宗像市議会 2015-06-30
宗像市:平成27年第2回定例会(第6日) 本文 開催日:2015年06月30日
▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 平成27年 6月30日(第6日)
開 議 10時00分
◯吉田益美議長
皆さんおはようございます。ただいまの出席議員は19名で全員であります。よって、平成27年第2回
宗像市議会定例会は成立いたしましたので、再開します。
これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付しているとおりであります。
これより本日の日程に入ります。
日程第 1.第65号議案
日程第 2.第66号議案
◯吉田益美議長
日程第1、第65号議案 宗像市
空き家等の
適正管理に関する条例を廃止する条例について及び日程第2、第66号議案 宗像市税条例の一部を改正する条例についてまでを
一括議題といたします。
委員長の報告を求めます。
総務常任委員会委員長、神谷議員、どうぞ。
◯神谷総務常任委員長
皆さんおはようございます。
それでは、本委員会に付託された事件の審査結果を
宗像市議会会議規則第110条の規定により報告します。
第65号議案 宗像市
空き家等の
適正管理に関する条例を廃止する条例について。
空家等対策の推進に関する
特別措置法(以下「
特別措置法」という。)が施行されたことに伴い、宗像市
空き家等の
適正管理に関する条例(以下「条例」という。)を廃止するため、条例案を提出するものであります。
審査内容。明らかになった主な事項は次のとおりであります。
1、既存の条例の目的及び内容は、今回施行された
特別措置法の中でほぼ網羅されているため、条例及び規則を廃止する。
2、
特別措置法の施行による今後の市の対応について。
(1)庁内の連携組織の設置、市内全域を対象とした空き家の
実態調査、第三者で構成する協議会の設置、市独自の基準を加味した
特定空き家等判断基準(
ガイドライン)、
空き家等対策計画の策定等を行う。
(2)放置すれば著しく保安上危険、著しく衛生上有害となるおそれのある等の状態の空き家を
特定空き家等と定義し、市の
ガイドラインに基づいて専門家等の意見を参考に市が認定する。市は
特定空き家と認定した
建築物等の
所有者等に対し、除去、修繕等の必要な措置を図るよう助言・指導、勧告、命令等を行う。
(3)市が保有する
固定資産税情報等の内部利用が可能となるため、空き家の
所有者等の迅速な特定が可能となる。
所有者等を把握できない場合については、
略式代執行が可能となる。
(4)これまで市民からの
情報提供により行ってきた空き家への対応が、
特別措置法の施行により市が主体的に実施できることとなった。
実態調査の結果、空き家の
所有者等へ
適正管理の要請、法律の趣旨の周知等を実施することで、
特定空き家等と認定される建築物の減少が期待される。また、
実態調査後に、
所有者等への意向調査を実施し、
所有者等の同意を得て
不動産業者等へ情報を提供することで、空き家の利活用を進める。
(5)措置の勧告が実施された
特定空き家等に係る土地については、
固定資産税等の
住宅用地特例の対象から除外される。
審査結果。委員会は、
全員賛成で原案のとおり可決をいたしました。
第66号議案 宗像市税条例の一部を改正する条例について。
地方税法の一部を改正する法律等が公布されたことに伴い、宗像市税条例の一部を改正する必要が生じたため、条例案を提出するものであります。
審査内容。明らかになった主な事項は次のとおりであります。
1、
法人市民税の
課税対象の定義に関する変更について。
現行では、
課税対象の判断基準である
恒久的施設を法人税法の規定によって定義しているが、この根拠を
地方税法に変更する。
2、
市民税所得割の課税標準に関する追加規定について。
平成27年度税制改正により、所得税における1億円以上の証券を持つ者に対する国外転出時の課税が創設されたが、
課税対象とされるみなし所得については市民税は課税の対象としない。
3、
たばこ税の税率の特例に関する附則の廃止について。
これまで適用されてきた旧3級品銘柄の
紙巻たばこの税率の特例を、4年間で段階的に廃止する。現行1,000本当たり2,495円を、平成28年度は2,925円、平成29年度は3,355円、平成30年度は4,000円、平成31年度は5,262円とし、現在の一般のたばこと同様の税率とする。
4、第36条の3の3第4項と附則第4条の改正は、規定する根拠法の条項がずれたことに伴う変更であり、内容の変更はない。
審査結果。委員会は、
全員賛成で原案のとおり可決をしました。
以上で報告を終わります。
◯吉田益美議長
これより質疑に入ります。
ただいまの報告に対し、
一括質疑を許します。質疑ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
第65号議案について討論を許します。御意見ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより第65号議案について採決を行います。本案に対する委員会の報告は可決であります。本案について賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
全員賛成であります。よって、第65号議案は原案のとおり可決されました。
次に、第66号議案について討論を許します。御意見ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより第66号議案について採決を行います。本案に対する委員会の報告は可決であります。本案について賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
全員賛成であります。よって、第66号議案は原案のとおり可決されました。
次に入ります。
日程第 3.第67号議案
日程第 4.第68号議案
日程第 5.第69号議案
日程第 6.第70号議案
日程第 7.第71号議案
◯吉田益美議長
日程第3、第67号議案 宗像市
屋外広告物条例の制定についてから日程第7、第71号議案 宗像市
離島体験交流施設条例の制定についてまでを
一括議題といたします。
委員長の報告を求めます。
建設産業常任委員会委員長、小島議員、どうぞ。
◯小島建設産業常任委員長
おはようございます。
それでは、本委員会に付託されました事件の審査結果を
宗像市議会会議規則第110条の規定により報告をいたします。
第67号議案 宗像市
屋外広告物条例の制定について。
本案は、
屋外広告物の表示及び
屋外広告物を掲出する物件の設置並びにこれらの維持に関して必要な事項を定めることにより、良好な景観を形成し、風致を維持するとともに、公衆に対する危害を防止するため、条例を制定するものであります。
審査内容。明らかになった主な事項は次のとおりです。
1、制定の経緯。
昨年度、景観法に基づく
景観計画と
景観条例を施行し、良好な
景観形成の実現を推進してきた。
屋外広告物も景観を形成する重要な要素の一つであり、
歴史的景観や自然景観に恵まれた島部や玄海地域などの
景観重点区域では、
屋外広告物を地域の景観特性に配慮した規模・数量・色彩などへ誘導していく必要がある。
現在の
屋外広告物に関する規制は、福岡県
屋外広告物条例(以下「県条例」という。)に基づいて行われているが、県条例では
屋外広告物の表示や設置の基準が県下一律で、市の実情に応じた規制が不十分である。
ついては、
景観計画で規制誘導する建築物や工作物と一体となった良好な
景観形成のためにも、市独自の
屋外広告物の規制誘導が求められることから、
景観審議会での調査審議などを経て、
屋外広告物条例の制定に至る。
2、条例の特徴。
原則として
自家広告物のみ表示等を可能とする
特別地域、非
自家広告物の表示等も可能とする
普通地域を定めるとともに、
広告物等の表示等を禁止する物件や
禁止広告物等を定めるものである。
特別地域や
普通地域において許可の対象となる
広告物等の基準や表示等の期間は規則で定める。
3、管理体制。
現在は、年4回、
維持管理課において
違反広告物の撤去等を実施している。今後は、組織体制や予算の強化を検討しながら、
違反広告物の根絶を目指していく。
なお、罰則については、県条例の内容を引き継ぐ。
審査結果。委員会は、
全員賛成で原案のとおり可決をいたしました。
第68号議案 宗像市
市民活動交流館条例の一部を改正する条例について。
本案は、宗像市
市民活動交流館に宗像市住まいと暮らしの
情報センターを設置するに当たり、
地方自治法の規定に基づき、同施設の設置及び管理について必要な事項を定めるため、宗像市
市民活動交流館条例の一部を改正するものであります。
審査内容。明らかになった主な事項は次のとおりです。
宗像市
市民活動交流館(
メイトム宗像)内に、宗像市住まいと暮らしの
情報センターを設置し、より豊かな住生活の実現を図る。
なお、協働による
まちづくりを推進するため、
一般社団法人住マイむなかたに業務委託を行う予定である。
審査結果。委員会は、
全員賛成で原案のとおり可決をいたしました。
第69号議案
市道路線の認定について。
本案は、道路法に基づく
市道路線の認定について、議会の議決を求めるものであります。
審査内容。明らかになった主な事項は次のとおりです。
1、武本・宮ノ尾線。
県道岡垣・宗像線の
改良工事に伴う県からの
引き渡しにより、
市道路線として認定するものである。
2、皐月・光星原線。
県道岡垣・玄海線の
改良工事に伴う県からの
引き渡しにより、
市道路線として認定するものである。
3、赤間駅前2丁目4号線、栄町14号線。
土穴跨線橋下側道橋の県からの
引き渡しに伴い、
市道路線として認定するものである。
4、田熊69号線。
団地の
小規模開発により造成された新設道路が市へ寄附されたため、
市道路線として認定するものである。
審査結果。委員会は、
全員賛成で原案のとおり可決をいたしました。
第70号議案
市道路線の変更について。
本案は、道路法に基づく
市道路線の変更について、議会の議決を求めるものであります。
審査内容。明らかになった主な事項は次のとおりです。
土穴37号線、土穴61号線、土穴5号線は、
土穴跨線橋下側道橋の県からの
引き渡しに伴う路線変更と住居表示による地名変更のため、起点及び終点を変更するものである。
審査結果。委員会は、
全員賛成で原案のとおり可決をいたしました。
第71号議案 宗像市
離島体験交流施設条例の制定について。
本案は、宗像市
離島体験交流施設を新たに設置することに伴い、
地方自治法の規定に基づき、宗像市
離島体験交流施設の設置及び管理に関し必要な事項を定めるため、条例を制定するものである。
審査内容。明らかになった主な事項は次のとおりです。
1、条例は、
離島体験交流施設の名称、位置、利用許可、使用料等について規定するものである。
2、施設は、
鉄筋コンクリートづくりの2階建てで、現在建設中である。開館は10月30日を予定している。
審査結果。委員会は、
全員賛成で原案のとおり可決をいたしました。
以上です。
◯吉田益美議長
これより質疑に入ります。
ただいまの報告に対し、
一括質疑を許します。質疑ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして質疑を終結いたします。どうぞお戻りください。
これより討論に入ります。
第67号議案について討論を許します。御意見ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより第67号議案について採決を行います。本案に対する委員会の報告は可決であります。本案について賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
全員賛成であります。よって、第67号議案は原案のとおり可決されました。
次に、第68号議案について討論を許します。御意見ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより第68号議案について採決を行います。本案に対する委員会の報告は可決であります。本案について賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
全員賛成であります。よって、第68号議案は原案のとおり可決されました。
次に、第69号議案について討論を許します。御意見ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより第69号議案について採決を行います。本案に対する委員会の報告は可決であります。本案について賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
全員賛成であります。よって、第69号議案は原案のとおり可決されました。
次に、第70号議案について討論を許します。御意見ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより第70号議案について採決を行います。本案に対する委員会の報告は可決であります。本案について賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
全員賛成であります。よって、第70号議案は原案のとおり可決されました。
次に、第71号議案について討論を許します。御意見ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより第71号議案について採決を行います。本案に対する委員会の報告は可決であります。本案について賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
全員賛成であります。よって、第71号議案は原案のとおり可決されました。
次に入ります。
日程第 8.第72号議案
◯吉田益美議長
日程第8、第72号議案 平成27年度宗像市
一般会計補正予算(第1号)についてを議題といたします。
委員長の報告を求めます。予算第1
特別委員会委員長、北崎議員、どうぞ。
◯北崎予算第1
特別委員長
本委員会に付託された事件の審査結果を
宗像市議会会議規則第110条の規定により報告いたします。
第72号議案 平成27年度宗像市
一般会計補正予算(第1号)について。
歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ5,713万7,000円を増額し、補正後の総額をそれぞれ341億4,434万4,000円とするものであります。
審査内容。明らかになった主な事項は次のとおり。
1、
社会保障・
税番号制度(
マイナンバー制度)関連によるもの。
システム改修に伴う国の
補助基準が明らかになったため、
後期高齢者医療及び
介護保険システムの改修経費として
個人番号制度情報化推進事業費を増額。歳入で、
社会保障・
税番号制度システム整備費補助金を増額し充当する。
個人番号カードを統括管理する
地方公共団体情報システム機構への交付金として、
住民基本台帳事務費を増額。歳入で、
社会保障・
税番号制度事業費補助金を同額で増額し充当する。
2、
特別養護老人ホーム建設によるもの。
社会福祉法人が行う
特別養護老人ホーム建設の補助を行うため、
地域医療介護総合確保事業費を増額。歳入で
県補助金を同額で増額し充当する。
なお、この補助金は、
介護療養型医療施設から
老人保健施設や
特別養護老人ホームへの転換を促進するものであり、今回は、1床当たり100万円の60床で総額6,000万円となる。
3、二重計上の事業費の減額によるもの。
平成26年度3月
補正予算に伴う
地方創生先行事業と二重計上になるため、
定住化推進事業費、
水産業振興事業費、
官民共同産業振興事業費及び
観光推進事業費を減額する。
意見。賛成意見。
マイナンバー制度は、公平公正な課税や住民の事務手続の簡素化などにつながり、非常に重要な仕組みであると思う。本市も、
情報管理の整備をきちんと行い、市民の利便性が拡大するような形での運用をお願いする。
マイナンバー制度では、情報の流出というのが非常に危惧される。情報の管理は十分に行ってもらいたい。
反対意見。
マイナンバー制度自体、その
ナンバーを使用するケースなどの点で問題があり、国民の不安がまだ解消されていない。今回の
補正予算は、その制度の
関連事業費が計上されている以上、賛成できない。
審査結果。委員会は、賛成多数で原案のとおり可決いたしました。
以上です。
◯吉田益美議長
これより質疑に入ります。
ただいまの報告に対し、質疑を許します。質疑ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
第72号議案について討論を許します。御意見ございませんか。
新留議員。
◯14番(新留議員)
第72号議案、
一般会計補正予算に反対の立場で討論を行います。
今回の補正では、主に
社会保障・
税番号制度事業費補助3,966万7,000円の
国庫補助金と
地域医療介護総合確保基金事業費補助金6,000万円の県の補助が提案されました。
私
たち日本共産党市議団は、この
補正予算が主に市の独自の予算ではなく、国や県からの補助金であるが、この二つの補助金のもとになった制度には多くの問題点があるとして、反対したいと思います。
まず、今回の
マイナンバー制度とは、安倍政権が国民一人残らず12桁の番号を割り振る
マイナンバー社会保障・
税番号制度を進めるものです。
予算委員会の執行部の説明では、ことし10月に簡易書留で番号を通知するカードが届けられ、希望すれば、もう来年1月にはカードの交付を行い、
システムは平成28年1月から稼働させることが明らかになりました。
そんな中、先日からの公的年金の
個人情報の大量流出は、公的機関の
個人情報管理の脆弱性と、絶対安全などないといったことを示し、10月からの
マイナンバー制度の前提が崩れていることを浮き彫りにしています。
しかも、安倍政権は、まだ施行もしていないのに、国民の預貯金や健康診断の情報、こうした情報を民間機関が扱う情報にも拡大する法案の今国会の成立を狙っています。さらにカルテや
診療報酬明細書──レセプトなど、
医療情報、戸籍や旅券、
自動車登録など、次々と拡大する方針を打ち出しています。
今回の
予算委員会の審議でも、執行部はこの制度の目的は
行政手続の利便性、住民の手続の簡素化、税の交付の適正化などを挙げ、市民の利便性の向上につながると説明しました。しかし、実態は本当にそうでしょうか。
例えば事業所も来年1月以降、従業員の給与から税・
社会保険料の
天引き手続などに番号を使うことが義務づけられています。そのため
従業員本人はもちろん配偶者、扶養家族の番号も勤め先に申告することが求められます。企業側は、アルバイトを含め従業員の膨大な番号の厳格な管理が求められており、今対応に大わらわです。
システムの更新や整備の費用や人的体制の確保が重い負担となってのしかかる中小企業からは悲鳴が上がっている状態です。
もちろん本市でも、実務を担う市職員の業務も過重となることは目に見えています。多大な負担を求めながら、国民にも企業にも
マイナンバーの恩恵はほとんどありません。
今回
予算委員会でも、執行部から説明があった
行政手続の利便性、例えば複数の書類をそろえる手間が省ける等の利便性にしても、多くの人にとっては年に一度あるかないかの手続です。むしろ
個人番号を他人に知らされないように管理するための労力に見合う利点とは言えません。むしろ他人による番号の不正利用や
個人情報の流出によってもたらされる被害のほうがはるかに深刻です。
マイナンバー制度は、国民の利便性の向上ではなく、国が国民の所得、資産を効率的に掌握し、徴税を強化すると同時に過剰な
社会保障給付を受けつけていないかなどをチェックするためのものではないでしょうか。だから、富裕層の資産隠しの逃げ道を追求する仕組みは整っておらず、監視対象は専ら一般の国民です。3兆円市場とも言われるこの
マイナンバー普及に沸き立つのは、財界、大企業ばかりというのが実態です。
マイナンバーは、税金や
社会保険料などの徴収強化と
社会保障など給付抑制を狙うものである上、年金の
個人情報大量流出問題など、一たび情報が流出すれば、はかり知れない被害を招くことになる制度です。実施は中止、撤回し、
個人情報の分散管理と徹底した
個人情報対策こそ必要なことではないでしょうか。
以上のような点を指摘しておきたいと思います。
もう一つ、
地域医療介護総合確保基金事業費補助金6,000万円の
補正予算の背景にある問題です。
予算委員会では、国が
介護療養型医療施設を廃止する方針を明らかにしたため、この施設にかわる介護施設を特養施設に移転する。このために1床当たり100万円、そして今回60床の予算が提案されました。
予算委員会では、
介護療養型医療施設を廃止すれば施設から追い出される方々はいないのか、また、
介護療養型医療施設の利用者の受け皿が、今回の措置で十分なのかといった具体的な説明はありませんでした。
私
たち日本共産党市議団は、この
介護療養型医療施設の廃止で施設から出され、十分な必要な介護のサービスが受けられない高齢者が出るような状況が、このことによって生まれてくるのではないかと懸念しています。今回の
補正予算には、このような国の制度を前提として組まれた予算である点を指摘し、反対せざるを得ない。
以上の点を述べ反対討論といたします。
◯吉田益美議長
ほかにございませんか。
杉下議員。
◯9番(杉下議員)
ふくおか市民政治ネットワークは、この第72号議案、
一般会計補正予算については賛成の立場で討論したいと思います。
賛成の立場ではありますが、今回の補正の一部に経費が計上されております
マイナンバー制度については、先ほど反対意見の中でも言われましたのと同感の心配な点が多々ありますので、要望を述べたいと思います。
マイナンバー制度については、行政の手続が簡素化されることや、自分のパソコンで自分の情報のやりとりを確認できることなどのメリットが挙げられています。しかし、デメリットもあります。
個人情報の流出、成り済ましによる被害の危険性は皆無とは言えません。現に
社会保障番号を既に導入しているアメリカでは、民間で汎用的に使われていることもあり、医療給付費等の不正受給、失業給付金の二重受給といった成り済まし被害が多発しています。少し古いデータですが、2006年から2008年の3年間で1,170万人、5兆円の損害という報告もあります。
また個人パソコンからデータを確認できるということは、ハッキングによる不正アクセスの可能性もあり得るということです。
個人番号カードを身分証明に使った際に、番号が漏れる可能性も考えられます。
日本年金機構から基礎年金番号を含むデータが流出した事件は記憶に新しいところです。共通番号の情報連携
システムは、さまざまな
システムを連携させるため、連携する
システムのどれか一つにでも脆弱性があれば、そこから特定
個人情報が流出してしまう危険性は十分にあります。年金データの流出については、いまだ今後の防止対策は示されていません。
そのような状況にもかかわらず、安易に番号の利用拡大をすることは納得できません。企業の準備もおくれています。各種問題点が解決されるまで、制度自体延期あるいは再検討して廃止すべきだと考えます。
しかし、政府は10月の個人への番号通知、来年1月からの
個人番号カードの交付や
マイナンバー利用開始のスケジュールは変更しないとしており、地方自治体として準備せざるを得ない状況であることは理解できます。ですから
補正予算には賛成せざるを得ないと判断しました。
ただ、
マイナンバー制度については、国民の約7割が内容を理解できないと言われています。理解できない、すなわち知らないということは、自分の情報が漏えいする可能性が高まるということであり、非常に危険です。
個人番号カードの取得は任意ですが、身分証明書として利用できることから、特に高齢者の取得がふえるのではないかと心配します。
個人番号カードはICカードであり、カードにどのような情報が記録されているのか、どのようなリスクがあるのか、取り扱いにおいて何に注意すべきなのかなどをしっかり説明した上で、慎重に交付していただきたいと思います。
また、委員会の質疑の中で、執行部はコンビニでの住民票等の取得を可能にすることも検討していると回答していましたが、市民の利便性と情報漏えいの危険性、費用対効果等から総合的に判断すると、導入の必要性を再検討すべきではないでしょうか。他の拡大利用についても慎重であるべきだと思います。
以上のような意見を付して本議案には賛成します。
◯吉田益美議長
ほかにございませんか。
これをもちまして討論を終結いたします。
これより第72号議案について採決を行います。本案に対する委員長の報告は可決であります。本案について賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
賛成多数であります。よって、第72号議案は原案のとおり可決されました。
次に入ります。
日程第 9.第73号議案
◯吉田益美議長
日程第9、第73号議案 平成27年度宗像市下水道事業会計
補正予算(第1号)についてを議題といたします。
委員長の報告を求めます。予算第2
特別委員会委員長、杉下議員、どうぞ。
◯杉下予算第2
特別委員長
それでは、本委員会に付託されました事件の審査結果を
宗像市議会会議規則第110条の規定により報告します。
第73号議案 平成27年度宗像市下水道事業会計
補正予算(第1号)について。
債務負担行為の限度額を3億4,000万円から3億5,000万円に増額する。収益的収入及び支出において、支出を879万6,000円増額し、支出総額を26億1,449万3,000円とする。
審査内容。明らかになった主な事項は次のとおりです。
1、消化ガス発電施設設置工事において、機器費、労務費の値上がりと平成27年4月1日の積算基準の改定のため、債務負担行為の限度額を1,000万円増額する。発電施設を設置することにより、電気代については、年間1億1,000万円のうち2,300万円程度の削減、さらに二酸化炭素削減の効果を見込んでいる。
2、下水道処理施設等の工事については、市ができるものは市発注で行っている。消化ガス発電施設設置工事については、汚水処理の根幹に関わるものであり、専門性、人員的なものを考慮した結果、日本下水道事業団に委託する方針である。
3、宗像終末処理場の管理棟内のトイレは、老朽化等により使用に支障が生じていることから、改修を行うために収益的支出の工事請負費を950万円増額する。また課税支出の補正に伴い、消費税を70万4,000円減額する。
審査結果。委員会は、
全員賛成で原案のとおり可決しました。
◯吉田益美議長
これより質疑に入ります。
ただいまの報告に対し、質疑を許します。質疑ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
第73号議案について討論を許します。御意見ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより第73号議案について採決を行います。本案に対する委員長の報告は可決であります。本案について賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
全員賛成であります。よって、第73号議案は原案のとおり可決されました。
次に入ります。
日程第10.意見書案第4号
◯吉田益美議長
日程第10、意見書案第4号 集団的自衛権の行使を可能にする「安全保障関連法案」の制定を行わないよう求める意見書の提出についてを議題といたします。
提案者の説明を求めます。14番、新留議員、どうぞ。
◯14番(新留議員)
意見書案第4号 集団的自衛権の行使を可能にする「安全保障関連法案」の制定を行わないよう求める意見書の提出について。
上記の議案を
宗像市議会会議規則第14条第1項の規定により、次のとおり提出するものであります。
平成27年6月30日。宗像市議会議長吉田益美様。提出者、宗像市議会議員、新留久味子。賛成者、同じく植木隆信。
提案理由。
これまで歴代政府が踏襲してきた安全保障体制を180度変えようとする安全保障法制は、各報道機関の世論調査でも、「国会で国民に十分説明していない」が8割、「今国会での成立に反対」が6割に上っています。
また、先日行われた国会での参考人質疑では、与野党推薦の憲法学者がそろって今回の安保法制は、憲法に違反していると主張しました。
立憲主義の日本において、憲法に定められた国のありようを根本から変えようとするものであれば、国民的な議論と合意が当然必要であります。
よって、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案の制定を行わないよう強く求めるため、関係各機関に意見書を提出するものであります。
提出先は、内閣総理大臣、防衛大臣であります。
少し補足説明をさせていただきます。
この安全保障関連法案の国会での審議が進む中で、世論の動き、国民の動向が日に日に変化しています。その点などを中心に補足説明をしておきます。少しと言いましたが、この意見書を作成したときと大きく情勢も変わっていますので、少し長くなりますが御了承ください。
まず、6月4日に行われました衆議院の憲法審査会の参考人質疑では、早稲田大学の長谷部恭男教授、笹田栄司教授、慶應義塾大学の小林節教授、小林氏は憲法を守るという立場よりむしろ憲法を変えると、改憲者の学者であります。その3氏は、そろって今回の法案は憲法に違反するとの認識を表明しました。この参考人は憲法審査会の幹事会で各党が協議して決めたもので、与党も含めて合意し、与党が推薦した参考人であります。この参考人全員が違憲の判断を示したことは大変重要なことであります。
この参考人質疑後、全国の憲法学者の200人を超える方々が、安保法制に反対する声明を出し、その後も学者、知識人の多くがこの法案の反対を表明するなど、日に日に法案に反対の声が広がっています。
衆議院の憲法審査会の参考人の三人の指摘は、集団的自衛権が許されるという点は憲法に違反だと。従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかないし、法的安定性を大きく揺るがす。憲法9条2項で、軍隊と交戦権を与えていない。9条をそのままにして、仲間を助けるために海外に戦争に行くというのは、憲法9条、とりわけ2項違反だ。従来の政府の憲法解釈はガラス細工だったが、ぎりぎりのところでそれでも保ってきた。今の定義ではそれを踏み越えてしまったので違憲だと、このようなことを述べています。国会で審議をすればするほど、今回の法案のずさんさが浮き彫りになっています。
直近の世論調査でも、安倍政権が法案を十分説明しているとは思わない、こうした声が8割を超えてきました。また、廃案にすべきだ、今の国会にこだわらず時間をかけて審議すべきだ、こうした声を合わせると8割を超えています。圧倒的多数の国民がこの国会で通すのはとんでもない、こうした声を上げ、先日は国会を3万人もの国民が包囲をする。また、若者が全国各地で集会を開き、声を上げていることも、この法案で一番先に犠牲者となり得るのがとりわけ若者たちだということを象徴していることだと思います。
また、6月22日、衆議院安保法制特別委員会で、五人の参考人を迎えて質疑が行われ、二人の歴代の法制局長官と憲法学者、小林節氏がそろって違憲、あるいは従来の政府見解の範囲内とは言えないと、5人中3人がこのような主張をしました。
この中で、宮崎礼壹元長官は、集団的自衛権の行使が憲法9条のもとで許されないという見解の積み上げは、四十数年に達し、これを覆す法案を国会に提出するのは、法的安定性を政府みずから破棄するものだと批判をしました。そして、集団的自衛権を禁じた1972年政府見解にある海外の武力攻撃を日本以外の外国に対する武力攻撃を含むと強弁するのは、黒を白と言いくるめるものと発言をしています。
また、阪田雅裕元内閣法制局長官は、昨年の閣議決定について、解釈の変更がなぜ必要なのか、一体何がどのように変わったのかは理解できない、このような疑問を提起し、さらに本当に集団的自衛権が限定されているのか、ホルムズ海峡の機雷封鎖を初め、中東有事まで出番があるとすると、到底枠内とは言えないとして、法案に対する強い違憲の疑いを示しています。
このような運動の広がりと世論の動向から、自民公明の与党は、95日間の国会の大幅会期延長を強行いたしました。これは世論の大半が反対する法案を、何が何でも通そうとするものです。この背景には、安倍首相がこの法案を国会に提出する前に、アメリカの議会で4月29日、この夏までに成就させると演説したことがうかがえるのではないでしょうか。
また、9月末までの会期延長は、ここまでの議論を踏まえ、残された国会審議が長期間必要なこと、衆議院通過から参議院で60日間たっても採決されなければ、衆議院で再議決できるといった60日間ルールを念頭に置いたものだと指摘せざるを得ません。
これまでの国会審議の中で、時間をかけても政府の説明は多くの国民が十分理解できるものになっていないことは、この間の世論調査の動向でも明らかになっています。過去の最長の延長を強行してしかこの法案の採決の見通しが立てられない法案など、そもそも廃案にするのが筋です。
最後に、この間、全国各地でこの法案に対する反対、慎重審議などの意見書が、私たちの調査では28日現在で34都道府県195議会で可決していることがわかりました。
長野県では、78の自治体の半数を超える46自治体で採択されています。また、福岡県内の自治体では、みやま市を初め粕屋、志免、宇美の町議会でも慎重審議を求める意見書が可決されていることも補足しておきます。
さらに情勢と国民の世論は刻々と変化し、昨晩の報道では、先週末の世論調査で、時間をかけて審議するが8ポイント減り、むしろ廃案にすべきが先週に比べて10ポイントも上がり、審議すればするほどこの法案は廃案にすべきとの声が広がっていることも、あわせて補足しておきます。
多くの国民、市民の声を聞き、立憲主義の立場をも逸脱するような法案の制定を行わないよう十分慎重に判断していただきたいと思っています。よろしく御審議ください。
意見書案を読み上げて、提案とさせていただきます。
集団的自衛権の行使を可能にする「安全保障関連法案」の制定を行わないよう求める意見書(案)。
安倍内閣は、今国会に与野党合意された集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案を国会に提出した。そして国民注視の中、国会審議入りし、本格的な論戦が始まった。この法案に対しての各紙世論調査、5月22日から24日を見てみると、今国会成立について反対が54%から56%となっており、賛成の25%から32%を大きく上回っている。さらに国会審議が進むにつれて反対の世論がふえると予想されている。
この法案には、三つの大問題が含まれている。
第1の問題は、戦闘地域での活動である。戦争中の輸送・補給などの後方支援を随時可能にする恒久法と周辺事態法改正で、これまでの派兵
特別措置法で禁止されてきた戦闘地域で活動できることになることである。そうなれば、相手側から敵とみなされ、攻撃を受けることは容易に推測できる。攻撃されれば自衛隊が武器を使用し、応戦になる危険が格段に高まることになる。
第2の問題は、PKO(国連平和維持活動)法改定の問題である。国連が統括していない活動の国際治安支援部隊(ISAF)活動に参加する治安維持任務の新設と、武器使用権限の拡大ができることである。この活動で3,500人の戦死者が出ていることを直視すべきである。
第3の問題は、日本が攻撃を受けていないにもかかわらず、集団的自衛権行使を内閣の判断でできるようにすることである。国際法違反の侵略行為である先制攻撃を米国が行った場合でも、政府が客観的・合理的に判断すると安倍首相は国会答弁しているように、地球の裏側まで自衛隊を派兵し、米国と一緒に戦争しようとしていることである。
ことしは、第二次世界大戦終結から70年目の節目を迎えた年である。戦争当時の苛酷な経験をされた方が高齢化する中で、改めて平和のとうとさを受け継ぐ必要が高まっている。
また、戦争の反省の上で制定された日本国憲法ができて65年になる。憲法の基本原則となっている国民主権、基本的人権、恒久平和の精神は国民の中に定着し、国際的にも高く評価されている。
今、戦後日本の国のあり方を根本から転換しようとしているのが、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案である。これまで日本国民が守ってきた平和を脅かすことがあってはならない。
よって、当市議会は、国に対して、国民合意のないまま安全保障関連法案の制定は行わないよう強く求める。
以上、
地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
以上です。よろしく御審議ください。
◯吉田益美議長
ただいまの提案説明に対し、質疑を許します。質疑ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして質疑を終結いたします。
ここで暫時休憩といたします。再開は11時15分といたします。
休憩 11時01分
再開 11時15分
◯吉田益美議長
休憩前に引き続き会議を開きます。
新留議員、どうぞ。何でしょう。
◯14番(新留議員)
ちょっとタイミングが早かったかな。ごめんなさい。
集団的自衛権の意見書案を読み上げた際に、一部間違って述べていますので、1点だけ訂正をお願いいたします。それは冒頭の「安倍内閣は今国会に与党合意された」といった文言があるんですが、これを「与野党合意された」と、極めて重大な問題で、訂正をお願いします。それで「与党合意」というふうに訂正をお願いいたします。よろしくお願いします。
◯吉田益美議長
これより討論に入ります。
意見書案第4号について討論を許します。まず反対の意見からいただきたいが、どうでしょう。
石松議員。
◯15番(石松議員)
私は、この意見書案第4号に対しまして反対の立場から議論したいと思います。
今、日本を初め世界を取り巻く安全保障の状況は、目まぐるしい緊張状態にあります。核兵器や弾道ミサイルなどの大量破壊兵器の脅威があり、しかもそれが各地に拡散しております。
日本の近隣におきましても、日本の大半を射程に入れております弾道ミサイルを配備し、核兵器も開発しているという情報もあります。日本人も犠牲になっております国際テロ、そしてサイバーテロの脅威も深刻であります。
今や脅威は容易に国境を越えてやってきております。
こうした中で国と国民を守ることは、政治の最も大事な仕事であり、どのような状況にあっても対応できる、すき間のない安全保障体制、これを構築する必要があります。
今回の法整備の目的の一つは、自国防衛のための日米防衛協力体制の信頼性、実効性を強化することにあります。平時から有事に至るまで、すき間のない法整備をすることによって、日ごろから日米間の連携や協力が緊密にできるようになります。
こうした日ごろからの十分な備えが、結果として抑止力を高め、紛争を未然に防ぐことができると考えます。
一方で、国際社会の平和と安全に貢献することも重要であります。なぜなら国際社会の平和と安全があってこそ我が日本の平和と繁栄を維持できるからであります。これまで日本は国際平和協力の場面では、20年余りにわたって自衛隊がその役割を担ってまいりました。その経験と実績を踏まえて、国際協力のための法制を改めて整備する狙いがあります。
ただ日本の平和と安全を守るといっても、大切なのは紛争を未然に防ぐための平和外交努力です。この努力を尽くす中で、安全保障整備による抑止力の強化も、紛争の未然防止につながると考えます。
さて、本意見書案ですけれども、要約しますと、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案の制定を行わないよう求めるというものであります。政府と与党は6月22日に延長国会について協議を行い、本会議において9月27日まで、戦後最長の95日間延長し、丁寧な審議を行い、国民に対してもわかりやすく議論し、理解を得るために延長をいたしました。
ここで6月14日付の日本経済新聞で大変興味深い記事がありましたので、少し引用をさせていただきます。記事は日経新聞の6月14日2面にありましたけども、4段記事、こういう内容です。
「PKO国会の神話と史実」との大きな見出しで、1992年6月15日、今から23年前、国連平和維持活動(PKO)への自衛隊の組織的な参加を可能にしたPKO協力法が衆議院本会議で成立いたしました。
安全保障関連法案の国会審議の充実を求める松野氏、これは維新の党の代表、この通常国会の1回目の党首討論で、安倍総理に対して維新の党を代表して松野代表が質問したことですけれども、松野氏を批判する意図はないが、1)PKO法案は3国会をかけて充実した審議をした。2)時間をかけた審議の結果、PKOに対する理解が広がったと聞こえないだろうか。PKO国会は時を経て神話になったようだ。史実はどうだったか。PKO国会の最終局面では参議院で牛歩戦術による4泊5日に及ぶ徹夜本会議があった。衆議院では、当時の社会党、社民連の全議員が辞職願を提出する奇策も使われた。
以下、新聞の社説に基づいて当時を振り返る。読売は、読売新聞のことですが、読売は「政治の病理を示す牛歩国会」と見出しをとった。日経は「言論の府からまことに遠い国会の姿」とあります。一方、朝日はPKO法成立に当たって「PKO協力の不幸な出発」と見出しをとり、「なんともやりきれない、異常な衆院本会議であった」と書いている。毎日の国会閉幕時の見出しは、「異常な国会閉幕にあたって」であり、「深い傷を残した国会」とある。
批判対象は異なるが、共通するのは、異常な国会だったとする認識である。3国会をかけたPKO法案は、充実した審議を経て円満に最終段階を迎えたわけではなかった。
3国会目になっても、朝日は「自衛隊抜きPKOで始めよう」と自衛隊派遣には反対だった。毎日もPKO法成立の翌日に、「自衛隊の海外派遣は、戦後とってきた国是の変更である。実質的になし崩しの解釈改憲に踏み切るのは立法府の自殺行為」と断じた。
変化は21世紀に入ってからである。朝日は、「ともに汗を流す貴重さ 自衛隊PKO」を経て「自衛隊に専門の部隊を PKO10年」で自衛隊派遣を容認した。毎日も今回の安保法制を論じる当たって、「20年以上の実績を積み重ね、国際社会からも活動が高く評価されてきたPKOから議論していくのが適切」と書いた。
朝日、毎日とも、自衛隊の参加を理解したのは、派遣の実績を評価した結果だった。PKO法案は審議に3国会かけたが、賛否の差は縮まらなかった。
今、安保法案をめぐり与野党を問わず丁寧な審議をとの声がある。が、丁寧の意味は明確ではない。PKO法案の場合、反対した政党や新聞は、3国会の審議でも十分とは考えなかった。時間の多寡ではないらしい。これは特別編集委員の伊奈さんという方の署名記事です。大変重みがある記事だと思います。
この記事が言いたいことは、今回の安保法制の議論について、もう私どもは忘れているかもしれませんけれども、23年前のPKO法案の議論とマスコミの対応が全く同じではないかと言っているように私には感じてとれます。
国会も9月27日まで約3カ月間延長しましたので、丁寧な審議と国民にわかりやすい議論をお願いしたいと考えます。国会は言論の府ですから、国会議員は正々堂々と議論していただきたいとお願いするものであります。
ここからは、今回の意見書案の中についての問題点を指摘したいと思います。
第1の問題としております戦闘地域で活動できるというふうにしておりますけれども、これは活動できません。間違いです。後方支援は外国軍隊に対し、輸送や補給などで協力することであり、武力行使ではありません。重要影響事態法案、これは周辺事態法改正のことですけれども、これと国際平和支援法案が後方支援を定めておりますけれども、前者は日本の安全、後者は国際社会の安全のためであり、目的が違うことから、私ども公明党の主張で別々の法律になっております。
自衛隊の後方支援が外国軍隊の武力行使と一体化しないように、両法案とも厳格な歯どめを定めました。現に戦闘行為が行われている現場では実施せず、近くで戦闘行為が行われると予測される場合などには、部隊長が活動を一時休止させます。また、実施区域で後方支援することが困難になれば、防衛大臣が活動の中断を命令いたします。
第2の問題としておりますISAFには参加はできません。このISAFというのは、国連が統括していない活動の国際治安支援部隊活動のことでありますけども、これに参加できると書いていますが、一切参加はできません。これも間違いです。
国民が懸念している中に、自衛隊の活動範囲とその行動が広がることを懸念しているという話があります。これも今国会の中で議論されている部分でありますが、その懸念があるからこそ今回、新3要件ですね、少し紹介しますが、1点目は我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合と。2点目、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないとき。3点目、必要最小限度の実力を行使という、これは新3要件ですけども、これを明示し、自衛隊海外派遣の3原則、これも補足しますと、一つが国際法上の正当性の確保、二つ目は国民の理解と国会関与など民主的統制、3点目は自衛隊員の安全確保という3原則があります。
また、PKO参加5原則というのを取り決め、またこのPKO参加5原則も補足しますと、1点目が紛争当事者間の訂正合意の成立、2点目は紛争当事者のPKO派遣への同意、3点目はPKOの中立性の確保、4点目は以上1から3のいずれかが満たされない場合には部隊を撤収、5点目は武器の使用は要員の生命防護のための必要最小限度のものを基本ということですが、この新3要件と自衛隊海外派遣の3原則、またPKO参加5原則を取り決め、武力行使の拡大解釈にならないように、また自衛隊の安全の確保をどうするか、二重、三重の縛りを設けております。
自衛隊の武力行使については、自国防衛の自衛の措置に限って許され、専ら他国防衛を目的とした集団的自衛権の行使はできないとする政府の憲法9条解釈の根幹は維持しております。
第3の問題としております地球の裏側まで米国と一緒に戦争できるとしておりますが、これも間違いです。こんなことはできません。憲法9条は具体的明示的に自衛措置としての武力行使の限界については示しておりません。最高裁も示しておりません。これまでの国会の論議と、それに基づく政府の解釈で、政府の見解で示す形で定着してきたものであります。
特に1972年、昭和47年の政府見解の自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生活、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであり、そのための最小限度の武力行使は許されるという考えに立ち、日本を取り巻く安全環境が厳しさを増す中で、国民を守るためには自衛の措置がどこまで認められるのか、その限度はどこにあるのかを議論した結果が、昨年7月の閣議決定の内容であります。
この閣議決定では、憲法9条のもとで許される論理的整合性や法的安定性というものを十分に配慮した上で、自衛の措置発動の新3要件が定められ、憲法法案に全て明記されております。
したがって自衛権の発動はあくまで専守防衛であり、自国防衛に限って許されるものであり、他国防衛のための集団的自衛権、いわゆる国連憲章第51条で認められているところのフル装備の集団的自衛権は認められてはおりません。
国会答弁でも安倍総理は、国連憲章第51条で認められている集団的自衛権の行使一般を認めるものではなく、他国の防衛それ自体を目的とする集団的自衛権を認めるものではないと明言をしております。
また内閣法制局長官も、あくまで我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置に限られ、当該他国に対する武力攻撃の排除、それ自体を目的とするものではないことを明らかにしていると。これは昨年7月14日です。いわゆる集団的自衛権は認めておりません。
したがって、本意見書案で指摘しております三つの問題点は、全て認識が間違っております。
今回の平和安全法制は、国民を守るため、すき間のない防衛体制を整備するとともに、国際社会の平和と安全のための貢献を進めることを目的としており、憲法9条のもとでできること、できないことを整理したものであります。そこで1972年、昭和47年見解をベースに、新3要件が示されましたが、それはあくまで自国防衛、専守防衛のためであり、いわゆる他国を防衛するための集団的自衛権を認めたものではないことは、法制局長官の、先ほど言いましたけども、26年7月14日付の答弁でも明らかであります。
結論として、今回の平和安全法制は憲法9条の枠を超えるものではなく、本意見書案は不採択とすべきであると考え、反対討論といたします。
以上です。
◯吉田益美議長
次に賛成意見の方。
9番、杉下議員。
◯9番(杉下議員)
ふくおか市民政治ネットワークは、この意見書案第4号、集団的自衛権の行使を可能にする「安全保障関連法案」の制定を行わないよう求める意見書の提出に賛成の立場で討論します。
理由としては、大きく2点の観点から意見を述べたいと思います。一つには集団的自衛権行使を可能にすることが、真に平和維持につながらないと考えるという点。そしてもう一つは、法案の内容や手順が立憲主義に反するものであるという点、その2点です。
少し詳しく述べます。日本は戦後70年間戦争で誰ひとりとして命を奪われることも命を奪うこともありませんでした。憲法9条の歯どめがあったからです。そのおかげで日本人は戦争をしない人たちとして他国の人たちからも信頼され、平和な関係を築いてこられたのではないでしょうか。
干ばつの厳しいアフガニスタンで井戸を掘り、飲料水の確保やかんがい事業に取り組んでこられたペシャワール会の中村哲医師は、次のようにおっしゃっています。
アフガニスタンでは憲法9条があってよかったなと日々思いながら暮らしています。身の危険を感じずに済むからです。日本は軍事協力に消極的だった結果として、世界に敵をつくってこなかった。アフガンでは敵意ではなく恩人としての意識だけが残った。それは日本のブランド力、世界的遺産とも言うべきでしょう。9条の威力とはそういうものだと思いますと。
安倍政権は、安全保障環境の変化すなわちパワーバランスの変化や大量破壊兵器などがもたらす脅威等を、集団的自衛権行使容認の根拠としていますが、アメリカに軍事協力し、同盟諸国の結びつきを強めれば、それらを解決できるのでしょうか。集団的自衛権の行使によって日本が抑止力を高めれば、相手側はさらに軍備を強化し、結果的に安全保障環境が悪化するのではないでしょうか。現政権は外交努力をおろそかにして、対外政策を軍事に頼り、緊張を助長する方向に進んでいるように思えます。
今回の法案では、従来の戦闘地域と非戦闘地域の区別が廃止されています。戦闘行為が行われている現場以外であれば後方支援ができるものとされ、自衛隊は外国軍隊等への弾薬、燃料の補給を行うことができることになります。これは他国軍隊等の戦闘行為と密接不可分であり、状況によっては外国軍隊の武力行使と一体のものと評価される可能性が極めて大きいと言えます。
積極的平和主義と称して国際紛争に介入すれば、これまで戦争をしない国としての信頼の上で行ってきた人道支援はできなくなり、海外や国内で日本人がテロの標的となる危険性が高まるのではないでしょうか。集団的自衛権の行使容認や、外国軍隊への後方支援が本当に平和に向けての積極的な貢献につながるとは思えません。国民が安心して暮らすことにつながるとは到底思えません。紛争の背景に何があるのか深く考える必要があると思います。大量破壊兵器の脅威や格差や貧困、飢餓から来る不安が、武力を持つことで解決できるのでしょうか。武力によって真の平和を築くことはできないと考えます。
さらに、現政権が行おうとしている安全保障関連法案の制定は、立憲主義に基づく民主政治を根底から覆す暴挙とも言えます。
一つには、集団的自衛権行使容認は違憲であるということです。安倍政権は憲法9条の解釈を変えて集団的自衛権の行使を可能にしようとしています。これまでの内閣は、憲法上集団的自衛権の行使は認められないとしてきました。先日の衆議院憲法審査会でも、三人の憲法学者がそろって既に確立している政府の憲法解釈を時の内閣が変更してしまうことのおかしさを指摘しました。
また、衆議院特別委員会の参考人質疑でも、元内閣法制局長官の二人が、現長官が認める憲法解釈を、黒を白に変えるような主張と批判しました。このことについては提出者が詳しく説明されたとおりです。時の政府の裁量で憲法の歯どめを外していいことには決してなりません。
日本への攻撃に対しては、従来の個別的自衛権の範囲で対応が可能であるにもかかわらず、今なぜ憲法違反である集団的自衛権を行使する必要があるのでしょうか。
二つ目には、内閣が国会を軽視しているということです。安倍首相は、さきの訪米時に、安保法制関連諸法案をことし8月までに成立させるとアメリカ議会で発言しました。まだ閣議決定さえもされていない段階で、公約ともとれるような発言をしたことは、立憲機関である国会を軽視し、国民主権をないがしろにするものです。
国会審議においても、大臣が現在の憲法をいかにこの法案に適用されるかなどという立憲主義を否定する発言もあり、許しがたいことです。
憲法改正の手続もないまま、なし崩し的に戦争ができるよう法を改悪し、国民を戦争へ巻き込むことは許されません。
以上のような理由で、ふくおか市民政治ネットワークは、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案の制定を行わないよう求める意見書を国に提出することに賛成します。
◯吉田益美議長
次に反対意見の方。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
それでは、賛成意見の方、いらっしゃいますか。
末吉議員。
◯18番(末吉議員)
本意見書に賛成の立場で討論をしたいと思います。
提案者から報告がありましたように、安倍内閣は国民世論の大半が同法案に対して反対しているにもかかわらず、何が何でも成立させようと、通常国会の会期を戦後内閣では最長の9月末まで延長をいたしました。この間、国会論戦が行われてきましたが、その中でもこの法案の違憲性が明らかになってきたと思います。
6月17日の国会での党首討論で、私ども日本共産党の志位委員長は、いわゆる後方支援、武力行使をしている米軍等への軍事支援をめぐり、その違憲性の問題を取り上げました。
先ほど石松議員からも、後方支援だから武力行使ではないと。だから違反ではないんだと、憲法9条にも抵触しないんだということが発言されたというふうに思います。
これまで政府は後方支援について、武力行使と一体でないから憲法違反ではないと言ってきました。これに対して志位委員長が、武力行使と一体でない後方支援という国際法上の概念があるのかどうかを、資料を示しながら追求をいたしました。こうしますと、安倍首相は国際法上の概念はないと認めざるを得ませんでした。これは政府がこれまで武力行使と一体でないから憲法違反ではないという論拠が、日本の中だけの議論であって、世界に通用しない議論だということが一つは明らかになったというふうに思います。
また、戦闘地域での武器使用は武力行使に当たらないということを盛んにこれまでも政府答弁の中でも述べられてきました。
私ども国会議員団は、アメリカが世界のどこであれ戦争に乗り出した際に、自衛隊が戦闘地域にまで行って軍事支援することになることを、これまでも追求してきました。これに対して安倍首相は、自衛隊が戦闘地域まで行けば攻撃される可能性があること、攻撃されたら武器を使用することまでは認めました。ただし、この武器を使用するのは、いわゆる自己保存、自分を守るための使用であって、武力行使には当たらないという答弁を繰り返してまいりました。あくまでも戦闘になる、あるいは武力行使になることは認めようとしてきませんでした。その根拠として、二つの理屈を持ち出しておりました。一つは、自己保存のための武器使用は武力行使に当たらないという理屈であります。この点についても、私どもの志位委員長が、武器の使用という概念そのものが国際法上存在するのかと、武力行使との明確な意味の違い、国際法上概念があるのかということに対して、外務省が出している文書を示して、武器の使用というのは武力の行使ではないという理屈は、国際的に通用しないことも明らかにしてまいりました。
もう一つは、他国の武力行使と一体でない後方支援は、武力行使に当たらないという理屈であります。これについても、6月17日に行われました党首討論の中で、この一体でない後方支援というのが国際法上の概念はないと、安倍首相がはっきりと認めざるを得なかったことからも、政府が自衛隊の海外派兵を合憲としてきた根拠が崩れてきたわけであります。
それにもう一つは、先ほど石松議員の中からも、海外に行って集団的自衛権行使をすることは、これはないんだというような趣旨の発言があったかと思います。これは、今回の法案そのものが、安全保障環境が根本的に変わったんだという中で、国際情勢が大きく変わっている中で、他国に対する武力攻撃によって、日本の存立危機事態に陥った場合に──新3要件の一つですね──場合に、集団的自衛権の行使が認められるというふうに定義しているわけですね。これは昨年の7月の閣議決定以降、この新3要件をたびたびそういうふうに説明してきております。そこで、今国会で、他国に対する武力攻撃によって、別の国が存立危機事態に至った国が世界で一つでもあるのかと、具体例を示しなさいというふうに問いただしたところ、岸田外務大臣は実例を挙げることは困難ですと、一つも具体例を示せなかったということを報告したいと思います。
ということは、今回の法案の大きな柱としております集団的自衛権行使、そのための自衛隊の派兵あるいは後方支援、こういったことが、我が国の存立危機事態に陥るというような立法事例を一つも示すことができなかったということ自体も、憲法を解釈改憲して、自衛隊を海外に出せるとした理由が成り立たなくなったということが言えるだろうというふうに思います。
もう一つは、今までイラクでは、少なくとも戦闘地域外での支援活動というふうに限定をしておりました。ここに私どもの資料の中で、前回の内閣官房副長官補の柳澤協二氏の発言があるんですが、当時、非戦闘地域に派遣する上で、いわゆる現地の指令系統、命令系統に自衛隊を加味するのかどうかというのが大問題になったということが報告されておりました。そこで一番問題になったのは、非戦闘地域の支援であっても、戦闘する部隊の指令下に入った場合には、ここは戦闘の可能性があるから、そこの地域には行けませんということが言えなくなる。だから、そこの自衛隊の派遣のあり方、命令系統の問題については、明確な一線を引いたんだということが、当時の内閣官房副長官補の証言の中で明らかにされました。
今回の法体系の中では、戦闘地域まで行って後方支援するんだよということが明確になっているんですね。それは戦闘地域ですから、戦闘している戦闘の命令系統の中に自衛隊が入っているということを意味するわけであります。
先ほど石松議員は、後方支援で、いわゆる平たん活動、これをする上で、危険になったら、あるいは攻撃されそうになったら中止すると、こう言われました。ただ、この後方支援というのは日本で使っているだけの言葉で、国際的にはロジスティクス、いわゆる平たん活動なんですね。平たん活動の活動というのは、いわゆる戦闘攻撃、戦闘作戦と一体のものだという位置づけが、アメリカ海兵隊の中にも明確に文書の中でも規定されているんです。このロジスティクス、いわゆる後方支援をやる上で、戦闘している部隊の命令下に入るということは、先ほど石松議員が簡単に言われましたけども、危険が迫ったから中止する、あるいは退避するということができないということを意味するものであります。
もう1点は、イラクに自衛隊員がサマワに派遣されました。その中で安全とされたサマワでも、何重にも土塁を引いて、そして後方支援、いろんな活動をやったんですが、あの宿営地にも24発のミサイルが撃ち込まれた。そういう中で約400人の自衛隊員が派遣されたわけですが、イラクから帰ってきた自衛隊員が、その後PTSDの精神的な障がいにあって、多くの若者が自殺に追い込まれているという事実も紹介しなければならないと思います。
後方支援だから戦闘行為がない、武力攻撃されない、そんなことはないんです。先ほど言いましたように、アメリカの海兵隊そのものが、いわゆるロジスティクスというのは戦闘行為と一体のものだと。敵側からすれば、平たんを遮断する、そこを攻撃対象にすることは戦術の大きな柱です。ということは、戦争になる、戦闘行為になるということは明らかであります。
イラクにこれまでに200万のアメリカ兵が派遣されました。帰還兵が何とアメリカではうち60万人が戦地で経験した戦闘や恐怖から、心的外傷後ストレス障がい、いわゆるPTSDなどを患っております。1日平均22人、年間8,000人もの帰還兵が自殺している。これはアメリカ社会では重大な問題になっております。
イラクのサマワに派遣された自衛隊員の中からも、このPTSDによって自殺に追い込まれた自衛隊員がいる。この事実をどう受けとめるのか。簡単に後方支援だから戦争にはならないんだ、武力行使にならないんだ、それは戦争を本当に知らない人たちの観念論であります。
だから、多くのかつて自民党の幹部だった人、あるいは先ほど紹介されました内閣の法制局長官まで歴任した人たち、また憲法学者も、今回の法案については明らかに憲法違反、違憲である、これを大きく変えようとするならば、国民的な論議と、あるいは、国民投票も含めてでしょうけども、憲法改正に匹敵するような大きな国民的な意見の聴取、合意というのが必要になるんだというふうに指摘しているところでございます。
私どもは、日本の若者を戦場に送るな、東北では東日本大震災で復興あるいは救援のために本当に頑張ってくれた自衛隊の若者を戦場に送るなという署名が、今住民の中で自発的に回っているそうであります。そのように自衛隊の若者から血を流してはいけない。これまで戦後、一人も自衛隊員が他国の国民を殺し、あるいはまた自衛隊員が殺される、戦死者を生み出すことはありませんでした。
今回の法律案は、まさしく大きなターニングポイント、日本を戦争をする国へと導く法案であるということを指摘して、同意見書に賛成の意見とします。
以上です。
◯吉田益美議長
ほかにございませんか。
植木議員。
◯17番(植木議員)
私は、この意見書案の賛成議員ですけれども、内容が内容ですので、若干補足的な意見も含めて賛成意見を述べたいと思います。
日本はかつて憲法を一度つくったことがあります。明治22年に大日本帝国憲法というのがつくられました。この大日本帝国憲法の中でどういったことが起きたのか。日清戦争で1万3,000人の日本の若い兵隊が命を落としています。日露戦争では13万5,000人の若い日本の兵隊が命を落としました。第一次世界大戦では200名の青年が死んだと言われています。そしてアジア太平洋戦争では230万の兵隊が命を落としたと。この明治憲法の、いわゆる大日本帝国憲法の歴史は57年の歴史でした。ところが、こういった反省の上に立ってできた今の日本国憲法は、既に67年、10年以上の歴史を持っています。
二百七、八十万人の人たちが亡くなった、兵隊が亡くなったあの五十数年と、この67年の日本国憲法の一人も亡くなっていないと。これを私は直視する必要があるのではないかというのをまず一つ言いたいと思います。
二つ目は、日本を取り巻く環境が変わってくるから、これは軍事的にもアメリカと一緒になって守るのが当たり前だと、こういった論議が一部あるようであります。しかし、こういった論議は国会の中で完全に論破されてきた内容ではないでしょうか。
イラク戦争とかアフガン戦争のときに、アメリカのレスラーみたいなアーミテージという国務副長官がいました。彼は日本の政府に対して、ショー・ザ・フラッグ、戦地に旗を立ててくれと。そして、オン・ザ・ブーツ、戦地に自衛隊を派兵してくれと、こういう要請を行いました。しかし、そのときの政府は、幾ら何でもそこはできないと。憲法9条があるからであります。
この集団的自衛権という内容を御存じない人が、私はこういった問題を言っているんじゃないかなと思います。集団的自衛権というのは、集団的自衛という名前は使ってありますけれども、実は集団的侵略権なんですよ。この集団的自衛権というのは、日本は2回結んだことがあります。一つは1902年の日英同盟、日本と英国との同盟です。もう一つは1940年、日独伊3国同盟、これが集団的自衛権を結びました。その結果がどういう結果になったのかというのは、私が今さら言うまでもない歴史的な事実であります。そして1954年に自衛隊がつくられました。ことしで61年になります。この間、自衛隊は憲法を守るという、そういう中で活動をしてまいりました。
振り返ってみますと、1960年、この60年というのはローマ・オリンピックであります。ローマ・オリンピックのことを知っている人はほとんどいないと思いますが、実は三宅義信といういう自衛隊の重量挙げ選手が、このローマ・オリンピックに参加するかどうか国会で大問題になりました。なぜなら三宅義信氏は自衛隊だったからです。自衛隊員が海外に、あの平和の祭典と言われるオリンピックにさえも出られないと、これが厳密な憲法の解釈をした当時の政府、そして国会の論議だったんです。彼を出すためには、自衛隊という肩書きを外して、ローマ・オリンピックに出て、見事金メダルをとってくれました。
こういった憲法に対する日本の政府がとってきた対応、1993年にPKOで初めて日本はカンボジアに国連の要請でPKOを出しました。これは自衛隊は参加していないんです。これに参加したのは、警察官が参加した。これは数日前のことなんですが、当時の官房長官の河野洋平氏が、このことを反省を求めて言っていました。ここで一人の警察官が犠牲になっているんです。河野洋平氏は、その数十人、数百人のPKOを出したけれども、ただ一人が亡くなったと、このことに対して今でも心を痛めていると、こういった内容の談話を発表するのを、私はある雑誌で読むことができました。
要は今度の戦争法案、私どもはなぜ戦争法案と言うのかと。平和安全関連法案といかにも日本の平和と安全を守るというような内容になっていますけれども、内容はまさに日本がアメリカと一緒になって、外国で戦争をする。そして同盟国が攻撃されて、そして日本の安全に影響がある場合には、集団的自衛権を発動すると、いわばこういった内容になっています。
ですから、アメリカが行う海外での戦争に自衛隊は要請を受けたら、それを断ることはできるのかと。これも一つの歴史的な問題で、振り返る必要があります。ベトナム戦争、トンキン湾事件というでっち上げ事件を起こして、あれだけの戦争が行われました。そしてイラク戦争、大量破壊兵器があると、こういったうその情報に惑わされて、そしてイラク戦争が起こりました。そのイラク戦争の名残が今のISだとも言われています。このときにアメリカやイギリスでは、ベトナム戦争やイラク戦争は間違っていたと正式に反省をしています。ところが日本の政府は、これについていまだに反省もしなければ何もしないと。こういった日本の政府が、アメリカが行う戦争にノーと言えるのかと。
先ほど言いましたように、オン・ザ・ブーツとか、ショー・ザ・フラッグ、こういった圧力が常にかかってくる。これに対して日本がまともにノーと言えないから、今国際的に問題になっているんです。
国際情勢の変化の問題では、確かに中国が南シナ海にいろいろ埋め立てをしたりして、国際的な問題になっています。しかしこの問題では、アジア、南シナ海行動宣言というのがあって、武力ではこういった問題は解決しないと、話し合いで解決するという、こういった宣言があります。今これを法的な力を持つためのということで南シナ海行動規範という方向に今向かっています。こうした形で、今世界のいろんな問題は武力よりも平和、平和外交に徹すると。
日本はこの戦後70年間、戦争してこなかったわけだし、67年の憲法を持っているわけですから、こうした国際的な状況の変化、これには日本が真っ先に憲法9条を振りかざして、そして平和外交をすると。これが日本が世界で認められる唯一の方法なんです。
アメリカが求めるから、アメリカの国会で、切れ目のない安全保障、そういったのをするために、アメリカと一緒にやるんだと、こうした日本の若者を戦場に送り出すようなことを決める。ですから、自民党、公明党も含めた憲法学者が、国会で明確に憲法違反だと。あのときからこの流れ、空気が大きく変わったわけです。先ほども新留議員も説明をしたように、ここ1週間、2週間で、日本の世論が大きく変わったと。こういったことを無視し、しかも、いろんなことを、論破されたことを長々と説明されましたけれども、一つ一つ論破されているんです、国会では。
ですから、私たちは、この法案は通すべきではないと。そして自衛隊を誰ひとりとして戦場に送ってはならないと、そういう立場で頑張っています。このことをつけ加えまして、この安全保障関連法案の制定は行わないように求める意見書には賛成をしたいと思います。
以上です。
◯吉田益美議長
ほかにございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これより意見書案第4号について採決を行います。本案は、原案のとおり決することについての賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
賛成少数であります。よって意見書案第4号は否決されました。
ここで暫時休憩といたします。再開は午後1時といたします。
休憩 12時08分
再開 13時00分
◯吉田益美議長
休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第11.意見書案第5号
◯吉田益美議長
日程第11、意見書案第5号 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する意見書の提出についてを議題といたします。
提案者の説明を求めます。18番、末吉議員、どうぞ。
◯18番(末吉議員)
意見書案第5号 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する意見書の提出について。
上記の議案を
宗像市議会会議規則第14条第1項の規定により、次のとおり提出する。
平成27年6月30日。宗像市議会議長吉田益美様。提出者、宗像市議会議員、末吉孝。賛成者、同じく新留久味子。
提案理由。
TPP協定交渉が国民生活の根本にかかわる重大問題であることを踏まえ、関係各機関に必要な措置を講じるよう強く求めるために、意見書を提出するもの。
提出先。衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、外務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、環境大臣、内閣官房長官、経済再生担当大臣であります。
では、意見書案を朗読して提案にかえたいと思います。
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する意見書(案)。
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定は、例外なき関税撤廃を目指す究極の自由貿易協定である。関税以外にも広く国民生活にかかわる医療、食の安全、保険、雇用、公共事業の発注等の政府調達、ISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項)等が交渉対象であり、国家の主権と安全安心な国民生活をも揺るがしかねない重大な問題をはらんでいます。
しかしながら、政府は秘密保持契約を理由に依然としてTPP協定交渉、さらには日米並行協議の現状等について十分な情報開示を行わず、国民に著しい不安を招いていることは否めない。このような経過から、TPP協定及び日米2国間交渉が、日豪経済連携協定(日豪EPA)交渉の二の舞となり、拙速な合意を迫られるのではないかという不安と不満がいまだ絶えない。
もとより、与党自由民主党は、我が国がTPP協定交渉に参加するに当たり、農林水産分野重要5品目や国民皆保険制度の聖域確保を最優先させ、それが確保できないと判断した場合は交渉脱退も辞さないものとするとした、TPP対策に関する決議をしている。また、衆議院及び参議院の農林水産委員会でも、それぞれ同様のTPP協定交渉参加に関する決議を行った。
よって、国におかれては、改めてTPP協定交渉が国民生活の根本にかかわる重大問題であることを踏まえ、次の事項を実現するよう、強く求める。
1、国権の最高意思決定機関である国会や与党の決議に則した交渉を、妥協することなく進めること。
2、TPP協定交渉に関して国民へ十分な情報開示を行うとともに、利害関係者の意見を交渉過程に確実に反映させること。
3、農林水産分野の重要5品目や国民皆保険制度などの聖域が確保できない場合や交渉過程において政府方針の実現が困難とみなしたならば、交渉脱退を期すこと。
以上、
地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成27年6月30日。福岡県宗像市議会議長吉田益美。
以上です。
◯吉田益美議長
ただいまの提案説明に対し、質疑を許します。質疑ございませんか。
石松議員。
◯15番(石松議員)
本意見書案について1点だけ確認をさせていただきたいと思います。
本意見書案は、この5月15日に開かれました福岡県議会の臨時会で自民党、民主党、公明党、緑友会の主要4会派による代表者会議が提出した上で、本会議において採択された意見書と一字一句変わらないということを聞いておりますけども、事実かどうか確認だけさせてください。
◯吉田益美議長
末吉議員。
◯18番(末吉議員)
私どももそういうふうに伺っております。
◯吉田益美議長
ほかにございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
意見書案第5号について討論を許します。御意見ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより意見書案第5号について採決を行います。本案は、原案のとおり決することについて賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
賛成少数であります。よって、意見書案第5号は否決されました。
次に入ります。
日程第12.意見書案第6号
◯吉田益美議長
日程第12、意見書案第6号 建設業従事者のアスベスト被害者の早期救済・解決を図る事等を求める意見書の提出についてを議題といたします。
提案者の説明を求めます。17番、植木議員、どうぞ。
◯17番(植木議員)
意見書案第6号を提案いたします。
建設業従事者のアスベスト被害者の早期救済・解決を図る事等を求める意見書の提出について。
上記の議案を
宗像市議会会議規則第14条第1項の規定により、次のとおり提出をいたします。
平成27年6月30日。宗像市議会議長吉田益美様。提出者、宗像市議会議員、植木隆信。賛成者、同じく末吉孝議員、同じく小島輝枝議員であります。
提案理由。
建設アスベスト被害者と遺族が生活できる救済の実施とアスベスト被害の拡大を根絶する対策を直ちに講じるよう、関係各機関に強く求めるため、意見書を提出するものであります。
提出先。衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、国土交通大臣、厚生労働大臣、そして環境大臣であります。
意見書案の提案をさせていただきます。
建設業従事者のアスベスト被害者の早期救済・解決を図る事等を求める意見書(案)。
アスベストを大量に使用したことによるアスベスト、いわゆる石綿被害は、多くの建設従事者、国民に広がっています。現在でも、建物の改修、解体に伴うアスベストの飛散は起こり、建設従事者や住民に被害が広がる現在進行形の公害であります。東日本大震災で発生した大量の瓦れき処理についても被害の拡大が心配されてきたところであります。
欧米諸国が製造業の従事者に多くの被害者が出ているのに比べ、日本では、建設業就業者に最大の被害者が生まれていることが特徴となっています。それはアスベストのほとんどが建設資材など建設現場で使用され、そして国が、建築基準法などで不燃化、耐火工法として、アスベストの使用を進めてきたことに大きな原因があります。
とくに建設業は重層下請構造や多くの現場に従事することから、労災に認定されることにも多くの困難が伴い、多くの製造業で支給されている企業独自の上乗せ補償もありません。国は石綿被害者救済法を成立させましたが、極めて不十分なもので、成立後一貫して抜本改正が求められています。
現在、建設業に従事していたアスベスト被害者たちの六つの裁判が係争中になっています。国とアスベスト建材製造企業に、補償とアスベスト対策の抜本改正を求めて、裁判で闘っています。九州においても、48名の原告が福岡地方裁判所に提訴し、係争中です。2012年12月5日の東京地裁の判決では、建設アスベストの裁判としては初めて国の責任を認めた判決が言い渡されました。
建設アスベスト被害者と遺族が生活できる救済の実施とアスベスト被害の拡大を根絶する対策を直ちにとり、アスベスト問題の早期の解決が急務となっていることに鑑みて意見書を提出するものであります。
記として、1、建設アスベスト被害者と遺族が生活できる救済策を策定してください。
2、アスベスト被害の拡大を根絶する根本的、総合的な政策を早急に策定し、アスベスト問題の早期解決に取り組んでください。
以上、
地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成27年6月30日。福岡県宗像市議会議長吉田益美様。
それでは、少し補足をさせていただきます。
このアスベストというのは、昭和30年代から、俗に言う高度成長時代から昭和50年代にかけて建設の中でたくさん使われてまいりました。そして、これに従事している人が肺気腫、あるいは肺がんという病気にかかるという原因とされました。ところが当初は、この肺気腫とかあるいは肺がんという原因が、専門家が少なかったがために、アスベストという形での被害だとなかなか見抜けなかったという状況があります。
国としては、1958年3月に、具体的な対策としてはマスクなどを使ったほうがいいと、そういった程度の指示をおろしたというだけであります。ですから、この当時からもう少し抜本的な予防策を国がとっておれば、こういった大きな被害にはならなかったという状況が生まれてまいります。
それで、どういったところに被害が拡大を今しているのかということで、幾つか挙げておきますと、まず石綿鉱山、こういったところで働く人たち、石綿の原料の運搬、港湾における石綿の荷役や検査、こういったことを行う人たち、あるいはボイラーなどに従事する人たち、ボイラーの場合は配管に石綿保存剤が使われているということであります。それとか製鉄業、築炉工事、こういったところの人たちです。あるいは清掃工場、自動車の修理、これはブレーキの周りに石綿が使われているということなどで、この被害が懸念をされています。
例えばそれ以外の直接従事をしていなかった人たちに、どういった被害が懸念をされるのかというのとしては、教職員、これは校舎や体育館などに吹きつけアスベストを使ってきたと。あるいは理科実験などでの被曝の例もあると。映画、放送、舞台関係者、こういった人たちにもアスベストの製品を使ってきたというような問題。さらには消防署員、火災のときにこのアスベストの飛散によっての被害、あるいは今度の東北の大地震、津波などで、その復旧の仕事に携わった自衛隊員、あるいは地方自治体の職員、こういった人たちにもアスベストの被害が出る可能性が今後は予想されるという非常に深刻な内容になっています。
こういったことに対して抜本的な対策をとるということと、現にアスベストが原因で病気になる、そういった人たちに対する救済措置を、国と企業に求めていくという内容です。ぜひこの意見書を通していただきたいと思います。よろしくお願いします。
◯吉田益美議長
ただいまの提案説明に対し、質疑を許します。質疑ございませんか。
安部議員。
◯5番(安部議員)
質問なんですが、意見書の中で、国は石綿被害者救済法を成立させましたが、極めて不十分なもので、成立後一貫して抜本改正が求められていますということがありますが、極めて不十分というところの根拠を皆さんで共有したいと思いますので、ぜひ教えていただきたいと思います。
◯吉田益美議長
植木議員。
◯17番(植木議員)
国は石綿被害者救済法を成立させましたが、極めて不十分ということです。裁判とかいろんな中で、救済の対象者が直接この工事に携わった労働者に限られているということになっています。それで、先ほども言いましたように、高度成長時期には下請や孫請、そういった会社がこういった石綿を使った工事をやってきたわけですね。そうした下請、孫請で働く労働者にはこれが適用されていないと、今の時点ではですね。親請で働いた労働者にこれが適用されていると。
それと一人親方、大工さんとか左官さんとか、そういった人たちにはこれが今のところまだ適用されていないということですので、この関連する、明らかにその石綿工事に携わった時期がはっきりすると、それが証明されれば、当然救済の対象になってしかるべきだという意味で、その点は不十分だという文章になっています。
◯吉田益美議長
安部議員。
◯5番(安部議員)
ありがとうございます。そしたら、成立後一貫して抜本改正が求められているというところなんですが、この法律は平成18年に施行されて、平成23年に改正をされております。抜本的改正が求められているというところで、23年には改正されまして、救済を充実するために、特別遺族保険給付金の支給対象を拡大等されています。ただ、今この意見書の提案をされる理由は、まだそれでも補えない部分がある、充実しなければならないというところがあるので、この意見書を提出するというお考えで私は認識しているんですが、それでよろしいでしょうか。
◯吉田益美議長
植木議員。
◯17番(植木議員)
そのとおりです。これはアスベストとは直接関係ないんですが、水俣病の関係でも、最初なかなか裁判でもその背景とかそういったのでできなかった。しかし、水俣に住んでいる人たちが魚を食べて、よその地域に行って、救済を求めるけれども、それがなかなか立証されなかったということなんかがあるわけですね。それが今ではそれが関連してはっきりすれば、水俣病の対応をするというような内容として、発展をしてきているわけです。
先ほど安部議員の言われるように、まだ国の救済措置だけでは不十分だというのは、先ほど言いましたように、それに携わった労働者、下請、あるいは孫請、それとか一人親方、そういった人たちが対象から外れているということで、そういう人たちも含めて、繰り返しになりますけれども、抜本的な救済措置を行ってほしいという内容です。
◯吉田益美議長
ほかにございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして質疑を終結します。
これより討論に入ります。
意見書案第6号について討論を許します。御意見ございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより意見書案第6号について採決を行います。本案は、原案のとおり決することについて賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
全員賛成であります。よって、意見書案第6号は原案のとおり可決されました。
次に入ります。
日程第13.意見書案第7号
◯吉田益美議長
日程第13、意見書案第7号 認知症への取り組みの充実強化に関する意見書の提出についてを議題といたします。
提案者の説明を求めます。6番、岡本議員、どうぞ。
◯6番(岡本議員)
それでは、意見書案第7号、認知症への取り組みの充実強化に関する意見書の提出について。
上記の議案を
宗像市議会会議規則第14条第1項の規定により、次のとおり提出いたします。
平成27年6月30日。宗像市議会議長吉田益美様。提出者、宗像市議会議員、岡本陽子。賛成者、同じく神谷建一、同じく杉下啓惠、同じく北崎正則、同じく高原由香。
提案理由。
政府は本年1月、認知症対策を国家的課題として位置づけ、認知症施策推進総合戦略いわゆる新オレンジプランを策定し、認知症高齢者が、住みなれた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けることができる社会、認知症高齢者等にやさしい地域づくりを目指すこととしました。
しかし、今後の認知症高齢者の増加等を考えれば、認知症への理解の一層の促進、当事者や家族の生活を支える体制の整備、予防・治療法の確立など、総合的な取り組みが求められるところであります。
特に、認知症の対応で最も大事なのは、その人の生きがいを引き出す環境をどのように整えるかが重要であり、認知症の人が笑顔で暮らせるか、悲しい顔で生活するかは正に環境次第と言っても過言ではありません。この認知症の人を支える環境は、政策や制度に基づく総合的なサービスによって成り立つ部分が多く、認知症への取り組みの充実強化を各関係機関に強く求めるため、意見書を提案するものです。
提出先。内閣総理大臣、厚生労働大臣。
意見書本文に入ります。
認知症への取り組みの充実強化に関する意見書(案)。
今日、認知症は世界規模で取り組むべき課題であり、本年開催されたWHO認知症閣僚級会議では、各国が認知症対策への政策的優先度をより高位に位置づけるべきとの考えが確認されました。
世界最速で高齢化が進む我が国では、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症高齢者数は700万人から800万人にも達すると推計されており、日本の認知症への取り組みが注目されています。
政府は本年1月、認知症対策を国家的課題として位置づけ、認知症施策推進総合戦略いわゆる新オレンジプランを策定し、認知症高齢者が住みなれた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けることができる社会、認知症高齢者等にやさしい地域づくりを目指すこととしました。
しかし、今後の認知症高齢者の増加等を考えれば、認知症への理解の一層の促進、当事者や家族の生活を支える体制の整備、予防・治療法の確立など、総合的な取り組みが求められるところであります。
よって、政府においては下記の事項について、適切な措置を講じられるよう強く要望いたします。
1、認知症の方々の尊厳、意思、プライバシー等が尊重される社会の構築を目指し、学校教育などにより認知症への理解を一層促進するとともに、認知症の予防・治療法確立、ケアやサービスなど認知症に対する総合的な施策について、具体的な計画を策定することを定めた、認知症の人と家族を支えるための基本法(仮称)を早期に制定すること。
2、認知症に見られる不安、抑鬱、妄想など心理行動症状の発症・悪化を防ぐため、訪問型の医療や看護サービスなどの普及促進を、地域包括ケア
システムの中に適切に組み入れること。
3、自治体などの取り組みについて、家族介護、老老介護、独居認知症高齢者など、より配慮を要する方々へのサービスの好事例(サロン設置、買物弱者への支援等)を広く周知すること。
4、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の効果を見極めるため、当事者や介護者の視点を入れた点検、評価を適切に行い、その結果を施策に反映させること。
以上、
地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成27年6月30日。福岡県宗像市議会議長吉田益美。
補足説明をさせていただきます。
これは私自身の経験になるんですけれども、私自身認知症の義母の介護を6年間経験いたしました。元気なときには、人の世話になるくらいなら生きていたくないと言っていた母でしたが、元気で長生きしたい、誰しも願うことなんですけれども、こうした母の姿を見たときに、老い方を選ぶことはできないと感じ、少しずつ赤ちゃんに戻っていく母の姿を受け入れる家族の葛藤は想像を絶するものでした。
このとき、実家の父、夫の父はがんで闘病中で、子どもは小・中学生で、家族の誰ひとりとっても目が離せない状況であり、介護施設の方々の支援がなければ出口の見えないトンネルだと感じる認知症の介護は、私自身乗り切れなかったと思います。
認知症の老人虐待が話題に上ることもありますが、冷静さを失い、こうした行為に及ぶか及ばないか、紙一重のところで常に戦っていたことを思い出します。こうした私の経験など序の口で、認知症の方が認知症の方を介護するという認認介護であったり、徘回を経験されている方はもっと深刻だと思っております。
介護保険制度の大幅な改革では、介護が必要になっても、身近な地域で自分らしく生きることを目指していますが、私自身のこうした経験から、それがいかに困難なものかと思っております。しかし今後、待ったなしでふえ続けることが予測される認知症です。まだまだ受け入れ体制は、施設も地域も十分だとは言えないと思っております。専門的なかかわりが必要だと言われる認知症患者のかかわりができるためには、そこにかかわりができる人の確保と教育体制の強化を早急に実現することが大事だと思います。
諸外国におきましては、フレンドリーコミュニティーといった認知症患者の意見そのものを取り込む取り組みをしているなど、非常に進んでいるところもあります。認知症取り組みの参考事例というものを、もっともっと海外、国内いろいろ調べて、国そのものが学習、周知して、そして地方自治体がより具体的に地方自治体の実態に合う形の介護、そして認知症対策というものが構築できるように、国で真剣に取り組んでいただくことを望んでおります。
以上で補足説明を終わります。御審議よろしくお願いいたします。
◯吉田益美議長
ただいまの提案説明に対し、質疑を許します。質疑ございませんか。
末吉議員。
◯18番(末吉議員)
1点だけお聞きしたいと思うんですけども。たしか介護保険制度の中で要支援1、2の方が介護保険から対象外とされて、各自治体ごとの地域包括ケア
システムのほうに移行すると。この制度変更のときに、私自身反対意見の中で、例えば要支援1、2の中には認知症とされる方の比率がかなりおられる。国のこれまでのオレンジプランにおいても、やはりこの認知症の方については専門性のケアがどうしても必要なんだという国の方針なのに、なぜ要支援1、2を介護保険制度から外すことが認められるのかという意見を私は言った記憶があるんですけども。
提案者である岡本議員に直接お伺いしたいと思うんですけども、介護保険制度のそういう制度的な、大きな後退といいますか、これが認められる中で今回この介護保険制度のそういう矛盾点とは別途のところで、認知症の方が制度改悪によって、こういう不十分な状態に置かれるから、より専門性あるいは充実したケアが必要なんだと、そういう意見書に私はなっていると思うんですけども、そういう意味では介護保険制度そのものの制度改悪というか、これとの関係はどのように理解すればいいのかという点だけお聞きしたいと思います。
◯吉田益美議長
岡本議員。
◯6番(岡本議員)
質問ありがとうございます。私も非常にこの問題に関しては、すごく戸惑いもありましたが、やはり全体的にふえているという認知症患者の方の対応というのは、要支援1から要介護5まで非常に幅広いものがありまして、それに対して要支援1の人、要支援2の方の対応を別個に考えるというのは、どうしたことだろうかというのは、非常に私も迷い、勉強したところであります。
ただ、この要支援1と要支援2というところに関しましては、介護予防という、介護に陥るところを予防するというところを目的にしていますので、そこのところを充実させるために、しかも、より広い意味でこれからもっともっとふえる方たちが逆に重篤にならないために、そういう周りの支援を整えていこうという取り組みをしなければ、今後やっぱり施設においても、認知症の方であったり、介護が必要になる方が、より症状が悪くなって、そしてもっともっと大変な状況になるということが予測されるため、やっぱり介護予防というところを重点的にしなければいけないというところに重きを置いた結果なんじゃないかなと私は考えております。
◯吉田益美議長
ほかにございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
意見書案第7号について討論を許します。御意見ございませんか。
14番、新留議員。
◯14番(新留議員)
この意見書案第7号について賛成の立場で討論いたしますが、今の質疑の中でも、介護保険制度の充実が極めて、この意見書の中の提案理由の中にあります、認知症の対応で最も大事なのは、その人の生きがいを引き出す環境をどのように整えるかが重要であると述べている。この環境をどう整えるかという点では、介護保険制度の充実も並行して整備していかなければ、この意見書が求めている環境を整えることは難しいというふうにベースでは考えています。
それで、先ほど末吉議員のほうからも指摘があったように、介護保険制度の改正によって、要支援1、2を制度から外すと。その受け皿を地域のボランティア等で支援する体制をつくるなど、そういった方針で、自分たちでまず自助の努力をしなさい、そして家族や地域の相互扶助を強く求める方向で制度改正が行われています。このような制度では、ここで求めている環境が本当に充実されるのかなという懸念もあると思うんです。それでぜひともこれと並行して、こうした状況を拭い去るような介護保険制度の充実を強く要望して、賛成の討論としたいと思います。
◯吉田益美議長
ほかにございませんか。
〔「なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
これをもちまして討論を終結いたします。
これより意見書案第7号について採決を行います。本案は、原案のとおり決することについて賛否の表決を求めます。どうぞ。
〔表 決〕
◯吉田益美議長
全員賛成であります。よって、意見書案第7号は原案のとおり可決されました。
次に入ります。
日程第14.発議第1号
日程第15.発議第2号
日程第16.発議第3号
◯吉田益美議長
日程第14、発議第1号、日程第15、発議第2号及び日程第16、発議第3号の3件の所管事務調査についてを
一括議題といたします。
この件につきましては、お手元に配付いたしておりますとおり、総務、社会及び建設産業の各常任委員会より閉会中に調査したい旨の申し出がありました。
このとおり、調査することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
異議なしと認めます。したがって、発議第1号、第2号及び第3号につきましては閉会中に調査することに決定されました。
日程第17.発議第4号
◯吉田益美議長
日程第17、発議第4号 議員派遣についてを議題といたします。
お諮りします。本件につきましては、別紙のとおり議員を派遣することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
異議なしと認めます。よって発議第4号につきましては別紙のとおり議員を派遣することに決しました。
お諮りします。本会議中、誤読などによる字句、数字等の整理、訂正につきましては、会議規則第43条の規定により議長に委任いただきたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
◯吉田益美議長
異議なしと認めます。よって、字句、数字等の整理、訂正は議長に委任することに決しました。
以上で、本会議に付議されました案件の審査は全て終了いたしました。よって、平成27年第2回定例会を閉会いたします。諸案件の審査に当たられました御労苦に対し、深く感謝を申し上げます。ありがとうございました。
閉会 13時37分
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