広島市議会 2007-02-02
平成19年第 1回 2月定例会−02月02日-03号
平成19年第 1回 2月定例会−02月02日-03号平成19年第 1回 2月定例会
平成19年
広島市議会定例会会議録(第3号)
第 1 回
広島市議会議事日程
平成19年2月2日
午前10時開議
日 程
第1┌自第 1号議案 平成19年度広島市
一般会計予算
┤
└至第 53号議案
広島市立学校条例の一部改正について
┌自第162号議案 平成18年度広島市
一般会計補正予算(第7号)
┤
└至第180号議案 特別職の職員の給与に関する条例の一部改正について
(
総括質問)
──────────────────────────────────────
会議に付した事件等
開議宣告(終了)
会議録署名者の指名(終了)
日程に入る旨の宣告(終了)
日程第1┌自第 1号議案 平成19年度広島市
一般会計予算
┤
└至第 53号議案
広島市立学校条例の一部改正について
┌自第162号議案 平成18年度広島市
一般会計補正予算(第7号)
┤
└至第180号議案 特別職の職員の給与に関する条例の一部改正について
(
総括質問)
休憩宣告(終了)
開議宣告(終了)
総括質問(続行し,2月5日も続行)
次会の開議通知(2月5日午前10時開議を宣告)
散会宣告(終了)
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出 席 議 員 氏 名
1番 森 本 真 治 2番 竹 田 康 律
3番 桑 田 恭 子 4番 西 田 浩
5番 渡 辺 好 造 6番 原 裕 治
7番 米 津 欣 子 8番 星 谷 鉄 正
9番 安 達 千代美 10番 八 條 範 彦
11番 馬 庭 恭 子 12番 清 水 良 三
13番 藤 井 敏 子 14番 松 坂 知 恒
15番 沖 洋 司 16番 元 田 賢 治
17番 永 田 雅 紀 18番 山 田 春 男
19番 母 谷 龍 典 20番 平 木 典 道
21番 谷 口 修 22番 宮 本 健 司
23番 増 井 克 志 24番 今 田 良 治
25番 大 原 邦 夫 26番 若 林 新 三
27番 中 原 洋 美 28番 村 上 厚 子
29番 酒 入 忠 昭 30番 村 上 通 明
31番 熊 本 憲 三 32番 佐々木 壽 吉
33番 木 山 徳 和 34番 谷 川 正 徳
35番 倉 本 忠 宏 36番 橋 本 昭 彦
37番 金 子 和 彦 39番 沖 宗 正 明
40番 太 田 憲 二 41番 田 尾 健 一
42番 中 森 辰 一 43番 皆 川 恵 史
44番 土 井 哲 男 45番 藤 田 博 之
46番 山 本 誠 47番 児 玉 光 禎
48番 碓 井 法 明 49番 平 野 博 昭
50番 浅 尾 宰 正 51番 種 清 和 夫
52番 木 島 丘 53番 下向井 敏
54番 都志見 信 夫 55番 月 村 俊 雄
57番 柳 坪 進 58番 中 本 弘
60番 海 徳 貢 61番 宮 崎 誠 克
──────────────────────────────────────
欠 席 議 員 氏 名
38番 大 野 芳 博 56番 松 浦 弘 典
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職務のため議場に出席した
事務局職員の職氏名
事務局長 大 島 和 夫
事務局次長 浜 中 典 明
議事課長 山 根 進
議事課長補佐主任事務取扱
重 元 昭 則
議事課主査 松 島 仁
議事課主査 浜 井 紀 行
議事課主査 立 原 満
外関係職員
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説明のため出席した者の職氏名
市長 秋 葉 忠 利 助役 山 田 康
助役 三 宅 吉 彦 収入役 黒 川 浩 明
企画総務局長 南 部 盛 一
企画総務局計画担当局長
湯 浅 敏 郎
財政局長 中 平 真
市民局長 竹 本 輝 男
社会局長 松 井 正 治
社会局子育て支援担当局長
梶 原 伸 之
環境局長 喜多川 寛 経済局長 酒 井 義 法
都市活性化局長 濱 本 康 男
都市整備局長 三 浦 泰 明
都市整備局指導担当局長 道路交通局長 高 山 茂
山 本 直 行
下水道局長 今 田 幹 男
市立大学事務局長志 賀 賢 治
消防局長 傳 平 益 三 水道局長 江 郷 道 生
病院事業局事務局長 監査事務局長 石 原 道 雄
橋 本 恵 次
財政課長 田 村 一 郎 教育長 岡 本 茂 信
選挙管理委員会事務局長 人事委員会事務局長
東 山 章 次 沼 田 卓 壮
代表監査委員 米 神 健
──────────────────────────────────────
午前10時00分開議
出席議員 46名
欠席議員 14名
○
藤田博之 議長 おはようございます。
出席議員46名であります。
──────────────────────────────────────
開 議 宣 告
──────────────────────────────────────
○
藤田博之 議長 これより本日の会議を開きます。
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会 議 録 署 名 者 の 指 名
──────────────────────────────────────
○
藤田博之 議長 本日の
会議録署名者として
13番 藤 井 敏 子 議員
17番 永 田 雅 紀 議員
を御指名いたします。
──────────────────────────────────────
日 程 に 入 る 旨 の 宣 告
──────────────────────────────────────
○
藤田博之 議長 これより日程に入ります。
──────────────────────────────────────
△日程第1┌自第 1号議案 平成19年度広島市
一般会計予算
┤
└至第 53号議案
広島市立学校条例の一部改正について
┌自第162号議案 平成18年度広島市
一般会計補正予算(第7号)
┤
└至第180号議案 特別職の職員の給与に関する条例の一部改正について
(
総括質問)
──────────────────────────────────────
○
藤田博之 議長 日程第1,第1号議案から第53号議案及び第162号議案から第180号議案を一括議題といたします。
昨日に引き続き,
総括質問を行います。
発言通告者に順次発言を許します。
30番
村上通明議員。
〔30番
村上通明議員登壇〕(拍手)
◆30番(
村上通明議員) 自民党・
市政改革クラブの村上です。
総括質問を行います。
最初に,この演台に立ちますと,4年ごとの12年,その中で何とか本会議で一問一答方式に持っていきたい,そういう思いがあったんですが,きょうまで実現することができていません。そういう恥ずかしさがたくさんあるなということが思い浮かんでまいります。
さて,私にとって非常に印象的であったのは,秋葉さんが市長に就任された1年目,政治は言葉です。民主的な政治が,事実をもとにした知的な努力を言葉という形で表現し,議論し,熟慮しつつコンセンサスを形成するからです。もちろん,言葉の背後にある真実,そして事実も大切です。だからこそ,政治家には言行一致が期待されるのです──この政治は言葉ですということにつきましては,もう一つの最大のテーマである市民の市民による市民のための政治とあわせて,この議会で8年にわたっていろいろ議論がされてまいりました。
今回提案されております平成19年度予算,この中の
市長説明の中にもございますけれども,4年目ごとの予算は,市長の選挙を控えているので骨格にとどめる,それがフェアな精神であるということを,記者会見においても,またこの本会議冒頭の
市長説明においても紹介されております。報道の方々も,その
言葉どおりに受けとめて,各社が
骨格予算であるということを説明し,同時にその
骨格予算であることの背後に,市長のフェアな精神があるということを踏まえておられます。
しかしながら,一般市民が受ける骨格という言葉の印象はどうなのでしょうか。人間の体に例えて表現されているわけですが,我々が普通に骨格という言葉を聞いたときには,60%の分量を示すのかな,あるいは70%なのかな,この人は骨太だから80%なのかなというようなニュアンスではないかと思うんです。
ところが,数字をごらんになって,皆さんはおわかりのように,本年度の
一般会計予算は,対前年度当初予算と比較してマイナス2.6%,全会計においては1%を切るマイナスに達しております。これを骨格と表現することが可能なのでございましょうか。私には,とても骨格と表現する段階ではない。確かに,どなたが市長であれ,どなたが市長選を控えていたとしても,現在の広島市の財政状況,その中で4月に必要な予算を組んでいけば,
経常収支比率で96%に達しているわけですから,90%台後半,ここに
予算編成は行き着くはずです。したがって,現在の広島市政の真実は,選挙を控えてフェアなことをやるために骨格という表現をするのではなく,骨格を志向したけれども,財政が非常に厳しくて,使えるお金の大半を使わざるを得ない。したがって,だれが市長になろうとも,市民とともに,これがもう少し余裕がある予算が組めるような市政を築いていこう,市民の皆さんに御協力をお願いしたい,それがフェアな姿勢ではないかと思うんですが,この点についていかがお考えなのかお伺いいたします。
次に,同じ予算になります
広島原爆養護ホーム,
矢野おりづる園について若干お伺いいたします。
これも私の恥ずかしい反省なんですけれども,ここに運営費の助成ということで3億円台でしたか,助成費がついております。私は当初,第三特養を国に働きかけて,何とかその実現にこぎつけたと。当然,
被爆者援護に関しては,国が大半を責任を負って予算化をしておりますので,この実現をすれば国の予算でできるのかなと思っておりましたけれども,実際には市の
持ち出し部分が,建設費におきましても,あるいは運営費におきましても,多大になっているということのようでございます。
市民の中には,よく広島市はこの
被爆者援護,これを当然だれが市長になっても,だれが議員になっても担っていかなければならないわけですが,この部分に多額の予算を使うから,ほかのことがなかなか他都市みたいにできないんだという発言をされる市民の方がまだいらっしゃいます。その誤解を解くためにも,現在の予算,
被爆者援護の方で360億5916万円という予算が計上されておりますけれども,また近年二,三年を見ましても,大体370億円あるいは380億円,その辺で推移いたしておりますけれども,これに占める広島市の
一般会計分──いわゆる広島市の負担分,あわせて
予算項目における第9款になりますか,
平和国際運動の中の
平和関係予算,それぞれがどの程度のものなのか,正味の真実をお教え願いたい。あわせて,その事実をこれからもう少し市民に対して周知していく努力,これをされるお考えはないかをお伺いいたします。
3点目,折りヅルの保存展示と日銀の使い方という問題でございます。
御案内のとおり,旧
日本銀行広島支店は,本市が
重要文化財の指定を受けるための努力をする。そのことを前提として,
無償貸与ということでいただいております。以来,もう既にだんだん年月がたっております。活用方針がたしか2005年に決められまして,基本的な考えとして,建物全体を市民主体の
芸術文化活動発表の場として活用するというのが,基本的な考え方としてあり,もろもろの活用の方向というものが出されております。あわせて,重文の指定が受けられるような,必要な改修をしていくということが,もう一つの約束事になっております。日銀が
無償貸与をした,それに対する,これは市政全体の責務として,1日も早くそういう状況をつくっていかなければならない。その間が
暫定利用ということになっております。
この
暫定利用の一つに,御承知のとおり,秋葉市長がこだわられる平和公園の折りヅルの
永久保存,その当座の
保管場所,展示場所として,日銀3階,現状では2階にまで及んでいるのかと思いますけれども,
保管場所として指定をされております。
私どもの立場から見れば,日銀に約束した本来の方向に戻すとすれば,現在あそこで保管展示されております折りヅル,これが逆にその方向の邪魔をしている,あるいは今や邪魔をするおそれがある展示になっているのではないか。したがって,日銀を本来の使い方に戻すためにも,あの
永久保存を続けられるお考えがあるのならば,早急に議会も納得できる移管場所を探して日銀をもとに戻す,その努力をされるべきではないかと思いますが,いかがでございましょうか。
次に,2月補正にかかわる
湯来ロッジの
一般会計繰り入れについて,若干質問いたします。
湯来ロッジにつきましては,
合併建設計画の中におきまして,本格的な改修をし,新しい施設としてやっていく。その予算として,さきの議会,12月議会でしたか,14億円の改修費及び
土地購入費として5億円,約20億円の予算が計上されております。その折にも,多数の議員の方が議論いたしておりますけれども,この
湯来ロッジは,最初から黒字が出る施設として運営できる可能性があるのだから,シビアな
事業計画,シビアな資金計画,これを立てるべきであるというような議論もございましたし,そのような議論を踏まえての承認を議会はいたしております。
しかしながら,現在,既に老朽化し,利用者にとっても使い勝手が悪い建物である
湯来ロッジではございますけれども,今年度,
湯来ロッジなどという形で,数千万円の追加の援助をしなければならない状況になっております。この点を踏まえれば,湯来というレジャー,あるいは観光,あるいは
温泉マーケットが,広島市を取り巻く他の自治体等にある
温泉施設等,
レジャー施設等に比べて,必ずしも優位なポジションにはないと。
したがって,初年度の開業人気はともかくとして,2年目以降,いわゆるリピーターを呼ぶ施設として考えてみるならば,必ずしも優位な競争条件にないわけですから,当初計画において,これまで以上に慎重に考えなければいけない。そのメッセージが,今回の追加になっているのかなというふうに受けとめております。したがって,もう一度,
湯来ロッジの──現在設計に出されている段階だと思いますけれども,
事業計画について根本から見直して,初年度はもとより,次年度においても必ず黒字になるような
事業計画に組み直すお考えはないか,その点をお伺いいたします。
次に,180号議案が出ております。
特別職給与条例の一部改正,これについてお伺いいたします。
質問事項は,手順の妥当性,退職金額の妥当性,次期に
本格的検討をするという条例改正を伴った附帯がついておりますけれども,これの担保を一体どこがやるのか,この3点でございます。
詳しいことは,時間があれば再質問でやらせていただきます。もし,再質問の時間がない場合は,会派の許しがあれば予特の中でやらせていただきます。
次に,市長の仕事についてお伺いいたします。
昨日,
平木議員が指摘されておりますけれども,
市長日記の中に,
予算特別委員会への出席という記述がございます。これは第82回,1月15日号に載った記事でございます。その中に,他の政令市における
予算特別委員会,ここに市長がどの程度出席しているのか,あるいは逆に言えば,議会が市長をどの程度拘束しているのか。それを調べた棒グラフとともに,広島市は全市の中で極端に多い68時間,次が38時間のN市であると。ABCDEと称されるところはゼロ時間である。F市は1時間である。これらを広島市を除く政令市で平均した場合は,7.6時間しか市長は拘束されていない。その分,市長は予特の期間を,あるいは
予算審議の期間を通じて,もっといろんな市政の大事なことにかかわると,取り組むことができるんだと。広島市で言えば,それは一つは人事であり,一つは平和行政に絡む,他都市からたくさんのお客さんが来られる,そういうことに時間を使うこともできるんだということをおっしゃっております。
まず,このデータというのが正しいんでございましょうか。予算をどのような形で審議をするか,これはそれぞれの自治体の判断です。市長,議会関係の中でどのような審議の仕方をするか,これが決まっている。しかも,それは戦後における長い先人の努力として,お互いの相互関係の中で決まってきた現在のやり方です。このABCDEFがどこを称するのかわかりませんが,私の記憶によれば,予算の審議を通常の
常任委員会の中に分けて,そこでやるケースもございます。
本市の例で言えば,
常任委員会は並行開催。広島で言えば,六つあるうちの三つは,同日開催をやりながら展開していきます。当然,体一つの市長がそこに出るということは想定されておりません。したがって,市長のやりとりは本会議等における総括で済ませ,以後の詳細審議は,それぞれ常任が
市長出席を求めないで通常はやる。特に必要があるときは,予算の
特別委員会を設けないわけですから,議長を介して市長の出席を求めて審議を深める。こういう形態のところもあるんだろうと思います。
あるいは身近な例で,これは政令市ではございませんけれども,県会を例にとれば,
予算編成の過程において,各会派との予算にかかわる協議がきちっと政治日程の中に組み込まれ,それをもとにして県知事は予算を編成していく。その編成過程を踏まえて,県議会における
予算審議は,大体3分の1の議員がローテーションしながら取り組んでいくということを慣行にしている議会もございます。そうした自治体における
予算審議の多様性をきちっと紹介しないまま,このような形でお出しになるということは,余りにも一方的な
情報提供であり,そこにどういう真実,事実があるのか。広島市の78時間,一番拘束が多い68時間,拘束が多いよというのは事実です。しかしながら,真実は別のところにある。それが政治は言葉ですと言われた市長さんの本来とるべき態度ではないかと思います。
同様に挙げていけば,この
市長日記というのは,市長が直接,市民に訴える大きなメディアです。「市民と市政」は,御承知のとおり,建前で言えば,広島市の全世帯に届いております。したがって,使いようによっては,市長の公務としての
情報提供以外に,市長の政治活動としての
情報提供も自在にできるスペースとしてあるわけでございます。
最新号,これが2月1日号ですね。ここに出ておりますのが,8年間を振り返って上,当然,この後,中が続いて下が続くのか,あるいは下の2回に分けて行われるのかわかりませんけれども,そういう紹介が出ております。
この中身は,昨日の
平木議員の質問に対して答弁されたものと全く同じことでございます。すなわち,この時点から明確にシフトして,市民に対して自分のこの4年間の実績を報告されるというスタイルになっているわけですが,このことを踏まえて考えれば,市長が立候補をするかしないか明らかにされない一つの理由として,私がうがち過ぎかもわかりませんけれども,当然,中と下があれば,あと2回は表現されないし,下があれば,あと1回は表現されない。すなわち,2月15日までには自分の態度を決められない。なぜか。決めた場合には,これはもう選挙に向かった
政治的文章になってくると。自分の実績を誇る
政治的文章になってくる。それを市民の公器である,市政の公器である「市民と市政」の中で扱えば,秋葉さんの論議で言えば当然フェアでない。したがって,私はそういうフェアでないことはしないということになるのかなと,うがった見方をしております。これは感想です。
2点目として,もう一つ真実をちょっと確認しておきたいと思います。
市長の役割には,本人が好むと好まざるにかかわらず,市政にかかわるいろんな機関とのおつき合いをしなければなりません。法律上は,国,県,市対等であるといえども,予算のかなりの部分を国が握っている。県も,最近の福祉関係,
医療費関係のトラブルでわかりますように,市に対してかなりの支援をしている。また,
近隣市町村の間では,広域行政を初めとして,ともにスクラムを組んで,国,県に要望し,あるいは国を動かすために活動しなければならない事態もある。また,市民との関係はもとより当然のことでございます。
したがって,平岡さんがちょうど8年やられました。今,秋葉さんが8年です。平岡さんの2期目4年間と秋葉さんの2期目,ほぼ4年間,これを比較期間として,海外出張の回数,国要望の回数,あるいは国と公的にコンタクトをとられた回数,それから同様に県との回数,それから
県内市町村会,
県内市長会議との関係,またタウンミーティング,平岡さんの時代はそのような言葉を使っておりませんので,それに類するものがあるはずでございますけれども,市民との集団的にコンタクトをとられた件数,この実績を御紹介いただきたいと思います。必要があれば,これは再質問いたします。
最後に,市政課題について何点かお伺いいたします。
1点目は,己斐中央線とアストラムラインの延伸ということでございます。
己斐中央線を母道路とし,その上にアストラムライン西風新都線を通すということは,都市計画決定されていることは御承知のとおりです。秋葉さんの1期目の最後,2期目の選挙の一つの目玉は,長年懸案であった事項を幾つか挙げられまして,その中でこの公共交通ネットワークの新しい考え方,新しい計画というのを私は決めましたよということが,2期目に向けての公約の目玉の一つでした。あるいは,1期目の実績として挙げられたことの一つでした。
ところが,己斐中央線,あるいはアストラムラインの己斐延伸,西広島延伸,西風新都線,現状はどうなっているのでございましょうか。多くの人が,四百数十戸と言われる移転まで覚悟して,己斐のまちづくりの北口の再整備のために,まちづくりに協力しよう,この機運があったのにもかかわらず,この計画は1センチとも進んでおりません。
したがって,12月議会でございましたか,山本議員が,それはそれとして,もう己斐の住民はこれ以上の交通渋滞には耐えられない。人の命が本当に危ないんだ,何とかしてくれよということで,今できる補修で道路拡幅はやろうというような提案もされておりますし,行政もそれにこたえて動き始めているようでございます。
しかし,抜本的に考えますと,このアストラムの延伸を第2期として想定されております平和大通り線,それから3期として想定されたと思いますが南北線,この計画があるがために,他の選択肢である,例えば広電路面電車をLRT化し──これはきのう一部,橋本議員も触れられました──LRT化し,市内の公共交通をもっと利便性が高いものにしていこうという計画が進まない。その前提は,平和大通り3橋のかけかえということになるわけなんですけれども,その1橋でさえ手がつかない。そのような事態を招いているのではないかと思います。
したがって,このアストラムラインの延伸について──要約して端的にしております。用意と違ったら,時間がありますのでお考えください──明確な他人任せの中断ではなく,明確な断念をすべき時期に来ているのではないか,平和大通り線,南北線ですよ。そうでなければ,広島の中心部における新しい交通ネットワークの構築,それ自身がアストラムの計画があるがために進まない事態なっているのではないかと思うんですが,いかがでございましょうか。
次は,海外公務出張の土産話2点です。
一つは,イギリスに行かれた折に,ロードプライシングとPFIということを,帰国後の記者会見で,こういうことをイギリスでは学んできたよ,広島にも取り入れていきたいという発表をされました。現状はどうなっているんでございましょうか。
二つ目は,アメリカ土産です。新球場の建設に絡んで,アメリカの大リーグ,メジャーリーグの野球場,数カ所を御自身も見学され,調査された帰国後の記者会見で挙げられたのは,アメリカでは野球場の命名権というのが非常に大きな資金源になっているよと。その後,どういう検討をされたのでしょう。もし,きちっと検討されていれば,今,私はフェアな市長だから,市民球場の命名権については,選挙後の次の市長にゆだねるよというようなみっともない発言はしなくて済んだように思うのですが,いかがでございましょうか。
次は,私が課題といたしました,1期の中で提案しました,公共施設,公共工事のコスト表示。これは,職員のコスト意識,また利用する市民のコスト意識,これの啓発をする材料の一つとして,身近な市民利用の身近な公共施設には,必ず建設事業費が幾らで,ランニングコストが幾らかを掲示しましょうよと,していただけませんか,あるいは公共工事についても,一定規模あるでしょうけれども,ここにも事業費がどういう構成で,内訳で,総事業費が幾らになっているのか表示しましょうよということを提案しました。一部は進んでいるようでございますが,現状この二つはどうなっているか。特に,公共施設は多岐に及びますので,市民がよく利用する公民館と学区集会所,この二つの事例で結構ですので,御紹介ください。
最後に,国民保護計画についてお伺いいたします。これも,去年1年を見ましても,多数の議員の方が質疑をされております。その答弁を踏まえた上で行います。
私自身は,素朴に考えて,核被害想定というものが今の広島市にとってなぜ必要なのか,そのことがよくわかりません。わかりませんが,整合性をとって考えるとすれば,この被害想定をして──現在,中間発表ぐらいになっているんでしょうか──三つの爆弾規模,そしてそれを空中,地上と分けて,一つはそうしておりますので,4事例があるわけなんですが,この4事例の被害想定に沿う市民を守るための手だて,これをきちっと本市における計画の中で方向づけをされるのかどうか。もしされないとすれば,この核被害想定は単なる政治的ポーズに終わるということを考えますので,方向づけをするのかしないのか,このことを明確にしていただきたいと思います。
最後に,これはもうお読みになった方もあるかと思います。12月15日,去年の12月15日の産経新聞です。ここに札幌医大の高田先生という方,放射線防護学というのが専攻らしいんですが,みずから核爆弾のシミュレーションの数式をつくられたそうです。したがって,もしこういう知見があれば,必ずしも広島で何人もの人を集めて,非常に難しい,データの少ない中でやるよりも,日本国内にはたくさんの先行した事例もあるわけですから,この方と協力して開発すれば,もっと容易にいろんな形のシミュレーションができたのではないかなと。同時に,この方が強調されているのも,シミュレーションをするだけでは意味がない。それぞれに応じた形で,どうすれば被害を最小に食いとめられるのか,当該自治体は何ができるのか,それを考えるためのシミュレーションだよということを明確にされておりますのをあわせて紹介し,質問を終わります。
御清聴,ありがとうございます。(拍手)
○
藤田博之 議長 市長。
〔秋葉忠利市長登壇〕
◎秋葉忠利 市長 村上議員の御質問にお答え申し上げます。
最初に,
骨格予算の考え方についての御質問がございました。
先日の本会議でも申し上げましたとおり,平成19年度,2007年度の当初予算は,4月に市長選挙が実施されることから,予算における市政の政策的な方向づけは,新たな市民の負託のもとに行われるべきという考え方に立って,義務的経費を中心とした
骨格予算として編成しています。
骨格予算とは,法令上の概念ではなく,一般的に首長の改選を目前に控えている場合等において,当初予算の編成に当たって,通年での予算計上が適当でないと判断した場合に,新規の施策等を見送り,また政策的経費を極力抑え,義務的経費を中心に編成された予算のことを言うものです。
今回,具体的に当初予算に盛り込んだ経費としては,人件費,扶助費,公債費といった義務的経費のほか,既存施設の管理運営費,災害復旧関連経費などが挙げられます。また,公益法人等への派遣職員人件費補助や過年度整備分の企業債償還に係る繰出金などの義務的経費に準ずる経費,住民福祉や学校教育を初めとする,継続的に実施している事業で年度当初から支出が必要となるなど,6月補正では著しい支障がある経費についても当初予算に計上しています。
結果的には,一般会計の当初予算規模は,前年度当初予算と比べて2.6%減となりましたが,このことは財政構造の弾力性を示す指標である
経常収支比率が平成17年度, 2005年度で96.0%となっていることにもあらわれているとおり,義務的経費などの経常的な経費の占める部分が非常に大きいという事実を反映したものです。
さらにつけ加えておきたいんですけれども,私が平成11年,1999年2月に市長に就任した際,平成11年度,1999年度当初予算は,骨格的予算と呼ばれておりました。しかしながら,その骨格的予算とはいいながら,財政調整基金はほとんど底をついている状態でした。それに対して,今回は普通建設事業費などの政策予算について,継続事業であっても可能な限り当初予算での計上を見送ることで,財政調整基金を約105億円残しております。
そういう意味で,今回の当初予算については,私としては4月の選挙でだれが市長に選ばれたとしても,当然,当初計上しておかなければならない経費を盛り込むという形で編成したと考えております。
なお,
市長日記についてのお尋ねがありましたが,
予算特別委員会については,これまでの慣行として,全日程に,私を初め助役,収入役の三役が説明,答弁のために出席しています。
予算審議に出席することは,三役の業務として最も重要なものの一つであり,他の業務と優先度を比較するようなものではありません。ただし,三役がどの程度の時間,
予算特別委員会に出席するかについては,特に明確な判断基準はなく,一般的にこういった場合には,他の政令指定都市の例を参考にしているところです。
そこで,先般,他の政令指定都市の状況を調べましたところ,
市長日記にも書かせていただきましたように,
予算特別委員会に三役が出席していない都市が,15都市中5都市もあるほか,平均でも出席時間は約8時間となっていました。これに対し,本市では,
予算特別委員会への三役の出席時間は68時間です。他の都市では平均約8時間で,十分審議が尽くされ,議会の採決が得られているということであり,本市においてはその8倍以上の時間,三役が
予算特別委員会に出席しなければ十分な審議ができないという理由が,私には思い当たりません。そのようなことから,三役の
予算特別委員会への出席時間を他の政令指定都市並みにすることができないか,問題提起をさせていただいたのが
市長日記の内容の趣旨でございます。
その他の質問については,担当局長から御答弁申し上げます。
○
藤田博之 議長
企画総務局長。
◎南部盛一
企画総務局長 まず,折りヅルの保存・展示と旧日銀の使い方についてお答えします。
現在,旧
日本銀行広島支店の建物の一部を利用して,原爆の子の像にささげられた折りヅルを展示していますが,同建物の本格活用に当たっては,この展示を撤去し,建物全体を市民主体の芸術・文化活動発表の場として活用することにしています。
折りヅルの保存・活用につきましては,昨年8月から折りヅルを修学旅行の誘致に生かすという新たな視点で,旧日銀広島支店において,学校からささげられた折りヅルの展示を始めました。
昨年8月,修学旅行誘致のために,教育関係者を招聘した際に,参加された多くの方々が大変感動したとアンケートに回答されたのが,旧日銀広島支店の折りヅルの展示でございました。具体的には,ツルを折るという小さな行為でも,多くの人が賛同し,平和を守るという強いアピールができると思う,平和学習を進める上で有効である,また修学旅行生にも見せてあげてほしいといった感想をいただきました。
こうしたことからも,折りヅルの保存・活用は,特に若い世代への被爆体験の継承を進め,ヒロシマと世界の子供たち,そして次の世代の子供たちとの心をつなぐ,地域や世代を超えた平和の循環をつくり出す有効な手段となり得ると考えています。現在,新たな折りヅルの展示場所や展示方法などについての方策を検討しているところであり,できるだけ早期にこの方策を取りまとめたいというように考えております。
次に,第180号議案,市長等の特別職の退職手当について,3点の御質問にお答えいたします。
まず,手順の妥当性という御質問がございました。市長,助役及び収入役の退職手当については,さきの議会での議論を踏まえ,有識者の意見を聞くため,市長等の退職手当について有識者の意見を聴く会を開催いたしました。
有識者の選任については,これまで市議会議員の報酬や市長等の給料を改定する際に開催した特別職報酬等審議会の委員構成を参考にして,経営者団体,労働者団体,地域団体,女性団体の代表者等や学識経験者から,8名の方にお願いをいたしました。
1月17日に開催した第1回の意見を聴く会では,12月議会での議論の状況や本市の市長等の退職手当の算出方法及び改正経過,政令市の市長等の退職手当の支給水準等を示す資料を提出いたしました。有識者からは,改正の基本的な考え方や改正に当たって配慮すべき事項について意見が出されました。その上で,次回は勤続月数に乗じる割合を検討するため,1回目に出された意見を踏まえ,幾つかの試案を出すように求められました。そのため,1月24日に開催した第2回の意見を聴く会には,検討資料として,勤続月数に乗ずる割合について,市長にあっては,勤続年数を乗じて算定する部分を削除した100分の60から現行の退職手当額を維持できる水準の100分の68までを100分の1刻みとした割合と,政令市の最高,最低及び平均の割合の計11ケースで試算した資料を提出いたしました。
それから,退職金額の妥当性についてといった御質問がございました。したがいまして,最初に条例改正案のもとになります有識者の一致した意見について申し上げます。
まず,改正の基本的考え方として,退職手当を引き下げる場合には,本来,任期満了直前でなく,次の任期から行うのが望ましいとされました。しかし,さきの議会での経緯を踏まえると,退職手当の算出方法の見直しが必要である,算出方法の見直しに当たっては,市長等と一般職とは職務・職責が異なること,市長等には任期の定めがあること及び他の政令市には勤続年数を乗じて算定する部分がないことを考慮すると,勤続年数を乗じて算定する部分を削除し,勤続月数に乗じる割合を調整することが適当であるとされました。また,退職手当は,現在,特別職報酬等審議会の諮問事項となっていないが,趣旨からすれば同審議会で審議すべきであり,今後は同審議会を開催し,検討することが必要であるとされました。
さらに,改正に当たって配慮すべき事項としては,市長に就任する際に条例で定められていた退職手当について,任期満了直前に1割を超える減額を行うことは,信義則上問題があり,今回は暫定的な措置,激変緩和措置を講ずる必要があることや,市長等の退職手当の見直しに当たっては,これまで給料を減額していることも考慮する必要があるとされました。
その上で,改正内容は,勤続年数を乗じて算定する部分を削除すること及び勤続月数に乗ずる割合については,市長にあっては100分の65とすることが適当であるとされたものです。これは,この改正による市長の1期当たりの退職手当額は,15政令指定都市中6番目,1期4年間の退職手当を含む給与総額では9番目と,ほぼ中位の水準になることから,妥当であるとされたものです。
3点目の御質問で,今後の検討がどのように,今,担保されているのかということについてですが,有識者からは,今回の改正は暫定的な措置であり,今後適切な時期に特別職報酬等審議会を開催し,検討することが必要であるとされています。
そのため,今回の条例改正案において,広島市特別職報酬等審議会条例を改正して,市長,助役及び収入役の退職手当を同審議会の諮問事項に加えるとともに,特別職の職員の給与に関する条例の附則に,勤続月数に乗ずる割合については特別職報酬等審議会の意見等を踏まえて検討を加え,その結果に基づき必要な措置を講ずるものとするとの規定を設けております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
企画総務局計画担当局長。
◎湯浅敏郎
企画総務局計画担当局長 秋葉市長と平岡前市長の2期目を比較して,市長の海外出張,あるいは市長が行った国要望等についての実績に関する御質問にお答えいたします。
市長の海外出張の回数については,秋葉市長の2期目は14回,平岡前市長の2期目は12回です。国への要望については,本市の主要事業に関する要望の回数でお答えさせていただきますが,概算要求時期の要望については,秋葉市長,平岡前市長の2期目とも4回です。また,財務省原案内示時期の要望については,平岡前市長の2期目は4回行っていますが,秋葉市長の2期目である平成15年度以降は取りやめております。その理由は,概算要求時期と財務省原案内示時期の要望内容に大きな差がないこと,それから政令指定都市の多くがこの時期の要望は行っていないこと,それから旅費等の経費がかかることなどです。
県・市トップ会談については,秋葉市長の2期目は2回,平岡前市長の2期目は5回行っております。
それから,広島県市長会議の出席につきましては,秋葉市長の2期目は,他の公務の都合等により1回,平岡前市長の2期目は8回となっておりますが,平岡前市長は市長会の会長でありまして,会長の日程の都合に合わせて会議が開催されていたことから多くなっているものです。なお,欠席した場合は,助役または収入役が代理出席しております。
最後に,秋葉市長の2期目におけるタウンミーティングの開催回数は19回,また平岡前市長の2期目には,あすの広島を市長と語る会や市長とのさわやかトークを行っておりますが,その回数は合計で15回となっています。なお,市民と直接対話する場である秋葉市長のオフィスアワーの開催回数は,2期目で42回となっております。
それから,もう1点,国民保護計画に関する御質問がございました。お答えします。
国民保護計画の策定に当たりましては,現在,本市は国民保護協議会に設置した核兵器攻撃被害想定専門部会において,核兵器攻撃がもたらす被害想定について検討を行っております。これまでに3回の会議を開催し,被害想定の前提条件や専門部会委員の作業の役割分担等を決め,それぞれの委員において,また委員と事務局が協議しながら被害想定の検討作業を進めております。今後,その結果を踏まえ,核兵器攻撃が行われたとした場合の対処に関することについて検討することにしております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
市民局長。
◎竹本輝男
市民局長 まず,旧
日本銀行広島支店の活用についてでございますが,旧
日本銀行広島支店は,芸術・文化活動発表の場として常時開館し,これまで芸術作品等の展示,音楽の発表会やファッションショーなど,さまざまな用途で市民の皆さんに利用されています。平成17年度においては29件,延べ239日のイベントが開催されており,これらの入館者数は約4万人にも上っています。なお,先ほど
企画総務局長が答弁しましたように,建物の一部に,原爆の子の像にささげられた折りヅルを展示をしています。
一方,冷暖房設備,バリアフリー対策等運営上必要なハード面の整備については,今年度中に耐震対策のための構造補強案を策定し,来年度以降,早期に施設整備等に取り組んでいくこととしています。今後,できるだけ早期に,所有者である日本銀行及び国の文化財を所管する文化庁と協議しながら,市民主体の芸術・文化活動の拠点として,より一層利用しやすい充実した施設となるよう,ソフト・ハード両面の整備に努めていきたいと考えています。
続きまして,公共施設のイニシャルコストの掲示についてでございますが,市民利用施設の中でも,市民に身近な施設であります市民局所管の地区集会所と公民館の状況についてお答えをいたします。
いずれも平成5年度以降に建設した施設でございますが,地区集会所については,対象施設36施設のうち,19施設において入り口付近に建設年度と建設費を掲示しています。公民館については,入り口付近への掲示はしておりませんが,対象施設11施設のうち,開館時にパンフレットを作成いたしました7施設において,パンフレットに建設費を掲載しています。
職員がコスト意識を持つことはもとより,市民の皆さんにも公共施設のコストに対する理解と関心を深めていただくことは重要なことであり,掲示がされていない地区集会所については,掲示を徹底するとともに,パンフレットを作成しなかった公民館についても,例えば利用案内リーフレットに掲載するなど,効果的な表示を行いたいと考えております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 社会局長。
◎松井正治 社会局長
被爆者援護施策の本市負担についての御質問にお答えいたします。
矢野おりづる園の運営費につきましては,原爆被爆者介護手当等国庫負担金交付要綱に基づき算出した基本額を運営費総額として見込んでいます。このうち8割が国庫負担,2割が市負担となっており,既存の原爆特別養護ホーム2施設についても同様の負担割合となっております。
次に,
被爆者援護予算全体に対する市負担額を申し上げますと,平成19年度は総事業費約360億6000万円で,このうち市負担額は約5%の17億6000万円となっております。
また,
被爆者援護事業に占める本市の負担状況の市民への周知については,
被爆者援護のお知らせのパンフレットなどの配布資料等の活用を含め,効果的な市民への広報の方法について検討してまいります。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
都市活性化局長。
◎濱本康男
都市活性化局長 初めに,
湯来ロッジの改修計画を見直してはどうかという御質問でございます。
湯来ロッジにかわる新たな交流施設の整備に当たりましては,内外から多くの利用者を誘客できる魅力的な施設とし,地元の人々にとっても地域振興の拠点となるような施設とするとともに,御指摘がありましたように,健全な経営が確保できるよう努めることが重要であると認識しております。こうした認識のもと,現在行っております基本設計において,交流,温浴,宿泊,レストランの諸機能のあり方や施設配置等について検討を進めております。
詳細かつ具体的な施設内容につきましては,この基本設計の中で決定をしていくため,現時点では未確定な部分はございますが,昨年,基本設計の企画提案競争を行う前の段階で試算いたしました資金計画では,例えば開設当初3年間の宿泊利用者数などの見込みを現施設の最低利用人数をもとに試算をするなど,現在の
湯来ロッジの実績を厳しく認識し,かための試算を行っております。
事業計画の内容につきましては,今後とも,現在の
湯来ロッジの厳しい経営状況を十分に踏まえまして,全体の収支を見据えながら,健全経営が図れるような整備計画としてまいります。
次に,命名権の導入についてのお尋ねでございます。
広島市民球場への命名権につきましては,昨年,民間企業から具体的な提案がございましたので,市民球場運営委員会を開催して御意見を伺いました。その結果は,命名権料が新球場建設費に充てられるのであれば導入する方がよいという意見が大勢でございました。
それを踏まえまして,土地所有者である中国財務局と協議をいたしました。無償貸し付けの国有財産上の施設に命名権を導入するのは,全国初の事例であったことから,検討に時間を要しまして,昨年11月下旬に,命名権料を中央公園施設の維持管理費や施設整備費に充当することを条件に導入は可能との回答を得ました。これを受けまして,昨年12月に市民意見を募集をし,結果は賛成意見が約3分の2,反対意見が約3分の1でございましたが,賛成意見の中にも,広島市民などの名称を残してほしいといったものがございました。
このように,市民の意見も大きく分かれているため,これまでお聞きした各界の有識者の方々に加えまして,スポーツ団体,市民団体の代表者や大学の研究者などに,年明け早々御意見を伺いました。こうした方々も,市の財政事情を理由に命名権の導入に賛成する意見が多くございましたが,現在の名称の一部を残してほしいという市民感情は理解できるといった意見や,条件をつけると企業にとって魅力がなくなるのではないかといった意見もございました。賛成する方にも,現在の名称の一部を残してほしいといった意見があることは,被爆後の復興の中で,市民に支えられ育ってきたカープの本拠地である広島市民球場の名称に,市民が特別な愛着を持っていることのあらわれだと考えております。
こうした歴史や市民感情を考えますと,広島市民球場への命名権導入の決定は大変重い判断と考えます。これまで,導入の適否の判断をできるだけ早く行うべく努力をしてまいりましたが,結果として,今シーズンの開幕までに導入する場合には,市長任期の満了直前に決定するという大変厳しい日程になります。こうした市民の意見が分かれている重要な判断は,4月の選挙で市民の負託を受けた市長のもとで判断することが市として適切と考えたものでございます。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
都市整備局指導担当局長。
◎山本直行
都市整備局指導担当局長 工事金額の工事現場への表示の実施状況についてお答えいたします。
本市の公共工事の工事費につきましては,平成10年8月から設計金額1億円以上の新設工事,新築工事などを対象とし,工事標示板に表示しております。この標示板には,工事費のほかに,工事名,工事期間,施工者名などを表示し,工事現場に設置しております。なお,平成17年度は,対象となる37件の工事においてすべて表示を行っております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長
道路交通局長。
◎高山茂
道路交通局長 3点の御質問について,順次お答えをいたします。
まず初めに,己斐中央線の整備についてでございますが,己斐中央線は新交通西風新都線の導入空間を担うだけでなく,地域の生活幹線道路として,また防災機能の向上という役割を担う己斐地区のまちづくりの基盤施設として,平成15年2月に都市計画決定した道路であり,重要な路線であると考えております。
したがって,県道伴広島線の交通混雑の解消や安全な歩行環境の確保など,己斐地区の地域課題を解決することも己斐中央線の本来の役割であり,現在取り組んでいる己斐石内線とともに早期整備を図る必要があると考えております。
本市の道路整備は,厳しい財政状況のもと,広島高速道路などに集中投資している状況であり,新規路線の事業化については,今後の事業調整の中で着手時期を見きわめていかざるを得ない状況ですが,己斐中央線の己斐地区におけるまちづくりの基礎としての役割を十分認識し,財政状況が許す限り,できるだけ早期に事業化ができるよう努力していきたいと考えております。
次に,新交通東西線・南北線の見直しについてでございますが,新交通東西線・南北線の整備計画は,平成11年に策定しましたが,その後の社会経済情勢の変化があることを予測して,節目節目で見直しを行うこととしておりましたけれども,本市の財政状況の悪化や平成20年代初頭には人口減少局面を迎えるなど,社会経済情勢が急速に変化したため,計画どおりの時期に完成することは極めて困難であると考えています。
このため,現在,東西線・南北線について,将来の交通需要や財政上のスタミナ,費用対効果などの観点から再検証を進めています。この再検証の過程において,既存の公共交通ストック等を活用する代替策の可能性についても検討し,望ましい方向性を見出していきたいと考えております。
最後に,ロードプライシングの研究についてでございます。
ロードプライシングは,道路の混雑緩和や環境負荷の低減を目的として,一定区域内の自動車利用者に対して課金することにより,公共交通機関への転換などを促し,自動車交通量の抑制を図ろうとする施策であり,既にロンドン,シンガポール,オスロなどで採用されています。
現在,対象区域や課金額などの一定の条件を仮定し,対象区域内に進入する車に課金する方式をとった場合の公共交通機関への転換量や対象区域を迂回する交通量,CO2の削減量などの試算を行っております。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 村上議員。
◆30番(
村上通明議員) ちょっと1時間超える形で恐縮なんですが,まず
予算特別委員会の件に関しましては,きちっと論理的にお話しすれば,まだ30分ぐらい必要になりますので,割愛させていただきますけれども,市長の民主主義の認識というのは,やっぱり狂ってるんだろうというふうに思います。
私たちは,広島市議会は,あの
予算特別委員会の審議方式,これは広島市政の大事な財産であると思っております。一つは,市長が日ごろお聞きになっている市民,それとは異なる層を含めた広範な市民を代理し,代表する市議会議員が,間接的ではございますけれども,市民の声を
予算編成権者である,権威者である市長にお届けする場である。
したがって,できるだけ多くの市民の声を聞く,これは市民のもう一方の代表である,また
予算編成権者である市長の大事な仕事だと思います。同時に,あの場は市長さんの使い方ではございますけれども,たくさんの広島市を実質担う管理職が出席し,答弁に当たられます。市民代理,市民代表としての我々から言えば,あの場を通じて,真剣勝負の場で,職員にもっと大きくなってほしい,幅広くなってほしい,そういう願いを込めて質問している場でございます。その意味では,市民による職員のOJTの場であるということが言えるんだろうと思います。その過程を市長さんはお聞きになりながら,個々の職員の能力を的確に評価し,その後に続く人事に反映していく。これは極めて有効な場であり,これもまた当然,市長の責務,市長の仕事であろうと思っております。もう一度,助役さんたち,あるいは人事担当者の方たちと十分協議をいただければありがたいなというふうに思います。
次に,現在の
企画総務局長を初めとする答弁,基本的には議案として提言されたことの繰り返しではございませんか。3分の2を議案と同じ内容を説明するのであれば,答弁は要りません。それこそ,この本会議,非常に貴重な時間,貴重な場でございます,時間が。オウム返しであったり,すれ違いであったり,そのような姿勢こそが本会議を形骸化する,あるいは予特委員会における市長の退屈を招く。そのことは明確に,各局長は各課長に対しても,反省して,今後の予特に臨んでいただきたいと思います。
その上で特別職に関する妥当性について,るるお述べになりました。手順について申せば,結果論から言えば,報酬審議会委員を出している団体に頼んで,有識者の会議を緊急で招集された。2回の短期間でやられた。そういう制約があるにしても,これが市民代表として見れば,非常に寂しいなという感じがいたします。
と申しますのは,既に市長改選後の平成15年9月,公明党の西田議員が明確な形で,市民の高額退職金に対する批判を踏まえながら早急に,他の都市でも既にやり始めているけれども,本市においても,今期の退職金について報酬審議会にかけるべきではないかという提起をされております。それに対して,当時,
企画総務局長であった三宅さんだと思います。三宅さん,目をあけてください,それでいいですね。その答弁の中の最後に,その方向も含めて検討するということを言っておられます。
したがって,市長退職金問題は,市民を代理する議会の立場から言えば,退職間近に持ち出した問題ではない。4年の時間を十分かけて,他の自治体の動向を踏まえながら,基準のない退職金ですから,他の自治体の動向を踏まえながら──皆さんの答弁です──きちっとした判断をされてはどうですかという提起をし,それをネグレクトされてきたのが行政側の態度ではないですか。そして,全く無検討な退職金条例案を出されるから,議会は平成15年の指摘にも基づいて明確に指摘し,見直しなさいよということを言ったわけじゃないですか。慌てて皆さんは,見直しの委員会を形式的につくられた。その中で出された基準は何ですか。退職金,報酬については,確かに基準がない。基準がないものについては,他の政令市に準ずる,これが政令市の行政慣行ではないですか。ところが,本件だけは,自分たちが検討をサボってきたことも棚に上げて,十分な時間がないけえ新しい基準でやりますよと。その基準とは何か。市長については,一番高い政令市,67でしたか,70でしたか。それと,県,65になっております。ここから見て多少下げるという判断を,選ばれた委員の方々はやられた。全く常識外れですよ。市長について言えば,平均値60。これは足し算の平均ですから,本当はわかりません。数えてみれば,六つの都市,過半に近い都市が60でやっている。おのずとどこを基準にして判断すればいいか明らかじゃないですか。その手順がどうして出てこないのか。まさに委員の選び方,審議の進め方,そこにおける皆さんの誘導の仕方を含めて,おかしいと言わざるを得ないじゃないですか。
もう1点,その結果として,助役さん,それから今期でなくなると言われております収入役さん,退職金の月数がやはり動かれております。12月議会で指摘したのは,他都市と比べて助役さんの掛け率が少し低いかなと。この辺については,かなり検討する必要があるなと,収入役さんについてはまずまずかなという感想も申し述べてたと思うんです。
その結果として出てきた最終の修正数値というのは,助役さんについては,たしか3番目相当ですよね,政令市の。収入役さんについては2番目相当ですよ。なぜこういう結果になるのかと言えば,市長さんの月数を何とか高くして,賃金カット部分を含めた4年間における総額報酬をできるだけ維持したい,その思いに引っ張られた。結果として,助役さん,収入役さんは思わぬ余得にあずかったという結果ではないですか。
この結論に,どこにフェアな点があるんですか。もともと基準がない市長の報酬,市長の退職金とすれば,慣例に従って,政令市の全体の動向を明確な基準にしながら,一応の基準の物差しにしながら,60が平均であれば,これをあんまり一気に持っていくのはおかしいから,多少2か3かプラスして出しましょうよ……〔藤田議長「村上議員,簡潔に」と呼ぶ〕はい。それが妥当だと思うんですが,そういう意味の妥当性について,関係者が助役さん,本来なら三宅さんに聞きたいんだけど,答弁できないでしょうから,関係者だから。
企画総務局長,今の点についてだけきちっと答えてください。
○
藤田博之 議長
企画総務局長。
◎南部盛一
企画総務局長 今,支給率のことを取り上げておっしゃいましたけれども,実は当然,この退職手当を算定するもとになるのが,報酬がもとになって,それに勤続月数,あるいは支給率を掛けて退職手当を出すわけでございます。
それで,市長等につきまして,今,議員御指摘のありましたような100分の60ということにいたしますと,退職手当だけをとってみましても,市長の退職手当は15政令市中の10位になる。それから,1期4年間を見ますと11位になるといったような,しかも退職手当については,引き下げ率が13.8%ということで,10%を超える大幅な削減になるということから,有識者の間で種々議論がありまして,100分の65ということに決まったわけです。
それから,助役についても,もともと報酬の額が低いわけで,退職手当につきましては,今回の見直しました100分の47を持ってきますと,1期当たりの退職手当について言えば6番目,それから4年間の給与総額で言えば8番目になるわけでございます。
それで,いろいろ率のことだけじゃなくて,やはり報酬審議会を開いて,報酬あるいは退職手当の額がどうあるべきかといったようなことを,今後,十分審議をして決める必要があるということで,今回は暫定措置として示されたものでございます。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 次に,10番八條範彦議員。
〔10番八條範彦議員登壇〕(拍手)
◆10番(八條範彦議員) 新自民クラブの八條です。午前中最後でございます。しばらくの間,おつき合いをいただきたいと思います。
まず最初に,魅力ある都市づくりについてお伺いをいたします。
私は,急速に進む少子化,高齢化が現実になる中,道州制の議論で取りざたされている都市の中枢性が求められている現状において,広島はもっと人を引きつける魅力ある都市づくりに真剣に取り組む必要があると考えています。
本市は,山,川,海といった豊かな自然や温暖な気候に恵まれた,住みよく美しい都市です。また,市内には平和公園,安佐動物公園,植物公園,縮景園,近郊には大和ミュージアム,術科学校,宮島などの観光施設が数多くありますし,さらにはカープやサンフレッチェといったプロスポーツチームもあります。このように,広島市には人が集うための条件は十分にそろっています。市長が言われている世界に誇れるまちづくりも夢ではないと思われます。官民一体となって,こうした地域資源を生かした魅力ある都市づくりが必要です。
また,魅力ある都市となるためには,新たな都市機能の整備も必要です。新球場の建設,現球場や広大本部跡地の活用など,さまざまなプロジェクトが少しずつではありますが,進んでいます。特に現球場の跡地利用は,平和記念公園と広島城を結ぶ,本市の最高の場所を有効利用する取り組みで,広島を大きく変えてくれるものと市民も大きな関心を寄せており,私も今後注目していきたいと考えています。
このように,魅力ある都市づくりを進めていくためには,これまで蓄積された地域資源を最大限生かす取り組みと,都市機能を更新・整備し,新たな魅力をつくり出していく取り組みを,計画的にかつ着実に進めていかなくてはなりません。
広島市の入り込み観光客数は,平成17年に,8年ぶりに1000万人を超えたと聞きますが,気を緩めてはいけません。広島市を飛び越えて,福岡市に行っている多くの観光客を広島に取り込む意欲が必要です。
また,先日の日本経済新聞には,「人口,再び大都市集中」との見出しで,昨年の東京,名古屋都市圏への転入人口が転出人口を大きく上回り,特に名古屋圏では1970年以来の高水準であると伝えています。
その理由としては,大都市における雇用環境がよいことを挙げていますが,私はそれだけではなく,都市の持つさまざまな魅力が大きく起因しているものと考えます。広島にとどまりたい,行ってみたい,行ってよかった,また住みたい,住んでよかった,そういった魅力ある都市を目指していくことが必要と思いますが,どのように取り組んでいこうとしているのかお伺いいたします。
次に,人が集うためには,広島市民がもっと元気でなければならないという思いから質問いたします。
新年度の市税収入は,国から地方への税源移譲や定率減税の廃止に伴う税制改正等による個人市民税の増加,企業収益の改善による法人市民税の増加などで,前年度当初予算額に対して159億円余りの増収が見込まれておりますが,しかし,本市においては,平成9年度を境に義務的経費が市税収入を上回る状況が続いています。今回の当初予算においても,義務的経費が市税収入を600億円以上も上回っていますが,このままでよいのでしょうか。こうした状況について,市としてはどう認識されているのか,また今後についてはいかがお考えなのかお伺いいたします。
また,市税収入がふえる一方で,生活保護家庭は依然として増加しているようでありますし,景気が回復しているといっても,上向きなのは一部の業界,しかも大きい業者だけで,地元の中小企業は相変わらず四苦八苦しているといった声をよく聞きます。
彼らは,いざ災害となると真っ先に力となりますので,倒れてしまっては市民全体の損失でもあります。地元の中小企業の育成や経営安定を図ることは,雇用の拡大や個人消費の活性化へとつながり,それが広島市民を元気にさせ,結果として市税収入のさらなる増加にも結びつくものと考えます。
そういう意味で,限られた予算枠の中であっても,地元中小企業,とりわけ地域に密着した区内業者の公共工事における受注機会の拡大を図るべきではないかと考えますが,本市としてはいかがお考えでしょうか,お答えください。
次に,学校教育に関して幾つかお伺いいたします。
最近,いじめにより,児童生徒がみずからその命を絶つという痛ましい事件が相次いで発生し,いじめが社会問題になっております。昔からいじめはあったわけですが,最近ではインターネットや携帯電話の掲示板等への誹謗中傷の書き込みがあるなど,その様相も随分違ってきており,陰湿で見えにくくなっていると聞いています。また,いじめを受けている子供は,悩み苦しみ等を抱えていながら,だれにも相談できず,1人で問題を抱え込んでいる状況もあり,大変心が痛みます。
これらのいじめの解決に向けては,いじめを受けた子供にとって,自分の思いを受けとめ,親身になってかかわってくれる先生,いつでもしっかり相談に乗ってくれる身近な頼りになる先生の存在は,大変大切であります。特に中学生の場合,思春期を迎え,悩みも複雑になってきます。担任の先生だけでなく,さまざまな状況によって,それらの悩みや不安を受けとめてくれる複数の相談しやすい先生の存在が必要であると考えます。学校現場において,いじめに関する教職員への相談の状況はどのようになっているのか伺います。
また,最近,何か問題や事件が起きると,学校の責任ばかりを追及するような報道が多く見られますが,それらの原因について考えてみると,学校だけの問題ではなく,家庭にも多くの問題があるように思います。また,昨今の子供たちの状況を思うにつけ,子供たちだけの問題として片づけられないこともあり,我々大人が真剣に考えるべき問題も多く,例えば経験豊富な方々を講師として招き,先生方や保護者の皆さんへの人間教育の場を設けることも必要だと思います。
このたび,60年ぶりに教育基本法が改正され,昨年12月22日に公布,施行されましたが,その第13条には,学校,家庭及び地域住民等の相互の連携協力について,新たに条項が設けられ,「学校,家庭及び地域住民その他の関係者は,教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに,相互の連携及び協力に努めるものとする。」と定められました。この連携と協力の前提として,各学校の取り組みだけでなく,改善すべき点や部活などで実績のある先生の情報など,保護者が求めている学校の情報を積極的に発信すべきであると考えます。
また,本市では,生活リズムカレンダーを幼稚園,小学校に配布したり,「早寝早起き 元気なあいさつ 朝ごはん」運動を推進するなど,教育行政が家庭に働きかける事業がふえていますが,必要以上に家庭教育に首を突っ込むことがないよう,家庭と学校の役割分担も明確にし,それぞれの役割をきちんと果たすようにすべきであると考えますが,いかがお考えでしょうか。教育委員会としてのお考えをお伺いいたします。
学校と家庭との連携・協力にかかわっては,以前にも質問した男女平等教育副読本のことがあります。男女共同参画に関する教育においては,ジェンダーフリーという用語を使用して,性差を否定したり,男らしさ,女らしさや,男女の区別をなくして中性化を目指したり,また家族やひな祭り等の伝統文化を否定するような思想的背景を持った教育が一部に行われていることが指摘されております。
このような状況を考えるとき,この副読本が男女共同参画という美名のもとに,偏った思想を推進する一部の人たちによって,学校教育をゆがめることに利用されてはならないと考えます。このような教育に時間をかけるより,むしろもう少し人としての基礎・基本を教え,義務教育の間は多少詰め込み教育でもよいのではないかと考えます。例えば,小学校や中学校で日本の47都道府県を教えていないとか,世界地図を活用した授業を実施していないとか,足し算と掛け算の順番がわからない子供がいるとか,こういったことを耳にするたびに,基礎・基本を確実に教えることが最も大切なことであり,そうした指導に十分な時間をかけることが必要であると考えています。
そうした中にあって,学校においてこの男女平等教育副読本を活用して指導するに当たっては,家庭教育にかかわる内容がより多く含まれていることから,学校における取り組みがより正しく効果的に行われるためには,家庭と学校とが十分に連携をとって進めていくべきと考えます。したがって,この副読本の活用に当たっては,学校はPTAの場等において,保護者に対し,その趣旨を説明し,理解を得ることが必要不可欠と考えます。教育委員会は,各学校に対して,そうした点についてどのような指導をされているのかお伺いいたします。
次に,先生方の勤務についてですが,完全学校週5日制となったことで,学校が忙しくなり,先生方の時間的なゆとりがなくなり,全員ではないでしょうが,特に学校のミドルリーダーとして活躍されている先生は,夜遅くまで仕事をされたり,それでも仕事が追いつかず,仕事を家に持ち帰ったりすることがあると聞いています。
こうした状況の中,家庭と仕事の両立が難しく,子育ての終わった世代や独身者ならともかく,子育て真っ最中の我々には非常に大変ですという声すら届いています。先生が心にゆとりを持たないと,子供たちに心のゆとりをはぐくむことはできません。先生方のこうした多忙な状況を改善するために,教育委員会として何らかの取り組みをする必要があると考えますが,いかがお考えですか。
次に,学校給食について質問をいたします。
昨年3月の
予算特別委員会で質問させていただき,抜本的に見直す時期に来ているのではないかとの答弁もいただきました。その後の運営が気になります。
昨年度までは,業者にとって不利益な事故に関しては,
事務局長や専務理事まで報告をされていなかったようですが,今年度は,不良食材の納入が判明した時点で業者に罰則を与えたようです。学校給食会の会長がかわったからなのか,専務理事を初め,事務局体制が変わったからなのかわかりませんが,普通の運営になりつつあるように思います。しかし,運営についての改善はまだまだこれからだと考えます。
そこでお尋ねいたします。学校給食会の課題については,昨年から改善に取り組んでおられると思いますが,その状況はいかがですか。具体的には,昨年度落札率が100%となっていた物資がかなりありましたが,平成18年度はどのようになっていますか教えてください。
また,業者やメーカー指定となっていたような品質・規格は変更されていますか教えてください。
また,地場産物の使用促進については,どのように進めていこうとしているのか,地元の企業が製造した加工食品についての学校給食への使用促進についての対応とあわせてお答えください。
さらに,学校給食用物資の調達と配送の分離について,理事会で提案された配送センター方式についても検討中のことでしたが,検討状況を教えてください。
次に,学校給食の安全確保という点から,昨年度は200件近くあった給食物資の事故件数等について,本年度の状況及び処分の検討状況についてはどのようになっていますか。学校給食用の食材は,適正な価格競争のもとに,安全な物資を低廉に調達する必要があると考えております。今後とも,学校給食会の運営改善について,引き続き御検討いただきたいと考えています。
次に,学校給食費についてであります。
学校給食費の未納については,12月議会におきまして今田先生が質問され,本市の平成17年度分滞納額は約310万円,滞納額の割合は0.09%ということでありましたが,先日24日に文部科学省は,学校給食費の徴収状況に関する初めての全国調査の結果を公表しました。平成17年度の学校給食費滞納額は,全国で22億円を超える額で,滞納額の割合は0.5%となっております。また,児童生徒数で見ると,約100人に1人が滞納していることになっています。調査結果の公表後,マスコミでも盛んに報道されておりますが,課題としては,保護者としての責任感や規範意識が原因ということではないかと考えます。また,給食費を通帳からの引き落としや振り込みよりも,子供たちに持参させる方が滞納額が減ったという報道もありました。
そこでお尋ねいたしますが,子供たちに,食事に対してはお金が必要である,また給食はただではないと教え,お金や食べ物の大切さを教えるべきではないでしょうか。そのためには,給食費を現金で子供たちに持たせて納入させる方法がよいと考えますが,いかがでしょうか。
また,給食があるのが当たり前ということから,物事が進んでいるようです。日々,児童生徒が学校給食を食べていながら,給食は頼んだ覚えはないとか,給食費を払いたくないとか,いろいろなお考えがあるようです。このような状況を改善するため,小学校においても,現在,中学校で実施されている弁当持参も選択できるデリバリー給食を導入し,給食費を払いたくない保護者は弁当を持参させればいいのではないかと,そういった考え方もございます。また,子供の弁当をつくることで,家庭教育,親子のきずなの見直しになるということも考えられますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。
最後に,市長の2期8年の取り組みについてお聞きいたします。
市長は,昨年の12月議会で,「世界の平和の基礎となる『人道都市広島』の創造」,「安心して暮らせる住み良い『万人の故郷広島』の創造」,「創造力とエネルギーを生み出す『はつらつ都市広島』の創造」,「生き生きとして夢のある『あこがれ都市広島』の創造」,「『時代の変化,市民の価値観の変化』を先取りする『市民都市広島』の創造」という,2期目の所信表明の5本の柱に沿って,市政全般にわたり取り組んできたことを説明され,それぞれの分野においてかなりの成果が上がっているとおっしゃいました。
御説明をいただいた取り組みや成果については評価したいと思います。しかし,中には思うようにいかなかったことや,やり残したこともあるのではないかと思いますが,それはどのようなことでしょうか。
そして,昨日の平木先生と同じ質問になりますが,次期市長選に出馬され,引き続き市政に取り組むお気持ちはおありなのかお伺いいたします。
以上で質問を終わります。
御清聴,ありがとうございました。(拍手)
○
藤田博之 議長 市長。
〔秋葉忠利市長登壇〕
◎秋葉忠利 市長 八條議員の御質問にお答え申し上げます。
最初に,魅力ある都市づくりについての御質問がございました。
市民が愛着と誇りを持って住み続けたいと思い,また国内外の人々が訪れてみたい,訪れた人々が住んでみたいと感じる魅力ある都市,そして魅力あふれる都市となるためには,都市としての人を引きつける力が重要である,この御指摘はもっともだと思います。
幸い,本市には,これも議員御指摘のように,海,山,川などの恵まれた自然環境と,それらがもたらすカキや広島菜などの豊かな農水産物,マツダを初めとする高い技術力に支えられた数多くの製造業の集積,城下町や平和都市としての歴史,さらにはお好み焼きや,新鮮な瀬戸の魚介類に代表される豊かな食文化などの資源があります。こうした世界の一流都市と比較しても遜色のない,多彩な魅力やすぐれた技術力,人材,知恵の蓄積があり,何よりも地域の魅力づくりや住みよいまちづくりに熱心に取り組んでいる多くの市民がいます。
これらの広島の持つ魅力が評価された例として,共同通信社が平成16年,2004年11月に発行した「住みよい都市」という本では,人口30万人以上の54都市のうち,広島市は政令指定都市で3位,全国で6位にランキングされています。また,世界最大の旅行ガイド出版社であるロンリープラネット社が昨年3月に出版した「The Cities Book」──都市の本に,広島が東京,京都とともに,世界で魅力ある200都市の一つとして選ばれています。その本では,「広島を訪れた人がすばらしいエンターテインメントと文化にあふれた活気のある都市を発見する」と,広島の魅力について紹介しています。私は,こうした広島の持つ,人を引きつける力をアピールしながら,本市を今以上に,より活力と魅力のある都市にしていく必要があると考えております。
このため,長期的展望に立った魅力ある都市づくりの指針となるひろしま都心ビジョンや,来訪者をふやし,都市の活性化を目指すビジターズ倍増計画を策定し,新球場の建設や現球場の跡地利用,広島駅周辺地区の整備などのさまざまなプロジェクトの推進,歩行環境整備による都心回遊性の向上を図るための取り組み,水辺のオープンカフェなど太田川を活用した水の都ひろしまづくり,フラワーフェスティバル,ゆかたできん祭などのイベントや祭りの充実,路面電車や河川遊覧船などの広島の特色ある乗り物の生きた交通博物館としての売り出し,広島の食や伝統工芸などの特産品のブランド化の推進などに取り組んできており,その結果が入り込み観光客数の増加という成果となってあらわれ始めています。
今後も,本市として,これまで蓄積してきた農林水産業や製造業のすぐれた力はもとより,新しいビジネスを生み出す市民や企業の活力を結集し,さまざまな事業を積極的に推進してまいります。こうした広島の持つ多彩な特性や資源を生かしながら,にぎわいづくりや地域の魅力づくりの充実などに一層努め,市民,企業等と一体となって,多くの来訪者でにぎわい,人を引きつける,より活力と魅力あふれる都市づくりを進めてまいります。
次に,任期の中で思うようにいかなかったことや,やり残したことはあるのかという御質問ですが,私が平成11年,1999年2月に多くの市民の皆様の信託を受け,市政を担当させていただいて以来,もうすぐ2期8年になります。私は,この間,市民の市民による市民のための広島市政を目指して,さまざまな努力を続けてきました。その結果,それぞれの分野でかなりの成果が上がっていると考えております。
しかし,政治というものは──これはほかのことも同じかもしれませんが,仮に目標を達成できたとしても,議員,市民,職員,マスコミの皆さん等とのさまざまな形での情報交換や意見交換の中で,またみずからいろいろ勉強する中で,次の目標が必ず生まれてまいります。そういう意味では,市政をあずかる身として,道半ばという思いでございます。また,女性助役などを目標として掲げたことが実現できていないものもあり,その意味でも道半ばということが言えると思います。
昨日,
平木議員の御質問に対する答弁で,2期8年の取り組みにより,市民にアピールできた成果の一端を申し上げましたが,所信表明に掲げた広範な施策の取り組みが進んでおり,市民の皆様には一定の評価がいただけるものと考えております。
最後に,これは昨日の答弁と同じになって申しわけないんですけれども,次の市長選挙への立候補のことについては,今後さまざまな要素を考えながら決め,時期を見て明らかにしたいと考えております。
その他の御質問については,担当局長から御答弁申し上げます。
○
藤田博之 議長 財政局長。
◎中平真 財政局長 まず,市税につきましてお答え申し上げます。
議員御指摘のとおり,本市では平成9年度,1997年度を境に,義務的経費が市税収入を上回っております。義務的経費には,扶助費のように国庫支出金などが充当されるものもあり,その財源がすべて市税収入などの一般財源というわけではありません。しかしながら,義務的経費の規模と市の一般財源の根幹である市税収入の関係が逆転しているということは,それだけ義務的経費以外の経費に充当できる財源が少なくなっていることを意味します。
財政構造の弾力性を示す指標である
経常収支比率を見ても,10年前の平成8年度, 1996年度は84.3%でしたが,平成17年度,2005年度は96.0%と,財政の硬直化が一層進んでおり,こうした状況は決して好ましい状況ではないと認識しております。
また,今回,市税収入は増収となる見込みですが,税源移譲までの間の暫定措置であった所得譲与税や定率減税分の補てん財源であった地方特例交付金,減税補てん債が減収となります。さらに,地方交付税も歳出・歳入一体改革の中で引き続き減収となる見込みであり,本市の一般財源収入全体の見通しは厳しい状況にあります。加えて,歳出面では,少子高齢化に対応した社会保障費の増大,定年退職者の増などにより,義務的経費の増加が見込まれております。
こうした傾向は今後も続くものと見込まれるため,本市としては市民生活の安定に配慮しながら,第2次財政健全化計画に沿って財政健全化に向けた努力を行うとともに,計画期間終了後の平成20年度,2008年度以降についても,引き続き中長期的な視点に立った財政運営が求められるものと考えております。
それから,地元企業の関係でございますけれども,本市におきましては,地元企業の受注機会を確保するため,例えば土木工事におきましては,1000万円以上5000万円未満の工事については,市内本店業者に限定した競争入札を実施しております。また,地域に密着した区内業者の受注機会にも留意するため,設計金額1000万円未満は区内業者に限定するとともに,1000万円以上5000万円未満の工事では,平成17年6月から区外業者の参加を工事成績
優良業者に限定する案件を設けております。
さらに,災害復旧工事,特に緊急性の高い工事の発注に当たっては,地域に密着した業者や応急復旧工事を施工した業者が現場を熟知しているという実情を踏まえることが重要であると認識しております。このようなことから,昨年の大雨などによる災害の本格復旧工事の発注に当たっては,その一部で通常型指名競争入札を採用し,地元業者や応急復旧工事を施工した業者を指名したところです。今後とも,競争性を損なうことなく,地元業者の受注機会を確保するよう,適切に対応してまいります。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 教育長。
◎岡本茂信 教育長 学校教育,学校給食につきましての御質問に順次お答えをしてまいります。
まず,いじめに係る教職員への相談についてでございますが,いじめの未然防止や早期対応の観点から,児童生徒が教職員のだれにでも相談できるようにすることは,何よりも重要であると考えています。
現在,各学校におきましては,担任だけでなく,不登校対応担当教員,生徒指導主事,養護教諭等が相互に連携を密にし,生徒の思いや状況に合わせたチームによる相談活動を実施しています。
また,いじめについては,本人から直接,教職員に訴えにくい状況もあることから,全児童生徒を対象とした生活アンケートや個人面接を定期的に実施するなど,きめ細かな実態把握に努めています。さらに,日ごろから授業や部活動,清掃活動などの日常的な学校生活場面を通して,教職員から積極的に声かけを行うなど,児童生徒との良好な人間関係づくりに努めています。今後とも,こうした取り組みの充実に向けて,より一層,各学校への指導の徹底を図っていきたいと考えています。
続きまして,家庭教育についてでございます。
昨今,家庭や地域の教育力の低下が指摘される中,基本的な生活習慣が定着していない子供たちや,社会生活上のルールを守れない子供たちの増加,学力や体力の低下,問題行動の多発など,さまざまな問題が生じています。
このような今日の子供たちを取り巻く状況を踏まえると,子供の健全な育成を図るためには,睡眠時間の確保,食生活の改善,家族の触れ合いの時間の確保など,生活習慣の改善が不可欠でありまして,家庭の役割や教育における保護者の責任を明確にし,家庭の教育力を高めるような取り組みを推進していく必要があると考えています。
こうした認識のもと,本市では,子供たちの基本的な生活習慣の確立を図る「早寝早起き 元気なあいさつ 朝ごはん」運動や,テレビ中心となっている家庭生活を見直すノーテレビデー推進事業などに取り組んでいます。今後も引き続き,学校,家庭,地域の役割分担を明確にし,保護者に対する学習の機会及び
情報提供,その他の家庭教育を支援するために必要な施策を展開していきたいと考えています。
次に,男女平等教育副読本でございますが,この副読本は,広島市男女共同参画推進条例や学習指導要領を踏まえ,児童生徒が性別により役割を固定する考え方にとらわれず,主体的に進路等を選択する能力・態度を身につけることや,男女が相互に協力し,家族としての責任を分かち合うことの重要性について理解を深めるために作成したものです。
この副読本の活用に当たっては,年間指導計画に位置づけるとともに,懇談会等さまざまな機会をとらえ,学校と家庭との連携・協力に留意するよう,校長会を通じて指導しております。今後とも,本市教育委員会としては,各学校において作成の趣旨などについて保護者の理解を得るとともに,児童生徒一人一人の実態や各家庭の状況に配慮し,適切な活用がなされるよう,指導に努めてまいります。
続きまして,先生方の多忙についてでございますが,平成14年度より実施されている完全学校週5日制は,子供たちの生活にゆとりを持たせ,自然体験や社会体験を行う場や機会をふやし,みずから学び,みずから考える力や豊かな人間性など,生きる力をはぐくもうとするものですが,授業日数の減少に伴い,1日の日課が過密になっているのではないかという指摘があることも事実でございます。
教育委員会といたしましては,各学校が教育活動全体を見直し,時間的ゆとりの中で,教職員個々が児童生徒一人一人に応じた,よりきめ細かな学習指導や教育相談等が行われるよう,2学期制の導入や少人数教育の推進に努めているところです。
また,各学校が,教職員の執務環境を整えるため,勤務時間の割り振りを適正に行うことや,会議の効率的な運営を図ること,校務分掌組織の見直しや役割分担の平準化に努めることなどの取り組みを進めるよう指導を行っています。今後とも,学校運営全般にわたっての工夫と改善を進め,教職員がゆとりを持って児童生徒とじっくり向き合える環境づくりに努めていきたいと考えています。
続きまして,学校給食に係る入札,品質・規格についてでございますが,学校給食会の平成18年度の12月末までの入札件数は1,075件,平均落札率は89.6%で,平成17年度の同時期と比較して,落札率が3.6ポイント低下しております。また,落札率が100%の件数は64件で,入札件数全体の6.0%となっており,前年度に比較して189件の減となっています。
落札率が比較的高くなる要因は,金額に見込みの幅のある委託業務や工事請負と異なり,給食物資の場合は,その価格が市場でオープンになっていること,及び毎月入札している物資も多く,前月の落札価格が把握でき,納入条件も大幅な変更がないことから,予定価格に近い落札額にならざるを得ない環境にあることからだと考えています。
次に,品質・規格の見直しでございますが,学校給食で使用する物資は,学校給食用食品の規格・品質表で仕様等を定めて調達していますが,仕様の内容によっては,業者が限られるものがあることから,現在その改定に取り組んでいます。
具体的には,教育委員会
事務局職員,学校給食会職員,学校栄養職員,学識経験者からなる学校給食用食品の規格・品質表見直し委員会を設置して,調達できる業者が限られる60品目の物資の規格・品質の見直しを行っており,本年4月から新しい規格・品質表により調達を行う予定です。
続きまして,地場産物の使用促進,地元企業の加工食品物でございます。
学校給食への地場産物の使用につきましては,現在,学校給食用物資の購入を担当している学校給食会が,独自に価格,数量等の情報を入手し,可能な範囲で購入しています。
地場産物を学校給食にさらに取り入れるためには,使用量に見合った地場食材の確保が必要であり,そのためには使用可能な地場産物の種類,収穫時期,生産量等の情報収集を行うことが必要です。年度内には,経済局農林水産部,広島市農林水産振興センター,学校給食会などの関係機関で構成する連絡会議を新たに設置し,緊密な情報交換等を行うことにより,学校給食への地場産物の利用促進を図りたいと考えています。
続きまして,地元企業が製造した加工食品についてでございます。
現在,加工食品のうち,めん類,豆腐類等については,一つの企業では大量に納入することができないこともあり,地元企業で構成する協同組合から購入しています。その他の多種多様な加工食品の調達につきましては,入札における公平な競争の確保等の課題があることから,地元企業に特定した発注は行っておりません。
議員御指摘の地元企業が製造した加工食品の使用促進については,他の政令市の状況等も調査するとともに,関係部局とも協議していきたいと考えています。
次に,配送センター方式でございますが,平成18年2月の学校給食会理事会において提案された配送センター方式は,まず物資調達業者が物資を配送センターまで配送し,配送を受けたセンターで物資を仕分けし,各学校等へ一括配送する配送システムです。
学校給食会において,この提案について検討した結果,平成18年10月の臨時理事会において,不良品等が混入した場合,製造業者,調達業者,配送業者間の責任の明確化は困難となる可能性が高いなどの理由により,当面は現行どおりとすることになっております。配送センター方式の導入につきましては,経費面の検証も必要であることから,引き続き研究すべき課題と考えています。
次に,物資の事故及び処分状況でございます。
給食物資の異物混入等の発生件数は,平成17年度が191件,平成18年度は12月までで151件となっています。処分件数については,平成18年12月までで134件となっており,その内訳は,納入停止1件,始末書提出4件,てんまつ書提出6件,口頭注意123件となっています。
安全な学校給食を提供するためには,不良物資等が納入された場合の処分を,迅速・確実に行うとともに,処分が再発防止に向けて実効性あるものとなるようにする必要があります。このため,緊急の納入停止措置の実施,指名除外規定の強化,指名除外等の処分を行った場合の公表が可能となるよう学校給食会の関係規定を改定し,本年4月から施行することにしております。
次に,給食費の未納対策についてでございます。
給食費の滞納対策として,保護者が回収に協力し,給食費の集金袋を教室の出入り口で受け取るようにしたところ,滞納額が激減したという報道があったことは承知しております。
現在,本市の小中学校における学校給食費の徴収方法は,203校のうち178校は口座引き落とし,または口座振り込みであり,現金での納付は25校となっています。この学校における口座振り込み等と現金納付の滞納状況を比較してみますと,ほとんど差が出ておりません。本市では,これまで事故防止の観点から,なるべく口座引き落とし,または口座振り込みにより実施するよう指導してきており,今後も引き続き同様に指導していきたいと考えています。
最後に,小学校の給食の形態を変えたらどうかということでございます。
本市の小学校では,給食指導を通じて,正しい食事のあり方や望ましい食習慣の形成について指導を行っています。給食時間は,生きた教材である学校給食を活用し,栄養のバランスや地場産物,食文化に関した指導をすることや,毎日の給食の準備から後片づけを通して望ましい食習慣を身につけることができるなど,学校における食育の中心的な役割を果たしていると考えています。こうしたことから,小学校においては,現行の給食形態で実施することが基本と考えています。
また,学校給食費の滞納につきましては,全国的に社会問題化している中,教育委員会として全校統一的な対応を行う必要があるため,他都市の事例を参考としながら,現在,校長会や学校給食会等と協議し,検討を進めているところでございます。
以上でございます。
○
藤田博之 議長 八條議員。
◆10番(八條範彦議員) ちょっと,これお願いになるんですけども,まず前も申し上げたんですけども,入札の制度なんですけども,財政局長,1000万円以内で区内業者ということなんですが,土木工事の場合,比較的1000万円を超えるケースが多いんで,できましたらもう少し,2000万円とか,幾らか金額を上げていただきたいというのが一つ。
それと,副読本の説明ですけども,校長会の方に指導されているのはわかるんですが,私の知り得る限りでは,なかなか保護者がそういう説明を受けてないと,またそういう授業があることも知らないという保護者もおられますし,先生によって,学校によって違うと思うんですが,そういったところも私ももう少し情報収集したいと思いますが,学校の方への指導,伝達の方をよろしくお願いいたします。
それと,あと給食会の件ですけども,民間の品質管理とか合理化をもう少し,私もそうですけども,勉強していただきたいというのと,納入と配送が一緒であるから,逆に言えば,業者にすべて任しているから,物資選定の物資と納入,食材が変わってくるという,いわゆる,悪く言えば,利益追求を考えるとそうなってくるというケースもあるように,ここ数年前から聞いております。そういったところも含めて,業者に対する指導もお願いしたいと思いますし,あと給食そのものに関して私は賛成なんですが,お金を払わないという保護者,そういったところを保護者に対し,入学式のときか何か,よその都市では誓約書をとるようなところもあるみたいですけども,払うのがばかばかしいという声まで出てますけども,そういったところはもう少し,払ってない保護者に対しては厳しく指導をしていただきたいと思います。そういうことから,弁当にしたらどうかという意見もどんどん出てきているという状況でございますんで,保護者に対して厳しく指導していただきたいというお願いでございます。
以上です。
──────────────────────────────────────
休 憩 宣 告
──────────────────────────────────────
○
藤田博之 議長 この際,暫時休憩をいたします。
午前11時58分休憩
──────────────────────────────────────
午後1時06分開議
出席議員 41名
欠席議員 19名
○下向井敏 副議長
出席議員41名であります。
──────────────────────────────────────
開 議 宣 告
──────────────────────────────────────
○下向井敏 副議長 休憩前に引き続き会議を開き,
総括質問を行います。
41番田尾健一議員。
〔41番田尾健一議員登壇〕(拍手)
◆41番(田尾健一議員) 社民党の田尾です。会派を代表して
総括質問をいたします。
最初に,平和問題についてお伺いします。
秋葉市長は,2期8年間,広島市政のかじ取りをしてこられました。特に私は,平和行政について,この間をどう総括されるかお伺いします。
私も被爆者の1人として,核兵器の廃絶と世界の恒久平和を願い,国家補償の精神に基づく
被爆者援護法の制定,そして拡充を強く求めてまいりました。議会で,私は,平和市長会議の事務局体制の強化や,広島・長崎講座の取り組み強化などを提案したことを覚えております。
今日,被爆者の高齢化が進んでいる中で,被爆者の皆さん方は,私たちには被爆70周年はないとの思いを言われています。そして,過ちを二度と繰り返さないために,必死で被爆体験を継承し,核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現を願って活動されております。一方,核をめぐる世界情勢は,北朝鮮の核実験の強行,インド,パキスタンの核保有など厳しくなっています。
こうした情勢の中で,被爆体験の継承はますます重要になってきています。これまで被爆体験の継承事業として,被爆60周年記念事業で取り組まれ,平成18年度まで3カ年にわたって実施されています市の海外被爆資料の所在調査事業について,数点質問いたします。
海外被爆資料所在調査は,アメリカ国立公文書館でのマンハッタン計画文書,米国戦略爆撃調査団文書と,米原子力委員会生物医学部資料など,米国内の6カ所で関連資料の調査が行われました。
この海外被爆資料所在調査事業を取り組まれた広島市立大学平和研究所助手の高橋博子先生は,次のように指摘されております。
おわりにの項で,「被爆資料は軍事機密情報として扱われた歴史があるため,一般にはその所在がつかめない状況が続いた。被爆資料所在の包括的な研究がおくれている背景は,そのような事情がある。米陸軍病理学研究所の資料は1973年に返還され,また1990年代になってやっと米原子力委員会資料など,核関連資料の公開が進んだので,被爆資料の所在調査の条件が整ってきていると言える。また,トルーマン関係文書の中には,最近,機密解除された文書があるため,最近,開示された文書状況を迅速に把握する必要がある。しかしながら,これまで情報公開の流れに逆行化のように,核開発,核兵器に関する資料が再び検閲され,機密扱いにされる例が多々ある。再び調査が困難になりつつあるため,被爆資料の所在調査を包括的に行うことが急務である。将来,資料が再び機密扱いになったとしても,広島平和記念資料館で入手済みである状態にすることこそが,被爆資料を
永久保存するために重要なことだと思う。また,被爆当時の体験のみならず,被爆者のその後の人生の足跡を示す資料を保存することが,今後,一層大切になってくると思う。海外,国内に限らず,被爆資料の持つ価値を訴え,永久に保存するべきではないだろうか。そうすれば,被爆体験は永久に共有されるであろう」と報告されています。
最初に,こうした海外被爆資料の所在調査は,今後どのように生かされるのかお伺いします。私は,この所在調査事業報告を踏まえて,次のような取り組みを開始していくべきだと思います。
第一に,米国の諸機関が所蔵し,発掘されていない広島市の被爆資料──文書,写真,地図等を,平和記念資料館が長期的かつ計画的に,とりわけ緊急性の高い資料から収集すべきです。
第二に,収集した資料は,平和記念資料館が整理,保管し,被爆体験の継承のため,広島市民あるいは国内外のだれもが閲覧,活用できるようにしてはどうかと考えます。平和記念資料館の中に,将来的には被爆資料に関する公文書館的な機能を持つべきだと考えます。
第三に,こうした取り組みを推進していくため,平和記念資料館の機能強化,平和研究所などとの連携強化を推進すべきだと考えます。こうした点について,当局のお考えをお伺いします。
次に,広島被爆医療関連施設懇話会が設置されておりますが,広島市としてはその設置目的を踏まえて,どのように活動されているのかお伺いします。また,2007年,平成18年10月18日の懇話会で中間報告を出されていますが,その内容を見ますと,まず第一段階として,広島放射線医学研究医療センター,仮称,の臨床研究部門の一翼を担うべく,放射線影響研究所の移転を市中心部に望むとありますが,広島市として,移転実現に向けてどのように国へ働きかけていくのか,お伺いします。
次に,財政問題についてお伺いします。
2007年度,平成19年度は,国から地方へ税源移譲や定率減税の廃止などの税制改革等による個人市民税の増加や,企業収益の改善による法人市民税の増加により,新年度の市税収入の増加を見込んでいます。総務省は,税源移譲について,所得税と住民税の税率を改定,国の税収が減り,地方の税収がふえることになります。これによって,地方は必要な財源を直接確保できるようになり,住民はより身近でよりよい行政サービスを受けれるようになっていますとうたっていますが,今回行われた税源移譲は,本当に総務省が言っているようになるのかどうなのか,お伺いします。
税源移譲は税源の移しかえなので,所得税プラス住民税の負担は基本的に変わらないとありますが,市民にとっては定率減税の廃止による負担はふえます。総務省のつくった「所得税と住民税が変わるゾウ」──こういう資料なんですけども──この資料だけで,不十分な内容であり,住民税の割高感は強く広まってしまうおそれがあり,十分な説明を含む広報活動が必要だと考えますが,いかがお考えでしょうか。
景気回復が言われていますが,勤労国民にとって家計収入がふえず,むしろ減少傾向にあり,その実感がないのが実態です。こうした状況ですから,厳しい市財政の状況や健全財政に向けての市の取り組みについて,市民の皆さんにわかりやすい資料をどんどん提供していくべきだと思います。そうした取り組みの上で,市民の十分な理解と協力のもとに市税収入が伸びていかなければなりません。そのために収納対策が大変重要だと考えますが,前段で申し上げました資料提供を含めてどのように考えられているのか,お伺いします。自主財源の確保,拡大について,市保有のあらゆる資産を媒体にスポンサーを募り,広告事業の着手,さらなる拡大が必要ですが,いかがお考えでしょうか。
教育問題についてお伺いします。
教育委員会は,2学期制について,本年4月から実施をしようとしています。しかし,私は拙速な導入は避けるべきだと考えます。本格実施について,私はもう1年間延期し,モデル校による実践研究を十分に検証するべきだと考えます。大変な制度改革であり,学校,地域住民,保護者の周知徹底が必要だと思います。
保護者からは,各学校がこの2月から本格的な説明を行い,4月から実施することについて,実施直前に説明会を開いて本当にできるのかなどと,遅過ぎる説明会に不満と不信の声が出ています。昨年12月26日の教育委員会議では,2学期制導入は校長判断でできるが,その前提となる規約改正は結論持ち越しとなり,委員からも,保護者への説明が不十分で,保護者の不安が把握できていないのではないかと,反対意見も出ております。
昨年2月の
総括質問で,我が会派の若林議員は,2学期制導入のモデル校の選定,実践について,2月段階での保護者や地域住民への周知が遅い,もう少し早くすべきだと指摘しました。この指摘に対し,教育長は反省する旨の答弁がありましたが,今回生かされてないことに私は強い怒りを持っています。議会での答弁の重みについて,どのような認識をお持ちなのかお伺いします。本格実施に向けて,同じような轍を踏んでることに強い怒りを持っていることを申し上げ,質問に入ります。
2学期制導入による時間的なゆとりについては,50時間程度浮くのではないかと,2005年,平成17年12月28日の基礎・基本検討委員会で,教育委員会は答えていますが,モデル校実践事例集では10から30時間と大幅に少なくなっており,当初より後退しています。時間的なゆとりが出た学校はどんな取り組みをして,出なかった学校はどうだったかなど,モデル校の実践研究の成果と課題をどのように分析しているのか,また,今後モデル校の実践を踏まえてどのように取り組んでいくのかお伺いします。
次に,ひろしま型カリキュラムについてお尋ねします。
ひろしま型カリキュラムにおける小学校への英語授業導入については,研究開発校,研究協力校では教える資格,免許を持った教員を配置し,正しい発音を教えることが大切です。そのために,必ずALT──英語指導助手の配置を原則にして導入すべきだと考えますが,指導体制についてどのように考えているのかお聞かせください。英語指導の免許を持たない教員による片仮名英語の授業を受ければ,子供たちは誤った発音を覚えてしまいます。やわらかい頭に誤った発音を教えることは,話せない英語力になっていくと大変危惧します。
次に,小学校で英語の学習がされることにより,中学校との連携や接続もより重要になってきます。こうした点についてどのように考えているのかお伺いします。
英語授業の導入については,小学校では学ぶ楽しさが持続していくよう,児童生徒への負担増加にならないよう,授業時間を配慮して取り組むべきです。帯時間をやめて,週1時間とすべきです。6時限の授業がふえると,児童生徒の集中力も低下し,疲労感も増して実効が上がらないことを危惧します。いかがお考えでしょうか,お答えください。
最後に,ひろしま型カリキュラムの導入については,学校現場の不安感や負担感の軽減を図るとともに,保護者への周知や理解を十分に図ることが必要であると思いますが,お考えをお伺いします。
介護保険制度についてお伺いします。
介護保険ほっとラインは,市民が気軽に相談できる窓口や制度変更等に伴う問い合わせなど,多く市民が利用しております。継続して取り組むべきだと思いますが,新年度
予算編成ではどのように考えているのかお伺いします。
次に,介護サービスの質の確保と向上について,数点お尋ねします。
私は,介護保険制度導入の時点から今日まで,機会あるごとに介護事業者のサービスの内容や運営状況について,公平・公正に第三者評価を行い,その情報が市民に公開され,安心して介護サービスが受けられる制度確立を強く求めてまいりました。
現在,市民は介護サービスを受けたいときには,人づてに評判のよい介護施設を聞く中で選択しています。私もその1人で,客観的な情報を強く望んでいます。こうした点については,改正された介護保険法に基づく介護サービス情報の公表がどのように置かれているのかお伺いします。
私は,都道府県が調査に基づき情報を公開する介護サービス情報の公表が義務づけられ,しかも全国統一的な仕組みで取り組まれるのは,大きな前進であると評価し,さらに充実されるよう強く望みます。充実強化に向けて,市も国に働きかけていただきたい。今年度は9種類のサービスについて,すべての事業所が情報公開の対象になっていますが,今後どのように拡大されていくのか,あわせてお尋ねします。また,市民に対して公表された介護サービスの利用方法について周知徹底が必要ですが,どう図っていくのかお伺いします。介護給付の適正化について,2007年度,平成19年度も格段の取り組みが必要ですが,具体的にどのように取り組んでいくのかお伺いします。
特別養護老人ホーム入所待機者が,昨年10月1日現在,自宅での待機者が2,137人,自宅以外の待機が1,210人で,合計3,347人の多数に上っております。待機者解消に向けて,早急な対策が求められています。今後の取り組みについてお伺いします。
さらに,高齢化が進み,老老介護となって家族の負担も大きくなっており,在宅介護を支援する必要があります。市としてどのような介護サービスの支援強化策を考えているのかお聞きします。
子育て支援について,次にお伺いします。
私は,市民が安心して子供を産み,育てながら働き続けるために,保育園の新増設等による待機児童の解消や小児救急医療体制の充実など,子育て支援の推進が大変重要だと考えています。以下,数点について質問いたします。
最初に,保育園の待機児童の解消についてお伺いします。
2007年,平成19年1月1日現在の待機児童は,市全体で809人になっています。西区が最高の219人,次いで安佐南区は189人の待機児童数となっております。多くの市民から,待機児童解消を強く求められています。新年度に向けて,どのような解消策を取り組まれるのかお伺いします。
次に,保育料の軽減とともに,育児休業明けで,兄弟姉妹が同じ保育園に入園できる体制づくりや兄弟姉妹の多い多子世帯に対する保育料の軽減など,保育サービスのさらなる充実が必要だと考えています。こうした点については,国も子育て支援の重要な施策として検討がされていますが,その内容と,広島市としてどのように検討がされているのかお伺いします。
さらに,定率減税の廃止によって所得税額がふえることにより,一部の保護者世帯の保育料が来年度から引き上げられることが予測されます。据え置きなど,軽減策が必要だと思いますが,どのようにお考えでしょうか。
次に,小児救急医療体制の充実についてお伺いします。
子供たちが病気になり,深夜や休日等で急変した場合,多くの親は慌てて不安は増大します。身近なところでの小児救急医療体制の充実が強く求められています。そうした中で,舟入病院での24時間365日の小児救急医療体制は大変評価されています。
しかし一方では,市北部で,特に安佐市民病院での小児救急医療体制について,土曜日に加えてさらなる充実ができないかと,市民から強く求められています。長年,私たちは,そうした市民からの要望も当局に伝えてきましたが,実現に向けてどのような取り組みになっているのかお伺いします。
最後に,環境対策についてお伺いします。
地球温暖化問題は,地球全体の環境に深刻な影響を及ぼす人類共通の課題です。
日本は,京都議定書において第1次約束期間,2008年から2012年に,基準年の1990年と比較しての温室効果ガス排出量の6%削減を約束していますが,2005年の排出量の速報値は,1990年から8.1%の増加となっており,国の目標を達成するにはさらなる努力が必要となっています。また,本市においても,広島市地球温暖化対策地域推進計画に基づき,2010年までに市内の温室効果ガスの排出量を,基準年度の1990年度から6%削減するという目標を掲げていますが,2004年度の速報値は基準年のわずか0.7%の削減であり,国と同様に,このままでは目標を達成できないのではと,大変危惧しております。これまでの市の取り組みと,今後の地球温暖化対策のお考えをお伺いします。
本市の温室効果ガスの排出の内訳を見ると,家庭からの排出がふえていることによって,削減が進まない大きな要因になっています。削減目標を達成するために,地球温暖化防止への取り組みに多くの市民の皆さんの参加が必要です。そのために,例えば京都市の環境家計簿を応用した市の専用ホームページを開設し,毎日の取り組みを市民みずからがチェックをし,どれだけ二酸化炭素削減に役立っているのかわかる取り組みのように,多くの市民が地球温暖化防止行動に参加できるような取り組みを展開してはどうでしょうか,お考えをお伺いします。
以上で,
総括質問を終わります。
御清聴,ありがとうございました。(拍手)
○下向井敏 副議長 市長。
〔秋葉忠利市長登壇〕
◎秋葉忠利 市長 田尾議員の御質問にお答え申し上げます。
最初に,平和行政についての御質問がございました。
平成11年,1999年2月から市政を担当させていただいて以来,2期8年の間,平和行政については,1期目には平和をつくり出す,世界に開かれた広島の実現を,2期目には世界平和の基礎となる人道都市広島の創造を,それぞれ施策の柱の一つとして掲げ,核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に積極的に取り組んできました。
具体的には,平和市長会議の組織拡充と活動強化,核保有国の首脳等に核兵器廃絶を直接訴えるアクション21の実施,被爆の実相と被爆者の「ほかのだれにも同じ経験をさせてはいけない」というメッセージの意味を普遍的な学問として,次代を担う若い世代に伝える広島・長崎講座の普及,世界的な平和の循環を創出するための折り鶴の保存・活用,被爆者の記憶や思いを共有し,次世代に引き継ぐための被爆体験記の朗読事業の実施,全国のテレビ,新聞記者に被爆の実相等を学ぶ機会を提供し,その成果を報道してもらう国内ジャーナリスト研修の実施,平和文化の振興など,さまざまな取り組みを推進してきました。
そうした取り組みの成果として,例えば海外での活動を通じ,世界の人々に被爆体験の意味,そしてヒロシマの心を理解いただくとともに,全米市長会議や欧州自治体・地域協議会などの自治体連合組織,NGO等との連携体制を構築することができました。
その結果,平和市長会議の加盟都市は,市長就任当時の464都市から1,572都市へと3倍以上に増加しています。核保有国では,アクション21等の実施により,平成13年度, 2001年度以降,首都であるロンドン,パリを初め,124都市が加盟しています。
また,平和市長会議では,2020(ニーマルニーマル)ビジョン──核兵器廃絶のための緊急行動を展開しており,この取り組みには欧州議会,全米市長会議,IPPNW──核戦争防止国際医師会議ですが──等が支持決議を行うなど,世界じゅうに賛同の輪が広がっています。
こうした取り組みは,ノーベル平和賞受賞団体である国際的なNGOの国際平和ビューロー等から表彰を受けるなど,核兵器廃絶に向けた取り組みをリードする存在として,世界で高く評価されています。
広島・長崎講座については,現在,国内では早稲田大学など14大学で,海外ではベルリン応用工学大学など10大学で講座が開設されています。
被爆体験記の朗読については,133名のボランティア等により,年130回程度の朗読会が市内で開催されているほか,国内外でも朗読セットを活用した独自の取り組みがなされています。
国内ジャーナリスト研修については,これまでに延べ32人の参加があり,ヒロシマでの研修で被爆の実相や被爆体験の意味についての理解を深め,その成果を新聞報道を通して,全国の人々に伝えてもらっています。
平和文化の振興については,ヒロシマの心を伝える歌として,「アオギリのうた」を市民公募により制作したほか,アーティストの石井竜也さんのプロデュースによる「GROUND ANGEL in HIROSHIMA」などを開催し,世界共通の言葉である映像や音楽を通じて,平和のメッセージを発信しました。
このように,8年間の取り組みを通じ,核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を願うヒロシマの心を国内外に広げていくことができたのではないかと考えています。
しかしながら,核をめぐる世界情勢は,NPT──核不拡散条約体制が崩壊の危機に瀕しているなど,決して楽観できる状況にはありません。今後とも,被爆地ヒロシマの責務として,日本国政府や世界の都市等との連携を一層強化しながら,核兵器廃絶に向けた国際世論の醸成に努めていく必要があると考えています。
その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。
○下向井敏 副議長
企画総務局長。
◎南部盛一
企画総務局長 海外被爆資料所在調査についての御質問でございますが,この調査は平成16年度から平成17年度にかけて,アメリカ国内の公的機関や大学などについて,資料の所在確認を行いました。さらに,平成18年度は,この結果を踏まえ,アメリカ国立公文書館など6カ所で現地調査を実施しました。市立大学平和研究所の研究者の協力によるこの調査で,原爆に関する資料の所在情報を得たほか,写真や文書の複写を一部入手するなどの成果を上げることができました。
現在,その最終報告書を取りまとめていただいているところでございますが,今後これを詳細に評価,検討し,緊急性や重要度を勘案しながら,計画的に資料収集を行っていきたいというように考えております。
また,平和記念資料館では,これまでも被爆の実物資料のほか,被災写真や原爆に関する文書などの収集を行っており,常設展示や企画展示に活用するとともに,図録,報告書,ホームページなどを通じて,国の内外に発信しています。今後,収集する海外被爆資料の活用も含め,このような取り組みを充実させていきたいと考えております。
さらに,調査研究機能の強化についてですが,現在,平和学,社会学,物理学などの研究者で構成する平和記念資料館資料調査研究会を設置し,被災写真や原爆の絵の検証,分析などを行っています。今後とも,平和研究所はもとより,この研究会のメンバーや地元大学などの研究機関との連携を深めることにより,平和記念資料館の調査研究機能の強化を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○下向井敏 副議長 財政局長。
◎中平真 財政局長 財政関係につきまして,順次お答え申し上げます。
地方自治体が自主的・自立的なまちづくりを進めていくためには,国から地方への関与のあり方や,国と地方の役割分担を抜本的に見直し,地方が担うべき権限と,それに見合った税源が全額移譲されるべきであると考えております。
平成18年度,2006年度までの国の三位一体の改革においては,所得税から個人住民税への3兆円規模の税源移譲が行われ,税の配分については,国と地方の割合は5対4となりましたが,仕事の割合は1対3となっており,仕事量に見合った配分とは大きく乖離しているのが実情です。
加えて,今回の三位一体改革では,全国レベルで税源移譲が約3兆円行われ,プラスになったのに対し,国庫補助負担金の廃止・縮減で約4.7兆円のマイナス,地方交付税が約5.1兆円のマイナスとなった結果,全体で約6.8兆円の削減となっております。
本市においては,税源移譲による増収で約74億円のプラスがあったものの,国庫補助負担金の減額で約70億円のマイナス,地方交付税の削減で約210億円ものマイナスとなり,全体では約206億円の削減となっております。
こうしたことから全体として見ると,地方が自由に使える財源はむしろ減少しており,総務省のパンフレットでうたっております,住民は身近でよりよい行政サービスが受けられるようになるとは言いがたい状況であります。そのため,本市としては,本市の実情に合った住民サービスが提供できるよう,他の政令市等とも共同して,国と地方の税の配分が当面1対1となることを目指して,国に対してさらなる税源移譲が実現するよう求めているところです。
それから,今回の税源移譲につきましては,住民税の負担はふえますが,所得税の負担が減るため,住民税と所得税を合わせた年間の税負担は基本的には変わりません。しかし,あわせて定率減税が廃止されるため,結果として住民税の負担はふえることになります。
御指摘のように,こうした制度の趣旨を納税者に御理解いただき,市税の納付に御協力いただけるよう,本市としましても十分な広報活動が必要と考えております。国において,全国紙,地方紙への広告掲載や,ホームページへの掲載などによる広報活動を行っていますが,それだけでは納税者の十分な理解を得ることは難しいものと考えています。
このため,本市では,定率減税の廃止に伴う税負担の増加も含めた広報活動として,市税の納期の広報ポスターに税源移譲のお知らせを印刷し,公共交通機関や金融機関において掲示すること。広報紙「市民と市政」やホームページに制度改正の掲載を行うことなどを行ってきました。さらに今後,納税通知書を送付する6月までの間を中心に,これまでの広報に加え,本市のテレビ広報番組の活用,本通り交差点や広島駅南口地下広場に設置されている大型映像機による広報,市民向けにチラシを作成し納税通知書に同封することなど,積極的に広報活動を行ってまいります。
また,先ほど御答弁申しましたように,三位一体改革が地方財政をさらに厳しいものにしている実態や,そのような中での本市の財政状況等についても,市民の皆様の理解を深めていただく必要があると認識しています。
このため,本市の財政状況等については,市の広報紙やホームページなどで紹介するとともに,昨年10月には市民向けの地方税財政改革セミナーを開催するなど,積極的な取り組みを行っております。今後とも,より市民にわかりやすい説明になるよう,改善に努めるとともに,タウンミーティングの場を活用するなど,
情報提供の機会の拡大に努めてまいりたいと考えております。このように,市民の理解を得ながら,市税の収納対策に取り組んでまいります。そのため,納税に誠意のない滞納者に対しては,債権を中心とした差し押さえの強化や差し押さえ不動産の公売を実施するとともに,徴収嘱託員の増員による収納体制の充実を図り,厳正かつ効率的な滞納整理に取り組みます。
それから,自主財源の確保につきましては,市税などの収納率向上等,これまでの取り組みに加え,広告収入などの新たな財源確保策についても積極的に推進していくことが重要と考え,昨年度からは市のホームページ及び固定資産税・都市計画税の納税通知書用封筒への広告掲載に取り組んでいます。さらに,本年度の取り組みとしては,納税通知書用封筒について,軽自動車税,市民税・県民税のものについても広告募集を行うとともに,本庁舎玄関マットやごみ収集車といった,新たな媒体についても募集を行っています。今後とも,採算の見通しなどを含めた実現可能性が高い媒体については,積極的に導入し,自主財源の拡大・確保を図っていきたいと考えています。
以上でございます。
○下向井敏 副議長 社会局長。
◎松井正治 社会局長 7点の質問がございましたので,順次お答えをいたします。
まず最初に,広島被爆医療関連施設懇話会に関する質問でございます。
この広島被爆医療関連施設懇話会は,昨年の5月に放射線影響研究所,原爆病院などの広島市内の被爆医療関連施設の関係者が一堂に会し,放射線影響研究所の将来構想,被爆医療関連施設間の連携,蓄積された研究データの活用など,被爆医療関連施設の将来展望について協議することを目的として発足したものです。
放射線影響研究所のあり方を初め,被爆医療関連施設の連携のあり方等について協議することは,今後の
被爆者援護の推進に大いに資するものと考えることから,本市も懇話会委員に参加しています。この懇話会は,昨年10月に放射線影響研究所の移転を柱とする地元要望を中間報告として取りまとめ,同年12月に放射線影響研究所の将来構想に関する上級委員会に提出しました。
次に,放射線影響研究所の移転の御質問でございます。本市では,放射線影響研究所の移転予定地として,広島大学工学部跡地を確保していますが,移転が実現すれば,市内の被爆医療関係施設との有機的連携が可能となり,被爆者の福祉の向上が図られるものと考えています。
この移転については,放射線影響研究所が日米共同の研究機関であり,日米平等分担を基本として運営され,移転関連経費についても日米折半で負担することが原則とされており,これまで米国側の財政上の制約や日本の厳しい財政状況などから実現していません。そのため,本市としては,これまで国に対して早期の移転が図られるよう,八者協の要望,本市独自の国要望などの機会を通じて強く働きかけるとともに,米国の所管官庁である米国エネルギー省の要人が来広する機会をとらえ,放影研の移転について市長が直接要請を行ってきました。
また,ことしの1月には,昨年12月に設置された放射線影響研究所の将来構想に関する上級委員会に対し,上級委員会委員と地元関係者との意見交換会を実施していただくよう,文書で要望したところです。今後とも,厚生労働省や放射線影響研究所などの関係者と協議しながら,移転の実現に向けて努力してまいります。
次に,介護保険の関係でございます。
最初に,介護保険ほっとラインでございます。介護保険ほっとラインは,市民から介護サービスに対する疑問や要望を直接お伺いし,個別の事例に適切にアドバイスするなど,利用しやすい相談窓口として感謝されており,平成19年度も引き続き実施していきたいと考えております。
次に,介護サービス情報の公表の御質問でございます。
介護サービス情報の公表は,原則としてすべての介護サービス事業者のサービス内容や運営状況等の公表を義務づけることにより,利用者などが事業者を適切に選択でき,また事業者におけるサービスの質の改善の取り組みが促進されるよう導入されています。
公表される情報には,職員体制や利用料金等に関する事項などの基本的な事実情報としての基本情報に加えて,介護サービスに関するマニュアルやサービス提供内容に関する記録管理の有無など,事業者が報告した情報について,指定調査機関である広島県社会福祉協議会が事実確認の調査を行った上で公表する調査情報があります。
この制度は,平成18年度の介護保険制度の改正に伴い導入されたもので,昨年の8月以降,9種類の対象サービスについて,広島県社会福祉協議会がホームページで公表しています。介護サービスについての情報は,平成19年度においては,訪問リハビリテーション,通所リハビリテーション及び介護療養型医療施設が追加され,平成21年度までに順次すべてのサービスに拡大されていく予定になっております。
次に,介護サービス情報の市民への周知でございます。
各サービス事業者が行っている介護サービスの情報については,先ほど申し上げましたように,広島県社会福祉協議会のホームページで閲覧することができます。このホームページの活用について,介護サービスの利用者に各種の通知を送付する際にお知らせするとともに,ホームページを閲覧できない方については,区役所窓口や地域包括支援センターにおいて,介護サービス情報が入手できるような工夫を検討したいと考えております。
次は,介護保険の適正化の御質問でございます。
介護給付の適正化を図ることは,介護保険事業を運営する保険者の責務であると認識しており,これまで居宅介護支援事業所に対するケアプラン点検事業を初め,サービス提供事業所における請求の適正化を図るための一斉自主点検及びこれに伴う立ち入り調査,居宅サービスの利用者に対する介護給付費通知の発送のほか,要介護認定新規申請者に対する調査を市職員が行うなど,全力を挙げて取り組んでおります。平成19年度は,これらの取り組みについて一層の徹底強化を図り,介護給付の適正化に引き続き積極的に取り組みたいと考えております。
次に,特別養護老人ホームの入所待機,それから在宅介護の支援の御質問でございます。
平成18年4月の介護保険制度改正の趣旨は,在宅重視の理念を一層推進し,高齢者ができる限り住みなれた地域で生活できるよう,施策の充実を図ることにあります。
本市におきましても,この制度改正の趣旨を踏まえ,平成18年度から平成20年度までを計画期間とする介護保険
事業計画を策定いたしました。その中で,施設・居住系サービスについては,平成26年度における利用者の割合を,要介護2から5までの認定者数の37%以下にとどめるとの国の指針に基づき,3年間で施設定員数80人分の特別養護老人ホームを整備することにいたしております。
在宅生活を支援する施策については,新たなサービス体系として,地域密着型サービスが創設されました。その主なものは,小規模多機能型居宅介護や夜間対応型訪問介護であり,これらの基盤整備を計画的に進めています。
また,在宅での介護サービス提供のかなめとなるケアマネジャー等に対する研修を実施することにより,在宅サービスが適切に提供されるよう,引き続き居宅介護支援事業所や地域包括支援センターなどの事業者への指導や育成に努め,在宅での介護を支援していきたいと考えております。
以上です。
○下向井敏 副議長
社会局子育て支援担当局長。
◎梶原伸之
社会局子育て支援担当局長 子育て支援に関する4点の質問にお答えいたします。
まず,待機児童の解消についてでございます。
この課題は,子育て支援のための最重点課題の一つであると認識しておりまして,平成16年度に策定しました広島市新児童育成計画に基づき,5年間で2,330人の定員増を図り,平成22年度当初に待機児童を解消することを目標としています。
本年度におきましては,待機児童の多い安佐南区長束・山本地区において,定員180人の私立保育園を整備しているほか,既設保育園の増改築や認定こども園制度の活用などにより,平成19年度当初には約580人の定員増を図る予定であります。また,平成19年度におきましては,西区において,定員120人の私立保育園を公募により新設する計画としておりまして,本議会に提案しております平成18年度補正予算案に計上いたしております。今後とも厳しい財政状況の中,地域の保育需要の動向を見きわめながら,待機児童の解消に向け,着実に施策展開を図っていきたいと考えています。
次に,兄弟姉妹が同じ保育園に入園できる体制づくりについてでございます。
年度中途に育児休業終了に伴い入園の申し込みがあった場合,認可定員の超過の特例措置により,できる限り兄弟姉妹が同じ保育園に入園できるように配慮しておりますが,待機児童がいる保育園においては,やむを得ず,兄弟姉妹間で異なる保育園に入園していただく状況になっています。こうした場合においても,次年度当初には同じ保育園に入園できるよう配慮いたしております。今後とも,保育園の整備や定員増等により児童受け入れ枠の拡大を図り,待機児童の解消に努めてまいりたいと考えています。
次は,定率減税の廃止に伴う保育料の負担についてでございます。
国の税制改正により,所得税等の定率減税が引き下げられたため,所得税額,市民税額がふえ,平成19年度の保育料の負担はふえることになります。そのため,国においては,実質的に保育料が据え置きとなるよう,徴収金基準額表を改正することにしています。本市としても国に準じ,保育料徴収額表を改正したいと考えています。
最後に,多子世帯に対する保育料の軽減についてでございます。
保育料の多子軽減制度については,これまでも同一世帯から同時に2人以上の児童が保育園に入園している場合に,2人目以降の児童の保育料を軽減していますが,国は平成19年度から新たに,保育園のほかに幼稚園や認定こども園に入園している児童も軽減の算定対象に含め,2人目以降の保育料の軽減の拡大を図ることにしています。
また,軽減方法につきましては,所得階層を二つに分けて,所得の低い階層は保育料の額が少ない順に,一方,所得の高い階層は保育料の額が高い順に,2人目以降において軽減をいたしておりますが,国は平成19年度から所得階層に関係なく,兄弟の年齢順に2人目以降について軽減する方向に改正することにしております。本市としても,国に準じて,保育料の多子軽減制度の改正を行いたいと考えております。
以上でございます。
○下向井敏 副議長 環境局長。
◎喜多川寛 環境局長 地球温暖化対策につきましてお答え申し上げます。
地球温暖化問題は,21世紀におけます人類最大の課題であり,その解決に向けて,世界の国々や自治体,市民,事業者など,あらゆる主体が相互に連携・協力して,温室効果ガスの削減に取り組む必要があります。本市は,緑化の推進,「マイカー乗るまぁデー」や「打ち水大作戦」の実施,新エネルギーの導入など,全部局にわたる取り組みのほか,商工会議所と連携して,エコアクション21の推進やエコドライブセミナーの開催などにも取り組んでおります。また,家庭からの二酸化炭素の排出量がふえていることから,市民,事業者,市の協働組織であります広島市地球温暖化対策地域協議会を中心に,省エネ型の家電製品の普及を促進する取り組みや,家庭での具体的な省エネをアドバイスする事業を行っております。
議員御指摘のとおり,温室効果ガスの削減は,多くの市民の参画のもとに取り組むべき重要な都市課題でございます。本市におきましても,ホームページに環境家計簿や省エネのさまざまな取り組み事例を掲載しており,さらに充実を図っていきたいと考えております。他都市の取り組みも参考にし,引き続きより大きな広がりが得られるよう,地球温暖化対策を積極的に推進していきます。
以上でございます。
○下向井敏 副議長
病院事業局事務局長。
◎橋本恵次
病院事業局事務局長 小児救急医療についての御質問にお答えいたします。
安佐市民病院における小児救急医療については,平成14年3月に本市が策定した小児医療充実基本計画において,土曜日,日曜日及び祝日の18時から23時までの間,小児科外来診療を行い,本市北部の小児医療拠点として充実を図ることを掲げております。
この計画に基づき,平成15年8月より,日曜日の18時から23時までの準夜帯に,小児科の夜間救急診療を実施していますが,小児科医師を十分確保できないため,土曜日,祝日においては対応できない状態が続いていました。こうした中,市立病院間の連携により,夜間救急診療に従事する小児科医師を確保できたことなどから,今月17日より,これまでの日曜日に加え,土曜日と祝日においても準夜帯の救急診療を実施することにいたしました。ただし,5月4日,8月6日,それから12月29日から翌年1月3日までは除くことといたしております。
以上でございます。
○下向井敏 副議長 教育長。
◎岡本茂信 教育長 教育問題についてでございます。
まず,2学期制で,昨年の答弁の重みについてでございますが,昨年2月の市議会定例会で,学校や保護者等へ早く周知するよう御指摘をいただいたことについては,重く受けとめ,教育委員会ではモデル校の実践研究等の資料や教育課程編成の手引きを随時配付するなど,モデル校の成果を他の学校に反映させるための取り組みを進めてきました。
各学校では,昨年4月に2学期制についての検討委員会を設置し,2学期制における教育課程の編成に関する検討を進め,12月までにすべての学校が,保護者の代表であるPTA役員や地域代表からなる学校協力者会議の委員へ説明するとともに,学校だよりなどを活用して全保護者へお知らせしてきました。
各学校の次年度の教育課程や学校行事等の教育計画につきましては,例年,年度末に確定しますが,2学期制を来年度から導入する学校にあっては,この計画の確定を早め,説明会や懇談会などを順次開催しており,2月中には全校が終了することにしています。また,教育委員会としましても,「市民と市政」や「教育ひろしま」で広報するとともに,2月中には全小中学校の保護者を対象としたリーフレットを配布する予定にしています。
続いて,モデル校の実践研究についてでございますが,2学期制モデル校の実践研究によりますと,年間の教育計画を再編成したことにより,7月,12月に指導に当たる時数を確保し,長期休業直前まで学習や教育相談・個人懇談等,さまざまな教育活動の充実が図られています。また,夏休みを学期の一部としてとらえて,サマースクールやサマーチャレンジ等を設け,学習教室や水泳教室を実施するなど,夏休み中の活動も活性化されています。
2学期制モデル校のアンケート調査によりますと,児童生徒,保護者の約6割が,教師と子供と向き合う時間がふえたと評価しており,約8割が教育相談等で学習や学校生活を振り返ることができたと評価しています。また,8割の保護者が,学校は教育活動の見直しを進めていると評価しており,時間的ゆとりの中で新たな学校生活のリズムをつくり出すことができるようになったと受けとめています。今後,さらに,学校評価のあり方や行事の配置の工夫等,2学期制の特徴を生かした教育活動の改善に努める必要があるものと考えています。
教育委員会としましても,本年度のモデル校の地道で先進的な実践研究を礎としまして,来年度も全小中学校を対象とした連絡協議会を引き続き開催し,各学校が創意工夫した教育活動を活発に展開し,特色ある学校づくりがより一層推進されるよう,各学校の取り組みを支援していきたいと考えています。
続きまして,ひろしま型カリキュラムにかかわりまして,英語科の導入に当たる学校の指導体制についてでございます。
全小学校への英語科の導入に当たりましては,指導体制の検討や学習指導計画の策定,教材及び副読本の開発が不可欠であるため,平成19年度には小学校2校を研究開発校に,また4校を研究協力校に指定し,実践研究を行うことにしています。
議員御質問の指導体制につきましてですが,研究開発校と研究協力校を二つのグループに分け,一つのグループには英語指導助手1名を,またもう一つのグループには地域人材1名を配置し,学級担任とのチームティーチングによる指導の実践研究を行い,それぞれの成果と課題を整理した上で,効果的な指導体制について検討することにしています。また,教材や副読本を作成する際には,正しい発音が身につくよう,音声CDもあわせて作成し,その効果を検証することにしています。さらに,指導体制の強化に向けては,小学校教員の英語指導力の向上に向けた教員研修も必要と考えており,平成19年度から3年間で,五,六年生担任教員を対象とする実技研修など,具体的かつ計画的な研修を実施していきたいと考えています。
続きまして,小中学校の連携・接続についてでございます。
本市の英語教育につきましては,中学校1年生の段階から,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことの4領域の学習が同時に進められているため,英語への興味,関心を高めながら,じっくりと反復練習する機会が十分確保できないという問題があります。また,小学校での英語活動におきましては,各学校が独自に学習指導計画を作成しまして,独自の指導方法で実施しているため,中学校の英語学習との接続を踏まえた学習になっていないという問題もあります。
こうした問題に対応し,本市の児童生徒一人一人に,言語としての英語を十分に運用する力を向上させるためには,各小学校が独自に英語学習を取り組むのではなく,中学校の英語学習との接続を踏まえた体系的,専門的な英語学習を小学校の教育課程に位置づけ,より系統的に積み重ねていくことが必要であると考えています。
こうしたことから,ひろしま型カリキュラムにおいては,小学校と中学校との連携・接続の改善を三つの柱の一つに位置づけ,英語科については小学校5年生から中学校3年生までの5年間を見通した学習指導計画を作成し,体系的な学習ができるよう,教材の開発や指導内容,指導方法を工夫し,改善したいと考えています。
小学校においては,国語力の充実を前提として,聞くこと,話すことを中心に,英語の音声になれ親しむ活動を通して,言語や文化に対する興味や関心を高めるとともに,英語の文字や幾つかの単語,基礎的な英語表現を身につけた状態で,中学校の英語学習に臨めるようにしたいと考えています。
また,中学校においては,英語科の授業時数増により,反復練習の時間を確保するとともに,小学校で培った英語に対する興味,関心がさらに深まり,英語を学ぶことの楽しさを味わうことができるような取り組みを進めたいと考えています。
続きまして,週の英語の指導時間数に関してでございますが,小学校英語科の授業時数につきましては,基礎・基本の力の定着に係る学校教育のあり方検討委員会においては,その学習内容をきちんと定着させるためには,継続的に実施することが必要,かつ効果的であり,少なくとも週2回以上は英語に触れさせる時間を確保する必要があるとの認識が示されました。
こうした考えのもと,検討委員会では,小学校英語科の授業時数は,週2単位時間として,1単位時間は総合的な学習の時間を充て,もう1単位時間については,これまでの授業時数に上乗せすることにしました。この小学校の授業時数の上乗せの仕方については,帰宅時間が遅くなる,放課後子供同士で遊ぶ時間がなくなる,放課後の個別指導の確保が難しくなるなどの理由から,1単位時間,すなわち45分間の授業の上乗せは困難であるという意見が,小学校長や小学校教諭の委員から多く出され,現実的に授業時数を確保する案として,1日15分間の授業を週3回実施する帯時間の活用が提言されました。
教育委員会としては,この提言を踏まえ,帯時間を活用することにより,子供たちに英語の音声やリズム,基礎的な表現などについて,継続的に繰り返して触れさせる機会を週3回以上確保するとともに,帯時間の指導方法を開発し,その指導方法についての教員研修に努めながら学習効果を高めていきたいと考えています。
最後に,このひろしま型カリキュラムの保護者への周知,理解でございます。
平成22年度のひろしま型カリキュラムの全市への導入に向けましては,保護者の不安や学校現場の混乱を招かぬよう,綿密な計画と周到な準備,実践的な研究など,あらゆる角度からきめ細かな配慮が必要であり,平成19年度以降,研究開発校での試行実施による成果と課題の整理,具体的な学習指導計画の策定や教材の開発,ひろしま型カリキュラムに対応した教員研修の充実などに努めながら,計画的に進めるよう考えています。また,ひろしま型カリキュラムの内容や実施方法について,保護者や学校に対して
情報提供を密に行い,理解を得ることは必要不可欠であると認識しております。
これまでも,このカリキュラムの検討の段階から,市の広報紙やPTAの広報紙に記事を掲載するとともに,PTAとの懇談会や校長会,さらには教頭会や教務主任会を通じて
情報提供に努めてまいりました。今後も,研究開発校等での実践研究の成果や課題も含めて,きめ細かく
情報提供を行うなど,ひろしま型カリキュラムに対する保護者や学校関係者の御理解が一層得られるよう,引き続き努力してまいります。
以上でございます。
○下向井敏 副議長 43番皆川恵史議員。
〔43番皆川恵史議員登壇〕(拍手)
◆43番(皆川恵史議員) 日本共産党の皆川恵史です。会派を代表して,
総括質問をいたします。市長並びに市当局の誠意ある答弁を求めます。
秋葉市長の去就が明らかになっていませんが,次期市長にだれがなっても,今,広島市政に求められている三つの大きな柱について質問をいたします。
まず,第1の柱として,格差と貧困が広がる中で,市民の暮らしを守るために,広島市としてどういう努力を尽くすのか,この問題についてお伺いします。
この間の弱肉強食,自立自助のかけ声のもとに持ち込まれてきた規制緩和と社会保障の改悪等によって,市民の間では確実に格差と貧困が広がっております。特に,昨年6月に行われた住民税の大増税は,市民の暮らしを直撃し,大きな怒りを買いました。この住民税の増税は,国保料や介護保険料を初め,あらゆる分野に連動して雪だるま式に負担がふえ,市民生活に対する影響ははかり知れないものがありました。
市は,私どもの再三にわたる求めにもかかわらず,それがどれぐらいの影響を市民に与えたのか,その影響の全体をいまだにはっきり示しておりませんが,一体,住民税が増税になった人が何人いるのか。それに連動して,他の施策で負担増になった人がそれぞれ何人いるのか,まず掌握することが行政として最低限の仕事ではありませんか。この場で,増税による市民への影響がどうなったのか,改めて数字でお示しください。
この住民税の増税は,国会で自民党,公明党が決めたことです。中でも,平成15年総選挙のマニフェストで,年金課税の強化,定率減税の見直しを公約に掲げ,最も熱心に唱えてきたのが公明党だったことは,今や周知の事実となっております。与党として増税を決めた平成16年12月14日付,東京新聞は,その見出しに,公明党増税戦犯と書きました。こうして,昨年6月,市民1人当たり4,700円,4人家族で1万8000円,総額52億円に上る大増税が広島市民に持ち込まれました。
日本共産党市会議員団は,大増税による影響を可能な限り少なくするための市の努力を求めてきましたが,その中で秋葉市長は,敬老無料乗車制度への連動はさせないという措置をとられました。このことは,厳しい財政の中での英断であり,高く評価するものですが,他の制度では果たして連動させないためにどういう努力をされたのか,その検討内容を教えてください。
さて,この住民税大増税は,昨年で終わりではなく,ことしもまた6月に導入されようとしています。しかも,ことしは定率減税の全廃に加え,国から地方への税源移譲を名目にして,これまで累進税だった住民税が,市民税6%,県民税4%,一律10%になるために,所得の低い階層は,昨年の2倍の増税となります。ことし1月の所得税定率減税の廃止について,政府は,所得税は安くなるなどと宣伝していますが,その分6月に住民税が高くなるということですから,これは全くのごまかしであります。課税所得200万円から700万円の人は,現在の10%は変わらず,700万円以上の人は,現在13%が10%へと,逆に減税になります。つまり,所得が低い層ほど重い負担になる逆累進課税となります。新年度予算では,この増税による個人市民税の増収を93億円に見込んでいますが,その内訳は,従来の所得階層ごとでそれぞれ幾らになりますか,教えてください。
さて,問題はそれだけではありません。国は,税源移譲に伴う新たな負担はないなどと言っています。これまで課税所得200万円以下の階層の住民税は2倍になるだけでなく,市民税の所得割を算定基礎としている国保料も,このままでは2倍になります。この増税による他の福祉施策等への影響はどうなるのか報告してください。
国の悪政による市民生活の破壊は,さらに増税だけにとどまりません。例えば,今,母子家庭など一人親家庭は,市内に1万4710世帯います。そこに児童扶養手当の削減,生活保護の母子加算の廃止など,むごい仕打ちが襲おうとしています。子供を育てながらぎりぎりの生活をして頑張っている母子家庭から,1カ月数万円の収入が奪われたら,その家庭は一体どうなるのでしょうか。これは,3年前に生活保護から月1万8000円の高齢者加算を削られた高齢者の生活が,その後どうなっているかを見れば想像がつきます。
最近,私のところに相談に来た方は,妻と2人で年金もありません。以前は17万3000円の生活保護の支給を受けていました。ところが,高齢者加算がなくなり,現在は15万5000円で暮らしておられます。4万円の家賃を引くと,1日3,800円の生活です。ところが,昨年末に妻が大学病院に入院しました。下痢が激しい病気で,おむつ代が欠かせない。24枚入りのおむつ代が3,500円。御主人は緑内障です。明るいうちは,毎日,吉島から大学病院まで自転車で付き添いに通っていますが,夜に妻の容体が悪くなることがあり,目が悪いためにどうしてもタクシーで駆けつけなければなりません。2回のタクシーでも,往復が7,600円。お正月,ささやかながら切りもちとお酒と肉を買いました。奥さんにおいしいものを食べさせようと,果物も買いました。これだけ出費しただけで,もう生活は狂ってしまい,私のところに来たとき,手元の残金は4万円。これで1カ月近く過ごさなくてはならない状態でした。
区役所と相談して,おむつ代とタクシー代は生活保護で出してもらうことになりましたが,1日1,000円ちょっとで食費も切り詰める生活をしなくてはなりません。もし,これまでどおり高齢者加算があれば,ここまで惨めな生活はしなくても済んだはずです。今度は,母子家庭がこういう苦しい思いをしなければならないのでしょうか。
また,国保料が高過ぎて払えず,保険証を取り上げられた世帯は,市内で8,000世帯以上とふえ続けています。受診抑制の末に病状が悪化して亡くなる悲劇が,広島でも起こっています。そこに,1人当たり年4,200円の国保料の値上げが,新年度からまた襲いかかろうとしています。低所得者には,住民税増税で国保料が2倍になる上,さらにこの値上げです。このままでは,ますます滞納者がふえ,保険証を取り上げられる世帯はふえるばかりです。国保料の値上げ案の撤回と,これ以上,保険証の厳しい取り上げをやめることを強く求めます。見解をお聞かせください。
また,障害者自立支援法が導入されて,障害者の方々が置かれている状態も,本当に深刻です。この法律も,障害者の反対を押し切って,国会で自民党,公明党が決めました。
私のところに,最近,障害者のお母さんから,次のような手記が届きました。読みながら,胸に迫る内容です。その一部を御紹介します。「今,療育センターに通園の子供が,利用料を払うようになって通園者が減ったそうです。我が子が障害児と発見されるだけで,親はショックです。子供はどうなるの,私はどうなるの。不安で自殺を考えたり,子育てを放棄してしまうケースもあります。母親も仕事をやめて,治療につかざるを得ません。そんな中で,訓練治療をするところが見つかっても,多額の利用料を払わなくてはいけません。障害児を産んだときから休みはありません。家族旅行もできない方もたくさんおられます。障害者自立支援法は,障害児を産んだ罰ですと言われているような気がすると言われたお母さんがおられました。大人の障害者の人も大変です。障害が重い人ほど負担がふえます。食事介助,トイレ介助,入浴介助など,皆と同じになるだけです。これが益を受けていると言うのでしょうか。人間として生まれ,普通の社会生活を送る,そのすべてにお金が要るとしたら,障害を持っている人はどうやって生きていくのか」。
この手記の表題には,「きょうを生きる,あすを生きる」と書かれてあります。生きるという,文字で書けばたったの3文字ですが,そのために今どんなに多くの国民が苦しい思いをしているのか。OECDの調査によると,先進17カ国の比較で,日本の貧困率はアメリカに次いで第2位となっています。上から第2位ですね。さらに,税と社会保障による貧困率は,17カ国中,日本が最下位です。つまり,日本では税や社会保障の所得再分配機能がまともに働いていない。そのため,子供を産むたびに貧困になる,病気になるたびに貧困になる,年をとるほど貧困になる。これが世界第2位の経済力と言われる国に住む私たち国民の実態です。大企業や大金持ちだけが優遇され,国民には負担ばかりがふえる。こんな逆立ちした政治は,一日も早く変えなくてはなりません。
障害者の問題に立ち返りますが,生きる権利さえ奪われようとしている障害者の方たちを自治体としてどう支え,励ましていくのか。市として,これまでいろいろ努力をされてこられましたが,やっと国も激変緩和措置をとりました。しかし,これも選挙目当てで,2年後に介護保険と一体化されたら,事態はもっと深刻になります。作業所やグループホームなど障害者施設の維持や就労など,自治体としての支援が求められている分野はたくさんありますが,中でも障害を持つ子供にもっと温かい支援があれば,親もどんなに励まされるかわかりません。少なくとも,療育センターには従前のような負担で通える,そして成長期の子供の補装具や車いすの負担も軽くて済むようにしてあげるお考えは市にありませんですか。
次に,高齢者対策で,どうしても真剣に検討してもらいたいのは,私の地元でもある基町・白島地域に高齢者のための施設を一日も早くつくってほしい,このことです。
私は,議員になって20年間,団地住民の皆さんと一緒になって,ずっとこのことを求め続けてきました。その中で,全国で初めて公営住宅団地内に訪問看護ステーションが実現し,その後,在宅介護支援センターもでき,中層住宅にエレベーターも設置され,住民の皆さんは大変助かっています。しかし,中核となるような高齢者施設はいまだにありません。
市もこのことは重要な課題と受けとめ,一時は老朽化した基町中層アパート建てかえ,その後に特養ホームなど高齢者施設と住宅を合築する方向も示されましたが,折からの財政難で,この構想は住戸改善等に置きかえられてしまいました。そのため,以前より確かに住戸はよくなりつつありますが,そこに住む多くの高齢者は自宅以外に居場所もなく,デイサービスに行くにも送迎バスやタクシーを使って遠くまで行かなくてはなりません。また,中層も高層も階段を使わなければ,自分の部屋に帰れない。これが一層,高齢者の閉じこもりを助長しています。
御存じのように,基町中層住宅は,原爆で廃墟となった広島で,原爆スラムと呼ばれていたところに最も早く建てられた公営住宅ですが,建てられてもう50年以上になります。公営住宅の建てかえ基準から言っても,これ以上放置できないほど老朽化しています。昭和43年から始まった基町再開発は,戦後,広島の復興のシンボルと言われましたが,高齢化,少子化が進む中で,この地域に新たな活力と地域福祉のモデルとなる町をつくることは,広島市にとっても非常に大きな意義があると思います。
この地域には被爆者の方も多く,住んでおられる方々もどんどん高齢化していきます。もともと市の再開発事業としてつくられた町ですから,段原再開発と同じ位置づけでやって当然です。これまでも,こうした基町の再生計画を立てるべきと求めてきましたが,もうこれ以上放置はできません。そこで,基町団地についてどのように再生しようとしているのか。特に,中層住宅は50年経過しております。今後どのように取り組む考えなのかお答えください。また,それを待つまでもなく,地域の社協などと連携して,商店街の空き店舗を活用した高齢者の居場所づくりやデイサービス施設等を市として立地誘導していただきたいが,いかがでしょうか。
次に,多重債務問題についてお尋ねします。
生活苦のために多重債務による生活破壊が,全国的に大きな問題となっています。政府の調査でも,消費者金融,つまりサラ金の利用者は,少なくとも約1400万人。借り入れ5件以上の多重債務者が約230万人に上ります。
広島県サラ金被害者の会の資料によると,広島市内でサラ金利用者は12万7000人。実に人口の11%。そのうち,多重債務者が約2万7000人余りと言われています。政府も消費者金融による多重債務問題を抜本的に解決するため,貸金業法の改正を行い,内閣特命の金融担当大臣を本部長とする多重債務者対策本部を昨年12月に設置し,日弁連等からも多重債務者に対する相談窓口を設置し,カウンセリング機関とのネットワークを構築して,多重債務を抱える住民への支援体制を全自治体でも整備するよう,国に強く要請が行われております。
全国の自治体の中では,税の滞納解消や未然防止につながると,収納対策としても,この取り組みを重視している自治体もふえてきています。ちなみに,市内12万7000人のサラ金利用者の残高総額は1289億円,残高に対する25%の金利合計額は,実に322億円に上ります。こうした,本来払わなくてもよい市民のお金が,全部サラ金業者に吸い上げられているということは,単に市の収納対策だけでなく,地域経済にとっても非常に大きな損失であります。こうした観点からも,ぜひ市として相談窓口を設置し,必要な体制もとって力を入れるべきだと思いますが,いかがでしょうか。
最後に,税制の改善について,三つの提案をさせていただきます。それぞれについて市の見解をお聞かせください。
まず第1は,少額所得者の住民税減免制度の創設についてであります。
川崎市では,市民税・県民税の納付が困難な方で,年金収入が扶養親族なしの場合232万7600円以下,同じく給与収入が187万1999円以下の場合は,市・県民税が均等割も含めて非課税となります。非課税となると,国保料も減免されます。この少額所得者の住民税減免制度を広島市でもぜひ創設していただきたい。
第2に,数年来,私どもが求めてきた要介護者に対する障害者控除の適用を,今こそすべての要介護世帯に周知徹底してください。私自身,昨年7月,認知症の認定を受けている方の家族の相談を受け,障害者控除の申請をしましたところ,障害者控除対象者認定申請書の中にある日常生活状況で,障害の程度が軽度,中度の項目に該当するものが一つあったので,この方は普通障害者控除が適用されました。この方は,直近の要介護認定調査票がなかったため,民生委員の意見書を添えて申請が認められ,所得税も住民税も国保料も介護保険料もすべて安くなり,助かったと喜んでおられました。
このように,障害者控除は,障害の程度が軽度から重度までの33項目の中で,一つでも該当すれば認定される制度です。私の経験からも,現在,介護を受けておられるほとんどの方が対象になり得る制度です。市は,市民生活が大変なときだからこそ,この制度の要綱をもっとわかりやすく,そして広く周知徹底していただきたい。現在の適用状況と今後の取り組みについてお答えください。
三つ目は,史上空前のもうけを上げていると言われている大きな法人に対して,地方自治体としても応分の負担を求めていただきたいということです。
広島県は財政難を理由に,広島市への三つの福祉医療のカットや県民税の500円値上げを押しつけていますが,調べてみますと,県税である法人事業税については,98年からの減税がいまだにずっと据え置かれたままとなっています。その減税分は,恐らく1000億円以上に達していると思われます。
東京都,神奈川県,愛知県等全国7都府県が行っている,法人事業税への法で認められている超過課税を,広島県でも資本金1億円以上の大企業に適用すれば,広島市へのカットの理由はなくなります。ちなみに,この七つの都府県では,トヨタや日産を初めとする大手の自動車メーカーも,ちゃんと地元自治体に超過課税を払っています。地元自治体の超過課税を免れているのはマツダだけです。ぜひ,法人事業税の見直しを広島県に強く求めていただきたい。
また,広島市の法人市民税も,法人税割,均等割ともに2割の超過課税を適用することができます。しかし,法人税割は他の政令市同様,1億円以上の法人に適用されていますが,均等割の方は適用されておりません。税務部の資料によると,広島市内にはこの法人市民税を払っている企業は3万8665社ありますが,このうち資本金1億円以上が5,358社,資本金50億円以上だけでも265事業所あります。この均等割を福岡市,北九州市と同様の税率で,資本金1億円以上の法人に適用した場合,幾らの市税増収が見込まれますか。市民に増税を求める以上,せめて大きな法人にも応分の負担を求めて,均等割への超過課税を適用して当然だと考えますが,いかがでしょうか。
次に,雇用問題についてお尋ねします。
今日の貧困と格差の大もとには,人間らしく働けるルールの異常な貧しさがあります。それは,地方自治体の存立基盤さえ危うくしており,雇用の改善は地方自治体にとっても避けられない課題となっています。
日本共産党は,政府に対して,1,サービス残業,偽装請負という二つの無法の根絶。2,残業代取り上げ,過労死促進のホワイトカラー・エグゼンプションの導入など,これ以上働くルールの破壊を中止する。3,最低賃金の抜本的引き上げを求めていますが,広島市として今後,雇用問題に対してどう取り組むかについてお尋ねします。
一つは,市内の雇用実態の掌握についてです。今,3人に1人は,非正規労働者だと言われ,この4年間で派遣会社が3倍近くにふえたと言われています。広島市での実態をつかんでおられるか。とりわけ,あすの広島を担う青年の雇用実態はどうなっているのか教えてください。
二つ目は,市に関係する企業や団体での雇用の実態をつかみ,今後,改善に努力していただきたい。特に私立保育園,市が業務委託しているごみ収集や学校給食部門の正規,非正規などの雇用実態がどうなっているのか。
三つ目に,新年度から交付が始まる,企業立地促進補助金の交付対象となっている8社の立地先での雇用者数は何人,また,正規,非正規の内訳はどうなっているのか,新規雇用者数はどのくらいになるのか教えてください。
四つ目は,市が公共事業を発注する際に示す労務単価が,果たして下請に至るまでちゃんと守られているのか,市として実態を調査するお考えはありませんか。
五つ目に,市内大手企業に,新卒だけでなく,現在の非正規雇用も含め,正規雇用者をふやすように市として申し入れをしていただきたい。ぜひお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。
以上,5点についてお答えください。
次に,第2の柱として改憲が叫ばれる中で,平和都市として憲法と平和,民主主義を守るため,広島市はどういう役割を果たすべきか,この問題についてです。
安倍首相は,今開かれている国会で改憲手続法を成立させ,7月の参院選で改憲を争点に据えると宣言しています。こんなことは,世論調査を見ても,国民のだれも望んでいません。一体,何のための改憲か。安倍首相は,NATOの理事会の演説で,自衛隊が海外での活動を行うことをためらわない,このように述べています。日米同盟を血の同盟にし,米国とともに海外で戦争をする国をつくる。ここに改憲の最大のねらいがあることは,首相の一連の言動からもはや隠しようもありません。
広島の原点は,広島平和都市記念碑に刻まれている「過ちは二度と繰り返しませぬから」ということです。戦後60年以上,広島の市長は,その意思を内外に表明してきました。今,このヒロシマの願いが足元から崩されようとしています。広島の市長が,これに沈黙していてよいのでしょうか。憲法第9条は守るべきだと,今こそ内外に呼びかけるべきではないでしょうか。憲法第9条に対する市長の見解をぜひお聞かせいただきたい。
この問題で,あえて申しますと,今度の市長選挙に出馬を表明されている方の中には,イラクへの自衛隊派兵に反対する国民を非国民呼ばわりして,国民のひんしゅくを買った方もいらっしゃいます。仮にこういう人が広島の市長になったらどうなるのでしょうか。米軍岩国基地の強化に反対する市民は,全部非国民にされかねません。こんな人には絶対に広島の市長にだけはなってほしくないというのが私の思いであります。
民主主義の問題でお尋ねします。
教育基本法が改悪され,政府は教育に対する国家統制をますます強めようとしていますが,まずこの教育基本法に対する教育委員会の基本的な見解をお尋ねします。
ところで,最近の市教委の強引なやり方は,目に余るものがあります。昨日来,そしてきょうも多くの議員が,2学期制導入に対する市教委の強引なやり方に言及されましたが,私も全くそのとおりだと思います。2回にわたる教育委員会議で,意見が真っ二つに分かれているのに,最後は委員長1人が2票を投じて決着を図る。このこと自体,異常なことですが,新学期の直前になって初めて保護者に対する説明をして当たり前とするやり方も,全く異常です。秋葉市長は,市民の市民による市民のための政治を掲げていますが,教育委員会がやっていることはそれと全く逆ではありませんか。市民や子供を置き去りにしたこういう強引なやり方が今後も進められるとしたら,学校現場はますます矛盾と混乱をひどくし,市民に不信を広げるばかりです。
市教委が口をあければ,2学期制を決めたのは学校長だと。すべてを学校長の責任にしようとしていますが,これだけ保護者や関係者の間に不安や混乱をもたらしておきながら,教育長はまず謝るべきではありませんか。それとも,市教委には何の責任もないと,このように思っておられるのか,はっきりお答えいただきたい。また,決めたのは学校長だと言うのなら,その学校長の判断で実施時期を延期しても,その判断を市教委は尊重する気があるのでしょうか。また,今後,改悪された教育基本法のもとで,予想される全国一斉学力テストなども,こういう強引なやり方で進められるおつもりでしょうか。
以上,3点についてお答えください。
第3の柱として,政治と金をめぐる腐敗根絶のためにどう取り組むかという問題であります。
御承知のように,今,現職閣僚や自民党,民主党の国会議員の事務所費問題が大きな政治問題になっています。同時に,地方議員の政務調査費も,東京都目黒区を初め,その使途が大きな問題になっています。
昨年12月,広島市でも,私たち市会議員の政務調査費について,事務所がないのに多額の事務所費を計上しているのはおかしいと,市民19名から住民監査請求が起こされました。記者会見で配付された資料によると,平成17年度分として各会派から市長に提出された収支報告書では,政務調査費の支払い総額は2億4350万円,そのうち事務所費が5642万円,23%となっています。ところが,市民の皆さんが調べた結果では,マスコミによる報道によると,独立した議員事務所を開設していると思われる市会議員は,15名しかいなかったそうであります。
御承知のように,私たち市会議員には事務所の登録義務はありませんから,これが事実かどうかわかりませんが,1月29日付,中国新聞「社説」によると,福山市議会では,事務所を明らかに外形,機能,実態を有しと定義しています。少なくとも,看板も何もない,市民にもわからないようなところが,果たして事務所と言えるかどうか。これは,市民が判断するでしょう。
政務調査費は歳費ではありません。市長が市議会の各会派に税金から交付している補助金であり,公金ですから,他団体の補助金同様,その使途を含め,詳細な収支報告書を提出するのが当たり前です。議員だけが特別扱いされるのは,公正な税金の使い方に反します。我が党は,こういう立場から,これまで一貫して領収書の添付と全面公開を求め,みずからも市民に対して全面公開をしてきました。
そこで,監査委員にお尋ねします。中国新聞「社説」では,「今回は市民が納得できる判断を示してほしい。そのためには議員ごとに事務所の有無を確かめ,経費をチェックするなど,実態をつかんでの審査を望みたい」,このように書いてありますが,この趣旨にこたえられるように,実態を踏まえた公正な監査を強く望みます。これまでの監査委員会の対応と今後の見通しについてお答えください。
最後に,議員の皆さんに訴えします。
今,政治と金の問題について,国民がなぜ怒っているか。それは,国民負担がふえる一方で,国民の血税である政党助成金や政務調査費をもらいながら,その使い道すら公表しない。ここに一番の怒りが集中しております。ましてや,税金の使い道をチェックすべき議員が,みずからの税金の使い道も公表できない。こういうことでは,市民の信頼にこたえることはできないのではないでしょうか。やましいことがないのならガラス張りにせよ,これが国民の声です。これに対して,各議員がどれだけ自浄能力を発揮できるかが今問われています。各会派には領収書の保管が義務づけられているのですから,来期を待たず,この議会で全面公開に踏み切ろうではありませんか。
また,この際,議会に出席するたびに,1日1万1000円もの費用弁償,つまり日当がなぜ必要なのか。また,市民から,観光旅行ではないかと批判されている海外視察費等についても,市民が納得できるように見直そうではありませんか。このことを議員の皆さんに呼びかけまして,私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
○下向井敏 副議長 市長。
〔秋葉忠利市長登壇〕
◎秋葉忠利 市長 皆川議員の御質問にお答え申し上げます。
障害者に関する御質問がございましたので,まず私から障害者支援についての基本的な考え方を述べさせていただきます。
活力ある地域社会を築いていくためには,障害のある人もない人も,すべての市民が社会のあらゆる活動に自由に参画し,その能力を最大限に発揮するとともに,互いに人格と個性を尊重し,支え合うことが必要です。
そのためには,障害者の活動を制限し,社会への参加を制約している要因を取り除き,障害者が住みなれた地域において,経済的な側面を含め,自己選択と自己決定のもと,自立して生活できるよう支援することが大切であると考えています。
平成18年,2006年4月に施行された障害者自立支援法では,利用者負担が,原則としてサービス費用の1割に変更されました。このため,本市では,利用者負担がふえることに対し,特に低所得の障害者などに配慮して,厳しい財政状況の中ではありますが,障害福祉サービス,障害児施設におけるサービス,補装具の利用者負担を軽減するなどの措置を講じ,利用者が必要なサービスを適切に利用できるようにしています。さらに,障害者自立支援法の施行後も,国に対して十分な負担軽減措置を実施することなどについて要望してきました。
その結果,国においては,利用者負担の軽減措置も含めた特別対策を,平成19年度,2007年度と平成20年度,2008年度に限り実施することになりました。この国の特別対策のほか,本市としては独自の軽減策として,補装具と日常生活用具について軽減の対象を拡大するなど,障害者の負担を軽減するために必要な措置を引き続き講ずることにしています。
こうした障害者自立支援法の施行にも見られるように,近年,障害者を取り巻く環境は大きく変化していることから,今年度末の取りまとめを目途に,現在,新たな障害者基本計画について幅広く検討しています。この計画に基づき,本市の障害者の実態に即した施策を着実に推進し,すべての障害者が生きがいを持って幸せに暮らせる社会の実現に向けて取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては,担当局長から御答弁申し上げます。
○下向井敏 副議長
代表監査委員。
◎米神健
代表監査委員 住民監査請求につきまして,その対応についてお答えをいたします。
平成18年12月18日の住民監査請求を受けて,平成19年1月5日に議会事務局で,平成17年度の政務調査費に係る支出関係書類について調査を行うとともに,1月10日から19日まで,各会派の平成17年度の事務所費に係る経理簿,領収書等について調査を行いました。また,1月18日には,請求人及び関係職員の陳述の聴取を行いました。現在,収集した資料等に基づき監査を行っているところであり,地方自治法では請求のあった日から60日以内に監査を行わなければならないと規定されているため,期限である2月16日までに監査を終えることにしております。
以上です。
○下向井敏 副議長
企画総務局長。
◎南部盛一
企画総務局長 憲法第9条についての御質問にお答えします。
我が国は,過去に対する真摯な反省と新しい日本を建設するという決意のもとに,憲法前文と第9条に示された平和主義を基調とする,世界にも類例を見ない画期的な内容の憲法を持つに至ったものと考えています。
広島は,憲法前文にうたわれた,人類全体の公正と信義を求める心を信頼しようとする考えに立ち,国際社会での紛争の解決や抑止に当たっては,武力ではなく,対話による平和的解決の道を探ることが何よりも大切であると考えています。日本国憲法第99条は,「天皇又は摂政及び国務大臣,国会議員,裁判官その他の公務員は,この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と規定しています。
本市では,平成14年,2002年の平和宣言で,この憲法第99条を引用した上で,「この規定に従うべき日本国政府の役割は,まず我が国を「他の全ての国と同じように」戦争のできる,普通の国にしないことです。すなわち,核兵器の絶対否定と戦争の放棄です。」と述べています。本市では,こうした考え方のもと,憲法前文と第9条に示された平和主義を基調とする日本国憲法の重要性やその擁護を訴えてきました。ヒロシマとしては,今後ともこうした憲法の平和主義を基調として,核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け取り組んでいきたいと考えています。
以上でございます。
○下向井敏 副議長 財政局長。
◎中平真 財政局長 税財政についてお答え申し上げます。
まず,平成18年度に行われました住民税の改正について,増税になった人が何人いるのかという点についてです。
いずれも,平成18年7月現在の実績ベースですが,定率減税の縮減については約52万2000人,公的年金控除の縮減については約6万6000人となっております。
次に,老年者控除の廃止及び65歳以上の人に係る非課税措置の廃止につきましては,いずれも平成18年度当初予算段階の見込み数値ですが,それぞれ約4万6000人及び約2万1000人となっております。
それから,増収見込み額約93億円の所得階層ごとの内訳についてでございます。平成18年度の課税実績をもとに,所得控除後の課税標準額の段階別で推計いたしますと,課税標準額が200万円以下の階層につきましては,税源移譲により約71億円の増,定率減税の廃止により約6億円の増,合わせて約77億円の増となります。同じく,約200万円を超え700万円以下の階層につきましては,税源移譲により約39億円の増,定率減税の廃止により約16億円の増,合わせて約55億円の増となります。同じく,700万円を超える階層につきましては,税源移譲により約42億円の減,定率減税の廃止により約3億円の増,合わせて約39億円の減となります。なお,税源移譲による個々の納税者の所得税,住民税を合わせた税負担については変わらないこととなっております。
続きまして,川崎市の少額所得者の住民税減免制度のようなものを創設するつもりはないかという点でございますけれども,低所得者層への税負担への配慮といたしましては,地方税法におきまして,非課税限度額の制度が設けられております。また,同法では,貧困により生活のため公私の扶助を受ける者,その他特別の事情がある者等に限り,市町村の条例の定めるところにより住民税を減免することができるとされております。
川崎市の少額所得者の住民税減免制度は,所得が住民税均等割の非課税限度額を超え,同市における生活保護基準額等をもとに独自に設定した額以下の者で,住民税の納付が困難と認められる者について,申請により均等割及び所得割を減免することができるというものです。川崎市の制度は他の政令市にはないものであり,仮にこの制度を本市で実施した場合,その影響額は多額に上り,極めて厳しい財政状況にある本市においては,慎重に対応すべきものと考えております。
それから,いわゆる要介護者に対する障害者控除の適用についての問題でございますが,要介護者等に係る障害者控除の適用につきましては,税務を所管する側におきましても,市・県民税の申告書の手引きなどに,福祉事務所長の認定を受けた者が障害者控除の対象となる旨を記載し,周知を図っております。
それから,東京都などが行っている法人事業税の超過課税を実施するように,広島県に求めるべきではないかという点についてです。
超過課税は,課税自主権の一つとして,各自治体が必要な事業を実施するための財源を確保し,独自の政策目的を達成するために,地域住民の意向を踏まえ,みずからの判断と責任において行うものです。しかしながら,広島県が法人事業税の超過課税を実施した場合には,本市の法人市民税が減収となり,また企業誘致にも影響を及ぼす可能性があることから,本市から県に対し超過課税の要望を行うことは考えておりません。
それから,福岡市と北九州市で行われている超過課税についてのことでございます。
法人市民税については,本市では法人税割については,他の多くの政令市と同様,資本金が1億円を超える法人及び法人税額が240万円を超える法人に対し,制限税率である14.7%──通常の標準税率は12.3%ですが──14.7%を適用し,超過課税を実施しております。
また,均等割につきましては,政令市の中では福岡市と北九州市の2市で超過課税を実施しているわけでございます。この均等割について,福岡市,北九州市と同様の税率を,資本金が1億円を超える法人に適用した場合の増収見込み額が約4億9000万円です。なお,均等割についても超過課税を実施するかどうかは,本市の財政状況や本市を取り巻く経済動向なども考慮しながら,慎重に検討していきたいと考えています。
以上でございます。
○下向井敏 副議長
市民局長。
◎竹本輝男
市民局長 まず,多重債務の相談窓口に関するお尋ねでございます。
多重債務につきましては,消費生活センターにおきまして,平成17年度402件,平成16年度324件,平成15年度410件の相談を受けております。同センターでは,その解決策として,相談者に債務整理の方法を説明するとともに,債務処理を弁護士会や司法書士会に相談するよう助言するなど,必要な対応をしております。
現在,消費生活センター展示物におきまして,センターにおける多重債務相談実施について掲示をしておりますが,今後ともより市民の方々にセンターの相談業務の内容を知っていただき,気軽に相談においでなることができるよう,ホームページ,広報紙等により周知に努めます。さらに,今後,市税や国民健康保険料の徴収事務等の担当部署が多重債務で滞納が生じていることを把握した場合には,その方に消費生活センターで相談するよう勧める等,関係部署の連携を図ってまいります。
続きまして,雇用問題についての4点のお尋ねにお答えいたします。
まず,広島市の私立保育園に勤務する職員は,平成19年1月1日現在1,879人で,正規,非正規の雇用実態別での区分はできませんが,そのうち給与が月額で定められている者が1,202人,64%,日額で定められている者が226人,12%,時間給で定められている者が451人,24%となっています。
次に,ごみ収集業務では,本年度の可燃ごみ,資源ごみ,大型ごみなど,家庭ごみを収集する業務委託件数は37件で,業務従事者は335人です。その内訳は,正規雇用者が321人,96%,非正規雇用者が14人,4%となっています。
また,学校給食業務のうち,可部地区学校給食センターの調理業務を受託している業者の同施設での雇用実態は,正規雇用者12人,36%,非正規雇用者21人,64%で,合計33人。さらに,平成19年度から本市の企業立地促進補助制度により,投下資本額などに対する補助金を交付する予定の8社の立地先での雇用者は,合計432人,そのうち正規雇用者は376人,87%,非正規雇用者は56人,13%となっています。また,新規雇用者は78人,18%となっています。
次に,最近の雇用情勢についてですが,景気回復傾向を背景として,有効求人倍率が上昇し,完全失業率が低下するなど,改善が進んでいます。平成18年12月の有効求人倍率は,全国で1.08倍,広島県で1.27倍と1.0倍を超えております。広島市については,ハローワーク広島及びハローワーク広島東管内の数値でとらえると,1.57倍となっています。
一方,近年,雇用形態の多様化が進展し,正規雇用の減少やパート,アルバイト等の非正規雇用の増加傾向が見られます。総務省の労働力調査によりますと,全国の雇用者数に占める非正規雇用者の割合は,10年前の平成8年では約5人に1人,21.5%だったものが,平成18年には約3人に1人,33.4%と増加をしています。新卒者を含む若者についても増加傾向にあります。なお,全国レベルでの標本抽出調査のため,市内分の数値はございません。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によりますと,非正規雇用者は,正規雇用者に比べて賃金水準が低く,職業能力開発の機会が乏しいことなどから,長年勤続しても余り賃金は上昇せず,所得は低い水準にあります。そのため,本市としても正規雇用を希望する求職者の就職支援に引き続き努めるとともに,広島商工会議所等の経済団体を通じて,正規雇用者の採用拡大について要請したいと考えています。
以上でございます。
○下向井敏 副議長 社会局長。
◎松井正治 社会局長 順次お答えいたします。
まず,税制改正で,福祉関係の負担増となった方の人数,それからその対応,住民税増税の影響はどうなのかという御質問でございます。
国は,税負担における世代間及び高齢者間の公平を図るなどの観点から,公的年金控除の見直しや65歳以上の方に対する非課税措置の廃止等の税制改正を行いました。この改正により,高齢者や障害者が福祉サービスを受ける際の負担がふえるなどの事態が生じました。このため,本市では,高齢者及び障害者の公共交通機関利用助成事業のほか,在宅で高齢者を介護している家族に紙おむつなどを支給する家族介護用品支給事業などにつきまして,これまでの利用者が引き続き制度を利用できるような経過措置を講じました。
さらに,国は平成18年度に定率減税を廃止するとともに,国から地方への税源移譲に伴い,個人住民税の税率を変更する税制改正を行いました。この改正により,課税所得に応じ,5%,10%及び13%の3段階であった個人住民税の税率は,平成19年度から課税所得にかかわらず一律10%になり,例えば従来5%の税率だった課税所得が200万円以下の方については,住民税が増税となります。このため,障害者自立支援法の施行に伴う障害者の負担を軽減するために,市民税所得割額2万円未満の方を対象に,本市が独自に講じている措置に関し,所得に変化がなくても税制改正により市民税額がふえることから,制度の対象から外れるという事態が生じることになりました。
こうした中,国は,本市が独自に行っている措置と同様に,障害者自立支援法の利用者負担上限額を,国基準額の4分の1に引き下げる特別対策を,平成19年度から市民税所得割額10万円未満の者を対象に講ずることにしました。また,本市においても,国の特別対策に加え,補装具の利用者負担助成について,制度の対象をこれまでの市民税所得割額2万円未満の者から市民税所得割額10万円未満の者に拡大するなどの対策を,平成19年度から講じることにしています。
なお,税制改正により,平成18年度までに利用者の負担がふえるなどの影響が出る可能性のある福祉サービスは,約70事業あります。一方,福祉サービスに関して負担増となる方については,負担増の要因が単に税制改正のみに起因するのか,あるいは税制改正以外の要因により課税所得が増加したことによるものなのかということを個々に分析することは,極めて困難です。さらに,福祉サービスの対象者や負担額を決定する際に行う市民税所得割額の算定は,個人単位で行うものだけではなく,世帯単位で行うものもあります。このため,税制改正に伴い福祉サービスが負担増となった方の人数を正確に把握することは困難でございます。
次に,国保料の値上げの撤回と保険証の扱いについてでございます。
国民健康保険財政は,加入者の高齢化の進展などに伴う医療費の増加などにより,大変厳しい状況に直面をいたしております。国民保険の事業運営に必要な経費は,国,県の支出金と一般会計からの繰入金と保険料で賄うことになっております。このため,保険料の値上げを抑制するためには,一般会計からの繰り入れを行う必要がありますが,本市の厳しい財政状況から,これ以上の一般会計からの繰り入れは困難であるため,医療費の増加に応じた保険料の増額をお願いするものです。
また,国民健康保険の保険証につきましては,特別な事情がなく保険料を1年以上滞納している世帯には,保険証の返還を求めるよう法で義務づけられておりますが,本市におきましては,1年以上の滞納をもって機械的に保険証の返還を求めるのではなく,納付相談の場で収入や生活の状況などを丁寧に聞き取るよう努めています。今後とも滞納となっている方々の実情を十分に把握し,適切に対応してまいります。
次に,障害児の施設料利用負担,あるいは補装具の御質問でございます。
障害者自立支援法の制定に伴い,児童福祉法が改正され,平成18年10月から施行されたことにより,障害児通園施設については,福祉サービス費の1割負担と食費負担が必要となりました。本市では,障害児通園施設の利用者の保護者には若い世代が多いことへの配慮や,子育て支援の観点から,福祉サービス費の1割負担と食費負担を合わせた利用者負担が保育料と同程度となるよう,独自の負担軽減策を講じています。
このたび国においては,福祉サービスの利用者負担について,平成19年度と平成20年度の2年間に限り,上限月額を4分の1に引き下げることなどを主な内容とする特別対策を講ずることになりました。これを受けて,本市では,障害児通園施設については,国の特別対策とあわせて,本市独自の負担軽減措置を組み合わせて適用します。
その結果,利用者負担は,市民税所得割2万円未満までの方は,平成18年度と同額となりますが,市民税所得割2万円以上10万円未満の方は,平成18年度より軽減されることになります。なお,補装具については,先ほど御答弁いたしましたとおり,平成19年4月から本市独自の軽減策の対象を拡大して実施します。
それから,基町の空き店舗を活用して,高齢者の居場所づくりやデイサービスをという御質問でございます。
基町地区は高齢化率が高く,ひとり暮らしや夫婦2人暮らしの高齢者も多いことから,本市としてはこのような高齢者に対する見守り,安否確認のため,高齢者の居場所づくりが必要であると考えております。現在,民生委員や地区社会福祉協議会を中心としたボランティアの皆さんによる,ひとり暮らし高齢者に対する見守り・安否確認活動が行われています。さらに,こうした活動を踏まえ,高齢者が情報交換したり交流を深め,相互に見守り・安否確認を行うことができるよう,地区社会福祉協議会が中心となって,空き店舗を活用した高齢者の立ち寄り所づくりが計画されています。この立ち寄り所の設置については,中区の地域福祉計画に基づく取り組みとしても位置づけており,現在その仕組みづくりについて検討をしているところです。
なお,基町地区の高齢者に対するデイサービスは,周辺地区のデイサービス事業所からの送迎により適切に行われており,現在のところ,本市としては同地区内でのデイサービス事業が必要であるとまでは考えておりません。
最後でございますが,障害者控除の周知でございます。
身体障害者手帳等の交付を受けていない65歳以上の寝たきりや認知症などの高齢者で,身体障害者または知的障害者に準ずるとして福祉事務所長の認定を受けた人は,申告すれば,所得税及び住民税の障害者控除の対象となります。この認定を受けている人は,平成16年度は61人,平成17年度は129人です。この制度の周知については,確定申告の時期に合わせて,民生委員や市内41カ所の地域包括支援センターへのチラシ配布,及び2月1日号の「市民と市政」での広報を行うほか,ホームページへの掲載,区役所の相談窓口での案内に努めています。要介護認定を受けている人すべてが障害者控除の対象になるものではございませんが,この制度を一層周知するため,介護保険料の納入通知にあわせてお知らせすることなど,今後検討したいと考えております。
以上です。
○下向井敏 副議長
都市整備局長。
◎三浦泰明
都市整備局長 基町中層住宅についての御質問にお答えいたします。
基町中層住宅は,完成後38年から49年経過し,老朽化が進んでいることから,居住環境の改善を図るため,平成12年度から再整備事業といたしまして,外壁改修,屋上防水,台所改修等を行っております。
議員御指摘の中層住宅における高齢者対策といたしましては,エレベーター設置が効果的でございます。基町中層住宅には,廊下型と階段室型とがあり,廊下型の住宅につきましては,平成14年度にエレベーターを設置いたしました。一方,階段室型の住宅へのエレベーター設置につきましては,エレベーターが停止する階段の踊り場から玄関までの上がりおりが避けられないため,完全なバリアフリー化が困難なことなどの問題があることから,どのような整備方法がとれるか,引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○下向井敏 副議長
都市整備局指導担当局長。
◎山本直行
都市整備局指導担当局長 労務単価を調査する考えはないかということにつきましてお答えいたします。
本市が公共工事の積算を行う際に用いる労務単価は,毎年,国において実施する公共事業労務費調査に基づき定められた単価であり,公表されています。この単価は,雇用契約における労働者へ支払う賃金や,下請契約における労務単価を拘束するものではなく,また法令上,本市には民民間の契約等の内容に立ち入る権限がないことから,実態調査は難しいと考えております。
なお,本市では,建設労働者の雇用条件等の改善のため,入札に参加する建設業者に対し,文書で適正な賃金の支払いに配慮するよう求めております。
以上でございます。
○下向井敏 副議長 教育長。
◎岡本茂信 教育長 まず,教育基本法についてでございますが,教育基本法は,戦後の我が国の教育の基本を確立するために,教育の基本理念,義務教育の無償,教育の機会均等などについて定めたものであり,学校教育法や社会教育法など,すべての教育法の根本法となるものであります。
昭和22年の施行以来,教育基本法のもとに構築された学校教育制度を初めとする教育諸制度は,国民の教育水準を大いに向上させ,我が国社会の発展の原動力となるなど,多くの成果を上げてきました。しかし,制定から半世紀以上が経過し,科学技術の進歩,情報化,国際化,少子高齢化,家族のあり方など,我が国の教育をめぐる状況が大きく変化し,学ぶ意欲や規範意識,道徳心の低下,いじめ,不登校,中途退学,学級崩壊,家庭や地域社会の教育力の低下など,さまざまな問題が生じています。
このため,今回の改正では,これまでの教育基本法が掲げてきた普遍的な理念を継承しつつ,公共の精神など,日本人が持っていた規範意識を大切に,それらを醸成してきた伝統と文化の尊重など,教育の目標として,今日特に重要と考えられる事項を新たに定めています。今後,国において改正された教育基本法の精神をさまざまな教育上の課題の解決に結びつけていくため,関係法令の改正や教育振興基本計画の策定などの具体的な取り組みが進められる予定です。
教育委員会としましては,国会におけるこれらの審議状況を注視するとともに,引き続き関係法規にのっとり,広島の新しい教育の一層の推進,充実に努めていきたいと考えています。
続きまして,2学期制の導入でございます。
2学期制は,本市の小中学校の現状と課題を解決していくための方策の一つとして導入し,これまでの教育活動を見直し,各学校が教育目標や課題に応じて,前例にとらわれず,主体的,弾力的に教育課程を編成することができるようにするものです。
各学校では,昨年4月に2学期制についての検討委員会を設置し,2学期制における教育課程の編成に関する検討を進めてきました。来年度,2学期制を導入するかしないかということについては,各学校の教育目標を達成するために,学校や児童生徒の実態を考慮して,教育課程編成の主体者である校長が決定したものでございます。教育委員会としましても,本年度のモデル校の地道で先進的な実践研究を礎として,特色ある学校づくりが一層推進できるよう,各学校の取り組みを支援していきたいと考えています。
最後に,一斉学力テストについてでございますが,この調査は,全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から,各地域における児童生徒の学力,学習状況を把握,分析することにより,教育及び教育施策の成果と課題を検証し,この改善を図ること,また,各教育委員会,学校等が全国的な状況との関係において,みずからの教育及び教育施策の成果と課題を把握し,その改善を図ることを目的として実施されるものでございます。これらの調査結果を,本市の教育施策及び各学校における指導の改善に生かしていきたいと考えております。
以上でございます。
○下向井敏 副議長 皆川議員。
◆43番(皆川恵史議員) 時間もたってますんで,簡潔にいきます。
今の教育長の発言ですが,私が聞いたことに全然答えてない。この本会議場で,あれだけ多くの議員が,やり方がひどいんじゃないかと。いろんな角度もありましたが,この間の教育委員会のやり方について触れております。現場でも,私の地元の学校でもそうですが,親の間で非常に不安が広がっている。こういう問題について何も認識されてないのかということを,私,お伺いしたい。今,親や関係者の間で,不安もなければ混乱もないというふうに考えておられるのか。それから,その責任は学校長にあって,教育委員会には一切ないというふうに受けとめておられるのか。この点についてお尋ねします。
私,率直に,いろいろと現場で混乱していることについては,教育委員会としても責任を感じておりますと言って,一言,言えば済むものなのに,一言も言わん。そういうやり方が,私はおかしいと。そういうやり方で今からやられたんじゃ,市民や子供は置き去りにされてしまうということを言うておきたいと思いますが,この点はもう1回お伺いします。現状をどうとらえているかということ。
いろいろお答えいただきました。障害者控除については,ぜひ多くの介護を受けておられる方々に,本当にこの制度をわかりやすく周知徹底をしていただきたいと,このように重ねてお願いしておきます。
雇用の問題については,青年の雇用の問題をもっと重視していただきたいんですよね。私の知っているある青年が,彼女の家のお父さんのところに行って,ぜひ結婚させてくださいと言ったところ,派遣社員で家庭が持てると思っとるんかと,こう言うて結婚を断られたと言うんですよね。時給が1,000円というたらいい方ですよ。今,ほとんど派遣社員は,特に青年は700円,900円です。ですから,本当にそういう不安定な生活に娘をやれるんかと,これは親としても当然だと思います。今の青年は,ここまでやっぱり悔しい思いというか,そういうところ,実態に置かれているということを,しっかり市民局としてもつかんでいただきたい。
きょうの中国新聞では,有効求人倍率は上がってるとおっしゃいましたが,見込み求人は広島でもやっておられるんです。数字だけ上げると,こういう実態をつかんでほしい。一体どういう──実態はもっと私はよくないと思うんですよ,求人倍率でも。数字がどんどん上がるような作用をされておる,そういうことは絶対許してはいけんというふうに思います。
税制の問題で,福岡,北九州をぜひ調べていただきたいと,慎重にということですけれども,福岡,北九州ではじゃあどうなっているのかという点をぜひ調べていただきたいと思うんですが,そのお考えはございませんか。
それから,最後に社会局長,基町にデイサービスの施設は必要ないと,よくあなたはおっしゃいますね。それは,団地に行って皆さんの前で言うてください。ここでは平気にそういうことを言えるかもしれん。基町の住民の前で,そういうことを言うてみてくださいよ。あれだけ高齢者が何千戸という団地の中に住んでおって,その周りにあるからあそこは要らんと。これはないでしょう。あそこの土地は全部国有地で,市が国に地代を払って借りておるから,よその法人には勝手につくれんのですよ。市が立地誘導をせんと,絶対できない。そういうことを一切やらずに。土地がないかと言ったら,あるんです。団地の真ん中に草ぼうぼうの空き地があるんですよ。そういうとこを見て,2階建てぐらいのデイサービスは十分建てるだけの敷地があります。そういうのを,NPO法人にも,いろんな福祉法人にも呼びかけて,ぜひこれは前向きに検討していただきたいという点で再度御検討をいただきたいと。
以上です。
○下向井敏 副議長 教育長。
◎岡本茂信 教育長 2学期制につきまして,十分な説明がなされていない,あるいは聞いていないという声があるという事実につきまして,まことに残念で申しわけなく思っております。教育施策の遂行につきまして,地域住民,保護者の十分な理解を得て,今後の教育施策の遂行に努めていきたいというふうに考えております。
○下向井敏 副議長 財政局長。
◎中平真 財政局長 御指摘のございました福岡市,北九州市の均等割の状況でございますけれども,状況も調べてみまして,本市の財政調査をしてみまして,両市の事例につきまして調査をいたしまして,本市の財政状況とも比較してみたいというふうに考えております。
○下向井敏 副議長 社会局長。
◎松井正治 社会局長 基町地区にデイサービスをということですが,先ほど御答弁しましたように,周辺にデイサービスがあり,それをバスの送迎で利用していただいておるのが現状でございます。そういう意味で,今,基町の団地の中にデイサービスをつくる必要性はないという趣旨で御答弁申し上げました。いわゆる,デイサービスを希望される方は,受け入れとなるデイサービスが周辺にあるということで申し上げましたんで,御理解いただきたいと思います。
○下向井敏 副議長 本日の
総括質問は,この程度にとどめたいと思います。
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次 会 の 開 議 通 知
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○下向井敏 副議長 この際,御通知申し上げます。
5日は,午前10時より議会の会議を開きます。
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散 会 宣 告
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○下向井敏 副議長 本日は,これをもって散会いたします。
御苦労さまでした。
午後3時15分散会
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議 長 藤 田 博 之
副議長 下 向 井 敏
署名者 藤 井 敏 子
署名者 永 田 雅 紀...