3つ目は、
総合防災マップについて。全国各地で大雨による水害が毎年のように発生し、被害の甚大化が進んでいますが、気候変動に伴う異常気象によって従前想定し得なかった大雨が発生していることも大きな要因と言われています。このような中、国では水防法等を見直し、平成27年に河川の浸水想定で使用する基準を100年から200年に1度起こる大雨から1,000年に1度起こる大雨に改め、主要河川を管理している都道府県に対して
浸水想定区域の見直しを求めたことを受け、平成29年に本市の
総合防災マップを改定したところです。本市においても法改正を受けて、群馬県が見直した浸水想定をもとに
総合防災マップの改定を行い、昨年度公表したところでありますが、本市の
総合防災マップの特徴及び効果と情報周知の方法について伺います。
次に、市営住宅の
空き部屋対策について伺います。
市営住宅管理条例の改正について。市営住宅の空き部屋が年々増加傾向にあり、空き部屋の有効活用は住宅政策の重要な課題であると考えます。これまでも高齢者や障害者など、特別な事情のある方には単身入居を認めていますが、今回の同居親族要件の廃止については、さきの
建設水道常任委員会においても報告がありましたが、60歳未満の単身の住宅確保要配慮者の居住を確保するため、既に群馬県ではことし4月から県条例を改正し、県営住宅において運用を始めているとのことであります。さらに、県からは市営住宅においても早期に同様の改正を行うよう依頼があったと伺っております。このような状況のもと、中高年齢層の低額所得者に対する
住宅セーフティーネットの意味からも、今回の
市営住宅管理条例の改正は望ましいものであると理解しております。そこで、このたびの入居資格である同居親族要件を廃止することにより単身入居者は増加すると思われますが、入居に当たっての年齢や所得などの要件はあるのか。改正に伴い、新たに入居する人数などをどの程度見込んでいるのかについて伺います。
また、今回の条例改正は市営住宅の空き部屋の有効活用という観点からも大変重要な施策であると考えます。これまでも空き部屋が増加している団地を
学生向け住宅として活用している先進事例を紹介してきましたが、
空き部屋対策と
地域コミュニティーの活性化に取り組んでいる自治会は増加しています。本市には前橋工科大を初め、群馬大学、前橋国際大学など、複数の大学があります。入居率が低い周辺部の市営団地の地元自治会と連携しながら、
学生向け住宅の活用を進めるべきと考えますが、これまでの検討状況について伺います。
次に、社会教育施設について伺います。現在本市には275の町があり、285の自治会があります。それらの地域とかかわりを持つ
社会教育施設として中央公民館、地区公民館が15館、
コミュニティセンター5施設があります。中央公民館は全市域を、地区公民館は各地区を対象とし、また地区公民館のない本庁管内には
コミュニティセンターが設置されております。それぞれに各地域の生涯学習活動の拠点となっていると思いますが、その現状について伺います。また、現在進行中の南橘、永明公民館の整備状況について、加えて図書館分館の整備状況もあわせて伺います。
以下は質問席にて行います。
5 【総務部長(根岸隆夫)】 最初に、平成30年度までの3カ年の行革計画に係ります評価でございます。前回より達成度が下がった理由の一つといたしますと、実績評価基準の見直しを行ったことによるものであるというふうに考えております。前回におきましては、目標完了、計画どおりに取り組みが進んだもののほかに、おおむね順調に進捗、ほぼ目標どおりに成果を上げているというものも達成したと評価しておりました。しかし、今回の計画の実績評価におきましては評価方法を見直し、予定どおりに計画に掲げた全ての内容を実施し、数値目標も含め達成したもののみを達成したと厳密に評価を行うことにいたしました。この結果、達成度は約68%となったものでございますが、未達成と評価しました施策の中には取り組みが進んだもの、全ての施策内容の実施までに至らなかったものや目標数値にわずかに届かなかったものもあり、計画全体の成果といたしましては一定の実績を上げることができたものというふうに考えております。
次に、民間委託の推進についてでございます。委託化が実施できました
市民課証明交付窓口、斎場管理の運営業務につきましては十分な準備期間を確保し、円滑な業務移行が図られたものと考えております。この委託状況につきましては、事業者との定例的な打ち合わせや事業者が実施します
利用者アンケートなどによりまして目的の効果がしっかりあらわれているかどうか確認を行ってまいりたいと考えております。一方、税証明窓口、職員研修業務につきましては、委託コストに課題があったことなどから、計画期間内における委託実施を見送りましたが、今後は委託業務範囲の見直しなどを行いながら委託化の検討は継続して行ってまいりたいというふうに考えております。
次に、本年度からの新行財政計画の施策の絞り込みの関係でございますが、これまでの行財政改革の推進により、各所属において取り組みが定着してきた施策や上位計画である第七次総合計画において位置づけられた個別の計画、さらには他の個別計画に位置づけのある施策は引き続き各所属の責任において取り組みを推進していくことが可能であると考え、この新計画で対象としないということとし、位置づける施策項目の重点化、明確化を図ったものでございます。
次に、現在の新しい計画の施策の進捗管理でございます。現計画は9年間の計画となっておりますが、スピード感を持って取り組むという視点で1つの施策項目の計画年数は3年以内というふうにしております。各施策について年度ごとに目標設定を行い、いわゆる
PDCAサイクルの考え方により実施内容に対する振り返りを行い、課題点等を整理しながら目標達成に向けて計画的に施策の進捗を図ってまいります。
次に、災害時の危機管理の関係でございます。最初に、本市の災害による被害想定と防災対策でございます。本市の地震の被害想定につきましては、
関東平野北西縁断層帯主部を震源とした地震による被害を想定しております。また、風水害については台風や夏季の大規模豪雨による降水によって水位周知河川である利根川を初めとする主要の5河川で発生する洪水被害や赤城南麓における土砂災害を想定しているほか、竜巻や突風による風害、また冬季の大雪といった雪害も被害の想定をしております。これらの災害につきましては、平成24年度に前橋市
防災アセスメント調査業務を実施し、この結果を被害想定と災害時対策に反映させた地域防災計画を策定し、毎年度必要に応じ改定を行うなど、万全な防災対策に努めているところでございます。
次に、災害時の応援協定の締結の状況でございます。本市で締結しました災害時応援協定は、公共団体では自治体、国の省庁等との間に21の
相互支援応援協定を締結し、災害時における相互支援体制を構築し、災害発生に備えております。また、民間企業との災害時応援協定は現在企業、法人、各種組合等との間に65の災害支援協定を締結しております。主なものといたしましては、食料、生活用品が16、物資の輸送関係が6、情報収集及び発信の関係が10、復旧工事の関係が7などとなっており、被災時に迅速な支援を受けられる体制を整備しております。
次に、災害の最後でございますが、
総合防災マップの特徴及び効果と情報の周知方法でございます。本市の
総合防災マップは、国による水防法等の改正を受け、洪水や土砂災害を想定した県の最新の防災データに基づき、水位周知河川の
浸水想定区域や
土砂災害警戒区域等の情報、さらには市指定避難所の情報を一体的に示した
ハザードマップとなっております。従来の冊子型を改め、A1のサイズとして家庭等の壁にも張りつけることができるよう工夫し、水害や土砂災害のリスクを明示することで災害に対する関心を深めるとともに、防災意識の喚起や適切な避難行動の実施を啓発することによりまして、災害時の被害軽減を図ることができるだけできるようにしたものでございます。また、
総合防災マップの情報周知でございますが、各家庭に配布したほか、市広報紙や
市ホームページで周知を行っております。また、今回の改定で
浸水想定区域として影響が想定される地区に対しては、自治会連合会の単位を基本として自治会長等に周知を図るとともに、各地域の自主防災訓練や
防災出前講座等においても周知に努めているところでございます。
6 【都市計画部長(高橋智嗣)】
市営住宅管理条例改正に伴う入居要件でございますが、まず年齢につきましては20歳以上の方を対象と考えております。所得につきましては、これまでと同様、原則月額15万8,000円以下の方を対象といたしました。また、新たに入居する見込みについてでございますが、市営住宅の窓口において年間数件の問い合わせがあり、また
社会福祉協議会においても同様の問い合わせがございます。この4月からスタートした県の状況を踏まえますと、年間で30件程度を見込んでおります。
続きまして、
空き部屋対策としての
学生向け住宅活用の検討状況でございますが、今回の条例改正によりまして若年の単身者、例えば学生も要件を満たせば入居は可能となりますことから、目的外使用としての
学生向け住宅の活用との整合を図っている状況でございます。今後の若年層の入居動向を踏まえながら、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
7 【指導担当次長(山中茂樹)】
社会教育施設の現状についてでございますが、中央公民館及び地区公民館では幅広い年齢層を対象に講座を行っているほか、さまざまな団体と連携して文化祭などの事業を行っています。
自主学習グループの活動を含めた年間の利用者数は、公民館合計で平成30年度はおよそ100万人でした。
コミュニティセンターでは、平成29年度から自主事業としての講座を開始したほか、文化祭なども行っています。
自主学習グループの活動を含めた平成30年度の利用者数は、およそ19万人でした。中央公民館、地区公民館及び
コミュニティセンターは地域とつながった社会教育の拠点施設としての役割を担っていると考えております。
次に、整備状況ですが、現在南橘公民館の本館改築事業と永明公民館の移転新築事業を進めています。昨年度着手した
南橘公民館本館の改築工事は、ことし9月末ごろの完成を予定しています。その後引っ越しを行い、11月上旬の供用開始を目指します。移転後の旧館は解体し、来年度に駐車場を再整備する予定です。永明公民館の移転新築事業は、昨年度に用地の一部を購入しました。今年度は、残りの土地の購入を進めるほか、用地造成や実施設計に着手します。なお、新しい永明公民館には図書館分館を併設しますので、これが完成しますと市内全地区に図書館分館ができることとなります。
8 【27番(笠原久議員)】
行財政改革推進計画について再度伺います。
実績評価基準の見直しを行ったということですが、目標指標があるものは定量的に評価できますが、指標がないものは何をもって達成とするのか判断が難しいのではないかと考えます。評価指標がない施策については、どのように評価を行ったのか、また評価の方法については再度見直しが必要であると考えますが、見解を伺います。
9 【総務部長(根岸隆夫)】 前計画の実績評価方法でございますけれども、施策の所管課によりますと1次評価、行政管理課による2次評価の後、3次評価として
行財政改革推進本部の幹事会及び外部委員であります2名の
行革アドバイザーからの意見を伺い、具体的な数値による評価指標がない施策につきましてはこうした各評価段階におきまして取り組み実績の内容により総合的な評価をし、最終評価としたものでございます。ご質問のとおり、施策の内容によっては必ずしも定量的な評価が行えるものではないということがございます。評価することが困難であるという課題がございました。そこで、現計画では定量評価ができない施策について、これまでの計画における達成、未達成及び取り組みの進捗状況の割合といった評価にかえ、各施策目標の実績内容を分析する中で施策項目の達成に向けてどのような進捗状況にあるのかを確認しながら、実績の評価をしていくこととしております。
10 【27番(笠原久議員)】 続いて、災害時の危機管理について再度伺います。災害時応援協定の内容については、災害時の人的支援、生活物資の提供、資材等の輸送、情報の収集と発信、ライフラインの復旧作業等、多岐にわたる分野での支援、協力を取り決めていますが、協定締結以降は協定相手先の事情次第では協定に定められた支援が実行されないことが懸念されます。このため、市は協定相手先に協定の継続や支援の実行性について確認を行っているか伺います。
11 【総務部長(根岸隆夫)】 本市では、災害時応援協定を締結いたしました自治体、企業等に対して毎年度照会を行い、協定の継続等を確認しておるところでございます。また、締結先に対しましては市の総合防災訓練への参加を依頼し、一部の協定締結先とは実動訓練を合同で行うといった取り組みも進めております。災害時応援協定は、締結することが目的ではなく、協定に定められた支援の実行性が担保されることが大切なことでございます。今後も協定締結先との連携や協力関係を深め、より実行性の高いものになるよう努めてまいりたいと考えております。
12 【27番(笠原久議員)】 続けて、災害時の危機管理について伺います。
警戒レベルの導入について、昨年度の西日本での豪雨災害を受け、国では中央防災会議のワーキンググループで水害、土砂災害からの避難のあり方について議論が行われ、最終的には年度末に避難勧告等に関するガイドラインの一部が改定されたところであります。この一部改定の中で、今年度の出水期から災害発生のおそれの高まりに応じてとるべき行動を住民が直感的に理解できるよう、5段階の警戒レベルが導入されたと聞いておりましたが、本市の防災施策において具体的にどのような影響があるのか伺います。また、ご参考までに、けさの
テレビニュースで今広島のある地域で降っている雨ですが、警戒レベルの数字が4という形で発表になっていました。前橋にこれが出ないようにお願いしたいのですが。
13 【総務部長(根岸隆夫)】 今年度から導入されます警戒レベルでございます。従来からの防災情報を危険度に応じて5段階に区分し、住民が防災情報の意味を直感的に理解しやすくし、かつ主体的な避難行動等をとることが可能となるように支援することを目的に導入することとされたものでございます。国が全国共通の制度として導入するものであり、今年度の出水期から運用が開始されることになっております。例えば現行の避難情報の発令基準であります避難準備、
高齢者等避難開始は警戒レベル3、避難勧告と避難指示は警戒レベル4と区分されており、それぞれを市が発令する際にはこの警戒レベルを付して発令をすることになりますが、避難情報の発令の基準自体に変更があるものではございません。なお、今まで避難情報の発令判断を行う際に参考にしております気象台や群馬県などから発表される情報には、
警戒レベル相当という情報が付されて発表されることとされております。
14 【27番(笠原久議員)】 市営住宅の空き部屋に関してまた伺います。
今回の条例改正を踏まえ、目的外使用の活用の検討を進めるとのことでありますが、入居を希望する学生の需要について把握する必要があると考えます。例えば前橋工科大学と協力して学生の希望を聞くなど、需要の把握に努めるのも一つの方法と思いますが、どのように考えるのか、今後の対応について伺います。
15 【都市計画部長(高橋智嗣)】
空き部屋対策の今後についてでございますが、まずは入居率の低い団地を対象として周辺にある大学や各種学校に対しまして市営住宅使用の可能性を伺いながら需要の掘り起こしを行い、
学生向け住宅としての使用について引き続き検討を進めてまいります。
16 【27番(笠原久議員)】 時間がもう何秒かなので、最後に現在進行中の社会教育施設ですが、整備をどのように行っていくか、また整備の順番はどのように考えているのか伺います。
17 【指導担当次長(山中茂樹)】 今後の
社会教育施設整備の予定についてですが、現在行っている南橘公民館と永明公民館の施設整備事業が終了すると公民館事業は一回りします。その後は、基本的に建てかえではなく、適切な改修により現施設の課題解消を行うなどして使用年数を延ばしていきたいと考えております。その際の整備の順番ですが、公民館の多くは災害時の現地災害対策本部や自主避難所として使われるということからも、建築等の年度を基本としつつ、耐震等の安全面で課題のある施設を優先して実施していきたいと考えています。
(34番 石塚武議員 登壇)
18 【34番(石塚武議員)】 質問の第1は、情報化の推進について。RPA、ロボティックプロセスオートメーションの活用です。先日新聞紙面でも取り上げられていましたが、今年度情報化の推進における取り組みの一つにRPAの導入を予定していると聞いています。RPAとはロボティックプロセスオートメーションの略であり、言いかえるとロボットを活用した事務処理の自動化であります。そこで、昨今民間において導入が進んでいると認識していますが、前橋市ではどのような活用を考えているのか、概要をお伺いいたします。
19 【政策部情報政策担当部長(大野誠司)】 これまで民間分野で先行してきましたRPAでございますが、この一、二年で行政分野での活用に乗り出す自治体もふえてまいりました。例えば提出された申請書に記載された情報をシステムに入力したり、あらかじめ作成した名簿から一人一人に送付する通知を印刷するといった自動化の事例が見られます。このように単純で大量反復を要する事務処理につきましては、早く正確に業務を完了することができる点が大きな魅力でございます。本市においてもこうした単純、大量反復性の高い事務において有効活用ができるのではないかと考えておりまして、今年度導入に向けた検証を行いたいと考えているところでございます。
20 【34番(石塚武議員)】 単純で大量反復性の事務にRPAを活用すれば、事務の効率化に大きく貢献するのではないでしょうか。ぜひ導入に向けた検証を進めていただきたいと考えますが、今後のスケジュールについてお伺いいたします。
21 【政策部情報政策担当部長(大野誠司)】 まず、今年度はRPAの有効性について見きわめるために情報政策課内の一部事務、具体的には事業者等から届く請求書から金額等を読み取り、支払い命令書の作成を行うまでの事務についてテスト的に運用したいと考えております。なお、この事務は庁内のほぼ全ての部署で行われているものでございまして、有効性が確認できれば全庁的に活用できるものと考えております。また、来年度以降には、例えば窓口において手書きの申請書を受理し、記載内容をシステムに手入力をするといった多くの部署で行われている定型業務においても検証できないかと考えております。他市における研究結果によれば、こうした申請書の記載内容を手入力する定型業務はある部署における業務のうち5割を超えるケースもあったと聞いております。RPAは、こうした事務において大幅な効率化を図ることができる可能性を秘めておりまして、我々としても実導入に向けた準備をしてまいりたいと考えております。
22 【34番(石塚武議員)】 RPAは、基本的には市役所の内部事務において活用が進むものと理解します。そこで、本格的な活用が始まれば今後どのような成果が期待されるのか、展望も含めてお聞きいたします。
23 【政策部情報政策担当部長(大野誠司)】 成果と展望についてでございます。今後我が国は本格的な人口減少時代の到来を迎えますが、限られた職員で市民サービスの維持向上をしていかなければなりません。そのためにマンパワーの補完につながるRPAについては、大きな可能性を感じているところでございます。こうしたことも想定し、今年度国が行う自治体行政スマートプロジェクト事業において本市と高崎市、伊勢崎市の3市の連携により、住民基本台帳業務におけるRPA等を活用した業務プロセスの効果測定を行うプロジェクトを提案したところ、先般採択の通知があったところでございます。これは、市民課の業務において、まずは現行の業務手順の分析を実施し、RPA等の効果的な活用について研究を行うことで他の自治体でも活用可能な業務改善に向けた標準モデルの作成を目指すものでございます。これらの研究を進めることで、RPAが担うべき業務がある程度明確になってくるのではないかと考えております。こうした業務をRPAに任せることができれば、職員は市民と対話し、ともに考え、住みよいまちをつくり上げていくといった政策的分野など、創造的で重要な役割をこれまで以上に果たすことができるようになると考えております。こうした今後を見据え、本市としてもRPAの導入に向けて、今から一歩ずつ歩みを進めてまいりたいと考えております。
24 【34番(石塚武議員)】 ぜひ着実な推進をお願いしたいと思います。
質問の第2は、水道ビジョン2015についてであります。昨年12月、水道法が改正され、新聞報道でも取り上げられました。水道水が生活に密着しており、住民の関心の高さを改めて感じました。安全な水を確実に、そして持続して供給するため、水道局では最も重要な指針として平成27年に水道ビジョン2015を策定しました。
そこで、この水道ビジョンに関連し、水道事業について何点か質問いたします。まずは、水道水のPRについてお伺いします。人口減少や節水機器の普及により、水道水の使用水量が年々減少していると聞いています。この減少を少しでも軽減する方策として、水道水の安全性やおいしさなどを市民や企業にわかっていただけるようPRすることも重要ではないでしょうか。水道局の広報紙、まえばし水道局だより、みずおとに水道水のおいしさや安全性、経済性などをPRする記事が掲載されており、楽しく読ませていただいております。この記事は、水道局若手職員が中心となってつくっていると聞いております。そこで、このようにさまざまな視点から今後も水道水の優位性などをPRしていくことは重要と考えますが、水道局の今後の考え方についてお伺いいたします。
25 【水道局長(井上敬二)】 水道水の安全性やおいしさなどをもっとPRしていくべきではないかというご質問でございますが、水道局といたしましても水道使用量が年々減少していく現在の状況を考えますと、水道水のよさなどをPRしていくことは非常に重要なことだと考えております。4月末に開催いたしました敷島浄水場の一般開放において浄水場カードを作成し、配布させていただき、先ほど議員さんからもお話がありましたまえばし水道局だより、みずおとでは、水道局若手職員の視点から水道水の魅力を伝えたいと考え、定期的に記事を掲載いたしました。ご好評をいただいたということで、そのご意見も参考にさせていただきながら、今後もどのように水道水のPRを進めるべきか、水道局内で検討を進めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、さまざまな機会を用いまして水道水の安全性や経済性などをPRさせていただき、水道水をより利用していただけるよう努めてまいりたいと考えております。
26 【34番(石塚武議員)】 ぜひおいしい水道水について、積極的なPRをお願いいたします。前橋市は、自己水である地下水と群馬県企業局から受水している利根川の表流水を水源とする県央第一水道、県央第二水道をバランスよく使用して給水していると認識しております。地下水は地下深くから水をくみ上げており、外気温の影響を受けにくく、水温が一定しています。また、大雨などの影響も受けず、地中でろ過が行われるため濁りが少なく、水質が良好という特徴があり、本市にとって非常に貴重が水源であり、今後もしっかりとメンテナンスを行い、大切に使用していく必要があると考えます。そこで、本市の自己水である原水水質の状況について、またあわせて地下水水源の保全について所見をお伺いします。
27 【水道局長(井上敬二)】 まず初めに、自己水源の原水水質の状況でございますが、市内には数多くの水源があり、水質も地域によってさまざまであり、年によっても多少の変動がございます。水道局では、現在年4回定期的に自己水の水質試験を行っており、過去からのデータも含め、厳しく水質の状況を管理し、水質基準をクリアした安全な水道水を供給しております。今後も確実に水質試験を行い、原水水質の状況を管理してまいりたいと考えております。
次に、地下水水源の保全についてでございますが、環境保全の観点から過剰揚水を回避するため、隔年で揚水量試験を実施し、井戸の能力を正確に把握した上で十分に余裕を持った適正な揚水量で井戸を運用しております。今後も本市にとって貴重な水源である自己水を将来にわたり使用していくために、適正利用に努めてまいりたいと考えております。
28 【34番(石塚武議員)】 次に、安定給水のための施設整備についてお聞きいたします。
市内には36カ所の浄水場と12カ所の県央水道の受水場があり、配水池は83カ所、減圧槽は10カ所と全国的に見ても非常に多くの施設を稼働して、安定的に水道水を供給していると聞いています。全ての施設を停止することのないように稼働させるには、日々の点検や修理にたゆみない努力をされているものと思います。水道水は、日常生活や企業活動に不可欠なものであることから、日ごろから安定して安全な水が届けられなければなりません。そこで、どのような維持管理を行っているのかお伺いいたします。
29 【水道局長(井上敬二)】 施設の維持管理についてでございますが、施設の故障は直接給水停止につながるおそれがあることから、特にポンプ、計装設備、電気設備を中心に故障等が生じないよう日々の点検や定期的な調査を実施するとともに、必要に応じて的確に修理や改修を行い、安定給水に努めております。毎年非常に多くの施設や機器類において修繕を行っておりますが、例えば水道水を一時的に貯留する配水池におきましては池内部の調査を実施し、平成20年度以降の実績といたしまして31カ所での防水工事を完了させ、未然に漏水防止を図り、安定給水に努めているところでございます。
30 【34番(石塚武議員)】 今後も適切な維持管理をお願いいたします。現存する施設を維持管理し、可能な限り延命化することは大変重要なことと思います。しかしながら、いずれ施設も老朽化により延命することが困難となり、更新を迎える施設が多くなっていきます。さらに、人口減少や近年浄水技術の向上から病院やホテル、工場等において災害時等に水道水が供給停止しても水を地下水から確保できるよう、また平常時でも低コストで地下水を使用する事業者が増加していることにより給水量の減少も見込まれています。近い将来必要となる施設の更新時には、将来の給水量を予測しながら施設の再編成及び統合も必要と考えますが、今後の施設更新はどのような考え方で行っていくのかお伺いいたします。
31 【水道局長(井上敬二)】 今後の施設更新についてでございますが、給水量が年々減少傾向にある現在では全ての施設を現在の能力や規模のまま更新することは多くの施設を保有する本市にとって財政的な負担が大きく、困難な状況でございます。そのため、施設更新に当たりましては施設の統合や廃止、ダウンサイジング等を検討することが喫緊の課題であると位置づけております。一方で水道水は生活に不可欠であることから、施設更新の際費用対効果のみで判断することはできない側面がございます。水道水を使用する市民や企業に不便がかからないよう、将来的な給水量を予測することも欠かせない重要な要素と考えております。また、水質の悪化や渇水時などのことを考えますと、水源を地下水または県央水道の一方のみに頼らず、自己水の供給能力の維持に努めながら県央水の活用を考慮し、バランスよく供給することが重要であると考えております。
32 【34番(石塚武議員)】 次に、災害対策の推進についてお聞きいたします。
自己水と県央水をバランスよく活用し、施設を適切に維持管理することが大変重要と考えますが、災害時には施設の機能停止に陥ることも想定しなければなりません。自己水と県央水をバランスよく活用するため相互を補完することも重要であります。そこで、災害対策の推進の中で災害時のバックアップ機能強化という表現がありますが、これらの対応をどの施設でどのような対策を行うのかお伺いいたします。
33 【水道局長(井上敬二)】 施設のバックアップ機能強化についてでございますが、災害時には施設の機能低下や停止に陥る危険性があることから、施設間を相互に補完する機能を整備し、リスクの低減に努めております。例えば大胡地区にあります東金丸第2浄水場と宮城地区にございます堀久保浄水場との間に連絡管を整備いたしました。このことにより、これまで単独で水道水を供給していた2つの水系が緊急時に水を相互に供給することができるようになりました。同時に宮城地区の苗ケ島原配水場と粕川地区の中之沢浄水場にも連絡管を整備しております。今後は、富士見地区の浄水場、受水場間におきましても補水によるバックアップ機能強化に取り組む予定となっております。
34 【34番(石塚武議員)】 災害時には施設だけでなく、水道管も断水により水道水を供給できなくなることも想定をされます。水道管の損傷により漏水が発生し、健全な状態である配水池の水道水が漏出しないように緊急遮断弁を設置し、貯水機能を設けていると承知しております。これらの状況下において断水が発生した場合には、配水池に貯水した水道水の応急給水が必要であり、また隣接する自治体との間に設置した相互連絡管は応急給水には欠かせない施設と考えます。そこで、どの程度の災害を想定し、どのような応急給水体制をとっているのかお伺いいたします。
35 【水道局長(井上敬二)】 初めに、災害の想定についてでございますが、災害に備え地震災害時等応急対策マニュアルを策定しており、関東平野北西縁断層帯における地震規模マグニチュード8.1の災害を想定しております。次に、応急給水体制についてでございますが、応急給水基地として市内15カ所の浄水場で配水池に貯水した水道水を給水タンク車で医療施設や避難所等に応急給水するほか、今年度から着手する予定の敷島浄水場新配水塔には災害時に必要となる水道水の備蓄能力を備え、災害時の応急給水の拠点とすべき整備をする予定でございます。また、給水ステーションとして市内5カ所の浄水場で非常用給水栓等を設置し、応急給水ができる体制を整えております。さらに、隣接する自治体と相互連絡管を設置いたしまして、緊急時には給水が可能となっており、高崎市との間では東地区、元総社地区の2カ所、伊勢崎市との間では永明地区、城南地区の2カ所の計4カ所で整備を行っております。今年度は吉岡町との間で総社地区において整備を行い、緊急時には市域を越えて相互給水できるよう応急給水の体制を整えてまいります。
36 【34番(石塚武議員)】 次に、お客様サービスの向上であります。大きな建物や高層の建物には貯水槽を設置し、ポンプで給水する方式と、貯水槽を設置しない直結給水方式があり、直結給水には配水管の水圧のみを利用する直結直圧給水方式と増圧ポンプ設置による直結増圧給水方式があると認識しています。貯水槽方式では、貯水槽の定期的な清掃を行わない等の不十分な維持管理による衛生問題が発生して、厚生労働省でも直結給水を推奨しています。前橋市では、平成18年3月から直結増圧方式で10階建て程度まで給水可能としていましたが、平成30年第1回定例会の総括質問において直結増圧給水方式の規制緩和について質問したところ、当局において検討いただき、本年4月より高さ65メートル以下で16階建てまで緩和されることになりました。直結給水が拡大されることにより、例えば今後市内小中学校の建てかえ時には直結給水が採用され、子供たちに良質な水を供給することができ、水道水の信頼を高め、未来を担う子供たちが蛇口から直接水道水を飲む文化を育んでもらえるものと期待しているところです。そこで、規制緩和によりどのような効果が期待できるのかお伺いいたします。
37 【水道局長(井上敬二)】 直結増圧給水方式の規制緩和の効果についてでございますが、直結増圧方式について水道局としてさまざまな検証を重ねまして、本年4月より前橋市直結増圧式給水設備設計施工基準や関連する指針等を改正いたしました。貯水槽式給水は、一時的な断水が困難な建物や災害時の貯水機能として有効な給水方式でございますが、貯水槽の管理が不十分な場合不衛生な水道水となる事例がございます。今回の改正では、周辺の配水管布設状況や水圧等により直結増圧方式が採用できないケースもございますが、高さ65メートル以下かつ16階建てまでの住宅、事務所、店舗等併用住宅、倉庫、教育施設、福祉施設等と対象施設も拡大したことからも今後建設される建物の多くに採用され、より一層安心して水道水をご利用いただけるものと期待しております。
38 【34番(石塚武議員)】 質問の第3は、環境基本計画について。まずは地球温暖化対策であります。前橋市では、昨年環境基本計画を改定し、地球環境保全のための施策で地球温暖化対策等の推進を目標に掲げています。地球温暖化対策等を推進するため、平成13年度に前橋市地球温暖化防止実行計画を策定し、温室効果ガスの削減に取り組んでいるほか、第七次総合計画においても温室効果ガス削減を目標に掲げていると認識しています。そこで、本市における温室効果ガスの排出量の状況についてお伺いいたします。
39 【環境部長(南雲厚)】 温室効果ガスの排出量についてでございますが、2018年度に公表いたしました2015年度分における本市の温室効果ガス排出量は252万2,000トンで、前年度比で1%減でございましたが、基準年度の2009年度と比較いたしますと14.2%の増という厳しい状況でございました。これは、東日本大震災による原子力発電所の事故を受けまして火力発電所の稼働率が上昇したことから、温室効果ガス排出量を算出する際に使用電力に乗ずる二酸化炭素排出係数が悪化したことが主な要因となっております。
40 【34番(石塚武議員)】 地球温暖化防止の取り組みとして、本市ではさまざまな取り組みをしていますが、その一つとしてクールチョイスがあります。クールチョイスは、賢い選択を意味する環境省が進める国民運動であり、本市では一昨年に賛同宣言をしていますが、その取り組み状況についてお伺いいたします。
41 【環境部長(南雲厚)】 クールチョイスの取り組み状況でございますが、ホームページや出前講座などで運動の啓発をしているほか、各種イベントでリーフレットなどを配布しているところでございます。また、毎年クールチョイスセミナーを開催しており、昨年度はリサイクル工場の見学会を実施したほか、今年度は新たに広報まえばしで2カ月に1回クールチョイスを題材としたコラムを掲載することといたしまして、クールチョイスの普及啓発を図っているところでございます。しかし、啓発活動をしているもののクールチョイスの取り組みがなかなか浸透していない状況でございますので、今後も引き続きクールチョイスの啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
42 【34番(石塚武議員)】 次に、新エネルギーの導入促進について伺います。
地球環境保全のための施策の2つ目の目標として、新エネルギーの導入促進を掲げています。新エネルギーの導入促進につきましては、前橋市環境基本計画で位置づけているほか、まえばし新エネルギー導入アクションプランを策定し、積極的に取り組んでいると認識しています。そこで、本市における新エネルギー導入状況についてお聞きいたします。
43 【環境部長(南雲厚)】 本市の新エネルギーの導入状況でございますが、本市における2017年度末現在の太陽光発電、風力発電、小水力発電及びバイオマス発電の総発電容量は約23万7,000キロワットで、前年度と比較いたしますと約4万5,000キロワット増加している状況でございます。本市では、まえばし新エネルギー導入アクションプランにおきまして2020年度末までの目標値を30万7,500キロワットとしておりますので、達成率といたしますと2017年度末現在で約77%という状況でございます。
44 【34番(石塚武議員)】 まえばし新エネルギー導入アクションプランで掲げた目標に対して、2017年度末現在で達成率はおよそ77%という状況とのことですが、新エネルギー導入促進に向けたこれまでの取り組みについてお伺いいたします。
45 【環境部長(南雲厚)】 新エネルギー導入促進に向けたこれまでの取り組みについてでございますが、まず市有施設におきまして自家消費及び売電を目的とした太陽光発電を設置したほか、小中学校の屋根貸しによる太陽光発電の設置を導入するとともに、昨年は赤城大沼用水を活用したまえばし赤城山小水力発電所も完成し、8月から稼働している状況でございます。また、一般家庭向けに平成17年度から平成27年度まで太陽光発電の設置費助成を実施したほか、現在は平成25年度から太陽熱温水利用及びエネファームの設置に対して助成を行い、エネルギーの有効活用と省エネルギーの推進を図っているところでございます。
46 【34番(石塚武議員)】 要望させていただきます。
ことしから一般家庭での太陽光発電の固定価格買い取り制度が順次終了すると聞いています。固定価格買い取り終了後の価格買い取りが不透明な中、エネルギーの効率的な利用、災害時の電力確保の観点から、家庭用蓄電池の導入が有効ではないかと考えます。新たな助成制度として家庭用蓄電池に対しても助成を検討していただきますよう要望させていただきます。
次に、環境教育、環境学習の推進について伺います。地球温暖化対策と同様に、これからの時代を担っていく子供たちにとっても環境に関する意識を高めていくことは非常に重要であると考えますが、学校における環境教育の取り組みの状況とその効果についてお聞きいたします。
47 【指導担当次長(山中茂樹)】 学校における環境教育の取り組みの状況と効果についてですが、各学校では地域の特色を生かした取り組み、関係機関と連携した取り組みなど、各校の実態に応じた環境教育を進めております。具体的には校庭のビオトープに生息する生き物を観察し、生き物の生活しやすい環境について考える活動、地域に流れる河川の川辺での集会や親子清掃など、地域の環境への愛着を深める活動、児童、生徒会主体で進める学校緑化活動、児童文化センターで行われる5年生の環境教室や自然体験活動との関連を図った活動などが挙げられます。このような活動を通して、子供たちが日常行っているリサイクルや節電、節水の意味について考えるようになり、総合的な学習の時間などで下級生や地域の人に環境問題についての提案をする姿も見られております。子供たち自身が人と環境とのかかわりやその重要性を実感することで、環境に関する意識の向上や日常生活の中での実践力の向上につながっているものと考えております。
48 【34番(石塚武議員)】 次に、環境学習についてお伺いします。
環境教育、環境学習の推進や環境保全活動の活性化を目標に掲げ、環境教育、環境学習を推進するための重点施策として総合的な自然環境プログラムの実施を重点施策としています。前橋市における環境学習の実施状況とその効果についてお聞きいたします。
49 【環境部長(南雲厚)】 本市における環境学習についてでございますが、実施状況といたしますと桜やツバメ、セミの開花や確認状況などを報告いただくみぢかな季節かんじ隊や、家庭においてごみ分別や節電などをゲーム方式で取り組むまえばし環境家族などを実施しているところでございます。また、県内では初めてとなります、国の法律に基づく環境教育等における体験機会の場として認定したサンデンフォレストにおきまして、まえばし環境の学び舎事業として森づくりの体験授業などを実施しております。効果といたしますと、いずれも市民参加型の事業でございますので、みずから参加することで環境保全意識の高揚が図られるものと考えており、特にまえばし環境家族は児童だけでなく、家庭へも広がりを見せ、効果が大きかったとものと考えております。
(35番 岡田行喜議員 登壇)
50 【35番(岡田行喜議員)】 順次質問させていただきます。
初めに、赤城山の景観スポットについてお伺いします。現在時代は人口減少の局面に突入し、政府はこうした時代にあっても豊かな暮らしを持続するため、IoTやAIを駆使した技術革新を進め、来るべき未来社会のあり方を人類史上5番目の新しい社会、ソサエティ5.0に定め、こうした社会的革新が必要なのは確かなことでありますが、さきの東日本大震災や西日本豪雨などを振り返れば、いかに技術的な進歩があっても自然の力を前にして人は無力であることを実感します。しかしながら、時折私たちに脅威を与え、猛威を振るう自然ではありますが、一方で私たちの心を清め、穏やかな気持ちをもたらしてくれるのもまた自然の力であると思います。いかに時代が移ろうとも自然を敬い、自然を守るという姿勢はこの先も変わらず持ち続けていかなければならないと思っております。
さて、本市における自然の最大の象徴は赤城山であります。市内のどこから見ても赤城山が見えることから、私たちの日々の暮らしに寄り添うシンボルでもあり、目をつむって前橋を思い起こすとき、頭の中にイメージとして浮かぶ心象風景にもなっていると思います。また、市内にある学校の多くが校歌の一節に赤城山を使用しており、赤城山が視覚的なシンボルのみならず、幼少期を思い起こす郷愁感としても作用し、ふるさとを思い起こさせる効果もあると考えられます。こうしたことから、赤城山を背景とする景観は大切に守り、将来の世代へと引き継いでいかなければならないと思っております。そこで、以前に赤城山の景観スポットに関する提案をさせていただいたところでありますが、その後どのような施策展開があったのかお伺いいたします。
51 【都市計画部長(高橋智嗣)】 赤城山の景観スポットに関する取り組みについてでございますが、平成23年度から25年度にかけて実施いたしました赤城山百景写真コンクールの受賞作品につきまして、その作品の撮影場所を前橋市地図情報システム、さーちずまえばし上で公開しております。また、撮影の位置情報のみならず、写真データやタイトルもインターネット上でごらんいただくことができますので、赤城山の景観スポットをご紹介する取り組みの一つであると考えております。
52 【35番(岡田行喜議員)】 関連してお伺いします。
赤城山の景観スポットが地図情報として把握できることは理解できますが、昨今誰もがスマートフォンを持ち歩く時代になり、あらゆる情報をインターネットから取得できることを考えれば、ある程度の有効性はあると考えられます。それらの景観スポットを守るという観点からは、情報提供に加えてもう少し踏み込んだ取り組みが必要と思いますが、当局の見解をお伺いいたします。
53 【都市計画部長(高橋智嗣)】 景観スポットを守るための考え方でございますが、本市では今年度から景観保全の新たな仕組みとして景観資産登録制度の立案に取り組んでいるところであります。この制度は、本市が誇るべき景観資産を登録し、市内外への周知を図るとともに、それらの維持管理状況を把握しようとするものですが、登録する対象の一つとして風景、視点場を検討しております。制度の詳細は今後詰めていくこととなりますが、風景、視点場が登録対象になれば赤城山の景観スポットについても本市が誇るべき景観資産として登録できるようになります。また、登録された景観資産につきましては、毎年維持管理状況を把握いたしますとともに、本市の誇るべき景観資産として市内外へPRいたしますことで景観保全の意識啓発にもつながると考えられますので、現在の地図情報の提供から一歩進んだ形になるのではないかと思っております。
54 【35番(岡田行喜議員)】 関連してお伺いしますが、風景や視点でも景観資産ではあるという考え方は私もとても興味を持っております。その反面、例えば国や地方公共団体から文化財に指定された物件は建てかえや改修を自由に行えないといった制約がかかることになりますが、この景観資産登録制度でも何らかの制約が課せられることになるのか。また、風景や視点場は単体の建造物や樹木とは異なり、一定の範囲内にある物件は山や川などの自然物、道路や橋などの公共施設、住居や店舗などの民間施設、田や畑などの区別なく、全てに何らかの制約が課せられることになるのかお伺いいたします。
55 【都市計画部長(高橋智嗣)】 登録物件に対する制約についてでございますが、景観資産登録制度では登録物件の現状把握と所有者との連絡体制の確保を主目的としておりますことから、物件に対する制約は考えておりません。また、風景、視点場につきましてはご指摘のとおり一定の視野におさまる全ての物件が登録対象となりますが、建てかえや改修などの現状変更等に対する制約もございません。なお、風景、視点場の登録に際しましては、建物所有者などから広くご意見をいただいた上で事務を進めてまいりたいと考えております。
56 【35番(岡田行喜議員)】 それでは、関連してお伺いしますが、景観資産として登録されたとしても登録物件に制約が課されないということは理解できますが、それでは景観資産として登録された物件の将来の展望について何かお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
57 【都市計画部長(高橋智嗣)】 景観資産の将来展望でございますが、まず登録されました物件は
市ホームページなどに掲載するとともに、デザイン性の高いパンフレット形式に取りまとめて、本市が誇るべき景観資産として市内外に向けて発信していく考えでございます。また、登録された物件はその後の時間的経過の中で、例えば景観法が定める景観重要建造物へと格上げされることが考えられますし、歴史的な価値が認められれば登録有形文化財や指定文化財へと発展する可能性も考えられます。いずれにいたしましても、景観資産として登録することで本市の景観形成はもとより、まちづくりや観光振興の素材としても活用できるのではないかと考えております。
58 【35番(岡田行喜議員)】 新たな制度がまた始まるわけですけれども、先ほどの答弁の中にもありましたけれども、平成23年度、平成24年度、平成25年度の写真コンテストのこともありました、景観の関係で。今考えると、あれも私は、せっかく1,000冊もつくったものが今はもう多分本箱にでも入っているのではないかと。なかなか点から線、線から面というふうなことが見えない、私はそんな感じを持っております。今回このようなことは、全体としてやはり行政だけではなくて、地域の市民の方々、あるいは自治会を中心にでも景観スポットの位置を決めていくとか、そういうことが私は必要かなと、そんなふうに思っております。また、この登録制度に景観資産であるということが一目でわかるような、そんなプレートあるいは標識をできたらしていただければありがたいなと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、次に移りたいと思います。昨日も企業誘致の関係で質問がありましたので、少し角度を変えてお伺いしたいと思います。初めに、前橋市の財政状況に着眼してみたいと思います。これまでの決算関係の資料を見ると、例えば経常収支比率は各年度によって増減はあるものの、ここ数年は95%を超えております。80%を超える場合にはその財政構造は弾力性を失いつつあるとのことでありますので、財政の硬直化が懸念されるところであります。また、財政調整基金は残高の減少傾向が続いており、一言で言えば財政運営上、財政不足を基金の取り崩しで賄ってきた結果、直近の決算では一般的に適正とされる標準財政規模の10%を下回っている状況であります。こういったことに目を向けると、本市の財政状況に楽観視は禁物であります。明るい未来に向けたまちづくりや教育、福祉の充実のためには健全な財政が不可欠であり、そのためにあらゆる方策を講じて、財政状況の改善に取り組んでいくことが必要であると考えます。そこで、その方策の一つとして企業誘致が実を結び、新たな企業が市内に立地することにより、どのような財政的な効果につながると認識しているのかお伺いいたします。
59 【産業経済部長(関哲哉)】 企業誘致による財政的効果についての認識についてですが、直近の五代南部工業団地拡張事業では約6.8ヘクタールの新たな産業団地に7者の事業所が進出いたしました。現在操業準備中の事業所はございますが、進出企業を公募した際の当初の計画では、最終的にはこの拡張地でおおむね400人の雇用が生まれる見通しとなっております。企業立地の推進は、立地した企業からの固定資産税や法人市民税の税収増加はもとより、立地企業の生産活動及び既存企業の受注機会の拡大等による地域産業の活性化に加え、雇用促進に伴う従業員の日常生活での消費活動による地域活動の好循環など、さまざまな財政的効果があると認識しております。
60 【35番(岡田行喜議員)】 それでは、関連して人口減少や高齢化に対する効果についてお伺いします。
県都まえばし創生プラン策定に向けた市民の意識調査が2015年度に実施されたようであり、その結果を見ると人口減少や高齢化に対して前橋市が行うべき取り組みとして医療や福祉サービスの充実、子育て世帯への支援策の充実、電車やバス等の公共交通網の充実に並んで、企業誘致等による雇用創出を挙げた市民の割合が多かったと承知しております。企業誘致に対する市民の期待が高いことがうかがえるわけですが、企業誘致による雇用創出により本市における地方創生に向けてどのように人口減少や高齢化社会に対応していこうと考えているのかお伺いいたします。
61 【産業経済部長(関哲哉)】 企業の立地を促進することは、雇用機会の拡大につながるものと認識しております。雇用機会の拡大に伴い、定住人口が増加するとともに、生産年齢人口の構成割合が拡大し、地域の日々日常の場面はもとより、地域の祭りや催し物などの場面においてもより一層生き生きとしたコミュニティーが形成されるものと期待しております。また、それが地域の魅力となることにより地域の活性化につながる好循環が生まれ、こうしたことがひいては本市における地方創生につながっていくものと考えております。
62 【35番(岡田行喜議員)】 関連してお伺いします。
群馬県における企業立地の動向が好調を維持していることは、本市への企業誘致の推進にも追い風となっていると考えられます。ここで手をこまねいていることは、都市間競争力を失うことを意味することと思います。加えて、企業誘致の推進が財政的効果のみならず、人口減少や高齢化に対する効果にもつながると認識しているならば、今後も積極的に取り組むべきことであると思います。そのためには、企業誘致の受け皿となる新たな産業用地の確保が不可欠であり、最優先に取り組んでいる駒寄スマートインターチェンジ周辺産業団地の開発と並行して、そのほかの候補地の選定作業を進めていることは承知しておりますが、遅々として具体化が進まない印象があり、新たな産業団地の開発についての展望をお伺いいたします。
63 【産業経済部長(関哲哉)】 新たな産業団地といたしましては、駒寄スマートインターチェンジ周辺産業団地の開発を最優先に取り組んでいる考えに変わりはございません。そのほかの新たな産業用地開発につきましては、中長期的な視野で経済、社会情勢などを慎重に見きわめる必要はありますが、当面は西善、中内地区の主要地方道高崎駒形線の南側に接する区域において開発を進めたいと考えております。この西善、中内地区の農用地等、約5.8ヘクタールを計画区域と定め、令和2年の夏ごろに行われる第8回都市計画定期見直しにおいて東西に隣接する既存工業団地を含めて市街化区域に編入する手続を進めているところであり、まずはこの手続を完了させたいと考えております。市街化区域編入や用地買収などの手続が予定どおりに進めば、令和2年度内に進出希望企業に向けた事業提案型公募が開始できるものとの見通しを持っております。
64 【35番(岡田行喜議員)】 前橋市内への企業の立地が促進されることは、本市の健全な財政運営につながる固定資産税や法人市民税等の税収効果はもとより、新たに立地した企業の事業活動ばかりでなく、既存の企業の受注機会の拡大、新たな雇用拡大が生み出した従業員等による日常生活の消費活動など、さまざまな面から経済効果があると期待されます。また、新たな雇用機会の創出により定住人口の増加や地域の活性化にもつながるものと認識しております。また、新たな産業用地の開発について答弁をいただきましたが、東毛方面隣接の伊勢崎市や高崎、玉村方面では数十ヘクタールに及ぶ大規模な工業団地が開発されております。こうしたところを見ると、都市間競争力としてはまだまだ十分とは言えないと思っております。参考までに、伊勢崎の宮郷工業団地では58.2ヘクタール、高崎、玉村方面では34ヘクタールという面積になっております。それに比べますと、中内、西善の工業団地の予定は5.8ヘクタールということは大分面積としては開きもありますので、今後も各方面で努力していただきたいなと、そんなふうに思っています。また、西善、中内地区での新たな産業用地の開発に当たっては、前橋市全体の産業振興に資するを旨とすべきことは言うまでもありませんが、それと同時に地権者を初めとする地元住民や周辺の既存企業の意向も十分できる限り生かしていただいて尊重し、取り組まれるよう要望しておきたいと思います。また、新たな産業用地が確保されれば企業誘致の受け皿ができるわけですが、農業振興にとって重要な優良農地をせっかく転用して開発するのですから、企業が建ち並んだ新たな産業団地の将来の姿に夢を描くことも私は大事であると思っております。こういう企業誘致に向かっていく中で、やはり私は市長さんにも、特にみずから、自分の足を使って積極的に誘致活動も展開されることを要望しておきたいと思います。
次に、太陽の鐘についてお伺いいたします。太陽の鐘が寄贈に至った経緯として、所有者であった日本通運が学生や若者を初めとする、本市を盛り上げようとする市民の自発的な活動、前橋ビジョン発表会や前橋めぶくフェスなどの市民主体のイベントの開催等、市民がまちづくりに積極的に参加している本市の現状に共感を得たことが背景にあると聞いております。第七次総合計画の中で今後のまちづくりのキーワードを地域経営としている本市において、市民の新たなチャレンジを後押ししてくれるような太陽の鐘のメッセージ性には強く共感を得るものがあり、今後周知を強化する必要があると考えます。前橋市としては、創造や情熱をイメージする貴重な岡本太郎作品の寄贈を受けることになり、ただ全国に名前は知られているとはいえ、本市の活性化にどうつなげていくのか課題もあると思います。太陽の鐘は、市民の新たな活動を誘発し、設置され、昨年の3月末に完成式典を行い、約1年が経過しましたが、これまでの活用状況についてお伺いいたします。
65 【政策部長(稲田貴宣)】 太陽の鐘のこれまでの活用状況についてでございますが、市民の皆さんに太陽の鐘をついていただく機会を8回設け、延べ1,800名を超える方々に参加していただきました。そのうち主なものを挙げさせていただきますと、議員さんからお話のありました昨年3月31日の完成記念式典で500名、8月5日の前橋空襲一斉慰霊で60名、年越しの鐘つきで160名、ことし4月14日のツナガリズム祭りで700名、5月18日の広瀬川河畔緑の少年団総会で80名となっております。
66 【35番(岡田行喜議員)】 ただいま1年間の活動状況を聞きましたが、私は日常生活の中で市民から太陽の鐘という言葉を聞くことは少なくて、大変残念に思っております。人口減少社会の中で全国でまちおこし、地域おこしの声を聞き、地元の人々とともにまちや地域を元気づける活動が各地で成果を上げていると聞いております。行政と一人でも多くの市民が課題を共有できた地域には確実に活気がもたらされていることを感じます。これまでの実績を踏まえて、芽吹きのシンボルとしてイメージを確立するためには市民にとって身近な親しみを持ってもらえるような取り組みがより一層求められると思います。そこで、今後の活用策についてお伺いいたします。
67 【政策部長(稲田貴宣)】 今後の活用策についてでございますが、引き続き庁内各課や各種団体とも連携を図りながら、市民の皆さんに親しみを持っていただけるよう、行政主体の事業だけではなく、地元商店街や団体などにもお願いし、市民主体の事業での活用を進めるとともに、アイデア募集などを行いまして、市民の皆さんが参加しやすい事業を検討してまいりたいと考えております。また、実際に鐘をつくには事前の準備や当日の運営スタッフの配置などが必要となりますので、これまでの実績を踏まえまして、誰でも対応できるようなわかりやすいマニュアルの整備など、運用面での改善も必要であると考えております。
68 【35番(岡田行喜議員)】 ご努力はお願いしたいと思いますが、それでは未来に向けた新たな取り組みについてお伺いいたします。
行政主体の事業はもちろんですが、将来的に市民主体の事業や前橋市民のシビックプライドの醸成を図れるような取り組みをふやしていくことが太陽の鐘が市民にとって身近な存在、市民の鐘になる近道と考えます。そのためには、今後太陽の鐘が市民の鐘、前橋市のシンボルとなるような取り組みを行うことが必要であると思います。そこで、未来に向けた新たな取り組みについて当局の考え方をお伺いします。
69 【政策部長(稲田貴宣)】 未来に向けた新たな取り組みについてでございますが、市民の誇りや愛着を育むとともに、市民の鐘、前橋市のシンボルとして親しみを感じてもらうには市民の皆さんが直接太陽の鐘に触れられる機会が重要であると考えております。そのようなことから、鐘つきを希望する市民や団体が使いやすくなるような運用方法を検討するとともに、例えば人生の節目あるいは記念すべき日に利用していただき、思い出に残るような事業を実施できないか、関係者や市民の皆さんとともに検討してまいりたいと考えております。
70 【35番(岡田行喜議員)】 それでは最後に、要望を交えて、ひとつ私の思いも聞いていただければと思います。
私は、鐘というと童謡なら夕焼け小焼けとか、またこれはヨーロッパですけれども、ミレーの名画で晩鐘を思い出しますけれども、時計が1軒の家に幾つもある現代と違い、昔は洋の東西を問わず、お寺や教会の鐘の音が時刻を知らせる役割を果たして、生活と密接な時代もあったと聞いております。実は、ことし2月の新聞を見まして、イタリアのある農村の教会の神父さんが村の少子高齢化で教会の鐘が葬式ばかりに鳴るということでうんざりして、赤ちゃんが生まれるたびに長寿を祈り、教会の鐘を鳴らすことにしたいと村民に話すと、村民は最初大変驚いたそうです。ただ、多くの人がその後賛成したそうです。前橋市も太陽の鐘が市民の未来の鐘になるような、私は鐘を打つことも一つの策かと、そんなふうに思いますので、検討していただければと思います。貴重な岡本太郎作品の寄贈を受け、3,050万円を負担して設置した太陽の鐘の取り組みですから、一過性のものでなく、5年後、10年後にどのように生かされていくのかが事業を実施する上での大切な視点になると考えております。太陽の鐘の芽吹きのシンボルとしてのメッセージが未来を担う子供たちに語り継がれるように、乳児の誕生を祝う鐘つきの機会を月に1回程度、月の最終日曜日とか、あるいは大安の日にでも打ってもらうと大変市民に身近な鐘になるかと、そんなふうに思っております。参考までに、平成30年度の出生総数は3,241人だそうです。月に平均しますと270人になるそうですけれども、270の鐘を打つのは大変かと思いますけれども、何か市民に身近な鐘になることを心から要望しておきたいと思います。
次に、地域の諸課題について何点かお伺いします。上川淵地区では日本赤十字病院の移転から1年が過ぎ、この先も明桜中学校の開校が予定され、地域の活性化が期待されているところであり、地区内を通り、市街地と南部拠点を結ぶ都市計画道路城東朝倉線及び朝倉玉村線は今後ますます重要性が増していくものであると考えます。このうち城東朝倉線は、一部が文京町四丁目土地区画整理事業区域内に含まれており、事業地区内の沿線では多くの箇所で建物移転が行われ、事業が進んでいることを感じております。そこで、文京町四丁目土地区画整理事業の進捗状況についてお伺いいたします。
71 【都市計画部長(高橋智嗣)】 文京町四丁目土地区画整理事業の進捗状況についてでございますが、平成30年度末で仮換地指定率が92.8%、建物移転率が45.6%、道路施工率が21.8%であり、事業全体といたしましては33.7%の進捗となっております。
72 【35番(岡田行喜議員)】 ただいま進捗状況を答弁をいただきましたが、事業が着々と進んでいることはわかりますが、この事業は始まって10年くらいたっております。ただ、その中で、ではこの事業がどのくらいで着地するのかということなのですけれども、今の時点ではその時期は見えないということであります。そういう中で、区画整理を含めた中で今後この地域の活性化による交通量の増大も大変見込まれます。交通渋滞の解消や登下校時の子供たちの安心、安全の確保などを考えますと、歩道を伴う幹線道路の早期整備に向けてさらなる事業の進捗が望まれます。そこで、今年度の事業予定と今後の進め方についてお伺いいたします。
73 【都市計画部長(高橋智嗣)】 令和元年度の事業予定についてでございますが、建物移転23戸、道路工事334メートルを予定しております。今後の進め方につきましては、地元住民の方々のご理解、ご協力を得ながら、さらに建物移転や道路工事の進捗に努め、幹線道路が早期に整備完了できますよう事業を推進してまいりたいと考えております。
74 【35番(岡田行喜議員)】 関連してお伺いします。
城東朝倉線は、文京町四丁目土地区画整理事業区域内北側の両毛線高架から国道50号線までの区間では、現況では6メートルから7メートルの狭小幅員となっているため、事業区域内のみ拡幅整備を進めますと隣接するこの区間がボトルネック状態になることが予想され、懸念されます。そのため、この区間については早期拡幅整備に向けた対策をとるべきであると考えます。そこで、城東朝倉線の両毛線高架から国道50号線までの区間の道路整備をどのように進めていくのかお伺いいたします。
75 【都市計画部長(高橋智嗣)】 城東朝倉線の両毛線高架から国道50号線までの区間につきましては、議員さんのお話のとおり、文京町四丁目土地区画整理事業の整備に伴い、ボトルネック状態になることが考えられますので、当該地区の事業進捗状況を考慮しながら進めることが必要と考えております。また、この区間の整備につきましては地域の課題や地元の方々の意向を踏まえながら、まずは土地区画整理事業や街路事業等の事業手法について検討してまいりたいと考えております。
76 【35番(岡田行喜議員)】 大変な事業だと思いますけれども、この城東朝倉線から両毛線高架、国道50号線までの区間の整備は、私は将来に向かっても必ずやらなければならない事業だと思っていますので、早期の検討をお願いしたいと思います。
次に、関連してお伺いしますが、上川淵公民館の南東に位置する変則交差点についてお聞きします。この変則交差点については、昨年の11月議会でも質問させていただきましたが、地元でも危険な交差点として認識されております。令和3年4月をめどに春日中と広瀬中学校が統合され、旧天神小跡地に明桜中学校が設置される方向で進んでおりますが、統合により現在の広瀬中学校に通う生徒がこの変則交差点を通学路として利用すると考えられます。早期の安全対策が必要と思われますが、整備についての見解をお伺いいたします。
77 【建設部長(井口彰)】 上川淵公民館の南東に位置する変則交差点の件でございますが、ご指摘のとおり5つの道路が交差し、交差角度も鋭角な交差点であり、大変危険なため、路面標示等により安全対策を行っている状況でございます。また、前橋日赤病院の開院による交通量の増加、明桜中学校開校による歩行者、自転車の増加も予想されるため、生徒らが安全で安心して利用できる通学路として安全確保も必要と考えております。道路整備の手法として、通行規制による安全対策や用地を買収しての交差点改良など、あらゆる安全対策を検討してまいりたいと考えております。
78 【35番(岡田行喜議員)】 この変則交差点については、日赤の開院はなりましたけれども、その前から長い間要望しております。明桜中学校の開校も決まり、しかも日赤も開院になったということで、ますます周辺の方々にすると今までの思いがこの時点になって心配な場所だということで、地域の強い要望もありますので、どうかこの変則交差点については早急に取り組んでいただければと、そんなふうに思っております。また、この交差点につながるルートは前橋大島駅から前橋赤十字病院へのアクセスが向上し、公共交通機関の利用促進にもつながり、さらには明桜中学校の通学者の安全確保にもつながるルートでありますので、今後どのような整備を考えているのかお伺いいたします。
79 【建設部長(井口彰)】 前橋大島駅から前橋日赤病院までの新たな幹線道路の整備についてでございますが、前橋大島駅から病院までのアクセスにつきましては、現在では病院北側の江田天川大島線から前橋玉村線バイパスを経由するルートと、病院南側の市道00-101号線が主なアクセス道路となっております。ご指摘のルートにつきましては、既存の住宅地への車両の流入を抑えられることや、公共交通機関の利用促進と病院利用者の利便性向上といった観点から事業効果の高い路線の一つであると考えております。また、交差点改良により現在の広瀬中学校に通う地域の生徒の通学路の安全確保が図られることに加え、新たな幹線道路の整備により現在の春日中学校に通う地域の生徒の通学路の安全確保にも大きく寄与するものと考えております。整備につきましては、周辺地域の交通状況を注視し、地域の皆様方のご意見等もお聞きしながら効果的な道路整備を検討してまいりたいと考えております。
80 【35番(岡田行喜議員)】 関連してお伺いしますが、明桜中の隣には上川淵公民館があります。周辺の道路は通学の生徒や公民館の利用者がともに使うことになりますので、その安全についてどのように考えているのかお伺いいたします。
81 【指導担当次長(山中茂樹)】 明桜中が開校した後は、隣接する上川淵公民館と良好な連携体制を構築することが必要であると考えます。生徒と利用者への交通安全の啓発や周知なども明桜中と公民館が協力して取り組んでいきたいと考えております。
82 【35番(岡田行喜議員)】 関連してお伺いしますが、安全確保のためには道路を拡幅するのも一つの方法でありますが、広瀬団地方面から上川淵公民館北側道路を通学する生徒も多いと思います。上川淵公民館を別の場所に移転すれば道路の拡幅がしやすくなると思いますが、教育委員会としてはどのように考えているのかお伺いいたします。
83 【指導担当次長(山中茂樹)】 今後の公民館整備を進める際には、通学路の安全確保など、施設を取り巻く課題なども考慮して検討していきたいと考えております。
84 【35番(岡田行喜議員)】 最後に、要望させていただきますが、地区の課題として何点か関連の質問をさせていただきました。変則交差点につきましても、これは長い間の地元の思いでもありますので、どうか早急に結論を出していただければと、そんなふうに思っております。また、明桜中の開校予定をにらんで、上川淵公民館の敷地、この裏の道路もその変則道路から西へ旧玉村県道までつなぐと、私は1,000メートルぐらいあると思うのですけれども、私が10年前にそんな思いを語ったことがありますけれども、あのときはうちが1軒だったのです。それが今3軒、4軒とふえてきたのです。ですから、やはり費用対効果を考えるとやるべきところはやるときにやらなければだめだということも、私は10年たったらそんな思いがしております。ぜひ明桜中学校の公共施設、そしてまた公民館の関係、先ほども前の議員さんのときにも答弁にありましたけれども、公民館はなかなか建てかえが難しくなるような時代になっています。ただ、その中で永明公民館が仕上がると、一番古いのは上川淵公民館かなと、そんな思いもしていますので、ちょっと念頭に置いていただければと思います。それで、この関連で答弁をいただいて、みんなすばらしい答弁の文章なものですから、何かやってくれるのか、やってもらえないのだかはっきりわからないような、私にはとれない意味もありますので、この辺の答弁の総括で市長さんの見解がありましたら一言お願いできればと思います。
85 【市長(山本龍)】 新しい中学校への通学路、あるいは日赤の最寄り駅であるJR駅とのアクセス、さまざまなことを考えてもこの5差路がボトルネックだというようなことは私もわかっております。ただ、それぞれが答弁しましたように、そのボトルネックの解消と通学路の安全のためにやるべきことが何かというのは皆さんわかっているはずでしょうけれども、現有の施設も建っておったり、上川淵公民館の移転計画もまだ指導担当次長のほうでは白紙の状態でございましょうから、そういうことをきちんと頭に置きながら諸課題に取り組んでいく。その結果、議員のおっしゃるような課題解決につながっていくということでよろしいでしょうか。
86 【35番(岡田行喜議員)】 この交差点、くどいようですけれども、改良になりますと大変なメリットがあります。1つは、前橋大島駅から日赤へ行くのも今の5分の1ぐらいの時間で行けるのではないか。そして、前橋大島駅の乗降客の増加も私は必ずあると思います。そういうことが、中学生の安全な、安心して通れる道路、そしてまた後閑町の町内を通らないで日赤へ行くような状況にもなる。幾つかのメリットがありますので、どうぞ最後までよろしくお願いしたいと思います。
87 ◎ 休 憩
【議長(阿部忠幸議員)】 この際、暫時休憩いたします。
(午前11時42分)
88 ◎ 再 開
(午後0時50分)
【副議長(小曽根英明議員)】 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
(8番 角田修一議員 登壇)
89 【8番(角田修一議員)】 通告に従いまして、順次質問いたします。
まず、太陽光発電設備の税収についてお伺いいたします。東日本大震災以降、全国で太陽光発電が急速に導入されました。経済産業省資源エネルギー庁が公表している固定価格買い取り制度における再生可能エネルギー発電設備について、本市の導入状況については2018年12月末時点で設置件数1万4,427件、太陽光発電設備の導入容量内訳は、住宅10キロワット未満は1万475件で4万5,643キロワット、非住宅10キロワット以上は3,952件で21万896キロワットとなっております。太陽光発電設備は償却資産とみなされるため、条件によっては固定資産税の対象となります。個人で設置した10キロワット未満の屋根置き型の設備は事業用資産とみなされず、課税対象となりませんが、設置容量が10キロワット以上の場合は個人であっても売電事業用の資産とみなされるため課税対象となります。まず、太陽光発電設備の固定資産税の税収状況についてお伺いします。
以下、発言席で行います。
90 【財務部長(西澤秀明)】 太陽光発電設備に対する固定資産税の税収状況についてでございますが、現状のシステムでは太陽光発電設備だけを抜き出すことができず、正確な集計ができない状況であり、概算の数字になりますが、平成31年度当初予算におきましては太陽光発電設備に係る固定資産税収入は4億円程度と見込んでおります。
91 【8番(角田修一議員)】 本市の場合、平成28年12月1日から前橋市自然環境、景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例が施行され、市内の一部の地域、赤城山南麓の一部や土砂災害警戒区域などで再生可能エネルギー発電設備、太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱などの設置を行う場合は設置事業ごとに事前に前橋市の許可が必要となり、太陽光発電設備については全て、ただし建築物の屋根、屋上に設置するものを除き、特別保全区域内における再生可能エネルギー発電設備の設置事業が許可申請の対象となりましたが、特別保全地区以外においては許可申請の対象となっていないのが現状であります。また、住宅で新築、増改築時屋根に搭載された太陽光設備については、建築確認により設置の確認ができますが、それ以外の平成28年12月1日以前に設置された太陽光発電設備については届け出義務もありませんでした。そこで、固定資産税の対象となり得る太陽光発電設備を本市はどのように把握されているのかお伺いいたします。
92 【財務部長(西澤秀明)】 課税対象となる太陽光発電設備の把握についてですが、平成27年度及び平成28年度に経済産業省に照会し、情報提供された認定設備データにより調査を行い、対象者に対して申告を促し、課税いたしました。実績といたしましては、平成27年度は調査対象件数210件、課税件数36件、税額1,080万2,000円、平成28年度は調査対象件数623件、課税件数83件、税額1,986万1,200円でございました。
93 【8番(角田修一議員)】 経済産業省に照会し、情報提供された認定の設備データで確認をすると。これは、実際には需給上の送電されたかどうかの前の認定データかと思います。そういった中では、平成28年度の状況を見ましても623件対象があるということは前橋市としてもふえているという状況もわかりますし、そういった中では結構業務もふくそうしているのかと私自身考えております。
次に、農地は法律によって耕作、農作物を育てること以外の用途へ活用することが禁止されております。そのため、太陽光発電設備や建物建設などができず、農地として活用していない土地の中には他の用途へ転用せず、耕作放棄地として放棄されているケースも珍しくありません。そこで、農地転用が許可されれば太陽光発電を稼働できるようになるため、近年では太陽光発電設備の需要増加とともに転用件数も増加傾向となっています。農林水産省農村計画課が平成23年度に調査し、公表している平成29年度末までの農地に太陽光パネルを設置するための農地転用許可実績では、全国で農地転用し、設置する方式は4万6,105件、農地のまま農地の下部で営農を行いながら太陽光発電をする営農型の方式は1,905件となっております。そこで、本市における太陽光発電設備設置に伴う農地転用の実績についてお伺いいたします。
94 【農政部長(矢嶋章光)】 太陽光発電設備設置に係る農地転用の実績についてでございますが、地目変更を伴う太陽光発電設備の転用につきましては、平成31年3月末現在で582件となっております。また、農地のまま太陽光発電設備のもとで営農を継続する営農型太陽光発電設備の一時転用につきましては、平成31年3月末現在で16件となっております。
95 【8番(角田修一議員)】 農地転用によって実際に太陽光パネルが設置されたと、件数もふえているようでございますけれども、10キロワット以上であれば固定資産税の対象となるわけでございます。そういった中で太陽光発電設備設置にかかわる農地転用に伴う関係各課への情報提供について、漏れなく行われているのかお伺いいたします。
96 【農政部長(矢嶋章光)】 農地転用に伴う関係各課への情報提供についてでございますが、農地転用が許可となった際には許可内容を税務担当課へ情報提供し、税務調査資料として活用していただいており、連携を密に事務処理を行っておるところでございます。
97 【8番(角田修一議員)】 固定資産税の関係について、いろいろと質問させていただきました。
次に、所得税の関係ですけれども、太陽光発電設備の売電収入は雑所得となり、所得税の課税対象になります。太陽光発電での所得税に確定申告が必要な場合は雑所得が20万円を超えた場合でありますが、電力会社からの振り込みが年間20万円を超えていたとしても、経費部分を差し引いて20万円未満となるものであれば確定申告は不要であります。まず、太陽光発電設備における売電収入の所得税の本市の状況についてお伺いいたします。
98 【財務部長(西澤秀明)】 売電収入の所得税の本市の状況でございますが、所得税につきましては自主申告納税制の税でありますことや、特に雑所得では内容も多種にわたりますことから、具体的に太陽光発電にかかわる売電収入の状況について市では把握ができない状況でございます。
99 【8番(角田修一議員)】 太陽光発電設備による売電収入の所得税の申告は、確定申告において自己申告であります。10キロワット未満で住宅に設置された太陽光発電設備については、大半が申告は不要だと思われますが、太陽光発電設備の設置容量が大きければ申告が必要と考えます。また、10キロワット以上については固定資産税の対象となることから、全数、そして所得税については経費部分を差し引いて20万円以上であれば対象となります。太陽光発電設備に関する公平な税収の徴収においては、まず太陽光発電の設備による固定資産税の申告状況確認や固定資産税の対象とならない太陽光設備においても売電収入の状況把握が必要であると考えます。そこで、今後の本市の取り組み状況についてお伺いいたします。
100 【財務部長(西澤秀明)】 固定資産税に関しましては、現在償却資産の課税漏れの太陽光発電設備を把握するため、地方税法に基づき電力買い取り事業者に対し情報提供依頼を行っております。提供をいただいた情報をもとに、申告が必要となる者に対して申告を促し、公平で公正な課税を行い、税収確保に努めるとともに、設置件数などの把握にも努めてまいります。また、引き続き広報等で償却資産申告について周知を図り、申告を促してまいります。売電収入の申告につきましては、売電収入について正しい認識をいただくため、広報及びホームページに掲載するほか、新築家屋調査時にチラシを配布するなど、まずは申告を促し、公平で公正な課税を行い、税収の確保に努めてまいります。
101 【8番(角田修一議員)】 公平で公正な課税を行い、税収確保に向けて取り組むということでありますけれども、今回前橋市においては経済産業省のデータではなく、電力の取引、電力買い取り事業者に対してデータを提供いただくということでございます。しっかりとデータを確認した上で、申告漏れがないように促すような取り組みを求めておきます。
次に、化学物質についてお伺いいたします。有機フッ素化合物の一つ、ピーフォアについては20年ほど前まで焦げつかないフライパン、水をはじく衣類、消火剤等の製品にかつて使われていましたが、環境への蓄積性や発がん性などがあることがわかり、2019年5月、国際条約において汚染の原因となる物質として製造と使用が禁止されました。日本においても各地の河川や井戸などから検出されての情報があり、基準がないために対策がおくれているのが現状であります。まず、本市における河川及び地下水の水質について、現状どのような調査を行っているのかお伺いいたします。
102 【環境部長(南雲厚)】 本市における水質調査の状況でございますが、まず河川でございますが、公共用水域水質測定計画に基づきまして、河川流域の状況等を考慮いたしまして、調査地点を選定し、荒砥川、桃ノ木川の2点では毎月、利根川、粕川など22河川、40地点では年4回水質調査を実施しております。また、調査項目といたしましては環境基準として定められているカドミウム、シアンなど、人の健康の保護に関する項目とpH、BODなど生活環境の保全に関する項目及び亜鉛など水生生物の保全に関する項目を中心に測定を行っております。
次に、地下水につきましては地下水質測定計画に基づき、県内を4キロメートル四方の区画に分割いたしまして、そのうち本市に割り当てられている14地点におきまして年1回水質調査を実施しております。また、調査項目といたしましてはカドミウム、シアンなど地下水環境基準に定められている項目について測定を行っており、河川及び地下水とも測定結果を市のホームページに掲載しているところでございます。
103 【8番(角田修一議員)】 これは、NHKの調査によりますと、環境省も有機フッ素化合物について全国調査を行っておりますが、調査ポイントが都道府県当たり1カ所から3カ所、厚生労働省が監督している水道水については全国に6,400を超える浄水施設がある中で調査を行っている浄水施設は122カ所とのことであります。また、全国の都道府県の環境中の有機フッ素化合物の水質調査については6都県にとどまっているのが現状です。ピーフォアについては、血液中に長く残留し、健康への影響が出るまでに何年もかかるかもしれない状況も懸念されております。そこで、本市においても有機フッ素化合物による環境負荷の状況を把握するためにも、河川や地下水の水質調査等を行うべきと考えますが、本市の見解をお伺いいたします。
104 【環境部長(南雲厚)】 有機フッ素化合物であるピーフォアにつきましては、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準の項目ではないことから、これまでこの物質の水質調査は行っておりませんでした。しかし、国際的には規制対象となっていることから、国、県等における今後の状況等も見ながら水質調査の必要性を検討してまいりたいと考えております。
105 【8番(角田修一議員)】 2000年にアメリカで起きた健康被害で、大手化学メーカーが調理器具などをつくるために大量のピーフォアを製造し、排水にまじったピーフォアが川に流され、飲み水が汚染されたことが有機フッ素化合物ピーフォアの禁止のきっかけの一つとなりました。ピーフォアと健康の関連は、工場周辺の住民7万人の調査から明らかになり、住民からの血液中のピーフォアの濃度の平均はアメリカ人全体の20倍に達し、中でも血中濃度が高い人たちでは低い人たちに比べ甲状腺疾患、腎臓がん等の6つの病気の発症率が上昇しました。大企業はもちろんのこと、中小企業を含め、この化学物質を含んだ水が排出されることのないよう、環境汚染の防止に努めなければならないと考えます。そこで、本市における事業場の監視の現状と有機フッ素化合物であるピーフォアに対する考え方についてお伺いいたします。
106 【環境部長(南雲厚)】 初めに、事業場の監視の状況でございますが、水質汚濁防止法に基づく届け出対象の事業場のうち有害物質使用事業場と排水量が1日当たり10トン以上の事業場を中心に立入調査を行っておりまして、昨年度は97事業場を対象に調査を行いまして、排水基準が守られているか確認したところでございます。また、有機フッ素化合物であるピーフォアにつきましては、水質汚濁防止法に基づく排水基準の項目に入っていないため、現状では事業場における使用状況や排水の水質調査などは行っておりませんが、有機フッ素化合物を使用している事業場の排水につきましても河川や地下水と同様、水質調査を行うか今後の課題ではないかと考えております。
107 【8番(角田修一議員)】 有機フッ素化合物についての現状からすると、全く調査もしていないし、現状どういったものかも実際には把握されていないという状況の中で、これに限らずいろいろと有毒な物質というのがあるわけでございます。そういったものをちゃんとしっかりと今後も調査を含めながら、他市の状況を含めて、河川、地下水を含めて調査をお願いできればというふうに思ってございます。
次に、この質問の最後に水道水における有機フッ素化合物の調査についてお伺いいたします。沖縄県の水道水に深刻な汚染を及ぼしております。汚染原因は、米軍基地内の消火訓練場などで使用されている泡消火剤の中に有機フッ素化合物が含まれており、訓練等で周辺に漏出し、河川などに汚染が広がっている状況となっております。結果的に浄水場の取水源となっている河川が汚染されてしまったため、現在は活性炭などを使用して汚染物質を除去するとともに、有機フッ素化合物について定期的に水質検査を実施しているということであります。そこで、水道水の本市における有機フッ素化合物の調査状況についてお伺いいたします。
108 【水道局長(井上敬二)】 有機フッ素化合物の調査状況でございますが、水道水は水道法第4条の規定に基づき、水質基準に関する省令で規定する51の水質基準項目に適合する必要があるため、毎年策定、公表している水質検査計画に基づき水質検査を実施しております。しかしながら、有機フッ素化合物につきましては毒性の評価が定まらないことや、浄水中の存在量が不明等の理由から水質基準項目ではなく、要検討項目に分類されており、基準値や目標値も設定されておりませんので、現在調査を実施していない状況です。
109 【8番(角田修一議員)】 調査は特に実施していないという答弁であるわけでございますけれども、しかし現に沖縄県で水道水が汚染されている事例が発生していることなどを考慮すると、前向きに水質調査等の対策を講じるべきと考えますが、本市の見解をお伺いいたします。
110 【水道局長(井上敬二)】 有機フッ素化合物の水質調査でございますが、本市の水源周囲の土地利用等の状況を考慮いたしますと、水源が有機フッ素化合物に汚染されていることはないものと考えてはおりますが、沖縄県の事例もありますので、市内、県内の検査機関等に水質調査の対応が可能であるかなどの情報収集を始めたところでございます。いずれにいたしましても、有機フッ素化合物につきましては市民の皆様の不安を払拭するためにも厚生労働省や先進都市、群馬県などの動向を注視するとともに、日本水道協会とも情報交換を行い、水質調査の実施について前向きに検討してまいりたいと考えております。
111 【8番(角田修一議員)】 引き続き、調査研究を含めた中でしっかりと対応いただきますよう求めておきます。よろしくお願いいたします。
次に、広報まえばしについてお伺いいたします。近年情報通信技術は飛躍的な発展を遂げ、インターネットや情報通信ネットワーク化の進展により、誰もが簡単に情報を入手することが可能となりました。紙媒体である広報まえばしは市民に最も身近な市政情報を的確に市民へ伝える手段として重要と考えておりますが、毎号発行して終わりではなく、市民ニーズを把握し、よりよい広報紙に改善していくことが大切であると考えます。まず、本市は定期的に市民アンケートを実施しておりますが、市民アンケート結果では広報まえばしに対する市民の評価はどのようなものだったのかお伺いいたします。
112 【政策部長(稲田貴宣)】 直近で実施いたしました平成28年度のアンケート結果によりますと、市政情報を得る手段として広報まえばしと回答した方が約9割に上ることから、さまざまな市政情報あるいは地域に密着した情報の取得において、市民の皆さんの間では広報まえばしが有効に活用されているものと認識しております。なお、市民アンケートにおいて広報まえばしに関する市民の皆さんの具体的な評価についての質問を行ったことはございませんが、今後市民アンケートに限らず、他の手法も含めまして市民の皆さんのご意見、ご要望を広く伺う機会を検討してまいりたいと考えております。
113 【8番(角田修一議員)】 市民の約9割が市政情報を得る手段として広報まえばしと回答していると。現状を見ると、広報まえばしに対する市民の期待や信頼が高いことがわかるわけでございます。こうした市民の期待に応えるためには、主要な読者である市民の意見などを踏まえ、今までどのような充実策に取り組んでこられたのか、まずお伺いいたします。
114 【政策部長(稲田貴宣)】 広報まえばしに関する市民の皆さんのご意見、ご要望につきましては、現状では詳細に確認しておりませんが、前橋市への意見提案制度や市民編集委員の取材、編集作業などを通じて出された意見が紙面の充実、改善を図る機会であると捉えております。特に若者の活字離れや広報紙離れといった近年の傾向に配慮いたしまして、大学生など若い世代に市民編集委員になっていただき、若者目線による編集ページを掲載するなど、若年世代にも読んでいただける紙面づくりに努めているところでございます。また、ご高齢の方にも見やすいように配色や文字サイズを見直すとともに、ユニバーサルデザインフォントの導入や前橋市らしさを感じていただけるデザインの工夫などを行い、紙面の充実と見直しに取り組んでおりまして、市民の方から直接文字が大きくなって見やすくなったとのお電話をいただいたこともございます。
115 【8番(角田修一議員)】 現在広報まえばしに関する詳細な市民ニーズや市民要望については確認していないとのことでありますが、市民からの意見や要望を把握せず、一方的な情報を発信するだけでは広報紙のさらなる充実といった面からも難しいと考えます。例えば市政情報の発信に特化したアンケートの実施や市民モニター制度などにより、広報まえばしに関する市民ニーズを常に把握すべきと思いますが、本市の考え方についてお伺いいたします。
116 【政策部長(稲田貴宣)】 広報まえばしに関する市民ニーズの把握につきましては、先ほど申し上げました前橋市への提案、意見として広報に関する要望などを受けることもございますが、市政情報の発信に特化したアンケートや市民モニター制度につきましては現状実施しておりません。今後情報発信に特化したアンケートの実施なども含めて、他市の状況も参考にしながら、市民ニーズを的確に把握する手法について研究を進めてまいりたいと考えております。
117 【8番(角田修一議員)】 広報まえばしは、デザインや文字サイズの見直しにより充実した紙面になっていると考えますが、さらなる広報まえばしの充実の観点から、文字だけではなく、2次元コードをもっと活用し、広報まえばしから情報を取得している市民がスマホなどで詳細な情報を簡単に確認できるよう配慮すべきと考えますが、その点についてどのように考えているのかお伺いいたします。
118 【政策部長(稲田貴宣)】 広報まえばしにおける2次元コードの活用につきましては、現在においても一部の情報については活用を図っているところでございます。今後さらに読みやすく、わかりやすい、その時々で必要な情報や役立つ情報を発信していく広報紙づくりを進める中で、紙面の制限もございますが、2次元コードのより積極的な活用を通じた紙媒体と電子媒体の連携強化といったことも視野に入れながら広報まえばしの充実を図り、市民の皆さんにより多彩な情報をお伝えできる手法を研究してまいりたいと考えております。
119 【8番(角田修一議員)】 次に、自治会についてお伺いいたします。
自治会は、一定の地域に住む人たちが住みよい豊かなまちづくりを目指して、地域におけるさまざまな問題の解決に取り組むとともに、地域で触れ合いの輪を広げ、人々の連帯意識の向上を努めている自主的な任意の団体であります。しかし、中には災害も高齢者介護も先のことと思いたい地域住民の中には、マイカーとコンビニとSNSがあれば隣人とのつき合いは不要だと思われる住民もいると思われます。その背景には、日々の仕事や生活の中で今地域がどうなっているかの情報もなく、直接関係のあること以外はなるべくかかわりたくない、かかわる余裕もない、そういう住民生活の姿があると思われます。そして、都市部においては組織の加入率の低下や役員のなり手がないという組織存続の条件を欠く事態に追い込まれております。まず、時代とともに自治会組織も変化していると考えますが、本市の自治会の現状についてお伺いいたします。
120 【市民部長(平石秀樹)】 自治会組織についてですが、自治会長さんから伺っている話では役員の高齢化が進んでおりまして、担い手不足になっているとの声や、仕事を持つ現役世代ではなかなか役をこなすことが難しいとの声を伺っております。また、高齢化社会に加え、個を尊重する社会化が進み、加入率も伸び悩んでいるということも伺っております。毎年自治会長さんから自治会加入者の報告を受けておりますが、本市の加入率は平成29年度で89.1%、平成30年度で88.71%、平成31年度では87.93%と徐々に減少傾向にございます。高齢者の状況や人口の増加、地縁のつながりなど、地域によってかなり異なってきますが、就労状況や年齢など、自治会役員の構成状況は時代とともに変化しているものと思われます。
121 【8番(角田修一議員)】 地域の主人公は、そこに暮らす人々でございます。日常生活の場である地域社会には道路問題、青少年の非行防止問題、防災、防犯問題、公園、緑化対策など、生活環境を取り巻くさまざまな課題が山積しております。これらの問題は、個人や家庭での力で解決することが困難な問題であり、地域住民が協力し、力を合わせて解決することが重要と考えます。最近自治会組織が先細りになっている地区もあると感じております。それでは、本市において自治会を活性化させるためにどのような支援を行っているのかお伺いいたします。
122 【市民部長(平石秀樹)】 自治会を活性化させるための支援についてでございますが、自治会の活動は自治会独自の事業もありますが、市のさまざまな部署に関連した事業もございます。広報などの情報伝達事業、防災事業、防犯事業、環境美化事業、高齢者地域交流事業、青少年健全育成事業、生涯学習奨励事業など、さまざまな事業が挙げられます。これらの事業は、それぞれの部署で支援を行っておりますが、自治会支援の代表的なものとしましては一括交付金が挙げられます。一括交付金は行政連絡事務事業、高齢者地域交流事業、環境美化活動等に伴う事務事業及び生涯学習奨励事業の4つの事業の経費が対象となり、交付金の使い方についてはこの4つの事業の中で各自治会の裁量に委ねられております。また、地域の交流を活性化するためには集う場所が必要となります。コミュニティーの場をつくるための支援としまして、町内集会施設を整備するための費用を補助する事業も行っております。市政を円滑に運営し、まちを活性化するためには、行政と対等なパートナーである自治会と行政は連携を密にしていく必要があると考えております。支援方法はさまざまな方法がございますが、これらの交付金等をうまく活用しながら財政的な支援を行うとともに、地域担当専門員制度や各支所、市民サービスセンターなど、さまざまなチャンネルを活用しながら、引き続き自治会の支援を行っていきたいと考えております。
123 【8番(角田修一議員)】 今市民部長がおっしゃったように、いろんな事業を自治会のほうでも対応し、その中で自治会役員さんが頑張っている。そういった中では、やはり高齢化という部分が大きな問題ではないかと私は思っていますし、しっかりと行政とタイアップしながら検証をやるべきと思うし、ある程度事業が各所管、所管から出ていること自体は認めるものの、ある程度統括するところがあってもいいのかというふうに思ってございます。自治会の意見を踏まえた中で、もっと活性化できるようにぜひご支援を求めておきます。
続きまして、自治会の法人化についてお聞きしようと思ったのですが、ちょっと時間もございませんので、自治会と外国人住民との共生について先にお伺いします。最近外国人の方を地域で見かけることが多くなりました。また、外国人留学生がコンビニやアルバイト、そしていろんな飲食店等で働いている姿を多く見かけます。地域によっては、外国人住民との接点もなく、災害時などを考えると自治会と外国人住民との共生は今後大切なことと考えますけれども、本市の見解をお伺いいたします。
124 【市民部長(平石秀樹)】 自治会と外国人との共生についてでございますが、外国人にとって自治会はなじみのない文化ではないかと思われます。地域の自主的な横のつながりは、日本のよき伝統文化ではないかと考えております。地域によっても外国人の増減は変わってきますが、地域で温かく受け入れてもらえるよう、各自治会へ働きかけを行っていきたいと考えております。
125 【8番(角田修一議員)】 外国人との共生ということについて、今後大きな課題になろうかと思いますので、しっかりと行政も、市としても検討をお願いできればというふうに求めておきます。
次に、最後に食農教育についてお伺いさせていただきます。食農教育とは、食事の多彩な役割の重要性を伝えていく食育に加えて、食を支えている農業に関しての知識や体験などを含む教育のことを指しているということでございます。聞きなれないことではございますけれども、実態として今JAさんのほうでいろんな取り組みをされているようであります。教育委員会として、食農教育についてどう考えているのか最後にお聞きしておきます。よろしくお願いします。
126 【指導担当次長(山中茂樹)】 食農教育についてですが、その一つとして各学校では給食の時間や家庭科、学級活動などの事業において元気まえばし食育プランも踏まえて、望ましい食習慣の形成に向けて食に関する指導を行っております。特に地産地消を推進している学校給食の献立は、本市の特徴でもあります。また、食を支える農業については社会科を中心に日本の農業の様子を学ぶほか、地域の農家の方の協力を得ながら米づくりや野菜づくりなどの農業体験を実施している学校もございます。このような体験活動を通して、子供たちは農作物の栽培や食料に対する関心を高めたり、生産者の苦労や収穫の喜びを感じながら農業への理解を深めたりしております。このように食農教育は、食育の一環として有効であり、地域の特色を考慮し、学校が編成する教育課程に適切に位置づけて行うことが重要であると考えております。
(22番 鈴木俊司議員 登壇)
127 【22番(鈴木俊司議員)】 順次質問をさせていただきます。
初めに、前橋市立地適正化計画について伺います。現在我が国は、人口減少や高齢化を背景として高齢者や子育て世代にとって安心できる健康で快適な生活環境を実現すること、財政面において持続可能な都市経営を可能にすることが大きな課題となっています。本市においても本年3月末に立地適正化計画を策定し公表していますが、人口減少、高齢化社会の進展といった課題に対し、本市の計画ではどのような考えのもと対応を図っていくのか伺います。
128 【都市計画部長(高橋智嗣)】 議員さんのご指摘のとおり、全国的に人口減少や高齢化は進展しており、そのような中、将来にわたり持続可能なまちづくりを進めていくことは本市にとっても大きな課題となっております。そのため、前橋市立地適正化計画では高齢者を初めとした市民が徒歩や自転車、公共交通により医療、福祉、商業施設といった都市機能施設に容易にアクセスができるなど、コンパクトシティープラスネットワークの考え方によりまして鉄道駅や都市機能施設がある程度集積している地区を定め、必要な施設を誘導し、また比較的運行頻度の高いバス路線沿線に住民を誘導するなど、公共交通対策と連携したまちづくりを推進するものとしております。
129 【22番(鈴木俊司議員)】 本市が立地適正化計画を定めたことにより、コンパクトシティープラスネットワークの考え方に基づき、徒歩や自転車、公共交通によって容易に病院や商業施設などにアクセスできるなど、高齢者を初めとした市民が安心して日常生活を過ごすことが可能になるよう取り組みを進めていただきたいと思います。また、こうした取り組みは当然ながら本市全域において進めるべきものと思いますが、本計画では富士見地区については現段階では計画区域に含まれていないものとなっております。そこで、どのような理由で計画区域に含まれていないのか見解を伺います。
130 【都市計画部長(高橋智嗣)】 立地適正化計画の区域につきましては、都市計画区域全域を対象とすることが基本でありますので、本市においては前橋都市計画区域、前橋勢多都市計画区域及び富士見都市計画区域を対象としております。しかしながら、富士見地区につきましては合併後10年間は土地利用を現行の制度とすることとされておりました。そのため、現在令和2年度を目途に富士見都市計画区域を拡大するとともに、前橋勢多都市計画区域への統合を予定しておりますことから、現段階におきましては立地適正化計画の対象区域には含めないこととし、本計画を策定いたしました。
131 【22番(鈴木俊司議員)】 今後も人口減少や高齢化が進行していく中、持続可能なまちづくりを進めていくためには富士見地区においても立地適正化計画の区域に入れていく必要があると考えます。そこで、当局としてはどのような段階において富士見地区を計画の区域に含めようとしているのか、考えを伺います。
132 【都市計画部長(高橋智嗣)】 人口減少、高齢化の進展といった課題は本市全体の課題であり、富士見地区におきましても立地適正化計画の方針に基づき、持続可能なまちづくりに向けた各種取り組みを推進していく必要があると考えております。富士見地区を立地適正化計画の区域に含める段階についてでございますが、まずは令和2年度に予定しております富士見都市計画区域の拡大、前橋勢多都市計画区域への統合を行った後、おおむね5年ごとに群馬県が実施する都市計画基礎調査の結果等を踏まえ、富士見地区の現況整理や将来の動向について分析を進め、検討してまいりたいと考えております。
133 【22番(鈴木俊司議員)】 今後も少子高齢化が進み、人口もさらに減少が予測される中、コンパクトなまちづくりを進め、暮らしやすい前橋市を築き上げていくことは大変重要なことだと思っております。今後の社会情勢を的確に見きわめ、引き続き持続可能なまちづくりを進められるよう、また適切な時期に富士見地区を含んだ計画の策定をお願いいたします。
次に、観光振興について伺います。来年は観光企画のデスティネーションキャンペーンや東京五輪、パラリンピックがあることから、官民を挙げて赤城の魅力を国内外に発信するよい機会と思っております。そこで、白樺牧場の活用について、昨年度から羊の放牧が開始されましたが、現状についてお伺いいたします。
134 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 羊の放牧につきましては、昨年の9月から環境適応を目的に試行的に放牧を実施し、冬季を迎える11月からは麓において飼育を行いまして、今年度は6月1日から本格的に放牧を開始いたしました。放牧開始に先立ちまして、赤城山の新たなシンボルとなるよう、羊の名前の募集を行いましたところ、122通の応募の中から大変かわいい素敵な名前をつけていただきまして、放牧開始の6月1日には命名式を実施いたしました。命名式では、ことしの春に刈り取った羊の毛を活用しまして、地域おこし協力隊員が作成しました人形を命名者のお礼の一つといたしましたところ、大変好評をいただいております。また、ご来場いただきました皆様には羊毛の活用方策の一つとしまして羊毛を使ったマスコットづくり体験を楽しんでいただいたところでございます。
135 【22番(鈴木俊司議員)】 羊も観光大使として一役買っていると思いますが、今後羊のさらなる活用方策について伺います。
136 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 羊の餌となります牧草の生育状況や補食状態などを検証しながら、安定した飼育体制の確立と羊を活用した新たな誘客イベントの創出、羊関連のグッズの開発、販売などによりまして、スローシティ区域でございます赤城山山頂の活性化を図ってまいりたいと考えております。また、今年度の放牧終了後には餌となる牧草の検証結果の分析を行いまして、羊の個体数の増加に向けた可能性に関する協議を実施いたしまして、次年度の放牧につなげてまいりたいと考えております。さらには、仮に将来個体数を調整するようなレベルまで可能性が見通せるようであれば、また新たに羊を活用した赤城山の名物として検討を進めていく必要が出てくるものと考えております。
137 【22番(鈴木俊司議員)】 スローシティを掲げる本市や周辺6市村の連携を初め、官民一体となった広域的な観光ルートも計画されているようでありますが、赤城山の魅力をさらに高め、観光振興に取り組んでいただきたいと思います。
次に、厚生団地の活用について伺います。赤城山頂のほとんどが県有地であり、県立赤城公園として整備されていますが、民間企業等の福利厚生施設団地として昭和37年に開発されたもので、施設建設用地を低廉な地代で貸しております。ここ3年ぐらいは新規の借り手はなく、又貸しはあるようであります。このような状況の中、赤城山頂の厚生団地は企業の保養所が撤退し、空き地が目立ってきておりますが、有効活用についての考えをお伺いいたします。
138 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 厚生団地は、県立赤城公園内の県有地でございまして、現在県の自然環境課が所管しておるところでございます。昭和50年代のピーク時には45の施設がございまして、通年で管理人が常駐しておりました。しかし、近年では10施設まで減少し、ご質問のとおり利用されていない土地が目立ってきております。近隣のキャンプ場は、多くのお客様が訪れにぎわっておりますが、管理人がいないため、無秩序な利用が後を絶たない状況で、ピーク時にはキャンプ場には入れない人が大沼の水辺や厚生団地の利用されていない土地に無断でテントを張っており、地元から何とかしてほしいという意見もございます。これまでも県に対しましてキャンプ場などとして活用できますよう、厚生団地の再整備をたび重なる要望と協議を重ねておりますが、増加する赤城山観光客にスローシティ、自然、食をより肌で感じていただくためにも良質なサービス提供の一つとしまして、安全、安心なキャンプ場の利活用は喫緊の課題でありますことから、現状を少しでも打開できますよう、地元関係者と一体となりまして実現に向けて協議を進めてまいります。
139 【22番(鈴木俊司議員)】 バブル期にはたくさんの利用があり、45の施設がありましたが、10施設まで減少とのことであります。このような状況の中、厚生団地の再整備は喫緊の課題であります。キャンプ場としての整備やグランピング施設などの整備のほか、富士見地区では長く目黒区や文京区、北区とも定期的に都市交流を行っていますので、都民の赤城山の家の開設はいかがかと思います。光ファイバー網の整備にあわせての働きかけも視野に入れて、検討をよろしくお願いいたします。
さて、その光ファイバー網の整備について伺います。今年度赤城山の大洞及び箕輪地区へ光ファイバーを整備するため、民間が行う事業に対して補助を予定していると聞いております。これは、事業費の一部を市のほか、国の補助もあわせて申請するとも聞いております。現在この事業の進捗状況についてお伺いいたします。
223 【指導担当次長(山中茂樹)】 MENET再構築についてですが、まず接続していた端末や保存データを不正アクセス前の正常な状態にして復旧を行いました。また、前橋市教育情報ネットワークセキュリティ対策実施方針に基づき、扱う情報資産の重要度に応じて管理する端末を分類し、ネットワークを教職員が利用する校務系と校務外部接続系、主に児童生徒が利用する学習系の3系統に分離いたしました。このうち校務系ネットワークは、個人情報等の機密性の高い情報を扱うため、外部の脅威への対策としてインターネットから遮断しております。この再構築においては、かなりレベルの高いセキュリティーである文部科学省ガイドラインに準拠した対策が実現できました。
次に、流出した可能性の高い個人情報のその後の経過についてですが、昨年3月の不正アクセス発覚後から現在まで本事案に関する被害は確認されておりません。
224 【5番(林幸一議員)】 MENET再構築について、セキュリティー対策を実現し、安定した運用が図られているようでありますが、現状の管理体制について伺います。
225 【指導担当次長(山中茂樹)】 管理体制についてですが、本市の前橋市情報セキュリティポリシーに基づき、教育情報システム利活用推進委員会を設置し、教育長を総括責任者として学校、教育委員会、情報政策課が連携して取り組む体制となっております。また、情報政策課が毎年度情報セキュリティー監査を実施するなどの管理体制も整えております。学校においては、情報セキュリティー管理者として校長及び園長を筆頭に、管理職が中心となり情報資産の管理を行っております。新たな管理体制となり、MENET再構築直後の学校では戸惑う場面もありましたが、セキュリティー対策も強化され、安全な環境のもと、ICTを活用しており、本来目指している思わず身を乗り出したくなる授業の実現に向けて推進しております。
226 【5番(林幸一議員)】 次に、損害賠償について聞きます。
これまでの経過や管理体制についてはわかりました。今後も学校が安心してICTを活用できるような運用を行っていただきたいと心から願っております。なお、今回の事案に対し委託業者である東日本電信電話株式会社、通称NTT東日本へ約1億6,000万円の損害賠償を請求していると思いますが、その現状について伺います。
227 【指導担当次長(山中茂樹)】 委託事業者への損害賠償請求についてですが、本年1月に本市代理人弁護士を通して請求を行っております。進捗については、損害賠償請求行為の一切を弁護士に委任しており、現在は相手代理人弁護士と請求内容及びその金額について協議を行っているところでございます。
228 【5番(林幸一議員)】 損害賠償請求の件については、相手側と早目早目に連絡をとって、なるべく速やかに解決できるように努めていただきたいと思います。長引いてもお互いいいことはないと思います。
次に、小学校の体験活動についてお聞きします。まず、授業における体験活動です。最近の子供たちは、包丁やマッチなどの道具を使うことになれておらず、学校の実習で初めて体験をする子供もふえていると聞きます。また、身近な地域や自然にかかわりながら、実際にさまざまな体験をする機会も減ってきていると思います。私は、多少難しいことでも子供自身が実際に体験したり、地域や自然とかかわりながら挑戦したりする中で、たくましさや相手の気持ちを思いやれる豊かな心が育まれることを願っております。そこで、小学校において授業にどのような体験活動を取り入れているのか伺います。
229 【指導担当次長(山中茂樹)】 各小学校の授業における体験活動についてですが、ご指摘のように子供たちの直接体験の少なさが大きな課題と考えております。そこで、各教科ではそれぞれの授業の狙いに応じ、実体験を伴って関心を高めたり、理解につなげたりできるよう、さまざまな活動をできるだけ多く取り入れる努力をしております。具体的には生活科の授業で身近な生き物に触れ、世話をする活動を通して動植物の成長の様子に気づくとともに、自然を大切にする心を育てるようにしております。また、家庭科ではPTAや地域の方々の協力も得ながら、調理や裁縫の仕方や道具の正しい使い方などを学ぶとともに、協力していただいた方への感謝の気持ちを伝える集会なども設定しております。さらに、道徳の時間に親切、思いやりについて考えたことと関連させて、異年齢集団活動や地域の方々との交流活動などを意図的に位置づけるなど、工夫した取り組みも行われております。このように各小学校においてはさまざまに工夫した体験活動を取り入れた授業を通して、子供たちの学力や豊かな心を育めるように努めております。
230 【5番(林幸一議員)】 次に、外部と連携した体験活動について聞きます。
学校では、授業等における体験活動の充実を図っていることはわかりました。そのほかに校外や外部との連携を図った体験活動があると認識しています。まず、多様な体験活動を進めている児童文化センターの体験活動について伺います。
231 【指導担当次長(山中茂樹)】 児童文化センターにおける体験活動についてですが、児童文化センターでは子供たちのための学びと遊びの活動交流拠点として体験を重視した学習指導を行っております。まず、市内の小学校の全ての5年生を対象とした環境教室を実施し、児童が実際にメダカを観察したり、空気や水の汚れを調べたりする体験的な学習を通して、子供たちの環境保全に対する意欲や態度を育成しています。また、4年生及び6年生を対象とした交通、天文教室を実施し、実際に自転車に乗って交通ルールや乗り方を学んだり、プラネタリウムで本物と同じ夜空の月や星座を観察したりする体験をしています。さらに、小学校5年生と中学校1年生が実施している林間学校では自然体験活動の支援を行い、子供たちの豊かな情操や自然を愛する心などが育つようにしています。このほかにもこども公園の中の生き物に触れる教室や子供が主体的に体験できる冒険遊び場など、多様な仕掛けがあります。また、教育委員会ではいきいき前橋っ子はぐくみプランを作成し、家庭や地域でも多様な体験活動を推進できるよう支援しているところでございます。
232 【5番(林幸一議員)】 次は、市民との連携です。体験活動には市民主導の取り組みもあると認識しています。また、先ほど答弁で触れられましたいきいき前橋っ子はぐくみプランでは、市民運動の展開テーマが子供の主体性を育てる体験活動を充実させましょうと定められてもおります。そこで、市民と連携した体験活動にどのようなものがあるのかお聞きします。
233 【指導担当次長(山中茂樹)】 市民と連携した体験活動でございますが、まず家庭、学校、地域との連携のもと、伝統的な遊びや工作、福祉機器など、子供たちが大人とともに体験するのびゆくこどものつどい・ふれあいの広場が挙げられます。さらには、前橋市子ども会育成団体連絡協議会が開催するスマイルボウリング大会や上毛かるた競技大会、広瀬川緑の少年団が行う広瀬川河畔の緑化清掃など、さまざまな体験活動が全市的に展開されています。これらは、いきいき前橋っ子はぐくみプラン等と方向性が合致するので、支援しているところでございます。自然体験や生活体験が豊富な子供ほど自律的行動習慣が身についている割合が高いという調査報告もあり、特に幼児や小学生にとって実際の自然や多様な人々と触れ合いながら活動する体験は欠かすことができないものと考えます。今後も引き続き子供たちの体験を充実させるさまざまな取り組みを重視して進めてまいりたいと考えております。
234 【5番(林幸一議員)】 各町の子ども育成会では、学校では実施が難しい体験活動をイベントや年中行事として行っている場合が多々あります。子供たちの種々の体験活動の実施に当たりましては、単位育成会の連合会であります前橋市子ども会育成団体連絡協議会の意見を聞いたり、もしくは連携したりして子供たちにより多くの体験をしてもらう方法を研究、模索していっていただきたいと望みます。
次に、最後なのですが、時間がありませんが、特別の教科、道徳についてお聞きします。社会や地域、家庭状況の変化や深刻ないじめ問題の発生などを背景に、昨年度より小学校、今年度より中学校で道徳が教科となったと聞いています。人々の価値観が多様化し、今まで以上に将来の予測が困難な時代を生きる子供たちにとって道徳科の授業でじっくりと自分を見詰めたり、他者とのかかわりについて考えたりして、よりよく生きるために道徳性を養うことの必要性がますます高まっていると思います。そこで、各学校の道徳科の授業がどのように行われているのか、実情を伺います。
235 【指導担当次長(山中茂樹)】 各学校の道徳科の授業の実情についてですが、道徳科の授業では、例えばいじめは許されないなどを教師が一方的に説明するのではなく、なぜいじめをしてはいけないのかなどについて、子供が自分自身の問題として向き合い、道徳的な価値について考え、議論することが求められております。各学校においては、現在道徳的な価値について考える手がかりとして、教科書を活用しながら自分で考えたり、友達と考えを交流させたりする場面を設定するなどの授業改善を進めているところです。また、道徳科の授業ではさまざまな見方や考え方ができたかなど、子供たちの学習状況や道徳性にかかわる成長の様子をワークシートへの記述や発言等から評価し、指導につなげております。このような授業を積み重ねる中で、子供たちは自分の成長を実感することができると考えております。
236 ◎ 休 憩
【副議長(小曽根英明議員)】 この際、暫時休憩いたします。
(午後3時7分)
237 ◎ 再 開
(午後3時38分)
【議長(阿部忠幸議員)】 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
(10番 高橋照代議員 登壇)
238 【10番(高橋照代議員)】 通告に従い、順次質問いたします。
先月24日、食品ロス削減推進法が成立し、行政、事業者、消費者の全てが連携し、国民運動として食品ロス削減を推進することが示されました。2016年の国内の食品ロス発生量は、農水省と環境省の調査によると推計643万トンで、その生産、流通、消費、廃棄の全てのプロセスにおいて農畜水産物、水、燃料といった資源を無駄にしているだけではなく、二酸化炭素を大量に排出している現状です。国連の持続可能な開発目標、SDGsでは2030年までに全世界で食品ロスを半減する目標を掲げており、さらに今回成立した法律では法律自治体に食品ロス削減推進計画策定の努力義務も示しております。本市では、食べ切り運動、食べタイム15ミニッツや食べきり協力店の推進により食品ロス削減に取り組まれておりますが、まだまだ市民全体に広く浸透していないとも感じております。そこで、本市における食品ロス削減推進計画の策定の考え方と今後の食品ロス削減に向けての考え方を伺います。
239 【環境部長(南雲厚)】 食品ロスの削減についてでございますが、まず削減推進計画の策定につきましては本年5月に食品ロスの削減の推進に関する法律が成立し、政府では秋以降に食品ロス削減推進会議を設置し、基本方針を策定することとなっております。このため、本市といたしましては政府が策定する基本方針を踏まえまして、県とも連携を図りながら、今後の対応について検討してまいりたいと考えております。また、食品ロスの削減に向けての考え方ですが、現在実施しております食べ切り運動や食べきり協力店との連携の推進などをさらに進めるとともに、国の動向や県との連携も図りながら、市民の皆さんと事業者への啓発を行い、食品ロスの削減に努めてまいりたいと考えております。
240 【10番(高橋照代議員)】 先月消費生活センターが主催した食品ロス研究の第一人者である井出留美氏の講演会には、大勢の市民が参加されたとも伺いました。また、フードバンクまえばしへの食品寄贈も年々ふえており、食品ロス削減への関心は高まりつつあるとも感じてはおります。しかし、平成29年度の家庭系可燃ごみ組成調査によると、本市では年間約3,000トンの食品ロスが生じていると推計され、全庁を挙げて食品ロス削減推進に一層取り組む必要があると考えます。そこで、より多くの市民に食品ロス削減に関心を持ち、かかわっていただくため、市役所本庁舎や市内の市有施設において食品持ち寄り運動のフードドライブを実施してはどうかと考えますが、見解を伺います。
241 【環境部長(南雲厚)】 フードドライブの実施についてでございますが、賞味期限のある食品やまだ使用できる食材などを廃棄するのではなく、フードドライブなどにより必要としている方々に使用していただくことは食品ロスの削減につながる有効なことだと考えておりますが、まずは食品ロスの発生抑制、減量、または適正排出などを出前講座や各種説明会などで周知、啓発してまいりたいと考えております。フードドライブの実施につきましては、他市の事例なども調査するなど、今後研究してまいりたいと考えております。
242 【10番(高橋照代議員)】 今ご答弁いただきましたとおり、食品ロス削減の第一は発生抑制です。その上で余剰食品の有効活用を進める対策が急務となっております。これまでに視察で訪れた他自治体では、市庁舎入り口付近に本当に箱を置いて、フードドライブを実施しているところが複数ございました。食品ロス削減は、環境保全活動の一つだと考えております。10月は食品ロス削減推進月間と今回定められたことから、環境部とほかの部局が連携してフードドライブを実施し、広く市民に啓発する取り組みをぜひご検討いただきたいと思います。
続いて、生ごみの減量について伺います。平成29年度家庭系可燃ごみの組成調査から、全体の約35%を生ごみが占めており、本市のごみ減量対策としてこの生ごみをいかに減らすかが重要と考えます。本市では、生ごみの減量の取り組みとして電動式生ごみ処理機購入助成や段ボールコンポスト母材の無料配布を実施していることは承知しておりますが、電気を使わない、自宅の庭などに設置するグリーンコンポストの購入助成を希望する声も頂戴しております。そこで、グリーンコンポストの購入助成の導入について当局の見解を伺います。
243 【環境部長(南雲厚)】 コンポストの購入助成についてでございますが、現在本市では生ごみの減量施策といたしまして電動式生ごみ処理機の購入助成や家庭内で使用できる段ボールコンポストの母材の無料配布を行っております。電動式生ごみ処理機の購入助成は平成13年度から実施しており、毎年50基ほどの助成をしております。また、段ボールコンポストの母材の無料配布につきましては、平成28年度から実施しており、家庭で手軽にできることから毎年盛況で、リピーターの方もおり、大変好評でございます。過去には庭に設置するコンポストの購入助成も行っておりましたが、年々減少傾向にあり、コンポストの購入費用も安価なことから、平成26年度をもちまして購入助成制度を廃止した経緯がございます。このため、引き続き電動式生ごみ処理機の購入助成と段ボールコンポストの母材の無料配布などを行いながら、生ごみの減量対策を行ってまいりたいと考えております。
244 【10番(高橋照代議員)】 私も段ボールコンポストを使っておりましたので、その便利さ、手軽さはよく承知もしておりますが、家族構成や市民のライフスタイル、またエコ意識に合わせた選択肢がふえることは生ごみ減量の効果が大きくなると考えますので、改めての検討をお願いしたいと思います。
次に、プラごみの削減推進について伺います。国連環境計画によれば、日本は人口1人当たりの使い捨てプラスチックごみ、いわゆるペットボトルやレジ袋、プラ容器類などのごみ排出量が世界第2位で、使い捨てプラ大国と言われてもおります。昨今の報道でポイ捨てなどにより河川に流れ込んだプラごみによる海洋汚染の深刻化や原料となる化石燃料の資源持続性の懸念を考えると、大量につくられ、手軽な使い捨てプラ容器を利用するというライフスタイルを私たちは見直し、その利用抑制を考える時期に来ているとも考えます。環境省では、レジ袋有料化を打ち出し、プラごみ発生抑制に乗り出す予定ですけれども、地方行政としても一層の取り組みを進める必要があると考えます。そこで、市主催のイベントを初め、市内の自治会や各種団体のイベントでのリユース食器利用のさらなる啓発を行い、一層のプラごみ削減の取り組みを進める必要があると考えますが、見解を伺います。
245 【環境部長(南雲厚)】 プラごみの削減についてでございますが、本市ではプラマークがあるプラ容器につきましては容器包装リサイクル法に基づきリサイクル処理を行っておりまして、それ以外のプラ製品につきましては可燃ごみとして焼却しており、いずれも国内において適正に処理を行っているところでございます。ただ、プラごみの削減につきましてはごみ減量化等に向けての重要な課題ではないかと考えておりますので、今後もイベントなどでのリユース食器の助成や買い物時のマイバッグの使用、あるいはマイボトルの持参の推進などを出前講座や各種説明会などにおきまして周知、啓発を行ってまいりたいと考えております。
246 【10番(高橋照代議員)】 便利な使い捨てプラ容器の利用を控えていくというのは大変勇気の要ることだと思いますけれども、例えば資源化のため分別の徹底をお願いしていくということも必要だと思います。環境都市宣言やクールチョイス宣言を行っている本市として、環境負荷軽減社会と循環型社会の形成の取り組みを一層進めていただきますようお願いいたします。
次に、家庭ごみの戸別収集について伺います。本市の廃棄物処理行政の課題として、高齢化の進展によるごみ出し困難世帯の増加とごみ排出量の多さが挙げられると考えております。現在実施しているひとり暮らし高齢者等への戸別収集事業、こんにちは収集の登録者は約900名で、毎年100名ずつ増加しており、今後も利用希望者の増加が見込まれるため、その対策が急務です。また、本市一般廃棄物処理基本計画では1人1日当たりのごみ総排出量の目標値を令和7年度に825グラムと設定しており、平成29年度実績値927グラムから約100グラム減量する必要もあります。そこで、新たな施策の検討が必要と考えております。本市と同様の課題を抱える全国の自治体の中には、市民みずからの家庭から出るごみの見える化と自分のごみに責任を持つ行動を促し、分別徹底及び適正排出の効果を生み出す家庭ごみの戸別収集を導入し、市民の利便性向上を図るとともに、ごみ減量に取り組んでいるところがふえてきているようです。そこで、本市においてもすぐに導入することは難しいと承知はしておりますが、家庭ごみの戸別収集の導入を検討してはどうかと考えます。当局の見解を伺います。
247 【環境部長(南雲厚)】 戸別収集の導入についてでございますが、戸別収集は市民が廃棄物を排出しやすくなり、高齢者は排出負担が軽減されるとともに、分別が徹底されるなど、一定の効果があるものと考えております。しかし、その一方で収集作業量が多くなり、収集時間の増大や収集車両の増車、また人員の増員などによる費用の増加など、課題もあるものと考えております。このため、戸別収集の実施につきましては他市の事例なども調査しながら今後研究してまいりたいと考えております。
248 【10番(高橋照代議員)】 戸別収集導入の是非については、まずはさまざまなケースを想定して試算いただき、費用対効果を計測いただきますようお願い申し上げます。
次に、熱中症対策について伺います。日本の夏の平均気温は上昇傾向にあり、暑さが私たちの健康や暮らしに与える影響は看過できないものとなっております。特に昨年は災害とも言える酷暑で、熱中症による全国の救急搬送数は過去最多となり、本市においても市内の小中学校で熱中症による児童生徒の救急搬送を含む医療機関への受診件数が55件にも上っており、そのうちの45件がスポーツ活動中に発症し、その多くが中学校の部活動や大会開催時であったと伺っております。国においては、熱中症を予防するために用いる暑さ指数、WBGT指数といいますけれども、この指数が31度以上は特別の場合以外は運動を中止、特に子供の場合は中止すべきと明示しております。そこで、子供たちの命と健康を守り、安全にスポーツ活動を行うため、市教委としてWBGT指数を基準にしたスポーツ活動の実施の判断基準は設けているのか伺います。
249 【指導担当次長(山中茂樹)】 スポーツ活動実施の判断基準についてですが、市教委として実施、中止の判断について基準は設けておりませんが、昨年度の猛暑を受けて各小中学校にWBGT温度計を配付し、WBGT熱中症指数を熱中症予防における運動指針として示しております。各学校では、活動を行う際にWBGT熱中症指数を参考にして活動量の軽減や活動の中止などの対策をとりながら活動を実施しております。今後も子供たちの健康で安全なスポーツ活動実施に向けて、各学校に対してWBGT熱中症指数を踏まえた適切な活動の実施や具体的な熱中症対策について周知してまいりたいと考えております。
250 【10番(高橋照代議員)】 熱中症対策において、現場の判断は難しいのではないかとも考えております。WBGT指数をもとにしたスポーツ活動実施の判断基準を市教委が明確に示すことも必要があると考えます。特に部活動や大会開催中の発症者が大半を占めていることからも、昨年策定された部活動のあり方ガイドラインに明記することも必要ではないでしょうか。ぜひご検討いただきたいと思います。
続いて、小学校における運動会の熱中症対策について伺います。前橋市内の小学校では、例年9月末ごろに運動会が開催されております。まだ暑さの続いている時期でもあり、各学校においては熱中症予防のため、水分補給タイムのほかに応援席へのテントの設置など、さまざまに対策がとられておりますが、全国的には運動会の競技や演目を見直し、午前中で終了する時短開催を行う学校もふえていると聞いております。そこで、本市における小学校の運動会について、子供の健康面や安全面を配慮し、市内一律で時短開催の方向を検討してはどうかと考えますが、見解を伺います。
251 【指導担当次長(山中茂樹)】 運動会の開催時間についてですが、市内の学校におきましても熱中症や暑さ対策として運動会の開催時間を短縮している学校が少しずつふえてきております。各学校では、子供たちの体力や技能、興味関心等に配慮し、内容が高度になり過ぎたり、意欲や集中力が欠けたりすることがないよう実施時期、実施内容や種目を見直すなど、子供たちの安全面や健康面に配慮して運動会を実施しているところです。市教委では、児童が運動することの楽しさ、達成感や充実感、連帯感を体感できる学校行事である運動会を大変意義のあるものと捉えております。今後は地域や気候の状況を踏まえて、子供たちの安全を考慮した有意義な運動会になるよう、各学校を支援してまいりたいと考えております。
252 【10番(高橋照代議員)】 運動会が子供たちの学校活動の成果発表の場として大変有意義であることは理解しておりますが、長時間の開催は子供だけではなく、日陰の少ない校庭で長時間の応援、観覧となる保護者や祖父母にとっても熱中症発症のリスクが高いと言えます。提案しました時短のほかに、体感温度を下げ、気化熱により気温を下げる効果のあるミストシャワーの設置についても以前提案をさせていただきましたが、日常の学校生活における熱中症予防策としても有効と考えますので、未設置校にその設置を促すなど、学校における熱中症対策を万全に期していただきたいとお願いいたします。
続いて、七夕まつり、花火大会、前橋まつりなどの大型イベント開催時の熱中症対策について伺います。暑い時期に開催されるこれらの祭りでは、熱中症予防のため水分補給の周知や市有施設をクールシェアスポットとして開放、さらにもしものときの救護策を講じるなど、対策をとられていることは十分承知しております。しかし、その中で熱中症予防対策として消防車両を活用した打ち水や商店街の協力による打ち水、水道局の給水車による飲料水の提供など、さらにはミストシャワーの設置などが効果的だと考えますが、当局の見解を伺います。
253 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 近年夏場に限ることなく、例えばことしの5月下旬には猛暑日が続いたように、単に季節で推しはかることができない気温や湿度の上昇、これが常態化しておりますことから、各種イベントごとに必ず事前に週間予報、天気予報等のデータに基づいて分析なり予測を行った上で迅速な救護体制が図れるような細心の注意を払い、この事業運営を進めているところでございます。各種イベントの開催におきましては、その多くを実行委員会において実施しておりますことから、ご来場いただくお客様が安心して快適に楽しんでいただくため、その一員でもあります市としましてもさらに熱中症対策について万全を期し、来場者数やその規模に応じましてご質問いただきました方策等も踏まえながら関係部局と連携し、専門的な意見も交えながら安全対策を第一に実施してまいりたいと考えております。
254 【10番(高橋照代議員)】 続きまして、子供を取り巻く諸課題について、初めに携帯電話の持ち込みについて伺います。
昨今地震や豪雨による自然災害や交通事故、殺傷事件など、登下校中に子供たちが巻き込まれる大変痛ましい事件や事故が頻発しております。学校では、子供たちに防災教育や防犯教育を行うと同時に、地域や警察など関係団体と連携をとり、パトロール活動を強化するなど、重層的な安全対策を実施していることは承知しております。しかし、広い市域を抱える本市において、登下校中に万一の事態が発生した際に近くに人家がなく、助けを呼べる環境にないところも多くあり、子供がみずから緊急通報ができたり、保護者や学校と連絡をとるすべとして携帯電話の所持を求める保護者の声もいただくようになりました。そこで、本市において携帯電話の持ち込みについて現時点で教育委員会はどのように考えているのか、見解を伺います。
255 【指導担当次長(山中茂樹)】 携帯電話等の持ち込みについては、携帯電話等を所持して登校することで緊急時の連絡手段がふえるという面もありますが、その前に携帯電話等が正しく使えるための準備が必要となります。ネット依存やSNSの問題、校内での管理体制やルールづくり、家庭の中での約束等、小中学生が日常的に学校へ持ち込むには非常に多くの課題があります。また、携帯電話等を持っているだけでは回避できない状況も考えられます。学校では、登下校時における子供たちの安全確保に向けて、地域全体で子供たちを見守る体制の整備や危険箇所等の周知に取り組んでいます。また、子供たちみずからが危険を予測し、回避できる安全教育も推進しています。現在文部科学省において、携帯電話等の学校への持ち込みについて検討が始まったと聞いています。本市においても学校を取り巻く社会環境や子供たちの状況の変化を踏まえ、慎重に検討を進めていきたいと考えています。
256 【10番(高橋照代議員)】 子供たちの毎日の登下校の無事を願い、緊急時だけではなく子供の居場所を確認したいと希望する保護者も多数おられます。そうした保護者の思いに寄り添い、一部の自治体では民間企業の見守りサービスを学校に導入し、子供たちが学校の校門を通過する際に保護者にメールで知らせる取り組みをしているところも出てきているようです。市教委には今後携帯電話の持ち込みだけに限らず、他自治体のさまざまな子供の安全、安心対策の事例をご研究いただき、本市にとって有効な施策の検討をお願いいたします。
続いて、SNS相談について伺います。群馬県が本年高校生を対象にSNS相談を実施することが過日新聞で報道されました。現代の子供たちにとって携帯電話やスマートフォンはもはや生活必需品とも言え、SNSはコミュニケーションの手段として活用されているだけではなく、自分の気持ちや心情をあらわす貴重な場にもなっております。市教委がまとめた生活実態調査によると、本市の中学生の約半数が携帯電話やスマートフォンを所持しており、その他の端末以外も含めると7割以上の児童生徒が日常的にインターネットに触れる機会があることがわかっております。このような実態から考えても、思春期にさまざまな悩みを抱える中学生に対してもSNSを利用して気軽に相談できる体制が必要と考えます。早急に整備することが困難であることも承知しておりますので、まずSNS相談を必要とする児童生徒の状況やSNS相談窓口のニーズ把握調査を行い、導入の検討を行ってはどうかと考えますが、見解を伺います。
257 【指導担当次長(山中茂樹)】 SNSを活用した相談体制の検討についてですが、ご指摘のようにSNS等を活用した相談には気軽に相談できるという利点が考えられます。一方でその導入にはSNSの使い方指導や対応する人材の確保等、さまざまな課題を解消する必要があると捉えております。現在教育委員会では、プラザ相談室やいじめ相談室において電話やメール、来所による相談を行っております。また、悩みや心配事を抱え込ませないための支援として児童生徒自身がストレスへの対処方法を理解し、助けを求めるSOSの出し方教育を学校に周知しているところです。今後児童生徒を取り巻くSNS環境を注視するとともに、相談を必要とする児童生徒にとって相談しやすい窓口や手段のあり方、児童生徒の動向や意識等を把握する場面を設け、相談に係る選択肢についての検討を慎重に進めていきたいと考えています。
258 【10番(高橋照代議員)】 ご答弁いただいたように、中学生の意識を知ることによって、その結果によっては群馬県で本年始まるSNS相談の対象者拡充を県に働きかけることもできると思いますので、ぜひニーズ調査の実施をお願いいたします。
次に、スクールロイヤーについて伺います。学校現場では、いじめや不登校、子供同士や保護者や学校とのやりとり、学校間などでさまざまなトラブルが少なからず発生しており、中には長期化し、複雑になるものもあり、教職員がその対応に苦慮している事例が多くあるとも聞いております。こうした事例の中には法律の知識が必要となることも多く、教育や学校現場に理解と見識のある弁護士が学校側の相談相手となって問題の早期解決や事態の悪化を未然に防ぐスクールロイヤー制度を導入する自治体がふえてきております。問題が起こった早期の段階で弁護士のアドバイスを受けることは、当事者はもとより教職員の負担軽減にもつながり、大変に有効な施策であると考えます。そこで、本市教育委員会において弁護士と連携し、相談体制を整えるスクールロイヤー制度を導入してはどうかと考えますが、見解を伺います。
259 【指導担当次長(山中茂樹)】 教育委員会へのスクールロイヤーの導入についてですが、近年前橋市においても保護者等から学校に対してさまざまな要望や要求があり、中には対応に苦慮するケースも増加しています。このようなケースで法的側面から専門家のアドバイスを受けることにより、学校が組織として対応し、課題の解決に近づくようになると考えます。4月の総合教育会議でも教育分野に関する知識を有する弁護士の導入についてご意見をいただきました。教育委員会といたしましては、本市の実情や他市の動向を分析するとともに、業務の内容や必要頻度、雇用形態等について調査検討を行い、導入に向けて前向きに進めてまいりたいと考えております。
260 【10番(高橋照代議員)】 スクールロイヤーが導入されれば、相談対応だけではなく、児童生徒への人権啓発教育を提供いただくことも考えられます。子供や学校が抱える問題が深刻化、多様化する中でさまざまな分野の専門家を導入して、前橋の教育環境の充実を目指すチーム学校づくりに一層取り組んでいただきますようお願いいたします。
次に、子供の進学支援について伺います。子供は、生まれ育つ環境をみずから選んで生まれてくることはできず、子供の貧困、貧困の連鎖といった問題は子供自身が自分で解決するには難しく、地域や社会ぐるみで支援する仕組みづくりが大変重要です。本市では、県内他市に先駆けて経済的困窮家庭の中学生を対象にした学習支援事業、M-Changeを実施しており、毎年定員60名を超える子供たちが高校進学を目指し、日々勉強に熱心に取り組んでいると伺っております。希望の高校や大学へ入学するには、受験という大きな壁があります。経済的な悩みを持つご家庭にとっては、その受験料の負担が大きく、希望校の変更をする方がいるとも伺っております。本市では、昨年9月、産学官が連携し、地域で活躍する人材の育成と定着を目指すめぶく。プラットフォーム前橋が発足し、本市で育つ子供たちの進学支援について検討されるとも伺っております。そこで、以前にも提案いたしましたが、このプラットフォーム前橋において経済的困窮家庭の子供の高校や大学等への進学支援として受験料負担軽減策を検討いただきたいと考えますが、当局の見解を伺います。
261 【政策部長(稲田貴宣)】 めぶく。プラットフォーム前橋は、地域人材の育成、定着をテーマに産業界、教育界、行政が地域の課題を共有し、お互いの強みや経営資源を持ち寄りながら課題解決に取り組むものでございます。今後本プラットフォーム前橋内に学生定着UIJ部会を立ち上げ、具体的な事業立案を検討してまいりますが、その際にはご指摘いただいた点を含め、産学官で協議、検討を行ってまいりたいと考えております。
262 【10番(高橋照代議員)】 地域社会の支えによって前橋の子供たちが自分の夢をかなえられるまちづくりをぜひよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
(29番 金井清一議員 登壇)
263 【29番(金井清一議員)】 通告に従い、質問します。
初めの質問は、市政の課題についてです。初めに、市長に市政運営について伺います。市長は、昨年末、倉嶋副市長を解職されました。解職理由は、1つに政策上の意見や手法の違いから今後の円滑な市政運営に支障を生じると判断したため、2つに報告、相談の不足による意思疎通の欠如から信頼関係が損なわれたためと説明されました。倉嶋副市長は、解職前に市長のやりたいことをむしろ市長が後で困らないように補佐する仕事をやってきた。意見の違いを言われるのは非常に寂しいし、このまま解職されることは非常に残念な思いである。また、市長の解職理由の説明に、非常に驚きと危機感を感じている。意見が違ったら、報告がなかったらやめさせられるという中で、前橋市の特別職、職員が仕事をするようになることに非常に危惧を感じると話されました。各派代表者会議の中では、倉嶋副市長解職は市長の専権事項であるとしながらも、2人の説明は整合性がとれない、解職理由に納得できない、社会的な信用の失墜につながりかねないなどの意見が出されました。そして、倉嶋副市長が解職された後、市職員に政策決定過程の聞き取りを実施し、市長は倉嶋副市長解職の判断は正しかったと話されました。副市長は市長がみずから選び、議会も同意しました。今回の倉嶋副市長解職は任期途中であり、しかも年度途中でありました。私は、2人の説明を聞いて不安になりましたが、倉嶋副市長解職後の市政運営に市長の大きな責任を感じながらも、市政運営に携わる皆さんが不安に駆られないか、難しい市政運営になろうと思いながらも5カ月がたちました。この5カ月の間には年度もかわり、新しい体制になり、また元号が変わるという大きな節目もありましたが、倉嶋副市長解職後、副市長2人から1人の体制になり、この間の市政運営をどのように進めてこられたのか伺います。あわせて、今後の市政運営や副市長2人制の考え方についても伺います。
264 【市長(山本龍)】 金井議員にはいろいろご心配をかけているようでございます。今の答弁をさせていただきますけれども、いろいろご心配をかけておりますけれども、今中島副市長のもとでさまざまな課題に向かって業務をこなしていただいている状況でございます。ご質問のあった2人制についての考えでございますけれども、まずは中島副市長との連携の中で今後の残り任期においてやり抜いていければなと思っております。私からは、そのほかにもいろいろご心配もあるとは思いますけれども、職員と一丸となりましてまた取り組み直してまいりたいと考えております。
265 【29番(金井清一議員)】 次に、副市長に市政運営について伺います。
中島副市長が就任し、前橋市は副市長2人体制となり、所管を分けて市政運営を担当してきましたが、副市長1人体制になったことで今までより中島副市長への負担がふえている状況にあると思います。倉嶋副市長解職後、5カ月間の市政運営を副市長としてどのように進めてきたのか、あわせて今後の市政運営の考え方について伺います。
266 【副市長(中島實)】 ご質問にありました副市長1人ということで約5カ月余りたったわけでございますけれども、この間戸惑いもありましたが、教育長あるいは公営企業管理者、そして各部長を初め、また職員と連携、協力しながら進めてきたところでございます。また、そういった支えをいただくことで庁内全体で市長を補佐していると思っておりますし、自分自身の負担も最小限に抑えられている、そのように感じているところでございます。今後につきましても市長のリーダーシップのもと、より緊密な連携を図りまして、引き続き円滑な市政運営に努めてまいりたいと、そのように考えているところでございます。
267 【29番(金井清一議員)】 次の質問は、空き家対策についてです。ことし4月、総務省から平成30年住宅・土地統計調査結果の要約版が公表されました。全国の空き家数は846万戸、空き家率は13.6%と過去最高となり、群馬県の空き家数は15万7,000戸、空き家率は16.6%で全国12番目、平成25年の前回調査から空き家は増加しているものの、空き家率は横ばいとなりました。本市の状況は、平成25年の住宅・土地統計調査による空き家数は約2万5,000戸、空き家率は15.9%、今回の調査では市町村別の数字は出ていませんが、これまでに空き家の独自条例制定、空家等対策計画の策定など、積極的に空き家対策に取り組んでいますが、これまでに空き家対策により解消した空き家の件数について伺います。
268 【都市計画部長(高橋智嗣)】 これまでに空き家対策補助制度によりまして空き家を解消いたしました実績についてでございますが、平成27年度から平成30年度の4年間で572件となっております。年間100件を超える申請がございますので、空き家の解消において一定の効果があったものと考えております。
269 【29番(金井清一議員)】 空き家が発生する主な原因の一つには、高齢の親がお亡くなりになり、その住宅を子供が相続しても住む必要がないケースなどがあります。これらの空き家は、リフォームすれば十分活用できる物件も多く、子育て世帯や若い世帯がこれらの空き家に住んでもらうことで空き家の解消や定住促進につながると思います。本市では、子育て支援、定住促進を目的とした二世代近居・同居住宅支援事業を実施していますが、これまでの実績を伺います。
270 【都市計画部長(高橋智嗣)】 二世代近居・同居住宅支援事業の実績についてでございますが、平成27年度が13件で2,110万円、平成28年度が41件で5,962万7,000円、平成29年度が30件で4,206万8,000円、平成30年度が26件で3,850万6,000円となっております。さらに、平成27年度から平成30年度の4年間でこの補助制度を利用して市外から転入された方は82人、補助金の加算対象となる中学校修了前のお子さんは117人となっております。
271 【29番(金井清一議員)】 二世代近居・同居住宅支援事業は、空き家対策のみならず、子育て支援や定住促進につながる事業であり、さらには人口増政策にもつながるもので積極的に進めるべきと考えますが、今後の対応について伺います。
272 【都市計画部長(高橋智嗣)】 今後の対応についてでございますが、空家等対策計画に基づき実施している空き家利活用ネットワーク制度をより効果的に進めるとともに、土地家屋調査士会、建築士会などの専門家団体との連携を強化し、積極的に事業を推進してまいりたいと考えております。また、広報まえばしやホームページのほか、空き家の所有者の意向調査を活用しながら周知に努めてまいりたいと考えております。
273 【29番(金井清一議員)】 市営住宅の空き部屋は年々増加しており、周辺部の市営住宅ではその傾向が顕著であり、桂萱地区の江木団地もその一つです。さきの新聞報道によると、江木団地の空き部屋に障害者グループホームの活用を検討し、年度内の設置を目指すとありました。昨年6月の第2回定例会でも質問させていただきましたが、江木団地の空き部屋の利活用について地元要望もあり、福祉部と連携して市営住宅の福祉施設活用を進めていただきたいと思いますが、障害者グループホーム設置の進捗状況について伺います。
274 【都市計画部長(高橋智嗣)】 障害者グループホーム設置の進捗状況についてでございますが、福祉部で行いましたアンケート調査により実施の意向を示された運営事業者とグループホームとして必要な改修や消防設備の設置につきまして、関係課と調整しながら意見交換を行っているところでございます。今後は市営住宅の入居者説明会などによりまして入居者の理解を得ながら、障害者グループホーム設置へ向け取り組んでまいりたいと考えております。
275 【29番(金井清一議員)】 次の質問は、無人航空機、ドローンについてです。無人航空機、ドローンは2010年代前半から一般への普及が急速に進み、法整備が後を追う格好となっているようです。ドローンとはもともと雄の蜂を指す言葉ですが、飛行する際にプロペラから出るブーンという音が蜂が飛ぶときの羽根の音に似ていることからドローンと呼ぶようになったようです。ドローンの利活用は、災害対応、撮影、測量、インフラ点検、農業、警備などが先行していますが、宅配ドローンなど物流分野からは空の産業革命が始まると言われているようです。本市では、平成27年9月に開催された赤城山ヒルクライム大会において実行委員会が撮影を委託した民間事業者のドローンが墜落する事故が発生し、これを受けて平成28年3月に前橋市ドローン等対応方針が策定されました。策定から数年が経過しておりますが、本市のドローンの利用に関する対応と現状について伺います。
276 【総務部長(根岸隆夫)】 本市のドローンの利用に関する対応の現状ということでございます。対応方針といたしましては、大きく2つございます。市関連業務での市の利用方針と市有施設での市民等の利用制限の方針を策定しております。市関連業務での市の利用方針といたしましては、ドローン等を使用することで効果的に業務を遂行できる場合に限って航空法等の関係法令を遵守した上で安全を確保し、効率面にも留意しつつ運用するものとすることや、不特定多数の市民が集まるイベント事業等では市民に危険を及ぼす可能性があるため、ドローン等は使用しないことなどを方針としております。この方針のもとでの本市でのドローンの利用例といたしますと、シティプロモーションに係る動画の撮影、あるいは最近では消防局における災害訓練の利用等がございます。
次に、市有施設での市民等の利用制限の方針でございますが、全ての市有施設についてドローン等の使用を原則禁止としておりますが、業務、学術研究等による利用目的で施設等の設置目的や他の許可行為との整合が図れる場合は、関係する法令等の遵守、周囲への安全確保等の必要な条件を付した上で、ドローン等の使用を許可することができるというふうにしております。ドローンの利用に関する窓口の対応でございますけれども、対応方針に関する問い合わせについては行政管理課で対応を行い、市有施設での利用に関しましては各施設の所管課において対応を行っているというのが現状でございます。
277 【29番(金井清一議員)】 次に、ドローンの活用について消防局に伺います。
近年の災害報道などを見ると、ドローンで撮影された映像を目にする機会がふえています。ドローンによる上空からの映像は、災害の全容把握に非常に有効であると思います。消防局では、消防庁による消防防災科学技術研究推進制度で有線ドローンを利用した移動型火の見やぐらとG空間システム連携の研究が採択され、研究と実証実験を行っています。また、無線ドローンを2機配備し、6名のパイロットが訓練を行っているとお聞きしています。ドローンの活用については、全国的に検討が進められているとお聞きしていますが、消防局におけるドローンの活用について伺います。
278 【消防局長(関俊夫)】 本市消防局におけるドローンの活用につきましては、災害対応及び訓練に限っての活用許可を受けています。ドローン導入以降、災害の全容把握に時間を要するような災害は本市において発生しておりませんので、災害時の活用実績はございません。しかしながら、近年ますます狂暴化する自然災害や人的災害に速やかに対応するため、計画的に操縦訓練を行い、技能の向上に努めております。一昨年群馬県で開催されました緊急消防援助隊関東ブロック合同訓練におきましても、本市消防局のドローンによる災害状況把握訓練を行いました。また、毎年赤城山で実施している他機関との合同山岳救助訓練におきましても行方不明者の捜索活動訓練などに活用しております。今後におきましても認定資格者を計画的に養成し、迅速な災害現場への投入体制を強化するとともに、操縦技術の向上及び活用に当たっての一層の研究を進めてまいります。
279 【29番(金井清一議員)】 本市の防災危機管理課では、災害時における無人遠隔操作航空撮影に関する協定書を民間事業者と締結するなど、一部の所属ではドローンの活用があります。群馬県では、民間団体との災害協定にドローンによる情報収集を追加締結しました。また、県土整備部では工事の進捗やインフラ点検にドローンを活用しており、県の水質浄化センター2カ所で飛行練習を許可しており、部独自で定めた基準でドローンの研修を実施し、操作できる職員が100人ほどいるそうです。さらにはことしじゅうにドローンを計13機にふやす予定で活用が進んでいるようです。本市においても積極的にドローン活用を検討すべきと思いますが、ドローンの活用について伺います。
280 【総務部長(根岸隆夫)】 ドローンの業務への活用の検討でございます。他自治体の事例といたしまして、ご質問にありましたほか、防災業務あるいは不法投棄対策業務など、幅広い分野で活用がされているようでございます。本市の業務への活用事例といたしましては、先ほども申し上げましたが、シティプロモーション業務や消防業務のほか、ことし4月に道路建設課にて群大附中通りの道路交通状況の撮影を行った事例などがございます。しかし、本市では活用事例がまだまだ限定的であるということから、他自治体の事例等を参考にしながら、各所属への情報提供を行うとともに、各所属のドローンに関する意見、こういったものも聴取を行い、業務改善という観点からドローンを活用することで効率的かつ効果的に業務が遂行できる可能性について検討してまいりたいと考えております。
281 【29番(金井清一議員)】 ドローンの落下事故があった本市だからこそ、ドローンの安全、普及、技術向上への環境を整える必要があると思います。また、市内の民間業者、団体とも災害協定の締結を検討していただきたいと思います。ドローンの利活用は、災害対応、撮影、測量、インフラ点検、農業、警備など幅広く、政策的な観点からドローンの窓口を一本化して、さらに情報収集や利活用を進めていただくことを要望いたします。
次の質問は、歴史文化について伺います。平成25年から2期4年にわたり前橋市歴史文化遺産活用委員会を設置し、同委員会から2回にわたり歴史都市前橋実現に向けた提言を受けました。提言には、前橋学ブックレットを編さん、刊行し、市内外に前橋の魅力を発信するという提言も含まれています。つい先日、最新刊が市議会にも配付されましたが、前橋学ブックレット編さん、刊行には歴史を語り継ぎ、本市の発展を図ろうとする市民の力を感じています。前橋学ブックレットの現状と今後の予定について伺います。
282 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 前橋学ブックレットは、前橋学センターが所管する編集委員会において企画、編集を行い、前橋の誇れる先人、すばらしい自然、埋もれた歴史を後世に語り継ぎ、市民が前橋に対する誇りと愛着を高めるとともに、全国に向けて前橋の魅力を発信するため、平成27年度から刊行しております。ブックレットの執筆者は、研究者や専門家だけでなく、市民みずからが個人またはグループで担当し、調査、発掘した成果を発信する場となっておりまして、日本製糸業の先覚、速水堅曹を語るを皮切りに、剣聖上泉伊勢守や富士見かるたなど、18冊のブックレットが刊行され、多くの市民が執筆活動に携わっており、今年度末までに21冊のブックレットが刊行予定となっております。これからも歴史都市前橋を市民主体でつくり上げる仕組みの一つとしまして、前橋学ブックレットの活用を図ってまいります。
283 【29番(金井清一議員)】 前橋が生んだ剣聖上泉伊勢守については地元顕彰団体が毎年5月に行われる宮城赤城神社上泉伊勢守杯武道大会に参加しています。また、地元顕彰団体である睦会が先週6月2日に上泉伊勢守ゆかりの地である茨城県鹿嶋市の鹿島神宮を訪問し、正式参拝並びに八木節の奉納を行い、民間の交流も行っています。さらには新たな剣道大会、上泉伊勢守旗剣道大会も9月に予定されているとお聞きしています。今年度は、前橋学ブックレット第3巻のテーマでもある剣聖上泉伊勢守の顕彰事業である第3回新陰流流祖祭が開催されます。平成29年度から隔年開催となり、2年ぶりに開催されるわけですが、事業概要について伺います。
284 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 第3回新陰流流祖祭は、ことし11月24日に実施することとなりました。今回は、上泉伊勢守信綱公の子孫、上泉一治氏の講話や新陰流の現在の宗家、柳生耕一氏による演武を行い、多くの皆様に上泉伊勢守信綱公の功績を知っていただきたいと考えております。また、前橋学市民学芸員による剣聖の里上泉町をめぐる歴史観光ガイドや前橋市在住の刀匠、高橋恒厳氏による迫力ある刀剣鍛錬の実演も実施いたします。隔年開催となったことによりまして、昨年度1年間は準備期間となりましたが、過去の開催結果を振り返り、これまで以上に地元主体の運営体制を高めるため組織の見直しを行った結果、地元の育成会と長寿会を新たに加えた実行委員会を組織し、その中に事業内容の提案や検討を行う企画部会を設定することができました。上泉地区だけでなく、桂萱地区全体として盛り上げていけるような運営体制を目指しております。今後も地元の方々を主体として上泉伊勢守信綱公の顕彰と発信を通じて、新陰流の聖地、剣聖の里としての地域づくりに努めてまいります。
285 【29番(金井清一議員)】 上泉伊勢守生誕500年で銅像と記念碑、第1回流祖祭で顕彰碑が建立されましたが、それを機に新陰流を継承している柳生宗家を初め、柳生家の多くの皆さんが稽古合宿で本市へ訪問する機会がふえています。新陰流発祥の地を思うと、稽古する場がないことが非常に心苦しく感じています。新陰流を継承している皆さんや剣道をしている皆さんが歴史文化を認識し、稽古できる場が実現できればと期待しております。また、BS朝日で放映されたドラマに続いて、次は連続ドラマ制作のお話も浮上しており、地元顕彰団体も期待しております。地元顕彰団体だけでなく、多くの皆さんがさまざまな角度より情報発信していただけることと、11月開催の新陰流流祖祭が実行委員会主導によりよいイベントになるよう、本市の支援を要望します。
次の質問は、地域の課題についてです。初めに、市道00-065号線、泉橋通線について伺います。主要地方道前橋大間々桐生線の桂萱中学校交差点から桃ノ木川北側の狩野脳神経外科までの1期工区については、昨年度発注の工事により橋梁部付近並びに主要地方道前橋大間々桐生線との交差点部付近を除いた部分を集中的に工事することで道路の完成イメージが目に見えてきまして、道路部分の事業が進んでいると感じています。平成30年度末における事業の進捗状況について伺います。
286 【建設部長(井口彰)】 泉橋通線は、歩道の新設並びに渋滞緩和のための道路整備として平成23年度より主要地方道前橋大間々桐生線から710メートルの区間を1期工区として事業着手いたしました。平成30年度末における進捗状況でございますが、用地の取得率は100%、工事の進捗率は事業費ベースで68%、全体の進捗率は事業費ベースで75%となっております。
287 【29番(金井清一議員)】 橋梁部の工事に関しては、平成25年度の拡幅部における橋台工事を皮切りに、昨年度発注の旧橋撤去工事まで順次進めていると思いますが、工事着手から6年経過しても橋梁全幅の半分を片側交互通行で暫定供用している現状です。本橋梁のつけかえについては、地元推進協議会より全面通行どめは行わないでほしいとの要望を受けており、そのことも期間を要する一つの要因になっているとは思いますが、橋梁つけかえ工事の完成時期について伺います。
288 【建設部長(井口彰)】 橋梁のかけかえ工事でございますが、地元要望にお応えし、全面通行どめをせず、一般の通行を確保しながら橋梁部を片側ずつ施工することといたしました。また、河川内の工事は非出水期である11月から5月までの間しか施工が許可されないことや、国からの交付金が要望額を下回っていたことにより工事の期間が必要となっております。なお、本年度橋梁上部工工事を発注いたしますが、桁製作に必要な高力ボルト等の資材確保が厳しい傾向にありますので、橋梁部の完成時期は令和2年度末を予定しております。引き続き完成まで片側交互通行が続きますので、地域の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。