日吉小学校は昭和56年度に建てられ、築33年で、耐震性もあります。まだまだ使用できます。1つ目のメリットは、年間約1,900万円節約できるということです。現在、総務課、学校教育課、社会教育課、体育振興課は、富士火災今治ビルを借用して使用しています。1年間の賃借料は、平成26年度は約1,900万円です。平成16年度の11月から借りているようですが、合計すると2億円弱になっています。
2つ目のメリットは、教育長と目と目、顔と顔を突き合わせての仕事になりますので、連携が密にとれ、仕事をする上での3原則、「報・連・相」といいますが、報告、連絡、相談がしやすくなり、仕事がさらにスムーズになると考えます。
3つ目のメリットは、駐車場が確保されることです。富士火災今治ビルは駐車場がゼロです。文化振興課と学校給食課が入っている第4別館は駐車場が二、三台程度です。用があって来る人は今治市役所本館前の駐車場に置いて、第3別館や第4別館に歩いていっている状況です。日吉小学校校庭では駐車スペースは約130台分です。今治市中央公民館では毎日たくさんの趣味の教室や講座が開かれています。例えば、シルバーコーラスの日は午前10時から練習がありますが、午前9時20分ごろに行かないと駐車できません。勢い近くの今治市河野美術館や愛媛県東予地方局今治支局などにやむなく駐車しているようです。また、今治市総合福祉センターで大きな行事があるときは、ここの駐車場も満杯になります。日吉小学校から近いので、そのようなときにも貸すことができます。2番目として、日吉小学校の校庭を駐車場にしてはいかがでしょうか。
3番目に、その他の学校につきましても、まだ閉校式も済んでいない段階ですが、今後の利用計画について、今治市の方針をお聞かせください。ご答弁をお願いします。
次は、ふるさと納税について質問します。
ここ数年の今治市のふるさと納税実績額は目覚ましいものがあります。地域を活性化させる目的で平成20年度から制度が始まっています。平成20年度は152件、131万9,005円の寄附がありました。平成21、22、23年度は50件前後、200万円前後で推移しています。平成24年度は何と358件、約747万円と3倍以上のアップです。平成25年度は1,167件、約2,684万円と約4倍の飛躍的な伸び率です。これで驚くのは早くて、平成26年度は約4,500件、約1億5,000万円、これは12月までということですが、件数は前年度の約4倍、金額は約6倍にもはね上がっています。
そこで、1番目の質問ですが、ここまで大きく伸びた要因は何だったのでしょうか。バリィさん効果なのか、今治市が中心となり成功させたしまなみ海道での国際サイクリング大会で知名度が全国レベルになったことも貢献しているのでしょうか。
2番目ですが、平成27年度も今年度のような大幅なアップを計画しているのでしょうか。例えば5倍アップで7億5,000万円を目標にしているとかということです。
3番目は、ここまでふえてくると課題も多く出てくると思います。例えば、1億5,000万円の寄附をいただき、1万円の品物を送るにしても、包んでの作業が1万5,000回要ることになります。手作業なので大変だと思います。このようなことも含め、今後の取り組むべき課題をご答弁ください。
3:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
4:
◯菅 良二
市長 古川議員、冒頭、3月8日に行われました「今治湯ノ浦温泉シクロクロスin桜井」について言及いただきました。湯ノ浦温泉の振興策、これは我が今治市にとっては大きな課題でもありますし、そのことにしっかりと注目もいただき、あわせて今現在、自転車振興、自転車でのまちおこしに今治市を挙げて取り組んでおります。オール桜井でボランティアでご参加いただき、大成功に終始いたしましたことに、地域の皆さんに改めまして心から感謝を申し上げます。
さて、古川議員ご質問の閉校後の今治市内4小学校跡地の有効利用についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
まず1番目、日吉小学校校舎を教育委員会関連の施設にしてはについてでございます。
本市といたしましては、本庁舎に近い今治小学校の4階建て校舎を教育委員会庁舎として再利用する計画を考えております。当初予算に改修に係る設計業務委託料を計上させていただいており、平成27年度中に調査、実施設計を行い、諸手続が整い次第、平成28年度前半で改修工事を実施し、後半には現在の第3・第4別館から関係部署を移転いたしたいと考えております。
また、今治小学校の運動場につきましては、防災拠点整備工事に伴い、庁舎本館西側駐車場が使用できなくなるため、公用車等駐車場の移転先といたしまして一部整備する予算も計上させていただいております。
なお、今治、日吉、美須賀、城東の各小学校の体育館につきましては、引き続き、社会体育や地域活動に当分の間ご利用いただけるよう、今議会に関係条例をご提案申し上げております。
先ほど、皆様方、黙祷をささげていただきました。つい先般、3月10日に今治市連合自治会の研修会がございました。宮城県山元町に職員を派遣しておりまして、当初は3週間とかサイクルが非常に速かったんですが、今現在、土岐主査を2年間派遣しており、山元町との関係は非常に深いものがございますが、その山元町の山下中学校の元校長にご講演いただきました。あの大津波、そして避難場所、当然、小中学校の校舎、体育館を活用したわけでありますけれども、私どももこの4つの小学校の体育館を残す、それは先ほど申し上げた社会体育にということもありますが、いざというときには、やはり避難場所として活用もいたしたいと思っております。今現在の強度が保たれる間、しっかりとそのことも視野に入れて、大切に使っていきたいと思っております。
2番目の日吉小学校校庭を駐車場にしてはについてでございます。
議員ご
発言のとおり、今治市中央公民館には68台の専用駐車場が整備されておりますが、施設利用者が多くて、今治市中央保健センターも併設されているために慢性的な駐車場不足となっております。今後の対策といたしまして、日吉小学校の中庭部分を活用し、約50台の駐車スペースとして利用する計画を考えております。また、体育館及び運動場につきましては、もちろん、先ほど申し上げました、あってはならない災害の避難場所として、そして平時においては、平成25年4月に統合して日吉中学校は大きくなりましたが、現在、体育館、グラウンドが手狭な上、周辺が市街地で利用できる用地も少ないため、第2体育館、第2グラウンドとして利用したいとの要望も上がっております。教育委員会においてこれから検討してまいりたいと思っております。
3番目のその他の学校の利活用の計画はについてでございます。
美須賀小学校につきましては、4階建て校舎の一部を解体し、弥生通線から運動場に進入できる通路を確保した上で、運動場の一部を催し物の際の駐車場やイベント会場として活用し、中心市街地の活性化に役立てるよう検討してまいります。
城東小学校につきましては、校舎の一部を、現在、今治港湾ビルに入居しております今治海事事務所の仮事務所として当面利用するため、四国運輸局を相手方とした賃貸借契約を本年秋ごろに結ぶ予定としております。運動場につきましては、引き続き、社会体育や地域活動に当面ご利用いただく予定としております。
なお、今治小学校及び美須賀小学校の敷地の一部につきましては、今現在、今治市が直面している最大の課題の救急医療、これは、愛媛県立今治病院、済生会今治病院、そして今治市医師会の先生方の大変なご尽力をいただいておりますが、非常に危うい状況にあります。そういった面からも、私どもも大きな問題意識を持った中で、救急医療体制の確保、構築に向けての活用策、こういったことも視野に入れて今後検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いを申し上げます。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
5:
◯胡井裕志企画財政部長 古川議員ご質問のふるさと納税についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
1番目の寄附金額が飛躍的に伸びた要因についてでございますが、まず、ふるさと納税が制度創設後5年を経過し、全国的に周知が進んだことが第一義的な要因となっております。「ふるさと納税今治」については、古川議員ご
発言のバリィさん人気や、「瀬戸内しまのわ2014」及び国際サイクリング大会の開催、また、今治タオルブランドの浸透などによる今治市の知名度アップが要因であることはもちろんでございますが、全国への情報発信を意識して平成24年度に取り組んだインターネットでの寄附申し込みや、クレジットカード納付の導入による寄附の利便性向上や、お礼の特産品の一新が功を奏し、増加傾向に転じることができました。さらに、平成26年度には、より訴求力を高めるために、ホームページをリニューアルすると同時に、特産品数を倍増し、また、民間のふるさと納税専用サイトとも連携するなど、改善を進めたことが飛躍の要因になったと考えております。
2番目の平成27年度の目標についてでございます。平成27年度の国の地方創生策においてふるさと納税の拡充が掲げられており、ふるさと納税への追い風となってまいりますが、他の自治体の事務改善も予想されるところでございますので、当面は当初予算に計上いたしております2億円を目標に取り組みたいと思っております。
3番目の今後の取り組むべき課題についてでございますが、古川議員ご指摘のとおり、寄附件数の増加に比例して、自治体と特産品事業者の業務量も増加してまいります。そこで、平成27年度の本市の対策としましては、ふるさと納税事務処理システムの構築や一部業務の外注化などによりまして、事務の効率化を推進する予定でございます。また、特産品事業者の方々におきましては、今後のさらなるふるさと納税の増加によって雇用創出につながれば、副次的な効果として歓迎すべきことであると考えております。
一方、ふるさと納税を安定した財源にするという課題がございますが、寄附者のリピート率を高めることが重要であると考えております。そのためには、「ふるさと納税今治」の魅力を維持し続けるとともに、今治市出身者や今治市にゆかりのある方々への認知度を一層高め、ふるさとを応援していただくさらなる機運の醸成につなげていくことが肝要であると思っております。
以上でございます。
6:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
7:
◯古川孝利議員 議長。
8:
◯松岡一誠議長 古川孝利議員。
9:
◯古川孝利議員 ご答弁、ありがとうございました。
今治市内4小学校の跡地についてですが、着々と計画が進んでいると感じました。今治小学校に関しましては、校舎を教育委員会庁舎として、運動場を公用車等の駐車場にする計画と聞きました。私が提案しました日吉小学校より、今治市役所により近い今治小学校を教育委員会庁舎として使うことはグッドアイデアだと思います。
日吉小学校の運動場と体育館は日吉中学校の教育活動に使用する計画と聞きました。サッカーや野球、テニス、卓球などの部活動がより充実することでしょう。身近にあるものを有効に使うということで、大いに結構だと思います。加えて、中庭部分を50台ほどの駐車スペースにする計画もうれしいことです。今治市中央公民館の駐車場にすれば、今治市中央保健センターや講座に通う市民の声に応えることができます。スピード感を持って、使えるようにしていただきたいです。
美須賀小学校に関しましては、体育館は地域の社会体育施設、運動場の一部は催し物の際の駐車場やイベント会場として、中心市街地の活性化に役立てるよう検討されているということで、納得します。
城東小学校については、今治海事事務所の仮事務所として当面利用する予定とのことでしたが、タイムリーな要請に応えるものと考えます。
ここで1つ提言します。20年後、30年後のことを考えると、中心市街地に人がいなくなっているので、マンションや市営高層アパートをつくっていくのがベストだと考えています。また、お年寄りがふえていくので、住みやすい老人ホームなどの施設も建設すべきと考えます。救急医療ということで
市長は言われましたけど、これもすてきなアイデアだと思います。ご検討をお願いします。
ふるさと納税について再質問いたします。
今治市のふるさと納税は飛躍的に伸びてきています。インターネット申し込みやクレジットカードで納付するなど、工夫や努力を重ねてきていることに頭が下がります。そこで、もう一歩踏み込んで、ホップ・ステップ・ジャンプでさらに伸ばすため、還元率をアップしてはいかがでしょうか。今治市の還元率は20%です。1万円寄附を受けたら2,000円のもの、例えば今治タオルやミカン類など希望の品物を送っているということです。最近では、長崎県平戸市など、還元率を50%にして、ふるさと納税金額を伸ばしている自治体があります。ポイント制度も採用しているようです。例えば、スーパーに買い物に行って、同じ品物で20%引きと50%引きがあったら、誰でも50%引きを買うでしょう。還元率も同じようなことで、20%還元してくれる市より、50%を還元してくれる市に寄附しようかということになります。還元率を引き上げるお考えはないでしょうか。ご答弁をお願いいたします。
10:
◯胡井裕志企画財政部長 お答えいたします。
古川議員ご指摘のとおり、全国トップランクの自治体は5割前後の高還元率を採用しており、地域の産業振興に寄与していることも事実でございます。しかしながら、ふるさと納税本来の趣旨は地域活性化のための財源としての活用にございまして、寄附金を福祉や環境保全などに活用することを求める寄附者も数多くおられます。また、国においても本来の趣旨を逸脱した高還元率の自粛を求める指針が示されております。
とは申しましても、ふるさと納税の活性化に伴い、寄附金が増加する一方で、他の自治体への寄附による住民税の減収も発生いたしますので、一定の寄附金を集めることが必須となってまいります。今後、寄附金の使い道や高還元率化も含め総合的に勘案しつつ、また、他の自治体の動向も注視しながら、事務改善につなげてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
11:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問はありませんか。
12:
◯古川孝利議員 議長。
13:
◯松岡一誠議長 古川孝利議員。
14:
◯古川孝利議員 ご答弁、ありがとうございました。
近年、今治市は、バリィさん効果、国際サイクリング大会、和田竜さんの小説『村上海賊の娘』、パティシエのオリンピックと言われるフランス・リヨンでの「クープ・デュ・モンド」で銀メダルに輝いた今治市桜井出身の徳永純司さん、きわめつきは、FC今治オーナーとして世界のサッカーを知る岡田武史元日本代表監督が就任するなど、日本中、いや、世界中から注目を集めています。
そこで、私は提言したいのです。全国ネットを持っているテレビ局でふるさと納税のコマーシャルを流したらいかがでしょうか。岡田武史オーナーに「サッカーは今治市から。ふるさと納税は今治市へ」、そこで、すかさず「今治市でなきゃダメよ~ダメダメ」と日本エレキテル連合に登場してもらうのも、きっと今治市の知名度アップとなるでしょう。ぜひ検討してください。
以上で質問を終わります。
15:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で古川孝利議員の質疑、質問を終わります。
次に、8番藤原秀博議員。
16:
◯藤原秀博議員 おはようございます。
それでは、まず、人口減少問題についてお伺いします。
1965年当時、日本の人口は約9,800万人で、人口密度が高過ぎると言われておりましたが、その後、高度経済成長などにより社会が発展し、人口容量が増大したことにより、人口密度の話は聞かれなくなり、人口は右肩上がりで増加し、2008年には約1億2,800万人のピークに達し、以降、人口減少へと転じております。
そのような推移の中で、昨年5月、日本創成会議の人口減少問題検討分科会が全国市区町村別の2040年の人口を推計し、2010年から2040年の30年間で20代ないし30代の女性人口が半減以下だと消滅する自治体もあると予測し、大変大きな反響を呼んだところであります。ちなみに、本市の2040年の人口は10万5,242人と推計され、20代ないし30代の女性人口の30年間の増減率は54.9%となっております。
また、総務省の2014年の住民基本台帳人口移動報告によると、都道府県別では40道府県が転出超過となっており、主な転出先は大都市圏や地方の中核市などでありますが、とりわけ東京圏への一極集中が問題となっております。本県では、20市町のうち16自治体が転出超過で、本市は転出超過が811人で、全国の市町村では19番目に多くなっております。
人口の減少は、日本経済や私たちの社会生活に大きな影響を与えるため、急激な人口の減少を食いとめなければなりません。このため、政府は「地方創生」を掲げ、人口減少に歯どめをかけ、東京への人口集中を是正するため、人口減少対策の5カ年計画「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、地方での若者30万人分の雇用創出を明記するなど、地方の実態に合った自主的、主体的な取り組みを重点的に支援すると表明しております。本市におきましても、地域の特色を生かした独自の総合戦略を策定しなければなりませんが、「隣の自治体に負けない」とライバル心を発揮して、迫力を持って臨んでほしいと思います。
さて、この人口減少対策について、私は、少子化対策、雇用の創出、定住促進の3点が重要であると考えますので、この3点に絞って質問させていただきます。
まず、少子化対策について。
本市では、結婚・妊娠・出産・育児に切れ目のない支援事業を展開していただいており、小中学生の入院費は無料でありますが、子育て支援充実の観点から、子供たちが健やかに育ち、経済的な理由により受診を控えることなく、保護者が安心して子育てができるよう、負担を少なくする環境を整えることが必要であると考えます。
そこで、1番目に、小中学生の通院費の無料化の実施はどうか、ご所見をお伺いします。
2番目に、雇用の創出についてでありますが、私はこれまで、「産業の育成と創出について」、次いで「雇用の創出について」のタイトルで2回ほど質問し、雇用の創出のためには、企業誘致、新しく事業を起こす起業、今治市内企業の留置策等が必要であると申し上げてまいりましたが、これまでの取り組みとその成果及び今後の方策についてお伺いします。
3番目に、定住促進についてお伺いします。
若者がどこに居住するかを決定する要因として、職場に通勤しやすいところ、地価の安いところ、子育てのしやすいところ、税金の安いところなどが挙げられると思います。子育て世代が住みやすいと思うまちづくりなど、地方創生の取り組みから定住促進に向けた今後の考え方についてお伺いします。
次に、今後の農業のあり方についてお伺いします。
戦後、日本の農業は、政府が米を管理する食糧管理制度、一転して減反による生産調整と自主流通米制度による流通・価格統制の緩和、さらにはGATTウルグアイ・ラウンドにおける関税化による農産物の輸入禁止撤廃など、「猫の目農政」とやゆされてまいりました。
このような流れを経て、近年の農業は、農家の高齢化、後継者不足、米価の下落、安価な輸入農作物との競争など多くの課題を抱える中で、TPPによる農林水産物の関税撤廃に係る協議や農協改革なども進展しており、日本の農業は今まさに大きな転換期を迎えております。中でも米価の下落は著しく、農協に出荷しますと、従来1袋30キログラムが約1万数千円でありましたが、現在の価格は約5,000円で、TPP交渉が妥結しますと約2,000円ないし3,000円になるのではないかと言われておりまして、米作農家は立ち行かなくなるのではないかと危惧しています。
また、中山間地においては、高い畦畔の草刈りなど農作業に手間がかかり、鳥獣被害がある上に、農家の高齢化や後継者不足により、近い将来、農業をやめざるを得ない農家が増加し、農家が共同で行う水路やため池の保全なども難しくなるなど、地域農業の崩壊が目前に迫っているのではないかと懸念しているところでもあります。
しかしながら、農業は国土保全や環境保全にも不可欠であり、国においては、国内の大規模な不作や主要輸出国の突発的な事件・事故等による貿易等の混乱などを考慮し、2002年に「不測時の食料安全保障マニュアル」を策定しておりまして、私たちは農業の持続的発展を図らなければなりません。
このような状況のもと、農家の中には、米作は農業生産法人や集落営農組織に委ね、野菜や果樹、花木などの栽培に独自の技術力を生かして取り組み、品質のよさで活路を見出したいと言われる方もおられます。現に私どもの地域においては、トマト栽培やキュウリなどの野菜栽培、花の栽培などで高収益を上げている農家も見られます。
平成23年12月議会におきまして、私は農業の振興について質問しましたが、「個人で地域の農地を守ることには限界があり、地域の組織で農地を守ることを基本に、集落営農組織の育成を図る」との答弁でありました。
1番目に、地域の皆さんも今後の農業に強い危機感を持っており、集落営農組織や農業生産法人の設立が急務であると思いますが、これまでの取り組みとその成果及び今後の方策についてお伺いします。
2番目に、地域の農業・農村を支える意欲ある担い手へ農地を集積し、農業・農村の維持発展を目指す農地中間管理事業の本市における利用状況と今後の活用方策についてお伺いします。
3番目に、鳥獣害防止対策についてお伺いします。
中山間地は寒暖の差が大きく、おいしいお米がとれますし、野菜や果樹も豊富に栽培されておりますが、イノシシや鹿、猿、カラスなどに食い荒らされ、最近は被害に遭う農作物は栽培しない農家もおられるようです。私も山奥育ちで、鳥獣被害等についていろいろ見聞きしますが、イノシシが山合いの棚田でつくられていた収穫前の稲をことごとくすき倒し、水田が荒らされ、そのことが消滅集落の遠因となったことや、麓の川に潜み、田畑を荒らしていたイノシシを見つけ、退治しようとして逆に襲われ、大けがをして入院した方もおられます。猿は数十匹で群れをつくって行動し、最近は人にもなれて、歯をむき出して威嚇してくるときもあるようで、怖いと言う方もおられます。また、小中学生の通学路に面した山まで出没し、保護者が見張りをしなければならないときもありました。
イノシシや鹿、猿が山から里におりて農作物に被害を与えるようになったのには、一般的に3つほど原因があると言われております。1つ目は、山が杉やヒノキに変わってしまい、食べ物がなくなってしまったこと、2つ目は、農村に人が少なくなって、猿などとの力関係が変わってしまったこと、3つ目は、戦前に乱獲された地域で数が回復し、分布が拡大したことが原因であると言われております。
本市におかれましては、有害鳥獣の買い上げや鳥獣害防止施設整備事業費補助金などにより鳥獣被害の防止に取り組んでいただいており、一定の効果は見られるようです。しかしながら、このような状況が継続しますと、農家の存続にも少なからず影響が出てくるのではないかと思いますし、そのうちに、まちなかにも鳥獣類が頻繁に出没するようになるのではと思います。
そこで、お伺いします。農作物の被害の状況と鳥獣類の捕獲数、及び今後のさらなる防止策についてご所見をお伺いします。
以上で質問を終わります。
17:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
18:
◯菅 良二
市長 議会の華は本会議での質問戦だといったことは、よく全国の自治体、もちろん国会でも言われております。私も6年間、愛媛県議会議員として、大体2年に3回ほど質問の機会があるわけですけれども、9回ほど質問させていただいて、そのときには、バス2台から3台で必ず傍聴席に後援会の皆さんにお越しいただきました。そして、よかったのは、やっぱり問題意識が共有できたこと、それから、申し上げていいのかどうか、何といっても後援会組織がぐっと引き締まることでもありました。きょうはこうして傍聴席に、先ほどの古川議員に続いて、藤原議員に温かい目を注いでおられる方々に大勢お越しいただけたことは、これからの議会の方向性といった意味におきましても大変ありがたいことだと思っております。
とりわけ、ありがたいといえば、JFAアカデミー今治におきまして、朝倉地区の皆さんに大変お世話になって、この4月に開校の運びとなります。今治市の活性化、また話題性の提供、こういったことでご協力いただきましたことに重ねてお礼を申し上げます。
ところで、きょう、人口減少問題という、我が今治市にとっても、日本の地方都市にとっても喫緊の課題、こういったことに今現在、国も地方創生という観点から非常に大きな目を向けてくれております。
実は、きのうのことでありますけれども、地方創生担当大臣補佐官の伊藤達也氏に、愛媛県、しまなみ地域、そして、この今治市の「タオル美術館ICHIHIRO」を初め、あちらこちらへ視察に来ていただきました。地方創生に向けて我々も心をしっかりと持たなければならない、国もそのメッセージを期待している、そのことを強く感じたわけであります。
もう一言言わせてもらいます。3月1日、私は今治工業高等学校の卒業式に行かせてもらいました。元気な若者に出会えたと同時に、213名の卒業生のうち、何と我が今治市内の企業に79名の就職をかなえていただいたといったこと、そして、恐らく79名以外の中には、専門学校に行ったり、大学に行ったり、この方たちがまたふるさとに、この今治市に帰っていただけるとしたら、今治工業高等学校の卒業生の半数がこの今治市で就職、社会参加してもらえると、非常に心強く感じた卒業式でもありました。このことが非常に重要だと思っております。こういったことにつきましては、後ほど産業部長を初め、答弁を委ねたいと思います。
私からは、人口減少問題についてのうち、1番目の小中学生の通院費の無料化についてに関しましてお答えさせていただきます。
現在、本市におけるまちづくりの最上位計画であります第2次今治市総合計画の策定に合わせ、今治市ならではの地方版総合戦略についても、市民の皆様にお示しできますよう、庁内組織の総力を挙げて取り組んでいるところでございます。
そうした中、人口減少問題について適切な対策を講じるため、まずは本市における詳細な人口動態を検証し、地方人口ビジョンを策定することが肝要であり、周辺自治体の動向にも留意しながら施策を講じなければならないと考えております。
本市では、少子化対策の一環として、平成26年4月から中学生までの入院医療費を無料化し、今議会にはこれまで母子家庭に限られていた医療費助成の対象範囲を本年7月から父子家庭等にも拡大する議案を提案し、医療費支援の面から、子育て世代が子育てしやすい環境を整えているところでございます。本当に厳しい財政状況の中ではありますが、小中学生の通院費の無料化の実施につきましては、歯の健康を守ることが全身の健康を守ると言われており、将来の医療費の減少にもつながることとあわせて、子育て世帯のより一層の支援のため、経済的理由によって受診が損なわれがちな歯科医療費の無料化を中学生まで拡大することを優先して実施いたしたいと考えております。今後、本年10月からの実施に向けて準備を進め、6月議会において関係議案を提案させていただきたいと考えております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
19:
◯渡邊 徹産業部長 藤原議員ご質問の人口減少問題についてのうち、2番目の雇用の創出について私からお答えさせていただきます。
まず1点目、企業誘致についてでございます。
企業誘致に重点的に取り組んでまいりました新都市第1地区について、議員が前回ご質問された平成24年6月以降の状況を報告させていただきます。
まず、産業用地「クリエイティブヒルズ」でございます。
平成24年の時点では約10.3ヘクタールが未分譲となっておりました。当時、地方都市における大画地での分譲は非常に困難な状況であり、企業のさまざまな土地のニーズに柔軟に対応するため、小ないし中画地に分割を行った結果、総画地数は現時点で17画地となっております。このうち、分譲済みの画地は、当初の9画地に加え、都市再生機構が新たに6社との土地譲渡契約を締結し、合計15画地、面積では約12.3ヘクタールとなり、残る未分譲画地は5.3ヘクタールと0.5ヘクタールの2画地となっております。この15画地の内訳は、愛媛県繊維産業技術センターのほか14の民間企業で、その本社の所在地は、愛媛県外が1社、愛媛県内の中予地方が1社、他の12社は今治市内であります。また、これらの稼働状況は、愛媛県繊維産業技術センターが昨年4月に開設、その他11の企業が既に操業開始またはこの3月中に操業開始予定となっております。
なお、未分譲の2画地につきましては、地方創生の一環として、地方に拠点を移した企業を対象に検討されております国や愛媛県の優遇制度の活用も検討しながら、都市再生機構、愛媛県と連携し、愛媛県外企業の誘致も視野に早期の完売に向けて努力しているところでございます。
次に、商業系用地「にぎわい広場」でございます。
平成25年10月に家具小売業の株式会社カタヤマ今治店が開店しました。また、経済情勢等から着工がおくれておりました(仮称)イオンモール今治新都市につきましても、平成26年11月に総合スーパーの部分から建設に着手し、現在、平成28年春のグランドオープンを目指して急ピッチで建築工事が進んでいるところでございます。イオンモールは総投資額が約200億円、新規雇用者がパート等を含めまして約1,500人の予定であり、地域経済に与える波及効果は非常に大きいものがあると考えております。特に雇用の面では、周辺都市へ流出している若い労働力を引きとめ、さらに、域外からの労働力の吸引にも寄与することで、少なからず人口減少を食いとめることになると期待されます。残る商業系用地は、イオンモールの対面にある4.3ヘクタールの1画地のみとなっており、イオンモール着工の影響もあり、現在、複数社から問い合わせが来ております。まだ成約には至っておりませんが、早期の分譲につなげてまいりたいと考えております。
次に、2点目、新しく事業を起こす起業についてでございます。
本市は、今年度、今治商工会議所、今治地域地場産業振興センター、越智・しまなみ両商工会とともに、産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画を国に申請し、平成26年6月20日付で認定を受けました。これは今治市内の地域産業活性化に向けて、地域の支援機関が連携を強化し、起業を目指す方々を強力にサポートしていくためのもので、具体的に言えば、創業塾の開催、創業セミナーの開催、起業を目指す方々のためのオフィスであるインキュベーション施設の提供、研究開発・販路開拓に要する経費助成、窓口相談等の支援策を行ってまいりました。特に創業塾については、定員30名に対して、定員を大きく上回る72名の応募があり、全国的にも例を見ない関心の高さとなりました。この結果、現在の経済状況も相まって、平成27年2月末時点で28名の起業家を輩出しております。平成27年度からは、これまでの取り組みに加えて、創業支援事業者に地域金融機関が参画することにより、地域を挙げての創業支援の体制の一層の強化を図るとともに、平成26年度に実施した創業塾の修了者を創業につなげるためのフォローアップ支援事業などを展開してまいります。
続きまして、3点目、今治市内企業の留置策についてでございます。
今治市内企業で特に雇用の創出に重要な役割を担っていますのが、造船業を中心とする海事産業でございます。これまでにも業界の人材育成には力を入れており、今治地域造船技術センターは今年度で10年目を迎え、既に延べ1,200名余りの受講生を輩出し、業界の人材育成の一端を担っています。加えて、造船技能者の処遇改善を図ることを目的に平成26年度から2年間で造船人材育成事業を実施して、造船技能の基本となる溶接や配管艤装等6職種について、技能検定等による技術向上を促進し、技能者の地位向上を図るなど、一層の人材確保・育成に取り組んでいるところでございます。さらに、「バリシップ2015」が5月に開催されますが、工場見学会や四国タオル工業組合と連携した参加型イベント等を通じて、子供たちが地場産業を身近に感じ、将来の就職先として興味を持っていただけるような取り組みを行っているところでございます。また、タオルを初めとした繊維産業に関しましては、さきに述べた愛媛県繊維産業技術センターが機能も利便性も格段に向上いたしました。また、業界団体と連携し、社内検定認定制度や訓練体制の整備を図るなど、技能の継承と若手技術者の育成にも取り組んでおります。
その他の今治市内企業の留置策としまして、今治市企業立地促進条例による優遇制度に基づき、企業立地促進奨励金及び雇用促進奨励金などを交付しております。具体的な例としまして、渦潮電機株式会社のみらい工場、株式会社新来島どっくの塗装工場や太陽石油株式会社のプラント増設などがございます。また、今治市内の中小企業7社に対しましても設備投資奨励金の交付を予定しております。これらの奨励金は、新規雇用の確保や雇用維持が交付要件の一つとなっていることから、各企業の投資意欲を今治市内に引きとめることで雇用機会の維持・拡大を図っているところでございます。
今後も、今治市として、これまで述べたような企業誘致、新しく事業を起こす起業支援、造船や海運、タオルなど今治市内産業の活性化と設備投資への支援といった各種施策を有効に連携させながら産業振興を図ることで、今治市内企業の留置、雇用の安定、ひいては人口減少の緩和に貢献してまいりたいと考えております。
以上でございます。
20:
◯胡井裕志企画財政部長 藤原議員ご質問の人口減少問題についてのうち、3番目の定住促進についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
今議会冒頭の
市長の施政方針にもございましたとおり、気候が温暖で、自然災害も少なく、暮らしやすい本市の特色を生かした定住人口の確保はもとより、若い世代に帰ってきて定住していただくためには、全国一律ではなく、今治市ならではの創意工夫により、独自性を持った課題解決を目指す姿勢が必要であると認識しており、中心市街地はもちろん、周辺の各地域の個性を尊重した施策を打ち出すことを目指しております。
しまなみ海道などを生かした観光産業、好調な造船業やタオル業界等の基幹産業等、恵まれた地域資源を最大限に生かし、50年後、100年後も幸せに暮らせるまちの創造に向け、そのために必要な施策に対しスピード感を持って展開するなど、地域活性化に向けて強力に進めてまいりたいと考えております。
そのためにも、議員ご
発言の子育て世帯の負担軽減を図る小中学生の入院費の無料化を初め、結婚・妊娠・出産・育児への切れ目のない支援や、多子世帯への保育料の軽減及び幼稚園就園奨励費の拡充などの少子化対策、バリシップ開催や今治タオルの海外展開など、地域ブランド力強化による雇用の確保と新産業の創出、そして、サンライズ糸山の機能強化など、サイクリストの聖地としてのさらなる知名度の向上による自転車に特化した地域活性化策など、今治市ならではのあらゆる施策を展開し、「ふるさと今治」づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
21:
◯阿部 宏農水港湾部長 藤原議員ご質問の今後の農業のあり方について、私からお答えいたします。
まず1番目の集落営農組織及び農業生産法人についてでございますが、これまでの取り組みは、各集落の農業者の年齢構成や後継者の状況及び今後の営農の意向など、集落ごとに聞き取りをした上で、それぞれの集落に合った集落営農組織について説明会を開催してまいりました。しかし、それぞれの地域で多様な考えの方々がおられ、なかなか調整が進まず、現在、2カ所の集落で集落営農組織の設立に向けて協議を行っているところでございます。
また、農業生産法人につきましては、地域の農家が構成員となった集落での農業生産法人が今治市内に10団体ありますが、近年におきましては、新たな農業生産法人の設立には至っておりません。米の直接支払交付金のかわりに平成27年度から始まります米・畑作物の収入減少影響緩和対策で国も集落営農を政策の一つに掲げており、今後もなお一層粘り強く集落営農組織の設立を推し進めてまいります。
次に、2番目の農地中間管理事業についてでございますが、本事業により平成26年度中に農地の利用権設定された面積は、愛媛県下で約34ヘクタール、今治市におきましては、そのうちの約4割に当たります14ヘクタールを担い手に集積しております。今後も、新規就農者や集落営農法人など地域農業の担い手となる方々の経営を安定させるため、本事業を活用してまいりたいと考えております。
次に、3番目の鳥獣害防止対策についてでございますが、農作物の被害を防止するための柵などへの助成をしてまいりましたが、平成25年度の野生鳥獣による農作物被害額は、愛媛県下で3億7,970万円、今治市は4,250万円であり、減少に至るデータとはなっておりません。有害鳥獣の捕獲状況でございますが、平成26年度におきまして、イノシシが1,278頭、鹿が166頭、猿が14頭、カラスが481羽、その他が251頭でございます。
なお、捕獲頭数につきましては、年々増加傾向にあります。今後は、農作物を守る防護柵の設置への助成はもとより、より一層、有害鳥獣の捕獲を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
22:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
23:
◯藤原秀博議員 議長。
24:
◯松岡一誠議長 藤原秀博議員。
25:
◯藤原秀博議員 明確な答弁、ありがとうございました。
それでは、何点か再質問をさせていただきます。
まず、小中学生の通院費の無料化についてでありますが、本年10月から歯科医療費について無料化を実施するとの答弁でありました。愛媛県内他市の先を行く、時宜を得た施策であり、敬意を表する次第です。歯科疾患の早期治療は口腔内の健康維持に重要であり、子育て世代におきましては、まさしく朗報で、定住促進や人口減少の歯どめにつながるものと期待しているところです。今後は、歯科医療以外の小中学生の通院費の無料化についても実現していただきたく、要望といたします。
次に、雇用の創出についてでありますが、平成24年6月議会におきまして、雇用の創出を専門に担当する部署の創設など組織の充実を要望していたところでありますが、今議会における
市長の施政方針で、産業部に、新たな雇用の創出と今治ブランドの強化を戦略的に推進する新たなセクションを設けたいとの表明があり、期待しているところです。
人口減少対策で最も重要なことは、魅力ある雇用を地道に創出することであると言われております。また、以前、企業誘致の先進地視察において誘致の極意を尋ねたところ、「立地条件にも増して、担当職員の熱意が会社を動かす」との話がありました。来年度の組織改正において雇用の創出を専門に担当する部署の充実強化を図っていただき、愛媛県外からの企業誘致などに積極的に取り組んでいただきますことを期待しまして、要望といたします。
次に、集落営農組織及び農業生産法人について再質問させていただきます。
愛媛県内に集落営農組織が219団体、そのうち農業生産法人が58団体であると聞いております。本市では農業生産法人が10団体とのことですが、集落営農組織の設立が進まない理由について今治市としてのお考えをお聞かせください。
26:
◯阿部 宏農水港湾部長 お答えします。
本市の場合、兼業農家や高齢農業者が多く、集落営農組織の中心的役割を引き受ける方がいなく、行政として機運を高めてもらうよう説明もしておりますが、個人での営農継続を希望される方もおられ、集落での協議が前に進まないことがあると考えられます。
以上でございます。
27:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問はありませんか。
28:
◯藤原秀博議員 議長。
29:
◯松岡一誠議長 藤原秀博議員。
30:
◯藤原秀博議員 これまでも述べてきましたように、後継者不足や米価の下落、鳥獣被害などにより農家が減少し、耕作放棄地が増大するなど、地域農業の崩壊が目前に迫っております。個人農家は機械倒れと言われますが、集落営農組織や農業生産法人は農業機械を導入する経費などさまざまな支援を受けることが可能です。ついては、今後の農業のあり方として、集落営農組織及び農業生産法人の設立が必要不可欠でありますので、危機感を持って取り組んでいただきますよう要望いたします。
次に、鳥獣害防止対策について再質問させていただきます。
猿については捕獲が難しく、先ほどの答弁でも14頭しか捕獲できていない状況にありますが、松山市と松野町ではモンキードッグを活用した猿の追い払いの取り組みにより、一定の成果を上げているようです。モンキードッグを導入してはどうかお伺いします。
31:
◯阿部 宏農水港湾部長 お答えします。
猿の被害につきましては、朝倉及び玉川地区におきまして被害が発生しております。モンキードッグによる追い払いは、集落におりてくる猿を山へ追い返すことを目的としており、猿の被害の発生場所や移動範囲などを調査し、モンキードッグなど効果的な被害軽減の方策を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
32:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問はありませんか。
33:
◯藤原秀博議員 議長。
34:
◯松岡一誠議長 藤原秀博議員。
35:
◯藤原秀博議員 有害鳥獣駆除に従事している狩猟者から、「わなの見回りや捕獲後の処理など多くの手間がかかる。それに対して、もらえる助成単価が安いので、もっとふやすことはできないか」とのご意見をいただきますが、今後、助成単価をふやすことができるのかお伺いします。
36:
◯阿部 宏農水港湾部長 お答えします。
現在は、成獣のイノシシ、鹿、猿につきましては、国の上乗せ助成を加え、合計で1頭1万8,000円となっております。愛媛県下の多くの市町と同額の助成をしております。今後につきましては、他市町の状況を勘案し、イノシシ、鹿、猿以外の有害鳥獣を含め検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
37:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問はありませんか。
38:
◯藤原秀博議員 議長。
39:
◯松岡一誠議長 藤原秀博議員。
40:
◯藤原秀博議員 終わりになりますが、鳥獣害防止対策については全国的にいろいろな取り組みがなされ、成果を上げているところもあるようです。例えば、宮崎県都城市の田辺集落では、都城市が雇用する野生猿被害防止監視員とともに、集落のリーダーだけでなく、地域全体で対策を進め、合い言葉は「猿の立場から見て魅力のない集落にしよう」と、山と畑の境界線を明確にするため、境界線にある放置された柿やクリの木を伐採し、やぶを切り開き、けもの目線に立って、隠れ場所や餌をなくすることで猿を集落に近づけないようにし、農作物の被害の減少に効果を上げているようです。
また、群馬県みなかみ町では、みなかみ町が雇用する6人のパトロール隊員が毎日、みなかみ町内を回り、おりや、わなの点検や追い払いなどを行い、さらに役場には獣害対策センターを設置し、狩猟免許を持つ職員3人が専任して、パトロール隊員の調整や農家への助言などを担い、総合的な取り組みを推進し、効果を上げているようです。本市におかれましても、鳥獣害防止センターを設置するなど抜本的な対策を講じていただきますことを要望しまして、質問を終わります。
41:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で藤原秀博議員の質疑、質問を終わります。
次に、13番森田博議員。
42: ◯森田 博議員 志高会の森田でございます。
交付税の減額について、
発言通告に従いまして質問させていただきます。
今治市は、新設合併では全国1位という12市町村が合併してから、はや10年が経過しました。合併後10年間の特例として合併算定替による加算額があります。この加算額は、平成26年度では約66億円ありますが、平成27年度にはその1割、以降、3割、5割、7割、9割と削減され、平成32年度にはなくなってしまうと承知しております。
今治市議会においては、在任特例や定数特例を適用せず、全市1選挙区の定数34人でスタートし、合併前より議員数を154人削減しております。首長においても同様です。また、職員においては、今議会、
市長の施政方針の中で、平成32年4月1日までに100人削減する第3次定員適正化計画を策定し、人件費削減効果は7億5,000万円を見込んでいるとの表明がありました。これまでも職員数の削減や公の施設の見直しなど行財政改革に取り組み、合併による効率化が進められてきたところであります。
その一方で、合併により、周辺部となった地域では、地域を維持していくことが深刻な状況で、地域が疲弊することを心配しております。何とか維持できているのも特例による交付税のおかげであると思っております。
市長は、交付税の減額に対応するため、愛媛県
市長会の会長として、また全国組織の代表として国への要望活動を行っておられます。また、今治市議会においても、平成25年12月に「合併算定替(特例期間)終了後の新たな財政支援措置を求める意見書」を国へ提出しました。前議長を初め同僚議員も、地元選出の自民党国会議員を通して要望してきました。そうしたこともあり、昨年には、約25億円を確保することができたと聞いております。そして、ことし1月16日には総務省が新たな算定方法を明らかにし、特例加算額の7割程度を継続して受け取れるという報道がありました。
そこで、質問の1番目ですが、合併算定替終了後の財政支援措置を求めた要望活動の成果についてどう考えているのかと、あわせて質問の2番目ですが、今後の展望についてどう考えているのか、お伺いいたします。
43:
◯松岡一誠議長 答弁を求めます。
44:
◯菅 良二
市長 合併して10年たちますと、いわゆる交付税の減額、しかも5年間という期間で漸減していく、これは我が今治市だけでなくて、国策に協力した全国の合併自治体にとって本当に大変な問題でありました。この2年間、そういった面においても、私どもの心からいつも離れない大きな課題であったわけでもございます。
つい先般の「参議院議員山本順三君を励ます会」におきまして、皆様方もよくご承知の細田博之衆議院議員にお越しいただいて、いろんなお話の中でこのことに触れていただきました。今、清和政策研究会の会長であります。町村衆議院議員が衆議院議長になったからということもあるでしょうけれども、いわゆる細田派になりました。実は、突破力の非常に強い、当選11回の衛藤征士郎衆議院議員が顧問で、会長代行というおもしのある役割を細田衆議院議員はしてくれておりました。私どもも何度かお願いして、そういったこともありまして、あの「参議院議員山本順三君を励ます会」の会場におきまして、今治市を名指しでお話しいただけたことは大変光栄でもあり、そして、ご苦労いただいたことに改めて感謝をしたわけでもございます。
今回、森田議員、交付税の減額についてご質問いただきました。私からお答えさせていただきます。
まず、1番目の合併算定替終了後の財政支援措置を求めた要望活動の成果についてでございます。
ご承知のとおり、平成27年度は合併後10年間の特例期間が終了し、普通交付税の合併算定替による加算額の減額が始まります。今後、大幅な財源不足が憂慮される中、住民サービスをできるだけ維持しながら、地方創生に向けた将来のまちづくりを推進していく必要がございます。これは平成の大合併を経験した全国の合併自治体の共通した認識でございます。
私は、先ほどお話しいただきましたけれども、これまで愛媛県
市長会会長の立場として、また、本市と危機感を同じくする、国策によって合併した全国の仲間とともに、合併算定替終了後の算定方法の見直しについて国に強く働きかけてまいりました。その結果として、昨年には、まず、支所に要する経費が見直され、本市におきましては約25億円を確保することができました。さらに本年1月、「合併算定替終了に伴う財政対策連絡協議会」の代表世話人として出席しました自民党国会議員による議員連盟総会の席上、総務省より追加の見直し案が示されました。同案では、消防署、出張所に要する経費を旧市町村ごとに算定し、ごみ収集・運搬に要する経費を人口密度に応じて見直すとともに、離島であることにより増加する経費などを平成27年度以降、3年間かけて加算しようとするものであります。また、その他の経費につきましても、平成28年度以降、3年程度の期間をかけて、標準団体の経費の見直しや人口密度に応じた見直しをしようとするものでございまして、支所経費の加算額を合わせますと全国で約6,700億円の加算額となり、これは特例加算額の約7割に相当するものでございます。
振り返りますと、一昨年の5月、愛媛県、長崎県、大分県の3県合同での、自民党本部、公明党本部に対する合併算定替終了後の新たな財政支援措置の要望からスタートし、これを受けて、本県選出の国会議員を含む自民党国会議員の先生方に「合併算定替終了後の新たな財政支援措置を実現する議員連盟」を設立していただきました。また、呼応して私たちも田上長崎
市長と連携して、全国の合併市に「合併算定替終了に伴う財政対策連絡協議会」の設立を呼びかけ、現在、379市の仲間を得る中で、2年に及ぶ粘り強い要望を行ってまいりました結果、可能な限りの成果が得られたものと感じております。
なお、同連絡協議会の今後の活動につきましては、本年5月に幹事市8市による担当課長会を本市で開催し、6月の全国
市長会に合わせて開催を予定しております幹事会へ向けた協議を行う予定でございます。
この2年に及ぶ活動の中で、特に長崎市とは同志として、戦友として、心のつながりができたと感じております。お互いこれからそれぞれの特色を尊重し合いながら学び、そして、自己研さん、また切磋琢磨、こういった形で長崎市とはこれからも真の友好をとり続けていきたい、そんな思いを持っております。
次に、2番目の今後の展望についてでございます。
本市への影響額はいまだ示されておらず、全国レベルでの7割程度が回復できるとしても、20億円余りは減少してまいります。また、本市の中長期の財政状況を展望したとき、依然として厳しい状況下に置かれていることに変わりはありません。
一方では、広域合併によりまして、特に旧郡部の皆様から「周辺部が衰退傾向にある」といった声が聞こえてくるのも事実であります。議員連盟の皆様の中で、長野県選出の務台俊介衆議院議員、非常に元気な方でありますが、この方からも「長野市も松本市も周辺自治体が一緒になった。結果的に周辺地域が大変な状況に置かれている。このことについて首長はどうお考えなのか」という厳しいご指摘もありました。我が今治市も12市町村が一緒になったわけでありますけれども、それぞれが育んできた文化、伝統、それから、きょうも武田愛三郎元朝倉村長がお越しでございましたけれども、本当に命がけでそれぞれの自治体を守ってきたわけでありますし、育ててきたわけでありますから、そのことに留意しながら取り組んでいかなければならないと改めて感じております。
これからも市域の均衡ある発展を心がけ、地域が長い歴史の中で育んできたコミュニティーや産業などの特性を生かしていくことを常に念頭に置き、夢と希望を持って将来のまちづくりに力強く邁進してまいりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
45:
◯松岡一誠議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
46: ◯森田 博議員 議長。
47:
◯松岡一誠議長 森田博議員。
48: ◯森田 博議員 ご答弁、ありがとうございました。
2年に及ぶ粘り強い要望の結果、「合併算定替終了に伴う財政対策連絡協議会」379市の代表世話人の
市長を初め、国会議員の先生方、関係各位の皆様方のご尽力により、交付税の減額に歯どめをかけられたものと改めて敬意を表します。
また、今後の活動については、本年5月に「合併算定替終了に伴う財政対策連絡協議会」の幹事市8市による担当課長会が本市で開催され、それをもって、6月の全国
市長会に合わせ、同連絡協議会の幹事会に臨むとのことでありますが、さらに弾みがつくものではないかと思っております。
今後の展望については、「本市への影響額はいまだ示されておらず、全国レベルでの7割程度が回復できるとしても、20億円余りは減少し、本市の財政状況は厳しい状況下に置かれている」との答弁がありました。今後とも、足腰の強い財政基盤を構築するため、理事者と議会が力を合わせて地域を維持していくための財政支援を要望して、以上で終わります。
49:
◯松岡一誠議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で森田博議員の質疑、質問を終わります。
明日、定刻から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前11時38分 散 会
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