• "畳関連業界"(1/1)
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  1. 熊本県議会 1984-09-01
    09月12日-04号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    昭和59年 9月 定例会┌──────────────────┐│  第 四 号(九月十二日)    │└──────────────────┘ 昭  和 五十九年  熊本県議会九月定例会会議録   第四号──────────────────────────昭和五十九年九月十二日(水曜日)   ────────────────────   議事日程 第四号  昭和五十九年九月十二日(水曜日)午前十時開議 第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)   ────────────────────本日の会議に付した事件 日程第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)      ―――――――○―――――――出席議員(五十四名)                 前 畑 淳 治 君                 野 田 将 晴 君                 荒 木 詔 之 君                 島 田 幸 弘 君                 島 津 勇 典 君                 大 西 靖 一 君                 倉 重   剛 君                 山 本   靖 君                 中 島 絹 子 君                 中 島 隆 利 君                 小早川 宗一郎 君                 三 浦   哲 君                 藤 川 俊 夫 君                 花 籠 幸 一 君                 舟 津 正 光 君                 西 岡 勝 成 君                 阿曽田   清 君                 橋 本 太 郎 君                 三 角 保 之 君                 岩 永 米 人 君                 堀 内 常 人 君                 山 本 秀 久 君                 深 水 吉 彦 君                 八 浪 知 行 君                 杉 森 猛 夫 君                 鏡   昭 二 君                 高 田 昭二郎 君                 古 閑 一 夫 君                 大 森   豊 君                 魚 住 汎 英 君                 柴 田 徳 義 君                 林 田 幸 治 君                 広 瀬 博 美 君                 馬 場 三 則 君                 木 村 健 一 君                 平 川 和 人 君                 北 里 達之助 君                 金 子 康 男 君                 米 原 賢 士 君                 井 上 龍 生 君                 久 保 一 明 君                 永 田 悦 雄 君                 宮 元 玄次郎 君                 甲 斐 孝 行 君                 今 井   洸 君                 八 木 繁 尚 君                 幸 山 繁 信 君                 池 田 定 行 君                 小 材   学 君                 岩 崎 六 郎 君                 水 田 伸 三 君                 今 村   来 君                 小 谷 久爾夫 君                 酒 井 善 為 君欠席議員(一名)                 永 田 健 三 君   ────────────────────説明のため出席した者         知事      細 川 護 熙 君         出納長     山 内   新 君         総務部長    蓼 沼 朗 寿 君         企画開発部長  田 谷 廣 明 君         福祉生活部長  松 村 敏 人 君         衛生部長    清 田 幸 雄 君         公害部長    田 嶋 喜 一 君         商工観光労働         部長      道 越   温 君         農政部長    田 代 静 治 君         林務水産部長  古 閑 忠 治 君         土木部長    福 島 正 三 君         公営企業管理者 大 塚 由 成 君         教育委員会         委員長     本 田 不二郎 君         教育長     伴   正 善 君         警察本部長   浅 野 信二郎 君         人事委員会         事務局長    樋 口 清 一 君         監査委員    山 本 俊 一 君   ────────────────────事務局職員出席者         事務局長    衛 藤 成一郎         事務局次長   錦 戸 十三夫         議事課長    小 池 敏 之         議事課長補佐  岩 井 祐二郎         調査課長補佐         兼議事課長補佐 山 下 勝 朗      ―――――――○―――――――  午前十時三分開議 ○議長(小材学君) これより本日の会議を開きます。      ―――――――○――――――― △日程第一 一般質問 ○議長(小材学君) 日程に従いまして日程第一、一般質問を行います。発言の通告があっておりますので、これより順次質問を許します。 なお、質問時間は一人九十分以内の質疑応答でありますので、さよう御承知願います。 岩永米人君。  〔岩永米人君登壇〕 (拍手) ◆(岩永米人君) 皆さんおはようございます。自由民主党の岩永米人でございます。今回で六回目の一般質問の機会を得ることができました。先輩議員並びに同僚議員各位に心から御礼を申し上げる次第でございます。一般質問の先陣を承る光栄を心にしみながら、通告に従い順次質問をさせていただきますので、執行部におかれましては、明快なる御答弁をくださいますようによろしくお願いいたします。 それでは最初に、農政問題につき田代農政部長に質問をいたします。 全国で栽培されている畳表の原料たるイグサの面積は、昭和五十八年産で七千七百八十ヘクタールとなっており、これからつくられる畳表が約四千万枚、花莚やござ等その他の製品が約八百万枚と推定されております。特に主産地である我が八代地方では、そのうちの二千七百万枚を生産しており文字どおり日本一の座を占めているのであります。このことは、県御当局を初め関係諸機関の適切な指導と相まって、生産農家のたゆまぬ努力の結晶であり、厳しい産地間競争に打ちかってきた結果であります。 しかしながら、イ業を取り巻く環境は、国内景気の低迷による実質所得の減少等から、新築住宅戸数の伸び悩み、住居の洋風化に伴うじゅうたん等の普及など、イ製品の需要は極度の減退を招く一方、生産費は年ごとに高騰し、イ業農家の経営は極めて厳しい状況にあるのであります。「産地は移動する」という言葉のとおり、かつての主産地は岡山、広島両県でありましたが、熊本に定着した今日、産地が鹿児島や沖縄に移動することは絶対にない、またさせてはならない、そういう強い確信のもとに、日夜生産農家の方々は努力を重ねているところであります。 したがいまして、細川知事が提唱しておられる日本一づくり運動の最先端を行くイ業の将来のために、今後とも県御当局の温かい御理解と適切なる御指導を賜りたいと、かように思う次第でございます。 以上を前提としながら諸問題に入らせていただきます。 まず第一は、熊本畳表の検査体制の確立についてであります。 本県の畳表検査は、熊本県い業協同組合が、畳表生産段階における品質、規格の管理、色調の統一を図るため、農協イ製品市場に出荷される畳表の自主検査になっております。そこで、農協市場ではなく私設市場または自由市場、あるいは商系市場とも言いますけれども、出荷される畳表は、県い業協同組合の検査の対象外になっておりまして、私設市場における取扱量は年間六百万枚ないし八百万枚と推定されており、ここではそれなりの検査は行われているようでございますけれども、い業協同組合のような徹底した検査が行われておりませんので、いろいろな問題が消費地において起こっているのでございます。農協は躍起になりまして、生産者の方々に農協市場への全量出荷を呼びかけておりますけれども、いろいろな事情でこれもままならないというのが現状でございます。自由市場への出荷量が数十万枚程度ならこれは自由主義経済社会ではいたし方のないことだとは思いますけれども、これが最大八百万枚と推定されるようでは、これは放置しておけない問題ではなかろうか、かように思うのであります。 いろいろな対応策が考えられると思いますけれども、熊本表の銘柄確立、そのためには、行政による断固とした措置が必要だと私は思いますので、農政部長の御英断を期待し、力強い御答弁を賜りたい、かように思うのであります。 それでは第二に、畳表の品質向上とその指導対策について質問をいたします。 イ業の振興を図るためには、良質なイグサ、イ製品を安定供給し、市場の信頼性を高めることがその要諦であります。それには、土壌構造の改善と耕種基準の普及徹底を図り、省力機械の適正操作の指導により、茎の損傷を防ぎ、また茎が変色しないように努めて、良質イグサの生産とその普遍化を図らなければならないのであります。農協並びに生産農家は、県当局の御指導のもとに、以上の目的を達成するために不断の努力を重ねてまいりましたけれども、最近、変退色、たるみ畳表等の問題が消費地において大きく取り上げられまして、主産地としての指導、そしてまた、その責任体制のあり方が問われているのはまことに残念でならないわけであります。 いろいろな原因があろうかと思いますけれども、こんなことを申し上げるとおしかりを受けるかもしれませんけれども、生産者の方々におけるマンネリ化に伴う生産意欲の減退、そしてまた、先行き不安に伴う手抜き等、そういうものがありはしないかと私は心配しているわけであります。 どうか、県当局におかれましては、このあたりを御賢察の上に、日本一の座を獲得することはこれは大変なことであるけれども、それ以上に大変なのは日本一の座を守り続けていくということの方がもっともっと大変なんだということを、あらゆる機会を通じて周知徹底せしめ、そのような指導対策を御教示いただきたい、かように思うのであります。 それでは、以上二点にわたりまして、農政部長の具体的な御答弁をお願いいたしたいと思います。  〔農政部長田代静治君登壇〕 ◎農政部長(田代静治君) 畳表に関しまして御質問があったわけでございます。 第一点、熊本畳表の検査体制の確立について御答弁申し上げます。 御指摘のように、「くまもと畳表」の銘柄確立は、イ業経営の安定を図る上からも極めて重要な問題でございまして、そのためには、消費地に対し、責任ある製品の出荷体制を早急に充実すべきものと考えるわけでございます。 本県におきます畳表の検査につきましては、熊本県畳表格付条例に基づきまして、熊本食糧事務所に検査を依頼している日本農林規格による格付検査と、熊本県い業協同組合が関係機関等と協議して定めた熊本県い製品規格に基づき行う自主検査並びに現在十カ所あります商系市場ごとに定めた規格によりますそれぞれの検査が実施されている現状にあるわけでございます。 現在使われている熊本県い製品規格は、日本農林規格に準じて制定されておりますけれども、生産農家の方々におかれましては、このい製品規格に基づいた製織が行われておるわけでございまして、農協市場及び商系市場のいずれにおきましても、格付検査は同一条件で実施されることが最も望ましいことと考えるわけでございます。 しかしながら、現在の本県イ産業の実情からいたしまして、統一した検査規格で格付を行うためには、関係者の深い御理解と合意を得ることが必要でございまして、今後地道な努力の積み上げが肝要であると思うわけでございます。 したがいまして、今後とも消費地に対しまして信頼ある「くまもと畳表」の供給基地としての地位を一層強固なものにするため、五十七年に設立されました県内のイ業関係団体から成ります熊本県畳表経糸対策委員会などの機能を十分生かしまして、統一した規格による検査が実現できるよう、関係市場の方々の理解と協力を得ながら積極的に対処してまいる所存でございます。 第二点、畳表の品質向上とその指導対策についてお尋ねがあったわけでございます。 良質畳表の生産を図るためには、まず良質原草の生産が基本でございますけれども、最近、古い産地を中心に耕種基準によらずに生産者の永年の経験と勘に頼った栽培による原草の品質低下あるいは畳表のたるみ、着色表等の問題が一部に発生していることにつきましては、残念ながらお説のとおりでございます。 したがいまして、栽培面におきましては、本県の気候や土壌条件に即した優良品種の育成、乾燥調製技術の向上、土づくりの推進等耕種基準に即した基本技術の徹底について、さらに指導を強化してまいりたいと存ずるわけでございます。 また、畳表の生産につきましては、農家の方々が家内工業的に取り組んでいるところもございまして、加工技術に格差が見られます関係もありまして、品質の高位平準化を図るため、県の製織基準に基づき、染上の統一化あるいは選別基準の徹底、着色剤の使用の全面禁止、製品に対する責任体制確立のための畳表への生産者番号あるいは重量の表示等、引き続き生産者の方々に対する指導を強化してまいりたいと存ずるわけでございます。 なお、本年度は畳表経糸対策委員会を推進母体といたしまして、産地としての責任体制と畳表の品質向上を図り、畳表としての銘柄を確立するため、優良経糸の認定による証糸の導入を進めているところでございまして、生産者の方々の意識並びに消費地での「くまもと畳表」の評価も漸次高まりつつあるものと思っておるわけでございます。 また、新たな試みといたしまして、特選表に対するブランドシールの貼付並びにたるみ防止のための太番手経糸の導入に取り組むなど、品質向上に向け鋭意努力しているところでございますけれども、生産から加工に至る名実ともに日本一のイグサ生産県となるよう、関係機関、団体一体となりまして指導を強化してまいる所存でございます。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) まず、堂々とした初の御答弁に非常に感銘した次第でございます。そして非常に積極的な御答弁をいただきまして、これはもう本当に生産農家の方々は意を強くしたのではなかろうか、かように思った次第でございます。どうか、本当にお言葉のとおり、これはもう四百億円という生産高を誇る畳表でございますので、今後とも積極的に諸施策を推進していただきたい、かように思う次第でございます。 それでは第三番目に、畳表の加工促進事業について質問をいたします。 イグサ生産農家には、イグサを生産してそれを全部加工する農家、そして第二に、イグサを生産し、その一部を加工して他をほかに売却する農家、そして第三に、イグサを生産してそれを全部ほかに売却してしまう農家、大別して三つの種類があるわけであります。 ところで、東京や大阪の消費地で、一生に一度ですけれども、立派な家を新築されてそして畳屋さんに畳を注文される方は「備後表」と、かように特定をされるわけであります。ところが、確かにそれらの備後表は、岡山で生産されることは間違いないわけでございますが、その原料たるイグサというものはほとんどが我が熊本産であります。すなわち、原草を生産してその一部を売却する、また全部を売却する農家の存在によりまして、岡山の加工業者の方々が、長年の伝統と技術によって、それを備後表に仕立て上げ、これはもう十分過ぎるほどの利益を上げているわけであります。東京や大阪のみならず日本じゅうの方々がそのことをほとんど知りませんので、相変わらず、いまだに畳表の主産地は岡山、広島両県だと、かように思っているわけであります。 皆様は御存じだと思いますけれども、数ある農作物の中で、イグサ生産作業加工生産作業が一番の重労働ではないかと、かように言われております。特に寒い時期にイ植え作業が行われ、一番暑い炎熱酷暑のもとでイ切り作業が行われるのであります。八代地方ではこれを称して「生きるか死ぬか」かように言っているほどであります。ちなみに、屈強な学生アルバイトを頼みまして、どんな高給を払おうとしましても一週間も続きませんし、またイグサ生産農家の御婦人の方々は、ほかの農作業に従事されている方方に比べまして三年あるいは五年寿命が短い、かように言われているほどであります。 そこで農協は、いかにしたらイ原草の県外流出を防ぎ現地でいかに付価価値を高めるか、この問題に腐心をしているわけであります。そのために県当局の温かい御理解のもとに、イ業農家経営の安定を図るべく最近、熊本県い業経営安定化基金協会を発足させ、その事業として本年度よりイ原草購入資金を農協で対応しているところであります。 しかしながら、それでもイ原草の流出の歯どめとしては大変心細く感じられますので、ほかにどのような具体案があるのか、ぜひ県御当局の御所見を、また、お考えをお聞かせいただきたいと思うのであります。 大変ここで恐縮でございますけれども、私の案を一つ申し述べさせていただきたいと思います。 なぜならば、たとえイ原草の流出が多少食いとめられましても、岡山、広島レベルの技術に到達するには相当の年数と努力が必要だと思うのであります。また、特に八代地方の生産者の方々は非常に個性が強く、それぞれがいわゆる我が家の伝統、技術というものを持っております。それはそれなりに大変立派なことではありますけれども、やはりみんなで打って一丸となって「くまもと表」の銘柄確立という大命題を追求していくためには、何と言いましても大筋の技術では一致していなければならない、かように私は思うのであります。現在、権威を持って一つの機関でそれを教授するというようなところもございませんし、またそういう権威者も余り数が多うございません。 そこで、農業試験場が八代にございます。これはまた八代支場と言っておりますけれども、それが近い将来イ業研究所に衣がえをする可能性があるわけでございますが、それをよい機会として、そのイ業研究所内にイ業技術加工センター、これをぜひ併設していただきたい、かように思うわけであります。 県当局の御英断を心から熱望して御答弁をいただきたい、かように思う次第でございます。 それでは第四番目として、畳表の需要拡大について質問をいたします。 畳表は、我が国の住宅構造からいたしまして、これはもう絶対不可欠のものでございますけれども、昨今の住居の洋風化、代替敷物との競合、特に表がえ需要の減退など需要が減少低迷傾向にあることは、生産者の方々はもちろん畳関連業界にとりまして容易ならざることではないかと思います。このことは、産地、消費地を問わず建築関係等一連の量産業に携わる業界の啓蒙宣伝の不足もその一因であろうと、かように思います。 先日、私は、NHKのテレビ番組、例の鈴木健二アナウンサーの「クイズ面白ゼミナール」を見ておりまして大変意を強くしたことがございます。それは家を新築した場合に、たとえそれが洋風建築であったにしても、「どの部屋を畳の部屋にしたいか」と、かようなアンケートをとりましたところ、何と私の意に反しまして、第一位が「寝室」でございました。私は、多分みんなの団らんの場である「居間」ではなかろうかと、かように思っていたわけでございますが、「寝室」であったわけであります。日本人は、古来「死ぬときは畳の上で死にたい」かようにおっしゃるわけでございますけれども、その言葉が生きていたわけであります。 したがいまして、いろいろな方法で宣伝に努めますれば畳の需要拡大は私は可能だと思いますので、県当局といたしましては、どのような具体策を持っておられるか、お示しをいただきたいと思うわけであります。 民間団体としては、これはもう力の限界がございますので、何とか県御当局、行政の力強い御援助を賜りたい、かように思う次第でございますので、具体案をぜひ教えていただきたい。心からお願いをいたします。  〔農政部長田代静治君登壇〕 ◎農政部長(田代静治君) 畳表の加工促進事業についてのお尋ねでございましたが、お答え申し上げます。 本県におきまして生産されるイグサのうち、一割強が岡山、広島等へ流出しておるのは御指摘のとおりでございます。これを県内全量加工に振り向けることは、本県イ業農家の所得向上に大きく貢献できるものと考えるわけでございます。 したがいまして、県、市町村、関係団体が会員となり設立されました社団法人熊本県い業経営安定基金協会におきまして、本年度から新たにイ製品加工促進事業を設け原草購入者への利子補給に取り組んでいるところでございまして、県内加工率の向上と加工専業者の育成が図られていることは御案内のとおりであろうと思うわけでございます。 また、本年度から農業近代化資金に県が上乗せして利子補給を行い、低利で融資します農産物加工施設推進資金を創設いたしまして、イグサの織機を初めとする加工機械等の取得等への利活用を推進しているところでございます。 さらに、花莚等のイ製品につきましては、五十六年度からでございますけれども、イグサ新製品開発事業を実施しておりまして、技術者の養成、ニューデザインの開発、流通対策等に取り組んでいるところでありますが、今後とも関係機関、団体等の御協力を得ながら、付加価値の向上に鋭意努力してまいりたいと考えるわけでございます。 御提案をいただいておりますイグサ加工技術センターの設置につきましては、貴重な提案でございますけれども、生産者また生産団体からの強い要望もあると聞き及んでおるわけでございますけれども、試験研究機関の再編整備との関連もありまして、今後の研究課題として検討させていただきたいと存ずるわけでございます。 次に、畳表の需要拡大についてのお尋ねでございますが、最近のイ業情勢は、畳表の需要停滞等により、イ業経営を初め地域経済に及ぼす影響が極めて厳しく、新築住宅の大幅な増加による畳表の需要増が望めない現状では、畳表の張りかえ需要の促進による消費拡大が重要な課題になっておるわけでございまして、畳のよさを一般消費者に認識させ、消費拡大に結びつけるよう、県といたしましても関係機関、団体と一体となり積極的に取り組んでいるところでございます。 本年二月には、全国産地グランドフェアが東京都で開催されまして、「ミスたたみ」による「くまもと畳表」の製織実演を実施したところ、一般消費者の方々はもとより各報道機関の間にもかなりの話題を提供したところでございます。 このほか、大阪市で開催されました国際見本市への出展参加、あるいは先生御紹介のNHKテレビ「クイズ面白ゼミナール」への生産者の方の出演、あるいは北陸三県畳関係業者との消費拡大対策協議会の開催など、計画的に実施しているところでございます。 今後は、「くまもと'84農林水産博」あるいは東京都で開催されます「全国郷土特産展」、京都市で開催されます「全国産地グランドフェア」等へ積極的に参加いたしまして、製織の実演、広報誌によるPRやパンフレットの配布などを予定しておりますけれども、また内容的にも、健康面から見た畳の効用あるいは日本古来からの敷物である畳のよさを消費者に働きかける方策等を考えるなど、いろいろな機会をとらえまして「くまもと畳表」の需要拡大を図ってまいりたいと存じております。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) 御答弁ありがとうございました。ぜひイグサ加工技術センター、これはもう研究課題を飛び越しまして何とか実現に向かって進んでいただきたいと、かようにお願いをいたしておきます。 それから、需要拡大のいろいろな方法を申し述べられましたけれども、やはり私は生産農家の方々が手分けしてでも東京や熊本の畳屋さんにおじゃまをして、何とか表がえを喜んでやってくださいと、そのようなやっぱり努力も必要ではないかと思います。もちろん経済連の職員の方々もそういう努力をしなければならないと思いますが、何せ東京の江戸っ子かたぎをまだ残している畳屋さんばかりでございまして、気分が向かないと、もう畳がえなんかに行かない、そしてまた、マンションなんかだったらもうせからしくてそんなところに畳がえに行くもんかと、そういう職人かたぎの方々が多いと聞いておりますので、その辺の意識革命にひとつぜひ努力していただきたいと、心からお願いをするわけでございます。 それでは農政問題を終わりまして、教育問題に移らせていただきます。 第一に、教職員住宅の積極的増設について質問いたします。 「荒れる学園、苦悩する教師」このような記事が幅をきかせている時世でございますけれども、私も二人の子供を持つ親といたしまして、この問題を何とか解決できないものかと日夜考えている者の一人でございます。私は、この問題にはいろいろな原因があると思いますけれども、やはり何といいましても、教師と生徒たちとの間に本当の心と心の触れ合い、そしてまた、教師とその保護者との間のいわゆる交流というものが欠如しているところにあると、かように思うわけであります。 国民生活の飛躍的な向上に伴いまして、高速度交通機関の発達、なかんずく自家用自動車の発達、普及には、もう目をみはる今日であります。だれもがいわゆるカーライフというものを楽しんでおりまして、これは文明社会に生きる我々にとりましては最高の恩恵ではございますけれども、それなりに弊害も出ているわけであります。 聞くところによりますと、小・中学校の先生は余りそういう方はおられないにいたしましても、高校の先生方の中には、一時間ないし二時間以上も御自分で車を運転して学校に通勤して来られる方が意外と多いということを聞き及んでおります。そのような先生方は、授業が午前八時半に開始ということになりますと、もう六時には家を出なければならない。また朝食をとるということになりますと、もう五時には起きなければならないわけであります。通勤時間帯にはもう車で道路がいっぱいになりますから、そうでないときに比べますと、恐らく運転の疲労度も倍加されまして、学校に着いたときにはもう口をきく元気もないと、そういうことではなかろうかと思うわけでございます。 このような先生方は、一日の授業が終わると、恐らく午後五時にはさっさと家に帰ってしまう、そのような繰り返しではないかと思うわけであります。これでは大変な体力の消耗でございますから、充実した中身の濃い、よい授業などできるわけがないわけであります。生徒たちに余裕をもって接するなんていうこともできないと思います。これではもちろんクラブ活動の面倒を見ることもできない。案外臨時採用の先生が一生懸命になってクラブ活動の面倒を見ていると、そういう学校がこれまた多いと聞いております。自分の受け持ち時間だけを何とか無事に務めて、できるだけ早く帰宅して自分の余暇を楽しみたいと思うのは人情であります。こういうことでは、まるで自分の生活に追われて人を教育するという崇高な使命は、どこかに吹っ飛んでいるのではないでしょうか。 言うまでもなく、教育は全人格教育でなければならないと思います。また、これは全力でやらなければならないと思います。私は断言いたしますけれども、教師はただ単なる労働者ではございません。その使命は、そしてその職責は、他の追随を許さない最高のものであると、私はかように思っております。自分の生徒たちの一生に決定的な影響を与える立場にあるわけであります。 そのような使命感なき教師は学園を去れと、かように申し上げたいと思うのであります。しかしながら、私はそのような立場の教師だけを非難する、これは一方的にすぎるのではないかと、かように思います。 そこで私は、そのような教師の方々が安心して自分たちの使命を全うできる諸条件というものを教育委員会において充足してやらなければならないと思うのであります。その一番の具体的な方策が、学校にできるだけ近いところにいわゆる教職員の住宅を増設することではなかろうか、かように思うのであります。そうすれば、車で通勤のむだな時間も節約され、無益な体力の消耗も避けることができ、それだけ教育に専念できるのであります。 かつて車が普及していないころの先生方はほとんどが徒歩で通勤をされたわけでございまして、その周りには生徒が取り囲んで、非常におもしろい話、いろんな話に花が咲いたものであります。それは生徒の成長にとりまして何とも大事な不可欠なものではないかということはこれはもう論をまたないと、かように思うわけであります。 次に、先生と保護者との交流でありますけれども、お互いに昼間働いている関係上どうしても相談したいということがありましたら、これはもう勤めが終わってからと、かようになるわけでございますが、五時に帰ってしまう先生を追いかけていくということは不可能でございますし、どうしてもそういうことで未然に防げたはずの問題も起こってしまう、そういうような結果になりがちであります。 そこで、このようなことは好ましいことではないわけでありますけれども、保護者とそして先生が、たまには軽く一杯やるということも私は許されていいのではないかと、かように思います。このような間柄になりましたら、お互いに子供の教育で協力することができ、それこそ家庭、社会、学校、三位一体となった総合教育がなされるのではなかろうかと、かように思うのであります。 以上のような理由から、ぜひ教職員住宅の増設を積極的に推進していただきたい。教育長の積極的な御所見を承りたいと思います。 それでは教育問題の第二に、高校生の退学防止対策について質問いたします。 全国の公私立高校で中途退学した生徒は、昭和五十七年度の場合約十万六千人であったそうです。これは一クラスから一人退学している割合で、公立高校では四年前に比べ三割強もふえていることが、本年一月十六日に発表された文部省の「高校中途退学者調査」で明らかにされました。退学理由も、学校生活不適応、学業不適応や進路変更など、中学段階での進路指導や高校の生活指導の不適切さをうかがわせるケースの増加が目立っているのであります。退学の理由で最も多いのは、もともと進学の意欲がなかったり勉強が嫌いだった生徒が、結局、学校になじめなかった「学校生活・学業不適応」で二一・四%、次は、何らかの事情で就職したり専修学校などに行った「進路変更」の一九・七%、三番目は「学業不振」の一八・五%、そして「問題行動」一〇・四%の順になっております。注目されますのは、三年前と比べまして「不適応」と「進路変更」が七・一%、三・三%と増加しており、三年前には退学理由のトップだった「学業不振」が五・一%減と一番ダウンしているのを初め、「問題行動」「経済的理由」「病気・けが・死亡」などが減少しているのであります。 このことにつきまして、文部省では不適応や進路変更の増加の原因として、中学校での安易な進路指導や本人の意思を無視し、世間体などから無理やり進学させる親の見えやエゴ、高校側のきめの細かい指導の欠如などを挙げておりますが、進路変更の場合、マイナス面ばかりではなく専修学校の充実など、その生徒にふさわしい生き方を選べるようになった社会的変化も無視できないとしております。 さて、退学理由の中の「問題行動」が減少しておりますことはまことに喜ばしいことではございますけれども、文部省が指摘しております不適応の原因である中学校での安易な進路指導や、高校側のきめの細かい指導の欠如について真剣に考察してみる必要があると思うのであります。 まず、中学校での安易な進路指導についてでありますが、最近の徹底した偏差値中心主義によるいわゆる輪切りの問題を、この際、私は根本的に改めなければならないのではないかと、かように思うのであります。「輪切り」という言葉には何ともわびしい語感がするのは私一人だけではないと思うわけでございますが、一個の人格を持ったそして可塑性に富む生徒たちが、「偏差値」という容赦のない一つの尺度にすぎないものによってばっさりと切られるというのは何とも悲しいことであります。先生方には大変な御苦労を伴う仕事ではございますけれども、先ほどから申し上げておりますように、教職という使命の崇高さに思いをいたし、偏差値だけで生徒の将来というものを安易に決めてしまうようなやり方は絶対にやめてほしいと、かように思う次第であります。 次に、高校側のきめの細かい指導の欠如について考察したいと思います。 普通高校の場合を考えますと、どうしても教育の中心課題が大学進学ということになってしまうのは現在の高学歴社会においてはやむを得ないことかもしれません。したがいまして、いかに大学入試で好成績を上げるかということに重点が置かれるわけでございますが、これはとりもなおさず点取り虫養成に血道を上げることになるんではないかと、かように思うのであります。勢い、いわゆるやる気のある生徒だけを相手にして、やる気のない生徒は置いてきぼりを食ってしまう、このようになるわけであります。先生方にしてみれば、やる気のある生徒だけを相手にしている方が楽でありますし、やる気のない生徒なんかに構っていられない、かように思うのもあるいは無理もないかもしれません。 しかしながら、私はやる気のある生徒たちの才能をもっともっと伸ばしてやる、そしてまた、やる気のない生徒をやる気のあるようにさせる、そしてその隠れた才能というものを引き出してやる、これが本当の教育だと思いますので、その点、本当に考えなければならないのではないかと思うのであります。 以上、二点につきまして、教育長の忌憚のない御意見を伺えれば幸いであります。  〔教育長伴正善君登壇〕 ◎教育長(伴正善君) 教育問題についてお答え申し上げます。 教職員住宅の増設につきましては、教職員の通勤の実態につきまして、御指摘のとおり、遠距離通勤者が存在し、教職員の勤務の条件を整える上からも、遠距離通勤の解消策といたしましても、教職員住宅の建設を促進いたします。また、その建設に必要な用地確保が円滑に行われるよう積極的に対処してまいりたいと思います。 ちなみに現在までの建設状況を御説明申し上げますと、昭和三十八年度から逐次建設を進めてまいりまして、昭和五十八年度までに県立学校分七百七十八戸、市町村立学校分三百八十四戸の計千百六十二戸を建設し、本年度は、県立学校分二十四戸、市町村立学校分十二戸を建設する計画でございます。 なお、市町村立学校分につきましては市町村が建設することになりますが、本県教育の振興を図るための条件の整備の一環といたしまして、地域の実情に即した教職員住宅を積極的に建設されるよう関係市町村にお願いしてまいります。 御指摘のとおり、教師、生徒間の心の触れ合いと、教師、保護者間の心の通った緊密な交流が各学校において活発に行われることが最も大切であると考えられますので、そのための条件整備としての教職員住宅の建設などの施策を積極的に推進してまいります。 続きまして、高校生退学防止対策につきましては、高校生の中途退学者は、昭和三十年代前半をピークといたしまして、以来緩やかに減少し、昭和五十年代に入りますと一転して上昇カーブを描きながら今日に至っている状況でございます、本県におきましても、中途退学者は全国平均を下回ってはいるものの、近年少しずつ増加傾向にありまして、まことに憂慮すべき問題として深刻に受けとめております。 御指摘のとおり、退学を防止するためには、特に中学校の進路指導にかかわる目的意識の確立が重要でございまして、このため中学校、高等学校連携による学校説明会、実験実習を重視した体験入学などによって、志望校の選択と目的意識の確立に努めておりますが、同時に、高校入試のあり方につきましても鋭意検討を進めているところであります。 しかしながら、進路指導の核となるものは、御指摘のとおり偏差値だけでなく、本人、家庭、学校によって行われる三者面談でありまして、各中学校では、本人の意思を十分尊重しながら、再三にわたってこれを実施し、個性、能力に応じた適正な進路指導に努めているところでございますが、さらに、中学一年のときから計画的、系統的に実施するなどその充実に努めてまいります。 また、高校の問題としまして、きめ細かな指導で生徒に意欲を持たせるように、昭和五十七年度から全面的に実施された学習指導要領にのっとりまして、各高校では、特色ある教育課程の編成、基礎・基本の重視、習熟度別学習指導など、生徒の実態に即したわかる授業の創造に取り組んでまいります。さらに、勤労体験学習、集団宿泊訓練、計画的な家庭訪問等を通して、生徒が意欲を持って学ぶことができる魅力ある学校づくりに努めてまいるところであります。 希望を持って入学しました生徒が、志半ばにして学校を去ることは、学校にとっても本人や御家族にとっても甚だ残念なことでありまして、生徒一人一人を大切にし、入学させた以上は全員卒業させるという姿勢で各学校とも取り組んでいますが、今後とも御指摘の趣旨を十分踏まえまして退学防止にさらに力をいたすよう指導してまいります。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) いや、もうこれほどの力強い御答弁、久しぶりに伺いまして感謝感激であります。本当にありがとうございました。どうか先生方が安心して教育に打ち込めるそういう環境というものを、教育長におかれましては、ぜひつくっていただきたい。そしてまた高校生の退学防止、これには全力を傾けていただきたい。 かつて私が大変印象に残った質問に、我が八浪議員の質問がありました。退学した生徒たちの後を追いかけろと。一体どうなっているのか、その現状に思いをいたしたときに、教師がどのようにそれを感じ、そして自分の教育のいわゆる反省の糧としてどのように活用するか、私は非常にこれはもう今でも印象に残っております。そういう意味におきまして、どうか教育長におかれましては、その積極的な御答弁を勇猛果敢に教育現場に浸透させていただきたい。心からお願いをいたします。 それでは教育問題の第三番目として、公立高校転入学について伺います。 私ごとで恐縮ですが、つい最近、宮崎県から熊本県に転勤される方のお嬢さんの転校問題を相談されまして、少なからずその問題の難しさに驚いた次第でございます。 しかしながら、本件に関しましては、関係者の方々の非常に温かい御配慮によりまして一件落着をいたしまして、心から感謝をしているところであります。そこで、本問題を取り上げたわけですが、特に本県の場合、他府県に先駆けて、この問題については真剣に取り組まなければならない、かように思うのであります。 といいますのは、本定例会の冒頭、細川知事が「熊本・明日へのシナリオ」を発表され、持論であるめり張りのある県政執行のための指針を示されましたが、そのシナリオを確実に演出していくためには、かなりの重要なかかわり合いを持った問題ではなかろうかと、かように思うからであります。 シナリオには、本県を広く、人、物、情報の活発な交流拠点とすることを目指して、流通業務団地を初めとする流通の拠点づくりについて、ハード、ソフト両面にわたり関連の施策を進めるとともに、Uターンアドハイザー制度などにより高度技術者の確保を図っていくこと、そして世界に開く技術・情報都市の実現を図ること、そして国際社会に生きるテクノポリスづくり、世界に広がる情報資源都市づくり、内外の人々が集まる国際交流都市づくりを推進するとうたってあります。 そのことは、今までにないスピードと量とで、我が熊本県にいろいろな方々が集まってくることになるわけですが、それらの方々の最大の関心事は、果たして熊本県に自分たちの子弟の教育を任せられるかどうか、そして自分たちが大都会で享受したと同じような高度な文化生活が営まれるかどうか、そしてまた、自分の余暇というものを十分に楽しめるかどうかということにあるのではないかと思うわけであります。 やはり親にとって最大の悩みは子供の教育であります。そのためにも経済的負担の比較的少ない公立高校にできるだけ容易に転入できるような措置を講ずるべきでありますが、この点についての教育長の御所見を承りたいと思います。 それでは教育問題の第四番目といたしまして、野外活動を通じての青少年の健全育成について質問をいたします。 ある新聞に、現在東京に住んでおられ、青少年交友協会の理事長であります森田勇造氏が「青少年育成に野外活動を」という一文を投稿されておりまして、それを読み我が意を得たりの感に浸ったのであります。森田氏は、野外活動を定義して「それは日常生活を健康、快活に暮らすのに必要な知恵を体得する野外での全身運動である」としておられます。そうしますと、野外活動にはスポーツ的な要素、そして娯楽的な要素、情操的な要素が含まれてくるのであります。例えば祭礼行事の遊びとして、舟こぎ、綱引き、力比べ、草相撲、みこし担ぎ、盆踊り、どんど焼き、たこ揚げ、鬼ごっこなどや、山登り、木登り、竹馬、石投げ、石けり、羽根つき、まりつき、合戦ごっこ、水遊び、遠泳、その他山菜取り、潮干狩りなどがあるわけであります。 以上のことは、戦後の教育ではむしろ古い風習として否定されがちで、国民の十分な理解を得ることができないままになっておりました。しかし、これらの野外活動はいかに文明が進みましても、人間の本質というものが変わらない限り、社会生活を営む構成員の基礎的な知恵をはぐくむための必要な教育であり、非行化防止になくてはならない人間のきずなを培うものであります。衣食住、言葉、風習、心身の鍛錬などの基礎文化は、自然環境に順応して社会生活を営むための基本であると、かように思います。これらは大変地域性が強く、親から子、子から孫へと伝承されていきます。これらを共有しないと意思の伝達が十分ではなく社会の一員となり得ないのであります。今日の発達した文明社会では上辺だけの文化がもてはやされがちであります。 私には二人の男児がおりますけれども、学校から帰宅いたしますとテレビゲームに夢中になっておった時期がございます。これじゃ大変だと思いましたので、私はその器具を隠してしまいましたけれども、こんなことをしていたんでは、人間にとって一番大事な何事にもぶつかっていくという積極性、それがどうしても身につけることができなくなるわけでございまして、こういうことは絶対によろしくない、かように思っているわけでございますが、私は、何はさておきましても、これはもう指導者の養成というものが急務ではなかろうかと、かように思います。そして、私は、もっと思い切って、小・中学校においては一カ月に一回ぐらい野外活動に割り当てるぐらいのことをやってもいいのではないか、かように思います。 青少年にとっての野外活動は、生きる意欲や喜び、知恵や情操などを実体験を通じて学び、知的欲望と体力養成を同時に満たす極めて重要な教育方法であると、かように私は思うのであります。 我が熊本県はどの府県よりも自然に恵まれております。実践の場は幾らでもあるわけであります。教育長の積極的ないろいろな施策をお示しいただきたいと思うのであります。  〔議長退席、副議長着席〕 それでは教育問題の最後に、文化財の保護について質問をいたします。 言うまでもなく、文化財というのは、絵画とか彫刻などの有形文化財だけでなく、演劇や音楽などの無形文化財及び史跡名勝、天然記念物も含まれてくるのであります。まことに残念ではございますけれども、国や県の指定を受けながら、行方がわからなくなった重要文化財や、後継者がいなくて姿を消してしまった重要民俗文化財も多数県内にあるのであります。また、保存状態が非常に悪くて傷みのひどい文化財も結構多いと、このように聞いております。 現在、私どもはテレビ文化の中にいると言っても過言ではないと思います。朝起きて一番先にするのがテレビのスイッチを入れること、そして夜寝る前にするのがテレビのスイッチを切ること、これが平均的な市民生活の実態ではなかろうかと言えば、あるいは怒られるかもしれませんけれども、そうではないかと思うのであります。これは極論すれば、まるでテレビに支配されていると言っても過言ではないわけであります。私はもちろんテレビの効用を十分認めている。そしてまた、そのありがたみを感じている者の一人でございます。いながらにして世界の出来事が手にとるようにわかるわけでありますし、また、一流のスポーツマンの試合ぶりも見ることができますし、また一流の文化、芸能人の演技も見ることができるわけでございます。 しかし、申し上げたいことは、テレビに支配されている余りほかのことに気配りができない、また、ほかのことを考える余裕もないというのではまことに情けない生活ではなかろうかと、かように思います。そこで、自分の身近なところにあるいろいろな文化財のことも少しは考えてみてその価値を再認識することも大事なことではないでしょうか。 「温故知新」すなわち「故きを温ねて新しきを知る」という言葉で、私はこれがもう大好きでございますけれども、我々は余りにも目先の現象だけにとらわれて過去を振りかえる余裕がなくなっているような気がいたします。これでは我々そのものの存在がこれはもう滅びていく運命になりはしないかと非常に心配であります。 我々の先輩から継承した文化財を我々の後輩に伝承していくことは最も大切な義務ではなかろうかと、かように思います。世間至るところ、物を豊かにすることばかりに熱中して肝心かなめの心を豊かにするということを忘れているような気がいたします。 我が熊本では二十世紀から二十一世紀にかけての大事業、テクノポリスを絶対にこれは成功させなければなりませんけれども、それと並行して文化財の保護も本当に真剣に考えていかなければならないそういう時期ではなかろうかと、かように思うのであります。 さすがは熊本と言われるような文化財の保護並びに育成行政を、元気のいい伴教育長を先頭にいたしましてぜひやっていただきたいと思うのですが、教育長さんの御意見を賜りたいと、かように思う次第でございます。  〔教育長伴正善君登壇〕 ◎教育長(伴正善君) お尋ねの三点についてお答え申し上げます。 まず第一点の公立高校転入学につきましては、保護者の転勤等に伴う高等学校生徒の転入学の許可は学校教育法施行規則によりまして当該高等学校の校長が行うことになっていましたが、定員や教育課程、学力等の問題もあって必ずしも御希望に沿い得ず、これまで種々の御意見が寄せられていたところでございましたが、文部省もこの点を重視いたしまして、昭和五十九年七月二十日付で、学校教育法施行規則の一部を改正し、欠員のある場合に限らず、教育上支障がない場合には転学を許可することができることとし、支障の有無について校長の判断が円滑に行われるよう教育委員会で適切な指導を行います。 今後、さらに、転入学が弾力的な運用により円滑かつ適切に行われるよう指導してまいります。 次に、野外活動を通じての青少年育成についてでございますが、野外活動を通じまして青少年の健全育成を図ることは極めて重要なことでございまして、現在県民総スポーツ運動を推進しておりますが、その第一の柱に、自然に親しむスポーツを挙げ、野外活動の振興のための諸施策を進めているところでございます。 野外活動を教育的かつ効果的に行うためには、御指摘のとおり指導者の養成が必要でございまして、県教育委員会といたしましては、小・中・高校の教師を対象といたしました野外教育指導者講習会、青年団体や企業を対象としたキャンプ指導者講習会、少年団体の指導者やリーダーを対象といたしました講習会等を実施し、さらに市町村が行う指導者養成事業、野外活動関係団体が行う指導者養成事業にも助成し、指導者養成に努めているところでございます。 今後も、市町村や関係団体と十分連携を図りながら計画的な指導者養成を進めてまいります。 次に、小・中学生の野外活動の推進についてでございますが、このことにつきましては、県教育委員会の児童生徒教育指導の重点の中で、健全な生活態度の育成の観点から、体験的学習推進の必要性を挙げ鋭意指導しているところでございます。特に野外活動が、教師と生徒、生徒相互間の心の触れ合いを図る上からも極めて大切なことでございまして、昨年度から中学一年生を対象に、キャンプ場や少年自然の家を利用した二泊三日の中学生集団宿泊教室を実施しましたが、多くの学校で高い評価を受けている現状でございます。 そこで、本年度は対象学級を倍増いたしまして実施しておりますが、今後さらに拡充していきますとともに、文部省も野外活動の必要性を高く評価し、六十年度から諸事業を考えておりますので、これらの事業も積極的に取り入れて推進してまいりたいと考えております。 また、社会教育活動といたしましても、近年、子供会等の少年団体やPTAなどの育成団体の行事に、野外活動や伝承行事が多く実施されるなど好ましい傾向にありますので、この機運を一層助長するよう図ってまいります。 さらに、少年の野外活動の拠点となる少年自然の家も、菊池少年自然の家に加え、豊野少年自然の家が本年十月に開所しますので、それらを活用いたしまして野外活動の振興に努めてまいります。 次に、文化財の保護についてでございます。 県教育委員会といたしましては、文化財の保存と活用につきまして、無形文化財保存事業や記念物等整備事業あるいは伝統的工芸技術の保存のためのもろもろの職種の関係民俗文化調査などの施策を講じているところでございますが、御指摘のような後継者難の重要無形民俗文化財や修理を必要とする重要文化財もございまして、より一層、保存会の育成や文化財の修理など全県的視野から計画的に進めてまいります。 また、文化財の保護につきましては、それぞれの地域に所在する文化財について、自分たちの文化財という意識を持ち続けることも大切であると考えられます。 そこで、県教育委員会といたしましては、本年度から広域社会教育モデル事業の中で、広く地域の文化財を取り上げ、郷土の見直しや郷土愛を育てていくための学習を実施しております。 一方、古墳、遺跡などの文化財を保存し活用するモデル地域として、歴史的、風土的にすぐれた特性を有している菊池川流域を風土記の丘として整備し、各地の伝統芸能につきましても、その活動の活性化を図りますとともに、貴重な民俗資料、考古資料を収集、収蔵し、広く県民に公開するための考古民俗資料館の整備を図る計画でありまして、これらの施設を拠点といたしまして、県民が伝統文化に親しめる環境づくりを計画的に進めてまいります。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) 教育長さんとしては初めての御答弁であったわけでございますが、まことに元気がいい頼もしい限りの御答弁でございまして、私も本当に感銘をいたしました。どうか、教育長、打って一丸となって実現のために邁進していただきたいと、心からお願いをいたします。 それでは、これまた新総務部長の蓼沼部長さんに質問をさせていただきます。 それは、県職員の方々の名札の着用について質問をするわけであります。 私は、昭和五十四年四月初当選以来、おかげさまで五年四カ月の議員生活をさせていただいておりますが、その間、沢田前知事さんを初め、多くの県職員の方々のけいがいに接し、大変適切な御指導と御鞭撻をいただいてまいったわけでございますが、心から感謝をしているところであります。 申し上げにくいことでございますけれども、大変お世話になっておりながら、まだその方の御尊名を存じていない方が少なからずおりまして、本当にこれは申し上げにくいことでございますけれども、事実でございまして、お許しをいただきたいと思うわけでございます。 私ども議員の職にある者にとりまして、何といいましても一番大事なことは、有権者の方々のお顔とお名前を真っ先に覚えると、これが一番大事なことであります。と同時に次に大事なことは、関係諸官庁の職員の方々のこれまたお顔とお名前を覚える、これが非常に大事なことでございます。そのために私は、あの手この手で苦労しているわけでございますけれども、三カ月以上もお目にかからないと、一回ぐらいお目にかかった、お名前を伺っただけではもう忘れてしまう、悲しいかなそれが現実でございまして、非常に悩んでいるわけでございます。 なぜ私がこのような問題を取り上げたかと申しますと、いろいろな場合に互いに名前を呼び合いますと、全然その親しみ、いわゆる親近感というものが違ってまいりますし、またこれは人間社会における礼儀作法ではなかろうかと、かように思うからであります。また自分の胸に名札をつけておきますと、どなたに接するときでも自然に態度がきちんとしてまいりますし、また言葉遣いもこれまた自然に丁寧になってくるのであります。 こんなことを申し上げますと、それこそおしかりを受けるかと思いますけれども、いわゆる公務員の方々、昔で言うと「お役人さん」と言われるわけですが、それらの方々は民間人から見ますと、戦前とはこれはもう雲泥の差がありますものの、やはりちょっと偉そうに見えるらしいのであります。それは、自分の名前が相手にわからなければ、多少失礼な振る舞いがあっても構わないというような気持ちがあるいはそのような態度をとらせているのかもしれません。 私は、パブリックサーバントとしての公務員、それはもうどの職種よりも最も謙虚でなければならないと、かように思いますので、自分の名前を胸に表示することによって、そのような変な誤解を受けるようなこともなくなると思いますので、このような問題を提起したわけであります。 全県庁職員の方々が、これはもうもちろん臨時採用の方も含めてでございますけれども、デザインのすぐれたプラスチック製の名札をつけるのに要する費用は、それによって得られる効果、それに比べますと、こんなものはもう本当に安いと、かように思いますので、早急にその実現方をお願いしたいと思うわけでございますが、総務部長の前向きの御所見を承りたいと思います。  〔総務部長蓼沼朗寿君登壇〕 ◎総務部長(蓼沼朗寿君) お答えいたします。 本県職員の接遇関係につきましては、日ごろから職員研修等の機会をとらえその徹底を図っているところでございまして、職員も全体の奉仕者たるみずからの立場を十分に認識しながら、県民の方々に対応し、県民福祉の向上に努めているところでございます。 御提案のございました名札を着用するということにつきましては、職員提案制度による提案もございまして、現在職員の協力を得ながら実施できるよう、その準備を進めているところでございます。 名札を着用することによりまして、職員がさらに一層公務員としての自覚を持ち、日ごろの接遇におきましても、みずからを律しながら県民の方々に接するという効果が期待できるということでございます。早急に実施できるよう努力をしてまいりたいと思います。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) 大変前向きの、これはもう恐らく実現されるであろうと思いますが、本当にありがとうございました。そしてまた、県庁マンとしての誇りを持って仕事をしていただくためにも、あのすぐれたデザインでありますバッジもひとつぜひつけるよう励行していただきたい、心からお願いをいたします。それに余計なことではございますけれども、「蓼沼」さんなんていう名前はなかなか読めませんので、平仮名でひとつ仮名をふっていただくのも一つの方法ではなかろうかと、かように思います。 それでは、いよいよ地元の具体的な問題について質問をさせていただきますが、まず第一に、八代郡千丁町の古閑出地区一帯の排水対策について、農政部長に質問をいたします。 八代平野土地改良事業が完成し、農道並びに用排水路が整備され、おかげさまで八代郡千丁町も以前の農地と比べて全く見違えるような美田となってまいりました。ところが、その反面、排水路の整備により、大雨洪水時には八代平野の二千数ヘクタール分の排水に加え、龍峯山北西斜面より雨水がたちどころに大鞘川へ集中するため、大鞘川流域の古閑出地区、そして文政地区一部にたちまちにして洪水になるところがあるのであります。このことにつきましては、県御当局の多大の御努力によりまして、先般総工費三十八億九千万円もの巨額を投じて大鞘樋門の大改修工事をしていただき、近隣住民受益者一同大変感謝をしているところでございます。 しかしながら、せっかく機能のすぐれた樋門を設置いただきましたものの、大雨が降れば満潮時及びからま時には当然のことながら今までと変わりなく水害を受けていることも事実でございます。私は二度にわたりこの事実を目の当たりにいたしまして、なぜ古閑出地区の方々ばかりこのような目に遭わなければならないのか、そしてその犠牲にならなければならないのかと心を痛めたものであります。これを抜本的に解決するためには、鏡町北新地地区、八代市昭和地区、そして同じく八代市の郡築地区に設置されておりますような強力排水ポンプがどうしても必要ではなかろうかと、かように思うのであります。 千丁町は、御存じのように、農業なかんずくイ業一本やりの農村地帯と言っても過言ではないのですが、その特産のイ草が将来ともに良品質を保持していくためには、いわゆる人の力で防げる被害が絶対にあってはならないと、かように思うのであります。せっかくの大鞘樋門が長年の悲願によって完成したのでありますから、この施設を活用し近隣のこのような事態を解消できますようにいろいろな御配慮をお願いしたい、心からお願いするものであります。 強力排水ポンプの設置は多額の費用がかかりまして、町単独ではどうしても対応できない問題でございますので、県御当局の力強い御助力をお願いしたいのであります。農政部長さんの積極的な御答弁をお願いいたします。  〔農政部長田代静治君登壇〕 ◎農政部長(田代静治君) 千丁町の排水対策についてお答え申し上げます。 御質問の古閑出・文政地区の排水問題につきましては、両地区の地形並びに流況等を考えます場合に、局部的な排水対策のみでは仰せのとおりその所期の目的を達成することは難しく、広域的な見地での検討が必要と考えております。 先般、完工いたしました大鞘川樋門改修事業は、農林水産省所管の海岸保全事業といたしまして地域の排水改良をも含めて、本事業で取り組める最大限の検討を行い実施したものでございます。すなわち、本来樋門は防潮せきとしての役割を主目的とするものでありますけれども、改修に当たりまして、従来の樋門十六連、延長四十一メートルのものを十五連、延長八十五メートルといたしまして排水能力の増強をも図っておるわけでございます。 しかしながら、河川水位あるいは外海水位等の自然条件から見まして、この樋門が自然排水ということもありまして、地域排水の全面的な解決には至っておらないのが現状でございます。したがいまして、本地域の排水対策を考える場合、排水機設置等を含む検討が必要でございますけれども、これに先立ちまして、沿線関係諸団体、漁業関係者の方々、河川行政等との調整が必要でございます。また、土地改良事業で実施するということになりますれば、両地区のみならず、さらに多くの方々の受益者の同意及び申請を必要とすることは御存じのとおりでございます。 県といたしましては、当地域の農業経営の安定と農産物品質の向上のためには排水改良は不可欠のものと認識しておりますが、御質問の趣旨を体しつつ、今後関係機関並びに地元関係者との協議、調整を行うなど排水対策に対処していく所存でございます。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) 御答弁ありがとうございました。御答弁を伺っておりまして、これはやはり大変な問題だなと、かように思いましたけれども、しかし、被害を受ける方々があってはならないわけであります。そして人の力を本当に用いれば何とか防げるわけでございますので、どうか今後もいろいろな難問に直面されると思いますけれども、ひとつ総力を挙げてこの解決を図っていただきたい。これが執行部としてのいわゆる私は役目ではなかろうかと思いますし、また、古来から言われております、治山治水がいわゆる政治の要諦でもございますし、この点くれぐれもよろしくお願いをいたしたいと思う次第でございます。 それでは最後の質問になりましたけれども、坂本村内の県道中津道八代線の改良工事について質問をいたします。 本改良工事の促進につきましては、去る昭和五十七年六月定例会におきまして、当時の梅野部長に質問し、御答弁をいただいておりますが、残念ながら、丸二年を経過した今日、所期の目的をほとんど達成しておりませんので、申しわけありませんけれども今回も改めて質問をさせていただく次第でございます。 本路線は、坂本村中津道より球磨川右岸に沿いまして、八代市に通ずる産業、文化、経済上重要な道路でありまして、特に村の中央部を縦断している関係上、全線にわたり子供たちの通学路にもなっているのであります。 県は昭和四十五年より改良工事を実施しておりますが、特に生名子―古田間約四・七キロメートルは、クラウン、セドリック級の乗用車のいわゆる通行、これはもうとても難儀をいたしますが、そのような狭いところでございまして、ここの改良が最も重点的になされなければならないのですが、遅々として進んでいないというのが現状でございます。 したがいまして、日常生活の不便はもとより、国道二百十九号線の再三の災害発生に伴う交通どめ、あるいは盆暮れの渋滞時の迂回路として全く機能していない現状でございます。高速道路の伸長に伴い国道二百十九号線への車の流入が激しく、その渋滞と交通事故の増発は目に余るものがあります。 ちなみに、盆や暮れの帰省ラッシュ時は、三百メートルぐらいを進むのに優に一時間以上もかかる、そういう日が三、四日続くのであります。沿線住民の方々の迷惑はもとよりのこと、国家、国民経済上もこれはもうゆゆしき問題でございます。 あえて今回この問題を取り上げましたのは、新進気鋭の福島新土木部長を迎えまして、土木部内の意気も、また士気も、いやが上にも上がっておると思いますし、また住民の方々も進んで協力する体制にあると思いますので、絶好のチャンスだと私は思ったからであります。 どうか、福島新土木部長さんの初答弁でございますので、力強い御答弁を心から期待をいたしまして、再登壇をさせていただきます。  〔土木部長福島正三君登壇〕 ◎土木部長(福島正三君) 八代中津道線の改良の促進につきまして、現地の実情でありますとか重要性を踏まえてのお尋ねがあったわけでございますけれども、この路線のそういった重要性なり実情というものにつきましては、県といたしましても十分認識をしておるつもりでございます。 お尋ねの中にもありましたように、現在坂本村の生名子地区から古田地区の間にかけまして、およそ七・八キロメートルの未改良区間がございますが、この双方から改築を進めてまいりまして、現在までにおよそ三・五キロメートルにつきまして整備を終えたところでございます。 お尋ねのように、この地域は、非常に急峻な山合いを球磨川が縫うように流れているところでございまして、その急峻な斜面にこの県道と国鉄の肥薩線が縫うように平行して走っておるわけでございます。そういった地形から、この道路も片側は非常な急峻な斜面で球磨川に落ちておりまして、片側は肥薩線を隔てて非常にこれもまた険しい山が迫っておると、非常に厳しい地形的な条件下にございますので、非常に工事の方も難渋をいたしておるところではございます。 しかしながら、今後も残されました四・三キロの間の整備につきまして鋭意早急に完了すべく努力を重ねてまいりたいというふうに存じております。 なお、段地区のおよそ一・一キロメートルにつきましては、建設省と道路公団及び県の工事が九州縦貫自動車道の建設の関係で非常に近接をして行われる地域になっておりまして、この辺につきましては、それぞれ三者の施行区分の協議が整いますと、地元関係者と用地交渉を進めるための調査に本年度内に入らせていただきたいというふうに存じております。 いずれにいたしましても、御承知のとおり、公共事業の抑制というのは道路予算につきましても非常に厳しいものがあるわけでございますけれども、こういった道路の基盤整備の重要性にかんがみまして、今後とも積極的な努力を続けてまいりたいというふうに存じております。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) 御答弁ありがとうございました。昭和四十五年から実施しているわけでございまして、今もう昭和五十九年でございます。大変な時間の経過があるわけでございますが、今後鋭意努力されると――鋭意というのは意を鋭くするということでございまして、非常にこれは迫力をもってやると、そのように私は理解するわけでございますが、一体どのくらいの時間を要するのか、答弁は要りませんけれども、その辺をひとつよくかみ砕いていただきまして、沿線住民の方々の不便というものに思いをいたし、本当に真剣に取り組んでいただきたいと思います。 特にこの地区は非常に住宅が密集しております。恐らく密度は坂本村内では一番ではなかろうかと、かように思いますので、どうかその点も御留意いただきまして、本当に在任中に鋭意努力をしていただきたい、心からお願いをいたします。大変失礼なことを申し上げまして恐縮でございました。 それでは時間が余りましたので、最後に要望をさせていただきます。 これは、実は私は今質問の冒頭に細川知事に問いただしたかったのでございますけれども、実は社会党の柴田議員が先般の議会で取り上げられた問題でございますので、要望に切りかえさせていただいたわけでございます。 私は、昭和五十五年九月の定例会におきまして、米の減反政策の再検討について質問をいたしましたが、今回はそれを要望にとどめておく、そういうことにさせていただきます。 なぜならば、本年の五月二十八日の熊日紙上に次のような記事を見たからであります。それは「十七年ぶりの外米輸入へ ちぐはぐ農政 農業団体の反発必至」そういう見出しに始まり、「農水省、食糧庁は二十七日までに、今年八月から九月の端境期に予想される米不足に備えて外米を輸入する方針を決め、今週中にもまず韓国と交渉を始める。主食米の不足を理由とする外米の輸入は昭和四十二年以来十七年ぶりである。」という記事でありました。余りどういうわけだか大きな記事ではございませんでしたけれども、私は、ついに来るべきものがやって来た、何て愚かなことであろうかと、言うに言われぬ怒りに体が打ち震えたものであります。 農水省は苦しい言いわけに終始いたしました。いわく、これは米の輸入ではなく韓国に貸していた米を現物で返してもらうんだ、だから、そんなに国民が騒ぎ立てる問題じゃないという、まことに我々国民をばかにした、まさに開き直った態度でありました。自分たちの無為無策、無能というものをたなに上げて涼しい顔をしておると言っては言い過ぎでありましょうか。 現在、世界の国家はアメリカとソ連を両極端に位置する国家を先頭にして、どうしたら国家の独立と安全を保持できるか。すなわち、安全保障に最大の関心を払い最大の努力をしているのであります。安全保障には大別して三つの基盤があると私は思っております。それは、まず軍事保障、エネルギー保障、そして食糧保障であります。幾ら強力な軍隊を持ち幾ら豊富なエネルギー資源を持とうとも、食糧が十分でない限り安全保障は万全でないということは言うまでもないと思います。前二者がたとえ不十分であっても食糯が十分であれば、ほかの国家との共同歩調をとることによって国の安全と独立が保たれる、かように私は思うのであります。 そのような観点から私は常に食糧の備蓄の必要性を訴えてまいりました。したがいまして、食糧供給基地としての揺るぎない地位を自他ともに認められております熊本県が国に対し、その減反政策の根本的な再検討をするように強くあらゆる機会を通じて訴えていただきたいのであります。熊本県は保守の雄県であり有数の農業県であります。食糧問題に関する発言、行動にはまさに万金の重みがあるのであります。どうか、ほかの他府県に先駆けまして国家百年の大計を誤らしめないように、政府に対して今後とも積極的に働きかけてほしいのであります。 ちなみに、米はもみのまま数あるあの山の中腹をくりぬいて保存しますならば、味も変わらず相当長い年月保存できるそうであります。私は一歩進めて県独自の備蓄制度を検討する必要があるのではないか、そしてまたそのような時期が本当に到来したのではないか、かように思うのであります。 執行部の御英断を期待し、これは要望とさせていただく次第でございます。 きょうは、できるだけ大きな声を出さずにやろうと思いましたけれども、ついつい大きな声を出しまして大変聞き苦しいところがあったと思いますが、お許しをいただきたいと思います。 これをもって六回目の一般質問を終わらせていただくわけでございますが、長い間、先輩各位また同僚議員各位におかれましては御清聴いただき本当にありがとうございました。どうか執行部の方々、今後とも鋭意この解決に向かってひとつ努力くださいますように心から期待をし、お願いをいたしまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 (拍手) ○副議長(米原賢士君) 昼食のため午後一時まで休憩いたします。  午前十一時二十五分休憩      ―――――――○―――――――  午後一時一分開議
    ○副議長(米原賢士君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 中島隆利君。  〔中島隆利君登壇〕 (拍手) ◆(中島隆利君) 日本社会党の中島でございます。党を代表して県政の当面する諸問題について質問をさせていただきます。本議員三度目でありますが、先輩諸氏の御支援をよろしくお願いいたします。細川知事を初め執行部の皆さんの明快なる答弁をよろしくお願いをいたします。 まず最初に、県政運営に対する基本的姿勢についてお尋ねをいたします。 細川知事は就任以来既に一年半を経過されたわけでありますが、この間、知事は「創意と実行」というみずからの公約のもとに、長年の懸案事項や新しい施策を積極的に推進してこられました。水俣病問題、苓北火電問題、テクノポリス建設推進、県行革の推進、くまもと日本一づくり運動、西武との地域開発の提携、そして今回の「熊本・明日へのシナリオ」の重点施策の指針の提起等々であります。しかし、これらの施策の推進について、多くの県民の中から、知事の「創意と実行」による積極的な姿勢は一定の評価はあるものの、具体的推進については、関係各機関、県民とのコンセンサスが不十分で、対話の姿勢が非常に欠けているのではないかという指摘があります。 我が党もこれまで細川知事に幾つかの問題でその対応と姿勢についてただしてきたところであります。県の行政改革の進め方、水俣病問題の認定業務の促進、テクノポリスの建設について、国鉄高森線廃止の問題についての対応、天下り人事の削減について、議会はもちろん関係各機関、地域住民に対する徹底した対話と、県民の多くの意見の結集を図り、施策の推進を図るよう強く求めてきたところでありますが、残念ながら、このコンセンサスと対応は不十分であったと言わなければならないと思います。 知事は、広く県内外の有識者の意見を聞き創意をこらしていきたいとの考えのもとに、数多くの懇話会、審議会、協議会、研究会等を組織されてきたわけでありますが、それら機関で検討された諸施策が一人歩きし、県政推進の担い手である行政担当の職員内部の討論や議会の審議、そして県政推進の主体である県民との対話、コンセンサスが不十分で、住民自治の視点が形骸化され、中央寄りの県政が進められているのではないかという意見もあります。 知事は、就任以来各定例議会で県政運営に対する所信を述べてこられました。「県、市町村、民間等が一体となって、知恵を集め、社会変化への対応を図り、県土の均衡ある発展に努める」「開かれた県政、わかりやすい県政になお一層意を用い、広く県民各界各層の意のあるところをくみ上げ、県民の英知と活力を結集しながら県政の推進に努める」と言っておられます。まさに「開かれた県政、県民対話の県政を目指す」と表明されているわけであります。 そこで、知事に改めてお尋ねいたしますが、これら県民の指摘に対し、どのように考えておられるか、また今後の政治姿勢についてどのように決意をされているか、率直にお聞かせいただきたいと思います。  〔知事細川護熙君登壇〕 ◎知事(細川護熙君) 県政運営に対する基本的な姿勢についてのお尋ねでございますが、私は、知事就任後最初の議会におきまして、県政に取り組むに当たっての基本的な理念として、一人歩きするような理想を掲げて県政を進めていくのではなく、日常的な身近なものとして県政をとらえ考えてまいりたいという趣旨のことを申し上げました。 そこで、広く県内外各方面の方々の意見を拝聴し、県政に反映させていくため、自由な立場で県政全般についての率直な意見をお聞かせいただく場として県政懇話会を設置し、また、我が国における各界の指導的な立場にある有識者の方々から、外部の客観的な目から見た熊本に対する率直かつ斬新な御意見をいただく場として、二十世紀懇話会を設け、貴重な御提言をいただいてきたところでございます。 また、私は常々広く県民の声が県政に反映するように、いろいろな機会をとらえて、県民各界各層との懇談あるいは対話を進めてまいったわけでございまして、就任以来今日まで月平均六十件余りの懇談を重ね、既に二十二万人余りの方々と県庁内外でお目にかかって、要望を承ったり御懇談をしたりしてきたところでございますが、同時にまた、一方では、県民の代表である県議会各位との意思の疎通にも当然努めてまいったつもりでございます。 さらに、県民の知恵を集め活力ある県政を推進してまいりますためには、何といいましても県政を県民にとって身近なものにしていくことが重要なことでございまして、開かれた県政を目指して、例えば県庁においでになる方々に適切な対応が図れるように、県庁の一階ロビーに新しく総合案内窓口と県民相談コーナーを設けましたり、あるいはまた、県政の動きを県民にわかりやすくお知らせするための広報に努める一方、県民提案制度を新設いたしまして、広く県民から県政についての提案を受け、県の施策に反映させるなどいろいろな角度から開かれた県政を目指して努力をしてまいったところでございまして、対話がないというお話につきましては、どうもいささか認識が違うような気がいたします。 いずれにいたしましても、本県がこのような財政状況の中で地域間競争の時代を生き抜いてまいりますためには、県、市町村、民間等が一体となって、知恵を集め社会変化への対応を図り、県土の均衡ある発展を図っていく必要があるわけでございまして、今後とも開かれた県政、わかりやすい県政というものになお一層意を用いて広く県内各界各層の声が県政に反映するように絶えず意を用いてまいりたいと考えております。  〔中島隆利君登壇〕 ◆(中島隆利君) ただいま改めて知事の姿勢を述べていただきました。県民の中にも私が申しましたような声もあるということをひとつ認識していただいて、さらに住民との対話を強化していただいて、創造、実行が真に実のあるものにしていただきたいと強くお願いをしておきたいと思います。 次の第二点の「熊本・明日へのシナリオ」について質問をお願いいたしておりましたが、各党の代表質問で、これらの策定の経緯、「80年代県総合計画」との整合性の問題、または市町村自治体との関係についても、すべて質問がなされ、それによる答弁で十分理解をいたしましたので質問を取りやめまして、ただ一点だけ私も要望だけ申し上げておきたいと思います。 各党の一致した御意見は、この「熊本・明日へのシナリオ」の重点施策が、県土の均衡ある発展を確実に達成するためにも、市町村との連携を万全に持ってほしいと強く求めていたところであります。私もその点を強くお願いしますとともに、その対策として知事が述べられました、市町村自治体の長と、ことしの十月ごろに住民との懇談会を行ってそして十分なる意思疎通を図りたいと述べられておりまして、それについては私としても理解をいたしますが、もう一歩踏み込んでいただいて、時間をかけ各地域の住民と直接対話の機会をつくっていただき、重点施策の浸透、県民の幅広い声を吸収していただくためにぜひ取り組んでいただきますようにお願いをしたいと思います。 地域の振興発展は、それを目指す重点施策が県民一人一人のみずからのものになって県民総参加の運動をつくり上げなければ、どんなすばらしい指針も絵にかいたもちになりますので、何とぞよろしくお願いをいたします。 次に、県の行政改革についてお尋ねをいたします。 その第一点は、今までの行革の進め方と今後の対応についてであります。 県行政改革については、御承知のとおり、細川知事就任以来、財政効率化、事務事業の改善合理化のため、昨年六月、県内各界から成る行政改革審議会を設置し、現在審議が継続されているところであります。昨年の十一月には第一次中間報告として、行政サービスの改善や行政機能の活性化方策、事務事業の改善合理化と各種審議会の見直し、そして財政の運営など五項目に及ぶ提言があったのは御承知のとおりであります。さらに、本年六月には第二次中間報告が出され、各部各課の見直し、県事務所、土木事務所の統廃合、保健所の再編、小規模出先機関の統廃合、見直し、職員定数の削減として昭和六十五年を目途に七%程度の削減を行うというものであります。 この提言に対し、知事は、これからの実施方策については、県議会の指導、協力をいただきながら、庁内の委員会でも十分検討を行って進めてまいりたいという表明をなされていたわけでありますが、第一次中間報告の提言である総合窓口の整備、県民提案箱、民間委託等については既に本年四月に実施されています。また、本年六月に報告された第二次中間報告の行政の組織機能の見直しによる機構改革が、本年七月一日人事異動で、議会や庁内職員、労働組合との十分なる検討、協議をすることなく各部各課の十一課で約百名近くの大々的な機構改革が実施されております。 知事は、行革推進に当たり、関係各機関と十分検討し、慎重に進めると表明されていたわけでありますが、これまでの行革推進については行革審議会だけの検討で、全く県民無視の一方的な実施であると言わなければなりません。特に今回の七月一日人事異動と同時に行われました大々的な機構見直しの改革は、県民サービスにかかわるものであり重大な問題であります。 自治体の行政改革は、主権者である住民が厳しい財政運営の中で、みずからの行政を効率的行財政運営を改革する作業で、県民生活に広く深くかかわるものであり、県民の意見が十分に反映される制度を設け広く県民の英知を結集した行政改革の実施でなければならないと考えます。第二次中間報告で出されている行政組織機能の見直し、県事務所、土木事務所、保健所の再編、農業試験研究機関の整備統合、職員定数の削減等については、単に行政の組織や機構の改革にとどまるものでなく、県民生活に広く深くかかわる県政の政策課題、制度の変更を行う行政改革であり、県民の意見聴取、公聴会、地域懇談会等による意見反映を実施すべきであると考えます。 そこで、執行部にお尋ねいたしますが、これまでの行政改革の作業をどのように行ってこられたのか、また、今後広く県民の意見を反映した行政改革の推進を行うためにどのように進められるかをお尋ねいたします。 第二点、天下り人事問題についてお尋ねをいたします。 この問題については、さきの六月定例議会で我が党の堀内議員が質問いたしましたが、時間切れで十分なる知事の御答弁をお聞きすることができませんでしたので、再度質問をさせていただきます。 私も、「天下り人事」という言葉が非常に嫌いであります。天下り人事制度そのものが問題であり、その制度を早くなくさなければならないと考えます。優秀なる中央省庁の出向幹部職員の皆さんの前で、天下り人事問題として取り上げ意見申し上げることをまずお許しを願いたいと思います。個々の職員の皆さんの出向人事について指摘をしているのではありませんので、くれぐれも誤解のないようにお願いをいたします。 現在の天下り人事の制度は、明冶以来続いている中央省庁と府県自治体との特権的な上からの一方的な天下り人事によって続けられてきた制度であります。それによって特権官僚制度そのものが確立され、日本の巨大な官僚機構となっているのが現状であります。各中央省庁からの全国の府県に対する天下り人事の数は現在七百名以上に上ると言われます。このような機構の中で、府県に上から一方的に天下り人事が行われ、しかも二、三年の腰かけ的な人事交流が続けられる限り、府県の主体的な地方自治の確立にはつながらないと私は考えます。 知事は、多くの県職員、県職員労働組合から再三にわたり天下り人事について、強い反対と要求書が提出されているにもかかわらず、さきの七月一日付人事異動では、さらに三名の天下り人事の任用をされ、合計二十二名になっているわけであります。 ちなみに、九州各県の現在――昭和五十九年七月現在でありますが、天下り人事の数を比較してみますと、佐賀県十名、大分県十三名、福岡県十六名、宮崎県十八名、そして鹿児島県の二十名を抜いて熊本県は二十二名となり、一挙にトップになったわけであります。 熊本県の過去の天下り人事の任用数についての推移を見てみますと、沢田知事当時の、細川知事と交代される直前でありますが、八三年一月時点での天下り人事の任用数は十四名であります。そして細川知事が就任をされた直後の八四年三月時点では何と五名増員をされ、十九名となっています。そして今回の七月一日人事異動後の現在で、さらに三名増員をされ、二十二名になったわけであります。 このように、細川知事就任以来一年半の短期間に八名が増員をされたことになります。この二十二名の方々のポストの配置を見てみますと、部長三名、次長九名、課長及び審議員十名で、県執行部の主要ポストがほとんど天下りの職員の方々で占められています。余りにも異常であると言わなければなりません。特に土木部では部長一、次長一、課長一と三名すべて建設省の都市局からの天下りの職員の方々であります。都市計画を重視するということはわかるわけでありますが、従来から建築担当次長は、地元人材、建築専門職の昇進の道を開くためにできたポストと聞いていますが、今回のポストも中央からの天下りの人事で埋められています。地元の人材に年数が足る者がいないとか、なっても二年が任期とかの理由で、いわゆるつなぎのための中央からの人事ならば非常に問題であると思います。一方では、天下りを経験年数など全く無視して二十九歳から三十歳で課長に発令されているのは、地元職員の差別以外の何物でもないと考えます。 このように、優遇される天下り人事の任用を拡大していくことは、県職員の意欲を欠き、職員一丸となった県政執行の体制づくりに大きな影響を及ぼすと思われます。六月定例県議会の総務委員会でも「天下り人事はむやみやたらにふやすべきではない」と意見が集約されています。知事は就任直後の三月の県職員労働組合との交渉では「天下り人事の任用のワクは拡大しない」と確認されたということでありますが、その確認をも無視され、県職員内部の強い反対の声があるにもかかわらず、なぜ天下り人事の任用を拡大されるのか、知事の御意見を率直にお聞かせいただきたいと思います。  〔知事細川護熙君登壇〕 ◎知事(細川護熙君) 行政改革についてのお尋ねでございますが、御案内のとおり、昨年六月に県内各界代表者から成る行政改革審議会を設けまして、新しい視点から県行政をとらえ、そのあり方について御審議をお願いし、既にこれまで二回にわたる中間報告をいただいているところでございます。 これらの報告につきましては、行政改革審議会の委員の方々が、単に自分の御意見だけでなく、それぞれの会合やあらゆる機会をとらえて、各界の意見を聴取され、またアンケートをとられるなど、いろいろな意見を参考にされまして、また出先機関にもわざわざ出向いていかれて、各機関長を初め関係者と意見を交換されるなどしてまとめられたものであると承っております。その意味で、この報告は各方面の意見が集約をされ、また時代の流れを的確にとらえた貴重な御提言と受けとめておりまして、県としては、その提言内容につきまして、逐次手続を踏んで実行のできるものから実施をしてまいったところでございます。 これまで組織機能の整備、総合窓口の設置等、行政サービスの改善、事務事業の見直し等を実施してまいりましたが、これらの実施に当たりましては議会にも所要の御説明をしてまいったところでございますが、今後、農林水産部門の一元化なり、あるいは県事務所と土木事務所の統合なり、あるいは職員定数の七%削減の問題なり、非常に大きな課題が課せられておりますし、これらの実施に当たりましては、先般の永田議員にもお答えをいたしましたとおり、県議会を初め各方面の御意見を伺いながら、しかるべき方向づけができるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。 なお、御提案がございました公聴会、地域懇談会等につきましては、この種の問題の性格からいたしまして、そのような仕組みが適当かどうか問題もあると考えておりますが、広く意見を聞いて実施すべきだとの御趣旨と受けとめまして、さきに申し上げましたように、今後議会を初め関係方面の御意見も拝聴しながら対応してまいりたいと考えているところでございます。 それから第二は、国との交流人事についてのお尋ねでございますが、指針でも申し上げましたとおり、今日の時代は地域間競争の時代であって、こういう状況の中で、活力と個性と潤いのある県政を積極的に推進をしていくことが重要であろうと思います。 高度情報化、成熟化、国際化、いろいろなことが言われておりますが、そういう急速な変化の時代の中で、県行政におきましても新しい分野の要請が高くなってきておりまして、テクノの建設を初めといたしまして、ニューメディアとかテレトピアとかへの取り組みの問題、あるいはまた環境文化施策の展開等が緊急な課題になってきているところでございます。 施策の立案あるいはそれを実施してまいりますためには、それに携わる人の問題が重要であることは申し上げるまでもございませんが、そうした新しい行政分野におきまして、県行政を積極的にかつ円滑に展開をしていくための配慮から、必要最小限度において、国、電電公社から職員の派遣を願っているところでございます。 また、このほか、本県の重要課題である水俣病対策、さらには土木行政の中で、そのおくれが指摘されている都市計画行政の分野につきましても、積極的に対応していくために国からの職員の派遣を受けたところでございます。 これらの派遣職員につきましては、それぞれの職場で専門の知識を生かしていただくわけでございますが、同時に県と国のいわゆるパイプ役として県政に協力をしてもらうというメリットもあるわけでございまして、現に本県に勤務していただいた各省庁の皆さん方には、情報の提供なり予算の獲得なり、本県の発展のために少なからぬ御尽力をいただいていることはよく御承知のとおりでございます。 このように、国との人事交流は県政の発展にとって得るところが大きいということは事実でございますが、ただ、だからといって安易にその数をふやしていこうと考えているわけでは毛頭ございません。また派遣職員のポストにつきましては、現在特定のポストに配置しておりますもののそのことによって本県職員を枢要のポストに配置しないということでは全くございませんで、現実に、部長、次長のポストの大半は本県職員をもって充てているところでございますし、本県職員の登用に当たりましても、これまでと同様に、本人の適性、県政の方向等を総合的に勘案しながら、適材適所、適正な配置を考えてまいりたいと思います。 いずれにいたしましても、国等との人事交流に当たりましては、県行政の円滑な推進、職員の意欲高揚等につきまして、高度な見地から判断をして考えてまいりたいと思っているところでございます。  〔中島隆利君登壇〕 ◆(中島隆利君) ただいま答弁をいただきました第一点の行革の進め方についてでありますが、これまで行革審議会が設置されまして第一次、第二次答申がなされました。それを今後具体的に実施していくために、今、審議会、そして執行部、議会、慎重に審議してやっていくという御答弁があったわけでありますが、今後第二次答申の中では、先ほども申しましたが、非常に県民の生活に大きくかかわる機構の改革があります。 今後の進め方について、一点、参考でありますが、岡山県の行革の進め方について報告しながら検討方を再度お願いをしたいと思います。 岡山県の行革は、行革を真に県民のものにするために、各階層の懇談会が持たれています。農業、商工、婦人、青年、労働、すべて十団体、これらの各階層の懇談会を開き、さらには市町村、出先機関との意見交換、そして地域懇談会、これは県民の自由参加によって持たれております。そして、さらに学識経験者の懇談、あるいは県政要求に対するアンケート、あるいは県職員からのアンケート、それを総合的に積み上げながら、県民のための行革ということが実施をされております。 県もそういう前提でなされていると思いますが、十名の審議員の方、各階層から有能な方が出ておられます。その方はそれなりに県全体の県民の声を網羅して答申をつくられたと思います。しかし、先ほど申しましたように、県民生活に大きくかかわる重大な問題でありますので、さらに県民の声を吸収する体制をとっていただいて慎重に行革を進めていただきたいと思います。 次に、天下り人事の問題について御答弁がありました。 天下り人事の問題については、知事が申されましたように、活力ある県政をつくるために行うというふうに申されました。一番その活力ある県政をつくる先頭になるのは、やはり県職員の方々であります。この県職員が打って一丸となって幹部も含めて、やる体制こそ真の活力ある県政ができると思います。 私の提言でありますが、ぜひ幹部の任用ポストをまず選定をしていただきたい。そして一つの担当課に複数以上の天下りの幹部の方を配置しない、その方向でひとつ検討方をさらにお願いをしたいと思います。 次に、農政問題について質問をいたします。 その第一点は、水田利用再編第三期対策の見直しについてお尋ねをいたします。 水田利用再編第三期対策は、昭和五十九年から六十一年までを期間設定し、昭和五十九年度は前年度同様に六十万ヘクタールを目標転作面積として、各年度平均四十五万トンの米の在庫積み増しを図り、同時に、加工原料用米穀の生産を目標とした他用途利用米の生産に転作面積の約一割を振り分け二十七万トンの生産を確保するという計画がスタートしました。しかし、第三期対策は、スタートと同時に五十三年産米の残留臭素米問題を契機に、韓国米輸入、他用途米主食転用等々深刻な米不足状況をつくり出し、自艮党・政府の長期にわたる減反政策の失敗で、日本の米政策は、生産者だけでなく消費者にも大きな不安を与え、日本農業そのものが根底から破壊されようとしています。 十年間にわたる水田利用再編対策は、日本の食糧の総合自給力を高めるために、米の需給均衡を図る中で、水田を高度に利用していこうという計画であったわけでありますが、この十年間、穀物、飼料自給率だけを見ても、拡大こそすれ全く改善されていません。他方において、麦、大豆などの穀物は壊滅的状態にあり、そのほとんどを海外に依存しています。さらに、選択的拡大作目として政府みずから宣伝してきた畜産、果樹についても、自給率六〇から七〇%程度であるにもかかわらず、過剰生産だとして農民に減産を押しつけ、一方ではアメリカから農畜産物の大量輸入を行っています。 これら諸政策の矛盾は、臨調行革による政府、財界の金のかかる農業を切り捨て、大資本中心の貿易優先政策をさらに強化し、農畜産物の見返り輸入を拡大して安上がり農業の政策導入をしようとしているところにあります。このような農業破壊の政策は、農民の犠牲を強いるだけでなく、著しい食糧自給率の低下をもたらし、日本の農業、食糧政策そのものに大きな打撃を与えています。 今こそ全国民が、日本の農業を守り食糧の自給体制を確立し、国民への食糧の安定的供給を図るために、米の政策を初め食糧政策全体を転換させる国民的規模の運動を展開しなければならないと思います。 県内の全農業団体、農民は、今日本の食糧政策の抜本的な転換を求めて、転作規模の縮小、転作政策の見直し、恒久的な備蓄制度、統合的な食糧政策を求める要求運動が強力に展開されています。 そこで、熊本の農業、農民を守る最大の任務を持つ県当局は、関係農業団体、農民、県民といかに連携し、米政策の転換を初め水田利用再編第三期対策の見直し等について、対政府にどのような対応運動を考えておられるか、お尋ねいたします。 次に、高森町の新規開田問題についてお尋ねいたします。 この問題については、地元県議の今村先生が心血を注いで問題解決のために努力されていることに深く敬意を表し、感謝をまず申し上げたいと思います。 私も社会党という立場で、現地から調査依頼を受け、関係農民の方々から直接お話をお聞きし、山間地の農業の厳しさ、水田利用再編対策の矛盾を深く感じてきたところであります。既に県、高森町、農家の三者で、来年から畑モチ生産団地に指定し、農業基盤整備を図ることが確認されていますが、我が党として、水田利用再編対策の見直しの上に立って、高森町地域農業確立策としての考え方について、御意見を申し上げ、担当部のお考えをお尋ねいたします。 私たちに対する高森町新規開田地域の農民の方々の訴えは、次のような内容のものでありました。 色見地区一帯は、阿蘇山ろくの高冷地であり、火山灰性土壌で、土地はやせ作物も年一作しかとれず、昭和三十年ごろより高冷地野菜を取り入れ、一時期は、色見の高冷地野菜として九州一円に出荷し名声を博し、また、陸モチの生産地、肥後赤牛の生産地として日の目を見たときもあったが、それもつかの間で、昭和四十五年に始まった水田再編対策により、転作野菜のため、そのしわ寄せは、もろに高森地域の畑作野菜地帯の農家がかぶることになり、野菜の過剰、価格の暴落となり、加えて、連作障害により頼みの綱の野菜がだめになり、さらに子牛の価格も牛肉の輸入により低迷し、最後の陸モチも反収わずか二ないし三俵と低く、農民の生活は苦しく、出かせぎするにも職もなく、農業後継者を抱え途方に暮れているとき、学者の調査により、色見台地にも豊富な地下水資源があることが立証され、水を揚げて開田すれば、後継者はもちろん子々孫々まで農業ができると、一部の農家が膨大な借金をしながら開田に踏み切ったのが昭和五十三年であります。 その年は水田利用再編対策のスタートの年で、その新規開田に対する政府の処置は、翌年、高森町に対する減反の二倍の十八ヘクタールのペナルティーが課せられたわけであります。 その後、新規開田によって町全体に影響を与え、しばらく開田が中断されていたわけでありますが、借入金の一千万程度以上の返済、畑作の不振続きで、再び農民のせっぱ詰まった新規開田が、昨年農家二十四戸、四十八ヘクタールで実施されたわけであります。昨年は、水田のあぜを切ることによって陸モチ化し、今年度限りということで畑地として認められたわけであります。しかし、色見地区の農家では、膨大な借金のため再び畑地転換にできず、今年度も水モチの植えつけが行われたわけであります。農民の方方は、減反政策に逆行するウルチ米をつくるわけではない、モチ米は毎年不足し輸入しているし、今でも供米している陸モチ二万六百五十俵のかわりに消費者に喜ばれる美しい水モチに切りかえてつくりたい、どうしてもだめなら、現在陸モチで供米している量だけでも水モチを認めていただきたいという悲痛な訴えでありました。 山間地の畑作地は、かん水することによって連作障害をなくし、水田だけでなくあらゆる転作作物が栽培できると言われます。これに対し国の農林水産省は、血も涙もない水田利用再編対策を盾に一切新規開田は認められないという立場で、県、高森町当局の再々にわたる説得で、先日も新聞で報道されたように、十四ヘクタールを泣き泣き青田刈りをし、来年度から畑モチの生産団地化することで問題解決がなされたと聞きます。これでは全く問題解決にならず、さらに畑モチ生産団地化することによって、スプリンクラーや新たな投資が農民に強要され、不安定な陸モチの低収入農業が一方的に押しつけられることになるわけであります。 私は、この水田利用再編対策は、米の需給調整を行い食糧全般にわたる自給体制を確立し、日本の農業の安定的な発展を目指す目的で策定されたものであると考えます。みずからの資金で、みずからの土地に自給ができず輸入して困っている水モチの生産を行い、山間地域の厳しい農業基盤を何とか再確立したいとして、血の汗を流し、歯を食いしばって頑張っている農民を、役に立たない水田利用再編対策によってまたもつぶしてはならないと思います。 高森地域開田問題は、水田利用再編対策の見直しを要求する中で、水モチ生産団地として指定できるよう総力を挙げて取り組むべきであると考えますが、担当部の考えをお尋ねいたします。 第三点の韓国米輸入間題についてお尋ねをいたします。 今韓国から米が連日、日本に輸入されていますが、御承知のとおり、九月七日、熊本県には初めて三角港に韓国産米四千五百トンが入港しました。その韓国産米荷揚げに対し、九州地区農協青年組織連絡協議会、県農協青壮年部協議会は約二千人を九州全域から動員をし、抗議集会が開催されました。これには社会党、県評の働く労働者も抗議集会に参加しております 今回の韓国輸入米問題は、余りにも計画的で、減反政策の行き詰まりとともに、今後の日本の米政策に暗い影を残しそうであります。政府は国民に対し、うそを積み重ねながら巧みに世論を誘導し、米輸入の道を開いたわけであります。 五月二十八日に厚生省が、常温貯蔵の五十三年産米の一部に許容基準を上回る臭素が残留しているとして、農林水産省に対し、許容基準以上の臭素が残っている米については出荷を見合わせるべしと申し入れた。厚生省の申し入れを受けた農水省の対応で、その日のうちに、五十三年産米が使えない加工原料用の米が不足するので、かつて韓国に貸し付けていた米を現物で緊急に返してもらうと発表したわけであります。しかも、五月段階では既に五十三年産超古米の過剰米は、在庫二十万トンまで下がり、政府の米の需給計画はまさに破綻寸前まで来ていたわけであります。しかも五月段階では、みそ、しょうゆ、しょうちゅうなどの加工業界、米穀業界から、加工用の特定米穀の不足と高騰は業者にとって死活問題であるとして、政府に対して強力な輸入要請を行っていたと言われます。また、多くの輸入商社も政府に相次いで強い輸入要請を行っています。 韓国からの輸入量は、日本では協議開始前に「十万トンで交渉」という報道がなされました。韓国では日本側の要望は二十六万トンと伝えられました。結局は十五万トンで決着したわけでありますが、米不足の現状からして主食用に転用される可能性も強く、今回の韓国からの緊急輸入は、米政策に対する政府の姿勢や、勢いづく業界や輸入商社の動きから見て決して一時の措置とは見られない状況にあります。 これまで農業団体は、韓国米輸入に対し、他用途米の主食用買い上げの要求を対置して政府に迫ったが、逆に政府・自民党から、他用途米を主食に回すなら、足りなくなったら加工原料は第二次輸入をしなければならなくなるがそれでよいかと迫られています。 政府は、みずからの米政策の失敗を全く反省をせず、農民に対しては、他用途米を主食に買ってやるから、逆に加工原料米は農民が自主的に二十万トン確保しなさいと要求しているわけであります。今回の韓国米輸入は、明らかに米輸入を目指す政府の計画的な米需給操作によるもので、断じて許すことのできないことであります。 全県下の農業団体、農民が米輸入絶対反対の立場で怒りの行動を起こしておられます。対政府に強力な働きかけ、運動が必要であると考えますが、県当局はどのような対応と取り組みを考えておられるか、お尋ねをいたします。  〔農政部長田代静治君登壇〕 ◎農政部長(田代静治君) まず、水田利用再編第三期対策事業についてお答え申し上げます。 御承知のように、水田利用再編対策は、我が国の米需給を均衡させるとともに、農産物の総合的な自給力の向上を図るため実施されている事業でございますが、第三期対策につきましては、在庫積み増しの導入が行われた反面、他用途利用米制度の新設や奨励補助金単価の引き下げ等、大変厳しい内容となっておるわけでございます。 このような制度の中で、本県におきましては、農業者の方々を初め、市町村、農業団体等の御理解と御協力によりまして、対策の推進に取り組んでいるところでございます。 米の需給問題につきましては、昭和五十五年の六百六十六万トンに及ぶ過剰米の在庫が五十八年度までにほぼ完全に解消されたことや、五十五年以来の連続する米の不作によりまして需給が逼迫し、厳しい需給操作が続けられていることは御指摘のとおりでございますが、米の消費量は依然として減退傾向にあり、長期的には、生産力が需要を大きく上回るという政府見通しがなされているところでございます。 本県といたしましては、このような状況を総合的に勘案いたしまして、米の事前売渡申込限度数量の完全確保と並行いたしまして、転作の一〇〇%水準の達成等、米の生産と転作との調和ある推進を図るように努めているところでございます。 しかしながら、最近の五十三年産米等の臭素残留問題に端を発しまして、韓国米の輸入問題へと発展したこと等によりまして、米の需給に対する不安感が高まっていることも事実でございます。 県といたしましては、米の国内産による完全自給体制の確立、転作作物の新技術の開発や、価格制度の拡充あるいは他用途利用米制度の運用面での見直し等につきまして、稲作農家の意向等も十分配慮しながら、市町村、農業団体等とも緊密な連携をとりつつ、今後とも国に対しまして強く要望等を行ってまいる所存でございます、 次に、高森町の新規開田問題についてお答え申し上げます。 この問題につきましては、一昨年来、本県の水田利用再編対策の重要な課題といたしまして、県及び高森町当局におきまして、関係農家の御理解と御協力が得られるよう協議を重ねてきたところでございますが、先般水田状態として認めざるを得ない十四ヘクタールにつきまして、やむを得ない措置といたしまして、稲の刈り取りをお願いしたところでございます。 この問題は、本県下約八万三千戸の農家の方々を初め、全市町村、農業団体等の非常な協力を得ながら約一万八千ヘクタールに及ぶ転作が実施されている状況の中で生じたものでございまして、国によって新規開田の抑制措置が厳しく講じられている現行制度の中で、当該農家による畑地への復元措置がなされない場合には、来年度以降、高森町全体に対する国の公平確保措置が講じられかねない状況にあったわけであり、やむを得ない今回の措置であったわけでございまして、解決に向けて関係農家の良識ある御理解と御協力が得られましたことに対し、深く感謝いたしておるところでございます。 高森町は、御案内のように、県下でも有数の畑作地帯でございまして、畑作振興は極めて重要な課題と考えられますので、収益性の高い畑作物の導入、定着を図るため、関係機関一体となりまして、地域の特性を考慮した畑作営農を確立するよう努力してまいりたいと考えております。 ところで、御提案の水モチ団地の指定につきましては、これを指定することが即、新規開田につながることとなるわけでございますので、畑モチ団地の指定を行い、限度数量の配分を初め、高単収を得るための品種の選定や栽培法の確立等濃密指導を行いまして畑作振興に努めてまいる所存でございますので、どうぞ御理解、御了承のほどを願いたいと思うわけでございます。 次に、韓国米輸入問題に対する政府への要望についてお答え申し上げます。 四年連続の不作に加えまして、五十三年産米に臭素の残留が検出されたことにより、特に端境期の加工用原料米の供給に不足が生ずることとなったために、昭和四十四年と四十五年の二年にわたって韓国へ貸し付けられました米穀のうち、十五万トンの現物返還措置をとったとされているのでございます。 これは、昭和五十九年六月から六十年一月までの加工用原材料米の需要量が十八万トンと見込まれておるのに対しまして、五十三年産米等の供給量が三万トンに減少いたしたためでございまして、不足分十五万トンを返還米で充当し、破砕の上実需者へ売却されるので、主食用への転用はないと聞いておるわけでございます。 米穀の需給事情は、御指摘のように、五十九米穀年度におきましては、単年度需給の中で厳しい状況にあるわけでございまして、県といたしましては、我が国農業の基幹作物であり、かつ国民の主食である米穀につきまして、国内産米による適正な供給の確保が十分図られるように、農業団体等の意向も踏まえて、国に対し強く要望してまいりたいと考えております。  〔中島隆利君登壇〕 ◆(中島隆利君) ただいま御答弁いただきましたそれぞれ三つの問題につきましては、対政府に対する政策の転換を求める大きな課題であります。しかし、現法に基づいて現在の問題を処理するだけにしていただくわけにはまいらぬと思います。なぜなら、熊本の地域の農業を守る立場で、これら農民をいじめる政策については政府に対する力強い今後の働きかけをお願いしたいと思います。 日本の農業を守るためには、個々の農民や地域の農業を守ることが必要であります。そのためには、国民の安全な食糧の供給確保を行うことでありますし、日本の政府が、このような農業政策の立場に立って今の農業政策を転換させるように、今後とも農民と一体となっての働きかけをお願いしたいと思います。  〔副議長退席、議長着席〕 次に、西武との地域開発計画についてお尋ねをいたします。 第一点は、阿蘇町の大型観光開発についてであります。 去る六月二十二日、阿蘇町赤水に総合観光レクリエーション基地を建設する西武鉄道グループと、県、阿蘇町との観光開発協定が調印されたと聞きますが、完成すれば西日本地区では最大の総合レクリエーション基地となり、本県観光振興の起爆剤になるものとして、県、地元は大きな期待を寄せ注目しているとして、阿蘇町長、細川知事は、質の高いレジャー基地になれば幸いだとして、県としてもできる限り協力していきたいと表明されております。 私も県内の観光浮揚策に西武の進出は絶好の機会であろうと思います。しかし、開発予定地域が阿蘇国立公園の中であり、百八十八万平方メートルという巨大な開発であります。国立公園の利用計画の変更や、阿蘇の自然の景観、既設ホテル等に対する影響を十分に考えなければならないと考えます。 今回の大型レジャー基地開発は、関係町村、地域住民と十分なるコンセンサスと検討が必要であると考えますが、知事は今後の対応についてどのように進めていこうと考えておられるか、お尋ねをいたします。 二点目は、西武流通との共同地域開発についてであります。 県は、さらに西武流通グループと共同で、地域開発や農産物などの商品化に取り組むことで基本的に合意をしたと言われます。その内容も、物産展や観光、文化、歴史を含めた地域開発、農産物の一・五次化などの共同研究と販路拡張等で、西武流通グループの多くの担当者が既に県内各地に入り検討がなされていると言います。知事も業務提携に発展させたいと言っておられます。 くまもと日本一づくり、一・五次産業による県下の地域開発は、熊本県全体の産業を浮揚させる重要な課題であります。しかし、地域開発事業を県が単独で特定企業と提携して進めることは早計であり非常に危険であると考えます。地域農業や地域産業への確立を図るためには、その地域の農民やその地域の商工業者が主体でなければなりません。そして、その地域開発運動を展開するのは、その生産者を支えるその地域の農業団体、生産団体であり商工団体であろうと思います。 これらの地域農業、地域産業の確立を果たすためには、これら主体者である地域生産団体と一体となり、各関係市町村が、みずからの地域産業開発の具体的な課題を策定をして計画的な推進運動を展開しなければ、本当の意味での地域開発、地域産業の振興にはつながらないと私は考えます。 その目的を達成するために、県はあらゆる情報や技術、資金援助をもって、個々の生産団体や地域を積極的に側面的に支えていかなければならないと思います。その情報や技術、力をかりる意味での企業や商社との提携は必要であろうと考えます。 知事は、今回、地域開発や一・五次産業の共同開発を目指して西武流通グループと提携を結ばれていますが、そのねらいと、今後どのように進めようと考えておられるのかお尋ねをいたします。  〔知事細川護熙君登壇〕 ◎知事(細川護熙君) 西武鉄道グループによる阿蘇地域における総合観光レクリエーション基地の建設事業につきましては、お話がございましたとおり、私も本県経済の浮揚と観光開発の起爆剤として大きな波及効果があるものと期待を持って、その誘致に努力をし、御承知のとおり、本年六月に、県、阿蘇町、西武鉄道株式会社との三者による進出協定書の調印を行ったところでございます。 この観光開発を進めるに当たりまして最も大事なことは、阿蘇の持つ世界的な景観を損なうことなく、それと調和のとれた観光開発を行わなければならないということでございまして、協定書にも、自然環境との調和あるいは地域との融和、公害防止などにつきまして規定を設けまして、企業、阿蘇町、県の三者が互いに協力し合って、十分な配慮をしながら事業を進めていくことを確認をいたしているところでございます。 御指摘の、関係町、地域住民との十分なコンセンサスにつきましては、地元阿蘇町はもとより阿蘇町議会におきましても全面的な賛同を得ておりまして、先月一日には、地元の関係者の方々によりまして、この事業を円滑に進めるための地域開発促進協議会も結成されたと聞いておりますし、この事業の推進に当たりましては、今後ともよく地元住民とのコンセンサスを図りながら進めてまいりたいと考えているところでございます。 それから次に、西武流通グループとの協力関係を結んだねらいと今後の進め方についてのお尋ねでございますが、御承知のとおり、本県には数多くのすぐれた産物がそれぞれの地域にあるわけでございますが、こうしたものの多くは素材のまま出荷されたり、中には安定した販路を持たないものなど流通面で問題があるものもございますし、今後、地域開発を進め日本一運動を盛り上げてまいりますためには、付加価値の高い産品の開発あるいは流通経路の開発などにつきまして、行政が強力な支援をすることが大変重要なポイントだと認識をいたしております。 このような課題を解決してまいりますためには、消費者情報の把握やニーズに合った商品の開発などにつきまして、経験のある民間の知恵と力をかりて進めることが、より実際的でもありましょうし、効果的でもあろうと思いますし、現に幾つかの企業からもお申し越しがあって話を進めておるわけでございますが、たまたま西武流通グループからも、熊本の産品等につきまして協力したいという申し出がございましたので、協力を受けることにいたしたものでございます。 お話にもございましたとおり、地域産品の開発の主体的な担い手は、地域の生産者が組織する団体であることは論をまたないところでございますが、しかし、こうした組織は、広範にも及びますし、また数も多い上にまだまとまりも弱いという問題点もございますので、県がこれらの窓口として西武流通グループとの間に立ちまして――まあ西武流通グループだけに限りませんが、こうしたケースの場合に、県が窓口に立ちまして、産品の開発や販路の拡大などが確実に進展するように、側面から支援してまいりたいと考えているところでございます。 県産品の開発あるいは販路の拡大につきましては、今後も、このような考え方に立ちまして、広く民間の協力を得て進めてまいりたいと考えているところでございます。 なお、西武流通グループとの今後の進め方につきましては、当面熊本展を開催することで、現在その準備が進められておりますが、関係機関や関係団体の御協力を得まして、それが成功裏に実現の運びになりますように、今後努力を傾けてまいりたいと存じます。  〔中島隆利君登壇〕 ◆(中島隆利君) ただいま西武との地域開発について知事の基本的な姿勢、御答弁いただきました。 知事が提唱されておりますくまもと日本一づくりの提唱が真のものになりますように――先ほど申しましたように、地域特産物の開発は、地域の主体的な行動によって、地域の特性を生かしながら産品を開発することだと思います。そのためには、地域の村づくりの意欲と情熱を沸き立たせる、そして活力に満ちた地域づくりもあわせて必要だと思います。単なる物づくり、流通だけではないと思います。地域づくりには、各組織の広がりと地域の人々の情熱を結集することが一番重要でありますので、この点の立場に立ちまして、知事の提唱されるくまもと日本一づくりが真のものになるように心からお願いをいたします。 最後に県南地域の振興について、四点について御質問をいたします。 最初に、八代港を活用した貿易拡大についてであります。 この問題については、本年三月定例県議会でも本議員が要望として取り上げた問題でありますが、八代港を活用した貿易拡大は、八代地域の振興だけでなく、県内全体の産業の発展につながる重要な課題であります。 八代港は、昭和三十四年重要港湾に指定されて以来、これまで二十四年間、百五十億を投じて整備され、さらに、昭和七十年を目標に三万トンの船が接岸できるマイナス十二メートルの岸壁が二バース建設をされます。南九州最大の国際貿易港として整備されつつあるわけでありますが、県内貿易の飛躍的な発展にもかかわらず、八代港を活用した貿易は年々減少しているのが現状であります。 熊本県全体の輸出額の推移を見てみますと、昭和五十四年に九百六十八億円だったのが、昭和五十七年度には何と二千三百三十九億円、二・四倍にも上る過去最高の輸出額となっています。しかし、八代港からの輸出状況を見てみますと、昭和五十五年度七十六億円であったのが、昭和五十八年度はその約半分の四十億円に落ち込んでおります。 熊本県の輸出品目は、ICとオートバイで一千二百六十五億円に上り、輸出総額の半分を占めます。その他、磁気ヘッド、真珠、化学繊維、タンク部品、テレビ部品、人造黒鉛電極、鉄鋼、電気生産設備等の順になっています。輸出相手国はアメリカが三二%を占めトップで、あとはシンガポール、西ドイツ、香港、イギリス、中国、ギリシャ、台湾、韓国、フランスの順になっています。八代港からの輸出品目は鋼材のみで、サウジアラビア、イラク、イラン、アラブ首長国連邦、インドネシア等に輸出されています。輸入品目は原木、パルプ、飼料、砂糖、非金属鉱物等で、輸入相手国はアメリカ、オーストラリア、インドネシア、韓国、マレーシア、中国となっています。 この過去の貿易統計を見てもおわかりのように、南九州最大の国際貿易港八代港が余りにも活用されていないことがわかります。 熊本県内には、世界に誇る日本一とも言えるIC、オートバイの輸出企業があり、さらに、農機具や電気機器、電極、機械機器等の製造の企業、そしてジュースや繊維の県内産品もあらゆる外国に輸出されています。そのほとんどが門司港、神戸港を通じて輸出されていると聞きます。 流通、商社、定期便等貿易には複雑な問題があると思いますが、せっかく熊本県の重要港湾として国際貿易港の八代港を持っているわけですので、県内の輸出各企業に働きかけ、八代港の背後地の広大な臨海工業用地に、倉庫や荷物配送センター、海上、陸上の輸送企業を誘致し、工業製品、食料、繊維等輸出品目を集荷し、輸出貿易を拡大すれば、関連企業の誘致等で、県南八代地域は飛躍的な発展を遂げることは間違いないと思います。 そのためには、県、市が一体となり、国際貿易港八代港の活用を外国や県内企業に働きかけ、貿易流通港として発展させる必要があると思います。担当部の決意と対策をお聞かせいただきたいと思います。 第二に、臨港線の整備促進についてであります。 この問題も再三にわたってお願いをしているわけでありますが、さきの八代港を活用した貿易拡大の振興策に欠くことのできない重要な基幹道路であります。 高速道路の八代インターから、臨海工業用地、八代港まで一直線に伸びる幅員三十二メートル、延長八千七百メートルの産業道路であります。この臨港線ができない限り、八代臨海工業用地、八代港は全く価値がなく生かされず、企業誘致や八代港を活用した貿易拡大も進まないのではないかと思います。 昭和五十六年から県と市で分担をして事業を推進しておりますが、八代市の事業区分が中央部分の二千九百七十メ―トル、県の事業区分が両サイドの五千六百八十メートルで、八代市の事業区分は、今年度の昭和五十九年度末で千四百二十メートル、四七・八%が完成をいたします。県の事業区分は、昭和六十年度で六百六十五メートルで、この事業も用地交渉が難航して事業年度の延伸申請をしなければならないということであります。 現在の計画では、昭和六十年度末までの事業計画が完全に済んだとしても二千六百メートルで、総延長の三〇%にすぎないわけであります。臨港線の予算は今月の九月補正でも六千六百万円計上していただいています。当初予算を合わせますと、今年度の予算額は二億四千万円となったわけでありますが、担当部も大変努力していただいていることは非常にわかるわけでありますが、前項でも申し上げましたように、八代臨海工業用地の活用、八代港を活用した県南地域の振興は、八代臨港線の早期完成にすべてがかかっていると言っても過言ではないと考えます。 去る五月、八代市長を初め市議会、地元県会議員団合同で、知事に直接お会いし、整備促進の陳情を行ったところでありますが、その陳情が功を奏したのか、今回知事が発表されました「熊本・明日へのシナリオ」の重点施策の中の「活力と個性ある郷士づくり」の中に、臨港線の整備促進が強く打ち出されていることを地元議員として心から感謝を申し上げます。 一日も早く完成させるためには、何といっても予算と用地買収のスピード化が必要であります。予算は現在毎年二億程度の予算が計上され、都市局サイドの都市計画道路の予算のみで事業が進められています。松高から臨海工業用地までの農振地域も、ぜひ道路局の予算等を要求して事業計画に着手していただきたいと思います。 さらに、用途地域内では区画整理事業計画を促進し、単県費等も検討していただき、あらゆる予算を集中し、一日も早い完成を果たし県南振興の原動力にしていただきたいと思います。 そして、難問題は用地交渉だと思いますが、この用地交渉についても、県、市一体となって推進体制をつくっていただき、県の促進方をお願い申し上げたいと思います。そのためにも、五年か七年程度の期間で工事を完成するという予算等の検討も含め、事業計画を策定していただきたいと思います。 担当部の決意と今後の事業計画についてお尋ねをいたします。 第三点目は、八代地域の不況対策についてであります。 八代地域は、昭和五十七年十月、特定不況地域の指定と、紙パ、繊維業種の特定不況業種に指定され、それによって地場企業に対する緊急融資等がなされ不況対策が講じられているところでありますが、八代地域全体の経済はさらに深刻化を増しているのが現状であります。 高度成長時期に八代を支えた四大工場は、現在では、労働者が四百名近くいた日本セメントが昭和五十五年に工場閉鎖を行い、興人が昭和五十年に会社更生法の適用を受けて以来、三回の首切り合理化を行い、千三百名いた労働者が現在では六百名に減り、三楽も最高時六百名いたのが現在では二百三十名に減っています。八代の最大企業である十条も、最高時千三百名いたのが現在では八百名に減っています。 このように、四大工場のみで二千名近くの労働者が減っているのが現状であります。そして、その四大工場に関連して八代の経済を支えてきた幾多の関連下請中小企業が、四大工場の縮小合理化の影響を受け、大幅な人員整理が繰り返され、縮小されてきたわけであります。その動きが今なお関連企業には進みつつあります。 その他、八代地域の中小企業、商店が相次いで倒産をし、最近では、大型店舗のアピロス――ユニードの前身でありますが、アピロスが経営不振で今年十一月には撤退を決定しております。これによって、またもや二百名近くの労働者の雇用が奪われる状況にあります。 このような八代地域の経済の実態で、最近の雇用情勢は過去最悪の状況にあります。月間有効求職者、いわゆる完全失業者は三千名を突破し三千九十二名になり、それに対し、月間有効求人数――求人する数でありますが、年々低下をいたしておりまして九百五名になり、有効求人倍率は熊本地域の六割にも満たない〇・二七であります。まさに不況のどん底にあると言わなければなりません。 熊本県第二の都市、県南の中核都市の使命を持つ八代の地域振興策は、県全体の均衡ある発展を果たす上でも緊急かつ全県的課題であろうと思います。その具体的な地域振興策の当面の課題が、さきに述べた八代港を活用した貿易の拡大、臨港線東幹線の整備促進であり、そして特定不況地域対策であろうと思います。しかし、その特定不況地域対策でありますが、昭和五十七年に地域指定を受け、具体的法に基づく地域振興策の事業促進の取り組みが非常におくれていると言わなければなりません。 そこで、執行部にお尋ねいたしますが、特定不況地域指定の特定業種関連地域中小企業対策臨時措置法に基づく「八代・坂本地域振興指針」が本年三月にできたわけでありますが、昭和五十七年に特定不況地域指定を受けて既に二年たって、やっと不況地域の中小企業の振興を図る指針に基づいてこれからの振興を図っていかれるということでありますが、今後どのような体制で中小企業振興を図っていかれるのか、その具体的な取り組みについてお尋ねをいたします。 次に、特定不況地域の企業対策、雇用対策のために、今年四月に制定された地域雇用開発推進地域に指定されましたが、その推進会議の取り組みについて、その制度及び取り組みについての現状、また今後の計画についてお尋ねをいたします。 最後に、環境大学の誘致運動の支援についてお尋ねいたします。 この問題については、咋年九月定例議会で、地元深水議員、そして私も取り上げたわけでありますが、知事の答弁では「実現は容易ではないが、国際的シンポジウムの開催や公害防止技術研究機関の設置などあわせて検討する」と述べられています。しかし、その後、本年一月に水俣市民総ぐるみで国立環境大学を誘致しようという運動が起こり市議会でも超党派で運動推進が決議されています。そしてさらに本年七月には、市民運動の盛り上がりで、水俣市に国立環境大学を目指す「大学をつくろう市民の会」の設立総会が開催されました。その総会には、商店街を初め、市民の各層から五十六団体が参加し、保守・革新を問わない一大市民運動に発展していると言われます。しかし、会長が決まらず空席のまま現在に至っていると言われます。それも新聞の裏話では、この大学の構想を提唱したのが社会党の馬場代議士であるからだとか、あるいは社会党の選挙に利用されるとか、あるいは実現しなかった場合の責任はどうするかとか言われているということであります。これが本当なら余りにも残念なことだと思います。 地元住民は、保守・革新を問わず一大市民運動を展開してこの環境大学を実現させようという、ただ一点の取り組みであります。そのことは、水俣病問題を一日も早く根本的に解決を図り、二度とこのような公害を起こさない社会をつくり、かけがえのない地球の豊かな環境を守る、次代を担う世界の若者を育てる大学を目指し、これを通じて水俣・芦北地域の一大振興を図りたいという切なる願いであろうと思います。 地元商店街では、保守だろうが革新だろうが、是々非々主義でやってほしい。仮に実現性に乏しくても、一つの目標に向かって市民が足並みをそろえるという、貴重な経験になるはずだし、天草五橋だって本四架橋だって、最初は夢物語と言われていた。しかし、その地域の住民が粘り強い運動の力で実現したわけであるし、この水俣の環境大学も、そのように粘り強い運動を起こしていこうと頑張っておられるわけであります。 このような水俣地域のわき出るような運動の力を、水俣地域振興の核にしながら、県としても、県南特に水俣地域の振興の一つの課題として、積極的に支援をし、取り組む時期ではないかと思いますが、知事の決意なりお考えをお尋ねいたします。  〔知事細川護熙君登壇〕 ◎知事(細川護熙君) それでは、初めに環境大学の問題についてお答えをいたします。 国立の国際環境大学誘致につきましては、昨年九月あるいは本年六月の県議会では、それぞれ御質問があったところでございまして、県としての考え方は申し上げてまいったところでございます。 御指摘のとおり、国際環境大学を誘致するということは、構想としてはまことに結構なことでございまして、実現すれば水俣・芦北地域の振興の面からも大きな意義を持つものでございましようし、また、水俣市に環境大学を設立するということは、水俣病のように悲惨な公害病を二度と発生させてはならないという水俣市民の願いにこたえるものでありまして、そういう意味でも大きな意義があると考えております。 ただ、これまで繰り返し申し上げてまいりましたとおり、関係方面の壁は厚くて、今直ちに結論が出るような状況ではございませんで、水俣市でも「大学をつくろう市民の会」などが結成されているようでございますが、地元でのよりしっかりとした受けざらづくりが何よりも必要であろうかというふうに考えております。 いずれにしても、今後これをもとに根気強い取り組みを展開していくことが大事であろうというふうに思っているところでございます。 県としても、地元の盛り上がりなどもにらみながら、この構想の実現可能性につきまして、関係方面と十分協議しつつ検討を重ねてまいりたいと思います。  〔商工観光労働部長道越温君登壇〕 ◎商工観光労働部長(道越温君) 八代港を活用した貿易拡大対策についてお答えをいたします。 ただいま御指摘がありましたように、八代地域経済の基盤となっておりました大手企業が、構造的不況に見舞われまして地域が大変疲弊しておるわけでございますが、その再興を図るためには、八代港の積極的活用を進めることが大変重要であるというように考えております。 そこで、地元を初め関係機関とも連携を密にしながら、専門家の意見等も徴し、県内はもちろん九州地域の貿易関連企業に八代港などの利用促進を働きかける一方、船舶運輸企業に対しましても、その利便性をPRし、活用されるよう働きかけてまいりたいと思います。 また、国際交流の促進を図る中で、見本市や商談会の開催、貿易情報の収集等を行うほか、外国の港湾との結びつきにつきましても強化するよう検討を行う等、貿易の振興に努め、八代港の活用を図ってまいるとともに、貿易関連の企業誘致につきましても努力してまいりたいと思います。  〔土木部長福島正三君登壇〕 ◎土木部長(福島正三君) 八代臨港線の整備についてお尋ねがあったわけでございますが、御案内のとおり、この路線につきましては、昭和四十一年の九月二日都市計画決定をされたものでございまして、国道三号線を起点といたしまして市道郡築堤防線に至る延長八千六百五十メートルの道路でございます。御指摘のとおり、県南地域一帯の振興上最も重要な幹線道路の一つでございます。 その整備の進め方でございますけれども、県の方で施行予定をいたしております部分が、これはお尋ねの中にもございましたけれども、延長五千六百八十メートルでございます。市及び土地区画整理組合によりまして施行予定をしております延長が二千九百七十メートルと相なっております。 現在までの事業の進捗の状況でございますが、県といたしましては、現在都市計画の街路事業といたしまして、鹿児島本線の立体交差に関係をいたします部分、およそ延長六百七十メートル間につきまして用地の買収を行っておりまして、当面、この間の完成に全力を挙げてまいりたいというふうに存じております。 市施行の部分でございますが、これは主要地方道八代鏡宇土線から都市計画道路東幹線付近までの延長三百二十メートルにつきまして本年度中に完了する予定でございまして、残区間延長五百二十メートルにつきまして用地の買収に着手をするという予定でございます。 一方、土地区画整理事業では既に六百九十メートルの間の整備を完了しておりまして、さらに今年度中に四百十メートルの完成が新たに見込まれておるところでございます。 県道の八代鏡線から港に至ります延長三千三百十メートルの区間につきましては、これは県の道路事業で施行することといたしまして、今年度に調査に入る予定といたしております。 いずれにいたしましても、全体の完成までには相当の規模の予算を必要とします大事業でございますし、また用地の取得が最も重要な課題ともなってまいりますので、地権者を初め関係の皆様方の御理解と御協力をいただきながら、県、市、地元一体となりまして早期完成へ向けて努力をしてまいりたいと存じております。  〔商工観光労働部長道越温君登壇〕 ◎商工観光労働部長(道越温君) 八代地域は、構造的なものとはいえ、主要企業が後退し、厳しい経済環境に悩んでおられるわけでございますけれども、県土の均衡ある発展を進めていく上で、県南地域の振興を図っていくことは大変重要な課題であると考えております。 まず、御質問の八代地域の特定地域振興指針に基づく具体的な振興施策についてお答え申し上げますが、八代地域は、昭和五十七年十月、特定不況地域中小企業対策臨時措置法によりまして特定不況地域としての指定を受け、同法に基づいて認定を受けた地域内の中小企業に対し、緊急融資を行い地域経済の安定に努めてまいったところでございます。 八代地域における融資の実績は、一年二カ月の間でございますけれども、二百六十三件、三十五億二千万円に上っておりまして、かなりの成果が上がったものと考えておる次第でございます。 しかしながら、それでもなお構造的不況に陥っている業種にその経済活動を大きく依存しております中小企業におきましては、依然として事業活動の停滞から抜け出せない状況にございます。このようなことから、中小企業者の自助努力を支援する形で、さらに積極的な振興対策を講ずるため法改正が行われまして、新たに特定業種関連地域中小企業対策臨時措置法が昨年六月に施行されたところでございます。 この新しい法律に基づきまして、地域の振興の方向、目的を具体的に示すため、県においては、昨年度特定地域の指定を受けております八代・坂本地域の振興指針を策定したところでございます。 この振興指針に基づく施策の円滑な推進を図るため、地元関係者、学識経験者によります熊本県特定地域振興対策協議会を設置するとともに、八代工業振興協議会、商工団体、八代市及び周辺町村等との連携を密にいたしまして、地域内中小企業が不況から脱出し、活性化できるよう積極的な対策を進めてまいりたいと考えております。 本年度事業といたしましては、八代地域における工業の集積に着目いたしまして、地域企業の機械加工能力の充実を図るため、精密機械加工団地を建設し、あわせて産業用ロボット等の製品開発による新分野への進出や、地域産業を支える高度技術者養成事業を実施するよう指導を行ってまいりたいと考えておりますので、本年度中には、そのような成果があらわれるものと期待をいたしております。 ○議長(小材学君) 商工観光労働部長に申し上げます。予定時間が少なくなりましたので、答弁を簡潔に願います。 ◎商工観光労働部長(道越温君) (続) 次に、地域雇用開発推進会議の問題についてお答えをいたします。 労働省におきましては、雇用機会の不足している地域のうちから、モデル地域を五年間指定いたしまして、そこで地域雇用開発推進事業を実施し、その地域の実情に応じた雇用開発を進めることといたしておりますが、本年度において八代地域がその地域指定を受けたわけでございます。 まず、この地域指定を受けたことによりまして、一定の条件に基づいて雇い入れをした事業主に対しましては、被雇用者一人当たり月額二万九千円の地域雇用促進給付金が一年間支給されることになっておりますので、この地域の雇用の促進に大いに役立つものと考えております。 また、この地域における雇用開発に主体的に取り組む母体といたしまして、八代公共職業安定所を初め、関係機関によって構成されます八代地域雇用開発推進会議を設置したところでございます。 今後は、この会議を中心として当地域の雇用開発に取り組んでまいることとなるわけでございますが、今年度におきましては、地域内産業、雇用動向の把握を行うほか、関係者のコンセンサスのもとに、地域の望ましい雇用開発の方向及び関係行政機関等の具体的方策を盛り込んだ「八代地域雇用開発方針」を近く策定、公表することといたしております。 さらに、この方針に沿って雇用開発を推進するために、関係事業主をメンバーとする雇用開発懇談会も近く発足させることといたしております。 今後は、雇用開発パンフレット、雇用ガイドブックの作成等により、地域雇用開発推進事業の一層の周知を図り、当地域の雇用の安定に努力してまいりたいと考えております。  〔中島隆利君登壇〕 ◆(中島隆利君) ただいま県南振興の四点について知事を初め各部長の御答弁をいただきましたが、それぞれの課題を県南振興、特に八代地域の振興策として重要な課題として今後総力を挙げて取り組んでいくことを述べていただきまして、まず地元議員として心からお礼を申し上げたいと思います。 最後に、知事にお願いをしたいと思いますが、知事は常に県土の均衡ある発展を最大の課題としていただいています。さきの質問の中でも、知事は、県南振興を、地方の中核都市を八代市として位置づけ、その充実発展を行い、県南全地域の浮揚を図ることを述べておられます。今回「熊本・明日へのシナリオ」の重点施策の中で、県南振興の諸施策の指針も出されています。ぜひ、さきに述べました県南地域の状況を理解いただきまして、県南振興の諸課題に総力を挙げていただきますことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。 (拍手) ○議長(小材学君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明十三日は午前十時から会議を開きます。日程は、議席に配付の議事日程第五号のとおりといたします。 本日はこれをもって散会いたします。  午後二時三十一分散会...