昭和59年 9月 定例会┌──────────────────┐│ 第 七 号(九月二十一日) │└──────────────────┘ 昭 和 五十九年 熊本県議会九月定例会会議録 第七号──────────────────────────昭和五十九年九月二十一日(金曜日) ──────────────────── 議事日程 第七号 昭和五十九年九月二十一日(金曜日)午前十時開議 第一 各
特別委員長報告、質疑、討論、議決 第二 各
常任委員長報告、質疑、討論、議決 第三 閉会中の継続審査事件の付託 第四
決算特別委員会の設置、委員の選任、事件の付託 第五 知事提出議案の上程、質疑、討論、議決 ────────────────────本日の会議に付した事件 日程第一 各
特別委員長報告、質疑、討論、議決 日程第二 各
常任委員長報告、質疑、討論、議決 日程第三 閉会中の継続審査事件の付託 日程第四
決算特別委員会の設置、委員の選任、事件の付託 日程第五 知事提出議案の上程、質疑、討論、議決 議員提出議案の上程、質疑、討論、議決 ――
―――――○―――――――出席議員(五十三名) 前 畑 淳 治 君 野 田 将 晴 君 荒 木 詔 之 君 島 田 幸 弘 君 島 津 勇 典 君 大 西 靖 一 君 倉 重 剛 君 山 本 靖 君 中 島 絹 子 君 中 島 隆 利 君 小早川 宗一郎 君 三 浦 哲 君 藤 川 俊 夫 君 花 籠 幸 一 君 舟 津 正 光 君 西 岡 勝 成 君 阿曽田 清 君 橋 本 太 郎 君 三 角 保 之 君 岩 永 米 人 君 堀 内 常 人 君 永 田 健 三 君 山 本 秀 久 君 深 水 吉 彦 君 八 浪 知 行 君 杉 森 猛 夫 君 鏡 昭 二 君 高 田 昭二郎 君 古 閑 一 夫 君 大 森 豊 君 魚 住 汎 英 君 柴 田 徳 義 君 林 田 幸 治 君 広 瀬 博 美 君 馬 場 三 則 君 木 村 健 一 君 北 里 達之助 君 金 子 康 男 君 米 原 賢 士 君 井 上 龍 生 君 久 保 一 明 君 永 田 悦 雄 君 宮 元 玄次郎 君 甲 斐 孝 行 君 今 井 洸 君 八 木 繁 尚 君 幸 山 繁 信 君 池 田 定 行 君 小 材 学 君 岩 崎 六 郎 君 水 田 伸 三 君 今 村 来 君 小 谷 久爾夫 君欠席議員(二名) 平 川 和 人 君 酒 井 善 為 君 ────────────────────説明のため出席した者 知事 細 川 護 熙 君 副知事 藤 本 伸 哉 君 出納長 山 内 新 君 総務部長 蓼 沼 朗 寿 君 企画開発部長 田 谷 廣 明 君 福祉生活部長 松 村 敏 人 君 衛生部長 清 田 幸 雄 君 公害部長 田 嶋 喜 一 君 商工観光労働 部長 道 越 温 君 農政部長 田 代 静 治 君 林務水産部長 古 閑 忠 治 君 土木部長 福 島 正 三 君
公営企業管理者 大 塚 由 成 君 教育委員会 委員長 本 田 不二郎 君 教育長 伴 正 善 君 警察本部長 浅 野 信二郎 君 人事委員会 委員長 内 藤 省 治 君 監査委員 北 川 信 俊 君 ────────────────────
事務局職員出席者 事務局長 衛 藤 成一郎 事務局次長 錦 戸 十三夫 議事課長 小 池 敏 之 議事課長補佐 岩 井 祐二郎 調査課長補佐 兼議事課長補佐 山 下 勝 朗 ――
―――――○――――――― 午後二時四分開議
○議長(小材学君) これより本日の会議を開きます。 ――
―――――○―――――――
△日程第一 各特別委員会の調査及び審査結果報告
○議長(小材学君) 日程に従いまして日程第一、去る六月定例会において引き続き
地域開発特別委員会に調査を付託いたしました
エネルギー開発に関する件、水資源開発に関する件及びテクノポリスに関する件並びに請願陳情書について、
交通通信対策特別委員会に調査を付託いたしました熊本港建設に関する件、
国鉄新幹線建設並びに同地方線対策に関する件、熊本空港に関する件及び電信電話事業に関する件並びに陳情書について、
公害対策特別委員会に調査を付託いたしました水俣病対策に関する件、大気・土壌及び水の汚染並びに騒音その他公害防止に関する件並びに陳情書について、各特別委員長から調査及び審査結果の報告があっておりますので、これを一括して議題といたします。 ただいまから各特別委員会における調査及び審査の経過並びに結果につき各特別委員長の報告を求めます。まず、
地域開発特別委員長の報告を求めます。 永田悦雄君。 〔永田悦雄君登壇〕(拍手)
◆(永田悦雄君) 去る六月定例会におきまして
地域開発特別委員会に付託されました調査事件について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、水資源について申し上げます。 本県は、全国に例のない豊富な地下水や、また菊池川、白川、緑川、球磨川など四つの一級河川を有し、一部の地域を除いて水資源に極めて恵まれているのであります。 しかしながら、近年、都市用水を初め工業用水、農業用水についても、経済の発展や経営の多様化等により、年々水需要は増加している状況であります。このようなことから、執行部に、水利用の現状及び水資源確保のための施策並びに川辺川・
菊池川総合開発事業について説明を求めました。 委員からは、熊本都市圏においては、特に
テクノポリス建設との関連で、今後、企業の進出も見込まれ、水需要はさらに増大するものと予想されるが、その対策について質疑がなされました。 これに対し、執行部からは、従来から地下水の動向について調査を行ってきたところであるが、特に本年度及び来年度において、県並びに
関係市町村一体となって
熊本地域地下水調査を実施することとしており、これらの調査資料について分析をし、今後の対応を考えてまいりたい旨の答弁がなされました。 また、委員からは、既設のダム貯留水について、有効かつ効率的な利用についての検討及び江津湖再開発に関連して、熊本市だけの問題でなく熊本県全体の一つの顔として、水前寺公園と同様、従前のような湧水が確保できるような対策なり構想、計画を立てるよう要望がなされたところであります。 なおまた、委員からは、多目的ダムとして建設予定の竜門ダムについて、補償基準は妥結したものの、代替農地の取得が未解決であり、また川辺川ダムについては、先般ダム建設に反対であった五木村
水没者地権者協議会と建設省との間で和解が成立し、建設に向けて一歩進んだものの、
地域整備計画案の策定作業が難航しているようである。いずれにしても、両ダムについて共通して言えることは、建設計画が発表されて以来、長い年月を経ており、このような状態から、水没者の方々は、いまだ生活再建の目途も立たず将来に対し不安を持っておられる、今後のダム建設についての見通しはどうかとの質疑がなされました。 これに対し、執行部からは、基本的には公共事業の抑制で厳しい状況であるが、竜門ダムについては、本体工事の着工による代替農地の造成、川辺川ダムについては、公共補償問題の解決及び代替宅地造成が当面の課題であり、県として重点事業の一つとして、国に対し、予算の措置等について要望するなど、一生懸命取り組むこととしている旨の答弁がなされました。 この竜門ダムにつきましては、本委員会は、先般現地視察をし、地元関係者から、ダム建設について要望等聴取したところであります。厳しい緊縮財政の中ではありますが、水没者の方々の窮状を見聞いたしますときに、本委員会といたしましては、予算の大幅な増額及び本格的な工事への着手が先決であり、これらの問題について十分な審議を尽くしてまいりたいと思うわけでございます。 次に、テクノポリスについて申し上げます。 執行部に対し、テクノ・リサーチ・
パーク建設構想、
テクノポリス財団の活動状況、
テクノポリス対策資金融資制度及び企業誘致の現状等について説明を求めました。 委員からは、
テクノポリス財団の付属機関として設置される
電子応用機械技術研究所においては、委託研究でいくのか、自主研究でいくのか、また、自主研究開発のノウハウはどこに帰属するのかとの質疑がなされました。 これに対し、執行部からは、この研究所における利用形態として、研究所みずからの目的または長期的な
研究開発計画に基づいて行う自主研究、企業等からの委託に基づいて行う受託研究、
研究開発プロジェクトによる共同研究を、三つの柱としており、この成果の所有権帰属については、基本的に研究所、自主研究のものについては研究所に、委託研究のものについては原則的には委託者に帰属するが、この場合、研究所は無償実施権を得ることとし、また、共同研究の場合は、参加者との共有としたい旨の答弁がなされました。 また、委員からは、人材確保について大変努力もされ、すぐれた方をこのほど二人得られたということであるが、この方々を補助するスタッフをどのような形で整備していくのかが課題である。今回のような民間からの寄付も前例がなく、企業者の中には、
テクノポリス建設に大変期待される一方、危惧をお持ちの方々もあると思うので、このあたりも考慮しながら進めることも必要である。なお、研究所における研究費もわずかで、研究所において開発されるものが、実際に先端技術として今後ともに地域に生かされていく高度技術が得られるのか、このあたりも大変難しい問題であろうとの意見も出されたのであります。 これに対し、執行部からは、民間からの出捐金の使途について、基本的には、研究所は地元企業にとって高度な技術の研さんの場とし、また、ここで得られた技術を地域の企業に普及することが地域産業の活性化につながる、そのための資金であり、企業からのニーズに合った研究ができるような研究所となるよう、県としても努力してまいりたい旨の答弁がなされました。 さらに、委員からは、財団の運営資金の収支見込み、また研究所をつくる上は、これが地場産業に波及効果のあるものでなければならない。なおまた、
高度技術開発研究のためには、当然優秀なスタッフが必要であり、人材確保は重要な問題であるとの意見が出されたのであります。 これに対し、執行部からは、収支見込みについて、長期的には最後の詰めはやっていないが、基本的には研究費、管理費についてバランスを取りながら独立採算でやっていきたい。また、この研究所はゼロから出発するものであるが、研究開発をする上で必要な人材については少々無理はしても確保することが、将来本県にとって有利になると考えている旨の答弁がなされました。 このほか、委員からは、企業から信頼のできる足腰の強い研究所となるよう、また、テクノ・リサーチ・パーク予定地内の未買収地及び関連道路用地の買収等についても質疑がなされたところであります。 本委員会といたしましては、
テクノポリス建設構想は県の重要施策の一つでもあり、以上の意見、要望等について十分な検討を願うとともに所期の目的が達せられるよう、一層の努力方を要望いたしたところであります。 なお、請願書及び陳情書につきましては、お手元に配付の審査結果報告書のとおりであります。 以上が審議されました主な概要でありますが、本委員会に付託されました調査事件につきましては、引き続き調査する必要がありますので、本委員会を次期定例会まで存続し、閉会中の
継続調査事件とすることに全員異議なく決定いたしました。 議員各位におかれましては、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、
地域開発特別委員長の報告を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 次に、
交通通信対策特別委員長の報告を求めます。 井上龍生君。 〔井上龍生君登壇〕(拍手)
◆(井上龍生君) 去る六月定例会におきまして
交通通信対策特別委員会に付託されました調査事件について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、
国鉄新幹線建設並びに同地方線対策について申し上げます。 初めに、
特定地方交通線対策でございます。 現在、国鉄再建法に基づく廃止対象路線として選定をされている宮原線、高森線及び山野線に係る
特定地方交通線対策協議会の最近の運営状況につきまして執行部から報告がなされました。 まず、第一次路線に指定されました宮原線については、六回にわたる
特定地方交通線対策協議会において、バス代替輸送とすることについての協議が整い、来る十二月からバスによる輸送が開始されるとのことであります。 次に、二年間の協議期間が経過している高森線については、去る九月十七日、沿線六カ町村長及び議会の方々が当委員会に再びお見えになり、国等に対し、協議期間の延長を申し入れていただいたことに深い感謝の意を表されるとともに、今日まで沿線町村はもとより沿線住民による存続の署名運動が一万五千人にも達し、さらに沿線住民による拠出金運動も日を追って盛り上がってきており、ぜひとも鉄道としての存続を実現していただきたいとの真剣な陳情がございました。 委員会といたしましては、高森線の存続問題を一層真剣に審議するため、去る七月三日、委員全員が、実際に列車に乗り、現地に行って地元の方々と意見の交換を行った後、再び委員会におきまして、同路線が抱えている諸問題を中心にいたしまして、終始熱心な論議が交わされた次第であります。すなわち、高森線についての県の対応策に関し、今定例会において代表質問及び一般質問がなされたところであります。 委員会においても、委員の質疑に対し、執行部から、七月の第四回協議会では、バス代替輸送の場合の資料が提出され、次回の協議会においては、地元町村から第三セクター運営による鉄道輸送の場合の試算が提出される予定であります。これによって代替輸送を検討するための素材がすべて出そろうこととなるので、これに基づいた検討が慎重になされる見込みでございます。 また、高森線は
高千穂新線建設との関連で、宮崎県側との深いかかわりがあるため、両県において近く協議を行った後、これら一連の経緯を踏まえながら、地元の方々と協議を進めてまいりたい旨の答弁がなされたのであります。 これに対し、委員から、関係町村はもとより地元においても、第三セクターへの拠出金を実施し、しかも、路線の清掃、管理も沿線町村の各団体の手で奉仕的に行いたいとの熱意に燃えているのであるから、その方向で論を進めるべきである。さらに、地元としては、高森線がなくなるということは同地域のイメージダウンにつながる大変な痛手となろう。したがって、今後の対応の中でそのような配慮も大切ではないか。また、いろいろな選択方法についても、これを提案しながら、幅広い検討をしてもらいたいとの意見や要望が出されました。 当委員会におきましては、将来にわたって禍根を残さないため、これらの意見を尊重しながら、地元の方々と意見の交換を行い、一層真剣に高森線の問題について継続して論議することといたしました。 次に、熊本港建設についてでございます。 委員会では、熊本港及びその周辺対策の状況を調査するため、去る八月二十日、熊本港の桟橋部分及び鋼橋部分の架橋工事現場を、小型船舶四隻に分乗して視察を行うとともに、執行部から、その建設状況について説明を聴取いたしました。 最後に、電気通信事業に関する件でありますが、
高度情報化構想――
ニューメディアコミュニティー構想について、執行部から、構想の内容と本県における取り組みについての説明を受けたのでありますが、今後は、情報化時代の到来とともに、ますますその活用が期待されるとの認識を新たにいたした次第であります。 以上が主な審査の経過並びに結果でありまして、当委員会に付託されました陳情書については、審査結果報告書のとおりであります。 なお、本委員会に付託されました各調査事件については今後とも一層真剣な取り組みが必要でありますので、本委員会を次期定例会まで存続して閉会中の
継続調査事件として取り扱うことを全員一致で決定いたしました。 議員各位におかれましては、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、
交通通信対策特別委員長の報告を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 次に、
公害対策特別委員長の報告を求めます。 岩永米人君。 〔
岩永米人君登壇〕(拍手)
◆(岩永米人君) 去る六月定例会において本委員会に付託されました調査事件のうち、主に審議されました事件について、閉会中の委員会審議も含め、その経過の概要並びに結果を御報告申し上げます。 まず、水俣病対策について申し上げます。 本委員会は、去る八月二十日の委員会において、水俣・芦北地域の地区別申請及び認定の状況について、執行部に報告を求め、これに関し質疑や要望等を行ったところであります。 委員から、この
地区別申請認定状況からもわかるように、不知火海一帯が水俣病に汚染されている。以前から、不知火海沿岸住民の被害の全貌を明らかにするための調査を要望しているが、県は実施する考えはないか等の質疑がなされました。 これに対し、執行部から、県は、昭和四十六年から四十八年にかけて、
水俣湾周辺地区の一般住民五万五千人を対象に一斉健康調査を実施しており、また、昭和四十八年から四十九年にかけて、有明海・
八代海沿岸地区の漁民と、その家族三万一千人の健康調査を実施している。また水俣市も、昭和五十年から五十六年にかけて、水俣市の一般住民三万七千人を一斉調査しているので、県は現時点では調査する考えはない。ただ、環境庁が一斉調査をするとすれば、どういうことが必要であるか、あるいは可能であるかどうか等について検討しているところであり、県としては、環境庁の検討結果をまって対処したい旨の答弁がなされました。 また、委員から、今回の調査地域が水俣・芦北地域だけだったことから、対岸の天草地域についても調査してほしい旨の要望がなされ、さらに、
離島等医療機関がないところでは治療が受けられず苦しんでいる方々がいるので、対策を講じてほしい等の要望がなされました。 次に、一般公害対策について申し上げます。 先日十七日の委員会において、執行部から、昭和五十八年度の水質・大気調査結果について報告がなされました。 この調査は、
水質汚濁防止法、
大気汚染防止法等に基づき常時監視を目的として、国の機関、県、関係市町村が協力して昭和四十一年度から毎年実施しているものでありますが、昭和五十八年度の県下の水質汚濁の状況は、河川、海域とも、水域ごとに若干の水質変動は見られるものの、総体的に水質は、ほぼ横ばいの傾向にある。河川水質は、一級河川でおおむね良好な水質を保っているが、生活排水の影響を強く受けている都市部の中小河川では、汚濁が著しく水質の改善が見られない。また、厳しい環境基準の類型指定を行っている河川上流部で環境基準が達成されていないところがある、一方、大気汚染の状況は、ここ数年、低濃度状態で、横ばいか減少傾向を示し、全県的に見た場合、良好な大気環境が維持されている。 しかしながら、燃料油の重質化及び石炭への燃料転換が見られるように、昨今のエネルギーの多様化に伴い、大気保全の見地から好ましくない傾向が生じてきている旨の報告を受けました。また、水質汚濁防止、
大気汚染防止対策として、今後も継続して監視指導や規制等の徹底を図る旨の説明がなされました。 これに関し、委員から、浦川、
坪井川水系等汚濁が著しく相変わらず水質の改善が見られない河川については、本当の汚濁の原因を、つぶさに検討し、具体的な行政指導を行うべきである旨の提言がなされました。また、他の委員からは、
トリクロロエチレン等発ガンの疑いのある物質による地下水汚染問題や、先端技術産業の環境汚染問題について質疑がなされました。また、地下水汚染の経路解明と今後の対策、企業と市町村との公害防止協定の指導等について強い要望がなされました。 これに対し、執行部から、
地下水汚染防止対策として、環境庁から、地下浸透、
河川等公共用水への排水に対する暫定指導指針の通知があったので、県は、市町村、業界の関係団体等に通知するとともに、指導の徹底を図ることとしている。また環境庁は、先端技術産業の環境に及ぼす問題について総合的に調査、検討する方針であり、このことについては、国の調査、検討の経緯を踏まえ、対処してまいりたい旨の答弁がなされました。 なお、本委員会に付託の陳情書につきましては、議席に配付の審査結果報告書のとおりであります。 以上が審議されました主な概要でありますが、本委員会に付託されました調査事件につきましては、引き続き調査する必要がありますので、本委員会を次期定例会まで存続し、閉会中の
継続調査事件とすることに全会一致をもって決定いたしました。 議員各位におかれましては、よろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、
公害対策特別委員長の報告を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 以上で各特別委員長の報告は終わりました。 これより質疑に入ります。質疑の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言の時間は二十分以内の質疑応答といたします。 中島絹子君。 〔中島絹子君登壇〕
◆(中島絹子君) 共産党の中島絹子でございます。
地域開発特別委員長報告に関連して知事にお尋ねをいたします。 報告がありましたように、電応研が着工となって具体的に動き出した
テクノポリス建設についてお尋ねをするわけです。 私は、テクノポリスセンター用地が現在地に決定されるとき、政治家がらみの土地転がしの疑惑が持たれている土地を県が買い上げるのは、土地転がしに手をかす結果となるのではないかと指摘し、しかも、それはテクノセンター用地購入による利ざやにとどまらず、残る用地の地価高騰や開発等による利益などにも道を開くものであることを指摘して反対をいたしました。残念ながら、私のこの懸念が早くも現実のものとなるのではないかと思わざるを得ません。 新聞報道によりますと、県は、テクノ・リサーチ・パーク内道路として幅十六メートルの道路を、東西と南北に二本走らせる計画があるそうですが、そのうちの南北に走る一本を、さらに南北に延長し、南側は建設予定の第二空港線につなぎ、北は、六道塚まで延ばして現在の空港線につなぎ、しかも、これを現在の県道大津甲佐線にかわって新県道に認定をする意向だということです。 また、これは単に新聞報道だけでなく、テクノ・リサーチ・パークの企画をしている日建コンサルタントが示している道路計画案の一つで、企画や土木で既に検討中であることは県の当局の担当者も言っておられます。 テクノ用地は、ここで何回も問題となった高遊原農園と高遊原カントリークラブゴルフ場に囲まれているわけですから、敷地内道路を北に延長するとなれば、どうしても農園とゴルフ場は、その用地売却による利益のほかに、特に北側の現在荒れ地として放置されている部分が、県道が通ることによって一躍生きてくるわけで、その利益ははかり知れないものがあります。 この新県道をつくる計画は、現在の大津甲佐線の拡幅が困難だからというのが理由だそうですが、私が見たところ拡幅できないとは思えないのです。 知事は、テクノセンター内道路を南北に延長して第二空港線と現空港線をつなぐ構想をお持ちですか。さらに、それを県道に認定されるおつもりですか。 もしそうであるならば、結果として、高遊原農園と高遊原カントリークラブゴルフ場の土地転がしに再び県が手をかすことになるのではないでしょうか。どうお考えなのか、お答えいただきたいと思います。 〔知事細川護熙君登壇〕
◎知事(細川護熙君) リサーチ・パーク内を南北に貫通する道路計画についてのお尋ねでございますが、お尋ねのテクノ・リサーチ・パーク内の道路につきましては、現在鋭意調査を進めているところでございます。 それから、県道熊本益城大津線から取りつける進入道路の位置等につきましても、まだ成案を得ておりません。十分な調査、検討を行った上で、できるだけ早い時期に結論を出したいと考えております。 〔中島絹子君登壇〕
◆(中島絹子君) 今の知事のお答えは、検討中と、まだ決まっていないということでございますけれども、決まっていないということは、可能性もあると、そうなるかもしれないというようなことだと思います。 県民は、テクノセンターや電応研が高遊原に決まったときから、非常に注目をしています。まだ未解決の土地も残っているわけです。 知事は、二十一世紀へ向けての地域開発のセンターとして多額の県費を投入して建設をされるわけですから、県民から疑惑が持たれるようなそういうことのないようにしていかなければならないと思います。 そのことをくれぐれも知事にお願いをいたしまして、質疑を終わりたいと思います。
○議長(小材学君) 以上で通告されました質疑は終了いたしました。これをもって質疑を終結いたします。 次に、討論に入るのでありますが、ただいままで通告はありません。よって、討論なしと認めます。 これより、
地域開発特別委員会、
交通通信対策特別委員会及び
公害対策特別委員会の調査について一括して採決いたします。 ただいまの各特別委員長の報告のとおり承認し、さらに調査未了のため引き続きそれぞれの特別委員会に付託して閉会中の
継続調査事件とし、請願陳情書については、議席に配付の審査結果報告書及び付託申出書のうち、それぞれの特別委員会の結果のとおり決定することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、各特別委員長の報告のとおり決定いたしました。 〔審査結果報告書及び付託申出書は付録に掲載〕 ――
―――――○―――――――
△日程第二 議案第一号から第三十二号まで及び請願陳情書並びに継続審査事件
○議長(小材学君) 次に日程第二、去る十四日の会議において審査を付託いたしました議案第一号から第三十二号まで及び請願陳情書並びに継続審査事件について、各常任委員長から審査結果の報告があっておりますので、これを一括して議題といたします。 ただいまから、各常任委員会における審査の経過並びに結果につき各常任委員長の報告を求めます。まず、厚生常任委員長の報告を求めます。 橋本太郎君。 〔橋本太郎君登壇〕(拍手)
◆(橋本太郎君) 厚生常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びにその結果について御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係三議案、条例関係四議案及び請願八件であります。 まず、議案の審査に先立ち請願がありました。 その主なものについて要旨を申し上げますと、血友病患者の医療費について自己負担分の給付を求めるもの、からしレンコン中毒事件に係る原因究明の調査発表について業界への配慮を求めるもの及び阿蘇保健所高森支所の存続を求めるもの等八件であります。 本委員会といたしましては、慎重に審査の結果、財政問題等いろいろと検討を行う必要があるものと認めましたので、継続して審査することといたしました。 次に、本委員会に付託されました議案について、まず予算関係の概要を申し上げます。 今回追加提案されました一般会計補正予算額は、福祉生活部五千六百十九万円、衛生部一億八千百五十七万七千円、公害部一千五百二十五万五千円でありまして、その主な内容は、心身障害者福祉施設「希望の里」の土地造成費及び来年一月に業務開始予定の熊本県健康センター運営事業費並びに水俣病関係の東京訴訟対策費等であります。 また第十三号議案は、五木村災害に伴う災害救助関係経費について専決処分を行ったものであります。 次に、条例関係の概要を申し上げます。 まず、第十五号から第十七号までの三議案でありますが、第十五号議案は、熊本県健康センターの開設に伴うものであり、他の二議案は、国の行政改革に伴う法律改正で、興行場法及びへい獣処理に関する事務が、それぞれ従来の機関委任事務から団体委任事務になったことに伴うものであります。 次に第三十二号議案につきましては、熊本県世帯更生資金の貸付限度額の引き上げに伴う条例の一部改正であります。 各議案の審査に当たりましては、執行部の詳細な説明と委員各位の熱心な質疑により慎重に審議を行いましたが、その過程において特に論議され要望のありました点を要約して申し上げます。 まず第一号議案、昭和五十九年度熊本県一般会計補正予算に関連して、委員から、身体障害者向け及び母子世帯向け住宅の建設状況等について質疑があり、特に身体障害者向け住宅については、現在の住宅事情からも今後できるだけ建設を進めてほしい旨の要望がありました。 これに対し、執行部から、身体障害者向け住宅については、昭和四十五年度から百五十戸、母子世帯向け住宅については、昭和四十七年度から百十五戸建設しているが、今後も需要状況等を勘案しながら積極的に対応してまいりたい旨の答弁がありました。 次に、現在本県で多発しております日本脳炎について、委員から、徹底した対策を検討して発生防止に努めるよう強い要望がありました。 以上が、論議され要望のあった主な点でありますが、本委員会に付託されました知事提出議案については、全員異議なく原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 なお、請願、陳情につきましては、お手元に配付の審査結果報告書のとおりであります。 また、医療費負担の軽減を求める意見書を別途御提案申し上げておりますので、議員各位におかれましては、付託議案とあわせてよろしく御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、厚生常任委員長の報告を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 次に、経済常任委員長の報告を求めます。 深水吉彦君。 〔深水吉彦君登壇〕(拍手)
◆(深水吉彦君) 経済常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びにその結果について御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、予算関係六議案、事件決議関係一議案及び報告二件並びに請願二件であります。 まず議案の概要でありますが、予算関係議案のうち補正予算の主な内容は、
テクノポリス建設へ向けて中小企業の積極的な対応を促進するための融資制度であるテクノポリス対策資金の創設に要する資金、地域住民が緑と親しむための施設整備を図るため、熊本市が実施する「ふれあいの森林」整備事業に対する経費の一部助成費等であります。 また、専決処分の報告及び承認は、五木村竹の川地区の災害復旧費であり、事件決議議案は、主要観光道路整備促進事業に係る泉村地区ほか二地区の町村負担金についてであります。 各議案の審査に当たりましては、執行部から詳細な説明を求め、委員一同、慎重に審査の結果、第一号議案及び第十八号議案については賛成多数、その他の議案については全員異議なく原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 次に、二件の請願がありましたので、その概要を申し上げます。 一つは、ボツリヌスA型菌の食中毒事件に対するからしレンコンの信用回復と業界の救済について、一つは、パートタイマーの労働条件等に関する請願でありました。 からしレンコンに関する請願については、委員から、対象事業者に対して融資の利子補給はできないかとの質疑があり、これに対し、執行部から、信用回復には長期間を要すると思われるので、経営が安定するまでは、据え置き期間、償還期間の延長等を考慮していきたいとの答弁がありました。 また、パートタイマーに関する請願については、委員から、相談窓口の設置等県の対応を早急に願いたいとの要望があり、これに対し、執行部から、現在国において対策要綱を作成中であるので、その結果をまって対応したいとの答弁がありました。 本委員会といたしましては、二件の請願とも今後検討が必要だということで継続して審査することといたしました。 次に、継続審査事件のうち、陳第四十六号、道路使用料並びに山上広場及び草千里駐車場の料金徴収業務の抜本的改善を求める陳情について、審査の概要を申し上げます。 この継続審査事件に対し、陳情者から、駐車場の有料化、道路料金の値上げ等により、経営がさらに悪化し、倒産する者も出るのではないかと懸念している旨の陳情が再度ありましたが、審査の過程で、現状の認識が必要ではないかとの意見が出され、委員会審査後直ちに現地視察を行うこととなりました。 現地視察では、地元の阿蘇町長等から事情を聴取しながら審査を行いましたが、委員から、抜本的改善のため、県において関係部局が緊密な連携をとり、環境庁及び美化管理財団並びに地元阿蘇町との連絡会議等を積極的に行うとともに、地元の窮状を十分にくみ取って対処願いたいとの要望があり、今後も継続して審査することといたしました。 なお、その他の継続中の請願、陳情につきましては、お手元に配付の審査結果報告書のとおりであります。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおり御賛同を賜りますようよろしくお願い申し上げまして、経済常任委員長の報告を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 次に、農政常任委員長の報告を求めます。 高田昭二郎君。 〔高田昭二郎君登壇〕(拍手)
◆(高田昭二郎君) 農政常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びにその結果について御報告を申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、知事提出議案第一号、昭和五十九年度熊本県一般会計補正予算を初めとする予算関係二議案、条例関係一議案、事件決議二件、報告一件並びに陳情三件であります。 本委員会に付託されました議案の概要は、農業の国際化の時代を迎える中で、酪農、肉用牛の振興を図るため、飼料自給率の向上を初めとした経営体質の強化が必要であり、今回、畜産経営の実態に即応した新しい助成制度として畜産振興資金の貸付事業を発足させ、関係条例の制定及び特別会計の経費が計上されております。 また、多発化の傾向にある家畜伝染病に対して、地域の特殊性に即応した家畜衛生技術の普及を図るため、阿蘇家畜保健衛生所に研修館を設置する経費が計上されております。 このほか、金融対策につきましては、本年一月の豪雪による農作物、園芸施設等の被害については、関係資金の貸し付けにより対処していますが、その後、被害農家の融資需要が増大したことに伴って、今回貸付枠の拡大を図ることとし、所要の経費等が計上されております。 本付託議案の審査に当たりましては、農政部長による総括的な説明と、各課長による詳細な説明を求め、委員各位の熱心な質疑がなされ、慎重に審議をいたしました。 その過程において、特に論議され要望のあった点を要約して御報告を申し上げます。 まず、委員側から、畜産振興資金貸付事業について、畜産振興事業は、県下のどこの地域でもよいのか、それとも指定された地域でなければならないのかなどの質疑がありました。 これに対し、執行部から、市町村が酪農及び肉用牛の振興のため、意欲を持って振興計画を策定され、必要な手続を踏んでいただければ、県は、その計画を審査の上適切な貸付事業を行う旨の答弁がありました。また、この事業は今から発足する段階であるので、これから、県下全市町村に対し、十分に趣旨を徹底していく旨の答弁もあわせてありました。 次に、この事業に関連して、委員から、将来は事業拡大によって貸付金の償還金で運用できるとの執行部からの説明であるが、県として計画はどのようになっているのかとの質疑がありました。 これに対し、執行部から、貸し付け後四年目以降は、毎年七分の一ずつの償還金が返ってくるので、十一年目以降は、新たな投資を行うことなく、償還金だけを財源として貸し付けの運用が図られる仕組みとなっている旨の答弁がありました。 以上が審議されました主な点で、本委員会に付託されました各議案は、いずれも全員異議なく原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 また、生レンコンの消費拡大関係について、なお一層の努力方の要請がありました。 なお、陳情につきましては、お手元に配付の審査結果報告書のとおりであります。 また、蚕糸業緊急対策に関する意見書を別途御提案申し上げております。 議員各位におかれましては、よろしく御賛同賜りますようお願いを申し上げまして、農政常任委員長の報告を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 次に、建設常任委員長の報告を求めます。 八浪知行君。 〔八浪知行君登壇〕(拍手)
◆(八浪知行君) 建設常任委員会に付託されました各案件について、審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、第一号議案、昭和五十九年度熊本県一般会計補正予算のうち、本委員会所管のものを初めとする予算関係五件、事件決議案件十一件と、請願書、陳情書がそれぞれ一件であります。 議案の審査に先立ち、土木部長から予算等に対する概要の説明がなされましたが、その要旨は、次のとおりであります。 まず、六月下旬から七月上句にかけての梅雨前線及び八月下旬の台風十号による被害等、本年発生の土木部所管の公共土木施設の被災状況は、県、市町村合わせて、件数にして二千五百七十件、金額にして六十億二千六百万円余となっている。これら被災箇所の早期復旧を図るため、早急に予算措置をする必要が生じたので、六億一千百万円を七月十四日に専決処分を行い、さらに今回追加計上しているところである。 なお、五木村竹の川地区の対策については、土木部所管の急傾斜地崩壊対策事業について既に着手し、三月完成を目指して鋭意建設を進めているところである。 次に、公共事業関係については、これまで約七百十四億四千七百万円を計上し、事業の円滑な執行に努めているところであるが、今回は、国の追加認証を得た補助事業について、道路、河川、都市計画、港湾、砂防事業に十六億九千四百万円余、災害復旧事業に二億八千万円余、単県事業については、道路、河川、都市計画等の事業に二億円余、さらに、災害復旧事業として八千五百万円余を追加計上しているところである。この結果、公共事業費の総額は約七百三十七億八百万円となる。 次に、港湾整備事業特別会計事業で、八代港建設費として七億八千百万円、用地先行取得事業特別会計で、加勢川と都市計画道路水前寺画図線、八代臨港線及び熊本北部流域下水道の建設に係る用地を先行取得する経費として十二億七千六百万円余を計上している。 次に、流域下水道建設事業特別会計であるが、熊本北部流域下水道建設について、事業の一層の促進を図るため、用地取得費及び工事費として八千三百六十万円を追加計上している。 以上を合計すると、今回の補正額は約四十四億一千万円余となり、補正後の土木部関係の予算総額は約九百九十四億三千七百万円と相なる旨の説明がありました。 これら予算関係と、県が施行する補助事業及び単県事業の市町村負担金を定める議案を初め、事件決議案件について、引き続き各課長の詳細な説明を求め、慎重に審査いたしましたが、その過程において特に論議され要望のあった点を要約して御報告申し上げます。 まず、工事請負契約の締結に関連し、各委員から、昨今の厳しい事業費の枠内において、いかにして地元企業育成を図るかについて、提言や質疑が活発になされたところでありますが、要は、施行能力を考慮に入れながら、できるものについては地元企業優先の発注をするとともに、足腰の強い業界を育成するため、技術指導等県の積極的な対応を要望する意見がなされたところであります。 次に、県営住宅の管理に関連し、委員から、家賃の徴収状況について質疑がなされました。 執行部の説明によれば、五十九年三月末までの家賃滞納は、件数にして四百三十三件、約六千四百四十八万円に上るということであります。 これに対し、委員から、年々滞納額は増加しているが、公営住宅だからという甘い考えがあるのではないか、民間ではとても考えられないことだ。また、入居したくても入居できないでいる者もたくさんいるわけであり、長期間空室にしている入居者もいるようで、そのまま放置することは不公平となる。滞納防止のため、さらには連帯保証人制度を機能させるため、二年間ぐらいで更新するなど、見直しをしてはどうか等の意見がありました。 これに対し、執行部から、全国的な傾向であるが、経済不況で払えない人も出ており、病気等の例もある。中には、悪質で誠意のない人がいる半面、気の毒な人もいる。保証人制度については、公営住宅管理法に基づき運営しており、国と相談して決めたい。いずれにしても、滞納分の回収には全力を挙げて取り組みたい旨の答弁がなされました。 当委員会といたしましては、家賃収納に努力するとともに、管理体制の強化を強く要望し、家賃滞納については、内容を分析、調査し、次回の委員会において資料の提出を行うよう要望したところであります。 以上が、主に論議され要望のあった点でありますが、本委員会に付託されました各議案は、全員異議なく原案のとおり可決または承認することに決定いたしました。 なお、請願陳情書につきましては、お手元に配付の審査結果報告書のとおりであります。 議員各位におかれましては、よろしく御賛同賜りますようお願いを申し上げまして、建設常任委員長の報告を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 次に、文教治安常任委員長の報告を求めます。 西岡勝成君。 〔西岡勝成君登壇〕(拍手)
◆(西岡勝成君) 文教治安常任委員会に付託されました案件につきまして、本委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、知事提出議案第一号、昭和五十九年度熊本県一般会計補正予算のうち、本委員会所管のものを初めとする予算関係三議案、報告一件及び請願一件であります。 本委員会におきましては、付託されました各案件について、執行部の詳細な説明を求めながら慎重に審議を行ってまいりましたが、その主な概要を御報告申し上げます。 まず、議案の審議に先立ち、新日本婦人の会熊本県本部から、四十人学級を来年度から実施するよう、国へ意見書の提出を求める請願がありました。 これに対して、執行部から、四十人学級については、国の厳しい財政事情のため、昭和五十七年度以降抑制措置がとられていたが、文部省としては、昭和六十年度から再開に向けて強い意向で臨んでいる旨経緯の説明がなされました。 本委員会といたしましては、今後の国の動向を見守りながら継続して審議することといたしました。 次に、付託されました議案のうち、まず教育委員会関係について申し上げます。 第一号議案に係る昭和五十九年度一般会計補正予算及び第三号議案に係る特別会計補正予算の補正総額七千百八十七万六千円でありますが、その主な予算の内容は、新設高校設置のための調査費、風土記の丘設置事業費、その地学校運営費等であります。 次に第三十一号議案は、水産高校実習船建造工事の請負契約の締結であります。 審議の過程において、委員から、高等学校教育に関して熊本県立高等学校学則並びに熊本県立学校管理規則の見直しをしてほしいなどの要望がなされました。 次に、警察本部関係について御報告申し上げます。 第一号議案に係る昭和五十九年度一般会計補正予算であり補正総額八千八十五万二千円であります。その主な予算内容は、警察施設整備費及び五木村の災害救助活動経費等であります。 以上が、本委員会における付託議案の主な内容でありますが、委員各位の熱心にして慎重な審議の結果、各議案とも全員異議なく原案のとおり可決することに決定いたしました。 なお、請願、陳情につきましては、お手元に配付の審査結果報告書のとおりであります。 最後になりましたが、シートベルト着用が、交通事故の際の生命保護に多大の効果があることから、その定着化を図るため、シートベルト着用推進に関する決議を、別途御提案申し上げております。 この件について、各委員から、今後、これの周知徹底を図り実効を上げるために、県は積極的に取り組むよう要望がなされました。 議員各位におかれましては、付託議案とあわせてよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、文教治安常任委員長の報告を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 最後に、総務常任委員長の報告を求めます。 馬場三則君。 〔馬場三則君登壇〕(拍手)
◆(馬場三則君) 総務常任委員会に付託されました案件につきまして、審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 今回、本委員会に付託されました案件は、知事提出議案第一号、昭和五十九年度熊本県一般会計補正予算のうち、本委員会所管のものを初めとする予算関係二議案、事件決議二議案、報告四件及び請願、陳情各一件であります。 まず、議案の審議に先立ち、請願、陳情がありましたが、その要旨は、非課税貯蓄制度の存続を求める意見書を国に対して提出するよう要請するもの及び天草地域振興計画の推進について特段の配慮を求めるものでありますが、慎重審議の結果、十分趣旨に沿い得るものと考え、二件とも採択することに決定いたしました。 次に、総務部長から、今回の補正予算について概要の説明がありましたが、それは、公共事業等の追加認証等に伴う経費など早急に事業の実施が必要なものを中心に七十四億三千二百十五万六千円を補正するものである。これを現計予算額と合算すると五千七十七億八千七百九十三万一千円となり、前年度九月現計予算と比較すると三・六%の伸びとなる、また、総務委員会関係の歳出予算は二億百二十万一千円であり、現計予算と合算すると七百三十五億千九百万九千円となるというものでありました。 引き続き議案の審査に移り、各課長から議案について詳細な説明を受け審議を進めてまいりましたが、その過程で論議または要望のありました主なものを要約して御報告申し上げます。 まず、委員から、国の財政見直しによる地方への財政負担の転嫁が心配される問題については、国に対して毅然とした態度を示すべきではないかという意見がありましたが、これに対し、執行部から、県としても憂慮しているところであり、今後とも、全国知事会あるいは地方六団体を通じて、地方へ負担を転嫁しないよう国に対して働きかけていく所存である旨の答弁がありました。 次に、委員から、熊本女子大学問題懇話会に係る予算が計上されていることに関連して、これに限らず懇話会、審議会等が幾つか設置されており、いずれも条例による設置でないが、知事の全くの私的諮問機関でなく、県政の重要課題を審議し、その結果を県政に反映させるためのものであれば、条例で設置すべきではないかという意見がありましたが、これに対し、執行部から、地方自治法上審議会を設置するときは必ず条例によらなければならないということでなく、他県の例でも一般的には要綱による設置が多い旨の答弁がありました。 次に、委員から、設立予定の株式会社熊本ビデオテックスサービスへの出資が予算に計上されているが、基本的に利潤追求を目的とする株式会社に県が出資するのは問題ではないか。現に県が出資している株式会社について、出資当初の目的が薄れる等適正を欠いていると見られる例があるので、株式会社への出資は、今後の問題もあり何らかの歯止めを考えるべきであるという意見がありましたが、これに対し、執行部から、県政運営推進に当たり、官民一体となって事業を進めるという行政上の必要性がある場合に県は出資することとしている旨の答弁がありました。 次に、本会議冒頭に提出された「熊本・明日へのシナリオ」について論議が集中し、委員から、十年後の熊本の姿をわかりやすく示したものとして評価できるが、それに至るまでの具体的方策が、いま一つはっきりしない。具体的方策は今後示されることになろうが、県民がどのように構想実現に向かって参加すればよいのかを示すべきである。また、横文字が多く一般県民にわかりにくい点もあるので、県民に周知徹底を図るに当たっては、注釈を入れるなり、わかりやすく言いかえるなりの工夫が必要であるとの意見がありましたが、これに対し、執行部から「熊本・明日へのシナリオ」の作業を進めるに当たっては、各部各課と十分調整の上行ったものである。県政の進む方向を中学生にもわかる内容で、三十ページ程度にまとめるということを念頭に置いて策定したが、さまざまな分野を広く包括している県政を端的に整理し、表現することは予想外に困難な作業であった。また、具体的な進め方については、今後各部各課で詰めて予算計上するなり具体的施策に反映してもらうことになるが、県民への広報資料をつくる際には、指摘を受けた点に十分配慮して、できるだけわかりやすい形でつくりたいと思っている旨の答弁がありました。 以上が審議の主な概要でありますが、委員各位が慎重かつ熱心な審議を進めてまいりました結果、第一号議案については賛成多数、その他の議案については全員賛成をもって原案どおり可決または承認することに決定いたしました。 なお、継続審査中の請願、陳情のうち、建国記念日及び天皇誕生日両日の奉祝式典に関する請願につきましては、慎重審議の結果、採択することに決定し、その結果、同請願の不採択を要請する請願につきましては不採択とすることに決定いたしました。 また、補助金の一律削減に反対する意見書を初めとする意見書三件を別途御提案申し上げております。 議員各位におかれましては、付託議案とあわせてよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、総務常任委員長の報告を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 以上で各常任委員長の報告は終わりました。 これより質疑に入ります。質疑の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言の時間は二十分以内の質疑応答といたします。 中島絹子君。 〔中島絹子君登壇〕
◆(中島絹子君) 総務委員長報告に関連して知事にお尋ねをいたします。 今議会冒頭、知事が発表され総務常任委員会で論議されました「熊本・明日へのシナリオ」について、知事は、再検討されるおつもりはないのかをお尋ねいたします。 今後十年間にわたる細川県政の指針ということでございますので、注意して読ませていただきましたが、率直な感想が、県民は一体どうせよとおっしゃっているのか、よくわからない。いろんな美しい言葉、簡潔なキャッチフレーズがたくさん並んでいるのですが、現在、県民がさまざまに直面している問題については、何一つ解決の道が示されていません。 例えば、本県の基幹産業であります農業についても、減反減反で、米づくりを抑制され、やむなく転換をした畜産やミカンは、牛肉、オレンジ等の輸入自由化で脅かされ、頼みの網の米も、外米輸入というかつて考えもしなかったような異常事態の出現に、県下農民の苦悩と怒りは、今やその極に達していると言っても過言ではないと思います。 多くの農家が、莫大な借金を抱え、その返済と運転資金、日々の生活費、子供の教育費等に追われ、中には、サラ金に手を出して家、田畑を失うというケースもふえております。こうした県下農民の窮状や怒りにシナリオは何ら解答を与えるものとなっていません。 中核農家を育成し、農業所得を二倍にするとか耳ざわりのいい言葉が並べられていますが、十年後そうなるために、今どうするのかということが全く示されていません。 ところで、私と知事の立場は違うから、シナリオに対する見方も私だけが違うのかなと思っておりましたら、どうもそうではないらしくて、知事と立場が同じはずの与党の方からも、机上プランに走りすぎているとか、農業の実態をつかんでいない、何を知事にお手伝いしたらいいのかわからない、あのシナリオに行き着くまでのシナリオが必要だ等々厳しい批判が出されているようでございます。また職員の間からも、県庁の総意を結集したものでない、一部のセクションだけの作文という批判も私は聞きました。 今後十年間の県政指針と言うなら、たとえ困難な道程であるとしても、その指針のもと、県民が一致団結して進めるものであることが必要不可欠の要件であるはずです。 県民だけでなく、与党にも執行部にも受け入れられないようなものになったのは、結局、その策定過程に、ごく少数の者、しかも県民の実態を十分につかんでいない人たちしか参画していないことになるのではないでしょうか。本気で、十年間の長期指針をおつくりになろうというのであれば、県庁の総意を結集し、県内の各分野、地域の意見を十分聞き、そして何よりも県民の代表で構成をされておりますこの県議会と十分相談なさるべきであると思います。 この際、「熊本・明日へのシナリオ」を再検討し、本当に地に足のついた県政指針を策定し直すお考えはないのか、お尋ねをいたします。 〔知事細川護熙君登壇〕
◎知事(細川護熙君) すでに本議会における質疑の中で繰り返し申し上げておりますように、「明日へのシナリオ」は、大きな変化の時代を迎えて、本県が厳しい地域間の競争関係の中で着実に発展していくためには、どのような視点に立って施策の重点的な運用を図っていく必要があるのかを端的に整理したものでありまして、県議会における各種の御提言はもちろんでございますが、いろいろな機会に市町村長や内外の有識者の方々からいただいた御意見、御提言につきまして、各部各課において十分な検討を加え、県庁内の幹事会による調整を経て成案を得たものでございます。 このシナリオに沿って具体的な施策を展開するに当たりましては、県だけでなく市町村あるいは民間と一体となって取り組む必要があることは申し上げるまでもないことでございまして、今後、市町村との連携を十分に保ちつつ、あらゆる機会をとらえて県民の御理解をいただくように努めてまいりたいと思っております。 〔中島絹子君登壇〕
◆(中島絹子君) ここにきのうの夕刊がありますけれども、この中に八代の農家の方の投書が載っております。 「シナリオ論議集中」全くその通り。きょう」――これは十九日、きのうですから、「朝刊に、県議会総務委員会でシナリオに論議集中、という記事が載っとりましたが、あれば読んで涙が出るくらい大喜びしました。私はトマトを作っている百姓ですが、十年前の値段と今の値段は今の方が安いぐらいなんです。シナリオでは、十年先は三町五反に土地を広げ所得は倍増という話ですけど土地がどげん高くなっとるのか知っとるとでしょうか。米ば作ったっちゃ余る、そんなら何ば作ればもうかるとか、具体案を示してもらわな私たちゃ分からんとです。規模拡大はせにゃならん、しかしそれには大きな投資が要る、八方ふさがりですよ。総務委員会で出た話は全くそん通りと思います。新聞をコピーして、みんなで回し読みばしたつですよ。=八代市、農業」というような投書が出ておりますけれども、農民の人が率直に受けたその感想だというふうに私は思います。 そしてまた、有権者の過半数を占める婦人の問題も、この十年計画のシナリオにはないということは、非常に県下の婦人を失望させているところでございます。 どうぞ、この八代の農民の方にこたえてあげるための県政です。「明日へのシナリオ」を、ぜひそういう意味で再検討を再度お願いをして、私の質疑を終わります。
○議長(小材学君) 以上で通告されました質疑は終了いたしました。これをもって質疑を終結いたします。 次に、討論に入ります。討論の通告があっておりますので、順次発言を許します。 なお、発言の時間は一人十分以内の持ち時間でありますので、さよう御承知願います。 林田幸治君。 〔林田幸治君登壇〕(拍手)
◆(林田幸治君) 日本社会党の林田でございます。私は、さきに報告されました総務委員会の報告にかかわる請第二十一号、つまり、建国記念日及び天皇誕生日両日の奉祝式典に関する請願を採択することについて、反対の意見を申し上げたいと存じます。 熊本県主要祝日奉祝会会長矢野正俊氏外三名による請願書は、すでに明らかにされておりますように、一年間で十二日の定められた祝祭日の中で、ことさらに建国記念日と天皇誕生日を主要な祝日と称し、県主催による奉祝行事を開催してほしいというものであります。また、それができなければ、いわゆる奉祝会主催の奉祝行事に後援をしてほしいというものであります。さらに、この行事に知事、県議会議長、県教育委員長の出席と祝辞を求め、県民にこぞって、その喜びをともにするように、国旗「日の丸」の掲揚を指導するというものであります。 私は、請願者がどうして、ことさらに建国記念日と天皇誕生日を主要祝日として、今申し上げましたようなことを県議会と行政に要請してくるのか。残念ながら、よくわかりません。 請願者は、その請願の理由の中で、建国の精神と歴史をしのび、日本国の象徴たる天皇の誕生日を奉祝すること、天皇誕生日を祝うことを、国民一人一人の生活に受け継ぐこと、そして、そのことによって日本国建設の原動力たらしめんと願うと言っているわけであります。 今さら言うまでもありませんが、一九六七年、昭和四十二年から始まった二月十一日の建国記念の日は、かつての紀元節が形を変えてあらわれたものであります。 この紀元節は、安易に国の誕生日などと言われていますが、諸外国の独立記念日や革命記念日と違い、事実ではなく観念によって書かれ、つくり出された超国家主義、軍国主義の祭典の日であったことを歴史は教えているのであります。 旧大日本帝国憲法が、一八八九年、つまり明冶二十二年でありますが、発布されたのも二月十一日であり、私どもが小学校のころ、この日、つまり二月十一日の紀元節には「雲に聳ゆる高千峰の、高根おろしに草も木も、なびきふしけん大御代を、あおぐきょうこそたのしけれ。」という歌が歌われました。 天皇陛下のおかげさまで、生活が楽しうございます、命令と服従、つまり権力に絶対服従という、それが紀元節の由来であったわけであります。 抜群の武功をたてた者に天皇から授けられた勲章、皆さん知っていますか。金鵄勲章です。この金鵄勲章が制定されたのも一八九〇年、明治二十三年の二月十一日であったのであります。 明治二十七年、同三十七年の日清・日露の戦争にも、この日が利用され、日中戦争でも「紀元節を期して総攻撃を開始せよ」とか「紀元節までに○○を占領せよ」とか、国民ないしは兵士を鼓舞することに使われ、二月十一日前後に多くの戦死者を出したと言われているわけであります。 このように、紀元節、建国記念の日は、天皇の名による超国家主義、軍国主義の祭典の日であったわけであります。 私は、このような歴史を振り返ってみるとき、請願者の意図は、意識すると意識しないとにかかわらず、中曽根首相の戦後政治の総決算ではないが、私ども戦前・戦中派にとって忘れることのできない、いつか来た道、戦争への回帰を思い出すわけであります。 御承知のように、戦前の日本は、天皇の名において侵略戦争に駆り立てられ、国民は悲惨な犠牲を強いられました。それは、戦争を知らない世代にも脈々と語り継がれていると私は思っています。 中国を初め、被侵略国の民衆に与えた数々の蛮行行為の反省の中から、平和と民主主義、主権在民の日本国憲法が誕生したことを私どもは忘れてならないと思うのであります。 私は十五歳で国鉄に就職しました。昭和十六年でした。日支事変が始まってちょうど四年目の年です。その年の十二月八日が、御存じの日米開戦、つまり大東亜戦争の開戦であります。 職場の先輩は、連日のように、軍隊に現役や召集でとられていく中で、私は十八歳で、就職して三年目には機関士に登用されました。まさに戦争の落とし子的な、今で言えば出世だったかもしれません。そして夜となく昼となく、それこそ月に一度か二度の休暇があったでしょうか。休む暇なく真っ黒になって、蒸気機関車に乗りながら、輸送業務に精励したものであります。出勤点呼の際には、必ず「天皇陛下の御為に働く」と言わされて、いや、私みずからが、それが当然と思いながら働いてきたことが、きのうのように思い出されるのであります。 私が、こういうことを言うと笑う人がいるかもしれない。青い感傷と言うかもしれない。しかし、これこそ私の体験であり、事実であります。 私は、この請願、建国記念日、天皇誕生日を主要祝日として、ことさらに行政の責任で祝典を主催し、あるいは後援するという、この請願を採択されようとなさる皆さんは大事なことを忘れているのではないかというふうに言わざるを得ません。 私たちは、戦後四十年近く、汗と油で築き上げてきた豊かな経済と平和な日本を守り続けなければなりません。そのためには、勤労感謝の日も、憲法記念日も、文化の日も、定められたすべての祝日を、日本人として、それぞれが喜び、みずからとその子孫のために働き続けるということを忘れているのではないか、私にはそう思えてならないのであります。 私は、もう一度、あの戦後政治の原点、つまり平和憲法の原点に返って、改めて今日を見詰め直す、そのことが最も大事なことだと思うのであります。 私は、この請願は、これまで申し述べましたような、そういう見解において採択すべきではない、こういうふうに考えるわけであります。 以上のことを申し上げまして、反対討論にかえたいと思います。(拍手)
○議長(小材学君) 八木繁尚君。 〔八木繁尚君登壇〕(拍手)
◆(八木繁尚君) ただいま社会党の林田議員より、建国記念の日、天皇誕生日を県民こぞってお祝い申し上げる奉祝式典に関する件について反対の討論がありました。私は、日本国民の一人として、まことに遺憾であり残念であります。 私は、自民党を代表し、建国記念の日、天皇誕生日を、全県民の皆さんとともに奉祝申し上げる立場から、賛成の討論を行います。 実は、本論に入る前に一言申し上げ、議員各位の御理解をいただきたいと思います。 今社会党議員より本案について反対の御意見がありましたが、去る九月十八日の総務常任委員会において慎重なる審議がなされ、委員の一人として社会党議員も出席されていたにもかかわらず、全員異議なく本案が採択され、本日の本会議に上程されているわけであります。委員会では賛成、そして本会議においては反対の意思表示をなされている事態に対し、私は、社会党の意思が全く不可解であり、極めて遺憾であります。 本日の本会議が大幅におくれた一因には、この社会党の意思の不統一による調整に手間取ったのが事実であります。また、このようなことは、県議会史上初めての醜態であり、このようなことが二度とないよう、社会党の猛省を促し、賛成討論を行います。 さて、アメリカ占領下の昭和二十一年、日本国憲法、いわゆる新憲法が制定され、引き続き昭和二十三年に国民の祝日に関する法律が施行されたにもかかわらず、建国記念の日のみが、昭和二十六年の講和条約締結後、十五年を経た昭和四十一年に制定されたのであります。 これは、不幸な戦争と、その後の厳しい国際環境の中で、国家としての地位が徐々に確立し、国民の中から、ほうはいとして沸き起こってきた愛国と独立の意識の結晶であると考えるのであります。 人間がその生誕の日を持つと同様に、国家においても建国の日は必然であります。国民に独立と愛国の意識が明確になればなるほど、現在の起点としての建国の日が、みずから制定されることは理の当然であります。 日本国憲法の前文は、国家理念について触れているのであります。つまり、 「われらは、いづれの國家も、自國のことのみに専念して他國を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自國の主権を維持し、他國と對等關係に立たうとする各國の責務であると信ずる。」「日本國民は、國家の名譽にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」とあります。 私たちは、国家という概念を、単なる領土と統治支配という政治概念としてのみとらえるのではなく、歴史と伝統によって形成された一つの大きな文化概念としてとらえるべきであります。 我が国が、たまたま海によって明確に区分された領土と単一の民族と言語によって統一されているために、かえって他の国と区別するための国家意識の必要を痛感しなかったことはあるかもしれませんが、ヨーロッパのように、境界を接し、多民族によって構成されている諸外国の例を考えてみますと、国家主義体制確立のためには、建国の意識は何よりも重要なものであるとして、国民の中に定着しているのであります。 それぞれの国には、それぞれの歴史と民族文化があります。現在の我々日本人の文化は、何も明治、大正、いわんや終戦を機に始まったものではありません。日本民族は、仏教でも儒教でも、西欧の文明でも、アメリカの流行でも、どん欲に摂取してまいりました。このことは、はるかな古い時代から連綿としてつながっている日本民族の特徴であることは日本人であるだれもが信じて疑わないと確信します。 建国記念の日の奉祝行事に対し、国においても、総務庁は、昭和五十三年から後援及び式典に総務長官が出席をいたしております。また、文部省にあっても昭和五十六年から、自治省にあっては昭和五十八年から、後援がなされていることは御案内のとおりであります。 後援に当たっては、国民の祝日に関する法律の制定趣旨である、国民の美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築き上げるため、国民こぞって祝うということを踏えて進めているのであります。 さらに、昭和五十九年の建国を祝う東京大会においては、四十九カ国の大・公使も参列、式典後のレセプションには、安倍外務大臣も出席、盛大な大会が催されております。 なお、伝え聞くところによりますと、中曽根総理も来年は国民的行事として、ぜひ参列したいと言っておられるそうであります。 来年は、阿蘇において、天皇・皇后両陛下の御臨場を仰ぎ全国植樹祭が行われます。 新憲法下において、国家・国民の象徴としての天皇陛下は、戦後の人間宣言によって、象徴としての身分を一層明確にされております。 今、我々は、悠久の建国の日と、人間としての天皇の生誕のお祝いに対し、その奉祝に対しての後援を惜しまないものであります。 もとより、法令や公序良俗等に反したり、一党一派、一宗一派に偏るなどのことがあっては断じてならないことは言うまでもありません。 日本の文化や伝統を立派に後世に伝えていくためにも、また、厳しい国際社会の中で、独立国としての責務を果たしていくためにも、建国の意義を大切にしていくことは極めて重要であると思います。 本件について賛意を表するものであります。 議員各位の御賛同を期待し、私の賛成討論を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(小材学君) 中島絹子君。 〔中島絹子君登壇〕
◆(中島絹子君) 私は、建国記念日及び天皇誕生日両日の奉祝式典に関する請願書の本会議採択に反対の意見を述べるものであります。 この請願の内容は、一年間の祝祭日の中で、ことさら天皇に関するものだけを取り上げ、奉祝行事を県が主催することや同行事への県後援を求めるものとなっています。それは、戦前の天皇制や軍国主義支配をきっぱり否定している現在の日本国憲法の基本理念に反するものであり、地方自治体がやるべきものではありません。 建国記念の日は、言うまでもなく、かつての紀元節が名前を変えてあらわれたものです。 戦前、二月十一日は、国の誕生日だ、初代の天皇である神武天皇が即位した日として「紀元節」と呼ばれていました。しかし、今日考古学が明らかにしたところでは、紀元前六六〇年に当たる神武天皇即位のころ、日本はまだ石器時代で、神武天皇は実現していなかったというのが歴史学者の常識とされています。 しかし、明治政府が、二月十一日を、神話の上での神武天皇が即位した日を祝日としたのは、絶対主義的天皇制を確立するために、天皇に権威を与えるためでした。 明治二十三年の二月十一日には、金鵄勲章が制定されました。神武天皇が苦戦のときに助けたという神の化身の金の鳥をかたどったもので、抜群の武勇をたてた者に授けられる勲章でした。 こうして天皇崇拝の日が国民に押しつけられ、この日を期して軍事行動も決められていきました。例えば一九〇四年、明治三十七年、日露戦争開戦のときにも紀元節が利用されました。日中戦争になると、「紀元節を期して総攻撃を開始せよ」とか「紀元節までに○○を占領せよ」という命令が出されているので、二月十一日前後には、たくさんの戦死者を出しています。 こうして紀元節は、天皇を神格化すると同時に、戦争宣伝の日でもあり、また、大日本帝国憲法の公布の日ともなりました。 一八八九年、明治二十二年、この帝国憲法公布の日の朝、時の文部大臣森有礼が伊勢の神官に刺され死亡しました。クリスチャンであり合理主義者であった文部大臣を血祭りにあげて、天皇中心の国家をつくる帝国憲法が生まれたのです。そして、国の主人公は国民であるという主権在民の民主主義の原則は全く認められず、誤った政治への一切の批判をも「天皇」の名において封殺される暗黒の政治が行われるようになりました。 その中で、不正義の戦争に国民は動員され、日本は悲惨な道を突き進んでいきました。また、紀元節は、子供たちにも、神様の子孫である天皇のためには喜んで戦場で死んでいくことを教えるなど、軍国主義をあおり立てるための祭日なりました。その結果、三百万人以上の生命が奪われ、二千万人以上のアジアの人々の命が戦争で奪われました。 この民族的苦難の歴史的教訓の中から、恒久平和と民主主義を基本理念とする現在の日本国憲法は打ち立てられたものであります。 そのもとで、民主的選挙制度、また、地方自治が確立され、営まれていることは言うまでもありません。にもかかわらず、戦後廃止された紀元節は、歴史学者を初め、文化人、宗教団体など多くの民主勢力の反対を押し切って「建国記念の日」として、強引に復活させられました。しかし「建国記念日」とならず「建国記念の日」となっているのは、「の」の字を入れなければ国会を通過しなかったからです。 かつて、天野貞祐文部大臣も、建国の日などそんな日がわかるはずがないと言われ、歴史的に科学的に論証もなく、また論理的に組み立てようがないが、まあ一応記念する日という含みで、そういうふうになっているのであります。しかし、「の」を入れようが入れまいが、建国記念の日や天皇誕生日を、県に主催せよとか、後援をさせたいとする意図は、天皇の政治的利用と天皇元首化を図る動きの一環をなしていることを見逃すことはできません。 このようなことが、今の日本の憲法に反するものであることは論をまちません。したがって、私は、天皇誕生日及び建国記念日の奉祝行事の県主催や後援を求める請願の採択には反対するものであります。 どうぞ、議員各位におかれましては、憲法と平和、民主主義のために良識をお示しいただき、天皇誕生日及び建国記念日の奉祝行事を県に求める請願を不採択にされるようお訴えをして討論を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 以上で通告による討論は終了いたしました。これをもって討論を終結いたします。これよりまず、議案第二号から第八号まで、第十号から第十七号まで、第十九号から第二十一号まで及び第二十七号から第三十二号までを一括して採決いたします。 ただいまの各常任委員長の報告は、各議案とも原案可決または承認であります。各常任委員長の報告のとおり原案を可決または承認することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、議案第二号外二十三件は、原案のとおり可決または承認いたしました。 次に、議案第九号、第十八号及び第二十二号から第二十六号までを一括して起立により採決いたします。 ただいまの各常任委員長の報告は、各議案とも原案可決であります。各常任委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(小材学君) 起立多数と認めます。よって、議案第九号外六件は、原案のとおり可決いたしました。 次に、議案第一号を起立により採決いたします。 ただいまの各常任委員長の報告は原案可決であります。各常任委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(小材学君) 起立多数と認めます。よって、議案第一号は原案のとおり可決いたしました。 次に、請願陳情書に対する各常任委員会の審査結果は、議席の配付の審査結果報告書のとおりであります。 これよりまず、請第二十一号及び請第二十八号を除く請願陳情書について採決いたします。 ただいまの各常任委員長の報告のとおり決定することに 御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、請第二十一号及び請第二十八号を除く請願陳情書は、各常任委員長の報告のとおり決定いたしました。 次に、請第二十一号及び請第二十八号を一括して起立により採決いたします。 ただいまの総務常任委員長の報告のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(小材学君) 起立多数と認めます。よって、請第二十一号及び請第二十八号は、総務常任委員長の報告のとおり決定いたしました。 〔審査結果報告書は付録に掲載〕 ――
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△日程第三 継続審査事件
○議長(小材学君) 次に日程第三、継続審査事件を議題といたします。 今回、各常任委員長から議席に配付の継続審査事件付託申出書のとおり付託の申し出があっております。 お諮りいたします。各常任委員長の申し出のとおりそれぞれ付託し、閉会中の継続審査事件とすることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、申し出のとおり付託することに決定いたしました。 〔継続審査事件付託申出書は付録に掲載〕 ――
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△日程第四
決算特別委員会設置の件
○議長(小材学君) 次に日程第四、
決算特別委員会設置の件を議題といたします。 お諮りいたします。昭和五十八年度各会計決算認定審査のため、十四人の委員をもって構成する
決算特別委員会を設置し、これに議案第三十三号、昭和五十八年度熊本県病院事業会計決算の認定について及び議案第三十四号、昭和五十八年度熊本県公営企業会計決算の認定についての審査並びに一般、特別両会計決算の概要についての調査を付託し、閉会中の継続審査事件といたしたいと思います。これに御異議ありませんか 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らうことに決定いたしました。 議案第三十三号及び第三十四号の審査並びに一般、特別両会計決算の概要についての調査は、
決算特別委員会に付託し、閉会中の継続審査事件といたします。 お諮りいたします。ただいま設置されました
決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第五条第一項の規定により 小 谷 久爾夫 君 岩 崎 六 郎 君 甲 斐 孝 行 君 金 子 康 男 君 馬 場 三 則 君 魚 住 汎 英 君 高 田 昭二郎 君 鏡 昭 二 君 橋 本 太 郎 君 藤 川 俊 夫 君 堀 内 常 人 君 小早川 宗一郎 君 永 田 健 三 君 島 津 勇 典 君以上十四名を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました十四名を決算特別委員に選任することに決定いたしました。 ――
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△日程第五 知事提出議案第三十五号 教育委員会委員の任命について
○議長(小材学君) 次に日程第五、知事提出議案第三十五号を議題といたします。 議案は、議席に配付のとおりであります。 ――――――――――――――――――――第三十五号 教育委員会委員の任命について ――――――――――――――――――――
○議長(小材学君) お諮りいたします。 ただいまの議題に対する提出者の説明並びに委員会付託は、これを省略して会議で議決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らうことに決定いたしました。 これより質疑に入るのでありますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 次に、討論に入るのでありますが、ただいままで通告はありません。よって、討論なしと認めます。 これより議案第三十五号を採決いたします。原案のとおり同意することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、議案第三十五号は原案のとおり同意することに決定いたしました。 ――
―――――○――――――― 議員提出議案第一号から第七号まで
○議長(小材学君) 次にお諮りいたします。 議員提出議案第一号から第七号までが議席に配付のとおり提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号から第七号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 議員提出議案第一号から第七号までを一括して議題といたします。 ――――――――――――――――――――議員提出議案第一号 補助金の一律削減に反対する意見書 右の議案を別紙のとおり会議規則第十四条の規定により提出します。 昭和五十九年九月二十一日提出 提出者 熊本県議会議員 馬 場 三 則 山 本 秀 久 甲 斐 孝 行 三 角 保 之 阿曽田 清 舟 津 正 光 花 籠 幸 一 堀 内 常 人 前 畑 淳 治熊本県議会議長 小 材 学 殿 ―――――――――――――――――――― 補助金の一律削減に反対する意見書 国は、行革審の意見書にある「国庫補助金の見直し」をたてに、来年度予算の概算要求基準として、補助金の一律一割削減方針を示した。 一口に補助金といっても、中身はさまざまで、例えば義務教育、社会保障、公共事業など基幹的な行政に関する国の支出は、国の責任に応じた負担金であって、地方に対する単なる財政援助的な補助ではない。 国の財政再建を急ぐあまり、事務事業の見直しもせずに補助率だけを引き下げることは、財政負担を一方的に地方に転嫁するいわゆる「ツケ回し」以外の何ものでもない。 よって、国におかれては、「補助金の一律削減」の措置を絶対にとられることのないよう強く要望する。 右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。 昭和 年 月 日 熊本県議会議長 小 材 学内閣総理大臣 中曽根 康 弘 殿大蔵大臣 竹 下 登 殿文部大臣 森 喜 朗 殿厚生大臣 渡 部 恒 三 殿農林水産大臣 山 村 新治郎 殿通商産業大臣 小此木 彦三郎 殿運輸大臣 細 田 吉 蔵 殿建設大臣 水 野 清 殿自治大臣 田 川 誠 一 殿 ――――――――――――――――――――議員提出議案第二号 非課税貯蓄制度の存続を求める意見書 右の議案を別紙のとおり会議規則第十四条の規定により提出します。 昭和五十九年九月二十一日提出 提出者 熊本県議会議員 馬 場 三 則 山 本 秀 久 甲 斐 孝 行 三 角 保 之 阿曽田 清 舟 津 正 光 花 籠 幸 一 堀 内 常 人 前 畑 淳 治熊本県議会議長 小 材 学 殿 ―――――――――――――――――――― 非課税貯蓄制度の存続を求める意見書 政府税制調査会において、非課税貯蓄制度の見直しについて審議が行われているが、非課税貯蓄制度は、国の保護により国民の間に深く定着し、生活の安定と福祉の向上に大きく貢献してきた。 言うまでもなく、貯蓄は、社会経済発展の基礎であり、国民の地道な努力によって積み重ねられた少額貯蓄の集積が、日本の社会経済の発展を支えてきた。 一方、急速な高齢化が進む中で、公的年金制度が見直され、老後に備えるための自助努力による貯蓄の重要性はますます増加している。 このような貯蓄の果たしてきた役割及び今後の高齢化社会を考慮し、非課税制度の堅持はもちろんのこと、非課税貯蓄制度の充実、発展が行われるべきである。 よって、国におかれては、本意見書を踏まえた税制改正を進められるよう強く要望する。 右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。 昭和 年 月 日 熊本県議会議長 小 材 学内閣総理大臣 中曽根 康 弘 殿大蔵大臣 竹 下 登 殿郵政大臣 奥 田 敬 和 殿 ――――――――――――――――――――議員提出議案第三号 半島地域振興に関する意見書 右の議案を別紙のとおり会議規則第十四条の規定により提出します。 昭和五十九年九月二十一日提出 提出者 熊本県議会議員 馬 場 三 則 山 本 秀 久 甲 斐 孝 行 三 角 保 之 阿曽田 清 舟 津 正 光 花 籠 幸 一 堀 内 常 人 前 畑 淳 治熊本県議会議長 小 材 学 殿 ―――――――――――――――――――― 半島地域振興に関する意見書 我が国の半島地域は、これまでの国及び地元市町村による各般の施策や努力にもかかわらず、その地理的、自然的条件等から、交通基盤をはじめ、産業や生活の面において、なお相当の立ち遅れがみられ、所得の格差や人口の減少、高齢化の進展など地域振興上多くの課題をかかえており、国土の均衡ある発展と地域格差の是正を図るという観点から、国による強力な施策の展開が必要である。 よって、国におかれては、半島地域の総合的な振興を図るため、半島の実情を十分考慮され、左記事項について特段の配慮をされるよう強く要望する。 記一 交通通信体系をはじめとした社会資本の充実、産業の振興、住民生活の向上など、総合的な対策を図るため、新しい理念と政策手段を盛り込んだ半島地域振興法(仮称)を制定し、半島及び架橋離島の振興を促進すること。二 第四次全国総合開発計画など国の策定する諸計画において、半島地域の位置付けを明確化すること。 右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。 昭和 年 月 日 熊本県議会議長 小 材 学内閣総理大臣 中曽根 康 弘 殿大蔵大臣 竹 下 登 殿国土庁長官 稲村 佐近四郎 殿 ――――――――――――――――――――議員提出議案第四号 医療費負担の軽減を求める意見書 右の議案を別紙のとおり会議規則第十四条の規定により提出します。 昭和五十九年九月二十一日提出 提出者 熊本県議会議員 鏡 昭 二 橋 本 太 郎 今 村 来 岩 崎 六 郎 八 木 繁 尚 井 上 龍 生 今 井 洸 藤 川 俊 夫 島 田 幸 弘熊本県議会議長 小 材 学 殿 ―――――――――――――――――――― 医療費負担の軽減を求める意見書 我が国の医療保険制度は、急速な人口の老齢化を間近に控え、二十一世紀を展望して、医療費の適正化、負担の公平、給付の平等などを柱として、さきの第百一国会において健康保険法等の一部を改正する法律が可決、成立したところである。 この改正による退職者医療制度の創設、高額療養制度の改善等を十分理解しつつも、被用者本人の一割自己負担は、勤労者家計の負担増となるものと考えるものである。 よって、国におかれては、医療費負担の軽減を図るため、健康保険等被用者保険の家族の外来及び国民健康保険の被保険者について、現行の七割給付を八割給付とする措置を講じられるよう要望する。 右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。 昭和 年 月 日 熊本県議会議長 小 材 学内閣総理大臣 中曽根 康 弘 殿大蔵大臣 竹 下 登 殿厚生大臣 渡 部 恒 三 殿自治大臣 田 川 誠 一 殿 ――――――――――――――――――――議員提出議案第五号 蚕糸業緊急対策に関する意見書 右の議案を別紙のとおり会議規則第十四条の規定により提出します。 昭和五十九年九月二十一日提出 提出者 熊本県議会議員 大 森 豊 高 田 昭二郎 水 田 伸 三 宮 元 玄次郎 平 川 和 人 古 閑 一 夫 小早川 宗一郎 島 津 勇 典 中 島 隆 利熊本県議会議長 小 材 学 殿 ―――――――――――――――――――― 蚕糸業緊急対策に関する意見書 我が国の蚕糸業は、長い歴史と伝統の中で、国家経済の高揚と安定に貢献してきたところであり、今後も健全な発展を図ることは極めて重要な課題である。 しかるに、最近、我が国の蚕糸業は、国内需要の停滞と外国産生糸絹織物の供給過剰による需給バランスの悪化に加えて、繭糸価格安定制度に対する先行き不安の顕在化により、生糸価格は異状な低落を呈し、極めて厳しい状況にある。 よって、国におかれては、この異常事態を克服し、将来にわたり安定的に蚕糸業が発展するよう左記事項につき早急に善処されるよう強く要望する。 記一 繭糸価格中間安定制度の不安を早急に解消し、蚕糸業の健全な発展を図るため、現行制度の堅持を打ち出し、その対策を講ずること。二 事業団の生糸在庫が適正数量になるまで、外国産絹織物・生糸・繭等の輸入を即時停止すること。三 繭糸価格安定制度に関する研究会の結論については、現行制度を尊重し、蚕糸生産者の経営安定が図られるよう十分配慮すること。四 生糸・絹の需要拡大を図るため、即効的な需要増進対策及び抜本的な流通改善対策を講ずること。 右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。 昭和 年 月 日 熊本県議会議長 小 材 学内閣総理大臣 中曽根 康 弘 殿農林水産大臣 山 村 新治郎 殿通商産業大臣 小此木 彦三郎 殿 ――――――――――――――――――――議員提出議案第六号 シートベルト着用推進に関する決議 右の議案を別紙のとおり会議規則第十四条の規定により提出します。 昭和五十九年九月二十一日提出 提出者 熊本県議会議員 金 子 康 男 西 岡 勝 成 酒 井 善 為 久 保 一 明 木 村 健 一 杉 森 猛 夫 永 田 健 三 荒 木 詔 之 野 田 将 晴熊本県議会議長 小 材 学 殿 ―――――――――――――――――――― シートベルト着用推進に関する決議 我々熊本県民は、悲惨な交通事故を防止し、安全で住みよい交通社会の実現を目指して懸命の努力をしているところである。 しかしながら、交通事故によって、いまだに県民多数の尊い生命が奪われ、あるいは傷つけられる等、明るい平和な家庭生活が破壊されている現況にある。 このような深刻な事態にかんがみ、シートベルトの着用は、乗員の生命保護等に多大の効果があることから、その定着化が強く望まれている。 よって、熊本県議会は、県民とともに一体となって、人命尊重の精神にのっとり、交通事故による被害を少なくし、安全運転意識の高揚を図るため、シートベルト着用運動を強力に展開することを宣言する。 右、決議する。 昭和五十九年九月二十一日 熊 本 県 議 会 ――――――――――――――――――――議員提出議案第七号 国旗掲揚に関する決議 右の議案を別紙のとおり会議規則第十四条の規定により提出します。 昭和五十九年九月二十一日提出 提出者 熊本県議会議員 宮 元 玄次郎 杉 森 猛 夫 小 谷 久爾夫 今 村 来 水 田 伸 三 岩 崎 六 郎 池 田 定 行 幸 山 繁 信 八 木 繁 尚 井 上 龍 生 北 里 達之助 馬 場 三 則熊本県議会議長 小 材 学 殿 ―――――――――――――――――――― 国旗掲揚に関する決議 国旗は、国民のシンボルである。 諸外国も、日本国旗を、長い歴史的過程の中で、我が国の国旗として認識している。 しかるに、国内において種々論議が行われていることは、憂慮するところである。 諸外国においては、友好と平和を象徴するように、公共の施設に国旗が常時掲揚されているのが慣習となっている。 国際性豊かな熊本をめざす本県にあっては、まずもって国旗に敬愛と誇りを示す意味で、国旗掲揚の機会を多くし、県民が家族を愛し、郷土を愛し、国を愛する心を養うことが必要である。 よって、熊本県にあっては、公共施設などに率先して常時国旗を掲揚すると共に、一般家庭においても祝日に国旗掲揚を行うよう啓発に努めることを強く要望する。 右、決議する。 昭和五十九年九月二十一日 熊 本 県 議 会 ――――――――――――――――――――
○議長(小材学君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案に対する提出者の説明並びに委員会付託は、これを省略して会議で議決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らうことに決定いたしました。 これより質疑に入るのでありますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 次に、討論に入ります。討論の通告があっておりますので、順次発言を許します。 なお、発言の時間は一人十分以内の持ち時間でありますので、さよう御承知願います。 柴田徳義君。 〔柴田徳義君登壇〕(拍手)
◆(柴田徳義君) 日本社会党を代表して議員提出議案第七号に反対の討論を行います。 まず最初に明確にしておきたいことは、私どもは、「日の丸」の掲揚そのものに反対するのではなく、公的機関である議会で決議をして押しつけることがまずいということです。 私は、校区の体育協会のお世話をしております。十月十日の体育の日に、毎年、校区挙げての体育大会を行っています。二十年前、第一回の大会の際に、みんなで運営について話し合いました。そのとき、開会式には「日の丸」を上げようということになりました。今もずっと続けております。 さて、「日の丸」の由来については、皆さん御存じのとおりです。太陽が旗のデザインとして使われたのは随分古いようですが、現在の「日の丸」は、幕末のころ、薩摩藩主島津斉彬が船印として使用したのが始まりと言われています。幕府も、外国船との識別を明確にするため、日本船の船印として用いることを決めております。今から百三十年ほど前のことです。 その後、一八七〇年、これは明治三年ですが、太政官布告で、我が国の商船は「日の丸」を国旗として掲げることを公布しました。そして一八七二年、明治五年、一般も祝祭日に国旗を掲げることが通達されております。しかし、その後、明治憲法が制定され、日本が近代的な立憲国家となった後も法律では決められていないのが実情です。 さて、提案されている決議の趣旨は、国旗掲揚の機会を多くすることによって、県民に郷土を愛し、国を愛する心を養うことにあると思われます。しかし、郷土を愛し、国を愛する心は、「日の丸」の掲揚を議会の決議で押しつけることで養われるものではないのです。 愛国心というものはそんなものではありません。自分の住む町が、自分の住む国が、一人一人の国民を、一人一人の住民を、大事にし、豊かな生活を保障してくれる、そこから自分の郷土を大事にし、国を愛する心が生まれるのです。そして、自分たちの郷土を、自分たちの国を、大事にしようという心がわいてくるのではないでしょうか。 もちろん、そんな郷土を、そんな国をつくり上げることに、みんなで努力することは、国民として当然のことでありますが、愛国心は決して上から押しつけるものではないのです。 公共施設に常時国旗を掲揚することを議会の決議で押しつけ、それによって愛国心を養おうという考えは気持ちとしてわからないでもありませんが、本末転倒しているのではないでしょうか。提案者が参考にされたと思われます神奈川県議会の決議にも、公共施設に常時国旗を掲揚するという項目は入っていないようです。 さて、ここで御参考に紹介しておきたいことがあります。 決議案には諸外国の例が挙げられていますが、一九四二年、アメリカで起こったバーネット事件と呼ばれるものです。 アメリカのウェストヴァージニア州の教育委員会が、州法に基づいて、アメリカニズムの精神をはぐくむため、国旗への敬礼と宣誓を、公立学校の教育計画に組み入れることを決定しました。子供たちは、国旗に対して右手を挙げアメリカ合衆国の国旗と国家に対して忠誠を誓うというのです。太平洋戦争末期のことですから、当時としては当然のことと思われるのですが、これがPTAやいろいろな団体で問題になりました。そしてバーネット家の子供が、この儀式に欠席をしたのです。ところが、教育委員会は、この子供に退学を命じました。そこで、父親が、州法と教育委員会の決定の執行停止を求めて提訴をしたのですが、一九四三年、連邦最高裁は、バーネット氏の主張を認める判決を下しました。国旗や国家に対する忠誠を教育委員会が強制することは誤りだと言うのです。 私は、国旗を粗末にせよなどと主張をしているのではありません。国のシンボルである国旗は大事にしなければなりません。しかし、それは決して強制すべきものではないということです。 私は、昭和十三年に小学校の教員になりました。日本が中国に対する侵略戦争に突入した翌年です。私は、国の戦争政策を何の疑いもなく子供たちに押しつけてきました。 当時、「日の丸」が天皇制国家の象徴として戦争遂行に一〇〇%利用されていたことは皆さん御存じのとおりです。そして私自身、命がけでその実践に当たってきたのです。戦場に出ていく兵士を毎日のように子供たちと送りました。私は幸いこうして生きながらえていますが、小学校の同級生は三分の一が戦死しました。中学校の同級生も三十六人が戦場に散りました。そして、そこには、いつも「日の丸」があったのです。 私は、この議案を提起された皆さんが、戦前への道を志向されているとは思いたくありません。純粋な気持ちで、国旗を大事にしようという気持ちには賛同できます。しかし、繰り返しますが、これは国民一人一人の心の問題です。 議会の決議で押しつけることで愛国心が生まれるものではありません。民主主義には時間がかかります。政治に携わるお互いが、みんなで立派な県政をつくり上げようではありませんか。一人一人の国民を大事にする国を育て上げようではありませんか。そこから、郷土を愛し、国を愛する心が生まれてくるのです。シンボルとしての「日の丸」を愛し、掲げる心が生まれてくるのです。 このような立場から、議会の皆さんが、ぜひこの議案に反対していただくことを心から訴えて、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 池田定行君。 〔池田定行君登壇〕(拍手)
◆(池田定行君) ただいま社会党の柴田議員より、議員提出議案第七号、国旗掲揚に関する決議案に反対する旨の討論がなされましたが、私は、自由民主党議損の総意を代表いたしまして、国旗「日の丸」の掲揚に賛成する立場から賛成討論を行いますので、議員各位の御理解と御協力をよろしくお願いを申し上げる次第であります。 世界中いずれの国でも、皆その国家の象徴として独自の旗を持っております。どのようなデザインであれ、その国の名誉や誇りが示され、その国にとって極めて深い意味を持っております。色、線、模様、飾り、その位置、長さ、太さ等、その一つ一つが、それぞれ意味を有し、それぞれの国家の特色、特長、理念などが総合的かつ特徴的に図案化され、表現されているのであります。そのような国旗を、いずれの国も、自国の国旗として大事にし、かつまた誇りとしているのであります。 我が国の国旗「日の丸」は、中央の日の丸が太陽をあらわし、その赤色は、人の真心を示し、誠心誠意、進取向上と勇気の気性を意味し、赤の部分が真ん丸いのは、円満さを示しております。また周囲の白は、清浄無垢ないし純潔をあらわし、古来、白い色をとうとび、汚れを清めるために、白い服を着用し、白馬、白蛇、白鹿などを神聖なものとあがめる日本人の心根をあらわしております。このことは皆さんよく御承知のとおりであります。 限りない太陽の恩恵をとうとびつつ、人として何ぴととも、心正しく、赤誠を旨とし、清浄無垢にして円満でありたいとの願いが、一枚の旗の中に見事に統合され、しかも実によく調和しております。白地に日の丸こそ、国家日本を象徴するものであり、日本人の願いを表象するものであります。このような世界に誇る我が国の国旗「日の丸」を、我々日本人の大多数は、現在まで長く敬愛し、誇りとしてきております。 しかるに、一部には、「日の丸」をもって軍国主義に結びつくものと考える動きもありますけれども、これこそまさに短絡的発想以外の何物でもありません。 太陽と人、人と人との関係をとうとく受けとめ、表象化した国旗「日の丸」は、国家的、国民的な永遠のかぐわしいシンボルなのであります。 このことは、昭和五十年三月刊行の内閣総理大臣官房広報室の「世論調査報告書」の中で、国民の八四%が「日の丸は国旗としてふさわしい」と答えていること。本県議会におきましても、各党代表で構成いたします議会運営委員会の決定に基づき、議事堂の玄関と県民の代表が集うこの神聖なる本会議場にも常時国旗を掲揚していること等からいたしましても、もはや動かしがたい事実であります。 これに対し、社会党代表が反対を述べられることは、極めて遺憾に思い残念に思います。 さらに申し上げますならば、平和の祭典であります、さきに開催されましたロスアンゼルスオリンピックにおいて、本県出身の山下選手が優勝し、その表彰式の際、上がった国旗「日の丸」に接したときの皆さん方の感激を思い起こしていただければ素直に理解できるところであろうと思います。 また、「日の丸」は、すでに世界各国でも日本の国旗として公認されており、国際会議、国際行事等では、日本の参加を「日の丸」掲揚によって公表いたしております。 国際社会の一員として地球共同社会で生きていくためには、他国の国旗を大事にすると同時に、自国の国旗を敬愛することが、争いを回避し、世界の平和に寄与することだと考えるものであります。しかるに、国内においてなお種々の論議がなされていることは、まことに憂慮にたえないところであります。 諸外国では、古来から、あらゆる公共の施設に国旗が常時掲揚されるのが習慣化しているのに比べ、我が国においては、いまだに徹底していないのが現実であり、重ねて遺憾の意を表するものであります。 しかしながら、近年、各地方議会においても、県民の意思を体して、次々と日本の国旗「日の丸」の公共施設等への常時掲揚が決議されております。 具体的には、今年に入って神奈川県、福岡県、滋賀県、長野県の各県議会において決議が行われており、国旗に対する国民、県民の正しい認識が広がりつつあります。 世界に開く国際性豊かな熊本、強い熊本づくりを目指す本県にありましても、国旗に敬愛と誇りを示す意味において、国旗掲揚の機会をできるだけ多くし、日本国民としての自覚と誇りを持った心を涵養し、国際社会に対処することが必要不可欠であります。とりわけ、将来を託す青少年の豊かな国際性を涵養するためにも、このことは極めて重要であると考えるものであります。 そのためには、県が率先して、その所有する公共施設に常時国旗を掲揚するとともに、一般家庭においても祝日に国旗掲揚を行うよう、強制ではなく、押しつけではなく、啓発に努めることを要望するこの本決議案は、まことに時宜を得たもので満腔の賛意を表するものであり、本決議案に賛成の討論をいたした次第であります。 社会党、共産党の議員各位におかれましても、本決議案に御賛同をいただきますよう心からお願いを申し上げまして、賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(小材学君) 中島絹子君。 〔中島絹子君登壇〕
◆(中島絹子君) 共産党を代表いたしまして、議員提出議案第七号、国旗掲揚に関する決議について反対討論を行います。 日本の国旗とされている「日の丸」の由来については、先ほども述べられたように、古くは、大宝律令が制定されたころ、さらには平安時代末期、そして、幕末、薩摩藩の船が「日の丸」を掲げて品川に入港した事実が、歴史の本に記されております。 明治になって、一八七〇年、明治三年、太政官布告第五十七号で、「わが国の商船は日章旗を掲げること」とされました。しかし、近代的な立憲国家となってからは、何ら立法措置はなされておりません。この点では、憲法または法律で国旗が定められている世界の各国などとは性格を異にしております。 とりわけ重要な問題は、「日の丸」が、日清・日露戦争、そしてあの十五年戦争において、国民の戦意の高揚と思想動員に大きな役割を担わされたことであります。日本軍が侵略した中国を初め、アジアの各地では「日の丸」は悪魔のシンボルのように恐れられたと言われております。 国内においては、戦意の高揚、国外においては、侵略の旗印としての「日の丸」の役割を、戦後長く時を経たとは言え、まだ多くの国民、アジアの人々は忘れておりません。 戦争放棄と恒久平和をうたった憲法は、その前文において「政府の行爲によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」と、政府や公的機関による戦争への国民の思想動員の過ちへの反省と、それを繰り返さぬ決意を述べております。 昨今の情勢を考えますに、政党法、憲法改悪、三海峡封鎖、日本列島不沈空母など、戦争へのきなくさい動きを感ぜずにはおられません。こういうときに県議会として、「日の丸」の掲揚を決議し、推進することに、私は悲惨な戦争を体験した国民の一人として、また婦人として強く反対をするものであります。 どうぞ、議員各位におかれましては、国旗掲揚に関する決議に反対する意見に御賛同をいただき、決議案を不採択にされるようお願いをして、私の反対討論を終了いたします。
○議長(小材学君) 以上で通告による討論は終了いたしました。これをもって討論を終結いたします。 これよりまず、議員提出議案第一号、第二号、第五号及び第六号を一括して採決いたします。原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号外三件は原案のとおり可決いたしました 次に、議員提出議案第三号を採決いたします。原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(小材学君) 御異議なしと認めます。よって、議員提出議案第三号は原案のとおり可決いたしました。 次に、議員提出議案第四号を起立により採決いたします。原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(小材学君) 起立多数と認めます。よって、議員提出議案第四号は原案のとおり可決いたしました。 次に、議員提出議案第七号を起立により採決いたします。原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(小材学君) 起立多数と認めます。よって、議員提出議案第七号は原案のとおり可決いたしました。 ――
―――――○―――――――
○議長(小材学君) 以上で本日の日程及び会期日程の全部を終了いたしました。 これをもって昭和五十九年九月熊本県議会定例会を閉会いたします。 午後四時十分閉会 地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。 熊本県議会議長 小 材 学 副議長 米 原 賢 士 議 員 三 角 保 之 議 員 橋 本 太 郎 議 員 柴 田 徳 義...