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12月12日-03号

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  1. いわき市議会 1966-12-12
    12月12日-03号


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    昭和41年 12月 定例会           昭和41年12月12日(月曜日)            いわき市平市民会館ホール---------------------------------------議事日程第3号   昭和41年12月12日(月曜日)午前10時開議 第1 再開 第2 一般質問 第3 散会本会の会議に付した事件---------------------------------------   〔議事日程第3号と同一〕---------------------------------------出席議員(263名)    1番  大滝誠志君      3番  大河原正司君    6番  強口和美君      8番  佐藤初太郎君    9番  白崎智多恵君    10番  高木乙彦君   11番  中村 仁君     13番  鈴木 登君   15番  阿部正美君     17番  鈴木武正君   18番  鈴木清敏君     19番  鈴木角太郎君   22番  大槻幸次君     23番  平川一郎君   24番  木村一章君     25番  高木 伝君   26番  高木芳郎君     27番  北郷藤平君   28番  鈴木正栄君     29番  高木 正君   30番  鈴木直夫君     31番  坂本三郎君   32番  坂本秀寿君     33番  遠藤 亨君   34番  青木高義君     35番  新妻兵吉君   36番  雨宮幸夫君     37番  富岡弘一君   38番  日高盛山君     39番  吉原松次郎君   40番  橋本宇三郎君    42番  岡田勝男君   44番  西山雄芳君     45番  荻 忠作君   47番  山野辺 誠君    48番  吉田新平君   49番  吉田栄一郎君    50番  新妻寿一君   52番  大楽正司君     53番  佐藤真之助君   54番  山城浅治君     55番  鈴木栄一君   56番  長谷川慎二郎君   57番  吉田 正君   58番  片寄甚之丞君    59番  豊田 誠君   60番  佐藤直之助君    61番  小野久夫君   62番  江口 勇君     63番  賀沢義房君   65番  吉田豊重君     66番  長谷川満寿君   67番  渡辺政義君     69番  字佐見勝美君   71番  矢内孫三郎君    72番  境 茂樹君   73番  佐藤伝一君     74番  大越岩男君   75番  永山庄七君     77番  根本常雄君   78番  大川原嘉三君    79番  字佐見武憲君   80番  加藤春松君     81番  矢内忠次君   82番  吉田 盛君     83番  三辺 寛君   84番  荻野武夫君     85番  大平 一君   86番  馬上吉見君     87番  草野一夫君   88番  田久兼治君     89番  鈴木民平君   91番  根本軍平君     92番  渡辺富保君   93番  松本敏夫君     94番  吉田為男君   95番  柳内一良君     96番  草野 茂君   97番  国井良雲君     98番  大平 力君   99番  大森又平君     100番  大平 董君   101番  草野政弘君     102番  川井保一君   103番  班目亀堆君     104番  小沢道久君   105番  油座勝信君     106番  櫛田 康君   107番  駒木根多平君    108番  鈴木与一君   109番  平子秀吉君     110番  蛭田五六君   112番  佐川正元君     113番  酒井正親君   115番  黒沢賛爾君     106番  上遠野伝治君   117番  折笠 章君     120番  蛭田 清君   121番  上遠野秀男君    122番  鈴木長司君   123番  中野豊須美君    125番  折内次男君   126番  藁谷久光君     127番  阿部藤丸君   128番  草野寿春君     129番  永久保 豊君   130番  藁谷八郎君     135番  田子三郎君   136番  阿部浪之助君    137番  鈴木正次君   138番  榊原右近君     139番  吾妻テル子君   141番  草野常一君     143番  草野銀次君   144番  藁谷直喜君     145番  阿部卓爾君   146番  沢田一良君     147番  佐藤豊之助君   148番  緑川不二男君    149番  緑川直人君   151番  小野萬里往君    152番  緑川 董君   153番  斉藤哲二君     154番  緑川広司君   155番  大橋博太郎君    159番  溝井カク君   160番  蛭田安男君     161番  芳賀 武君   163番  蛭田栄太郎君    164番  佐藤晋一君   165番  水野谷義明君    166番  強口稠太郎君   167番  猪狩恒一君     168番  渡辺 誠君   170番  今田 巌君     171番  根本利美君   172番  山城戦治君     173番  佐藤 一君   175番  柳井栄一君     176番  園部 茂君   177番  古川洋一君     178番  小野塚 量君   179番  赤津甚吾君     180番  白土恵侯君   181番  秋山義一君     182番  平山寿一君   183番  青海徳夫君     184番  蛭田俊雄君   185番  鈴木裕文君     186番  鈴木 明君   188番  山際丑太郎君    189番  蛭田梅義君   190番  金成正二君     191番  助川錦一君   192番  沢田八束君     193番  田口誠二君   194番  蛭田豊延君     195番  鷺 善三君   196番  伊藤日出男君    197番  横田弘毅君   198番  安島峯二君     199番  助川庄次君   201番  鈴木 栄君     202番  赤津義男君   204番  小林周喜君     205番  坂本太平治君   207番  周作義雄君     208番  飯田宗秋君   209番  吉田栄次君     210番  吉田忠君   213番  久保木重雄君    215番  箱崎吉平君   216番  鈴木勝夫君     217番  飯塚 勝君   219番  長瀬金右ェ門君   220番  村上武士君   221番  作山行延君     223番  石井芳江君   224番  管野留之助君    225番  滝内 進君   228番  金子武四君     231番  吉田利治君   232番  矢田梅雄君     234番  新妻長蔵君   235番  飯塚新四郎君    237番  金成定一朗君   238番  柳井五郎君     239番  長瀬太三君   240番  四家健雄君     241番  大和田 実君   242番  志賀季三郎君    243番  木下庄衛君   244番  志賀伝吉君     245番  遠藤幸一郎君   246番  鈴木 勇君     247番  佐川吉平君   248番  小松 茂君     249番  渡辺 昇君   250番  国井一美君     251番  鈴木良平君   252番  志賀重右衛門君   253番  政井正二君   254番  藁谷久太郎君    255番  箱崎利勝君   256番  松本都広君     257番  新妻忠直君   258番  新妻義武君     259番  石山一治君   261番  坂本昌蔵君     262番  鈴木章夫君   263番  松崎文吉君     264番  松崎喜一君   265番  志賀兼太郎君    266番  塩 庄造君   267番  金子松男君     269番  中野二郎君   270番  芳賀友一君     271番  平沢均一君   272番  坂本 登君     273番  渡辺多重君   274番  方波見 勇君    275番  藁谷高伊君   276番  小池博太君     277番  加藤千代吉君   278番  斉藤 明君     279番  人見 一君   280番  草野三郎君     281番  熊田豊次君   283番  菅波大十一君    284番  遠藤寅雄君   285番  根本 正君     286番  山崎四朗君   287番  円谷兼広君     288番  高木良平君   289番  渡部平一郎君    290番  鈴木磐夫君   292番  天海 盛君     293番  山内主税君   294番  吉田 栄君     297番  内藤 敏君   298番  大堀重吉君     300番  本田辰雄君   301番  山崎敬道君     303番  鈴木光雄君   304番  松本庫造君     305番  鈴木 功君   307番  上野英四郎君    308番  佐瀬 誠君   310番  荒谷芳夫君     312番  長谷川 薫君   315番  日野俊男君     316番  岡 助一君   318番  柳田正義君     319番  斉藤晴夫君   322番  滝 義勝君     323番  大村哲也君   324番  橋本三雄君     325番  磯上佐衛司君   326番  市橋 武君     327番  生田目 清君   328番  新妻信吾君     329番  末永忠夫君   330番  片寄惣次君     332番  御代武光君   333番  橋本義君欠席議員(67名)    2番  大平泰平君      4番  木野内 武君    5番  高塩正一君      7番  中村昌弘君   12番  深谷秀信君     14番  穂積博光君   16番  志賀照男君     20番  山本幸吉君   21番  和合留次郎君    41番  西山直次君   43番  小湊 正君     46番  根本栄吉君   64番  伊藤 実君     68番  川津佐々木君   70番  永山徳二君     76番  会田 憙君   90番  吉田政夫君     110番  蛭田久道君   114番  上田利秋君     118番  矢渡千吉君   119番  三戸友一君     124番  草野佐助君   131番  合津 伝君     132番  荒川唯資君   133番  佐川美文君     134番  大谷 安君   140番  熊谷 等君     142番  藁谷長明君   150番  中村猛一郎君    156番  芳賀 汎君   157番  油座淳三君     158番  蛭田儀一君   162番  緑川正一君     169番  谷平嘉彰君   174番  根本 昭君     187番  安島武雄君   200番  高木 保君     203番  中山春吉君   206番  江尻三睦郎君    211番  深山東八君   212番  鈴木 巌君     214番  木田谷平君   218番  小林仁一郎君    222番  長瀬彰義君   226番  及川正枝君     227番  遠藤勝馬君   229番  宮下 武君     230番  小林重三君   233番  野崎貞行君     236番  佐藤権兵衛君   260番  馬目智夫君     268番  金古政通君   282番  平川善司君     291番  草野啓助君   295番  佐々木運吉君    296番  斉藤隆行君   299番  須田一男君     302番  山田 弘君   306番  服部勝彦君     309番  白石初太郎君   311番  佐藤 勇君     313番  西山一男君   314番  原 幸治君     317番  石川 始君   320番  駒木根定之助君   321番  川村鉱男君   331番  白土正義君---------------------------------------説明のため出席した者   市長      大和田弥一君   主幹      氏家清三郎君   主幹      吉田政吉君    主幹      吉田信雄君   主幹      吉田隆治君    主幹      島崎忠好君   水道部長心得  鈴木憲吾君    教育長     大和田道隆君   教育委員長   田子辰雄君---------------------------------------事務局職員出席者   局長心得    遠藤定雄君    次長心得    松木茂雄君   議事課長心得  永山 巖君    庶務課長心得  宮川公寛君   調査課長心得  森下繁雄君    議事課長補佐  舛田良作君   議事第一係長  鈴木広次君    議事第二係長  鈴木政雄君   庶務係長    渡辺徳宝君    秘書係長    草野喜八郎君   調査係長    柳井貞男君    資料係長    佐藤繁芳君   主査      佐藤 武君    主査      草野初恵君   主任      蛭田久保君    主事      佐藤長一郎君   主事      片桐正尉君    主事      松崎清輝君   主事補     三輪映江君    併任書記    斉藤 茂君   併任書記    飯島香織君    併任書記    根本唯一君   併任書記    谷平唯男君    併任書記    草野繁信君---------------------------------------  午前10時7分 開議 △日程第1 再開 ○議長(志賀季三郎君) これより去る10日の本会議に引き続き会議を開きます。 現在確認いたしました出席議員数は181名でありますので、定足数に達しております。日程協議のため、議会運営委員会を開催いたしますので暫時休議いたします。  午前10時8分 休憩---------------------------------------  午前10時42分 開議 △発言取消し ○議長(志賀季三郎君) 休議前に引き続き再開いたします。日程に入ります前におはかりいたします。去る12月10日の市長の所信表明に対する290番議員の質問中、勿来地区に対する部分の発言については全部取り消すむねの申し出がありましたので、会議規則65条の規定によつて議長において、これを許可いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(志賀季三郎君) 御異議なしと認めそのように措置いたします。 なお、ただいまの措置につきましては、会議録より削除する発言及び市長の答弁については議長において措置したいと存じますので、あわせて御了承願います。---------------------------------------議会運営委員長報告 ○議長(志賀季三郎君) 議会運営委員長の報告を求めます。180番。 ◆議会運営委員長白土恵侯君) 〔登壇〕議会運営委員会を開催いたし、本日の日程についてただいま協議いたしました結果につきまして、御報告申し上げます。本日の日程は御手元に配布いたしました日程第3号のとおり決したのであります。本日より来たる14日までの3日間はすでに報告承認されました日程に従い、一般質問を行ないます。 質問通告者は18名でありますが、質問順序は去る8日配布されました質問通告表に従い、通告順に行なうように決しました。質問時間は会議規則第57条を尊重し、去る8日の議会運営委員会の決定について、議長より本議場においてはかられ、万場の御賛同をいただいておりますので、一般質問の発言時間は30分、再質問10分2回以内の線で十分質問の意をつくされるよう、議員各位の御協力を重ねてお願い申し上げる次第であります。 なお、本日の日程は会議規則第9条第1項の規定どおり午后4時までに終了することにしたのであります。 一般質問通告議員の質問及び市理事者の答弁は、簡潔明快に、要点を十二分に把握し、意を尽され、議事運営に特段の御協力を賜りますよう、よろしくお願いいいたします。 さらに議員各位及び市理事者ともどもに、登壇はすみやかに運ばれるようお願いいたします。また、再質問はすでに御承知のとおり議席近くのマイクを御使用願うことにしたのであります。議長には、御承認いただきました制限時間等を十分配慮され限られた3日間の一般質問の日程を有意義に運営されるようによろしくお願いいたします。以上で議会運営委員会の結果の報告を終わります。 ○議長(志賀季三郎君) ただいまの議会運営委員長報告どおり御了承願うことに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(志賀季三郎君) 御異議なしと認め本日の議事はそのようにとりはからうことにいたします。本日の議事は日程第3号をもつて進めます。 なお、この際議長より一言申し上げたいと存じますが、本定例会においては、お互いの品位の保持につとめ、静粛に議事運営をしておりますことを感謝いたしますが、議会運営については十分に意を用いますので、なお一そうの御協力をお願いいたします。--------------------------------------- △日程第2 一般質問 △鈴木 功君 質問 ○議長(志賀季三郎君) 日程第2、一般質問を行ないます。質問の順序はすでに議運において順序を決定し、各位の御手元まで配布の一般質問通告書の記載順によつて、議長において指名いたします。なお一般質問中撤回の申し出がありますので承認いたします。撤回者は7番目の290番鈴木磐夫君。なお12番目の278番斉藤明君よりは、6項目の「施政方針について」取り消しの申し出がありますので、これを承認いたします。まず305番鈴木功君。 ◆305番(鈴木功君) 〔登壇〕(拍手)これより通告に従い、質問を行ないます。 第1は、住宅建設の促進についててあります。住宅は衣食とともに、市民生活のための最低の条件の一つであります。住むに家なく、養うに美食なく、高い家賃、高い建築費は、日常生活の最も悩みの種であり、しかも最近の地価の値上りは、一そう住宅問題の解決を困難ならしめております。 これは、各位周知のとおりであります。このような深刻なる住宅難は、単に家庭生活のみならず、社会生活の上からも、また社会秩序の上からも、いろいろと悪影響をもたらしているのであります。 したがいまして、市民の生活安定のためには、どうしても住宅難をすみやかに解消することが先決であると考えるものであります。当「いわき」市は、全国一の広域都市として発足し、その市勢は、人口33万4,000弱、7万8,336世帯になつたわけでございますが、これに対し、公営による住宅数は、わずかに2,668戸であります。その実態から勘案すると、現在まで民間建設に依存をした住宅政策であつたと断定せざるを得ないのであります。現在、市全域を通じて住宅に悩んでいる方々は、老朽危険家屋等も含め、3,000ないし4,000世帯と推定されます。しかもこれらの方々の収入の実態をみるに、月収2万5,000以下の人が81%を占めているのであります。これら低所得者の方は、自力で住宅を建てる力もないしまたそれだけの余裕もないというのが、偽らざる現実の姿であると思うのであります。これがために市は、家賃の安い住宅を各地区の実態に応じ、数多く建設して、住宅に苦しむ市民に住宅を与えてやることが、急務であると思考するものであります。市長は豊かで住みよい「いわき」市の建設をモツトーとされているやに承わりましたが、この住宅建設についての所信をお聞かせ願いたいのであります。 さらに建設部長にお尋ねしますことは、明年度の予算編成にあたり、住宅に関する予算は、全地区を合計して、何%を見込んでおられるのか、その計画立案がありましたら、お示し願いたいのであります。また市内に相当数の不良住宅がありますが、これを解消して、公営による改良住宅にし、低家賃て収容する考えがあるかどうかお伺いいたします。 さらに、民間で、自力で家を建てたいが、資金不足または宅地がないものに対する資金の助成、公共地を利用する宅地のあつせん等の用意があるかどうかお聞かせ願いたいと思います。次に住宅管理の問題でありますが、その管理のよしあしによつて、相当住宅の耐用年数が伸縮されると思うのであります。管理条例に基づく、的確な指導監督がなされているや否や、お伺いしたいのであります。 さらに福祉所長にお尋ねすることは、市内に母子家庭が相当数あると思いますが、この母子住宅建設があるのかどうかということてあります。 第2は交通対策についてであります。最近における輸送需要の増加に伴い、自動車の保有台数が急激にふえ、10年前からみれば、実に5.5倍の増加を示しているのであります。この著しい車の増加に追いつけず、狭あいな道巾はそのまま、歩道及び車道の区別もなく、道路側の不法駐車、さらに平面交差等によつて、交通に渋滞をきたしているのであります。さらに交通事故が激増し、尊い人命が一瞬にして失われ、負傷者は一生涯を不具の身で過ごさなければならないことになるのであります。 しかも現在の不具、疾病者は、先天的な数をはかるに上廻つているという不思議な社会的現象を起こしていると言われているのではありませんか。この交通地獄といわれる惨事をこのまま放置してよいのか、この問題は市民こぞつて、大いに関心を払い、社会不安を取り除くべきだと考えるのであります。 当「いわき」市は、常磐線と6号国道が縦断し、これに49号国道が交差し、その交通量は、日に日に増加の一途をたどつているのであります。ちなみに当管内の車の保有数を申し上げますと、大型バスからバイクに至る台数は、2万2,971台、農耕機を加えれば、実に2万5,246台であり、他県からの車も含めれば、この交通量の1.5倍の交通量になるものと判断されます。かかる現状において、市当局としても、関係官庁との連携を保ちつつ早急に手を打つべきであると思うのであります。そこで総務部長にお尋ねをしますが、建設との関連もありましようが、主要交差点を立体交差にする計画があるのかどうかということであります。さらに道路の拡巾、歩車道の区別、間道の整備をどのように考えておられるのか。それから各地区の主要路線に面して、公共駐車場設置の意思があるのかどうか。内郷貨物駅附近の住民は、貨車線とこれに通ずる道路等によつて震動がはなはだしいのでありますが、これらの補償をどう考えているのか。以上4点についてお伺いいたします。 さらに交通事故について申し上げますと、警察庁11月25日現在の調べによる全国の交通事故死亡者は、1万2,484人で、今までの最高を示しているのであります。当「いわき」市管内の事故件数は1,072件で、死亡56名、負傷1,283名、その他物件損失も相当数にのぼつております。このような交通事故防止について当局は、いかなる指導監督をされているのか。さらに、交通公園の設置によつて学童等の交通知識を高め、事故を皆無にしたという他市の例もあるが、この公園の設置を考えているのかどうか。また最近へリコプター等墜落事故も多くなつていますが、これらに対する関係官庁との連係はどうなつているのか。 さらに教育長にお尋ねいたします。最近教員の交通事故が目立ち、交通事故による戒告処分は昨年の6名に対し、今年はすでに14名になつております。しかもその大半は、教員の飲酒めいていが原因であるとは、はなはだ憂慮すべき事件ではありませんか。すべては、原因と結果との法則であります。指導者に確固たる理念がないと、その姿が結果として、しかもむざんきわまりないものとしてあらわれるものであります。この種問題についての教育長の所信のほどを伺いたいと思います。 第3に教育行政についてお伺いします。社会の発展において、教育がはたしている役割りは、きわめて大きく、それが民族の盛衰、一国の興亡をも決定することは、古今東西の歴史がよく物語つているところであります。当然大和田施政におきましても、教育は市の重点施策であると思うのでございますが、次に項目をあげて質問いたしたいと思います。 その一つは、辺地教育の振興策でございますが、義務教育の学校が管内に129校で、生徒数6万4,105名があり、その中に17の分校がありおのずから格差の出てくることは必然であります。教育長は、この格差是正のために、いかなる施策を講ぜられるのか。また分校等に就職する教員の人選、待遇に関してどのように考えておられるのか。さらにまた分校では複式学級が多いと思いますけれども、これらの恵まれない条件を是正するために、学校規模の適正化を考えて予算措置を講ぜられているか否かをお聞かせ願いたいのであります。 次に特殊教育の振興についてでありますが、心身に障害のある児童も相当数にあり、これらで悩んでおられる御両親も数多くあると思いますが、養護学級及び特殊学校の増設を考えていられるのかどうかお聞きします。 次いで「いわき」市も333の大都市に相なつて地元の大学進学者も相当数に上ると思います。それで短期大学のみならず時代の要請に応じて、磐城高校の昇格または、仮称磐城大学校設立の御構想をお持ちかどうかお聞かせ願います。 次に社会教育に属する問題ですが、青少年の非行化は、年々増加の一途をたどつており、将来を託する青少年の行くえは、まことに憂慮暗たんたるものがあります。「いわき」市管内における1月より9月までの統計によると、犯罪少年506うち女34、触法少年105うち女9その他特別法のもの1,377うち女3、ぐ犯少年1,640合計3,628名に達し、さらに増加しつつあるという現状であります。各関係省にまかして、放任しておいてはゆゆしい大事であると思うのであります。市長及び教育長は、これら非行少年の更生に、いかなる対策を講ぜられるのかお聞かせ願いたいと思います。 最後に、義務教育に関する父兄負担の削減についてであります。一昨日佐川議員より質問がありましたので省略いたしますが、市長は資金難を理由に、法を曲げてこれを容認することは、はなはだ不可解であります。さらにPTAは、本来の目的に反し、その職責を利用し、学童、生徒父兄に寄附の割り当てを強要する行為は、絶対にやめていただきたいと思うのでありますが、この点について、市長並びに教育長の見解を明らかにしていただきたいのであります。 以上大きく3点、小さく18点について質問いたします。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田弥一君) 305番鈴木議員の御質問のうち住宅建設の促進についておただしでありますので、お答えいたします。住宅事情は全国的にこれが解決をせまられている最も緊急問題でございますが、この新産都市としての、「いわき」市の発展を控えまして、住宅の取得は特に意を用いなければならないと考えております。御承知のように新市の根幹事業といたしまして、住宅の建設を25万3,000、そのうち公営住宅2万5,000、残りを民間の資金により建設したいと考えております。これは相当大きな数字でありますので、その資金量がまた大きく要請されるわけであります。私としましては、資金の獲得と建設に努力したいと思うのであります。今年、公営住宅の建設については、すでに各地区に団地等も用意されて、まだ団地造成されない所にも適切な手を打つて住宅の促進にあたり、一面住宅金融公庫を活用いたしまして、民間の住宅建設に資金面から協力するよう努力したいと考えております。なお、その他の住宅の項目につきましては主幹より答えさせます。 次に交通対策でございますが、年々交通事故または死傷者の数が更新されてることは、まことに憂慮すべき次第であります。これについていろいろ施設の面、道路その他の施設、また交通機関の問題、それから市民の問題、こういう面から事故防止のために努力したいと思います。 交通安全対策協議会等もつくりまして、現在の各地区にある交通安全協会あるいは運転者協会の協力を得ながら調査研究を統けて、抜本的な対策をたてるように努力したいというように考えてるわけてす。その他の件につきましては主幹のほうから答えさせます。 ○議長(志賀季三郎君) 関係主幹。 ◎主幹(島崎忠好君) 私、建設担当主幹でございます。ただいまの質問中、建設関係に関する御質問に対して御説明申し上げます。まず住宅対策についての御質問でございますが、ただいまの御質問の内容は明年度における住宅の建設計画の立案の中でどの程度考えているのか、それから民間で建てる場合に宅地のあつせんの用意があるかどうか。それから、住宅の管理上の問題で適切なる指導がなされてるかどうか。さらに交通対策の問題といたしましては、主要交差点においては立体橋の建設を考えてるかどうか。さらに、交通対策について、交通公園の計画ありやいなや、重要路線に将来駐車場を考えてるかどうかという内容であつたかと思いますので、この点について御説明申しあげたいと思います。まず明年度の住宅計画でございますが、現在、各支所から明年度の計画並びに国県に対する要望の計画を見てまいりますと、総合的に一種、二種の住宅数を含めて約420戸の計画が出ております。なお、先ほどご指摘のとおり現在の公営住宅は2,668戸であります。市長が御説明申しあげましたように、新市の根幹事業の中で将来に向かいまして、一世帯一住宅の施策を推し進めていきたいという考え方をもつております。なお、御指摘のとおり、住宅不足数につきましては、今後財政計画もからみ合わせ考えていきたいと思います。なお、宅地あつせんの用意でありますが、これらにつきましては、現在県の住宅公社分譲住宅が、玉川、常磐湯長谷団地を含めて宅地の分譲中でございます。しかしながら、この問題につきましても、今後「いわき」市において住宅の重要性につきましては、重要性に相応じ得るものであるかどうかについてもいろいろ問題点があろうかと思いますので、この点につきましても今後の計画の中で十分検討させていただきたいと思います。なお住宅管理の問題でありますが、御指摘のとおり、管理によつては建物の耐用年数の関係もあります。ただいま本庁、支所の機構の関連からこれらにつきましては、支所の段階で維持管理を行なうようになつておりますが、本庁としても市営住宅の維持管理については、今後とも支所と完全な管理態勢をしくべく研究していきたいと思います。なお、重要交差点における立体橋の問題でございますが、この点につきましても今後路線の交通量の激増を検討いたしまして計画の中におりこめるものはおりこんでいきたいと思います。御承知のように常磐地区の傾域地区は建設省の事業として、ただいまオーバーブリッジが着工中でございます。ああいう問題については建設省に強く要望いたしまして、交通対策の万全を期していきたいと思います。なお、交通公園の問題てすが、これにつきましては交通公園等の運営、なお、技術的な面もありますが、良く勉強並びに調査させていただきます。この方向に向かつて検討していきたいというふうに考えております。最後に公共の駐車場をどう考えるかということでございますが、これにつきましては合併協時代に財企委員会においても、おおよそ決定をみてる地区もあります。それも、新市の根幹事業で取りあげておりますので、交通安全は御指摘のとおりの観点から見ても市営駐車場の設置を考えていきたいと思います。現在、財企委員会で決定をみております公共駐車場については市内6ヵ所がのつておりますが、これらにつきましても交通の頻度、交通安全の二つの角度から十二分に検討させていただきたいと思いますので御了承願いたいと思います。 ○議長(志賀季三郎君) 教育長。
    ◎教育長(大和田道隆君) 305番鈴木議員にお答えいたします。質問の第1点交通事故の中で教員の飲酒等による交通事故が目立つという御指摘でございます。私も「いわき」市にまいりまして特に「いわき」市が交通量の多い所でありますので、これら教育の上で教職員も含めて大きな努力目標の一つとして、交通事故に対してわれわれの防止対策というものを、今考えておる次第でございます。特に教員につきましては、お互い協力いたしまして今後このようなことのないように努力をしてまいりたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。次に教育行政についてお答えいたします。教育行政の重要でありますことは、私ども真にきもに銘じて、今後進めてまいりたいと考えております。父兄の皆さんや地域的な方々が、あげて立派な子弟に育成して欲しいという御要望、教育面で豊かで住み良い環境にしていつて欲しいというようなことから、今後行政を進める大きな目標としてやつてまいりたいと思います。こういうような点から先程質問ありました5点についてお答えしたいと思います。第1番の僻地教育の振興でございますが、この件につきましては昭和26年度に国に於いて僻地振興法が制定されて今日に及んでおります。僻地教育の姿は皆さんが考えてるとおりの格差あるいは恵まれないほうが多いと思います。本県でも2年前からこういうようなことについて力を入れてやつてまいつたわけでございます。この管内にも17の小中学佼の僻地校がございます。こういう学校につきまして、私ども就任して日が浅いために十分見ておりませんので、できるだけ早くこういうような学校を見せていただきまして、対策を講じてまいり、少くても恵まれない所の是正をしていきたいと思います。なお、その一環として僻地の先生方の確保につきましては、年度末人事を中心としてこれらの地域に立派な先生を送りこむような研究をしていきたいと思います。その他に地域的にいろいろ問題があると思いますが、僻地振興の線に沿つて解決にあたつてまいりたいと思います。なお、複式学級の問題が出ましたが、17校の僻地学校のうち、3校が複式学級を行なつております。複式学級の授業もよくわかつておりませんので、これにつきましても、十分検討いたします。複式学級には国のワクがございまして、2学年の人数が25名こさなければ、その生徒たちは二つの学年で一緒になつていかなければならない職員定数になつているわけです。こういう制限はありますけれども、こういう地域の子どもの教育のために私どもできる範囲の配慮はしてまいる考えでおります。第2番目に特殊学級の問題でございますが、特殊学級は管内に35の学級がございます。小学校23学級、中学校12学級でございます。最近はこの特殊学級の制度も普通の子供と別な教育方法が良いということが専門家によつても、また関係ご父兄の方の御理解を得まして、本日まで進んでいるわけです。この学級、管内で35になつておりますが、本県の長期教育総合計画の中でも、41年度から50年度の間に学級をふやそうという計画がございますので、私どものあり方が非常にいいことであるという確信もありますので、本管内においても県の方針にタイアツプしてこれらの子供に即応してまいりたいと考えております。なお、3番目の問題として大学の問題が御質問ありましたが、これにつきましては、市並びに関係の方々の御意見を盛り上げていただいて、特に30数万都市の発生と、大学を今後当市に誘致するところの重要性を考えて進めていきたいと思います。幸にして昌平黌短期大学ができまして、当地域には高校以上の学校として国立平工専と短期大学がありますので、この辺の大学設置も前むきの姿勢でゆきたい。4番目は社会教育の中で非行少年の防止をどうしたらいいかというような御質問でございます。子供の教育は学校だけでできません。家庭も一緒になつてやつていただかなければならない。しかし、学校と家庭だけで子供は育成されないと思います。残念ながら、学校と家庭で教育をまつとうできないというのが現状でございます。したがつて私ども子供の教育のために、社会教育方面の大きな協力をいただきまして、非行少年の防止にあたり、できるならば非行化のないように、出た場合はその子供にあたたかい指導をできるように努力していきたいと思います。今日社会教育の役割は非常に大きいことを考えまして、ますます社会教育が向上してまいりますように、それらによつて当管内の子弟が立派に育成していけるよう努力してまいりたいと思います。 第5番目に義務教育には、今日いろいろと父兄に負担がかかつておりますので、これをなんとか解決しなければならないと考えております。なるべく公費でできるものは公費でやつていただいて、父兄の負担を少なくしていきたいというような努力をして進めていきたいと思います。 ○議長(志賀季三郎君) 関係主幹。 ◎主幹(吉田政吉君) ただいま305番の質問の中の、母子家庭、住宅困窮者に対する考え方を申し上げます。現在市内に母子家庭は 2,600世帯ございます。それで母子住宅の現況は33戸ございます。内訳といたしましては、平13戸、磐城10戸、勿来5、常磐5戸という現況でございますが、今後これら困窮者の住宅の考え方につきましては、十分困窮の度合等を把握いたしましてこれらの方々に対する住宅の緩和策を講じていきたいと考えております。 ○議長(志賀季三郎君) 先ほど議場に紙片を落とした方がありますが、会議の妨害になりますので、かたく禁止いたします。305番。 ◆305番(鈴木功君) ただいまの懇切ていねいなる説明によりまして、了解いたしましたけれども、最後の非行少年の問題でございます。その中に学校教育、家庭教育並びに社会環境ということでございましたが、社会環境の中には公営賭博、あるいは風俗営業等があります。市は公営賭博であるところの平競輪を、すみやかにやめるべきだと私は思うのでございます。「みなもと清ければ流れも清し」ということわざがありますように、大和田市長はよく時点を考えて悪幣は極力排除していくということを、市長に強く要請して私の質問を終わります。--------------------------------------- △小林周喜君 質問 ○議長(志賀季三郎君) 次に204番小林周喜君の質問を許します。 ◆204番(小林周喜君) 〔登壇〕(拍手)勿来地区の小林でございます。 議運においてきめられた時間の範囲内において、御質問を申しあげたいと思います。具体的な質問に入る前に、私の通告事項とやや趣を異にした事項をまずお尋ねをいたし、時間の許す範囲において通告事項に入りたいと思いますので、あらかじめ御了承を得たいと存じます。私をして、かかる変更を余儀なくせしめたものの一つには、過日、本会議において行なわれました市長の施政方針演説がございます。当然、議事日程として消化済みの事項でありますので、内容に触れる考えは毛頭ございませんが、申すまでもなく、大和田市長は33万市民の生活向上の興望を双肩にになつている地方自治体の最高責任者であります。市民はもとより全国的にも良きにつけあしけにつけ、関心を寄せられている本市の今後の市政運営の基本方針を策定する、初代市長の施政方針としては、濃度に欠けるうらみなしとせず、いささかうそ寒い感じがしたことを卒直に申しあげなければならないと思います。かかるが故に施政一般にかかわる基本的施策をただす前に、まず前提といたしましてお尋ねをしてみたいと思います。 まず農政問題についてお尋ねしたい。古来、水と土とを治めるもの、すなわち国を治める、といわれるほどに、農業こそまさに政治の中に占める比重は大きいものがあるのであります。 現に当市のいわゆる都市部8地区においては、30%、農村部6地区においては、70%という農家戸数比率を示しているのであります。ややともすれば、はなやかな商工業施策に眼を奪われ、農業施策が軽んじられる風潮にある今日でありますが、かかる風潮を、仮りによしとする大和田施政であるならば、すでに本市を治める適格者にあらずと断定しても過言でないといえるのであります。ここ十数年このかた、国、県をはじめとして、末端地方自治体にいたるまで曲り角に来た農業対策という、お題目を唱えておりますものの、抜本的対策のなきままに今日に至つております。本市は広域行政推進の一環としても、恵み少ない農業経営者のために、いかに対処して行く方針か、以下のべます三つの要点について、明確なる答弁をいただきたい。その第1は、格差の是正であります。今日の農業経営者は、専業農家として生計を立てることの困難な実情から勢い兼業農家の形態を余儀なくされ、いわゆる「三ちゃん農業」から「二ちゃん農業」などと日陰の産業に転落しつつあるのであります。これはとりもなおさず生産低下をもたらし、農業振興どころか農業衰過を来たしているのであります。 市内農業者の保有反別をみますと、田畑合わせて平均8反歩といわれております。米作に換算した場合、反収8俵として44万8,000円の微々たる粗収入であり、しかも反当生産原価を2万円とすれば、16万、これを差引くと、28万8,000円しかのこらない。一世帯当り4.9人として、一人当り、何と5万6,000円弱の収入によりならないのであります。これでは好むと好まざるとにかかわらず、中心労働力は他に転じ収入を求め、いやおうなしに「三ちやん」「二ちやん」の農業が現出することになる。これが解決のために現在施行されている農業構造改善事業がありますが、合理化のための金融となると、担保能力という規制の中で、年3分5厘の安い金に手が届かない者も多いのであります。このように閉ざされた中での農業経営者の救済策となれば、アイデアをいかした経営方針の転換指導ということが、大きくクローズアツプされてくると思います。 つまり、都市近郊にあつては、施設園芸があり、農村部にあつては、そ菜、特用作物の生産など、特産地形成対策、さらには土壌の抜本的な改良策といつた問題に、積極的に取り組むべきだと思うがこの点いかがお考えなのか。新産都市建設計画の中にあつても、農業対策はきわめて明確を欠いているので、この農業の実体に即し、格差是正と農業振興の具体的基本方針について御答弁を願いたい。 その第2は、流通機構の確立であります。農業経営者がこうむる悲惨なものに、不作とともに豊作貧乏というのがあります。せつかくの多くの喜ぶべき汗の結晶が、現在の流通機構では、実を結ばないことが、実に多く見られる。たとえ、施設園芸、特用作物といつた特産地形成の経営転換に成功を収めたとしても、その産物を最も適正な流通機構のレールにのせ、市場から消費者まで届ける対策を講じなければ、全くの話意味がないのである。そこで私は、市当局にこの面の具体策としての市営市場の設置についての考えをおききしたいと思う。すでに御承知の通り市営市場は人口15万以上の都市に、その設置が認められ、開設には国の補助もあるのであります。現在市内民営の22ヵ所の市場の統合集約とあわせて市営市場を開設し、大口消費地と直結させる方途を講ずる、すなわち京浜地方及び北海道地方と貨車輸送等の方法によれば常に生産と需要とを調整し、価格の安定をももたらすことになり、豊作貧乏の悲哀も味わわずに済むと思われるのであるが、この点いかがお考えなのかお伺いいたします。なお関連して細部にわたれば、卵価の低落に対する具体措置と生牛乳引取策の不合理是正のための行政指導に関してはどのように考えているのか。また鶏卵に関連して、養鶏家を恐怖におののかせるニユーカツスル病の予防対策がどうなつているのか。つまり、組合組織にも加入したい弱小養鶏家に対する予防実施の具体策を持つているのかどうか。以上関連して触れた事項については関係主幹の内容ある答弁をいただきたい。 第3は農業予算の確保であります。とかく農業関係予算は、ときの首長の認識、政治的背景によるところも多いが、あまり密度が濃いものにはならないのが通常のようである。これまでのべた施策の具現のためには、現在のような総予算に対し、わずか3.4%の計上でお茶をにごすという甘い考え方は一掃されることがまず前提要件であります。農業関係の市民に対する税金の還元率は、実に低位にあります。一般財源と、国県補助費とを分類して概算してみると、その還元率は驚くべき低率なのであります。 和と創意を支柱とする大和田施政の名分からいつても、格段の考慮は払われるべきものであろうと期待されるのでありますが、この農業予算の確保について市長のお考えを承わりたいと思います。 次に公害対策問題についてお伺いいたします。年を追うごとに本市の工業地帯の形成は本格化し、企業が盛んになり、あわせて地域経済圏の高度化、住民の生活向上、さらには文化の向上に寄与する面の多大なることを認め、かつ喜びとするものでありますが、必然的に派生する問題として、公害問題があります。本件については、それぞれの関係地区で旧来よりの関係特別機関の活用によつて問題の処理をはかつておりますが、ここで私が取り上げたいのは、被害者の補償に関する処理の迅速化をはかりたいという、身近な次元での方策についてであります。従来関係各地の例をみましても、被害者に補償金が支払いされるまでは相当の期間を要するのが通例でございます。専門機関の調査日数を別といたしましても、公害事実の認定から補償の実施まではまことに長期間にわたるのでありまして、この点の是正について、何らかの具体的方途を講ずべきであると思います。 例えば補償基金制の確立も考えられるのでありますが、この点はすでに、地下産業は実施しております。つまり、関係企業体から補償のための基金を拠出させてプールしておき、公害発生に伴う被害が、しかるべき、調査専門機関で認定された時点において、補償査定額の支払いがすぐさまなされ、公害発生責任主体の調査、解明は、関係企業体間の問題として、その後に取り扱うシステムが、被害者側に立つた場合、最も妥当であると思う。勿論このためには、本制度を組み入れた関係条例等の制定、さらには本市を一体化した調査専門機関の構成などが前提要件となるのであるが、かかる方途について、検討の用意があるのかどうか、お伺いいたします。 次に鮫川河口港の開発問題についてお伺いいたしたい。すでにご承知のごとく、鮫川河口港の開発については、新産都市建設計画の一環として、重要港湾小名浜港の整備拡充と相まち外材輸入専用港としての調査が、昭和39年より県費により行なわれており、今日、最終段階に入つているのであります。鮫川河口の利用計画が鮫川新港の建設を中心に脚光を浴びたのは、輸入貯木場として、現在の小名浜港内に適当な場所が見出し難いとの理由で、県は小名浜港の一種の外港的性格を有する鮫川新港を計画し、あわせて鮫川工業団地との関連においてこの推進をはかつたのであります。そして昭和39年度には130万円、40年度には300万円、41年度には640万円を計上し、開発構想に基づく地形調査、深浅測量、標流調査さらには地質調査を実施して今日に至つておるのであります。42年度で本調査の取りまとめをし、県段階の調査を終了して、43年以降は国に移管実施される予定になつております。仄聞するところによれば、運輸省における計画では、昭和50年度までに約50億、60年度までに88億の国費を投下し、これが開発を完了する構想であるとのことであります。 かかる大規模な事業が、県、国関係で策定されておる現在、地元である本市が、本問題については、きわめてむとんちやくであり、自治行政体としてのこれが対処策は、全く無に等しいものであるといえるのであります。一日も早く受入れ態勢の整備をいたし、あわせて、開発目標年度の短縮運動は、日に日に利用船舶の出入が増加している小名浜港の現況と背後地の振展よりして、当然希求されるものであると思考いたします。この点いかがお考えなのかお伺いしたい。さらに本件に関連して、高柴ダムの調整操作の問題、第二ダム建設問題の促進方についてお伺いしたい。高柴ダムの建設完工により、工業用水の確保とあわせ、洪水の完全防止ができるとのことであつたが、現実はこれに反して、しばしば洪水が起こり、下流の沿岸地域の市民は、これを「人工洪水」と称して、不可解に思つている。貯水量は1,370万トンであり、学理上では「人工洪水」など到底考えられないといわれておりますが、実際に洪水があり、沿岸農業は本年も春作、夏作ともに壊滅の被害をこうむつたのであります。さらに一般家屋への浸水もあり、関係市民が県当局に陳情しても、ついにその被害補償問題は棚上げされたといういきさつもあるのであります。ダム調整の操作上のミスであり、県当局に強い指導方を要請すべきでないか、との声もしばしば耳にするのであります。この点とあわせ、抜本的対策として県がすでに公表している第二ダムの建設の促進について、本市としても積極的に働きかけるべきでないかと思考されるのであるが、この二点についてもいかがお考えなのかお尋ねしたい。 次に交通対策問題についてお伺いします。俗にいう交通戦争は、激化の一途をたどり、平和を謳歌する現代日本に一つの大きな暗影を投げかけているのであります。本市内の状況も、ごたぶんにもれず、本年1月から11月末日まで事故の発生件数は実に1,044件を数え、このうち尊い人命を失つた数は、52名に至つております。まさに背筋が凍る思いがいたすのであります。 豊かで住み良い都市造りのスローガンを掲げた大和田市攻の中にあつては、市民をあのいたましい交通禍から守り、明るく住み良い環境を作ることこそ急務の一つではないかと思う。対策の具体案の一つに、道路及び安全施設の整備があり、さらにまた幼児から老年に至るまで、すべての社会人に徹底した交通安全教育を行なうことなどもあろうが、要は、各地区各様に進めているこれが対策を総合的に、しかも強力に推進するための組織化がまず先決になるであろうと思います。これにつきましては、去る9月の県議会においても取り上げられた際、知事は、はつきりと交通安全対策に積極的に取組み、万全の施策を講じ、あわせて予算の確保についても明言をいたしているのであります。また市町村交通安全指導員条例の設置を指導し、末端まで強力にこれが推進をはかるための予算計上の用意もすでになつていると知事は言つているのであります。かかる状況にあることを勘案し、本市においても一日も早く、推進母体の組織化、さらには実施に伴う条例化、予算化を急ぎ措置されるべきであると思う。さらに市機構の中にこれを専任する係を設けるべきであると思うが、これらについて、市長はいかがなお考えをお持ちであるのか、お伺いしたい。 最後に福祉行政として、子どもの村誘致問題についてお伺いします。過般、私ども旧勿来市議会において岡山、水島地区の工業地帯における緑化運動のあり方について、つぶさに調査を行なつたことがありましたが、岡山市の公園緑地行政はまさに目を見張るものがあつたのであります。都市生活、特に工業団地の中にあつては、生活様式の画一化と近代化に伴い、自然に対するノスタルジーを強く感じるのは、人間性本来の姿であろうと思う。岡山市においては、「緑と花、光と水の町づくり」という児童、生徒にも強くアツピールする明快な市長のスローガンのもとに、「緑と光のあふれる町」の運動が展開されておりましたが、市当局が緑地の整備拡充を施政の一大事業に組み入れ、年次計画のもとに進められているのをまのあたりにしてわれわれ大いに得るところがありました。 さてひるがえつて、県立子どもの村誘致にあたり、先月下旬県関係員が現地視察に来市する旨の新聞報道がありましたが、その記事の中に、合併前から誘致希望をしていた3地区を新市としてしぼることができずに、大方はその決定までゆだねたものであろうとの観測記事が出ていたが、仮りにこれが的を得たものであるとすれば、自治体として、はなはだ心もとないものを感ぜざるを得ないのである。100万、200万程度の施設でなく、50年度まで約6億5,000万円を投じて建設する大事業であります。かかる大事業の誘致であるとすれば、当然建設基本計画の中に組み入れられてしかるべきであろうし、あくまでも、総合的見解に立つた自主的な方向づけと決定がなされてこそ自治体の自主性が保たれるのではないかと思う。何か本市は、全市的な大問題になると、すぐ県にゆだねる変則をごく当然のごとく扱うきらいがある。私ごとで恐縮であるが、旧勿来市議会においては、市当局とともに「都市の中に森がある」という形態の町づくりから、「森の中に都市がある」という形態の都市づくりをしようと、その運動の緒についた時点であつたが、広域行政の現在とあれば、総合的大局的見地にたつた見解を見出せないほど狭量でないつもりであるし、選良としての自負も誇りも持つております。市長は今後とも、意思決定機関不在観というか、不信観をかなぐり捨てて、自主性の確立に十分心されるよう、この点は強く市長の考え方をお聞きしたいと思つているものであります。 私は以上大きく5項目について御質問を申し上げましたが、願わくば市当局者の明快なる答弁によりまして、再質問のないような御答弁を願えれば、まことに幸甚に思います。以上をもちまして、質問を終わります。 ○議長(志賀季三郎君) この際昼食のため、午後1時まで休憩いたします。  午後0時11分 休憩---------------------------------------  午後1時3分 開議 ○議長(志賀季三郎君) 再開いたします。204番議員の質疑に対して当局の回答を求めます。 市長。 ◎市長(大和田弥一君) 〔登壇〕小林議員の御質問にお答えいたします。まず第1点は、農政問題でございますが、特に農業所得と他産業の所得の格差是正についていかような施策があるかという御質問であろうと思います。 農業問題は、他の二次産業、三次産業または第四次産業に比較いたしまして、非常にむずかしい問題が内蔵されているのであります。このことは、世界的なすう勢であるわけでございます。特に「いわき」市の農家というものは、非常に広範囲であると同時に、その形態もちがう。そういう中にあつて、その農業所得を飛躍的に引上げて、他産業に対する格差を是正していくということは、非常にむずかしい問題であります。 しかしながら、むずかしいといつて、これに対する施策を的確に行なわなければ、特に新産都市の地域内においては、二次産業、三次産業、四次産業の所得が飛躍的に上つていくに従つて特に格差が強くなるので、この悩みを解決していかなければならんわけでございます。 具体的にこの対策としては、やはり構造を改善して行くこと、つまり、農業構造の問題であるということが、従来ともいわれておりますし、今後、このバランスをやはり確保しながら、具体化して行かなければならんと思うのであります。そのためには、まず基盤の整備でございます。耕地の整理あるいは、森林地方における森林構造改善事業、そういう基盤の整備をまずやらなければならない。そのために一挙に、所得の格差が是正されるというわけにはいきませんが、是正すべき基盤をつくつていくことが大事であると考えております。また農業労働力の問題、これはやはり農業従事者が非常に他方面に出ておるから労働力が少ない。これに対する対策としては、農業作業の共同化をはかる、一面において、機械化をはかる。こういうことによつて、能率を上げていくという方向に進まなければならんと考えているのであります。 私自身が、農業を自分で経営している経験から申しまして、決してこれは口頭だけで解決されないということを私自身が感じております。 次に農産物の流通機構の改善に関連して、市営の中央おろし市場を開設する意思ありやなしやということでございます。15万以上の都市にはおろし売り市場の設置を法によつて規定されております。中央市場の設置ということは、農業生産者の所得を上げるためにはどうしても必要なのであります。目標といたしましては、43年を目標として、中央市場の開設に努力したいということで、目下検討中であります。 しかしながら、これには農協または生産者の相当強い協力と加護が必要なのであります。ただ現在をながめて市場開設だということでは、価格の維持には何のためにもなりません。企画化するということが必要であります。それにはやはり集団経営をしなければならんということが前提になるのであります。そういう点と即応して、この市場開設に踏み切るように努力したいとこう考えております。 次に農業関係についての予算面のことでありますが、私の考え方としては、とかくこの農政に対する補助金に対しまして、本当に的確であるかどうか。すべてがそうであるかどうかについては、若干疑わしいものがございます。本当に農家の必要なもので、農業経営の改善のために必要だというものに対する的確な補助、助成というものをしなければならんのであります。そういう点を十二分に検討を加えて、同じ予算額におきましても、効率の上る方法を講じなければならんと思うのであります。 次に公害の問題でありますが、公害の補償等については、地域地域によつて非常に違います。勿来地区における方式と小名浜地区の方式と若干違つております。いずれにいたしましても、公害の防止のために手を打たなければ、何のための新産都市かわからなくなり、われわれ住民が本当に快適な生活を営むという目標と、全くはずれてしまうわけでございます。そういう意味から公害の防止については、真剣にこれから取り組まなければならんのであります。そのためにあるいは公害防止のための審議機関をつくつて、その方針に基づいて、抜本的な対策を講じたいこう思うのであります。とりあえず10月1日から県において公害防止条例が発効いたしましたので、それと即応いたしまして、本市の地域においても公害防止のための条例制定も必要なのじやないかとこう思うのであります。 この問題については、十分われわれとしては、新産都市の計画に伴う、必要悪だというあきらめでなく、この際、前向きで進めなければならんと思うのであります。 次に鮫川河口の築港の問題でございますが、御指摘のように、河口港は県におきましても640万円ほどの経費を調査費に使つて基本的な調査を現在行なつております。海の深浅の問題、また土質の問題、それから防波堤をおくとすれば、どういうふうにやつていくかという調査を行なつております。その調査に基づいて目標は43年以降において第1期として48億、第2期は88億という計画がもたれております。これによつて具体化されるわけでございますが、われわれといたしましても、これに即応して、この鮫川河口の築港の問題を取り組んでいく姿勢で進みたいと思つているのであります。 次に高柴ダムの問題でありますが、御承知のように洪水が起こると、この洪水調整のダムとして、一面においては、工業用水の確保のためと、この二つの目的をもつた高柴ダムでありますが、洪水による下流の被害がたえないということは、まことに遺憾であります。そこで今後の問題といたしましては、いわゆる管理の万全を期すように、県に強く要望するとともに、数年来から問題になつております洪水時の状態の調査も、大体県としてすましておるようであります。あの高柴ダムの調整的役割を果たすための第2のダム建設ということによつて、洪水の被害を全くなからしめるような方策を講じたいこう思うのであります。これについてはなおわれわれとしてもこの第2ダムの建設によつて特に要望し、協力しながら改善をはかつて、他面においては、工業用水の解決と重ねて洪水の調整のため万全を期するようにいたしたいと思うのであります。 それから交通問題その他ございますが、また最後の子どもの村の設置問題、これにつきましては、県といたしまして、会津方部に1ヵ所、県南方部、県化方部で1ヵ所、浜通り1ヵ所という想定をいたしておるようであります。その中で「いわき」市に、人口の増加と、合併のための施設として、ぜひおきたいということは、かねてより県にこれを強く要望していたのであります。適地につきまして、目下調査中でございます。いずれ、最適地が選定されることでございましようが、さらに要望いたしまして、ぜひとも実現をはかりたいとこう考えております。私の答弁で足らんところは、担当主幹並びに関係課長のほうからお答えいたさせます。 ○議長(志賀季三郎君) 関係主幹。 ◎主幹(氏家清三郎君) 〔登壇〕204番議員にお答えいたします。交通対策の関係でございますが、推進母体といたしましては、先に305番議員にお答えいたしましたように、「いわき」市交通安全対策協議会というような連絡協議会を設置いたしまして、この万全を期して参りたい。さように考えておるわけでございます。なお、指導員の件につきましては、いまだ県の計画の内容的な問題がわれわれには通知いたされておりませんので、県と十分協議を進めながら、この対策にあたつて参りたい。さように考えておりますので、御了承願いたいと思います。 なお、第2点の予算化の問題でありますが、これも重要な問題でありますので、財政の問題を考慮しながら、処理して参りたい。さように考えておりますので、御了承願いたいと思います。なお第3点の係の設置についてでありますが、御案内のように交通安全協議会、運転手会、それぞれの団体とよく御協議を申しあげる段階が非常に多いわけでございます。したがいまして係りの設置につきましては、部内のことでございますので、今後十分検討して参りたいと考えております。御了承を願います。 ○議長(志賀季三郎君) 関係主幹。 ◎主幹(吉田信雄君) 〔登壇〕農林部担当の吉田主幹でございます。204番議員の御質問についてお答え申しあげます。 要点は卵価の保証、次、豚肉の価格に対する問題、次、乳価に対する問題、最後にニューカツスル病に対する問題、以上4点について御答弁申しあげます。 最初に卵価の保証の問題でございますが、現在は農業管理者に対しましては、全国農業共同販売連合会、それから全国鶏卵販売農業協同組合、この両方で実施中でございます。なお最近におきまして、日本養鶏連合会もこの問題をとりあげて発足途上にあるわけでございます。さような状態になつておりますので、以上の組合等に加入すれば、この保証については、問題は起こらないのではないかというふうに考えるわけでございます。 なお、市においても、この問題については、生産者の不利益にならないようよく指導を行なうように努力いたしたいと考えておりますので、御了承願いたいと思います。 次、豚肉の価格の安定保証の問題でございますが、これは畜産事業団の豚肉産地買上げの指定を受けまして、最低の価格を保証していただくという考え方をもつております。今後これについて十分努力をいたしたいと考えております。 次、乳価の問題でございますが、これは当市の酪農等においても、非常に問題とされているわけでございますが、単に「いわき」市1市のみでこれを解決するということは、非常にむずかしいものであると考えられます。 したがいまして、当面といたしましては、消費の拡大につとめますとともに、国あるいは県等に強く要望し、働きかけまして、この問題を解決するように努力いたしたいと考えております。次に鶏のニユーカツスル病の予防の問題でありますが、過般農政課長が県庁に参りまして、県の補助を要請してきました。県のほうでも、相当考慮しているようであります。各地区に対しましても、それぞれの予算化を講ずるように、市として指導しておりますが、なお組合等におきましても、これが補助に万全を期するように努力中でございます。以上でございますので、御了承願います。 ○議長(志賀季三郎君) 204番。 ◆204番(小林周喜君) 農業政策につきまして、市長のほうから御答弁がございましたが、確かに農業対策そのもののむずかしさは、私は農家の経営はいたしておりませんが、勉強を重ねるごとに切実に感じておる一人でございます。しかながら、このままにしておくことはできないということも痛切に感じております。 公営市場の問題がとりあげられ、43年度を目標にして、この開設をしたいという市長の強い態度表明がございましたので、この面だけでは大いなる救いであると考えるわけでございます。市の根幹事業その他に、ある程度の影響があるかも知れませんが、そういう困難を排除して、43年度に開設するというふうに理解をしていいのかどうかその点をもう一つ、確めておきたいと思います。 第2の問題につきましては、子どもの村の問題についててございますが、市長の答弁によりますと、どこまでもこれは、県が決するものであり、われわれとしては、候補地だけを申請する。候補地だけを表示するにとどめるというふうにその答弁の中からは理解せざるを得ないわけでございます。先ほど質問の中で申し上げましたが、当「いわき」市は、33万の広域行政をしていかなければならん宿命を負うているわけでございます。当然33万の広域都市造りということになると、町づくりのための将来にわたる基本計画がなければなりません。ましてやこの子供の村には30億の国費が投資される重大なる事業であります。当然基本計画の中には「いわき」市が自主性をもつて入れなければなりません。これは重大なる課題ではないかと考えるのであります。けれども、市長の答弁は何か県の裁決を待つというふうに聞かれるのでありますが、これは地域根性をもつて申し上げているのではありません。「いわき」市百年の大計をうちたてるために、このような事業は、根幹事業の中に確固としてとり入れてほしい。自主性をもつて、示してほしいというのがわれわれの、そして市民の意向ではないかと思うのであります。この点について再度質問を申し上げます。 次に農政関係主幹によれは、ニユーカツスル病の予防について、県に補助金の申請をしていきたいということですが、まことに適切なる措置であると考えております。しかしながらこの病気が一旦、「いわき」市に発生したとするならば、県内はもとより、その周辺の養鶏家にとつては、重大なる問題になるのであります。移動の禁止はもとより、卵の運搬は断じて許されない、決定的な打撃をこうむるのであります。もう少し強力な措置を講じなければならないと思うが、そういう点について、どのように考えておられるのか。その点をあわせてお聞きいたしたいと思います。 そのほかの公害問題、鮫川河口問題、その他の問題につきましては、一応御答弁をいただきまして、この段階においては了解いたしますけれども、この精神を十分生かされまして、今後の市政を担当していただきたいということを要望して、再質問をおわります。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田弥一君) 中央市場を43年に必らずやるのかということでありますが、どうしても43年には実現させたいと考えております。しかし、これは前提があり、農業生産者の企画化がそれであります。せつかくつくつても、それが東京に送る、仙台に送るということができないと困るので、関係者側とよく相談をしながら43年度にはどうしてもつくりたいという願望をもつております。子どもの村建設問題でございますが、これは県がきめることです。しかし地元では、ここが適当ですからここにやつていきたいということで、場所を指定して強く要望していくつもりでございます。以上でございます。 ○議長(志賀季三郎君) 関係主幹。 ◎主幹(吉田信雄君) ただいまの204番議員の再質問ニユーカツスル病の予防についての予算を緊急の問題として、措置する考えはないかという内容だと考えます。 御承知のとおり、ただいまは、タツチゾーンという財政経過措置期間をとつております。指導的な立場として、これを強力に各地区支所に働きかけることを一そう強くうちだしたいと思います。 なお県の各地保健所、衛生課と連絡をとりまして、これが対策の万全を講じたいと考えておりますので、御了承を願いたいと思います。--------------------------------------- △村上武士君 質問 ○議長(志賀季三郎君) 次に220番、村上武士君の質問を許します。 ◆220番(村上武士君) 〔登壇〕(拍手)磐城地区の村上でございます。われわれ旧磐城市議会におきましては、三代市長の意思強固にして、頼もしい、たくましい答弁を数多く拝聴して参つたのでありますが、一昨日の大和田市長の答弁を聞いて参りますと、一つの事実を避けるあまり、きわめて答弁が事務的であり、木で鼻をくくるたとえのごとく、聞くわれわれとして、失望と落胆のあまり、すさに砂をかむ思いに沈むものであります。こうしたことが、今後ともあなたの政治姿勢として続くならば、一般質問者の数は減つても、多事多難な今後の市政に邁進するであろうとひとごとならず憂れいざるを得ないのであります。為政者の立場としてもきわめて不可能なことと私は考えております。議員の質問は30分という時間の制限はあるのでありますが、市長の答弁には制限がないわけでございますので、ひとつあたたかみのある懇切な答弁を期待するものであります。なおかつ答弁に脱落のないように、十分質問者の事項を値ぶみいたしまして、お答え願いたいと考えるわけでございます。 さて市長は過日の選挙戦において、一つは国県につながる市政をスローガンとし、かつまた先日の臨時議会におきましては、議会中心主義の市政という所信を明らかにしたわけであります。この二つは、大和田施政の二大支柱であると私は考えるわけでございます。この二つの柱をただ単なるスローガンとしてでなく、身を挺して執行するということでなければ、合併後の会議において議決をし、確認をしたことが、合併2ヵ月足らずで破られようとしているとか、崩れ去ろうとしているという批難が生まれてくるのではないかと私は考えているわけであります。むしろ大和田施政の国県直結の施政は、国県に服従する施政であり、議会中心主義の施政とは、与党多数派の議会中心であるというふうに疑念をもたざるを得ないのであります。現在進行中の42年度予算編成に対する大綱をもれ聞きますと、その眼目は、財政の健全化ということに尽きる感じてございます。しからば、市長は、財政の不健全化ということは何をさしているのか、財政の動脈硬化とは一体何をさしているのか。赤字経済が不健全だということであれば、事業をやめればいい。収入見込額が不確定であるとすれば、確定するまで待てばいい。こんなことであつては、市民に対しても失望を増加させるばかりであります。こんな単純なことで、財政を考えるならば、市長職の存在は、自治体の中に必要ないのであります。地区財政、きわめて困難なる状態にあることは、私は承知しております。こうした原因は、国政、県政、そうして大和田市長を含めた合併のための強行にして積極的な現在までの過程において、すでによつてきたるものでありますからして、こうした観点からしても、政治力を基本とした積極財政をうち出していかなければならんと私は考えるのであります。このよつてきたる原因こそ、私は問題としなければならないと思うのであります。何故にこれほど苦しまなければならないのかということで、政治不信が生み出されるということは、必定であろうと思います、市長は新市の計画をどのような財政方針でやつて行こうというのか。こうした観点から第1の財政問題について次の7点についてただしたいと思うわけでございます。 まず第1点は、地区財源の見込額を何故に大巾に制約をしようとしているのか。端的にいうならば、健全収入から人件費、物件費、生活保護費の20%や各種償還金等、事務経費を除いた残額によつて充当するという考え方に立つておりますが、新産事業のカサ上げ分、それと特別事業債、補助率等を財源におさえて見込ませるということを指導したのは、具体的にどういう理由があるのかお尋ねをいたしたいと考えるのであります。 2番目は、合併した地区の建設事業ならびに新市根幹事業は協定事項の中でわれわれが確認をしているわけであります。さて今回予算の編成にあたり、一般財源調書を添付するよう指示し、現に添付されたものと思いますが、一般財源の確保、即ち財政運用の基本とする論点しかないように考えられるのであります。自治体の事業が、起債補助金等で財政力を補いつつ行なわれるというこうした点についての理由づけをお尋ねいたしたいと思います。 3番目は、各地区事業遂行の財源は、財産売払代金が大きな部分を占めていると考えております。ところがこれを予算に組むということでは、少なくとも売買契約を完了したものでなければということで御指示をされておりますが、この考え方でいきますと、予算の性格である年間予算のあり方がそこなわれる。補正予算中心のあり方が出てきてしまう。ひいては地区事業縮少に結ぶ重大な政治問題に発展する可能性もあるのではないかと思われるのでありますが、この指示の理由を具体的に御説明願いたいと思うわけであります。本庁経費も、昭和42年度においては、2億5,000万から3億近いものが計上されるのではないかというふうに私は考えております。旧磐城市は、19.1%の持ち込みでありますが、まあ5,000万程度の支出を余儀なくなされるわけであります。起債、補助を見込めば、1億5,000万以上の出資であります。すでに合併時点において、2、3の市では、本庁経費を支出することによつて、財政上赤字になるところもあるというふうに私も考えております。この点については、優秀な能吏によつて、ごまかされて、いまだ表に出ておりませんけれども、市長は国、県に直接つながる政治として、その必要を公約していますが、具体的にどうして対処していくのかお尋ねをいたしたいと思うのであります。 一昨日市長は、地区財政を含めた新市の財政は、収支補えない財政事情にあると、言明されております。こういつた情勢を市長はどのようになされていくのか。またこうした財政事情にある地区を、これから明らかにしていただきたいと思うわけであります。これと同時にこのような財政事情を改善するために、消費的経費の合理化を進めていくという態度を主張されておりますが、その具体的な合理化対策は何なのか明らかにしていただきたいと思います。 6番目に、市長は、当選後間もない記者団の質問に対して、タツチゾーン期間を1年半ぐらいにしたいということを言明されております。もしこれが真実だとするならば、どのような必然性によつて、われわれ議会がきめた結果を、どのような進め方でそのようにしようとしているのか。明らかにしていただきたいと思うわけであります。 7番目に、新産事業をスムーズに遂行するために、その受入態勢を作るということが言われておりますが、その受入れ態勢とは、具体的にどういうことをさしているのかお尋ねをいたしたいと思うわけであります。 また財政の健全化とは逆に、本新産事業を遂行しようとするならば、新市財政の赤字解消と健全化の問題をいかに結びつけるのか。この関係を明確に御答弁願いたいと思うのであります。次に2番目の、市役所機構の再整備と人事異動についてであります。第1点は、支所長の権限の明確化とその具体策についてであります。市長が言われるように、議会中心主義でいくとあれば、支所も地区行政については、地区議会協議会並びに地区振と相談ずくめで、地区内の行政を執行して行かなければならんと思うし、またそうする以外に方法はないと私は考えております。したがつて市長に準じた市長代行という権限を支所長に付与し、地区行政の円滑化をはかることが急務であると考えるわけでございます。現在の地区の支所長の権限を、これから議会に明らかにして行くとともに、さらに権限拡大のための検討を進める意思ありやなしや、お尋ねをいたしたいと思います。 2番目、当地区に、商工観光課を新設していただきたいということであります。現在、磐城地区では、シヨツピング・センターの新設など、積極的な商業振興対策がとられようとしている段階になつており、また港湾臨海工業地帯は一つの産業観光地帯として、脚光を浴びつつあるわけでございます。このための商工観光課を、早急に新設されまして、これら地域住民の要請にこたえ、便益を与えていただきたいと思うわけであります。この点につきましては、すでに御要望が出されているように聞いておりますので、明快なる御答弁をいただきたいと思います。 3番目といたしまして、支所の調整班の事務運営の問題でありますが、支所長の機構のもとに、調整室がございますけれども、この調整班の事務分掌、本庁との関係、連係がきわめて不十分でありますので、この明確化についてどのような形で進めるのか、お尋ねいたしたいと思うわけでございます。 4番目といたしまして、このほど本庁から支所に42名の転出者があつたわけでありますが、合併2カ月足らずで、本庁から支所に42名の転出があつたということは、一体市長は、どのような観点にたつてなされたのか。この際明確にその検討内容について御報告を願いたいと思うのてあります。また本庁の何課から何名出たのか。なおどこの地区では何名転出するのか。具体的にその員数をお尋ねいたしたいと思うのであります。 なお前臨時会において問題になりました現員現給主義の立場からいえば、当然新規採用者をもつて、この補充を考えなければいけないわけであります。この辺について、明確なる御答弁を期待するわけであります。 5番目といたしまして、財政部長の輸入人事の問題でございますが、市長は一昨日、知事に要請をしたということをはつきり言つております。要請した以上は、その目的と輸入人事による期待が具体的にされるわけでございますので、この点を明らかにしていただきたいと思うわけでございます。 次に6番目といたしまして、今12月並びに来春4月にそれぞれ人事異動があるわけでございますが、市長は適材、適所主義を貫くということを言つているわけであります。しかし3,300名の職員の各位に関する性格なり、内申による評価も全くわかつていないのであります。このようにわからない市長が、実際人事に手を出すということになると、当然人事に限つたことでなく、消極人事しか期待できない。前回の選挙による報復人事と見られるものもあつたという先の異動のうわさもあります。この際、適材適所は何かを明らかにしていただきたいと思うのであります。これらの問題をいかに調整し、妥当な人事を進めて行くために、関係機関に十分相談を尽して、今後の人事異動を行なう意思ありや否やをお尋ねいたすわけでございます。 次に3項目の質問といたしまして、学校格差と人員配置に関する基本的な教育委員会当局の態度についてであります。申すまでもなく学校格差は、一つは設備、施設の優劣の差によつて生まれます。二つには教職員の人的構成の差によつて生まれると私は考えております。したがつてまず第1点といたしましては、この施設の差は、絶対的な予算の不足によつて生まれると私は思うわけでございますが、義務教育費優先の姿勢がない限り、その打解はできないと思います。したがつて、各地、各学区の父兄負担の能力の差によつて、きまる感があるのであります。市長は公明党代表の質問に対して、なくしたいが、あてにしているという答弁をいたしておる。これをみても、父兄負担というきびしい現実はなくなることはないのであります。旧磐城市においては、父兄負担軽減に対する決議案を満場一致にきめ、こうした姿勢で、市役所、教育委員会、議会が一体となりながら、父兄負担の軽減につとめて参りました。大和田市長が、このようなポーズをとる限り、父兄負担は依然として解消するわけには参らないのであります。本問題に関する教育委員会当局の基本的な態度を明らかにしていただきたいと思うのであります。次に2番目として、一流校といわれる学校に、大物校長を配置するという伝統的な人事交流があるが、学校差を当然と認めている証左であろうと思うのであります。この事情をどのように考え、どのようにしていくつもりなのかお尋ねするものであります。 3番目として、教職員の配置の問題であります。市内小中学佼においては、男44、女56%の割合いで配置をされておりますけれども、極端なところては、30対70、もつと極端なところでは、24対76というのもあります。私としては、男女別の能力云々ということでなくて、あくまでも適正配置を眼目とし、学力差をなくす意味からいつて、市内小、中学校129校の総もとじめである教育委員会当局が、どのように考えて、この職員の配置の問題を具体的にしようとしているのかお尋ねをいたしたいと思います。 4番目といたしまして、教職員の任免権は、申すまでもなく県教育委員会にありますが、しかし任免の前提となる内申権は、市教育委員会にあるわけてございます。この権限を市教育委員会の自主性において、この権限と権利を行使しなければならないと思うのであります。市内、129校の全職員を最大限に、その能力が発揮できるよう、最大限の教育効果が期待できうるように配置しなければならないと思うのであります。市長は、国、県に直結する政治をモツトーとしているけれども、このように市長の専決に近い権能をどのような考え方で進めようとしているのか、明らかにしていただきたいと思うのであります。 次に教育委員会は、教育行政をつかさどるところであり、教育業務の最先端にあり、その実践者である教職員組合とは、このもろもろの話合いで友好的なものがかもし出されなければ、教育効果は、期待できないのであります。現場にある組合員のほうから、希望、要求がでてくるのは当然であると思うわけであります。出て来ない職員は不熱心だと私は判断をするわけであります。ところが従来、このような希望、要請、要求に対して、教育委員会当局では、それを不当だとし、排除してきた感があるわけでございます。新教育委員会は、月例的に、定期的にこの話合いを進めて、円滑な教育行政を推進する意思ありや否やをお尋ねいたすわけであります。 最後に藤原川河床対策についてであります。建設省、並びに県当局に陳情をして運動をやつておりましたところ、年次計画によつて河床問題が解消されることは、はなはだよろこびにたえないのであります。当河川は申すまでもなく、河床が、1メートルから2メートル上昇し、河口はなんと15メートルほどの谷川の様相を呈していた昔の河口のおもかげはひとかけらもなく、きわめて不安定な状態であり、降雨量20ミリ以上になれば、改修補修をしなければ、堤防の決壊も余儀なくされる状態になつております。あの附近700平方メートルの耕地を有する20戸の農民にとつて、死活の問題になります。あまつさえこれらの農民は、臨海工業群からの薬害の被害も受け、まさに2重、3重の苦悩を味わされているのであります。しかも藤原川河床上昇によりまして、小名浜製錬附近の市街地内の排水は全くたとえようのない現状にあるのでありまして、この対策については、旧磐城市行政の最大の課題であつたわけでございます。市長が過日の当地区の行政視察で認識のとおり、港湾地区であり、一つには公害地区だと言えると思つております。まことに藤原川の問題は、公害の所産であると思うのであります。 こういう観点にたちまして、まず藤原川河床上昇の原因は、大部分常磐炭砿洗炭の汚泥によると調査結果の報告がありましたけれども、この原因をどのように考えているのかお尋ねいたします。もし常磐のせいでないとすれば、その根拠を明確にしてほしいと忠う。もし不明だとするならは、その原因の究明について、どのような研究調査をなさるのかお尋ねをいたします。抜本的な対策としては、一つは現在の年次計画の繰りあげ、改修があります。2番目は、河口対策の早急実施であります。3番目には、ただ単なる見舞金でなく、沿線農民に対する救済を法的な行政措置で行なうということであります。 これらの具体的な解決の姿勢についてお尋ねをいたします。 以上、私の質問はこれをもつておわるわけでございますが、私は市長の答弁が容易にできるよう、一つ一つの質問事項について、十分振りわけをして質問をいたしておりますので、冒頭に申しあげましたように、とり落ちのないように答弁は十分御配慮をくださいまして、具体的な答弁をされるようお願いするわけであります。以上。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田弥一君) 〔登壇〕村上議員の御質問にお答え申しあげます。個々にわたつての村上議員の御質問であり、とり落ちのないようにという再度のご注意でございますが、できるだけとり落ちのないように答弁を申しあげたいと思います。質問のポイントをつかみかねるものもありますし、また私の聞きもらしているところもあり、脱落があるということのないように努力いたしたいと思いますが、その点ありましたならば、私からあるいは関係主幹から補足して御説明申しあげたいと思います。 第1点として、市の財政のあり方についての御質問であります。私の財政運営の方法が合併当初の根幹事業、その他におりこまれているものが、その後42年、43年と、案のとおり行なわれるべきであると思うが、財政の状況によつて、それが、どういうふうになるのか。次に関連して、今後あのスケールと違つたやり方をするのではないかという心配のように見受けられるのであります。私といたしましては、極力、新市の根幹事業のスケールを崩さないで、これから新市の運営をしていきたい。したがつて事業面、あるいは財政運用の面におきましても、そのスケールを崩さない方法で進めたいと思うのであります。しかし遺憾なことは、合併前に各旧市町村から検討して出された今後の見通しについての数字上の書き落しが出て参りましてそれと照合したのでありますが、この実態とは若干違つておるということを考えますと、果してそのとおりやつて行けるかどうかということについて、非常に私としても、頭を悩ましているのであります。私といたしましては、とにかく限りある財源の中で、積極的に仕事をして行きたいという願いは、220番議員と少しも変わりありません。 (「それをどうするのだ」と呼ぶ者あり) しかしながら、かくのごとく収入は限られていて、支出は多くなると、事業面におきまして、これをどう達成するかということは、私自身の責任において解決しなければならない大きな課題と思つております。極力収入をあげていくとともに、補助金あるいは交付金あるいは起債等に相当強く依存しなければならんわけでございます。この点についての私の努力しなければならない責務だと考えております。それによつて果してこの根幹事業を赤字覚悟でやること、これも結構なことかも知れませんが、放慢経営によつて、につちもさつちもいかなくなるということではとんでもなくなると思います。積極的に財政の健全運営をはかつていくという基本線をどうしても堅持しなければならないと思うのであります。 次に共通経費に対する国、県の助成によつて、地区のほうから吸いあげたものを極力軽減していくという方法についててあります。11月7日に私といたしましては、合併に要した経費、合併後による経常経費以外の経費というものに対して、特別交付税の交付を受けたいということで、知事にこれを要請しております。極力このワクを多くしてもらつて、そうして、共通経費をまかなうように努力いたしたいと思つております。おそらく2月上旬には、特別交付税の金額もきまると思うのでございますが、私としてはこの点を極力本省にも強調いたしまして、そうしてぜひ確保したいと考えておりますので御了解願いたいと思います。 次にタツチゾーンの問題でございますが、各地区それぞれの特異性があり、財政状況もまちまちで、一挙に解決するのは困難な状態にあります。どうしても、この期間を通じて、調整をはかつていくためタツチゾーンという制度がわれわれの新市によつて設けられたわけでございます。そういう意味から申しましても、できるだけ私といたしましては、2ヵ年半という合併協において決定した事項は守るつもりでございます。できるならば、これは議会とともに検討いたしまして、短縮するように努力することが必要じやないかというように思います。この点について、議会の各位と十分検討を加えたいと思うのであります。 次に人事の問題でございますが、この人事の問題につきましては、市長の責任においてやることでありますので、おまかせ願いたいと思います。ただ支所と本庁との間の権限配分については、私は当初の考え方と変つておりません。いわゆる本庁は指導機関であり、現場の支所を十二分に活用して、そうして、地域住民の末端まで、不便を感じさせないようにするというふうに人事の運営もしていくということでございます。合併当初において、人員の配分、人員のはり付けを、あの時点においてやつたわけですが、現実にやつてみますというと、支所職員はきわめて繁忙であり、非常にそのために、住民に迷惑をおかけしているということで、配置替えをいたしたのであります。しかしながら私は本庁でこれで満足だとは思つておりません。極力能率を上げなければ、人員を増加しないで、その面の経費を積極的に投資的経費に振り向けられないし、そうしようとするのが、私の念願であります。しかしながらそれも限度があるわけであります。ある程度ふやさなければならないということもありますが、私の考え方といたしましては、極力人員増加をおさえていきながら、積極的に仕事にとり組んでいくという方向に進みたいと考えております。 (「労働強化だ」と呼ぶ者あり) 次に藤原川の問題でありますが、汚泥の堆積の原因はどこにあるかということでございますが、御承知のようにあの藤原川による水害によつて、地域住民が非常に困窮しております。220番議員の御指摘のように、河口処理それから新河川の新設、堤防のカサ上げ、堤防の改修ということも、今後十分考えていかなければなりません。それにいたしましても、あの汚泥をやはり早く積極的に速やかに一日も早く抜本的な解決をはかるように努力いたしたいと思うのてあります。 汚泥の責任については、まだきまつておりません。責任はどこにあるかということは、つまり原因がどこにあるかということは、何分私といたしましても、研究しなければならん問題でございます。しかしながら原因がどこにあるかというよりも、あれを立派に直すことが先決であります。 (「犯人をつかまえろ」と呼ぶ者あり) なお私の説明足らずのところは、主幹のほうから御回答申しあげます。 ○議長(志賀季三郎君) 関係主幹。 ◎主幹(氏家清三郎君) 〔登壇〕ただいまの220番議員の御質問にお答えいたしたいと思います。 第1点の財産処分の関係でございますが、いわゆる見通しについてはどうかということでございますが、財産を売るかどうかは長期的視野に立ちまして、その内容を十分把握しなければならないと思うわけであります。 したがいまして、私どもは、この財源を不確定財源と称しておりますが、その内容を十分検討いたしまして、財産処分については、今後ともその趣旨を体しながらやつて行きたい、さように考えておりますので、御了承いただきたいと思います。 次に人事関係で、市長から答弁ありましたが、そのうち私どものほうからお答え申しあげなければならない点もありましたので、2、3申しあげたいと思います。人事関係で、第2点の磐城支所に商工観光課を設置する意思ありやということでありますが、この関係につきましては合併前におきまして、各支所の部課設置については、十分各支所と連絡をとりながら部課設置をいたしたのであります。現況において、さような事態ありとすれば、事務内に十分検討しなければなりません。これもそういう意味で善処いたしたいと考えておりますので、御了承願います。 なお本庁との調整班の事務分掌の明確化の点でございますが、合併直後でございますので、人事構成については、若干不備の点があります。これは卒直に認めております。したがいましてこの問題は、調整班の人事構成を終わつたわけでございますが、この内容につきましては、十分、広い立場にたちまして、この運営を期していきたい、さように考えておりますので、御了承を願いたいと思います。 なお42名の配置転換の問題につきましては、大部内容がこまかくなりますので、本日議会終了後お手もとに資料を差しあげたいと思いますので、御了承をいただきたいと思います。なお42年度の新規採用については、先ほど市長から御説明がありましたように、私どもとしては相当の問題はございますけれども、今後の推移を見ながら十分検討をいたす所存でございますので、御了承を願いたいと思います。 ○議長(志賀季三郎君) 教育委員長。 ◎教育委員長(田子辰雄君) 〔登壇〕220番村上議員の御質問にお答え申しあげます。教育行政に対する「いわき」市教育委員会の態度でございますが、これは御承知のように当地区のいわゆる地域的、社会的、経済的と、そうしたあらゆる条件のもとに、この教育行政を進めて参らなければならないと思います。国の教育基本対策にのつとりまして、この現状と取り組みながら、いかにして良い子弟を作るか、いかにして良い環境を作るかということを教育本来のあり方という大前提に立つて、これを考えていきたいと思います。 さて御指摘のように学校差の是正、もちろんこれは、辺地教育の振興と申されますけれども、明らかに施設の不備あるいは、いい教員がいないというところに問題があろうと思います。したがつて、市街地の学校との格差を是正するためには、施設の改善と、教職員の配置が第一であろうと思います。そうしてこの基本的態度に立ちまして、われわれ今後いかにして、この格差を是正するか、そういう点につきましても、これから研究して参りたいと思います。御指摘のように、学校差のために、いろいろ問題が起こつているわけであります。これは合併前に、14市町村がそれぞれの異つた教育行政でやつていたものをわれわれは、その施設を引継ぎながら、将来ともに、発展する「いわき」市の市民の皆様に期待されるような、教育行政を樹立していかなければならないと考えております。さてこの施設の改善ということでありますが、御指摘のように、負担の軽減、これはまことに重要な問題であり、これとも関連いたしましていかにしてこれを是正するかということが、まず大きな問題であります。 そこで教育委員長としては、これからも施設の改善のために、大いに教育予算の確保について努力いたすつもりでございますので、議会の各位におかれましても、何とぞ御協力をたまわるようお願いいたすわけであります。 次に当局と教職員との間の、つまり現場の指導でございますが、現場の考えとわれわれの立場はやはり別だと思つております。しかしながら一方的にこれをやるというようには考えておりすせん。御指摘のとおり意思の疎通をはかるために、そのようなことをやつてもよいと考えております。以上申し上げまして、答弁に代える次第であります。 ○議長(志賀季三郎君) 220番。 ◆220番(村上武士君) 私は、こういうような答弁になるから、前置きして、あとで答弁脱落のないようにということで、何回も念をおしている。ところが市長の答弁といい、主幹の答弁といい、私が、一つ一つの質問事項を細分化して答弁をしやすくしているにもかかわらず、そのことすらも具体的になされていない。一般質問というのを、あなた方は、議会内で、受流しをすればいいのだということで、時間の制限があるのだから、その時間中に右顧左べんして、答弁をしていけば、いいのだというふうに考えているとしか思えない。一般質問というのは、例えば、村上と市長の間のものでなくて、議員全体に市長のはつきりした考え方を開陳し、全市民にその所信を表明する場でないかと思う。 したがつて、私は、今まで質問してきた内容については、さつぱり要領が得られない。このようなかつこうで、この市会が運営されて一体いいものかどうか。 こういう問題もある。例えば第2番目の財政状態についても、非常に実情は苦しい。私は、合併のときの財企の作業の結果と、現在の現況とでは、違いがあると思う。だからその違いは、具体的でどういうかつこうの違いが出ているのか。卒直に言つて、その当時からすでにわかつていたことを、現在合併して、2ヵ月たつたいま、実は違つておつたのだという説明では、非常に無責任なかつこうになるのではないか。合併後わずかな現在の段階で、財政問題について、このような答弁をするということは、はなはだけしからんと思う。新市の財政事情といつても、各地区の財政の総額になるわけです。だつたら「いわき」市として、磐城地区はどのような財政事情にあるのか。大久は大久でどうなるのか。具体的に示して見せなければ、単に財企のときの数字と、現状は違いがあると言われても、議員のほうは納得しない。一般質問を受けるからには、十分なる用意をしていくべきでないかと思う。それから財産処分の問題についても、御説のとおり、健全財政は、建前としては、やはりせざるを得ない。財産処分金は不確定財源だと言われている。財政としては、機械的なお考えだと思う。実際問題として、昭和42年度の予算として、各地区ごとに編成をさせ、その地区においては、事業費に充てるというのは、これ以外にないわけです。それを不確定財源だということで、簡単に除去していくという考え方は言語道断だ。だつたら磐城地区の財産処分のあり方について、どこに具体的に不確定さがあるのか。実際の事業を進めるのに、どのようにこれを解決されるのか。財源の見込みとしてどのような形で充当していくのか。財政当局からはつきり言つてもらわなければ困ることになる。 それから教育委員会の答弁につきましても、教職員組合と話合いをすることはわかるけれども、必要がある場合には話し合いをするという答弁です。必要があるので、このような質問をしている。教育の実務者の団体として、教職員と話し合う必要がないということはあり得ない。話合いの中できけないものはきけないということを、教育委員会は断を下すべきであつて、話合いもせずにできないということはおかしいのではないか。いずれにしても私の答弁については、私が理解するような御答弁はございませんので、ただ、私以外のこれから続く一般質問者のためには、市長、執行部並びに教育委員会は、私どもは事前に答弁者に対しては具体的に、どのような質問だということを通告しているはずですから、そうすれば、もつと責任のある具体的な答弁をしてしかるべきではないか。議長はひとつ勧告を願いたい。こんなことではばからしくて質問もできない。真剣に質問しても、その場限りの考え方で答弁をされてはどうしようもない。私は再質問を遠慮いたします。 ○議長(志賀季三郎君) 市長。 ◎市長(大和田弥一君) 質問の要旨を得ていないというお叱りでございますが、先ほど私から申しあげましたように、村上議員の質問の要件を自分なりに把握して、答弁したつもりでございます。もう少しがつちりと、あたたの要望通りにやつていただきたいと思うならば、お願いしたいのですが、事前にもつと詳しく御通告願いたいと思うのでございます。通告は4項目でございます。タツチゾーン期間中の42年度の予算編成について支所機構の再整備と人事異動の基本的態度について、私はできるだけ、このことを把握してお答え申しあげたのでありますが、意に満たなかつたことは、まことに遺憾でございます。どうかもつと詳しく、確実なるお答えをいたしたいと考えておりますので、事前に項目をお知らせ願うようにしていただきたいと思います。 ◆220番(村上武士君) ちよつと待つてください。市長は「何だ四つくらいの大きな項目で質問をだすから具体的にいろいろな答弁ができないのだ。なぜもつと詳しく言つてよこさないのだ」ということですが、それは議員にいうよりは、こういう質問について、村上はやるそうだが、どのような質問をしてくるのかと、あたたの部下の職員に事前に言つてよこせばいい。またそのような形で言つて来ているはずだ。私は親切にこういうことを質問すると言つてあるはずです。四つくらいの箇条書きで、質問したから、できないのだということは非常におかしい。本当に具体的に答弁をしようとする意思があるならば、あなたの部下にこうこうと質問の指示を与えているのだから、議員に対して、そのような要請をするのはおかしいと思う。私の質問の内容をよく見ればわかるように、財政の苦しい事情を、一体今後どうやつていくのかという、前向きの形で質問をしている。あなたの上げ足をとる質問をしているのではない。 〔「その通りだ」と呼ぶ者あり〕 ○議長(志賀季三郎君) 暫時休議いたします。  午後2時34分 休憩---------------------------------------  午後3時40分 開議 △議会運営委員長 報告 ○議長(志賀季三郎君) 休議前に引き続き再開いたします。休議中に議会運営委員会を開会いたしましたので、その結果につきまして委員長の報告を求めます。180番。 ◆議会運営委員長白土恵侯君) 〔登壇〕議会運営委員会の協議の結果について申しあげます。 ただいま議運での協議は、一般質問の過程において今後の運営について協議したのであります。特に村上武士君の再質問中、市長の再答弁のうち「質問の内容を具体的に云々」という発言は今後の議会運営に大きな支障をきたすものであるとの結論に達したのであります。 まず第1は、一般質問こそ議員最高の発言の機会であるのでありますから、もつと親切に、そして適切に発言するよう、市長はじめ市理事者においては勉強をしていただきたいとの要望であります。 さらに第2の問題としまして、質問の趣旨については、市理事者は趣旨をよく把握されるためにも、事前に具体的に聴取するよう一そうの努力をしていただきたいと要望いたすものであります。 以上の点について、議運に市長及び氏家主幹の出席を求めまして、今後の議会運営に対し、市の理事者の考えを聴取いたしましたところ、市長はじめ氏家主幹には、答弁に遺憾の意を表したのであります。 この点について議運は了承いたし、今後の議会運営に絶大なる協力を賜わるようあらためてお願い申しあげたい次第であります。 さらにまた、村上武士議員の質問中、職員の人事異動については、答弁書をもつて配布することにいたしましたので、御了承を願いたいと思います。 さらに本日の日程について申しあげますが、本日は先ほど申しあげましたとおり、会議規則第9条第1項の規定により、午後4時までといたしましたので、時間の関係上今後さらに一般質問を続けることはでき得ないと考えますので、本日の日程はこれにて打ちきるよう議長よりお取り計らいを願い、明日午前10時より再開して、一般質問に入つていただきたいと思うのであります。 さらにまた、この際議員の一般質問の質問通告内容につきましては、市の理事者の明快なる答弁、親切な具体的な答弁をいただくためにも、議員の皆さまがたにおきましても、市の理事者がその質問趣旨について、いろいろと聴取するときにおきましては、積極的にその質問の要旨を御説明いただきまして、有意義な発言にしていただきたいと、この際要望いたしたいのであります。 なにとぞ議会運営委員会の決定に従いまして、議長にはよろしくお取り計らいを願いますようお願い申しあげまして議会運営委員合の報告をおわります。 ○議長(志賀季三郎君) ただいまの議会運営委員会委員長の報告どおり処理することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(志賀季三郎君) 御異議なしと認め、そのように取り計らうことにいたします。今後の議事につきましては、議会運営委員会の決定の線に沿うて、運営いたしたいと存じますので、御協力をお願いいたします。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり」〕 ○議長(志賀季三郎君) 御異議なしと認め、そのように決しました。--------------------------------------- △日程第3 散会 ○議長(志賀季三郎君) 明日午前10時この議場において再開の上、一般質問を続けることにいたします。 本日は以上をもつて散会いたします。  午後3時47分 散会---------------------------------------...