去る九月二十日、鹿児島県監査委員から、平成三十年度から令和元年度の行政監査の結果に関する報告が提出されました。
この内容につきましては、さきに各会派等に送付されております県公報のとおりであります。
以上で、報告を終わります。
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3 △ 議案第九五号上程
◯議長(外薗勝蔵君)次に、議案第九五号鹿児島県
手数料徴収条例の一部を改正する条例制定の件が提出されておりますので、これを議題といたします。
朗読を省略いたします。
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議案第九五号 鹿児島県
手数料徴収条例の一部を改正
する条例制定の件
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4 △ 知事の提案理由説明
◯議長(外薗勝蔵君)知事に提案理由の説明を求めます。
[知事三反園 訓君登壇]
5 ◯知事(三反園 訓君)本日提案いたしました議案につきまして、御説明申し上げます。
鹿児島県
手数料徴収条例の一部を改正する条例制定の件は、
道路交通法施行令の改正が九月十九日に公布されたことに伴い、所要の改正をしようとするものであります。
何とぞよろしく御審議の上、議決していただきますようお願い申し上げます。
6 ◯議長(外薗勝蔵君)御質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
7 ◯議長(外薗勝蔵君)御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。
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8 △ 一般質問
◯議長(外薗勝蔵君)次に、一般質問であります。
通告に従って、順次発言を許可いたします。
藤崎剛君に発言を許可いたします。
[藤崎 剛君登壇](拍手)
9 ◯藤崎 剛君 おはようございます。
令和元年第三回定例会に当たり、
自由民主党鹿児島県議会議員団の一員として質問いたします。
九月二十四日、西郷隆盛の命日であるこの日に質問するのは初めてではないかと思います。
百四十二年前の明治十年九月二十四日、現在の時間、午前十時は既に激戦が終わった後の時間になります。時系列で振り返りますと、午前四時に戦いの火ぶたが切られ、六時半ごろには西郷の首を介錯、薩軍の生き残りによって西郷の首が隠されました。戦いは終結し、政府軍によって捜索活動が始まり、午前十時ごろは首が見つかった時間になります。その後、午後一時半には首と胴体が同じ場所に集められて、その死が確認されました。
西郷の死から、言論によって政治を決する新たな時代が始まって現在に至ります。
さて、参議院選挙が終わり、選挙直前の
日本記者クラブでの党首討論では、年金や防衛、消費税増税に議論が集中し、人口減少下での地方振興については余り触れられずじまいでありました。人口減少が激しい地方を今後どうしていくのか、都市と地方の間に横たわる格差是正に真剣に取り組まなければならないのに、論戦の俎上にのらなかったのは非常に残念なことでありました。地方がなければ都市も成り立たないとの国民一致の共通認識が必要であり、生態系の維持や国土の保全機能を踏まえた、地に足のついた地方振興が急がれます。
国政において、都市の立場、地方の立場を考えるのに議員定数が象徴的な数字かと思いますが、知れば知るほど愕然とさせられます。小選挙区
選出衆議院議員の数を見ると、東京都二十五人、埼玉県十五人、千葉県十三人、神奈川県十八人、首都圏だけでも七十一人もの衆議院議員がいます。鹿児島は四人。この人数を見ましても、いかに大都市の発言力が大きいかがわかります。かつて存在した国土の均衡ある発展が再び国政上の大きな声にならんことを期待するばかりです。
私は今年度、
産業経済委員会に所属しておりますが、前回所属した平成二十七年度、
吉留厚宏産業経済委員長のもとで、山形県鶴岡市のスパイバーという会社を視察しました。虫のクモが吐き出すクモの糸を使って、次世代の繊維の研究をしている
ベンチャー企業でありました。その実用化に多くの企業が注目し、出資をもらって開発を進めている途中であり、代表者は、「近いうちに必ず実用化させたい」と意気込みを語っておりました。
そのスパイバーが先般九月、Tシャツ、プラネタリー・エクイリブリアム ティーを発売開始したというニュースには、ついにやったかと感じるところでございました。地方の
ベンチャー企業の底力を感じ、地方の大きな励みになったような気がいたします。
今議会では、投票率の低下を指摘する声も散見されましたが、今、私たちの身の回りのものが全てカスタマイズできる時代であります。銀行のATMのあいている時間に行かなくても、ネットバンクから振り込みができます。
個人番号カードがあれば、二十四時間コンビニで証明書類がとれます。テレビ各局の夕方ニュースさえも、リアルタイムに午後六時に見なくても、ネットの動画ニュースで見られる時代がやってきています。
カスタマイズ社会にならされ、ポイントカードなどインセンティブにならされた国民にとって、時間軸までを含めお得感がはっきり見えることが、行動に移す特徴になっているのではないかと最近の世相を感じるところです。
しかし、投票行為とは、思いを持って選択肢を書きに行くものであります。多様な生活リズムに合わせた
カスタマイズ社会が進行している中で、決まった時間に決まった投票所に行くのは、よっぽどお願いしなければならない。期日前投票で便利になっているものの、カスタマイズとまで言えるものではありません。
人工知能社会の到来を含め、急速に変化する社会の中でいかにして民主主義を維持・発展させていくか、さまざまな取り組みを検証しつつ、質問を進めてまいります。
まず、知事の政治姿勢と職員の業務についてであります。
ある居酒屋で耳を澄ませていますと、隣のグループの会話が聞こえてきました。私は、上の取り繕いをするために県庁に入ったわけではないという趣旨の話でありました。ほかにも、
アフターファイブの時間に出会った面識のない職員の方からも声をかけられ、また同様の話を伺わせていただきました。
そのたび思ったのであります。各部各課を回って職員の皆様に握手して回った風景は何だったんだろうかということであります。組織とリーダーシップが何かごちゃごちゃしているような印象を受けたのであります。
組織論・
リーダーシップ論を専門とする村山昇氏はこのように指摘しています。「自分の目指していることが袋小路に入ってしまうことがよくあります。そんなとき冷静に原因を分析してみると、いつしか当初の目的がどこかに消えてしまっていて、手段が目的にすりかえられ、それに振り回されていたことに気づきます」。そこで村山氏は、自分の今の仕事と組織の事業の目的、手段について振り返るためのチェック項目を提案しています。
あなたが今担当している仕事の目標は何ですか。その目標をやり遂げる意味は何ですか。あなたの今得ている知識や技術は何をなすためのものでしょうか。今の仕事において、目的は手段を強め、また同時に手段は目的を強めているでしょうか。今の仕事上の目的の先に、もう一つ大きな目的を想像することができますか。仕事上の目的目線が下がって、本来手段となるべきことに手をかけるだけで満足していませんでしょうか。あなたの所属している組織の事業目的、存在目的は何でしょうか。
こういった項目は、新人さんや中間管理職、管理職、組織のトップなど、それぞれの職位ごとに内容は異なるかと思いますが、個々の構成員の能力を発揮して、組織の持てる力を最大化しなければなりません。
鹿児島県は、前知事在任中の十二年間に千三百八十四人もの職員数を縮減しました。財政再建のための厳しい選択でありました。職員数が減る中で、年々増大する行政需要にどう応えるか。そこで、新たな公共の担い手としての共生・協働の考え方も打ち出しました。各部各課は、年々進む人数減に耐え忍びながら、一人が受け持つ事務処理量を初め、能力の向上、給与カットの中での
モチベーション向上など、職員が減っても、財源が減っても、工夫しながら取り組んでまいりました。
今やっている目の前の仕事を、今自分が手を抜いたら、将来の鹿児島にどのような影響が起こるのか、これは管理職の皆様を中心に常に考えていることだと思います。
前知事は、「みずからのミッションをよく考えよ」、「十年先、二十年先を見て、今何をすべきか考えよ」と職員の皆様を督励したと聞いています。まさに、目的と手段をはっきりとせよと、各課の精鋭化を目指しました。厳しかったという評価はここから来るのかもしれません。また、目的と手段をさらに精査する財政課の厳しい査定は、人間でいうと栄養は最低限、それでも各課は体力をつけて筋力を維持してきた、いや増強してきたかもしれません。
その鍛えられた集団が、現在、疲弊しているとか、組織がもたないのではと巷間言われております。この目的と手段を見きわめて行動するように鍛えられた集団が、今までにない指示のもとで異次元の状態に遭遇しているからではないかとも想像いたします。
「知事の出番をつくるように言われました」、職員の方からこのような話も伺いました。目的と手段をよく考えるよう訓練された頭脳集団には、このような指示は、その指示何なの、と悩み深い酷な状況であります。この状態が続きますと、仕事がおもしろくなくなってきて、職員の皆様の
モチベーションやマインドが瓦解していくのではないかと危惧いたします。
ここでまず、総務部長にお尋ねします。
知事の公務日程の急な予定変更など、さまざまな報道があり、前回の議会でも質疑がなされたところでありますが、その後の日程調整の仕方、当日の急な日程変更等のあり方について、どのような変化があったのか、お示しください。
また、職員研修では、部下を取りまとめる立場として管理職はどのような研修を受けているのか、お示しください。
次に、知事にお尋ねします。
県政の効果的な推進に関して、目的と手段の明確化について、見解をお示しください。
また、職員の業務に対する
モチベーションアップについて、知事の見解をお示しください。
文部科学省は、今後の地方教育行政の在り方に関する論点とこれまでの主な意見としてまとめを行っています。その中の、首長と教育長の関係の項目の中にさまざまな意見が列挙されています。首長の教育委員会へのかかわりは、さまざまな議論を経て今の形ができ上がっています。その中にこのような指摘もありました。政治家としての首長は、時に
パフォーマンスも必要とされている。しかし、子供たちの学力や規範意識、人生哲学を育む行政を首長のもとに置かれて
パフォーマンスの対象とするのは国家百年の計を脅かすものであり、首長と教育行政は制度的に離しておくことが必要であるというものであります。
知事は、総合教育会議の主宰者でもありますが、教育行政へのかかわり方については節度をもつべきと私は考えますが、どのような見解をお持ちか、お示しください。
次に、農福連携についてお尋ねします。
この農福連携につきましては、平成三十年第四回定例会でおさだ議員が、平成二十八年第四回定例会では郷原議員が質問しておられますが、その後の情勢の変化も踏まえて質問いたします。
これは、障害者等の農業分野での活躍を通して、自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取り組みであり、農林水産省では、厚生労働省と連携して、農業・農村における課題、福祉─障害者等─における課題、双方の課題解決と利益があるウィン・ウィンの取り組みである農福連携を推進しています。
国において、農福連携について全国的な機運の醸成を図り、今後強力に推進していく方策を検討するため、省庁横断の会議として
農福連携等推進会議を設置し、第一回会議を平成三十一年四月二十五日に、第二回会議を令和元年六月四日に開催しました。
農福連携については、農業経営体が取り組む事例、福祉事業所が取り組む事例、農業協同組合が取り組む事例、特例子会社が取り組む事例、NPOや団体などの中間支援組織での取り組み事例があります。
いずれにしましても、国が農福連携を掲げてから急速に普及したわけではなく、それぞれの地域で必要性に応じて、農業者の立場から始まったり、また障害福祉の立場からは、授産事業をするに当たり創意工夫を重ねる中で始まったりと、農側と福側とそれぞれに経緯があります。既に多種多様な多くの事例が全国にも鹿児島にも存在するのは非常によいことだと思います。
それぞれプラス要因があり、障害者施設の立場からいえば、工賃の向上、農業振興への貢献、農作業へのかかわりへの喜び、農家からの感謝という要因、農業者からの立場からいえば、労働力不足解消、重労働の解消、重量野菜の生産振興、社会福祉への貢献というプラス要因が掲げられています。ただし、一定規模以上の農業規模にならないと工賃向上を実現できないとのことで、ここにはまだ課題が残っています。
今回、従来から取り組んでいたことに、国から農福連携という正式の看板がつきました。補助金がついてからブームのように始まるものではなく、これまで関係者が地道に進めてきたものをさらにじっくりと拡大していく好機と感じます。
鹿児島県内におきましても、社会福祉法人が養豚を行い、六次産業化でハム・ソーセージを生産している事例や、養豚と野菜づくりを組み合わせてギョーザ製造を行い、それをラーメン店や居酒屋に卸している事例もあります。パッケージや見せ方など、こだわりを持ち工夫している商品も数多く生まれています。私たちが知らず知らずのうちに、農福連携で生まれた産品を口にする可能性も日に日に高まっています。
人手不足の農業者のもとに人材派遣ができないかとの相談が社会福祉法人に寄せられたり、また、社会福祉法人で取り組もうとしている新たな品種品目で、職員に専門家がいないため、農業経験者の知見が必要になってきたりしています。また、一定規模以上で農業に取り組む社会福祉法人は、農業高校の卒業生の有力な就職先になることも考えられます。
ここでお尋ねします。
農福連携について、県ではこれまで、国庫一〇〇%補助を生かして
農福連携マルシェを開催しておりますが、これまでの開催実績とその評価、また、今年度の取り組みについてお示しください。
国の定めた
農福連携等推進ビジョンには多くのメニューが書かれていて、成長力を期待できると感じますが、鹿児島県においては、農政、福祉の両方の観点から取り組みをどのように進めていくのか、お示しください。
歴史・文化ゾーンについてお尋ねいたします。
平成二十四年度に県議会の
政策立案推進検討委員会において検討を重ねたものの、最後のところで全会派の一致を見ることができず、提言に含まれなかった案件があります。お蔵入りしたものを再度出す時期が来たのではないかと思い、質問にいたしました。
歴史・文化ゾーンとは、鹿児島市城山町の県立博物館から鶴丸城本丸跡にある黎明館までの一帯のことです。そのときの提言案はこのようなものでした。
貴重な歴史・文化資源がある本県の特性を生かし、観光振興につなげるため、
かごしま文化ゾーン連絡会の取り組みを強化するなど、
鶴丸城跡地周辺の歴史・文化ゾーンのさらなる魅力の創出と回遊性の向上に取り組むこと。これはソフト面の充実を求めるものでした。
また、
鶴丸城跡地周辺のまちづくりと新たな魅力を創出することは、観光振興や地域活性化、伝統文化の継承に寄与すると考えられることから、県有未利用施設等の活用方策や施設整備等について、
あり方検討委員会を設置し、将来の構想を示すこと。これはハード面の整備を求めるものでありました。ここでいう県有未利用施設等とは、旧考古資料館と
県環境保健センター城山庁舎跡地のことでありました。
これは、鶴丸城御楼門の復元に向けての動きが決まっていない状況の中での政策提言でありましたので、「鶴丸城御楼門復元へ着手するべしという具体的な文言で県当局に義務を課すべきだ」という意見と、「御楼門復元は方向性としては進んでいるので、そこまで言葉で縛らなくていいのでは」との意見があり、一致を見ることができずに、残念ながら提言内容から落とすことになりました。
その後の情勢は変化しました。御楼門が来年三月に完成を迎えます。また、旧考古資料館の重要文化財指定を目指す作業が始まっています。
ここでお尋ねします。
明治維新百五十周年や
NHK大河ドラマ「西郷どん」の放送効果を一過性のものとせず、という言葉がよく使われますが、平成二十四年度に幻に終わったこの二つの提言について、時間を経た今でも有効かと思いますが、見解をお聞かせください。
また、旧考古資料館の取り組み状況と
県環境保健センター城山庁舎跡地の活用状況等についてお示しください。
御楼門完成後の人の流れの変化を見越して、さまざまな準備をする必要があるかと思います。
県民交流センターに来た人がついでに足を延ばして御楼門を見て、黎明館を見て帰る。県立図書館に来た人が足を延ばして御楼門を見て、博物館にも寄って帰るなどが考えられます。そのため、これまで各館それぞれの単独訪問用だった駐車場を共通化し、回遊性を高め、滞留時間を長くできる仕掛けが必要ではないかと考えますが、見解をお聞かせください。
県民交流センター敷地にある県政記念館は、山下町にあった旧県庁舎の正面玄関部分を残して移築したものであります。一階から三階までは展示室で、二階の一室がレストランになっています。国民文化祭のときのプロジェクションマッピングの会場として一躍脚光を浴びました。
歴史・文化ゾーンの一角にある建物として、県政記念館は工夫次第でもっとにぎわいを創出できるかと思いますが、見解をお示しください。
また、近い将来、この歴史・文化ゾーンを中心にしたお城祭りが必要かと思いますが、見解をお示しください。
これで、一回目の質問を終わります。
[知事三反園 訓君登壇]
10 ◯知事(三反園 訓君)職員の
モチベーションアップについてであります。
知事就任以来、県民が主役の県政を実現したい、県民の生活を少しでもよくしたい、そういう思いで走り続けよう、そう決意し取り組んでまいりました。
そうした県政を実現するには、県政を担う職員一人一人が、時代の変化、ニーズに合わせて、戦略と知恵をどんどん出していくことが必要であります。そのためには職員一人一人が、どういう鹿児島にしたいのか、それぞれの夢を持ち、必ずや鹿児島を変えようという希望と勇気を持って一歩踏み出し、日々どうすればいいかというクリエーティブな心、つまり、創造をもって職務に当たるということが重要であると思っております。一番大事なものは、目標を掲げて、そこへ向けて一生懸命努力していく、やり抜く決意、
モチベーションだと思っております。
日々の仕事を通じて、全ての職員が使命感を持って、
かごしま未来創造ビジョンを踏まえ、十年先を見据えながら、鹿児島に生まれてよかった、住んでよかったと実感できる鹿児島づくりに向けて、一生懸命、じっくりと全力で取り組んでくれていると感じております。
11 ◯総務部長(平木万也君)知事の日程調整、日程変更等のあり方についてでございます。
知事の日程調整におきましては、複数の行事が重複している場合、日時・場所、行事の目的、主催・後援等の県のかかわりなどを総合的に勘案して、出欠の調整を行っているところでございます。
現実的には、さまざまな業務がふくそうすることや災害への対応もあることから、やむを得ず日程変更せざるを得ないこともございます。そのような場合には、相手方への連絡や対応は丁寧に行い、相手方に御理解いただけるよう努めているところでございます。
管理職に対する研修についてでございます。
管理監督者に対しましては、業務管理能力の向上などを図るため、本庁各部局及び出先機関それぞれにおいて、職場研修の一環として、各部局長、地域振興局長・支庁長による講話を行っているところであります。
また、新たに課長級となった職員に対しましては、その年度初めに、管理者としての立場を自覚し、管理能力の向上等を図るため、階層別研修の一環として、
組織マネジメントやメンタルヘルスケア、管理監督者の役割などについての研修を別途実施しているところでございます。
目的と手段の明確化についてでございます。
本県におきましては、おおむね十年後を見据えた中長期的な観点から、鹿児島の目指す姿や施策展開の基本方向などを明らかにするため、県政全般にわたる最も基本となるものとして、
かごしま未来創造ビジョンを策定しているところでございます。
このビジョンに掲げる、鹿児島の目指す姿や施策展開の基本方向を最終的な目的とし、この目的を達成するための手段として、各分野において具体の施策・事業を展開しているところでございます。
鹿児島の目指す姿として、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかったと実感できる鹿児島の実現を掲げ、施策展開の基本方向については、例えば、結婚、妊娠・出産、子育ての希望がかなう社会の実現を目指しております。これらの目的を達成するために、その手段として、令和元年度には、乳幼児医療給付事業や保育士修学資金貸付等事業、子ども食堂みんなで応援プロジェクトなど、さまざまな施策・事業を実施しているところでございます。
今後とも、この目的と手段との関係を十分に認識し、各般の施策・事業を構築し、推進してまいりたいと考えております。
知事と教育委員会との関係についてでございます。
平成二十六年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、新たに、地方公共団体の長と教育委員会で構成する総合教育会議が設置されたところでございますが、教育委員会については、引き続き、独立した合議制の執行機関として存続し、教育委員会の権限に関する事項は教育委員会で判断することとなっていることから、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保は図られていると考えております。
高校生との意見交換会などにつきましても、それぞれの権限と責任の範囲内において適切に対応しているところでございます。
12 ◯くらし保健福祉部長(中山清美君)農福連携に関しまして、まず、
農福連携マルシェの開催実績等についてでございます。
農福連携マルシェは、障害者就労施設等で生産された農産物や加工品の販売を通じて、農福連携の取り組みを広く県民に周知するとともに、生産に携わった障害者の自信や達成感の醸成を図ることを目的に、平成二十八年度から開催いたしております。
これまで、鹿児島中央駅アミュ広場におきまして計六回開催しており、約六万人が来場し、延べ約八百人の障害者の方々が参加しているところです。
参加した事業者からは、多くのお客様に商品を手にとっていただいてよかった、販売に参加した利用者が生き生きしている姿がとてもうれしかったなどの意見が、また、障害者の方々からは、たくさん売れて今後の自信になったなどの声があったところであります。
県といたしましては、今年度も十月及び三月の二回、
農福連携マルシェを開催することとしており、障害者の農業分野での活躍を通じて自信や生きがいを創出し、社会参加を促すため、農福連携の推進に努めてまいります。
次に、本県における農福連携の取り組みについてでございます。
国におきましては、農福連携のさらなる推進のため、参入の拡大に向けた取り組みとして、障害者が働きやすい環境の整備や専門人材の育成の促進などを盛り込んだ、
農福連携等推進ビジョンを本年六月に策定したところでございます。
県では、農福連携を進めるため、平成二十七年度から、庁内の関係部局による、障害者の就労機会の拡大や農業の新たな担い手の確保等に関する情報交換や意見交換を行っているところでございます。
また、平成二十八年度からは、かごしま障がい者共同受注センターに農福連携推進専門員を配置し、障害者就労施設と農業者等のマッチング支援や現地研修会、マルシェの開催とともに、県の普及指導員による障害者就労施設に対する農業技術支援や、社会福祉法人等も対象とした農業参入研修会の開催等の取り組みを行っております。
県といたしましては、これまでの取り組みを引き続き実施するとともに、国のビジョンの内容等を踏まえ、今後の国の施策等を注視し、関係団体等とも緊密に連携しながら、農福連携の取り組みをさらに推進してまいりたいと考えております。
13 ◯文化スポーツ局長(有木正悟君)歴史・文化ゾーンについての質問のうち、まず、歴史・文化ゾーンのさらなる魅力創出等についてであります。
鶴丸城跡周辺におきましては、県立や鹿児島市立の九つの文化施設から成る、
かごしま文化ゾーン連絡会を設置し、各施設が連携・協力して、春と秋に統一キャンペーンを行っているほか、共通のリーフレットの作成・配布や特典つきのスタンプラリー等を実施して回遊性を促しております。
また、同地区におきましては、近年、黎明館や
県民交流センター、県立博物館がリニューアルを実施するとともに、新たな観光拠点として御楼門が来年三月に完成するなど、歴史・文化ゾーンの施設の充実が図られております。
このように、県におきましても、御指摘の歴史・文化ゾーンにおける取り組みを進めてきたところであり、引き続き、
かごしま文化ゾーン連絡会のさらなる連携の取り組みについて、鹿児島市と意見交換を行いながら、歴史・文化ゾーンの魅力の創出や回遊性の向上に努めてまいります。
次に、かごしま文化ゾーンの駐車場の共通化についてであります。
かごしま文化ゾーンにおきましては、現在、黎明館の駐車場を市立美術館や近代文学館・メルヘン館の利用者にも開放するなど、相互利用を認めて、施設間の回遊性や利便性の向上を図っているところであります。
全ての施設の駐車場を共通化することにつきましては、複数の施設の利用促進が見込める一方で、各施設の駐車場の規模や料金等の設定が異なっていることから、特定の駐車場に利用が集中するおそれがあることや、周辺の民間駐車場に与える影響など、さまざまな観点からの検討が必要であると考えております。
次に、歴史・文化ゾーンを中心にしたお城祭りについてであります。
歴史・文化ゾーンにおきましては、来年三月に日本最大の城門となる鶴丸城御楼門が完成予定であり、新たな観光拠点として、歴史・文化ゾーンの充実や回遊性の向上による交流人口の拡大に大きく寄与するものと考えております。
このような機会を捉え、御楼門を含む鶴丸城跡を中心に、にぎわい創出に向けた取り組みを進める必要があると考えており、お城祭りの御提案がありましたが、歴史・文化資源を生かした取り組みについては、歴史・文化ゾーンの関係団体等の意見も聞きながら検討してまいります。
14 ◯教育長(東條広光君)旧考古資料館の活用に向けた取り組みについてであります。
県教委では、文化財としての価値が高まることや国庫補助の活用が可能になることなどから、旧考古資料館については、国の重要文化財指定に向けた取り組みを行ってきているところであります。
昨年度は、専門家による文献調査や建物の内・外観等の詳細な調査を実施し、明治期の建物に余り見られない独特な石づくりに希少価値があることなどが明らかとなりましたが、文化庁から、設計者等の歴史的事実を証明する資料が必要であるとの助言もありましたことから、引き続き、文献等の調査を行っているところであります。
県教委としては、旧考古資料館の文化財としての保存を図りつつ、有効に活用できるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。
15 ◯PR・観光戦略部長(木場信人君)歴史・文化ゾーンに関し、県環境保健センター跡地の活用状況等についてでであります。
同跡地につきましては、現在、県立博物館、黎明館等でのイベント開催や、鶴丸城御楼門の建設工事過程の公開などに係る臨時駐車場として利用しているところであります。
16 ◯男女共同参画局長(迫 貴美君)県政記念館のにぎわい創出についてでございます。
かごしま
県民交流センター敷地内にあります県政記念館は、大正十四年に建設された旧県庁舎本館の玄関部分を県政記念公園内に移設・保存したものであり、平成二十年四月十八日に、国の登録有形文化財に登録されております。
県政記念館の展示室におきましては、県政をより身近に感じていただくため、県政のあゆみや県庁舎の変遷等について、パネル展示や映像などにより紹介しております。
新たな観光拠点となる鶴丸城御楼門の完成により、文化施設等が集積する歴史・文化ゾーンの回遊性の向上が期待されることから、その一角にある県政記念館につきましても、にぎわい創出に向け、関係機関と連携しながら取り組むとともに、県のホームページ等を活用して、積極的なPRを行ってまいります。
17 ◯藤崎 剛君 自席から再質問させていただきます。
日程調整の件で総務部長にお尋ねしますが、余裕を持った日程調整のあり方というのがあろうかと思います。最近聞いたのでは、知事が来ますという打診が三日前に来た市町村などもあるということで、現場は非常に戸惑うわけなんですよね、準備等を含めてですね。
相手方に日程調整をお願いするときなどには、もう少し余裕を持ったほうが、相手方も快く受けとめて準備するかと思いますが、今は、どうも短いスパンで先方と日程調整する場面もあると聞いておりますが、余裕を持った日程調整のあるべき姿についてお示しください。
18 ◯総務部長(平木万也君)日程調整についての再度の御質問でございます。
日程調整に当たって、特に行事の出欠については、なるべく早くお答えすることが望ましいとは考えておりますけれども、現実的にはさまざまな業務がふくそういたしますので、その調整に時間を要することがございます。
そういったこともございますので、相手方への連絡や対応は丁寧に行って、相手方に御理解いただけるように努めていきたいと考えております。
19 ◯藤崎 剛君 農政部長にお尋ねします。
農福連携につきまして、今、くらし保健福祉部長から御答弁いただきましたが、農福連携ですので、農政部長からも一言、決意を聞かせていただければと思います。
20 ◯農政部長(満薗秀彦君)ただいま、農福連携につきまして御質問いただきました。
農業分野においては、多様な労働力の確保という観点からも、農福連携というのは非常に重要な施策、取り組みであると考えております。今後とも、農業法人等に対する農福連携に関する研修会あるいは相談会の開催等を通じて、障害者が働きやすい環境づくりを進めるなど、議員御指摘のとおり、農業と福祉がウィン・ウィンの関係になりますよう、しっかりと関係部局とも連携させていただきたいと思っております。
[藤崎 剛君登壇]
21 ◯藤崎 剛君 それぞれ御答弁いただきました。
日程調整なんですけれども、私、昨年五月二十五日に鹿児島市内で開かれたある行事で、行事を主催している団体の役員の方が青ざめている場面を見ました。知事が来る時間が少しおくれるかもしれませんというようなお話でございましたけれども、主催団体の方は、神様の行事も含まれているものですから、その神様の行事から参加していただかないと、後の挨拶の部分だけではだめですよということでお願いして、間に合わせていただいたということもありましたので、主催団体のやらんとしている内容をよく把握されまして、先方を戸惑わせないように、迷わせないように、また気持ちよくお互いがつき合えるような日程調整をお願いしたいと思います。
質問を続けてまいります。
子供たちの自由研究についてお尋ねしていきます。
はよ宿題をせんね、宿題をせんと今週末に遊びに連れていってやらんど、などは、どの家庭でも普通にある会話ではないかと思います。特に夏休み前は多くの宿題が出され、どうやって計画的に済ませていくか、子供のやる気を引き出しながら、親は知恵を絞ります。
宿題の一つに自由研究があります。自由研究には理科と社会とあり、学校に提出された自由研究は審査され、学校の中で表彰が決まり、校内展示があります。その上で、優秀な作品については、教員の自主団体である鹿児島県小中高等学校理科教育研究協議会、鹿児島県小学校教育研究会社会科部会によって審査され、さらに優秀な作品については、県審査会において審査が行われています。その結果をそれぞれ、このようなやり方がありますよと例示する冊子もできております。
昨年、地域の子供たちの自由研究が校区の文化祭で展示されました。自由な発想が非常におもしろいものでした。ある低学年の女の子。鉛筆の芯にはやわらかい4Bから、かたいHB、Hなどもあります。鉛筆をとがして、A4の紙を長い方向に縦に何往復したら鉛筆がなくなるかという研究でありました。千回以上鉛筆をこすって、芯のかたさについて、それぞれ数値データで証明するという研究でございました。
子供たちが身の回りのもので、知りたいと思ったことを深掘りして調べていく過程の大切さを感じた作品でありました。自分の通う校区の児童生徒、保護者、地域の役員の皆様に広く見てもらい、見たよ、いいのができていたねという一声こそが一番大事なように感じます。この子の作品も、子供の自由な発想に保護者、地域の方も驚いておりました。
我が家においても、「自由研究はあなたの担当」という妻の一言によりまして、子供たちと向き合いながらこれまでも頭をめぐらせております。ラジオのなぞ、アユのたて網漁、液体のなぞ、ドローン研究、武家屋敷の暮らし、タケノコのなぞ、明治維新百五十年我が家の先祖と家紋、まきストーブのなぞ、自動車大解剖などに取り組んでいます。自分で調べたいこと、取り組みたいことを決めてもらって、なぜそのテーマを選んだかの理由や既に知っていること・ものの整理、知らないことへの動機づけと調査意欲の喚起など、親にとりましても、子供の表情など発見になります。
ここでお尋ねします。
教育長自身も、お子様の自由研究のお手伝いをされた経験があると伺っておりますが、自由研究の持つさまざまな可能性について、所感をお聞かせください。
鹿児島県の各機関のうち、夏休み中に自由研究の支援活動を行った実績についてお示しください。
各市町村のうち、夏休みの自由研究の入賞作品等を地域の皆様に見てもらう機会をつくっている実績はどのくらいあるのか、お示しください。
宿題を出す側、自由研究を指導する先生向けには、自由研究は難しくないんだよということや、身近な疑問の解明をしていく作業であることなどをわかりやすく子供たちに説明する指導力が必要ですが、先生方向けにはどのような取り組みをしているのか、お示しください。
例えば、鶴丸城御楼門や今回新たに指定された日本遺産、また児童生徒の身近にある文化財は、この夏あるいは来年の夏からの自由研究のテーマなどにも適したものかと思いますが、見解をお示しいただきたいと思います。
続いて、家庭教育支援についてお尋ねいたします。
私ども自民党県議団等は、平成二十五年に議員提案で家庭教育支援条例を提案し、可決・成立しております。
成立当初の思いに立ち返り、条文の前文を改めて読んでみます。
基本的な生活習慣、豊かな情操、他人に対する思いやり、善悪の判断などの基本的な倫理観、自立心、自制心などは、愛情による絆で結ばれた家族との触れ合いを通じて、家庭で育まれるものである。特に、幼少期における家庭教育は、人の一生に大きな影響を及ぼす面があり、学校の役割は、その家庭で造り上げられた土台の上に建物を乗せるようなものである。
私たちが住む鹿児島県には、「郷中教育」や「日新公いろは歌」などの教えをはじめ、教育を大事にする伝統や風土があり、これらを背景に地域の教育力が育まれていく中で、日本の黎明期をリードした幾多の人材を輩出してきた。そして、それぞれの家庭はもちろんのこと、子どもを取り巻く地域社会、その他県民みなで協働することで子どもの育ちを支えてきた。また、子どもの育ちとともに親としての育ちも支えられてきた。
しかしながら、少子化や核家族化の進行、地域のつながりの希薄化など、社会が変化している中で、次第に地域の教育力が低下していき、過保護、過干渉、放任など家庭の教育力も低下してきていることが指摘されている。また、子育て等に対する親の不安や児童虐待などが問題となるとともに、いじめの問題や子どもたちの自尊心の低さも指摘されている。現代社会は、親子の育ちを支える人間関係が弱まり、社会経済も変動しており、家庭教育が困難になっている社会とまず認識することが必要である。
これまでも、教育における家庭の果たす役割と責任についての啓発など、家庭教育を支援するための様々な取組が行われてきているが、今こそ、その取組を更に進めていくことが求められている。
家庭教育が困難になっている家庭への支援は、重要な社会的課題であり、こうした取組により、各家庭が改めて家庭教育に対する責任を自覚し、その役割を認識するとともに、家庭を取り巻く学校等、地域、事業者、行政その他県民みなで家庭教育を支えていくことが必要である。
ここに、子どもたちの健やかな成長に喜びを実感できる鹿児島県の実現を目指して、この条例を制定する。以下条文が続きます。
ここでお尋ねします。
平成二十六年度から、この条例を生かして家庭教育支援施策の充実が図られてきました。この五年の成果についてお示しください。
二つ目、家庭教育支援条例第十二条に、親としての学び、また、第十三条に、親になるための学びの推進を掲げてあり、子供が、家庭の役割、子育ての意義その他将来親になるために必要な知識を学ぶことを支援するための学習方法の開発及びその普及を図るものとするとあります。
親としての学び、親になるための学びについて、鹿児島県として特色ある独自の取り組みの中にどのようなものがあるのか、お示しください。
また、市町村教育委員会と連携して一層推進できないか、見解をお示しください。
三つ目、第十七条に、県は、科学的知見に基づく家庭教育に関する情報の収集、整理、分析及び県民への提供を行うと定められているが、この情報収集と提供について、どのようなことを行っているのか、お示しください。
最後に、県立図書館についてお尋ねします。
県立図書館は、明治維新に伴い、森有礼文部大臣の功績を記念するため、明治三十五年に鹿児島県私立教育会附属図書館として建設されたことに始まります。そして昭和二年に現在の県立博物館の建物が図書館として落成しております。昭和二十年には戦災により貸し出し中の本が千冊余り焼失し、蔵書八万冊余りを再整備して、戦後、業務を再開しております。現在の図書館は、昭和五十五年一月に開館したものであります。また、平成二十一年四月には奄美図書館が開館しております。
最も古い郷土の貴重資料として、一四八二年に書かれた本を一七三四年に書き写した「山田聖栄自記」を初め、安永年間の桜島の爆発の様子を描いた「桜島爆発絵図」、「大石兵六夢物語」など、多数の貴重資料も所蔵しております。
また、終戦直後、連合国総司令部から、戦争体制に協力し、国威発揚に使われたと見られる本が選ばれ、焼却処分を命令されました。当時の図書館長の児童文学者椋鳩十氏がGHQと直接かけ合って、当面は県民の目に触れさせないこと、将来の日本の教訓にするためにこの資料は保存しておきたい、と認めてもらった本が八百七十八冊、追放図書として名づけられ、現在も書庫に残っています。
平成三十年度の県立図書館及び県立奄美図書館の二館の状況を九州各県の県立図書館と比較してみますと、蔵書冊数では、大分、長崎に次いで第三位の約百六万冊、個人への貸し出し冊数は、大分、熊本に次いで第三位の四十二万九千冊、図書館等への貸し出し冊数では、長崎県に次いで第二位の三万五千百二十七冊と、なかなか優秀な活動状況であります。
平成二十三年に図書館情報システムが更新されたことにより、書庫にある資料の貸し出しにも利用者カードを利用でき、手書きで申請書を書く手間を省くなど、利用者の利便性がアップするように改善されているのを、利用者の一人として実感しております。また、平成二十八年十二月には横断検索機能の高速化を図るなどされ、利用者サービスの向上も実感しております。
県立図書館二館と市町村立図書館八十三館、大学等図書館十一館の計九十六館の蔵書を一度に検索できる蔵書横断検索につきましても、平成三十年度実績で横断検索件数が六万五千四百三十五件、県立図書館単体の検索件数で十七万千二百八十八件と、これもサービス向上につながっていて評価するものであります。
ここでお尋ねします。
県立図書館利用者カードの登録者の数と貸し出し冊数についてお示しください。
二番目、平成二十九年度より、マイナンバーカードを使用して県立図書館児童文化室の図書を貸し出しできるようになりました。このマイナンバーカードを使った貸し出し冊数について、現状をお示しください。
三つ目、図書館間相互貸借制度により、市町村立図書館にない本を県立図書館から取り寄せ、市町村立図書館の貸し出しカードで貸し出す仕組みがあります。この制度を活用した貸し出し冊数についてお示しください。
四つ目、平成三十年度は明治維新百五十年でさまざまな事業が展開されましたが、これに触発されて、これまで半世紀以上あるいは百年にわたり、個人で所蔵していた貴重本あるいは図書館に蔵書としてない本が、県民から寄贈された事例がありましたら、お示しください。
最後に、保存図書館としての役割についてお尋ねします。
県立図書館は、百年に一度の本のお尋ねにも対応しなければならない保存図書館です。図書は年々ふえる一方ですが、平成三十一年度末で書庫の収納可能冊数はどれくらいで、一年間にどれぐらいずつふえていくのか、お示しください。
このままでいきますと、現在の書庫はあと何年でいっぱいになるのか、お示しください。
また、新書庫の必要性についてどのように認識しているのか、お示しください。
以上で、二回目の質問を終わります。
22 ◯教育長(東條広光君)初めに、子供たちの自由研究について、まず、自由研究の持つ可能性についてであります。
夏休み等における児童生徒の自由研究は、自然観察や調査等の活動を通じて、児童生徒が、身の回りの自然、地域の文化・歴史、社会問題に関する興味・関心を深める絶好の機会であると考えております。
また、児童生徒がみずからテーマを決めて自分で研究を進めることにより、主体的に学ぶ力が育まれるとともに、失敗や成功、新たな発見等を通じて、学ぶ楽しさを知ることにもつながるものと考えております。
さらに、自由研究に保護者や地域がかかわる場合には、児童生徒と保護者や地域とのつながりが深まるといった効果も期待されるものと考えております。
次に、児童生徒及び教員に対する支援についてであります。
児童生徒の自由研究を支援するため、県立図書館においては、夏休み前から特設展示コーナーを設け、夏休みの自由研究のヒントとなるような図書を紹介しております。また、県立博物館においては、夏休み前から児童生徒に自由研究の進め方について考えさせたり、夏休み中に標本の作製等を体験させたりする教室を開催しているところであります。
教員に対しては、県立博物館において、自然観察の基本的な技術とその指導法を身につけさせる実践講座等を開設するなど、指導力向上の機会を設けているところであります。
次に、自由研究の展示状況についてであります。
児童生徒の自由研究については、例えば、県小学校教育研究会社会科部会が主催します県小学校社会科作品コンクールにおいては、選ばれた作品を十月下旬から十一月上旬にかけて、鹿児島市維新ふるさと館で展示し、県小中高等学校理科教育研究協議会が主催する、理科に関する研究記録コンクールにおいては、選ばれた作品を九月下旬から十月上旬にかけて、県立博物館で展示しております。
また、県内の二十七の市町村においては、管内の学校の児童生徒の作品を市町村主催の文化祭で展示しているほか、県内の多くの地域の文化祭等において、地域の児童生徒の作品が展示されているところであります。
次に、日本遺産等をテーマとした自由研究についてであります。
ことし五月に認定された日本遺産、薩摩の武士が生きた町は、鶴丸城跡と県内九市に所在する十一の麓を主な構成文化財としており、現在、これらを活用し、観光振興や地域活性化につなげるため、関係市等と協議会を設立して、さまざまな取り組みを進めているところであります。
このたびの日本遺産認定は、県内各地の麓や関連する文化財が国内外に注目され、地域においては、その歴史的価値を改めて見直すよい機会であると考えております。
これらの文化財について、自由研究等を通じて子供たちが調べ親しむことにより、郷土を愛する心の醸成や次代へのより確実な保存・継承が期待できますことから、県教委としては、新たな学習素材として積極的な活用を促してまいりたいと考えております。
次に、家庭教育支援について、まず、家庭教育支援条例に基づく施策の成果についてであります。
県では、家庭教育支援条例の基本理念にのっとり、全ての保護者が、自分の子育てに自信を持ち、楽しみながら安心して子育てすることができるよう、家庭、学校、地域、企業等のさまざまな機関・団体が連携し、地域全体で家庭教育を支援する取り組みを推進してきております。
具体的には、親としての学びの支援については、保護者を対象とした家庭教育学級研修会を開催することにより、望ましい家庭教育のあり方について学ぶ機会を設けております。
親になるための学びの推進については、中・高校生を対象とした研修会を開催することにより、家庭の重要性やその役割等について学習を深めてきております。
家庭教育を支援する人材の養成については、家庭教育支援員研修会を開催し、これまでに二百五人の家庭教育支援員を養成してきたところであり、養成した支援員は、それぞれの市町村において、家庭教育や子育てに関する相談対応や、家庭教育について気軽に情報交換ができる子育てサロンの開設など、地域のニーズに応じた活動を展開してきているところであります。
このほか、平成二十八年度からは、市町村や関係機関と連携し、楽しみながら教育・子育てについて学習できる、家庭教育支援キャラバン親子すくすくフェスタを県内各地で開催してきており、これまでに約一万三千人の親子が学びを深めたところであります。
また、親子関係などについて相談できる窓口が開設されるなど相談体制の整備や、家庭の日や育児の日を中心とした家庭教育の重要性についての普及・啓発にも努めてきているところであります。
今後とも、条例の趣旨を踏まえ、関係機関、市町村と連携し、家庭教育支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、親としての学び、親になるための学びに関する取り組み等についてであります。
本県の家庭教育支援に関する特色ある取り組みとしては、子育て世代、シニア世代、これから親になる世代の三つの世代別に作成した、家庭教育に関する学習プログラムの活用があります。
子育て世代を対象としたプログラムは、子供の個性を理解することや、コミュニケーションのとり方などの学習を行うものであります。
また、シニア世代を対象としたプログラムは、時代の変化に対応した家庭教育支援や、現代の子供たちの特徴と接し方などの学習を行うものであります。
また、これから親になる世代を対象としたプログラムは、子供を育てることの喜びと責任などの学習を行うもので、中・高生を対象とした研修会等で用いております。
今後とも、各世代に対応した学習プログラムの活用等を促進するとともに、市町村教育委員会との連携を深め、親としての学び、親になるための学びを一層充実させてまいりたいと考えております。
次に、科学的知見に基づく家庭教育に関する情報の収集と提供についてであります。
県教委では、国の機関や研究機関からの科学的知見に基づく情報を収集・整理・分析して、家庭教育に関するリーフレットや学習資料を作成し、家庭教育学級研修会や家庭教育支援員研修会等で活用したり、家庭教育支援関係のイベントやホームページ等で紹介したりと、広く情報提供を行っております。
例えば、早寝早起き朝ごはんのリーフレットでは、文部科学省による、生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果から、早寝早起き朝ごはんで生活リズムの輪をつくることが子供の健やかな成長につながることを紹介し、親子で実践できるようにしております。
今後も、県民の家庭教育に関する学びの充実を図り、家庭の教育力の向上に努めてまいりたいと考えております。
次は、県立図書館について、まず、図書の貸し出し状況等についてであります。
昨年度末における県立図書館の利用者カードの登録者数は約十七万四千人で、昨年度の貸し出し冊数は約四十三万三千冊となっております。
次に、県立図書館では一昨年の九月から、IDの登録を行うことで、マイナンバーカードを図書館利用カードとして利用できるようにしておりますが、昨年度末までにおけるマイナンバーカードを使った貸し出しの件数は、二十九件であります。
また、図書館間の相互貸借制度を活用した市町村立図書館等への貸し出し冊数は、昨年度は約一万三千冊となっています。
次に、明治維新百五十年関連の寄贈図書等についてであります。
県立図書館への明治維新百五十年に関連する図書資料等の寄贈については、昨年一月からことし八月までで百五十六点となっております。そのうち、ことし二月に個人から寄贈された「西南戦争錦絵」二十九点は、明治十年に作成されたもので、奮戦する西郷軍勇士の姿が多く描かれており、西南戦争当時の世相を伝えるものとして貴重な資料であります。
県立図書館では現在、この資料の紹介展を開催しているところであります。
次に、県立図書館の書庫についてであります。
県立図書館の書庫は、平成二十八年三月に増設を行い、その収容能力は約七十八万六千冊となっております。年間約一万二千冊の受け入れがあり、本年度末時点における今後の収納可能冊数は、約八万三千冊と見込んでおりまして、今後も同様のペースで本を受け入れた場合の収納可能年数は、約七年間と想定しております。
寄贈本等の増加によっては、収納可能年数は短くなることも予想されますことから、計画的に収納スペースを確保していきたいと考えているところであります。
[藤崎 剛君登壇]
23 ◯藤崎 剛君 それぞれ御答弁いただきました。
今回は、後半で教育関係を主に質問させていただきました。一般質問初日のたいら議員の質問の様子がテレビのニュースで出まして、あれを見た鹿児島の子供を持った家庭は、夕方どんな会話があったのかなと非常に心配するところであります。私自身もなかなか子供に説明しにくい状況だったんじゃないかなと思います。
さて、大河ドラマも終わり、イベント等で大騒ぎした一年も終わりました。今の大河ドラマ「いだてん」を見ておりますけれども、時々鹿児島関係が出てまいります。加納久宜氏であったり、伊敷出身のオリンピック選手、鶴田義行氏でございます。こういった方々が、また鹿児島が注目されるきっかけになればなと感じるところでございます。
来月十月は妙円寺詣りに参加しますが、ことしは徳重神社まで歩いて参拝することになりました。鹿児島市学舎連合会で私の所属している舎が、総代学舎の当番になっています。ことしは鹿児島中央高校の生徒さんを総代に、私は彼を支える副将役であります。高校生といいますと、年代はまさに二才であります。総代は、学舎連合会二百名を代表する祭文を読み上げる大役でありまして、彼の爽やかな汗とまなざしをしっかりとこの目で見て、記憶に刻ませていただきまして、あすの我が活動の糧にしていきたいと思います。引き続き邁進してまいります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
24 ◯議長(外薗勝蔵君)次は、安楽ひでみ君に発言を許可いたします。
[安楽ひでみ君登壇](拍手)
25 ◯安楽ひでみ君 こんにちは。鹿児島市・鹿児島郡区選出、立憲民主党、県民連合所属の安楽ひでみでございます。
四月の県議会議員選挙に初挑戦させていただき、子育て中の母親として、また、障害のある当事者として、障害者にとって優しい街は、高齢者や子供たち全ての人々に優しい街になります、と訴えてまいりました。そして、多くの方々の御支援を受けて当選させていただきました。
県民の皆様の思いを胸に、税金が、県民の皆様の暮らし、教育や医療、福祉、防災等に有効に生かされるように、みずからの経験も踏まえ、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
本日は、県民連合の一員として初めて一般質問の機会をいただき、感謝申し上げます。
それでは、通告に従い質問してまいります。
県の公文書等における障害に係る「がい」の字の表記を変更すべきという立場から、以下伺ってまいります。
議場の皆様にはお手元に資料を配付いたしております。
障害の「がい」の字をいしへんの「碍」または平仮名表記の「障がい」等、表記変更することについてであります。
一般的に、いしへんを使用した「礙」または「碍」の字の伝来は、西暦五五二年の仏教伝来の際の経典に書かれていたものとされています。
衆議院文部科学委員会において、鹿児島一区選出の川内博史衆議院議員が、この障害の「がい」の字の表記について質問されています。
川内議員は、日本以外の漢字圏で「害」の字は用いられておらず、平仮名表記を含むまぜ書きや、戦前に使われていた、妨げを意味する「碍」の字を常用漢字に追加して、選択肢に加えるべきだと要望されています。これに対して当時の柴山文科大臣は、「趣旨に留意して対処する」と前向きに応じた答弁をされています。
障害者である私は、これまで使用されている障害者の「害」の字で表記されることは、自分が社会から害のある人間のように考えられている存在なのではないかと感じてまいりました。
一自治体の考えだけでは変更は難しいものと考えていましたが、今回質問するに当たり、障害に係る「がい」の字の表記変更に関して調べてみました。
内閣府が発表している、障害者施策に係る地方公共団体の取り組みの平成二十六年度の資料、障害の「がい」の字の表記に係る取扱いについてでは、十五の道府県と指定都市七市について紹介されています。
それによりますと、二〇〇三年に、公文書等における障害者の表記を、障がいのある人、障がい者など、「害」の字を平仮名表記に改めた札幌市を始まりとして、幾つかの自治体が作成する公文書等の「害」の字は、平仮名表記の「がい」に変更されています。
このほか、ホームページに記載はされていないものの、東京都多摩市は、二〇〇一年から平仮名まぜ書きの障がい者表記に切りかえています。
つまり、表記に関しては地方自治体で判断できるということです。
私は、本県において作成される公文書等に表記される障害の「害」の字は、いしへんの「碍」または平仮名の「がい」に変更すべきと考えます。
そこで、三反園知事にお伺いいたします。
先ほど御紹介申し上げました十五の道府県が、障害の「害」の字の表記を改めています。九州では、大分、熊本、宮崎が表記を改めています。本県においても、今後作成される公文書等の表記を変更されるお考えはないのでしょうか。
来年は、本県において国体・全国障害者スポーツ大会が開催されます。知事はその実行委員会の会長でもいらっしゃいます。県議会としても、手話言語条例の制定に向けた取り組みがなされるなど、この機会に県民の障害者に対する意識の向上を図るための努力がなされています。
この際、公文書等の表記変更の検討をされてはいかがかと考えますが、知事の見解をお示しください。
次に、鹿児島県議会議員選挙における投票率について質問してまいります。
四月七日に投開票されました鹿児島県議会議員選挙の投票率は、最低投票率を記録した前回の四八・七八%をさらに下回る四四・三八%となり、前回に引き続き、最低投票率の記録を更新しました。
特に、県都の鹿児島市では三七・八九%と、四〇%を切り、あわせて開票トラブルも発生いたしました。有効投票と無効投票を合わせた投票総数が投票者数を十票上回るトラブルが起こり、原因不明のまま確定がなされました。
一点目として、今回の開票トラブルの検証は行われたのか。その結果、原因についてはどうだったのか、明らかにしてください。
二点目に、原因の検証を踏まえ、今回のような開票トラブルの再発防止に向けて、どのような対策をとっていかれるおつもりか、お聞かせください。
また、地域によっては、人口減少等により投票所が遠距離になるなど、ますます投票環境が悪くなりつつあります。政治に関心を持っていても、高齢の方や障害がある方などは投票所までの移動手段の確保が難しい状況にあります。そこで、投票が可能となるような何らかの環境整備が必要と考えます。
全国的には、市町村によって、交通手段の確保を図るなどの取り組みを進めているところもあります。投票の環境を整備することで、有権者の政治離れを防ぐことにもつながると考えます。
今後、特に支援が必要とされる方々が投票しやすい環境づくりをどのように図っていかれるおつもりか、お聞かせください。
次に、災害対策について質問してまいります。
六月末から七月にかけて県内でも大雨による被害に見舞われましたが、台風十五号は千葉県に甚大な被害をもたらし、家屋の損壊も県南部を中心に二万戸を超えそうだということです。また、被害とともに広範囲にわたる停電で、住民も心身ともに疲れ切っている様子が連日報道されています。お亡くなりになった方の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、被害に遭われました方々にお見舞い申し上げます。
台風常襲地帯に住む一人として、被害者のお気持ちを思うとき、一日も早い復旧を願わずにはいられません。
さて、七月には県内各地で大雨による影響で自主的に避難された方も多くいらっしゃいました。避難場所に指定された学校に御高齢の方や幼い子を連れて自主避難された方が多く、着がえと簡単な食料を持っていくことがやっとの状態でした。もちろん寝具などは持ち込むことが難しく、体育館のかたい床に横にならざるを得ない状況でした。今回は、割合短時間の避難で済んだこともあり、しのぐことができていますが、今回の千葉県のような事態になると、しっかりとした対応が求められます。
私たち県民連合は、七月末に千歳市防災学習交流センターの行政視察を行いました。そこに災害・緊急時用の段ボールベッドがあり、男性が二人座れるくらい頑丈で、エコノミー症候群が防止でき、プライベート空間の確保などに有効だと感じました。
鹿児島県の災害時の体制を確認してみますと、二〇一六年に南日本段ボール工業組合と、段ボール製品の供給に関する協定を締結していることを知りました。大規模災害が起きた際、避難所向けに段ボールベッドなどの段ボール製品を供給することとされています。
今回は、段ボール製品の供給はなされなかったとのことですが、これまで、協定に基づいた段ボール製品の供給がなされたことがあるのか。また、協定では、どのようなときにどのような手続で段ボール製品の供給を受けることになっているのか、ルールも含め、お聞かせください。
これで、一回目の質問とさせていただきます。
26 ◯くらし保健福祉部長(中山清美君)県の公文書等における障害に係る「がい」の字の表記変更についてでございます。
障害の「害」の字につきましては、否定的で負のイメージが強く、別の言葉に見直してほしいとの意見がある一方で、障害は個人にあるのではなく、個人を取り巻く社会の側にあるとする考え方から、現在、法令等で用いられている障害の表記とすべき、平仮名の「がい」の字では実体が見えないなど、多様な意見があるところです。
障害の表記について、平仮名表記を行っている他の道府県におきましても、法令等に基づく制度等で用いる場合の表記は変えておらず、漢字と平仮名表記が混在する状況となっております。
国において、国民世論の動向等を踏まえて検討する意向が示されておりますことから、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、災害対策に関し、避難所への段ボール製品の供給についてでございます。
県においては、避難所の良好な生活環境を確保するため、平成二十八年三月に南日本段ボール工業組合と、災害時における段ボール製品の供給協力に関する協定を締結し、避難所に段ボール製簡易ベッドや間仕切り等を迅速に供給できる体制を整えておりますが、これまで、同協定に基づき供給がなされたことはないところです。
協定に基づく段ボール製品の供給は、避難の長期化などにより、プライバシーの確保や寝床の改善が必要な場合、市町村の要請を受けて、県が同組合に協力要請を行い、被災地の最寄りの事業所から市町村に段ボール製品が供給されることになります。
なお、小規模な災害の場合は、市町村が直接、同組合に要請できることとなっております。
27 ◯選挙管理委員会委員長(松下良成君)鹿児島県議会議員選挙における鹿児島市選挙管理委員会の開票作業で発生した事案の原因及び再発防止策について御質問いただきました。
鹿児島市選挙管理委員会に確認したところ、原因につきましては、投票用紙の残数の再計数、投票管理者等への聞き取り調査及び事務マニュアルの再点検により検証を行ったが、原因は特定できなかったとのことであります。
次に、再発防止策につきましても、鹿児島市選挙管理委員会に確認したところ、事務処理の誤りなどが考えられることから、投票所レイアウトの見直しなどによる監視体制の強化、開票事務における計数事務手順の一部見直しを行うとともに、事務従事者に対し、説明会等を通じて事務内容の周知徹底を図ることとしたと聞いているところでございます。
当委員会といたしましては、これまでも、市町村選挙管理委員会向けの事務説明会において、開票事務を含めた選挙管理事務における留意事項等の説明を行うなど、適正な管理執行に努めているところですが、引き続き、必要な助言等を行ってまいりたいと思っております。
次に、有権者の方々の投票しやすい環境づくりについて御質問いただきました。
県内市町村におきましては、これまで、投票所への移動支援の実施、大学や商業施設への期日前投票所の設置、利便性の高い公民館等に巡回で設置される期日前投票所の設置など、さまざまな取り組みが行われているところでございます。
当委員会といたしましては、人口減少や高齢化が進む中で、選挙人の方々の投票環境及び利便性の向上を図っていくことは重要なことと考えており、引き続き、このような取り組みを行う市町村が増加するよう、事例の紹介や必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。
[安楽ひでみ君登壇]
28 ◯安楽ひでみ君 それぞれ御答弁いただきました。
県の公文書等における障害に係る「がい」の字の表記を変更することについて、本県では来年、国体・全国障害者スポーツ大会が開催されます。この機会に、県民の障害者に対する意識の向上を図るため、公文書等の表記変更の検討を要望しておきます。
鹿児島県議会議員選挙における投票率についてであります。
原因の検証を踏まえ、今回のような開票トラブルの再発防止に向けて、市町村と連携して取り組んでいただくようお願い申し上げます。
災害対策についてであります。
近年、災害の規模が甚大化することが多く、緊急時がないことが望ましいのでありますが、対策は万全を期し過ぎても過ぎることはないと思います。緊急時は、段ボール製品の供給等がスムーズに行われるようお願い申し上げます。
次に、重度心身障害者医療費現物給付について質問してまいります。
私はこれまで、自分と同じように自身に障害のある子育て中の方や、障害のある子供を育てている方々から、子育てに関するさまざまな声を聞いてまいりました。不安や不満を抱えながらも我慢するしかない現状を身をもって体験する中で、そういった方々が安心して子育てができる環境が必要だと感じ、NPO法人を設立し、相談を受ける活動をしてまいりました。
重度心身障害者医療費助成は、障害者にとって、お金を心配することなく安心して医療を受けることができる、まさに命綱のようなものです。しかし、現行の事業は、受診した医療機関の窓口で自己負担分を一旦支払った後に助成金が支給される、償還払い方式となっています。
本年七月、障害者等の医療費助成制度の現物給付を求めるかごしまの会が結成されました。当事者である私も会に所属し、先日も実行委員会に出席いたしました。立てかえるお金がないときには病院に待ってもらうことがある、立てかえる負担を考え、通院で済む段階では我慢し、重症化し入院が長期化してしまう、看護やリハビリなど訪問医療を受けており、毎月六万円以上立てかえていて、障害年金だけの収入のため生活費を捻出できない、鹿児島市在住者は病院で代理申請をお願いできるが、証明書発行手数料の百円さえも重く感じる、市役所の窓口に申請に行かなければならない自治体もあり、出向くにもヘルパーさんに同行してもらう必要があるなど、当事者の声が多く寄せられています。
既に全国十九の自治体が現物給付、十三の自治体が償還払いと併用して実施しています。
そこでお伺いいたします。
お隣の宮崎県議会では、重度心身障害者医療費助成に関する請願が全会一致で採択され、現物給付に向け、県も動き始めました。鹿児島県においても、重度心身障害者医療費助成の現物給付の実施に向け、検討するお考えがないのか、三反園知事の見解をお示しください。
次に、ハートフル対応駐車場─身体障害者等専用駐車場─について質問してまいります。
パーキングパーミット制度は、公共施設や店舗などさまざまな施設に設置されている身障者用駐車場を適正に利用してもらうために、障害のある方や高齢の方、妊産婦の方など歩行が困難と認められる方々に対して、県内共通の身障者用駐車場利用証を交付し、本当に必要な人のための駐車スペースを確保する制度です。
駐車するときは、身障者用駐車場利用証を掲示しますが、利用証を持っている方の中には、外見からは障害者であることがわからない内部障害─心臓機能障害や肝臓機能障害など─の方もおられます。そのことをどのように理解していただくかということも課題の一つであります。
また、車椅子マークの駐車場があいておらず、あくまで待つか、入り口から遠い空き駐車場にとめるしかないときも少なくありません。
この制度には罰則はなく、県民のモラルに任されており、明らかに一般車両と思われる車が駐車していることもあります。
そこで、現在、パーキングパーミット制度の協力施設の状況がどのようになっているか、現状と課題についてお示しください。
県庁敷地内においては、行政棟の南側にハートフル対応駐車場がありますが、案内板がわかりにくく、警備員の方に教えていただき存在を知りました。行政棟と県警本部との中間に位置するところにありますが、行政棟に来庁する際、距離があり、ビル風が吹くことも多く、雨天時など、私自身も不自由を感じた経験がありますし、私のように怖い思いをしたとの声も寄せられています。
建物に近い距離にハートフル対応駐車場のスペースを検討するお考えはないのか。また、もっとわかりやすく案内板等を設置する必要があると思いますが、見解をお示しください。
次に、バリアフリー観光について質問してまいります。
八月二十七日から二十九日にかけて、環境厚生委員会の行政視察で小樽観光協会を訪問させていただき、バリアフリー観光について意見交換してまいりました。
協会では、小樽商科大学生とコラボし、車椅子街案内マップを六千部作成し、市内各所に配布してあるとのことでした。
意見交換終了後、私は実際にこのマップを使い、現地を視察してみました。歩道は石畳が多く、車椅子での移動に多少の配慮が必要ではありましたが、街案内マップには、店舗の段差の状況やスロープの有無など明記されており、安心して散策ができました。
また、観光周遊バスはスロープつきで、車椅子対応バスを待つことなくいつでも乗車が可能な体制に驚き、ハード面だけではなくソフト面も整備された街を体感し、観光地のあるべき姿を学ばせていただきました。
日本バリアフリー観光推進機構に加盟する相談センターは、二〇〇二年に全国初のバリアフリーツアーセンターとして三重県に設立された伊勢志摩バリアフリーツアーセンターを初めとし、現在は全国に約二十のセンターが設立されています。
伊勢志摩では、飲食店などの入り口にスロープを設けるなどハード面の整備や、砂利道に対応した電動車椅子の無料貸し出し、また、観光地における階段の介助などボランティア協力体制も整備され、車椅子利用の神宮の参拝者が二〇〇五年の六千三百八十二人から、二〇一八年には三倍近い一万七千三百五十人までふえているとのことです。
本県においては、かごしまバリアフリーツアーセンターが、車椅子の方、高齢で歩行に自信のない方、介護が必要な方、小さなお子様連れの方へバリアフリー情報を発信するなど、本県のバリアフリー観光に大きく貢献しておられます。
私の夫は聴覚に障害がありますが、以前、沖縄県を訪れた際、簡単な手話や筆談での対応が浸透しており、安心して観光できる街だと申しておりました。
来年は、本県において国体・全国障害者スポーツ大会が開催されます。また、障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例を制定した自治体として、誰もが暮らしやすいバリアフリーのまちづくりを推進することで、国内有数の観光地になるのではないでしょうか。
そこでお伺いいたします。
知事が常々言われる、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかったと思える鹿児島県にするために、そして、鹿児島を訪れた方がまた訪れたいと思える鹿児島にするために、バリアフリー観光がさらに推進されるよう、県の今後の取り組みについてお示しください。
次に、ヘルプカードについて質問してまいります。
本年七月一日、ヘルプカードの配布が始まりました。ヘルプカードは、外見からは援助が必要であることがわからない方が身につけることで、周りの方の配慮や支援を受けやすくするように作成されました。それだけに、待ち望んでいた方も少なくないと思います。
私も、配布対象者として早速申請し、カードをいただき、携帯しています。いただいてから、幾つかの課題があることがわかりました。また、周囲の配布対象者の方々からも御意見をいただいております。
今回のヘルプカードはとてもすばらしいものではありますが、個人情報が明記されていることもあり、表に出して携行しづらいことから、財布やカバンに入れて携帯している人も少なくないようです。
このような課題の解決の方法はないかと思い、他県、特に九州各県の導入状況について調査いたしました。九州では、各県がヘルプカードを導入していますが、佐賀県、長崎県、宮崎県では、ヘルプカードと同時に、ヘルプマークも配布されています。ヘルプマークは、バッジ型やストラップ型があり、身につけやすく、周りの方も気づきやすくできています。全国的にも、ストラップ型ヘルプマークとヘルプカードを併用して配布しているところが、三十九都道府県に上り、中でも鳥取県では、独自のストラップ型とバッジ型があり、どちらか一つを選択する形になっているなど、それぞれの工夫が見てとれます。
そこでお伺いいたします。
現行のヘルプカードに加え、ヘルプマークのストラップ型・バッジ型等を追加配布することを検討すべきと考えます。見解をお示しください。
次に、「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」の輸送体制等について質問してまいります。
開催まで一年余りとなり、国体準備課が設置されてから七年、準備等に取り組んでこられた関係の皆様には心より敬意を表します。
国体は、国民体育大会開催基準要項にありますように、国民の間にスポーツを普及し、国民の健康増進と体力の向上を図り、あわせて地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与するとともに、国民生活を明るく豊かにすることを目的としており、また、全国障害者スポーツ大会は、全国障害者スポーツ大会開催基準要綱にありますように、障害のある方がスポーツの楽しさを体験し、国民の障害のある方に対する理解を深めることや、障害のある方の社会参加の推進に寄与することを目的としていることは御承知のことと思います。
大会参加者が安心して大会に参加できるよう、バリアフリー対策やボランティア等の育成・強化などの環境整備に取り組んでおられることと思います。
バリアフリー対策では、各会場や各施設における多目的トイレやスロープなどといった仮設物の設置、視覚障害者、聴覚障害者が大会に関する情報を円滑に得られるように、トイレの位置などを案内する音声案内装置や、試合結果などを文字で伝える映像装置等の整備が進んでいると思いますが、現状と今後の予定が気になるところです。
ボランティア等の育成・確保では、手話通訳などを行う情報支援ボランティアの養成や、選手や役員の介助・誘導等を行う選手団サポートボランティアの養成を行っておられると思いますが、ボランティアの育成や確保の現状と、開催までに募集人数に達する見込みなのか、お示しください。
参加者だけでなく、両大会を観戦に来られる方々が安心できる環境として、輸送の確保が不可欠であると考えます。輸送の確保では、参加者の障害の特性や程度に対応した輸送手段の確保計画が気になるところですが、参加者や、両大会に観戦に訪れる方の現段階での輸送手段確保計画についてお示しください。
これで、二回目の質問といたします。
[知事三反園 訓君登壇]
29 ◯知事(三反園 訓君)バリアフリー観光の推進についてであります。
県では、鹿児島県観光振興基本方針により、全ての観光客が安心・安全に快適な観光を満喫できるよう、観光客の受け入れ環境の整備を推進しているところであります。
これまで、観光地における障害者や高齢者に配慮した多目的トイレ、段差解消や勾配に配慮した整備等を進めるとともに、バリアフリー観光の普及・啓発のための研修会の開催やユニバーサルツーリズム情報誌の作成などに取り組んでまいりました。
今後は、これらに加え、新たなバリアフリー観光マップの作成や観光関係者への介助者研修会の開催、情報誌の更新等にも取り組むこととしておりまして、引き続き、関係団体、市町村等とも連携を図りながら、鹿児島を訪れた観光客の方々に、また来たいと思っていただけるよう、バリアフリー観光を推進してまいりたいと考えております。
30 ◯くらし保健福祉部長(中山清美君)重度心身障害者医療費助成に係る現物給付についてでございます。
重度心身障害者医療費助成事業に係る給付方式につきましては、受診される方々に受診に伴うコスト意識を持っていただくという健康保険制度の趣旨を踏まえ、いわゆる償還払い方式といたしております。
対象者が医療機関等の窓口で被保険者証とともに受給者証を提示することにより、無料で医療サービスを受けることができる現物給付方式を導入した場合、他県の導入例から医療費の増嵩が見込まれることや、医療機関や国民健康保険団体連合会に対する新たな事務手数料が発生すること、国民健康保険に対する国庫負担金が減額されることから、県だけでなく市町村への影響も懸念されるところでございます。
なお、市町村への助成金の申請につきましては、郵送による受け付けを全市町村で実施しているほか、医療機関で申請書を提出できる市もあることから、県としては、こうした事例を他の市町村に紹介するとともに、必要に応じて助言等を行ってまいります。
また、本事業は、全国的に都道府県、市町村でそれぞれ独自の方式で実施されていることから、県といたしましては、国に対し、新たな医療費助成制度を創設するよう、県開発促進協議会を通じて提案しているところであります。
次に、ハートフル対応駐車場に関して、パーキングパーミット制度の協力施設の状況についてでございます。
県では、平成二十一年度から、身障者用駐車場利用証制度、いわゆるパーキングパーミット制度を導入し、歩行が困難と認められる方に利用証を交付しております。
利用証の交付件数は、本年八月末現在四万九千九十件となっており、また、制度の趣旨に賛同して協力いただいている施設は、制度を導入した平成二十一年十一月末の六百八十二カ所、千六百七十八の駐車区画から、本年八月末現在で千八百六十五カ所、三千九百四十三の区画と年々増加してきております。
本制度の導入により、障害者等が身障者用駐車場にとめやすくなったとの制度の効果を評価する声が多数ある一方、利用証を掲示していない車の利用がある、有効期限切れの利用証を使用しているものがあるなどといった声もあるところです。
身障者用駐車場の適正利用を図るため、協力施設におきましては、チラシの配布や館内アナウンス等により、制度の趣旨や適正利用を呼びかけていただいております。また、県では、文書による注意喚起や、必要に応じて利用証の更新を促しているところであります。
今後とも、制度の周知や事業所に対する協力依頼に取り組み、協力施設の増加や利用の適正化を図ってまいります。
次に、ストラップ型等のヘルプマークの追加配布についてでございます。
本県が導入したヘルプカードにつきましては、必要な支援内容や緊急連絡先などを記載することができるほか、財布に入れる、カバンにつける、首から下げるなどの使いやすい方法で携帯でき、ストラップ型のヘルプマークと同様の使い方が可能であることから、ヘルプカードを導入したところです。
県といたしましては、援助や配慮を必要としている方がヘルプカードを活用することにより、周囲の方々からの援助を受けやすくなるよう、今後とも、ヘルプカードの周知・普及に努めてまいりたいと考えております。
31 ◯会計管理者(伊村秀己君)県庁舎敷地内の身体障害者用駐車場についてでございます。
県庁舎敷地内の身体障害者用外来駐車場につきましては、行政庁舎正面玄関横に五台、行政庁舎南側出入り口前に三台、議会庁舎玄関横に二台、南北一般駐車場にそれぞれ二台の計十四台のスペースを設けております。
身体障害者用駐車場につきましては、県庁舎建設当時の基本方針において、歩行者の動線や安全確保、緊急車両の対応などを考慮しつつ、障害者の方にも配慮しながら、現在の場所に設置しており、建物により近い場所の確保につきましては、これらのことに十分留意して検討する必要があると考えております。
現在、雨や風の強い日などは、屋根のある行政庁舎南側出入り口前の駐車場を利用していただくよう案内するとともに、状況に応じて、職員が利用者に付き添うなどの対応も行っているところでございます。
なお、行政庁舎南側出入り口前の駐車場への案内板につきましては、議員御指摘のように、文字が小さいなどにより利用者がわかりにくいところもあることから、表示内容、掲示方法を工夫するなど、早急に対応したいと考えております。
今後とも、より親しみやすく利用しやすい県庁舎となるよう、県民の声をお聞きしながら、適切な対応に努めてまいります。
32 ◯国体・全国障害者スポーツ大会局長(中堂薗哲郎君)「燃ゆる感動かごしま大会」におけるボランティアの育成・確保の現状等についてでございます。
全国障害者スポーツ大会鹿児島大会におけるボランティアは、アスリートに続く主役であり、大会の運営に直接携わり、大会を盛り上げ、感動を分かち合う存在であると考えております。
情報支援ボランティアは、聴覚に障害のある方に手話等で情報を提供する役割を担うもので、六百人を目標に募集を行っており、本年九月十九日現在で五百五十一人の応募があったところでございます。
御応募いただいた方には、専門資格の保有者等が講師となり、本年六月から、ボランティア活動に必要な専門知識や技術の習得を目的に研修を実施しております。
選手団サポートボランティアは、選手団の介助や誘導などの役割を担うもので、八百人を目標に、県内の大学、短大、医療福祉系専修学校に協力を依頼し、本年五月、御理解をいただいた十七校に養成協力校を委嘱したところであり、目標を超える千二百四十七人の協力がいただけることとなっております。
研修につきましては、本年六月から来年九月にかけ、ボランティア活動に必要な専門知識や技術の習得を目的に、各協力校で実施していただくこととしております。
また、情報支援ボランティアの募集につきましては、来県される方々を真心のこもったおもてなしでお迎えすることはもとより、鹿児島大会に参加する選手・監督等大会参加者だけでなく、一般観覧者も安心・安全に過ごしていただくために、一人でも多くの県民にボランティア活動に参加いただき、必要な人数が確保できるよう、今後もさまざまな機会を捉えて周知を行ってまいります。
次に、国体・鹿児島大会における障害の特性等に対応した輸送手段についてでございます。
「燃ゆる感動かごしま国体」及び全国障害者スポーツ大会鹿児島大会に参加する障害のある方の輸送に当たっては、障害の特性及び負担軽減に十分配慮することとしております。
両大会の選手・監督等大会参加者につきましては、宿舎と競技会場等との間をバスによる計画輸送を行うこととしており、とりわけ全国障害者スポーツ大会においては、安心して移動できるよう、低床バスや福祉車両などバリアフリーに対応した車両を活用することとしております。
他方、一般観覧者につきましては、主要鉄道駅等からシャトルバスを運行することとしており、障害のある方については、低床バスや福祉車両などバリアフリーに対応した車両を利用いただけるよう配慮することとしております。
このため、現在、国体につきましては、低床バスも含めたバス提供可能台数調査を、鹿児島大会については、福祉車両提供可能台数調査も加えて実施しているところであり、これらの調査結果を踏まえた両大会の輸送実施計画を今年度末までに策定することとしております。
障害のある方も含めた全ての参加者につきまして、県バス協会を初め関係機関と連携を図りながら、安全かつ確実、円滑な輸送体制の整備に努めてまいります。
33 ◯安楽ひでみ君 自席より再質問させていただきます。
重度心身障害者医療費助成に係る現物給付についてであります。
私の調査によりますと、国庫負担金のペナルティーがあるのに、既に県内の鹿児島市、霧島市、薩摩川内市から県に意見書が提出されています。この件に関してどう御検討されているのか、見解をお示しいただければと思います。
34 ◯くらし保健福祉部長(中山清美君)意見書が提出されているとのお話でございますが、先ほど申し上げたとおり、他県の導入例から医療費の増嵩が見込まれること、それから医療機関や国保連合会に対する新たな事務手数料が発生すること、国民健康保険に対する国庫負担金が減額されることなどから、県だけでなく市町村への影響も大きく懸念されるところでございます。
したがって、県といたしましては、現時点では現物給付方式というものは考えていないところでございます。
[安楽ひでみ君登壇]
35 ◯安楽ひでみ君 それぞれ御答弁いただきました。
重度心身障害者医療費助成は、障害のある子供たちも含まれます。そのことから、子育て支援の一環として早急に取り組んでいただきますよう強く要望いたしますとともに、今後もこの問題は追求してまいります。
ハートフル対応駐車場についてであります。
来庁された方が安心して移動できるよう、早急に案内板を改善していただくことを感謝申し上げます。建物に近い距離に駐車場を検討していただくことも要望いたしておきます。
バリアフリー観光についてであります。
積極的に県主導で取り組むことにより、さらにバリアフリー観光が進むことで、多様な観光客が国内外から見込まれますので、経済効果が生まれ、活気ある鹿児島になるよう、今後とも積極的に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
ヘルプカードであります。
県内の方が県外を訪れた際や、県外から鹿児島を訪れた方への配慮や支援が円滑にできるよう、ヘルプマークの導入も御検討いただきますよう強くお願い申し上げます。
国体・全国障害者スポーツ大会についてであります。
大会参加者、観戦に訪れた方が円滑に移動できるよう、輸送確保の計画をしっかりとしていただきますよう要望いたしておきます。
障害者にとって優しい街は、高齢者や子供たち全ての人々に優しい街になります。現役の子育て中の母親として、障害のある当事者として、私にしかできない、私だからできる優しい街づくりを、これからも身近な存在で、初心を忘れることなくしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
これで、私の一般質問は終わらせていただきます。
御清聴いただきまことにありがとうございました。(拍手)
36 ◯議長(外薗勝蔵君)ここで、休憩いたします。
再開は、午後一時十五分といたします。
午前十一時五十三分休憩
─────────────
午後 一時 十五分再開
37 ◯副議長(桑鶴 勉君)再開いたします。
寿はじめ君に発言を許可いたします。
[寿 はじめ君登壇](拍手)
38 ◯寿 はじめ君 皆さん、こんにちは。
本年四月に施行されました鹿児島県議会議員選挙において初当選いたしました、大島郡区選出の寿はじめでございます。
本日は、初の一般質問ということもあり、いささか緊張しておりますが、傍聴席には、私の生まれた徳之島より、私の息子、間もなく二歳、十一月上旬にお産を控えている妻、そして私の母が来ております。このような機会を与えていただきました自由民主党県議団の皆様に心より感謝申し上げます。
六月末から七月にかけての大雨により被災されました方々に心からお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになりましたお二人、御親族の方々に心から哀悼の意を表します。
また、台風十五号により被災されました皆様方に心よりお見舞い申し上げます。特に、千葉県の広域で長時間にわたる痛ましい状況は、情報を聞くたびに胸が張り裂ける思いであります。
台風常襲地帯と言われる奄美において、近くは昨年に、激甚災害指定を受ける等の甚大な被害を受けました。私自身、犬田布岬近くの沿岸沿いの畑は塩水に洗われ、たくさんの石や岩、プラスチックごみが打ち上げられ、いまだに人力で拾いながら復旧作業に明け暮れている状況です。
何よりも、実家の屋根は吹き飛ばされ、室内のものはほぼ処分せざるを得ない状況でした。痛感したのは、台風が奪っていくものは財産だけではないこと、長年の時間を積み重ねてできた家族との思い出、家を建てることで築き上げた誇りや自信、大人としてのプライド。起きてしまった災害の前では、年齢、性別関係なくひとしく無力にならざるを得ません。
その中で得られたものこそ、未来への希望であり、島で生まれたことの誇りとなりました。台風災害を経て家族とのきずながより深くなりました。近所とのきずなが広がりました。地域のきずなの大切さを学び、地域の団結が生まれました。
今、被害に打ちひしがれている皆さん、どうか現状に負けず、希望を捨てず、歯を食いしばってください。一日も早い復興を心より御祈念申し上げます。
それでは、通告に従い質問してまいります。
私の生まれ育った奄美群島には、日本ではなかった時代が存在します。第二次世界大戦後、奄美群島は、沖縄と同じく日本から切り離され、米軍統治下に置かれました。一九四五年ようやく終焉を迎えた戦争、しかし、その後、奄美群島に下ったのは、日本からの分離、そして米軍占領下に置かれるという命令でした。本土への渡航は厳しく制限され、パスポートの取得が必要になり、貨幣も米軍のB円を使用するなど、奄美は日本ではなくなりました。島外との交易はほぼ途絶えたため、人々の生活は困窮するばかり、慢性的な食料・物不足で、勉強するための教科書すらないという事態に陥ってしまいました。
泉芳朗氏を代表とする奄美大島日本復帰協議会による大規模な断食祈願や、十四歳以上の在住者九九・八%を達成した署名運動を展開。後に無血の民族運動と評されました。これらの活動は中央を動かし、ついに一九五三年十二月二十五日、奄美群島は日本復帰を果たしました。島人としてのアイデンティティーを高め、一致団結して復帰をかち取った誇りの歴史であると確信しております。
あれから六十五年、先人の流した汗と涙で大分豊かな暮らしになったことは事実であります。とはいえ、国からの支援を受けながらも、一向に変わらない所得格差、離島不利益性。私は、今、日本が抱える少子超高齢化、人口減少を要因とするさまざまな問題の解決策は、奄美群島の振興・発展にあると考えております。
現在までに長寿世界一は三人、徳之島の泉重千代さん、本郷かまとさん、喜界島の田島ナビさん。
二〇一五年度国勢調査を参照いたしますと、市町村合計特殊出生率上位二十自治体ランキングに、三位伊仙町三・二一、八位天城町二・六七、十一位知名町二・五七、十二位宇検村二・五六、十三位龍郷町二・五五、十五位与論町二・五四、十八位和泊町二・四七、十九位喜界島二・四五、二十位大和村二・四四の九つの町村が入っております。
ちなみに、県は、これらの奄美群島を含めて一・七二、全国が二〇一七年で一・四三となっております。離島の地域性に育まれた結果と言わざるを得ません。
人口減少、少子超高齢化は、地域内の人間関係の希薄化につながっており、地域への愛着の低下、郷土愛の低下は、進学や就職、転職などの人生の転機に地域外への転出の選択を後押しする。結果として、若年人口が減り、子供が減るという負の循環が、集落の弱体化を後押ししているように思えてなりません。
ちなみに、鹿児島の県外就職率は四七・二%、全国平均は二〇・八%となっております。
二〇一五年九月の国連総会で全会一致で採択された、我々の世界を変革する・持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ、通称SDGs、日本語では持続可能な開発目標の大切な理念の一つが、誰一人取り残さない、であり、住民、事業者、行政職員など地域内外のさまざまな利害関係者が、自分の立場、領域を超えて、ともに幸せな地域の未来の姿を描き、その実現に向けてみんなで協働して取り組む挑戦としております。
地域が目指す姿をわかりやすく魅力的に表現した理想像は、人を引きつける求心力を生む。新しい挑戦をしたい若者、定年退職後の再出発を模索中の中高年、地元に戻ることを検討中の大都市圏在住者、自分が描く生活環境に近い姿の地域、未来に向けた新たな挑戦をしている仲間がたくさんいる地域には当然人が集まる。移住・定住だけでなく、観光や地元産商品の魅力向上にもつながる。未来は描かなければ実現しない。逆に言うと、具体的な言葉や目に見える、訴えるもので、未来の姿をわかりやすく魅力的に表現できると、人は動き始めると考えます。
三反園知事の、常にみずから島々の現場に赴き、膝詰めで対話を重ねるその姿には未来への希望を感じます。
そこで、知事に伺います。
第一点目は、三反園知事の描く奄美群島の未来の理想像と思い、そのための施策をお答えください。
第二点目は、離島振興に当たり、課題と対策、現在の取り組み状況をお示しください。
第三点目は、台風接近等、海上のしけに伴い、欠航が長期にわたり続くことによって起こり得る問題に対しての対応策をお示しください。
三点目の質問に関してですが、台風常襲地帯と言われる奄美において、ことし八月、相次ぐ台風の発生で一週間、船が着港することなく、実際にさまざまな問題が起きてしまったところです。
夏場の収入源である果樹の出荷が全くできなかったこと、南の島において最も収入となるべき観光客のキャンセル、品物が入らないことによる島内の物価上昇、品不足、燃料の不足等は、経済的な損失もさることながら、命さえも脅かしかねない事象だと考えます。
ここで、一回目の質問を終わります。
[知事三反園 訓君登壇]
39 ◯知事(三反園 訓君)奄美群島の未来像と思いについてであります。
知事就任後、最初の知事と語ろう車座対話を奄美群島で行いました。先月実施した請島・与路島等の視察を含めますと、これまでに二十三回、奄美群島を訪問いたしております。
これらの訪問を通じまして、奄美群島は、豊かな自然や貴重な動植物に加え、黒糖焼酎、大島紬などの特産品や食、島唄などの独自の伝統文化を有しており、大きなポテンシャルがあることを肌で感じてまいりました。
また、来年の世界自然遺産登録を目指しているところであり、国内外から訪れる観光客の受け入れ体制の整備など、地元の力強い動きも見られておりまして、奄美群島の自立的発展を図る好機であると考えております。
本年五月に策定いたしました、新しい奄美群島振興開発計画においては、振興開発の基本的方針として、定住を促進するための方策、世界自然遺産登録などを生かした交流拡大のための方策、滞在型・着地型観光を促進するための方策、奄美群島が抱える条件不利性の改善、奄美群島の生活基盤の確保・充実、地域主体の取り組みの促進の六つを掲げており、その実現に向けまして、自然環境の保全と利用の両立を図るための観光客等の受け入れ体制整備、メディアやSNS等を活用した観光情報の発信、航路・航空路の運賃軽減、農林水産物の輸送コスト支援など、さまざまな施策を展開しているところであります。
奄美群島の振興は、県政推進の重要な柱の一つであります。私としては、新たな奄美群島振興開発計画に基づく事業を展開し、若い人たちが夢と希望を胸に、輝いて生活できるような奄美群島の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。
40 ◯企画部長(古薗宏明君)奄美群島振興の課題と対策、取り組み状況についてであります。
奄美群島におきましては、奄美群島振興開発特別措置法等により、社会資本の整備が着実に図られてきているものの、本土から遠隔の外海離島という地理的条件、台風常襲地帯であるなど厳しい自然条件下にあり、本土との間に経済面の格差がいまだに存在しているなどの課題があるものと認識しております。
本年度は、これまでの取り組みに加えまして、奄美群島振興交付金を活用して、新たに、農林水産物等の加工品、原材料等の輸送コスト支援や、住民に準ずる者を対象とする航路・航空路運賃の軽減などに取り組んでいるところであります。
県といたしましては、本年五月に策定した奄美群島振興開発計画に基づく各種事業を積極的に推進し、奄美群島の基礎条件の改善や、地理的及び自然的特性に応じた振興開発を、国や市町村等と連携して着実に図ってまいりたいと考えております。
台風接近などによる欠航に伴う問題への対応策についてであります。
離島におきましては、島外との交通手段が限られていることから、台風接近などにより飛行機や船舶が一定期間欠航した場合には、生活物資の不足や農産物等の出荷遅延、観光客の宿泊キャンセルなど、住民の生活や経済活動に影響が生じるものと認識しております。
県におきましては、定期船等の就航率向上のための防波堤等の整備や、欠航が生じた際の観光客等に対する延泊補償に係る実証事業のほか、農産物については、冷蔵庫での保管が長期にわたり、品質低下が避けられない場合もあることから、出荷遅延による収入減少を補填する収入保険への加入促進に努めているところであります。
なお、欠航が一定期間続くことによる影響を最小限にとどめるためには、やはり離島住民一人一人の取り組みも重要でありまして、可能な範囲で日ごろから備えていただきたいと考えております。
[寿 はじめ君登壇]
41 ◯寿 はじめ君 冒頭、奄美群島の歴史に触れさせていただき、担当部局の方に現在の課題と対策、取り組み状況を答弁いただきました。
三反園知事には、奄美群島の未来理想図を述べていただきました。
未来の果を知らんと欲せば、其の現在の因を見よという、仏法の説があります。未来の結果の要因は、現在の努力と活動にあるとの言葉でありますが、あらゆる事象を想定しつつ、しっかりと取り組んでいくことが大切と考えております。
家が壊されることはなくても、離島においては、天候によってはいつでも孤立してしまう可能性があります。逃げ場所のない状況で食料が枯渇していく、まさかと思うようなことが起こるのが災害であり、災難です。今回は連続して台風が発生し、直接的な被害はありませんでしたが、異常気象と言われる昨今において、事前対策や起こり得ることの想定が必要と感じております。
ぜひとも、三反園知事が掲げる施策が実現し、奄美群島の持続可能な振興・発展につながることを期待いたしまして、次の質問に移ります。
離島振興に欠かせないのが農業振興と考えます。
鹿児島の基幹作物でもありますサトウキビの、平成三十年産の生産量は、九月末の台風などで影響を受けたことから、前年比八六%の四十五万二千六百二十三トンになりました。また、品質は、買い入れ糖度は記録的な低糖度となった前年を上回るものの、県平均は十三・〇八度にとどまりました。他作物に比べて台風や干ばつに強く、鹿児島県南西諸島の約七割強の農家が生産している作物であり、製糖会社の雇用確保も含め、地域経済を支える重要な役割を担っております。
県内サトウキビ栽培農家戸数七千二百二十二戸によるサトウキビ生産は、県内に約四倍の経済波及効果をもたらすとも言われております。平成二十九年農業産出額は約百七億円で、耕種部門の第五位となっております。ちなみに、一位は米、二位が茶、三位サツマイモ、四位バレイショとなっております。
離島農業の衰退とそれによる過疎化により、海洋の安全が脆弱化するという主張もあります。にもかかわらず多額の交付金を投入しているとして、否定的な意見があるのも事実ではありますが、世論は国産糖の保護に肯定的であるとの結果が出ております。インターネットアンケートを国内居住者千四百五十人を対象に実施し、食料安全のためあるいは離島地域の人々の暮らしを守るため、国産糖を保護することをどう思うか質問したところ、いずれの質問にも約八割が「砂糖価格がどんなに高くなっても保護すべき」あるいは「砂糖価格が著しく高くなるのでなければ保護してもよい」との回答だったという調査結果があります。
最悪を想定するならば、現在、粗糖が輸入され、国内で精製されていますが、関税及び調整金撤廃により精製糖が輸入されるようになりますと、国産と外国産とで品質格差がないことから、国産糖の全てが外国産精製糖に置きかわり、国産甘味資源作物は引き取られなくなって、いずれ生産農家は全滅します。また、国内産糖製造企業やサトウキビ栽培農家への交付金の財源として輸入指定糖の輸入業者等から徴収されている調整金、約五百億円も失われることになります。
ここ数年、サトウキビ栽培農家の集約化・大規模化が徐々に進み、一戸当たりの栽培面積も拡大傾向にありますが、サトウキビをめぐる根本的・構造的問題が解決されたわけではございません。幾らコスト削減等に努力しても、砂糖の余りにも大きい内外格差を考えると、政府の保護や支援なしには奄美のサトウキビ栽培や製糖業を維持することは難しい状況であります。
そこで、稼げる農業を目指す鹿児島県としてのサトウキビ生産向上に向けての課題と対策として、以下のことを質問いたします。
第一点目、奄美群島における防風対策の取り組み状況についてお示しください。
家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律が、平成十一年七月二十二日に成立、十一月一日に施行されました。基本的な考え方として、家畜排せつ物は、これまで、畜産業における資源として、農産物や飼料作物の生産に有効に利用されてきたところである。しかしながら、近年、畜産経営の急激な大規模化の進行、高齢化に伴う農作業の省力化等を背景として、家畜排せつ物の資源としての利用が困難になりつつある一方、地域の生活環境に関する問題も生じている。
他方、我が国全体において、資源循環型社会への移行が求められるとともに国民の環境意識が高まる中で、家畜排せつ物について、その適正な管理を確保し、堆肥として農業の持続的な発展に資する土づくりに積極的に活用するなど、その資源としての有効利用を一層促進する必要がある。
このため、畜産業における家畜排せつ物の管理の適正化を図るための措置及び利用を促進するための支援措置を講ずることにより、我が国畜産の健全な発展を図るものとする、となっております。
そこで第二点目であります。奄美群島における堆肥の活用状況と今後の取り組みをお示しください。
第三点目、奄美群島における畑地かんがい整備事業と今後の取り組みについてお示しください。
サトウキビの次に現場で言われたことが、バレイショ、花卉の生産安定と販路拡大の相談であります。花卉においては、消費の低迷等により、品質のよいものをつくってもなかなか評価されない状況です。バレイショ生産に関しては、北海道の作柄が価格に影響しており、規格外のものをうまく活用できないかとの声もあります。
そこで第四点目、花卉及びバレイショの生産安定、販売促進に対する県としての取り組みをお示しください。
現在、製糖期だけサトウキビ運搬作業をしております輸送組合が奄美群島にそれぞれありますが、燃料代高騰にもかからわず運送費がなかなか変わらない中、維持費、車体自体また部品等の高騰で、会社の存続すらも考える企業が出てきております。サトウキビの運搬用トラックを農業機械として今後取り扱う可能性があるかどうかも含めまして、答弁をお願いします。
第五点目でございます。補助事業で機械等の取得を行う際の要件についてお示しください。
農林水産省では、食料・農業施策にかかわる中長期的な基本方針である食料・農業・農村基本計画について、五年ごとの見直しに向けた検討を開始したところであります。我が国の農業を支える基幹的農業従事者は年々高齢化し、今後一層の減少が見込まれ、担い手の確保が困難となることが予想されることから、今後、持続的な生産構造をつくる必要があるとしています。
そこで六点目、奄美群島における担い手不足、人手不足に対する県としての取り組みをお示しください。
42 ◯農政部長(満薗秀彦君)奄美地域の農業振興について幾つか御質問いただきました。
まず、サトウキビの生産向上に向けた防風対策の取り組み状況についてでございます。
サトウキビ栽培において、防風林の整備などの防風対策は、台風や季節風による被害を軽減し、生産安定や品質確保を図るための有効な手段であり、これまで、基盤整備とあわせた防風林の整備などが行われてきたところでございます。
一方、防風林の整備は、用地の確保が必要なことや維持管理の負担が大きいことから、農家の理解が得られにくい場合もございます。
このようなことから、大島支庁が中心となって、地域や作物に適した防風対策などをまとめた、奄美地域における防風樹の手引きを活用し、関係機関・団体と一体となって、研修会の開催等を通じて、農家の防風対策に対する意識の醸成を図っているところでございます。
次に、サトウキビの生産向上に向けた堆肥の活用状況と今後の取り組みについてでございます。
奄美地域など高温多雨の気象条件下では、土壌中の有機物の分解も速く、地力が低下しやすいことから、サトウキビの増産を図るためには、適期の栽培管理はもとより、堆肥の投入等による地力の増進が重要でございます。
サトウキビの栽培指針では、新植する際に堆肥を施用することとなっておりますが、奄美地域での施用面積の割合は、種子島地域に比べて低い状況となっております。
このため、県では、国の補助事業を活用した堆肥・土壌改良資材の施用等を促進しているほか、堆肥の施用拡大に向け、実証・展示にも取り組んでいます。
特に、奄美大島で取り組んだ実証事業では、堆肥を十アール当たり四トン施用することで茎数がふえ、約一割の増収となったところであり、その効果について研修会等を通じて紹介するなど、堆肥施用の必要性の理解促進に努めております。
今後とも、地元市町村や関係機関・団体とも連携しながら、各地域の実情に応じた地力の増進など、サトウキビの増産に向けた取り組みを支援してまいります。
次に、奄美地域における畑地かんがいの整備状況についてでございます。
畑地かんがいの整備は、サトウキビの単収増や品質向上に加えて、干ばつや台風時の塩害の軽減にもつながるものであり、その推進は、奄美地域において重要な施策でございます。
平成三十年度末の通水面積は六千五百六十四ヘクタールで、計画に対する整備率は六一%となっております。
畑かんを利用した生産性の高い営農を推進するため、島ごとに畑かん営農ビジョンを策定しており、先進的に営農を行っている畑かんマイスター等と連携して、モデル圃場を設置し、水利用効果を実証するなど、畑かん営農の理解促進に努めているところでございます。
県といたしましては、今後とも、関係機関と連携しながら、計画的な事業実施に努め、サトウキビの増産を図ってまいります。
次に、花卉及びバレイショの生産安定、販売促進の取り組みについてでございます。
奄美地域は、冬春期の温暖な気候を生かし、キク、ユリなど県内有数の花卉産地となっております。平成二十九年の作付面積は二百二十二ヘクタール、産出額は約三十四億円で、生産された花卉類は全国に出荷されています。
近年、花の消費が低迷していることから、消費者ニーズに対応した品種や需要期に対応した計画出荷が求められており、県園芸振興協議会を中心に、生産安定技術やテッポウユリの日持ち向上対策等の実証、スプレーギクなどの県で育成した新品種の普及などに取り組んでおります。
また、新たな市場を開拓し、販路拡大を図るため、国の補助事業を活用して、沖永良部島のスプレーギク、テッポウユリの県外での商談会などを行っております。
バレイショについては、南北六百キロメートルの立地条件を生かして、沖永良部島や徳之島を皮切りにリレー出荷が行われており、奄美地域における平成二十九年度の栽培面積は約二千三百ヘクタール、産出額は約五十三億円となるなど、重要な品目となっております。
生産安定に向けては、そうか病等の病害の発生や収穫期の労働力不足などが課題となっており、県では、これまで、関係機関と連携し、土づくりや防風対策等の基本技術の励行、生産安定技術の普及を行うとともに、国の補助事業等を活用した収穫機等の導入支援などに取り組んでおります。
また、販路拡大を図るため、大消費地の量販店での、春を告げる県産農産物のフェアの開催や、実需者との交流会の実施、大手料理レシピサイト等を活用した情報発信などに取り組んでおります。
今後とも、関係機関・団体と一体となって、奄美地域の花卉、バレイショの生産安定や販売促進に努めてまいります。
次に、機械等の取得を行う際の補助事業の要件等についてでございます。
県では、生産性の向上や高品質化により県産農産物の収益力を向上させ、農業者の経営基盤の強化を図るため、国の産地パワーアップ事業や、さとうきび農業機械等リース支援事業、県単の補助事業等を活用して、農業用機械の導入を支援しているところでございます。
これらの補助事業の実施主体は、農業者や農業者団体となっており、補助対象となる機械は、サトウキビハーベスターや株出し管理機など、農業生産に必要な機械とされているところでございます。
なお、お尋ねのあった、サトウキビの運搬用トラックについては、農業以外にも使える汎用性の高いものであることから、補助対象とはされていないところでございます。
最後に、奄美地域における担い手不足、人手不足に対する取り組みについてでございます。
奄美地域においては、平成二十七年の農林業センサスによると、販売農家戸数は五年間で五%減少するとともに、高齢化も進んでおり、将来的に担い手の確保が課題になると考えております。このため、県では、市町村等の就農研修施設における実務研修への支援や、かごしま農業経営相談所による研修会の開催、サトウキビの作業受託組織への支援など、多様な担い手の確保・育成に取り組んでいるところでございます。
また、農業就業人口は五年間で一五%減少するなど、地域農業を支える労働力不足が課題となっております。このため、県では、サトウキビの機械化一貫体系の確立による省力化や作業受託組織の育成、県農業労働力支援センターによる相談活動など、多様な人材確保に向けた取り組みを支援しているところでございます。
またあわせて、超省力化や高品質生産を実現するため、ドローンによるバレイショの薬剤散布や牛の分娩監視システムの導入など、スマート農業の普及を図っているところでございます。
県といたしましては、今後とも、関係機関・団体等と一体となって、奄美地域における意欲ある担い手の確保・育成や労働力の確保に努めてまいります。
43 ◯寿 はじめ君 自席より再質問させていただきたいと思います。
花卉、バレイショの、今年度の生産面積と販売価格、販売額の目標数字等ございましたら教えていただきたいというのと、もう一点が、今、冷凍バレイショの輸入がふえていることで、価格に影響しているんじゃないかと、沖永良部、徳之島等々でうわさされているんですが、そういった影響に対する見解をお聞かせ願えればと思います。
あと、ドローンなんですけど、これはどういった取り扱いなんですか。一応農業機械という取り扱いか、今後、スマート農業が進んできたときの取り扱いとしてどのように考えているか、お示しいただければと思います。
44 ◯農政部長(満薗秀彦君)三点ほど再質問いただきました。
まず、花卉及びバレイショの生産面積や生産量の目標でございます。
奄美地域の花卉やバレイショにつきましては、各市町村が三年ごとに園芸産地活性化プランというのをつくっており、産地づくりに取り組んでいるところでございます。現在のプランは、令和二年度の目標面積ということになっており、花卉の目標につきましては、キクやユリなど栽培面積が二百四十六ヘクタール、生産量一億五千五百五十二万本となっております。一方、バレイショにつきましては、栽培面積二千二百二ヘクタール、生産量三万三千三百トンとなっております。
次の質問の冷凍バレイショの関係でございます。
我が国の冷凍バレイショの輸入量は、国内消費仕向量の約一〇%ぐらいということで、三十二万トンから三十八万トンぐらいで推移しております。利用の方法としては、主にフライドポテトとかそういう加工用に利用されているところでございます。
一方、奄美地域のバレイショにつきましては、青果用ということで流通しておりますので、この価格については、北海道など国産のバレイショの作柄に影響されるところが大きいと考えているところでございます。
次に、ドローンについてでございます。
ドローンについては、薬剤散布や作物の生育診断など、農業用として開発、製品化されたものは、補助対象になっているという状況でございます。
[寿 はじめ君登壇]
45 ◯寿 はじめ君 農業振興に関してそれぞれ答弁いただきました。
私自身農家であります。現在、農家を取り巻く環境は非常に厳しく、台風、干ばつ等の天災はもとより、イノシシ、シカ、カラス等の鳥害獣による直接的な被害も含め、最近発生しましたミカンコミバエ、ツマジロクサヨトウ等の害虫、口蹄疫、豚コレラ、鳥インフルエンザという目に見えない病原菌にもおびえながら、日々汗を流している次第であります。
時には、一年の収入を一晩で奪われることもあります。それでも前を向いて進まなければならないのが農家であり、今回は、日ごろ島々の現場の農家さん、また、携わる関係者の方々から受ける質問や相談、多少文言を変えましたが、そのまま言葉を使わせていただきました。農家の方々の、農業で何とか稼げるようになりたい、稼ぐことによって次世代へと引き継いでいきたい、農業で島を豊かにしたい、そんな声、思いに少しでも寄り添えるようにとの気持ちからであります。
担当職員の方々の農業、農家の方々、離島振興に対する真剣な思いはよくわかりました。ただ、現場の農家の方々には伝わっていない状況もございます。県行政と現場の農家さんとの距離の開きなのかと感じております。
農協においても、地方自治体においても営農の指導員が育たず、不在の現状もあります。現職の農家の指導員はおりますが、忙しく、本来の機能が果たせていないケースもございます。このような状況では、県職員の方々の負担が大きくなるのは必然かと、幾ら仕事とはいえ三年、五年で、初めての地で初対面の島々の農家さん相手に能力が十分に発揮できるとは思いません。土地カンもなく、圃場回りに明け暮れ、時間だけが過ぎていく。容易に想像できると思います。
生産向上の解決策になるかと考え、一つ提案させていただきます。現場の担い手不足、指導員不足を解消するためにも、離島の雇用対策も含め、ぜひ島々におきまして、次世代の人材として現地の方を県の普及員の水先案内人として雇用していただきますよう要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
日本国憲法では、第二十五条に、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとあり、その第二項で、国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと述べ、さらに、第二十六条には、すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有するとありますが、地域的問題として発生する機会の不平等や社会福祉の差違については、直接的には触れていません。
大阪大学大学院の志水宏吉教授の興味深い研究があります。一九六四年と二〇〇七年の全国学力テストの都道府県別の結果から、現在の地域間の学力格差は、地域間のつながり格差で説明できるというものです。
一九六四年の調査では、地域の学力と相関が高いのは、家庭の実収入、生活保護率、児童生徒一人当たりの教育費などの経済的要因であった。つまり、経済的に豊かな地域、大都市圏の子供の学力が高く、経済的に貧しい地域、地方圏の子供の学力が低いというものです。わかりやすく、感覚的にも納得できる結果ではないでしょうか。
しかし、二〇〇七年の結果では、実収入や生活保護率など経済的要因との相関は依然として高いものの、教育娯楽費割合、児童生徒一人当たりの教育費、つまり、教育にかける費用と学力の間には相関は見られなかった。一般的なイメージと異なり、塾などにお金をかける家庭が多い地域ほど学力が高いというわけではないようで、相関が高いのが、離婚率、持ち家率、不登校発生率の三つということです。
この三つは、一九六四年には相関が見られない項目であり、志水教授は、離婚率の低さに示されるような家庭・家族と子供のつながり、持ち家率の高さにあらわれるような地域・近隣社会と子供のつながり、不登校発生率の低さに結びつくような学校・教師と子供とのつながりが豊かな地域の子供たちの学力は高い。それに対して、つながりが脅かされている地域の子供たちの学力は相対的に低いという、つながり格差を提唱しています。
急速な人口減少が進み、地場産業の弱体化が進む地域では、進学、就職のタイミングで多くの若者が地域を離れます。地域には、魅力的な仕事をしている人はたくさんいるんですけれども、集落の弱体化で出会う機会が減っている。農家や職人が自分の仕事、地域の仕事を、もうからない仕事だから、やめておけと否定的に発言することも影響しているのでしょう。
「私は今後、金持ちになれる可能性がある」との回答の割合が町村部で低かったように、給与水準が高い仕事につくイメージを抱きにくい。子供にとってわかりやすい憧れの対象、学習意欲につながる仕事はやはり大都市に多いのが現実であります。既に離島においては、高校から島を離れる子供たちがふえております。
日本ユネスコ国内委員会においては、ESD、いわゆる持続可能な開発のための教育を提唱しております。今、世界には、環境、貧困、人権、平和、開発といったさまざまな問題がありますが、これらの現代社会の課題をみずからの問題として捉え、身近なところから取り組むことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そしてそれによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動であると、つまり、ESDは、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育としています。
子は、宝として幼きときより地域に見守られながら育てられ、また、離島がゆえの不利益性を感じている島民の方々にとって、教育に関する関心はとても高いものがあります。
そこで質問です。
教育格差を感じている離島の方々に対して、県としての取り組みをお示しください。
離島において不利益性を感じるのは、研修受講、廃車手続等においてもです。例えば、介護職員や保育士が、一日の研修を受けるのに、与論島から鹿児島に来て受講するには、交通の都合上二泊三日は必要となります。金額にして、交通費、ホテル代だけで五万円を超える場合もございます。受講料を入れるともっとするでしょう。施設としても、人手不足の中において、代金はもちろんのこと、長期休暇をとらせてまで人材育成するほどの体力がないのが実情であり、介護職員、保育士の研修参加が負担となって、正規の人材が育ちにくい現状があると考えます。
そこで一点目、県として、介護職員及び保育士の離島における職場の処遇改善、キャリアアップに対する取り組みをお示しください。
廃車手続に関しては、検討いただきますよう要望いたします。
離島における経済活性化で大切なことは、交流人口をふやすことであり、観光客による宿泊や食事、お土産品の購入等が行われることで、地域経済に貢献することが期待されます。
実際、観光庁の統計によると、外国人旅行者十人、国内旅行者─宿泊─二十六人または国内旅行者─日帰り─八十三人の地域での消費額は、定住人口一人当たりの年間消費額百二十四万円に匹敵するとされています。
現在、奄美群島は、さまざまな期待を込めて世界自然遺産登録に向けた取り組みを推進しているわけですが、ここで一点目の質問です。
奄美大島においては、ノネコ管理計画が策定され、ノネコ・野良猫対策が行われているようですが、一部では、殺処分を推進しているのではないかとの指摘がなされているようです。そこで、今現在の取り組み状況と指摘に対する答弁をお願いします。
二点目の質問です。今現在、奄美に就航しておりますLCCに関してであります。
御存じのように、バニラ・エアが二〇一四年七月に参入し、奄美空港の乗降客数が前年度の五十六万人から、二〇一四年度では六十三万人にふえました。就航から一年間の経済波及効果は四十二・五億円と言われております。
そこで伺います。
現在、奄美大島にLCCが就航しているわけですが、県として、今後、奄美群島の奄美大島以外の島においての誘致活動等の考えがありますでしょうか、お答えください。
以上、質問を終わります。
46 ◯教育長(東條広光君)県内の全ての子供たちの学力向上に向けた取り組みについてお尋ねがありました。
県教委では、児童生徒の確かな学力の定着に向けて、学びの組織活性化推進プロジェクトとして、県教委と市町村教育委員会の指導主事や大学教授等で構成する学力向上支援チームを、離島を含め、全ての市町村に派遣し、派遣先の学校が行う学力の現状分析、校内研修、授業づくりなどを支援しております。
また、児童生徒の思考力、判断力、表現力等を育む演習問題を全市町村の学校へ提供するとともに、学力向上の取り組みにおいて中核となります教員の育成を県内全地区で実施するなど、学力向上に向けたさまざまな対策を、離島、本土地域を問わず継続して実施してきているところであります。
さらに、新学習指導要領の説明会、英語担当教員の指導力・英語力向上に向けた研修会、県総合教育センターの各種講座など、さまざまな研修会を各離島においても実施しております。
県教委としては、引き続き、こうした取り組みを通して、県内の全ての学校における児童生徒の学力向上に努めてまいりたいと考えております。
47 ◯子育て・高齢者支援総括監(吉見昭文君)介護職員及び保育士の離島における処遇改善、キャリアアップの取り組みについてでございます。
離島の介護職員や保育士につきましては、移動に時間を要することから勤務体制の調整が発生することや、交通費の問題から、研修の受講機会が少ないという課題がございます。
このようなことから、県では、まず、介護職員につきましては、事業者が介護職員の処遇改善に取り組むよう奄美市で研修等を実施しているところであり、昨年度は、キャリアパス構築のための研修会に八事業所十一名が、今年度は、新たに実施した介護職員処遇改善加算の仕組みに関する説明会に二十五事業所三十六名が受講されたところでございます。
また、離島の介護職員を対象に、資質向上を目的とした介護技術の習得の研修を奄美市で実施しておりまして、昨年度は二回で延べ二百三名が受講されたところです。
次に、保育士につきましては、処遇改善加算の対象となる副主任保育士等や職務分野別リーダーとして発令を受けた保育士が、希望する研修分野を受講できるよう、熊毛地区や奄美地区においてキャリアアップ研修を実施しているところであり、昨年度は、四市町で三分野の研修に百五十一名が受講されたところでございます。
県といたしましては、引き続き、離島地区における介護職員や保育士の処遇改善、キャリアアップに向けた研修機会の確保に努めてまいります。
48 ◯環境林務部長(藤本徳昭君)奄美大島におけるノネコ・野良猫対策についてであります。
奄美大島及び徳之島においては、森林内でのノネコの繁殖や希少種の捕殺が確認されており、ノネコによる生態系への影響防止が課題となっていたところであります。
奄美大島につきましては、国、県、市町村が一体となって、昨年三月にノネコ管理計画を策定し、必要な対策を進めることとしたところであり、この取り組みは、国際自然保護連合─IUCN─の勧告においても評価されております。
現在、同計画に基づき、ノネコの捕獲、発生源対策としての飼い猫の適正飼養の推進、野良猫の不妊・去勢手術等を総合的に実施しているところであります。
捕獲したノネコにつきましては、譲渡に努め、譲渡できなかった場合は安楽死させることとしておりますが、今年八月末までに捕獲した八十三頭については、収容中に死亡した二頭を除き、全て譲渡されております。
県といたしましては、引き続き、国、市町村、関係団体などと連携を図りながら、希少種や外来種対策を進めるなど、世界自然遺産としての価値の保全に努めてまいります。
49 ◯企画部長(古薗宏明君)奄美群島へのLCCの誘致に関する考え方と今後の取り組みについてであります。
奄美大島以外の島々へのLCC就航が実現いたしますと、観光客の誘致や住民の利便性の向上、さらには奄美群島全体の活性化につながることが期待されますが、その実現に向けては、まずは航空事業者の意向が重要であり、加えて、需要の掘り起こしや受け入れ体制の整備などの課題があると認識しております。
県といたしましては、これらの課題を踏まえ、就航の可能性について、LCC事業者の意向把握に努めるとともに、必要に応じて、就航に向けた働きかけを行ってまいりたいと考えております。
[寿 はじめ君登壇]
50 ◯寿 はじめ君 それぞれ御答弁いただきました。
介護職員、保育士の研修受講に関して質問させていただきましたが、国家資格試験、講習受講、英検受験等々、県本土内にて行われる受験、受講において、離島であるがゆえ、交通の便、金銭面、長期休暇をとらなければならない。また、障害者を抱えているためさまざまなリスクがあるといったことで断念している現状があります。特に、障害者を抱える御家族への手厚いサポートについて、県としての現場に即した対応を要望いたします。
今回は、奄美群島におけるSDGs─持続可能な開発目標─の観点から、私自身が現場の方々から質問、アドバイスを受けたことを中心として質問させていただきました。
二〇一四年から始まった地方創生の活動ですが、移住者の増加で人口減少に歯どめをかけるなど、大きな成果を上げている自治体も見られる一方、多くの自治体は状況を改善できずに苦しんでおり、活動がなかなか成果を上げられない理由の一つは、地域内に多くの分断が存在することとされています。
本来、地域づくりとは、住民も行政も関係なく、その地で暮らす人々が自力でみんなでやることです。しかし、住民側からは、それは行政の仕事だ、高い税金払っているのだから、やるのが当たり前だ、そんな声が聞こえてくる。行政側も、それは民間の仕事ですからと自分たちの役割を限定してしまい、消極的な姿勢が見られる官民の分断。
行政にも民間企業にも縦割りという組織内の分断が存在しており、複数の分野にまたがる課題がたらい回しになり、責任者不在で置き去りになる。例えば、子供と高齢者は以前は生活の場を共有していましたが、保育施設や高齢者施設といった縦割りの福祉制度により交流の機会が失われた縦割り組織の分断。
単年度主義の弊害から早期の成果が出る事業が優先され、半年ぐらいの目先の事業にしか取り組めない、現在と未来の分断。
自治体で数少ない若者を奪い合う移住促進、ふるさと納税への返礼品競争など、限られたパイのお金や人を奪い合う地域間の分断。
高齢化が進む地方圏では、まちづくりを担う人材は六十代から七十代以上が中心で、下の世代がかかわれない、逆にかかわってもらえない、世代の分断。
まだまだ女性への偏見が大きい地域も多数あり、女性の進路や仕事が限られたり、指導的地位につくことが難しい、ジェンダーの分断があります。
持続可能な開発目標は、世界は全てつながっている、風が吹けばおけ屋がもうかる、一見無関係な出来事同士でも実はつながっているとした考えをもとに、あなたの行動は周囲の人の行動に間違いなく影響を与えている、その積み重ねがさまざまな影響をもたらし、我々が暮らす地域そして地球をつくっているとしています。
今回、初登壇させていただきました。一言思いを述べさせていただきます。
投票率の低さに関して、果たしてシステムだけに問題があるのでしょうか。政治に興味が持てないというのはそもそも、個々の意見が反映されないと感じているからだと考えます。
県民の方々の支持を受けてここにいます県議の方々、皆さん、現場での声を受けとめ、時には声なき声をも酌み取り、この場にて発言されていると強く感じております。それに対し、毅然とした態度で職務を全うすべく答弁されるのは当然のことと考えます。
私は、県の職員OBの方より、職員の方々が県議に対し先生と呼び、即座に誠実に対応するのは、県議の後ろにいるたくさんの県民の方々を見ているからだと教えてもらいました。
議会における答弁においても、その姿勢が見えますと、県民のために尽くしている職員の方々の思いが伝わると思います。県民の声を生かそうとする議論、姿勢こそが、県民の政治への関心につながると信じております。
連日挙がります総合体育館の件ですが、宅地建物取引士でもある私でしたら、県の財政スリム化も考え、未利用の県有地を売却し、得た財源で最適地を選定し、民有地を購入します。余談ですので次にいきますけれども。
先日、民生委員をしている同級生と、社会福祉協議会で働く同級生と食事会をしました。
奄美群島には、児童相談所は奄美市にしかありません。あとはそれぞれの町村の担当窓口がある状況です。先日、西村協議員が民生委員の待遇に関して質問されていましたが、私の四十代の同級生は、なり手がいないため引き受けたとのことでした。田舎にあってもネグレクトは存在しており、近所の方もわかっている反面、報復が怖くて通報しない、できない事象もあり、また、学校との接点がなく教師も知らないこともあるそうです。二人とも、ほっとけないからとの理由で、仕事終わり、休日に通ったりして、さまざまな方々の相談に乗っているとのことでした。
事件、事故、問題は、夕方から朝、つまり業務時間外に起きており、地域の出来事を我が事として懸命に動く方々によって、日々の安心・安全が確保されている一つの事例ではないでしょうか。
私自身これからも、さまざまな声、声なき声、事象に我が事として真剣に取り組むことこそ、私の義務だと捉えております。今後とも、初心を忘れることなく、奄美発展のため、鹿児島発展のために邁進してまいります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
51 ◯副議長(桑鶴 勉君)次は、おさだ康秀君に発言を許可いたします。
[おさだ康秀君登壇](拍手)
52 ◯おさだ康秀君 早速、質問に入らせていただきます。
知事の政治姿勢についてであります。
初めに、消費増税についてでありますが、これまで、景気の低迷により、増税することで個人消費が減少し、デフレが続くおそれがあるとして、消費税率一〇%への増税を過去二回延期しておりますが、来月から施行されるわけであります。
その中で、今回初めて軽減税率が導入されるわけでありますが、実際に、消費者、事業者ともに、細かいことについて理解しているようで理解できていない。特に事業者側には、どのような対応が必要であるのか戸惑いや不安もあると考えます。
そこでお伺いいたします。
一点目は、消費増税による本県経済への景気の影響について、どのように受けとめているのか。
また、自動車取得税が廃止されて環境性能割が導入され、自動車税につきましても税率が引き下げられるわけでありますが、どのような影響があるのか、お答えください。
さらには、法人事業税についてでありますが、税収の影響についてどのように受けとめているのか、お答えください。
二点目は、軽減税率の導入についてでありますが、特に事業者側ではどのような課題があるのか。その課題に対してどのような対応が必要であり、どのような支援をされているのか。さらに、今後、細かい相談などについてどのように対応されていくのか、それぞれお答えください。
次に、新たな総合体育館の整備についてです。
知事は、新たな総合体育館の整備予定地につきまして、これまでの、工業試験場跡地が最適地であるとの考え方から、今議会の提案理由説明の中では、「県民の方々から御理解が得られるような鹿児島市内の候補地を選定してまいりたいと考えております」と説明されました。
そこでお伺いいたします。
新たな候補地は、鹿児島市内の県庁東側と谷山地区の農業試験場跡地の二カ所を考えているということでありますが、そもそも県有地で進めていく理由についてお答えください。
また、現在の県体育館敷地への整備は考えていないのか、さらに、鹿児島市内の民有地は考えていないのか、お答えください。
そして、知事が最適地と考えておられました工業試験場跡地につきましては、これまでも、利活用につきまして、一日も早くこのすばらしい土地を活用してほしい、あるいは民間会社等に売却してほしいなど、この本会議場で、私自身もそうでありますが、多くの議員が議論に議論を重ねてまいりまして、その中で、知事が、大規模スポーツ施設の在り方検討委員会の提言を受けて、総合体育館の最適地であると判断したわけです。
しかしながら、今申し上げましたように、新たな場所での体育館の整備を考えていく方向性が示されたことによりまして、今後、工業試験場跡地の利活用がされない現状の中、時間だけが進んでいき、一方では、現在、中央駅のアーケード等を初め、周辺の開発は進んでいく中で、調和がとれないまちづくりが進められていくことを私は大変危惧いたしておりますが、どのように考えているのか、お答えください。
次に、高齢者の方々のスポーツ振興及び健康増進についてであります。
平成二十九年第二回定例会での一般質問で、農業試験場跡地につきましては、売却等などの跡地の利活用が決定するまでの間、高齢者の方々の健康増進また触れ合いの場として、グラウンドゴルフ場を整備していただきたいと提案いたしました。その際の答弁は、厳しいとのことでありましたが、知事は、子育て支援と高齢者の生き生き支援を二本柱にされているわけです。
そこでお伺いいたします。
高齢者の方々からの生の声として、体育館やサッカースタジアムより、低コストで整備ができて、幅広い年齢の方が男女ともにプレーできて、そして何よりも健康によいとの声が極めて多いんです。ぜひ県有地の遊休地を活用して整備していただきたいと思いますが、お答えください。
あわせまして、グラウンドゴルフをされている高齢者の方々は非常に多く、楽しく生き生きと健康的にプレーしていただくために、鹿児島県のグラウンドゴルフ大会を開催していただきたいと提案いたしますが、お答えください。
次の質問です。
六月末からの大雨による復旧状況等についてお伺いいたします。
本年の六月二十八日から七月四日にかけて、鹿児島県本土が大雨に見舞われまして、総雨量は多いところで九百ミリを超えるなど、記録的な大雨になったところであります。
その大雨で、七月一日には鹿児島市で、七月四日には曽於市でそれぞれ一名、県内で二名の方のとうとい命が失われる結果となりました。亡くなられましたお二人に心から御冥福をお祈り申し上げます。
今回の大雨は、平成五年の八・六豪雨時と比較しますと、時間雨量や二十四時間雨量が当時を超えていまして、また、県内で発生した土砂災害は百五十八件で、年平均発生件数七十二件の二倍を超えているわけです。中でも、鹿児島市内では今回、百件を超える土砂災害が発生したところであります。
しかしながら、これまでに、必要性の高いところに砂防関係施設の整備を重点的に進めてきたことによりまして、特に人的・物的被害は大幅に減少したのではないかと考えます。
そこでお伺いいたします。
土砂災害危険箇所が特に多い鹿児島市におきましては、土砂災害対策を推進すべきであると考えますが、今回の大雨による鹿児島市内の土砂災害の発生状況と復旧状況についてお答えください。
二点目は、鹿児島市における土砂災害警戒区域等の指定状況と今後の取り組みについてです。
今回の土砂災害の約九割は、土砂災害警戒区域等のいわゆるイエローゾーン内で発生していることから、同区域が土砂災害のリスクを示す重要な情報であることが改めて示されたわけです。したがいまして、土砂災害警戒区域等につきましては早期に指定すべきであると考えますが、現在の状況と今後の取り組みについてお答えください。
三点目は、住民による早目の避難についてでありますが、今回の災害では、鹿児島市の田上地域におきまして、町内会の、また身近な家族による避難の呼びかけによりまして、人的被害を免れたと聞いております。そのためには、町内会や自主防災組織等による常日ごろからの取り組みが重要であると考えます。
そこでお伺いいたします。
今申し上げましたような住民による早目の避難につなげるための自主防災組織の育成・活性化に関する県全体の取り組みについて、どのように考えているのか、お答えください。
以上、一回目の質問といたします。
[知事三反園 訓君登壇]
53 ◯知事(三反園 訓君)私は、高齢者の皆さんが、年を重ねることはつらいことではなく、すばらしいことだと感じることができる鹿児島、高齢者が地域の中で生きがいを持って暮らせる鹿児島を目指しております。高齢者の生き生き支援につきましては、私の重点施策の二本柱の一つとして、積極的に取り組んでいるところであります。
高齢者がスポーツに親しむことは、健康寿命の延伸にとどまらず、QOL、いわゆる生活の質の向上、地域活動への参画など、高齢者の健康・生きがいづくり活動を促進することにつながると考えております。
また、県民の誰もが、生涯にわたり、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる環境づくりに積極的に取り組んでいるところであります。
私自身も何度かグラウンドゴルフをしたことがあります。大変楽しくプレーさせていただきました。また、多くの高齢者の皆さんが、語らいながら楽しそうに、元気にプレーしている姿も拝見させていただいたところであります。
グラウンドゴルフは、子供から高齢者まで幅広い年齢層の方々が参加でき、多くの方々が楽しむことができます。また、体を動かすと同時に、人と接する機会もふえ、高齢者の運動機能や心の健康の維持など、健康寿命の延伸にもつながることが期待されるという観点からも、私自身高く評価しております。
このようなことから、議員御提案のグラウンドゴルフ場の整備や鹿児島県のグラウンドゴルフ大会の開催につきましては、早速、関係団体に意見を伺い、検討してまいります。
54 ◯商工労働水産部長(五田嘉博君)まず、消費税増税による本県経済への影響についてであります。
消費税率の引き上げに伴い、個人消費や県内企業の大半を占める中小企業・小規模事業者の経営に大きな影響が生じないよう対応していく必要があると考えております。
国においては、キャッシュレスに関する消費者へのポイント還元制度の導入や、低所得・子育て世帯向けプレミアム付き商品券の発行などの経済対策を講じており、県としても、国の施策に呼応して、ポイント還元制度の広報・周知等を行っているほか、来年度予定されているマイナンバーカードを活用した消費活性化策の実施に向けた準備を進めるなど、県内景気の下支えに取り組んでいるところであります。
県としては、今後とも、消費税率引き上げ後の県内の消費動向、中小企業・小規模事業者の経営状況等を注視しながら、必要に応じて適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
次に、軽減税率についてでございます。
軽減税率が導入されることに伴いまして、事業者にとっては、対象品目の仕分け、軽減税率対象品目等を表示した請求書の発行などの業務に円滑に対応することが課題であります。
軽減税率への対応については、制度や実務に関する理解や新たなレジの整備などが必要となることから、これまで、商工会等が軽減税率制度やレジ導入等への補助制度の周知を図ってきたほか、県におきましても、事業者向けの各種説明会などさまざまな機会を捉え、制度の周知を図ってきているところであります。
軽減税率制度の開始に伴い、事業者からの問い合わせがふえることが見込まれますことから、商工会等の経営指導員等による巡回指導などにより、事業者が軽減税率制度に適切に対応できるよう、引き続き助言・指導してまいりたいと考えております。
55 ◯総務部長(平木万也君)消費税率引き上げに伴う税収への影響についてでございます。
自動車税や法人事業税などの県税収入につきましては、税制改正の内容や景気動向などさまざまな要素に影響されるところでございます。
今回の消費税率の引き上げに伴い、国においては、前回引き上げ時の経験を生かし、経済の回復基調に影響を及ぼさないよう全力で対応することとしており、県といたしましても、国の施策に呼応して、県内景気の下支えに取り組んでいるところでございます。
また、税制上の措置といたしまして、車体課税に関して、需要変動の平準化などの観点から、地方の安定的な財源を確保しつつ、自動車税環境性能割の臨時的な軽減や、自動車税種別割の税率の引き下げも講じることとしているところでございます。
今後とも、自動車税や法人事業税などの県税収入の動向を注視してまいりたいと考えております。
56 ◯企画部長(古薗宏明君)総合体育館の新たな候補地についてであります。
新たな候補地につきましては、県有地の有効活用を図る観点などから、鹿児島市内の主な県有地である県庁東側の土地と農業試験場跡地を中心に検討したいと考えております。
なお、現体育館用地は、現在の県体育館そのものが既存不適格建築物であるなど、都市計画法などによる制約がありますほか、周辺の土地の利用状況などを踏まえ、検討対象とはしていないところであります。
県工業試験場跡地の今後の利活用についてであります。
鹿児島中央駅西口地区においては、JR九州の個別開発や、これに呼応した鹿児島市の周辺道路の拡幅が検討されており、県といたしましても、引き続き必要な協議を行うことといたしております。
県工業試験場跡地の利活用につきましては、こうした状況を踏まえつつ、あらゆる選択肢を幅広に検討してまいりたいと考えております。
57 ◯土木部長(兒島優一君)鹿児島市内の土砂災害の発生状況と復旧状況についてでございます。
本県では、平成五年の一連の豪雨災害を受け、必要性の高い約九百カ所において、施設を整備しております。
今回の大雨では、平成五年の八・六豪雨時を上回る雨量が観測され、県内全体で百五十八件、鹿児島市内では百十二件の土砂災害が発生しましたが、これまで整備してきた施設の効果もあり、土砂災害を原因とする全半壊の被災家屋数は、県内全域で百六十二戸から五戸と大幅に減少しております。
今回の災害を受け、県といたしましては、被災箇所の早期復旧、再度災害防止を図るため、鹿児島市南新町外一カ所において災害関連事業を国へ速やかに申請し、採択されたところであります。
鹿児島市内における土砂災害警戒区域等の指定状況と今後の取り組みについてであります。
土砂災害警戒区域は、土砂災害の危険性を示す重要な情報であると認識しております。
鹿児島市におきましては、警戒避難体制の早期確立を図るため、土砂災害警戒区域の指定を先行させ、平成二十年までに約三千三百カ所を指定したところであります。
一方、土砂災害特別警戒区域につきましては、本年度末までに指定に必要な基礎調査を完了させることを目標に、現在、鹿児島市を含む県内全域で調査を進めており、調査完了後に速やかに指定することといたしております。
また、県民の方々が、土砂災害警戒区域の位置や範囲をみずから確認し、早期避難の判断につなげることができるよう、県のホームページ等で公表するとともに、市町村と共同で住民説明会を行うなど、県民への周知・啓発活動を行っているところであります。
引き続き、鹿児島市を初めとする関係市町村と連携を図りながら、早期指定及び県民への周知・啓発に努めてまいります。
58 ◯危機管理防災局長(地頭所 恵君)自主防災組織の育成・強化に関する取り組みについてでございます。
県においては、自主防災組織の育成・強化を図るため、防災活動の指導的役割を担う人材の養成を目的に研修を実施し、修了者を地域防災推進員に認定しております。
また、平成三十年度からは、自主防災組織連携・ネットワーク構築支援事業を実施し、自主防災組織と地域の企業などが連携して行う防災活動等の取り組みや、地区防災計画の策定に対する支援も行っております。
さらに、県総合防災訓練など各種防災訓練において、訓練実施地域の自主防災組織に参加いただいております。
県としては、今後とも、市町村と連携を図りながら、自主防災組織におけるリーダーの養成や防災活動等の取り組みを支援し、自主防災組織の一層の活動促進に取り組んでまいります。
59 ◯おさだ康秀君 自席から、県体育館について再質問させていただきますが、今、答弁いただきましたが、県庁東側と農業試験場跡地の二カ所で整備するというような話に聞こえたわけですよ。
そうしますと、どういう形で、どのようなことを一番重要視されて予定地を決めるのか、例えば土地の面積であるのか、または交通アクセス、あるいは財源なのか、決定するまでの過程についてどのように考えているのか、お答えください。
それとあわせまして、双方の候補地というのは町なかの工業試験場跡地とは違いますよ。コンサート等にも利用できるアリーナ的な機能での集客は厳しい土地なわけです。これは知事に答えてほしいんですけど、新たな候補地での体育館整備について、どういう体育館をイメージされているのか、お答えください。
60 ◯企画部長(古薗宏明君)二点、御質問いただきました。
まず、新たな候補地について、何を重視して決定するのか、決定の過程についての御質問です。
新たな候補地の検討に当たりましては、用地の確保や周辺の交通環境、周辺施設の状況など、さまざまな観点から比較・検討したいと考えております。
この中で、何を重視してということについては、これから検討を始めますので、その中で重要なポイントがあるのであれば、そこに重きを置いて検討することになると思いますけれども、今はさまざまな点を取り上げて、その中で比較・検討していきたいと考えております。
その後、本年第四回定例会を目途にその結果をお示しすることにしておりまして、その上で、県議会での御論議等を踏まえ、最終的な整備予定地を決定してまいりたいと考えております。
新たな候補地の選定に向けましては、県において検討するということでございます。
それから、県工業試験場跡地以外の場所であれば集客が難しいのではないかという御指摘もありました。
新たな総合体育館につきましては、昨年二月の大規模スポーツ施設の在り方検討委員会の提言を踏まえることが一番大事だと考えており、本県スポーツ振興の拠点としての機能に加え、多目的利用による交流拠点としての機能があることが望ましいとされておりますので、これを十分に踏まえて、新たな候補地の選定も行うことといたしております。
特に屋内スポーツ競技団体は利用される方々ですので、この方々の御意見もお聞きしながら、施設の規模や構成等について協議・検討するということでございます。
それから、新たな総合体育館は、子供からお年寄りまで県民誰もがスポーツに親しむことができる、いわゆる、するスポーツ、それから一流のプロスポーツやアスリートの競技を間近で観戦できる、みるスポーツ、それから人材育成を踏まえ、ささえるスポーツ、こういうものができる施設にしたいと考えており、御指摘のありました交流・イベント等につきましても、鹿児島市内であれば一定の集客は可能であると思いますので、そこについても留意しながら検討したいと考えております。
61 ◯おさだ康秀君 答弁いただきました。
私が言っているのは、コンサート等では難しいんじゃないかと、この農業試験場跡地や県庁東側の土地の場合は町なかではないからという話で、体育館としてはそれはすぐれていますよ。
それともう一点、今、答弁で、屋内スポーツ競技団体の方々というキーワードが出ましたが、その方々の御意見を伺うということでありますが、一番体育館を利用される競技団体の声、これは極めて大切であります。ぜひ全ての競技団体の方々の意見を丁寧に伺っていただきたいと考えておりますが、それについてお答えいただきたいということと、県民の方々に理解を得られる体育館をつくりたいということであれば、加えて、谷山地域と鴨池地域の方々の声も聞いていただきたいと思いますが、お答えください。
62 ◯企画部長(古薗宏明君)先ほども御答弁申し上げましたけれども、整備に当たっては、主な利用者となる屋内スポーツ競技団体の御意見は極めて重要であると考えており、これまでも、直接さまざまな御意見をお聞きしながら、その規模や構成等について協議・検討を進めてまいりました。これからも引き続き、屋内スポーツ競技団体の御意見をお聞きしながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
また、お話にありました受け入れ先と申しますか、そういう地元の方々の御意見もお聞きしてまいりたいと考えております。
[おさだ康秀君登壇]
63 ◯おさだ康秀君 それぞれ御答弁いただいたわけでありますが、消費増税について、これは来月以降からのスタートでありますから、景気の状況はわからないとも考えますが、しっかりと注視していただきますことをまずお願いしたいと。それと軽減税率、これは正直に申し上げまして、企業等事業者の方々がシステム移行などで非常に困っているわけです。どこに相談していいかという情報も意外とわかってない。そういったことにきめ細かい対応をしていただきますことを要望いたします。
今申し上げました新たな県総合体育館の整備についてですが、これを工業試験場跡地から新たな候補地で進めていくこと、これは私は評価しています。
しかし、昭和六十三年に、鹿児島市にありました県工業試験場が廃止され、現在の霧島市隼人町に移転しまして既に三十年以上が経過しているわけです。その間、県議会でも、県工業試験場跡地の有効活用について幾度となく議論が交わされてきたわけです。新幹線用地として一部が売却されたほかは、平成二十年からJR九州に駐車場として一部を貸しているだけでありまして、有効な活用が図られているとは言いがたい状況なんですね。
ぜひ、工業試験場跡地の有効活用について、知事初め県当局は、いま一度しっかりと考えていただきますことを強く要望いたします。
そして、新たな候補地については、これは双方ともすばらしい候補地ですが、選定に当たりまして、今、言いましたけど、何に重きを置くのか、何が目的なのか、何が求められているのか、つまり、競技団体の方々を初め、県民目線で協議していただくこと。国体が終わった後、つくる体育館、これは極めて慎重に、しっかりとした協議をしていただきたいということを強く要望いたします。
グラウンドゴルフ場の設置についてですが、多くの高齢者の方々が世代を超えて性別に関係なく、健康増進、仲間づくり、それぞれに目的と目標を持ちながら、町内会の自治会レベルで競技されているわけですね。仲間の誰かが日ごろされている練習で休みが続いた場合、チームの方々が直接自宅を訪問して、声かけなどを丁寧にされており、そのことが地域福祉における見守り活動につながるわけですね。つまり、高齢者の方々におけるグラウンドゴルフというスポーツが果たす役割は極めて重要であると考えます。
知事が先ほどおっしゃったように、グラウンドゴルフ大会を主催していただくことは、高齢者の方々は非常にありがたいと。ただ一方で、知事は高齢者の生き生き支援を掲げていますから、ぜひグラウンドゴルフ場の整備も一緒にしていただかなければならないと。グラウンドゴルフ大会はしますけど、場所はどうするかということも、検討と言われましたから、そこはしっかりとしていただけると私は受けとめます。
次に、六月から七月の大雨災害等についてですが、これは正直、すぐに全てを復旧することは難しいわけです。次なる災害がいつ起きてもおかしくない今日の気象状況でありますので、まずは一日も早い復旧をお願いいたします。
また、今回の土砂災害の九〇%以上が土砂災害警戒区域内で発生していることを考えますと、その周辺地域の全ての方々に、自助で対応できること、共助の部分で対応できることをしっかり行政が情報提供すると。その中で、ともに考えて、ともに支え合うことができる自主防災組織のあり方について、また、有機的な機能を構築するための仕組みづくりについて、いま一度考えていただきますことを要望いたします。
そして現在、土砂災害警戒区域には指定されていなくても、県内には数々のいわゆる土砂災害警戒区域というか、それに近い危険箇所がありますので、今後の丁寧な調査もあわせて要望いたしまして、次の質問に入ります。
特別支援教育の充実についてです。
一点目は、教員の確保についてですが、六月に地元紙に掲載された、県内の公立小・中学校でここ数年、新年度当初に教員の定数を確保できていない事態が続いており、その理由として、特別支援学級が急増し、必要な教員数を見通せないことが背景にあるとの記事に、現場の深刻さを痛感しました。
そこでお伺いいたします。
今年度はどの程度の教員が不足しているのか、また、それに対してどのような対応をされているのか、お答えください。
二点目は、教職員の専門性の向上及び研修についてです。
特別支援教育に関する教員の専門性の向上がより一層求められている中で、専門の免許状等の保有率の向上は喫緊の課題となっておりまして、平成二十八年五月一日現在で八二・九%でありますが、特別支援学校における特別支援学校教諭免許状の保有率について、どのような状況であるのか、お答えください。
あわせて、小・中学校等の教員に対してどのような研修をされているのか、お答えください。
三点目は、特別支援教育支援員の配置についてですが、発達障害を含む、障害のある生徒たちのニーズに応じた支援をすることが必要でありますが、先ほども申し上げましたが、児童生徒が増加している現状のため、教師だけでは十分な支援が困難な場合があるわけです。
そこでお伺いいたしますが、本県にはそもそも何名の特別支援教育支援員がいるのか。また、その支援員の方々について、どれぐらいの学校から要請があって、どのような活用をされているのか、それぞれお答えください。
四点目は、特別支援教育コーディネーターの役割についてです。
役割としましては、さまざまな子供たちへの教育的ニーズにきめ細かく対応し、連携・協力を深めて適切な支援を行うために、学校内の教職員間や保護者など関係者相互の連絡調整を行うことが目的とされています。
そこでお伺いいたします。
現場では、特別支援教育について経験が豊富で、また理解されている方々が特別支援教育コーディネーターを担っているのか、お答えください。
さらに、特別支援教育コーディネーターの研修等をされているとのことでありますが、どのような研修をされていて、どのような方々が研修を受講されているのか、お答えください。
五点目は、障害のある幼児・児童生徒が次の学校段階に円滑に移行できるよう、支援策等を記録して引き継いでいく、いわゆる移行支援シートについてでありますが、平成二十八年の六月議会で一般質問をいたしました。当時の古川教育長は、「今後とも、小・中学校等の特別支援教育コーディネーターや市町村教育委員会の指導主事等を対象にした研修会等で、移行支援シートの作成・活用について周知を図り、より一層の継続的な支援につながるように努めてまいります」と答弁されておりますが、現在どのような取り組みをされているのか、お答えください。
六点目は、農業高校と特別支援学校との交流についてですが、障害者が活躍することができる場の確保と農業の担い手拡大のために、全国の農業高校でいわゆる農福連携に授業で積極的に取り組む動きが広がってきております。
そこでお伺いいたします。
農業高校と特別支援学校との交流及び連携にどのように取り組んでいるのか。また、今後、さらなる取り組みを図るべきであると考えますが、お答えください。
七点目は、特別支援学校建物整備事業です。今年度、特別支援学校において、老朽化の著しい校舎等の改修等を行うために約八億五千万円の予算が計上されておりますが、具体的にはどのような整備を行うのか。また、現在、県内の特別支援学校から施設整備についてどのような要望があるのか、そして、その対応はどのようにされているのか、お答えください。
八点目は、鹿児島市南部地区特別支援学校整備等についてでありますが、これまでも私は何度も一般質問で取り上げてきています。まず、本年度のスケジュールをお答えください。
そして、平成三十年の十二月議会で、武岡台養護学校への通学が困難で、このままでは高等部進学を諦めざるを得ない生徒のために、新たな特別支援学校が開校されるまでの間、何らかの工夫ができないのかと知事に質問しました際、「一定程度の人数であれば、教室の確保が可能な状況でありますことから、暫定的に重度・重複障害のある生徒の皆さんを対象とする高等部の支援教室を、桜丘養護学校内に設置し、その思いに応えたいと思います」との前向きな答弁をしていただきましたが、来年度、また再来年度卒業予定の生徒に対して、どのような対応をされるのか、お答えください。
以上、二回目の質問といたします。
64 ◯教育長(東條広光君)特別支援教育の推進について幾つかお尋ねがありました。
初めに、小・中学校における教員不足についてであります。
近年、特別支援学級の増設が続いているところであり、今年度当初も、前年度末における想定を上回る数の学級が設置されたことから、五月一日時点では、小・中学校で二十四人の教員の不足が生じたところであります。
このため、県教委では、県内外の大学等への求人、勤務経験者に対する就労の意思確認などにより、教員の確保に努め、八月末までにはその不足の全てを解消したところであります。
なお、特別支援学級の担任については、年度当初から全て充足しているところであります。
県教委としては、今後とも、市町村教育委員会等と十分連携を図り、適正な教員配置に努めてまいりたいと考えております。
次に、特別支援学校における免許状の保有率についてであります。
県内の特別支援学校教員の特別支援学校教諭免許状の保有率は、平成二十八年が、紹介がありましたように八二・九%、平成二十九年が八五・二%、平成三十年が八六・一%、令和元年は八九・四%となっており、年々増加しております。
特別支援学校の教員については、教育職員免許法上、特別支援学校教諭免許状の保有を原則とし、特例的に小・中学校等の免許状保有者は教員を務めることが認められております。
県教委では、専門性を確保するため、新規採用に当たっては、特別支援学校教諭免許状の保有者を採用するとともに、過年度の採用者で免許状を保有していない者については、免許法認定講習に特別支援教育に関する講座を設けまして、同免許状の取得を促しているところであります。
次に、特別支援教育に係る研修についてであります。
特別支援学校の新規採用者に対しては、障害特性の理解に基づく指導方法や研究授業を通した教科指導のあり方、経験者に対しては、重複障害者への指導のあり方や、個に応じた教材・教具の開発などの研修を行っております。
また、小・中学校の教員の研修については、初めて特別支援学級の担任になった教員に対しては、学級経営のあり方、個別の指導計画の作成と活用などの研修を実施するとともに、通常の学級の担任等に対しても、発達障害のある児童生徒の理解や個別の指導計画に基づくわかりやすい授業づくりなどの研修を実施しております。
なお、各学校の管理職に対しては、校内研修や研究授業等を計画的に行い、学校全体で特別支援教育の推進に取り組むよう指導しているところであります。
次に、特別支援教育支援員についてであります。
特別支援教育支援員は、特別な支援が必要な幼児・児童生徒に対する学習支援や安全確保、学校行事における介助などのサポートを行っており、校長、教頭、特別支援教育コーディネーター、担任教師等と連携を図りながら、対象児の支援に重要な役割を果たしております。
支援員に対するニーズは年々高まっており、ことし五月現在、県内の公立幼稚園、小・中学校等では、五百四十六校に八百三十六人が配置され、五年前に比べると二百三十六人増加しております。
県教委としては、支援員の計画的な配置がなされるよう、引き続き、県政説明会等を通じて、各市町村に助言を行ってまいりたいと考えております。
次に、特別支援教育コーディネーターについてであります。
特別支援教育コーディネーターは、各学校において、教員の中から、特別支援教育に関する専門性や経験、意欲などを考慮して、校長が指名しております。
県教委では、新たにコーディネーターに指名された教員に対しては、発達障害の理解や指導・支援、保護者との教育相談や校内支援体制の構築など、コーディネーターとして必要な知識等に関する講義や、支援が必要な子供を想定した支援方法の検討を行う演習などを行っております。
また、三年目以上の経験者に対しては、専門性をさらに高めるために、心理検査等のアセスメントに基づく指導・支援、関係機関との連携に関する講義や演習を行っております。
次に、移行支援シートの活用についてであります。
県教委では、障害のある幼児・児童生徒が次の学校段階に円滑に移行できるよう、移行支援シートの作成・活用に取り組んでおり、一昨年度と昨年度には、シート作成のポイント等についてまとめたリーフレットを作成し、各小・中学校等に配布するなど、普及・活用の推進に努めました。
また、今年度は、シートを活用した学校間連携を推進するための資料を作成して、各市町村教育委員会に配布し、研修会等での活用を促すとともに、モデル地域における学校間の引き継ぎ事例を収集し、広く情報提供することとしております。
今後も、移行支援シートを活用した支援が切れ目なく継続されるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、農業高校と特別支援学校の交流についてであります。
農業高校と特別支援学校との交流及び共同学習は、双方の生徒にとって、農業活動を通して自然とかかわりながら、協働して生産活動を行うことで、充実感を得られるとともに、互いを正しく理解し、支え合って生きていくことの基盤づくりともなる重要な活動であると考えております。
今年度は、五つの農業高校と特別支援学校がそれぞれ一緒になって、花の苗づくりやミカン狩り、牛の世話などを行うこととしております。
県教委では、生徒の相互理解が深まるとともに、特別支援学校生徒の農業活動への興味・関心が高まるよう、農業高校と特別支援学校との交流及び共同学習をさらに推進してまいりたいと考えております。
次に、特別支援学校建物整備事業についてであります。
今年度の主な施設整備については、鹿屋養護学校と牧之原養護学校で生徒数の増加に伴う校舎等の増築、皆与志養護学校と串木野養護学校で外壁の老朽化に伴う改修工事、また、大島養護学校などで空調設備の更新を行っております。
また、昨年度の学校からの要望は、遊具や渡り廊下などの老朽箇所の修繕、生徒数の増加に伴う教室の改修、紫外線アレルギーの児童を保護するための紫外線カット対策、黒板を見やすくするための昇降式黒板の設置などがありました。これらの要望に対しては、児童生徒の安全性の確保や教育環境の充実といった観点から、速やかに対応を行っております。
県教委としては、今後とも、充実した教育活動が展開できるよう、安全・安心で機能的な施設の整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、鹿児島市南部地区特別支援学校の整備等についてであります。
鹿児島市南部地区特別支援学校の整備については、基本構想の整備スケジュールに基づいて、今年度中には基本設計を完了し、実施設計に着手する予定であります。
また、今年度、桜丘養護学校内に設置した武岡台養護学校高等部南部支援教室については、新設校の開校まで、引き続き桜丘養護学校内に置く方向で検討しているところであります。
[おさだ康秀君登壇]
65 ◯おさだ康秀君 次の質問に入ります。
指宿スカイライン等についてでありますが、平成二十九年の十二月議会で、私が指宿スカイライン二期区間の料金値下げをただした際に、知事から、「利用促進を目的とした二期区間の料金引き下げにつきましては、観光客や地域の皆様に喜んで御利用いただける料金となることが重要であり、そのためには、インパクトがあり、利用しやすくなる必要があると考えております。現在、谷山インターから頴娃インターまでの普通車料金は六百三十円ですけれども、例えば、これを使いやすさに配慮したワンコイン料金にする、全区間一律、全車種一律の料金とするなど、さまざまな観点から検討を進めております」との答弁がありました。そして来月から、ワンコイン料金百円がスタートするわけであります。
そこでお伺いいたします。
一点目は、二期区間の一律百円、また、消費増税による三期区間の料金改定について、県民の方々に対する周知にどのように取り組まれるのか、お答えください。
二点目は、早期・夜間の対応についてです。現在、夜十時から朝七時までの時間帯は料金を徴収されておりませんが、十月以降はどのような対応をされるのか、お答えください。
三点目は、二期区間の直近二年間の利用状況と収入状況ですが、どのような状況であるのか、お答えください。
また、全区間を百円にした場合、利用が一日四百台ふえると予測されておりますが、料金が大幅に引き下がることから、収入は減る見込みであると聞いております。このような中、どのように収支のバランスをとられていくのか、お答えください。
四点目は、二期区間の道路整備についてですが、先日、我が会派の田畑議員も同じ内容の質問をされましたので、要望にかえさせていただきます。
私自身、時々、利用させていただいておりますが、とにかく対向車の利用台数が少ない、そしてS字カーブが続いており、しかも道路が傷んでいると。今後、ワンコインの百円にされても、しっかりとした道路整備をしなければ、本質的な利用促進にはつながりにくいと考えます。十月から利用者の増加を予測しているのであれば、安全対策の面からも、少しずつでも道路の整備をしていただきますことを要望いたします。
五点目は、県道二百十九号玉取迫鹿児島港線についてですが、産業道路沿いの交通安全教育センター前交差点から谷山インターまでの区間でありまして、中山インターまでが無料で乗りおりできるため、朝夕に限らず交通量が非常に多いわけです。
そこでお伺いいたしますが、この区間の交通量について、調査時期と、一日当たりの交通量及び次回の調査予定をお答えください。
また、国道二百二十五号から玉取迫鹿児島港線に合流する際、和田トンネルから谷山インターに向かう本線に入るためのレーンが短いのと、トンネル後の合流のため、極めて危険であるとの声が寄せられております。ぜひ安全対策に取り組んでいただきたいと思いますが、お答えください。
六点目は、谷山インター周辺の整備についてですが、二期区間は谷山インターから頴娃インターまででありますが、料金がワンコイン百円になる中で、県当局は利用者が増加していくことを予測されております。
そこでお伺いいたしますが、利用者が増加することを考えるならば、谷山インターの利用者も増加するわけです。しかし、現状の谷山インターの県道への出入り口は、車が走りづらい狭いロータリーになっておりまして、非常に危険性が高く、女性ドライバー、高齢ドライバーの方々から、整備していただきたいと強い要望があります。ぜひしっかりとした対応をしていただきたいと考えますが、お答えください。
七点目は、中山インターの渋滞対策及び周辺整備についてですが、先ほども申し上げましたように、産業道路の交通安全教育センター前から中山インターへ向かう車両と、鹿児島市内の山田インターを通過して中山インターへ向かう車両、そして、中山のふれあいスポーツランドの敷地内道路を通行して中山インターへ向かう車が往来して、とにかく朝夕を初め交通量が非常に多いわけです。特に、産業道路から中山インターへ向かう車両は、夕方は大渋滞のときもあります。
そこでお伺いいたします。
まず、交通量についてお答えください。
また、これまでも対策はしておりますが、さらなる路面標示などの対策をしていただきたいと考えますが、お答えください。
加えて、山田インターがフルインター化した場合、皇徳寺、星ヶ峯、田上、また松元町方面の方々が利用されると予測されますが、どれぐらいの渋滞緩和が図られると予測されているのか、お答えください。
八点目は、三期区間の山田料金所は、既にETCが設置されて一年が経過しておりますが、ETC設置前と設置後の利用状況と収入状況についてお答えください。
九点目は、新設山田インターについてですが、そもそも計画どおり工事を進められているのか。いつぐらいをめどに開設されるのか、お答えください。
また、料金を徴収されるとのことでありますが、私の地元の谷山地区の方々からは、料金を徴収するのであれば、今までどおり中山インターで乗りおりするとの声が非常に多い現状です。
新設山田インターを開設されましても、地元の方々の利用が少なければ、今までどおり中山インターは渋滞して、また、新設山田インター料金所の運営そのものが厳しいことも予測されます。もう少し、利用者を初めとする周辺状況を踏まえた対応が必要と考えますが、お答えください。
最後の質問です。
去る六月末からの豪雨により、県内各地域で土砂災害、河川の氾濫、道路の崩壊などの被害がありまして、一日も早い復旧を心から願うばかりであります。
指宿スカイラインの谷山インターから中山インター間でも土砂崩れがありまして、二日間ほど通行どめになりました。そのことにより、産業道路、県道小山田谷山線、中山バイパスを初め、二日間は大渋滞でありました。おかげさまで現在はしっかりと道路として利用できるのですが、今後、土砂崩れ箇所の本格的な復旧工事が行われるものと思います。
そこでお伺いいたします。
土砂崩れ箇所の復旧工事のこれまでの取り組みと今後の見通しについてお答えください。
また、谷山インターから中山インター間では、今にも崩れそうな斜面が続いておりますが、防災対策に係る県の取り組みについてお答えください。
さらに、同区間では、全体的に路面もかなり傷んでおりまして、補修していただきたいと多くの県民から要望がありますが、舗装・補修の状況と今後の対応についてお答えください。
以上、三回目の質問といたします。
[知事三反園 訓君登壇]
66 ◯知事(三反園 訓君)指宿有料道路の料金改定の周知についてであります。
指宿有料道路につきましては、十月一日から、二期区間において、利用促進を目的とし、大型バスや大型トラックを含めた全車種・全区間一律上限ワンコイン百円とする大幅な料金引き下げを行います。
三期区間につきましては、消費税率の引き上げ相当分を料金に転嫁することとしておりますが、ETCを利用する普通車は、料金を据え置くこととしております。
料金改定の内容につきましては、現在、道路情報板での表示、ホームページ、広報誌、地元新聞への掲載などにより、積極的に周知を行っているところであります。
さらに、料金改定初日の十月一日には、指宿有料道路ワンコイン百円利用開始記念イベントを開催し、PRすることとしております。
また、二期区間につきましては、今回の料金引き下げに合わせ、さまざまな利用促進に取り組んでおります。今回新たに、走行することにより路面がメロディーを奏でる音響道路を整備いたします。
引き続き、これらの取り組みを積極的に進めることにより、多くの方に指宿有料道路を利用していただき、地域の活性化や産業、観光振興につなげてまいります。
山田インターのフルインター化についてであります。
山田インターにつきましては、利用者の利便性の向上、周辺団地の混雑緩和にも寄与することから、道路公社においてフルインター化の整備を進めております。
進捗状況につきましては、これまで、用地取得を終え、現在、切り土工事や橋梁工事などを進めているところであり、完成は令和三年度を見込んでおります。
県といたしましては、一日も早い完成に向け取り組んでまいります。
67 ◯土木部長(兒島優一君)指宿有料道路二期区間の料金徴収についてであります。
二期区間の直近二年間における利用台数につきましては、平成二十九年度が約二十二万五千台、平成三十年度が約二十三万九千台、料金収入につきましては、平成二十九年度が約八千三百万円、平成三十年度が約八千六百万円となっております。
料金引き下げ後の料金収入につきましては、年間約五千四百万円の減収を見込んでおり、この減収分を料金徴収経費のコスト縮減等により賄うことといたしております。
なお、料金引き下げ後も、午後十時から午前七時までは料金徴収は行わないこととしております。
県道玉取迫鹿児島港線についてであります。
交通量につきましては、五年置きに実施している全国道路交通情勢調査により把握しており、交通安全教育センター前交差点から谷山インター間については、平成二十七年度の調査によると、一日当たり約二万九千台の交通量があります。また、次回の調査は来年度を予定しております。
県道玉取迫鹿児島港線は、和田坂交差点で国道二百二十五号と交差しており、和田坂交差点から県道本線に接続する道路の合流区間につきましては、今年度、路面標示や標識の設置を実施することといたしております。
谷山インター周辺の整備についてであります。
谷山インター周辺の交通安全対策につきましては、これまで、車両を円滑に誘導するためのカラー舗装などを実施してきたところであります。
県道鹿児島加世田線への出入り口につきましても、関係機関と連携を図りながら、路面標示や標識の設置などを検討してまいります。
中山インター周辺の整備についてであります。
谷山インターから中山インター間におきましては、平成二十七年度の調査によると、一日当たり約三万六千台の交通量があります。
中山インター周辺につきましては、混雑緩和を図るため、これまで、交通実態の調査や改善策の検討を行い、ふれあいスポーツランド入口の交差点におけるカラー舗装などを実施してまいりました。
今後とも、交通の円滑化を図るための対策を検討してまいります。
中山インター周辺の混雑緩和についてでございます。
山田インターのフルインター化により、谷山方面との出入りが可能となりますことから、中山インターを利用し、皇徳寺団地を経由した場合と比較して、朝夕の混雑時には最大約三十分の時間短縮が見込まれております。
これにより、中山インターを利用する車両が山田インターに転換し、中山インター周辺の混雑緩和に効果があると考えております。
山田料金所のETC設置前後の利用状況等についてであります。
ETC設置前後一年間の利用状況を比べると、利用台数につきましては、設置前が約八百五十万台、設置後が約九百四十一万台、料金収入につきましては、設置前が約二十三億四千万円、設置後が約二十五億九千万円となっており、いずれも一〇%増となっております。
山田インターの料金徴収についてであります。
山田インターのフルインター化につきましては、地形が急峻なことから施工に多額の費用を要しますが、多くの方々から整備を求める御要望があることを踏まえ、有料道路事業により整備を進めているところであります。
有料道路事業により整備することから、谷山方面との出入りが可能となる新たに設置する山田インター料金所におきましては、利用者から料金を徴収することとしております。
なお、同料金所にはETCを設置しますことから、今後、ETC料金の割引の適用も含め、検討してまいります。
谷山インターから中山インター間の災害復旧状況についてであります。
六月末からの大雨により、七月三日に中山トンネル付近において土砂崩れが発生し、通行どめとなったところであります。
本路線は、広域的な幹線道路ネットワークを形成する重要な道路でありますことから、早期の交通開放に向け、崩土除去などの応急対策を行い、七月六日早朝には通行どめを解除したところであります。
なお、崩壊したのり面を保護するための復旧工事につきましては、今月上旬の災害査定を受け、現在、工事発注に向けた手続を進めているところであり、一日も早い復旧に向けて取り組んでまいります。
谷山インターから中山インター間の防災対策についてであります。
県管理道路につきましては、平成八年度に道路防災総点検を実施し、その後も定期的に点検を行い、状況の把握に努めているところでございます。
谷山インターから中山インター間につきましては、点検の結果、防災対策が必要とされた箇所において、対策工事を実施し、完了しております。
今後とも、定期的な点検や日常パトロールにより、道路のり面などの状況を把握し、通行車両等の安全確保に努めてまいります。
谷山インターから中山インター間の舗装・補修についてであります。
県管理道路につきましては、定期的なパトロールを行い、路面の損傷状況に応じて舗装・補修を行っております。
谷山インターから中山インター間におきましては、昨年度は、中山インター付近など三カ所において実施し、本年度は、谷山インター付近など二カ所において実施することといたしております。
県といたしましては、引き続き、定期的なパトロールを行い、路面の損傷状況を見きわめながら、舗装・補修等に取り組んでまいります。
[おさだ康秀君登壇]
68 ◯おさだ康秀君 それぞれ御答弁いただきましたが、特別支援教育のことで一点だけ申し上げます。
特別支援教育支援員と特別支援教育コーディネーターのしっかりとした有効活用につなげるために、学校内の校内研修をしていただきたい。そして、連携といいますけど、なかなかきめ細かな連携が図られていないので、学校の先生方が大変だから、支援員とコーディネーターの活用をしっかりお願いしたいということと、桜丘養護学校に関しましては、本当に保護者と子供たち、大変喜ぶと思いますので、このことは感謝申し上げます。
指宿スカイライン、御答弁いただきましたが、来月から二期区間が全区間一律百円になることをまだ知らない県民も多いと思います。先ほどの知事の答弁で、イベント等々されるということでありましたが、実際に車で走っている方々が利用する料金所の手前に、ワンコイン百円になりました、という表示等をして啓発していただくようお願いしたい。
それと、県道玉取迫鹿児島港線の交通量ですけれども、大体一日三万台、約二万九千台という答弁でありましたが、これは四年前の調査ですよ、部長。来年度調査するということでしたから、これはしっかり調査していただかないと、時代背景は変わってきていますので、そのことをお願いしたい。
そうすると、また車がふえていく、そうなると舗装もしていかなきゃならないと、おのずからそういう結論に至ると思いますので、しっかりとお願いしたいということと、あと災害の復旧もしっかりとお願いしたいということを申し上げます。
山田料金所のETC設置前後の利用状況等ですが、設置してから収入は上がっているわけですよ。そして、消費増税でまた上げると。収入はふえていますから、本当は増税だから料金を上げるんじゃなくて、私は少し下げていただきたいと思っています。このことはまた次回質問いたします。
そして、山田インターが令和三年度完成ということであります。そのこともしっかりと告知していただきたいわけでありますが、何と申し上げましても、やっぱり無料ですからね、中山インターで乗りおりされる方々は多いと思いますよ、山田インターが料金を取るということになれば。料金を徴収されるということですから、きょうは言いませんけど、しっかりとまた研究、そして調査していただきたいと思います。
最後になりますけれども、平均寿命、あるいは健康寿命が延びていることにより、簡単に申し上げますと、人生百年時代と言われます。知事は、子育て支援、高齢者の生き生き支援を二本柱とし、私もきょうグラウンドゴルフの大会等について質問しましたけれども、高齢者の方々が生き生きと年を重ねることができるような政策に取り組んでおりますが、しかし、その一方では、人生をわずか三歳、四歳、五歳で終えた幼い子もいるわけです。
政治で大切なことは、人ごとと物事と出来事を大所高所から感じることでありまして、知事には、自身が掲げている子育て支援と高齢者の生き生き支援のどこに一番力を入れて取り組まなければならないか、そういったことをいま一度考えていただきますことを申し上げまして、私の全ての一般質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
69 ◯副議長(桑鶴 勉君)これで、本日の日程は終了いたしました。
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70 △ 日程報告
◯副議長(桑鶴 勉君)明日は、午前十時から本会議を開きます。
日程は、一般質問及び議案の委員会付託などであります。
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71 △ 散 会
◯副議長(桑鶴 勉君)本日は、これで散会いたします。
午後三時十六分散会
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