令和2年11月 定例会 第 6 号 (12月4日) 令和2年 熊本県議会11
月定例会会議録 第6号令和2年12月4日(金曜日
) ――――――――――――――――― 議事日程 第6号 令和2年12月4日(金曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 第2 議案等に対する質疑(第1号から第46号まで及び諮問第1号) 第3 知事提出議案の委員会付託(第1号から第46号まで及び諮問第1号) 第4 請願の委員会付託 第5 休会の
件 ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに 県の一般事務について) 日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第46号まで及び諮問第1号) 日程第3 知事提出議案の委員会付託(第1号から第46号まで及び諮問第1号) 日程第4 請願の委員会付託 知事提出議案の上程(第48号及び第49号) 日程第5 休会の件 ――――――○――――――出席議員氏名(49人) 前 田 敬 介 君 城 戸 淳 君 本 田 雄 三 君 南 部 隼 平 君 坂 梨 剛 昭 君 荒 川 知 章 君 西 村 尚 武 君 島 田 稔 君 池 永 幸 生 君 竹 﨑 和 虎 君 松 野 明 美 さん 山 本 伸 裕 君 岩 田 智 子 君 吉 田 孝 平 君 中 村 亮 彦 君 大 平 雄 一 君 髙 島 和 男 君 末 松 直 洋 君 松 村 秀 逸 君 岩 本 浩 治 君 西 山 宗 孝 君 河 津 修 司 君 楠 本 千 秋 君 前 田 憲 秀 君 濱 田 大 造 君 磯 田 毅 君 西 聖 一 君 橋 口 海 平 君 緒 方 勇 二 君 増 永 慎一郎 君 髙 木 健 次 君 髙 野 洋 介 君 内 野 幸 喜 君 山 口 裕 君 早 田 順 一 君 渕 上 陽 一 君 城 下 広 作 君 鎌 田 聡 君 田 代 国 広 君 坂 田 孝 志 君 溝 口 幸 治 君 小早川 宗 弘 君 池 田 和 貴 君 井 手 順 雄 君 吉 永 和 世 君 松 田 三 郎 君 藤 川 隆 夫 君 岩 下 栄 一 君 前 川 收 君欠席議員氏名(なし
) ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名 知事 蒲 島 郁 夫 君 副知事 田 嶋 徹 君 副知事 木 村 敬 君 知事公室長 白 石 伸 一 君 総務部長 山 本 倫 彦 君 企画振興部長 高 橋 太 朗 君 理 事 水 谷 孝 司 君 健康福祉部長 渡 辺 克 淑 君 環境生活部長 藤 本 聡 君 商工労働部長 藤 井 一 恵 君 観光戦略部長 寺 野 愼 吾 君 農林水産部長 竹 内 信 義 君 土木部長 上 野 晋 也 君 会計管理者 本 田 充 郎 君 企業局長 藤 本 正 浩 君 病院事業 吉 田 勝 也 君 管理者 教育長 古 閑 陽 一 君 警察本部長 岸 田 憲 夫 君 人事委員会 青 木 政 俊 君 事務局長 監査委員 福 島 誠 治 君 ――
―――――――――――――――事務局職員出席者 事務局長 吉 永 明 彦 事務局次長 横 尾 徹 也 兼総務課長 議事課長 村 田 竜 二 審議員兼 富 田 博 英 議事課長補佐 ――――――○―――――― 午前10時開議
○副議長(渕上陽一君) これより本日の会議を開きます。 ――――――○――――――
△日程第1 一般質問
○副議長(渕上陽一君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 島田稔君。 〔島田稔君登壇〕(拍手)
◆(島田稔君) おはようございます。自由民主党・荒尾市区選出の島田稔です。 昨年11月定例会に引き続きまして、今回2回目の質問となります。今回は、
発言通告どおり、質問4件、要望1件行わせていただきます。県執行部の皆様方の明確なる答弁を期待しているところであります。 最初に、地元の7月豪雨災害復旧に関する要望を行います。 我が国日本には四季があり、その季節折々の様々な情緒豊かな風景と季節に応じた伝統文化が存在し、世界の人々が一度は訪れてみたいと羨む美しい国であります。しかし、一方では、地形、地質、気象等の特性により、地震や大雨、台風など被害も多く、災害に対してもろい部分も露呈し、極めて厳しい自然条件でもあります。 近年では、地球温暖化に伴う気候変動の影響により、毎年のように梅雨前線や台風による豪雨が発生し、その規模や被害は、年々増加する傾向にあります。 本年も、6月下旬から7月中旬にかけて、活発化した梅雨前線の影響により、九州全域は記録的な大雨となり、熊本県南部では、線状降水帯による豪雨で、球磨川流域を中心に甚大な被害に見舞われましたが、県南部だけではなく、荒尾、玉名、山鹿、阿蘇の県北部におきましても、7月6日から7日にかけての豪雨により、河川の氾濫や土砂崩れ等が多数発生しております。 荒尾市と玉名郡市における県と市町を合わせた被害は、公共土木施設が248件、
農林水産施設関係が1,540件であり、農作物等の被害を合わせた被害総額は、約80億円に上り、特に荒尾市、南関町を流れる関川流域に被害が集中しています。 皆様方もテレビ報道等で御覧になったかと思いますが、熊本県との県境にあります福岡県大牟田市の諏訪川流域の浸水被害状況が連日メディアで取り上げられておりましたが、大牟田市内を流れるこの諏訪川は、県境を越えて熊本県側に入ると、2級河川関川に名称を変更する同一河川であり、河川上流部に位置する南関町や荒尾市でも、大牟田市同様、多くの被害が発生しております。 荒尾市では、住家被害として、半壊が145棟、一部損壊が125棟発生し、公共土木施設の被害が30件、農地、農業用施設の被害が107件、農作物被害、水稲14.1ヘクタールなど、被害総額は、約8億円に上り、この大半は関川流域で発生しております。 スクリーンを御覧ください。(資料を示す) 福岡県境に近い大島地区です。市街地が冠水しているのが分かります。 (資料を示す)
荒尾中央小学校南側となります中央地区です。土手が崩れ、建物が全壊しています。 (資料を示す)関川流域の上井手地区です。関川に架けられた石造り眼鏡橋の岩本橋周辺となります。橋の周辺は市民の憩いの場所になっていますが、周辺の道路の土が流され、道路が壊れています。 (資料を示す)下井手地区の精肉店前です。関川と県道が冠水し、区別できない状況で、写真右側の店舗に浸水しています。 なお、同店では、被災直後は再開を断念されていましたが、周囲の励ましもあり、再開費用は熊本県
なりわい再建支援補助金を活用することで、9月中旬に再開を決意し、年末にはオープンさせたいとのことです。 (資料を示す)関川流域の現地視察時の写真です。中央に写っているのは野田代議士、その右隣の少し背が高い方が浅田荒尾市長、野田代議士の左隣が私です。 私も、状況確認のため、早々に現地に向かいましたが、目の当たりにした光景は想像を絶するものであり、驚きの連続と落胆に襲われました。 また、現地で出会う市民の方々は、こんな大雨は初めて、ここまで水が上がってくるとは思いもしなかった、本当に恐ろしく、生きた心地はしなかったなど、身に迫る恐怖がひしひしと伝わるものであり、改めて自然の猛威を思い知らされるとともに、防災、減災の重要性を再認識させられました。 また、地域の皆さんは、大雨や台風の被害状況は年々増大する一方であり、現状復旧しても、また来年同じことが起こるのではないか、せっかく改修するのであれば、同様の被害が起こらない改修をしなければ心配は尽きないと、口をそろえて強く望まれております。 既に、南関町長、荒尾市長も、地元の代表者として、喫緊の課題と捉え、県に対して要望を出されているところであります。 今後、一日も早い復旧、復興に向けて事業推進が図られると思いますが、私も、地域の皆さん同様、再度同じような被害が起きない復旧、復興を検討していただき、流域の安心、安全の向上と、そこに住む方々がこれで一安心と言っていただけるような対策を切にお願いし、7月豪雨災害復旧に関する要望とさせていただきます。 それでは、質問に入ります。 1点目の質問は、本県の当面の財政運営についてであります。 先般、県は、来年度、令和3年度の予算編成方針を公表しています。その概要によれば、一般会計当初予算の大まかな収支見通しは、歳出8,619億円、歳入が8,336億円で、豪雨災害と
新型コロナウイルスの影響で、今年度9月補正までに全額取り崩した財政調整用4基金を55億円、災害基金を20億円積み戻すことを前提とした場合、財源不足が284億円発生する見込みとなっています。 財源不足分は、繰越金などで224億円を補い、残り60億円は、歳出削減策と予算査定で捻出する方針のようです。また、通常県債残高は、令和元年度末の約8,700億円の同水準を維持する方針を堅持することとなっています。 そうした方針を踏まえ、要求基準については、熊本地震、
新型コロナウイルス、7月豪雨災害の関連事業には優先枠を設定し、その他の事業に関しては、一般行政費は、前年度比80%以内、投資的経費は、前年度比較で、国の補助事業で90%以内、県単独事業で80%以内と、熊本地震発災直後となる平成29年度当初予算と同程度となるシーリングを設けています。 私は、昨年の11月定例会の一般質問で、地方一般財源の動向についてお尋ねをいたしました。地方が責任を持って様々な課題に対応するには、安定的な財政運営に必要となる地方交付税をしっかり措置していただくことが重要で、国レベルでの地方一般財源の確保、充実が求められている地方一般財源の動向についてお尋ねをいたしました。 答弁で、総務部長から、
地方一般財源総額について、令和3年度までの間、平成30年度地方財政計画の水準を下回らないよう、同水準を確保する方針が示されているとの答弁がありました。 本県は、現在、熊本地震からの創造的復興、
新型コロナウイルス感染対策、7月の豪雨災害の復旧、復興の
トリプルパンチに見舞われています。 9月定例県議会で、補正後の本
年度一般会計予算の総額は、1兆604億円となり、熊本地震が発生した平成28年以来、4年ぶり2度目の1兆円を超えています。今後策定する球磨川流域の復旧・復興プランによっては、事業費が大幅に膨らむ可能性もあります。 国に目を向けますと、国の令和3年度概算要求総額が105兆4,000億円となり、100兆円を上回るのは7年連続で、3年連続で過去最大を更新したと発表があっています。 そのような中、総務省は、令和3年度の地方財政の課題と地方交付税の概算要求の概要を公表し、令和3年度、地方交付税16兆2,000億円を財務省に要求しています。 また、
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済状況の悪化により、地方交付税の原資となる国税が減収となり、さらに地方税も大幅な減収となる見込みであるため、財源不足が拡大する見込みです。 これを穴埋めする
臨時財政対策債は、前年度の2倍を超える3兆7,000億円増の6兆8,000億円となり、リーマン・ショック時の7兆7,000億円に次ぐ規模となるなど、地方財政全体として厳しい状況が見込まれ、
トリプルパンチに見舞われている本県の財政運営への影響も少なくはないものと考えます。 そこで、こうした地方財政全体の動向を踏まえ、今年度中の県税収減に伴う財源不足への対応等も含め、本県の当面の財政運営について、総務部長にお尋ねをいたします。 〔
総務部長山本倫彦君登壇〕
◎総務部長(山本倫彦君) 本県の当面の財政運営についてお答えいたします。 まず、今年度の対応についてですが、
新型コロナウイルスの感染拡大や令和2年7月豪雨の影響等によりまして、県税収が当初予算を下回ることが予想されますが、現時点では減収幅が見通せない状況にあります。 引き続き、税収の動向を把握いたしまして、当初予算を大きく下回る場合には、決算剰余金や減収補填債の活用などにより、財政運営に支障がないよう適切に対応してまいります。 次に、来年度の対応についてですが、来年度の予算編成方針における10月上旬時点の大まかな収支見通しでは、60億円の財源不足を見込んでいるところであります。 また、感染症による県経済への影響は、過去に例のない先行きが不透明な状況でありまして、さらなる厳しい状況に陥ることも懸念されます。 一方で、こうした厳しい状況におきましても、熊本地震、
新型コロナウイルス対策、豪雨災害、これらへの対応など、必要な事業にちゅうちょなく取り組んでいく必要があります。 そのため、一般行政経費や県単独投資のマイナス20%シーリングに取り組むとともに、これまで以上に真に必要な事業への選択と集中を徹底しながら、当初予算の編成を進めてまいります。 また、これを実現するためには、地方税財源の確保、充実が必要です。総務省では、令和3年度概算要求におきまして、一般財源総額について、令和2年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保することを求めており、本県におきましても、全国知事会等を通じて要望をしているところであります。 加えまして、本県独自の課題については、負担の最小化に向けて、引き続き、国庫補助や手厚い
地方財政措置等を要望し、議会の皆様方にも御協力を賜りながら、実現を目指してまいりたいと考えております。 今後、
熊本地震関連事業の県債償還が本格化し、さらには7月
豪雨災害関連事業に係る県債の償還もこれに加わってまいります。 このような状況におきましても、適切な財政運営が可能となるよう、将来への影響を加味した中期的な財政見通しを策定いたしまして、財政調整用4基金を80億円程度確保するとともに、通常県債残高を現在と同水準で維持させるとの蒲島県政の方針を堅持することを目標に、将来を見据えた取組を進めてまいります。 〔島田稔君登壇〕
◆(島田稔君) 本県の当面の財政運営について、総務部長から答弁をいただきました。 今年度の対応については、税収の動向次第では、決算剰余金や減収補填債の活用などにより、財政運営に支障がないよう適切に対応したい、来年度の対応について、一般行政経費や県単独投資のマイナス20%シーリングに取り組み、これまで以上に真に必要な事業への選択と集中を徹底しながら、当初予算の編成を行うとのことであります。 今後については、
熊本地震関連事業に係る県債の償還が本格化し、今回の
豪雨災害関連事業に係る県債償還も加わるため、適切な財政運営が可能となるよう中期的な財政見通しを策定し、4基金にしても、県債残高も、これまでの水準を維持したいと答弁をされました。 熊本地震、新型コロナ、7月豪雨の
トリプルパンチに見舞われている本県であります。
新型コロナウイルス感染症の制圧と経済活動の両立のように難しい本県の財政のかじ取りではないかと考えます。 二元代表制の一角を担う我々県議会も、今後は、なお一層の健全財政を念頭に置いた議会活動が求められていると思うところであり、県執行部におかれては、財政健全化に全力で取り組んでいかれることを切望し、1件目の質問を終わります。 次の2点目は、
阿蘇くまもと空港アクセス鉄道について質問させていただきます。 熊本地震からの復興のシンボルとして県が進めている熊本空港への鉄道延伸ですが、この構想は、熊本空港への交通利便性を向上させるため、
JR豊肥本線三里木駅から鉄道を延伸させるもので、県などでつくる第三セクターが整備し、運行をJR九州に委託する構想です。 県議会6月定例会では、事業費が大幅に膨らむことになったことに加え、
新型コロナウイルスの影響で航空利用者が大幅に減少し、蒲島知事は、事業化の判断は一旦立ち止まると答弁され、コスト縮減策の追加調査と有識者などから意見を聴く場を設ける意向を表明されました。 また、9月
定例会代表質問での
自民党松田議員への答弁で、知事は、定時性など空港利用者への直接的な効果はもちろん、県全体への波及効果も期待され、さらには空港周辺や鉄道沿線地域での先端産業の集積、
県民総合運動公園のアクセス改善によるスポーツ大会やイベントの誘致などの効果も期待される、50年後、100年後を見据え、将来の熊本の発展に必ずや貢献すると確信し、これまでどおり検討を進めると強調されております。 さらに、県は、10月21日に、
UXプロジェクトとして、益城町の熊本空港周辺を新産業創出の拠点とし、
ライフサイエンス産業を中心として、人、物、技術、情報が集まり、有機的に結びつく新たな知の集積を図ると発表しています。 さて、今年の3月29日に、
熊本朝日放送開局30周年記念「
KABフォーラム2020」が開催され、私は、当日のテレビ放映を興味深く見たところです。 コーディネーターにジャーナリストの池上彰氏、パネラーに
サクラマチクマモトの開発を手がけたHIS社長の澤田秀雄氏、
JR九州社長青柳俊彦氏、元
衆議院議員金子恵美氏、
熊本国際空港社長新原昇平氏の5名でのディスカッションでした。テーマは「地方創生と震災からの
復興」、中心市街地と駅と空港、3つの「
ビッグプロジェクトを生かせ!」というもので、この
空港アクセス鉄道にも関連するものでした。
サクラマチクマモトは、昨年9月に開業し、JR九州熊本駅ビルは、来年春のオープンです。熊本空港新
ターミナルビルは、2023年春の稼働が予定されています。 このフォーラムで印象に残った発言を何点か紹介します。 熊本国際空港の新原社長は、市街地から空港まで、渋滞時には1時間以上かかる場合もあり、JRと県が進めているアクセス鉄道はぜひ実現してもらいたいと述べた後、今後の空港ビルは、単に航空利用者のみならず、熊本空港へ遊びに出かけて、買物や食事を楽しみ、航空機の離発着を家族、カップルで見学するなど、誰もが楽しめるような仕掛けを提供したいとの発言がありました。 JR九州の青柳社長によると、40年前、九州新幹線の計画の折、当時一番反対されたのは熊本県の細川知事だったそうであります。開通すれば、熊本県は通過点となるだけで、ストロー現象で福岡都市圏に吸収されてしまうと危惧されたそうです。現在ではどうか、新幹線開通で一番恩恵を受けているのは熊本ですと発言されました。 また、青柳社長が社長就任の御挨拶に蒲島知事を訪問した折に、知事から、格安航空のLCCが飛んでくるようになって空港需要が増えてきたと聞き、それでは私どもJRと一緒に協力し、空港まで鉄道乗り入れをやりましょうというのが
空港アクセス鉄道のスタートだったそうです。 また、LCCの乗客には、タクシーを利用する発想はないとも述べ、交通アクセスが不便のため、熊本の航空旅客者には、新幹線を使い福岡空港を利用する方も多いと発言されています。最後に、声高に、鉄軌道のない空港は、海外でも国内でも空港の需要は伸びないと発言をされました。 私は、このJR九州の青柳社長の発言を聞いてまず頭に浮かんだのは、福岡空港の地下鉄、那覇空港のモノレールでした。また、JR九州が1996年に開業した
JR宮崎空港線、これは在来線の日南線から分岐する
ローカル空港初の空港連絡鉄道で、宮崎市中心部への所要時間は、バスに比べて20分以上短縮され、利用者から大変喜ばれているそうであります。大量輸送が可能で、速達性があり、定時での到着は、航空旅客者にとっては魅力となります。 私は、本年1月21日から23日の日程で、令和元年度の
高速交通ネットワーク整備推進特別委員会の管外視察に参加をいたしました。宮城県仙台市、気仙沼市、岩手県遠野市を訪問したのですが、仙台空港到着後、
空港アクセス鉄道の先行例である仙台空港駅が最初の視察先でした。 1月21日の当日は、
熊本空港国内線JALカウンター前午前8時10分集合で、8時55分発のJAL2382便大阪行きの便に搭乗したところです。 私は、荒尾市の自宅を、集合時間の2時間前で十分間に合うと思い、6時に出発し、その日は連れ合いに空港まで送ってもらいました。高速道路を利用し、熊本インターで下車しましたが、そこまでは何の問題もなかったのですが、第一空港線に入ってからが想像できない大渋滞でした。 空港までずっとのろのろ運転の中、8時10分の集合時間が過ぎた頃、随行する委員会担当の職員の方から2回電話がありました。2回目の電話は、今どこ辺りですか、あとどれくらいかかりそうですかと聞かれ、私は、
熊本空港カントリークラブの前です、あと10分ぐらいだと思いますと申し上げたことを覚えています。 結果、集合時間を30分オーバーし、出発時間15分前の8時40分にようやく到着することができました。連れ合いに送ってもらっていたため、駐車場ではなく、ターミナルに横づけできたことも幸いでした。自分で車を駐車場に止めていたら、恐らく間に合わなかったでしょう。 この体験を踏まえ、空港が空の玄関口として機能するには、様々な交通手段でストレスなく移動できることが重要であると痛感したところでした。 蒲島知事は、11月25日、今11月定例会の冒頭、有識者や経済界などから幅広く意見を伺うための第1回
空港アクセス検討委員会を今月11日に開催すると表明されました。 この検討委員会では、
新型コロナウイルスの交通、観光業界に与える影響や県内への経済波及効果などのほか、BRTを含む他の交通モードとの比較などが議題になるとのことです。 私は、やはり鉄道の強みは、特別委員会の管外視察のときのような状況をなくすことが可能となる鉄道による定時性の確保だと考えます。 そこで質問をいたします。
空港アクセス鉄道が熊本の将来の発展に必要であるという点は、私も全く同じ気持ちですが、他の交通モードとの比較における
空港アクセス鉄道の優位性などについてどのように考えているのか、改めて企画振興部長にお尋ねをいたします。 〔
企画振興部長高橋太朗君登壇〕
◎企画振興部長(高橋太朗君)
空港アクセス鉄道については、平成30年度の調査において、鉄道延伸、モノレールの新設及び市電延伸の3つの交通システムの導入可能性を比較検討いたしました。 その結果、議員御指摘の定時性を含め、速達性及び大量輸送性に優れ、事業費を相対的に低く抑えることができ、併せて採算性が見込める鉄道延伸が、最も効果的かつより早期に実現できる可能性が高いという結論に至りました。 また、鉄道延伸案のうち、三里木駅からの分岐延伸ルートは、懸案となっている熊本
県民総合運動公園へのアクセス改善を図り、その周辺の需要も取り込めることから、このルートを軸に検討を進めております。 さらに、鉄道延伸案については、協力が不可欠でありますJR九州から、運行委託や既存路線の増益効果の一部の拠出について同意をいただくなど、具体的な事業スキームの検討も進めています。 今後、有識者等から成る
空港アクセス検討委員会において、BRTを含めた他の交通モードとの比較についても、幅広く御意見を伺うこととしています。 県としては、鉄道延伸案が、他の交通モードとの比較において、実現性が高く、かつ最大限の効果を発揮できる計画であると考えており、引き続き、客観的に検証を進め、県民の皆様から一層の御理解を得られるよう努めてまいります。 〔島田稔君登壇〕
◆(島田稔君) 企画振興部長から答弁をいただきました。 平成30年度の調査において、鉄道延伸、モノレールの新設及び市電延伸の3つの交通システムの導入可能性を比較検討し、結果、定時性、速達性及び大量輸送に優れ、事業費を相対的に低く抑えることができ、併せて採算性が見込める鉄道延伸が、最も効果的かつより早期に実現する可能性が高いとの答弁でした。 6月定例会において、事業費が大幅に膨らむことになった報告があり、県は、コスト縮減策の追加調査を行うとともに、BRTを含めた他の交通モードとの比較などについて、有識者などから意見を聴く場である検討委員会を設置する旨の表明がありました。 答弁にもあったように、最も大切なことは、県民の皆様から一層の理解を得ることです。アクセス鉄道の是非を決定するのは、検討委員会ではありません。ここでは、客観的に検証を進め、最終的には、県民から選挙で選ばれた、執行権を有する蒲島知事が政治決断をすることだと考えます。今後の深い議論に期待しながら、この質問は終わります。 3点目は、
新型コロナウイルス感染症に対応した医療提供体制についてお聞きいたします。 この質問については、2件について質問いたします。 1件目は、入院受入れ医療機関への支援についてです。
新型コロナウイルス感染症は、7月下旬から8月にかけて感染者が急増し、一時期は100人を超える方が入院されている状況が続きました。 私の地元である有明圏域でも、大規模なクラスターが発生し、患者を受け入れた医療機関、医療従事者の皆さんは、大変な御苦労をされながら、コロナ対応に精いっぱい御尽力いただいたと聞いています。 また、9月以降も、県内各地で感染者が継続的に確認され、飲食店や医療機関等でもクラスターが発生していますが、医療機関や医療従事者の皆さんの懸命な対応もあり、大きな混乱は起きておらず、社会経済活動との両立もある程度可能になっていると思います。 こうした医療現場の頑張りに加え、県では、新型コロナの入院病床を最大400床、軽症者等の宿泊療養施設を最大1,430室確保されています。 また、9月定例会の公明党城下県議の代表質問への答弁で、蒲島知事は、
新型コロナウイルス感染症患者の専用病棟を設置した県内29か所の医療機関を重点医療機関として指定し、中等症や重症の患者にも対応できる医療提供体制の強化を図る方針を明らかにされています。 実際に、
新型コロナウイルス感染症患者の入院受入れ体制は、3月、4月に最初の感染拡大が始まった頃よりもかなり整ってきていると思います。 しかし、その一方で、先日、私が重点医療機関の一つを訪問し、関係者と意見交換を行ったところ、
新型コロナウイルス感染症の入院患者を受け入れているがゆえの課題、悩み等も数多くあるようです。 例えば、受入れ医療機関では、入院が必要な
新型コロナウイルス感染症患者の受入れのため、一般患者を入院させずに病床をあらかじめ確保したり、人工呼吸器や個人防護具等の確保の経費などで経済的負担が大きくなっています。 また、
新型コロナウイルス感染予防の観点から、従来実施していた健診業務や手術、検査等の一部について、延期や中止をされており、患者心理からの外来受診の抑制等も重なり、医療機関の収益は減収しています。 また、人工呼吸器や簡易陰圧装置、個人防護具など医療現場においてコロナ対応に必要な医療機器の整備に対する国の補助制度がありますが、全国的に人工呼吸器の品薄状態が生じており、必要な医療機器の導入までに時間を要するものもあり、年度内に機器整備が完了するのか懸念されています。 今後とも、
新型コロナウイルス感染症に感染された方への入院医療の提供をしっかり行っていくためには、現場の入院受入れ医療機関が直面している収入の減少や設備整備に関する不安を一つ一つ解決していく必要があると思いますが、こうした課題の解決に向けた県の取組についてお尋ねをいたします。
新型コロナウイルス感染症に対応した医療提供体制についての2件目は、地域医療構想についてです。 先日、地元医師会と意見交換を行った際に、今回の
新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、各地域の病床機能の在り方を検討する地域医療構想の進め方についても、再度議論したほうがよいのではないかといった御意見をいただきました。 平成29年3月に策定された熊本県地域医療構想では、人口減少等で医療資源が限られる中でも、質の高い入院医療を地域の関係者が連携して効率的に提供することを目的とされています。 しかしながら、国では、昨年9月、役割の再検証が必要な400余りの公立・公的医療機関を公表し、再編や統合が必要な公立医療機関等が数多くあるような報道がなされました。 このような動きを見ると、国が考える地域医療構想は、医療の効率化の観点から進めてこられたのではないかと思われます。 こうした中で、今回、地域の医療機関において、
新型コロナウイルス感染症への対応を迫られたわけですが、昨年度厚労省から役割の再検証を要請された公立・公的医療機関の中にも、新型コロナの患者を受け入れて、感染症対応に本当に頑張っておられるところがあると聞いています。 今後とも、新型コロナ患者の専用病床を安定的に確保していく、また、新たな感染症の発生にしっかりと備え、対応していくためには、これまでのような医療の効率化中心の議論だけでは不十分だと思います。地域の医療をどう守っていくのか、人材確保策など課題全体をまとめた議論が必要だと考えます。 そのため、今後の地域医療構想の進め方については、改めて各地域の医師会や医療機関等と協議しながら検討する必要があると考えますが、県としてどのように取り組んでいかれるのか。 以上2件について、健康福祉部長にお尋ねをいたします。 〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕
◎健康福祉部長(渡辺克淑君) まず、入院受入れ医療機関への支援についてお答えします。 県では、国の
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を活用し、感染症の陽性患者または疑い患者を受け入れるために専用病床を確保している医療機関に対し、病床確保料を交付しています。 国による基準単価の引上げもあり、これまでに、今年度上半期の実績に基づき、36の医療機関に総額71億円余りを交付決定しています。 また、患者の入院治療に必要な人工呼吸器や簡易陰圧装置等の医療設備の整備に対し、これまでに29の医療機関に総額10億円余りの補助金の交付を決定しています。 今後とも、こうした補助金の交付手続を迅速に進めるとともに、医療機関の減収に対する支援を国に継続的に要望するなど、入院受入れ医療機関の収入が確保されるよう取り組んでまいります。 また、議員御指摘のとおり、複数の医療機関から、人工呼吸器等の一部の医療設備の納入時期が未定であるとの報告を受けています。 県としましては、国に対し、こうした医療現場の実情をしっかりと訴え、医療設備の供給体制のさらなる充実を求めてまいります。 次に、地域医療構想についてお答えします。 今回の
新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、国のワーキンググループでは、本年10月から、今後の地域医療構想の進め方に関する議論が開始されています。その中で、新たな感染症に対応するための病床確保の在り方や公立・公的医療機関の役割の再検証の進め方についても検討が進められています。 一方、県としましても、今回の感染症への対応を通して、各地域において、医療機関相互の役割分担や連携についてあらかじめ協議しておくことの重要性を強く感じています。 このため、今後開催を予定している地域医療構想調整会議では、国の動向や
新型コロナウイルス感染症への対応を通して確認された公立・公的医療機関が担うべき役割も踏まえながら、地域に必要な医療の確保に向けた協議をさらに進めていきたいと考えています。 こうした取組により、人口減少社会にあって、医療資源が限られた中でも、新たな感染症に対応でき、かつ、将来にわたって持続可能な医療提供体制をしっかりと整備してまいります。 〔島田稔君登壇〕
◆(島田稔君) 2件につき、健康福祉部長に答弁をいただきました。 県は、12月1日、
新型コロナウイルス感染リスクレベルについて、上から2番目の特別警報に当たるレベル4に1段階引き上げ、感染拡大傾向にあると発表しました。 11月24日から30日までの1週間で、県内の新規感染者は、59人に上り、前週比13人増えています。59人中、感染経路不明は28人だそうです。 このような中、蒲島知事は、11月27日、有明広域圏の
新型コロナウイルス感染患者を取り扱う公的医療機関を訪問され、現地視察と意見交換をなされております。コロナ制圧のため、第一線で取り組む病院関係者には、何よりの激励になったと思います。 入院受入れ医療機関への支援についてですが、知事が訪問された医療機関へは、私も複数回訪問し、意見交換を行ったところです。 その中で、病院側の県に対する意見を2点申し上げます。 1点は、
新型コロナウイルス陽性患者には、様々な方がおられます。基礎疾患をお持ちの方、人工透析の方、精神的病を持っている方、認知症の方、高齢者から幼児まで様々であります。 コロナ対応については、その対策を統括する県の窓口、例えば健康福祉部の医療政策課、健康危機管理課などを統括する上部の部署を設置してもらいたいとのことです。これにより、コロナ対応について、県と医療機関がスムーズに行えるとのことでありました。 2点目は、
新型コロナウイルスに感染し、治療を受けた人は、全快後、感染症患者医療公費負担申請書なるものを提出しなければなりません。この手続が遅れますと、医療機関には患者番号が付与してもらえず、公費の医療請求ができないと聞いております。 通常は、2か月ほどで治療費が入るとのことですが、10月に当該医療機関を訪問した折には、コロナ治療終了後4か月かかっているとのことでした。11月に訪問した折には、現在、8月のコロナ治療分が入ってきており、現在は3か月ほどかかっており、通常より1か月遅れとのことです。 医療機関も運転資金等に苦慮しており、県から、全快した患者に対し、早期の手続の督促をお願いしたいとのことであります。 また、地域医療構想については、答弁にもありましたが、今回の感染症への対応を通して、各地域で医療機関相互の役割分担等をあらかじめ協議しておくことの必要性を感じているとのことです。 これまでのような医療効率化中心の議論では不十分です。今後の地域医療構想の進め方については、各地域の医師会や医療機関等と協議しながら、地域の医療をどう守っていくのか検討する必要があると考えるところです。 以上でこの件の質問は終了し、最後の4点目の質問は、不登校児童への支援策としての教育支援センターの整備拡充についてであります。 全国では、平成25年度から、小中学校における不登校児童生徒数が増加傾向にあり、本県においても同様の傾向が見られます。全国的に小中学校の児童生徒数が減少している中、不登校の児童生徒は逆に増えているのが現状です。 不登校となる要因は、友達とのコミュニケーションを取るのが難しい、授業についていけない、学校生活に適応できない、幼少からの人間関係の希薄化、家庭における個を望む生活様式の定着など様々であります。また、直近では、コロナ禍における臨時休校期間の影響も心配されるところです。 荒尾市教育委員会では、国及び県の補助事業である不登校児童生徒に対する支援推進事業の一つである教育支援センター整備支援事業の指定を受け、荒尾市立荒尾第三中学校を本年4月から2年間の市教育委員会指定研究実践校として、不登校児童生徒ゼロ、自立への挑戦を目指して、同中学校内に適応指導教室、ハートフルルームが設置されています。 この教室は、様々な理由から集団で学ぶことが難しい児童生徒に対し、教室以外の居場所をつくり、家庭と教室をつなぎ、不登校の解消を図るものです。 市雇用の教育経験者である専任指導員3名のうち2名が常駐し、教室への復帰、将来の自立に向けた支援を行っており、7月からは、公用車をリースし、自分では登校できない児童生徒の送迎を開始しています。 荒尾市の不登校児童生徒数も、本県同様、増加傾向であり、市教育委員会としては、荒尾第三中学校の2年間のモデル研究事業の成果を他校の不登校解消にもつなげ、荒尾市内全児童生徒の不登校ゼロを目指すとのことです。 しかしながら、施策推進に係る課題もあります。常駐する専任指導員の安定的な確保、ICTの活用によるオンライン学習など、家庭にいながら授業に参加できる体制づくりの推進及び本研究事業を継続、拡大させるための予算の確保などが課題となっております。 本年度は、国及び県の補助事業である教育支援センター整備支援事業として補助を受けることができましたが、今後さらに不登校児童生徒への支援を充実させるためには、市町村教育委員会が教育支援センターを設置する初年度のみの国、県の補助事業ではなく、その後の継続的な財政及び運営面の支援が必要だと考えます。 そこで質問に入ります。 不登校児童生徒への支援策としての教育支援センターの整備について、今後、県全体にどの程度整備していく必要があると考えておられるのか。また、教育支援センター設置後の財政面及び運営面の継続的な支援についてはどのように考えておられるのか。 以上2点について、教育長にお尋ねをいたします。 〔教育長古閑陽一君登壇〕
◎教育長(古閑陽一君) まず、1点目の県内教育支援センターの整備についてお答えをします。 教育支援センターは、市町村教育委員会が設置、運営する、学校に代わる公的な学びの場であり、不登校児童生徒の学校復帰や社会的自立に向けた有効な取組の一つであると考えております。 本年9月末時点で、熊本市を含む45市町村中23の市町村にセンターが設置されており、設置数は34となっております。 今年度は、議員御紹介の荒尾市教育委員会が新たにセンターを設置し、通学困難な不登校児童生徒の送迎支援を含めた取組を進めておられます。 今後の整備についてですが、県内の未設置市町村のうち、特に不登校児童生徒の数が多く、その割合が高い市町村での早期設置を目指してまいります。 また、単独市町村でのセンター設置が難しい教育委員会に対しましては、隣接市町村との合同設置について、他県の取組事例を紹介し、その推進を図ってまいります。 さらに、市町村ごとの不登校児童生徒の実態を踏まえ、ICTの活用や学校内の別室での学習支援の拡充など、センターに代わる体制整備についても、市町村教育委員会の取組を支援してまいります。 次に、2点目の教育支援センター設置後の継続的な支援についてお答えをします。 まず、財政面については、今後、国に対して、補助事業の拡充について、あらゆる機会を捉えて要望してまいります。 さらに、市町村教育委員会の要請に応じて、県事業を活用してスクールカウンセラーを派遣するなど、市町村の負担軽減を図ることができるよう、必要な支援を行ってまいります。 また、運営面につきましては、新規設置のセンターに対して、年2回の訪問指導を実施するとともに、センターや市町村教育委員会が参加する連絡協議会において、効果的な支援策についての情報共有や意見交換を行ってまいります。 今後も、市町村教育委員会と連携しながら、不登校児童生徒の学校復帰や社会的自立に向けて、教育機会のさらなる充実に努めてまいります。 〔島田稔君登壇〕
◆(島田稔君) 教育長に答弁をいただきました。 全国的に児童生徒が減少する中、不登校の児童生徒は逆に増える傾向にあります。不登校を解消するための施策の答えがない状況であります。 私は、先般、荒尾第三中学校を訪問し、適応指導室、ハートフルルームの現地を視察いたしました。市の教育長及び校長をはじめ学校関係者より説明を受けたところです。 適応指導教室は、不登校の本人が在籍する学校校舎内の一角の教室に居場所を設置し、いつでも自分のクラスに歩いて気軽に復帰できる環境をつくることが最大の狙いです。 県内初の教育支援センター整備支援事業を活用した校内での適応指導教室が荒尾第三中学校でスタートいたしましたが、教育長より、今後の整備については、県内未設置市町村の中で、不登校児童生徒の数が多いところに導入したいとの答弁がありました。 県内各地での取組は、もちろん大切なことです。これは、県内での点の取組となります。一方では、地域での成果を生むためにも、モデル的に面での取組、地域での重点的な取組も必要ではないかとも考えます。 あわせて、答弁にもありましたが、財政面については、現在、新規設置の初年度のみ国と県が補助しているが、今後は、国に対して補助事業の拡充についてしっかりとお願いをしていただきたいというふうに思っております。 以上で予定をしておりました要望1件、一般質問4件を終了いたします。 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(渕上陽一君) この際、5分間休憩いたします。 午前11時1分休憩 ――――――○―――――― 午前11時10分開議
○副議長(渕上陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 吉田孝平君。 〔吉田孝平君登壇〕(拍手)
◆(吉田孝平君) 皆さん、こんにちは。自由民主党・宇城市・下益城郡選出・吉田孝平でございます。 今回、6回目の質問をさせていただくことになりました。今日、私、1つ目の質問に関しましては、漫画、アニメコンテンツを活用した観光戦略ということで質問させていただきます。 先日、松野議員が、質問の中で『ONE PIECE』、ベリーを使った観光戦略ということで、そして西議員のほうからは、質問ではありませんでしたが、質問の前にいろいろとアニメのことでお話をされまして、私の質問と重複するところもございます。今日は、西議員も後押し、応援をしていただくということでございますので、大変心強い中で、通告に従いまして質問に移らさせていただきたいと思います。 漫画、アニメコンテンツを活用した観光戦略についてお尋ねいたします。 日本のアニメ、漫画作品が海外で人気となり、日本がアニメ、漫画の本場であるとの認識が高まっており、海外からの旅行者からも、アニメ、漫画の全体像に触れることができる拠点施設を訪れてみたいという声がよく聞かれます。 本県では、県出身の漫画家尾田栄一郎先生が描く人気漫画『ONE PIECE』と連携し、ONE PIECE熊本復興プロジェクトに取り組んでいます。 『ONE PIECE』の漫画の内容は、私は全巻購読させていただいていますが、仲間を大事にする物語であり、熊本地震後には、尾田先生から、必ず助けに行くと、心温まるメッセージが熊本県に届きました。 2018年には、尾田先生に県民栄誉賞が贈呈され、漫画家としての業績と熊本地震の復興支援への多大な御支援の功績をたたえるとともに、復興の象徴として『ONE PIECE』の主役であるルフィ像が熊本県庁プロムナードに設置されました。 これまでも、熊本復興プロジェクトとして、『ONE PIECE』連載20周年に合わせて、熊本県の新成人に尾田先生からメッセージつきのクリアファイルが送られたり、小学校のスクールバスに『ONE PIECE』のラッピングを施したり、熊本空港に『ONE PIECE』のパネルを設置したりと、いろんなことに取り組まれています。 また、主人公であるルフィを含め9人の仲間の像が順次設置されており、これまで6人の像が設置されました。 先月は、熊本市動植物園正門前広場でチョッパー像の除幕式が開催され、コロナ禍ということもあり、県内在住の50組100名の皆様を御招待し、盛大に開催されたと聞きました。動植物園で開催されたこともあり、また、チョッパーが子供たちに人気ということもありますが、募集100人に対し、申込みが4,009人、約40倍の申込みがあったとのことでした。 私は『ONE PIECE』の大ファンであり、大人、子供関係なく見てほしい漫画であります。 ここ最近では、皆様も御存じかと思いますが、「鬼滅の刃」が大人気で、シリーズ累計発行部数は単行本22巻の発売時点で1億部を突破する大ヒット漫画となっています。また、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編は、公開から31日間で観客動員約1,750万人、興行収入は約233億円を超え、大ヒット作品となっております。 これに伴い、JR東日本とJR九州は、それぞれ独自のコラボ列車を走らせ、九州では、全席指定で、10月、11月は予約で満席になったと聞いております。 また、鬼滅の刃ARフォトスポットとして、九州各地にいるキャラクターたちと記念撮影できるキャンペーンも始められ、県内では、私の地元である三角駅、阿蘇駅で撮影ができます。対象駅にあるキャンペーンのポスターを専用アプリで読み込むと、キャラクターたちが出現し、カメラで一緒に撮影ができる仕組みになっています。 このようなアニメコンテンツと連携した取組を行うことで、観光面でも非常に効果的な施策となると考えられます。 また、各地に『ONE PIECE』の仲間の像の設置が進んでいますが、作っただけで終わるのでなく、全世界に『ONE PIECE』のファンがいるので、今後も有効活用していくことが重要と考えます。 そこでお尋ねいたします。 『ONE PIECE』像設置は、経済的にどのような効果が出ているのか、また、今後どのような『ONE PIECE』を活用した取組を進めていくのか、さらに『ONE PIECE』以外にもアニメや漫画を活用した取組を考えているのか、蒲島知事にお尋ねいたします。 〔知事蒲島郁夫君登壇〕
◎知事(蒲島郁夫君) 県では、作者の尾田栄一郎さんと集英社の御協力の下、ONE PIECE熊本復興プロジェクトを進めています。
新型コロナウイルスの影響で延期していた除幕式については、先月、3体の像をお披露目し、その様子をネットでのライブ中継を通して世界中の多くのファンに御覧いただきました。 これで、麦わらの一味の像は、予定している9体のうち6体が完成し、設置効果も、点から線、そして面へと、その広がりが十分に期待できるようになっています。 本年8月に公表された尚絅大学によるルフィ像の設置効果に関する調査では、2019年、1年間での訪問者数が約5万5,000人、その経済効果は約26億円との試算が示されています。 県では、その効果をさらに大きく、そして県全体に広げていくため、先月から、麦わらの一味の像を巡るデジタルスタンプラリーをスタートしました。 このスタンプラリーでは、スマートフォンの位置情報を基に、回った像の数に応じて記念メダルなどの特典をもらえる仕組みになっています。 また、参加者に像の周辺の観光名所やグルメ情報を紹介するなど、県内各地を巡る楽しさを加えたものとしています。こうした周遊を促す取組により、国内外へのプロモーションを強化し、県内各地の振興につなげてまいります。 さらに、「鬼滅の刃」の大ヒットが、テレビ、映画だけでなく、旅行、飲食など幅広い産業に影響を与えるなど、漫画、アニメに対する社会の関心は非常に高まっています。 そのため、本年10月、観光戦略部内に漫画、アニメコンテンツの活用を推進する班を新たに設置しました。具体的な取組の一つとして、令和2年7月豪雨からの復興に向け、現在、被災地にゆかりのあるアニメとのコラボレーション動画を企画しています。 関係者とのネットワークを築きながら、甚大な被害を受けた被災地の皆様に勇気と元気を届けていきたいと考えています。 今熊本は大変な難局にありますが、ルフィの無限の楽観性、冒険心、仲間を大切にする心を忘れずに、県民の皆様と力を合わせて乗り越えてまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) 知事に御答弁いただきまして、『ONE PIECE』の経済効果は26億円ということであります。まだ残りの3人の仲間の像が完成すれば、さらなる経済効果が生まれると考えられます。 『ONE PIECE』は、全世界にファンがおられます。今はコロナ禍ということもあり、海外からはもちろんのこと、県内外からの観光というのも大変厳しい状況にあります。コロナ禍が収束すると同時に、多くの方に熊本に来ていただく観光戦略を図っていく必要がありますので、準備を整えておくようによろしくお願いしたいと思います。 また、私の質問に合わせてではございませんが、本日は、たまたまでありますが、「鬼滅の刃」の最終巻の発売日になっております。報道等でもありましたが、九州では、蒸気機関車、SLを使った「SL鬼滅の刃」を一目見ようと、コロナ禍ではある中、多くのファンが駅や沿線に押し寄せ、大変大きな話題となりました。 このような時代の流れでもありますので、ぜひとも漫画、アニメを活用した観光戦略に力を入れていただきたいと思います。 また、知事は御存じかと思いますが、『ONE PIECE』の最新巻、97巻では、元七武海のジンベエが麦わらの一味の仲間に加わりました。そこで、また新たな像の設置に向けて、前向きに御検討をよろしくお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。 災害ボランティア団体との連携についてお尋ねいたします。 今回の豪雨災害では、県内13市町村の社会福祉協議会において災害ボランティアセンターが設置されましたが、
新型コロナウイルスの感染対策も並行して実施する必要があり、これまでの災害とは違う部分がある中で、ボランティアの募集がなされました。 募集が県内に限定される中でも、3万7,000人を超えるボランティアが被災地に入り、被災家屋の復旧も着実に進んでいるものと感じております。 私も、被災地でのボランティアに数回参加させていただきました。熊本地震のときとは被災地の状況が異なり、避難所での活動はさほど違いはないかと思いますが、今回は、住居の後片づけ、敷地内や住居内の汚泥の除去作業と、猛暑の中での作業となり、これらの作業は重労働で、熱中症になる方も見られました。 泥のかき出しについては、限られたスペースでの作業となり、また、汚泥も水を含んでおり、ずっしりと重く、思った以上に難しい作業となりました。さらに、コロナ対策でマスク着用の中での作業となり、今まで経験したことのないボランティア活動となりましたが、宇城市からのボランティアバスで参加したときは、重労働にもかかわらず、女性の参加者が多く見られました。また、今回、県内に限定されていましたので、高校生のボランティアも多く、大変いい経験につながったのではないかと思います。 一方で、専門的な技術やノウハウ、また、様々な被災地支援活動の経験を持つNPO等のボランティア団体による支援も、今や欠かせないものとなっています。 平成28年熊本地震においても、東日本大震災などで活動実績がある団体が、発災直後より全国から多数駆けつけ、被災地の復旧、復興の大きな力となったことは、皆様御承知のとおりだと思います。 私も、平時から、災害ボランティア団体との連携強化と活動環境づくりが重要だと考え、平成29年2月議会において、災害ボランティア団体との連携について一般質問を行いました。 このとき、知事に御答弁をいただいたとおり、平成29年3月に、全国で初めて災害ボランティア団体の全国組織であるJVOAD及び本県の災害ボランティア団体ネットワークであるKVOADと県が協定を締結しています。 JVOADは、全国のNPO等のボランティア団体と行政や社協との連携を確保しながら、円滑、効果的な被災者支援を行うことを目的として結成され、熊本地震では、発災翌日から事務局職員が熊本入りし、全国からのボランティア団体との調整、行政との連携、企業等からの支援調整等の協力をしていただきました。 また、KVOADは、熊本地震を受け、2016年10月に結成されました。本県のNPO等のボランティア団体等を母体とするネットワークであり、JVOADの後継機能を担うほか、県内各地でのNPO等のボランティア団体の強化等の連携支援を担っています。 これらの団体との協定では、平時から、NPO等のボランティア団体のネットワーク強化など、3者間で協力体制を築き、災害発生時には、災害時連絡会議を設置して、ボランティア間の調整など、様々な連携、協力を進めるとのことでした。 そこで、今回の豪雨災害において、災害ボランティア団体との連携が機能し、被災者、被災地の支援にどのようにつながったのか、健康福祉部長にお尋ねいたします。 〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕
◎健康福祉部長(渡辺克淑君) 災害ボランティア団体との連携についてお答えします。 熊本地震からの教訓として、災害時に被災者支援を円滑に行うためには、平時から行政と災害ボランティア団体との間で顔の見える関係をつくり、協力体制を築いておくことが大変重要であると考えています。 そのため、議員御紹介のとおり、熊本地震後、全国に先駆けて、災害ボランティア団体の全国組織であるJVOAD及び本県の災害ボランティアネットワークであるKVOADと県の3者で、災害時における連携・協力に関する協定を締結し、定期的な連携会議の開催や合同訓練の実施を通して、信頼関係の構築を図ってまいりました。 7月豪雨においては、これまでの取組の成果として、3者連携の下で迅速かつ円滑に被災地支援を開始できたと考えております。 また、KVOADによるボランティア団体間の情報共有の場である火の国会議が、発災後60回以上開催されております。県と県災害ボランティアセンターを開設する県社会福祉協議会も参加し、各団体の取組状況や課題、時々刻々と変わる被災者のニーズを共有することで、被災者に寄り添った支援につなげています。 さらに、KVOAD、JVOADの調整、協力の下、様々なボランティア団体が、物資の配送支援やごみの収集、運搬、災害ボランティアセンターの運営支援といった多岐にわたる活動により被災地支援を行いました。 一方、今回の豪雨災害では、
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ボランティアの募集地域が限定され、ボランティアの不足が懸念されました。 このため、知事自らが、県民ボランティアの力を被災地へと、県民パワーの結集を呼びかけるとともに、被災地へ向かうボランティアバスの運行を県として初めて行うなど、ボランティアの確保や継続的な参加を促す環境整備も進めました。 これら協定に基づく3者それぞれの取組の成果として、延べ3万7,000人を超える方々と100を超える団体に献身的にボランティア活動を行っていただきました。改めて、県民の皆様をはじめ、企業、学校など、様々な方面からの御協力に心から感謝申し上げます。 現在、県では、7月豪雨災害に係る検証を進めており、ボランティア活動が担う範囲の整理や専門ボランティア団体とのさらなる連携、より安全に活動を行うための体制整備など、今後の災害に備えた検討も始めています。 引き続き、これまでの災害の教訓を生かし、円滑なボランティア活動につながる取組を進めてまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) 7月豪雨災害では、コロナ感染拡大防止のために、募集地域が限られたものもありますが、KVOAD、JVOADと締結した後の災害でどのような御支援を、KVOAD、JVOADと、また、県との3者の連携はどのように図られたかというのを、県民の皆様からは見えない部分もございますので、今回質問をさせていただきました。 御答弁のように、3者連携があったからこそ、県民一体となってボランティアが進められたのではないかと考えられます。 また、今後の災害に備えて、専門ボランティア団体とのさらなる連携も検討されているということで、宇城市でも、災害に備えて、各町、計6か所、防災センターが今月中に全て完成いたします。 近年、激甚化する災害が多発しておりますので、十分過ぎるぐらいの備えをしておくのが必要だと考えられますので、これまでの教訓を生かし取り組んでいただくようにお願い申し上げまして、次の質問に移らさせていただきます。 放課後児童クラブの運営体制及び職員の資質向上についてお尋ねいたします。 放課後児童クラブは、保護者が共働き等により昼間家庭にいない児童を預かり、遊びや生活支援を通して児童の健全育成を図る目的で、各市町村により設置、運営されています。 運営主体としては、熊本県では、市町村、保育所を運営する社会福祉法人、保護者会、NPO法人等の公益法人の順で数が多く、実施場所としては、学校敷地内専用施設や保育所、公的施設などで運営されています。 近年の女性就業率の上昇や核家族化の進行等により、本県における放課後児童クラブのニーズは年々高まっており、今後もさらに増加が見込まれるところであります。 2018年に策定された新・放課後子ども総合プランにおいては、女性の就業率の上昇等を踏まえ、放課後児童クラブの量的拡充を図り、5年間で約30万人分の受皿を整備するとされています。 厚生労働省によると、2019年の放課後児童クラブに通う小学生は、全国で約130万人に上ります。この20年間で実に3.3倍に増え、施設の数も約2万6,000か所に達し、20年前の2.4倍になっております。 県内における令和2年度の放課後児童クラブ登録児童数は1万9,225人で、クラブ数は505クラブに上っており、年々登録児童数やクラブ数が増加している傾向にあります。 放課後児童クラブは、就労等によって昼間家庭での養育ができない保護者に代わって、子供たちの心と体の健康等を図る重要な役割を担っており、子供たちが落ち着いて、安全に過ごすことができるような、また、保護者が安心して預けることができるような環境を整えることが必要であります。 子供たちと日々接する放課後児童支援員は、一人一人の子供について、健康状態の把握だけではなく、日頃の遊びや生活の中での状況にも目を向け、適切に支援する役割を担っています。また、保護者との日常的な情報交換等により、保護者の子育てを支援する役割も求められています。 さらに、アレルギーへの対応、事故等への対応、障害児への関わり、虐待等の発見の対応、いじめ問題への対応など、放課後児童支援員には様々なスキルが求められ、ますますその役割は大きくなっており、放課後児童支援員の資質向上を図るとともに、その安定的な確保のためにも、職員処遇の改善が必要であります。 また、今年は、コロナ禍により学校が休校となり、厚生労働省や自治体から子供の居場所の確保を求められ、学童保育はもともと人手不足の中、本来の放課後の受入れ以外にも、急遽、朝から開所して長時間の預かりや衛生の対応、休校期間中も休みなく開所するなどの対応をしてきたと聞いております。 スタッフは、パート勤務が多く、配偶者の扶養の範囲内で働く方が多く、勤務時間の制限があります。スタッフを増やすこともできず、常勤で働く方が長時間労働することになったとも聞いています。 保育園の待機児童問題は、全国的にも目が向けられましたが、放課後児童クラブの問題は、まだ保育園ほど知られていません。誰でも利用しやすい放課後児童クラブに変えていくためには、社会全体、政府や各自治体の支援が必要であります。 放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業は、次世代を担う児童の健全な育成に資するとともに、支援員の処遇改善を促進する事業で、市町村で実施する事業ですが、全国的にも、また、本県においても、実施している市町村が少ない現状であります。 そこで、放課後児童クラブの運営体制の充実、放課後児童支援員の資質向上の確保、処遇改善に向けて、県としてどのように考えておられるのか、健康福祉部長にお尋ねいたします。 〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕
◎健康福祉部長(渡辺克淑君) 近年、共働き世帯の増加等により、放課後児童クラブの利用ニーズは、年々大きく、かつ多様になっています。 国が平成30年に策定した新・放課後子ども総合プランにおいても、クラブの量的な受皿の整備と併せて、クラブでの遊びや生活を通じた基本的な生活習慣や社会性の習得など、児童の健全な育成を図る役割の徹底が求められており、クラブが担う役割はますます重要になっています。 このため、県では、施設整備に補助を行い、クラブの量的拡充を支援するとともに、昨年度、運営費に対する補助の仕組みを大きく見直し、開所時間の延長や受入れ学年の拡大など特にニーズの高い項目に取り組む市町村への支援の充実を図っています。 また、成長期にある子供たちの健全な育成を図る役割をクラブが果たすためには、子供たちの支援に当たる職員に高い資質が必要です。 県では、クラブで働く職員のうち、子供の育成支援のための専門的知識に関する研修を修了した方を放課後児童支援員として認定しています。また、支援員には、発達障害などの子供の特性に応じた関わり方や要保護児童への対応に関する研修など、資質向上を図るための研修を実施しています。今年度は、
新型コロナウイルス感染症や豪雨災害に直面した子供たちの心のケアに軸を置いた研修内容も追加したところです。 さらに、クラブが安定的に運営されるためには、支援員の適切な処遇が必要不可欠です。このため、研修実績に応じた人件費加算や職員の賃金改善、常勤職員を配置するための経費の補助など、処遇改善に必要な取組を市町村とともに進めております。 今後とも、次の世代を担う子供たちの放課後の生活の場として、安全、安心で良質な環境を提供できるよう、運営主体である市町村と協力、連携を図りながら、クラブの運営体制の充実や質の確保、支援員の処遇改善にしっかり取り組んでまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) 地域によっては、共働き世帯にとって放課後児童クラブに入れるかどうかは、保育園入園と並ぶ大きな難関で、小1の壁とも呼ばれているそうでございます。答弁でもありましたが、それだけ放課後児童クラブが担う役割は、年々重要になってきております。 今回質問させていただいた経緯は、私も所属しています自民党青年局で議論されておりまして、ぜひ地方議会でも議論をし、声を上げてほしいということで、今回質問をさせていただきました。 コロナ禍の中で、放課後児童クラブの重要さ、また、資質向上のためには処遇改善が必要であり、市町村との協力、連携が必要であります。安心して預けられる、安心して働ける、このような放課後児童クラブが運営できるよう、引き続き御支援をよろしくお願い申し上げます。 続きまして、不妊治療保険適用についてお尋ねいたします。 菅新内閣で、新型コロナ対策や経済対策と並び重要項目に掲げられたのが、不妊治療への保険適用を柱とする少子化対策であります。 本年5月に策定された少子化社会対策大綱において、不妊治療の経済的な負担の軽減を図る方策等の検討が掲げられており、新政権下においては、公的医療保険の適用を目指しているが、一定の時間がかかるため、まずは既存制度の拡充の検討がなされているところであります。 2015年社会保障・人口問題基本調査によると、不妊治療の現状として、日本では、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある、または現在受けている夫婦は、全体で18.2%、子供のいない夫婦では28.2%となっており、夫婦全体の約5.5組に1組に当たります。 また、日本産科婦人科学会によると、2017年には、5万6,617人が生殖補助医療により誕生しており、全出生児の6%で、約16.7人に1人に当たります。 不妊の原因は、女性だけにあるものではなく、WHOによると、約半数は男性に原因があるとされていて、検査をしても原因が分からないこともあります。 不妊治療は、妊娠、出産まで、あるいは治療をやめる決断をするまで続きます。年齢が若いうちに治療を開始したほうが妊娠、出産に至る確率は高くなるという傾向にありますが、いつ終わるのかを明らかにすることは困難です。治療を始めてすぐに妊娠する場合もあれば、何年も治療を続ける場合もあります。 不妊治療に関して、実際に受診された方からお話を聞かさせていただきました。現在は共働きの御家庭が多く、受診される方は配偶者の方も同行される姿が多く見られる中、診察または治療に要する時間が2時間、3時間、長いときは半日かかるときもあったとのことでした。 ただ、実際に治療してみて、自分が働いている会社や事業所などのように、不妊治療に理解のある仕事場であれば抵抗はないが、それでも最初は男性が不妊治療の付添いや治療に行くことに抵抗があったとの話もありました。 また、不妊治療で、最初は費用負担の少ない人工授精を受けていましたが、授かることができず、高額な医療費がかかる特定不妊治療である体外受精、顕微授精に切り替えたとのことでした。 その場合、治療費が1回当たり40万円から60万円程度かかります。特定不妊治療費には、1回当たり数十万の補助があるものの、2回目以降は減額され、夫婦で約3年間の治療にかかる実質負担額は100数十万円とお聞きしました。また、これだけの時間とお金をかけたとのことで、精神的な負担は計り知れないものがあったともお聞きしました。 そこでお尋ねします。 不妊治療の保険適用に当たり、特定不妊治療には1回当たり40万から60万円の治療費がかかるため、保険適用以外の部分には、これまで同様に県、市町村の助成が必要と考えます。保険適用に向け、様々な課題があると思いますが、県としてどのようにお考えか、健康福祉部長にお尋ねします。 〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕
◎健康福祉部長(渡辺克淑君) 少子化が加速する中、子供を産みたいと望む方を支援する不妊治療の充実は大変重要です。 県では、不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、平成16年から、高額な医療費のかかる体外受精及び顕微授精に対する費用の一部を国とともに助成してきました。 また、昨年10月からは、結婚、妊娠、出産の希望の実現に市町村とともに取り組むため、少子化対策総合交付金事業を創設し、人工授精への補助を行っており、現在、37市町村において事業が始められています。 報道によると、国は、令和4年の保険適用を目指し、まずは現行制度の拡充を検討されているとのことです。 不妊治療については、経済的な負担も大きいことから、現行制度の拡充は、不妊で悩んでおられる方にとって、妊娠、出産の希望の実現の後押しになるものと考えています。 一方、議員御指摘のとおり、不妊治療には、経済的な問題だけでなく、身体的な苦痛のほか、治療の結果に対する期待や不安など精神的な負担も大きいものがあります。 このため、県では、女性相談センターに不妊に悩む方の相談窓口を設置しており、助産師等の資格を有する相談員のほか、産婦人科医師が電話や面談により対応を行っています。 また、働く女性が増える中、治療と仕事の両立は切実な問題であり、職場の理解や仕事を休みやすい環境の整備も大変重要な課題です。 このため、国においては、不妊治療と仕事の両立支援に関する政府検討チームを設置し、休暇制度などの整備を進められています。 本県においても、企業の不妊治療に対する理解を深めるため、今年度、よかボス企業に対する説明会の開催や既に取組を始めておられる企業の先進事例の紹介など、治療を受けやすい環境の整備に取り組むこととしております。 今後も、国の動向を注視しながら、市町村や関係機関としっかり連携し、制度や相談窓口の周知、治療と仕事を両立しやすい環境の整備など、不妊に悩む方に寄り添い、きめ細かな支援を行ってまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) 先ほど、質問の中で、私の知人の話をさせていただきましたが、大変めでたいことに、双子の子供を授かることができました。私も、長い間この御夫婦が大変な苦労をされてきたのを見てきましたので、自分のことのようにうれしく思いました。 このように、授かることができた御夫婦にとっては、今までの苦労を忘れることができますが、授かることのできなかったときは、やはり精神的な負担は計り知れないものがあると思われます。このような心のケアにも、しっかりと努めていただきたいと考えます。 また、職場に対しての理解も重要なことであり、不妊治療を受診すると、どうしても平日に休みを取らなければいけなくなることもありますので、職場の皆様が快く応援していただくような不妊治療に対する職場の理解促進にも力を入れていただきたいと思います。 令和4年の保険適用に向け、まだまだいろんな課題もございます。国、県、市町村とともに連携し、治療費の問題もありますが、同時に治療を受けやすい環境づくりにも努めていただきますようよろしくお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。 横断歩道の安全対策の向上に関する取組についてお尋ねします。 9月議会一般質問において、髙木議員より、横断歩道における歩行者優先意識の向上等についてお尋ねがありました。今回、私の質問では、中身は重複する形になりますが、さらに歩行者、運転者の意識向上により交通事故防止につながるよう、また、新たな調査結果を踏まえて質問させていただきます。 髙木議員の質問後、本年10月に発表されたJAFによる信号機のない横断歩道における歩行者優先についての全国実態調査結果では、歩行者がいる場合に横断歩道の手前で停止した車両の割合は、全国平均の21.3%に対し、熊本県は25.7%で、全国平均を上回り、さらに昨年の11.0%から14ポイント以上向上するなど、県民の横断歩道歩行者優先に関する安全意識は、確実に高まっているものと思われます。 しかし、依然として7割以上の車が停止しない実態も明らかになったところであり、県内で歩行者が被害に遭った交通事故の約3割は横断歩道で発生していることなどからも、横断歩道における交通マナーのさらなる向上が求められています。 一方、平成28年の調査開始以来、最も高い停止率を誇る長野県では、横断歩道で止まってくれたドライバーに対し、横断歩道を横断した後、子供たちが笑顔で頭を下げるなど、感謝の気持ちを示すことが習慣化しているようであります。 そのような子供たちの姿を見たドライバーは、次も必ず止まってあげようという感謝と思いやりの気持ちが好循環を生み出し、好結果につながっている一つの原因ではないかと考えます。 子供たちだけではなく、大人の方も、車がいてもいなくても、横断歩道を渡るとき、頭を下げられている姿を報道で拝見いたしました。全国では8割の車が止まってくれないのに、長野県では7割の車が止まってくれたという調査結果になっております。 しかし、長野県警では、この調査におごらず、いや、まだ3割の車が止まっていませんと、さらなる安全対策の強化に取り組まれています。 また、横断歩道の安全対策については、車両の運転者に対する取締りだけではなく、小学校、中学校における教育も大変大事になってくると思われます。 本県においても、横断歩道の安全性をさらに向上させるためには、運転者、歩行者双方に対し、道路交通法の交通ルールを周知するとともに、幼少期からの継続した教育により、生活習慣として定着させることが必要であると考えます。 そこで、運転者、歩行者双方に対する交通ルールの周知について警察本部長に、小中学校における交通安全教育の取組について教育長に、それぞれお尋ねいたします。 〔警察本部長岸田憲夫君登壇〕
◎警察本部長(岸田憲夫君) 歩行者がいる場合に横断歩道の手前で停止した車両の割合についてのJAFによる今年の全国調査結果では、熊本県は25.7%で全国17位と、昨年の全国33位から大幅に上昇しました。 しかし、依然として横断歩道における交通事故が後を絶たないばかりか、多くの歩行者が横断歩道のない車道で交通事故に遭っているなど、運転者、歩行者双方に交通ルール遵守を求める必要があります。 このため、県警察では、人と車のよりよい関係をスローガンに、横断歩道における歩行者保護対策を強化し、車両の運転者には、横断歩道における歩行者優先を、歩行者には、正しい道路の横断方法の徹底を呼びかける啓発を強化するとともに、今年は、10月を歩行者妨害等取締り強化月間に指定し、期間中は1,000件を超える違反を検挙するなど、人と車の交通事故防止に取り組んでいるところであります。 横断歩道における歩行者優先のルールが守られ、生活習慣として定着していくためには、もっと多くの県民にルールを知っていただき、運転者は、歩行者に対するいたわりの心を持って車を停止する、歩行者は、笑顔で感謝の気持ちを表して横断歩道を渡るなど、人と車がお互いを思いやる心を育むことが必要です。今後とも、そのような啓発に重点的に取り組んでまいります。 〔教育長古閑陽一君登壇〕
◎教育長(古閑陽一君) 小中学校における交通安全教育の取組についてお答えをします。 小中学校の学習指導要領には、交通安全を含めた安全に関する指導を、学校の教育活動全体を通じて適切に行うよう努めることが示されております。 そのため、交通安全教育に関して、県教育委員会が所管する全ての小中学校で、大きく次の2点について取組を進めております。 1点目は、各学校において、県教育委員会が作成した学校安全教育指導の手引などを活用し、交通安全教育に取り組んでおります。 例えば、通学路の交通安全マップ作りなどを通しまして、様々な交通場面に潜む危険について学んだり、その危険を避けるための適切な行動等について考えさせたりしております。 2点目は、警察や交通安全協会等の協力の下、交通安全教室を実施しております。 例えば、小学校の低中学年では、グラウンドに道路を描き、実際に歩いて安全な道路の歩き方について、また、小学校高学年や中学校では、自転車の安全行動等について学んだりしております。 特に横断歩道の渡り方に関しましては、ドライバーが気づくよう手を挙げることや、止まる、見る、確かめるの安全行動について、学年に応じて学んでおります。 議員御指摘の児童生徒が感謝の気持ちを表すことは、交通安全教育の中で培っており、将来、大人になり、ドライバーとなった際にもつながっていくものと考えております。 今後も、県教育委員会としましては、交通担当の教員が効果的な指導法を身につけられるように体験型の研修会等を開催していくとともに、市町村教育委員会や警察など関係機関と連携し、小中学校における交通安全教育のさらなる充実に取り組んでまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) 警察本部長、教育長お二人に御答弁をいただきましたが、横断歩道の安全対策に関しては、警察だけではなく、やはり教育の場でも、子供たちに対して啓発、教育に取り組まないと交通事故防止にはつながらないと思いまして、質問させていただきました。 長野県は、全国調査結果、先ほど質問の中でもお話をさせていただきましたが、子供の頃から教育が徹底されておりまして、子供、大人、また高齢者の方たちも、しっかりおじぎをされて横断歩道を渡られる習慣があり、本部長が言われましたお互いを思いやる心があるからこそ、全国1位につながっているのではないかと考えられます。 また、地元から、先生方もいろいろ御要望があると思いますけれども、交通量の多い交差点では、白線が消えて見えづらいという御意見もございますので、いま一度現場の調査などもしていただきたいと思います。 また、先日、熊本空港に、横断歩道を車道より約10センチかさ上げした、歩道と段差をなくしたスムース横断歩道が県内で初めて設置されたとのことで、速度抑制効果、事故防止にもつながるとのことですので、通学路など歩行者の多い場所には最適かと思います。停止した割合が上がれば、自然と交通事故防止にもつながります。 長野県警に追いつき、全国1位を目指し、事故防止につなげていかれますようお願い申し上げまして、最後の質問に移らさせていただきます。 コロナ禍における花卉振興対策についてお尋ねいたします。 熊本県は、全国1位のカスミソウ、2位のトルコギキョウ等が栽培される全国有数の花卉の産地であります。その中でも、宇城地域は、県内有数の産地であり、宿根カスミソウ等の切り花や洋ラン、シクラメン等の鉢花など、バラエティーに富む品目が生産されています。 私の地元三角町戸馳島には、10軒の生産者が集まり、日本一の洋ラン産地を目指そうと目標を掲げられている五蘭塾という団体もございます。 そのような中、
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、卒業式、入学式の中止や結婚式の延期などが相次ぎ、特に緊急事態宣言後は、生花店の休業や葬儀の縮小などにより消費が大きく落ち込んでいます。また、3月、4月、5月は、花卉農家にとって、1年を通し一番需要が多い時期でありますが、売上げに大きな影響を受けています。 私の同級生でもあります五蘭塾の塾長にお話を伺いましたが、先ほど言いました3月、4月、5月は、前年と比較すると約1億円の売上げが減少したとのことで、来年も同じようであれば、生産者は続けることが大変厳しい状況にあると言われました。 宇城地域においても、今年19回目を迎える県内最大の花の祭典、宇城市フラワーフェスタが4月に開催予定でしたが、中止になりました。フラワーフェスタは、2日間の開催で、春を彩る宇城市最大のイベントで、県内唯一の手作りによる花の祭典として好評をいただいていました。 このように、イベント等の中止、歓送迎会、先ほども言いました卒業式、入学式など、花卉の一番の需要期である春に需要が落ち込んだことにより、単価下落や産地による出荷調整が行われ、県全体の花卉への影響額は、6月までで6.5億円と試算されており、この影響額はさらに大きくなっているものと思われます。 一方、巣籠もりで家で過ごす時間が増えたことにより、花や緑への関心が高まっており、家庭で花を飾る人も増えていると聞きます。 私も、事務所の周りに花壇を置き、花卉生産者から花を買って植えたり、また、生産者とのつながりを生かし、直接生産者の方に購入される方を紹介したりと、少しでも売上げにつながるように努めてまいりました。 また、先日、県の花卉品評会が開催され、私の地元の若手生産者が育てたコチョウランが上位に入賞しました。私も足を運んでみましたが、県内各地から品質の優れた花が出品されており、県産花卉のすばらしさを実感しました。生産者もこういうものを励みにまた頑張れる、ひいては熊本の農業を支えるものだと思ったところでございます。 とはいいましても、
新型コロナウイルス感染症の収束の目途は立っておらず、依然としてイベント等の中止、縮小傾向は続いており、花卉生産者の方は花の消費動向に大変不安を抱えていることも事実であります。 花は、食べる農産物と違い、景気の影響などを受けやすいものです。しかし、花は、心を癒やし、心を豊かにしてくれます。このようなときだからこそ、花卉産業への支援策を重ねる必要があるのではないかと感じているところです。 そこで、コロナ禍でのこれまでの県の取組と今後花卉の需要拡大や生産振興をどう図っていくのか、農林水産部長にお尋ねします。 〔農林水産部長竹内信義君登壇〕
◎農林水産部長(竹内信義君)
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、議員御指摘のとおり、全国的にイベントや冠婚葬祭等の需要が落ち込んだため、花卉の消費は、3月から5月にかけ、全品目とも大きく低迷しました。 このため、県では、需要回復と価格維持を図るべく、国の事業も活用しながら、緊急的に消費喚起対策に取り組みました。 具体的には、3月から6月にかけて、マスメディアを活用した消費喚起、職員への花の販売活動、県庁、県立学校、農業団体等での花の装飾展示を実施しました。県産花卉の出荷が再び増加する10月からは、県、10市町村、企業3社が連携し、公共施設等104か所で花の装飾展示を実施しているところです。さらに、11月には、県花き協会と熊本市共催により、熊本市中心市街地一帯で花の装飾展示を実施し、幅広い年代の方々が花に触れる機会を設けました。 このような対策により、6月以降の県産花卉の価格は持ち直していますが、
新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、需要の見通しは依然不透明です。このため、国に対し、消費喚起対策の継続を要望しております。 また、家庭や会社に花を飾ることが定着するよう、小学生等を対象としたフラワーアレンジ体験や企業や福祉施設へ花を提供する活動を進めてまいります。 さらに、県産花卉の需要拡大のために、生産振興対策も重要であることから、日もちのよい花を生産し消費者に届けるよう、生産対策を進めております。出荷調整作業中の室温が高温にならないよう保つなど、花卉の日もち品質管理認証を取得する産地の拡大を支援していきます。 また、トルコギキョウ等で、同じ株から2回収穫し、収量を増加させる2度切りを普及し、定着させます。加えて、花屋などの実需者が計画的に販売できるよう、気候や時期に応じた適切な技術対策を産地ぐるみで共有し、確実に実行することで生産につなげてまいります。 今後とも、全国に多くの県産花卉を届けられるよう、品質向上と安定供給、需要拡大につながる取組を、市町村、農業団体、市場関係者などと一体となり、展開してまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) 職員への花の販売活動、県庁、県立学校、農業団体等での花の装飾展示を実施していただいたとのことでございました。 議員の皆様方も感じられたと思いますが、議会棟の玄関に装飾したきれいな花が展示してあります。私も、ふだんからこの議会棟に来るときは、やはり緊張し、特に今日は一般質問がございましたので緊張して参りましたが、その花を見て落ち着きを取り戻し、心が穏やかになり、今日の一般質問を頑張ろうという気を起こす効果になりました。 花は、四季折々の花があり、花言葉もたくさんございます。花というのは、ただきれいというだけではなく、私たちが生活していく中でいろんな役割を担っています。 私の地元の花農家は、若い後継者も多く、不安を抱えている方も多いので、県としても、いろんな御支援をいただいていますが、引き続き御支援のほどよろしくお願い申し上げます。 私の質問、これで終わります。 前回、ちょうど12月4日に質問させていただきまして、来年の目標を、メタボ脱出しますというのを皆様方の前で言わさせていただきました。おかげで5キロ痩せることができまして、これからも体のケアに気をつけて、県民の負託に応えるよう頑張ってまいります。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手)
○副議長(渕上陽一君) 昼食のため、午後1時10分まで休憩いたします。 午後0時10分休憩 ――――――○―――――― 午後1時9分開議
○議長(池田和貴君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 早田順一君。 〔早田順一君登壇〕(拍手)
◆(早田順一君) 皆さん、こんにちは。自由民主党・山鹿市選出の早田順一でございます。 昨年は、ラグビーワールドカップ、そしてちょうど1年前の12月議会中に開催されていた女子ハンドボール世界選手権大会で、本県は大いに盛り上がり、次は東京オリンピック・パラリンピック開催でさらに盛り上がると思っておりましたけれども、今年に入り、
新型コロナウイルス感染、7月豪雨災害と、まさかこんな災害が待ち受けていたとは誰も思ってはいなかったと思います。しかし、どんなときでも、課題解決に向けて突き進んでいかなければなりません。 私は、これまで、地元の課題が県全体の課題に通じると捉え質問させていただき、一般質問、代表質問合わせて17回目の質問になります。県会議員になりまして、潮谷知事、特に蒲島知事になってからは、山鹿市と蒲島県政のパイプ役として、渕上副議長とともに取り組んでまいりました。今回の質問が本県並びに山鹿市にとって実りあるものになると信じ、通告に従い、質問をいたします。 まず、蒲島県政4期目の基本方針と地方創生の実現についてであります。 県政運営の基本方針である4か年戦略については、9月定例会での代表質問に対して、知事は「11月策定予定の令和2年7月豪雨からの復旧・復興プランを公表した後に、年度内を目途に、今後の県政の歩むべき方向性や取組を基本方針として、県民の皆様にお示ししたい」と答弁されました。 その答弁のとおり、今定例会までに、治水に対する考え方と豪雨からの復旧・復興プランが示され、今後、プランに沿った球磨川流域の復旧、復興に向けた取組が本格化すると思われます。 一方で、
新型コロナウイルスの感染者数は、全国的に再び増加傾向にあり、ワクチン開発の動向等も含め、先行きが不透明な状況が続いています。 また、
新型コロナウイルスの感染拡大のため、内閣府が行ったアンケート調査において、3大都市圏居住者へのアンケートで、地方移住への関心が高まったり、東京都の転出超過が7月以降3か月連続となるなど、全国的に地方回帰の機運も高まっています。 思い返せば、知事は、3期目の就任当初に熊本地震に見舞われましたが、そのような逆境の中でも、創造的復興という理念を掲げ、着実に前進してこられました。そして、再びこの4期目においても、豪雨からの復旧、復興という大きな課題への対応に加え、
新型コロナウイルス感染症への対応など難しいかじ取りを迫られる中、厳しい経済状況を踏まえ、県北地域も含めた県下全域での地域の活性化への対応も必要と私は考えています。 この人口減少に歯止めがかからない状況の中、例えば私の地元山鹿地域では、菊鹿ワイナリーや新シルク蚕業、山鹿灯籠のブランド化といった取組が既に行われていますが、コロナ禍の厳しい経済状況では、地域の起爆剤となるようなさらなる取組が県下全域で必要とも感じています。 そこで、知事にお尋ねいたします。 先般公表された豪雨からの復旧・復興プランを踏まえて、2月定例会では、蒲島県政4期目の基本方針を示されると思います。球磨川流域の復旧、復興はもちろんのこと、県全体における地方創生の実現について、どのように進めていかれるのか、現時点における知事のお考えをお尋ねします。 〔知事蒲島郁夫君登壇〕
◎知事(蒲島郁夫君) 蒲島県政4期目の基本方針と地方創生の実現についてお答えします。 本県では、これまで、全ての道は熊本に通じるとの考えにより、幹線道路ネットワークの整備や県南フードバレー構想に沿った取組を進めるなど、地方創生の取組を加速させてきました。 また、議員御紹介の菊鹿ワインや山鹿シルクなど、地域の資源を生かしたブランディングといった地方創生の核となる取組が進み、着実に実を結びつつあります。 3期目に発生した熊本地震という逆境の中でも、熊本地震からの創造的復興が地方創生につながるとの強い思いから、阿蘇へのアクセスルートの創造的な復旧、大空港構想の具体化、『ONE PIECE』と連携した復興プロジェクトなど、様々な取組を着実に進めてきました。 そうした中、
新型コロナウイルスの感染拡大、そして7月豪雨災害に見舞われました。4期目においては、熊本地震からの創造的復興に加え、これら喫緊の課題に全身全霊で対応し、熊本のさらなる発展につなげていくことが私の使命と考えています。 7月豪雨災害への対応については、先日お示しした復旧・復興プランに沿った取組をスピード感を持って進めます。そして、グリーンニューディールの哲学を踏まえ、安全、安心を確保しながら球磨川流域の豊かな恵みを享受し、将来に向かって持続可能な地域の再生を実現してまいります。 次に、
新型コロナウイルス感染症への対応と地方創生についてです。 国は、今年のまち・ひと・しごと創生基本方針において、感染症克服と経済活性化の両立の視点に基づき、デジタル化の推進や東京圏への一極集中の是正等に向けた取組の強化を掲げています。また、テレワークを推進するための交付金の創設等も示しています。 本県においても、感染症対策に全力で取り組むとともに、テレワークやキャッシュレスなどの新しい生活様式、消費活動の変化などの社会変容をチャンスと捉え、都市から熊本への人や企業の流れを創出する地方創生の取組を進めています。 例えば、企業の方々が、観光地で余暇を楽しみながら仕事を行うワーケーションの取組、また、新たな観光スタイルの確立に向けた顔認証システム、MaaSの導入に向けた取組を始めています。 これらの取組に加え、次世代を担う人材の育成や地元定着、安全、安心な社会の実現、魅力ある地域づくりなど、熊本の将来の発展に必要な地方創生の取組についても、県内全域で展開してまいります。
新型コロナウイルス感染症への対応を進めながら、熊本地震と7月豪雨からの創造的復興を県全体の地方創生に力強くつなげてまいります。 〔早田順一君登壇〕
◆(早田順一君) 知事から御答弁をいただきました。
新型コロナウイルス感染症への対応を進めながら、熊本地震と7月豪雨からの創造的復興を県全体の地方創生につなげる、このことが4期目の蒲島知事の使命ということで、今発表をいただきました。そのために、次世代を担う人材の育成、若者の地元定着、魅力ある地域づくりなどを県下全域で展開していくとの御答弁でもございました。 ちょうど100年前、スペイン風邪が流行いたしました。当時の日本の人口は5,600万人で、感染者数が2,300万人、そのうち45万人が亡くなり、終息するのに3年かかったと言われています。 現代では、それに加え、いろんな自然災害も多発するようになり、対応が非常に複雑化してきております。社会の変貌をしっかりとキャッチし、県全体の地方創生につながる取組を展開していただきたいと思います。 次の質問に入ります。 地域の未来予測を踏まえた市町村連携の支援についてであります。 全国の出生率、出生数は、1973年頃をピークに減少傾向となっており、また、出産適齢期と言われる人口も、今後ますます減っていくことが予想されています。 特に地方においては、そうした課題が今後顕著となっていく地域も多く、2014年には、増田寛也元総務相ら民間有識者でつくる日本創成会議において、全国の半分の自治体が、少子化や人口移動に歯止めがかからず、消滅可能性のある都市と指摘し、早急な人口対策を促しました。 こうした背景の下、人口減少や東京への一極集中を食い止め、地方を活性化するための基本理念などを定めたまち・ひと・しごと創生法が成立し、特命大臣として、地方創生担当大臣も設置されました。本年9月に、熊本県選出の坂本哲志先生が大臣に就任されたことは、皆様御承知のとおりです。 この動きに合わせ、熊本県におきましても、翌2015年には、地方創生の基本的な計画となる熊本県人口ビジョン及び熊本県まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定され、県内各市町村におきましても、同様に総合戦略等の策定が進みました。 地元山鹿市でも、2015年に総合戦略を策定し、「やまがの戦略的産業の推進と魅力ある雇用の創出」「やまがの地で生み育て・くらしやすい地域を創る」の2つの基本目標の下、具体的な施策を展開しています。 その中でも、新シルク蚕業、菊鹿ワイナリー、山鹿灯籠ジャパンブランドの取組は、新たな雇用の創出やまちづくりの柱として注目を集め、また、移住希望者が増加するなど、まち・ひと・しごと創生が進んだところです。 このような地方創生の取組は、県内市町村をはじめ、全国の自治体で進められているところですが、地方から東京への人口流出は、コロナ禍前までは一向に止まらず、出生数や出生率も低下し続けています。 2040年には、高齢者人口が全国でピークを迎えますが、地方では10年以上早く高齢化が進んでいる状況で、山鹿市でも人口が減少し、世帯数自体が減少している中、高齢者世帯数は増加しており、今後、都市機能や生活機能を維持していくことが難しくなっていくものと思われます。 また、行政分野においても、今後、個々の自治体では、全ての政策を手がけるフルセットの行政事務を担っていくことが大変困難になっていくものと予想されます。 このような中、本県議会においては、昨年度、地域対策特別委員会を立ち上げ、国の検討状況などを踏まえながら、地方における行政サービスの維持向上に関する議論を開始しています。 私自身も、昨年度は副委員長、今年度は委員長として、各市町村の現状や課題、県や市町村の具体的な施策などについて、各委員の先生方と議論を深めているところです。 本年6月と9月議会の特別委員会では、6月に内閣総理大臣宛てに提出されました第32次地方制度調査会の2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応するために必要な地方行政体制のあり方等に関する答申について、執行部から説明をいただきました。 人口減少、高齢化等の人口構造の変化などに伴う地域社会の持続可能性に関する様々な課題に対応していくため、これまでの人口減少を緩める地方創生の取組はもとより、答申では、人口減少を見据えた地域の未来予測を行い、その予測を踏まえた言わば備えとして、地方行政のデジタル化、公共私や地方公共団体の広域連携、地方議会について、目指すべき地方行政の姿が示されたところです。 地方行政のデジタル化については、コロナ禍の現状も相まって、今まさしく国において、行政デジタル推進法に基づき、各種行政手続のオンライン化が進められており、また、各種システムの標準化についても検討が始まったところです。 地方議会についても、全国的な課題である議員の成り手不足に関し、その要因、例えば請負禁止の緩和や立候補環境の整備などについて、国主導で検討が進んでいくものと考えております。 一方で、公共私や地方公共団体の広域連携については、基礎自治体である市町村、また、市町村を支援する県が積極的に進めていくべき事柄ではないでしょうか。 答申の中でも、地域において住民が安心して快適に生活できるよう、生活機能の確保や持続可能な地域構造への転換、地域のスマート化の実現などのためには、市町村による他の地方公共団体との自主的な連携が重要であると示されているところです。 県内では、既に各種施策で広域連携が進んでいる状況もあります。例えば、消防、救急、ごみ処理、火葬場など、複数の市町村が広域連合や一部事務組合などの制度を利用して進めています。一部の地域では、さらなる連携に発展される動きもあります。 こうした事例を横展開していくことが重要と考えていますが、市町村単独では、周辺自治体の情報や検討するためのマンパワーが不足していることなどから、各首長の方々も、連携についての判断が非常に難しい状況ではないかと感じています。また、既に連携した取組を行っているものでも、人口減少により将来に不安を感じているものがあると思います。 そのために、県が旗振り役として、また、調整役として、各地域の実情や意向を十分に踏まえながら、市町村とともにさらなる連携に向けた検討を進めていただければと考えています。 そこでお尋ねします。 このように、人口減少が進み、フルセット型の行政サービスが困難となっていく中で、市町村間の連携は今後ますます必要なものと考えます。一方、小規模な自治体では、どのような業務をどういう方法で連携していくのか、検討していく時間やマンパワーが不足していることも予想されます。 こうした現状を踏まえ、まず、本年6月の国の地方制度調査会答申に対する知事の思いや受け止め、また、今後市町村間の連携についてどのような支援を行っていくのか、お尋ねいたします。 〔知事蒲島郁夫君登壇〕
◎知事(蒲島郁夫君) 国の地方制度調査会では、これまでも、地方分権の推進など、地方自治の在り方を示す重要な答申が行われてきました。 今般の答申では、人口減少の深刻化やインフラの老朽化、自然災害や感染症のリスクなど、地域社会を取り巻く環境が大きく変容している中で、住民の暮らしを持続可能な形で支えていくことを求めています。 また、地方行政の在り方を、変化やリスクに適応し得るものへと転換する必要があるとしています。 その上で、地方公共団体の広域連携や地方行政のデジタル化などについて、目指すべき姿を示しています。 本県においては、今まさに、熊本地震、
新型コロナウイルス、そして7月豪雨災害と、三重苦に見舞われています。このような中、全ての市町村が、今後も、人材やインフラ、財源といった限られた資源の中で行政サービスを維持向上していく必要があります。 将来に向けて、市町村がそれぞれ有する強みを生かし、資源を融通し合うなどの連携を示した今回の答申は、大変重要だと受け止めており、今後の市町村行政の運営の指針になるものであります。 次に、市町村連携の支援についてお答えします。 私が生まれ育った菊池川流域では、流域の市や町が連携し、日本遺産の認定を受け、観光振興などに取り組んでおり、交流人口の増加や農産物の販路拡大につながっています。 また、上益城地域では、ごみ処理施設やし尿処理施設を集約し、スケールメリットを生かしたサービスの提供に向けた連携の取組が動き出しています。 県では、このような様々な連携の取組を様々な形でまた支えていっております。 今後も、答申を踏まえて市町村が行う、人口や世帯数、地域の産業、医療、福祉サービス、公共交通などの将来の姿を分析、整理する地域の未来予測の作成を支援します。 さらに、未来予測で明らかになる課題の解決、そして目指すべき将来像の実現に向け、広域連携や垂直補完をはじめ様々な手法により、市町村を全力で支援してまいります。 〔早田順一君登壇〕
◆(早田順一君) 今回の地方制度調査会の地方自治の在り方の方向性を示す答申については、大変重要だと受け止め、今後の市町村行政の運営の指針になるとの認識を示されました。 この答申を踏まえて市町村が行う地域の未来予測の作成を支援していく、そして未来予測で見えてきた課題を克服するために、広域連携や垂直補完をはじめ様々な手法により、市町村を全力で支援するとのことでございました。 例えば、今市町村の職員さん方とそれから県の職員さん方との交流というのは、活発に行われているというふうに思います。しかし、これからそういった広域連携を進める上においては、そういう県との交流ももちろん必要ではございますけれども、近隣の市町村の職員の交流というのも必要になってくるのではないかと思っております。やっぱりお互いの市町村の中身を知ること、そのことが効率的な広域連携に私はつながるというふうに思っておりますので、そういった市町村の職員の連携、そういったものも促すような、そういった行動もぜひ取っていただければというふうに思っております。 人口減少を緩める地方創生の取組に加え、未来予測を踏まえた備えを、地方行政が具体的にどこまで準備していけるのかが重要であると思います。これからも市町村に寄り添いながら取り組んでいただきたいというふうに思います。 次に、企業誘致による若者の地元定着に向けた取組について質問いたします。 今般の
新型コロナウイルスの影響により、これまでの働き方が大きく変わりました。 東京商工会議所が10月に実施した調査では、アンケートに回答した企業のうち、テレワークを実施している企業は53.1%でした。テレワークを実施した効果としては、働き方改革が進んだという回答が最も多かったとのことです。 また、先日経団連が発表した企業の本社機能移転に関する調査結果では、本社機能の全部または一部を東京から既に移転したり、移転を検討していると回答した企業が22.6%に上り、2015年の7.5%から大きく上昇をしています。 そのような中、最近では、地方創生に向けた自治体の積極的な取組もあり、都市部のIT企業が地方へサテライトオフィスを開設する動きが大きくなっています。 例えば、九州では、宮崎県日南市の油津商店街に複数のIT企業が進出し、自治体や市民との一体的な取組により、シャッター商店街が劇的に変わったという事例や、本県でも、熊本市をはじめ八代市や芦北町へIT企業の誘致、集積の動きが見られるようになってきました。 テレワークが急速に進んだように、時代の流れとして、これからは、IT企業の地方への進出が増えていくのではないかと考えております。 IT企業は、製造業と比べて、一つの企業としては大きくないかもしれませんが、高速通信回線があれば、場所を選ばずに仕事ができます。都市部の企業は、地方へのサテライトオフィスに、都会とは対照的に豊かな自然など、リフレッシュできる仕事環境を求める傾向があり、県内各地域に企業が進出するチャンスがあると思います。 人吉市におきましては、温泉宿泊施設であったものを市が改修し、サテライトオフィスを整備されました。誰でも利用できるコワーキングスペースを備えており、今年7月の豪雨災害で被害を受けるまでは、首都圏のIT企業や地元の方が利用するなど、多くの利用実績があったと伺っています。 私の地元である山鹿市につきましても、良質な温泉をはじめ、自然環境が大変豊かであり、都市部のIT企業を受け入れるポテンシャルは非常に高いと考えます。 一方で、本県高校生の約4割が県外へ就職をしています。地元である山鹿地域の高校生では、約3割が県外に就職、つまり約7割は県内に就職していますが、地元山鹿市の企業への就職は、2019年度では13.5%と低い状況です。 今後は、山鹿市も含め、県内の幅広いエリアに数多くのIT企業の誘致を進め、若者の雇用の場をつくることが大変重要なことであると考えます。 しかし、今後、全国の地域間では、企業誘致に向けた競争が激しくなることが予想され、企業を誘致するためには、そこに企業が必要とする人材がいることが必要です。地方へ進出したいと企業が思っていても、そこに必要とする人材がいなければ進出できないのです。 山鹿地域の高校では、毎年、管内の誘致企業をはじめ多くの企業においてインターンシップを行うなど、生徒と企業の交流があります。 若者の流出により地域が疲弊しないよう、IT企業の誘致を見据え、県内に若者が定着できる取組を継続、発展させ、地域に根づく人材を育てるということが大変重要です。 そこで、今般のIT企業等の地方回帰の流れを受けて、IT企業の積極的な誘致により若者の地元定着を図るため、県としてどのような取組が考えられるか、知事にお尋ねいたします。 〔知事蒲島郁夫君登壇〕
◎知事(蒲島郁夫君) 企業誘致による若者の地元定着に向けた取組についてお答えします。
新型コロナウイルスの影響により、企業の拠点の国内回帰やリスクヘッジのための地方分散など、都市部から地方への新たな流れが生まれています。 このような流れを受け、本県でも、IT企業の進出の動きがこれまで以上に活発になっており、昨年度を上回るペースで立地が進んでいます。 県では、この流れを取り込み、IT、コンテンツ関連企業のさらなる誘致を図るため、今年度、地方創生交付金を活用し、誘致した企業が持つネットワークにより、新たな企業を呼び込む仕組みづくりに取り組んでいます。 一方で、首都圏など都市部では、IT人材が不足しており、人材確保が課題となっています。例えば、社内の優秀な人材が地元へUターンする際は、その地域への拠点開設を検討するなど、人材の引き止めに注力されています。 このように、IT企業が進出し、根づくためには、企業を誘致するだけでなく、その地域で人材を確保できるかどうかが大きな鍵となっています。 芦北町では、廃校だった計石小学校を改装したサテライトオフィスに、昨年から東京のIT企業が進出し始め、現在、満室に近い状態にまで集積が進んでいます。 私は、先日、そのIT企業グループの方々とお会いしました。進出を決めた理由をお尋ねしたところ、最も大きいのは、地元首長の熱意、そしてよい意味での行政のイメージとは違う町の職員のスピード感ある対応であったというふうなことを伺いました。 さらに、地元の芦北高校の魅力向上を目的として、そのITグループと連携した取組が始まっています。今後、ITやプログラミングに関心の高い生徒により、クリエイティ部という部活動を立ち上げ、企業のアドバイスを得ながら、地域課題の解決などを通じてITスキルを磨く取組が予定されています。これも、地元自治体とIT企業グループが、ともに地域の課題を解決したいという一致した強い思いがあってこそ実現したものです。 鹿本地区には、鹿本、鹿本商工、鹿本農業の3つの県立高校があります。議員御紹介のとおり、地元企業でのインターンシップを積極的に実施しており、高校生の地元定着につながっています。 今後、IT企業の誘致を進めることで、例えば、3校合同で部活動を立ち上げるなど、企業と連携した新たな取組も期待できると考えています。 企業と地元自治体、高校が連携した取組は、新たなビジネスや人材育成につながり、人材を必要とする企業が根づく大きな要因になるとともに、高校生自身が地元の魅力に気づくきっかけになると確信しています。 これらの取組を契機に、県内各地域で熱意ある市町村と連携しながら、地方創生の実現に向けた企業誘致に積極的に取り組み、若者の地元定着を図ってまいります。 〔早田順一君登壇〕
◆(早田順一君) 今知事のほうから御答弁をいただきました。 本県の高校生の6割が県内に残っているということを先ほど申し上げましたけれども、あくまでも就職した生徒の数字でございまして、先ほど山鹿市管内の就職率は13.5%という数字を出しました。ほかの地域も、この数字に近いところが多いのではないかというふうに思っております。 そして、IT企業を誘致するため、知事のほうから、首長の熱意、それから職員のスピード感、こういったものが非常に大事だということでございました。 私も、某IT企業の社長と話す機会がございましたけれども、どうしたら地方に来てくれますかとお尋ねをいたしますと、IT人材がいれば地方でも対応できるとのことでございました。そういう人材がいなければ、企業側が高校生を育成することも可能であるということも言っていただきました。 先ほど知事のほうから、山鹿の地区にある3つの県立高校が合同で、放課後、企業と一緒になって新たな取組も期待できるというような御答弁もいただきましたので、こういった企業とそれから地元の高校、そういったものがしっかりとリンクをして、企業側もしっかり育てる、そしてその育った子供がその企業に入っていって地元定着につながる、そういう仕組みをぜひつくっていただきたいというふうに思っております。 特に、先ほど話が出ておりました芦北、それから人吉の取組、これも非常に前向きで、すばらしい取組だというふうに思っております。 真の地方創生を実現するために、今後ともしっかりとした連携強化を図っていただき、柔軟な対応をしていただければというふうに思っております。 次に、山鹿の観光振興についてお尋ねをいたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、本県経済は大きな影響を受けており、その中でも観光産業については、移動自粛等に伴うダメージを直接的に受けている状況です。 私の地元山鹿市でも例外ではなく、市の調査によりますと、
新型コロナウイルス感染症の影響が出始めた本年3月から7月までの宿泊客数が対前年比約75%減になるなど、甚大な影響を受けていると聞いております。 そのような中、観光需要の喚起策として、県においては、本年7月から8月にかけまして、県民を対象とした県内宿泊応援キャンペーンを実施され、国でも、7月からGoToトラベルキャンペーンなどに取り組まれています。 こうした取組により、本県においても、徐々にではありますが、観光客も戻りつつあると聞いていますが、山鹿に目を向けると、クラスターが発生した7月以降、その風評被害も影響し、観光客の回復は鈍い状況にあります。 宿泊者数の減少は、飲食施設や交通事業者等にも影響を及ぼし、地域産業全体が落ち込むことから、観光客を呼び込み、早期に観光需要を回復させることが必要と考えています。 山鹿には、山鹿温泉や平山温泉をはじめ、熊本県が誇る温泉地を数多く有しており、また、菊池川流域は、日本遺産にも認定されるなど、歴史に裏づけされた観光資源が豊富にそろっています。 また、昨年、山鹿市では、女子ハンドボール世界選手権大会の試合も開催され、大変盛り上がり、スポーツ大会誘致にも力を入れています。 そして、山鹿は、人口の多い福岡県や熊本都市圏からも近く、実際、平山温泉の利用客の多くは、マイカーを利用した福岡県からの方が多いような状況です。 温泉などの観光資源や地理的な優位性を生かし、例えば、県北地域の温泉地を結んで県北温泉街道などと銘打って、福岡、熊本都市圏にPRするとともに、温泉地等へストレスなく案内できる観光案内標識の整備も必要と考えています。 一方で、山鹿は、主要な交通拠点であるJR熊本駅や阿蘇くまもと空港などからのアクセスが悪く、飛行機や新幹線などの公共交通機関を利用した県外からの観光客をいかにスピーディーに観光地まで運ぶかが課題と言え、何らかの対策が必要ではないでしょうか。 地域に観光客を呼び込み、にぎわいが戻れば、好循環が生まれ、落ち込んだ地域経済の活性化につながると思います。 全国的に大都市を中心に感染者の急激な増加が見られ、依然として予断を許さない状況にありますが、県において、山鹿の観光振興を今後どのように進めていくのか、観光戦略部長にお尋ねいたします。 〔観光戦略部長寺野愼吾君登壇〕
◎観光戦略部長(寺野愼吾君) 山鹿の観光振興についてお答えいたします。 山鹿は、歴史と文化の薫り高い豊前街道や八千代座、幻想的な山鹿灯籠踊り、豊富な湯量、泉質を誇る温泉、風土に根差した豊かな農産物や食など、良質な観光資源に恵まれております。 また、九州最大の観光マーケットである福岡県に隣接した地の利を生かし、さらに多くの観光客を呼び込める大変ポテンシャルの高い地域です。 県では、これまでも、地域の関係団体と連携しながら、日本遺産・菊池川流域での広域的なPRとともに、豊前街道の町歩きと八千代座見学をセットにした着地型旅行商品の造成など、地域に根差した観光メニューや誘客策の開発、定着に取り組んでいます。 議員御指摘の温泉の活用につきましては、県におきましても、ブランド化を図るため、泉質に注目したプロモーション「くまもっと湯美人」を展開しております。 今後は、温泉自体の魅力の紹介に加えて、地域のイベントや食、アクティビティーなどの観光資源と組み合わせ、日帰りあるいは宿泊といったニーズに対応した情報発信をするなど、県北地域を結びつけて、温泉をはじめとした地域の魅力を余すことなく満喫できるような仕掛けを展開してまいります。 次に、県内の主要交通拠点からのアクセスにつきましては、現在取り組んでいる博多駅及び熊本駅と山鹿市などを結ぶ無料シャトルバスの運行により、手応えをつかんだところです。今後、これを軸に、持続可能な2次アクセスの強化について、さらに検討を進めていきます。 また、昨年、2019女子ハンドボール世界選手権大会が開催され、国内外から多くの観戦者が本県に訪れました。山鹿市は、その会場の一つであり、国内屈指のハンドボール女子実業団チーム、オムロン・ピンディーズの本拠地でもあります。 そこで、昨年の国際スポーツ大会のレガシーとしまして、県ハンドボール協会と連携して、日本のトップチームが参加し、トーナメント方式により実施される女子の日本ハンドボール選手権大会の来年度の山鹿市への誘致に向けて取り組んでまいります。 引き続き、県、市連携の下、山鹿地域の豊富な観光資源と地理的特性を最大限に活用した、魅力的な観光振興策を展開してまいります。 〔早田順一君登壇〕
◆(早田順一君) ただいま部長のほうから御答弁をいただきました。 この山鹿の観光、山鹿といえば、温泉、八千代座、食などの良質な観光資源に恵まれているということは、私もそう思っております。山鹿を盛り上げていくためには、近隣の市町、そういったところの資源、特に温泉資源、こういったものともやっぱり結びつけていかなければならないと思っております。 部長のほうから、県北地域の温泉の魅力を満喫できる仕掛けを展開していくと御答弁をいただきました。ぜひ、こういったせっかくいい温泉が県北地域にたくさんございますので、そういったものを結びつける、そういった取組にも力を入れていただきたいと思います。 それから、今部長のほうから、本当に山鹿にとって明るい話題をいただきましたけれども、来年の女子の日本ハンドボール選手権大会、これが山鹿市で開催されるように、今しっかりと取り組んでおられるということでございました。 ぜひとも、この誘致を成功させていただいて、本当に昨年、女子ハンドボール世界選手権大会、非常にこの熊本県、盛り上がりました。そして、ハンドボール協会の会長でございました亡き島田会長が、この女子ハンドボール世界選手権大会の成功は、どんな大きな大会でも熊本で開催することができると言っておられました。この国際大会のレガシーとして、スポーツ大会誘致と、そしてこの山鹿の観光振興が結びつく、そういった取組をぜひとも展開していただきたいというふうに思っております。 次に、今度は、この山鹿の観光振興にとって大事な山鹿市への道路アクセス改善についてお尋ねをいたします。 山鹿市は、全国の傾向と同様に、人口減少が続き、ピーク時の昭和30年代の8万人から現在は5万1,000人となっています。 それに対し、様々な人口政策や経済政策が実施されていますが、それを定住人口の増加や観光振興等につなげ、地方創生を実現するには、地域と地域を結ぶネットワークや交通拠点とのアクセス改善が必要であり、その基盤となる道路整備が不可欠と考えます。 そのような中、県内では、幹線道路の整備が目に見えるものとなってきており、本年度より中九州横断道路の合志―熊本間が新規事業化され、今後、阿蘇方面に向けての整備が始まると伺っております。 この整備が進めば、国道325号と大津町でインターチェンジにより接続する計画であり、山鹿市と菊池地域、阿蘇地域を結ぶ新たな観光周遊ルートを形成する道路として大いに期待されます。 その一方で、山鹿市の道路事情は、十分とは言えず、まだ改善を図る必要があります。 ここでスクリーンを御覧ください。(資料を示す) まず、山鹿市の横軸となる国道325号は、山鹿市から熊本空港までは、1日当たりの交通量が2万台を超える箇所もあり、朝夕の混雑時は1時間以上を要しております。 また、観光面では、先ほど述べたとおり、山鹿市は、福岡方面からも多くの観光客が訪れております。現在、福岡方面からは、南関インターから国道443号を通って山鹿市に至るルートがありますが、そこからさらに東に進むと、国道325号の山鹿市や菊池市区間の交通混雑により、山鹿市から菊池地域や阿蘇地域などに及ぶ県北地域の広域観光連携に大いに支障を来しております。 今後整備される中九州横断道路の効果を最大限に山鹿市に結びつけるためにも、この交通混雑の解消が急務と感じております。 次に、縦軸の国道3号でございますが、山鹿市と熊本市中心部までは約30キロ弱であります。しかし、渋滞の慢性化などのため1時間半を要している状況であり、日常の通勤通学や経済活動に支障を来しています。 国道3号の渋滞解消は、山鹿市と熊本都市圏の相互交流を促進し、山鹿市が進めるまちづくりに寄与する、極めて重要な課題であると考えております。 そこで質問です。 現在整備が進められている国道325号及び国道3号植木バイパスの整備状況と、あわせて、これらの道路整備が山鹿市にもたらす効果について、土木部長にお尋ねいたします。 〔土木部長上野晋也君登壇〕
◎土木部長(上野晋也君) まず、国道325号の整備状況についてお答えをいたします。 県では、県北地域における工業団地の集積等に伴う交通量の増大に対応するため、本路線の4車線化に重点的に取り組んでおります。 現在、菊池市内では、菊池川に架かる橋梁の工事等を実施しております。山鹿市内では、旧鹿本町で新たなバイパス整備に向け、測量、設計を実施中であり、今後、用地買収に着手する予定であります。 空港アクセスの改善という重要な役割も担う道路であるため、今後も地元の声を伺いながら、しっかりと取り組んでまいります。 次に、国により整備が進められている国道3号植木バイパスについてお答えをいたします。 これまでに、植木町鞍掛から鐙田までの2.3キロメートルが供用し、現在、国道3号をまたぐ橋梁工事が本格化するなど、鋭意工事が進められています。さらに、植木バイパスと接続する北バイパスについても、順次4車線化が進められております。 植木バイパスは、山鹿市と熊本市との間の渋滞緩和に大きな効果を発揮する道路であり、県としても、早期整備をしっかりと国に働きかけてまいります。 最後に、これらの幹線道路が山鹿市にもたらす効果についてですが、中九州横断道路などとネットワークが構築されることで、自動車交通の速達性や定時性が確保されます。 これらにより、山鹿市を含め、県北地域の広域的な人や物の流れが活性化し、観光や経済活動を通じて、本地域の地方創生に大きく寄与するものと考えています。 〔早田順一君登壇〕
◆(早田順一君) ただいま土木部長のほうから御答弁をいただきました。 この幹線道路である国道3号と国道325号の改善は、とても山鹿市にとっては重要な道路でございます。しかし、この道路だけでは、やっぱり地域の活性化にはつながりません。それと同様に、やはり山鹿市としての魅力、そういったものもつくっていかなければなりません。道路整備、それと山鹿の魅力、これが両輪になって進んでいくことが、山鹿の発展につながるのではないかというふうに思っております。 なかなかすぐにはできない道路でございます。恐らく最低でもやっぱり10年以上はかかるだろうというふうに思っておりますけれども、しかし、しっかりと活動していくことが、1年でも2年でも早く開通する、そしてそのことによって人や物の流れが活性化し、地方創生に必ずや寄与するというふうに思っておりますので、どうぞ、土木部長、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 最後の質問です。 若者が夢を持てる農業の展開についてであります。 今日の人口減少社会にあっては、地域を支える担い手の育成、確保は、これまで以上に難しくなると予想されます。 全国有数の農業県である本県は、温暖な気候と豊かな水、肥沃な農地といった生産条件に恵まれており、課題となるのは担い手の確保です。 これまで農業を背負ってきた団塊の世代が70代を超える中、新たな担い手となる若者たちに農業にどんどん参入してもらい、後を継いでもらう必要があります。 そのためには、収入はもちろんですが、農業が、若い人たちにとって、夢を描き、その実現に向けて頑張ろうと思えるような産業でなければならないと考えており、そのためには、次の視点が重要だと考えます。 まずは、インターネットの活用です。 今の若い人たちは、インターネットやスマートフォンを使いこなす能力に優れています。また、IT技術の発達により、小売や流通の世界もさま変わりし、インターネットショッピングが著しく伸びています。農産物も例外なく、特にコロナ禍の中で、農産物の購入手段の一つとして広く浸透し、取引量も大幅に増加しています。 もちろん、今後も市場を通した流通が主流だとは思いますが、インターネット通販などを活用し、海外市場も視野に入れながらの多様な販路開拓が重要になってきます。 また、インターネットを通じて産地と消費地が直接つながれば、それぞれの地域で生産された農産物等の情報を直接発信することが可能で、農産物の差別化やブランド化も期待されます。 もう一つは、農業を食品製造や加工等の2次産業や小売や観光等の3次産業と組み合わせ、新たな付加価値を創造する農業の6次産業化です。 私の地元山鹿市に新規参入したあつまる山鹿シルクは、新技術を導入して、オーガニックの桑原料生産や周年無菌生産などの新しい形で養蚕業に取り組むとともに、生産したシルクを原料とした食品添加剤や化粧品、医療用資材などを研究開発するなど、新しい産業の創出に取り組んでいます。将来的には、地域雇用をさらに拡大する計画です。 また、菊鹿ワイナリーは、地元産ブドウを使ったワイン生産を核に、レストランや直売等の3次産業との融合に取り組んでおり、地域活性化へつながることを期待しています。 こうした農業の6次化への取組により、新たな価値を生み出す産業へ進化させることができ、観光客増加や雇用拡大などを伴う地域貢献型の産業としても期待されます。 そこで、インターネットの活用や6次産業化の取組など、これからの地域を担っていく若者たちが夢を持てるような農業の新しい展開について、県ではどのように取り組んでいかれるのか、農林水産部長にお尋ねします。 〔農林水産部長竹内信義君登壇〕
◎農林水産部長(竹内信義君) 若者が農業に魅力を感じ、新たな担い手となるには、産業としての将来性を見いだせるかが鍵となります。 議員御指摘のインターネットの活用と6次産業化は、成長が期待できる有力な分野であり、県としても様々な取組を展開しております。 まず、インターネットの活用についてお答えします。 県では、
新型コロナウイルスの影響で滞留した農産物への対策として、6月からネット通販キャンペーンを実施しましたが、目標の1万セットを約2か月で完売するなど、その可能性を実感したところです。 さらに、7月豪雨災害で被災し、売上げが減少した直売所への同様の支援に加え、地産地消フェアをネット上で行うなど、インターネットをフルに活用した取組を展開中です。 今後は、研修会などを通じ、生産者の方々にもインターネットの活用を普及していきたいと考えております。 次に、6次産業化についてです。 議員からも御紹介のありました山鹿シルクや菊鹿ワインのような付加価値の高い商品を市場に送り出すため、異業種の連携による商品開発の取組を進めることで、様々な特色のある商品が生まれています。また、6次産業化に取り組む事業者への専門家の派遣、研修会等を通じたノウハウの普及など、きめ細かな支援も展開しています。 このような取組の結果、平成30年度の本県の6次産業化関連販売額は、約770億円で、全国5位となり、近年では、農林水産大臣賞を受賞する商品も生まれるなど、着実な成果が現れつつあるところです。 今後とも、社会の変化を捉え、国内だけでなく、海外の市場も見据えながら、農業の付加価値向上と販路の開拓を推進し、若者が夢を持てる農業の実現に向け取り組んでまいります。 〔早田順一君登壇〕
◆(早田順一君) 今インターネットの取組、それから6次産業化の取組、特に6次産業化においては、770億円で全国5位の実績であったということでございました。 また、海外市場も見据えて取り組んでいかれるということでございますけれども、やはり商品開発においては、自己満足ではやっぱり商品開発ではないというふうに思っております。出口の部分をしっかり押さえて、何が売れるのか、そういったものをキャッチして物づくりをしていかないと、なかなか売れないというふうになってくるというふうに思っておりますので、これから若者が夢を持てるような農業の実現につながるよう取り組んでいただきたいというふうに思っております。 以上で全ての質問が終了いたしました。 今回、私、最後の質問でございます。4期14年間、本当にこの議場の中で、皆さん方、そして蒲島知事をはじめ執行部の皆さん方と議論をさせていただきました。勉強もさせていただきました。この経験を生かしながら、そしてまた、地元のためにもしっかりと頑張らせていただきたいというふうに思っております。 県民の幸福、そして地元の幸福に、私のこの議場での質問が必ずや実になることを期待いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 皆さん、本当にありがとうございました。(拍手)
○議長(池田和貴君) 以上で通告されました一般質問は全部終了いたしました。 これをもって一般質問を終結いたします。 ――――――○――――――
△日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第46号まで及び諮問第1号)
○議長(池田和貴君) 次に、日程第2、目下議題となっております議案第1号から第46号まで及び諮問第1号等に対する質疑を行いますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 ――――――○――――――
△日程第3 知事提出議案の委員会付託(第1号から第46号まで及び諮問第1号)
○議長(池田和貴君) 次に、日程第3、目下議題となっております議案第1号から第46号まで及び諮問第1号につきましては、さきに配付の令和2年11月熊本県議会定例会議案各委員会別一覧表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。 〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕 ――――――○――――――
△日程第4 請願の委員会付託
○議長(池田和貴君) 次に、日程第4、今期定例会において受理いたしました請願は、議席に配付の請願文書表のとおりであります。これをそれぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。 〔請願文書表は付録に掲載〕 ――――――○―――――― 知事提出議案第48号及び第49号
○議長(池田和貴君) 次に、お諮りいたします。 知事提出議案第48号及び第49号が提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、知事提出議案第48号及び第49号を日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 知事提出議案第48号及び第49号を一括して議題といたします。 ――――――――――――――――― 第48号 教育委員会委員の任命について 第49号 収用委員会委員の任命について ―――――――――――――――――
○議長(池田和貴君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案第48号及び第49号に対する提出者の説明は省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。 ――――――○――――――
△日程第5 休会の件
○議長(池田和貴君) 次に、日程第5、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。 7日は、議案調査のため、8日は、各特別委員会開会のため、9日から11日までは、各常任委員会開会のため、14日は、議事整理のため、それぞれ休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、7日から11日まで及び14日は休会することに決定いたしました。 なお、5日、6日、12日及び13日は、県の休日のため、休会であります。 ――――――○――――――
○議長(池田和貴君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は、来る15日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第7号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後2時11分散会...