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平成29年第1回定例会(第4日) 名簿 2017-03-15
平成29年第1回定例会(第4日) 本文 2017-03-15

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  1. 春日市議会 2017-03-15
    平成29年第1回定例会(第4日) 本文 2017-03-15


    取得元: 春日市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-05
    1:                 開議 午前9時59分                ──── ─ ──── ─ ──── ◯議長(金堂清之君) おはようございます。  全員出席であります。ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付いたしております議事日程第4号のとおりであります。                ──── ─ ──── ─ ────  ┌─────────┐  │日程第1 一般質問│  └─────────┘ 2: ◯議長(金堂清之君) 日程第1、これより一般質問をお受けいたします。  今期は、お手元に配付いたしております一般質問通告一覧表のとおりに、13名の方から質問の通告が提出されております。  通告順に質問をお受けいたします。  15番、中原智昭議員。  なお、中原議員は時間制にて質問をいたします。 3: ◯15番(中原智昭君)〔登壇〕 皆様、おはようございます。15番、翔春会の中原智昭でございます。  私は、昨年12月の一般質問で予定しておりましたが、一般質問当日にインフルエンザを発症し、不覚にも議会を欠席いたしてしまいましたので、3カ月温めておりました私の思いとして、改めまして、小学校における教育のICT化導入について時間制で質問させていただきます。  今、日本の教育の世界は大きな変化点を迎えつつあります。わかりやすい例で言えば、2020年、文部科学省学習指導要領の改訂に伴う、小学校における外国語教育があります。既に我が市では小学校5年生から必修となっている外国語の授業を、2020年までに小学3年生から必修化、さらに5・6年生では正式な教科として扱われることが検討されております。  それと並ぶ改訂の目玉として考えられているのがICT化教育であり、これは全国小中学校・高等学校・特別支援学校の全ての子どもたちが情報端末を用いて授業を受けられることを目標にしているもので、現在、文部科学省では政府の方針のもと、教育現場でのICT化を積極的に進め、それに加え、コンピュータープログラミング学習も始めようとしております。  このような背景の中で、私は過去数回の一般質問の中で必要性を訴えてまいったのですが、ほとんど変化が見えないものですから、再度、教育現場でのICT化導入について質問させていただきます。  まずは、現在、全国的に教育現場でのICT化がどのように進んでいるかということですが、文部科学省が去年10月発表しました「平成27年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」によりますと、都道府県別ICT化環境整備状況調査では「教育用コンピューター1台当たりの児童生徒数」は、全47都道府県中、1位は佐賀県の2.2人に1台、福岡県は43位の7.7人に1台の割合であり、普通教室の無線LANの整備率については、全国47都道府県中45位で6.3%となっております。その他の項目でも、福岡県は他県に比べICT化環境の整備状況は低くなっております。
     また、文部科学省発表の福岡県の中での春日市の現状といえば、教育用コンピューター1台当たりの児童生徒数は、全国平均の6.2人に1台を大きく下回り、16.7人に1台であり、福岡県下でもワースト2位で、普通教室の無線LANの整備率におきましては、全国平均26.1%に比べ、ゼロ%という現状であります。  今回の文部科学省発表データにつきましては、本市の教育委員会としましても、対象児童生徒数の関係等で弁解したいところは多々あるようにも聞いておりますが、いずれにしても、本市が教育現場のICT化導入について消極的だったことは否めません。しかし、そのような状況の中で、春日市の小中学校の学力は、教育委員会や現場の先生方の御努力により、県下トップクラスであることを認めてもおりますし、感謝もしております。わざわざ他県や県内から学力の高さでこの地を選ばれて移り住む方もたくさんおられますので、当市の先生方の教育に対する熱意は火を見るより明らかであります。  また私自身も、小中学生の学力の面で、ICT化を導入すれば、これよりも増して全てバラ色になるとは考えておりませんが、ICT化を導入し、使いこなすことで、いろんな可能性がふえてくるものだと感じております。例えば現場の先生方の授業準備や校務作業の軽減化や情報の共有化、そして子どもたちには学習意欲の向上と授業の視覚化など、たくさんの可能性を秘めたツールだと考えております。そういいながらも、全てをデジタル化にするべきとは思っていませんが、今までどおりアナログが必要な場面もたくさんあり、ICT化は黒板とチョーク、紙と鉛筆ではできないことを補う脇役だと位置づけて考えております。  今回の一般質問で結果が欲しいものではございません。それよりも、まずは教育長や教育委員会の皆さんがICT化について議論していただける土壌をつくっていただければという思いで質問しておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、まず3点についてお聞きいたしますが、先ほど申しました文部科学省のデータでは、他市に比べおくれていると思いますが、ハード整備も含めた現状は果たしてどのようなものなのでしょうか。  次に、2020年文部科学省の目標に対しての今後の教育委員会としての対応はどのように考えておられるのでしょうか。  また、そもそも教育委員会として、このICT化導入の必要性をどのように考えてあるのでしょうか。  最後に、今回、平成29年度予算には、新規事業として教師用パソコンの更新予算が盛り込まれております。しかし、それはどのようなものをどのように教育に役立てていこうとお考えなのでしょうか、お聞かせください。  以上で1回目の質問を終わります。御回答よろしくお願いします。 4: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。 5: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 中原議員から、小中学校における教育のICT化導入についての御質問でございます。  教育委員会への御質問でございますので、教育長に答弁いたさせます。 6: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。 7: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 中原議員から、小中学校における教育のICT化導入についての御質問でございます。  まず、小中学校のICT化、つまり情報通信技能化に向けた、ハード整備も含めた現状についてのお尋ねにお答えいたします。  児童生徒が使用しますパソコンにつきましては、全小中学校のパソコン教室に設置しております。小学校におきましては1校当たり20台、中学校におきましては1校当たり40台配置しており、合計480台を整備しております。  また、教員が校務用として使用するパソコンについては、議員御承知のとおり、平成21年度に国の補助事業である学校情報通信技術環境整備事業を活用し、小中学校全ての担任教員に対してノート型パソコン380台を整備するとともに、デジタルテレビ386台、ブルーレイレコーダー及びプレーヤー387台、携帯型電子黒板63台、液晶プロジェクター33台、教材提示装置52台、デジタルカメラ108台等を整備したところです。  さらにネットワーク環境の整備については、インターネットが利用できる環境として、中学校においては有線の回線を普通教室に配線しているところです。現在、無線LANの整備につきましてはセキュリティーの面から実施しておりませんが、市のIT推進担当と協議しているところであります。  次に、2020年の文部科学省の目標に対しての教育委員会としての考えと、ICT化導入の必要性についてのお尋ねにお答えいたします。  ICTの活用の目的は二つあります。一つ目は児童生徒の情報活用能力の育成、二つ目は教科等の学習目標の達成です。これらの目標達成のため、ICTを活用した教育が求められております。教育委員会といたしましては、文部科学省の2020年の目標を念頭に、教育のICT化推進に向けて検討してまいります。具体的には、既存のICT機器の使用状況の把握、全体的なハード面の整備のあり方、既存の機器を十二分に活用できる関係者の研修のあり方、また、これらの取り組みが円滑にできるようにするための教育委員会への支援のあり方等を、時間をかけて総合的に検討していく必要があると考えております。  次に、平成29年度当初予算に、教員用パソコンの更新予算が計上されているが、どのようなものをどのように教育に役立てていこうと考えているのかとのお尋ねにお答えいたします。  今回、当初予算に計上しているパソコンは、先ほど申し上げました、平成21年度に整備しました教員が校務に使用するノート型パソコンの更新に要するものであり、教員が授業づくりを初めとする学級経営など、業務遂行のために使用するものであります。 8: ◯議長(金堂清之君) 15番、中原智昭議員。 9: ◯15番(中原智昭君)〔起立〕 15番、翔春会の中原でございます。  先ほど1問目で言いました、教室の無線LANがゼロ%ということで言いましたが、まあ、中学校のほうには有線LANのほうは引いてあるということで、少し安心はいたしました。  それでは、再質問させていただきます。  学校のICT化のイメージといえばですね、誰もが一度は目にしていると思いますが、思い浮かべてほしいのですが、テレビの民間会社のCMによる、小さな港町で隣の町の中学校との遠隔授業を可能にした「つながる授業編」であるとか、大きな熊の縫いぐるみにカメラを埋め込み、登校・園のチェックや体調チェックをしている「保育の未来編」など、こういうイメージがあり、市民の皆さんや保護者の皆さんは、学校にもICT化導入するとなると、CMのようになっていくんだなと思われる方もおられるのではないかと思います。  もちろん、将来的にはそれも可能性として視野に入れるべきだと考えておりますが、まずは先ほど教育長の御回答にありました、平成21年に学校情報通信技術環境整備事業でそろえたノートパソコンであるとかデジタルテレビ、そして電子黒板等の既存の設備を生かした利用が急務だと考えております。平成21年から7年がたった今、果たしてそれらの機器が効率的に使われているのかという疑問に感じております。  そこで質問いたしますが、これらの機器が学校でどのくらい利用され、また、どのように活用されているのでしょうか。また、活用されていないとすれば、その要因はどのようなものとお考えでしょうか、お聞きいたします。 10: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 11: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 平成21年度に整備した機器の活用状況と、また、活用されていないとすればどのような要因があるのかとのお尋ねにお答えいたします。  整備した機器のうち、小中学校それぞれに活用されている機器は異なります。小中学校においては、教材提示装置を用いて、本・ノート等の紙資料や実物教材等を拡大して、児童に課題や注目してほしいところを伝えております。また、空き教室等に電子黒板やパソコンを常設し、外国語活動や算数の習熟度別授業において、動画、写真、図、表などを用いて児童の興味関心を高めるなど、さまざまな場面で活用されております。  また中学校においては、社会科や理科等の授業で、デジタルテレビにパソコンを接続して、教材の提示や動画等を利用し、視覚的に理解が図れるだけの活用ではなく、前の授業の振り返りや、生徒の発表時に自分のノートを拡大提示することにも使用している状況です。  しかしながら、整備した機器の使用については、教員間の格差が見られます。その理由としては、1点目は教員の機器活用力の不十分さ、2点目にそれに対応する教員研修体制が十分でないこと。この2点は春日市のみの課題ではなく、全国的な課題でもあると考えております。 12: ◯議長(金堂清之君) 15番、中原智昭議員。 13: ◯15番(中原智昭君)〔起立〕 15番、中原でございます。  まあ、ある程度使用してあるということでしょうが、整備した機器の能力を十二分には活用していないみたいでございます。また、その要因として、学校の先生方の新たなもちろん負担もございますでしょうし、教育の機器の活用の不十分さ、つまりパソコン等を使いこなすための支援員も不足しているということでしょうけど、そのこともよく理解できております。  それでは、なぜ29年度予算に、先ほど説明があったんですけど、新規事業として教師用のパソコンの更新や、小中学校の特別教室のハードやソフトの更新の債務負担行為として考えてあるのでしょうか。先ほども申しましたが、2020年の学習指導要領の改訂を考えれば、それに沿ったハードやソフトをそのときに導入したほうが効率的じゃないかとも考えます。現在の学校の状況では、教師用パソコン児童用パソコンのソフトを更新しても、今まで使いこなせなかった要因があるのであれば、もしかしたら宝の持ち腐れという状態に陥るのではないかと心配しております。  私は基本的に、パソコンやソフトの更新について反対しているものではございません。むしろ大賛成ですし、まずは先生方がパソコンやタブレットを教育にどのように導入できるかということに気づいていただくことが重要だと考えております。そのためにはハード整備だけではなく、ICTというものをどのように授業に利用できるか、支援員等によるソフト面の整備も同時に行うべきだと考えております。  先ほど言いましたが、民間の通信会社のCMに出てくる学校教育課の担当者の言葉に、「教育が整えば人が育つ、人が育てばまちが育つ」という言葉があります。私自身もまさにそのとおりだと考えております。教育が整えば人が育つ。  もちろん今の春日市には、学力の面でも県下トップクラスでもありますし、若い世代の転入希望者が多いということでもわかるように、教育環境は他市に比べ劣っているとは決して思っていなく、それは誰もが感じるところだと思います。しかし、それをもっと進ませていくには、ICT化の可能性を探るということも必要ではないかと考えております。  まずはその第一歩として、予算の問題や支援員の確保等の課題はたくさんあるとは思いますが、現在の機器を教育に活用した仕組みと、新たに更新させるパソコンとの連携を図り、支援員等によるソフト面でのサポート体制をつくるべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。 14: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 15: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 現在の機器を教育に活用した仕組みと、新たに更新されるパソコンとの連携を図り、支援員等によるソフト面でのサポート体制をつくるべきではとのお尋ねにお答えいたします。  現在整備している機器の利用状況の確認や今後の活用を図るとともに、教育委員会と学校をつなぐ役割として、また学校内のICT化の中心を担っていく教員の選出など、仕組みづくりに努めていきたいと考えております。  具体的には、新たにICT活用委員会の立ち上げを考えております。その上で、学習教材としての活用等に資するための支援員によりますサポート体制等も含めて、検討する必要があると考えておるところでございます。 16: ◯議長(金堂清之君) 15番、中原智昭議員。 17: ◯15番(中原智昭君)〔起立〕 15番、中原でございます。  次に、2020年の学習指導要領の改訂で文部科学省は、外国語の授業を2020年までに小学3年生から必修化、さらに5・6年生では正式な教科として扱われることが検討されております。そうなれば、小学校では中学校のように外国語に特化した専任の先生も少なく、小学校では学級担任制のため先生方の負担も多く、また、その担任の先生が、2020年以降は正式な教科として子どもたちの通知表に評価しなければなりません。もちろん、それに向け教育委員会としての準備はしてあるんでしょうが、文部科学省としては国策として、今後のグローバル化に対応した人材を育成するため、使える外国語として身につけさせるため、小学校高学年からの導入を決めております。そのためには、文法ではなく話せる外国語が必要となるのではないでしょうか。  そこで、小学校においての外国語教育のツールとして、動画でも訴えられるようなICT化導入によるメリットがあると私は考えておりますが、現在の機器の活用でも補えるものとお考えなのでしょうか。これからの外国語授業のあり方についてもあわせて、いま一度お聞かせください。 18: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 19: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 小学校における外国語教育のツールとしてのICT化導入について、また、外国語の授業のあり方についてのお尋ねにお答えします。  議員御指摘のとおり、ICT化と同時に、2020年には小学校における外国語活動が5・6年生において教科化される見通しです。現在、小学校における指導体制のあり方については、国や県の方針等が具体的に示されておりませんので注視していくとともに、教員に必要な研修等の方策は講じる必要があると考えております。  このような状況の中、本市における外国語活動への対応は、平成18年度から学習指導要領で定められている小学5・6年生に加えて、本市では小学1年生から4年生、つまり小学校全学年で市独自のカリキュラムを作成し、外国語活動指導員の配置を進めるとともに、平成20年度に小学3・4年生については、教育課程内で実施できる教育課程特例校の指定を受けて今日に至っております。現在進めていることは、平成32年度から実施の次期学習指導要領での小学5・6年生の教科化に備えて、平成30年度から先行実施することとしております。  このため平成29年度、本市において、市内小中学校の担当教員から成る外国語推進協議会においてカリキュラム作成を行うとともに、その中で一つのツールとしてICT活用も出てくるものと考えます。 20: ◯議長(金堂清之君) 15番、中原智昭議員。 21: ◯15番(中原智昭君)〔起立〕 15番、中原智昭です。  今の御回答にですね、外国語推進協議会カリキュラムの作成を行うということですので、まあ、一つのツールとしてICT化の活用も考えていくということですので、ぜひ重要項目として考えていただければと思っております。  次に、いま一度教育長のほうにお聞きしたいのですが、質問の冒頭に申しましたとおり、学校のICT化といっても、今までの授業風景を全て否定しているものではございません。あくまでもICT化は、黒板とチョーク、紙と鉛筆ではできないことを補う脇役の位置づけだと考えております。  私自身も、これまでの数回の一般質問においてICT化の必要性を訴えてまいりました。その中で、去年3月の私の一般質問で、「まなびや春日」事業のICT化導入について教育長の御回答は、「全体の運営状況の把握や直接指導にかかわりながら、事業全体を見てきた。児童がプリントに向き合い、鉛筆を動かして、繰り返し繰り返し考えて答えを出す。そして理解できたとき、やり遂げた子どもたちの表情を見たとき、この学習スタイルは大切である。かかわった職員は全員実感しており、この一連の指導支援の営みは、人間教育的雰囲気を醸し出すものと考えている」との教育長のお答えをいただいております。  確かに私も、教育というのは、人と人が接し、つなぐことだと考えております。また、「まなびや春日」の事業の課題としては、去年の3月、教育長のお言葉の中に、人材不足が一番の課題ということでした。そしてこの事業も、29年度、来年度までは、今までどおり4校のモデル事業ということですが、平成30年度には各小学校に広げたいということを、今回の委員会の中で説明を受けております。私はその人材不足を補うためにも、サポートツールとしてこの事業にまずはICT化の導入が必要でないかと考えております。  そこでいま一度、子どもたち教育的観点から、今後のICT化を含めた学校環境や授業等のあり方について、教育長の率直的なお考えをお聞かせください。 22: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。 23: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 教育的観点から、今後のICT化を含めた学校環境や授業等のあり方についてのお尋ねにお答えいたします。  御承知のとおり、学校教育を取り巻く環境が日々変化している中、これからの教育方法は、問題解決型の学習、課題達成型の学習とあわせて、最近強調されてきました、主体的・対話的で深い学びを大切にしなければなりません。これのツールの一つの手段がICTで、教育方法はほかにも多様な手段があると考えております。  これからの教育は、人間教育を進めるという視点から、従来から日本の教育現場で取り組んできた言語活動の充実と、日本の伝統教育文化となって今日まで大切にされてきた、いわゆるアナログ的な教育も、一層重要視されなければなりません。従来型の教育のよさを土台に、その中に一つのツールとしてICTを活用するなど、最も効果的な教育方法をつくり出していく必要があると考えております。 24: ◯議長(金堂清之君) 15番、中原智昭議員。 25: ◯15番(中原智昭君)〔起立〕 はい。15番、中原でございます。  ありがとうございました。今、教育長のお考えを聞きましてもですね、確かにアナログの必要性、従来の教育のやり方というのの必要性も、よく感じました。ただ、やっぱり私もですね、ICT化だけでは子どもたちは成長しないということも、つけ加えまして再認識をさせていただきました。  しかし、それでは、不登校児童や特別支援学級子どもたちにはどうでしょう。支援学級の子どもたちは、ICT化を導入することで、視覚、聴覚にインパクトのある教材で学び合う効果も期待できると考えております。現在でも先生方は模造紙にみずから書き込み、子どもたちに興味を持ってもらえるように努力されていると聞いております。それをICT化を導入することにより、動画や教材を春日市全ての特別支援学級でも共有できるとすれば、どうでしょうか。先生方の教材作成時間も削減され、もっともっと子どもたちに向き合える時間をつくることも可能ではないのでしょうか。  また、私は教育支援センター子どもたちと毎年話をする機会があり、ことしも数人の中学生の子どもたちと話をする中で、多数の子どもたちが言っていました印象的な言葉で記憶に残っているのは、やはり「みんなと同じように高校に進学したい」という言葉でした。そして、私が「中学校を卒業すれば、誰でも高校を受験できるから大丈夫よ」と言うと、「自分は中学校に行っていないから、受験はできても、とてもとても合格できない。今からでもちゃんと勉強したい」という言葉が返ってきました。もちろんそれはですね、塾に行くという選択肢もあるでしょうが、余裕がある御家庭であれば問題ないんでしょうが、不登校の子どもたちの多数は、学校に行けないという事実だけで保護者に負い目を感じ、「塾に行きたい」という言葉を発せない子どももたくさんいました。  果たして、このような希望を持っている子どもたちの気持ちを、行政として見逃して、見過ごしてよいのでしょうか。私たちが住む日本では、中学校まで義務教育ですので、学校に行けない子どもたちにも必ず学習を受ける義務と学ぶ権利はございます。今でもこの子たちについてはメール等でも連絡はとってあるようですし、いろんな学習支援は行ってあります。しかし、このツールを進化させ、まずはこの子たちが学校に行けなくて自宅にいても学習できる環境を与え、つくることが、今の春日市にも必要なことではないかと考えております。ICT化には、全てではないですが、その問題を解決できる可能性は秘めております。まずはその可能性を探るためにも、教育支援センターにモデル校として導入してみることを提案いたしますが、そのお考えをお聞かせください。 26: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 27: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 不登校児童生徒や特別支援学級の児童生徒への、ICT化のモデルとしての導入の御提案についてのお尋ねにお答えいたします。  ICTの活用について基本的に踏まえておかなければならないこととして、一つは、ICTは教科等の学習指導の一つの手段であり、学習内容により効果が上がる場合とそうでない場合がありますので、指導者が多様な学習指導の手段を用意しておくことが大切です。二つ目として、指導方法は指導者が主体的に創意工夫を凝らしていくことで、教育委員会は多様な学習指導が生まれやすい環境づくりに努めることが大切ではないかと考えております。したがいまして、不登校や特別支援学級の児童生徒に限らず、どの教室、どの児童生徒に対しても多様な効果の上がる、また指導できる学校環境づくりが大切であると考えております。  なお、今後そのためのICT環境整備を進めるに当たって、そのあり方、手順等を考えていくときの着眼点の一つとして、議員御提案の不登校や特別支援学級への対応等も視野に入れていくなど、諸課題を踏まえて総合的に考えていかなければならないと認識をしておるところでございます。 28: ◯議長(金堂清之君) 15番、中原智昭議員。 29: ◯15番(中原智昭君)〔起立〕 15番、中原でございます。  今、教育部長のお言葉で、そのことについても問題や課題を精査しながら検討していきたいということですので、期待しております。ただ、我々大人の1年間と、子どもたち、彼女、彼らの1年間とは、基本的、根本的に時間の進み方が違うと思いますので、早急の対応をお願い、要望しておきます。  また、春日市にICT化導入ということになれば、モデル事業にしても今の既存機器を使いこなすにしても、ソフト面やハード面において多額の予算が必要となってまいります。2020年の学習指導要領の改訂で、文部科学省は教育現場でのICT化導入を積極的に進めておりますが、その予算は地方交付金に含まれ、自治体独自で一般会計の中から捻出する考えだと今のところ聞いておりますが、義務教育ということを踏まえると、私はちゃんと国がICT化について個別予算を設定するべきだと考えております。もちろん国の予算のことですので、ここでどうこう言っても仕方ないのではございますが、ぜひ教育委員会並びに執行部の皆様におかれましては、ICT化導入に特化した予算の確保を県や国にお願いしてもらえるように、あわせて要望しておきます。  もちろん、市民のためにたくさんの事業を抱える春日市でございます。また、それにも増して、近隣他市と比べ一般会計における教育予算の比率が10%前後高い割合で推移していることを考えますと、教育委員会はもとより、市長を含め執行部の皆様がいかに春日市において教育の重要性を認識してあるということは理解でき、これ以上の積み重ねが困難ということもわかりますが、「教育が整えば人が育つ、人が育てばまちが育つ」という思いで、未来の春日市の投資として考えていただき、予算の確保についても御検討していただけませんでしょうか。  最後にですね、今議会に提出されています教育長の人事についても、市長が任命できるようになりました。その意味は大きく、今まで直接関与できなかった当市の教育行政にも市長の方針と考えが、全てではないでしょうが反映できるようになったのかなとも思っております。そこで市長にお聞きいたしますが、現在、コミュニティ・スクール導入により、当市の教育環境は他市に比べ、もちろんかなり成熟していると私は考えているのですが、それでも、今後も正面から向かっていかなければならない課題や問題はたくさん残っております。  例えば発達障がいにおける子どもたちの教育環境、学力的に厳しい子どもたちの支援策としての「まなびや春日」の今後のあり方、中1ギャップ解消に向けての対応、そして学校に行きたくても行けない子どもたちの減少と、勉強できる環境の確保などの課題等も、いろんな施策により解消に向け少しずつは進んでいると思いますし、これらの課題が一朝一夕に解決できることではないとも思っておりますが、何が何でもこの問題は進んでいかなければならないと考えております。そこで、これらの課題の解決方法に導く今後の当市の教育行政のあり方や方向性について、ここで市長のお考えをお示しいただけませんでしょうか、よろしくお願いいたします。 30: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。 31: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 中原議員から、今後の教育行政のあり方や方向性についてのお尋ねにお答えいたします。  その前に、私と教育長との任命権者という立場からの関係について御指摘いただきました。まあ、これまでも教育長を初め教育委員会の皆さん方とは随時意見交換をしながら、私も教育現場のことはわかりませんので、学校現場の声を大切にしながら、そして何が子どもたちのために最優先に取り組まなければいけない課題なのかということを、常に情報交換をやってまいりました。その成果として、議員御指摘のように、本市の教育行政というのは非常に私はすばらしい成果につながってきているなということを実感をいたしております。  そこで、現在の教育行政における今日的課題は、まさに今議員御指摘いただきましたように、発達障がいなどの特別支援教育、学力の二極化等の学力格差、不登校対策等、さまざまな課題があります。本市ではこれまでにコミュニティ・スクールの取り組みを初め、教育支援センターの設置、不登校専任教員やスクールソーシャルワーカーの配置、第6学年の30人以下の少人数学級編制導入など、近隣他市と比べ充実しているものと認識いたしております。しかしながら議員御指摘のとおり、それぞれの施策は一朝一夕で成果をあらわすものではありませんし、絶えず状況等の変化に応じて効果検証を繰り返しながら、より効果が上がるものへと変容させていかなければならないと認識しております。  例を挙げますと、不登校対策では、親元から離れて規則正しい生活リズムを構築できるような宿泊体験プログラムなど、また学力の二極化対策では、二極化が生じる前の学年段階における人的措置等の指導体制構築といった抜本的な対策が必要ではないかと感じております。  現在、市では市営住宅建替事業や、西鉄春日原駅周辺整備事業、教育行政分野では小中学校の空調設備や大規模改修事業等の大型事業の実施を計画しているところです。今後は大型事業にめどが立ち次第、これらの課題に対し、学校現場の声を聞き、教育委員会とも十分に協議の上、優先順位を明確にして一つ一つ着実に解決していきたいと考えております。 32: ◯議長(金堂清之君) 15番、中原智昭議員。 33: ◯15番(中原智昭君)〔起立〕 ありがとうございました。まあ、これだけ大型事業を抱えている春日市ですので、いきなり、じゃ、教育予算だけふやしてくれと言ったって、確かに難しいことはわかります。それで市長、教育長におかれましてはですね、計画的に、子どもたちがこういう現状であるということはよく御存じでしょうから、計画的にですね、その辺を進めていっていただけることを強く要望しておきます。  ICTということは、言葉の意味としまして、インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジーという略語であります。人と人、人と物を運ぶコミュニケーションツールとして、今、国は重要視しております。このような背景から、総務省ではu-Japan政策の推進に伴い、コミュニケーションというキーワードを含むICTを積極的に活用しております。また教育現場においても、文部科学省が公立学校においてパソコンやデジタルテレビを導入し、子どもたちの情報能力の育成を図るため、ICT環境整備事業を展開しております。  そのような環境の中、これからの春日市の未来、そして子どもたちの未来を決めるのは、市長、教育長のリーダーシップにかかっていると言っても過言ではないと私自身は思っております。いま一度、「教育が整えば人が育つ、人が育てばまちが育つ」という言葉を信じていただき、この市の未来のために、これまでにも増して努力いただけますよう要望して、私の一般質問を終わらせていただきます。市長、教育長、よろしくお願いいたします。終わります。 34: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。  なお、前田議員は時間制にて質問いたします。 35: ◯20番(前田俊雄君)〔登壇〕 皆さん、おはようございます。20番、公明党の前田俊雄です。  さきに通告しております、本市における生涯学習の推進の位置づけと今後についてを、時間制で市長及び教育長に質問させていただきます。  かつて本市におきましては、生涯学習の推進に関し活発な議論が行われ、平成13年7月に生涯学習まちづくり計画が策定されました。15年半たった今、その間の経過を概観しますと、言葉としての生涯学習は耳にしますが、生涯学習の推進という政策議論は耳にしなくなりました。また、春日市部制条例の第3条「分掌事務」にも、生涯学習という用語が見当たりません。さらに生涯学習推進本部の担当者会議も開催されていないようです。こうした背景から、まず2点お尋ねいたします。  1点目、現在、本市における生涯学習の推進の位置づけはどうなっているんでしょうか。  2点目、生涯学習の推進の今後の方向性についてお尋ねしまして、1回目の質問を終わらせていただきます。
    36: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。 37: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 前田議員から、本市における生涯学習の推進の位置づけと今後についての御質問でございます。  まず、現在、本市における生涯学習の推進の位置づけはどうなっているのかとのお尋ねにお答えいたします。  生涯学習の推進につきましては、本市では、誰でも、いつでも、どこでも学習したいというニーズに応えることを理念として、情報や活動の場の提供を積極的に行っております。文化振興分野においては、生涯学習の拠点と位置づけているふれあい文化センターで、情報誌「エイメッセ」の発行や、ふれあい文化サークルを年間に約130講座開講するなど、多くの市民に情報とみずから学ぶ場の提供を行っております。  市民活動の分野においては、各地区自治会を初めとする多くの市民活動団体がございます。そこでは防犯・防災への取り組みや、地域福祉の推進、地域コミュニティの推進、公民館の管理運営、地域・家庭・学校がともに子どもを育てるコミュニティ・スクールの取り組みなど、市民の公益的な活動が学習の成果を生かす場となっております。このように、生涯学習の推進はそれぞれの分野の施策において一体的に行われており、生涯学習の推進の歩みは、協働のまちづくりを進めていくことにつながるものと位置づけております。  次に、生涯学習の推進の今後の方向性についてのお尋ねにお答えいたします。  平成30年度に予定しておりますふれあい文化センターへの指定管理者制度導入の際には、生涯学習の推進、文化振興などの組織体制の再構築が必要となりますので、その中で検討を行う予定でございます。 38: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。 39: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 生涯学習の推進の位置づけと今後の方向性についての教育委員会としてのお尋ねにお答えいたします。  市長が述べました基本的事項に立って、教育委員会では生涯学習の推進について、「学ぶ場の提供」と「学びを生かす場の提供」の二つの観点から施策・事業を展開しております。今後の生涯学習の推進については、教育基本法第3条に規定された生涯学習の理念の実現に向け、社会教育の分野では、学校や家庭や地域でのさまざまな学びの機会を捉えた教育や学習活動を支援し、学習者の自己実現のニーズに応えていくとともに、学習成果を社会に還元するための学びの循環を進めていくなど、全市的取り組みと連携して、生涯学習の推進に努めてまいりたいと考えております。 40: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。 41: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。  まあ、位置づけにつきましてはですね、市長から、生涯学習の推進の歩みや協働のまちづくりにつながるということで、位置づけがはっきり言っていただきましたので、私自身もそのような考え方を持っております。  私も平成10年6月定例会以来ですね、住民自治の視点で生涯学習の推進の必要性を訴えてきました。今回、質問のテーマとして生涯学習の推進を挙げましたのは、生涯学習の歴史が約半世紀を経ていること、また、平成18年の改正教育基本法第3条に新たに生涯学習の理念が規定されたこと等を踏まえ、改めて本市における今後の生涯学習の推進はどうあるべきか、ともに考えていきたいと、そのような思いで取り上げております。  きょうの議論を行うに当たりましてはですね、生涯学習の歴史的な背景、生涯教育・生涯学習・社会教育の定義等について、認識を共有する必要があると考えております。ここで時間をいただいて整理させていただきます。ただし時間制ですので、時間の都合でですね、早口になったり割愛する部分もあることを御了承ください。  まず、皆さん御存じのとおり、生涯学習の原点というのはですね、1965年(昭和40年)、ユネスコ成人教育推進国際委員会で、議長のポール・ラングランが中心となって、生涯教育という考え方を提唱したことに始まっております。ここで注意すべきことはですね、ポール・ラングランみずからが言っていることですけども、自分は、生涯教育とはという厳密な概念定義をしていないと、アイデアなんだと言っていることです。だからこそ、世界各国の教育関係者から比較的容易に受け入れられて、支持されて、世界中で広まってきたわけです。それが逆に日本においては、日本の教育行政現場においては、誤解、困難を招いた経緯があります。まあ、この誤解につきましては後ほど述べたいと思います。  原点を確認した上で、日本ではどうしたんだということでですね、経緯をちょっとたどってみたいと思っております。詳細は割愛させていただきますけども、きょうの関係ある部分だけです。  まず、日本で生涯教育の議論が始まったのが、昭和46年、社会教育審議会答申において、ここで日本で初めて公的な立場から生涯教育の概念が述べられております。それから昭和56年、中央教育審議会答申において、表題は「生涯教育について」ですけども、ここで初めて日本における生涯教育、生涯学習という言葉の定義がなされております。それから、昭和60年から62年にかけてですけども、臨時教育審議会から4次にわたる答申が出されておりますけども、ここでですね、生涯教育を「生涯学習」という表現に統一がされております。もう一つ大事なことは、この臨時教育審議会、臨教審においては、これまでの学校中心の教育制度をですね、生涯学習体系へ移行するという提言がなされております。  それから平成2年6月には、「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」──唯一、生涯学習に対する法なんですけども、一般的には生涯学習推進法と呼ばれておりますけど──が制定されました。それから、先ほど言いましたけども、平成18年12月に教育基本法が全部改正され、新しい時代の教育理念が確認されるとともに、生涯学習の理念が第3条に規定されております。  こういったような経過をたどって今日に来ているわけですけども、先ほど私、日本において教育行政現場において誤解、混乱を招いたと申し上げたわけなんですけど、じゃ、どういう誤解かといいますとですね、まず一つがですね、「生涯学習は生涯教育を学習者の視点から捉え直した考え方、理念である」という発言をよく聞くわけですけど、これは全くの誤解です。先ほど申しましたけれども、昭和56年の中央教育審議会答申でですね、この二つの意味の定義がなされているわけです。そのまま読んでみましょう。  「今日、変化の激しい社会にあっては、人々は、自己の充実・啓発や生活の向上のため、適切かつ豊かな学習の機会を求めている。これらの学習は、各人が自発的意思に基づいて行うことを基本とするものであり、必要に応じ、自己に適した手段・方法は、これをみずから選んで、生涯を通じて行うものである。その意味では、これを生涯学習と呼ぶのがふさわしい」と、このように定義されているわけです。  その数行下なんですけど、「生涯教育とは、国民の一人一人が充実した人生を送ることを目指して生涯にわたって行う学習を助けるために、教育制度全体がその上に打ち立てられるべき基本的な理念、考え方である」と。  ですから、先ほど言いましたように、みずからの意思で、みずからの方法でということで、自学自習という言葉があるわけですけども、これを大意というふうに要約しますとですね、自学自習する人にとっては、教える人というのはいないわけですよ。みずから学ぶ、みずから学習するわけですから、先ほど言う関係は当たらないということです。  もう一つの誤解がですね、よく聞くのが、「生涯学習は生涯教育と同じ意味である」とか、「生涯学習と社会教育とは近い概念だよね」というような言葉がありますけども、まあ生涯学習につきましては、先ほど昭和56年の中央教育審議会の答申を引用したわけでございますけども、じゃ、社会教育についてはといいますとですね、どのように我が国では定義されておるかといいますとですね、これはもう明確に第2条において生涯教育の定義というのがありまして……。失礼しました。社会教育の定義と、これが社会教育法に第2条に社会教育の定義というのがあるわけですけど、「社会教育とは、学校教育法または就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に基づき、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動である」と、このように定義されているわけです。  もう一つよく聞くのがですね、「生涯学習って具体的に定義されていないよね。具体性がないよね」というようなことを聞いたりもしますけど、これにつきましても、平成2年、中央教育審議会の答申において具体的に述べられております。  「生涯学習は、生活の向上、職業上の能力の向上や、自己の充実を目指して、各人が自発的意思に基づいて行うことを基本とするものであること」。  「生涯学習は、必要に応じ、可能な限り自己に適した手段及び方法をみずから選びながら生涯を通じて行うものであること」。  「生涯学習は、学校や社会の中で意図的、組織的な学習活動として行われるだけではなく」──学校教育、社会教育ですね──「人々のスポーツ活動、文化活動、趣味、レクリエーション活動、ボランティア活動などの中で行われるものであること」ということを言われております。記載されております。  「生涯学習を振興するに当たっての国や地方公共団体に期待される役割は、人々の学習が円滑に行われるよう、生涯学習の基盤を整備して人々の生涯学習を支援していくことである」と、地方公共団体の役割までうたわれております。  先ほどの言葉の定義にまた戻りますと、生涯学習はですね、学校教育、社会教育を包含する広い領域を持っているわけです。こういったことを踏まえますと、生涯学習は社会教育と同じ意味である、同じ概念であるということは、ちょっと誤解であるというようなことであります。  繰り返しになりますけど、社会教育は組織的な教育活動。生涯学習は自発的な意思に基づいて行い、手段について可能な限り自己に適した手段、方法を選ぶ学習であるということ。それに対して社会教育は組織的な教育活動であり、社会教育にはですね、自学自習という概念は入っておりません。繰り返しになりますけど、生涯学習は学校教育、社会教育を包含する大きな領域を持つものです。  これが教育長、私の理解なんですけど、長年、教育行政にですね、かかわっておられる教育長にお尋ねしたいと思いますけども、ここのところが違いますと議論になりませんので、私の理解、認識に誤りがないかどうかお聞かせください。 42: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。 43: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 前田議員の生涯学習の捉え方についてどうかということですが、間違っていらっしゃらない。私も同じ考えであります。  ちょっとつけ加えさせていただきますと、前田議員がおっしゃったように、結局、生涯学習とは何かと、また生涯学習社会とは何かという立場でお話をなさる、そのとおりだと私も思っています。結局、生涯学習というのは、私は教育委員会として考えましたときに、目標は人間の生きがいづくり、そのためにみずからが学びたいものを見つけ、学んだことを社会に還元していくと。個人が学んだことを社会に還元して、その循環をつくっていっているのが、春日市の一つの行政施策を進めている一つの基本的なところじゃなかろうかなというふうに解釈しております。したがって、僣越でございますが、春日市においては各部署でその役割を担って、総合的に進めているというふうに私は思っております。  つけ加えますと、この学びの循環づくりが、実はコミュニティ・スクールの発展に物すごい役割を果たしてきたなと、今、現実に実感しております。それと協働のまちづくりに非常につながってきていると。だから教育委員会としては、学習指導要領にも挙げられておりますが、教育の目標は生きる力の素地を培うのが義務教育というふうになっております。この生きる力をつけ加えた、生涯学習社会を生きていく力を育てるのが、やっぱり義務教育の最後の目標ではなかろうかなと。そのためには、やはりよく言われております、子どもがみずからそういうものに興味関心を高めて取り組んでいくと、そういう姿をこれからもやっぱり子どもたちに培っていくことが、極めて大事ではないかなと思っております。全く同じ考えでございます。 44: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。 45: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 ありがとうございました。最後のところで、この春日市で進められているコミュニティ・スクールこそ、春日市が誇るべき生涯学習推進、改正教育基本法の第3条の理念に沿った大きな成果だろうということをつけ加えようと思いましたら、先に教育長に言われましたので、この場で言わせていただきます。  では、本題に戻ります。生涯学習の推進の位置づけが認識共有できましたし、また生涯学習の捉え方も認識が共有できましたので、いよいよ春日市のという部分でですね、現場は春日市に行きたいと思います。  じゃ、先ほど日本における経緯を言ったわけですから、当然、春日市における経緯も話すべきでしょうけど、平成4年3月にですね、春日市における生涯学習推進方策についての答申書を出されました。平成4年12月、生涯学習に関する市民意識調査が行われ、報告書が出されました。平成5年3月、春日市生涯学習推進本部が設置されました。このときには、事務局は社会教育課にありました。平成6年、春日市生涯学習推進基本計画が出されました。これですね。その後、平成10年3月、春日市生涯学習行動計画(提言)がなされたわけです。  その後、平成11年8月3日に、春日市生涯学習計画策定委員会が設置され、平成11年8月24日、生涯学習推進本部設置要綱が改正されました。このときですね、事務局が社会教育課から地域づくり課に移っているんですけども、実を言いますとですね、平成10年3月に出された春日市生涯学習行動計画(提言)、このとき、これは春日市社会教育委員会議から出されたんですけど、私もそのときの委員だったわけです。そのときの議論としてですね、先ほど生涯学習の概念定義を言ったわけですけれども、非常に広いと。これは社会教育、教育委員会だけの範疇に入らないと。だから全庁的にやるのであれば、推進母体はやはり市長部局がいいんじゃないかというようなことを議論になったことも覚えておりますけど、これを受けて事務局が移ったんだろうと思っております。  その後、生涯学習まちづくり計画がこのように策定されたわけです。それから平成15年4月、生涯学習まちづくり計画第1次行動計画が出されました。  問題はですね、この後が全然、取り組みの跡が見えないんですね。いろいろ探してみましたけども、平成15年以降のですね、策定以後がですね、足取りが全然見えないんです。まあ、生涯学習の推進の今後をですね、検討するに当たりましては、これまでの取り組みを評価すべきでしょうし、その上で課題を抽出し、対策を講じるべきでしょう。  まず推進の組織体制ですけど、現状はですね、生涯学習推進本部の事務局は地域づくり課にあります。もう一つ、生涯学習の振興に関する分掌事務は社会教育課にあります。正直言って、どちらが推進母体なのかわかりませんけど。まあ、先ほどですね、1回目の答弁で、ふれあい文化センターへの指定管理者制度が導入された場合には、生涯学習の推進、文化振興などの組織体制の再構築が必要となるため、その中で検討を行う予定であるとの、1回目答弁があったわけですけど、これはあれでしょうか、先ほど言ったように推進本部が明確になっていないと、わからないというような指摘をしたわけですけど、こういった現状を踏まえてのことでしょうか。答弁をお願いします。 46: ◯議長(金堂清之君) 染原地域生活部長。 47: ◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 前田議員の御質問にお答えいたします。  議員が先ほど述べられた現状、こうしたことも踏まえましてですね、検討を行う予定としております。 48: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。 49: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。  わかりました。多分そうだろうと思います。やはり推進母体は一つでないとですね、非常に混乱するかと思います。  次に推進の方法ですけど、先ほどの1回目の答弁、また先ほど教育長からもお話がありましたけども、庁内各部門にお任せの状態であるわけですね。一つのコントロールセンターがあって、組織的、体系的に調整がされているわけとは私には見えないんです。その根拠はですね、推進本部の会議等がですね、長期にわたって──まあ、長期というのが何年かということはわかりませんけども──開催された形跡がないんですけども。  ここでお尋ねしますけど、今後におきましても、今までみたいな関係、庁内各関係部門にお任せよと、誰もコントロールしないよと、体系づけないよという方法でいかれるのかどうか、お尋ねします。 50: ◯議長(金堂清之君) 染原地域生活部長。 51: ◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 前田議員の、今後においても庁内各関係部門にお任せの方法をとるのかという御質問にお答えします。  市の関係する施策を実施していくことが、生涯学習の推進につながっていくものと考えており、庁内各関係部門において一体的に行われているものと捉えております。今後におきましても協働のまちづくりを追求するために、生涯学習の推進を図ってまいりたいと考えております。 52: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。 53: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。  何かお聞きしましたら、非常に苦しい答弁だったような気がしているんですけど。まあ、「一体的に行われているものと捉えております」との答弁ですけどね、何を根拠にそう言われているのかわかりませんし、それは結構でございます。何となく答弁をお聞きして、これまでの平成15年以降の取り組みが推しはかれそうな気がしております。  先ほどですね、いろいろこういったような計画書等、これまでのですね、計画書等を、当然のことながらお持ちと思うんですけども、今後の議論の結果としてですね、新たな推進計画なり行動計画は策定されるのかどうか、お尋ねいたします。 54: ◯議長(金堂清之君) 染原地域生活部長。 55: ◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 前田議員からの、今後の庁内の議論を踏まえ、新たな推進計画なり行動計画は策定するのかという御質問にお答えいたします。  これまでの議員の御説明にありましたように、生涯学習の推進につきましては、広い意味で、広い範囲でですね、行われているものでございます。今後どのように整理し、どのように推進を図っていくことができるのか、よりよいあり方をですね、検討させていただきたいというふうに思っております。 56: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。 57: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。  ぜひ一度ですね、庁内で整理していただきたいと思いますけども、先ほどの繰り返しになりますけど、第1次行動計画の後ですね、進捗管理等が行われていなかったんじゃなかろうかと、その形跡がない、失礼なことですけども感じているわけですけど、今後取り組むに当たっては、進捗管理は行っていかれるのかどうか、答弁をお願いいたします。 58: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 59: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 前田議員からの、進捗管理を行っていくのかという御質問でございます。  教育委員会の進捗状況の管理といたしましては、現在、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の規定に基づきまして、毎年度、所掌する事業の点検評価を行い、その結果に関する報告書を作成しております。この報告書は毎年議会に提出をしておるとともに、市民に公表をしているところでございます。 60: ◯議長(金堂清之君) 染原地域生活部長。 61: ◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 前田議員からの進捗管理についてのお尋ねにお答えいたします。  人事評価の取り組みとしての組織目標の設定や、課題の整理の中で、各施策の進捗管理を行っております。生涯学習の推進につきましては、広い範囲で行われているものでございますので、今後どのように整理し、どのように推進を図っていくことができるか、よりよいあり方を検討するためにも、組織体制の再構築を行う中で、十分に議論してまいりたいと考えております。 62: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。 63: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。  まあ、地域生活部長のほうからですね、繰り返し繰り返し、今後の組織体制の再構築を行う中でということですので、もうそれを待つしかないような気がしておりますので、これ以上は聞きません。  教育部長にお尋ねいたしますけど、社会教育課の分掌事務である「生涯学習の振興に関すること」とあるんですけども、この点はどのように点検評価がなされてきたんでしょうか。 64: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 65: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 「生涯学習の振興に関すること」といいます社会教育課の分掌事務について、どのように点検評価をなされてきたのかとのお尋ねにお答えいたします。  教育委員会においては、平成20年度分の事業から点検評価を実施しております。具体的には、教育委員会議においてそれぞれの事業の成果と課題を整理し、検証しながら、次年度の事業展開につなげているものです。社会教育課の事務事業もこの中で実施しておりますが、点検評価の視点としては、「生涯学習の振興」という事務分掌にありまして、より狭義な施策目標として「社会教育の推進」を掲げ、その分野に限定した事業の展開と事業評価を行っているものであります。この間、平成27年度まで所掌しておりました文化振興課、スポーツ課の事務事業についても同様に行ってきたところでございます。平成28年度には、文化振興課とスポーツ課の市長事務部局への移管を行っております。  この組織再編は、まさに生涯を通して行われる市民のさまざまな学び、活動が教育分野におさめることができないもので、加えて多様な付加価値を有する概念であるということでございます。まさに協働のまちづくりにつながるものと位置づけた結果と捉えているところです。このことは、議員の御指摘の生涯学習の考えと同じでございます。 66: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。 67: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。  ずっと一連の答弁をお聞かせいただいたんですけども、どうも平成15年4月の第1次行動計画策定以降ですね、生涯学習の推進が各施策でやっていると言われているわけですけども、積極的にですね、しっかり位置づけて、組織的に体系的にですね、行われてきたとは言いがたいですね。  まあ、もうそろそろ時間があれでしょうけど、少し整理しましょうか。推進体制については検討を行う予定であるということ。進め方につきましても、「今後におきましても協働のまちづくりを追求するために、生涯学習の推進を図ってまいります」と、決意もお聞かせいただきました。行動計画については、よりよいあり方も検討すると。まあ、策定する・しないも含めてですね。進捗管理については、組織体制の再構築を行う中で十分議論したいとのことですので、先ほどちょっと嫌なことを言いましたけど、平成15年以降、本当に組織的な取り組みがなされていないでしょうから、これ以上お聞きしても、まあ、お答えが出るとは思えませんので聞きません。  ただ一つだけ言いたいのはですね、先ほど途中で言いましたけど、やはり組織的、体系的にやろうとしたらですね、コントロールセンターというのが必要なんですね。お任せではどこ行くかわからんわけですよ。やはり春日市としての組織的、体系づけた形の中で取り組んでいかなければならないものだという意味で、私はもう既に春日市の生涯学習推進本部があるわけですから、まあ、引き続きここにするかしないかは別にしても、やはり一度、これまでを踏まえた上で議論し、整理し、取り組んでいくべきだろうと思っております。  私はですね、改正教育基本法第3条に生涯学習の理念が規定されたことに大きな意義を感じているわけですけども、まあ、先ほどの繰り返しになりますけど、これまではこれまでとしてですね、改めてですね、庁内議論を行い、再構築をお願いしたいと思っております。  ここでですね、春日市生涯学習推進本部長を務められている市長にですね、少しでも私の思いは伝わったかどうか、今後の取り組みについてちょっと御見解でもお聞かせいただいたらと思います。 68: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。 69: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 生涯学習の推進について、春日市生涯学習推進本部長としての見解をお尋ねになられました。  先ほどから率直に申し上げまして、非常に前田議員がこの件についてはよく研究しておられるなということを感心するのと同時に、議員も御指摘いただきましたように、この生涯学習自体が非常に範囲が広いものでございます。現に春日市がやっておる事業の中でも、どちらかというと教育委員会にかかわる部門については直でかかわっておるところもありますし、中には事業委託というんでしょうかね、それを通して文化サークルなんていうところもございます。ですから、今後、指定管理者制度を導入いたしますので、そこでひとつ抜本的にですね、見直してまいりたいというふうに考えております。これが率直な私の気持ちでございます。  そしてまた、あくまでも協働のまちづくりを追求するために生涯学習を推進していくということでございまして、今申し上げましたように、今後の推進体制や進捗管理等については十分に議論してまいりたいと考えております。 70: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。 71: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。  市長、ありがとうございました。ぜひともですね、進めていただきたいと。これが春日市の未来のため、また市民のためになるだろうと私も確信しております。  参考までにですね、今後ですね、再構築、議論、また研究、検討される中でですね、一つだけ紹介したいと思うんですけど、平成20年2月19日、中央教育審議会よりですね、答申が出されておりまして、「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について」、副題として「~知の循環型社会の構築を目指して~」と。先ほど教育長から知の循環ということをお聞きしたわけですけど、これがですね、非常に、過去のですね、日本における生涯学習とはという部分をですね、整理をした上で、今日的、さらに生涯学習を振興すべきだというですね、視点で非常によくまとめられておりますので、こういったものも御参考になったらと思いますので、一応そういったこともつけ加えさせていただきまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 72: ◯議長(金堂清之君) 14番、松尾徳晴議員。  なお、松尾議員は回数制にて質問いたします。 73: ◯14番(松尾徳晴君)〔登壇〕 14番、春風会の松尾徳晴です。  私は、さきに通告いたしましたよう回数制にて、春日市の遺跡、文化財の保存と活用及び春日市民図書館について質問いたします。  私が恐れていたことが起こりました。というのは、分断されます、昼休みでですね。そういうことで中途半端になるかと思いますけど、御理解ください。  春日市には、奴国の丘資料館の資料以外に、各地区に、地域に、多くの遺跡や文化財があります。12月議会でそのうちの絵馬の再現や保存について質問いたしました。基本になる再調査や保存の必要性を理解していただいたと思っております。
     春日市と春日市教育委員会が発行している「なるほど!かすがの文化財」に、「弥生時代には大陸から進んだ文化が、春日の地で新しい技術が根づき、文化が発展してきた。そして、日本でも有数の貴重な遺跡として残されています」と述べられています。この冊子は、各地域の弥生時代、古墳時代、平安時代、江戸時代など、貴重な遺跡や文化財がわかりやすく整理され、記載されております。  これらの貴重な遺跡や文化財について、我々の世代にきちんと保存し、管理し、次の世代、子どもたちに引き継いでいく役目が大切であると思います。また、貴重な遺跡や文化財を春日市のため有効に活用しなければなりません。そういうふうに考えております。  特に遺跡等の保存につきましては、民有地にもかかっているところも多々あるかと思います。それゆえ予算も相当額かかるでしょう。どうか、他の自治体がうらやむ弥生時代を初め、現在までの多数の遺跡や文化財を、春日市独自の事業として計画的な保存に力を入れていただきますようお願いいたします。私は、春日市の弥生遺跡は吉野ヶ里にまさるとも劣らないものだと思っています。私は、人の習慣や知恵は、過去から学び、現在に生かし、豊かな未来を夢見るものだと考えております。  教育委員会が発行している「春日風土記」「続春日風土記」には、各地区(旧上白水区、旧下白水区、旧小倉区、旧須玖区、旧春日区)の歴史、風俗、習慣、ことわざなど、盛りだくさん記載されています。これは「市報かすが」に、「春日風土記」シリーズに10年間掲載されたものを集大成したものであり、これを読めばかなりの春日市歴史等の知識人になれることは間違いなしです。興味のある方だけではなく、多くの方にぜひ読んでいただければと思っております。私もこの場をかりて、この本を宣伝させていただきます。よろしくお願いします。教育委員会は、もっと多くの人にこの本を知って読んでもらえるよう努力をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。  以上2点について、一つは遺跡、文化財の保存と有効活用、二つ目に「春日風土記」等の周知と活用についてお尋ねします。  次に、春日市民図書館は、運営方針の中の基本方針では、「市民が読書を通じて豊かな生活を送ることができるように、誰でも、いつでも、どこに住んでいても、どんな資料でも利用できる、市民の暮らしに役立つ図書館となることを目指して運営してあります」とされています。また、春日市が目指す図書館サービスとして、「誰でも快適に利用できる図書館、市民と図書館とが一緒に育っていく図書館、子どもたちに読書の楽しさを伝える図書館、暮らしの疑問や課題が解決できる図書館」を掲げています。春日市教育委員会として、現在の図書館をどのように評価しておられるかをお尋ねいたします。  今回、施政方針の中で、「市民図書館に平成30年度から指定管理制度の導入を進めることを計画している」と示されました。なぜ今、市民図書館に指定管理制度を導入しようと判断されたのでしょうか、お尋ねします。  検討委員会を設置し、導入することを前提に、導入しないことも含めて協議されたと私は考えます。その過程で、導入するメリットやデメリットなど、いろいろな角度からの意見も出て検討し、導入の結論が出たのだと思います。しかし市民の方では、直営図書館のほうが指定管理者制度よりもすぐれている、乱暴な言い方をすれば、直営図書館は善、指定図書館は悪だと誤解してある方もいらっしゃるのではないかと思います。もちろん直営のほうがすぐれているものもたくさんありますし、民間のほうがすぐれていることもたくさんあるでしょう。このような市民の誤解を解くために、どのような努力をされるのかお尋ねします。  次に、市民図書館に指定管理制度導入の際、利用者の方に、「以前の図書館に比べ、ここがよくなった」と感じる施設整備、ハード面と事業、ソフト面を具体的に提供できれば、利用者は理解してくれるのではないでしょうか。現時点で市民の誤解が解けるような、市民のメリットとなるような具体的な施策をお持ちでしょうか。  また、指定管理者の選考も適切に行わなければ納得してもらえないだろうと思います。ただ価格のみの判断ですると、安かろう悪かろうになる可能性があります。  1回目の質問として、一つ、現在の図書館の評価。  一つ、市民図書館に指定管理者制度を導入しようと判断した理由。  一つ、市民のメリットとなる具体的な施策。  一つ、指定管理者の選考方法。  以上4点をお尋ねいたします。よろしくお願いします。 74: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。 75: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 松尾議員から、春日市民図書館についての御質問でございます。  御質問の順序とは異なりますが、先に私から答弁させていただきます。  まず、現在の市民図書館の評価についてのお尋ねにお答えいたします。  春日市民図書館は開館当初から、市民の方々と数々の協働事業を開催し、市民とともにある図書館として、多くの市民に評価を得ているところです。具体的には、新しい形として課題解決型の図書館を目指し、調べ物カウンターや児童カウンターでの相談業務の強化、子どもの読書推進のためのおはなし会等の、市民一人一人と向き合う時間を大切にした事業の実施、市民の日常的な課題解決に結びつく健康講座や郷土講座の実施、地域・医療・仕事・子育て等の情報提供、毎月の企画展示、夜の図書館や朝活など、市民との協働事業の実施など、さまざまな取り組みを行っております。また、開館当初から正規図書司書職員を配置し、質の高い安定したサービスを提供しております。  次に、市民図書館に指定管理者制度を導入しようと判断した理由についてのお尋ねにお答えいたします。  初めに、指定管理者制度導入における市の方針をお示しいたします。  施政方針でも申しましたとおり、本市におきましても平成32年度以降、急速に人口減少が進むと推測しており、また、昨年9月には高齢化率が初めて20%を超えるなど、人口減少・超高齢化社会はすぐそこまで迫ってきております。  このような中、ふえ続ける社会保障関係経費等への対応として、今まで以上に長期的な視点を持った財政運営が求められ、今後は持続可能な財政の確立が不可欠であり、財政の健全維持に向けた取り組みはますます重要なものになっております。そのため、行政の活動において高い成果と経済性、効率性を同時に追求するためには、地域資源や民間活力などを有効に活用することが必要となってまいります。  厳しい財政状況において、業務プロセスの改善や財源の重点配分により、最小の経費で最大の効果を上げ、行政サービスの水準を維持し、市民満足度を向上させていくためにも、指定管理者制度を積極的に取り入れ、公の施設の効果的かつ効率的な運営を図ることとしております。図書館行政においても、将来にわたって配分可能な経費は限られており、その限られた経費を最大限に活用するための手法が必要となってまいります。  図書館の評価として、開館当初から正規図書司書職員を配し、現在の図書館をつくり上げてきたと申しましたが、今後は本市の規模として、正規司書職員をバランスのよい年齢構成で必要な人数を雇用することは、財政的にも難しい状況です。平成6年度以降、正規司書職員の採用を行っていないことから、将来的に現行のサービス水準以上のものが維持できる体制づくりが必要です。よって、正規司書職員が在籍している間に、現行水準の市民サービスを低下させることなく、さらに向上させるために、市の責任で市民図書館を直営から指定管理者へと運営形態を変更することが有効であると考え、結論を出したところです。  次に、市民のメリットとなる具体的な施策はあるのかとのお尋ねにお答えいたします。  具体的な施策につきましては、事業者提案型での選考を行うことを予定していますので、ここで具体的な内容は申し上げられませんが、メリットとしては、民間事業者ならではの豊かな発想や創意工夫、高い専門性の活用などによって、魅力的かつ集客力のある図書館事業が展開されることや、図書館がより利用しやすい施設へと改善がなされる点などが挙げられます。  既に指定管理者制度を導入している他の自治体の事例を紹介しますと、開館時間の延長、郷土資料をデジタル化した電子図書館の運営、滞在したくなる音と香りを使った空間サービスの提供などがあります。春日市においても高齢者等の利用がふえておりますので、長時間滞在型利用への対応が求められると考えられます。また、勤労者世代へのビジネス支援のための情報収集、文献調査等への要望への対応なども考えられます。本市といたしましても、民間の創意工夫、柔軟な発想から、提案に大いに期待するところでございます。  今後ますます図書館の利用形態やニーズの多様化が進み、貸出中心の図書館から、親しみやすく使いやすい交流・滞在空間へと、図書館の役割の変換が求められています。こうした市民ニーズの動きを受けて、図書館経営の高度化を図り、柔軟なサービスを提供することも可能となってくると考えております。このようなことにより、これまで図書館を利用されていない市民の皆様に利用してもらえることを期待しております。  なお、今回の指定管理者制度導入は、既存施設の運営形態、運営手法の変更であるため、導入後も市が運営方針や長期的展望を定め、指定管理者と連携・協力しながら、今まで以上に魅力的な図書館づくりによる市民サービスのさらなる向上を目指してまいります。  次に、指定管理者の選考方法についてのお尋ねにお答えいたします。  事業者の選考については、より多くの提案の中から最適な事業者を選考するため、公募による事業者提案型のプロポーザル方式で行うことを予定しております。  なお、春日市の遺跡、文化財の保存と有効活用についての御質問につきましては、教育長に答弁いたさせます。 76: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。 77: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 次に、春日市の遺跡、文化財の保存と有効活用についての御質問でございます。  まず、春日市にある遺跡や文化財の計画的な保存についてお答えいたします。  現在、市内には、特に重要な国指定特別史跡として「水城跡」、そして国指定史跡として「須玖岡本遺跡」と「日拝塚古墳」の計三つの史跡があります。  大化の改新後、落ちつきを見せる大和朝廷が、663年に「唐」と「新羅」の連合軍と戦い大敗したため、日本への攻撃に備えて築城された、太宰府を守る巨大な防衛施設「水城跡」が、市内には天神山と大土居の2カ所にあります。この水城跡につきましては、平成26年、平成27年度の2カ年で、多くの方々に御協力をいただきながら、保存管理計画を策定したところです。引き続きこの計画をもとに、保存や多方面での活用のための整備に向けた方針づくりとして、整備活用基本計画の策定に鋭意取り組んでまいりたいと存じます。  また、「須玖岡本遺跡」は御承知のとおり、歴史に初めて日本の国が登場した、「奴国」の王都と言われる歴史的価値を持つ貴重な遺跡で、平成28年、29年度の2カ年で「須玖岡本遺跡保存活用計画」を策定することとしています。この計画により、史跡としての重要性を市内外に発信し、より多くの方々に理解していただくとともに、遺跡の保存の推進と活用の基本方針を明らかにしていくことに努めてまいります。  いずれも、遺跡の時期、性格は異なりますが、春日市が日本の歴史に登場し、そこに暮らす人々が後代に続く重要な役割を担う事業にかかわったという事実、あるいは大いに繁栄した奴国の王都で暮らしを営み、ここで製作された青銅器などが各地に広まっていったという状況は、今ここに暮らす私たちに、郷土の誇りとして、また、そこに住み続けたいという郷土愛に連なるものとして、おのおのがその意味を考える必要があります。さらに私たちは、それをしっかりと次世代につなぐ役割を果たしていかなければならないのではないかと考えているところです。今後、これらの国指定史跡の保存活用計画にうたわれております遺跡のエリアや手法を踏まえながら、遺跡の保存を目指し、多くの皆様に活用していただけるよう、歩みを進めてまいります。  また、これ以外の民俗文化財を含む国指定・県指定・市指定、また有形・無形文化財等につきましても、都市化された中での文化財のありようを検討しながら、実施に向けての体制を整えつつ、市民の皆様が誇りにできるような地域の財産となるよう努めてまいりたいと存じます。  次に、先ほど紹介がありましたが、春日市教育委員会が発行しております「春日風土記」「続春日風土記」などの刊行物の周知と活用についてのお尋ねにお答えいたします。  議員御案内の「春日風土記」「続春日風土記」につきましては、それぞれ平成5年、平成21年に刊行しております。現在、冊子は資料館窓口に配置したり、奴国の丘歴史資料館ウエブサイトで紹介したりしているほか、市民図書館の郷土史料コーナーで展示し、気軽に手にとって見られるようにしております。また、これらの刊行物の内容を市民の皆様方に少しずつでも知ってもらうために、市報の奴国写真館コーナーや学校・地域での講話の中で継続的に紹介していきます。  今後も引き続きこのような形で周知ができるよう進めていきますとともに、多くの皆様方にこの記載内容を知っていただけるよう、考古・民俗企画展、市報、講座等、さまざまな場面で工夫しながら活用を図ってまいります。 78: ◯議長(金堂清之君) ここで暫時休憩いたします。  なお、再開は午後1時を予定いたしております。                ──── ─ ──── ─ ────                 休憩 午前11時55分                 再開 午後1時00分                ──── ─ ──── ─ ──── 79: ◯議長(金堂清之君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。  14番、松尾徳晴議員。 80: ◯14番(松尾徳晴君)〔起立〕 14番、松尾徳晴です。  春日市の遺跡、文化財の保存について再質問いたします。  須玖岡本遺跡は、国指定史跡、重要文化財に相当するものです。それから水城跡、これは国指定特別史跡、いわば国宝に匹敵するものだということを私は認識しました。  私は、春日市が一丸となって、須玖岡本遺跡が国指定特別史跡になるよう努力し、春日市民が誇りとなるようにしていただきたい。そのためにはどのようなことをすればいいか、要件等を教えていただきたいと思います。  次に、具体的に遺跡名が出された以外の文化財、それらについての検討は具体的に考えてあるのでしょうか。考えてあればお示しください。  2015年の6月議会で、岩切議員が須玖タカウタ遺跡について質問されました。そのときに、「現在、しばらく関係機関等で調査研究を行うことにしておりますので、少し時間がかかろうと思います。その後、研究成果がまとまりましたら、市民にわかりやすく周知してまいりたい」ということで言われました。結果報告は出ているのでしょうか、お尋ねします。  次に、春日市の遺跡等を対象に、各遺跡をめぐるスタンプを押したり、その遺跡に関するクイズに回答したり、それにポイントをつけたりして競争するゲーム、ウオークラリー等を企画し、これを継続していけば、多くの人に知ってもらえると思います。その際、各地区の遺跡でイベント等を行えば一層効果が、相乗効果で上がると思います。ただ、これには安全には万全を尽くす必要があるんじゃないかと思います。問題はあります。私が過去にこういう企画をしたときは、経験から言えば、参加者に大変喜ばれて有意義なものになりました。そういうことで御紹介いたします。  2回目の質問として、一つ、須玖岡本遺跡を国指定特別史跡になるための要件等を教えてください。  それから次の二つ目として、他の文化財について具体的に考えてあるかを教えていただきたいと思います。  それから、タカウタ遺跡の調査結果について。  4番目に、遺跡等を対象にしたウオークラリー等の事業を考えてもらいたいということで、検討をお願いします。  以上4点をお尋ねいたします。 81: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。 82: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 須玖岡本遺跡が国指定の史跡から特別史跡になるための要件は何かとの御質問にお答えいたします。  議員御案内のとおり、特別史跡は記念物に分類され、重要文化財でいうところの世界文化の見地から価値の高いもので、類いない国民の宝たるもの、いわゆる国宝に当たるものです。福岡県文化財保護課にこの要件をお尋ねしましたところ、自治体からの要請に基づいて審査が行われるという形態のものではないということでした。  別途確認しましたところでは、文化庁の調査官が次の五つの要件を挙げられております。一つ、広く国民に周知されている遺跡であること。二つ、遺跡の保存をしてきていること。三つ、保存された地区が整備・活用されていること。四つ、文化財部局の発掘調査と研修及び保存・整備・活用体制が整っていること。五つ、報告書の刊行がなされていることなどを勘案し、指定の格上げを行うとのことでした。  春日市としましても、弥生時代の国々の雄であった奴国の先進性や繁栄ぶりを今に伝える極めて貴重な遺跡である須玖岡本遺跡を、特別史跡化のような形で、国民の宝として多くの方々に知ってもらい、春日市民の誇りとなるよう取り組みができたらと考えているところです。須玖岡本遺跡の特別史跡化は、そのための一里塚として捉え、国・県との情報を密にし、検討してまいりたいと考えています。  次に、先ほど述べました水城跡、須玖岡本遺跡以外の文化財についてのお尋ねでございます。  現在、春日市関連の国・県・市の指定文化財については、有形・無形合わせて28件です。この中には、春日の婿押しのような無形民俗文化財、須玖岡本遺跡の王墓の上石のような有形文化財、春日小学校校庭のエンジュのような天然記念物などもありますが、これらの保存・継承に向け、所有者等とも協力し合いながら、春日市も当然、一定の役割を担うべきであると考えております。  また、12月議会で議員から御質問のありました、絵馬等の未指定ながらも貴重な遺物等につきましては、現在、十分な調査・保存ができている状況ではないこともあり、まずはこの保存・継承のための取り組みとして、専門的な知識・技能を有する担当職員の配置等も検討してまいりたいと考えております。  次に、須玖タカウタ遺跡5次調査につきましては、日本最古の多鈕鏡鋳型発見や、これまでほぼ事例がなかった多種多様な土製鋳型が発見され、全国的に注目を浴びたところですが、現在、今月末に完成予定の土製鋳型の鋳造再現実験のDVD制作や報告書刊行に向けて、鋭意作業を進めているところです。  なお、このDVDは、鋳造技術の解明とともに、須玖タカウタ遺跡から出土した土製鋳型が現代の私たちに何を語りかけてくれるのかをテーマに制作したもので、春日市民の方々はもちろんのこと、関連の学会等でも春日市をアピールできるよう、英語字幕版で制作しております。完成後はウエブサイト上でも公開し、広く世界へ発信できればと考えているところです。  次に、文化財を活用したウオークラリーの取り組みを御紹介いただきましたが、おかげさまで現在、自治会、PTA等で遺跡めぐりをしながら文化財を体感する取り組みが少しずつ広がりを見せてきているところです。今後ともこのような取り組みへの協力、支援を継続するとともに、現在、実行委員会で実施しております弥生の里かすが奴国の丘フェスタの奴国ラリー等に、ゲーム性などの新たな視点など、より楽しんでいただけるような工夫を検討してまいりたいと考えます。加えまして、現在人気のありますJRウオーキングのコースの一つに、昨年度からJRの御協力により、奴国の丘歴史資料館を入れていただいています。 83: ◯議長(金堂清之君) 14番、松尾徳晴議員。 84: ◯14番(松尾徳晴君)〔起立〕 14番、松尾徳晴です。  春日市の遺跡、文化財の保存について再々質問いたします。  国や県と情報を密にして、春日市の宝である須玖岡本遺跡をぜひ国指定特別史跡、国宝に格上げしてできるように、努力を続けていただきたいとお願いをしておきます。  それから、タカウタ遺跡を初めたくさんある遺跡、文化等の有効活用について詳しく説明いただき、現状がよく理解できました。この中で春日市をアピールする施策も述べられました。発信が世界に大きく広がっていけたらすばらしいことだと思います。  また、保存・継承のため、専門的な知識・技能を有する担当職員を配置する等、検討することを考えてあるようです。教育委員会の意気込みを強く感じました。本当に心強いと思います。専門職員の知識はきっと春日市の遺跡、文化等の保存、有効活用にとって大きな進歩になります。ぜひ実現することをお願いします。  ウオークラリーにつきましても、少しずつ広がりを見せているようです。私の提案も参考できれば、事業に加えていただければ幸いです。継続は力なりといいます。春日市民や他市から多くの人が参加し、事業が発展し続けることを願います。  以上、私の思いと要望を言いました。  終わりに一つ質問いたします。先日、春日市教育委員会は市内の上平田・天田遺跡から、弥生中期前半(紀元前2世紀)までにつくられた、ひすい垂飾(首飾り)が出土されたと発表されました。市内では初出土、県内で例が少ない貴重な資料ということです。これについてどのような見解を持ってあるのでしょうか、お尋ねします。  これで春日市の遺跡、文化の保存と有効活用についての質問を終わります。よろしくお願いします。 85: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 86: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 上平田・天田遺跡で発見された、ひすいの垂飾──いわゆる首飾りでございます──についての御質問にお答えいたします。  このひすいは、新潟県の糸魚川付近から産出されたと言われており、遺物そのものの価値は高く、珍しいものでありますが、単独で出土したため、遺物の背景を特定できるものがありません。発見された土層から時代はある程度推定されるものの、調査研究の手がかりがなく、現段階ではこれ以上の事実解明が難しい状況でございます。そこで当面は、はるかな道のりを超えて春日にやってきたこのひすいに歴史のロマンを感じていただけるように、市民の皆様への公開を予定しているところでございます。 87: ◯議長(金堂清之君) 14番、松尾徳晴議員。 88: ◯14番(松尾徳晴君)〔起立〕 14番、松尾徳晴です。  図書館について再質問いたします。  指定管理者の選考はプロポーザルで行われるとのことです。春日市にとって最適な提案をしっかりと見きわめて選んでいただくようお願いいたします。また、私が言うまでもないのでしょうが、仕様書等もできるだけ提案型に合ったものにする必要があると思います。ワーキングプアをつくらないための配慮もここでお願いをしておきます。これは関係者や市民が気になる微妙な問題でもあります。  また今回、春日市子ども文庫・読書サークル連絡会から提出された公開質問状にあったように、市民への説明、パブリックコメントを実施されていないことに納得されていない方もいらっしゃると思います。指定管理者制度の導入は、あくまで今ある施設の運営方法の変更であるため、実施しなかったということではないでしょうか。今後は導入のスケジュール等の周知を含め、市民や関係団体、議会にももう少し丁寧に、かつ適切なタイミングで説明していただきたいと思いますので、強く要望しておきます。  さて、先ほどの質問の繰り返しになりますが、私は直営図書館が善で指定図書館が悪だとは考えておりません。図書館の指定管理者導入のデメリットとしては、一般的に政策決定をする市と運営をする業者の分離や、指定管理者が変更になった場合の事業の継続性、その他機関との連携が課題として指摘されていますが、それは全ての指定管理者業務委託に共通して言えるもので、これらの課題は既に指定管理制度を導入している施設と同じように、行政で適切な管理監督を行えばよいのではないかと考えます。  図書館の指定管理のデメリットとは何を言っているのかわかりませんし、漠然とサービス低下につながると感じて不安を持っている人もあるのではないかと思います。回答にもありましたが、最小の経費で満足のいくサービス提供に民間を活用すること自体は、自治体にとって必要な行動だと言えるのではないでしょうか。しかし執行部には、市民が抱いている不安や誤解を解消する必要があります。市民が抱く不安等をどう捉え、その対策をどう考えておられるのかお尋ねします。  指定管理者導入後の市民へのメリットとなる具体的な施策は明確にお答えされませんでしたが、今回の指定管理導入は、公募による提案型で選考されるとのことですので、理解をいたします。執行部が具体的かつ詳細な事業の実施を提供すればするほど、民間ならではの豊かな発想による創造的な提案を行える余地が少なくなります。提案する事業者の特色を見えにくくするのではと思われます。執行部においても、今回、指定管理導入に対して、これまで市が思いつかなかったアイデアを民間に求めているのだと思います。このことが、執行部が具体的な回答に至らなかった理由であり、市民から見ると制度導入のメリットがわかりにくかった理由の一つではないかと考えます。市民から今以上にすばらしい図書館だと言われる特色ある事業等を示すことができれば、今回の議論もわかりやすいものになると思いますし、制度導入を多くの市民が理解する機会になるのではないでしょうか。  私は、今まで以上に愛される図書館になることを心から願っています。ですから、私から執行部に対し、他団体が既に取り入れている事業を提案いたします。子育て支援を視野に入れた託児サービス(例・千葉県の八千代市)、高齢者や障がい者への宅配サービス(例・北海道の恵庭市)、また、働いている方を支援するセカンドオフィス機能(東京都千代田区)、書架を目線の高さ程度とする配置(徳島市)などを検討されてはいかがでしょうか。  また、今後ふえ続ける高齢者の方が気楽に一日を過ごすことができれば、それが居場所づくりとなります。また、簡単な飲食ができるようにすれば、市民が図書館をより身近に感じることができる、自宅・職場以外の居場所、すなわちサードプレースとしての図書館の実現を考えてはと思いますが、いかがでしょうか。今の時点では明確な回答ができないと理解します。ですが、方向性だけでも回答していただけたらと思っております。  指定管理者導入後、適切なタイミングで利用者アンケートなどを実施して、その結果を分析し、参考にすれば、利用者参加型の事業ができると思います。そうすればアンケート回答の利用者は、図書館に対し愛着と理解が今以上に深まると考えますが、いかがでしょうか。
     次に、指定管理者導入の際、今まで図書館で行っていた事業でできなくなる事業等はあるのでしょうか。言いかえれば、別の課が図書館業務を事実上新たに行うということが発生しますが、それはどんな業務かお知らせください。  指定管理者導入後も、図書館要覧等で図書館運営費決算額等を記載し、直営時の図書館費と比較できるようにしてもらいたいと思います。これができれば経費削減等の効果が市民に理解できると考えますが、いかがでしょうか。  以上、よろしくお願いいたします。 89: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。 90: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 市民が抱く不安をどう捉え、その対策をどう考えているのかとの御質問にお答えいたします。  指定管理者制度導入に当たって、図書館の位置づけ、長期的・安定的な運営、学校図書館との連携、ボランティア団体との関係構築や活動の場の確保などを懸念される声もありますが、長期的な展望も含め、政策決定・運営方針はこれまでどおり市が行い、指定管理者はそれに沿って市民サービスを具現化するものであります。行政には、図書館行政を所管する部署に正規図書司書を配置し、経営方針の策定、進捗状況の管理、事業者の評価等を行ってまいります。  なお、パブリックコメント等の実施については、議員のおっしゃるとおり運営形態の変更であるため、実施しておりません。しかし、市民と協働で行う事業運営にボランティアの方々は欠かすことのできない存在ですので、これまでも図書館とかかわりの深いボランティア団体等へは、御理解が得られるよう説明を行ってまいりました。  また、業務仕様書の作成についても、現状を踏まえ、素案の段階から図書館協議会やボランティア団体の方々にも御意見をいただいており、できる限り反映させていきたいと考えております。制度導入後も引き続き御意見をいただきながら、少しでも早い時期に市民の皆様にメリットを感じていただけるよう、より魅力的な図書館となるよう努めてまいります。  次に、議員から御提案いただいた事業の実施についてお答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、具体的な事業はここでは申し上げられませんが、議員から提案いただいた子育て支援、高齢者・障がい者支援と、幅広い視点からの施策を講じることの重要性は十分に認識しております。具体的な事業名等を記載することはできませんが、公募に関する説明会におきまして、高齢者、子ども・子育て、勤労者サービスの提案を求めることも検討しております。  次に、指定管理者制度導入後に図書館の業務でなくなるもの、別の課で図書館業務を行うのかとの御質問にお答えいたします。  先ほどもお答えいたしましたが、指定管理者は市の方針に沿って市民サービスを具現化するものです。市民図書館内での業務は指定管理者が担うこととなります。行政には図書館行政を所管する部署に正規図書司書を配置し、経営方針の策定、進捗状況の管理、事業者の評価等々を行うとともに、学校図書館の充実にも努めてまいります。図書館運営は専門性の高い事業者に委ね、正規司書職員はこれまでの施設運営の経験を生かして、より多くの視野で読書のまちづくりの推進に特化できるようになると考えております。  次に、アンケートの年1回の実施と図書館要覧の作成については、仕様書に明記し、実施することとしております。なお、要覧に記載します具体的な内容については今後検討してまいります。アンケートの実施や図書館要覧等により、市民の皆様に御理解いただけるとともに、より市民図書館を身近に感じていただけるようになると考えております。 91: ◯議長(金堂清之君) 14番、松尾徳晴議員。 92: ◯14番(松尾徳晴君)〔起立〕 14番、松尾徳晴です。  図書館について再々質問いたします。  市民が抱く不安への対策として回答していただきましたが、市民の不安の一つに、図書館が行う本の貸出やイベント等の事業はほとんど無料であります。利益を生まない施設の管理を民間企業はしっかりと行ってくれるのだろうかという点もあると思います。図書館の指定管理を受託する業者にはどんなメリットがあるのでしょうか、お考えをお示しください。  また施設活用として、以前、2011年の9月議会の一般質問で私は、学習できる環境を多くの予算をかけないで準備をしてもらえたらと提案いたしました。例えば夏休みや受験勉強が必要な時期に、ふれあい文化センター研修室の利用ができないか研究してほしいと要望しています。指定管理者制度が導入されれば、このような柔軟な対応が可能になるのではないでしょうか。  また、図書館も民間の創意工夫により魅力ある事業を展開するには、今のスペースでは足りなくなるのではと考えます。図書館前のスペースはふれあい文化センターの管轄になりますが、有効に利用できるようにしていただければ、市民にとって大きなメリットになると思います。指定管理者導入のこのタイミングで、ぜひ決断していただきますようお願いします。  また、ブックシャワーの導入を検討していただくように要望します。視察に行った徳島図書館では、5階のこども室入り口、6階の一般室総合カウンター横に、図書館で借りた本を消毒できるブックシャワーを設置しています。ブックシャワーに本を入れてボタンを押し、30秒から1分間待つだけでの簡単な操作で、本についた細菌やほこりを除去することができる装置です。殺菌力が高く、インフルエンザ対策にも効果的であります。  最初の回答で、「図書館を利用されていない市民に図書館を利用してもらえると期待しています」とあります。図書館を利用しない人の理由の一つに、いろいろな人が触れる図書を敬遠される方も、少ないとは思いますがいらっしゃいます。そういうふうに聞いております。これらの人が図書館に足を運ぶようになると思いますが、いかがでしょうか。ブックシャワーの最大の特色は、何といっても衛生的であります。  最後に繰り返しに、事業の選考に当たっては、透明性を確保した上、春日市独自の特色を生かした、春日市にとって最適な提案をしっかり見きわめていただきますよう重ねてお願いをして、私の一般質問は終わります。 93: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 94: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 受託する業者にはどんなメリットがあると考えているのかとの御質問にお答えいたします。  一般的には、指定管理者制度の導入により、官から民へ、民間事業の拡大となり、市場開放とそれに伴う雇用の創出が見込まれると言われております。現在、図書館の民間指定管理者には、書店などの書籍流通業者や施設管理業者、人材派遣業者などが参入しております。もともと図書館にかかわりの深い業種が多く、指定管理業務を受託することにより、本来の書籍や書誌データの販売の促進、図書館運営から得たノウハウをもとにした図書館コンピューターシステムの開発等が見込まれるものと考えられます。  また企業理念として、公共図書館の改革とサービスレベルの飛躍的向上に貢献することを掲げている企業もございます。受託業務のほかに企業の基盤となる事業を持つ中で、貢献的事業と位置づけ、企業のイメージアップを図れることや、公共団体の事業を受託することにより企業の信頼度が上がるというメリットもあると推測しています。  事業者にとって、理念や研修制度は異なりますが、図書館の専門業者として図書館スタッフを育て、春日市らしい図書館サービスの実施を可能とする業者を選定することが、今回の指定管理者制度導入の重要な視点であると考えております。  なお、議員からさまざまな貴重な御提案がありました。ふれあい文化センターを活用した事業展開につきましても、指定管理者双方の持つノウハウやネットワークを存分に活用できるよう検討していきたいと存じます。また、衛生面で御提案がありましたブックシャワーの導入につきましても、あわせてしっかりと検討させていただきます。 95: ◯議長(金堂清之君) 13番、與國洋議員。  なお、與國議員は時間制にて質問いたします。 96: ◯13番(與國 洋君)〔登壇〕 13番、創政会の與國洋です。  私はさきに通告しています、ふるさと応援寄附金について、時間制により質問させていただきます。  ふるさと応援寄附金制度、いわゆるふるさと納税制度は、平成21年に創設されて以来8年が経過しております。この間、平成27年には手続の簡素化や寄附の上限枠の拡大など、ふるさと納税を推進する方向で改正が行われてきました。これらを受け、各自治体がより多くの寄附を集めようと、しのぎを削っている状況が続いております。春日市のふるさと納税への取り組みは少しおくれましたが、平成28年度にはこの推進に積極的に取り組んできておられます。  全国的には平成27年度の寄附額は約1,650億円と、平成26年度の4倍以上に急増するとともに、平成28年度はさらに増加すると見積もられております。一方、寄附集めの競争が加熱し、一部には過剰な返礼など、創設の趣旨を逸脱してきているのではないかとの指摘もあるのも事実であります。  このような状況の中、春日市へのふるさと納税は、平成27年度3件、17万5,000円であったものが、平成28年度12月末までの実績で、6万1,189件、額にして6億198万円へと急増しております。実にその倍率は、件数で3万倍、金額で3,500倍と、いずれも驚異的な伸びを示しており、目をみはるものがあります。担当所管の尽力とともに、これに伴う業務量の増加ははかり知れないものがあったものと思っております。春日市にとってはうれしい悲鳴といったところであるというふうに思います。  12月議会において、春日市へのふるさと納税が急増している状況の報告を受けるとともに、1月臨時議会において、寄附金に係る補正予算案の提案を受けております。この報告において、ふるさと納税額は約4億8,000万円であるが、返礼品代や委託料などを除いたふるさと納税による市の歳入増は1億8,000万円程度になるとのことでありました。寄附額の予想がつかなかったこと、活用の検討が当面困難なことなどの実情を考慮し、財政調整基金への積み立てに充てたとの説明がありました。  また、補正予算における委員長報告では、寄附金の使い道に当たっては、寄附者の意向を反映するようにとの要望も付言されております。これに加え、寄附に際して市としても寄附金の活用範囲について意見を聴取しておられる点からも、寄附者の意思を尊重して使用することが大切であり、これは道義にもかなうものだと判断をしております。  平成28年度のふるさと応援寄附金は6億7,200万円と見積もられておりますが、返礼品代や委託料などを差し引いても2億6,000万円程度の増収になると思われます。この28年度の寄附による実質増収分は、事業等においてどのような観点のもとで活用あるいは利用されるのでしょうか。  また、多くの寄附が春日市に寄せられると同時に、春日市民が他市へ寄附をしている状況もあると思います。春日市から外に出ている寄附金額は、平成26年、27年及び28年で、それぞれ幾らになっているのでしょうか。  これらの他市への寄附に伴い、本市の市税収入は減少することも考えられますが、他市への寄附行為は、本市の財政あるいは国による本市への財政援助などにどのような影響を与えることになるのでしょうか。  以上を1回目の質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。 97: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。 98: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 與國議員から、ふるさと応援寄附金についての御質問でございます。  まず、ふるさと応援寄附金の活用方法についてのお尋ねにお答えいたします。  議員御指摘のとおり、本市のふるさと応援寄附金では、寄附者が「若い世代の結婚から子育てまでの希望がかなうまちづくり」「九州で最も住みやすい魅力あるまちづくり」「超高齢・人口減少社会に対応した持続可能なまちづくり」「市長お任せ」の四つの分野から希望する使い道を選択することになっており、「市長お任せ」を除く3分野については、「春日市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に定めている三つの基本目標に対応させて設定しております。このことを踏まえた寄附金の活用方法につきましては、使い道の指定があった寄附金額に応じて、指定があった使い道に対応する今年度の事業で活用させていただきます。  次に、市内居住者の市外へのふるさと納税額についてのお尋ねにお答えいたします。  市外への寄附を行った人数は、平成26年が308人、27年が1,108人となっており、寄附金額の合計は、平成26年が2,381万5,000円、27年が1億4,692万9,000円となっております。平成28年の寄附金額については、現在、確定申告の受付を行っている段階であり、具体的な数値を把握しておりませんが、これまでよりも大きな金額になっていると見込んでおります。  次に、本市居住者が市外へふるさと納税を行うことにより、本市の財政及び国による財政措置などに対する影響についてのお尋ねにお答えいたします。  市内居住者が市外へふるさと納税を行った場合、寄附者の翌年度の個人市民税から寄附金額の一定額が控除されます。その合計額は、平成27年度が807万8,000円、平成28年度が4,603万2,000円となっており、議員御指摘のとおり、その分、市の収入は減少しております。また、このことによる国の財政支援措置につきましては、ふるさと納税に伴い個人市民税の税収が減少した場合、国に減少額とみなされた金額の75%が普通交付税で補填されることとなっております。 99: ◯議長(金堂清之君) 13番、與國洋議員。 100: ◯13番(與國 洋君)〔起立〕 創政会の與國洋です。  ふるさと寄附金制度は、個人としては税の一部を他市に寄附することによって返礼品がいただける。市としては、寄附による直接増収があるとともに、控除額の75%は国から補填されるというふうな説明でありました。個人には一つ、市には二つの利点があるのかなというふうに思います。よく言われますけれども、お互いにウイン・ウインと言いますけれども、この制度はウイン・ウイン・ウインと、もう一つウインがつく制度であるなというふうに思っています。真剣に取り組むことがまずは必要だというふうに思っています。  ところで、いただいた寄附金について、委託料12%、返礼品約40%、市の増収分40%などの配分割合の説明を受けております。寄附金に対し40%の返礼という比率は、税の一部をいただいているという観点から、いささか高いようにも思えますが、どのような根拠のもとでこの比率を決定されたのでしょうか。 101: ◯議長(金堂清之君) 内田経営企画部長。 102: ◯経営企画部長(内田賢一君)〔登壇〕 ふるさと応援寄附金の返礼率についてのお尋ねにお答えいたします。  本市のふるさと応援寄附金は、返礼率を約40%といたしております。これは他自治体の状況を調査したところ、平均的な返礼率が約40%であったこと、また、本市ふるさと納税を促進するために必要な魅力的な返礼品の提供と、ふるさと納税制度の趣旨に基づいた適正な返礼品の提供を比較検討した結果、最適な割合として設定したものでございます。 103: ◯議長(金堂清之君) 13番、與國洋議員。 104: ◯13番(與國 洋君)〔起立〕 創政会の與國洋です。  まあ、返礼についてはですね、足並みをそろえたということは理解いたしました。  春日市への寄附が一挙に増加したことは、委託業者によるふるさと納税に対するPR効果と、返礼品に対する人気が高まったことが大きな要因と思っています。その中でも本市にとって最も人気の高い商品は、牛もつ鍋と辛子明太子セットのようですが、これは1万円以上の寄附者に対する返礼品となっております。この商品を返礼に求める1人当たりの寄附額は幾らになっているのでしょうか。 105: ◯議長(金堂清之君) 内田経営企画部長。 106: ◯経営企画部長(内田賢一君)〔登壇〕 牛もつ鍋と辛子明太子セットを返礼品として求める場合の1人当たりの寄附金額についてのお尋ねにお答えいたします。  牛もつ鍋と辛子明太子セットを返礼品として選択された寄附者のほとんどの方が、寄附金額1万円となっております。 107: ◯議長(金堂清之君) 13番、與國洋議員。 108: ◯13番(與國 洋君)〔起立〕 まあ、求める商品がもらえる最低の額の寄附となっている状況であるというふうに思います。このような状況の中、平成29年度のかすがふるさと応援寄附金は、平成28年度の実績を踏まえ、約5億円が見積もられています。先ほど一番人気の商品に対する1人当たりの寄附金額を確認しましたが、このことから、残念ながら多くの寄附者が返礼品を目当てにしている現状が浮き彫りにされたとも思っております。  逆に、ニーズに合う商品があれば寄附は増加するという構造であり、返礼品は重要な鍵を握っているとも言えます。また、寄附が返礼品目当てとなれば、昨年うまくいったからことしもうまくいくということは必ずしも言いがたい点があります。これに対処するためには、返礼品と真心で応えることが大切であるというふうに思っております。  現在、返礼品は品物として112品目のリストが挙がっていますが、返礼品としては商品のみならずサービスなども考えられると思いますが、今後の返礼品開発に対するお考えはいかがでしょうか。 109: ◯議長(金堂清之君) 内田経営企画部長。 110: ◯経営企画部長(内田賢一君)〔登壇〕 ふるさと寄附金の今後の返礼品開発に対する考えについてのお尋ねにお答えいたします。  今後も多くの方から御寄附いただくために、返礼品の金額区分及び登録上限数の拡大を行い、市内商工業者に御協力をいただきながら、魅力的な返礼品の開発に努めてまいります。また、体験等のサービスの提供につきましても返礼品として提供いただけるように、返礼品の募集要項を既に改正いたしております。 111: ◯議長(金堂清之君) 13番、與國洋議員。 112: ◯13番(與國 洋君)〔起立〕 13番、與國洋です。  まあ、私が提言するまでもなく、募集要項の変更なども既に処置をされているということで、まずは安心しております。  ところで、寄附者には本人の選択に基づく返礼品が送付されることになりますが、このふるさと納税制度の趣旨は、納税意識の高揚とともに、ふるさとの活動を応援したり、我がまちを知っていただき、活動などへの協力を得ようとするものであります。寄附を受ける側としても、このふるさと納税の趣旨は大切にしなくてはいけないと判断をしております。  本市のホームページやふるさと納税取り扱いサイトにおいて、春日市のいいところ、あるいは春日市の紹介を確認することはできますけれども、商品の返礼に際し、改めて春日市を紹介した資料などを一緒にお届けすることは、ふるさと納税の趣旨を具現する面からも、またリピーターの確保の面からも、必要なことと思っています。返礼品のお届けに際し、商品のみを送るのではなく、改めて春日市を紹介するような資料等も一緒に送るということも必要ではないかというふうに判断していますが、どのようにお考えでしょうか。また、本市として返礼品をお届けする際に配慮されているようなことはあるのでしょうか。 113: ◯議長(金堂清之君) 内田経営企画部長。 114: ◯経営企画部長(内田賢一君)〔登壇〕 ふるさと応援寄附金を活用した本市のPRについてのお尋ねにお答えいたします。  現在、本市ウエブサイトでは、寄附者に本市の概要をお知らせするため、本市の紹介ページを掲載させていただいております。また、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」の中にも本市の紹介ページを掲載し、本市の情報等を発信しております。また昨年の12月初旬には、天神岩田屋本店前広場で実施した、株式会社さとふる主催のふるさと納税イベントに本市も参加し、かすがふるさと応援寄附金をPRするとともに、本市の概要パンフレットも街頭で配布し、本市の紹介もあわせて行ったところでございます。  返礼品開発の際に本市をPRする方策につきましては、現在、事業者に返礼品の配送準備を行っていただいており、新たな事業者負担が生じる等の課題もございますので、効果とあわせて検証してまいりたいと考えております。 115: ◯議長(金堂清之君) 13番、與國洋議員。 116: ◯13番(與國 洋君)〔起立〕 13番、與國洋です。  業者の負担もあり、効果を検証するとのことでありますけれども、私は決して大幅なことをしろというふうなことを言っているわけではないんですね。返礼品の中にもう一度、「さとふる」に出ているパンフレットや、市がホームページで出しているような案内をもう一度そこでやると、返礼品が来たとき、春日市をもう一遍見るという意味でのことを考えて、決してオーバーなもの、あるいは別送にして何かしなさいということではありません。まあ、そういう趣旨を踏まえていただきですね、どうか前向きにですね、検討していただきたいというふうに思っております。  次に、かすがふるさと応援寄附金の使途は、先ほど説明がありました「希望がかなうまちづくり」「魅力あるまちづくり」「持続可能なまちづくり」「市長お任せ」の四つの分野から選択することになっているとのことでありましたが、現実はその回答の状況はどのようになっているのでしょうか。 117: ◯議長(金堂清之君) 内田経営企画部長。 118: ◯経営企画部長(内田賢一君)〔登壇〕 寄附金の使途に関する申し出の状況のお尋ねにお答えいたします。  12月末までに寄附をしていただいた方のうち、「若い世代の結婚から子育てまでの希望がかなうまちづくり」への活用を希望された方が約20%、「九州で最も住みやすい魅力あるまちづくり」への活用を希望された方が約6%、「超高齢・人口減少社会に対応した持続可能なまちづくり」への活用を希望された方が約5%、「市長お任せ」への活用を希望された方が約70%となっております。 119: ◯議長(金堂清之君) 13番、與國洋議員。 120: ◯13番(與國 洋君)〔起立〕 創政会の與國洋です。  「市長お任せ」が約70%であるということ、このことから見ると、市への関心は必ずしも高くないのではないかなというふうにうかがえますけれども、しかし4分の1近くの人が使い道を指定しておられるということは、大変なことだというふうに思っています。この意見は十分反映する必要があるというふうに私自身も思っていますし、議会もですね、きっと補正予算の審議のとき、「使い道についてはそれぞれの意思を尊重してくださいよ」ということを付言したことについては、議会の総意でもあるというふうに私は思っております。  1月の臨時議会において、寄附金に伴う補正予算では、応援寄附金増収分は財政調整基金に積み立てた旨の説明があったように理解をしております。現に増収分と財政調整基金への積立金はほぼ一致しております。しかしながら、使途に対する質問に対し、市長は、寄附金額に応じて指定があった使い道に対応する今年度、28年度の事業で活用すると言われましたが、3月補正予算において寄附増収分に相当する財政調整基金の取り崩しはされておらず、寄附金が28年度の事業に使われたような構図には見えません。お金に色分けはされておらず、最終的に金額の調整が図られたものと思われますけれども、どのような構造になっているのでしょうか。 121: ◯議長(金堂清之君) 内田経営企画部長。 122: ◯経営企画部長(内田賢一君)〔登壇〕 ふるさと応援寄附金の増に伴う財政調整基金の積み立てについてのお尋ねにお答えいたします。  本市におきましては、ふるさと応援寄附金は先ほど御説明いたしました四つの分野から選択することとなっておりますが、これらはいずれも総称的なものであり、具体的にどのような事業に充当するかは特定されないため、予算上は一般財源となります。しかしながら、総称的とはいえ寄附者の意向が示されておりますので、その意向を尊重して、指定された分野の事業に一般財源として活用するという考え方でございます。一般財源であるため、歳入として受け入れた時点で一般財源全体の中に溶け込んで、議員御指摘のとおり色分けはなくなります。  1月臨時議会で御議決いただきました一般会計補正予算におきましては、歳入歳出予算の双方にふるさと応援寄附金関連予算しか計上されていなかったため、予算書の上では、歳入であるふるさと応援寄附金から、歳出である返礼品の送付等に要した費用を差し引いた残りの額を積み立てたような印象になりますが、実際にはふるさと応援寄附金が一般財源全体の中に溶け込んで色分けがなくなった後に、財源調整を行った結果、余った一般財源を積み立てるものとなっております。 123: ◯議長(金堂清之君) 13番、與國洋議員。 124: ◯13番(與國 洋君)〔起立〕 創政会の與國洋です。  まあ、寄附者の意向を反映した使い道になっていればいいと思っています。しかしながら、説明も必要ではないかなというふうに思っています。まずはですね、では、寄附金は具体的に28年度の事業にどのように活用あるいは充当されたのでしょうか。 125: ◯議長(金堂清之君) 内田経営企画部長。 126: ◯経営企画部長(内田賢一君)〔登壇〕 ふるさと応援寄附金の具体的な使い道として、どのような事業に対して活用されたのかとのお尋ねにお答えいたします。  ふるさと応援寄附金の具体的な活用といたしましては、選択いただいた四つの分野ごとに、「若い世代の結婚から子育てまでの希望がかなうまちづくり」として、放課後児童クラブの新設事業や不妊治療費助成事業などに、また、「九州で最も住みやすい魅力あるまちづくり」として、小中学校大規模改修事業などに、また、「超高齢・人口減少社会に対応した持続可能なまちづくり」として、地区公民館の大規模改修事業などに、「市長お任せ」コースにつきましては、本市の特性や重点施策等を勘案し、学校普通教室空調設備整備事業、保育所整備事業、公園遊具の整備などに活用いたしております。
     今後も寄附者の思いを尊重しつつ、ふるさと応援寄附金が役立てられていることが実感できる事業に有効活用させていただきたいと考えております。 127: ◯議長(金堂清之君) 13番、與國洋議員。 128: ◯13番(與國 洋君)〔起立〕 質問としては最後としますけれども、寄附金についてはですね、やっぱり意思を反映していることを示す必要があるというふうに私は理解をしております。寄附者の意思を尊重し、寄附をいただいた方への感謝の気持ちをお届けすることは、日本人の精神にもかなうものであります。また、返礼品目当ての傾向の一隅に真心を伝えるためにも、寄附を得て実施した事業内容や、その後の春日の状況などをお知らせすることは、春日市への興味と関心を助長し、本市への応援リピーターの確保のためにも必要であるというふうに思っております。  そこで、寄附をいただいた方への感謝の気持ちのお届けとして、昨年度、ふるさと創生事業の一環で作成したプロモーションビデオ、あるいは29年度のプロモーション事業の成果など、CDに吹きかえてお届けすること──これは多少お金がかかるかと思いますが──あるいはホームページにおいて寄附金のお礼及び活用を公開することも有効な手段であるというふうに思っています。まあ、ホームページの場合はそんなに金はかからないというふうには思っています。感謝の気持ちをお届けすることについて、いかがお考えでしょうか。 129: ◯議長(金堂清之君) 内田経営企画部長。 130: ◯経営企画部長(内田賢一君)〔登壇〕 寄附者に対する活用方法の公開等についてのお尋ねにお答えいたします。  寄附金の活用状況につきましては、今年度の決算報告時期に合わせて春日市ホームページに公開する予定といたしております。現在、ふるさと応援寄附金に係る経費は寄附金の約6割を占めているため、できるだけ経費をかけずに本市のPRが行えるように、「さとふる」ホームページに本市PR動画「さすが、かすが。」を掲載する等、検討してまいります。 131: ◯議長(金堂清之君) 13番、與國洋議員。 132: ◯13番(與國 洋君)〔起立〕 まあ、真心が伝わればですね、寄附はまた続くし、リピーターもふえるのではないかなというふうに思っています。当面はホームページを活用するとのことでありました。寄附者の意向を最大限に具現するとともに、その実態や成果を知らせるよう、積極的に取り組んでもらいたいというふうに思います。そういうことをしていただくことを要望し、私の一般質問を終了させていただきます。どうもありがとうございました。 133: ◯議長(金堂清之君) 6番、白水勝己議員。  なお、白水議員は回数制にて質問いたします。 134: ◯6番(白水勝己君)〔登壇〕 6番、春風会の白水勝己です。  私は、さきに伝えていました2項目を回数制にて質問をさせていただきます。  1項目めに、長浜太宰府線整備事業について。  平成28年11月に国の認可を受けた長浜太宰府線は、既に福岡市南区区域と大野城市区域では整備が完了しており、未整備区間となっている春日市域の須玖北工区について、平成29年度の事業計画をお尋ねします。  次に2項目めに、普通救命講習(AED講習)について。  中学2年生は保健体育の授業でAEDについて勉強しており、本市6中学校の2年生全員に授業として、普通救命講習修了証を持ってもらうことは可能なのかをお尋ねします。  以上2項目を質問として、1回目の質問とします。どうぞよろしくお願いします。 135: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。 136: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 白水勝己議員から、長浜太宰府線整備事業についての御質問でございます。  須玖北工区に係る平成29年度の事業計画についてのお尋ねにお答えいたします。  昭和47年に都市計画決定された長浜太宰府線は、福岡市中央区長浜を起点として、春日市を経由し、大野城市緑ヶ丘を終点とする都市計画道路であり、福岡都市圏を南北に貫く重要な幹線道路でございます。  全延長約14.48キロメートルのうち、福岡市域、大野城市域については整備が完了しており、残る春日市域のうち約1.9キロメートルが未整備となっております。そのため、本路線と並行する主要地方道福岡筑紫野線や県道板付牛頸筑紫野線が慢性的に渋滞し、その渋滞を回避する多くの車両が生活道路に迂回するなど、本市北部地域の住環境面での課題を抱えている状況です。  本市といたしましても、関係する自治会と連携して、長浜太宰府線建設促進期成会を設立し、円滑な交通の確保及び本市北部地域の安全性の向上に向けて、福岡県に対しまして、本路線未整備区間の早期事業着手及び早期完成を強く要望しているところでございます。  一方、福岡県も、福岡都市圏を南北に結ぶ道路整備の必要性は十分に認識しており、本市の要望を受けて事業化を検討し、平成27年には都市計画の変更を行い、平成28年11月に事業認可の取得に至ったものです。平成29年度の事業計画につきましては、まずは今月中に地元説明会を開催し、その後、用地測量に着手するとともに、その進捗状況によっては一部補償調査も行うとのことでございます。  なお、普通救命講習についてのお尋ねにつきましては、教育長に答弁させます。 137: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。 138: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 次に、普通救命講習(AED講習)についての御質問でございます。  春日市内中学校2年生全員に、授業を通して普通救命講習修了証を持つことが可能かとのお尋ねにお答えいたします。  まず、この機会に本市の学校現場の状況を御説明させていただきますと、児童生徒の安全管理の面から、教職員を対象に、春日・大野城・那珂川消防本部の協力のもと、夏季休業中に普通救命講習を4時間実施しております。また、新規採用教職員及び既に受講済みの教職員のうち3年間を経過する者については、改めての受講を必須とするなど、さらなる児童生徒の安全管理に努めているところです。  議員御案内の普通救命講習につきましては、現在、消防本部においてさまざまなコースが用意されており、履修に当たっては3時間から4時間程度を要し、修了証が交付されるとのことであります。  次に、救命講習に関連する実際の授業について御説明をいたしますと、現行の中学校2学年における学習指導要領では、保健体育に定める履修領域として二つの単元があります。一つは健康と環境について、もう一つは傷害の防止についてであります。  まず、一つ目の健康と環境につきましては、人の体には環境に対する適応能力があることや、水や空気と健康とのかかわり、人間の生活によって生じた廃棄物等に関する学習内容となっております。  また、二つ目の傷害防止については、応急手当に関して、心肺停止に陥った人に遭遇したときの応急手当としての気道確保、人工呼吸などの心肺蘇生法が取り上げられ、実習を通して理解できるようにすること、また、必要に応じて自動体外式除細動器、いわゆるAEDにも触れるようにするとされております。  授業時間を見ますと、1年間で体育分野で90時間程度、保健分野では16時間程度となっており、2学年における保健分野に割り当てる16時間の中で、先ほど申し上げました健康と環境、傷害の防止の二つの大きな単元に加えて、消防本部主催の講習会をそのまま授業時間の中に取り入れることは非常に難しいと言わざるを得ません。議員御質問の修了証の取得は困難な状況であります。  ちなみに現在、消防本部におきまして、中学生以上を対象とする普通救命講習に、受講時間45分間の入門コースの導入が計画されており、内容は心臓マッサージやAEDの使用に関するもので、受講後に参加証が交付されているようで、いずれにしましても貴重な御提案であると受けとめております。 139: ◯議長(金堂清之君) 6番、白水勝己議員。 140: ◯6番(白水勝己君)〔起立〕 6番、白水勝己です。  長浜太宰府線整備事業について再質問いたします。  福岡都市圏を南北に結ぶ重要な幹線道路であり、平成29年度は地元説明会を実施後に用地測量を実施する予定としており、一つ目に、長浜太宰府線須玖北工区とは、福岡市南区境界域から春日市内域約1.9キロのどのくらいの範囲かをお尋ねします。  二つ目に、須玖北工区に関係する自治体と連携し、長浜太宰府線建設促進期成会も設立されており、用地取得はいつごろから始められるのかをお尋ねします。  三つ目に、用地測量の進捗状況によっては一部補償調査を行うとは、どのような場合を想定されているのかをお尋ねします。  以上3点をお尋ねして、再質問といたします。 141: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。 142: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 まず、長浜太宰府線須玖北工区の範囲についてのお尋ねにお答えいたします。  起点は本市北側、須玖北9丁目。福岡市との行政界であり、終点は須玖北6丁目、主要地方道大野城二丈線との交差点となっております。事業延長は420メートルでございます。  次に、用地取得はいつごろから始めるのかとのお尋ねにお答えします。  平成29年度に用地測量を実施する予定でございますので、用地買収は平成30年度からとなる見込みでございます。  最後に、一部補償調査を行うとはどのような場合を想定しているのかとのお尋ねにお答えいたします。  平成29年度に用地測量を行い、早い段階で用地境界が確定した範囲において、早期買収希望があった場合に、県の予算の範囲内において補償調査を実施する可能性があります。 143: ◯議長(金堂清之君) 6番、白水勝己議員。 144: ◯6番(白水勝己君)〔起立〕 6番、白水勝己です。  再々質問は要望といたしますので、回答は不要です。  長浜太宰府線春日市区域内1.9キロ未完成部分をですね、早く完成するため、県への要望をお願いして、1項目めの質問を終わります。  次に、2項目めの普通救命講習(AED)について再質問をいたします。  御回答にありましたように、現状では中学2年生の限られた保健体育の授業時間内では、普通救命講習(AED講習)修了証をとらせることは難しいが、先ほど、春日・大野城・那珂川消防署にて中学生以上を対象とした受講時間45分の入門コースを紹介していただきましたので、市内6中学校の2年生全員に保健体育の授業として受講できる方向で検討してもらえるかをお尋ねして、再質問といたします。 145: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 146: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 普通救命講習入門コースであれば、保健体育の授業として受講できることは可能かとのお尋ねにお答えいたします。  先ほど申し上げました消防本部で計画されています入門コースの設定がなされれば、教育委員会としては、保健分野の狙いである傷害の防止についての理解を深める上で有効な取り組みであるとの考えから、各中学校へ情報提供をしたいと考えております。その後につきましては、各中学校での検討を踏まえて実施する方向になるのではないかと考えているところでございます。 147: ◯議長(金堂清之君) 6番、白水勝己議員。 148: ◯6番(白水勝己君)〔起立〕 6番、白水勝己です。  御回答ありがとうございます。再々質問は要望といたしますので、回答は不要です。  夏の中体連以降、部活動や生徒会活動などリーダーシップを発揮し、中心となって中学校を引っ張っていく2年生に、保健体育の授業として、また春日市の将来を支えていく人材育成のため、普通救命講習(AED講習)入門コースの受講を春日市教育委員会独自の取り組みとして、毎年の継続事項のできるよう要望して、私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。 149: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。  なお、川崎議員は時間制にて質問いたします。 150: ◯1番(川崎英彦君)〔登壇〕 1番、川崎英彦です。  私は通告に従いまして、文化財の活用についてと、公園利用と安全対策についての2項目を時間制にて質問させていただきます。  まず初めに、文化財の活用についてお伺いいたします。  平成27年5月、本市の須玖タカウタ遺跡で、青銅鏡の鋳型としては国内最古、多鈕鏡の鋳型としては日本初の石製鋳型の一部が出土したのに続き、昨年3月には須玖岡本遺跡から、墓穴の大きさは国内最大級の甕棺墓の中から、長さ42センチ、幅5センチほどの銅剣と、銅剣に飾りとしてつけている青銅製の把頭飾が発見されました。  須玖岡本遺跡は、皆様御存じのとおり、志賀島で出土した金印に刻まれた「漢委奴国王」で有名な奴国の中心地であると言われております。昭和61年に国の史跡に指定された弥生時代中期から後期の大規模な遺跡群の一部であります。現に多くの副葬品が出土した奴国王の墓があり、弥生時代後期には青銅器工房やガラス工房がつくられ、奴国の文化が栄えた地だと言われております。今回の発見された青銅製の把頭飾も全国紙で取り上げられ、私のような素人でも考古学的価値が高いのではないかという期待をしているところであります。  そこで、今回の大発見から1年がたとうとしているわけですが、そろそろ研究調査も進み、発表の時期かと思いますので、その歴史的な意義についてどのように認識されているかをお伺いしたいと思います。  また、発見された状態は余りよくないせいか、春日市奴国の丘歴史資料館のウエブサイトには記者発表当時の情報しか掲載されておりません。今後、市民への周知をどのように行っていくかもあわせてお聞かせください。  次に、公園利用と安全対策についてお伺いいたします。  春日市には多くの公園がございますが、今回はため池に併設もしくは隣接されております公園についてお聞きいたします。  当市では、春日市溜池保全条例によってその自然環境が保たれており、一部には公園も併設もしくは隣接されております。市民にとっては憩いの場所であり、水や自然の恩恵を実感できる貴重な場所であります。そしてその条例の目的には、「この条例は、ため池の適正な保全を総合的に推進して住民の健康で文化的な生活を確保し、もって公共の福祉に寄与することを目的とする」と明記されており、基本理念としては、「ため池は、自然が与えた最高の資産たる水をたたえ、健康で文化的生活に不可欠な自然環境の中心的存在であることに鑑み、広く現在の住民がその恵沢を享受するとともに、将来の住民が良好な自然環境を継承できるよう、何人も、適正なため池の保全に努めなければならない」とうたわれております。  我々市民が健康で文化的な生活を確保し、その自然環境の恵沢を享受するには、利用者全員の共通のマナーが不可欠であることは言うまでもありません。しかし現在、市内全てのため池は釣りが禁止となっておりますが、公園が併設もしくは隣接されている大牟田池や白水大池では、釣りによる被害が報告されております。不安な思いで毎日を過ごす市民の方もいらっしゃいます。  そこで、公園が併設もしくは隣接されているため池に関して、どのような苦情が寄せられているのか、現状の課題をどう考え、その対策をどのようにしているのかをお聞かせください。  以上で1回目の質問を終わります。 151: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。 152: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 川崎議員から、公園利用と安全対策についての御質問でございます。御質問の順序とは異なりますが、先に私から答弁させていただきます。  まず、公園が併設されているため池に関して、どのような苦情が寄せられているのかとのお尋ねにお答えいたします。  本市には、ため池が併設もしくは隣接している都市公園は、白水大池公園、大牟田池自然公園、大丸池公園、一の谷第2公園、紅葉ヶ丘第2公園及び紅葉ヶ丘第3公園の計6カ所あります。このうち白水大池公園及び大牟田池に隣接する公園で、年に数件の釣りに関する苦情が寄せられています。  次に、現状の課題をどのように考え、その対策をしているのかとのお尋ねにお答えいたします。  釣りなどの行為が他の公園利用者に及ぼす危険性や、釣り人などが放置するごみ等による環境悪化の問題及び防犯上の問題を課題と考えております。市といたしましては、こうした課題解決に向けた対策として、注意看板を設置するとともに、平成22年7月からは公園等管理指導員を配置し、白水大池公園などを巡回して、釣りなどの違反行為者に対する注意・指導等の実施に努めているところです。  なお、文化財の活用についてのお尋ねにつきましては、教育長に答弁いたさせます。 153: ◯議長(金堂清之君) 山本教育長。 154: ◯教育長(山本直俊君)〔登壇〕 次に、文化財の活用についての御質問でございます。  まず、弥生時代の遺跡からの重要な発見があった須玖タカウタ遺跡5次調査及び須玖岡本遺跡20次補足調査の成果、意義及びその周知についてのお尋ねにお答えいたします。  なお、須玖タカウタ遺跡5次調査につきましては、先ほど松尾議員に回答いたしましたので割愛させていただきます。  さて、須玖岡本遺跡20次補足調査における、日本最大規模の墓坑から出土した甕棺から取り上げられました銅剣等につきましては、現在、泥から取り上げ、分離を行い、そのデータ記録を行っているところです。今後さらに調査分析を行い、平成30年度の報告書刊行に向けて、研究者、九州国立博物館、九州歴史資料館などの協力を仰ぎながら作業を進めてまいります。いずれも、その歴史的意義につきましては報告書の刊行をもって正式なものとなりますことから、市としての認識も含め、いましばらくお待ちいただければと存じます。  次に、須玖岡本遺跡20次補足調査で取り上げられました遺物の周知についてのお尋ねにお答えいたします。  この銅剣や把頭飾の遺物につきましては、取り上げた際、遺物が水分の多い泥の中にあったため、良好な状態ではありませんでした。来年度、この保存処理への作業工程の中で、適宜、市報や奴国の丘歴史資料館のウエブサイトで情報提供ができればと考えているところです。 155: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。 156: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦でございます。  文化財の活用についてのほうから再質問させていただきます。  須玖タカウタ遺跡5次調査、松尾議員の御質問の中でもそうでした。で、今御回答いただきました岡本遺跡20次調査、ともに現在調査中、歴史的意義について正式な報告書を待って発表したいという御回答でありました。日本初の多鈕鏡鋳型、福岡平野初の把頭飾ということは間違いないんですから、個人的にはすばらしい、郷土遺産としては、まさに春日の宝物であるというふうに認識をしております。報告書を待たずとも、アピールできるところはどんどん現時点でもやっていただきたいというふうに考えているところです。これらを有効に利用すること、アピールしていくことは、発見した我々春日市に課せられた義務だとも感じているところです。  春日市民の郷土愛、帰属意識、それらを高めるには、春日市の歴史、弥生時代の奴国遺跡群を誇りに思い、知人や友人に伝えたくなるようなインパクトのあるPRが必要であります。今回、須玖岡本遺跡20次補足調査で出土しました銅剣は、十文字型の飾りが伴っている銅剣であります。形としては福岡平野初でありますし、銅剣としてもインパクト十分だと思います。市民の皆さんが春日市の歴史に触れ、その価値や魅力を感じていただくことは、春日市民の郷土への愛着や誇りを高めることにつながってまいります。  そこで、その把頭飾銅剣を復元し、レプリカをつくり、身近に感じる場所で展示をしてはいかがかと御提案をさせていただきます。多くの市民が集まる市庁舎やふれあい文化センターなどに展示して、市民遺産として明確に打ち出すことで、郷土愛の醸成につながるのではないでしょうか。また、市内の小中学校の玄関に展示をすれば、子どもたちのアイデンティティーと自己肯定感の確立にもつながってまいります。  まあ、私も少年の心を持ち続けているとよく言われるんですが、こういう私でもですね、その銅剣は非常に手をとって見たくなるほど興味があります。子どもたちも間違いなく興味を示すと思います。将来的には、この把頭飾を取りつけた銅剣と、須玖タカウタ遺跡で出土しました多鈕鏡、そして勾玉、いわゆる三種の神器、それらを展示して、「僕らが育った春日市ははるか2,000年の昔から栄え、三種の神器を持った王が国を治めていた。その名は、国宝でもある金印に刻まれた国、奴国である」、それを明確に記録するものが、たとえレプリカであったとしても、春日で育つ子どもたちの心に十分刻まれて、ふさわしいものになるのではないでしょうか。その点について御見解をお願いいたします。 157: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長
    158: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 今回、須玖岡本遺跡で発掘された銅剣等を活用し、市民、特に市内の子どもたちの郷土愛を育む取り組みを行ってはどうかとの御提案にお答えいたします。  先ほども申し上げたところでございますが、現在、銅剣等につきましては、取り上げと記録の段階で、来年度以降、保存処理等に着手する予定でございます。その後、市内外の方々に広く周知し、その活用を進めてまいります。  この具体的な内容につきましては、現在検討中でございますが、議員御提案の三種の神器をイメージしたレプリカ作成といったアイデアも視野に入れつつ、この銅剣や、多鈕鏡鋳型の遺物を、3D計測やCTスキャン等の最新技術をもってデータ計測しております。今後これらを活用し、バーチャルリアリティー技術などを使った取り組みができないかと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、こういった方面の技術の発展、革新は日進月歩であるため、今後、活用事例などを含め、情報収集等に努めてまいりたいと考えております。 159: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。 160: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦でございます。  御回答ありがとうございます。3D計測やCTスキャン等の最新技術をもってデータ計測を行ったものを今後活用して、バーチャルリアリティー技術などを使った取り組みなどを考えているという御回答でありました。バーチャルリアリティーを活用するという新しい取り組みでございますけれども、子どもたちの好奇心をかき立てるにはすばらしい取り組みであると考えております。  まあ、個人的にはバーチャルよりも、僕は実体験、実物を手にして、実物と同じ大きさのレプリカを手に持って、またはそれを復元したものを、その重さを感じて、遠い昔、奴国の時代に思いをはせ、感触として記憶する体験型のほうが、大人になっても奴国への思いが残る気がいたします。私の小学生のころ、土器や青銅器が木箱に入っていまして、小学校でですね、木箱に入っていて、誰でも手にとってさわることができておりました。また、通学路の土手からは甕棺が土から露出していた状態のままだったのを記憶しております。古代の奴国の時代にタイムスリップしたかのような、そういうイメージを持って毎日通学をしておりました。  先ほど私は、把頭飾と銅剣、多鈕鏡、そして勾玉と、新しいレプリカをつくってはと御提案をさせていただきました。まあ、難しいようであれば、既に平成26年にタカウタ遺跡から出土した土製鋳型片から、本来の土製鋳型、それも市内の遺跡の土を使い、製作当時のものを可能な限り復元して、銅貨のレプリカを現在製作をしているということでございますので、そのせっかくつくったレプリカをまた量産しまして、市内の小学校12校、中学校6校の玄関等に展示してはいかがでしょうか。改めてお聞きしたいと思います。市民遺産として明確にイメージできるレプリカを、子どもたちの郷土愛醸成のため、そしてアイデンティティーと自己肯定感の確立のために、市内の小中学校の玄関に展示することについての御見解をお聞かせください。 161: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 162: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 須玖タカウタ遺跡出土鋳型で復元した銅貨レプリカを、市内小中学校18校の玄関に展示することについて、いかがかとの御提案、御質問にお答えいたします。  議員御案内の、遺物を触感などで体験する重要性については、昨今、全国の博物館でも、色、形、重さなどをそっくりに復元したハンズオンタイプの遺物のレプリカを自由にさわってもらい、体感するという、触れる展示という手法が注目を浴びており、取り組みが始まっています。今後は奴国の丘歴史資料館展示事業として、ニーズの高さが予想される多鈕鏡鋳型のハンズオンタイプのレプリカ作成等は、研究、検討していきたいと考えております。  議員御提案の、市内小中学校玄関での銅貨レプリカの展示については、スペース、管理、効果の面から、実施は難しいものと考えているところです。  なお、これら最新の遺物については、全保護者に毎年度配布しております教育要覧でございます、平成29年度版のエデュケーション かすがの表紙に、写真で春日の文化財最新情報としてこまを設けて掲載をして、広く市民、保護者の方に御案内をさせていただいているところでございます。  加えて、先ほども申しましたが、現在、再現実験のDVDを作成しているところでございます。 163: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。 164: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦です。  再質問を続けさせていただきます。  市内小中学校の展示は難しいということでございました。まあ、残念でございますけども、いろいろ予算の関係とか工期の関係とか多々あるとは思いますが、子どものころから春日市の宝である奴国遺産を身近に感じる、そういうレプリカ、そのことをですね、子どもたちに触れさせることは、今の春日市にとって、そして子どもたちにとって、とても大切なことだと私は強く感じているところでございます。  松尾議員の御質問のところの回答にもありましたけど、今現在、再生したDVDをつくっていると。とても私も興味があるところでありますので、その完成は期待をして待ちたいと思っております。  文化財の活用として、市民遺産として、その周知、子どもたちの郷土愛の醸成、郷土としての誇り、そして自信や自己肯定感の確立などについて質問してまいりました。それは文化財の活用という戦術は、奴国としてのイメージ戦略にとってはとても重要だからであります。そして同様に、春日市としてのブランドを確立する中で、奴国をどのように表現するかという戦術は、春日市のプロモーションにとってとても重要なことであります。そこで、春日市として奴国をどのようにプロモーションしていくのか、市のスタンスをお聞かせください。 165: ◯議長(金堂清之君) 内田経営企画部長。 166: ◯経営企画部長(内田賢一君)〔登壇〕 奴国をどのようにプロモーションしていくのか、文化財の活用を含めて市のスタンスをお聞かせくださいとのお尋ねにお答えいたします。  春日市のシティプロモーションとして、奴国の文化財をどのように活用するのかでございますが、現在、春日市広報広聴戦略を策定中であり、この中におきましても、本市の魅力、資源の一つとして、本市における奴国の特徴に言及をいたしております。したがいまして、本戦略に基づく具体的な取り組みにおきましても、関連する文化財の活用も含めて、奴国を本市の魅力の一つとして、全市的な取り組みにより市内外に発信していくことが重要であると考えております。 167: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。 168: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦でございます。  今まで、春日市の宝であります奴国の遺跡、その広報は教育部の文化財課が中心になって行ってきたわけですが、もともと文化財課は遺跡の調査・研究・保存、そういうことが中心の部署であります。現在、さまざまな広報、例えば赤い缶バッジ、多鈕鏡の缶バッジをつくったり、今度、新しい企画でポストカードを販売するという取り組みはですね、伺っております。限られた予算の中でかなり一生懸命されているなという印象があるんですけども、個人的にとても応援しているところであります。しかし、広報業務、それはやはり専門の部署でやるべきだと思います。  ただいま策定中の春日市広報広聴戦略に基づいて、文化財の活用も含めて、全市的な取り組みにより市内外に発信していくと御回答いただきました。企画立案、そして広報、PRの専門部隊である企画経営部を中心にした、全庁的な取り組みをお願いいたしまして、文化財の活用についての質問を終わりたいと思います。  次に、公園利用と安全対策について再質問をさせていただきます。  釣り人などの禁止事項違反者への対策として、注意看板の設置と、平成22年7月から公園管理指導員を配置して、違反行為者に注意をしていただいていると御回答でした。公園利用者への危険行為、公園の環境悪化、そして未然防止として対応されていますが、残念ながら、いまだに市民からの苦情が寄せられている現状であります。  そこで、大牟田池と白水大池について具体的にお尋ねいたします。  現在、公園内またはため池周辺に設置している注意看板の数を教えてください。  また、公園等管理指導員をどのように配置して、どのようなスケジュールで巡回されているのかもお尋ねしたいと思います。 169: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。 170: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 公園利用と安全対策についての再質問でございます。  まず、白水大池公園と大牟田池周辺に設置している注意看板の数についてのお尋ねにお答えいたします。  釣り等の禁止事項の注意看板は、白水大池公園に10カ所、大牟田池周辺に15カ所設置しております。  次に、公園等管理指導員をどのように配置して、どのようなスケジュールで巡回しているのかとのお尋ねにお答えいたします。  公園等管理指導員は、年末年始を除いて毎日1名が、白水大池公園及び大牟田池周辺を巡回しております。巡回のスケジュールは、午前8時半から午後5時までの間に大牟田池を1日6回程度、白水大池公園を1日4回程度巡回しております。連日の巡回注意を行うことにより、釣り人等の禁止事項違反者は減少傾向でございます。 171: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。 172: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦です。  日々の、それも日祭日を含めた連日の管理指導員の御努力には感謝を申し上げたいと思います。雨の日も風の日も、その巡回の数の多さに、また、その御苦労に頭が下がります。  それだけに、釣りによる苦情がなくならないことが残念でなりません。私のところに寄せられた情報では、ため池に隣接する住宅の敷地内に侵入して釣りをしていたというものでありました。管理指導員の目をかいくぐり、また、管理指導員のいない時間帯を狙ってボートを持ち出し、人目のつかない場所で釣りを楽しんでいたのかもしれません。  小さな事故、犯罪、それが積み重なり、やがて大きな事故、事件につながっていくのは、難しい犯罪理論を持ち出さなくても、皆さん御存じのとおりでございます。人目のつかない場所で起きる小さな犯罪が、やがて大きな事件につながること、その不法侵入をお話しされた方も、私も、とても不安に感じております。そこで、そのような不法侵入事案に対する御見解と、その対応策をお尋ねいたします。 173: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。 174: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 不法侵入事案に対する見解と、その対応策についてのお尋ねにお答えいたします。  大牟田池周辺への不法侵入事案は問題と考えております。このため、大牟田池周辺には禁止事項注意看板以外に、立入禁止看板も19カ所設置しております。また、不法侵入者を確認した場合には速やかに注意を行っており、状況に応じて警察とも連携しながら対応しているところでございます。 175: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。 176: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦です。  過去さまざまな問題があり、現在、全てのため池では釣り利用の禁止が決定されております。その後、注意看板の設置、公園等管理指導員の配置など対策をとっていただいているわけですが、いまだに釣りによる苦情はなくなっておらず、人目のつかない場所へと、その侵入といった巧妙化につながっているものと思われます。  しかし逆の立場から見れば、それは市民の釣りをしたいという欲求を解決しないことにも原因があるのではないかと私は思っているところです。昔から釣りは身近なレジャーとして、またスポーツとして人気が高く、ひところ映画でシリーズ化もされましたし、今でもテレビの釣り専門番組が毎日放送されております。  ちょっと古いデータですが、総務省が発表している2011年の統計データによりますと、釣り人口は25歳以上で729万人、これはジョギング・マラソン人口の699万人をしのぐ人気を誇っております。私は春日公園をよくジョギングしておりますけど、毎回、何十人もランナーとお会いしております。しかし、それ以上、ジョギング愛好者以上に釣り愛好者がいる現実を考えますと、釣りによる禁止事項違反者を取り締まるよりも、釣り専用の桟橋を出して、またエリアを限定し、そして有料化することで、持続的な清掃や管理が可能になるのではないかと考えます。いわゆる釣り堀の設置です。  釣り愛好家の憩いの場所をつくれば、隠れて釣りをする人もいなくなり、また、不法に私有地に侵入する人もいなくなります。多種多様なライフスタイルを認め合う共生の公園利用で、苦情も少なくなると思いますが、ため池における釣り堀設置についての御見解をお聞かせください。 177: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。 178: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 ため池における釣り堀の設置の見解についてのお尋ねにお答えいたします。  白水大池公園の安全性の確保、また、ため池の所有者である水利組合等が事故防止のために釣りの禁止をしている状況で、釣り堀の設置は難しいと考えております。 179: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。 180: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦です。  まあ、はなから難しい問題だとは思います。しかし私も、全てのため池で釣り堀をというふうな御提案をしているわけではありません。多くのため池の中で一つでも市民釣り堀として整備をしていただければ、人目をかいくぐって不法侵入の罪を犯してまで釣りをする人はいなくなるのではないかと御提案させていただきました。  日本全国には、多くの市民釣り堀がございます。インターネットで「市民釣り堀」と検索しただけでも24万7,000件、その情報が挙がってきました。国内に24万7,000件の市民釣り堀があるわけではありませんが、多くの需要があることを物語っております。先ほど、国内の釣り人口は729万人と申し上げました。単純に春日市の人口で計算しますと、6,080人の人が釣りを楽しんでいる計算になるわけであります。また単純な計算ですが、これは先ほどのデータでは、25歳以上の推定であります。  今回は、ため池に隣接または併設する公園での苦情の存在と、不法侵入事案が発生し問題であるということを確認させていただきました。いまだにその不法侵入事案がなくなっていないわけですので、新たな方策として何か考えていただければと思います。  最後に、溜池条例に書かれている目的をもう一度御紹介したいと思います。「この条例は、ため池の適正な保全を総合的に推進して住民の健康で文化的な生活を確保し、もって公共の福祉に寄与することを目的とする」。釣りをする行為が健康で文化的な生活の一部なのか、その場所の提供が公共の福祉なのか、その認識は今回共有をさせていただいておりませんが、安全性の確保と事故防止を優先して、自然が与えられた最高の資産たる自然環境を広く住民がその恵沢を享受できるよう、今後も提案していきたいと思います。  以上をもちまして私の一般質問を終わります。 181: ◯議長(金堂清之君) ここで暫時休憩いたします。  なお、再開は3時10分といたします。                ──── ─ ──── ─ ────                 休憩 午後2時56分                 再開 午後3時10分                ──── ─ ──── ─ ──── 182: ◯議長(金堂清之君) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。  3番、吉居恭子議員。  なお、吉居議員は時間制にて質問いたします。 183: ◯3番(吉居恭子君)〔登壇〕 3番、日本共産党、吉居恭子です。  私は通告に従い時間制で、市民図書館への指定管理者制度導入計画について質問を行います。  まず、市民図書館に指定管理者制度を導入しようとする真の理由、目的についてお尋ねします。  市長は、昨年12月議会における市民図書館の管理運営についての私の一般質問で、「公立図書館への指定管理者導入は全国で13.3%しか進まない中、春日市民図書館に導入しようという計画に至った理由は何か」という問いに対し、「市民サービスのより一層の向上を目的としたもので、経費節減を目的としたものではない」と答えられました。  しかし、平成27年8月26日に出された、ふれあい文化センター(図書館を含む)への指定管理導入の検討についての総務文教委員会報告によれば、「行政が果たすべき役割を踏まえつつ、民間事業者のすぐれた能力やノウハウを活用することで、住民サービスのさらなる向上と行政コストの節減を図る」とあります。  さらに、平成27年10月22日の図書館協議会での事務局の発言でも、「経費節減だけではなく、いろいろな視点で検討を進める」とありました。  本年1月31日に行われた総合教育会議におきましても、図書館の指定管理について、冒頭の経営企画課長の「図書館は、事業をして収益を上げる施設ではございませんので、図書館については経費削減効果を見込んでおりません。あくまでも民間活力の導入と提案を求めたいと考えております。図書館については経費削減効果を見込んでいません」との説明に、これまで図書館の指定管理についての議論を最も重ねてきておられるはずの教育委員の方が、「まず、この件については経費削減効果が一番のメリットではないかというお話を事前に伺っていたのですが、今の御説明と資料においては、市民図書館に関しては経費節減効果がマイナスということで、メリットはそちらのほうではないわけですよね。それでもこれを指定管理のほうに移行していくというところの狙いが、いまいちちょっとつかめないところがあるんですけれども」と発言されました。  本当のところ、市が指定管理者制度を導入しようとする理由、目的は一体何なのでしょうか。  次に、昨年秋の春日市民図書館の利用に関するアンケート調査についてお尋ねします。  設問6に、「春日市では平成30年度から指定管理者制度の導入を検討しています。現在、図書館の窓口業務、貸出、返却、登録を民間業者に委託していますが、あなたはそのことを御存じですか」とあります。  直接、指定管理者制度導入の賛否を問うものではありませんが、反響は大きく、自由記述の運営体制関連では、指定管理者制度について多くの方が「このまま直営を続けてほしい」という意見で、経費削減のため賛成する方二、三名以外は指定管理者制度に反対の立場をとっておられました。また、現在働いている図書司書の待遇改善を訴える方も数名おられました。そのほかの意見でも、大多数が「春日市民図書館に満足」「今のよい状態をこのまま維持してほしい」という切実な声でした。これら図書館利用者の率直な声をどう捉えておられますか。  3番目に、市民に対する説明責任についてお尋ねします。  春日市民図書館への指定管理者制度導入に関して、市はパブリックコメントを計画しましたか。また、公聴会、説明会などを計画しましたか。していなければ、しなかった理由を教えてください。市民に対する説明責任をどう果たそうとしたかをお尋ねします。  4番目にお聞きしたいのは、これまでの図書館協議会、図書館ボランティア等への説明で、市民は図書館への指定管理者制度導入に関して納得し、導入を望んでいると思うかということです。  2月20日、ボランティア団体から出された公開質問状の回答に先立って、議員が説明を受けたときの資料3によると、図書館協議会、教育委員懇談会、社会教育委員の会議、ボランティア団体からの要請で開いた説明会など、平成28年1月14日から平成29年1月31日までに実に16回の話し合いが持たれています。図書館協議会、教育委員会など議事録の内容を見ますと、委員さんたちは最初から最後までかなり粘り強く、指定管理者制度導入に反対をし、不安を表明しています。  さらに図書館ボランティア団体からの公開質問状ばかりでなく、7日には市民による図書館を考える集会が70名以上の参加で開かれています。このような中で、市民は指定管理者制度導入に納得しているとお考えでしょうか。  以上、1回目の質問を終わります。 184: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。 185: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 吉居議員から、市民図書館への指定管理者制度導入計画についての御質問でございます。  まず、市民図書館に指定管理者制度を導入しようとする真の理由、目的は何かとのお尋ねにお答えいたします。  先ほどの一般質問でもお答えしましたとおり、人口減少・超高齢化社会に対応して、持続可能な財政の確立が不可欠なこと、市民サービスのより一層の向上、つまり高い成果と経済性、効率性を同時に追求するなど、総合的な観点から図書館への指定管理者制度導入の計画に至ったものであります。  次に、春日市民図書館の利用に関するアンケート調査についてのお尋ねにお答えいたします。  アンケートの自由記述欄に関するお尋ねですが、有効回収数728件のうち、自由記述欄で指定管理者制度に関する御意見は16件ありました。そのうち導入への反対や不安の声は6件であり、そのほかは現状維持やさらなる充実を求めるものでした。今後はこれらの希少な御意見も参考にさせていただき、現在のサービス水準の維持はもちろん、さらなるサービス向上とより円滑な運営を目指して努力してまいります。  なお、アンケート調査による、現在業務委託している窓口業務の満足度については、「大変よい」「よい」を合わせて77%と、高い評価を得ております。  次に、パブリックコメント等を実施しなかった理由についてのお尋ねにお答えいたします。  今回の図書館を含むふれあい文化センターの指定管理者制度導入につきましては、既存の施設の運営形態の変更であるため、パブリックコメント等は行っておりません。全ての行政行為、行政事務について実施することは現実的に不可能であり、市民に大きな影響を及ぼす事業や、権利を制限し義務を課す条例等の制定については、市民への説明会やパブリックコメントを実施すべきであると考えます。  次に、市民は制度導入に納得していると考えるのかとのお尋ねにお答えいたします。  さきに制度導入の理由、目的でも申し上げましたが、指定管理者制度導入は市の責任で総合的な観点から判断しているものです。吉居議員に寄せられる市民の御意見がある一方で、私たち行政に対する市民からの意見として、「民間の力を活用し、より一層向上する図書館サービスに大いに期待する」との声もいただいております。現在、全市民のうち市民図書館を利用いただいているのは15%程度でありますが、制度導入後は民間ならではの事業展開によって、残る85%の市民の皆様に一人でも多く御利用いただけるよう、図書館サービスの向上に努めてまいる所存です。
    186: ◯議長(金堂清之君) 3番、吉居恭子議員。 187: ◯3番(吉居恭子君)〔起立〕 3番、日本共産党、吉居恭子です。  指定管理者制度導入の目的は、高い成果と経済性、効率性を同時に追求ということ、つまりサービスの向上とコスト削減を同時に目的とするということですね。それではまず、具体的にどのようなサービス向上を見込んでいるのですか。  御承知のとおり、現在の市民図書館は、すぐれたスキルを持った図書司書さんたちのレファレンスサービスと、伸び伸びと豊かな市民ボランティアの活動とが、とてもよい関係で結ばれ、相乗効果をもたらしている結果、図書館サービスに対して大多数の利用者が満足しています。対外的に見てもとてもよい図書館と評価されており、このまま市民図書館を維持してほしいと多くの市民は願っています。  2012年7月の九州大学院生、畑中氏の「学校図書館支援方策の検討」によると、春日市教育委員会の取り組みを考察しながら、「国レベルでの支援に依存せず、充実した学校図書館支援を独自に行っている春日市の事例に、多くの自治体が参照可能な知見を産出できると考える」と述べています。その取り組みには、学校図書館図書標準達成へ向けた予算の傾斜配当、学校図書館司書の全校配置、学校連絡便、教頭・司書教諭・学校図書司書で構成される学校図書委員会への市民図書館職員の参加、学校図書司書の研修、そして市民図書館・学校図書館の情報システム整備などが挙げられていました。そして、このように学校教育、社会教育及び市民図書館を中心としたさまざまな学校図書支援など、先進的な図書館サービスができた要因として、教育委員会運営の柔軟性、社会教育課及び市民図書館の積極性と、組織間の協力体制が構築されていることがあると分析されています。  「学校運営協議会の導入やエデュケーション かすがの発行などを通じた学校教育課と社会教育課のセクショナリズムの打破が進み、教育委員会内における組織間の協力体制が基盤となり、そこに社会教育及び図書サービスにおける専門性を持つ市民図書館の積極性が加わることで、充実した学校図書館支援が実現したと考える」と結んでいます。  これまで築き上げてきた、他市にないすばらしい図書館運営が行われているのに、わざわざ運営形態を変えてまで行いたいサービス、直営では実現しない市民にとってメリットとなるサービスというのは、具体的には何なのかお聞きしたいと思います。 188: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 189: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 市民にとって具体的にどのようなサービスの向上を見込んでいるのかとの御質問にお答えいたします。  さきに松尾議員の御質問にもお答えしましたとおりであります。  なお、繰り返しになりますが、具体的な事業名は、事業者選考前でございますので控えさせていただきますけれども、公募に関する説明会においては、高齢者、障がい者、子育て、勤労者向けのサービスの向上の提案を求めることも検討しておるところでございます。 190: ◯議長(金堂清之君) 3番、吉居恭子議員。 191: ◯3番(吉居恭子君)〔起立〕 3番、日本共産党、吉居恭子です。  また、もう一つの目的、コスト削減では、本年1月の春日市総合教育会議の資料によりますと、平成28年予算ベースで、平成28年度の既存コスト1億3,858万5,000円から、指定管理者制度導入後のコスト1億3,943万2,000円を引くと108万9,000円のマイナス、つまり導入後のほうが直営よりお金がかかってしまうということになります。これでは、どちらも指定管理者制度導入の理由とならないのではないでしょうか。何のために導入するのか。指定管理者制度導入の根拠は崩れてしまっていると思いますが、いかがですか。 192: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 193: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 指定管理者制度導入後のほうが今より経費がかかり、指定管理者制度導入の根拠が崩れてしまうのではないかとのお尋ねにお答えいたします。  限られた財源の中で将来にわたって市民サービスのより一層の向上を目的としたものであり、制度導入の根拠が失われるものとは考えておりません。 194: ◯議長(金堂清之君) 3番、吉居恭子議員。 195: ◯3番(吉居恭子君)〔起立〕 3番、日本共産党、吉居恭子です。  これまでお聞きした二転三転するお答えでは、教育施設としての春日市民図書館の運営を指定管理に移行する根拠としては、とても認められるものではないという意見をお伝えしておきます。  さて、図書館利用に関するアンケートについてですが、自由記述で指定管理に関する意見は16件、そのうち反対や不安の声は6件、現状維持を希望9件ですが、それに対して、はっきり指定管理者制度導入を肯定する意見は1件しかありません。これらの意見を参考にすると、率で言えば、運営形態について意見がある人のうち賛成の人が6.25%、反対37.5%、現状維持56.25%です。現状維持の希望と反対意見のほうが圧倒的に多いではないでしょうか。  アンケートの母数がそもそも少ないから参考にはならないということであれば、もう一度、多くの市民にアンケートをとってみたらどうでしょうか。平成21年は広く市民に対して詳しい率直なアンケートがとってあります。ちなみに、地域ブロックごとに抽出した市民意識調査では88.5%、来館者では92.5%の方が「満足」「どちらかといえば満足」となっています。  このように、市民の多くが満足し、安心して利用している図書館です。図書館のかなめは図書司書によるレファレンスで、来館者が目的とする情報をいかに的確に見つけられ、目的以上の満足感を得られるかというのが、図書館運営の神髄と思います。その図書館の運営形態を変えようというのですから、こういう大事なときこそ丁寧に市民の声を聞くべきだと思いますが、いかがですか。 196: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 197: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 運営形態を変えるときこそ丁寧に市民に意見を聞くべきではないのかとのお尋ねにお答えいたします。  今回の指定管理者制度導入は、あくまでも運営形態の変更によるものですので、今回、図書館とかかわりの深いボランティア団体等の方々の御意見を参考にさせていただいたところでございます。 198: ◯議長(金堂清之君) 3番、吉居恭子議員。 199: ◯3番(吉居恭子君)〔起立〕 3番、日本共産党、吉居恭子です。  また、先ほどの回答で、「アンケート中、図書館の貸し出しや返却など窓口が市職員から委託職員に変わっているのを全く知らなかった市民が、窓口はよいと評価している。だから指定管理者制度はよいのだ」というふうに言われましたが、それでは、今の窓口の委託先と同じ会社を指定管理者に選ぶとあらかじめ決めているのですか。 200: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 201: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 現行の窓口業務の委託会社を指定管理者に選ぶとあらかじめ決めているのかとのお尋ねにお答えいたします。  事業者の選考では、広く応募者を募り、事業者提案型のプロポーザル方式で行うものです。その中で、春日市の特性を生かした実効性のある提案をなされた事業者を、厳正な審査の上、選考してまいります。 202: ◯議長(金堂清之君) 3番、吉居恭子議員。 203: ◯3番(吉居恭子君)〔起立〕 3番、日本共産党、吉居恭子です。  今の委託先の職員の対応がよいからといって、民間業者が全部いいとは言えません。守秘義務に関してなど、市職員は民間と比べられないほど厳しい立場に置かれています。民間業者の職員というだけで過大評価をするべきではないと思います。雇用環境や給与など、安心して働ける職場であって初めて継続して働くことができ、市民へのサービスの向上へとつながることを忘れないでほしいと思います。このことからも、長期的に見て利潤を追求する一方で、今にも増してすばらしい図書館管理業者が存在するものか疑問です。  次に、図書館を利用する市民が、図書館への指定管理者導入はやめてほしい、このまますばらしい図書館を継続してほしいと願っているのを知りながら、市民の声を真剣に聞こうとはしないのはどうしてですか。もちろん、どんなことでもパブリックコメントを実施すべきと言っているわけではありません。公立図書館だからです。教育委員会が管理する機関であり、図書館法に示されているように、図書館運営やサービスを行うことは自治体の責務です。市には、事業の継続性、安定性のもとにサービスを計画し、適切な図書館評価を行い、改善を図りながら運営することが求められています。その図書館の運営を、利潤追求を第一にする性格の民間企業に明け渡すのは、市民に大きな影響を及ぼすことだと思いますが、いかがですか。  また政府は、いまだに全国の公立図書館のわずか13ないし14%程度しか指定管理者制度導入をしていないという事実も踏まえ、また結果として官製ワーキングプアというものを大量に生んでしまっているという自覚と反省のもと、問題提起の意味も含めて、平成29年度から公立図書館への指定管理者制度導入推進は中止するという政策転換をしましたが、それに反して導入するのは、春日市にとっては大きな決断ではないですか。広く市民の意見を聞き、市民の疑問に対して明確な回答、説明をするべきではないかと思いますが、いかがですか。 204: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 205: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 指定管理者制度の導入に当たって、公聴会などで市民の意見を聞くべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。  市長の答弁でもありましたとおり、パブリックコメント、公聴会は、既存の施設の運営形態の変更であるため行っておりません。あくまでも市の責任で、総合的な観点から、今回の指定管理者制度導入を判断したところでございます。 206: ◯議長(金堂清之君) 3番、吉居恭子議員。 207: ◯3番(吉居恭子君)〔起立〕 3番、日本共産党、吉居恭子です。  最後の質問で、市民図書館への指定管理者制度導入について、市民は納得していると思うかの問いに明確な回答がないということは、納得はしていないと認められているわけですよね。市民が納得していないことは、現在の図書館ではできないけど、民間業者になれば実現できるサービスとは何か、指定管理になっても今までと同じサービス、つまり学校とのつながり、地域とのつながり、行政とのつながりが本当に保てるのかということなどです。  そして、それが市民の疑問に対する市の対応、回答が曖昧だからでもあります。「何でも仕様書に書けば大丈夫です、よくなかったら変えられます、市が監督するから大丈夫です」。広く市民の声を聞きながらといいますが、結論は指定管理者制度への説得に終始しています。「市の責任で総合的な観点から判断しますのでお任せください、信用してください」ということが、市長の言われる「市民が真ん中」ということでしょうか。公開質問状に回答をもらった図書館ボランティアの皆さん、市民図書館を考える集会に集まった市民の皆さんの多くは、不安を払拭できていません。  ところで、平成28年2月に行われた白水池の出前トークでは、図書館ボランティアの方が、「図書館の本の貸し出しカウンターは現在、業務委託になっているが、来年度の更新時に任期を迎える嘱託司書2名分を委託業務に変えるとの話を聞いた。図書司書については、市の雇用による補充と配置を継続してほしい。また、市民図書館はこれ以上委託での補充をやめ、今後も市の直営を続けてほしい」という声がありました。  職員の任用について、春日市の嘱託職員の任用に関する要綱第3条には、「嘱託職員の任用期間は、1年を超えない範囲内で定めるものとし、必要がある場合には、5年を超えない範囲内で更新することができる」──実際は最高10年だそうですけど──とあります。しかし、保育士さんについては5年、10年を超えて運用されています。現在勤務中の嘱託職員の図書司書への運用ができれば、そして計画的に雇用を行っていけば、問題は解決できるのではないでしょうか。  市は、「今職員はいるが、あと十数年もすれば退職してしまう」と、図書館司書だけが年をとるような言葉がありました。嘱託職員を計画的に採用しながら、優秀な人材に関しては運用によって任用期間の延長を図るなどの工夫をすれば、図書館職員の継続的な確保ができると思いますが、いかがでしょうか。 208: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。 209: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 図書館司書の嘱託職員の方々の任用期間について、運用による期間延長の工夫をしてはどうかとのお尋ねにお答えいたします。  嘱託図書司書の任用期間の延長につきましては、考えておりません。 210: ◯議長(金堂清之君) 3番、吉居恭子議員。 211: ◯3番(吉居恭子君)〔起立〕 3番、日本共産党、吉居恭子です。  今回、市民図書館への指定管理者制度導入について、強い反対の意思を持って質問してまいりましたが、なぜ春日市と市教育委員会はこんなにも簡単に図書館を手放すような決定ができるのだろうかと不思議でなりません。質問を終えるに当たって、そこには多分に、図書館は命にかかわる部署ではないと、優先順位が低く評価されているのが現実なのだろうなという思いに至ったところです。しかし、果たしてそうでありましょうか。  「マタイ福音書」4章には「人はパンのみにて生くるものにあらず」とありますが、人は希望を失ったときが一番命の危険にさらされるときであると言えると思います。安定した雇用の中で健康に働く人にはなかなか想像できないでしょうが、格差社会が進む中、安心して毎日を送ることができない状況に置かれた市民、病気や老いや失業、不安定な雇用環境の中で、自分や家族の生活を必死で守っている人々の一つのセーフティーネットとして、図書館の存在を確かなものにし、市民生活と市政にもっともっと生かしてほしいと思います。「死にたいときは図書館へ行こう」とは、アメリカの図書館ポスターに掲載されている言葉だそうです。年間3万人もの自殺者を抱える日本社会において、図書館は人が生き延びていくための最後の避難場所かもしれません。  2月のヤフーニュースに春日市の図書館の記事が載っていましたので、原文を読ませていただきます。「春日市民図書館の福祉関係の書架には、生活保護に関する公式ルールブックである生活保護手帳、生活保護手帳別冊問答集の最新版が置かれています。あっても読みこなせる人がいるとは限らない代物ですが、いざというときの生存に関する制度の公式ルールブックがないのは、公立図書館としておかしいだろうという矜持が感じられます。こんな図書館、そうそうあるものではありません」。中略で、「社会教育施設は、余裕ある人にも余裕のない人にも役に立ちます」。  以上、春日市民図書館への指定管理者導入の計画について述べてきましたが、目的も曖昧にしたまま、市民の知らないところで検討が進められ、市民に公表されることなく3月議会へ議案提案、利用者を初め多くの市民の不安や疑問が払拭されないまま、24日には採決をするという事態に、春日市政の危機を感じています。このような計画は到底容認できませんので、春日市民図書館への指定管理者制度導入計画の撤回を求め、質問を終わります。 212: ◯議長(金堂清之君) お諮りいたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、明日、引き続き一般質問をお受けしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。                〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 213: ◯議長(金堂清之君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこの程度にとどめ、明日、引き続き一般質問をお受けいたします。  本日はこれにて延会いたします。                ──── ─ ──── ─ ────                 延会 午後3時43分...