いわき市議会 > 1987-03-10 >
03月10日-03号

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  1. いわき市議会 1987-03-10
    03月10日-03号


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    昭和62年  3月 定例会          昭和62年3月10日(火曜日)       -------------------議事日程第3号  昭和62年3月10日(火曜日)午前10時開議日程第1 市政一般に対する質問(代表質問・一般質問)       -----------------------本日の会議に付した事件      〔議事日程第3号記載事件のとおり〕       -----------------------出席議員(48名)1番       磯上佐太彦君       2番        青木広一君3番       諸橋義隆君        4番        遠藤重政君5番       瀬谷秀武君        6番        橋本孝行君7番       坂本長一郎君       8番        政井博君9番       野地登久雄君       10番        鈴木利之君11番       高橋明子君        12番        宮川えみ子君13番       渡辺敬夫君        14番        坂本登君15番       吉田弘君         16番        水野谷半君17番       矢吹康君         18番        若松昭雄君19番       人見一君         20番        鹿島清三君21番       吉田正登君        22番        蒲生伸吾君23番       高萩充君         24番        伊東達也君25番       馬目清通君        26番        水野五郎君27番       永山哲朗君        28番        菅波庄助君29番       青木稔君         30番        白土和男君31番       草野正辰君        32番        蛭田仁君33番       小野昌太郎君       34番        芳賀定雄君35番       木内浩三君        36番        柳楽孝作君37番       斉藤誓之助君       38番        永井俊正君39番       大平多太男君       40番        間宮俊彦君41番       緑川定美君        42番        円谷裕一君43番       安藤正則君        44番        斉藤隆行君45番       鈴木正平君        46番        大村哲也君47番       佐久間昭君        48番        小林周喜君欠席議員なし       -------------------説明のため出席した者市長       中田武雄君        助役        池田清君助役       長澤榮冶君        収人役       鈴木榮君教育委員長    大塚静義君        教育長       飯島護君水道事業管理者  御代武光君        代表監査委員    近野忠弘君選挙管理委員会  木内佐門君        企画部長      須永恭平君委員長総務部長     佐々木進君        財政部次長     渡邉淑夫君市民環境部長   野村隆一君        福祉厚生部長    小泉陽一郎君農林部長     伊藤次郎君        商工水産部長    江尻定吉君土木部長     島和彦君         都市建設部長    古内義光君消防長      大谷光四郎君       教育次長      岡田恒哉君秘書室長     小島秀雄君        参事(兼)総務課長 緑川浩君秘書課長     星康夫君       -------------------事務局職員出席者事務局長     布田功君         次長(兼)総務課長 舛田良作君議事調査課長   関場孝和君        課長補佐      杉田昌君係長       芳賀義隆君        係長        木村普昭君主査       小泉勝也君        主査        立花幹夫君主査       楠山智一君        主査        白土正衛君       --------------------           午前10時1分 開議 ○議長(矢吹康君) これより本日の会議を開きます。本日の議事は、配付の議事日程第3号をもって進めます。     -------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問(代表質問) △佐久間昭君 代表質問 ○議長(矢吹康君) 日程第1、市政一般に対する代表質問を行います。47番佐久間昭君。 ◆47番(佐久間昭君) 〔登壇〕(拍手)47番、同志会の佐久間であります。ただいまより、同志会を代表して通告順に市長に質問いたします。 既に、4人の会派代表が質問されていますので、なるべく重復しないようにしましたが、若千重複する面もあるかと存じますのであらかじめお許しをいただきたいと存じます。 中田市長には昨年10月20日いわき市の第6代目の市長として就任されたものであります。その就任に当たって、自ら五つの政策スローガンにふれ決意のほどを示されたのでありますが、今日本を取り巻く環境は申すまでもなく、円高ドル安、貿易摩擦そして依然として続く国際収支のアンバランスと実に厳しいものがあり、かつての高度経済の成長は望めるはずもなく、現在は安定経済と言うより、不安定経済そして特に当市は高齢化社会が一段と進みつつあるところであります。こうした状況の中で、急がれるのは産業基盤の整備を進め経済の活性化を促進することと思われます。こうした考えのもとに次の点についてお尋ねいたします。 第一点は、市長は就任のあいさつの中で、入るを量り出づるを制することが財政運営のセオリーであると申されていますが、民間企業内で育った私には、利潤を追求する民間企業なら、入るを量り出づるを制す具体策はいろいろと考えられますが、税金と、交付金で賄われている自治体として、どのような方策があるのか具体的にその考え方をお示し願いたいと存じます。 第2点は昨日来からも触れられていますが、いわき市の起債についての考え方であります。 私の調査による類似都市の公債費の状況でありますが、60年度末現在高で、山形市が364億6,775万3,000円で、その比率は13.4%、市民一人当たりにすると15万1,557円、福島市が417億8,479万9,000円で、その比率は16.2% 、市民一人当たり15万5,551円、郡山市が323億4,551 万1,000円で、その比率は10.5% 、市民一人当たり10万8,294円、長野・豊橋は省略しますが、当いわき市は御承知のように526億6,443万5,000円で、その比率は13.9%を占めており、市民一人当たりにしますと14万8,171円と福島市、山形市の順についで3番目であります。 昭和62年度一般会計予算の中で11.1%増の57億840万円を計上してますから、先ほど申し上げました数字をそれぞれ上回ることは必至と思われます。市民の多くは市の借金と言われる市債について非常に不安を感じているわけであります。したがって、将来の当市の財政計画償還計画をどのように考えられているのか、お示し願いたいと存じます。 次に、非常災害の対策についてお尋ねいたします。昭和53年6月12日午後5時12分太平洋沿岸一帯を襲ったマグニチュード7.4 震度5の宮城県沖地震で仙台市は未曽有の被害を受けたのであります。また昭和58年5月26日正午マグニチュード7.7震度5の日本海中部地震これでまた、御承知のように想像以上の死者、そして家屋、道路、船舶、水田、農業用水路等大打撃を受けたのであります。特に、電気・水道・ガスの供給がストップされ能代市、男鹿市などは水道・ガスの修復に手間取り、市民生活が混乱に陥ったのであります。両地震とも幸い火災の発生が最小限であったのは不幸中の幸いでありました。特に仙台の場合、明治以来の記録で幾度かの大地震にもかかわらず地震の被害が殆ど見られなかったことが、仙台は地盤が強固だから被害が少ないという安心感があったもので、あの震度5の直撃で崩壊寸前までいったものと思われます。仙台の場合都市型災害の典型と言われ、ガス・水道などライフラインが徹底的に痛めつけられ市民の多くが苦難を受けたものです。時は、6月そして午後5時ごろですから季節的・時間的に幸いしたと思われますが、市街地周辺の住宅・ビル・ブロック塀の倒壊など大きな被害が多発し尊い人命を失ったものであります。あれから、間もなく10年を迎えようとしています。そうした災害も忘れられようとしている矢先、昨年末の伊豆大島の三原山の大噴火、全島民の避難そして帰島以来それぞれ今後の生活設計のため大変苦労しているニュースを見ては同情している今日このごろ、当いわき市地方にも去る2月6日夜そして一週間後の13日の夜の地震とその後も有感・無感の地震がたびたび発生しております。当いわき地方は、台風とか地震のような天災による被害はないものと思っていた多くの市民も多発する地震に一様に不安を感じているこのごろであります。こうした中で担当課である消防防災課ではいち早く「地震に備えて」と題し地震の心得10カ条なるわかりやすい印刷物を各家庭に配付されたことは適切な対応策であります。さてこうした時期に次の諸点についてお尋ねいたします。 まず、第1点は先ほどの宮城県沖地震、日本海中部地震では飲料水の確保が一番問題になったが、当市の水道局も既にこうした不慮の災害に備え非常時用として、風船式応急給水槽給水タンク、非常用ろ過器そして非常用貯水槽等々万全の対策を年次計画で進められているところでありますが、人間の生活に欠くことのできない飲料水のことですから、年次計画を実施することはもちろんでありますが、財政難の折でもありますので計画どおり進められるかどうかお尋ねいたします。 次に、避難場所についてでありますが、現在市は第1避難場所として217カ所、第2避難場所として268カ所を指定して市民に周知しているところでありますが、現在の標識ではわかりにくい面もあります。市民の意識の高揚と夜間でも、見分けができるよう避難所の標識に夜間でもわかるよう赤色の常夜灯を設置すべきと思うがいかがなものでしょうかお尋ねいたします。 3番目に自主防災組織の拡大についてであります。自主防災組織強化については、同志会は過去にも幾度か提案してきたところでありますが、幸い62年度の予算案にも補助金として600万円ほど計上され、20の組織を見込んでいるのでありますが、残念ながら市内の組織率は、昭和61年4月1日現在全国平均34.3%県内の昭和61年9月1日現在全国平均34.8%より大きく下回り、県内で最低の組織率で本年2月10日現在14.63%であります。今後具体的にどのような方策で組織率のアップを図ろうとするのかお尋ねします。また、組織された防災会の役員の研修そして防災会と地元消防団との連携についても考えるべきと思いますが見解をお尋ねいたします。 4番目に突然襲ってくる地震で家具類の倒壊・落下の防止対策についてのPRについてお尋ねいたします。先ほど申し上げました印刷物にも図入りで説明してますが、とっさの場合ストーブの消火等については気がつくのでありますが、家具類の固定は忘れがちなものですから重点的に徹底させる必要があると思われますのでお尋ねいたします。 最後に仙台沖地震の例にありますように、ブロック塀の倒壊で死者まで出ている事実を考えるときそうした事故を防止する対策のため、新しい団地等については建築協定を結ぶなど地震対策を含めた建築指導を行うべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。 次に、観光行政についてお尋ねいたします。御案内のように、近年における国民の価値観は経済的価値重視から、精神的文化的価値重視へと変化しており、余暇時間を人間性の回復、自己発現の自由時間として積極的に活用していこうとする傾向がうかがわれるところであります。言いかえれば、国民の観光レクリエーションに対する需要は、一層増大するとともにその内容も短期型から長期滞在型「みる観光」から「する観光」へと質的にも多様化している状況にあると言える訳であります。このような背景の中において、幸いにもいわき市民長年の願望でありました、常磐自動車道も来年3月には開通される運びとなり、我がいわき市もようやく高速交通社会への仲間入りすることができ、これを契機に飛躍的な観光客の増加が期待されるところであります。そこで、この観光をいかにして地域経済へ波及させていくかということが、重要なかつ緊急な課題となってきたという認識に立って以下数点についてお尋ねいたします。 まず、第1点は、観光と市民とのかかわりについてであります。わたしは、観光の原点というものは、お客さまをどう歓迎しもてなすかにあると思うのであります。確かにどこどこを訪ねてみたいという最初の動機は、風光明媚な自然、由緒ある名所旧跡あるいは温泉、レジャーを楽しみたいということから出発するわけであって、そこの地域の人々と触れ合いたいという気持ちは極めて少ない人々と思うのであります。しかしながら、こういう観光客を迎え入れた際、観光関連業者だけの問題としてその他多くの市民がそっぽを向いた場合、観光客は再びその地を訪れたいという気持ちはわいてこないことはもちろん、悪印象を宣伝する恐れもなしとしないのであります。観光振興は都市づくりの大きな手段であり、それは、行政・業者・市民が三位一体となって迫求しなければならないと思うのであります。このような観点から市民一人一人がPRマン、フロントマンのような気持を持つことが観光の原点と考えます。幸い62年度の予算案の中で、観光接客従事者研修会開催事業費補助金として、100万円ほど計上していることはある程度評価するものの前段申し上げましたように、その意識醸成対策を含め市長の御所見をお伺いいたします。 第2点は、観光誘客対策についてお尋ねいたします。先ほど申し上げましたように、常磐自動車道もいよいよ開通、言わば観光誘客の陸の導水路が完成するわけでありますが、この機会をとらえさまざまな誘客対策が必要であろうと思うのであります。いわきの観光は、資源では決して他の地域に引けを取らないと思うのであります。それは、わたしがかつて23年間住んだ埼玉県から当地へ住んだ実感からも自信を持って申し上げることができます。肝心なのは、いかにして「いわきのよさ」をPRするかだと思うのであります。最近は情報化社会と言われ、奇抜な、ユニークな誘客対策はマスコミはいくらでも取り上げ、俗な言葉で申し上げるならば、ただで宣伝してくれる時代になっているわけであります。誘客PR対策についての御見解をお尋ねいたします。 第3点として、陸の導水路に対して海の導水路をどうするかということであります。当市の観光の目玉は豊富な温泉と海洋であります。海からの誘導対策は現在皆無であります。これからは、海からの誘導策として観光汽船やカーフェリーの就航を積極的に考えていくべきと思われますがお尋ねします。 第4点として、常磐自動車道が開通して、首都圏から未知のいわきへ行ってみたいと多くのマイカー族がいわきへきて迷うのは何と言っても案内の標識が不十分であると思うのであります。当局も観光モデルコースのパンフレットをつくり努力していることは認めるものの住んでいる市民にも理解してもらうよう積極的にPRする必要があると思うのであります。当局の見解をお尋ねいたします。 第5点は、いわきおどりの普及についてであります。御承知のように、いわきおどりは市制施行15周年を記念して創作されたもので、現在は8月のいわきまつりのメーンでありまして、かつて小名浜地区は天狗おどり、常磐地区はやっぺおどりがあったわけでありますが、これを機会に全市が一丸となるまつりとするために新しく創作されたいわきおどりに統一されたのでありますが、市民に定着させ将来徳島の阿波おどりのようにだれでもおどれるものとするために、現在の大人に普及することも必要とは思うが、将来を展望すると市内の小・中学生を対象にして、学習発表会とか、春・秋の運動会などに発表する機会を考えるべきと思うのであります。なぜなら、小・中学校時代に覚えた児童・生徒たちが、やがて大人になり、親となり、母となれば、すべての市民がいわきおどりができる時代がくると思われるからであります。現在もすでに実行している多くの学校のあることも十分承知していますが、市内全校が実施できるよう考えますので見解をお尋ねいたします。 次に、2点ほど要望を付したいと存じます。 その第1点は、海洋リゾート構想についてお尋ねする予定でありましたが、既に質問にも出ていますので、私は、この構想は、宿泊・文化・スポーツ施設の建設、交通網の整備さらに農林・水産業へと関連産業へ与えるインパクトのすそ野は非常に広くなっており、ひとつのまちづくりの手法として地方にとっては大変歓迎されている構想であります。私は、このような将来性の高いリゾート整備を推進することは、市民に夢を与えるものであり大いに賛同するものであります。最大限の努力されることを要望します。 第2点としての要望は、昭和61年度より4カ年計画で整備事業が進められる勿来関文学歴史館建設は観光拠点の目玉の一つとなると思われますが、最近市内各地に蔓延する松くい虫の被害に、あの勿来関の老木が侵される危険が生じておりますので、せっかく文学歴史館が建設されましてもあの地にもし、あの老松が皆無となった場合を想像するとゾットするのであります。観光地の目玉に入る、三崎公園、新舞子浜のあの松林等も、松くい虫から守られるよう、国だ県だと言わず、特に庁内の関係部は協調して防除に努力されるよう強く要望して次の質問に移ります。 名誉市民推戴者の処遇について市長の見解をお伺いいたします。 いわき市は、去る昭和58年3月の定例市議会におきまして、名誉市民条例を制定し広く社会文化の興隆、または公共の福祉のため多大の御功績のあった方々に名誉市民の称号を贈り、その御功績を長くたたえることとしておるのであります。この名誉市民といたしましては、いわき市立総合磐城共立病院名誉院長畠山靖夫先生詩人草野心平先生に対してまた特別名誉市民といたしましては、友好都市である中国撫順市の元市長である全樹仁先生に対して御推戴申し上げているところであります。 私が、今回提言しお伺いしたいのは、名誉市民であるお二人の先生には、当議会の全会一致の賛同により、御推戴申し上げているという経緯を考慮し、これまでの御功績に対していわき市民の総意をもって報いるためにも、やはり何らかの形のあるもので、その名を永遠にとどめてあげる必要があるのではないかと考えるものであります。御承知のように畠山先生におかれましては、昭和25年11月組合立病院として医師5人、診療科目3、ベット数50の小さな病院として発足したものでありますが、先生の偉大な力によって歳月の経過とともに今日では、ベット数1,082を数える名実ともに大病院に発展し、いわき市はもとより浜通り一円はおろか、田村郡、石川郡お隣りの茨城県北部に至るまで広大な地域医療の基幹病院として、先生がこれまでに果たされた役割というものは極めて偉大なものがあると、市民がひとしく認めているところであります。 このような観点に立ちまして、現在建設完成間近の東第2病棟の完成の時期が、62年度建設計画の薬局棟の落成時期に合わせて、あの病院敷地の一角に顕彰碑あるいは胸像を建立してはいかがかと考えるものであります。 また、草野心平先生は、いわき市が生んだ現代詩壇を代表する詩人として第一人者であり、長年にわたり卓絶した創作活動が高く評価され昭和58年度の文化功労者でもございます。特に、先生の作詩による市内の小・中・高校の校歌の数は17校にも及んでいるのであります。御承知のように草野心平先生は、双葉郡川内村の名誉村民として、昭和35年に推戴されまして、同村に設置されている天山文庫は多くの方々から親しまれているところであります。また、昭和58年11月、大黒屋デパートで開かれた「草野心平すべて展」は大変人気を博したことは記憶に新しいところでございます。したがいまして、私は先生が85歳の誕生日を迎えられる明年5月か、米寿を祝って誕生の地である小川町の格好の地を選ばれて、これまでの作品や思い出の記念品等を一堂に収集し広く市内・外の方々に見ていただくための記念館のようなものを建設し、先生の今後ますますの御活躍を祈念してはいかがかと考えるものであります。財政難の折から、市単独でできなければ多くの市民の御協賛を仰ぐのも一方法かとも存じます。 以上の点について御提案申し上げぜひとも実現の運びとなるよう市長の御理解と英断のほどを御期待申し上げ御所見をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。(拍手) ○議長(矢吹康君) 中田市長。 ◎市長(中田武雄君) 〔登壇〕47番佐久間議員の御質問にお答えいたします。まず、今後の長期財政計画の中で財源確保をどのように進めていくのかとのおただしでありますが、御承知のとおり、地方自治体にとっての財源確保は社会情勢の変化、国の政策の動向等により大きく左右され、長期的に予見することは非常に困難であります。しかしながら、基本的には今後とも国・県の動向を的確に把握することはもちろん歳入面においては、自主財源の大宗をなす市税の完全確保また税外収入についても新規財源の開拓等、あらゆる角度から検討し、増収に意を図ってまいりたいと考えております。 また、歳出面においては、引き続き経費の節減を図ることはもちろん市行財政改革大綱に基づき、民間委託の推進、人件費の抑制など財政構造の改善を積極的に推進し財源の捻出確保に努めてまいる所存であります。特に、「最少の経費で最大の効果を発揮する」方策として、行政の守備範囲を明確にし弾力的な行政運営に努めてまいる考えであります。 次に、財政計画償還計画をどのように考えているのかとのおただしでありますが、御指摘のとおり昭和62年度の起債額は57億800万円で前年度と比較しますと11.1%の増となっております。しかしながら、これが増加の要因は既に御答弁申し上げましたとおり、通常事業費における起債額はおおよそ7,900万円減少しているところであります。今後も起嘖の発行に当たっては、なお一層事業の重点選別主義に徹し極力抑制を図り、償還についても財政事情の許す限り繰り上げ償還に努めてまいりたいと考えております。 次に、名誉市民推戴者への処遇についておただしでございますが、当市におきましては、昭和58年3月定例市議会において、名誉市民条例を制定し、社会文化の興隆、公共福祉の向上の貢献された方々に名誉市民の称号を贈り、その御功績を長くたたえることにいたしました。昭和58年6月定例市議会におきましては、総合磐城共立病院の創設時から長年にわたり院長の要職にあり、名実ともに東北地方屈指の大病院に育てられた、畠山靖夫先生に対して、満場一致をもって第1号の名誉市民に御推戴申し上げ、また、59年6月定例市議会におきましては、我が郷土が生んだ現代日本詩壇を代表する第一人者であり、文化功労者でもある草野心平先生に対して、満場一致で名誉市民に御推戴申し上げたところであります。 両先生の偉大なる御功績は枚挙にいとまがなく、我がいわき市が他に誇り得る方々でございます。両先生に対して、記念像あるいは記念館建立についての貴重な御提言でありますので他市の実例等をよく参酌しながら検討を加えてまいりたいと存じます。私からは以上でございますが、その他につきましては、助役以下関係部長にお答えさせますので、御了承をいただきたいと存じます。 ○議長(矢吹康君) 飯島教育長。 ◎教育長(飯島護君) 〔登壇〕佐久間議員の御質問にお答えいたします。 観光行政についてのうち、いわきおどりについてのおただしでございますが従来も市内の小・中学校において学校教育活動の中に取り入れまして郷土愛の育成に大きな成果を上げているところであります。今後も、「市民のおどり」として定着させるため、運動会、体育祭、学習発表会などで実施することは、「いわきおどり」の啓発のため非常に有意義であると思いますので、このおどりの輪をさらに広めるよう各学校へ指導してまいる考えでありますので御了承をいただきたいと思います。 ○議長(矢吹康君) 御代水道事業管理者。 ◎水道事業管理者(御代武光君) 〔登壇〕佐久間議員の御質問にお答えいたします。 非常災害対策についてのうち非常用地下貯水槽についてのおただしでございますが、当市の水道普及率が94.69%という高い普及率を迎えた今日では、たとえ地震等災害時においても、給水への影響をできるだけ少なくすることが水道事業者の責務であると考えております。このため災害に強い水道施設の建設を目指し、災害時における市民の生命維持に必要な最低限度の飲料水を確保するため、非常用地下貯水槽を昭和60年度から7カ年計画で37基の設置を計画し、既に10基が設置済となっております。 今後とも本事業につきましては、御質問の趣旨をよくわきまえまして計画どおり実施してまいる所存でございますので、御了承賜りたいと存じます。 ○議長(矢吹康君) 佐々木総務部長。 ◎総務部長(佐々木進君) 〔登壇〕佐久間議員の御質問のうち、非常災害対策についてお答えを申し上げます。 まず、避難場所の表示施設に赤色灯または常夜灯を設置すべきでないかとのおただしでありますが、御承知のとおり緊急災害時の避難場所につきましては、お話にもございましたように市の地域防災計画の中で公園等の避難地217カ所、学校体育館等の避難場所268カ所を指定いたしております。現在、これらの場所にそれぞれ標示板及び誘導標識を設置いたしておりまして市民への周知を図っているところでございます。なお一層の周知徹底を図るための貴重な御意見でありますので周辺の環境等を考慮しながら標示板の改善について検討してまいりたいと存じます。 次に、自主防災組織の促進と育成指導についてのおただしがございました。昭和60年6月「いわき市自主防災組織の結成促進及び育成指導に関する要綱」を定めておりまして、組織化の促進を図っているところであります。これも話にありましたように現在市内に44団体が組織されております。その組織に属する加入世帯の率は、市街地を含めて14.6%となっております。将来は、全国平均の30%強を目標としてまいりたいと考えております。特に、市街地で組織率が低い地域につきましては、行政区を単位として、その地域の方々の理解を深める一方消防署など関係機関の協力を得ながら、自主防災組織の結成に積極的に取り組む考えでございます。また、育成指導につきましては、これまでもいろいろな企画をもって育成に当たってまいりましたが、さらに研修会や地域防災訓練の質の充実を目指したリーダー研修会等を実施するとともに、大規模な消防防災訓練への見学研修会というような方法をもって積極的に推進しまして、意識の高揚を図ることはもとより消防機関との連携を密にする機会を多くつくってまいりたいと考えております。 次は、地震による家具等の倒壊落下の防止対策についてのおただしでございますが、御承知のとおり去る2月6日の福島県沖地震以来地震が群発しておりますということから急遽「地震に備えて」のパンフレットを作成し、全世帯に配布し周知を図ったところは御承知のとおりでごさいます。今後は、自分自身の身は自分で守るという意識の高揚これが大事なことと思っておりますので、広報紙等を利用し機会あるごとに周知してまいる所存でございますので御理解をいただきたいと存じます。 ○議長(矢吹康君) 江尻商工水産部長。 ◎商工水産部長(江尻定吉君) 〔登壇〕私からは佐久間議員御質問のうち、観光行政についてお答えいたします。 まず、市民の観光意識醸成の対策についてのおただしでありますが、市及び観光協会が一体となり、市民総参加の観光ガイド事業を実施しているところであります。市民の皆さんにいわきの観光の実態をよく理解していただき、市民一人一人が観光ガイドとして友人、知人、職場等を通じ広く全国的に宣伝していただくため「観光施設割引利用券」を発行しているところであります。また、地場産品の中から観光みやげ品の推奨、観光写真展の開催等の事業を推進し、広く市民の観光意識の高揚を図っているところであります。さらに、本年3月には観光モデルコースなど観光全般について詳細に記載されている、「いわき市観光ガイドブック」を市内全世帯に配布する予定になっております。昭和62年度においては、直接観光客に接する旅館、タクシー会社の従業員等を対象として、「観光接客従事者研修会」を開催するなど、あらゆる機会をとらえて観光意識の高揚を図ってまいる考えでありますので御理解を賜りたいと存じます。 次に、いわきの観光のよさをPRするための情報機関の利用についてのおただしでありますが、これまで毎年地元記者懇談会を開催し、いわきの観光資源の開発状況、観光ルート等について懇談を重ね、御理解を願い広報媒体を通じてPRを願っているところであります。また、昨年の11月29・30日には、東京在社のテレビ、ラジオ等レジャー記者あわせて30名を本市に招聘いたし、磐城の観光地を案内するとともに海づりの体験、海産物を初め数多くの地場産品の賞味など「いわきの観光」のよさを理解していただき、各種媒体を通じてPRをお願いしたところ招聘各社のテレビ、ラシオ、雑誌、新聞等により「いわきの観光」が広く全国的に紹介をされたところであります。さらに、63年春の常磐自動車道の開通にあわせ来年1月から3月までの3カ月間にわたり、首都圏域の一都8県人口にして3,600万人を対象に効果的時間帯において「いわきの観光」を組み入れテレビ放映し誘客を図ってまいる考えでありますので、御理解を賜りたいと存じます。次に、観光汽船やカーフェリーの就航を積極的に考えてはどうかのおただしでありますが、御承知のようにいわき市は、海、山岳渓谷、温泉、観光施設など豊富な観光資源に恵まれております。したがいまして、陸路による観光誘客ばかりでなく、客船あるいはカーフェリーなど、海路よりの観光誘客も考えなければならないと思われます。しかしながら、これを行うためには、その客船を受け入れるための岸壁の整備や、関連施設の設置等各種条件の整備が必要となるのであります。したがいまして、今後これらについて十分研究を重ねてまいりたいと考えておりますので御理解を賜りたいと存じます。 次に、観光案内標識の整備についてのおただしでありますが、昨日、25番馬目議員にお答えしたとおり本年度の調査を踏まえまして、63年度より、おおむね3カ年計画で整備を図る考えでありますので御了解願いたいと思います。また、観光モデルコースの市民PRについてでありますが、現在作成し3月に市内全世帯に配布する予定の「いわき市観光ガイドブック」の中に観光モデルコースなど観光全般について詳細に記載されておりますので、御理解の上御活用いただきたいと存じます。 ○議長(矢吹康君) 古内都市建設部長。 ◎都市建設部長(古内義光君) 〔登壇〕佐久間議員の御質問で非常災害対策のうち、ブロック塀などの倒壊防止対策のため、新しい住宅団地等については建築協定を結ぶなどして建築指導の中で実施してはどうか、との質問にお答えいたします。 既に議員御承知のとおり、昭和53年6月に発生した宮城県沖地震による、ブロック塀等の倒壊に伴い、人身事故が発生したことは大きな社会問題になりました。この教訓をもとに、いわき市におきましても防災計画の中で地震対策の充実強化を図るため、ブロック塀、石塀等の項目を新たに加え指導に当たっております。その主なものは、54年に「ブロック造の安全な立て方と補強方法」についての、リーフレットを添付して指導に当たっております。また、災害発生防止対策といたしましては、既設の危険なブロック塀に対する改善指導として建築防災指導週間内に、スクールゾーン内の通学路に沿ったブロック塀等については調査を実施し補強等の改善指導を行っております。 また、都市計画法に基づく、大規模住宅団地開発事業あるいは区画整理事業等が実施される場合には、建築協定を締結するよう指導にあたっており、既にいわき市中央台飯野一・二丁目を初めとし洋向台、ニュータウン石森、浅目団地などについては、建築協定を締結し災害時の危険を防止すべく、安全なブロック塀等の築造義務を盛り込み緑豊かなうるおいのある住みよいまちを形成するため努力していますが、今後とも、大型住宅団地開発等については、建築協定締結の促進を図ってまいりたいと考えておりますので御了承願いたいと思います。     ------------------------- △草野正辰君 代表質問 ○議長(矢吹康君) 31番草野正辰君。
    ◆31番(草野正辰君) 〔登壇〕(拍手)31番民主クラブの草野正辰であります。民主クラブを代表いたしまして、通告順に従いまして、代表質問を行います。昨日来のそれぞれの方々の代表質問によりまして、重複する部分があるわけでございますので、要約して申し上げますが、重ねて御回答をお願い申し上げる次第でございます。 田市政が誕生しまして約半年近くなろうとしております。市長は常に、35万市民の福利増進ということを願って、意欲的に市政執行に当たっておられるようでございまして、そのお姿を拝しましてまず、敬意を表する次第であります。我が会派は、昨年10月の議会において、斉藤隆行議員が会派を代表しまして中田市政に対しましては、市民の幸福を第一義として、そして従来通りの是々非々主義を貫くという表明をしたわけであります。その後のいままでの経過の展開を見ますと、今日までの限りにおいては、まことに是々是々でありまして、非々はまだ出てないようであります。この点高く評価申し上げます。これを踏まえまして次の点についてただしたいと思います。 まず、市長の政治姿勢についてでございますが、人事問題についてであります。人事は、いうまでもなく、常に公平・無私・中正で、その人のもてる能力を最高に発揮させるように配慮するのは申すまでもありません。市長は選挙後における論功行賞的、あるいは報復的人事は、一切こういうことはやらないと言明しました。その後、一連の最高幹部を中心とした人事を見る限りにおきましては、まさにそのとおり行われたようでございまして、適材適所、まことにその人を得たというべき人事がなされました。今後、引き続いて行われる一般職員人事につきましても、人事の基本的理念に徹せられて、資格の活用あるいは経験年数、出身地域への配慮、人間関係、そういったものを考慮されまして公正に行われることを期待申し上げて、市長の考え方をお聞かせ願いたいと思います。 次に、昭和62年度の当初予算が提示されたわけでありますが、厳しい財政状況のもとでの作業がいかに困難を極めたものであったかそれが如実に伝ってくる内容でありまして、まことに御苦労様でした。そんな中で、725億に占める構成比を見る限りにおいては、民生費・土木費・教育費、いずれも17.2%であります。この3本柱に強く意を注がれた結果であろうと感ぜられます。市長の最大目標である民生の安定と、常磐自動車道全開通によるアクセス・一般道路網の交通体系の整備、そして教育学校10校建設を初めとするひとづくりにかける意欲のあらわれと評価いたします。しかしながら、市民の生命の根源であり、日本民族文化のベースであり、日本の文化をいままで支えてきた、そして自然環境保全等の役割を持つ農林水産業費が57%であります。市民が、自由に快適な生活を、そして文化的、経済的活動をするための基盤である商工費が3.5%といずれも低率でありますが、この点はどのように市長は考えられておられますか、御見解をお聞かせ願いたいと思います。 2番目に市の北部開発の道路網の整備ということでございますが、交通体系の確立と道路網の整備は、市長が掲げる5大目標の中でも、最も意を用いられているところでございます。県立平商業学校から石森山を経て、四倉に至る道路、掻槌小路-上柳生線でございますが、それについて質問いたします。あの途中にはフラワーセンターがございます。フラワーセンターは、年々施設も充実し、その運営も改善・進歩されて、市民にやすらぎといこいとふれあいを深め、さらには青少年の学習体験の場として、約8万人の入込客を得るまでに成長いたしました。しかし、同センターを訪れた客は、同所からUターンをせざるを得ない状況にあります。フラワーセンターから先は大型バスが運行不可能な個所でございます。フラワーセンターを越えますと大野駒込地内、県道四倉-小野線に下っていきます。そこは、かつて玉造り郷と呼ばれまして真言智山派の中心道場であった薬王寺あるいは恵日寺、こどもの村、そして県立少年自然の家の建設予定地、さらには、四倉海岸へと連なっておる観光拠点がございます。これらの観光拠点をつないで線の観光、フラワーセンターからの平に帰ってくるような周遊コースを整備することによって、おくれていると言われる北部地区の活性化の転機となることを期待するものであります。この点につきまして御意見をお聞かせ願いたいと思います。 次に文化財の保護についてでございますが、21世紀を支え、社会の進運に貢献する人づくり教育の重要さは、常に市長が強調されておるところでありまして、学校建築等教育予算にかけられる意欲は、評価申し上げましたが、文化財の保護・保全管理についておただしいたします。 まず、指定文化財の防災査察等の実施ということでございますが、市には、国・県・市指定の重要なる文化財が、たくさんあります。その中で、最も文化財価値が高いものを所蔵しているものの一つと、称されておりました薬王寺金堂が、昨年の3月23日、全焼いたしました。不幸中の幸いにも、あの寺に収蔵されておる数ある指定文化財は、収蔵庫の中に収蔵されてあったために、その災を免れたわけであります。しかし、本格的な所蔵施設を持たないということが、ほとんどの大部分の所蔵関係者の実態であります。文化財は、長い間地域に受け継がれてきた、市民共有の文化遺産であります。文化財として指定をしてからは、その保全のための指導あるいは査察等は、当然のことで、査察に対する考え方、あるいは既に、実施いたしておるでしょうから、もしそうであるならば、その実態は、どのようになっているものかお聞かせを願いたいと思います。 次に、文化財の収蔵センター埋蔵文化財でごさいますが、本市は文化財、特に、化石・埋蔵文化財等の宝庫と言われております。先般開催されましたいわきの古代展に見られるように、すばらしい出土品が数多くあります。その数、約350万点とも言われております。それらは、文化収蔵施設、これは十五町目のもとの消防署跡でございますが、そこを中心に市の遊休施設等に分散・保管されております。最近の新聞報道によりますと、あの収蔵施設の敷地は一部県有地であって、県は財源確保のために未利用遊休地を一部売却することになったそうでございまして、あの敷地は隣のもと中央警察署跡地とともに、売却の対象となって、近く明け渡しを迫られているやに聞いておりますが、その対応はどのようにお考えなのかお聞かせ願いたいと思います。 また、埋蔵文化財の収蔵センター設置につきましては、以前の議会におきまして若松議員から質問がありまして、それに答えて、長期的に市の総合計画の中で位置づけられている博物館建設計画とあわせて研究を進めていく考えだ。との答弁がなされた経緯があるが、その後どういう対応が考えられ進められているのかお聞かせ願いたいと思います。 次に、農林行政についてお尋ねいたします。 まず最初に、水田農業確立対策でございます。昭和53年からスタートいたしました水田利用再編対策も、昭和61年度で、終了することになりましたが、これまでの経過を見ますと、いわき市もこの9年間、各年度とも100%以上の目標達成が図られてきたことは農業者、そして農業団体の協力はもちろんのことではありますが行政の強力な指導、努力があったればこそであって御同慶にたえないところであります。 さて、現下の農業をめぐる問題は、米を初めとする農畜産物の輸入外圧、国内的には、農業・農協批判の高まりなど、農業のおかれている立場は、年々厳しさを増している状況であります。このようなことを踏まえ、国は農政審議会で審議検討された、21世紀へ向けての農政の基本方向の報告を受けて、ポスト三期対策として、新たに水田農業確立対策として、向こう6カ年で62年度より実施することにしたのでありますが、農業者・農協等にとっては、今後の水田農業のあり方を問われる重要な時期を迎えたものと考えます。全国で、77万ヘクタールの面積が設定され、本市においても1,721ヘクタールが配分され前年比353ヘクタール増となり、転作率も26%という厳しさであります。本市の配分等の事務は、既に進められていると思いますが、このたびの対策が農業者に十分理解され、農業団体も積極的に取り組むことが食管法を守る道につながる重要な年になると思うのであります。 そこで、次の点についてお伺いいたしたいと存じます。 まず、第1点でございますが、前期対策と異なり、今回は、生産者側の責任が強調されておりますが、主なる前期と今回との相違点はどうなっているのかお伺いをいたします。 第2点目とし昨年の12月19日、県からの市町村配分がなされましたが、本市の進捗状況は現在どうなっているのでしょうか。また農業団体の責任も強調されているようでありますが、その取り組み状況はどうなっているのかお聞かせ下さい。 第3点目としまして全国的な転作面積の増加の中にあっても、転作の定着化、それは非常に重要なものであると考えておりますが、作目の選定等を含めて厳しい状況にあるのではないでしょうか。本市は、昭和58年度から1・1・10運動を展開していますが産地化を目途に、転作をどのようにとらえ、どのように対応して行こうとしているのでしょうか。その具体的方策についても伺いたいと思います。 2番目に原生林の保存についてでございますが、我が国の70%を占める山地、山林の中に存在する原生林の保護保全についてということでございます。森林は申すまでもなく、人間生活に欠くことのできない空気、そして水資源を涵養、供給し、洪水の調節等によって自然の暴威から国土を保全する役目をもつ人類共有の自然的財産であります。しかるに御承知のように最近の森林を取り巻く情勢は、まことに厳しいものがございまして、乱開発による荒廃、病害虫による無残な食害、林業にかける意欲の減退、喪失からくる撫育の放棄、手抜き等によって、まさに荒廃その極に達しようとしております。かかる状況の中にあって、森林に深い関心を振起させ、そして意識を高揚させるべく方策の一つとして、市内に残り少ない原生林の保全、育成に心がける考えはないものでしょうか。青秋林道、知床半島開発等の大型プロジェクトの原生林破壊が、いま大変大きな社会議論を呼んでいる中でもあります。市内の原生林の場所とか、面積とか、樹種とかそういった分布状況等をお聞かせ願いたいと思います。 次に、松くい虫の対策についてでございますが、松くい虫被害対策特別措置法の延長についてでございます。松くい虫被害対策については、空中散布を主として総合的な防除を図り、年々3億円を上回る膨大な事業費を投入して懸命な努力をしているところでありますが、残念ながら、被害は目に見えて減少したという顕著な効果は見られません。そういう現状であると見受けられます。現行の松くい虫被害対策特別措置法は今年をもって期限切れとなりますが、現在増加する被害状況を見るにつけましても、いわきの松を今後、守り切ることができるかどうか。重大な瀬戸際であると痛感せざるを得ないのでありまして、被害対策を再検討すべき大切な時期にさしかかっておるだろうと判断されるわけであります。こうしたことから、本法の継続延長は、ぜひとも必要でありますので、今後どのように改正されていくのか、その主なる改正内容と今後の再延長の見通しはどうなるのか。お尋ねをいたしたいと思います。 4番目にいこいの里鬼ケ城についてでございますが、この施設の管理運営は、市当局と川前地区新林業構造改善事業運営協議会の努力によって着々成果を挙げておりますことに心から敬意を表するものであります。本施設の整備は、新林業構造改善事業を主体として実施してきたところでありますが、主要部分はほぼ完成しております。しかし、さらに利用効果を高めるため、より個性的な、地域にあった施設を充実させることが必要であろうと考えられるのでありますので、新たな計画がおありとすればお聞かせ願いたいと思います。 聞くところによりますと、昭和63年夏、東北6県のボーイスカウトによる4泊5日の野営大会が本施設で開催され約2,500人が参集する計画のようでありますが現地への主要道路であります、県道神俣停車場-川前線の改良工事の促進が、最も急務でありますが、その後、どのように促進されているのかお聞かせを願いたいと思います。 最後に5番目として地域特産食品開発育成についてということでございます。 近年におけるわが国の食料は、経済の成長に伴い、あらゆる農林水産物の過剰基調を背景として、あふれている状況であります。そのため、食生活は、いわゆる飽食の時代と言われているように、消費者の価値観の変化、個性化、高級化への志向を強めながら少量多品目消費へと、移行してまいりました。また、一方におきましては、健康管理面と食品に対する安全性等の問題から、手づくり志向、本物志向への関心も高まってまいりまして、その要求も強くなっているところであります。このような情勢のもとで、大分県の一村一品運動に見られるように、全国的に地域特産品づくりをねらいとした、いわゆるふるさと産業おこし運動が、一種のブームのように盛り上がってきております。この運動は、地域の特性を生かしながら地場産業の振興によって地域の活性化を図ろうとするものでありまして、国においても提唱しており、県においてもその推進を図っておるところであります。したがって本市においてもその一環として、重要な取り組み方であろうと考えられます。いわき市は、山あり、海ありと、気候、立地のバラエティに非常に富んだ土地でございます。農産物を初めといたしまして林産物、海産物等が生産販売されているが、今後これらの産物に付加価値を与え、さらに振興するためには、どのようなことがなされるか大変大きな課題であると考えます。そこでまず、農林産物につきましては、この方向をどのように進めて行く考えなのか、また、具体的にどのようなことを方策として考えているのかお尋ねをいたします。また、海産物につきましても、開発可能なものが、たくさんあるだろうと思いますので、その方策、あるいは考え方などについてお伺いをいたします。 以上を申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(矢吹康君) 中田市長。 ◎市長(中田武雄君) 〔登壇〕31番草野議員の御質問にお答えいたします。 職員の人事異動についてのおただしにつきましては、昨日馬目清通議員にお答えしたとおりでありますが、本年4月1日定期人事異動に当たっては、地域の垣根を取り払った、広域的な人事交流を行うとともに、同一業務に長期間従事している職員の配置替えなど、人事異動の目的である、公務能率の向上と市民福祉の増進のために適材適所主義による公平・妥当な人事配置をする考えでありますので、御理解いただきたいと存じます。 次に、昭和62年度当初予算における農林水産業費及び商工費の構成比についてのおただしでありますが、地方都市にあっては、農林水産業費や商工費の構成比は、それぞれの都市の産業構造や都市形態または時代の変遷によって大きく左右されますことは御承知のとおりであります。また、農林水産業費、商工費には事業の実施主体が市みずから行うものばかりではなく、それぞれの団体等で行うのが多くあり、予算規模としては大きくならない実情を内在しているわけであります。62年度の農林水産業費及び商工費の構成比が低くても、質的には充実した中身でありますので、御理解を賜りたいと存じます。 私から以上でございますが、その他の質問につきましては、助役以下担当部長にお答えさせますので、御理解いただきたいと思います。 ○議長(矢吹康君) 飯島教育長。 ◎教育長(飯島護君) 〔登壇〕草野議員の御質問にお答えいたします。 まず、文化財の保護、保全についてでございますが、当市には、国・県・市の指定文化財が135件ございます。うち防火施設を必要とする建造物等は30件であります。しかしながら、その整備状況は必ずしも十分といえませんのでその所有者と一体となって、これから先人の遺産である文化財の保護につきましては万全を期さなければならないと考えております。 おただしの文化財防火査察等の実態につきましては、毎年関係消防署と合同で文化財防火デーに消火訓練、防火査察等を実施し、火災等によって實重な文化財が焼失することのないよう十分配慮しているところであります。なお、査察した場所、施設、消火器等の施設状況は次のとおりでございます。  1、査察した場所、飯野八幡宮ほか29件。  2、収蔵施設設置、薬王寺、如来寺。  3、消火器設置、白水阿弥陀堂ほか26件。  4、屋外消火栓設置、白水阿弥陀堂ほか4件。  5、自動火災報知器、白水阿弥陀堂ほか7件。 以上でございますが、文化財パトロール、防火設備の整備を促進し今後一層充実強化を図ってまいる所存でございます。 次に、文化財収蔵センターの設置についてでございますが、市内には900カ所に及ぶ埋蔵文化財包蔵地が確認されており、道路等の開発に伴う記録保存のための発掘調査も多く、累積出土遺物も363万点余に達しております。今後もこれは増加する一方であります。これらの遺物は、現在、旧平消防署建物を埋蔵文化財収蔵施設に充てる等、分散保管しているところであります。 おただしの、旧平消防署跡の文化財収蔵施設については、62年中に移転することとなっておりますので、暫定的に平字城東町にある旧農用地開発公団事務所及び湯本第三中学校校舎の一部を改修し、保管収蔵する考えであります。また、過日、開催いたしましたふるさとシリーズいわきの考古展には、5,000人余の市民が訪れるなど、文化財に対する市民の関心も高く文化財の公開等につきましては、当然行政の責務と考えておりますので、文化財の収蔵施設の整備については第三次いわき市総合計画の中で博物館構想との調整を図りながら、鋭意検討してまいるつもりでございますので御了承いただきます。 ○議長(矢吹康君) 伊藤農林部長。 ◎農林部長(伊藤次郎君) 〔登壇〕草野議員の御質問のうち農林行政についてお答え申し上げます。 まず、水田農業確立対策に係る諸問題についてであります。 御質問の第1点目の前期対策との相違点につきましては、まず第1に、従来の転作主導型から、水田農業全体の見直しを行い、その一端として転作を位置づけしていること。第2としては、目標面積の配分等を含めた推進事務が行政主導型であったものを生産者及び生産者団体の主体的責任をもった取り組みを基本として、行政と一体となって推進することになったこと。第3は、転作助成金の基本額が現行より2分の1、または3分の1に引き下げが図られ、生産性向上のための加算制度を充実し、集団的な転作を促進することとしたこと。第4としては、地域営農加算制度が新設されまして、ただいま申し上げました加算額にプラスして交付される仕組みとなったこと。ただ、その交付要件として、農協それぞれが推進を図るための組織化、水田利用合理化計画の策定、互助制度のための基金造成、農協長名による農業者への目標配分の通知及び転作計画書の取りまとめなどを義務付けております。そのほかとしては、未達成市町村に対する農林水産省所管の補助事業の不採択の強化などが、主なる改正内容でありますが、総体的に生産者及び、生産者団体の自主的な取り組みの強化が大きな特徴となっております。 次に第2点目の本市の進捗状況及び農協の対応についてでありますが、本市に対する目標面積の配分につきましては、お話の通りでありまして、厳しいものと受けとめております。まず、進捗状況についてでありますが、昨年の7月に農協、中央会、経済連、共済組合、市及び県出先機関の関係者で構成いたします。いわき市水田農業確立対策検討委員会を設置いたしまして、共同責任の中で、配分、推進方策等の検討を進め、本年1月24日には、いわき市水田農業確立対策推進協議会と開催いたしまして、集落配分を基本とした推進方策、農協別配分の決定をいたしたところであります。この配分決定を受けて、農協を単位とする地区推進協議会を設置していただきまして、説明会を市内31カ所で開催し、本対策の趣旨及び転作指導について農協と一体となって推進を図ってきたところであります。なお、転作計画書の提出目標日を3月25日として進めているところであります。 次に農協の対応状況でありますが、本対策の実施結果の成否が、食管法自体に大きな影響を及ぼすとの認識に立ちまして農協も積極的に対応し、農協それぞれの地区協議会を開催しているところであります。また、地区協議会終了後は、みずからの手で集落座談会を開催し、趣旨の徹底を図っている状況にごいます。しかしながら、市街地周辺農協では、二種兼業農家も多く、取り組み方も厳しい状況にあることから、なお一層の農協の努力を期待いたしているところであります。 次に第3点目の転作を1・1・10運動とその関連について、どのようにとらえ対応しているのか、とのおただしでございますが、転作誘導の基本的な考え方といたしましては、本市のもつ有利な立地条件を生かして、適地・適作を基調に、豊かな主産地づくりを目指して、特色のある転作営農が行われるよう推進する方針であります。そのためには、今後全国的に転作面積が増加することに伴いまして、農畜産物の産地間競争はさらに激化することが予測されますので、これらの情勢を念頭に入れた、足腰の強い生産活動と転作の定着化を図ることが重要と考えております。したがいまして、具体的な対策といたしましては、水田のもつ、高い生産力を高度に利用し現在第二期対策として推進しております1・1・10運動と関連づけながら、きゅうり、トマト、いちご、ねぎなどの対象品目13品目ございますが、これを主体として、また、土地利用型作物であります、麦、大豆などの推進さらに戦略的補完作物としての、カボチャ、ニラ及び軟弱野菜などの作付を指導してまいりたい考えでおります。現在、いわき農業改良普及所など関係機関並びに農協など関係団体の御指導、御協力により、転作資料として水田転作のしるべを作成し、各地の集落説明会を通じて転作の誘導を図っているところであります。また、これらの推進に当たりましては、関連補助事業の積極的な活用と、価格安定対策として、国・県の青果物価格補償制度への加入を促進し、価格制度に対応できる体制を整備しながら、地域の特性を生かした、主産地の確立を目途に農業経営の安定を図ってまいる考えでありますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に原生林の保存についてのおただしについてお答え申し上げます。 いわゆる、原生林と言われるものにつきましては、市内では国有林のみに存在しております。まず、その分布状況でありますが、平営林署管内におきましては、赤井岳に66ヘクタール、夏井川流域に200ヘクタール、背戸峨廊に124ヘクタール、川前上高部に88ヘクタールの原生林がございます。また、勿来営林署管内では、四時川渓谷に82ヘクタールがございまして、市内の原生林総面積は、約560ヘクタールとなっております。樹種といたしましては、ブナ、ナラなどの広葉樹が主でありまして、樹齢は、いずれも100年以上の森林であります。当市は、御案内のように市域の74.1%を森林が占める県内で最大の林業地域でありまして、民有林行政と国有林行政は直接的、間接的にも相関関係をもっております。したがいまして、原生林の保護育成につきましては、今後ますます国有林行政と連絡協調しあいまして、これらの貴重な原生林が保護育成されるよう営林署に働きかけてまいりたいと考えております。その一例として、平営林署において、施業計画の中で、川前町の上高部の原生林について伐採計画があるのを察知しましたので、昨年4月、市と川前区長会が一体となりまして、平営林署へ陳情、原生林の保護育成について働きかけを実施したところでございます。 次に、松くい虫被害対策特別措置法の再延長見通しと主なる改正内容についてのおただしでありますが、特別措置法の再延長等につきましては、市の重点事業として、あらゆる機会を通じて国及び県に対し要望をいたしているところであります。去る2月3には、松くい虫被害対策特別措置法の一部を改止する法律案が閣議決定され、今国会に提出されたのであります。その主な改正内容といたしましては、微被害地域への拡散防止の徹底及び特に保全すべき松林にあっても、一定の要件のもとに、知事による伐倒駆除の実施など、地域に即した各種防除対策を総合的に推進することとしており、その有効期限を昭和67年3月31日までの5カ年間延長するものとなっております。当市における松くい虫の被害状況は、議員各位お話しのように、懸命の防除対策にもかかわらず、空中散布区域を除いては、拡大の傾向にあります。したがいまして、この法律案が3月31日までに成立しない場合は失効となり、防除対策に重大な支障を来すことになりますので、市といたしましては、県ともども本法案の国会における審議の促進を強く期待いたしているところであります。 次に、いこいの里川前鬼ケ城についての2点にわたる御質問のうち私からは、施設の整備計画についてお答え申し上げます。 本施設にかかる新林業構造改善事業の導入期間は、現在のところ、昭和62年度までとなっております。お話しのように、管理棟、バンガローなどの主要な施設はほぼ完備しておりまして、残るは、管理道や駐車場の舗装なと、附帯的なもののみとなっております。しかしながら、施設の利用効果をより高めるために、新林業構造改善事業以外の他の事業の導入も積極的に考え、昭和61年度には、山村振興農林漁業対策特別事業による山村広場を建設したところであります。新たな計画といたしましては、山里生活体験館の建設がございます。この事業は、まちづくり特別対策事業の一つとして、昭和62年度及び63年度の2カ年事業にわたり、事業費約1億3,000万円で建設を計画いたしておるものでありまして、山里に生活の体験の場をつくることにより、ヤマとマチの人々の交流促進と、山村の活性化を図ろうとするものであります。昭和62年度は、敷地造成と建物の設計委託を予定しておりまして、これら関連予算を新年度当初予算に計上し、御提案申し上げているところであります。さらに、本施設がより有効に活用されるための方策として、設計の段階から地元運営協議会と十分に協議をし、その意見を取り入れてまいる考えであります。 最後に、地域特産食品の開発育成についてのおただしのうち、農林産物について、お答え申し上げます。農林産物につきましては、1・1・10運動第二期対策の中で、重要な柱の一つとして、加工食品への展開を掲げまして、ふるさと産業おこし運動の農業版に位置づけまして、今後、各地域で生産される特色ある農林産物の付加価値を高めた加工食品への商品開発を進め、その育成を図ることといたしております。その一環として、本年度において、地域農水産物利用高度化事業の国の指定を受けまして、地域食品の開発可能性について現在、調査及び振興計画の検討を実施しているところであります。また、当面取り組めるものとして、先般2月21日に第1回ふるさと漬物展なども開催したところであります。来年度からは、さらに、この調査検討を継続実施するほか、県、補助事業のふくしま特産の里づくり推進事業を導入し、地域の特産品でありますとっくりいもにつきまして、生産施設整備及び販路拡張など流通対策事業も実施いたしまして、ふるさと産品として、銘柄を確立し、地域農業の活性化を図るべく新年度当初予算に計上し、御提案申し上げているところであります。 ○議長(矢吹康君) 江尻商工水産部長。 ◎商工水産部長(江尻定吉君) 〔登壇〕草野議員の御質問にお答えいたします。 海産物に係る地域特産食品の開発育成についてのおただしでございますが、市は、県、いわき市水産物振興協会等と協力いたしまして、水産加工品の改良、新製品の開発のための研究会、講習会等を開催し、その推進を図ってきたところであります。特に近年は、市内の民間企業が塩分の少ないイワシの丸干、イワシサクラ干、サンマのソフトミリン干、小サバの縄文干、子持ちやなぎをかたどったやなぎかまなどを開発し、商品化を図り好評を博しているところであります。また、県水産試験場が研究開発いたしました、川ざけのすり身を利用したねり製品の商品化に取り組んでいる企業もあり、地域特産食品の開発育成の成果が現れつつあるところであります。今後とも水産加工業者のなお一層の自助努力を促すとともに、これらの機関、団体と協力し、大量に水揚げされるイワシ、サンマなどの多穫性魚を利用したすり身の利用研究や、塩分の少ない製品の加工法の確立を図るなど製品の改良開発に努めるとともに、地場産品としてのいわきねり製品の販路拡張を推進してまいる考えでございますので御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(矢吹康君) 島土木部長。 ◎土木部長(島和彦君) 〔登壇〕私からは、道路の改良整備について、2点お答えいたします。 まず、北部開発のための道路整備についてのおただしでありましたが、特にお話しのありました市道は、掻槌小路-上柳生線と由しており、この路線は、平鉄化地区と四倉地区とを結ぶ主要な市道であります。沿線には、お話しのありましたとおりフラワーセンターの施設等も整備され、観光ルートとしても、平北部開発にとっても重要な役割を担う幹線市道であります。しかし、御指摘にありましたように、一部を除いて幅員が狭隘の上、屈曲も多く、大型車輛の通行に支障を来しているのが現状であります。したがいまして、これらを解消するため、第一段階として幕ノ内から四ツ波に至る区間約700メートル弱でありますが早急に整備するよう、年次計画で実施しているところであります。残りの区間につきましては、急峻な山間部を通過するため相当な事業費が必要となりますので短期間に整備することは困難でありますが、特に市街化が著しい平地区につきましては、積極的に整備してまいりたいと考えております。その他の四倉地区の整備につきましても、施設整備等との整合を図りながら改良の促進に努めてまいりたいと考えております。 次に、県道神俣停車場-川前線の改良工事の促進についてのおただしがありましたが、本路線は入口近辺から約800メートル区間が未整備となっておりますので、大型車の通行が不可能となっております。この区間は、用地の取得などに時間がかかりまして未整備となっておりましたが、昨年用地問題が解決されましたので、いわき建設事務所におきましては、当該区間の一部につきまして、道路幅員を確保するための法面改修工事に着手をして11月に完成をいたしております。おただしでもふれられておりましたが、昭和63年の夏場には、いこいの里川前鬼ケ城におきまして、東北6県のボーイスカウトリーダーによる野営大会が開催されますが、当該区間の事業促進につきましては、市と川前地区の新林業構造改善事業運営協議会と一緒になりまして、昨年の12月にいわき建設事務所や、県に陳情を行いました。その際、草野議員にも、同行されましたが、その結果として、本年1月、さらに県より事業費の追加があり、暗渠部分についての改良工事を現在施行中であります。県におきましては、今後も、引き続き道路幅員確保のための改良工事を実施する計画であるということでありますが、とりあえず、62年度と、63年度の早期発注工事によって、何とか大型バスの通行が可能となるよう努力したい旨の話しを承っております。今後さらに工事が促進されますよう、要望してまいりますので、御理解いただきます。 ○議長(矢吹康君) ここで、午後1時まで休憩いたします。         午前11時37分 休憩      -----------------         午後1時00分 開議 △高萩充君 代表質問 ○議長(矢吹康君) 休憩前に続き会議を開きます。23番高萩充君。 ◆23番(高萩充君) 〔登壇〕(拍手)23番の高萩充であります。私は日本共産党市議団を代表いたしまして質問させていただきます。 今議会冒頭、市長は本年度の市政運営の基本方針を述べる中で、わざわざ政府の経済見通しなるものを紹介されたわけでありますが、次のくだりであります。昭和62年度政府経済見通しによりますと、貿易収支の不均衡是正と内需拡大によって実質経済成長率は3.5%が見込まれており、昭和62年度における我が国の経済は持続的な安定成長を達成しつつ、雇用の安定と地域経済の活性化が図られるものと期待されているのであります。と述べられていますが、こうした期待感をもたれて今後の市政運営に当たられることに一抹の不安を抱くものであります。また、所信表明の中では人事異動にはふれられていませんでしたが、中田市長になって最初の定期人事であります。市民も注目しているところでありますのでぜひ公正妥当な人事が行われますように期待をするところであります。 さて、中曽根内閣が出現して、戦後政冶の総決算を呼号するようになってから、国民の暮らしも自治体の財政も大変厳しくなってきておるわけであります。軍事費の突出と大企業、大資本本位の政治が強化され、そのために福祉や教育や中・小企業まで含めて勤労市民の暮らしが圧迫され、そうした政策が続けられています。臨調、行革の名で自治体に対する国庫補助金、支出金の減額、老人医療費の有料化とその値上げ、健保本人負担の導入、国保に対する補助金の大幅削減等々、枚挙にいとまのないほどであります。一方、民間活力の導入ということで長年の国の事業であった電報電話、たばこ専売、こういうものが民間に払い下げる。国鉄もまた、その後を追わせようとしておるわけであります。そしていま、税制の大改革と称して売上税、マル優廃止など国民の大収奪を進めようとしています。自民党政府はこうした方針を地方行革の名において自治体にも押しつけようとしています。しかし、これらの路線は究極において住民の暮らしの安定と幸福につながらないことを認識しなければなりません。 地方自治体は直接住民の暮らしと福祉に責任を負う立場から、何でも政府や県当局の言いなりになるというのではなく、いやなものはいやと言い、要求すべきものは要求していく姿勢が大切だと思います。それでなかったら日本中の都道府県も全市町村も自民党の一党支配となり自治の精神も自治体の機能も喪失するということになるからです。このような観点に立ち、私は以下4項目にわたって質問をさせていただきたいと思うのであります。 第1の質問は財政問題についてであり、その第1点は売上税の問題であります。 昨年7月に行われた衆・参同時選挙の際、中曽根首相は大型間接税について、国民もいやだと言い、自民党もだめだと言う。このような大型間接税をどうして私がやりますか、絶対やりません。私の顔を見てください。この顔がうそをつく顔ですかとおっしゃって、マル優も廃止しない、老人福祉も後退させない、軍拡もやらない、よいことずくめの公約をして304議席を得たのでありました。。今、売上税とマル優廃止の予算案が上程されるに及んで、「この顔がうそをつく顔かとうそを言い」という川柳が全国的にはやっているのはみなさん御承知のとおりであります。 市長は昨日、売上税についての質問に対する答弁で「この税制改革案は、売上税の導入と所得税、法人税、住民税に対する減税である」とか、「投資的経費、社会保障費の財源等にも充てる考えがあるようだ」と、賛成と受けとれるお話をしておりますし、また、マル優廃止についても「全部廃止するというのではなく、老人、母子家庭、身障者等に対しては非課税措置は残される等、その優遇措置は変わらない」と、これまた賛成と受けとれる発言をされておるのであります。しかし市長、売上税は5兆8,000億円、吸収される物品税などを除いても増税額だけでも2兆9,000億円、マル優廃止で1兆6,000億円、増税額合計4兆5,000億円、これが丸々庶民の肩にかかってくるわけであります。1人4万円であります。一方、減税は所得税と住民税で2兆7,000億円、法人税が1兆8,000億円であります。計4兆5,000億円になります。増税と減税ととんとんということは、共に4兆5,000億円だから、中曽根さんはそうおっしゃっておるわけであります。しかし、この法人税減税の1兆8,000億円、これは言うまでもなく企業への減税であります。しかも、そのほとんどが大企業のふところにころがり込む減税であります。大企業のための減税の源資をなぜ貧しい庶民が負担しなければならないのか、不公正も甚だしいと言わなければなりません。 マル優廃止で300万円以下の利子に20%の税がかかるようになります。300万円以上の預金はどうでしょうか。1億円であろうと2億円だろうとこういう大口預金者にでも一律20%しか税金はかからなくなるわけであります。今は、35%の税がかかっております。これは15%も税金が引き下げるということではないですか、ここでもまだ大金持ちが大減税されるということです。 ともかく、いろいろな機関、学者グループ、政党関係などで試算したものを発表しておりますけれども、安い方でも650万円、これは年収入でありますが、高い方では950万円、それ以下の人の方では増税になるという試算が出ているわけであります。いかにあれこれと百言を費やしてみたところで、これは公約違反の大型間接税であり、庶民には増税、金持ちには減税の不公正をますます拡大する天下の悪税であることはいささの狂いもないわけであります。 売上税許さず、マル優廃止許さずの声は、いままさに日本列島を覆いつつあります。一番新しい集計では、売上税反対の決議を採択した自治体は、14都府県、9政令都市、23区、369市、592町村、合計1,007自治体にも及んでおり、そこに住む国民は8,000万人以上、文字通り日本国民の圧倒的多数が反対の声を挙げているようであります。 ところで、この「苛政トラよりも猛しい」売上税について、これが実施された場合、市の財政に与える影響はいかがなものであるのかお尋ねをしたいと思うのであります。収入面と収支面について試算したものがあればお示しいただきたいし、もし試算されていないとすれば他市等にも照会されてぜひ早めに試算をいただきたいのであります。京都市の市職労は、市の負担増を60%億円と試算されておるようでありますが、いわき市でも相当の額に上るものと考えられるわけであります。いかがなものでございましょうか。 第2点は、売上税の実施とマル優制度が廃止、これが現実になった場合、国民一人当たりの負担増は先にも申し上げましたが4万円に上るわけであります。それだけに、これは地域商店の売り上げやサービス業、建設その他中・小商工業者に与える影響もまた大であると言わなければならないわけであります。これは政府の言う内需拡大あるいは景気浮揚、こうしたうたい文句とはまさに相反する状況になるわけでありますが、これは市長、いかがお考えですか。この悪名高い売上税とマル優廃止、いきつくところは廃案という名の墓場に葬り去るしかないのではないでしょうか。市長におかれても、市民も難儀する。市財政もうるおわない。これらについて全国市長会等を通じ反対の意思を表明されるよう強く要望をするところであります。 次に、円高不況の問題について申し上げます。まず第1に指摘しておかなければならないのは現在の円高、ドル安というのはつくられたものであるということであります。日本の日米の貿易不均衡を是正するというので強引な操作が行われてつくりだされたドル安1ドル当たり150円ラインであります。 実は、この通貨の水準を図るのに、生活を比較する、そう言うやり方があるわけであります。これはある日本人の世帯が1カ月生活するのに20万円かかる、それをアメリカで同じような程度の生活をした場合どのぐらいかかるかということであります。大体やはり1ドルは240円から250円前後になるという結果が出ているのであります。それが150円でありますから、これは大変な話になります。結果的に長く続く不景気にさらに大きな打撃を与える不況をもたらし、そこに輸出産業関連部門、その下請製造業などに会社の存亡にかかわる影響を及ぼしているのは皆さん御承知のとおりであります。しかも大企業は、製品が輸出されにくい状況になると、いち早く工場そのものを輸出してアメリカ等での操業を図るなど、いわゆる産業の空洞化に拍車をかけております。雇用の不安も増大をされているわけであります。こうした事態は、地方の産業に及ぼす影響もまた甚だ大きいと言わなければなりません。 市はこの問題について、いかに把握されておられるのか、以下3点についてお聞かせください。一つ、輸出関連産業のいわきにおける不況の現況について。二つ、企業誘致に及ぼす影響について、進出企業の取りやめ、あるいは変更したところはないか、求人に及ぼす影響はどうか。三つ、つくられた円高である以上、正常に戻すべきであり、1ドル240円~250円にすべきである。市長におかれても政府に対し要求されるよう要望をしておくところであります。 第3点は民間委託の問題について申し上げます。そもそも民間委託の声が盛んになりましたのは昭和58年、いわゆる臨調、かっこうつけの行革が始められた年からであります。つまり、国からの補助金や支出金が削減されて地方財政が窮乏化する。そのために合理化、人減らし、民間委託、こういう図式が導入されてきたわけであります。 ここに一つの資料を作成してみました。昭和50年、臨調行革が始まる以前でありますけれども、62年度までの歳入にかかわる項目別の表であります。これで見ますと臨調・行革の始まる以前の昭和57年の地方交付税、これは94億6,000万円、予算に占める割合は14.4%となっておりました。それが年度を追うごとに低くなっていきますが、それでも今年はいくらか上向いて64億円となって割合は8.8%となっています。つまり5年間で30億6,000万円の減額となっておるわけであります。また、国庫支出金で見ますと57年度は110億9,576万円で、予算に占める割合は16.9%となっていたわけであります。62年度では、それが84億967万円11.6%と26億8,600万円の減額となっております。合算すると約57億4,600万円の減となるわけでございますからこれは大変な話であります。 ところで、今上程されている職員定数条例の改正についてでありますが、現業部門の減員が目立つのであります。保育所の調理員が23人、学校給食調理員が26人、ごみ収集作業員が19人であります。これらは退職者の不補充ということで、臨恃職員等で対応しているということでありますけれども、ここから類推できるのは給食調理部門、ごみ収集部門は民間委託を近い将来実施するというもくろみから、なし崩し的人事であり、そこの部門の定員の枠を少なくしておいて民間にスムーズに移行させるということで、こういうようなフェアでないやり方には承服いたしかねるのであります。市長は民間委託の構想をどのように描いておられるのか、まずお聞かせをいただきたいのであります。 続いて第2点、民間委託の問題点について述べながら市長の所見を承りたいと思いますが、民間企業が公共事業の委託を受けて仕事をする場合、利潤追求が主眼となるのは当然であります。例えば、ごみ収集業務を委託に回すとしましょう。最初は入札制度で業者の選択がされます。そして、その業者はパッカー車を購入するとか、労働者を雇用するとか、つまり資本の投下が行われます。こうなれば、2度目の新規の業者に指名するというわけにはいかなくなるでしょう。結局、業者は固定することになります。独占化が進みます。そうなれば委託料の引き上げを次々に要求してくることになります。なぜなら企業というのはより利潤を上げるという体質をもっているからであります。こうなれば、市民の負担が増大する。あるいはサービスの質の低下、あるいはその両方が起こるかということになりかねません。 NTTをごらんなさい、104がでにくくなった。これはいまに有料化になるそうでありますが、また、市内通話も15円とか20円に値上げする、こういう検討もされているようであります。効率の悪い公衆電話は既に取り外されました。国鉄どうですか、まだ民営化にもならないのにホーム要員は減らされる、無人駅がふえて事故が続出しているでしょう。安易な人減らしや民間委託では市民の利益は守れない。民間委託を主張する立場は企業の利益擁護の立場であり、市民の立場でないということ、これは明らかであるわけであります。市長の御所見を承りたいのであります。 第3に、今、地方自治体を守る立場で最も必要な政治課題は、中央政府に対して軍事費を削って民生の安定を求める。そこに予算を回してほしい、そういうようなことを要求することだと思うんです。市長会等、その他の機会にこの要求を続けてくださるように、これも強く御要望申し上げておきたいところであります。 大きな第2項目は農業問題についてであります。86年4月、首相の諮問機関の国際協調のための「経済構造調査研究会」は、産業構造を輸入本位に転換すべき旨の答申をしました。世に言う前川リポートであります。これを受けて政府は新減反政策、水田農業確立対策を決めました。経済構造調整、米の輸入自由化などの外圧、内圧を受け入れた、まさにそれは農政における戦後政治の総決算路線であります。っまり、ポスト3期対策の骨子は、米は政府在庫で100万から150万トンに抑えるため、現在60万ヘクタールの減反面積を77万ヘクタールにする。これは全水田面積の27%にあたる面積であります。奨励金は減反面積を3割ふやすのに全体で2,324億円から1,750億円に減らす。25%を削るわけでありますから平均補助金単価は今までの半分以下になるということになります。転作物でも、麦、大豆などの特定作物は一般作物に格下げさせられて、ここでも奨励金は減らされる。えさ米は玄米1俵1,000円という安さであります。それにまた減反のみ未達成分は次年度に加算して奨励金、助成金で差をつける。減反の配分と推進、需給調整は自治体と農協に責任を持たせるなど、政府が全量管理を放棄することから前川リポートにあるように国の保護を撤廃して、農業を丸ごと現在の経済摩擦の国際化の中に追いやろうとするもので、ここには、食管制度の廃止と米の輸人自由化が迫っていることを考えさせられないわけにはまいりません。多くの識者は日本の農業は果たして21世紀へ生き残ることができるかと警鐘を乱打しているところであります。 そこでお尋ねをいたしますが、いわきにおける減反面積はいくらの割当てになるのか、去年に比較していくらの増になりますか、また、補助金はいくらになる予定ですか、去年と比べてその増減状況はどうですか。 第2点は、いわきの農家全体の収入減になる金額をお示しを願いたいのであります。 第3点は、市独自の農林業の振興策の拡大を図り、農家収入の増加を図るべきと考えますがいかがでございましょう。 第4点は、これまた政府に対する問題でありますが、ポスト3期の政策をとう受けとめているか、そして、政策転換を国に対して要求するよう要望いたすわけであります。 第3の大項目は教育の問題についてであります。 今年は教育基本法制定40周年に当たる年であります。世界第二次大戦を敗戦で日本は迎えたわけであります。この世界第二次大戦は日本の国に、あるいはヨーロッパに対して大変な惨禍をもたらしました。日本人で戦地に赴き、戦死をした者、あるいはまた、内地にあって空襲下になくなった者、310万人を数えました。それにもまして中国を初めとして日本の皇軍-皇軍というのは天皇の軍隊という意味でありますが、この皇軍の侵略によって2,000万人の人々が虐殺されておるのであります。これはまさに想像を絶する痛苦であったろうと思うのであります。こうした苦しい戦争を経て日本国民は再び戦争をしてはならない、平和にして文化的な国家の創設をしなければならない。こうして平和憲法が公布され、続いて教育基本法が制定されたわけであります。抜すいを御紹介いたします。われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造を目指す教育を普及徹底しなければならない。第1条(教育の目的)教育は、人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と青任を重んじ、自主的な精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。第10条(教育行政)教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない、と言うのであります。ところが近年、戦後政治の総決算路線の中で急に雲行きがあやしくなってきたのであります。つまり教育臨調などがそのあらわれであります。しかし、私はここで教育臨調の問題に詳しくふれることはやめます。何度か本議場でも申し上げておりますから、ただ私は、教育基本法をこれを守り実践をする、そういう立場から以下4点についておただしをしたいわけであります。 まず、第1点は仮称「教育懇談会」の設置についてであります。ここで教育の本質にメスを入れる論議が交わされ、落ちこぼしや、いじめや、非行などが根絶されるような方向が打ち出されることを強く希望をするわけであります。 教育長御承知のとおり、いわきは非常に教育上問題のあるところであります。聞くところによりますと、これは専門家の医師の話でありますが、いわきの登校拒否、これは小・中校あわせて児童・生徒約800人に及ぶそうであります。県下一の数でありましょう。それから高校の中途退学者の数、これも昨年度1,051名、年々この数が増加をしてるのが現況であります。このような問題が話し合われ、この根本にメスを入れる、そう言うすばらしい結果が出ることを期待するわけであります。一体この中ではどんな論議を想定されているのかをまずお聞かせを願いたいのであります。それから、この懇談会を構成するメンバーの選定でありますが、これが大切だと思うんです。知識、文化人、これは必要でありましょう。現場から学校長、教諭、それから教員の組合団体である代表、幅広い人材を選んでいただきたい、このようにお願いをしたいわけですがいかがでございましょうか。さらに、大事なことでございますので、言っておきたいわけですけれども、教育臨調では教師を監視したり、あるいは処罰したりする機関の設置、こういうようなものをほのめかしているわけでありますけれども、この懇談会が思想や信条、あるいは学問や結社の自由、こういうようなものを束縛するようなものであってはこれは絶対ならないわけであります。これは当然であります。これは教育長、はっきりここでお約束願えますね、よろしくお願いをしたいと思います。 教育第2の問題でありますが、補習授業費と高校の学生の問題であります。昨年秋、いわき市内の中学校における補習授業費の問題が中央紙に取り上げられて全国に報道され、一大センセイションを巻き起こしたことはなお記憶に新しいところであります。「過ちは改むるにはばかることなかれ」と言うことであります。どんな対策がとられたのか、その後の経過等についてもお示しを願いたいのであります。また、この種の問題を起こす原因になっている高校の学生の問題でありますが、これの見直しについても、この壇上から何回も訴えてきたところであります。今日はくどくは申し上げません。教育長におかれてはぜひ、今までのこれらの論議等も議事録等でごらんいただきながらぜひ教育懇談会の中での諸問題のひとつとして、話題として提供していただきたいと思いますがいかがでございましょうか。 第3点は性教育の問題についてであります。 現在ほど性のモラルが欠如している時代は過去にもなかったのではないでしょうか。ついに小学生の売春まであらわれるという状況になりました。だいたいその女の子たちが売春をした理由は、おこづかいがほしかったからとか、興味があったからとかいう理由であります。一種の遊び心からとしか言いようのないものであります。高校生のセックスのアンケートでも3年生になると相当数の経験者がいるというデーターが出されております。それに比例して増加する女高生、中学生も含まれて妊娠の中絶問題、そしてふえてきた性病、まさに大変な問題になっております。 学校もつまらない、勉強もわからない、家庭もおもしろくない、だから異性との交渉で、それを逃げ場にして、そこで満足されようとする。こんなケースがふえてきておるわけで、まさに性非行と言われるゆえんだろうと思うのであります。こうした性非行に立ち向うための性教育が今こそ必要なのではないでしょうか。単なる純潔教育みたいなものでは女の子は身を守らねばならない、こんな式のものでは今は通用しないんではないでしょうか。 ところで、最近、長崎県教育委員会が性非行防止のための手引書を発行することになっているという記事が新聞に載りました。これは生理的な知識だけに終始している現在の性教育では、あまり触れられていない心に残された被害など、性の裏側にも思い切ってスポットをあて、小学校から高校までの教育現場で子供たちに正しく性を理解させるのがねらいでありたいというのであります。3月の見込みとありますから、もうできていると思います。こうしたものも参考にされながらぜひいわき市においてもこのための手引書を発行する、あるいは県の教育に対してもそういうようなものを慫慂することをお願いしたいと思うのであります。いかがでございましょうか御所見をお伺いいたします。 それから悪書の追放でございますが、これもまた大変なものが出ているわけであります。これは前に自動販売機の悪書追放の問題で大きな成果を上げたわけでありますが、今は店頭にまさに大変な本が並んでおって、小学校の3年生、4年生あたりが教室に持ち込んでそれを回し読みをしておる。実はある現場の教師から今日子供から取り上げてきたんだという本を見せられて愕然としたわけでございますけれども、そう言うような悪書の追放等につきましては各機関、あるいは業者の協力もいただきながら、これら追放の大きな運動を巻き起こしていっていただきたいと思うわけでございます。 教育問題の最後になります。初任者研修制度についてであります。文部省は来年度の新規採用教員を対象といたしまして、初任者研修制度の試行をこの4月から32都道府県で実施することになりました。いわきの学校でもいくつかの学校でこれを該当するということであります。 これは、臨教審第二次答申が教育の資質向上という口実に打ち出した制度でありますが、いわゆる試補制、教員の見習工みたいなものであります。導入を意味します。これは1年間指導の先生、現職の先生の場合もありますが、退職した校長先生なども指導者として迎えまして1年間授業を指導先生の指導のもとに新任教師が行うということであります。そして1年たって、この先生よしということになって初めて正式に採用されるという制度であります。 これはまさに、教員に本来必要な研修とは全く別なものであることは明白であります。それは教員の統制を一層強化して教育を時の権力の意のままに支配する、そういうねらいであります。教育長におかれてはこのような制度はお受けしないという立場に立つよう御要望を申し上げるわけでございます。よろしくお願いを申し上げます。 最後の質問は、ソ連漁船の小名浜港入港と北方領土問題についてであります。 まず、ソ連漁船の問題について申し上げますが、政府は昨年12月29日、日・ソ漁業協定に基づいてソ連漁船の寄港地を小名浜港に決定したのは御承知のとおりであります。この決定の仕方については、地元市民と自治体の意向を無視した、言わば一方的決定でありますので政府に対しては強く抗議をするところであります。3年前、1984年3月5日から12月25日までの間、ソ連漁船が小名浜港に入港したのが23隻でありました。引き続く操業に必要な燃料、飲用水、食糧等の調達を行ったわけでありますが、この間、ソ連漁船員と地元漁民や市民の間のトラブルは一切なかったのであります。何があったのか、あったのは右翼集団の妄動による市民生活への侵害であり、警備費などに要した多大の出費でありました。 こういう右翼の妄動がなければ、ソ連漁船の小名浜寄港はなんの支障もなく、平安の中にソ連漁民の休養やショッピングなどが行われ、民間ペースでの国際交流が進んで、国際港小名浜の名も高まるはずであります。事実、木材その他の荷を積んで小名浜港に入港しているソ連船は相当数に上っているところです。また、日本の漁民もまた、いわきの漁民も他国の港に寄港して物資の補給を受けたり、休養するなど多大の恩恵を得ているところであります。こうした観点に立って、市長のこの問題に対する基本的なお考えをお示し願いたいと思いますし、また、本年1月早々、我が党市議団が党市委員長及び党県議会議員の三者連名で申し入れた、政府に対し万全の体制を求められたいとする、1)1983年12月衆・参両院外務委員会での我が党議員の質問に対する政府答弁に基づいて、現地に関係部長を派遣するなど問題を起こさないよう責任ある対処を行うこと。同時に政府の現地業務所を設置し問題の解決にあたること。2)右翼暴力集団に対する泳がせ政策を直ちに改め、執拗かつ継続的な暴力行為を厳しく規制すること、同時に市民の通報に基づく出勤要請に的確にこたえること。3)警備など右翼対策費を初め、ソ連漁船の寄港受け入れに必要な出費を全額国庫負担とし、当該地方自治体に経済的負担をかけないことの3点についてどう申し入れたのかをお聞かせ願いたいと思います。そして政府の回答はいかがなものであったのかもお伺いをいたします。 最後の問題であります。北方領土問題について申し上げます。 市庁舎入口東口に北方領土返還の早期実現をという大看板が常設されています。北方領土というのは、たぶん千島列島のことを言うのだろうと推察するところでありますが、もちろん日本地図のどこを見ても北方領土という名称の土地は見当たらないのであります。しかし、北方領土返還、北方領土返還とよく先にあげた右翼の連中が宣伝の材料に使っています。この先の電柱にも愛国党の張り紙があります。それには北方領土即時返還とあって、北方領土とは南樺太と千島列島のことだと注釈がついています。ごらんになったことはありませんか。どうもこの北方領土返還というスローガンは実際返還に向けての展望や具体的な手段を示すこともなく、なんとなく北方領土返還と言っていれば反ソ連の感情を醸成させることができるといった宣伝文句、政治的な宣伝文句ではないかとさえうたがいたくなるのであります。 そこでお尋ねいたしますが、市長はどなたの要望を入れられてあのスローガン大看板に出されたのか、明確にお答えを願いたいと思います。また、国民的に統一されていない北方領土ということについてどんな概念をおもちなのかもお尋ねをしたいと思います。それを返還させるということは現実にどのようなことを市民に求めておられるのかも明らかにしていただきたいと思うのであります。 日本共産党は以前からこの千島列島の問題では次のように主張してきました。歯舞、色丹は、これは北海道の一部でありますから、平和条約の締結にかかわりなく、あのサンフランシスコの条約でありますが、かかわりなく、この2島は軍事基地化しないということで返還をしているわけ、それからサンフランシスコ条約の2条Cと、これは千島列島放棄条項でありますが、これを無効だという宣言をいたしまして、関係各国に通告をして国際法的にも道理のある立場を確立しながら全千島返還を内容とする日・ソ平和条約の締結を要求する。そうした交渉をソ連と行う。3番目は、同時にソ連を仮想敵国としての日・米共同作戦体制、こういうようなものを強化したり、北海道の対ソ連軍事基地強化等、これを行わずに終局的には日・米軍事同盟の解消、こういうような政策転換によってソ連にこれは千島列島の返還を求めて進める、これが道理ある立場ではないかと思いますがいかがお考えですか。 北方領土返還の看板の取り扱いにつきまして慎重に検討されるよう要望する次第でございます。以上で私の質問を終了させていただくわけでございます。(拍手) ○議長(矢吹康君) 中田市長。 ◎市長(中田武雄君) 〔登壇〕23番高萩議員の御質問にお答えします。 まず、財政問題についてのうち民間委託を推進するのかどうかのおただしでありますが、民間活力の活用を図る民間委託は、行政コストの低減化、生産性の向上等を図る上で有効な手段であると認識しております。馬目議員、円谷議員のおただしにもお答えしましたように、現在行財政改善委員会において学校給食業務及び一般廃棄物の収集運搬処理業務の民間委託についての具体的な検討を進めているところであり、特に学校給食業務につきましては、これらの検討が終了次第委託に移したいと考えております。なお、今後とも効率的行財政連営を図るため、行財政改革大網の方針にもとづき民間委託の可能性について調査検討し、委託可能な業務から順次実施していく考えでありますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。 次に、民間委託の問題点についてのおただしでありますが、私は自治体運営の非効率な面を絶えず改善し、より合理的なものにしていくことが必要であると考えており、民間活力を導入する委託は、行財政運営の合理化、効率化を図る上で効果的な方策であると考えております。しかしながら、委託にもメリット・デメリットは表裏の関係で存在しており、例えば経済的効果の追及が強化されるとサービス面が低下を来すことになるなども考えられますので、委託に当たってはこうした点を踏まえメリット・デメリットを比較検討しながら、御指摘の問題が生じないように対処してまいりたいと考えておりますので御理解を賜りたいと存じます。 次は、農業問題についてのうちポスト3期の政策をどう受けとめているのか、また、政策転換を国に対して要求しないのかとのおただしでありますが、最近における米をめぐる論議は、昨年の米価決定以降急速に高まり、水田農業のあり方が問われている厳しい状況下にあります。昨年来、国においては、農政審議会で審議、検討された21世紀へ向けての農業の基本方向の報告を受け、ポスト3期対策として水田農業確立対策を実施することとし、転作面積も77万ヘクタールと決定されたのであります。最近の農業、農協批判の相次ぐ国内情勢の中で、3年連続の豊作依然として続く米の過剰基調、また国際的には、従来聖域とされていた米の輸入自由化の要求が我が国に対してなされるなど、米をめぐる現状はまことに厳しいものがある中で、我が国農業が旧態依然とした体質を続ける限り、国民の理解を得ることは極めて難しい状況にあろうと思うのであります。したがいまして、転作目標の達成は、極めて厳しいものと受けとめておりますが、食管制度を堅持する上からも、農業者及び農協もみずからの問題として取り組み、この困難な時期を行政とともに乗り越えられることを期待しているものであります。 次に、市独自の農林業振興策の確立と、その拡大推進を図るべきでないかとのおただしについてお答えいたします。 いわき市の農業振興のあり方としては、御承知のように、いわき市農業振興基本方針を策定し、「土地」と「人」を大きな柱として、6項目の重点施策を掲げ、市総合計画に反映させながら、積極的に対応してまいったところであります。現在、「農業振興基本方針」については、現状の農業情勢を踏まえ、昭和70年を目標として見直し作業を進めているところであります。この見直し作業の中では、これまでのいわき市独自の振興策としての1・1・10運動の展開、自立経営登録農家制度の設置などは、引き続き積極的に推進してまいる考えでありますが、新たな課題として、高度先端技術の活用による施設型農業の確立、高速交通、高度情報化時代に対応した流通体制の確立、ふるさと産品づくりの推進などの施策を進める必要があるものと考えております。これらの諸施策を推進するに当たりましては、水田農業対策と連動した振興策を講じてまいる考えであり、厳しい市財政事情下でありますが、国・県の補助制度も十分活用しながら、積極的に対応してまいる所存でありますので、御了承を賜りたいと存じます。 次に、ソ連漁船の小名浜港寄港に対する市の基本的な考え方についてのおただしでございますが、ソ連漁船の寄港につきましては、「日本国政府とソ連邦政府との間の両国の地先沖合における漁業の分野の相互の関係に関する協定」に基づく漁業委員会において決められることになっております。市は、市民の生活環境の保全を第1と考え、市議会と一体となり小名浜港が寄港地として指定されることのないよう国・県等関係機関に対し要請をしてまいったところでありますが、昨年12月29日国の関係各省庁連絡会議において一方的に小名浜港を寄港地に決定し、農林水産大臣談話として発表されたところであります。 これが市民に及ぼす影響を深く憂慮し、直ちに池田助役を委員長とする「ソ連漁船の小名浜港寄港問題対策会議」を設置し、諸問題に対処することとしたのであります。また、1月19日に開催された県の「ソ連漁船の小名浜寄港に関する現地連絡調整会議」の構成員として参加するなど、県と緊密な連絡協調を図っているところでありますので御理解を賜りたいと存じます。 次に、政府、県に対する申し入れの内容と共産党市議団の提案についてのおただしでございますが、市は、1月20日、21日の両日国・県等関係機関に対し、一つには、国における責任体制を明確にし、問題処理の現実的な対応を図るため、現地に窓口を設けること。二つには、市民の不安解消のため積極的な治安対策を行うこと。三つには、沿岸漁業とのトラブルの未然防止を図り、操業の安全を確保すること。また、漁船、漁具に被害を与えた場合は損害賠償の的確な措置を行うこと。四つには、廃棄物等の海洋投棄を禁止するよう厳重な申し入れを行い、環境保全と操業障害の排除につとめること。五つには、港湾施設が正常に機能されること。 以上の点について万全の措置が講じられるよう要請をしてまいりました。 これに対し水産庁は、一項目については現地窓口として職員を派遣し対応を図りたい。二項目の警備につきましては万全が期されるよう警備当局に対し強く要請する。三、四、五の項目につきましても水産庁において万全を期するとの回答を得ておるところであります。また、寄港に伴う経費は国において措置してほしいとの要請に対しては、昭和62年度予算で措置したいとの考えが示されておりますので御理解を賜りたいと存じます。 次に、北方領土に関する問題のうち、本庁舎前に設置してある看板についてのおただしでございますが、北方領土の問題は、日・ソ両国間における外交上の重要な懸案事項であり、当市においては昭和58年9月、市議会において意見書を議決しており、それを受けて広報紙による啓発、あるいは市庁舎敷地内に看板を設置するなどの方法により市民意識を喚起することに努め、全国民的な悲願ともいえる運動に参加しているのが実情でございますので、御理解をいただきたいと存じます。 次に、北方領土の概念について、市長としてどのように考えているのかというおただしでこざいますが、我が国は、平和条約によって南樺太と千島列島に対する一切の権利、権限、請求権を放棄したが、北方領土という概念につきましては、最も広い意味では放棄した北方の領土全域を指し狭い意味では、日本の固有の領土として日・ソ間で懸案事項とされている南千島を示しており、その中間的な考え方としては千島列島全域を指すという考え方があるようであります。そこで、この範囲はいかにということになりますと、我が国が自国に領土と主張し、ソ連がその要求を拒否しているため、両国間で懸案となっている領土、すなわち南千島を指しているというように一般的には言われているようであります。いずれにいたしましても、本件については、国交上の問題でもございますので、私の立場において詳細を申し上げることは、差し控えたいと考えるわけでありますが、基本的には、北方領土の問題を早期に解決し、日・ソ間における真の友好関係を確立されることを心から願うものであります。 私からは以上でございますが、その他の御質問につきましては助役以下関係部長にお答えさせますので御了承賜りたいと存じます。 ○議長(矢吹康君) 池田助役。 ◎助役(池田清君) 〔登壇〕高萩議員の御質問のうち、売上税とマル優廃止の問題につきまして私からお答えをいたします。 まず、売上税が実施された場合の市の財政に与える影響についてのおただしでございますが、収入面についての影響は昭和62年度ベースで試算した場合、売上譲与税として約3億2,500万円と試算されます。また、歳出面の影響につきましては既に御答弁申し上げましたとおり現時点においては売上税法の政令、省令等の、いわゆる実施細目が明らかにされていない状況下にありますのでその影響額を試算することは極めて困難でありますので御理解を賜りたいと存じます。また、おただしのように他市及び類似都市等に照会いたしましても同じような理田から試算は困難であるとのことであります。試算可能な時期までしばらく時間をおかしいただきたいと存じます。また売上税の実施とマル優廃止が現実となった場合についてのおただしでありますが、これについても既に御答弁申し上げましたとおり、これらは、所得税・法人税・住民税等の大幅減税の財源として、充てられるばかりでなく、あわせて投資的経費社会補償費等に充てるなどの考えもあるようであり、よりよき税制改正を望むものであります。さらに、全国市長会を通し、売上税及びマル優廃止反対の意思表明をすべきと思うがとのおただしでありますが、これはあくまでも法律事項でもございますので、既に関係法案が国会に提案され現在審議中でありますので、御理解を賜りたいと存じます。以上でございます。 ○議長(矢吹康君) 教育長。 ◎教育長(飯島護君) 〔登壇〕高萩議員の御質問のうち、教育問題についてのお答えいたします。 まず、仮称「いわき市教育懇談会」の設置目的あるいは内容等につきましては、25番馬目議員に御答弁申し上げましたとおり教育分野の専門家及び学識経験者等を御委嘱申し上げ、当市の当面する教育課題についての御提言をいただくものでありますので御了承いただきたいと思います。 次に、補習授業費についてのおただしでございますが、現行の補習授業においては担当教員への謝礼等は一切辞退しておりますので、生徒1人当たりの経費も大幅に軽減されたわけでございます。すなわち、現行の補習授業に対する1カ月分、1人当たりの補習授業費は、市内42校の平均で1,100円程度であります。内訳は、用紙類、資料のコピー代などの消耗品費、通信連絡費等の必要経費のみでございます。 次に、高校学区制についてでありますが、県教育委員会では本年4月に「地域高校進学対策会議」を設置するとのことであります。この会議は本市のいわゆる中学浪人の実態と、その背景を掘り下げること等も目的としていると考えられます。したがいまして、その動向に大きな期待を寄せるとともに、本市としても高校学区制の問題を含む中学生の高校進学問題については、さきに馬目議員に御答弁申し上げましたように、中学浪人との関連がございますので、仮称、「教育懇談会」において協議、検討をいただきたいと考えております。 次に、性に関する指導についてでございますが、学校における性教育は、教科、特別活動を通じて指導を行っているところでありますが、近年児童・生徒は心身ともに急速に発育発達し、性に関するさまざまな悩みに当面しているものと考えております。また、国民の性に関する意識や価値観の多様化が進むとともに、児童・生徒を取り巻く社会環境が急激に変化している時期にありまして、性を人格としてとらえ、性に関する科学的知識を与え正しい異性観を育てることにより、豊かな人間形成に資するような指導をすることが大切であります。今後、性に関する情報のはんらんとともに、性非行が増加するものと思われます。生命、人間の尊厳をしっかり認識させ真の男女平等の実現を図るよう教師用指導資料等を作成し指導に努めてまいる所存であります。 次に、悪書追放運動についてでございますが、市内の一般書店、まちの自動販売機にも、かなりいかがわしい本が陳列されておりますが、これらは、県の青少年健全育成条例に基づく審査を経ておりますので強制撤去は困難な状況にあります。市といたしましては、10年ほど前から少年センター補導員や市青少年育成市民会議の方など民間人のお力を借りまして書店や、自販機に土地を提供している方々に対し、悪書を撤去されるよう協力をお願いしてまいりました。また、自販機の販売業者及び土地提供者に、毎年4回市民会議会長名による撤去依頼文書を発送しお願いしております。おかげでピーク時の昭和55年には58台もありました市内の自販機も本年2月現在12台と5分の1以下に減少しました。また、旅先などで講読された悪書が家庭に持ち込まれないようにと、平駅を初め主要9駅に設けた10台の白ポストも昨年4月から本年2月までで495冊が投棄されており一応の成果を上げております。いずれにいたしましても、この種の運動は息長く継続する必要がありますので今後とも努力をしてまいる所存でありますので御了承お願いいたします。 次に、初任者研修制度の試行についてのおただしでありますが、県教育委員会は、次年度新任教員に対する初任者研修の試行を実施する旨発表いたしました。この初任者研修の試行は、科学技術の進歩、国際化や情報化の進展などの社会変化により、これらに対応するために教員の資質の向上を図ることを目的としており、本県はこの趣旨に基づき、新任教員の一部を対象として、初任者研修制度の内容、方法等のあり方を実地に実施するということであります。この試行実施期間に、いろいろな改善点が指摘されるものと考えられますが、その経過を見て対処したいと思いますので御理解ください。 なお、初任者の指導に当たる先輩教員の初任者に与える影響でございますが、従来も先輩教員が各種研修等において指導助言を行い成果を上げてまいっております。今後、この指導助言に当たる教員につきましては、人格、識見ともにすぐれた教員を充て、初任者の特性を生かした研修となるように、また、その者の自主性を大切にするとともに、負担過重とならないようにしてまいる所存でございますので御了承いただきます。 ○議長(矢吹康君) 須永企画部長。 ◎企画部長(須永恭平君) 〔登壇〕円高の及ぼす影響として進出予定企業のとりやめはないか、とのおただしにお答えいたします。 御指摘のように近年の国内経済情報は、円高問題や貿易摩擦が急激に進展し円高不況が全国的に広がり、輸出関連産業及び下請中・小企業の景況が悪化している状況にございます。こうした厳しい企業誘致環境の中で当市の企業立地状況は、常磐自動車道など高速交通体系を初めとする産業立地基盤の整備促進等により総じて着実に進展してきているのではないかと考えております。特に、構造的産業構造の変化に伴い、最近における当市への進出企業は、エレクトロニクス関連の電気、精密機械など将来の成長産業である先端技術型関連産業の進出立地の傾向が高くまた、これら産業は、円高不況下の中でも将来にわたり比較的順調な生産見通しをたてて、進出立地を図っているところでございます。現在のところ円高の影響による進出立地をとりやめたいとする企業は見当たりませんので御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(矢吹康君) 伊藤農林部長。 ◎農林部長(伊藤次郎君) 高萩議員の農林問題の4点にわたる御質問のうち、私から市長答弁以外の2点について申し上げます。 まず、第1点目の減反面積と補助金の額についてのおただしでありますが、既に御承知のとおり、ポスト三期対策として、62年度から水田農業確立対策が向こう6カ年間にわたり実施されることになりました。 本対策での転作目標面積は、全国ベースで高萩議員お話しのように77万ヘクタールと前年比17万ヘクタールの増、福島県においては、2万5,270ヘクタールで、7,350ヘクタールの増となり、いわき市につきましては、1,721ヘクタールと前年比353ヘクタールの増加配分を受けたわけであります。また、転作奨励補助金につきましては、前年度の実績額は、3億4,004万7,000円でありましたが、本年度からは、補助基本額が転作の内容によりお話しのように2分の1または3分の1に引き下げが行われ、これにかわって転作に対する加算制度が充実されまして、集団的な転作を促進することになったことなど、制度改正がなされたこと及び現段階では、農業者からの計画書の提出がないために正確な数字は申し上げられない実情にあることを御理解いただきたいと思います。ただ、参考として福島県農協中央会が試算いたしました「水田農業確立対策による影響」の資料から引用して申し上げますと、農家1戸当たりの補助金の減額は9,700円となっております。したがいまして、いわき市の前年度転作実施農家戸数7,302戸を仮に本年度に置き替えて単純に試算いたしますと、市全体の補助金減額は、約7,080万円となります。 次に、第2点目として、いわきの農民全体の収入減になる金額についてのおただしでありますが、このことにつきましても、第1点目の補助金の額で御答弁申し上げましたとおり、正確な数字は申し上げられない実情にあります。ただ、このことにつきましても、第1点目の御質問で参考として申し上げました福島県農協中央会の資料を引用して申し上げますと、転作作物の所得を見込まない試算で、稲作所得及び補助金単価の引き下げによる稲作農家1戸当たりの減少額は6万5,000円となっておりまして、これを仮に、前年度の転作実施農家戸数を本年度に置き替えて単純に試算いたしますと約4億7,400 万円となります。しかしながら、これまで転作誘導を積極的に推進してまいりましたので、転作の定着化により転作作物について相当額の所得が見込まれることから、実質収入減は大幅に緩和されるものと考えております。 ○議長(矢吹康君) 江尻商工水産部長。 ◎商工水産部長(江尻定吉君) 〔登壇〕私からは高萩議員の御質問のうち、円高不況の問題についてお答えいたします。 まず、輸出関連産業のいわきにおける不況の現況についてのおただしでありますが、国・県・市及び関係団体で組織しているいわき市雇用安定対策会議が本年2月に行った調査によりますと、市内各製造業のうち特に輸出に関連が深いと見られる電気機械部門については、これまでその70%程度を輸出に依存していた関係もあって、円高の影響はより濃厚に見られます。そのうち電子部門関連については、今後の需要増大が期待できる一面もありますが、反面輸入品とのコスト面での競合が一段と厳しくなることが予想され必ずしも楽観を許せない状況にあるものと見られます。また、自動車関連の業種においても、従前に比べ売り上げが20%程度落ち込んでいるものと見られますが、自動車関連以外の新製品開発によって打開策を講じようとする動きもあり、それぞれに企業努力を進めている状況が見られます。いずれにしても円高の影響は各業種に及んでいることから、今後ともさらに厳しい状況が続くものと思われます。 次に、円高による求人に及ぼす影響についてのおただしでありますが、平、勿来公共職業安定所の調べによりますと経済動向を示す有効求人倍率では、昭和60年の0.68に対し、昭和61年では0.6と減少しております。また、有効求人数で見ますと、昭和60年は月平均で3,404人であったものが、昭和61年では3,151人となり、月平均で253人の減となっております。もちろん、これらの減少は、すべて円高の影響とは言えないわけでありますが、業種別の求人状況等から平・勿来公共職業安定所では、業種によっては異なるが、減少分の20%から30%程度は円高によるものと分析しておりますので御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(矢吹康君) ここで午後2時30分まで休憩いたします。        午後2時15分 休憩     ------------------        午後2時31分 開議 △諸橋義隆君質問 ○議長(矢吹康君) 休憩前に引き続き会議を開きます。これより一般質問を行います。3番諸橋義隆君。 ◆3番(諸橋義隆君) 〔登壇〕(拍手)3番、新政会の諸橋義隆であります。 中田市長が就任して、初めての年度当初予算を審議する重要な3月定例市議会において、市政全般にわたり質問を展開できることは、市議会の議席を得た新人の私にとってはまことに光栄であります。現在の、この議場は昭和48年3月20日に完成し、その年の5月臨時議会において我が会派だった故藁谷勝男議員が最初の登壇者となって以来、1,318名の先輩議員が市民の負託にこたえるべくおのれの政治信念をかけ、いわき市政発展のため質問を展開してきた壇上であります。私は、今その壇上に立ち改めて責任の大きさを感じながら質問を始めさせていただきますので、市長並びに市当局の誠意ある御回答、御答弁をお願いいたします。 まず、最初の質問は、教育行政についてであります。 その一つは、社会教育の強化対策であります。まちづくりは、人づくりと言われる中で昭和24年に社会教育法が施行され、まちづくりは住民参加が基本であるとの見地から地方自治体の行政責任者として、住民の生涯学習、地域コミュニティーまたふれ合いの場として、公民館が各地で建設され今日まで青年学級、婦人学級等各般の事業を通して生涯学習の成果が評価されているところであります。しかしながら、環境の変化や時代の移り変わりの中で事業や連営にもさまざまな問題が生じているのも事実かと思われます。 その中にあって、市長は本年1月7日の年頭記者会見の席上、庁内の問題としながらも「社会教育の充実と地域に学び地域に根ざした行政を進めるためにも有能な職員をいったん本庁から公民館へ出向させる」との考えを示しております。これは人的強化であり、また公民館職員の資質の向上につながるわけでありますが、現在35ある公民館のうち複数職員を配置しているところは13館で20館が館長1人残りの2館が職員不在の運営という現状であり、複数職員が配置されている公民館はまだしも、その他の公民館においては本来のあるべき運営に支障を来しているのが実態であります。 そこで、質問の第1点は、公民館の強化対策であります。地域に根ざした活動をするには、職員が積極的に外に出て市民の声に触れる機会を得る必要性から、機構組織見直しの中で人的強化すなわち、複数配置に関しての充実は含まれているのかどうか。 第2点は、運営をよりスムーズにするための事業費の増加についてはどうか。 3点目は、施設設備の充実について市は、どのような施策を考えているのか。 4点目は、年々高くなる地域公民館建設費に対し地区住民の負担軽減のために建設費補助制度の見直しを進めていると聞いているが、その具体的な内容についてお伺いいたします。 次に、学校給食センターの民間委託についてであります。 去る2月中旬ごろ、ある団体が「子供たちのために学校給食を守ろう、安くない民間委託」というこのようなチラシを新聞折り込みにより各家庭へ配布されましたが、市民からの問い合わせなども踏まえ、我が会派としても調査したところであり、市民に対して真実を示す上からもチラシの内容についておただしいたします。さらにごく最近、地方自治経営学会が発刊した「地方行革マニュアル」によると学校給食のコストが、民間は直営の56%、一食当たりの経費は直営が146円、民間は70円と発表されておりますので正しく市民が理解されますよう次の点について質問いたします。 一つ目は、チラシに引用されたいわき市のA給食センターとはどの給食センターに該当すると思われるか。 二つ目は、一食をつくる経費は直営であるいわき市のA給食センターが66円、民間委託の郡山給食センターが75円となっているが、その実態はどうなっているのか、また、本市のセンター方式と単独方式について一食をつくる経費を60年度決算額で示していただきたい。 三つ目に、民間委託になった場合チラシに載った安全確保は無理であるとの件についてはどうなのか。 四つ目に、昭和61年1月「学校給食業務の合理化」について、文部省から通知が出されたがそれ以後民間委託について全国的な状況はどうなっているのかわかれば示していただきたいのであります。 質問の第2は、農政問題であります。いわき市における農業・農政の長期的な見通しとしての農業振興基本方針の策定についてお伺いいたします。 この農業振興基本方針の見直しについては、昨年3月の定例会において、我が会派の渡辺議員が見直しの基本方策についてただしてまいったところでありますが、我が国の近年の農業情勢を見ますと、国際収支の不均衡により諸外国から市場開放の要請が強まる一方、国内的には農畜産物の需給が緩和の傾向にあり価格政策の見直し等農業の抜本的改革が強く求められておるところであります。このような情勢の中で、昨年の11月28日国の農政審議会が21世紀を展望した農政の長期ビジョンである「21世紀へ向けての農政の基本方向」を打ち出し、農業の生産性の向上と国民が納得し得る価格での農産物の供給を求めております。さらに、この基本方向を受けて12月3日水田農業確立対策がスタートし、77万ヘクタールの転作とともに稲作と転作作物の合理的な組み合わせによる水田の有効利用と生産性の向上によるコストの低減を図るための、生産構造の転換を強く求めてきているわけであります。本市においても、これまでにいろいろの農業振興策を講じてまいりましたが、本市の農業の現状を見ますと農家戸数の減少、兼業化の進行、農業労働力の老齢化、婦女子化など農業振興にとって極めて厳しい状況であると見ているわけであります。このように、国の農業情勢や本市がおかれている農業の現状を踏まえ、本市は農業の長期ビジョンとしての「農業振興基本方針」の策定について進めていると先ほどの市長の答弁がありましたが、私は、さらに突っ込んだ内容、すなわちその見通しと基本方向の骨子についてお伺いいたします。 3番目の質問は、都市計画区域内の線引き及び用途指定の見直しについてであります。昭和44年新都市計画法が制定されて以来、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動の確保並びに適正な制限のもとに、土地の合理的な利用が図られてまいりました。当市においては、昭和45年10月15日同法に基づき、市街化区域約8,410ヘクタール、市街化調整区域2万8,500ヘクタールの区域指定の線引きがなされたのであります。以来、昭和53年12月26日第1回区域指定変更を経て昭和53年6月29日第2回区域変更が行われ、昭和60年2月8日には第2回変更に伴う特定保留解除がなされ、現在市街区域面積9,672ヘクタール市街化調整区域面積2万7,893ヘクタールとなっております。市は、産業構造の変化、住居集落の変遷などにより昭和65年ごろに線引きの見直しをする予定と聞いております。そこで、第3回線引き見直しを踏まえ以下4点についてお伺いいたします。 その第1点は、工業系地域の見直しについてであります。現在、当市には工業系地域面積が3,080ヘクタールあります。しかし、産業構造の変化、土地価格の高騰等により工業系地域の指定を受けながら工業等の立地が、いまだなされないところが多数見受けられます。例えば、小名浜大原地区、常磐落合地区のように周辺環境から見ても今後工場立地の推進が難しいと判断される状況で、市はこれらの地域の住居系への見直しは考えられないのかお伺いいたします。 第2点目は、公共施設の整備改善及び宅地の利用増進を図るため、市は土地区画整理事業の推進をしてきたところであります。しかし、これらの事業が施行された区域の中には、いまだ未利用地としての面積が見受けられ、これは同事業の目的にかんがみ宅地としての利用推進を図るべきと思料されるところであるが、未利用地となっている面積は市内にどれほどあるのか。また今後、これらの未利用地対策についてどのように指導されるのか、お伺いいたします。 第3点は、開発行為による市街化調整区域内に建設された大規模開発による宅地にかかわる都市計画税の課税についてであります。現在、当市の大規模開発により施行された住宅団地の総面積は約117ヘクタールと聞いておりますが、これらの地区は都市計画税が非課税扱いとなっている現状であります。しかし、都市計画事業及び土地区画整理事業などの整備費用に充てる目的税の原則から見ても全く不合理と考えられます。このたびの線引き変更を実施するに当たり当該地区を市街化区域に編入し、都市計画税を課税する考えはないのか、お伺いいたします。 第4点目は、市内宅地需要から市街化調整区域より市街化区域へ編入の要望があります。このようなところから、前回の線引き以降今日まで陳情や市政懇談会などによる当局への要望、箇所、面積はどれほどなのか、お伺いいたします。あわせて、このたびの変更時期に対して市はどのような考えで取り組まれるのか、逆線引きとあわせて当局の基本方針をお聞かせ願います。 次に、観光行政についてであります。 近年、週休二日制の導入等により、厳しい経済状況下の中にも国民生活は心の潤いを求め、余暇利用の時代に入ったと言われております。家族旅行での観光地めぐり、秘湯めぐり等年々増加の傾向の中で、市は21世紀のまちづくり展望の中で海洋リゾート都市へ向けて調査を開始すると聞いております。辛い、いわき市には約60キロメートルに及ぶ、美しい海岸線と自然景観のすばらしい山岳・渓谷、湯量日本一を誇る常磐湯本温泉郷、国宝白水阿弥陀堂、勿来の関などの名所旧跡、加えて石炭化石館やマリンタワー等観光誘客には恵まれた環境にあり、さらに昭和62年度末には待望久しい常磐自動車道が全線開通の見込みであり首都圏からの観光客が増加するものと予想されております。それらの状況を踏まえて、次の2点について質問いたします。 昭和62年度予算の中で、観光客の増大を図るべく観光誘客対策事業をどう盛り込んであるのか、具体的内容をお聞かせ願いたいのです。 次に、観光誘客事業が積極的に推進された場合、国鉄が将来の民鉄利用による観光客も相当見込まれるところから、市は観光関係者が久しく待ち望んでいた観光案内所をいわき市の玄関駅である平駅構内に設置したい考えを示していると聞いておりますが、その観光案内所の内容についてお聞かせ願います。 次に、市の無担保無保証人融資制度の取り扱い金融機関の拡大についてであります。現在の経済界を取り巻く環境は予想以上に厳しいものであり、国際的には貿易の不均衡からくる円高不況、国内的には産業構造の変換から起こる失業者の増大など、かつて経験のない大きな渦の中にあり首相の私的諮問機関である、経済構造調整研究会の前川リポートは「現在の日本経済の動きを大げさでなく国家改造であり現実的に予想以上のスピードで進んでいる」と報告しているのであります。このような状況下で、いわき市においても中・小企業を取り巻く環境は大変厳しいものであり、この流れを乗り切るための施策が必要と思われるわけであります。現在、市は中・小企業の金融を円滑にし、経営の安定を図るべく四つの制度を設け、資金貸付の金融施策を講じている中で特に小規模企業向けの無担保無保証人融資制度は新聞報道によると窓口を拡大するとのことでありますが、零細企業者の利用実態から見て、まことに時宜を得た施策と思われるわけでありますが、その具体化内容についてお示しいただきたいのであります。 さて、最後の質問であります。 平市街地開発事業にかかわる庁内機構のあり方についてであります。御承知のように、平地区はいわき市における中心商業核としての位置づけにありながら、今まさに空洞化現象が起きようとしております。遅々として進まない平駅前再開発もその一因を成しているのは明白であります。市長は就任後の昨年12月2日に行われた経済界代表者との初懇談会の席上、「平駅前再開発事業は商店主などの関係権利者の問題であり、まず自分たちでどうするか決めて欲しい」と地元にげたを預けた考え方を示し、その一方では21世紀に向けて若者が定着できる活気あふれるまちづくりの基本計画に基づき平駅前再開発事務所を、平駅周辺再開発事務所と名称を改め商工水産部から市長直轄の機構として独立強化する機構改革案は大いに歓迎できるものであり、市長が常々言っている平駅はいわきの玄関口であり、顔であるとの考えを十分に反映させたものとして高く評価できるところであります。しかしながら、市街地の再開発事業は、権利者数の問題そこから起きる権利、義務の多岐多様にわたる問題、また土地価格の高騰など大変困難な事業であり、行政としても厳しいのが実情でありますがこれを成し得ずしてまちづくりはありません。また、同時に民間の権利者みずからの発意による再開発なくしては、まちづくり、まちの活性化はありえません。その中にあって、今、平地区の商店会の一部を中心に当該地域の民間による再開発計画が着々と進められており、周辺商店街においても中心商業地の活性化を深刻に考えている方々が多数おるところであります。このような現状の中で、現在、民間施行型の市の窓口は都市建設部都市計画課が行なっていると聞いておりますが、御承知の通り市街地再開発は、行政施行型の第2種開発事業と民間・組合施行型の第1種開発事業があり、上部官庁すなわち建設省の窓口は第1種において住宅局が、第2種においては、都市局が監督、指導を行っております。しかるに、当市にあって市街地再開発事業の推進に当たり、第1種と第2種事業の組織機構が、別々の部局であることは再開発の整合性に危惧の念をもつものであり、まちづくりの基本計画を根底から崩す可能性を秘め、それぞれに開発はしたけれど全く予想外の街並、商店街が構成される危険をはらんでいると言っても過言ではありません。他都市の例、例えば、民間主導型の再開発を積極的に進めている先進都市においては、第1種・第2種事業の二つの課または二つの係を同じ機構内に配し、広域的な地区整備計画を策定しながら進めているのが現況であります。 そこで、質問いたします。市長は商業核としての平地区商店街の再開発事業を推進するに当たり、市施行の駅前再開発だけにとらわれることなく、基本計画に沿った面的かつ広域的な開発を重視し、民間施行との整合性をかんがみて、現在別々の機構で行っている再開発事業の統一、すなわちこのたびの機構改革案に含まれている平駅周辺再開発事務所内に早急に都市建設部都市計画課で行っている民間施行による再開発の指導窓口を統合し、一体的に整備促進する方向での庁内機構の受皿づくりをする考えはないのかお伺いして、以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(矢吹康君) 中田市長。 ◎市長(中田武雄君) 〔登壇〕3番諸橋議員の御質問に御答えいたします。 農政問題のうち新しい農業振興基本方針の策定見通しについてのおただしでございます。 まず、策定に当たっては、昭和60年を目標年次としたこれまでの基本方針の実績を踏まえながら一つには、市内の全農家を対象にした意向調査の結果、さらに国の農政の長期ビジョンである「21世紀へ向けての農政の基本方向」、二つには、水田利用再編対策のポスト3期対策としての「水田農業確立対策」、三つには、農業センサス、農林水産統計年報などの統計資料の報告などを参考にし、昭和60年を基準年次、70年を目標年次として、県の指導機関の助言や農業団体などからの意見を聴取しながら現在方針案を策定中であります。そして、この基本方針案について、今月下旬には行政機関や農業生産団体などの代表で構成している、いわき市農業振興対策協議会に諮問をする予定にいたしております。 次に、基本方針案の骨子についてでありますが、本市の農業の基本目標は、産業として自立できる農業の確立を目指しながら、需要の動向に即した生産性の高い農業を確立することにおいております。そのため、基本方向の重点施策としては次の6項目を柱としたいと考えております。すなわち、一つには、農業生産の担い手の育成、二つには、農用地の有効利用と生産基盤の整備、三つには、生産性の高い農業の確立と主生産地の形成、四つには、農畜産物の流通と価格の安定、五つには、農村の環境整備、そして六つには、農業団体の整備拡充であります。さらに、これらの具体的な施策としては、一つには、大規模農業経営の育成、二つには、水田農業確立対策の定着化、三つには、高度先端技術の活用による施設型農業の確立、四つには、大区画ほ場整備の推進、五つには、1・1・10運動による生産振興、六つには、高速交通・高度情報化時代に対応した流通体制の確立、七つには、農山村地域における高齢者生きがい対策、八つには、ふるさと産品づくりの推進、九つには、都市と農村との交流対策、さらに農業協同組合の合併促進などを考えております。さらに、具体的な事業の実施に当たっては、いわき市総合計画との整合性を保ちながら実施計画の中で取り組んでいきたいと考えておりますので御理解を賜りたいと存じます。 次に、観光行政についてお答えいたします。 まず、観光誘客対策の具体的な内容についてのおただしでありますが、観光誘客対策は、観光産業の伸展を図る上から重要な施策であり、これまで、市及び市観光協会等が一体となり積極的に諸事業を実施してきたところであります。このことから、昭和62年度における予算編成に当たりましてもこれまでの諸事業に加え、常磐自動車道開通に向けての、効果的な観光誘客対策事業を積極的に取り入れた次第であります。具体的には、一つには、首都圏域の1都8県、人口約3,600万人を対象に、効果的時間帯においていわきの観光を組み入れたテレビ放映をいたします。二つには、関東圏の大手デパートにおいて観光物産展を開催する予定であります。三つには、首都圏在社の旅行エージェントを数多く訪問し、観光ルート等を詳細に説明する考えでおります。四つには、昨年に引き続き、東京在社のレジャー記者と懇談を重ねてまいりたいと考えております。五つには、観光パンフレット、ポスター特に本年度は、観光パネル等の活用により観光地等の紹介宣伝をする予定でおります。六つには、遠方から来られた観光客に対し、心のこもった誘客サービス等をするため、観光案内所の設置、歓迎塔の設置、観光接客従事者研修会を開催するなど、観光産業の伸展に寄与してまいる考えでありますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、観光案内所の設置についてのおただしでありますが、本市においては、観光産業の伸展を図るため積極的な観光誘客対策事業を推進しており、今後における国鉄利用の観光客を初め多くの観光客等の利便に供するため、いわき市観光案内所を4月1日から、平駅旅行センター内に設置するために現在関係機関・団体等と協議を重ねているところであります。その主なる業務内容は、観光地及び観光施設等の紹介・宣伝・宿泊施設の連絡、観光みやげ推奨品の紹介等々を行うこととしておりますので御理解を賜りたいと存じます。 次に、無担保無保証人の融資制度の取り扱い窓口の拡大についてのおただしでありますが、当地域の経済発展を推進するためには、文字通り地域経済を支える主要な役割を果たしている中・小企業の振興育成が何よりも肝要であると考えております。このような情勢の中で、市といたしましては中・小企業の経営の安定と事業の伸展をさらに助長するため、本市独自に「中・小企業融資制度」「不況倒産関連対策資金融資制度」「無担保無保証人融資制度」「事業振興資金融資制度」の四つの制度を設け、中・小企業の振興に寄与していることは既に御承知のとおりであります。このうち、無担保無保証人融資制度は、小規模企業者で担保力に乏しく保証人の選定に困難な企業者が融資対象であり、諸橋議員お話しのとおり円高不況の影響は小規模企業者ほど深刻なわけであります。このような状況を反映して近年、利用件数も増加しており、これらの業者は取引金融機関が信用金庫、信用組合などが多い実態と考えており、市域の広域性等を配慮して現行の預託額1億600万円に約1億円の増額を図り、取り扱い金融機関が現在まで二行であったものを新年度からは、市内13の金融機関で取り扱うこととするように考えております。この措置により、小規模企業の金融の円滑化を図り、現今の厳しい試練を乗り越え長期展望に向けた経営基盤の確立に役立てようとするものであります。さらに、各融資制度の貸付利率についても金融機関と協議しながら引き下げを図る考えでありますので、御理解をいただきたいと存じます。 次に、市街地再開発事業の受け皿機構についてのおただしでありますが、市街地再開発事業にかかる市の窓口は、従来から都市建設部都市計画課と定めて事務の執行に当たっているところであり、御指摘の民間施行による再開発事業についても取り組んでおります。一方、平駅前市街地再開発事業は、市が施行する最重点施策の一つであり、個別特定のプロジェクトとしてその推進を図るため専任体制のもとに取り組んできたものであります。今回、平駅前市街地再開発事務所を商工水産部から分離独立させ部と同等の組織に格上げいたしますのは、権限及びスタッフの拡充強化によって以前にも増して積極的に事業の促進を図りたいとの判断に基づくものであります。したがいまして、窓口の一本化についての御提言は拝聴に価するものとは存じますが、公共施行及び民間施行のいずれの事業についても都市計画法に基づく一連の手続を経て進められるものであり、平地区における再開発事業としての整合性は十分図られるものと考えますので、今回の措置は平駅前再開発事業の実現に向けて精力を結集することが必要であるとの判断に基づくものであることを御理解賜りたいと思います。 私からは、以上でございますが、その他の御質問については、教育長ほか関係部長にお答えいたさせますので御了承願いたいと思います。 ○議長(矢吹康君) 飯島教育長。 ◎教育長(飯島護君) 〔登壇〕諸橋議員の御質問のうち、教育行政についてお答えいたします。まず、公民館活動の充実・強化についてでありますが、公民館は地域住民の生涯学習の場として地域づくりの中核的役割を果たしておりますが近年における市民のニーズは生きがい志向の高まりとともに質的に多様化して、これらのニーズにこたえるための公民館の運営が大きな課題となっていることは御指摘のとおりであります。 第1の質問であります1人公民館への複数配置については、御承知のように厳しい財政状況下にありますが、公民館運営上重要でありますので新年度設置予定されている仮称「いわき市教育懇談会」の中で十二分に検討を加え対応してまいりたいと存じます。 第2の質問であります公民館の事業費でありますが、人づくりの重要性から本年度は前年比10%増の人口一人当たり100円を110円に増額すべく、今回所要の予算を計上し事業の充実を図ることとしたところであります。 第3の質問であります施設設備の充実でありますが、老朽公民館の早期解消に向け年次計画を立て進めております。新年度は草野公民館を建設すべく予算を計上したところであり、今後も年次計画に基づき老朽公民館の整備と内部設備の充実を図ってまいります。 第4の質問であります地域公民館建築費補助金の見直しでありますが、新年度から1平方メートル当たりの建築単価7万6,000円を9万6,000円に引き上げ、地域における連帯感の醸成と負担軽減に努めることといたしましたが、限度面積の引き上げについては今後の検討課題とさせていただきたいと考えておりますので御理解を賜りたいと存じます。 次に、学校給食センターの民間委託についてのおただしでありますが、第1点のA給食センターとは、調理食数・学校数・給食関係従事者数から見て、小名浜学校給食共同調理場であろうと推測いたしております。 第2点の1食当たりの小名浜学校給食共同調理場の経費は、昭和60年度決算でみますと、管理部門・調理部門・配送部門・ボイラー部門の合計経費から、備品購入費・工事請負費等の臨時的経費を除きますと、104円54銭となっております。また、本市のセンター方式と単独方式の昭和60年度決算額による1食当たりの経費は、備品購入費・工事請負費等の臨時的経費を除きますと8センターの場合の平均は、114円71銭であり、単独校方式の場合は16施設21校の平均が178円26銭となっております。 第3点の安全確保についてでありますが、民間委託した場合でも受託業者に対し、調理師等有資格者の配置を義務づけるとともに調理関係についての衛生面の管理体制を確立することによって、安全の確保は十分に図れるものと考えております。 第4点の「学校給食業務の合理化」についての通知以後の全国的な委託状況でありますが昭和61年5月1日現在の文部省体育局が発表した「学校給食における外部委託状況」によりますと、調理業務は4.4%、配送業務は21.6%、ボイラー業務は7.3%となっており年々民間委託が進んでいるようでありますので御了承願います。 ○議長(矢吹康君) 古内都市建設部長。 ◎都市建設部長(古内義光君) 〔登壇〕諸橋議員の御質問のうち、都市計画区域内の用途指定の見直しについてお答えいたします。 まず、最初に工業地域の見直しについて申し上げます。 現在、いわき市における用途地域の指定状況は、市街化区域面積約9,672ヘクタールのうち工業系地域が約32%に当たる3,080ヘクタール、また住民系地域は、約64%に当たる6,149ヘクタールを指定しております。これらの用途地域は、おおむね10年後の人口及び産業の見通しに基づいて必要な工業用地及び住居用地を想定し定めたものであります。しかし、小名浜大原地区や常盤落合地区のように工業系地域に指定されながら、一部工業地として利用が図られていない、いわゆる未利用地区があることも事実であります。今後もこれらの地区については、用途地域に整合した土地利用の活用を図ることか基本であると考えております。しかし、用途地域を設定後社会的な状況の変化等によって御指摘のように、工業系地域を住居系地域に一部見直しをする場合もありますが、その実情をよく調査検討してまいりますので御理解願いたいと思います。 次に、土地区画整理事業完了地内の未利用地の宅地推進についてでありますが、いわき市においては昭和21年度以降昭和61年度までに土地区画整理事業による面整備が完了する地区は、市施行と組合施行あわせて44地区でその施行面積は約1,070ヘクタールとなっております。このうち農地、または雑種地等で宅地として利用されていない未利用地面積が約126ヘクタールであり15.5%を占めております。また、都市計画事業施行地区は、四倉・久之浜でおのおの1地区ありますが、大部分は旧5市の市街地及びその周辺部であり、宅地化の速度はおのおのの地区によって大きなバラツキがありますが、宅地化の遅い地区の共通した原因として考えられますことは、公的事業を含めた民間開発による宅地の供給過剰現象、宅地化による税制上の諸問題、あるいは農業者年金の問題等があり、市の行政だけでは解決でき得ない点が多々ございます。市が宅地化の推進について指導していくことは法的な規制もなく、非常に難しい実情にあることを御理解願います。御承知のとおり土地区画整理事業は将来スプロール化が予想される地区の公共施設の改善、土地の有効利用の増進を図るための受け皿としての事業であることも目的の一つであり、したがって長期的視野に立ったまちづくりの事業であることを御理解願いたいと思います。 次に、開発行為による市街化調整区域内に造成された宅地にかかわる都市計画税の課税についてのおただしでございますが、いわき市の市街化調整区域内における大規模開発による住宅団地は、若葉台団地他2件のおおむね117ヘクタールの面積が開発され、現在はいずれも検査が完了し市民に分譲され住宅地として利用されております。これらの住宅団地の市街化区域への編入要件は、飛地となっている関係からその面積はおおむね50ヘクタール以上必要であるとされております。しかし、当該団地はいずれも50ヘクタール未満であり、市街化区域に編入することは難しい状況となっておりますが、御指摘の趣旨もよく理解できますので、今後線引きに関する基礎調査の中で積極的に検討してまいりたいと考えておりますので御理解願いたいと思います。 次に、市街化調整区域から市街化区域への編入の要望についてでこざいますが、前回の線引決定の昭和59年7月以降、現在までに陳情書等で8件、箇所といたしましては、平の鎌田地区が2ケ所、1ケ所は夏井川沿いでございます。それから、内郷の白水が2ケ所、勿来町の酒井高畔、勿来町白米酒井原、平赤井地区、泉の萱手営農団地の計8カ所であります。面積にして約100ヘクタールとなっております。これらにつきましては、現在福島県が昭和61年度から行っている都市計画に関する基礎調査の結果と市が実施している土地利用基本計画の策定に基づき、昭和65年を目途に行う予定の線引き見直しの中で検討することになっております。また、現在の市街化区域内において、今後営農を継続して農業的土地利用を図っていく区域や、さらには具体的開発計画が確定していない区域等の調査等を行い非常に困難性はありますが、地区市民の方々の御理解を得て逆線引きすることも当然必要であると考えておりますので御了承願います。 ○議長(矢吹康君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(矢吹康君) 御異議なしと認め、延会することに決しました。明日は午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日はこれにて延会いたします。         午後3時20分 延会     ------------------...