令和 2年第5回定例会(第7日10月12日) 令和2年10月12日(月曜日)
会 議 録
(第7日)
令和2年10月12日(月曜日)
=午前10時00分開議=
〇出席議員(36名)
1番 小 林 ときこ 君
2番 金 子 むつみ 君
3番 古 賀 としかず 君
4番 轟 照 隆 君
5番 南 島 成 司 君
6番 松 延 洋 一 君
7番 中 村 博 俊 君
8番 堺 太一郎 君
9番 井 上 寛 君
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
永田一伸君) それでは、これをもって諸般の報告を終わります。
◎ 日程第2~日程第16
○議長(
永田一伸君) 次に、日程第2、認定第1号から日程第16、第90号議案までを一括議題といたします。
以上の各決算及び両議案に対する
決算審査特別委員会の審査結果報告書は、お手元に配付のとおりであります。
まず、委員長の報告を求めます。
19番
原学特別委員長。
〔19番
原学決算審査特別委員長登壇〕
○
決算審査特別委員長(原学君) 改めまして、おはようございます。
19番、原学です。
それでは、去る9月23日の
市議会定例会において、
決算審査特別委員会に審査付託されました令和元
年度決算並びに
関連議案につきまして、その審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
審査付託となりました決算並びに
関連議案は、久留米市
一般会計、10の
特別会計、2つの
企業会計、第89号議案 令和元
年度久留米市
水道事業剰余金の処分について、及び第90号議案 令和元
年度久留米市
下水道事業剰余金の処分についてであります。
初めに、
一般会計並びに
特別会計決算の概要について御報告いたします。令和元年度の
一般会計並びに
特別会計決算総額は、扶助費の高止まりや大
規模事業の影響等が本格化した公債費の増加、さらに、度重なる災害への対応などにより、歳入総額は、前年度に比べ62億831万円増加し、2,156億1,060万円、歳出総額は、56億9,609万円増加し、2,117億7,861万円となりました。
黒字決算ではありますが、厳しい収支状況に対応するため、
財政調整基金20億円のほか、
特定目的基金から28億3,554万円の繰入れが行われております。
また、令和元年度は、
経常収支比率が極めて厳しい数値となり、このことは
財政運営上、新たな事業に取り組む余力が残されていない状況にあることを示しています。
一方、
新型コロナウイルス感染症の影響は甚大であり、本市においても今後しばらくの間、個人・
法人市民税をはじめ市税収入全体への大きな影響が想定されます。さらに、
地方交付税は合併算定替による割増措置が令和元年度で終了するなど、
歳入環境は
リーマンショック時以上の危機的な状況に陥ることが懸念されます。
そのため、本市が将来的に持続可能な都市であるためには、
行財政改革のさらなる推進はもとより、
ウィズコロナ、
アフターコロナを念頭に置き、先例にとらわれない事業の厳選と重点化、行政の
デジタル化などに取り組み、限られた財源の合理的かつ効率的な運用に努めるよう強く求めるものであります。
次に、
企業会計の概要について申し上げます。
まず、
水道事業会計です。
令和元年度は、給水収益が減少したため、前年度に比べ総収益は、0.2ポイント減少の46億418万円となっております。
また、総費用は、修繕費が減少したため、全体で2.4ポイント減少の39億1,564万円となり、その結果、純利益6億8,854万円の黒字となっております。
なお、この純利益に、前
年度繰越利益剰余金などを合わせた15億4,438万円が当年度未
処分利益剰余金となっており、このうち、7億7,744万円を資本金に、7億円を
減債積立金に積み立て、残り6,693万円が翌
年度繰越利益剰余金として繰り越されております。
次に、
下水道事業会計について申し上げます。
令和元年度は、
雨水処理経費に係る
一般会計からの繰入金による営業収益や、
長期前受金戻入による
営業外収益の増加が大きく、前年度に比べ総収益は7.2ポイント増の70億3,849万円となっております。
また、総費用は、修繕費や
減価償却費などが増加したため、全体で1.4ポイント増の63億7,341万円となり、その結果、純利益6億6,508万円の黒字となっております。
なお、この純利益に、前
年度繰越利益剰余金などを合わせた9億4,973万円が当年度未
処分利益剰余金となっており、このうち2億8,000万円を資本金に、6億6,500万円を
減債積立金に積み立て、残りの473万円が翌
年度繰越利益剰余金として繰り越されております。
次に、委員会における審査概要について、御報告いたします。
まず、各款の審査に入る前に、
決算審査結果の説明を行った
監査委員に対し、委員より決算を踏まえた次
年度予算編成の在り方などについて質疑がありました。
次に、
一般会計、歳出、第2款 総務費について申し上げます。
委員より「
経常収支比率が99.9%となり、また
財政調整基金や
特定目的基金の取崩しをするなど厳しい財政状況にあるが、この状況をどう受け止め、今後どのように対応していくのか」との質疑があり、市長より「
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、景気の先行きは極めて不透明である。市税をはじめとした
歳入環境が一段と厳しさを増し、歳出面では
感染症対策や頻発する災害への備え、また、国が進める
行政デジタル化などの新たな施策への対応が必要になると考えている。令和元
年度決算の状況や、
監査委員からの指摘を真摯に受け止め、決算額の予算反映をはじめ、
各種補助金を含む個別の
事務事業について、内容の検証を行い、市の持続的な発展のために限られた財源を合理的かつ効率的に運用し、健全財政の維持に努めたい」との答弁がありました。
これに対して、委員より「
新型コロナウイルス感染症の影響が明確でない中、長期的な財政計画を立てるのは困難だと思うが、今後に向けて具体的な取組を伺いたい」との質疑があり、市長より「
ポストコロナ社会の新しい日常を見据え、
既存事業のゼロベースでの検証を徹底し、先例によらない新たな視点での事業の厳選と重点化を進めることが必要である。現下の非常に厳しい
財政環境を立て直すためには、厳しい判断と痛みを伴うことも想定されるが、市議会の協力の下、結果を出していきたいと思っている」との答弁がありました。
次に、委員より「
公共事業の入札の際に
談合情報が寄せられた場合は、警察等に届けているということだが、さらに市としても何らかの対応をすべきではないのか。また、契約後に事業者が
違反行為をした場合の対応について伺いたい」との質疑があり、市長より「公共工事の発注に当たっては、競争性・透明性・公平性の確保が求められており、法令遵守は当然である。
談合情報が寄せられた場合は、
対応マニュアルに従い
談合情報に係る入札手続を中止する一方、捜査権限を有する警察等に情報を提供している。事業者の
違反行為が確認できた場合は、
指名停止措置により厳正な処分を行うが、経営環境に大きな影響を及ぼすため、慎重に判断する必要がある。また、
指名停止措置以前に既に請負契約が締結されているものについては、
指名停止措置を理由とした契約解除はできないと考えている」との答弁がありました。
これに対して、委員より「
指名停止措置は最後の手段である。
談合情報等に対し、何らかの措置を検討すべきではないか」との質疑があり、市長より「警察から、違法行為の情報が得られた際は、事業者に対して
指名停止措置等により厳正に対処している。さらに、情報提供に当たっては、警察などと協議の上、情報交換が密になるよう努め、厳正に対処したい」との答弁がありました。
そのほか、議会と連携した
行財政改革の着実な取組、マイナンバーカードの普及に向けたより積極的な啓発、くるめ
ふるさと大使による市のPR活動の発信強化、市職員の働き方改革と
市民サービス向上につながるRPAのさらなる活用、
少子化対策を踏まえ各部局が連携した
男女平等政策の推進などについて、それぞれ要望がありました。
次に第3款 民生費では、避難行動要支援者に対する支援体制の早期構築、低年齢の非行少年への
サポート強化、子どもの
貧困対策推進計画に基づいた着実な取組、入所希望の実態に沿った
待機児童解消策の検討などについて、それぞれ要望がありました。
次に第4款 衛生費では、
子宮頸がん予防接種に関する正しい情報の提供、
粗大ごみ収集申込手続簡素化の検討、市民の利便性を考慮した
上津クリーンセンターでの
不燃物受入れの検討、
特定不妊治療費助成事業のさらなる充実、子供の
インフルエンザ予防接種費用助成の検討などについて、それぞれ要望がありました。
次に、第5款 労働費では、
テレワークの
導入支援等によるワーク・ライフ・バランスのさらなる推進などについて、要望がありました。
次に第6款
農林水産業費では、農家民泊を活用した久留米の魅力発信の充実、
耳納山麓等の森林管理のさらなる推進、被災農家に寄り添った継続的な支援の実施、6次
産業化推進に向けた農業者へのサポートの充実などについて、それぞれ要望がありました。
次に、第7
款 商工費について申し上げます。
委員より「現在の
藤光産業団地の東側に新
産業団地が予定されていると伺っている。
藤光産業団地内の道路は、西側の国道209号線と接続されているが、東側の
県道藤田日吉町線とは接続していないため、非常に不便であると考えるが、いかがか」との質疑があり、市長より「
藤光産業団地は
道路管理者や
交通管理者などだけでなく、地元地域とも協議を行い整備を進めてきた。その中で、国道と県道をつなぐことによる交通量の増加や、子供の通学の安全に不安を感じられる意見もあったことから、現在の形状になったものである。生活に直結する道路に関する課題への対応は地元住民にとって大変重要であるため、関係部局には、計画中の
産業団地も含め検討するよう指示している」との答弁がありました。
これに対して、委員より「現在の
藤光産業団地と計画中の
新藤光産業団地との一体的な道路整備が必要だと考えるが、いかがか」との質疑がありまして、市長より「今後、新たな
産業団地の整備を進める中で、将来の交通量の検討結果などを踏まえ、地域にとって、よりよい交通状況となるよう検討を進めたいと考えている」との答弁がありました。
そのほか、
久留米DMOの地域と連携した取組へのさらなる支援、
久留米都市開発ビル株式会社に関する債権処理の速やかな実施、
プレミアム付商品券の
電子化導入の検討、コロナ禍での屋外活動という強みを生かしたオルレコースの積極的なPRの実施などについて、それぞれ要望がありました。
次に第8款 土木費では、
利用希望者のニーズに合わせた
コミュニティタクシー事業の制度改善の検討、
JR久留米駅前第二街区再
開発事業における
地場企業活用の働きかけの実施、
筑後川河川事務所と連携した
堤防道路整備や
治水事業のさらなる推進などについて、それぞれ要望がありました。
次に第10款 教育費では、
筑後国府跡の国指定地の
全域公有化に向けた交渉の推進、安全対策を考慮した
学校施設整備の早急な実施、スクール・サポート・スタッフの全校配置の取組の推進、美術室など
特別教室への
エアコン設置の検討などについて、それぞれ要望がありました。
次に、
特別会計及び
企業会計について申し上げます。
まず、
国民健康保険事業特別会計では、健康のびのび
ポイント事業が利用しやすくなるような見直しの検討について、要望がありました。
次に、
競輪事業特別会計では、周辺地域と一体となった
競輪場施設等改修の実施について、要望がありました。
次に、
母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計では、制度の趣旨と目的を十分に踏まえた事業の着実な実施について、要望がありました。
次に、
水道事業会計では、適正な予算執行による
事業運営の実施などについて、要望がありました。
以上が
決算審査特別委員会の審査の経過及び結果でありますが、別途議長に対して報告しておりますように、いずれの決算も認定すべきものと決定し、第89号議案及び第90号議案については、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。
議員各位におかれましては、本委員会の審査の結果を了とされまして、何とぞ委員会の決定のとおり、満場の御賛同を賜りますようお願い申し上げて、令和元
年度決算審査特別委員会委員長の報告といたします。終わります。
=〔降 壇〕=
○議長(
永田一伸君) 委員長の報告は終わりました。
これより
委員長報告に対する質疑に入りますが、通告があっておりませんので、質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。
通告があっておりますので、討論を許します。
1番
小林ときこ議員。(拍手)
〔1番
小林ときこ君登壇〕
○1番(
小林ときこ君) おはようございます。
1番、
日本共産党、
小林ときこです。私は、認定第1号 令和元
年度久留米市
一般会計決算の認定について、及び認定第2号 令和元
年度久留米市
国民健康保険事業特別会計決算の認定について、反対の立場から討論いたします。
認定第1号 久留米市
一般会計決算のうち、人権・
同和事業に絞って述べます。法務省の令和2年度
版人権教育・啓発白書では、同和問題について次のように述べています。
「問題の解決を図るため、国は、
地方公共団体と共に、昭和44年から33年間、
特別措置法に基づき、
地域改善対策を行ってきた。その結果、
同和地区の劣悪な環境に対する物的な基盤整備は着実に成果を上げ、
一般地区との格差は大きく改善された。
しかしながら、
インターネット上の
差別書き込み等の事案は依然として存在している。また、いわゆる「えせ
同和行為」等の事案も依然として起こっており、部落差別(同和問題)の解消を阻む要因になっている。」
このように、
特別措置法の下での対策には成果があったことを述べています。一方で、依然として存在する差別の存在や、解決を阻む要因にも触れています。
ここで、全国と福岡県のデータを見てみます。
法務省の
人権侵犯事件統計によりますと、同和問題に関する受理件数は2015年から2019年までの5年間で、2019年221件を除きますとおおよそ70件から90件を推移しています。そのうち福岡県での受理件数は、2015年13件、16年0件、17年2件、18年5件、19年6件となっています。
インターネットによる人権侵犯については、2006年は全体で256件だったものが、2015年には1,869件と急増しています。しかし、同和問題に限って見てみますと、2006年は0件、2015年は7件と極めて少なくなっています。
えせ
同和行為とは、同和問題を口実にして企業や官公署等に不当な利益や義務なきことを求める行為です。政府は、えせ
同和行為排除の取組を行っており、えせ
同和行為に関する相談件数が2015年度には18件、2019年度には5件となっています。このように、全国的なデータを見ましても比較可能な福岡県のデータを見ても、差別は存在はしてはいるものの、
特別措置による
改善効果は十分に見られると言えます。
それでは久留米市では
改善効果に沿った取組がなされているのでしょうか。先日の
議案質疑でお答えのあったように、教育格差や就労格差の解消を図るためとする個人給付に関しては、令和元年度実績で44件、447万4,000円の交付、
団体補助金については、8団体に2,612万7,000円を交付しています。その他、質問教室や
解放会館運営費補助金も含めますと、さきの
議案質疑でお答えのあった分だけでも、ほぼ毎年約5,000万円を交付しています。
全国の
同和地区を対象に実施された
同和特別対策事業は、2002年3月31日をもって終結しました。総務省は2001年に
特別対策を終了し
一般対策に移行する主な理由として3点挙げています。
1.
特別対策は本来、時限的なもの。これまでの膨大な事業の実施によって、
同和地区を取り巻く状況は大きく変化。2.
特別対策をなお続けていくことは、
差別解消に必ずしも有効ではない。3.人口移動が激しい状況の中で、
同和地区、
同和関係者に対象を限定した施策を続けることは事実上困難。このように結論づけています。
さらに、成果とともに反省すべき点があったことも事実として、3点挙げています。
1.
同和問題解決のための
同和行政がいつしか事業を実施するための行政となった側面があること。2.
対象地区内外の格差を強調し、
特別対策を継承したことが、
同和地区に対する
マイナスイメージを固定化させたこと。3.行政の主体性が確立していなかった側面があること。同和問題が行政と
民間運動団体との間だけのものになりがちになり、住民間の広範な議論が十分に行われてきたとは言い難い。
このように、同和問題は
差別解消が進む中、
一般施策として対応することが求められます。女性、子供、高齢者の貧困対策や、障害者、外国人など人権問題は個々人の差別意識だけに限定されるものでなく、人権が保障されない背景には、豊かな生活を保障する十分な条件整備が整っていない問題もあります。
ですから同和問題を
特別扱いすることなく、あらゆる差別の撤廃をめざす
人権擁護条例を制定する久留米市として、全ての人権が尊重される
まちづくりを目指す、その中で同和問題の残された課題の解決についても、
特別扱いでなく
一般施策で誰もが自由に意見表明できる言論環境を整えながら、心から打ち解けた相互理解を進めることが重要であると考えます。
同和行政の在り方を抜本的に見直すべきだと思います。
認定第2号 久留米市
国民健康保険事業特別会計決算の認定についてです。
国民健康保険は、国民皆
保険制度の中核として重要な役割を果たしています。しかし、国保は
被用者保険と比べて年齢構成が高く、久留米市における令和元年度の65歳以上の人口割合である高齢化率は27%に達しています。加入者が減少していく中で、高齢化によって1人当たりの医療にかかる支出は増え続けていく。一方で、加入者の3割が非
正規労働者であり、所得水準は相対的に低いという構造的な課題を抱えています。国保の平均保険料は、同じ年収のサラリーマン4人世帯の健康保険料の約2倍と負担がとても重く、若い世代を医療から遠ざける要因の1つとなっています。
平成30年度から福岡県が財政運営の責任主体となった国保は、6年サイクルで運営されることになっております。政府は、今後四、五年かけて国保料を標準保険料率の水準に統一していくことを自治体に要求しています。
久留米市では、令和元年度は前年度から変更はありませんでしたが、政府が示す標準保険料率自体が、高齢化による給付費の増加などで毎年のように引き上がる仕組みになっております。
これまで私どもは、たびたび議会で国保の子供の均等割減免実施を求めてきました。均等割という人頭割がほかの保険にはないこと、何よりも収入のない子供にも同額が課せられるところに大きな問題があります。法定外繰入は国のペナルティーの対象ですが、子供の均等割減額、免除のための繰入金はその対象には含まれません。国や県の圧力に屈することなく、久留米市独自の国保料軽減策、子供の均等割減額、免除へ踏み出すよう強く申し上げ討論を終わります。(拍手)
=〔降 壇〕=
○議長(
永田一伸君) 12番秋永峰子議員。(拍手)
〔12番秋永峰子君登壇〕
○12番(秋永峰子君) 12番、みらい久留米議員団、秋永峰子です。認定第1号 令和元
年度久留米市
一般会計決算に対して、賛成の立場から意見を述べさせていただきます。
私は、
まちづくりの基本とは個の尊重、共生の実現、そして自治の確立であると捉えております。このことを基本に置いて持続可能な安全なまち、身の丈に合った財政規律、そういったことがどうだったかということを、様々な資料を活用しまして検討させていただきました。その結果、3点について意見を述べさせていただきます。
1.
行財政改革について。
昨年度は、平成31年度までとされた行財政計画が最終年度を迎えた年でした。3つの指標を基に実績を見てみますと、行政運営の状況などに関して、おおむね満足している市民の割合が、目標値75%に対して、これは令和元年度の調査なんですが、71.1%。
改善効果は、目標35億円に対して、29億円強。公共施設管理の最適化に関しては、目標値である施設面積の1%減を平成29年度に達成して以降、ほとんど動きが見られず、昨年度も1%のままという結果でした。
この間、各課においては、予算が削られる中でのサービス向上努力、税収率を上げる取組、支出を減らす取組など、必死に行ってこられたことは承知しているつもりですが、この結果が不十分であるということは明白であり、そのために、行財政計画の延長がなされたことは評価いたしております。
しかし、これ以上ずるずると引き延ばしにはできません。
財政調整基金の取崩しによる主要4基金残高の減少、
経常収支比率99.9%という数字から見える財政の硬直化、新型コロナウイルスによる大幅な税収の減少が見込まれること。国も、コロナ対策で大規模な財政出動を行っており、コロナが全国の自治体全ての問題であり、税収減をカバーできる額が
地方交付税でこれまでどおり交付されるかどうか懸念されること。
ウィズコロナとして積極的に教育ICT、e-市役所化を進めていますが、毎年のランニングコストは市の
一般会計で対応しなければならないなど懸念材料が山積しています。
市民からも、
行財政改革の取組が全く見えてこないという厳しい指摘も聞かれ、決算委員会の中でも、重要な論点となり議論されたことは、先ほど原決算特別委員会委員長の御報告にあったとおりです。
今後、大胆な
行財政改革に取り組むべきことは、決算委員会でも確認されたとおりですが、石井俊一議員や田中功一議員をはじめ、他の議員も訴えておられるように、市民の代表である議員によってつくられた議会からの提言、これを早期に実行していただくことを要望いたします。
また行政サービスの基本の1つに、安全・安心、快適な施設サービスがあります。そのためには、公共施設の整備が必要で、その財源確保には周到な計画が必要です。
その資料として現在整備が進められております公有財産台帳、これを審議会、予算・決算委員会などで生かすことができたり、財産が市民にとってよりよい有効な形になっているのかどうかを判断できるような内容にすることが重要と考えております。
残念ながら、このように利用できる資料は、本年度の決算委員会においても出されておりません。市民への説明責任もありますけれども、やはり市民の代表である議員が来年度に向けて決算という総括論議を行うときにこそ、資料を生かせることが大変重要と考えます。
また、本来的には、それぞれの所管が自分の持っている公共施設をどう健全に維持するかを分かるために、日々仕分けをし、それを管理し、そして見ていくということをきちっとやっていくべきではないかと思っております。
行財政改革が市民に痛みを伴うものである以上、市民の前に久留米市の現状をオープンにし、市民の英知を集結していく力が鍵となります。
今後、公有財産台帳整備を急ぎ公共施設の整備とともに、
行財政改革を考える上で議会、市民にとって共に知恵を出し合えるような資料、そのような活用ができる資料になることを要望いたします。
2点目は、人事管理についてです。
昨年度の市職員の病気休職者数は72人、身体疾患21人、精神疾患51人です。ここ数年増え続けていることを考えると、さらなる対策が必要と考えます。そこで2点御提案申し上げます。
1つは、OJTの徹底です。病休者で多かったのが若年層。異動して、一、二年目の方々であったことを考えるとOJTがきちんとなされているのかを振り返る必要があると考えます。そして、復職された方を支えるためにも中心人物を決めて職場のみんなで支えること、また、どのような場合でもそこに人権研修を生かしていくこと、今ある人権研修が仲間づくりにつながるものかどうかも含めて、研修を行動につながるものとし、きつい立場にいる仲間や同僚を包み込んで元気にしていけるような職場環境づくりに努めていっていただきたいと要望いたします。
2つ目は、予防策としてのメンターの導入です。いわゆる専門家によるメンター制度ではなく、市役所の仕事のつらさや喜びなどを経験し多くの職員から信頼を終えていた退職者をメンターとして、相談に乗ってもらえる制度をつくることです。
調布市では庁舎内の一室を面談の場とし、電話で予約して相談に行ける体制をつくったそうです。一番のポイントはそこに信頼の置ける人、組織のことをよく分かっていて様々な痛みや悩みを受け止めてくれる人を配置することだと聞きました。ぜひ検討していただきたいと思います。
3点目は、地方消費税交付金についてです。昨年10月から消費税が8%から10%へと増税されました。買控えへの懸念とコロナの影響もあり、地方消費税交付金が増えるかどうかを注視いたしておりましたが、やはり1億2,825万円の減収となりました。このことは、市民生活の厳しさを物語るものであると同時に、社会福祉の必要性がさらに増していくことの現れであると捉えております。