昭和59年 9月 定例会┌──────────────────┐│ 第 四 号(九月十二日) │└──────────────────┘ 昭 和 五十九年 熊本県議会九月定例会会議録 第四号──────────────────────────昭和五十九年九月十二日(水曜日) ──────────────────── 議事日程 第四号 昭和五十九年九月十二日(水曜日)午前十時開議 第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) ────────────────────本日の会議に付した事件 日程第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について
) ―――――――○―――――――出席議員(五十四名) 前 畑 淳 治 君 野 田 将 晴 君 荒 木 詔 之 君 島 田 幸 弘 君 島 津 勇 典 君 大 西 靖 一 君 倉 重 剛 君 山 本 靖 君 中 島 絹 子 君 中 島 隆 利 君 小早川 宗一郎 君 三 浦 哲 君 藤 川 俊 夫 君 花 籠 幸 一 君 舟 津 正 光 君 西 岡 勝 成 君 阿曽田 清 君 橋 本 太 郎 君 三 角 保 之 君 岩 永 米 人 君 堀 内 常 人 君 山 本 秀 久 君 深 水 吉 彦 君 八 浪 知 行 君 杉 森 猛 夫 君 鏡 昭 二 君 高 田 昭二郎 君 古 閑 一 夫 君 大 森 豊 君 魚 住 汎 英 君 柴 田 徳 義 君 林 田 幸 治 君 広 瀬 博 美 君 馬 場 三 則 君 木 村 健 一 君 平 川 和 人 君 北 里 達之助 君 金 子 康 男 君 米 原 賢 士 君 井 上 龍 生 君 久 保 一 明 君 永 田 悦 雄 君 宮 元 玄次郎 君 甲 斐 孝 行 君 今 井 洸 君 八 木 繁 尚 君 幸 山 繁 信 君 池 田 定 行 君 小 材 学 君 岩 崎 六 郎 君 水 田 伸 三 君 今 村 来 君 小 谷 久爾夫 君 酒 井 善 為 君欠席議員(一名) 永 田 健 三 君 ────────────────────説明のため出席した者 知事 細 川 護 熙 君 出納長 山 内 新 君 総務部長 蓼 沼 朗 寿 君 企画開発部長 田 谷 廣 明 君 福祉生活部長 松 村 敏 人 君 衛生部長 清 田 幸 雄 君 公害部長 田 嶋 喜 一 君 商工観光労働 部長 道 越 温 君 農政部長 田 代 静 治 君 林務水産部長 古 閑 忠 治 君 土木部長 福 島 正 三 君
公営企業管理者 大 塚 由 成 君 教育委員会 委員長 本 田 不二郎 君 教育長 伴 正 善 君 警察本部長 浅 野 信二郎 君 人事委員会 事務局長 樋 口 清 一 君 監査委員 山 本 俊 一 君 ────────────────────
事務局職員出席者 事務局長 衛 藤 成一郎 事務局次長 錦 戸 十三夫 議事課長 小 池 敏 之
議事課長補佐 岩 井 祐二郎 調査課長補佐 兼
議事課長補佐 山 下 勝 朗 ―――――――○――――――― 午前十時三分開議
○議長(小材学君) これより本日の会議を開きます。 ―――――――○―――――――
△日程第一 一般質問
○議長(小材学君) 日程に従いまして日程第一、一般質問を行います。発言の通告があっておりますので、これより順次質問を許します。 なお、質問時間は一人九十分以内の質疑応答でありますので、さよう御承知願います。 岩永米人君。 〔
岩永米人君登壇〕 (拍手)
◆(岩永米人君) 皆さんおはようございます。自由民主党の岩永米人でございます。今回で六回目の一般質問の機会を得ることができました。先輩議員並びに同僚議員各位に心から御礼を申し上げる次第でございます。一般質問の先陣を承る光栄を心にしみながら、通告に従い順次質問をさせていただきますので、執行部におかれましては、明快なる御答弁をくださいますようによろしくお願いいたします。 それでは最初に、農政問題につき
田代農政部長に質問をいたします。 全国で栽培されている畳表の原料たるイグサの面積は、昭和五十八年産で七千七百八十ヘクタールとなっており、これからつくられる畳表が約四千万枚、花莚やござ等その他の製品が約八百万枚と推定されております。特に主産地である我が八代地方では、そのうちの二千七百万枚を生産しており
文字どおり日本一の座を占めているのであります。このことは、県御当局を初め関係諸機関の適切な指導と相まって、生産農家のたゆまぬ努力の結晶であり、厳しい産地間競争に打ちかってきた結果であります。 しかしながら、イ業を取り巻く環境は、国内景気の低迷による実質所得の減少等から、新築住宅戸数の伸び悩み、住居の洋風化に伴うじゅうたん等の普及など、イ製品の需要は極度の減退を招く一方、生産費は年ごとに高騰し、イ業農家の経営は極めて厳しい状況にあるのであります。「産地は移動する」という言葉のとおり、かつての主産地は岡山、広島両県でありましたが、熊本に定着した今日、産地が鹿児島や沖縄に移動することは絶対にない、またさせてはならない、そういう強い確信のもとに、日夜生産農家の方々は努力を重ねているところであります。 したがいまして、細川知事が提唱しておられる
日本一づくり運動の最先端を行くイ業の将来のために、今後とも県御当局の温かい御理解と適切なる御指導を賜りたいと、かように思う次第でございます。 以上を前提としながら諸問題に入らせていただきます。 まず第一は、熊本畳表の検査体制の確立についてであります。 本県の畳表検査は、熊本県
い業協同組合が、
畳表生産段階における品質、規格の管理、色調の統一を図るため、
農協イ製品市場に出荷される畳表の自主検査になっております。そこで、農協市場ではなく私設市場または自由市場、あるいは商系市場とも言いますけれども、出荷される畳表は、県
い業協同組合の検査の対象外になっておりまして、私設市場における取扱量は年間六百万枚ないし八百万枚と推定されており、ここではそれなりの検査は行われているようでございますけれども、
い業協同組合のような徹底した検査が行われておりませんので、いろいろな問題が消費地において起こっているのでございます。農協は躍起になりまして、生産者の方々に農協市場への全量出荷を呼びかけておりますけれども、いろいろな事情でこれもままならないというのが現状でございます。自由市場への出荷量が数十万枚程度ならこれは
自由主義経済社会ではいたし方のないことだとは思いますけれども、これが最大八百万枚と推定されるようでは、これは放置しておけない問題ではなかろうか、かように思うのであります。 いろいろな対応策が考えられると思いますけれども、熊本表の銘柄確立、そのためには、行政による断固とした措置が必要だと私は思いますので、農政部長の御英断を期待し、力強い御答弁を賜りたい、かように思うのであります。 それでは第二に、畳表の品質向上とその指導対策について質問をいたします。 イ業の振興を図るためには、良質なイグサ、イ製品を安定供給し、市場の信頼性を高めることがその要諦であります。それには、土壌構造の改善と耕種基準の普及徹底を図り、省力機械の適正操作の指導により、茎の損傷を防ぎ、また茎が変色しないように努めて、良質イグサの生産とその普遍化を図らなければならないのであります。農協並びに生産農家は、県当局の御指導のもとに、以上の目的を達成するために不断の努力を重ねてまいりましたけれども、最近、変退色、たるみ畳表等の問題が消費地において大きく取り上げられまして、主産地としての指導、そしてまた、その責任体制のあり方が問われているのはまことに残念でならないわけであります。 いろいろな原因があろうかと思いますけれども、こんなことを申し上げるとおしかりを受けるかもしれませんけれども、生産者の方々におけるマンネリ化に伴う生産意欲の減退、そしてまた、先行き不安に伴う手抜き等、そういうものがありはしないかと私は心配しているわけであります。 どうか、県当局におかれましては、このあたりを御賢察の上に、日本一の座を獲得することはこれは大変なことであるけれども、それ以上に大変なのは日本一の座を守り続けていくということの方がもっともっと大変なんだということを、あらゆる機会を通じて周知徹底せしめ、そのような指導対策を御教示いただきたい、かように思うのであります。 それでは、以上二点にわたりまして、農政部長の具体的な御答弁をお願いいたしたいと思います。 〔
農政部長田代静治君登壇〕
◎農政部長(田代静治君) 畳表に関しまして御質問があったわけでございます。 第一点、熊本畳表の検査体制の確立について御答弁申し上げます。 御指摘のように、「
くまもと畳表」の銘柄確立は、イ業経営の安定を図る上からも極めて重要な問題でございまして、そのためには、消費地に対し、責任ある製品の出荷体制を早急に充実すべきものと考えるわけでございます。 本県におきます畳表の検査につきましては、熊本県畳表格付条例に基づきまして、
熊本食糧事務所に検査を依頼している
日本農林規格による格付検査と、熊本県
い業協同組合が関係機関等と協議して定めた熊本県い製品規格に基づき行う自主検査並びに現在十カ所あります商系市場ごとに定めた規格によりますそれぞれの検査が実施されている現状にあるわけでございます。 現在使われている熊本県い製品規格は、
日本農林規格に準じて制定されておりますけれども、生産農家の方々におかれましては、このい製品規格に基づいた製織が行われておるわけでございまして、農協市場及び商系市場のいずれにおきましても、格付検査は同一条件で実施されることが最も望ましいことと考えるわけでございます。 しかしながら、現在の本県イ産業の実情からいたしまして、統一した検査規格で格付を行うためには、関係者の深い御理解と合意を得ることが必要でございまして、今後地道な努力の積み上げが肝要であると思うわけでございます。 したがいまして、今後とも消費地に対しまして信頼ある「
くまもと畳表」の供給基地としての地位を一層強固なものにするため、五十七年に設立されました県内の
イ業関係団体から成ります熊本県
畳表経糸対策委員会などの機能を十分生かしまして、統一した規格による検査が実現できるよう、関係市場の方々の理解と協力を得ながら積極的に対処してまいる所存でございます。 第二点、畳表の品質向上とその指導対策についてお尋ねがあったわけでございます。 良質畳表の生産を図るためには、まず良質原草の生産が基本でございますけれども、最近、古い産地を中心に耕種基準によらずに生産者の永年の経験と勘に頼った栽培による原草の品質低下あるいは畳表のたるみ、着色表等の問題が一部に発生していることにつきましては、残念ながらお説のとおりでございます。 したがいまして、栽培面におきましては、本県の気候や土壌条件に即した優良品種の育成、乾燥調製技術の向上、土づくりの
推進等耕種基準に即した基本技術の徹底について、さらに指導を強化してまいりたいと存ずるわけでございます。 また、畳表の生産につきましては、農家の方々が家内工業的に取り組んでいるところもございまして、加工技術に格差が見られます関係もありまして、品質の高位平準化を図るため、県の製織基準に基づき、染上の統一化あるいは選別基準の徹底、着色剤の使用の全面禁止、製品に対する責任体制確立のための畳表への生産者番号あるいは重量の表示等、引き続き生産者の方々に対する指導を強化してまいりたいと存ずるわけでございます。 なお、本年度は
畳表経糸対策委員会を推進母体といたしまして、産地としての責任体制と畳表の品質向上を図り、畳表としての銘柄を確立するため、優良経糸の認定による証糸の導入を進めているところでございまして、生産者の方々の意識並びに消費地での「
くまもと畳表」の評価も漸次高まりつつあるものと思っておるわけでございます。 また、新たな試みといたしまして、特選表に対する
ブランドシールの貼付並びにたるみ防止のための太番手経糸の導入に取り組むなど、品質向上に向け鋭意努力しているところでございますけれども、生産から加工に至る名実ともに日本一のイグサ生産県となるよう、関係機関、団体一体となりまして指導を強化してまいる所存でございます。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(岩永米人君) まず、堂々とした初の御答弁に非常に感銘した次第でございます。そして非常に積極的な御答弁をいただきまして、これはもう本当に生産農家の方々は意を強くしたのではなかろうか、かように思った次第でございます。どうか、本当にお言葉のとおり、これはもう四百億円という生産高を誇る畳表でございますので、今後とも積極的に諸施策を推進していただきたい、かように思う次第でございます。 それでは第三番目に、畳表の
加工促進事業について質問をいたします。
イグサ生産農家には、イグサを生産してそれを全部加工する農家、そして第二に、イグサを生産し、その一部を加工して他をほかに売却する農家、そして第三に、イグサを生産してそれを全部ほかに売却してしまう農家、大別して三つの種類があるわけであります。 ところで、東京や大阪の消費地で、一生に一度ですけれども、立派な家を新築されてそして畳屋さんに畳を注文される方は「備後表」と、かように特定をされるわけであります。ところが、確かにそれらの備後表は、岡山で生産されることは間違いないわけでございますが、その原料たるイグサというものはほとんどが我が熊本産であります。すなわち、原草を生産してその一部を売却する、また全部を売却する農家の存在によりまして、岡山の加工業者の方々が、長年の伝統と技術によって、それを備後表に仕立て上げ、これはもう十分過ぎるほどの利益を上げているわけであります。東京や大阪のみならず日本じゅうの方々がそのことをほとんど知りませんので、相変わらず、いまだに畳表の主産地は岡山、広島両県だと、かように思っているわけであります。 皆様は御存じだと思いますけれども、数ある農作物の中で、
イグサ生産作業、
加工生産作業が一番の重労働ではないかと、かように言われております。特に寒い時期にイ植え作業が行われ、一番暑い炎熱酷暑のもとでイ切り作業が行われるのであります。八代地方ではこれを称して「生きるか死ぬか」かように言っているほどであります。ちなみに、屈強な
学生アルバイトを頼みまして、どんな高給を払おうとしましても一週間も続きませんし、また
イグサ生産農家の御婦人の方々は、ほかの農作業に従事されている方方に比べまして三年あるいは五年寿命が短い、かように言われているほどであります。 そこで農協は、いかにしたらイ原草の県外流出を防ぎ現地でいかに付価価値を高めるか、この問題に腐心をしているわけであります。そのために県当局の温かい御理解のもとに、
イ業農家経営の安定を図るべく最近、熊本県
い業経営安定化基金協会を発足させ、その事業として本年度よりイ原草購入資金を農協で対応しているところであります。 しかしながら、それでもイ原草の流出の歯どめとしては大変心細く感じられますので、ほかにどのような具体案があるのか、ぜひ県御当局の御所見を、また、お考えをお聞かせいただきたいと思うのであります。 大変ここで恐縮でございますけれども、私の案を一つ申し述べさせていただきたいと思います。 なぜならば、たとえイ原草の流出が多少食いとめられましても、岡山、広島レベルの技術に到達するには相当の年数と努力が必要だと思うのであります。また、特に八代地方の生産者の方々は非常に個性が強く、それぞれがいわゆる我が家の伝統、技術というものを持っております。それはそれなりに大変立派なことではありますけれども、やはりみんなで打って一丸となって「くまもと表」の銘柄確立という大命題を追求していくためには、何と言いましても大筋の技術では一致していなければならない、かように私は思うのであります。現在、権威を持って一つの機関でそれを教授するというようなところもございませんし、またそういう権威者も余り数が多うございません。 そこで、農業試験場が八代にございます。これはまた八代支場と言っておりますけれども、それが近い将来イ業研究所に衣がえをする可能性があるわけでございますが、それをよい機会として、そのイ業研究所内に
イ業技術加工センター、これをぜひ併設していただきたい、かように思うわけであります。 県当局の御英断を心から熱望して御答弁をいただきたい、かように思う次第でございます。 それでは第四番目として、畳表の需要拡大について質問をいたします。 畳表は、我が国の住宅構造からいたしまして、これはもう絶対不可欠のものでございますけれども、昨今の住居の洋風化、代替敷物との競合、特に表がえ需要の減退など需要が減少低迷傾向にあることは、生産者の方々はもちろん
畳関連業界にとりまして容易ならざることではないかと思います。このことは、産地、消費地を問わず
建築関係等一連の量産業に携わる業界の啓蒙宣伝の不足もその一因であろうと、かように思います。 先日、私は、NHKのテレビ番組、例の
鈴木健二アナウンサーの「
クイズ面白ゼミナール」を見ておりまして大変意を強くしたことがございます。それは家を新築した場合に、たとえそれが洋風建築であったにしても、「どの部屋を畳の部屋にしたいか」と、かようなアンケートをとりましたところ、何と私の意に反しまして、第一位が「寝室」でございました。私は、多分みんなの団らんの場である「居間」ではなかろうかと、かように思っていたわけでございますが、「寝室」であったわけであります。日本人は、古来「死ぬときは畳の上で死にたい」かようにおっしゃるわけでございますけれども、その言葉が生きていたわけであります。 したがいまして、いろいろな方法で宣伝に努めますれば畳の需要拡大は私は可能だと思いますので、県当局といたしましては、どのような具体策を持っておられるか、お示しをいただきたいと思うわけであります。 民間団体としては、これはもう力の限界がございますので、何とか県御当局、行政の力強い御援助を賜りたい、かように思う次第でございますので、具体案をぜひ教えていただきたい。心からお願いをいたします。 〔
農政部長田代静治君登壇〕
◎農政部長(田代静治君) 畳表の
加工促進事業についてのお尋ねでございましたが、お答え申し上げます。 本県におきまして生産されるイグサのうち、一割強が岡山、広島等へ流出しておるのは御指摘のとおりでございます。これを県内全量加工に振り向けることは、
本県イ業農家の所得向上に大きく貢献できるものと考えるわけでございます。 したがいまして、県、市町村、関係団体が会員となり設立されました社団法人熊本県
い業経営安定基金協会におきまして、本年度から新たに
イ製品加工促進事業を設け原草購入者への利子補給に取り組んでいるところでございまして、県内加工率の向上と加工専業者の育成が図られていることは御案内のとおりであろうと思うわけでございます。 また、本年度から
農業近代化資金に県が上乗せして利子補給を行い、低利で融資します
農産物加工施設推進資金を創設いたしまして、イグサの織機を初めとする加工機械等の取得等への利活用を推進しているところでございます。 さらに、花莚等のイ製品につきましては、五十六年度からでございますけれども、イグサ新製品開発事業を実施しておりまして、技術者の養成、
ニューデザインの開発、流通対策等に取り組んでいるところでありますが、今後とも関係機関、団体等の御協力を得ながら、付加価値の向上に鋭意努力してまいりたいと考えるわけでございます。 御提案をいただいております
イグサ加工技術センターの設置につきましては、貴重な提案でございますけれども、生産者また生産団体からの強い要望もあると聞き及んでおるわけでございますけれども、試験研究機関の再編整備との関連もありまして、今後の研究課題として検討させていただきたいと存ずるわけでございます。 次に、畳表の需要拡大についてのお尋ねでございますが、最近のイ業情勢は、畳表の需要停滞等により、イ業経営を初め地域経済に及ぼす影響が極めて厳しく、新築住宅の大幅な増加による畳表の需要増が望めない現状では、畳表の張りかえ需要の促進による消費拡大が重要な課題になっておるわけでございまして、畳のよさを一般消費者に認識させ、消費拡大に結びつけるよう、県といたしましても関係機関、団体と一体となり積極的に取り組んでいるところでございます。 本年二月には、
全国産地グランドフェアが東京都で開催されまして、「ミスたたみ」による「
くまもと畳表」の製織実演を実施したところ、一般消費者の方々はもとより各報道機関の間にもかなりの話題を提供したところでございます。 このほか、大阪市で開催されました国際見本市への出展参加、あるいは先生御紹介のNHKテレビ「
クイズ面白ゼミナール」への生産者の方の出演、あるいは北陸三県畳関係業者との
消費拡大対策協議会の開催など、計画的に実施しているところでございます。 今後は、「くまもと'84農林水産博」あるいは東京都で開催されます「全国郷土特産展」、京都市で開催されます「
全国産地グランドフェア」等へ積極的に参加いたしまして、製織の実演、広報誌によるPRやパンフレットの配布などを予定しておりますけれども、また内容的にも、健康面から見た畳の効用あるいは日本古来からの敷物である畳のよさを消費者に働きかける方策等を考えるなど、いろいろな機会をとらえまして「
くまもと畳表」の需要拡大を図ってまいりたいと存じております。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(岩永米人君) 御答弁ありがとうございました。ぜひ
イグサ加工技術センター、これはもう研究課題を飛び越しまして何とか実現に向かって進んでいただきたいと、かようにお願いをいたしておきます。 それから、需要拡大のいろいろな方法を申し述べられましたけれども、やはり私は生産農家の方々が手分けしてでも東京や熊本の畳屋さんにおじゃまをして、何とか表がえを喜んでやってくださいと、そのようなやっぱり努力も必要ではないかと思います。もちろん経済連の職員の方々もそういう努力をしなければならないと思いますが、何せ東京の江戸っ子かたぎをまだ残している畳屋さんばかりでございまして、気分が向かないと、もう畳がえなんかに行かない、そしてまた、マンションなんかだったらもうせからしくてそんなところに畳がえに行くもんかと、そういう職人かたぎの方々が多いと聞いておりますので、その辺の意識革命にひとつぜひ努力していただきたいと、心からお願いをするわけでございます。 それでは農政問題を終わりまして、教育問題に移らせていただきます。 第一に、教職員住宅の積極的増設について質問いたします。 「荒れる学園、苦悩する教師」このような記事が幅をきかせている時世でございますけれども、私も二人の子供を持つ親といたしまして、この問題を何とか解決できないものかと日夜考えている者の一人でございます。私は、この問題にはいろいろな原因があると思いますけれども、やはり何といいましても、教師と生徒たちとの間に本当の心と心の触れ合い、そしてまた、教師とその保護者との間のいわゆる交流というものが欠如しているところにあると、かように思うわけであります。 国民生活の飛躍的な向上に伴いまして、高速度交通機関の発達、なかんずく自家用自動車の発達、普及には、もう目をみはる今日であります。だれもがいわゆるカーライフというものを楽しんでおりまして、これは文明社会に生きる我々にとりましては最高の恩恵ではございますけれども、それなりに弊害も出ているわけであります。 聞くところによりますと、小・中学校の先生は余りそういう方はおられないにいたしましても、高校の先生方の中には、一時間ないし二時間以上も御自分で車を運転して学校に通勤して来られる方が意外と多いということを聞き及んでおります。そのような先生方は、授業が午前八時半に開始ということになりますと、もう六時には家を出なければならない。また朝食をとるということになりますと、もう五時には起きなければならないわけであります。通勤時間帯にはもう車で道路がいっぱいになりますから、そうでないときに比べますと、恐らく運転の疲労度も倍加されまして、学校に着いたときにはもう口をきく元気もないと、そういうことではなかろうかと思うわけでございます。 このような先生方は、一日の授業が終わると、恐らく午後五時にはさっさと家に帰ってしまう、そのような繰り返しではないかと思うわけであります。これでは大変な体力の消耗でございますから、充実した中身の濃い、よい授業などできるわけがないわけであります。生徒たちに余裕をもって接するなんていうこともできないと思います。これではもちろんクラブ活動の面倒を見ることもできない。案外臨時採用の先生が一生懸命になってクラブ活動の面倒を見ていると、そういう学校がこれまた多いと聞いております。自分の受け持ち時間だけを何とか無事に務めて、できるだけ早く帰宅して自分の余暇を楽しみたいと思うのは人情であります。こういうことでは、まるで自分の生活に追われて人を教育するという崇高な使命は、どこかに吹っ飛んでいるのではないでしょうか。 言うまでもなく、教育は全人格教育でなければならないと思います。また、これは全力でやらなければならないと思います。私は断言いたしますけれども、教師はただ単なる労働者ではございません。その使命は、そしてその職責は、他の追随を許さない最高のものであると、私はかように思っております。自分の生徒たちの一生に決定的な影響を与える立場にあるわけであります。 そのような使命感なき教師は学園を去れと、かように申し上げたいと思うのであります。しかしながら、私はそのような立場の教師だけを非難する、これは一方的にすぎるのではないかと、かように思います。 そこで私は、そのような教師の方々が安心して自分たちの使命を全うできる諸条件というものを教育委員会において充足してやらなければならないと思うのであります。その一番の具体的な方策が、学校にできるだけ近いところにいわゆる教職員の住宅を増設することではなかろうか、かように思うのであります。そうすれば、車で通勤のむだな時間も節約され、無益な体力の消耗も避けることができ、それだけ教育に専念できるのであります。 かつて車が普及していないころの先生方はほとんどが徒歩で通勤をされたわけでございまして、その周りには生徒が取り囲んで、非常におもしろい話、いろんな話に花が咲いたものであります。それは生徒の成長にとりまして何とも大事な不可欠なものではないかということはこれはもう論をまたないと、かように思うわけであります。 次に、先生と保護者との交流でありますけれども、お互いに昼間働いている関係上どうしても相談したいということがありましたら、これはもう勤めが終わってからと、かようになるわけでございますが、五時に帰ってしまう先生を追いかけていくということは不可能でございますし、どうしてもそういうことで未然に防げたはずの問題も起こってしまう、そういうような結果になりがちであります。 そこで、このようなことは好ましいことではないわけでありますけれども、保護者とそして先生が、たまには軽く一杯やるということも私は許されていいのではないかと、かように思います。このような間柄になりましたら、お互いに子供の教育で協力することができ、それこそ家庭、社会、学校、三位一体となった総合教育がなされるのではなかろうかと、かように思うのであります。 以上のような理由から、ぜひ教職員住宅の増設を積極的に推進していただきたい。教育長の積極的な御所見を承りたいと思います。 それでは教育問題の第二に、高校生の退学防止対策について質問いたします。 全国の公私立高校で中途退学した生徒は、昭和五十七年度の場合約十万六千人であったそうです。これは一クラスから一人退学している割合で、公立高校では四年前に比べ三割強もふえていることが、本年一月十六日に発表された文部省の「高校中途退学者調査」で明らかにされました。退学理由も、学校生活不適応、学業不適応や進路変更など、中学段階での進路指導や高校の生活指導の不適切さをうかがわせるケースの増加が目立っているのであります。退学の理由で最も多いのは、もともと進学の意欲がなかったり勉強が嫌いだった生徒が、結局、学校になじめなかった「学校生活・学業不適応」で二一・四%、次は、何らかの事情で就職したり専修学校などに行った「進路変更」の一九・七%、三番目は「学業不振」の一八・五%、そして「問題行動」一〇・四%の順になっております。注目されますのは、三年前と比べまして「不適応」と「進路変更」が七・一%、三・三%と増加しており、三年前には退学理由のトップだった「学業不振」が五・一%減と一番ダウンしているのを初め、「問題行動」「経済的理由」「病気・けが・死亡」などが減少しているのであります。 このことにつきまして、文部省では不適応や進路変更の増加の原因として、中学校での安易な進路指導や本人の意思を無視し、世間体などから無理やり進学させる親の見えやエゴ、高校側のきめの細かい指導の欠如などを挙げておりますが、進路変更の場合、マイナス面ばかりではなく専修学校の充実など、その生徒にふさわしい生き方を選べるようになった社会的変化も無視できないとしております。 さて、退学理由の中の「問題行動」が減少しておりますことはまことに喜ばしいことではございますけれども、文部省が指摘しております不適応の原因である中学校での安易な進路指導や、高校側のきめの細かい指導の欠如について真剣に考察してみる必要があると思うのであります。 まず、中学校での安易な進路指導についてでありますが、最近の徹底した偏差値中心主義によるいわゆる輪切りの問題を、この際、私は根本的に改めなければならないのではないかと、かように思うのであります。「輪切り」という言葉には何ともわびしい語感がするのは私一人だけではないと思うわけでございますが、一個の人格を持ったそして可塑性に富む生徒たちが、「偏差値」という容赦のない一つの尺度にすぎないものによってばっさりと切られるというのは何とも悲しいことであります。先生方には大変な御苦労を伴う仕事ではございますけれども、先ほどから申し上げておりますように、教職という使命の崇高さに思いをいたし、偏差値だけで生徒の将来というものを安易に決めてしまうようなやり方は絶対にやめてほしいと、かように思う次第であります。 次に、高校側のきめの細かい指導の欠如について考察したいと思います。 普通高校の場合を考えますと、どうしても教育の中心課題が大学進学ということになってしまうのは現在の高学歴社会においてはやむを得ないことかもしれません。したがいまして、いかに大学入試で好成績を上げるかということに重点が置かれるわけでございますが、これはとりもなおさず点取り虫養成に血道を上げることになるんではないかと、かように思うのであります。勢い、いわゆるやる気のある生徒だけを相手にして、やる気のない生徒は置いてきぼりを食ってしまう、このようになるわけであります。先生方にしてみれば、やる気のある生徒だけを相手にしている方が楽でありますし、やる気のない生徒なんかに構っていられない、かように思うのもあるいは無理もないかもしれません。 しかしながら、私はやる気のある生徒たちの才能をもっともっと伸ばしてやる、そしてまた、やる気のない生徒をやる気のあるようにさせる、そしてその隠れた才能というものを引き出してやる、これが本当の教育だと思いますので、その点、本当に考えなければならないのではないかと思うのであります。 以上、二点につきまして、教育長の忌憚のない御意見を伺えれば幸いであります。 〔教育長伴正善君登壇〕
◎教育長(伴正善君) 教育問題についてお答え申し上げます。 教職員住宅の増設につきましては、教職員の通勤の実態につきまして、御指摘のとおり、遠距離通勤者が存在し、教職員の勤務の条件を整える上からも、遠距離通勤の解消策といたしましても、教職員住宅の建設を促進いたします。また、その建設に必要な用地確保が円滑に行われるよう積極的に対処してまいりたいと思います。 ちなみに現在までの建設状況を御説明申し上げますと、昭和三十八年度から逐次建設を進めてまいりまして、昭和五十八年度までに県立学校分七百七十八戸、市町村立学校分三百八十四戸の計千百六十二戸を建設し、本年度は、県立学校分二十四戸、市町村立学校分十二戸を建設する計画でございます。 なお、市町村立学校分につきましては市町村が建設することになりますが、本県教育の振興を図るための条件の整備の一環といたしまして、地域の実情に即した教職員住宅を積極的に建設されるよう関係市町村にお願いしてまいります。 御指摘のとおり、教師、生徒間の心の触れ合いと、教師、保護者間の心の通った緊密な交流が各学校において活発に行われることが最も大切であると考えられますので、そのための条件整備としての教職員住宅の建設などの施策を積極的に推進してまいります。 続きまして、高校生退学防止対策につきましては、高校生の中途退学者は、昭和三十年代前半をピークといたしまして、以来緩やかに減少し、昭和五十年代に入りますと一転して上昇カーブを描きながら今日に至っている状況でございます、本県におきましても、中途退学者は全国平均を下回ってはいるものの、近年少しずつ増加傾向にありまして、まことに憂慮すべき問題として深刻に受けとめております。 御指摘のとおり、退学を防止するためには、特に中学校の進路指導にかかわる目的意識の確立が重要でございまして、このため中学校、高等学校連携による学校説明会、実験実習を重視した体験入学などによって、志望校の選択と目的意識の確立に努めておりますが、同時に、高校入試のあり方につきましても鋭意検討を進めているところであります。 しかしながら、進路指導の核となるものは、御指摘のとおり偏差値だけでなく、本人、家庭、学校によって行われる三者面談でありまして、各中学校では、本人の意思を十分尊重しながら、再三にわたってこれを実施し、個性、能力に応じた適正な進路指導に努めているところでございますが、さらに、中学一年のときから計画的、系統的に実施するなどその充実に努めてまいります。 また、高校の問題としまして、きめ細かな指導で生徒に意欲を持たせるように、昭和五十七年度から全面的に実施された学習指導要領にのっとりまして、各高校では、特色ある教育課程の編成、基礎・基本の重視、習熟度別学習指導など、生徒の実態に即したわかる授業の創造に取り組んでまいります。さらに、勤労体験学習、集団宿泊訓練、計画的な家庭訪問等を通して、生徒が意欲を持って学ぶことができる魅力ある学校づくりに努めてまいるところであります。 希望を持って入学しました生徒が、志半ばにして学校を去ることは、学校にとっても本人や御家族にとっても甚だ残念なことでありまして、生徒一人一人を大切にし、入学させた以上は全員卒業させるという姿勢で各学校とも取り組んでいますが、今後とも御指摘の趣旨を十分踏まえまして退学防止にさらに力をいたすよう指導してまいります。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(岩永米人君) いや、もうこれほどの力強い御答弁、久しぶりに伺いまして感謝感激であります。本当にありがとうございました。どうか先生方が安心して教育に打ち込めるそういう環境というものを、教育長におかれましては、ぜひつくっていただきたい。そしてまた高校生の退学防止、これには全力を傾けていただきたい。 かつて私が大変印象に残った質問に、我が八浪議員の質問がありました。退学した生徒たちの後を追いかけろと。一体どうなっているのか、その現状に思いをいたしたときに、教師がどのようにそれを感じ、そして自分の教育のいわゆる反省の糧としてどのように活用するか、私は非常にこれはもう今でも印象に残っております。そういう意味におきまして、どうか教育長におかれましては、その積極的な御答弁を勇猛果敢に教育現場に浸透させていただきたい。心からお願いをいたします。 それでは教育問題の第三番目として、公立高校転入学について伺います。 私ごとで恐縮ですが、つい最近、宮崎県から熊本県に転勤される方のお嬢さんの転校問題を相談されまして、少なからずその問題の難しさに驚いた次第でございます。 しかしながら、本件に関しましては、関係者の方々の非常に温かい御配慮によりまして一件落着をいたしまして、心から感謝をしているところであります。そこで、本問題を取り上げたわけですが、特に本県の場合、他府県に先駆けて、この問題については真剣に取り組まなければならない、かように思うのであります。 といいますのは、本定例会の冒頭、細川知事が「熊本・明日へのシナリオ」を発表され、持論であるめり張りのある県政執行のための指針を示されましたが、そのシナリオを確実に演出していくためには、かなりの重要なかかわり合いを持った問題ではなかろうかと、かように思うからであります。 シナリオには、本県を広く、人、物、情報の活発な交流拠点とすることを目指して、流通業務団地を初めとする流通の拠点づくりについて、ハード、ソフト両面にわたり関連の施策を進めるとともに、Uターンアドハイザー制度などにより高度技術者の確保を図っていくこと、そして世界に開く技術・情報都市の実現を図ること、そして国際社会に生きるテクノポリスづくり、世界に広がる情報資源都市づくり、内外の人々が集まる国際交流都市づくりを推進するとうたってあります。 そのことは、今までにないスピードと量とで、我が熊本県にいろいろな方々が集まってくることになるわけですが、それらの方々の最大の関心事は、果たして熊本県に自分たちの子弟の教育を任せられるかどうか、そして自分たちが大都会で享受したと同じような高度な文化生活が営まれるかどうか、そしてまた、自分の余暇というものを十分に楽しめるかどうかということにあるのではないかと思うわけであります。 やはり親にとって最大の悩みは子供の教育であります。そのためにも経済的負担の比較的少ない公立高校にできるだけ容易に転入できるような措置を講ずるべきでありますが、この点についての教育長の御所見を承りたいと思います。 それでは教育問題の第四番目といたしまして、野外活動を通じての青少年の健全育成について質問をいたします。 ある新聞に、現在東京に住んでおられ、青少年交友協会の理事長であります森田勇造氏が「青少年育成に野外活動を」という一文を投稿されておりまして、それを読み我が意を得たりの感に浸ったのであります。森田氏は、野外活動を定義して「それは日常生活を健康、快活に暮らすのに必要な知恵を体得する野外での全身運動である」としておられます。そうしますと、野外活動にはスポーツ的な要素、そして娯楽的な要素、情操的な要素が含まれてくるのであります。例えば祭礼行事の遊びとして、舟こぎ、綱引き、力比べ、草相撲、みこし担ぎ、盆踊り、どんど焼き、たこ揚げ、鬼ごっこなどや、山登り、木登り、竹馬、石投げ、石けり、羽根つき、まりつき、合戦ごっこ、水遊び、遠泳、その他山菜取り、潮干狩りなどがあるわけであります。 以上のことは、戦後の教育ではむしろ古い風習として否定されがちで、国民の十分な理解を得ることができないままになっておりました。しかし、これらの野外活動はいかに文明が進みましても、人間の本質というものが変わらない限り、社会生活を営む構成員の基礎的な知恵をはぐくむための必要な教育であり、非行化防止になくてはならない人間のきずなを培うものであります。衣食住、言葉、風習、心身の鍛錬などの基礎文化は、自然環境に順応して社会生活を営むための基本であると、かように思います。これらは大変地域性が強く、親から子、子から孫へと伝承されていきます。これらを共有しないと意思の伝達が十分ではなく社会の一員となり得ないのであります。今日の発達した文明社会では上辺だけの文化がもてはやされがちであります。 私には二人の男児がおりますけれども、学校から帰宅いたしますとテレビゲームに夢中になっておった時期がございます。これじゃ大変だと思いましたので、私はその器具を隠してしまいましたけれども、こんなことをしていたんでは、人間にとって一番大事な何事にもぶつかっていくという積極性、それがどうしても身につけることができなくなるわけでございまして、こういうことは絶対によろしくない、かように思っているわけでございますが、私は、何はさておきましても、これはもう指導者の養成というものが急務ではなかろうかと、かように思います。そして、私は、もっと思い切って、小・中学校においては一カ月に一回ぐらい野外活動に割り当てるぐらいのことをやってもいいのではないか、かように思います。 青少年にとっての野外活動は、生きる意欲や喜び、知恵や情操などを実体験を通じて学び、知的欲望と体力養成を同時に満たす極めて重要な教育方法であると、かように私は思うのであります。 我が熊本県はどの府県よりも自然に恵まれております。実践の場は幾らでもあるわけであります。教育長の積極的ないろいろな施策をお示しいただきたいと思うのであります。 〔議長退席、副議長着席〕 それでは教育問題の最後に、文化財の保護について質問をいたします。 言うまでもなく、文化財というのは、絵画とか彫刻などの有形文化財だけでなく、演劇や音楽などの無形文化財及び史跡名勝、天然記念物も含まれてくるのであります。まことに残念ではございますけれども、国や県の指定を受けながら、行方がわからなくなった重要文化財や、後継者がいなくて姿を消してしまった重要民俗文化財も多数県内にあるのであります。また、保存状態が非常に悪くて傷みのひどい文化財も結構多いと、このように聞いております。 現在、私どもはテレビ文化の中にいると言っても過言ではないと思います。朝起きて一番先にするのがテレビのスイッチを入れること、そして夜寝る前にするのがテレビのスイッチを切ること、これが平均的な市民生活の実態ではなかろうかと言えば、あるいは怒られるかもしれませんけれども、そうではないかと思うのであります。これは極論すれば、まるでテレビに支配されていると言っても過言ではないわけであります。私はもちろんテレビの効用を十分認めている。そしてまた、そのありがたみを感じている者の一人でございます。いながらにして世界の出来事が手にとるようにわかるわけでありますし、また、一流のスポーツマンの試合ぶりも見ることができますし、また一流の文化、芸能人の演技も見ることができるわけでございます。 しかし、申し上げたいことは、テレビに支配されている余りほかのことに気配りができない、また、ほかのことを考える余裕もないというのではまことに情けない生活ではなかろうかと、かように思います。そこで、自分の身近なところにあるいろいろな文化財のことも少しは考えてみてその価値を再認識することも大事なことではないでしょうか。 「温故知新」すなわち「故きを温ねて新しきを知る」という言葉で、私はこれがもう大好きでございますけれども、我々は余りにも目先の現象だけにとらわれて過去を振りかえる余裕がなくなっているような気がいたします。これでは我々そのものの存在がこれはもう滅びていく運命になりはしないかと非常に心配であります。 我々の先輩から継承した文化財を我々の後輩に伝承していくことは最も大切な義務ではなかろうかと、かように思います。世間至るところ、物を豊かにすることばかりに熱中して肝心かなめの心を豊かにするということを忘れているような気がいたします。 我が熊本では二十世紀から二十一世紀にかけての大事業、テクノポリスを絶対にこれは成功させなければなりませんけれども、それと並行して文化財の保護も本当に真剣に考えていかなければならないそういう時期ではなかろうかと、かように思うのであります。 さすがは熊本と言われるような文化財の保護並びに育成行政を、元気のいい伴教育長を先頭にいたしましてぜひやっていただきたいと思うのですが、教育長さんの御意見を賜りたいと、かように思う次第でございます。 〔教育長伴正善君登壇〕
◎教育長(伴正善君) お尋ねの三点についてお答え申し上げます。 まず第一点の公立高校転入学につきましては、保護者の転勤等に伴う高等学校生徒の転入学の許可は学校教育法施行規則によりまして当該高等学校の校長が行うことになっていましたが、定員や教育課程、学力等の問題もあって必ずしも御希望に沿い得ず、これまで種々の御意見が寄せられていたところでございましたが、文部省もこの点を重視いたしまして、昭和五十九年七月二十日付で、学校教育法施行規則の一部を改正し、欠員のある場合に限らず、教育上支障がない場合には転学を許可することができることとし、支障の有無について校長の判断が円滑に行われるよう教育委員会で適切な指導を行います。 今後、さらに、転入学が弾力的な運用により円滑かつ適切に行われるよう指導してまいります。 次に、野外活動を通じての青少年育成についてでございますが、野外活動を通じまして青少年の健全育成を図ることは極めて重要なことでございまして、現在県民総スポーツ運動を推進しておりますが、その第一の柱に、自然に親しむスポーツを挙げ、野外活動の振興のための諸施策を進めているところでございます。 野外活動を教育的かつ効果的に行うためには、御指摘のとおり指導者の養成が必要でございまして、県教育委員会といたしましては、小・中・高校の教師を対象といたしました野外教育指導者講習会、青年団体や企業を対象としたキャンプ指導者講習会、少年団体の指導者やリーダーを対象といたしました講習会等を実施し、さらに市町村が行う指導者養成事業、野外活動関係団体が行う指導者養成事業にも助成し、指導者養成に努めているところでございます。 今後も、市町村や関係団体と十分連携を図りながら計画的な指導者養成を進めてまいります。 次に、小・中学生の野外活動の推進についてでございますが、このことにつきましては、県教育委員会の児童生徒教育指導の重点の中で、健全な生活態度の育成の観点から、体験的学習推進の必要性を挙げ鋭意指導しているところでございます。特に野外活動が、教師と生徒、生徒相互間の心の触れ合いを図る上からも極めて大切なことでございまして、昨年度から中学一年生を対象に、キャンプ場や少年自然の家を利用した二泊三日の中学生集団宿泊教室を実施しましたが、多くの学校で高い評価を受けている現状でございます。 そこで、本年度は対象学級を倍増いたしまして実施しておりますが、今後さらに拡充していきますとともに、文部省も野外活動の必要性を高く評価し、六十年度から諸事業を考えておりますので、これらの事業も積極的に取り入れて推進してまいりたいと考えております。 また、社会教育活動といたしましても、近年、子供会等の少年団体やPTAなどの育成団体の行事に、野外活動や伝承行事が多く実施されるなど好ましい傾向にありますので、この機運を一層助長するよう図ってまいります。 さらに、少年の野外活動の拠点となる少年自然の家も、菊池少年自然の家に加え、豊野少年自然の家が本年十月に開所しますので、それらを活用いたしまして野外活動の振興に努めてまいります。 次に、文化財の保護についてでございます。 県教育委員会といたしましては、文化財の保存と活用につきまして、無形文化財保存事業や記念物等整備事業あるいは伝統的工芸技術の保存のためのもろもろの職種の関係民俗文化調査などの施策を講じているところでございますが、御指摘のような後継者難の重要無形民俗文化財や修理を必要とする重要文化財もございまして、より一層、保存会の育成や文化財の修理など全県的視野から計画的に進めてまいります。 また、文化財の保護につきましては、それぞれの地域に所在する文化財について、自分たちの文化財という意識を持ち続けることも大切であると考えられます。 そこで、県教育委員会といたしましては、本年度から広域社会教育モデル事業の中で、広く地域の文化財を取り上げ、郷土の見直しや郷土愛を育てていくための学習を実施しております。 一方、古墳、遺跡などの文化財を保存し活用するモデル地域として、歴史的、風土的にすぐれた特性を有している菊池川流域を風土記の丘として整備し、各地の伝統芸能につきましても、その活動の活性化を図りますとともに、貴重な民俗資料、考古資料を収集、収蔵し、広く県民に公開するための考古民俗資料館の整備を図る計画でありまして、これらの施設を拠点といたしまして、県民が伝統文化に親しめる環境づくりを計画的に進めてまいります。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(岩永米人君) 教育長さんとしては初めての御答弁であったわけでございますが、まことに元気がいい頼もしい限りの御答弁でございまして、私も本当に感銘をいたしました。どうか、教育長、打って一丸となって実現のために邁進していただきたいと、心からお願いをいたします。 それでは、これまた新総務部長の蓼沼部長さんに質問をさせていただきます。 それは、県職員の方々の名札の着用について質問をするわけであります。 私は、昭和五十四年四月初当選以来、おかげさまで五年四カ月の議員生活をさせていただいておりますが、その間、沢田前知事さんを初め、多くの県職員の方々のけいがいに接し、大変適切な御指導と御鞭撻をいただいてまいったわけでございますが、心から感謝をしているところであります。 申し上げにくいことでございますけれども、大変お世話になっておりながら、まだその方の御尊名を存じていない方が少なからずおりまして、本当にこれは申し上げにくいことでございますけれども、事実でございまして、お許しをいただきたいと思うわけでございます。 私ども議員の職にある者にとりまして、何といいましても一番大事なことは、有権者の方々のお顔とお名前を真っ先に覚えると、これが一番大事なことであります。と同時に次に大事なことは、関係諸官庁の職員の方々のこれまたお顔とお名前を覚える、これが非常に大事なことでございます。そのために私は、あの手この手で苦労しているわけでございますけれども、三カ月以上もお目にかからないと、一回ぐらいお目にかかった、お名前を伺っただけではもう忘れてしまう、悲しいかなそれが現実でございまして、非常に悩んでいるわけでございます。 なぜ私がこのような問題を取り上げたかと申しますと、いろいろな場合に互いに名前を呼び合いますと、全然その親しみ、いわゆる親近感というものが違ってまいりますし、またこれは人間社会における礼儀作法ではなかろうかと、かように思うからであります。また自分の胸に名札をつけておきますと、どなたに接するときでも自然に態度がきちんとしてまいりますし、また言葉遣いもこれまた自然に丁寧になってくるのであります。 こんなことを申し上げますと、それこそおしかりを受けるかと思いますけれども、いわゆる公務員の方々、昔で言うと「お役人さん」と言われるわけですが、それらの方々は民間人から見ますと、戦前とはこれはもう雲泥の差がありますものの、やはりちょっと偉そうに見えるらしいのであります。それは、自分の名前が相手にわからなければ、多少失礼な振る舞いがあっても構わないというような気持ちがあるいはそのような態度をとらせているのかもしれません。 私は、パブリックサーバントとしての公務員、それはもうどの職種よりも最も謙虚でなければならないと、かように思いますので、自分の名前を胸に表示することによって、そのような変な誤解を受けるようなこともなくなると思いますので、このような問題を提起したわけであります。 全県庁職員の方々が、これはもうもちろん臨時採用の方も含めてでございますけれども、デザインのすぐれたプラスチック製の名札をつけるのに要する費用は、それによって得られる効果、それに比べますと、こんなものはもう本当に安いと、かように思いますので、早急にその実現方をお願いしたいと思うわけでございますが、総務部長の前向きの御所見を承りたいと思います。 〔総務部長蓼沼朗寿君登壇〕
◎総務部長(蓼沼朗寿君) お答えいたします。 本県職員の接遇関係につきましては、日ごろから職員研修等の機会をとらえその徹底を図っているところでございまして、職員も全体の奉仕者たるみずからの立場を十分に認識しながら、県民の方々に対応し、県民福祉の向上に努めているところでございます。 御提案のございました名札を着用するということにつきましては、職員提案制度による提案もございまして、現在職員の協力を得ながら実施できるよう、その準備を進めているところでございます。 名札を着用することによりまして、職員がさらに一層公務員としての自覚を持ち、日ごろの接遇におきましても、みずからを律しながら県民の方々に接するという効果が期待できるということでございます。早急に実施できるよう努力をしてまいりたいと思います。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(岩永米人君) 大変前向きの、これはもう恐らく実現されるであろうと思いますが、本当にありがとうございました。そしてまた、県庁マンとしての誇りを持って仕事をしていただくためにも、あのすぐれたデザインでありますバッジもひとつぜひつけるよう励行していただきたい、心からお願いをいたします。それに余計なことではございますけれども、「蓼沼」さんなんていう名前はなかなか読めませんので、平仮名でひとつ仮名をふっていただくのも一つの方法ではなかろうかと、かように思います。 それでは、いよいよ地元の具体的な問題について質問をさせていただきますが、まず第一に、八代郡千丁町の古閑出地区一帯の排水対策について、農政部長に質問をいたします。 八代平野土地改良事業が完成し、農道並びに用排水路が整備され、おかげさまで八代郡千丁町も以前の農地と比べて全く見違えるような美田となってまいりました。ところが、その反面、排水路の整備により、大雨洪水時には八代平野の二千数ヘクタール分の排水に加え、龍峯山北西斜面より雨水がたちどころに大鞘川へ集中するため、大鞘川流域の古閑出地区、そして文政地区一部にたちまちにして洪水になるところがあるのであります。このことにつきましては、県御当局の多大の御努力によりまして、先般総工費三十八億九千万円もの巨額を投じて大鞘樋門の大改修工事をしていただき、近隣住民受益者一同大変感謝をしているところでございます。 しかしながら、せっかく機能のすぐれた樋門を設置いただきましたものの、大雨が降れば満潮時及びからま時には当然のことながら今までと変わりなく水害を受けていることも事実でございます。私は二度にわたりこの事実を目の当たりにいたしまして、なぜ古閑出地区の方々ばかりこのような目に遭わなければならないのか、そしてその犠牲にならなければならないのかと心を痛めたものであります。これを抜本的に解決するためには、鏡町北新地地区、八代市昭和地区、そして同じく八代市の郡築地区に設置されておりますような強力排水ポンプがどうしても必要ではなかろうかと、かように思うのであります。 千丁町は、御存じのように、農業なかんずくイ業一本やりの農村地帯と言っても過言ではないのですが、その特産のイ草が将来ともに良品質を保持していくためには、いわゆる人の力で防げる被害が絶対にあってはならないと、かように思うのであります。せっかくの大鞘樋門が長年の悲願によって完成したのでありますから、この施設を活用し近隣のこのような事態を解消できますようにいろいろな御配慮をお願いしたい、心からお願いするものであります。 強力排水ポンプの設置は多額の費用がかかりまして、町単独ではどうしても対応できない問題でございますので、県御当局の力強い御助力をお願いしたいのであります。農政部長さんの積極的な御答弁をお願いいたします。 〔
農政部長田代静治君登壇〕
◎農政部長(田代静治君) 千丁町の排水対策についてお答え申し上げます。 御質問の古閑出・文政地区の排水問題につきましては、両地区の地形並びに流況等を考えます場合に、局部的な排水対策のみでは仰せのとおりその所期の目的を達成することは難しく、広域的な見地での検討が必要と考えております。 先般、完工いたしました大鞘川樋門改修事業は、農林水産省所管の海岸保全事業といたしまして地域の排水改良をも含めて、本事業で取り組める最大限の検討を行い実施したものでございます。すなわち、本来樋門は防潮せきとしての役割を主目的とするものでありますけれども、改修に当たりまして、従来の樋門十六連、延長四十一メートルのものを十五連、延長八十五メートルといたしまして排水能力の増強をも図っておるわけでございます。 しかしながら、河川水位あるいは外海水位等の自然条件から見まして、この樋門が自然排水ということもありまして、地域排水の全面的な解決には至っておらないのが現状でございます。したがいまして、本地域の排水対策を考える場合、排水機設置等を含む検討が必要でございますけれども、これに先立ちまして、沿線関係諸団体、漁業関係者の方々、河川行政等との調整が必要でございます。また、土地改良事業で実施するということになりますれば、両地区のみならず、さらに多くの方々の受益者の同意及び申請を必要とすることは御存じのとおりでございます。 県といたしましては、当地域の農業経営の安定と農産物品質の向上のためには排水改良は不可欠のものと認識しておりますが、御質問の趣旨を体しつつ、今後関係機関並びに地元関係者との協議、調整を行うなど排水対策に対処していく所存でございます。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(岩永米人君) 御答弁ありがとうございました。御答弁を伺っておりまして、これはやはり大変な問題だなと、かように思いましたけれども、しかし、被害を受ける方々があってはならないわけであります。そして人の力を本当に用いれば何とか防げるわけでございますので、どうか今後もいろいろな難問に直面されると思いますけれども、ひとつ総力を挙げてこの解決を図っていただきたい。これが執行部としてのいわゆる私は役目ではなかろうかと思いますし、また、古来から言われております、治山治水がいわゆる政治の要諦でもございますし、この点くれぐれもよろしくお願いをいたしたいと思う次第でございます。 それでは最後の質問になりましたけれども、坂本村内の県道中津道八代線の改良工事について質問をいたします。 本改良工事の促進につきましては、去る昭和五十七年六月定例会におきまして、当時の梅野部長に質問し、御答弁をいただいておりますが、残念ながら、丸二年を経過した今日、所期の目的をほとんど達成しておりませんので、申しわけありませんけれども今回も改めて質問をさせていただく次第でございます。 本路線は、坂本村中津道より球磨川右岸に沿いまして、八代市に通ずる産業、文化、経済上重要な道路でありまして、特に村の中央部を縦断している関係上、全線にわたり子供たちの通学路にもなっているのであります。 県は昭和四十五年より改良工事を実施しておりますが、特に生名子―古田間約四・七キロメートルは、クラウン、セドリック級の乗用車のいわゆる通行、これはもうとても難儀をいたしますが、そのような狭いところでございまして、ここの改良が最も重点的になされなければならないのですが、遅々として進んでいないというのが現状でございます。 したがいまして、日常生活の不便はもとより、国道二百十九号線の再三の災害発生に伴う交通どめ、あるいは盆暮れの渋滞時の迂回路として全く機能していない現状でございます。高速道路の伸長に伴い国道二百十九号線への車の流入が激しく、その渋滞と交通事故の増発は目に余るものがあります。 ちなみに、盆や暮れの帰省ラッシュ時は、三百メートルぐらいを進むのに優に一時間以上もかかる、そういう日が三、四日続くのであります。沿線住民の方々の迷惑はもとよりのこと、国家、国民経済上もこれはもうゆゆしき問題でございます。 あえて今回この問題を取り上げましたのは、新進気鋭の福島新土木部長を迎えまして、土木部内の意気も、また士気も、いやが上にも上がっておると思いますし、また住民の方々も進んで協力する体制にあると思いますので、絶好のチャンスだと私は思ったからであります。 どうか、福島新土木部長さんの初答弁でございますので、力強い御答弁を心から期待をいたしまして、再登壇をさせていただきます。 〔土木部長福島正三君登壇〕
◎土木部長(福島正三君) 八代中津道線の改良の促進につきまして、現地の実情でありますとか重要性を踏まえてのお尋ねがあったわけでございますけれども、この路線のそういった重要性なり実情というものにつきましては、県といたしましても十分認識をしておるつもりでございます。 お尋ねの中にもありましたように、現在坂本村の生名子地区から古田地区の間にかけまして、およそ七・八キロメートルの未改良区間がございますが、この双方から改築を進めてまいりまして、現在までにおよそ三・五キロメートルにつきまして整備を終えたところでございます。 お尋ねのように、この地域は、非常に急峻な山合いを球磨川が縫うように流れているところでございまして、その急峻な斜面にこの県道と国鉄の肥薩線が縫うように平行して走っておるわけでございます。そういった地形から、この道路も片側は非常な急峻な斜面で球磨川に落ちておりまして、片側は肥薩線を隔てて非常にこれもまた険しい山が迫っておると、非常に厳しい地形的な条件下にございますので、非常に工事の方も難渋をいたしておるところではございます。 しかしながら、今後も残されました四・三キロの間の整備につきまして鋭意早急に完了すべく努力を重ねてまいりたいというふうに存じております。 なお、段地区のおよそ一・一キロメートルにつきましては、建設省と道路公団及び県の工事が九州縦貫自動車道の建設の関係で非常に近接をして行われる地域になっておりまして、この辺につきましては、それぞれ三者の施行区分の協議が整いますと、地元関係者と用地交渉を進めるための調査に本年度内に入らせていただきたいというふうに存じております。 いずれにいたしましても、御承知のとおり、公共事業の抑制というのは道路予算につきましても非常に厳しいものがあるわけでございますけれども、こういった道路の基盤整備の重要性にかんがみまして、今後とも積極的な努力を続けてまいりたいというふうに存じております。 〔
岩永米人君登壇〕
◆(岩永米人君) 御答弁ありがとうございました。昭和四十五年から実施しているわけでございまして、今もう昭和五十九年でございます。大変な時間の経過があるわけでございますが、今後鋭意努力されると――鋭意というのは意を鋭くするということでございまして、非常にこれは迫力をもってやると、そのように私は理解するわけでございますが、一体どのくらいの時間を要するのか、答弁は要りませんけれども、その辺をひとつよくかみ砕いていただきまして、沿線住民の方々の不便というものに思いをいたし、本当に真剣に取り組んでいただきたいと思います。 特にこの地区は非常に住宅が密集しております。恐らく密度は坂本村内では一番ではなかろうかと、かように思いますので、どうかその点も御留意いただきまして、本当に在任中に鋭意努力をしていただきたい、心からお願いをいたします。大変失礼なことを申し上げまして恐縮でございました。 それでは時間が余りましたので、最後に要望をさせていただきます。 これは、実は私は今質問の冒頭に細川知事に問いただしたかったのでございますけれども、実は社会党の柴田議員が先般の議会で取り上げられた問題でございますので、要望に切りかえさせていただいたわけでございます。 私は、昭和五十五年九月の定例会におきまして、米の減反政策の再検討について質問をいたしましたが、今回はそれを要望にとどめておく、そういうことにさせていただきます。 なぜならば、本年の五月二十八日の熊日紙上に次のような記事を見たからであります。それは「十七年ぶりの外米輸入へ ちぐはぐ農政 農業団体の反発必至」そういう見出しに始まり、「農水省、食糧庁は二十七日までに、今年八月から九月の端境期に予想される米不足に備えて外米を輸入する方針を決め、今週中にもまず韓国と交渉を始める。主食米の不足を理由とする外米の輸入は昭和四十二年以来十七年ぶりである。」という記事でありました。余りどういうわけだか大きな記事ではございませんでしたけれども、私は、ついに来るべきものがやって来た、何て愚かなことであろうかと、言うに言われぬ怒りに体が打ち震えたものであります。 農水省は苦しい言いわけに終始いたしました。いわく、これは米の輸入ではなく韓国に貸していた米を現物で返してもらうんだ、だから、そんなに国民が騒ぎ立てる問題じゃないという、まことに我々国民をばかにした、まさに開き直った態度でありました。自分たちの無為無策、無能というものをたなに上げて涼しい顔をしておると言っては言い過ぎでありましょうか。 現在、世界の国家はアメリカとソ連を両極端に位置する国家を先頭にして、どうしたら国家の独立と安全を保持できるか。すなわち、安全保障に最大の関心を払い最大の努力をしているのであります。安全保障には大別して三つの基盤があると私は思っております。それは、まず軍事保障、エネルギー保障、そして食糧保障であります。幾ら強力な軍隊を持ち幾ら豊富なエネルギー資源を持とうとも、食糧が十分でない限り安全保障は万全でないということは言うまでもないと思います。前二者がたとえ不十分であっても食糯が十分であれば、ほかの国家との共同歩調をとることによって国の安全と独立が保たれる、かように私は思うのであります。 そのような観点から私は常に食糧の備蓄の必要性を訴えてまいりました。したがいまして、食糧供給基地としての揺るぎない地位を自他ともに認められております熊本県が国に対し、その減反政策の根本的な再検討をするように強くあらゆる機会を通じて訴えていただきたいのであります。熊本県は保守の雄県であり有数の農業県であります。食糧問題に関する発言、行動にはまさに万金の重みがあるのであります。どうか、ほかの他府県に先駆けまして国家百年の大計を誤らしめないように、政府に対して今後とも積極的に働きかけてほしいのであります。 ちなみに、米はもみのまま数あるあの山の中腹をくりぬいて保存しますならば、味も変わらず相当長い年月保存できるそうであります。私は一歩進めて県独自の備蓄制度を検討する必要があるのではないか、そしてまたそのような時期が本当に到来したのではないか、かように思うのであります。 執行部の御英断を期待し、これは要望とさせていただく次第でございます。 きょうは、できるだけ大きな声を出さずにやろうと思いましたけれども、ついつい大きな声を出しまして大変聞き苦しいところがあったと思いますが、お許しをいただきたいと思います。 これをもって六回目の一般質問を終わらせていただくわけでございますが、長い間、先輩各位また同僚議員各位におかれましては御清聴いただき本当にありがとうございました。どうか執行部の方々、今後とも鋭意この解決に向かってひとつ努力くださいますように心から期待をし、お願いをいたしまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 (拍手)
○副議長(米原賢士君) 昼食のため午後一時まで休憩いたします。 午前十一時二十五分休憩 ―――――――○――――――― 午後一時一分開議