に発信しております。  研究成果の普及活動として,国際シンポジウムや市民講座,研究フォーラム等を随時開催しております。また,市立大学はもちろんのこと,他の大学や研究機関等において研究員が講師を務め,その講義においても研究成果を活用しております。
     こうした取り組みのほか,平和記念資料館の展示更新計画の策定や資料調査など,本市や広島平和文化センターの平和関連施策に協力することにより,本市の平和行政の推進にも貢献しております。今後とも平和に関する研究の一層の充実を図り,その研究成果を世界に向けて発信するとともに,地域社会に積極的に還元していくことにより被爆地広島に拠点を置く研究所として市民の期待にこたえていきたいと考えております。  それから,同じく市立大学の平和学に平和研究所の積極的な参加も必要だという点と,もう一つ,国際平和大学構想についてお答えいたします。  世界や地域の平和の推進に貢献できる人材を育成するため,本年4月,大学院の国際学研究科において平和学の修士の学位が取得できるカリキュラムを開設しました。この平和学の研究対象は,戦争や紛争,核兵器の問題だけでなく,貧困,環境,差別の問題など平和の推進を脅かしかねない問題の原因究明と,その解決手段の研究を含むものでございます。これらの研究は海外にも広く普及する必要があるため,留学生向けに英語でも授業等が受けられるようになっております。  また,この平和学のカリキュラム開設に当たっては,検討段階から平和研究所の研究員が参画しており,国際学研究科の教員と連携しながら学生の指導に取り組んでおります。  議員御提案の国際平和大学構想については,本市としては現在の取り組みを深める中で市立大学の一層の機能強化に努めてまいりたいと考えております。  それから,行政改革,とりわけ市長の退職手当,職員定数,給与等への実現についてどのような覚悟を持っているかということについてでございます。  行政改革については,本市が置かれている厳しい財政状況と真剣に向き合いながら,着実に進めていく必要があると考えております。このため,これまで取り組んできた施策と今後展開する施策のすべてを対象として,市民の目線で今何をやらなければならないか,今何ができるかをしっかりと見定め,選択と集中のもと,優先順位をつけ確実に実施していきたいと考えております。  議員の御質問がありました市長の退職手当については退職時に支給されるものであり,それまでの適切な時期に削減内容を決めて提案したいと考えております。  また,職員定数については,まずは平成23年度からの3年間で約200人削減することを目標に掲げており,この目標の着実な実施を図りたいと考えております。  また,職員給与への切り込みについては,先ほどの永田議員の御質問に答弁しましたとおり,財政状況や人事委員会勧告制度の動向等を見据えつつ,今後とも検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     平和の取り組みについてのうち,県市連携についてお答え申し上げます。  核兵器廃絶に向けては,国や自治体,NGOなどさまざまな立場で多様な取り組みを行っていくことが重要であり,このたび広島県が策定をされた国際平和拠点ひろしま構想は広島の国際的知名度と平和資源を生かし,課題の一つとして核兵器廃絶のプロセスの構築に取り組むものであり,その点で意義あるものと考えております。  本市としましては,核兵器廃絶の実現に向け被爆の実相を伝えていくことに軸足を置きながらさまざまな取り組みを促進していきたいと考えており,必要に応じ県の取り組みとも連携,協力をしたいと思っております。  国際平和推進連絡会議,これは仮称でございますが,これは県,市の平和関連事業における連携の分野や開始時期の検討などを実務担当者レベルで協議することを目的として設置するものでございます。このため,直接実務に携わる課長級職員で構成し,事務的に検討を進めることになります。  今後,事業化等に向けては,例えばトップ会談など必要に応じた職位の者により,県,市が調整を行いながら取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ○金子和彦 副議長      健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    がん対策について,3点お答えをいたします。  まず,肺がん検診へのCT導入についてです。  本市では,厚生労働省が定めた指針に基づいて検診を実施をしており,この指針によりますと,肺がん検診は問診,胸部エックス線検査及び喀たん細胞診によることとなっています。  肺がん検診へのCT導入については,平成20年に厚生労働省から出されたがん検診に関する検討会の中間報告において,現時点では肺がん検診に用いる低線量CTは死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるため,集団を対象とした検診としては勧められない。また,低線量CTを集団に対する肺がん検診に位置づけるに当たっては,死亡率減少効果,過剰診断や胸部エックス線撮影の数十倍と言われる被曝量の問題,CT検診に要するコスト及び実施体制等について総合的に検討する必要があると提言されています。こうしたことから,現時点で肺がん検診に低線量CT検査を導入することは考えておりませんが,今後この検査が死亡率低下に有効であることが検証されれば,その導入や事業助成についての国への要望について検討したいと考えております。  次に,粒子線治療施設に関して御質問がございました。  粒子線治療施設については,これまで民間による設置構想が出てきたというようなことは承知しておりますけども,現時点では具体的な計画に至っていないと認識しております。今後技術革新により粒子線治療施設の小型化が進み,設備投資がより安価になると見込まれており,こうしたことに伴って民間による設置構想が具体化した場合は,広島県や広島大学,財界などと幅広く連携をとって対応していきたいと考えております。  最後に,がん対策に関する市条例の制定についてのお尋ねです。  2人に1人ががんにかかり,3人に1人ががんで亡くなるという現状等を踏まえ,本市としてはがん対策を積極的に推進することが重要であると認識をしております。そのため,条例制定を待つまでもなく,がん対策基本法に基づく広島県がん対策推進計画や,本市の健康づくり計画「元気じゃけんひろしま21」に沿って,既に具体的な取り組みを進めております。今後ともこれらの計画に沿った施策を着実に実施することで,がん対策を強力に推進していきたいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      消防局長。 ◎山下聰 消防局長      災害時ヘリサインについてお答えいたします。  広域災害が発生した場合,他都市から消防,県防災,警察,自衛隊などの多数のヘリコプターが被災地に集結します。その際には,ヘリコプターに搭載されたGPS及び既製品の地図を使用して応援活動を行います。  本市が応援を受ける場合は,これらに加えて学校や病院など活動拠点となる施設について,あらかじめ取りまとめている位置,附属設備,上空からの画像等の情報を応援隊に配付して情報を共有し,災害対応に当たります。  議員御提案の災害時ヘリサインは,上空から目標地点の確認を容易にするためのものですが,現在国においてその有効性等が検討されています。今後とも国や県などの関係機関と連携を図りながら,ヘリコプターを効率的に活用して災害対応に万全を期してまいります。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      関藤議員。 ◆1番(関藤雄姿議員) 御答弁ありがとうございました。  時間に制限がございます。このたびは,医療分野に絞り再質問をさせていただきます。  肺がん検診へのCT導入についてですが,肺がんの発見率を日立メディカルセンターにおいて胸部エックス線検診と胸部CT検診で比較したところ,胸部CT検診は胸部エックス線の約13.8倍と高いものでありました。最近は16列マルチヘリカルCTが主流であり,今までのシングルCTを比較して被曝量は40%削減となっています。低線量CT検査が死亡率低下に有効であると検証されればとのことですが,検証するために本市のがん診療連携拠点病院のドクターに協力を仰ぎ本市として現状把握をし,検証してみてはどうでしょうか。  また,現場ドクターの立場からのCT必要性の考察も依頼してみてはどうでしょうか。本市にて人員増の体制が整備できないのならば,私自身が活動する覚悟がございます。  続いて,粒子線治療施設についてです。  粒子線治療施設があることで治療効果が大きく,がん医療の充実につながるとの見解をお聞きしました。必要性を承知されていると理解いたしました。民間事業者による設置構想が具体化した場合はとのことですが,本市としては施設の設置実績のある業者に実現可能か否かの働きかけをしたことがあるのかお聞かせください。  最後に,がん対策に関する市条例についてお聞きします。  がん検診受診率の向上のための取り組みを行っているとのことでございますが,受診率向上の成果は出ていますでしょうか。  また,理念的な条例を制定するだけが目的なのではなく,市民に対して本市の理想を明確に示し,本市のがん対策の覚悟を訴え,市民へのがんの怖さやつらさ,そして健康の意識づけのためにもがん条例の制定の必要性があると考えます。また,場合によっては議員提案によるがん対策に対する条例制定も考えられます。これらを踏まえて,当局のお考えをお聞かせください。 ○金子和彦 副議長      健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    数点,再質問にお答えをいたします。  まず,肺がん検診のCT導入について,市として検証あるいは現場ドクターへの考察の依頼ということがございました。  これは先ほど御答弁申し上げましたけども,厚生労働省の中間報告の方で,繰り返しになりますけども,現時点では肺がん検診に用いる低線量CTは死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるということで,集団を対象とした検診としては勧められないということが出ておりました。  これを検証するということについて,これはやはり長期間広範囲にわたって大規模な調査研究が必要なものだろうという認識でおります。したがいまして,集団検診の肺がんCT検査,これが有効であるかどうかというのは本市が独自で検証するということは考えておりません。  それから,2点目で,粒子線に関して業者に実現可能か否かの働きかけをしたことがあるかというようなことでございます。  これは働きかけということはございません。これはありません。  それから,3点目で受診率の向上の成果と条例の制定についてでございました。  受診率の向上ということで,これは平成21年度からがん検診の無料クーポンというものを,一部ですけどもこれは出しておりまして,例えばそういったものであるとか,健康づくりセンターで休日検診などを実施しておりまして,そういったことに伴う受診率の向上というのは成果としてあらわれているというふうに考えております。  それから,条例制定について,また重ねて御質問がございました。  これも繰り返しになりますけども,本市としては県のがん対策推進計画,あるいは本市の健康づくり計画,これは来年度次期計画を策定するということになっております。がん対策の重要性というのは十分認識をしておりまして,そういう中で具体的な施策の充実を盛り込みながらそういったことを着実に推進していく,そういった形で対応していきたいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      関藤議員。 ◆1番(関藤雄姿議員) 本日の市長を初めとして当局の方々の御発言について,決して納得できるものではございませんが,これからも最新の情報,つまり民間のお知恵や市民の皆様の声を集めてしっかりと議論していきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。  本日はありがとうございました。 ○金子和彦 副議長      次に,19番八軒幹夫議員。               〔八軒幹夫議員登壇〕(拍手) ◆19番(八軒幹夫議員) ひろしま保守クラブの八軒幹夫でございます。本日最後の質問となります。しばらくの間,御清聴をよろしくお願いいたします。  質問を始める前に,質問方法について説明をさせていただきます。  今回も結論を先に申し上げます。質問内容を一括して読み上げた後,補足説明として各項目に沿って質問の趣旨や私の考えを述べさせていただきたいと思います。後述する私の思いや考えには回答を求めませんので,最初に読み上げる質問の内容についてのみ簡潔にわかりやすくお答えください。  1,市長の政治姿勢について。  この質問につきましては,永田議員の質問と重複しておりますので質問を省略し,補足説明のみを行います。したがいまして,回答も求めません。  2,老朽橋のかけかえについて。  市内の690橋は長寿命化を図っていくという計画を立てていますが,補修だけでは限界があると思います。1年に1橋とはいかないと思いますが,かけかえを行っていくべきではないでしょうか。  また,直轄国道の橋梁についてはどうか,お尋ねします。  3,水ビジネスについて。  水は重要な資源で,広島市には太田川という良質な水資源があります。こうした中,広島県では新会社を設立し将来的にはペットボトル飲料販売などを新しい水ビジネスとして展開していこうとしていますが,広島市ではどのような方針を持っていらっしゃるのかお尋ねします。  4,硬直した組織の見直しについて。  広島市の組織について,当初は相応の理由があったものでも現在は硬直化し非効率になっているものがあり,時代の変化に応じて組織を見直すべきであると思いますが,どのように考えておられるのかお尋ねします。  5,事務事業の見直しについて。  事務事業の見直しを行う中で事業のスクラップ・アンド・ビルドを行っていくことになりますが,ビルドの部分で今後何に重点を置いてやっていくおつもりかお尋ねします。  6,庁舎管理のあり方について。  個人情報の保護やセキュリティー対策の観点から,国の本省が実施しているような庁舎への入庁管理の徹底や市民からの申請窓口を1階,2階に集約するなど,本庁舎のセキュリティー対策を再構築すべきと思いますが,どのように考えておられるのかお尋ねします。  7,保育行政のあり方について。  国においては,昨年6月29日に少子化社会対策会議において子ども・子育て新システムの基本制度案要綱が決定され,平成25年度からの新制度の施行を目指してさまざまな検討がなされています。  しかしながら,中間取りまとめの段階においても,今後の検討課題となっているものが山積しています。制度の実施主体は市町村であり,このように問題の多い新システムについて,市としてはどのように考えておられるのかお尋ねします。  また,現在取り組んでおられる待機児童対策もそうですが,今後新システムにおいても特に保育士の確保が問題になってくると思いますが,保育士の確保及び人材育成について,現状及び今後の取り組みについてどのように考えておられるのかお尋ねします。  8,エネルギー政策について。  この質問につきましても,本日の村上議員の質問と重複しております。回答も重なると思われますので省略し,回答も求めません。  それでは,次に各質問の補足説明を行います。  初めに,市長の政治姿勢について補足説明を行います。  私は,平成19年9月定例会の一般質問で,今現在の課題だけを考えて決断をするのではなく,過去に学び,未来を見据えて現在の決断を行う必要があると考えていると申し上げました。  また,人材育成に積極的に取り組んだ会津藩の藩校「日新館」の取り組みと,寺光忠氏の著書「ヒロシマ平和都市法── 広島平和記念都市建設法註解」という本を紹介した上で,いずれもトップの決断によって未来はいかようにも変わることを証明している,したがって,政策策定に当たっては,まず,どのような未来をつくろうとするのかを考え,そのためには,今何をすべきかを考えることが非常に重要なことであり,その意味では100年単位での視点も必要と考えると申し上げました。  松井市長は,50年先100年先の広島をどのような都市にしたいと考えておられるのかお聞かせいただきたいと考えていたものです。  次に,老朽橋のかけかえについて補足説明を行います。  橋の維持管理に関しましては,平成21年度予算特別委員会で質問させていただき,当局から広島市が管理している橋のうち,橋の長さが15メートル以上のもので1960年代から1980年代に集中して建設されたものが全体の7割ある,今後,橋の高齢化が進み,大規模な補修やかけかえに伴う財政負担が一定期間に集中することが予想されることから,これまでのように損傷が深刻化した後に対策を行う対症療法型から,損傷が著しくなる前に早目に補修を行う予防保全型の維持管理に転換していく,その対象は690橋である,ちなみに,今後50年間対症療法型管理によるかけかえを実施した場合の概算事業費の試算額は,約928億円との回答をいただきました。  また,平成22年12月の定例会におきましては,老朽化する橋を補修して寿命を延ばしても,いつかはかけかえが必要な時期が来る,そのときはまた財政負担が一定期間に集中することになるので,今から将来を見越して1年に1橋でも2年に1橋でもいい,それが無理なら5年に1橋でも10年に1橋でもいいから,順番にかけかえを行った方がいいのではないかと考えているが,財政的に無理であれば長寿命化の計画を前倒ししてもっと積極的に修繕を実施すべきではないかとの意見を加えて,長寿命化,耐震化についての取り組みを質問させていただきました。  これに対し当局からは,今後とも,厳しい財政状況の中,財源の確保を図りながら,重大な損傷やかけかえに至る前の段階で,計画的に補修を行う予防保全型の維持管理を実施することにより,橋梁の長寿命化に積極的に取り組む,道路橋の耐震対策としては,緊急輸送道路など主要な道路で,昭和55年の基準より古い基準で設計された84橋について,平成7年度から落橋防止装置を設置している,また,平成21年度からは橋脚の補強が必要であると想定されている42橋について,調査しながら補強に取り組んでおり,今後も厳しい財政状況の中,財源の確保を図りながら,橋梁の耐震化に努めるとの回答をいただきました。  ところで,本年3月11日に東北大震災が発生しましたが,このとき想定外の地震の規模とか想定外の津波の高さといった言葉が多く使われました。これは言うまでもなく,自然の猛威が我々の予想をはるかに超えていたということです。  耐震対策につきましても,自然の力を100%予測することは不可能と思いますが,果たして東北大震災前の基準で判断してよいものでしょうか。  我が広島市において,橋は道路交通の生命線です。古い橋は,耐震化を図ろうと長寿命化を図ろうと新しい橋にはかないません。いま一度方針を見直し,計画的にかけかえを行った方がいいのではないかと思います。  また,東大橋につきましては再三にわたり要望していますが,地域住民の生活道路であり,一日も早い完成が望まれます。ぜひとも早期完成を要望します。  次に,水ビジネスについて補足説明を行います。  水資源問題につきましては,平成20年度と平成21年度の2回の予算特別委員会で質問させていただき,平成21年6月の定例会におきまして,水問題については担当部署が多岐にわたり,総合的に対応する部署がありません。クロスセクションを含めて,どういう形態がいいのかを御検討いただき,広島市として水問題に総合的に対応できる体制づくりをしていただきたいと要望させていただきました。  そしてその際,国連の予測では2025年には各地で水不足に陥る可能性があるとされていますが,残念ながら日本では水資源問題はまだ深刻な問題として一般的には受けとめられていません。私たちの住む広島市も,太田川の恵みを受けて深刻な水不足に悩むこともなく,水があるのが当たり前の生活をしており,水問題に関する関心は薄いと言っても過言ではないと思います。  しかし,水不足を初めとする世界の水問題は私たちにとっても重要な問題であり,水に恵まれた広島だからこそ水を大切な資源として質,量ともにすばらしい資源にするよう,水を育てていくという考え方と継続的な取り組みが必要ではないかと思いますという意見を述べさせていただきました。
     本年10月30日付の中国新聞に,広島県は水道水をペットボトルに詰めた「紅葉の雫安芸の水」を試験製造し,試飲会を開催した,県は,人口が減少すると水の需要も下がると予想され,水ビジネスの新たな販路を拡大したい,また,将来的には広島ブランドとして海外への輸出も視野に入れており,県水道課の課長は水道事業が破綻しないようインフラを守る資金源になればと期待をかけているとの記事が掲載されていました。  同じく12月6日付の中国新聞には,水道新会社来秋設立へ,広島県,県営事業を委託,水ビジネス海外展開視野と題する記事が掲載されました。その内容は,広島県では県及び市町の水道事業の管理運営業務を行う公民共同事業体を平成24年9月に官民共同出資の新会社として設立する方針を決め,平成25年4月の事業開始を予定する。この新会社は第三セクター方式を採用し,パートナーとなる民間の水処理業者を公募することとしており,まず県の用水事業の浄水場等の施設管理運営を指定管理者として受託し,その後,県内市町から水道施設の管理業務を受託することや,水道事業にかかわる行政職員の研修も担うことを計画している。将来的には水道事業の海外展開も視野に入れており,県内企業や海外の政府機関と連携したペットボトル飲料水販売などの水ビジネスを想定するというものです。  現在,水をめぐって世界ではウオーターメジャーとも呼べる巨大企業が熾烈な争奪戦を繰り広げています。上下水道の民営化市場の7割を寡占しているのはグローバル巨大水企業3社であると言われており,水ビジネスといえばどちらかといえば施設管理運営等がメーンになっています。  しかしながら,近い将来世界的な水不足が予測される状況では,飲料水は今後ビジネスとして有効な戦略物資となり得ると考えます。貴重な資源である水を質,量ともに育てていくことは将来の広島市にとっても重要なことだと思いますし,販売によって得た収益を活用して,さらに水を育てていくというサイクルを確立することも重要であろうと思います。  広島市においても,水道局において広島のおいしい水をペットボトルとして販売していますが,採算をとるのが非常に困難であると聞いています。確かにペットボトル事業を採算ベースに乗せるためには,販路の拡大,工場の設置等課題が多く,広島市単独での事業の継続は至難のわざであろうと思います。  また,世界でも水ビジネスは規模の拡大がポイントとして,企業はを繰り返していると聞いていますし,県と市が同じ内容の事業を別々に行うというのも非効率でおかしな話だと思います。県が水ビジネスを始めるに当たり,本市としては広島県にどう対応していくのかお尋ねしたものです。  次に,硬直化した組織の見直しについて補足説明を行います。  先日,市民の方から,図書館の管理運営の最終責任者はだれかという質問をちょうだいしました。その方のお話を聞いてみると,図書館の運営に関して意見があり,指導してもらおうと思った,図書館は文部科学省の管轄になるので管理責任は教育委員会にあると思ったが,事務は市民局が行っており,実際の運営は広島市未来都市創造財団が指定管理者として行っていると言われた,一体どこに意見を言えば対処してくれるのか大変わかりにくいので,責任の所在をわかりやすくしてほしい,また,広島市未来都市創造財団は名前を聞いても何をするところかわからないので,名前を聞いて何をするところか連想できるような名称に変更できないかとのことでした。  調べてみると,広島市立図書館はその設置や管理に関する事務は社会教育法等の規定により教育委員会が行うこととなっており,条例ではその指定管理者の指定などの事務を教育委員会が行うと定めています。  一方,広島市では平成18年度から,図書館を初めとする社会教育施設に関する事務などの教育委員会の権限に属する事務の一部の管理及び執行を,市民局において補助執行しており,市民局の職員は教育委員会の名でその権限に属する事務を行っているということです。つまり,図書館の設置,管理の責任は教育委員会にあり,その事務の補助執行を市民局の生涯学習課が行い,その指定管理者として広島市未来都市創造財団が運営を行うという三重構造になっています。最終責任は教育委員会にあると思いますが,市民の皆様からは非常にわかりにくい組織となっています。  また,教育委員会と市民局に関しては次のようなこともありました。  本年4月に段原中学校が新設移転しましたが,グラウンドの照明施設の移転は9月までおくれました。その原因は,校舎及びグラウンドの工事は教育委員会の施設課が行うが,グラウンドの照明施設は校庭開放委員会に関するもので,所管がスポーツ振興課にあったためです。担当の説明によれば,教育委員会施設課の工事完了検査が終わり,引き渡しを受けてからでなければ照明施設の設置工事に入れないというものでした。幸い,当初の予定では照明施設の設置は12月の予定でしたが,スポーツ振興課で御努力いただいた結果,工期を短縮し夏休み中に工事を完了して9月から使用できるようになりました。スポーツ振興課の皆さんの御努力には感謝していますが,そもそも学校施設の工事を別々に行う必要がどこにあるのでしょうか。担当課が業務を行う上では当たり前でも,利用者にとっては非常に不便なことです。  以上は一例にすぎませんが,ほかの部署においても同様のことがあると思われます。いま一度,組織のあり方を検討する必要があるのではないかと思います。  また,組織の名称についても,何をするところか市民の皆様にわかりやすい名称に変更すべきではないでしょうか。  次に,事務事業の見直しについて補足説明を行います。  本年10月20日付で発出された依命通達,平成24年度の予算編成についてによれば,「これまでに取り組んできた施策と今後展開しようとする施策のすべてを対象として,「選択と集中」の考えのもと,優先順位をつけ,順位の高いものから確実に実現しなければならない。さらに,すべての事務・事業,あらゆる経費について,聖域を設けることなく「ゼロベース」に立ち返って,徹底した見直しを断行する必要がある」としています。確かに事務事業の見直しは必要不可欠のものでありますが,何を見直し,何に重点を置くかは非常に重要なことであると思います。  私は,事業の見直しに当たっては,未来の世代に何を残すかという観点も忘れてはならないと思います。現在使用している水道や道路,橋などのインフラは先輩方が私たちに残してくれたもので,その恩恵を受けて私たちは日々生活をしていますが,設置から長い年月がたち老朽化が進み,新たな整備が必要となってきています。  しかし,近年では経費の使用はどちらかというと社会保障費等に重点が置かれ,インフラ整備や産業振興等の投資的経費は抑制傾向にあると思います。先輩方から受け継いだものを次世代に残すためにも,予算の中で一定額をインフラ整備や産業振興等将来への投資に充てることも検討すべきではないかと思います。  次に,庁舎管理のあり方について補足説明を行います。  本庁舎では,市民や業者などだれでも自由に各課執務室のカウンターに訪れることができるようになっていますが,市が保有する個人情報の保護やセキュリティー対策の一層の強化が求められる中,現在のような庁舎管理のあり方には問題があると思います。  確かに市民に親しみやすい市役所にすることは重要なことですが,そのことと個人情報の保護やセキュリティー対策とは次元の違う話だと思います。  近年,個人情報の保護やセキュリティー対策は企業が取り組まなければならない最重点事項となっています。それは,個人情報の流出によって企業の存続さえ左右されるからです。世間では,個人情報は1件についての相場があり,売買が行われているケースがあるとも言われています。特に最近は,パソコンやUSB,携帯やスマホの進化により,短時間に大量の情報を持ち出せることから,その対策には十分に気をつけなければならないとされています。  個人情報を大量に扱う銀行等では,執務室への携帯電話や私用パソコンの持ち込みを禁止しているところもあります。また,霞が関の官公庁や大企業などは,テロ対策等も考慮しセキュリティー対策を強化しています。本庁舎は,個人情報や入札に係る積算情報,市民生活に関する重要な情報などを大量に保有していますので,執務室への立ち入りは一定の制限をかけるべきだと思います。  一方で,市民の皆様に親しまれる開かれた市役所でなければならないという課題もありますが,私は開かれた市役所というのは物理的なことではなく,心理的に相談しやすい,わかりやすいということであろうと思いますので,相談体制の充実や接客マナーの研修等は引き続き取り組むべき必要があると思います。  最後に,保育行政のあり方について補足説明を行います。  国においては,昨年6月29日に少子化社会対策会議において子ども・子育て新システムの基本制度案要綱が決定され,平成25年度からの新制度の施行を目指してさまざまな検討がなされています。これまで具体的な検討について三つのワーキングチームで延べ32回にわたる協議が行われ,本年7月29日には中間取りまとめが決定されて公表されました。この新システムにおいて,国は,子供たちの育ち・子育て家庭を社会全体で支えるため,市町村が制度を実施し,国,都道府県が制度の実施を重層的に支える仕組みを構築するとか,事業ごとに所管や制度,財源がさまざまに分かれている現在の子供・子育て支援対策を再編成し,幼保一体化を含め制度,財源,給付について包括的,一元的な制度を構築する等の方針を打ち出していますが,中間取りまとめの段階においても恒久財源の確保,国,都道府県,市町村及び事業主の負担のあり方,利用者負担のあり方,包括交付金のあり方,公的契約における市町村の関与,指定制や総合施設の認可等主体のあり方など,今後の検討課題となっているものも山積しています。  そんな中,新聞記事によりますと,政府は12月6日,平成25年度からの導入を目指す幼保一体化,こども園・総合施設── 仮称── の制度設計案を有識者検討会に示したそうです。その制度設計案の中には,幼稚園では認められていない株式会社やNPO法人の参入を容認,幼稚園の教諭免許と保育士の資格を両方持つ保育教諭── 仮称── を置くことを義務づける。利用者負担は所得と利用時間に応じた定額制とし,こども園の指定を受けない幼稚園にも私学助成を存続させることを盛り込んだそうですが,まだまだ全体像が把握できず,今後の保育行政について不安を感じざるを得ません。  制度の実施主体は市町村であり,このような問題の多い新システムについて市としてはどのように考えておられるのかお尋ねするものです。  また,保育士の確保や育成については,本年9月の定例会において,我が会派の宮崎議員が待機児童の解消の観点から喫緊の課題であるとして質問されましたが,今後新システムにおいても保育士の確保が大きな問題となってくると考えます。  実際,現場の声として保育園関係者からは保育士の不足を心配する御意見も多数お聞きしています。一例を紹介します。  来年度の新設園が11カ園,定員増が3カ園,これは9月22日現在です。計900人弱の定員増が図られるということは,定員規模から単純計算すると約200人の保育士が必要となります。これに公立保育園の採用が80人,私立各園の新規採用者,これは例年の実績数,約170人を加えると,全体で450人の確保が必要ではないかと予測しています。しかしながら,保育士養成校からの情報では,9月22日時点の保育所への就職希望者合計人数── 幼稚園,県・市外の園への就職希望を含む── が425人であることから判断すると,来年度の採用は非常に厳しいと見ています。  ちなみに,市内近郊の保育士養成施設の定員合計が1,000人ですが,幼稚園の就職組は例年約170人弱ですから,単純計算すると十分に採用は確保できる計算にはなります。しかしながら,平成22年3月作成の広島市保育計画で,26年度までの5カ年で2,764人の定員増を図るとなっており,現在においてもほとんどの園が年度中途の採用ができない状況であったり,年度当初においても定員保育士数を確保できなかった園もありました。全国的な傾向として平成24年度以降も定員増が図られると思いますが,需要と供給のバランスが崩れるのではないかと心配していますというものです。  御紹介した御意見はあくまで個人的なもので,計算についてもさまざまな御意見があると思いますが,新システムで幼稚園の教諭免許と保育士資格を両方持つ保育教諭── 仮称── を置くことを義務づけることとなった場合には,一層状況が複雑になるのではないかと思います。保育士さんの確保については,余裕を持った採用ができるよう中長期的な視点と取り組みが必要であるとの観点から,広島市の方針をお尋ねしたものです。  以上をもちまして,私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○金子和彦 副議長      市長。                 〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       八軒議員からの御質問にお答えいたします。  事務事業の見直しについての御質問がございました。  今回の事務事業の見直しは,選択と集中という考え方に基づきまして,約4,000に及ぶすべての事務事業のうち,廃止,縮小の可否を問うものを中心といたしまして,一つ目には事業目的に照らした事業の妥当性・必要性,二つ目には事業手法の有効性・効率性,さらに三つ目には事業に対する市の関与のあり方,こういった三つの観点から実施いたしました。私としては,この見直しによって捻出されました財源は,まずもって新たな施策の展開に充当したいというふうに考えております。  また,新たな施策の展開の費用,これが不足するなというふうな場合には,存続させるような事業でありましても,厳しい洗い直しを行う中でその財源を確保していくという覚悟で臨みたいと考えております。こうした一連の過程が,いわゆるスクラップ・アンド・ビルドに当たるというふうに考えております。  議員お尋ねの重点を置くビルド,どうなるかということに関しましては,所信表明で申し上げました広島を世界に誇れるまちにするためにどんな具体策があるだろうかということを,実は現在,鋭意検討を進めているところでございます。そのために,まずはその根底となる考え方を取りまとめた上で,何に重点を置くかというふうな順で調整を進めたい,あるいは進めているところでございまして,このまとまった段階でお示ししたいなというふうに考えているところであります。  なお,各年度ごとにもやはり何に重点を置くかということが問題になるわけでありますが,これにつきましては,新年度の当初予算を編成する過程におきまして,お示しできることを順次示す中で検証していただきたいというふうに考えているところでございます。  その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。 ○金子和彦 副議長      企画総務局長。 ◎竹内功 企画総務局長    まず,当初は相応の理由があったものでも,時代の変化に応じて組織を見直すべきであるがどうかという御質問にお答えいたします。  市民にとって,より満足度の高いサービスをきめ細かく提供していくためには,社会経済情勢や行政の果たすべき役割の変化に対応した効果的,効率的な執行体制を整備することが重要であると考えております。  こうしたことから,平成20年度には子供の育成に関する施策をより積極的に推進するためこども未来局を設置するなど,これまでもその時々の行政課題に的確に対応するため,既存組織の見直しを行ってまいりました。今後とも複雑・多様化する行政需要を踏まえ,効果的,効率的な行政運営が行われているかを常にチェックし,必要に応じて適切に組織改正を行ってまいります。  それから,次に庁舎管理に関する御質問がございました。  本庁舎の事務室については,市民に親しみやすく,また組織改正に伴う事務室の移動を容易にする観点からオープンフロアを基本とするとともに,1階,4階,16階には市民ロビーを設け,また夜間や休日以外は本庁舎の出入りについては特に制限を設けておりません。  こうした形での庁舎の管理は,親しみやすい市役所づくりという点では効果があると考えられますが,一方で市が保有する個人情報の保護や行政情報の適切な管理ということを考慮すると,セキュリティーの観点からの庁舎管理のあり方の検討が必要と思われます。  本庁舎への入庁管理の徹底や申請窓口を1階と2階に集約することなどについての議員の御提案は,本庁舎の構造上の問題や改修に要する経費,そして基礎自治体の庁舎のあり方など検討すべき課題も多くありますが,まずは他都市のセキュリティー対策の状況について調査したいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      こども未来局長。 ◎磯辺省三 こども未来局長  保育行政のあり方について,2点の御質問にお答えいたします。  まず,子ども・子育て新システムについてです。  国において検討されている子ども・子育て新システムは,子供の育ちや子育て家庭を社会全体で支えるため,所管や財源が分かれているさまざまな事業を幼保一体化など一元的な制度に再構築しようとするものです。  しかし,これまでの検討状況を見ますと,幼稚園制度の存続が検討されるなど制度内容が確定しておらず,また費用負担のあり方も示されていないことなどから制度設計が不透明な状況であり,多くの課題があると考えています。このため,本市では制度の具体化に当たっての適正な財源配分や十分かつ適正な準備期間の確保等,地方の意見を制度に反映させるよう指定都市市長会を通じて緊急要請を行ってきました。今後とも国の検討状況を注視し,障害のある子供や虐待のおそれのある子供などに対する保育の保障,母子家庭などの低所得世帯に配慮した利用者負担,待機児童解消などさまざまな課題が解決され,保育の質の維持,向上につながる制度となるよう,機会をとらえて国に要望してまいります。  次に,保育士の確保についてです。  保育士の確保については,市内のほとんどの保育園において,年度当初の入園児童の保育に必要な人員が確保できていると認識していますが,現状では年度中途の入園児童数の増加や延長保育などに対応する保育士の確保が課題となっています。さらに,今後の保育需要の増大や保育サービスの拡充に適切に対応するためには,保育士を安定的に確保する仕組みが必要と考えています。  これに対応するためには,保育士資格は有しているが保育園での勤務に不安を抱いておられる方や,出産や育児などで長期間保育現場を離れたことで復帰に不安を抱いているような方を対象とした潜在的な人材の掘り起こし,再教育による人材の育成が必要であると考えています。現在,国において保育士再就職支援に関する調査等事業が実施されており,各自治体が保育士の再就職支援に効果的に取り組めるよう,潜在保育士向けの研修プログラムや活用事例などについて,平成24年1月から2月にかけて全国8カ所で説明会を開催し,調査研究結果が報告される予定になっています。今後この調査研究結果も参考にしながら,保育士の安定的な確保に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えています。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    老朽橋のかけかえについての御質問にお答えをいたします。  本市が管理する橋梁は,今後建設して50年を経過するものが急速にふえることから,損傷が顕在化してからの対策では大規模な補修やかけかえが一時的に集中し,多額の事業費が必要となります。このため,ライフサイクルコストの縮減と事業費の平準化を図ることを目的に,平成21年3月に広島市橋梁維持管理実施計画を策定いたしました。この計画では,重大な損傷やかけかえに至る前の段階で,計画的に補修を行う予防保全型の維持管理を実施することにより,橋梁の長寿命化を図ることにしております。  具体的には,橋長15メートル以上の橋など690橋の重要橋につきましては5年に1回定期点検を行い,損傷の有無やその程度を確認し,早急に補修を行う必要がある場合には適切な対策を計画的に実施いたします。  しかし,点検の結果,補修では橋の健全性が確保できない,あるいは確保するために多額な事業費がかかる場合には,かけかえ等の検討を行い,かけかえることが適切であると判断した場合には財政状況を勘案しながらかけかえを行っていきます。  また,直轄国道の橋梁は本市域内に115橋ありますが,国に確認したところ,5年に1回の定期点検を行い,点検結果に基づき計画的な補修を行うとともに,必要な場合にはかけかえを検討するなど,本市と同様の考え方であると聞いております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      水道局長。 ◎宮本晃 水道局長      水ビジネスについての御質問でございます。  本市の水道事業は,料金収入が減少傾向にある中,今後,昭和40年代から50年代にかけて建設した施設の更新時期を迎えることから,経営状況は徐々に厳しくなっていくものと考えています。  このような中で,料金収入以外の新たな収入の確保は重要であると認識していますが,まずは経営の効率化や施設の更新方法の最適化など,経費削減の取り組みを推し進めることを優先すべきであると考えております。  議員御指摘のような水ビジネスを含め,新たな収益につながる事業として何ができるかはしっかり考えていく必要があり,引き続き大都市の水道事業体や広島県との情報交換などを通じ,各種取り組みの情報収集に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      八軒議員。 ◆19番(八軒幹夫議員) 御答弁ありがとうございました。  再質問ということで,質問はございませんが,先ほど事務事業の見直しにつきまして,市長の方から今までスクラップ・アンド・ビルドのスクラップの部分はお示しいただいたけれども,ビルドの部分について今内部で御検討いただいている。そしてそれを予算編成前にお示しいただけるというお話を聞きましたので,将来に向かってぜひその出された案を検討させていただきたいと思います。  それから,1点要望させていただきます。保育行政についてであります。  先ほどこども未来局長から御回答いただきましたように,国において検討しています子ども・子育て新システムについては非常に問題が多いし,それから私は,言葉はちょっと不適切かもわかりませんが,これはもう今の段階では机上の空論じゃないかと思っています。現場の皆さんのお話を聞いてると,どちらに転ぶのかもわからないのにいきなり出てきて,それを実施に移せというのは非常に難しいという声をたくさんお聞きしています。  それから,先ほど待機児童についても,年度当初の確保はできるけども年度中途での採用が難しいというふうにおっしゃっていますが,実は保育所は幼稚園とは違って4月に全員が入ってくるわけじゃないんですね。その時期時期に応じて年度中途から入ってくるということが常態的に起こってますので,その保育所へ入所された際に新しい先生の採用ができないということは,やはり頭の中で定員は年度当初にはできてても,子供たちに結局は影響が出ることじゃないかと思いますので,お答えをいただいた中では非常に前向きな御回答をいただいたと思いますけれども,現場の状況を引き続き国の方に強く要望していただきまして,現場の保育園とかが混乱をしないように国の方に要望していただければということを要望申し上げて,私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○金子和彦 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日引き続き一般質問を行います。 ───────────────────────────────────────              次 会 の 開 議 通 知 ─────────────────────────────────────── ○金子和彦 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              散   会   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○金子和彦 副議長      本日は,これをもって散会いたします。  どうも御苦労でした。                  午後2時30分散会 ───────────────────────────────────────   議 長   木  島     丘   副議長   金  子  和  彦
      署名者   山  路  英  男   署名者   松  坂  知  恒...