次に、特に重点的に取り組む8項目の施策について、令和2年度に実施する主な事業を御説明申し上げます。
まず、1点目は、「子どもの笑顔があふれる
まちづくり」です。
学校教育につきましては、
児童生徒の学力の保障と向上に向けた質の高い
授業づくりや
学習習慣の
定着支援、
学校施設の計画的な改修などに
取り組みますとともに、国の
GIGAスクール構想に基づく
教育ICT環境の整備を積極的に進めます。
待機児童対策では、
受け入れ施設の整備や保育士の
人材確保、
送迎保育ステーション事業などに
取り組みますとともに、保育士の
奨学金返済に対する支援や、3歳未満児を積極的に受け入れる
保育所等への支援の充実に
取り組みます。
また、妊娠期から
子育て期にわたる切れ目のない支援など、安心して産み、育てられる
環境づくりを進めますとともに、発達が気になる子供への支援や、
児童虐待の防止に向けた
取り組みなど、子供が健やかに育つことができる
環境づくりなどに
取り組みます。
2点目の「健康でいきがいがもてる
まちづくり」では、
生活習慣病の発症や
重症化予防対策、各種健診の受診率の向上、心の健康に関する啓発や相談の実施など、心と体の
健康づくりに
取り組みますとともに、地域の
医療機関などと連携した
ドクターカーの運行や夜間の
小児救急医療体制の安定的な
運営支援など
地域医療の充実などに
取り組みます。
また、
風疹抗体検査と
予防接種の実施、ロタウイルスワクチンの
定期予防接種化や
骨髄移植等患者への
予防接種費用の助成など、
感染症の予防と
拡大防止に
取り組みます。
さらに、
住民同士の支え合いの仕組みを補完し、
地域生活課題の解決を試みる包括的な
支援体制の構築を進めますとともに、
高齢者や
障害者、
生活困窮者の
相談支援などに
取り組みます。
3点目の「人権の尊重・
男女共同参画の
まちづくり」では、同和問題を初めとするあらゆる人権問題の解決に向け、市民の
人権意識を醸成するための教育や啓発に
取り組みます。
また、女性が
意思決定場面に参画し、活躍するための
環境づくりや
人材育成、DVを初め、子供や
高齢者、
障害者への虐待、性暴力などの
人権侵害の
未然防止、被害者の保護や
支援体制の充実などに
取り組みます。
4点目の「快適な
都市生活を支える
まちづくり」では、
都市計画道路を初めとする
幹線道路の整備や多面的な機能を持つ公園の計画的な整備を進めますとともに、
老朽化が進んでいる道路や橋梁など、
社会基盤施設の
長寿命化対策、
放置自転車対策や駐輪環境の改善などに
取り組みます。
また、公園などの
公共空間における
民間活力の
導入検討、池町川緑道や
久留米アリーナ周辺の
歩行空間の整備など、「歩きたくなる
まちづくり」を進めます。
5点目の「
都市開発・地域開発の
まちづくり」では、居住空間としての
ポテンシャルが高い鉄道駅周辺における居住環境の整備や
JR久留米駅市街地再開発への支援など、コンパクトな都市の形成に
取り組みますとともに、西鉄津福駅周辺の
老朽化した市営住宅につきまして、再編整備に向けた検討を進めてまいります。
また、駅など結節機能の強化や、鉄道や路線バスなど公共交通の維持、利便性の向上、地域の実情に応じた生活支援交通の充実などに
取り組みます。
6点目の「安全・安心な
まちづくり」では、防災対策とし、国や県と連携した市街地の浸水対策の強化や防災資機材等の充実、防災重点ため池の整備などに取り組んでいきます。
また、防災士等の人材の育成を進めますとともに、地域との連携による自主防災活動の
活性化、市民や地域への迅速かつ正確な避難情報等の伝達などに
取り組みます。
さらに、地域コミュニティ組織や市民活動団体への活動支援、セーフコミュニティの推進、外国人住民向けのワンストップ
相談窓口の設置、行政情報の多言語化などに
取り組みます。
環境施策につきましては、公共建築物のZEB化改修、食品ロスやプラスチックごみの削減、上津クリーンセンターの計画的な改修と施設更新の検討などに
取り組みます。
7点目の「地域経済を支える
まちづくり」では、まず農業につきまして、施設や省力化機械の導入支援などによる生産性や収益性の高い農業経営の実現、トップセールスや各種メディアを活用したプロモーションの強化による農業都市としてのブランド力向上に
取り組みます。
また、将来の担い手となる新規就農者の育成と確保や多様な人材の活用、法人化や経営の多角化などによる経営力の強化などに
取り組みます。
次に、商工業の分野ですが、地域企業の経営の効率化や経営基盤の強化、販売促進など、積極的な支援に
取り組みますとともに、
久留米・うきは工業団地の整備や企業誘致の推進、バイオ技術を核とした新たな産業の創出など、地域経済を支える産業の集積に
取り組みます。
また、テレワークを初めとした多様な働き方の実現を支援するとともに、多様な人材が活躍できる働きやすい
環境づくりに
取り組みます。
8点目の「文化・芸術・スポーツとにぎわいのある
まちづくり」では、
久留米シティプラザや
久留米市美術館を最大限に活用し、上質で魅力的な文化芸術の鑑賞機会を提供するとともに、市内外からの関心を高めるような情報発信の充実に
取り組みます。
また、
久留米シティプラザや
久留米アリーナを活用したMICE誘致、東京2020オリンピック・パラリンピック事前キャンプの受け入れや、聖火リレーの実施などによる集客をまちのにぎわいにつなげる
取り組みを進めてまいります。
さらに、地域の魅力ある観光資源を活用した周遊性のある観光ルートづくりや受け皿づくり、インバウンドの推進に
取り組みますとともに、ターゲットに合わせた戦略的な情報発信やメディアの活用など、さまざまなシティプロモーション活動による移住や定住、交流人口の拡大などに
取り組みます。
このほか、効率的な
行政運営の
取り組みとし、ICTを活用した窓口業務の効率化や、RPAの活用によるe‐市役所の推進、
公共施設管理の最適化や
ふるさと・
久留米応援寄付制度における寄附者の拡大とリピーターの確保、マイナンバーカードの普及促進などに
取り組みます。
以上、令和2年度における
市政運営について申し上げましたが、「住みやすさ日本一」の
まちづくりは、まだまだ道半ばでございます。正副議長を初め、
市議会議員の皆様、そして市民の皆様におかれましては、どうぞ格段の御理解と御支援、御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
ここで、本日提出いたしております議案の審議をお願いするに当たりまして、各議案の概要を御説明いたします。
第7
号議案から第19
号議案までは、令和2年度一般会計、特別会計及び公営企業会計予算案でございます。
一般会計の予算規模は、対前年比0.1%増の1,342億7,000万円となっております。
令和2年度は、先ほど御説明申し上げましたが、
重点事業を中心に、それぞれの課題について検証を行い、より効果的・効率的な事業へと組みかえ、見直しを行いながら、教育や子育て支援、福祉施策の充実、地域経済・産業の
活性化やにぎわいづくり、総合的な防災機能の強化など、市民がこの地に誇りと愛情を持って住み続けたいと思える
まちづくりを着実に進めていくための予算としております。
まず、歳出予算の内容について御説明申し上げます。
目的別の主要費用といたしましては、民生費が622億4,012万円で構成比46.3%、教育費が142億2,018万円で構成比10.6%、公債費が133億1,698万円で構成比9.9%、総務費が114億9,780万円で構成比8.6%となっております。
性質別では、会計年度任用職員制度の施行などに伴い、人件費が対前年度比16.3%の増、物件費が13.2%の減、補助費等はプレミアム付商品券事業の終了などに伴い、対前年度比12.0%の減となっております。
また、扶助費は、幼児教育無償化の完全実施などに伴い、前年度比4.0%の増となっており、人件費と公債費を含めた義務的経費は、合計で対前年度比6.0%増の732億2,471万円で、歳出総額に占める割合は54.5%となっております。
次に、歳入について御説明申し上げます。
まず、市税につきましては、個人市民税や固定資産税の増収等によりまして、対前年度比0.1%増の411億3,700万円を見込んでおります。地方交付税は、地方財政計画や合併算定替の終了などを踏まえ、対前年度比1.2%減の192億5,300万円を計上いたしております。
繰入金は、さまざまな行政課題に対応するため、主要4基金からの繰り入れを40億円計上いたしております。
市債は、対前年度比0.7%増の108億1,140万円を計上いたしております。
また、諸収入のうち、競輪事業収入につきましては、1億8,000万円を計上いたしております。
以上が、一般会計の予算の概要でございます。
次に、特別会計について御説明申し上げます。
国民健康保険事業は、総額338億4,600万円を計上いたしておりまして、
生活習慣病の重症化予防や特定健康診査、特定保健指導の実施、医療費の適正化などに
取り組みます。
介護保険事業は、総額274億8,600万円を計上いたしておりまして、保険給付の適切な実施や介護予防活動の充実、地域包括ケアシステムの推進などに
取り組みます。
そのほか、競輪事業は221億円、卸売市場事業は3億4,100万円、住宅新築資金等貸付事業は900万円、市営駐車場事業は1億1,300万円、農業集落排水事業は2億8,800万円、特定地域生活排水処理事業は2億2,100万円、後期
高齢者医療事業は44億8,200万円、母子父子寡婦福祉資金貸付事業は1億3,500万円をそれぞれ計上いたしております。
次に、公営企業会計について御説明申し上げます。
水道事業会計の収益的収支は、収入49億9,364万円、支出46億3,235万円を計上し、3億6,129万円の利益を見込んでおります。資本的支出は、配水管等の整備など総額33億6,865万円を計上いたしております。
下水道事業会計の収益的収支は、収入76億7,873万円、支出71億3,218万円を計上し、5億4,655万円の利益を見込んでおります。資本的支出は、計画的な汚水管渠の布設、浄化センターの施設改修など、総額118億3,282万円を計上いたしております。
次に、第4
号議案から第6
号議案までは、令和元年度一般会計及び特別会計の補正予算案でございます。
まずは、一般会計でございますが、37億256万円の追加をお願いするものでございまして、補正後の予算総額は1,409億799万円となります。
以下、主な事業について御説明いたします。
国の補正予算等を活用した事業といたしまして、
児童生徒1人1台端末の整備や
校内通信ネットワーク環境の整備など、国の
GIGAスクール構想に基づくICT環境の整備費用とし、28億9,307万円、小・中学校における校舎改築や外壁、空調機などの改修費用として9億7,587万円、
久留米リサーチ・パークの新
バイオインキュベーション施設の整備費助成とし、3億9,836万円など、15事業、計45億6,079万円の追加をお願いいたしております。
次に、事業進捗によるものとしましては、
ふるさと・
久留米応援寄付の申し込みの増加に対応するための費用3億428万円、
障害者通所支援給付費の増加に対応するための費用とし、9,100万円など、4事業、計4億7,574万円の追加をお願いいたしております。
また、プレミアム付商品券事業の商品券交付事務の外部委託化及び申請件数の見込み減に伴う17億6,663万円の軽減、中小企業金融対策事業の預託金の減に伴う2億4,000万円の減額など、執行残等が見込まれます9事業、計23億9,487万円について、減額の補正をお願いいたしております。
さらに、人件費の補正といたしまして、退職手当10億6,090万円を計上いたしております。
これらの補正予算に必要な財源は、市税5億円、地方特別交付金2,235万円、国庫支出金16億3,230万円、寄附金2億円、繰入金4億261万円、繰越金1億2,301万円、市債27億1,670万円の増額並びに県支出金7,497万円と諸収入18億1,944万円の減額で措置いたしております。
このほか、継続費の変更1事業、繰越明許費の追加10事業、繰越明許費の変更6事業、債務負担行為の変更1事業をお願いいたしております。
最後に、特別会計でございますが、国民健康保険事業は、療養給付費の増加に対応するため、3億600万円の追加を、介護保険事業は、保険給付費の増加などに対応するため、4億7,960万円の追加をお願いいたしております。
次に、第1
号議案及び第2
号議案の
専決処分に係る議案並びに第20
号議案から第23
号議案までの一般議案について、各議案の
提案理由を御説明申し上げます。
第1
号議案及び第2
号議案は、市営住宅の敷地内における
自動車破損事故に係る
損害賠償額の決定について緊急を要し、
専決処分をいたしましたので、報告し、承認を求めるものでございます。
第20
号議案は、令和2年度に係る
包括外部監査契約を締結しようとするものでございます。
第21
号議案は、市営住宅の家賃を滞納している者4人に対し、市営住宅の明け渡し請求及び滞納家賃等支払い請求の訴えを提起しようとするものでございます。
第22
号議案は、
久留米市
都市公園の管理を行わせる
指定管理者を指定しようとするものでございます。
第23
号議案は、公務執行中に発生した
交通事故による和解契約を締結しようとするものでございます。
続きまして、第3
号議案及び第24
号議案から第43
号議案までの条例議案について、各議案の
提案理由を御説明申し上げます。
第3
号議案は、森林の整備及びその促進に関する施策に必要な資金を積み立てるための規定を整備しようとするものでございます。
第24
号議案は、毒物及び劇物取締法及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の一部改正に伴い、条文中の用語を整理しようとするものでございます。
第25
号議案は、地方公務員法及び
地方自治法の一部改正に伴い、フルタイム会計年度任用職員の補償基礎額に関する規定を整備しようとするものでございます。
第26
号議案は、水道事業及び下水道事業の運営に関し必要な事項について調査審議する
久留米市上下水道事業運営審議会を設置しようとするものでございます。
第27
号議案は、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法施行令の一部改正を踏まえ、選挙長等の報酬額を改正するとともに、投票管理者等に交代して職務を行わせる場合の報酬の額に係る規定を整備しようとするものでございます。
第28
号議案は、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るため、関係法律の整備に関する法律が施行されたことを踏まえ、印鑑の登録資格に係る規定を整理し、及び外国人住民の登録印鑑に係る規定を整備しようとするものでございます。
第29
号議案は、
災害弔慰金の支給等に関する法律及び
災害弔慰金の支給等に関する法律施行令の一部改正に伴い、災害援護資金に係る償還金の支払い猶予及び償還免除の規定を整備しようとするものでございます。
第30
号議案は、社会福祉法の一部改正に伴い、
無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を条例で定める必要があるため、条例を制定しようとするものでございます。
第31
号議案は、健康増進法及び健康増進法施行規則の一部改正に伴い、興行場の喫煙場所の構造設備の基準を整理しようとするものでございます。
第32
号議案は、レジオネラ症の発生を防止することを目的とし、公衆浴場の施設における衛生措置の基準を見直そうとするものでございます。
同じく第33
号議案は、レジオネラ症の発生を防止することを目的とし、旅館業の入浴施設における衛生措置の基準を見直すとともに、当該基準の適用に係る特例規約を設けようとするものでございます。
第34
号議案は、食品衛生法の一部改正に伴い、食品等
事業者の公衆衛生上講ずべき措置に関する基準について整理しようとするものでございます。
第35
号議案は、動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正に伴い、動物愛護管理指導員を設置しようとするものでございます。
第36
号議案は、国が定める基準の一部改正に伴い、
幼保連携型認定こども園に配置すべき職員の員数に算入することができる副園長または教頭の資格要件に係る特例の期限を延長しようとするものでございます。
第37
号議案は、国が定める基準の一部改正に伴い、放課後児童支援員の資格要件に係る規約を見直そうとするものでございます。
第38
号議案から第40
号議案までは、卸売市場法の一部改正に伴い、市場の開設者及び取引参加者の遵守事項を整備するとともに、事務手続の簡素化による業務の効率化及び取引規制の見直しによる市場取引の
活性化を図るため、それぞれ条例の全部を改正しようとするものでございます。
第41
号議案は、特定環境保全公共下水道の排水区域が、全て都市計画区域に移行したことにより、特定環境保全公共下水道事業を廃止するため、条例を廃止しようとするものでございます。
第42
号議案は、浄化槽法の一部改正に伴い、浄化槽管理士に対する研修の機会の確保に係る規約を整備しようとするものでございます。
第43
号議案は、駅周辺の
活性化及び
定住促進を図ることを目的とし、市街化調整区域における開発許可の立地基準に係る規定の整備等を行おうとするものでございます。
以上をもちまして、各議案の
提案理由について説明を終了いたしますが、何とぞ慎重なる御審議の上、満場の御賛同を賜りますようお願い申し上げて、
提案理由の説明とさせていただきます。
=〔降 壇〕=
○議長(
永田一伸君)
提案理由の説明は終わりました。
この際、お諮りいたします。
各議案の質疑は、議事の都合により、本日はこれを取りやめ、後日に行いたいと思います。
これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
永田一伸君) 御異議なしと認めます。よって、本日は各議案の質疑は取りやめ、後日に行うことに決定いたしました。
以上で、本日の
議事日程は全部終了いたしました。
お諮りいたします。
議案研究等のため、あす28日は休会いたしたいと思います。
これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
永田一伸君) 御異議なしと認めます。よって、あす28日は休会することに決定いたしました。
来る3月2日、午前10時から本会議を開きます。
本日は、これにて散会いたします。
=午前10時45分 散会=...