令和 4年 第1回定例会(3月) 令和4年第1回
大分県議会定例会会議録(第5号)令和4年3月4日(金曜日
) -------------------------------議事日程第5号 令和4年3月4日 午前10時開議第1
代表質問 -------------------------------本日の会議に付した案件日程第1
代表質問 -------------------------------出席議員 43名 議長
御手洗吉生 副議長 三浦正臣 志村 学 井上伸史 吉竹 悟 清田哲也 今吉次郎 阿部長夫 太田正美
後藤慎太郎 衛藤博昭 森 誠一 大友栄二 井上明夫 鴛海 豊 木付親次
古手川正治 嶋 幸一 元吉俊博 阿部英仁 成迫健児 浦野英樹 高橋 肇 木田 昇 羽野武男
二ノ宮健治 守永信幸 藤田正道 原田孝司 小嶋秀行 馬場 林 尾島保彦 玉田輝義 平岩純子 吉村哲彦 戸高賢史 河野成司 猿渡久子 堤 栄三 荒金信生 麻生栄作 末宗秀雄
小川克己欠席議員 なし
-------------------------------出席した
県側関係者 知事 広瀬勝貞 副知事 尾野賢治 副知事 黒田秀郎 教育長
岡本天津男 代表監査委員 長谷尾雅通 総務部長 和田雅晴
企画振興部長 大塚 浩 企業局長 浦辺裕二 病院局長 井上敏郎
警察本部長 松田哲也
福祉保健部長 山田雅文
生活環境部審議監 御沓稔弘
商工観光労働部長 高濱 航
農林水産部長 佐藤 章
土木建築部長 島津惠造
会計管理者兼
会計管理局長 森山成夫 防災局長 梶原文男 観光局長 秋月久美
人事委員会事務局長 法華津敏郎 労働委員会事務局長 稲垣
守 ------------------------------- 午前10時 開議
○
御手洗吉生議長 おはようございます。これより本日の会議を開きます。
-------------------------------
○
御手洗吉生議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第5号により行います。
-------------------------------
△日程第1
代表質問
○
御手洗吉生議長 日程第1、これより
代表質問に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。
守永信幸君。 〔
守永議員登壇〕(拍手)
◆
守永信幸議員 皆さんおはようございます。27番、
県民クラブの
守永信幸です。
県民クラブを代表しての質問の場を与えていただいた同僚議員の皆様に感謝します。 質問に入る前に、昨日も三浦議員からロシアの
ウクライナ侵攻について触れられていましたが、昨日行われた停戦交渉も合意には至らず、3回目の交渉が設定されているようです。一国のトップが戦争にかじを切ったときに、常に戦火に追われ、痛ましい思いをするのは、現地に暮らす住民であり、何も分からないまま最前線に送られる兵士たちです。かつての日本がたどった道を、今、ロシアが繰り返したどろうとしているように思えてなりません。いち早く停戦合意が取り交わされるように働きかけを求め、
子どもたちや一般市民が戦火に追われる状態を一刻も早く止めなければなりません。 また、日本国民は、さきの大戦の惨禍を繰り返してはならないとの思いを共有し、戦争放棄を憲法でうたっています。
集団的自衛権をも否定してきた平和主義は、国連憲章を超越した理念でした。世界規模の平和を創造するために、これからどのようにあるべきかを国連で議論されることに期待します。 それでは、
代表質問に入ります。知事もぜひ答弁をよろしくお願いします。 最初は、
ポストコロナを見据えた取組について、3点ほど質問します。 本県の人口は、1985年を境に減少を続けています。また、昨年11月末に公表された2020年国勢調査の確報値によると、2015年から2020年の5年間で、4万2千人余りの人口が減少しています。これまで県内で
唯一増加傾向にあった県都大分市の人口も減少に転じ、本県では、全市町村の人口が減少する事態となっています。
国立社会保障・
人口問題研究所が公表した2018年推計では、2015年から2020年にかけて、県全体では3万5千人余りの人口が減少するものの、大分市の人口は1千人余り増加し、そこから減少に転じる見込みが示されていました。しかしながら、2020年の国勢調査の結果では、本県の
人口減少はさらに進み、また、大分市の人口も推計より早く減少し始めたことになります。 県では、第2期まち・ひと・し
ごと創生大分県総合戦略を策定する前提となる大分県
人口ビジョンを2020年3月に改訂しました。同ビジョンでは、当面、
人口減少が続くことは避けられませんが、これまでの政策に新しい政策を重ねていくことにより、
人口減少に歯止めをかけるだけでなく、さらなる発展を図っていきますと記述されています。 同ビジョンの想定よりも早く県全体の
人口減少幅が大きくなっていることを踏まえると、
人口減少に歯止めをかける取組をより強力に推進していく必要があると考えます。 2022年度は、県知事も私
たち県議会議員も今任期最後の1年となります。将来に向けた大分県の発展のために、いかに
地方創生に取り組むべきか、この1年、真剣に議論しなければなりません。
人口減少が想定よりも早く進む本県において、
広瀬知事は、
地方創生にどのように取り組む考えか伺います。
人口減少と高齢化の状況に改善が見られない中で、
大分空港に関して、今後の本県の発展に大きな影響を及ぼすと思われる二つの大きなプロジェクトが進められています。一つは、
ホーバークラフトの再就航、もう一つは、
大分空港の
宇宙港計画です。そのうち、私からは、
ホーバークラフトの再就航について質問します。 2018年に
大分空港利用者数が16年ぶりに200万人を突破し、LCCの
シェア拡大やインバウンドの増により、
利用者数は今後もさらに増加することが見込まれました。空港や航空路線は地域の発展にとって重要な交通基盤であり、
航空需要増を確実に取り込むことで、
地方創生を加速化させることが重要です。そこで最大の課題とされたのが、他の空港よりも著しく時間がかかる
大分空港のアクセスの改善でした。
大分空港の
アクセス改善については、高速の船舶を活用した
海上アクセスが最も有効かつ効果的であるとの判断により、
ホーバークラフトの運航再開が決定されました。しかし、
コロナ禍により人の流れが抑制され、海外からの観光客はこの2年間ほとんどない状態ですし、
国内観光客も激減しています。さらに、会議をWebで行うなど労働環境も大きく変化しています。
コロナ禍での環境変化を改めて考慮した上で、
空港利用者数の試算をやり直すなどの必要があるのではないかと思います。 この
ホーバークラフト再就航の計画は、
大分空港の利用者が増加することを大前提にしています。この前提を見誤ると
ホーバークラフトの運営に影響を与えるだけでなく、
大分空港への陸路のアクセスを担うバス会社の経営にも影響が及びます。 県は、
ホーバークラフトで輸送する人員は、今後増大する利用者を輸送するものと説明しており、従来の空港バスなどの利用者がホーバーの就航によって奪われるものではないと考えていると私は理解しています。さきほども申したように、
空港利用者の今後の動向について試算をやり直し、どのようにしたらホーバーとバスの経営が安定するのかを具体的に検討し、
大分空港の新たな利用の在り方について計画を練り、必要な施策を上乗せしていくべきと考えますが、見解を伺います。 三つ目は、
地域コミュニティの活性化についてです。 昨年12月4日付けの
大分合同新聞に、杵築市大田地区で、地域で唯一の
ガソリンスタンドを存続させるために、
住民自治協議会大田ふるさとづくり協議会が中心となって
合同会社おおた夢楽を立ち上げるという記事が掲載されていました。このおおた夢楽は、平仮名のおおた、そして、漢字で夢、楽と書いて「むら」と読ませています。夢、楽から「く」を取って「むら」と読ませるのは、よいネーミングだなと感じました。 高齢者への
暖房用灯油の配達や給油といった生活に欠かせないサービスの維持を図るために、今回立ち上げた
合同会社が、閉店する予定だった
ガソリンスタンドの経営を引き継ぐということなのです。引き継ぐにあたって
地下貯蔵タンクの更新が必要で、そのための改修工事に500万円ほどの資金が必要とのことでした。資金を用意するために杵築市と連携して、ガバメント・クラウドファンディングを立ち上げ、400万円を目標として寄附金を募ったとのことです。
新聞報道等の効果もあって目標額400万円は早々に達成できたとのことで、
ガソリンスタンドの前経営者から
合同会社おおた夢楽に経営を引き継いで、2月1日にオープンしました。今後、
貯蔵タンクの改修をして更新手続をした上で、向こう10年間は経営を続けていく予定だそうです。 この事例は、大分県下の周辺地域で生活する上で必要なインフラが消え去ろうとしている現状に対し、地域に残る有志でインフラを支える決意をし、新たな一歩を踏み出した一例です。
人口減少、高齢化が進む地域の生活を支えるインフラをどのように維持していくのか、今後の大分県の発展に向けての大きな課題だと思っています。 そのためには、地域の
コミュニティが結束し、地域の課題解決のための自助が大切ですが、そのためにはその地域を残していこうとする活動を公が支援することが必要です。こうした
人口減少、高齢化の著しい地域の生活をいかに維持していくかが、その地域の
人口減少に歯止めをかけ、さらには増加させ、ひいては県勢の発展、県民の幸せの実現へとつなげていくために重要であると考えます。
地域コミュニティの活動をどのように支援していく考えか伺います。 次に、大分県と大分市との連携の在り方について伺います。 昨年末、
広瀬知事と
佐藤大分市長が
政策協議を行い、今年4月から
県中央児童相談所の分室を
大分市庁舎城崎分館に設けることに合意したとの報道がなされました。分室は、
県中央児童相談所が対応する虐待事案のうち、半数相当を占める大分市の案件を担当するとのことで、城崎分館内にある大分市
中央子ども家庭支援センターとの連携を深め、大分市内の
児童虐待防止体制を強化するものです。現在、
県中央児童相談所では、大分市から7人の
ケースワーカー等が派遣され、
県中央児童相談所で働いているとのことですが、分室には、さらに職員が追加派遣される可能性があり、20人以上の体制となることを想定しているとのことです。これまで以上に確実な
児童虐待防止につながることが期待されます。
広瀬知事も、県の
児童相談所については、機能の充実を図って職員数を増やしていただいていますが、職場を訪問してみると、所狭しと机が並び、所長席にまで机が迫るような状況になっていました。勤務環境としては、決してよいとは言えない状況です。そういう状況にいながら、職員は、極めて慎重に対応しなければならない案件に当たっています。このような環境の改善にもつながるのではないかと期待しています。
政策協議の場では、産業用地の確保に関する連携についても話し合われたと伺いました。企業誘致を進める上では、誘致企業に提案できる産業用地の確保が喫緊の課題であると、改めて確認されたとのことです。
人口減少に歯止めをかけるためには、若者の雇用の場を確保することが重要ですから、そのためにも適地の確保や整備について、これまでの県のノウハウを生かすべきだと考えます。 今回の協議の場には上がってはいないようですが、例えば、大分市では、市内豊海にある
公設地方卸売市場の整備についても検討しているようです。この
公設地方卸売市場は大分市の運営する市場ですが、2020年の取扱実績では青果を年間5万8,804トン、約150億円、水産物では年間8,394トン、約70億円の取引がある市場です。大分県下各地からも農水産物が出荷されています。県下の産地と市場とを結ぶ上で、近隣の
青果物生産地域の農家や
農業者団体、市町村の意見を市場の整備に反映させることも必要だろうと考えます。各市町村と大分市との意見調整にも県に調整役を担っていただきたいと考える次第です。 これらの事例以外にも、大分県と大分市が連携を密にして取り組むことで、県政、市政の発展へとつなげていくべき課題は山積していると考えます。今後、県と大分市との連携をこれまで以上に強め、県として指導力を発揮していくことが重要と思いますが、知事はどのようにお考えか伺います。 次に、県職員の確保と
職場環境の充実について質問します。 2022年度当初予算は、
新型コロナウイルス感染拡大防止対策関連予算として16事業247億2,600万円を計上するほか、
ポストコロナおおいた挑戦枠とする
予算特別枠で109事業23億5,100万円、社会経済再
活性化対策として71事業62億200万円を計上し、
感染拡大防止対策とあわせて、
コロナ禍が収束したらすぐに地域経済の立て直しに取りかかる予算編成としています。当初予算総額で7,178億4,100万円、対前年度比2.2%増となっています。 ここで気掛かりなのが歳入です。
コロナ禍によって県下の各企業は厳しい経営を強いられています。特に
飲食関係企業は営業時間やお酒の提供について制限を受け、食材提供をはじめとする資材提供をする関連企業も業績が伸び悩んでいるようです。また、人流の抑制もあり、
旅行関連企業等も辛抱しなければならない状態で3年目を迎えています。
雇用調整助成金や
休業支援制度により、一定の支援は受けられましたが、体力的には限界に来ている企業も多数あると思われます。 このような中、来年度予算の歳入では県税が対前年比で13.6%上昇する見通しとされています。企業業績の回復による法人2税と
地方消費税の伸びを見ているとのことです。 一方で、国・地方の
長期債務残高が2021年度末、約1,200兆円に膨らむ見通しになったと、財務省が発表しました。高齢化に伴う
社会保障費の増加が続く中、
新型コロナウイルス対策の歳出増が拍車をかけたものです。国が後年度に交付税で措置することになっている
臨時財政対策債について、本当に国が責任を持って負担してくれるのか不安に思わざるを得ないような状況です。県から示された
県債残高の推移を見ても、2018年度まで徐々にではあるものの
県債残高は減少してきていましたが、2019年度から2021年度まで増加する見込みとなっています。増加の特徴としては
臨時財政対策債の増加によって全体が増加していることです。 かつて、三位一体の改革により、地方の歳出の徹底的な見直しがなされ、
地方財政計画の歳出が抑制されたことに伴い、
地方交付税の増額が抑制されたことがありました。このとき、県は
行財政改革を進めるにあたって、
行財政改革に伴う痛みを県民と県職員とが共有するとして、一般職の給料を2004年7月から2007年3月まで2年9か月にわたって、2%カットしました。その後、様々な
行財政改革が進められ、県の職員数は当時、行政職員や教職員などを合わせて1万9千人であったのが、現在は1万7千人ほどに削減されています。 人件費の削減は、
合理化手法としては取り組みやすい手法、緊急的な対応として当時はやむを得なかったとは思います。しかしながら、定数削減の一方で、業務の高度化、多様化、困難性の増大などにより、職場は多忙を極めています。
地方創生のための
政策立案機能の強化、実践のためには、人件費の削減を繰り返してはならないと考えます。新たな人材の雇用にあたっても優秀な人材の確保が困難となることも心配されます。 県庁は貴重な
UIJターン者の受皿でもあります。人件費や
福利厚生面がしっかり確保されておくことが若者の就業につながる重要なポイントです。
ブラック企業のような県庁であっては大分に帰りたいという意識が薄らいでいくと思います。 さらに、給与面は当然のこととして、職務へのモチベーションをどのように維持していくかも課題ではないでしょうか。職務に専念し、充実した
県職員生活を送ることができるよう、休暇の取りやすい
職場環境の整備や相談しやすい
環境づくりを図ることは若い職員の
早期離職防止、メンタルケアにもつながります。人件費の在り方も含め、優秀な職員の確保と
職場環境の充実を図っていただきたいと思いますが、知事の見解を伺います。 同様のことは、学校教育の現場にも当てはまります。現に学校職場では定数を満たしていない実態があるようです。 優秀な教職員の確保と
職場環境の充実を図ることについては、教育長の見解を伺います。 次に、日出生台における
米軍実弾射撃訓練等への対応について質問します。
日出生台米軍実弾射撃訓練は、2020年2月以降、2年間実施されていませんが、前回、2020年2月の
日出生台演習場での
米軍移転訓練では、
九州防衛局と地元とで結んだ協定で冬季の
夜間訓練は、米軍も20時までとされていたにもかかわらず、20時を超えての
実弾射撃訓練が行われました。その際には、
広瀬知事も防衛大臣に強く抗議していただいたことで、国と米軍の姿勢に憤りを感じていた多くの県民の皆さんも、知事の姿勢に感謝したものと受け止めています。このことは、
地方自治をないがしろにする米軍のスタンスの問題であるとして、国会でも
吉川衆議院議員が取り上げ、総務大臣から防衛省に
地方公共団体及び住民の方々への丁寧な対応が促されました。 しかしながら、米軍の日本国内での行動は依然として課題が多く、沖縄をはじめとする日本各地の
米軍基地において
新型コロナウイルスの
オミクロン株の感染拡大が問題視されています。
米軍関係者は
日米地位協定に基づき、日本側の検疫の対象とはなっていませんが、政府と
在日米軍との申合せで日本の水際対策に近い整合的な措置を取ることを確認していたのです。しかし、実態としては、
アメリカ側は日本への入国後5日目以降に
PCR検査を実施するのみで、
アメリカ出国前や日本入国直後の検査は行っておらず、行動制限の期間中でも基地内では自由に行動し、基地で働く
日本人従業員とも接触できる状態であったことが新聞で報じられました。このような事態を知った
林芳正外務大臣が12月22日に強い遺憾の意を伝え改善を要請し、12月26日から
在日米軍関係者全員について、
アメリカ出発72時間前の検査を開始することとなりました。また、12月30日からは日本入国後24時間以内の検査も行うようになったのですが、
在日米軍が実施している抗原検査は
抗原定性検査であり、日本が空港で行っている
抗原定量検査よりも
ウイルスの検査精度の劣る方法であることが判明するなどのそごが頻発しているようです。 これは、
地方自治以前に日本の主権が保全されていないということなのかもしれません。この問題に関しては、私は、日本の主権に対する姿勢とあわせて
日米地位協定の在り方について主権者である国民として議論しなければならないのではないかと考えました。 今年の5月15日で、沖縄が日本に返還されて50年となります。半世紀が経過してもなお、沖縄では
米軍基地の脅威にさらされる状況が続いています。
日米地位協定を背景に、様々なトラブルも発生しています。地位協定以前に、米国の日本に対する姿勢には、両国が同じ立場にあるのか疑問に感じざるを得ません。終戦直後から変わっていないと感じるばかりです。 そして、この問題が、米軍の軍事行動や軍事訓練に関わりを持つ自治体に多大な影響を与えています。沖縄県道104号線越え
実弾射撃訓練分散実施については、2022年度は第1四半期の4月から6月に
日出生台演習場で実施されることが2月17日付けで発表されました。これまでにない日程ですが、前回の日出生台での訓練では、
夜間訓練の問題以外に機関銃などの小火器を使用した訓練を、155ミリ
りゅう弾砲の
実弾射撃訓練とは別にカウントするなど異例なことがされています。今回はゴールデンウイークとも重なることが懸念されるだけに、訓練計画の詳細について事前に情報提供させる必要があると感じます。 知事は、県民の安全を維持し、
演習場周辺住民に安心して暮らしていただくために、どのように対処されるのか伺います。 次に、本県が目標として掲げる三つの日本一の一つ、
健康寿命日本一についてお尋ねします。 昨年12月20日に
厚生労働省から発表された
都道府県別令和元年時点の
健康寿命の最新値によれば、本県の男性の
健康寿命は73.72歳で2016年の前回調査から2.18年延伸して全国1位となり、女性も前回調査から1.22年延伸して76.60歳と全国順位は過去最高の4位となりました。 特に男性の
健康寿命は、2010年から2016年の間、全国順位は中位から低位で推移しており、前回、2016年調査の時点では、2013年調査の16位から36位へと大きく順位を下げていたことから、今回の全国1位は正に大躍進と言っても過言ではなく、その成果は
全国ニュースでも大きく取り上げられました。 本県は、県民の
健康寿命を2024年までに2歳以上延伸するといった高い目標を2015年に掲げ、官民挙げて
健康寿命日本一に向けた取組を進めてきましたが、目標年よりも早期に日本一を達成することができるとは、誰も予想できなかったと思います。正になせば成るとの言葉を改めて実感しています。 これまでの取組に御尽力いただいた関係者の皆様の御努力に思いを馳せながら、県民の皆様と共に、今回の成果に対する喜びを分かち合いたいと思います。 また、今回の順位が36位から1位へと大躍進したことで、全国的な注目を集めたことから、本県の
健康寿命延伸に関する取組などについて、現在、全国の自治体からも非常に関心が高まっているものと思います。 これからは、この成果に満足することなく、さらに
健康寿命の延伸を図るとともに、女性においても
健康寿命日本一を達成するために、今回の成果を冷静かつ客観的に分析し、その活用と展開を図っていくことが大切です。 そこで、知事に伺います。今回、男性の
健康寿命日本一や女性が過去最高の4位といった成果を達成することができたことについて、県として、その要因をどのように分析、評価しているのか。そして今度は、今回の成果を踏まえ、どのようにこの成果を維持していくのか。加えて、
県民ぐるみの
健康づくりに向けた機運を高めると同時に、より一層の高みを目指して、男女ともに日本一に向けた取組をどのように進めていくのかについて、知事の考えをお聞かせください。 この2年の間、
新型コロナウイルス感染症対策について、
福祉保健部の各職場を中心に多くの部局にわたり、職員の皆さんに御苦労いただいています。皆様に心から感謝します。 国内2例目となる
新型コロナウイルス感染症の飲み薬が特例承認され、日本製の薬剤も開発が進み、
厚生労働省に製造販売承認申請をしています。また、早くにまん延防止等重点措置の適用を申請した都府県では、一時、緩やかに新規感染者の発生数が減少に向かい、本県においても新規感染者が減少してきました。しかし、この1週間は下げ止まっている状態ですが、県民の皆様へ注意を呼び掛けながら、収束に向けて進むように取り組んでいただきたいと思います。 まだ完全に収束したわけではないので、県民の皆様に安心していただくためにも、今後、県としてワクチンや治療薬などに関する情報提供をしっかり行うとともに、重症化回避のために早く普及させ、使用していかなければならないと考えます。 第6波で猛威を振るった
オミクロン株は、感染力が非常に強く、また発症のスピードも速かったことから、新規感染者の数が急激に増加しました。本県では、1月3日に、昨年11月26日以来の新規陽性者が確認され、5日に
オミクロン株への感染を確認して以来、1月31日の検査結果が報告されるまでに、新規陽性者の数は5,372人を数えています。また、クラスターの発生例も1月31日までの1か月弱の間に57例が確認されました。第5波までのクラスター発生状況と比べ、発生数が多く、感染力の強さが分かります。 一方で、重症患者の発生率は低いものでした。これだけの数の感染者が発生しながら、重症患者は発生せず、軽症患者が多かったのは、言葉の使い方としてやや適切さを欠くとは思いますが、幸いであったと思っています。 しかし、東京都内の感染者のうち74%が
オミクロン株の亜種、BA2に来月初めには置き換わるとの試算もされており、大分県では第6波が2月8日の523人の新規陽性者の発生をピークに、以後、発生数が減少してきたのですが、さきほど申したように下げ止まっており、なお注意を要する状況となっています。 また、来年度の予算編成にあたり、知事は、3回ほどの流行を見込んだとのことですが、今後の流行に備えるには、新たな変異株が
オミクロン株に比べ重症化リスクが高いものであることを想定し、また、いつ変異株による陽性患者が発生してもすぐに対応できる体制を整えなければならないと考えます。 その意味で、感染症対策を行う上で、保健所の果たす役割が非常に重要です。今後の流行に備え、保健所の体制をとのように整えていく考えか、お聞かせください。 南海トラフ地震への対応について質問します。 1月22日の未明、日向灘を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生し、県内では大分市、佐伯市、竹田市で最大震度5強を観測しました。 住家や水道、漁港施設の被害とあわせ、6人の重軽傷者が発生しています。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。しかしながら、家屋の倒壊や死者などは発生せず、大きな被害に至らなかったことに胸をなで下ろす思いでした。今回の地震は、むしろ今後への警鐘と捉えるべきと考えています。 今回の地震に関し、気象庁は、南海トラフ地震が想定される領域内を震源としているものの、想定とは異なりプレートの内部で起こっているため、南海トラフ地震との関連性は低いとの見解を示しています。 しかし、政府の地震調査研究推進本部は、南海トラフ地震の発生確率を、今後30年間に70から80%と評価しており、甚大な被害が想定される南海トラフ地震への対応は大分県の喫緊の課題です。 加えて、南海トラフ地震は、必ずしも全域で地震が発生するとは限らず、半割れと呼ばれ、東日本と西日本とが時間差で発生する場合もあるとも言われています。 現に、1854年に発生した安政南海地震は安政東海地震の32時間後に、1946年に発生した昭和南海地震は昭和東南海地震の2年後に発生しています。 このように、時間差で発生する巨大地震によるリスクを回避する防災対応が取れるよう、2019年3月に国が公表した南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドラインにおいて、気象庁は、南海トラフ地震の想定震源域内でマグニチュード6.8以上の地震が起きた場合、南海トラフ地震臨時情報(調査中)を発表して南海トラフ地震につながるかを調査して、モーメント・マグニチュードを割り出すこととなっています。 調査の結果、モーメント・マグニチュードが8.0以上であった場合は半割れとして南海トラフ地震臨時情報の巨大地震警戒が発表され、事前避難対象地域の避難行動要支援者は1週間程度避難することとなります。モーメント・マグニチュードが7.0以上8.0未満であった場合の一部割れやゆっくり滑りの場合には南海トラフ地震臨時情報の巨大地震注意が発表され、日頃からの地震への備えを再確認することとしています。 このように、南海トラフ地震は多様な発生形態が想定されており、その形態に備えた防災対応の必要性が指摘されていることから、県では2019年度から臨時情報を適切な住民避難につなげるための取組を進めてきたことと思います。 今回の地震は、マグニチュードが6.6であり基準に達しなかったことから発表されませんでしたが、実際に臨時情報が発表された場合には、制度の趣旨が十分に浸透していなければ、県民の間に混乱が生じる恐れがあります。 そこで、県では、臨時情報について県民にどのように周知し、臨時情報が発表された場合にどのような対応を行うようにしているのか伺います。 次に、企業局における工業用水道施設の地震・津波対策について伺います。 今回の日向灘地震では、幸いにも企業局の施設に大きな被害はなかったようですが、工業用水の送水管が一部被災したというニュースを拝見しました。 企業局では、工業用水道事業に関し、給水ネットワークの再構築事業に取り組み、地震・津波対策を講じられていると伺っています。今回の震度5強の地震で、どのような破損が生じたのでしょうか。また、沿線の契約者への給水に支障はなかったのでしょうか。 各工場群に安定的に用水を提供することは、災害発生時でも重要なことだと考えます。特に企業局の工業用水契約者には、日本製鉄や、九州電力の火力発電施設、大分バイオマスエナジーやJX金属製錬といった企業群があります。各工場群の施設の保安維持のために用水は欠かせないのではないかと心配しています。 加えて、今後発生が予測されている南海トラフを震源域とする大規模地震では、今回以上の揺れが想定されますが、その備えとして、工業用水供給だけでなく電気事業も含めて、企業局の施設自体の耐震性をチェックし、受益者である工場群に副次的な被害をもたらさないようにする必要があります。 そこで、今回の被害の具体的な状況と復旧に至った経緯について伺います。 また、各工場群に安定的に用水を供給するために、日頃どのような危機管理を心がけ、今後の南海トラフ地震を見据え、どのような対策を考えておられるのか伺います。 次に、再生可能エネルギー等を活用したカーボンニュートラルについて質問します。 昨今、原油価格が高止まりしており、電気料金、ガス料金をはじめ石油由来の商品価格が上昇に転じ、私たち県民の生活や企業活動を圧迫しているとの報道をよく耳にします。
コロナ禍で落ち込んでいる県経済を再活性化するためにも脱炭素社会の実現に向け、炭素由来のエネルギーの活用から、カーボンニュートラルの達成に向けて、再生可能エネルギーを活用する取組を加速させることが重要です。 炭素由来のエネルギーから再生可能エネルギーへの早期の転換は、待ったなしの状態となりつつあると考えます。県下では、地熱発電や水力発電を軸に、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーと木質バイオマス発電などCO2の固定と燃料化のバランスを維持した上での取組などが行われています。 こうした転換を進めていく上で、このエネルギーの活用が地域と共生していることが最も重要であると考えます。例えば、風力発電については、他県において発電施設の稼働に伴う騒音や低周波による体調不良を訴える事例があります。国において、風力発電所の環境影響評価に係る参考項目が見直され、評価されるべき環境要素から超低周波音が削除されましたが、当該地区の地形により状況は様々で、きちんとした説明がなければ住民の不安は解消されるはずがありません。また、太陽光発電においては、林地開発許可に際し、自然災害防止の観点から審査されることになっていますが、乱開発の防止や景観保全などの点から住民の反発がある事例も散見されます。こうした開発を行う際には、開発業者、設置業者、あるいは施工業者が丁寧に住民に説明する必要があると考えています。国の法規制が待たれるところであり、しっかりとした対応を要請したいと思いますが、県としても再度業者に説明責任を果たすように助言していただきたいと考えます。 一方で、再生可能エネルギーを中心としたエコエネルギーの利用を進めることについて本県には優位性があります。温泉資源を利用した地熱発電であったり、臨海工業地帯から収集可能な水素であったり、豊富な森林資源がそれに当たると思います。地域住民の理解の下、再生可能エネルギー等活用日本一を目指し、研究に力を注ぎ、技術力を高め、本県企業が国内外に対して同エネルギーの活用で優位に立つことができるように取組を加速化していく必要があります。 県としては、再生可能エネルギー等を活用したカーボンニュートラルの取組をどのように進めていくのか、知事の見解を伺います。 県では、子育て満足度日本一の実現を目指し、子育てしやすい
環境づくりの推進、結婚、妊娠の希望がかない、子どもが健やかに生まれ育つ環境の整備、児童虐待の未然防止、早期対応等切れ目ない支援、子どもの貧困対策やひとり親家庭・障がい児へのきめ細やかな支援、こういった4本の柱を様々な取組を進めていただいています。 障がい児へのきめ細かな支援の中で、発達障がい児への早期支援の取組について質問します。子どもの発達障がいの気付きに関しては、2012年度に子どもの心の診療ネットワーク会議を立ち上げ、大分大学医学部附属病院と関係機関とが連携して子どもの心の支援体制の在り方について検討してこられました。 発達障がいは、発達の仕方に生まれつきでこぼこがある障がいで、できる限り早期に気付き、適切な支援につなげていくことが重要です。この発達のでこぼこについて、5歳児健診のときに注意して観察すると早期に気がつくことができるということで、県では10年ほど前から、5歳児健診の際に発達障がいについて、早期に気付ける体制を整備してきました。子どもの発達障がいに早く気付き、保護者や周囲の教職員などがその子に適した教育環境を整え、接することができれば、その子の人生、生き方に大きな変化をもたらします。障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくりを進める上で、この県の取組を息の長い取組として、今後も続けていかなければならないと考えます。 そこで伺います。大分県がこの10年間に行ってきたことが、どのような成果につながっているのでしょうか。また、今後、発達障がいの早期の気付き、早期支援の取組を続けていく上での課題と今後その課題にどう対応していこうと考えているのでしょうか。 次に、土木建築に携わる人材の育成について伺います。
厚生労働省の公表した2021年3月の一般職業紹介状況を見ると、建築、土木、測量技術者の有効求人倍率は5.28であり、担い手が不足している状況が見てとれます。さらに、国土交通省の作成した資料によると、60歳以上の建設技能者が全体の約4分の1を占めており、10年後にはその大半が引退することが見込まれる一方、これからの建設業を支える29歳以下の技能者の割合は全体の約1割程度と、若年層の入職者が少ないのことであり、若年入職者の確保、育成が喫緊の課題とのことです。 現在、県内の高等学校には、土木建築系の学科が合計六つ設置されており、昨年9月に発表された県立高等学校の入学定員を見ると、2022年度の土木建築系学科コースの入学定員数は230人余りとのことです。こうした高校生の受皿となるよう、大分大学の工学部に土木建築学科を設けるよう求めていく機運を高めていく取組なども面白いのではないかと思っています。大学の学部設置については、県の所管するところではないので、このことについての答弁を求めるものではありません。 しかしながら、国の統計で示したように、本県でも技術者不足は同様であると推察します。本県における土木建築業の担い手不足をどのように分析し、どう対応していく考えでしょうか。
土木建築部長に伺います。 次に、交通ルールの広報啓発活動について伺います。 本県では、交通事故のない安全で安心して住める豊の国づくりの実現を目指し、県を挙げて、飲酒運転の根絶、自転車の運転ルール遵守の徹底、横断歩道でのマナーアップ向上など、様々な交通安全の啓発活動に取り組んでいただいています。 そうした取組のお陰だと思いますが、最近では、横断歩道を渡ろうと待っているときに止まってくれる車が増えてきているように感じます。 広報啓発活動の重要さを再認識しています。交通安全に関する啓発活動に取り組んでおられる方々に、改めてお礼申し上げます。 ところで、私は、常々交差点における車両通行時の交通ルールが守られていないと感じています。幅員がほぼ同じ交差点で、どちらが優先道路かはっきりしないような場合は特に、優先道路についての判断がドライバーによってまちまちのように思っています。 これはやはり、交差点を通過するときの優先順位についての認識があやふやで、さらに優先道路の見分け方が分かっていないドライバーがおられるからではないでしょうか。私は毎朝、児童の登校指導で交差点に立って、児童が安全に横断していけるようにしていますが、そのとき優先道路を通行している車両が、脇から入ってきた車両に道を譲る状況が時々見受けられます。優先道路であることは、明らかに道路標示で分かりますが、それを知らないのだと思います。そういうドライバーが譲っていく。対向車がいたときに、対向車が優先道路ということを意識してそのまま直進してしまえば、そこで事故が発生することも心配される状況をよく見かけます。かなりの方が交差点を通行する際に、どのようなルールがある、こういうルールだったということをうろ覚えの状態でいるのではないかと心配しています。交差点に関するルールがこういうふうに守られない状態は、円滑な道路の流れの妨げとなり、ひいては重大事故につながるものと考えます。 このような状況を改善するためには、免許証の所有者がその更新の際に必ず受講する法定講習を利用するなど、広報啓発活動を積極的に展開すべきではないかと思いますが、これについては県警本部長の見解を伺います。
○
御手洗吉生議長 ただいまの
守永信幸君の質問に対する答弁を求めます。
広瀬知事。 〔
広瀬知事登壇〕
◎広瀬勝貞知事
守永信幸議員に
県民クラブを代表して御質問いただきました。まず、私から答弁します。 初めに、
地方創生について御心配いただきました。 本県の人口は、昨年10月1日現在で111万3,749人であり、国勢調査以降の1年間で1万人を超える減少となりました。少子高齢化、
人口減少は地域活力に大きな影響を及ぼします。
人口減少に歯止めをかけ、人を育て、仕事をつくり、人と仕事の好循環で地域を活性化する大分県版
地方創生を加速前進させなければならないと思います。 まずは、人づくりです。出生数の増加には息の長い取組が必要であり、出会い・結婚から妊娠・出産、子育てまで切れ目のない支援に引き続き全力を傾けます。 中でも、出会い応援を強化するため、AIが相性のよい相手を提案するマッチングシステムを導入します。また、不妊治療においても、保険が適用されない先進医療に県独自に助成することにより、子どもを望む方が治療を諦めることがないように支援します。 人の受皿となる仕事づくりも大事です。 DX、デジタル革命の流れをしっかりと捉え、ドローンやアバターなど先端技術で地域課題の解決を図り、これをシーズとして新産業の創出やデジタル人材の育成につなげていきます。 さらに楽しみなのは、世界的に成長する宇宙産業です。ヴァージン・オービット社との提携に続き、米国のシエラ・スペース社等との間で、大分宇宙港の活用に向けたパートナーシップを締結しました。これをはずみに宇宙関連企業とのネットワークを広げ、アジアにおける宇宙ビジネスの拠点化を目指します。 県下全域で営まれる農林水産業は、地域の隅々まで仕事を生み出す基幹産業です。魅力あるもうかる産業へと成長させることで、新規就業者を呼び込みます。 移住決断の大きな壁は、仕事と住まいと言われています。好調なIT分野のスキル習得から移住・就職までのワンストップ支援を福祉や医療分野に拡充するとともに、空き家対策を抜本的に見直し、移住者のニーズに沿った空き家の探索や取得をサポートします。 県では、市町村長をメンバーとする創生本部会議を設置し、知恵を出し合って議論を重ねています。これからも県と市町村が互いに手を携えて、この難局を打破し、夢と希望あふれる大分県を実現していきます。 次に、県と大分市との連携の在り方について御質問いただきました。 大分県のさらなる発展のためには、県と市町村がしっかりと連携しながら行政運営を行うことが重要です。 もとより、住民に密着した基礎的な行政サービスを提供する市町村と、広域的な対応や、事の性質上、市町村では処理できない業務も行う県とでは立場が異なる場合もあります。 しかしながら、住民にとって何が重要か、あるいは住民のために何をなすべきかといった住民本位の視点を持って考え、役割を果たしていく上で、連携協力していくことは大変大事なことだと思っています。 私は就任以来、このような考え方の下で市町村長と機会あるごとに意見交換を行い、県と市町村の垣根を越えて課題解決に取り組んできました。 特に大分市は、県人口の約4割を占め、行財政規模も大きく、中核市として保健所業務など一般市町村以上の権能を有しています。こうした大分市の状況も念頭に置きながら、毎年度、大分市長と重要課題について
政策協議を行ってきました。 その具体的な成果の一つが動物愛護センターの共同設置です。県と市が共同して犬や猫の適正飼養の指導や譲渡を行うことで、殺処分数の大幅な減少など着実に成果を上げています。 また、御指摘のとおり、4月から大分市の案件を担当する
県中央児童相談所城崎分室を設置します。これにより、大分市
中央子ども家庭支援センターとの連携をさらに強めて、緊密な情報共有の下、事案の早期発見、迅速な対応につなげ、
児童虐待防止の一層の強化を図ります。 喫緊の課題である新型コロナ対応においても、保健所設置市である大分市とは特に緊密な連携が求められており、これまでもクラスター発生時の保健師派遣や
PCR検査の相互協力等を行ってきました。さらに、県と市共通のクラウドシステムを導入し、それぞれが把握した患者情報の一元管理と即時データベース化を可能とすることで、患者の体調悪化時の迅速な対応など連携した対策を講じています。 今後とも、県と大分市が連携を密にすることにより、様々な行政課題に効果的に対応し、県民福祉の向上に努めます。 県職員の確保と
職場環境の充実についても御心配いただきました。 私は常々、人材は県庁にとってかけがえのない財産、宝であると申してきました。県職員が県民中心の県政の覚悟を持って、持てる能力を存分に発揮し、安心して働けるようにすることは私の責務であり、それがひいては県民福祉の向上にもつながるものと考えています。 知事就任時には、危機的な財政状況に直面する中で、聖域なき
行財政改革に取り組み、歳出総額の約3割を占める人件費についても、職員の理解を得ながら、身を切る思いで給与制度の適正化や定数削減を行ってきました。 こうした取組により、一定の行財政基盤を構築することができたところであり、現時点では財政状況を理由とした人件費の削減を行う状況にはないと認識しています。 一方で、官民を問わず人手不足が顕著になってきており、県庁においても、職員採用試験の競争倍率が低下傾向にあります。 このような中で、
地方創生の推進や新型コロナへの対応、さらには先端技術、DXへの挑戦などを実践できる優秀な人材を確保するためには、働きやすい職場づくりが重要なポイントとなります。このため、まずは部局長や所属長が率先して風通しのよい職場づくりを実践するとともに、部下職員の勤務実態を十分に把握する必要があります。 私も機会あるごとに幹部職員に対し、長時間労働の是正や業務の適正配分、職員の健康保持の推進などにしっかり取り組むように指示しています。 また、全ての職員が年齢や性別等に関係なく、自らの持てる能力を発揮することが可能となるように、在宅勤務やモバイルワークなど、多様で柔軟な働き方を選択できる
職場環境の充実にも取り組んでいます。 さらに、今年度から男性職員の育児休業取得率100%を目標に掲げ、取り組んでいます。取得率は、昨年度の28.1%から現段階で70%程度まで大幅に上昇しています。 県庁の唯一無二の財産である職員が健康で士気高く、意欲を持って職務に精励できるように、私自身が先頭に立って魅力ある職場づくりを進めます。 次に、日出生台における米軍
実弾射撃訓練への対応について御質問いただきました。
日出生台演習場における米軍
実弾射撃訓練は、日米安全保障体制の枠組みの中で、沖縄の基地負担軽減のため、国の責任において実施されるものです。 この訓練に対する本県の基本的なスタンスは、あくまで将来にわたる縮小、廃止ですが、一方、当面の国際情勢は刻一刻と厳しさを増してきているのも事実です。 こうした状況も踏まえた上で、県としては訓練受入れにあたり、米軍使用協定や確認書を国と締結するなど、県民の不安解消と安全確保に努めています。 そうした中、先般、令和4年度の訓練計画が公表され、第1四半期にあたる4月から6月までの間に訓練が予定されていることが分かりました。 第1四半期の訓練が本県では初となることから、この訓練によって県民生活や県内産業に悪影響が出ないように、詳細な訓練日程が示される前に、取り急ぎ県として
九州防衛局長に対し、以下の3点の要請を行いました。 その内容は、一つ、早期の訓練日程の開示と新学期開始時期や連休中の回避、二つ、在沖米軍来県時の
新型コロナウイルス感染症防止対策の徹底、三つ、協定等の遵守、特に射撃訓練の夏期終了時間である21時の厳守です。 今後、詳細な訓練日程等が明らかになり次第、県と地元3市町で構成する四者協として十分に協議を行った上で、速やかに国に要請を行うこととしています。 その際には、県民の不安解消と安全確保の観点から、射撃日数や射撃時間を定めた協定等の遵守をはじめ、早期かつ適切な情報開示や安全管理の徹底、加えて
新型コロナウイルス感染症防止対策等を米軍に求めるよう国にしっかりと要請します。 なお、訓練実施前には、
九州防衛局等による地元説明会を開催するとともに、訓練中には県も現地に連絡事務所を開設し、情報収集や演習場周辺の巡回、児童生徒の通学時の見守りなどを行うこととしています。 引き続き、地元3市町と連携を密にして、県民の不安解消と安全確保に万全を期していきます。 次に、
健康寿命日本一に向けた取組について御質問いただきました。 今回の結果は、県民に対し、驚きとともに大きな喜びをもたらしてくれました。これは、
健康寿命日本一を目指し、官民挙げて地道に取り組んできた成果と考えます。 前回、平成28年の調査結果では、20代から40代の働く世代において、健康上の問題で日常生活に何か影響があると答えた方が全国平均よりも多く、その改善が課題でした。 そこで、働く世代に対しては、健康経営を進める事業所を増やし、職場ぐるみの
健康づくりを推進するとともに、県が開発した健康アプリおおいた歩得(あるとっく)を活用することで、健康無関心層にもアプローチできました。 加えて、高齢者の
健康づくりにも力を入れ、介護予防の観点から、地域の公民館や集会場など気軽に通える場所で体操や趣味の集まりを行う通いの場の立ち上げを県内各地で支援してきました。その結果、昨日公表された令和2年度の参加率は13.5%と、コロナの影響で少し下がりましたが、順位は昨年度に続き全国1位となり、
健康寿命の延伸に大きく寄与していると考えています。 また、
健康寿命のベースとなる平均寿命も、暫定値ではありますが、男性では0.98歳延び、延び幅は全国2位となっています。 こうして延伸に取り組んできた
健康寿命には、次のような問題もあります。 3年に1度の調査であり、毎年の評価が困難なことや、主観的な指標が用いられ、市町村ごとの結果も分からないため、取り組むべき課題の分析、評価が難しいことです。 そこで、県では、
健康寿命のさらなる延伸に向け、新たに客観的な評価指標を設けることにしました。お達者度、有所見率、健診受診、生活習慣と健康行動等、合計12からなる指標です。この指標は市町村ごとに数値が毎年更新され、それぞれの強み、弱みが明確になり、対策が講じやすくなります。 さらに、来年度は市町村や企業と共に
健康寿命延伸アクション部会を新設し、優れた取組の横展開を図っていきます。今後とも
健康寿命日本一おおいた創造会議を中心に、男女共に日本一が獲得できるように前進を続けます。 次に、再生可能エネルギー等を活用したカーボンニュートラルへの取組について御質問いただきました。 昨年10月に策定された国の第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの導入に関する高い目標などが示されました。次世代エネルギーである再生可能エネルギーや水素の活用への期待がますます高まっています。 カーボンニュートラルの達成に向けては、地域の強みと魅力を引き出す再生可能エネルギー等の活用をビジネスチャンスと捉え、新たな事業に取り組む企業を後押ししていきます。 地熱や木質チップなどを利用した水素の製造実証が県内でも進捗しています。来年度は、次の段階となる水素の貯蔵、運搬から利活用に至る検証事業を行い、大分版水素サプライチェーンの構築を進めていきます。 また、再生可能エネルギーの導入にあたっては、地域の特性を十分に理解することが重要です。 例えば、小水力発電では、発電装置を現地に合わせて製作するため、地形や水の状況などの調査が必要です。再生可能エネルギーの活用事例の創出に向けて、可能性を探る県内企業を支援していきます。 電気自動車と太陽光発電充電システムを活用した事業に取り組む県内企業は、海外への展開にも着手しています。 県エネルギー産業企業会でも海外展開ワーキンググループを2月に設置し、海外へ事業を広げる活動を後押ししていきます。 これらの取組も含め、再生可能エネルギーの導入を進める上では、地域との共生が大前提です。 太陽光発電や風力発電などの導入は、自然環境や景観に配慮することが重要であり、地域住民とのコミュニケーションが大切です。県としても、環境アセスメントや開発行為の手続を通じ、必要に応じた住民説明の要請や合意形成の指導を事業者へ行っていきます。 カーボンニュートラルへの挑戦は厳しい道のりですが、一方で、
地方創生や産業の活性化にもつながります。環境と経済、社会のバランスを保ちながら、持続可能性の視点を持って、県民や企業とも一体となり、取組を加速していきます。
○
御手洗吉生議長 大塚
企画振興部長。 〔大塚
企画振興部長登壇〕
◎大塚浩
企画振興部長 大分空港へのアクセスについてお答えします。
大分空港は、本県の空の玄関口であり、地域振興のための重要な拠点です。そこで、観光振興や企業誘致など
地方創生を加速させるため、
ホーバークラフト導入の取組を進めています。 今後の航空需要については、国際航空運送協会、IATAが、令和5年にはコロナ前の水準を上回るとの見通しを示しています。 また、国内大手航空会社によると、観光や訪問需要は底堅く、令和5年度にはコロナ前の利益水準に回復するとの見通しもあります。
大分空港においても、昨年12月の
利用者数はコロナ前の約8割まで回復していました。 加えて、宇宙港の実現や
大分空港を起点としたMaaSの導入などにより、国内外から新たな人の流れが大いに期待できるところです。 議員御指摘のとおり、
大分空港アクセスは陸路と海路の両ネットワークを安定的に維持することが重要です。そのため、空港の魅力を高め、利用者をさらに増加させる取組が何より重要と考えています。 そこで、県内の幅広い関係者とともに、
大分空港が目指す将来ビジョンの策定に着手しています。陸、海、空、そして宇宙につながるドリームポートおおいたの実現に向けて、官民一体となって取組を進めます。 次に、
地域コミュニティ活性化対策についてお答えします。 県では、住み慣れた地域に住み続けたいという住民の願いをかなえるため、複数の集落で機能を補い合うネットワーク・
コミュニティの構築を進めており、これまでに1,843集落が参加する125の
地域コミュニティが組織されています。大田ふるさとづくり協議会もその一つで、県も、従来から地域で取り組まれていた灯油配達や今回経営を引き継いだ
ガソリンスタンドの施設整備などを支援してきました。 そのほかにも、例えば、高齢者を対象とした通院、買い物等の外出支援や弁当配達など、住民同士の支え合いによって生活圏を維持する取組が各地で行われています。 最近では、こうした取組に加え、デジタル技術の活用も進みつつあります。日出町では、県の支援を受け、予約に応じて最適なルートで運行できるAIを活用したデマンドタクシーの実証実験が行われ、現在、本格導入の検討が進められています。 今後もこのようなデジタル技術の導入を積極的に支援するとともに、ネットワーク・
コミュニティの立ち上げや継続的な運営をサポートするNPO等の中間支援組織を拡充し、住民が自ら考え行動する
地域コミュニティづくりを進めていきます。
○
御手洗吉生議長 岡本教育長。 〔岡本教育長登壇〕
◎
岡本天津男教育長 教職員の確保と
職場環境の充実についてお答えします。 少子化等の影響による大学教育学部の定員減少や教員の大量退職期を迎える中、全国的にも教員確保は厳しい状況です。 教員の確保に向け、来年度の採用試験では1次試験免除の拡充、2次試験の口頭試問廃止、他県教諭特別選考の受験資格の緩和等、受験しやすい
環境づくりを引き続き図っていきます。 また、
職場環境については、夏季休業中に研修を実施しない期間の設定、盆期間の学校閉庁などに取り組んでいます。 さらに、来年度から産休代替教員の早期配置を、1学期に加え、2学期も対象とすることとしました。 加えて、ICT教育サポーターの学校への派遣で教員のICT活用を支援するほか、全市町村共通の校務支援システムの順次導入等により業務負担の軽減を図ります。 部活動改革では、来年度から運動部に加え文化部でも、県内2か所で外部指導者を活用した地域移行の実証に取り組みます。 今後とも、優秀な教職員の人材確保や働き方改革を推進しながら、
職場環境の充実を図っていきます。
○
御手洗吉生議長 山田
福祉保健部長。 〔山田
福祉保健部長登壇〕
◎山田雅文
福祉保健部長 私からは、2点お答えします。 1点目は、感染症対策に係る保健所の体制等についてです。 今回の第6波においては、感染者急増に伴う保健所業務の逼迫を避けるため、逐次、体制の見直しと強化を図っています。 まず、自宅療養者等が自らのスマートフォンで体温や症状の有無等を入力するシステムを導入し、健康観察業務の効率化を図りました。 次に、
オミクロン株の感染拡大の速さを踏まえ、感染源を特定するための遡り調査を縮小し、クラスター発生リスクの高い福祉施設、医療機関、学校等に重点化にして濃厚接触者の調査を行っています。 また、人員については、全庁体制による県職員の応援派遣に加え、OB保健師や人材派遣会社の看護師等を必要に応じて日々派遣しています。 加えて、昨年11月に締結した応援協定に基づき、別府市、中津市、日田市、臼杵市、杵築市、日出町の6市町から保健師を管轄の保健所に派遣していただいています。 これらの対策を講じた結果、第5波を大幅に上回る感染者数にもかかわらず、基本的には陽性判明の当日中に本人に連絡を取り、速やかな投薬などの治療の開始につなげています。今後も変異株の特性に応じた臨機の対応が取れるよう、保健所の体制強化を図っていきます。 次に、発達障がい児への早期支援の取組についてお答えします。 県では、市町村が実施する5歳児健診等に専門医を派遣し、法定健診では見極めが困難な軽度発達障がい児の診察を行っています。 健診結果に応じて保健師が個別面談等を行う中で、保護者に障がいへの気付きを促し、専門医療機関を紹介したり、教育委員会と情報共有を行って、スムーズな就学につなげるなど、丁寧なフォローに努めています。 5歳児健診等を実施する市町は、事業開始以前の5市町から15市町へ増加したところです。 一方、課題は、身近な地域で専門的な相談に応じ、適切な支援につなげることです。そこで、今年度から子どもの発達支援コンシェルジュを6圏域に配置し、12月末までに延べ1,430件の相談対応や支援調整を実施しています。 また、関係機関が連携して、切れ目のない支援をしていくことも重要です。そこで、保育士等を対象とした研修会を県内全域で開催し、保護者や学校、支援機関が情報共有するための相談支援ファイルの活用を進めています。 今後も市町村と連携して、発達障がい児が安心して伸び伸びと成長できる環境整備に努めます。
○
御手洗吉生議長 梶原防災局長。 〔梶原防災局長登壇〕
◎梶原文男防災局長 私からは、南海トラフ地震臨時情報に関する県の対応についてお答えします。 県では、南海トラフの東側で地震が発生し、臨時情報が発表された場合、災害警戒本部を設置し、情報収集を開始します。 その後、巨大地震警戒の臨時情報が発表された場合には、西側で発生する地震に備え、津波によって30分以内に30センチ以上の浸水が想定される地域では事前に避難してもらうこととしています。 この事前避難対象地域には佐伯市の沿岸の一部が指定されており、避難行動要支援者に対し、原則1週間の事前避難を求めることになります。それ以外の方々に対しては、冷静な対応と地震や津波への備えを再確認し、いつでも避難できるよう、ホームページやSNS、報道機関などあらゆる手段を通じて呼びかけていきます。 さらに、住民が円滑に避難できるよう避難所や交通手段、食料の確保等について関係機関と調整し、市町村を支援していきます。 こうした対応について、リーフレットの配布や啓発動画の公開により、平時から理解を深めてもらうよう取り組んでいます。 臨時情報が発表された場合には、犠牲者を出さないよう、市町村をはじめ、関係機関と連携し、迅速な対応に努めていきます。
○
御手洗吉生議長 浦辺企業局長。 〔浦辺企業局長登壇〕
◎浦辺裕二企業局長 私からは、工業用水道事業及び電気事業における耐震化の対応についてお答えします。 1月の地震では工業用水道で漏水が発生し、県道大在大分港線の一部が一時通行止めとなるなど、御心配と御迷惑をおかけしました。 現地の状況を確認後、直ちに関係するユーザーに連絡を取った上で送水を停止し、被災箇所を確認するため、排水作業を行ったところです。その結果、送水管に損傷はなく、管の上部に設置された空気弁等の破損が原因と判明したことから、備蓄資材を活用して、地震発生日の夕刻には復旧し、事なきを得ました。 企業局では、日頃から工業用水がユーザーの生命線であることを肝に銘じ、職員が常時3人体制で、各種モニターや計器類に異常がないか24時間監視しています。また、全職員参加の防災実動訓練をはじめとする各種訓練や経営会議などを通じ、常に危機管理意識の徹底を図っています。 南海トラフ地震も念頭に、電気事業も含め、引き続き耐震診断等の計画的な実施とあわせ、耐震性の高い施設・設備等への更新を進めます。特に工業用水道事業では、給水ネットワークの運用によるリダンダンシーの確保や、さらなる備蓄資材の充実などにより、被災の影響を最小限に抑えられるよう取り組みます。
○
御手洗吉生議長 島津
土木建築部長。 〔島津
土木建築部長登壇〕
◎島津惠造
土木建築部長 私から、土木建築技術者の確保についてお答えします。 建設産業では、かねてから、いわゆる3Kのイメージもあり、地域を守る担い手の確保が全国的に大きな課題となっています。特に本県では、20年間で29歳以下が約6割減少しており、女性就業者の割合も非常に低いことから、重点的に対策を講じています。 まずは就労環境を改善し、入職意欲を高める必要があることから、週休2日工事やICT活用工事の普及に向けて業界の取組を積極的に支援しています。 あわせて、建設産業の魅力を伝えることも重要です。このため、高校生向けの現場体験学習会やPR動画の配信等を実施しており、土木建築系学科の県内就職率は年々向上しています。 さらに、女性の就業促進に向けた取組も強化しています。建設産業での女性活躍の場を拡大するため、経営者向けセミナーのほか、ドローン操縦や施工管理などのスキルアップ講座を昨年度から開催し、2年間で98人の女性に参加いただいています。参加者からは、モチベーションが向上した、新しい仕事を任せてもらえるようになったといった声もあり、女性活躍に対する経営者の意識改革にもつながっています。 今後も、誰もが働きやすい魅力ある建設産業への発展を支援しながら、担い手の確保に努めます。
○
御手洗吉生議長 松田
警察本部長。 〔松田
警察本部長登壇〕
◎松田哲也
警察本部長 交差点に関する交通ルールの広報啓発についてお答えします。 令和3年中、県内で発生した交通事故のうち、約半数が交差点及びその付近で発生したものです。道路交通法上、交差点では、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない義務や、優先道路を進行してくる車両等の妨害をしてはならないなどの様々な交通ルールが規定されています。 交差点における交通事故や交通渋滞を防止するには、全てのドライバーの皆さんにこうした交通ルールを守っていただくことが重要なことと考えています。そのため、県警察では、交差点関連違反の指導取締りを強化するとともに、広報啓発活動や交通安全教育を推進していきます。 具体的には、議員御指摘の運転免許更新時の講習や体験型交通安全教育の機会などに交差点における交通ルールを周知するとともに、自治体や関係機関で連携した広報啓発、さらにはSNSやデジタルサイネージを活用した情報発信等も行っていきます。
○
御手洗吉生議長 以上で
守永信幸君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩します。 午前11時31分 休憩
------------------------------- 午後1時 再開
○三浦正臣副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問を続けます。河野成司君。 〔河野議員登壇〕(拍手)
◆河野成司議員 37番、公明党の河野成司でございます。本日は来年度予算を審議する重要な第1回定例会での
代表質問の機会をいただき、心から感謝します。 さて、昨今は
新型コロナウイルスの第6波の収束が見えない中で、全国的には1日当たりの死者数が第5波までを超える最悪ペースとなり、高齢者や基礎疾患を持つ方などには決して侮れない感染症であることを我々も再認識しています。さらに、新たな変異株、BA2、いわゆるステルス
オミクロン株に感染の主流が置き換わることも想定され、4月1日時点で都内の感染者の実に74%がこのステルス
オミクロン株に置き換わるという予測も公表されています。 このような
コロナ禍の長期化による景気減退の中に石油などの原材料や穀物などの価格が高騰し、世界的スタグフレーション、不況下での物価上昇という危惧が広がっていましたが、ここにロシアによる
ウクライナ侵攻という第2次世界大戦以降、いまだかつてなかった深刻な局面が重なって、一層のエネルギー供給の先細りや世界貿易の縮小が今そこにある危機として迫っています。 世界の国々からのロシアへの経済制裁も強まり、世界貿易、世界経済の全体の先行きに大きな負の連鎖が生じようとしています。このような重要で難しい時節に県政のかじ取りを担う
広瀬知事をはじめとした執行部の皆さんには本当に御苦労様と申したいと思います。 ただでさえ、
コロナ禍で業務が加重となっている部署もあり、経済対策を積み上げ、支援策を実行する部署もさらに業務が繁忙となるおそれもあります。どうか心身の健康にくれぐれも御留意いただきながら、県民生活の安定と安全・安心の社会づくりに向けた取組に精励いただくようお願いし、
代表質問を始めます。 まず、子育て支援と健康管理について伺います。 その1項目めは、こどもに関する政策パッケージについてです。 政府は2023年度のこども家庭庁の創設を前にして、昨年11月、
コロナ禍で深刻化した少子化や虐待等の課題への対応のための政策パッケージを公表しました。 このパッケージは、結婚、妊娠、出産への支援、仕事と子育ての両立、子育て世帯への経済的支援、住宅支援、困難を抱える子ども、家庭への支援などを柱に、その具体策としては、
コロナ禍や虐待で苦しむ子どもをプッシュ型で支援するために教育や保育などのデータを一元化する実証実験を支援、医療的ケア児支援センター開設の支援、社会的養護の経験者であるケアリーバーに対する自立支援体制の整備、保育などの現場で働く従事者の収入の引上げ、保育所や幼稚園、相談所などのICT化の推進、結婚や子育てに関する自治体の取組を交付金で支援などのポイントが挙げられています。個々の施策を結び付けて一つの目的を達成するための政策パッケージとする手法であり、このパッケージに含まれる個別施策に関し、自治体が取捨選択できるのか不詳ですが、自治体における事業実施には、国から自治体への事業費補助等の財政的裏打ちが当然必要となるので、今後の政府の説明を注視する必要があると考えています。 この政府の子どもに関する政策パッケージの策定に連動して、子育て満足度日本一を目指す本県の戦略である、おおいた子ども・子育て支援プラン第4期計画の見直しも視野に、どのような方向で政府のパッケージ事業との整合を図るのか、またそのスケジュールについてもお聞かせください。 続いて、子宮頸がんワクチンの接種勧奨再開について伺います。 毎年、全国で3千人近くが亡くなっている子宮頸がんの予防対策として有効とされながらも、副反応を訴える方々からの問題提起により、積極的な接種勧奨が行われなくなっていた子宮頸がんワクチンの接種について、
厚生労働省は本年4月から積極的な勧奨再開を決め、その準備を自治体に求める通知を発出しました。 これに関して副反応に対する当事者及び保護者の不安への対応が必須であること、副反応に関する治療体制や保障制度等について丁寧な説明が求められることに加え、これまでの8年間に積極的勧奨を受けずに、接種を控えた結果としてこの間に定期接種の対象年齢を過ぎた方への対応方針もしっかり発信することが求められています。その対応方針についてお聞かせください。 また、
新型コロナウイルス対策実施中の今回の勧奨再開であることにより、限られた医療、保健体制をいかに子宮頸がんワクチン問題に配分するのかも
福祉保健部長に伺います。 あわせて、このワクチンの接種対象者は、児童生徒です。この児童生徒に対する健康管理を所掌する県教育委員会としては、学校現場における情報発信や相談体制の構築が必要かと思いますが、その対応方針についてもお聞かせください。 続いて、循環器病による死亡率の削減についても伺います。 さきほど守永議員からの質問にもありましたが、本県は
健康寿命の2019年時点の数値で、男性が73.72歳となって都道府県別で1位となり、女性も全国4位となりました。
厚生労働省が3年ごとに調査しており、前回は男性71.54歳で全国平均を下回る36位でしたが、2015年に策定した県長期総合計画で、2024年までの目標に男性73.75歳、女性77.03歳を掲げ、日本一達成を目指してきました。 具体的な対策として効果を発揮したものを、本県は、高齢者が集まり体操や雑談をするような通いの場が19年時点で県内に2,889か所あり、令和2年度の参加率が全国平均5.2%のところ、本県は13.5%で全国1位であることや、県の取組だけでなく経済界を巻き込んで、事業所ぐるみで
健康づくりに取り組む健康経営事業所を増やしたことが奏功したのではないかと分析していると聞いています。 県民のクオリティ・オブ・ライフの向上対策が具体的な成果となって表れたことに、知事をはじめとした執行部の皆様に、心からの敬意を表します。 さて、その上で県は、県内の死因で2番目に多い脳卒中や心臓病など循環器病の予防や医療体制の充実を図るため、県循環器病対策推進計画を取りまとめ、本年度中に策定を目指すとのことです。 その素案では2040年までに男女とも3年以上の
健康寿命のさらなる延伸、循環器病による年齢調整死亡率の減少を目標に掲げています。 この循環器病の対策を進める上で、今回の
コロナ禍でも明らかとなった医療提供体制の脆弱性をどう乗り越えていこうとするのか。特に循環器系の病院やそれを担う医療スタッフをどう集めるのかが重要です。循環器医療には脳、心臓のカテーテル治療、血管内に針金状の器具を挿入して行う治療で、CTスキャンのための血管造影やステント挿入といった血管拡張などを行うための機材もさることながら、それを活用する医師、看護師、技師、薬剤師によるチーム医療が不可欠であり、それを可能とする人材も必要となります。さらなる
健康寿命の延伸に向けた県民への循環器の健康管理啓発も必要です。具体的施策を循環器病対策推進計画にどのように盛り込み、どう実現していこうとするのか伺います。 次に、パートタイム公務員の処遇改善について伺います。 1日の勤務時間をフルタイムよりも15分短縮して退職手当等の支給を行わないとするパートタイム公務員が全国の40%の自治体で採用されているという問題で、総務省は全国の自治体に対し、合理的な理由がなければ見直しの検討を求めるとの通知を発出しました。
人口減少の中、公務部門の人件費抑制は行政の効率化という課題の中で目につきやすい指標であり、その成果を上げやすい公務員のパートタイム化の流れが広がっているということです。しかし、今回、職場における同一労働、同一賃金の実現には、このパートタイム公務員問題の改善が必要との政府の認識が示されたものであり、職場における公平性の実現に関しては公務職場が率先垂範すべきとの政府の考え方であると思います。 そこで、現在の大分県及び県内自治体のパートタイム公務員の雇用状況の実態について、いわゆるフルタイム公務員との割合もあわせて伺います。 また、今回の総務省通知による見直しの本県の検討状況及び県内自治体の検討予定についてお聞かせください。 次に、永住可能な外国人労働者の拡大による県産業への影響について伺います。 政府は昨年、外国人労働者の14業種における在留資格、特定技能に係る熟練者について、事実上、在留期限を撤廃する方針を固めました。さらに、コロナ
ウイルス流入防止のための水際対策の3月からの段階的緩和方針を決定し、留学生や技能実習生を含む入国者の上限が1日3,500人から5千人へ拡大するとされましたが、昨日には1日7千人へと拡大するという方針も報じられました。しかし、入国待ちをしている外国人は1月末で40万人を超え、いつこれが解消できるかも不分明とされている状況です。 そして、この在留資格見直し措置により特定技能の全14業種で長期就労が可能となる見込みとなりますが、この14業種には本県で人手不足が深刻化している介護や宿泊業、外食産業はもちろん、農業、漁業、建設の分野の熟練者も含まれることから、各事業者の期待も膨らんでいるようです。また、外国人労働者に幅広く永住への道を開くこととなるとの受け止めも広がっています。
人口減少が進む中で、若い優秀な外国人労働者を確保することは、企業にとっては、新戦力獲得による人員の新陳代謝や、異文化に刺激された新しいアイディアの創出につながり、さらには海外進出への足掛かりとなった事例もあります。地域社会にとっても、お祭りなどに参加して地域に溶け込んでくれることにより、新たな地域の担い手になることも期待できます。一方で、コミュニケーション不足によるトラブルや低賃金による生活格差、景気変動による失業問題の発生など共生する上で考えるべき労働、生活環境の整備も必要です。 現在、
コロナ禍での水際対策の影響で入国が制限され、人手不足が深刻化している業種も多くなっている状況を踏まえ、今回の政府の方針決定が及ぼす県内産業への影響予測と外国人との共生社会実現の必要性の高まりへの対応策、整備すべき労働環境についても、どのようにお考えなのか、知事の見解を伺います。 次に、JR九州の経営合理化と移動手段の確保について伺います。 昨年末にJR九州は、本年3月から大分県内の4駅を無人化するとの計画を発表しました。さらに別の県内3駅では有人の切符販売窓口を廃止することもあわせて発表されました。 このような地方路線の合理化の背景をJR九州は、
人口減少による恒常的な赤字体質があることを挙げているほか、現下のコロナ蔓延による観光客等の鉄道利用の急激な減少も経営悪化に拍車をかけているとしています。 JR九州だけではなく、JR西日本でも3月のダイヤ改正での中国地方における大幅な運行本数削減方針を示したのに対し、岡山県はJR西日本と沿線自治体との連絡協議会を設置し、加えて中国地方知事会は、地方ローカル線の維持、存続を求める要望をJR西日本に提出しました。 このような中、国は当事者を含む検討会を立ち上げて、地方公共交通機関の維持に向け事業者と沿線自治体の連携について議論を始めたという報道もあります。また、今回の合理化案に対して日田市は独自にJR九州と交渉して無人化予定である天ヶ瀬駅の業務を市の観光協会が受託して無人化を回避することとなったという報道もなされています。 もちろん、今回のJR九州の無人駅や切符取扱廃止駅の追加方針は、直ちに路線の廃止や運行本数の削減を伴うものとまではされていませんが、路線や駅の存続に関わるような合理化方針が打ち出されるのを待つのではなく、しっかりと事業者の経営状況に関する企業情報の開示を受けながら、地域の足をいかに守るのかをしっかり議論する場を立ち上げることも必要ではないでしょうか。見解を伺います。 続いて、カーボンニュートラルについて伺います。 まず、地球温暖化対策についてです。地球温暖化は世界中の国々にとって大きな課題であり、この課題解決に向け、2015年12月に開催されたCOPコップ21において、世界の平均気温を産業革命前と比較して摂氏2度より十分下回るよう、さらに摂氏1.5度までに抑える努力を継続することを盛り込んだ、いわゆるパリ協定が締結されたところです。 この平均気温上昇を摂氏1.5度上昇までに抑えるというのはかなり高い目標であり、その実現には2050年までに脱炭素を達成することが必要とされています。 日本においても脱炭素に向けた取組は加速しており、政府は2020年10月に、2050年カーボンニュートラル宣言を発したのを皮切りに、2021年4月には2030年度の温室効果ガス削減目標を従来の26%から46%へと大幅に引き上げると表明しました。さらに6月には地域の脱炭素の行程などを示した、地域脱炭素ロードマップを策定しました。その上で、同年10月には、国、
地方公共団体、事業者等の基本的役割や温室効果ガス排出削減に向けた対策、施策などを盛り込んだ地球温暖化対策計画を改訂して、2030年度46%削減、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた対策を進めています。 そうした中、本県においては政府のカーボンニュートラル宣言に先立ち、2020年3月にはカーボンニュートラルを宣言するなども含めて、脱炭素に向け意欲的に取り組んできた結果、2018年度の温室効果ガス排出量は2013年度比で13.5%削減するなど全国平均を上回るペースで温室効果ガスの削減が進んでいると聞いています。 しかし、現下の石油製品価格高騰で社会全体に大きな影響が出ているとおり、まだまだ石油、石炭等の化石燃料への依存度は高く、2050年のカーボンニュートラル実現のためには克服すべき数多くの課題があり、対策をさらに加速させる必要があるのではないかと考えています。 そこで伺います。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、国の動向も踏まえながら、今後どのように取り組んでいこうとするのか、知事の考えをお聞かせください。 次に、カーボンニュートラルに関連して、これまでも何度か本会議での質問や常任委員会で取り上げてきた副生水素ガスを活用した産業振興等について伺います。 大分市を中心としたコンビナートからは、日本全体の産出量の10%にも相当する量の副生水素ガスが産出されています。 これまで、不純物を多く含むことから積極的利用が進まなかった副生水素ガスについて、これをろ過して水素ガスの純度を高める技術を大分の企業が開発していますし、課題である精製コストの問題も海水から真水を生成する浸透膜技術で世界をリードする日本企業が、開発してきた高分子水素分離膜モジュールを改良し、純度98%の水素を効率よく取り出せるようになったとの最近の技術報道もあります。このように、いよいよ身近で大量に存在する我が地域の資源を生かして足下の地域課題を克服する条件が整ってきたことから、今回改めて2点の提案をします。 その一つ目は、カーボンフリーやカーボンニュートラルというSDGsに関連し、石油、石炭等の化石燃料による発電が抑制される中で、自動車や船舶等の脱石油化の国際的な流れが進む状況にあり、狭義の再生可能エネルギーとはされていないとはいえ、副生水素ガスはその活用については大きな環境負荷を必要としない、電気に変換したとしても、燃料として熱源や動力源にするにしても二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギー源として大きな可能性を持っています。 今後の脱石油社会の進展の中で太陽光や風力といった天候等の条件に左右されやすいエネルギー源とは異なり、クリーンエネルギー源として、地域のエネルギー需要、特に電動化や水素エンジン化が急速に進められている自動車の動力源としての活用は、安価でクリーンなエネルギー供給による未来型の社会実現に大きな希望を見いだせるものです。 何よりも、現在の化石燃料エンジンによる自動車の生産がなくなったとき、電気自動車等の膨大なエネルギー需要を夜間電力の活用が仮に進んだとしても既存の系統電力網で賄えるのか大いに危惧されます。 このため、ここから提案ですが、主な副生水素の産出元であるコンビナート近接地に大型水素精製施設と水素ガス供給施設、地域への熱供給施設を兼ねた発電施設を整備することは本県のものづくり産業の振興にも大いに貢献するものではないでしょうか。輸送、貯蔵に大きな設備投資が必要な水素については、電力源としてエネルギー供給基地化を図ることが適切ではないかと思われます。国内有力プラントメーカーが来年度中に国内に大型水素火力発電実証設備を2か所建設予定とも聞いています。 さらには、我が国の大型ロケットの開発、運用にあたっては、大量の液体水素と液体酸素を使用しており、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構JAXAの種子島宇宙センターから打ち上げられる基幹ロケットであるH-ⅡA及びH-ⅡBの運用に使用している液体水素は、年間平均で5千立方メートル程度とされています。また、次世代の打ち上げ市場分析では、打ち上げのサイズや重量、打ち上げ頻度とともに倍程度に需要が増加することから、H-ⅡA及びH-ⅡBの後継機として2021年に初めて打ち上げられたH3ロケットの今後の液体水素使用量はH-Ⅱロケットの数倍になるとされています。
大分空港を衛星打ち上げ拠点とするヴァージン・オービット社のランチャーワンロケットは、当面ケロシンと液体酸素を推進剤とする2段式のロケットで、直ちに高純度水素の大きな需要があるわけではありませんが、今後の宇宙港としての
大分空港活用の拡大を支える基礎素材として、液体水素は大いに期待されるものです。 また、今般の宇宙往還機の帰着地としての
大分空港の利用を目指す米国企業との協力も含め、本県の航空宇宙産業の振興においても、この副生水素ガスを活用した産業振興策やエネルギー対策は、大分県の発展に大いに寄与するものと考えます。 また、提案の第2点目として、2018年第1回定例会でも質問した過疎地域での生活の足となる自動車や、農林水産業の基礎となる農機具等の動力源について、再度取り上げます。 現在、県内地域が共通して抱える課題としては、中山間地域では、農林水産業従事者はもとより、生活者としての高齢者の足として四輪駆動の軽トラック等が主要な手段となっていますが、
人口減少により地域から
ガソリンスタンドが激減し、ガソリン補給のために数十キロの距離を移動しなければならない地域も全国的に増加しています。 本県でも、さきほど守永議員が取り上げられたとおり、先日、杵築市大田地区では、経営者の高齢化や施設の老朽化により昨年末で地域唯一の
ガソリンスタンドが廃業ということで、地域活動に大きな影響があるとして、営業継続をするために住民自治協議会、大田ふるさとづくり協議会が主体となって、
合同会社おおた夢楽を設立、2月1日から大田サービスステーションとして営業を再開したと報じられたことは、皆様にさきほど御紹介があったとおりです。このように燃料、これは自動車の燃料だけではなくて農機具の動力源としての混合油と様々な意味での燃料の供給問題は既に深刻化している状況にあります。 さらには、軽自動車を含め車両の石油燃料エンジンからの脱却が国際的にも迫ってきています。石油エンジン車両の生産、販売がなくなる日もそう遠くないとされています。現に世界最大の自動車市場となっている中国では、石油エンジン車の販売禁止が具体的にスケジューリングされ、電動車両への転換が急ピッチで進められています。 これを背景として、車両の電動化や水素燃焼エンジンの搭載での脱石油化に向け、世界規模で既存自動車メーカーや新規参入メーカーが技術革新を競っており、既に我が国でも電動四輪駆動軽トラックを含めたコンセプトカーも発表されている昨今の状況です。 本県には幸いにも主要自動車メーカーであるダイハツが最先端工場を稼働させており、メーカーとの協力で地域課題に挑戦できる下地があります。 そこで、再生可能エネルギーとしての位置付けがない副生水素について、鉄鋼生産、化学製品生産時以外には新たな環境負荷がない、地域に眠るクリーンエネルギー源として活用を推進することが、ものづくり産業の集積に向けた吸引力となるのではということはさきほど申し述べたとおりです。 そこで、中山間地の生活や産業の基盤となったり、迫り来る脱化石燃料の時代を見据えた電動車両を活用した地域づくりを推進するため、副生ガス特区制度での再生エネルギー並みの支援策の導入を国に求め、水素ガスを利用した燃料電池式の急速充電ステーションをモデル地域に設置して、電動軽トラや電動農機具の実証試験、高齢者の生活基盤維持策としての有用性を検証する実証事業を行ってはいかがでしょうか。以上2点を踏まえ、副生水素を活用した産業振興と水素活用中山間地域振興特区の創設などの地域振興に向けた取組についての見解を伺います。 次に、犬、猫の殺処分減少に向けた取組について伺います。
コロナ禍の中で、在宅勤務や家庭内への巣ごもり状況の中で孤独を感じる方が増えて、犬や猫などのペットを飼う方が増加している一方、安易な購入や譲渡を受けた挙げ句飼い切れないとして遺棄されるペットが激増しているとも報じられています。これを公的な機関だけでなく各地の保護団体等が、譲渡会等の活動で新たな飼い主に結び付けています。 そのような中、環境省によれば2020年度の全国の保健所で殺処分された犬猫は1974年度以降最少となる2万3,764匹でしたが、保健所が引き取った犬、猫の殺処分率は、最も低い北海道の6%から最も高い長崎県の71%まで自治体により大きな差が生じているとのことです。 そこで、これまでも幾度か議会質問で取り上げてきましたが、今回も本県における犬、猫の殺処分数や処分率に関する近年の推移についての質問を準備していましたが、その矢先に民間放送局のニュース番組で同趣旨の特集が放送されました。概要は把握できました。 今回、担当部署から提供された資料によれば、一昨年2020年度の犬の殺処分は95頭で引取り頭数の17.8%に当たる犬が殺処分され、猫については1,088頭、引取り頭数の68.9%が殺処分されたとのことで、犬、猫の合計でも1,183頭、56%の処分率ということでした。さらに、本年度の殺処分数も大幅に減少させられる見通しであるとのことでした。 特になかなか減らせないと聞いてきた猫の殺処分について、2020年度は前年度の約半数へと大幅に減少させることができたことは、仮に
コロナ禍のペットブームの効果が大きいとしても、これまで行政が取り組んできたペットとともに暮らす安らぎある生活や命の大切さについての住民意識の向上策も奏功したと捉えるべきと考えます。 しかし、過去17年間で年3千頭を超えていた犬の殺処分数を100頭以下にできたのに対し、2,500頭前後から1千頭余りへの減少にとどまる猫の殺処分についてはまだ課題が残ります。 有効な対策を先進的に取り組んでいる事例を収集し、本県でも実施してはと思いますが、生活環境部長の見解を伺います。 本県では、おおいた・さくら猫プロジェクトとして対策事業を推進していますが、公益財団法人日本動物愛護協会や公益財団法人どうぶつ基金が支援する不妊・去勢手術への助成、さらに地域猫活動と呼ばれる地域住民の理解と協力で、TNR活動、トラップ、一旦捕まえる、ニューター、不妊手術を実施する、リターン、元の場所に返す活動による過繁殖状況にならずに街猫と暮らせる
コミュニティづくりという手法での取組を推進していますが、その実施状況とその効果についてお聞かせください。そして、さらなる猫の殺処分数の減少を目指す取組の充実強化策についてもお聞かせください。 次に、枯れ葉剤原料の国有林での保管について伺います。 猛毒のダイオキシンを含んだ2・4・5-Tトリクロロフェノキシ酢酸という化学物質は、ベトナム戦争で米軍により広範に散布された枯れ葉剤の原料であり、あの結合双生児として日本で治療を受けたベト君、ドク君でも知られる染色体異常を引き起こす非常に危険な化学物質です。 この枯れ剤の原料が全国の国有林に留め置かれている事実が報じられました。全国では46か所が残り、残念ながら、県内でも別府市の山中にセメントで固めたコンクリート塊として埋められているとのことです。 このコンクリート塊の現在までの管理状況及び有毒成分の地下水等への漏出の有無の確認状況について、また今後の撤去の見込みもあわせて教えてください。国有林を管理する林野庁との協議状況もお知らせください。 続いて、最後に土木建築行政について伺います。 その1点目は、大分市内の渋滞対策についてです。
コロナ禍では、感染対策の一つとして外出を控えることが推奨されており、各企業ではテレワークや在宅勤務などの制度導入が進められ、個人の日常生活においても巣ごもり需要を背景に、ネット通販などの利用が増えているとのデータもあります。
新型コロナウイルス感染症は、デジタル化の進展ともあいまって、人々の行動を大きく変化させています。 一方、民間機関の全国調査では、感染対策を意識した移動手段については公共交通機関の利用割合が減少し、自家用車や自転車利用が増加しているとの結果が公表されています。もちろん各公共交通機関も換気対策や消毒の徹底などの感染対策に取り組まれていますが、実態としてこのような社会の変化、動きが出ています。
コロナ禍前の2013年実施の大分都市圏パーソントリップ調査では、移動のための交通手段として、同乗も含めた自動車の利用割合が3分の2を超えるという結果でした。これら全国調査及び大分都市圏調査の結果からは、大分市内では、公共交通機関利用から自家用車への交通手段の転換が相当数あり、感染対策として移動の機会そのものは減少しているものの、自動車による移動の機会総数自体は大きく変化していないのではないかと考えられます。 今後の感染対策と両立した経済再活性化段階では、個人の空間を確保しながら移動できる自動車利用がますます増えていくと想定する必要があると考えます。 また、昨年12月の日本経済新聞の記事では、ネット通販の急速な拡大もあって、大半を自動車が担う宅配便の取扱実績も加速度的に増え、今後15年程度で宅配便の取扱個数が倍増するとの試算もあると報道されました。 そこで課題となるのが、交通渋滞の問題です。特に県内142か所の主要渋滞箇所のうち98か所を抱える大分市内は、深刻な状況にあると言えます。 大分市内の渋滞は、2012年3月に完了した大分駅周辺の高架化や、2018年1月の宗麟大橋の開通などにより、少しずつ改善が図られていることは多くの方が実感していることと思います。 しかしながら、依然として周辺地区では渋滞が発生しており、中心部へつながる経路の渋滞もいまだに深刻です。宗麟大橋周辺の渋滞は、東西南北どの方面も朝夕の時間帯は大変なものであり、ここで失われる、それぞれ通勤の方々の時間を経済効果に見直したときに、いかほどのものになるか、想像を絶するものがあります。この大分市内について実施中の道路整備事業もありますが、大分市内の渋滞解消に向けた今後のビジョンについて、知事の考えをお聞かせください。 最後に、県営住宅戸数の削減方針についてです。 県は県営住宅の適切な維持管理やライフサイクルコスト、生涯費用の縮減に関する方針を定めた大分県公営住宅等長寿命化計画の改定案をまとめ、公表しました。今後10年間を期間とするこの計画の中で、将来の需要予測などを踏まえて新たに目標管理戸数を定めるなどの事業手法の選定基準を見直したと報じられました。 昨年度策定した大分県公営住宅マスタープラン2020に基づく長寿命化計画の改定案では、2031年度までに県営住宅の管理戸数を昨年4月時点の8,614戸から7,600戸程度へと約1千戸を減じる方針ということで、2月16日まで県民意見を募集したということです。 これまでの私の実感としては、高齢化が進む中で年金生活者の方々から、少しでも生活費を切り詰めるためにと公営住宅入居の御要望を大変多くいただいてきており、その大多数の方々から何回応募しても抽選に当たらずいつまでも公営住宅に入居できないとの苦情もいただいています。現実に空き部屋になっているところの抽選が行われないという声もいただいています。 もちろん
人口減少の進展と民間賃貸住宅と公営住宅とのシェアバランスの取り方といった変化への対応は必要でしょうが、今回の施策改定の議論において、公営住宅の設置目的として公営住宅法にいう、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与するとの規定に照らして、入居希望者の声はどのように反映されているのでしょうか。 この10年間で既存の県営住宅を10%以上削減するという今回の改定案に対する県民意見募集にはどのような声が寄せられているのかもあわせて伺います。 以上で今回の
代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○三浦正臣副議長 ただいまの河野成司君の質問に対する答弁を求めます。
広瀬知事。 〔
広瀬知事登壇〕
◎広瀬勝貞知事 河野成司議員から、公明党を代表して御質問いただきました。初めに私からお答えします。 こどもに関する政策パッケージについて御質問いただきました。 本県では、令和2年3月に、第4期おおいた子ども・子育て応援プランを策定し、現在、結婚から妊娠、出産、子育てまで切れ目のない支援に全力で取り組んでいます。 子どもは社会の宝であり、将来の地域社会を担う希望です。未来への投資として、子どもの育ちと子育てを総合的に支援し、一人一人の子どもが健やかに生まれ育つことができる温かい社会を築くことを計画の本旨としています。 こうした計画の理念や各施策の柱は、議員から御紹介のあった「こどもに関する政策パッケージ」と軌を一にしています。理念や政策の柱が同趣旨であるから、私どもの計画策定時に想定していなかった事業についても、取り入れるべきものは速やかに取り入れて、今議会に上程された当初予算案にも反映させています。 例えば、不妊治療については、本県ではこれまで国の制度に独自の上乗せを行って、全国トップクラスの助成を実施してきました。4月からは、かねてから国へ要望してきた公的医療保険の適用が開始されますが、制度変更による利用者の負担増を回避し、円滑な移行が図れるように、新たな独自助成を行います。 また、保育人材の確保や職場の定着を図るため、国の予算を積極的に活用し、ICT化による保育現場の業務改善や働き方改革なども進めていきます。 さらに国は、こども家庭庁の創設により、年齢や制度の壁を克服した切れ目ない包括的支援を実現するとしていますが、本県は組織にとらわれることなく、国に先んじて取り組むこととしています。 特に小学校就学前後の移行期は、関わりの主体が母子保健、児童福祉から学校教育へと変わるため、発達が気になるなど困りを抱える
子どもたちへの支援が途切れるケースも発生しています。このため、関係機関の情報連携を強化し、就学前後を通じた支援体制の構築を進めます。 今後とも、国の動きなどを注視するとともに、その時々の新たな課題に迅速に対応しながら、引き続き子育て満足度日本一の実現に努めていきます。 次に、永住可能な外国人労働者の拡大による県産業への影響について御質問いただきました。 昨年10月末の時点の県内の外国人労働者数は、
新型コロナウイルスの影響により、9年ぶりに前年を下回りました。しかしながら、国は今月から水際対策を緩和していて、今後再び外国人労働者は増加していくものと考えています。 外国人労働者は今や企業や地域社会にとって欠かせない存在になっており、製造業や農林水産業等、様々な分野で活躍しています。また、買い物やイベントへの参加、出身国の言葉を県民が学ぶ講座など、地域にとっても貴重な存在となっています。 国は長期就労が可能となる特定技能2号について、現行の建設、造船分野以外にも対象分野の拡大を検討しており、人材不足に悩む本県としては歓迎したいと考えています。その一方で、特定技能は同じ分野であればどこでも働くことが可能であるため、他県との競争も激化します。本県が選ばれるには、労働環境の整備や地域住民との共生をより一層進めていくことが大切です。 県では、3年前に外国人労働者の受入れと共生を市町村と一体的に検討していくための協議会を設置し、優良事例等の情報を共有しながら、様々な対応策に取り組んでいます。 受入れに関しては、大分で働く外国人労働者自らが、仕事中の様子のみならず、休日の過ごし方も含めて大分を楽しんでいる動画を作成し、SNSを利用してターゲットである国内外の外国人に確実に届くよう発信しています。 また、来年度からは、外国人労働者が多い県北部において、労働環境整備のため、寮などの施設改修や翻訳機器の導入等に積極的に取り組む企業を支援していきます。 さらに、共生社会の実現に向け、一元的相談窓口である外国人総合相談センターを設置し、市町村と連携しながら、教育や医療など様々な相談に対応しています。先日の日向灘地震発生時には、監理団体が即座にSNSで津波の心配がないことを伝え、8割の技能実習生から安心したという返信がありました。 引き続き県と市町村が足並みをそろえて、企業等が必要とする外国人労働者を適正に受け入れ、日本人と外国人が共に安心して暮らせる地域社会の実現に取り組んでいきます。 次に、地球温暖化対策について御心配いただきました。 今週公表されたIPCCの報告書では、産業革命前からの気温が2度上昇すると、今世紀末までに最大30億人が干ばつ等により水不足に陥ると警告しています。まさしく気候変動対策は人類にとって喫緊の課題であると改めて示したものと受け止めています。 県では、昨年3月に策定した第5期大分県地球温暖化対策実行計画の三つの重点戦略に基づき温暖化対策を進めています。 一つは、温室効果ガスの排出削減です。 今年度から一人一人が気軽にエコ活動に参加できる環境アプリ、エコふぁみの普及を行っており、2月末時点での登録者数は827人、協賛店等は115件です。本年1月から九州各県共同で制作したPR動画のSNS等での配信を始め、さらなる普及に取り組んでいます。 申すまでもありませんが、本県には九州唯一のコンビナートが立地しており、製鉄、石油精製、石油化学など、日本の産業を支えています。現在、それぞれの産業において、国の支援等も得ながら、温室効果ガス削減を実現する革新的な技術の開発に取り組んでおり、県としてもその成果を見守っています。 一方で、産業部門に加えて運輸部門や業務部門等でも、今の技術でどれくらい温室効果ガスが落ちるかという試算もしながら、計画の見直しを行っていきたいと考えています。 二つは、エコエネルギーの導入、利用促進です。 県エネルギー産業企業会では、再生可能エネルギーのみで企業活動を行うRE100の取組を進める企業を支援するなど、エコエネルギーの導入促進につながる取組を進めています。 また、今後は国脱炭素先行地域の枠組みを活用しながら、農業大学校に太陽光発電設備等を試験的に設置し、農業生産との両立について、その可能性を検証します。 三つは、森林吸収源対策の推進です。 森林によるCO2の吸収力を高めるため、早生樹造林の促進に向けた国との連携強化や、環境を考慮した植樹活動の支援とともに、建築物の木造化、内装木質化の推進による炭素の固定に取り組んでいきます。 来年度は、こうした取組の強化に向けて、脱炭素社会推進室の新設や新産業振興室に次世代エネルギー施策の推進班を設置する組織改正を行う一方、地球温暖化防止活動の企画、実践を担う学生推進員制度を創設します。 カーボンニュートラルの達成は人類の責務であるとともに、新たなビジネスチャンスにもつながると考え、果敢に挑戦していきます。 副生水素ガスを活用した産業振興等についても御質問いただきました。 水素は、発電だけではなく、産業や運輸など幅広い分野での活用が期待され、カーボンニュートラルに必要不可欠なエネルギーに位置付けられています。 現在、大分コンビナートで発生している副生水素は、石油関連製品の製造工程で硫黄分の除去や熱源等として使用されています。 この水素を新たな産業振興に利用し、本県の優位性を高めるためには、純度を高めるなどの高付加価値化や需要の創出が課題です。 今、国では脱炭素社会においてコンビナートが担うべき役割等について議論を行っています。また、産業拠点となる重要港湾を対象にしたカーボンニュートラルポート形成計画について、本県ではまずは大分港で検討を開始します。 大分コンビナート企業の三井E&Sマシナリーは、副生水素を活用する事業について、国の採択を受けました。これは副生水素を活用して発電した電力を海上側から大分港に停泊する船舶へ供給する可能性を調査するものです。 こうした検討や調査を通して、コンビナートにおいて整備する施設や設備、また議員からも言及いただいた大分宇宙港での活用可能性等も明らかになってくると考えています。 このほかにも議員御提案の副生水素を活用した地域振興についてはいろいろと楽しみがあります。中山間地域において移動の問題は、燃料の供給はもとより、公共交通の確保も重要です。このため、地域公共交通計画の策定等を通じて、持続可能な地域公共交通の維持確保を進めています。また、IoTプッシュボタンを使ったタクシー配車など、先端技術を活用した次世代モビリティの実証も行っています。 水素活用の特区の創設については、課題解決の糸口を特区とすべきかどうか、よく考える必要があると考えています。 副生水素に限らず、エネルギーの地産地消による地域づくりは重要です。 県エネルギー産業企業会では、これまでも姫島村における太陽光発電で充電したスローモビリティを観光に活用する取組、竹田市における竹や小水力からつくった電気で走る電気自動車を農業等に活用する取組を支援してきました。 今後も様々なエネルギーを活用した地域振興に向けた取組をいろいろとつくり出していきます。 最後に、大分市内の渋滞対策について御質問いただきました。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、私たちに移動や交流の制限を強いる一方、コミュニケーションの普遍的な価値や物流の重要性などを再認識させました。
コロナ禍にあって、社会経済活動の再活性化を支える道路は重要なライフラインであり、安全で快適な移動を確保する上で交通渋滞の解消は大きな課題の一つです。 県では、国や大分市と連携し、大分市南部では国道10号高江拡幅、東部では197号鶴崎拡幅、西部では442号宗方拡幅などの事業を進めており、市内中心部では庄の原佐野線の整備に力を入れています。 中でも平成30年1月に開通した宗麟大橋は半世紀ぶりに大分川下流域に新設した橋梁で、現在は1日に約2万5千台の交通量があり、滝尾橋や舞鶴橋などの渋滞緩和といった事業効果が認められています。 しかしながら、議員御指摘のとおり、宗麟大橋周辺の交通状況は引き続き改善の必要があり、重点的に対策を講じています。 平成29年度に事業化した下郡バイパスと米良バイパスを結ぶ下郡工区は来年度いよいよ高架橋の工事に着手します。残る用地への御協力もいただきながら、しっかりと整備を進めていきます。 その先の米良バイパスから明野地区を結ぶ下郡・明野工区については、下郡工区との一体的な整備が必要なことから、事業評価監視委員会の審議をお願いし、先月、事業実施が妥当との答申をいただきました。 本年1月には、私も国に出向き、直接整備の必要性を訴えてきたところであり、今後も大分市や地元期成会と一緒になって早期事業化に向けて取り組んでいきます。 こうしたハード対策に加え、渋滞対策にはソフト面からのアプローチも欠かせません。 MaaSや次世代モビリティサービスの活用も含め、
コロナ禍で落ち込んだ公共交通の利用促進を図るなど、
ポストコロナの都市交通のあり方を総合的に検討しながら、ハード、ソフト両面から渋滞対策を進めていきます。
○三浦正臣副議長 山田
福祉保健部長。 〔山田
福祉保健部長登壇〕
◎山田雅文
福祉保健部長 私から2点お答えします。 1点目は、子宮頸がんワクチンの接種勧奨再開についてです。 このたびの接種勧奨の再開に伴い、昨年12月に
厚生労働省から、これまで接種機会を逃した方をキャッチアップ接種の対象とする方針が示されました。 その接種対象者は県内で約4万人に上っており、接種が一時期に集中して医療機関に負担がかかることのないよう、計画的な接種が必要となります。 現在、小児科や産婦人科を中心に300を超える医療機関にワクチン接種の御協力いただいてますが、県医師会や市町村などと今後の対応について協議しています。 他方、本県の令和2年度の子宮頸がんワクチンの初回接種率は3%程度にとどまっており、対象者への接種勧奨を一層強化する必要があります。 引き続き県医師会などとも連携し、対象者やその家族に接種の判断材料となる情報提供を丁寧に行うとともに、接種主体となる市町村や副反応の相談窓口である大分大学とも協力し、接種率の向上を図っていきます。 次に、循環器病による死亡率の削減についてお答えいたします。 本県において循環器病の急性期を担う病院は大分市や別府市に多く、救命率を向上するためには、救急搬送や転院搬送を迅速かつ適切に行うことが重要です。 このため、新年度予算には心電図データやCT画像を搬送先の医療機関に送信できるシステムの構築経費などを盛り込み、医療現場のDX化に取り組むこととしています。 医療人材については、人口当たりの循環器病専門医が全国平均を上回っている一方で、初期対応を担う救急医が不足しています。 このため、新年度から医師研修資金の対象に救急科を追加し、各救急医療圏に2人以上の救急医が配置できるよう養成を急ぎます。 また、退院後の在宅患者の健康管理には多くの職種が関わります。医師や看護師、薬剤師、リハビリ関係職種、栄養士、ケアマネジャーなど、多職種を対象とした在宅医療研修の充実も図ることとしています。 循環器病対策推進計画では、こうした施策に加え、生活習慣の改善などの予防活動も盛り込み、関係者との連携を一層密にし、循環器病による死亡率の減少に努め、
健康寿命のさらなる延伸を図っていきます。
○三浦正臣副議長 岡本教育長。 〔岡本教育長登壇〕
◎
岡本天津男教育長 子宮頸がんワクチンの学校現場での対応についてお答えします。 現在、学校では、国からの求めにより、ワクチン接種の関連症状に対する教職員の理解を深めるとともに、ワクチン接種により健康被害があった生徒の心身の状態に応じて、教育活動等に適切に配慮するよう対応しています。 ワクチン接種後に体調の変化が認められた生徒やその保護者に対しては、医療機関の受診、接種の実施主体である市町村等への相談など専門的対応を受けるよう勧めています。 現在、今年4月からの勧奨再開に向け、市町村が対象者への通知など準備を進めていると伺っており、その通知の中にはワクチンの有効性・安全性などの情報も盛り込むこととされています。 ワクチン接種については、これまでの経験から、専門的知見に基づいた丁寧な対応が求められます。今後も国や市町村などと連携を図りながら適切に対応していきます。
○三浦正臣副議長 和田総務部長。 〔和田総務部長登壇〕
◎和田雅晴総務部長 私からは、パートタイム公務員の処遇改善についてお答えします。 県及び県内自治体のパートタイム公務員の状況は、令和3年4月1日時点で、県が2,280人で職員全体に占める割合は約11%、市町村等が6,821人で職員全体に占める割合は約35%となっています。 パートタイム公務員のうち、議員から御指摘のあった7時間30分の勤務時間で任用している事例は、県では該当がありませんが、一部の市でこのような任用が行われています。 このため、勤務時間を7時間30分とすることに合理的な理由があるかをしっかり検証し、十分な説明責任を果たすよう該当する市に対し助言してきました。その結果、7時間30分の勤務時間で任用しているパートタイム公務員数は昨年度の364人から今年度は192人と半数近くに減少しています。さらに、今年度末で一つの市が7時間30分勤務の任用を廃止することとしています。 今後とも、県として制度の適正な運用を図ることはもとより、各市町村に対しても引き続き適切な運用を行うよう助言していきます。
○三浦正臣副議長 大塚
企画振興部長。 〔大塚
企画振興部長登壇〕
◎大塚浩
企画振興部長 JR九州の路線や駅の確保についてお答えします。 鉄道路線は、住民の通勤、通学等の日常生活や経済活動を支える公共交通機関であり、その維持、確保は重要です。 一方、鉄道事業にあっては、マイカーの普及や
人口減少等に加え、新型コロナの影響もあり、厳しい経営状況となっています。 こうした状況を受け、国において、利便性が高く、持続可能な地域モビリティの再構築に向けた議論を行うため、新たに検討会が設置されたことは承知しています。 県としても、鉄道事業者とは日頃から意見交換等を積極的に行うとともに、公共交通を担う者の責務として、利用者の声に丁寧に耳を傾け、利便性の確保に最大限配慮するよう強く要望しています。 議員御指摘のように、路線や駅の存続に関するような場合には、当然、地元自治体や沿線住民等を含めて、しっかりと議論していくことが必要と考えています。 まずは国の検討会の議論の行方も踏まえた上で、関係者の意見も伺いながら、持続可能な鉄道ネットワークの構築に向け、必要な検討を行っていきます。
○三浦正臣副議長 御沓
生活環境部審議監。 〔御沓
生活環境部審議監登壇〕
◎御沓稔弘
生活環境部審議監 私からは2点についてお答えします。 まず、犬、猫の殺処分減少に向けた取組についてです。 令和2年度までの10年間で犬の殺処分頭数は88%減少しているものの、猫は55%の減少にとどまっています。 猫の殺処分削減のためには、所有者不明の猫、野良猫を減少させることが最も有効な手段だと考えています。 現在、本県で実施しているさくら猫プロジェクトは、三重県の取組を参考に、ボランティア、市町村、県獣医師会、動物愛護センターが一体となって不妊去勢手術と術後の地域での猫の世話を行っているものです。これはいわゆる地域猫に近い対応であり、令和3年度は1月末時点で905頭実施しています。この取組により、殺処分頭数は令和2年度の1,088頭から今年度は1月末時点で511頭とほぼ半減しています。 また、引き取った猫の譲渡も積極的に行っており、平成31年2月のセンター開所から約3年で千頭に達したところです。 あわせて、小中学生に適正飼養を目的とした動物愛護教育を今年度既に195校の6,093人に実施しています。令和4年度は講師の人員を増やすなど愛護教育体制をさらに強化していきます。 今後も、他県の優良事例も参考に、猫の保護と世話を行う地域ボランティアの増員を図るなど、殺処分の減少に取り組んでいきます。 次に、枯葉剤原料の国有林での保管についてです。 2・4・5-T系除草剤は、発がん性や胎児への影響が生じるおそれがあるとして、昭和46年に使用が中止され、林野庁が、県内では別府市の国有林に土とセメントを混ぜ、地下数メートルに埋設し保管しています。 昭和59年には専門家の指導でコンクリート被覆、囲いのフェンス、標識を設置し、管理を強化するとともに、大分西部森林管理署が年2回の巡視を行っています。 加えて、大雨、地震等の際には、土壌の流出等がないか点検を実施しており、現在まで異常は確認されていません。 他方、昭和46年の埋設から長期間が経過しており、コンクリートの経年劣化や近年の地震、豪雨等の自然災害の頻発により、今後環境への影響が懸念されます。 そのため林野庁は、昨年11月から、岐阜、高知、佐賀、熊本の4県で調査を行い、撤去に向けた方策を検討しています。県としても林野庁に対し、速やかな撤去と撤去後の周辺土壌や水質の検査等を徹底するよう求めています。 引き続き周辺地域の良好な環境保全のために、現地を注視していきます。
○三浦正臣副議長 島津
土木建築部長。 〔島津
土木建築部長登壇〕
◎島津惠造
土木建築部長 私から、県営住宅戸数の削減方針についてお答えします。 大分県公営住宅マスタープランでは、国が示した方法により、住宅に困窮する世帯数や低額家賃の民間賃貸住宅数等を推計し、2040年時点の公営住宅の戸数を算定しています。 今回改訂する長寿命化計画においては、マスタープランでの算定結果を基に10年後の目標戸数を定めたところです。 議員御指摘の何回応募しても抽選に当たらないとの声はお聞きしており、これは中層階に入居可能な住戸がある中で、高齢者の希望が1階やエレベーター付の住戸に集中しているといったことも要因と考えています。 このため、長寿命化計画に基づき、エレベーター付住宅への建て替えを計画的に進めるとともに、低層階である2階も対象とした住戸バリアフリー化に引き続き取り組んでいきます。 なお、今回の県民意見募集では、戸数削減に対する御意見はありませんでしたが、老朽化対策の推進及び設備水準の向上を求める御意見をいただいています。 今後も、こうした御意見をはじめ、県民ニーズや社会情勢の変化、そして、法の趣旨を十分に踏まえながら、計画的に住宅整備を進めていきます。
○三浦正臣副議長 以上で河野成司君の質問及び答弁は終わりました。 これをもって
代表質問を終わります。
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○三浦正臣副議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 5日、6日は県の休日のため休会とします。 次会は、7日定刻より開きます。日程は決定次第通知します。
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○三浦正臣副議長 本日はこれをもって散会します。 午後2時21分 散会...