鹿児島県議会 2017-03-15
2017-03-15 平成29年文教警察委員会 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過
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午前十時開会
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◯持冨委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから
文教警察委員会を開会いたします。
本日は、教育委員会及び
学事法制課関係の請願・陳情の審査及び県政一般であります。
まず、請願・陳情の審査をお手元の請願・陳情文書表により行います。
初めに、新規分の陳情第四〇二二号を議題といたします。
総務福利課長の説明を求めます。
2
◯大山総務福利課長 おはようございます。
それでは、一ページをお願いいたします。
これは、国の
給付型奨学金制度の拡充を求める意見書の採択についての陳情でございます。
陳情の内容は、平成三十年度から国による
給付型奨学金制度が始まる予定でございますが、制度を利用できる対象者が一学年二万人程度では足りないため、国に対して、
給付型奨学金制度の拡充を求める意見書の提出を求めるものでございます。
これに対します状況説明でございます。下段をごらんください。
国による
給付型奨学金制度につきましては、平成三十年度からの本格実施及び平成二十九年度からの一部先行実施のため、平成二十九年度政府予算案に計上されたところでございます。
県といたしましては、全国知事会や
全国都道府県教育長協議会を通じまして、国に対して、
給付型奨学金制度創設等の要望を行ってきたところでございまして、また、制度創設の検討過程では、給付対象や給付額、給付規模につきましてさまざまな議論もなされたと聞いているところでございます。まずは、新年度からの応募実績など、制度の実施状況や国における今後の議論等を見きわめる必要があると考えているところでございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
3
◯持冨委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
4
◯桃木野委員 奨学金につきましては、いわゆる所得制限というのがあるわけですけど、標準家庭といいますか、例えば、夫婦、子供が二人とか、そうしたときに、基本的にはどのぐらいの所得で、この奨学金というのは対象となるのか、大体の額を教えてください。
5
◯大山総務福利課長 奨学金の対象となる所得の基準についてのお尋ねでございますけれども、国のほうが想定しておりますこの給付型の奨学金につきましては、来年度、先行実施されますけど、それにつきましては、まず一つが、住民税が非課税である世帯、数字で申し上げますと、今、委員おっしゃいました、一般的な夫婦二人に子供が二人の家庭でいえば、年収三百万円程度、これ以外にも、国のほうは社会的養護が必要な者ということで、所得にかかわらず、児童養護施設などの出身者の方を対象にしているようでございます。それ以外の奨学金制度いろいろございますけれども、例えば、
日本学生支援機構が実施しております無利子の奨学金がございますけれども、あれにつきましては、同じく標準型の世帯で申し上げますと、七百万円を下回る程度ですね。有利子ですと一千万円程度を下回る世帯。また、県のほうが新たな奨学金制度をやっておりますけれども、これもいろいろございますけれども、例えば年収四百万円程度とか、それぞれ制度によって異なる点がございます。
以上でございます。(「わかりました」という者あり)
6
◯持冨委員長 ほかに。
[「なし」という者あり]
7
◯持冨委員長 ほかに質疑がないようですので、質疑を終了いたします。
それでは、採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
8 ◯前原委員 陳情第四〇二二号は、国の
給付型奨学金制度につきまして、制度を拡充するよう国へ意見書提出を求める陳情であります。
給付型の奨学金制度につきましては、先ほども説明がありましたけれども、県も以前から要望しておりまして、平成三十年度からの本格実施及び平成二十九年度からの一部先行実施のための経費が、平成二十九年度政府予算案に計上されたところでありますので、まだ始まったばかりでございますので、拡充というのがどこを拡充するのかというのがまだはっきりとしておりませんので、まずは新年度からの制度の実施状況等を見きわめた上で判断する必要があると思います。
よって、陳情第四〇二二号は、継続審査でお願いをいたします。
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◯桃木野委員 いろいろ陳情者のこういった点も配慮しますと、我々としては、採択でお願いをしたいと思います。
10
◯持冨委員長 ほかに御意見ありませんか。
[「なし」という者あり]
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◯持冨委員長 陳情第四〇二二号については、継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りをいたします。
陳情第四〇二二号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
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◯持冨委員長 挙手多数であります。
よって、陳情第四〇二二号につきましては、継続審査すべきものと決定いたしました。
次に、継続審査分の請願の審査を行います。
請願第四〇〇一号について、その後の情勢の変化などにつきまして、
特別支援教育室長の説明を求めます。
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◯釘田特別支援教育室長 請願第四〇〇一号でございますが、これは、屋久島高校に
中種子養護学校高等部の分教室の設置を求めるものでございます。
これにつきましては、情勢の変化はございません。
なお、県教委では、現在、大島地区で実施しております高校校舎を活用した
高等部訪問教育の教育機能の整備を図る
高等部支援教室設置構想につきまして検討を進めておりまして、同教室の屋久島高校への設置の可能性を確認するため、去る二月九日に、現地での説明会及び進路希望調査を実施したところでございます。
その結果、島内の三中学校の
特別支援学級一、二年に在籍する計十人のうち、
中種子養護学校高等部屋久島支援教室への進学希望が確定している方はいらっしゃいませんで、他校への進学を第一希望とされている状況でございます。
県教委といたしましては、この結果を踏まえまして、今後も継続して進路希望調査を実施し、屋久島高校への同教室の設置の可能性について、引き続き検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
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◯持冨委員長 以上で説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
15 ◯き久委員 ただいまの屋久島高校における分教室の設置に関しましては、室長のほうから御説明があったわけでありますけど、十名の進路意向調査をした段階では希望者はいなかったということですが、それは中学校ですか。それともまた、その先々の小学校までとなりますと、どういうことが想定されますか。
16
◯釘田特別支援教育室長 二月に実施しました調査は、中学校の
特別支援学級一、二年生に在籍する生徒十人の保護者の方々に対してでございます。昨年の七月の段階でも調査をしておりまして、この際は、
高等部訪問教育を選択肢として調査をさせていただいたところですが、その段階でも、現在の中二と小六のお二人しか希望される方がいなかったという状況でございます。
17 ◯き久委員 進路調査というのは中学校までされるんですか。それとも、小学校までされているんですか。進路調査とか、どれだけの障害のある方がおられるとか、そこらの調査はどういうふうになっておりますか。
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◯釘田特別支援教育室長 先ほどの説明はちょっと足りなかったと思いますが、昨年の七月に調査をした段階では、屋久島の小・中学校の
特別支援学級に在籍する全体で三十一人の保護者の方々を対象にして調査をしたところでございます。
今回は、その支援教室の設置構想について説明をさせていただきましたので、二月につきましては、中学校の一、二年生を対象に実施をしたということでございます。
19 ◯き久委員 というと、中学生に関して、ここ三年に向けては、支援教室含めて分教室ということも考えられないというようなことかなと思いますが、いろんな御家族の状況などからしまして、結局、二年生とか一年生とか、次の小学生とか、こういった視点から考えていくと、しばらくニーズはないとしても、将来的には考えられるというようなことになるのかなということも想定しておかないといけないのかなというふうに思います。
三月七日の日に、
特別支援教育の充実を図るということで、
政策立案委員会のほうから、離島における
特別支援教育の充実ということで提言がされております。それを読んでみますと、
特別支援学校高等部訪問教育開設の検討要件を見直して、希望する生徒が一人の場合においても開設するということをうたっておりますが、これが一点目。
それと、二点目が、一定の継続性が見込まれた場合、地元自治体とか、そこの高校とかを活用しながら、分校または分教室の設置を図ることというふうにもうたわれているんですよ。現在はニーズがないとしても、将来的にはニーズが出てくるかもしれない。となりますと、そこの提言との整合性をどのように考えていらっしゃるかということについてお答えください。
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◯釘田特別支援教育室長 二月に行いました進路希望調査の中で、まだ未定という方が、中一にお二人いらっしゃいます。この方々も含めて、今後も継続してこの調査は実施したいというふうに考えております。このことについては、政策提言の中でも御提言いただいているところですので、今後も、現地での説明会及び進路希望調査を継続して行うこととしております。
それから、一人の場合の設置のことにつきましては、議会からも御提言いただいていることを踏まえまして、今後また対応を考えていくこととしているところでございます。
21 ◯き久委員 今、室長の御答弁を解釈しますと、しばらくはニーズはないだろうと、そして、将来また出てくる中で検討をしていきたいというような認識でよろしいですか。
22
◯釘田特別支援教育室長 今回、支援教室への進学意向が確定していらっしゃる方はいらっしゃらなかったんですけれども、今後そういった可能性があるということも踏まえまして、その状況に合わせた対応を進めていく必要があるというふうに認識をしております。
23 ◯き久委員 この件で最初お話ししたときに、離島における
特別支援教育の充実という中で、分教室とか分校を設置することを図るとうたわれているんですね。そことの整合性はどうなんですかということをお聞きしたんですけど、そこの理念というか、コンセプトに関しまして、ちょっと確認をお願いいたします。
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◯釘田特別支援教育室長 分教室を設置するとなりますと、例えば、
特別支援学校の本校の数クラス分の教育機能を高校内に持ってくることになりますので、それにはやっぱり一定の条件整備が必要だと思っております。具体的に申し上げますと、集団による教育効果を担保するための、一定の生徒数の確保が必要になってまいりますし、教室等の学習環境の確保、組織的な指導体制の確保、そして新たな教育課程の編成といったようなことについて条件整備を図っていく必要があると考えております。それは、全ての離島を対象にして考えていかないといけないと思っておりまして、そういったことを踏まえまして、将来的に、提言にもありますように、そういった条件整備を図る方策を考えていく必要があると思いますが、県教委といたしましては、できるだけ、また早く、地元のそういったニーズに応えられるように、一旦、支援教室構想で走って、将来的にまた、その分教室の設置ということについても検討していくといったような手順で今考えているところでございます。
25
◯持冨委員長 ほかに質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
26
◯持冨委員長 ほかに質疑がないようですので、質疑を終了いたします。
それでは、採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
27 ◯前原委員 請願第四〇〇一号は、屋久島高校に
中種子養護学校の分教室設置を求める請願であります。
本請願につきましては、状況の変化はないとのことでありますが、県教委におきましては、現在、大島地区で実施している高校校舎を活用した
高等部訪問教育の教育機能の整備を図る
高等部支援教室設置構想について検討を今現在進めているところでございます。また、現地での
進路希望意向調査も実施したとのことでありますので、引き続き、状況把握に努めていただき、同教室の屋久島高校への設置の可能性について、さらに検討を進めていただきたいと思います。
ですから、現在は、本請願は、引き続き継続審査でお願いをいたします。
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◯桃木野委員 今回、先ほど意見がございましたように、議会としても、全員一致で
特別支援教育の充実ということで知事に提言もしたわけでございます。そしてまた、この陳情者からもいろいろ出ておりますように、また、署名もありますように、やはり前進という意味からも、ぜひ採択で我々としてはお願いしたいと、このように思います。
29
◯持冨委員長 ほかに御意見はありませんか。
[「なし」という者あり]
30
◯持冨委員長 請願第四〇〇一号につきましては、継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りをいたします。
請願第四〇〇一号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
31
◯持冨委員長 挙手多数であります。
よって、請願第四〇〇一号につきましては、継続審査すべきものと決定いたしました。
続いて、請願第四〇〇二号を議題といたしますが、この請願は、継続の陳情第四〇一二号と同様の趣旨でありますので、二件を一括議題といたします。
ここでお諮りいたします。
請願第四〇〇二号喜界高校に
特別支援学校の分教室を求める請願につきまして、署名者二万九千八百五十名のほかに、新たに百十三名の署名の追加を内容とする請願訂正の申し出がありましたので、これを承認することに御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
32
◯持冨委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。
それでは、請願第四〇〇二号及び陳情第四〇一二号につきまして、
特別支援教育室長の説明を求めます。
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◯釘田特別支援教育室長 請願第四〇〇二号及び陳情第四〇一二号でございますが、これはいずれも、喜界高校に
特別支援学校の分教室または
特別支援学級の設置を求めるものでございます。
これにつきましては、情勢の変化はございません。
なお、十二月の議会においても報告いたしましたように、
喜界中学校特別支援学級に在籍する生徒のうち、現二年の三人及び現一年生の四人につきまして、喜界高校への設置を検討しております
大島養護学校高等部支援教室への進学希望を確認しております。
県教委といたしましては、この結果を踏まえまして、現在、喜界町教委、喜界高等学校、大島養護学校とも協議を行っておりまして、今後も同教室の設置について、引き続き検討を進めることとしております。
以上でございます。
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◯持冨委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
35 ◯き久委員 ただいま、室長のほうから御報告がありまして、情勢の変化はないということでありますが、喜界高校に分教室を設置との請願につきましては、去年の六月ぐらいから大体九カ月ぐらいかけて議論がされているというふうに認識をいたしております。地元の親御さんにとりましては、多分、四、五年とか、長い月日をかけて、この思いを要望しているということでありまして、この一年弱の九カ月ぐらいの動きの中で、特別支援教室を初めとして、段階的に一歩ずつ改善されている、そういう努力に対しては認識をいたすところです。
そこで、過去において、いろんな議論がなされていったわけなんですが、喜界町の教育委員会、喜界高校、大島養護学校と、現時点では支援教室に向けての議論がされたという認識を持っておりますが、その具体的な三者の協議について、まずお示しいただけませんか。
36
◯釘田特別支援教育室長 三つの機関との協議の内容でございますけれども、三つの機関に対しましては、個別に訪問いたしまして、現在、県教委で検討を進めております
高等部支援教室構想について、内容とか、実施方法等を説明したところです。その上で、喜界町教委とは、
特別支援教育支援員の確保、雇用に関することを、喜界高校とは、教室の確保、設置候補場所、教職員への構想説明に関すること、大島養護学校とは、授業時数が増大しますので、それに伴う教育課程の再編成に関すること等を主に協議をしてきたところでございます。今後もこれらの協議を継続して、教室設置に必要な条件整備を図っていきたいというふうに考えております。
以上です。
37 ◯き久委員 三者の協議について、今、御報告がありましたが、支援教室という視点からすると一つ一つ、進んでいるというような認識を持ちます。昨年の十二月にもいろいろと質問をさせていただきましたが、現在の中学校二年生が二十九年、三年生になります。そうすると、三十年からだと三名の方がその支援教室を受けるということになりますが、次の三十一年には四名来て計七名というタイムスケジュールですけど、現時点の支援教室ということに関しての予定の確認ですが、これで間違いはございませんか。
38
◯釘田特別支援教育室長 支援教室を設置する場合の開設年度だと思いますけれども、先ほどの説明とも重なりますけれども、喜界町の現二年生の生徒のうち、三人の方につきまして高等部支援教室への進学希望を確認したところでございます。したがいまして、この生徒さんたちが高等学校段階に進学されます平成三十年度が支援教室開設の一つの目安になるものと考えているところです。現在の意向調査どおりの進学希望になった場合は、三十一年度につきましては、一年生が四人、それから二年生が三人の計七人が見込まれるといった想定をしているところでございます。
39 ◯き久委員 先ほど、大島養護学校とも授業時数とか、そのカリキュラムについても協議されたということですが、支援教室という視点からすると、大体、千百分かなと思います。充実を高めていくということで、あと、四百分の時間の確保を検討していくということと、三十年に三名、三十一年に四名、計七名になりますと、学級が三つで、教員のほうも三名で支援員が一人ということでよろしいですか。
40
◯釘田特別支援教育室長 支援教室では最大三人の生徒で一学級が編制設置されることになります。したがいまして、今、委員から御指摘いただきましたように、平成三十一年度は全体で七人が見込まれますので、二学級の定員の六人を超えますので、三十一年度につきましては三学級の編制になるというふうに想定をしております。
41 ◯き久委員 ちょっと漏れておりますけど、千百分を、あと四百分、授業を確保することを検討するということですけど、そこらを前向きに検討していただくということでよろしいですか。
42
◯釘田特別支援教育室長 訪問教育の場合は、在籍生徒数によって授業時数が変動しているといったようなことがございますので、それを補う形で補充指導もやっておったんですけれども、支援教室のほうでは、それを在籍生徒数にかかわらず、三人在籍時の千百分を確保しまして、それに、あと四百分の補充指導という形で、本校と同じ、週千五百分を確保する形で検討を進めているところでございます。
43 ◯き久委員 本校と同じような時間帯、カリキュラムの設置を検討していくと。そして、先ほどの平成三十一年には七名で三学級で三教員で一支援員という、ここらからしましても、まさに、分教室に近いぐらいの役割、機能性は果たすというような認識に立つわけなんですが、県教委として、私は、分教室という視点に立ってもいいのではないかなと思うんですが、その点についての御意見をお聞かせください。
44
◯釘田特別支援教育室長 先ほどの説明とも重なると思いますけれども、分教室を設置するとなると、一定の生徒数の規模、喜界島につきましては、将来的に就学者が継続して見込まれますので、ここの分はクリアできると思いますけれども、教室等の学習環境の確保、指導体制、教育課程の整備といったようなさまざまな条件整備要件が、今後関係してまいりますので、それと、全ての離島を対象としてこれは考えていかないといけないというふうに考えております。そういったことも含めて、今後、分教室の設置に向けたさまざまな要件の検討をしていく必要があると考えております。
ただ、喜界島につきましては、先ほどから申し上げておりますように、一定規模の生徒数が継続して見込まれますことから、将来的に分教室への移行を検討していく必要性は非常に大きいものがあるのではないかというふうに考えているところでございます。
45 ◯き久委員 ニーズという視点からしますと、先々、ニーズは確保されると。しかし、分教室という視点からしますと、いろんな環境整備をせざるを得ないというような認識に立っているというふうに思います。
この分教室設置を望む地元の親御さん、また関係機関というのは、一定の分教室設置の採択という担保をとりたいと、これは事業を推進する上では、この分教室のみならず当たり前の考えであると思います。
そういうことで、先ほど、委員長のほうからも御報告ありましたが、三万名ほどの署名等もいただいておりまして、この支援教室から分教室への期待というのは大変大きいものがございまして、今後、先ほどの室長の御説明では、いろんな環境整備を進めていかなければならないということでありましたけど、分教室設置に向けた今後の見通しについて一言お示しいただけませんか。
46
◯釘田特別支援教育室長 これも重なるかもしれませんけれども、先ほどから説明しておりますように、さまざまな分教室を設置するとなった場合の必要な条件整備、あるいはその基準みたいなものについて、今後また検討していく必要があるというふうに考えております。
喜界島につきましては、先ほどから申し上げておりますように、その条件整備、基準の中で、一番大きな核となる生徒数の確保というところについては、将来的にある程度の規模が見込まれるところでございますし、このことについては、県議会からも政策提言をいただいているところですので、そのことも踏まえて、今後、将来的に、その移行への必要性ということについて、具体的な検討をする必要があるというふうには考えているところでございます。
47 ◯き久委員 分教室設置に関しましては前向きに検討するというような意味合いであるというふうに思います。
そこで、教育長、ちょっと御意見なんですが、昨年、障害者差別解消法が施行されて、平成二十六年には、本県においても、障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例が制定されました。三月七日には、
特別支援教育の充実ということで、議員の
政策立案委員会で提言がなされたと、こういう経過がございます。それと、全国で見ますと、長崎県の五島の海陽高校とか、大阪府とか、分校・分教室というのが十七校設置されているわけなんですよ。それと、
特別支援教育室を設置したのはたしか二年前だと思います。結局、その充実を図っていくという視点でのことですから、そこの理念がしっかりと担保できた中で、そういう方向性で進めていこうということで室ができたというふうに認識します。そういった視点の中で充実を図るという中で、支援教室、そして分教室設置ということになっていくんでしょうけど、そこらと理念と今回のこの問題との整合性ということを含めた上での教育長としての基本的な考えをお聞かせいただければと思います。
48 ◯古川教育長
特別支援教育の推進に当たっての基本的な考え方ということであろうと思っております。今、委員御指摘にございましたように、私どもは、障害者差別解消法でございますとか、いろんな関連法、それぞれ整備されまして、合理的配慮をしていかなければいけないというようなこともございます。そういうことで、本年度、
特別支援教育室という形で、新たな組織も立ち上げまして、
特別支援教育の充実をこれから組織としてもきちっと図っていくという前提のもとに、今、進んできております。これは離島も含めて県全体の
特別支援教育を充実していくという方針にこれは一貫して変わりはないわけでございますけれども、それぞれ地域の実情というのはございますので、先ほどから屋久島地区、あるいは喜界島における
特別支援教育の推進の仕方についても、一歩一歩できるところから進めていくという形で今、進めつつございます。そして、室長のほうからも御説明したとおり、具体的な協議というのを進めておりまして、特に喜界島については、喜界高校の整備に合わせて、教室についても、ある程度、確保のめどが立っておるという状況でございますし、町教委、あるいは大島養護学校との体制整備、あるいは人的支援の要請ということについても大体目鼻はついている状況でございますので、平成三十年度からはこれは開設できるというふうに私ども考えておりますので、それから順次、また、分教室等々については、諸般のいろんな状況等を考えて、条件整備、基準をどう設定していくかということについても、これから逐次検討していかなければいけないと思いますし、それらを含めて、私どもとしては一歩一歩ずつ
特別支援教育の充実を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
49 ◯き久委員 前向きな御答弁だというふうに思います。
特別支援教育の充実という視点で、分教室の設置という視点では御答弁はできない立場かなとは思うんですが、いずれにしましても、その趣旨等々、理念等は説明しましたんですが、地元の親御さんを初め関係機関、そして、現在、与論、沖永良部、徳之島、そして今回の屋久島の親御さんたちも大変な関心を持っておられます。地元の我々としましても、この件に関しましては、一日も早い分教室への移行ということを強く要望させていただきまして、一旦、質問は終わらせていただきます。
50
◯持冨委員長 ほかに質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
51
◯持冨委員長 ほかに質疑がないようですので、質疑を終了いたします。
それでは、採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
52 ◯前原委員 請願第四〇〇二号及び陳情第四〇一二号につきましては、喜界高校に
特別支援学校の分教室設置を求める請願及び陳情であります。
本請願及び陳情につきましては、喜界島におきまして、対象児童生徒の保護者に対しまして行った
進路希望意向調査におきましては、将来的に高等部支援教室への進学を希望する方も多くいらっしゃるようでございます。ですから、私どもとしては、分教室、そして、高等部支援教室の設置はぜひ必要だと考えております。
ただ、請願第四〇〇一号でもありましたように、
中種子養護学校も分教室の設置を要望しております。まずは、喜界島をモデルとして、まず、ここに高等部支援教室を設置させていただいて、そして、必要であれば、分教室を将来つくるということでお願いをし、趣旨は採択ということでございますけれども、全離島を委員会としては考えていかなきゃいけないというふうに思います。分教室への前段階として、まず、高等部支援教室を設置するということでございますので、将来、分教室へのお願いを込めて、今回は継続審査でお願いをいたします。
53 ◯き久委員 採択という意味で意見を述べさせてください。
今、前原委員のほうから御丁寧な御説明がございました。いろんな角度から、大所高所から検討させていただく中で、屋久島は、ニーズがまだ見えていませんということであります。一方、喜界の場合はニーズがある一定見えている。それから、今回の政策立案の
特別支援教育の充実を図る、その中での離島における
特別支援教育の充実ということでは、生徒の就学が一定規模継続されるとすればという文言がうたわれておりまして、そうであれば、地域の理解をいただく中で、分校または分教室の設置を図るということもうたわれておる観点から、私としては、採択ということで述べさせていただきたいと思います。
54
◯桃木野委員 陳情者におかれましては、昨日、知事のところにも陳情に行かれたということで、知事も前向きに取り組みたいというような形で答弁されたということでございました。今、き久委員のほうからもいろいろございましたように、県議会としても、政策立案を全議員のもとで賛同して出しているわけでございます。陳情者の趣旨もそのとおり、今、室長、教育長の話からも、三十年度からの可能性も申されましたので、やはり、委員会としても、しっかりと後押しをするという意味で採択でお願いをいたしたいと思います。
55
◯持冨委員長 ほかに御意見ありませんか。
[「なし」という者あり]
56
◯持冨委員長 それでは、請願第四〇〇二号及び陳情第四〇一二号につきましては、継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りをいたします。
請願第四〇〇二号及び陳情第四〇一二号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
57
◯持冨委員長 挙手多数であります。
よって、請願第四〇〇二号及び陳情第四〇一二号につきましては、継続審査すべきものと決定をいたしました。
次に、継続審査分の陳情の審査を行います。
陳情第四〇一一号について、教職員課長の説明を求めます。
58 ◯寺園教職員課長 陳情第四〇一一号について御説明申し上げます。
この陳情は、離島・山間部の多い鹿児島県において、教育の機会均等を保障するため、国の学級編制基準を改めて、複式学級の解消に向けて、適切な措置を講ずるよう、国に意見書の提出を求めるものでございます。
これにつきましては、情勢の変化はございません。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
59
◯持冨委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
[「なし」という者あり]
60
◯持冨委員長 質疑はないようですので、質疑を終了いたします。
それでは、採決に入りますが、まず取り扱い意見をお願いいたします。
61 ◯前原委員 陳情第四〇一一号は、来年度の政府予算におきまして、複式学級の解消に向けた適切な措置を講ずるよう、意見書の採択を求める陳情書であります。
県では、独自に定数を措置し、小学校の変則複式学級の大半を解消しますとともに、中学校におきましては、非常勤講師の配置等により、複式学級の学習指導等の充実に努めているところであります。
また、来年度の政府予算案の編成も終了しておりますことから、現時点で意見書を提出する状況にはないと思われます。
本陳情は、不採択でお願いいたします。
62
◯持冨委員長 ほかに。
63
◯桃木野委員 私としましては、以前から申しておりますように、採択でぜひお願いしたいと、このように思います。
64
◯持冨委員長 ほかに御意見ありませんか。
[「なし」という者あり]
65
◯持冨委員長 陳情第四〇一一号につきましては、採択と不採択、両方の意見がありますので、挙手による採決を行います。
陳情第四〇一一号を採択すべきものとすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
66
◯持冨委員長 挙手少数であります。
よって、陳情第四〇一一号は、不採択とすべきものと決定いたしました。
次に、陳情第四〇一三号を議題といたします。
義務教育課長の説明を求めます。
67 ◯菊地義務教育課長 陳情第四〇一三号でございますが、これは県に対し、小規模校・複式学級の教育環境改善策としてICTの導入を求めるものでございます。
これにつきましては、情勢の変化はございません。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
68
◯持冨委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
[「なし」という者あり]
69
◯持冨委員長 質疑がないようですので、それでは、採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
70 ◯前原委員 陳情第四〇一三号は、小規模校・複式学級の教育環境改善策としてICTの導入を求めるものであり、陳情の趣旨は理解できるところでありますが、小・中学校のICT機器につきましては、設置者である市町村が整備を行うものであり、整備に必要な経費につきましては、国による財政措置がなされているところであります。
県教委におきましては、研究協力校におきまして、ICT機器を活用した教育の質の向上に取り組んでいるほか、国に対しまして、財政措置の拡充を要望しているところでありますので、今後の状況を注視することといたしまして、本陳情は継続審査の取り扱いでお願いをいたします。
71
◯持冨委員長 ほかに御意見はありませんか。
[「なし」という者あり]
72
◯持冨委員長 陳情第四〇一三号につきましては、継続審査との御意見でありますが、継続審査すべきものとすることに御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
73
◯持冨委員長 御異議ありませんので、陳情第四〇一三号につきましては、継続審査すべきものと決定いたしました。
[委員長退席・副委員長委員長席に着席]
74 ◯田畑副委員長 次に、陳情第四〇一五号を議題といたします。
高校教育課長、
特別支援教育室長の説明を求めます。
75 ◯前田高校教育課長 それでは、陳情第四〇一五号について御説明申し上げます。
この陳情は、希望するすべての子どもたちに豊かな高校教育の保障を求めるものでございます。
高校教育課関係の第一項及び第三項について御説明を申し上げます。
第一項につきましては、県下における高校振興について、県内各地で地域の活性化も含めた議論がなされるよう、県教委として、地元住民を含めた組織をつくり、その議論を尊重して取り組むことというものでございます。
これにつきましては、情勢に変化はございません。
次に、第三項についてでございますが、定員に満たない学校・学科においては、全ての入学希望者を受け入れることというものでございます。
これにつきましても、情勢に変化はございません。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
76
◯釘田特別支援教育室長 特別支援教育室関係は第四項でございます。
これは、高等部を設置していない
特別支援学校への高等部設置及び離島の高校への
特別支援学級や分教室設置などの受け入れ体制の整備を求めるものでございます。
これにつきましては、情勢の変化はございません。
なお、離島の高校への分教室設置につきましては、先ほどの請願第四〇〇一号及び第四〇〇二号で状況説明したような検討を進めているところでございます。
以上でございます。
77 ◯田畑副委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
[「なし」という者あり]
78 ◯田畑副委員長 それでは、採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
79 ◯前原委員 陳情第四〇一五号につきましては、各項目ごとに検討内容を申し上げます。
第一項の県下における高校振興につきましては、県教委では、各学校や地域の実情に応じて、個別に対応を検討していくとのことであります。
第三項の定員に満たない学校・学科における全ての入学希望者の受け入れにつきましては、各学校におきまして、それぞれの教育を受けるに足りる能力・適性等を慎重に判定しているとのことでありますが、学ぶ意欲がある子供に高校教育を保障してあげたいという陳情者の気持ちも理解できるものでありまして、今後、定員内不合格者数が少しでも減るような取り組みを検討していただきたいと思います。
第四項の高等部を設置していない
特別支援学校への高等部の設置につきましては、
中種子養護学校への高等部設置や鹿児島市における高等
特別支援学校の開校など、体制整備が進められているところでありますが、鹿児島市内の状況につきましては検討すべき課題もあるものと思われます。
また、高等学校に
特別支援学級を設置することにつきましては、今般、政府の教育再生実行会議から国に対しまして同趣旨の提言もなされておりますことから、今後の国の動向を注視する必要があると思われます。
以上のようなことから、本陳情の第一項、第三項、第四項は、継続審査の取り扱いでお願いをいたします。
80 ◯田畑副委員長 ほかに御意見はありませんか。
81
◯桃木野委員 この陳情につきましては、陳情者の趣旨は十分理解できますので、前から申し上げておりますように、私としましては採択でお願いをしたいと思います。
82 ◯持冨委員 陳情第四〇一五号につきましては、希望するすべての子どもたちに豊かな高校教育を保障するための陳情書であります。
以前から申し上げておりますように、一項については継続、三項については不採択、四項については継続でお願いいたします。
83 ◯田畑副委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
84 ◯田畑副委員長 陳情第四〇一五号の各項につきましては、それぞれ取り扱い意見が分かれましたので、項目ごとに採決いたします。
陳情第四〇一五号第一項及び第四項につきましては、継続審査を求める意見と採択を求める意見がありますので、挙手による採決を行います。
陳情第四〇一五号第一項及び第四項を継続審査すべきものとすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
85 ◯田畑副委員長 挙手多数であります。
よって、陳情第四〇一五号第一項及び第四項は、継続審査すべきものと決定いたしました。
次に、陳情第四〇一五号第三項につきまして、継続審査を求める意見と採択と不採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。
陳情第四〇一五号第三項を継続審査することに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
86 ◯田畑副委員長 挙手多数であります。
よって、陳情第四〇一五号第三項は継続審査すべきものと決定いたしました。
[委員長席から副委員長退席・委員長着席]
87
◯持冨委員長 次に、陳情第四〇一六号を議題といたします。
保健体育課長の説明を求めます。
88 ◯鹿倉保健体育課長 陳情第四〇一六号について御説明を申し上げます。
これは、小・中学校の給食費の無料化を求めるものでございます。
これにつきましては、情勢の変化はございません。
なお、児童生徒を対象とした給食費無料化につきましては、今年度から実施している宇検村に続きまして、平成二十九年度から南さつま市、長島町、南種子町でも実施する予定であると聞いております。
県教委といたしましては、県議会からの子どもの貧困対策についての政策提言も踏まえつつ、小・中学校の設置者でございます市町村に対しまして、給食費無料化の充実に向けて助言を行っていきたいと考えております。
以上です。よろしくお願いします。
89
◯持冨委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
90 ◯き久委員 ただいま、御説明をいただきました。これの案件は約九カ月かけて議論されているんですが、状況説明の中に、要保護者と、そして準要保護者についてという部分があります。これの基準というのは経済的な部分ですか。ちょっとおわかりの分、お願いいたします。
91 ◯鹿倉保健体育課長 準要保護の基準につきましては、それぞれ項目が幾つかございまして、市町村によりまして、どれを基準に設けるかというのが差異がございます。例えば、非課税世帯とか、あるいは税の免除とか、あるいは生活保護法に基づく保護の停止または廃止とか、あるいは国民年金保険料の免除とか、十数目の基準がございまして、市町村によりまして、どの項目をもって基準を決めているかというのがそれぞれ差がございます。
92 ◯き久委員 それぞれの市町村で給食費の無償化とか、一部負担とか基準を設けているという認識に立ちます。現在、南さつま市、長島町、宇検村が無償化でされている。あと、二地域も前向きに検討されているというようなことなんですけれども、学校給食法第十一条等々によりますと、保護者が負担をするということが一応定められてはいるんですよね。ただし、現状のいろんな経済状況とか、社会状況からすると、貧困の子供たちがふえているということが社会問題になりつつありますよね。
そこで、このままの状況で置いていくということも、我々としましても、県としてもいかがなものかなと思うんですが、法律の改正より先に制度設計をするべきなのか、もしくは、県として、今、課長のほうからは、いろんな指導をしているとかおっしゃっていたと思うんですが、県から何らかの形で、財源となりますと、これまたいろんな積み上げが、問題が出てくるんでしょうけれども、何らかの支援策が必要かなと思うんですけど、その点について、何かコメントありましたらお願いいたします。
93 ◯鹿倉保健体育課長 支援策でございますけれども、二十九年度の予定を見ましたときに、無償化にしている市町村が、今年度は宇検村でしたけれども、南さつま市、長島町、南種子町とふえてくる状況でございます。そしてまた、準要保護児童生徒に対しまして給食費の全額助成をしている市町村が七市町村から十一市町村とふえてきている傾向もございますので、市町村につきましても、要保護につきましてはもう全額されておりますので、準要保護につきましては手厚くしていく、そういうような方向に来ているようでございます。私どもといたしましては、財源的な措置で助成ということは現在のところは考えておりませんけれども、いろんな先進市町村のやり方とか、そういったものを情報収集して、提供していくというようなお手伝いはできるのではないかと、そういうふうに思っております。
94 ◯き久委員 わかりました。基本的には市町村が考えること云々。ただ、同じ大きな自治体の中から考えていくと、県もそのままというわけにはいかないというふうに思います。今の課長の御答弁の中に、いろんな研究も重ねていくということでありますんで、そこは順次、継続して研究していただきたいというふうに思います。
終わります。
95
◯持冨委員長 ほかに質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
96
◯持冨委員長 ほかに質疑がないようですので、質疑を終了いたします。
それでは、採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
97 ◯前原委員 陳情第四〇一六号は、小・中学校の給食費の無料化を求める陳情であります。
学校給食につきましては、現在、実施主体は市町村であります。それぞれ市町村におきまして、経費の補助や給食費の無償化など、自治体の実情に応じた独自の取り組みが今実施されているところでありまして、また、経済的に就学が困難な家庭につきましては、関係法令に基づき、全ての市町村において、学校給食費の半額から全額の助成が行われているところであります。
実施主体が県にありましたら検討する必要性がありますが、今現在は実施主体は市町村ということで、県内全ての小・中学生の給食費を無料化することは、それぞれの自治体が相当な財政負担をすることになりますものですから、実施に向けて検討すべき課題も大変あります。そのため、本陳情は継続審査の取り扱いでお願いをいたします。
98
◯持冨委員長 ほかに御意見はありませんか。
[「なし」という者あり]
99
◯持冨委員長 陳情第四〇一六号につきましては、継続審査との御意見ですが、継続審査すべきものとすることに御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
100
◯持冨委員長 御異議ありませんので、陳情第四〇一六号につきましては、継続審査すべきものと決定いたしました。
次に、陳情第四〇一九号を議題といたします。
保健体育課長の説明を求めます。
101 ◯鹿倉保健体育課長 陳情第四〇一九号につきまして御説明を申し上げます。
これは、総合体育館等を四年後の鹿児島国体に間に合うように建設されることを求めるものでございます。
これにつきましては、情勢の変化はございません。
なお、新たな体育館の整備につきましては、来年度の大規模スポーツ施設の在り方検討事業におきまして、有識者等を含めた検討委員会の中で優先的に検討が進められるものというふうに考えております。
以上でございます。
102
◯持冨委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
103 ◯西高委員 県立体育館、隣の跡地からアリーナ構想、今回の教育委員会への移管、そしてまた特別委員会ということで検討委員会がされると。前回十二月のこの委員会の場で、体育館の設置については全力で進めてほしいということで、この陳情に対して委員会全体で一致して御意見をいたしましたけれども、一番大事なのは、教育委員会として、県立体育館はどのような形がいいのか、あるいは、そこに観客数がどれぐらい必要なのか。それと、武道場については、必ずこういう形で一緒に設置してほしい。そして、当然そこには駐車場まで含めて、十分な機能を備えられるように、今後五十年間使えるようにというような、最低でもそういった形で設置をしていかなければならないわけですけれども、今回の検討委員会の中に、教育委員会として、やはり強力に意見というのは反映してもらわなければならないと思うんですね。そのあたりについてはどうお考えですか。
104 ◯鹿倉保健体育課長 今、委員がおっしゃられたように、今後五十年間使えるようなそれなりのものをというような視点で考えましたときに、県民の生涯スポーツあるいは競技スポーツ、そういったものをつかさどる私どもといたしましては、それなりの機能、規模を持ったそういったものが必要だろうと思っておりますので、積極的に意見を述べさせていただきたいとそういうふうに思います。
105 ◯西高委員 今、御答弁いただいたとおり、教育委員会として、本当に力を入れていただかなければならないと思いますし、現状の中で、この規模ではなと思いながらも、折れてしまうのではなくて、将来的には、こういった規模まではいけるんだという形で、五十年間使えるということをしっかりと入れて、今の県立体育館のように狭隘で、新しい床の競技とか入れるには距離が足りないとか、そういう問題のないような形で、検討委員会のほうで提言をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
106 ◯田中委員 同様な意見で、知事の施政方針と、本会議、予算委員会での説明、答弁でも、新たな総合体育館が最優先の検討ということで、非常に好ましいことで、積極的に進めるべきという立場で質問いたしますけど、今、西高委員からもありましたんですけど、この大規模スポーツ施設の在り方検討委員会が企画部の企画課ですよね。知事初め、課長も教育長もでしょうけど、新体育館とドーム野球場の優先順位の議論であれば、新たな総合体育館を最優先で議論することには異論はないわけで、結果的に、企画部主管の大規模スポーツ施設の在り方検討委員会というのは、この当局の陳情に対する説明でありますように、今後、施設の規模、場所、財源を含めて、そういうことを集中的に議論していく検討委員会になるのかという認識でよろしいんですか。
107 ◯鹿倉保健体育課長 現段階では、所管は教育委員会ですけれども、企画部のほうに移るということで、この大規模スポーツ施設在り方検討委員会は四月以降、発足していくわけですので、確実性のあることは言えませんけれども、委員がおっしゃいましたように、まず、必要性もなんでしょうが、規模、機能、そういったのはやはり検討していっていただきたいと、そういうふうに思っております。
108 ◯田中委員 それから、この体育館の場所を含む検討のやり方の確認で申し上げますけど、ドルフィンポート敷地は、土木部港湾空港課主管で、鹿児島本港区エリアまちづくり検討委員会なるものが設置されるということで、これは、県教委、保健体育課として参画、関与できる場面があるのかということ。もう一つは、サッカー場のことで、鹿児島市役所がサッカー場の検討委員会を新年度つくったということの議論のようなんですけれども、これについても、県教委、保健体育課として関与できる場面というのがあるのかということで、複数の施設と場所の取り合いみたいなイメージがあって、決め方の組織が非常にふくそうしているんですけど、そういうドルフィンポート敷地、本港区エリアの検討と鹿児島市役所のサッカー場検討委員会に組織的な議論の場所があるかという、そこだけの確認をさせてください。
109 ◯鹿倉保健体育課長 その本港区の検討委員会につきましては、現在のところ、そういう関与はないところでございます。
それから、サッカー場につきましても、観光課のほうで関与はしておりますけれども、その委員の中に入るとか、そういった関与はしておりません。
110 ◯田中委員 これも確認なんですけど、平成二十一年度に総合体育館等整備構想検討委員会が設置されて、提言書、集約書が平成二十三年にまとまっているんですけど、この検討のときには、教育委員会、保健体育課は当然関与されたと思うんですけど、この平成二十三年の整備構想は、主管課として、集約されたという認識でよろしいですか。
111 ◯鹿倉保健体育課長 政策調整課のほうが主管の課となっております。
112 ◯田中委員 最後、私も以前の一般質問で申し上げましたし、前回の委員会でもほかの委員の方もそうだと思うんですけど、やはり、積極的に、具体的に進めてもらいたいという意味で、最後、要望いたしますけど、この体育館の整備計画というのは、平成二十一年に、最初の基本構想の委員会は設置されているんですよね。申し上げたいのは、既に八年たっているわけですよ。そして、きのうもスポーツ振興議員連盟の勉強会で、屋内スポーツ団体の方からも、早期整備ということで、平成二十三年にまとまった基本構想のことも言われましたが、その構想からも、既に六年たっているということで、議会も深く考えなければいけないと思うんですけど、やはり、県民へのスポーツの利便性というか、そういうサービス提供から言えば、六年もおくれているという状況がありますから、企画部主管で大規模スポーツ施設在り方検討委員会という、その組織のあり方はわかるんですけど、中身的には、教育委員会保健体育課が積極的に、ここにございますように、規模、場所、財源を含めて、具体的な議論を四月から始めていただきたいというのがあるわけです。でないと、やはり、企画部の検討委員会に場所を含めて委ねるということになりますと、なかなかまた進まない。最初申し上げましたように、この施設の優先順位的には、知事の答弁を含めて、総合体育館をやると言われているわけですから、もうあとは、その在り方検討じゃなくて、言わんとするのは、平成二十一年に設置された総合体育館の検討委員会と同様の議論を四月以降、進めてもらいたいと思うんですけど、これもう一回、教育長、どうですか、お考えをお聞かせください。
113 ◯古川教育長 新たな総合体育館の整備についての教育委員会としてのスタンスということでございますけれども、おっしゃったように、二十一年に新たな総合体育館整備基本構想検討委員会というのができて、二十三年の三月に構想が策定されたわけです。それ以来、おっしゃるとおりの期間がたっているわけでございますが、私どもとしては、スポーツ振興、あるいは県民の体力向上というのを所管するセクションといたしましては、この総合体育館というのは、できるだけ早く、一日も早く実現してほしいというのが、私どもの念願でございます。そして、先般の一般質問の場におきましても、大園議員の質問だったかと思いますが、知事のほうからは、新たな総合体育館はつくりたいという発言がございました。その知事の発言というのは、非常に私どもは重いものがあるというふうに受けとめておりますので、今後は、大規模スポーツ施設の在り方検討委員会が具体的な進め方については具体的に検討されると思いますが、先ほども課長のほうから御説明申し上げたように、県民のスポーツ振興、あるいは体力向上というのを所管する立場としては、意見を求められれば、積極的に私どもとしての立場をきちっと御説明していきたいというふうに考えております。
114
◯持冨委員長 ほかに質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
115
◯持冨委員長 ほかに質疑がないようですので、質疑を終了いたします。
それでは、採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
116 ◯前原委員 陳情第四〇一九号は、県総合体育館等を四年後の鹿児島国体に間に合うように建設することを求める陳情であります。
新たな県立体育館の整備につきましては、これまでの議論からも必要性については認められているところでありまして、早急な建設が望まれるところであります。また、知事も前向きに発言をされております。
しかし、規模、場所、財源が、まだ決まっておりませんので、四年後の鹿児島国体に間に合うようにというのは大変難しいと思われます。ただ、体育館の整備は必要だということでありまして、来年度の予算には、大規模スポーツ施設のあり方につきまして検討する委員会設置の経費が計上されておりますので、総合体育館の整備につきまして、優先的に検討がなされるとのことでございますので、その委員会での検討状況を注視することとしたいと思います。
よって、本陳情は継続審査の取り扱いでお願いをいたします。
117
◯持冨委員長 ほかに御意見はありませんか。
暫時休憩します。
午前十一時十六分休憩
────────────────
午前十一時十六分再開
[委員長退席・副委員長委員長席に着席]
118 ◯田畑副委員長 それでは、再開いたします。
ほかに御意見はありませんか。
119 ◯持冨委員 陳情第四〇一九号につきましては、前回の委員会でも、全会派、積極的にやろうという、そういうことでは一致したのではないかなと、そういうふうに思っております。確かに、国体までにということになりますと、難しいこともありますけれども、しかし、県民の皆さんに、体育館はつくるんだという、そういう意思表示をするためにも、私は、この陳情第四〇一九号につきましては採択でお願いいたします。
120 ◯田畑副委員長 ほかにございませんか。
[「なし」という者あり]
121 ◯田畑副委員長 陳情第四〇一九号につきましては、継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。
陳情第四〇一九号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
122 ◯田畑副委員長 挙手多数であります。
よって、陳情第四〇一九号につきましては、継続審査すべきものと決定いたしました。
[委員長席から副委員長退席・委員長着席]
123
◯持冨委員長 次に、陳情第四〇二一号を議題といたします。
義務教育課長の説明を求めます。
124 ◯菊地義務教育課長 陳情第四〇二一号でございますが、これは、中学校歴史教科書に於ける「南京事件」の取り扱いについて、日中間の大きな問題になって来つつある現況を踏まえて、生徒に適切な指導をすることを求めるものでございます。
これにつきましては、情勢の変化はございません。
以上でございます。
125
◯持冨委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
[「なし」という者あり]
126
◯持冨委員長 質疑がないようですので、質疑を終了いたします。
それでは、採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
127 ◯前原委員 陳情第四〇二一号は、中学校の歴史教科書における南京事件の取り扱いにつきまして、生徒に適切な指導をするよう求める陳情であります。
県教委におかれましては、陳情の趣旨に沿った対応が図られているとのことでありますが、今回改訂される予定の学習指導要領なども踏まえつつ、研修体制や指導のさらなる充実を図っていただきたいと思います。
本陳情は、継続審査の取り扱いでお願いをいたします。
128
◯持冨委員長 ほかに。
129
◯桃木野委員 この陳情につきましては、前から申し上げておりますように、私としては不採択でお願いをしたいと思います。
130
◯持冨委員長 陳情第四〇二一号については、継続審査の意見と不採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りをいたします。
陳情第四〇二一号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
131
◯持冨委員長 挙手多数であります。
よって、陳情第四〇二一号につきましては、継続審査すべきものと決定いたしました。
以上で、請願・陳情の審査を終了いたします。
次は、県政一般であります。
それでは、特定調査事項の農業教育の活性化についての調査を行います。
高校教育課長の説明を求めます。
132 ◯前田高校教育課長 それでは、特定調査事項といたしまして、農業教育の活性化について、お手元に資料が配付されているかと思いますので、その資料に基づきまして、少々お時間をいただきますけれども、御説明をさせていただきます。
それでは、ページをお開きいただきまして、一ページでございます。
(一)でございますが、これは、本県の農業が学べる公立高校の大まかな位置を示したものでございます。
それぞれ、学校名とその下に学科名を示しておりますが、農業に関する学科及び農業に関する系列のある総合学科については下線を施してございます。平成二十八年四月現在で農業が学べる公立高校は十一校ございます。このうち、農業に関する学科のみ設置している高校は、鹿屋農業と市来農芸の二校でございます。また、鶴翔高校と徳之島高校には、農業に関する系列のある総合学科がございます。
次に、二ページをお開きください。(二)は農業科の募集定員、それから在籍の状況でございます。
アの表は、過去十年間の中学校の卒業者数と農業科の募集定員、それから、一年次の充足状況の推移について示したものでございます。表の一番下をごらんいただけないでしょうか。この十年間で中学校の卒業者数が二千九百十人、それから農業科の募集定員は八十人、それから一年生の在籍者数が三百三十五人のそれぞれ減となっているところでございます。また、充足率につきましては、表の右端の一学年の全学科、普通科その他の学科ですね、全学科の充足率と比較してみますと、この十年間で全学科の充足率が〇・〇七のポイント減となっていることに比べまして、農業科につきましては〇・三三と、ほかの学科よりも減少幅が大きいということがわかります。
それから、下のほうのイの表でございますが、これは平成二十八年度の学科別、それから、一年から三年まで全学年の充足状況でございます。これを見ますと、上から二段目の農業科につきましては、〇・六三という充足率でございまして、表の中で他の学科に比べて一番低い状況にあるということでございます。
それから、三ページをごらんください。
(三)は農業高校に入ってくる入学生の状況でございます。
三年間でございますが、各年度、入学直後にアンケートを実施しておりまして、アの入学の動機につきましては、過去三年間を見ますと、就農するため、あるいは農業に興味がある、あるいは自分の好きな勉強ができるというような入学の動機、この三つを合わせまして、約四〇%から五〇%となっているところでございます。したがいまして、年度により若干の増減はございますけれども、農業高校に入ってくる生徒の約半数は、農業高校への興味関心を持って進学してきている結果ということが言えると思います。
次のイの表でございますが、入学生の農家、非農家別の状況を見ますと、平成二十八年度の入学生につきましては、約七二%が非農家の生徒ということでございます。
それから、(四)でございますが、これは卒業生の進路状況でございます。
卒業生につきましては、まず、アの専門である農業関連への進路状況ですけれども、昨年三月の二十七年度の卒業生が五百十九人おりましたけれども、就農した生徒は、自営、それから農業法人等への就職も合わせて、四人足す十五人の十九人ということになっております。パーセントにしますと三・七%でございます。また、農業関連の就職、これが二三・一%などとなっておりまして、農業関連の進学も含めますと、約四割の卒業生が農業関連への進路を決めているという状況でございます。
それから、イの表を見ますと、卒業生のうち、農業大学校への進学者についてでございますが、これは例年、多少の増減はございますけれども、毎年、約五十人、卒業生全体の一割弱で推移しているところでございます。
以上、農業高校の現状ということで、三ページお示しして御説明をさせていただきました。入学生の状況、それから卒業生の進路状況ということで見ていただきましたけれども、農業高校は御案内のとおり定員割れが続いておりまして、他の学科と比較しても充足率が低い状況であること、また、農業への興味関心を持って進学した生徒が約半数であるのに対しまして、卒業後、専門関連の進路を選択した生徒が四割にとどまっていることなど、こういったことが今後改善していくべき課題であるのではないかというふうに考えているところでございます。
それでは、四ページをお開きください。
県教育委員会としまして、このような状況を踏まえまして、農業高校における教育内容のあり方等についての検討を行うために、今年度、鹿児島県における新しい農業教育推進のための検討会ということを立ち上げまして、昨年末までに四回の検討会を開催したところでございます。
それぞれの検討会で出されました主な意見については、四ページにごらんいただいているとおりでございますが、第一回から各会ごとに幾つか御紹介をいたしたいと思います。
まず、第一回をごらんください。テーマは、農業高校の現状と課題ということでございました。例えば、上から三つ目の丸印ですが、委員の意見として、幼少のころから農業に魅力を感じるように、小・中学校の先生方に農業を知ってもらうことが大切であるとの御意見や、第二回目におきましては、今後の農業教育の充実に向けた取り組みというテーマでしたけれども、例えば、上から二つ目の農林業の六次産業化を担う使命感を持った人材を育成するために、専門知識や実践的取り組みが必要である。あるいは、五つ目の丸のICTを活用した農業経営や農場管理が行える情報技術分野に関する教育が必要であるなどの意見が出されました。三回目におきましては、上から二つ目でございますが、高校生が県外、国外で先進的農業に触れて、夢を持てるような研修を行ってほしい、最後の第四回におきましては、一つ目に、国や県による農業支援策について、高校生が知る機会を設けてほしい、四つ目の進路選択肢として、就農だけではなくて、農業法人への就職もあるということを早い段階で示す必要があるのではないかなどの御意見をいただいたところでございます。
また、この検討会とは別に、七月に、この検討会の委員の五名の方が、県内の農業高校五校を訪問していただきまして、生徒との意見交換、交流を含め、学校の様子を見ていただいたところでございます。
それでは、最後の五ページでございます。
これは、検討会での御意見等を踏まえまして、私どものほうで、今後の取り組みについて、大まかに、こういったことが必要ではないかということをまとめさせていただいたものでございます。
まず、一番上の農業教育の方向性ということで申しますと、国際情勢の変化、あるいは地域の課題等を踏まえながら、農業がいかに魅力ある学びであるかを伝えることが大切であると考えております。
こういった方向性のもと、教育内容につきましては、入学してくる生徒の多様性を踏まえて、基礎・基本のより一層の定着と同時に、大学等への進学へも力を入れること、また、先ほど触れましたICTの活用、あるいは国内外での研修、さまざまな機関との連携の強化、こういったことが必要となってくると思っております。それから、教育環境の充実に関しましては、生徒が減少する中、生徒数に見合った実習施設の整備、あるいは教職員の資質向上のための研修、生徒が最先端の農業に触れる機会、こういったことを設けることなどについて検討が必要になると考えております。
さらに、生徒の出口に当たります卒業に向けた進路指導でございますが、まずは、就農のための最新情報の提供、それから、就農意識の向上を目指した取り組み、また、大学進学を初めとする多様な進路希望への対応が求められていると考えております。
そして、一番下になりますけれども、農業高校で学んだ生徒たちが、将来の鹿児島の農業を担い、国内外で活躍しつつも、地域の発展のために寄与する、いわゆる職業人、あるいは社会人となることが期待される姿であるというふうに考えております。
現在、関係委員、あるいは学校関係者の御意見等を参考にしながら、今年度中に委員会から提言書として県教委のほうに提出していただく予定で作業が進めてられております。今後は、検討会からの提言を踏まえながら、地域の農業を担う人材の育成、そしてまた、農業高校の活性化を図ってまいりたいと考えております。
説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
133
◯持冨委員長 説明が終わりました。
この件につきまして、意見や質問があればお願いいたします。
134 ◯田中委員 三項目、質問させてください。
農業大学校への進学者の推移がございますけど、農政部かもわかりませんが、農業大学校からの卒業者の就農の状況というのが把握されていたら教えてください。
135 ◯前田高校教育課長 農業大学校から就農した生徒の数でございますが、三ページの表でいきますと、二十五年度の高校の卒業生のうち、四十七人が農大へ進学し、この生徒さんたちが二十七年度に卒業したわけでございますが、この四十七人のうち就農された方が二十五人、パーセントにしますと五三・二%という数字がございます。
136 ◯田中委員 この検討委員会の提言の趣旨にもかなうかと思うんですけど、新年度の予算の中で、産業教育の推進ということで、地域創生人材育成プロジェクトというのがございますけど、以前、委員会の視察で伊佐農林高校だったですかね、地域の方との地域協働で六次産業的なピザづくりというか、食品加工で、非常にいい方向性だと思っているもんですから、二十九年度の新規事業でこういうプロジェクトが出ておりますが、今後のこの農業教育の方向性の中でも、こういう地域資源を生かした六次産業化的な取り組みを地域協働でさらに新年度以降も進めていただきたいと思うんですけど、考え方をお示しください。
137 ◯前田高校教育課長 ありがとうございます。
二十九年度の事業といたしまして、地域創生人材育成プロジェクトという事業を行う予定でございます。これまでは、いわゆる地域協働による専門家活性化プランとか、あるいは今年度、単年度で実施しております魅力発信人材育成プラン、こういったようなもので、県教委として、各専門高校を中心に、地域の課題を生徒が捉えて、地域のいろんな関連の団体の方々と協力し、解決をしていこうという取り組みを行っているところでございます。
本年度も、これまでの事業を継続する形で組みかえて、新しく、同じような目的ではございますけれども、実施することでございまして、今後の方向性といたしましては、やはり生徒が地域に根差して、地域の担い手となっていくというのが大きな目的となっていることもございますので、こういった取り組みは積極的に各学校に呼びかけて実施していこうというふうに考えているところでございます。
138 ◯田中委員 最後は要望にいたしますけど、入学の動機は、かなりの数が、就農とか、農業への興味ということで入学されて、具体的な高校卒業の就農率というのは、自営〇・八%とか農業法人等二・九%なんですけど、先ほどございましたように、農業大学校に進学して就農というのは非常に高い率があるもんですから、こういったことを含めて、農業教育の方向性にありますように、農業大学校への進学からの就農ということも推奨してくださるようにお願いいたします。
139 ◯西高委員 農業高校を卒業した私としては、非常に、今回のこれ、思い入れがある中で、いろいろと事前に御説明もいただいた中で御要望もいたしました。それについても、結構、この検討委員会の中でかなり詳しく出ているなということを感じておりますが、率直に御意見を述べさせていただくと、今、田中委員が御質問された、農大で五三・二%の方が今は就農をするということで、私たちの時代よりもかなり就農率は上がったというふうに感じています。それは、今、農業を専業でやられている方々というのはかなり大きい農業に変わってきました。鹿児島県でいつも言っている問題は、中山間地の家族農業から、これからは大きな、そういった規模拡大をしていく大型農家を育てることが大事だというのが今、私たちの基本です。そうしたときに、この農業高校が例えば統廃合をされていくとか、そういったことでは困るというのがあったわけですね。それは、今回の検討委員会の中では出てこなくて、県内十一校あるところが、農業先進県としては非常にいいんだろうと思っています。前々から述べておりますとおり、今の国の試験場においては、ナビを使って、衛星で自動で作業もする。あるいはドローンで、ここに害虫がいる、ここに肥料が足りない、そういったものまで今やっている世界だと。ですから、それを取り入れなさいということを前はお話もしましたけれども、今回のこの中に、国内外での研修や長期インターンシップというのがありますね。まずは、ここです。金銭的な面を考えると、当然、ある程度、近代的な農業用の機械というのもそろえていただきたいというのはあります。今の農業高校の実情というのは、県民連合の方々が鹿屋農業高校を見に行かれて、この前の代表質問の中でも出ておりましたけれども、ちょっと時代に合っていないよねということはおわかりいただけたと思います。ですから、そこの改善はやらなきゃいけませんが、まずは、そういった教育内容の充実というところに、これは、農業高校としての充実と、もう一つ欲しいのは、中学生とかに、やはり農業高校の、こういった充実した教育をしていますよということが示される、この二つが必要だと思っています。そうすると、国内外での研修というところの中には、当然そういった国の試験場とか、そういったものを修学旅行とか、そういったものを介しながら研修をしていただくとか、そういったことを含めていただきたいと思っているんですが、そのあたりについては何か御検討はされていますか、まだ提言はされておりませんが。
140 ◯前田高校教育課長 委員が今おっしゃった、例えば最先端のいわゆるICTを使ったようなもの、こういったのになかなか生徒が触れる機会が今のところはないということがございます。教育課程というのは、決められたものが農業高校ございますので、それは踏まえた上ではございますが、なるべく近隣の、例えば先進的な農業を行っているような農家の方々、あるいは法人、そういったようなところと連携して、そういったものにも触れる、そういった機会をふやすということが大切だと思います。
それから、あと、国内外の研修ということでございますが、現在のところは事業化したものはございませんけれども、これは農業高校に限ったことではございませんが、専門高校を中心に、他県の例で、いろいろと外国に行って農業高校が研修しているようなところもございますので、そういったようなところの状況を調べまして、これが鹿児島県でできないかどうかというのは今後検討していかなければならないということになるかと思われます。
それから、中学生へどういう内容の充実した姿を見せるのかということですけれども、小・中学校への出前授業とか、いろんな農業体験、触れ合い的な親しみを持たせるという意味では、地域の農業高校が小・中学校と連携して行っている部分は確かにございますけれども、なかなかそれが農業高校で学ぼうという気持ちにつながっていないということが言えるのではないかと思いますので、その中では、一つはやはり、特に中学生の子供たちが、将来、農業を職業としてどういうふうにして意識づけていけるのか、あるいはそれに向かっている農業の高校生がいきいきとそれに向かって頑張っているような取り組み、そういったようなものを中学生にもPRしていく、そういった取り組みが、今でも行っていますけれども、さらにそれを推し進めていく、そういうことが大切だと思っております。
以上でございます。
141 ◯西高委員 提言をされてから中身については入っていくんでしょうけれども、やはり農業高校のあり方として、そういった、今、答弁いただいたような形でぜひ取り組んでいただきたいと思いますし、また、国外の農業の研修ということになると、やはり、アメリカと、それからオランダ、このあたりの農業のシステムは、国の助成制度まで含めてこう違うんだと、日本の農業とはこう違うんだというものも一つのものになると思います。特に、オランダは補助率は八五%ありますが、これは、当然、お父さん方が経営を終わって子供に譲るときに、子供たちはその経営権を借金をして買うんです。そこに当然、近代的な工場をつくるために、また国がお金を出して、売り先まで決めてLEDの野菜工場をつくったりとか、そういった、やっぱり国のあり方というのも、私たちが現状の中で、農業高校で勉強をしていて、そういった問題は何も習わないんですね。でも、やはりそこまで含めて、やっぱり世界に視野を広げると、どういった国にはこういったシステムがあって、自分たちもこういうのは取り入れなきゃいけないよなと言えるようなものをぜひ研修の中に入れていただきたいと思います。
それと、次ですけれども、教職員の指導力向上とあるんですが、その前に、各農業高校だけではなくて、農業系の各高校、専門的な学校の先生、教員の方々の定数というのは今のところ足りているんですか。
142 ◯寺園教職員課長 現在のところ、農業に関係する学科を持っているところが十一校あるんですけれども、そこに農業の教員を配置しております。採用のほうもことし一人採用をしている状況ですので、足りなくて大量に採用しないといけないというような状況にはございません。
143 ◯西高委員 そのあたりが、私たちとしてはちょっと心配なところだったんですが、一番大事なのは、各学科、それなりにしっかりと指導できる先生がいらっしゃらないことには、指導力の向上といっても向上させようがないなと。一人で畜産を教えながら園芸を教えるなんていうのは非常に難しい話で、ただ、農業高校に一つ言えることは基礎なんですね。農業高校で学ぶことは基礎です。農業大学校に行って、ある程度応用で、皆さんやっていらっしゃいます。でも、いざ、就農すると、高等的な自分の専業のものでまた勉強していきます。ですから、農業高校は、その基礎と、今言ったような、将来的に自分たちが農業をやるときには、こういったシステムがあって、今の農業はこう変わってきたということを、やはり大きな観点として捉えながら勉強させていただけたら、農業高校を卒業する方が、また農業大学校に行く、あるいは、直、自営をするかもしれませんが、就農率が上がってくれたらありがたいと、私たちは思っておりますので、今後そのような努力ができるように、今回のこの検討を踏まえて、次年度から進めていただければありがたいと思いますので、よろしくお願いします。
144
◯桃木野委員 入学生の状況で、就農するためと農業に興味があるの二つで四一・一%、そして、農業関係の就農が四二・二%ということで、まさに似たような数字になっているかなと思います。四割の人が関心があって入学して、そして、農業関係に四割行っていると。検討会における意見が出ていますように、六割の人が、農業には関心がないと言ったらいけないんでしょうけど、自分の好きな勉強ができるとか、そのほかの理由で入っていらっしゃるわけですね。この四割と四割がもし連動をするとしたら、それ以外の六割の人というのは農業関係には就職していないことになりますから、例えば、その六割の人が、農業にあんまり関心はなかったんだけれども、農業高校に縁があって入り、農業に魅力を感じて、そして、就農するということになれば、農業の後継者を育成する、ふやす、まさにそれが目的だろうと思うんですね。そういう方たちがどのぐらい統計的にいるのか、なかなか難しいんでしょうけど、この四割と四割が連動していたら、六割の人は、もうあんまり農業方面に行っていないことになりますので、いわゆるその六割の人をいかに農業に興味を持って、そして就農してもらうようにしていくことが大事かなと思うんですね。
この前、会派でちょっと視察に行き、実習農場も見させていただきましたら、ビニールハウスもあるんですけれども、あれは中で一定の温度にして、いろいろイチゴをつくったりとかするわけですよね。その温度調節の機械が使い物にならんかったり、予算的なことがあってだろうと思うんですけど、そしてまた、家畜が飼ってあるところは、多分、修復はされるんでしょうけど、非常に傷みが激しかったりとか、また、排水も、大雨が降れば、この通路のところは膝までくるんですよとか、予算を伴うことですけど、本当にそういう環境整備といいますか、学生の人たちにも、そういった環境をしっかりとすることが大事かなと思うんですね。そういった点について、限られた予算の中で、ぜひしっかりとまた取り組んでいただきたいとこのように思います。これは要望です。何か御意見があれば。
145 ◯前田高校教育課長 非農家の出身の生徒が七割ということもございまして、農業に対する職業としての明確な意思を持って入ってきたという生徒ではない生徒につきましても、まずは、一年次に農業に親しみを持たせて、農業のよさ、農業の魅力を伝えるため、例えば農業の基礎科目の勉強のときに、生徒一人一人に苗を一本割り当てまして、それをみずから育てていく、そういった収穫の喜びだとか、育てる喜びだとか、そういった機会を与えることによって、六割の生徒たちが、何とかして農業のほうに自分たちの進路を決めていく、そういうような取り組みが少しずつではありますけど行われているところではございますが、今後さらに取り組みを工夫して、農業高校に入ってきた生徒たちが、ほとんど全てといいますか、そういったほうに進路をとっていくというようなことが実現できますように取り組みを進めてまいりたいと、そういうふうに思っております。
146
◯持冨委員長 ほかに質問等はありませんか。
[「なし」という者あり]
147
◯持冨委員長 ほかにないようですので、この件に関する質問等はこれで終了いたします。
ここで、暫時休憩いたします。
午前十一時四十八分休憩
────────────────
午前十一時四十九分再開
148
◯持冨委員長 再開いたします。
特定調査につきましてはこれで終了いたします。
ここで、昼食等のため暫時休憩いたします。
再開は、おおむね一時十五分といたします。
午前十一時五十分休憩
────────────────
午後 一時十五分再開
149
◯持冨委員長 それでは、再開いたします。
次は、その他の県政一般について質問をお願いいたします。
150 ◯田中委員 一点だけ教えてください。
先月、二月九日ですかね、甲南高校で、「知事と語ろう未来の鹿児島」というイベントがあったのを聞いたんですけど、去年、十八歳投票権に変更されてから、議会のほうも高校生との意見交換会、それから、あなたのそばで県議会でも高校生の意見提示があって非常にいいことだと思うんですけど、この高校生と知事との対話というのは、所管的には車座対話の関係で総務部の主催によるものなのかという確認と、県教委として開催にどのようにかかわってきたか、出席されたのかということと。それから、出された意見の内容によると思うんですけど、そういう高校生と知事との語る会の県政への意見反映のやり方というのはどのようにお考えか教えてください。
151
◯大山総務福利課長 先月、甲南高校のほうで実施いたしました会の内容でございますけれども、まずこれは、知事部局ではございませんで、総務福利課、教育委員会のほうが主催して実施したものでございます。
その趣旨は、法の改正によりまして、知事が教育に関しても一定関与するということで、例えば総合教育会議とか、教育大綱というのが新たに制度が始まりました。そういった一環といたしまして、知事部局と教育委員会のほうが連携して、いろんな教育に関することをやっていこうということで、本年度から、知事と、高校生に限らず、中高生といろんなことについて語っていただいて、高校生が自分の将来についていろいろ考えてもらうとか、あるいは鹿児島の未来について考えてもらうとか、そういった場ができればいいなということで本年度から始めた事業でございますので、もちろん、私どもは出席しておりますし、教育長もですね。知事部局のほうにも、当然いろんな意見が出てくるというのが想定されましたので、いろんなところから出席をしていただいております。
実際、高校生のほうから出た意見の反映についてということですけれども、そういったことで、ある程度、意見の出そうな課にはいろいろ声をかけておりましたので、各課長さんなり、課長補佐なりが出席していただいていますので、当然そういったのも参考にしながら、今後いろいろ考えていかれると思っております。
以上でございます。
152 ◯田中委員 今、概要はわかりましたけど、やり方的には、例えば、教育長と高校生が語る会という、そういう組み立てでもいいという理解でいいんですか。
153
◯大山総務福利課長 もちろん、最初申し上げましたように、まずはトップである知事とということで知事にお願いしましたら、ぜひやりたいということで開催させていただきました。今後は、初めての女性副知事もおいでになりましたので、そういったのもまたおもしろいかなとも思っておりますし、もちろん、教育長と語る場というのも一つの選択肢として、また来年度以降、考えていきたいと考えております。
154 ◯田中委員 最初で申し上げましたように、高校生と議会の意見交換も昨年から始めて、非常にいい方向にあるんですけど、一つはちょっとお願いなんですけど、この開催通知自体が唐突感があるというか、今初めてというか、報道というか、こういうことをしますよというのを聞いた記憶がないということと。ちょっと、報道というか、グラフかごしまとか、新聞なんかで、高校生とそういう意見交換というのが唐突な開催だという印象があったということで、それから、今もちょっと出ましたけど、新年度もこれは開催されるのであれば、回数とか、振興局単位とか、そこら辺が示されたほうが、こちらも開催されたときの受けとめ方が、県教委の新年度の計画で数回、大隅で一回、薩摩で一回、奄美で一回とか、それぐらいの計画概要が示されたほうが理解はしやすいんですけど、二点どうですか。
155
◯大山総務福利課長 今年度から始めました事業でして、もちろん、予算自体は当初予算にも計上してございました。ただ、知事がかわられたということもありまして、ことしは年度後半に一回ということになったわけでございます。
広報につきましては、マスコミのほうには事前にもちろん連絡をいたしまして、テレビ局も多数来ていただきました。今回、議員の皆様方への御連絡がおくれたことにつきましては、また今後、早目に御連絡を差し上げたいと思っております。
来年度の計画についてでございますけれども、知事の日程等もあるもんですから、具体的にはまだ検討していないところですけれども、本年度は手始めで鹿児島市内ということになったんですけれども、地方での開催につきましても、知事なりとの日程も調整しながら、いろいろ考えていきたいと思っております。
以上でございます。
156 ◯田中委員 わかりました。
要望にかえますけど、高校生を含む県民との意見交換会というのは、県議会のほうも、あなたのそばで県議会というのをまた継続されると思いますし、それから、いろんな議会の日程も、全議員ありますので、早目にこういう日程調整をしていただければ、傍聴といいますかね、どういう状況なのかというのを直接、議員のほうも聞けますので、日程調整と事前の連絡をよろしくお願いいたします。
終わります。
157 ◯き久委員 昨日、教育長のほうから、議案等の概要ということで、説明がありまして、新規事業として、未来を拓く!県立高校学力育成支援事業、八百六十五万一千円が出されております。その中で、アクティブ・ラーニング(AL)、これの研究指定校及び研究員による授業改善に関する研究ということ、近年、耳にする教育法というふうに認識をいたしますが、日本語的にいうと、主体的・対話的及び深い学びと、こういうことですかね。これを、今年も新規に推進しているということですが、まず、県内におけるアクティブ・ラーニング、この表現というのは新しいんですけど、主体的・対話的深い学びという視点で、いつぐらいから、これらの授業、教育というのが進められてきたかというのをまずお聞かせください。
158 ◯前田高校教育課長 アクティブ・ラーニングそのものの言葉としては近年ということでございますけれども、授業の形態といたしましては、これはもう以前から、各教科等で、担当の教員にもよりますけれども、導入をされたりしてきているところではございます。ただ、近年、次期学習指導要領の改訂に向けまして、高校の場合は、そういったようなものをアクティブ・ラーニングの視点というものから授業改善にぜひ取り組むべきというようなことも盛り込まれる予定ということもありまして、二十九年度の新規事業といたしましては、アクティブ・ラーニングの視点から、授業の実践的な取り組み等を行う学校を手挙げ方式で挙げていただきまして、その中から、研究指定校として指定をして、その成果をまた他校にも広めていこうというそういった事業でございます。
159 ◯き久委員 この間、行政視察で指宿高校へ行ったとき、たしか、當先生という方が、その前、川内高校かどこかでか、主体的・対話的深い学びということで、そして、その先生の、そのときにはアクティブ・ラーニングという表現に変わっていたとこう思います。二十九年度、八百六十五万一千円を組んで研究等を今後も進めていくということなんですけど、その事前の段階として、このアクティブ・ラーニングというのが、限られた科目で特化して成果を上げているのか、全体の科目も含めた部分で、実証実験という表現は悪いんですけど、そういう成果が見られるのか、そこらはどのように分析されておられますか。
160 ◯前田高校教育課長 アクティブ・ラーニングが導入されてきた経緯につきましては、実際、生徒の学びの過程の中で、生徒がいかにして主体的に授業に取り組めるのかといった場合に、効果を上げる一つの方法として、対話的な要素を取り入れたり、あるいは生徒が主体的に教え合うようなかかわりを持つような授業、こういったようなものが効果があるとされてきたことでありまして、このことは、特定の授業、教科ということではなくて、専門教科も含めまして、さまざまな教科で実施できるということでございますので、先ほども申しましたように、既にそれを取り入れて、それがほぼ当たり前のように行われているような授業もございます。ですので、それを今回、先ほど申しましたように、指導要領の改訂に伴いまして、全国で、全高校で、そういったような取り組みを行っていこうと。そのほうが生徒の学力の向上にもつながるし、ひいては人材育成にもつながっていくだろうと、そういうような観点のもとで導入されているというふうに理解しております。
161 ◯き久委員 御説明の中で、全国の各都道府県、教育委員会を含めた学校でアクティブ・ラーニングの教育というのを推進していると、こういう認識でよろしいですか。
162 ◯前田高校教育課長 都道府県によってその広まりは差がございます。早いところは、もう数年前からそういったものを県の事業として取り入れているところもございますし、本県のように、正式なこういう名称を使った事業は次年度からというようなところもございますので、それは全国的には広まりについては少し県ごとに差があるというふうに理解しております。
163 ◯き久委員 この中に、アクティブ・ラーニング研究指定校というのが明記されているんですよ。とすると、県としては、多くの学校がありまして、その高校にこのアクティブ・ラーニングの教育校を一旦指定して、そして実施して、その成果等を見てということなんでしょうけど、この指定校というのは大体どれぐらいあるんですか。
164 ◯前田高校教育課長 二十九年度のこのアクティブ・ラーニングの事業につきましては、研究指定校を三校から四校指定する予定でございます。期間は三年間を予定しております。中身につきましてちょっと申し上げますと、まず、その学校の、主に国数社理英、五教科の教員にアクティブ・ラーニング研究員というふうな名称で考えておりますが、研究員になっていただきまして、それぞれの研究員のほうで、御自身の授業改善、そういったようなものにアクティブ・ラーニングの視点を取り入れて行っていただくと。一方でまた、先進事例を行っている学校等の視察もしていただく予定でございますが、秋から冬にかけましては、その研究員による研究公開授業、こういったようなものも開く予定でございます。そして、その指定校における校内研修をして他の教科にも広めていく。あるいは研究指定校による研究公開、これは二年目、三年目に予定しておりますけれども、そういう研究公開を通じて、地域あるいは県全体へと広めていきたいと、そういうような形で実施する予定でございます。
165 ◯き久委員 この間、視察で思ったのは、数学の時間だったんじゃないかなと思いますが、我々の時代からしますと、生徒同士が、主体的に、対話的に話し合いをして、結論というか、道筋というか、成果を発表するというような形で、また、先生に聞きますと、すごい伸びが違うんだというようなことでありましたんで、県教委としましては、もともと主体的・対話的、そして深い学びというのはやっていたんですけれども、二十九年度のこの予算もそうでしょうけど、制度的にというんでしょうかね、それで始めていくということであると思いますので、力強く推進をしていただきますよう要望して終わります。
166
◯持冨委員長 ほかに質問はありませんか。
167 ◯堀之内委員 楠隼中高一貫教育校について、ちょっと二、三お尋ねをさせていただきたいと思います。
ことしの募集状況等をまず教えていただけますか。
168 ◯前田高校教育課長 楠隼中高一貫校のことしの募集状況でございますが、まず、楠隼中学校につきましては、一次選抜、二次選抜ございましたけれども、出願者数が百四十三名、二次選抜を経まして、合格者数が六十人ということで、定員は六十名でございますので、定員ちょうどの入学を予定しているところでございます。
一方、楠隼高校のほうでございますが、これも募集定員は六十名でございますけれども、出願者数が二十二名にとどまったところでございます。追加の募集等はございませんので、出願者数二十二名のうち、実際の受検者数は十九名ということでございました。なお、合格を発表した数が十五名ということでございまして、入学式が四月に入ってからでございますので、そのときに入学が確定するということでございます。
169 ◯堀之内委員 高校の部分は六十名の定数に対しまして現在十九名とお聞きいたしましたけれども、そこに、その六十名に達しない原因は何であるとお考えですか。
170 ◯前田高校教育課長 高校につきましては、昨年度から県外会場を廃止しまして、県内だけの試験会場ということにいたしました。その影響ももちろんあるとは思われますけれども、やはり、高校の場合は、普通科でございますので、大学入試等の実績が大きく募集に対しては影響すると思われますが、現在、二年生までしかおりませんので、いわゆる三年間を通しての進学実績というものがない中、なかなか当初のような関心の高さが見られなくなっていたのではないかということが一つ挙げられるのではないかと思います。と同時に、募集のあり方につきましても、説明会、あるいは学校説明会、あるいは入試説明会等、あるいは寮の見学等をずっと例年どおりやってはきたんですけれども、その後の、来ていただいた方々へのフォローということで、実際、受検に結びつくようなフォローが、工夫が必要であったのではないかというふうに考えております。
来年度につきましては、高校の枠が、中学校から上がってくる生徒がおりますので、募集定員は九十名ではございますけれども、二クラスの分は中学校から埋まるということを考えておりますので、今年度に比べると若干募集定員は少なくはなるとは思いますけれども、一生懸命、実績が出るように頑張りたいというふうに考えております。
171 ◯堀之内委員 今、高校は二年生が学年で一番上になるわけですけれども、現実の問題として、二年前、入学したときには何人おりましたか。
172 ◯前田高校教育課長 高校につきましては、初年度の入学者が三十七人でございます。それから、昨年の入学生が三十四人でございます。今年度は、一応、今のところ十五人を予定しているということでございます。
173 ◯堀之内委員 現在の在校生は、二年生は何人おりますか。(「少々時間をいただけませんか」という者あり)
174
◯持冨委員長 暫時休憩します。
午後一時三十六分休憩
────────────────
午後一時三十六分再開
175
◯持冨委員長 再開いたします。
176 ◯前田高校教育課長 二十七年度入学のことしの高校二年生は三十六人の在籍でございます。
177 ◯堀之内委員 入学時が三十七名いらっしゃって、そして、現在は三十六名ということでよろしいですか。
178 ◯前田高校教育課長 そのとおりでございます。
179 ◯堀之内委員 ということは、一人は転校をされたという認識でよろしいですか。
180 ◯前田高校教育課長 一名の転学ということでございます。
181 ◯堀之内委員 今、二年生が三十六名ということですね。
182 ◯前田高校教育課長 現在、高校二年生が三十六名ということでございます。
183 ◯堀之内委員 一年生は三十四名入学されて、一年たって、この数でよろしいんですか。
184 ◯前田高校教育課長 高校一年生につきましては、五名の転学がございまして、現在二十九名の在籍ということでございます。
185 ◯堀之内委員 五名転校されたわけですよね。その原因は何であるか調査されていますか。
186 ◯前田高校教育課長 高校生の一、二年生転学者につきましては、自己都合ということでの保護者の申し出がございます。それからあと、全寮制の学校でございますので、寮生活でなかなか不適応といいますか、寮生活がちょっと難しくて、それに不適応ということ、あるいは一名は進路変更ということで、普通科以外の学校への転学ということでございます。
187 ◯堀之内委員 三十四名の中で五名が転校されているわけですけれども、ここにいじめの原因があったんじゃないかと、そういう調査はされておられませんか。
188 ◯前田高校教育課長 全寮制の学校でございまして、中学校までの親元からの生活から離れまして、寮生活ということで、同じ年齢の子供たちが、それも男子のみが共同で生活をしている中で、いろいろとお互いの気持ちのずれ、あるいはちょっとした感情のもつれ等があって、そこにちょっとしたいさかいというものは、これまでも報告を受けているところではございますが、悪質ないじめによって転退学を余儀なくされたということにつきましては、この転退学をした生徒につきましては、そういう理由ではないというふうに報告を受けているところでございます。
189 ◯堀之内委員 私は、詳しく追及しようとは思っていないんですけど、やはり、全寮制であって、一遍に五人も一学年でやめていくというのは、何か原因があるわけですよ。ひた隠しにするんじゃなくて、ちゃんとオープンにしていって、原因はどこにあるのか、しっかりとこの部分を検証しなければ、楠隼の一貫教育というのは崩壊するよ。どうですか。
190 ◯前田高校教育課長 委員おっしゃるように、そのとおりだと思っております。
開校以来、地域の方々にも支えられて寮の経営も行われているところではございますが、思春期を迎えている子供たちの心の問題ということへの配慮というのは、学校挙げてこれまでも行ってきております。生徒指導上、いろいろと、全国から集まる生徒の中の価値観の違いその他いろいろとあるわけでございますけれども、何とか、転退学に結びつかないような形で、せっかく入学してくれた生徒に対して一生懸命指導を行ってまいりたいと、そういうふうに思っているところでございます。
191 ◯堀之内委員 私は以前、このことにつきましても質問をさせていただきましたけど、二階の寮室から飛びおりて、皆さん方はひびが入ったと言うけど、医学的には、ひびが入ったということは骨折なんですよ。そのことも、ほとんど口外していなかったじゃない。そのことの原因をしっかり追及しとれば、この五人の転校生は出なかったと僕は認識してるんだよね。そこのところはどうお考えですか。
192 ◯前田高校教育課長 委員御指摘の事件につきましては、この場でも、昨年、御説明申し上げたように、二階からおりたということで病院に運ばれていたわけですけれども、診断書等によりますと、ひびが入っているということではなくて捻挫ということではございました。ただ、このことにつきましても、もともとの原因が生徒同士のいざこざから来ているということが報告を受けておりましたので、そのときはカウンセラー、その他、学校の生徒指導体制の見直しというようなことも行いまして現在に至っているところでございます。
今後、生徒指導上でそういったような、寮の生活を送る上でいろんなトラブルが極力起きないようにしていこうというふうに考えているところでございます。
193 ◯堀之内委員 以前にもお話しさせていただきましたけど、やっぱり、ちゃんとその原因は何であったのか、そして、一つ一つ、今回のこの五人の転校生に対しての対応も、やっぱり学校挙げてやらなければ、僕は同じことがずっと続くと思うよ、ここは。みんなで検証しなきゃいけないのに、ふたをかぶせたばっかりじゃないの。そういうふうに受けとめられているよ、父兄からは。どうですか。
194 ◯前田高校教育課長 公立高校の転退学者につきましては、学校を特定して公表するということは通常はしていないわけでございます。ただ、学校からは、時点時点におきまして、そういう転退学につきましては報告を受けますが、そこの転退学に至るプロセスにおきましては、県教委のほうと学校と十分連携をとりまして、保護者への対応、あるいは生徒へのフォロー、そういったことをずっと繰り返してきた結果でございまして、申し出があってすぐ転退学ということではないというふうに理解しております。今後とも、こういうことが一件も出ないような形が理想ではございますので、学校と連携して、そういったものを防ぐ手だてを考えていきたいというふうに考えております。
195 ◯堀之内委員 じゃ、もうこのことは触れませんが、ことしは高校三年になられて、学力的に非常に高いレベルを求めた学校がこの楠隼中高の一貫教育であったと思うんだけれども、今の三年生の在校生の中で、学力的にはどんなレベルにあるのかちょっと教えていただけますか。
196 ◯前田高校教育課長 高校生の場合、対外模試、業者の模擬試験等を受けて学力を全国的な比較をするわけでございますけれども、詳しい偏差値等の数値はともかくといたしまして、高校に入学した二年前と現在の二年の終わる時点を比べますと、かなりの生徒が成績を伸ばしておりまして、そういう点では、塾あるいは県外の中学校等からの評価も、ある程度受けているところでございます。
二年生につきましては、また、三年に進級した後に、少人数でありますので、そういうところをまた利用しまして、進学指導に向けて、個別指導を含め指導してまいりたいというふうに思っておりますので、ある程度は期待できる結果につながるのではないかというふうに思っております。
197 ◯堀之内委員 かなり期待をさせていただいているんですけれども、学校内の格差も相当あると聞いているんですけど、その辺のところはどんなふうに捉えていらっしゃいますか。
198 ◯前田高校教育課長 入学した生徒は、合格して入学していただいているわけですので、責任を持って学力の向上ということは学校のほうで行われているところではございますが、入学時点から、総合的な学力という点では開きがある部分は確かにございます。伸びていく生徒は、それなりにフォローして、自分で一生懸命努力して伸ばしていけるとは思うんですけれども、それがなかなか伸びにつながらない生徒もおりますので、その生徒につきましては、寮での学習、あるいは学校での授業との連携におきまして、一人一人個別に対応して、一人でも多く、底上げといいますか、全体として成績を上げていけるような取り組みを行っていきたいというふうに考えております。
199 ◯堀之内委員 楠隼の中高一貫教育校に関しましては、私学からの大変な反対の中でつくられた高校であるという認識を持っておりますが、ことしの募集状況等も見ても非常に厳しい状況にある。教育委員会が今後真剣に取り組んでいかなければ、この高校のあり方そのものを問われる、教育委員会で一番ネックになるんじゃないかというような心配をいたしております。教育長の見解を、今後の楠隼一貫校についての取り組みについての決意をお話しいただければありがたいですが。
200 ◯古川教育長 楠隼中高一貫校についての今後の取り組みについての見解ということでございますが、御承知のように、楠隼中高一貫教育校につきましては、大隅地域の在り方検討委員会の結果を踏まえまして、こういう、全国にも類のない全寮制の、そして、全国から子供たちを募集するという、地域の将来を担う、あるいは日本、世界を担う子供たちを育てていこうという、非常に高い見地、高い指標を掲げて開校した学校でございます。その指標、その目標に向かって、その建学の精神が実現されるように、我々はこれからも努めていかないといけないと思っておりますが、ただ、先ほども申し上げておりますように、実績がまだなかなか出ない、開校二年目、四月から三年目を迎えますが、そういう状況の中で、なかなか募集のほうに結びついていかないというのは事実でございます。来年度が恐らく正念場でございまして、あと一年後、二年後に、その結果として、募集がどうなるかというのはまさに問われる状況かと思っております。それに向けて、私どもとしては、学校と一体となって取り組んでいきたいと思っておりますし、募集活動、これもさらに工夫を加えていきたいと思いますし、選抜の仕方についても、できるだけ多くの子供たちが楠隼を選択肢として選べるような選抜の方法ということについても工夫を凝らしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
201 ◯堀之内委員 ありがとうございました。
202
◯桃木野委員 当初予算等説明書の中で、昨日、
実習船運営費について、財産収入が七千九百万円、これは魚の売り払い収入ということでございました。全日制高等学校実習費三億三千三百万円ありまして、財産収入が三億八百万円ありますけど、これは農業高校及び水産高校の経費ということで、これも農業高校での売り払い費だと思うんですけど、実習費が財産収入で賄われているわけです。先ほど申し上げましたように、鹿屋農業高校に行ったら非常にそういう施設も古かったと。それなりに収入も上げているわけですから、予算面でも、学校の施設面での設備なんかも、億という収入を上げているわけですので、還元といいますか、何かそういった面も、予算面で配慮というのが、そこに幾分かはあってしかるべきじゃないのかなと思うんですね。ところが、現実には、どことはあえて言いませんけど、例えば県内の進学校で有名なところは、非常に建物が立派です。本当は収入があるこういうところは、逆に言うと、一番立派でないといかんと思うんですよね。ところが、実際は、多分逆じゃないのかなと、そういう気がするもんですから、やはり、こういう設備面でも、先ほど言いましたように、ビニールハウスがあっても、中が機能しない、外の機械が使い物にならんとか。こういう収入もあるわけですから、そういう配慮というのがあってしかるべきじゃないかと思うんですけど、そういうことも加味されて予算を組んでいらっしゃるのかどうか。
203
◯大山総務福利課長 農業高校の予算等についての御質問ですけれども、まず、原則を申し上げますと、農業高校の備品等の、あるいは施設等の整備につきましては、大きく総務福利課と学校施設課のほうで対応しております。総務福利課におきましては、通常のそういった教育活動に必要な備品関係の予算措置、その中で、特に、実習等に使う比較的少額な備品関係の予算、あるいは実習に必要な苗とか肥料とか飼料とか、そういったものを総務福利課のほうで予算措置をしております。
予算措置に当たりましては、財産収入と、それに足らない分は一般財源ということで、法律のほうにも規定はあるんですけれども、とにかく、実習等の生産物の売り払い収入によって得られた収入は全てこういった実習費に使うということも法律で定めてありますので、そこの部分については当然、計上してございます。ただ、やはり、いかんせん、実際の使用に至りましては、委員御指摘のように、通常のいろんな設備等の修理、更新等が精いっぱいでございまして、なかなか新しい設備等についての措置というのは難しいところではございます。
ただ、既定の予算の中で対応できないような新規の施設の購入なり、あるいは災害等で緊急に整備する必要がある備品、あるいは高額な備品等につきましては、その都度、学校からの要求を受けまして、財政当局のほうと協議をしながら、予算の範囲の中で予算措置できるように努力はしているところでございます。
204
◯桃木野委員 それからもう一点、鹿屋工業高校にも行ったんですが、機械科のところで、五十年ぐらいの機械がございまして、五十年とか四十年とか三十年とかの機械があるわけですね。先生がおっしゃるには、機械が違うもんですから、例えば、機械が同じだったら、一斉に教えて、じゃ、みんなどうぞとできるわけですけど、機械が違うから、操作方法が違うからできないということなんですね。いろいろ予算の制約もあって、予算獲得も難しいと思いますけど、そういったことも、また今後しっかりと、少子化の時代ですから努めていただきたいと思います。
それで、二点目は、県政調査会の中で農政部にもちょっとお願いしたんですけど、農政部との連携とか、今回、農業教育新興会でしたか、立ち上がりましたですね。我々も会派で全部入ったんですけど、この前、意見交換会みたいなのもあったわけですが、農政部とのこういう農業高校、あるいは水産高校については、商工労働水産部の課がございますね。ああいったところとの意見交換とか、そういった連携というのはどんなふうになっているんでしょうか。
205
◯大山総務福利課長 まず、総務福利課のほうから、知事部局との連携ということで、先ほども申し上げましたけれども、本年度も、保健福祉部なり、県民生活局、そういった教育委員会、教育委員さんと各課の課長と知事部局の、例えば保健福祉部の部長さんと各課長さんと、意見交換の場というのを本年度から設けております。ですから、農政部につきましては、今後、そういった場を設けるような形で検討は進めていきたいと思っております。
あと、具体はまた、高校教育課のほうから。
206 ◯前田高校教育課長 教育委員会と、知事部局との連携ということで申し上げますと、農業系の場合、農業高校全校と、農政部の農政普及課との連携会議というのが年一回、これは六月に実施をしているところでございます。それから、地域振興局の農政普及課との連携ということで、農業大学校に推薦を受ける生徒たちへの指導ということもしていただいているところでございます。それから、同じ地域振興局単位でございますけれども、農業にかかわるインターンシップの受け入れ、そういったところでの連携を行っているところでありますし、その他、農業にかかわる知事部局との連携ということで、県教委、それから学校、そういったところで常に連携をとりながら、相談をし、また支援をして協力をしているところでございます。
207 ◯桃木野委員 それはしっかりと連携してやっていただきたいと思います。
三番目に、枕崎の鹿児島水産高校について、女子生徒が、霧島のほうから中央駅までお母さんか誰かが送ってこられて、あと、バスでしたか、来ているというようなことでしたけど、多分、寮が入れないわけですよね。例えば、鹿屋農業高校も、たしか、寮があったかなと思うんですけど、水産高校も、寮は我々で見に行きました。たしか、あそこ、男子だけだったかなと思うんですけど、今、後継者ということで、まさに女性も農業高校とか水産高校にはいらっしゃるわけですから、楠隼高校についても、我々は女性をということで、検討するという答弁をいただいているわけですが、そういう女性の寮に入れる状況というのは、今もやっぱり、全般的には入れる状況にはないわけですか。
208 ◯前田高校教育課長 農業高校におきましては、いわゆる自営者育成ということで、市来農芸高校、それから鹿屋農業高校には寮がございます。そこには女子の生徒ももちろん入っているところでございます。
209 ◯桃木野委員 ほかのところは、例えば、女性が入れるように改善というか、そういう方向性はあるんですか、ないんですか。あるいはそういう要望があるのかどうか。
210 ◯前田高校教育課長 県立高校の寮につきましては、男女問わず受け入れると。希望者があれば極力受け入れるということでおります。ただ、希望がない場合、実質的に男子だけになっているというところはあるかと思いますけれども。ほかのところでは、結果的に女子がいないということでございますので、女子が最初から入れないというふうにはなっていないところでございます。
211
◯桃木野委員 同僚議員が、枕崎の鹿児島水産高校については、遠方から来ているということで、本会議でも質問があったかなと思うんです。多分、入りたいけれども、入れないような状況だったかなと思うんですが。わかりました。それはまた、そういう希望があった場合には、入れるような方向で、また今後、改善とか、御検討いただければと思います。
212 ◯前田高校教育課長 農業高校、水産高校に限らず、希望には極力応えるようにはしておりますが、その年になってみないと、新入生の希望状況がなかなかわからないというのもございますので、ある程度の数ができたところで対応するということは、そういう方向性はあるというふうに考えております。
213 ◯田畑委員 もうちょっと水産高校を言っていただけるかと思って期待していたんですけど、ちょっといいですか。
実習船の青雲丸があると思うんですけど、きのうもお話に出ていましたけれども、あれ、結構年数が、恐らくたっていると思われるんですけど、何年ぐらいたっているのか。それで、更新は考えているのか考えていないのか、その辺をお聞かせいただければ。
214 ◯前田高校教育課長 鹿児島水産高校の薩摩青雲丸実習船につきましては、平成十三年に起工いたしまして、平成十四年に竣工ということで、現在のところ、大体二十年程度は耐用年数というふうに考えているところでございますので、もうすぐその耐用年数が来ますので、現在、国のほうとも連携をしながら、全国の実習船を持っている学校との協議の場で、新しく建造する意思表明に向けて調整をしているということでございます。
215 ◯田畑委員 今、耐用年数が二十年ということで、もう少ししたら耐用年数来ますよということですので、設計とか、そういったのにも結構時間がかかったりとか、予算の関係とかもあると思うんですよ。だから、早い段階で国にも要望していかないといけないのかなというふうに思いますので、その辺もぜひ検討していただけたらというふうに思います。これは要望でいいです。
あと一点、きのうの議案の中で、職員の健康診断及び教職員の福利厚生事業が出ていたと思うんですけれども、教員の方々の健康診断というのはどのようになっているのか、ちょっとその辺を。
216 ◯鹿倉保健体育課長 学校の教職員の健康診断ということでよろしいでしょうか。
基本、保健体育課の主管でございますけれども、それぞれ、学校のほうで、通常の職場健診をする場合と、それから、人間ドックを希望される職員については人間ドック、職場健診と人間ドックと二種類ございます。
217 ◯田畑委員 この健康診断は義務づけられているというか、希望者だけなのか。希望者だけだったらずっと受けない人も出てくるのかなという気もするんですよね。教職員の体調不良とかで今、休まれている方、休職されている方というのが、どのぐらいいるのかわかりますか。
218 ◯寺園教職員課長 病気休職をとっている人が、今、百二十五名、本年度はおります。これは、教職員全体の割合でいえば〇・七四%になります。
219 ◯鹿倉保健体育課長 健康診断は法定でございます。法に定められて、それに基づいて実施をするということで、学校においては、管理職のほうから、未受診の職員については受診するように勧告はするようにしておりますので。
220 ◯田畑委員 法で定められているので、受けない方はいないという理解でよろしいんですね。
221 ◯鹿倉保健体育課長 はい、基本的に、休職とか、そういったのは別にしてですね。
222
◯桃木野委員 今の百二十五名、病気でということですけど、内訳を、例えば、精神疾患的な方が何名とか、あと、療休とか、休職とか、成人病とかあろうかと思いますけど、それを教えてください。
223 ◯寺園教職員課長 病名で細かく分けてはおりませんけれども、精神疾患の分については、百二十五名中の七十五名が精神疾患の病気休職者でございます。
224
◯桃木野委員 それからもう一点、先生方の採用試験というのは非常に難しいと思うんですけど、そういう中で、合格されなかった方が、臨的というんですかね、非常勤みたいな格好で行かれますね。あの方たちももちろん試験を受けられると思うんですけど、私の知っている人は、何年か行っていらっしゃるわけですね。本当に、真面目に部活の指導もされたり、個人的には一生懸命されているのになと思うんですけれども、その方たちは、試験を受ける際に、何か優遇といったらあれですけど、何年かされていて、いろんなことをされているわけですけど、その辺の配慮というのは、前もたしか、そういう要望というのがいろいろあったと思うんですが、その辺はどんなふうになっているんでしょうか。
225 ◯寺園教職員課長 結論から申せば、何年間期限つきをしたら何点加点をするとかいう、そういう優遇の措置はございません。例えば、本年度のパーセンテージでいえば、期限つきを経験された方の合格の割合が六二・六%、大学を出たばっかりの方、大卒の方が二八・四%で、私どもの採用計画を立てる中で、当然、経験を積んだ方も必要ですし、また、新しい、年齢の若い方も必要になります。特に、今、年齢構成としては四十代、五十代が教員は多いので、若い方々をとるというようなこと、総合的に判断をして、今は現状で特別な措置をする状況にはないと考えております。
226
◯桃木野委員 今の大学を出て二八・四%ということは、約四人受けたときに、大学を出られた方は一人ぐらいしか合格していないというふうに考えてよろしいわけですね。
227 ◯寺園教職員課長 はい、そのとおりでございます。
228
◯桃木野委員 教科もあろうかと思うんですけど、平均の倍率といいますかね、小学校、中学校、特に中学校、高校なんかでいいんですけど、倍率の高いところをちょっと参考までに教えていただきたいと思います。(「ちょっとお時間をいただいていいですか」という者あり)
229
◯持冨委員長 暫時休憩します。
午後二時八分休憩
────────────────
午後二時八分再開
230
◯持冨委員長 再開します。
231 ◯寺園教職員課長 今回、最も高いのが高校数学、倍率でいえば三十四倍、その次で高校理科、こちらが三十倍、あと、商業が一人の募集でしたので五十倍となっております。それから中学校社会二十九・三倍ということになっております。
232
◯桃木野委員 小学校は全体で、科目はないと思うんですけど、小学校と、あとついでに中学校まで教えていただいてよろしいですか。
233 ◯寺園教職員課長 小学校の倍率は八・八倍です。中学校は、教科別でなくて総合にした場合が十・五倍になります。教科別がよろしいですか。
234
◯桃木野委員 わかりました。病気の方もいらっしゃるということで、今、国のほうでも働き方改革というのがあります。教育委員会において、学校現場とか、教育委員会としてどのような取り組みというのをされておりますか。
235 ◯寺園教職員課長 教育委員会としては、本会議でも教育長が答弁いたしましたけれども、学校の業務改善推進委員会というものを教育委員会内に設置しておりまして、こちらのほうで、国のほうから出されているいろんなガイドラインであったり、先般は、文部科学大臣が、来年は部活動の調査をしてガイドラインを出すとかいうことなど、そういう情報なども収集しながら、学校の業務改善に、具体的な手だてとして検討を進めて、来年度、それらを進めていこうと思っているところです。
先般の教育長のもので申しますれば、負担軽減に関する調査の結果を報告をする、それから、学校に対する要望、意見等へのマニュアル、これを先生方の支援としてつくって配布をする。それから、定時退校日を呼びかけて、業務の簡素化、それから効率化に取り組むというようなことを今現在、検討しているところです。
236
◯桃木野委員 わかりました。
先生方も非常にお忙しいということでマスコミ等でもいろいろ取り上げられております。そしてまた、今、こうして病気の方もたくさんいらっしゃるということで、また今後も、その改善に向けて御努力をいただきたいという要望をしまして終わります。
237
◯持冨委員長 ほかに質問はありませんか。
[「なし」という者あり]
238
◯持冨委員長 ほかに質問がありませんので、これで、県政一般に関する質問を終了いたします。
以上で、当委員会に付託されました議案などの審査は全て終了いたしました。
委員長報告につきましては、特定調査事項を含め、文案は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
239
◯持冨委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。
次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条に基づく閉会中の委員会活動についてお諮りをいたします。
請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件については、警察行政について及び教育振興対策についての二項目としたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
240
◯持冨委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。
それでは、このメンバーによる
文教警察委員会は最後になりますので、当席及び副委員長から一言御挨拶を申し上げます。
最後に、一言御挨拶を申し上げます。
東村福利厚生監におかれましては、この三月で御退職とお聞きをいたしました。長い間、県庁職員として県民のために尽くしてこられたことに敬意を表したいと思います。今後とも、健康に留意されて、充実した人生を歩まれることを願っております。本当に御苦労さまでございました。(拍手)
この一年間、委員の皆様、また、古川教育長初め執行部の皆様方には、委員会の運営に御協力をいただきましたことに心から御礼を申し上げます。
行政視察も実施させていただき、伊佐農林高校では、卒業生から贈られたピザ釜を使って、高校生が地域活性化に取り組んでいる姿に感銘を受けました。県外視察では、堀川高校の生徒の自主性を引き出すアクティブ・ラーニングの授業に取り組んでいる様子等を視察いたしました。県内、県外の教育の現場を視察し、充実した議論ができました。委員会では、学力向上の問題、児童生徒の体力向上を初め、いじめの問題や国体に向けた競技力向上などなど、多方面からの活発な意見交換をすることができました。
教育の問題は、県民の関心も高く、身近な問題ばかりで、本委員会は、児童生徒の教育だけでなく、社会教育、生涯学習に至るまで、本当に大きな役割、重要な役割を担っていると思っております。一層の尽力をお願いしておきます。
最後になりますが、鹿児島の未来のために、児童生徒の教育に携わる教育委員会の皆様方の御健勝と御活躍を御祈念申し上げまして御挨拶とさせていただきます。
一年間、お世話になりました。ありがとうございました。(拍手)
それでは、田畑副委員長、お願いいたします。
241 ◯田畑副委員長 皆さん、最後の委員会ということで、本日でやっと一年間が終わりました。私も初めての体験で、副委員長という立場で委員長を補佐できたのかなと反省するところでございます。また、委員の皆様方にも御理解と御協力をいただきまして無事に終えることができました。僕は今回でほかの委員会に行きますけれども、卒業できなかった方もいらっしゃるようですので、また一年間、先輩方、残る方もいらっしゃるようでございます。そして、教育長初め、職員の皆様方とも、行政視察等さまざまな島にも行かれたり、県内を行きました。そしてまた、いろいろな特色ある学校を見させていただきまして、自分自身にも大変実のある委員会だったなと思うところでございます。
また、先ほども陳情・請願等も出ておりましたけれども、特に離島の教育支援などの問題というのがこれから大変なのかなという気がいたしますけれども、先ほど、教育長が答弁の中でも、できることから着々と進めていくというような感じでございましたので、それぞれの課題がたくさんあるということは私たちも十分承知しておりますので、しっかりと課題を解決しながら前に進んでいただければというふうに思います。
また、体育館関係も、委員の皆さんからも出ておりましたけれども、教育関係からも、やはり検討委員会のほうにも、ぜひこのような施設が必要だと、このようなところは工夫しなければならないと、いろいろな要望等も言っていただいて、しっかりと県民の皆さんの利用されるような施設という、体育館というものを目指していただきたいというふうに思います。
そしてまた、先ほども委員長のほうからありました、東村福利厚生監さんには大変御苦労さまでした。私の郷土であるようでございます。また、皆さん、大きな拍手をお願いします。(拍手)
そしてまた、ほかにも定年を迎える方々たくさんいると思いますけれども、本当に長きにわたっての業務をお疲れさまでしたと贈って、私の一年間の御挨拶といたします。ありがとうございました。(拍手)
242
◯持冨委員長 最後になりましたけれども、執行部を代表して、古川教育長に御挨拶をお願いいたします。
243 ◯古川教育長 それでは、執行部を代表いたしまして、一言お礼の御挨拶を申し上げさせていただいます。
持冨委員長、田畑副委員長初め、委員の皆様方には、この一年間、本県の教育行政の推進のために、活発な御論議、御視察をいただくとともに、的確な御指導、御助言をたくさんいただきました。心から御礼を申し上げます。
また、先ほどは、退職者に対し、委員長並びに副委員長から、温かいねぎらいのお言葉も賜りました。重ねて御礼を申し上げる次第でございます。
本委員会におきましては、三月補正予算を初めといたしまして、各条例改正の議案につきまして御審議をいただき、お認めをいただきましたことに対しましても心から御礼を申し上げます。
各定例会におきましても、児童生徒の学力向上、生徒指導、
特別支援教育、高校の活性化、国民体育大会に向けた競技力向上、本県独自の奨学金制度、そして新たな総合体育館の整備など、非常に多岐にわたる御論議をいただいたところでございます。
来年度は、新たに、かごしま青年塾でありますとか、西郷隆盛の足跡を学び、異年齢による体験活動など、平成三十年の明治維新百五十周年に向けた取り組みや離島の生徒に対する大会参加助成など行うことにいたしておりますが、これらの施策の着実な推進に努めますとともに、今年度の当委員会の御論議も踏まえまして、学校、家庭、地域等と連携をいたしまして、子供一人一人に質の高い教育を提供できますように、引き続き、県教委全体として一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
最後になりましたが、委員の皆様の今後ますますの御健勝、御活躍を祈念申し上げまして、お礼の御挨拶とさせていただきます。
本当にありがとうございました。(拍手)
244
◯持冨委員長 ありがとうございました。
これをもちまして、
文教警察委員会を閉会いたします。
御苦労さまでございました。
午後二時十九分閉会
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